衆議院

メインへスキップ



第5号 平成14年2月28日(木曜日)

会議録本文へ
平成十四年二月二十八日(木曜日)
    午前九時五分開議
 出席委員
   委員長 坂本 剛二君
   理事 中野  清君 理事 根本  匠君
   理事 山口 俊一君 理事 山本 幸三君
   理事 海江田万里君 理事 古川 元久君
   理事 石井 啓一君 理事 中塚 一宏君
      岩倉 博文君    小此木八郎君
      金子 恭之君    倉田 雅年君
      佐藤  勉君    七条  明君
      竹下  亘君    竹本 直一君
      谷田 武彦君    中村正三郎君
      林田  彪君    増原 義剛君
      山本 明彦君    吉田 幸弘君
      吉野 正芳君    渡辺 喜美君
      五十嵐文彦君    生方 幸夫君
      江崎洋一郎君    河村たかし君
      小泉 俊明君    小林 憲司君
      佐藤 観樹君    中川 正春君
      永田 寿康君    長妻  昭君
      上田  勇君    遠藤 和良君
      佐々木憲昭君    吉井 英勝君
      阿部 知子君    植田 至紀君
    …………………………………
   財務大臣         塩川正十郎君
   国務大臣
   (金融担当大臣)     柳澤 伯夫君
   内閣府副大臣       村田 吉隆君
   財務副大臣        尾辻 秀久君
   経済産業副大臣      古屋 圭司君
   国土交通副大臣      月原 茂皓君
   財務大臣政務官      吉田 幸弘君
   会計検査院事務総局第五局
   長            円谷 智彦君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    古田 佑紀君
   政府参考人
   (財務省主税局長)    大武健一郎君
   政府参考人
   (国税庁次長)      福田  進君
   政府参考人
   (国税庁調査査察部長)  東  正和君
   政府参考人
   (中小企業庁次長)    小脇 一朗君
   政府参考人
   (国土交通省鉄道局長)  石川 裕己君
   参考人
   (帝都高速度交通営団理事
   )            西川 和人君
   参考人
   (帝都高速度交通営団理事
   )            辻  通明君
   参考人
   (日本銀行理事)     三谷 隆博君
   参考人
   (日本政策投資銀行総裁) 小村  武君
   財務金融委員会専門員   白須 光美君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十八日
 辞任         補欠選任
  金子 一義君     小此木八郎君
  小泉 龍司君     谷田 武彦君
  山本 明彦君     吉野 正芳君
  渡辺 喜美君     佐藤  勉君
  永田 寿康君     河村たかし君
同日
 辞任         補欠選任
  小此木八郎君     金子 一義君
  佐藤  勉君     渡辺 喜美君
  谷田 武彦君     小泉 龍司君
  吉野 正芳君     山本 明彦君
  河村たかし君     永田 寿康君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 会計検査院当局者出頭要求に関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 平成十四年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案(内閣提出第二号)
 租税特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出第四号)
 関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第九号)


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――
坂本委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、平成十四年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案、租税特別措置法等の一部を改正する法律案及び関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 各案審査のため、本日、参考人として日本銀行理事三谷隆博君の出席を求め、意見を聴取することとし、政府参考人として財務省主税局長大武健一郎君、財務省関税局長田村義雄君、財務省理財局長寺澤辰麿君、国税庁次長福田進君、国税庁調査査察部長東正和君、内閣府政策統括官安達俊雄君、中小企業庁次長小脇一朗君及び国土交通省鉄道局長石川裕己君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
坂本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 引き続き、お諮りいたします。
 各案審査のため、本日、会計検査院事務総局第五局長円谷智彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
坂本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
坂本委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤観樹君。
佐藤(観)委員 おはようございます。民主党の佐藤観樹でございます。
 昨日、政府の方から総合デフレ対策ということで発表になったわけでございますけれども、まず、この問題からお伺いをしていきたいと思っております。
 一言で言いますならば、政府が出したものというのは、既に出されたものを寄せ集めたにすぎないんじゃないか、新たにインパクトのあるものがあるんだろうかという感じがいたします。しかも、これをまとめるに当たりましても、小泉内閣の閣僚というのは、どこが一体司令塔なんだろうかということがよくわからない。このことについても後でお伺いいたしますけれども、こういう政府内の混乱というのが市場に非常に不安定な要因というものを増幅している原因になっているというふうに、私たちからいうと見ざるを得ないのであります。
 最大の問題は、言うまでもありませんけれども、不良債権の処理と金融再生に取り組む強い姿勢でありますけれども、きょうは二月の二十八日、あと一カ月でペイオフが解禁になるというこの時期でも、システミックリスクというのはこれで大体解消できるめどがついたなというような感じには決してならないということでありまして、相変わらず問題を先送りしているというふうに言わざるを得ないわけであります。
 政府があといろいろ出してきているものの中には、大企業の救済とか、整理回収機構、RCCによる不良債権買い取り価格のつり上げとか、公的資金による銀行保有株式の買い上げなど、我々の言葉で言うと筋が悪い政策を並べていて、決して構造改革に資する政策ということには、到底見えないのであります。
 自民党が出しております特命委員会のデフレ対策の中にも、この筋の悪いものが随分あって、一般事業会社から保有する銀行株や保険会社が保有する株式の買い上げ、郵貯、簡保、年金資金による株価維持操作、PKO、あるいは日銀に金融緩和の過度の要求というようなことで、決してこれも評価できるものじゃない、こういう感じがするわけであります。
 そこで、まずお伺いしたいのでありますけれども、一番大事な不良債権の処理の問題、金融再生について、この政府の言葉で言いますれば、一番簡単に言いますれば、金融庁は、不振企業向け債権を対象とする特別検査を三月までに厳格に実施し、結果は早期公表して、主要行にも検査結果を受けた財務内容の速やかな開示を要請するというのが一つ項目としてあります。
 ここに言っていることは、今まで財務大臣なりあるいは柳澤金融担当大臣が言ってこられたことと違うのか、あるいはその延長線上のことを書いてあるのか。
 解説の、あるものによりますれば、いや、もっと大胆に、ダイエーの再建のように大胆に、金融機関は資本の率をそう頭にせずどんどんとやって、最終的に金融機関の資本比率が下がった場合には公的資金を入れるようにするんだ、つまり、銀行再生の前に産業再生ということをとるべきだ、こういうふうに変わったんだという解説をする人もいるんですが、一体、今申しました第一項目めの、金融庁が三月までに厳しい検査をし、そして国民に公表するというこの内容というのは、従来この財務金融委員会で審議をしてきたことと同じことなのか、いや、少しやり方は変えるのか。
 それから、ついでに聞いておきますが、三月までにというのは、大変手間のかかることでありますから、時間がかかる話でありますが、スケジュール的には、これからいつぐらいにそれを公表し、また、金融機関については各行名前を入れた発表を国民にするのか、まずその点からお伺いしたいと思います。
柳澤国務大臣 昨日、「早急に取り組むべきデフレ対応策」というタイトルのもとで、政府がいわゆる今後とも必要に応じて早急に対応策を打っていくデフレ対策のいわば第一号というような形で、この文書を取りまとめたわけでございます。
 そういう中で、不良債権処理の促進というものが第一に掲げられるということがございまして、特にその中で、まず厳正な検査というものをやる。これは別に、特別検査だけのことを言っているわけではなくて、私どもはかねてから、通常検査においても、格別の時期であるから格別のやり方で、強化された検査を行うということを申しておりまして、そういうものを的確にまず行わなきゃならない。こういうことが第一の(1)のところにうたわれているわけでありますが、特別検査のことについてもるる書かせていただいております。
 この特別検査につきましては、もともと一月から三月にかけて行われる自己査定というものにあえて立ち会う、そして、外部監査人と、銀行の資産区分等を行うその当事者、それから我が方検査官が、一つ一つの該当の債務者についての債務者区分というようなものについて、その見方、意見というものを闘わせて結論を得る、こういうことでございますので、どうしてもその終結の時期というのは三月いっぱいかかる、こういうことになるわけです。
 そこからまず二つ話が出るわけでございますけれども、一つは、そういうものがまとまったときには速やかにこれを適切な形で公表した方がいいよ、こういう話があります。それからもう一つは、そういうものが話が大体落着をしたら、速やかに次は、今度はその処理に向かう、こういうことをやるべきだということが、この(1)、(2)のところで書かれているわけです。
 一つ、その公表の方は、従来から申しているように、この検査自体もかなり風評リスクというようなものを伴うということですから、そこは非常に注意しないといけない。したがって、今度の結果の取りまとめ、公表についても、国民の皆さんがかなり注目をしておられたものですので、こういうものでしたよということでその結果を公表していくということですが、同時に、今言ったように、風評リスクの惹起ということには配慮しなきゃいけない。ですから、その兼ね合いのところでどういうものがいいか、どういう形があり得るかということを、終結に向かって並行して今検討させていただいておる、こういうことでございます。
 時期は、私どもとしては、まあ旬日というか、あるいは半ばごろにはぜひ発表したい、こういうように今私は指示を出しているところでございます。
 それから、もう一つのところの「会社再建等による速やかな処理」ということが、今、佐藤委員御指摘の、いわば各企業の整理に、これは特別検査のいろいろな議論を、多分結論と言っていいと思うんですが、それを受けて、もう既にその会社の整理が実施されている、こういうようにお受けとめいただきたい、このように思っております。
佐藤(観)委員 今の柳澤大臣のお話をお伺いしますと、やり方としては、ここでずっと審議をしてきたように、特別検査の延長線であるということは変わりないんじゃないかと思うんですね。
 それから固有名詞、どこの銀行はどんな状況だというのは、風評被害もあるからこれは表へ出せないということ。それから時期は、常識的には私も四月半ばぐらいだと思うんです、時間がかかる話ですからということ。
 それから、三月の時点の中で、既に、銀行再生というのはそもそもの借り手であるところの企業が再生しないことにはできないわけですから、企業再生をさせるために選別をするというのは、これはいわば検査の中で事実上しているということだというふうに理解をしてよろしいですか。
柳澤国務大臣 佐藤委員、もう本当のベテランというか、こういったことにかけては長年の御経験を持っていらっしゃるので、言わんとするところが私にもちょっと、なかなか難しいことなんですが、検査の一環ということではなくて、やはり検査の結果が確定版として、もしほっておいても、再建のことをやらなくても、検査の結果として確定する形はこうであろう、こういうものがございます。そして、そういうことを念頭に置いて企業再建の方に着手しているというふうにお考えいただくのが、正しい受けとめ方だということでございます。
 ですから、検査をやっているから、言葉を具体的に言うと、例えば検査をやっていると破綻懸念先になっちゃうから、ならないように再建しちゃう、今度の検査で違う取り扱いになるようにやっちゃう、こういうことではなくて、検査の結果は、ほっておいたらこうなりますということで今度は出すことになるだろうと思うんです。そういうことを前提にして、もう早目に再建の方は再建の方でやる、こういうことだというふうにとりあえず理解をお願いしておいたらいいんじゃないか、このように思います。
佐藤(観)委員 そこでもう一つは、これは非常に難しい問題ではあるけれども、速やかに国民に公表するというのがありますね。それが、何々銀行という固有名詞が入っていないときに、どうあるべきかの問題でその次の公的資金の投入の問題と絡んでくるんですけれども、非常に難しいけれども、A銀行、B銀行、C銀行というので国民にわかるだろうか。
 四月ということになればペイオフ解禁になっているわけです。ここは非常に難しいけれども、この際完全にうみを出すためには、やはりちゃんと銀行名も含めて出さないと、国民にはますます不安が不安を呼ぶということになるんじゃないでしょうか。その点はいかがでございますか。
柳澤国務大臣 これは佐藤委員、特別検査というものが非常に世の中の関心を集めているという意味合いから、何か特別検査の結果が、仮に銀行の決算あるいは自己資本比率というものにかなりバイタルな影響を与えるというような前提で今お話しいただいているかと思うんですけれども、もちろんその影響は当然あるわけです。しかし、金額的に言うと、例えば一千億ぐらいの、一千億内外のもののところを何社調べるかということになると、我々これ具体的に申し上げるわけにいかないんですけれども、事務能力の点からいっても、およそ総体の金額というのは御見当がつくんだろう、こういうように思うわけでございます。
 そういうことを前提にしてちょっとお考えいただきたいんですけれども、我々の特別検査というのは、個別の債務者のかなり大きいところについていろいろ、現に先ほど言ったように、速やかに処理するの中で企業再建に着手しているものもありますので、ごらんになっていただいて、そこのところは御納得いただける企業が相手になっているということは、これはもうおわかりいただけると思うんですけれども、自己資本との関係で、あえて私踏み込んで申させていただくと、やはり通常検査の強化された検査と混然一体となったその当該銀行の決算全体、これと、さあ自己資本はどうですかという話がやはりあるべき話だというふうに思うわけでございます。
 したがいまして、今佐藤委員がおっしゃるようなことで、もし問題が起こる、私は、自己資本のレベルが直、資本の増強というか補強というようなものに、公的なものに結びつくというのはちょっと飛躍があるということを前から申して、そういうものが金融危機のおそれを生んだときに初めてそうした次の段階に行くというふうに考えております。おりますけれども、要するに、何というか、そういう問題が論じられるのは、検査の結果、つまり次の決算ですね。通常検査は一年に一回やっているし、フォローアップ検査もやっているわけですから、大手の銀行については。そういうもの、通常検査の結果と特別検査の結果が混然一体となった、当然一体になっているわけですが、それによる検査の結果が今言ったような論議に結びつくとしたら結びつくというふうにお考えいただいた方がよろしいかと思うわけでございます。
佐藤(観)委員 特別検査をやった結果、A銀行は資本比率が八%を切っていたということが、表へ出す出さないは別として、検査で出てくるわけですね。その際に、八%を超えている場合には、あるいは四%の金融機関もありますけれども、足りない場合には当然これから議論します公的資金の投入の問題というのは出てくるわけですね。
 今の柳澤大臣は、特別検査と一般検査との問題を言っていらっしゃるけれども、現実にここまでこういう状況になってまいりますと、せめて資本比率が足りないというものぐらいは公表していかないと、その次の手というのは私は打てないんじゃないかと。非常に難しい問題ではあるけれども、風評被害がありペイオフの問題があり、預金がシフトするという問題もありますから、非常に難しい時期ではあるけれども、やはりそのことをちゃんとしていかないと、いつまでたっても金融不安というのは消えていかないんじゃないか。
 私は、したがって今度の特別検査というものはそういうものを頭に入れて、知っていますよ、柳澤大臣は、もうそんな事態じゃないんだ、それほど深刻じゃないんだということを絶えず言っていらっしゃる。そこは塩川さんとまた違うし、日銀総裁とも違うし、竹中さんとも違うという、これまた後から聞きますけれども、違うことはわかっております。しかし、もうこういう国民的に大変不安になっているときに、もし資本金不足ということになった場合には、きのうのデフレ対策にも書いてあるように、緊急に当然十五兆円の中から入れるということも書かれておるわけでありまして、その基準は、我々には何もわからないのです。せめて資本不足でしたよという金融機関の名前ぐらい明らかにしなかったら、我々としてもその次の手が打てないんじゃないでしょうか。その点はどうお考えになっていますか。
柳澤国務大臣 自己資本のレベルが各行ごとに変動するのは、すべての債権についての債務者区分、あるいはそれに必要な引き当てというものが決まってから、その集計の結果出てくる。一部の結果から出てくるわけじゃありません。それをまず御理解いただいておきたいと思うんです。そうすると、それは特別検査の結果というよりも、やはり各行が発表する決算というもので、それは特別検査の結果も当然そこに織り込まれているわけですけれども、そういう形でもし論ずるとしたら論じる、こういうことになるということ。これはもうだれがどの方向から考えてもそういうことになる話だというふうに存じます。
 それともう一点だけちょっと申し上げますと、確かに私の話というのは、何と申しますかロジカルに過ぎると言われるかもしれませんが、自己資本不足がすぐ公的資金投入になるというふうには実は法律はうたってはいないわけでございまして、もちろんそれが過少資本じゃなくて債務超過だという場合には、それはもうほとんどストレートに、金融危機が起こって、さあどうするかという話になるわけですけれども、過少資本の場合、過少資本といっても程度にもよりますけれども、そういう場合には、すぐに金融危機が起こるのか。金融危機が起こる、あるいはそのおそれがあるということで公的資金の投入が論じられる、こういうことであるということもちょっと御指摘させていただきたいと思います。
佐藤(観)委員 確かに理屈はそうであります。しかし、世間の心配は、柳澤大臣が言うような感覚ではとられていない、どちらが正しいかどうかは別にいたしまして。
 これは、自民党さんの国家戦略本部というのがあるのですか、ここで総理に進言をしたという数字が出ているわけですね。これは二月上旬の株価をもとにアナリストが分析したもので、大手銀行の健全性についてというので、あえて名前を申すのは、そうじゃないところがあると逆の心配をさせるから言うのでありますが、ここで調べたのは、東京三菱、みずほ、UFJ、三井住友、大和、あさひ、住友信託、中央三井信託、この大手の八つの都銀、信託グループを二〇〇二年の三月末時点で予測した自己資本比率ということで、今まで金融庁はこれらの大手銀行の自己資本比率は一一%だと言ってきたんだけれども、この調査によれば、〇・五三という二十分の一になっている。
 これには前提があるのでありまして、自己資本から公的資金を引き、公的資金というのは本来不良債権を処理するために使うので、資本であるべきじゃないんだという考え方ですね、これは考え方。それからもう一つは、繰り越し税金資産というもので、これは、貸出先の破綻リスクをあらかじめ損金と処理した場合に控除できる税金で、将来戻るであろう税金を資本にカウントした計算で、資本カウントできる前提は、翌年度に銀行が利益を出すこと。しかし、実際には九三年度以降一度も実質的な利益を出していないので、銀行が繰り越し税金資産を資本に入れること自体無意味である。こういう前提に立って〇・五三という数字を出しているわけですね。
 これは、僕はあえてこういう数字を申し上げているのは、御党のそれなりの専門家がいろいろなことを駆使してやったのでありましょうから申し上げるんですけれども、こういう数字も挙がっている。ただ、こういう時期になるといろいろな数字が挙がりますが、御党のそれなりの専門家が言っているからあえて出したのでありますけれども、こういう数字も出てくるような非常な状況が予想をされる、みんなも心配をしている。
 そこで、私は、この公的資金投入の問題で不思議だなと思っていることがあるんです。金融の検査の一番近くにいる柳澤大臣は、大丈夫です、そんな状況じゃありませんと一番近くにいるあなたが言っている。お隣におられる塩川さんは、まあそういうことが必要になったら入れなきゃいかぬねと言っている。それで、直接的には検査をやっていない竹中さんとかは、入れるべきである、予備的に入れるべきであると。
 もう一つ私不思議なのは、日銀の総裁も、予備的にであれ入れるべきであるということを言っている。二つ意見があって、一番近くにいる人でも、柳澤さんと日銀総裁とが違う意見を言う。日銀は日銀の考査がありますよね。ですから、何らかの格好で実態にさわっているわけだ。それでも言い方が違うということで、この問題、非常に私は外から見ていて、二、三カ月前から少し言葉じりは変わってきましたよ、変わってきましたけれども、言うことが違う。言うことが違うということは、私、先ほど、このデフレ対策に対する総体の中で司令塔がないと申し上げたのはそのことなんでありますけれども、これはどういうことなんでしょうか。
 柳澤さんは、自分が検査の責任者で、もちろん逐一見ているわけじゃないにしても、一番検査に近いところにおる柳澤さんは、いや、日本の金融機関はそんなに危ない状況じゃありません、そんな公的資金を投入しなきゃいかぬような状態ではありません、今はそんな時期ではありません、こういうことを言われているということで、後で日銀に、理事がきょうせっかく来ていただいたのでお伺いしますが、日銀総裁はどう思っているんだろうか。
 こういう全体的な公的資金をめぐる意見の違いというものについては、まず柳澤さん、どう見ていらっしゃいますか。そして一緒に、塩川財務大臣はどう見ていらっしゃいますか。
柳澤国務大臣 私には私、言い分が正直言ってございます。ございますけれども、それを一々ここで申し上げるというのは私は適切でないと思いますので、そうした、やや私が、そういうことをどう見ているかということを余り言わないで申し上げるわけですけれども、私は、やはり基本の考え方は、とにかく金融の安定ということを、あるいは金融機関が潤沢に資本をとりあえず持って安定する、九%より一二%がいいよというようなことに非常に傾斜した意見と、私のように、本当のサステーナブルの安定性というものはそういう一時しのぎの資本の積み上げによってはもたらされない。サステーナブルな安定性あるいは資本のレベルというのは、やはり収益力を伴ってこそそれはもたらされる。こういう考え方の違いが一つ根底にあると思います。ですから、私はやはり収益力を高める方向で金融の行政もやるべきだ、こういう考え方。
 ところが、そういうことはなくて、もうとにかく九%とかに比べれば一三%は安定だ、一三%より一五%が安定だ、こういうその当座のワンショットの安定性というものを求めがちな考え方をされる方がいらっしゃって、そういうことを主張する、そのあたりに差があるのかなというように私は考えるわけであります。
 きのうも申したように、公的資金を入れた場合は、本当の収益力がある体質のビジネスモデルなりビジネスが展開できるか、そういうものを探させる、発見させるにはどういう状況に置くのがいいか、また、公的資本そのものが実は収益を圧迫するという要因を持つわけです。そういうようなことで、サステーナブルなスタビリティーを求めるか、非常に一時的なスタビリティーを求めるかというところに、私はややその考え方の違いが出てくるのかなと考えています。
塩川国務大臣 現在、どなたが見ても金融状況が、その機能を発揮していないということがおわかりだと思っておりますが、その根本は何か。それは、金融機関が大きいヘドロを下に抱えておって、その部分が動きがとれなくなってきておるから、このヘドロを早く掃除してもらわなきゃならぬという、それは国民の一致した見方だろうと思っております。
 それじゃ、それを掃除するのにどうするのかということになりますと、これはまさに銀行自身の努力が最大限必要であるということは当然でございます。でございますから、銀行がまさに公的金融機関としての自覚に目覚めてもらうということが大事であって、自己保身だけじゃなくして、そういう公共の機関であるということから認識をしてもらうと同時に、大口の貸出先で不良債権を抱えておるところも、これも社会的公器としての企業でございますから、その社会的責任をやはり呼び戻してもらわないかぬ、その二つの間で整理を進めてもらわなきゃいかぬと思うんです。
 その結果として起こってまいりますところの、銀行のいわば自己資本比率であるとかあるいは資金の潤沢な保有というような問題について、起こり得るならば、これはやはり公的資金をつぎ込んででもその銀行の体質を改善さすべきである、私はそういう考えに立っております。
 でございますから、まずこの不良債権の整理というものは、公的資金を注入するとかいう以前の問題として、銀行対企業の間で不良資産の償却を一刻も早く話し合いをして進めてもらう、その上に立って、金融機関の体質を見て公的資金を注入する、そういう手段をとるべきだ、私は終始一貫そう考えております。
 そのためには金融機関も、その整理の状況によって、必要あれば公的資金の注入も必要なんだという自覚にやはり立たないかぬと思っておりまして、自分の営業サイドだけのことで公的資金の扱いを考えてはいかぬと思っております。
 今、幸いといいましょうか何といいましょう、金融庁が調査をして各金融の状況の検査をしておりますが、その中においては自己資金の比率は確保されておるということを聞いておりますけれども、それは不良債権の整理が進めば状況が変わってくるということも我々見ておかなきゃいかぬ、こういう考えであります。
佐藤(観)委員 柳澤さん、実態が、債務超過はもちろん問題外ですけれども、BIS規制の八%以下になっているとか地方銀行について四%以下になっているとか、こういうふうになっているときに、資本がしっかりしないで銀行の利益というものが出てくるだろうか。やはり銀行業、金融業というのは信用で成り立っているわけなので、どうもあそこは過少資本だよというようなことが出たら、ましてやペイオフ解禁のときでありますから、資金が流出をするということが当然考えられるわけであります。
 したがって、言われるように、確かに、本来的には銀行がいい企業を育て、そしてそこから利益を上げて、銀行自身もしっかりし企業もしっかりしていく、このことはもう当然のことだけれども、そのこと自体が今危ぶまれる部分もあるわけですね。
 したがって、私たちといいましょうか、全般的に心配をしているのは、そういう状況になっているんじゃないだろうか。そこで、今塩川大臣も言われたように、外からといいましょうか、関係者の中で、直接検査には当たっていないけれどもしかし全体的に心配をしている者は、この際公的資金が必要なんじゃないだろうかというふうに見るわけであります。
 それは、一面でいいますと、私は、きつい言い方をしますが、金融庁自身が必ずしも信頼をされていないのかなということを言わざるを得ないのであります。
 一つは、御承知のように、九八年、九九年に、柳澤さんが金融再生委員長のときに、九八年の三月に一兆八千億円、九九年の三月に七兆五千億円、公的資金を初めて投入した。しかし、その数カ月後に長銀がつぶれ、日債銀がつぶれるという事態になっているということで、ここで、金融庁自身が、国民から見れば、何だということになったことが一つあります。
 もう一つは、銀行自身の責任ということが棚上げにされてしまっておるということでありますが、二〇〇二年三月というのは、この責任論の棚上げが許されないことが小渕内閣のときからの約束で出ているわけですね。小渕内閣の経済戦略会議におきまして、提言という中で、責任論について「事態の緊急性に鑑み公的資金投入問題とは切り離して考えるべきである。また、公的資金を受け入れた金融機関は、早急に自主的経営改善計画を策定・実行すべきであるが、三年後に顕著な経営改善を達成できなかった場合には、経営責任を明確にする必要がある」いわば、三年間経営責任というのは免罪符にしますよということが小渕内閣のときの提言の中に出ているわけですね。
 そういうことからいいますと、この二〇〇二年三月というのは、いよいよその手形を落とさなきゃいかぬときになっているわけでございまして、国民の心配ということからいいまして、これは、しっかりと経営責任ということについても再生をしていかなきゃならぬというふうに思います。
 このことは、当時経済財政担当大臣だった竹中さんも責任があるわけでありまして、きょう竹中さんの責任を追及するつもりはありませんが、そういった意味では、公的資金の投入という問題は差し迫った問題と考えざるを得ないのでありますが、いかがでございますか。
柳澤国務大臣 今佐藤委員御指摘の点ですけれども、まず、ちょっと事実を訂正させていただきたいんですけれども、長銀、日債銀の破綻は、佐々波委員会による資本注入の後に起こったことでございます。金融再生委員会になりまして資本注入をしてということではなかったものですから、そこのところは、長銀、日債銀の破綻が金融庁の行政に対する信頼を損ねたんじゃないかという御指摘は、ちょっと時系列的にいっても事実誤認というふうに申させていただきます。
 それから、責任論ですけれども、小渕内閣の時代の提言というのは、ちょっと私はどういうケースの提言であったか今思い出せないのでございますけれども、いずれにしろ、一九九九年、平成十一年三月末の資本注入に当たっては、資本の充実の区分に応じて経営責任の明確化ということの具体の内容が決められておりまして、いわゆる責任追及というのが、経営者の退任を求めるというようなものは、著しい過少資本行という場合に行えというのが法律の命ずるところでございましたので、そのことも申させていただきたいと思います。
 今度もし公的資本注入というものがあった場合に責任問題をどう考えるかということですが、これは法律上、他のリストラ、経営の合理化の問題、それから株主責任の問題と同様に、今度も明確化、こう書いてあるんですね。経営責任の明確化ということが書いてありますので、そういう明確化ということの意味するところを我々が的確な行政判断のもとで実現していくということになろう、こう思います。
 なお、ちょっと申しますと、明確化というのは健全化法の文言と全く同じなのでございます。
佐藤(観)委員 もう一つ金融庁が国民に信頼をされていないと思われるのは、石川銀行の倒産の問題であります。
 これは、時間がないから私の方から簡単に筋書きだけ言いまして、あと、金融庁の方からお答え願いたいのでありますが、去年の一月に石川銀行の検査が入りまして、このときの結論、これは後から出るのでありますけれども、十二月末の状況というのはマイナス八・六七、過少資本、三百二十一億円の超過債務になっていた。これは後から結果がわかるのですが、昨年の一月に検査したら、これは五月に発表になったわけであります。
 五月の二十五日に発表になったのでありますが、その間に石川銀行は、去年の三月に百五十一億の増資、第三者割り当て増資をし、四月に七十億円の増資をしたものですから、資本としては結論的に五・六七に戻ったわけであります。そして、金融庁が九月に入りましたときには、当然今度は債務超過になっていて、十三年、去年の十二月の二十七日に、債務超過でございますということで破綻処理をしてくださいということを申し出たわけであります。
 ここは、極めて悲劇的なのは、この三月と四月の第三者割り当ての増資に、テレビでも出ておりましたけれども、結局預金者は、渋々、今までつき合っていたところでもあるから、ある者は預金を取り崩し、ある者は他の貯金を取り崩してこの第三者割り当てに応じていたわけでありますが、結果としては、このときもう既に過少資本、債務超過ということになっていて、そして十二月にそのことが明らかになったという結果になっているわけであります。
 その結果について、事務方で結構でございますから、金融庁、よろしいですか。
柳澤国務大臣 大体の経過は、今佐藤委員の御発言のとおりと我々も認識をいたしております。
 十二年九月期の決算の適正性を検査するために十三年の一月から検査に入った、そういうことで、いよいよ検査が入って事実上五月に検査が終了するわけですが、まさにその検査が行われている時期である三月から増資の手続に入るわけでございます。
 それで、そこには目論見書というものを提示しなければいけないわけでございますけれども、その目論見書というのは、まさに検査の対象になっているところの自分たちの自己査定による決算の結果を目論見書に当然出すわけでございますけれども、私どもとしては、そういうようなことについて、目論見書に書いてあること、記載事項が本当に適法なのかというようなことで監査法人や弁護士の意見を聴取するというようなことで、少なくとも経営陣に対しては、こういうことをやることについては慎重であるべきだというある種の警告を発した、こういうことを行わせていただきました。
 しかも、増資は当初のもくろみの二百二十には達しなかったわけでございまして、それにもかかわらず、今度は自分たちの三月期の決算を四・〇八%だというようなことで言われる。そうすると、二百二十億で浮き上がるというはずだったんじゃないのかと我々は当然思うわけでございまして、増資が満額いかなくても四・〇八だというようなことは、一体どういうところからそういう計数が出てくるんだというようなことについても、私どもとしてはいろいろ論議もいたしたわけでございます。
 いずれにせよ、そういうように、検査の結果が出る前に増資を行われるということについては、増資そのものは届け出でございますから差しどめの権限もこちらにはございません。先ほど言ったような形で警告を発するというようなことにとどまるわけでございますが、そういう過程で、現実にその増資に応募された方については大変遺憾な結果になった、こういうふうに認識しているわけでございます。
佐藤(観)委員 これは、金融庁というものに対する国民の信頼を著しく損なった。せっかく検査に入って、発表が五月の二十五日ということで、そんなにかかるんでしょう、かかるんでしょうが、今大臣言われたように、好きで応じた人はテレビで見る限りはいないんですよね。みんなたんす預金を出したり、他のものを取り崩したり、他のところからお金を持ってきて、渋々、つき合っているからしようがないので、あるいは先もお金を借りなければならぬからしようがないので増資に応じたということで、全くこれが紙くず同然になってしまったわけであります。
 今大臣もいみじくも言われましたように、目論見書を出して、とりあえずこれは届け出なものですから、確かに権限はないけれども、このことは一般論で言うと、やはりこれからも起こり得る、石川銀行以外でも起こり得る可能性を持っていることなものですから、ぜひ、これはこれからの規制について当然考えるべきではないか。何かこの被害者の会ができていますが、これがどれだけ法的な力を持てるかどうかわかりませんけれども、やはりこれからまだまだ金融検査というのはずっと続くわけでありますから、何らかの法的なことをもう一回見直してみる必要があるんじゃないか。
 それともう一つは、先ほどの答弁の中で大臣がいみじくも言われましたが、検査の体制が、今たしか四百人もいないんじゃないでしょうかね、検査員が。アメリカ並みにと言わないまでも、この検査の人数というのを、こういうふうに金融が非常に重要な時期でありますから、検査の人数自身も、体制自身ももっと強化をしていく必要があるんじゃないかと思いますが、以上二点、いかがですか。
柳澤国務大臣 後の方から申しますと、佐藤委員、大変御理解ある御発言をいただいたというふうに思っておりまして、この点は、検査それから証券関係の監視ともに、なお体制を充実させていかなければならない、関係の役所の理解を求めてまいりたい、このように考えております。
 それから、前者の方の、これは制度としてやはり問題を内包しているのではないかということは私も考えておるところでございまして、これは多分法務省との関係もあろうかと思いますので、少しく勉強、検討をさせていただきたい、このように思います。
佐藤(観)委員 次に、冒頭今度の政府のデフレ対策について極めて厳しい評価をいたしましたが、私たちの中で一点気がつくのは保証協会の問題であります。
 これは、本当に私たちの周辺からいいますと、保証協会の保証の延長といいましょうか、平成十年から新たなこともいろいろとしてくれて、中小零細企業にとっては大変助かっているわけでありますけれども、内容は繰り返しませんが、中小企業庁から来ていただいておりますので、ここに、このデフレ対策に書かれているものというのは、平成十三年までやっている内容のそのままの延長というふうに理解してよろしいでしょうか。その点について御説明いただきたいと存じます。
古屋副大臣 お答えをさせていただきたいと思います。
 昨日発表させていただきましたいわば貸し渋り対策の中に私どもの担当がございまして、まず一つが、昨年の十二月に創設をさせていただきました売り掛け債権を担保に融資をするという制度でございます。これは、実は十二月にスタートしたんですが、まだ相談件数が千二百件余り、申込件数が百二十件ということで、まだまだ定着をいたしておりません。これは、やはり商慣習等々がありまして、あるいは周知徹底がなされていないという状況がございましたので、これをさらに周知徹底させていくこと、また金融機関にも、こういった制度の活用に一層積極的に取り組んでいただく、こういった対応をしたいと思っております。また、地方公共団体であるとか、あるいは国が売り掛け債権の譲渡禁止特約をつけておりますので、この解除ということに向けまして関係省庁にも強力に申し入れをさせていただいております。
 また、そのほかにも、セーフティーネット貸付制度、これも既にスタートいたしておりますけれども、これをブラッシュアップさせていただきまして、条件の緩和をいたします。これは、売り上げが前年度比マイナス一〇%というのが条件でございましたけれども、これをマイナス五%までおろすということでございます。
 また、無担保の貸付制度、これは商工中金でございますけれども、これは三千万円まで第三者保証をとらないということで対応させていただく。
 それからもう一つは、特別保証制度。もう既往債務などがございますけれども、これにつきまして、大型倒産であるとかあるいは金融機関の破綻、BSE問題等に直面をして突発的要因によりまして返済に困っている、こういった環境下にある企業に対しては、原則として申し出があれば返済条件の変更をする、こういうようなことで考えておりまして、昨年から引き続きやっておりますことのいわば充実という観点で対応させていただいておりまして、一刻も早くこういうシステムを稼働させていきたい、こんなふうに思っております。
佐藤(観)委員 そこで、これは平成十年から始まった制度ですけれども、去年の三月の利用件数が百七十二万件、大変多いですね。それで融資総額が二十九兆円と出ているんですが、保証協会が代位弁済したのが、去年の十二月現在で融資額の三・六%、最終的には経産省では一〇%ぐらいになるんじゃないかと。
 一〇%になると約三倍になるかと思いますが、今まで焦げついたと見込まれる金額が一兆四千五百億円という数字を聞いているんですが、今までの制度の焦げつき額というのはどのくらいになって、それから、このデフレ対策でやる保証の延長というのはいつまで、何年間やる予定をしておられるんですか。
小脇政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま御指摘ございましたとおり、平成十年の十月から昨年の三月まで実施をさせていただきました特別保証制度でございます。全体で二十九兆円ほど実施をさせていただきましたけれども、代位弁済率は、直近時点で、今御紹介ございましたとおり三・七%ということでございまして、代位弁済の実績は一兆七百億円ということでございます。この制度に関しましては、今御指摘のとおり代位弁済率一〇%という前提で予算措置を講じられております。
 今回、デフレ対策の中でセーフティーネット保証の拡充をさせていただきましたけれども、これはこの特別保証とは別の形で実施をさせていただくということでございまして、当面期限というものは考えてございません。
 以上でございます。
佐藤(観)委員 そこで塩川大臣、次長、これは平成十三年度の分から実際にはこのデフレ対策の中でワークすると思うんですが、今までの代位弁済額が一兆円を超えているということで、いずれにしろ、いいことだけれどもお金がかかる話なんですね。今までの三年間で一兆円代位弁済でかかっている。これは、ぎりぎりの人を助けるわけですから、金融的に助けるわけでありますからかかるんでありましょうけれども、そういう意味で、非常にいいことなんだけれども一方では当然のことながらお金がかかる、財政出動が必要だということになるわけでありますが、そのあたりは、経産省はデフレ対策の中で財務省とはどういうふうに財政出動については検討されておりますか。
古屋副大臣 今回のデフレ対策につきましては、前の臨時国会で成立をいたしました第一次の補正予算、そしてまたこの十四年度の、現在審議をいただいておりますこの予算案を前提といたしておりまして、そういった関係で、ぎりぎりの範囲内で最大限の知恵を絞って出したものでございまして、そういった意味では、新たな予算措置を伴うものではないというふうに考えております。十分な効果がこれでも上げ得るものというふうに考えております。
佐藤(観)委員 時間がありませんので、たくさん課題ありますけれども最後に、税関の法律が出ておりますので一言だけ聞いておきたいんでありますが、実は、私が住んでいるところの警察は、名古屋港に面しているものですから密入国者が多いのであります。したがって、海上保安庁、税関、それから法務局、法務局というか入管の関係ですね、そして税関の関係、四者が一体となって名古屋港を巡回しながら、密入国者、コンテナの中に穴をあけて、それだけで息して実際に中国から来るわけであります。
 そこで、特に今の問題は、密入国者もそうですけれどもけん銃、麻薬、それらが日本にどんどん入ってくるということが大変問題でありまして、しかし、税関の職員の人数を見ますと、微減とはいうものの減ってきているわけですね。しかし、これはなかなか機械化で補える問題じゃない。
 もちろん、税関職員だけじゃありません。警察もそうだし、警察では今度、来年度四千五百人ふやすことにしましたが、税関職員も、何分ともそういうものを扱うものについては人数がどうしても必要である。そのあたりで、時代が全然、昔、二十年前、三十年前に関税定率法なんかをやった時代と変わっていますので、税関職員の増員ということも、そういう意味で、日本国内の社会の安全のためにはぜひ十分頭に入れていただきたい、入れておいていただいて今後に対応してもらいたいと思いますが、いかがでございますか。
尾辻副大臣 税関を取り巻く環境が仰せのとおりであることは、そのとおりでございます。
 もうよく御存じの先生でございますから、細かなことは申し上げません。一方で、事務の機械化などで効率化を図っておりますけれども、どうしても人間に頼らざるを得ないところはございます。こうした厳しい行財政事情のもとでございますけれども、必要な定員の確保に努力をしてまいりましたし、今後ともまいります。どうぞ引き続きの御指導をよろしくお願い申し上げます。
佐藤(観)委員 終わります。
    ―――――――――――――
坂本委員長 この際、お諮りいたします。
 各案審査のため、本日、参考人として帝都高速度交通営団理事西川和人君、同じく帝都高速度交通営団理事辻通明君及び日本政策投資銀行総裁小村武君の出席を求め、意見を聴取し、政府参考人として法務省刑事局長古田佑紀君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
坂本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 この際、申し上げます。
 政府参考人の出席につきましては、理事会の協議事項となっておりますので、要求されるときは前もって通告願いたいと存じます。
 これは、河村委員、そういうことですので、今後注意してください。
    ―――――――――――――
坂本委員長 次に、河村たかし君。
河村(た)委員 河村たかしでございます。
 きょうは、租特、それから法人税法本法にもありますけれども、圧縮記帳制度というのがありまして、補助金なんか交付されると、その分が、利益が出ると結局、せっかく税金を使ったのにまたそれに課税されるということで、この分については圧縮損という計上を認めておるわけですね、この租特の。法人税法本法にもあります。そのことについて、解釈の相違等によりいろいろな問題が生起するということについてお伺いしたいということでございます。
 まず、圧縮記帳制度について、これは国税当局の方から、一応のガイドラインといいますか、御説明を伺いたいと思います。
大武政府参考人 お答えさせていただきます。
 ただいま御質問がございました圧縮記帳でございますが、法人が国庫補助金等の交付を受けて、その交付の目的に適合した固定資産の取得または改良を行った場合には、国庫補助金等の額に相当する金額の範囲内で圧縮記帳の適用が認められる、こういうものでございます。
 ただいま先生も申されましたとおり、税法上は、国庫補助金等受けた場合にも、課税所得の金額の計算上益金の額に算入され、原則として課税の対象となるわけですが、しかしながら、国庫補助金等の受け入れがあったときに直ちに課税の対象とした場合には、その国庫補助金等によって取得を予定された資産の取得資金が税額相当額だけ不足してしまう、その取得の目的を達しない可能性もあるということから、調整のための手段として課税の繰り延べを認めている、こういうものでございます。
河村(た)委員 ではここで、営団の方に来ていただいておりますので、この解釈をめぐって国税当局との間に何らかの、あとこれからずっと一時間半かけて解明をいたしますが、やりとりがあったということをお話しください。
辻参考人 お答え申し上げます。
 地下鉄補助金の関係につきましては、平成十一年度の税務調査において、圧縮取り扱いの解釈、方法について議論がございました。
河村(た)委員 そういうことでございまして、きょうはその問題と、それから、ちょっと法務省に来ていただいて、一般論にいつもの話でなりますが、当然のことながら国税というのは、すごい権力というか、日本のスーパーパワーでございまして、検察とか警察もありますが、国税は全部ですからね。あらゆる経済活動について、権限というのは変な言い方ですけれども、税についての権限を持っておるということで、今からずっとやっていきますが、こういう一定のトラブルがあったときにそれを解決する責任者が東京国税局の局長さんだったのです。
 この方が、現に調査の対象であった営団地下鉄、ここの理事に直後に天下りをされるという事実について、法務省、一般論で結構ですが、そういう例えば天下りなど、それから私がしょっちゅう――大臣、よく聞いておってよ、これは。最後にまたお願いしますから。私が前から言っております、例えばOBの税理士が顧問税理士になっていく、そういうような、一種の利益ですね、利益を将来もらうから課税関係について何らかの手心を加えるということになりますと、これは問題であろうかと思います。
 一般論で結構ですから、天下りとかそういうものは、いわゆる贈賄罪におけるわいろと言えるものかどうか、その辺の解釈を法務省にお伺いします。
古田政府参考人 あくまで一般論として申し上げますと、いわゆるわいろ罪におけるわいろには地位の提供も入るというふうに解釈されていると承知しております。
河村(た)委員 そういうことでございます。
 当然のことながら、税金というのは非常に解釈が多岐に分かれまして、圧縮記帳も、どういう資産を圧縮するかということは、それは問題になるわけですよ。その責任者が当該調査の対象の会社に直後行くということについての問題点をしっかりきょう提起をしていきたい、こういうことでございます。
 その圧縮記帳の一つ前段ですけれども、これは東京営団ですか、平成十一年九月から十二月ごろ、営団の方に東京局の方から調査は入りましたか。
東政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘の調査の実施状況を含めまして、個別の調査の内容等に係る事項につきましては、守秘義務が課されている関係上、従来から答弁を差し控えさせていただいております。御理解を賜りたいと存じます。
河村(た)委員 しょっちゅうこんな話で、私も守秘義務を課されておりますので、何かあなただけ特別のように思っていますけれども、そういうものではありませんが、まあこんなところで議論しておってもしようがありませんから営団について、同じ質問ですが、どうですか。
辻参考人 お答えいたします。
 平成十一年の八月から税務調査を受けております。
河村(た)委員 いつまでですか、それは。
辻参考人 失礼しました。
 八月から十二月でございます。
河村(た)委員 その、まず結果の方でいきますが、どういう結果になりましたか、課税関係は。
辻参考人 大変遺憾なことでございますけれども、その税務調査の結果、会議費、雑費等の経理書類につきまして不適切な事項が指摘をいただきました。その関係で、重加算税を納付させていただいております。
河村(た)委員 ちょっと声が、何となく、私が年を食ったせいか知りませんけれども、もうちょっと大きく、マイクが小さいんじゃないか。口の位置が。済みませんけれども、私はずっとやっていますから大体わかっていますけれども、皆さんわかりませんから、ゆっくり大きい声でひとつ、数字が出てまいりますので。
 重加算税を、このことはたしか報道はされておらぬと思いますが、いかがですか。
辻参考人 お答えいたします。
 その時点で報道はされておりません。
河村(た)委員 そうしたら、今、重加算税の事実があるということ、これは大変なことなんですよ、実は、営団地下鉄が。
 その重加算税の金額、そしてそのほかの追徴された金額、全部正確にお答えください。
辻参考人 御指摘の額は、平成八年から十年までの三カ年につきまして、本税三千四百万円でございまして、それにかかわる重加算税が四百万円、それから過少申告、延滞税合わせて五百万円、総計四千三百万円でございます。
河村(た)委員 そのほかに、法人税とそれから消費税の追徴もありましたね。それもちゃんと言ってください。
辻参考人 お答えいたします。
 法人税関係が二億九千万ほどでございます。それから、消費税関係が七億八千万ほどでございます。
河村(た)委員 実は大変な額の追徴をされておられる。
 もう一回詳しく言いますが、丁寧にきちっと言ってください。この法人税の中に、消費税が七億八千万、法人税二億九千万ですかこの中に、私が説明しておってもいかぬですが、この中に重加算税を含む、あるわけでしょう。ですから、きちっと分けまして正確に言ってください。
辻参考人 お答えいたします。
 法人税関係二億九千万の内訳として、先ほども申し上げました会議費等にかかわる重加算税を含む三千四百万が入ってございます。
河村(た)委員 ずっと全部やって、本当は全部これはやらないかぬのですけれども、特に重加算税部分が、特に何をやるかというふうになるとやはり大事だと思いますので、このことについて質問しますが、ちょうどこのとき日比谷線の事故がありましたね。いつごろでしたかね、これは。地下鉄日比谷線の事故です、脱線事故。
辻参考人 脱線事故が発生いたしましたのは、平成十二年の三月八日と記憶しております。
河村(た)委員 ちょうどこの時期は、いわゆる地下鉄、営団の皆さんに非常に強い公共性が求められていた時期でございましたね。お答えくださいね。特に、これは死亡事故だったんだからね。
辻参考人 お答えいたします。
 私ども、公共交通輸送機関として最大の使命は安全ということは常に肝に銘じて仕事をさせていただいておるところでございまして、十二年の事故については、大変申しわけなかったということで反省をしておるところでございまして、その後、安全対策についてはさらに一層努力をしているところでございます。
河村(た)委員 そういう折に、実は税のことでこういう大変なことが内部では行われていたということですよね。また後で言います。圧縮記帳の方は、これはまた三百億、膨大な金額の問題なんです、それは。それは後で言います。
 まず、事実としてお認めになっておられます、報道には一切出ておりませんと。そういうことで、多分、社内で、これは出たら大変だと。それは死亡事故でした、あの脱線事故、大変な事故でしたよ。そういうような認識ではなかったんですか。
辻参考人 事実の経過を申し上げますと、先ほどお話し申し上げましたように、税務調査は平成十一年の八月から十二月に行われておりまして、事故の発生の前でございます。その過程において先ほどのような御指摘をいただいておりまして、その時点で早急に再発防止対策等について取り組みをいたしておるところでございます。
河村(た)委員 これが、最終的に更正・決定が通知されますよね、それはいつでしたか。
辻参考人 お答えします。
 最終的に法人税等の更正・決定通知がなされましたのは、平成十二年の五月二十六日でございます。
河村(た)委員 後なんですよ。この解釈をめぐって東京局と営団と一番やり合っている、そのさなかにあの悲惨な事故が起きたということなんですよ。これはまず確認を今されたということですね。
 それでまた、一切マスコミに出ていない。これは広報する義務があるかどうかは知りませんけれども、広報する義務というのはあるんじゃないですか、こういうのは。どうですか。
辻参考人 お答えいたします。
 私どもの税務処理の不適切な事案についての御指摘でございます。私どもは、平成十二年の二月に、これの再発防止をするためにマニュアルを作成するなど、再発防止のための徹底した措置を講じております。
 この重加算税を課されたということについての公表する一般的な義務はないものと承知をいたしております。
河村(た)委員 別に、法律的な義務は多分ないと思うんだけれども、しかし、三月八日にこのような事故が起きて、重加算税でしょう、やはり。
 広報というのはやはりみずからの、そういう状況下というのはやはりみずからの、痛みとかいうんですかね、それをみずから発表して、それでこそ公共機関というんじゃないですか。どう考えても箝口令をしいたとしか思えない、これは。どうですか。
辻参考人 お答えいたします。
 この件につきまして、箝口令をしいたという事実はございません。
河村(た)委員 いや、これだけの話でそんな、出ないわけないじゃないですか。重加算税を。
 じゃ、どういう事案かについて今から検証いたしましょう。
 その重加算税を課された事実について、ちょっと御説明いただけますか。
辻参考人 お答えいたします。
 営団の会議費、雑費、交通費等の経費につきまして、本来損金算入が認められない、いわゆる交際費に相当するものを、損金算入可能な経費として過って経理処理された点が指摘されたところでございます。
 これは、早速の再発防止対策を講ずる上で、なぜそういうことが起きたのかということを早急に検討いたしましたところ、これは、現場への予算を配賦する際に、費目の区分が明確ではなかった。したがって、損金算入可能な経費であるか、また損金算入が認められないものかということについての区別が、現場では解釈があいまいなままで運用がされていってしまった。したがって、結果として相互間での不適切な予算流用が発生してしまった、それが原因であると私どもは理解をいたしております。
    〔委員長退席、中野(清)委員長代理着席〕
河村(た)委員 何か解釈が違って、結果としてなんて言っていますけれども、重加算税ですよ、あなた。何を言っておるんですか、これは。故意に税を逃れたということでしょう、重加算税というのは。
 課税当局、どうですか、これは。
東政府参考人 お答え申し上げます。
 個別の調査の内容等に係る事項につきましては、先ほど申し上げましたとおり、従来から答弁を差し控えさせていただいているところでございます。
 なお、一般論として、あくまでも一般論として申し上げますと、仮装、隠ぺい行為により、本来申告納付すべき税額を下回って申告したと認定できる場合につきまして、重加算税が課されているところでございます。
河村(た)委員 営団さん、私は個人的にあなたに何の恨みもないですが、仮装、隠ぺい行為によって租税回避をしたのを重加算税というんですよ。解釈も違って、そういうのじゃないですよ。仮装、隠ぺい行為がないとだめですよ、これは。撤回してくださいよ。
辻参考人 お答えいたします。
 不適切な処理の具体的な内容の中で、領収書の取り扱いの不適切さが指摘をされております。
 具体的には、例えば日付や相手名が記入されていないままの領収書や、飲食時に本来受け取らなければならない領収書をなくしたために他店の領収書を代用で使っているといった事案が発見されました。そういう不適切な領収書の取り扱いがございました。そういう点を御指摘いただいております。
河村(た)委員 いわゆる、ずばり脱税じゃないですか、これは。要するに架空の領収書で、架空の会議費を計上して、いわゆる裏金をつくったということでしょう。
辻参考人 御説明申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、根本的なといいますか主たる要因は、現場へ予算を配賦する際に、具体的にもっと申し上げた方がわかりやすいのかもしれませんが、会議につきましても、営業上の会議費というものと、営業打ち合わせ上の会議費と二つに分けて、実は配賦をいたしておりました。その趣旨は、営業上の会議費というのは交際費に相当するもの、それから営業打ち合わせ用の会議費というのは損金算入が可能なものということで配賦はいたしておったんですが、具体的に、ではどういう経費がそれに当たるかということについて、十分な指示といいますか、具体的な教育をしておりませんで、そこのところが混乱をした原因でありました。
 したがいまして、ちょっと御説明いたしますが……(河村(た)委員「そんなの重加算にならぬ。もういいです」と呼ぶ)よろしいですか。
河村(た)委員 では、重加算で四百万ですから、ネットといいますか、幾らですか、全体。
辻参考人 御指摘をいただいたのは、本税が三千四百万円でございます。
河村(た)委員 漏れがあった金額が三千四百万ということですね。本税。(発言する者あり)
中野(清)委員長代理 ちゃんと言ってくださいよ、質問者は。
河村(た)委員 そういう指摘をされた、交際費として、会議費ですか、計上した金額が幾らあったかということです。
中野(清)委員長代理 だれに聞いたんですか、辻さん。(河村(た)委員「そうです」と呼ぶ)
 辻参考人。
辻参考人 お答えいたします。
 大変恐縮でございますが、手元に資料を準備いたしておりませんので、お許しをいただきたいと思います。
河村(た)委員 これはだめだよね。重加算……(発言する者あり)ああ、電話で聞いてください、電話で。
中野(清)委員長代理 御本人がきちっと質問してください。
河村(た)委員 していますよ。何を言っておるんですか。
 そういうことで、それは電話で今すぐ聞いていただいて。
 とにかく、何か解釈の違いといいますが、重加算税というのはそんなものじゃないんですよ、言っておきますが。
 では、その会議費、どこの駅で発生したんですか。
    〔中野(清)委員長代理退席、委員長着席〕
辻参考人 お答えいたします。
 不適切な事案が指摘されましたのは、銀座駅、三越駅、日本橋駅、上野駅、表参道駅、池袋駅、この六駅においてでございます。この六駅において税務調査が行われております。
 この不適切な事案の御指摘をいただきまして、私ども営団内部で、すべての駅について内部調査を行いました。それで、先ほど申し上げましたような運用の不備がございましたものですから、結果としては、同じような処理、不適切な処理がほとんどの駅で判明したということでございます。
河村(た)委員 何に使われたんですか、そのお金は。
辻参考人 お答えいたします。
 主として労務管理上の必要な経費ということで、具体的に申し上げますると、例示をいたしますと、職場内の小集団活動、例えばQCサークル活動とか職場における懇親会といった、労務上の必要性がある経費に使われております。
河村(た)委員 何かえらい格好ええことを言っていますけれども、はっきり言えば、みんなの飲み食いに使ったんじゃないですか、どうですか。
辻参考人 お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、主としてその支出は、労務管理上の必要な経費として支出されてございます。
河村(た)委員 こういうところはやはり正直に言わにゃいかぬですね。労務管理上に必要なことだったら、ちゃんと、きちっと出せばいいじゃないですか、これは。何で重加算税になるんですか、これ。どういうことですか、一体。
辻参考人 御答弁します。
 先ほど申し上げましたように、税法上、損金に算入される経費と、それから交際費として損金に算入されない経費、これを予算上は区分けをしておったんですが、その区分が明確でなかったということで、その使用に当たってその間に混乱が生じてしまった。その点について、税務当局から、損金算入できない経費が実は損金算入されていたという御指摘をいただいたわけでございます。(発言する者あり)
河村(た)委員 今もちょっと長妻さんが言われたけれども、日比谷線はどこになるのか、銀座か。(発言する者あり)銀座駅、日比谷線。
 当の大問題のところで、実はこういうことがあったんですよね。必要な会議費だと言っているけれども、ここはちょっと、この場でやっておってもしようがないから、一遍きちっとまた後で報告してください、どういうふうに使われたか。
 では、なぜ六駅なんですか、これ。あとの駅はどうなったんですか。
辻参考人 十一年の税務当局の実地調査がこの六駅で行われたということでございます。
河村(た)委員 だから、そういうことなんだよ。実は調査がたまたま六駅に来たから、そこで、一〇〇%当たったんですか、結局。どうですか。
辻参考人 お答えいたします。
 先ほども申し上げましたように、この原因が、経費の配賦上の運用の不備というか、そういうことでございました。したがいまして、六駅について御指摘を受けた際に、私ども早速、すべての駅について内部調査を行ったところでございまして、ほとんどの駅について同様の処理が判明したと、先ほど御説明したとおりでございます。
河村(た)委員 これは大変ですよ、委員長。
 では、なぜ国税、全部やらなかったんですか、これ。こんなひどい話はないよ。つまみ課税だよ。
東政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど来申し上げておりますように、個別の調査等にかかわることで……(河村(た)委員「もういいよ、部長」と呼ぶ)一般論として申し上げますと、御承知のとおり、調査部所管法人と申しますのは原則として資本金一億円以上の大規模法人でございまして、そのような大規模法人に対しまして、限られた陣容の調査官で有効適切な、的確な調査を行っていく観点から、できるだけ効率的、効果的な調査の実施という観点で、御指摘のような実地調査、実際上の立入調査につきましても、重点的に対応をするといったことはあり得るかと存じます。
河村(た)委員 完全におかしい、これは。
 今の営団の言うことを聞くとすれば、それは一定の営団の方針があったから、六駅以外のところでも全部あるというんだから、税務調査をやればわかるじゃないですか、仮にそうだとすれば。ああ、これは特定の駅の特定の人たちが個人的に脱税しているんじゃないとすぐわかるじゃないですか、そんなの。だから、全体がすぐわかるじゃないですか。
 大体、東京局の調査部、私ずっと、もう二年以上にわたって指摘させていただいておるけれども、こういう、言ってみれば、つまみ課税ですよ。つまみ課税だ、これ。本当は全部やらにゃあかぬ、全部駅を。認めているんだ、今営団の理事が。そのときに六駅だけ調査に行って、それは一〇〇%当たっている。一〇〇%当たれば、だれが見たって全部だとわかるじゃないですか。そういうところで権限を行使して、後の天下りにつながっていくように、そういうふうなことがあるんですよ、これ。
 これは、また聞いても同じ答えでどうしようもない。(発言する者あり)全額のだよ、全額出ましたか。それでは、営団の方から。
辻参考人 大変申しわけございません。
 数字を調べましたところ、先ほど申し上げました三千四百万は対象経費でございます。それに対する本税、法人税が一千二百万円、過少申告税が五百万、重加算税が四百万、二千百万ということでございます。訂正させていただきます。申しわけございませんでした。
河村(た)委員 それは六駅ででしょう、六駅でしょう。営団というのは駅はどれだけあるんですか。全部で出してください。
辻参考人 先ほど御説明申し上げましたとおり、税務当局の御指摘を受けた時点ですぐに内部調査を全駅についてかけております。その結果、全駅について三千四百万という結果でございます。
河村(た)委員 全駅で。駅は幾つあるんですか。
辻参考人 営団の駅数は百六十八駅でございます。
河村(た)委員 重加算税四百万、これは六駅だけですよね。
辻参考人 お答え申し上げます。
 六駅を含め、営団で内部調査をしたすべての駅について、対象額が三千四百万という結果でございます。
河村(た)委員 そうすると、全部の百六十八の駅で三千四百万あると。それで、そのうち六駅だけについての経費について重加算税が四百万であった、こういうことですか。六駅で幾らだったかということですよ、三千四百万のうちで。
辻参考人 重加算税四百万は、三千四百万、総額に対するものでございます。(河村(た)委員「六駅で幾ら」と呼ぶ)対象駅は百六十八駅でございますが。(河村(た)委員「六駅で幾らですか」と呼ぶ)ちょっと確認させていただきます。
河村(た)委員 ちょっと待ってください。ちょっととめてください。ちょっととめてください、向こうが調査するんだから。
坂本委員長 何をとめるの。
河村(た)委員 いやいや、向こう、調査に、答弁に時間がかかるでしょう。
辻参考人 大変申しわけございません。六駅についての数字を持ち合わせておりません。後ほど調べてお答えさせていただきたいと思います。六駅についての数字は持ち合わせておりません。(発言する者あり)
河村(た)委員 いや、通告してありますよ。何を言っておるんですか。この交際費について、使途等全部詳しく聞きますと言ってありますよ、悪いですけれども。
 そうしたら、そのことは一遍全貌を、百六十八駅全体についてどうであった、六駅についてどうであった、今の四百万という重加算税は何について課されたのかということをはっきり文書で、営団さん、答えてください。一応、出しますと答弁してください。
辻参考人 後ほど、調査をしてお答えしたいと申し上げております。
河村(た)委員 私は、六駅だけの重加算だと、この事実はお答えできるんじゃないですか、国税。重加算税を課しているんだから。これもできぬですか。
東政府参考人 先ほど来申し上げておりますとおり、個別の調査等の内容に係る事項につきましては、従来から答弁を差し控えさせていただいているところでございます。
河村(た)委員 では、そこははっきりさせていただくということでお願いします。それはいけませんよ、悪いけれども辻さん。きのう、この問題については詳細に伺いますから調べておいてくださいねと言いましたね。いけませんよ、これは。(発言する者あり)いや、詳細、物すごく細かく聞いているんだから。駅名なんかも全部聞いているんだから、悪いけれども。
 それから、いつからですか、時期的なものは。
辻参考人 お答えいたします。
 御指摘の対象期間は、平成八年から平成十年の三カ年についてでございます。
河村(た)委員 いや、そういう意味じゃなくて、課税をされたのが、重加算税を課されたのがそれからですが、こういうことが行われていたのはいつごろからあったかということです。
辻参考人 大変申しわけありませんが、平成十二年の二月に、先ほど申し上げましたように、税務当局の御指摘をいただきましてマニュアルを整備するなど新しい制度に切りかえてございます。それ以前の制度がいつから適用されていたかということにつきましては、現在、手持ちの資料がございませんので、後ほどお答えさせていただきたいと思います。
河村(た)委員 しかし、将来対応するというときは、現在何が起こっているかを調査して、それで将来への対応があるので、それはいけませんよ、辻さん、悪いけれども。今、本当にはわかっているんじゃないですか。わかっていない。わかっていないというお答えですので、非常にこれは残念ですが、また改めてきちっと文書で報告してください。
 何が言いたいかというと、時期においてもこの四年間だけなんですよ、重加算税されているのは。だけれども、そんなものは常識的に、その前、何年かわかりませんよ、ずっと続いていたに決まっているんですよ。だから、そのときだけ、つまみ課税というものでしょう、これは。
 だから、全貌をとにかく、私もよう地下鉄に乗りますので、九段の駅ですから。時間がないのに変なこと言っておってもしようがないけれども。きちっとしてもらわないかぬ、とにかく。税金を使っておる人たち、公共的な活動に従事しておる人たちは、本当にしっかりしてもらわないかぬ。
 ということで、まあこういう事例があったと。処分はどうだったんですか、中の処分、職員。
辻参考人 先ほど御説明申し上げましたとおり、このような不適切な事態が発生しました主たる要因は、現場に対する経費の配賦上の不十分な仕組みといいますか、解釈を十分きちっと徹底をしておらなかったということから混乱が生じた結果であると私どもは考えております。
 また、その使途につきましても、先ほど御説明申し上げましたように、基本的には労務管理上の必要性から認められる費用でございますので、私どもとしましては、再発を防止するための徹底した教育を行うということを行いまして、具体的な処分は行っておりません。
河村(た)委員 処分なしということですか。
辻参考人 先ほど御説明申し上げましたように、交際費に該当するかしないか、損益算入が認められるか認められないかという経費の相互間の混乱、運用の混乱ということが主な内容でございます。
 それで、その使途についても、不明朗なといいますか、悪意を持った使途はないわけでございますので、基本的には……(発言する者あり)そういうことではございません。
河村(た)委員 悪いけれども、これは重加算税ですよ。そこには、後で出てきますけれども、膨大な税金がつぎ込まれておるわけですよ、営団地下鉄には。それで注意もしなかったんですか。三千四百万分のにせ領収書をつくるわけだ、そういうことでしょう。やった人間がおるんだ、本当に。注意も何もなしですか、これは。どうですか。
辻参考人 先ほど御説明申し上げましたとおり、平成十二年の二月に、早速、実務のマニュアルを整備いたしました。その中で、交際費に該当する経費はどういうものか、損金算入される経費はどういうものかということを具体的に例示をいたしまして、また、具体的な事例においてどちらに属するかを判断する基準をきちっとフローチャート等で整備をいたして、現場に徹底をいたしております。
 また、現実には、具体的な使途を行うときには、事前に書面によって所属長の承認を得て、また事後的にはきちっと領収書をつけてやはり所属長の了解を得る、こういうダブルチェックの体制もとっております。
 そういう形で、今後同様な事案は二度と発生いたさせないように万全を期しておるつもりでございます。
河村(た)委員 いや、本当に、そうなりまして処分も何もないと、かえってこれは大変なことになりましたよ、今のお話は。要するに営団のトップぐるみということだ。そういうことじゃないの、これは。にせ領収書をつくれと言ったやつがおったんですか、どうですか。
辻参考人 先ほど申し上げましたように、損金算入が認められるか否かという、その経費の仕分けに混乱が生じておったわけでございまして、領収書がすべて不備だということではございません。先ほど申し上げましたが、一部にそういう不適切な領収書があったことは事実でございますが。
河村(た)委員 それなら、重加算税で闘わないかぬですよ。否認せなあかんですよ、徹底的に。重加算税を課されておきながら、それでまた日比谷線の事故が起きた、大変だ、一切マスコミには出ない、そういう状況下で、こんなことで通りますか、こんな話が。
 この辺のところまでははっきりしてきたということでございますので、一度、どうしましょうか、全貌をきちっと報告していただくということですね、これは。それは、委員長、お願いしますね。(発言する者あり)それは、私に出していただくのは当然ですけれども、こういう補助金も交付されている。だから、国の財政を預かる財務金融委員会にきちっと出していただく、こういうことじゃないですか。
坂本委員長 それでは、帝都公団辻参考人。(河村(た)委員「いや、委員長が答えるんだ。坂本さん、報告書を出してくださいと言えばいいんだ」と呼ぶ)今、待っています。辻参考人、参考人、今河村委員が言うように、当委員会にも同じものを提出してください。(発言する者あり)
 では、理事会で協議して、この取り扱いについては協議させていただきます。
 河村君、質問を続行してください。
河村(た)委員 何を言っておるかようわかりませんけれども、要するに、委員長が言いましたから、調査報告書を出すと。そんなのは当たり前のことで、自民党は何を守っているんですか、そんなもの。こんなこと、当然ですよ、そんなの。委員長、いいね。
 では、ちょっと国土交通省に、こういうような事態があったということを知っていましたか。
石川政府参考人 私ども鉄道局としては、承知しておりません。
河村(た)委員 承知していないと。これは報告義務か何かあるんじゃないですか。監督責任というのがあるわけでしょう、これ。どうですか。まず、監督責任というのはありませんか。あるでしょう、多分。あるでしょう、それは。何のためにやっておるのか。
石川政府参考人 営団地下鉄に対しましては、一つは一般的な鉄道事業者としての私どもとの関係、それからもう一つは特殊法人としての私どもとの関係、二つあると思います。
河村(た)委員 監督責任、ありますね。
石川政府参考人 一般的な意味での監督責任はないとは言えないと思います。
河村(た)委員 何ですか、あれは。今、日本語ですか、あれは。フランス語か何か、何ですか、あれは。ないとは言えないということは、あるということで、あるとはっきり言ってください。ないとは言えないとは何なんですか、一体。
石川政府参考人 今申し上げましたように、特殊法人としての私どもとの関係でいえば、ございます。
河村(た)委員 それじゃ、営団は報告せないかぬじゃないですか。
辻参考人 先ほど御答弁申し上げましたとおり、これについては私どもの部内の経理処理の不適切さを指摘されたものでございまして、私どもとしては、その再発を防止するために万全を尽くすという形で努力をすることが責務だと考えております。
河村(た)委員 これはだめだ。内部だからこそ報告すべきなんであって、外部で、だれでもわかるようなことはみんなわかるんですよ、これ。これは明らかに、営団と当時の運輸省ですか、職務怠慢ですよ、これ。どうですか、運輸省、国土交通省。
石川政府参考人 一般的に、私どもは、業務が適切に運営されているか、特に鉄道事業として適正なサービスが行われているかという観点から指導監督をしているものでございまして、今のような先生のお話しのような事柄について、それを一つ一つ報告を受けるべきものかどうかということについては、私どもは必ずしもそうではないと思っております。
河村(た)委員 これは何を言っているんだ。重加算税を課されているんですよ、これ。それプラス、今言いましたように、違いますよ、もっとあるんですよ、五億、七億、実際は。重加算税はこれだけだけれども、消費税七億、法人税五億。十二億円追徴されているんだよ。それを報告、一々と言うんですか、一々と。何たる感覚だというの、これ。ということですよ。
 だから、はっきり言いましょうか。日比谷脱線事故が起きたから大変だと、省庁ぐるみで必死にもみ消したんじゃないのか、これ。そう思われたってしようがないよ、これ、本当に。十二億の脱税があるんですよ、ここに。重加算税まで課されている。言ったって同じことを言うから――じゃ一言、もう一回聞きましょうか。営団、どうですか営団、報告すべきだったと思いませんか。
辻参考人 同じ答弁で大変恐縮でございますが、今回の税務当局からの御指摘は、私どもの内部の経理処理が不適切だったということの御指摘であった、それを受けて、万全を期したいということで考えております。
河村(た)委員 もうこれは本当にだめだ。
 これ、営団の総裁は、どなたが職につかれますか、いつも。営団の総裁、どこの省のOBがつかれますか。
辻参考人 お答えいたします。
 現在の総裁は旧運輸省出身でございます。
河村(た)委員 その当時はどうですか。当時、当時どうですか。
辻参考人 当時も運輸省出身だったと考えております。
河村(た)委員 そうだろう。そんなばかなことあるか、おい。冗談じゃないよ、本当に。本当にこういうのをずぶずぶの関係と言うんだ、これ。何を言っているんですか。
 よし、これでわかった。国土交通省絡みと言わざるを得ないよ、これは。総裁が出身なんだから。もし聞いていなかったとすりゃ、とんでもない職務怠慢ということです。大変なことが実は日比谷線脱線事故の陰で行われていたということです。一切マスコミに出ず、完全に隠ぺいをした、密閉をしたということですね。
 では、その調査があった、これをどこの局がやりましたか。
東政府参考人 個別の内容につきましては従来から答弁しているとおりでございますが、一般論として申し上げますと、その本店所在地が、その所在する地域を所管する国税局が、通常……(河村(た)委員「東京国税局と言ってくださいよ」と呼ぶ)本店所在地が東京国税局の管内にある場合につきましては、東京局の所管となります。
河村(た)委員 それでは、営団の方から言ってください。どこの管轄でしたか。
辻参考人 東京国税局の管轄と理解をいたしております。
河村(た)委員 その折のその責任者、東京国税局の方ですね、どなたでしたか。
辻参考人 当時の東京国税局長は西川和人氏と理解しております。
河村(た)委員 その方は今隣におられる方ですね。
辻参考人 そうでございます。
河村(た)委員 それでは、ちょっと西川さんにお伺いしますが、このときに局長をやっておられた。そして、営団の今どういうお仕事をやられている、退職してその後の経過をちょっとお伺いします。
西川参考人 お答え申し上げます。
 私、平成十年七月から平成十二年七月まで東京国税局をいたしておりました。(河村(た)委員「局長と言ってください、はっきり」と呼ぶ)東京国税局長でございました。昨年の七月に退職をいたしまして、七月の二十四日付で当帝都高速度交通営団の理事に就任いたしました。
河村(た)委員 御本人が来ていただきましたから、よくわかりましたね。
 日比谷事故が起こって大変なとき、そしてこうやって課税問題が大変なときに総責任者をやっておられて、そこから実は調査にはっきり行っておられる、そして重加算税まで課している。こういう方が退職後、一年は置いております、わずか一年ですよ、その当の営団の理事に行かれたということがはっきりしました。
 では大臣、まだもう一つ事件があるんですが、一たんここで。大臣、一つ参考に言っておきますが、税理士法四十二条でしたか、大武さん、四十二条だったかね、いわゆる一年以内に同じ管区に行ってはいかぬという。四十二条だと思います。税理士だと税理士法四十二条で、例えば渋谷署の方が渋谷署の管轄の会社の顧問になってはいかぬという規定があるんです、これ。
 そういうようなことをちょっと頭に置いていただいて、今の経過を聞かれて、また後で聞きますけれども、今の率直な感想、どうですか。大臣、大臣。
塩川国務大臣 私、事実関係存じませんし、また、その法令の中身もまだ、今聞きまして検討しておりませんので、いずれ検討して返事いたします。
河村(た)委員 私は、人生の先輩は大事にしますが、初めからちゃんと聞いておってくださいよと言いましたからね、これ。これはやはりせっかく御臨席賜っておるんですから。こういう現状、事実としてはっきりしましたよ、これ。うわさ話しているんじゃないですから。やはり感想をちゃんと言わないかぬですよ、感想を。何かないですか、本当に、こういうもの。ここで言えないようではだめですよ、本当に。
塩川国務大臣 李下に冠を正さずと申しますが、そんなような何か感じをして聞いておりました。
河村(た)委員 李下に冠を正さずといって、簡単に中国の言葉を使っていただきますが、外務省もそうだ、あれは、何にも悪いことがないときのことなんですよ、言っておきますけれども。とんでもないことなんだ。悪いことをやっておいて、李下に冠を正さず。冗談じゃない、中国人が怒るよ、冠をつくった人が。とんでもないことなんだよ。あれは、いわゆるぬれぎぬというか、そういう場合のことをいうのであって、全くとんでもない話だということです。
 それでは西川さんに伺いますが、当時、このことで、当時の営団には水盛さんという方がおみえになりましたよね。この水盛さんについてちょっと、これは辻さんがいいですか。
 水盛さんというのは、やはり国税庁OBの方がおみえになったんです。西川さんの二年先輩の、国税の先輩ですよね。その方がどういうお仕事をしておられたかということをちょっと御説明願えますか。
辻参考人 水盛氏は印刷局長を最後に退官されまして、営団の理事に……
河村(た)委員 その前は国税やってみえましたね、どこかの。国税局長をやっておられるか、それを言ってください。
辻参考人 仙台国税局長を経験されているというふうに理解をいたしております。
河村(た)委員 その方が営団の中でどういうお仕事をされて、今回についてどういう働きかけをされておったか。
辻参考人 水盛理事は企画を担当される理事でございまして、企画担当といいますのは、営団における基本的な政策、重要事項に関して総括的に担当される職務でございます。
河村(た)委員 ということは、この課税問題についてその人が主管しておったわけではないんですね。
辻参考人 税務関係の直接の担務は、経理担当の私でございます。
河村(た)委員 そこで、西川さんにお伺いします。
 その今の、どなたでしたか、名前がたくさん出てきます、国税の方は水盛さん。水盛さんから西川さん、あなたは東京国税局長として、水盛さんが訪ねてこられたこととか会ったことはございませんか。
西川参考人 お答え申し上げます。
 先生御高承のことと存じますけれども、国家公務員につきましては、職務に関して知り得た秘密についての守秘義務が課されてございます。その点につきましては、もちろん現職である間は当然でございますが、退職をいたしましてからもその守秘義務が課せられておりますので、お尋ねの点につきましては答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。
河村(た)委員 委員長、これは大変だ。よし、理事、辻さん、辻さん。
 今の、水盛さんが西川さんを訪ねられたことはありますね。
辻参考人 先生から御質問がございましたので、記録は残っておりませんので、水盛さんに直接電話でお話を伺いましたところ、西川局長をお訪ねしたことはない、東京国税局の実質の責任者の方に営団の考え方を御説明に伺ったことはあるとの御返事でございました。
河村(た)委員 最後のところがどうしても、西川さん、局長自体は答弁を拒絶されておりますので、ちょっとわかりませんが、少なくとも、水盛さんが東京局の課税の担当者のところに行かれたということは事実だということが、これはわかりました。
 それで、そこでどういうことを。水盛さんは担当者じゃないんですよね、実は。なぜ行かれたんですか。
辻参考人 お答えいたします。
 平成十一年の税務調査におきましては、地下鉄補助金の対象資産の圧縮記帳の方法について議論がございました。先ほど御説明したとおりでございます。
 これにつきましては、その十一年度の税務調査において、営団が従来からとっておりました圧縮記帳の方法とは異なる新しい圧縮記帳の方法について、税務当局の方から御提示がございました。これについて、私どもとしましては、従前からの圧縮記帳の方法がそれまでの税務調査においてもお認めいただいている、それからその他の理由で、私どもの従来のやり方は正しい、適切ではないかということで対応をさせていただいたところでございますが、これに関して、税務の専門家でございます水盛さんが御説明に行かれたのではないか、営団の考え方を御説明に行かれたのではないかと考えております。
河村(た)委員 税務の専門家だからということですが、専門家はたくさんおみえになりますよね、内部に。専門家は、たくさん。
 東京局の、じゃ西川さんにお聞きしましょうか、少なくとも課税担当のところには行かれたということは証明されました。その事実を報告を受けていますか。
西川参考人 先ほど申し上げましたように、在職中に知り得た職務上の秘密等につきましては守秘義務が課されておりますので、その点について答弁を差し控えさせていただきます。
河村(た)委員 余り私も証人喚問とか簡単にセレモニー的に言う立場ではありませんけれども、こうなりますと、やはり権限の乱用があったかどうかという非常に疑問が出てきますから。御本人、しゃべれないと言っているから。これは、本来なら、アメリカ的に言うならどんどんやると思いますよ、こういうのは、これは。
 だから、ちょっと、本当の普通の人でない、民間ではありませんけれども、そういう人に余り証人喚問というのもちょっと問題ですけれども、やはりきちっと話していただく場をつくっていただく必要があると思うのですが、委員長、どうですか。これ以上解明できませんから、これ。
坂本委員長 ただいまの件につきましては、理事会で協議させていただきます。
河村(た)委員 理事会で協議でもいいんです。僕は前から言っているけれども、何でも理事会ということですと、委員長が判断して委員会で決めないかぬですよ、本当に。こんなことは、大変なことなんですよ、これは言っておきますけれども。国税局長は、当の、本当の権限のある責任者ですから。ここへ、少なくとも本人については証言を拒絶されているけれども、証言というか言えないと言っているけれども、その部下というか担当セクションのところへは行ったということは確実なんだ。そしてまた、その行った人は、担当者じゃないんです、実はこれ。
 なぜ行ったか。これは、ちょうど西川さん、水盛さんの後輩になりますよね。何年後輩になりますか。その辺のちょっと関係をお知らせください。
西川参考人 先生の御指摘は、現在の財務省、従前大蔵省でございましたが、その先輩、後輩という御趣旨かと思いますが、その点では私は、水盛さんの二年、当時大蔵省の後輩でございます。
河村(た)委員 会って今までお話しされたことがありますか、どこかで。
西川参考人 いろいろな場面で御指導等いただいておりましたし、お話をしたことはございます。
河村(た)委員 まあ私のところにもいろいろきちっとした情報で話が来ておりますが、これは御本人がお答えいただかぬで申しわけないけれども、例えば、水盛前理事は我々に対して、これは私どもに情報をお寄せいただいた方です、我々に対して、西川東京国税局長、当時は二年後輩で、国税庁勤務時から親しくしており、調査部幹部もよく知っており、何とか補助金処理問題は追徴を見送るよう強くお願いをする、もしだめなら国税庁幹部にも頼んでやると豪語していましたと。
 こんな話がありますけれども、どうですか、この辺について。
西川参考人 お答え申し上げます。
 国税行政におきまして、適正公平な課税の実現確保ということは最大の課題でございます。私は、国税の仕事をしている間、一貫いたしまして、その点について常に留意をして仕事をしてきたつもりでございます。
河村(た)委員 先ほどの話はちょっと別にして、では、こういうことをお願いされたことはありませんか。
西川参考人 ちょっと失礼でございますが、こういうことをと、趣旨がちょっと……。
河村(た)委員 後でも出てきますが、この問題と三百億の追徴問題と、ずっとあるんです。そういう問題について、追徴を見送るようにお願いをしたと、水盛さんがですね。
西川参考人 同じ趣旨の答弁になって恐縮でございますが、先ほど申し上げましたように、在職中知り得た秘密については守秘義務が課されておりますので、お答えは控えさせていただきます。
河村(た)委員 これはしかし、ある意味ではうそをつかれていないということで、非常に正直な方かもわかりません。ないとは言われなかったということでございまして、この後の対応についてはまた、先ほど委員長にお願いしたということで。
 さてそれで、会った会わないより、局長として、このことについて何らかに、部下に指示をしたということはありませんか。
西川参考人 お尋ねは、先ほど来申し上げておりますように、守秘義務に課せられた範疇のお尋ねでございますので、お答えは差し控えさせていただきます。
河村(た)委員 やはりそのこともそういう壁でございまして、大変な疑惑が深まったということです。
 もし、これはライブで中継はしておりませんけれども、折しも確定申告の真っただ中です、これは、今。私は何遍も言っておりますけれども、税というのは国の礎なんですね、税への信頼というのは。いろいろな今、農林省、外務省等について、それぞれの役人の不正許すまじということで、非常に民主党も厳しく追及しておりますけれども、最もその中であってはならないのが国税庁のこういった脱税まがいのことです。最もあってはならない、これは。
 大臣、そう思いませんか。
塩川国務大臣 河村議員からは、数次にわたりまして、国税局といろいろな民間との関係、あるいは官と官の関係という人事上の問題についての提案が幾つかございます。
 その中で、やはり公務員として節度をもって行動しなきゃならぬ問題が相当議論されておることは事実でございまして、したがいまして、私たちの方としては、公務員の退職した後の就職の問題というものは、これは、やはり人生の過ごし方と申しましょうか、その問題から考えて、やはり生活の保障はしていかなきゃならぬことは当然でございますし、一方において、就職の先というものは、やはり、その専門を生かしていくという意味において、限定された範囲内に絞られてくるということもございます。
 そこで、問題となりますのは、前職の時代と就職した関係との間というものが、相当厳しく意識して努めなければならぬということでございますが、それには、公務員法の問題とか、あるいは公務員の倫理の問題とか、いろいろなものがございまして、再就職につきましてのあり方について、これから我々も、いろいろな指摘がありましたことを参考にして、正すべきものは正していかなきゃならぬ、そういうことを考えております。
河村(た)委員 大臣、悪いけれども失望ですよ、それは。
 ずっと私、二年間やってきましたよね、こういうようなと言っちゃなんですけれども。具体例を出してくれと言っていたじゃないですか、あなた。本当の具体例ですよ、これ。それも、営団も認めている。こういう時期、一切報道されなかったけれども。その具体例が出ているのに、何ですか、その言い方は。
 わかったと、これは大変なことだと、大至急調査して英断を下すと、それを言って当たり前じゃないですか。言いなさいよ、言ってくださいよ。
塩川国務大臣 この問題は、私は直接河村さんからいろいろ指摘を受けましてやったのは、まだ半年ほどなんですね。その間に、私は二度にわたって答弁しております。
 その一回目の答弁については、事実関係を十分に調査して今後の方針について考えるということが一回。それから十一月のときには、私は、これは一度内閣の問題として考えてみたいということでお答えいたしました。
 内閣の問題として考えるについて、法制局なりあるいは人事院との間で、公務員の再就職というものについての規定はどうなっておるのか、これは法律にも規定されておりますしいたしますので、もしそういうことで法律を変えなきゃならぬ点があるならば、その点についての法制局の指摘をしてほしい、こういうことを言って、今、法制局の方でその勉強をし、調査しておるというところでございます。
河村(た)委員 話にならぬですけれども、本当に。もう具体的な例であって、そんな抽象的な話じゃなくて、これは大変なことなんですよ、言っておきますけれども。
 国税局長というのは全権を握った人なんです。全権を握った人が、重加算税事犯があって、担当していたんだ、ここで。そこに訪問しているということまでわかったんだ、ここへ。本人が会っているかどうかは、証言を拒否されている、発言を拒否されている。内容も拒否されている。そういう事犯なんですよ、これ。
 ちょっと西川さんにもう一回お伺いします。どういう経緯で営団の方の理事に就職されましたか。
西川参考人 昨年の七月に営団の理事に就任をいたしておりますけれども、これに関しましては、国におきまして、営団の役員としての適格性を総合的に判断いただいた上で選任されたものというふうに承知をいたしております。
河村(た)委員 あなたは本当に、税の執行をつかさどる人だったら、やはりこういう疑わしいことはすべきでないと思いませんでしたか。どうですか。もう一回言いましょう。要するに、当時知っていたわけでしょう、少なくとも。こういう事案が、営団の問題があるということは知っていましたね、それは。そういうところに、わずか一年で自分がその理事につくということについては、やはり国民に、非常に税に対する信頼を揺るがせる、だからこういうことはすべきでないと思いませんでしたか。
西川参考人 国税局長在職当時の話につきましては、先ほど申し上げましたように、守秘義務が課されておりますので申し上げることはできませんけれども、一般論として申し上げるといたしますと……(河村(た)委員「一般論じゃないんだ、悪いけれども。時間がないですから、オーケーです。もういいです」と呼ぶ)
 課税の処理に当たりましては、事実関係について精査をした上で、税法等に基づき、厳正、的確な対応に努めておったところでございます。
河村(た)委員 これは国税は本当に真剣に考えてくださいよ。徴税人が不正を犯すというのは、歴史的な、何遍も繰り返されてきた、とんでもない犯罪なんですよ。下手すると、議会というのはそれに闘った歴史と言えるかもしれぬ。そういうことなんですよ。こういう真実を明らかにせず、守秘義務だと言って。国民に申し上げたいよ。税金を払うなよ、こんなことなら。ばからしい。どういうことなんだ、これ。大きいところはこうやって癒着してやっているんだろう、国税OBの税理士だって。金持ちと――営団だってそうだよ。超金持ちはこうやってOBを受け入れるんだ。だから税金まけてもらえるんじゃないのか。そういうことのできぬ庶民、源泉徴収で何もできない庶民、そういう人たちだけは何もないよ、こんなことは。やめてくれよ、本当に国税、こんなことでええかげんにするのは。税金払いたくないよ、本当に。ばからしいよ、これ。そういうことです。
 それから、もう一つの事件があります。実は圧縮記帳の話ですけれども、三百億、当該この年に補助金が交付されまして、この解釈をめぐって実は争われていたんです、もう一つ。三百億です、三百億。これについて調査を受けた事実はありますか。
辻参考人 お答え申し上げます。
 先ほど御説明申し上げているとおり、十一年度税務調査におきまして、地下鉄補助金の圧縮記帳の方法につきまして議論があったことは事実でございます。具体的に申し上げますると、従来、営団では、建設費補助金の圧縮については、補助金によって取得するすべての補助対象資産の中から、償却されない土地や耐用年数の長いトンネル等を優先して選択する、こういう方法をとってきておるところでございます。これについて、平成十一年度の税務調査におきまして、東京国税局の方から、その圧縮方法について新たなやり方といいますか、方法が提案されたところでございます。
 具体的に申し上げますと、各交付年度ごとの公示にかかわる土地やトンネル、家屋等の資産のそれぞれの割合ごとに圧縮額を配分していく、そういうやり方でやったらどうかという御指摘がございました。これに対して当営団といたしましては、交付された補助金は、もともと建設費の資産構成を考慮して交付されたものではないということ、したがって地下鉄の建設費全体を対象として交付されているものであること、そして、耐用年数の長いトンネル等を優先して選択するという従来の方法についてはそれまでも税務調査においてお認めいただいているものであるということをお話をいたしまして、御理解をいただく努力をいたしたところでございます。
河村(た)委員 三百億という膨大な金額について、そのいわゆる圧縮損が適正であるかどうかということについて大変な議論があったというときの局長は西川さんですね。どうですか。
西川参考人 私は、平成十年七月から十二年の七月まで、東京国税局の任にありました。
河村(た)委員 ですから、そのとき問題になったのはそれでしょうということ。
西川参考人 先ほど辻参考人からお話があった調査の期間等については、私が東京国税局在任中でございます。
河村(た)委員 当然報告を受けていましたね、その件について。
西川参考人 たびたび繰り返して恐縮でございますけれども、在職中の個別具体的な内容につきましては、守秘義務が課せられておりますので、答弁は差し控えさせていただきます。
河村(た)委員 そんなばかな話がありますか。調査をやっていたんでしょう、営団が認めているんだよ。これは非常に厳しい調査であった、通常の今までの定期的な調査に加え、今回はいわゆる経費項目だけじゃなくて、内容の件名まで出した調査であったと。それで間違いないですね。
辻参考人 事実関係を御説明いたしますと、平成十一年度の前の税務調査は、平成八年、五年、三年と、ほぼ二、三年置きに税務調査をしていただいておりまして、十一年度の税務調査も定例的なものと私ども理解をいたしているところでございます。
河村(た)委員 以前より今回の調査の方がそういう面で、件名まで出されたということで厳しかったということ、いいですね。
辻参考人 今申し上げましたとおり、平成三年、五年、八年においても税務調査をいただいているところでございまして、その税務調査におきましては、先ほど申し上げました補助金対象資産の圧縮記帳の方法についてはお認めをいただいておるわけでございます。平成十一年度の税務調査において新たな圧縮記帳の方法についての御提案があった、それについて御議論があったということでございます。
河村(た)委員 その調査の内容は、まず、期間が四カ月で以前より厳しかった、この一点。それからもう一つは、今までのいわゆる圧縮記帳の問題は科目だけを提示しただけだった、今回はいわゆる件名まで提示をした、意味が違っている、これでいいですね。きのう言いましたよ、それ。きのう発言しています。
辻参考人 先ほど申し上げました三年、五年、八年の税務調査につきましては、ほぼ二カ月から三カ月の範囲で行われたと理解をいたしております。
河村(た)委員 十一年は。
辻参考人 十一年は、先ほど申し上げましたとおり、八月から十二月でございます。
河村(た)委員 四カ月。長かったわけね。
辻参考人 長いといえば長いということでございます。
河村(た)委員 長いんです。それで、要求された資料も違うと。
辻参考人 それにつきましては、恐縮でございますが、私ども、補助金の圧縮方法の問題でございます。どういう資産を対象として……(河村(た)委員「質問にだけでいい。要求された資料が違うと言ってください」と呼ぶ)
坂本委員長 挙手をして発言してください。
 河村君。
河村(た)委員 その前二回の資料とは要求された資料が違う、もっと詳しい資料を要求された、そう言ってください。きのう言ったじゃないですか。
辻参考人 大変恐縮でございますが、私ども、税務当局からの御指示に従いまして必要とされる御説明を申し上げているところでございまして、具体的にどう違うかとか違いがあるかどうかについては、大変申しわけございませんが、この場で確かなお答えをすることは差し控えさせていただきたいと思います。
河村(た)委員 これはきのう詳しく夜までやったんですよ、これ。それで、彼の部下の若い方が、違うと。はっきりね。前二回のは、いわゆる普通で言う勘定項目みたいなのが出ただけだと。だけれども今は、ちょっとこれ、平成十二年のをもらったけれども、これは十二年ですけれども、当時のやつじゃない。これもいけない。この三百億の対象になったのは平成六年より前ですから、それを出してくださいよ。このように、一件一件住所が書いてあって、どういう土地を買ったか全部書いてあるんです、これ。
 こういう資料を要求されましたとはっきり言ったじゃないですか。期間も長いし、要求された資料も厳しい、そういう調査でありましたと言ったじゃないですか。
辻参考人 先生のお手元に本日提出させていただきました資料は、国土交通省から補助金について監査をいただくときの資料でございまして、それについては、後ほど当該年度の資料を出させていただくということでお話をさせていただいたところでございます。
河村(た)委員 きのうの話と全然違うんだよ、これ、悪いけれども。全然違うんだ。
 それと、きょうの朝また、非常に丁寧に見ていただいたということを言われたじゃないですか。どうですか。何で変わるんですか、突然。
辻参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたとおり、平成三年、五年、八年の税務調査と比べて異なります点は、新たに補助金対象資産の圧縮記帳の方法について、税務当局の方から新たな考え方が示されたという点が違う点でございまして、この点に関していろいろと議論があった、それに関する必要な資料をお出しして、御説明申し上げたということでございます。
河村(た)委員 この問題は、これはもう全然話が違うんで、もうどうなったかわけがわからぬですけれども、これが、もし圧縮記帳がだめだった場合は、大体百億から百五十億追徴されていたという話なんですよね。
 それで、今あなたが認めているように、少なくともそこで圧縮記帳の方法をめぐってかなりの議論があったということは事実ですね。
辻参考人 お答え申し上げます。
 圧縮記帳を認めるか認めないかという議論ではございませんで、圧縮記帳をするという前提のもとで、圧縮記帳の対象となる資産をどういうふうに選定するかという方法論で議論が行われております。したがいまして、前提として圧縮記帳をするかしないかということは全く議論になっておりません。
河村(た)委員 それはおかしい。それは課税に関係ない議論をしたんですか、課税に関係ない議論を。調査部が来て、課税に関係ない経営上のことを言うんですか。
辻参考人 圧縮記帳を行う場合には、補助金で取得した資産をどういうふうに選定して圧縮をしていくかという方法論が問題になります。
 これについては、先ほど御説明申し上げましたように、営団では従前より、補助金によって取得したすべての資産を対象にして、土地とか耐用年数の長いトンネルから優先的に償却対象にするというやり方でやってきた。それに対して、新たに、十一年度の税務調査におきましては、そういう資産の選定方法ではなくて、個別の資産ごとに、その資産の割合に応じて償却をしたらどうかという御提案があったということでございます。
河村(た)委員 まず、課税に、要するに問題は、そういうことを隠ぺいしていたことも問題だけれども、その責任者がどういう権限を行使したかという問題なんだけれども、課税上の問題が発生しないことなんですか、それは。
辻参考人 あくまでも法人税の課税を前提といたしまして、その補助金という特別利益があるわけでございます、これは黙っていると利益として課税をされてしまいますが、非常に採算性の悪い地下鉄を整備する上で、そのために補助金という国の、また地方自治体からの補助金が出されているわけでございますので、補助効果を十全に発揮するために、その補助金にかかわる圧縮記帳という制度が認められていると私ども理解をいたしておりまして、その圧縮記帳のやり方について、こういうやり方もあるのではないか、営団の従来とってきた圧縮記帳、資産の選定の仕方ではない別のやり方があるのではないかということについて、十一年度に税務当局から新しい御提案があった、こういうことでございます。
河村(た)委員 とにかく、それはどういう議論をしておろうが、それによって営団の払うべき税金の額が変わったわけね。
辻参考人 お答え申し上げます。
 圧縮記帳をするしないという話ではございません。圧縮記帳の資産の選定の仕方の問題でございます。したがいまして、補助金の補助効果というものを減殺しないという圧縮記帳の効果という点では、同じ土俵に乗った議論であると私ども理解をしております。
河村(た)委員 何を言っているかわかりませんけれども、税務署というのは経営相談所なんですか。納税額が変わることの可能性があった議論をしておったんじゃないですか。
辻参考人 何度も同じ御答弁で申しわけございませんが、あくまでも圧縮記帳の仕方、圧縮記帳の対象となる資産をどう選定するかという議論でございまして、したがって、その過程の、やり方についての御議論でございました。したがって、その従前の営団のやり方について、私ども、一生懸命御説明を申し上げまして御理解をいただきました。
 したがって、従来の営団の圧縮記帳のやり方を継続するということで結論が出ましたので、その新たな御提案のやり方での試算は行っておりません。(発言する者あり)
河村(た)委員 要はそういうことなんですよ。税務当局の話によって――これはちょっと税務に聞きましょうか、もう時間がないけれども。
 これは税務当局は、こういう課税額の変動に関係ないことを、延々とかどうかわからぬけれども、厳しくチェックを受けたと聞いているんだけれども、これ、時間も長いんですよ、四カ月。そういうことをやるんですか。
東政府参考人 一般論として申し上げますが、税務調査におきましては、特定の申告の内容につきまして、税法等に照らして適正、妥当なものであるかどうかを確認するために調査を行っているところでございます。
河村(た)委員 それは当然だ。
 それから、ちょっともう一回聞くけれども、では国税に言われて、その方法によって税の、営団が払う税金の額、それは変わったんですか。
辻参考人 何度も同じ答弁で恐縮でございますが、圧縮記帳の方法についての議論をさせていただきました。したがって、私どもの従来からお認めいただいている圧縮記帳の方法で継続をお認めいただいておりますので、その新たな御提案による圧縮記帳の結果については計算をいたしておりません。(発言する者あり)
坂本委員長 質問者を通して……(発言する者あり)辻参考人に……(発言する者あり)
 辻参考人。
辻参考人 税務当局の方から新しい圧縮記帳の方法について御提案があったということは、税務当局のお立場から見てそれなりの合理性がある御提案だったのではないかと思いますが、私どもとしては、従来のやり方でおかしくはないということで、その議論をさせていただいたということでございます。
 したがって、その結果どれだけ変わるかということについては、変わる可能性はあるかと思いますが、具体的な試算はしていないということでございます。(河村(た)委員「変わったんだね」と呼ぶ)いや、わかりません。可能性がありますが、そこは具体的な試算をしておりませんので、何とも申し上げられません。
坂本委員長 河村君、時間が来ておりますので。時間が来ました。
河村(た)委員 まあ、そこは本当に、うそと言っちゃなんですが、真実を語らなかったと。
 次に続けます。
 それから、もう一つ言っておきますと、営団には国税のOBの税理士がお二人行っておられます。そういうようなことで、これで終わりますけれども、次に引き継ぎたいと思います。お願いします。
坂本委員長 次に、長妻昭君。
長妻委員 民主党の長妻でございます。
 端的にお答えをいただければ大変幸いでございます。昨日夜、経済財政諮問会議が開催されましたけれども、速水総裁は、予防的措置として公的資金を積極的に投入すべきだ、こういう発言はあったんでしょうか。おわかりになる方、お願いします。
塩川国務大臣 公的資金注入についての考え方を話されたことはありますけれども、絶対にこれを注入すべきである、そういう主張ではなくて、公的資金注入の自分としての考え方、個人としての考え方を言っていたというところです。
長妻委員 日銀の総裁の発言を、最近、傾向といたしまして、公的資金注入の積極派、そういう発言だと私は感じております。
 そして、いろいろ調べてみますと、日銀考査というのがありますけれども、これも実は金融庁と同じように金融検査マニュアルに基づいて日銀考査というのがされておられて、そして、日銀にも百人の検査をされる方がおられるということで、厳しい考査をされているわけであります。その意味では、むしろ日銀の方が、速水総裁がその考査によって本当の銀行の今の惨状を把握されていてそういう発言につながったんではないかというふうに推測するわけですけれども、この日銀考査をもっとどんどん公表していただきたいと思うんです。
 今、日銀の中で、日銀考査の公表方法を充実させるというような話が出ているやに聞いております。この日銀考査の公表というのは、今時点は残念ながら公表に関してはたったA4二枚の考査の結果が出るだけでありますけれども、この考査結果の充実というのは、例えば銀行が考えている自己査定と日銀考査が指摘した査定のずれとか、あるいは考査によって引き当てが上乗せされた、こういうような点も公表をしていただきたいと思うんですが、それはいかがでございましょうか。日銀の理事の方に。
三谷参考人 先生御承知のとおり、個別の考査結果は秘密保持義務があるので開示できない点は御理解いただけるかと思います。
 ただ、先生のお話がありましたとおり、考査結果をどういう形で世の中に開示していくかということにつきましては、我々もいろいろこれから工夫を凝らさなくちゃいかぬと考えているところでありまして、これまでのところは、年度間の考査で得られました幾つかの問題点について取りまとめて公表しているわけでありますが、今後とも、先生の御指摘も踏まえまして、どこまで開示することができるのかどうかといった点も含めて検討してまいりたいと思います。(長妻委員「具体案は」と呼ぶ)具体案についても検討してまいりたいと思っております。
長妻委員 今、日銀考査の問題は、金融庁の言うとおりの考査と私は感じておりまして、金融庁の検査結果と、余り超えるような、相反するような考査結果は出さない、こういうような方針があるんではないかというふうに私は思っております。
 日銀の考査の御担当の方にお話を聞くと、こういうことも言われておりました。本当に死ぬ金融機関はすごく抵抗するんだ、日銀考査が指摘をした内容に、死ぬ銀行、まあ死にそうな銀行という意味だと思いますけれども、すごく抵抗するというようなことを言われておりました。
 いま一点お伺いしますけれども、日銀考査で自己査定の分類が違うというふうに銀行に指摘した場合、どのぐらいの率でそれをちゃんときちんと銀行は、わかりましたというふうに受け入れるんでしょうか。
三谷参考人 なかなか難しい御質問といいますか、これは全く千差万別でございます。
 確かに、先生おっしゃるとおり、考査の結果というものが本当に自分の生き死ににかかわるようなときには一生懸命頑張るのも、これは当然でありましょうし、そうでない場合も少なからずございまして、相手の金融機関の考え方、自己査定の方針、もしくは対象の企業に関するデータをどの程度持っているのか、そういったことによりまして、私どもの見解と向こうの見解が二通り、争いになるケースというのは、全く千差万別でございます。
長妻委員 日銀に一言答弁していただきたいんですが、考査の結果報告を充実させるということはいろいろ具体案は今検討中でございますけれども、いつまでに大体こういう案でやるというような成案をまとめられるんでしょうか。
三谷参考人 お答えいたします。
 まず、その内容をどの程度まで開示できるかということについて、その内容によって検討の期間も多々変化するだろうと思います。現時点では、できるだけ速やかにやる、考えるというふうにお答えするのが精いっぱいでございます。
長妻委員 柳澤担当大臣にもお伺いしたいんですが、やはり自分たちの検査がそれはもう一〇〇%正しいということはないわけでありまして、謙虚にいろいろ検証するというのはあります。その意味で、日銀考査と突き合わせというのはされているんでしょうか。
柳澤国務大臣 突き合わせは別にしていない、それぞれ独立で行っているわけですが、最近の事例でちょっと申しますと、日銀の考査があって、その機関が債務超過に陥っていることがわかった、そういうことで日銀の方から通告をいただいたわけです。そうしますと、その処分というのは、これは日銀の側に別に権限がありませんので、そこでもう一度当方が行って、そして検査をして、しかるべき処分をするということがございました。
長妻委員 一点、柳澤大臣に提案なんでございますけれども、日銀法四十四条で、基本的に、総理が日銀にそういう資料を全部出しなさいと言えば、守秘義務が解除されてそれが政府に提出できるという条文もあるやに聞いておりまして、ぜひ日銀の考査を全部もらって、これはでは金融庁の検査と同じなのか違うのか見る分には別に構わないと思うんですけれども、それをぜひやっていただきたいと思うんですが、いかがでございますか。
柳澤国務大臣 これは日本銀行の方さえよければいいと思いますね。やることは構わないと思いますが、日本銀行の方でまたどうおっしゃるか。これはちょっとまた、守秘義務さえ解除すればそれでもうねばならないということになるのかどうか、このあたりはちょっと私、にわかにここで御答弁できかねます。
長妻委員 日銀理事にお伺いしますけれども、日銀法四十四条で政府から要請があれば出せるわけでございますね。
三谷参考人 そのとおりでございます。
長妻委員 ぜひ、やっていただくというお約束をいただきましたので、お願いします。
 次に、三十社問題というのがかつてございましたけれども、今度は何か金融支援十一社リストというのが出回っているということでありまして、柳澤担当大臣も昨日の当委員会で、きのうの昼に見てびっくりしたんだというお話がされておりました。私もいろいろ見ますと、全然怪文書ではありませんで、金融庁サイドから漏れ出た十一社だというふうに私は確認をしているわけでございます。
 柳澤大臣、この十一社という意味は、この十一社は基本的にはつぶさない、法的整理をしない、再建をするともうあらかじめ決めた、この十一社、きのう昼見たリストと同じものでございますけれども、そういうリストとして金融庁サイドから出たというふうに認識をしているんですが、このリストは本当に、十一社、金融庁のものではないと今明言、断言できますか。
柳澤国務大臣 金融庁とは何か、柳澤伯夫が代表する組織である、あるいは森昭治が代表する組織であるという限りにおいて、私は全否定します。
 ということは、では、スタッフから出たかということを私が何かインプライしているかということは全くありませんよ。ただ、金融庁はとおっしゃるから、私は、そんなもの、その中身からいってもちょっとどうかなと思ったというのが本当のところです。
長妻委員 ちょっと今あいまいな御答弁だったんですが、調査していただけますか。
柳澤国務大臣 どこがあいまいなんでしょうか。
長妻委員 あいまいなというのは、職員の方が一切こういうものはつくっていません、こんな十一社というのはありません、どの職員、何人おられるのか知りませんけれども、そういうことを今明言はなかなかできないということでありましたから、そういう意味では、どこか職員がこういう何か誤解を受けるようなことをやっている、誤解を受けるんじゃなくて実際そういう意識でやっている、そういう調査をされるかということでございます。
柳澤国務大臣 私どもは金融機関を監督しているわけでありまして、その先のものをつぶすとかつぶさないとかというのは全く権限の外の話でありますから、そんなわけのわからぬ書類を、どこかから出てきたとおっしゃって、それを我々が、私が組織で調査するかなんて、そんな不見識なこと、私はするつもりありません。
長妻委員 何か、これはだから、私も金融庁サイドから出たというふうに確認をしているわけでありますから、では、もしそれが、どなたの、職員のどういう方がつくったということがはっきりしたら、責任とられるんですか。
柳澤国務大臣 長妻委員の責任論というのはたびたび聞かせていただきましたけれども、一体、責任論というものをどういうふうに長妻先生はお考えになって、すぐそういう責任はどうのこうのということをおっしゃるのか、私、解せないんですね。
 そういう前提で申し上げますけれども、私、何か紙が出た、それで長妻さんは何か根拠があるらしい。しかし、組織として仕事をするときに、そういうような形の、あるいはそういうような意図を持った文書というのは必要ないんですよ、我々には。必要ないんです、そんなものは。それは銀行のことだったら必要ですよ。ですけれども、その先のことなんて必要ありません。ですから、そういう意味で、そんな紙がどこやらにあったといって、自分の組織の中を点検、調査するというようなことは全く不見識きわまりないことだと私は思っています。
長妻委員 基本的に、先ほど、法的整理するしないとか、金融庁はそんな権限がないというお話ありましたけれども、例えばダイエーの例で言うと、そういう情況証拠がいっぱい出ているわけですね、金融庁が主導でいろいろやられたと。
 というようなことで、午後にその質問をさせていただきますけれども、時間でありますので午後に回します。ありがとうございました。
坂本委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時五十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時三十八分開議
坂本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 再開に先立ち、民主党・無所属クラブ、自由党、日本共産党及び社会民主党・市民連合所属委員に出席を要請いたしましたが、出席が得られておりません。
 再度理事をして出席を要請いたさせますので、しばらくお待ちください。
 速記をとめて。
    〔速記中止〕
坂本委員長 速記を起こしてください。
 再度出席を要請いたしましたが、民主党・無所属クラブ、自由党、日本共産党及び社会民主党・市民連合から、いずれも出席できないとの回答がありました。
 この際、暫時休憩いたします。
    午後四時十一分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.