衆議院

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第4号 平成27年3月9日(月曜日)

会議録本文へ
平成二十七年三月九日(月曜日)

    午後一時開議

 出席委員

   委員長 桝屋 敬悟君

   理事 石崎  徹君 理事 石田 真敏君

   理事 菅家 一郎君 理事 坂本 哲志君

   理事 山口 泰明君 理事 奥野総一郎君

   理事 水戸 将史君 理事 稲津  久君

      あかま二郎君    池田 道孝君

      大西 英男君    大西 宏幸君

      金子万寿夫君    金子めぐみ君

      神山 佐市君    川崎 二郎君

      黄川田仁志君    新谷 正義君

      新藤 義孝君    鈴木 憲和君

      田所 嘉徳君    高木 宏壽君

      橘 慶一郎君    辻  清人君

      土屋 正忠君    中村 裕之君

      長坂 康正君    藤井比早之君

      星野 剛士君    牧島かれん君

      武藤 容治君    宗清 皇一君

      逢坂 誠二君    黄川田 徹君

      近藤 昭一君    武正 公一君

      福田 昭夫君    高井 崇志君

      吉村 洋文君    浜地 雅一君

      梅村さえこ君    田村 貴昭君

      吉川  元君    長崎幸太郎君

    …………………………………

   総務大臣         高市 早苗君

   復興副大臣        長島 忠美君

   総務副大臣        二之湯 智君

   内閣府大臣政務官     小泉進次郎君

   総務大臣政務官      あかま二郎君

   総務大臣政務官      武藤 容治君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 兵谷 芳康君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 小野田 壮君

   政府参考人

   (内閣府地方創生推進室次長)           末宗 徹郎君

   政府参考人

   (総務省自治行政局公務員部長)          丸山 淑夫君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           稲山 博司君

   政府参考人

   (総務省自治財政局長)  佐藤 文俊君

   政府参考人

   (総務省自治税務局長)  平嶋 彰英君

   政府参考人

   (国税庁課税部長)    藤田 博一君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房建設流通政策審議官)     吉田 光市君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           海堀 安喜君

   政府参考人

   (国土交通省自動車局次長)            和迩 健二君

   参考人

   (日本放送協会会長)   籾井 勝人君

   総務委員会専門員     畠山 裕子君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月九日

 辞任         補欠選任

  鬼木  誠君     藤井比早之君

  金子めぐみ君     大西 宏幸君

  小林 史明君     新谷 正義君

同日

 辞任         補欠選任

  大西 宏幸君     金子めぐみ君

  新谷 正義君     神山 佐市君

  藤井比早之君     牧島かれん君

同日

 辞任         補欠選任

  神山 佐市君     辻  清人君

  牧島かれん君     星野 剛士君

同日

 辞任         補欠選任

  辻  清人君     小林 史明君

  星野 剛士君     鬼木  誠君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第五号)

 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第六号)


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     ――――◇―――――

桝屋委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、参考人として日本放送協会会長籾井勝人君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

桝屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房審議官兵谷芳康君、大臣官房審議官小野田壮君、地方創生推進室次長末宗徹郎君、総務省自治行政局公務員部長丸山淑夫君、自治行政局選挙部長稲山博司君、自治財政局長佐藤文俊君、自治税務局長平嶋彰英君、国税庁課税部長藤田博一君、国土交通省大臣官房建設流通政策審議官吉田光市君、大臣官房審議官海堀安喜君及び自動車局次長和迩健二君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

桝屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

桝屋委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。橘慶一郎君。

橘委員 それでは、税法、交付税法の質疑でございますが、まず、私にとっては恒例の万葉集を最初に一首詠ませていただいて、早速質問に入らせていただきたいと思います。

 春雨の本日であります。春雨に、柳や梅の花がもえてくる、これは毎年常のようにそういう季節がやってくるなという歌、万葉集巻十七、三千九百三番であります。

  春雨に萌えし柳か梅の花ともに後れぬ常の物かも

 それでは、よろしくお願いいたします。(拍手)

 地方財政計画、地方交付税法からであります。

 ことしの一般財源総額、水準超経費を除いて六十兆一千六百八十五億円と、前年度比七千四百八億円の増、措置いただいたことを大変地方も喜んでおります。

 ただ、これは歳出面では、扶助費など、やはり非常に年々歳々経費がふえてくる、そういう経費増要因があるわけであります。そういった中で、どういったところを切り詰めたりして対応したのか、この辺の地方財政計画のつくりの御苦労の点につきまして、自治財政局長から御答弁を願います。

佐藤政府参考人 平成二十七年度の地方財政計画の策定に当たりましては、めり張りをつけた歳出計上に努めました。地方創生など喫緊の課題に対応するための経費を計上しますとともに、社会保障関係費の増加を適切に反映するというようなことをしております。一方で、財政の健全化のために、歳出の重点化、効率化にも努めたところでございます。

 具体的に申し上げますと、地方創生に対応するために必要な経費として、まち・ひと・しごと創生事業費一兆円を計上いたしました。これについては、既存の歳出を振りかえるほか、新規分の財源については地方の努力により捻出し、財政健全化と地方創生の両立に配慮したところでございます。

 また、地方創生と並んで、公共施設の老朽化対策、これも重要な課題となってきております。これに要する経費を充実することにいたしました。投資的経費に公共施設等最適化事業費を新たに一千億円計上いたしまして、公共施設の集約化、複合化、転用、除却のために必要な経費を確保いたしております。あわせて、維持補修費について、地方の決算の状況を踏まえて、一千億円程度増額することにしています。こうした経費については、歳出特別枠を見直し、削減することによって、その財源を捻出いたしております。

 それから、一般行政経費の補助も相当増額されております。これは、社会保障の充実分と自然増によって一・二兆円の増額となっております。これについては、社会保障の政策充実分については、地方消費税率の引き上げに伴う増収分が当たるほか、歳入歳出全般を見直すことによって対応したところでございます。

橘委員 新たな政策課題も取り込んで、めり張りをつけながら、消費税の増税分、そういったものをいろいろとうまく使い回していただいているわけであります。

 二十七年度の歳入を見ますと、地方税が二兆四千七百九十二億円の増、これが大きくて、これによって臨時財政対策債が一兆七百二億円の減、あるいは交付税の方も一千三百七億円の減というような形におさまっているわけであります。

 このうち、地方交付税でありますが、入り口ベースで、一般会計から入ってくるのが十五兆四千億円余でありましたけれども、前年度繰越分が九千億円あったなどありまして、出口ベースでは十六兆七千億円余ということで、地方の需要を満たすことができたわけでありますが、これが二十八年度、繰越分がどうなるかということもあるわけでありますけれども、この辺、またしっかりとある程度の水準を確保していただきたいと思うわけであります。

 この辺、二之湯副大臣の所見を伺います。

二之湯副大臣 先生御指摘のとおり、平成二十七年度の地方交付税総額につきましては、所得税等の法定率分を含む一般会計からの繰入分である入り口ベース十五兆四千億に加えまして、前年度からの繰越金九千億円、地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金の活用三千億円等によりまして、地方団体への交付分である出口ベースでは、前年度マイナス一千億円の十六兆八千億円を確保した。これは地方六団体からも一定の評価をいただいておるわけでございます。

 さて、平成二十八年度の地方財政でございますけれども、これは、国税の税収動向や国の予算編成の状況等の影響を受けることから、現段階では確たることを申し上げられませんけれども、まずは、地方が安定的に財政運営を行えるよう、地方が自由に使える一般財源をしっかりと確保する考えであります。

 その上で、地方交付税につきましては、地方交付税の本来の役割である財源保障機能と財源調整機能が適切に発揮されるように総額の確保に努めてまいりたい、このように思っております。

橘委員 ぜひとも、またよろしくお願いしたいわけであります。

 そして、もう一点、きょうは資料をおつけしております。

 国と地方の債務の残高というのがやはり非常に気になるところでありますが、地方の債務の残高ですけれども、今年度予算の編成時点で、二十七年度末は百九十九兆円と見込まれているわけであります。若干減少ということでありまして、これは評価されるべきことだと思うわけですけれども、皆さんのこの図でいうと、一番下に黄色くだんだん毎年ふえているのが、例の臨時財政対策債であります。

 この二十七年度末残高見込みを自治財政局長にお伺いするとともに、二十七年度の発行額は、借りかえ分三兆円程度を含めまして四兆五千二百五十億円ですが、これだとまた残高が徐々にふえていくことになる、何とかそろそろ残高を伸ばすのはとめたいなという感じがあるわけでありまして、このあたりの、残高をふやさない決意につきましては総務大臣の方から、順次お伺いをしたいと思います。

佐藤政府参考人 平成二十七年度末の臨時財政対策債の残高は、五十兆四千八百九十四億円と見込んでおります。

高市国務大臣 平成二十七年度の地方財政につきまして、歳入面では、地方交付税の法定率分の増及び地方税収の増が見込まれたこと、それから歳出面では、国の取り組みと歩調を合わせまして歳出抑制を図ったことなどによりまして折半対象財源不足が二・四兆円減少ということで、臨時財政対策債の発行額を一・一兆円の減と、大幅に抑制することができました。

 地方財政の健全な運営のためには、本来的には、臨時財政対策債のような特例債に頼らない、そういう財務体質を確立することが重要であります。

 具体的には、今後、やはりアベノミクスの成果を全国各地に行き渡らせて地方税収の増を図るということが一つ、そして、めり張りをつけて歳出構造を見直していくということで、財務体質を強化して地方財政の健全化を図ってまいりたいと思います。

 国と地方で折半すべき財源不足が解消されて、折半分の臨時財政対策債を発行しなかった平成十九年度及び平成二十年度の状況を、なるべく早くつくってまいりたいと思っております。

橘委員 ぜひよろしくお願いしたいと思っております。

 既に二百兆弱の借入金残高の四分の一が臨時財政対策債という状況になってきております。何とかこの辺で歯どめをかけていきたい、そんな思いでありまして、ぜひお取り組みをよろしくお願いしたいと思います。

 もう一点、二十九年四月には消費税いよいよ一〇%へ引き上げということになってまいります。今の臨時財政対策債の問題も含めて、特に地方税においては、以前から税源の偏在性ということが言われてきております。法人住民税の問題が一番大きいわけでありますが、この辺の偏在性是正も、二十九年四月が恐らく大きなチャンスになるんだろうと思っております。

 ちょっと先のことでありますが、大臣の方針をお伺いいたします。

高市国務大臣 地方消費税の充実に伴います地域間の財政力格差の縮小を図るために、平成二十六年度税制改正におきまして、偏在性の大きい法人住民税法人税割の一部を地方交付税原資化するなどの措置を講じました。

 その際、消費税率一〇%段階における地方法人課税の偏在是正については、法人住民税法人税割の地方交付税原資化をさらに進める、また、地方法人特別税・譲与税を廃止するとともに現行制度の意義や効果を踏まえてほかの偏在是正措置を講ずるなど、関係する制度について幅広く検討を行うということになりました。

 今回、消費税率一〇%への引き上げ時期の変更に伴いまして、これらについては、平成二十八年度以後の税制改正において具体的な結論を得るとされました。この方針に沿いまして、今後、関係団体の御意見も踏まえながら検討をしてまいります。

橘委員 やはりこの一〇%時点というのが一つのいろいろな、ここ十年くらいのこの問題の解決ということで、非常に大事な時期になってくると思います。よろしくお願いしたいと思っております。

 では、地方税法の方に入らせていただいて、特に、ここでは電子化の促進の関係の質問を幾つか最終的にはさせていただきたいと思います。

 まず、ふるさと納税でありますが、個人住民税所得割の一割から二割に特例控除額の上限を引き上げる。そして、産品のプレゼントの競争はしっかり歯どめをかけるということで、この上限の拡充を評価しながら、ワンストップサービスということにつきまして、ふるさと小包というのを扱っている郵便局というのがあるわけでありますが、郵便局でいろいろなところの市町村にどこからでもふるさと納税ができて手続が完結すると非常に便利だと思われるわけであります。この辺、できないものか、自治税務局長にお伺いいたします。

平嶋政府参考人 御質問にお答えいたします。

 今御紹介いただきましたとおり、今回の地方税法案では、政府の最重点課題となっております地方創生を推進するという観点から、今御案内の控除限度額の一割から二割への引き上げと、それから、給与所得者等が確定申告を行わずに控除を受けられる特例の創設を盛り込んでおります。

 また、こうした制度面の拡充とあわせまして、制度改正のPRや、運用面で対応できる手続簡素化につきましても、過日成立をいただきました平成二十六年度補正予算も活用して積極的に進めることとしております。

 その中で、御提案がありました、ふるさと納税の周知PR用資料の一つとして、郵便局で使用可能な払込取扱票をつけたリーフレットを作成いたしまして、各地方団体や官公署等に配布することを予定しておりまして、この払込取扱票を使えば、寄附者が全国の郵便局から寄附者本人の手数料負担なく対象団体に寄附ができるとともに、その払込取扱票の半券を確定申告時の添付資料として使用できるというようなことをする予定にしております。

 こういった取り組みとあわせまして、過熱ぎみのところにつきましては、地方団体に要請をしながら、ふるさと納税の活用を促進するための施策を進めていきたいと考えておりまして、郵便局ともさらに連携を深めながら、関係機関協力のもとで、効果的に展開していきたいと考えてございます。

 以上でございます。

橘委員 ふるさと小包、ふるさと納税、これは郵便局でということで活用いただければ大変幸いだと思っております。

 そしてまた、電子化のことでありますけれども、平成二十九年一月四日以降、地方税当局の申告書作成システムの端末を使用して作成された所得税の確定申告書が、電子データのままで国税当局に引き継ぐことが可能となってまいります。市役所で所得税の確定申告をすると、そのまま国税当局の方のデータに入っていく。こういった国税、地方税連携は非常に評価されることだと私は思うわけでありますが、このことの国民そしてまた行政一般それぞれにとってのメリットを国税庁の方にお伺いいたします。

藤田政府参考人 お答えいたします。

 先ほど先生から御指摘がありましたように、現在、地方税当局の申告相談会場におきまして申告書作成システムを使用して作成された所得税の申告書につきましては、一旦紙で出力、印刷した上で、それを税務署が回収いたしまして、それを税務署で再度システム入力を行っているところでございます。これが、二十九年一月からは、電子データのまま国税当局へ引き継ぐことが可能になります。

 これによりまして、国民にとりましては、還付申告の場合、従来と比べまして早期に還付がされるということのほか、申告書に添付をお願いしております医療費の領収書や源泉徴収票などの一定の第三者作成書類につきましても、自宅等から本人が電子申告、e―Taxされた場合と同様、その書類の記載内容を入力することで書類の添付を省略することが可能になります。

 また、行政にとりましても、地方税当局から国税当局に直接データで引き継ぎをいたしますので、ペーパーレス化及び事務の効率化が図られることになると考えております。

橘委員 ぜひ連携を深めていただきたいと思うわけです。

 もう一つ、今度は国土交通省と自治体になるわけですけれども、新車登録手続のオンラインのワンストップサービス化というのが、自動車税に関連して進められております。

 既に十一都府県で行われているわけですが、いよいよ全国に展開し、軽自動車にも導入するということでありますけれども、今後の進め方、国民にとっての手数料引き下げ等のメリットについて、国土交通省にお伺いいたします。

和迩政府参考人 お答えをいたします。

 自動車保有関連手続のワンストップサービスにつきましては、平成二十五年十二月に閣議決定されました独立行政法人改革等に関する基本的な方針におきまして、平成二十九年度までに、全国展開や対象手続の拡大により抜本的に拡大することとされております。

 また、軽自動車につきましても同様に、早ければ平成三十一年からワンストップサービスを導入できるよう、検討を行っているところでございます。

 このワンストップサービスは現在全国十一都府県で導入されており、導入地域におきましては、対象手続の約六割がOSSによりまして行われております。

 これにより、通常に比べ、自動車ユーザーが支払うディーラーの代行手数料が平均して約八千円程度軽減されるなど、負担軽減につながっております。また、行政におきましても、徴税の際の税額の確認事務が合理化をされております。

橘委員 ユーザーにとっては八千円プラスになるということでありますから、また自動車税の設計の際には、そこもよくお考えになって設計されるといいのかなと私は思っております。

 そしてまた、今度新しく四十七都道府県になったときには、システムがクラウド化されて一つになるということで、各自治体においてもシステム保守費等も将来は安くなる。こういうことで、一歩一歩こういう電子化が進んでみんなが幸せになれるのであれば、これは一番いいなと思っているわけであります。

 そこで、最後に総務大臣にお伺いするわけですが、総務省とされては、こういった電子政府とかオンライン申請とか、あるいは電子決裁とか、事務が簡単になって、みんなが幸せになって、国民が便利になって、あわせてペーパーレス化、地球環境にも優しいということにもなってまいります。こういったことをある意味でいろいろなところにかけ声をかけていただいて、随分御奮闘いただいているわけであります。

 何かちょっとお伺いしたところによりますと、このほど、オフィスの中でも、ペーパーレス化を念頭に置いた、新しい、未来型のオフィス改革、そういうのもつくられたというお話も聞いておりますので、ぜひ、そういったところの思いとか、あるいは高市大臣の今後の決意といいますか方針ということについて、何とか答弁時間が間に合いましたので、どうぞゆっくりお話しいただければ大変幸いでございます。

高市国務大臣 総務省では、オンライン申請によりまして行政サービスの向上ですとか、電子決裁の推進などによりまして行政の効率化を目指して、電子政府の実現に取り組んでおります。

 このため、やはり総務省がみずから率先して省内業務の電子化、これを進めていこうということで、例えば電子決裁は現在九〇%を超える利用率となっております。

 それから、業務改革を推進しておりますので、総務省でことしの一月に、情報の電子的共有、それからペーパーレス化、フリーアドレス化ということによるオフィス改革を一部の部局で実施いたしました。この取り組みによりまして、紙と書類が大幅に削減されますとともに、コミュニケーションの活性化というものが進みました。非常に効果が出てきて、このオフィスで働く職員の多くが、業務が大変やりやすくなったと感じているということです。

 ぜひ、この総務委員会の先生方にも、一度総務省の行政管理局のオフィスも見に来ていただきたいなと思います。

 これからも、各省庁のよき先行事例となるように、率先してこういった取り組みを行いながら、政府全体の電子政府化、それからまた業務改革の取り組み、しっかりとリードをしてまいりたいと思っております。

 ありがとうございます。

橘委員 どうもありがとうございました。

 これで終わります。ありがとうございました。

桝屋委員長 次に、石崎徹君。

石崎委員 きょうは、貴重な質問の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。私、万葉集の歌は用意しておりませんけれども、御容赦いただければというふうに思っております。(発言する者あり)はい、しっかり勉強させていただきたいと思います。

 あさってで三・一一の大震災から四年がたとうとしているわけでありますけれども、依然として、多くの方が被災自治体で仮設住宅に住まわれている現状。政権の最重要課題として復興は進めていくべきだというふうに思っております。

 一方で、私の地元新潟においては、多くの県外避難者の方々がおられます。約四千人近い方がおられまして、そのうち約三千人の方が民間アパートなどの借り上げ住宅に入居している状況であります。一方で、この借り上げ住宅の入居期限というのが二〇一六年の三月末までと今のところなっておりまして、一年ずつの延長が繰り返されているわけでありますけれども、避難者の方々、これが二〇一六年四月以降も継続していくのかどうか、非常に心配な思いで今いられるところでございます。

 その一方で、新潟県の方が、こうした借り上げ住宅の補助もそうでありますけれども、被災地への定期的な移動、例えば、御主人がまだ福島で仕事をされておられまして、新潟ではお子さんと一緒に母子家庭で住まわれている方もおられるわけであります。こうした移動費用も県が補助しているわけでありますけれども、このたびの地方財政計画の中で、震災復興特別交付税というものが前年度比三・一%増ということで百七十五億円増加したわけであります。

 まず初めに、自治財政局長に、こうした新潟県などの避難者を受け入れておられます自治体に対しまして、特別交付税でどのような措置がなされるのかどうか、お聞かせいただければというふうに思います。

佐藤政府参考人 東日本大震災の避難者の受け入れに伴って受け入れ団体が負担する経費については、特別交付税措置を講じております。

 具体的に申し上げますと、市町村分については、原発避難者特例法の避難住民の受け入れに伴う経費は、一人当たりの単価、四万二千二百円としておりますが、これに避難住民の数を乗じて算定した額としています。その他の避難者の受け入れに伴う経費については、個別の受け入れ事務に要する経費を積み上げた上で、その八割を措置しています。これは、被災団体については全額措置をしています。

 また、都道府県分については、個別の受け入れ事務に要する経費を積み上げた上で、その八割、被災団体については全額を措置しております。

石崎委員 ありがとうございます。

 そうした震災復興特別交付税というものは非常に意義のあることだと思っておりますけれども、一方で、集中復興期間というのが平成二十七年度で終了されるというふうにお聞きしております。

 その後のこの震災復興特別交付税につきまして、総務大臣として、今後も延長なり、また増額なり、どのようにお考えになっているのか、お聞かせいただければと思います。

高市国務大臣 この震災復興特別交付税につきましては、平成二十五年一月の復興推進会議におきまして、平成二十三年度から平成二十七年度までの集中復興期間中はその財源を確保することとしております。ですから、まずは、復興の動きをさらに加速化して、集中復興期間において被災地の一刻も早い復興を目指すということが基本であります。

 集中復興期間後の平成二十八年度以降の復興事業につきましては、それまでの進捗状況を踏まえて、財源も含めてそのあり方について検討するということになっております。その全体の復興財源フレームの中で平成二十八年度以降の震災復興特別交付税のあり方についても検討していく、こういうことになると思います。

 しかし、総務省としましては、いずれにしても、被災地の復興に真に必要な事業の実施には支障が生じないように、しっかりと対応をしてまいります。

石崎委員 ありがとうございました。

 引き続き、こうした新潟県を初め被災自治体以外のところでの避難者の方々への支援策、国としてもしっかりと講じていただければというふうに思っております。

 続きまして、今回、総務省として発表しております地方財政計画の中身でありますけれども、地方税収が非常に高い伸び率で伸びているということでございます。

 地方税収の動向というのは、景気を判断する上で極めて大事な指標の一つだというふうに思っております。今、アベノミクスの地方波及ということで野党の皆様方からいろいろと御指摘いただくわけでありますけれども、前年度比七・一%も地方税の収入がふえているということは、引き続きこのアベノミクスをさらに加速化していくべき非常に大事な指標になっていると思っております。

 そこで、今、一方で、地方で一番重要なテーマというのが人口減少対策であります。

 二月の末に共同通信社が実施いたしましたアンケートによりますと、自治体が消滅しかねないという高い危機感を持った首長の割合が七七%にも達しているということでありますし、いろいろと人口減少対策につきまして財源拡充をしてほしいという声が非常に大きいわけであります。

 各自治体、いろいろな取り組みをやっているわけでありまして、とにかく、できる政策であれば、さまざまに総動員をさせてほしいというような声が非常に多く上がっているわけであります。

 一方で、私の地元の新潟県でありますが、とうとう、生命保険の外交員の女性が非常に人脈が広いということで、出会いについて、そうした生命保険の外交員の方も使っての婚活支援というものも新潟県が打ち出したわけであります。

 いろいろと議論が出てきているわけでありますけれども、各自治体が取り組みたいさまざまなこうした結婚対策事業に対して、国としていろいろと支援をしていくべきだというふうに私も考えているわけであります。

 自民党内に婚活・街コン推進議員連盟というのがございまして、きょうも、ワーク・ライフバランスの小室淑恵様からいろいろと御議論いただきまして、今後の政策をいろいろ議論させていただいたわけでありますけれども、この議連の一つの成果として、平成二十五年度の補正予算で内閣府の方に、地域少子化対策交付金ということで三十億円の予算をつくっていただきました。

 この予算は非常にもてもての予算になりまして、全国の自治体から申請が殺到いたしまして、平成二十六年度の補正予算にも、引き続きこの三十億円の予算が継続的に計上されたわけであります。ただ、それでも、この三十億という予算の少なさ、あるいはその要件の厳しさというのもございまして、非常に自治体では使い勝手が悪いというふうに言われております。

 その一方で、このたびの地方財政計画にも含まれております、まち・ひと・しごと創生事業費一・〇兆円の中に、人口減少等特別対策事業費六千億が盛り込まれたということは、本当に意義のあることだと思っております。先日も、全国の地方六団体からも非常に高い評価が上がったわけであります。引き続き、こうした六千億の予算がしっかりと地方に使われていくことが非常に大事だというふうに思っております。

 この事業費というものは、今後五年間の目標や施策の基本的方向性、あるいは具体的施策をまとめた総合戦略の策定という計画を踏まえますと、五年間は継続するものなのかなというふうに思われるわけでありますが、ただ、この地方財政計画に計上される額というのは、毎年度、総務大臣と財務大臣で協議して決めるということになっております。

 引き続き、非常にニーズの大きいこの費用につきまして、総務大臣といたしまして今後もしっかりと毎年度確保されていくことに対しての大臣の思いにつきましてお聞かせいただければというふうに思います。

高市国務大臣 今委員がおっしゃいました人口減少対策、それから地域の経済活性化の取り組みというのは、実際に取り組みを始めてからその効果が出てくるまでには一定の期間が必要となります。ですから、地方団体の取り組みを息長く支援していくということが非常に大事だと考えております。

 二十八年度以降も、しっかりと財源を確保した上で、人口減少等特別対策事業費や地域の元気創造事業費の算定を通じて、地方団体が自主性、主体性を最大限発揮して地方創生に取り組んで、また、地域の実情はさまざまだと思いますので、それぞれの実情に応じたきめ細やかな施策を展開できるようにしてまいりたいと考えております。

石崎委員 ありがとうございます。

 この特別対策事業費というのは、地方の自主判断を踏まえてのものでありますので、本当に意義のある大切な事業費であるというふうに思います。毎年度確保されるように、今、大臣の思いを聞かせていただきましたので、引き続きしっかりとよろしくお願いしたいと思っております。

 続きまして、この地方財政計画の中にもございます、創業支援となりますローカル一万プロジェクトというのがございます。これは、去年、経済産業委員会でも、産業競争力強化法ということで法律が制定されたわけでありまして、これに基づいた事業でもございます。

 ただ、一方で、このローカル一万プロジェクト、地域金融機関との連携というところが要件になっております。これまでも似たような事業がいろいろと行われてきたわけでありますけれども、自治体さんあるいは民間の事業者さん、非常に意識は高いわけでありますが、地域金融機関がいまいち、ちょっと腰が重いというところがこれまでの同様の政策のネックになってきたわけであります。

 引き続きまして、大臣に、大変恐縮でございますけれども、この地域金融機関にいかにローカル一万プロジェクトに関与してもらえるか、そのあたりの取り組みにつきましてお聞かせいただければと思います。

高市国務大臣 委員がおっしゃいましたローカル一万プロジェクト、これは、中小企業庁などと連携して、地域で雇用を創出し、税収にもつながるような地域密着型企業を全国各地で立ち上げていくというものです。

 特に、自治体が核となって、例えば農産物や木材、地場産品や景観などの地域資源と地域金融機関の資金を結びつける地域経済循環創造事業ですとか、あと、電力システム改革を背景に、間伐材などを活用した地域のエネルギー関連企業を立ち上げていく地産地消型の分散型エネルギーインフラプロジェクト、これを総務省では推進いたしております。

 とにかくこれは、地域金融機関がしっかりと目ききもしていただき、アドバイスもしていただき、積極的に協力をしていただくということ、これがまた地域の自立した、活性化につながっていくと思いますし、息の長い効果が出てくると私は思っております。

 当然、金融庁の御協力もいただきながら、自治体と地域金融機関の密接な連携を図るために、産学金官地域ラウンドテーブルの枠組みも用意いたしておりますので、委員御地元の新潟県はもとより全国各地で、地域金融機関としっかり連携して、地域金融機関にも評価される、そういった取り組みが立ち上がっていくことを期待いたしております。

石崎委員 ありがとうございます。

 自治体、そして民間、金融機関が一体となって、地方での雇用創出となりますこのローカル一万プロジェクト、ぜひ成功に導いていただければというふうに思っております。

 きょうは、大変恐縮でございますけれども、小泉政務官にもお越しいただいております。

 内閣府の方にも地方創生関連のいろいろな予算措置が盛り込まれているわけであります。とりわけ報道で大きく取り上げられておりますのが、プレミアムつき商品券に対する補助でございます。

 これは、二千五百億という大きな予算が盛り込まれているわけでありますけれども、去年度、これも私の地元の新潟市というところが、このプレミアムつき商品券を経済産業省、中小企業庁の地域商業活性化事業というものの補助金を利用して五億円分発行させていただきました。プレミアム分はその一割分に当たるわけでありますけれども、ほぼ発売と同時に売り切れてしまいまして、非常に消費者の関心が高いものでありました。

 ただ、一方で、中心商店街の皆様方にお聞きいたしますと、結局、買った商品券の利用する場所が郊外の大規模小売店の方に流れてしまった。要するに、商店街の方で使われる部分が少なかったということでございます。きょうの議論でもございます地方税収には、郊外店だけではなくて、中心商店街の汗水流して働かれておられます多くの中小の事業者の皆様方もこの地方税についてはいろいろと御貢献いただいておりますし、地域の本当の意味での活力の回復というのは、こうした商店街の回復というのが非常に大事だというふうに思っております。

 そこで、この二千五百億円のプレミアムつき商品券補助でございますけれども、これについては、ぜひこうした地方の声を踏まえて、例えばですけれども、大規模小売店ではなくて中心商店街等での利用に制限するとか、より中心商店街に効果が上がるようなスキームに私はすべきだというふうに思っておりますが、そのあたり、小泉政務官のお考えにつきましてお聞かせいただければと思います。

小泉大臣政務官 プレミアムつきの商品券というのは、一言で申し上げれば、地域でいかに消費喚起と生活支援につながるように考えていただいて、実施計画を上げていただいていますので、本当にケース・バイ・ケースだと思います。

 石崎委員がおっしゃったとおり、大規模なスーパーに多くの方が利用してしまって、商店街には余り効果がなかった、そういったケースもあるかもしれませんが、そうであるならば、商店街に限定をするというあり方も、それは地域が考えることでもありますし、また、消費者のことを考えれば、できる限り多くの店舗で使える方が便利だ、そういった発想もあるわけです。私も、これは地元を見てもそういったケースもあるんですが、今の場合、商店街の中に加盟店として大型スーパーが入っているケースもありますから、そこをどうするかというのは、まさにこれから、地域の皆さんの知恵と工夫を最大限発揮していただきたい。

 仮に、商店街でこのプレミアムつき商品券を使って、その商品券がなければ行かないような商店街であってはいけないわけですから、一回商店街で使うことで、その後、継続的に商店街で利用する方がふえていくということにつながる商店街のあり方を確立していただきたい。

 そういったことも踏まえて、今、三月六日で締め切りが終わりましたので、どういった地域のプレミアムつき商品券の使われ方が出てきたか、今後もしっかりと見ていきたいと思っております。

石崎委員 ありがとうございます。

 本当に、今小泉政務官がおっしゃられたように、自治体ごとあるいは商店街ごとにいろいろなお考えがあるんだというふうに思います。

 ただ、一方で、国として、ある程度そのあたりは国の方向性、郊外店だけではなくて中心商店街により目を向けた政策を我々は進めているんだということで、より効果がなるべく商店街の方に上がるようなスキームというものも、そこは一つの、要件として縛りの要件になってくるんだというふうに思いますが、二千五百億円というこれほど大規模な予算を使うわけであります。引き続き、そうした使い勝手の一方での、効果のしっかり上がるところへ、ダイレクトに効果が上がっていくような、そうした仕組みづくりも国としてしっかり考えていくべきなんじゃないかと思っております。

 引き続き、この総務委員会でも、地方創生のあり方、内閣府さんとかほかの関係省庁と連携して私は政策を進めていくべきだというふうに思っております。引き続き、私も地方出身の代議士としてまた頑張らせていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 時間があともう一分ですので、このあたりで閉じさせていただきたいというふうに思いますが、きょうは御質問の機会をいただきまして、委員の皆様方に御礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。

桝屋委員長 次に、稲津久君。

稲津委員 それでは、通告に従いまして、順次質問をさせていただきたいと思います。

 本題に入ります前に、一点だけ、夕張の財政再生の基本的な認識についてお伺いをしていきたいと思います。

 御存じのとおり、夕張は、平成十九年に財政再建団体になりまして、そして、平成二十一年からは、三百五十三億円、これを十九年間かけて返済するということで、今まさにその途上にあるわけなんですが、この間、特に夕張の市職員の給与については、これは独自削減ということで取り組みを行ってまいりました。平成十九年から二十一年までの三年間、これは財政再建下ですけれども、基本給平均三〇%カット。それから、今度、財政再生計画に移ってからは平均二〇%カットということで、これが続いてきました。

 この間、どういうことが起きてきたかというと、非常に残念なことなんですけれども、この削減期間が非常に長いということで、職員の生活不安ですとかあるいは将来不安、退職後の年金の関係とかいうこともあったんでしょう、そういうことで、若年層あるいは中堅層の職員が退職していくということがとまらない状況が続いてきました。これは本当にゆゆしき問題だったんですけれども、結局、そのことによって、若年層、中堅層が抜けていくわけですから、どうしても職員の世代間にいびつな構造が生まれてきて、これがひいては次の将来の体制につながっていかない、そういう不安の声も随分寄せられたところでございます。

 一方で、努力の結果、大変さまざまな事業も展開されておりまして、例えば、これは地域経済循環創造事業交付金を活用した例ですけれども、二十六年度の補正予算で五千万いただくことになって、どういう事業かというと、ズリ山から石炭を再生するという事業、これが今実施をされることになりました。

 それから、先般の予算委員会の集中審議で総理からも御答弁ありましたように、コンパクトシティー、これは市営住宅再編事業、それからもう一つは、CBM関連事業といいますけれども、かつて石炭がとれていた時代からずっと、地下にはメタンガスが相当ありまして、それを活用する事業ということで、これは地域再生計画として正式に認定をされました。

 こういうような取り組みをして、私は非常に頑張っているなと思うんですけれども、一方で、先ほど申し上げましたように、職員給与についてはそのような問題があってきたんですけれども、先般、総務省は四日の日に、職員給与については、夕張からの強い要請もあって、この四月から五ポイント圧縮して一五%削減ということで同意を得たというふうに聞いております。

 こうしたことを踏まえて、ぜひこれは総務大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、この夕張再生の基本的な認識についてどのような御所見をお持ちなのか、お答えいただきたいと思います。

高市国務大臣 稲津委員は、お地元が北海道でいらっしゃいますので、直接夕張市からもいろいろな話を聞いていただいているんだろうと思います。私も、昨年九月に就任してから、若い夕張市長と二度ほどお話し合いをいたしました。そして、その後も、総務省の職員と夕張市の間で何度も何度も意見交換を重ねてまいりました。

 先ほど委員が御紹介くださいました地域経済循環創造事業交付金を活用したズリの売却事業、これも、本来だったら不純物を含むから捨てられていた石炭をまた活用しようということで頑張っていただいておりますし、また、地域再生計画に盛り込まれているコンパクトシティーの取り組みも、それから、先ほどCBMのお話もいただきましたが、こういった取り組みも一生懸命にやっていただいています。

 こういう地域活性化の取り組みをしっかりと進めていこうと思いますと、何といっても、やはり人材がそこにとどまって頑張ってくださるということが大事なんですが、これも御指摘がありましたとおり、給与水準の低さ、これも一つの原因でしょうが、それによって士気が低下しているという話、それからまた、若手、中堅職員の退職が後を絶たないんだというお話も市長から伺っておりました。

 そこで、職員の退職をとにかく食いとめてインセンティブを高めていくということ、これが活性化事業の成功にも非常に大事だと考えましたので、財政再建と地域の再生、これを加速させるためということで、二十七年度から、試行的な人事評価の結果をボーナスに反映するということを含めた、実質三%程度の給与改善について同意をいたしました。

 夕張市の財政健全化と地域の再生がともに図られるように、今後とも、北海道とも連携して、それから夕張市のお話もよく伺いながら、引き続き市の取り組みをしっかりと支援してまいります。

稲津委員 再生団体である夕張がそういうところから立ち上がっていく、事業も進めていくということは、ある意味、真の地方創生につながっていくことにも十分なると思っていますので、ぜひ、今後もそのようなアドバイス、また御支援をいただきたいと思っています。できますれば、一度時期を見て大臣にも地元入りをしていただければ、このように思っていますので、その際にはよろしくお願いいたします。

 それで、本題に入っていきますけれども、まず第一番目は、臨時財政対策債についてお伺いしたいと思います。これは先ほど橘議員からも質問がありましたが、少し観点を変えて伺っておきたいと思うんです。質問の趣旨は変えませんけれども。

 臨時財政対策債については、地方団体から、廃止をしてくれという声も随分寄せられております。私も直接何回か伺いました。ただ、今の国、地方を通じた財政状況を考えると、直ちにこれを廃止するというのはやはり現実的でない、困難であろう、こういうことは十分わかっている上で伺いたいと思うんですけれども、ただ、今回、二十七年度の地方財政計画では、この臨時財政対策債は大幅に抑制されたということで、これは高く評価されてもいいと思うんです。

 そこで、お伺いしたいことなんですが、消費税が一〇%に上がっていく中で、私は、さらにここが一つの契機になって臨時財政対策債を削減できるのではないか、このように考えておりまして、今後の臨時財政対策債の見込みについて、考え方をお伺いしておきたいと思います。

高市国務大臣 先ほど、すぐに見込みについて申し上げるのがなかなか困難である旨答弁があったところなんですけれども、ただ、今委員がおっしゃったとおり、消費税率が一〇%に引き上げられた場合におきましては、地方消費税や国の消費税の交付税率分の歳入増が、消費税率一〇%の段階において実施する社会保障の充実分ですとかそれから公経済負担分の歳出増を上回るということが見込まれますので、上回る分については、折半対象財源不足の縮小を通じて、臨時財政対策債の減少要因になると思います。

 さらには、先ほどの繰り返しにもなりますけれども、やはり、地方税収の増をしっかりと図っていく、アベノミクスの効果を全国に届けていく、ここも非常に重要なことだと思っております。

稲津委員 先般大臣からも、地方交付税について、人口要件等も含めて将来的に見直しを図っていきたいという御答弁もいただいて、それとあわせて、繰り返しになりますけれども、臨時財政対策債についても、先ほど質問がありましたように、もう五十兆円という状況ですから、ぜひそうした視点で今後見直しを図っていただきたいということを申し上げておきたいと思います。

 次に、地方の公会計についてお伺いしていきたいと思うんです。

 地方財政の健全化、これも求められているところであります。その健全化を図るためのいろいろな方法、ツールはあると思うんですけれども、一つ、やはり地方財政を見える化していくということは非常に大きな意味があると思っています。透明化を図っていく、極めて重要なことだと考えていますが、そのためには、地方公共団体において統一的な基準による地方公会計が整備されることを私は期待するところであります。

 この統一的な基準による地方公会計に係る今後の取り組み内容についてお伺いいたしますとともに、特に固定資産台帳の作成について、小規模な自治体でも対応できるような支援策が必要じゃないか、私はこのように考えていますけれども、この点についてのお考えをお伺いしたいと思います。

高市国務大臣 やはり、財政のマネジメント強化のためには、地方公会計を予算編成などに積極的に活用していただいて、地方公共団体の限られた財源を賢く使う取り組みを行うということが極めて重要であります。

 この固定資産台帳の整備と複式簿記の導入を前提といたしました統一的な基準による財務書類につきましては、原則、平成二十九年度までの三年間で全ての地方公共団体において作成して、予算編成などに積極的に活用していただくように、ことしの一月二十三日に要請を行いました。

 委員が御指摘いただいた、小規模自治体でも対応できるようにどうするんだということでございますけれども、この整備に当たりまして、まず、関係機関における研修の充実強化、それから標準的なソフトウエアの無償提供、そして所要の特別交付税措置を行うといったことによりまして、小規模な地方公共団体においても円滑に導入ができるように支援をしてまいりたいと考えております。

稲津委員 このことについては、我が党も非常に積極的に取り組んできた経緯がございまして、今大臣から支援策についてもお伺いしましたので、この実施に向けての御支援をいただきたい、このように思っております。

 次は、外形標準課税についてなんですけれども、成長志向に重点を置いた法人税改革の一環ということで、地方税法においては法人事業税の外形標準課税の拡充を図ること、このようにしております。

 公共サービスの対価を広く公平に分かち合うという地方税の応益課税の考え方を踏まえれば、法人事業税の所得割の税率引き下げ、外形標準課税拡充、これはすべきである、私もそのように思います。

 ただ、一方で、これはよく言われることなんですけれども、外形標準課税の対象となっている資本金が一億円を超える法人の中でも、比較的規模の小さい中堅企業、ここは実際に地域経済の中では非常に大事なポジションというか存在で、役割を担っているんですけれども、決して経営基盤が強くない、そういう企業もあるのも実態だと思っているんです。

 そこで、この外形標準課税の拡充に際して、これらの中堅企業への何らかの配慮が必要である、このように思っておりますが、具体的な対応策についてお伺いしたいと思います。

高市国務大臣 今回の外形標準課税の拡大は、資本金一億円を超える大法人を対象に行うものでありますけれども、税制改正プロセスの中で、公明党の皆さんからも、そしてまた関係省庁、関係団体からも、大法人の中でも比較的事業規模の小さい、地域経済を支えるいわゆる中堅企業の中で負担増となる企業への配慮が必要であるという御要望、御指摘をいただいたところであります。

 今回の改革は、企業の稼ぐ力を高める、それから収益の増加への取り組みを後押しする、こういったものでありますけれども、さまざまな御指摘もいただき、また、改革の取り組みにはやはり一定の期間を要するということも踏まえまして、大法人の中でも比較的事業規模の小さな法人について、もしも外形標準課税の拡大によって負担増となる場合には、負担増について最大二分の一軽減する措置を時限的に講ずることといたしました。いわゆる中堅企業に対しての配慮ということでございます。

稲津委員 地方の中堅企業、しっかり経済を担っていただいている、そこへの支援策というのは非常に大事なことですので、地方創生といっても、何か特別なマジックみたいなものがあるわけじゃなくて、むしろ、今ある企業にどれだけ頑張っていただいて、そして雇用を図っていただくかとか、そういう基本的なことが大事だと思っています。今、大臣に御答弁いただきましたこともそこにつながることだと思っていますので、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。

 それで、最後の質問になりますけれども、ふるさと納税制度についてということで、これは今回、国会でもいろいろな議論がありました。

 私も非常に悩ましい問題だなというふうに思っておりまして、過度なそういった仕組みにしてしまって、どう見ても少しやり過ぎと言ったらおかしいですけれども、かえってそういうことが逆効果になったりとかしてはいけないというふうに思っている一人でもあるんです。

 しかし、ふるさと納税制度そのものについては、私は、例えば、先ほど申し上げましたように、地方創生を推進するという観点から考えても、ふるさとへの恩返しとか、それから地域貢献を担うということでは、このふるさと納税制度というのは積極的に活用すべきだ、そのことは極めて重要なことだと思っています。このために、やはり、ふるさと納税制度、これは着実に進めていく、また拡充すべきものがあれば拡充すべきだろうと。

 もう一つは、ふるさと納税を使いやすい仕組みも今後はさらに検討していく必要があるだろう、このように思っております。

 先ほど申し上げましたように、過度なものについては、やはりそこは是正すべきだと思っていますけれども、こうしたことを踏まえた上での、ふるさと納税制度についての見解を伺っておきたいと思います。

高市国務大臣 ふるさと納税制度につきましては、予算委員会も含めてさまざまな御議論がありました。しかし、やはり積極的に活用していただくことで地域の活性化や人口減少対策にも資する効果があるということで、地方六団体からも御評価をいただいております。

 政府の最重点課題となっております地方創生を推進していく、そのためにも、昨年末の与党税制調査会の議論を経まして、今回の法律案には、控除限度額の引き上げ、それから手続の簡素化ということで、給与所得者の方で確定申告を行わずに控除を受けられる、ふるさと納税ワンストップ特例制度の創設を盛り込みました。

 この控除限度額の引き上げにつきましては、これは地方団体からの御要望も踏まえまして、個人住民税所得割額の一割とされている特例控除額の上限を二割に引き上げて、寄附枠を拡大したんですね。

 それから、ふるさと納税ワンストップ特例制度は、これは確定申告を行うことなく源泉徴収、年末調整で納税を終えておられる給与所得者の方々を対象にして、この納税の寄附を行う際に、寄附先の地方団体に対して一定の申請書を提出していただく、これによって翌年に確定申告を行うことなく税の控除を受けることができる仕組みを設けるものです。

 いずれにしましても、ちょっと過度な返礼品競争というのがありまして、これは一時所得に該当しちゃうような場合もあるかと思います。税制上の問題も生じる可能性がありますので、しっかりと、地方税法改正案成立後に、私の方から改めて大臣の通知として要請文書を出させていただきます。

稲津委員 終わります。

桝屋委員長 次に、逢坂誠二君。

逢坂委員 逢坂誠二でございます。

 きょうは、高市大臣、それに籾井会長、お世話になります。よろしくお願いいたします。

 籾井会長のにこやかな笑顔を見て、ほっとしております。連日お忙しいんじゃないかと思いますけれども、きょうもよろしくお願いしたいと思います。

 まず最初に、籾井会長にお伺いするんですけれども、この一年、大変だっただろうなと思います。一年前の事情というのは私は直接的には知らないわけでありますけれども、報道を見聞きし、そして、今回私も国会に戻ってきまして、いろいろと連日国会に来ている姿を見ていると、いやあ、私だったらやれないな、本当に大変なところでやられているという感じなんですが、この一年間の感想といいましょうか、どのように振り返っておられますか。いかがですか。

籾井参考人 委員御指摘のように、昨年は非常にきつい中で何とか予算を通していただきまして、その後、やはり私としても思うところ多々あり、まずは、今三カ年計画の最後の年だったので、この一年を何とか達成するように努力することが一つ。それから二つ目は、やはり職員との対話をやらなければならない。というのは、それまで全くチャンスがありませんでしたので、そこで、いろいろ職員との対話をやりました。これまでに全国十六カ所の放送局や現場を回って、職員と丁寧にやりとりをし、理解を深めてもらったと思います。

 したがいまして、それが終わりましてというよりは、その途中、七月ごろからは、次三カ年計画について、役員と議論を重ねて、経営委員会ともよく意見を交換した上で取りまとめることができました。私としては、二〇二〇年を見据えて、本当によい計画ができたなというふうに思っております。

 この一年間、仕事に集中しまして、おかげさまで、毎日充実した気持ちで職務に当たっております。

 今後も、国民・視聴者の皆様に丁寧な説明を心がけながら、役職員とも心を合わせ、前へという気持ちで経営に当たってまいりたいというふうに思っております。

逢坂委員 充実した日々でということで、それは結構なことだなと思うんですが、思うところ多々ありというお話をされておりましたけれども、思うところ多々ありについてもう少し聞かせていただきたいんです。

 この一年間、うまくいったなと思うところ、あるいは、ここはまずかったなと思うようなところ、あるいはまた、籾井会長は会長に御就任する前は民間企業、大きな企業で仕事をされていたわけですから、それらの仕事の経験あるいは自分の人生、仕事をずっと始めてきたその自分の人生の中で、この一年は自分としてはどんな一年だったと思うか、こういったあたりについてもう少しお話を聞かせていただけますか。

籾井参考人 私の言動によっていろいろな御心配や御迷惑をおかけしていることがあるわけですけれども、この辺がやはり一番昔と違うところだなというふうに思っております。やはり、言葉をもう少し大切に扱わなければならないんではないかというふうに思っております。これは、今後ともそういう気持ちでやっていきたいというふうに思っているわけです。肝に銘じてやらせていただきたいと思います。

 ただ、放送について申し上げますと、私、かねてから言っているんですが、ばかの一つ覚えみたいにして言っているんですが、放送法にのっとって、自律した編集権のもとに、事実に基づいて、公平公正、不偏不党を貫いております。このことについては、放送実績が示しているというふうに思っているわけでございます。

 今後も、放送法に基づいて、公共放送の使命をしっかりと果たしてまいりたいというふうに思っております。

逢坂委員 この一年間、本当に御苦労されたと思うんですが、放送については、放送法の規定にのっとってしっかりやっている、やったということであります。

 この一年の中で、籾井会長は、NHKの番組の中で好きな番組というのはありますか。

 私は生まれが北海道でありますし、「マッサン」、舞台が余市であります。余市というのは、私の生まれたニセコから車でも四十分ぐらいのところですので、子供のころからもよく行っていて、非常に親近感がある。歌を歌っているのが中島みゆきですし、彼女は、北海道の出身でもありますし、私の大学のサークルの先輩でもあるものですから、非常に親近感があって、「マッサン」、いいなと思っているんです。

 会長は、何かこの一年間で印象に残る番組とか、あるいはこの番組はちょっといかがかなというのは、いかがでしょうか。

籾井参考人 立場上、やはり、NHKの番組の中でどれだと言うのは、私にとっては非常に難しいことです。どれも、やはりいい番組が多いというふうに思っております。

 今、「マッサン」とおっしゃいましたけれども、「マッサン」については、やはり朝ドラマの中で非常に優秀な番組の一つであろうというふうに思っております。これも、やはり地域との絡みですね。今回の場合は、広島、大阪そして本場の北海道ということで、地元の皆さんは大変喜んでおられるというふうに聞いておりますので、我々としましても、地域放送、地域に関連した放送をますます取り上げていきたいなというふうに思っております。

 これは、朝ドラに限らずいろいろな場面で、やはり、NHKの放送を見ることによって、日本全国の地域が元気よくなっていただければこんなうれしいことはないというふうに思っております。

逢坂委員 まさにそうだと思うんですね。地域のさまざまな話題を、やはり商業放送とは違った形でNHKが流していただけることが、それぞれの地域の元気にもつながりますし、やりがいにもつながっていくんだというふうに思います。

 先ほど会長は、この一年間の御自身の発言について、民間企業に勤めていたときと随分勝手が違う、昔と違うという表現をされました。それは、御自身が民間企業に勤めていたときと、多分、民間企業にいらっしゃったころなら、あのぐらいの発言をしても大丈夫だったんじゃないかなという感じもしないでもないので、いや、御自身のお気持ちの中ですよ、私は、どうお考えになっているかわかりませんけれども。

 なぜ、民間企業にいるときと今は違うんでしょうかね。

籾井参考人 受信料を財源としています公共放送であるNHKは、何よりもやはり視聴者・国民の信頼が重要であります。

 この信頼をより確かなものとするために、放送法にのっとって、事実に基づいて、やはり、自主自律、公平公正、不偏不党、本当に、私がいつも言っておりますように、何人からも規律されず放送を行うことで、皆様の期待にしっかりと応えていくことが重要であるというふうに思います。

 これが、NHK会長に課された大きな責任だというふうに認識しております。放送に関しまして会長の個人的な恣意が入る余地は、全くと言っていいほどないと思っております。

逢坂委員 公共性が非常に強いということで、相当慎重であらねばならないというのはそうだというふうに思います。

 そこで、先日、三月五日ですか、今いみじくも会長の口から受信料の話が出ましたけれども、受信料について、三月五日の日に会長はお話しになっているんです。受信料について、もし義務化ができれば、本当にこれはすばらしいことだと思います、もちろん料金を安くすることも可能になりましょうし、いろいろなことが開けてくるんですがと。基本的には、私は、それはやっていただければこんなありがたいことはないというのは、もう間違いないことですとおっしゃっているんですね。

 それで、私も、受信料のあり方というのは、いろいろなタイプ、形があるんだというふうに思っていますけれども、受信料の義務化をするということになれば、会長、どんなメリットが出てくると今お考えですか。この間も、安くなるということは言っている、そして、いろいろなことが開けるというふうにおっしゃっているんですけれども、これは具体的にどんなことがあるんでしょうか。

籾井参考人 義務化というと相当強い言葉になるんですが、やはり我々、今いわゆる支払い率が七五、六%ということで、次期三カ年計画では、これを八〇%に何とか持っていきたいと思っています。

 しかし、これはすごい努力が要るんですね。本当に、何千人という営業マンが走り回ってやっとできるかなというレベルなんですが、義務化ということができますと、まずそういうコストというのは完全にセーブできるわけで、今七百三十五億というのを次期三カ年で営業経費として上げているんですが、これがよその国に比べましてもやはり高いレベルなんですね。これを半分ぐらいにはしていきたいなというふうに思っています。

 それだけで、その分が浮きますし、今度はまたいろいろな経費も少なくなりますし、いろいろなことができる。今委員がおっしゃいましたように、余裕ができればそういうふうな、義務化することによって料金が下がるとか、それからまた新たな投資に使えるとか、いろいろな場面が出てくるんですね。

 ただ、いろいろな場面でも申しておりますが、この義務化というのがそう簡単にできるものではないということもしっかりと認識しております。まず、受信者それから国民の理解が必要ですし、加えまして、やはり法的な問題等々、クリアしなきゃいかぬ問題がいっぱいあるわけです。ですから、そう簡単にはできないだろう。

 ただ、できればどうだと聞かれると、NHKにとってもありがたいし、多分、テレビを見ておられる方にも結局はプラスが返ってくるんだろうというふうに思います。すばらしいことだという言葉が的確かどうかはちょっと別として、それは我々にとってありがたいことであるということは間違いない、その点だけをとれば。でも、いろいろな問題があるということは我々も承知いたしております。

逢坂委員 会長が受信料の義務化に非常に興味をお持ちになっている、それを評価しているという気持ちはよくわかりました。

 受信料が安くなること以外に、逆に今度、弊害も場合によってはあるのかなというふうにも思います。弊害などについては、何かお考えになっていることはございますか。

籾井参考人 実は、義務化の問題を非常に間近な問題としてまだ捉えておりませんので、実際は検討もほとんど進んでいないというか、やっていない状況でございますので、どういうマイナス点があるかということについても、まだはっきりした認識を持っておりません。まことに申しわけないんですが、メリットはすぐわかるんですが、マイナス面が、ちょっとまだ今は検討していないということで、御理解いただければありがたいと思います。

逢坂委員 籾井会長、受信料はいろいろな多様なあり方があるというふうにも思いますし、これからインターネットということにもなれば、またさらに受信料のあり方、これも考えていかねばならない時期に来ていると思うんですね。

 ただ、会長の口から、受信料について、義務化はすばらしいとか、これがいいとかと言うのは、やはり少し控えるべきだろうという気は私はするんですよね。今まさに御自身がおっしゃったように、メリットはすぐ口から出せる、でも、デメリットについては、まだ中身も検討していない段階だから、それは言えないんだ、申しわけありませんということなんですけれども、これはやはり会長の影響力の強さを思うと、そういうことを言ったのはまずかったんじゃないでしょうかね。いかがですか。

籾井参考人 今の委員の御指摘は十分頭に置いて、今後進めていきたいというふうに思っております。

逢坂委員 言葉でうまくすり抜ければ、その場面は何とかなるということでも必ずしもないと私は思うんですね。ですから、これからまたさらに御注意をしていただきたいと私は思っております。

 そこで、もう一つですが、先月の二月十八日、私どもの総務部門会議へお越しいただきまして、よもや私はああいう雰囲気になるとは思っておらなくて、会長と名刺交換をして、私は座長でありましたので、はっきり言って、目を丸くしてやりとりを見ておりまして、随分総務部門も変わったなというふうに思っていたんですけれども、あの席上で会長はこういうふうにおっしゃられたんですね。ある問題について、外交問題に発展するおそれがあることもよく考えて番組の放送を考えるんだというようなことをおっしゃっておられたんですが、この真意というのはどういうことなんでしょうかね。

籾井参考人 やはり、放送というのはすごく影響力が大きいというふうに認識しております。したがいまして、我々が放送する場合も、いろいろな場面においていろいろなことを考えながら放送していく必要があろうかと思います。これは何も、政府の考えをそんたくするとかそういうことではなくて、我々なりにやはり公共放送というものの影響を十分考えながらやっていくということは必要なことではないかというふうに思っています。

 そういう意味で、外交問題に影響が云々と申し上げたかもしれませんが、それは私たちが考えないでもいいことかもしれませんが、やはりいろいろな角度から物事を検討しながら、いろいろな意見も参考にしながら、またそれも報道しながらやっていくというふうに御理解いただけると私は大変ありがたいと思うんですが、同時に、今委員がおっしゃったことは頭に置きながら、今後とも放送を、それこそ本当に、事実に基づいて、不偏不党、公平公正という形でやっていきたいというふうに思います。

逢坂委員 ただ、会長、外交問題に発展するようなおそれのあることについてはやはり相当慎重にというようなことは変わらないということなのかをまたお伺いしたいのと、外交問題に発展するようなことであれば、事実をある程度伝えないとか伏せるとか、そういうこともあり得るということでしょうか。

籾井参考人 本当に御指摘のとおりだと思うんですが、同時に、我々は真実に基づいて報道しますので、真実に基づいて報道する、この限りにおいては余り心配する必要もないと思いますし、いろいろな意見についてもこれは披露していきますので、我々だけのそんたくというか考えだけでNHKの放送が変わっていくということはないと思います。やはり我々は、常に、原点は放送法でありまして、そこに基づいて、事実を伝えながら、視聴者の皆さんに判断していただくというのが基本的な姿勢でございます。

逢坂委員 繰り返し、重要なポイントなのでお伺いさせていただきますけれども、外交問題に発展するような案件については、事実を隠さずにちゃんと報道する、あるいは、外交問題に発展するのであれば、それは事実については伏せる、あるいは、あえて放送しない、そういうこともあり得るということでしょうか。明確に聞かせていただければと思います。

籾井参考人 何度も言っておりますけれども、放送法は、不偏不党、事実及び自律を保障することによって放送による表現の自由を確保することと定めております。同時に、意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにして公平に取り扱わなければならないことは、放送法、NHKの国内番組基準にも明記されております。その際、自主自律を堅持し、何人からも干渉されないということは大原則と認識しております。

 今申しております、外交に影響があるというか、外交に限らず、我々は、やはり、こういう考え方を柱として放送をやっておりますし、今後ともそういう方針でやっていくつもりでございます。こうした原則を徹底しまして放送を行ってきましたし、今後もこういう方針を変更することは全くございません。

逢坂委員 ということであれば、例えば、集団的自衛権行使容認、これを具現化していくための法案なども政府の方で、与党の方で今検討しているということでありますけれども、そういう問題に対して、政府と対立するようなことがある、そういう事実がある、考えがある、そういうものもきちんと報道するということでよろしいんでしょうか。

籾井参考人 お答えいたします。

 我々は、今言いましたように、意見が対立している問題についても、できるだけ多くの角度から論点を明らかにし、公平に取り扱わなければならないということは、放送法はもちろん、NHKの国内番組基準にも明記されておりますから、いわゆる対立する意見あるいはその他の意見につきましても、我々が片っ方の意見だけに偏った放送をすることはございません。事実をやはりきちんと放送する、それでもって視聴者の皆様が判断を下していただくというのが我々の方針でございます。

逢坂委員 意見の対立があるということ、それは多分、国民の間に意見の対立があるということなんかも想定されているんだと思うんですが、政府と対立するような意見、そういうことについても、NHKとしてきちっと発信をするということでよろしいんでしょうか。

籾井参考人 個人的な意見はちょっと別としまして、今も申しましたように、我々NHKは、本当に、放送法に基づいて、もう言いませんけれども、規律されていることをベースに、また、国内番組基準に基づいてやりますから、いろいろな意見についてもそれぞれ放送してまいるわけでございます。

 今までもそういうふうな方針でやってきておりますので、ぜひその辺は信用していただきたいというふうに思うわけでございます。

逢坂委員 お手元に資料を配付させていただいたんですけれども、「二月二十三日付けの新聞報道について」という資料を配付させていただきました。

 これは、NHKのホームページに載っているものでありますけれども、二月二十三日付の毎日新聞の社説及び夕刊の記事に対してのNHKとしての見解といいましょうか、考え方のようでありますけれども、お手元にございますでしょうか。

 確認できますか。これは会長、何のために発表したものでしょうか。

籾井参考人 お答えします。

 新聞を見ていただければわかるとおり、NHKがあたかも国の広報機関になってしまうかのような報道がありました。視聴者・国民の皆様に誤解を与えかねないと考えて掲載したものであります。

 これまでも、NHK関連の報道に対する見解については、視聴者の皆様にNHKを正しく理解してもらうため、ホームページに掲載してきております。

逢坂委員 確かに、NHKさんが御指摘している毎日新聞の記事を見ると、社説では、「国の広報機関ではない」、NHKは国の広報機関じゃないんだよという指摘をしている。それから、夕刊の記事では、NHKが「政府代弁放送?」というような見出しがついているわけですね。確かにこういう報道がされていたのは事実ですけれども、こういうNHKとしての意見をホームページに載せる意味というのはどこにあるんでしょうか。

籾井参考人 御承知のとおり、我々は、こういう新聞記事とかいうものに対して、我々の意見を申し述べる機会はないわけでございます。唯一あるのがホームページであります。

 今議員がおっしゃった記事につきましても、やはり我々の視聴者あるいは国民の皆さんに、我々はそういうふうになっていないんだ、我々の放送に対する姿勢はこうなんだということを説明するために、誤解を招かないように、我々としてはこのホームページに載せたわけでございます。

逢坂委員 誤解を招かないようにホームページに載せたということですが、これは説明になっているでしょうか。私は、余りなっていないような気がするんですよ。「言うまでもなく放送法の下で運営されているNHKが、」「政府の広報機関になるはずがなく、」こう書いてあるんですけれども、これは説明になっているんでしょうか。あるいは、「この放送法に則って現在も、これまでも運営されており、」ということが書いてある。

 放送法があるからNHKはちゃんとしているんだ、ちゃんとしているんだと二度繰り返しているんですけれども、これは説明になっているのかなという気が私はしないでもないんです。本当に説明したいのなら、もうちょっと別な言い回しというのがあったような気がするんですが、いかがでしょうか。

籾井参考人 先ほども言いましたように、我々はホームページしかないわけです。それから、やはりこういう公共放送というものをしっかり公共放送としてやっていく場合には、例えば会長の意向で放送の方針が変わるということは絶対許されないわけです。そのために放送法が一つのばしっとした基準としてあるわけでございます。

 したがいまして、私は、NHKというものは完全に、基本的にもう放送法で律されている、我々はこれを守るしかないんだと。事実に基づき、公平公正、不偏不党、何人からも律されず、これが私は本当に金科玉条と同じぐらい大事なものだというふうに思っていて、これに立ち返ることによって、例えば私の個人的な意見とか思いが放送に流れないようにする。

 これを言うことによって、職員もみんな、事実に基づき、これはすごく大事なことですよね、公平公正、これも大事なこと、不偏不党、これも大事なこと、何人からも律されず、これも大事なことです、これを常に頭に置きながら職員は番組をつくってくれていると思いますし、そういうことを忘れないように、私も、日々これをリマインドしております。

逢坂委員 同じホームページの中に、「いわゆる従軍慰安婦に関する会長会見の発言については、繰り返し説明している通り「慎重に検討すべき」だということを述べたに過ぎず、」というくだりがあるんですが、この「慎重に検討すべき」というところが特に括弧になっているんですよね。

 これは、慎重に検討するというのは、何を一体どのように慎重に検討するんでしょうか。

籾井参考人 事が事だけに、慎重にやるべきというのは当然のことですが、その辺のいろいろな判断につきましては、私が一々ああだこうだと言うことは基本的にないわけです。これは、現場が判断して番組をつくっていくということでございますから。

 ただ、やはり慎重にやらなきゃいけないというのは事実だろうというふうには思いますけれども、現場に任せております。

逢坂委員 会長、特に今回、従軍慰安婦問題だけを取り上げてホームページに載せて、慎重に検討すべきとおっしゃったのは、これは、従軍慰安婦の問題についてだけ特出しをしたわけですよね。本来であるならば、どんな番組であれ、公共放送として慎重に行っているというのが筋なわけですよ。これは、従軍慰安婦の問題だけ特出しをしているわけですよ。

 これは、特にこの問題について、例えばNHKの局の中に、従軍慰安婦問題にみずから企画をして何かをやりたいという方が、会長、質問を聞いていただけますか。(籾井参考人「はい」と呼ぶ)特に従軍慰安婦問題について何か番組をつくりたい、僕はこんなアイデアを持っているという局員の方がいたとしても、この文言を見たら、ちょっとこれは、従軍慰安婦の問題、アイデアを出すのはやめようかなということになりはしませんか。

籾井参考人 今、特出しということだったんですが、これは、戦後七十年を踏まえて出す戦後七十年の放送というところで質問があって、それに答えた後に、その中に慰安婦問題も含むんですかというふうな質問があったので、私がこのように答えたわけです。

 慎重にやるべきだというところで実はとめておけばよかったのに、ちょっと要らぬことを言っちゃったというのはあるんですけれども、本当に、おっしゃるとおり、全部慎重にやらなきゃいけないというのは、もう当然のことでございます。この問題だけを慎重にというつもりもないんですけれども、たまたまそのとき質問がありましたので、なかなか難しい問題ですねと答えました。

逢坂委員 時間になりましたので、これでやめさせていただきますが、高市大臣、申しわけございません。あす、分科会でまたお願いしておりますので、そちらでお願いしたいと思います。

 籾井会長、一言だけ。

 もし御自身が本当にそうお思いになっているんなら、なぜホームページに、ここに、特に従軍慰安婦の問題だけ書いたのか。ここは書かなくても、NHKの意図が伝えられることは私は可能だったと思うんです。このことを書いたことによって、従軍慰安婦の問題は特別だなというふうに見られる可能性がある、このことは指摘をして、あす、またよろしくお願いいたします。

 終わります。

桝屋委員長 次に、黄川田徹君。

黄川田(徹)委員 民主党の黄川田徹であります。

 まず、東日本大震災の復旧復興事業に関連しての地方交付税、そして地方税についてただしていきたいと思います。

 東日本大震災の発災から丸四年となります。五年目を迎えるわけであります。国の集中復興期間、来年度は最終年度となります。そしてまた、被災地の現状は、岩手、宮城はもちろんでありますけれども、特に福島の復興は本当に厳しいものがある、こう思っております。やはり被災自治体は、確実な復旧復興をなし遂げるためにも、長期にわたる国の特例的な財政支援の継続が必要だ、こういうことだと思っております。

 また一方、竹下復興大臣でありますけれども、昨日のNHKの「日曜討論」であるとか、あるいはまたさまざま報道機関のインタビューに答えまして、集中復興期間、二〇一一から二〇一五年度以降の復興事業について、全額国費の見直しを示唆しておりまして、地方負担の検討も視野に入れているということであります。

 いずれ、復興大臣は、二〇一六年度以降のフレームを、単年度ごとに出すんじゃなくて一括提示したいということでありますけれども、これに関連して、震災復興特別交付税でありますけれども、この集中復興期間後どういう形になっていくのか、お尋ねいたします。

高市国務大臣 まず、東日本大震災につきましては、特に財政力が弱い団体が多いことから、壊滅的な打撃を受けた多くの被災団体の懸念を踏まえまして、復旧復興事業に係る地方負担分については、これまでにない異例の対応として、震災復興特別交付税によってその全額を措置して、被災団体の財政負担を解消することとしてきました。

 この集中復興期間後のことについて、先ほども御質問ございましたけれども、やはり二十八年度以降の復興事業については、それまでの進捗状況を踏まえて、財源を含めてそのあり方について検討するということになります。その全体の復興財源フレームの中で、二十八年度以降の震災復興特別交付税のあり方についても検討することになります。

 竹下復興大臣が、この間から、委員会でも、また報道番組などでもさまざま御発言になっていることは承知いたしております。集中復興期間が終了した後の復興事業費について、今の仕組みが全部続くというのは難しいかなという点、御発言がありました。

 他方、五年間といったくくりで、中期的に見通しがつくような形をつくっていきたいという強い思いも語っておられますので、やはり、今後、被災団体の財政の状況と事業の進捗状況を総務省としてもよくお伺いして、復興に真に必要な事業の実施に支障が生じないように適切に対応をしてまいります。

黄川田(徹)委員 大臣御答弁のとおり、この財政負担をゼロにするという仕組みは平成二十三年度の第三次補正予算で創設されたわけでありまして、そしてまた、竹下大臣がお話しのとおり、本当に異例中の異例だと思っております。

 そしてまた、お話しのとおり、被災地は、仙台市は政令市でありますけれども、もともと財政力の弱い団体でありまして、大変厳しい中で復旧復興に携わらなきゃいけないということで、やはりしっかりした継続的な財政支援が必要だ、私はこう思っております。

 そこで、ちょっと事務方にお尋ねいたします。

 福島は、中間貯蔵施設、あるいはまた除染、汚染水対策、それから、帰還される方、帰還を待つ方、それから新しい道を歩む方、本当に厳しい闘いを強いられておりますので、私は、これはまた国がしっかりと責任を持ってやるということを、むしろさらに前面に出す必要があると思っております。

 また一方、岩手、宮城の場合は、津波で被災したという部分で浸水区域がすぐ利活用できないということで、高台移転もまだ道半ばというところもありますけれども、時間が解決するところは確かにある、こう思っております。

 そこで、岩手にあっては、岩手県沿岸市町村復興期成同盟会ということで、沿岸の市町村は十二市町村なのでありますけれども、隣町の住田町というのも入っていまして、十三市町村で構成されております。それから、宮城県の東部沿岸大規模被災市町連携会議というものがありまして、これが五つの市町で構成されております。

 ここのところの財政力指数、あるいはまた予算規模、この予算規模というのは震災発災前の予算規模と今の規模がどうなっているんだということ、それから交付税の不交付団体があるのかどうか、これらも含めて、現状をお願いいたします。

佐藤政府参考人 お尋ねの岩手県と宮城県の十八市町村についてですが、予算規模というお話でございましたけれども、確定した数値ということで、それにほぼ近い決算の比較をさせていただきたいと思います。平成二十二年度と比較して、平成二十五年度は全ての団体で歳出が増加をしております。平均すると、四・五倍になっております。倍率で最も大きくなっているのは陸前高田市で、十・八倍という規模になっております。

 それから、財政力指数ですが、これは二十二年度と比較して、平成二十五年度は、そう極端ではありませんが、全ての団体で悪化をしております。一番悪くなったのは女川町で、〇・二四ポイントの悪化ということでございます。

 それから、地方交付税の不交付団体ですが、もともと財政力の乏しい地域でございますけれども、平成二十二年度は女川町だけが不交付団体でありましたが、二十五年度においては全てが交付団体となっております。

黄川田(徹)委員 女川は原発立地の町でありますので不交付団体になったことはありますけれども、今は被災地どこも交付団体になっているということであります。

 私の地元の陸前高田市、今局長話されましたけれども、来年度の予算でありますけれども、一千百九十五億円であります。去年も一千億を超えていました。おととしも一千億を超えていました。平時の予算は、大体百億から百二十億でございます。十倍を超える予算ということになっております。そして、地元で調達できる財源といいますか、市税でありますけれども、大体十五億から二十億のお金しかありません。一千億を超す規模の中で、十五億から二十億の税収であります。

 岩手は三十三の市町村がありますけれども、盛岡が県庁所在地でありまして、三十万都市、中核市であります。この予算が大体いつも一千億規模なのでありますけれども、去年もことしも予算規模のトップは陸前高田市であります。

 財政力の本当に弱いところ、厳しいところにあって、例えば一割地方負担ということになれば、単純な話ですけれども、一千億の一割、百億を出せといっても、どこからも出てこないというところがあるわけでありますので、総務大臣でありますので、地方の財政力に配慮した形の中でいろいろと検討していただきたい、こう思います。

 次に、ちょっと具体的な質問に入りたいと思います。

 集中復興期間内に執行できずに、繰り越しをしたり、さまざま対応したんだけれども、結果として不用額とされたものがあるわけであります。平成二十四年度決算では八百五十五億円、平成二十五年度決算では一千六百三十三億円でありますけれども、これは集中復興の後の平成二十八年度以降に同じ事業を実施するということになった場合、この交付金裏の復興特別交付税、この取り扱いがどうなるのか、しっかりと確保されるのか。

 集中復興期間内にできなかった事業なんだけれども、二十八年度以降にこれを実施するとなった場合、その財源措置はどうなるんでしょうか。お尋ねいたします。

高市国務大臣 震災復興特別交付税は、被災団体の事業の実施状況に合わせて交付するものでございます。

 翌年度への繰り越し、これは想定しているんですけれども、この繰り越しは、御承知のとおり、特別会計に関する法律第二十七条の規定によりまして、翌年度に限定されております。ですから、前年度からの繰越額が当該年度の交付額を上回るような場合には、上回った額が不用額となってしまいます。

 集中復興期間後の平成二十八年度以降の震災復興特別交付税のあり方については、先ほどから申し上げておりますように、全体の復興財源フレームの中で検討されるものでございますが、その際に、御指摘の、集中復興期間中に予定した事業で、その進捗がおくれてしまったために事業実施が集中復興期間後にずれ込んでしまったというものの取り扱いについても、その中で検討しなければなりません。

 しかし、実施を予定していた事業でございますので、復興に真に必要な事業の実施ということにつきましては、その実施に支障が生じないように対応をしてまいりたいと考えております。

黄川田(徹)委員 発災直後にいろいろな事業が速やかにできればよかったのでありますけれども、当初の瓦れき処理一兆円から始まりまして、この瓦れき処理、大規模災害にもかかわらず、一般廃棄物だということで市町村の事務だということで始まりまして、最初の予算措置、我々政権党でありましたけれども、一部負担も求めるような、そういう政府の考え方もありまして、とんでもない話だということで始まった。それから、土地の確保が難しいということの中で、なかなか事業が進捗できない。ですから、繰越明許、明許の次は事故繰り越しと、さまざまな事業が本当に先送りされてきたわけであります。

 必要のない事業が積み重なっているわけではありません。必要とされる事業をぜひとも精査していただきたいと思います。

 そうしなければ、国民の税金で賄われるものでありますし、振り返れば、一般会計ではなくて特別会計でこの復興を行うということでありまして、国民の痛みを求めまして増税もしました。国税の方では所得税、法人税、法人税は途中で逃げてしまいましたけれども、住民税、地方税も増税しております。

 足らざる部分、十九兆円から二十五兆円、今は二十六兆三千億ですか、郵政の株も売って四兆円確保したり、あるいはまた、一般会計の剰余金でありますか、それを充当したりということで、さまざま工夫を凝らしながらやってきたわけであります。

 そこで、通告はしておらないのでありますけれども、全閣僚が復興大臣であるという意識のもとにみんなで頑張ろうということで、大臣所信にも話されています。

 財源フレームでありますけれども、どこから財源を持ってくるかということはどなたが政権をとっても大変なことなのでありますけれども、もし総務大臣として、こういうところに財源があるのではないか等々、何か私見がありましたらお尋ねいたします。なければないで結構です。

高市国務大臣 先ほど委員おっしゃいましたとおり、日本郵政の株式上場によりまして、売却益も活用できます。ですから、私はまず、今、日本郵政グループの企業価値の向上に一生懸命取り組んでいただくように、さまざま要請をしております。

 その他、どのような形で財源を持ってこられるかということなんですけれども、これからの息の長い復興、必要な事業を確実に実施していくということになったら、やはり税収が上がっていかなきゃいけないということは痛切に感じます。

 被災地においても自主的な財源が確保できるぐらいの地方税収が上がっていくように、しっかりと振興策も打っていく。日本全体で、やはり復興財源として使っていただけるような税収を生み出していく。そのためには、やはりアベノミクスがしっかりとローカルアベノミクスとして地方で花開いていく、ここが重要なことだと思っております。

黄川田(徹)委員 財政力の低い、弱い被災地なのでありますけれども、何としても復興させたいということで、さまざまな国の支援、県の支援を受けているわけであります。

 いずれ、次の五カ年でありますけれども、それぞれ復興の形態といいますか進捗度合い、被災地十把一からげで議論することはできなくなると思います。福島は別格であります、これは絶対に国として責任をとらなきゃいけない、こう思っておりますけれども。

 国に求めるとお金が来るということになると、財政規律といいますか、お上にお願いすれば金が来るというような形になると、本当の意味でのまちづくりはなかなかできないと私は思っております。その部分をちょっと推しはかると、自民党さんも地方分権は大きな柱だと思いますし、やはり首長がどういう町をつくるかというところの中で、財源は出すけれども口は出さない、あとは責任は当然首長が持たなきゃいけないという仕組みも大事ではないか、私はこう思っておるわけであります。

 実は、発災直後に自立再建する人たちが出てきまして、生活再建支援金、基礎額百万、加算額二百万ということで、財政支援はあるのでありますけれども、なかなかそれだけではうちが建ってこないということで、取り崩し型の基金の造成ということで、県と市町村に造成したわけであります。

 実は、その基金もまだ全部取り崩しているわけではありません。私自身も、うちを建てたいのでありますけれども、まだその時期ではありませんし、仮設から抜けるのは二年後だと思っています。

 そういう部分で、どういう形で地域復興をするためにお金を使えるかというところの中で、次の五年は、何でもかんでも要求が来たから制度設計をして、それは全額負担、これは一部負担ということじゃなくて、もっと町をつくるという市町村の意気込みに応えるためにも、取り崩し型の基金の造成というのがまた必要になるのではないかと思っておるのであります。

 これも通告していないので、基本的な計画、枠組み、フレームができないと答弁できませんという話になりますけれども、何か私見がありましたらお尋ねいたします。

高市国務大臣 基金についてはさまざまな形で御活用いただいており、また県から各市町村にもお金が行って、まだ残高があるということ、御承知のとおりだと思います。基金のあり方につきましても、今後の検討課題であるかと思います。

 それから、二十八年度以降の復興事業、全体のフレームの中でいろいろ考えていかなきゃいけませんので、これは復興庁を中心にやはり政府を挙げて、これまでの進捗状況もきちっと踏まえて、事業のレビューもして、財源のあり方も含めてしっかりと検討していかなきゃいけないと思います。

 もう何度も申し上げておりますけれども、地方の、特に被災地の公共団体のお声をしっかり伺いながら、本当に必要な事業の実施については支障が出ないように、総務省としては積極的にこの検討に参加をして意見を言ってまいります。

黄川田(徹)委員 時間が半分過ぎましたので、それでは、今度は震災関連の税制措置について具体的に聞いていきたいと思います。

 これまでの震災関連の税制措置なのでありますけれども、取り組み状況をお尋ねいたします。

平嶋政府参考人 お答えいたします。

 東日本大震災関連の税制措置につきましては、当時、黄川田委員、副大臣としても御指導いただきましたが、被災者等の負担の軽減や復興に向けた取り組みの推進を図るために、原子力災害への対応も含めまして、震災以降、六度にわたり地方税法を改正して特例措置を講じてきたところでございます。

 具体的には、津波被災区域における固定資産税等に係る課税免除等、それから震災により滅失、損壊した土地、家屋、自動車等にかわる土地、家屋、自動車等に対する固定資産税、自動車取得税、自動車税、軽自動車税等の非課税措置、それから被災事業者用の仮設施設整備事業の用に供する施設に対する不動産取得税、固定資産税等の非課税措置等の措置を講じてきたところでございます。

 なお、このうち津波被災区域に係る固定資産税等に係る課税免除等については、平成二十六年度までということを予定しております。

黄川田(徹)委員 福島では、避難の生活が長引いて、もとに住宅再建ということじゃなくて別のところへということで、避難指定区域からの避難者向けの不動産取得税の軽減とか、大分利活用されている方々もおると思いますし、これまでさまざま税制対策をとってきたのでありますけれども、四年という一つの節目にもなっていますので、それでも自治体からの税制改正の要望等、さまざまあると思うわけでありますけれども、これに対する対応状況について、大臣にお尋ねいたしたいと思います。

高市国務大臣 現在講じております税制措置につきましても、当時、これは民主党政権の時代も含めて、総務省の担当者が津波の被害ですとか原子力災害の被災地域に出向いて、被災自治体の御意見をお聞きして、内容を決定してきたものでございます。

 今年度におきましても、北海道東北地方知事会などの被災団体から、現行の税制措置を延長してくださいという御要望を伺っているところですので、今後も、被災自治体の御意見を丁寧にお聞きしながら、総務省として復興に必要な税制措置を講じてまいりたいと思っております。

黄川田(徹)委員 一つ忘れていました。

 平成二十四年度、発災直後なのでありますけれども、固定資産税の評価がえというものがありまして、職員が流されたり大変な状況の中での評価がえということで大変だったわけであります。

 来年度は二十七年、三年たちましたのでまた評価がえとなるのでありますが、これへの対応状況はどうなっていますでしょうか。

平嶋政府参考人 お答え申し上げます。

 当時、今黄川田委員から御指摘のとおり、平成二十四年度が評価がえの年になっておりまして、現実的に被災地の状況その他から評価がえは難しいという状況もありまして、そういったことも考慮した上で、従来の災害と全く異なる特例的な措置として設けられた津波被災区域の課税免除措置でございます。

 だんだん対象区域が縮小されてまいりまして、被災自治体における行政機能も回復してきたわけでございますが、丁寧にこの話は進めなきゃいけないということで、二十七年度、ことしの評価がえに向けて、平成二十五年の夏前から、一般措置に移行する場合はどうしたらいいか、そういうことも、関係省庁とも連携して、被災市町村の御意見を伺いながら慎重に検討を進めさせていただきました。そうした中で、平成二十六年度税制改正において、平成二十七年度評価がえを機に、阪神・淡路大震災と同様の一般措置に移行するということとされたものでございます。

 これに伴い、現在、当該措置の対象となった土地、家屋についても平成二十七年度の評価がえを実施していただいているところでございますが、それに際しましては、被災自治体の御意見も踏まえて、家屋について簡易な評価方法により評価するための評価基準の改正とガイドラインの策定ですとか、全国の市町村に対する被災市町村の評価事務に従事する職員の派遣の依頼等の支援を行ってまいりました。

 各被災市町村について、現状でございますが、このガイドラインを参考としつつ、全国の市町村の協力を得ながら、評価がえの作業を進めていただいております。現在、これはいいことではあるんだと思うんですが、取引あるいは家屋の新築の件数がそれなりに出てきているところもありまして、作業が忙しい市町村もあるようでございまして、幾つかの市町村で納税通知書が一、二カ月おくれるという可能性はありますけれども、それを抜けば、おおむね順調に進んでいるというふうに承知をいたしております。

 これにつきましては、関係市町村の御努力に敬意を表し、協力いただいた全国の市町村に感謝申し上げたいというふうに考えております。

 以上であります。

黄川田(徹)委員 それでは、復興の阻害要因の一つといいますか、マンパワー、人手が足りないというのは、各首長のアンケート調査、各報道機関の調査でも第一に挙がるわけであります。

 被災地への職員派遣等の状況なんですけれども、来年は集中復興期間最終年度と先ほども申し上げましたけれども、大事な年でありますので、その辺の充足の関係はどうなっておるか、お尋ねいたします。被災地の職員派遣です。

高市国務大臣 地方公務員による人的な支援でございますけれども、これまで、全国自治体の積極的な御協力によりまして、延べ八万七千人以上の職員が被災自治体に派遣されております。

 平成二十六年度に関しましては、被災市町村から千五百六人の人材確保の御要望がございました。これに対して、平成二十七年一月現在で千二百七十人、充足率にしますと八四・三%の方々、人材が確保されております。また、昨年十二月には、平成二十七年度分として千五百十名の人材確保の要望を取りまとめました。被災地の被災状況や復興の進捗状況に応じまして必要な職種というものが異なってきておりますので、そういった事情も踏まえながら、全国の自治体に対して職員派遣の要請を行ったところでございます。

 これまでも、全国の自治体に対する職員派遣の要請、被災自治体における任期つき職員の採用の支援、民間企業などの人材活用の促進、それから被災市町村で働く意欲のある自治体OB、職員に関する情報提供を行っております。

 二十七年度におきましても、引き続き、復興庁とも協力しながら、被災自治体の御要望を伺いながら、より一層人的支援の充実に努めてまいります。

黄川田(徹)委員 人口減少時代の中にあって、被災して職員の定数をふやすということはなかなかままならないことでありますので、やはりさまざまな支援をいただかなきゃならない、こう思っております。

 そういう中で、本格復興真っただ中ということで、やはり技術吏員の方々が必要とされるということ、それから、技術吏員だけでは事業は動きませんので、それとタイアップした事務吏員ということで、かつては、山元町、宮城県なんですけれども、山元の方に札幌からの支援がありまして、土地造成の関係、技術吏員と事務方と、それをまとめる係長級といいますか、三点セットで職員派遣をしていただいた。ですから、地元の方々はこの部分をお願いするだけで完結するわけです。その部分はもう任せられるという形ですね。

 そういうふうなさまざまな工夫でもって、何としても人員不足を解消していかなきゃならない、こう思っております。

 これに関連して、実は、防災基本計画に応援計画というものをつくりなさいということになっているんですね。地方自治体が大規模災害の被災地に職員を派遣する手順などを定めてくださいということなのでありますけれども、この自治体の応援計画、あるいはまた、消防庁に関連しますか、受援計画、これの作成状況は今どうなっておるか。

 発災直後には、必要性はみんな認めて、つくらなきゃいけないなとは思ったはずなのでありますが、四年を経過した現状、どうなんでしょうか。

高市国務大臣 現在の状況でございますけれども、応援計画、受援計画の策定、必ずしも十分とは言えない状況でございます。

 都道府県の受援計画ですけれども、平成二十六年四月一日現在で、策定済みが十八、ですから、率にして三八・三%ですね。策定中が十二、二五・五%です。市町村の受援計画、これも、策定済みが九十九、ですから、率にすると五・六%。策定中が百三十六、率にすると七・八%です。

 ですから、内閣府や全国知事会など関係機関と連携して、まずは都道府県において喫緊に応援、受援計画を整備するように働きかけていくということで、やはり自治体の防災体制の充実強化に努めなければならないと思っております。

黄川田(徹)委員 日本列島どこでも災害が起きるといいますか、災害列島になっておりますし、発災から四年ということで、震災の大変さも風化しつつありますので、特に、つくるときにつくっておかないと、三年たったらできるものということでもなさそうでありますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。

 残りあと十分を切りました。公営競技について、ちょっとお尋ねいたしたいと思います。

 公営競技の経営の状況、現状どうであるか、お尋ねいたします。

佐藤政府参考人 公営競技の経営状況ですが、全体の売上高について見ますと、平成三年度がピークでございまして、このときは五・五兆円ありました。これが、その後、レジャーの多様化や長引く景気の低迷などによって売上高は減少傾向が続いておりまして、平成十四年度には三兆円を下回り、さらに平成二十二年度には二兆円を割り込んだという状況にございます。その後、近年は、全体としては底を打っておりまして、横ばいから微増ということになっておりまして、平成二十五年度は約一兆九千八百億円という水準でございます。

 競技ごとに見ますと、平成二十五年度の売り上げとピーク時である平成三年度の売り上げを比較しますと、悪い方からいいますと、オートレースが約二〇%、競輪が約三一%、競馬が約三六%、モーターボート競走が約四三%という水準になっております。

黄川田(徹)委員 大変厳しい状況ではありますけれども、この収益の一部を地方公共団体金融機構に納付しまして、これを基金積み立てし、その運用益等が貸し付けを行う際の利下げの補填財源となるという仕組みのようであります。

 それでは、地方公共団体健全化基金の残高の推移と運用状況はどうなっておるか、事務方にお尋ねいたします。

佐藤政府参考人 地方公共団体金融機構にあります地方公共団体健全化基金の残高でございますが、毎年度の納付金の金額は平成三年度がピークでありまして、このときは六百十三億円ございました。その後、減少していくわけですが、平成十二年度までは、それでも二百億円を超える水準の納付金がありました。この間、基金残高がずっと積み上がっていきまして、平成十一年度には八千億円を超えるという規模に至りました。

 その後、公営競技の経営がさらに悪化したということや、納付金制度の見直しということも行いましたので、毎年度の納付金額が減少しております。二十五年度においては納付金額は三十一億円ということになっておりまして、基金の残高も大きくふえるということがもうなくなっております。年度末の基金残高は、二十五年度末で約九千二百億円というふうになっております。

黄川田(徹)委員 平成二十六年の四月一日現在で、公営競技施行団体数百九十七団体のうち、平成二十五年度の納付団体数は二十三団体だと思っておりますが、これは、公営競技納付金制度の必要性といいますか、この制度を廃止して、利下げの財源を基金運用益や基金の取り崩しのみで対応もできるんじゃないかと思っております。

 ただ、制度の設計は取り崩しはだめだという形になっているかもしれませんけれども、その辺の御認識はどうでしょうか。

高市国務大臣 この公営競技の納付金制度ですけれども、そもそもの目的は、公営競技の施行団体に偏在している収益金の全国的な均てん化を図るということでございました。多額の収益を上げている施行団体が金融機構に納付金を納付して、全国の地方公共団体が金融機構からの低利融資を利用するという形で、地方財政全体に貢献する仕組みです。

 今、納付金は一定以上の黒字団体のみが納付する制度となっていることでございますし、また、財政規模に比べて多額の繰り出し金や基金残高があるという団体もありますから、制度の意義そのものは失われていないと考えています。

 それから、公営競技の納付金を積み立てました基金は、金融機構が地方公共団体に対して低利貸し付けを行うために不可欠な財務基盤でありますから、やはり市場からの信認を得る上で大きな役割を果たしておりますので、法律において基金本体の取り崩しというものを禁止しているということでございます。

 また、この金融機構の基金の運用益、金利引き下げに必要な額に不足しておりますから、公営競技納付金制度を延長することが必要だと考えております。

黄川田(徹)委員 では、最後の質問であります。

 レジャーの多様化、あるいはまた、新たな客を開拓できないといいますか、そのまま固定ファンが高齢化しているというか、そんな状況もあるのではないかと思います。また、公営競技から施行者が撤退する例が続いておりますけれども、厳しい経営状況ではあっても、公営競技が地域の雇用や経済を下支えする役割を担っておりまして、撤退することができないというところもあるかもしれません。

 私の地元岩手、岩手は地方競馬が盛んなところでありますけれども、増田寛也さんという方が、今どんどんいろいろなところに出ておりますけれども、岩手県の知事時代に、一部組合の経営状況が難しくなりまして、繰り上げ充用を何度も繰り返して、そして三百三十億の公金をつぎ込んで経営しているという状況なのであります。八年連続黒字でありますけれども、一度も借金の返済はされておりませんし、赤字になれば即廃止ということになっておりますので、そういう厳しい中での経営実態であります。

 これから五年、十年と時代が大きく変わっていくのでありましょうが、地方財政に本来もともと寄与するということの中での公営競技なのでありますけれども、この将来展望について大臣の所見をいただきます。

高市国務大臣 今、黄川田委員が指摘してくださいましたとおり、やはり地方財政への貢献というのが公営競技の目的でございます。経営改善が図られて、一般会計などへの繰り出しが行われて、さらに納付金の納付もできるようになっていくというのが一番望ましいことであります。

 今、各施行団体におかれましては、経費の節減はもとよりなんですが、ナイトレースの開催をしていただいたり、ファンサービスの充実をしていただいたりして売り上げ向上努力を行っておられます。また、最近では、業界全体として、インターネットでの投票券の発売、それから全国的な広報の充実に取り組んでいて、効果が上がっているところもございますので、こうした業界を挙げた売り上げの向上、収益改善の取り組みも必要だと考えます。

 総務省としては、一番私たちが応援としてできるのは、やはり経営合理化に向けた応援をしていくことだと思います。当然、ICTも所管しておりますので、そういった政策資源も活用してまいりたいと思っております。

黄川田(徹)委員 時間でありますので、終わります。

桝屋委員長 次に、奥野総一郎君。

奥野(総)委員 それでは、始めたいと思います。

 時間が二十分しかございません。籾井会長には、連日お越しいただきまして本当にありがとうございます。

 それでは、三月五日付の高井崇志委員の際のやりとりについて伺いたいと思いますが、高井委員の方から、ことし一月の国際放送番組審議会というところで会長が言われたという発言にということで、ちょっと長くなりますが読み上げます。

 国際放送のガイドラインには日本の政策、政府の方針については正確に伝えなさいと書いてある、しかし、何が日本の政策で、何がはっきりした方針なんですかというのは意外とないんです、例えば慰安婦の問題だって、強制連行していないというのがポイントなのか、この辺もはっきりしない、安倍首相は安倍談話というのを出すとおっしゃっているので、総理が出せばこれは国の政策だと思うんですがと言って、では河野談話というのは国の政策かというと、そうではないわけです、こういうふうに国際放送番組審議会で発言されたと高井委員が言い、実際にそうですかと質問したわけです。

 それに対して、籾井会長は、要するに河野談話も村山談話も踏襲したとおっしゃりながら、こういうふうに言っているんですね。民主党さんの部会ですか、ここで、私は村山談話とともに肯定をしたわけですので、ここで何を言おうがそれはもはや関係ないというか、こういうふうにおっしゃっています。

 ここで何を言おうがそれはもはや関係ないというかというのは、では、放送番組審議会の中でそういうふうに言ったのかと。河野談話というのは国の政策かというと、そうではないわけです、こう言った、こう認めているというふうにとれるんですが、いかがでしょうか。

 もう一度言いますよ。会長の答弁の中で、民主党の部会の中で、村山談話とともに肯定をした、踏襲したということを肯定したけれども、だから、ここで何を言おうがそれはもはや関係ないというか、こうはっきり速記録に残っているわけですね。ここで何を言おうが問題はない、関係ない、これはどういう意味ですか。

籾井参考人 ここというのは、国際放送番組審議会のことであります。私は、民主党総務・内閣部門会議、二月十八日ですが、この席上、河野談話がNHKの国際番組基準の言う我が国の国際問題に対する公的見解に当たる旨申し上げております。それが私の認識であります。これは委員も聞いておられたと思います。

 したがって、私の認識を問われれば、河野談話はNHKの国際番組基準が言うところの我が国の国際問題に対する公的見解に当たるという意味でございまして、それ以外はないという意味でございます。

奥野(総)委員 民主党の部会で言ったから、ここというのは会長もお認めになりましたが、一月の国際放送番組審議会の場と。何を言ってもいいんだということで、河野談話というのは国の政策かというと、そうではないんです、こう発言されている、こういうことでよろしいですか。

籾井参考人 繰り返しになりますけれども、民主党総務・内閣部門会議、二月十八日の席上、河野談話がNHKの国際番組基準の言う我が国の国際問題に対する公的見解に当たる旨申し上げております。それが私の認識でございます。

奥野(総)委員 私の御質問に答えていないわけですね。そういう発言をされたんですかということですが、イエスかノーか、はっきり。国際放送番組審議会で、河野談話というのは国の政策かというと、そうではないわけです、こういう発言をされたんですかということを問うているわけです。

籾井参考人 定かには覚えてございませんけれども、断定的にこういうことを言うことはないと思います。

 私は、民主党総務・内閣部門会議の席上、これもお答えしておりますが、繰り返しになりますけれども、河野談話はNHKの国際番組基準が言う我が国の国際問題に対する公的見解に当たると考えております。

奥野(総)委員 時間がないので、聞いたことだけに答えていただきたいのですが。

 今のお話だと、記憶にないが、そんなことは言っていないんじゃないか、こうおっしゃっていますが、しかし、もはや関係ないという答弁を見ると、非常にそこは疑念が起こりますが。

 であれば、ここでこれ以上質問しても時間がないので、やってもしようがないんですが、ぜひこの議事録を出していただきたい。

 会長、先日は、要旨が出ると。要旨は確かに出ていますが、要旨には何も書いていない。この部分については一切書かれていません。であれば、全文について議事録を出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

籾井参考人 お答えいたします。

 国際番組審議会の審議状況については、放送法第六条第六項の規定に基づき、議事の概要を公表しております。その内容は、委員の皆様の御了解のもとで作成しているので、それが全てであり、そのように御理解をいただきたいと思います。

奥野(総)委員 委員の皆様の了解というのは、委員の発言についてはそうでありましょうが、会長の発言については会長の同意で出せるんじゃないですか。

籾井参考人 公表できるものはこの議事の概要が全てと御理解いただければありがたいと思います。

奥野(総)委員 受信料で運営されている審議会ですよね。そこの議論を詳細に公開することは、私は法の趣旨に反するとは思いません。また、法がそれを禁じているとも思いません。また、先日、会長に、会見録について出すべきだと申し上げたときも、議事録についてはしかるべき御要望があれば、これは会見録ですよ、これは提出いたします、こういうふうにお答えいただいているわけであります。

 会長として、こういう疑義が生じたときには、つまびらかにすべきじゃないですか。いかがでしょうか。要するに、議事録を出すべきじゃないでしょうか。

籾井参考人 済みません、もう一度。

奥野(総)委員 法律は公開を禁じているということですか、でなければ、公開すべきじゃないですかということです。

 例えば、現に、会長会見については公開した例もあるし、先日、私の質問に対しても、会長会見については議事録を公開してもいいとおっしゃっているわけですね。では、放送番組審議会について、会長発言の部分についてなぜ公開できないんですか、こう問うているわけです。

籾井参考人 先ほども言いましたけれども、NHKでは、放送法第六条第六項で公表を義務づけられている審議会の議事の概要をその都度作成し、公表しております。それで、公表できるものはこの議事の概要が全てと御理解いただきたいと思います。

奥野(総)委員 きょう総務省は来ていないんですが、そうすると、義務づけられているのは概要でありますけれども、では、詳細な議事録を出しちゃいけないか、法が禁じているかと聞いているんですが、いかがですか。

籾井参考人 出しちゃいけないとは書いておりませんけれども、第六条第六項で公表を義務づけている審議会の議事の概要をその都度作成し、公表しております。公表できるものはこれが全てでございます。また、委員の皆様の了解のもとに作成をしておりますので、それが全てであり、そのように御理解をいただきたいと思います。

奥野(総)委員 今おっしゃいましたが、法律は禁止していない以上、私はこの委員会に提出していただきたいと思いますが、この総務委員会に、この議事録、詳細な議事録、御提出していただけないでしょうか。

籾井参考人 議事録は委員長の署名をもって確定することとなっております。現在公表している内容が全てであります。

奥野(総)委員 それは、議事録じゃなくて、要旨ですよね。公開する要旨について確定しているわけです。

 今おっしゃったように、詳細について公開することを法が禁じていない、また、こうやって疑義が生じているわけです、会長の発言について。政府見解について、河野談話は政府見解じゃない、こうおっしゃったかもしれない。本人は明確に否定されなかったですよね、先ほど。明確に否定されなかった。ないと言わなかったわけですよ。であれば、きちんと疑義を晴らすためにも、私は、提出していただきたい、それが会長の、NHKのとるべき姿だと思いますが、いかがですか。

籾井参考人 今も申しましたけれども、議事録は委員長の署名をもって確定することとなっており、現在の公表したものが確定した議事の概要でございます。

奥野(総)委員 それは、議事概要であって、議事録じゃありません。こちらが求めたのは、会長発言の部分について少なくとも出してください、その部分について出してくださいと申し上げているんですね。

 なぜ出せないんですか。もう一度。国会が求めているんですよ。

籾井参考人 もう一度繰り返します。

 放送事業者は、審議機関からの答申または意見を放送番組に反映させるようにするため審議機関の機能の活用に努めるとともに、総務省令で定めるところにより、次の各号に掲げる事項を公表しなければならない。一、審議機関が放送事業者の諮問に応じて、答申または放送事業者に対して述べた意見の内容その他審議機関の議事の概要とあります。

奥野(総)委員 それは公表の義務ですよね。(発言する者あり)いや、委員会に出せと言っているわけですよ。国会が出してくれということに対してなぜ答えないんですか。

籾井参考人 何度も申しておりますが、公表できるものはこの議事の概要が全てと御理解いただきたいということでございます。(奥野(総)委員「さっき御自分で出せるとおっしゃっていますよね」と呼ぶ)

桝屋委員長 奥野さん、委員長が指名しておりません。

 奥野総一郎君。

奥野(総)委員 大変失礼いたしました。

 私もほかの質問がありますけれども、委員長、これはぜひ理事会で協議していただきたいんです。少なくとも会長の発言部分については出していただきたいと思います。理事会で諮っていただけないでしょうか。

桝屋委員長 ただいまの問題につきましては、理事会にて協議をいたします。

奥野(総)委員 会長、もう結構です。お忙しいでしょうから、本業にお戻りください。

 済みません、私も、NHKばかりやっているわけではなくて、違うことも質問をしたいんです。きょうは、前向きな話をしたいんですが、駅前投票の話、残りの五分でしたいと思います。

 私の地元の千葉市では、JRの稲毛駅前のマリンピアというショッピングセンターに、昨年の衆議院選挙で期日前投票所を設けまして、これで大体投票率が二割弱、一九・三%、六万七千人のうち、一万三千人余りが投票しました。これは、全国平均が大体一三%弱ですから、かなり高い割合だったと思います。効果があったと言っていいと思うんですね。

 そこで、大臣に伺いたいんですけれども、投票率を上げる方策として、こういった駅前投票は効果があるとお考えでしょうか。あるいは、ほかの自治体の取り組み状況がわかれば教えてください。

高市国務大臣 期日前投票所、これを商業施設などに設置したり、それから選挙当日にしましても、選挙区の投票所とは別に、選挙の公正を確保しながら、駅前やショッピングセンター、利便性の高い場所に投票所を設置する、こういった工夫をするということは、私は投票率の向上に大変効果があると思っております。

 ただ、ちょっと具体的な方法、今後の方向性につきましては、年度内、つまり今月末になりますけれども、月内に、省内に設置した投票環境の向上方策等に関する研究会でずっと議論を積み重ねておりまして、その中間報告が出てまいりますので、それも見ながら、より有権者が投票しやすい環境づくりに取り組んでまいります。

奥野(総)委員 二点、お願いしたいんです。

 一つは、今の期日前投票なんですが、投票日もやはりこういうデパートとかショッピングセンターで投票できれば非常に便利だと思うんですね。それに向けて検討が進んでいるのかどうか。

 それから、投票時間。これは期日前投票の話になると思いますが、現在法律で、八時半から八時まで、こういうふうに投票時間が定められていると思いますけれども、例えば、駅前であれば朝早い方がいいですね、通勤前に投票する、あるいは、繁華街であれば夜遅い方がいいですね。こういった投票時間を繰り上げたり繰り下げたりが可能になるような検討をお願いしたいんですが、いかがでしょうか。

高市国務大臣 先ほどちょっと、選挙当日という言葉も発されましたけれども、やはり選挙の公正はきちっと確保しながら、駅前ですとかショッピングセンター、こういった場所に投票所を増設することができると、非常にこれは投票率が上がる可能性があると思います。

 あと、投票時間も、やはり、朝夕の通勤客の皆様、通勤中の皆様が期日前投票を行えるようになったり、ショッピングセンターの閉店時刻に合わせて期日前投票にしても終了時間を設定できるように、こういった検討というのも大変効果が高くなるものだと思っております。

 月内に取りまとめられる研究会の中間報告を踏まえまして、できるだけ早く有効な方策をまとめてまいります。

奥野(総)委員 それから、地元の自治体なんかに伺いますと、費用の問題もあるらしいんですね。

 期日前投票は、制度上は、何カ所でも投票所を設けられるということになっているようですが、例えば、オンラインの経費が見てもらえないということがあったり、あるいは人件費が一投票所当たり五人とかということがあって、設けるとなかなか赤字になってしまう場合があって、何カ所も設けられない、こういうふうな話も耳にするわけであります。

 ですから、例えば自治体の選挙であれば、交付税でそういったオンラインの経費を見るとか、そういった財政面の支援も考えていただけないでしょうか。

高市国務大臣 選挙の管理執行に必要な経費に対する財源措置の基準につきましては、各地方公共団体における選挙の執行実態などを踏まえて所要の改正を行ってまいりました。

 期日前投票に関する経費につきましても、平成二十五年の改正において、執行実態を踏まえて、基準配置職員数の増員や、それから期日前投票所を設置する建物の借り上げ料の加算などを行っております。

 今、オンラインシステムについても委員から御指摘がありましたけれども、地方団体からもさまざま御要望をいただいておりまして、これから期日前投票の利便性の向上を図って、それを広げていく上で、必要な予算の確保というのは重要だと考えております。しっかりとこの関連の基準額の検討というものを行ってまいりたいと考えます。

奥野(総)委員 最後に決意を伺いたかったんですが、時間が参りました。

 ぜひ、なるべく早く、駅前投票、選挙当日の実現、そして、こういった経費の面にも配慮して制度改正をお願いしたいと思います。

 以上で私の質問を終わりたいと思います。

桝屋委員長 次に、水戸将史君。

水戸委員 維新の党の水戸将史でございます。

 衆議院としては初めての質問でございますので、何とぞお手やわらかによろしくお願いしたいと思っております。

 まず、臨時財政対策債に関しまして何点かお尋ねをさせていただきます。

 もう既に何人かの委員の先生方も御質問されております。なるべく重複を避ける意味でも行いたいと思います。

 まず、そもそもこの臨時財政対策債の制度なんです。平成十二年度までは、こうした基本的な財源不足に関しましては、特会ですよね、交付税特別会計借入金により措置をしていた。そして、国と地方がそれぞれ折半をして償還を講じてきたという話でありますが、これは平成十三年度以降、臨財債制度に変わったわけでありますが、これを変えたことによってのそうした効果、効用というんですか、それをどういう形で認識されていますか。

佐藤政府参考人 御指摘のとおり、地方の財源不足に対しましては、平成十二年度までは、交付税特別会計において借り入れを行い、地方交付税の総額をふやして財源不足を補填するということにしておりまして、その借入金の償還は国と地方で折半して負担するというルールで行っていたところです。

 しかしながら、この方式には問題がありと当時されました。一つは、交付税特別会計の借り入れが繰り返されてきた結果、交付税特別会計が三十八兆円もの非常に大きな借入金残高を抱えるということになったこと。それから、この方式は国と地方が折半してといっても、国、地方それぞれの責任分担が不明確であるというふうなこともありました。

 こうしたことから、国と地方の責任分担を明確化し、財政を透明化するということで、十三年度からは、地方の財源不足については、国は一般会計から地方交付税に特例加算を行い、地方はそれぞれの自治体が臨時財政対策債を発行して財源を調達するということにしたものでございます。

水戸委員 十二年度以前までは、今御説明ございましたとおり、非常に不透明な部分があったという話がありました。三十八兆円ぐらいの積み増しをしてしまったと。

 しかし、さはさりながらも、臨財債になった時点でも、もう既に五十兆円、来年度になれば六十兆円以上のこうしたものが積み上がっていくという話になりますから、別に財政的な面から寄与しているわけではありません。

 さらに、透明化を図るという話でありますが、国と地方の財政の透明化にどのような形でこの臨財債制度が寄与しているのか、もう一度、もっとわかりやすくお答えください。

佐藤政府参考人 国と地方の責任分担が不明確であるということは、つまり、そのことは財政が不透明であるということだと思いますが、当時の指摘では、一つは、交付税特別会計というところで、必ずしも一般会計に比べると見えづらいところで膨大な借金残高を抱えているということがありました。

 それから、この借金の償還は国、地方で折半するというルールでしたけれども、この折半の意味は、国は、返すときに一般会計から二分の一を交付税特別会計に繰り入れる。一方、二分の一は交付税の法定率分の中から返していくという意味における地方の負担ということであったわけであります。このことが、形式的に言いますと、交付税特別会計の借入金は国の借金でありますし、それを返すのも国の責任ということなんですけれども、我々、この折半というのは実質的な意味で折半という言葉を使っていたわけでありまして、こういったことが全体として非常にわかりにくいということであったわけです。このことが新しいルールのもとでは解消されたということかと思います。

水戸委員 そして、先ほども若干質問の内容でございましたけれども、平成二十六年度の年度末見込みでは四十八・四兆円ぐらいの発行残高が積み上がってしまっている。また、平成二十七年度、一兆円ぐらい今年度に比べて圧縮をしたという話はありますけれども、四・五兆円ぐらいのものを新たに発行するという形になりますが、そうなると、平成二十七年度末の臨時財政対策債の残高はどのぐらいになるか。

 そして、新規発行を含めて四・五兆円という話はいたしましたけれども、地方、国折半という話の中で、その四・五兆円の内訳というのはどうなっているのかについて御説明ください。

佐藤政府参考人 二十七年度末の臨時財政対策債の残高は、約五十兆円の見込みでございます。

 それから、二十七年度に発行するものですけれども、新しく生ずる折半対象財源不足に対応して発行するものが一兆四千五百二十九億円あります。それから、過去の臨時財政対策債の元利償還金への対応のために発行する分などが三兆七百二十億円ありまして、二十七年度は四兆五千二百五十億円を発行することにしております。

水戸委員 もう一度確認でありますけれども、約四・五兆円のうち、一・五兆円部分、いわゆる三分の一は国負担だよ、残りの三分の二は地方が負担というか、地方の責任だよ、債務だよという話になる、そういうことですね。

佐藤政府参考人 今の御指摘は、二十七年度に収支を見積もった結果発生しています折半対象財源不足については、半分は国の一般会計から現金を交付税の総額に加算するというやり方、残りの二分の一は、臨時財政対策債を発行して、それぞれの地方団体が財源を調達するというやり方、この合わせわざで埋めましょうということにしています。そういう意味では、半分が国負担、半分が地方負担と言っているわけです。

 過去の臨時財政対策債の元利償還金は、こうした毎年度折半して発行してきたものについて、ことしその償還がどうかということであります。このことは、もともと地方団体の負担で発行するものですよというふうに仕切られたものでありますので、ここについては、全額、地方団体が交付税の法定率あるいは地方税といったものから負担するということになるものでございます。

水戸委員 大臣にちょっとお伺いしたいんですけれども、今、局長も御説明いただいたとおり、もちろん基準財政需要額があり、収入額があって、その差額分は本来交付税で見なきゃいけない。しかし、交付税でも賄い切れない部分に関しましては、臨財債を発行して、半分は地方が負担してくださいよ、こういう制度なんですね。

 しかし、今言ったように、短期の、単年度の発行に関しましても、やはり、普通折半であるべきところでありますけれども、それ以外の、そもそもの元利償還分が賄い切れないものでありますから、地方がそもそも払わなきゃいけない借金を、さらにこれは臨財債にまた積み増しをして、結局、臨財債の償還のために新たな臨財債を発行しなきゃいけない、こういうような形で、毎年毎年これが増加の一途をたどっているんですね。

 これが、先ほども言ったように、積み増しの一つの要因となってしまっているんですけれども、いわゆる新規に臨財債を発行するためにさらに残高がふえていくという構図になっているんですが、こうした現状について、大臣はどのような御認識でしょうか。

高市国務大臣 基本的に、臨時財政対策債のような特例債に頼らない財務体質を確立していくことが重要だと考えております。

水戸委員 まさにそういうことは、ある程度、理想としてはあるわけでありますし、現実は非常に厳しい状況の中において、国も財源もない、また地方ももっともっとこれ以上に足らないという状況の中において、どちらが負担をするかという話になってくるわけですね。

 そういう中において、やはりこの臨財債のあり方をもっとこれは総合的に考えていく必要があるなと私は思っておるんですね。

 一枚資料をお配りしているわけでありますけれども、この資料も一目瞭然で、ごらんいただければ、平成十三年度以降、臨財債制度ができて、二十七年度、来年度に至っているこの棒グラフ、ずっと毎年毎年これは積み上がっていってしまっているんです。借金がこの一番下の黒い部分でありますけれども、ここが臨財債の残高の推移でございますし、それとその上の部分が臨財債を除く地方債という話で、建設地方債、そういう形で、いわゆるこの二つを、両者を足して微増になっているわけですね。平成十六年度以降若干ふえつつある。しかし、何となく抑えているというような状況なんです。

 現在は、こういう形で、この二つを合わせて全体で地方財政の借入金は大体二百兆円前後で推移をしておりますけれども、いわゆる臨財債を発行した、増加した分だけ、この棒グラフを見て推測するんですけれども、建設地方債の発行を抑えてきた、そういう理解でよろしいですか。

佐藤政府参考人 御指摘のとおり、地方の借入金残高は、平成十六年度以降、二百兆円前後でずっと推移をしております。この間、建設地方債の残高が減少して、臨時財政対策債の残高が増加をしてきております。

 これは、私ども、二百兆円で頭押さえをして、その中で建設地方債と臨時財政対策債の残高を調整するとか、そういうことでやっているものではございませんで、地方税の低迷ですとか社会保障関係費の増によって毎年度やはり大きな財源不足が生じざるを得ない。その中で、今のルールにおいては大きな臨時財政対策債の発行をやむを得ず行わなければならないということがあった一方で、地方財政計画の歳出全体の抑制の中で、投資的経費を相当程度削減した、そういうものの結果としてこういった事態になっていると御理解いただきたいと思います。

水戸委員 まさにそのとおりでございまして、結果としてこうなった、別に両者で調整しているわけじゃないというのは、何か両者で調整しているような雰囲気はあるんですけれども、結果的にこのような棒グラフになってしまっている、まさしくそのとおりだと思うんです。

 しかし、今後、公共施設等々の、道路とか橋もそうなんですけれども、老朽化対策が本格化すれば、やはり、臨財債の残高の増加は、建設地方債の発行抑制で吸収することは非常に困難になるわけですね。結局、今二百兆円で何となく全体的な地方財政が抑えられているようなイメージがありますけれども、今後、今言ったような老朽化という問題に直面をすれば、これを大きく超えるような状況になりかねないということは随分懸念をするところでありますけれども、これについては、大臣はどのような御見解をお持ちでしょうか。

高市国務大臣 やはり、公共施設の老朽化対策など、必要な投資的経費というのは適切に確保しなければならないと考えています。

 これは地方の喫緊の課題でありますので、平成二十七年度の地方財政計画では、公共施設の集約化、複合化、転用、除却のために必要な経費として、投資的経費に公共施設最適化事業費を〇・一兆円計上して、建設地方債を充当できるようにしました。このほか、公共施設等の維持補修費を〇・一兆円増額いたしました。

 とにかく、臨時財政対策債の残高を抑制するということも重要で、これは折半対象財源不足の解消に向けて一生懸命取り組むということが必要でございます。

 地方財政の健全化に取り組みながら、必要な投資的経費は適切に確保するということだろうと思っております。

水戸委員 そもそも、先ほども若干触れましたけれども、この臨財債制度、いわゆる交付金制度そのものにかかわってくる話なんですけれども、結局、基準財政需要額と基準財政収入額の差額分を交付税で埋め、それでも足りない部分を臨財債を発行する、そしてそれを折半するんだという、その折半のあり方、国と地方がフィフティー・フィフティーでやるということについて、何となく運命共同体的なイメージもあるわけでありますけれども、国がどの程度そういう形で面倒を見るのか、地方がどの程度責任を持って歳出削減に頑張るのかという話になるわけでありますし、やはり、国におんぶにだっこであれば、甘えの構図じゃありませんけれども、ますます地方の自立を妨げる要因になってしまうということになるんです。

 もっとも、頑張ればその分だけ面倒を見るよというような、地方の頑張りを評価できるようなそうした交付金制度もありかなという気がするんですけれども、この臨財債制度について、今後、この折半というあり方がいいかどうかということについて検討する余地はありませんか。

高市国務大臣 地方の財源不足については、昭和五十年代からその補填の方法というのは変化してきておりますけれども、実質的に国と地方が折半して補填するということを基本としております。

 理由は、地方財政計画において、国の予算で計上された施策や事業を盛り込んで、これらが着実に実施できるようにしているということ、それから、多くの行政分野で国と地方の役割分担などを法令によって定めて、地方に支出を義務づけているというものがあります。こういった事情がございます。

 ですから、地財計画の策定を通じて算定された地方の財源不足につきましては、やはり、国と地方の両者が責任を持つという意味では、国と地方が折半をするということが適当だと思います。

水戸委員 地方公共団体の財政の健全化というのは、やはりこれはどうしてもこれからも深く追求していかなきゃいけないテーマであります。

 夕張のああいう財政再建団体に転落をしてしまったということを契機にして、五年ほど前から財政健全化法という法律がつくられて、新しくこういう形でつくられているわけでありますが、この財政健全化法、その計画について、いろいろな自治体がそれにのっとった形でやっている節はありますけれども、この五年間の経過をどう評価されていますか。

佐藤政府参考人 地方公共団体の財政健全化法が新しく成立し施行されましてから、地方団体は、かなりこの法律に定めるさまざまな指標のことを意識しながら財政運営をするようになってきていると思います。

 結果的にも、その当時、財政再生団体あるいは早期健全化団体に該当した団体も、順次それを卒業していっているという状況でございますから、この法律の趣旨は、財政の状況を客観的に明確に透明化することによって地方団体の財政運営の健全化を促そうという趣旨でありましたけれども、この法律の趣旨というのは十分達成されてきているのではないかと我々は考えております。

水戸委員 そうはいうものの、もちろん、過去の経過を含めて、いろいろな基準を設けて、健全化に向けて努力をされている地方自治体もある。それをいろいろな形で促している、総務省を中心とした働きかけがあるわけでありますけれども、しかし、そういう中において、何とか表面的にはやりくりをしている、地方公共団体が。やはり総務省から、お目付役から言われているわけでありますので、表面的には取り繕っている。しかし、一皮むけば非常に危機的な状況であることには変わらない自治体も、これから人口減少の時代、ますますこれはふえてくるのではないかということが懸念されているんですね。

 ですから、今後やはり、財政健全化法のあり方、またその評価の仕方ですけれども、これらについて、もっと改善をする余地があるのではないかという議論がありますけれども、これについてはどうでしょうか。

佐藤政府参考人 財政健全化法が施行されましてから相当の年数がたちまして、この間の運用については今申し上げたところでございますが、今、健全化をはかる指標として、普通会計については四つの指標で財政の状況を判断するということになっております。例えば、こうした指標で十分に地方団体の現状を把握できるかどうかというような問題が幾つか学識経験者などからも指摘されておりますので、この際、我々、全体としてこの機会に一度見直しを行いたいと考えております。

 もっとも、この種の指標というのはそう簡単に変えるという性格のものではないと思いますが、さらにこの実態をよく把握するようなやり方といいますか、そういう改善点はないかということを検討することにいたしております。

水戸委員 大臣にもお伺いしたいんですが、過去五年間の検証をしていただいて、足らざる部分は補っていくし、また変えるべきものは改善をしていくということを含めて、やはり財政健全化のあり方についていま一度見直すべきことは見直すということについて、大臣みずからもこれに意識を持たせてやっていただきたいと強く要望したいんですけれども、最後、大臣の御所見をいただきたいと思います。

高市国務大臣 今、局長からも答弁がありましたけれども、やはり大変厳しい状況でございます。歳入面ではとにかく税収をふやしていかなきゃいけない。経済対策は必要ですし、歳出面もめり張りをつけて歳出構造を見直していく、財務体質を強化するというのは喫緊の課題でございますので、見直すべきところは見直す、しっかりと改善を進めていくということを申し上げます。

水戸委員 これは、もちろんこれからますます財政的に世知辛く逼迫した状況になりますものですから、やはり客観的な、冷静な御判断をしていっていただきたいと思っております。

 それでは、次に、震災復興特別交付税について何点かお尋ねをしたいと思っております。

 これも、先ほど質問がされておりましたものですから重複する部分もあるかもしれませんけれども、きょうは復興副大臣もお見えいただいていますので、復興副大臣を中心にお話をお聞かせいただきたいと思っております。

 まず、現状、被災地においての復興状況、巷間いろいろな入札不調があるということですよね。人材不足、資材不足ですか、いろいろな形で、東京オリンピック等の影響もある等々含めて、非常に入札不調が顕著になっているというようなこともあるんですけれども、今、状況的に復興状況はどうでありましょうか。

吉田政府参考人 お答え申し上げます。

 国土交通省におきましては、被災地の復興事業の円滑な施工を確保するため、現場の最新の状況を把握し、その都度必要な対策を講じてきたところでございます。

 御指摘の入札不調につきましては、いわゆる価格が折り合わないことが主な原因と考えておりますことから、予定価格が市場の実勢に合うように、例えば公共工事設計労務単価の引き上げ、また復興係数による工事費の補正など、さまざまな対策を講じてきたところでございます。

 さらに、本年二月より、三度目となります公共工事設計労務単価の引き上げや、災害公営住宅における共通仮設費の引き上げ等の措置を講じたところでございます。

 これらの対策によりまして、被災地における入札不調は昨年度と比べ横ばいないし微減といった状況でございます。また、一旦不調になった工事につきましても、発注ロットの大型化ですとか見積もりの活用など、再発注時に工夫を行うことによりまして、ほぼ契約に至っており、積み残しは出ていないといったような状況でございます。

 引き続き、現場の状況をきめ細かく注視するとともに、必要な対策を機動的に講じてまいりたいと考えておるところでございます。

水戸委員 本当に現場のいろいろな御努力、御苦労には非常に敬意を申し上げる次第でありますけれども、やはり避難生活を余儀なくされている方々もいらっしゃるということを含めて、震災から四年が経過するという中において、さらなる御努力を強く要請したいと思っております。

 そして、これはもう御案内のとおり、五年間の集中復興期間を設定して、歳入面では約二十五兆円の財源を確保しようではないか、そして、それをベースにしながらいろいろな復興計画を持ち寄って、そして具体的な支出にこれを充てていこうではないかということなんですね。

 現状において、財源的なものとして二十五兆円確保されているのかどうかということも含めてなんですが、五年間のスパンというかスキームを考えてみた場合に、収入面と支出面はどの程度になっているのか、そして、二十七年度で一応五年間が経過するわけでありますけれども、今後の、さらに一年間の見通しも含めてなんですが、全体的な集中復興計画、その期間が、予算面において、収入面、支出面、どのような形になっていくのかについて具体的にわかれば教えてください。

長島副大臣 私の方から少しお答えをさせていただきたいと思います。

 まず、事実関係として、復興関連予算の執行状況を説明させていただきたいと思います。

 二十三年度から二十五年度までの予算額の総計は、おっしゃるとおり二十五兆円です。支出済み額は約二十兆円。ただし、財源フレーム的にいうと、東京電力に求償するものを引きますと、十八兆円の支出にとどまる見込みであります。

 復興庁では、二十七年度予算、今皆さんに御審議をお願いしておりますけれども、約三・九兆円、このことを踏まえて、集中復興期間、加速をするための予算を集約させていただきたいということで鋭意努力しているところでございますし、先ほど国土交通省の方からも少し不調等についてお話がありましたが、我々の方も、不調になったものを再入札する期間を少し短縮していただいたり、増額したものを復興庁として増額予算として見させていただいて、再入札を円滑に進めていただく等、やはり事業の円滑化にこれからも努めてまいりたいと思いますし、二十七年度、まさに、そのことを加速の集約期間として取り組んでまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。

水戸委員 確かに、歳入に見合った歳出というお話になるでしょうけれども、しっかりと実入りを確保されて、効果的な予算の執行に充てていただきたいと思っておりますが、先ほども若干出ておりましたけれども、では、二十八年度以降はどうするか。

 十年間という中において、五年間は集中期間である、その後また五年間は、前半戦の方、前半の五年間の経過を見据えて、そして後半戦というか、向こう五年間を考えていくという話になると思うんですけれども、しかし、復興増税は、御案内のとおり、所得税は二十五年間、さらには個人住民税は十年間をベースにして、国民から広く薄くいただくという形で五年間の財源的なものとしてやっているんですね。

 ですから、六年以降、再来年以降、二十八年度以降に関しましての財源的な手当ては、まだ非常に不透明というか未定になるわけでありますけれども、今後、二十八年度以降の復興財源の確保をどうしていくのかということについて、どのような考え方があるのか、どのような方向性があるのかについてお聞かせいただきたいと思います。

長島副大臣 御指摘をいただいたとおり、集中復興期間、平成二十七年度ということのくくりの中で進めさせていただいてまいりました。

 したがって、二十八年度以降どうするかということの前段として、二十七年度、まず加速をして、二十七年度中、できるだけ早い期間に、今まで何ができてきて、何が足りなくて、そしてこれから何が必要なのかといった事業レビューを、市町村や県と協議をしながら、しっかり確立をしていくこと。

 それに見合う財源をこれからどう手当てをしていくかについては、御指摘のとおり、まだ不透明でありますけれども、我々は、復興をとめるわけにも、歩みをとめるわけにもいきませんので、何とか、どんな形であれ財源を手当てしながら、その後、単年度でいくのか、五年のくくりの中でいくのかも含めた検討の中で、皆さんにできるだけ早いうちにお示しをしたいなというふうに考えているところでございます。

水戸委員 そうですよね。やはり、二十八年度、再来年度以降という話になるので、まだまだしっかりとしたスキームができていないということはわかるんですけれども、今後、地方財政計画においても、通常収支分と東日本大震災分を区分しておりますよね。

 では、この区分というやり方を、集中復興期間が終了する二十八年度以降も続けるというようなことも考えているのかどうかについてもお聞かせください。

佐藤政府参考人 東日本大震災が起こりましてから、相当規模の復旧復興事業が必要になるだろうというふうに思われましたときに、この地方財政計画の計上方法をどうするかということについては、二十四年度の計画を策定するときに随分検討いたしました。結果は、今おっしゃったように、通常収支とこの東日本大震災の復旧復興事業に係る分を分別して計上する、つくるということにしたわけでございます。

 これは、国においては、復興事業に係る歳入歳出を管理するための特別会計が設置されるということ、それから、被災団体が復旧復興事業に着実に取り組むことができるように財源を確保するということ、それから、被災団体以外の地方団体が通常の行政運営を安定的に行うことができるようにするということ、こういったことから区分して整理することにしたものでございます。

 二十八年度以降の地方財政計画の組み方については、先ほど来大臣からも申し上げておりますように、今までの復旧復興事業の進捗状況を踏まえてそのあり方が検討されますので、その中において、全体の復興財源のフレームや国の特別会計の取り扱い、そういったことを考慮しながら、この地財計画の計上方法を検討してまいりたいと考えております。

水戸委員 副大臣にお尋ねいたしますけれども、竹下復興大臣が、これは時事通信社かな、三月三日のインタビューの中で、こういう集中復興期間後に被災地方公共団体に負担を求める考え方があるかどうかを問われ、こう答えているんですね。全額国費は異例の措置である、しかし、本体事業等、全額国費でやる意義はあるが、復興といってもいろいろな事業があり、復興事業全部を負担し続けるのは難しいというようなコメントを出されているんですね。

 やはり、被災自治体に対して負担を求める考え方について、全部は無理だと。特定のものはそれは考えられるけれども、今までどおりの、この五年間みたく全額負担ということはちょっと難しいんじゃないかという意見を伝えていますが、副大臣はどういう思いですか。

長島副大臣 御指摘のとおり、大臣がそのような趣旨の発言をされたことは、私も承知をしているところでございます。

 前段として、先ほど申し上げたとおり、集中復興期間が終わる平成二十七年度に今までの事業をきちんと精査しながら、新たな五年間に向けた事業も含めて検討していくという時期でございました。その中で、大臣が地方負担のあり方についてお考えを述べられたことだろうと思っております。

 我々はまだそれを検討したわけでもありませんし、結果としてこれから答えを出していくわけでありますけれども、大臣は本体事業という言い方をされておりましたけれども、震災復旧復興にかかわる本体については、これからもやはり国がきちんと責任を持っていくことは継続をしていかなければいけないだろう、ただし、地方やそして被災者の皆さんが少しずつ自立に向かってもらうための財源のあり方をこれからは検討していきたいという旨の発言をされたんだというふうに私は受け取っております。

 自治体としてどうこれから自立を、いずれの機会に自立を図っていただくわけですから、自立を図っていただく時期を、これはもちろん我々が決めるわけではなくて、納税者である国民の皆さんや被災者の皆さんと、きちんと理解の得られるような説明をしながら、お互いに議論を尽くして方向を見出していきたい、そんなふうに考えているところでございます。

水戸委員 もちろんそうですね。被災された地方公共団体について、行く行くはやはり自立をしていただくんだというお気持ちの中でこれからも対処していくということはよくわかります。

 先ほども若干、これは総務大臣が答えている質問ですが、副大臣にあえてお伺いします。

 この震災復興特別交付税に関しまして、次年度は繰り越せるけれども、二年またいで繰り越すことはできませんから、不用額として返さなきゃいけないというようなものはありました。本来進めなきゃいけない部分に関しましても、今事業が不調だったり、いろいろとおくれていまして、結局、それができないから不用額としてまた返還するというような状況になっているんですけれども、本来やるべきこと、この集中復興期間でやるべき地方公共団体のさまざまな事業に関しまして、全額負担していますよね。それを二十八年度以降も、今までやり残したことに関しては、全額これは交付税としてやるというようなお気持ちでいいですか。

長島副大臣 先ほど少しお答えの中で述べさせていただきましたけれども、私は、本体業務、いわゆる生活再建、なりわい再建、そしてインフラ整備と、今まで国が責任を持ってきたことが、何らかの理由で、例えば入札不調が一つの原因だったし、地域の協議が少し長引いたために着工がおくれたということに対しては、やはり国がきちんと責任を果たしていくべきだというふうに思っております。

 ただし、自治体負担ということを言った途端に、何となく復興がここで終わってしまうのではないか、復興がこれで終息してしまうのではないかという捉え方をもしされるんだとしたら、それは決してそうではなくて、我々はきちんと復興については国が責任を果たしていきます。ただし、いずれの時期に自治体も被災者も自立をしてもらうために、それがやはり負担をしてくれている納税者に対する責任のあり方だと思うので、そのことも二十七年度中に議論をしていかなければいけないという見地に立っておりますから、ぜひ御理解を賜りたいというふうに思います。

水戸委員 先ほど総務大臣も、今副大臣も、同じようなことを言っていただいてちょっと安心しているんですけれども、二十八年度以降も、本来この集中復興期間でやるべきことについて、やり残した、積み残したことに関しては、やはり国が一〇〇%責任を持ってそれに対しては対処すべきであると私は思っていますので、その点は重々御認識をいただいて、また対処をするような方向性をつけていっていただきたいと思っていますので、よろしくお願いしたいと思っております。

 それでは、三点目に入りますが、これも先ほど若干出ておりました公営競技納付金制度についてでございます。

 公営競技は、御案内のとおり四つのものがございまして、競輪、競馬、競艇、オートレースという形で、これを所管する官庁も三つに分かれているというような形になっているんですね。

 そもそも、この公営競技というものを各地方自治体において全国展開してきたといったことは、どういうことでこの公営競技を、全国自治体が施行団体として、もちろん、単独な場合もありますし、組合をつくる場合もありますけれども、どういう形でこういうものを展開してきたのかというこの公営競技のそもそもの意義、そしてこれに対して総務省はどうかかわってきたのかについて簡潔にお話をしてください。

佐藤政府参考人 地方公共団体の行います公営競技につきましては、それぞれの競技法というものがございまして、その中で、関連産業の振興ですとか公益の増進、さらには地方財政への寄与ということが目的として書かれてございまして、そういう目的のもとに実施されているものでございます。

 総務省は、地方競馬、競輪及びモーターボート競走を行うことができる市町村を指定するという役割を持っております。そのほか、地方団体が行う公営競技の経営に対する技術的助言も行うということになっております。

水戸委員 この公営競技、先ほど平成三年がピークだったというお話がございました。実際、金額的なベースもあります。確かに、金額的なベースからいえば、これは平成二十三年度までのしかありませんけれども、平成三年に比べれば収益は何と二十四分の一です。それから、売上高は五分の二ぐらいですね。

 ピークに比べればかなり落ち込んでいるというような状況であることには変わりありませんけれども、では、これは金額的なベースもありますが、実際にこの十年間ぐらいで集計した場合、十年前と現時点においての黒字団体もしくは赤字団体の数、四つの競技別にお答えいただきたいんですが、いかがでしょうか。

佐藤政府参考人 まず、四競技全体で申し上げますと、十年前の平成十六年度においては、主催団体が百二十八ありましたが、このうち単年度収益が赤字の団体が七十六ございました。平成二十五年度においては、主催団体が、これはもう減少しております、百三ございますが、このうち単年度収益が赤字の団体は三十二団体となっております。

 これを競技別に見ますと、以下、単年度収益が赤字の団体数を申し上げますが、地方競馬については、平成十六年度が十八団体中十八団体、平成二十五年度が十四団体中六団体、競輪については、平成十六年度、六十団体中三十一団体、平成二十五年度、四十六団体中十五団体、オートレースについては、平成十六年度、八団体中七団体、平成二十五年度、七団体中五団体、モーターボート競走については、平成十六年度、四十二団体中二十団体、平成二十五年度、三十六団体中六団体というふうになっております。

水戸委員 今、全体的なパイもかなり縮んできてしまっているということになりますし、また、赤字団体も、単年度赤字についても非常に厳しいようなところもあるというお話は今の数値を見ても一目瞭然でありますが、赤字の施行団体は、どういう形で、赤字を抱えながら、赤字を補填しながら経営をしているのか。今まで、税金を投入してまでも何とかやりくりをしているという団体があるのかどうかについて、現状はどうなのか、お聞かせください。

佐藤政府参考人 公営競技につきましては、その年によって、大きなレースがある場合には売り上げがふえて収益がふえるというふうなこともございまして、やはり、年度間のでこぼこといいますか、それがかなりあります。

 単年度収益が赤字になった場合には、累積黒字、これは過去の黒字ですけれども、これがある団体においては、それを繰り越して活用するというふうなことがございます。それから、過去の累積黒字を財政調整基金のような形で積み立てている団体にあっては、それを取り崩して充てるというふうなことがあります。いよいよそういったものがないという団体については、翌年度の歳入を繰り上げてその年度の歳入に充てるというふうなことで対応しているものと考えております。

水戸委員 大臣、ちょっとお伺いしたいんですが、今言ったように、数値的なものもそうでありますし、赤字団体が取り崩し分を含めて何とかその赤字の穴埋めをしているというようなところが現状なんですね。

 公営競技、先ほど冒頭お話をいただきましたとおり、やはり、地方財政に対する寄与、貢献をしていくんだということもその側面ではあります。しかし、昨今、こうした公営競技の経営状況の悪化によって、先ほども御答弁の中にありましたけれども、一般会計への繰り出し金も大幅に減少しているという状況でありますが、本来的に、そもそも公営競技を立ち上げて施行団体にやらせている目的が果たせていないということに鑑みれば、その意義があるかどうかについて、公営競技の現状についてはどういう形で大臣は認識をされていますか。

高市国務大臣 そもそも、公営競技の納付金制度ですけれども、施行団体に偏在する収益金の全国的な均てん化を図るという目的で創設されたものであります。

 ですから、一定以上の収益を上げている施行団体が、収益の一部を地方公共団体金融機構に納付して、金融機構においてこれを活用して地方公共団体向けの貸付金利を引き下げるということで地方財政全体に貢献する仕組みで、これによって、刑法の特例として認められている公営競技が社会的にも認められている要素となっています。

 ただ、最近の状況を見ますと、公営競技の売上高、先ほど来出ていますように、平成三年度をピークにして減少傾向にございます。だから、売上高の減少率よりも収益の減少率の方が大きいために、繰り出し金や納付金の額が交付金の額よりも大きく減少して、交付金の占めるウエートが高くなってきている、こういう状況にあると思っております。

水戸委員 これからの展望をどういうふうにして開いていくかということ、一応、五年間この納付金制度もやるということになるわけで、今動こうとしているわけでありますけれども、先ほどから、平成三年度というのがピークであったという話がありました。

 そもそも、この公営競技施行団体が行うものとしては、地方行政への財政的な寄与ということもあります。だからこそ、その収益金は、それを施行する団体、市町村等々含めて、一般会計へその収益を充てていこう、一部をそこに繰り出し金という形で充てていこうというのが一つの目的である。

 そして、さっき言ったように、所管庁が三つありますけれども、そこにある程度関係する振興団体がありますから、その振興団体の交付金に充てて、そして、畜産の振興とか、船舶の振興とか、機械の産業振興などにそれを交付金という形で当て込んでいこう、そういう目的もあります。

 総務省が所管をされている、先ほど来から申し上げている公営競技納付金、こういうものにも充てていこうという形で、収益というものを大きくこの三つに使っていこうということで公営競技というのは施行団体において行われているという話なんです。

 しかし、さはさりながらも、平成三年度は、確かに、全体を一〇〇とした場合、それを行う施行団体に対して繰り出し金という形で一般会計に当て込んでいこうというのが六一%、そして各振興団体に対する交付金には二九%、そして総務省が所管をする公営競技納付金というものに対しては一〇%という形で、この一〇〇というものを、六一、二九、一〇という形で配分をしたんです。

 しかし、平成二十五年度、昨年度は、この率も非常に変わっていまして、全体的な金額が低下しているものですから、繰り出し金は全体の三〇%、そして交付金が逆にウエートが高まって六五%、納付金はわずか五%という形になっているんですね。平成三年に比べて、金額的にもかなり落ち込んでいる部分がある。そして、その落ち込んだものを分配するその比率も、随分と、どちらかといえば、振興団体に対する交付金の比率が非常に高まっているんですね。

 そもそも、地方公共団体としましては、地方財政への寄与というものが目的でありました。しかし、今、残念ながらそうではなくて、いわゆる振興団体に対しての交付金の比率の方が高まっているということになってしまっているわけであります。

 だから、結局、繰り出し金よりもいわゆる振興団体に対する交付金の比率が高いという現状について、今どのような御認識でしょうか。

佐藤政府参考人 御指摘のとおり、公営競技の目的については、先ほども申し上げましたように、各競技法において、地方財政への貢献のほか、業界振興ですとか社会福祉への貢献というものが挙げられておりまして、そういった法の趣旨を達成するために、交付金、それから繰り出し金、納付金というような制度があるわけでございます。

 大臣から先ほどちょっとお答えいたしましたが、平成三年度をピークに売上高が減少しておりますために、売上高の減少よりも収益の減少率が大きいということから、交付金の額よりも繰り出し金や納付金の額が小さくなってきている。おっしゃったような、交付金の占めるウエートが高くなっているものと考えます。

 まずは、地方財政の観点からは、当然、公営競技施行団体の財政への貢献ということと、それから、我々の持っている制度であります納付金を通じての他の団体への貢献という両方を追求していきたいと思っておりますが、売上高の向上、収益の回復というのが最重要課題でありまして、そのことによってそういった趣旨が達成されると思っております。

 各振興団体への交付金については、法律にそれぞれ定められておりまして、やはり法律の目的を達成するためには必要なものと考えておりますが、そのあり方については、これまでも売り上げの減少に応じて交付金の率を引き下げるというような改正も行われております。担当の省庁において十分検討されるべきことかと思います。

水戸委員 確かに、競馬、競輪、競艇、オートレース、四つの種目に関しては三つの所管庁がある。それで、それぞれ法律によって、それに付随するような振興団体に対しての交付金の率も決まっているという形で、ある意味収益金を、繰り出し金で出すのか、交付金として出すのか、さらには、このような形で納付金として出すのかという形で、分捕り合戦じゃありませんけれども、そういう形でそこを分け合っているという部分があります。

 確かに、振興団体が行うような畜産振興とか船舶振興、機械産業振興、これは決して、それをやめろという意味ではありませんけれども、そもそも、地方公共団体という中において、市町村や都道府県が、自分たちが公営競技を開催して、何とか自分たちの財政に寄与できるような形で運営をしていこうじゃないかという形でやっているものですから、そもそも主体はそこでありますので、結局、まず地方財政への寄与というものをメーンとして考えて、そして今後のこうした交付金の比率のあり方というものを考えていかなければ、本末転倒になるんじゃないかと私は非常に危惧しているんですね。

 まして、今言ったように、時代の流れとともに交付金の率の方が高まっていて、本来地方財政に寄与すべきものの比率が低くなっているものですから、やはり今後、所管庁とも話し合いをしながら、この率のあり方を総合的に私は見直していく必要があると思うんですが、いかがでしょうか。

佐藤政府参考人 これまでも、ただいま申し上げましたように、各振興団体への交付金というものについては、それぞれの省庁で見直しが行われたことがあります。また、今問題にしております納付金の制度につきましては、五年前に抜本的な改正を図り、また今回、五年の延長をお願いしているというような状況でございます。

 幸い、さまざまな努力で、平成三年度から一貫して下がってきた売り上げが、ここ数年は、横ばい、ないしは微増ということになっておりますので、まずは、最大限この売り上げの増、収益の増ということにそれぞれの団体が努力をすることが先ではないかというふうに考えております。

水戸委員 大臣に最後お伺いしますけれども、先ほども若干御答弁でもございました、制度の延長を考えているということでありますものですから、五年後、十年後という、いわゆる中長期的な流れの中において公営競技がどうあるのかということですね。

 もちろん、数字的な面からも、本当に、この数値を見れば、だんだん下がっていっているということで、なかなか歯止めがかからないという状況でありますから、今後こういう形で推移をしていくのかといったときに、地方財政に対する貢献をさらに高めていくならば、やはりこうした、先ほど言ったような振興団体との調整も必要でありますし、納付金制度そのものに対しても、これはそろそろやめにして、繰り出し金を全額繰り入れるということも含めて考えていく必要があるんじゃないかと思うんです。

 公営競技とこれを施行する団体との全体像について、今後どのような形で進められるおつもりでありますか。それを最後にお答えください。

高市国務大臣 今回の納付金制度の延長に当たりましては、地方六団体等からの要望も踏まえまして、施行団体の経営状況にも配慮して、暫定的に納付額を現行の算定方式から二〇%減額することとしておりまして、各競技施行者協議会からの理解も得て実施するものであります。

 やはり、納付金の額は減少しているんですけれども、法律の規定に基づいて、毎年度納付金が納付されることによって、金融機構から地方公共団体への貸付金利を引き下げるという仕組みは安定的に維持されておりますので、また、そのことが金融機構に対する市場からの信認にも貢献しております。

 今後、総務省としてですけれども、各施行団体の経営合理化支援をしっかり行いながら、業界を挙げた経営改善努力が進められて、収益が改善し、繰り出し金、さらに納付金の増によって、地方財政への貢献という公営競技本来の目的を達成できるように、支援をできる限り行っていきたいと思っております。

水戸委員 まさに、地方創生、地方創生といっても、これは地方再生ですよね。再生にどれだけ公営競技というものが寄与できるかということであれば、十二分私も注意してこれからも見守っていきたいと思っていますし、全力を挙げて総務省としても取り組んでいただくことを強く要望します。

 きょうは空き家対策をやろうと思ったんですが、国交省の人たち、済みません、せっかく来ていただきながら。空き家対策に関しましては、また後日改めてさせていただきたいと思っております。

 ありがとうございました。終わります。

桝屋委員長 次に、田村貴昭君。

田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。

 被災自治体における公務労働者のメンタルヘルス対策及び合併自治体の支所機能の役割、その意義、拡充についてきょうは質問をします。

 まず、被災自治体に働く職員のメンタルヘルス対策についてであります。

 東日本大震災の被災地域で復旧復興に携わる自治体職員が疲れ、ストレス等から心の健康を害し、大きな問題となっています。自分が頑張らなければならないと少ない人員の中で被災者支援と復興の先頭に立ってきた自治体職員のことについては、先週の委員会でも取り上げたところであります。

 NHKが、ここ数日ニュースや特集で、疲弊する自治体職員の問題を取り上げてまいりました。その中で、福島県立医科大学の前田正治教授が福島県の自治体で心の状態を調べたところ、年間一、二%しか発症しないとされているうつ病の症状を訴える職員が、ある自治体では二一・一%にも上っているとのことでありました。

 膨大な業務量を抱え、やったことのない仕事にいきなりつかざるを得ない、プロフェッショナルとして成果、結果を出さなくてはいけない、心ない言葉を浴びせられることもある、そしていつ終わるかわからない閉塞感。職員は、こうして複合的なストレスを抱えていきます。

 番組は福島県の自治体職員を取り上げましたが、福島だけの問題ではありません。復興のかなめの職員がこういう事態に追い込まれることがないように、対策を講じる必要があります。支える側を支える、この施策を進めていかなければなりません。

 そこで、伺います。総務省として、被災地で働く自治体職員全体の精神保健状況について把握されていますか。教えてください。

丸山政府参考人 お答えいたします。

 東日本大震災の発災から間もなく丸四年となります。被災自治体の職員は、みずから被災された方も多い中で、長期にわたって困難な業務を担当され、心身の大きな負担が懸念されるところでございます。このため、職員の健康管理や安全衛生対策にも十分配慮しながら、復旧復興業務に当たっていただくことが重要であると考えております。

 復旧復興業務に従事されている職員の精神疾患等の健康状況につきましては、総務省から個別に調査することは、被災自治体の事務負担にも考慮して、慎重に考えておりますが、総務省としては、被災自治体からの要望や職員からのアンケート調査等によりまして、被災地の状況、必要な対策等を把握し、地方公務員災害補償基金とともに、総合的なメンタルヘルス対策を実施しているところでございます。

田村(貴)委員 被災者支援が今とりわけ重要だというふうに思います。

 政府として、メンタルヘルス対策、やっている取り組みがありましたら、その事業について説明を受けたいと思います。

丸山政府参考人 お答えいたします。

 総務省として取り組んでいるメンタルヘルス対策の内容でございますけれども、地方公務員災害補償基金とともに、派遣職員も含めた被災自治体の地方公務員に対しまして、プライバシーにも配慮したストレスチェックや臨床心理士によるカウンセリング、専門家によるセミナーなど、メンタルヘルス対策として考えられる諸施策を網羅したメンタルヘルス総合対策事業を現在実施中でございます。

田村(貴)委員 その地方公務員災害補償基金によるメンタルヘルス総合対策事業について、参加団体数、そして参加者数について、直近の数字でいいですので、教えてください。

丸山政府参考人 お答えをいたします。

 メンタルヘルス総合対策事業につきまして、参加者、あるいは実施団体数についてでございますが、年度別にお答えいたしたいと思います。

 平成二十四年度につきましては、実施団体数百二団体、延べ参加人数で二万九千八百六十二人。平成二十五年度は、実施団体数百二十一団体、延べ参加人数八万六千五十二人。平成二十六年度は、まだ事業を実施中ではございますが、実施予定団体数で百三十七団体、延べ参加の予定人数で平成二十五年度の参加者を上回る見込みでございます。

田村(貴)委員 平成二十六年度は、百三十七団体、延べ八万六千五十二人、それを上回るというようなお答えでありました。

 三県を初め、特定被災地方公共団体があります。それから特定被災地域がありますが、そのいずれかに含まれる地方公共団体は九県で、二百二十七自治体あります。心の病にかかりながら、また発症の可能性がありながら、ストレスチェックすら受けていない自治体職員が私はまだおられるのではないか、多く存在しているのではないかという意識を持っています。

 そこで、大臣にお伺いしますけれども、基金によるメンタルヘルス総合対策事業でも他の制度であっても、何らかの形で被災地全ての自治体で働く職員の疲弊を見る、そういう必要があると考えますけれども、メンタルヘルス対策を拡充すべきではないでしょうか。御所見をお伺いしたいと思います。

高市国務大臣 被災自治体の職員の皆様、それから派遣されている職員の皆様が復旧復興事業に日々従事されて、心身ともに大変なお疲れがあることは承知をいたしております。

 それで、復興業務に携わっておられる職員の健康管理、それから安全衛生対策の必要性を踏まえまして、地方公務員災害補償基金とともに、まず事業を周知するということ、それから事業内容の充実を図ってきたことによりまして、メンタルヘルス総合対策事業の実施団体数、延べ参加人数はふえてきていると承知しています。

 また、毎年度、被災自治体や職員を派遣しました団体に対しまして、メンタルヘルス総合対策事業の活用をお願いしております。それから、具体的に要望がおありかどうかということもお伺いいたしております。

 このメンタルヘルス総合対策事業を実施していない被災自治体もあるかと思うのですが、そこでどのようなメンタルヘルス対策を行っているか、全てを把握しているわけではございませんが、震災前からストレスチェックを実施している被災自治体におかれましては、ストレスの変化を調べたり、それからチェック項目の継続性というものを図るために、従前のストレスチェック実施事業者を活用しておられる、こういうところもあると聞いております。

 これは、各被災自治体において、被災の状況ですとか復旧復興業務に従事されている職員の皆様の健康状況について適切に把握されて、メンタルヘルス対策を実施しているものと考えております。

 しかしながら、引き続き、被災自治体からの御要望も伺いながら、対策には努めてまいります。

田村(貴)委員 大臣、お答えありましたように、経過もありますし、その自治体独自の取り組みもあると思います。やはり漏れがないようにしていただきたいということであります。

 きょうは、復興庁の長島副大臣にもお越しをいただいております。山古志村の村長として災害対策の先頭に立たれてきた副大臣でありますので、このメンタルヘルス対策の重要性は十分御承知だというふうに思っております。

 復興庁として、メンタルヘルス対策について取り組みはございますか。教えてください。

長島副大臣 私の方からお答えをさせていただきたいと思います。

 確かに、私も、間もなく四年を迎える被災地、三月十六日から被災地に入って、幾度となく被災自治体の職員に接してまいりましたけれども、本当に我が身を顧みず被災地の業務に精励されている姿には、心から敬意を表して、頭を下げたい思いで実はいっぱいであります。

 総務省が実施をしているメンタルヘルスケア対策、このことも我々もきちんと受けとめながら、できるだけ被災自治体の業務の軽減を図っていきたいということで、自治体の業務をアウトソーシングしたり、そして足りない人材についてはマンパワーの確保ということをしながら、やはり被災自治体の職員の健康、あるいは精神対策に向けていきたいと思います。

 御指摘のとおり、私もかつて被災地におった者として、被災者でありながら被災者に向き合うということの大きな悩み、そして、想像もできない膨大な仕事量がのしかかってきたときの使命感、責任感、このことはやはりかなり大きなプレッシャーとなって襲いかかるものだと思いますし、応援職員、そしてプロパー職員、なかなか業務の分担ができなくて悩まれている自治体もおありのようです。

 ゴールのないマラソンを、ある意味、駆け抜けろということでございますから、メンタルケアについてはこれからも復興庁として関係省庁と連携をとりながらきちんとやってまいりたいと思いますので、御理解を賜りたいと思います。

田村(貴)委員 膨大する事業量の軽減、負担の軽減、そしてメンタルヘルス対策に努力をしていくということで伺いました。

 副大臣、今からメンタルヘルス総合対策事業の中身についてちょっと子細に尋ねていくんですけれども、非常に大事な問題でありますので、一番最後にまた御所見を伺います。

 メンタルヘルス総合対策事業の中身について、この子細について一つ一つ伺いたいと思います。

 先ほど御答弁ありましたように、ストレスチェック、カウンセリング、それから、メンタルヘルスセミナー、職員の心の健康回復事業、メンタルヘルスマネジメントの四つの事業がございます。

 通常支援プランと重点支援プラン、この二つがあるんですけれども、重点支援プランは四事業フルサポートで三年継続というふうになっております。この四事業フルサポート三年継続の意義について御説明をいただきたいと思います。

丸山政府参考人 お答えをいたします。

 メンタルヘルス総合対策事業のうち重点支援プランでございますけれども、委員から御指摘がございましたとおり、ストレスチェック、カウンセリング、メンタルヘルスセミナー等の事業を平成二十五年度から三年間、同一の事業者が実施するプランとなっております。

 この重点支援プランを利用することによりまして、同じ事業者が三年間を通じて地方団体の状況を把握するため、継続的に効果的な助言を受けながらメンタルヘルス対策を実施することができること、また、専門的見地から事業メニューが構成されているので、全ての事業メニューを実施することで最も効果的にメンタルヘルス対策を行うことができること、さらに、継続的に事業を実施することによりまして、定点的な状況把握が可能となること、こういったメリットがあると考えておりまして、私どもも、この事業の意義を周知いたしまして、活用を促しているところでございます。

田村(貴)委員 ほかの自治体から派遣された職員については、この四コース、フルサポートは適用されるんでしょうか。

丸山政府参考人 このメンタルヘルス総合対策事業でございますが、東日本大震災の被災地域の職員に加えまして、被災地域に派遣された職員についても対象としているということでございます。

田村(貴)委員 では、その派遣された職員が三年以内に派遣元の自治体に戻った場合に、フルサポートのメンタルヘルスは受けられるのか、これについてお答えいただきたいと思います。

丸山政府参考人 お答えをいたします。

 被災自治体に派遣された職員が派遣元の地方団体に戻った場合でございますけれども、メンタルヘルス総合対策事業のうち、ストレスチェック、カウンセリング、メンタルヘルスセミナー等の事業メニューを選択して実施することができる通常支援プランを利用する仕組みとなってございます。

 なお、先ほど重点支援プランについてお答え申し上げましたけれども、この通常支援プランと重点支援プランの事業メニューの内容は同一でございます。

 また、事業の継続性ということも重要でございますので、派遣元の地方団体からの要望がありますれば、職員ごとのストレスチェックの結果を産業医または保健師の方に提供することは可能としておりまして、そのことを通じて事業の継続性も確保できる、そういった手当てをしているところでございます。

田村(貴)委員 派遣された職員についても、派遣元の自治体に戻った場合は適用が可能だということも確認できました。

 次の質問です。

 うつなどの心の病をもし発症した場合に、この制度では、診療などの手だては受けられるんでしょうか。

丸山政府参考人 お答えをいたします。

 メンタルヘルス総合対策事業につきましては、被災自治体で復旧復興業務に携わる職員の方が心身の疲弊から心の健康を害し、重大な公務災害が発生することのないように、未然に防止するために実施されているところでございます。

 このため、ストレスチェックによりまして、職員がみずからストレス状態を把握し、高いストレスにある職員の方がカウンセリングを受診いただくことが重要であると考えております。

 具体的に申し上げますと、盛岡、仙台、福島、郡山の各市を拠点として、臨床心理士と面談してのカウンセリングですとか、電話、メール等によるカウンセリング、さらに職場に臨床心理士を派遣してのカウンセリングといったさまざまな機会を通じて専門的なカウンセリングを行い、職員の心の負担の軽減を図るとともに、必要に応じて医療機関での受診を御案内するといった取り組みをしております。

 こういった取り組みを通じまして、ストレスチェックによる現状把握と適切なカウンセリングを実施いただくことができますので、不幸にも精神疾患等を発症された場合においても、被災自治体において医療機関との連携を効果的に図ることにつながるものと考えてございます。

田村(貴)委員 それでは、メンタルヘルス総合対策事業の対象外となる職員は、どういう任用形態の職員でしょうか。

丸山政府参考人 お答えをいたします。

 メンタルヘルス総合対策事業の対象となる職員につきましては、地方公務員災害補償基金が公務上の災害または通勤による災害に対する補償等を行っている職員となっております。

 具体的には、常勤職員及び非常勤職員のうち常勤的な勤務形態の職員、さらに、再任用の短時間勤務職員、任期つきの短時間職員等でございます。つまり、常勤または常勤的な職員、さらに、短時間の勤務であっても本格的な業務に携わる職員を対象とさせていただいているところでございます。

 これに該当しない臨時職員等はこのメンタルヘルス総合対策事業の対象とはなっておりませんけれども、労働安全衛生法等によりまして、それぞれの地方団体におきまして所要の対応、配慮が図られることとなっております。

田村(貴)委員 所要の対応が得られなかったら、これは困るわけでありまして、最後のところなんですけれども、対象外となる職員が存在します。例えば、庁舎で事務作業に当たっている、端末を操作しているパートの職員さん、こういう人たちはこのメンタルヘルス総合対策事業の対象外になる可能性があります。

 地方公務員災害補償基金の実施の取りまとめの調査結果があります。これを見ますと、男性より女性のストレス度が高いと報告をされています。そうですよね。平成二十五年六月、十一月というのがあるんですけれども、抑うつ気分、不安、怒り、自信喪失、無気力、絶望、引きこもり、依存、対人不信、思考力低下、侵入的思考、身体反応、その全てにおいて女性が男性より上回っているということであります。女性の方が、非常勤職員、多いですよね。

 職務を問わず、それから任用の形態にとらわれず、震災復興に向き合う自治体職員の心の健康にまさに心を寄せていただきたいと思うわけであります。対策を進めていただきたい。

 今、一問一答、子細な質問を私しましたけれども、それぞれに検討課題があると思うんです。これを今年度の施策にぜひ生かしていただきたいというふうに思います。

 大船渡市の保健室の話を紹介したいと思います。

 岩手県の大船渡市では、保健室を設置して、産業医と嘱託の保健師が職員の健康チェックに当たっています。市の職員は約五百人、応援派遣の職員が八十五人おられます。正規、非正規、派遣問わず声をかけて、ここが大事ですね、正規、非正規、派遣問わず声をかけて相談に応じています。相談件数は被災の年の二〇一一年度が二百七十七件、二〇一二年度が二百三十四件、二〇一三年度が二百四十三件と年々ふえているわけであります。メンタル不調の職員には、産業医から総務部局や部局責任者に要請して、職員の休養を確保するようにしているとのことであります。

 メンタルに陥る前に休ませる。一時期、他の職員の負担は確かにふえます。しかし、休暇の後に職場に戻ってきますので、中長期的には体制が維持できるとされています。こうした大船渡市の保健室の対応なんかは非常に教訓的であります。ぜひ参考にされてみてはいかがと思いますけれども、部長、いかがでしょうか。

丸山政府参考人 東日本大震災は本当に大きな災害でございまして、この復興に当たっては、さまざまな対策を多角的に講じていくことが重要であると考えております。

 私どもも、被災地の状況あるいは被災自治体の要望ということをよくお聞きいたしまして、例えば、必要となる職員について、応援職員も含めて人的派遣の強化を行っておりますし、また、そこで働いていただいている被災された地域の職員の皆さん、派遣された職員の心身の安全確保の点についてもできるだけの工夫をさせていただいているということでございます。

 その場合、やはり一番御負担を生ずると懸念されますのが、常勤で働いていらっしゃる方あるいは本格的業務に携わっていただいている方ということでございまして、そこに対しては、先ほど来お答え申し上げておりますような総合的な対策事業を講じておりますけれども、その他の職員の方もそれぞれ復興の一翼を担い、御努力いただいていることは十分に承知しております。

 被災自治体の声をよく聞いて一緒に考えていきたい、こう考えてございます。

田村(貴)委員 総合対策事業は非常に重要な役割を果たすものと私も認識をしております。その実施団体の中で、ある部局は手を挙げた、しかしこの部局は要らないであろうと判断されたら、その時点で心の病を見落としてしまうこともありますので、十分留意をしていただきたいと思います。

 ところで、地方公務員災害補償基金のこのメンタルヘルス総合対策事業は二〇一五年度までとなっています。財源についてはどういうことになっているんでしょうか。

丸山政府参考人 お答えいたします。

 地方公務員災害補償基金が実施しております被災地域の復旧復興活動に従事されている地方公務員に対するメンタルヘルス総合対策事業の財源に充てるため、平成二十四年度に各地方公共団体から納付していただいた特別負担金がございまして、これを財源として行っているところでございます。

 また、この特別負担金の納付につきましては、それぞれの地方公共団体に対しまして、特別交付税による財源措置が講じられているところでございます。

田村(貴)委員 自治体からの特別負担金に特別交付税で措置をしたということであります。つまり、震災復興の事業それから集中復興期間の財源スキームとはリンクしない制度である話なんですね。だからこそ、地方自治を所管して、そして被災地に自治体職員を派遣している総務省の仕事として、メンタルヘルス対策事業の継続、それからメンタルヘルス対策の充実を図るべきだというふうに思います。

 高市大臣、それから長島復興副大臣、東日本大震災では、津波と地震によってとうとい命が犠牲となりました。災害関連死も大きな問題となっております。また、自治体職員においても、残念ながら自死の道を選んだ方もおられます。職務を問わず、そして任用の形態にとらわれず、震災復興に向き合う自治体職員の心の健康にまさに心を寄せて対策を進めていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。大臣からどうぞ。

高市国務大臣 被災地では今もなお、そしてまたこれからも、職員の方々が復旧復興事業に本当に昼夜を分かたず従事しておられます。大変な御苦労があることから、メンタルヘルス対策というのは重要だと考えております。

 このメンタルヘルス総合対策事業は平成二十五年度からの三カ年事業でありますけれども、平成二十八年度以降につきまして、これまでの実施結果、それから被災地の状況、被災自治体の御要望などを踏まえながら、適切に対応してまいります。

長島副大臣 復興庁といたしましても、総務省の事業を見届けながら、連携をしながら、やはり被災地で一人でも悲しい思いをする人がいないように寄り添ってまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

田村(貴)委員 続いて、次の質問に移りたいというふうに思います。

 自治体の支所機能の意義とその拡充について、きょうは防災上の観点から質問をします。

 総務省は、市町村の姿の変化に対応した交付税算定として、合併市町村の支所に要する経費を交付税に反映させる措置を二〇一四年度、平成二十六年度から始め、五年程度の期間で行おうとしています。災害等の拠点として支所の重要性が増すなど、合併時点では想定されなかった新たな財政需要が生じておりとしています。

 そこで、伺います。災害時の拠点としての支所の重要性とはどういうことでしょうか。御説明してください。

佐藤政府参考人 合併市町村の支所につきましては、平時にあっては、窓口サービスを初め、住民サービスを身近なところで提供するという役割を持ちますし、また、旧市町村のコミュニティーなどへの支援というような役割も担っております。いざ災害が発生した際には、災害時の拠点として重要な役割を果たしていると思っております。

 特に、この支所における災害時の拠点としての機能に関しては、合併市町村からさまざまな意見を聞きますと、一般的に、情報収集という意味で重要な機能を担っているとか、あるいは炊き出しの拠点となる場合があるとかという話もありますが、さらに、災害時には支所に現地対策本部を置いて、その地域の実態をよく把握している職員が適切に対応することが可能になるというようなことですとか、支所長を避難勧告の実施権者として支所に権限を移譲することで、早期の対応あるいは被害の軽減ができたというようなことが言われております。

 こうした点を踏まえて、この支所の財政需要を交付税算定に反映させることにしたものでございます。

田村(貴)委員 内閣府の方にお尋ねしたいと思います。

 東日本大震災を受けて、二〇一一年、防災基本計画が変更されました。風水害の災害情報の収集、連絡はとりわけ重要でありますけれども、住民の避難誘導に関する変更があったというふうに伺っています。それについての説明をしていただきたいと思います。

兵谷政府参考人 お答えいたします。

 平成二十三年に行いました防災基本計画の修正では、風水害対策編における住民の避難誘導等について、地方公共団体が災害対策本部の置かれる本庁舎において十分な状況把握を行えない場合は、被災地近傍の支所等において避難勧告のための判断を行うなど、適時適切な避難誘導に努めるものとの記述を追加いたしております。

 これは、同年七月の新潟・福島豪雨災害や、八月から九月にかけての紀伊半島を襲いました台風十二号において、現場の迅速な判断が住民の避難を判断するのに大いに役立ったこと、例えば先ほど述べました台風十二号の際には、奈良県の五條市では、大塔支所において、その支所長の判断で住民を避難させたことが功を奏したことなどを教訓として改定したものでございます。

田村(貴)委員 その変更点において、昨年八月に兵庫県の丹波市で水害が発生しました。そのときに、支所からの発信で避難勧告が出され、住民の大半が避難することができたというふうな話を伺いました。

 その事例について、ちょっと時間がありませんので、簡単に経過報告してもらえますか。

兵谷政府参考人 昨年八月十七日の丹波市の土砂災害におきましては、時系列で御説明いたしますと、その前日の午後八時ごろに大雨警報が発表され、丹波市では二十一時と二十三時に災害警戒本部会議を開催し、その後、翌十七日の午前零時二十分に土砂災害警戒情報が発表されましたため、地方気象台等に助言を求め、さらに一時には災害警戒本部会議を開催し、各支所への見回りを指示いたしました。

 各支所では、被害状況を確認し、一時三十分に本庁に避難情報の発令を要請いたしまして、本庁では、そうした報告や要請を踏まえ、午前二時に避難勧告を発令いたしました。三時に土砂災害が発生いたしましたので、まさにこれは本庁と支所とがうまく連携した事例であると考えております。

田村(貴)委員 その丹波市での取り組みは非常に教訓的な事例だというふうに私も理解します。

 丹波市の市島支所には、その後、復興推進本部が置かれて、これまでの十人の支所員に八名が加わって、被災した住民への対応も厚くなったというふうに伺っています。災害現場における判断それから行動がいかに重要であるかを物語っています。

 災害時における支所の果たす役割というのは災害対策上極めて重要であることが答弁からもわかりました。総務省からも確認できました。

 高市大臣、きょう私がなぜこのことを質問したかと申しますと、今年度からの交付税算定をもってしても、自治体によっては、財政上の問題等によって支所機能を引き下げてしまったり、人も機能も本庁へシフトしてしまったり、あるいは支所そのものを廃止するところが出てきているからであります。

 平成の大合併で自治体の面積がとても大きくなりました。例えば本庁舎そのものが水没してしまったら、例えば倒壊してしまったら、もうその途端に行政機能は麻痺してしまいます。だから、先ほど答弁がありましたように、支所機能が重要であります。

 防災、情報判断、情報提供、住民の避難誘導、そして復旧活動の基点となる支所がしっかりその役割を果たせるようにすることが大事であると考えます。そして、支所が今大変だったら、それを再建できるように財政支援措置をすべきである、私はそういうふうに考えますけれども、大臣、いかがでしょうか。

桝屋委員長 高市総務大臣、時間が来ております。簡略にお答えを願います。

高市国務大臣 合併市町村の支所は、住民サービスの維持向上、コミュニティーの維持管理、そして、先ほどからお話のありました災害対応に大変重要な役割を果たしていると認識しております。

 このような支所の財政需要について、今後とも地域の実態、実情に応じて適切に算定をしてまいります。

田村(貴)委員 本当に大事な問題ですので、また今度の機会に取り上げて、質問させていただきたいと思います。

 きょうは終わります。

桝屋委員長 次回は、来る十二日木曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時散会


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