衆議院

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第4号 平成21年2月24日(火曜日)

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平成二十一年二月二十四日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 赤松 正雄君

   理事 秋葉 賢也君 理事 実川 幸夫君

   理事 玉沢徳一郎君 理事 林田  彪君

   理事 森山  裕君 理事 黄川田 徹君

   理事 原口 一博君 理事 谷口 隆義君

      今井  宏君    遠藤 宣彦君

      小川 友一君    小野 次郎君

      亀岡 偉民君    川崎 二郎君

      坂本 哲志君    鈴木 淳司君

      関  芳弘君    薗浦健太郎君

      田中 良生君    谷  公一君

      土屋 正忠君    土井  亨君

      永岡 桂子君    長島 忠美君

      西本 勝子君    葉梨 康弘君

      橋本  岳君    平口  洋君

      福井  照君    古屋 圭司君

      松本 文明君    渡部  篤君

      小川 淳也君    逢坂 誠二君

      小平 忠正君    田嶋  要君

      寺田  学君    福田 昭夫君

      松野 頼久君    森本 哲生君

      伊藤  渉君    塩川 鉄也君

      重野 安正君    亀井 久興君

    …………………………………

   総務大臣         鳩山 邦夫君

   総務副大臣        石崎  岳君

   総務副大臣        倉田 雅年君

   総務大臣政務官      坂本 哲志君

   総務大臣政務官      鈴木 淳司君

   総務大臣政務官      中村 博彦君

   政府参考人

   (内閣官房郵政民営化推進室長)          振角 秀行君

   政府参考人

   (総務省自治行政局公務員部長)          松永 邦男君

   政府参考人

   (総務省自治財政局長)  久保 信保君

   政府参考人

   (総務省自治税務局長)  河野  栄君

   政府参考人

   (総務省情報流通行政局郵政行政部長)       吉良 裕臣君

   政府参考人

   (財務省理財局次長)   桑原 茂裕君

   政府参考人

   (国税庁調査査察部長)  岡本 榮一君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           榮畑  潤君

   参考人

   (日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長)    西川 善文君

   参考人

   (日本郵政株式会社専務執行役)          米澤 友宏君

   参考人

   (日本郵政株式会社専務執行役)          佐々木英治君

   参考人

   (日本郵政株式会社常務執行役)          藤本 栄助君

   参考人

   (日本郵政株式会社常務執行役)          伊東 敏朗君

   参考人

   (日本郵政株式会社執行役)            寺崎 由起君

   総務委員会専門員     伊藤 孝一君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十四日

 辞任         補欠選任

  今井  宏君     小野 次郎君

  萩原 誠司君     長島 忠美君

  平口  洋君     西本 勝子君

  渡部  篤君     亀岡 偉民君

  逢坂 誠二君     松野 頼久君

同日

 辞任         補欠選任

  小野 次郎君     今井  宏君

  亀岡 偉民君     渡部  篤君

  長島 忠美君     永岡 桂子君

  西本 勝子君     平口  洋君

  松野 頼久君     逢坂 誠二君

同日

 辞任         補欠選任

  永岡 桂子君     萩原 誠司君

    ―――――――――――――

二月二十四日

 成田国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一二号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一〇号)

 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一一号)

 地方自治及び地方税財政に関する件(平成二十一年度地方財政計画)

 行政機構及びその運営、公務員の制度及び給与並びに恩給、地方自治及び地方税財政、情報通信及び電波、郵政事業並びに消防に関する件


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     ――――◇―――――

赤松委員長 これより会議を開きます。

 行政機構及びその運営に関する件、公務員の制度及び給与並びに恩給に関する件、地方自治及び地方税財政に関する件、情報通信及び電波に関する件、郵政事業に関する件及び消防に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、参考人として日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長西川善文君、専務執行役米澤友宏君、専務執行役佐々木英治君、常務執行役藤本栄助君、常務執行役伊東敏朗君及び執行役寺崎由起君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房郵政民営化推進室長振角秀行君、総務省自治行政局公務員部長松永邦男君、自治財政局長久保信保君、自治税務局長河野栄君、情報流通行政局郵政行政部長吉良裕臣君、財務省理財局次長桑原茂裕君、国税庁調査査察部長岡本榮一君及び厚生労働省大臣官房審議官榮畑潤君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

赤松委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松野頼久君。

松野(頼)委員 先日に引き続きまして、また、当委員会にてこうして質疑の時間をいただきましたことに心から感謝を申し上げます。

 前回、郵政公社が過去に売却をした赤坂の物件の入札状況を伺いましたところ、日本郵政の方から、入札の条件が違ったんだという答弁がありました。

 この件について再度伺いたいと思うんですが、以前、私どもにいただいたペーパーでは、赤坂の物件をリーテックという会社が落としたことになっておりました。ただ、謄本を見てみましたところ、G7―1なる会社が落札をしていたということが判明いたしました。これはなぜそういうふうに入札の条件が変わったのか、もう一回御説明いただけますでしょうか。

藤本参考人 お答えいたします。

 先日お示しいただきました登記簿によりますと、リーテックが第一次の譲渡先ということでございました。これを確認いたしましたところ、所有権の移転先に有限会社G7―1と記載すべきところを株式会社リーテックと誤って記載したところでございまして、このような誤りによりまして委員会運営に大きな御迷惑をおかけしておりまして、まことに申しわけなく思っておるわけでございます。

 いずれにいたしましても、担当者でありますとか、それをチェックすべき立場の者のミスでございまして、今後、こういうことのないように注意いたしたいと思っております。

 そのほかのリーテック関係の記述がございますが、あわせて、リーテックが登記の移転先であるのか、あるいはG7―1であるかは、今確認中でございます。ただ……(発言する者あり)それが間違いでございました。転記ミスでございます。申しわけございません。

松野(頼)委員 書き間違えでございましたという話ですか。(藤本参考人「はい」と呼ぶ)そんなばかな話があるわけないじゃないですか。一体どういうことなんですか。当時の入札の書類を見ればわかるはずでしょう。

 先日私のところに説明をいただいたのでは、リーテックは今回の入札からおりたんですという説明だったんですけれども、もう一回そこを答えてください。

藤本参考人 では、その点をあわせてお答えいたします。

 リーテックがバルクの入札の共同購入者から辞退をしたという件でございます。

 今回のバルク売却の競争入札参加申請者というのは、共同購入者が辞退届を出して辞退するということが認められておるわけでございます。そういうことで、リーテックは本件バルク売却の入札から辞退をいたしております。その点は事実でございます。

 ただ、今御指摘いただきましたG7―1、これはSPCでございますけれども、共同購入者に含まれてございまして、登記簿を確認いたしますと、共同購入者の中のG7―1がこの不動産を取得して移転登記を得ておるということが事実でございます。それから、G7―1からリーテックにさらに移転をされた、こういうことでございます。

松野(頼)委員 では、G7―1からリーテックに所有権移転がされたから、それを書き間違えたということですか。

藤本参考人 いや、そういうことではございません。

 リーテックがG7―1から移転を受けたということでその誤記をしたかどうかということは、ちょっと経過は不明でございますけれども、リーテックがG7―1の出資者でございます。これは、出資者である関係上、頭に残っておって誤記をしたということも考えられるわけでございますけれども、よく事実関係はわかりません。

 いずれにせよ、今回間違えたというよりも、以前からそういう記述が誤っておりまして、今回、資料をお出しするときにそれをそのまま引用して間違ったというのが事実関係でございますが、一番最初にどういうふうな経過で間違ったかということは、残念ながら明らかではございませんでした。

松野(頼)委員 今の答弁を聞いてもよくわからないんですけれども。

 では、もう一つ、お配りした資料の1をごらんください。丸がついてあります横浜戸塚町社宅用地、これもリーテックが平成十八年三月六日に落としたという記述があります。

 これを一枚めくっていただきますと、謄本がついております。リーテックというふうに僕らのところには出していただいているんですけれども、今度は、G7―1ではなくて、リクルートコスモスが百分の六十五、G7―2が百分の三十五、日本郵政から買っているんですね。

 これは何で間違えたんですか。同じリーテックという表示で私どものところには出ているんですよ。今、G7―1とリーテックが何か同じ表示だったから書き間違えたんだということですけれども、今度はまた違うんですよ。G7―2とリクルートコスモス、共同所有で所有権が移っている物件もリーテックと書いてあるんですね。これを御説明ください。

藤本参考人 先日、先生が配られました資料、移転登記の関係でございますけれども、それを見まして、現在リーテックと記述されておりますものが、実際、リーテックが第一次的に所有権の移転登記を受けたのか、あるいはその他の者が移転登記を受けたのかにつきましては、今調査中でございまして、本件につきまして、いずれが正当であるかというのは、この登記簿を見る限りにおいてはリクルートコスモスとG7―2でありますが、間違えていたということではなかろうかと思います、これを見る限りにおきましては。

松野(頼)委員 そんなのは当時の入札の記録を見ればわかるはずじゃないですか。それを鋭意調査中だと言われても、これはとても質問できないですよ。

 今ちょっと待っているから、ちゃんと確認してくださいよ。簡単な話じゃないですか、そんなのは。

藤本参考人 御説明申し上げます。

 繰り返しになるのでございますが、リーテックというふうに記述されてございますが、それは誤りである可能性もございますので、今すべて総当たり的に調べているところでございますが、今、現状で、これはこうであるということをすべて調べ切っておりませんので、申しわけなく思っております。(発言する者あり)

赤松委員長 では、速記をとめて。

    〔速記中止〕

赤松委員長 速記を起こしてください。

 日本郵政株式会社藤本常務執行役。

藤本参考人 言葉足らずで申しわけございませんでした。

 十七年度の百八十六件のバルク売却でございますが、契約の相手方はあくまでもリクルートコスモスを代表といたします六社の共同グループでございます。契約書だけを見ても、それが最終、どこの会社に所有権移転をしたかというのは、それだけではわかりませんで、実際に移転登記を確認しなければいけないということでございます。契約書そのものからはわからないということでございまして、今それを調べているということでございます。

 契約の相手先はあくまでも六社の共同体でございます。そのうちのどの社、あるいはそれ以外のどの社にこれが移転したかということについては、次にG7―1にそれが移転したかどうかということについては、契約書そのものからはわからないということでございます。

 もうちょっと言いますと、一たんこの六社連名で、例えば甲と乙の契約でございますけれども、乙が六人いるのであれば、乙一から乙六までの契約書になってございます。それは一括のバルク売りについての契約でございまして、例えばAという不動産が乙の一なのか乙の二なのかということにつきましては、そのグループの中で相談されまして、どの会社がそれを引き受けるかを決定されて、それについて最終の帰属が決まるわけでございまして、それは移転登記で確認するしかないということでございます。

松野(頼)委員 全く意味がわからない。

 大臣はわかりましたか、今の説明で。

鳩山国務大臣 わかりません。

 六社グループにバルク売却を郵政公社がしたわけでしょう。その六社が恐らく相談して、どこはどこと決めていったんだろう。今の松野先生の話によれば、私も見ましたが、リクルートコスモス六五%、それからG7―2三五%という共有にしたものもあるんでしょう。

 少なくとも、国民の財産を公社が売って、だれが所有したか、どこに所有権が移ったか、六社のまとまったグループだったからわからないなどというのは、極めて無責任としか言いようがないと思います。

松野(頼)委員 これは大臣にお願いをしたいんですが、総務省が、今回オリックスに七十数物件を売却しようとしていた部分の調査を今されていると思うんですけれども、その前にも百七十数物件、百八十数物件、六十物件と三回売却をしているんですね。今私が取り上げているのはそうなんです。ぜひここの部分もしっかり調査をしていただきたいと思うんですが、御答弁いただけないでしょうか。

鳩山国務大臣 ちょっと、よく検討いたしますが、できる限り調査をしたいと思います。

 結局、公社時代のことと現在の日本郵政株式会社との関係があって、私は、現在の日本郵政株式会社に対する監督権限があり、報告徴求ができるということで、この間の一件、かんぽの宿の件については報告徴求をしたわけでございますが、郵政公社時代の売却等について強制権限があるのかどうかも含めて検討させてください、できる限り明らかにする責任もあると思っておりますから。

松野(頼)委員 もう一点、入札について伺いますが、入札をするに当たってその六社が、リーテックさんがおりたんですよね。入札に当たって、普通、不動産の売買というのは、買い付け証明をまずとる、資金証明をとる。要は、その買うであろう会社が本当にそれだけのお金を用意できるのかということを、現金ならば預金証明、現金じゃない、融資ならば金融機関とともに資金証明というのを不動産の売却のときにはとるのが当たり前の話なんですけれども、今回の入札に当たって、日本郵政並びに当時の公社は資金証明というのをとられましたでしょうか。

藤本参考人 お答えいたします。

 一括売却のような売買で買い付け証明あるいは資金証明をとるのかどうかという点でございますが、今回の一括売却に際しまして、買い付け証明あるいは資金証明はとってございません。

 ただ、このバルクの売却に当たりましては、共同購入者の構成員のいずれかが過去五年以内に日本国内で、一契約一法人といたしまして、十六年度、十七年度におきましては百億円、十八年度におきましては五十億円以上の不動産の購入実績があるかどうかということを確認いたしまして、そのことをもちまして購入者側の資金力、信用力を判断いたしているところでございます。

松野(頼)委員 不動産の売買は、一件で百億というのは簡単にあるんですよ。一回だけ百億の取引をしたからといって、今回のバルクの資金を用意できるかどうかというのはわからないはずなんですよ。なぜそれをとらないんですか。もう一回答えてください。

藤本参考人 買い付け証明あるいは資金証明をとらないで履行が担保できるのかという話であろうかと思います。

 一般的に、日本郵政におきましては、買い付け証明、資金証明をとっておりませんで、ただ、担保する方法としてこういうことがございます。競争入札の参加申請書の提出を受けまして、入札保証金及び契約保証金を納入する定めとなってございまして、そのことをもちまして担保するということでございます。

 入札保証金でございますけれども、入札金額の〇・五%以上を現金または小切手により入札開始までに納付するということでございまして、契約を締結しない場合にはこれを没収されることになってございます。

 それから、いま一つ、契約保証金というのがございます。契約締結時に契約金額の五・〇%に相当する金額を現金または小切手により納付するということでございまして、これも期日までに代金を納入しない場合は没収するということになってございまして、このことをもちまして履行を担保している、そういう認識でございます。

松野(頼)委員 多分、不動産売買を経験された方は、今の答えを聞いて驚かれるのではないかと思います。

 〇・五%最初の準備金が用意できれば、残り九九・五%の支払いがなぜ可能だとわかるんですか。もし不特定多数の会社を相手にしていれば、この会社が支払い能力があるのかないのかというのは、当然、資金証明をとらなきゃわからないはずじゃないですか。金融機関がちゃんと融資しますよとか、預金の残高証明が金融機関名でありますよとかいうことがなければ、まず入札に手を挙げる段階で、少なくともそれがない会社は入札に手を挙げさせないというのが当たり前の話じゃないですか。

 今おっしゃった契約締結時に五%、残り九五%の支払い能力があるかどうかわからないじゃないですか。もう一回答えてください。

藤本参考人 先ほどお話を申し上げましたように、過去の購入実績と入札保証金、契約保証金をあわせて契約の履行を担保している、そういう認識でございます。

松野(頼)委員 では、逆に伺います。

 今の条件で、なぜこの会社が残りの九五%なり九九・五%の支払い能力があるというふうに判断されるのか、御説明ください。

藤本参考人 先ほど申し上げましたように、入札保証金あるいは契約保証金は、これを払った場合におきましては、契約を締結しない場合あるいは期日までに代金を納入しない場合は没収するというかなり強い強制力を有しておる、こう考えておる次第でございます。(発言する者あり)

赤松委員長 日本郵政藤本常務執行役。さらにわかりやすく、同じ答弁を繰り返すのではなくて、答弁してください。

藤本参考人 入札保証金と契約保証金の意味につきましては、今御説明したとおりでございますが、これは契約でございますので、当然、契約が履行されない場合は、契約の解除になるわけでございまして、不動産の移転ができなかった、そういう結果になるわけでございます。

松野(頼)委員 今の説明ではとても、通常の不動産の売買でも契約時に一〇%の頭金というのは入れるんですよ。その頭金は、もし残りの九〇%が支払えなければ当然返ってこないんですね、民間の契約でも。そんなのは当たり前の話ですよ。それを五%にしているわけでしょう。

 そうじゃなくて、〇・五%のまず最初の資金、そして五%の締結時の資金をもって、なぜ残り九五%が着実に履行されるのか、ファイナンスが担保できるのか御説明いただきたいということをお願いしているので、もう一回説明してください。

藤本参考人 入札保証金、契約保証金を取っておりますので、契約が締結されなかった場合には契約が解除される、これは当たり前のことでございますけれども、そのことによりまして契約が成立しなくなるということでございます。

 ですから、こういう強制力をもちまして契約の履行を担保するということでございます。それ以上のことではございません。(発言する者あり)

赤松委員長 では、速記をとめてください。

    〔速記中止〕

赤松委員長 速記を起こしてください。

 それでは、松野頼久君。

松野(頼)委員 今の話を聞いても、一体どういう入札がされたのかというのが非常に不明朗なので、今、原口理事から要求した資料を出していただきたいと思いますが、御答弁いただけますでしょうか。

藤本参考人 お答えいたします。

 まず、バルク入札を決めました際の意思決定の証跡、文書でございます、それが一つでございます。それと、入札の際の値入れをした札、各グループのもの、これをお出しします。それから、最終、その十一のうちの一グループが落札をしているわけでございますが、そのグループの契約書、これをお出しいたします。そういうことでございます。(松野(頼)委員「固定資産税納付書」と呼ぶ)それも、固定資産税はちょっと、固定資産税としては払っておったわけでございますけれども、取引に係る税というのはないようでございます。それも経過をすべて明らかにしてお出しいたします。

 要するに、公社でございますので、取引に係る税は……(松野(頼)委員「払っているんですか」と呼ぶ)固定資産税としては払っているんですが、取引に関して公社が払ったかどうかというと、違うわけでございます。その点につきましては、法律の関係でございますから、払ったか払わないかもすべて明らかにしてお出しいたします。

松野(頼)委員 ぜひお取り計らいを委員長もよろしくお願いいたします。

 では、質疑を続行いたします。

 資料の六枚目をごらんください。その一番上、旧熊本簡易保険診療所跡地、これも売却をされております。売却額九千七百四十万三千円、CAM6というところに売却をされております。

 その謄本をとってみました。九千五百万で売却をして、たしか評価額が八千五百万ぐらいの鑑定評価がついていたと思うんですけれども、それが平成十七年三月二十九日に売買ということですね、有限会社CAM6。同じ平成十七年三月二十九日に、資料の8の部分の謄本、二十八億円の極度額が設定されております。これは権利者がCAM6とオリックスということで、二十八億の極度額が設定されている。

 八千五百万で評価をされて九千何百万で売却をしたものが、なぜ二十八億も極度額が設定されるのか。果たしてこの物件の適正な価格は、一体この九千数百万で売ったことが適正な価格だったのか。ちょっとお答えいただけますでしょうか。

藤本参考人 お答えいたします。

 旧熊本簡易保険診療所の跡地の件でございますが、簿価は一億一千八百万でございました。その鑑定額が八千百五十一万円でございます。資料にございますこれは購入者の評価額でございませんで、実際バルクで売却しておりますので、会計処理上、個々の物件を幾らとして不動産の台帳から落とすかというような処理がございまして、決算処理に当たって、すべての物件の額を売却額で案分した額がこの額でございます。その数字がここにございます九千七百万でございます。

 それで、今お話がございましたのは、この登記を見ると、二十八億何がしかの極度額を持つ根抵当権が設定されているという話でございました。私どもの簿価が一億円強、鑑定評価額が八千万ということでございまして、なぜこれに二十八億の極度額の担保権が設定されているかという御趣旨であろうかと思いますけれども、二十八億の極度額が設定されていることが直ちに、この物件が二十八億円の価値があったかどうかは、私どもつまびらかにいたしません。

松野(頼)委員 だから、資金証明をとれば、どこの金融機関がどういう形で資金を融通しようとしているのかというのが本来わかるはずなんですよ。それをとっていないから、一体どこの金融機関がどういう形で融資をするかどうかわからないままに売却をしているんじゃないですか。

 もう時間がありませんので、最後に大臣にお伺いをいたします。

 前回、大臣と議論をさせていただいたときに、増田総務大臣から鳩山総務大臣にまさに移行期に、日本郵政から事業変更の申請というのが出されております。今はそのままになっております。ということは、平成二十年度内にかんぽの宿の物件を売却するという事業内容を今申請している状態であります。そうですね。ですから、大臣、今のままでいくと、要は、今回中断をされた、凍結をされたラフレさいたまを含んだ七十数物件は二十年度内に売却をしなければいけないという事業の申請をされているんです、大臣は今。

 この申請の変更をするべく日本郵政に対して要求されるか、何らかの形で一回大臣が認可をされた事業内容の申請を変更させなければ、そのまま二十年度内にすべての物件を売却しなければいけないということを認可されているんです、今。大臣、どういう形でこれは対処されますでしょうか。

鳩山国務大臣 この間、松野委員とのやりとりにありました、九月三十日付で認可をした日本郵政株式会社の平成二十年度の事業計画の変更申請でございます。その点については私の不明をおわび申し上げたわけでありますが、もちろん、一括譲渡というようなことが書いてあるわけではありません。平成二十年度中にかんぽの宿等の売却をしたいという計画でございます。

 ですから、そこで二十年度中に売却をしなければならないという義務が発生しているわけではないと思いますが、やはり中身について私自身が不適当だと申し上げているわけでありますから、事務的にどういう形をとったらいいのか、ちょっと調査させてください。

松野(頼)委員 今のままですと、二十年度中ということは、あともう一カ月ちょっとしかありませんので、これはしっかりもう一度精査をしていただいて、どういう事務的な手続になるのかわかりませんけれども、不動産が一番下落をしているこのときに何も売り急ぐことはありません。そこのところはしっかり、事務的な部分でもう一度再変更するというようなことをぜひ考えていただきたいと思います。

 きょうは、委員長初め各党の皆さんに、こうしてお時間をいただいたことに心から御礼を申し上げますとともに、先ほどお願いをした資料、その現物のまま一度提出していただきますことをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

赤松委員長 次に、小平忠正君。

小平委員 おはようございます。民主党の小平忠正です。

 大臣には、総務大臣という要職で日々頑張っていらっしゃること、かつて同じ党で頑張った当時を思い起こして、御健闘をまず心から御期待申し上げます。

 今、松野委員からかんぽの宿についていろいろと質問がありましたが、私は、今この話を聞いておりましてつくづく思うことは、この資料等も見て皆さんもおわかりのように、こういう売却問題でいろいろな不正というか、不条理というか、不明朗な点が、平成十七年、ちょうど郵政民営化問題が起きまして、公社からいよいよ株式会社に移行する、その移行期に、いわゆるどさくさに紛れてこういうことを処理しよう、こんなことでなかったかと振り返って見ております。

 要は、今一番憤慨しているのは、国民と現場で働く郵政省の職員ですよ、よく言われてきましたユニバーサルサービスを通じて。こんなことが起きて、結局、郵政民営化ということじゃなくて、このような不条理が上部で行われた。これに対してしっかりと糾弾をし、見直しをすることが、振り返ってみて一番大事だ、私はこう思うのであります。

 そういう中で、先般、麻生総理は自分は民営化に反対だったと言われたようでありますけれども、大臣は、郵政民営化をどのように思われているのか。本当に賛成だったのか。もし賛成だったら、その理由を改めてお聞きしたいと思うんです。まずその点をお聞きいたします。

鳩山国務大臣 前にもこの委員会でお話をしたことがあるかと思いますが、あの郵政民営化という大変大きな改革については、与党の議員の皆様方もそれぞれに思いがあったと思います。

 私も、これはどういうことになるのかと思いまして、非常に迷ったわけでございます。ですが、小さくて効率的な政府をつくるという行政改革という観点、官から民へという一つの流れをつくるということ、それから民営化されて新しく自由な経営をしていく中で発展が図れるのかな、あるいはサービスの向上というのもあるのかなというふうに思いまして、最終的には、私は、迷いはありましたけれども、それを断ち切って賛成というふうにみずから心に決めて、賛成をいたしました。

 ただ、最後まで心配であったことは、明治以降、国民みんなでつくり上げた郵政という、一つの組織というよりは文化というものがありはしないかと。例えば「私は貝になりたい」という、フランキー堺さんが当時主演して、日本じゅうが静まり返ったという名作がありましたけれども、あれは高知県の話だったかと思いますが、やはり地域の共同体のど真ん中に郵便局長さんがおられて、しばしばそのドラマで登場しておったのを明確に覚えている。

 そういうことを考えて、ドライになり過ぎて、日本人のせっかくのウエットな、共生する文化というのか、あるいは地域共同体の非常にしとやかな文化というのか、これに悪影響がなければいいなということは最後まで懸念をしていたところでございます。

小平委員 賛成した理由、苦渋を今述べられましたが、非常に複雑な思いがあることはお察し申し上げます。

 そこで、今大臣が言われた日本の文化という、確かに長い歴史の中で日本人の地域社会にしっかり根づいた大きな社会資本ですよね、それがこうなってしまった。今言われた効率化ということを、当時小泉さんがおっしゃった。

 よく例えて言うんですけれども、今総務省は、各自治体に向かって市町村合併を勧めていますよね。なかなかうまくいきません。しかし、合体することによっての効率化。今回の郵政民営化は、逆にそれを分散しようとしている。逆の方向に行ったわけですね。

 しかも、その中で得た結果が効率的になっているかということを思い起こすと、例えば窓口は、普通局、特定局含めて地元の郵便局ですね、そこに利用者が来る。郵便もしかり。また、郵貯、簡保も。しかし、今その中で職員が働いている一番大きなのは郵便事業、郵便局ですね、約二十二万人。しかし、利益は、一番もうかっている会社は郵貯ですよね。約三分の二ですか、利益を上げている。そして、窓口会社は委託でもってやっている。でも、実際に民営化した会社であるならば、郵便事業も郵便局も、もうからなかったら将来的には大変なことですよね。そのときに、窓口は委託を受けて運営している。非常に不自然な状況なんですよね。だったら、すっきりとした方がいいと私は思うんですけれども、こういう中で非常に不条理な状況が今続いている。まだもっともっと理由はありますけれども、端的に申し上げました。

 そういう中で、大臣は、四分社化の見直しについてはどのように今後進めていきたいのか、そのお考えをあわせてお聞きしたいと思います。

鳩山国務大臣 郵政民営化という大改革の中で結果として光と影があるわけでありまして、大きな改革には当然影が伴うわけですから、そのマイナスの部分、影の部分を最小化していくために努力をするのが私の役割だと考えております。

 そうした中で、現在、四分社化ということについて私の確定した考え方があるわけではありませんが、郵政民営化の見直しの中には、その分社化形態についてもテーマとして入ってくるというふうに考えておりまして、現実に郵便局長さんたちが集荷ができないとか、郵便配達の方、つまり事業会社の方が、昔でいう貯金あるいは簡易保険のお金を預かることができないとか、あるいは今の計画どおり行った場合、金融二社も基本的にはユニバーサルサービスが続く必要があると思うわけですが、十年たった後にどうなるか、移行期間が終わった後にどうなるかという不安がございます。

 要するに、局会社に対して十年間は郵貯も簡保も代理業務を委託することになっていると思いますけれども、それが切れた場合にどうなるかとか、幾つかの懸念がございますので、およそ郵政公社に戻すということはあり得ないし、郵政事業庁に戻すということもあり得ないし、かつての郵政省に戻すこともあり得ませんが、それ以外はすべて見直しの対象範囲であると考えております。そしてまた、郵政民営化委員会が三年ごとというので、最初の見解が出てまいるのが三月末だと思いますので、それを大いに参考にいたします。

小平委員 大臣おっしゃるとおりで、私も同感であります。

 今、十年ということを言われましたが、そういう状況でありますが、私も現場でいろいろな御意見を聞いて感じるところは、実際に働いている多くの方は郵便事業、郵便局ですよね、しかし、そこはこのように非常にもうからない。もうかっているところは職員が少ない。しかし、仕事ができないから、支店もないので、郵便局へそれを委託している。郵貯がそういうことをやるんだったら、銀行のように各支店を置いてやればいいんですよ。そうしたらすっきりするんですよ。しかし、規模からいっても、あるいは物理的に、それはできないと。だから、委託すると。非常に変な形ですよ。こういうことを効率化を進める政府が依然として推奨するというのは、私はどうも理解でき得ないんですが、ぜひこれについては見直しをしていただきたい。

 同時に、今、簡保でもって揺れ動いています。これも売却は一時とまりまして、同じように日本郵政の株式もそういう方向になっていますけれども、この際、英断をもってこれを一時凍結というか、それをはっきり明言して安定化を図るということについて、御意見を重ねてお聞きしたいんです。

鳩山国務大臣 株式の譲渡のお話ですね。これは日本郵政の株式のことですか。あるいは、日本郵政が持っている……

小平委員 先般、政府がそういう方向を出していますけれども、この委員会の席で、これについての大臣の率直な見解を改めて問いたいんです。

鳩山国務大臣 要するに、くどいようですが、民営化による光と影というのを十分に分析していく必要があるわけでございまして、国が一〇〇%保有しております日本郵政株式会社の株をできるだけ早く売っていく。しかし、三分の一超は国が保有をするという規定になっておりますのも、やはり郵政グループの公的な性格というものを配慮してのことだろうと私は考えております。

 そうした事柄についても当然見直しの対象に含まれるわけでございまして、ただ、そうしたことはまさに法律事項でございますから、見直しの対象であり、最終的には国会がお決めになることだというふうに考えております。

小平委員 まだいろいろと申し上げたいのでありますが、この後同僚議員からも郵政、簡保について質問があると思うので、私はこの問題は以上にて終わります。

 次は、地方財政の問題を含めてお伺いいたします。

 まず最初に、二次補正、政府は二兆二千七百億の補てんを今出していますね。衆議院では先般地方交付税法の一部改正は通過いたしましたが、この問題に対してお聞きしたいのであります。

 確かに、これによって地方自治体は当座の間は何とか救われます。ある意味では歓迎していますよ。しかし、二十三年から交付税でもってそれを減額するという、問題先送りですね。そういうことがあるので、先は大変です。

 こういう制度のあり方について、ルール上そうでしょうけれども、このような状況を続けていくなら、今後、何ら進展、改善なく、ただだらだらとこういう状況が進むわけですね、こういう今の日本の経済情勢の中で。こういう中で、大臣はこのままでいいと思っていらっしゃるのか、今回の措置に対して。その基本的なお考えをお聞きしたいと思います。

鳩山国務大臣 基本的には、国、地方ともに非常に苦しい財政状況の中での緊急避難的なやり方であるという認識をいたしております。

 地方財政計画の中で当然地方交付税というのが決まってくるわけでございますが、地方交付税は国税五税の一定割合を基本とするものでございますから、その時々の経済情勢によって大きく変動をいたしますので、いずれ、地方交付税については必ず精算というのは毎年しなければならないわけでございまして、多くなればそれは返すということもあるわけでありましょう。

 国税五税の減額補正が大きくあったわけでありまして、その関係で地方交付税総額が二兆二千七百三十億円減少をした。これをどうするかということでございます。

 要は、地方交付税は地方が自由に使える財源で、それぞれ地方が予算に組んで既に使ってきているものでございますから、これを地方交付税が少なかったから返してくれということは幾ら何でもできませんので、この穴埋めは必ずしなければならないと考えておりまして、先日、御審議いただいて成立させていただいた、補正に関する交付税法によって穴埋めをお願いしたわけでございます。

 折半ルールというのが現在ございますので、半分強がちょうど問題の先送りというか先食いしたような形になるんでしょうか。これでは地方がますます苦しくなりますから、基本的には、地方税財源の問題を真剣に考えていきませんと、将来に不安を残す。

 これは、こういうことを私が言ってはいけないのかもしれませんけれども、もしお許しいただければ、現在の景気状況というのを考えますと、ことしまた国税五税が予定よりも減ったら、また穴埋めしなくちゃならない。穴埋めをして、まあ、先食いしたというのか、今後五年間で払っていくということを続けていったら、地方財政は成り立たなくなるわけでございますので、やはり税源配分の問題という根本問題を与野党の垣根を越えてしなければいけない時期に差しかかってきているという認識を持っております。

小平委員 そういう認識を持っていただくことが大事であって、今おっしゃったように、今の経済情勢で、特にことしは政府の経済成長率見通しも大いに狂ってきていますし、その前からIMFや日銀の予測とも大きな乖離がある。

 しかも、先般の我が国GDPの速報ですか、これでもマイナス一二・七%、これはアメリカやEUを追い越してのすごい数字ですよね。こういう深刻な状況が続いている中で、当然、今大臣の言うような方向は、絶対緩めてはいかぬと思うんですね、検討する必要があると思います。そうしなければ、今大臣が言われたように、この財源をどんどん先食いしていくと、いずれは交付税が地方債の元利償還ですべて消えてしまう、そういう危機的な状況が訪れる。こんな危機感を持つのは私だけじゃないと思います。

 また、地方税も一〇%近い落ち込みが予測されております。いろいろ政府も工夫されているようでありますけれども、既に今の段階でも歳入八千五百億ぐらいの減を予想されていますね。そういう状況の中で、特に、地方も三位一体改革で自治体の体力は非常に弱まっている。

 こういう状況で、地方交付税は財源の偏在を是正するという意味において、自治体に基準財政需要額を担保する方向でしっかりつくっていく必要がある、こう思うのであります。今大臣も国税五税について触れましたが、今の不足分は政府が置かれた状況で何とかするという、そういう安定性がない方向では毎年同じことの繰り返しです。これについて、現行制度を改めていくことに取り組んでいくことが必要と思うのでありますけれども、これらについてどういうふうに考えていらっしゃるか、お聞きいたします。

鳩山国務大臣 小平先生の問題の御指摘はまことに照準を得たものでございまして、したがって、先ほどから申し上げておりますように、地方税財源の配分の問題というのを基本的に考えなければいけないと思っております。

 御承知だと思いますが、要するに、国税五税の一定割合によって算定される地方交付税の額が、実際に必要な地方交付税の額、すなわち基準財政需要と基準財政収入の差額と大きく乖離する、これは一割とかそういうようなことを何か言っているようですが、大きく乖離した場合には、そういう制度とかあるいは国税五税の法定率の問題等を考えなくちゃいけないという意味の地方交付税の規定があるわけですね。その法の精神も、地方交付税法第六条の三の二項で、法定で国税五税から一定の割合で入ってくる地方交付税が実際に必要な地方交付税を大きく割り込んでいる場合については、地方行財政制度の改正または地方交付税の法定率の引き上げを行うことが必要だということが基本的に書いてあるわけですね。

 ですから、法定率引き上げということもいよいよ考えてもらわなければいけないと思っておりますが、実際、国の財政状況も大変厳しいということを考えますと、中期プログラムで消費税等の議論がされておりますが、私の担当からいえば、やはり偏在性の少ない地方消費税というものをアップさせるということを考えなければいけない時期に来ているかと存じます。

小平委員 ぜひしっかりと取り組んでいっていただきたいと思います。

 次に、地方自治体、少し具体的な方向でお聞きいたします。

 現下、このような状況で、地方自治体が大変厳しい状況に来ております。特にその典型的な事例が北海道の旧産炭地なんですね。大臣も先般夕張に行かれて視察されましたが、そういうところは、旧産炭地ですよ、国策に従った結果、その事業の残した大きな債務を償還しながら財政健全化、再建のために大変な努力を目下傾注いたしております。しかも、過疎化が進む中で、そういうところは全部山間地ですよ、そういう中で特に夕張はその最たる例であると思うんです。

 確かに、問題な点は多々あります。ありますが、町の再生のために、観光等々、いろいろ事業を展開いたしました。これは身の丈に合わないことをやり過ぎたという批判がありますよ。しかし、当時、国策に従って、石炭が終えんを告げ、財閥が全部撤収したんですね。そのときに、財閥は、自分たちは逃げていって、逃げるというのは言葉はきついですけれども、撤収してそこに社員を、従業員を残しちゃった。彼らは路頭に迷ったわけだ。職もない。したがって、市が、住宅を含めて市民サービスとしていろいろなことを撤収した財閥にかわってしなきゃならない。

 かつて、夕張市は十二万近くの人口でした。今はわずか一万二千ですよ。そういう状況で、あのときに、今、夕張がやったようなことをもしやったら、これは大変な自治体批判が起きましたよ。したがって、ある意味では、身の丈以上のいろいろな事業展開をしたという事実は御理解いただけると思うんです。

 そういう中で、今、藤倉市長を先頭に、市の職員も懸命に頑張っている。それと同時に、そこに住まいしている夕張市民は何ら責任はないわけです。彼らは市民ですが、同時に我が国民の一人でもあります。そういう中で、現実問題としては、いわゆる高負担、低福祉、まさしく最低のサービスを今こうむっている。人口流出も次々と進んでいる。こういうことが今歯どめなく進んでおります。

 それで、今、債務の償還計画そのものが狂ってきております。策定されたこの再生計画、これは十八年間で三百数十億ですよね。これは実際不可能な数字と思うんですが、しかし、再生計画が例えばうまくいったにしても、それは夕張市が再生をすることじゃなくて、再生計画だけのための完遂だったら意味がないんですね。そのときに、十八年後ですよ、債務を償還したときに、そこに住民がだれもいないような計画だったら、再生とは言えませんよね。

 それで、国がそこのところをきちんと、きょうは政府の方が見えていますけれども、理解はされていると思うんだけれども、財源的なことはあるでしょう、しかし、債務の償還のために住民サービスの低下がどこまで許されるのかということも含めて、大臣のお考えをお聞きしたいと思うんです。

鳩山国務大臣 夕張市の問題は、大変お詳しい小平先生のおっしゃった状況なんだろうと思います。それは、今、行政の効率というようなことが盛んに言われておりますけれども、この百年に一度の経済危機と同じような形で、不可抗力という言い方がいいかどうかわかりませんが、我が国のエネルギー需要や消費の変化の中で、石炭産業が衰退し、閉山をした。そして、企業の社会的責任ということもあるんでしょうけれども、結局、当時働いておられた方々がそこに残されてしまったというところから始まって、今日の三百数十億という負債になったんだろうと。

 私も昨年十月に夕張市を訪問いたしまして、直接現状を拝見させていただいて、いわゆる住宅がほとんどあいているような状況も見せていただきました。建築確認申請はどれくらい出るんですかと言ったら、年に一つぐらいですかねという話を聞いて、びっくりしまして、なかなか大変だと。そんな厳しい状況の中で、市も住民と一体となって再建計画に一生懸命取り組んでおられる姿、また、医師の方にもお会いをして、それは本当に立派な活動をしておられるなというふうに感銘を受けたわけでございます。

 再建計画がありまして、それは再建計画では税率を上げているわけですからね。失礼ながら、あのように疲弊した地域で、住民税も固定資産税も、あるいは軽自動車税も、普通の税率よりちょっと上げているというようなことでございまして、そうなりますと、先生おっしゃったように高負担、低サービスということになれば、住民は逃げ出してしまう。こういう状態が続いて、再建が成ったときに人がいなかったということだけは、絶対に防がなければならないという思いは私はあります。

 というのは、私は、それぞれの地域にはやはり歴史と伝統、そして風土というものがあって、そこに根づいたすばらしい文明、文化というのがあって、これは大切にしたい。夕張という地域は夕張として将来も残り、発展をしてもらいたいという気持ちがございますので、再建計画を着実に実行していくことが何よりも重要であると考えておりますけれども、住民に対する基礎的なサービスが維持できるように、総務省としては、北海道の協力も求めながら我々も努力をしていきたい、こう考えております。

 私が小学校のときに、兄弟とても仲よくて、二人でチョウの研究を始めたときに、チョウの本を母が買ってくれた。それには、いろいろなチョウの産地が北海道夕張市と書いてあった。夕張というのはやはりすごく自然も豊かなところですから、守っていきたいところだと思います。

小平委員 私も大臣とは長いおつき合いで、お人柄を承知していると思っていますので、今の方向で、ぜひ政府の関係者もそういう方向で、局長、よろしく頼みますよ。

 これは、大臣、今私は夕張を例にとって言いましたけれども、旧産炭地は大体押しなべて今同じような苦境に立っているんですよ。そういうところを含めて、ぜひ取り組んでいっていただきたい、このようにお願い申し上げます。

 あわせて、今度は、そこで頑張っている自治体職員、これも今大きな苦境に立っている。これについてちょっとお伺いをさせていただきたいと思うんです。

 御案内のように、自治体の歳入は、法律に基づいて限られておりますね。したがって、財政再建は、主として歳出面をいかに削減するか、そこに絞られてきておりますね。そこで、各自治体においては、こういう厳しい、特に三位一体のせいもあり、今の経済情勢下もあり、職員数を大幅に減らして、さらに給与もカットしている。中には三〇%。夕張なんかは四〇%ですよ、ほかは三〇%、こういう削減が実施されている自治体も今数多く出ております。

 そこで、大臣として、あるいは総務省として、自治体では自治体の職員の待遇をどこまで削ることが許されるのか。自治体の職員も給与生活者の一人であります。ですから、生活設計にも大きな影響を与えてきておりますね。そこで、自治体が厳しいから安易にカットする、現に行われていますけれども、それを安易に使っていいものとは私は思っておりません。総務省としては、特に地方の厳しい実態をきちんと把握されておられるのか、そこを確認したい。

 職員の中には、もう限界だと退職を選択した職員も多数出てきておりますね。そういうような状況がございます。私は、一つの例として、これも夕張を例として申し上げるのでありますけれども、職員数が減れば業務にも大変支障が出てきます、住民サービスにも、行政サービスにも。例えば夕張市では、一人の職員が、一人の建築技術者が四千二百五十五戸の市営住宅を管理しているんですよ。一人がですよ。各自治体では、一人の職員が抱える市営住宅戸数は、平均でいうと、あっても大体百戸から二百戸らしいですね。しかし、夕張市では、一人の技術者が、四千三百戸近い市営住宅をたった一人で管理している。こんなのはもう論外。まずこれでは過労死か大きな憲法問題になってきますよ。

 そういう状況になっておりますが、特に、今あそこで頑張っている職員は、みんな若い職員なんですよ。ここまで破綻に至った、責任者だった当時の部長や次長級はみんな退職しちゃっている。若い職員が、愛郷精神というか郷土愛に燃えて、また住民の利便のために一緒に頑張っている。こういうことを考えると、大臣として、特に人の面における再建計画、これについてまた新たな見直し、再建方を考えておく必要があると思うんですけれども、これについてのお考えをお聞きしたいと思います。

鳩山国務大臣 細かい事実関係についてはまた事務方からお答えしたらいいかと思いますが、当然、再建するわけですから、職員定数も大幅に削減をしてきた。削減すると、一人一人の職員にかかる負担が過大なものになる。しかも、給料はカットされている。ということで、職員の退職が相次いで、職員がいなくなって行政サービスに影響が出るというのは、ある意味で最悪なパターンだろうと思うわけです。

 そこで、何とかこれは食いとめなくちゃいけないと思って、市長を先頭に皆さん頑張っておられるわけでございますが、総人件費の削減をやりながら必要な行政サービスの確保をするという、大変難しいことでございますが、これは何とかしなければならない課題だというふうに思っておりまして、さまざまな支援をしなければいけないと考えております。

 先生がおっしゃった、一人の建築技師の方が、普通は二百軒ぐらいしか見ないのが常識なのが、一人になっちゃったので四千七十一戸を見るという、これは信じられない状態になっておりまして、私どもは、夕張市から四月一日付で一名建築関係の方を雇いたいということで御相談がありましたので、どうぞと同意をさせていただいたわけでございます。

小平委員 何とかしなきゃならぬという大臣のお考えですから、何とかしてくださいね。

 そこで、今採用のことを許可したと言われました。しかし、大臣、採用するにしても、給与が大卒で十万ちょっとなんですよ。それが、今、夕張市の基準ですよ。そんなのじゃだれも来ませんよ。それから、今、総務省とか道から支援に入っているんですが、そういう人たちは、いわゆる正常の賃金で、給与で行っているんですよ。同じ職場で働いて、大きな乖離があるんです。

 そういうことも含めて、そんな細かいことは大臣はおわかりでないと思うんですけれども、それが現実ですから、いわゆる憲法上、人権問題にかかわる問題です。ぜひ、何とかしなきゃならぬというお言葉どおり、政府一体となって頑張ってもらいたい。地方自治を指導、総括するのは総務省ですから、この姿勢も大事です。地方自治だけに任せていたのでは、これは解決できない。そのことを強く申し上げておきます。

 最後になりましたが、自治体病院、あるいは病院の問題、診療報酬の問題であります。

 やはり病院収入の一番大きいのは診療報酬ですよね。その診療報酬は、どこを上げ下げするかで医療政策をリードできるという方向になっております。総務省は、地方自治体病院の重要性にかんがみて、交付税で応援しよう、そういう方向になっておりますが、やはり病院経営では最も基礎部分である診療報酬できちんと手当てをしていくことが、地域医療が底上げされていくことになると私は考えます。地方では医療原価も都市部とは同様ではないわけですから、この面に着目した診療報酬の工夫はできないのか、一点お聞きしたい。

 しかも、この診療報酬は出来高払いで、若干工夫はしているようではありますが、特に緊急医療や小児科などの今一番必要とされているところはまだ手が届いていない、このように感じます。過疎地の医療についても同じように非常にお寒い状況である。総務省では、交付税以外も含めて検討し、応援しようという姿勢はわかりますが、しかし、根本的なのは病院の収入面の強化であって、待ちの医療に報酬面での工夫はできないか。

 こういうことも含めて大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

鳩山国務大臣 全国千余りある公立病院の問題は極めて重要でございまして、とりわけ、公立であるがゆえに採算性を度外視してでも診療しなければならないケース、あるいは僻地の方で、その病院一つしかないから何とかこれを運営しなければならないというケース等がございます。やはり公立病院の経営悪化については、医師不足の深刻化が一番だろう。その次に診療報酬の問題がございます。この診療報酬の問題については、厚生労働省の方からお答えをいただければよろしいか、こう思っております。

 医師不足の解消のために、養成をと今大学の定員をふやしておりますけれども、これは六年とか何年もかかることでございますので、即効性があるわけではありません。あとは、公立病院に勤務する方の就労環境の改善、当然給与の問題もありましょう、そういうことで総合的に取り組んでいこうと。

 では、総務省としてはどういうことができるかというと、平成十九年末に提示した公立病院改革ガイドラインに沿ってそれぞれの自治体に改革プログラムをつくっていただいているわけでございますが、来年度は、平成二十一年度は、過疎地でのお仕事、あるいは産科、小児科、救急部門等、一般に採算のとりにくいところを中心に地方交付税の措置を七百億円ぐらい増額して、三千六百億以上のものを用意しました。

 この七百億新たに用意したものでは、たしか、普通交付税が六百億で、特交でやるものは百億だというふうになっておりますが、これは、ベッド数に応じて払ったり、あるいは単価を引き上げたり、いろいろな形で少しでも財政が健全化できるように努力をしたい、こう思っておりますし、また、一般会計から病院会計へ繰り出しする際の手当て等も考えなければいけないと考えております。

小平委員 厚労省はお答えできますか。

榮畑政府参考人 現行の診療報酬体系におきましては、僻地、離島等における医療機関について一定の配慮はしておるところでございますが、基本的には、診療報酬体系そのものは、被保険者間の公平を期すために全国一律の診療報酬とすることを原則としておるところでございます。

 しかしながら、一方では、現下の諸問題はさまざまございます。したがいまして、こういうような仕組みの中ではございますが、平成二十年度の診療報酬改定におきましては、小児医療、産科医療、救急医療等、自治体病院を初めとする地域医療を担っていただく医療機関において提供されておる医療サービスにつきまして、特に手厚い評価を行ったところでございます。

 今後とも、医療現場の方々を初め関係者の方々の御意見もちょうだいしながら、地域に必要な医療が確保されるように、診療報酬の改定等々で考慮しながら諸施策を進めていかなければならないと思っておるところでございます。

小平委員 時間が来ましたのでもう終わりたいんですが、最後に、大臣、今医療というのは、もう根幹の問題ですよね。今、緊急医療とか産科、あるいは小児科ということでも問題になっておるんですが、我が国の人口統計によりますと、これは予測ですけれども、今出ている予測は二〇五五年に我が国の人口は九千万、そういう恐るべき数字が予測されていますよね。

 私は、これはちょっと話が広がると思うんですが、今、アメリカのせいでこの国は非常に大変な状況に置かれている。しかし、かつては、我が国は不況があっても、必ず盛り返して好況の波を繰り返した。それはなぜかというと、その時期を乗り越えたら、それをまたやっていく力があった。それは何かといったら、労働力であり、若い人口があったわけでしょう。要するに購買力ですよ、いわゆる消費力というか。しかし、今このように加速的に人口減少する時代にあっては、私は、アメリカのせいどころじゃなくて、この国自体がもうどんなに頑張っても、どんなに政策面で努力をしても、購買力がなかったら、消費力がなかったら上向いていかないと思う。そうでしょう。

 東京におられたら、余りそんなに感じないと思う。しかし、大臣も九州に今いらっしゃっている。特に、今地方は大変ですよ。まず、国の再生のためには、やはり人口問題ですよね。これは、今、総務省でないかもしれない、あるいは文科省や厚労省の所管かもしれないけれども、そこにしっかり重点を置いていかないと。

 ですから、医療問題、あるいは子育ての支援、あるいは住宅問題、あるいは今共稼ぎがふえる中で産休をとってもきちんと職場に復帰できる、そういう条件整備、いろいろな問題がありますけれども、その中でも大事な問題は、私は特に地方から出ている議員ですから実感を持って感じるんですけれども、医療や介護、特に高齢者を含めて大変な状況ですよね。しかも、安心して子供が産めない……

赤松委員長 小平君、時間が来ていますので。

小平委員 はい。そういう状況でありますので、この問題を真剣にとらえていっていただきたい、このお話をして、わずか三分の超過ですけれども、委員長から指摘がありましたので、終わります。

 どうもありがとうございました。

赤松委員長 次に、原口一博君。

原口委員 民主党の原口一博でございます。

 鳩山大臣並びに関係の、それから、きょうは日本郵政の西川社長にもお見えいただいていますが、簡潔な答弁、的確な答弁を求めたいと思います。

 まず、現下の予算についてですが、百年に一度という、グリーンスパンさんの言いわけとも言われるようなものをみんなが繰り返している間に、本当の危機が目の前に迫っています。マイナス一二・七で落ちていく。これは、鳩山大臣、恐らく一―三がマイナス一五だと予測する人もいます。マイナス一五でGDPが落ちるということは、これが続けば一年間に七十五兆円の富が奪われるということです。

 このときに、先ほど小平議員の質問に対して、与野党を超えて財政も議論したいという話がありました。であれば、私は、総務の理事懇談会、理事会で正式に、今こそ予算の増額修正をすべきだと。七十五兆円のGDPギャップが生まれるのであれば、それを政府が埋めなければ、とてもじゃない、日本の社会も地域も成り立たないというふうに思います。

 ここは党派を超えて、メンツを超えて、しっかりと当初の予算で十分なものを地方へ渡す、この決断ができるのは鳩山大臣しかいないと思うんですが、基本的な御姿勢を伺いたいと思います。

鳩山国務大臣 国も地方も大変な経済状況にあるわけでして、この間のマイナス一二・七%年率換算というのは、一種の瞬間風速と見た場合、これが一年間でどうなるのかと。それが三、四%におさまるのか、あるいは本当にそのペースで突っ走って経済がおっこちていくのかという問題がございまして、まだまだ見通しを立てるのは簡単ではない、こう思っております。

 いずれにいたしましても、平成二十年の秋から始まった景気後退というものが住民税に響くのは平成二十一年度なんですね。ですから、二十一年度の地方税収というのが非常に心配だということもあって、大変危機的な状況にありますけれども、今のところはこのような地財計画のもとで懸命に頑張っていきたいと思っております。

原口委員 この四月から、教員の免許更新制度がスタートします。今学校では、やめる人たち、特に年齢の高い先生方がやめています。お医者さん、やめている。貧困の問題、これをカバーしなきゃいけない。まさに貧困と格差の問題です。

 世界の危機を見ると、大体四つぐらいのフェーズに分かれている。一つは、ある特定企業、特定金融機関に限定した危機、それが国全体の危機になる。そして、世界全体を覆う危機になる。四番目のフェーズは、最悪なんです、これは戦争です。私たちはこの三番目にいるんじゃないかと思って提案をしている。これは生半可な思いで提案をしているわけじゃありません。

 アメリカの政権も、共和党の言うことを聞いて修正をしました。皆さん、最初に見通しを国民に与えようじゃありませんか。最初に安心を与えようじゃありませんか。地方の健全化法もスタートしていきます。その中で、危機だ、危機だと言っているだけで対応しないということでは絶対ならないということを申し上げておきます。

 その一方で、じゃぶじゃぶの公共事業をやる。諫早湾干拓、大臣も御存じでしょうけれども、ことし、有明海はもう昔の海じゃありません。ノリが色落ちして、何人漁民の方が自分で命を絶てば気が済むんだというような、そういう状況に陥っている。無理無理に農地をつくった。農地をつくって九十八年で返すなんという、そういうお金を入れた。そして、そこで何をやっているか。海は汚れ、そして濁った水がそこに流れ、調整池の水をかけた農産物はどうなっていますか。黄変して枯れているじゃないですか。

 大臣は、植物や自然について大変造詣の深い方ですけれども、アオコの毒でどういう影響を受けるか、御存じのはずです。

 しかし、大臣が法務大臣のときに控訴をされました。私たちは、自民党の佐賀県議会の議員の方々も含めて全員で、開門調査をすべきだ、海のことは漁民に聞くべきだと。前の農水大臣が言いました、漁民は自然の番人なんです、番人の言うことを聞くべきだという話でしたけれども、残念なことに、地裁が出した判決に対して控訴をしました。控訴をしたときの責任者があなたなんです。

 しかし、鳩山大臣はある前提を持って農水大臣と議論をしたというふうにおっしゃっています。その前提とは何ですか。

鳩山国務大臣 釈迦に説法でございますが、法務大臣というものは、国が被告となる、たまには原告ということもあるのかもしれませんが、すべての訴訟を一手に引き受けて、その代表者となるものでございます。したがいまして、諫早湾干拓事業にかかわる佐賀地裁の平成二十年六月の判決に関し、政府として控訴するとすれば、私の名前で控訴することになるわけでございます。

 しかし、佐賀地裁の判決は、とにかく数年後に全部開門しろという、自然生態系を最も重視する私としては、なかなかいい内容の判決だという部分もありました。ただ、実質は農水大臣が決めていく事柄で、話し合いをいたしたわけでございます。

 実は、法務大臣権限法か何か、権限法というので、中身について法務大臣が注文を出すのは越権行為であると随分言われました。言われましたけれども、私は、控訴権限は私にあるんだからと。日本の自然を破壊し尽くそうとするような一種の動きがあると思っているし、大変危機感を持っているから、諫早湾は一つの象徴ではないかと。あのような干拓をやる、ろくに調査はしない。

 私も諫早湾の対岸にいますから、あれだけとれたタイラギ、でっかいタイラギなんです、有明海といったらタイラギなんです。それが、久留米や大川で買おうとしたって、今はこんなのしかない、こんな小さいのにしかならない。だから、温暖化、温暖化というのは最大の問題かもしれないけれども、原口先生、生態系の破壊ほど恐ろしいものはないんですよ。

 そういう意味で、私は当時の若林農水大臣にそのことをさんざん申し上げまして、とにかく開門をする、開門を前提にしてそのためのアセスをやるというんだったら、開門のためのアセスをやりなさい、その腹を固めてやってくださいよということを言いました。

 同時に、有明海の生態系がおかしくなって、随分いろいろ言ったんです。キスだとかメカジャとかムツゴロウだとか、もちろんタイラギとか、いっぱいの生物の名前を言って、これらの生態の調査、これが復活するためにどういうことをしたらいいのか、それを真剣にやるという約束をしてくれなければ、私は控訴をしないと。いわば控訴権の濫用をしたのかもしれません。随分怒られましたけれども、私は、結果としては間違っていないと思っております。

 ところが、原口先生、その開門のためのアセス、つまり、開門をしたらどうなるかというアセスというのは、やはりやらなくちゃいけないらしい、これにやたら時間がかかるようなことを言うものですから、この間、とにかく早くしろ、早くしろとひどく怒ったところでございます。

原口委員 大臣がおっしゃるとおりなんですよ。農水省はいろいろな理由をつけて、だから開門できないんだということを言っています。しかし、それは全部反論したんです。そして、もう佐賀地裁の判決の中ですべて論破されています。あとはやるかやらないかなんです。今大臣がおっしゃったように、アセスということでどこかで検討していますということを言いながら、検討をほったらかしにしているというのが今の現状であります。

 これは議事録に残りますので、やはり生きること、生態系、これが一番大事だということで、政府がしっかりとした決断をするように強く求めて、郵政の議論に入りたいと思います。

 元郵政担当大臣が、私はこの総務委員会全体が侮辱されたのではないかと思っているんですが、この委員会に日本郵政の社長、西川社長、きょうお見えいただいてありがとうございます、こういう方々をお呼びするのは業務妨害であるというお話をされています。私たちは与野党を問わず、国民に対する説明責任を果たすために日本郵政に来ていただいています。しかし、日本郵政がお出しになる資料は、きょうも理事会でまた訂正をされました。きのうも訂正でした。何を信じていいかわからない。

 こういう状況で、大臣に二点伺います。

 この委員会に、それはもう一民間人がおっしゃることですから、一々目くじらを立てることはないかもわからない。しかし、私たち自身が業務妨害までしているというこの発言は見逃せない。大臣の御所見を伺いたいのが一つ。

 もう一つは、かんぽの宿の問題は公社の時代の問題なんだ、公社で、旧郵政省、今の総務省、こういう人たちと族議員がやっているその時代の話なんだということですが、私はそうは思いません。二〇〇六年の三月に、横山専務、きょう来ていただきたいということでしたけれども、御事情があって来られないということですが、その方々がおつくりになったスキームが、先ほどから松野議員や私たちが追及しているそのものなんですよ。民営化した会社にも引き継がれている、公社時代でやっていたことだから今もやりますと、資金証明もとらずに入札をしていたということがきょうわかったわけです。

 今のかんぽの宿の問題というのは、大臣に二つ整理してお伺いしますが、業務妨害だということについての答弁、もう一つは、何も公社だけではない、今も現在進行中の問題だと私は認識していますが、二点について大臣の基本的な見解を伺いたいと思います。

鳩山国務大臣 業務妨害、国会に呼ぶことが業務妨害だと言ったんですか。(原口委員「そういう趣旨のことです」と呼ぶ)そういう趣旨ですね。

 耳を疑う話ですね。国権の最高機関が不透明で怪しげなものをきちんとただそうとしているのに、それは、日本郵政の人を呼ばなければ、どうにも解明できないじゃないですか。それを業務妨害と言われたら、こんな国権の最高機関に対する冒涜はない、憲法というものを全く理解していない、こう思いますし、それこそ、私が日本郵政株式会社法第十五条によって報告徴求したことだって、段ボール十七箱用意するのが業務妨害なのかな、そういうふうに中では言っているのかなという疑いを持ってしまいます。

 それから、さっき松野先生の御質問のときに、要するに、バルクセールが何回か行われている、その中から、一万円が六千万円に化けた、千円が四千九百万に化けたというとんでもないことが起きている。私だって、本当にこれも耳を疑いましたよ。先日の委員会で、赤坂のあの広大な物すごい土地、リーテックと書いてあるじゃないですか、所有権移転先。私だってその資料を信用しますよ、リーテックだと思っていましたよ。リーテックなんですねと言ったら、リーテックは応札でおりたと言うんでしょう。もう一体どういうことだか全くわけがわからない。書き間違いですと。そんな書き間違いがあるわけない。

 もう耳を疑うような話がいっぱいあって、耐えられないし、情けないという、私だって監督権限があるわけですから、本当に情けないというか国民に謝らなくちゃいけないというのか、そういう気持ちになります。

 この公社時代のことをどこまで今総務省が調べることができるかということを検討させます。つまり、法十五条による報告徴求は、公社時代の売買に及ぶのか及ばないのか、法律の拡大解釈をすれば及ぶのではないかと思うけれども、それはなかなか厳しいかもしれない。そんな点も含めて調査します。

原口委員 だからこそ、一回株式の売却を凍結して、これは民営化の本質の議論とは関係ないんですよ、国民に説明のできないことが起きている。だから凍結して、一たん中身を調査するんです。

 今大臣がお話しのように、何を要求してもまともな説明ができない、だから資料開示をお願いする法案を私たちはつくりたいと思っています。それは、与野党問わず、国民に対する責任だというふうに思います。

 私も、竹中氏が業務妨害だということを明言された、そこまで強く言う気はありません。しかし、現実にこの委員会に来ていただいて、どうだったのか、そして、何なのかということをぜひ聞いてみなければいけない。もし業務妨害というような趣旨のことをおっしゃっているのであれば、それは誤解だということを私たちは言わなければいけないと思いますので、委員長、理事会で、竹中元郵政民営化担当大臣をこの委員会にお招きいただきますようにお計らいをお願いいたします。

赤松委員長 後日理事会で協議いたします。

原口委員 そこで、不思議なことは、この日本郵政株式会社法の中に、かんぽの宿の廃止が附則の部分にどういう経緯で入ったのかということなんです。これはもともと入っていなかったはずなんです。

 こういう話をすると、無駄な施設をつくる、つくったときの不透明さ、これは私たちも追及してきました。これはかんぽではないけれども、グリーンピアやいろいろなところでやってきた。つくったときの不透明さ、しかし、それが不透明であるからといって、売るときも不透明にやっていいという話は全く通りません。国民に説明しなきゃいけない。

 そこで、きょう、西川社長、この間の予算委員会の私の質問に対して、私が日本郵政にいただいた資料によると、よくここで答弁をしていただいている方々、この横山さんという専務は、西川社長はかんぽの宿のサポート役なんだという話をされましたが、私は責任者じゃないかと思うんです。というのは、専務執行役横山さんは、経営企画部門、CRE部門不動産企画部、資産ソリューション部の担当というふうに伺っているんですが、それは事実でしょうか。それとも、やはりあくまでサポート役なんでしょうか。

 そして、どうして日本郵政の資料はこんなにも二転三転するんでしょうか。先ほど約束をしていただきましたが、競争入札のときの原資料を、コピーで結構です、出してください。原資料を見れば、今大臣がお答えのように、リーテックなんという言葉が出るわけないんです。何か別の資料をごらんになっているから、私たち国会の審議を混乱させているんじゃないかと思います。

 二点、西川社長にただしたいと思います。

西川参考人 お答えいたします。

 横山専務の担当は、ただいま原口先生おっしゃったとおりでございます。かんぽの宿につきましては、これは宿泊事業部でございますので別の担当がおりまして、これが主管でございますが、資産処分等について、資産ソリューション部などがサポートをいたしておりますので、一緒にやっているということでございます。

 資料につきましては、よく御趣旨が理解できずに誤った資料を提出申し上げたことがあるんだろうと思います。この点につきましては、深くおわびを申し上げます。

原口委員 ちょっと驚く答弁ですね、趣旨が理解できずにというのは。私たちは、売却先について教えてくださいと言っているだけですよ。そんな簡単な趣旨をどうして取り違えられるんですか。教えてください。

西川参考人 私、詳細を存じなかったわけでございますが、登記名等を誤記したということのようでございます。

原口委員 西川社長、この間の、金曜日から私たち、ここに至るまでの経緯はお聞きになっていないんですか。何をやっているんですか。きょう質疑が延びれば、また大臣の日程も国会の日程も変えなきゃいけないんですよ。

 登記先を誤記した。私たちが聞いているのは、登記先じゃないんですよ。このバルクセールの契約の相手はだれだったんですかということを聞いているんです。しかも、西川社長、私はあの二十七社のうちの一社の方からお話を聞きました。入札をするときには、必ず資金証明をして、そしてちゃんとお金がファイナンスできますよということを担保してからやるんですよという話でした。それもしていないということじゃないですか。それで国民に説明できますか。

 なぜ登記先の転記を、私たちが申し上げた契約先、間違えられるんですか。常務さんでも結構ですよ、教えてください。

藤本参考人 赤坂一号宿舎の社宅の売却の件であろうかと思います。

 この件につきましては、本来、リクルートコスモスを代表者といたします六社の構成員から成る売却先が契約の相手方でございました。その後、契約の相手先が、具体的にどの会社がどの資産を引き受けるのかということがその間で協議をされまして、そのうちの一社それぞれに資産が帰属するものでございます。

 したがいまして、登記簿上、有限会社G7―1となってございますので、G7―1にということで資料をおつくりして提出するのが正当でございましたが、これを誤ってリーテックと書いたということでございます。そのことにつきましては、おわびを申し上げる次第でございます。

原口委員 西川社長、今ので理由をおわかりになりましたか。リーテックは中途で辞退しているんですよ。その中には一回も出てこないんです。一回も出てこないものがどうして誤記できるんですか。つまり、私たちは、これは申しわけないけれども、できレースでやっているんじゃないかと思っているわけです。

 資料の2をごらんください。

 先ほど松野委員がお話しになった熊本の案件も、これも間違っていました。赤坂だけじゃないんですよ。2のところの23、ここに沖縄の美栄橋、鳩山大臣、これは市議会で、最後は市が買っていますから、その議事録で幾らで買ったかというのはわかっているんです。九千万円です。この九千万円で、日本郵政はCAM6というところにこういう値段で、平成十七年の三月十六日に一括売却しています。

 このやり方というのは一体どういうやり方なんだろう。このかんぽの宿も、自民党の皆さんも御視察になったと思います。私たちは社民党さん、国民新党さんと一緒に視察をさせていただきました。なぜこの三百億ものものが十五億円なのか、全然わかりません。

 事業譲渡にすればいいのか。事業譲渡にすると言いながら、その七割が、鳩山大臣、転売ですよ。事業譲渡にすればバルクを免れるという日本郵政の主張は、まさにどこか特定のところへ落とすための、そのための言いわけではないかとさえ勘ぐるわけであります。

 資料の11をごらんください。

 この資料の11は、今回問題になっている日本郵政のかんぽの宿、オリックスに向かう過程において示された資料でございます。メリルリンチが出しているものです。

 真ん中の「記」の下をごらんください。1から7、出した資料はこれだけですよ。これだけ持ってきてくださいと言って、そしてはねているんです。見てください、この中に、資金証明もなければ、雇用についてのあれもない。そして、この紙だけでホームページに出して、あとはもう電話できない、そういう状況でやっているんですよ。

 次の12をごらんください。これは、メリルリンチ証券に出されたその会社の、仮にA社と言っておきます、A社の、ちゃんと従業員を引き継ぐと言っているじゃないですか。どこが雇用が違うんですか。四百億出しています。なぜここがはねられるんですか。全く理由がわからない。

 従業員を引き継ぐというのは、ある意味ではホテル業では当たり前なんです。なぜかといえば、三カ月その建物があけば、カビだらけになって、また莫大な再投資が要るんですよ。一年間オリックスが雇用を保証した、そんなことは、売り手の都合だけじゃなくて買い手の都合でもあるんですよ。なぜこんなことが起きているのか、全然説明できないんです。

 そしてさらに、一番最後の資料をごらんください。これが先ほど申し上げた23の物件です。ちょっと細かいですのであれですが、これは四階部分を売っているんです。四階部分を売って、平成十七年の三月二十九日、ここは有限会社CAM6に行っている。しかし、その下をごらんください、同じ日に、平成十七年三月二十九日、オリックス株式会社が極度額二十八億八千万円、これをつけているじゃないですか。

 これは一体どういうことですか。極度額を約二十八億円つけられて、そして、それのもとは九千万円だった。これはどっちかがおかしいでしょう。不当に安売りしたのか、小さな担保でもって不当に極度額を上げたのか。平成十七年三月二十九日にオリックスがファイナンスできたから、だからこのCAM6が買うことができたんじゃないですか。この資料はそれを示していますよ。明快な答弁を聞きます。

藤本参考人 お答えいたします。

 この件につきましては、帳簿価格あるいは不動産の評価額が九千万程度であったかと思います。ちょっと今手元に資料がないものですから、概数はお許しください。(原口委員「資料は僕が出しています」と呼ぶ)はい。

 それで、ここを見ますと、極度額が二十八億円何がしというふうになってございます。その関係でございますが、二十八億円という極度額の設定が、すなわち、この不動産につきましてそれだけの担保価値があるかどうかということは、私どもはわからないということでございます。

原口委員 とんでもない発言じゃないですか。では、全部の不動産鑑定をやり直してください。

 これは、不動産鑑定士はだれですか、教えてください。

藤本参考人 手元に資料がございませんので、鑑定士、今直ちにわかりませんが、調べてお答えをいたしたいと思います。

原口委員 それは、この委員会の間に調べてください。

 おかしいじゃないですか。二十八億でしょう。二十八億も極度額をつけられる物件が、なぜ一億ちょっとなんですか。国の持ち物というのは、こんな処分の仕方をしていいんですか。しかも、資金証明もとらずに。こういうことをやるから、転売したところが、同じ沖縄のある地所は、二カ月か三カ月でつぶれているんじゃないんですか。

 皆さん、忘れていることがありますよ。この施設は国民のもの。簡保の契約者が、みずからの契約金によって建てたものでしょう。それをこんな安売りしていいんですか。出してください。

 限られた時間なので。相談多過ぎますよ。

赤松委員長 日本郵政株式会社藤本常務執行役。答弁を急いでください。

藤本参考人 いずれも、鑑定評価をとって、競争入札ということで入札に付しておりますので、適正な価格であるというふうに認識をいたしております。

原口委員 大臣、今ので理解できましたか。いずれも競争入札で適正に云々とおっしゃっていますが、では、それにどうして二十八億円の極度額がつけられますか。どっちかがおかしなことをやっていなきゃだめなんですよ。

 これは、先ほど松野先生がおっしゃった熊本の案件と一緒に抱き合わせて、ファイナンスをするからといってひもつきにして、そして安く売っ払って高くもうけるという仕組みじゃないですか。こんなことを許していいのかということを言っているんです。

 鑑定士、わかるでしょう。私はきのうの通告で、この皆さんが出していただいたことについて、入札の内容の真正性について伺いますと聞いているわけで、鑑定士の名前も調べなきゃわからないなんて、とんでもないんじゃないですか。お答えください。

藤本参考人 今お示しいただきました建物の名称、パレットくもじという物件でございますが、これも、長い期間にわたります、まず全体の件数でいいますと、六百件を超えるものの一つでございます。それぞれについて鑑定評価はあると思いますが、これに特定すればすぐにお答えできると思いますが、ちょっと特定の案件について用意を怠っておりましたので、少し猶予をいただきたいと思います。

原口委員 もう質問できません。

 私がこれを最初にこの場で質問しているんだったら、今のお答えでいいでしょう。しかし、皆さんが出されて、先ほど、西川社長さえつまびらかに事情をお知りにならない。委員会が終われば、もうあとは終わりですか。私たちは四日間待っているわけです。そんな基礎的な資料も調べずに、御自身が国会でおっしゃったことが、私たちに資料として提示されていたことが間違いだったということの重みをおわかりになっていないですね。

 ちょっと、もうこれ以上質疑できません。

赤松委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

赤松委員長 速記を起こしてください。

 原口一博君。

原口委員 常務ではわからないということですけれども、社長は御存じでしょう。真ん中と西と東で決まっているんですよ。

西川参考人 まことに申しわけございません。私も詳細を承知いたしておりません。

原口委員 いや、ちょっと次の質問に行けません。

赤松委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

赤松委員長 では、速記を起こしてください。

 原口一博君。

原口委員 私は、ない資料を出してくださいと言っているんじゃないんです。重立ったところの資料を開示……。

 用意できましたね。どうぞ。

藤本参考人 お答えいたします。

 今先生お尋ねのこのパレットくもじでございますが、かんぽの宿に該当しないものでございまして、早急に調べた上、鑑定士については御報告申し上げたいと思います。美栄橋郵便局というところに合築された施設のようでございます。そのことも確認した上、御返事申し上げます。かんぽの宿であれば一覧表がございますので今お答えできますが、その中に入っておりませんので。そういう事情でございます。

原口委員 それは質疑が終わるまでに調べてください。だって、皆さんがお出しになったものの中に入っているんじゃないですか。これは沖縄の那覇が買ったものじゃないですか。

 では、ちょっと大臣が来るまで待ってください。

赤松委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

赤松委員長 では、速記を起こしてください。

 原口一博君。

原口委員 鳩山大臣、このかんぽの宿の安売りの仕組みというのがどうやってできたかということを私たちは解明しなきゃいけないと思っているんです。先ほどの資料はかんぽの宿じゃないから出せないというのは納得いきませんので、再度出してください。

 それで、大臣、不思議だと思われませんか。実際に七十九施設で税評価額が簿価の七倍になっている。本当は八百五十七億円だったということも答弁で明らかになっていますし、先ほど、〇六年二月に、新しい西川さんのチームがお入りになったときなのか、そのときに減価償却が一・五倍になって、退職金と減価償却をふやしていますから、そこでとんとんだったかんぽの赤字も、宿もすべて赤字になって、そういうことをやった結果、公社時代に簿価が三百三十一億円だった施設を三分の一の百九億円で売ることができるようになっているんです。〇六年三月六日、先ほど申し上げた初めてのバルクセールも、こういう方々がつくられたSPCの一括売却の一環なんですよ。

 竹中平蔵大臣は、「構造改革の真実」という御著書の中で、「メルパルクホールや簡保の宿など、本来の仕事つまりコア業務ではない(したがって競争力もない)ものは、資産を処分して撤退するべきだと判断した。」としっかり書いてあるわけです。

 いかに民営化に名をかりた私物化が行われていたか。本当に四分社化にこだわるのなら、かんぽのものはかんぽに、ゆうちょのものはゆうちょに還元する仕組みじゃなきゃいけないんですよ。預かったお金がどこへ行ったかわからないということであれば、それは、この間逮捕された円天何とかというのと全然変わらないじゃないですか。

 そこで、西川社長、きょう来ていただいていますので。これも西川社長の私への衆議院予算委員会での御答弁が違っていた。

 右手でかんぽの宿の一括売却をオリックスにしながら、左手で日本トラスティ・サービス信託銀行を通じてオリックスの株を買っておられる。このことが明らかになったわけですけれども、二十一年一月末の信託銀行を通じたオリックス株式の保有状況、これはどうですか。事務方で結構ですから、お尋ねいたします。

米澤参考人 お答えいたします。

 ゆうちょ銀行の運用は、大きく二つに分けて、特定金銭信託によるものと、それから信託銀行を通じたものと、両方ございます。

 特定金銭信託契約を通じたもので見ますと、二十一年一月末で、特定金銭信託によるオリックス株式の保有は、時価残高で二億円、株数で五万五千六百八十株でございます。一方、信託銀行を通じたオリックス株式の保有状況につきましては、同じく時価残高で十億円、株数で二十六万五千七十株でございます。

原口委員 今お答えのように、いや、不思議ですね。全体の株が、オリックス株が物すごく落ちる中で、二十年の十二月末には十一万九千株だったものを、その一カ月後、二十一年の一月末には二十六万五千株も買っておられる。これはどういう理由ですか。

 つまり、西川社長が私に予算委員会で、これは多分逆を答弁されたんじゃないかと思いますけれども、特定信と指定信託を取り違えて答弁されたのではないかと思いますけれども、株がこれだけ下がる中で、特定信ということは、この株を買いなさいということを日本郵政は言っているんですか。いや、そうではない、間に入ったものに管理事務も運用も任せているから自分たちは知らないとおっしゃるんでしょうか。どっちでしょうか。

米澤参考人 お答えいたします。

 特定金銭信託についてでございますけれども、特定金銭信託による株式の運用につきましては、ゆうちょ銀行といたしましては、個別銘柄等の投資判断を投資一任契約によりまして運用代理人に一任しております。そして、その有価証券の決済、保管等の管理事務を信託銀行に委託している、そういった仕組みになっております。したがいまして、この信託銀行は、受託者として運用代理人の判断に従って運用するだけでございますし、みずから投資判断を行うことはございません。

 また、株式会社ゆうちょ銀行に個別の銘柄の売買に関する指図というものは行っておりません。

原口委員 特定金銭信託というのは、まさにこの名前のとおり、特定の株を買いなさいということを指定できるわけです。指定信託、指定単というのは、例えばこういうふうに指示できるんですね、規制改革株を買いなさい、あるいは何%以上下がった株を買いなさい、こういう大枠を言うわけです。規制改革株を買えと言えば、まさにオリックス、これは規制改革株であるわけであります。

 そうすると、運用先に一任していて、これは十九年には時価残高が二十一億あったものが、約半分というか、二十年十二月には三分の一になっています。そういうものは運用先にお願いしているから自分たちは関係ないんだ、そこの責任なんだというふうにおっしゃるわけですか。お答えください。

米澤参考人 お答え申し上げます。

 今先生が御指摘になられましたのは、信託銀行を通じたオリックス株式の保有状況といった表の中に記載をされている、そういった数字であろうかと思いますが、こちらの運用につきましては、インデックス運用ということで行っております。すなわち、市場全体の加重平均によって運用をやっていきますので、いわば市場全体を買っていく、そういったスタンスでの運用でございます。

原口委員 そうすると、西川社長、私への衆議院予算委員会での答弁が違っているので、私も混乱して質問をしているのかわかりませんが、私が西川社長にお伺いしたのは、指定単独運用金銭信託、いわゆる指定単、それと特定信、これの割合を聞いたんですけれども、ゆうちょ、かんぽでそれぞれどうなっているのか、もう一回答弁をお願いいたします。

西川参考人 お答えをいたします。

 ゆうちょ、かんぽにおきましては、現在、日本トラスティ・サービス信託銀行には、特定金銭信託契約を締結しておりまして、委託している資産残高は、それぞれ約千四百億円と約六千三百億円でございます。

 ゆうちょ銀行及びかんぽ生命における株式の運用は、いつ、どの銘柄をどれだけ購入するかなどについて、投資一任契約に基づく運用代理人または信託銀行の投資判断によって行われるものでありますため、委託元でありますゆうちょ銀行、かんぽ生命保険はそれを指示できない、指図できないという仕組みとなっております。

 以上でございます。

原口委員 ということは、予算委員会で社長がおっしゃった議事録は、これは全面訂正ということでよろしいですね。

西川参考人 申しわけございません、先生の御質問の趣旨を取り違えまして。

 ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険で日本トラスティ・サービス信託銀行と直接契約をいたしておりますのは、特定金銭信託契約のみでございまして、本来、特定金銭信託と申し上げるべきところを、誤って指定単と申し上げたわけでございます。

 以上です。

原口委員 これは、一連の、かなり時間をかけてやっているので、もう一回予算委員会でこれもやらせていただきたいと思います。

 私の質疑時間が終わりになりましたけれども、わかりましたか、先ほどの沖縄の案件。

藤本参考人 お答えいたします。

 このパレットくもじでございますが、これは以前提出いたしました資料でいいますと、美栄橋郵便局に該当するものでございまして、平成十七年三月十六日の売却でございます。バルクということでございます。

 そこで、その鑑定業者でございますが、株式会社鑑定ソリュートというところでございまして、鑑定士のお名前は玉那覇兼雄さんという方でございます。

原口委員 大臣、何でこんなことを言っているかというと、最初から買い付け証明があったんじゃないかと思っているんです。入札の結果が出る前にいわゆる安売りをして、そしてそれを高く売るという仕組みがあったのではないかという疑いがますます強くなりました。

 ぜひ、この委員会において集中審議を求めるとともに、もうこれで終わりにしますが、先ほど求めた資料を、今答弁のあったのは一部ですからね、契約書の写しを出してください、鑑定の結果を出してください。

 本件について、今回の事業計画の変更についても大臣に一言申し上げておきます。

 この間、総務の理事懇談会で出された資料は、認可の決裁者、九月三十日に何で事業計画を変更したかということですね、決裁者は文書決裁規則上は郵政行政部長であるため、鳩山総務大臣の決裁を得て認可したものではないという文書が来ているんですよ。このため、大臣は年明けの時点で知らなかったものと。

 こんな事業計画を事務方だけで認可していいんですか。大臣、よくお調べになって、また次の機会に。大臣がないがしろにされるなんていう認可計画はあり得ないということを申し上げて、質疑を終えます。

 ありがとうございます。

    〔委員長退席、森山(裕)委員長代理着席〕

森山(裕)委員長代理 次に、福田昭夫君。

福田(昭)委員 民主党の福田昭夫でございます。

 鳩山大臣の所信を読ませていただきましたけれども、郵政行政については、「民営化を前提としつつ、郵政民営化委員会の意見も踏まえ、大胆に見直し」を行うとのことでございますけれども、鳩山大臣がどの程度の覚悟があるのか、日本人としての矜持をしっかり発揮できるような見直しを行えるのかどうか、これからお伺いをしたいと思いますので、ぜひ率直な御意見をお伺いしたい、こう思っております。

 まず最初に、私もかんぽの宿の一括処分について二点ほどお伺いをしたいと思います。

 今回のかんぽの宿の一括処分については、今、我々の原口委員初め、大変大きな問題を抱えております施設の一括売却に加えて、顧客名簿、かんぽの宿のメンバーズ会員、約百二十万人ぐらいいるそうでありますが、そのかんぽの宿のメンバーズ会員も一緒にオリックス不動産に引き渡す予定だったのかどうか、お伺いをしたいと思います。

鳩山国務大臣 日本郵政株式会社の説明によれば、今回の事業の譲渡によって、メンバーズカードの顧客情報も譲渡される予定であったとのことでございます。

 委員の御心配は、譲渡に伴ってメンバーズカードを保有される利用者の方々の個人情報が当該利用者の承諾なしに他の事業に利用されることと思われるわけでございまして、御承知のように、個人情報保護法は、個人情報を事業のために使用している者が本人の同意を得ないで目的外に利用することを禁じているわけでございます。ですから、今回、オリックスに譲渡されることはなくなりましたからそういう心配は消えましたけれども、オリックスが顧客の個人情報を適正に取り扱ってくれていたかどうか、一抹の不安は感じるところでございます。

福田(昭)委員 施設の売買でぬれ手にアワで、そして、顧客名簿はかなり半永久的に使えるんですね。オリックスのねらいが、どちらかというと、こちらにもあったんじゃないかと私は思っているんです。

 それは、大臣も御存じだと思いますが、公共サービス改革法というのができましたよね。いわゆる市場化テスト法であります。官民競争させて、安い方に仕事を任せるんだという法律ができましたけれども、この市場化テスト法がいかにひどい法律かというふうに私は思っているんです。

 その法律で実は特例をつくったんですよね。第一弾の特例が何だったと思いますか。まず一つはハローワークの関連業務で、これは人材銀行等なんですよ。それから、二つ目が社会保険庁関連業務で、国民年金の収納事業なんですよ。それから、地方公共団体の窓口業務で、住民票の写しの引き渡し等なんですよ。これは全部個人情報です。

 まあ、この事業はそれぞれのところで拒否しているために進まなかったようで、私はよかったなと思っているんですが、これはまさに宮内さんがやっておりました規制改革・民間開放推進会議が提案をしてつくった市場化テスト法ですよ。市場化テスト法の最初の特例事項が、まさに個人情報をもしかすると手にしてしまうかもしれない、手に入れることができるかもしれないような業務を特例の第一弾に挙げているんですよ。とんでもない話ですよね、基本的に。

 ですから、かんぽの宿も施設の売買で一もうけして、顧客名簿でも一もうけする、そういうねらいがあったんじゃないかなと私は思っておりまして、そういった意味では、鳩山大臣の白紙撤回させた英断はよかったなと実は思っているんです。

 それで、二点目ですけれども、これは質問通告しておりませんでしたが、社保庁等のグリーンピアは十年転売禁止なんですね。しかし、今回のかんぽの宿は二年間の転売禁止なんですね。もし、雇用の確保ということを言うならば、少なくともグリーンピアと同じように十年転売禁止にすべきじゃなかったんでしょうか。これはどう思われますか。

鳩山国務大臣 私は、グリーンピアの問題は詳しくわかりませんので、無責任な答弁はできませんが、そのような公的施設を継続して営業する場合は、やはりそれぐらいの条件がつくこともあるんだ、そう思いますと、十年転売禁止と今回のかんぽの宿とは随分開きがあるな、こういうふうに思うわけでございます。

 この日本郵政と、入札だか何だかわからなくなってまいりました、提案競争なのか、事業譲渡においては価格その他の条件で交渉をしながら進めるというのは常識だなどというような見解を発表される方もいますけれども、すごく怖いと思うのは、福田先生、そういういわゆる一般競争入札じゃなくなって交渉をしながら決めていく。だから、さっき四百億というのはなぜ除外されたかという話があったけれども、私も疑問を感じるんですが、辞退させたりはねたりしてどんどん少なくしていくと、細かい情報を出して、また交渉をして進めていって、最終的にここに落とさせようというところを最初から決めておいて、落札させて、落札させたら今度は条件を緩めるということが一番怖いわけです。

 そこで申し上げたいのは、日本郵政とオリックスとの契約書のポイントというのを総務省につくらせたわけですね。そこには少なくとも二年間は日本郵政の事前の承諾なく譲渡等はできないと書いてあるんですよ。ところが、ただし書きが書いてありまして、事業の発展的かつ継続的な運営に資さないと合理的な根拠に基づくオリックス不動産株式会社が判断する個別資産の譲渡、閉鎖はできると。つまり、最終契約では、オリックスは、ここはもうやりたくない、もうからぬところは閉鎖も譲渡もできると書いてある。

 これは完全に抜け穴の条項が後からついている。こういうやり方をしているから、私はひどく腹を立てているわけでございます。ですから、今一方、先生の、十年は営業は絶対継続する、転売しちゃいかぬというのに比べて、オリックス不動産が自分で判断したらいつでも譲渡も閉鎖もできる、こういうばかなことが起きているわけです。

福田(昭)委員 ぜひ、大臣、この一括売却についても徹底的に解明をしていただいて、より適切な処分ができるようにしていただきたいと思っております。

 そこで、私の方は、そうしたかんぽの宿の一括処分、これも重大な問題、事件でございますけれども、もう一つ大きな問題は、この郵政民営化がどんな形で行われたかということを今まで各大臣にただしてまいりましたが、みんなどうもアメリカに遠慮しているというか、どうも日本人としての矜持が感じられないような答弁ばかりだったんですね。ですから、ここは、日本国民の財産を守る、そういう観点から郵政の見直しをしっかりしなきゃならないと思っているんです。

 そんな点について、財政投融資改革について、財務省の方が来ていると思いますが、お伺いをしたいと思います。理財局次長が来ているんですか。

 平成十九年の十月一日にスタートした郵政民営化の最大の理由となった財政投融資は、それ以前に、例えば預託金利の市場連動化とか資金の全額自主運用など、改革は一応財務省としては済んだと考えていると思っているんですが、もちろん、完璧な改革ではないという御指摘もいろいろな方々からありますけれども、財務省としては、もう既に財政投融資改革の実施が済んだと考えていらっしゃるのかどうか、お伺いをしたいと思います。

    〔森山(裕)委員長代理退席、委員長着席〕

桑原政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、平成十三年度に財政投融資制度の抜本的な改革が行われました。この改革におきましては、郵貯等の資金が、財政融資資金、当時は資金運用部資金と申しておりましたが、そこに義務的に預託され、自動的に流入することになっていた仕組みを廃し、財投資金と郵貯とを制度的に切り離す一方で、財政投融資の対象となる事業につきましては、真に必要な資金だけを財投債の発行により市場から能動的に調達する仕組みへの移行が図られたところでございます。

 このような改革の結果、財政投融資の資金の主な調達先について、郵貯等の公的な資金を有する資金から民間資金へと資金の流れの抜本的な転換が図られるとともに、各財投機関の改革、効率化の促進にも寄与することとなったものと認識いたしております。

福田(昭)委員 財務省の考えとしては、平成十三年度から既に財投改革はスタートしたということなんですね。

 それでは、そのときに、今までの既存の預託残高については、二〇〇七年度、平成十九年度までに全額返済されるということになっていたようでありますが、それはしっかり返済は済んでいるのかどうか、ちょっと確認をさせていただきます。

桑原政府参考人 お答えを申し上げます。

 今御指摘のように、平成十三年度から郵便貯金の預託義務が廃止されたことに伴いまして、財投改革前に財政投融資資金に預託されました郵貯資金は、約定により順次払い戻されております。

 それで、今先生が御指摘のように、郵貯からの預託金でございますけれども、通常分につきましては、十九年度末までに全額払い戻されております。

 一方、自主運用分というのがございまして、これは金融自由化対策資金というものの見合い分でございますけれども、これは預託期間が十年となっておりましたこともございまして、二十二年度までにすべて払い戻される予定となっております。

 以上でございます。

福田(昭)委員 お聞きのように、財投改革は財務省としては済んだという考え方なんですね。

 そうした中で、平成十六年の九月十日に閣議決定をされました郵政民営化の基本方針、その中には、「明治以来の大改革である郵政民営化は、国民に大きな利益をもたらす。」ということで三点書いてあるんですが、三点とも全く論理矛盾したことが書いてあるんです。

 三点目を読んでみますと、「公的部門に流れていた資金を民間部門に流し、国民の貯蓄を経済の活性化につなげることが可能になる。」と書いてあるんですね。もう財務省は済んだと言っているのに、郵政民営化の基本方針にまだこんなことが書いてあるんですよ。平成十三年からスタートしているのに、平成十六年の時点でこう書いてあるんですね。まさに、郵政民営化がいかにまやかしで始まったかということがわかるんじゃないかなと私は思っております。

 そこで、次に、米国の年次改革要望書についてお伺いをしたいと思います。

 鳩山大臣は、このアメリカからの年次改革要望書については御存じかどうか、イエスかノーでお答えください。

鳩山国務大臣 そういうものがあったことについては、イエスです。

福田(昭)委員 先ほどもちょっと申し上げましたが、鳩山大臣がかんぽの宿を一括してオリックス不動産に売却されるのを勇気を持って中止をさせた、その対処の仕方に対しては、本当に私は心から賛意を送りたいと思っています。しかしながら、私は、このことよりももっと大きな罪がこの郵政民営化だと思っております。

 それは、二〇〇四年、平成十六年の九月一日に、当時のブッシュ大統領と小泉総理の日米首脳会談によって決定されたと言われているんですね。御案内のとおり、この基本方針が同九月の十日。平成十六年の九月一日、日米首脳会談、続いて九月十日に郵政民営化の基本方針が閣議決定されたんですね。そして、二〇〇五年の九月の郵政解散総選挙を経て、平成十九年の十月一日に郵政民営化がスタートしたわけであります。

 郵政民営化がアメリカの言うとおりに実施されたとしたら、鳩山大臣、どう思いますか。これはまさに、私は、日本国の主権が侵された大変なことだと思うんですね。内政干渉と言ってもいいと思いますね。こうしたことの真実を国民の皆さんに明らかにする、大臣にはその勇気がございますか。いかがですか。

鳩山国務大臣 先ほど先生からお話があった、日米対話の枠組みの一つでしょうか、日米規制改革及び競争政策イニシアチブというのが毎年あったわけですよね。日米双方が要望書を交換しておりまして、アメリカ側からの日本への要望では、なぜか郵政民営化に関する記述がされてきたわけでございまして、私は、先ほどそういうようなものがあるのはイエスと申しましたが、中身を詳しく知っていたわけでは当然ありません。

 大体、この極めて内政そのものであることに関してこういう話し合いがされてきたこと、なぜかなと今でも思う部分がございまして、少なくとも郵政民営化はアメリカ政府の要求に沿って制度設計されたものではない、こう思っておりますけれども、いろいろな話し合いが日米双方でされてきたわけですから、もし何らかの影響があっていたら嫌だな、こういう思いは率直にあります。

福田(昭)委員 大臣、ぜひ資料の一をごらんください。

 これは、平成十七年の六月二十七日、当時の自民党の郵政事業懇話会がつくったニュースです。また自民党に戻られました山口俊一先生とか、国民新党の長谷川憲正先生が事務局でつくられたニュースであります。ここに「アメリカの要求どおりに作られた郵政民営化法案!」と書いてあります。「日本政府(竹中大臣ほか)は、法案作成にあたり十七回もアメリカと交渉しています。」と。私が尋ねましたら、十七回じゃない、十八回だと言うんですよ。

 そして、ここに書いてあります米国政府対日要望が六項目あります。そして、郵政民営化法案が右の方にあります。このとおり法案がつくられたのかと言いましたらば、四番だけがそのとおりではありませんが、一、二、三、五、六はこのとおりですという答えなんですね。

 特に、三番目にありますように、株式は十年間で完全売却と書いてあるわけですね。それから二番に、「民間と同じ法律を適用せよ。」は「郵貯法・簡保法を廃止し、銀行法・保険業法を適用。」ですが、これは当時の竹中大臣がよく言っていたんですね。イコールフッティングという言葉を言っておりました。まさにこれなんですよね。

 次に、資料の二をごらんいただきたいと思います。こちらは、我が民主党が要求したところ、出てきた、十八回の打ち合わせの資料なんです。

 これを見ますと、二〇〇四年、五年、平成十六年、十七年にわたって十八回の打ち合わせをしているわけでありますが、アメリカ側の名前は全部黒塗りなんです。日本側はちゃんと書いてあるんですが。これをよく見ていただきますと、米国大使館の公使とか、米国財務省の課長とか、あるいはUSTR、通商代表部の課長だとか、アリコジャパンとかアフラックの担当者だったりするんですね。

 この名前をぜひ公表しろと言いましたら、個人情報だから公表できないと言うんですね。おかしいじゃないかと。増田大臣、前のですよ、あなたは岩手県ではこうした役職者の名前は公表しているだろうと言ったら、公表していますと言うんですよ。しかし、いろいろアメリカとの関係がありまして公表できないと言うんですよ。そんなばかな話がありますか。役職者の名前は、個人情報であっても公表するのが当たり前です。

 大臣、この名前を公表するつもりはありますか。いかがですか。

鳩山国務大臣 例えば、今、福田先生と私が国会でやりとりしておりますけれども、それが何年後かでどんなやりとりがあったかといったときに、私の名前も黒塗りになるなんということがあってはならないと思います。

 つまり、個人情報の問題というのは非常に難しいので、役所と全く違う答えをしますが、これは少なくとも交渉しているんでしょう。面談要請があって、民営化準備室として仕事で堂々とやっているんでしょう。黒塗りは取るべきだと思いますね、私は。

福田(昭)委員 ありがとうございます、大臣。

 ぜひ名前を公表していただくと同時に、今度はこの打ち合わせメモ、これが肝心ですよね、やはりこれを開示しないと、郵政民営化が本当にアメリカの言うとおりにやられたのか、そうでないのかというのがわからないんですよね。この内容をはっきりさせれば、本当に小泉さんや竹中さんがどういうことをやったかということがはっきりするんですよ、大臣。

 ぜひこの内容を、私が前に質問しましたら、おはよう、こんにちは、さようなら、あいさつ程度の打ち合わせだったのでメモはないと言うんですよ。そんなわけないと思うんですが、大臣、いかがですか。

鳩山国務大臣 今申し上げましたのは、私は、堂々と交渉、話し合い、仕事をしている者は、これがまたその後の行政等に影響を与えるものであるならば、だれであるかということを黒塗りにするのはおかしい、常識的にそう思うから、そう申し上げたわけでございます。

 ただ、十八回の面談についてのメモはないというふうに私も報告を受けているわけでございまして、面談のメモということになりますと、やりとりがある、そうすると、それはやりとりのプロセスでいろいろなものが出ているから、それを全部公表しろということにはなかなかなりにくいものと思っておりますけれども、郵政民営化準備室から現在の推進室に引き継がれていないから存在しないということで、今のところは御理解をいただきたいと思います。

福田(昭)委員 大臣、麻生総理も、郵政民営化におれは反対だったから担当大臣を外されたと言っております。大臣も、賛成していいか反対していいかわからなかったけれども、最終的には賛成したということですよね。ということであれば、やはりここは、このメモを明らかにして真実を明らかにする。

 先ほど申し上げたように、当時の自民党の郵政事業懇話会ニュースのあの六項目のうち、少なくとも五項目はこのとおりだと言うんですよ。ですから、アメリカの要求どおりにつくられたのはほぼ間違いないんですよ、これは。ですから、それが本当かどうかということをさらに確認するためには、このメモは物すごく重要なんです。このメモの中身を明らかにすることによって、麻生総理も言えるんですよ、小泉さん、私を笑うどころじゃないでしょう、あなたはもっとすごいひどいことをやったんですよと言えるんですよ。いかがですか。

鳩山国務大臣 小泉元総理ほどの剛毅な方が、アメリカからの要求をのんだりアメリカの要求によって郵政民営化に動いたとは私は思っていませんし、思いたくもありませんが、ただ、アメリカ側の要求が執拗であって、日本人の中にも頭の中がアメリカ的になっている人がいますから。

 それは、精神構造的なものから哲学的なものというのかな、私はそれをよくウエットとドライと。私は、先生はウエットだと思うんですけれども、まあ、アメリカ人が全部ドライだと言っているわけじゃありませんけれども、非常にドライな発想をするというケースがあって、それで、アメリカの要求をドライな発想でなるほどと聞いてきた人がいたのかもしれない、そういう思いはいたします。

福田(昭)委員 何となく大臣の答弁がトーンダウンしてきてがっかりしておりますが。

 ここに、これは若手の新進気鋭のジャーナリスト、関岡英之さんが書いた「奪われる日本」という本を持ってきました。ここの一節をちょっと紹介します。

  郵政民営化を唯一の争点とした〇五年総選挙の真相は、官邸とマスメディアが演出したような「改革派」対「守旧派」ではなく、「対米迎合派」対「国益擁護派」の闘いだった、というのが私の理解である。しかし真の国益を守ろうとした

当時のですよ、

 自民党の勇気ある議員たちの警鐘は、単細胞的常套句の連呼にかき消されてしまった。我々国民は「小泉劇場」に踊らされ、これらの政策通の国会議員たちから議席を剥奪し、その穴埋めに、小泉総理にひたすら忠誠を誓う公募の新人を大量に国会に送り込んだ。

こう関岡さんは指摘しています。

 まさに、そういった意味では、先ほど我々の原口委員の方から、竹中さんを参考人としてこの委員会に呼ぼうじゃないかという話がございましたが、私も委員長にぜひお諮りをお願いしたいと思います。この郵政民営化の真実をしっかり確認するために、小泉元総理と竹中元大臣をぜひここに呼んでいただきたいと思うんです。

 なぜかと申し上げますと、小泉総理と竹中大臣は売国奴だと言う人がいっぱいいるんですよ。ですから、お二人の名誉のためにも、しっかり、お呼びして郵政民営化の真実を明らかにする必要があると思うんですね。ですから、委員長、ぜひ後で理事会でお取り計らいをお願いしたいと思います。

 それでは、まだ少し時間があるようでもございますので、郵政民営化について引き続き御質問させていただきます。

 次に、郵政四分社化のメリット、デメリットがどこにあるのか、ぜひ大臣にお伺いしたいと思います。メリット、デメリット、あわせてぜひお答えをいただければと思います。

鳩山国務大臣 四分社化のメリットというのは、やはりそれぞれ一つずつの事業が、その損益状況というんでしょうか、益というよりも損が出た場合でしょうか、これが他の事業に影響を及ぼすことを未然に防止するということ、それから、それぞれの会社の専門性が高められて、それぞれ四つの民営化会社が効率的な経営を行うだけでなくて、さらに自由な経営を行って、良質で多様なサービスを低料金で提供できるように努力することが、それぞれ一つずつ別々になれば身軽でできるのではないかというふうに考えております。

 しかしながら、いつも申し上げておりますように、光と影という部分で申し上げれば、日本人が営々と築いてきた郵政文化の崩壊、郵便局長さん、特定局長さんたちが地域のリーダーとしてゲマインシャフトの中心にいた、そうした方々がこれからも地域社会を引っ張っていってもらいたいわけだけれども、そういう特定局長さんたちが集荷ができないとか、いろいろ難しい問題がありますね。

 私もいろいろ郵便局をめぐりますと、要するに、ゆうちょ銀行やかんぽ生命がそのまま入っているところもあれば、ゆうちょやかんぽが入っていなくて局会社が全部代理でやっているところとか、いろいろ複雑じゃないですか。そういう中で、何か日本の郵政文化そのものが崩壊してはいけないというふうに思います。

 郵便配達の職員というのは地元に顔が売れていて、お互いの信頼感がある。だから、昔で言うと、定額貯金のお金を、ちょっとこれ入れておいてねとやれた。この絶対の信頼というのが日本の郵政文化の最大の特徴だと思うんですが、事業会社の職員であるがゆえに、ゆうちょのお金もかんぽのお金もさわれない。消費者からいえば預けられないということが起きているというようなことがございますので、懸念すべき事柄がありますから、影の部分はとにかくできるだけ減らせるように見直しをする、改革の改革をする、こう思っております。

福田(昭)委員 私は、なぜ四分社化したか、これはアメリカの要求に沿うためですよ。

 先ほど申し上げたように、郵便貯金銀行と郵便保険会社の株式を全部処分するわけですよ、十年後までに。そうしたらば、アメリカの資本が、まあアメリカだけじゃないかもしれませんが、外国の資本が株を買うことができるんですよ。そうですね。そうすれば、株式の二〇%以上を取得すれば経営権まで握れるでしょう。そのための四分社化ですよ。

 今まで日本郵政は、公社の時代に、大臣も御承知のとおり、日本郵政公社は何を売りにしてきたか。メリットですね。今大臣からもお話ありましたように、郵便事業と貯金と簡保と三事業一体だから、一人三役もできてシナジー効果が大きいから、三事業一体でそれこそ金融面から郵便の配達からユニバーサルサービスができるんです、こう今まで郵政公社は誇りにしてきたわけですよ。それを、今回、三事業を分割し、四分社化してやる必要は全くないわけですよ。今度は全くシナジー効果はなくなっちゃいました、全くですよ。

 その上、ゆうちょ銀行と保険会社は、株式を売却したときには簡単にアメリカの会社に買われちゃいますよ。御案内のとおり、会社法も民法も改正して三角合併がオーケーになっているんですから、日本一のゆうちょ銀行も、日本一の郵便保険会社だって、簡単に買えるじゃないですか。とんでもないですよ。アメリカにげんこつをもらったら、だめだなんて言える日本政府じゃないんだから、簡単に買われちゃいますよ。それはどう思われますか。

鳩山国務大臣 その部分も含めて、今後、郵政民営化の光と影の問題、見直し論議を進めていくべきだと思っております。

 株式の上場を早くという動きがあったわけですが、それは、総理の御発言もありましたし、現下の金融情勢等を踏まえれば、現在、慎重に対応すべきであることは言うまでもありません。

 いわゆる買収防衛策というものの導入について規定しており、今その方法を検討中であるというふうに聞いているわけで、信託型ライツプランというのを検討しているようでございます。買収防衛策は、つまり、新株予約権をあらかじめ発行、信託しておくという方法だそうですが。

 やはり、ゆうちょ銀行、かんぽ生命は、十年間はユニバーサルサービスを基本的に局会社を通じて行うということだし、日本郵政の方もその十年というのは延ばしていってもいいということでもありましょうから、日本郵政が今の法律の規定どおり完全に株式を売却すれば、表現はうまく言えないんですが、糸の切れたたこというのか、コントロールが全くきかないわけですね、純粋の民間金融機関になる。しかし、やはりユニバーサルサービスは今後とも続けてもらいたいという願いがあるとすれば、この買収防衛策だけで足りないならば、例えば外資規制をかけるというようなことだって、検討事項としては存在し得ると私は思います。

福田(昭)委員 そうした買収防止策なり外資の規制なりということを考えるのであれば、まずは株式処分を凍結して、抜本的な見直しをすべきじゃないですか。いかがですか。

鳩山国務大臣 ですから、私は、今ある法律をもとに、基本的には答弁すべき、しばしばそこから外れているかもしれませんけれども、基本的にはそう思っておりますから、十年以内の売却というものを前提に物を考えますが、郵政民営化の見直しという意味では、株式売却の時期等についても、これはその検討項目の中に入るものと思っております。

福田(昭)委員 国民が汗水垂らして働いてためてきた貯金や簡保は、やはりそれは日本の国や地方のために使うべきですよ。

 今までの郵貯や簡保の資産運用状況を見ますと、運用は、それこそ貯金も八割は国債と地方債ですよ。簡保も六割ぐらいがそうですよ。そういうことを考えたら、郵貯や簡保が国家財政や地方財政を支えてくれているんですよ。これを民営化して、運用も自由ですということになったら、これは大変なことになるんですね。ましてや、外国資本が買っちゃって、日本の国債や地方債はもう買いません、外国の国債やそういうものを買いますということになっちゃったら、それこそ日本の国家財政の破綻の引き金を簡単に引きますよ。

 ですから、これはやはりしっかりと国がコントロールして、国家財政を支えてもらったり地方財政を支えるための郵貯、簡保として活用していくということの方が、私は、日本の国益を守っていくことにつながると思うんですが、いかがですか。

鳩山国務大臣 民営化という言葉がよく使われるわけですけれども、民営化というのは、ありとあらゆる段階があるんだと思うんですね。

 私、ちょうど行政管理政務次官というのをやったときに、国鉄の民営化という非常に難しい事柄に少しだけタッチさせていただいて、民営化というのは、全くの国そのもの、国が株式を持っている国策会社、全くの純粋の民間、この間には物すごくいろいろなバリエーションがあると思うんですね。

 だから、郵政は民営化しましたが、それは、日本郵政公社が日本郵政株式会社になったという意味では民営化なんですけれども、株式はまだ国が全部持っているわけですから公的性格が強い。ゆうちょ、かんぽも当然まだ株を売っていないですから公的性格が強い。その公的性格というのを、ユニバーサルサービスという観点でどこまで色濃く、いつまで残していくかという議論は、やはり必要なんだろう。全く糸の切れたたこになっていいのかということを含めて、議論は必要だと思います。

福田(昭)委員 時間が来ましたので終わりにしたいと思いますが、大臣、ぜひここはこれからしっかり、日本が真の独立国家としてやっていくためには、郵政民営化の真相を明らかにする必要があると私は思うんです、基本的に。

 そういう意味で、郵政事業全般の見直しもしなきゃなりませんけれども、アメリカの要求どおりにつくられたこの郵政民営化というのはしっかりと見直しをしなきゃだめだ、こう思っていますので、どうぞ、大臣の勇気ある決断を期待しておりますので、お願いをいたしまして、終わりといたしたいと思います。

 ありがとうございました。

赤松委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也でございます。

 きょうは、郵政の資産売却の問題について質問をいたします。

 日本郵政がかんぽの宿など計七十九施設をオリックスに一括売却する方針について、大臣は承服しがたい点があると述べ、なぜオリックスなのか、なぜこの時期なのか、なぜ全国一括なのかと問題点を指摘いたしました。

 郵政の資産は、国民、利用者が営々と積み上げてまいりました国民共有の財産であります。勝手に切り売りすることは許されません。不透明な資産売却は、オリックスへのかんぽの宿売却方針だけではありません。なぜ一括売却なのかを問題にするのであれば、過去のバルク、一括売却の検証も必要であります。

 そこで、日本郵政に伺いますが、郵政公社時代に、バルク、一括売却の案件は、十六年度に六十件、十七年度に百八十六件、十八年度に百七十八件行われておりますが、十八年度のバルクについて聞きます。

 鳥取の岩井の旧かんぽの宿の購入者はだれで、そのとき郵政公社の行いました鑑定評価額が幾らで、購入者の評価した額は幾らか、それぞれお答えください。

藤本参考人 平成十八年度のバルク売却の中で、鳥取岩井簡易保険保養センターの件でございますか。

 バルク売却の購入者は、コスモスイニシアを代表とする、株式会社リーテック、東急リバブル株式会社、株式会社長谷工コーポレーション、株式会社穴吹工務店、株式会社レッドスロープによる七社で構成されるグループの共同購入でございます。

 それから、鳥取岩井簡易保険保養センターの鑑定評価額でございますが、これは三千七百万円でございます。それに対しまして、購入者の評価額、これを徴したわけでございますが、それは一万円でございます。

塩川委員 グループで購入しているわけですけれども、登記をした者はどなたかといえば、レッドスロープ社だと承知していますが、その点だけ確認させてください。

藤本参考人 お答えいたします。

 鳥取岩井簡易保険保養センターの所有権の移転先は、有限会社レッドスロープでございます。

塩川委員 これはよく知られていますように、一万円で購入したレッドスロープ社が六千万円で売却をしたという案件ですけれども、この一万円という、購入者がつけた、評価した額に対して、郵政公社側での鑑定評価の額が三千七百万円だったということであります。鑑定評価額三千七百万円の物件が一万円で譲渡をされている。一万円で購入したレッドスロープ社は六千万円で売却をしております。

 もう一つ、沖縄の東風平レクセンターの例がございます。そこでも、この東風平センターで登記した者はどこなのか、それから郵政公社側による鑑定評価の額は幾らか、そして購入者の評価した額は幾らか、それぞれお答えください。

藤本参考人 旧沖縄東風平レクセンターでございますが、これは鑑定評価額が六千二百五十六万七千円でございます。それから、会計処理上必要な関係がございまして購入者の評価額を徴した額は一千円でございます。

塩川委員 登記した者、東急リバブルと承知していますけれども、確認お願いします。

藤本参考人 所有権移転先は東急リバブル株式会社でございます。

塩川委員 郵政公社側で鑑定評価をした額六千二百五十六万円の物件が千円で譲渡をされる。千円で購入した東急リバブルは四千九百万円で売却をする。まさにぬれ手でアワの大もうけが行われている。

 西川社長に伺いますが、郵政公社による鑑定評価額と比べて極めて低い金額で購入、譲渡されている。安売りと言われても仕方がないのではありませんか。

西川参考人 お答えいたします。

 これはいろいろなケースがあるかと存じますが、バルク売却の場合は、文字どおり、一括して幾らという入札をされまして、その中で一番高値のところに落とす、こういうことでございますが、その購入した金額を各物件に落札者の方は割り振るわけでございます。それは、郵政公社がとっておりました鑑定などとは関係なく、価額の割り振りをいたしております。

 千円でございますとか一万円でございますとかというのは、多分、備忘価額的に割り振ったものであろうと思います。それで、帳簿処理を彼らの方で行っておるということだと理解をいたしております。

塩川委員 鑑定評価の額が百十四億なんですよね。購入者の評価した額が百十五億です。それを購入しているわけですから。

 一方で、千円とか一万円というものがあるとしたら、他方で、郵政公社側が鑑定評価をした額よりも高い額で割り振られている者もあるということになるわけですけれども、では、郵政側が鑑定評価をした額より高い物件というのでいえば、例えば、参議院の総務委員会で我が党の山下芳生参議院議員が取り上げましたけれども、大阪の枚方のレクセンター、ここの購入者は長谷工コーポレーション、この一つの物件だけ長谷工コーポレーションが手に入れているわけですけれども、購入をしてから次の転売までわずか十一日間ですよ。十一日間で転売できるような物件がどうして割高と言えるんですか。結局は、そういう期間でも転売できるような、そういうのが見込めるような評価額でしかなかったということでいっても、もともとの評価額そのものの妥当性が問われているんじゃないでしょうか。

 同じように、埼玉の上福岡、現在はふじみ野市になりますけれども、戸建ての住宅街の中に旧上福岡江川二号社宅というのがありました。この購入者はコスモスイニシア、旧リクルートコスモスですけれども、購入したら直ちにマンションを建てるわけですよ。そのマンションによって、近隣住民、一戸建ての地域ですから、突然十一階建てができるというので、反対運動も起こるというトラブルになっているような事案、すぐマンションをつくって販売できるような、そういう物件であるわけですね。

 ですから、そういうのも含めて、百十五億円というところでは極めて安値の売りだったのではないか。もともとの鑑定評価額に疑問が生ずるわけですけれども、この点、西川社長、経緯について調査するお考えはありませんか。

西川参考人 お答えいたします。

 こういったバルク売却というのが果たして我々の不動産の処分の仕方として妥当なのかどうか、そして、その際の鑑定評価を、いかに公正妥当な評価が得られるようなやり方をするかといったことにつきまして、先日設置いたしました第三者委員会、専門家によりますものでございますが、ここでよく議論していただき、検討をしていただくよう今お願いをいたしているところでございます。

塩川委員 過去の経緯について調査をしていただきたいと思っているんですけれども、そのお考えはありませんか。国民新党の調査でも、七割が転売されている十八年度のバルクですから、そのことも含めて過去の経緯について改めて日本郵政として検証する、問題点を洗い出す、そういう考えはありませんか。

西川参考人 お答えいたします。

 ただいま申しましたように、私どもの売却のあり方として、そういうバルクセールというものが妥当なのかどうかといったことを再検討していただこうというふうに考えておりますので、その中で、過去の公社時代のバルクセールというものを実例に検証をしていただくということも当然あり得ようかと考えております。

塩川委員 安売りという批判は免れないわけです。

 加えて、このバルクの落札者についても疑問があります。

 資料を配付いたしましたが、日本郵政から出していただいた、十六年度、十七年度、十八年度のバルクの落札者についての資料でございます。

 そこで、いろいろ片仮名とかアルファベットの購入者が挙がっていますけれども、確認、おさらいですが、CAM5、CAM6、CAM7というのは出資者はどこか、また、G7―1、G7―2の出資者はどこかを教えていただけますか。

藤本参考人 お答えいたします。

 入札参加申し込みの際の定款等の提出書類によりますと、平成十六年度におけるバルク売却で共同購入者の一員となっておりますCAM5とCAM6につきましては、株式会社リクルートコスモスの出資でございます。

 それから、平成十七年度のバルク売却で共同購入者の一員となっておりますG7―1及びG7―2につきましては、それぞれ株式会社リーテックの出資でございます。また、CAM7につきましては、株式会社リクルートコスモスの出資でございます。

 同様に、平成十八年度におけるバルク売却で共同購入者の一員となっているレッドスロープにつきましては、株式会社リーテックの出資でございます。

塩川委員 レッドスロープはリーテックの一〇〇%子会社、G7―1、G7―2がリーテック出資のSPCですけれども、このリーテック社の社長は、リクルートコスモス、現コスモスイニシアの出身の方ですね。その点を確認させてください。

藤本参考人 その点につきましては、ちょっと確認しておりませんので、今直ちにお答えできません。

塩川委員 リーテック社のホームページを見ますと、代表取締役のところにリクルートコスモス出身と書かれておりますから、事実でございます。

 東京新聞の報道でも、このリーテック社はコスモスイニシアなどから出資を受けて、増資もしているわけであります。そうしますと、このCAM5、CAM6、CAM7、G7―1、G7―2、レッドスロープ、リーテックなど、名前はいろいろだけれども、いずれもリクルートコスモス、現コスモスイニシアの関係企業ばかりであります。

 その上で、一括売却が行われた、バルク売却が行われた十六年度、十七年度、十八年度のこの三回について、それぞれ落札者の代表はだれかをお答えください。

藤本参考人 平成十六年度から平成十八年度までの三回のバルク売却につきましては、すべて一般競争により入札を行っておるわけでございますが、これら三回の入札におきましては、落札者を含みまして、平成十六年度においては三グループ、十七年度においては十一グループ、平成十八年度は二グループが入札に参加をいたしてございます。

 これら三回の入札におきまして、いずれも株式会社リクルートコスモス及び商号を変更しました株式会社コスモスイニシアを代表とする共同購入者が落札をしたものではありますけれども、これは、それぞれの入札参加者の競争の結果であろうというふうに考えておる次第でございます。

塩川委員 リクルートコスモス、現コスモスイニシアを代表としたグループがすべて落札をしております。

 そこで、十八年度の入札の経緯について伺いますけれども、この入札、二グループということですが、これは、経緯の中で、一方が辞退をしたと聞いているんですけれども、そのとおりですか。

藤本参考人 事実の経過を申し上げますと、第一回の入札に際しましては、これは落札者がございませんで、第二回の落札で落札者が決まったわけでございますが、その際に一社が辞退をしたということでございます。

塩川委員 冒頭確認しましたように、一万円が六千万円になるとか、千円が四千九百万円になるとか、こういう話ばかりがあふれているわけで、そもそもバルクという手法をとる必要があったのかということが率直に疑わしいわけです。

 入札者が少ない場合であっても、ふさわしくこれを見直す、切り分けてやれば、違う形で売買、譲渡が成り立つようなことだってあったわけで、こういったバルクという手法をどうしてもとる必要があったのか、その点についてお聞きしたいんですが、いかがですか。

藤本参考人 日本郵政公社におきますバルク売却の経緯でございますが、売りづらい物件でございますとか、多くの物件を効率的に売却する方法として、平成十六年度からバルク売却を一般競争入札で行っておるわけでございます。

 バルク入札を行わなかった場合の影響といたしましては、やはり郵政公社の側で不動産を売却するための陣容の整備でありますとか、そういうものに時間がかかる、経費がかかる、あるいは売却するのに時間がかかる、そういったデメリットもあることから、今申し上げましたように、売りづらい物件や多くの物件を効率的に売却する方法としてバルク売却を選択したというふうに聞いております。

塩川委員 公社側も鑑定評価を行ってきているわけで、それぞれについてふさわしいやり方というのは当然あったわけで、それをバルクにしたことで、結局は参入者を制限することによって特定の者に落ちるような経緯になったのではないか、そういうことが疑われる。

 この入札の経緯などについて、資料を明らかにしていただけますか。

藤本参考人 内容的には今申し上げたとおりでございますが、御質問の御趣旨が、そのときの意思決定のあり方であるとか、そのときの文書という趣旨でございますれば、調べてお出しをしたいと思います。

塩川委員 入札、落札の経緯についての資料を出していただけますか。

藤本参考人 関係の文書といいますと、バルク入札を行った際の関係文書、あるいは入札者のすべてと、それがそれぞれどのような値入れをされたかという入札の札、そういった一式につきまして提出をいたしたいと思います。

塩川委員 大臣に伺いますけれども、この三年間にわたって落札の代表者がリクルートコスモス、リクルートグループだったわけですけれども、このリクルートが総合規制改革会議のメンバーだったということは、大臣は御存じでしょうか。

鳩山国務大臣 不敏にして今承知しておりません。

塩川委員 このリクルートの代表取締役会長兼CEOが総合規制改革の委員になっております。ちょうど郵政民営化の議論の始まる〇一年から〇四年の期間にかけてであります。

 大臣は、郵政民営化を論じていた規制改革会議の議長だった宮内氏のオリックス不動産に一括譲渡というのは、国民から見たらできレースではないかと受け取ると述べておられます。規制改革会議のメンバーだったリクルートが常にバルクの落札者だったというのは、国民から見たらできレースではないかと受け取るのではありませんか。

鳩山国務大臣 三回のバルク売りで全部リクルートコスモスあるいはコスモスイニシアがこれを落としているということを考えますと、まずそのことに、本当にこれは偶然なんだろうかという疑問を抱くのは私だけではないと思うし、そういうような疑念を国民が感じるとしてもおかしくないという思いはありますね。

塩川委員 郵政公社時代の不動産売却についても調査、検証をしていただきたいと思いますが、改めて御決意をお聞かせください。

鳩山国務大臣 これは、先ほど原口委員とも松野委員ともお話をした件なんですけれども、本当に残念で悔しいことです。

 というのは、そもそもかんぽの宿が信じられない低廉な価格でたたき売りされようとしていた。それで、理屈の上ではこれは事業譲渡だから、どんな立派な土地にどんな立派な建物が建っていても、営業上損が出ていたら一万円で売れても御の字だなどということが平気で私の報道に対する反論として書かれている。そういう発想でいえば、一万円が六千万円になり、千円が四千九百万になるのは、そういう理論でいけば当然のことなのかもしれない。

 いろいろ考えて、最初、このかんぽの宿だけの問題であってほしかったものが、次々さかのぼって、バルク売りの中で、バルク売りだけじゃないかもしれないけれども、わけのわからないことが生まれてくる。リーテックと書いてあったら、リーテックに売ったんじゃありませんと言ってみたり、もうわけがわからないじゃないですか。

 ですから、できる限りの調査をしなければならないと思っておりますけれども、日本郵政株式会社法第十五条の私の持っている権限の報告徴求というのが、公社時代までさかのぼることができるのか、あるいはそれは拡大解釈だから無理だよと言われるかわかりませんが、事務的に詰めてみて、精いっぱいの努力をしたいと思います。

塩川委員 疑念を持つということであれば、それを行動に移していただきたいと思います。

 私どもは、官から民へをスローガンにして、結局は民間企業が郵政の国民共有の財産を切り売りするものだということを一貫して指摘してまいりました。その一方で、国民サービスが後退をしている現実があります。国民、利用者から、郵政民営化によってサービスが後退したという声が寄せられております。

 資料の二枚目ですけれども、日本郵政に伺いますが、局外ATM、学校ですとか病院に設置をされているこの局外ATMの設置箇所数について、〇三年度末、〇五年度末、それから直近の〇八年九月末の局外ATM設置箇所数がどうなっているのかをお答えください。

米澤参考人 お答え申し上げます。

 局外ATMの設置箇所数でございますけれども、〇三年度末で二千八百七十四カ所、〇五年度末で二千五百六十四カ所、〇八年九月末で二千百五十一カ所でございます。

塩川委員 局外ATMというのは、二〇〇三年度以降で二五%も減少しているわけです。

 郵政産業労働組合が各地でアンケートを行っております。それをお聞きしましたが、国立病院からATMがなくなり職員も患者も困っているとか、病院や市役所のATMがなくなった、もとに戻してほしい、こういう切実な声がそれぞれ各地から寄せられているわけです。

 この中では、京都府内の工業高等専門学校においても、学内にあるATMについて、設置を存続してほしいという署名が六千も集まって校長先生が郵政と交渉したにもかかわらず、一方的に撤去をされてしまう、こんなことなんかも行われていたわけで、簡易郵便局の閉鎖や総合担務の廃止などとあわせて、金融サービスが大きく後退をしているという現実は明らかであります。

 また、民営化移行時における主な送金サービスの料金も、資料の三枚目で表をお配りしましたように、普通為替で一万円送金のときに百円が四百二十円、四・二倍、三万円送金で二百円が六百三十円、三・二倍、十万円を超えるものでは四百円は六百三十円、一・六倍と大きく値上げをしているわけです。これは郵政民営化によって利便性が向上したとはとても言えないような現状にある。

 一方では、郵政民営化によって民間企業が国民共有の財産を切り売りするという事態が生まれ、他方で、利便性の向上を言っていたにもかかわらず、明確なサービスの後退がある。

 大臣に伺いますけれども、郵政民営化というのは、そもそも間違いだったんじゃないですか。お聞かせください。

鳩山国務大臣 郵政民営化という大改革は、先ほどもお答えをしておりましたけれども、小さな政府をつくる、官から民への流れをつくる、そういう意味では郵政民営化は間違いではない、私はこう思っておりますが、そもそもが、日本の郵政文化というのは我が国固有の、国民みんなでつくってきたもの、そのウエットな文化が壊されはしないかという懸念は従来から持っていたということが一つ。

 そして、今後の問題としては、光が強ければ影も強いので、その影の部分を少しでも少なくするために努めるのが私の役割、こう考えております。

塩川委員 官から民への流れそのものが、オリックスの問題や、あるいはリクルートコスモスの例に挙げられるような、まさに切り売りをされるような事態につながっているわけですから、こういった誤りをしっかりと認めた上で、改めるべき点は改めるということが必要であります。

 そういう点では、我々は一から見直せと申し上げているわけですけれども、今のサービスの後退の大きな原因ともなっているのが、金融のユニバーサルサービスの義務づけがなくなったという点であるわけです。その点で、見直すというのであれば、金融のユニバーサルサービスも義務づけるということも含めてしっかりと見直すべきだと考えますが、大臣はどのようにお考えでしょうか。

鳩山国務大臣 今の御指摘の件は、私も政治家を三十年以上やってきて、共産党さんとは余り意見が合ったことはありませんでしたけれども、比較的きょうは合っているような気がします。

塩川委員 見直しと言うのだったら一から見直す、三事業一体、四分社化を見直すのとあわせて、金融のユニバーサルサービスの義務づけをしっかり行う、それでこそ本当に国民の声にこたえることになると申し上げて、質問を終わります。

赤松委員長 午後二時十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時四十七分休憩

     ――――◇―――――

    午後二時十分開議

赤松委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。重野安正君。

重野委員 社民党の重野安正です。

 きょうは、通告は、最初に三位一体改革と基本方針二〇〇六について、その後にかんぽの問題ということにしておりましたけれども、順序を逆にしまして、かんぽの方から入らせていただきます。

 大臣に伺います。

 現在、社内に第三者委員会が設置されたと聞いております。あわせて、新たな売却先探しも進めていくという話も出ているようであります。今回のオリックスへの売却の不透明さ、さらに、過去の公社時代の売却ではまさにぬれ手でアワ、一万円のものが数千万円にもなっている。こうしたことを見るにつけ、資産の売却をそんなに急ぐ必要はないのではないか、まずこの点について伺います。

鳩山国務大臣 当初、かんぽの宿の一括譲渡に関して私が大きな疑問を持ったものでありますから、さまざまなことを申し上げてまいりましたけれども、皆様方がお調べになって、公社時代のバルクセールがさらに疑惑を次々と生み出しているようでございます。

 私は、かんぽの宿が百九億円の一括譲渡というだけで、二年間は仮に営業が継続されたとしても、後から転売されて、それこそぬれ手でアワではないかというような疑問を持ったわけでありますが、今回の公社時代の売却は、まさに数日とか数カ月でぬれ手でアワで巨万の富を手にするような、そういう話が出てきておりますので、それらをやはり解明する必要があるし、決して慌てて売り急いではいけないなという思いがございます。

重野委員 二〇一二年九月末までにという縛りがあるわけですけれども、その後、この委員会の議論もそうですけれども、いろいろな局面からこの問題について掘り下げが行われている。

 財産評価委員会というのが政府に設置されている。この財産評価委員会で正当な財産評価というものがなされるという仕組みだろうと思うのですが、実は、二〇〇五年の民営化法、そして二〇一二年九月末までの施設の廃止、売却、この基本方針に基づいて評価委員会が設置をされ、そこでこれらの財産について正当な評価がなされるんだろうというふうに私は受けとめておった。

 ところが、この評価委員会の初会合が二〇〇六年の九月、第一回目、開催時間三十分。〇七年一月に二回目が開かれて、これまた開催時間は三十分。〇八年は二月に開催されて、このときは五十分間開催された。我々が期待をした評価委員会ではありますけれども、実質的な中身の議論というのはほとんどなされていないんじゃないか、このように思うわけです。

 郵政の民営化というのは、土地、建物、有価証券、金融派生商品、総額で三百兆円以上という大変でかいものでありまして、それが民営化されて処分をされていくという中で、グループ全体で土地建物合わせて五千件と言われております。この五千件、そして金額にして三百兆というような大きいものを、三年間、二〇一二年九月末までに譲渡または廃止を決めるという、そもそもそのスキームそのものが全く無理じゃないかというふうに私は思うのですが、そこについて大臣はどのように思っておられますか。

鳩山国務大臣 経済状況もございますし、このように不透明なものが次々と明らかになってまいりますと、これは一層事態は複雑になってまいります。

 たまに幾つかの自治体あるいは関係者から、かんぽの宿をぜひ買い取りたいというような話があることも、そういう引き合いがあることも事実でございますが、ここはひとつ一たん腰を落ちつけて、国民が営々と築き上げてきたものが、特定の人たちの、まさに昔でいえば利権と言いたいところですが、そういう不透明な形で、疑惑を生むような形で利益が移転されるということがないように十分注意しながら事柄に処していきたいと思っています。

重野委員 財産評価委員会についての答弁が今ないんですが、これは新聞記事でありますけれども、この委員会に就任された委員の皆さんの財産評価委員会に臨む基本的な姿勢と総務省郵政行政部の担当者のこの評価委員会に対する認識というのは、私はどうもずれているんじゃないかと思うわけです。その委員の方々の発言が幾つか報道されているんですが、個別の物件を査定するのは無理だ、物件リストも見ていないのに詳細がわからないので評価に対するコメントなんかはできないと。

 つまり、評価委員会というのは、役所が進めることについてお墨つきを与える委員会になっているんじゃないかと思って、その評価委員会が実際にわずか三十分、三十分、五十分という二時間足らずの時間の中で果たしてそんなことができるのか、そういう疑問を持つわけですね。

 役所にしてみれば、評価委員会で議論をし、その方向を確認されたといえば、それはそういう報告はできるんだろうと思うんですが、我々が見たときに、これはちょっと怪しいなというふうに言わざるを得ないんですが、その点について大臣はどのように受けとめておりますか。

鳩山国務大臣 承継財産評価委員会というものは、郵政公社が閉じられて日本郵政株式会社になるときにどれくらいの財産が承継されるかという、その評価をするところのように見えますが、実は、重野先生おっしゃったとおり、案を示されてそれを了承するお墨つき機関ではなかったかと。だから、具体的に何百というものの審査はできませんから、事務局の方でこんなものでいかがですかと公社が示したものを、ああ、これでよろしいでしょうということで、わずか三十分ぐらいでいつも会合が閉じられていたし、そう言っては失礼ですけれども、我々も人生の中で、時々さまざまな会議で、国会ではありませんよ、この会議はしゃんしゃんで適当にというのは人生でだれでも経験があると思いますが、それほど深刻に思って評価委員をお務めになって評価委員会が開かれたのではなくて、いわばお墨つきだからこんなものでいいでしょうという承認機関のようなつもりで参加しておられた方が多いのではないか、そういうふうに思うわけです。

 そこで問題は、郵政公社を閉じて、閉鎖決算ということになるんでしょう、そして日本郵政株式会社に移っていくときに、既に何年か前からやっていた減損処理を、これは企業会計の原則によるということでございますから、その減損処理というのをやったんだと思うんですが、極端な減損処理をしたものを評価委員会がお墨つきを与えた形になっていることではないかと。私はそこに一番大きな問題があると。

 現に、これは評価委員会に出された文書で、土地というのは、この場合は地価公示価格とは書いていないんです。原則相続税の評価額、いわゆる路線価をもって評価し、路線価のないものについては鑑定評価額をもって評価すると書いてある。でも、そうすると、うんと高いものになってしまうから、減損会計が既に適用されて事業価値に見合う安い価格になっているから、それで評価をしますよと、こういう文書が出ているわけですね。だから、地価公示価格とか実勢価格ではなくて、もう最初から減損した安いものでいこうということがこの評価委員会の出発点になっている。ここが大問題だと思います。

重野委員 今の大臣の答弁は、私は大変大きな問題を含んでいると思うんですね。

 そもそもこの郵政のかんぽの宿にしても郵便局にしても、施設はすべて、今は会社ですけれども、よって立つゆえんは、これは国民のものなんですね。その国民のものを、そういうふうに事態の処理をすること、いかにスピードを上げるかということに重きをなして、そのものを正当に評価する、国民の財産を真っ当に評価をし、そしてその対価を求めていくというところに立たなくて、まあ、五千件という数字ですから、これは膨大な数なんですね。

 そもそも、二〇一二年の九月末までに売却してしまえなんということ自体が、私はこれは間違っている、本筋を離れていると。やはり国民の財産を真っ当に評価してもらって、真っ当な価格で売却をするということに重きを置いていくべきなのに、二〇一二年九月末までに何でもかんでも処理してしまえと。ここがやはり先に走っているんじゃないか。これは基本的な姿勢に問題がある。

 私は、今二〇〇九年ですから、時間があるわけですから、大臣、この点についてはもっと原点に返って、そしてやり直すということを郵政会社に政府としてきちっと指導というか指示をしていくというようなことが求められているような感じがします。

 間違っているのであれば、素直にそれは間違いと受けとめて、国民が納得する方向に修正していく、そのことは私はあってしかるべきだと思うんですが、その点については、大臣、いかがですか。

鳩山国務大臣 私は今現職の総務大臣でございますから、現行法を前提に物を考えれば、民営化から五年以内ということは、今、民営化から約一年半ですからあと三年半残っているわけで、その間に慎重に時期を選んで、相手も選んで、できるだけ高い値段で売っていくということだろう、こういうふうに考えておりますが、今重野先生がおっしゃった、原点に立ち返って考えるべきだということは正論だと思い、重く受けとめます。

重野委員 大臣は、今私が指摘をしました日本郵政株式会社法の附則第二条について、現在は考えていない、今の答弁と符合するわけですけれども、しかし、この附則がある限り、日本郵政はかんぽの宿を売り急ぐんです。しかも、この附則は、竹中大臣が大臣時代に附則にこの項目を入れた、押し込んだ、こういうふうに私は聞いておりますが、本人もそのことをあちこちで吹聴しているようであります。

 この附則のおかげで、この委員会でいろいろな委員から問題提起がなされましたけれども、非常に入札に対する信頼感を失いつつある、国民の共有財産を不当に安く売られるということが起こっているじゃないか。これこそ第二条のよって立つゆえんである、こういうふうに思うんです。私は、この附則の見直しを英断をもって提起すべきであると。

 先ほど申しましたように、私の概算で五千件ある。五千件を三年でやるといったら、毎年千七百件ぐらいやらないと五千件さばけないんですよね。そんなことができるのかと。バナナのたたき売りじゃあるまいし、きちっと正当な評価をして、そしてやるということが国民に対する信頼を損なわない道だというふうに考えるとき、この点については私は踏み込むべきだと思うんですが、再度、大臣に問います。

鳩山国務大臣 先生はバナナのたたき売りではあるまいしとおっしゃいましたが、まさにそれに近いことが行われそうになっておったわけで、私は慌てたわけでございます。

 そういう意味では、この附則二条というのも当然民営化見直しの範囲内でございまして、国会でもあるいは各党でも大いに御議論をいただければありがたいというふうに思っております。

 とりわけ、きょう、今、予算委員会に一時間強出てまいりましたけれども、そこでこの問題がやはり話題になっておりまして、今先生もお触れになりましたけれども、要するに、ある方はかなり自慢げに、これはいわゆる郵政民営化準備室等でまともに議論したのではなくて、自分が子飼いのゲリラ部隊をつくって、それで強引に押し込んだんだ、ここまで大臣が具体的に法律を書き込んだ例は余りないんだぞという自慢話が本に書かれてありますね。

 だから、そういうことを考えますと、本来は、こういう施設については民営化後に検討する、これが最初のありようだったと思うんですね、民営化後に検討する。これがこういうふうに附則二条で書き込まれているのがやや不自然な面もありますから、それは、私自身は今の現行法のもとで検討しなければなりませんが、国会や各党で大いに御議論をいただける一つのテーマだと思います。

重野委員 それでは次に進みますが、竹中元大臣の話に関連して、大臣に伺います。

 これは、二月十七日の火曜日、朝日新聞に載っていたんですが、国会で小泉元総理がいろいろな発言をされました。その本音を解説している記事ですね。その中で、竹中大臣がインタビューに答えて、「郵便事業と郵便局事業は違う。」そんな言い方をされております。私は、郵便局に行ってみて、「郵便事業と郵便局事業は違う。」、あの現場の雰囲気を見てそんなことを言う人というのは、本当に現場を知らない方の言うことだというふうに断定するわけです。

 郵便局の前で郵便事業会社が年賀はがきを年末に売った、こういう話もありました。国民から見たら、一体何なんだ、こういう感想を述べておられますね、その当時の新聞記事によりますと。

 竹中さんが、郵便事業は物流業である、郵便局事業は小売サービス業だ、こういうふうに言うわけですが、そういうふうな言い方をすると、オリックス不動産、常に話題に出てくる会社の名前でありますが、私は、オリックス不動産というのは、ホテル業なんかをやっている、それが本業の会社とは思いませんね。しかし、今、このかんぽの宿、かんぽの宿といいますけれども、ある意味ホテルですね、かんぽの宿の売却に申し込んでいるわけです。一時はオリックスが落札をして、それは取り消しになったという経過はありますが、同時に、ホテル業と全く関係のない投資会社も多数この入札に参加しているわけです。

 業種が違うから分けなければならぬというセンスは、私はこれはいかがなものかというふうに思いますが、本当にこの問題について、竹中さんがこの間議論を沸騰させている、議論の種をまいたわけですけれども、そこについての大臣の見解をお聞かせいただきたい。

 私は、この際、四分社化というものを固定的にとらえるんじゃなくて、やはり現下の状況と、そして郵便サービスを受ける国民の目線から見て、少なくとも三事業は一体的に運営されるべきであるというふうに認識しているわけでありますが、この四分社化についての見直しをする必要があるんじゃないかという立場に立ちます。

 大臣はそこら辺についてどのような見解をお持ちでしょうか。

鳩山国務大臣 私は、郵政公社、郵政事業庁、郵政省に戻す、いわば国営に戻すということ以外は、すべて聖域なく、問題があれば、影があれば取り除いていく、そういう見直しがあるべきだというふうに考えておりまして、会社の形態についても、当然、これは大問題だと思いますけれども、四分社化の利点もあれば影もあるわけですから、これも見直しの対象であることは間違いがない、そういうふうに考えております。

 この文章についていえば、郵便事業と郵便局事業というのはひどく違うものであって、「会社の目的も違う、従業員にも違う資質が求められる」ということが書いてありますけれども、私は、それはすごくドライ、かさかさに乾いた考え方であって、同じ郵政とか郵便ということを考えれば、みんな一生懸命頑張っているわけでございまして、全然人種が違うような方が片や郵便事業を、片や局事業をやっておるわけでは全くないというふうに思っております。

 しかも、「この二事業が一緒になれば、郵政の九割が一緒になるということ。」これは数字的にはそういうことになるのかどうかわかりませんが、「巨大なる郵政ファミリー、郵政利権の復活だ。」と。何が郵政利権の復活なんでしょうかね。これは怒るというより笑っちゃいますよね。

 一生懸命みんな働いているじゃないですか、私もいろいろな郵便局に行くけれども。それが、彼らが巨大なる郵政ファミリーで、みんなで利権をむさぼっているんですか。そういうふうにまじめに働いている郵政五会社の職員に対する冒涜ではないか、私はこう思います。

重野委員 今の大臣の認識、ほぼ共有できると思います。そういう視点で今後ともひとつ取り組んでいただきたいと思います。

 そこでもう一つ、彼が「かんぽの宿はいま、赤字を出している。損失を出している会社をあなたはいくらで買いますかということ。一万円でも売れればいい。」と。さっき大臣もちょっと触れましたけれども、これもむちゃくちゃな話ですね。赤字を出せば会社は売れないのか。今般の経済危機で日本の世界的な自動車、電機の大企業が大きな赤字を出している。だから、その会社は一万円でも売れればいいのか。こんなことは常識人の言うことじゃないですね。

 先ほどの二事業に関連して、巨大な郵政利権の復活だ、このようにも言っている。これも私は何だと。

 今般のかんぽの宿の売却問題にあらわれていることは、やはり先に民営化があって、そして、いついつまでに全部売るんだということが、もうとにかくそれありきで走っている結果が今ここで論議しているようなことになっているんだろう、このように思うんですね。

 竹中大臣は、「鳩山総務相が「不透明だ」とあれだけ煽った状況では、ビジネスはできない。」「損失がふくらめば、国民に損失が出たことになる。責任を総務相はとるのか。」このように言っておるんですね。

 そこで、私は、一体利権はだれがあさったのかと。今般のかんぽの宿の一括売却問題で、公正ではなかったこと、これは今だんだん明らかになってきつつあるんですね。既に会社の方から資料が大臣には提出されていると思います。速やかにその点について公開してもらいたい。我々、この委員会にもその資料について提出をしていただきたい、そのことを要請しておきたいんですが、その点について。

鳩山国務大臣 日本郵政株式会社法第十五条によって報告徴求をして、段ボール箱いっぱい、十七個か、その他の資料が届いておりまして、今みんなで精査をいたしておるところでございまして、その中から幾つか抽出できた問題点は、ここでもお話をしましたけれども、まだその資料をもとにヒアリング等もいたしておる段階でございますので、小出しというつもりはありませんが、出せるものから出していこうと。

 例えば、オリックス不動産と日本郵政が、十二月二十二日か六日に契約をした、その中身等も、いずれ来週初めには要点をお出ししたい、こういうふうに思っておりますし、ここに段ボール十七個持ってきても全く御迷惑な話でしょうから、問題として明らかになってきたものはなるべくお出しをするということ。ただ、こっちもまだヒアリングを続けておりますから、生の資料はなかなか出しにくいこと、その辺は御理解ください。

重野委員 ありがとうございました。

 三位一体改革についても二点ほど通告をしておりましたけれども、時間が来ましたので、次に持ち越しということで、以上で私の質問を終わります。

     ――――◇―――――

赤松委員長 次に、地方自治及び地方税財政に関する件について調査を進めます。

 この際、平成二十一年度地方財政計画について説明を聴取いたします。鳩山総務大臣。

鳩山国務大臣 平成二十一年度地方財政計画の概要について御説明申し上げます。

 極めて厳しい地方財政の現状及び現下の経済情勢等を踏まえ、既定の加算とは別枠で地方交付税を一兆円増額し、これに合わせて地方団体が雇用創出等を図るとともに、生活者の暮らしの安心や地方の底力の発揮に向けた事業を実施するために必要な経費を計上しております。

 また、基本方針二〇〇六等に沿って、歳出全般にわたり見直しを行い、その抑制に努めるとともに、地方団体の安定的な財政運営に必要な地方税、地方交付税などの一般財源総額を確保することを基本としております。

 引き続き生じる財源不足については、適切な補てん措置を講ずることとし、地方財政の運営に支障が生じないようにしております。

 以上の方針のもと、平成二十一年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は八十二兆五千五百五十七億円となり、前年度に比べ八千四百五十七億円の減となっております。

 以上が、平成二十一年度地方財政計画の概要でございます。

 減になっておりますのは、不交付団体において税収が激減をしているためでございます。

赤松委員長 以上で説明は終わりました。

     ――――◇―――――

赤松委員長 次に、内閣提出、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。

 順次趣旨の説明を聴取いたします。鳩山総務大臣。

    ―――――――――――――

 地方税法等の一部を改正する法律案

 地方交付税法等の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

鳩山国務大臣 地方税法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 現下の経済財政状況等を踏まえ、安心で活力ある経済社会の実現に資する観点から、個人住民税における新たな住宅借入金等特別税額控除の創設、上場株式等の配当等及び譲渡所得等に係る個人住民税の税率の特例措置の延長、土地及び住宅に係る不動産取得税の税率の引き下げ措置の延長、平成二十一年度評価がえに伴う土地に係る固定資産税及び都市計画税の税負担の調整、環境への負荷の少ない自動車に係る自動車取得税の税率の引き下げ等の特例措置の拡充、軽油引取税等の一般財源化等を行うとともに、非課税等特別措置の整理合理化等を行う必要があります。

 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。

 その一は、個人住民税の改正であります。個人住民税については、平成二十一年から平成二十五年までの間に住宅の取得等をして居住の用に供した者について所得税額から控除し切れなかった住宅借入金等特別税額控除額を個人住民税額から控除する新たな住宅借入金等特別税額控除を創設するとともに、上場株式等の配当等及び譲渡所得等に係る税率を軽減する特例措置を平成二十三年十二月三十一日まで延長することとしております。

 その二は、不動産取得税の改正であります。土地及び住宅の取得に係る税率を本則四%から三%に引き下げる措置を平成二十四年三月三十一日まで延長することとしております。

 その三は、固定資産税及び都市計画税の改正であります。平成二十一年度の評価がえに当たり、引き続き土地に係る負担調整措置等を講ずるとともに、条例により、税負担が大幅に増加する住宅用地等について税額の上昇を一・一倍まで抑制できる制度を創設することとしております。

 その四は、自動車取得税の改正であります。電気自動車やハイブリッド自動車等の環境への負荷の少ない新車の取得について、平成二十四年三月三十一日までに行われた場合に限り、自動車取得税の税率を引き下げる等の特例措置を拡充することとしております。

 その五は、軽油引取税等の一般財源化に関する改正であります。自動車取得税及び軽油引取税を目的税から普通税に改め、使途制限を廃止するとともに、地方道路譲与税の名称を地方揮発油譲与税に改め、石油ガス譲与税、自動車重量譲与税とともに使途制限を廃止することとしております。

 その他、非課税等特別措置の整理合理化等を行うこととしております。

 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。

 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。

 地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 地方財政の収支が引き続き著しく不均衡な状況にあること等にかんがみ、地方交付税の総額の特例措置を講ずるとともに、各種の制度改正等に伴って必要となる行政経費の財源を措置するため、地方交付税の単位費用を改正する等の必要があります。

 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。

 まず、平成二十一年度分の地方交付税の総額につきましては、地方交付税の法定率分に、法定加算額等を加え、交付税特別会計における借入金利子支払い額を控除した額に、雇用機会の創出等に資する施策の実施に必要な財源を確保するために一兆円を加算した額十五兆八千二百二億円とすることとしております。

 次に、平成二十二年度分の地方交付税の総額に雇用機会の創出に資する施策の実施に必要な財源を確保するために五千億円を加算すること等、同年度から平成三十六年度までの間における国の一般会計から同特別会計への繰り入れに関する特例等を改正することとしております。

 また、平成二十一年度及び平成二十二年度における措置として地域雇用創出推進費を設けるほか、平成二十一年度分の普通交付税の算定に用いる単位費用を改正することとしております。

 あわせて、今後五年間における特例措置として、公営企業、第三セクター等の抜本的な改革に伴って必要となる一定の経費の財源に充てるため、地方債を発行できることとしております。

 さらに、地方税法等改正法の施行に伴う市町村の自動車取得税交付金の減収額の一部を埋めるため、地方特例交付金を拡充することとしております。

 そのほか、地方公共団体の一般会計における長期かつ低利の資金調達を補完するため地方公営企業等金融機構の貸付対象事業を拡充し、その名称を地方公共団体金融機構に改めることとしております。

 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。

 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。

 ありがとうございました。

赤松委員長 これにて両案についての趣旨の説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後二時五十分散会


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