衆議院

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第11号 平成14年4月12日(金曜日)

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平成十四年四月十二日(金曜日)
    午前八時五十一分開議
 出席委員
   委員長 坂本 剛二君
   理事 中野  清君 理事 根本  匠君
   理事 山口 俊一君 理事 山本 幸三君
   理事 海江田万里君 理事 古川 元久君
   理事 石井 啓一君 理事 中塚 一宏君
      岩倉 博文君    金子 一義君
      金子 恭之君    倉田 雅年君
      小西  理君    七条  明君
      砂田 圭佑君    竹下  亘君
      竹本 直一君    中村正三郎君
      林  幹雄君    林田  彪君
      増原 義剛君    山本 明彦君
      吉田 幸弘君    渡辺 喜美君
      五十嵐文彦君    生方 幸夫君
      江崎洋一郎君    小泉 俊明君
      小林 憲司君    佐藤 観樹君
      中川 正春君    永田 寿康君
      長妻  昭君    長浜 博行君
      牧野 聖修君    上田  勇君
      遠藤 和良君    藤島 正之君
      佐々木憲昭君    吉井 英勝君
      阿部 知子君    植田 至紀君
    …………………………………
   財務大臣         塩川正十郎君
   国務大臣
   (金融担当大臣)     柳澤 伯夫君
   財務副大臣        谷口 隆義君
   財務大臣政務官      砂田 圭佑君
   財務大臣政務官      吉田 幸弘君
   政府参考人
   (金融庁総務企画局長)  原口 恒和君
   政府参考人
   (金融庁監督局長)    高木 祥吉君
   政府参考人
   (財務省大臣官房審議官) 村瀬 吉彦君
   政府参考人
   (財務省理財局長)    寺澤 辰麿君
   政府参考人
   (財務省造幣局長)    筑紫 勝麿君
   参考人
   (日本政策投資銀行副総裁
   )            松川 隆志君
   参考人
   (日本銀行理事)     永田 俊一君
   財務金融委員会専門員   白須 光美君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十二日
 辞任         補欠選任
  小泉 龍司君     小西  理君
  七条  明君     林  幹雄君
  五十嵐文彦君     牧野 聖修君
  中川 正春君     長浜 博行君
同日
 辞任         補欠選任
  小西  理君     小泉 龍司君
  林  幹雄君     七条  明君
  長浜 博行君     中川 正春君
  牧野 聖修君     五十嵐文彦君
    ―――――――――――――
四月十日
 独立行政法人造幣局法案(内閣提出第六三号)
 独立行政法人国立印刷局法案(内閣提出第六四号)
 貨幣回収準備資金に関する法律案(内閣提出第六五号)
同月十一日
 政策金融機関に対する検査の権限の委任のための関係法律の整備に関する法律案(内閣提出第七四号)
同日
 消費税の大増税に反対、税率を三%に引き下げることに関する請願(藤木洋子君紹介)(第一五三八号)
 金融アセスメント法の法制化に関する請願(東門美津子君紹介)(第一五三九号)
 同(西川太一郎君紹介)(第一五四〇号)
 同(吉井英勝君紹介)(第一五四一号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 独立行政法人造幣局法案(内閣提出第六三号)
 独立行政法人国立印刷局法案(内閣提出第六四号)
 貨幣回収準備資金に関する法律案(内閣提出第六五号)


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     ――――◇―――――
坂本委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、独立行政法人造幣局法案、独立行政法人国立印刷局法案及び貨幣回収準備資金に関する法律案の各案を一括して議題といたします。
 順次趣旨の説明を聴取いたします。財務大臣塩川正十郎君。
    ―――――――――――――
 独立行政法人造幣局法案
 独立行政法人国立印刷局法案
 貨幣回収準備資金に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
塩川国務大臣 ただいま議題となりました独立行政法人造幣局法案、独立行政法人国立印刷局法案及び貨幣回収準備資金に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 平成十一年四月二十七日閣議決定されました国の行政組織等の減量、効率化等に関する基本的計画において、「造幣事業及び印刷事業については、独立行政法人化する」とされたこと等に基づき、独立行政法人造幣局法案は、貨幣の製造等を業務とする独立行政法人造幣局を、独立行政法人国立印刷局法案は、銀行券の製造、官報の印刷等を業務とする独立行政法人国立印刷局を設立しようとするものであり、貨幣回収準備資金に関する法律案は、独立行政法人造幣局の設立に伴い造幣局特別会計が廃止されることを踏まえ、同特別会計に設置されている貨幣回収準備資金を新たに一般会計に設置し、政府による貨幣の発行、引きかえ及び回収の円滑な実施を図るためのものであります。
 以下、この三法案の内容につきまして御説明申し上げます。
 独立行政法人造幣局法案及び独立行政法人国立印刷局法案については、第一に、両独立行政法人の名称、目的、業務の範囲に関する事項を定めております。
 第二に、国からの事務の移行に伴い、国が有している権利義務の一部を両独立行政法人に承継させるとともに、当該権利に係る財産の価額の合計額から当該義務に係る負債の価額等の合計額を控除した額に相当する金額を両独立行政法人の当初の資本金とすることとしております。
 第三に、両独立行政法人の役員として、理事長、監事、理事を置くことができることとし、その定数を定めております。
 その他、積立金の処分方法、造幣局特別会計法及び印刷局特別会計法等の廃止、所要の経過措置等に関する事項を定めております。
 また、貨幣回収準備資金に関する法律案については、第一に、貨幣回収準備資金は、政府が発行した貨幣の額面額の合計額に相当する金額等により構成され、貨幣の引きかえまたは回収、貨幣の製造等に要する経費の財源として使用することとしております。
 第二に、貨幣回収準備資金は、一般会計の所属とし、その経理の方法を定めるほか、地金の保管等について所要の規定を設けることとしております。
 以上が、独立行政法人造幣局法案、独立行政法人国立印刷局法案及び貨幣回収準備資金に関する法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
坂本委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
坂本委員長 この際、お諮りいたします。
 各案審査のため、本日、参考人として日本政策投資銀行副総裁松川隆志君及び日本銀行理事永田俊一君の出席を求め、意見を聴取することとし、政府参考人として財務省大臣官房審議官村瀬吉彦君、財務省理財局長寺澤辰麿君、財務省造幣局長筑紫勝麿君、金融庁総務企画局長原口恒和君及び金融庁監督局長高木祥吉君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
坂本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
坂本委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。永田寿康君。
永田委員 民主党の永田でございます。おはようございます。
 きょうは八時五十分スタートということで、いつもよりもちょっと早いんですけれども、皆さん朝早くからお疲れさまでございます。
 村田副大臣は何か随分体調を崩されたようで、やはりみずほグループの話もあり、大変な激務をこなしておられるのだなというふうに改めて思いますけれども、私たちも朝早くから頑張って、国民の信頼にこたえるような実りある審議をしていきたいと思いますので、ぜひ簡潔な答弁をお願いしたいと思います。
 さて、まず、今回設立されます独立行政法人でございますが、この二つの独立行政法人、業務はかつては国がやっておったということでありますけれども、これを独立行政法人にするという意味について、どうしてそのようなことをやるのかという理念についてひとつお答えをいただきたいと思います。
谷口副大臣 ただいま塩川大臣の方から提案説明がございましたが、平成十一年四月二十七日に国の行政組織等の減量、効率化等に関する基本的計画において、造幣事業また印刷事業については独立行政法人ということになったわけでございまして、永田委員のおっしゃっておる今回の独法化することの意義、メリットということでございますが、端的に申し上げますと、業務の効率化、また業務運営の透明化というようなことになるんだろうというふうに思うわけでございます。
 造幣事業、印刷事業におきましては、従来から独立採算的、企業的運営を行ってきたところでございますが、今回の独立行政法人化によりまして、一つは、独法造幣局、独法国立印刷局が達成すべき目標が財務大臣より明確に指示をされ、これを達成すべく各独法が自主的な経営判断に基づき機動的かつ中期的な業務運営を行った上で、業務実績につきましては第三者機関による厳正な評価の対象となるということでございまして、このような結果、業務の効率性の向上、質の向上が図られるということを期待しておるわけでございます。
 またもう一つは、この独法化に伴いまして、企業会計原則を基礎に作成をされました財務諸表や評価委員会の評価結果等の情報が公開されるということになるわけでございまして、業務運営の一層の透明化が図られるということになるわけでございます。
永田委員 政府の方針に従って、特殊法人等を独立行政法人に順次、民営化とは言いませんが組織を変えていく、この流れの中で行政の効率化、透明化を図るためにやるんだ、このような答弁だったと思います。
 しかし、この独立行政法人は、ほかの、例えば今騒がれている道路公団とか、あるいは政府系金融機関も含めてあまたの特殊法人がありますが、こういうものと少し違いまして、取引を専ら政府を相手に、あるいは日銀を相手に行うということで、言ってみれば、普通の国民、民間の人たちがここと取引をするということは普通はないわけですね。
 もちろん、委託をして偽造防止技術を使わせてもらうとか、あるいは、言ってみれば、職人さんたちも、どこかに依頼をしてお札や切手なんかのデザインをしてもらう、そういうことはあるのかもしれませんが、そういうふうに業務を遂行する上で必要な作業というんでしょうか職務を外部の人が参入してやるということはあるにしても、そこでできた生産物を、民間の人がそこに行って取引をするということはないわけですね。
 すなわち、そういう意味で非常に特殊な法人というふうに位置づけることができまして、そういうことを考えますと、専ら、この独立行政法人化によって得られるメリットというものはコストの削減、あるいは、適正な経営というのはすなわちコストの削減というところに大体大きな軸足があるんではないのかなという気がします。
 コストの削減、要するに放漫な企業経営になってはならないというようなことではありますけれども、そういう点においては、今までの体制であっても、会計検査院とかあるいは国会の審議も経てやっているわけですから、そういうところについては、一定の効果は、正直、期待できたんだと思います。
 ですから、今回、独立行政法人にすることによってコストの削減とそして企業経営の適正化という部分について、もう少し突っ込んだ説明とそして対応が政府の方にないと、なかなか国民の側には、なるほど、これで一つ構造改革が進んだんだというような印象は持たれないのではないかと思うんですが、そういう意味では、今までとはどういうふうな違いが出てくるんでしょうか。
谷口副大臣 まさに今委員おっしゃったようなことで今回独法になるわけでございますが、通貨というのは確かに極めて特殊なものでございます。
 今回、通貨につきましては、通貨担当大臣たる財務大臣が、その様式の決定に加えまして、通貨の安定的かつ確実な製造の確保や偽造防止の観点、これも非常に重要でございますが、製造計画の指示等必要最小限の関与を行うことといたしておるわけでございます。
 通貨の製造に当たりましては、原材料の調達、また、機械、設備の更新、稼働体制、人員配置、技術開発等、財務大臣の定める製造計画の範囲内において広範な経営判断が要求されるわけでございます。
 独法化に伴いまして、両局の運営は中期目標計画のもとで両局の自主的な経営判断にゆだねられて、自律的、弾力的な財務運営、組織、人事管理が可能になるということでございまして、それとともに、業務運営の透明化の向上、第三者機関による先ほども申し上げました厳正な評価が行われるといったようなことで、この独法制度の活用によって、通貨の製造業務につきましても、広範な経営判断の中で一層の生産性の向上、今おっしゃったようなコストの削減等、業務運営の効率化の一層の向上を図るということを期待しておるわけでございます。
永田委員 どうも小泉内閣は第三者機関が大好きなようで、独立行政法人をあまたつくられますが、あるいは特殊法人もそうです。特殊法人の子会社、私が大好きなNHKも、子会社の経営については民間の監査法人等がちゃんと適正に経理を見ているから大丈夫なんだ、こういうお話があります。
 しかし、私は思うんですけれども、政府系のこうした特殊法人あるいは独立行政法人、そしてその子会社たち、こうしたものに対して、民間の、あるいは第三者機関の審査があるから大丈夫だというようなお話というのは、正直言って理由にならないと思います。すなわち、こうした政府系機関の経営が適正に行われているということの理由になるのではなくて、僕は言いわけにしか聞こえないんですね。
 すなわち、例えば、普通の株式会社で上場されているようなもの、これは、ちゃんとした監査法人が入って、経理が適正に行われているかどうかを一定の基準に従って公開をする、これは大事なことなんです。何でかというと、投資家からちゃんと信頼をされて、そして適正な株価が形成される、そういう意味において非常に公益性の高いことなんですね。こういうふうに民間の監査法人が入って、そして、監査法人の責任においてこの会社は大丈夫だよというお墨つきを与える、これは、アメリカで今破綻しましたエンロンの例を見るまでもなく、極めてマーケットにとって有益で、しかも公益性の高いことなんです。
 しかし、独立行政法人、特殊法人あるいはその子会社といった一般に株式が流通していないものについては、マーケットの評価にさらされないわけですから、情報公開をするといっても、それが果たして適正な、もちろん、一定のルールに従って情報を公開するということにはなっているんでしょうけれども、では、その中身は一体どうなのというところはマーケットの目にさらされることはないわけですね。
 すなわち、それは、自己満足に陥ってはいけないのであって、関係者が、独立行政法人やそのほかの政府系機関そのものが自己満足をしていたり、あるいは、政府が、第三者機関にお任せをして、もうおれたちの手は離れているんだよ、第三者機関がやっているからいいじゃないか、このようなある意味での思考停止に陥るようなことがあってはいけないのであって、では、どこがチェックするのかということになりますと、やはり僕は最終的には国会だと思うんですよ。国民の代表であり国民の意思を代表している国会議員が、きちっとその運営を見て、国民が満足する形で経営がなされているかどうかをチェックすること、これがまず第一に大切なことなんだと思うんです。
 ですから、第三者機関に任せているからいいんだというふうに政府が考えるのではなく、独立行政法人本体も、自己満足をするのではなく、ぜひ、情報公開をした上で、国会の審議の上で、誠実な情報公開をしながら厳しい目にさらしていただきたいと思うのですが、この指摘を受けてどのように今後の対応をなさるおつもりでしょうか、感想を聞かせていただきたいと思います。
谷口副大臣 おっしゃったように、透明性の確保というのは非常に重要でございます。ですから、今回の国立印刷局、また造幣局の独法の法案におきましては、企業会計原則に準じたような形で透明性を求めるといったようなことを期待しておるわけでございます。
 また、第三者機関で、これは有識者が中心になるわけでございますが、その業務に精通をいたしておる有識者がこの第三者機関の中にも入っていただいて、その中で厳正な評価作業を行っていただくというようなことを期待しておるわけでございまして、その結果、業績が不振な場合に役員の解任事由となり得るということであるとか、役職員の給与には独法の業績も反映されるということであるとか、このようなことが期待されるわけで、十分おっしゃるような機能が発揮できるというように考えておるわけでございます。
永田委員 次に、二千円札をぜひやめていただきたいんですけれども、二千円札を発行することによってどのような政策的効果が生まれたというふうにお考えなのか、御説明をいただきたいと思います。
寺澤政府参考人 お答えいたします。
 二千円の日本銀行券につきましては、まず、諸外国におきましても二のつく単位の紙幣が発行されておりまして、その発行枚数シェアというのは相当なシェアに上っているということ、また、円換算で二千円相当の紙幣、例えば二十ドルとかそういうものでございますが、これも幅広く流通してシェアが高いといったようなことから、国民経済上一定の需要が見込まれるということで、平成十二年より発行することとしたものでございます。
 現在、平成十二年度末の数字は約一・二億枚が流通しておりますが、十三年度末には二・三億枚と、市中の需要に応じまして、徐々に着実に増加してきているというふうに認識しております。
 このような状況を踏まえまして、財務省といたしましては、今後とも、日本銀行と連携しつつ二千円券の円滑な流通促進に努めていくこととしておりまして、御指摘のような廃止をするというようなことは考えておりません。
永田委員 これはまた不思議なことであります。諸外国に二のつく紙幣がたくさん出ているからうちもやるんだ、これで日本も一人前の経済大国になったんだと胸を張らんがばかりの御答弁であったというふうに思いますが、そんなことはないと思うんですね。たかだか今年度末で二億三千万枚、国民一人当たり二枚にも満たないような、もちろん、お小遣いが二千円に満たないような子供たちもいるでしょうから、大人にとってみればもう少し多いのかもしれませんが。
 今この部屋にいらっしゃる方で、財布の中に二千円札が入っている人は何人いるでしょうか。僕は、あっ、大臣、ちゃんと御用意なさいましたね、さては。いつも入っていると。僕の質問を聞いて、大臣――しかし、正直申し上げて……(発言する者あり)ああ、使わないから残っているんですか、さすがですね。
 僕はひとり暮らしをしているものですから、いろいろなところで大体毎日二万円ぐらい現金を使うことがありますか、そんなに使わないかもしれませんが、一万円ぐらいですか、二万円も使いませんね。だけれども、ことしに入ってから僕は二千円札は一回しか見たことないんです、四カ月で。去年も十回も見たことないです。おかしいですよ、絶対に。(発言する者あり)それは全部銀行振り込みになっているので。済みません、ちょっと、いろいろなところでえらい話になっていますけれども。見たことないんですよ。
 どうも、たかだか国民一人当たり二枚にも満たないような流通枚数でこれを維持していくという意義が僕には全く見当たらないのであって、これを放置しておくような――つまり、国民経済にとってさほどのメリットはないと僕は思います。二千円札を出すことによる政策的なメリットというのはほとんどないと思いますけれども、これを放置したままで独立行政法人化して、これから効率的な経営がなされるんだというふうに胸を張っても、信じる気になれないんです。政策の方が間違っていれば、むだはどんどん垂れ流しになっちゃうんです。だから、独立行政法人にするだけじゃなくて、ちゃんと政策の方も、本当に国民の方を向いて、きちっと国民の利益になるように、むだがないように行政をスリム化していかなきゃいけないというふうに思うんですよ。
 改めて、二千円札を出し続けることの意味というものをお伺いしたいと思います。
寺澤政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、着実に伸びておりますが、伸びておる理由は、自動販売機等の利用ができるものの数が、またこれが着実に伸びているということでございまして、こういった、我が国においては五百万台を超えます自動販売機、券売機等がございまして、そういうものの利用ができるようになればもっと活用されるというふうに私どもは考えているところでございます。
永田委員 局長には大変申しわけないんですけれども、そういうお話をしているわけではなくて、これはぜひ、僕は、正直申し上げて、官僚の方には答えられない問題だと思うんです。つまり、これは国策ですから、やはり、二千円札を出し続けることというのは、独立行政法人化も含めた行政のスリム化、効率化、事業の効率化に逆行するものだというふうに私は思うんですけれども、大臣の目から見ていかがですか。
 これは、正直申し上げて、大臣の方針が明らかになっていない段階で官僚の方に答弁をいただくというのは、それは恐らく無理な問題だと思うので、政治家の言葉で語っていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
塩川国務大臣 私は、二千円札は非常に大事な、便利な紙幣だと思ってこれをよく使っております。ある店に行きまして聞きますと、二千円札があったら便利なんですがというところがございますから、やはり二千円札に対する需要は相当ある。しかし、発行いたしましてまだ期間がそう経過しておりませんので、珍しいということよりも、出回り方が少ないということが、逆に今、永田さんおっしゃるように、こんなもの面倒くさいじゃないかという人があるかもわかりません。しかし、この紙幣は極度に偽造防止の装置をしてありまして、これは世界的にも、よくこれだけの偽造防止の技術を導入したかということで非常に珍しい。
 貨幣というのは、その国の一つの文化の象徴でもあると私は思っております。ですから、いずれの国においても多種多様な貨幣を発行しておるのでございまして、日本もその一環としてやっておるのでございまして、使いなれたらこんな便利なものはないと思いますが、どうぞ、せいぜい御利用していただくようにお願いしたいと思います。
永田委員 さすが、政治家ですね。驚くべき答弁が出てきました。偽造防止技術を使うために、これが一つの紙幣発行のメリットである。たまげました。偽造防止は手段であって、目的ではありません。お金を発行する上でゆめゆめ偽造されてはならない。だから、貨幣の信頼を維持するためにも手段として偽造防止技術を施すのであって、紙幣発行の目的ではありません。それは、やはり履き違えてはいけませんよ。お札というのは子供の遊びで発行するものじゃないんです、子供銀行券じゃないんですから。それは、ぜひもう一度メリットというものを考えていただきたい。
 あと、発行枚数が需要がだんだんふえてきているといいますけれども、一万円札を発行されたときの、一九五八年に出されたというふうに私、記憶しているんですが、このときの、出されてから一年、二年たったときの発行枚数と今の二千円札の発行枚数を比べてみてください。お話にならないぐらい違うと思いますよ。
 やはり一万円札、五千円札、千円札がありながら、そこに二千円札を間にかませても大した意味はないのだということをもう一度しっかり検証なさって、そして、この程度の需要しかないものに日本の文化が象徴されているんだというふうにゆめゆめ思われないように、立派な文化を維持するためにも、もう一度この二千円札の廃止というものを真剣に検討していただきたいと思います。
 さて、話が長々となったので次の話に移りたいんですけれども、ちょっと通告とは外れますが、これは、塩川大臣はそらでも答えることができると思うので、ぜひお答えいただきたいと思います。
 先日、政府のデフレ対応策というのが発表され、順次実行に移されていると思います。ただ、僕の記憶が違わなければ、日本国政府は、今回の不景気に入ってから、いまだに日本はデフレの状況に入ったという認識を示したことは一度もありません。デフレ対応策が必要だったということは、そろそろデフレに入ってしまったのかなという認識のあらわれかなというふうに思うんですが、日本は、今デフレの状態にあるのかどうか、担当大臣にぜひお答えいただきたいと思います。お二人の大臣に、両方の大臣にお願いしたいと思います。
塩川国務大臣 デフレの前に一言申し上げたいと思いますけれども、今貨幣の偽造の問題についてお話ございました。これは、ぜひ認識をさらに改善してもらいたいと思いますことは、貨幣発行で一番大きい仕事の一つです。こればかりじゃございません、それは偽造の防止なんです。偽造の防止は、過去何千年という貨幣を発行してまいりました過程において、偽造の問題こそ、どのような貨幣を出すのが一番いいかということの中心議題であったということでございまして、その意味におきまして、今、永田さんは一万円しか使わないだろうけれども、多くの小さいお金を使う人も、この偽造というものに対してこれを防止するためには非常な関心を払っておる。これが重要なテーマであるということだけ、覚えておいていただきたいと思います。
 デフレのことにつきまして申し上げますと、デフレはスパイラルに入ったとは認識していないと言っておるんです。政府の言っていますのは、デフレ状態にあるということは、これは物価の面から見てそういう状況が惹起されてきておる。それと、需要と供給とのアンバランスを、ギャップといいましょうか、そういうものを見てデフレ状態にあると言っておりますけれども、スパイラル状態になったとは言っていない。
 ですから、スパイラルになる前に、この際ぜひ、デフレを排除する措置を講じていかなきゃいかぬというのが、先月発表いたしましたデフレ防止対策の第一巻としての着手だった、こう認識していただければ結構かと思います。
永田委員 まあ、そうですね。デフレに入ったというようなお話は確かにしていません。スパイラルに入ってないという、これは、大臣、正しいお答えだと思います。
 そういうようなお話は随分前からなされているんですが、今でもデフレスパイラルに、きょう今日においても入ってないというふうにお考えですか、改めてお願いします。
塩川国務大臣 私は、まだデフレスパイラルじゃないと思っております。
永田委員 どのような根拠を持って、つまり、まだここのところが大丈夫だからデフレスパイラルには入ってないんだというような、別にすべての論拠を語る必要はありませんが、一番大きな柱、二つか三つか、それぐらい例示を挙げて、こうなってないからまだデフレスパイラルにはなってないんだというようなことを指摘していただければいいなというふうに思います。
塩川国務大臣 ついこの前発表いたしました月例報告、これは、政府が世界に公表しておる日本経済の現状、現時点における状況でございますが、それによりますと、基調判断というところがございまして、これには、「景気は、依然厳しい状況にあるが、底入れに向けた動きがみられる」ということを言っております。そして、個人消費は横ばいとなっておるけれども堅調である、こういうことを言っておりました。
 したがって、物価も、最近はやや下げどまりの傾向にございますから、全体として見た場合、景気はここらでひとつ底入れから転換へ向かう状況になってくれればいいと思って、一段の金融緩和とそれから景気刺激対策を、それは予算の執行を通じてやっていきたいということを考えております。
永田委員 どうも、現在の日本の置かれている経済の状況を全く誤解なさっているということが今明らかになりました。
 底入れという言葉を使われました。底入れというのは、循環的な景気の変動を表現するときに使う言葉なんです。今、日本は、構造的に景気が悪化している部分と、時々持ち直したり、時々また下降曲線に入ったり、こう循環的に波になっている部分と、一方的にこう坂道で下っている構造的な要因とが複合されているんですよ。すなわち、こういうふうな右肩下がりの波を打っているんです。
 だから、ある局面をとらえると、循環的要因で確かに上向くというような話はあるんですけれども、全体的に見れば、構造的に下がっているラインがどうしても普通の真横に走っている波と合成されますから、構造的な要因が中立ならば、真横に走っているときは、いいときもあるし悪いときもある、これは半々の期間であらわれるわけですよ、半分半分の効果がある。しかし、下り坂のラインが合成されているために、ほんの少し持ち直す局面もあるけれども、その後はずっと長く下がる期間があって、またほんの少し持ち直す期間があるけれども、またずっと長く下がっちゃうという、こういうことを繰り返しているのが今の日本の現状なんです。
 ですから、底入れをしたから安心だというような言葉を使われるというのは、これは政府が構造的な要因を全く見失っているというふうなことの裏返しなわけですね。
 政府は今、構造改革に取り組んでいるはずじゃないですか。構造改革なくして景気回復ないわけでしょう。ということは、構造的な要因に手を入れなければいけないのであって、底入れをしたから大丈夫だ、大丈夫かもしれないというような認識を示すというのは、構造改革とは全く離れたとんちんかんな議論だというふうに思うんですけれども、構造的な部分について、今、日本はどのような局面に置かれているのか、改めて認識をお願いします。
塩川国務大臣 私は、先ほど申しました底入れの状況にあるということでございますが、これは、何も安心しているということを表明しているものじゃございませんで、要するに、底入れをしておるということは、スパイラルにはなっておらないということの一つの表現として適切に説明できるものではないかと思います。
永田委員 もう少しわかりやすくお話をしますと、デフレスパイラルというのは、構造的にずっと、こう坂道を転げるごとく、今の小泉内閣の支持率みたいにずっと下がっていっちゃうというのを、これが構造的な要因というんですよ。
 一方で、循環的な要因というのは御存じですね、在庫と生産と消費と、循環的にこう回っていく、こういうのを循環的要因というのであって、ですから、僕は何も、政府が循環的要因に着目する余り、底入れが視野に入ってきたがために安心をしているというふうには思っていません。かなりの危機感を持っているというのは、僕もそこは認識しているつもりです。
 しかし、そうではなくて、構造的にデフレスパイラルに入っているかもしれないということは、それは循環的要因とは離れた目で見なくちゃいけないわけですよ。ですから、今の日本の経済が構造的に見てどのような局面にあるというふうに認識なさっているかをお伺いしているのですけれども、お答えいただけませんでしょうか。
塩川国務大臣 もちろん、今回の長引く不況状況というものは構造的なところから来たことは何人も認めるところでございまして、したがって、小泉内閣におきまして、構造改革なくして景気回復なしというスローガンを掲げて、これを基本政策にしておるのは当然でございます。
 したがいまして、構造改革をこれからどんどん積極的にやっていかなきゃならぬ、それの一番効果を発揮いたしますのは、社会的システムを変えるとか、あるいは経済の、企業のあり方を変えるとかいう、そういうことは時間の経過が必要でございますから、とりあえず構造改革に着手しなきゃならぬのは規制の緩和だと思っておりまして、この規制の緩和につきましては、相当の項目にわたりまして、過去数年間実施してまいりました。
 これをさらに拡大していくために、行政の中における規制緩和、それを実施したい。そうしようとするならば、行政システムを変えなければ、行政の持っておる権限、すなわち規制緩和というものが十分に進まないというところから、行政改革のいわば集大成を図っていこうということで、現在、行政改革担当大臣のところで鋭意進めておるというのが現状でございます。
永田委員 政府の、きょう今日における構造面から見た景気、経済の状況、認識をお話しいただいたので、次のテーマに移りたいと思います。
 これはまた通告がないんですが、理財局長がお越しになっているので、ぜひひとつ、けさのニュースで気になるのがあったので、教えてください。
 国債をネットで個人に対して直販するというようなお話がありましたが、もしも可能ならば、なぜこのようなことをお考えになっているのか。つまり、機関投資家と個人では国債の購入に関する姿勢が違うというふうにお考えなんでしょうけれども、どのような違いに着目をして、ネットで販売することを考えているのか。これは日経新聞に載っている話なので多分何かの発表があったんだと思うのですけれども、可能ならば、お答えいただきたいと思います。なければ、通告がないので結構でございますけれども。
寺澤政府参考人 お答え申し上げます。
 大量の国債発行を今後数年続けていき、その円滑かつ確実な消化を図るために国債管理政策をどういうふうに持っていくかということでいろいろ検討しているわけでございますが、一つの点は、我が国の国債の保有構造を見ますと、個人においてお持ちいただいている割合が二・五%、約十兆円でございます。四百兆の中の十兆円が個人がお持ちいただいているということでございまして、政府及び中央銀行が持っております以外には、金融機関等の保有割合が極めて高く、海外が五%程度でございますから、政府、中央銀行以外では八割ぐらいが、残りの八割ぐらいが金融機関が持っているというような保有構造になっております。
 これは、金融の一定の変動に対して金融機関は同じような行動をとる可能性が高いということで、その国債のボラティリティーが非常に高まるということを保有構造から推測できるわけでございまして、いろいろな保有動機を持った方々に国債を安定的にお持ちいただけるように、個人消化に力を入れたいと考えておりまして、平成十四年度から、個人向け国債というのを発行したいと思っておりまして、所要の法律案を提出しているところでございます。
 その中で、現在、個人向け国債については、金融機関、郵便局の窓口で販売をいただいておりますけれども、アメリカなんかは、財務省が直接個人にインターネットで国債の販売をしているということもありますので、個人に対する国債の販売の方法として、そういうものについても検討しておるということでございます。
永田委員 確かに、機関投資家が八〇%の国債を持っている、そして個人はわずか一〇%そこそこであるという状況は、もう少し個人の保有比率を高めてもいいのかなというふうに、そこは、その一面だけでは僕は認めます。しかし、その前にもう少し考えなきゃいけないことがあるんじゃないのかなというふうに思うのですよ。
 つまり、今の国債マーケットは、金融市場の中で大きく大きくゆがんでいるんです。そのゆがんでいる状態を放置して個人に国債を売るというような話をすると、これは個人にいたずらにそのリスクを負わせることになったりするのではないのかなというふうに思います。
 何しろ、今の普通預金の金利は〇・〇〇一%という銀行もあるわけです。百万円預けて年に幾らですか、十円ぐらいしかつかないんですかね、金利が。こんなばかげた金利状況にあって、一%以上の金利がつくようなものに、国民がそっちを持ちたくなるという気持ちも出てくるかもしれません。
 しかし、なぜ今金融機関があんなにも国債を持ちたがっているのかということを考えると、私が前々から指摘をしておりますとおり、このたび通った法律で、銀行は株式を持てなくなったわけです。一定以上持てなくなった、制限がつきました。そして、土地に対する融資、土地の保有も、これもそんなにたくさんできないという状況にある。民間企業に銀行が貸し付けをするということもなかなか今の景気状況では難しいということになると、もう国債に向かうしかないわけですよ。
 つまり、日銀が銀行にじゃぶじゃぶ流動性を確保しているのはわかりますけれども、それの向かう先が国債以外にはないという状況の方がおかしいわけであって、その状況を放置したままで、八〇%の国債を銀行等の機関が持っているんだというようなことをお話しになっても、それはちょっと話の順番が違うんじゃないのかなというふうに思います。銀行等の金融機関があんなにもたくさん国債を買いたがるということの方が本当はおかしいんですよ。
 ですから、ぜひ塩川財務大臣には、この国債市場がゆがんでいる、つまり、株や土地や民間企業に対する融資に比べて、民間銀行から見れば、株や土地を買ったり株や土地に対して融資をしたりするんではなくてあるいは民間企業に貸し付けるというのではなくて、それよりも国債を持つ方が有利だという状況になっている方が実は不自然だということを認識していただいた上で、これは金融担当大臣になるんでしょう、ぜひ国債が一方的に有利になっているという状況を改善してからじゃないと、国民にネットで販売をするというような手を打ってはいけないんじゃないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
    〔委員長退席、中野(清)委員長代理着席〕
塩川国務大臣 今、国債は、従来から比較的国債の販売が順調に、しかも安易にやっておりました。それは私も認めます。というのは、シンジケート団が結成されまして、そこで、シンジケートで大体六〇%ぐらいすっと引き受けてしまって、それも大体財務省の言う、旧大蔵省の言う買い値で買ってくれる、こういうのでございますから安定しておったんですね。
 ところが、現在、各金融機関がそれぞれ自己資本比率だとか貸し出しの効率化とかいろいろございますので非常に難しくなってまいりましたので、これからシンジケート団のあり方ということを変えなけりゃならぬ、こう思います。
 それと同時に、より以上に、この機会に国民の皆さんに国債のいわば実態というものを知ってもらう、また国債を大事にしてもらうためにぜひ買ってもらいたい。ただ、そのためには、やはりPRがもっと必要だろうと思うんです。
 大体、国債を買うといったら大変な手続が要って面倒くさいんだろう、こう思うて、どこに売っているんだろうと、それも知らぬというような状況が多いんでございますから、今永田さんがおっしゃるように、郵便局なんかで簡単に買えるような、簡単に買えるということが大事なので、そういうことをより進めていきたいと思います。
 それと同時に、国債といったら十年の長期国債というのばかり頭にございますけれども、できればそれが一番基本のスタイルでございますのでその条件でやりたいと思いますけれども、いろいろな多様な、五年物であるとかあるいは短期とまぜ合わせて発行するとかいうような、そういう発行の条件というか発行の状態を多様化していきたい。それによって国民の皆さんになじんでいただけるような国債にいたしたい、こう心得ております。
永田委員 国債管理政策の面から見れば、このような多様な販売ルートを、販売手段を持つことによって、より一層その国債マーケットを安定した厚みのあるものにしていこうという努力は、私は決して評価しないわけじゃないんですよ。しかし、その前に国債を取り巻く環境を健全にしておかなければならないのではないかという指摘なのであって、ぜひそこに対して誠実な答弁をしていただきたいと思うんですよ。
 政府短期証券の入札、恐ろしいことになっていますね、三千五百兆円の入札があるんですって。国民の金融資産の二倍以上の入札が政府短期証券の入札にあるという話ですよ。天文学的数字ですよね。普通はあり得ない話です。
 なぜこのようなことになっているかといえば、銀行の方がその運用手段を持たない。これは有利なものだからぜひ買いたいということで、とてつもない金額の入札がある。一方で、十年物新発国債は時々札割れ寸前になってしまうというようなことも起こっているわけですよ。つまり、政府が相手であっても、機関投資家の目から見て、十年も金を貸すのは御免だよ、せいぜい三カ月だったらいいけれども十年も貸すのは御免だよということをマーケットは明確に出しているわけですよ。
 ですから、金融市場は大きくゆがんでいます。〇・〇〇一%の預金金利しかつかない。こんなもので、実は銀行は、つい最近上がったようですが、預金保険料も、かつては〇・〇八四%ですか、今もう上がっているんですかね。要するに、預金金利の数十倍に上る預金保険料を払わなければならないような状況に今銀行は追い込まれているわけですよ。
 これはもう金融マーケットがほとんど破壊されているといっても仕方がない状況にあるわけであって、もう少し国債の発行環境も含めて金融市場を健全なものに戻す努力をしないと、個人が国債を買うような環境にはならないのではないかなというふうに思うんですが、これは金融担当大臣のお話になるんでしょうか、どちらでもお好きな方、お答えくださいませ。
柳澤国務大臣 国債管理政策の話が主ではないか、こういうように思うんですけれども、たまには私が答弁に立たないと先輩大臣からおしかりもいただきますので答弁をさせていただきますが、幾つかのことを御指摘になられました。
 国債については、銀行はやはり運用先としてかなり大事に思っているということでございますが、同時に、時価会計が導入されておりますので、これをできるだけ期近物にして、本当に早く元本が回収される、その間利息もいただく、こういうものを選好するのは、これは当然のビヘービアだというように考えております。
 基本的には、期の長いものについては銀行としてはそこに相当のリスクを感じておるということでこれを避けようとする、そういう中で、一時のような国債保有残高をむしろ縮減させているというふうに私ども今認識をいたしております。
 そういうことを考えながら、他方、国債の発行需要というものが、この財政規律をかなりきつくしつつもなお今後続くということも現実ですので、そういうのをどうやって両立させるかといえば、やはり家計に、つまり時価会計などというような、期中の減価というようなものについて何らか会計的な処理を強要されないようなところに持ってもらうというのは、当然の国債管理政策上の政策の立て方であろうと私は見ているわけでございます。
永田委員 ですから、現象面として金融機関が利回りのいいものに入札を集中させていくのは、これは当然のビヘービアであろうという話をしているんではなくて、そうではなくて、そういうようなビヘービアになってしまうもとを直してくださいという話をしているわけですよ。それが当然だといえば、常日ごろから数千兆円の入札があっておかしくないはずですよ。しかし、いまだかつてそんなことはなかったわけですね。つい最近の話ですよ、こんなことが起こっているのは。
 ということは、どこかにおかしなことが起こっていると考えるのが普通なんですよ。そこを直さなければ、要するに、体温計の温度だけ見て、ああなるほど、熱があるんだな、では水をかけて冷やそうかなという話じゃなくて、どこかに病気のもとがあるんだというふうに考えてほしいんですよ。三千五百兆円の入札というのはそういうことなんです。それを直さないうちに国債を国民に、一般個人に買わせても、それは大変なリスクを負わせることになりかねないということをぜひ認識していただきたいんですよ。
 金融機関が真剣に考えてポートフォリオを組んでいる中で、僕は遊びで三千五百兆円の入札をやっているとは思いません。それはちゃんとした根拠があるんですよ。では、同じだけの情報と同じだけの深い思考が、考え方が一般国民にあるかというと、僕はさすがにそこまでのプロの考え方というのはすべての国民が持っているとは思いません。
 つまり、その大もとの部分をどうにもせずに、リスクは勝手に国民がとってくださいという立場で政府が国債を販売するならば、これは国民に対して大変な詐欺行為を働くことになりかねないということを十分認識していただいた上で、ぜひ大もとの部分を直すように努力をしていただきたいと思います。
 最後に、詐欺のお話をしたいと思います。
 まるで大和都市管財のようなんですけれども、今の政府の国債の売り方というのは。私にしてみれば大和都市管財とそう変わらないと思うのですが。大和都市管財、ぜひ、今理事会でもお話をされていると思いますが、坂井議員のあるいは三塚議員の参考人招致は、委員の皆様には誠実に応じていただくようにお願いをしていただきたいというふうに思います。
 一方で、前回もお話をしましたが、村田副大臣は大和都市管財に絡んで三人の議員がこれに関与していたというお話だったのですが、改めて実名を挙げるとともに、どのような関与があったのかを、説明を最後にいただきたいと思います。もう時間がないので終わりにしますけれども。
 これは、説明しないということはないと思うのですよ。今、政府と一般議員の間の関係がこれほど社会的に問題になっている時期はないのであって、鈴木議員と外務省の関係をひもとくまでもなく、やはり政府に対して不当な圧力をかけるような議員があってはならないと我々自身思わなきゃいけない。ですから、政府の方は、どのような働きかけがあったのかという説明をしっかりしてもらわないと、もちろん疑惑を持たれるようなことは多分なかったと思います、でも、なかったということをきっちり国会で説明していただかないと、疑惑はいつまでたっても晴れないのですよ。
 ですから、まだ疑惑の入り口の段階ですけれども、これが本格的な疑惑に発展することのないよう、正確に実名を挙げながらこのような働きかけがあったということを国会の場で説明をしていただきたいのです。これを最後の質問といたしますので、よろしくお願いします。
柳澤国務大臣 村田副大臣が、実は、この問題が世上論じられるようになって直ちに、実情を把握するための委員会と申しましょうか、そういう組織の本部長になりまして、かなりの数に上る関係職員というものの事情を聴取したところでございます。
 結論として、三名の議員の方から電話があったということが、確認と申しましょうか、その事情の聞き取りの中で浮かび上がったということでございますが、いずれも、いずれの職員の方も、本当に自分の記憶が正確である、本当にこれだけだ、あるいはこの人だというようなことについて、昔のことでそう確信もないんですというようなこと、確信がなくても言いなさいというようないきさつであったように聞いております。
 そういうような状況の把握の程度でありますので、これを公にするということはやはり差し控えるべきではないか、こういうことで村田副大臣もかねてより委員各位の御質問に対して答弁をさせていただいているところでございます。
 今も、永田委員もちょっと御理解あるお話ぶりをいただいたかとお聞きしましたけれども、その方々の電話も、状況はどうなっているんだということに基本的に尽きていたようでございまして、そういうようなこともあって、この問題に対する行政処分等の対応について何かゆがめられるような効果を持つ、そういういわゆる圧力というようなものではなかった、このことは断じて言えますというのがこの事情聴取の結果であったということでございます。
 どなたをお呼びになるかということについては、理事会での協議にゆだねられていると我々承知いたしておりまして、理事会の御決定に従いたい、このように考えているところでございます。
永田委員 もう終わりにしますが、委員長、ぜひ理事会でこの件話していただきたいと思います。よろしくお願いします。
 終わります。
中野(清)委員長代理 はい、わかりました。
 次に、長妻昭君。
長妻委員 民主党の長妻昭でございます。
 村田副大臣に心よりお見舞いを申し上げます。
 本日審査の独立行政法人造幣局法案、独立行政法人国立印刷局法案について質問をさせていただきたいと思います。
 それぞれの独立行政法人のお目付役として、評価委員会というようなものが来年一月ごろには設置をされるというようなことをお伺いしているのですけれども、こういうお目付役の評価委員会、一般企業でいえば株主総会のような役割をされるのでしょうけれども、ここにはやはり財務省のOBの方あるいは官僚のOBの方は一切メンバーとしては入れないんだということを、大臣、ぜひ御答弁いただきたいと思います。
谷口副大臣 第三者評価委員会ということでございますが、財務省の独立行政法人評価委員会が、もう既に十三年の四月に独立行政法人に移行いたしました酒類総合研究所というのがございまして、この業務の実績の評価を行うために、十三年の一月に、既に行政評価委員会が設置されておるわけでございます。
 ですから、今回の独法が、造幣局また国立印刷局、独立法人になるわけでございますが、移行いたしますと、三つの財務省所管の独立行政法人ということになるわけでございまして、これらの業績を評価するというようなことになるわけでございます。
 現行の、今申し上げました酒類総合研究所の業績評価でございますが、この評価委員会でございますが、これについては、財務省のOBは今入っておらないわけでございます。
 ですから、今後は、専門的な、実践的な意見を述べていただくような方、客観的または中立、公正な評価ができる方、このような方に入っていただいて、十分意見をお聞きいたしたいというように考えておるわけでございます。
長妻委員 ちょっと、本当に全然質問に答えられていないのですね。本当に申しわけないのですが、貴重な時間が非常にむだになるわけでありまして、評価委員会には財務省OB等官僚のOBの方は入れないということですかと聞いております。端的にお答えください。
谷口副大臣 いや、だから、今申し上げましたように、学識経験、またもろもろの専門的意見をお聞きできるような適切な人員を選んでいきたいということでございまして、そのような観点で幅広く選んでいきたいというように考えております。
長妻委員 ちゃんと答えてください。
塩川国務大臣 これは、何か初めから話を聞いていますと、こういう関係省庁のOBを入れると何かうまく運営されないとか、あるいは不正を隠ぺいするとかいうふうな、そういう先入観が前提にあるように思いますが、決してそんなものではございませんで、だからといって、OBを積極的に活用するというようなことも考えておりません。
 ただ、先ほど谷口副大臣言っておりますように、高度な知識はやはり必要だと思うのです、造幣にいたしましても印刷にいたしましても。ですから、そういう知識を持って経験豊かな者を積極的にお願いするということはもちろんでございますし、その中には、かつてこの造幣技術に関して非常に専門的で詳しいOBの人がおったら、しかもこのOBの人が公平公正に業務を執行する人柄であるということが認定されたら、これはあえて活用しても私は差し支えないのではないか。
 決して、OBだからいかぬという前提を持って人選をしてはいかぬ、けれども、最初に申しますように、OBを積極的に活用して、それでもって評価委員会を一定の方向に方向づけてしまおうというような意図を持ってやったらいかぬ、こういうことを申し上げたいということです。
長妻委員 確かに専門知識等々必要だと思います。それは評価委員会ではなくて、例えばその独立行政法人の監事とか理事とか、そういう中におられればいいわけであります。私がすべてを調べたわけじゃありませんけれども、ほかの省庁の評価委員会というのは、その中に官僚のOBの方がおられるというのは、余り、ほとんど例を聞いたことがないわけでありまして、ぜひOBは入れない、一般の常識で判断できるような、株主総会等だって専門家が全部いるわけじゃありませんので、お願いをいたします。
 そしてもう一点、この独立行政法人の理事長というのが今度新しくなりますけれども、これも独立行政法人の趣旨を受けてやはり理事長も、OBの方は理事長にしない。それは理事とか監事の中にOBの方がおられても、それは比率の問題で、ほかの省庁も五〇パーの比率のところもありますし、そういうところがあるんですけれども、その趣旨はやはり、独立行政法人、自立してやるということで、非常に経営的センス等々あるわけでありますので、理事長はOBは原則入れないんだ、これは大臣、ぜひ一言。
塩川国務大臣 この独立行政法人というのは、大体、行政が自分らのラインとしてやっておる仕事を、これをアウトソーシングに移そうということなんですね、起こりが。でございますから、能率化、効率化といいましょうか、そしていわば行政的、官僚的思考でないそういう運営をして、業務を拡張、充実したい、こういうことでございますから、それはもう当然、できるだけ民間の有識者を活用するということは当然だろうと思っております。
    〔中野(清)委員長代理退席、委員長着席〕
長妻委員 ぜひお願いをいたします。
 そして、これは独立行政法人になりますと、資産をやはり切り分けで、例えば印刷、造幣等々に分けていくという切り分け作業があると思うんですけれども、これも非常に難しいわけでありまして、きっちりとした基準というのはないわけだと思うんですが、これも適正な切り分けが行われますように、細心の注意を払ってやっていただきたい。
 あるいは、当然新しい独立行政法人になっても労働組合というのは存在して、働く方もおられるわけでありますので、非常に公共性の強い法人でありますので、経営の安定ということも、ほかの独立行政法人以上に細心の注意を払って御配慮いただきたいということをお願い申し上げます。
 次にテーマを移りますと、政策投資銀行、今政府系金融機関、塩川大臣初め一生懸命その民営化といいますか、取り組まれておられます。この政策投資銀行、千三百人ぐらいの方がおられるということでありますけれども、このお配りした資料の四を見ていただきますと、日本政策投資銀行からいただいた資料でございますが、平成十二年度の全融資に占める一部上場企業に対する融資の実績というのは半分弱もある。この日本政策投資銀行、一部上場企業に半分弱も融資をしている。
 資料五を見ていただきますと、これは当方が有価証券報告書で調べたものでございますけれども、例えばダイエーに対しても二百五十億円も融資を長期でしている。ダイエーに日本の政府系金融機関が何で融資をする必要があるのか。あるいはユニバーサル・スタジオ・ジャパン、今行楽客でにぎわって、連休もするでしょうけれども、そういうところにも融資をしている。
 ぜひお伺いしたいんですけれども、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンとかダイエーに融資をするというのは、何で融資をするんですか。
松川参考人 お答えいたします。
 政策投資銀行の投融資というのは、企業ではなくてプロジェクトに焦点を当てて行っておりまして、対象としては、政策的に見て必要である、しかしその採算性あるいは事業リスク等から民間金融機関のみでは対応が困難な分野に係るプロジェクト、こういうものを取り上げております。
 そして、今お話のありました、個別の融資についてどうなんだというお話でございますが、これにつきましては、金融機関としての守秘義務から詳細にお答えすることはできませんが、今おっしゃいましたUSJにつきましては、パンフレットにも載っておりますので御説明いたしますと、これは大阪を中心とする、今非常に経済が沈滞している大阪を中心とする経済圏の活性化のために制定されました大阪湾臨海地域開発整備法、こういうものがございます。この法律に基づきまして、地元の大阪市が策定いたしました整備計画に沿って実施された事業でございまして、大阪市を初め地元自治体あるいは経済界、さらには民間金融機関から要請がありまして、それに基づいて融資を行ったものでございます。また、融資に当たりましては、プロジェクトファイナンスという手法で行っておりまして、これも関係者間の適切なリスク分担を図りつつ民間金融機関とも協調して融資を行ったものでございます。
 そして、何でこういうのをやったのかということでございますが、やはり――よろしいですか。
長妻委員 わかりました。
 今のお話、塩川大臣、聞かれてどうお感じになられたか。私は問題だと思うのですね、本当に。採算性が余りとれない、民間ではとれないものとか、民間のみでは困難とか、経済の活性化とか。私は、今申し上げたような一部上場企業等のものは民間の銀行でも十分できる、本当にそういうふうに思って、民業圧迫ではないか、健全な金利メカニズムを破壊しているのじゃないか、こういうふうに思っております。
 大臣、この資料の六を見ていただきますと、これはきのう大臣も衆議院の本会議で御答弁いただきましたけれども、上が一般の金融機関です。下が政府系金融機関です。不良債権が同じ基準でどれぐらいあるのかというようなものを比べた表でございますけれども、例えばリスク管理債権、一般の金融機関は六・九%。政府系金融機関は、さっき採算性が困難ということであったらば、一般の六・九よりもっとでかい不良債権があるのかなと思ったら、実は二・九%、半分以下の比率。では、要注意以下の債権額、これはどうですかと聞くと、上は、一般の金融機関は全体貸し出しに占める要注意先以下の債権額は二二・五%。では政府系金融機関は、これはリスクをとるからもっと高いんだろうなと思うと、要注意先以下の債権額は八・六%しかない。政府系金融機関の方が全然いいところに貸し出しているわけですよ。民間がむしろリスクをとって貸しているというようにしか私は読めないのであります。
 その意味ではぜひ、小泉総理も声高に言って、最近は与党三党が今月の二日に何か改革論議当面凍結のようなことを言っているんですけれども、ぜひ政策投資銀行の一部上場の融資というのは、これはもうやめるというような方針を打ち出していただきたい。当初よりは一部後退はするとは思うのですが、せめて一部上場融資は廃止するというのを、ぜひ大臣、御見解をお述べいただきたいと思います。
塩川国務大臣 長妻さんは大体金融関係は非常に詳しい議員ですから、このことはよく御存じだと思うのです。
 要するに、政策投資銀行というものが生まれました、設立されました趣旨から今日まで、政策投資銀行は一貫して、やはり日本経済の一番難しい分野のところにスポットを当てて融資をしてきております。それはこれまでやっておりますし、今後もそういう使命を、やはり使命感を持ってやっておる銀行だと私は思っておるのです。
 例えば、さっきおっしゃいました大阪のUSJの問題にいたしましても、政策投資銀行が、これが融資をするということを決めましたので、その腹を決めたので一般市中銀行がそれに協調融資をしてきたということ、これは私は地元でこの問題に関係しておりますので、よく知っております。
 それでは、政策投資銀行はなぜUSJに融資をしてもいいという腹を決めたのか、融資決定をしたのかといいましたら、大阪市がUSJの会社に対しまして、若干ではございますけれども、出資をいたしました。そのことによって、地域開発に対するUSJの意向というものが酌み取れて、それに周辺地域が、ぜひ開発の施工を伴ったもの、そして京阪電車がそれに鉄道を入れていくという、一連のプロジェクトが完成いたしましたので、そういたしました。そのように、USJは上場会社じゃございませんからね、上場であろうが上場でなくても、必要な、いわば銀行の使命によって、それによって融資をしておるということでございます。
 ですから、これの問題にしましても、リスク管理しておるのが少ないというのは、やはりそれだけのプロジェクトに対するいわば事前調査というものがしっかりしておる、それがやはりこれを率いてきておるということであります。
 それから、要注意事項の債権が八・六%あるとおっしゃいますけれども、これはほとんど、私は十分知りませんけれども、これは第三セクター、地方自治体と民間のやりました第三セクターに対する貸し付けが多いのではないか。第三セクターの貸し付けは、往々にして、フィージビリティーを重点にするのではなくして、地域の要望によって動かされるという性質がございますので、その点、私はこの八・六%というのは若干残念だなと思っておりますけれども、これはまた別の対策と言いたい、こういうことです。
長妻委員 今、塩川大臣が言われたのは、この資料六で、本当に政府系金融機関の要注意とかリスク管理債権の比率が一般の金融機関より高ければ、今言われたことはある程度そうかなと思うんですけれども、低いわけですね。非常にリスクをとっていないという実態があるわけでありまして、それと、ぜひ大臣、直接銀行に本音を聞いていただきたいと思うんですけれども、やはり民業圧迫だよというふうに私は複数の銀行に聞くと言われるわけでありますので、ぜひ大臣、前向きに、政府系金融機関の改革ということが、方針を年末までに出すということでありますので、ぜひ政策投資銀行に関する前向きな改革の御決意を一言いただきたい。
塩川国務大臣 前向きに改革する、これは私も賛成でございます。ただ、先ほどおっしゃった中で、市中銀行よりも不良債権が多くなければならないという考え方、これは長妻さん、何としてもこれはちょっと認識を変えてもらわないかぬと思うんです。
 といいますのは、現在の市中銀行が不良債権をたくさん持っておりますのは、かつて、十年ほど前のバブルの盛んなときに、そのときに使ってくれ使ってくれと無理やり融資していった。しかも開発志向の融資。それが焦げついておるのであって、これは、銀行が招いてきたいわば災害なのであります。ところが投資銀行、私は別に投資銀行と縁があるわけじゃございませんけれども、政策投資銀行は、自分らの銀行の設置した目的に忠実にやっておったがために、したがって不良債権の比率が少ないということでございまして、その点は認識を変えてもらわないと、ちょっとこれは議論が違うと思います。
長妻委員 バブルのときの引きずっているのも確かにありましょうけれども、かなりの部分はその後の、今も含めて新規発生の不良債権、民間はあるわけでありますので、民業圧迫という観点もこれは絶対あると思うわけでありますので、ぜひ大臣、何か小泉内閣発足後のあの威勢のいい政府系金融機関の改革論が非常に後退したようなイメージがありますので、ぜひお取り組みをいただきたいと思います。
 時間もありませんので、次の……(塩川国務大臣「ちょっと待ってください」と呼ぶ)ちょっと済みません、時間も、さっきちょっと時間をとりましたので。みずほのシステム障害についての質問に移らせていただきます。
 これは昨日、新たにまた未処理、四十万件に及ぶ振替のミスというのが発覚をしたということで、もう毎日毎日新しい状況が明らかになってくるわけであります。
 この資料一というのをお配りしたのをごらんいただきますと、これは金融検査マニュアルという、金融庁の検査官の方が検査をするときのマニュアルでございますけれども、その中にシステムリスク管理態勢の確認検査用チェックリストというのがありまして、これはコンピューターを含めたシステムのチェックが何ページにもわたってあります。
 その中の一ページだけを抜粋したものでございますけれども、例えば(4)、「テスト等」と書いてあるんですが、これはコンピューターの稼働テストですけれども、例えば2に、テストやレビュー不足が原因で、長期間顧客に影響が及ぶような障害や経営判断に利用されるリスク管理用資料等の重大な誤算が発生しないようなテスト実施体制を整備しているかどうか、これもちゃんと見なさいと。あるいは、この下の5では、検収に当たっては、内容を十分理解できる役職員により行われているのかどうか、こういうような項目がずらっと並んでいるわけであります。
 私が金融庁にお伺いしますと、昨年の三月二十六日から六月十九日、三カ月ぐらい、みずほになる前のまだ三つに分かれた銀行、富士、一勧、興銀に立入検査を金融庁はした。当然このシステムもきちっと見たというようなお話であります。ところが、今回、こういうような大変な事態、下手をすると大きな金融不安を招きかねない事態にまで拡大したわけでありますので、きちんと、本当にシステムの検査をしたのかどうかということを、検査の結果は通知されるわけでありますけれども、検査の問題点の指摘もちゃんと通知をしたのでありますか。
柳澤国務大臣 今、長妻委員が御質問の中で言われたとおり、私ども、金融検査におきまして、このシステムリスクの検査というのは当然行うわけでございます。
 三月から六月まで立入検査をして、その結果を十月に検査結果通知という形で通知をいたしておるわけでございますけれども、そのときに問題になった主たることというのは、こういうスケジュールで進んで本当にテストの時間等が確保できるのか、その点、懸念があるということでございまして、その後においては、今度は監督の方に話が行きまして、そして監督当局としては、その後の進捗状況、検査でこういうことの指摘があったけれども、その後これがどうなっているかというような形で報告を求めるということで進みまして、その都度の監督当局の求めに対して、かくかくしかじかで万全を期しておりますといったような旨の返事があって、その後、時間が経過していった、こういう状況であったということでございます。
長妻委員 監督というと、高木さんがおられる金融庁の監督のことだと思うんですが、今のお話でありますと、今のお話のとおりだとしますと、ある意味では金融庁が、だまされていたという表現はいいのか悪いのか、銀行の申し出をうのみにしてしまったという表現がいいのかどうかわかりませんけれども、検査をして、その後、いろいろシステムの点があって、そして金融庁の監督の方に移って、それを指導をいろいろしていた。ところがみずほの方は、万全であるというような報告が来ていた。それで時間が経過して、今日に至ってしまった。
 そうすると、金融庁は、万全だと言われて、はい、そうですかとうのみにしてしまった、この責任はどうお感じですか。
柳澤国務大臣 ここのところは、検査において指摘をしたということがまず非常に大事な点でございます。
 この点は、先般、私、全文テキストを入手とまではいきませんでしたが、事務方から報告を受けたところですと、前田みずほの持ち株会社の社長も、検査当局の検査を受け、テストの時間等が十分確保できるか等を中心として厳しい指摘をもらっていましたということを言っておりましたように承知をいたしておりますけれども、やはりそういう厳しい指摘があったという前提のもとで、対象である金融機関としては努力をしたということでございまして、その指摘で我々が免責をされるとまで言うつもりはありませんけれども、私どもとしては手順を踏んで行うべきことを行ってきた、こういう認識をいたしております。
長妻委員 ちょっと重大な責任が金融庁にも私はあると思うんですが。指摘をして言うことを聞かなかったらそれまでよというんであれば、高い税金を払って金融行政を任せている意味がないわけでありますので、やはりそれを是正させるということを粘り強くするということが重要であります。もし本当にできないのだったら合併統合を延期するとか、そういう最終的な指導まで責任を持ってやるというのがやはり金融庁ではないかというふうに考えておりまして、そうすると、柳澤大臣は、この件、検査できちんと指摘をして改善できなかったという点は責任はないというような御見解でございますか。
柳澤国務大臣 これは、いつも長妻委員、責任論をなさるわけですけれども、責任というものの構造、これはまあ、故意それから過失それから不可抗力、結果責任ともいうことですけれども、そういうことの中で、不可抗力であってもこの結果については責任を負う、結果責任ということであれば、これはもうすべてのことについて、起こったことがエラーであれば責任を負うわけでございますけれども、政治としては結果責任ということをよく言われますけれども、私はやはり行政というのは、私の責任は、政治家として責任はありますよ。結果責任ですから、何が起ころうと結果責任を負います。ですけれども行政の責任、私、今行政の長としての責任を申しているのですけれども、行政の責任というものについては、手順が踏んである。故意はないことはもとよりのこと、過失というようなことについても、私はそんなに大きい程度にあるというふうには思っておりません。
長妻委員 今、政治家の責任と行政の責任、行政の責任だけのお話をされましたけれども、私は重大な責任があると思います。今後、ぜひシステムの検査というのもきちんと、今四人の方が、民間からシステムに詳しい方が中途で入って検査官をされているというふうに聞いていますけれども、もっときちんとコンピューターの研修を、私も、大学を出てからすぐにはコンピューターメーカーにおって銀行にコンピューターを販売していた経験もございまして、今回、二年でこんなメガバンクが二つが一つのシステムになるなんというのは到底、私の感覚ではやはり五年ぐらいかかるような大仕事でありますので、ぜひ本当の専門家を養成していただきたいというふうに思います。
 それで、今の質問に関連しまして、金融庁の指導や検査の結果というものをどの程度重きを置かれて銀行が受けとめているのか、あるいは、どの程度その結果通知を銀行が真摯に受けとめて素直に改善しているのかというようなことで、今、意見申し立て制度というのを銀行が持っているというふうに聞いております。これは、金融庁が検査結果を通知すると、それにちょっと従えない、異議ありという金融機関は意見の申し出ができる、こういう制度だということであります。
 平成十二年の一月から現在までに、十三の金融機関から百七十六件の申し立てがあった。金融庁の検査結果はちょっとおかしいんじゃないのと百七十六件あった。そのうち、八十六件は金融機関の申し出どおりになった。金融庁が金融機関からクレームというか、これは違うんじゃないと金融機関から言われて、半分ぐらいは、ああそうでした、金融庁の検査はおかしいんでした、済みませんというような形で金融機関の言い分をとったということでありますが、何か頼りないような気がするのでございます。
 半分も申し立ての中でそのとおりということでありますけれども、これは大臣、どういうふうに認識されておられますか。
柳澤国務大臣 これもどういうふうに読み取るかということですけれども、意見の申し出というのは、やはり金融庁の言い分を、大半はまず意見の申し出に至らなくて、金融庁の判断というものを恐らく銀行が受け入れたんだろうと思うんですね。それで、最後までどうしてもそこのところ、金融庁の見解と意見の一致を見ないところが恐らく意見の申し出という、まさにマージナルな部分でこうしたことが起こっているというふうに思います。
 その結果、半分も出るんだから頼りないと自分は思うけれどもというふうにお読み取りになることも、これはまああり得るかもしれませんが、半分は、検査局全体としては上下はないんですけれども、そこのオンサイトに行かなかったオフサイトにいるものが、半分はオンサイトでの主張というものを変更しているということで、私としては、この制度が、むしろマージナルなものである、しかしマージナルなものについて申し出があったものについては、半数はオンサイトの意見を修正しているということで、この制度が機能しているということをむしろ示しているんだろうというふうに考えております。
長妻委員 ぜひ、検査をして、そしてその後それが是正をきちんとされるというような指導を粘り強くしていただきたいということをお願い申し上げます。
 特別検査の結果が本日の午後、大臣が記者会見で発表されるということを聞いておりますけれども、もうマスコミでは三日ぐらい前から全部データが出て、全部同じ数字でありますから、これは間違いないと思うのでございます。
 この特別検査は、各行の融資残高が百億円以上の大口融資先のうち、株価格付が大きく変化したところ百四十九社、債権額十二・九兆円、これが対象になっている。それで、結果としては、うち、会社数でいえば四八%の会社、債権額でいえば五八%の債権額が、債権の評価を落としなさいということで落とした。つまりは、引当金を積み増しした、積み増し要請したということになってありますけれども、これは半分以上の債権額が査定がおかしいということでありますので、これまで厳格な査定をしていたとずうっと言い続けておられたにもかかわらず、こんないいかげんだったのかというような感想を一つは私は持ったわけでありますけれども、大臣、いかがですか。
柳澤国務大臣 コメントは、今の数字について申し上げるという段階では私はないというふうに思います。私ども、正式に発表させていただいてから御議論をいただきたい、こういうように思っております。
 ただ、ここでちょっとだけ今のようなお話について申させていただきますと、今度のことは、何と申しますか、自己査定について、あるいは決算について検査が入ったというものでは実はないわけでございます。ですから、非常に特別な性格を持っているということで特別検査ということを言っているわけですけれども、検査という言葉も、そもそも、何というか、自己査定に市場の評価などをちゃんと入れていますねというのを確認して、銀行当事者と、それから外部の監査人と検査当局とが、いわば三者協議をするというようなことで進んだということでありますので、銀行側がこうですと言ったものを検査したということでは実はないわけでございますので、そこのところだけちょっと認識を正しいものにしていただければありがたいと思います。(長妻委員「今の質問の御回答は。質問の感想は」と呼ぶ)
 だから、その点についてはコメントいたしません。今、数字についての立論をなさいましたので、それについては私、数字そのものを今発表している段階ではありませんので、コメントをいたしません。
長妻委員 私は、これは問題があると思うんですね。いつもそうなんですけれども、国会では、正式にまだ数字を発表していない、だからそれに対する議論はできない。しかし世間では、特に報道では、ぼんぼんそういう話が、もう数字が具体的に出ている。世間はもう、アナリストも市場も含めて、特別検査の結果はもう出ているということで全部動いているわけです。国会は本当に一周、二周、三周おくれで、正式発表まで何にもコメントできません、できません。
 この数字が、今世間で報道されている数字が本当であれば、違う数字であればそれはそういうことも言えるかもしれませんけれども、本当であれば、その部分に対してはやはりコメントをしていただかないと、この数字が漏れたのは金融庁から漏れているわけでありますから、理屈で言えば。大臣、コメントしてください。
柳澤国務大臣 私、報道についてコメントするということは差し控えたいと思います。
長妻委員 まじめに答えて。ちゃんと、きちんと答えてください。ちょっと検討してください。(発言する者あり)
坂本委員長 長妻君、質問を続行してください。
長妻委員 ですから、例えば経済財政諮問会議でもそうですよ。あの結果も、正式な発表前に全文が新聞に出るじゃないですか。それで国会での議論は、いや、まだ正式に発表していないから議論できませんと。これは、漫画と言ったら失礼なのかどうかわかりませんけれども、本当におかしな話だと思います。(発言する者あり)国会軽視だと思います。そのとおりだと思います。
 ぜひ大臣、今私が、先ほど申し上げた特別検査の結果の数字は、全部の、かなり多くの報道で同じ数字が出ているわけですから、金融庁から漏れているわけでしょう。ぜひそれについての、感想というのはこの報道への感想ではなくて、今申し上げた数字、この数字が、これまで厳格な査定をしていない、こういういいかげんだったのかと私は感想を持ったわけで、それに対して、大臣はこの数字に基づいてどういう感想を持たれたのかということをお答えください。議論できませんから、国会で。
柳澤国務大臣 政府の数字というのは、まさに発表のその瞬間まで、これはいろいろ変更の話だってあり得るわけです。ですから我々は、政府の数字として議論の根拠にしていただくためには、正式発表を待ってやっていただくということがやはり筋でしょうと。
 これは、長妻委員もいずれこっちに来たら同じことをおっしゃいますよ。よく考えてごらんなさい。新聞が先に何かどこかから持っていった数字があって、それについて議論しましょうなんていうのに答えられますか。答えられませんよ、そんなものに。
長妻委員 納得できません。国会の議論ができません。(発言する者あり)
坂本委員長 速記ちょっととめてください。
    〔速記中止〕
坂本委員長 速記起こしてください。
 柳澤金融担当大臣。
柳澤国務大臣 政府の作業の数字あるいはいろいろな調査の事項というものについて、マスコミの方々も自分の職責上一生懸命それを追いかけられるということは、これはもうずっと、最近の政治経済の局面ではいろいろ起こることでございます。
 しかし、それから、ちょっと失礼しました、問題は漏らしたのかということですが、私どもは、このような報道が事前になされる、あるいはそれが、私その数字を別にエンドースするわけでも何でもないですけれども、そういうようなものについては、私は遺憾千万だと思っています。
長妻委員 納得できません。答えていないですよ。ここで議論しようと言っているのに、だめです。ここで議論しようと言っているんです。世間ではもう全部議論しているんですから。ここの場所だけ何で議論できないんですか。マスコミ報道の数字が違うなら違うと明言してください。(発言する者あり)
坂本委員長 ちょっと速記とめて。
    〔速記中止〕
坂本委員長 速記を起こしてください。
 柳澤金融担当大臣。
柳澤国務大臣 政府のいろいろな作業結果について関心が深いことはよくわかっておりますけれども、やはり、作業の経過、途中経過あるいは作業の一部というようなものを先走った形で報道しようというその気持ちはわかるんですが、もしそうならば、確認とか何とかをするというようなのが私は報道機関としてのあり方だろうと思いまして、こうした事態については極めて遺憾だと考えております。(発言する者あり)
 私、今の答弁につけ加えますけれども、このような事態は極めて遺憾でございまして、我々としては、こうした事態が起こらないように最善の努力を今後はいたしたい、このように考えております。
長妻委員 私が申し上げた趣旨は、そういうことでもあるんですけれども、もうちょっと別のところにあるんですね、今申し上げたのは。
 私もかつてはマスコミにもおりましたので、申し上げたいのは、国会の議論というのはいつもそうなんであります。先ほど経済財政諮問会議の話もしましたけれども、既に報道に全部出ている、紙が回っているわけです、はっきり言えば。ところが、発表までは国会では正式じゃないから議論をできない。
 私は、情報をすべて出してはいかぬ、出した人間を処罰しろ、こういうことを声高に言っているわけではありませんで、出てしまったのであれば、それは捜査情報とか重要な情報は別ですよ、守秘義務違反ですから処分しなきゃいけないんですけれども、出てしまったからには、その情報が本当の情報であれば、それはもうわかるわけですから、本当の情報であればこれは議論をしましょうと。もう出てしまった責任は金融庁にあるから、本当の情報だ、もう出てしまったんだから、もう世間は議論しているんだから、それは議論をする。もしそれが違う情報であれば、きちんと打ち消す義務が金融庁にはあるわけです、世間はそれを信用して動いているわけですから。
 私が申し上げたいのはそういうことでありまして、この場だけ隔離されたような形で、正式発表までだめだ、だめだというんじゃなくて、もうそういう報道があって、金融庁から出ている、そしてそれが正しい数字であれば、その部分に関しては大臣は認めてここで議論をする。こういう姿勢を持たないと、このテーマだけじゃなくて、ずっとこういうわけのわからぬ、国会が二周、三周、五周おくれで議論をするということになるので、その趣旨を言っているんです。
 ぜひ大臣、御理解いただいて、今の私の発想に対して見解を言っていただきたいと思います。
柳澤国務大臣 政府の発表、これはいろいろな作業を経て最終の意思決定をして行われるものでありまして、やはり国会のように権威のあるところは、そうした正式の発表に基づいてきちっとした御議論をいただくのがよろしいんではないかと私は考えております。
長妻委員 今の発言も、私はちょっと違うと思うんですね。このスピードの、一分一秒を今マーケットというのはもう動いているわけでありまして、世界のマーケットも。これは言うまでもないことでありますけれども。
 今報道されている数字は特別検査の根幹の数字だと私は思うんですね。これがもう外に二、三日前から出て、全部もう特別検査の発表は終わり、世間はそういう形でアナリストも含めて動いちゃっているわけです。ここだけが、時代に取り残されたように、まだ正式発表があれですから、それまであれだと。もう全然対応もくそも、金融危機にこんな姿勢をとっていては対応ができないわけです。
 もし大臣がそういうふうに言われるのであれば、絶対に漏れないような仕掛けをつくらないと、ぽろぽろ漏れるような仕掛けをつくっておいてそういうことを言われるというのは、私は筋が通らないというふうに思いますので、ぜひ大臣、今後はこういう議論がないようにしていただきたいというふうに思います。そして、出てしまったものは、正しければそれは認めて国会で議論するということにしないと、特に金融行政はまずいと思います。
 最後に、一問質問をさせていただきますと、この特別検査の結果を、今、報道どおりだと私は考えますと、対象が非常に少ないんではないか。これだけのものでこういう結果が出たということは、もっと対象を広げていただいて、きちんとした査定の変更というのをするべきである、今後も特別検査されるということでありますけれども。
 そして、一つ興味深いのは、この資料二に石原慎太郎東京都知事の会見の議事録の抜粋を書かせていただいたのでございますけれども、ある意味では東京都というのは金融機関にとって非常に大きな顧客、超大規模な顧客のうちの一つだと思うんですが、これは、石原知事の認識が柳澤大臣は間違っていると言われるかもしれませんけれども、こういう最大の顧客である東京都のトップがこういう発言をされているわけです。
 指定金融機関の見直しなんというのも考えますかという記者の質問に、「当然ありますよね」この中間の下に「まあ要するに、一銀行を除いては、ほとんどが何というのかな、まともじゃない状況になってるんでしょ。国はずいぶん隠してきたけども、隠しきれなくなったわけだから」こういうような、非常に金融行政に対して不信感を最大規模の顧客が持っているわけであります。
 こういうような最大級の顧客の認識について、柳澤大臣、いかがお考えでございますか。
柳澤国務大臣 資料を見させていただきまして、極めて残念だというように思うのが、この石原知事の現状認識について私の申し上げられることでございます。
 都が今度指定金融機関の見直しに当たって採用されようとしているいろいろな手法については、私は、一つのお考え、見識だというように思いますが、ただ、一つだけちょっと申しますと、東京都の場合は、地場というのがあるのかないのかちょっとよくわからない行政単位だというふうに思っております。県でございますと、それぞれの地銀のようなものは、まさに地場産業の一つでもあるし、地場産業を広げる、発展させるということも、地方公共団体の一つの任務として、かなりその責任者には大きな関心事項となるはずですけれども、東京都の場合に、個々に見ますと、まさに地場というものがあるわけでございます。
 そういうことなんですけれども、東京都の場合、こういう話題になっている大手の金融機関の場合には地場という意識が、知事などにもないということについては、ちょっと東京都のああいう評価の仕組みの中に欠けている点で、ほかの地方公共団体であれば、そういうようなことはなかなかできないことであろうというふうな感想を持っております。
長妻委員 本当の最後に、一問だけ塩川財務大臣にお伺いしたいんですが……
坂本委員長 いや、もう時間が来ていますので。時間が来ていますからね。
長妻委員 いや、さっき時間がとまっていますから。
坂本委員長 それも踏まえた上でだから。
長妻委員 最後に一問、短いですから。
坂本委員長 ちょっとルールを守ってください、ルールを。
長妻委員 塩川大臣にお伺いするんですが、今、財政赤字、国、地方を合わせて六百兆円を超えるということでありますけれども、これを全部完済するには何年ぐらいの見込みがあるというふうに思われますか。
塩川国務大臣 これは、長期の予測でございますから、今直ちに私は答えるしっかりしたデータを持っておりませんので、後刻、勉強して、お答えする機会があればお答えしたいと思っております。
長妻委員 質問を終わります。ありがとうございました。
坂本委員長 次に、佐々木憲昭君。
佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 時間が大変短いので、提案された三法案に絞ってお聞きをしたいと思います。特に、造幣、印刷事業の経営形態のあり方の問題についてお聞きをしたいと思います。
 造幣局と印刷局の事業というのは、これまで国営企業という形態をとってきたわけであります。そして、その結果、大きな成果を上げてきたというふうに思います。
 例えば、造幣局は、明治政府によって創設をされまして、明治四年に大蔵省造幣寮として操業を開始した。それ以来、百三十年間にわたって我が国の貨幣の製造を一貫して行ってきた。現在、年間約三十億枚程度の貨幣を製造しているということであります。
 また、印刷局も、明治四年、同じ年に大蔵省紙幣司として創設をされて、百三十年間、我が国の紙幣の製造を行ってきたわけでありまして、年間約四十億枚の日本銀行券の製造を行っている。これは、先進国では二番目の大変大きな数でありまして、世界的に見ても製造量は四番目であるということですね。印刷局では、大変独自の技術を開発しまして、偽造の世界一少ない銀行券であるということで高く評価をされているわけでございます。
 そこで、財務大臣に前提としてお聞きをしたいわけですけれども、貨幣とか紙幣というのは一般の製造業と違うわけですね。お金の製造であります。一般の商品の製造とは根本的に違うというふうに思うわけです。大臣は、この業務の特殊性、これをどのように認識をされているか、まず最初にお伺いしたいと思います。
塩川国務大臣 これは、申すまでもなく、国家の重要な根幹をなす行政の一翼を担っておるものでございます。それは、貨幣の発行権と貨幣の管理権というものが国にございまして、今回は製造技術、製造の部分だけアウトソーシングにして、それを独立行政法人とした、こういうことであります。
佐々木(憲)委員 国家の根幹をなすものであると。その貨幣製造には、これは平成十一年、一九九九年三月二十六日の「今後の造幣・印刷事業の経営形態について」という懇談会報告書が出ておりまして、この中で、貨幣の製造には市場原理が働かない要素が大きい。したがって、効率化という場合も、民間企業と違って同じような経営指標を掲げるというのは難しい。簡単に言えば、利益を追い求めるというような原理は本来働かないんだと。それから、貨幣の製造というのは、国の経済行為の根幹を支えるものである、したがって技術的な面でも十分に高い配慮が必要である、こういうふうな指摘がなされているわけであります。
 したがって、一般の製造業と違いまして、お金の製造、通貨の製造というのは、国民の信頼がなければこれは成り立たないと思うんです。つまり、このお金に対する信頼、この信頼というのは何によってこれは担保されているか、大臣はどのようにこの点はお考えでしょうか。
谷口副大臣 今、佐々木委員おっしゃったように、通貨の信頼というのは非常に重要なポイントだというように思うわけでございます。偽造が行われるといったようなことになりますと大変なことになるわけでございますし、まさに大臣がおっしゃっておるように、通貨というのは基本的な大変重要な柱でございますから、極めて重要だというように認識いたしておるわけでございます。
 ただいまの御質問は、通貨の信認というのはどういうことなんだということでございますが、通貨の信認を担保するものといたしまして、例えば、一つは、国民が必要とするときに確実に存在する、すなわち、経済の状況に応じて必要十分な量が安定的かつ確実に製造、供給されるということなんだろうというように思うわけでございます。また、二点目は、国民が真正な通貨であることに疑念を抱かずに使用できる状態にある、具体的には、偽造通貨の流通が防止されておるといったようなこと。三点目が、国など公的機関がその権威をもって通貨を発行しておる、このような基準が挙げられるというように考えております。
佐々木(憲)委員 その三点というのは大変重要だと思うんですね。国など公的機関がその権威をもって通貨を発行している、そういうふうに今までもやってきたわけであります。
 そこで、とりわけその中でも、偽造されない通貨というのが大変重要だというふうに思うわけです。日本の場合、どのような点で偽造できない通貨の製造という点ですぐれているか、国際的に見てその点の日本的な特徴はどこにあるのかというのが一つ。それから、偽造通貨、これはたまに発生するわけですけれども、日本の場合のこの発生率は何%か。それから、国際比較で数字的に日本が偽造率が低いという根拠、この点について具体的にお答えをいただきたいと思います。
寺澤政府参考人 お答え申し上げます。
 我が国におきます偽造銀行券の発生割合は、これまでのところ低いと思料しております。具体的にどれぐらいかというのは、ちょっと古い数字で恐縮でございますが、銀行券につきまして世界各国と比較いたしますと、一九九六年に発見されました偽造銀行券の押収額は、ドル換算ベースで十万ドル程度にすぎません。アメリカ・ドルの約二千分の一、イギリス・ポンドの約五十分の一、フランス・フランの約三百五十分の一、ドイツ・マルクの約二百七十分の一となっておりまして、先進国の中では一番低い数字になっております。
佐々木(憲)委員 大臣、ここで今数字を示されたわけですけれども、このような日本の通貨の偽造の比率が非常に低いという点は、やはり今まで国営企業でしっかりと技術者を養成し、そして技術開発を積み上げてきた、こういう成果だったというふうに思いますけれども、大臣もそのように認識されていますでしょうか。
塩川国務大臣 私も全く同様であります。
佐々木(憲)委員 そうしますと、今後の経営形態を考えていく場合、これまでのこういうすぐれた通貨の製造技術、これをより一層高めていくということが経営形態を考える場合に大変重要だというふうに思うんですね。
 そこで、今後の造幣、印刷事業の経営形態で求められる条件、通貨の製造に当たって必要とされる条件、これはどういうものだというふうにお考えでしょうか。
塩川国務大臣 まず第一に、その業務を国家が完全に保障しておるということが、これが大事だと思っております。それからもう一つは、通貨並びに紙幣というのは、それぞれの工業技術の成果、あるいは工芸技術といいましょうか、そういうものの成果が織り込まれたものでございまして、市場性はございませんけれども、それだけに、より一層高度な、知的な、芸術的な、そういう発想を求められているものでございますから、それに適応するような開放的な経営をやはり保障してやらなければいけない。この二つのことが大事だと思っております。
佐々木(憲)委員 国家が保障しなければならない、技術の成果が盛り込まれたそういうものでなければならないと。
 そこで、お聞きをしたいんですけれども、そうしますと、現在の国営企業形態を変えなければならない理由というのは出てこないわけですね。今までの国営、つまり国が責任を持つ、国家が保障している、そういうものであったからこそ、現在の通貨の信認が確保されていた、国民の信頼を得ていた。したがって、これを変えなければならない理由というのは一体どこにあるのか、私は全く理解できないわけでございます。経営形態が国営だから何かまずいことがあったのか。大臣、どこがまずかったんですか。
塩川国務大臣 権威を保障し、それから、製造の規格、生産、そういう一連の造幣並びに印刷の作業に対しましては、国は公法をもって、この独立行政法人という公法をもってこれを保障しておりますから、国営と全く変わらない。一方におきまして、独立行政法人のいわば特徴といたしますことは、自分らの創意工夫が十分に作業の中に生かし得る体制をとっておるということでございまして、今までの造幣局並びに印刷局でございましたら、余りにも官僚的な発想からの作業の制約を受けておる、これを開放する必要があるということでございます。
佐々木(憲)委員 官僚的発想と言いますが、その官僚的発想でどういうまずい点があったのでしょうか。
塩川国務大臣 やはり創意工夫は、その場その場におきまして、いわば規則と習慣とによって拘束されておりますことは、これはやはり開放的ではないと思います。
佐々木(憲)委員 どうもよくわからないですね。創意工夫、今までも創意工夫が行われてきて、技術者が保護され、また技術者を育成し、そしてそれが日本の通貨の製造に大きく寄与してきた。何かまずいことがあったかというと、何もまずいことは今まで指摘されていないわけであります。
 むしろ、これは先ほど紹介した懇談会報告書、これを見ますと、現在の国営形態は必要な条件を満たしている、こういうふうに書かれておりまして、「世界に冠たる偽造防止技術の開発により桁違いに低い偽造通貨発生率になっている」これは先ほどから指摘されている点ですね。それから、「職員の高いモラルが十分発揮されている」したがって、「現状の国営企業形態が特段の問題なく機能してきたと認められる。また、質の高い通貨を製造しつつ、これまで合理化・効率化にも取り組んできていることを考えると、国営形態をどうしても変えなくてはならないとは言えない」こういう意見があった。「こうした観点から、経済的目標達成の上では、国営形態が引き続き望ましいのではないかという意見が多かった」つまり、国営形態が望ましい、国営形態で今後とも引き続き行うべきではないかという意見が多かった、こういうふうに指摘をされているわけですね。
 「国営維持の場合には貨幣・日銀券の製造のみを担当し、その他の業務は他の形態に移行すべきだとの意見が存在する。しかし、そのような狭い分野のみで国営を維持していけば、かえって経営の効率性や技術的な相互補完の関係などを考慮した場合適当でないという意見が大勢であった」ですから、国営形態でこれまでもやってきて、大きな成果を上げたし、これからも国営形態で経営を行っていくということが適当であるというのが大多数の意見だ。だから、中からこれを変えなければどうにもならぬという状態ではないというのが、この報告書の結論であります。
 「現状の国営形態を変えなくてはならない積極的必然性は見い出し難く、両局を独立行政法人化する意味に乏しいという意見、独立行政法人化はこれまでの良い面をかえって失わせることになるのではないかとの意見もあった」というのです。
 ですから、今回出された法案は、先ほどの大臣の提案説明によると、閣議決定されたいわば方針があるので独立行政法人化しなければならないという説明はありましたけれども、内部からこういう国営形態を変えなければならないという必然性は、今までの大臣の答弁あるいはこれまでの報告書などの中身を見ましても全く出てこない、こういうことだというふうに私は思いますけれども、大臣、どのようにお考えでしょうか。
塩川国務大臣 先ほど御丁寧にお読みになりました報告書、それは共産党の報告書ですか、どこの報告書ですか。
佐々木(憲)委員 これはまたえらいこと、変わったことを、とんでもない発言をされますが、我々がこんな報告書を出すはずがございません。
 これは政府が依頼をして、造幣・印刷事業の経営形態等に関する懇談会、座長は奥村洋彦氏であります、この方が、十回にわたって検討を進め、造幣、印刷事業の今後の経営形態のあり方等について意見の取りまとめを行った。ですから、これは財務大臣、明らかに政府が諮問をして、それでこういう報告書がつくられているわけであります。何で共産党がこんな報告書をつくらなきゃいけないんですか。そんなことは全然、撤回してください。
塩川国務大臣 わかりました。
 そのことからいうと、何かええとこ取りで今報告されるから、それじゃそれは共産党のですかと。御都合のいいところだけおとりになる。
 この報告書を私もちょっと読んだんですけれども、懇談会の報告書ですね、そこを読みましたら、最後の結論は、このような良好な労働関係の維持に十分配慮して独立行政法人の検討に資すべきであるということをしておりまして、この良好な関係というものはこのままずっと維持していくわけで、でございますから、国家公務員としての地位を完全に保障していくということが盛り込まれておる。
 一方におきまして、これのメリットというものをあえて申しますならば、今まで両事業、つまり印刷と造幣の事業でございますが、要するに計画が、当事者であるところの財務省、昔の大蔵省から天下りでおろしてきて、その枠内において作業をやってきた。しかし、最近のあらゆる技術というものは非常に進歩発達しておりますから、自分ら、創意でとり得るものは生かしていきたいということがございます。
 だからといって、国家の事業としての経営が放漫になってもいかぬということ等もございますしいたしますので、絶えず中期計画を策定して、その計画の中において確実に業務をする。その計画は国においてこれを承認していく。つまり、財務大臣が承認した範囲内において。実施については自由を確保さすようにする、こういういい点を取り入れたものでございますので、先ほど佐々木さんのおっしゃるのと、大分見方を変えると変わってくる、物の見方によるということでありますので、御検討いただきたい。
坂本委員長 佐々木君、時間が来ましたので、御協力願います。
佐々木(憲)委員 先ほど共産党の報告書だというふうにおっしゃったことは、撤回されるわけですね。
塩川国務大臣 共産党の報告でないということはわかりました。
佐々木(憲)委員 したがって、これは政府の報告書であり、私が引用したのは、一番根幹の部分を引用したわけであります。どうしても独立行政法人にする場合にはこういう条件をつけるべきだということがここに書かれているだけでありまして、今の国営企業形態を変えなければならないという必然性はこの中からは出てこないということを改めて申し上げまして、時間が参りましたので終わります。
坂本委員長 次に、植田至紀君。
植田委員 社会民主党・市民連合の植田至紀です。よろしくお願いいたします。
 今回の三法案につきましては、私ども賛成でございますので、殊さら、死んだ子の年を数えるような、因縁をつけるつもりはございませんが、何点か、これは塩川財務大臣に御確認したいことがございます。
 といいますのは、幾つか御質問を用意させていただいているんですが、参議院の方で何かあるそうですから、そのことも配慮いたしまして、先にちょっと、大臣に聞けるところだけ先に聞きたいと思います。
 むしろ、その話を聞けば基本的に私の質問は終わっちゃうわけですが、まず、この造幣、印刷事業につきまして、九九年の四月二十七日、二〇〇〇年十二月一日、二度閣議決定で、独立行政法人化に当たっては、通貨製造業務の特殊性を考慮し、その特殊性に基づく安定的な雇用関係に配慮しつつ、必要な措置を講ずることとされておりますが、改めて確認しておきたいわけですけれども、ここで通貨製造業務の特殊性ということがありますけれども、それについて、一言で結構ですから、御答弁いただけますか。
塩川国務大臣 この両業務の特殊性ということは、いずれも貨幣を供給しておるということ、これが事業の主体でございます。印刷も造幣も両方でございます。そのほか、いろいろな附帯事業をやっておりますけれども、これは、事業の附帯したものと、技術を錬磨する上からの必要な事業としてやっておると思っておりまして、一つは、先ほど言った通貨の確保、それからもう一つは、絶えず、連続して供給して安定供給をしておるということでございまして、連続して安定供給をしておるという事業であるということが一つ。それからもう一つは、一番大事なことは、偽造に対しては非常にシビアな、絶対偽造させない技術を開発して、それを恪守していく、守っていくということをやっておる、こういう特殊な事業であるということであります。
植田委員 そのとおりです。あえて聞くまでもなかったかもわかりませんけれども。
 ちなみに、この閣議決定で、繰り返しますと、通貨製造の特殊性及びその特殊性に基づく安定的な雇用関係への配慮ということもあるわけでございますが、今回、この部分、法案においてはどのように反映されているのか、その点もお願いします。
塩川国務大臣 全文を読んでいただいたら、きちっとそれは書いてあります。
植田委員 私に読めと。私もちゃんと読んできています。
 要するに、では言いますよ。具体的に、もう一回これは確認をしているわけですからね。(発言する者あり)ええ。とおっしゃっていますが、そのとおりですよ。もう一遍言いますね。疲れてはるんやったら言います。
 両独立行政法人が行う通貨製造業務は財務大臣が定める製造計画に従って実施する、偽造防止技術等通貨制度の安定に重大な影響を与えるおそれがある契約を締結するときは財務大臣の承認を得る、偽造に対処する必要がある場合等緊急時には財務大臣が必要な要請を行うことができる、両独立行政法人ともその職員は国家公務員として守秘義務を課す等あるわけでございますね。
 それをちゃんと言うてもうたらよかったんですよ。確認答弁を求めているわけですから。何で私にしゃべらすんですか。それでいいですね。
塩川国務大臣 いや、もうそれだけ研究していただいておったら十分でございます。
植田委員 そこで、これは確認しておきたいんです。これも私に読み上げさせぬといてください。
 九九年の四月二十六日、これは造幣、印刷事業の経営形態にかかわって、私ども社民党に現業問題特別委員会というのがあるんですが、伊藤茂当時の委員長と当時の谷垣大蔵政務次官との間で、我々は四・二六確認と呼んでおるわけですけれども、その点についての内容について一応御確認したいんですが、大臣。そちらでも結構ですよ。
谷口副大臣 平成十一年四月二十六日の谷垣政務次官と伊藤茂議員との間の取り交わした文書についてのお尋ねでございますが、財務省といたしましては、平成十一年四月の閣議決定に至る経緯を踏まえまして、閣議決定以降、全印刷局労働組合、全造幣労働組合との間で緊密な話し合いを重ねてきたところでございまして、両組合との円滑な労使協議を経て今回のこの法案の取りまとめに至ったものというように認識をいたしておるわけでございます。今後とも、両事業の独立行政法人への移行が円滑に実施できますよう、両組合との間で引き続き緊密な話し合いを継続してまいる所存でございます。
 なお、独法後において、労使間の緊密な話し合いを行い、これまで維持されてきた良好な労働関係に配慮していくことは当然のことというように考えておりまして、両局の労働組合は、それぞれ本年の二月末に臨時全国大会を開き、満場一致で本法案の内容に賛同するという機関決定を行っていただいているというように認識しておるところでございます。
植田委員 いわゆる四・二六合意というもの、四項目、ここでは確認、覚書が交わされているわけですが、そうした中身が、この間の労使協議及び今回の法案にもこうした合意事項が反映されておる、大つかみでいうとそういう御説明だったと思いますから、これも確認をさせていただきたいわけですけれども、そうした確認を踏まえて今回の法案も出てきているわけですから、独立行政法人への移行後もこの確認というものは当然ながら遵守されるものなんだろうなと理解しておりますが、財務大臣、それでいいですね。
塩川国務大臣 谷垣政務次官と伊藤茂委員長との間の覚書は完全に実施しております。
植田委員 今後もそれは変わるものではないでしょう。ちゃんと、それぞれサインしているペーパーもある。私はコピーしか持っていませんが、これは怪文書ではなくて公式な文書ですので、引き続きそれは遵守されるものという答弁でございました。
 あと一点。これも造幣局の法案では十八、印刷局法案では十九条で、いわゆる通則法三十五条との関連で、中期目標の期間終了時に当たっての配慮という規定があるわけでございますけれども、これの趣旨、具体的にどういうことかということと、もし仮に、将来民営化されるという余地を残すということは、一番冒頭に大臣がおっしゃいました、通貨業務の特殊性に反するような問題が当然起こってくるというふうに考えるわけですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
谷口副大臣 今おっしゃった、造幣局法案第十八条等の規定を踏まえまして、中期目標期間終了後に組織、業務の検討を行う財務大臣は、例えば、組織形態のあり方につきましては、一つは、通貨の確実な製造を確保するために、経営上の理由により操業停止等があり得る民間の主体にこれをゆだねることがなじむのかどうかという観点、また、偽造防止技術の漏えい防止を担保するためには、職員はその身分に基づく守秘義務がかかる国家公務員とすることが必要かどうかといったような基本的な問題については、慎重に検討する必要があると考えておるわけでございます。
 造幣局、印刷局につきましては、今回の法案においても、通貨製造業務の特殊性を踏まえまして、例えば、その重要なポイントである偽造防止技術の漏えい防止の観点から、職員に国家公務員としての身分に基づく守秘義務がかかる特定独法としているところでございまして、いずれにしましても、通貨製造業務の特殊性を踏まえれば、貨幣、日銀券の製造を行う組織は、必要とされる量の通貨を確実に製造でき、かつ偽造防止技術の漏えい防止を確実に担保できるものでなければならないというように考えておるわけでございます。
植田委員 今の御答弁で、私は、十分結構だというふうに思っておるわけでございます。
 基本的に、きょう、私が特にこの法案にかかわって確認したかったことは、今御質問させていただいた点でございます。真摯にお答えいただいて、ありがとうございました。
 その上で、笑わぬと私の質問を聞いてほしいんですけれども、法案に直接かかわるわけじゃございませんけれども、非常に素朴な疑問、「クイズ日本人の質問」みたいな質問をして恐縮なんですが、ほんま、こういう素朴な疑問も、実はだれに聞いても恐らく知らぬかもしれません。そもそも、造幣局というのは、明治の初頭に大阪に造幣局ができたわけで、何で大阪という立地やったんでしょうかね。それが一つ。
 もう一つ。もっと笑わぬで聞いてほしいんですが、何で硬貨というのは丸いんでしょう。それの決定の歴史的経緯というのは、明治維新の当時、どんな議論の結果、政策決定されたんでしょうか。
 その二点、これは大臣、副大臣でなくても結構でございます。
筑紫政府参考人 お答え申し上げます。
 造幣局は、明治新政府によりまして、幕末から維新にかけましての混乱した貨幣制度を立て直し、近代的な統一国家建設の礎とするために、明治元年十一月に大阪において建設が開始されまして、明治四年の四月に創業式を挙行する運びとなったところでございます。
 なぜ造幣局が大阪に設置されることになったのかという御質問についてでございますが、当時、天下の台所と言われておりました大阪の経済界が明治維新の大事業に貢献したことに配慮したこととか、当時東京の治安がいまだ確立していなかったことなどがその理由ではないかというふうにされているところでございます。
寺澤政府参考人 お答え申し上げます。
 なぜ通貨、貨幣が丸いのかという御質問でございますが、明治以前の貨幣には、円形のもののほか、楕円形や四角形のものがございましたけれども、明治以降の貨幣はすべて円形となっております。
 その経緯でございますが、明治二年に明治新政府が新しく貨幣をつくる際に、当時の大蔵大臣大隈重信の提案が採用されて円形になったということでございますが、これは、四角形に比べて円形が使用するときに便利である、それから角がないので磨損が少ないというようなことが理由とされております。
植田委員 皆さん、しようもないことを聞いているやろ、植田ってあほなやっちゃなと思うかもしれへんけれども、今みたいな、硬貨が何で丸いんかというのを政府参考人に聞かぬといかぬわけです。大臣も知らぬ、我々も知らないわけです。
 恐らくこの中に、司馬遼太郎の小説の好きな人、たくさんいはると思います。大隈重信の事績をよく知ってはる人もいらっしゃるでしょうけれども、司馬遼太郎の小説を読んでも、「「明治」という国家」を読んでも、何で丸いんやと言うなんという話は出てきません。
 当時をおさらいすれば、当初、経済政策をやるのが由利公正ですね、五カ条の御誓文を執筆した、坂本竜馬の親友。彼が太政官札を乱発して失敗するわけです。その後、今大蔵大臣とおっしゃいましたが、当時の太政官制度では大蔵大輔でしたね、大隈重信はたしか大蔵大輔だったと思いますが、こうした維新の元勲が、丸か四角かということを真剣に議論していた。我々の大先達が、日本の近代国家の出発に当たって。つまらぬことかもしれない、だって江戸時代は一分銀や何やいうたら四角やったわけですね。
 要するに、その丸に込められた近代国家出発における明治維新の元勲たちの思いというものを、やはり私たち今改めて、この造幣の話をするときに、ちょっと共有してみたいと私も思ってみたわけでございます。
 そういう意味で、きょうは時間がまだありますけれども、ちょっと最後、「日本人の質問」みたいになりましたけれども、これで一つみんな賢うなったと思いますので、以上で終わります。お疲れさまでした。
坂本委員長 次に、石井啓一君。
石井(啓)委員 植田委員が思いがけず早く終わられたので、ちょっと間に合いませんでした。
 公明党の石井啓一でございます。今まで出た質問と重複するところは省略して質問させていただきますけれども、通貨の製造ということは、私も本来国の業務そのものだというふうに思っておりまして、かねてより独立行政法人化というのは疑問に思っていたわけでありますけれども、独立行政法人にならざるを得ないのであれば、これはほかの独法と違う取り扱いをするのは当然のことだというふうに私は思っております。
 今の植田委員の質問にもありましたけれども、独法の通則法三十五条の一項では、中期目標期間終了時に業務の改廃等の検討を行うというふうになっているんですが、その検討を行うに当たって、財務大臣は、貨幣、銀行券の確実な製造の確保並びに偽造防止技術の維持及び向上による通貨制度の安定の確保の必要性に配慮する、こういうふうにされておりまして、端的に言うならば、通貨製造の民間委託ですとか、あるいは印刷、造幣局の民営化、廃止などは私はあり得ないというふうに思っておりますので、この独法に当たっての基本的な認識と、今のこの配慮という具体的な中身を確認したいと思います。
谷口副大臣 今石井委員のお尋ねでございますが、独法の基本的な認識と申しますか、委員御存じのとおり、従来から中央省庁の改革の過程におきまして、政策の企画立案機能と実施機能の分離が基本的理念の一つとされたわけでございます。そのような状況の中で、今般、造幣事業、印刷事業が独法化というような流れになったわけでございますが、そのようなことにおいて具体的にどのような配慮を行うのかというような御質問でございました。
 十八条の規定を踏まえまして、中期目標期間終了時に、組織、業務の検討を行う財務大臣は、組織形態のあり方につきまして、先ほど申し上げましたように、通貨の確実な製造を確保するために経営上の理由により操業停止等があり得る民間の主体にこれをゆだねることになじむのかどうかという観点、また、偽造防止技術の漏えい防止を担保するためには、職員はその身分に基づく守秘義務がかかる国家公務員とすることが必要なのかどうかといったような観点、このような観点について慎重に検討する必要があるというように考えておるところでございます。
石井(啓)委員 通貨の製造をやらなくなるということはあり得ない話でありますけれども、そのほかにも、現在造幣局では金属工芸品の製造を行っていたり、あるいは印刷局においては官報業務などを行っているわけですけれども、こういった通貨製造以外の業務を行っているわけですが、これはそれぞれ非常に高い公共上の見地から行われているわけでありまして、私は、今後もこういった業務についてもそれぞれ造幣局、印刷局での実施が必要な業務というふうに考えますが、この点についてはいかがでございましょう。
谷口副大臣 おっしゃるように、今造幣局におきましては、貨幣製造以外に大変高い技術力が求められるような、勲章を初めとした金属工芸品の製造、貴金属の品位証明といったような、公共的な見地から必要とされる業務を行っておるところでございます。
 これらの業務につきましては、いずれも造幣局におきまして長年培ってまいりました高度な技術を用いて実施してきたものでございまして、今回の法案におきましても、その業務範囲の中に明記されておるわけでございます。
 造幣局といたしましては、今後ともこのような技術を活用し、これらの業務を確実に実施し、独立行政法人造幣局に課せられた公共的使命を果たしていくことが必要だというように感じております。
 今、例えば記念貨幣、先日もワールドカップ大会の記念硬貨が出されたところでございますが、このような機会もこれからふやすといったような観点も含めて、これからやっていくことが必要だというように感じております。
石井(啓)委員 済みません。副大臣、今印刷局の方の答弁がなかったので、印刷局の答弁もあわせて確認します。
谷口副大臣 申しわけありません。
 印刷局でございますが、印刷局におきましては、これまで通貨製造業務以外に官報、国債、旅券等の印刷といった公共的見地から必要とされる業務を行ってきたわけでございますが、これらの業務につきましても、いずれも大変高度な技術を必要とされておるわけでございまして、今回の法案におきましても、業務範囲の中に明記をされておるわけでございます。
 印刷局におきましては、今後ともこのような技術を活用し、この業務を確実に実施し、独立行政法人国立印刷局に課せられた公共的な使命を果たしていくということが必要だというように感じておるところでございます。
石井(啓)委員 ところで、銀行券というのは日銀が発行しているものでありますけれども、この発行量、発行単価など、銀行券の発行に関する重要な事項については、これは印刷局は独立行政法人化するわけでありますけれども、これを日銀と印刷局との間の交渉に任せるということではなくて、これは銀行券の供給の安定性あるいは銀行券の品質の保持という観点から、これはやはり国が必要な関与を行うべきだというふうに考えますので、この点について確認をさせていただきたいと思いますし、また、日銀においても、財務省それから国立印刷局との緊密な連携に努めるべきというふうに考えますので、この点についても確認をさせていただきたいと存じます。
谷口副大臣 銀行券、大変重要な問題でございます、今おっしゃるように。
 今回、印刷局の独法化に当たりましては、閣議決定におきまして、通貨製造業務の特殊性を考慮し、必要な措置を講ずるというようになっておるわけでございます。このようなことを踏まえまして、独法国立印刷局法案におきましては、独法国立印刷局が行う日本銀行券の製造につきましては、財務大臣が定める製造計画に従って実施する。また、独法国立印刷局が、偽造防止技術に関するもの等、通貨制度の安定に重要な影響を与えるおそれがある契約を締結しようとするときには、財務大臣の承認を得なければならないということ。また、偽造に対処する必要がある場合などの緊急時におきましては、財務大臣が必要な要請を行うことができること。このような観点で、石井委員おっしゃるような、国としても必要な関与を行うということになっておるわけでございます。
 このような国の関与によりまして、銀行券の供給の安定性、また、大変高い技術力を要します銀行券の品質の保持が保たれるものというように考えておるところでございます。
永田参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘の財務省理財局、そしてその印刷局、そして日本銀行との間の連携ということでございますが、現在も私ども、この三者の緊密な連携のもとに業務の遂行をさせていただいておりますし、今後とも、独立法人化いたしましても、その関係は変わらずにいくものだというふうに認識しております。
石井(啓)委員 ちょっと日銀さん、もう一回、もう一つ確認しておきたいんだけれども、今回、印刷局が独法化するわけだけれども、これはやはり、通貨制度の特殊性ということを考えると、製造の体制を含めて長期にわたり安定した経営基盤というのが必要なわけでありますから、日銀と国立印刷局との関係で一方的に製造量を押しつけたり、あるいは単価を引き下げたり、安かろう悪かろうという紙幣ができては困るんで、これはコマーシャルベースに必ずしもなじまない点が多々あるわけですから、その点について十分配慮していただけると思いますけれども、もう一度確認します。
永田参考人 お答え申し上げます。
 安定的な供給ということと、それから需要に応じた供給といった観点から、私ども、緊密な連携をとりながら努力させていただきたいというふうに思っております。
石井(啓)委員 それでは次に、先ほど副大臣の答弁にも出てきましたけれども、記念貨幣の発行についてお聞きをいたします。
 諸外国では記念貨幣というのを非常にいろいろな機会で発行されているというふうに聞いておりますので、その点についてちょっと事例を御紹介いただきたいと思います。また、今後の記念貨幣の発行というのは、テーマとかデザインを含めて、例えば民間の有識者の方に集まっていただいて、そういった民間の方の声を聞くなどして、国民のニーズにこたえた、より弾力的な発行を行っても私はいいんではないか。独立行政法人化するということもございますし、そういったことを契機に記念貨幣の発行についての弾力化に取り組むべきではないかというふうに考えますが、この点についていかがでございましょう。
谷口副大臣 まず初めに、記念貨幣の発行について、外国における事例でございますけれども、近年の発行事例を申し上げますと、一つは、アメリカにおきまして、二〇〇二年冬季オリンピック記念貨幣が二〇〇二年に発行されておるわけでございます。また、イギリスにおきましても、一九〇一年大西洋横断無線通信成功記念貨幣が、これは二〇〇一年に発行されております。また、フランスにおきましても、サン・テグジュペリ生誕百周年記念貨幣が、これは二〇〇〇年に発行されております。また、ドイツにおきましても、二〇〇〇年ハノーバー万博記念貨幣が二〇〇〇年に発行されておるわけでございます。
 それで、今石井委員の方は、テーマとかデザインで民間の意見を聞くようなこともどうかというようなお尋ねでございますが、今までにおきましても、テーマを決めた上で有識者の皆さんに懇談会を開いていただいて、そこで発行等を決定してきたという事例があるわけでございますけれども、テーマそのものについて有識者等の民間から意見を聞くという仕組みについては、国民のニーズの把握に資するというような観点もあるわけでございますので、今石井委員がおっしゃったことにつきましては十分に検討をさせていただきたいというように考えております。
 また、先ほどワールドカップサッカー大会の記念貨幣のことは申し上げましたが、こういう造幣局におきます記念貨幣も、できれば機会もふやしていくというような方向で考えたいと思っております。
石井(啓)委員 ぜひよろしくお願いいたしたいと思います。
 時間がなくなってきましたので、最後、にせ札に関しましてちょっと、二つまとめてお尋ねしたいと思います。
 まず一つは、最近カラーコピー等が非常に精巧になってきましたので、そういったものを利用したにせ札事件が頻発をしているということから、今の一万円、五千円、千円というのが昭和五十九年の十一月発行、もう二十年近くたっているわけでございますので、最新の偽造防止技術を組み入れた改刷をそろそろ検討してもいいんではないかということが一点ございます。
 もう一つは、お札の方に非常に高度な偽造防止技術を組み入れたとしても、それを判別する、例えばATMとか自動販売機、こちらの方の機械の読み取り精度が悪ければこれはどうしようもないわけであって、その読み取り精度を高めていくという必要があるわけですけれども、この読み取り精度を上げていくと、真券だとしても、本物だとしても、汚れている券は受け付けにくくなってしまうわけです。したがって、日銀においては、市中からの回収、消却ペースをこの際速めていくべきではないかというふうに考えますが、この二つについて最後、確認をさせていただきたいと思います。
谷口副大臣 最新の偽造防止技術を組み入れた印刷を検討すべきではないかということでございますが、財務省は通貨制度を所掌する立場であるわけでございますが、従来から偽造防止の観点から、日本銀行、警察等と緊密に情報、意見の交換をやっておるわけでございます。
 また、最近偽造事件が多発いたしておりますが、日本銀行とも、関係業界に対して、現金取り扱い機器の改良等による偽造防止への対応を要請し、また、市中に流通する銀行券のクリーン度を向上させることによりまして偽造券の発見を容易にする等の対応を行ってきたところであります。
 おっしゃるように、偽造防止対策として改刷は一つの方法ではございますが、各種技術的な対応、また民間における負担、また国民の利便等を考慮いたしますと、これは慎重に検討する必要があるというように考えておるわけでございます。まずは、現在の対応を推進することによりまして事態の推移を見てまいりたいというように考えておるところでございます。
永田参考人 お答え申し上げます。
 ただいま谷口副大臣からの御答弁の中にございましたように、いわゆる回収、消却をスピードアップしたらどうかというお話でございますが、クリーン度を上げる作戦を昨年の十月からやっておりまして、取り扱い金融機関で、もちろん機械の検知度を上げることを要請するとともに、同時に、そういうクリーン度を上げるように働きかけておりますのでお答えいたします。
石井(啓)委員 では、時間が参りましたので終わります。
坂本委員長 次に、藤島正之君。
藤島委員 自由党の藤島正之でございます。
 財務大臣ちょっとおられないので、先に柳澤金融大臣にお尋ねしておきたいと思います。
 私は、三月の中ごろこの委員会で、大臣に、三月末の株価というか金融危機についてどんなことを考えていますかとお伺いしましたら、一万円台に乗っておれば金融危機は起こらないだろうというようなお答えだったのですが、実際、一万一千二十四円ということだったのですが、これはPKOで無理やりやった成果だ、こういうふうに思うのか、あるいは、やはり景気が若干よくなってきている、そういうものを反映していると見ているのか。その辺、御感想を伺いたいと思います。
柳澤国務大臣 マーケットの中では株価の変動についていろいろな理由が取りざたされるということが通常の姿でございます。
 それによりますと、今回の株価の動向の背景には、一つはアメリカの経済の回復が意外に急速に実現するのではないか、だとすると、やはりアジアを中心として、日本を含めてそれにいい影響を受けた形になるのではないかというようなこと、それから空売りの規制が変わったということもあるんではないか等々が言われておったように記憶をいたしております。
 これについてどう考えるかということを尋ねられることも多いわけですけれども、私どもとしては、株価の変動の要因というのは非常に複合的なものであろうというふうに考えておりまして、政府の立場でこれがこうというようなことは従来から申さないということで御理解を願っているところでございまして、今回のことについても同様にさせていただきたい、このように存じます。
藤島委員 それじゃもう一問ですけれども、最近の銀行の姿勢なんですが、経営状態いろいろきついものですから、貸出先を選別して金利も差をつけよう、こういう傾向になっているようなんですが、結局、それを突き詰めていきますと、勢いリスクの大きいところ、すなわち零細でかつきちっとしたバックのないようなところ、こういうところに金利が上がり貸し渋るようになるということなんですが、さればといって、銀行がそれをやっていかないと自分が経営が危なくなる。
 両立は、なかなか難しいところがあるんですけれども、大臣として、これを、何か銀行が思うままに任せておいてそのままやらせるんだということなのか、そういう零細、特殊な技術を持ったようなところがどんどんきつくなって倒産していくというようなのは手をこまねいて見ておってもいい、こういうことなのか、あるいはその辺に、セーフティーネットじゃないのですけれども、何か考える必要があるような気もするんですけれども、お考えを伺いたいと思います。
柳澤国務大臣 一般論として申しますと、私ども、金利については信用リスクを十分織り込んだ金利にしていくということが基本だということを申しておるわけでございます。
 他方、金融機関の側が貸出先に対してどういうスタンスをとるかということですけれども、その信用リスク云々ということは、現実、現象的に言うとどういうことであるかと申しますと、これはよく言われることですけれども、引き当てを積むということでコスト高になるのでその分金利としていただかなきゃなりませんよ、こういうようなことになっているというように、そういう部分が大きいというふうに見受けているわけでございます。
 これにつきましては、かねてから中小企業の貸出先についてリスクを判断し、そしてそれに見合う引き当てあるいは債務者区分というものを考えるときに、財務だけではなくて、もっとほかの要素も考える。
 しかもまた、財務についても、その法人なら法人の、企業なら企業の財務諸表と言われるものにあらわれているものではなくて、社長さんとの関係、よく資金繰りなどに窮したりあるいは取引先との関係を維持するために社長さんがその法人にお金を貸すということがあります。そして、お金を貸したものについてこれをどういうふうに認識するかというと、普通の全く第三者から、金融機関なんかから借りたお金とそれがその企業の財務にとって同じ価値かというと、確かに名目的には借り入れということになってほかの借り入れと一緒になっているけれども、実際にはその経営者からの出資金と同じように受けとめていい、そういう機能を持っているんじゃないか、こういうような考え方もあるわけでございまして、そういうものをよく総合勘案した債務者区分をして引き当てもお願いするということにすべきじゃないか、こういうことがたびたびここでも議論に出ておるわけでございます。
 私ども、そのことは金融検査マニュアルに書いてあることの一つの例だというように受けとめてそういうお答えもしてきておるわけですが、それらのことについてもっと検査官の第一線のところまでそれが徹底するように、具体例としてそういう事例集を出したらどうなんだということで、我々、そういうことは出させていただきますということに御答弁もし準備もしてきたわけであります。
 その結果が、きょう多分発表できる段階に至っただろう、こう思っておりまして、そういうことについては、発表し、すぐそれをということよりも、まず、そのほかに何かまだ我々が気がついていないことがあったらぜひ言ってきてくださいというような意味でパブリックコメントをお願いしたり、あるいはパブリックと言わないで、いろいろな中小企業の団体などにも、これが原案だけれどもほかに何かありますかというような問い合わせをして、これをひとつまとめて、そういうものが先ほど申したように第一線にまで徹底するようにしたい。
 そういうことで、中小企業のリスクを評価するときに、総合的に勘案するようにすべきだというようなことで当局としてやらせていただきますので、そういうもので、金融機関の側もその当局の態度に影響されてというか、そういうような考え方にかわって、しっかりしたリスク評価のもとでの融資が行われることを我々期待している、こういうことでございます。
藤島委員 貸す側の銀行だけの立場ではなくて、借りる側の中小零細になるべくしわ寄せのいかないような、きめの細かいそういう指導をできるだけお願いしたいと思います。結構です、ありがとうございました。
 それでは、法案の方についてちょっとお伺いしたいと思います。
 現在やっている事業を独立行政法人にすることによって、どういうふうに変わっていくのでしょうか。
村瀬政府参考人 お答えいたします。
 現在の造幣局、印刷局はいわゆる現業でございまして、あくまでも国の行政組織の一つでございます。他方、独立行政法人の制度は、国とは別の法人格を有する主体を設立いたしまして主務大臣が明確な目標を示す、すなわち中期目標というものを指示した上でその長、理事長でございますが、に業務運営を総括させまして、かつ責任を負わせる仕組みということになっております。
 このような独法の仕組みに対応した制度設計といたしまして、例えば、独法に対しましては、自主的な経営判断に基づき、機動的かつ中期的な業務運営を可能とする。例えば、中期目標、中期計画のもとで、毎年度の予算の決定、変更は主務大臣への届け出事項ということになりまして、また、業務の運営上出ました利益につきましては、目的積立金制度の活用によりまして、年度をまたいで支出を出すことができるという、極めて弾力的な財務運営ができることになります。
 それから、業務実態に応じまして弾力的に組織あるいは定員の配分を行うことができるといった点で、組織、人事管理、自律性あるいは柔軟性が大変大きく付与されるということでございます。そして、業務実績につきましては、第三者機関による厳正な評価の対象とされる、場合によっては、業績不振は役員の解任事由ともなり得るということでございまして、こうした仕組みを通じまして、従来からも一生懸命やってきていただいておりますが、さらなる効率化の努力ということが図られるものというふうに期待をしております。
 あわせて、情報公開が徹底されますので、業務運営の透明性というものがかなり向上するのではないかというふうに思っております。
藤島委員 今るるお述べになったのは、効果を上げるための考え方みたいなものであるんですけれども、実際にそれでは、独立行政法人通則法第二条では、その目的は、今ちょっとお触れになりましたけれども「効率的かつ効果的に行わせる」、ここが最終的な目標になるわけですね。
 そうすると、今回の両法人について、どのくらい効率化、効果が上がるのか。例えば、定員をぐっと減らすとか、あるいは経費でどれぐらいかかっていたのがどれぐらいになるとか、何かそういうものがないと、弾力性が出る、定員の振り回しも自由になるというだけでは、それは、そういうふうにやれるというだけであって、効果が見えないんじゃないですか。
村瀬政府参考人 お答えいたします。
 具体的に申しますと、例えば、予算、組織、定員の弾力化が図られますので、原材料の調達あるいは機械、設備の更新、稼働体制、あるいは研究開発等々、これまで以上に機動的な経営判断が可能となりまして、より一層の生産性の向上あるいはコストの削減など業務の効率性の向上が図れるだろう、これは定性的な議論だろうと思います。
 では、先生お尋ねのように、独法化後に定量的にどの程度の効果、効率化が図られるかというのは、まさに独法化をいたしまして、その中で業務運営をどうやっていくかという、今は制度の大枠をつくったという段階でございますので、現時点で具体的に申し上げることは困難であるということをちょっとお許しをいただきたいと思います。
 ただ、いずれにしましても、業務運営をしました結果は企業会計原則を基本に作成されます財務諸表、これで公表されますし、それからまた、第三者機関による厳正な評価の対象になるということはありますので、申し添えさせていただきます。
藤島委員 要するに、これは政府の自己満足だけであって、何ら効果を生まない、こういうことなんですよ。
 見方を変えて言いますと、これはどうして完全民営化はできないんですか。
村瀬政府参考人 これは、先ほどからの議論にもございますように、通貨製造業務の特殊性ということが実はあるわけでございまして、いついかなるときにも経済実態に応じて安定的、確実な量の通貨を供給しなければいけない、あるいは、偽造防止技術の維持向上ということは大変根幹をなすものでございますので、そういうものにつきまして、本当に守秘義務がかからないような経営主体の人たちで担えるかどうかということについて、現段階でどうかと言われれば、そういうことは適当ではないという政府の判断もございまして、独立行政法人制度ということに移行することになったわけでございます。
藤島委員 現段階ではということは、この先、それじゃ、民営化を考えているわけですね。
村瀬政府参考人 ちょっと言葉が滑ったわけでございますけれども、そういう他意はございません。当面、そういう姿が想定できるかといいますれば、私ども、そういう姿というのは想定できないのではないかというふうに思っております。
藤島委員 特に、印刷局の業務、これは、先ほどもありましたけれども、日銀券あるいは国債、印紙、郵便切手、郵便はがき、あるいは印刷物、官報、法令全書、白書、調査統計資料、こんなものを何で国がやらないかぬですか。それで、五千七百名も持っているんですよ。造幣局も同じような内容があるんです、それは省略しておきますけれども。
 この印刷局の業務、今おっしゃった日銀券なら日銀券、これだけはどうしても、先ほど来議論のあるように、にせ札とか何かの問題がまだ現段階ではあるかもわかりませんけれども、その他の業務はそっくり民営化したらいいんじゃないですか。
村瀬政府参考人 お答えいたします。
 一つは、印刷局の白書なんかは民間にやらせてしまえばいいじゃないかというお尋ねがあると思いますが、これは、法令上、印刷局の独占業務とされているわけではございませんで、実際にも、民間が取り扱っているものも少なくございません。例えば、印刷局では平成十二年度版で二十七の白書を刊行しておりますが、発行部数一万部以下のものが十八、あるいは五千部以下のものが十二ということで、少部数にとどまるというようなこともありまして、これは商業ベースに乗りがたいようなものをやっておるという面がございます。
 それから、いろいろな印刷局の業務ということでございますけれども、通貨製造業務と同一の技術を活用したり、あるいは偽造防止を初めとする技術面で相互に補完を図るというような意味合いも持ちまして、民業の圧迫にならないような範囲内で各種の事業をやっておるということだと思います。
藤島委員 民業の圧迫にならない範囲じゃない。全然民業を圧迫しているんですよ、これは。全部民業にして差し支えないんですよ。競争させたらもっと安くなる。私も、現に役人時代、印刷局に白書等を頼んで、締め切りはうるさいわ、時間はかかるわ、こんなのは民間にやらせたらもっとスムーズにどんどんいく。こんなことをやっているのはおかしいんですよ。国でやる必要なんか全然ない。塩川大臣、どう思われますか。
塩川国務大臣 印刷局の業務の中では、非常に多様な業務がございますから、確かに、民間に出してもいいものもございましょう。そのかわり、民間ではなかなかできないものもあります。例えば、国会の皆さん方の、先生のところへ行っておる日報、これは民間に出してもとてもできませんし、こういうものはやはり印刷局でやらないとできない、すぐ、今の印刷でございますからね。
 そういうようなものもございまして、それは、仕分けしていけば、民間に出してもいいものも多分あると思います。けれども、そういうことをやるよりも、印刷業務というのを一つのユニットな業務として見た場合、そこで余裕のあるものは、民間でもやれるものもやってもいい。例えば、ポスターなんかですね。そういうのをやってもいいじゃないかということになって、総合的に印刷局の業務というものは組み立てられておるものでございますから、一つ一つ取り出していくならば、これは民間でやった方がいいかもわからぬ、そういうのもありましょう。しかし、印刷局の仕事全体としてやっておる方が、その方が印刷局を維持していくのにいいということでやっている、こういうことであります。
藤島委員 全然答えになっていないわけですよね。そのために五千七百名も抱えておく、これはどう見てもおかしい。こんなもの、民間にどんどんやらせたら非常に安くできるわけですよ。今、各省が、印刷物を全部、例えば予算化して印刷局にやっていますが、あれを民間にやったら半値ぐらいでできるんですよ。しかも、早くできる。
 私は、こんな中途半端な独立行政法人、言ってみれば、これはある種の、道路公団なんかが自分のファミリー財団とか社団とかに、そのまま一緒になって仕事をやっている、そんなことと全く同じわけで、身内だけでいい思いをしようとしている。これは完全民営化を図るべきだ、私はこういうふうに思います。
 最後に、財務大臣にお伺いしますけれども、ちょっと紙幣の印刷のことになっていますので。
 デノミの問題を財務大臣はどうお考えになるのか。今でも塩川大臣は塩じいで大変有名なんですけれども、これをやると歴史に名を残すことになるんじゃないかと思うんですけれども、お考えを伺って、質問は終わります。
塩川国務大臣 私は、今の段階でデノミをやる必要はないと思っております。また、デノミによるところの効果というものは、確かに即効性はある程度出てくるかもわかりませんが、それによるところの国際的な関係、信頼関係、あるいは国内におきますところの事務の煩雑さということをいろいろ考えていきますならば、デノミは今やるべきときではないと思っております。
藤島委員 終わります。
坂本委員長 これにて各案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
坂本委員長 これより各案を一括して討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、これを許します。佐々木憲昭君。
佐々木(憲)委員 私は、日本共産党を代表して、独立行政法人造幣局法案、独立行政法人国立印刷局法案、貨幣回収準備資金に関する法律案の三案に対する反対討論を行います。
 まず初めに、私は、造幣局、印刷局の主要な業務である通貨の製造に対して何よりも求められていることは、国民による信認の確保と通貨の安定的かつ確実な供給であることを強調したいと思います。それは国家の経済活動を支えるものであり、国家運営の基幹をなすものであります。
 操業以来、約百三十年という長い歴史を持つ我が国の造幣、印刷事業が、こうした国民に対する責任を果たしてこられたのも、その経営形態がそもそも国営形態として貫かれてきたからにほかなりません。
 一九九八年三月、当時の大蔵省に設置された造幣・印刷事業の経営形態等に関する懇談会の報告においても、国民に信頼される通貨供給の基準の一つに、「国など公的機関がその権威をもって通貨を発行していること」と明確に述べています。さらに、同報告書は「現状の国営企業形態が特段の問題なく機能して」きていると評価し、今後、「国営形態が引き続き望ましい」という委員多数の意見を紹介しているではありませんか。
 中央省庁改革の一環として行政の効率化が問われ、造幣、印刷事業についても業務及び事業の減量化を図るとして独立行政法人化が提起されてきました。
 しかしながら、なぜ独立行政法人化なのか、行政の効率化とは何か、このことは本日の委員会審議の中でも一切明らかにされておりません。むしろ、今回の独立行政法人化が、業務内容のあり方の検討より小さな政府づくりという政治的要請を優先したものであると言っても過言ではありません。現状を変えなくてはならない積極的必然性は見出しがたい、独立法人化はこれまでのよい面をかえって失わせることになるのではないか、こうした声こそ的を射た指摘ではないでしょうか。
 現在の国営企業形態を保ってこそ、経済の状況に応じて安定的かつ確実に通貨を供給し得るのであります。また、国民が真正な通貨であることに疑念を抱かずに使用できる保証ともなります。このことを最後に強調して、私の反対討論を終わります。(拍手)
坂本委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
坂本委員長 これより採決に入ります。
 まず、独立行政法人造幣局法案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
坂本委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、独立行政法人国立印刷局法案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
坂本委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、貨幣回収準備資金に関する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
坂本委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました各法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
坂本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
坂本委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時五十五分散会


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