衆議院

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第10号 平成13年11月27日(火曜日)

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平成十三年十一月二十七日(火曜日)

    午前十時三分開議

 出席委員

   委員長 山口 俊一君

   理事 伊藤 公介君 理事 奥山 茂彦君

   理事 佐藤 剛男君 理事 根本  匠君

   理事 海江田万里君 理事 中川 正春君

   理事 石井 啓一君 理事 鈴木 淑夫君

      大野 松茂君    倉田 雅年君

      小西  理君    坂本 剛二君

      七条  明君    砂田 圭佑君

      竹下  亘君    竹本 直一君

      中野  清君    中村正三郎君

      林田  彪君    牧野 隆守君

      増原 義剛君    山本 明彦君

      山本 幸三君    渡辺 喜美君

      五十嵐文彦君    生方 幸夫君

      江崎洋一郎君    河村たかし君

      小泉 俊明君    佐藤 観樹君

      末松 義規君    永田 寿康君

      長妻  昭君    谷口 隆義君

      若松 謙維君    中塚 一宏君

      佐々木憲昭君    吉井 英勝君

      阿部 知子君    植田 至紀君

    …………………………………

   議員           相沢 英之君

   議員           津島 雄二君

   議員           金子 一義君

   議員           塩崎 恭久君

   議員           根本  匠君

   議員           谷口 隆義君

   議員           石井 啓一君

   議員           小池百合子君

   財務大臣         塩川正十郎君

   国務大臣

   (金融担当大臣)     柳澤 伯夫君

   内閣府副大臣       村田 吉隆君

   財務副大臣        村上誠一郎君

   財務副大臣        尾辻 秀久君

   財務大臣政務官      中野  清君

   財務大臣政務官      林田  彪君

   政府参考人

   (金融庁監督局長)    高木 祥吉君

   政府参考人

   (法務省大臣官房司法法制

   部長)          房村 精一君

   政府参考人

   (国税庁次長)      福田  進君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議

   官)           鈴木 直和君

   参考人

   (預金保険機構理事長)  松田  昇君

   参考人

   (株式会社整理回収機構代

   表取締役社長)      鬼追 明夫君

   財務金融委員会専門員   白須 光美君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月二十七日

 辞任         補欠選任

  小泉 龍司君     小西  理君

  中村正三郎君     坂本 剛二君

同日

 辞任         補欠選任

  小西  理君     小泉 龍司君

  坂本 剛二君     中村正三郎君

    ―――――――――――――

十一月二十二日

 共済年金制度の堅持に関する請願(岩屋毅君紹介)(第四八九号)

 同(森英介君紹介)(第五〇八号)

 同(岡下信子君紹介)(第六〇〇号)

 計理士に公認会計士資格付与に関する請願(鈴木宗男君紹介)(第五六〇号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 金融機能の再生のための緊急措置に関する法律の一部を改正する法律案(相沢英之君外七名提出、衆法第四号)




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     ――――◇―――――

山口委員長 これより会議を開きます。

 相沢英之君外七名提出、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、参考人として預金保険機構理事長松田昇君、株式会社整理回収機構代表取締役社長鬼追明夫君及び日本銀行総裁速水優君の出席を求め、意見を聴取することとし、政府参考人として国税庁次長福田進君、金融庁監督局長高木祥吉君、法務省大臣官房司法法制部長房村精一君及び厚生労働省大臣官房審議官鈴木直和君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

山口委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山本明彦君。

山本(明)委員 自由民主党の山本明彦であります。おはようございます。ただいまから金融再生法について順次質問をさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。

 前回の本委員会の中で、我が党の渡辺喜美先生が提出をされました資料があります。「株価百円以下の企業」という一覧表なんですけれども、これを見させていただきまして、平成十三年の十月二十三日の終わり値ベースから十一月十六日の終わり値ベースまで書いてあるんですけれども、百円以下の企業が最初九十七銘柄だったのが、十一月十六日には百二十八銘柄にふえておる。五十円以下では、十八銘柄から二十四銘柄にふえておる。この資料を拝見いたしまして、こんなに今、日本の企業というのは大変なのか、そしてまた、こんなに速いスピードで悪化をしているのか、そんな感じをして見させていただいたところであります。

 ことしの九月のマイカルの破綻におきましても、破綻懸念先に分類されていなかったのに破綻した。そうしたことで、金融庁の調査が少し甘かったのではないだろうか、そんな批判もあったところであります。

 しかし、今の資料を見させていただいてわかりますように、これだけ速いスピードで企業の状況が変化しておったのでは、金融庁としてもなかなか決算期だけの調査では把握ができなかったのではないだろうか、そんなふうに予想するところであります。このマイカルの事件に懲りたというんですか、これを契機にして金融庁の特別検査が始まった、しかもこれが本腰を入れて始めた、こんなふうに予想するところであります。

 ぜひ金融庁には頑張ってもらいたいところでありますけれども、この特別検査を徹底的にやればやるほど不良債権がふえて破綻懸念先がふえてくるということは、当然これは予想をされるところであります。

 きょう、ずっと連日新聞に載っておりますけれども、銀行の九月中間決算の結果、今年度の予想が載ってありますけれども、きょうの新聞を見ましても、「大手十四行の不良債権処理損六兆円超す」、このように書いてありまして、「大半が自己資本の一部である法定準備金を取り崩すなど、体力ぎりぎりの不良債権処理を迫られる」と書いてあります。

 三井銀行の頭取は、意図的に倒産に追い込むことはないが、法的整理は当然出てくるであろう、このように述べておられます。大変、これからいわゆる破綻会社が続出をするような、そんな心配をされるところであります。

 金融庁の特別検査が始まる中で、金融庁の姿勢を織り込んだと見られる、このように書いてありましたけれども、そうした意味で、金融庁が行っておることの結果が今あらわれてきておる、これはねらいどおりと言うとおかしいのですけれども、そうしたことかな、そんなふうに判断をするところであります。

 こういうような事態になっていきますと、先ほどの渡辺喜美先生のいつも言っておみえになります産業再生委員会の設置も必要になってくる、こんな時代も来るかもわからない、そんな気もするところであります。

 こうした危機的状態におきまして、やはり最低限急がなくてはならないのは、小泉総理が公約としておられます不良債権の早急な処理だと思います。

 改革先行プログラムにおきましても、不良債権処理の強化と金融活性化の中でRCCによる不良債権処理と企業再建を図ることとあり、RCCによる不良債権の処理を明記しておるところであります。

 ただ、特別検査の実施により、先ほど申し上げました破綻懸念先の企業が増加して不良債権が増加、そして銀行のオフバランス化による自己資本比率が低下、その銀行のてこ入れのために公的資金導入、こんな図式になってくるとまた国民の信頼が損なわれる、そんなふうに思っております。

 その中で、二十一日の速水総裁の記者会見で、何かが起こったときには公的資金の可能性が全くないとは言えない、このように記者会見で述べておられまして、公的資金の導入も視野に入ってきておるのかな、こう思いますけれども、やはりこうならないようにこれから対策が必要ではないか、そんなふうに思うところであります。

 そこで、そのためにやはり不良債権の処理を迅速に適正に行うことが大切だ、そこで今回の金融再生法の改正ということになったと思いますけれども、御質問いたしますが、RCCは今でも不良債権の買い取り、回収をしてきておるところであります。今回、この新たに金融再生法を改正しようという法案を提案された趣旨について、まずお伺いをしたいと思います。

    〔委員長退席、奥山委員長代理着席〕

相沢議員 御案内のとおり、不良債権の整理を促進しようという一つの大きな方針があるわけであります。ただ、不良債権の整理を促進するに際して、これは、従来のように、民間のサービサーと並んでRCCが不良債権を取得して、それを管理処分するということだけでいいのかという問題もございます。できるだけ企業の再生につなげていくことが必要じゃないか。

 それから同時に、これは三年前のこの法律、金融再生法の制定当時の経緯がございまして、RCCが買い取る価格につきましては時価よりも低い価格、つまり、買い取ったRCCとしては絶対に損をすることがないような価格で買うということになっております。

 これはRCCの内規でありますけれども、原則として評価額の四〇%引き、また暴力団絡みのものはさらに三五%引き、それから管理処分の間に至るところの経費を見込んでさらにそれから一五%引きというようなことで、結局、相当低い価格で買う。実際問題といたしまして、過去において買い取りましたところの健全銀行の不良債権の簿価約一兆円余りに対して、四%以下というような買い取り価格になっているわけであります。

 そこで、その買い取り価格についても、やはり時価で買うということが適正なんじゃないかということで、まず時価で買い取るというふうに改めると同時に、従来は申し出によって買い取るということになっておりましたのですが、これは入札に参加することができるように改める。そうなりますと、従来もバルクセールに応ずることもできたんですけれども、入札に参加することになるとそのことも可能になってくる、これが一つ改正のポイントであります。

 それからもう一つは、さっきもちょっと触れましたが、買い取った債権についてただ管理処分をするということだけではなくて、これを企業の再生につなげるということができるようにしたい。そこで、新たにそういうことに関する条文を起こしたのでございます。

 実際問題としては、RCCの中に企業再生本部をつくる。これは十一月一日につくったようでありますが、そこで大体四、五十人の人を集めて企業再生に関する戦略を練る。同時に、買い取った債権の処分に関しましては、企業再生ファンド、これはRCCの中につくるわけじゃありませんが、企業再生ファンドというものをつくってそこで再生に取り組んでいただく。

 当然、このためには金が必要でありまして、それは産投からの五百億の出資というものを受けて、そして政策投資銀行がそれに五百億を足して約千億の出資をする、それに当然民間からの資金協力等を仰ぐということで、四千億ぐらいの規模というふうに一応考えております。そういう企業の再生のためのファンドをつくって、そして再生し得る企業は極力再生を図っていく、そういうようなことを考えているわけであります。

 今申し上げましたような、これはRCCにとっては、言うなれば、入り口及び出口の問題があるわけでありますが、それにつきまして所要の法律改正を行うということで提案をしている次第であります。

山本(明)委員 今、相沢先生の方から、時価による買い取りにした、これが一つ大変大きな改正のポイントである、こういうお話がございました。

 五十六条の資産買い取りについての基準について、現行法では、「金融機関等の資産を買い取る場合の価格は、当該資産が回収不能となる危険性等を勘案して適正に定められたものでなければならない」こういう明記、こういうふうに、しかというんですか、こういう書き方がしてあるわけでありまして、今回改めて、あえて「時価によるものとする」というふうに改正をされたわけであります。

 積極的にこういった文言に変えたということは大変評価をされるわけでありますけれども、逆に、今のままでも、現行法のままでも特段問題はないのではないか、時価による買い取りもできるのではないか、こんな気もするわけでありますけれども、その点について再度御質問を申し上げたいと思います。

塩崎議員 ただいまの山本議員の御指摘は、大変的確な御指摘だと思います。この法律自体からは、今までの、従前の買い取り価格について、時価ということで買い取ることを排除しているというふうには思えない条文でございます。

 それも御指摘のとおりでございますが、ただ、九八年の金融国会の際に、金融再生法を立法するに当たって、きょう津島先生、当時の提案者でもございましたが、いろいろな経緯がございまして、今、相沢先生からお話ありましたように、二次ロスを極力出さないというのが世論の声でもあり、また当時の金融国会での議論の一つの焦点でもあったということで、そういう中で、時価ということが必ずしもストレートには使われないというようなことになって今日を迎えているということでございます。

山本(明)委員 二次ロスを出さないというのは、国民の皆さん方に説明するのに当然のことだというふうに思います。別に、これは政府関係でなくても企業でもそうでありますけれども、損失を出さないというのは当然でありますけれども、それは一般社会の中では原則的にあり得ないというんですか、やはり損もするし得もするというような形で進んでいくのが普通でありますけれども、政府関係ということで、絶対に二次ロスを出さないという姿勢になったということは了解をしたいというふうに思います。

 現在の買い取り価格についてでありますけれども、先ほど委員長からもお話がございました。資料を見させていただきますと、一般金融機関からの資産の買い取りの状況の一覧表がございまして、平成十一年度が、債権元本金額、いわゆる銀行の簿価だと思いますけれども、四千五百十億円、買い取り価格が二百十七億円、十二年度が六千百五十億円に対して買い取り価格が百六十九億円、十三年度の九月末時点までが、簿価百七億円に対して買い取り価格七億円、合計で、今まで九月末時点までで一兆七百六十八億円、買い取り価格が三百九十三億円ということで、資料に載っております。

 先ほど、相沢先生からも四%以下という話がありましたけれども、簿価に対して、計算しますと三・六%、こういう大変低い数字が出ておるわけでありますけれども、この数字はこれで間違いがないということでよろしいでしょうか。

松田参考人 お答えいたします。

 御指摘のとおりでございます。

山本(明)委員 買い取り価格が三百九十三億円ということでありますけれども、この買い取り物件のうちで既に回収済みのものもどれだけかはあるというふうに思います。その回収済みについて、回収額と回収益がどれほどかをお示しいただきたいと思います。

松田参考人 平成十一年度から十三年の九月まで、RCCで、先ほど先生御指摘のように、買い取り価格が三百九十三億円でございました。そのうち買い取り価格の全額を回収したものあるいはその一部を回収したもの、そういうものをひっくるめまして、回収額それ自体は三百五十四億円になります。その中で、全額回収できた債権のうちで、買い取り価格を上回る金額で、つまり回収益になる部分というのが百三十七億円、こういう成績でございます。

    〔奥山委員長代理退席、委員長着席〕

山本(明)委員 回収が三百五十四億円で回収利益が百三十七億円ということは、買い取り価格二百十七億円に対して三百五十四億円で売れた、こういうことでいいと思いますけれども、そうしますと、利益率が約五割以上ということだと思います。

 大変これはもうすばらしい成績でありまして、そういった意味では御苦労をされておみえになるのかと思いますけれども、国民の皆さんに説明するには大変いい。先ほど塩崎先生の方からもありましたけれども、二次ロスも絶対に発生しないということではまさに目的を達しておると思いますけれども、このRCCの本来の目的は何かというと、やはり利益を出すということではないというふうに思います。この銀行の抱えておる不良債権をいかに正当に、いかに早く処分をするか、それによって銀行の経営内容を健全な内容に少しでも早く近づける、これがRCCの目的だというふうに思います。損は絶対にしてはいけないけれども、やはりもうけ過ぎてはいかぬというふうに思います。

 銀行の肩を持つわけではありませんけれども、こういった形でいきますと、まさに安いものを買ってもうけるということになりますと、銀行いじめのような、そんな気もするわけであります。やはりこれはある程度正常化していくことが大切ではないかなというふうに思います。したがって、この不良債権を早く処分をするというためには、銀行が不良債権を安心して出せるような、そうした環境をつくっていくことが大切だ、そんなように私は思っております。

 どうして簿価に対して三・六%というような大変低い数字が出ておるかということでありますけれども、先ほど相沢先生からもお話がございました。内規というんですか、価格算定基準の骨子がございまして、その中に、具体的算定方法として、担保不動産の鑑定評価額を基準にした減価方式、一律四〇%減価、六掛けということであります、まず最初から六掛け。キャッシュフローが見込めない債権も、今話し合いしましたように鑑定額を一律四〇%減価、マル暴案件についてはさらに三五%減価、それのまた六五%ということでありますから、よく売れて鑑定評価額の六掛け、マル暴案件になってくると三九%掛け、これが内規に書いてある、こういうことだというふうに思います。これが民間サービサーだと、やはりもうちょっとというんですか、もっとというんですか、率はいいというふうな話も聞いております。

 この原因、先ほど相沢先生からも話がありましたけれども、これだけ低いという原因と、今回の新たな法改正、時価による買い取りという法改正を受けて、預金保険機構としては今までと対応が変わると思うんですけれども、どのような姿勢で、どんな対応でこれから取り組んでいこうとお考えなのか、お伺いをしたいと思います。

松田参考人 先生御指摘のとおり、買い取りしました債権の元本に比べて四%弱の買い取り価格になっているという点でございますけれども、一見奇異のような感じをお受けになるかもしれませんが、一つは、やはり今までの、現行の金融再生法とか告示とか、それから立法者の御提案とか御説明とか、そういうものを総合しまして、非常に保守的な価格の設定をしてきた、先生御指摘のとおりのこと、それは根底にございます。

 それと同時に、もう一つは、私どもが実際に買っております債権の中身を分析してみますと、キャッシュフローが全くない、言ってみれば、債権の額は非常に大きいんですけれども、中身は俗に言うポンかすで、実際の価格は担保物件の評価しか残っていない。それがもう大宗でございます。

 そうしますと、残っております評価を決める担保物件の評価から減価していくというやり方をとっておりますので、まず債権元本に見合うような担保物件がついてこないやつが非常に多い。特に、現在買い取っております債権の中の約半分は、そういう担保物件の評価すらできないような、困難なような、無価値な、全体の、何というか、ポンかすというか、そういう債権が多いということがございまして、それと先ほどの厳格な減価の計算ということが相まって差額が出ている、それが実情でございます。

 したがいまして、今後どういうことかということは、現在御審議いただいておりますこの法案の審議をよくよく私どもも見守って、その精神に従って、例えば買い取り額の弾力化でございましたら、それに従って思い切って手続の簡素化等、思い切った対応をして不良債権の大量処理に資したい、このように考えております。

山本(明)委員 今お話をお聞きしておりますと、銀行がいかに野方図な融資の仕方をしたか、その結果が今出ておりまして、その責任は当然銀行が負うべきだろう、そんなふうにも思いますけれども。ただ、現実として、やはり債権を買ってもらう側からいえば、絶対に高く買ってくれぬだろうと思うところへはやはりなかなか持ってこないわけでありまして、したがって余計そうしたかす物件ばかりRCCの方に入ってくる、こんなふうにも予想をされるところであります。

 金融等に関するいろいろな議論を聞いておりますと、政府は口を出すべきではない、市場に任せるべきだ、こんなような議論がよく出てくるわけであります。当然でありますけれども。ただ、RCCの今までのやり方でやっていきますと、もともとがいい物件はないわけでありますけれども、悪い物件の上に、しかも安いものばかりを出しておるということで、今の土地市場が混乱をしておる一つの原因にRCCの安い物件が影響しておるんだ、こんな話も聞いたこともあります。そんなふうでは困るわけでありまして、そうなりますと、いわゆるまさに政府主導型の土地価格暴落政策の混乱になってしまいますので、それでは困るわけでありまして、せっかくの整理回収機構の効果が発揮できないわけでありますので、今お話がありましたように、しっかりとこれからは市場性のあるいい物件を、またいい価格で運用をしていただきたい、こんなふうに思います。

 それで、銀行がこれから不良債権を迅速に処分するようになるためには、今も言いましたように、土地価格、市場が正常にならなければいかぬ。今回の法改正の最も重要なポイントは、そういった意味で、先ほどから話があります時価による買い取り、こんなふうに理解をしております。

 先ほどえらい安いという話がありましたけれども、鑑定評価等もあるんですけれども、時価というのはそれでは一体何が時価なのか、これがよく私も理解ができないわけであります。何をもって時価にするのかということをお聞きしたいと思いますし、今の鑑定評価と時価との違いというんですか、どれぐらい違うのか、だれがその時価を今度は判断をするのか、そして損失がもし発生した場合にはどのように処理をするのか、こんなことをちょっとお伺いをしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

塩崎議員 山本委員の御指摘のとおり、今までは二次ロスを回避するがために極端に安い価格で買い取ってきて、むしろもうけ率が高くなっちゃった、こういうやや非現実的なことが結果として起きてしまったわけであります。

 では、時価は何かということでありますが、基本的には、市場で、民間の市場で出合った価格というのが時価というふうに解釈すべきなんだろうと思いますし、いわゆるデューデリジェンスという言葉がありますが、一般に、売り手と買い手がそれぞれリスクがあるわけであります。当然、買い手の方は、将来の回収リスクというのがこれはありますし、今度、売り手の方は、もしそのまま持っていたら自分の管理コストはどのくらいになるのだろうか、こういうものがあるわけであって、お互いにあらゆる可能性というものを考えて、そして値段を決める。デューデリジェンスというのは、デューというのは正当な、デリジェンスというのは勤勉にということであって、要するに、お互いがお互いのリスクを十分考えた上で、お互いに出してくる値段ということだろうと思います。

 今までは、鑑定評価から減価率を、一定のものを一律に引くみたいな形でやってまいりましたが、しかし、不良債権というのは物件ごとに一件一件異なるわけであります。したがって、売り手と買い手がぎりぎりまで、自分たちで精いっぱい汗を流して、デリジェンスをして、それで出合った価格でいく、それが経済合理性に合った価格という、つまり時価ということではないかと思うわけであって、だれが決めるのかということでありますけれども、今まで、預金保険機構の買取価格審査会というのがあって、最終的にはそこが、公認会計士さんとか弁護士さんが入ってやっていましたが、これだけでは不十分だろうということで、これからはこの体制も固めていこう、もっと充実して、いろいろな方に入ってもらおうということだと思います。

 デューデリジェンスの場合には、民間では、もうそれこそ何千項目という項目を見て、マル暴減価とさっきありましたが、暴力団もいろいろなタイプの暴力団がいるわけであって、どこまで割り引くかなんというのは本当にケース・バイ・ケースになってくるわけでありますから、そういうような鑑定価格は、それは確かにベースになりますが、それは一つの参考資料にしかすぎない。あとはもうあらゆることを考えてお互いが値決めをしていく、こういうことだろうと思います。

 さあ、では、ロスが出たらどうするんだ、こういうことでありますが、これにつきましては、金融再生勘定の業務が終了の日に金融再生勘定というのが廃止されるわけでありますけれども、そのときの欠損というのは適切に予算措置で見ていくというのがこれまでの財務省の答弁であったわけでありまして、最終的には、ですから国民負担ということになる、税で払うということになるわけでありますが、できるだけそうならないようにするというのがこれから我々がやるべきこと、あるいは政府がやるべきことではないか、このように思っております。

山本(明)委員 最初に私が新聞の記事を申し上げましたけれども、銀行の不良債権処理額が予想以上に大変ふえてきておるということであります。

 RCCの資金は、政府保証の十兆円、昨年十兆円、ことし十兆円、来年も十兆円という予算でやっておるわけでありますけれども、今後の見通しというのですか、これで、十兆円の枠内でできるのかどうか。大手銀行だけではないわけでありまして、ほかにも出てくるわけでありますので、そこら辺のことを、これは金融庁の方ですか、御答弁いただきたいと思います。

村田副大臣 これから金融機関が不良債権の最終処理を進めていくということでございますけれども、その中で、RCCがどれくらいの不良債権を買い取ることになるかにつきましては、銀行の、今言ったような、どれくらい最終処理に進むかということ、それから民間のサービサーがどれくらいとることになるかということでありますので、私どもとしては、RCCの資金需要といいますか、それがどれくらいになるかということは、一概に申し上げることは大変難しいというふうに思います。

 しかしながら、今回の法律改正によります措置によりまして、RCCが積極的に、集中的に買い取っていくということが要請されているわけでございます。

 金融再生法第五十三条に基づく不良債権の買い取りに係りますRCCへの貸し付けを経理する金融再生勘定につきましては、十三年度において十兆円の政府保証枠が設けられて、十四年度につきましても同額の要求をしている、こういうことでございますが、私どもとしては、現在の預金保険機構におきます借入金残高が九月末で五・二兆円でありますこと、そういう実態に照らしまして、不測の事態にも対応できる、こういうふうに考えているわけでございます。

山本(明)委員 時間が終わりましたので終わらせていただきますけれども、何にいたしましても、これでRCCの役割が間違いなく大きくなってくる、大変扱う物件も多くなってくると思いますので、ぜひ、先ほど再生本部を設置されたという話もありましたけれども、しっかりと陣容を充実していただきまして、新しい分野でありますから、そういった点を足腰の強いRCCにしていただいて、需要にこたえていただきたいとお願いいたしまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

山口委員長 次に、若松謙維君。

若松委員 公明党の若松謙維です。

 まず、提案者の皆様、大変御苦労さまでした。これからもっと大変でしょうが、ひとつ、気を緩めずに、さらなる御努力をまずお願いいたします。

 ちょっと基本的な質問で大変恐縮で、質問通告しておりませんが、RCCがこの法改正によってこれから不良債権等を買い取るわけですが、ちょっと確認したいことが一点だけあります。それは、いわゆる今現在十一・七兆円という破綻懸念先のみを買い取り債権の対象とするのか、要注意先も買い取りの対象になり得るのか、ちょっとその点だけ確認させてください。

金子(一)議員 現行では、原則、破綻懸念先以下というふうになっておりますけれども、私たち、実質破綻懸念先等々の企業に対しても当然に対応できるというふうに理解をしております。

若松委員 わかりました。では、そのまさに境界にいるところの、要注意先と破綻懸念先の境界ラインも状況に応じて対象になる、そういう理解ですね。それも当然、法の趣旨からしてやむを得ないのではないかと思っております。

 それと、今回の法改正によりまして、これは提案者、あとRCCの社長にもお聞きしたいのですが、RCCが買い取った債権について、この法案に、「可能な限り三年を目途として回収又は譲渡その他の処分を行うよう努める」このように記述されておりますが、では、どのようにこの回収の短期化を図っていくのか、また、「可能な限り」というのは例外なく三年以内に回収等を行うものではない、こう理解してよいのか、その二点についてお願いします。

石井(啓)議員 まず、回収等の短期化、処分の短期化ということかと思いますけれども、これまでも、RCCにおきまして、早期回収が可能なものについてはその効率的な回収に努めてきたものというふうに理解をしておりますけれども、今回は、回収の極大化が図られるというふうに判断をいたしました場合には、処分の多様化ですね、従来は担保物件の売却を初めとする回収というのが中心だったわけですけれども、例えば証券化を図る、あるいは場合によっては民間へ譲渡を行う、そういった処分の多様化に努めつつ、できる限り早期の回収等を図っていく、このことを私どもは期待しているわけであります。

 それから、三年以内の回収ということでありますけれども、これも御指摘のとおりでありまして、今回の改正法におきましては、資産の性質に応じ、経済情勢や債務者の状況等も考慮し、当該資産の買い取りから可能な限り三年をめどとして回収または譲渡その他の処分を行うよう努めることということで、これは、回収の早期化を努力義務として課しながらも、案件によっては、四年ないし五年、そういった期間がかかるものもあり得るだろう、そういったものについては、それは当該資産の状況あるいは経済情勢、債務者の性質に応じて柔軟に考えていこう、こういう趣旨でございます。

鬼追参考人 整理回収機構の社長をしております鬼追でございます。

 ただいまの議員の御質問でございますが、ただいま提案者の方からお答えになりましたことをそのまま援用させていただきたいと思います。

 改めて申し上げますが、私どもは、これまでからも、債権の回収につきましては、迅速に回収できるものは迅速に回収してまいったつもりでございます。ただ、債権回収等の性質上、一挙に、一律に短期間で回収あるいは処分をすることの困難な案件もあるということについては御理解をいただきたい、かように思っております。

 しかしながら、今回の改正によりまして、回収のみならず、さらに、その回収のための手段として、その手法を広く考えていく。したがいまして、債権の売却でございますとか、あるいは証券化による流動化でございますとか、そういう方法によっても回収の方法を模索していくということでございますので、その都度三年という期間を念頭に置きながら早期処理に努めてまいりたい、かように思っております。

 しかしながら、三年で処理し切れないものもあるということにつきましては、ひとつ御理解をいただきたい、このように考えております。

若松委員 RCC社長にちょっと追加質問させていただきたいんですが、大体イメージとして、当然この法案が国会に議論されたわけですから、今準備を鋭意されていると思います。

 そこで、この法律が施行されて三年以内に、先ほどの十一・七兆円ですか、大体どのくらい実際買い取りが可能になるのかというのをちょっと、兆円単位で結構ですから、大体イメージを、過半数以上できるのか。

 これもなぜこういう質問をするかというと、御存じのように、まずその買い取りをしようとする企業がおります。それと、そのメーンバンクがあるわけですね。その関係で、今までどうしても企業とメーンバンクが、ある意味でお互いになれ合いで、なかなか企業の再生に立ち向かわなかった。こういうことがあって日本の不良債権処理がうまくいかなかったというところに、今RCCが、月光仮面と言うと失礼ですけれども、相沢先生の時代と言ったらまた怒られますけれども、そういう助っ人であらわれたわけなんですけれども、実際どうでしょうか、三年以内にどのくらい。

鬼追参考人 御承知のように、改革先行プログラムでは、十五年度中に集中的に買い取りを実施する、このように定められております。しかしながら、現実には、その買い取りに参加いたしますのは、現在、サービサーだけで約六十社、法務大臣の許可を得たサービサーがございます。プラス都市銀行等々の言うならばライバルというのもいるわけでございますが、その中に入って私どもは主要行からの不良債権を買い取っていかなければならない、こういう状況でございます。

 私どもは、法に定められた趣旨にのっとりまして、それを厳格に守りながら買い取りを実施していきたい、このように考えておりますが、実際に、具体的にどの程度買えるかということになりますと、まさに競争市場での成果、結果が云々されるわけでございますので、今、幾らということは、大変残念でございますけれども、具体的に、数字的に申し上げるということは大変難しいということでございます。

若松委員 確かに時価ということで購入になっておりますが、今六十社というお話があったんで、大体いわゆる簿価で六十社というのはどのぐらいの金額に相当するんですか。六十社、大体、その債務者と話をされているということなんで、もし把握されていれば。

鬼追参考人 今私が申しました六十社といいますのは、サービサーが六十社ということでございまして、したがいまして、競争相手の中に明らかに六十社のサービサーということは視野に入れなければならないであろう、こういう趣旨で申し上げたところであります。

若松委員 はい、わかりました。

 それでは、対案、提案者にお聞きしたいんですが、企業の再生をこれから行うわけですが、あわせて企業再建ファンドについてもよく言及がなされるわけですが、その企業再生ファンドの意義、役割、期待、これについて御説明いただきたいと思います。

金子(一)議員 不良債権処理を進めていく条件というのは、一つは、銀行が持っている簿価を下げてあげる、下げてもらう。これは引当金を積み増すということだと思いますし、一方で不良債権価格の時価を上げる。時価を上げるというのは、いわば企業を再生することによって評価額を上げてくる。これから不良債権を、市場にいろいろ出てくる中で、できるだけ再生をさせる。アメリカには再生ファンドというのがいっぱいありますけれども、我が国は全く未成熟でありますので、政策的に、そういうことをできるような仕組みとしての企業再生ファンドというものを今度の改革先行プログラムで政府側が入れてきたのであると私どもは理解をしております。

 もとより企業再生ファンドそのものが安易に行われるわけではありませんで、基本的には民間ベースでの債権放棄の手続、これは厳格なガイドラインに基づいてくると思いますし、もしくは民事再生法を経由してこれに入り込んでくるということになってくると思います。

 いずれにしましても、そういう、我が国、多少ハンドメードのようなことになるかもしれませんけれども、こういうファンドによってできるだけ将来性のある企業についての再建を図る場というものをつくり上げていくというのが今回の趣旨であります。

若松委員 ちょっとそれに関係して、いわゆるデット・エクイティー・スワップということも議論されております。企業再建ファンドにいわゆる買い取った債権をデット・エクイティーして、それでエクイティーを企業ファンドに提供する、こういったイメージを想定されていると思うんですが、このデット・エクイティー・スワップ、ぜひやっていただきたいと思うんですが、それについても、どの程度今後活用されるかという、そのイメージはいかがでしょうか。

塩崎議員 ファンドというのは決して魔法の玉手箱ではなくて、原則、一番大事なのは、再建計画そのものだと思うんですね。それがうまくいくときに投資をして、アップサイドというか、現物出資なら現物出資して、自分が投資持ち分を持ったときのその持ち分が価値が上がることが、企業再生が成就して初めてできるわけですね。それをねらっていこうということであります。

 その中で、再建計画の中で、単純な債権放棄が今までは多かったわけでありますけれども、これからはデット・エクイティー・スワップというのも使っていこうじゃないかということでありますが、これもやはり大前提は再建計画がちゃんとしていて、債権放棄してしまえば、もう企業が再生しても放棄したものからは何もバックがない、しかし、エクイティーにかえておけば、将来の企業の価値が上がればそのエクイティーの価格が上がって、また自分たちが回収がふえるということだと思うんですね。

 したがって、RCCも、場合によってはデット・エクイティー・スワップをして、自分の株として持ったものを現物出資をしてそのファンドで企業再生を図り、アップサイドをとることによって回収をふやし、結果として国民負担を減らす、こういうことが可能になるんだろうということだと思います。

若松委員 その延長ですが、RCC社長にお聞きしたいんですが、まずこのRCCが買い取った債権の相手の債務者、これの再建をしていくために今後RCCもそのような組織をつくる、こういうことが必要だと思うんですが、どんな組織のイメージになるのか。特に外部人材もかなり必要だと思うんです。

 RTC、アメリカのRTCと比較しますと、RTCは例えば破綻したSアンドLを丸ごと買い取って、そこで、いわゆる企業も丸ごと買い取る、そこにいいものだけ切り張りして悪い部分は全部切り取っちゃえという、かなり集中治療室みたいな、ERみたいな世界なんですよね。

 いずれにしても、やはりRCC、債権の買い取りだけなんで、どちらかというとやや手足を縛られている面があるわけです。ただ、最も期待されているところはアメリカのRTC的な、企業の再建にもしっかりと関与していくという観点から、では、少なくともRTCは、ピーク時八千人から九千人のスタッフをそろえた、かつ、外部のいろいろな協力者を入れると八万人ぐらいいた。こんなことを考えますと、かなりRCCも組織の充実というんですか、腹くくってやらないと、これは法律でとりあえずRCCの機能強化がなされただけで終わってしまう懸念もあるので、そういうことがないようにするための組織整備をどうされていくのか、ちょっとそれを御説明いただきたいと思います。

鬼追参考人 RCCにおきます企業再生のための組織体制といたしましては、去る十一月一日に金融再生本部というものを発足させました。不肖ながら私がみずから本部長として陣頭指揮をとるということにしております。

 この本部には、副社長を初めといたしまして役員四名を担当役員として配置いたしますとともに、企業再生部、つまり本部のもとに企業再生部を置きまして、その企業再生部に役員部長一名、さらに本社及び回収拠点である支店職員を含めまして、職員とりあえず五十名の体制でスタートさせることにいたしました。もとより、今後必要に応じまして増員するほか、外部人材の活用とか、あるいは金融界への委託等も積極的に活用していきたい、このように考えているところでございます。

 なお、今回の法改正の成立後には、速やかに企業再生の専門家等から成る企業再生検討委員会というのもこの再生本部のもとに置きたい、このように思っておりまして、案件ごとに企業再生の可否の判定と専門的な見地からアドバイスを行う等の体制を整える、こういうように考えております。

 この検討委員会には、RCCの役職員だけではなくて、外部からの企業再生について経験、ノウハウをお持ちであり、また非常に高い見識もお持ちであるという方々を招聘して委員に御就任をいただくというようなことも視野に入れて現在検討いたしております。

 さらにまた、このRCCにおける再生につきましては、議員御指摘のとおり、我が社の人材だけでは手不足であるということになろう、このように考えられます。そういう場合には、企業再生にかかわった経験を持つ、我が社の役職員をコアにいたしますけれども、また、当社にも、顧問弁護士の中で、弁護士として企業再生にかかわった経験を持つ方々も多くいらっしゃいます、そういう方々をコアにいたしまして、外部の弁護士あるいは公認会計士、再生アドバイザー、アレンジャーあるいは投資銀行、投資ファンド等の専門的なスタッフと共同して取り組むことにしているわけでございます。

 今のところ、先ほどお答え申し上げましたように、量的にいつどれぐらいの案件が私どもの手元に取り組まなきゃならぬものとしてやってくるかということがちょっと正確には読めませんので、いつでもそういった即応態勢がとれるように、こういうことを今考えております。

若松委員 このRCCの改正の法律ですけれども、要はこの三年以内に破綻懸念先を中心とする債権を買い取る、その時限を決めるための一つの法律であって、大事なのはそれ以降どう企業再生に結びつけていくかという、どちらかというとこれはまず出発ですよね。

 そういうふうに考えますと、かつ、RTCのシードマンさんに直接聞いたのですが、アメリカの場合、RTCを立ち上げて実際に機能し始めたのは約一年かかったといいます、かなり難しい仕事ですから。そういう意味ですと、当初はほとんど債権買い取りなわけですけれども、実際、債権買い取りが大体始まって、今度は企業再生ですかに行くまでのタイムスケジュールというふうに考えますと、アメリカの場合は七年かかった。やはり日本は、そういう意味では大事なのは、この二年から三年後が本当に大事になると思うんです。

 そこで、RCC社長なんですけれども、なかなか難しい答えだと思うんですけれども、買い取って、その後どう再生するかというところの期間というのですか、アメリカは七年であった、こういうことですけれども、そこら辺の何か見込みというか決意というか、その中間ぐらいの答弁をいただけますか。

鬼追参考人 債権回収にいたしましても、あるいは再生マインドを持ってその債務者に接する場合でありましても、どちらにしても迅速を要するということがこれは鉄則でございます。

 したがいまして、私どもは、買い取りましたならば直ちに、企業再生が可能であるかどうかということを先ほど申し上げました企業再生検討委員会などで早急に検討を進めてまいりたい、このように考えております。各方面の御意見なども伺いました上で、企業再生が可能であるということになりましたら、早急に企業再生の計画をそこで策定をする。これは債務者との共同作業ということになろうかと思いますし、また、他の債権者の御理解も得なければならぬ、このように思っております。

 ちなみに申し上げますと、法的整理である会社更生という制度がございますが、これも以前は更生の申し立てから更生開始決定まで何年間、年単位でかかっておったという時代がございました。しかしながら、近年、これは数カ月に短縮されてきております。つまり、更生法を適用するかどうかの開始決定、それの可否の判断を裁判所がなさるのは、以前は今申し上げましたように年単位かかっておったのが、最近では数カ月ということになっております。それに伴いまして、更生計画認可決定というのも、これまた期間的に大変短縮されているケースが多うございます。

 私どもは、そういう法的整理の傾向などもにらみながら、私どもの行います企業再生というものは主として私的整理が中心になるだろうというふうに思います。私的整理で賄えない場合には、民事再生手続でありますとかあるいは会社更生手続ということになろうかと思いますが、私どもの行いますものもそういった迅速を旨として行うというわけでございます。

 したがいまして、その計画そのものは、三年以内で再生が完了するという計画の立てられるような比較的優良な企業もございましょうが、数年間に及ぶというような場合も考えられようかと思うわけでございまして、これはまさにケース・バイ・ケースであります。

 私どもは、とにかく迅速を旨として事の処理に当たりたい、かように考えているところであります。

若松委員 時間が来ましたので、最後に、要望だけをして質問を終わります。

 まず、ぜひ提案者には、これから買い取って、かつこのRCCをどう機能強化するかという観点から、買い取った後が実際一番大事でありますので、それについてもこの法案成立後速やかにいろいろな知恵を出しながら、適切な法案等の作成に御尽力いただきたいと思います。

 それと、RCCの社長につきましては、これは大変な作業でもありますし、ぜひとも、民間も恐らくこういった新しい環境で新しい経験を得たいというやる気のある方もいらっしゃいますので、そういうものをどんどん積極的に、いろいろな慣例に縛られずに、いい人材を集めて、早急の企業再建をお願いしたい。

 そして、金融庁、柳澤大臣もおりますが、いつまでも出し渋りをさせないように、都市銀行にしっかりと吐き出させるように、それを強く要請いたしまして質問を終わります。ありがとうございました。

山口委員長 次に、植田至紀君。

植田委員 社会民主党・市民連合の植田至紀です。よろしくお願いいたします。

 基本的に、提案者の方にそれぞれ幾つか疑問点をお伺いしたいと思うわけです。

 まず初歩的なことからですけれども、一つは、ひねくれた見方かもしれませんが、今回、RCCの不良債権の最終処理としてのツールとしての活用について、やはり各行に直接公的資金を再注入すれば、当然、経営責任問題に波及するがゆえに、RCCというところに要注意先企業を集めた上で、そのオフバランス化に伴うロスを埋めるために間接的に公的資金を注入するなり公的保証を付すというスキームが知恵としてつくられたのかなというふうな疑問もあるわけですけれども、その点についてまずお伺いしたいと思います。

相沢議員 金融機関に対しまして、自己資本を増強するために公的資金をさらに注入する必要があるのじゃないかというような議論もございます。

 ただ、今回のRCCの法律の改正は、今質問者、あなたがおっしゃったように、そういう公的資金の注入を回避するための言うなれば代替案として考えたという、そういうような気持ちは全然ございません。そういうふうに受け取られるというようなことがあるのかなという気はしますけれども、そういうつもりはございません。

植田委員 余りそこは突っ込みませんけれども、要は竹中財政担当大臣と柳澤金融担当大臣の間にやや意見の相違があったとされるようなことが一つはこの背景にもあって、こういうところで丸くおさまるような知恵が出てきたんかいなと推察しておるということでございますけれども、一つ、このRCCに、金融再生法の五十三条による不良債権の買い取りに加えて、九月から信託業務が追加されたということですけれども、九月から始まったばかりということですが、実際これらを積極的に活用する信託、証券化のノウハウがRCCにあるのかどうなのかと、これは疑問視する向きも大きいわけですけれども、そうしたマーケットの方の疑問なり懸念なりについては、提案者としてはどういうふうにお答えになるおつもりでしょうか。

津島議員 最近のRCCの業務の内容の強化については、先ほどの御議論にもございましたが、信託業務部の設置や信託実務経験者等の人材の確保を図るなど、信託業務の遂行に必要な社内体制の整備を進めてきておるということでございまして、現在、信託機能を活用した不良債権の証券化の具体的な案件組成に向けた積極的な取り組みが行われているものと承知しております。詳細は直接関係者から聴取をされることもいいかと思いますけれども。

 国内における不良債権の証券化の事例が現在までのところ必ずしも多くなくて、経験が不足をしているということは事実でございますけれども、この時期にRCCの持つ高度な回収ノウハウを活用いたしますとともに、一層の経営努力を行っていただいて、具体的案件がふえてまいりますと結果として不良債権の処理が促進をされる、私どもはこれを期待しておるところであります。

植田委員 九月からの話ですから、その実績がどうやということについて問いただすことはできないだろうと思うのですが、受益証券を売却して初めてオフバランス化が可能になるわけでございまして、そういう意味で、銀行に市場価格で売却するというインセンティブが働くのだろうか。

 また、そもそも銀行と不良債権の買い手との間に価格評価で乖離がある以上、また、そのことが要するに売却が進まない理由になっている中で、仮に銀行がRCCに不良債権を信託して受益証券を受け取ったとしても、価格が折り合わずに結局抱え込んでしまうというようなことになるのであれば、銀行はそもそもRCCに信託しないということになります。そうなると、そもそもそうしたスキームが機能しないおそれがあるのじゃないかというふうに思っているのですが、その点つけ加えてお願いします。

津島議員 御懸念のような問題は、それは当然ございまして、不良債権を証券化した場合に、受益権等を投資家に売却しないとこれは完結しないわけでございますから、どのような条件でどのような受益証券を発行し、それをどのような投資家へ販売していくか、これは具体的な事情に応じて細心の注意を払って進めなければならないと思います。

 この点で、先ほど別の提案者から御答弁がございましたけれども、やはり全体として再建計画をどうするかということをきちっと踏まえていかなければならない。そこに適正な計画がございますと、こういう方式が十分に効果を発揮していくという結果につながるわけでございます。

 このため、RCCとしても、投資家に受益権等を円滑に売却するための専門的なノウハウを活用し、投資家の需要を十分把握した上で、それぞれの案件に最も適したスキームを組成するということを目指してまいっていただきたいと思ってございます。信託業務部において現在具体的な取り組みを行っておりますが、これからも一層の努力が必要だ、そして、委員御指摘のとおり、やはりそれなりのしっかりした判断が必要だということを申し上げたいと思います。

植田委員 ちなみに、そもそも不良債権の買い取りの分野というものは、既に民間サービサーがマーケットを形成しているわけでございます。五十数社にまで達しているということでございまして、また、アメリカの投資ファンドも参入しているということで、既に不良債権買い取りという分野が民間でビジネス化されているという状況で、少なくとも、これはせんだって、別件の銀行の保有株式の取得の機構法案のときにも言うたのですけれども、本来、小泉政権の基本方針として、民間にできることは民間に任せるということがあったかと思います。

 そういう意味で、既にこの不良債権の買い取り分野というのが民間のマーケットが形成されつつある中で、そうした小泉内閣における理念に反する御都合主義的なやり方ではないかという疑問が出てくることについては当然だろうと思うわけです。

 例えば、RTCの場合でも、アメリカの例でいっても、実際、巨額の不良債権を処理したのは民間であったわけです。そういう意味で、民間のビジネスが成立しつつあるそうした分野に、いわば官が参入する意味合いというものが那辺にあるのかということについてはいかがでございますでしょうか。

津島議員 委員御指摘のとおり、不良債権の買い取りという分野については、だんだんと民間がビジネス化してまいりまして、証券会社、投資ファンド、民間サービサー等買い手もふえてきてございますし、銀行自身が積極的に処理を進めていくという機運も高まっているわけでございます。

 ただ、目標期間二、三年以内ということで不良債権の最終処理を目指しているわけでございまして、RCCへの譲渡等も当然選択肢の一つとして活用することによって、不良債権の最終処理が確実に実施され、促進をされることは間違いがないと思ってございます。

 五十三条、買い取りは、不良債権の集中的処理の観点から平成十五年度末までの時限的な緊急措置でございますから、この間RCCが公的サービサーの一つとして市場に参加していくことは、不良債権の市場に厚みを増すということになり、また、これまで十分経験がなかったこの分野の市場が充実をしていくということになると思います。

 今般の法改正におきまして、買い取り価格は時価とされており、民間の買い手と基本的に同じベースで市場に参加して市場の厚みを増すということは大事だと思います。御指摘のとおり、アメリカのRTCの場合も、時価を基本としてRTCは活動して大きな成果を上げたということは御承知のとおりでございます。

植田委員 最後にRTCのことも、RTCが成果をおさめたということは私も承知しております。恐らくそのことをかなり参考にもされたんであろうと思いますけれども、このアメリカのRTCが買い取った不良債権というのは、要するに破綻金融機関になるわけですね。ですから、そういう意味で、実際アメリカでも、財政支出を緩める等々の、財政支出も行ったんだけれども、景気下支えをしたのに実際損をした。

 そういう意味では、今回、RCCの場合、置かれている条件が全然違うわけですね。健全銀行からの買い取り分まで、その損まで銀行に公的資金を贈与するような形になる場合も当然想定されるわけです。RTCが処理した不良債権というのは、全体の、当時のアメリカの状況でいけば、今の日本の不良債権の状況とは規模が全然違うわけです。

 規模が小さいにもかかわらず、最終的にRTCにおいても公的資金を注入せざるを得ない状況になった。しかも、財政支出をやって景気の下支えをやったにもかかわらず損が出たということですから、今回の場合、小泉政権はそういう政策は少なくともとっておりませんから、たとえ不良債権を、時価のことについては時価でお伺いしますけれども、時価で買い取っても、価値が下がれば結局国民負担が回ってくるということになるんじゃないのかなと素朴に疑問を感じるのですが、その点はいかがでしょうか。

塩崎議員 今回の法律改正の柱は三つあると思うんです。一つは時価にするということ、そしてもう一つは再生を図るということであり、そしてもう一つは三年で切るということを原則とするということだと思うんです。

 したがって、植田先生御懸念の二次ロス等々で損をするんじゃないかということでありますけれども、それは買い取りの時点で先を想定して、それも五年とか十年とか先じゃなくて、三年をめどとしてできる限りこれは回収をする、あるいは処分するということで、その潜在的なロスの可能性というのを最小限にしようということでやるということであります。

 それともう一つは、RTC自体も実は、今先生ロスが出たとおっしゃいましたが、我々の認識は、かなりいろいろな手法を駆使したあげくに最終的にはプラスが出たという認識を持っているわけであって、あのときも実は全部資産を買い取ったわけで、RCCのように今までの破綻金融機関から不良債権だけ買ったというわけじゃないんですね。優良債権も一緒に買ってやったということでありますから、今回、健全銀行からさらに五十三条買い取りで、優良ではありませんが完全な破綻ではない企業に対する貸し出しについても一緒に買い取った上で、再生を旨としてやっていこうということでありますから、御懸念の点は十分わかりますが、それを最小限にしようということを一番のモットーにして今回こういった仕組みを考えているということでございます。

植田委員 今、RTCがさまざまな工夫を凝らしたことについてはおっしゃられました。実際、アメリカのRTCがSアンドLの抱えている正常債権も不良債権も処理を行ったというその際、証券化に当たって、対象物件によっては債務者の利払い資金を補てんしたりとか、売却が難しい場合にはディベロッパーに再開発をゆだねて資産価値を向上させたとか、そういう工夫を凝らしたということを指しているんだろうと思いますけれども、そのことで、実際、成功裏に任務が完了したということなんですが、では、RCCでもそういうことが可能だというふうにお考えなんでしょうか。

塩崎議員 植田先生がおっしゃっているのは、証券化などのときのNシリーズなどでリザーブファンドというのをRTCが出して補てんをしたということを指しておられるのかなと思いますし、また、ディベロッパーに対してオークションで開発計画を出させて一番高いところでやっていただく、こういうことでやってきたわけであります。

 このRCCが、今までの手法でいけば、みずから資金を出したりということはやってまいりませんでした。したがって、それは、今後またRCCあるいは預保そしてまた金融庁が十分我々の、立法者の意図を体して考えていただかなければいけないことだと思っておりますし、ディベロッパーに対して、再開発をするときに付加価値をつけてやるというようなことも含めた、いいアイデアを持っているところに高い値段でお願いをするということは十分あり得ることだと思っております。

植田委員 わかりました。

 そこで、三つの大きな柱があるといったところで、時価にかかわって幾つかお伺いしたいのは、先ほどの議論でも時価の定義にかかわって塩崎先生御答弁されておられましたけれども、どうも私のシンプルな頭で聞いていると、売り手と買い手の話がつくことが前提のように聞こえてしまいましたが、ほんまかいなという素朴な疑問から幾つかお伺いしたいんです。

 当初の簿価が崩れて、実際、改革先行プログラムでは、これもくせ者なんですが、買い取り価格決定方式は弾力化ということになっておりますが、いずれにしても結局時価ということになった。ただ、その場合、時価の定義ということになるわけですけれども、例えば不動産の場合ですと、時価に当たるものといえば公示価格、路線価なのかなとも思うわけですが、この場合はそういうことにはなりませんよね。そうすれば、改正のここの法案でもそもそも時価の定義は書き込まれていないわけです。では、その価格設定がどれだけ透明度が高いかということが大きなポイントになると思うわけですけれども、実際、この五十六条でいうところの時価というのはいかなる定義で理解しておけばいいんでしょうか。

塩崎議員 これは先ほども申し上げたとおりでありまして、価格というのは、経済学の教科書にも、需要と供給がマッチしたところで決まる、こう書いてあるわけであって、それはつまり買い手と売り手が折り合ったところが価格だということであるわけであって、そうなるんかいなというお話でありますが、お互いの言っている価格が違う限りは、それは取引が成立しないわけでありますから、それはやはり取引が成立したところが価格だというふうに定義せざるを得ない。したがって、お互いにお互いのリスクを考えながらいくということでありますが、これから弾力化すると言うということは、今まで、裏返して言えばやや硬直的であったという反省のもとに今度弾力化をしようということであるわけであります。

 さっき申し上げたように、デューデリジェンスというのは、お互いに自分のリスクを最小化するために精いっぱい汗をかいて値決めをする、それでぶつかってみるというところで決まるのがこの価格であるわけであって、冒頭、山本議員からのお話あったとおり、今の法律でも読み込めないことはないけれども、ここを明確に時価ということでいこうじゃないか、時価は世の中で折り合うところだということに尽きるんだろうと思うんで、単純な定義というのはやはりないんだろうと思います。

 そしてまた、今申し上げたように、買い取るときというのはお互い先のことを考えるわけで、今回、三年以内でできる限り処理をしていこうということでありますから、RCCとしては当然、民間の知恵もかりながら、三年以内に何ができるのか、そしてどうやったら回収が最大化できるのかということを考えた上で自分のオファーを出し、相手は相手で同じようなオファーを出すということであり、入札であれば当然みんな同じことをやって、決まるところに決まって、RCCはとれるときもとれないときもあるだろう。いつもとれるんじゃおかしいわけであって、とれないときもあるという価格でいくというのが常識であろうかと思うわけで、言ってみれば常識をこれからやりましょうということだろうと思います。

植田委員 非常にきれいな説明なんで、はい、そうですかとお伺いしたいところ、話としてはそうなんでしょう。

 ただ実際に、一口で時価と言うても、極端な話、実質簿価に近いところからゼロまで、やはりそれは不良債権の実態によっては大きな幅が出てくるということは当然想定されると思うわけなんです。その場合、それこそ、それぞれの呼吸が合ったところで時価が決まるんです、それは全くそのとおりですが、そういうケースが出てこないだけの幅があるんじゃないのかなというのは、実際、銀行側としては、それは不良債権の売却損を抑えたいわけでございます。だから、抑えるためにできるだけ売りたいけれども、RCCとしては、逆に、買い取った後に担保価値が下がったら、二次ロスを抱えるわけですから、それはなかなか、そもそも折り合いがつくような局面というのが、そうきれいに想定されるのか。そして、そこで結局、RCCの側で担保価値の下落が生じれば、二次ロスを抱えるリスクが高まってくる。実際、その場合、金融再生勘定で穴埋めすれば、国民負担が生まれるおそれがあるわけです。

 そして一方、時価が低くなってしまうと、それは銀行側は当然、RCCにそんなら売らへんで、それやったら売れまへんでということになりますから、結果としてそうきれいに、塩崎先生がおっしゃるように、時価が決まってすいすいといくんであればいいけれども、お互いに折り合いがつかないままに不良債権の処理が進まないというジレンマをそもそも抱えているんじゃないのかなと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。

塩崎議員 先生おっしゃるように、銀行そのものが不良債権を売却するかどうかというのは実は最大の問題であって、それは先生御懸念のとおりであろうと思います。売る気さえあればあとは値段の問題であるわけでありますが、そこのところをどう考えるのかというのは、実は、我々の議論の中でこれを考えるときに、一番問題だということになりました。

 そこはひとえに金融庁の対銀行の政策にかかっているわけであって、骨太の方針並びに改革工程表で、集中調整期間の中で破綻懸念先以下をオフバランスする。そしてまた、特別検査の中で、今まで要注意になっていたけれども、どうもいかがなものかねというのを取り出してもう一回やり直すという中で、銀行の健全性というものに対する金融庁の責任において、免許付与者としてそこを迫っていくというのが一番肝心なことになるわけであって、先生御懸念の点は、むしろこれは金融庁の全体的な対銀行政策にかかわってくる大きな問題ではないかというふうに理解をいたしております。

植田委員 いずれにしても、売りたいというのと買いたいというのが合ったところで商談が始まって、折り合いがつけばそれが時価だということで、今提案者がおっしゃいましたように、売る側が売る気になるかどうかということが一つ問題ですから、その段階では、時価以前に商談がそもそも成り立たないわけですよね。幾ら見合いの釣り書きをこしらえても、いや、私はもう要らぬと言われればあかんわけですが、実際、そういう意味で時価の定義が非常に難しいなと思うんです。

 一つ、ちょっと勉強してきて、私も、実はこれはようわからぬかったんですけれども、どうも何か金融庁さんによれば、収益還元法という手法を導入して適正な価格を導いていこう、そういうお考えもあるやに聞いておるんですけれども、その場合ですと、やはり将来を見据えた、利用価値等を含めて判断するということになれば、かなりこれはノウハウが必要になってくるだろうなと思うわけです。

 そうすると、実際、その場合でも、将来の地価の下落まで見込んだ買い取り価格になれば価格は下がりますし、そういう意味では、銀行の側は堪忍してくれやといって売却の意欲がそがれるわけですよね。その一方、そういうことを織り込まへんだら、今度は、買い取った後RCCが損をする、そういう背反する関係があるわけですが、ここで実際、大手の都市銀行の関係者によれば、地価の下落のリスクを銀行がしょわされるような商談になるんであったら、そもそもRCCに売るつもりはないというふうなこともおっしゃっておられるようでございます。

 そういう意味で、銀行の売却意欲をそがぬように、なおかつ将来を見据えた、利用価値にも配慮した、そういう価格をどう設定するんですかというのは、これはかなり難しい話やと思うんですが、ただ、ここが時価とは何ぞやということを具体的に定義づけるというところのポイントになると思うんですけれども、その点はどうでしょうか。

金子(一)議員 先ほども申し上げましたように、銀行が不良債権を処分する、売る気になるというのは、二つあると申し上げました。一つは、銀行が自分から持っている簿価を引き下げていく、それは銀行が十分引き当てをするということです。もう一つは、売る物件について時価を上げるということですよね。

 時価を上げるということは、言い方をかえれば、物件を再生させることができるということですよね。そのことが今回の法の――私の答弁だけちょっとひとつ、今、海江田先生、この質問だけやらせてください。

 そういう再生をさせてあげることができる。したがって、企業再生。つまり、不動産にしても、単に担保不動産としてそれを売却してしまうだけでなくて、付加価値をつけて、また再開発に資するとか、もしくは既存のビルにしましても管理機能を改善してあげるとか改修してあげるとか、いろいろなやり方での付加価値をつけてあげるということがあるはずでありまして、そういうのも今度のRCCの機能として考えて、そこをまた民間に委託することによって価格というものを上げていくことができる、そういう意味で企業再生。担保処分不動産における付加価値をつけていくといったようなことも今回、これがただ、一つ一つおっしゃるようにきれいに進まないと思います。なかなか一つ一つの物件について、さっきハンドメードという言葉を使いましたけれども、そういう状況は試行錯誤せざるを得ないというのが現実に出てくるんだと思っております。

植田委員 提案者が並んでおられる割に、ちょっとこれでは審議の続行ができませんので……

山口委員長 暫時休憩いたします。

    午前十一時二十七分休憩

     ――――◇―――――

    午後四時四十分開議

山口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 この際、一言申し上げますが、ただいま審議しております法案は、与党提出の議員立法でありまして、議員提案でありまして、それだけに、しっかりと与党の各議員は出席のもとに質疑が進められますように、委員長の方から注意をいたしておきます。

 質疑を続行いたします。植田至紀君。

植田委員 引き続き、休憩前に続いてさせていただきますけれども、私も学生時分よう授業はサボりました。でも、そのときは我々学費を払っていたので、自業自得ですわ。ただ、我々国会議員は、国民の税金で給料をもらっているわけです。まして、今委員長がおっしゃったように、与党の皆さん方が提案した法案でございます。私がちょうど質疑しているときに、よほど私の質疑がつまらなかったのかもしれませんが、たしか三人しかいらっしゃらなかった。要は、提案者ずらりと並んでおられましたけれども、私に対しても非常に非礼であろうと思いますが、提案者に対しても非常に無礼であろうと私は思うわけでございます。

 そういう意味で、非常に私としては言いたいこと山ほどあるわけですけれども、十二分しかないということですから先に進みますが、少なくとも、国民の信託を受けて、国民の税金で給料をもらっているということは忘れぬでいただきたいと思いますし、また、先ほど質疑しておりまして、三名の方はこの法案ぜひとも通したいという方だったんだろうと私は拝察しております。

 そういう意味では、それ以外の方は、ひょっとしたらこの法案、どっちでもええんちゃうかというふうに思っておられたんでしょうか。そういう意味では、通さぬでもいい法案であれば出さぬでもよかったわけですから、そういう意味で、与党の皆様方に猛省を促したいというふうに思うわけでございます。

 前振りはそれぐらいにいたしまして、時価の話をさせていただいておったと思うのですが、金子先生の御答弁の後休憩になったわけでございますけれども、いずれにいたしましても、RCCが、今の、現行法よりも高い時価で、民間と競い合いながら損失を出さない経営が問われるということですが、これについて鬼追RCC社長は、買い取り後の損失発生で国民負担が生じないようにするがと、それはそうおっしゃらざるを得ないだろうと思うわけですが、その後、神わざを求められている、そういう報道もあったように思うわけですが、実際、この間の経営理念を崩さぬと、かつ黒字経営を貫けるかどうかというのがポイントだろうと思います。

 ただ、改正案では、この処分期限が五十四条の一の二を見る限りにおいては三年とありますけれども、非常にあいまいだというふうに私は感じざるを得ません。

 何か聞くところによると、与党の中でも見解にいろいろあって、それで文言に「経済情勢、債務者の状況等を考慮し」など、そういうことを加えることで妥協が成立したというふうにも報じられておりますけれども、そのほかにも「可能な限り」であるとか「努めること」など、ある意味では努力目標のような文言もあるわけですので、そういう意味では、RCCが保有し続ける期間が長くなるということも十分考えられるわけでございます。

 その意味では、確かに不良債権問題の解決の切り札のように期待されている、そういうRCCは側面を持っているわけですけれども、一方、運用のいかんにかかわっては、要するに、不良債権を銀行からRCCに移動させるだけ。これはまさに国家的な不良債権飛ばし機関になるおそれ、でとどめておきたいですが、それが必然となり得る疑念があるわけでございますが、その点、提案者の御見解をお伺いいたします。

塩崎議員 先ほど、中断する前の答弁で、三つ今回特徴があるという中に、三年で切るというのがあったわけでありますが、やはり我々は、御指摘のように、本当にバランスシートから落として銀行からRCCに行っても、そのままで何もしないんじゃないかということを一番心配いたしました。

 今回は、先ほど申し上げた中の三つのうちの二番目に再生という言葉を入れたように、今回の我々の不良債権処理の考え方というのは、今までは、RCCはどちらかというと現金回収でやってまいりましたけれども、これは国民負担を最小限にしようということであって、それ自体は考え方はいいわけでありますが、ここでやはり経済再生ということで、一つは、企業再生ということで回収をふやそう、もう一つは、担保価値を上げて、不動産の価値を上げて回収をふやそう、こういうことだろうと思うのです。

 そこで、我々として一番心配なのは塩漬けにしないということであって、その再生を図る中で価値を上げて、そして、我々にとって大事なのは、最終的に債務をゼロにすることが目的じゃなくて、RCCから今度また別な形で旅立ってもらうということもあるわけであって、その間をひとつ三年ぐらいのめどで頑張ってもらいましょうという哲学を今回新たに加えて、経済政策的な意味合いも含めて、この不良債権処理をやるべきではないか、こういうことでやったわけです。

 昔、共同債権買取機構というのが、銀行同士でつくったものがありました。しかし、結局これは、俗に言う霊安室と言われまして、結局ひもつきのような形で不良債権が共同債権買取機構、CCPCに行きましたけれども、結局そこで塩漬けになって、何も起きない、問題解決にならなかった。それではいけないということであって、まさに植田議員御指摘のとおりの考え方で今回我々も、極力早くこの不良債権をもう一回再生して経済価値を高めて、結果、回収をふやそうじゃないか、こういうことだと思います。

植田委員 塩崎先生がおっしゃるように、三位一体、時価、三年、再生、この三位一体で頑張るんですよということなんですが、午前中もお伺いしたのは、まず時価というのがどうも怪しいな、そして三年というのも、どうも条文を素直に読んでも怪しいな、再生のことについては、最後時間の許す限りお伺いいたしますけれども、結局、三位一体で全部沈んじゃって、最後回り回って国民の財布を当てにするんやろという疑問があるんですということを私は申し上げておったわけで、ですから、一つ一つ引っぺがしながらお伺いしたい。

 まず、少なくとも時価については、私の質問に対して、それぞれ答弁者の方、私が申し上げた懸念については否定されなかったわけです。そして、込み入った話については、それはRCCが考えることだみたいなおっしゃりようの部分もあったように、誤解があれば申しわけないんですけれども。どうも、だから、淡々と答弁されるので、非常にきれいなお話なんですけれども、そうはいかぬやろと。だから、今の話にしても、五十四条の一の二というのが、そういうきれいにあれしているんじゃなくて、少なくとも十分あり得るということについて、再生ということで、それで何とかうまいこといくのかというのは、一問だけ先に挟んでから、最後お伺いしますが。

 今のところ、RCCで買い取りの原資が大体五兆円程度ということで伺っておりますけれども、では実際、不良債権自体、本年三月末で約十二兆、そして引当金を差し引くと簿価が三、四兆、それやったら何とかなるだろうということですが、実際にどんどん不良債権予備軍が不良債権化すると、買い取り原資が枯渇する。その際に日銀融資とかという事態を提案者としては想定されているのかどうかということだけ一点お伺いして、次に進みたいと思います。

相沢議員 午前中ちょっとお答えいたしましたように、RCCが平成十一年、十二年で買い取った不良債権は、簿価でもって一兆円ちょっとですね。それで、それが実際に買い取った価格でいうと四%を切る、つまり、その限りにおいては二十五分の一ぐらいで買っているわけなんです。

 RCCの買い取り可能の枠というのが、さっき五兆円というふうに申し上げたのですけれども、同じような簿価に対する買い取り比率ではなくて今回は時価によるわけですから、そのレシオは若干ある。

 仮に、本当に仮にそれが一〇%ということで置いて考えれば、五兆円が一〇%ですから五十兆も買える、こういうことになるわけなんです。これは余りいい例えじゃないかもしれませんが。そういうことですから、そういう買い取りの枠に関してはそれほどの、何といいますか、枠としての懸念はないというふうに思っております。

植田委員 そういう事態を当座想定はされていないということで……。

相沢議員 それでありますから、それは制度的には日銀から借りることも可能でありますけれども、そのことは想定いたしておりません。

植田委員 あと、最後になりますけれども、三位一体の再生にかかわる部分についてお伺いしたいわけですけれども、一つの今回のRCCの機能強化の目玉とされている部分が、政策投資銀行であるか、民間投資家を動員してこしらえる企業再建ファンドだろうというふうに理解はいたしますが、ただ、これも十分に機能する保証があるんでしょうかというのも素朴な疑問で出てくると思います。

 というのは、法的整理を経てへん不良債権企業が再投資に値するような魅力を持ったものになっている可能性というものはそもそも低いじゃないかということですし、また、民間投資家に十分な参加をさせなきゃ、させることができへんならば、結局、結果としては政策投資銀行が不良債権企業の面倒を見ていかざるを得ない、そういうことになると思うんですけれども、この点はいかがでございますでしょうか。

金子(一)議員 これまでも民間ファンドによります企業再生というのは例が実例としてもあります。ただ、極めて少数であることも事実であります。しかし、今度の集中改革期間に不良債権処理を進めていく、そういう中で、我が国は残念ながら再生ファンド市場というのは極めて未成熟でありますので、それを再生させる仕組みとして政策投資銀行も含めた枠組みを用意していきたい。しかし、あくまでも、政策投資銀行というものは、民間ファンド、民間自身が、この企業は再生できるかどうかという大前提、つまり、彼らが、民間企業ベースで再生が可能であるという前提で政策投資銀行も乗っていく。

 その前提というのは、例えば、私的整理を経ているケース、民事再生法を経ているケース等々、かなり厳しい基準というのが政策投資銀行が参加していく大前提になっていくと思っておりまして、それだけに、使い勝手がいいかどうか、可能かどうかということは個々のケースによると思いますけれども、枠組みとして、先ほど申し上げたような理由からフレームワークをつくっていくのが今回の方向であるということであります。

植田委員 要は、お話を伺っていますと、実際、ニーズがあるか、できるかどうかはともかくとしても、とりあえず枠組みだけはこしらえましたという話なんですが、RCCに持ち込まれる貸出債権が破綻懸念先ということであれば、企業再生機能が大きな成果なんというのはそもそも期待できへんですよね。しかも、日本政策投資銀行、これは政策投資銀行プラス民間投資家とおっしゃいますけれども、民間投資家が再建ファンドに関与するといっても、そんなノウハウを持った民間投資家というのが日本のどこに、探してどこにいらっしゃるのかなというふうに、そのこともわかった上で枠組みをつくったんですというもう一度答弁されるんだろうとは思うんですが、一点だけ、この民間投資家、じゃ、どんな方々を想定されているのかだけはちょっと聞かせておいてもらえますか。

金子(一)議員 例外的ではありますけれども、既に民間ファンドによって再生されている、もしくは再生途上にある企業のケースというのは既にあることは御存じのとおりであります。したがいまして、民間企業、民間ファンドからも、今度、政策投資銀行がこういう形で枠組みができるとすると、自分たちも興味があるのでぜひ、どういう条件ならば政策投資銀行がこれを受けていくのかといったようなことについて知らしめてほしいという既に御要請も受けております。それを受けて、どこかの時点で政策投資銀行は基本的な運営方針というのを出していくと我々聞いておりますけれども、それなりのリターンをねらった民間投資ファンドというのはそれなりにあるということであります。

植田委員 時間が来ているようですが、あと最後、もう一点だけ。

 思惑どおりにうまいこといけば、それは御同慶の至りでございますけれども、前提として、枠組みをこしらえてもいかんともしがたい条件を私は言っているわけでございますので。

 少なくとも、ただ、この機能強化のアイデア自体、やはり不透明な企業再建だろうと。政府が官製の新たなセーフティーネットをこしらえる。そういう形でセーフティーネットをこしらえるということであれば、言ってみれば市場の規律というものに対して介入するということになるわけで、なぜ、社会主義者であるはずの私が市場原理に反するようなことをやるなというようなことを、この間、この質疑で言わなきゃならないのか、やや自己矛盾も感じつつも、自由経済市場で生きている社民主義者としては、やはり言わざるを得ないのでございます。そういう意味では、提案者の方がより社会主義的なのかなというふうにも思うわけでございます。

 ただ、確かに、法案が仮に通った場合、私は余りそれを想定はしていませんが、ひょっとしたら、ひょっとしたら、いっとき株価がそれで上がるかもしれませんけれども、実際、そのうち、中身が画餅だ、中身がないじゃないかということがばれてくれば、そのうちまたその辺のところは落ち込んでいくだろうと思うわけです。そもそも、少なくともそういう相場形成の中では中長期的な見通しが織り込まれていくわけですから、産業構造も変化せえへん、経済の生産性の向上も見られへんということになれば、やはり株価は下落するだろうと。その意味では、この間の、構造改革と言いながらこういう公的なセーフティーネットの強化というのは、実は問題の本質を先送りするだけで、中長期的に見た日本の経済成長、再び再建にとってはむしろマイナスになるんではないかと私は非常に危惧するわけですが、最後に、その点、提案者の御答弁をお伺いして終わりたいと思います。

山口委員長 提出者塩崎君。質疑時間が終了していますので、簡潔に。

塩崎議員 はい。

 この三年間、金融国会の後、いろいろなことがありましたが、一つわかったことは、銀行、貸し手と企業、借り手の間に任せておって、結局構造改革が進まなかったという現実がもうあるわけですね。

 ですから、建設会社なども随分債権放棄を受けたけれども、結局まだ株価が低迷をしているというような状況の中で、どういう枠組みをもってすれば本当にこの構造改革が進むだろうか、それをいろいろ考えた末に、ここで、これはRCCという別に枠組みじゃなくたって、本当は、海外では、スウェーデンでもタイでも、アセット・マネジメント・カンパニーという形でやっているんですね。しかし、ここで公的な枠組みをもってやるというのは、これはある程度の国家の意思を持って、そしてまた産業構造の変化を方向づけるという意味も持って、そこで、言ってみればかなりのウエートを持った債権者として民間企業に御自分でやはり再建の施策を考えてもらうというプレッシャーを持てるという意味で、RCCというのは一つの枠として使えるんじゃないかというふうに私は個人的にはずっと思って、一年前ぐらいからこういうことを言ってまいりました。

 したがって、決して国家が全部手を突っ込んで何かやろうとかいうような話ではさらさらなくて、決めるのはあくまでも民間の人たちが民間の論理で再生を決めていく。そこにどれだけ国が関与できるのかな、お手伝いができるのかな、後ろからバックアップできるのかな、こういうことだと思っております。

植田委員 終わります。

山口委員長 次に、河村たかし君。

河村(た)委員 河村たかしでございます。

 きょうは、このRCCがいろいろやられておられるんですが、どうも、かなり無理なことをされて、ほかの債権者に非常に迷惑をかけて、ひょっとすると犯罪的なことなのではないかということにつきまして、私のところの党の原口さんが質問をこの間しましたものですから、それを若干フォローする形になるかもわかりませんけれども、質問をしていきたいと思います。

 まず、何でそんな無理をして回収をやらにゃいかぬか、どうも弁護士さんがどえらけにゃあ収入をもらっておるんじゃないかという話があるようでございまして、このRCCの中の弁護士さんの報酬というのはどんなものでございますか。

鬼追参考人 整理回収機構におきます弁護士に対する支払いをいたします報酬等につきましては、いわゆるタイムチャージシステムというのをとっておりまして、時間給ということであります。それぞれRCCからの依頼業務を遂行するに要しました時間をタイムシートという所定の用紙に記載をいたしまして、それに基づいて請求をする、こういう形態になってございます。

河村(た)委員 幾らですか、時間単価。

鬼追参考人 時間単位は、現在、時間当たり二万円ということでございます。

河村(た)委員 何と一時間二万円ですよ。どう思われますか、これ、一体。びっくりしましたね、私。世の中にこんな高い報酬の仕事あるんですか。どう思いますか。余り驚きましたから、ちょっと柳澤大臣、これは単純な感想でいいと思いますから、このことだけは質問通告してありませんけれども、ほかのことはしてありますが。時給二万円の弁護士報酬がある、この仕事。これ、どう思われますか。とんでもないと思うんだけれどもね、私は。大臣、どうですか。

柳澤国務大臣 私の弁護士さんの費用に対する感覚というのは、余り経験もなくて、ちょっとないんですけれども、アメリカの方々の場合、大昔のことですが、やはりストップウオッチで実働の時間をはかってというようなこともございました。

 ございましたが、ただ、仮に、超過勤務で今多分、国家公務員の場合、百五十時間が頭打ちみたいな状況だと思いますが、それに仮に二万円掛けると三百万円ということになります。

 もちろん、この時間というものを、今どなたかちょっとおっしゃったんですが、どういうふうにはかっておられるかということもあろうかというふうに思います。かなり、時間ではかるという場合にも、実際の、頭の働き方とか、そういうものを、随分、あるいは緊張度とか違うでしょうから、そういうようなもので一概にはちょっと論じられないかと思います。

河村(た)委員 やはり素直な雰囲気がないのでだめだな、これ。

 経済の話をしておるわけでしょう。こんなの、普通の人、ぜひ、テレビか新聞かわかりませんけれども、一時間二万円、書いてくださいよ。怒りますよ、これは本当に。今、パートタイマーの人と比較していいかどうかわからぬけれども、数百円ですよ、みんな。二万円、これ。

 では、弁護士費用としては年額どのぐらいですか、これは。

鬼追参考人 平成十二年度の数字でございますが、約三十七億に達しております。

河村(た)委員 弁護士費用だけで三十七億。何人おるですか、これ。何人おりますか、弁護士は。

鬼追参考人 整理回収機構に関係を持っていただいている弁護士の中には、顧問弁護士というのとそれから協力弁護士と呼んでいる、この二つの呼び方があります。

 顧問弁護士は、各回収現場でありますとか、あるいは関与者責任の追及でありますとか、そういうところにそれぞれお願いをいたしております。その顧問弁護士の数は、約七十名ということでございます。(発言する者あり)いえいえ、それは全部聞いてください。

 それで協力弁護士、これは訴訟案件でありますとかあるいは個別的な案件、あるいは海外案件とかいろいろございますが、そういった案件ごとでお願いをする弁護士が、これが約四百名程度ございます。これは、北海道から九州、鹿児島に至るまでお願いをしております。訴訟案件も相当件数ございます。

 そういう形で、したがいまして、顧問弁護士が約七十名、協力弁護士が約四百名というような数字でございます。

河村(た)委員 では、顧問一人当たりどんなものですか。

鬼追参考人 現在の制度では、顧問料月額十万円ということでございますが、それに、実働していただいた時間に応じて、先ほど申し上げたような単価で計算をいたします。(河村(た)委員「どのくらいですか」と呼ぶ)これは、人によりましていろいろ違います。(河村(た)委員「平均で幾らか……」と呼び、その他発言する者あり)

山口委員長 御静粛にお願いします。

鬼追参考人 平均でまいりますと、私どもは、どちらにしましても弁護士の手間をできるだけかけないということで運営いたしておりますので、したがいまして、百時間以内でお願いしたいということで運用いたしております。(河村(た)委員「平均幾らですか」と呼ぶ)平均時間はちょっと今……(河村(た)委員「年収幾らぐらいになるか」と呼ぶ)

山口委員長 指名を受けてから質問をしてください。

鬼追参考人 平均時間、平均の額につきましては、今、計算をしてみないと、今のところ明確な御回答はできません。

山口委員長 河村たかし君。(発言する者あり)計算していないんじゃないんですか。

河村(た)委員 質問通告してあります。

山口委員長 通告してあるの。

河村(た)委員 質問通告あり。(発言する者あり)とめてくださいよ、時間。時間がないんだから。時間がないなら、とめてくださいよ。

山口委員長 平均は出せないんですか、鬼追参考人。(発言する者あり)鬼追参考人、平均。

鬼追参考人 先ほど申し上げましたように、三十七億といいますのも、顧問弁護士と協力弁護士合算した額で申し上げております。したがいまして、顧問弁護士一人当たり幾らになりますか、あるいは協力弁護士一人当たり幾らになりますか、これはちょっと計算を出してみないと、軽率なことは申し上げられません。(発言する者あり)

河村(た)委員 はい、してあります。

山口委員長 いやいや、平均額を通告してあるの、平均を。

河村(た)委員 いや、弁護士幾らになると言ってありますよ。

山口委員長 いやいや、平均をですか。(発言する者あり)

河村(た)委員 はい。

山口委員長 いやいや、だから、平均に関しては通告していないんでしょう。

河村(た)委員 だから、質問はしたよ。一人幾らになるのか。

山口委員長 通告していないですよ。いやいや、平均については通告していないですよ。

河村(た)委員 だから、三十七億というお金が出ているから、平均とか出ているはずだ、それは全部。

山口委員長 いや、だから、平均を通告していないでしょう。そういう数字については通告していないじゃないですか。

河村(た)委員 幾らもらっているかと聞きました。

山口委員長 だから総額を答弁しているんですよ。(発言する者あり)いえいえ、とめるような話じゃないですよ。

 河村たかし君。

河村(た)委員 弁護士さんが幾ら収入をもらっているかということで聞きましたよ。それなら一時間幾らだと。それで、幾ら収入もらっているんだと言いましたら、総額では何か三十一とか七とか言いましたけれども、まあそういうような状況だと。ああそうか、えらい高いな、こういうことです。

 幾らもらっているんだと聞いていますよ、私。当たり前じゃないですか。それぞれのものを足して、全額が出るんじゃないですか、そんなこと。そんなもの、めちゃめちゃですよ、そんなばかな。トータルが出て、各それぞれが出ぬなんて、そんなばかなこと世の中にありますか。めちゃくちゃですよ、そんなもの。そんなあほな話ありますか、そんなもの。(発言する者あり)

鬼追参考人 後で報告をさせていただきたいと思います。(発言する者あり)

山口委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

山口委員長 速記を起こしてください。

 鬼追参考人。

鬼追参考人 先ほど申し上げました金額を弁護士全体の数で割りますと単純に計算はできるかと思いますが、それでは余り意味がないと存じますので、顧問弁護士はこれこれになります、協力弁護士はこういう平均になりますということを計算いたしまして御報告申し上げたい、このように思います。(河村(た)委員「そんなのすぐ出るんだけれどもね」と呼ぶ)

山口委員長 いやいや、今の数字はすぐに出ません。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

山口委員長 速記を起こしてください。

 鬼追参考人。

鬼追参考人 大変お待たせいたしました。

 今、十二年の三月の数字が出ました。顧問弁護士がその時点で六十三名でございます。十二年三月時点での数字でございます。それで、協力弁護士が、これは年度間で変動がございます。全体で、全部で総計いたしまして、五百四名、延べ数ですね。それから、関与者弁護団関係の弁護士、これが百十七名でございます。

 それで、顧問弁護士に対する平均支払い額でございますが、二千百万でございます。協力弁護士に対する平均支払い額が三百五十五万でございます。関与者弁護団関係の弁護士に対する平均支払い額が五百九万でございます。

 以上でございます。

河村(た)委員 大変御無礼だけれども、社長、お幾らもらっておられますかね。

鬼追参考人 私の得ております役員報酬は、お役所の次官以下、同額ないし以下だと思います。そういうことで伺っておりますが。(河村(た)委員「それは幾らだ、ちょっとわからぬ」と呼ぶ)月額平均、月額にいたしますと二百万ぐらいでしょうか。(河村(た)委員「ボーナス、それは年収」と呼ぶ)ボーナスはございません。年俸でございます。年俸制で……(河村(た)委員「年俸」と呼ぶ)年俸二千五百までですね。

山口委員長 指名を受けてから質問をしてください。

鬼追参考人 よろしゅうございますか。

河村(た)委員 この勤務実態がちょっとわかりませんものですからなんですけれども、とにかく年間二千万ぐらいの人がずらずらおるということですね、これは。六十三人、平均で。これは恐ろしいものですぜ、本当に。一遍ちょっとこれ見直すぐらいの御発言いただけませんか。こういう業務を拡張するわけでしょう、これの業務の拡張。これは、年収二千万ある人が顧問で六十三名。たまらぬですよ、これは。どうですか。

鬼追参考人 関係弁護士に対する支払いにつきましては、かねがねそれについての合理的な支出にしなければいけないというふうに思ってきたところでございまして、私どもこれからも考えていかなければいけませんが、先ほど申し上げました時間給でございますけれども、いろいろ御批判はあろうかと思いますけれども、現在の日本の弁護士、弁護士と申しましてもいろいろ、きのう登録した方もいらっしゃいますればかなりの経験をお持ちの方もいらっしゃいますが、当社では大体皆さん同じ基準でさせていただいておりますけれども、日本の弁護士の場合に、少なくとも、タイムチャージであります場合には、二万以上であることはもう間違いないと思っております。

河村(た)委員 弁護士さんというのは、私、非常に苦しい人を助けたり、そういう何か非常にいいイメージがあるんですけれども、何か時給二万円当たり前だという顔でしゃあしゃあと言っておられますが、とんでもないことだよ、そんなものは。何を考えとるのや、一体これは。

 もう一回、いわゆる苦しいときの機関ですよね、これはひとつの。みんなが苦しいときですよ。そういうときの弁護料が、これはいかにも高過ぎる。考え直すと言ってくださいよ、これは。

鬼追参考人 きょうの御議論もよく伺いながら検討させていただきたいと思っております。

河村(た)委員 それでは、弁護士さんでございますので、いい判断が出るのを待っております。

 それじゃ、次の、これが、そちら、映っておるかどうか知りませんが、こちら、原口さんが予算委員会でやったやつでございますけれども、ここの大阪の土地がございまして、この土地をめぐってRCCが非常に無理なことをしたのではないかというふうに、今のところ疑惑があります。これについて事実を確認したい、こういうことでございます。

 まず、これを売ったんですが、これは一括で三十三億で売ったということで間違いございませんね。大阪の堺の。

松田参考人 お答えいたします。

 御指摘のとおり、最終的に三十三億で二つの土地を一括売買したというのは事実でございます。

河村(た)委員 委員長、ここでちょっと資料を配りたいんですが、今お配り申し上げますが、これは平成九年十一月五日、株式会社住宅金融債権管理機構が株式会社朝日住建代表取締役あてに、このホテル用地処理に対する住管機構の方針、こういうふうに、その文書でございます。

 ここに、これの四を見たってちょうだい。「四、住管機構に対する返済金は、二十億円以上であること」こういうふうに、これはなっておるわけですね、二十億。

 だから、当初、今のRCCは、二十億以上返済金をいただこう、こうしておったわけでございますが、三十三億で売りますと、ほとんどが、RCCの持っておる担保のところはこの端のところしかないんです。ここしかない。大体一割でしたかね。一割しかないところで二十億。三十三億で売ってですよ。一割だと三億じゃないですか。もともとの、何とこれ――偽造じゃないですな、これは、この文書は。これはどうなっているんですかね。当初の目的はどうなったんですか。

松田参考人 この案件につきましては、前々から原口議員に私も御説明申し上げているところでございますけれども、調査しました結果によりますと、もともとこれは、ある債務者が二つの土地を持っていて、そこに、一つの広い平たんでいい土地に横浜銀行と明治生命が第一担保権を持っていた。それから、もう一つ、小さい方の土地に住専管理機構が担保権を持っていた。それを、債務者である朝日住建が担保権を担保権者から抹消させて、それでそれを一括ゼネコンに売りたいということから始まった話でございます。

 その経過の中で、この日付を見ますと、この書類は九年の十一月の五日でございますので、恐らくまだ買い手がきちっと決まっていない、探していたときに、住専が債務者に対して、自分も努力するから、そのときはこれだけの報酬をくれよな、回収をさせてくれよな、こういうことを言ったときの経過の中の一つではないか、このように思います。

河村(た)委員 初めはこういうつもりで始まったということで間違いないですね。この文書が偽造だということはありませんね。今言いました。いいですね。

松田参考人 偽造ということはないと思います。

河村(た)委員 それで、どうやってこれを売っていくのかということになりまして、もう一つこれ、資料を出させていただきたいんですが、いいですか。(発言する者あり)断ってあります。

 これを見てみますと、これは議事録で、いろいろあるんですけれども、そこの中の、余り長いといけませんのでそこだけ抜粋をさせていただきましたけれども。「平成十年一月十三日」「契約書の形態は総額四十三億の中で分割することは可能か」「二筆の土地を別々に契約するということですね。総額四十三億の範囲内であれば問題ないと思います」ということで、四十三億で売ろうとしたということは事実ですか。(発言する者あり)当然してありますよ。何を言っておるんだ。冗談じゃないですよ。

山口委員長 答弁者。答弁者。

河村(た)委員 委員長、どうなっておるんですか。ちゃんと通告してありますよ。(発言する者あり)何を言っておるんですか。物すごく……(発言する者あり)

山口委員長 今、読んでいますから。(発言する者あり)理事会で見ていない資料なんで、今読んでいますので、しばらく待ってください。

 松田参考人。

松田参考人 最初、一括して四十三億円で売ろうという話が債務者である朝日住建とゼネコンとの間にできて、それに住管機構も乗っていたということは事実でございます。

河村(た)委員 四十三億で一括で売る場合は、これは、だからもう一回見せますけれども、大体一割しかないですね、RCCが持っておる方は。こちらですから。四十三億で売れる場合は、大体四億でしょうね、配当というかRCCに入る分は。だけれども、当初の、先がたの問題は、今言いましたように、一番最初のやつは何億でございましたか。二十億。二十億以上回収したいと。

 さて、実際、売る計画がそのとおりにいくと、四億しか回収できないということでしょうね。それから、何か考えて、この土地を二つに分けて売る。RCCだけが持っている土地の値段を高くして、それでほかの土地のところの担保のある明治生命と横浜銀行、ここだけの配当を少なくして、RCCだけの土地のところを高くして、そこでRCCだけ金を取ろうとしたんじゃないのかね。

松田参考人 先生御指摘のとおり最初は四十三億で売り買いがあるということでしたから、住管の担当者はそれに乗りまして、それで自分たちの土地は本来狭いんですけれども、ここでは四十三億のうちの十七億は自分たちがもらいたい。それから、明治生命と横浜銀行が抵当権を持っている方は二十六億ぐらいの分配で、より多く回収をして国民負担を減らしたい。こういうことで気がはやりまして、そういう構想で臨んでいたということでございます。

河村(た)委員 気がはやると言いますが、土地の値段を勝手にとんでもない高い値段をつけて、そんなことをやっていいんですか、まずそれ。犯罪じゃないのか、それは。詐欺あるいは……(発言する者あり)強要。それは、ちょっとようわからぬな。というより、こういう配当を一部の者だけ有利にして偽装の取引を行った、そういうふうにとれるんだが。

 もう一つ、ちょっとこれ、また資料があります。

山口委員長 資料ですけれども、両筆頭間で了解をした上で配付してください。(発言する者あり)

河村(た)委員 勝手に。審議を充実しようとしているのに、何を言っているんだ。(発言する者あり)わかってくるんだよ。何を言っているんだよ。

 今の次のに、こういう議事録の中の言葉があります。「国土法の申請書に」だれだれさんの「捺印をいただく上で、前回から懸案になっていた一―一と一―二の坪単価が大幅に違う点については」云々、こういう記述があるんですよね。それも、がけのところが何倍高いんだったですか、これ。ここのところ、見てちょうだいよ。がけ地の方が安いならまた別ですよ、これ。ここを何倍高く設定したんですか。

松田参考人 大体五倍ぐらいになったと思います。

河村(た)委員 いや、ちょっと、これはどうしますか。斜面をですね、いいですか、土地がある、土地がある、土地がある、ここの、要するに、RCCが持っているところ、担保をつけているところは斜めのところなんです。ここを更地の五倍の単価をつけたんです。なぜそうしたの、なぜそんなことができたの、どうしたの、なぜしたんです、それは。

松田参考人 これは……(発言する者あり)いやいや、そうじゃありません。これはこれまで三回もやっていますので。

 要するに、RCCの担当者が、より多く回収して、国民負担、税金に、住専機構の場合、住専の回収は二次ロスが出ますと税金が入ることになっていますから、それを避けるためにより多く回収しようという気持ちが焦って、こういうことに出てしまって、こういう話の中でより多く自分のところを有利に取り込もう、こうしたことでございます。

 確かに申しわけない、これはまことに申しわけない、関係者に対して何も言わなかったわけですから。そういうことで、社長も二回、公式に謝罪をし、その後、いろいろ改善策を尽くして今日に至っております。事実については、二回とも誠実に記者会見をして、公表いたしまして、それを今まで明らかにしております。

河村(た)委員 だから、どうして高い値段をつけたんですか。五倍ですよ。これは仮装じゃないのか。何か、自分がちょっとでも債権の回収をしたければ五倍の値段を関係者でつけるんですか。これは犯罪ですよ。あり得ないよ。そこのところ、もう一回答弁してください。

松田参考人 同じことで申しわけございませんけれども、担当者は、本当に、ここの回収によって多額の回収金を得て、少しでも国民負担を減らしたい、そういうことが根にありまして、ただ、やった行為は、同じ抵当権者である明治生命と横浜銀行に対して、四十三億という大きな単価で売られるということを言わなかった、そういう不誠実さがあるわけで、この取引がよくないということはもう重々反省しております。それはもうこれまで我々は何回もそれで謝ってきたわけでございまして、そういうことでございます。

河村(た)委員 謝って済むことと済まぬことも世の中にありますよ。(発言する者あり)歩合ですか。では、この事件で成功報酬は幾ら行っていますか。

松田参考人 このことによって、担当した弁護士が特別に何か謝礼をもらったということは聞いておりません。

河村(た)委員 謝礼というか、それは何かあるわけでしょう。(発言する者あり)

山口委員長 静粛に願います。(発言する者あり)

河村(た)委員 何を言っているんだ。相談したって、別に悪いことないじゃないか。(発言する者あり)

山口委員長 静粛に願います。静粛に願います。

河村(た)委員 この担当の弁護士は、報酬はどうなっていたんですか。歩合があるのではないかということですよ。この年、幾ら年収もらったか。歩合があるのではないかということは、あるんですよ。

松田参考人 再三で同じお答えになって恐縮ですが、私がRCCから受けている報告によれば、特別に成功報酬とか歩合とか、そういうものは一切この弁護士は受けておりません。

河村(た)委員 とにかく僕は、余分にというか、幾ら回収額を多くしようといったところで、五倍の土地の単価をつけて、相談して、そういうことをやるというのは私は考えられぬ。

 だから、柳澤大臣、これは通告してありますけれども、これはきちっと一遍、これは怒りますよ、普通のほかの債権者は。何か自分の入っていない土地だけを、一緒に売ると言っておったのを切って、そこだけ五倍の値段をつけて、私たちはたくさんいただきたかったから当然だというのは、そんなことが通用しますか。だから大臣、これは本当に、しっかりもう一回、RCCというのは銀行なんでしょう、金融機関なんでしょう、この点で検査してくださいよ。どうですか、大臣。

柳澤国務大臣 今御指摘になられたとおり、RCCは銀行でございます。したがって、私ども、当然これは銀行検査の対象になるべきもの、こう考えておりますが、現在まで検査をいたしておりませんのは、この銀行は別に預金の受け入れ機関でもないということで、順番からいっておくれているという状況でございますが、これについては、何らかの機会をとらえて検査をすべき対象であるというふうには考えております。

河村(た)委員 では、また続けてやりますが、ぜひ、なるべく早いときにこの問題についての検査を出していただきますようにお願いしたいと思います。

 以上でございます。

山口委員長 先ほど理事懇談会で江崎議員までということでお話ししましたので、質問席にどうぞ。(発言する者あり)では、それまでの間、質問をやってください。

 次に、江崎洋一郎君。

江崎委員 民主党の江崎洋一郎でございます。

 まず、今回の法改正の趣旨でございますが、RCCが経営の悪化した企業の債権を金融機関から買い取り、その企業を再生させる役割を法律で明確にさせるということなんでしょうが、マーケットの率直な意見を聞きますと、どうやら違う意見が聞こえてまいります。RCCには専門性の高い企業再生ビジネスはできないのではないか、不良債権処理を先送りするための政府の隠れみのになってしまうのではないか、このような懐疑的な見方も少なくないわけでございます。

 こうした懐疑論が出てまいりますのは、法改正の検討の過程で、買い取り価格や買い取り方法などの技術的な論点については議論が盛んであった一方で、本スキームの全体像や基本理念が明確に伝わらなかったということにあると思います。

 そもそも、RCCは、民間がやらないような債権回収を地道にやっているからこそ存在意義があり、民間でもできることになぜ手を出すのかという疑問がございます。

 例えば、日本でも既に、二十兆円に上る不良債権の売買実績がある、経験と実績のあるサービサーや、あるいは投資ファンドなどの民間のプレーヤーというものが多数存在しております。その上で、RCCにもこの企業再生機能を担わせる必要があると判断したのであれば、官であるRCCには民とは異なるいかなる役割が期待されているのか、明確に示されるべきだと考えます。また、RCCの機能強化によって不良債権問題がどのように進展し、最終的には国民経済にどのような影響を及ぼすのかという点も明らかにすべきだと考えます。

 国民や市場参加者が納得の得られない限り、いわゆるRCC送りというものが企業に対する死刑宣告といった悪いイメージがついて回って、RCCを活用した企業再生スキームは絵にかいたもちに終わってしまうのではないかと私は懸念しております。

 そこで本日は、RCCの機能強化につきまして、RCCに期待される役割とは何か、また二点目に、不良債権処理が国民経済にどのような影響を与えるのか、その観点から質問をさせていただきます。

 まず最初に、今回の法改正によりますと、RCCに、金融機関からの不良債権の切り離しというものと経営難に陥った企業の再生という二つの機能が付与されることになります。不良債権の切り離しについて、RCCは、金融機関からの売却を円滑に進めるために、損を出さない価格から今回時価にするということで不良債権を買い取る法案であるわけでございます。

 これまでの平均買い取り価格というのが、きょう午前中の審議の中で、簿価の三・六%程度という御答弁がありましたが、不良債権を売る側としては、時価になれば大分売りやすくなるとは思います。しかし、実際には、買い取り価格を弾力化しただけで金融機関がRCCに不良債権をどんどん売るようになるとは考えにくく、RCCに対して時価で売却する意思があるのであれば、既に市場で処理が進んでいると思われます。

 そこで、最初の質問でありますが、再三今までの審議にもございましたが、RCCが不良債権を買い取る際の時価とは何を指しているのか、もう一度お尋ねしたいと思います。

 例えば、売り手である金融機関の希望する価格ということであれば、簿価から引き当て額を差し引いた金額に極めて近づいてくるということになるでしょうし、この方法であれば確かに金融機関はどんどん不良債権を売ってくるかもしれません。しかしその裏では、金融機関がモラルハザードを起こして甘い債権評価を行い、結果としてRCCに膨大なロスが発生する危険性が高くなるということも言えます。これでは、RCCを隠れみのとした事実上の金融機関救済策となってしまうんじゃないでしょうか。

 一方、買い手であるサービサーあるいは投資ファンドなどの民間プレーヤーがオファーする価格で買うということであれば、価格の客観性は高まりますけれども、金融機関としてはRCCだから積極的に売るということではなくなってしまうと思います。

 また、その両方の中間に位置する、市場の価格をゆがめるような、不良債権の切り離し自体が中途半端になってしまうそういう価格であると、またこれもRCC自体の存在意義が問われるということではないでしょうか。

 だれもが納得できる時価というものは一体何なのか、この点につきまして提案者並びに柳澤大臣から御意見を賜りたいと思います。

谷口議員 今、江崎委員がおっしゃったことでございますが、時価ということについてどのようなことを考えておるのかということでございます。

 非常に抽象的な言い方でございますが、一般的に、その時点におけるそのものが売買される実際の価格ということを時価というのだろうというように思うわけでございますが、市場価格があれば、売り買いの市場があるという前提でございますと、この市場価格が時価になる。市場価格がないということになりますと、公正に評価された金額がその場合の時価になるだろう、このように考えるわけでございます。

 江崎委員が今おっしゃった、実質簿価というようなお話があったわけでございますが、一般的に時価と申しますのは、マーケットプライスで、売り買いの値段、売り手また買い手の合致した値段が時価ということになるわけでございますが、実質簿価ということになりますと、金融機関の簿価があって、これを、貸し倒れの危険性等を見積もった形での引当金を積んでおるわけでございます。この簿価から引当金を控除した金額を一般的に実質簿価、このように言われておるのだろうというように思うわけでございます。

 一方で、先ほども申し上げましたように、時価というのはあくまでもマーケットプライスでございますので、売り買いの値段が合致したことを一般的に時価と言うということを考えますと、実質簿価といわゆる江崎委員がおっしゃった時価とは異なるものだというように考えておるわけでございます。

江崎委員 私はちょっと実質簿価というような議論はしていないのですが。

 今回、RCCが不良債権市場における機能を果たすとすれば、やはり価格がつかないようなものについてどういうように買い取っていくのか。そのとき、価格がつかない、いわゆる気配値であるという中で、その気配値を時価と言っているのか、客観的に何を時価と指しているのかを伺いたいと思っておりまして、マーケットプライスというのは、まあ気配値ということではあるかもしれませんが、しかし、客観的に見て、時価で買い取られましたということがきちっと外へ明らかに説明できるというのが時価ではないかと思います。

 いわゆる市場取引においても、売り手と買い手との間で成立した価格が時価ですよね。しかし、もともとこのRCCが買おうとしている行為に際して、値段ありきで出てくるわけじゃないですよね。要するに、だれも引き受け手がいない不良債権について買っていこうという話ですから。

 その点、もう一度時価に対する説明をお願いします。

谷口議員 市場があって、売り買いの値段が決まらない、今おっしゃったような例えば気配があるといったようなことは、一つの時価になるんだろうというように思うわけでございます。あと、市場価格がない、要するに市場がないといったような場合には、公正に評価された価格が時価になるだろう、このように考えておるわけでございます。

江崎委員 今、市場価格というものを時価とおっしゃっていましたけれども、むしろ不良債権については、キャッシュフローを現在価値に引き直して、そこで気配値というのが本来出てくるんじゃないですか。何かそういった客観性のあることを明確に時価と定義づけないと、非常に誤解を受けるのではないかと思っております。

 もう一度ちょっと時価について定義をお願いします。

谷口議員 今おっしゃった、キャッシュフローのことをおっしゃったわけでございますが、物件におきまして、キャッシュフローが見込めるものと見込めないものとあるんだろうというように思うわけでございます。

 現在、RCCが買い取っておるような物件につきましては、どうもキャッシュフローが見込めないような物件もある、こういうことになりますと、これは担保処分価格で評価をする。この担保処分価格で評価するということになりますと、公正な評価額ということになるわけでございますが、現在は、不動産の鑑定評価額から一定限度の減価をいたして、また処分にかかわる費用を減価して出しておるわけでございます。時価につきましては、現在、買取価格審査会等を通じてこの時価のチェックを行っておるわけでございます。

 一方で、キャッシュフローがあるような物件がございます。キャッシュフローがあるような物件につきましては、これは年々のキャッシュフローを合計して、一定の割引率で現在価値に引き直すといったような収益還元法、広い意味で収益還元法というような、割引キャッシュフロー法ともいいますか、このような方法があるというように考えておるところでございます。

江崎委員 今回の法改正の主眼となるのが、この時価という問題であります。そういった意味で、外から見ても明らかに適正な価格であるという時価を定義をきちっとしていただかないと、このRCCの法改正につきましてもなかなか理解が進まないということになるのではないかと思っております。

 ちょっと時間もありませんので、次の質問に移らせていただきますけれども、済みません、今、時価の件については金融大臣にも御意見をいただきたいと思います。

柳澤国務大臣 基本的に、今、谷口提案者の方から、私としては、非常に周到な答弁があったというふうに考えております。

 時価とは公正な評価額をいって、市場において形成されている取引価格、気配または指標その他の相場に基づく価額をいう、市場価格がない場合には合理的に算定された価額を公正な評価額とするというのが企業会計審議会における金融商品に係る会計基準の定める時価ということになっております。

 そういうことでございますが、私ども、もしこの法律を成立させていただいた暁には、RCCの中に現在も置かれている買取価格審査会というものをさらに充実させて、この公正性を担保してまいりたい、このように考えておりまして、そういった手続的にも国民の皆様に御納得いただける手続を踏みたい、このように考えております。

江崎委員 今の買取価格審査会ですか、こちらでの、幾らで買い取りました、これは公示されるのですか。公の場に発表されていくのでしょうか。

柳澤国務大臣 失礼しました。ちょっと、RCCというふうに先ほどの答弁で申し上げましたけれども、これは預金保険機構ということでございます。

 それで、預金保険機構で個別の案件についての価格が審査された場合にこれを公表するかということでございますけれども、さらに手続的に申しますと、実は内閣総理大臣の承認に係るわけですね。これは具体的には、金融庁長官に委任をされておりまして、そして事務局をもって預保のいろいろな話を聞きながら審査をし、そして承認をする、こういうことでございますが、手続的にそのような丁寧な手続を踏みますが、個別の案件について、一種の商取引ということになりますので、これを公表するということは想定していません。

江崎委員 今、公表はしないということでありましたが、いずれにせよ、どういう形で成立した価格が時価になっているのだということは、外から取引参加者を募っていく、RCC自身が機能していくためには、やはりそこの客観性が一番大事だと思うのですね。したがって、時価という問題につきましては、はっきりした定義を設けて説明をしていただきたいというふうに考えております。

 次に、不良債権市場、マーケットなどでは、不良債権を切り離してもなかなか、金融機関、進まないというのは、買い手がいないからではなくて、売り手である金融機関自身が不良債権をなかなか手放さないことに原因があるのではないかとも言われております。

 不良債権を売りたがらない理由としては、不良債権の売却によって生じる償却負担が金融機関にある。それから、借り手との株式の持ち合いを通じた相互依存関係というのもある。そして、借り手企業を見捨てると、顧客の信頼をなくしたり、金融機関自身の経営状態が疑われるという風評リスク。これらもあって、なかなか不良債権を金融機関も手放さないのだというようなことが指摘されているわけです。

 現在の低金利下の中では、不良債権をそのまま抱え込んでいても金利やコスト負担というのが非常に小さい。その反面、売却損を出したり、借り手と摩擦を起こしてまで不良債権の切り離しというものを進めていくというインセンティブが今ないのではないかという見方もあるわけですね。いずれにしても、金融機関には不良債権を切り離さない方が得をするさまざまな事情が今取り巻いているのではないかと言われております。

 そうだとすれば、黙っていても金融機関は不良債権を売ってこないわけです。金融機関に不良債権を売る気にさせるような積極的な働きかけというものを今後していくのかどうか伺いたいと思います。

 そこで次の質問ですが、改正法案のもとでは、どのような方法で金融機関が不良債権を手放していくように促していくつもりなのかを伺いたいと思います。

 例えば、是非はともかくとしても、RCCの買い取り価格を甘くして、金融機関にあめを与えるようなこと、これも一つの方法であると思います。しかし、国民負担は避けなければいけない、当然です。であれば、金融庁の特別検査といったむちを使って金融機関に無理やり売らせるしかないという考えもあると思います。金融庁にこうした強硬な監督権限を行使させることは可能であるとお考えでしょうか。

 また、わざわざ改正をしたメンツを保つために、民間の買い手がいるにもかかわらず、実績づくりのためにRCCへの売却を強要するのではないかという懸念もあるわけです。こうした点について、これまでの議論の中で余り十分深い議論をしていないように思います。重要なポイントであると思いますので、柳澤担当大臣から御答弁をいただきたいと思います。

柳澤国務大臣 これにつきましては、一つの枠組みがもうでき上がっているということ、あるいは専門家である江崎委員は御案内のとおりかと思います。

 私ども、四月の緊急経済対策、また六月のいわゆる骨太の方針の中で、主要行の破綻懸念先以下の債権については、既存分は二年以内、新規発生分は三年以内に最終処理をするということにいたしておりまして、このことを既に各金融機関に、主要行でございますが、これをもう要請いたしておりますし、また、その実績については公表をするということで、外部から、いわばパブリックプレッシャーというか、そういうものをかけられるということにいたしております。

 そういうこともありますので、今回、与党三党では、いわば、いろいろな形でなかなか引き合いの難しいものを、これをまたRCCを活用して、ルールに適合するようにしてくださるということも一つ織り込んで、こうしたスキームをつくっていただいているもの、このように我々は受けとめているわけでございます。

江崎委員 そうしますと、特別検査の中身ということで、例えばある銀行に検査に入った、A社については破綻懸念先になっていた、ところが、また別の銀行に入ってみたら、特別検査でチェックしたところ、要注意先になっている、これらを、水準をそろえていくということも特別検査の役割という御認識でしょうか。

柳澤国務大臣 特別検査においては、前から申し上げておりますように、市場評価との調整ということを眼目にして、調査を債務者に着目してやらせていただくということでございます。したがって、主としてメーンバンク等においてそうしたことを、あるいは準メーンを含めてやらせていただくということでございますけれども、同時に、主要行についてはフォローアップ検査というものをやっておりまして、フォローアップ検査においては、いわば、特別検査の経過あるいは結果、こういったものも頭に置いて検査官が出かけていきますので、そういうことでは、結果において今先生が指摘されたような事態というものが、容易にと言うまで容易ではないかもしれませんが、想像されるのではなかろうか、このように考えております。

 なお、ちょっと先ほど言い忘れましたけれども、先ほど申し上げたスキームの、いわばほかにとあえて言わせていただきますが、特別検査においては、特別検査で破綻懸念先に債務者区分されるようなものが出た場合には速やかに処理をするということになっておりまして、その先には当然今回のスキームも想定できる、このように考えるわけでございまして、その場合、その速やかにというのは、我々の意図、意思としては、先ほどの既存分二年あるいは新規分三年というものよりも早くということを考えているわけでございます。

江崎委員 特別検査という中身をしっかり見ようということでありますので、金融機関自身の抱えている問題もあると思いますし、また、その検査によって手放させるという、速やかな解決というか、その手段を急ぎませんと、これはちっともRCCというものが機能してこないわけでもありますから、この不良債権の切り離しというものについて積極的に行えるような検査、実質のある検査を行っていただきたいというふうに思っております。

 不良債権の切り離し問題、今は以上で終わらせていただきまして、次に、企業の再生をめぐる問題について幾つか質問をしたいと思っております。

 日本経済の復興という観点からは、金融機関から切り離された後の企業をいかに再生させるかという点が非常に重要であると思います。この点に関しては、日本にもサービサーや投資ファンドなどの経験と実績を備えた民間プレーヤーというのが存在するわけであります。

 こうした専門家集団と並んで、経験も実績もないRCCに期待される役割というのは一体何なんでしょうか。RCCには、民間の買い手では果たせない、何か特別な役割というものが期待されているのかどうかをお伺いしたいと思います。

 ちなみに、アメリカのRTCは、RCCと異なりまして、健全な金融機関からの不良債権買い取りは行っていません。また、破綻した金融機関から取得した不良債権についても、RTCみずからが企業再生を手がけるのではなくて、外へ、証券化などの手法により市場に再売却しているという手法であります。

 我が国の場合も、企業再生ビジネスは民に任せた方がいいんじゃないか、その方が効率的で、市場機能をゆがめる可能性があるRCCの介入は慎重に行うべきじゃないかという意見もあります。この点につきまして、御提案者、また柳澤大臣に御見解を伺いたいと思います。

津島議員 ただいまの御質問にお答えするには、金融再生法を最初に提案いたしましたとき、このときは御党の皆様と私ども共同提案者でございましたが、そのときの議論を参考にしていただければ大変幸いであります。

 あのとき、私どもはわかっておりましたのは、委員おっしゃったとおりRTCは健全銀行からは資産を買わない、おっしゃるとおりでございます。そこで、あの段階で我々は、それと同じ形にするのか、日本のRCCが健全銀行からも買うのかどうか、これは随分議論をいたしました。そして結局、日本のこの不良債権にかかわる資産の処理について、大変に経験も不足をしておるし、思うように進まないので、これはRCCを生かした方がいいということで五十三条が出てきた。大変な議論がございました。

 そして、それをさらに延長していただいたときに、やはりRCCにはそれなりの役割があるということがその基礎にあったわけでございまして、今後におきましても、民間のサービサーその他、あるいは再生を図る場合のいろいろな仕組みも生かしながらも、RCCが果たす役割は十分にある、それを念頭に置いて私どもは今度の提案をしているということでございます。

江崎委員 それでは、時間が来たようですので、あしたにまた。

山口委員長 次回は、明二十八日水曜日午前九時三十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後六時十四分散会




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