衆議院

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第15号 平成13年6月6日(水曜日)

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平成十三年六月六日(水曜日)

    午前十時二分開議

 出席委員

   委員長 山口 俊一君

   理事 伊藤 公介君 理事 奥山 茂彦君

   理事 佐藤 剛男君 理事 根本  匠君

   理事 五十嵐文彦君 理事 海江田万里君

   理事 石井 啓一君 理事 鈴木 淑夫君

      大野 松茂君    熊谷 市雄君

      倉田 雅年君    小泉 龍司君

      七条  明君    砂田 圭佑君

      竹下  亘君    竹本 直一君

      中野  清君    中村正三郎君

      林田  彪君    牧野 隆守君

      増原 義剛君    三ッ林隆志君

      山本 明彦君    山本 幸三君

      渡辺 喜美君    江崎洋一郎君

      大出  彰君    大島  敦君

      岡田 克也君    河村たかし君

      小泉 俊明君    今野  東君

      中川 正春君    中村 哲治君

      長妻  昭君    原口 一博君

      日野 市朗君    松本 剛明君

      赤羽 一嘉君    久保 哲司君

      谷口 隆義君    若松 謙維君

      中塚 一宏君    穀田 恵二君

      佐々木憲昭君    吉井 英勝君

      阿部 知子君    植田 至紀君

    …………………………………

   財務大臣         塩川正十郎君

   国務大臣

   (金融担当大臣)     柳澤 伯夫君

   内閣府副大臣       村田 吉隆君

   外務副大臣        植竹 繁雄君

   財務副大臣        村上誠一郎君

   農林水産副大臣      田中 直紀君

   総務大臣政務官      山名 靖英君

   財務大臣政務官      中野  清君

   財務大臣政務官      林田  彪君

   経済産業大臣政務官    大村 秀章君

   政府参考人

   (内閣官房内閣参事官)  近藤 賢二君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房長)   江利川 毅君

   政府参考人

   (警察庁長官官房長)   石川 重明君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 鎌原 俊二君

   政府参考人

   (金融庁証券取引等監視委

   員会事務局長)      五味 廣文君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   藤井 秀人君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   津田 廣喜君

   政府参考人

   (財務省主税局長)    尾原 榮夫君

   政府参考人

   (財務省理財局長)    原口 恒和君

   政府参考人

   (財務省財務総合政策研究

   所次長)         墳崎 敏之君

   政府参考人

   (国税庁次長)      大武健一郎君

   政府参考人

   (環境省自然環境局長)  西尾 哲茂君

   財務金融委員会専門員   田頭 基典君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月六日

 辞任         補欠選任

  大野 松茂君     熊谷 市雄君

  中村正三郎君     三ッ林隆志君

  岡田 克也君     大出  彰君

  小泉 俊明君     大島  敦君

  中川 正春君     中村 哲治君

  日野 市朗君     今野  東君

  谷口 隆義君     久保 哲司君

  若松 謙維君     赤羽 一嘉君

  吉井 英勝君     穀田 恵二君

同日

 辞任         補欠選任

  熊谷 市雄君     大野 松茂君

  三ッ林隆志君     中村正三郎君

  大出  彰君     岡田 克也君

  大島  敦君     小泉 俊明君

  今野  東君     日野 市朗君

  中村 哲治君     中川 正春君

  赤羽 一嘉君     若松 謙維君

  久保 哲司君     谷口 隆義君

  穀田 恵二君     吉井 英勝君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 国有財産法第十三条第一項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件(内閣提出、議決第一号)(参議院送付)




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     ――――◇―――――

山口委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、参議院送付、国有財産法第十三条第一項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。財務大臣塩川正十郎君。

    ―――――――――――――

 国有財産法第十三条第一項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

塩川国務大臣 ただいま議題となりました国有財産法第十三条第一項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。

 本件は、公園である公共用財産を公用財産にすることにつきまして、国有財産法第十三条第一項の規定に基づき、国会の議決を求めるものであります。

 以下、その議決案の内容につきまして御説明申し上げます。

 本件は、環境省が公共用財産として所管する公園である京都御苑の一部に、京都迎賓館、仮称でございますが、を整備するため、同予定地を内閣府所管の公用財産にするものであります。

 以上が、本議決案の提案理由及びその内容であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。

 ありがとうございました。

山口委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

山口委員長 この際、お諮りいたします。

 本件審査のため、本日、参考人として預金保険機構理事長松田昇君の出席を求め、意見を聴取し、政府参考人として財務省主計局次長藤井秀人君、財務省主計局次長津田廣喜君、財務省理財局長原口恒和君、財務総合政策研究所次長墳崎敏之君及び内閣府大臣官房長江利川毅君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

山口委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松本剛明君。

松本(剛)委員 おはようございます。

 大臣初め御関係の各位、そしてまた委員会の皆さんも、連日の審議でございますが、よろしくお願いをいたしたい、このように思います。

 私も、五月も二度、大臣御就任後、質問に立たせていただいているわけでありまして、御提案をされた大臣の基本姿勢ということで、毎回立つたびにお伺いをしなきゃいけないのは大変残念でありますけれども、きのうの報償費の話もございます。(発言する者あり)飽きたというお言葉がありますが、いつまでもこの問題にかかわっていては国会の審議は大変不毛だと思いますが、ふたをする形で終わるということであれば国会は機能を果たしていない、責任を果たしていないということになりますので。

 ぜひ、大臣におかれましても、私がお願いをさせていただいたときも、一回目は、次の機会に明確にお答えになるとおっしゃいましたし、次のときは、そのお話を受けとめていきたいとおっしゃっていただいたことを私は信じて、きちっと明快な御決着を、ふたをするのではない御決着をいただけるものではないか、このように思います。

 もしこういう形で不透明なまま残るとすれば、やはり政権交代が必要だということにもなってくるのではないか、このように思います。総理御自身、小泉政権の成立はいわば政権交代だというふうにおっしゃったわけでありますが、こういったものが残っていくということであれば、これはやはりきちんとした政権交代ができたということにはならない、このように思うわけでありますが、一言大臣からちょうだいできればと思いますので、よろしくお願いをします。

塩川国務大臣 先日の衆議院予算委員会で、急に開かれまして、すぐにどう答えたらいいかということで迷っておったのでございますが、ビデオを見まして私の発言のことを思い出した次第であります。

 その上で申し上げますが、私は官房長官を宇野内閣で務めましたが、十年以上前のことでございましたし、わずか二カ月しか務めなかったので、正直言って当時のことは半信半疑で、よく記憶をしておりませんでした。

 が、しかし、ことしになりまして、外務省の機密費と関連いたしまして内閣報償費のインタビューを新聞、雑誌等で何社かから取材を受けたことを思い出すのでございますが、そういうことの、実際のところ、当時のことはよく覚えておりませんでしたし、また、いろいろマスコミ側から聞かれたので、その当時もしくはその以前において雑誌等に出ておったことと取りまぜて話をしたように思っておりまして、ちょっと軽率であったと今反省しておるところであります。

 いずれにいたしましても、政府の一員として、内閣報償費についてその使途を明らかにすることは控えたいと思っております。

松本(剛)委員 時間が限られておりますから、私の役目はまたありますのであれしますが、私自身も、もし私自身が納得いく形でいかなければ毎回お伺いせざるを得ない、このように思っております。飽きたと言われても頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。

 さて、法案でありますが、国有財産の処分ということで、京都の迎賓館をつくるための処分というふうに理解をいたしております。伺うところによると、新しい迎賓館をつくるのに、およそ二百億円ほどの費用を三年間で要するというふうに伺いました。大変財政状況が厳しい中で新たな迎賓館を建設するということになるわけでありますが、現在の迎賓館は年間どのぐらい利用されているのか、お願いをしたいと思います。

江利川政府参考人 赤坂迎賓館の利用でございますが、昭和四十九年開設以来、二百三十五回、大体年平均で八、九回の接遇を行っております。

松本(剛)委員 新たに京都に迎賓館を建設されて、どのぐらいの利用を見込んでおられるんでしょうか。

江利川政府参考人 京都迎賓館の利用見込みにつきましては、まだはっきりしたことはわかりません。ただ、これまでの実績を調べますと、年間平均して二十五件程度、国公賓等の外国の賓客の京都への御訪問がございますので、こういう実績を踏まえながら活用を考えたいというふうに思っております。

松本(剛)委員 民間でできることは民間でやるという小泉内閣、今までの京都へ行かれていた賓客は、恐らく京都の民間施設を御利用になっていたんだろうというふうに思います。二百億かけて、民業、民の仕事がこれでは少し減ってしまうんではないか、このように思うわけであります。

 おいでの皆さんも京都御所は行かれたことのある方の方が多いかというふうに思いますが、京都御所の隣に、警備上の問題、防災上の問題等いろいろあろうかというふうに思いますが、鉄筋コンクリートのものを二百億かけておつくりになる。設計もおおむね完成をしているということでありますが、和風迎賓館ということであれば、木造とか何らかの特色を生かすとか、そういう工夫はどのようにされておられるのか。私のふるさと姫路は四百年もった姫路城という木造建築があるところでございまして、木造もつくりようによっては大変しっかりしたものができるんではないかと思いますが、その辺のお取り組みの姿勢を伺いたいと思います。

江利川政府参考人 京都迎賓館は、地上一階地下一階の鉄筋鉄骨づくりでございます。京都御苑との景観に配慮するということで、できるだけ日本の空間を感ぜられるような工夫をやっております。施設の外周には京都御所との調和に配慮しました築地塀をめぐらす、それから中央には池をしつらえた庭園を置きまして、その周辺にできるだけ木を活用した木造づくりの施設、そういうものを考えているわけでございます。

 ただ、大きな建物でございますので、建築基準法上の耐震性、あるいは消防法上の耐火性、それから賓客の安全性というようなことを考えまして、主要構造は鉄筋鉄骨づくり、中で工夫をしているということでございます。

松本(剛)委員 予想された答えの範囲内ということではないかというふうに思うわけであります。

 改めて、この二百億円というのが、迎賓館、国賓をお迎えするわけでありますから、それなりの対応が必要にはなってくるんだろうというふうに思いますが、割高か割安かは別にして、今の我が国の財政にとっては、二百億円というお金も、三年間とはいえ決して小さくないお金ではないか、このように思っております。

 来年度の予算においては既に三兆円ほど経費節減を図らねばいかぬというふうに、政府の方におかれても方針をお出しいただいているわけでありまして、今回のこの迎賓館につきましても、お伺いをしましたところ、本年度はおおむね二十億、来年六十億、再来年は百二十億ほど費用がかかる、こういうお話で伺いました。三兆円のうちの六十億ということになれば、小さいといえば小さいかもしれませんが、六十億が三百件ほど集まれば、なる計算であったと思います。政府全体の中でこういうものを一つ一つ積み上げていけば、それなりのものができるのではないか。

 当然、京都に迎賓館をつくるということ、外国の賓客の方に我が国の古都の京都を見ていただくということの意義は私も否定をするわけではありませんけれども、まさに今、財政支出の取り組みの基本姿勢がこういったところに問われるのではないのかな。どうしても国民生活に必要な部分から行っていくと。

 今行われている財政支出も、幾つかは本当に明らかにむだだと思われるものもないとは言えないと思いますけれども、多くのものは何らかの有効性はあるのだろうと思います。その中で財政再建を図るとすれば、急ぐものは何なのか、国民生活にどうしても必要なものは何なのかということを考えていったときに、京都に迎賓館をつくるということが今必要なのかなということを考えざるを得ないと思います。

 私は、御案内のとおり、実は平成の初頭から父の秘書をしていた時代がありまして、ちょうどそのころにこれは話が持ち上がったというふうに私も記憶をしておりますし、確認をさせていただきました。これも公共事業という扱いになっておるようでありますが、実は、京都に迎賓館をつくるという話で、当時私の父は自民党の代議士でありまして、自民党の本部で集会があって、私は秘書として参加をした覚えがあります。

 そのときに、よく覚えておるのは、皆、代議士の秘書がとりあえずたくさん集まっておったわけでありますが、趣旨の説明が始まって、最初から場所が京都だということがわかった途端に、何だ京都かということで、ほとんどの議員は帰っていったわけであります。秘書さんも帰っていった。つまり、自分のところにまだこれから引っ張ってこれるものなんだろうかと思って皆さんお集まりだったわけでありまして、何だ、これは京都に最初から決まっておるのでは、まあ京都の人に頑張ってもらおうか、こういう話で雑談をしながら帰ったことを記憶いたしております。

 今回のこれも、まさに平成の初頭ということであれば、バブルの絶頂期に企画をされた話であろうというふうに思います。経済状況、財政状況が大きく変わってきている中で、こういったもの、この京都迎賓館、そして恐らくこういうものというのは、一つ一つつぶさに点検をしていったら出てくるのではないかというふうに思います。こういったものへの財務省としてのお取り組みの見解を伺いたいと思いますので、御所見を伺いたいと思います。

塩川国務大臣 今の御質問の中に、財政の窮迫しておるときにこういうものを建てるのはいかがという御質問が大勢を占めた、大筋の御質問だと思うのです。

 私も確かにそんなことを思いますけれども、実はこれはもう歴史の古い話でございまして、実際に閣議決定いたしまして建設に踏み切ったのは平成六年のことなんですが、その直前に、現在のブッシュ大統領のお父さんでございましたが、ブッシュ大統領がお越しになったときにも、京都でどうお迎えするかということの問題がございましたし、また、各国の大統領あるいは総理大臣等が来ました場合に必ず訪れるのは京都、奈良でございまして、それは、日本文化を深く理解したいという考えと、そして日本のシンボル的なものとしての京都、奈良というものは、やはりそれだけの価値があるものだと私たちも思います。

 そういう意味から、ぜひひとつ京都でもゆっくりしていただける、そして日本の文化の伝統を勉強していただく機会をどこかでつくりたい、それが一般のホテルであれば相当接待もしにくいではないかということがございまして、建設に踏み切るということが平成六年に決定いたしました。

 それから後、ずっと長い間、それではどのように日本文化の粋を迎賓館に取り入れていくかという検討が進められてまいりまして、やっとその成案を得たということで、今回具体的に予算も組み、この建設に踏み切ったわけでございますが、仰せのように、二百億円もかけるのかということは、これは庶民の感覚からいたしましたら、確かに私も一考を要することはあるのではないかなと思ったりもいたしました。

 したがいまして、今、査定をいたします段階において、できるだけ経費の実質的な煮詰めを十分にして、納得のいくような予算規模に持っていくべきであるということを主計の方にも私は言っております。もちろん、内閣府の担当と十分相談して決めなきゃならぬと思うのでございますが、つくる以上は余り貧弱なものであっても意味がないと思います。したがって、予算上の経費の煮詰めということを十分にいたしまして、皆さん方の納得していただけるようにしたい。

 それともう一つは、つくった後どうするのか。

 維持費が相当かかると思うので、それを有効に活用する方法でございますが、それはいろいろな面で考えていきたいと思っております。権威を持った経営をしなければなりませんし、同時にまた、日本の文化として誇り得るものとして、一般にも利用していただく道をと、その中で、多少は収益を上げるようなことも考えていきたい、こう思って、両方から非常に煮詰めた検討を今しておるところでございます。

松本(剛)委員 意義はおっしゃるとおりでありますし、つくる以上はというのも、賓客をお迎えする以上はそのとおりだろうというふうに思うわけでありますが、今つくる必要があるのかということでありまして、まさに、こういうときであるからこそ、きちっとそういうものを一つ一つ、見送るものは見送る。まさに、今回の処分のことが決定をして初めて着工をするという段階であるからこそ、今考えることができるのではないか、このように思います。

 経費の煮詰め、また今後の利用状況と利用の仕方によって収益等も考える、こういうお話であったわけでありますが、内閣府さんの方とお詰めをいただくのであれば、本当に十五年に必要なのか。十六年、十七年、我々のこれからの努力によって日本経済がもう一度立ち直ったときにつくるという方法も十分にあり得るというふうに思いますので、そこまで含めて御検討をいただきたいということをお願い申し上げまして、本件の話を終わらせていただきたい、このように思います。

 ちょっと通告を申し上げたのと順番を変えて申しわけないんですけれども、財政の問題、こういう厳しい状況の中でということで、道路特定財源の問題について少しお伺いをさせていただきたい、このように思います。

 これまでもたびたび、大臣の方、道路特定財源について改革の御方針というのを打ち出しておいででいらっしゃいますけれども、ぜひもう一度、現在の大臣の道路特定財源に対する取り組み、改革の御方針を伺いたいと思います。

塩川国務大臣 私は、財務省の大臣になる前から実は思っておった案件でございますけれども、道路特定財源に限らず、特定財源すべてが、設定されましてから相当年月がたっておりますので、その創立の当時の趣旨と現状とを比べてみたならば、改革をしてもいいのではないかという原則論を持っておりました。

 そういうところから見まして、道路特定財源等を見ましても、この歴史が始まりましてから五十年たっておるわけであります。その当時は、とにかく道路に重点を置いて経済基盤を整備して、日本の経済の成長、工業化を推進するというその目的から見まして、この道路財源は重大な役割を果たしてきたし、非常に有効に使われたと思っております。しかしながら、経済基盤の根幹となる道路はほぼ完成に近いように思っておりまして、これからの基幹的な道路は、国土の均衡ある発展のためにどうするかというところに来ておると思います。

 一方、五十数年たちましたこの高度経済成長の結果として見ました場合に、人口密集地域、都市におきましては、非常に環境と経済活動との間にそごを来して、これを整備することがより一層経済の繁栄のために有効であるし、また、地方と都会との快適さの面におきましても、格差が相当出てきたと思っております。そういう意味において、今後は、この特定財源の一部をそういう都市の環境整備、特に道路、自動車、こういうものと関係してまいりますところの面整備等に活用すべきである、こう思っております。

 特に、道路財源の中で自動車重量税がございますが、これは、八割が道路財源的に使う、二割は一般整備用、地域整備用に使う、こういうふうな慣行でずっと参りました。この際に、重量税等は、相当、地域の面整備とそれから交通の円滑化のために活用するのには適当な時期ではないかと思っておりまして、とりあえず、この面について思い切った改革をしたいと思っております。

 そしてさらに、平成十五年になりますと、現在の道路整備五カ年計画が一応満期となりますので、新しく道路五カ年計画を制定するのか、あるいは、そうではなくして、違った長期的な計画、つまり地域開発を組み合わせた計画になるのかわかりませんけれども、いずれにしても、十四年度で現在の整備計画が終わるのでございますから、その機会に道路財源を根本的に見直して、でき得れば一般財源化し得るように持っていけば有効かと思っております。

 したがって、十四年度、十五年度にわたります、この二年間における検討を通じて、道路財源の有効、適正化を図りたい、こう思っております。

松本(剛)委員 十四年度は現在の五カ年計画もあることであり、都市の面整備を中心に第一歩を進めて、十五年度から思い切って一般財源化も含めて改革を行いたい、こういう理解でよろしゅうございますか。――はい。

 私も少し勉強してみたわけでありますけれども、お配りをした資料は、道路特会を予算書から一生懸命引っ張り出してみました。この予算書のお金の流れというのを、私はもと銀行に勤務をしていたものですから、どこにお金が流れているのかというのが気になって仕方がないところがあるわけでありますが、予算書の中からずっと引っ張り出してこようと思うと、大変分厚い予算書の中で苦労したのでありますが、大体こういうことかなというふうに思うのです。

 主計局の方においでをいただいておるかと思いますけれども、資料をごらんいただいて、細かい計数はちょっとあれかもしれませんが、おおむねこんな流れでいいということでよろしいでしょうか。

藤井政府参考人 お答えいたします。

 十三年度におきます道路整備特会、それの歳入歳出の予算額ということでおまとめいただいたと思います。歳入歳出ともに四兆四千七百六十三億円ということになっております。

 まず、歳入で申し上げますと、一般会計からの受け入れが二兆八千七十六億円、それから産業投資特別会計よりの受け入れが九百五億円、さらに、地方公共団体の負担金、これは直轄負担金ということでございますが、これが五千八百八十億円、さらに、揮発油税の直入分がございます。これが七千百五十五億円、これらが主な内訳となっております。

 そして、このうち一般会計からの受け入れで申し上げますと、揮発油税等の特定財源分が……(松本(剛)委員「これはごらんになっていただいていますか」と呼ぶ)ちょっと私……

松本(剛)委員 それが、大体そういう流れで、細かい数字、端数はちょっと違っているかもしれませんが。

藤井政府参考人 それでは、ちょっとチェックをさせていただきます。

松本(剛)委員 そうしたら、細かい数字は結構ですけれども、大体、租税からこういう形で道路特会へ流れて歳出に出ているという流れを後でちょっと、ざっとお目通しをいただきたい、このように思います。

藤井政府参考人 わかりました。

松本(剛)委員 申し上げたかったことは、この道路特会も、道路に関する経理を明確にするために特別会計を置くというふうに法律に書いてあるわけでありますが、ずっとこれを引っ張り出してくるのにも相当苦労をいたしましたし、これがむしろわかりにくいと私は思うわけであります。

 一つは、今もお話をされかけておりましたけれども、基本的には、この揮発油税、四分の一は特会へ真っすぐ入って、四分の三は租税に一度上がってから回ってくるようでありますけれども、あと、ここに、さっきお話があったように、負担金であるとかそういったものが入ってくるというのが、まさにこの特会の状況になっておるわけであります。

 この受託工事とか附帯工事の負担金というのが、歳入から歳出へ出るときに同じ金額にならない、細かく違うというのも銀行員としては気になるところであるわけでありますけれども、大きな流れで申し上げれば、これは大体左から右というふうに理解をしていいのではないかな、このように思うわけであります。

 まず一点は、まさにこれが道路の特別会計ということになってくるであろうというふうに思いますが、先ほどお話ししたように、道路自身の会計を見るという意味でも、この特別会計がわかりやすいとは私には思いにくい。

 それからもう一つは、財政全体を見るときに、こうやって特別会計というのがたくさん置かれていることによって、私も、この一般会計と特別会計のこんな分厚いものを二冊きのう夜中までひっくり返しながら見て、やっとつながってきたわけでありまして、大変わかりにくいわけであります。

 編成をされる財務省の方々はよく御案内なんであろうというふうに思うわけでありますが、大臣は御就任のときに、専門的なことというよりも、長い間の経験も含めて常識的なところから判断をしたいというような趣旨のことをおっしゃったように記憶をしております。政治が大きなポイントから見ようとしたときに、やはり、流れがわかる、全体像がつかめるということが大変大事なことであろうというふうに思うわけでありますが、今のこの一般会計、特別会計の仕組みというのは、むしろ全体像、それぞれが大変わかりにくくなっているんではないのかな、このように感じられてならないわけであります。

 戻りますけれども、大体お目通しいただけましたでしょうか。

藤井政府参考人 細かなところまでの数字はちょっとチェックができませんが、大宗の流れとしてはこういう整理でよろしいかというように考えております。

松本(剛)委員 細かいことをお伺いするついでに、独立行政法人土木研究所運営費というのがありますね。これは、当然、去年は独立行政法人ではなかったので、ないと思いますが、昨年の会計をずっと見ても、恐らくこれは当時建設省の研究所であっただろうというふうに思います。国立ということで、直轄で行われていたんだろうというふうに思いますが、こういったものが道路特別会計から出てくるという根拠はどこにありますのでしょうか。

藤井政府参考人 お答えいたします。

 先生おっしゃいましたように、独立行政法人につきましては運営費交付金という形になっております。当該法人につきましては、この道路自身に対しますいろいろな基礎的な研究とかあるいは応用的な研究とか、そういう技術開発をやっているということで、この道路整備特別会計の歳出の予算として計上をされている、こういうことでございます。

松本(剛)委員 これは、お金に色をつけるというのは難しい話でありますが、特定財源のお金が回っているのではないという理解でいいわけですか。

藤井政府参考人 特定財源と一般財源、特に自動車重量税ということだと思いますが、お金に必ずしも色がついているわけではございませんから、当該独立行政法人にどちらのお金が回っているという、いわば色分けといいますか、それは、具体的には、金額に、俗な言葉で言えば色がついているわけではございませんので、そこは全体として、その中の一部が独立行政法人の予算として歳出に充てられている、こういうことで御理解いただきたいと思います。

松本(剛)委員 もう一つ確認をさせていただきたいんですが、自動車重量税の八割を道路に使うということ、きのう大臣のお話で、たしか国会の合意があったようにというようなこともちょっとおっしゃったように思うんですが、根拠というんでしょうか、どこにあるか、お知らせをいただきたいと思います。

藤井政府参考人 お答えいたします。

 これは自動車重量税の創設時期、昭和四十六年でございます、この新税創設の理由等々におきまして、当時の福田国務大臣から国会答弁としてお答えをいただいている、こういうことでございます。

松本(剛)委員 この計算をお出ししたわけであります。一番左側の「租税」というのは、これは一般会計に上がっている租税の分でありますが、二兆八千百二億円。見にくくて申しわけありませんが、真ん中の列の下から二番目、「一般会計合計」二兆八千七十七億とこの数字はなっていますが、七十六億が正しいと先ほど御指摘があったと思いますが、ほぼ一致をしているわけであります。

 税として、これは特定財源、今もいろいろな議論があるわけでありますが、道路に使うということで、当然納めている側は道路をつくってくれるというふうに思っているんではないか、このように思うわけであります。道路に関する研究ということでありますが、これがまた独立行政法人という新たな会計に流れていくという形、そしてまた、今までの特会の中で研究所の費用を出していたようには私は、一、二年見ただけでありますけれども、なかったように思うんですが、独立行政法人ができたのを機会にここからお金を流すようにしたというような経緯が、何かあるのであればお知らせをいただきたいと思います。

藤井政府参考人 お答えいたします。

 当該独立法人の前身は土木研究所でございます。土木研究所に対しますいわばそういう研究のためのあるいは技術開発のための予算としては、従前どおりこの道路整備特別会計からの歳出予算として計上されている。従前と十三年度予算、名称はもちろん異なっておりますけれども、内容的にはいささかも変わっておりません。

松本(剛)委員 では、十二年、十三年の継続性は理解をいたしました。

 ただ、こういった土木研究所といったものに本当に特会のお金を流すのが適当なのかどうかということも、今回は大変少ない金額でありますけれども、流していいということになってくれば、歯どめが特にあるというわけでもないわけでありますので、この辺もきちっとしていただく必要があるんではないのかな。結局、先ほどのわかりにくさという話に話は戻ってくるというふうに思えてならないわけであります。

 この特別会計でありますが、これは表題もない急いだ仕事で申しわけないんですが、ごらんのとおり十三年度の予算ベースということなわけであります。しかも、いわゆる歳入歳出の部分だけでありまして、これ以外にも国庫債務負担行為であるとか繰越明許といったものがたしかあったように記憶をしております。また、貸し付けを行ったり、償還金の収入があったりということを考えると、この特別会計自身のありようを把握していこうと思ったときには、既に特殊法人等でなされているように、一般の会計に準じた形で、バランスシートであるとか損益計算書といったものを組み立てていくことによって、この特別会計の実態というのをさらにわかりやすくするということが考えられると思いますが、そういったお取り組みは御検討中なのかどうか、お願いをしたいと思います。

藤井政府参考人 お答えさせていただきます。

 今、先生おっしゃいましたように、一般会計との関係で特別会計がございますけれども、その結果として全体像が見えにくいという面、確かにあろうかと思います。

 ただ、一方で、特別会計につきましては、もう先生御承知であろうと思いますけれども、財政法の第十三条第二項におきまして、以下のような場合には法律をもって設置することが認められているということでございます。一つは、国が特定の事業を行う場合、それから二つ目といたしまして、特定の資金を保有してその運用を行う場合、そして三つ目は、その他特定の歳入をもって特定の歳出に充て一般の歳入歳出と区分して経理する必要がある場合、こういうことでございます。

 先ほども申し上げましたように、特別会計、これは、国の施策を網羅していわば通観できるよう単一の会計で一体として経理することが望ましい、予算単一の原則、こういうことのいわば例外になるわけですが、例えば、特定の事業につきましての事業の収支とかあるいは受益と負担の関係というものを明確に示すことができるなど、やはり経理区分により財政状況がむしろ明らかになる、そういう場合に限りその設置の意義があるというふうに考えております。

 そこで、二つ目のお尋ねの、いわば透明性ということであろうかと思います。この特別会計の情報開示につきましても、各省庁いろいろ努力はしてきていると思います。昨年でございますか、自民党の行革本部からの要請ということもございまして、財務諸表の公表に努めるなどの取り組みが行われているというように承知をいたしております。

松本(剛)委員 自民党の行革本部の要請でお取り組みをいただいているということであれば、民主党からも要請をさせていただいたらお取り組みをいただけるという理解でよろしいでしょうか。

藤井政府参考人 お答えいたします。

 具体的に作成の作業を行っておりますのは各省庁でございます。ですから、仮にそういうお話があるとすれば、全体として、現在既に自民党の行革本部からの要請に基づき作成が終わり、かつ公表され、多分先生方の方のお手元にも行っているのかなというふうには思いますが、そういう話があるとすれば、まずは各省が、今既につくったものとの関係等もございますから、そこはどういうふうに判断されるのかということだと思います。私ども財務省の方が一義的にどうのこうのということではないんじゃないのかなというように思います。

松本(剛)委員 一部私どもの同僚議員のところにも来ているものもあるという話も聞きますけれども、全体として公式に公表されているというような形にもお聞きをしていない部分もあるわけでありますが、副大臣、いかがでしょう。

 特別会計のバランスシート等を、自民党の行革本部の方でおつくりになるように命ぜられておつくりになったということでありますが、これを、我が党だけではなくて、全部にきちっと公表できるような形でお出しいただく。これは各省の所管だと今御回答でありましたけれども、当然特別会計、最終的には財務省の御所管ということになりますので、内閣としてきちっと音頭をとっていただいて、出していただくということでいかがでしょうか、こういうことでございます。

藤井政府参考人 若干の経緯を、事務的な話でございますから申し上げます。

 四月六日に、峰崎先生から各省庁への資料要求がございました。それに基づきまして各省で対応をしたものと承知しております。現在、私ども財務省を初めといたしまして、厚生労働省あるいは総務省におきましては、ホームページで公表中ということでございますし、それ以外の省庁におきましても、現在公表を準備中であるというように聞いております。

松本(剛)委員 では、公表を早急にしていただくということで、よろしければ副大臣、申しわけありませんでした。

村上副大臣 松本委員の御質問にお答えします。

 本当に財政再建というのは、やはり事実というかファクトをみんなに知ってもらうことが一番重要だと思うのですね。そういう面で、その事実については、やはり与野党区別なく知ってもらうことが肝要なので、松本委員の御指摘の方向に行けるように努力したい、そういうふうに考えております。

松本(剛)委員 ありがとうございます。

 公会計そのものが、まだある意味では試行錯誤の段階だろうというふうに理解をしておりますが、ぜひこれはむしろ公表していただいて、衆知を集めるという形で、どういう形がいいのか工夫をお願いいたしたい、このように思います。

 お願いをしておりました順番と逆に入っていくことになりますが、特別会計と同時に、財政投融資といったような問題についてもきちっと取り組んでいかなきゃいけない、このように思うわけであります。

 先日もちょっとお伺いをいたしましたが、いわゆる国、地方の借金というのには特殊法人などの借金は含まれていないということを確認させていただきました。改めて、含めない理由というのを確認申し上げたいと思いますが、お願いしてよろしいでしょうか。

村上副大臣 極めて厳しい財政状況の中で、公的な債務を的確に把握し、そして情報開示に努めるということは極めて重要であると私ども考えております。

 そうした観点から、特殊法人については、御高承のように、特殊法人の財務諸表等の作成及び公開の推進に関する法律に基づいて、財務諸表等の作成及び公開を行っております。さらに、現在財政制度審議会において、新たに特殊法人等が民間企業として活動を行っていくと仮定した場合の財務諸表を、時価評価や連結といった企業会計原則に従って作成して、わかりやすい形で、国民負担に帰すべきコストはいかなるものかということを開示する手法について検討を行っております。

 ただ、特殊法人にはいろいろな性質のものがあるために、その債務のすべてがやはり債務とは言いがたい点がありますので、引き続き、公的な債務の開示のあり方について今後とも十分に検討していきたい、そのように考えております。

松本(剛)委員 債務のすべてが公的な債務ではないということは、逆に言えば、十分公的な債務もその中にはあるということでよろしいのでしょうか。

村上副大臣 そういうものも考えられるということで、考えられると思います。

松本(剛)委員 とすれば、やはりこれからの議論の中では、そういったものを何らかの形で、先ほど公的会計はまだ試行錯誤の段階であることは認めるのにやぶさかでないというふうに申し上げたわけでありまして、今回、今いきなり完璧な仕分けができるというふうには思わないわけでありますけれども、きちっとした、どういったものがこれからの国民の負担になってくるのかというのを見きわめるためには、先ほど副大臣おっしゃったように、まさにファクトを出していかなきゃいけないという意味でも、これは早急にお取り組みをいただきたい、このように思うわけであります。

 その関連で、財投の改革が行われて、マーケットを通じてという形で行っていきたいということであるわけでありますが、一つは、財投機関債を理念としては中心に据えたのが今回の財投改革だというふうに理解をしております。本年度は残念ながら、まだ発行額からはとても中心とは言えないわけでありますけれども、今後財投機関債というのを伸ばしていくことが可能だと見ておられるのかどうか、お伺いをしたいと思います。

村上副大臣 まさに委員御指摘のように、財投改革後の資金調達については、市場の評価を受けることが非常に運営効率化のインセンティブじゃないかということで、こういう資金の調達で、財投機関債というものの発行によってそういう資金を自己調達するということが、努力、検討されているわけです。

 このような考え方を踏まえて、御承知のように、十三年度においては、三十三の機関のうち二十機関において一兆一千五十八億円の財投機関債を発行することが予定されているわけであります。

 そして、こういう発行予定において、それぞれの機関においてどのような発行形態で、どのような額なら市場に受け入れられていくかということなんですけれども、こういうことによって、格付の取得、それからまたディスクロージャーも進んで、初年度の改革としては、若干少ないような感じがしますが、私は一定の評価ができるんじゃないかなというふうに考えています。

 こういうことで、十三年度において財投機関債の発行を予定していない機関についても、財投改革の趣旨を踏まえて、今後財投機関債の発行に向けて検討を行っていただけるものじゃないかなというふうに考えています。十四年度以降においても、引き続き努力するようにしたいと考えています。

 それからなお、十三年度の財投機関債を発行している二十の財投機関のうち、例えば住宅金融公庫はABS、資産担保証券、また日本道路公団はコーポレート型社債、その他発行形態をしておりまして、今後、各機関とも、財投機関債の発行形態、償還期間の多様化など、資金調達の方法についてさまざまな工夫を行っていくのではないかな、そういうふうに考えております。

松本(剛)委員 少し先までお答えをいただいたのではないかなというふうに思います。

 この財投機関債をどういう形で出すかということでありますが、私自身も、いろいろな資金調達の方法、見方というのがあろうというふうに思いますが、今副大臣もおっしゃった中で、コーポレート型、いわば一つの組織の信用力で資金を調達するというやり方、それから住宅金融公庫の例でおっしゃったアセットバック、見返りの資産を置いて資金を調達するというやり方、もう一つは、今お話に出てきませんでしたけれども、プロジェクトファイナンスということで、一つの事業、そしてその事業の収益のキャッシュフローで、返ってくるお金で資金を調達するやり方、こう幾つかあろうかというふうに思うわけであります。

 私が金融のことをやらせていただいた経験から申し上げても、コーポレート型、いろいろな事業を展開している大きな組織の信用力という形でお金を貸すというやり方は、順調に転がっているときは大変いいのかもしれませんけれども、いろいろ見直しをしなきゃいけないというときは大変幾つか問題を抱えてくるわけであります。

 また一方で、これは十二年版の特殊法人総覧でありますけれども、七十八だったかな、特殊法人、全部バランスシートが出ているのをずっと私も拝見をさせていただきました。一つ一つ数字は申し上げませんけれども、かなりの数のものが、実は資本の部に欠損金というのが出てきているわけであります。

 一般の企業であれば、立ち上げた段階で、起業、事業を起こす段階でかなりの投資がかかって赤が出て、それを順々に黒字に転換をして埋めていくという形があるわけであります。特殊法人の中にもそういった形のものもあることも認めますが、一方で、事業の中で当初の予定以上に赤字が出て、だんだん欠損金がたまってきているという形のものも見受けられるような状況であります。

 これは一般事業会社とは違うわけでありますけれども、先ほどお話があったように、財投機関債を中心にこれから展開をしていこうとしたときに、各特殊法人のバランスシートというのが大変重要な要素になってくることは間違いないわけで、その中にこれだけ欠損金があれば、言うなれば、欠損金があるところにお金を貸していれば、破綻懸念先というのか要管理債権というのかわかりませんけれども、不良債権のおそれありということにむしろなってくるわけで、ましてや債券で調達をするといったようなことは大変難しいという状況になってくると思うわけであります。

 私自身が、公会計の形はまだ今、言うなれば発展途上だということを申し上げたわけでありますけれども、この欠損金も含めて、逆に申し上げれば、特殊法人に余剰金があるから欠損金を受けとめておくことができる。ということは、本来はここに何らかの税金を毎年きちっと解決をしようと思えばつぎ込まなきゃいけないものを、つぎ込まずに済ませているということも言える部分があると思うわけですね。特殊法人の部分が、そういったバッファーとなって毎年毎年の事業全体が見えにくくなるという意味でも、今のままの形をとっていくとなりかねないのではないのかなということが考えられるわけであります。

 これは、特殊法人の会計そのものと、それから特殊法人と政府とのお金のやりとりの規律というものをもう一度原理原則をきちっと決めてお取り組みをいただかないと、財投改革も、また特殊法人の資金調達というのも大変難しいということになってくると思いますが、申し上げたことに関して御所見、御意見がございましたらお伺いをしたいと思います。

藤井政府参考人 お答えいたします。

 まさしくそういう観点が極めて重要であろうということで、先ほど副大臣からも答弁がございましたように、現在、財政制度等審議会におきまして、公会計についてどういうふうに考えるのか、退職給与引当金をどういうふうに考えるのか、それから、今おっしゃいました、例えば金融等の貸付金、これについて、その貸し倒れの引き当て率というものをどういうふうに考えるのか等々について議論がなされております。

 そういう中で、具体的に、最終的に国民のいわば負担になる、コストになるというようなものをどういうふうに考えるのか、行政コスト計算というもの、そういう視点から現在ワーキンググループで議論が行われております。

 これにつきましては、近々具体的な方向性の取りまとめがなされるということでございますので、その結果によりましては、ことしの秋口以降には、まずは十二年度の特殊法人の会計について、そういう国民負担という観点からの、いわば民間企業と同じような活動を行っていたとした場合に、今の財務諸表と並んでバーチャルな財務諸表がどうなるのかというような、いわば十二年度決算について試算が行われていくことになろうかなというように思っております。

松本(剛)委員 ぜひ、申し上げた趣旨を踏まえてお願いをいたしたいと思います。

 時間も残りわずかとなってまいりました。一休みいただけたかと思いますので、大臣に幾つかまとめてお伺いをさせていただきたい、このように思っております。

 先ほど、道路特別会計の中身について実務的にいろいろ御確認をいただいたわけであります。大臣は、道路特定財源の改革について、十四年度はとりあえず都市の面的な整備の方に踏み込むというふうにおっしゃったわけでありますが、道路特別会計の街路事業の中には、いわゆる土地区画整理とかそういったものも既に含まれてきているわけであります。当然、法律改正を伴わない範囲でということであれば、今できる範囲、そしてそれは実は今なされている範囲ではないか、このように思うわけでありまして、十四年度は都市の面的整備、十五年度は思い切った改革とおっしゃいましたが、実は十四年度は今と余り変わらないということになるんではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

塩川国務大臣 十四年度でも、私は、かなりなものを道路財源から都市環境整備に適用していきたいと思っております。それは何も面整備だけじゃございませんで、現在各方面に使われておりますけれども、その中身を精細にこれから詰めていくわけでございますから、方向だけを指示したことでございまして、この方向に基づきまして、面整備並びに環境整備という方面にもこれを配慮していきたいと思っておりまして、十四年度は相当変えるということを御期待していただきたいと思っております。

松本(剛)委員 道路特別会計の歳出の中でも、街路ということでかなりの金額が出ているわけであります。また、一般会計から道路特別会計へ入れるときには道路環境といったことで、都市環境整備事業費ということでお金を移しておられるわけでありますが、この部分、既に今おっしゃった自動車重量税、全部で六千七百五十二億ということになろうかというふうに思いますが、そうしたら、これをほとんど都市の方に使うというようなところまで持っていくという理解でよろしいんでしょうか。

塩川国務大臣 まだそれほど具体的なものが煮詰まっておりませんので、御意見があったということは聞いておきますけれども、いずれはそういうことを、中身を分解いたしまして発表させていただきたいと思います。

松本(剛)委員 先ほど大臣、十四年度も都市の整備に思い切った改革を、こうおっしゃったわけでありますが、この表をお出ししたのも、既に、自動車重量税から割り当てられる分はかなり都市環境整備事業費とか関係の事業費ということで、半分ぐらいは既にそっちへ行っていると言ってもいいのではないかというふうに思います。

 その上で思い切った改革をされるということになれば、これはもう全部をつぎ込むというところまでいくぐらいでないとならないわけでありますし、逆に、今、こういうことを申し上げなければいけないのは大変残念でありますが、中身はこれからということで、思い切ったという言葉だけをお使いいただくということは、大変残念なことではないかな、このように思っております。改革については、きちっとやはり中身についても伴った形でお願いをさせていただきたいな、このように思います。

 中身の議論の延長線で、昨日も景気動向指数の速報が発表されております。三カ月連続の五〇%割れ、一四・三%ということで、一部で、大臣御自身は楽観的なようなニュアンスの御発言があったという報道もありました。国の先頭に立つということは、明るく引っ張っていただくという意味ではそういうことも必要かなとも思いますが、大変厳しいというのが現状の認識としては申し上げられるのではないか、このように思います。

 そこで、構造改革なくして景気回復なしという言葉、これは長期的にそうであろうということは、恐らく皆さんとコンセンサスがとれているところであろうというふうに思います。問題は、目先、この景気が悪いという現状の中で、やはり財政出動が必要だと考えるのか、それとも、財政出動ではなくて構造改革を進めることの方が景気回復になるということなのかということであります。

 お配りをした資料で、こんなふにゃっとした表があったかというふうに思います。これはちょっと説明をすると大変時間がかかるのであれなんですが、一言で言うと、国の債務がある一定の範囲内であればいわゆる財政出動が効果があるけれども、これを超えると効果がないということがこの表で見てとれるわけでありまして、そのことを踏まえて、目先、景気の数字が悪くなってきた中で財政出動をどうお考えになっているか、お伺いをしたいと思います。

村上副大臣 松本委員の御指摘は非常に重要な課題でありまして、今までは、景気が悪くなると、カンフル注射的な意味ではないですけれども、一時的な総需要をつくるということで、財政出動をメーンにやってきた。しかし、それが、御承知のように、京都迎賓館が最初に出たのは平成六年なんですが、そのときは大体国と地方の長期債務が三百六十八兆、それが今六百六十六兆になっています。(松本(剛)委員「話が出たのは平成二年です」と呼ぶ)平成二年ですか、そうですね。

 それで、何を言いたいかというと、不良債権の処理や景気対策のために思いっ切り財政出動をしたわけですね。そのために今何が国民の中で起こっているかというと、やはり国民は将来に漠然とした不安を持っている。特に、日本経済のシステムが変化していく時期に、国民が読み切れない状況にある。その上に、海江田委員や我々の世代、大体団塊の世代と言われているのですけれども、こういう団塊の世代が高齢化社会に向かって準備している段階で、なかなか消費に向かわない。

 そういうことで、何を言いたいかというと、非常に今景気が厳しいのでありますが、将来性のない分野に人材や資金をくぎづけにしておくことがいいのかどうかということが、やはり経済の構造改革で一番問われている問題だと私は思うのですね。だから、景気の下支えという意味での財政出動というのにはそれなりの意義があると思うのですが、それに対して、きちっと根本から治療していくんだという姿勢というか考え方が、我々はこれからやはり重要じゃないかな、そういうふうに考えています。

松本(剛)委員 過去十年の経済対策の一覧表、これはOECDのところからとってきたので若干政府発表とは違うようですけれども、大変な金額をつぎ込んでおるわけであります。これは、なければもっと大変だったという意見もあろうかというふうに思いますが、これをどう評価をしていくのかというのが大変難しいところであろうというふうに思います。実際に減税もこの間何度か行われているわけでありますが、効果を上げたと言えるかどうか。消費性向も、むしろ減税をすることによって、将来不安があって下がったというような統計の見方をする方もいらっしゃるという状況なわけであります。

 この経済政策一つ一つを、ぜひきちっとこれは検証していただきたいということは、先日、本会議の質問でもお願いをさせていただいたわけでありますが、とりわけこの九七年、橋本総理がおられたときに財革法をつくられて、それに取り組まれたわけであります。先日の自民党の総裁選挙で失敗だったと言われたのは、どの部分を指して失敗だったと言われているのかわかりませんが、このときに景気が悪化したことは確かでありますが、締めたことで悪化をしたのか、それとも、通貨・金融危機といったものが引き金で、主因であったのか、ここをきちっと分析をして、これからどうするのかということであります。

 それをお伺いすると同時に、小泉内閣の間は財政出動をしないというふうに言われるかどうか、その点お伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。

村上副大臣 まさに鋭い質問なんですが、松本委員言われるように、あの当時は、ちょうど大蔵委員長だったのですけれども、山一証券、北海道拓殖銀行、三洋証券と、まさに金融の非常事態寸前であったわけですね。前から私が申し上げているように、やはり不良債権の処理をきちっとしませんと信用収縮と資産デフレがとまらないということが認識の中にあったと思うのですが、中途半端なままやってしまった。

 私の個人的見解ですが、橋本さんの財政再建の方向というのは間違いじゃなかったのですが、TPOですね、タイム、プレース、オポチュニティーのときの、タイミングというか時期が、私自身としてはちょっと早過ぎたのではないのだろうかな、そういうふうに考えております。

 だから、そういう中で、今後は時期を見ながら、根本的に、さっきもあった財政における構造改革と経済の構造改革と不良債権の処理をやはりきちっと、不退転の覚悟でやっていくということが重要なことではないかな、そういうふうに考えております。

松本(剛)委員 連日の審議、ありがとうございます。

 副大臣、個人的な意見とおっしゃいましたが、財務副大臣という要職の方の御発言でありますので、きちっと受けとめさせていただいて、不退転の決意で構造改革ということは、安易な財政出動にはいかないというふうなことと御理解をさせていただいて、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

山口委員長 長妻昭君。

長妻委員 民主党の長妻でございます。

 本日も、民主党の金融問題監視委員のメンバーとしても財政金融全般について御質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 まず一点、申し入れといいますか、竹中大臣がやはりこの財務金融委員会に来られて、本当は常に出席いただくぐらいの形で来られて、全般の経済の御論議をぜひしたいというふうに思っております。参議院の財政金融委員会とかあるいは総務委員会等には竹中大臣が来ておられるようでありますが、この委員会にもぜひ恒常的に出席をいただきますように、委員長にも強くお願いを申し上げたいというふうに思います。

 そして、柳澤金融担当大臣と竹中大臣と何か不良債権に関して意見の相違があるのではないかというような邪推も出てきますので、ぜひ御同席でいろいろ御論議をしていきたいというふうに思っております。

 一言、柳澤大臣にお伺いしますが、竹中大臣は不良債権の査定を厳格化せよというような御意見をお持ちだというふうに聞いておりますけれども、これは柳澤大臣とちょっと意見を異にされるというような状況なんでございましょうか。

柳澤国務大臣 金融担当大臣としての私も査定を厳格化せよということを考えておりまして、そのあたりのことについて竹中大臣との間にそごがあるとは考えておりません。我々は、金融検査マニュアルを基本として、銀行関係の法令に基づいて査定を厳正にやるべきだ、この態度は一貫している次第でございます。

長妻委員 次に、生命保険会社の予定利率を引き下げる云々という議論があるやに聞いておりますけれども、柳澤大臣の御所見を端的にお話しいただければと思います。

柳澤国務大臣 ここのところかなりの期間続いております低金利のもとで、過去に契約した保険者との約束の利回りを下回る、いわゆる逆ざや現象というものがあることは、これはかねて我々の方からも申し上げているところかと思うわけでございます。

 この問題については経緯がございまして、かつては法令におきまして、こうした事態があったときには公的機関のイニシアチブのもとで予定利回りの引き下げができるということになっておったのを、法律を改正してその条項を削除して、そういうことはできないということを法令の上で明確にしておるわけでございます。

 そういう経緯を踏まえて、現在のような状況にどう立ち向かうかということでございますが、これはなかなか微妙な問題もありまして、率直に言って、政府が何らかのことを申し上げますと、これは直ちにいろいろ保険契約者の方々に無用な不安を与えるというような側面もございまして、私どもとしてこの間のことをよく踏まえて考えていかなければならない、こういうふうに考えているわけでございます。

 保険会社の経営についてはほかにも実はもろもろ問題がございます。保険商品の問題、あるいは配当というようなことについての規制の問題等々がございますので、いずれにせよ、保険会社の経営全体の問題に取り組まなければならないという課題が実はございまして、これらの課題を今金融審の保険部会におきましていろいろと御議論いただいているわけでございますが、そういう中で、今先生御指摘の逆ざやの問題についても、当然経営全般の中の一つの問題として、課題にならないというわけにはまいらないのではないか、こんなふうに考えているわけでございまして、いずれにせよ今御検討をいただいているところでございます。

長妻委員 ぜひお願いしたいのは、予定利率の下げということを万々が一検討、決断する前に、かなりいっぱいやることが生保業界に対してあるのではないか。

 といいますのは、いろいろなところで、市場メカニズムが本当に生保各社に働いているのかどうかというような疑念を抱かせるような行動が散見されるというふうに私は感じております。一つは、生保各社が特に優良企業に融資をしておりますけれども、その金額がかなりの大きい金額になって、例えば、大手通信メーカーとか優良なところに対する融資の金額が、これは都銀よりも上回っているという生保も数社あるわけでして、かつ、レートダンピングというふうに言われているような非常に低い金利でお金を融資している。都銀でも考えられないような低い金利で融資している。そしてその融資の理由は、確たるものではありませんけれども、聞こえてくることは、生保が非常に低い金利で融資をして、ある意味ではサービスをして保険をとっていく、そういうようなねらいがあるというふうなことも聞いております。

 その意味では、ある意味でまじめにやっている銀行が圧迫されたり。本当に市場メカニズムの金利水準でやっているのか、こういうところを是正して、透明化をして、そして初めて、どうしても立ち行かなくなったら予定利率を下げる云々の検討が始まる、こういう手順だと思うのです。

 金融庁として、生保の融資に対する実態調査といいますか、金額あるいは金利、プラス不良債権化している部分も下位の生保にはあるといううわさもありますのでこういう不良債権の額、あるいは全体の貸出額、そして金利の額、こういうようなことを金融庁として実態把握に乗り出されるというような御検討をぜひしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

柳澤国務大臣 なかなか難しい問題だなという感じで聞いておりました。

 保険会社が保険契約をたくさんとりたい、これも保険会社としては当然のことでございます。使命にも合致しているわけでございます。他方、保険会社はそのようにして契約をした契約者から保険料をいただいて、それをできるだけ運用成績よろしくして収益を上げたい、こういうこと、そもそもそれが本質的な機能であるわけでございます。

 それを、内部補助というかそういう形で貸出金利に反映させるということは果たしていかなるものかということが先生が提起された問題のコアであろうか、こう思うのですけれども、この問題は、なかなか難しい問題。にわかの質問でございますので、そこに本来のチャイナ・ウオールみたいなものを置くべきだとまで私今ここで言う用意は実はございませんが、考えてみなければいけないと思っております。

 ただ、先生がお触れになられた他の点で、貸出金利が相対的に低いのではないかということは、これは一般論として、大勢としての観察ですが、そういうことにはなっていないということでございますし、もう一点お触れになられた保険会社の資産の検査というものは、これまでも行われてきたところでございます。

長妻委員 実際、大臣は、レートダンピングというか、非常に低金利で優良企業に生保がお金を貸しているというようなことは御存じではおられましたですか。

柳澤国務大臣 その表現はともかくとして、保険契約がとれることによって上がる収益を、内部補助的にその資産の運用利回りとの間で調整するということは常識的にあるという考え方はかねて持っております。

長妻委員 常識的にあるということなのですが、これはちょっと理屈としてどんなものか。一度、何らかの決断をする前に実態調査といいますか、生命保険会社、これだけ表向きは健全だというふうに胸を張っている各社でありますが、裏では予定利率の下げということも、要請をする発言をする役員の方もおられるわけでありまして、その意味で、生保がそんなにダンピングまがいの金利でお金を貸している、本当はもうちょっと高い金利でも借り手はあるにもかかわらず、そういう実態があるとすれば問題だと思うのです。そういう調査というものを、別に決められたルーチンではなくて臨機応変的にやるということも非常に重要なことだと思うのですが、御検討はぜひしていただきたいと思うのですけれども。

柳澤国務大臣 これは改めて調査をするということではなくて、一種の資産の運用成績というか、そういうような形で十分情報をとって、それは検査の一環としてチェックしているというふうに理解しています。

長妻委員 これだけ不良債権、銀行の問題になっているわけでありまして、非常に安い金利で内部で移動している。それが、本当に予定金利の下げ等の議論が全くない、非常に潤沢な資金を持った業界であればいいのでしょうけれども、こういうような状況でありますので、ぜひ注意をして御監督をいただきたいということを強くお願いいたします。

 次に、塩川大臣にお伺いいたします。

 塩川大臣の一連の発言は、これは本当に、実際に実行されるのであれば、率直に言いまして、画期的なことだ、勇気ある発言だというふうに思っております、本当に実行が伴えばの話でありますが。

 その意味で、公共投資の対GDP比を下げるというような御議論もあるようでありますけれども、今六%ぐらいだと我々は認識しているのですが、どのくらいのパーセントまで下げていこうというような腹づもりでおられるのでしょうか。

塩川国務大臣 目標となる目標値は私はまだ設定しておりませんが、たしか六・四%ぐらいではないかと思うのです。

 欧米諸国は早くから都市基盤整備あるいは経済基盤づくりをやっておりましたからかなりでき上がっておりますけれども、日本はその点おくれておりました。ですから、公共事業で追いついてきたというところでございますけれども、これからはもっとさらに質的な改善をすることが重大だと思っております。

 したがって、今の六・何%というのをできるだけ欧米並みに縮めていきたいと思っておりますが、この計画は相当時間をかけなければなかなか容易にできるものではないと思っております。――六・二%だそうでございます。アメリカは一・九%、イギリスは一・四%、フランスは二・八%、ドイツは二%、こうなっておりますが、私は六・二%、これは少し高い、少しは下げていかないと。私の率直な肌で感じるものですけれども、十年ほどの歳月をかけて欧米並みに持っていくということが一つの目標かなと思うたりいたしております。

 しかし、先ほど言いましたように、日本の公共投資とヨーロッパ等におきます公共投資の質がちょっと違いますので、その点も考慮するならば、そう一概に同じレベルということにはいかないと思います。

長妻委員 また本当に前向きなお話をいただきまして、十年ぐらいの歳月をかけて欧米並みといいますと、これはもうGDP比で半分以下の水準だと思いますけれども、ぜひそういうような形で公共事業の量もあるいはむだも減らしていただきたいというふうに強く思います。

 そして、今まで塩川大臣の一連の発言を聞いておりますと、公共事業の総量を縮めるとともに、都市に対して非常に御理解があるというふうに私は理解しておりまして、私も都市部選出の議員でありますけれども、やはり東京など大都市部が巨額な税金を払ったものが地方の公共事業に過度に行き過ぎているのではないか、もうちょっと都市部の交通を含めた整備が必要なのじゃないかという問題意識も私もかねて持っておりまして、そういう流れに塩川大臣もおられるような気がしております。

 その意味で、先ほどの道路特定財源の話ですけれども、重量税の部分でございますね。この八割というか、これは今運用である意味では道路に使うということになっているわけですが、この部分を、例えばすべてを一般的な財源として、塩川大臣は都市整備と環境というキーワードを言われておりますけれども、もし重量税を全部環境、都市整備に使っていくということであれば、具体的に環境と都市整備というのはどこら辺のものを想定されているのか、お教え願えればと思います。

塩川国務大臣 まず、その前提となりますことで申し上げたいと思うのでございます。

 今まで公共投資をやってまいりました中で、都市部はすごく規制が厳しい、規制が厳し過ぎたがために都市の整備がおくれてきたということでございます。したがって、その規制を緩和することによって、民間資金も都市に相当投資してくれると思っております。その分も私たちは大いに期待しておるところなんであります。

 しかしながら、それにいたしましても、やはり官主導で都市の再開発をやっていかざるを得ないということは当然のことであります。そういう考えのもとでこれからの都市開発についての財源を考えていく。

 したがって、都市の再開発用の財源として、ただ単に自動車重量税だけの問題ではないと思いまして、私は、道路整備特定財源は十五年の法改正ですべて、要するに環境も入れた問題として広い範囲の対象を考えて、そしてその使途につきましても広い対象と、同時に、税源の問題そのものにつきましても現在の制度を維持していくこと、そのためには、暫定税率が適用されておりますから、これをしっかりと理解してもらって、納税者の理解を得るということも大事でございますので、そういうことを総合的に考えて実施していきたいと思っております。

長妻委員 全体的な発想として、やはり今の日本の公共事業のお金の配分というのは、先ほど申し上げましたように、都市部の税金が地方に行き過ぎているのじゃないか、こういう御認識は持っておられますか。

塩川国務大臣 確かにございました。それは、均衡ある国土の発展ということ、それとまた、日本の高度経済成長を支えていきます場合に都市ばかりに工業地帯を集中することはできませんので、そういう意味において地域の開発ということをやってまいりました。

 しかし、それはあくまでも重厚長大産業が経済の主導をしておった当時の発想でございまして、現在はそうではなくして、もっと集約された知識産業並びに情報機器産業等、重厚長大に対します構造の変化というものが起こってきておりますので、それに合った体制をとろうとするならば、どうしても技術集約地域を中心にした開発をしていく。

 私は、都市とは言いませんけれども、そういう技能なり技術というものを、集約地域をつくっていって、そこの開発に重点を置く、これをやっていくべきだと思っております。

長妻委員 もう一点、財政の件で、プライマリーバランスを達成していく、とりあえずはプラマイ・ゼロにしていこうというような中期的な目標を言われておりますけれども、その意味で、塩川大臣が提出された経済財政諮問会議の資料、目次を添削された資料がございます。

 その中で、プライマリーバランス黒字化の達成というのが単なる一つの、第五章の、一個の章立てになっていたものを、新たに第六章をつくって一つの章立てにされておられて、かつ、聞くところによりますと、塩川大臣は、プライマリーバランス黒字化達成の年限を入れるべきだ、こう主張されたと。非常に立派な主張だというふうに率直に思いますが、どのぐらいの期間でプライマリーバランスの黒字を……。

塩川国務大臣 そんな書類が長妻さんのところに行っているわけですか。それは私は、確かに今おっしゃったとおり間違いございません。

 従来から、内閣府を中心にいたしまして、審議会とか協議会とかいろいろなプロジェクトがございまして、作業をしておられます。私は、ずっと見ておりまして、そういう政府がやっておりますいろいろな審議会は、まさに抽象的な方向性を言うだけのことであって、それと行政のベース、政治のベースとはばらんばらんになっておるような、そんな感じがずっと今しておるのです。

 私も今度、経済財政諮問会議におきましても、もっと具体的なものにしてくれと。何か、見直すべきであるとか、あるいはこういう方向で検討すべきであるとかいうだけで終わるんだったら、これは評論家の話でございまして、我々政治家としては、何か決めてもらわな困る、こういう姿勢を私は打ち出しております。

 そういう点からいいまして、プライマリーバランスは中期財政計画の中心の思想であります。この思想を実行に移すとするならば、どんな状態からプライマリーバランスの方の過程に入り、どのぐらいの年数でそれを進めていく、それがすなわち中期財政改革ではないのか、こういうことでございまして、その年限は大体どのような目標でやるかということ。

 私の方が言っておるのは、私個人でございますから、これは政府代表のものでもございません、また財務省の代表意見じゃございませんけれども、その会議で申しましたのは、大体二年間ぐらいは今の歳出削減によって当面の財政構造を実施することにして、三年目以降からぼちぼちとプライマリーバランスをとっていく方向に進めるべきではないかと言っております。

 そして、何年ぐらいでそれをやるかということについては、これは国家政策としても重要な問題でございますから、それはこの経済財政諮問会議で衆知に諮って決めてもらいたい、そして、それ以降においては長期財政計画の構造に入っていく、こういうことを申し上げたことでございます。

 そんなものが入っているとは、びっくりしますね。どうも恐縮でございました。

長妻委員 三年目以降プライマリーバランス黒字化をとるような方向でいく、三年目でプライマリーバランス黒字化を達成するかもしれない。そうすると、達成は、見込みとしてはどのぐらいでしょうか。

塩川国務大臣 いや、大変な誤解でございまして、私が言っていますのは、当面の財政構造の改革のためには、国債を抑える、国債は三十兆に抑えるということが一つの柱。そしてもう一つは、歳出を徹底的に見直す。その見直す一つの手段として、行政経費をつぶさに検討し直して見直していくということが一つと、それから、いわばナショナルミニマムとして過剰なものはあるかないかという検討もする。これが現在当面する財政構造の改革に取り組む方針である。そして、二、三年たって景気が回復されてくる、当然私は、現在も規制緩和をし、何かして進めておりますから、経済は活性化してくると思います。二、三年後において経済が回復してきた段階から、プライマリーバランスに入っていく。

 ですから、そこから入り口でございまして、三年でプライマリーバランスが完成するとはとても思えない。そこから入りまして、数年かかるだろう。目標は何年ということは私はまだわかりませんけれども、そこの目標をどのぐらいの目標でバランスをとるようにしたらいいじゃないかということが、これが経済諮問会議で決めていただくならば、それをもって中期財政計画の基幹としたい、こういうことを言っておる次第です。

長妻委員 先ほどGDP比は欧米並みが大体十年の歳月というようなお話がありましたから、大体何となくスパンがわかるような気はいたします。

 もう一つ、公共投資基本計画というのも、ある意味では六百三十兆円という内需拡大をアメリカに迫られ、私は当時、あの状況を見ていまして、多少屈辱的な、数字を何かつくらされたというイメージも持ちましたけれども、九五年から二〇〇七年まで六百三十兆円という公共投資基本計画があります。これにやはりメスを入れるというのが一つ重要でありますけれども、これは減額されると当委員会でも言われておられましたが、どの程度をどういうスケジュールでお考えでございましょうか。

塩川国務大臣 これは財務省だけで決定されるものじゃございませんが、しかし、ちょっと誤解があるんじゃないかと思いますのは、アメリカとの間でいろいろと話をいたしました。そのときの公共投資、平成七年から平成十六年までの十年間でございましたね、その後、平成七年から平成十九年までということに期限を延長いたしました。そして、当初のときは十年間に六百兆円の計画でございましたけれども、十三年に延長して、総額を四百七十兆円に削減しております。

 でございますから、このベースでいきますならば、現在やっておる、平年度でやっておりますベースとそんなに大きいそごを来しているものじゃなくて、これは通常のベースになってきておる、こう思っております。

長妻委員 そうすると、この六百三十兆円というのはそのまま変えないでいくと。二〇〇七年まで。

塩川国務大臣 これは検討項目になると思います。だから、検討しなきゃならぬ。それは経済財政諮問会議等で私の方からも提起していきたいと思っておりまして、公共投資についての見直しを、長期計画の見直し等をひとつ検討してほしいということを諮問会議のところに提案いたしますので、その一環として検討をしてもらうことになるだろうと思っております。

長妻委員 その意味では、私も前回の委員会でも質問させていただきましたけれども、この公共事業の長期計画というのが非常に問題ではないかということで、十六本ありますけれども、そのときの大臣の御答弁は大変前向きな御答弁で、根拠法規がないものに関しては見直していこうという御答弁をいただきました。空港整備七カ年計画とか、あるいは海岸事業七カ年計画とか急傾斜地崩壊対策事業五カ年計画とか、この三つが根拠法規がない長期計画であります。これはそれぞれ平成十四年度までの計画となっておりますけれども、見直すというのは具体的にはどういうような形でありましょうか。

塩川国務大臣 これは財務省だけで勝手に見直すわけにいきません。全部その計画は主務官庁が担当し、それを財政的に裏づけていっております。

 御承知のように、現在の国の財政が硬直した状態にあると、皆さんよく、与野党とも硬直状態、硬直状態とおっしゃいますが、その硬直を生んできた一番の原因は、すべてがこういう長期計画の中で枠をぴしっとはめられてしまって、これに伴うところの予算配分をしてきたということが硬直化の一番大きい原因なんでございます。でございますから、絶えず計画は見直していって、その上で予算の編成をやる、そういうことをしつけていく必要があるだろうと思っております。

 幸いにいたしまして、法に裏づけられておる長期計画は、大体十四年度、十五年度でおいおいと終期を迎えますから、新しい計画については、主務官庁を中心にして、実際にこれからの社会的、経済的ニーズに合った事業を提出してもらって、それで年次別で考えてもらうか、あるいはニーズ別で考えてもらうか、そういうことの計画をとってもらいたい。これはもう私は、法律で裏づけていくとまた硬直化の始まりになってくると思いますので、いわば、政府の方針として確定はするけれども、絶えず必要に応じて流動的に考えることとしてもらいたい、こう思っております。

 そこで、今十六本か何本か長期計画がありますが、三つだったと思うのですけれども、法律の裏づけのないもので、要するに政府として決めました長期計画がございます。それぞれの整備計画でございますが、そういうものを主務官庁と相談をして、必要なものに重点に実施していきたい、そこにめり張りをきかすような予算措置をいたしたい、こう思っております。

長妻委員 長期計画を年次の問題とかニーズの問題で見直していくというお話がありましたけれども、一点だけ。

 この十六本の長期計画をざっと見ますと、それぞれ長期計画が第一次、第二次、第三次とどんどん立っていくのですが、ほとんどが金額がやはりふえて、第一次より第二次がふえる、第二次より第三次がふえるということになっております。一個だけ、治山事業で第六次から第七次に行くときに、ちょっと計画ベースでは減額されたぐらいでありまして、ほとんどが全部ふえている。その意味では、長期計画が今後また次の第何次に行くときに、今後は金額が減るということも当然あり得る、そういうことでございますか。

塩川国務大臣 そこをやはり見直していかなければいけないと思っております。その事業が相当完成してきておるような部分につきますものと、当然増としてふえていくようなもの、例えば下水道事業でございますが、東京とか大阪とかいう市内、旧市内は完成しておりますけれども、まだ地方都市等に行きましてはなかなかこれの完成度合いはございませんし、またこれは流域下水道の方式をとっておりますから、一部やって途中で切るというわけにまいりません。そうすると、多方面に流域下水道を設定いたしまして地域指定いたしましたならば、これは当然ふえてくるものだろうと思っております。

 しかし一方、高速道路等につきましては、あるいは高規格道路等につきましては、ある程度完成してきておるから、こういうものについては、見直した場合、その財源を他に転用して、他の街路事業等に振り向けるとか、そういうぐあいにやり方を変えてもらったらいいのではないかと思います。

    〔委員長退席、根本委員長代理着席〕

長妻委員 自民党の方からも大賛成という声が上がりましたけれども、本当に私も大賛成であります。

 そして、先ほどの添削の原稿のお話をまたちょっとさせていただくのですが、この経済財政諮問会議の、これは私も不思議なのでございますが、内閣府の方が各議員に配っている資料にぱっと入っていて何だろうなということで、別に私は請求していない形で配られている、塩川さんが線を引いて添削をしているものなのです。

 その中で、添削の一つで、経済財政諮問会議の三、経済の再生というところで、その一番最後に、労働市場の活性化、五年間でサービス分野を中心に五百万人の雇用を創出する、この部分に塩川大臣は、五年間の部分と五百万人の部分をバツというふうに線をぱっと引いておられるのでございますが、私もぱっと読んだときに、こんな五年間でサービス分野を中心に五百万人の雇用創出、どうも威勢がよく根拠がないという感じがしたのですが、やはり同感でぱっと線を引いたのですか。

塩川国務大臣 それは、私が根拠は何だと聞いたら、これから検討だと言うから、まさに私が言っているように、こういう政府がいたします審議会というものは、やはり国民に約束をする話でございますから、ちゃんとしたことをしなければ、これは信用しなくなってしまいます。ただ評論で終わるのだったらそれでよろしゅうございますけれども、私らは、この経済諮問会議で結論が出ましたら、骨太の方針が出ましたら、それを直ちに実行していかなければならぬのだから、だから、長期展望だというけれども、五年で五百万人、それはどの分野でどう出てくるのだというと、これから検討すると。では、しばらく預かっておいて、保留しておいて、具体案が出てからそれを入れていってもいいじゃないか、こういうことを言ったことでございまして、私は、何も意地悪でけったのでは絶対ございません。

長妻委員 本当によくわかりました。今の一連の御答弁、ぜひそのとおりに実現をさらに力強く進めていただきたいということを強くお願いをいたしまして、おっしゃるだけではなくて実行を伴えば本当に私も同感なことばかりでありますので、ぜひ実行を伴うということを全力でお願いしたいと思います。

 そして次に、柳澤大臣にお伺いするのですが、先日来話題になっております東京三菱の要管理債権がふえたということで、やはりマーケットからも、どうして要管理がふえて、どういう定義なのだという、資産査定というのはちょっといいかげんと言ったら言葉が変ですが、あいまいもことしているというお話もいただくのです。

 こういう文書が出てきましたけれども、これは通告しておりますけれども、全銀協が平成十二年の九月六日に全銀協加盟の各銀行に出した文書でございまして、「事務ガイドラインにおけるリスク管理債権の定義に関する件」、このくだりの中に、「今般、金融庁より、金融検査において、一部の銀行に貸出条件緩和債権の計上に関して不適切な事例が散見されたため、改めて、定義について周知徹底を図るよう要請がありました。」金融庁が、貸し出し条件緩和債権、要管理債権がいいかげんだ、ちゃんとしろということがあったので、全銀協がこういう文書を出した。

 その中に、今のところのちょっと下に、どういうことかというと、2ですけれども、「貸出条件の緩和を行った際の適用金利が「当該債務者と同等な信用リスクを有している債務者に対して通常適用される新規貸出実効金利」を下回っているにもかかわらず、貸出条件緩和債権に計上していない等、が不適切な事例として指摘」されたということが書いてありまして、これはまさに東京三菱が言われた、本来取るべき金利が取れていない、こういうような意味に私は解釈するのであります。

 ということは、東京三菱のこの要管理の、今回厳し目にしてわあっと金額がふえましたけれども、これは金融庁の指導に従っただけで、別に特殊でも何でもなく、金融庁が言ったままに試算をしたというふうに私は理解するのであります。大臣は、前回の私の質問では、三菱銀行はちょっと特殊なケースのような御返答をされましたけれども、金融庁の指導どおりにして東京三菱は取るべき金利が取れていないから要管理に上げたということだと思うのですね。いかがでしょうか。

柳澤国務大臣 率直に言って、せんだっての御質問のときには、また今日も、私現場に行って見ているわけじゃありませんので、どこまで的確な事態の把握の上に立った御答弁ができるかということもあるのですが、要するに、金利減免債権というようなものについて、これはなかなか難しいということがあるわけでございます。それは、要するに一番このもとになっておる銀行法あるいは銀行法の施行規則ですと、まず目的規定があるわけです。経営者の経営再建または支援を図ることを目的として、こうあります。

 したがって、その目的ではなくて、例えば市場の力、私の銀行と取引してもらうためには、このぐらい金利の面でサービスしないと、この貸し出し契約というものが続けていけませんねというようなときには、一体どういうふうに考えるべきなのだろうかというようなこと。これは例として申し上げているのですが、そういうようなことで、実はなかなか一義的に判定ができないというような、もう本当の具体の例になってしまうとそういう面があるということを、説明として私は聞いておるわけでございまして、それはそうなのだなというような面がございます。

 いずれにせよ、この全銀協の十二年九月六日、昨年の九月六日に出たものは、実際に検査に行きましたら、公定歩合を下回るような金利が設定されている、そういう場合にのみ条件緩和だというようなことをやっていた銀行があった。そういうようなことで、つまり、金融検査の検査官の第一線は、もっと機械的にやりたい、こう言うのだそうですね。そうでないと、もう論争しても切りのない話になるから、それだからもう事務方のいわば管理部門は、もっと非常にクリアカットな、一義的な基準を下さいと。それでなかったら現場の第一線はなかなか判定が難しいですというようなことも言っているわけですけれども、商業ベースでいろいろやっていることを、これがいわゆる金融の条件緩和なのか、条件緩和でないのかというのは、本当になかなか難しいことだということのようです。

 そこで、この通達が出る前に、施行規則の下に我が方の事務ガイドラインというのがありまして、それが改定をされた。そのなお書きが入ったと。よく御存じでございます。そういうようなことと軌を一にして、平仄を合わせる形でこの通達が出た、こういうふうな経緯のようでございます。

    〔根本委員長代理退席、委員長着席〕

長妻委員 ちょっとやはり理屈が、これは重大なことだと思うのですね。要管理の査定というのは、日本の不良債権は国際的に見ても大変に大きい意味を持つのですが、銀行が二つあって、ある銀行は余り信用がないから、トータルとして貸出金利をかなりディスカウントしないと借り手がないよというのは、それは当然あると思うのですね。

 ただ、この通達でも言われているのは、本来、一つの銀行だけを見て、その銀行が、いろいろな貸出先がありますけれども、お客さんがありますけれども、本来取るべき金利が取れていない、これはその銀行だけの話ですね。その銀行が、いろいろなお客さんがありますけれども、本来はこのお客さんだったらこのぐらいの金利が取れるのだけれどもそれが取れていないというのが、要管理に入れるということだと思うのですね。

 だから、これはこの前の質問でも、ちょっと柳澤大臣がはぐらかされたようで、正面からお答えいただけなかったのですけれども、本来取るべき金利が取れないというのは金利が本来より安いということでありまして、それは、やはり支援をする以外の目的で金利を安くするということが、サービスとか癒着とか、何かそういうことであるのかなと。だから、金利を安くするというのは、支援をするその目的以外では金利を安くするということはないのではないでしょうか。いかがでしょうか。

柳澤国務大臣 金利を安くするということのほかに、実は金利が同じでも、先生もここをお読みになられたらおわかりのとおり、当時の言葉で言うと金利減免債権、現在で言うと貸し出し条件緩和債権になる、そういう認定なんですね。それは、ある銀行であれば、A相手先、B相手先が同じ信用リスクであれば、その信用リスクを反映した金利を取らなければ、片方取っているのに取らなければということなんでございます。

 そういうことで今度はやりなさいということでありますが、信用リスクということになれば、そういうことで、これはもう支援目的であるか目的でないかというところをちょっとわきへよけているようなところが、この通達にもあるように私は思うのです。

 しかし、今先生が提起された問題で、確実に下げたら支援目的かといえば、なかなかそうはいかないのではないか。私ども……(長妻委員「ほかにどんな理由が考えられますか」と呼ぶ)下げたらというか、その信用リスクを反映しているというか、信用リスクを反映しているということはあるのですが、相手に対して、今の信用リスクはそうだけれどもこの人たちとは将来ともに取引を続けていきたい、その他というようなことがあり得るのではないか。それは、市場の力ということがあり得るのではないかということを私、問題にしたわけでございます。

長妻委員 日本の銀行の要管理の定義をここである程度はっきりさせるということは、今ばらばらだと思うのですが、それによってかなりきちんとそろっていって、実態がまた一段と明らかになってくるという非常に重大な意味があると思うのでございます。

 その意味では、本来取るべき金利が取れていない。これは当然要注意の中での話でありますから、要注意の中で本来取るべき金利が取れていないものは、全部一〇〇%これは要管理になるということで、問題ないのではないでしょうか。

 要注意債権の中で、本来取るべき金利が取れていない、そういう債権は要管理債権である、こういう定義をここで宣言していただければ、日本の要管理も非常にすっきりとして、不良債権の実態が非常に明らかになると思いますが、いかがでございましょうか。

柳澤国務大臣 この事務ガイドラインなんかの推移で見ると、先生がおっしゃっているとおりになっているというふうに私も見ます。

 ただ、私がさっきちょっとこだわりたかったのは、しかし本当に、その上位の規定である施行規則では目的を置いているわけですね。そこで、実務的に私は先生が言っていることで割り切っていくという方向にしていくことになると思うんですけれども、それは反撃があったらどうするんだと。

 その他の例が見つかって、こういうケースの場合には支援目的でなく、支援目的というのは、大体において客観的な条件等から、ありていに言えば向こう側からこれちょっと金利を配慮してくださいというようなことがあっての話だと思うんですけれども、相手は何も言わない、私とつき合うんだったらというような態度であるというときに、そこに何らかの配慮が行われたときに支援目的と言えるのかという金融機関側の反撃があった場合に……(長妻委員「例外として」と呼ぶ)例外として。

 しかし、私は、もう基本的に、この最近の、通達という言葉は避けますが、方針の規定の変遷を見ますと、先生が今おっしゃったようなことで今後行われていくだろう、こう思います。

長妻委員 今大変私は画期的な、これもまた率直に、小泉内閣になって皆さんすばらしい答弁なんですが、率直に今のお話どおりであれば、この今の金融大臣の御発言によって要管理の定義というのが地銀も含めてかなり明確になったというふうに確信をしております。もう九月期から当然時価評価も入るわけですから、今の柳澤大臣の言葉どおりに日本じゅうの各銀行がきちんと査定をして、検査官の皆様もそういう感覚できちんとやれば、大変日本の不良債権の実態が明らかになって、お国のためにもなるというふうに確信をしておりますので、ぜひ今の発言をそのまま森長官にもお伝えいただいて、ぜひ厳格にやっていただきたいと思います。

 時間もありませんので、最後に一つ。

 この前もこれは私質問をさせていただいたんですが、もう外資系の証券会社が云々という話はいたしません、そうではなくて、私個人のいろいろな計算とか考えでの話でありますけれども、一体、日本の銀行の不良債権の処理というのは何年ぐらいで本当にめどがつくのかということなんですね。

 これは予想ですから、外れたって、これは私は別に、私個人的には何か責任問題だと言うつもりはありませんけれども、ただ金融当局として、例えば八年ぐらいだとか七年ぐらいだとか、十年ぐらいだとか何年ぐらいだとか青写真を決めて、そして逆算して、今、破綻懸念先以下が二年、三年とか、いろいろ数字を出されて頑張られているわけでありますから、ある程度の、全体がきれいになるのが何年ぐらいだと。

 それは当然、公的資金がいつ返ってくるのかという、優先株で公的資金を入れて、早く本当は返してもらわないと困っちゃうわけでありますけれども、そういう経過、最終的には国民の税金の可能性もあるお金を入れている銀行の話でもありますので、大体年限を、何年という青写真が大臣の頭の中にはあるのか。この発言によって、日本のマーケットも、ああそういう青写真で動いているのかというのがわかると、企業の設備投資も含めたいろいろな計画が立てやすいと思うんです、海外も含めて。

 この前も、いろいろ前提は言われましたけれども何年というのが明確に出てこなかったんですが、ぜひ何年ぐらいというところまでは青写真を見せていただきたいと思うんです。

柳澤国務大臣 これはまぜっ返しているんじゃないんですよ、まぜっ返す気持ちなんて毛頭ないんですが、そうおっしゃる長妻先生は、今言った不良債権の処理が終わるというのを、どういう状態だと想定してそれをおっしゃっているか。これが非常に今難しい問題なんです。

 いっときは、私は、やはりリスク管理債権の全貸し出しに対する残高の比率がアメリカに近づくこと。アメリカは今一・ちょっと%ですね。今日本は、大手行なんかは五%ぐらいにいっているところもあるわけでございますけれども、まあ総じていえば九%とか、そういうような状況にあるということでございます。これは一体、それでいいのかということもあります。

 それからまた、我々がそういう残高の比率を目的にとったときに、つまり、それがある方策でもってマヌーバルなものかどうか。我々の主体的な努力でもってそういうことが可能になるものでなければ、これは政策手段との関係で目標になり得ません。

 そういうようなこともございまして、私は今その目的になるものをどうするかということも考えているわけでございますけれども、まあちょっと比率だけでいいのかなというふうにも今考えておりまして、もうちょっと違う、不良債権の処理が進んでいるという一つの指標というものを我々考えないといけないのではないかというようなことも、まだ私、今考えている途次でございます。

 ですから、きょうの御質問、今この段階で私に、そういうものをあいまいでもいいから吐露したらどうかというせっかくのお言葉でございますけれども、いましばらくお時間を、そんなに長期間ではありません、少なくとも今度骨太の政策目標というんですか、そういうようなものには私として間に合わせたい、こう思っておりますので、いましばらく時間をいただきたい、このように思います。

長妻委員 いましばらくということですので、ぜひ御検討をいただきたい。ある意味では安全宣言みたいなものですね。不良債権終了宣言を出すタイミング、出す定義は、こうなったら不良債権終了宣言が出せるんだという枠組みを提示していただいて、私も考えがありますので、議論をぜひしていただきたいと思います。

 本日はありがとうございました。

山口委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時七分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時一分開議

山口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 この際、お諮りいたします。

 政府参考人として財務省主税局長尾原榮夫君、国税庁次長大武健一郎君、証券取引等監視委員会事務局長五味廣文君、内閣参事官近藤賢二君、警察庁長官官房長石川重明君、警察庁長官官房審議官鎌原俊二君及び環境省自然環境局長西尾哲茂君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

山口委員長 質疑を続行いたします。中川正春君。

中川(正)委員 民主党の中川正春でございます。民主党、午前中から引き続きまして、質問をさせていただきます。

 塩川大臣、事前にちょっとこれは通告がしていなかったのですが、基本的な話なので御所見を伺いたいのですけれども、ことしの予算で開発あるいは研究という分野で、TMD、NMDの方へ向いて日本も参画をしている、そういうことですね。この間から田中外務大臣がいろいろなところで発言があって、基本的には、日本の国内でこのTMD、NMDについてどういう議論をしてきたかということになると、これ自体も私は未成熟といいますか、議論自体が十分でないということも、今回の一連の物議を醸し出した発言の背景にはあるのだろうというふうに思うのです。

 改めて、私は田中外務大臣のスタンス、中には余計なことも言いましたよ、ブッシュさんのことに対する個人的な批判とかなんとかありましたけれども、それ以外のことについての基本的なスタンスというのはなかなか、日本のこれまで国内でも議論されてきた分野でもあるし、いいことを言っているのじゃないかなというふうにも思うのですけれども、特にTMD、NMDについては、財政担当の大臣として、どういう御所見をお持ちなのでございましょうか。ちょっと改めてここはお聞きをしておきたいと思うのです。

村上副大臣 私は、財政とか金融とか外交の一言は、下手をすれば死を招くわけですね。だから、やはりこれは本当に慎重を期して言わなければいけない。その件に関して、我が財務省の見解を聞かれていますが、その見解についてはまだまだ検討中でありますので、それは今の時点ではお答えすることにはまいりません。

塩川国務大臣 私はこの問題は、結論から言いますと、さっき言ったような、もっと慎重を期して発言すべき問題だと思っております。

中川(正)委員 大臣自身はどうお考えなんですか。

塩川国務大臣 私は、自分自身ではまだこの問題について、自分でしかとした結論は出しにくいと思っておりまして、それは国際情勢の動き等も十分見た上でないと判断はできないと思っております。

中川(正)委員 しかし、予算はつけておられますね。これについてはどういう基本的な考え方においてつけておられるのですか。

塩川国務大臣 執行する場合には、やはり政府内で十分協議をしたり連絡をとり合って実際にいたしたいと思います。

中川(正)委員 いや、ちゃんと答えてください。そういうことを聞いているのじゃなくて、やはり予算をつけている限りは、それに対する考え方というのはあると思うのですね。その辺、大臣としてどうなんですか。

塩川国務大臣 中川さんの質問は、私にとりましては突然のことでございましたから、私も常識的なことしか知識がありません。ですから、もう少し専門的に勉強した上で確定的なことを申し上げたい。今申し上げましたのは、やはり一国会議員として従来からの常識の範囲内で考えておる程度で御返答申し上げた、こういうぐあいにひとつ御了解いただきたいと思います。

中川(正)委員 ぜひ閣内でもこれは議論すべきだと思うのですね。野党も含めての話ですが、この辺の基本というのが本当の議論が抜けているために、日本が自立できないということだというふうに思っております。そのことを指摘しながら、その背後の日本の構造みたいなものを、これをしっかりと自覚していただきたいというふうに思います。

 それでは、所定の質問に入っていきたいというふうに思うのですが、前回の委員会で、仙谷委員がここで、地方とそれから国の関係についてるる質問がありました。その中で、地方債に対して法的には国は責任を持っていない、とっていないというような答弁をされたわけでありますが、総務省の方から来ていただいておると思うのですが、山名政務官ですか、この見解について総務省はどのように確認をされておられますか。

山名大臣政務官 前回でしたか、仙谷議員の御質問に総務省としてお答えをさせていただきました。

 地方債の債務というのは国が法律で保証しているのかということでございましたが、地方債に関して申し上げますと、結論から言いますと、法律上の債務の保証は付されてはおりません。公営企業金融公庫債、金融公庫などの法人が発行する債券に係る債務につきましては、法律に基づいて政府が保証する、こういういわば政府保証債でございますが、地方債は法律上の債務保証というのは付されていない。

 しかしながら、地方債の償還につきましては、許可制度のもとで、地方債の元利償還というものにつきまして、国が地財計画あるいは地方交付税の算定を通じて財源保障をする仕組みとなっております。また、国が、公債費負担が一定限度を超えた地方公共団体に起債制限制度、また赤字が一定限度を超えた場合の財政再建制度、こういうところの制度を設けておりまして、債務不履行等が生じないような仕組みになっております。

 そういう点では、国債あるいは政府保証債、こういった同等の信用力というものはある、こういうことになろうかと思っております。

中川(正)委員 法的には保証していないけれども、財政的な措置の中でその信用力の裏づけを国がしているんだ、こういうことだと思うのですね。それに間違いはないのですか、塩川大臣。

塩川国務大臣 間違いございません。

中川(正)委員 それでは、それをもう少し具体的に質問をしていきたい。

 というのは、先般から交付税を見直していくという議論がこれあり、あるいは道路財源もそうですが、地方に係る財政について非常に不安定なといいますか、先の見えない議論が続いてきております。特に大阪なんかを見てわかりますように、地方公共団体は非常に微妙なところに来ている。時と場合によっては、今の枠組みの中では破綻という言葉はないのですが、しかし、実質破綻と言われる措置をとらなければならない自治体が一気に多発して起こってくるというような現状、これがあちこちでささやかれておりますし、実際にはそういうことなんでしょう。それだけに、ここでやはり国が地方に対して具体的に何を考えているのかということをはっきりさせていく。どこまで地方というものに対して責任を持っていって、どこから先は地方がみずからの力でやっていくのですよと、ここではっきりさせていくということが非常に大事なことなのだろうというふうに思うのですね。

 そういう意味で、少し具体的に一つ一つ、今まで発言されたことも含めて問うていきたいというふうに思うのです。

 まず、総論として、よく言われる地方は自分の力でまずやっていかなければいけませんよというところと、それから、ここまでは国が責任を持ちますよというところと、これは今どのように大臣の頭の中で整理をしておっているか、まず総論からいきましょう。

塩川国務大臣 私は、この委員会で何遍も発言させていただいて、持論として持っておるものを申し上げておると思うのでございますが、先日もちょうど中川さんとこの問題で議論しましたですね。私は、地方と国との関係を考える前に、その根本となるのは、地方のシビルミニマムと国のナショナルミニマムというものはどの程度か、お互いきちっと一回整理する必要があると思っております。その責任が、先ほどおっしゃるように明確でないものですから、どんどんと地方の方の行政需要というものがふえていってしまいまして、それがやはり地方財政計画の中に大きく圧迫要件となってきておると思うのであります。

 したがって、債権問題とか何か議論する前に、まずシビルミニマム、つまり行政責任はどこまでだということ、これは住民との間でやはりしっかりとした煮詰めをしなきゃならぬだろうと私は思っております。

 では、それをどういうぐあいにするのかといいましたら、私は、国会内においてそれぞれの地方の委員会等がございますから、そこらでしっかり煮詰めてもらいたいなという希望をかねて持っておる。その上で、財政コストというものも一回見直さなければいけないと思います。それを単純な補正手段でやっておりますから、段階補正だとか種地補正だとか、そういうのをやっていますと、これは非常に政治的な問題になってしまっておりまして、本当に地方交付税の持つところの財源調整以外の問題がそこへかみ込んでくる、それが一つは圧迫要因にもなっておると思っております。そういうようなものをすかっとした上で、純粋な均衡をとる上の交付税というものをぜひ残していかなきゃならぬと思っております。

中川(正)委員 まず、交付税制度のお話が先ほど出ましたが、これは前回の発言で、次の予算で一兆円減額をしていくというふうなお話をされましたけれども、その後は具体的にどういうことになっていくのですか、交付税は。

塩川国務大臣 御存じのように、地方交付税は、基準財政需要額と基準財政収入額の差を埋めていって、それで地方財政の財政的保障をするという意味が一つございますね。それと同時に、もう一つは、地方に財政の均てん化をするようにという機能と二つあると私は理解しております。

 そこで、先ほど申しましたように、地方の財政需要というものはどの程度かということは、一回しっかりとつかまないと一概に申し上げられないと思うのでございますけれども、いずれにいたしましても、先ほど、先日でしたか、中川委員の方から御質問ございまして、地方の税源の独立をするといたしましても、地方の現在の状況においては、これだけの格差がある場合には、財源をつくりましても、とてもじゃない、もう賄い切れないような状態になって、必然として地方自体で財源調整の機能を持つような税を考えなければならないようになってくると思います。

 その意味で私は、現在の地方交付税というものは、要するに、先ほど言いましたように、需要と収入との関係を見直した上で改めて、いわば私が言うならば、簡略的な算定方式を用いた交付税制度を残したい、こう思います。

中川(正)委員 ということは、いわゆるナショナルミニマムを保障するための地方交付税じゃなくて、いわゆる財政調整をしていくような性格のものに変えていく。ということは、財政調整ですから、実質全体の交付税の量というものは下がっていく、少なくて済んでいくということ、こういう理解でいいのですか。

塩川国務大臣 まさにおっしゃるように、従来は国が機関委任事務を地方に委託しておりますから、その補てんの意味も兼ねたいわば財源調整を交付税に依存しておりました。しかし、地方の独立、そして自主財源ということであれば、地方税の中での均衡をとる、そういう作業をする税に残しておかなければいけない、こういうことです。

中川(正)委員 次に、交付税特会の話をさせていただきたいのですが、これは三十八兆円、これはもっと、まだふえていきますね。四十二兆円になっているのかな。どちらにしても、この返済をどのように国は考えていくのか。

 私は、ちょっと古いデータで恐縮なんですが、九九年のときに三十八兆円で地方が二十六兆円という、いわゆる地方自体が持っている債務がこれだけですよという話でありますが、これは国の分と地方の分、両方ありますね。これをどのようにだれが返済をしていくのかということですね。

塩川国務大臣 現在、地交税の特会に組み入れております国からの貸付金というものは、これは別途法律をもった処理をしなければとてもじゃない、地方の自主財源だけでこれの返還は困難だと私は思っております。そうでありますだけに、国と地方との税の根本的な配分と割りつけというものは、いずれこれは実行せざるを得ないと思っております。このままでいきますと、交付税に対する国の、貸し付けじゃなくて国が持たなければならぬ負担分というもの、これがだんだんとふえてまいりまして、現在、国としてもこのような窮迫した財政状況でございますから、到底不可能になっていくんではないか。

 そういうことを見越しまして、私は、平成十四年度から国債の頭打ちをきちっと三十兆に抑えることによって、地方財政に対する負担もそこで当然いわば制限されてくるということを地方が認識してもらいたいと思いまして、きょう、こうしておるようなところであります。

中川(正)委員 きょうの話はわかりました。しかし、将来これをどう清算していくかということは、さっきの答弁では新しい法律をつくる。新しい法律をつくるということは、これは今の国と地方の債務のルールじゃなくて、別個これは国が責任を持ってやっていきますよ、その返済全部かぶりますよ、こういう意味ですか。

塩川国務大臣 これはとても国が全額しょい切れるものじゃございませんので、いろいろな財源を入れて、もちろん国も負担しましょうが、地方自体がやはり負担をしてもらうということもありましょうし、また、それを何か長期にわたる特別な償還方法を双方が知恵を出して考えるというようなこともあろうと思いますが、それは今いちずにこういうことでという答えは、私はよう申し上げません。

中川(正)委員 次に、地方財政計画と地方債の関係なんですが、これも、過去三年、四年見ていると、地方財政計画に基づいて地方は、それぞれ各自治体乗っていくわけですけれども、どうも税収見積もりの狂いというのが大きく出てきていますね。これは、年間大体一兆円から三兆円ぐらいのオーダーで税収見積もりの狂いが出てきている。こういう方式というのが逆に今地方にとってはモラルハザードを起こしている、そんなことにもなってきているんじゃないか。これは総務省の立てていく計画ですから、それに乗っておれば大丈夫なんだろう、こういう形でそれぞれ乗ってくる、積み上げる、結果、一兆円、三兆円というようなそういうオーダーで足が出る、これがずっと毎年繰り返されているわけですよね。

 このシステムについてはどうですか。私は、こういうやり方というのは限界が来ているな、これこそ基本的には各自治体が目覚めなきゃいけないところだというふうに思うんですけれども、どういうふうに思いますか。

塩川国務大臣 私から余り地方行政のことを言うことは、介入することになりまして好ましくないことなんでございますけれども、お尋ねでございますからお答えいたします。

 地方財政計画の予算と決算との間にそごを来しておりますことの一つの原因といたしまして、自治体の財政の中で、予算額と調定額というのと二つのいわゆる計数によって予算を執行しております。その場合に、予算は幾ばくかと算定して、それから以後におきまして税収なんか見積もりいたしましたら調定額というのを立てる、これは御存じでございますね。その調定額を立てましたときに増減の調整をするわけでございますが、それが、調定の見積もりが減収に出ましても、それを補正予算等で修正しないままで決算を迎える、そういう自治体も中にはあるということでございまして、そういうのが予算から見たら大幅に減収ということになっておるんですけれども、大抵の自治体においては、調定額に修正すること、予算を修正して更正することが多いんでございますけれども、そういうふうなことをとらない市町村もあるということでございますので、多少は予算と決算とのそごがある。これは一律統制できないことだと思っています。

中川(正)委員 三兆円レベルが多少という話ではないと思うんですよ。ここが不安要素といいますか、信憑性がなくなってきているということですね。これについて問題意識をやはり持つべきだと私は思います。

 それから次に、さきのお話で、財政的にバックアップしていますよということの中に財政再建制度がある、こう言われていますね。ところが、実質見ていますと、この財政再建制度を使っているのは現在福岡県の赤池町ですか、ここ一つなんですよ。これは基準があって、五%、一〇%の赤字が出たら、こういうことでありますが、ところが、実際にそれぞれの自治体を見ていると、完全に赤池町よりも深刻ですよというのがいっぱい出てきていますね。では、ここはなぜ再建団体にならないかということなんですね。これはどう思われますか。

山名大臣政務官 先ほど申しましたように、地方公共団体が一定の赤字等を大変危惧する場合、財政再建制度、こういうものをつくっておりまして、これは地方財政再建促進特別措置法という昭和三十年につくったものでございまして、したがって、こういう財政再建団体となった場合、財政再建の申し出を受けまして、そして、それなりの財政再建計画等の作成を行いまして、そして大臣がそれに同意をしてその制度を行使する、こういう仕組みでございます。

中川(正)委員 さっきのを聞いていただいて、答えにならなかったと思うのですよ。

 実際は何が起こっているかというと、ごまかしているんだと思うのです。この率にならないように、これは現実的にデータを見ればはっきり出てくるのですが、周辺の団体を見て、逆に工夫をしながら、いわゆる飛ばしみたいなものですね、こんなことをやっていることの中で運営をしている自治体が、ここにもありますね、あそこにもありますね、これはもういろいろなところで指摘されていることなんですよ。こういう現実について大臣どう思われますか。

塩川国務大臣 私もしばらく地方行政の方を離れておりますので、ちょっと事情はつかみにくいのでございますけれども、大体、財政再建団体に指定するという前にはいろいろな段階を経て、それで、私らは大なたと言うのですが、いわば大なたを振るって指定するということで、そこへ行くまでには、いろいろな段階のところで、例えば自主再建計画を出すとかあるいは指導計画を承認するとかいうふうなことに来まして、その間にだんだんと、要するにその自治体自身が意識を強く持って、危険水域に入ったという意識を持って改善していきますので、そこそこまで来た場合、やはり自治の本旨を尊重するという意味において要するに指定をしないという場合が多い。だから、改善計画の取り組みがふまじめな自治体はこれに指定されるというようなことであります。

中川(正)委員 そういう側面もありますけれども、現実は構造的な部分というのが非常に大きいと思うのです。

 一つは、これはよく指摘されているように、国の緊急経済対策や何かで補正予算でどんどん押し込みましたね。それに対して各自治体がついてくる。ついてくるためには、交付税措置でそのついてくるいわゆる自己負担分も保障しますから、裏打ちしますからという制度をつくりながら膨らませてきた。これはこの五年、六年の経過を見れば数字的にしっかり出ています。これが一つ。

 それからもう一つは、地方のいわゆる財源ということからいけば、これは法人事業税を中心に、あるいは固定資産税を中心にぐっと下がった。これは大阪の例なんですよ、財源自体は半分なんです。そういうような形の中で、構造的に破綻を来してきているところ、これを見詰めていかないと、さっきのような精神論では全くない部分がある。だから深刻なんだということだと思うのですね。

 そういう上に立って、しかも、この財政再建団体、この制度に乗って、ではオープンにしようというインセンティブがまだ働かないのはなぜなのか。それはそうですよ、各自治体の長というのはそういう形で住民に対して説明責任をとれないわけですね、これは市長が悪いんだ、あるいは知事が悪いんだ、こういう話になりますから。そこの部分の制度的な、あるいはシステムとしての機能というのが完全にぼけてきている、いわばこの財政再建制度というのが生きていない、このことをそろそろ大臣の気持ちの中で整理された方がいいのじゃないですかということを私は申し上げたかったのです。お話があれば。

山口委員長 中川委員、当委員会は財務金融委員会で、今財務大臣ですから、そこら辺を心得てお願いしたいと思います。

塩川国務大臣 これで終わっていただいて、他にもう審議を進めてもらうことにして。

 では、それをお答えしますと、何か地方団体が国から押し込むシステムによって狂ってきておる、そこの構造を変えなければだめだという趣旨のことをおっしゃっていると思いますが、それもあるかもしれません、全然否定はしません。否定しませんけれども、それより以上に、地方自治体の取り組んだ姿勢にあると私は思うておるのです。

 それはなぜかといったら、一つは、そういう国から景気対策として押し込んできた公共事業、これに対する地方負担、その地方負担がこうむるところの犠牲の分、過剰負担に対しましては、国は自治省を通じまして財源対策特別債とかいうようなことで補てんしております。ですから、そのことから見たら、公費負担は多少は違ってくるかもわかりませんが、一応は財源対策債等をもって補てんしておりますので、そのことは余り影響はないと思うのです。

 それよりもむしろ、その当時、右肩上がりの経済の状況でございましたから、それぞれの自治体が自分の町の発展を過剰に誘導しようということで、それ行けどんどんでいろいろな事業を活発にやり過ぎた。しかも、それを単独事業としてどんどんとやったことが、現在ある程度的が外れたものが出てまいりまして、それが負担となってきておる。それの一番大きい被害を受けてきたのは、リゾート法に関係するところの開発問題が非常に多く出てきておりまして、それは私は、あえて言うならば、地方自治体の取り組み姿勢が甘かった、またそれを、国は一緒について、一緒に二人三脚で歩いていった、そこにそういう問題があったということは私たちも反省しております。

中川(正)委員 委員長の先ほどのコメントなんですが、本質がわかっておられないと思うのです。財政の担当者としてはこの議論というのは大事な話だと思うのですよ、心外ですね。

山口委員長 そこら辺を踏まえて御質問くださいと申し上げました。

中川(正)委員 だから、しているじゃないですか。

 次に、改めてお伺いをしたいのですが、財政投融資の関係です。

 現在、地方へ向いて回っている分、地方債を買い上げている分ですね、これが全体の六割にいっていると私は理解しています。民間ではかせているのが四割なんですね。これが今度見直されるということで、自主運営になっています。そのときにトータルで六十兆円強の額を維持していくということなんですが、自主運用でこのレベルが維持していけるのかどうか、財投ということの改革の中ではこの地方債の問題はどうなっていくのか、これはどういうふうにお考えですか。

塩川国務大臣 地方債の引き受け等につきましては、地方財政計画が、国と地方、すなわち、具体的に言いますと、現在、総務省と財務省との間で協議して、その上で地方財政計画を決定するのでございますから、その地方財政計画の中に盛り込まれておるところの起債額、地方債の分につきましては、これは国も資源的に、いわば原資でございますから、原資は国が保障しております。何も返済の責任を国が負っているというのではなしに、原資は保障しております。その原資の大部分は要するに資金運用部資金を通じて賄っておるというのが実情であります。

中川(正)委員 ちょっと私がお尋ねしたことと答えられたことの意味が違うのですけれども、要は、こんな形で国が先にまで手を伸ばして、地方債を支えているという姿があるわけですね。いわゆるできレースみたいなものがあるわけですね。これを今度の財投改革の中で改革していきながら、そこを切っていこう、マーケットでそこのところをさばいていこうじゃないかという流れがこれから出てきますね。それに対して財務省としては、それでいいのですか、地方というものに対してどう責任を持っていくのですか、これまで支えていたわけですから、それが支えられなくなるということなのじゃないですかということを聞きたかったのですが。

塩川国務大臣 その支えるという意味には二つございますね。質的に支える、つまり責任の問題としての支えるという、このことをおっしゃっておるのか、あるいは地方債を発行します量が消化できること、量の保証をするのか、いずれでしょうか。(中川(正)委員「両方です」と呼ぶ)両方ですか。両方だったら、その質的な、国が支えるということにおいての国が保証した地方債というものは、それは考えられないということでございまして、ただし、地方財政計画の中で国が承認いたしましたものについては財源保障はする、この責任はございます。

中川(正)委員 最後に、地方自治体の公営事業会計、あるいは外郭団体、あるいはまた第三セクターの問題があろうかと思うのですね。これがそれぞれ、毎年報道されておるように、破綻ということが始まってきていますね。

 統計でいきますと、公営企業地方債の残高が五十五兆円あるのですね。それから、例えばその中の土地開発公社の保有土地だけでも九兆円。住宅供給公社、道路公社、高速道路公社の借入金というのは六兆九千億円。そのほか信用保証協会なんかも、これまでの政府のいわゆる五千万のあの保証枠によって、相当あちこちで破綻が続いてきているということ、それの保証が相当の額になってきますね。この保証制度そのものがもつのかどうかというふうな問題であるとか、あるいは国家のプロジェクトとしてやったこと、苫東なんかその最たるものでありましたが、それ以外にも、さっきのリゾートでシーガイアの問題なんかも出ていました。こういうのがまだまだ出てくるでしょう、こういうことなんですね。この問題に対しては、まず総論で、どういうふうに国は関与をされていこうとしているのですか。

塩川国務大臣 地方が今負っております債務の中で、法律によって処理し得るものと、そうでない、地方自治体のいわばビヘービアに頼って整理しなければならぬものと、二手あると思っておりますが、国の制度に基づいてやっております一部事務組合、これの債務につきましては、地方自治体の責任として、国もある程度これは責任の関与をしなければならぬと思っております。

 しかしながら、地方自治体が、特に府県に多いのでございますけれども、任意団体として第三セクター、あるいは事業委託のような形でいたしました民間企業、半民間かもわかりませんが、そういうようなものについては、関係金融機関との協議を経なければ、単独で整理をすることはできない。

 例えば大阪府の例を一例申しまして、泉佐野におきましたコスモ開発地域がございますが、あれは金融機関と完全に合意いたしましたので、損は損ではございましたけれども、あの当時は早期に見切り損で解決いたしましたけれども、あれが金融機関が合意しない場合は、破産手続をとるという場合は、これは大変な住民に対する被害を与える。その場合は、政府としても指導を強化して、合併とかいろいろな手段を用いて再建の方策をとらすとかいうことをしなければ、資金的に、あるいは雇用者の問題等もございますので、一概に申し上げることはできません。

 しかし、法に基づく地方自治体の分については、やはり国が責任を持って、総務省と協議をして解決していかざるを得ないと思っております。

中川(正)委員 ということは、自治体がその中でコミットをした分については、これはさっきの、総務省の基本理念みたいなものが言われていましたけれども、いわゆる財政制度の中で、国の財政の中でしっかりと支えていく。それを国が保証する。いわゆる法的には保証しないけれども、実質的には保証する、こういう考えでいいのですね。

塩川国務大臣 個々の実態によって違いますけれども、それがどうしても地域の要望、あるいは地域の保全をするためにやらざるを得なかった事業と、例えばリゾート法みたいなものでもってやったものと全然違いますから、欲に走った事業と、そうではなくて、やはり住民のニーズを満足さすためにやった事業とは実態が違ってまいりますので、そこは一概に言えないと思います。

中川(正)委員 そんな、出発点で極端な話はないと思うのですよ。それぞれ、あのころのリゾートのかかわりの中で開発をしてきた当時の市町村長というのは、住民ニーズ、それから国のリゾート法という法の体系、それの中で三セクという形でやって、国もそれを承認しているわけですね。一つ一つリゾート法の中で、事業自体を。ということなものですから、さっきのお話の中で、そんな欲に走ったというのは、本当に例外的な話なんだろうというふうに思うのです。そういう理解でいいのですか。

塩川国務大臣 しかし、その地域にとりまして過大な欲望によって建設していった事業というものも多々ございます。でございますから、それ相応に、国民的あるいは地域的ニーズに合ったものをやっていって、しかもそこで新しく、過疎地域対策とかいうことで雇用を生み出し、その地域の発展に寄与しておるもので、しかしながら需要が伴わないで経営が苦しいというところは、これは助け方が違うと思いますし、また、いわばテーマパーク的な、要するに魅力を宣伝するためにつくっていったようなものの処理というものは、これは地方自治体が中心となってしてもらわなければいかぬ。こういうふうに私は仕分けすべきだと思います。

中川(正)委員 これが、恐らく今の進め方でいくと一挙に膨れ上がってくるだろう。というのは、片方で、金融の方で一つ一つの処理をしていこうじゃないかという動きがある。それに対しての相手先として、こうした問題がある。それはやはり、国の流れの中でこれから出てくるということですね。

 それで、一つは、どうもむらがあるといいますか、大臣にはっきりしていただきたいのですが、これはどうなんですか、さっきからお話ししていると、ずっと各項目行きました。地方財政計画だとか地方債の許可制度の問題とか、あるいは財政再建の制度の問題とかとずっと順番に来たのですが、これはお話を聞いていると、どうも国の方は、もう一〇〇%その自治体の面倒を見ていきますよという信号にもとれるし、さっきの第三セクターの方でいくと。

 しかし、ほかのことについていうと、どうもはっきりしない。例えば地方交付税制度、今ありますけれども、これは変えていきますよという話ですね。地方交付税、縮めますということですから。では、地方自治体としては、借金が残っているけれども、これをどうするのかという話になりますね。あるいは財政再建について、今、制度としてはあるけれども、これは何も使われていないんだと。しかし、それかといって破綻処理をするわけにもいかない。破綻制度もないんだ。

 こういうことの中で、国はどうするのという、それに対して答えが出ていない。これも非常に不安要素ですね。その不安要素とコミットした部分というのがどうもちぐはぐになっているような気がするんですよ。

 そういうことからいって、これは、国債自身に及ぼす影響、それから地方債をどういうふうに評価していくかということ、これに非常に大きくかかわってくるというふうに思うんですね。どっちにしても危ない。

 そうした上で、柳澤大臣に改めてお尋ねをしたいんですが、今度、BIS基準の見直しの議論がされていますね。そのときに、ソブリンについても、格付でそれぞれひとつ評価をしていこうと。それの動きの中で、さっきのようなお話が一つある。ということは、全部地方自治体のものは引き受けちゃいますよ、特に第三セクターはこれからどんどん破綻が起きてきますけれども、地方自治体に影響を及ぼす分についてはお世話しますよ、こういう話なんですよね。

 もう一方で、一番問題になってくるのは、それに合わせた形で今地方債というのがセットしてあるんですよ。これもリスクウエートゼロですよね。これが、さっきの話でいくと、地方交付税も縮めちゃう、それで一兆円も減額するんだという話になって、地方としては、もう一方で残っている国と一緒にやった債務の方についても、これは別途法律をつくって地方の分は払っていただきますよ、こういう話になっているんですね。

 これが、話を聞いていると、地方債についてはどうも大臣の話は冷たいんです。自分でやっていきなさいよ、こんなもの全然保証しませんよと。ところが、第三セクターだけは理解があるんですね。やっていきましょう、こういうことなんですよね。

 そういう流れの中で、私はこのリスクウエートというのを見直していくべきだというふうに思うんですが、どういうふうにお考えですか。

柳澤国務大臣 先生から、非常に地方の財政をめぐるいろいろな角度からの御議論、傾聴させていただきました。

 私に対する御質問、地方債の信用リスクの問題でございますけれども、この問題については、今御指摘のとおり、私ども、リスクウエートゼロということで、リスク資産として見ないという方針をとっているわけでございますけれども、私どもとしては、これを続けさせていただきたい、続けてよろしいんではないか、このように考えています。

 それは、今中川委員がいみじくも御指摘になられたとおり、また、塩川財務大臣もおっしゃられたとおり、地方団体のデフォルトというのは今想定もされていないし、また、そういうことを将来において現実に行うというようなことは考えられないというふうに思います。

 じゃ、どうするんだといえば、結局これは、第一にはキャッシュフローがあるということです。事業の失敗の場合と違って、地方団体の場合にはキャッシュフローは常にある、こういうことが一つございます。

 それからもう一つは、実質的にそのキャッシュフローから、じゃ、過去の債務の返済財源を出していくかということになれば、これは出していかざるを得ないと私は思います。

 それはどういうことかというと、アリとキリギリスではありませんけれども、結局は、過去の人あるいは現在生きている債務のもとで生活した人が食ってしまった、こういうことでございまして、将来返済の時期に当たる人たちが、そのキャッシュフローよりもかなり切り詰めた生活というか、地方団体行政というもののもとで甘んじていただくしかない、こういうことが、もう全部取っ払ってしまった粗筋の議論だ、私はそのように考えております。

塩川国務大臣 中川さん、ちょっと誤解があってはいかぬので、私はここははっきりとしておきたいと思いますのは、起債、借入金、借金については、こっちの方が私は厚く考えておるんです。第三セクターとかいわゆる開発公社、随意団体についてはケース・バイ・ケースで、地域の発展のためあるいは雇用対策のためにあった、そういうものについては、やはり国も地方自治体と協議しながら助ける方法をとらなきゃいけないだろうが、欲の突っ張りとあのとき言いましたが、それは訂正いたしますけれども、その部分については地方自治体の責任でやってもらいたい。

 しかし、私は一点最初に言ったように、地方が持っております借金、地方財政計画をつくりまして、これが、自治省とそれから昔の大蔵省と合意したもの、これの中に含まれております起債、借金については国も保証の責任はないけれども、やはり返済についての財源対策は講じていかざるを得ないではないか、それはやろう、こういうことを私は言っておりますので、誤解のないようにひとつお願いいたします。

中川(正)委員 私は、この論議は最悪の方向へ行っているんだと思うんですよ。というのは、さっきはっきり言われましたけれども、国は地方の借金分まで全部見ますよ、財源の保障しますよ、こういう答弁でしたよね、さっき。(塩川国務大臣「いやいや、保証はしない」と呼ぶ)いや、法的じゃなくて、さっき確かに言われましたよ。柳澤大臣の方がうなずいている。

 そうすると、どういうことが起こるかというと、国自体が今度問われるのは国債なんですよね。国の国債の方です。この格付が、地方財政から第三セクターから全部含めた形で反映されて国の格付として、ソブリンの格付として出されるということになる。そのときに、これが例えばAあたりに下がったとしたら、これは地方債までやられるんですよね、リスクウエート。BIS基準が、もうそれで二〇%になる。国の肝心の国債自体が二〇%になれば地方債まで、この場合は全部共倒れなんですよ。

 だから、ここで本当にはっきりとさせなきゃいけないのは、そういう共倒れの論理を貫くのか、それとも、地方と国とはそこのところを分けていって、地方を自立させようと思ったら、本来はこのリスクウエートというのをしっかり見ていって、これ以上借金できないんですよという外部環境をつくってやるということの中で自立をさせていく、そういう方向性というのが私は正しいんだろうというふうに思うんです。

 ところが、さっき話を聞いていると、それは全く逆の方へ行っちゃって、これは全部面倒見ますよという話にしてしまっているんですよ。そうじゃないでしょう、これは。

塩川国務大臣 従来からやってまいりました地方財政計画の承認、そういう手続によるところの地方財政の保障という制度は、近いうちに変わるんではないかと思っております。

 それはなぜかと言いましたら、先ほどおっしゃっています起債の方法が、いわば資金運用部資金でもって大部分を政府が起債を消化しておりました方法が変わる。それぞれの地方が、いわば財投機関債のような形で自主財源として募集をしていかなきゃいかぬというふうになりますと、地方の評価というものも、投資します機関の評価を受けることになります。そこで多少とも地方財政のあり方が変わってくると思うのでございますが、地方の独立、分権という以上は、やはりそちらの方に行かざるを得ないと思います。

中川(正)委員 その話を進めていったら、リスクウエートは変わってくるのですね、こっちに。今度は金融のサイドの柳澤さんの議論になるのですよ。そこのところを整合性を持って、これは本当に難しい判断だと思うのです、どっちかで判断しなきゃいけないことだと思うのです。それを今、難しい話を両方くっつけているから、かえって国のリスクが大きくなっているということになっていくと思うのですね。そこのところを、柳澤大臣、もう一回確認します。

 これはやはり、リスクウエートを考え直すという方向で、すぐ下げるとかなんとかというより考え直すということで議論を進めるべきだと思うのです。もともとこれは低かったわけですから、低かったのを途中で今のレベルに上げたわけです。だから、今のレベルに上げた時点よりも今の方がまだリスクは高いのです。そういう意味からいって、これは無理している、どうしても無理しているというところと、それがモラルハザードにつながっているということだと思うのです。そこのところをもう一度確認しておきます。

柳澤国務大臣 国際的に、いわば格付によるリスクの反映、リスク資産の評価、これをしなきゃいけないということはそのとおりでございますが、具体の問題として地方債を私にはお尋ねですので、地方債について言いますと、破産ということで何割か債権カットというようなことが起こるかという問題なんです。

 先生もアメリカの事情をよく御存じですが、ロサンゼルスの郊外のある町が破産させました。そういうこともある意味で非常に簡単、政治的には簡単でなかったでしょうけれども、少なくとも法律的にはきちっとやってしまう。こういうことが日本でそこここで行われるようになれば、まさに先生がおっしゃったように、私もリスクウエートを考えなきゃいけないということになります。

 しかし、今の日本のシステムというのはそういう状況を想定していないし、今後はなかなかきついでしょうけれども、債権者に犠牲を強いるよりも、実は、先ほど来塩川財務大臣が言っていらっしゃるように、行政によって享受しているサービスのウエートが自分らの受益に見合う負担に応じてどうなんだ、そこをまず考えなきゃいけないじゃないかということもあるし、また逆に、今度は負担の方も、では国民あるいは地方税負担のレベルはどうなんだというところに随分議論の余地があると思いますから、いきなりしりを債権者に持ってきて債権者の債権を何割カットするというような話に持ってくるという状況にはない、私はこのように考えているのでございます。

中川(正)委員 現実はもっと厳しいものになってきているということと、それから、自治体はつぶさない、大きな銀行はつぶさない、特殊法人はつぶさない、これはみんな言っていたのです。これは順番に来ていますね。順番に現実が押しかけてきて、そういうことが言い続けられなくなっているのですよ。恐らく地方自治体でもそういうようなことなんだろうと思うのです。

 そこのところは、破綻法制も含めて、それから、さっきのリスクウエートのこととセットでとお考えのようですけれども、破綻法制とリスクウエートとをセットにしながらやっていきますよというふうに、意思として受けとめさせていただきました。

 もう時間が来てしまいまして、副大臣にたくさん来ていただいて、もう一つ課題を持っていたのですが、時間切れになってしまいました。申しわけないことになりまして、そこをおわびしておきたいというふうに思います。

 以上、終わります。

山口委員長 河村たかし君。

河村(た)委員 河村たかしでございます。

 前回、税務署のOBの方が、東京国税局だけでも毎年百人弱ぐらいですか、民間会社の顧問税理士ということで非常においしい目をされておるということで、けしからぬという質問をさせていただきました。

 きょうもちょっと、来るときに、地元からですけれども、東海、中部とも中小業者に倒産集中ということで、今の景気は、本当にうまいこと政府は不景気だ、不景気だと言って増税に持っていくとんでもないうそをついております。全く、数時代前のケインズのおかしな理論を振りまいてだましておりますけれども。

 それもそうですが、それよりやはり大きいのは、貧富の差が激しいというのか、もうかっておるところとそうでないところと物すごい差ができてきました。

 そういう観点からすると、こういう税務署とか――一番でかい会社は何だと思いますか。役所ですわ、はっきり言いまして。役所全体ですよ。税金、それから社会保険料、それから公共料金も広く言えばそうでしょう。それから、税務署の方がやめてから、何かわけのわからぬ、優良法人でもそうしょっちゅうもうかっておるわけではない、そういうところへ月に五万円、十万円顧問料を出してくれ、こんなことは許しがたいということをお話ししましたね、大臣。

 外遊の折のせんべつの話もしましたけれども、あれはこの間うちは忘れられていましたけれども、私のときには、そんなことはないとえらいはっきり記憶されておりまして、わけがわからないのですが、これはまた後日、温めておりますので、ぜひ楽しみにしていただくといいのですが。

 その話を聞いて、大臣、まずとりあえず感想はどうでしたか。多分こんな大量に国税庁の職員さん、それもおおむね、指定官職というらしいのですが、副署長と署長以上といういわゆる偉い様だけですよ。こういう方だけがそういう特権を持っているということについて、いろいろなお話をしまして、本当にそうですかというようなことをたしか大臣言われましたものですから、まず、こんなことはすぐやめないかぬなという答弁をしてくださいよ。

塩川国務大臣 職権をもってそういうあっせんをするということはすぐやめないかぬと思います。

河村(た)委員 職権をもってあっせんをするということはやめないかぬ。職権をもってあっせんしておるのじゃないですか、これは。

 大臣、悪いけれども、いや、大臣ですよ、大武さんの、お地蔵さんのような顔をしておる人が出てきてもらっても。大臣、職権をもって国税局の人事課がやっているのですよ。

塩川国務大臣 この前も、たしか広い委員会であったと思いますが、そのときに河村さんの質問があったけれども、私はそのとき、職員の就職の状況は知らないというので、国税庁次長が来ておりますので、お答えいたします。

河村(た)委員 いや、大臣の感想を聞いているんですよ。大臣、初めて聞かれたでしょう、本当にどう思われましたか。

塩川国務大臣 だから、あのときは、私はわかりませんので、国税庁次長が答弁いたします、こういうふうに言って……(河村(た)委員「いや、これを聞いてどう思われたかということです」と呼ぶ)

 それは、先ほど言いましたように、職権をもってはいかぬと。しかし、職権以外で、退職後もやはり職権があったということがバックに、陰に映っておるような状態ですね、それでもってやるということはよくないと思います。

河村(た)委員 これが本当に自然な感想ですよ。私は何でも悪いとは言いませんよ、だれでもかれでも悪人だとは言いません。今言われたように、職権をもって、税務署と警察といったら、下手したらいわば暴力団のかわりですから、国民から言えば、これは大変なことですよ。間違えますと暴力団になる、きちっとやれば当然、そういうことですよ。だから民間会社としても、例えば税の方でいろいろなことがあるでしょう。何となくOBの人を入れておけば、いざとなれば顔を光らせてもらえるか、要するにこういうことですね。もう一つあるのは警察です。そういうことですよ。だから、そういう陰に何かある状況であっせんするといかぬと。

 それはあるんじゃないの。これは国税局が、人事課がやっているんですよ。どうですか、大臣。あるかないか、どうですか。人事課がやっているのは陰にあるんじゃないですか。別のところのものを、税理士会に頼むんじゃないですよ。

塩川国務大臣 それは、一番よく知っている国税庁次長がお答えいたします。僕は、経験したことないし、見たこともないし、わかりません。

大武政府参考人 お答えさせていただきます。

 権限でと言われましたけれども、やはり税理士資格を持っている職員がやめて、企業のサイドからしますと、税務職員の経験、四十年余働いた職員のエキスパティーズといいますか、専門性を活用したいというニーズは明らかにあると思われます。

 特に税務職員の場合には、守秘義務を守って四十年余、黙るという点では非常にかたい、いわば修練を積んでいると思います。特に税務というのは守秘義務の世界で、納税者の方の個人にかかわることまで相談を受ける。そういう中で仕事をさせていただくという点でも、かなり民間のニーズがおありになるのではないかと思います。

河村(た)委員 何か英語を使えばいいと、エキスパティーズなんてわけのわからぬことを言っていますけれども。

 大体とんでもない官尊民卑ですよ。税理士の事務所に三十年、四十年勤められた方、エキスパティーズじゃないんですか。どういうことですか、とんでもない官民卑です。

 それと、守秘義務があるならあるで、それでちゃんとやっていけばいいんですよ。そういう仕組みがあるから、公務員法ですか、天下りの一定の規定はありますよ。その仕組みをつくったからそれでやればいいので、それがあるにもかかわらず、何たることですか。

 全国で大体何人ぐらいあっせんしていますか。東京だけで九十人ほどでしたね、東京国税局管内ですか。前に一遍聞いたことがある、五千人ほどになるんじゃなかったですか。どうですか。

大武政府参考人 お答えさせていただきます。

 昨年の異動期では三百余名だと存じます。

河村(た)委員 五千というのは社ですね。御無礼しました。

 人数だけで、東京国税局で九十数名ですから、一年間で三百四名と。

 それで、どうやって新規の開拓をされているか。この間言いましたけれども、平成九年ごろから五十人、七十人、九十三人、九十六人、これは東京だけですが、ふえていっておるわけです。これについて、もとは多かったからストックがあるんだと言われましたけれども、間違いないですね。

大武政府参考人 お答えさせていただきます。

 まさにそのとおりなんですが、特に、昭和六十年代から平成元年ごろに職員が大量に退職をいたしました。そのときに顧問となりましたOB税理士がもはや高齢になりましたために、税理士みずから交代要請あるいは企業からも交代要請があったということ。それからあと、逆に平成二年ごろから平成九年ごろまでは退職者がずっと減ってまいりましたものですから、その過程でむしろ企業の側から二年とは言わずもう少しいてほしいという要請もあった。そういう方々について、退職者数が増加してきたことから、関与していたOB税理士に対して交代要請をしてかえたということで、今言われたようないわば新規の紹介というのはそれほど多くないのではないかと考えています。

河村(た)委員 それなら余計ひどいよ。要は、それだけ自分たちが行くところのストックを持っておるわけですね、ストックがある。何がニーズですか。ニーズだったら新しい人が来るんじゃないですか。もともとあるんじゃないですか。年を食ったから次はかわってくれ、こういうことでしょう。税務署の人がやめたら、二年前にやめたら、何にもなしじゃないですよ、それなりに余分に払うんですよ、余分にそれだけのものを、それプラスのことだからね。それプラス年収一千万、二千万、この人たちが収入を得られる道が別にキープされているんだよ、この経済社会の中で。プールされているんだよ、海江田に言わせればビルトインされているんだ。どういうことですか、これは。

 まず、どういう権限でやっているんですか。第一どういう権限があるんですか、こんなこと。

大武政府参考人 お答えさせていただきます。

 先ほど申しましたように、一つは、企業の側からニーズがあるということは、先生が言われるよりも明らかにございます。やはり長年税務の立場でやってきた専門性というものに対して企業側からニーズがあるということはぜひ御理解いただきたいと思います。

 その上、我々としては、先般も述べさせていただきましたけれども、六十歳定年制の中で、五十八歳でいわば肩たたきをしてしまう。それはなぜなら、やはり若返りを図ることで、特に、先ほど言われた署長、副署長だけじゃございません、指定官職ですから、特別調査官というような方々も含めてできるだけ新陳代謝を図りたい、そういう意味でやらせていただいていまして、いわゆる紹介自体は、財務省組織令の第八十九条第九号「国税庁の職員の職階、任免、給与、懲戒、服務その他の人事並びに教養及び訓練に関する」という人事課の所掌には盛り込まれていると理解してございます。

河村(た)委員 ということは、人事ですか、これは。大臣、どう思われますか。人事ですか。毎年三百四名の方が年収一千万から二千万の報酬を、このくそもうからぬときに、本当に血税ですよ、血を搾って出した税金で顧問料を払わせる、これが財務省組織令、人事に関する事項ですか。大臣、ちょっと感想を。

大武政府参考人 実務的な点でございますので、お答えさせていただきます。

 人事といいましても、いわゆる対内人事と、やめるに際してのいわば人事がございます。そういう意味では、退職管理という一環としてやらせていただいているということでございまして、退職管理そのものは人事課の仕事ということでございます。

河村(た)委員 退職管理というのは、悪いけれども、何人かの人にたまにどうのこうのというのをそう言うんですよ。集中的に、毎年、それも依頼先、顧問先をプールしてですよ。はっきり言って税理士は何人もおるんです、そういうところは。実際に何にもやっておりはせぬのや、これ、何にもと言うと語弊があるけれども。悪い人になれば、初め入ったときにこんにちはと言って、二年後さようならと言って終わりなんだよ。

 本当に、ちょっと経済感覚が狂っておるよ、言っておきますけれども。増税をするために不景気、不景気と言って、そんなこと言っておったらいかぬですよ、これ。本当に生きた経済のところがもっとお金が有効に使えるようにしたらなあかんということだ。

 何が人事だというのや、本当に。冗談じゃないですよ。人事だったら内部だけにしてやってくださいよ。納税者から――こんなこと人事だって言えますか。悪いけれども、テレビできょう映すかどうか知らぬけれども、言ってやってくださいよ、こんなもの。国税庁が毎年三百四名、年収一千万から二千万の人を、もうかっておるところもあるかわからぬ、苦しいところもあるだろう、そういうところへあっせんして、それが国税庁の人事に関する事項だと言っておるんですよ。許せるか、こんなことを。自民党、しっかりしてくださいよ、本当に。管理に対抗するのが自由主義だよ、後でも納税者番号、背番号のことを言うけれども。

 そういうことでございますが、それでは、二年間やりますわね、国税庁、二年間。それから後どうなるんですか、これ。あっせんは二年だと言っていますわね。二年でみんなやめるわけですか。

大武政府参考人 今言われましたように、基本はまさに定年までの二年間でございますから、大半の者は二年で皆その企業はやめるということになります。ただ、先生が言われましたとおり、ごく一部ではありますけれども、やはり企業側からどうしてもその先生を残してほしいというのがありまして、一割強はそういう方が出てくるという実態でございます。

河村(た)委員 再度調査要求しておきます、これは大臣がやると言われましたけれども。どう考えても、新たにお客さんをどうとっているか、本当に電話がかかってくるのですか、よくわからない。それと、大臣も心配されていたように、権限に裏打ちされたことになる、これはもう完全に職権乱用罪ですね。犯罪ですよ、これ。国税庁の職員が行って、調査に来ました、ところで、あなたのところ一千万おかしいですよ、こういう人がみえますからどうですかと言ったら、犯罪ですよ、これは。いやいや、そんなことはいいんです、挙げぬでも、時間がないもので。犯罪ですよ。

 だから、どうやって本当にその顧問先をふやしているのか、やっているのか。毎年三百四人ですから、どういうふうに頼まれて、どういうふうにそれに対して割り振っているのか、具体的に調査してください、これ、大臣。いや、大臣答弁。大臣やると言われたから。

大武政府参考人 大臣と同じお答えになると思いますので。

 大臣からの御指示もございましたので、今、人海戦術で、少し時間はかかるかと思いますが、実態がどうなっているかということは調べさせていただきます。

河村(た)委員 何かしょっちゅう人海戦術で時間がと言われますので、私もお忙しいところ迷惑かけるつもりはありませんけれども、本当に忙しいかどうかよくわかりませんが。

 とにかく国民の血税ですからね、いかぬですよ、本当に。中小企業が出す税金なんていうのは本当に血税ですよ、今。それを……。

 それから、もう一つ。二年でどのくらい回転しているか、あっせんされた方が。例えば、三百九人、三百四人ですか、終わりますわね、それが二年後どうなっているか。これもひとつ調べて報告してください。

大武政府参考人 お答えさせていただきます。

 三百余というのは余りで、三百何人ということです。四人という意味じゃありません。

 それから、そのうち大体一割強二割弱ぐらいが最近ではどうも滞留しているようでございます。

 それは、あくまでも、我々としては二年と言っていますから、その税理士さんにはもう二年の定年退職の時期になったんだからこれはやめてくださいというようには申し上げているんですが、企業側がとてもその税理士さんが気に入ったのでそのまま置いてほしいというような場合のみそういうことになっているのかと存じます。

河村(た)委員 それもひとつしっかり教えてください。

 去年から私は聞いておりますけれども、去年とことし、幾らか、これだけ言っておるんですから、ちいとは考え直していただけましたかね、これ。

大武政府参考人 お答えさせていただきます。

 昨年の優良法人に対する調査等によりまして、先生が言われたとおり、必ずしも企業側のニーズにマッチしていない税理士もいたものですから、それらはやめていただきました。同じように、この後……(河村(た)委員「優良法人だけじゃなくて、一般の方」と呼ぶ)なくて。したがいまして、同じような意味で、企業の先ほど申し上げたようなニーズをしっかり把握して、それぞれのニーズに見合った方を紹介するということにさせていただこうと思っております。

 決して押しつけということは、今までも本当にやっておりませんけれども、さらにそういうことが絶対疑われることのないように進めていきたいと思っております。

河村(た)委員 ことしは数は幾らか減るんですか。もうそろそろやらないかぬですわね。七月退職ですか。九月、十月ぐらいからそろそろ税理士さんのね。だから、実態はやっておられると思いますよ、これ。ことしはちいと減るんですか。

大武政府参考人 やっているところといいますか、まだ六月でございますし、実質は九月以降、十月以降でございますから、そういう意味ではまだ状況はわかりません。

 ただ、あくまでもこのような先生からの御指摘、あるいは我々としても、まさに大臣が言われたように、公権力をかさに着るということは決してないように徹底していきたいというふうに考えているところでございます。

河村(た)委員 減りますか。

大武政府参考人 それはまだわかりません。

河村(た)委員 そんな状況なんですよね、要は。延々と続くということでございますわ、これがね。

 一度、しかし、これが本当の、この財務省組織令八十九条九号、「人事並びに教養及び訓練に関すること」人事に関することになるかどうか。当然、国税庁の中でやっているんですね、局で、人事課が給料を使って。そういうことですよね。だから省庁設置法に認められておらないかぬわけだよね、これ。そこのところをひとつようく考えまして、さらに追及をしていきたいと思います。

 警察が来ていただいておりますが、ちょっと短くしてもらわないかぬけれども、警察でこういうようなあっせんですね。なぜかというと、悪くすれば、やはり税務署と警察というのは用心棒的になるわけですよ。いや、それだけ権力が強いということだ、要は、そういう意味では。それだけに注意せなあかぬということですよ。非常に大事なんです。私は何遍も言っておるけれども、政治というのは税ですからね、やはり。物すごい重要だから言っておるんですよ、これを。だから、警察はどうですか、あっせんは。

石川政府参考人 先日も御答弁申し上げたんですが、職員の再就職ということにつきましては、退職後の本人の生活の問題もございますし、また、現職中に後顧の憂いなく職務に専念することができるために、ある再就職のための紹介というようなことは今までやってきておるわけでございます。

河村(た)委員 その紹介というのは、今の国税みたいにあっせん制度ということで、例えば指定官職、警察はどうなっておるかわかりませんが、そういうシステム的にちゃんと年間何人とやっているんですか。

石川政府参考人 これは、先ほど来国税庁の方から御答弁がありましたが、求人と申しますか、会社等からこういうような向きの方をいただきたいというお話がございます。そういうものを人事部門が管理しておりまして、退職予定者に対していろいろな相談に応じます、年金の問題とか退職金の問題とか福利厚生の問題とか。そういうものの一環として再就職の希望がある場合があるわけでございます。そういうものに対して、本当に適任者がおるということであれば紹介をして、それで個人が会社等と契約をする、こういうことでございます。

河村(た)委員 そういう部局があるんですね。

石川政府参考人 例えば警視庁の場合は、人事を担当しております警務部門というのがございますが、そういうところで退職予定者に対するいろいろな相談の中の一環としてこれを担当しておる人員がおります。

河村(た)委員 やはりあるわけだ。これは法的根拠は何ですか、済みません。

石川政府参考人 これは、一つは、私どもは大量退職時期の到来を控えておりまして、人事制度全体を考えてうまく人的基盤を強化しなきゃならない、そういうときに退職管理ということが必要になってくるわけでございまして、やはり人事の……(河村(た)委員「法的根拠」と呼ぶ)ですから、警視庁の場合でいえば、警視庁設置条例に人事に関することということがあるので、そういう形で人事として見ております。

河村(た)委員 また今度やりますけれども、これもやはり人事に関する事項なんだよね。大変な世の中ですね。人事が外部まで及ぶわけだよ、我が国の省庁は。それも、特に警察とか税務署だよ。どうするんだよ、これは。実は、税務署というのは物すごく大きいんだ、警察は実は物すごく大きいんだよ。あれだけの省庁だけじゃないんだよ、考えてみたら。みんな権限があるからやっているんですよ、大臣。何の権限もないのに、税務署のOBを、ただあいさつだけに来る人を雇いますか。

 こういうことを本当にやめないかぬ。どういうシステムをつくったらいいか考え直しましょう。やめないかぬです、こんなことは。公務員法もあるんですから、そういうのはそういうのできちっとやって、守秘義務があるんだから、反対に自由競争にしたっていいんですよ、仕組みはあるんだから。

 そういうふうに私――大臣、どうですか、最後に。次の質問に移りますけれども。ちょっとこれは考え直すと言ってくださいよ。せっかく私がこれだけ熱心に言っておるんだから。

塩川国務大臣 河村さん、この問題を一途に研究もし、そしてまた改善の方策を言っておられますので、その提言は私たちも重く受けとめて、それを十分に生かすようなことを考えていきます。

河村(た)委員 では、このくらいにしましょう。

 次は、国民総背番号といいますか、史上最悪の制度、うそにうそを重ねたこのとんでもない制度についてお伺いをしたいと思います。

 大臣がこの間、五月二十九日、参議院の財政金融委員会で御答弁されておるのです。納税者番号について云々ということで、役所というのは「それぞれの分野というものがあって、自治省はCDをやっています」これはよく意味がわからぬですが、「住民登録をやっておりますし、また年金の番号というのがあって、そういうようなものはやっぱりいずれ早く統一しなきゃならぬだろうと思っておりますが、そういうものとあわせて納税者番号というものの推進を図っていきたいと思っております。」こういうふうに答弁されておりますよね。これは速記録です。こういうような精神でやられるということでよろしいですね。

塩川国務大臣 このとおりで結構です。

河村(た)委員 大臣、悪いけれども、これは実は大変なことなんですわ。おととしの八月十三日、実は、僕に言わせれば国民総背番号が通りました。国民全員に、おぎゃあと生まれてからあの世へ行くまで、全部十一けたの番号、だれとも重複しないのを強制的に付番するというのができた。何に使うかという議論の中で、これはいわゆる四情報、住所、氏名、生年月日、性別。六情報、これは番号と付随しか使わない。あとを使う場合は、法律改正が要ると言っているのですよ、大臣。

 悪いけれども、法律違反を答えられておることになりますよ。いいですか。いやいや、大臣に聞いているのですよ。何を言っておるのですか。大臣の答弁を聞いておる。

尾原政府参考人 先般もお答えさせていただきましたが、納税者番号制度が導入されるためには、その前提条件として一連の番号が必要になるわけでございます。

 それで、では、その番号をどうするかということでございますけれども、政府税制調査会でも議論しているわけでございますが、全国一連の、しかも国民を広くカバーするというところだけに着目いたしますと、住民基本台帳の番号、それから基礎年金番号とあるわけでございます。しかし、現行制度では、先生おっしゃられましたように、納税者番号制度に利用するためには法律改正が必要でございます。したがいまして、今この番号制度が直ちに納税者番号制度で使えるというふうに政府税制調査会でも考えておりません。

 いずれにいたしましても、これをもしも使うことが適当であるというふうなことになれば、改めて法律改正が必要になる、こういうことでございます。

河村(た)委員 悪いけれども、大臣、全然違うことを言っているからね。全部一緒に使うと言っているから。これはちょっとどうしますか。やめてもらうことになるのかな。明らかに大臣はここのところで、納番とかそれから年金番号、住民登録、そういうものをいずれ早く統一しなきゃならぬだろうと思っておる、そういうものを推進していきたい、こういうように答弁をしておるわけです。今は、法律改正が要ると言っておられるわけです。これは明らかに、それで今再度確認したから――もういいんだよ。僕は大臣としての意見を聞いておるので、あなた、役所が言ったってしようがないんだよ。大臣、ちょっともう一回答弁してください。

塩川国務大臣 納税者番号については、行政による一連番号の整備状況等を踏んまえつつ、引き続き必要とされる付番のあり方等について検討を進めていく必要があります。住民基本台帳の一部を改正する法律で審議されました附則が修正され「この法律の施行に当たっては、政府は、個人情報の保護に万全を期するため、速やかに、所要の措置を講ずる」こととしております。それでこれはたしか私もこのとき知っておりますが、附帯決議で、住民番号の適用については慎重な配慮をすることがある、何かそんなことを書いてあったと思うております。

 そういうことを見まして、ですから、プライバシーの保護だとかそれからシステムの利用の範囲等をさらに検討する必要はあって、ですから、私は、一連の番号を付するについてさらに一層研究を進めていきたいということを言っておるだけで、これを直ちに一元化して適用するということは言っておらないのであります。

河村(た)委員 またころっと変わったのですか。先ほどは、この答弁は、いずれ早く統一したいとはっきり言っていますよ。それで間違いないと言われましたね。

塩川国務大臣 その方が合理的だと思いまして、私は申し上げました。

河村(た)委員 ちょっと、法改正が必要なことを、こんなところで大臣が違法なことを言われたって困りますよ。これは大問題なんだよ。これは大臣、ちょっと認めるわけにはいかぬ、悪いけれども。

山口委員長 質問を続けてください。

 速記をとめておいて。

    〔速記中止〕

山口委員長 速記を起こして。

 塩川財務大臣。

塩川国務大臣 いや、わかりました。単純なことで、それは財務省一つでできるものじゃありません。これは国会で決議してもらわなければできるものじゃありません。

河村(た)委員 ここはちょっと本当に、しょっちゅう言いますけれども、自民党の方もよう聞いておいてもらわないかぬ。人間に統一付番をするというのはどういうことか。大臣、いろいろな番号がありますよね。私でも、各々の番号がいかぬと言っておるわけじゃないですよ、言っておきますけれども。運転免許証番号、基礎年金番号、それから健康保険、介護もあるし、いろいろある。それぞれいかぬとは言っていませんよ。全部同じ番号にして、生まれてから、あなたは何番よということは全く違う次元なんですよ、これは。

 何でかわかりますか。ありとあらゆる情報が入るから。こういうものは自由主義者はやめさせないかぬということですよ。共産主義と言うと共産党が怒るだろうから余り言わぬけれども。だから私は、国会で何遍も言わせるんだと言うて、やじでもないけれども言っておるんですよ。自民党は人間に番号をつけるなということなんです。自由主義経済を守るということなんだよ、大事なのは。

 それで、ちょっとせっかくだから、通産省来ておりますけれども、この間日経にいろいろな記事が出ておりましたが、いろいろなものが書いてありましたね、これには。証明書交付、納税申告、公務員の身分証明、健康保険、介護保険、交通バスの利用、ノンストップ自動料金支払いシステム、国公立大学の学生証、公立図書館の利用証。将来に利用されるものとして、電子商取引、パスポート、運転免許証。こういうものを一個のカードにしようというふうに報道されておりますが、これはどうですか、通産省。通産省が主導しておると言っておりますよ。

大村大臣政務官 新聞報道、私も拝見をいたしました。

 このICカードについての御質問でございますけれども、経済産業省といたしましては、ICカードはネットワーク上での本人の確認に使用するなど、今後のIT社会において大変重要なものであるというふうに考えております。このため、当省では、ICカードの普及等によるIT装備都市研究事業ということで、全国二十一地域五十五市町村においてICカードの有効性を検証すべく、現在準備を進めているところでございます。

 具体的な実験内容につきましては、そういった報道されているようなサービスも見込まれるところでございますけれども、事業はこれからでございますので、まだ決定をしたものではございません。

河村(た)委員 大村さんはなかなか度胸のあるところがありまして、藤前干潟埋め立て問題でも、自民党でも率先して、埋め立ててはいかぬと、僕らと一緒に勇気のある行動をされて、ええところもありますが、今は役所の答弁と同じだで、それでは情けない。

 だけれども、ちょっと言ったのは、用意しておるわけね、実際こういうことは。用意されておると言っていましたけれども。準備しておると、こういう、いろいろなものを入れることは。

大村大臣政務官 報道されているそういったものも見込まれますけれども、これから、あくまでもこの二十一地域五十五市町村、それから関係者で協議をしながらこうしたものを詰めていく、こういうことでございます。

河村(た)委員 じゃ、互換性はあるわけ、自治省のカードと。自治省は自治省でやっておるよね、これ。互換性はあるわけ、この二つは。二つカードができるの。

山名大臣政務官 総務省におきましては、住民基本台帳ということで、ネットワークシステムをいろいろと共同開発するシステム……(河村(た)委員「いや、二枚どうなっておるかということ。互換性があるのかどうか。総務省のカードと向こうと、通産省と」と呼ぶ)

山口委員長 手を挙げて質問してください。

山名大臣政務官 互換性といいますか、今回の改正住民基本台帳法では住民票コードの民間利用、これは禁止しております。したがって、このシスのまま納番に使用することにつきましては、これはそういう意味でも法改正が必要だし、慎重に論議すべきだと思っております。

河村(た)委員 経済産業省は準備、想定されておると言っておるぞ。どうなっておるのですか、これは。うそかね。

大村大臣政務官 これは本来私どもがお答えすることではないのかもしれませんけれども、住民基本台帳法では住民票コードの民間利用を禁止しているということから、このシステムそのものは納税者番号制度に使うということではないということですけれども、これは制度に関することでございますので、この点はどういうふうに活用するかはあくまでも各自治体、それから総務省の関係当局がお決めになるということでございます。

 私どもは、こういう状況を踏まえて、IT社会をこれから進めていくということから、ICカードがばらばらばらばらと、それぞれに、医療系だとか交通系だとか金融だとか商店街、いろいろなところに使えるわけでありますけれども、ばらばらに、それぞれごとに何枚も持っていなければいけないということではIT社会はできていかないという観点から、それぞれの地域に合った、それから利用、それぞれの地域住民の皆さんがこれがやりたいということのニーズを踏まえて、そういったものをモデル的にこれは実験する事業でありますので、そのことを御理解をいただければと思います。

河村(た)委員 うそばかり言ったらいかぬのだよ。そんな、一個にするというなら一個にすればいいじゃないの、国民統合番号にして。それで、クレジットカードもどこかの何かクレジットカード協会が一枚出せばいいじゃないの。違うんだよ。いろいろなところがいろいろなことをやって競うのがIT社会というんですよ。

 じゃ、インターネットで自分の背番号を出して入れる人おるの。そんな人おりませんよ、世の中に。パスワードだって変えようというふうになっているんでしょう。これは完全にだまされたんだよ、昔の自治省に。

 それと、今の各市町村から来ておるけれども、例えば市民証管理システム、住民票、印鑑登録証交付サービス、それから健康保険証も入っておるな。それから住民情報システム、こういうのがみんな、これから相談することであるけれども、各市町村が通産省に要請しておるわけですよ、こういうのを、住民票のデータを入れるということを。もうやっているんですよ、目の前に。それなのに、私は知りませんて、こんなうそをつくわけ、目の前で。

 本当のことを言ったらどうだ、国民に。番号を入れて、国民に、皆さん、つけた番号を使いますと。それで、いろいろな情報、大臣が言っておるように、社会保障番号も全部一緒にしますと。本当のことを言ってやってくださいよ。何で国民をだますんだ、こんなことで。一人ずつに番号をつけるんだよ、これ。こんなことをやってはいかぬ、本当に。

 どうだよこれ、大村さん。個人の本当の、議員としてのあなたの、いいところあるんだから、言ってくださいよ。

山口委員長 質問時間が終了していますので、簡潔に。大村政務官。

大村大臣政務官 河村先生はいつも開明的、先進的な政策を訴えておられまして、私も敬意を持っていつも見ているところでございますが、あくまでもこの事業はそれぞれの、先ほども私申し上げました、二十一地域でモデル的にそれぞれの方々がどういうことをやりたいかということのニーズに基づいてやっているものでありまして、今、これからも関係者で協議をされて一番適切な利用をつくられるというふうに思っております。

 以上でございます。

河村(た)委員 終わりますけれども、それはモデルだと言っていますが、違法なモデルだということをはっきりしていかないかぬ。これから本当に政治家は、国民に対して責任を持ちましょう、うそを言わぬように。

 以上で終わります。

山口委員長 午後四時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後二時四十七分休憩

     ――――◇―――――

    午後四時開議

山口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。海江田万里君。

海江田委員 民主党の海江田万里でございます。

 午前中の長妻委員に対する答弁で、塩川財務大臣は、財政健全化のためには、まず第一に行政経費をつぶさに検討して見直しをしなければならないということをおっしゃっていました。

 そこで提案でございます。

 お手元に資料が用意をしてございますが、今度の小泉内閣になりまして、副大臣が二十二名誕生したということでございまして、その前の第二次森内閣では政務次官が三十二名でございましたけれども、副大臣二十二名、それから政務官という方もこれは二十六名ですか、合計をしまして四十八名の政務官、副大臣が誕生したわけですね。

 この歳費を調べさせていただきましたら、月額で大臣と副大臣がたった八万円しか違わない。年額で見ましても、大臣が三千二百二十五万円、副大臣が三千八十七万円、政務官は従来の政務次官と同じで二千六百三十七万円でございますが、どうも副大臣がかなり高額な歳費を懐にするなと。もちろん、役所にそれこそ上納しておるというやの話も聞いておりますが。

 ただ、予算から出てくるということでいえば、この金額が出てくるわけでございますから、人数的に、政務次官が三十二名だったのが、副大臣、大臣政務官を合わせまして四十八名になったということもありまして、単純に歳費だけを合計して、ふえた分を計算しましても、五億二千百万円。もちろんこれは歳費だけですから、このほかに車もつくし、それから秘書もつくし、こんなようなことを考えると、どうですか、小泉内閣、財政の健全化にも努めなければならないということを言っているわけですから、これはやはり少し見直しをした方がいいのではないですかね。どうですか、塩川大臣。

塩川国務大臣 これを見ましたら、随分ともらっているのですね。しかしこれは、お尋ねの副大臣のところについていいますと、年額三千八十七万何ぼとなっていますが、国会議員としての歳費が二千三百六十七万円、引かれました差額約四百万円近くが職務権限としてのあれですね。それだったら、一生懸命仕事しているから、それ相応のものではないかと思っております。

海江田委員 これはやはり最初にお漏らしになった、随分もらっているのですねというのが、私は本当に一般の方の感覚だろうと思うのです。

 実は私、どうしてこういうのを調べてここで質問しているかというと、やはり有権者からこういう声があったのですよ。小泉内閣が誕生して、そして、行政改革もやろうとしている、それから経費の削減もしようとしている、だけれども、政務官と大臣、副大臣がわあっとふえて、何かこれは政治家が焼け太りじゃないかと。そもそも、今お話しになった国会議員の二千三百六十七万円ということも、これもいろいろな議論のあるところです。これはもっと安くていいよという声もあるし、働きぶりに応じているという声もある。種々根っこからあるところですけれども。

 今度の新しい内閣でこれだけ副大臣が誕生して、しかも、これだけ大臣とほとんど変わらない歳費を懐にする、支払っているということはやはりおかしいので、そこは何とか少し、きょうも、副大臣もお二人おみえでございますが、先ほどは政務官も入れてそこの席にずらっと七人ぐらい、五人ばやしか七福神か、ざっと並びましたので、やはりこれは一考はしてみる必要はあるのじゃないですか。いかがでしょうか、再度。

村上副大臣 これは副大臣になった者でないとわからないので申し上げたいと思うのですが、本当にやってみてびっくりしますのは、要するに、政府参考人というのですか、前の政府委員制度がなくなって、まず役所から期待されたのは、局長級の知識を持ってくれと。ほかのどこかの大臣は知りませんけれども、私は、入ってまず一日六時間、毎日レクチャーを受けました。それから、若手とのいろいろ意見交換、これは週一回五時間、二、三十人と座談会をやったですね。正直申し上げて、本当に職責を全うしようと思ったら、本当、給料以上の仕事をしているなというのが実績であります。

 そういうことで、これから国際会議も多くなりますし、この間ASEAN蔵相会議にも出させていただいたのですが、もう今までのように、例えば大蔵大臣とか財務大臣は、衆参の予算委員会と大蔵委員会のダブルヘッダーで、その上に土日に海外へ行って、月曜日からと、これはもう正直言って体力的に無理だと思います。こういう大きなボーダーレス化、グローバル化の時代に、それぞれの職責を分担して、きちっと職責ができるように、与野党の皆さん方も、これからの国会のあり方、それから仕事のあり方について、やはり二十一世紀になったわけですから、もう一回検討し合っていただけたらというのが正直言った気持ちです。

海江田委員 私どもは副大臣が仕事をやっていないなどとは全く申し上げておりません。村上副大臣も、それこそ身の細る思いで副大臣としての職務に精励、努力しておるのは十分わかっております。

 ただ、今この委員会でのやりとりというのは、クエスチョンタイムではありませんからテレビ中継はございませんが、やはり一般の人がそういう発言を聞いたら、仕事とは別に、仕事をやっていることを批判して、やっていないということを言っているのではなくて、やはりこの時期に、しかも、当委員会でも何度も出ておりますが、日本の国の財政の事情が大変厳しき折柄、東京都の都議会議員もたしか五%ぐらいのカットの話もあるようでございますから、せっかくの売り物の小泉内閣が、このようなことで、何だ、自分たちだけお手盛りじゃないか、政務官をふやして、副大臣をふやしてという声が現にちまたにございますので、そのことだけはしっかりと受けとめをしていただきたいと思うわけでございます。

 それからもう一つ。この政務官、副大臣の制度というのは、これはもちろん、イギリスの議院内閣制で、イギリスの与党が政府に三分の二ぐらいの人を出すというような形を一つ参考にしているわけでございますが、ただ日本は、片一方でそういうイギリスの議院内閣制をお手本にして少しずつ改革を進めながら、小泉総理はもう片一方では、大統領型総理だとか、あるいは、御本人は大統領型総理という言葉は直接使いませんが、国民投票によって総理を選ぼうだとか、そして事実、内閣の発足、組閣に当たりまして民間人を、まさにポリティカルアポインティーというようなことでしょうか、アメリカの大統領が民間の方を入れてくるように、例えば三人なら三人、これまでと違うような内閣を組織したわけですよ。

 片一方でそのような民間人を登用して、いわばアメリカ型の大統領のポリティカルアポインティーのような制度を導入して、片一方では政務官と副大臣を大量につくって、だから、当委員会でも、実は政務官の人たちが、本来だったらそちら側の、政府側の席に座らなければいけないのが、こちらの委員側の席に座って、法律に賛成だとか反対だとか、立ったり座ったりしてみて、またあるときは向こう側に行って政府側を代表して答弁してみたり、これは一体どうなっているのだということで、大変わかりにくい問題もあるのですね。

 そのような問題も含めて、やはりこの問題もあるのじゃないかというふうに私考えておりますので、塩川財務大臣は小泉内閣の御意見番でもありますので、やはりきちっとそのあたりは国民に納得のいくように、あるいはどっちの方向を目指すんだということがはっきりわかるような議会、あるいはまさに議会と政府とのあり方ですとか、そういうこともお考えになっていただいた方がいいのではないだろうかと思うわけでございますが、いかがでしょうか。

塩川国務大臣 現在の副大臣とか政務官の制度ができましたのは、ちょうど私が落選している最中でございまして、いきさつはほかから聞いて承知しておる程度でございますけれども、そもそも、民主党が中心になられて、国会審議活性化法か、やられましたね、あの趣旨を尊重してつくった制度だろうと思っております。

 したがって、この制度をどう活用するかということについては、やはり民主党さんが主導権をとってやってこられた制度だけに、我々はそれに応じて協力してやってきたということでございますので、それをもっと、創立当時の趣旨に返るように一層の、現在も一生懸命やっておりますけれども、努力いたしたい。

 それから、報酬の方でございますけれども、私は、こんなに景気の悪い時期に国会議員が二千七百万もらっている、そして立法調査費ですか、それから文書通信交通費、これは確かに一般の方から見れば、こんなに報酬ということに思うだろうと思います。しかし、これだけ一生懸命審議していただいて、私は、この委員会に出ておりましたら、先生方の勉強が大変だし、また非常に国政に大きい影響を及ぼしておることを承知しておりますが、そう思いますと、やはり庶民感覚との間の中で、この報酬等について考えないかぬということが起こってくるかもわからぬと思います。

 それを今、議院運営委員会ですか、あそこで検討してもらっておるようなことを聞いておるんですが、そこでぜひひとつ民主党の方から御提案していただきまして、大幅に見直せということを提案していただくのも、これは私は扱いやすい話だ。これはあくまでも議会の話でございますので、ぜひひとつよろしくお願いいたしたいと思っております。

海江田委員 議会の話に随分長い時間を割いて御答弁をいただきまして、それは感謝申し上げますが、私が言っていますのは、議会の話はもちろん今粛々とやっておるところでございますので、どうぞ政府の側の話として、政務官以上の俸給につきまして一考していただきたいというのが私のお願いでございます。

塩川国務大臣 それは私も検討するように、これは人事院かどこだかわかりませんが、呼びかけてまいります。

 けれども、この大臣、副大臣という報酬は、一般行政職との関係、特に指定官職との関係、こういうものとのつながりがあると思いまして、だから、大臣、副大臣だけばさっと切れというわけに、ちょっとそこらの均衡をどうするか。もちろん、そういう指定官職で高いところを見直す必要はあるかもわかりません。それらも総合的に見直してもらうように私からも提案いたします。

海江田委員 まさにそういうお話でありまして、全体が高いわけでございますから、やはりこれを、まず隗より始めよという言葉がありますけれども、まず政務官、副大臣それから大臣がやることによってそういう行政職の指定職などの部分も下がってくることにつながりますので、その辺では、まず隗より始めよということでやっていただきたいということでございます。

 まず隗より始めよという言葉が出たところで、きのう当委員会で緊急経済対策関連の三法案が通過をいたしましたが、実は私は本当はそこで質問をしたかったんですが、我が党では、特に委員が皆さんそれぞれに大変質問をやりたがりまして、やりたいというか積極的な姿勢がありまして、私は昨日までは質問の機会がなかったわけでございます。昨日、委員会は通過をしましたけれども、やはり政府が四月六日に決定をしました緊急経済対策というもの、これはまさに小泉内閣が成立をする前の執行部が決めた話でございますけれども、私は余り感心ができないと思うんです。

 それはどうして感心ができないかというと、ちょうどたまたま「老子」という本を読んでおりまして、小泉総理は疲れると特攻隊のことを、心情を思い出すようでございますが、私は疲れるとこういう本を時々読むんですが、この中になかなかいい言葉がありまして、第六十章でございますけれども、「大国を治むるは小鮮を烹るがごとし」と。

 小鮮というのは、小さな新鮮な小魚ですね。つとに御存じだろうと思いますけれども、大きな国を治めるためには小さな魚を、しかもとりたての魚を烹るようにしなきゃいけませんよと。とれたての小さな魚というのは、火を急に強めたり弱めたりはしでつついたりすると、型崩れもしちゃうし、味も――烹るというのは割烹の烹という字、あれは味つけをして烹るわけですから、煮炊きの煮は味つけをしないで煮る、いろいろ漢字にはそれぞれ細かい話があるんですが、特に味つけをして烹るわけですから、そうすると、においも飛んでしまって食べられたものじゃないですよ、こういうことを老子は言っておるわけですね、この短い言葉の中に。

 日本というのはまさに経済大国、最近は大分落ち目でございますけれども、やはり大国を経営するような、それぞれ、とりわけ財務大臣や金融大臣のような大臣というのは、まさに大国を経営する、日本という国家を経営するために、やはりそういうような思想も必要なんじゃないだろうか、考え方も必要なんじゃないだろうか。そうすると、まさに小鮮を烹るときに余りやってはいけないようなことを、小手先の、改革と称して、改革だとお思いになっているのかもしれませんけれども、それは決して長い目で見たら日本の国のためになりませんよというふうに私はこの文章を読んだわけでございますが、塩川大臣、これはいかがでしょうか、御感想を。もし違う意味があったらそれをお聞かせください。

塩川国務大臣 なかなか哲学的なお話でございまして、確かに、小鮮を烹るときの心得というものは、そのままその持ち味を生かしていくように、そしてみんなが喜んで味わいをとれるような状態にしなきゃならぬ、それは政治の面でもその心得が必要でございまして、あながち経済効果のみ、あるいは経済の損益のみで考えるべきものではない、こう思います。

海江田委員 私が特に言っていますのは、塩川大臣は、日本の市場、証券市場などを強めなければいけない、活性化しなければいけないということを言っているわけですけれども、昨日通った法案の中に、百万円の株式の非課税枠を新たに設けるというようなことがありましたけれども、あれはまさに、小鮮を烹るのに小さくはしでいじくり回すような状況ではないだろうかというふうに思うわけでございますね。

 ですから、もう少し、これからいろいろな骨太の議論ということも出てまいりますが、どうも昨日までのこの委員会での大臣の答弁を聞いておりましても、では、どういうあるべき証券税制、とりわけ証券市場を活性化するためにはどういう姿がいいのか。今、税調などでも議論が始まったしというようなこともありますが、ただそれは、先ほどの長妻さんの答弁に対しても随分個人的な意見もおっしゃっておりましたので、私は、一つの考え方、経綸というものを明らかにしても構わないと思うんですね。そこのところがどうも見えてこない。

 源泉課税と分離課税がある、これを一本化しなきゃいけないということまではおっしゃっているんですが、そこから先といいますか、源泉と分離を一本化するということでも、私の理解では――これは源泉と申告ですね、ここがいつも間違えてしまう。源泉と申告を一本化しなきゃいかぬということですが、申告に一本化をするんだろうなと思うんですけれども、今度は、申告に一本化した後そこからまた二またに分かれまして、片一方は申告をして分離の話があるだろうし、片一方は申告をして総合課税の話があるでしょうし、そこのところをどういうふうにお考えになっているのかなということ、もしお考えがあれば、当然おありだろうと思いますが、述べていただけないでしょうか。

塩川国務大臣 今、政府税調等で議論のあります方向を言いますと、申告と源泉と一本化し、そして、でき得れば申告制度に基づいて、税率も引き下げて、それで総合課税へ統一する、こういう考え方であると私は認識しております。

海江田委員 ちょっと今ので、申告と源泉があります、申告に統一をして、そして税率を引き下げて、総合に統一をするということですが、これは違うと思うんですね。税率を引き下げるというのは、今二六%になっていますから、この税率も実は大事なポイントなんですが、まあ一説には二〇%とかあるいは二〇%以下とか、そうなったらこれは分離になるんですよ。だから、そこのところをもう一回訂正をしておいた方が。

塩川国務大臣 いや、総合に統一するということじゃございませんで、一本化して、それで申告制で取る、こういうことであります。

海江田委員 それが一つの考え方かなと。

 その場合、税率を下げてというお話がありましたけれども、ポイントになるのは、まあ下げてですから、今二六%で利子所得は二〇%ですから、これは二〇%以下だと思うんですよね。

 だけれども、これを二〇%以下にするのか、それとも二〇%にとどめるのかということで、実は私は一つの考え方がそこにあらわれていると思うわけですよ。これを二〇%以下にするということは、まさに、証券ですから、リスクをとるわけですから、そのリスクを後押しする、そんなような意味も出てくるわけですよね、これは。単に二〇%にしたんでは、まさに今不公平であるところの、二六%ですからね、これを利子所得と合わせるということになるわけですから、これでは証券投資をエンカレッジするといいますか、そこを後押しすることにならないんで、そのあたりはどういうふうにお考えになっておられますか。

塩川国務大臣 申告制一本に統合して、税率を幾らにするかという、具体的な税率何%ということはまだ決めておりませんし、これは大いに議論のあるところでございます。

 利子に対する源泉の税の問題もございますし、あるいはまた不動産投資から起こってくるところの譲渡所得に対する税、それから一般勤労者の所得、低所得者との配慮ということもございますし、いろいろございますから、それをどの辺に落ちつけるかということは、多分に政策的な要件も加わってくると思いますけれども、今のところはまだ白紙でございますので、検討材料になっているというところです。

海江田委員 私は、やはり政策の中に一つの思想がなければいけないと思うんですね。きょうはえらくまじめでありますが、いつもそうでありますが。

 だから、一つの考え方があって、私なんかがやはり証券市場を強化しなければいけない、活性化をさせなければいけないということを言うときには、やはり利子所得、これまで利子所得だって、今は二〇%になっているが、昔はマル優があった。これは、何となれば、それこそまさに貯蓄奨励でマル優の制度があった。例えば、日銀も外郭団体で貯蓄増強中央委員会なんかがあって、あれをPR委員会に直したとか、日本の国全体でそういう貯蓄奨励の一つの大きな考え方があって、そして、そこでまさにそういう税制だとかなんだとかが決まっていったわけですよ。

 私が今大臣にお尋ねをしているのは、そこの思想と結びついてどういう政策が出てくるのかという話で、もしそこで、やはり今まさに本当に証券市場を活性化するということが何よりも喫緊の課題だ、もちろん不良債権の処理とかいろいろな問題がありますけれども、だがここは非常に大きなポイントだよ、ここが大きな重要な点だよということになったら、そこはやはり、同じ二〇%ということで事足れりということにはならないんです。それだったらば、本当に、証券市場の活性化だとかなんだとかいうのは、まさに小鮮を烹るときにはしでいじくる程度の改革にしかならないんですよ。私の言っていることは理解していただけると思いますが。

 だから、そこはある程度、例えば二〇%以下という言い方もあると思うんですが、そこを二〇%にして事足れりでは証券市場を活性化したことにならない、私はこういうことを申し上げているんです。

塩川国務大臣 これは非常に言いにくい。一種のこれに答えていくと、私は、感じをといったらこれまた大変な反響を呼ぶと思いますし、これはなかなか言いにくいことでございますけれども、大義名分を言うと、個人投資家が株式市場に積極的に参加し得る環境をつくる、そのための一つの手段として税をそちらへ誘導するということでございますので、当然、利子課税と比べて不利になるというようなことはないと思います。

海江田委員 もうおわかりになって、ここまで出かかっていてお出にならないんだろうと思います。あるときはやはり一歩前へ出ておっしゃるわけでございますけれども、何でここでそんなに慎重になるのかなということが私はわからないわけで、不利になっちゃいかぬという話では、二〇%という数字になるとこれは固定しちゃいますから、例えば以下という言い方をしておけば別に困らないわけでありまして、そういう助け船も大分出しておるつもりなわけでございますが、なかなかお答えにならない。

 柳澤大臣はいかがですか。申告分離の考え方をお持ちのようでございますが、税率などについてお考えがあれば。

柳澤国務大臣 株の譲渡益に対する課税の仕方はいかにあるべきかということでございますけれども、やはり私は、まず、いわゆる短期保有と長期保有は異ならせるべきだ、このように思います。

 短期保有については、昔、五十回二十万株というのもありましたけれども、どっちかというと、もう本当に、事業所得と言っては少し語弊があるかもしれませんけれども、カレントな所得ということでいいと思うんです。したがって、これについては、場合によっては私は思い切って源泉分離というやり方もあるし、思い切って総合合算というやり方もあるだろう、こういうように思うんですね。

 問題は、長期保有をした場合の譲渡益だろうと思うんです。これについては、まず、もともとがキャピタルゲインに課税すべきかという大問題が一つあるわけでございますし、さらにその上に、利子所得だとかそういったものと比較してどうかという問題があると思うんですけれども、大体、譲渡益に対して、特に長期保有の譲渡益に対して、カレントな所得の常識的な源泉税率である二〇%であるとか、あるいは地方税が加われば二六であるとかというような税率を適用するのはそもそも私は安易だと。もうちょっとキャピタルゲイン課税はいかにあるべきかという観点からの議論もあっていい、そういうふうに思います。

 それから、加えて、今海江田委員がおっしゃるような、これからしばらくは個人の株式保有というのを奨励していかないと日本の金融・資本市場というもののゆがみがとれないんだということであれば、しばらくの間、政策的な配慮がそこにあって当然だというふうに考えておるわけでございます。

海江田委員 政策的配慮の中には、恐らく源泉分離を残すということも入っておるんではないかなというふうに私は思うわけでございます。そうでなければ、あそこでわざわざ源泉分離から説き起こすはずがないわけでございますから。そこはいろいろな議論があるところでございますが。

 ただ、片一方でやはり公平ということも常に目配りを、目配りというか気をきちっと使っていなければいけないところでありますから、そうなってくるとなかなか源泉分離ということは無理でありまして、あとは、やはり、本当にまさに税率がどこなのかなというところを、税率で片一方で利子所得と、同じ不労所得ですからね、ここは。もしこれが、不労所得はもっと高くすべきだという話になれば、二〇%も動かさなきゃならない話になりますから。同じ不労所得であって、しかも、そういう日本の証券市場をどう活性化するかというところからくると、おのずから議論の行き着く先というのは決まってくるんじゃないかなと思いましたので、これは別に本当に、それこそ、先ほど塩川大臣は、道路特定財源などのことには随分思い切った発言をされて、あのときに奮った勇気に比べればこんなのは本当に、それこそ十分の一ぐらいでいいんじゃないかなと思いますが、えらく慎重なので、ちょっと時間も余り長くありませんのでこのくらいにさせていただきます。

 あと、個人参加ということを私も言いましたし、両大臣からもお話がありましたけれども、このためには、やはりもう少し証券会社がしっかりして、本当に顧客の側を見た営業なりそういう努力をしなければいけないと思うわけですね。

 最近幾つか例がありますが、一つは、EB債という他社の株に転換できる債券でございますが、これが大変大きな問題になりまして、きょうは証券取引等監視委員会からも来ていただいておりますが、たしか処分をしたというふうに聞いております。それと、あともう一つ、このEB債に非常に似たもので日経平均リンク債というのもございます。

 一つは、このEB債の処分の結果と、それから、日経平均リンク債について今調査中だというふうに聞いておりますので、いつごろどんな形で調査がまとまるのか、そのことについてもお答えをいただきたいと思います。

村田副大臣 それでは、調査をしているところはどういうふうにやっているかというのは後で監視委員会の方で答えてもらうにしまして、処分の方につきまして、私の方から答弁させてもらいたいと思います。

 EB債にかかわります証券会社の違法行為につきましては、証券取引等監視委員会からの勧告を受けまして、先ごろ処分を行ったわけであります。

 UBS証券とコメルツ証券については、四月二十五日付で、法令違反行為を行った外務員に対して職務停止の処分が日本証券業協会から行われたということであります。

 そして、東京三菱証券につきましては、五月三十日付で六月四日から六月十五日までの間、十二日間でございますが、エクイティ部による自己の計算による株券等の売買業務の停止処分を行った、こういうことです。

 それから、日本グローバル証券につきましては、関東財務局より五月三十日付で六月十一日から六月二十二日までの間、全店舗における債券売買にかかわる業務の停止処分を行ったということでございます。

 いずれの証券会社に対しましても、内部管理体制の充実強化、役職員の法令遵守の徹底、そして再発防止策の策定、責任の所在の明確化を求める業務改善命令を発出しておりまして、その中におきまして、一連の有価証券取引を踏んまえた投資者への対応についてあわせて検討を指示している、こういうことでございます。

五味政府参考人 日経平均リンク債についてのお尋ねにお答えいたします。

 株式市場の値動きに関しまして、日経平均リンク債に絡んだ現物や先物の売りで一時的に下げが加速しているのではないか、あるいは、このリンク債の発行に関与している一部の証券会社が、償還額の負担軽減を図るという目的で値がさの日経平均採用銘柄について意図的に大量の売りを出して、これが平均株価下落の一因となっているのではないか、こういったような指摘がかねてなされております。

 私どもの監視活動につきまして、個別の具体内容につきまして、どういう調査をしているか、あるいはしていないかということを事前に明らかにいたしますと、今後の活動に差し支えますので、その点についてのお答えは申しわけございませんが控えさせていただきますが、私ども監視委員会といたしましては、証券市場における取引公正を害するような悪質な行為につきましては、EB債の場合と同様大きな関心を持って厳正に対処をしておるところでございます。

 こうした市場監視に係る厳正な取り組みについては、事案による区別をすることなく取り組んでまいりたいと考えております。

海江田委員 日経平均リンク債の方は、銘柄が、まさに日経平均に採用している銘柄を幾つをも組み合わせしていますので、時間がかかることはよくわかっているのです。EB債は銘柄が大体二とか三ぐらいですからいいわけですが。

 ただ、きっかけになりましたのが二月二十八日と三月一日の株価の暴落、それが原因じゃないだろうかという話でありますので、もうそろそろ二月が経過をして三月目に入っております。これがありますと、本当に一般の投資家というのは、幾ら百万円まで非課税ですよなんというような減税措置をとったところで、信頼がないわけですから株式市場に入ってくるはずもないわけです。

 一日も早く調査の結果を発表して、二度とこういうことがないように厳然たる処分をすべきだと思うのですが、いつごろまでにやるということを御返事いただけないですか。

五味政府参考人 個別事案でございますので、一般論でお答えするしかございませんが、こうした個別の不正行為の監視活動というものにつきましては、それぞれの事案について、その事案に応じた監視活動あるいは調査活動を行って、十分な証拠を集めた上で、行政処分が必要であるかどうか、違法行為であるかどうかということを判定していくものでございます。

 いつまでに何がというような一般的な調査を行ってその結果を集計するという性格の仕事と違いますので、鋭意、とにかく不正行為がないかどうか、あればできるだけ早くそれを解明して、違法性を認定できるものであれば処分の勧告につなげていくという姿勢で取り組んでまいりたいと考えております。

海江田委員 個別、個別だということを言っていますが、別に一社、二社の話じゃないわけですよ。

 報道なんかによると、二十二社とかいうかなり大きな数の会社の取引に疑義があるということでございますので、これは本当に証券市場全体の問題であります。個別、個別だと言うと、知らない人が聞いたら、本当に一社か二社何か悪さしているのがいて、そこを調べておるのにあるいは時間がかかっておるのか、あるいはそういうことについて発表できないみたいな言い方ですので、私はそうじゃないと思います。

 これは、本来でしたらやはり証券取引等監視委員会を、人手の問題も恐らくあると思います。私は、日本版SECといいますか、それこそアメリカのSECと比べて人員が十分の一とかいうような状況もあるので、やはりここの機能をもっと強めていくということは、証券市場を健全化するためにもぜひ必要だと思うのです。

 これはどうですか、金融大臣、金融市場を育成していくという立場から証券取引等監視委員会の強化ということ。私どもはこれを三条委員会にしてしっかりとしたものにしろという提案をしておりますが、もちろんそれはそのとおりで、先ほど塩川大臣がおっしゃったように、民主党はいい案を出すからそれが一番いいということであればそうおっしゃっていただいても結構でございますが、それが言えないということであっても、やはりこの証券取引委員会の活動をもっと活性化させるということはおっしゃっていただいて結構じゃないですか。

柳澤国務大臣 私も、二月のあの暴落のころでございましたけれども、どうも市場の状況を、こういうふうに話をいろいろなところから、これはやや非公式に聞いておったわけですが、その中に、少なからずこういうリンク債、EB債の影響があって、いたずらしているやからがいますよというような話を耳に入れたわけでございます。

 それで、私は、ある日の新聞記者会見で、断固許さない、そんなインチキをやって人為的な株価の形成などで自分が不当に利得するなんということは断固許さないということを言ったのでございますけれども、もとより、その発言よりも前から監視委員会の方でも調査を開始してくれていたようでございまして、それが先ほど村田副大臣から御報告させていただいたようなものに結実しております。

 しかし一方、まだ、ああいうことがありましてやはり非常に反響があったわけでございます、いろいろな情報ももたらされているようでございますので、これらを踏まえてもっと的確にやってもらうように督励してまいりたい。ただ、私、個別の指揮権を持っていないということのようでございますので、督励をしていきたい、このように考えております。

海江田委員 それからもう一つ。

 これは法律違反ということにはならないのでしょうけれども、せんだって各証券会社の決算が出まして、その決算書を見てみますと、収益はトレーディング益、これが大変高く上がっておるわけですね。野村でもって三千百九十億円、株だけで、株のトレーディングで。自己売買という部分ですよ。前期の二・七倍。各四半期ごとのを見てみると、第一・四半期が一番大きく膨らんでいるわけですね。

 第一・四半期というのは、まさに日経平均の銘柄の入れかえがあったりしまして、日経平均はあそこで連続性が断たれて、しかも新しいネット関連をたくさん入れて、それが暴落をしたということで、特に日経平均に連動します投資信託なんかを買っている人たちは、もう二〇%、三〇%は当たり前の打撃を受けているわけですね。だけれども、そうした中でこれは、新しく日経平均に採用される銘柄を買い入れをしておきまして、そして、まさにそのときになったら今度はそれを高い値で売らせるということで、売り抜けをする。

 これは法律違反にはならないかもしれませんけれども、何を考えているんだということは、この決算書を見れば一目瞭然でありますので、これはだれかがどこかで、やはりこんなようなことのないようにということをはっきりアナウンスしておく必要があるんじゃないですか。塩川大臣、いかがですか。

村田副大臣 委員御指摘のとおり、日経平均が、株価が下がりまして、それから市場の売買代金も大変低下していく中で、個人の取引が非常にしぼんでいく、証券会社の利益の状況を見ても、先生御指摘のようにトレーディング部門の益が非常に膨らんでいる、こういう状況であります。

 日経平均の銘柄入れかえに伴いまして、どういうことが行われたかということですが、とにかく、入れかえの事実が公表される前ならともかくとして、公表された以降、御指摘のような取引が行われたということについては、直ちに証取法違反の事実があるということにはならないと思いますが、仮に証取法違反の事実があるということになれば、証券取引等監視委員会においても厳正に対処してまいりたい、こういうふうに思っております。

塩川国務大臣 銘柄入れかえは大変な反響が、また影響も出てまいることでございますので、関係機関で十分な監視のもとで協議をして、合意を得た上でやってもらうようにいたしたいと思います。

海江田委員 どうもありがとうございました。

山口委員長 穀田恵二君。

穀田委員 きょうは、京都迎賓館問題についてお尋ねしたいと思います。

 まず、塩川大臣に聞きます。

 あなたは、五月の二十九日、参議院の財政金融委員会で、京都迎賓館建設計画について、撤回、凍結すべきという意見に対して、市民感覚として見たならば、そういうこともわからぬではないと答弁しました。市民の感覚は、永田町の論理という正反対の意味で当然だと私は思います。そして、それこそ正常であって、それを尊重して政治を行うということが今求められていると考えています。

 そこで、第一にお聞きしたいのは、この迎賓館の建設もむだな公共事業だという市民の感覚はおわかりになるでしょうか。それについてまずお聞きしたいと思います。

塩川国務大臣 市民の意見もあるということは、私も言っております。しかし、あるけれども、日本の伝統、文化を外国に知っていただくため、あるいはまた外国の賓客を迎えるために、この施設は必要な施設であるということを私は言っております。

穀田委員 今、賓客を迎える施設として必要だとありました。私がむだだと言っているのは、日本に二つも迎賓館が要るかという問題の点なんです。

 この十二年間で見た場合、いただいた資料によりますと、京都を訪れる国公賓というのは、十二年間で十三人です。そして、平均したら、当然たったの一人しかいない。しかも、宿泊したのは六泊にしかすぎません、十二年間で。ですから、その人たちの泊まる宿泊施設、迎賓施設を二百二十億円もかけてつくるということは必要かという問題なんですね。市民の感覚からすれば、普通、家庭がある意味で破産状況なのに、そして訪れる友人が年に一人か二人しかいないという人に対して、二つ目の別荘をつくる必要があるかという問題なんですね。

 現に研究者や学者などで組織されている多くのところで、調査では、むだな全国百の公共事業として京都迎賓館もリストアップされています。しかも、その研究者からは、こういうものは奇怪そのものとか、ばかげているとかいう声まで出ているわけです。

 だから、お話にあったように、意見があるんじゃなくて、まさにそれが多くの国民の常識だ。そして、こんな形で、たった年に一人か二人しか来ないような方、十二年間で六泊しかしないような、そういう人たちのために二百二十億円も使うということがむだじゃないのかという問題だと思うんですね。そこを明確にしていただきたいと思います。

江利川政府参考人 京都を訪れます国賓、公賓あるいはその他の外国賓客、いろいろ合わせますと年間平均二十五人ぐらいいるのではないかという調査がございます。京都迎賓館は、国賓、公賓等の接遇施設であるというのは当然でございますが、それ以外に、京都に訪れるさまざまな賓客を接遇する、そういう機能を持っているわけでございまして、また、さらには、地元において、そういう機能にふさわしい使い方も考えていこうということになっております。

 そういうことをトータルして考えますと、この施設は有効に活用できるのではないかというふうに思っております。

穀田委員 日数の話は、私は、総理府からいただいた資料で、京都の訪問の国公賓はこの十二年間で十三人という話は聞いています。それに基づいて言っているわけです。

 そこで、大臣が言った、京都の日本の伝統や文化を知っていただくために必要だ、いつもこうくるのですね。私は冗談じゃないと思うんですよ。要するに、文化だとか歴史だとかという話を口に出しますけれども、幾ら文化や歴史や交流を述べ立てたとしても、宿泊施設の建設の必要とは無関係なんですね。というのは、宿泊施設があれば交流できるとか、宿泊施設がなければ交流できないというようなことはあり得ないわけなんですよ。

 今もお話があったけれども、文化とか歴史と言うんだったら、私は、京都のありのままの姿を見てもらったらいいと思うんです。口を開けば、先ほど言ったように伝統だとか文化だとか言うんだけれども、京都の文化だとか伝統という場合に、いろいろあります。能や狂言や、さらには茶道もあるでしょう、華道、香道もあるでしょう。そういうふうな道もあるし、さらに、伝統産業でいえば、西陣もあるし友禅もある。そして、京都の有名な文化遺産に指定された内容もある。こういうものをそのまま知ってもらうことが大事であって、そこにそういう宿泊施設をつくる必要はないということを言っているんですよ。だから、大いに交流してもらったらいいし、大いにやってもらったらいい。

 政府は世界文化遺産の申請に当たってどういうことを述べていたか、御存じですか。大体、この文化遺産というのは、京都というのはさまざまな寺院を指定しています。その寺院や建設物だけじゃなくて、それを大きく取り囲んでいる東山、北山、西山、これらを含めた町全体を保存しなくちゃならない、そういうすぐれたものとして歴史と文化を担っているから、それを保存してほしいと言っているんですね。

 だから、あなた方が言う伝統と文化を本当に学びたいというんだったら、宿泊施設をつくることでなくて、生のものを見ていただくということでないですか。それをどう思いますか。

塩川国務大臣 穀田さん、これはやはり物の考え方があると思うておるんです。それは何か。おっしゃるように、京都そのものが世界遺産に指定されてきておるように、京都のあの独特の雰囲気、それから千何百年という歴史を経てきた建物が自然にうまく融和しておるもの、これは切り離してしまったら世界遺産にならないと思いますよ。したがって、そのものを見てもらおう。

 そこで、いろいろな世界各国から来賓が来ます。その人たちも、ビジネスで来る場合はビジネスで帰ってしまいますけれども、しかしなお日本の伝統を知りたいという人はたくさんおる。そういう人たちが奈良、京都へ行きまして、ホテルで泊まるということと、こういう施設がありますから、どうぞ一回施設の中で日本の文化の一端でも知ってくださいと。あなたがおっしゃるように、お茶もやるかもわからぬし、生け花の技術を見せることもできるだろうし、そういう施設がございますということが、より多くやはり日本の文化に接していただく機会をつくっていくんだと思います。

 今、何人という限定されましたけれども、これは確かに、国王と大統領に限っておったのではないかと思います。我々が京都へ迎賓館をつくる以上は、外国の方で貴賓となるような方々で、奈良、京都という日本の文化発祥の地を知りたいという方は積極的に使っていただく、そういう場所に持っていきたいし、また全国の有力な地方自治体のそういう公式な行事がございました場合に、そこを使用することもある程度考慮して、開放することも考えたらいいのではないか。その運営等につきましては全く白紙でございますので、これから検討し、内容を盛り込んでいきたいということであります。

穀田委員 今お話ありました文化の問題についても、実はこの問題が起きたときに、哲学者の久野収さんはこんなことを言っているのですね。「京都には桂離宮とか苔寺とか詩仙堂とか、まだまだ大切なものがいっぱいありますよ。伝統的で心が安まる場所です。しかし、そんな京都に和風の迎賓館なる“模造品”を造ろうとする。それこそいろんな時代のものの入り交じったものが造られるんだろうが、かえって京都の伝統や環境を壊すことになりはしないか、と思いますね」「ただ和風迎賓館を造って布団敷いて寝かしたら文化は伝わるものだと思っているとしたら、こんな馬鹿げたことはない」こういうふうにおっしゃっているのですね。

 だから、文化や伝統というのは、そのもの自身を勉強してもらうことについては私は当然だと思うんです。それを知ってもらうということと宿泊施設をそこにつくるということは別だということをもう一度言っておきたいと思うんです。

 しかも、それが、少なくとも二百二十億円もかけて、総理府の出された調査によるとたかだか年に一人や二人しか来ない国公賓を迎えるようなことのためにお金が必要かということが一つなんです。

 それと、後半に地方自治体の問題もおっしゃられました。しかし、この問題は、例えば現実の問題として、地方自治体の国際交流として使うんだったら、迎賓館としての機能は制約されるということはおっしゃっているわけですよ。そうすると、逆に、迎賓館として使えば、今度はセキュリティーの問題があり、国民の自由には使えない、こういう問題があって、そんな話としては、最初打ち上げるときは、こうも使えます、こうも使えますと言うのだけれども、実際は成り立たない話としてみんな知っているんですよ。

 そういう形で、実際上はむだな形にお金が使われるという問題と、そういう国際交流だとか日本の文化を知ってもらうということ自身が成り立たないということを言っているわけですね。そこをどういうふうにお考えですか。

塩川国務大臣 何か迎賓館そのものが、日本の伝統文化を凝縮したものとしてつくろう、こういうニュアンスに私は聞こえてならぬのですが、そうではなくして、京都あるいは奈良という、日本の伝統文化の源泉であるそういうところへ、できるだけ多くの外国の賓客が来て、そしてそれになじんで、あるいは知ってもらうということの媒体の一つになるということに私たちは活用したい、こういうことでございます。

 また、あわせて、地方自治体の賓客が来まして、それが国家的にも尊重しなければならない賓客である場合に、京都の文化の一端を紹介する一つの施設として利用してもらったらいい、こういう考えであります。

穀田委員 そんな媒体のために二百二十億円も使う必要はないと私は言っているんです。

 それは、やはり今必ず地方自治体の話が出ますけれども、例えばこういう地方自治体が、京都以外のところ、大阪だとかその他のところで言えば、国際コンベンションセンターやその他について、国際交流や、そういう方々をお招きするところはたくさんあるということを地元の関連する自治体は全部言っているんですよ。京都だけなんです、そんなことを言っているのは。だから、地方自治体があまねく、先ほどのお話だったら全国の地方自治体などといって、全国の地方自治体が使えるはずがないんですよ。三千三百ある地方自治体が、どこが使うと言っているんですか。そんなこと決してありませんよ。だから、先ほどおっしゃったじゃないですか、どう考えたって全国の地方自治体が使えるなんてことはあり得ないんですよ、こんなこと。

 そしてもう一つ、だから、目的自身に媒体などというあやふやな形で、事実上の宿泊施設は全く無意味だと私は言っているんです。京都の文化や奈良の文化や大阪の文化を知っていただく、これは当然結構だ。そのために来ていただくについては、それは招待をしたらいいでしょう。しかし、そのことによってして、宿泊施設をつくることは、まさしくむだだということははっきりしているということなんです。

 その上で、ではその計画の強行によって何が起きるかということだと思うんです。大体、政府の閣議了解の中では、日本の空間を感じてもらうなどと書いています、今度の文書の中に。今もおっしゃったように、京都に触れていただくとかありました。しかし、肝心の御苑というすぐれた自然環境をないがしろにする事態が起こっているわけです。

 例えば、皆さんがお調べになった資料でも、京都の「迎賓施設建設に係る環境及び関連調査の概要」でいいますと、生育条件の変化によっては絶滅危惧に移行する危険があるとされているタシロランについて、その生態が未解明であるにもかかわらず、「工事の直接的な影響が及ぶ可能性はない」というふうにしているんですね。ところが、これも建設ありきで、よくわからないが影響はないという結論だけがはっきりしているんです。この概要では、万が一何らかの影響が生じた場合には速やかに適切な保全を講じるとしているんだけれども、生態が未解明で、どうして保全措置が講じられるのか。その保証はどこにもないじゃありませんか。この問題について、環境省にお聞きしたいと思います。

西尾政府参考人 今お尋ねの、京都御苑の自然環境に係る調査でございます。

 御指摘のように、内閣府において環境調査が取りまとめられまして、タシロランにつきましては、その生育地そのものには手は加えられておりません。それから、建設予定地とタシロランのある樹林帯の間には、緩衝となる樹林帯もございます。したがいまして、通常は工事の直接的な影響はないとされておるわけでございます。

 そこへ加えて、なお念のため、もちろんこういうラン類の微妙な生態系その他につきましては研究すべき課題も多いことから、今後ともモニタリングを行う。そのモニタリングの中におきましては、そういう地域の非常に小さい気象の変化でございますとか、タシロランが生育しております樹林帯の状況というものを注意深くこれからもモニタリングをしていこう、こういうことでございますので、それが適切な対応ではないかと存じております。

 環境省といたしましても、そういうこれからのモニタリングにつきまして、きちんと技術的助言などの協力をいたしていくという姿勢で臨みたいと思っております。

穀田委員 今お話あったように、結局、これからのモニタリングを行う行うという話ばかりなんですよ、今。先ほど述べた関連調査の概要にあるように、わかっていないのですよ。生態系をわかっていないと言っているんです。だから、こういう問題は、私は一つの象徴だと言っているんです。

 問題は、この迎賓館の建設によって、今緩衝帯があるからだとか言っていますけれども、それは理屈に余りならないのですね。というのは、この問題について、実はタシロランに関する日本生物多様性防衛ネットワークという、京都大学の先生がおっしゃっているんですけれども、これらの生育条件というのは極めてデリケートだと。この研究者自身は、この問題について、そんな緩衝帯があるから大丈夫だという話は成り立たないという話をしていらっしゃるのですね。それぐらい微妙だという問題を改めて言っておきたいと思うのです。

 そこで、そういう問題とあわせて、私は、それは一つの象徴であって、やはり都市の真ん中に、京都のど真ん中です、そして百年かけて実際上つくり上げられてきた自然の森林なんです、あそこは。そしてもう一つは、それを支えてきた地下の水脈があります。そして動植物だとか昆虫だとか、そういう野生動物の宝庫と言われています。それはもう皆さん御承知のとおりこういうパンフレットまで出ていまして、京都の御苑の豊かな自然を伝えようじゃないかということで、どれだけの動植物がこの京都御苑に生息しているかということで研究されて、しかもそれが、御苑の方々や環境省の方々も含めてみんなで毎月観察会をやったりするなど、本当によくやられているのですね。これが破壊されるんじゃないかという危惧が寄せられています。

 そして、先ほども申しましたように、京都市の都市計画審議会の中でこの問題が議論になったときに、先ほど述べたある委員は、タシロラン、つまり本種のみを保護すればよいというのは安易だ、多様な生物群全体、生物の多様性を保護することこそが今求められている、こう言って、幾ら場所が離れているからといっても、その生態系全体に及ぼす影響というのは決して否定できないと述べているわけです。そして、この都市計画審議会で、二十六人中七人の委員がこの問題について反対をするという異例な事態だった。つまり、都市計画審議会でこれだけの委員の方が反対されるということはなかったわけですね。

 だから、先ほど述べた環境省の話でいいますと、モニタリングするモニタリングすると言っているけれども、大体、建築主である総理府しか調査を行っていないのです。だから、普通、皆さん考えてごらんなさいよ。建てるときに、自分、建てる側が調査した、その後モニタリングするというのではなくて、最低限第三者の生態系についての調査さえやっていない、それでどうして生態系への影響がないと言えるのですか。もう一度答弁してください。

西尾政府参考人 内閣府におきまして行っていただきました環境調査でございますが、環境調査の設計といいますか、いかなる調査をしたらばいいか、どういう判定をしていったらいいかという検討会につきましては、私どもの京都御苑の専門家であります所長もオブザーバー参加いたしまして、適時適切に助言をいたしてまいったところでございます。

穀田委員 その程度なんですよ。適宜適切に助言を行ってきた、こういう話が、こういう言いぶり自身が普通の方々の意見と違って官僚的な答弁で、実際みんなが心配している、せめて第三者機関ぐらいやったらいいじゃないかということに対する反論にならないのは、だれが考えても当たり前でしょう。

 最後に聞きますけれども、あなたは参議院で、国民公園を国民公園としたままそこに迎賓館を建設することはふさわしくないと答弁していますね。これは、国民公園をその目的や機能に沿って存続させようと思えば、そんな建物は建てられないということだと思うのですね。これは確認できますね。

西尾政府参考人 今御指摘の答弁でございますが、これは、国民公園たる京都御苑とそれから京都迎賓館と、両者の目的、機能は全く別のものでありますので、国民公園を国民公園としたままこの中に京都迎賓館を設置することはふさわしくない、それはすなわち、ですからその部分を国民公園から除外する、公用財産としていただくというお願いをしているという趣旨でございます。

穀田委員 私は、そこに大きな問題があると思うのです。やはり結局そうでしょう。今お話あったように、本来国民公園として、昭和二十二年ですか、やられたそういう計画として、要するに福祉、平和のためにこういうものを活用しなくちゃならないんだといった公園なんですよ。その公園を維持し、その目的、機能を守ろうとすれば、迎賓館なんて建設できないんですよ。だから、それを別個にするためにこれを取り上げて穴をあけたんですよ。こんなやり方がいいのかということを私は言っているんですよ。

 こういう、とにかく先に建設ありき、どうしたらできるか、国民公園を守るとかいう話じゃなくてやっているところに最大の問題があって、そのための便法として、敷地の性格をここだけ変えるということなんですよ。こんなこと許されないことです。

 私は、今お話ししたように、大体、むだなお金がかかる、むだだ、そういう意味で目的が正当性がない、そして環境自身にもこれは重大な影響を与える、そしてなおかつこういう問題について言えば、まさにごり押ししかないという形でやっている、こういうやり方は、後世に必ず間違いだったと私は多くの方々が言うと思うのです。

 ですから、私は、こういう迎賓館の建設問題については、文化の角度からいっても、そして自然の角度からいっても、そして財政の角度からいっても、あらゆる角度から見てこれはむだだ、やめるべきだということを改めて申し上げて、質問を終わります。

山口委員長 佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 塩川大臣に、昨日の続きをやらせていただきます。

 五月二十八日に放映されたテレビ朝日のニュースステーションのビデオ、見ていただけましたでしょうか。私ももう一度詳細に見ましたが、映像は、明るい窓辺で、財務大臣は、いすにゆったりと腰をかけられて、大変リラックスした表情で屈託なくお話しになっておられます。インタビューの場所は、いつも使っている事務所のようでございます。ぶら下がりの取材ではないということは明確でございます。

 昨日、インタビューを受けた覚えがないとおっしゃっていましたけれども、もう思い出されたと思うのですが、いかがでしょうか。

塩川国務大臣 あれはインタビューじゃございません。私の書斎でございました。したがって、着物を着ておりましたので、着物のまま出ておると思うております。着物を着ておりました。

 それで、そこへお客さんが立て込んでおりまして、お客さんが帰りました後、二人、女の方とそれからカメラの人がどかどかっと入ってきまして、それでちょっと撮らせてくださいと言うんですよ。それでございますから、インタビューとか何かじゃ全然ございません。

 私の秘書は、ちょっと了解をとるまで待ってくれと言っていたんだが上がっていったと。私はすぐに、ちょっと失礼だから出てくれ、こう言ったんですが、何かばばばと二、三個言葉を言いまして、それに対して私が応対した、そのぐらいの記憶しかございません。

佐々木(憲)委員 インタビューというふうに位置づけておられるかどうかは別としまして、カメラとマイクが入ってきて、お二人が入ってこられてその方々とお話をされた、それが記録として放映された、こういうことだと思うんですね。

 ですから、昨日の答弁の中で、大臣になってからはインタビューを受けたことはないとおっしゃいましたが、インタビューという言葉は別としまして、テレビの取材を受けたということだろうと思うんですね。それは事実だというふうに思うんです。

 そこで、問題は、大臣自身が、昨日御紹介しましたようなことをおっしゃっているわけであります。その内容が実は問題でありまして、大臣はこうおっしゃっているんですね。

 機密費の問題について、あれは政府の一員になったんで、もう一切言えません。役職についたらそういうものに対する責任感が、別の責任感がある、発言にはね。そういうこととまじって、一切言わぬことにしとんねん。

 この発言は、大臣になる前には真実を述べるけれども、大臣になったら本当のことを言わなくてよい、こういうふうにおっしゃっているわけであります。わざわざ言わないことにしているというわけでありますから。

 つまり、大臣になると今までしゃべっていた事実をもう言わなくてもいい、言わないことが大臣の責任なんだ、そういう意味のことをおっしゃっているんですけれども、そういうことを、きのうのビデオでごらんになって、はっきりおっしゃっていましたね。

塩川国務大臣 佐々木さんの質問を全部聞いていますと、こうでなかったらこうだろうと反転論拠が多いんですけれども、そんなつもりで私は言っているもんじゃ全然ございませんで、大臣になったらそういうことを言わぬもんなんだよということは言ったような感じは私はいたしますけれども。

 それは私も十分マイクの入っておるのを、カメラは、今はこうしたらマイクは同時に入っておるんですね。そんなことも私は意識がございませんでしたが。そのとき、とにかく出てくれと言ったことは事実でございます。それで、なお聞きますからということで女の人が聞きまして、そんなことを言ったのかもわかりません。

佐々木(憲)委員 今事実を一部おっしゃったんですが、大臣になったらそういうことは言わぬもんだというふうなことをおっしゃったという記憶を今呼び戻されたわけでございます。

 それで、正式なインタビューではないということなんですけれども、割合リラックスをされて、マイクがあったかどうかという意識もなかったとおっしゃいましたが。そうすると、非常にリラックスして雑談のような形でおっしゃった。ざっくばらんに話しているということであるからこそ本音が出たというふうにも思えるわけであります。

 大臣は、つまり、今までおっしゃっていたことと大臣になってから言うことというのは違うと。本当のことは言わぬことにしてもいいんだ、これが大臣だというふうにおっしゃっているわけですが、そういう認識なんですか。

塩川国務大臣 大臣になりますと特別の守秘義務というものがございますし、それは国会議員でも全部そうだろうと思いますけれども、そういうことが私は一つの自分自身に拘束になっておる、精神的な拘束になっておったということから言ったんだと思います。

佐々木(憲)委員 守秘義務があるということは、それまで言っていたことを忘れたとか言った覚えがないというふうに否定することとは違うんじゃないでしょうか。自分が大臣の立場で知っていることを何でもしゃべる、そういうことは守秘義務としてあると思いますが、大臣になる前に知っていた、そしてしゃべっていた、そのことを大臣になってから急に否定したって、これは事実は消せないわけであります。

 つまり、今まで言っていたことと大臣になって言うことを違えてもいい、違うことを言ってもいいと。もっとはっきり言えば、大臣になったらうそをついてもいいということにもつながる問題ですよ。これは大問題じゃありませんか、そういう発言は。

塩川国務大臣 それは極端な言い方でして、私はそういうことは言っておりませんで、今まで言っておりましたことを繰り返して言っているようでございますけれども、一月でございましたか二月か、テレビ朝日のインタビューを受けましたことは混乱したことを言ったということで、私はあの発言は反省しておるということを言っておるのでございます。

 ですから、あれは自分自身が体験したものばかりじゃございませんし、何かいろいろな聞いたうわさのことを話したような感じもいたしますし、あのことは定かに覚えておりませんが、テープに入っていることは事実でございましょうから、何かそういうことがあったんだろうと思いますけれども、しかし、あれは私の本心から、発言を準備して言ったものではないので、うかつなことを申したという反省をしておるところであります。

佐々木(憲)委員 体験したことばかりではないというふうにおっしゃったということは、半分ぐらい、半分というのか、体験が入っていたということをおっしゃったと思うんです。

 さて、そこで、きのうも紹介したんですが、事実関係を明らかにして徹底究明したらどうだろうかというようなお話があったときに、大臣は、そう言っているのはテレ朝だけやろ、それはもう国会紛糾してどうにも動かなくなっちゃう、こうおっしゃっているんですね。つまり、国会が紛糾するような問題なんだと。これまでマスコミに対してしゃべってきた機密費の問題、それが、その真相をしゃべると国会が紛糾する、そういうことを大臣はおっしゃっているんじゃないですか。

塩川国務大臣 そういうことを私は言っておりませんが、想像たくましゅう、こうだったらこっちやろと、もう何でも反対の方をおっしゃっておりますけれども、私は、そうじゃなくて、紛糾と言ったかどうか知りません、迷惑かけるということなんです。それは言いましたね。

 だから、紛糾と言ったかなと。テレビで見たらそうなんですが、国会に迷惑かけるなということは言ったんじゃないかなという感じはします。

佐々木(憲)委員 迷惑をかけるというのは、真実を述べて国会が紛糾すると。紛糾するという言葉は実際おっしゃっているわけですね。

 あなたは、大臣になる前には機密費についての体験を大変正直におっしゃってきた。しかし、大臣になった途端に真相をお隠しになる。国会では忘れたとか、テレビではしゃべらないことにしているという。しかも、しゃべったら紛糾するんじゃないかということで、これは重大性を自覚しながら事実を隠そうとしている。このことは明確だと思うんです。

 やはり、国会に正直に自分の体験や真実を話すべきだ。そういうことを隠して忘れたとかなんとかというすりかえをやるというのは、私は大臣としては資格がないと思うんです。私は、もう大臣はおやめになったらどうかというふうに思います。

 もう時間が来たようですから、そういう点で、その決断をされることを求めまして、質問を終わりたいと思います。

山口委員長 植田至紀君。

植田委員 社民党・市民連合の植田至紀です。

 まず最初に、例の京都の迎賓館の問題。これはそんな細々としたことは聞くつもりではございません。既に参議院の委員会でも質疑されておりますし、先ほども京都出身の先生の方からかなり詳細な御質疑がなされたと思いますので、簡単に幾つかの点についてお伺いしたいと思います。

 先日も、この迎賓館こしらえまっせということで、財務省のお役人さんが来ていろいろと御説明いただきました。いろいろと、るる御説明いただいた後、平成六年の十月の閣議了解でございますので村山内閣時のものでございます、ついてはよろしくねと。それを言うたら何でも言うことを聞くかというと、そうは問屋が卸さない話でございまして、ちょっとやはり私としても納得がいかない。

 ただ、要するに、迎賓館を、一個あるんやから、もう一個こしらえる必要があるんかというような話ではなくて、もう一つ別に迎賓館が、必要に応じてあっても、私は構わないと思います。幸い、塩川大臣、先ほどのやりとりの中でも、京都だけではなくて、私の生まれ故郷の奈良も伝統文化の場所としてつけ加えていただきましたから、個人的には奈良に迎賓館があっても構わないと思うています。東大阪からも近うございますので便利やと思いますが、これはあくまで個人としてはそういう気持ちも、一県民としてあります。

 ただ、今、二百億円からの予算を使うて京都に迎賓館をこしらえるというのは、やはり時期が余りにまずいじゃないですかと。しかも、いろいろと参議院の議事録も読ませていただきましたし、先ほどの穀田先生とのやりとりをお伺いしていましても、今つくらないかぬ緊急性というものは余り感じられないわけなんです。

 例えば、伝統文化を知ってもらうということであれば、何も新しゅう迎賓館を、京都の御苑の、今みんなゲートボールとかしてはる市民の憩いの場でございますそこに建てんかて、そのちょっと南に行けば大宮御所があるわけです。エリザベス女王もダイアナ妃もそこに泊まらはったわけです。そこが使い勝手が悪いということであれば、そこを改修するなりすればええし、大宮御所に泊まってもろうた方がよっぽど京都や奈良の伝統文化というものに触れられると思いますし、そこなら、まずけりゃ蹴上にホテルがあります。そこに泊まっていただければ十分対応できるんじゃないかと私は思うわけでございます。

 そういう意味で、今回この予算、確かに全体の国の予算からすればちっこいかもしれませんけれども、聖域なき構造改革やということで、それこそ抵抗勢力がわんさか出てきそうな特定財源までメスを入れる、そんな決意を一方で示しておられるのですから、こんなのもう、やはり平成六年のときはそれでよかったけれども、緊急性ないから、もうこれは凍結やというぐらいのことが言えてもいいんじゃないかと私は思うのですが、その点、財務大臣の御見解、お伺いしたいと思います。

    〔委員長退席、佐藤(剛)委員長代理着席〕

塩川国務大臣 参議院の委員会におきましてこの審議がございましたときにも、京都の方だったかと思いますが、そういうことを質問された方がございました。そのときにも私は申し上げたのですけれども、そもそも熱望されてきたのは地元から起こってまいりまして、そのときは、確かに、おっしゃるように村山内閣のときでございましたが、よく考えてみますと、いろいろな来賓の方が来られますけれども、適当に泊まっていただく、そういうホテルというものの選考が非常に難しい、それが一つあることと、それから、セキュリティーの問題が京都ではなかなか確保しにくいということがございますし、それと何よりも、京都へ来て、ちょっと違った日本的な雰囲気の中で休んでもらいたいということもこちらの念願でもございますしいたしますので、そういうことをいろいろ兼ね合わせて、実は迎賓館を設置しようということになったのであります。

 方々で、例えばAPECのときには、大阪城の中に迎賓館相当額の会議場をつくりました。また、沖縄もサミットの会場をつくりました。そういうことから見まして、できるだけ節約したものにしようということで、先ほど来穀田さんのお話の中にございました、二百二十億円ですか、そういう金は使いません。もっと節約したものにしたいと思って、経費も煮詰めるようにいたしております。二百一億の予定でございますけれども、これをさらにさらに建築費を、風格を落とすことなく節減する方法はないだろうかということを言っておりますので、極力努力して御期待にそぐうようにしたいと思っておりますので、御了解していただきたいと思っております。

植田委員 もう一回だけ、その点、お伺いしますが、私申し上げたのは、そもそも迎賓館をもう一つこしらえること自体をけしからぬと私は申し上げているわけではなくて、現下の財政状況、経済情勢の中で、今どうしてもあそこにこしらえないかぬ緊急性があるのかということをお伺いしたわけでございます。

 そしてまた、今のお話を伺っていますと、できるだけ予算は圧縮してというわけですけれども、それやったら、逆に言いますと、もっと景気状況もよくなり財政状況もよくなった段階で、海外からの賓客をお招きする施設ですから、そのときにもっと値切らずにちゃんとやればいいんじゃないかと私なんかは素朴に思うのでございます。今、何も無理に圧縮してやらなくても、そもそも緊急性というものがないと私は思うわけです。

 本当に緊急にやらないかぬというふうにお考えなんでしょうか。その点もう一回。

塩川国務大臣 先ほど海江田先生は老子の本を出して私にお話をされました。私は、老子じゃございませんけれども、孫子の言葉に、「雲を覗み風を窺う者は種子まく能わず」という言葉がございます。ですから、ああだろうか、こうだろうかといったときにはやはり決断というものが、雲を望み風をうかごうとったら種まく機会を失うてしまうぞ、そういうことがございまして、これは平成六年に決定したことでございます。確かにおっしゃるように、今非常に景気の悪いときで、財政も緊縮しなければならぬときでございますが、それだけに、その心を持って、十分心得て、この建設にかかっていきたいと思いますので、御了解いただきたいと思います。

植田委員 九四年当時は社民党ではございませんで、日本社会党と呼んだ当時の村山内閣当時に、当時は了解している。ただし、状況が変わっているじゃないですか、やはりこういうところも削っていきましょうよということを申し上げたわけでございます。了解していただきたいという、この間の経過から見て、おっしゃる御答弁はわかりますけれども、そういう観点からして了解しかねる。せっかく聖域なき構造改革といって、二百億円ですからね。やはりそこは御再考を求めて、次に移っていきたいと思います。

 次、特にきょうは時間がありませんけれども、財政赤字にかかわる財務大臣の御認識、及びそれをもっと広く国民に周知をして、その上で、どうした方向性を見出していくのかという、ありていに言えば情報公開とでもいいましょうか、そういう観点で幾つか基本的な問題をお伺いしたいわけです。

 実際に、千四百兆からの貯蓄があるにもかかわらず、国民は、家計消費の方は、それこそ値切って自己防衛に走っている。それ自体がやはり国民の政府に対する不信の証左ではないかというふうに私は思うわけです。

 きょうも何人かのおばちゃんたちが事務所を訪ねられまして、要請に来られました。消費税の、食料品は非課税にしてくれというような要請でございましたけれども、我々はそういうスタンスではなくて、また別の考え方を持っておるわけですけれども。皆さん方が、おばちゃんたちが一様に言うのは――確かに私もそのとき、せんだって大臣から御答弁いただいたように、増税ということは考えていません、そんな体力ありませんよ、そういうことをおっしゃってましたよということを紹介しながら話をしておったのですけれども、実際、そんなことを言うてはるけれども、それは今せえへんということで、いつかはそんなことがあるやろということを口々におっしゃっておられます。それが一般的な庶民感覚だろうと思うのです。

 そうした国民の切実な不安感と、そういう意味での国の財政状況についてはどのようにお考えなのか。まずそのことを入り口にしてお話を伺っていきたいと思いますので、まずそこからお願いいたします。

村上副大臣 まさに植田委員のおっしゃるとおりでありまして、国民に千三百九十兆近い貯蓄がありながら、なかなか消費に回らない。それはやはり御指摘のように、国民としてはそこはかとない将来に対する漠然とした不安がある。特に、やはり今、国民は将来に対してそういう不安を有しているために、大きく日本経済のシステムの変化が読み切れていない。そういう中で、我々以上、ちょうど年上、海江田委員の世代なんですが、いわゆる団塊の世代がいよいよ六十歳の高齢化に向けて準備段階に入ってしまった、その辺が一番大きな原因じゃないかなと私は考えております。

 それで、ここで一番考えなきゃいけないのは、今までの経済政策は、よく竹中プロフェッサーが言われるように、カンフル注射的に、一時的な総需要を出すために思い切り財政出動と、それから不良債権の処理のために財政を出動させてきた。しかし、今委員が御指摘になったように、まさに村山内閣の平成六年のときの閣議決定の時期ごろはまだ国と地方との長期債務が大体三百六十八兆ぐらいだったのが、何と六、七年のうちに六百六十六兆になってしまった。そういうことで、不良債権の処理や景気対策のために思い切り財政出動をしたために大変な事態になった、こういうことをやはりきちっとまず国民の皆さん方に理解していただく。

 それから、私は、財政出動のいろいろな結果として、決してマイナスだけだったんじゃないと思うんですね。今委員が御指摘になった千四百近い国民資産に随分転化していると思いますし、それからいろいろなインフラ整備にもきちっと使われていますし、結局、ここまで国を再建し立派な国にするために、やはり随分そういう意味では貢献してきたんじゃないかな。

 ただ、やはり次の世代のことを考えた場合に、財政と経済ともう一つ教育の立て直しですが、それが一日おくれればおくれるほど次の世代が痛む、だから、そのために、もう待ったなしの状況だということを知ってもらうことが必要じゃないかなという気がします。そのためには、今までのようなカンフル注射的な総需要を出すための財政出動だけじゃなくて、これから将来に向けて発展性のあるところに人材と資本を移転していくんだ、つまり、将来性のないところにくぎづけにするんじゃないということをするための財政や経済の構造改革を不退転の決意でやるということを、やはり国民や有権者の皆さん方に委員御指摘のようにしっかりと理解していただくことが肝要じゃないかな、そういうふうに考えております。

植田委員 いみじくも平成六年当時と今とは状況が違うというようなお話がありましたので、話は戻るようですけれども、二百億の話はもう一回考え直した方がええなというふうには思っております。

 さきの財務大臣も、これは三月には参議院の予算委員会の中で、日本の財政は既に破局に近い状況にあるということを述べておられるわけでございます。実際、非常に最も率直な表現だろうと思うわけですけれども、意外と海外ではこれがかなり大きく取り上げられていたようですが、日本の新聞では、実際取り寄せてみても囲みぐらいしか出てこなかったわけです。

 ただ、やはり我々としては、そんなことはもうわかり切った話だということでは済まされない状況にあるんじゃないかと思いますし、少なくとも巨額の長期債務を抱えている中で、近い将来、国債購入に対するリスクが高まって長期金利が上昇しないという保証はないわけでございますし、経済が本格的な軌道に乗り始めて初めて民間需要が高まってくるわけです。そういうときに、景気回復に伴ってクラウディングアウト現象が起こってくると、実際景気回復しても、逆にこれはまた時既に遅しというような事態にもなるわけですから、むしろそうした改革の筋道というものを国民の前にしっかりと示していくということが必要になるだろうと思います。

 そこで、幾つか私も一国民として、非常に難解な、こんなのは専門家でないとわからぬわけですけれども、昨年の九月にも旧経済企画庁が「財政赤字の経済分析 中長期的視点からの考察」という本を出しておられるわけです。いろいろな数式がぎょうさん並んでいて、そういうところは私はわからないわけですけれども、日本語で書いてある部分を読みましたら、こういうことなんですよ。去年の九月での報告書でも、日本の財政は事実上破綻していると結論づけているわけです。そして、このままほうっておいたら、推移すれば、租税負担と社会保障負担を合わせた国民負担率は当然上昇する、仮にそれを消費税の増税で賄うのであれば税率は四五%まで上がるというふうに、そうした試算も非常に衝撃的でございます。最低でも消費税一四%ぐらい要るというような話ではないわけです、この報告書を見ますと。そして、少なくともここでは、一応これは経済企画庁経済研究所ですから公式文書でございますが、我が国の政府債務は持続可能ではない、そういう結論を下しているという点においては恐らく初めてなんだろうかなと私は思っているわけです。

 そこで、こうした報告書なりなんなりが、当然それぞれ財政運営に当たってそれなりに参考にもされているでしょうし、生かされてこられたと思うわけですけれども、まず一点目、そうした衝撃的な報告書をどのように受けとめられているのかということについてまずお伺いします。

津田政府参考人 お答えを申し上げます。

 今御指摘のこのリポートでございますが、旧経済企画庁経済研究所におきまして出されたものと承知をしております。そもそもの考え方としては、中期的な視点から財政赤字に関する幾つかの論点、例えば財政赤字のサステーナビリティー、持続可能性とか、それから財政赤字が高齢化や少子化社会に与える影響といったようなことを中心に分析を行ったと承知しておりますが、こうした研究は、当然ですが学問的な見地からのものでありますし、一定の仮定に基づいてシミュレーションしております。

 したがって、中身次第ではありますけれども、なかなか現実の政策運営に直ちに適用できるというふうには我々は考えておりませんものですから、今副大臣からるるお話がありましたように、財政が非常に大変な状況にあるということは事実ですし、私どももその立て直しに向けて今後いろいろ努力をしていきたいとは思っておりますけれども、いろいろな提言については真摯にこれを読み、受けとめて、今後の政策運営の参考にしていきたいと思います。

 なお、今おっしゃった四五%の消費税率というようなことでございます。これについてちょっと申し上げますと、これは、第三章というところで幾つかシミュレーションが行われたもののうちの一つをお挙げになったと思います。このシミュレーションの四五%のケースの前提というのは、公債残高、国の分だけだと思いますが、現在七五%のものをGDP比で五%まで下げよう、十五分の一にしようという仮定でございますし、それから、歳出についてどのぐらいの努力をするかということは必ずしも明らかでないわけですけれども、一般会計においては将来の収入の総額と支出の総額が一致しない場合は全部消費税でこれを調整する、つまり、消費税の引き上げで全部収支のバランスを賄うというような相当極端な仮定であると思います。

 したがって、その結果として四五というのが出ているのかもしれませんけれども、こうしたものは前提をどうするかということで全く結果が違ってまいりますものですから、四五%という消費税の結果だけを取り上げるというのはいかがなものかなという気が率直に言ってしております。

植田委員 もちろん、今私も質問で申し上げましたように、仮にそれを全部消費税で賄うならば四五%まで上がってしまうよというシミュレーションそのものが非常に衝撃的だということを申し上げているわけで、それは何らかの仮定に基づいてそこから実証していくわけですから、そういう意味で、仮に消費税というところへ引き出したら四五パーというのが算出できるということ自体の衝撃度というのが大きいだろうということでございます。

 また、当然、今の御答弁を聞いていると、せっかくお書きになった研究者の方々、悲しまはると思いますけれども、直接これをそのまま適用しろじゃなくて、そこはやはり、結論づけている、財政が事実上もう破綻しているじゃないかというその警鐘に対してどう向き合うかということが問われているんじゃないかというふうに思うわけです。何もこのデータだけでそういうことが出ているわけじゃなくて、実際もう二年前にはOECDが十一月に、九九年版対日経済審査報告の中で具体的に警告を発しているわけです。また、IMFも去年の八月に、財政赤字に強い懸念を表明して、同様の警告を与えているわけです。これが、IMFが去年の八月。こういう国際機関からいろいろな、要するに、これだけじゃないわけですね。あちこちから危ないぞ危ないぞと言われているわけですわ。

 その中で、では、日本はこの間何しておったのかということなんですけれども、例えば、昨年の経済白書、もう一回見てみますと、確かに財政問題にかなりの分量を与えています。かなり書き込んでおられます。もちろん、経済白書についてどうやこうやということを、財務省は、とりあえず関係あらしませんというふうにおっしゃるかもしれませんけれども、我々国民としては一番それが手ごろなペーパーだから紹介するわけです。

 そこで、財政赤字の大きな理由として、公債発行による財政規模の拡大、減税、公共事業による景気刺激ということが書いてあるわけです。それはそのとおりだと思います。

 その一方で、公共投資の景気刺激効果についてかなりるる述べた後、九〇年代に入って政府支出の乗数効果を弱める方向に作用することは否定できないけれども、財政政策の効果が失われるほどの影響はなかったとか、公共事業の背景には日本の社会資本整備水準の低さがあったとか、えらい古めかしいことをおっしゃっているわけです。

 そして、その結論の中で、現在の巨額の財政赤字は、既に見たように、これまでのところ経済に悪影響を与えるというには至っていないとか、財政再建に当たっては、まず景気の本格的回復を確実なものにする必要があるというふうに結ばれているわけです。

 そして、財政赤字については維持可能かという項目もありました。そこを見ますと、実はここのところがもうちょっと自前で分析してほしかったわけですけれども、OECDの試算をそのまま紹介している。そして、試算らしきものを探してみると、名目金利が一%から六%まで変化したときに財政が破綻するかどうかという、これもシミュレーションなさっているわけです。結論が、名目金利四%以下のときには財政破綻はしない、そういうことになっているわけです。こういう試算の方がよほど意味があるんやろうかというふうに、私は疑問符がついてしまうわけです。

 もちろん、この経済白書にかかわっての評価を求めるわけではありませんし、所管外でございますというふうにおっしゃられるかもしれませんけれども、ここで私が申し上げたいのは、少なくとも、財務省さんとしても自前できちんと財政分析をしっかりして、そしてそれを国民に対してちゃんと提示をする、どういう状況にあるのかというものをしっかりと提示をしていく必要があるんじゃないかというふうに思うわけですけれども、その点について御見解をお伺いいたします。

    〔佐藤(剛)委員長代理退席、委員長着席〕

津田政府参考人 財政の事情をよく国民に説明をせよということは、全くそのとおりであると思います。

 私どもも、従来から、国会や国民向けに年に一回きちんと報告せよというのが憲法にそもそも書いてございますけれども、そういったことは励行しておりますが、もちろん、それにとどまらず、パンフレットとかインターネットとか、あらゆる手段を用いまして、財政の現状については世間に御説明をしているつもりでございます。あと、財務省の幹部も、十年以上前から、手分けをして全国に出張いたしまして、財政の現状についての御説明を申し上げているところでございます。

 財政の大変さそのものは、国民の間にもかなり浸透してきているのではないかと思っておりますが、今おっしゃった、財政が厳しくなった理由というものについては、恐らくいろいろな理由はあると思いますけれども、何といいましても、累次にわたる景気維持のための財政出動というのが最も大きな原因だったことはこれは間違いないわけでございまして、これは、先ほど副大臣からもお話がありましたように、そのときの景気の維持には、下支えには十分役立ったと思いますし、また、日本の社会資本整備の進展にも役立っているとは思いますけれども、その結果として、公債が巨大な金額に積み上がっているということでございまして、これをとにかく正常な軌道に戻していくということを今後努力してまいりたいというふうに考えております。

植田委員 私も、議員になって、大蔵委員会、財務金融委員会に所属させられまして、いろいろとお役所の文書とかを読む機会があるわけですけれども、特に旧大蔵省財政金融研究所であるとか先ほどの経済研究所のものは、もちろん私の能力では全部精読はできませんけれども、いつも勉強させていただいておるわけです。そういう中で、海外と比較しても引けをとらない業績を恐らく上げておられるだろう、そこは真摯に評価すべきだというふうに私は思います。また、私どもなんかも今関心を持って環境税の問題とかも勉強しているわけですけれども、これも、経済研究所が地道に研究を重ねた中で出てきた問題意識だろうというふうに伺っております。

 そこで、いろいろと本を渉猟していますと、たまさか質問しようと思って、講談社の現代新書というので、長谷川幸洋さんというのが書かれた「経済危機の読み方」という本がありました。

 そこで、ある章の中で幻の大蔵省レポートというのが出てきたわけです。この幻の大蔵省レポートというのは、「一九九〇年代のわが国経済と財政・金融政策」というかなり分厚い本なわけです。そして、これは、私もきのういただいただけなんで、こんな分厚いものなんで、もちろん全部読めるわけがございませんが、恐らく、旧大蔵省自身が政策の効果についてみずから自己評価を試みた、そういう意味で非常に注目すべき業績なんじゃないかというふうに思います。

 それで、全部読み切れなかったんですけれども、この新書の紹介してあるところで幾つかその中身を紹介いたしますと、ここの中では、政府が行ってきた一連の財政出動そのものに大蔵省みずからが疑問を投げかける中身になっているんです。景気が回復しても、財政再建はできないというふうに結論づけております。そういう意味で、景気対策一本やりの政策にくぎを刺す記述があるようです。そういう中身なものですから、先ほどの紹介した経済白書の中身とはかなり趣を異にしております。

 こんな文章もありました。「経済対策の実施をはじめとする積極的な財政運営の結果、我が国の財政状況は、二〇〇〇年度末の公債残高が三百六十四兆円に達すると見込まれるなど深刻な状況にある。」云々、そして「このように我が国の財政赤字は構造的問題を抱えており、財政構造改革は喫緊の課題である。」こういうふうに書かれています。

 これはもう恐らく、当時、二〇〇〇年ですから森内閣の時代だったと思いますけれども、ここは、今の話を聞いていただいて財務大臣にお答えいただきたいわけですけれども、少なくとも、当時森内閣がとってきた景気刺激策と、ここで書かれてある中身というものは、やはり違いますよね。その点、今紹介したところ、申し上げましたが、お聞きだと思いますけれども、少なくとも、大蔵省は当時の経済政策に対して何らかの形で疑問符をつけているというふうに読み取れると思うんですけれども、その点は財務大臣にお伺いしたいと思います。

塩川国務大臣 現在の財務省が、総合経済研究所がございますが、そこの意見書等を見ましたら、やはり国債発行が非常に財政の重圧になっておるということの実態がよく表現されております。しかも、従来からやってまいりました国債の発行というものを、それだけに経済の下支えに十分な効果はあったであろうけれども、しかし、今になってこの方向の転換をせざるを得ない状況になってきたということを訴えております。

 そういうことを受けまして、今回私たちが、もうこれ以上は国債の発行を抑止したいということで、十四年度においては国債発行の総額を三十兆円に抑えるということを断行するということにしたような次第でございまして、おっしゃるように、国債発行の問題については、私、この御意見に非常に共鳴するところがございます。

植田委員 先ほど紹介いたしました経済白書が出されたのは去年の七月ですよね。これが去年の五月なんです。少なくとも、経済白書が言っている中身と全然背反する、背反というか対立しているわけです。むしろ、こうしたのをもっと真摯に受けとめて政策の転換を図っていれば、もうちょっと違う展開が今あったんじゃないかと私は思うわけですけれども、その点は、財務大臣、いかがでしょうか。

塩川国務大臣 私もそう思います。

植田委員 そういうふうな答弁がありましたので、これをおつくりになられた方々もさぞ安心されると思います。

 ここでは、質問のレクのときにそのことばかりしつこく言われたんですけれども、幻の大蔵省レポート、お蔵入りになったというふうな表現がされているんですが、財務省さんの事前の説明ですと、公表していますというふうに御説明がありましたけれども、実際、この本の中でも、このペーパーはA4判で全二百二ページ、製本もされず、クリップ一つでとじられているにすぎないというのは確かに事実で、クリップ一つでしかとじられておりません。

 そして、御説明を聞きますと、公表しています、求めがあればちゃんと頒布していますと言うのですけれども、それは、本来、私の日本語の理解では、公表というよりは公開しているよということなんじゃないかと思うんです。隠しているとは私は言いません、ちゃんと言うたら次の日にはこれだけの分厚いものをいただいたわけですから。

 そして、その中身が、今財務大臣も、共鳴されているとおっしゃいましたのでそれ以上突っ込みませんけれども、少なくともそこは公表という言い方はできないだろうと。公開はしているということは私は認めますけれども、もっとこれを頒布すべきだったんじゃないかと。

 そして、時期、申し上げました経済白書が七月でした。そして、これは五月に出ている。やはりここで書かれている中身と経済白書で書かれている中身が全然違うわけですから、何らかの判断が働いて、必ずしも大っぴらには出さなかったと勘ぐられても仕方がないというふうにも私は思います。

 ただ、このペーパー、恐らく幾つも今の財務大臣は共鳴されるところは多いと思うわけですけれども、今後、こうした資料をもう一度蔵から出して、蔵出しをして、これをもう一回検討してみて、そして、実際、これからの政策立案等々に生かしていく面は私もあろうかと思うわけですが、その点についてはいかがでございますでしょうか。

村上副大臣 私も常に財政の問題を議論していて痛切に感じるのは、何が事実であるのか、ファクトであるのか。感じとしまして、外国の皆さんの方が遠眼鏡で日本の台所をよく研究なさっているんじゃないかなという気がします。

 ただ、委員御指摘のように、それだけ分厚いものですから、委員のように非常に勉強熱心で御関心のある方は読んでいただけるんですが、我々も何回も配ったことはあるんですけれども、なかなか全部読んでくれる方もない。そういう面では、色刷りのパンフレットはしょっちゅう出しているんです。

 ですから、そういう面で、委員のように非常に勉強熱心で興味がある方にはどんどん出しますので、御請求していただけたらと思います。

植田委員 大学時代に勉強しなかったツケで、今になっていろいろと勉強せざるを得ない状況になっておりますが。

 改めて申し上げますけれども、要は、七月に出た経済白書の認識であったら、これはとんでもないことになったよということですよね。その点。そして、本来、お蔵入りと言ったら財務省の人、お役人さんは、そうじゃないんですと怒らはるから、お蔵入りとは言いませんけれども、むしろ、ここに書いてあることはこれから志向すべき中身、これからの政策立案にとって、それこそ聖域なき構造改革にとって役に立つことが盛り込まれているというふうに財務大臣、御認識ですよね。その点だけ。では、うなずいていただいたので、立って座ってというのはお疲れだと思いますので、最後に一点だけお伺いしたいわけです。

 私のような余り勉強熱心でない人間でもやはり自分の暮らしを考えますから、いろいろと勉強するわけです。一般的に、そうした国民の皆さんに対して啓発をしていくし、情報提供をしていくということは、特に財政赤字の今の状況の中で見れば、やはりその実態をはっきりと国民の皆さんに知らしめていく、そして、そのために具体的にどんな解決をしていかなければならないのかということがある、その中で、どこかに痛みもありますよということを提示しないことには、やはり国民はなかなか納得しないと思うわけです。

 そこで、最後に提案を一つして、それについての財務大臣のお考えをお伺いしたいわけです。

 経済白書はあります。この際、これだけの積み上げのある財務省さんなんですから、年に一回、自前の、財政状況の分析によって財政事情をしっかりと情報公開する観点、また、国民の皆さんに知っていただく、課題を共有していただく意味で、財政白書みたいなものを、経済白書があるから要らぬわということはないと思うので、財政白書みたいなものをつくっていただければと思うわけです。私はこうした積極的提案をさせていただいているんですが、できれば一言で、大臣にお伺いして、申しわけございませんが、終わらせていただきたい。パンフレットはあります。でも、それだけだったらちょっとあれだと思うので。

塩川国務大臣 財政白書というのは、これは古典的なものになるだろうと思いますから、つくっておいたらいいと思いますけれども、そのことは、先生自身がなかなか読めないというほどですから、なかなか難しい。ですから、ダイジェストのような、こういうようなものをつくってやるということと、それからもう一つ、それこそ国会の審議の中で、そこをしっかりと議員から質問でただして確認をされるということが国会の仕事じゃないかと私は思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

植田委員 これで終わりますが、国会議員としての責務をしっかり果たしていくためにも、共通の土俵に乗れる財政白書という討論の素材をやはり提供していただきたいということを申し上げたわけでございますので、引き続き御検討ください。

 以上で終わります。

山口委員長 これにて本件に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

山口委員長 これより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、これを許します。佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 私は、日本共産党を代表して、政府提出の国有財産法第十三条第一項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件に反対する討論を行います。

 今回の議決は、京都迎賓館を建設するために、環境省所管の公共用財産である京都御苑の一部を内閣府所管の公用財産とするものです。

 反対する第一の理由は、議決の目的である京都迎賓館建設がむだな公共事業の典型であることです。

 最近の十二年間で、京都を訪れた国公賓は十三人。平均して年間一名にすぎないのが実態です。深刻な財政難の今、二百二十億円もの税金を使って新たに二つ目の迎賓館を建設する必要は全くありません。

 この計画は、国民が選んだむだな百の公共事業の一つに選ばれています。さらに、京都市都市計画審議会には市民から短期間に五千百六十三通の意見書が寄せられ、賛成は一つもありませんでした。国民も京都市民も必要性を感じておらず、むだだと判定している京都迎賓館の建設は、直ちに撤回すべきです。

 第二に、本来国民公園である京都御苑の中には迎賓施設などは建てられないにもかかわらず、ごり押しで手続を強行していることです。

 京都御苑は、絶滅危惧種のオオタカが飛来し、準絶滅危惧種のタシロランが群生し、名水がわき出るなど、大都市にある公園としては世界でも有数の自然公園です。多くの識者から迎賓館建設が御苑の生態系に影響を与えることが警告されているにもかかわらず、建設主体である旧総理府の調査をうのみにして、最低限必要な第三者による環境調査すら行っていません。また、建築基準法や都市計画法の建築規制を二重三重にゆがめ、手続を強行してきたのが実態です。

 今回の議決は、事業の必要性もなく、推進の仕方も問題のある京都迎賓館を建設するために行うものです。こうした議決には断じて賛成できないことを述べて、日本共産党を代表しての私の反対討論を終わります。(拍手)

山口委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

山口委員長 これより採決に入ります。

 国有財産法第十三条第一項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件について採決いたします。

 本件に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

山口委員長 起立多数。よって、本件は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

山口委員長 ただいま議決いたしました本件に対し、佐藤剛男君外三名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党及び自由党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。佐藤剛男君。

佐藤(剛)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。

    国有財産法第十三条第一項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件に対する附帯決議(案)

  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。

 一 京都迎賓館の管理運営に当たっては、わが国財政の困難な状況に鑑み、維持管理費を可能な限り最小化することを含め、その効率化の確保に努めること。

 一 京都迎賓館を国公賓等の接遇以外に使用する場合は、その使用形態に応じて適正な使用料を徴収すること。

以上であります。

 何とぞ御賛成賜りますようよろしくお願い申し上げます。

山口委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

山口委員長 起立多数。よって、本件に対し附帯決議を付することに決しました。

 本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。財務大臣塩川正十郎君。

塩川国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って十分配慮してまいりたいと存じます。

 ありがとうございました。

    ―――――――――――――

山口委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

山口委員長 次回は、来る八日金曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後六時二分散会




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