衆議院

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第8号 平成28年3月15日(火曜日)

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平成二十八年三月十五日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 遠山 清彦君

   理事 石崎  徹君 理事 菅家 一郎君

   理事 坂本 哲志君 理事 橘 慶一郎君

   理事 原田 憲治君 理事 奥野総一郎君

   理事 高井 崇志君 理事 桝屋 敬悟君

      井林 辰憲君    池田 道孝君

      石川 昭政君    大西 英男君

      金子万寿夫君    小林 史明君

      古賀  篤君    笹川 博義君

      新藤 義孝君    鈴木 憲和君

      中村 裕之君    中山 泰秀君

      長坂 康正君    西銘恒三郎君

      橋本  岳君    務台 俊介君

      宗清 皇一君    山口 俊一君

      山口 泰明君    小川 淳也君

      逢坂 誠二君    近藤 昭一君

      階   猛君    武正 公一君

      水戸 将史君    渡辺  周君

      輿水 恵一君    梅村さえこ君

      田村 貴昭君    足立 康史君

      吉川  元君

    …………………………………

   総務大臣         高市 早苗君

   総務副大臣        松下 新平君

   総務大臣政務官      輿水 恵一君

   総務大臣政務官      古賀  篤君

   会計検査院事務総局第五局長            斎藤信一郎君

   政府参考人

   (総務省情報流通行政局長)            今林 顯一君

   参考人

   (日本放送協会経営委員会委員長)         浜田健一郎君

   参考人

   (日本放送協会監査委員会委員)          上田 良一君

   参考人

   (日本放送協会会長)   籾井 勝人君

   参考人

   (日本放送協会専務理事) 板野 裕爾君

   参考人

   (日本放送協会専務理事) 福井  敬君

   参考人

   (日本放送協会理事)   井上 樹彦君

   参考人

   (日本放送協会理事)   今井  純君

   総務委員会専門員     佐々木勝実君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十五日

 辞任         補欠選任

  金子めぐみ君     石川 昭政君

  小川 淳也君     階   猛君

同日

 辞任         補欠選任

  石川 昭政君     笹川 博義君

  階   猛君     小川 淳也君

同日

 辞任         補欠選任

  笹川 博義君     金子めぐみ君

    ―――――――――――――

三月十四日

 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件(内閣提出、承認第一号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 会計検査院当局者出頭要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件(内閣提出、承認第一号)

 情報通信及び電波に関する件(公共放送のあり方)


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     ――――◇―――――

遠山委員長 これより会議を開きます。

 情報通信及び電波に関する件、特に公共放送のあり方について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、参考人として日本放送協会経営委員会委員長浜田健一郎君、日本放送協会監査委員会委員上田良一君、日本放送協会会長籾井勝人君、専務理事板野裕爾君、専務理事福井敬君、理事井上樹彦君及び理事今井純君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

遠山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として総務省情報流通行政局長今林顯一君の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局第五局長斎藤信一郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

遠山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

遠山委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。階猛君。

階委員 民主党の階猛です。

 籾井会長、覚えていますか。昨年、この場でもさんざん議論しました。昨年そして一昨年と、この時期になると籾井会長の問題を我々は取り上げざるを得なかった。昨年までは、主に資質の問題を取り上げさせていただきました。しかし、ことしは違います。今、結果責任について問われる、そういう時期に来ていると思っております。

 まず、籾井会長。籾井会長は、NHK会長になられる前も一流の大企業で経営の一角を占められていた。そういう立場にあられる中で、経営というものは、幾ら経営者に能力があっても、またやる気があっても、結果が問われるものだ、結果が出なければ、そして会社の信用、信頼が失墜したならば、当然やめなくてはいけない、それが経営者の責任だというふうに考えますが、この結果責任ということについて、まずは、籾井会長、御自身の言葉で語っていただけますか。

籾井参考人 おはようございます。

 私の着任以来、種々の不祥事が起こっております。これにつきましては、私は、本当に申しわけなく、視聴者の皆様に対して申しわけなく、また関係者に対しても深くおわび申し上げますし、私としましても、こういうことが再発しないように最大の努力をしているつもりでございます。

 また、起こりました不祥事につきましては、本当に、今、そういうことが起こらないようにということで鋭意進めている最中でございます。

 今、細かい不祥事もございますけれども、私、就任時に、やはりNHKのいわゆる気風の緩みといいましょうか、そういうことについても申し上げたつもりでおりますけれども、これがいまだに是正されていないということについては、これも本当に会長としては甚だ申しわけなく思っております。

 こういうことを二度と繰り返さないためには、もちろん、ルールとか制度とかいろいろなものを変えなきゃいかぬのは当然でございますけれども、やはり最終的には、こういうものを決めるのは企業文化であるというふうに思います。前の会社でも、全く、企業文化というものが非常に大事であるというふうに思っておりました。

 そういう中で、NHKにおきましてもそういう企業文化を変えていくということは非常に重要なことで、私としては、そういうことを今種々手を打っている最中でございます。

 今後とも、こういうことを実現することによって私の経営責任を果たしてまいりたいというふうに思っている所存でございます。

階委員 今お話を聞いていて、ちょっと認識が甘いんじゃないかと思いました。

 確かに、外から来た籾井会長にとっては、当初はNHKの企業文化というのは違和感があったのかもしれない。しかし、もう二年間たっているわけですね。そろそろ、籾井会長の経営してきたその過程で起きたこと、結果責任が問われなくてはいけない、そう思います。

 今さまざまな不祥事が起きていますが、それについてみずからの経営責任、結果責任はないというふうにお考えなんでしょうか。

籾井参考人 ただいまも申し上げましたけれども、こういう本当に緊張した、特に公共放送という立場からいきまして、職員一人一人に至るまでやはりこの緊張感を共有するということが必要であるというふうに私は思っております。

 そういう意味におきまして、本当に細かいことに至るまで不正を許さない、そういう意識改革というものを実現させていきたいというふうに思っているところでございます。

階委員 しかし、現実にはそうなってこなかったわけですね。

 きょうお手元にお配りしておりますが、これは籾井会長が就任後に発生したNHKの職員、関連団体社員の不祥事ということで、ちょっと濃く色をつけているところは関連団体の不祥事の部分であります。

 このことについて、総務大臣に伺いたいと思います。

 まず、この資料を見ていただくと、先ほど来私が申し上げている結果責任が問われる事実が三点あるかと思います。

 第一に、籾井会長就任以来、不祥事がこれほど多く発生しているという点です。朝の連続テレビ小説というのがありますけれども、今まさにNHKは不祥事の連続テレビ小説になっている、そういう感もあります。

 第二に、直近の三つの不祥事について、これは、そのどれもが単発の不祥事ではなくて、それ以前に同種の不祥事の事案があったということであります。

 例えば、真ん中あたり、色のついているところに「NHKアイテックの不適切な経費処理」というのがあります。そして、今回、直近で発覚した「NHKアイテック社員の着服不祥事」というふうにつながっているわけで、昨年、これが起きた前に、既にアイテックでは、不適切な経費処理、出張経費の精算を大幅に遅延して不適切な処理をし、交際費百二十万円の不適切な請求が発覚した。こういうことがあったにもかかわらず、その時点で再発を防止するような手だてはとらなかった。そして、その後に起きた中には、総務省が所管するデジサポの事業、このデジサポを利用して補助金を危うくだまし取られる、こういう事態も起こりかねなかったわけです。ですから、同じようなことが繰り返し起きている。

 それだけではなくて、危険ドラッグについても、昨年、NHKインターナショナル社員が危険ドラッグで逮捕された事案があって、ことしに入って、今度は本体のアナウンサーが逮捕されている。そして、タクシー乗車券の不正使用。これは、籾井会長御自身が、昨年の正月に私用でゴルフに行く際に、社内規定では認められていないハイヤーの使用ということがあって、これと似たような話でもあるわけです。

 それぞれ先行する事案があったにもかかわらず、そこできっちりとした反省が行われず、改善策も中途半端に終わったからこそ、こういう事態に陥っている。このことが非常に問題だと思っております。

 そして三つ目、結果責任が問われる事実ですけれども、この委員会でもこれまで指摘されているとおり、二ページ目をごらんになってください、籾井会長着任前に起きて籾井会長着任後に発覚したNHKビジネスクリエイトの売り上げ水増しあるいはNHK出版の架空発注、こうしたものを契機として、二度とこういう事案を繰り返さないようにということで、一億円かけて調査をし、再発防止策を打ち出してきた。それにもかかわらず、調査の中では今回問題になっているNHKアイテックの不祥事は見抜けず、そしてその後も、さっき言ったデジサポの件など不祥事が続いたということであります。

 こうした三つの結果、いずれも大きな問題だと思っています。こうした結果を踏まえるとき、籾井会長にはしっかり結果責任を問うべきだと考えておりますが、NHKの経営の健全化をちゃんと保つよう監視すべき総務大臣として、御所見を伺います。

高市国務大臣 まず、平成二十六年三月に二つの不祥事が連続して発覚したことを受けて、委員が御指摘のとおり、NHKが関連団体ガバナンス調査委員会を設けて、八月に調査報告書を取りまとめました。

 にもかかわらず、その後も、昨年六月のNHKアイテックの空出張の件、昨年七月のNHKインターナショナルの危険ドラッグの件、そして昨年十二月のNHKアイテックの架空発注の件と、不祥事が後を絶ちません。

 NHKの職員についても、アナウンサー職の職員が危険ドラッグを所持、製造していて逮捕されたこと、また、NHKさいたま放送局の記者三人によるタクシーチケットの不正使用と、公共放送としてのまず信頼を失わせるものであるということが大変残念であります。

 NHKは、国民・視聴者の負担による受信料で支えられている公共放送でございますので、まず、NHKの職員におかれましても、高い公共性と社会的責任を深く認識され、常日ごろから十分に自覚した行動をとる必要があると考えています。

 さて、これからでございますけれども、今までの経緯を踏まえましたら、やはりガバナンスを含めたNHKの子会社のあり方そのものの抜本的な見直しが必要だと考えております。

 放送法第七十条第二項の規定に基づきまして二月九日に国会に提出させていただきました平成二十八年度NHK予算に付する総務大臣意見でも、ガバナンスを含め、子会社のあり方そのものをゼロベースで見直す改革を早急に実施すること、子会社を含むグループ全体におけるガバナンスの強化、コンプライアンスの徹底に取り組むことといった指摘を行っております。

 あと、子会社改革の推進の実施に当たっても、子会社の業務範囲の適正化、子会社における適正な経営及びコンプライアンスの確保、協会と子会社との取引における透明性、適正性の確保、子会社の利益剰余金の協会への適正な還元の、四つのポイントを挙げています。

 会長の御責任ということですが、会長は、協会を代表し、協会の業務を総理する、放送法第五十一条第一項に規定されています。協会本体で子会社を管理する関連事業局を通じて間接的に子会社についても監督責任をお持ちですので、ぜひ、協会を総理する立場として、この抜本的な改革、非常に大きな課題がたくさんございますけれども、スピーディーに取り組んでいただいて、できることから着実に実行していただきたいと考えております。

階委員 まず、これからのことを論じる前に、今までの結果についてはどう責任を問うか、ここを聞いているわけですよ。

 経営委員長にもお尋ねしますけれども、NHK会長、今申し上げましたとおり、結果責任を問われるべき三つの大きな事実があったわけです、この二年間。

 こうしたことを踏まえますと、NHK会長を任免する権利を持つ経営委員会として、NHKの会長の進退、NHK会長を罷免するかどうか、この点もしっかり議論すべき時期に来ていると私は考えますが、委員長、いかがでしょうか。

浜田参考人 なかなか他のグループ企業では考えられないような一連の不祥事が発生しているということは、極めて残念なことだというふうに思っております。

 経営委員会といたしましては、会長以下執行部が一丸となって、これらの改革に取り組んでいただき、具体的な改善を行っていただきたいというふうに考えております。

 経営委員会といたしましても、監視、監督の役割を果たしてまいりたいというふうに思います。

階委員 お三方、去年と変わらぬ面々で、また去年と同じようなことを繰り返し述べられているわけですね。

 去年の段階でも、これからちゃんとやるべしというようなことを言っていたわけですけれども、その後、直近でも不祥事が相次いでいるわけですよ。だから私は、結果責任が問われる、そういう事態なんだと言っているわけです。

 籾井会長、これから何をするかではなくて、今までやってきたこと、あるいはNHKで起きたことについてみずから責任をとる、そういうお考えはないんでしょうか。

籾井参考人 いろいろ責任問題については我々も検討してまいりました。例えばアイテックの場合、どういうふうな責任がとれるのか。我々の子会社といえども、一応NHKグループの一つとしてのアイテック、こういう中で、我々としてはどういう責任をとるべきかということについて、本当にるる検討しましたし、専門家の御意見もお聞きして、いろいろ判断しようということにしたわけでございますが、やはり法的には我々が善管義務違反ということにはならないという結論で、ただ、我々としては、社会的には道義的な責任があるということで、この前発表しましたように、会長以下全役員報酬の自主返納という形で、我々の気持ちをあらわしたわけでございます。

 もとより、こういうことについては、いろいろな方の御不満もあろうかと思いますけれども、やはりそういうふうな専門家の意見も聞きながら、どういう責任がとれるかという検討をした結果がそういうことでございました。ぜひ御理解いただきたいと思います。

階委員 先ほど、浜田委員長から、民間のグループ会社ではあり得ないことが起きている、あるいは、総務大臣からは、NHKの信用を失墜させた、こういう厳しい言葉もありました。

 籾井会長も、民間の大企業におられて、これほどのことが起きたのであれば経営者は当然責任をとってやめるというのが筋だ、法的な責任云々の前に、常識はそうだ、一般常識ではそうだと思うんですが、籾井会長の常識を問いたいと思います。責任はとる必要はないんですか。

籾井参考人 いろいろな不祥事、こういうことを起こさないように、私としても全身全霊を固め、不退転の気持ちでこういう文化を是正していきたいというふうに思っております。

階委員 私が逐一結果責任を問うていかないとなかなか御理解いただけないようですので、個別の問題も取り上げたいと思っていますが、ただ、いかんせん時間がないので、きょうは一つだけ取り上げたいと思います。

 土地の取得について、一回提案したものを取り下げる。実は、取り下げる前に、NHKの経営委員会に付議されたものがありました。これは、平成二十八年度収支予算編成要綱というものですが、きのう、事務局に、この取り下げられたものについて出してほしいと申し上げました。

 なぜ出してほしいかといいますと、この収支予算編成要綱なるものには、仄聞しますと、子会社からの配当収入をそれまでの予算編成方針から大きく減額するような、そういう変更が含まれている。

 この配当の減額ということは非常に重要な問題で、平成十九年に会計検査院から、子会社は内部留保をため込まずに本体になるべく配当の形で還元して、本体の経営改善に役立てなさいという指摘があったわけです。

 それを無視するかのようなこの配当の減額、しかも多額な、三十九億とも言われていますけれども、そういった減額が含まれているもの。これはこの委員会の場で提出していただく必要があると思います。

 その上で会長の結果責任を問いたいと思いますが、まず、今申し上げました予算編成要綱、この場に提出していただくつもりはありますか。会長、お答えください。

籾井参考人 お答えします。

 予算、事業計画策定のプロセスにつきましては、よりよいものとするため、さまざまな検討や議論を行っております。そういう関係で、関連団体からの特例配当を計上するかどうか、あるいは経費をどういうふうに見直しするかなど、収入と支出の両面から検討しているわけでございます。

 そして、その結果が、我々が一月十二日に経営委員会で議決していただきました予算、事業計画が全てでありまして、その中間というのは、あくまでも議論の過程でありますから、これは外に出すようなものではないと心得ております。

階委員 外に出されていますよ。その日の経営委員会でも、これは一回議題に上がっていまして、資料もその場に提出されたというふうに事務方から伺っています。なぜそれを出せないのか。

 しかも、事は先ほど言いましたように重大です。会計検査院の指摘に反するようなことをやろうとしているわけですから、この委員会にぜひ出していただきたい。

 浜田委員長にもお尋ねします。

 この資料、経営委員会に一旦出されたのであれば、当然出すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

浜田参考人 十二月八日の経営委員会では、議事録にありますとおり、平成二十八年度収支予算編成要綱の審議は執行部から取り下げられております。

 議題そのものが取り下げられましたので、資料の提出は差し控えさせていただきたいというふうに思っております。

階委員 一回出されているわけですから、その時点で公になっているわけですね。これは経営委員会に出されたという公のものです。外に出たものです。

 ぜひ、委員長、この資料について提出いただくようにお取り計らいをお願いします。

 時間が参りましたので終わりますけれども、この問題についてはさらに議論させていただければと思います。

 本日は、質問の機会をいただきましてありがとうございました。

遠山委員長 ただいまの階猛君の資料の要求につきましては、後刻理事会で協議をいたします。

 次に、武正公一君。

武正委員 民主党の武正公一でございます。

 引き続き、NHKについてお伺いをいたします。

 まず、今の階委員のやりとり、特に子会社とNHKとの関係についてただしたところでございますが、今、会長は、会長としての責任は直接的にはない旨の答弁をされておりますが、放送法に基づく内部統制関係議決及び関連団体運営基準により、子会社を指導監督する責任を負う、これがNHKについて放送法で課せられておりますので、NHK会長については責任がないとは言えないわけでございます。また、内部統制関係議決、平成二十年三月二十五日については、会長がみずからその子会社についてさまざまな指導監督を負う責任が明示をされております。

 そうした点をよく踏まえて御対応を、また御答弁をいただきたいと思いますし、また、先ほど委員会に、委員長にお願いをした資料の提出をぜひお願いしたいというふうに思います。

 そこで、まず、お手元に資料がございますように、一ページでございますが、NHKと十三子会社との関係について、財務諸表から資料を提出させていただいております。

 これを見ますと、十三子会社の現金、預金約五百億、売掛金四百五十六億ということで、売上高、十三社合計二千四百九十九億、二千五百億円の売り上げに対して、現金、預金が五分の一、売掛金が五分の一ということで、これが非常に多いのではないか。これはNHK本体あるいはNHKの連結を見ていただければわかるように、NHKの現金、預金とほぼ同じというようなことも含めて、売掛金は受信料未収金を取り上げましたが、こうした売掛金の額なども含めていかがなものかというふうに思うわけでございます。

 この子会社の現金、預金及び売掛金の多さについてNHK会長としての御所見を伺うとともに、この売掛金に占めるNHK本体との割合、これがどのぐらいかをお答えいただきたいと思います。

籾井参考人 お答えいたします。

 子会社十三社の平成二十六年度決算における現金及び預金の総額はおよそ五百一億、ただいま御指摘があったとおりでございます。

 これまで、NHKは子会社に対して融資や債務保証を行うことができないため、子会社として、緊急の事態にも自己資金で対応できるように、必要運転資金として準備をしてまいりました。

 ただ、現状としましては、子会社の経営も大分安定してきておりますし、また、近年、一般的な株式会社の必要運転資金のめども引き下げられる傾向にあるということから、運転資金を引き下げていく方向で検討する必要もあるというふうに考えております。

 売掛金につきましては、子会社十三社の平成二十六年度決算における売掛金総額はおよそ四百五十六億円となっております。

 この四百五十六億円のうち、NHKとの取引に関するものは二百十三億で、五割を切っております。

武正委員 NHKの割合が二百十三億ということなんですが、子会社を含めるとこれが七割、八割になってくるという報道も既にございます。こうした子会社のあり方、また、NHK本体に対しての売掛金がこれだけあるということでの透明性、これがやはり問われるというふうに思うわけでございます。

 資料の次のページをおあけいただきたいと思います。

 NHK子会社の役員内訳でございます。これは、十三社、NHK本体あるいはNHKOBがほとんどを占めております。その割合がここにまず書いてあります。常勤取締役には代表取締役も含まれております。NHKエンタープライズは、十二分の十一がNHK関連、常勤監査役一分の一等々、ほとんどNHK関係者で常勤監査役が占められているということでございます。

 今回の不祥事を受けて、既に総務大臣からも、先ほど、ゼロベースでの見直し、コンプライアンス確保ということも言われておりますし、また、資料の三ページにありますように、二月九日、NHKはアイテックについての今回の不祥事を含めての改正を言っておりまして、この中で、外部からの人材の登用といったことも既に発表しているわけなんですが、NHKの出身者でこうした常勤監査役あるいは非常勤監査役のほとんどが固められている現状についての会長の御認識と、また、特に非常勤監査役を見ますと、外部からの登用が、みずほ銀行そしてみずほ総合研究所に限られております。

 以前から、NHKと、旧第一勧業銀行、現みずほ銀行はメーンバンクである、あるいはメーンバンク的なことであるというような指摘はありますが、やはり公共放送にあって、そしてまた外部の人材登用、あるいはコンプライアンス、そして子会社との関係についての透明性の確保を問われているについて、こうした外部の、特に監査役がみずほ銀行及びみずほ総合研究所に限られている点、これについて、会長の御所見を伺いたいと思います。

籾井参考人 みずほ銀行からの監査役が多いというのはそのとおりでございまして、NHKとしましては、やはりこういう監査役業務というものについて、銀行の方がそういう面に詳しいといいましょうか、たけているということで、我々の主たる取引銀行でありますみずほ銀行に人材の派遣をお願いしてきたという歴史的な経緯がございます。

 ただ、今回アイテックで起こりましたことを踏まえまして、我々としては、いま一度監査役というものの重要性を再認識いたしまして、全く別のところから常勤監査役という形で人を投入するということをやっております。

 アイテックにつきましては、株主総会がまだ済んでおりませんので監査役という形にはなっておりませんが、もう既に三月七日からその方には来てもらって、今、アイテックの中をいろいろ点検してもらっているところでございます。

 そういう意味におきまして、今後、総務大臣からもゼロベースでの見直しということを要請されておりますし、我々も、ここでさっきから申しておりますように、関連企業に関しましては我々としても今までと違った観点で見直していく必要があるという中で、まず、できることからやろうということで、アイテックの常勤監査役、さらに、引き続き関連企業に対して新しい常勤監査役を入れていくということを、今、人材の選択、一人は決まったんですが、その後の要するに選択をやっている最中でございます。

 いろいろとありますけれども、我々としましては、NHKから形式的に人を派遣するということではなくて、実質的な人材を投入していく、こういう方針でやっております。

武正委員 先ほど触れました内部統制関係議決、平成二十年三月二十五日には、会長は協会の職員を子会社の非常勤監査役に就任させる、こういう項目がございます。

 ですから、もちろん協会からも必要かもしれません。協会からもあってもいいかもしれませんが、やはり外部の人材を特に監査役、チェック役である監査役に就任させるという意味で、この議決の見直し、これも御検討が必要ではないかというふうに思うわけでございます。

 あわせて、子会社について見ますと、十三社中八社にみずほ銀行からの出資がございます。これは、みずほ銀行以外の出資が金融機関であるのは、日本国際放送の大和証券グループ、それからNHKプラネットの三菱東京UFJ、三地銀、そしてまたメディアテクノロジーの三井住友銀行、UFJ。という以外は全てみずほ銀行単独。金融機関についての出資が十三社中八社。

 もちろん、みずほ銀行以外の会社が出資されているのは、先ほどの例も含めて六社ございますが、みずほ銀行のみの出資といった点も含めて、やはり子会社の株主についても見直しが必要ではないかというふうに思うわけでございます。

 これについて、会長、御所見を伺いたいと思います。

籾井参考人 仰せのとおり、関連企業各社には、いろいろな銀行から出資を仰いでおります。ただ、その出資の内容は、ごくごく少ない出資比率でございまして、銀行の影響が物すごく出るということでもございません。

 そういう意味におきまして、私どもは、確かにみずほ銀行の比率が高いんですが、我々の銀行取引におけますみずほのウエートはやはり高うございますので、その比率に応じて出資会社も多いということでございますが、いずれにしましても、その銀行、どの銀行さんをとりましても、我々の関連企業の経営に大きく影響するということはないと考えております。

武正委員 ないというお話ですと、結局、先ほどの二月九日の、今回の事案、アイテックの不祥事、そしてまたそのほかの子会社の不祥事について、それを改めようということで出していることとそごがあると思うんです。

 私は、やはりこのみずほ銀行のみのさまざまなNHKとのかかわりについては透明性を確保すべきであるというふうに申し上げているんですが、その点について御認識はあるということでよろしいですか。

籾井参考人 委員御指摘の点につきましては、私も十分認識しております。

 そういう意味におきまして、先ほども申しましたけれども、部外からの監査役の投入であるとか、そういうことも十分考えておりますし、今仰せの点につきましても、今後、るる是正していきたいというふうに思っております。

武正委員 時間ももうございませんので、最後に、この間の総務委員会でのやりとりについて、総務大臣に、これはNHK「クローズアップ現代」をめぐるBPOの最終報告書についてのやりとりですので、聞きたいと思います。

 この間のやりとりで、総務大臣は、公共の福祉、憲法が基本的人権について規制を加える公共の福祉を念頭に、今回の行政指導の根拠とされたという答弁だと思いますが、公共の福祉に対して、どのような観点で総務大臣は挙げられたのか。つまり、公共の福祉を優先するがために、あるいは公共の福祉について鑑みるために行政指導を行ったということでしょうか。御所見を伺いたいと思います。

高市国務大臣 まず、そもそも、御承知のとおりでございますけれども、行政指導については、放送の健全な発達を図る観点から、放送法の規定に照らして明らかに抵触する点があったと認められる場合などに、放送法を所管する立場から、放送事業者からの事実関係の報告も含め、個別の事情等を勘案し、慎重に検討を行った上で実施しているものでございます。

 そもそも、行政指導は、行政手続法第二条第六号を根拠としておりますので、処分のように、相手方に義務を課したり権利を制限したりするような法律上の拘束力はございません。相手の自主的な協力を前提とするものです。

 公共の福祉との関係ですが、放送法第一条は、目的規定として、「この法律は、次に掲げる原則に従つて、放送を公共の福祉に適合するように規律し、」と定めております。

 この趣旨は、放送は言論媒体であり、放送については憲法で定める基本的人権である言論の自由が保障されるべきことは言うまでもございませんけれども、憲法第十二条及び第十三条にも規定されているとおり、この自由も絶対的なものではなく、その濫用は許容されず、その行使は一定の公共の福祉に適合すべき制約を有しているというふうに考えられております。

 そこで、公共の福祉という限界が、基本的人権に関しても無制限なものではなく、国民が社会生活、国家生活を営む以上、そこに公共の福祉という限界があるというのが憲法の建前でございます。

 放送は、不特定多数に対して同時に同じ情報を安価に提供可能であり、かつ家庭においても容易に受信が可能であるという物理的特性から、大きな社会的影響力を有しているとともに、特に無線の放送は、有限希少な国民的資源である電波の一定の帯域を排他的かつ独占的に占有しているということから、公平及び社会的影響力の観点から、公共福祉に適合しているということを確保するための規律を受けるとされています。

 放送法第一条の目的に従って申し上げております。

武正委員 今の御指摘ですが、放送法一条は、次に掲げる原則、それが国民に最大限普及されること、表現の自由を確保すること、そして健全な民主主義の発達という三つの原則があっての先ほどの「公共の福祉に適合するように規律し、」というのが第一条であります。

 それと、今の自由権の規制、十二条、十三条、憲法のことですが、経済的自由は確かに規制はあるかもしれないけれども、社会的な自由についての規制は、最大限、基本的人権をまず尊重しようというのが憲法の現代の解釈であります。

 ですから、大臣の、公共の福祉をもって今回行政指導をするという根拠はやはり間違っているということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

遠山委員長 次に、逢坂誠二君。

逢坂委員 逢坂誠二でございます。

 委員長、先ほど階委員がNHKに対して求めた資料でありますけれども、あれは、あたかも非公式なものでまだ決まっていないものであるかのような言い回しがされている部分が多いんですが、十二月八日の理事会レベルで、会長自身が、もうこれは経営委員会に出すことを延ばす特段の理由もないんだ、だから、きょうはこれは出しますからねということで、理事会レベルでは明確に決まっているものなんですね。

 だから、あれは内部の経過途中の書類でも何でもないものでありますから、ぜひ委員長、そこのところは踏まえて、理事会で、先ほどの階委員の要求している資料の提出について御配慮いただければというふうに思います。

遠山委員長 後刻理事会で協議させていただきます。

逢坂委員 それでは、籾井会長にお伺いしたいんですが、二月九日の経営委員会で出されました幾つかの発言について、籾井会長の考え方をお伺いしたいというふうに思います。

 前の委員会でも籾井会長にコメントを求めたんですけれども、籾井会長はコメントする立場にないんだということを言われたので、経営委員会の話としてではなくて、私からの質問という形で答えていただきたいと思うんです。

 NHKは、十年ほど前にさまざまな不祥事があった。それを乗り越えるために、多くの皆さんが相当な苦労をされて、何とかそれを乗り切ってきた。ところが、今回またさまざまな不祥事が続いている。このことについて、役職員みんなであれだけ苦労して乗り切ってきた経験が風化してしまったのか、こういう投げかけが経営委員会の中であったわけでありますけれども、本当にこの経験が風化したのかどうか。

 この点について、籾井会長、どうお考えですか。

籾井参考人 私は特に風化したとは思っておりませんが、現実問題として、いろいろ不祥事が起こっているということについては、私は、これは断じて改めていかなければならないというふうに思っております。

 私自身も、先ほどから申しておりますが、不祥事をなくすためには、やはり我々の文化というものをもう一度きっちりと見直す必要があるだろうというふうに思っております。ですから、風化というよりは、やはり常にこういうことはみんなで心を改めながら、リマインドしながらやっていく必要があるというふうに私は思っております。

逢坂委員 それでは、その経験は風化していないんだという御判断のようでありますけれども、その次にこの経営委員会の中で、「今回の不祥事は、職員や関連団体の社員の問題とともに、経営の問題も顕在化していると思っています。」という指摘があるわけですね。

 私、確かにNHKの中の社風といいましょうか、文化といいましょうか、企業風土みたいなものを直していくということ、これは大事なことだとは思いますけれども、今回のさまざまな調査の随意契約のずさんさ、こういったものを見ても、経営のそもそもの基本的なところの問題に相当大きな課題があるのではないかと思うんです。

 この点、籾井会長、いかがですか。

籾井参考人 経営の問題と言われますとなかなか難しい部分もあるんですが、今御指摘のようなポイント、例えば随意契約にそう簡単に行っていいのかどうかということについては、御指摘を、いや、そんなことはありませんと言うようなことでもないし、委員の御意見を傾聴しながら、参考にさせていただきながら、今後やっていきたいというふうに思っております。

逢坂委員 それでは、籾井会長、経営の問題もやはりあるというふうな認識でよろしいですか。籾井会長、経営の問題もあるんだという認識でよろしいですか。

籾井参考人 なかなか経営という一言では区切れないと思いますが、いろいろなところで是正しなきゃいかぬ点はあると思っております。

逢坂委員 その次に、それでは、この二月九日の経営委員会で出された発言を紹介させていただきますが、「この二年間は一体何だったのでしょうか、という思いが募っております。会長の就任記者会見以来、」この「会長」というのは籾井会長のことであります、「会長の就任記者会見以来、相次いで発生する問題、課題への対応に追われ続け、どうしてもその場その場の対症療法的な対応を迫られました。」対症療法的な対応ばかりやってきたんじゃないのかという指摘なんですね。

 この点、いかがですか。

籾井参考人 私は、必ずしもそう思っておりません。それぞれの役員といつも話しながらやってきたつもりでございますし、それを述べておられる方も、最後の二年ではありましたが、御一緒させていただいた方でありますし、また、専務という非常に重要な役割を担っておられましたわけですから、やはり私はみんなと一緒に議論しながらやってきたつもりでございます。

逢坂委員 籾井会長の発言は非常に説得力がないですね。ちゃんとやってきたつもりだと言いながらこれだけ不祥事が頻発するわけですから、対症療法的だったという指摘に対して真摯に耳を傾けるべきではないかというふうに思うわけです。

 その次に、こう言っているんですね。「対症療法的な対応を迫られました。その結果、経営として一致して目指す方向をなかなか打ち出すことができず、」と。この二年間は、経営として一致して方向感を打ち出すことができなかったんだ、こういう指摘をしているんですよ。

 これについてどうですか。

籾井参考人 もしそういうことであれば、具体的に指摘をいただければよろしかったと思うんですが、今まで進まなかったことも、いろいろ、この二年間で進んだことも多々あるということも事実でございます。

 そういう意味において、やはり議論が足りなかったかなという気はしますけれども、そう一方的に言われるほど何もしなかったわけではないということは、私は申し上げさせていただきたいと思います。

逢坂委員 「一致して目指す方向をなかなか打ち出すことができず、誰が責任を持って何を決めたのか、決めなかったのかがわかりにくい状況になってしまった」、こういう指摘があるわけですが、具体的に例を出してほしいとおっしゃられましたので、出させていただきます。

 三百五十億円の土地の購入というのは、それでは、一致してこれは本当に皆さんで腹固めをしてやった問題ですか。であるならば、なぜ十二月八日の理事会で会長が特段延ばす必要がないと言って出したものを、経営委員会では取り下げざるを得なかったんですか。こういうことが、一致した方向をなかなか打ち出すことができなかった、誰が責任を持って決めたのかわからなくなってしまったということなんじゃないですか。いかがですか。

籾井参考人 土地の問題については、別に、これはやるぞと決めていたわけでもございません。

 十二月八日、理事会では、いろいろ議論もし、いろいろな意見も出ました。しかしながら、私としては、これは進めるべきだというふうに考えておりました。しかしながら、今度は経営委員会でいろいろ話したところで、これもまたいろいろ慎重な意見がたくさん出ましたので、私としては、総合的に判断し、こういう大きなプロジェクトというのは、やはり、みんなでやるぞ、こういう機運が盛り上がらないとなかなかうまくいかないというのが私の考えでありまして、そこで総合的に考えて、これはやめようということで、予算の方も議題から取り下げたということでございます。

逢坂委員 籾井会長、そのプロセス、経過を聞いているんじゃないんですよ。

 一致して目指す方向を打ち出せない体質になっているんじゃないのかということ、誰が責任を持って決めたか決めないかわからないような状況になっている、こういう声に真摯に耳を傾けて、どこを改めるべきかというのを考えていくのが、これはトップとしての役割なんじゃないですか。そういう声にふたをしている、そういう声を聞かない、そういうことが私は問題なんだと思いますけれども、いかがですか。

籾井参考人 そうおっしゃいますけれども、私が耳を傾けたからこれはやめたのであって、その点は御理解いただきたいと思います。

逢坂委員 理事会の議事録を、少なくとも、発表されているものだけを読む限りにおいては、耳を傾けているようにはあの議事録からは私には読み取れない。特段延ばす理由もないから、このまま経営委員会に提案しますと言っている。でも、経営委員会の議事録を見たら、それはなぜ取り下げることになったのか、これは全く不明確だ。

 こういうことが、方向感が一致しているとか、耳を傾けたとか、そういうことになるというふうには私には思われない。本当に耳を傾けているのなら、十二月八日の理事会の段階で、これは見直しましょう、そうなるのが本当に耳を傾けているということだと思うんですが、籾井会長、いかがですか。

籾井参考人 理事会、十二月八日の段階ではいろいろな意見が出ました。これは私も認識しております。賛成意見だけではなくて、反対意見もあったわけでございます。そういうことを踏まえて、進めるかどうか、こういう中で、私は、一応先に進もうというふうに、そのときは思っておりました。

 しかしながら、最終的には、いろいろなことを総合的に考えて、これはやはりこのまま進めるとうまくいかないということで、経営委員会の段階で、私は、では、これをやめようという決心をしました。そういう中で、予算も、そのときは出すのを見合わせ、各理事にも了解をとり、各関連会社にも了解をとりという段取りを済ませたわけでございます。

逢坂委員 要するに、理事会の段階では押し切っているわけですから、そこで耳を傾けているということではない。経営委員会の前段になって、そこでやっと、ああ、これはできないんだな、そういうことになった。本来であるならば、理事会の段階で、それはしっかり耳を傾けるべきですよ。

 しかも、その前に、きょうは詳しく言いませんけれども、いろいろなプロセスがあった。その段階でも異論が出ていたのではないかと思われる節もありますので、全く耳を傾けているというふうには思われないし、意思決定が、皆さんが同じ方向を向いて一致しているなどというふうには思われない、私はそう思います。

 そこで、きょう、浜田経営委員長と監査委員にもお越しいただいておりますけれども、前回の総務委員会で、籾井会長、こういうことを言っているんですね、塚田前専務のコメントについては、私は特に、個人的な御意見なので、あえてコメントする立場にはございませんと。これは、経営委員会の中で正式に、おやめになられたとはいえ、まだあの当時は専務でありましたから、専務の立場として発言していることについて、コメントする立場にないと。

 いろいろな指摘をされている、そのことに対して、傾聴に値するとか、そのことは大事だとかという認識があるならいざ知らず、コメントする立場にないなんと言うのは、そもそも責任放棄じゃないですか。僕はもう会長をやめますよと言っているようなものじゃないですか、コメントする立場にないと言うんだったら。

 それで、経営委員長と監査委員にお伺いしますけれども、コメントする立場にないと言う会長の姿勢についてどう思われますか。お二人にそれぞれ別に伺います。

浜田参考人 当日の議論の内容は、議事録に公表しているとおりでございます。私から申し上げたのは、今日のNHKの財政基盤が安定しているわけなんですけれども、これはお二人を初めとする役職員の尽力のたまものと思っております、あわせて、放送人として、経営者として、矜持を持って業務をされたお二人の御苦労に対して感謝の言葉をお伝えいたしました。

 以上でございます。

上田参考人 塚田元専務理事は、長年にわたってNHKのために貢献されてこられました。私も、理事と監査委員という立場で、業務を通じてさまざまな意見を交換させていただきました。

 塚田元専務理事の退任に当たっての発言についての会長の御発言、コメントはできないということに関しての意見を今求められましたけれども、監査委員の私としてそれにコメントする立場にはないというふうに考えますので、それは差し控えさせていただきたいというふうに考えます。

逢坂委員 全体的に非常に無責任なんじゃないでしょうか。経営委員会の場で問題点が指摘されている、会長はそれにはコメントしないと言っている、その姿勢そのものも無責任ですし、コメントしない会長に対して、それはちゃんとしっかり聞けよとか、その問題はどうなっているんだと言うのが、お互い責任ある組織のあり方じゃないでしょうか。そういうことすらできていない、そこに今のNHKの根本的な問題があるんじゃないでしょうか。

 時間になりましたのでこれでやめさせていただきますけれども、この問題、もう少し国民のための公共放送を守るためにやらせていただきたいと思います。

 終わります。ありがとうございます。

遠山委員長 次に、奥野総一郎君。

奥野(総)委員 時間がありませんので、早速質問に入らせていただきます。

 先ほど来、平成二十八年度の収支予算要綱についていろいろ議論がございましたが、整理するとこういうことなんですかね。理事会で、会長が、収支予算要綱、前回の予算から三十九億減額したものを理事会で決定し、それを経営委員会に出してきた。出してきたんだけれども、経営委員会の議論の結果、取り下げるに至ったということですよね。

 浜田委員長にもう一回伺いたいんですが、三十九億、今の数字から三十九億、あるいは前回の経営委員会で議論になった予算の額から三十九億減額された形での収支予算要綱が一旦は経営委員会に出されたということでよろしいんでしょうか。

浜田参考人 議題としては事前に通告がありましたけれども、当日取り下げられたということでございます。

奥野(総)委員 今伺ったのは、三十九億減額されたものが出てきたかどうかということについては答えられないということなんですよね。

 時間がないので進めていきますが、理事会もそうなんですが、少なくとも、NHKは受信料で運営されていますから、広く、なるべく前広にいろいろな情報を公開、開示していかなきゃいけないと思います。とりわけ経営委員会については、前回も申し上げましたが、四十一条で議事録の公表義務がかかっています。もちろん、プライバシーにかかわること、あるいは取引関係にかかわること、出せない部分はあるので、定めにより出せない場合もあるということは承知をしていますが、しかし、少なくとも流れがわかるように公表すべきだと思うんです。

 十二月八日の議事録を見ると、福井専務理事から、本日の経営委員会の議論を受けて二十八年度収支予算要綱の提案を見送る、こういう書き方になっているんですね。

 議論を受けてというのは、恐らく土地購入計画の議論だと思われますが、となると、土地購入計画のところでこの収支予算要綱についてどんな議論があったかということを明らかにしないと議事録としては成り立たないと思うんですが、いかがですか。

 というのは、あわせて、この部分について詳細な議事録の公表。口頭で何度か説明いただいているのはわかりますが、文章で、そして、この収支予算要綱の取り下げとの関連がわかる形の議事録の提出を求めます。

浜田参考人 御質問の十二月八日の議論は、不動産購入の検討や交渉に関する情報であり、部外の関係者もあることから、内容は非公開とすることとして議論を行いました。したがいまして、議事録は非公開とさせていただきました。

 しかしながら、そのポイントにつきましては、先日の衆議院総務委員会の場で御紹介をさせていただいたとおりでございます。

 御理解いただきたいというふうに思います。

奥野(総)委員 到底理解できないのは、それだとわからないんですよね。本日の経営委員会の議論を受けて見送ると言っている。どういう議論を受けているのか、これではさっぱりわからないわけですよ。議事録としては成り立っていないわけですね、公表して。どういう議論を受けたかが書かれていない。見送ると言ったら、なぜ見送られているかというのは誰もこれはわからないですね、議事録を見た限り。これは少なくとも法律の趣旨には反していると思います。

 もう時間がないので委員長に求めたいと思いますが、高井委員からも出ていますが、この部分の経営委員会の議事録について公表していただきたい。

 それから、先ほど階委員からありましたけれども、収支予算要綱について提出のあった分について、これも提出していただきたいということを改めて私からも申し上げます。

 これは、恐らく法律の趣旨からいって法律に違反するおそれがあると思いますので、改めてお願いしたいと思います。

遠山委員長 ただいまの奥野委員のお申し出につきましては、後刻理事会で協議をさせていただきます。

奥野(総)委員 それから、情報公開の話でいいますと、会長がテレビでおわびをした関係ですね。思いっ切りサンデーでしたか、おわびした関係で、タクシーの問題がございます、タクシーチケットの問題。

 あれは、埼玉の件、階委員の資料にも出ていますが、三名についての処分が明らかにされ、そして、そのほか、悉皆調査をして、もうないんだということなんです。

 ただ、この事件の発端となった一月十五日の産経新聞、ネットで見ましたが、埼玉だけじゃなくて、大阪放送局の男性記者について、同様の手口でチケットを私的に使っていたなどとして処分を受けたこともわかったと書いてあるんですが、これについては、なぜそこでおわびの対象にならなかったのか、公表の対象にならなかったのか。

 少なくとも、従前、受信料の不払い運動が起きた紅白の予算の問題のときに、NHKとしては、「「芸能番組制作費不正支出問題」等に関する調査と適正化の取り組みについて」という文書を公表していて、その中で、懲戒処分については原則公表すると。これは今もネットに載っかっています、この文書は。

 全ての懲戒処分については原則公表する、こういうことになっていたはずなんですが、なぜこの大阪のものについては公表されなかったのか。そして、なぜ会長のおわびの対象にならなかったのか。ここがはっきりしないと、本当にタクシー問題はあれで全部だったのかという疑念を招きますので、改めて会長から伺いたいと思います。

 どういう基準で懲戒処分については公表されるようになっているのか。なぜ今回、この大阪のものについてはおわびの対象にならず、公表されなかったのか。

籾井参考人 委員御指摘のとおり、大阪の放送局の記者が協会のタクシー券の使用ルールを守らずにタクシーに乗車し、我々としては懲戒処分としました。

 ただし、これは、タクシーチケットの私的利用には当たらないというふうに認識いたしております。そういうわけで、協会が定めました懲戒処分の公表基準に該当しないため、非公表といたしました。

 我々としては、懲戒処分を全て公表するということにはしておりません。

奥野(総)委員 公的な文書の中で、紅白の問題、あれはまさに今のNHKの原点だと思うんですよ。あれだけ不払い運動が起きて、そのときにおわびという形で文書になって、懲戒処分については全て公表する、原則としてという文言は入っていますが、公表すると書かれていますよね。

 それはいつ変わったんですか、なぜ変わったんですか。なぜ今回公表しなくていいんですか。どう違うんでしょうか。

籾井参考人 今御指摘がありました平成十六年の問題について、それを受けまして、起訴猶予以上の刑事事件に関する懲戒処分と、刑事事件以外の事柄でも懲戒免職処分としたものについて、原則として公表することに決めました。

 しかしながら、懲戒処分を全部公表するということにはしていませんで、その後、平成十七年に、金品の不正に関する処分というものを加えました。そして、平成二十六年には、懲戒免職、諭旨免職を具体的に記載するなどの改定を行っております。

奥野(総)委員 そうすると、今回の埼玉の部分については、金品の不正利用ということになるわけですね。

 そうすると、では、大阪については不正じゃないという判断ですね。記事で不正になったと書いてありますが、これは事実に反するということですか。産経新聞の記事によると、不正使用だという書き方になっていますが、これは事実と反するということですね。

籾井参考人 先ほども申しましたけれども、大阪の場合は、タクシーの私的利用には当たらないというふうに認識いたしておりまして、したがいまして、定めた懲戒処分の公表基準に該当しないため、非公表としたものでございます。

奥野(総)委員 ちょっともう時間もなくなってきたんですが、よくわからないのは、こういう記事が出て、懲戒にはしました、しかし不正使用には当たっていない。では、一体どういうことで懲戒処分になったのかということを改めて伺いたいと思います。(籾井参考人「済みません」と呼ぶ)

 では、この懲戒処分になった理由というのは何なんですか。

籾井参考人 個人的な利用ということでございます。自分の友人との飲食とか、そういうことのためということでございます。

奥野(総)委員 いや、今の話は、まさにタクシーチケットの不正利用じゃないんですか。自分のため、私用に使ったことですよね。それで懲戒を受けたら、金品の不適正使用になって懲戒になったら、公開されるんじゃないんですか。

籾井参考人 済みません、ちょっと耳がおかしくて。

 大阪の件については、先ほどから言っておりますように、タクシー券の使用ルールを守らずに乗車して、懲戒処分としました。しかしながら、私的利用には当たらないというふうに認識いたしまして、協会が定めた懲戒処分の公表基準に該当しないため、非公表としたものであるということでございます。

奥野(総)委員 では、もう時間なので。

 会長、では、今言ったことはうそだったんですね。友人との飲み食いにタクシーチケットを使ったということはうそだったので撤回すると。これはうそだったといって撤回して、もしそれが本当だった場合にはもちろん偽証になりますから、そこを。

 それから、大臣、最後にごめんなさい。今のやりとりを聞いて、NHKの情報公開についてはどうあるべきかということについて最後に伺いたいと思います。

 まず、会長。

籾井参考人 ちょっと僕は補聴器の調子が悪くて。済みません。

 先ほどの件は、埼玉の件とミックスアップしておりました。まことに申しわけございません。(奥野(総)委員「取り消すのね、取り消すのね」と呼ぶ)

遠山委員長 籾井参考人、発言。

籾井参考人 したがいまして、先ほどの件は取り消させていただきます。よろしくお願い申し上げます。

遠山委員長 時間が参っておりますので、簡潔にお願いします。

高市国務大臣 一般論として申し上げますが、NHKの経営、業務に係る情報開示については、その経営が国民・視聴者の受信料に支えられているということを踏まえまして、NHKにおいて積極的に推進することが求められます。

 他方、具体的な情報開示のあり方については、基本的にはNHKの自主的な取り組みに委ねるということが適当でありますが、経営の透明性確保の観点から、みずから定めた規程にのっとって適切に運用されるということを強く期待しております。

奥野(総)委員 これで終わります。ありがとうございました。

遠山委員長 次に、高井崇志君。

高井委員 岡山から参りました高井でございます。

 きょうも、先般から取り上げておりますNHKの特命内部監査、これは二〇一四年の四月から七月にかけて会長の特命で行っていた。その同時期に、ガバナンス調査会、通称小林調査会というものが五千六百万円で行われていた。それと並行して約五千万円の金額で、当初千七百万円で発注したけれども、どんどん膨らんで五千万円に、しかもこれは随契でやっていた。

 本来、会計検査院法第二十四条で、三千万円以上の契約については報告義務がある、しかも支払った翌月に報告をすることになっているにもかかわらず、それをしていなくて、一年半たった後の二月二十四日、私から指摘を受けて、そのときは、そんなものは記憶にないと言われたわけですが、翌日記憶がよみがえり、しかも、二月の二十四日のすぐ後、会計検査院に確認したら、会計検査院から報告が出ていないじゃないかという指摘があって、慌てて二月の二十九日に報告を行ったというのがこの間の事実関係なんです。

 会計検査院、きょう来ていただいていますので、お聞きしますが、このようにNHKが報告を怠った場合に罰則はないのでしょうか。

斎藤会計検査院当局者 お答え申し上げます。

 先生先ほどおっしゃっていただきましたとおり、日本放送協会は、会計検査院法第二十四条、計算証明規則第六十九条及び日本放送協会の計算証明に関する指定に基づきまして、計算書に一件五千万円を超える工事または一件三千万円を超える財産の購入その他の契約に関する契約書等の証拠書類を添えて、翌月末日までに会計検査院に提出しなければならないとされております。

 そして、会計検査院法第三十一条は、国の会計事務を処理する職員が計算証明の規程を守らない場合に、会計検査院が当該職員の本属長官等に対し懲戒の処分を要求することができると規定をしておりますが、お尋ねいただきました日本放送協会の職員は、国の会計事務を処理する職員には該当いたしませんので、このような懲戒の処分の要求はできないということになります。

高井委員 これはちょっと会計検査院法の不備じゃないかと私は思うんです。国の職員にはペナルティーがあるのに、NHKその他、特殊法人とか、会計検査院法の対象になっているのはないんですね。

 これは、実は、昭和二十二年に会計検査院法ができて、その後対象が追加になったときに罰則を設けていないんじゃないかと思いますが、きょうは時間がありませんのでこのことは議論はしませんが、今の会計検査院法上、ある意味、性善説に立っているわけです。NHKは、当然、三千万円を超える契約については報告をしてくれるものだと。

 これは会計検査院も調べようがないですよね、例えばNHKがほかにこっそり三千万円以上の契約をしていても、報告が出ているかどうか。今回のように、国会で取り上げたり、あるいは新聞に出たから会計検査院は気づいて、NHKに対して、報告が出ていないじゃないかと指摘したわけですが、ほかは調べようがない。

 ということは、もうNHKがみずから報告するしかないんですけれども、会長、これ以外にも、ほかに報告していないものがあるんじゃないんですか。

籾井参考人 担当理事に調べてもらったところ、二十六年度に実施した内部監査特命調査の契約のほかにはないという報告を受けております。

高井委員 私も会計検査院からも聞きましたけれども、千二百九十五件あるそうですね、平成二十六年度。それは確かに膨大な、逆に言えば、でも、膨大な数字であるからこそ担当者が基本的にはちゃんとチェックをしていて、一件一件報告をする。千二百九十五件は全部報告しているわけですから、ではなぜこの二件だけ、この通称小林調査会、ガバナンス調査会と、それから私が指摘したこの内部監査、この二件だけが報告されていなかった、これはなぜか。単なる失念ということで私は済まないと思うんですけれども、会長、これは何でこの二件だけ失念していたんでしょうか。

籾井参考人 本当に不思議なことでございますけれども、これは本当に、今後こういうことがないように、心を引き締めてこういうこともやっていきたいというふうに思っております。

高井委員 担当者のミスだったということなんですか。

 私は、組織的に、この二件というものは非常に国会でも去年取り上げられた件でありますし、しかも、その五千六百万円と並行して行っていた、さらに五千万円やっていたということになれば、一億六百万円金額をかけて、そしてこの子会社の調査をやったけれども、それが何も成果が出なかった。このことは当然会長初め執行部の責任にもなるということで、これについては報告をしないようにという、会長みずからがそういうふうに指示を出したかは別として、そういう何らかの力が働いたと普通に考えれば推測されますけれども、会長、いかがですか。

籾井参考人 そういうことは全くないと思います。

高井委員 それでは、監査委員にお聞きします。

 監査委員会として、千二百九十五件の会計検査院への報告があった、しかし二件だけ報告が漏れていた。これは、普通に考えたら、では、ほかにもあるんじゃないか。ほかに報告漏れというのも、今会長がおっしゃったように単なる担当者のミスだったというのであれば、ほかにもある可能性があると思いますが、こういったものを監査委員会として調査する考えはありませんか。

上田参考人 お答えいたします。

 監査委員会といたしましては、まず申告漏れがないかどうかということに関しましては執行部において対応するべき問題だと考えておりまして、その対応を注視してまいりたいというふうに考えております。

高井委員 では、執行部、会長、今監査委員から、執行部として対応すべきという発言がありましたけれども、会長として、この件、調査をするのか。あるいは、この会計検査院に報告していなかったということについて、先ほどの会長の言葉だと何か非常に他人事のようなふうに聞こえましたけれども、これは会長としてどういう責任をとるのか。お聞かせください。

籾井参考人 実務的に処理がおくれたことについてはまことに申しわけなく思いますが、今後こういうことがないように、一千二百九十六件、全部きちんと報告できるようにしたいというふうに思います。

高井委員 きょうは時間が短いのでこれだけやっていくわけにいきませんけれども、ぜひ会長、それから、私は、やはり監査委員会として、かなり重要なテーマだと思いますからしっかり調査していただきたいですし、また、経営委員長として、執行部の体制が本当にこれでいいのかということを改めて考えていただきたいと思います。

 それでは、先ほどから問題になっている土地取引の十二月八日の議事録。

 これは、再三私はこの委員会でも求め、そして朝の理事会で委員長にも再度お願いをいたしましたが、十二月八日の理事会での議論、これが、理事会の議事録というのはありますけれども、わずか一行なんですね。わずか一行だけ書かれている。何と書いているかというと、「関連団体による土地の購入の計画について執行部から説明を受け、意見交換を行った。」この一行で終わっています。

 この意見交換の中身が我々は知りたいわけで、これはここで概要を話されると時間がありませんので、紙でしっかり、もう少し詳しいものを出していただきたいです。

 それから、その前段の、同じ日、理事会が行われていますが、この理事会でも、議事録によると、九時から十時二十分まで一時間二十分やっています。ところが、たった一枚程度の議事しか載っておりません。これについても、もう少し詳細に出していただきたい。

 それから、同じ日、経営委員会終了後に役員連絡会というのをやって、そこでこの予算案については撤回をするということを議論しておりますけれども、それについては議事録は全くないということですから、全ての議事を出してくれとは申していませんし、また、公開できないのであれば、総務委員会の理事会に提出いただくことで結構でございますので、これはぜひ出していただきたいということを改めて委員長にお願いしたいと思います。

遠山委員長 ただいまの高井崇志君の申し出につきましては、後刻理事会で協議をいたします。

高井委員 これからNHK予算案の審議に入りますけれども、そこに対して極めて重要な、これが出てこないと予算案の審議というのはできないと思っておりますので、ぜひNHKにおかれては、委員長から要請があると思いますので、しっかり対応いただきたいと思います。

 子会社に関連して、次の質問に入ります。

 先日、我が党の部門会議で会長はこういうことをおっしゃいました。子会社、いろいろ問題、不祥事が生じていますが、今、子会社改革を自分はやるんだ、決意を持ってやるんだ、だから見ていてくれ、そういう発言をされましたけれども、具体的にはどういった子会社改革を考えておられるんでしょうか。会長、お聞きします。

籾井参考人 とりあえず一番急ぐと思われるNHKアイテックにつきましては、発覚直後から、出金管理の手続やチェックの徹底など、緊急対策はもう既に行っておるわけでございますが、やはり構造的な原因というものを究明して、これを踏まえて抜本改革に取り組んでいるわけでございます。

 まず、企業風土の刷新をするために新たな経営陣の任命、これは既に今の経営陣は辞意を表明しておりますので、これの刷新。

 それから、やはり経営に緊張感を持たすための常勤監査役、これに外部の人材を起用すること。これも既に人選も終わりまして、着任も済んでいるんですが、まだ正式に総会を行っていませんので、総会後に正式に常勤監査役に就任してもらうということ。

 それから、業務の仕分け、本当に必要な業務なのかどうかということも見きわめながら、組織のあり方を徹底的に究明していくとか、そういうことを目指してやっていきたいというふうに思っております。

 それ以外の団体につきましても、やはり、規律ある経営の確立、必須機能の再精査、コンプライアンス、不正防止施策の徹底を柱として改革を断行していきたいというふうに思っております。

 それから、やはり人材、これについては、従来NHKの人事制度の中で、五十七歳に到達したらば要するに転籍をする、こういう構造になっていたわけですね。しかしながら、これはもう既に廃止いたしました。そういうことで、従来のように、五十七になったら自動的に転職していくということもなくなりましたので、よりよい人材を選んで関連企業に送っていく。やはり人材の供給というのは一つ我々の義務でもありますので、そういうふうな形でやっていきたいということ。

 あと、役員のほとんど、社長はNHKから出ている社長が多いんですが、この点につきましても、よりよい人材は出ていってもらうにしても、マストで、出なきゃいけない、こういうふうな形は避けたいというふうに思って、その点に沿って改革を進めていっております。

 できるだけ急いでやりたいと思っております。

高井委員 会長、ここは力を入れておられると思うので、もう少し御自分の言葉で語っていただきたいと思うんです。

 先般、NHKの理事は天下りではないんだという説明をされましたけれども、会長は天下りという言葉も使って、NHKの職員が転籍しているというのは、それはやはりどう見ても世間的には天下りでしょうということでありますが、ここの天下りはもうしないんだ、全てとは言わないけれども、極力しないんだというふうに私は受けとめましたし、それと関連して、今の役員、理事も、二期四年という任期が原則なので、この原則はもう外さないんだ、原則どおりやるんだということを決意表明されたというふうに理解したんですけれども、改めて、人事のところについて、会長の言葉でぜひ改革の意思を示してください。

籾井参考人 私が言うまでもなく、今委員が全部言っていただいたので繰り返す必要もないくらいなんですが、本当に、人事のことですから、弾力的にやらなきゃいかぬということで、絶対こうだということはないんですが、大原則、そういうふうにやっていきたいというふうに思っております。

 したがいまして、人材の登用等々も、従来とは違った、弾力的な形でやっていきたいと思っております。

高井委員 では、次の質問に移ります。

 「クローズアップ現代」の問題をこの間質問したら、会長は、全く国谷キャスターの降板は知らなくて、新聞で見て慌てて電話で板野専務理事に問い合わせたぐらいだとおっしゃっていましたが、これは、板野専務理事、本当なんですか。

 今回、「クローズアップ現代」、時間が変更になったり国谷キャスターが降板して七人の女性アナウンサーにかわったというのは物すごい大きなインパクトを持っているんですが、これは板野専務理事が独断で決めたことなんでしょうか。

板野参考人 お答えいたします。

 番組改定に当たりましては、「クローズアップ現代」に限らず、全ての番組について分析と検討を進めまして、最適な配置を目指しているところでございます。「クローズアップ現代」につきましても、改定に向けたさまざまな検討や会議など、局内の所定の手続を経て決めました。

 なお、現在の放送時間というのは食事どきに当たっておりまして、視聴に専念するのは難しいという声もございまして、日中働いている方々にじっくり見ていただきたいという狙いで、よりふさわしい時間帯に移したものでございます。

高井委員 これは、会長、全く事前に相談も受けなかった、あるいは、「クローズアップ現代」、ほかの報道番組とかいろいろな番組でもいいですけれども、こういったものに対して会長が指示を出したり意見を出すということは全くないということでよろしいんですか。

籾井参考人 全くないとかそういうことではないんですけれども、そのように運用いたしております。

 会長が編集権全部を基本的には持っているんですが、これは全部分掌されておりますので、会長としましては、分掌した者が決め、そしてその報告を受けるということに相なります。

高井委員 この「クローズアップ現代」については、一部報道もされていますし、あと私も現場の方からも聞いたりしていますけれども、最初は七人じゃなくて八人の女性キャスター、具体的に言うと有働アナウンサーも含めた八人であったのが、発表直前になって七名に変わった。

 現場の、積み上げて決めてきたというのであれば、なぜ発表直前になって八名が七名になるかは理解しがたいわけでありますが、これは会長もしくは板野専務理事が指示を出したとしか考えられないんですけれども、どちらなんでしょうか。

板野参考人 キャスターの選定と申しますもの、これも取材、制作の過程にかかわることでございますので、具体的な選考の過程についてのお答えは控えさせていただきたいというふうに思います。

 公表されたキャスター陣というものが全てでございます。

高井委員 もう一度会長に伺いたいのですけれども、会長は先ほど、全く中身について、特にこの「クローズアップ現代」については口を出さなかったというふうに、前回の委員会でも答弁されましたし、きょうもそういう答弁をされていますが、そのことに間違いないでしょうか。キャスターの変更についても同じでしょうか。

籾井参考人 キャスターにつきましては、何度も答弁があっていると思いますが、キャスター委員会というところで実際に決まっております。私は、その報告を受ける立場であります。

高井委員 それでは、これで終わります。ありがとうございます。

遠山委員長 次に、水戸将史君。

水戸委員 民主・維新・無所属クラブの水戸将史でございます。

 いろいろな委員の方々からも御指摘がございました。私も同じようなトーンになる部分もありますけれども、なるべく重複しない程度で、会長がお見えでございますので、会長初め委員長等々、NHKの関連の方々にお聞きをしたいと思います。

 まず、お手元に資料一という形で、一連の、今までの各歴代の会長における不祥事といいますか、そういう問題点につきまして、簡単に一覧表にまとめさせていただきました。

 海老沢会長から始まって四人の歴代の会長、籾井会長も含めてでありますが、どうしても、意図的に別に籾井会長だけ多くしたわけじゃありませんで、なるべく客観性を期しながら今までのものを拾って一覧表にしたものでありますので、ぜひ御参考にしていただきたいんですが、こういう形で、やはり籾井会長、就任丸二年が経過したという中において、三年目にお入りになりましたけれども、これだけの案件が出てきてしまった。本人にとっては不本意でありますけれども、やむを得ぬ結果かなということになっております。

 こういうような状況で、籾井会長、振り返っていただいて、この二年ちょっと、会長に就任されてから国会で謝罪されてきたのは回数的に何回ぐらい、それぞれ何の件について謝罪をされてきたのかというのを簡潔にお答えできますか。

籾井参考人 おくれまして、済みません。

 NHKや関連団体の不祥事、また私自身の失言等々もあり、私もたびたびおわびをしてまいりました。さまざまな御批判や御指摘については、NHKの業務を総理する立場であります会長としてしっかりと受けとめております。

 私自身の至らぬ点、これは多々あったかもしれませんが、二年前に就任してからこの間、NHKをよりよくするため、私自身はベストを尽くしてきたつもりでございます。

 NHK改革をしていこうという気持ちについては非常に強いものを持っておりまして、私自身、これを推進することによって会長としての責任を全うしたいというふうに思っております。

水戸委員 会長、違います。会長の思いはともかくとしまして、国会で謝罪された回数、何の件についてという、一応質問通告しているつもりですけれども。簡潔に。

籾井参考人 先ほども申しましたけれども、いろいろ謝罪したことはございますが、ちょっと、正直言って、何回謝罪したか覚えておりません。

水戸委員 では、NHKの関係者で構いませんから、質問通告しているので、後からちょっと、どの程度の回数、何について何回謝ったのか、謝罪されたのか、いろいろな国会などにお出ましになっていらっしゃいますので、それを振り返っていただいて、数えて出せますか。

籾井参考人 どういうおわびでしょうか。ここで済みませんと言った回数全部を含めてでしょうか、それともテレビに出ておわびしたとか、あるいは私がここで冒頭おわびしたとか、そういうことでございましょうか。本当にいろいろな形で私は真摯におわびをしてまいりましたので、ちょっと数えられない可能性もあるんですけれども……(発言する者あり)それは確かに問題かもしれませんが、私としては、やはり真摯に対応してきたつもりでございます。

水戸委員 真摯に謝罪されてきた回数を、会長の主観で構いませんから出してください。

 そして、経営委員長もきょうお見えでございますので、この二年数カ月の籾井会長に対して、何度か経営委員会としても注意されていますよね。いつ、どのような件で今まで会長に対して直接注意をされてきたのか、具体的にお述べください。

浜田参考人 経営委員会としては、会長に対して、注意と申し入れを五回行っております。

 注意は、一昨年一月の就任会見、二月の経営委員会での発言、昨年のハイヤー問題に関するものであり、経営委員長として行いました。また、申し入れは、一昨年の二回の注意を行ったことに対するもの、そして昨年二月の会長会見における発言について、経営委員会として行っております。

 以上でございます。

水戸委員 本当に、五回にわたって経営委員会から会長に御注意をされている。非常に異常な回数なんです。

 もちろん、これには総務省みずからも、「クロ現」、「クローズアップ現代」につきまして二十二年ぶりの、これは昨年の四月の二十八日でありましたけれども、行政指導を与えているというようなこともありました。

 そして、そういう中において、会長も深く反省をされたということをおっしゃっておりますけれども、その一つのあかしとして、去る二月二十八日に、NHK総合テレビの「とっておきサンデー」に出演をされました。それで、一連の相次ぐ不祥事につきまして、視聴者の皆さんに深くおわびを申し上げます、一日も早く視聴者の皆様の信頼を取り戻すために全力で改革すること、私が先頭に立ち、不退転の決意で取り組んでいきますということの謝罪をされておりますね。「とっておきサンデー」というところですね。

 今回、こういう番組、日曜日のお昼ですか、午前中ですか、「とっておきサンデー」、午前十一時から十一時五十四分。この「とっておきサンデー」で、わざわざ会長がここで出演をされて謝罪をされた。どうしてこの番組で謝罪する形を選ばれたのかということについて、これはいかがでしょうか。

 ちなみに、この番組は平均視聴率は幾らぐらいあるんですか。わかりますか。

籾井参考人 NHKの「とっておきサンデー」というのは、NHKの経営情報を直接視聴者の皆様にお伝えする、広報番組としては唯一のものでございます。言いかえますと、我々が視聴者の皆様に直接語りかけるというか、そういうおわびも含めましてやれる唯一のものでございます。

 視聴率は、残念ながらといいますか、大体、関東地区で二%半ばということでございます。もちろん、もっと視聴率が高い番組でやりとうございますけれども、そういうものはあまねく人に知ってもらうために。でも、我々が持っているのはこれとあとホームページ、この二つでございますので、これを利用させていただいております。

水戸委員 会長は、今回の出演は二度目なんですね。一回目は二〇一四年ですから、本当に約二年前、就任早々ですよね。会長就任から三カ月足らずの四月十三日ですか、同じ番組で第一回目の謝罪出演をされております。一昨年の四月の十三日ですね。今回は二月の二十八日という形で、約二年ぶりぐらいにまた同じ番組で謝罪出演をされているんです。

 もう一回聞きますけれども、この番組というのは、いわゆる唯一の謝罪する番組なんですか。会長、一回目と二回目、二回連続でこの番組に出ているんですけれども、もう一回、出演された理由とその状況等を含めて教えてください。

籾井参考人 「とっておきサンデー」は、おわびのためだけの番組でないことは言うまでもないのでございます。そういうことよりも、ほとんど、NHKの経営広報とか、そういうことをやっている番組でございまして、それをおかりしまして、おわびするときにはここでやっておるということでございます。

水戸委員 これに出るか出ないかは別といたしましても、歴代の会長の中で、今まであえてNHKの番組の中で謝罪した例はあったんでしょうか。具体的に、いつ、どういう形で、誰がやったのか。NHK。では、会長に。

籾井参考人 過去には、当然、NHKの会長がおわびしたケースはございます。

 古くは、二〇〇四年十二月、元チーフプロデューサーが制作費を不正に支出して逮捕された件、この夜に放送された「ニュース7」に続く形で、当時の海老沢会長が陳謝を放送いたしました。また、十二月十九日に特集番組を放送して、この中で海老沢会長がおわびを申し上げたということでございます。

 「ニュース7」では、御参考ですが、そのときニュースを伝えまして、その直後の海老沢会長の陳謝は二分半でございました。

水戸委員 そうなんですね。私の出した一覧表の一番上で海老沢さんのお名前が出てきますけれども、二〇〇四年の、平成十六年の七月の一つの不祥事を一つの契機にして、海老沢さん本人が二度のテレビ出演をみずからしているということですよね。それで、総合テレビに出て、九月ですよね、そして十二月にもあえて、一連の不正支出事件に関しましては「ニュース7」でおわび放送のところに自分がみずから出演されているということなんです。

 過去の事例もありましたが、今回、二度にわたって、それも二年越しにこういう形で会長みずからがテレビに出演して謝罪をするという謝罪のあり方について、率直的に経営委員会としてどう受けとめていらっしゃいますか。

浜田参考人 御指摘のような番組を放送しなければならなかったことについては、大変残念なことだと思います。

 一方で、会長は番組の中で不退転の決意で取り組むと発言されており、会長以下執行部には、一丸となって説明責任を果たし、視聴者・国民の皆様の信頼をいただけるよう努めていただきたいというふうに思っております。

水戸委員 謝ればいいという話では当然ないんでしょうけれども、こういう形で、公的に会長みずからが謝罪をする、好ましいスタイルでないことは当たり前である。経営委員長もそうおっしゃっているので。

 結局、不退転という非常に格好いい言葉を使って、それで、再発防止という話もよく出てくる話でありますけれども、毎回毎回、何かあるたびに再発防止だ再発防止だという形で繰り返しやって、今までもいろいろな形で再発防止をやっているんです。

 経営委員長、今、ちょっともう一回発言をしてもらいたいんだけれども、再発防止を出せばいいという話じゃなくて、本当にそれがしっかりとした形で遵守されて、それが本当に再発防止になっているのかということについて、非常に私は、甚だ心もとないのではないかと思っているんですけれども、果たして、会長が出している今までの再発防止策というのは本当に信憑性があるんですか。どう評価されていますか。

浜田参考人 経営委員会といたしましては、執行部に対して、NHKグループの先頭に立ち、NHKのグループ経営を早急にゼロベースで見直し、改革を進めること、そして可及的速やかに改革の道筋を示すことを求めております。会長には、その先頭に立って改革を進めていただきたいというふうに思っております。

水戸委員 時間が来てしまいましたけれども、本当に、一度、二度やった、二度あることは三度ありませんので、三度目の記者会見なんて、決してそんなことを望まないように、三度目はないことをしっかりと胸に焼きつけていただいて、これからの取り組み、再発防止をやるならばしっかりとやっていただきたいともっと強く要望して、終わります。

 以上です。

遠山委員長 次に、田村貴昭君。

田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。

 まず最初に、NHKの子会社NBC、NHKビジネスクリエイトの土地購入問題についてお伺いをします。

 三百五十億円土地購入計画、NHK、経営委員会に諮らずと昨年十二月八日に報じられたこの問題は、たびたび本委員会でも論議をされてきましたけれども、事のてんまつがよくわかりません。果たして適切な対応がなされてきたのかとの疑念が湧かざるを得ません。計画を撤回したので終わりでは済まされない問題が含まれていると考えるものであります。

 先日のこの委員会で、浜田経営委員長が、内部留保との関係で、NHKが関連会社の債務保証はできないと答弁されました。なぜNHKは子会社の債務保証ができないのか、その仕組みについて教えていただきたいと思います。

    〔委員長退席、坂本(哲)委員長代理着席〕

井上参考人 お答え申し上げます。

 NHKが債務保証できるのかという点につきましては、過去に当時の郵政省の考え方を問い合わせた際に、放送法には債務保証についての規定がありませんで、NHKの公共性に鑑みまして、そのような危険の負担を伴うことは実施できないと解すべきだという見解が示されております。

 この考え方は現在も維持されているものと理解しております。

田村(貴)委員 十二月八日の経営委員会のことを、浜田委員長は先日、この委員会で次のように振り返っておられます。

 籾井会長と福井専務理事から計画について優先交渉権を得たという説明を受けた、そして、経営委員会としては、NHKが債務保証する文書や違約金の有無、交渉期限や建物の建設計画などについて質疑を行った、議論の過程で監査委員会からは、一連の手続や取引の妥当性などの面で不明な点が残るという発言もあったというふうにおっしゃったわけであります。

 では、お伺いします。

 債務保証する文書の有無についての質問に対して、NHKからはどのような回答があったんでしょうか、経営委員長。

浜田参考人 当日の議論につきましては、非公表を前提で議論をしております。よりまして、差し控えさせていただきたいと思います。

田村(貴)委員 籾井会長、NHKはどのようにお答えになったんでしょうか、債務保証する文書の有無について。

福井参考人 十二月八日の経営委員会では、私の方から、関連団体が集まって渋谷の土地を購入する計画について優先交渉権を得たことについて説明をしております。それ以外についても、NHKが債務保証する文書があるかないかの有無、それから違約金の有無、購入までのスケジュールや期限、建物の建設計画などについて質疑を行っております。

田村(貴)委員 債務保証に関する文書の有無についてNHKはどういうふうにお答えになったんですかと聞いているんですよ。

 経営委員会では、理事から、手続に瑕疵があるなど厳しい意見が出されたとされています。結果的に、土地購入計画は撤回となったわけであります。

 一体どのような問題があったのか、いま一度経過の説明をしていただきたいと思います。

籾井参考人 御説明いたします。

 本件につきましては、関連団体の将来のありよう、要するに、合併だ、統合だ、いろいろありますけれども、そういうことも含めまして、業務の効率性などの観点から、関連団体の社屋、NHKの近くに点在しておるのでございますが、これを一カ所にまとめていこうということは前から検討していたわけです。その途中で、この土地の問題が出る前にもいろいろな、ビルを買うとか買わぬとかそういう話もあったんですが、いずれもうまくいかなかった。

 こういう状況の中で、土地の問題で可能性があるということが出てきまして、それで、仲介する人たちを通じましていろいろ交渉した結果、十一月十九日にNBC、ビジネスクリエイトが優先交渉権を得たわけでございます。それ以来、全役員出席の会やあるいは理事会で意見交換を重ねてまいったわけでございます。

 これは経営委員会の議決が必要なことではありませんけれども、重要な事項でありますので、十二月八日の経営委員会でも報告を行いました。経営委員会や執行部から、執行部はその朝の理事会でもいろいろな意見が出ました、反対意見も出ましたし。でも、そういうことを踏まえて、経営委員会に話を、報告を持っていったわけです。

 そうすると、やはり経営委員会の方でも慎重論が多くて、このまま進めてもうまくいかないというのが私の総合的な判断でございました。

 十二月十八日までこの優先交渉権というのは有効で、それまでに返事をしないと無効になる、こういう種類のものでございましたから、やはり理事会でのいろいろな意見、それから経営委員会における皆さんの御意見等々を踏まえて、私としては、最終的には、これはこのままこれ以上進まない方がいいという判断をして、経営委員会終了後に臨時の役員連絡会を開いて、正式な手続に入ることをやめ、したがいまして、関連企業並びに相手の方にもこれを御報告したということで、この話はここで終わったわけでございます。

田村(貴)委員 全くわかりません。今述べられたのは事務的な手続だけであって、そして、経営委員会で議論があって、結果的にやめたということの繰り返しなんですね。

 今からNHKは放送センターを建てかえるんですよね。巨額のお金を使ってやるわけですよね。こういう三百五十億円の土地購入の問題でこれだけ議論があって、それが何が問題だったのかということを視聴者に、そしてここで明らかにしないと、やはり信頼というのは得られないと思いますよ。

 NHKは、計画撤回に至った経過について、一応こういう回答をもらっています。経営委員や執行部の一部から、慎重な対応を求める意見が示されるなどさまざまな意見が出て、このまま進めてもうまくいかないと総合的に判断した。うまくいかないと籾井会長も言われた。

 慎重な対応を求められたというのは、どういうことなんでしょうか。うまくいかないとするところの理由というのは何なんでしょうか。この際、はっきりお答えいただきたいと思います。

籾井参考人 私の記憶によりますと、何を慎重にすべきかという御意見はなかったと思います。ただ、こういう問題は慎重に運ばなければならない、こういう御意見だったわけでございます。

 当然のことながら、我々としては慎重に運ぶわけでございますけれども、それでもやはり、慎重に運ばなければならないという意見の中に、私はネガティブファクターが随分あるというふうに察知いたしました。したがって、総合的に判断して、やめたわけでございます。

 これがこれだからこうやってやめたということではないんです。やはりこういうものというのは、皆さんがやるぞということがあって初めてやれるわけでございます。

田村(貴)委員 そのネガティブファクターについてお伺いをしているわけなんですよ。

 会長は、計画の段階でポジティブなサインを送っていたとこの委員会でも答弁されています。報道によれば、放送センターに子会社九社の社長を集めて説明会まで開いた。用意周到にされてきたわけでしょう。そして、入札までした。その計画が、経営委員会の一日で撤回となったわけなんですよ。手続上よほどのことがあったのではないかと思うのが、これは自然なことであります。

 そこで、お伺いしますけれども、会長、しっかりお答えいただきたいと思うんですけれども、NHKの子会社が土地の購入資金を銀行から借り入れる際に、銀行側の求めに応じて、NHKは計画に責任を持つとする文書を提出されたとされています。

 籾井会長、その文書というのは、債務保証と同等の意味をなす文書だったんですか。

福井参考人 銀行には何も紙は出していませんし、そういうものは存在いたしません。

田村(貴)委員 紙は存在しない、出していないということですね、確認します。

 そうしたら、浜田経営委員長、その経営委員会の質疑を通じて、債務保証の事実があったのかなかったのか、これはイエスかノーかでお答えいただきたいと思います。

浜田参考人 なかったと思います。

田村(貴)委員 なかったと。五文字ですね。確実な話ですね。(浜田参考人「はい」と呼ぶ)確認します。なかったということです。

 そうしたら、一体何が問題なのか、ますますわからなくなってまいりました。だから、これはやはり説明していただかなきゃいけません。

 質問をかえます。

 放送法二十九条、経営委員会の職務について、「重要な不動産の取得及び処分に関する基本事項」というのがあります。経営委員会に諮らず入札まで至ったのは、二十九条に抵触している、違反ではないかと考えますけれども、いかがでしょうか。

浜田参考人 昨年十二月二十二日の監査委員会の報告によりますと、NHKビジネスクリエイトによる土地購入に関する件は、買い受け申込書を提出し優先交渉権の内定を得たことは放送法に違反するとは認められないとしております。

 経営委員会としても、監査委員会の報告を受け、同じ認識をしております。

田村(貴)委員 きょうは限られた時間なので、ほかの質問もありますので、いつまでもできないんですけれども、多数の会派から多数の議員が、この問題の事実はどうなんですか、なぜ巨額の土地購入が途絶えてしまったのかと。それはやはり、今後の放送センターの建てかえのことを考えても、しっかり説明すべきだと私は思うわけです。こうした計画を適正に立案、国民に、視聴者に説明をしていくことを求めたいと思います。

 こうした問題できちんと適正な処理ができていないと、さらに大きな建てかえに移ったとしても、疑念は残ります。視聴者・国民の理解は得られない部分も出てくるということを私は指摘しておきたいというふうに思います。

 次に、放送法について尋ねます。

 高市大臣がこの間、一つの番組のみでも政治的公平性が遵守されていないと総務大臣が判断する場合には電波の停止もあり得る等々の答弁それから発言について、私は、大臣所信質疑でここで取り上げました。

 放送法第四条第一項第二号の政治的公平性の適合性の判断については、これまで、一つの番組ではなく、放送事業者の番組全体を見て判断することとされてまいりました。しかし、大臣は、昨年五月十二日参議院総務委員会で、補充的な説明とした上で、一つの番組のみでも、第四条の政治的公平性を確保されているとは認められない場合があるとされたのであります。

 では、その政治的公平性の適合性の判断は、何をもって判断するのか。判断する権限があるのかという点について、総務省の見解を伺いたいと思います。

 総務大臣が、仮に、個々の番組で政治的公平性に疑義が生じた、疑問を持たれた、それで審査をするとしましょう。そして、その審査の過程では、当然、番組制作に係る事実確認等が必要になってまいります。審査の過程で、放送局から総務省への報告や資料提出というのが不可避なものとなってまいります。

 では、その資料提出にかかわる放送法の規定はどうなっているでしょうか。

 放送法百七十五条に、総務大臣は、政令の定めるところにより、放送事業者に対してその業務に関しての資料の提出を求めることができると定められています。その政令とは、放送法施行令第七条で定められています。放送法百七十五条と施行令七条の定める資料提出というのは、放送法第四条の項目を対象としているんでしょうか、していないんでしょうか。

 つまり、放送法第四条、「放送番組の編集に当たつて」の、「一 公安及び善良な風俗を害しないこと。」「二 政治的に公平であること。」「三 報道は事実をまげないですること。」「四 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」について、百七十五条で求めるところの対象ではないんですよね。これを確認したいと思います。いかがですか。

今林政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘になりました放送法第百七十五条は、総務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、政令の定めるところにより、放送事業者などに対しその業務に関し資料の提出を求めることができると規定しております。

 これを受けまして、これも先生から御指摘いただきました放送法施行令第七条におきまして、「総務大臣が資料の提出を求めることができる事項」といたしまして、番組基準及び放送番組の編集に関する基本計画に関する事項、審議機関の組織及び運営に関する事項、この審議機関は放送番組審議機関のことでございますが、それから議事の概要並びにその答申または意見に対して講じた措置に関する事項、それから、訂正または取り消しの放送に関する事項などが列挙されているところでございます。

 したがいまして、総務大臣は、放送法第百七十五条により資料の提出を求める場合におきましては、これら列挙されたもののみについて資料の提出を求めることができると考えられます。

 委員から御指摘、御質問がございました放送法第四条の規定への抵触がないかを調査するための資料は、そういった調査が必要な場合でも、個々の事案によりましてその内容は異なると想定されます。

 したがって、総務大臣がその資料の提出を求めることができるかどうかということは、その事項が先ほど申し述べました放送法施行令第七条に列挙されたものに当たるのかどうかということによるものと考えられます。

 以上でございます。

田村(貴)委員 施行令七条の範囲については御説明があったんですけれども、もう一度確認します。放送法第四条のこの四項目について総務省の方から事業者に対して資料を求める、このことを定めているのが百七十五条ではないということですよね。四条の四項目に対して、百七十五条はどうなんでしょうか。

今林政府参考人 重ねてで恐縮でございますが、放送法四条の規定への抵触がないかを調査するための資料というものは、その調査が必要な場合におきましても、個々の事案によって内容は異なるものと想定されますので、その個々の事案に応じて考えられるものと存じます。

田村(貴)委員 個々の事案というのはどういうことなんでしょうか。放送法第四条の四項目も個々の事案の中に入るという理解でいいんでしょうか。

今林政府参考人 先ほど申し述べましたとおり、資料提出を求めることができるかどうかというのは、施行令第七条に列挙されたものに当たるかどうかということでございますが、今申し述べましたとおり、放送法第四条の規定についても、その調査が必要な場合、その個々の事案によって考えられるということですから、一義的に否定されるものではないということかと存じます。

田村(貴)委員 繰り返しになりますけれども、それは百七十五条の中に放送法四条の、施行令七条には放送法四条と書いていないんですけれども、そういう理解になっちゃうということなんですか。確認します。

今林政府参考人 法律の中に、この法律の施行に必要な限度において、政令の定めるところにより、資料の提出を求めることができると規定されておりまして、その施行令に先ほど申しました事項が列挙されているものでございます。

 それ以上の定めがございませんので、私どもといたしましては、法律の施行に必要な限度ということで、この第四条の規定への抵触がないかを調査するための資料というものについても該当するものと考えております。

 ただし、その場合でも、先ほど申しましたとおり、列挙されたものに当たるかどうかというところが個々の事案によって違うものと考えられます。

田村(貴)委員 施行令七条には、「第五条」から次、次と書いて、具体的に書かれているわけなんですよ。しかし、今、局長の答弁では、第四条も、大くくりにしたらその中に入ってもいいと。驚きの見解ですね。私たちもこれはちょっと考えてみたいというふうに思います。

 では、個々の番組で四条に照らして問題があると判断した場合、これはどうやって検証、証明していくんですか。

今林政府参考人 先生御承知のとおり、放送番組は、放送法の規定に従いまして、放送事業者の自主自律によって編集されるべきものというのが放送法の大原則でございます。

 したがいまして、第四条の第一項各号に適合しているか否かということは、まずは放送事業者の皆様がみずから判断いただくべきことということでございます。

 その上で、先生もお話ございましたように、必要に応じて、個別具体的な事案に応じて、放送事業者の皆さんからの事実関係を含めた報告を踏まえまして、必要な対応を行うことになるというふうに考えてございます。

田村(貴)委員 いろいろな場合があると思うんですけれども、これは資料の提出の強制力があるんでしょうか。それから、資料の提出を事業者が拒否する権利はあるんでしょうか。

今林政府参考人 いろいろな場合があると思いますけれども、先生御指摘の趣旨が、例えば放送法百七十五条の規定によって求めることができる資料、あるいは行政指導といったことに関連して求める資料ということでございますが、放送法第百七十五条の規定によって資料の提出が求められた場合については、放送法の百九十三条の規定におきまして、資料の提出を怠り、または虚偽の資料を提出した者は、二十万円以下の過料に処するとされているところでございます。

 他方、行政指導につきましては、任意で資料の提出をお願いするということでございますので、放送事業者の方々がこれを断ったという場合でも、こういった罰則などの適用はございません。

 行政指導は、御承知のとおり、行政手続法第二条第六号を根拠としておりまして、処分のように相手方に義務を課したり権利を制限したりするような法律上の拘束力はございませんで、相手方の自主的な協力を前提としているものであるため、強制力はないということでございます。

田村(貴)委員 四条の四項目については、なおさらそういうことだというふうに思います。それは、憲法上の表現の自由、それから番組編集の自由、表現の自由、これがやはり基本であるというふうに考えます。うなずいておられますから、そうなんでしょう。

 はっきりさせておきたいのは、資料提出の権限はない、それから客観的判断はやはり下せないというふうに私は思うわけです。

 少し古い議事録を読ませていただきました。

 一つは、平成六年、一九九四年三月二十四日の衆議院逓信委員会で、当時の局長は次のように答弁されています。

 事が起こって疑わしいなというときに、まずその会社に物を言って、それが疑わしくないということの証明をあなたの方でしてくださいと。それは、当方は放送番組編集の自由をたっとびますから、のこのこ手を突っ込むことはいたしません、まずあなたで正であるということを証明してくださいと。まあ、挙証責任の転換というのでしょうか、

こういう過去の答弁があります。

 もう一つ、平成五年、一九九三年十月二十八日、これは参議院逓信委員会での局長答弁であります。

 編集、放送が偏向されたかされなかったかということにつきましては、まず第一次的に当該会社に、放送局に自分の番組についてはこうだった、公正でしたとか偏向してたとか、そういうことをそちらに調べてもらう。

 まず会社に自分のところを判断してもらいまして、その結果をいただきます。その結果を我々は見せてもらいますという仕組みをとっているということによって矛盾なく事を進めさせていただく、

そういうふうに答えておられるわけであります。

 挙証責任の転換、第一次的には会社に判断を委ねる。放送法に照らして疑義が生じたときに、その検証というのは、放送事業者のみずからの取り組みに委ねる、これは放送法の核となるところだというふうに私は思うんですけれども、このときから大分時間がたっています。総務省は、その立場に変わりはありませんか。

    〔坂本(哲)委員長代理退席、委員長着席〕

今林政府参考人 先生御指摘のとおり、過去さまざまな議論がございましたけれども、そもそも放送法は、放送事業者の自主自律を基本とする枠組みになっておるところは御指摘のとおりでございます。

 放送法第四条第一項各号に適合しているか否かというのは、まずは放送事業者の皆さんがみずから判断するべきものと考えます。

 具体的に申しますと、放送事業者が放送番組の編集の基準をみずから定めて、これに従って放送番組の編集をすることということで、これが第五条に定められておりますし、放送事業者は放送番組審議機関を設置し、そこで放送番組の適正を図るために必要な事項を審議することということが第六条に規定されております。

 したがいまして、放送法におきましては、放送事業者の自主自律によって放送番組の適正を図る枠組みがしっかりとつくられているというふうに考えております。

 したがいまして、総務省は、国民・視聴者の利益を確保する観点から、そういった放送法が遵守されているかどうかについて、放送番組の適正性の観点から、放送法を所管する立場から従来より必要な対応を行っているところでございまして、例えば行政指導を含む対応につきましても、その立場から個別の事情などをよく勘案した上で、従来から極めて慎重に検討して実施してきているところでございます。

田村(貴)委員 放送事業者の自主自律が基本であるといったことを確認させていただきました。

 高市大臣にお尋ねしたいと思います。

 政府、総務省が挙証責任を果たしようにも物証がない、なぜならば、資料を請求する権限が法的に与えられていないからであります。

 高市大臣は、政治的公平性を確保されているとは認められない場合があるというふうに述べられることもあったんですけれども、それは法の建前からして確認のしようがないのではないか。それを大臣が判断するとならば、極めて主観的な判断につながっていくのではないかと私は思うんですけれども、いかがでしょうか。

高市国務大臣 まず冒頭に申し上げますけれども、田村委員が最初におっしゃったように、私が一つの番組をもって電波をとめる可能性があるというふうに国会の中で発言をしたことはございません。私自身が電波をとめると申し上げたことはないということは申し上げさせていただきます。

 それから、放送番組は、放送法の規定に従いまして、放送事業者の自主自律によって編集されるべきものでございます。したがって、放送法第四条第一項各号に適合しているか否かは、まずは放送事業者がみずから判断すべきである、これもこれまで答弁をしてまいりました。そのための仕組みとして、第五条に規定されているように番組の編集基準を定めていただくことや、六条に放送番組の審議機関を設置していただくことなど、自主自律的な取り組みのための条文がございます。

 その上で、必要に応じて、個別具体的な事案において、放送事業者からの事実関係を踏まえた御報告も踏まえて、必要な対応をとるということはございます。これはあくまでも、ちまたで話題になっておりますように、放送法百七十四条の放送業務停止命令であったり、電波法七十六条の無線局の運用停止命令をイメージしたものではございません。ここもまた、はっきり申し上げておきます。

 その場合におきましても、正当な表現の自由を制限することがないように、極めて慎重な配慮のもと運用すべきであるということは、従来からそのように取り扱ってきていますし、いずれにしても、これまで、放送事業者に対して、放送法第四条の政治的公平などに違反したという理由で行政指導や業務停止命令などが行われた事例というのはございません。重大な注意義務違反があったと放送事業者がみずからお認めになり、また報告も受け、そして、こちらから今後遵守に対する要請をお願いする、注意をしていただくということについて要請をするといった事例はございました。

 そもそも、平成二十二年に放送法は抜本改正されました。恐らく、昭和二十五年に放送法ができてから一番大きな改正だったと思います。そのとき、日本共産党さんは反対されましたが、それ以外の全党全会派が賛成しておられます。

 この折の大改正をしたときの議論の中で、放送法第四条に法規範性があること、そして、この番組準則、放送法第四条に違反すると認められた場合に、電波法七十六条や放送法第百七十四条などの適用の可能性もあるということ、しかしながら、その運用というのは極めて慎重に行わなければならないことなどが答弁されております。

 そういう意味では、検証に用いる資料の有無、そういった御指摘でございますし、大臣が判断するということだったらおかしいじゃないかという問題意識かと思いますが、それぞれ、百七十四条にしても、「総務大臣は、」ということで、総務大臣が主語になっております。日本国憲法第五章において、内閣は行政権の主体としての地位を認められており、そしてまた、日本は議院内閣制でございますから、やはりそれぞれ各省の大臣が所管する法律を誠実に執行していく、しかし、その場合に、法に従って、法に定められた内容に従って公正に執行していくということである、このように考えております。

田村(貴)委員 たくさん御答弁いただきました。

 高市大臣、ちょっと踏み込み過ぎているんじゃないかなと私は思うんです。法の建前とか制度について話される中で、やはり踏み込み過ぎている。

 例えば、この間の答弁でも、BPOの自主自律によって報道番組の適正を図るというのが基本であってもと。その後に、そういった取り組みをいただいても、どうしても必要な場合には、放送事業者から事実関係を踏まえた報告を受けて必要な対応を行うと。対立してあるわけなんですね。

 私は、所信質疑のときに大臣に聞いたんです。いろいろ、番組について疑義がある、そして聴取したとかそういう動きがある中で、では、大臣自身は、個々の番組に問題があるのか、極端に政治的公平性が遵守されていない番組があるんですか、そういう認識を尋ねたら、個々の番組には問題があったと認識していないと何度も答えられたんですよ。

 差し迫って公平性を欠くような番組はないとおっしゃっておられながら、わざわざ、どうしても必要な場合はとか行政指導とか、そういうことで持ち出してこられるのは、やはり私は踏み越えているんじゃないかなと思います。

 大臣の発言というのは非常に重いものがあります。これはやはり萎縮という影響も出ているということを指摘させていただきたいというふうに思います。

 放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、また規律されることはありません。それは放送法三条に定められています。そして、憲法二十一条、表現の自由に基づくものでもあります。報道の自由も、この表現の自由の保障に含まれます。なぜなら、報道機関の報道は、国民の国政への参画のための知る権利に奉仕する機関であるからであります。だからこそ、放送法第四条は倫理的規定であり、法規範とならない、これが大方の通説となっています。規律について、第一次的には放送事業者の自律に任せるものであります。

 時間が余りないんですけれども、私は、やはり規制機関については、きょうは欧米の状況について、アメリカとかイギリスとかの状況についてお伺いしたかったんですけれども、ちょっと時間がございません。

 基本的に、行政機関の長が放送内容を判断して行政処分できる国というのはなかなか珍しい、欧米諸国では、ないというふうに理解をしています。

 先ほど大臣は、憲法において内閣に行政権がある、その地位があるから、各省の大臣がそれぞれ所管する分野の行政を執行するという感じの答弁をされたと思うんです。

 総務省にお伺いしたいと思います。

 これは憲法上の制約があるんでしょうか。第三者による規制機関を、現憲法のもとで、放送法、電波法を変えることによってそれは可能だと私は考えるんですけれども、いかがでしょうか。

今林政府参考人 先生御承知のとおり、現在の憲法下におきましても、過去には、行政委員会でございます電波監理委員会というものが放送行政を所管していた時期がございます。

 これを考えますと、例えば放送法、電波法を改正して、放送行政の所管を第三者機関に委ねるということは、論理的には可能であると考えます。その具体的なあり方については、憲法との関係などを総合的に検討する必要があると考えます。

 なお、行政委員会でございますが、なぜ、それでは今その委員会になっていないのかと言いますと、これも大臣も何度か御答弁申し上げておりますが……(田村(貴)委員「いえ、質問は違います。できるのか、現憲法下で」と呼ぶ)ですから、現行憲法下においても可能ではあるというふうに考えております。

田村(貴)委員 言論、表現の自由にかかわる放送行政の規制というのは、やはり政府から、政党から独立した規制機関がまともな姿だ、これが世界の常識だということを指摘しておきます。

 総務大臣の監督ではなく、新たに放送委員会、独立行政委員会を設置し、放送行政を規律するように、そういう制度を求める、制度改正を求めたいと思います。これが我が党の立場であります。放送行政は、独立した規制機関が必要になっているのではないか。

 きょうはいろいろ質問したかったんですけれども、過去に、二〇〇七年、二〇一〇年に放送法の改正、総務省の方が番組編成に対して権限を持とうとした、そういう事例も私は学習したんですけれども、結果的には削除となったという歴史も聞きました。

 そうした歴史を踏むならば、もう独立した規制機関が必要ではないのか。BPOもあります。ちゃんと活動しています。そういう議論をするときに今来ているのではないかなというふうに思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。

高市国務大臣 過去に日本でも委員会があったことはございましたけれども、責任の所在が不明確ということで、これがなくなったということでございます。

 よその国、諸外国の例も先ほどおっしゃいましたけれども、一般的に、政治的公平も含む番組規律は諸外国でも定められているところが多うございます、放送行政を所管する組織で運用されていますが。

 例えば、アメリカは、大統領が任命する委員から構成される合議制の委員会であるFCCが放送行政を所管していますし、フランスでは、大統領が指名する委員長及び上下院が指名する委員から構成される合議制の委員会がございます。イギリスも、英国放送協会、BBCへの特許状の付与など一部の許認可は、大臣を長とする文化・メディア・スポーツ省が所管しております。放送内容に関する規律を含む放送行政は、この省の大臣が任命する委員から構成されるOFCOMが所管しています。

 さまざまなあり方というのが各国の事情に応じてあります。

 日本のところは、現在、先ほど申し上げましたような理由から、行政権を持つ、責任を持つべき所管大臣が責任を持って行っていく。また、非常に放送業界は技術進歩の速い世界でございますので、迅速な対応という意味からも、所管大臣が責任を持って行う、ただし、法に基づいて。こういう考え方でございます。

田村(貴)委員 しかし、独立規制機関であることは間違いないわけなんですね。日本は違うわけなんです。

 不偏不党、政治的公平性の判断を当の政治家自身が下すこと、これはできません。番組編集にかかわる資料を要求する立場にもありません。そして、総務大臣が、例えば政治的公平性の判断ができる由もないというふうに思い、きょう私は質問をさせていただきました。

 この間の高市大臣の、たとえ一つの番組であっても、あの発言と、政府統一見解、この撤回を重ねて要求して、きょうの質問を終わります。

 終わります。

遠山委員長 次に、足立康史君。

足立委員 おおさか維新の会の足立康史でございます。

 きょうは、しっかり二十分を頂戴しておりまして、特に与党の先生方、あるいは民主党以外の野党の先生方、ありがとうございます。

 委員長、ちゃんと質問しますので、御心配なく。

遠山委員長 お願いします。

足立委員 ただ、一言申し上げると、これから私が総務委員会でこうしてマイクを与えていただく、質疑の時間を与えていただいた際には、冒頭、時間の問題、必ず発言します。

 予算委員会でもそうでした。総務委員会でもそうでした。質問時間を野党第一党の横暴で減らされたままになっています。

 私は予算委員でもあります。これから私が予算委員会に立つとき、あるいは総務委員会に立つときは、必ず、民進党という名前が決まったそうでありますが、民進党は国会議員の国会における発言時間を削減する、そういう憲法違反、これは憲法違反です。言論の自由、あるいは我々国民の負託を受けた国会議員がこの国会で発言をするということは最も基本的な権利でありまして、これは私の権利じゃありません、国民の権利です。この国民の権利をないがしろにする民進党の憲法違反の横暴については、私が予算委員会に立つとき、そして総務委員会に立つときは、必ず、質問時間のうち五分、十分は使わせていただいて、もし、委員長、しっかり政策の議論をしろということであれば、最低三十分、最低三十分の時間はいただく。

 これが、今、私、社民党の先生方とそしてまた共産党の先生方、隣で御一緒していますが、みんな同意見です。二十分は少ない。まあ、勝手に言っちゃいけませんね、勝手に言ってはいけませんが、私は、最低三十分だよな、こう思っていますが、きょうは二十分いただけたことについては、民進党以外の先生方には心から感謝を申し上げたいと思います。

 さて、政策の議論でありますが、きょうは公共放送のあり方ということで集中審議で、大変重要な時間でございます。目いっぱい使わせていただいて、地上波の無料放送のコピー制御の問題について質問をさせていただきたいと思います。

 実は前回も、公正取引委員会もお越しをいただいて、私、この場でこのテーマを取り上げました。もう公正取引委員会は当面呼びません。むしろ、きょうはNHKもおいでをいただいていますので、総務省に、必要があれば文化庁、経産省なんかも呼ぶ必要があるかもしれませんが、きょうは時間の限りがありますので、総務大臣とNHKの会長に御質問を申し上げたいと思います。

 まず、これはもう既に総務委員の皆様はお詳しいことと思いますが、大臣、一言、ダビング10が決まった、運用が開始されるに至った経緯を、復習ということで、できるだけ簡潔に、なかなか簡潔にいかないわけでありますが、御紹介をいただければ。事務方でも結構ですよ。

今林政府参考人 それでは、簡潔に申し述べます。

 放送番組の制作に当たりましては、事業者が放送に必要な権利処理を行うということで、みずからコンテンツを制作することが多い放送事業者では、放送に当たって、そのコンテンツの権利保護を確保することが重要な要素になります。

 デジタル放送になりましてから、画質を劣化させることなくコピーすることが可能ということで、違法動画の流通、海賊版の流通を防いでほしいというような要望が権利者から指摘されておりました。そういうことで、当初、民間団体の規格として、一世代のみのコピーワンスが平成十六年に導入をされました。

 しかしながら、DVDに移す際に失敗して消えてしまうというような弊害がございまして、その対応を求める声が強くございましたので、平成十八年の九月に情報通信審議会のもとに検討委員会を設けまして、放送事業者、権利者、視聴者、受信機メーカーといった関係者、あるいは有識者にお集まりいただきますとともに、先生も御指摘ありました文化庁あるいは経産省さんなど関係省庁の参加もいただきまして、検討が行われ、その検討状況を踏まえて、平成十九年に審議会の答申におきまして、ダビング10を適用していくことが適当であるということが提言されまして、その早期実行を要請されたところでございます。

 その結果、答申を踏まえて、平成二十年にダビング10が導入されたものと承知してございます。

足立委員 ありがとうございます。

 もう皆さんお詳しいので、これぐらいでいいと思いますが、私、実は当事者でありまして、経済産業省という役所におりまして、ちょうどこのダビング10が決まるときに、このアイテムというか、この事項の担当参事官をしておりました。ちょうど総務省には、今どこにいらっしゃるかわかりませんが、小笠原課長という方がいまして、小笠原課長と私と文化庁の室長さんと、よくお茶を飲みながら、頭を抱えながらやっていた。

 当時は、文化庁が権利者団体、経産省がメーカー、そして総務省が放送局を代弁するような雰囲気があったように誤解をされている方もいらっしゃるかもしれませんが、私は、どちらかというと、経済産業省あるいは私担当官としては、やはりユーザーの利便性を一番大事にしてハンドリングしてきたことを懐かしく思い出すわけであります。

 今、事務方から御紹介がありました。今のお話の中で、ちょっと通告していませんが、海賊版という話が出ました。これはもちろん、海賊版対策は総務省の所掌から外れる部分も多いかと思いますが、ダビング10を導入して海賊版対策は進んでいるんでしょうか。ちょっと、もし御見解があれば。

今林政府参考人 海賊版対策が本件と直接関係しているわけではございませんけれども、デジタル化に伴って、海賊版が容易に、画質を劣化させることなく流通しやすいということで、これも、経産省さんや文化庁さんあるいは総務省、いろいろ知恵を寄せ合いまして、関係の団体などにおいて、要するに、違法動画の抑制とそれから正規の流通の促進、そういう取り組みが促進されたというふうに承知しております。

足立委員 こだわりますが、ダビング10というコピー制御方式は有効であったか。要は、もう時間が大分たっていますね。有効だったか、余り有効じゃなかったか。

今林政府参考人 これは先生からもお尋ねがあるかと思っておりましたが、ユーザーを対象にしました調査を総務省の方でやってございまして、平成二十四年三月に、放送コンテンツのコピー制御方式に関する調査ということでアンケート調査をやってございます。

 その中で、一番組におけるコピー回数は一から三回が九割以上、それから四六・七%が、ハードディスクに録画した後、記録メディアにコピーしたことがある、それから六二・七%の方々から、ダビング10の見直しの必要性はないという回答をいただいたところでございます。

 これを踏まえますと、ダビング10は、その当初の目的を達成して、視聴者の録画ニーズもおおむね満たしているのではないかというふうに考えております。

足立委員 通告していないので、かつ、所掌でもなかったら申しわけないんですが、今の話はわかります、御答弁はいいんですが、一方で、そもそもコピー制御を入れた理由は、海賊版対策が大きな議論になったわけです。だから、それで海賊版はとまっていますか。実態はどうですか。

今林政府参考人 先生御指摘のとおり、全てを所管しているわけではございませんので、全般的な御回答は控えたいと思いますが、ダビング10によって権利保護が図られたということは確かだろうと思います。

 それから、海賊版につきましては、特に海外における取り組みも同時に必要ということで、これは関係省庁、知恵を寄せ合いまして、海外の諸国、特に公的機関にそういった対策を要請して、国によりましては、警察も動いていただいて取り締まりをやっていただいて、一斉に挙げていただいたというような事例もございますので、ダビング10と直接関係はございませんが、そういったことを機会に、権利保護の意識が高まって海賊版対策も進んだのではないかというふうに考えております。

足立委員 私の個人の評価は、海賊版対策と銘打ってやったけれども、海賊版対策としては有効ではなくて、むしろそれを乗り越えていくエネルギーの方が、それは誰のエネルギー、それはユーザーのエネルギーです、そういうエネルギーが大きいですので、私は、海賊版対策としてのコピー制御、これは有効ではなかった、こういう評価をしていますが、これはまた別の機会にやります。

 ちなみに、ダビング10について、あと最後一点だけ質問したいのは運用規定。ちょっと細かいことになりますが、おわかりになる方がいらっしゃれば。

 運用規定で、ダビング10にしろとは書いていないですね。ダビング10に、要は運用していいよ、運用可となっているわけです。

 運用可となっている中で、ダビング10よりも緩いというか、ユーザーにもうちょっと利便性の高い方式を選択している放送局、NHKも含めて、それは僕はないと理解していますが、ないということでいいですか。要すれば、みんなダビング10に張りついた、運用は。それはちょっとどうなっていますか。

井上参考人 お答え申し上げます。

 NHKも、ダビング10の枠内ということで運用しております。

足立委員 これが議論があるところで、運用可なんですよ。要は、運用規定は、ダビング10という、きついですよ。いや、今、局長はみんな満足していると言うけれども、私はそう思いません。まあ、それはいいや。また別途、時間をとってやります。

 要は、運用規定は、ダビング10にしてもいいよと。何でみんなするんですか。NHKはなぜ、NHKというのは、特にNHKですよ、ほかの民放も公共の電波を使っていますから公共性は高いわけでありますが、なぜNHKも民放と一緒になってダビング10を選ぶんですか。

井上参考人 お答えいたします。

 NHKといたしましても、このダビング10については、視聴者、ユーザーの利便性と適正なコンテンツの権利保護の両面に配慮した仕組みとして運用されているというふうに認識しているということでございます。

足立委員 通告を細かくしていませんから、でもお答えいただけると思って今質問しているんですが、もうちょっと言うと、技術規格。要すれば、ダビング10は運用可ですよという運用規定。細かいことは私は知りませんが、そういうフォーラム、民間団体でいろいろ決めたりするんですね、きっと。ちょっときょうは忙しくて予習が十分できていないんだけれども、多分そうです。

 では、それを放送局がどう運用するか。運用規定のもとで、運用規定をもう一回繰り返しますが、ダビング10、運用可なんです、その運用可という一番厳しい、一番厳しい運用可能性のあるものに張りついているんです、放送局は。全ての放送局が一番ユーザー利便性の低いところに張りついているんです。

 NHKはどこでそれを意思決定したんですか。それは民間と協議したんですか、していないんですか。

井上参考人 運用可ということで、NHKで事業者として独自に判断したということでございます。

足立委員 結局、私の問題意識は、一番きついところにみんな張りついているんです。例が悪いかもしれないが、以前、銀行のATMの手数料、みんな一緒だった時代があるんですよ。これはいろいろ問題だ、何で一緒なんだ、なぜ一緒に張りつくんだということでえらい問題になって、今はみんなさまざまなビジネスモデルで、みんな競争しているんです。

 放送の世界、この公共放送、まあ、民放も含めたこの日本の無料放送の世界は、規格を決めるとみんな張りつくんです。一番ユーザー利便性が低いところに張りつくんです。それはどこで決めているかわからないです。今、NHKは相談していませんと。相談していないでみんな張りつくのかな。護送船団そのものでありまして、私は、銀行のATMの手数料と同じようなことが背景にあるのではないかな、こう思うわけであります。

 この点は、またじっくり時間かけてやります。きょうはもうあと五分、三分ですので。

 きょう、メーンテーマに行くのがおくれましたが、4Kテレビが、試験放送がことし始まって、一八年に実用放送が開始される予定であり、二〇年の東京オリンピックで、ぜひこれを4Kでみんな見たい、こうなっているわけですが、前もちょっと伺ったかもしれません、コピーネバーになる可能性が排除されていない、それは現状そうですか、大臣。

高市国務大臣 4K、8Kの録画方式ですが、現時点では、録画を可能とする規格の導入は既に決まっているものの、一部の放送番組に録画禁止を可能とする規格の導入の可否について、関係者間で議論が続いています。

 放送事業者、受信機メーカー、通信事業者など幅広い関係者が参加する一般社団法人次世代放送推進フォーラムにおいての議論ですが、優良コンテンツを調達しやすくする観点から録画禁止を導入すべきだという御意見もあり、また一方で、録画視聴は我が国の国民生活に深く根づいており、視聴者の利便性低下や混乱を招かないように録画禁止の導入は慎重に検討すべきといった御議論もあるようでございます。

足立委員 きょう、NHK会長、お越しいただいています。

 なかなか技術的な問題でありますが、これはユーザーにとってはとても重要な問題なので。

 会長にちょっと伺いたいのは、この次世代フォーラムで、4K、8Kの技術規格を決めていくようであります。ただ恐らく、今もいろいろおっしゃいました、いや、一部の番組だとか。あるいは、ダビング10もそうだったんです。ダビング10にしてもいいよ、しなくてもいいよと。でも、張りついているんです。

 私はぜひ、NHKは、NHKのその使命に鑑み、コピーネバーは採用しない、そう言った方がいいと思いますが、どうですか。

井上参考人 この4K、8Kのコピー制御方式については、たった今、大臣の答弁のとおり、検討の最中でございますけれども、NHKといたしましては、今委員が述べられたような視聴者の利便性、それから一方で、適正なコンテンツの保護という両面が非常に大事だというふうに考えておりまして、こうしたことについて、今議論を進められております関係者の間で合意が図られることが望ましいというふうに考えているという立場でございます。

足立委員 賢明な委員の皆様は共有していただけた部分も多いかと思います。これは大変重要なテーマでありまして、今議論しなければ、いずれ、技術規格がわかったようなわからないような形で決まり、放送局が、なぜか知らないけれども、かつての銀行のような形で、同じ、一番ユーザー利便性が低いところに、すなわちコピーネバーに張りつくという可能性が私はあると思っています。

 NHKだけは、これはまたNHK予算の審議もありますからじっくりやりますが、私は、要は、海賊版対策になる、海賊版対策は絶対必要ですよ、ユーザーの利便性だけではなくて、例えばコンテンツをつくる権利者の皆様、これもしっかりお金が回る、そういうビジネスモデルをつくっていく必要があると思いますが、だからといって、今、ダビング10、あるいはこれから議論されているコピーネバー、こういうものは私は誰のためにもなっていないと考えていまして、また、私の意見も含めて、時間をいただいて、質問させていただきたいと思います。

 本日は大変にありがとうございました。

遠山委員長 次に、吉川元君。

吉川(元)委員 社会民主党の吉川元です。

 本日は、NHKの土地の取引等々、さまざまな問題について質問をさせていただきたいと思います。

 質問に入る前に、この一連の問題を通じて感じていることなんですけれども、NHKの対応が極めて不透明な印象を与えております。受信料から成り立つ公共放送である以上、さまざまな事案について、事実関係も含め、国民に明確な説明をしていただきたいということを、まず冒頭申し上げたいというふうに思います。

 それでは、質問に入っていきたいと思います。

 まず最初に、関連団体の土地購入計画をめぐる案件について、上田監査委員にお聞きをしたいと思います。

 昨年十二月の八日の経営委員会において、この事案について、適正な手続によるものなのか調査を行っていることを明らかにし、二十二日の経営委員会でその結果を報告しております。

 八日の経営委員会での上田監査委員の発言を読みますと、この事案を認知した翌日、十二月二日から関係者の話を聞き始めた。ということは、上田監査委員がこの事案を初めて知ったのは十二月一日の役員会ということになるんだろうと思います。

 その翌日から関係者の話を聞き始めたということは、上田監査委員としては、初めて話を聞いたその時点から、この事案については何らかの疑義が、あるいは疑問があったということで、そういう理解でよろしいんでしょうか。

上田参考人 お答えいたします。

 先生が今おっしゃいましたように、十二月一日に今回の土地取得計画の存在を知り、売買契約の締結及び実行に至る場合には相当額の支出が必要となる一方で、本件土地の買い受け申込書の提出に至るまでの手続に不明な点がありましたために、翌二日から調査を開始いたしました。

 まず、本件土地の取得に向けた協会や関連団体の手続が法令や協会内の規程に違反してはいなかったか、調べる必要があると考えたためです。

 その後、計画は撤回されましたけれども、撤回によって協会あるいはNHKビジネスクリエイトに金銭的な損失が生じることがないかということについて調査を行いました。

吉川(元)委員 この計画、結果的に、十二月八日の理事会と経営委員会の議論、ずっと当委員会でも話が出ておりますが、全く何を議論したのかがつまびらかになっておりませんから、具体的な内容についてはわからないわけですけれども、いずれにしても、二つの会議の議論を経て、経営委員会終了後の臨時役員連絡会で、今上田監査委員が言われたとおり撤回をされた。

 上田監査委員が初めて話を聞いた時点で、ちょっとこれは調べないとだめなんじゃないか、そういう疑問を抱かせるような、そのような計画が途中までではありますけれども進んでいたということについては、私は驚かざるを得ません。

 そこで、関連してお聞きしますが、監査委員会の報告書で、調査項目の二番目に「関連団体による協会との事前協議」という項目があります。関連団体が重要な資産を取得する場合、協会と事前協議を行い、承諾を得る必要があることから、関連団体運営基準の十一条十六号に定められております。

 報告書では、NHKビジネスクリエイトが、NHKの関連事業統括理事や会長の了解を得ながら、購入申込額を決め、優先交渉権の内定を得たこと、その後も、NHKの関連事業局と連絡をとり合っていたとしております。一方、しかるべき段階で関連団体ごとに事前協議を行う必要があることを、関連団体とNHK側、双方が認識していたとも記述をされています。

 ということは、NBCとNHK側は連絡や調整を行ってはいたけれども、NHKと関連団体ごとの協議は監査委員会の調査時点ではまだ十分に行われていなかったということでよろしいのでしょうか。結果的に計画は頓挫はしたものの、監査時点では事前協議は完全には履行されていなかった、そういう理解でよろしいでしょうか。

上田参考人 お答えいたします。

 今、先生が私どもの報告書を引用してくださいましたけれども、引用してくださいましたとおりでして、調査が進めば、しかるべき段階で関連団体ごとに事前協議を行う必要があると、関連団体側と協会の両者が認識していたものと考えておりまして、事前協議が完了したという認識は持っておりませんでした。

吉川(元)委員 事前の協議が調っていない段階で、理事会そして経営委員会で正式の議題として出されてきたということであります。撤回はされたとはいえ、正式には出された。

 ちょっと経営委員長にお聞きしたいんですけれども、関連団体運営基準に定められた事前協議が行われていない案件、これが正式議題になったことについて問題はないのか、その点についてどのようにお考えでしょうか。

浜田参考人 土地購入問題については、経営委員会の議題になったことはございません。

吉川(元)委員 議論になっていないといっても、一応議題に上っているわけですよ。要綱の中で、当然関係があるということで、出ているわけです。

 それともう一点、お聞きしたいことがあります。

 監査委員会の調査項目の五番目の「価格等の購入条件等の検討」についてですけれども、各関連団体による利用や負担の計画概要が示されていないこと、契約締結に向けた手順、日程も関係者の間で十分な意思統一が図られていないことなどを指摘した上で、本件土地取引が撤回されない場合には必要となる契約締結に向けた準備が十分に進んでいたとは言いがたいというふうに結論づけておられます。

 微妙な言い回しなんですけれども、素直に読むとすれば、監査時点のままであったとすれば、今回の土地取引、もし実際に行われていたとすると、関連団体運営基準の手続に抵触する可能性があったというふうに監査委員会として考えておられるということでよろしいんでしょうか。

上田参考人 お答えいたします。

 本案件が撤回されなかった場合といいましても、さまざまなケースが想定されますので、そのような仮定の御質問への回答は差し控えさせていただきたいと思います。

吉川(元)委員 もちろん、撤回されて、仮定の話ですけれども、少なくとも、調査を始めた、そして報告書を出す段階において、このままいくと、もし仮にいったとしたらこれはまずい、抵触するということをこの文書から読み取れるんですが、そうではないということですか。抵触はしないということですか。抵触していなかったということですか。

上田参考人 お答えいたします。

 繰り返しになりますけれども、本案件が撤回されなかった場合ということは、さまざまなケースが想定されますので、どのようなケースを想定するかによって答えも変わってくると思いますので、仮定の御質問への回答は差し控えさせていただきたいというふうに考えます。

吉川(元)委員 それでは、ちょっと別なことをお聞きしたいと思います。

 先ほど少し信用保証の話が出ました。この信用保証の有無についても、監査委員会の報告の中に書かれております。

 放送法の中では、協会は関連子会社に対して債務保証ができないとなっております。

 その中で、この監査委員会の報告を読みますと、本件土地取引では、NBCが買い取り申込書を提出するに当たって、協会の財務・経理統括理事、関連事業統括理事及びNBC社長の三名が、NBC社長名で買い受け申込書を提出することを確認する旨の文書をそれぞれ署名捺印の上取り交わしたことが確認されたというふうになっております。

 まずこのことについて、経営委員長並びに理事会、これは御存じだった内容なんでしょうか、こうした文書が取り交わされていたということについては。

浜田参考人 監査委員会の報告で知りました。

吉川(元)委員 理事会の方はいかがですか。理事会として、こうした文書を交わすというようなことは事前に議論されていたんでしょうか。

籾井参考人 これは、議論されておりません。

 ただし、出ているというのがわかった時点で、私も弁護士のところに行きまして、これの意味するところは何かということをはっきり確認いたしております。それは、債務保証でもなければ、念書でもない、全て金銭的には問題ない、こういうお答えを弁護士からいただいております。

吉川(元)委員 監査の報告の中でも、土地取引に詳しい弁護士、これは一体どなたなのか私は知りませんけれども、今言った会長の答弁のようなお話を伺ったということが書かれております。

 この文書については、売り主や仲介業者への開示を予定したものではないし、これらの者へ渡してもいない旨の説明を受けている、第三者からもそれを否定する証言はなかったということですけれども、渡していないということは書かれていますけれども、見せてもいないということでよろしいですか。

上田参考人 私どもが調査した限りにおいては、そういった事実は確認できなかったということです。

吉川(元)委員 つまり、もう一回確認しますけれども、見せてもいないということでいいんですね。渡してはいないけれども、こういうものがありますということを見せてもいないということでよろしいんですね。

福井参考人 この確認書につきましては、NBCと財務担当役員と関連事業担当、三人で協議しただけで、誰にも見せておりません。

吉川(元)委員 内容について、土地取引に詳しい弁護士が、これは信用保証を行ったとは言いがたいというようなことを言われておりますけれども、それは実際に私たちは見ていないわけですから、必要なところは黒塗りにしていただいても結構ですけれども、ぜひこの確認書、提出をお願いしたいというふうに思います。

 委員長の方でお取り計らいをよろしくお願いします。

遠山委員長 ただいまの吉川元君の申し出につきましては、後刻理事会で協議をいたします。

吉川(元)委員 それでは、二月二十四日の本委員会、きょうも籾井会長の方からお話がありました。一連の今回の土地取引の過程についての説明を伺っております。

 それを見ますと、十一月三十日に役員連絡会を開き、情報を役員で共有し、十二月一日に役員会で来年度予算を議論した際にも、担当理事が土地取引の取り組みを説明した。十二月八日の理事会で議論し、その後開かれた経営委員会に報告し、議論した上で、その後、臨時の役員連絡会を開き、正式な手続に入ることをやめたということを、これは籾井会長の方からお話がありました。

 ちょっとお聞きしたいんですけれども、この間、役員会とか役員連絡会とか臨時の役員連絡会とか、いろいろな役員会という名称のものがたくさん出てまいります。放送法やあるいはNHKの定款を読んでも、役員会、役員連絡会という規定は出てきません。

 この構成メンバー、NHKのホームページで組織図とかを見ましたけれども、この中にも役員会なるものはどこにもないわけでして、これは一体どういう構成メンバーで、どういう位置づけで、何を権限として行われているのか、根拠として行われているものなのか、お答えください。

籾井参考人 委員おっしゃるとおり、役員会とか役員連絡会というのは規定上はございません。

 しかしながら、理事会という公式のもの以外に、都度、我々が集まって議論する場所というのが役員会でありこの連絡会というのは、大体月曜日のお昼にお互いの動静をチェックし合うということなんですが、その機にまた連絡すべきことを連絡する、こういうふうな非公式な検討の場としております。

 役員会は、原則として毎週一回、理事会に引き続き開催いたしております。メンバーは会長、副会長、理事、経営企画局長、秘書室長、それに常勤監査委員で、必要に応じて関係部局長が出席しております。

 それ以外に随時開いているのが先ほど言いましたように役員連絡会でありまして、メンバーは基本的に会長、副会長、理事でございます。

吉川(元)委員 放送法の四十九条には、協会に、役員として、経営委員会の委員のほか、会長、副会長、理事を置くというふうになっております。

 この役員会というものは、つまり、放送法の四十九条に定められている役員としての経営委員は入れていないということでよろしいんですね。

籾井参考人 役員会は通常、理事会の後にやります。そのときには監査委員は出ておられます。

吉川(元)委員 いや、監査委員は出ているのは結構なんですけれども、放送法で定められている役員というのは経営委員、これは役員ですよね。その方は入っていない役員会をやっているということですか。

籾井参考人 これはNHKの役員会でございまして、理事会でないという意味で役員会という名前を使っております。

吉川(元)委員 だとすると、もう一つお聞きしたいんですけれども、この役員会並びに役員連絡会なるものは、これは議事録等はつくられていますか。

籾井参考人 議事録はございません。フリーのディスカッションの場でございます。

吉川(元)委員 だとすると、十二月の八日の経営委員会の後に臨時の役員連絡会を開いた、それで正式な手続に入ることをやめた、これは何の権限でそんなことが決められるんですか。

籾井参考人 理事会は審議をする場でございまして、みんなで結論を出す場でも必ずしもないのでございます。理事会に出席する副会長及び理事は会長を補佐するという立場から審議事項についていろいろ意見を述べ、それを勘案した上で最終的に会長が決定するということでございます。

吉川(元)委員 ですから、十二月八日の理事会の中において議論をし、結果的には取り下げになりましたけれども、経営委員会の中で要綱について取り下げをした。ある意味でいうと、理事会の中で議論して決めたようなことが、臨時の役員連絡会なる、全く根拠も、そして議事録も残らないようなところで決められるんですか。

籾井参考人 先ほども申しましたように、理事会は審議会でございます。

 そして、あの日は、私はその後、経営委員会に説明をしたわけです。これは議題でも何でもないのでございますが。そのときにいろいろな感触を得まして、そういうことを考えて、総合的に考えて、これ以上前に進まないのがいい、こういう結論になったということでございます。

 それを役員会、みんな臨時に集まってもらって、そこで私の意向を伝えたということでございます。

吉川(元)委員 非常に重要な決定について、議事録も残らない、そして、いわゆる権限があるのかないのかもよくわからない中で、意見交換の場自体を私は否定するつもりはありませんけれども、取り下げるというような決定を行うのに、なぜその臨時連絡会なのか。

 放送法の四十一条では、経営委員会は議事録をつくって公開しなければならないとなっています。それから、NHKの内規では、理事会についても議事録をつくって公開するというふうになっています。

 ところが、先ほど質問いたしましたけれども、役員会や臨時の役員連絡会、こうしたものについては議事録もつくられていない。

 だとするならば、理事会や経営委員会とは一体何のためにあるんですか。NHKは受信料で成り立っている。だから、その中でどんなことが議論されているのかを、受信料を払う皆さんにきちんと伝えるという意味合いにおいてこうした規定があるわけでありまして、これは全くおかしい。

 もうきょうは時間が来てしまいましたので、この問題についてはまた引き続きやらせていただきたいと思います。

     ――――◇―――――

遠山委員長 次に、放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、審査に入ります。

 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 本件審査中、参考人として日本放送協会の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

遠山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

遠山委員長 まず、趣旨の説明を聴取いたします。高市総務大臣。

    ―――――――――――――

 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

高市国務大臣 日本放送協会の平成二十八年度の収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 この収支予算、事業計画及び資金計画は、放送法第七十条第二項の規定に基づき、総務大臣の意見を付して国会に提出するものであります。

 まず、収支予算について、その概要を御説明申し上げます。

 一般勘定事業収支につきましては、事業収入が七千十六億円、事業支出が六千九百三十六億円となっております。

 一般勘定資本収支につきましては、資本収入、資本支出がともに九百十億円となっております。

 次に、事業計画につきましては、国民・視聴者の信頼と多様な要望に応える質の高い番組の提供、国際放送の充実による海外情報発信の強化、我が国の経済成長の牽引力として期待される4K、8Kなどの先導的なサービスの推進に重点を置き取り組むこととなっております。

 総務大臣といたしましては、この収支予算等について、おおむね妥当なものと認められるとした上で、その実施に当たっては、子会社による不祥事を厳粛に受けとめ、グループ全体としての協会の改革に組織を挙げて迅速に取り組むこと、協会の経営が国民・視聴者の負担する受信料によって支えられているとの認識を新たにし、業務の合理化、効率化に向けたたゆまぬ改善の努力を行うとともに、国民・視聴者に対する説明責任を果たしていくことが必要であるとする意見を付しております。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますようお願い申し上げます。

遠山委員長 次に、補足説明を聴取いたします。日本放送協会会長籾井勝人君。

籾井参考人 ただいま議題となっております日本放送協会の平成二十八年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして御説明申し上げます。

 平成二十八年度の事業運営に当たりましては、公共放送の原点を堅持し、事実に基づく公平公正で正確、迅速な報道に全力を挙げるとともに、視聴者の幅広い期待に応える豊かで質の高い多彩な番組の充実を図ります。

 日本を世界に積極的に発信し、政治、経済、社会、文化などさまざまな分野で国際社会の日本への理解を促進してまいります。

 また、スーパーハイビジョンの実用化に向けて、8K、4Kの試験放送を実施するとともに、インターネットを活用した新たなサービスを創造いたします。

 受信料については、公平負担の徹底に向け、受信料制度の理解促進と営業改革を一層推進し、支払い率の向上を図ってまいります。

 あわせて、NHKグループ全体で、コンプライアンスの徹底と業務体制改革に取り組んでいくとともに、一層効率的な経営を推進してまいります。

 次に、建設計画においては、緊急報道設備やスーパーハイビジョン設備を整備するとともに、いかなる災害時等にも安定的に放送サービスを継続するための設備整備等を実施いたします。

 以上の事業計画に対応する収支予算は、一般勘定の事業収支におきまして、受信料などの収入七千十六億七千万円、国内放送費などの支出六千九百三十六億三千万円を計上しております。事業収支差金は八十億三千万円となり、全額を、渋谷の放送センターの建てかえ等に備えて建設積立資産に繰り入れることとしております。

 また、資本収支は、収入として、減価償却資金など総額九百十億三千万円を計上し、支出には、建設費など九百十億三千万円を計上しております。

 最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に基づいて、資金の需要及び調達を見込んだものであります。

 以上、平成二十八年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、その概要を述べました。事業計画の一つ一つの施策を着実に実行し、公共放送として視聴者の皆様の期待に応えてまいりたいと存じます。

 委員各位の御理解と御支援をよろしくお願い申し上げます。あわせて、何とぞよろしく審議の上、御承認賜りますようお願い申し上げます。

遠山委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る十七日木曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時八分散会


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