衆議院

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第1号 平成25年2月14日(木曜日)

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本国会召集日(平成二十五年一月二十八日)(月曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。

   委員長 北側 一雄君

   理事 上杉 光弘君 理事 中谷  元君

   理事 伊藤  渉君

      井上 貴博君    今枝宗一郎君

      大西 英男君    門山 宏哲君

      川崎 二郎君    木内  均君

      北村 茂男君    小林 史明君

      佐藤  勉君    坂井  学君

      清水 誠一君    瀬戸 隆一君

      田所 嘉徳君    田中 良生君

      橘 慶一郎君    土屋 正忠君

      中村 裕之君    長坂 康正君

      橋本  岳君    宮路 和明君

      山口 泰明君    湯川 一行君

      小川 淳也君    奥野総一郎君

      黄川田 徹君    原口 一博君

      福田 昭夫君    岩永 裕貴君

      上西小百合君    中田  宏君

      馬場 伸幸君    東国原英夫君

      松浪 健太君    濱村  進君

      佐藤 正夫君    塩川 鉄也君

平成二十五年二月十四日(木曜日)

    午前九時五十分開議

 出席委員

   委員長 北側 一雄君

   理事 上杉 光弘君 理事 田中 良生君

   理事 土屋 正忠君 理事 中谷  元君

   理事 橋本  岳君 理事 山口 泰明君

   理事 原口 一博君 理事 東国原英夫君

   理事 伊藤  渉君

      井上 貴博君    今枝宗一郎君

      大西 英男君    大野敬太郎君

      門山 宏哲君    川崎 二郎君

      木内  均君    北村 茂男君

      小林 史明君    佐藤  勉君

      清水 誠一君    瀬戸 隆一君

      薗浦健太郎君    橘 慶一郎君

      中村 裕之君    長坂 康正君

      宮路 和明君    湯川 一行君

      小川 淳也君    奥野総一郎君

      黄川田 徹君    福田 昭夫君

      岩永 裕貴君    上西小百合君

      中田  宏君    馬場 伸幸君

      松浪 健太君    濱村  進君

      佐藤 正夫君    中島 克仁君

      塩川 鉄也君

    …………………………………

   総務大臣         新藤 義孝君

   復興副大臣        谷  公一君

   総務副大臣        柴山 昌彦君

   総務副大臣

   兼内閣府副大臣      坂本 哲志君

   経済産業副大臣      赤羽 一嘉君

   総務大臣政務官      橘 慶一郎君

   総務大臣政務官      片山さつき君

   総務大臣政務官      北村 茂男君

   政府参考人

   (総務省自治行政局公務員部長)          三輪 和夫君

   政府参考人

   (総務省自治財政局長)  佐藤 文俊君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  原  徳壽君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房地域経済産業審議官)     照井 恵光君

   政府参考人

   (中小企業庁経営支援部長)            守本 憲弘君

   総務委員会専門員     阿部  進君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月七日

 辞任         補欠選任

  坂井  学君     徳田  毅君

同月十四日

 辞任         補欠選任

  田所 嘉徳君     大野敬太郎君

  徳田  毅君     薗浦健太郎君

  佐藤 正夫君     中島 克仁君

同日

 辞任         補欠選任

  大野敬太郎君     田所 嘉徳君

  薗浦健太郎君     徳田  毅君

  中島 克仁君     佐藤 正夫君

同日

 理事後藤斎君一月十七日委員辞任につき、その補欠として原口一博君が理事に当選した。

同日

 理事井上英孝君一月十八日委員辞任につき、その補欠として東国原英夫君が理事に当選した。

同日

 理事石原宏高君、江崎鐵磨君及び小此木八郎君一月二十五日委員辞任につき、その補欠として田中良生君、山口泰明君及び土屋正忠君が理事に当選した。

同日

 理事上杉光弘君同日理事辞任につき、その補欠として橋本岳君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

一月二十八日

 日本放送協会平成二十一年度財産目録、貸借対照表、損益計算書、資本等変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書

 日本放送協会平成二十二年度財産目録、貸借対照表、損益計算書、資本等変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書

二月十三日

 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の辞任及び補欠選任

 国政調査承認要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二号)


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     ――――◇―――――

北側委員長 これより会議を開きます。

 理事の辞任についてお諮りいたします。

 理事上杉光弘君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北側委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。

 ただいまの理事辞任及び委員の異動に伴い、現在理事が六名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北側委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 それでは、理事に

      田中 良生君    土屋 正忠君

      橋本  岳君    山口 泰明君

      原口 一博君 及び 東国原英夫君

を指名いたします。

     ――――◇―――――

北側委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 国政に関する調査を行うため、本会期中

 行政機構及びその運営に関する事項

 公務員の制度及び給与並びに恩給に関する事項

 地方自治及び地方税財政に関する事項

 情報通信及び電波に関する事項

 郵政事業に関する事項

 消防に関する事項

以上の各事項について、衆議院規則第九十四条の規定により、議長に対して承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北側委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

北側委員長 この際、国務大臣、副大臣及び大臣政務官より、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。新藤総務大臣。

新藤国務大臣 総務大臣を拝命いたしました新藤義孝でございます。

 副大臣、大臣政務官とともに精いっぱい頑張ってまいりたい、このように思っております。

 北側委員長を初めとして委員の皆様には、どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

北側委員長 次に、坂本総務副大臣。

坂本副大臣 総務副大臣を拝命いたしました坂本哲志でございます。

 どうか皆様方の格段の御指導をよろしくお願い申し上げます。(拍手)

北側委員長 次に、柴山総務副大臣。

柴山副大臣 総務副大臣を同じく拝命いたしました柴山昌彦です。

 新藤大臣を支え、皆様方の負託に応え、全力を尽くしてまいりたいと思います。

 北側委員長を初め皆様、どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)

北側委員長 次に、北村総務大臣政務官。

北村大臣政務官 総務大臣政務官を拝命いたしました北村茂男でございます。

 委員長を初め皆様方の格段の御指導をお願い申し上げます。よろしくお願いいたします。(拍手)

北側委員長 次に、片山総務大臣政務官。

片山大臣政務官 総務大臣政務官を拝命いたしました片山さつきでございます。

 委員長を初め皆様方の格段の御指導をよろしくお願いいたします。(拍手)

北側委員長 次に、橘総務大臣政務官。

橘大臣政務官 同じく総務大臣政務官を拝命いたしました橘慶一郎でございます。

 委員長を初め皆様方の格段の御指導をよろしくお願いいたします。(拍手)

     ――――◇―――――

北側委員長 次に、内閣提出、地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 これより趣旨の説明を聴取いたします。新藤総務大臣。

    ―――――――――――――

 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

新藤国務大臣 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 東日本大震災に係る復興事業等の実施のための特別の財政需要に対応するために震災復興特別交付税に要する額についての財源措置を講ずる必要があります。このため、平成二十四年度分の地方交付税の総額の特例として、千二百十四億円を東日本大震災復興特別会計から交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れて地方交付税の総額に加算することとしております。

 また、予算執行抑制方針に基づく普通交付税の交付に伴い道府県において生じた追加的な金利負担についての財源措置を講ずる必要があります。このため、平成二十四年度分の地方交付税の総額の特例として、五千万円を一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れて地方交付税の総額に加算することとしております。

 次に、今回の補正予算により、以上の地方交付税の総額の特例のほか、平成二十四年度分の地方交付税が二千九百六億円増加することとなりますが、このうち普通交付税の調整額の復活に要する額七百七億円を交付するほか、残余の額二千百九十九億円を平成二十五年度分の地方交付税の総額に加算して、同年度に交付することができることとしております。

 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。

 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願いいたします。

北側委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

北側委員長 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として総務省自治行政局公務員部長三輪和夫君、自治財政局長佐藤文俊君、厚生労働省医政局長原徳壽君、経済産業省大臣官房地域経済産業審議官照井恵光君及び中小企業庁経営支援部長守本憲弘君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北側委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

北側委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。奥野総一郎君。

奥野(総)委員 民主党・無所属クラブの奥野総一郎でございます。トップバッターとして質問をさせていただきます。

 まず、新藤大臣、大臣就任、おめでとうございます。

 総選挙の前、およそ一年間、決算行政監視委員長を新藤大臣は務められておりまして、私も委員の一人として一緒にお仕事をさせていただきました。非常に印象深い一年間だったのでありますけれども、国会版の事業仕分けというのを新藤委員長の御発案でやりまして、原発予算の削減でありますとか、あるいは復興予算の見直しも一緒にやらせていただきました。

 その復興予算の見直しに際して、一緒に宮城県の視察を、去年、選挙前、ぎりぎりの時期でありましたけれども、させていただきました。そのときに聞いた、伺った話の中で、かさ上げの補助金がないんだということが印象的でありましたけれども、今回、この法案の中でかさ上げを助成する仕組みをつくるということで、大臣のリーダーシップでやられたということだと思いますので、この点について非常に敬意を表させていただきます。

 後ほどこの点については質問をさせていただきますが、まずはいわゆる一括交付金の廃止についてというところから質問をさせていただきたいと思います。

 御存じのように、民主党政権の一丁目一番地は地域主権改革でございました。原口元大臣もいらっしゃいますけれども、我々が一生懸命力を入れた、小泉改革で、三位一体改革で交付税予算が削られて地方が疲弊してしまった、まずその交付税の予算をもとに戻した、そしてできるだけ自由にお金を使えるようにということで、いわゆるひもつき補助金を廃止して一括交付金を渡すという仕組みをつくったということでありまして、およそ六千億ぐらいまで額がふえていたと思いますけれども、これを進めてまいりました。

 首長さんなんかと話をすると、民主党になって実は地方自治についてはよかったと評価してくださる方もかなりいらっしゃると思うんですね。そうした中で、今回、この一括交付金の廃止というのは私は非常に問題がある、地域主権、昔の言い方で言えば地域分権、地方分権に逆行するものだという視点から少し質問をさせていただきたいと思います。

 この一括交付金の廃止については自民党の方で、政府・与党の方でまとめられました緊急経済対策の中で記載がございまして、平成二十五年度に地域自主戦略交付金、これは一括交付金のことでありますけれども、廃止して、各省庁の交付金等に移行した上で重要な政策課題に対応するということが書かれております。そして、地域自主戦略交付金の対象事業の活用実績も踏まえて、継続事業の着実な実施のため、各省において年度内を含めた必要な措置を講ずる、こういう記載があって、廃止するということがうたわれているわけであります。

 この記述を見ると、先ほど申し上げたように、一括交付金を廃止して、昔のいわゆるひもつき補助金に戻すということなんでしょうか。そして、ここに言っている必要な措置というのは一体何を言っているんでしょうかということを、まず大臣に伺いたいと思います。

新藤国務大臣 まず、奥野委員からエールを送っていただいたことに感謝を申し上げたいと思います。

 私も委員と一緒に一年にわたり委員会を御一緒させていただきました。行政監視委員会というのはとても印象に残る委員会でありまして、与党、野党の区別なく、国会として立法府の責務を果たそうではないか、行政府の行っている事業に対して立法府としてしっかりとメスを入れていこうという意味において、与野党の別なくやった。特に、むしろ与党の方が、当時の与党の方が厳しくこれに当たられたというようなことを含めて、とてもいいチームとしての仕事ができたのではないかと思っております。

 また、奥野委員は、あの視察のときには、民主党さんがなかなか視察に賛成できない中で、勇気を持って私の提案に賛同し、参加してくれたわけでありまして、その意味において、またこのような場で御一緒させていただきますが、志は変わりませんので、ぜひよろしくお願い申し上げたいというふうに思います。

 そして、地域自主戦略交付金でありますが、この一括交付金、これを廃止したことがけしからぬということで、民主党の皆様方にはいろいろな御意見があると思います。私は、まず結論から言うと、これは発展的改善だと思っていただきたいんです。それで、地域の皆さんにとって使い勝手のよい交付事業を行うこと、これは重要だというふうに思っておりますから、ぜひその精神は受け継ぎたいと思っているんです。

 その上で、今回、私どもが交付金を一括交付金という形での廃止をしたのは、この制度はどう改善したかというと、そもそもこの自主戦略交付金については、地方の方から、窓口の一元化だとか手続の簡素化、こういったものの御指摘がございました。ですから、これを受けて、要するに、もともとが社会資本整備総合交付金です。ここから切り分けて、地域一括戦略交付金という形で別の箱をつくっていただきました。それは、内閣府が窓口となって、申請は全てのものを一括して受け取れたんですね。だけれども、申請したものは結局また各省ごとに割り振って役所に戻したわけです。そこでまた手続をしなくてはならない。だから、結局二度申請をしなければならない、こういうことがございました。

 ですから、既にある程度のくくりにはなっていたんですけれども、今回は、まず窓口を一つにしたという意味において、最初から、そもそも予算は内閣府でとりますけれども、その予算は執行は各省に出していたわけです。なので、もとの各省ですぐに手続ができるようにしましょうと。

 それから、くくりとして、今までは、道路だとか治水だとか海岸だとか、国交省の場合はやはりジャンルに分かれていました。それを今回は、防災、暮らしの安心だとか、民間投資だとか、地域活性化とか、さらに大くくり化をして、役所の中で柔軟に取り入れを、事業ができるようにしよう、こういう工夫をしました。

 それから、そもそもの社会資本整備総合交付金は、もともとの交付金があって、特出しをして一括戦略交付金になっていました。二つの箱だったんです。これを一つの箱に戻して、もとの交付金も使い勝手をよくいたしました。大くくり化したんです。まあ、これからするんです。

 それから、手続も書類を簡素化する、こういうふうに、皆様が、前政権がやっていたいいところはとりながら、さらに制度的改善を図った、このようにお考えいただきたいんです。

 それは、私が大臣に就任してからも、地方六団体、そしてそれぞれの地方の話し合いの場からも、こういった御要望が出ておりました。私は直接受け取っております。

 あわせて、地方にすれば、この自主戦略交付金が始まったけれども、途中でとめてしまうと事業の継続性がなくなるのは困る、こういうお話がございましたから、これは、要するに、十分な額を確保するという意味において、二四の当初が六千七百五十四億円であります。今回、補正で三千億積みまして、二五当初で六千五百億相当を予定しております。ですから、結果として、今までの事業はきちんと継続させながら、トータルとしては九千七百億、こういう枠を、事業を確保して、そしてより使い勝手のよい形で使っていただこう、このようにしたということでございます。

奥野(総)委員 今のお話を伺うと、改善した、一括交付金とはいっても結局各省に話を持っていかなきゃいけなくて、ワンストップになっていなかったからそこを改善されたんだというお話のようでありますけれども、一括交付金、究極のイメージは、やはり各省の影が見えないというお金ですね。これは農水省分、これは国交省分という形ではなくて、お金がおりてきて各自治体の判断で自主的にお金を割り振れるようにするのが究極のイメージだと思うんですね。もし発展させるというのであれば、そういうふうに持っていかなければならない。

 今回、今おっしゃっていることは、結局各省の姿はまだ見えたままですね。これは農水分の枠、これは国交分の枠ということでありまして、結局、もとのひもつき。ひもつきという言い方がいいかどうか、各省の影が見えているひもつきの補助金であることは変わらない。手続が簡素化したかもしれないけれども、変わらないということだと思うんです。ですから、我々が進めようとしてきたことをストップして、むしろ、もとに戻している印象を受けます。

 結局、この一括化を放棄して、ひもつきの補助金をもとに残したという今回の改正だということではないでしょうか。まさにこれは、地域主権を進めるという意味では、私は、逆行している、昔の古い自民党の政策を戻したというふうに、まあ改善したのかもしれないけれども、戻したというふうに受けとめます。一丁目一番地の地域主権改革を進めてきた我々としては、この廃止ということは断じて受け入れることができないということを申し上げておきます。

 それから、二点目でありますけれども、この廃止と別に、これは今回のこの法案とは直接は関係しませんけれども、地域の元気臨時交付金というものが、今回、補正予算の中に含まれております。この制度の概要、それから、一・四兆円という巨額の額でありますけれども、その積算根拠について伺いたいと思います。

坂本副大臣 地域の元気臨時交付金、今回の経済対策におきまして追加的な公共投資の地方負担分が非常に大きいということを踏まえまして、地方の資金調達に配慮し、そして迅速で、かつ円滑な実施を図るために交付するという措置でございます。

 本交付金の交付限度額は、各地方公共団体の追加公共事業の地方負担額に交付率を乗じて得た額としておりまして、交付率につきましては、財政力指数に応じて設定するということにしております。平均して八割、最も財政力の弱い団体で九割程度とすることにしております。

 要するに、地方が裏負担をしなければいけない、その裏負担分を、やはり地方の負担ができるだけ少なくなるように、八割あるいは財政力指数の弱いところでは九割見ましょうというような考えのもとで、地方の負担をできるだけ減らす、そして公共投資による、あるいはそれ以外の事業による経済対策の効果を上げるという趣旨でこういった元気臨時交付金がつくられました。

 また、予算額の積算根拠につきましては、今回の補正予算に計上されました公共事業等に伴います地方負担額の総額に八割を乗じて一兆三千九百八十億円としたものであります。地方負担が一兆七千四百七十億円でございますので、これに〇・八を乗じて一兆三千九百八十億というふうにしております。

奥野(総)委員 今のお話ですと、地方負担分、補助率を個々の事業に掛けて地方負担分を積み上げて、それに〇・八を掛けると大体一・四兆になるというお話でありました。

 これは事前のレクを受けたときに伺ったんですが、法定補助分については充当できない、法定補助分の裏負担についてはこの補助金は充当できないというふうに伺っています。充当できない分についてはどうするかというと、地方の単独事業に使えるんだと。地方の単独事業で消化し切れないときは基金として積んでおいて、また来年度にも使えるんだ、こういうふうな説明を受けているわけでありますけれども、では、この地方負担に回る部分というのは一体幾らかというのはおわかりになりますでしょうか。

坂本副大臣 今委員がおっしゃられましたように、法令で国の補助負担割合が定められていない建設公債を財源とする国庫補助事業の地方負担分と建設地方債を財源とする地方単独事業の所要の額に充当することができるということにしております。

 基金への積み立てがどのくらいになるかということでありますけれども、基金への積み立ても含めました本交付金の充当先につきましては、今後、それぞれの地方公共団体が作成いたします本交付金に係りますところの実施計画、これが明らかにならないことには、現時点で基金が幾ら充当されるということは不明でございます。

奥野(総)委員 これは、消化し切れるかどうか、そして、地方単独事業分に幾ら回るかということは把握できているんでしょうか。

坂本副大臣 それはまだ不明であります。これからそれぞれの地方でいろいろな裏負担、元気臨時交付金をどれだけ使うか、使わないか、使えるのか、そういった事業の計画をつくらなければなりません。それにどうしても使えない部分につきましては補正債で対処して、そして元気臨時交付金を基金の方に回すというような仕組みでございますので、この地方の事業の実施計画というのがある程度はっきりしてきませんと、どれだけ基金として積み上がってくるかというのは今の時点ではわからないということであります。

奥野(総)委員 通告と若干違ったのであれなのかもしれないですけれども、私が伺ったのは、単独事業分は一体幾らぐらいかおわかりになりますかという話なんですが、それは恐らく機械的に出てくると思うんですね。地方負担分を積算するときに補助率を掛けて恐らく積み上げているんでしょうから、その補助率が法定補助かどうかとかどういう性質のものかというのはその時点でわかるはずなんですね。そうすると、恐らく機械的に充当できる分、できない分というのは分かれて、地方単独分が幾らというのは恐らくわかるはずです。

 そこから先、では執行ができるかどうか、基金に回るかどうかというのは確かに現時点ではわからないのかもしれませんが、しかしそれも問題でありまして、早急に年度内に執行する、緊急性があるもの、即効性があるものを補正予算としてやっているわけでありますから、現時点でやるかやらないかわからない、把握できていない、公共事業が把握できていないというのもこれまた問題だと思います。

 極めてアバウトな、もうちょっと言えば、ずさんな積算でこの補助金がつくられているんじゃないかという印象を受けます。究極のばらまきと言ってもいいんじゃないでしょうか。いかがですか。

坂本副大臣 これは緊急の経済対策でありまして、各地方公共団体が予定している事業があります。それから、言われましたように、その後の単独事業もございます。そして、どの事業をどう採択していくかというのは、今それぞれの自治体から申請が上がって、国の方で、どういう事業を採択していくかということを内閣府の方で判断しているところでございます。まだそれは途上でございます。

 それをどのように使っていくのか。元気臨時交付金をどう使っていくのか。使えないならば、それに補正債をどう充てるのか。そして、使えないものを基金として積み上げて、翌年度にそれを、単独事業の中に基金としてみずから使う、そこは各地方公共団体の工夫でもございます。

 ですから、今の事業の採択が決まり、そして、各自治体の実施計画、これが決まらないことには、なかなか全体的なその基金は決まらない。ですから、地域の裁量を非常に重視しておりまして、この二月、三月、四月の中でその実施計画をつくっていただいて、その地域の工夫によって効果的な事業をしてもらう、あるいは効果的な財政運営をしてもらうということでございます。

奥野(総)委員 今すぐに出てこないようでありますから、機械的に出る数字だと私は思っています。後ほど資料でいただければと思いますが。

 今の答弁ではっきりしたのは、悪く言えばつかみで積算をしているんじゃないか、しかも、来年度に自治体がどう使うかもこれから決まっていく、極めてずさんな積算じゃないかということを指摘させていただきます。

 そして、もう一点なんですが、これをやると事業によっては地方負担分がほとんどない。二分の一補助の、財政力にもよるんでしょうが、例えば九割この補助金をもらうとすると、二分の一の一割ですから五%、二割でも一割、五%とか一割負担で公共事業ができてしまうということであります。

 今、財政難、お金がない中で、公共投資といえどもやはり精査してやっていかなきゃいけない。一番大事なのは、やはり老朽化した橋とか道路、そういったものにきちんと優先的に精査してお金を回していかなきゃいけないと思うんですね。こういう仕組みをつくってしまって、何でもいいから公共事業をやれという話になると、まさに財政規律の緩み、お金がかかるだけかかって、肝心なところを精査しないわけですから、優先順位も曖昧なままに公共事業が行われてしまう。借金だけ膨れ上がって、結局、有効な老朽施設の修繕だとか、今一番問題の、そういった安心、安全にかかわる部分の工事がなされないということになりかねないと思うんですね。

 こうした制度、仕組み、私は問題だと思いますが、究極のばらまきと言いましたけれども、この補助金については来年度もお続けになるんでしょうか。大臣に伺いたいと思います。

新藤国務大臣 これは、まず、今回の緊急経済対策が何のために行われるかということを我々全員が認識しなくてはいけないと思うんです。

 そもそも、前政権のときに七―九の経済が急激に落ち込んで、このままでは大変なことになると。ですから、前政権においても補正予算の検討をされていたわけであります。ですから、我々は、GDPギャップを埋めるために臨時緊急に大規模なものが必要である、こういう判断をしたわけであります。

 そして今、つかみの大枠ではないかとおっしゃいますが、それにしても、これは、地方自治体とヒアリングをして、きちんとできる限りの情報を集めて、執行可能であるかどうか、また、それがいわゆる不必要なものに対する、単なるお金が来たから使っちゃえ、こういう仕事にならないかというのは、我々も強く懸念をいたしまして、中身はそれなりにチェックしております。

 その意味においてわかったことは、ハード事業において、今これだけのものが積み上げられそうだということでいただきました。なぜ今機械的に出さないのかといえば、いずれにしても実施計画が定まってから割り振ることでありますから、そのときにきちんと数字を出させていただきたいという意味であります。

 あわせて、皆さんからも御質問いただいておりますが、ソフトの仕事については、これは、積み上げのある程度の想定の結果で五百億程度である、これは地方財政措置で十分対応できる範囲だということで、そこは今回は出さなかったということであります。

 これは、まさに臨時緊急の対策でありますから、毎回こんなことをやれるわけがありません。もとをただせば、そもそも、これは財政当局との折衝の中では、当初この交付金は極めて厳しい状態でありました。こういう政策をとるかどうかも政権内で議論があったぐらいなのであります。

 しかし、これは、私たちは、地方の元気を出すためには、まずここで仕事をしていただかなければならない。当初予算で組めばいいじゃないかというのは、今と同じ議論があと一、二カ月後に行われて、そして、予算ができたとしても、それを執行するのに何カ月も後になってしまいます。ですから、我々は、この補正と当初と切れ目のない予算を組んで、矢継ぎ早にとにかく仕事をしなくてはいけない、こういうことを考えておりますし、これは、とにかく大事なことは、早く成立させることなんです。

 それから、それを執行するときに、従来の手続をとっていたのではこの執行がおくれます。ですから、今度は、地方自治体側に、議会の手続だとかそれから発注の仕方だとか、こういうのもぜひ協力してくださいと。これも、ここまで今まで余り言わなかったかもしれませんが、私たちは、とにかく即効性を上げなきゃいけない、こういう意味でお願いしているということであります。これは臨時の措置でございます。

奥野(総)委員 今回限りの補助金、まあ、ばらまき補助金でありますから、こんなのを年じゅうやっていては日本の財政が破綻してしまいます。臨時の措置ということを確認させていただきます。

 問題はやはり、額ありきで、規模ありきで補正予算を組んで、補正予算という非常に財政規律が働かない仕組みの中でお金をどんどん出してしまうということが最大の問題だと思います。これをずっと繰り返してきたんですね。バブルがはじけた後ずっと、補正、補正、何十兆の補正を積み上げて、何が起こったかというと、借金だけ残って、デフレは結局脱却できていないということであります。

 この補正予算の問題点、ここは補正予算本体の審議の場じゃありませんからこれ以上申し上げませんけれども、こうした補助金、ばらまきの補助金が含まれている補正予算には賛成しかねるということを申し上げて、この質問を終わりたいと思います。

 次は、ようやく本題ですけれども、今回の法案の関係、中身について質問をしてまいりたいと思います。

 まず、この震災特別交付税についてですけれども、平成二十三年度の分については多額の繰り越しが生じています。二十四年度には約一・四兆円まだお金が残っていると理解していますけれども、こうした繰り越しが生じた理由、原因について伺いたいと思います。

北村大臣政務官 お答えいたします。

 今回の補正予算に伴う地方交付税の増収分については、従来より、追加的に発生する財政需要への対応に必要な財源を除いた残額は翌年度の財源として活用するために繰り越すことをこれまでも基本といたしているところでございます。

 このような取り扱いを踏まえ、今回の補正予算により増額される地方交付税二千九百六億円について、平成二十四年度において、普通交付税の調整減額分の追加交付に要する額七百七億円を交付することといたしたものでございます。

 その上で、残余の額二千百九十九億円については、今年度に特別に追加をして対応すべき財政需要もないことから、巨額の財源不足が見込まれる平成二十五年度に繰り越し、その交付税総額を確保することといたしたものでございます。

 以上でございます。

奥野(総)委員 今の質問は震災復興特別交付税の話をしていまして、今、普通の、一般の交付税の話ですよね。答えになっていないんですが、時間もありますので、大臣に伺いたいんです。

 今回つくる、津波被災地域の住民の定着促進のための震災復興特別交付金、これは繰り越しなしで、きちんと今年度に執行されるのでありましょうか。

新藤国務大臣 これは、平成二十四年の九月と本年の三月に実施することになっております。ですから、これについては速やかに交付すべきであるというふうに思っておりますし、この法案を成立後にしっかりと交付したい、このように思っています。

奥野(総)委員 地元のニーズがあるということだと思いますので、そこをまず確認させていただきます。

 まず、津波被災地域の住民の定着促進のための震災復興特別交付税ということで、この積算根拠、どうやってこの金額を出しているかということを伺いたいと思います。

佐藤政府参考人 津波により住宅が被災した被災者のうち、災害危険区域内の被災者については防災集団移転促進事業などの対象となります。そこで住宅建設の利子補給などの支援措置もあります。しかし、災害危険区域外の被災者についてはこうした支援措置が講じられておりません。

 そこで、地元から、これに対する強い要望があったわけでございます。

 この増額の積算に当たりましては、津波によって全壊した持ち家住宅のうち、防災集団移転促進事業等の対象とならない住宅、これを四万七百三十八棟と見ております。これに一棟当たりの単価を乗じて積算するということにいたしました。

 具体的には、その土地土地で宅地のかさ上げを行う必要がある、ないというのがあります。これによって単価が違います。

 土地区画整理事業などの対象とならない住宅については、宅地のかさ上げを行う必要がありますので、住宅建設に係る利子相当額、それから宅地のかさ上げ経費及び移転経費として、一棟当たり二百八十二万円の単価としております。

 また、土地区画整理事業等の対象となる住宅については、かさ上げは不要ということになりますので、住宅建設に係る利子相当額、移転経費として、一棟当たり百六十三万円の単価といたしております。

 対象住宅にこの一棟当たりの単価を乗じた結果、一千四十七億円を所要額として計上しております。

奥野(総)委員 お手元に資料をお配りしています。ポンチ絵に描かれていますが、今の説明は、この絵の2の部分ですね。

 これまでは、建築基準法に基づく災害危険区域の方が移転する場合にはそれなりの助成があったということでありますけれども、それ以外、災害危険区域以外の被災地域、津波浸水区域においては住宅再建の支援措置がなかったということで、今回、この交付金をつくることで措置するというふうな理解をいたしております。まさに、この地域で土地区画整理事業をやる方はかさ上げができるのでありますけれども、そうじゃない、個人の持ち家の方もかさ上げができるような仕組みをつくられたというふうに理解しております。

 まさに、大臣と一緒に視察したときに地元の方が訴えられていたことをこの交付税によって誘導して、自治体にやっていただこうという理解であります。これについては私も大賛成であります。

 そのときに、地域を見たときに、たしか病院も視察したのでありますけれども、そのときに伺った話として、個人の開業医の方に病院再建の助成がないんだ、要するに、個人の資産をふやすような形で国から直接お金を渡すことはできない、だから地域の開業医の方がもう再建できなくていなくなっているんだという話を伺いました。

 これについて、その後政府として対策をとられているのか、どうなっているのかということについて伺いたいと思います。

原政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の震災復興特別交付税による支援措置は、住宅再建を対象としたものと承知しております。

 医療機関につきましては、その場での再建も含めまして、移転して新築する場合も含めて、医療機関そのものの整備費につきましては助成制度を設けているところでございます。

 ただ、お尋ねの、その場での土地のかさ上げ経費については、医療に限らず、まちづくりそのものをどのように進めていくかという観点の課題に直結するものであって、医療行政の視点からの特別な補助制度は設けていないところでございます。

 いずれにしましても、住民の生活に不可欠な医療機関の配置を、どこにつくっていくのか、まちづくりの中でその実現のためにどのような支援が必要かということも含めて、各自治体で幅広く検討されるものと承知しております。

奥野(総)委員 この被災地域、病院のほかに商店街の話もあると思うんですが、この2の地域で、例えば商店街を再建しようとする場合に、かさ上げをできるスキームはあるんでしょうか。

赤羽副大臣 経済産業副大臣の赤羽でございます。連日、御質問ありがとうございます。

 今御質問の件ですが、奥野委員よく御承知だと思いますが、中小企業等グループ補助金という制度、これは実は、そもそも地域経済の中核を形成する中小企業等グループの復興のための、施設設備の復旧整備のための補助金でございまして、当初はかさ上げ云々ということは余り想定をしていなかったというふうに認識をしておりますが、昨年の決算行政監視委員会の熱心な議論の中で、地元はなかなか、このかさ上げの部分がクリアできないと商店街の復興も進まないというような御指摘もいただいている中で、必要不可欠な基礎工事という認識で、このこともグループ補助金の対象に入れていこうということで認めているところでございます。

 ただし、私は思うんですが、これは私の立場で言うことはちょっと言い過ぎなんですけれども、商店街のところのかさ上げをなしても、面的な整備がされていないと、なかなか本当の意味での復旧復興が進まない。これは、私自身は神戸の選出でありまして、十八年前の阪神・淡路大震災のときからの問題でもありますので、その点については、面的なかさ上げ云々ということになりますと、防災という機能の面、やはり国土交通省関連とか別の補助事業も組み合わせて、総合的に対策を立てていかなければいけないのではないか。

 そういう意味で、今回、福島の復興再生総局ということも立ち上げましたし、役所の縦割りにこだわらないで、具体的なことについては、私も政治家としてしっかり御相談に乗って知恵を出していきたい、こう考えております。

奥野(総)委員 非常に前向きな御答弁でありました。

 最後に、今お話ございましたけれども、結局これは交付税で誘導してやっていこうということなんですね。本来、この話というのは総務省の所管なんでしょうかというのを感じます。やはり国土交通省なり復興庁なりが前面に出て、一般的なかさ上げの制度をつくるべきなんですね。その点について指摘をし、大臣の感想を伺いたいと思います。

北側委員長 総務大臣、簡潔にお願いします。

新藤国務大臣 昨年の衆議院の決算行政監視委員会の決議事項としてこれは入れていただいたわけであります。我々も奥野先生と一緒に行って、とにかく全ての原点はかさ上げだ、こういうことをどこに行っても被災者の皆さんが言われました。しかし一方で、国の方はなぜできないかというと、それが個人財産の形成につながるから、個人の財産の形成に国費を投入できない、ここのはざまにあったわけです。

 私は、今回総務省でこの仕事をやるときに、当初は土地のかさ上げは対象ではなかったんです。国の事業としては、土地のかさ上げを見るのは難しいんです。しかし、地方自治体が独自の支援措置を行っておりました。ですから、自治体の事業として行うものには総務省として応援ができるじゃないかということで、これを制度として入れようということで提案をして、このようなことになったわけであります。

 ですから、今回のものは、そもそもが、今まで移転対象区域でなかった人たちにもそこを区域として対象としますよということ、それから、その対象区域内にあって土地のかさ上げなどという新しいものもきちんと入れて住宅再建を進ませよう、こういう、まずはステップは一つ上がったということでありますが、総合的に現地の声を聞いて、被災地ですから、これだけの被災が起きた中で何ができるのかというのは、復興庁を中心にして、我々は全政府としていろいろな工夫をしていかなければいけない、このように思っています。

奥野(総)委員 以上で終わります。ありがとうございました。

北側委員長 次に、上西小百合君。

上西委員 日本維新の会、上西小百合です。

 二カ月前に多くの皆様方の御支援で初めて国会に議席をいただき、今日初めて新藤総務大臣を初め政府委員の皆様方に質問の機会を得ました。国民の皆様の目線に立って、国民の皆様方の負託にお応えできますよう一生懸命頑張りますので、よろしくお願いいたします。

 先ほど趣旨説明を受けました地方交付税法及び特別会計に関する法律案について、質問させていただきます。

 まず、このたびの改正案では、民主党政権時代、特例公債法案、赤字国債特例法案の成立との引きかえに解散を迫った自民党と政権与党民主党との政局によって、各道府県は、本来九月に交付されるべき交付金が三分割されてしまい、緊急避難的にさまざまな苦慮をしたことで発生した金利約五千万円の財政措置が講じられています。

 永田町の政局で国民の血税がこのような形で使われなければならないのは、国民目線からすれば到底納得いくものではありません。そのあたりの事情に関して、大臣の所見をお聞かせください。

新藤国務大臣 上西小百合議員の質問にお答えしたいと思います。

 初当選されて、頑張ってぜひお願いしたいと思いますし、フレッシュな感覚でいろいろな御提案をいただけるんじゃないかと期待をしたいというふうに思います。

 その上で、今の御質問は、非常に、これはあってはならないことであったのだと本当は思っています。

 そして、国会において特例公債法案が成立しない状態が続いたということでありまして、結果として地方の財政がうまく回らなくなった。したがって、我々国が地方交付税で執行抑制をかけた分を都道府県がみずからそれぞれ調達した団体があるということでありますから、それに伴って生じた負担については、国が今回交付税を加算いたしまして、全額措置をしたということであります。

 それは、銀行から借り入れをしたり、みずからの県が基金で持っていたものを取り崩したり、そういう部分については全て国の方で、もとに戻せるように、負担のないような形で交付税でもって措置をするということであります。

 しかし、こういった運用は望ましいものではありませんから、今後こうしたことがないように、我々も注意をして政権を運営していかなくてはならない、こういうことだと思います。

上西委員 ありがとうございます。

 私は、国民目線から考えますと、道府県が窮することが明らかであったにもかかわらず、なかなか解決しなかったこと自体、やはり納得がいきませんし、こうした形で本来必要がなかった予算組みをしなければならなかった、こういった現状には本当に矛盾を感じています。しかし、実際こうなった以上は、新たに道府県民の皆様に不利益がこれ以上あってはならないとも考えます。

 実際、九月分の普通交付税が九月、十月、十一月の三分割にされてしまったわけですが、各道府県は、先ほど大臣がおっしゃいましたように、新たな一時借り上げ、そしてさまざまな基金の取り崩し、それらを行ったと思うのですが、四十六道府県の実際の対応状況を詳しく教えていただけますでしょうか。

佐藤政府参考人 御指摘の、道府県の九月交付分を三分割して交付したことに伴って、十月一日から十一月一日までの間で資金繰りのために一時借り入れを行った団体は二十四道県でありまして、その金額は三千七百四十万円となっております。また、基金等の繰りかえ運用を行った団体数は十二県でありまして、その金額は一千百七十九万円となっております。

上西委員 新たな一時借り上げなんですけれども、これは指定金融機関から行われたんでしょうか。

佐藤政府参考人 一時借り入れですが、これは民間の金融機関からの借り入れというのがほとんどだと思います。その中で指定金融機関というのが比較的多いのではないかと推測いたしますが、そこまで我々は調べているわけではございません。

上西委員 金融機関から借りるということで、当然金利が発生するというのはわかるんですけれども、財政健全化基金など各道府県の基金取り崩しにも金利が発生した例があるのかどうか、そして、実際に各種基金を取り崩した場合、どのような影響が生じるものか、御説明をお願いします。

 また、二十四道府県でおのおのどの程度の金利が発生したのか、それも興味があるんですけれども、時間も少ないということですので、一番金利負担の大きかったところと一番少なかったところの額を教えてください。

 そして、私は大阪が地元なので、大阪府の状況の御説明をあわせてお願いします。

佐藤政府参考人 我々、今回財政的な手当てをしようと思っておりますのは、民間の金融機関などから一時借り入れを行ったものと、それから、その同一の自治体の中で、別の会計でありますとか基金などからいわば資金を融通してもらって、それを有効活用した、それに係る金利を負担した、この二つの点から措置をしようとしておるわけでございます。

 そこで、さきに申しました団体のうちで最も金利負担が多かった団体は北海道でございまして、その額は千三百八十五万円ということになります。

 また、大阪府につきましては、十月一日から十一月一日までの間においては、こうした一時借り入れや基金からの繰りかえ運用などは実施しておりませんので、金利負担は具体的に生じておりません。

上西委員 ありがとうございます。

 北海道なんですけれども、北海道は、市町村の数が多いから金利が多かったんですか。それとも、単に借入先が金融機関ということで金利が高かったんでしょうか。

 そして、金利ゼロの県もあるということなんですけれども、金利が発生していないという県は、財政基盤がそのまましっかりしているというふうに解釈していい性質のものなのでしょうか。お聞かせください。

佐藤政府参考人 北海道につきましては、一つは、団体の財政規模が非常に大きいということがあります。それから、財政力が比較的低いために、交付税の額が相対的に大きいということもあります。したがって、執行抑制に伴う影響を大きく受けたというふうに考えております。

 それから、金利負担が生じていない団体は、これは、その団体によって年間の資金の状況というのはさまざまでありますから、こうした時期において交付税が予定どおり交付されなくても、その影響は結果的になかったという団体かと思います。

上西委員 ありがとうございました。

 次に、震災のことなんですけれども、私は十二歳のときに地元で阪神・淡路大震災を経験し、家が倒壊したり、御家族、御親族が亡くなられた友人もおり、自然災害の脅威や、復旧復興をするには政治の力が不可欠だということを子供心に感じておりました。

 そして、家が潰れ、そこへまた戻ったのでは、またいつの日か被災に遭うかもしれないというふうに第三者的には思われても、御本人は、やはり住みなれた場所へ戻りたいと言われる方ばかりで、それは怖くないのかなというふうに思っていましたが、人間はやはり住みなれたところを離れたくないのだということも、成長するとともに実感するようになりました。

 このたびの東北大震災や、その後の津波、原発事故は、想像を絶する犠牲者、被害者を出しましたが、やはり、皆さんの本心は、住んでいた場所に戻りたいものだと思います。

 このたびの改正案の津波被災地域の住民の定着促進のための震災復興特別交付税の増額、これを行おうとすることを私は評価し、一日も早い実行を期待していますが、なぜ、津波浸水区域の支援策がこの時期までずれ込んだのか、どうして当初から組み込まれなかったか、それが不思議でなりません。そのあたりのいきさつの御説明をお願いいたします。

新藤国務大臣 これは、今回追加をされるのは、これまで指定されていなかった地域を追加したということでありまして、もともとの、津波でもって全壊したような、著しい被害の大きかったところは、これは災害危険区域となって指定をされているわけです。そこにはもう住宅としては戻れないと。ですから、その戻れない場所からどこかに移転していただかなきゃなりませんので、そのための支援措置をしていたということなんであります。

 しかし、地元の自治体からは、その一皮外にある、住もうと思えば住めるが、しかし危険である、ですから、今のお話のように、では移動しようという方もいる。それから、そこは壊れてしまっていますから、もう一回再建しなくてはいけない、しかしそこには支援措置がなかったわけでありまして、ここの部分を追加してほしい、こういう御要望があって、それに伴って、私としては、今回、災害危険区域外の津波浸水区域、こういうものを設定して、そこに支援を拡充しようということをお願いしているわけなんであります。

 そして、そのときに、先ほどもお話ありましたが、宅地のかさ上げについても、これは従来であれば、区画整理であるとかいわゆる公共事業として集団で事業をやった場合には支援措置があるんですけれども、個別住宅にはございませんでしたから、こういった地域の実情を踏まえて、これも措置を追加しようじゃないかということにしたということであります。

 ですので、今回の積算をして、対象の区域が一刻も早くこうした制度を活用していただいて、住宅再建が進むことを期待しております。

上西委員 ありがとうございます。

 先ほども申しましたが、人間には、動物と一緒で、帰巣本能が少なからずあると思います。一日も早く、仮設住宅での生活や他県での避難生活にピリオドが打てるように祈っておりますので、御尽力のほどをよろしくお願いします。

 今回の震災ですが、要するに、軒数もエリアも莫大ですから、予算には限界があるものだとは思いますが、土地区画整理事業の対象か否かによって金額に差があることや、一軒当たりの支援額が実情にそぐわないと思われるのですが、その積算根拠を御答弁願います。

 また、もともと災害危険区域に指定された方の所有地には家も建てられず、買い上げが市町村でされるとはいえ、非常に取得時よりも低い価格が相場になってしまっていると聞いています。そのあたりの御説明をお願いいたします。

佐藤政府参考人 震災復興特別交付税の増額に必要な額の積算についてでございますが、津波により全壊した持ち家住宅のうち防災集団移転促進事業等の対象とならない住宅、これを我々、四万七百三十八棟と見込んでおります。これに一棟当たりの単価を乗じて積算をいたしております。

 具体的には、自力で宅地のかさ上げを行うことが必要かどうかということで単価を区分しておりまして、土地区画整理事業等の対象とならない住宅、これは三万二千百八十四棟と見ておりますが、これについては、自力でかさ上げをする必要がありますので、その宅地のかさ上げ経費と、それから住宅建築に係る利子相当額、移転経費を見込んで、一棟当たり二百八十二万円の単価といたしました。

 一方、土地区画整理事業等の対象となる住宅、これは八千五百五十四棟を見込んでおりますが、これは、御自分でかさ上げする必要はありませんので、その分を引いて、住宅建築に係る利子相当額と移転経費を積算し、一棟当たり百六十三万円の単価としたところでございます。

 このように、単価によって、単価差といいますか、違いがありますのは、自力でかさ上げが必要かどうかということによるものでありまして、これは合理的な差ではないかというふうに考えております。

 今申し上げました単価と棟数を積算いたしますと、トータルとして一千四十七億円を所要額として計上したものでございます。

上西委員 ありがとうございます。

 先日なんですけれども、私も福島の原発の視察に行ってまいりました。それでそのときに感じたことなんですけれども、やはり古くから頑張っていた中小零細企業者が、その方たちが、住宅の手当てだけでも大変なのに店舗の方にまで手が回らない、そういった状況では生活ができないというふうに悩んでいらっしゃるのが現実です。

 今現在、いわゆるグループ補助金制度など、そういった制度、復興支援などが行われていますが、これに関しまして、今回の補正予算、復興支援制度、いろいろ行われていますが、今回の補正予算によって住宅再建や復興のまちづくりが進んでほしいと考えていますし、進まなければいけないと思っています。

 大臣にお聞かせいただきたいんですけれども、各自治体は今回のこのような支援策の措置を歓迎していると思われますか、それとも、まだまだ足りないとの評価をしていると思いますか。お聞かせいただければ幸いです。

北側委員長 総務大臣、簡潔にお願いします。

新藤国務大臣 これは、歓迎するとかいうことではなくて、必要が生じて要請をいただき、我々もそれに対応したということであります。

 今、被災地の復興というのは、黄川田総務前副大臣、本当に御苦労いただいて、また、大変な悲しみの中にあるわけでありますけれども、被災地の皆さんが思っていること、それは、とにかく一刻も早く将来の姿を見たいということだと思います。時間はかかるんです。しかし、自分たちの目的地がどこにあるのかということをはっきりとした上で、一つ一つやっていかなくてはならないことだと思います。

 現実には、今、制度であるとか予算以前に、仕事を早く執行しなくてはならないんです。工事を発注しても不調に終わってしまったり、それから、仕事が進まず繰り越しになってしまったりしています。ですから、我々は、これは今ここで措置したことだけではないんです。トータルとして最終を見据えて、今準備できることはどんどんやっていきながら、これは適宜、地元で進めていっていただく。そのときに、まだ改善点があれば、それは幾らでも我々でできることはお手伝いしなくてはいけない、こういうことだと思いますから、今回の私どもの措置が復興の推進の一助になることを願っておりますし、そのようになると思っています。

上西委員 ありがとうございます。各自治体が納得できるように、さらなる御精進をお願い申し上げます。

 どうもありがとうございました。

北側委員長 次に、岩永裕貴君。

岩永委員 日本維新の会の岩永裕貴でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 まずもちまして、新藤大臣を初めといたします副大臣そして政務官の皆様方、このたびは御就任、まことにおめでとうございます。心からお祝いを申し上げる次第でございます。

 私は、過去に約七年間、海外で生活をさせていただいた経験がございます。そうした経験の中で、さまざまな海外の若者の皆様方と日本の伝統や文化、歴史等についてさまざまな議論を交わさせていただいてまいりました。そうした中で、これは自分の勘違いだと思うんですけれども、自分自身が日本を背負っているような感覚にとらわれながら、何とかこの国の国家国民のために政治という分野で活躍をしたいという思いを持たせていただいて約二十年、ようやくこうして今、この場に立たせていただくことができております。気合い十分で本日は参らせていただきましたので、どうぞ今後も皆様方からも御指導いただきますように、心からお願いを申し上げます。

 まず、一番最初にお伺いをさせていただきたいことがございます。

 これは、昨年の選挙等でも、日本維新の会、我々の政策のセンターピンとして国民の皆様方にずっと申し上げてきたのが、道州制というものを最終の形とするための地方分権を進めるべきだということを、常々、選挙期間中も、有権者の皆様方に訴えをさせていただいてまいりました。それで、有権者の皆様方からもそうしたところへの大変多くの共感を最終的に得ることができ、大変多くの得票を日本維新の会にもいただいたという経緯の中で、まず、大変根本的な価値観の共有をさせていただきたいんですが、大臣にお伺いをさせていただきます。

 今、この時代にあって、こうした社会背景にあって、地方分権というものがなぜ必要だと考えていらっしゃるかということを、簡単にで結構ですので、一言お伺いをさせていただければと思います。どうぞよろしくお願いします。

新藤国務大臣 まず、岩永さん、当選おめでとうございます。あなたのお父さんと我々は同期ですから、とても楽しく、仲よくさせていただいておりました。私、あなたのことはよくおやじから言われておりますので、まず御活躍を期待したい、このように思います。

 その上で、今とても大事な御指摘だと思います。私たちは国の形を問い直さなくてはいけない。それは、戦災復興から高度経済成長を経て、全国の均衡ある地域の発展、こういったものをなし遂げてまいりましたが、今、バブルの崩壊以降、我々は本来あるべき、目指すべき国の形というものを見失っているのではないかと思います。

 少子高齢化、人口減少社会、そして地域の過疎化が進む中で、都市部の一極集中が進んでおります。こういう状態の中で、従来からの国の統治制度がなかなかうまく機能していないところがある。その意味において、地方分権を進めていきましょうということになったわけであります。

 しかし、それは、私が考えるには、国と地方は対等の関係であって、これは国、地方が合わさって国家の統治機能になるわけでありますので、どちらにいい、悪いではなくて、地方分権を進めることでどうやって国の機能が強化されるか、また地方分権を進めることで町の暮らしがよくなっていくか、そして行政サービスが向上し、また財政の効率化が図られる、こういう観点からこの分権はしっかりと取り組んでまいりたい、このように思っています。

岩永委員 ありがとうございます。

 先ほども少し申し上げましたが、海外で多くの国の皆様方とお話をさせていただくと、もうこれは皆様方御承知のとおりだと思うんですが、日本に対してのまず第一、大きな印象というのが、やはり日本人のすごさというところをどの国の皆様もおっしゃいます。

 これは、東日本大震災以降の復興に対して向かい合う我々国民の姿そのものであったのではないかなというふうに思いますが、具体的には、日本人の前向きに挑戦をする力と、あとは勤勉さというところを、各国の皆様方はすごく尊敬に値するし、我々日本人自身も誇りに持たなければならない部分であるというふうに考えさせていただいております。

 そうした観点から、私は、この地方分権というものを推し進める大きな大きな理由がここにあるのではないかなということを常々考えさせていただいております。今のこの統治機構の仕組み、特に公務員そして地方の議員の皆様方が、この前向きな挑戦力であったり勤勉さというものを十分に発揮できない仕組みになっているのではないかなというふうに考えさせていただいております。

 御承知のとおり、今、地域の、特に政治という分野で何が起こっているのかというと、さまざまな発想やそうした前向きな挑戦をしようとしている方々はたくさんいる一方で、やはりこうしたお金を国から引っ張ってくるためだけの仕組みというものがすごく地域の発展というものを妨げていると私は考えさせていただいております。

 結局、志を持って議員になって、また地方の公務員になっても、国から幾らお金を引っ張ってこれるかのために、県会議員さんであったり国会議員さんにどれだけ顔がきくのかということばかりが、労力であったりとか精神的な部分で力が使われている。

 それで、国会議員も、次の選挙があるのでそれに対して応えていこうと。そうした循環の中で、官僚の皆様方に対して顔がきくように頑張る。そして、そうすることで顔がきく国会議員さんがいたら、その下についてくる人がいて、派閥ができて、そして政官の癒着ができていった。そうしたところを国民が見透かして三年半前の政権交代というものが起こって、もっともっと国民目線に立った政治をしっかりとしてほしいというようなところが大変大きな声であったのではないかなというふうに私は考えております。

 そうした中で、質問に移らせていただくんですが、先ほども出ておりましたけれども、結果として、いわゆる一括交付金が政権交代前の補助金制度に戻ったかのような印象を多くの国民の皆様方は持っていらっしゃるというふうに思いますけれども、先ほど大臣からも力強い御答弁があったとおり、地方分権を今後も推進していくという中で、今後どのように地方の裁量権というものを増していく仕組みをつくっていこうというふうに考えていらっしゃるのか、御答弁をお伺いしたいと思います。

新藤国務大臣 岩永さんがそういう社会的な問題意識を持っていることはすばらしいと思います。ですから、ぜひあなたの目で、この国会で各議員がどのようなことを大切にして動いているか、自分の目で確かめていただきたいと思います。そのような、今お話があったような利益誘導型の政治が今この場でまかり通っているのかどうなのか、また、官僚も含めてそういった政官業の癒着、こういったもので国が本当に動いているのかどうなのか、それは自分の目で確かめていただきたい、このように思いますし、私たちは、そういったことを打破しなきゃいけないと思って、それぞれ議員になっているわけであります。

 そして、日本の美徳というのは、これは長い歴史、二千六百年の歴史を持っています。そういう中で、自分たちの土地を大切にして、家族を大事にして、助け合いながら、頑張った人が報われる、こういう国をつくるんだというものがこの根底にあるんだと私は思っています。自由民主党というのはそこを原点につくられた政党でありますし、皆さんの政党もそうだと思います。

 ですから、そこは、いわゆる、いろいろなところで言われているステレオタイプの批判をそのまま受け入れるのではなくて、自分の目でこれはしっかり確かめてもらいたいし、まず自分がその中でどのような行動をするのか、これは大いに私は期待したい、このように思います。

 そして、その上で、地域の自主戦略交付金については先ほど申しましたから、今までよりもよい運用をするようにしたんだということであります。

 それから、一つのうらみは、実は、一括交付金で出すんですけれども、それが一体どこでどれぐらい使われていたのかが、最終的に決算じゃないとわからないんです。税金を投入するのに、本当にこれでいいんですかと。私は、かつて自分が議員として質問したときに、ではこれは今どのぐらいの経済効果が出ていたんだ、全部地方に渡しちゃってありますからわかりません、そんなことであなたたちは管理できるのか、こういうやりとりをした覚えがあります。

 ですから、これはひもつき補助金ではなくて、もともとからそういう制度だったんです。その制度を改善したんですが、やや使い勝手が悪いところがあったのでさらにそれを改善したんだ、発展改善したんだというふうに御理解いただきたいということであります。

 特に、例えば農業なんかは、強い農業づくり交付金というのがありました。これが地域自主戦略交付金というソートでもって別のところに行ったんです。ところが、農水省には産地活性化総合対策事業、産地再生関連施設緊急整備事業、同じようなものが、要するに三つの箱があった。これを今回は強い農業づくり交付金という形で一つにして、大くくりをして、手続も簡素化し、仕事ができるようになった。

 そして、それは地域の声を聞きながら、幅広に受け入れをできるようにする、こういう仕組みになっているわけで、何か廃止というからすごく嫌な思いをするんだろうけれども、これは発展改善なんだ、ぜひこういうふうに御理解いただきたいと思います。

岩永委員 少なくとも国民の皆様方には、ちょっと時代が戻ってしまったかのような印象を持っていらっしゃる方が大変多くいらっしゃるということは事実でございますし、分権を期待している多くの国民の皆さん方がいらっしゃる中で、そういった部分をもう少しわかりやすくまた発信していただければというふうに考えておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。

 日本維新の会は、執行部の皆さん方から、とにかく一年生議員を含め議員は地域を徹底的に歩いてきなさい、そして現場を徹底的に見て活動をしていくようにということをかなりきつく発信していただいていますし、御指導もいただいておるところでございまして、私も、配属がこの総務委員会になるということが決定をさせていただいてから、できるだけ多くの地方の公共団体の皆様方からお声をいただくために回らせていただいておるところでございます。

 自民党の総務局の皆様方もかなり活発に現場を見て回っていらっしゃるようですけれども、日本維新の会の我々もそれ以上にこうやって現場を回らせていただいているということもあえて、なかなかマスコミでは取り上げていただけないので、こちらの方で、自分で言うとこうかなというふうに思っております。

 その中で、一点大きく声を上げていらっしゃるのが、今回の補正予算はかなり大型の補正予算が組まれ、多くの公共事業が地域に実施できるというようなことで、大変喜んではいらっしゃる声もたくさん伺うんです。ただ一方で、これまで、行政改革の中でかなりの人員を削減してきた地方公共団体が、発注業務、そして施工管理といった、特に技術者の皆様方がかなり数少なくなってきている現状の中で、これだけの事業に取り組めるのか。そして、私が心配をしているのは、質の部分でしっかりと保証された事業が実施されるのかということを心配させていただいております。

 予算的な、かなり裏負担への配慮というものは大変多く見受けられるんですけれども、こういったところへの人的な不足に対する対応というものを何か総務省としては考えていらっしゃるのかどうかということをお伺いさせていただきます。

三輪政府参考人 お答え申し上げます。

 地方公共団体における土木部門の職員数は、平成八年をピークに十六年連続で減少をいたしております。平成二十四年四月現在、約十四万人。これは、平成八年比で約五万三千人の減少という状況でございます。

 地方公共団体におきましては、地域の実情を踏まえながら、行政需要の変化に対応しためり張りのある人員配置を行うなどいたしまして、必要な行政サービスが確保できるように適切に対応をされているところであります。

 今回の補正予算によって増加いたします事業につきましても、業務委託の活用、あるいは適切な人員配置、さらに一定期間の再任用職員の活用によるマンパワーの確保等々によりまして、適正な事業執行が図られるもの、このように考えております。

岩永委員 ぜひ、そういった部分への細かな配慮も含めて、総務省の皆様方には御対応をいただければなというふうに思います。

 時間も大分迫ってまいりましたので、最後に一点、お伺いをさせていただきます。

 このたび、地域の元気創造本部というものを、恐らくこれは大臣のお肝いりで立ち上げられたんだと思いますけれども、こちらが、報道等でちょっと拝見をさせていただいていると、公共事業が中心になっているかのような印象を受けるんですけれども、一体この創造本部というものはどういったことを目的として設置をされているのかということを簡単に御説明いただければと思います。

新藤国務大臣 これは、私の方で今回新たに立ち上げたものであります。地域の元気創造本部、これは大きく言うと二つのことをやろうと思っています。

 一つは、まず地域の経済活性化のイノベーションサイクルをつくろうということであります。

 地域にはいろいろな資源があります。観光資源や物産だったり技術だったり、そういう地域の資源があるんです。それから一方で、実は地域には資金があります。信用金庫だとか地方の金融機関の預貸率、預かった貯金は、実は半分ぐらい銀行に残っちゃっているんですね、金融機関に。ですから、地域の資源と地域の資金を活用して町の活性化ができないですかと。

 いろいろなアイデアがありますが、そこに自治体が支援をするスキームをつくろうじゃないかと。そして、地方自治体が支援するスキームに対して、それを総務省が全面的にバックアップしようと。金融の問題については金融庁と協力します。それから、地域資源の関係については経済産業省と協力します。

 ですから、自治体が核となって町でやる仕事に、金融庁と経産省がそれぞれ支援をし、それを総務省が包括してバックアップする、こういうイノベーションサイクルというものをつくる中で、町の経済の活性化とそれから自立性を向上させる、こういう仕組みができないか、一つ一つの仕事をまちづくりとして全体につなげられないかというアイデアが一つあります。

 もう一つは、新しい公共事業というのを考えなければならない。

 それは、新たに、新規要望でいろいろな要望が出てくる新しい箇所の公共事業があります。加えて、高度成長時代に大量につくった公共資本が大量に老朽化します。これの維持補修、そして長寿命化、こういったものが必要になってくるんですね。加えて、例えば過疎地を活性化させる公共事業というのはないのか。これから投資するものが、人が住んでいないところに道路をつくったってしようがないわけです。ですから、地域を元気にさせる公共事業というのを考えてみようじゃないかと。

 これが地域の元気創造本部のやる二つの大きな仕事でありますが、そういったものを、一つでも二つでも具体的なプロジェクトを出せるようにしたい、こういう思いで、政務チームは全員参加しますし、省内のみんなを入れて、それぞれの部局でアイデアを出せ、そして、政府内の各省庁と連携できるようなことをしようじゃないか、こういうことをやろうと思っています。

岩永委員 ぜひ、地域にとってすばらしいものになるように御尽力をいただきたいと思います。

 これまで、こうしたものがなかなか、企業側にとって多くのルールがあり過ぎて、それぞれの地域が持つ特色にしっかりと応えられる制度になっていないというところが、こういった部類の仕組みの中には、多く地域の中でも聞かれていた言葉でございますので、どうか、今後の会議等でも、そういった本当に機微に触れた中で、地域の発展につながるような会議体にしていただきたいなということを心よりお願い申し上げまして、質問を閉じさせていただきます。

 ありがとうございました。

北側委員長 次に、佐藤正夫君。

佐藤(正)委員 みんなの党の佐藤正夫でございます。

 昨日の予算委員会でも御質問させていただきまして、ありがとうございました。早速、質問に入らせていただきたいと思います。

 今回の予算委員会を見ていましても、聞いていましても、基本的に、一万円札に、国の一万円札、地方の一万円札、こんなことがあるのかというのが大きな論点だったと思うんですね。国は、先ほどの約五千万の利息を、今回はこの中で審議をする。しかし、その一万円札というのは実は同じ一万円札で、誰が払うのかといったら、国民なんですよね。

 ここの論点から考えてくると、この五千万の利息についても、実は、地方は何も納得していないけれども、やっておけと言われて、しようがないから、自分たちで調達しなきゃならないので、お金を借りなきゃならない。これが一番、縮図だと思うんですね。

 そういう中で、今回いろいろな議論をさせていただきましたけれども、二十四年度のいわゆる地方の固有の財源は実際幾らで、そして、先ほど説明がありましたけれども、約二千億ちょっとのお金がまた来年度に持ち越される。では、持ち越さなくて、そのお金は地方に本当は配ったらどうなのか、こういう議論があってもおかしくないと思います。

 そこで、まず、地方の固有財源として、交付税の根拠、そして、その明確なる、金額が決まりましたけれども、その根拠、地方の固有の財源の根拠をしっかり教えていただけませんか。

坂本副大臣 まず、地方の一般財源総額がどれだけあるかということであろうと思います。

 二十四年度の地方財政計画によりますと、総額は五十九兆六千二百四十一億円であります。内訳は、地方税が三十三兆六千五百六十九億円、そして地方交付税が十七兆四千五百四十五億円、そして臨時財政対策債が六兆千三百三十三億円、これ以外に地方譲与税その他があります。

 ですから、この一般財源総額、これについては、地方はその使途を縛られないということであります。

佐藤(正)委員 今回、維新の会の方々も随分この財源について御質問をされておりましたね。中田委員もたしか言われたと思いますけれども、その財源が、実は明確に見えてこない。最後はどうも財務省と談合しながら決めているんじゃないか。私も調べさせてもらったら、どうもそういうところがあるみたいですね。最終的には調整は財務省と、あとはやりとりをしながら細部を決めていくということみたいです。だから、地方としては見えないというのが、これは地方の生の声だと私は思っています。

 それで、その中で、例えば今回も問題になりましたけれども、交付税特会借入金、それから臨時財政債の残高、これについて、その借財をどうやって返していこうとしているのか。極端に言えば、この借金は地方が払うのか、国が払うのか。この辺についてはちょっと明確に答弁していただけませんか。

新藤国務大臣 御質問は、交付税特会の借入金それから臨対債の返済、これをどうするかという御質問でよろしいですか。(佐藤(正)委員「はい」と呼ぶ)わかりました。

 交付税特会の借り入れにつきましては、これまでも償還計画があったんですが、平成二十三年度に前政権が新たに、償還計画をまたリニューアルしていただきました。その法律に基づいて戻していく、こういうことになっております。毎年の決まった額を努力をして返していこう、こういうことでやっております。

 それから、臨対債の方につきましては、臨時財政対策債は地方の負担で償還をしていただきます。しかし、その元利償還につきましては、それは、交付税の基準財政需要額に算入をして、後年度に国が補填をするという形になっているということであります。

佐藤(正)委員 一つずつまた尋ねていきたいと思うんですが、交付税特会約三十三兆円、きょうのお手元の資料を見ていただいたら、三ページ、これが基本的な償還計画です。これを見て、委員の皆さんはどう思われますでしょうか。こんなに数字がふえていって償還できるんですかね。毎年毎年ふえていく。

 これは、もし私が金融機関だったら、お金は貸さないですよ、こんなところ。こんな返済計画を持ってきたら、冗談じゃない、返せるわけないでしょうと。当たり前ですよ、これを見て。

 恐らく、これでもやはり返すと言われるんでしょうが、この返済の当てはどうなっているんでしょうかね。教えてください。

新藤国務大臣 これは、必ず返すんです。それが国家です。

 しかし、もともとの償還計画が、二十年で償還する、交付税特会はそうなっていたんですね。しかし、交付税特会はもう今繰り入れをやめていますから、新たな借入金はなくしました。ですので、今ある三十三兆をどう償還していくか。前政権において、これを四十年で償還する計画に切りかえました。今お配りいただいたのはそっちの方です。

 これでも、当初は一千億ですけれども、それがだんだんだんだんふえていきますから、これは今この場で、大変だというのは私も共有します。しかし、これは必ず返すんです。そのためには景気をよくしていくしかありません。財政を再建し、景気をよくする。それによって、我々はこういうものを返していく。しかし、国家というものがずっと続くというのはそういうことでありまして、一般の会社とは違うところでございます。

佐藤(正)委員 それは国家はずっと続いていきますよ。当たり前の話じゃないですか。ただ、この返済計画に無理があるんじゃないかと僕は言っているんですよ。それは、誰でも、お金を借りるときに、返しますと言うのは当たり前のことじゃないですか。民間企業で、金融機関に行って、計画を出して、お金を借りますよ。最初からこの会社が潰れるなんという考え方を持って話をする人はいませんよ。

 私が言っているのは、返していただかなきゃならぬのは当たり前のこと、ただし、これ自体に無理があるのではないですかと。

 だから、よく、地方でもそうですけれども、償還期間を勝手に変えていくんですね。例えば、高速道路を、当初は三十年の償却期間だったのが、今度は四十年になり五十年になり、その都度変えるんですよ。だったら、これは実際、二十年が四十年ですか、大臣。これは四十年でも厳しいと思う、正直言って。

 今言われたように、景気を上げること、当然だと思います。上がっていかなきゃならないし、また上げなきゃならないし。政治の役割としてその環境整備をするのは当然だと思います。ただし、今、僕が客観的に見て、この四十年、ちょっときついなと思っております。

 これには利息等も入っているんですかね。

新藤国務大臣 利息は毎年返しているんです。ですから、これは元金分でございます。

佐藤(正)委員 では、利息だけは先に払っておいて、これはあくまでも元金と。これプラス利息が加わっていくということですね。

 利息というのは幾らぐらい払っているんですか。

新藤国務大臣 現状で、年に二千万円程度だ、こういうことで御理解いただきたいと思います。

佐藤(正)委員 わかりました。

 では、とにかく……

新藤国務大臣 失礼しました。二千億円ですよ。私もおかしいと思って、言いたくなかったんだけれども。ですから、訂正させてください。二千億円です。

佐藤(正)委員 それは当然でしょうね。しっかりしておいてくださいよ、裏方。

 二千億円、元金が一千億円。どうでしょう、皆さん。元金一千億円しか返せなくて、利息を二千億円。考えられないですよね、普通に考えて。

 ということは、基本的には、長期にするのかどうするのか。もっと言うならば、この財源を返すためには、もともと地方の財源を見直す必要性が実はある、本来なら。

 だから、これまで、我々みんなの党、維新の会もそうですけれども、地域のことは地域でやれる仕組みをつくるためには、やはり財源自体を見直す必要性があるのではないか。だから、今の財源の根拠をもう一度変える時期が来ているのか。もしくは、維新の会、みんなの党もそうですけれども、消費税という財源を地方に、一貫して地方でやらせていただく、地方に責任をとらせてくれ、こういうことももうそろそろ考えていく時期が実は来ているのではないかなと思います。

 さっきの二ページの棒グラフを見ていただいて、この実態をしっかりともう把握をするときが来たということを指摘しておきたいと思います。

 さらに、今回の公務員給与の削減についてなんですけれども、地方は、勝手に国が我々の財源に手を突っ込んで給与を下げるなという声もあるんでしょう。しかし、我々は逆ですね。給与が高過ぎると思っています。

 国家公務員の給与を基準にして地方公務員の給与を、ラスパイレスというんですか、やっていますが、ちょっと一つ考えていただきたいのは、地方は地方で努力をしていることもよくわかっています。私も地方議員を十五年もやりましたので、国よりももっといろいろな部分で努力をしていることはわかっていますが、しかし、国民から見るとまだ努力が足らないというのは、地方も国も同じだと私は思っています。

 そこで、例えば、国家公務員と地方公務員を比べるのではなくて、逆に、民間の給与と国家公務員とを比べたら実際どうなのかなというところも踏まえてみると、今言われている給与の削減が、実は、国民目線から見ると少し離れているところがある。

 例えば、これはちょっと古い資料ですけれども、二〇一〇年、国家公務員の給与は人事院で、民間の給与は国税庁で出した平均値がありますけれども、国家公務員六百三十八万五千円、民間四百十二万円なんですね。これを今度、民間と国家公務員の給与をラスパイレスに変えると、実は、一・五高いんですね。こういう視点も考えてやるべきだと我々みんなの党は思っています。

 だから、本来ならもう少し、我々みんなの党は、議員がみずから身を削る、当然です。と同時に、国の財源から見ても、先ほどの地方の財源を全て含めても、やはり公務員の給与、我々はこれからも訴えてまいりますが、二割の削減をこれからも訴えてまいりたいと思っています。

 それと、もう時間がないのであれですが、最後に。

 情報通信機構に視察に行かせていただきまして、確かに皆さん、しっかり立派な研究をやられていました。きのうの予算委員会でも大臣からいろいろな御説明を受けまして、進歩しているんだなというふうに思っております。

 ただし、やはりおかしいところがあるのは、これまでの、きのう指摘をさせていただきましたが、本来研究をしっかりやってもらう以外に、投資だ、融資だとやってきたこと。

 これはもう完全にやめたということでありますけれども、その詳しい財源でいいますと、例えば、民主党政権のときに仕分け等で、余った財源は国庫に返せよということで、約五十億円返納されたそうです。ところが、そこには六十六億円もともとあって、五十億円返納されている。あとの十六億円は何に使っているのかというと、実際、いわゆるその利息で回収するための事務経費を賄っているそうですよ。そういうふうに説明を聞きました。これもナンセンス。

 今や低金利で、十六億円積んだって、利息で返ってくるのはわずかなんですね。だったら、もう全額お返しした方がいいですよ。経営者だったらそうする。

 だから、その点を私は今回指摘させていただいて、今の件について、どなたでも結構ですが、御質問に答えていただければこれで終わりにしたいと思います。

新藤国務大臣 先生の御指摘も踏まえて、研究はしたいと思っています。この問題をどうやって決着させていくかというのは重要な課題だと思っていますから、引き続いて研究したい、このように思います。

佐藤(正)委員 ぜひ、研究というよりも、当たり前のことなんです、民間の経営感覚で考えたら当たり前のことなんですね。

 そして、きのうも申し上げましたけれども、結局、損益を出したお金が何百億円とある。しかし、誰も責任をとらない。誰も責任をとらないから、まして自分のお金と思っていないから、ぼんぼんぼんぼんそんな赤字を出すと言われてもいたし方がない。

 だったら、もっと身近なところで、ちょっと見ればわかること。六十六億円全額返せばよかったものを五十億円にした。十六億円で、基金でやる。今、どこの自治体でも基金を持って運営できるところはありません。だから基金ではなくて運営費補助を出しているというのが現実ですから、どちらが得かを、大臣は研究されるということなんですが、検討していただくようにお願いをしたいと思います。

新藤国務大臣 先生のお考えは一つだと思います。

 しかし、今なぜそういうやり方をしているかというのは理由があるわけであります。ですから、この事業を、また事務をしっかり執行できるような、そういう前提に立ってさまざまな研究をしなきゃいけないということだと思うんです。

 そして、確かに大きな損失というか、回収ができなかった部分もあります。しかし一方で、例えば、技術が実用化されているものもあります。したがって、こういう研究開発投資部門というのは、無駄なことをさせるわけにいきません。しかし、将来を見て投資をしなければこの未来はないわけでありまして、そこの兼ね合いだと思っていますから、国に対して、また組織が過大な負担にならないようなことは考えつつも、さまざまなスタイルを研究していかなくてはいけない、こういうことだと思います。

佐藤(正)委員 時間が来ましたので終わりますが、ぜひ、我々はそこをしっかりとこれからも精査させていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

北側委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 また当委員会でお世話になります。どうぞよろしくお願いいたします。

 早速、質問に入ります。津波被災地域の住民の定着促進のための震災復興特別交付税の増額に関連して質問をいたします。

 総務省の概要説明では、津波による被災地域において安定した生活基盤、住まいの形成に資する施策を通じて住民の定着を促し、復興まちづくりを推進する観点から、被災団体が、地域の実情に応じて弾力的かつきめ細かに対応することができるよう、震災復興特別交付税を交付するとあります。

 そこで、お尋ねしますが、昨年来、石巻市などを初めといたしまして、被災自治体からは、津波被災に係る住宅再建支援に対する自由度の高い財源付与の要望が出されております。被災自治体にとって、被災住民の実情に即した支援策が可能となるような財源こそ必要であるわけで、何らかの縛りがあるような、そういうことであってはならないと考えますけれども、この点について最初に確認をさせてください。

新藤国務大臣 まず、塩川議員、埼玉県民でありますから、この委員会には埼玉県選出の方がたくさんいらっしゃいまして、ぜひよろしくお願いしたい、このように思っております。

 そして、今回の震災復興特別交付税は、関係市町村が、各地域の実情に応じて、住宅再建に資する支援策を行うに当たって、単年度予算の枠に縛られずに、弾力的、きめ細やかに対応できるようにしたい、こういう考えもあります。ですから、まず年度内でしっかり執行していただきますが、加えて、こういったものは基金化するなりなんなりして、自治体が柔軟に運用できるようなものを工夫しながら、それを我々は支援してまいりたい、このように思っています。

塩川委員 要するに、一般財源で、使途制限がかかっていないということでよろしいですか。

新藤国務大臣 制限は設けておりません。

塩川委員 そこで、実際、要望そのものは被災の市町村から上がっております。ただ、今回の交付税措置の交付先は被災県になっているわけですね。そうしますと、県と市町村で若干かみ合わないようなことがあってはならないと思っておりまして、こういう点についてはどのように配慮されるお考えでしょうか。

新藤国務大臣 これは、総務省としては、各県に対して十分に説明をして、そして、その趣旨を理解した上で執行されるように我々の方で取り組んでまいりたい、このように思っています。

塩川委員 今回、防災集団移転促進事業の対象となる住民と、津波被害を受けたけれどもその対象とならない住民との間で支援策に大きな違いが生じている。こういうことに被災市町村として何らかの手だてが必要だということで、独自の支援策を被災市町村などで行ってきているわけですよね。

 その際に、やはり、自治体間の財政力の違いとか被災規模によって差が生じるようなことがあってはならないという要望も踏まえて、今回の措置につながっているということですから、そういう点でも、住宅再建に対する被災者の負担軽減なしに定住促進は図れないということが大もとにあるわけで、こういう立場での支援策の拡充が必要であります。

 津波被災地域におきましては、危険区域内で現地再建を希望する方もいらっしゃいますし、危険区域外で移転を希望する方もいらっしゃるわけで、そういった実情に即した対応策こそ求められている。柔軟な支援策につながるような財政措置をぜひとも求めていきたいと考えております。

 その点で、重ねてお尋ねしますけれども、今回の措置は津波被災住宅支援にかかわるものですけれども、被災自治体におきましては、それ以外の被災もあるわけですよね。例えば、盛り土の造成地が崩落をするようなこともありますし、あるいは液状化のようなこともありますし、多様な被災状況の実態があります。

 ですから、今後、被災自治体から、その他の被災住宅支援など、復旧復興事業に使う財源確保の要望があった場合に、新たな震災復興特別交付税の増額を行う考えというのはいかがでしょうか。

新藤国務大臣 これは、現状で必要なもの、御要望いただいたものを措置しているわけであります。ですから、今後さらに必要が生ずれば、それは当然対応していかなくてはならないと思いますし、いろいろな工夫をしなくてはいけない、このように思います。

塩川委員 ぜひ、多様な被災者の住宅再建支援を進めるために、被災者や被災自治体の要望に応えて、さらなる震災復興特別交付税の増額を行うべきだと述べておきます。

 そこで、実際に、被災市町村、被災自治体にとって使い勝手のいい財源と歓迎されているというのが、取り崩し型の復興基金のことがあります。取り崩し型の復興基金については、二十三年度に措置されて、それぞれ県に基金として交付をされ、また、市町村に対しての配分もされてきているわけですけれども、この取り崩し型復興基金そのものを積み増しする、そういうお考えというのはありませんか。

新藤国務大臣 これは、二十三年度に特別交付税として、被災九県に対して千九百六十億円を措置しております。これが、コミュニティーに関連する仕事だとか、いわゆる補助制度になじまないもの等にも使っていただいておりまして、非常に評判はよいというふうに思っています。

 現状では、まだこの枠の配分が残っておりますから、二十四年度当初でまだ千三百六十九億円残があります。この二四でどのぐらい使われたかがこれからわかりますから、それによって、枠があればそのまま使っていただくことになりますし、その後にまだ必要があるならば、それはそれでまた検討していかなきゃいけないだろう、このように思っています。

塩川委員 そこは非常に大事なところで、個々の被災市町村に聞きますと、例えば、黄川田さんの地元でもあります陸前高田市などは、多様な事業、単独事業をこの復興基金を使って行っています。ですから、もうかなり上限に近くなってきているということもお話を伺いました。

 一方で、実際には、多くの被災市町村で見ますと、今回の復興基金というのが、復興期間の十年間に当たる、その期間で使うとなるものだから、今全部使っちゃうと先々本当に必要としたときに手当てできないんじゃないかという心配の声なんかもあるわけですよ。

 しかし、陸前高田市のように、本当にこの地域で住まいを、あるいは営業を、そういうことを願う方々に、今こそ支援が必要だということで重点的に支援策を行う、その財源として復興基金を活用されている例、これこそ本来の復興基金のあり方だと思いますので、そういう際に、必要があれば今後も増額をする、そういうことがあり得るんだというメッセージを被災市町村に送るということが、まさに実態に即した支援策、被災市町村で実情に即して行う上でも力になる。

 こういう点でも、ぜひとも、取り崩し型復興基金の増額というのもあり得るんだということを表明もいただきたい、御答弁いただけないでしょうか。

新藤国務大臣 これは復興基金だけではありませんね。復興予算そのものが、今、復興庁は十年でございます。例えば区画整理が、私の知る経験で区画整理が十年以内で終わった仕事というのは通常の事業でもありません。ですから、被災地の復興というのは本当に息の長い仕事になっていくんだということであります。

 私も被災地に行って皆さんからお聞かせいただいているのは、今ここでこうやって皆さんやっていただいているけれども、先どうなるんだ、しかも、今ここで使ってしまって、復興の予算十九兆のうちの十七兆も使ってしまいました、では、あとどうするんですかということがとてもみんな心配なわけでございます。

 ですから、これは、日本が国じゅうで、あれだけの未曽有の大きな災害に見舞われた方々、これは気持ちだけではなくて、しっかりと我々はお世話をしていかなくてはいけないんだ、痛みは分かち合わなきゃいけないんだと思います。

 ですから、お尋ねのこの取り崩し型の復興基金について、これを拡充するべきかどうかは、取り崩し型基金の需要の、増額の必要性があるかないかというのをきちんとやはりチェックしていかなければいけないというふうに思いますが、私は、トータルとして必要なものは対応していくべきであって、これはしっかりと検討していきたい、このように思っています。

塩川委員 あわせて、被災市町村、被災自治体の方から使い勝手のいいお金として期待があったのが、復興交付金の効果促進事業であります。

 そこで、谷副大臣にもおいでいただいておりますから、お尋ねいたします。

 この石巻市などの要望の中にも、こういう津波被災地域における住宅再建支援について、その財源として、やはり復興基金の要望もありましたけれども、真っ先に挙げられていた財源とすれば、効果促進事業だったわけなんですよ。現実に、面的整備を行うような基幹事業に係る効果促進事業、一律二〇%配っていますから、既にお金が手元にあるわけですよ。これを使えばいろいろできるじゃないかということで、効果促進事業を使えないかという要望があったんですが、実際にはそうなっておりません。

 なぜそうなのか、なぜ効果促進事業が今回のような措置に使えないのか、この点についてぜひお尋ねしたい。

谷副大臣 今御指摘ございました復興交付金の効果促進事業につきましては、市町村の経常的な経費など、いわゆるネガティブリストに該当しない限り、幅広い使途に対応ができるというのが原則であります。

 それで、今御指摘の住宅再建の被災者個人の負担を軽減する措置というのは、やはり基本的には被災者生活支援法に基づき、それを超えるものについて効果促進事業等で個人支援を行うということは、さまざまな面から考えるならば、やはり慎重に対応が必要だと思います。

 それに、委員御指摘のように、自治体がどういう独自の住宅支援策をしているかというのはばらばらであります。画一的に、国の補助制度、効果促進も補助制度ですから、それで被災地の要望に十分に応えることができるかどうかというのも疑問があるところであります。

 そうしたことで、先ほど来総務大臣が御答弁をさせていただきましたように、自治体の自主的な判断できめ細かな支援ができる取り崩し型基金の増額ということで、震災復興特別交付税で措置していただいたということであります。

塩川委員 一言申し上げて終わりたいと思うんですが、被災者生活再建支援法があるということであれば、それをぜひ、支援金の増額そのものは自民党としても掲げていることですから、まさに今こそやるべきで、五百万円以上への引き上げということはぜひともやっていただきたいということ。

 効果促進事業について、ネガティブリストのお話がありましたけれども、その根幹が、個人の資産形成に資するものについてはだめだよという趣旨が入っているものですから、それは実際に、一番肝心の生活再建につながる住宅再建に使えないというところが一番の障害となっているわけで、私は、やはり本気に地域の復興を行おうとすれば住宅再建なしにはできないわけですから、まさに公益性、公共性がある、こういう観点で効果促進事業が住宅再建支援にも活用できるようにする、そういう踏み込みを行ってこそ被災地の復興の力になるんだということを重ねて申し上げまして、質問を終わります。

北側委員長 次に、土屋正忠君。

土屋(正)委員 質問時間があったことを野党の皆さんに御礼を申し上げたいと存じます。

 私は、持ち時間が十分という範囲の中でございますので、これからの地方自治に対する最大の問題点である過疎問題についての大臣の決意をお尋ねいたしたいと存じます。

 今、我が国には、領土や日本の安全保障の問題、あるいは経済の活性化、社会保障の改革、あるいは東日本大震災からの復興、また教育問題など、さまざまな重要課題があるわけであります。そして、こういった重要課題が先行しているためにやや見逃される傾向にありますが、最大の内政の課題の一つは、過疎問題。過疎と言うと少し問題の範囲が狭くなるかもわかりませんが、日本国家の特質を踏まえた上で、どのように一体感を持って地域がそれぞれ活躍していくか、こういう条件をどういうふうに整えるかということではなかろうかと思います。

 我が国は、恐らく世界で例を見ないと思いますが、北は稚内から与那国島まで南北三千キロ余にわたっている、しかも海洋国家であります。これは全世界に例がない国家だと思います。これらの寒帯地方から亜熱帯までの範囲の中で一つの国家を形成し維持していくということは、相当な努力が必要なんだろうと思っております。

 私は、地方自治の現場に四十年おりましたので、地方自治を推進するという立場であり、地方分権を推進するという立場ではありますが、同時に、これが国家としての一体感をなし、ばらばらにならないように、統一感を持って日本という国がこれからどう生きていくか、こういうことが非常に大切だろうと思います。

 その一つの典型として、過疎と過密の問題があると思います。

 大臣の地元は川口市という、五十六万の、繁栄する、財政的にも豊かな市であります。私の選挙区も、武蔵野市、小金井市、府中というのは、それぞれ財政力指数が一を超えておるところでございますから、そういう意味では、全国から見ると、財政的には非常に豊かなところであります。

 しかし一方で、過密なところでありまして、一平方キロ当たりの人口は一万人を超えているわけであります。一方、全国を見ると、例えば、北海道の十勝支庁が存在するところは、一万平方キロで、何と、東京都の五倍の面積のところに三十五万人という人がお住まいになっているわけであります。

 このように、過密と過疎、それに伴って、財政力の極めて豊かなところ、あるいは財政力が乏しいところ、こういう過疎と過密をどうやってバランスをとっていくかということが最大の課題ではなかろうかと存じます。

 東京都の石原前知事は、大都市に富が集中するのは文明の原理だなどと言っておりますが、大都市東京もそうえばれたものではないわけであります。例えば、水、食料、エネルギーなどをとってみますと、ほとんど他県に、過疎の町によっているわけであります。例えば、電力は一〇%を、ガスに至ってはゼロ、食料も、オリジナルカロリーで換算しますと、東京都は自給率はゼロに近いわけであります。そういうこともあるわけであります。

 一方、過疎法が適用される地域というのは、人口九百万人、国土の五六%を占めているわけであります。過疎の町の役割というのは、水資源やCO2の吸収源、あるいは食料や木材の供給源、また、きれいな酸素など、さまざまな、定数にあらわれない大きな役割を持っているわけであります。

 私は、これからの国土の統一あるものを考えた場合に、交付税だけではなくて、さまざまな取り組みでもって、都会の活力あるいは活力と伴う財源を過疎を念頭に置いた地方都市にどのように還流していくか、これができないと、これからの中長期の国家運営ができない、このように考えているわけであります。

 その中で、大きな一つの軸となるのが、都会部と農山漁村部の交流、人の移動、定着、これはさまざまな形、例えばふるさと納税みたいな格好もありますし、また東日本大震災をめぐる大都市からの支援、さまざまな形態があるわけでございますが、こういうものを含めて、大都市に集中する富をどのように地方に還流していくか。こういう点について、今後十年、二十年を占う、しかも総務省にとっても最大の課題だろうと思いますので、大臣の御所見をお聞かせいただきたいと思います。

新藤国務大臣 地方自治の経験が大変豊富な土屋委員には、ぜひいろいろ建設的な御提言をまた賜りたいと期待をしております。

 そして、今お話しされましたことは、我が国の国民の暮らしに対して最も基本的な課題の一つだ、このように思っています。

 さらに、我々地方自治を応援する立場として、地方自治の本旨は住民自治と団体自治、住民が自立して、そして魅力ある個性的な町をつくり、その中で堂々と暮らしていけるかどうか、こういったことを設計し直さなくてはならない時期に来ているわけであります。ですから、その意味において、過疎地をどのようにしていったらいいのか。まず交流も必要だと思います。それから過疎地への支援も必要だと思います。しかし、支援だけで解決するとは私は思っておりません。

 ですから、今回、地域の元気創造本部を立ち上げますのも、そういった過疎地の自立性を追求できないかと。それは、これからの新しい暮らしの中で、例えば、ICTと言われる、暮らしと産業をインターフェースするいろいろなアイデアがございます。こういったものを入れて過疎の地域が逆にまず活性化する。そこから、そこに人が住み始める、職を求める、それから過疎地で成り立つ仕事が成立する、そこにもきちんとした暮らしが保障される。これは日本の一極集中もしくは都市部の集中、これも行き過ぎたものは是正しなきゃならないわけでありますから、そういったものを含めて過疎地の問題を解決を進めていくことは極めて重要だと思っておりますし、それは地方自治の本旨にかかわることだという観点から、ぜひ精力的に取り組んでまいりたい、このように思っています。

土屋(正)委員 時間が参りましたので、要望をいたしておきたいと存じます。

 これからの過疎地の振興を考える際に大事なことは、都会に集中するエネルギーをどうやって還流するか、先ほど申し上げた次第でございます。また同時に、逆に、私は都会の人間でございますが、都会の人間が地方に対する親和感、展望、こういうことを持ち続けられるようないろいろな仕組みをまた総務省としてもお考えいただきたいと思いますし、我々も一緒に考えていきたい、このように考えております。

 以上をもって私の質問を終わります。

北側委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

北側委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

北側委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北側委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

北側委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時五十四分散会


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