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第1号 平成13年10月12日(金曜日)

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本国会召集日(平成十三年九月二十七日)(木曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。

   委員長 山口 俊一君

   理事 伊藤 公介君 理事 奥山 茂彦君

   理事 佐藤 剛男君 理事 根本  匠君

   理事 五十嵐文彦君 理事 海江田万里君

   理事 石井 啓一君 理事 鈴木 淑夫君

      大野 松茂君    倉田 雅年君

      小泉 龍司君    七条  明君

      砂田 圭佑君    竹下  亘君

      竹本 直一君    中野  清君

      中村正三郎君    林田  彪君

      牧野 隆守君    増原 義剛君

      山本 明彦君    山本 幸三君

      渡辺 喜美君    江崎洋一郎君

      岡田 克也君    河村たかし君

      小泉 俊明君    中川 正春君

      長妻  昭君    原口 一博君

      日野 市朗君    松本 剛明君

      谷口 隆義君    若松 謙維君

      中塚 一宏君    佐々木憲昭君

      吉井 英勝君    阿部 知子君

      植田 至紀君

平成十三年十月十二日(金曜日)

    午後零時三十二分開議

 出席委員

   委員長 山口 俊一君

   理事 伊藤 公介君 理事 奥山 茂彦君

   理事 佐藤 剛男君 理事 根本  匠君

   理事 五十嵐文彦君 理事 海江田万里君

   理事 中川 正春君 理事 石井 啓一君

   理事 鈴木 淑夫君

      大野 松茂君    倉田 雅年君

      小泉 龍司君    七条  明君

      砂田 圭佑君    竹下  亘君

      竹本 直一君    中野  清君

      中村正三郎君    林田  彪君

      牧野 隆守君    増原 義剛君

      山本 明彦君    山本 幸三君

      渡辺 喜美君    生方 幸夫君

      江崎洋一郎君    河村たかし君

      小泉 俊明君    佐藤 観樹君

      末松 義規君    中村 哲治君

      長妻  昭君    谷口 隆義君

      若松 謙維君    中塚 一宏君

      佐々木憲昭君    中林よし子君

      阿部 知子君    植田 至紀君

    …………………………………

   財務大臣         塩川正十郎君

   国務大臣

   (金融担当大臣)     柳澤 伯夫君

   内閣府副大臣       村田 吉隆君

   財務副大臣        尾辻 秀久君

   財務大臣政務官      中野  清君

   財務大臣政務官      林田  彪君

   政府参考人

   (財務省主税局長)    大武健一郎君

   財務金融委員会専門員   白須 光美君

    ―――――――――――――

委員の異動

九月二十七日

 辞任         補欠選任

  岡田 克也君     生方 幸夫君

  原口 一博君     佐藤 観樹君

  日野 市朗君     末松 義規君

  松本 剛明君     永田 寿康君

十月十二日

 辞任         補欠選任

  永田 寿康君     中村 哲治君

  吉井 英勝君     中林よし子君

同日

 辞任         補欠選任

  中村 哲治君     永田 寿康君

  中林よし子君     吉井 英勝君

同日

 理事五十嵐文彦君同日理事辞任につき、その補欠として中川正春君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

九月二十七日

 証券取引委員会設置法案(海江田万里君外十名提出、第百五十一回国会衆法第三三号)

 日本銀行法の一部を改正する法律案(石井紘基君外六名提出、第百五十一回国会衆法第六一号)

 銀行法等の一部を改正する法律案(内閣提出、第百五十一回国会閣法第六〇号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の辞任及び補欠選任

 国政調査承認要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 財政及び金融に関する件




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     ――――◇―――――

山口委員長 これより会議を開きます。

 この際、理事辞任の件につきましてお諮りいたします。

 理事五十嵐文彦君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次に、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 ただいまの理事辞任に伴うその補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山口委員長 御異議なしと認めます。よって、中川正春君を理事に指名いたします。

     ――――◇―――――

山口委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 財政に関する事項

 税制に関する事項

 関税に関する事項

 外国為替に関する事項

 国有財産に関する事項

 たばこ事業及び塩事業に関する事項

 印刷事業に関する事項

 造幣事業に関する事項

 金融に関する事項

 証券取引に関する事項

以上の各事項につきまして、今会期中国政に関する調査を行うため、議長に対し、国政調査承認要求を行うこととし、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

山口委員長 財政及び金融に関する件について調査を進めます。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。五十嵐文彦君。

五十嵐委員 民主党の五十嵐文彦でございます。

 特別委員会が開かれておりますので余り、大臣お二人におかれましては、間もなくこの委員会でまたお仕事をしていただくことで、大変恐縮でございますけれども、よろしくお願いを申し上げたいと思います。

 まず最初に、質問通告にはございませんけれども、柳澤大臣、けさほどの閣議後十分ほど、数名の閣僚と何か深刻な顔でお話がされていたという情報が入ってきているんですが、どういう関係のお話だったか、よろしければお話を御披露いただきたいと思います。

柳澤国務大臣 どうも生来顔が深刻にできているみたいな感じで、随分損もしているような気もしているんですが、もう年齢からいったら自分の顔には自分で責任を持てということでございますので、今後またいろいろ研さんを積んでいきたいと思いますが、それはそれといたしまして、きょう、閣議の後、官房長官、塩川大臣と御一緒でちょっとお話をいたしましたけれども、別にそう深刻な話ではなくて、やはり経済の状況、それから不良債権処理をどんなふうに進めるんだみたいなことについて、二言三言お話をしたということでございます。

五十嵐委員 わざわざ閣議後に、重要閣僚、主要閣僚がテロ対策の最中に集まって不良債権問題をお話ししたということでございますので、かなり重要なことであろうなという推測がつくわけでございます。

 特に最近、マスコミ紙上、新聞、雑誌等をにぎわせているのは、いわゆる大手三十社問題というのが出てきております。それからまた、特別検査を前倒しして早目に行うということもありまして、その二つを結びつけると、そういうことについての方針を御説明されたのかな。不良債権の処理をどのように進めるかについて二言三言というお話でございましたから、そのことかなというふうに想像がつくわけでございますけれども、いかがでしょうか。

柳澤国務大臣 そんな具体的なことをお話ししたわけではありません。私どもはこれまで発表している方針でやらせていただきますと。実はそれも、話があるというからちょっと手招きされて、何か僕は話をしなきゃいけないかと思ったら、それを話したらもうほかの話に移っちゃったというようなのが実情でございます。

五十嵐委員 これ以上は話をしても出てこないと思いますので本題に入らせていただきますけれども、最初は、テロ対策特別委員会の最中でございますが、やはりテロの問題についてお話をお伺いしたいと思います。

 実は、山口委員長以下、財務金融委員会の理事のほぼフルメンバーで、テロ寸前にアメリカ、カナダへ金融調査に行ってまいりました。連日、大変精力的に関係方面と会議をさせていただきまして、また、その最中には柳澤大臣ともばったりアメリカで出くわしたわけでございます。

 そのときに私どもが感じたのは、米国経済の回復の見通しは大変厳しいなということでありまして、当局者と話をしても、一番楽観的な人で、来年の半ばごろにならないとよくはならないかなというお話で、多くの方は、米国経済が回復基調に戻れるというのはさらにずっと遅くなるという見通しでございました。それはどういうことかというと、我が国の骨太の方針には、米国経済の回復をかなり期待する文言が最初から入っておりまして、その時点の我が国の期待や見通しとはかなり違っているなというのをまず思ったわけです。

 それと同時に、向こうのSEC、それから連銀とかあるいはIMFともいろいろ話をいたしましたけれども、アメリカという国は非常に価値観がはっきりしている国で、ブレーブ、勇敢であるか、名詞にするとブレーバリーでありますが、カワードであるか、憶病であるか、名詞ではカワーディスになりますけれども、そういうことに大変過敏に反応いたしますし、その価値観を、ブレーバリーという価値観を大変大切にする。

 同時に、一つはフェアネス、フェアであるということですね。アンフェアということが最大の屈辱という社会であるな、そして、そのフェアネスを守るためには、多大なコストを払ってでも守っていくんだということを改めて痛感をした。ちょっと哲学的な話になりますけれども、そういうことを感じてまいりました。

 そういう立場から見てみますと、日本の金融システムというのは、表面は確かに近代的なスタイルに一応整えているけれども、本質的にそのフェアネスということがわかっているのかどうかという疑いを持たれても仕方がないなというところが、実は大変重大な問題になっているんだろうということを感じてまいりました。

 そのことを頭に置きながら、これからテロの問題についてお話をさせていただきますけれども、日米首脳会談で、我が国の小泉総理がいち早く我が国自衛隊の海外での協力というものを決めて、それをお土産に、褒めていただけると思って行ったわけですけれども、報道をされたところによりますと、強くブッシュ大統領の方から言われたことは、不良債権問題を早く処理して経済をしっかりやってくれということだったと伺っておりますが、そのこと自体が、ショー・ザ・フラッグというのは大変問題になりましたけれども、アメリカは自衛隊を出してくれということを強く求めているのではなくて、むしろ立場を鮮明にするということ。

 それ以上に大切なのは、これでアメリカの経済に大きな影響が出てくる。世界のいわばひとり勝ちの機関車役だったアメリカ経済が世界経済の最後の買い手という立場を離れざるを得なくなる。そして、世界同時不況という可能性も出てくるので、早く日本にアメリカにかわって応分、それ以上の役割を果たしてほしい、それには不良債権問題が大きな障害になるから早くこれを解決してくれよ、こういう意味にとれると思うんです。

 財務大臣は、先ごろ私とお話をした中には、アメリカの財務長官は、今度は日本にはお金を求めないというようなことを言っていたということを塩川大臣は私におっしゃったのですが、それはあの湾岸戦争のときのような戦費という形でのお金の支出は求めないという意味であって、しかし、経済的な貢献を全く求めないということではないと私は思っているわけですが、アメリカ側の日本に対する期待についてどうお考えになっているのか、あるいは内閣全体として、重要閣僚でございますから閣僚として、アメリカ側が一体何を日本に求めて、日本はそれに対してどういう判断をしているのかということを塩川財務大臣に伺いたいと思います。

塩川国務大臣 今おっしゃるように、今回のテロ事件、それに伴いますところのテロ根絶対策作戦全体についてでございますけれども、確かに以前の湾岸戦争のようなそういう状況とは全く違っておりまして、我々の思っておりますことは、やはり今後、アメリカとの間でどのように自由社会の連帯を深めて共同歩調をとっていくかということの中身にあると思っております。したがいまして、直接、オニール長官も、財政上の問題あるいは資金上の問題というよりも、むしろ日本人、日本の国がどのようなことを協力してくれるかということに我々は大きい関心を持っている、こういう発言でございました。

 それからなお、私、ちょうどそのときにG7に参加いたしておりましたので、G7の協議事項の中で大部分は、世界のこの不況対策に対して共同歩調をとっていこうというその中身について各国がそれぞれの方針を述べ合ったという会議が主体でございましたことと、もう一つはテロ資金の洗浄、浄化の問題、これが議題でございましたけれども、その間におきましてコーヒーブレークが二度ございましたので、私はその間、各国の方々に日本の構造改革についていろいろと意見を求められました。

 その大部分は、実は予算の対策、あるいは経済に対する政府の資金協力ということよりも、日本ではとにかく一刻も早くグローバリゼーションに合った構造改革をしてくれ、この要求が圧倒的に強かったということでございまして、私たちもその方向に向かってこれからも一層強くやっていかなきゃならぬ。

 その中の一つの一環として、不良債権の整理はどのようなスケジュールでやるんだというようなことが多くの国の関心であったということでございますが、これにつきましては、我々が既に発表いたしております骨太方針に従いまして、それぞれの構造改革なり不良債権の整理について説明申し上げました。一応は理解を得たということでございます。

五十嵐委員 今申し上げたとおり、財政上の問題ではないと塩川さんも今発言をされました。確かにそうなんだろうと思いますが、アメリカがここで少しそちらの方に精力をとられて経済が落ち込むかもしれない、そこで日本がかわりに頑張ってくれということには変わりがないのだと思います。

 マネーロンダリング等で協力するのは当然ですが、もう一つ、円・ドル関係があると思います。ドル防衛、このことによってドル安ということが当然予想されるわけで、そのときに、やはりアメリカの威信あるいはアメリカへの信頼ということを維持するために、ドル防衛に協力してほしいというようなことはあるのではないかと思うんですが、これについては日本も、もちろん日本の国益にもこれは合致をいたしますので実際に介入をしているんだと思いますが、その円・ドル関係へのテロ問題発生後の影響、為替への影響というものを財務大臣から伺いたいと思います。

塩川国務大臣 九月十一日に、ニューヨークのあの忌まわしいテロ事件が発生いたしました。それから推移を見ておりますと、急激に為替が変わってまいりまして、百十七円という値つけがされてまいりました。そこで私たちは、一挙にこれが円高に進み、逆に言いましたらドル安に進んでいくということになって、為替相場の乱れから景気状態に大きい影響を及ぼしちゃいかぬと思いまして、九月の十七日に初めてドル買いの介入を私から指示いたしました。

 それからずっと回を追うて、七回介入いたしましたが、現在では百二十一円台前後に戻ってきておる状況でございます。このことは我々独自の判断でやったことでございまして、決して協調介入とかあるいは話し合いの介入とか、そういうことは一切いたしておりません。

 そこで、この介入につきまして、私は、オニール長官と単独の会見をいたしましたときに、同長官は、この為替の安定を保ってもらったということは大きい評価をしておる、これからもファンダメンタルに応じた安定を図るようにお互いが努力しよう、こういうことを言っておりまして、私たちも乱高下の状態を正確に予測し、それに対応する措置は適時適切にとっていきたいと思っております。

 現在はほぼ、ニューヨーク事件があった前に戻っておることでございますが、しかし、油断をしていたら変わってまいりますので、その点の注目は十分にいたしたいと思います。

五十嵐委員 きのう、とにかく質問を、きょう決まったのが遅かったものですから、きょうは日銀をお呼びしていないわけですけれども、たび重なる政府・与党側の要請もあって量的な大緩和が行われているんですが、日銀の量的緩和政策の一つの目的は、私は円安がデフレの緩和に寄与するということなんだろうと思いますが、テロによるドル安傾向という要因が加わることは、この日銀のせっかくの量的緩和政策の効果、これが非常に薄れていくという面があるんではないかと思うんです。きょうは日銀お呼びしていませんけれども、そういうデフレ対策という面から、その量的緩和政策の意味が大いに減じるんではないかという心配について、両大臣どちらからでも、もし御見解がございましたら伺いたいと思います。

塩川国務大臣 物価の問題と連帯した御質問でございますので、申し上げたいと思いますけれども、私たちは、物価はやはり平均水準からいって下がっておると思っております。

 それで、我々として、財務省として今の物価の水準をどう見るかということでございますが、できれば平成九年度当時の物価水準に戻したいと思っておりまして、それを見ますと、現在は、その当時から、平成九年から見て一・三四%下がっておるのでございます、これは消費者物価でございますが。そこで、この分を何とか上昇して、平成九年度に水準を合わせたいと思っております。

 今回の為替の問題でございますけれども、これは単に、テロ事件、起こりました、あの事件に関連してやっているということ、これは当然、そこから大体円高が始まったんでございますから、動機づけがしたんでございますが、それに対抗する手段として介入をしたということ、これは事実でございますけれども、何もそれだけのことではなくて、余り急激に為替が下がることはいろいろな経済面に影響があると思いまして介入しておるということもあわせてお考えいただきたい。

五十嵐委員 平成九年の物価水準を目標にするという一種のターゲティングのような話でありましたけれども、ただそれだけを目標にするというのは私は問題があると思います。日本の国の自然体での円の実力、あるいは人件費等の水準、高コスト構造というようなことを考えますと、ただ物価が上がればいいということでは問題は解決しないと思いますので、その点は後でまた議論をさせていただきたいと思います。

 アメリカの経済が、テロとその後の報復行動によって、あるいは予想される米国民の消費動向への影響というようなことを考えて、日本の経済を預かる当局者としてこのテロのアメリカ経済への影響をどう見るかというのを、正式な場としてきょう伺っておきたいと思います。

塩川国務大臣 質問の内容をもうちょっと具体的に一回言っていただけないでしょうか。

五十嵐委員 要するに、一般的には、テロが起きることによってアメリカの消費活動は足を引っ張られるであろう、それによって日本の輸出産業も大きな影響を受けるだろうというような見通しが立っておりまして、あるいは、アメリカの経済が早ければ今年末にも、先ほど私はその意味で申し上げたんですが、実は、テロが起きる前でも、アメリカの経済はそんなにV字形に回復はしないよ、U字形に回復するかもしれない、こう言われていて、回復時期は来年の半ば以降になるのではないかという見通しだったわけですが、その後にこのテロが加わったことによって、U字形どころかL字形じゃないかとか、さらにおくれるんじゃないかということが言われているわけです。

 それに対して日本は、先ほど申しましたように、骨太方針で、アメリカの景気回復を前提というか期待をするという上に立った対策を立てていますから、これは当然、日本側として、このテロのアメリカ経済への影響がどういうものか、どうなるだろうかということについて一定のお考えを持っていなければおかしいだろうということでありまして、アメリカ経済への影響、そして、ひいては日本経済への影響について、どういう御認識、御見解を持っているかというのを改めて伺いたいということです。

塩川国務大臣 どうも失礼しました。

 確かに、このテロ事件が起こりましてから消費者心理に非常に微妙な影響を与えまして、アメリカでも非常にこの対策に苦慮しておるようなことでございます。

 例えば一例を、向こうの高官が報告しておりましたけれども、減税をいたしましたものを小切手で渡した、当初は、ほとんどこれが消費に回るであろうと思っておったけれども、このテロ事件があってからの変化として、全部貯蓄に回ってしまって、消費に回らなくなってしまったという報告をしておる。そういう状況は確かに出ております。

 そこで、G7の会議におきまして一致しました意見としましては、各国とも流動性資金というものは十分に供給していこう、それにはそれぞれの国の手段に応じてやってくれたら結構だということで、統一するものじゃないけれども、それぞれの国で努力して流動性を豊富に渡そう。

 幸いにして、我が国の方でやりましたことは、ドル買いに介入いたしました、その資金等に応じまして、流動性、当座預金が非常にふえていったということがございまして、九月末の決算期を乗り切ることが十分できたと思っておりますが、現在でも高水準で保有するようにいたしておるところであります。

 ただ、それだけで経済の状況が好転するとは思いません。しかし、各国とも潜在需要の掘り起こしをしようということでございまして、私たちといたしましても、早急に補正予算を立ち上げていきたい。

 その補正予算の中で、先日来検討いたしておりますものは、骨太方針に基づくところの構造改革、構造改革によって実施しようとするところの行政的要求、これを最優先にして予算の配分をしようということで張りつけを今考えておるところでございますけれども、残念ながら税収の見込みがまだ立っておりませんで、これは来週中にできると思うのでございますが、それを見まして正式に補正予算の枠を決定し、それをやっていきたい。

 もちろん、これで十分かといえば、私は、現在の深刻な不況状況の中において、まだまだ考えるべき余地はあるであろうと思っておりますが、この問題等につきましては、今後の問題については経済財政諮問会議等において協議し、決定していきたいと思っております。

五十嵐委員 要するに、大変大きな影響が心配されるということを公式にお認めになったということなんだろうと思います。

 そこで、先ほども、何度も申し上げますが、骨太方針なるものは、アメリカの景気回復に大いに期待をしているという内容になっておりました。これはやはり、かつての過ちと同じ、時間がたてば地価が戻るだろう、あるいは日本経済が少しよくなるだろうという甘い期待に基づいて、ずるずる不良債権問題を引きずってきてしまったということと同じ失敗につながりかねないということがあるのと、やはり骨太方針はどうも特殊法人改革に目が行き過ぎていて、優先順位を間違っているんじゃないか。不良債権問題がすべてではもちろんありませんが、のど元のとげをまず最初に除くということをやるべきだという、その優先順位が間違っていたんではないか。

 このテロという影響を考慮して、骨太の方針を見直す必要があるのではないかな、すなわち、もっと金融問題というものを重視すべきではないかというふうに思うのですが、柳澤大臣、いかがですか。

柳澤国務大臣 骨太方針がアメリカの経済の回復というものを大きく見込んで立てられている、その見込みが大きく外れてきたのではないか、そしてまた、その見込みの外れを前提とした方針の立て直しというのが必要なのではないか、こういうお考えが今示されたわけでございます。

 これは、その前段で五十嵐委員がおっしゃられた、私もたまたま同時期にアメリカに行ったわけですけれども、そのときに私が個人として受けた印象は、今の五十嵐委員のお話とちょっと違うように聞こえました。

 私の記憶では、むしろ、アメリカは割と強気で当時はおりまして、下期から少しずつ明るさが見えて、来年は三%ぐらいにいくと思いますよ、ここのところ記録したあの四とか五とかというのから比べれば確かに低いけれども、まあ成熟経済が三%成長するというのはすごいことですよというような感じでお話を聞いたような記憶でございます。

 いずれにせよ、それが今度の、十一日のあの非道なテロによって大きく動揺をさせられているというのはまさに御指摘のとおりだと思いますが、よくこの問題について論議をするときに、私どもの旧企画庁を継いだ経済財政諮問会議の竹中大臣がおっしゃるところを聞いておりますと、そのいわばマグニチュードとか影響の出方というのは、まだちょっといろいろ見込むには時期尚早というか、まだそこまでは到底いけないのではないかというようなお感じのことを話されておりまして、私も、そうなんだろうなというふうに思いながら聞いておるということでございます。

 したがって、今、この骨太の方針がかくかくしかじかのアメリカの経済回復を前提としておった、それに対して、テロの影響でかくかくしかじかの変化を来すので、骨太の方針をいかに見直すのか見直さないのか、このあたりのところまではまだちょっと議論がいっていないのではないか、こういうように考えます。

 なお、その関連で、骨太方針で私が所掌させていただいている不良債権問題がどういうように扱われていたかと申しますと、これはいわば、いろいろな構造政策を進める上での前提と言っては言い過ぎかもしれませんけれども、基盤のような位置づけを受けておったように思います。

 これ自体について、私は若干異論をこの骨太方針が論議されるときに申し上げたのですが、何もかも一丁目一番地というのはちょっと私は、政治家としてはその冥利に尽きるという言い方もできるかもしれませんが、ちょっとそこまで何か、すべてのことに影響しているというまで位置づけられるのは少し重過ぎるのではないかというようなことを申しましたが、いずれにせよ、そのあたりの表現は少し直りまして、「第一歩」というようなことになっておったかと思いますけれども、そんなことで位置づけられておりまして、五十嵐委員が不良債権問題をもっと大きく考えるべきではないかといった御意見だとすれば、むしろ、骨太方針そのものはその五十嵐委員のお説に合致しているのかもしれないな、こんなふうに思っておる次第です。

五十嵐委員 柳澤さんの認識が実は市場では大変甘いと見られている、それで、その甘いと見られている立場の方に立つという、まさに正反対ですが、その竹中さん主導の骨太方針ですらむしろ甘いと私は申し上げたいわけですね。その後の議論の流れを見ても、どうも構造改革イコール特殊法人改革、特殊法人改革は大事なのですが、全面的にやるべきだという立場でありますけれども、そちらの方に偏り過ぎているのではないかと私は思うわけであります。

 それはまた、時間がありませんけれども、やらせていただきますが、当面の重要な問題であります、この間起きましたマイカルの破綻について話を移させていただきたいのです。

 どうも不可解な破綻劇なのでありますが、よく全貌がわかっていない。七月の十九日に、実はマイカル破綻懸念が高まって、株の投げ売りが始まりました。海の日の前日でありますけれども、そのときに当時の四方社長は、これは風説だ、風説の流布だということで、経営破綻は絶対にないと言い、それは経営者の側からまさにそうなのでしょうけれども、そのときに第一勧銀、メーンバンクがわざわざ東証まで出かけていって、資金面を含めて最大限の支援を行っていくのだ、だから大丈夫だということを、これはネットワークに乗せて安心をさせたということがあるのですが、それからわずか二カ月後の破綻であります。

 結果として、これを信じ込んで多くの投資家が損をこうむったということがあるのですが、その前にも、これは去年から、九百億でしたか、一般投資家向けのマイカル債が発行された、売りに出された。それからその前には、実はたくさんの自治体、特に第三セクターにマイカル債が大量に販売をされていまして、それはやはり銀行側の支援がかたいのだというその言葉を信用して、そうしたマイカル債の購入が行われた。購入をさせておいて、実は銀行側は焦げついた資金の一部を、むしろ回収の方向に動いたのではないかということも、ちまたでは言われているわけであります。

 どうもマイカルの破綻に至る過程、銀行がまさに先ほど申し上げましたフェアな行動をとり続けたのかどうか、アンフェアな商取引を含めたのではないかというようなことが一つには問題になるわけであります。

 それから、そのためであるかどうか、とにかく要注意債権だったということは事実なのだろうと思いますが、これは銀行によって違うと思いますが、その辺の御説明、なぜマイカルが破綻を、要注意債権、主に要注意債権だったと思うのですが、破綻をしてしまったのか、そしてその要注意債権への債権区分をなぜ金融庁は認めたのか、どうしてこういうことになってしまったのかというのを柳澤大臣の方から伺います。

柳澤国務大臣 マイカルの破綻についていろいろな角度からの御質問をいただいたわけでございますけれども、まず、金融機関の十三年三月期の自己査定がどういうものであったかというのをここで具体的に申し上げることは、監督官庁として避けたいと思っておりますが、いずれにせよ、このときの状況を見ますと、マイカルの直近の決算期はいつかというと十三年の二月なので、ここは二月、八月の決算期ということでございまして、二月でございます。そのときにはマイカルの決算は、純資産がプラス、つまり債務超過ではないという状況でございます。

 それからまた、問題になっておった有利子負債が過大ではないかということについては、同年の一月、直近でございますが、直前でございますが、新中期三カ年計画というものが策定されておりまして、有利子負債の削減に取り組んでいる、こういうようなことがありまして、マイカルの財務状況等を総合的に検討して金融機関は自己査定を行った、こういうように私どもは見ておるわけでございます。

 ところが、その後、私、記憶では六月だったと思いますけれども、社債の格付が四段階引き下げられるというようなことが起こりました。加えて、先ほど述べた新中期三カ年計画というものが未達でありますというようなことの発表が契機となりまして、ここで一挙に風評等によって信用力が急速に低下をする、こういうことになりました。そこから資金繰りが悪化して、最終的には破綻、再生手続の開始というようなことになったということでございまして、まあ、私どもとしては、かなり高い格付から一挙にそういう格付の低下が起こり、それがいろいろな風評を呼んで、取引先のサイトの短縮だとか現金化だとかということの中で資金繰り的に破綻のやむなきに至った、こういうことのように事態を受けとめているわけでございます。

 なお、マイカル債の社債のことについてのお話もございましたけれども、私どもとしては、メーン行が個人投資家に社債を買わせたというような事実は全く承知をいたしておりません。かつ、メーン行がその社債のかわり金を自己の債務の弁済に充てたのではないかというようなことも、ちょっと先生触れられたかと思うんですけれども、この点についても私どもは、そのような事実は認められない、むしろその後も融資残高が増加しているというふうに認識をしている次第でございます。

五十嵐委員 確かにメーン行は、DKBは追い貸しをむしろしているような状態だったということはそのとおりですが、その他の銀行についてはどうだったのか。あるいは、証券会社の窓口で実際に私の知り合いの中にもマイカル債を勧められたという人がいまして、日本では信託銀行がそれぞれグループ化して一般の銀行の傘下に入っていくという状況もあるし、あるいは、昔から証券会社とそれぞれ深い結びつきのある銀行もあるということで、幹事会社や発行会社、あるいは銀行というのはグルーピングができていてつながりがあるというところから、やはりそういうような疑いが出てくるということなんだろうと思います。

 ですから、そういうフェアネスを疑わせるような仕組みはつくるべきではないし、変えるべきだ、私はこういうふうに思うわけですが、それ以上に、要注意債権が一挙に破綻懸念先を飛び越して破綻してしまうということの問題点は多くの専門家が指摘をしてきたところであります。

 柳澤さんは、むしろこれは破綻懸念先以下の大口の不良債権をオフバランス化することが大事なんだとおっしゃってきて、日本の法律に従って、法令に従って、要注意先というのはそれなりの準備をしているんだからそれは大丈夫なんだ、むしろそういう心配は過大なんだということをおっしゃり続けてきたんですが、このそごうの破綻、それからマイカルの破綻によって、実は要注意先が破綻することこそ大きな問題を金融システムに与えるんだということはやはり証明されたということなので、そこで三十社問題というのが出てくるわけです。

 私は、それによって特別検査というのが今度行われるということは、まさに、今まで金融庁なり柳澤大臣が行われてきたことが軌道修正をせざるを得なくなった、要注意先債権のリスクを認めざるを得ないということなんだろうと思いますが、それについて、今までの方針に反省なり、あるいは変えなきゃならぬというところがあったのかどうか、そこを含めて御説明いただきたいと思います。

柳澤国務大臣 一般論として、マイカルの問題をちょっと離れまして議論をさせていただきたいのでございますけれども、要するにマイカルの場合、先ほどちょっと時系列的に申し上げましたとおり、金融機関の決算期の直前の当該貸出先の決算というのが債務超過になっていないというようなこと、あえて言えば市場の格付もそれなりに投資適格の物件であったというようなことが、次の期の直前に四段階も格付が下がってしまうというようなことの中で、資金繰り破綻を起こしたということが今回の事案であったというふうに私どもは、先ほども申したんですけれども、認識をいたしております。これは、私どもにとって非常にある種の衝撃でございました。

 この問題をどういうふうに銀行監督の立場から受けとめるべきかということを私ども考えたわけでございまして、結局、金融機関の検査という次元で、ちょっと自己査定を離れまして検査という次元で考えますと、仮に貸出先が二月、八月の決算だとしますと、我が金融庁の事務年度は七月から始まるんですけれども、新しい局長さんが来て、さあ検査をしましょうといって検査を例えば八月にいたしますと、どういうことが当該金融機関の検査対象になるかというと、当然三月末の決算でございます、金融機関のですね。そして、では金融機関の三月末の決算は貸出先の直近の決算である二月期の決算を反映したものになるかといったら、反映したものになりません。むしろ、その前年の八月の決算を反映したものしか我々の検査の対象の金融機関の三月末の決算には反映しないのでございます。それで、我々は八月にその決算が正しいかどうかというものを見る、そういうことになっている。

 つまり、もうざっくり言ってしまうと、我々の検査は、ある債務者にとっては一年前の決算を見ているということ、一年前の決算がどうであったかというものを見ている、そういうタイミングにならざるを得ないということなのでございます。これは本当に何かシステムを変えないと、とてもシステム的に問題を私ども解決できないということが思い知らされたわけでございまして、そこで私どもは、今回、特別の検査をして、特に市場の評価というものが非常に変わっているというようなものを中心に、そのものについてはむしろ銀行の決算をするときの、そのときの債務者の状況を市場のいろいろなシグナルでもって評価しようじゃないか、こういうことをやらざるを得なくなったということでございます。

 総じて申しますと、結局市場の力で破綻に至らしめる、至るということもあることを考えますと、やはり市場のシグナルというものにもっと金融機関も、また金融の検査もよく配慮をするということが必要だということが今回の反省といえば反省でございまして、私ども、そのことを今のタイムラグをどうやって縮めるかというふうにとらえまして、今回のような措置をとらせていただいたということでございます。

 先ほど、ちょっと市場のことについて何か軽視をするような話を申し上げたかのようにまた先生評された発言もあったんですが、私も決して市場のことを軽視しているつもりはもう毛頭なくて、市場のシグナルというものに対しては我々は敏感に対応していかなきゃいけないということでございますけれども、特に今回のマイカルの事案というのは、我々に、そうした決算とそれから金融検査の関係というものについて、随分衝撃的な問題提起であったということでございます。

五十嵐委員 今伺っていると、格付機関が四段階引き下げたからいかぬとかタイムラグがあるからしようがないんだというような話は、私はそれは反省になっていないと思うんですね。それは格付機関だって、情報産業ですから、情報をきちんと分析して、今までのがおかしかったということで直しているわけですから、むしろ、格付機関よりも情報を豊富に持っているはずのメーンバンクなり銀行が、金融機関側がちゃんと査定していなかった、ちゃんと査定させなかったということの方に問題があるんじゃないですか。

 それから、要注意先債権を過去の平均値で危険率をとってその引き当て率を決めるというようなことではやはりだめで、もともとそれは個別の引き当てをすべきだということなんだと思うのです。それは日本の会計原則上しがたいんだということであれば、会計原則を変えればいいんです。会計原則を変える力が金融庁にあるはずですから、おかしかったら現実に合わせて直す。現実に、国際的にはどんどん会計基準は変わってきているわけですから、それは変えるべきであって、そういう反省をまずすべきなんではないでしょうか。

 私は、何かのせいにするんじゃなくて、日本の金融機関、その査定が甘い、常に甘い、その甘さを認めてきたというところに問題がある。最初からいわゆる償却原資、これを逆算して、それで足りるところだけ、間に合うところだけこれを認定して区分していく、そして、足りない部分は五%未満の要注意先の引き当て率にとどめるということを意図的にしてきたんじゃないか、それを認めてきたんじゃないか。

 これからのことですけれども、特別検査をして、これは市場の言うことがやはり正しいなと思ったところについては、これは破綻懸念先に落としなさいということをやっていくんですか、それとも、要注意先だけれども個別引き当てをしなさいということにするんですか。その辺も含めて、方針を明確にしてください。

柳澤国務大臣 金融検査については、私も本当に今回のことで、反省が足りないとかと言われるような言は申し上げたくないのですけれども、それでも、若干のことを委員の先生方に正確に認識していただいて、その上で日本の金融システムをどうするかということをお互い考えていただきたいという気もしますので、率直に申させていただきますと、私は、金融検査と金融監督の間に日本の場合には非常に大きな問題がある。つまり、金融監督が許す範囲で金融検査もやらされているんじゃないか、先生が言ったのをこっちの言葉で翻訳すればそういうことなんですね。私は、それが旧大蔵省の一番の問題であったという認識を持っておったのです。

 したがって、私は、行政改革のときに、むしろ、検査が監督の一環であることは認めるけれども、ここは、その間に非常に疑いが差し入れられたんだから、検査の独立ということをやるべきなんだ、監督の思惑なんて関係なく、検査は本当に検査に専念して、自分たちの基準で厳しくやるべきだ、こういうことを主張した人間なんです。

 したがって、今、部内の指導においても、私は、そこのところにファイアウオールみたいなことをやって、今も、例えば検査結果通知というようなものも、監督庁長官が行政官庁としては出さなきゃいけないんじゃないかというような説もあったんですが、だめだ、検査局長の名前で出しなさい、あなたの判断なんだということを言ったくらいに私はその点に留意してきたつもりですけれども、事志のとおりにいかなかったということで、その点は申しわけないと思うのですけれども、しかし、そのくらい気を使ってはきたということだけはぜひ御理解を賜っておきたい、こう思います。

 結論で先生の御質問にお答え申し上げますけれども、私どもは、今度の特別検査の結果を踏まえて、まず、要注意先にランクされているようなものでも、破綻懸念先じゃないかというものについては、これは破綻懸念先におろすということにしたい、このように考えています。

 それからまた、要注意先にとどまるものについては、本当に実情に合った引き当てができるように、例えば市場のシグナルごとに区分をして、そうしまして、貸し倒れ実績なり、貸し倒れ実績に基づいて予想損失額というのを算定するのですが、そのときに本当に厳しい実績率が対応するはずなんですね。そういうことで、今回、本当に市場のシグナルに対応した引き当てが実現されるように、そういう格付の区分分けと申しましょうか、そういうものをやらせようというふうに考えておる次第です。

五十嵐委員 やはりもっと早くやるべきだった、要注意先はそれほど、不良債権の予備軍であるかもしれないけれども不良債権ではないんだというような甘い認識ではおさまらないんだということを改めて確認をしなければいけないと思うんですが、私は、もはやシステミックリスクが日本には迫っている、もう前夜であるというふうに思っているわけであります。

 ずっと、そういうような心配はないんだ、今の預保法の範囲内で大丈夫なんだということを柳澤さんはおっしゃってきたんですが、私は、もうそれでは済まないというふうに思っております。今でもまだ、個別の対応で済むのであってシステミックリスクということを心配する必要はないとお考えなのかどうか、もう一度確認をしたいと思います。

    〔委員長退席、佐藤(剛)委員長代理着席〕

柳澤国務大臣 システミックリスクというものについては、先生御案内のように、現在の我々の制度のもとにおいても、金融危機対応会議というものが開かれて、緊急措置でとられた再生法、健全化法の二法が定めておった諸措置がほぼ同じ形で実施できるということになっていることは御案内のとおりでございます。

 ですから、私どもは、もしそういう事態があらわれるというようなことになれば、これはもう本当に果断にそういった事態に対応していこう、このように考えているわけでございます。

 ただ、現実、今の姿はどうか。これは、徐々にこれから九月期の決算の姿が全体としてももっと明確になってくるわけでございますけれども、私ども、今度のような非常に株価が低い水準に至った、そういう九月末ではありましたけれども、不良債権の処理もかなり当初の予定よりも進むということを踏まえても、自己資本比率において一〇%台というか一〇%内外の比率になるということでございまして、今先生がおっしゃるような状況に至っているという認識は持ってございません。

五十嵐委員 そこが毎回違うところなんですが、結局、返さなければいけないお金である公的資金の注入、あるいは税金の繰り延べ、すなわち税効果会計部分を除いたコアの部分では、かなりもう自己資本は毀損されているではないか。かなり大きなところまで危ないという。

 さらに、それ以上に怖いのが、国債がため込まれ過ぎて、五年前、六年前は三十兆円程度だったのが今は六十四兆円ぐらい民間の金融機関は抱え込んでいると思いますが、まさに国債バブル状況で、これは非常に危険な状態だ。いつ長期金利が上昇して国債の暴落が起きるかわからない。現に十年債はもう全く売れなくなっている。そして、三、四年後には、これは過去小渕さんの時代に大量発行された五年債の満期が来る、借りかえ時期が来る。そして、その前の十年債のピークも実はそのころに来るんだということで、かなり国債バブルが破裂寸前まで膨れ上がっているということから見て、あるいは今の株価の状況、時価会計の本格導入、テロの影響というのを考えると、大変危険な状態にあると私は思うわけでありまして、今までのようなやり方で済むとは思わない。

 すなわち、この間一時的に効果はあったわけですけれども、これはやはり民主党が最初に提案をした、きっちりと経営責任をとらせる形での公的資金注入なりそういうシステミック回避の策でないと、経営責任をあいまいにしたままでの銀行に手を差し伸べる、銀行の経営者に甘い判断を下すというようなことではどうにもならないと私は思うんですが、時間がなくなってまいりました。

 これから先、一つだけ、もし優先株への配当ができないようなそういう銀行が出てきたとき、国の議決権を行使するのかどうか。前は必ずしも行使をしないよということが文書で流されたと思うんですが、これから以降は、きっちりと、むしろ議決権を行使するんだというような方向でなければならないと私は思うんですが、その辺のところはどうされるんですか。

柳澤国務大臣 まず議決権については、これは発生すれば当然行使するということでございまして、これは何かそうでないような理解があったかのような感なきにしもあらずですが、そういうことはございません。

 ちょっと転換権の方と混同されて受けとめられた面がありまして、転換権のことについては、先生には大変恐縮かと思うんですけれども、普通株をもって資本増強する場合に過少資本行にそういう措置が定められておりまして、それとのバランスからいって、やはり転換権というのは過少資本に陥ったときが原則ではないか、基本ではないか、こうなっていることとちょっと混同されて受けとめられていた節がある、こんなふうに思っております。

五十嵐委員 時間がなくなってしまいましたので海江田委員に譲りますけれども、今大変厳しい状況であるので、ぜひ銀行経営者というものにその責任をきちんと問うという形での金融行政が行われるように御要望を申し上げて、一たん私の質問を終わります。

    ―――――――――――――

佐藤(剛)委員長代理 この際、お諮りいたします。

 両件調査のため、政府参考人として財務省主税局長大武健一郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤(剛)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

佐藤(剛)委員長代理 次に、海江田万里君。

海江田委員 民主党の海江田でございます。五十嵐委員の質問に引き続きまして、短い時間でございますが質問をさせていただきたいと思います。

 先ほど五十嵐委員が冒頭に、柳澤金融担当大臣がきょう塩川大臣と閣議後お話をされていたということですが、恐らく、これは前段といいますかの話があって、その続きのお話ではないだろうかと私は思料するわけですが、その前段のお話というのは、塩川大臣、きのう総理官邸にお出ましになって、七時四分から八時二十六分まで、竹中大臣とそれから官房長官と古川官房副長官も入られて、一時間二十四分間お話をされているんですね。ここでどんなお話があったのか、まずそれを御紹介いただきたいと思います。

塩川国務大臣 それは新聞でお読みになったんですか。――そうですか。

 確かに一時間ちょっとお話ししておりましたけれども、これは、総理が実は補正予算の考え方についてちょっとまとめたいと思うので来てくれぬかという要請がございまして、それで、それだったら官房長官も竹中さんも入った方がいいんじゃないかと私は言って、それであんな四人で話し合っておったのでございますが、主体は、そのうちの前半は、あなたはG7に行って詳しい話をまだしておらぬからちょっと一回聞かせいというのが主体になってしまいまして、各国の蔵相と個別で話した話とかやっておった。

 それから、補正予算はどうするんだという話で、大体、補正予算の各省から出てきておる要求は整理してきておると。しかし、大きい項目は、金額的に大きいもので、しかし非常に多方面にわたって出ておるということ、これは非常にいいことだと思うので、そういうふうなものはできるだけ全部つけていきたい。金額は不足かもわからぬけれども、少しずつでも、ちょびっとずつでもつけていって発足させていくということが大事だと思うのでそれをやっていきたいということで、その中身をちょっと例示して話をしておりました。

 それと同時に、為替と株の話も出まして、為替は大体現在百二十円から百二十一円になっておるということでございまして、あなたとしてはどうするんだと。私は、別に深い野望とかそんなものは持っていないけれども、もう少し安くてもいいんじゃないかな、円安でもいいんじゃないかなという感じがするということを申し上げたんです。

 それからもう一つは、総理の方から、実は同時不況というものを皆やかましく言われているが、これに対して日本自身もその対応を考えておかないかぬなという話があって、もちろんそうだと。そこで、竹中さんもいろいろと意見を言いまして、私は、これは同時不況だとかテロ事件だとかいうこととは別にした問題としても、我が国自体の問題としても何らかの方法をやはり考えないかないと。それには、一つは、税制の問題が大きいと思うので税によるところの経済刺激というものも考えてみたいけれども、しかし証券税制並びに連結納税の制度等をしくとなってくると、もう税で誘導していく、インセンティブをつけていく幅というものはなくなってきたので非常に残念だが、いろいろなことを考えてみたい、そういうふうな話だった。

 そこで、何としても、補正予算と相並行して、今度補正予算の時点において構造改革の具体的なもの、規制緩和とか、いわば特殊法人等に関するそういう構造改革に関するものは、これは全部世界にアピールするようにしていこうと。そうでないと、やはり幾ら財政的に措置をしてもなかなか日本の経済のいわゆる質的転換が図れないので、そういうことをしようじゃないか、こういうことを話した、こういうことであります。

海江田委員 御丁重にありがとうございます。

 今のお話を伺いまして、幾つか私もまた質問してみたい項目ができまして、一つは、三十兆円枠でございます。

 所信表明では、総理は、大胆かつ柔軟にというようなお話もしていましたし、片一方で、やはり三十兆の原則はしっかり守らなきゃいけないというようなこともありましたけれども、今回特に、各省庁から上がってきましたその要求を、額は当然縛りはあるけれども多方面にという話もありますので、この三十兆の枠は、もう外すというようなことを大体きのうの話し合いで腹を決められたというふうに理解をしてよろしゅうございますか。

塩川国務大臣 それは海江田さん、早とちりです。そんなことは言うてない。この基本方針は変えておりません。

 ただ、税とかいろいろなものでインセンティブをつけていけるじゃないか、それによって経済の刺激を積極的にやっていこう、その中心はやはり構造改革なんだという考えです。

 それで、三十兆円の原則は崩すつもりではございません。誤解しないでいただきたい。

海江田委員 三十兆の原則は崩すつもりはないということですが、今回のこの臨時国会での総理の発言というのを聞いていますと、大胆かつ柔軟にというような言葉も初めて出てきていますし、ここはやはり何らかの決断といいますか、何らかの方針の変更があるんではないだろうかと私は考えるわけでございますが、これはこれ以上についてお話は出てこないと思いますので、私は、もう既に、少し早とちりかもしれませんけれども、きのうの話し合いでそういうことも当然話し合われたんじゃないだろうかというふうに思うわけです。

 あともう一つ、やはり今回、テロ対策の特別委員会もつくりまして、今同じ時間帯でやっているわけでございますが、このテロ対策の支援の問題、これはどうなんでしょうか。今度の補正に入れ込むのか、あるいはそれとはまた切り離しをしまして、一部には第二次補正だというような声もあるわけでございますが、ここの話はいかがでしょうか。

塩川国務大臣 テロ対策に関連する資金でございますが、これはまだ具体的に出てきておりません。

 アメリカの方も、どういうぐあいになるかということの見通しも実は持っておりませんし、ただ、アメリカで言っていますのは、とりあえず四百億ドルの戦費は調達した、さらに、経済が下降状態にある中においてこの事件が起こったので、心理的にさらに突っ込んでいってしまっては困るので、追加的な財政措置は若干したいと。金額幾らというようなこと、はっきり言いませんでしたけれども、そういう財政措置はしたいということがアメリカの財政当局の話でございました。

 それに対しまして、ほかの国の方、私聞いてみましたら、いや、全然考えていない、こういう話でございますし、戦費負担、そんな話も全然ないよという話でございました。だから、全く予測が立たないというところでございます。

 したがって、これからの推移というのは、見てからでないと返事はできないと思っております。

海江田委員 湾岸戦争のときのいわゆる戦費の一部負担という話では全くありませんで、私が言っていますのは、例えば自衛隊が海外に出ていくとかいうような話になれば、これはやはりそれなりの資金の手当ても必要になってくるわけでありまして、従来の自衛隊の防衛関係の予算の中にはそういうものは全く含まれていないわけでございますから、そういうことも含めた、今回のテロ問題をきっかけとしました財政的な裏打ちというものをどの時点でやるのかということでございます。

塩川国務大臣 まだその程度のことでしかわかりませんが、それは予備費で充当できる範囲内でございますので、それでやっていきたいと思っております。

海江田委員 予備費は三千六百億円だということはもう決まっていますし、公共事業予備費を持ってくるわけにはいきませんし、それから、ただでさえも二兆六千億ぐらいしかのり代がないわけで、これは国債の発行額でございますが、非常にタイトなものになるということは十分認識をされていると思います。

 あと、今、税制の経済刺激の話。きのうの総理との話でお出になったということですが、塩川財務大臣は、この税制、とりわけ証券税制については、これは総理に何日か前に御進講をされて、いわゆる期間限定、株お買い得というような、これは新聞のタイトルでございますけれども、株式の購入に優遇税制を設けなければいけない、それも二年ぐらいの間でというようなお話をされていますが、その中身はどんなものなのか。それから、総理はどういうふうにそれに対して反応されたのか。改めてお聞かせいただきたいと思います。

塩川国務大臣 株式のインセンティブにつきまして、今まで政府税調並びに党内の税調の議論は、売ったときにどういうふうにインセンティブを与えるかということが、それが株式を、市場を振興する一つの手段である、こういう議論が多かった。私は、それじゃ即効性がないんじゃないかと。今買うたら得だっせというやつをやらないと即効性が出ないんじゃないか、私はそう思うた。ですから、今買ってくれたら、何年かたってからもうけてもそれは税金取らぬという発想を考えたわけでして、それを党の幹部の方々に相談しまして、そういう考え方もあるなということでございました。

 そこで、今回、税制改正を三つの柱にいたしました。

 それは、従来、平成十五年の四月一日以降は禁止されておるところの両立て、両立て、わかってくれますね、申告制と源泉と、これを一本化するというやつを、これを十四年の十二月で切っちまおう、十五年一月一日からもう廃止やと。こうして統一するということをしました。そのかわりに、暫定的に税率を二〇%にするが、それにさらにおまけつけて、暫定的に一〇%引き下げよう、これを一つ決めたわけです。

 それからもう一つは、従来からやっておりますところの、百万円までの少額譲渡益に対しては課税をしない、これは原則置いておくということ。

 それからもう一つは、先ほど言いました、今買ってくれた、つまり、この税制の法が施行されてから以降において一年間、つまり来年の十二月末までの間に、十四年十二月末までに買ってもらって、一千万円以内で買って、それが二年後において売った場合、そのときの利益があっても税金は課税しない。

 大ざっぱな話でございますが、そういう制度を一括して今審議してもらっておるということでございまして、今、財務省の中で法案の作成に努力しておると思っておりますが、法律的な用語は私ちょっと使いにくいのでわかりませんが、大武局長来ておりますので、中身は聞いてもらったらわかると思います。

海江田委員 大武局長から聞くのは後で、お二人は早目に退席をされますので、私もそれでいいということにしましたので、その後でお尋ねをします。

 それから、この法案自体はこれから出てくるわけでございますから、少しじっくり時間をかけまして当委員会でも議論をさせていただきますが、確かに、売ったときの話ばかりしても、第一、もうけが出なけりゃ話にならないわけでありますから、今までの税制の話は。今のような状況では、これはもうけなんかとてもじゃないけれども出るわけもないわけで、その前段の、買ったときの話も考えなければいけないというのは、一つの考え方であることは確かであります。

 あともう一つ、考え方でいえば、保有のときの話もこれは考えなきゃいけないことは確かでありますよ、ずうっと持ち続けた場合というのは。持ち続けた場合というのは、特に出てくるのは相続税の問題が出てくるわけで、そこがないと、本当のことで言うと、買ったとき、売ったときですけれども、その間に実は保有のときの話もあるのであります。

 これはまだ党でも全く議論していませんので、これから法案が出てきたらじっくりと、本当に時間をかけて議論をさせていただこうと思いますが、今のいろいろなアイデアを塩川財務大臣は総理に対してお話しになっているようですが、保有のときの話もあった方が、その意味で言うといいのではないだろうかというふうに私は思うのです。中身については、まだいろいろな考え方がありますので、今ここで詳しく闘わせるつもりはありませんが、その保有のときの話というのは、少しお考えになっていますか、アイデアがありますか。

    〔佐藤(剛)委員長代理退席、委員長着席〕

塩川国務大臣 私は、今まで日本人の財産感覚というものは、何でも不動産、特に土地でしたですね。あの人が金持ちか、ええしか、資産家かという基準は、土地を持っているかどうか。だから、銀行も質屋みたいに土地の値段だけ踏んで貸しておった。事業なんか関係ないというような、そんな貸し方が多かったですね。これは私は、やはり現在の経済価値観を変えてもらわないかぬ。それにはもっと証券に重点を置いてもらわないかぬと思います。

 そうであるとするならば、証券に対する相続税の対策も、やはりもう一段現実的なものに変えていかなきゃいけないんじゃないかと思っておりまして、これは将来の問題としてどうぞ研究しておいてください。私らも一緒に研究してみたいと思うておりますが、今のところ、どんなにするかということは全くわかりません。わかりませんが、しかし、相続財産は、何か土地ということに焦点を合わせておりますけれども、私は、有価証券なんかの相続評価というものも大いに考えてもいいんじゃないかと思ったりしております。

海江田委員 柳澤金融大臣にも先ほどからお座りいただいて、特に五十嵐委員とのお話を注意深く聞かせていただきました。

 きのう、きょうと株が上がっていますね。きょうはアメリカの株高もありまして一万円を午前で回復をしたようでございますが、きのうは特に銀行株が上がっているんですよね。その銀行株が上がった理由は何だろうかということで、幾つか私も市場の関係者なんかにも聞いてみましたら、やはり先ほど五十嵐委員との話の中でありました、森長官がきのう記者会見をやって、そして要注意先の債権、特別検査に入って、ここをしっかりと破綻懸念先などに、もちろん実情に応じてでありますけれども、資産区分の変化をやる、適正化をやるというようなことが随分、いよいよこれで本格的な不良債権の処理に本腰を入れ始めたのではないだろうか、このように評価をされて銀行株が上がったんだというような評価を聞いたものですから、こういう見方というのはどうですか、当たっているんですか。どうですか。

柳澤国務大臣 株式の相場がどのように決まるかということは、非常に難しい複雑な要因で決まるようでして、私ども外側の者からすると、トータルにもやはりなかなかはかり知れないものがあると言わざるを得ないと思いますけれども、もし今先生が御指摘のようなことが事実でしたら、大変我々、今度、先ほど来の話題になったところで、すごく私どもタイムラグがあるわけですね、検査などとの間で。それを、市場のシグナルを一つの契機にして非常にアップデーテッドな評価をする、しかも、それを十分参考にさせていただいて評価をさせてもらうという体制ができ上がったことがもしそういう要因の一つであれば、それはそれなりに私どもとしてはありがたいと思います。

海江田委員 これは、実は九月十一日にテロが起きまして、平均株価、日経平均ですけれども一万円割れを起こして、一万円割れを起こしてそこで先ほどもお話に出ましたマイカルの破綻が起きまして、マイカルの破綻が起きたことによって、実はあの翌日、株は上がっているんですね。

 それもやはり市場の評価というのは同じで、いよいよマイカルの破綻が始まって三十社問題に手がつけられる。とりわけ、やはりマイカルが実際に破綻をしましたから要注意先が、これが破綻懸念先とか、資産の厳密な区分もこれから行ってくるだろうということで、あそこで一回株が上がっています。

 私は、今市場が構造改革、とりわけ不良債権の処理に本格的に取り組んでいるかどうかということを見るメルクマールというのは、やはり要注意先をきちっと厳格な査定をするかどうかということにかかってくると思うんです。当然、厳格な査定をすれば、そこに見合うだけの引当金の積み増しをやらなければいけない。厳格な査定をやって、そしてきちっと引当金の積み増しをやる、ここまでセットになっているわけですね。

 これもこれから法案が出てきたところでじっくりと議論をさせていただきたいわけですけれども、例のRCCの不良債権の買い取りで、今は弾力性を持たせようという表現ですが、実際には、これは与党でたしかきのう、まとまったんですか。きのうかきょう、まとまったはず。たしか速報できょうまとまったのかな、やっておりますけれども、あれは要するに実質簿価で買い取りをするという話ですよね。実質簿価というのは……(発言する者あり)時価でね、では時価ならいいんですけれども。

 ただ、この場合も、やはり弾力性という話から出てくる話だと、私は、やはりこの問題が一番懸念される点というのは、せっかく金融機関がそういう意味でしっかりとした引当金の積み増しをやろうというときに、その時価の評価にもよりますけれども、本当に厳正な時価の査定をやりませんと、簿価と時価なんというのは大体二十分の一ぐらいだなんという実例もあるくらいですから。

 だから、そこのところで時価で仮に、実質簿価という話だったら大問題だったんですが、時価でも、やはり弾力性を持たせるというところからきている時価だということだったら、これはやはり中問題は残るわけであります。そうすると、結局、金融機関のそうしたしっかりとした査定をやって、そして引当金をしっかりと積み増しをしようというところに逆行しやしないだろうかということが、私は大変大きな懸念として今でも持っているわけでございますから、やはりこの点に関する柳澤大臣の御見解を御披瀝いただきたいと思います。

柳澤国務大臣 今、与党の方からも海江田委員の御質疑中にも声が出ましたけれども、全く時価ということでございまして、それも公正な時価と、多分法律上は公正という言葉も入るのかなと、私どもちょっと今わきから見させていただいているような感じですけれども、そんな感じでございます。

 それから、弾力化ということが、多分、海江田委員はおわかりになった上で、少しお立場上そういう見方ができるということで言われたんだと思いますけれども、最初に我々は弾力化という表現を、こっちをまず最初にしたわけです。

 それはどういう意味かというと、海江田委員も御存じのとおり、RCCが今実際買い取りをしている五十三条買い取りの価格というのが、五十六条で価格が規定されているわけですが、その解釈として、もう極めてリジッドに、超保守的に、一本一本の債権で絶対に国民負担を必要とするような値段ではないものにしようというので、もうほとんど特殊な背景のある債権以外は持ち込まれることがないという状況になっている。

 これではやはりちょっと、不良債権を二年、三年で処理するということとの見合いからいっても、もうちょっとRCCにも働いてもらう必要があるではないか。こういう考え方で、買い取り価格について弾力化ということで、例えばバルクで、一銀行一回で買うときには、その債権一本一本について損が絶対生じないということよりも、この債権では生じちゃったけれども、こっちは余りが出てそれが補てんされるというように、一つバルクで見る見方ぐらいまでいったらどうかというのが当初弾力化ということで考えた案であったわけです。

 むしろ、法律改正をしないで読めるぎりぎりの範囲はどういうところだろうかというような意味もあって弾力化ということを言ったんですけれども、今、党側でも与党三党で考えてくださっているんですけれども、いや、それではやはり動かないんじゃないかというようなことの中で時価という考え方が出てきたということで、時価が弾力化するんじゃなくて弾力化の先に時価があったということですから、時価が妙な形で弾力化されるということは、これは全く考えられないということを私の立場からも申させていただきたいと思います。

海江田委員 時価が弾力化じゃなくて、弾力化が時価だというようなお話もありましたけれども、卵が先か鶏が先かみたいな話でございますが、やはり流れからいえば、弾力化があって、しかも、さっき私は口走りましたけれども、実質簿価という話もあったわけですよ、これは。それが、それではとてもじゃないけれども耐えられないよというような話から、また時価という話になってきたんだろうと思いますから。

 もちろん、これから国会で、議員提案になるのかどうなのかはこれからの先ですからわかりませんけれども、やはり流れからいくと、それはやはり公的資金の注入という話になって、これは公的資金の注入ということになると柳澤大臣は顔色が変わるわけでございますが、やはり公的資金の注入といいますか、あるいは公的資金の使い方というところから、資本が毀損をしてそこに資本注入するという、これがやはり正道、王道なわけですけれども、それこそ本当に実質簿価なんというような話になれば、そして差額が、実際の引き当てを差っ引いた後と、しかも時価とのところが、これは当然、何らかの形で公的資金による一種の金融機関に対する補助金だとか、こういうようなやはり批判もあるわけです。

 ここの問題は、これから本当に出てきたところでじっくり議論をしなければいけない問題でございますが、やはりもう既に、先ほど来お話をしておるような弾力化から、実質簿価とかあるいは時価という流れの中で、どうしてもここのところを、それこそ厳格に計算をしてくれた方がよかった。そこをどうしても緩めよう緩めようという動きがあるんで、これはやはり厳に慎まなければいけないということを、今のうちからそういうことを皆さん方にお訴えをしておくということ。

 それから、先ほどの株式の税制の話ですけれども、私は、金融大臣には前からお話をしているんですけれども、やはり証券市場の信頼性といいますか、ここを高めることが非常に大切なんじゃないだろうかということです。

 東証の正会員協会というところの調査をやりますと、これは調査時期は平成十年ですから若干古いんですけれども、個人投資家の証券投資に関するアンケート調査で、株式を持っていないという人の中で、何で買わないのかということを聞きますと、株式投資に悪いイメージを持っているからという人が四四%もいる。では、株式投資に対する悪いイメージは、何でそういうイメージを持っているのかということでいいますと、証券会社の株式営業は必ずしも顧客の利益を第一に考えているとは思えないためというのが八一・八%とか、それから、インサイダー取引など取引に不透明性が感じられるためという人が五〇・〇%とか。やはりこういうような人たちがいる限り、これだけ多くの人たちがいる限り、また別な証券では、平成十二年度証券貯蓄に関する全国調査で、証券広報センターが行った調査によると、株式購入の条件ということで、条件に関係なく株式購入は考えていないという人が七六・三%もいるとか、こういうことがある限り、私は、多少税制をいじったところで、さっき塩川大臣は、とにかくまず買わせなきゃいけない、そこから先に売った話だとかという話ですけれども、それ以前の話なんですよね。

 だから、そういう点について、証券業協会の自主規制というようなことを随分おっしゃっているようですけれども、私は、やはり業界の自主規制というものだけでは事態が一向に改善していかないんじゃないだろうか。証券等取引委員会の年次報告も見せていただきましたけれども、もう十年ぐらい前の報告じゃないかと思われるくらい本当に悪質なといいますか、旧態依然の体質があの報告書の中にありありとなっている。やはり私どもは、法案も準備をしました日本版SECでありますとか、もっと厳しい監督機関というものが必要なんじゃないだろうか、そのように考えるわけですけれども、いかがでしょうか。

柳澤国務大臣 私もそのアンケート調査の結果を見まして、ちょっと愕然とした記憶もございます。確かに、税制を改正したって我々は株式、証券市場にはもう近づきませんよというような意向を持っていらっしゃる方々が本当に多いということでございます。

 これでは本当に困るわけでございまして、私どもとしては、何とか、信用、信頼向上のためのインフラを整備して、信頼をいただく証券市場というものをつくっていかないと、せっかくの税制改正が行われてもほとんど効果が出ないということで、本当にこの問題には取り組んでまいりたい、こう思っております。

 いろいろなことがあるんですけれども、私は、やはり一時期の証券市場の混乱というようなものの後で、証券会社、特にブローカレッジファームのビジネスモデルが本当にちゃんと構築されていないんじゃないか。一体、セールスをどうやってやるんだというようなことでも、しっかりしたセールストークすら確立されていないというようにも見受けておりまして、私が今言っているのは、もっとビジネスモデルというのはしっかりしたのを構築しなさいよということを言っておるわけでございます。

 それと同時に、いろいろな行政処分というようなものが、先生は監視委員会のリポートも読んでいただいて、御感想をお持ちだということですけれども、これがもっとオープンにされるということが私は必要じゃないかと。あの会社はしょっちゅう処分を受けているよとか、そういうことで、それがマーケットで自然に評価をされて、どの会社が信頼される会社なんだというようなことで格差がついていくということも必要でしょう。

 それから、いろいろな苦情相談があるわけですけれども、この苦情相談もオープンにする、みんなの共有の財産にするということになると、セールスマンがいろいろのことを言った場合も、あなた、それ苦情の対象になったとこの間ありましたよみたいなことをお客さんから言われるというようなことも、しっかりしたマーケットをつくっていく上で、小さいことかもしれませんけれども、そういう必要があるんではないかというようなことを考えたりいたして、ここに、構造改革のリストの中に入れさせていただいているわけでございます。

 いずれにせよ、これから本当にしっかり、直接金融というものに移行していかなければいけないという時代の要請というか、そういうものもあるわけですから、それにこたえられるようなマーケットをつくっていくということに、さらにいろいろな方のお知恵もいただきながら、本当に全力を挙げていきたい、こういうように思っております。

海江田委員 どうぞお引き取りいただいて構いません。

 ただ、この証券市場の話は、先ほど柳澤大臣から苦情処理なんという話もありましたけれども、実際には、苦情処理を業界の自主団体にやると、返事が返ってくるのは証券会社からの返事が返ってくるわけで、それは当然、苦情で相対している相手からですから、そんな前向きな話が返ってくるはずもないわけで、やはりそういう問題もこれは改めていかなければいけないと思うわけでございます。

 証券税制のことにつきまして、主税局長、先ほど大臣は、買ったとき、もうかるから買いなさいというような形で買わせなきゃいけないような話をしていましたけれども、具体的に、今お話が主税局の方に投げられて、主税局でどんな、そのほかの従来からあります話というのはわかっておるんですが、その塩川大臣の話を受けて、二年間、もっと、いや、それは譲渡益を全く非課税にするよとかいうような、かなりアバウトな話なんで、何かそういう検討が進んでおるのかどうなのか、お聞かせいただきたいと思います。

大武政府参考人 お答えさせていただきます。

 塩川大臣が申しました話は、政府税制調査会の金融小委員会の中でも、具体的ではないんですけれども、保有重視というのがうたわれておるわけです。

 それは、やはり証券市場の構造改革に資する税制のあり方については、市場の透明性や信頼性の向上と整合的な方向を目指す。そして、金融のあり方の切りかえとの方針に照らして、証券市場のすそ野を拡大すべく、一般の国民による株式の長期安定的な保有を促し、厚みのある市場形成に資することが重要である。したがって、売買ではなく保有に着目した見直しを検討することがむしろ重要というようなことが、実は金融小委員会でも言われてまいりました。

 したがいまして、先ほど大臣が申しました十五年一月からの申告分離課税の一本化に際しましても、税率の引き下げを、特に一年以上保有する者については三年間にわたって一〇%の申告分離課税にするというような制度を入れて、少しでも長期保有をという観点を入れ込んでいます。

 それに加えて、先ほど塩川大臣の申しました緊急かつ異例の措置として、この法律、今準備させていただいておりますが、成立してからその後十四年末までに購入いたしました、一応購入額では一千万円までの上場株式につきまして、二年間保有をしていただく、二暦年保有していただくということを要件といたしまして、譲渡益を非課税にするというような構想で考えているということでございます。

海江田委員 そういうアイデアもあるんでしょうけれども、ただ、やはり証券税制、これはまあ証券税制だけじゃありませんけれども、税制一般をやはり非常にわかりやすく、簡素化でありますとか透明性でありますとか、そういうのが非常に大切であります。

 今のお話ですと非常にわかりにくいといいますか、その時期に一千万円まで買ったもの、これをいつ売ろうと構わないよ、譲渡益、構いませんよという話なんでしょうけれども、どうもこの間の株式の、とりわけ証券税制、譲渡益課税というのは、この十月一日から例の売却をしたときの売却益の百万円の非課税の話もスタートになって、あれなんぞは決して株を持ってくださいという話じゃなくて、要するに九月三十日の決算まで株を売らないでくださいよという話にほかならない。十月一日ですから。法律が決まったのが恐らく四月か五月ぐらいだったと思いますけれども、半年ぐらい、周知徹底期間だというんでしょうけれども、要するに九月三十日までに売ってもらっちゃ困るから、九月三十日以降に売ればそれこそ百万円利益が出たってそこには税金かけませんよとか、そういう、びほう策といいますか、非常にわかりにくい税制ばかりでございますので、今聞いたお話というのも、全体の中で果たして本当にどういうことなのか。

 特に、そうすると、来年一年間なら一年間だけはすっぽりと、先ほどお話があった源泉分離と源泉分離を廃止してという話と、今度の申告分離に一本化するという話と、どういうふうに整合性がとれるのか。私が今聞いても余りよくわからないくらいですから、一般の投資家はほとんどおわかりにならないんじゃないだろうか、そんなようなことを大変私は不満に思っております。

 やはりもっとしっかりとした条件、証券税制というものを確立すべきではないだろうか、そのように思っているところでございますので、これは、あとはどなたにお尋ねをすればいいのか、もう最後にしますので、今そのような話を受けて、今後証券税制に取り組む基本的な姿勢というものをお答えいただいて、それで、少し時間がございますが、もう大臣も席を立たれましたので私の質問を終わりたいと思いますので、どうか最後にその証券税制について基本的な考え方、これをぜひお教えいただきたいと思います。

村田副大臣 海江田先生が御指摘の事項でございますが、臨時国会で処理していただく、そういう事項も含めまして、年度改正マターも宿題が残っておりますものですから、そういうところも今後要望して、しっかりとした証券税制にしてまいりたい、こういうふうに考えております。

海江田委員 どうもありがとうございました。

山口委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後二時十四分散会




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