衆議院

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第7号 平成21年3月12日(木曜日)

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平成二十一年三月十二日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 赤松 正雄君

   理事 実川 幸夫君 理事 玉沢徳一郎君

   理事 林田  彪君 理事 森山  裕君

   理事 黄川田 徹君 理事 原口 一博君

   理事 谷口 隆義君

      今井  宏君    小川 友一君

      川崎 二郎君    坂本 哲志君

      鈴木 淳司君    関  芳弘君

      田中 良生君    谷  公一君

      土屋 正忠君    土井  亨君

      葉梨 康弘君    萩原 誠司君

      橋本  岳君    平口  洋君

      福井  照君    古屋 圭司君

      松本 文明君    渡部  篤君

      小川 淳也君    小平 忠正君

      寺田  学君    福田 昭夫君

      松野 頼久君    森本 哲生君

      伊藤  渉君    塩川 鉄也君

      重野 安正君    亀井 久興君

    …………………………………

   総務大臣         鳩山 邦夫君

   総務大臣政務官      坂本 哲志君

   総務大臣政務官      鈴木 淳司君

   政府参考人

   (公正取引委員会事務総局審査局長)        山本 和史君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局審議官)            河野 正道君

   政府参考人

   (総務省大臣官房参事官) 原口 亮介君

   参考人

   (日本郵政株式会社専務執行役)          佐々木英治君

   参考人

   (日本郵政株式会社常務執行役)          藤本 栄助君

   参考人

   (日本郵政株式会社執行役)            寺崎 由起君

   総務委員会専門員     伊藤 孝一君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十二日

 辞任         補欠選任

  田嶋  要君     松野 頼久君

同日

 辞任         補欠選任

  松野 頼久君     田嶋  要君

    ―――――――――――――

三月三日

 定額給付金を撤回し、雇用創出対策の充実を求めることに関する請願(岩國哲人君紹介)(第七六〇号)

 同(岡田克也君紹介)(第七六一号)

 同(奥村展三君紹介)(第七六二号)

 同(高山智司君紹介)(第七六三号)

 同(中井洽君紹介)(第七六四号)

 同(野田佳彦君紹介)(第七六五号)

 同(藤村修君紹介)(第七六六号)

 同(細川律夫君紹介)(第七六七号)

 同(笠浩史君紹介)(第七六八号)

同月十一日

 定額給付金を撤回し、雇用創出対策の充実を求めることに関する請願(小沢鋭仁君紹介)(第八三六号)

 同(川内博史君紹介)(第八三七号)

 同(菅直人君紹介)(第八三八号)

 同(黄川田徹君紹介)(第八三九号)

 同(郡和子君紹介)(第八四〇号)

 同(階猛君紹介)(第八四一号)

 同(田島一成君紹介)(第八四二号)

 同(田嶋要君紹介)(第八四三号)

 同(田名部匡代君紹介)(第八四四号)

 同(細川律夫君紹介)(第八四五号)

 同(山田正彦君紹介)(第八四六号)

 同(内山晃君紹介)(第八六七号)

 同(川内博史君紹介)(第八六八号)

 同(菅直人君紹介)(第八六九号)

 同(高山智司君紹介)(第八七〇号)

 同(武正公一君紹介)(第八七一号)

 同(中川正春君紹介)(第八七二号)

 同(福田昭夫君紹介)(第八七三号)

 同(細川律夫君紹介)(第八七四号)

 同(菅直人君紹介)(第八九〇号)

 同(細川律夫君紹介)(第八九一号)

 同(菅直人君紹介)(第九〇三号)

 同(神風英男君紹介)(第九〇四号)

 同(細川律夫君紹介)(第九〇五号)

 同(三日月大造君紹介)(第九〇六号)

 同(森本哲生君紹介)(第九〇七号)

 同(枝野幸男君紹介)(第九三八号)

 同(奥村展三君紹介)(第九三九号)

 同(川端達夫君紹介)(第九四〇号)

 同(細川律夫君紹介)(第九四一号)

 同(小沢鋭仁君紹介)(第九六九号)

 同(田島一成君紹介)(第九七〇号)

 同(滝実君紹介)(第九七一号)

 同(細川律夫君紹介)(第九七二号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 成田国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一二号)

 行政機構及びその運営、公務員の制度及び給与並びに恩給、地方自治及び地方税財政、情報通信及び電波、郵政事業並びに消防に関する件


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     ――――◇―――――

赤松委員長 これより会議を開きます。

 行政機構及びその運営に関する件、公務員の制度及び給与並びに恩給に関する件、地方自治及び地方税財政に関する件、情報通信及び電波に関する件、郵政事業に関する件及び消防に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、参考人として日本郵政株式会社専務執行役佐々木英治君、常務執行役藤本栄助君及び執行役寺崎由起君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として公正取引委員会事務総局審査局長山本和史君及び金融庁総務企画局審議官河野正道君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

赤松委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。松野頼久君。

松野(頼)委員 民主党の松野頼久でございます。

 きょうは、当委員会におきましてこうして質疑の時間をいただきましたことを、委員長初め各党の皆様に心より感謝申し上げたいと思います。

 前回に引き続きまして、公社時代の過去三回のバルク売却について質問をさせていただきたいと思うんです。

 この公社時代の物件の売却というものは、公社法の四十七条「公社は、総務省令で定める重要な財産を貸し付け、譲り渡し、交換し、又は担保に供しようとするときは、総務省令で定める場合を除き、総務大臣の認可を受けなければならない。」これが法律であります。そして、その総務省令で定める部分は、「重要な財産の処分等の認可の申請」。これは、第三十六条「公社は、法第四十七条の規定により重要な財産を貸し付け、譲り渡し、交換し、又は担保に供することについて認可を受けようとするときは、次に掲げる事項を記載した申請書を総務大臣に提出しなければならない。」「一 処分等に係る財産の内容及び価額」「二 処分等の条件」「三 処分等の方法」「四 公社の業務運営上支障がない旨及びその理由」これが公社時代の売却の法律並びに政省令であります。

 こういう形で実は当時の総務大臣に対して認可の申請を行って認可を受けて、またその下に不動産処分検討委員会等をつくって、公社が売却を決定したということでありますけれども、ちょっと伺いたいのは、この検討委員会なり処分委員会というのは何回開かれて、一回それぞれ何分ずつ議事が行われたのか、お答えをいただけますでしょうか。

鳩山国務大臣 細かいことは事務方からお答えいたしますが、十六年度のバルク売却の前に、公社不動産売却促進委員会第一回議事録というのを私は入手いたしております。議事録で、例えば冒頭、稲村委員が、情報公開についてはどうするのか、また、資料にはないが、鑑定評価はどうなっているかというような質問をされておりますけれども、それに対する答え等は全くなく、第二回目は開かれていないと聞いております。

松野(頼)委員 また、大臣、その第一回の委員会に委員長である高橋さんが出席されていないんですね。委員長が出席せずに、このときには、十六年の十月十九日十一時十五分から十一時五十分の約三十五分でこの売却を決めたと委員会の議事録上ではなっているんです。

 委員長がいないのに、たった二十五分間でバルク売却を、百億以上の売却を決定しているということに対して、大臣、感想はいかがでしょうか。

鳩山国務大臣 公社でございますから、現在の日本郵政に比べればはるかにまだ国に近いというか、国そのものという状況にあって、国民共有の財産あるいは資産を売却する、処分するということであるならば、慎重にも慎重を期して、一円でも高く売れる方法を、このような委員会をつくったわけでありますから、何度も開いて、それこそ相当な議論をしてから慎重に決めるべきものというのが常識ではないでしょうか。

松野(頼)委員 二回目は十七年の十一月十五日十一時十五分から十一時四十分の二十五分なんですね。三回目は十八年三月二十日、これは十五時三十五分から十六時十五分、このときは四十分。どうもあと一回やられているんですけれども、それに関しては議事録がないんだといって提出を受けておりません。

 これを見ると、バルク売却ありきで、もうそれは決まっていて、何か形だけの会議を少しやっていたかのように私は思うんですが、その辺、大臣はいかが思われますでしょうか。

鳩山国務大臣 軽々には言うべきことではないと思いますが、今松野委員がおっしゃられるような感想を国民の多くが持つのではないか、そう思っております。

 そして、いずれ先生が質問されるんだと思いますけれども、バルクであるということは、少なくとも総務省は全く聞いていないわけですよ。

 つまり、先ほどの財産処分の制限について定めた法四十七条、それを受けた施行規則の三十五条あるいは三十六条を読んで、どういうふうに解釈するのか、私は法律家でないからわかりませんけれども、処分の方法という文言はあるわけで、確かに取得価額二億円以上のものについては書類は提出されておるわけですけれども、それがバルクであるかバルクでないかというのはかなり重要な部分でありますが、それが本当に認可の中身にも何の報告も入っていないので、本当にそれでよかったのかなという疑問は持っております。

松野(頼)委員 今、総務省は処分の方法、バルクを聞いていなかったということでありますけれども、これは間違いないですか。

鳩山国務大臣 私の言い方が悪かったかもしれません。聞いていなかったという言い方はどうかわかりませんが、認可をしているわけですね、その認可の申請というのでしょうか、こういうものを売りたいと思うがという事柄は、そうした文書の中には全く入っていないということです。

松野(頼)委員 それはちょっとびっくりすることでありますね。

 といいますのは、この省令の三十六条には財産処分の条件、処分の方法ということが、省令上では認可を受けるときに提出をしなければいけない資料として書かれているので、もしそのバルク売却という方法が総務省への申請書に書かれていなかったということであれば、またこれは重大なことではないかと思うんですけれども、もう一回御答弁いただけないでしょうか。

鳩山国務大臣 私は、松野委員と同じように、重要財産、一定の取得価額以上のものの処分について書かれた法律を受けた施行規則で、その処分の条件とか方法というのは入札だとか何だとかというようなことを意味するんだというふうに説明を受けてはおります。例えば「自治体等公共性を有する法人に譲り渡す場合には随意契約、それ以外の者に譲り渡す場合には一般競争入札」なんというのが、この青森の郵便貯金地域文化活動支援施設という三億六千万ぐらいで買ったものには、これが結局はバルク売りされていくわけですが、それについて、二億円以上の取得価額だから、公社が出してきたものにはそういうことが書いてあるんですね。譲り渡し方法として、自治体には随意契約、それ以外は一般競争入札と。

 だけれども、二億円以上で取得したものが幾つか並べられてはいますけれども、バルクとして百何十億になるのであれば、それが一番重要な事柄ではないか。何か法の網の目をすり抜けてしまっているのか。つまり、法や施行規則の網の目を巧みにすり抜けてしまっているのか、本当は法や施行規則の厳格な解釈をすればこれらもきちんととらえることができるのか、私も今まだ判断がつきません。

松野(頼)委員 これはちょっと事務的な確認で、事務方で結構なんですが、ここのところは非常に大事なところなので、事務方でわかる方、だれでもいいです、御答弁いただけないでしょうか。

 これは、要は大臣への申請書の中にバルク売却という売買方法の事項が含まれていなかったという大臣の御答弁で、事務方、それで間違いないですね。いいですよ、だれでも。

赤松委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

赤松委員長 では、速記を起こしてください。

    ―――――――――――――

赤松委員長 この際、お諮りいたします。

 総務省大臣官房原口参事官の出席を求めて、意見を聴取いたしたいと思いますが、よろしいですか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松委員長 異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

赤松委員長 総務省原口参事官。

原口政府参考人 公社時代の重要財産の譲り渡しにつきましては、日本郵政公社法四十七条で「総務大臣の認可を受けなければならない。」となっております。その認可の対象は、日本郵政公社法施行規則第三十五条に基づきまして、「土地及び建物であってその取得価額が二億円以上のもの」というような形になっております。

 私ども、認可するときにおきましては、個々の不動産、つまり個々の建物、個々の土地、それぞれごとに日本郵政公社から認可申請をいただきまして、それについて認可するという形になっております。あくまで個々の資産が取得価額二億円以上かどうか、それで、それぞれごとに認可申請をいただくという形ですので。

 今度、その認可した後に、いろいろ認可されたもの、また逆に取得価額が二億円以下で認可の対象でなかったもの、そういうものを合わせてどのような形で売るかとかいう問題につきましては、認可の対象とはなっておりません。あくまで個々の資産ごとの判断でございます。

 以上でございます。

松野(頼)委員 そうすると、一回目、二回目、三回目ともに、原口さん、これはバルクで売るということは大臣の方は知らなかったということで間違いないですね。

原口政府参考人 少なくとも認可申請書においては、バルクとして売るというようなことの記載はございません。

 実際、先ほど大臣からも御答弁させていただきましたように、譲り渡し方法といたしましては、例えば青森の例ですと、「自治体等公共性を有する法人に譲り渡す場合には随意契約、それ以外の者に譲り渡す場合には一般競争入札」、このような形での譲り渡し方法の記載となっております。

松野(頼)委員 大変驚いた答弁をいただきました。

 要は、この議事録をいろいろ読んでいると、いろいろおもしろいことが書かれているんですね。

 例えば、資料の1をごらんください。これは平成十八年三月二十日、ですから平成十八年度を決定する前の処分検討委員会の議事録であります。下の方にアンダーラインを引いてあるんですけれども、例えば岡田副委員長の、「今回、国分寺は予定価格の四倍で売れている。今後は、予定価格を決める際は、鑑定評価をもっと精査する必要がある。」という発言があるんですね。その後、高橋委員長が、「昨年のバルクでは、リクルートは転売して相当儲けたと聞いている。グルーピングの方法やもっと高く売れる方法を考える必要がある」のではないか。また、その下に、岡田副委員長は、「鑑定価格と売却額にずれが生じている。特に都心部ではその傾向が高い。鑑定評価の方法、信託銀行の選び方も今後検討する必要がある。」と。この議事録を読むと、さまざまなお立場で、少しでも高く売ろうということが実は見えてまいります。

 そこで、ちょっと横道にそれるんですけれども、これは日本郵政の方に伺いたいんですが、国分寺というのは幾らで売れたんでしょうか。

藤本参考人 お答えいたします。

 これは国分寺泉町の社宅用地を含むバルクでございますので、国分寺そのものが幾らということはないわけでございますけれども、これを鑑定評価額を基準といたしまして内輪で案分して出した額でありますと、約百二十二億円に相当するということでございます。

松野(頼)委員 今おっしゃったように、今まではバルクだから一件ずつの値段はわからないんですとおっしゃっていたじゃないですか。

 ただ、実際、議事録を見ると、予定価格の四倍で売れてよかったというふうに処分検討委員会の委員の方が御発言されているんですよ。予定価格の四倍の価格で売れたという議事録が残っていながら、今まではバルクだから一件の値段はわからないんだ、わからないんだという答弁をずっと繰り返してきたじゃないですか。これは一体どうなんですか。

藤本参考人 お答えいたします。

 当初、この十七年度のバルク売却でございますけれども、予定価格を大体百二十億というふうに考えておりました。実際に落札者が落札した段階におきまして、二百十億ぐらい、全体で売れてございます。

 そういたしますと、その間は百億ぐらいの差があるわけでございまして、非常に違いが大きかったものですから、そのときにおきまして、落札者にどのくらいの評価をするのかということをヒアリングいたしております。そのときの国分寺泉町社宅用地の落札者のヒアリング結果が百二十数億ということでございます。

松野(頼)委員 今のは全く意味がわからないんですけれども。

 では、固定資産税評価額と鑑定評価額は幾らなんですか。

藤本参考人 お答えいたします。

 国分寺泉町の社宅用地でございますが、固定資産税評価額が二十二億六千二百三十三万円でございます。鑑定評価額が二十六億二千八百万円でございます。

松野(頼)委員 国分寺は、バルクというよりも、一つが目玉物件ということで、割と、これだけ一つで売ろうかとか、バルクに入れるか入れないかという議論がこの中でなされているんですね。

 一つ単品で見てみると、固定資産税評価額二十二億、鑑定評価額二十六億のものが百二十二億で売れているじゃないですか。当時の不動産市況で、例えば東京の都心部というのは大体こんな感じですよ。固定資産税評価額の何倍かで実際売れているんですね、バルクにしなければ、一つの物件をこうやって見れば。

 もちろん、地方に行けば固定資産税評価額より安くなるのもあるかもしれません。ただ、少なくとも当時の不動産市況は非常に右肩上がりで、最高値を記録していたぐらいの時期だと私は思っています。

 そういう中で、特に東京の物件、また関東近県の都市部に関しては、また福岡だとか名古屋だとか全国の大都市圏に関しては、固定資産税評価額を下回るなんということは当時はあり得ないと思いますよ。当時の実勢価格、売買実例を鑑定士の方にとっていただければ大体わかると思うんですけれども、こうやって一つの単品で考えれば、おおむねこれぐらいの価格で売られているんですね。

 何で、今までバルクだから一個一個の値段はわからないんですと答弁しながら、この岡田副委員長は当時の予定価格の四倍で売れたとはっきり言い切っているのか。どうかここの矛盾に関してもう一回答えていただきたいと思います。

藤本参考人 お答えいたします。

 売れたか売れないかという言葉の表現の問題が一部あろうかと思いますが、私どもで認識しておりますのは、売れた売れないといいますのは、あくまでも契約はバルク全体の契約でございますので、それを売れた売れないということで表現しておるわけでございます。

 ただ、そういたしますと、やはり百十億程度のものが二百十億ぐらいに全体として評価されておりますので、その物件につきまして、何がそう高くなった要因かというものを落札者の側にヒアリングしたわけでございます。そのときの国分寺泉町社宅につきまして、落札者側の評価額というのが百二十七億であったということでございます。

 したがって、百十億程度のものが二百十億で売れておりますが、そのほとんどがこの国分寺泉町の部分の評価が高かったということになっておるのではないかということでございます。

松野(頼)委員 いや、議事録にちゃんと書いてあるじゃないですか、「国分寺は予定価格の四倍で売れている。」と。おかしくないですか。当然、買った業者は一件を、この物件は幾らで買いましたということで、それの金額に伴う登録免許税を払い、印紙税を払い、そしてその金額に応じて登記をするんです。

 例えば、この間も国税庁の人に来てもらってここで審議をしましたけれども、一般常識で考えて極端に安い価格でもしそれを買っていたらば、その一般常識の価格と買った価格の差は受贈益課税の対象になるんですよ、不動産というのは。ある程度の目安の価格というのは決まっているんです。

 では、実際に百二十二億で売れたものを二十六億で鑑定評価した鑑定士の人というのは、一体どうなんですか、おかしいんじゃないですか。実際に売れた金額の五分の一以下の鑑定評価をつけて、果たしてそれは適正な鑑定と言えるんですか。この中でも、実際、鑑定評価と売買価格がずれていると指摘されているじゃないですか。なぜそれを直さないんですか。もう一回答弁してください。

藤本参考人 お答えいたします。

 先ほど先生からも御指摘をいただきましたように、この時期、かなり不動産市況が好調であったような時期であったかと思います。そういうときにおきましては、都市部の物件の実際の売買価格、実勢価格が鑑定価格を上回ることは間々あったものというふうに認識をいたしてございます。

 それで、この件につきましては、当初二十六億の鑑定評価額でございました。その点につきましては、やはりこれまでの経験上、都市部においては高く評価をされる、あるいは地方においては低く評価をされる、こういうことがあるものでございますから、この時点におきましては、物件をAAとかDとか細かく分けまして、その鑑定評価額に対してAA物件であれば一・五倍を予定価格にするとか、あるいは地方の売れにくいE物件につきましては〇・五倍の評価をする、そういったことをいたしております。鑑定評価額を直接どうこうということはいたしませんで、実勢を見ながら予定価格をウエートづけする、そういうことをもちまして全体のバルクに対する予定価格を設定した、そんなことでございます。

松野(頼)委員 こればかり押し問答していてもしようがないので、次に行きたいと思います。

 この三回のバルク売却、特に、三回目の入札というのがあるんです。この間も当委員会で塩川委員が若干指摘をされておりました三回目の入札、いわゆるコスモスイニシアグループと有限会社駿河ホールディングスグループが争った入札であります。

 これは予定価格百十四億六千七百四十三万円を、コスモスイニシア社が百十五億、落札率一〇〇・二八%、ほとんど神わざに近い落札率で落札をされております。

 それで、資料の二ページ目をごらんください。新聞記事をつけてあります。この読売新聞に三回目の入札の経緯が書いてあるんですが、非常に不思議なことがあるんですね。

 有限会社駿河ホールディングスの当時の取締役が、名義を貸しただけなので入札についてはよくわからないと答えているらしいんですね。入札当時、代表者だった男性は、「都内の投資会社に依頼されて取締役に就任しただけで、郵政物件の入札には一切かかわっていないという。」と。これが入札の紙の申請者の名前として新聞に紹介をされているんです。

 それで、この郵政物件の入札に対しては、大臣、入札資格というのが実はあったんですね。要は、この議事録にも出ているんですけれども、買う能力がないとかいう業者を排除するためには一体どうすればいいか。それは、過去に五十億以上の不動産の売買の経験があれば、バルクで買う能力があるとみなすということらしいんです。

 それで、では、この有限会社駿河ホールディングスという会社はどうやって入札資格である五十億以上の売買の証明をとったんですかと言ったらば、過去の売買の契約書を提出させています、その契約書をもって過去の売買の実績があるということを判断しましたというふうにきのう答えてくれて、実は、その契約書を出していただいたんですね。そうしたら、大臣、印紙がないんですよ、印紙が。

 百億以上の取引であるにもかかわらず、これが原本の写しですと言って私のところに持ってきたこの契約書に、印紙が張っていないんですよ、印紙が。これが原本だと言われても、百億以上の取引が過去にあったという証拠に果たしてなるんでしょうか。これは何で印紙がないか、日本郵政、ちょっと説明していただけますか。

藤本参考人 お答えいたします。

 先生のお尋ねの件は、信託受益権売買契約書のことであろうかと思います。これは二〇〇四年の十月二十七日に写しが提出をされておりまして、写しが提出をされているという意味合いは、もともと入札する際にその写しを提出してくれという話になってございます。それで、その当時見まして、実際、関係者の記名、押印、それから割り印もなされておりまして、その限りにおきまして正当なものと判断したというふうに聞いてございます。

 お尋ねの収入印紙の件でございます。一般的にどこに張るのかということがあると思いますけれども、表紙の裏等に張る場合もあろうかと思います。コピーを受領しておりまして、表面だけをコピーした場合にはコピーが漏れるというようなこともありますので、そうなったかどうかはわかりませんけれども、その確認を当時においてどれだけやったのかということはちょっとわかりませんが、いずれにいたしましても、関係者の記名、押印、割り印がしてございますので、その限りにおいて正当なものと判断をしたというふうに聞いております。

松野(頼)委員 正式な契約書は、特に印紙が張ってなければ正式な契約書じゃないんですよ、その印紙が張ってあるか張っていないかを確認することで、本当のものなのか本当のものじゃないのかというのを判断するのは当たり前の話じゃないですか。

 それが、割り印が押してあるからと言っても、後ろに割り印が一個あるだけなんですね。それぞれのページにあるわけでもない、印紙が張ってあるわけでもない。これで一体何で正式な、過去の百億以上の取引だったということが確認できるんでしょうか。

 あと、金融庁に伺います。

 実は、この取引は、スターリアルティ特定目的会社という会社から駿河ホールディングスという会社が要は五十億以上の取引をしたということでこの契約書には書いてあるんですけれども、このスターリアルティ特定目的会社というのは金融商品取引法上の認可を受けているんでしょうか。信託受益権販売契約書、信託受益権を販売するに当たって、金融商品取引法上の認可を受けた指定会社しかこの取引はできないと思いますけれども、もしかしたらこのときにはまだ金融商品取引法の範囲外かもしれませんが、過去から現在に至るまで、この会社が金融商品取引法上の認可を受けているか、金融庁、御答弁いただけますでしょうか。

河野政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま委員から御指摘のありました名前の会社が、不動産信託受益権の販売につきまして、金融商品取引法または信託業法上の登録を受けたという事実は承知しておりません。

松野(頼)委員 では、この駿河ホールディングスは金融商品取引法上の認可を受けたことはあるんでしょうか。

河野政府参考人 お答え申し上げます。

 駿河ホールディングスにつきましても、そのような事実は承知しておりません。

松野(頼)委員 再度確認します。

 信託受益権取引というのは、金融商品取引法上の認可を受けなければ扱ってはいけないわけですね。

河野政府参考人 今度は一般論としてお答え申し上げたいと思います。

 金融商品取引法では、業として信託受益権の売買やその媒介または代理を行う場合には、登録が義務づけられております。

松野(頼)委員 ただ、この契約書は、ぎりぎりですね、二〇〇四年の十月二十七日。これが認可を受けなければいけなくなったのはいつからですか。

河野政府参考人 お答え申し上げます。

 登録につきましては、平成十六年の、二〇〇四年でございますけれども、十二月三十日に施行になった法律に基づきまして、そういう義務が生じております。

松野(頼)委員 ですから、この契約書の十月二十七日というのは、この契約書をもってこれを違反ということは言い切れないわけですね。

 ただ、十月二十七日にこの取引の契約書が過去の五十億以上の取引の契約として提出をされて、それで十二月三十一日からは金融商品取引法上の認可を受けなければ、信託受益権というのは販売できないんです。少なくともこの二社は、金融商品取引法上の認可は受けていないわけです。だから、十月の二十七日から十二月の三十一日まで、正味二カ月間だけ金融商品の取引ができた会社なんですね。

 実は、有限会社駿河ホールディングスさんは、この百億以上の金融商品、いわゆる信託受益権を買ったわけです。これをどこかに売っているんですよね。どこかに売っているんでしょう。この一回だけ信託受益権の販売をしているのかどうか、その辺はわかっていますか。

藤本参考人 お答えいたします。

 この契約書といいますのは、本件の入札につきまして徴した資料でございますので、それ以降については承知をいたしておりません。

松野(頼)委員 また、資料を見ていただくと、いろいろ契約書の判ことかつけてありますけれども、資料の6、これが競争入札参加申込書という紙であります。有限会社駿河ホールディングス、山下さんという名前ですけれども、駿河ホールディングスの代表者は山下さんで間違いないですか、日本郵政さん。

藤本参考人 お答えいたします。

 お示しの競争入札参加申請書、駿河ホールディングスにつきまして、取締役、山下さんとございますので、そのとおりであろうかと思います。(松野(頼)委員「いや、代表者」と呼ぶ)

 代表者というのは、取締役を代表されているという認識でございますが。

松野(頼)委員 一枚おめくりください。謄本の写しがつけてあります。一番上に書いてあるのは中村さんなんですよ。

 ということは、その横に書いてあるCKRF4と同じ名前なんですね。実は、この中村さんというのはどこかで見たことがあるなと思いましたらば、前に契約書がつけてあります、資料の3、平成十七年度に落札をしたCAM6のところに判こが押してある中村さんと同じ方なんですね。住所も同じであります。

 CAM6はリクルートと資本関係があるんですか、リクルートコスモス及びコスモスイニシアと。もう一回お答えください。

藤本参考人 お答えいたします。

 CAM6はリクルートと資本関係がございます。

松野(頼)委員 ありますね。そうすると、二社で入札を争っているんですけれども、一社はコスモスイニシアさん、一社はその資本が入っているCAM6と同じ代表者の駿河ホールディングス。これはどういうことなんでしょうか、この入札は。

 さらに、きのうまた判明をしたんですけれども、さっきの契約書に出ていました売り主であるスターリアルティ特定目的会社というところを見ると、その謄本を実はつけてございます。9の資料を見てください。きのう夜中にいただいたんですけれども、急いで謄本をとりました。監査役に田村幸太郎さんという方がいらっしゃるんです。一枚めくっていただくと、さくら綜合事務所さんと一緒に田村幸太郎さんは本を出版されているんですね。

 このさくら綜合事務所というのは、前に買ったCAM7というところが、資料の4というのを見てください、これは平成十八年度に入札で落としたときの契約書です、そこに、CAM7の上に住所が「さくら綜合事務所内」と書いてあるんですね。

 これは、ずっとこのつながりを見ていただくと、非常に狭いところが入札に参加をされて、ある意味では、落札をしたコスモスイニシア社、そこと資本関係があるCAM6と同じ代表者の駿河ホールディングスが二社で争っているんですね、二社で。

 この入札は一体どう思いますか。ちょっと答弁してください。

藤本参考人 お答えいたします。

 まず、CAM6の代表者は中村さんでございました。その方が、平成十八年の入札で駿河ホールディングスの取締役であったということは履歴事項証明書において確認いたしてございます。

 特別目的会社、SPCにおきましては、設立でありますとか合併でありますとか解散が頻繁に行われるということから、代表者が異動する、その結果、以前の代表者が次の年におきまして別のSPCの代表者になるということも間々あるのではないかというふうに考えております。

松野(頼)委員 それはそうでしょう、さくら綜合事務所さんというのはSPC事業の実務という本を出されているぐらい専門家なんですから。

 ただ、大臣、今の議論を聞いていただいて、入札に参加をしている、その三回のバルク売却の入札をしている、この契約書をぺらぺら一つずつめくっていくと、SPCという形で、いろいろな形になっているんですけれども、どうも同じような極めて狭いグループがこの約六百物件を買って転売をしているのではないかということが疑われるんですけれども、御見解はいかがでしょうか。

鳩山国務大臣 個別の事柄について私が確たる事実を知っているわけではありませんから、きょうも、今やりとりをずっと聞いておりました。

 仮に一般競争入札であったとして、二つの会社あるいは二つのグループが争うとしますね。ところが、そのグループに同じ人が入っているような形とすれば、それでは入札にはならない、もしそれが事実であれば。少なくとも公正な入札、少しでも高く売ろうとする公社の姿勢が見えなくちゃいけないわけですが、厳密に調査すれば、これでは高く売れないということがわかるのではないか。すべて今議論されておられることが事実だと仮定すれば、それはいわゆる最初からできレースというふうにしか見えない。また、国民がそう疑って仕方のないようなやり方ですね。

松野(頼)委員 大体時間が来ましたので、最後に、公正取引委員会さんに来ていただいております、公取さんに伺いたいんですが、この最後の三回目の入札、どういうことが起こっていたらば公正な入札とは言えなくなるのか。例えば、こういう関連のある企業で、これは仮定ですよ、もうこの辺でそろそろ終わろうやとか、もしそういうことがあったとしたらば、公正な入札と言えるのか言えないのか、そこをお答えください。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生御指摘の個別の事案につきましては、お答えを差し控えさせていただきたいわけでございますが、独占禁止法の観点から一般論として申し上げれば、入札に当たりまして、事業者が共同して受注予定者や入札価格を決定するということは、独占禁止法上の問題となるものでございます。ただ、入札に参加した事業者ですとか落札率といった外形的な事実だけによりまして、独占禁止法上の問題とすることは困難でございます。

松野(頼)委員 私も、あくまで一般論として伺っているわけであります。

 いずれにしても、大臣、これはたしか過去のバルクに関しても調査をしていただけるというような発言があったというふうに思います。その調査は、大体いつごろまでに調査をしていただけるのか、そしてまた、その調査及び資料等を当委員会に出していただけるかということを最後に御答弁いただきたいというふうに思います。

鳩山国務大臣 当委員会でたびたび質問が出て、そのやりとりを聞いておりますと、日本郵政株式会社ではなくて、それ以前の公社時代のバルク売却に関して非常に不透明なものを私は感じるわけでございます。大体なぜバルクにする必要があったのか、入札参加者の参加資格の証明というのが本当にきちんとできているのか、あるいは入札談合、競争入札妨害罪、これは犯罪でございますが、そういうことが絶対なかったと言えるかどうか。ないというふうに言い切る自信は、私にはありません。それから、議事録がなくなったとかいうような非常に不透明な部分がございます。

 こういうような議論を聞いておりますと、国民共有の財産がいかにいいかげんに扱われていたか、強い怒りを感じるわけで、答弁書には心が痛む思いと書いてありますが、心が痛むというより、本当に怒りに近いものを感じます。

 そのようなことがありますので、三月三日に日本郵政株式会社に対して、日本郵政株式会社法第十四条一項に規定する監督権限、残念ながら、日本郵政になってから民営化以降のことであれば報告徴求という十五条を使えるわけですが、公社時代のことでございますので、十四条第一項の監督権限に基づいて、公社時代の不動産売却に関して実態を把握するためにきちんと報告するように要請したところでございまして、期限は三月十七日というふうに切りましたから、きょうが三月十二日で、あと五日後に期限が来るので、そのときには報告を受けることができます。

 したがって、どれくらいの量のものなのかまだ想像はつきませんが、総務省として、分析、解析をしまして、判明した事柄は逐次委員会に御報告できるようにしたいと思っております。

松野(頼)委員 委員長初め、大臣、各党の皆さん、きょうはこうして総務委員会において時間をいただきましたことを感謝申し上げまして、これをもって質問を終わりたいと思います。

 どうもありがとうございました。

     ――――◇―――――

赤松委員長 次に、内閣提出、成田国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 これより趣旨の説明を聴取いたします。鳩山総務大臣。

    ―――――――――――――

 成田国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

鳩山国務大臣 成田国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 成田国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律は、成田国際空港の周辺地域における公共施設その他の施設の計画的な整備を促進するために必要な国の財政上の特別措置を講ずることを目的として昭和四十五年三月に制定されたものでありますが、本年三月三十一日限りでその効力を失うこととなっております。

 政府としては空港周辺地域整備計画に基づく整備事業の推進に努めてきたところでありますが、諸般の事情により、一部の事業が法律の有効期限内に完了できない見込みであります。また、空港整備の進展等に伴う周辺地域の状況の変化に対応するため、新たな事業を空港周辺地域整備計画に追加する必要があります。

 このような状況にかんがみ、空港周辺地域における公共施設等の計画的な整備を促進するため、この法律の有効期限を延長し、引き続き国の財政上の特別措置を講じていく必要があると考えております。

 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。

 この法律案は、成田国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の有効期限を五年間延長し、平成二十六年三月三十一日までとすることとしております。

 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要でございます。

 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。

赤松委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、明十三日金曜日午前九時十五分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前九時五十六分散会


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