衆議院

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第22号 平成14年6月28日(金曜日)

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平成十四年六月二十八日(金曜日)
    午前九時三十一分開議
 出席委員
   委員長 坂本 剛二君
   理事 中野  清君 理事 根本  匠君
   理事 山口 俊一君 理事 山本 幸三君
   理事 海江田万里君 理事 石井 啓一君
   理事 中塚 一宏君
      伊藤信太郎君    岩倉 博文君
      金子 恭之君    倉田 雅年君
      小泉 龍司君    七条  明君
      砂田 圭佑君    竹下  亘君
      中村正三郎君    馳   浩君
      林田  彪君    増原 義剛君
      山本 明彦君    吉田 幸弘君
      渡辺 喜美君    五十嵐文彦君
      生方 幸夫君    江崎洋一郎君
      小泉 俊明君    小林 憲司君
      中川 正春君    永田 寿康君
      長妻  昭君    上田  勇君
      遠藤 和良君    佐々木憲昭君
      阿部 知子君    植田 至紀君
    …………………………………
   財務大臣         塩川正十郎君
   国務大臣
   (金融担当大臣)     柳澤 伯夫君
   内閣府副大臣       村田 吉隆君
   財務副大臣        谷口 隆義君
   財務大臣政務官      砂田 圭佑君
   財務大臣政務官      吉田 幸弘君
   財務金融委員会専門員   白須 光美君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月二十八日
 辞任         補欠選任
  七条  明君     伊藤信太郎君
  山本 明彦君     馳   浩君
同日
 辞任         補欠選任
  伊藤信太郎君     七条  明君
  馳   浩君     山本 明彦君
    ―――――――――――――
六月十三日
 相続税法緊急改正に関する請願(小泉龍司君紹介)(第五九五八号)
 消費税の大増税に反対、税率を三%に引き下げることに関する請願(松本善明君紹介)(第六一一七号)
 同(吉井英勝君紹介)(第六一一八号)
 消費税率引き上げ反対に関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第六一一九号)
 消費税の増税反対に関する請願(石井郁子君紹介)(第六一二〇号)
 同(穀田恵二君紹介)(第六一二一号)
 同(吉井英勝君紹介)(第六一二二号)
同月二十八日
 消費税の大増税に反対、税率を三%に引き下げることに関する請願(児玉健次君紹介)(第六三八〇号)
 同(松本善明君紹介)(第六三八一号)
 同(山口富男君紹介)(第六三八二号)
 消費税増税反対等に関する請願(大森猛君紹介)(第六三八三号)
 同(吉井英勝君紹介)(第六五〇四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 金融に関する件(破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告)


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     ――――◇―――――
坂本委員長 これより会議を開きます。
 金融に関する件について調査を進めます。
 去る五月二十四日、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づき、国会に提出されました破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告につきまして、概要の説明を求めます。金融担当大臣柳澤伯夫君。
柳澤国務大臣 去る五月二十四日、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、昨年八月一日以降預金等全額保護の特例措置期限である本年三月三十一日までを報告対象期間として、その間における破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出申し上げました。
 本日、本報告に対する御審議をいただくに先立ちまして、簡単ではございますが、本報告の概要について御説明申し上げます。
 まず初めに、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分等の状況について御説明申し上げます。
 今回の報告対象期間中には、石川銀行、中部銀行の二行並びに十三の信用金庫及び三十一の信用組合に対し、金融整理管財人による管理を命ずる処分が行われております。
 石川銀行については、昨年十二月二十八日、同行より預金保険法第七十四条第五項に基づく申し出がなされ、当該申し出及び同行の財務状況を踏まえ、同日、管理を命ずる処分が行われております。
 また、中部銀行については、本年三月八日、同行より預金保険法第七十四条第五項に基づく申し出がなされ、当該申し出及び同行の資金繰り状況を踏まえ、同日、管理を命ずる処分が行われております。
 これら二行の譲渡先については、それぞれ金融整理管財人において、地元の金融機関を中心に鋭意折衝が進められてきましたが、預金等全額保護の特例措置期限内に受け皿金融機関と営業譲渡について合意するに至らず、三月二十八日、両行ともそれぞれ日本承継銀行と営業譲渡契約を締結しております。日本承継銀行は、本年三月五日の預金保険法第九十一条第一項第一号に基づく承継銀行の設立決定を受け、預金保険機構の子会社として設立され、三月十九日に銀行業等の免許を取得していたものであります。
 なお、石川銀行、中部銀行の日本承継銀行からの再承継先については、関係者において引き続き早期確保に向けた努力が継続されているところであります。
 次に、破綻金融機関の受け皿金融機関への事業譲渡等による処理の状況について申し上げますと、今回の報告対象期間中に、七信用金庫、二十四信用組合について事業譲渡等が行われ、管理を命ずる処分が取り消されております。
 また、事業譲渡等が未了の破綻金融機関においても、受け皿金融機関は確保されており、日本承継銀行と営業譲渡契約を締結した石川銀行、中部銀行を含め、すべての破綻金融機関について、本年三月三十一日の特例措置期限までに、預金等全額保護のための特別資金援助に係る所要の手続を済ませております。
 次に、新生銀行及びあおぞら銀行からの預金保険機構による瑕疵担保条項に基づく債権買い取りの状況について申し上げます。
 今回の報告対象期間中に預金保険機構が引き取った案件は、新生銀行については百十三件で、債権額四千四百四十四億円、支払い額二千八百六十九億円であり、あおぞら銀行については二十五件で、債権額三百三十二億円、支払い額二百九億円となっております。
 最後に、これらの破綻金融機関の処理に係る預金保険機構による主な資金援助等の実施状況及び公的資金の使用状況について、御説明申し上げます。
 破綻金融機関の救済金融機関への営業譲渡等に際し、破綻金融機関の債務超過の補てん等のために預金保険機構から救済金融機関に交付される金銭の贈与に係る資金援助額は、今回の報告対象期間中において四千四百五十億円であり、これまでの累計で十六兆四千五百八十九億円となっております。このうち、ペイオフコストの範囲内の金銭の贈与に係る資金援助額は、報告対象期間中で二千七百八十五億円、これまでの累計で五兆八千三百十九億円であります。ペイオフコストを超える金銭の贈与に係る資金援助の額は、報告対象期間中で千六百六十五億円、これまでの累計で十兆六千二百七十億円となっております。
 また、預金保険機構による破綻金融機関からの資産買い取り額は、報告対象期間中で千四百九十九億円、これまでの累計で五兆五千七百十四億円となっており、金融再生法第五十三条に基づく健全金融機関からの資産買い取りについては、報告対象期間中で債権簿価三千三百二億円、買い取り額二百六億円、これまでの累計で債権簿価一兆三千三十五億円、買い取り額五百四十九億円となっております。
 さらに、預金保険機構による金融機能早期健全化法に基づく優先株式等の引き受け等の額は、報告対象期間中で千百二十億円、これまでの累計で八兆六千五十三億円となっております。
 これらの預金保険機構による資金援助等についてはいわゆる七十兆円の公的資金枠が措置されておりますが、最後に、その三月三十一日現在における使用状況について申し述べます。
 まず、特例業務勘定の特例業務基金に交付された十三兆円の交付国債の償還額の累計は、九兆五百四十八億円となっております。
 また、一般勘定、特例業務勘定、金融再生勘定及び金融機能早期健全化勘定における政府保証つき借り入れ等の残高は、各勘定合計で十九兆九千七百八十四億円となっております。
 ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理に関しては、これまでも適時適切に所要の措置を講じることに努めてきたところでありますが、今後とも、金融庁といたしましては、我が国の金融システムの一層の安定の確保に向けて万全を期してまいる所存でございます。
 御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
坂本委員長 これにて概要の説明は終了いたしました。
    ―――――――――――――
坂本委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。馳浩君。
馳委員 おはようございます。自民党の馳です。
 破綻した石川銀行の受け皿問題について、新たな展開がありましたので、四月に引き続き質問させていただきます。
 今月二十四日に、アメリカの投資ファンド、メトロポリタン・モーゲージ証券が石川銀行の受け皿金融機関になりたいとの旨で正式に申し入れをし、その結果の記者会見を行いました。このメトロポリタンが申し入れをした会談の内容と参加メンバーをまずお聞かせいただきたいと思います。
村田副大臣 去る六月二十四日のことでございますが、メトロポリタン・モーゲージ・アンド・セキュリティーズという米国に本部を置く会社でございますが、その会社の太平洋地域責任者でありますマイク・ネコバ氏ほか二名が、石川銀行の譲り受けに関しまして金融整理管財人であります預金保険機構に参りまして、預金保険機構の方は松田理事長ほか二名が対応した、こういうことのようでございます。
 ただし、話し合いの具体的な内容については、譲渡交渉にかかわることでございますので、コメントは差し控えさせていただきたいというふうに考えております。
馳委員 私が問題としたいのは、なぜこの時期に会談をセットしたかということであります。
 受け皿探しの環境整備が、タイムリミットの迫る中ようやく整いつつあり、候補先の金融機関の決断待ちまで来たやさきに、なぜメトロポリタンと会談を持つ必要があったかということをお伺いしたいと思います。
 このニュースは地元紙の一面を飾りましたし、その報道ぶりによって受け皿候補先の銀行が動揺し、憶測を呼んだりいたしております。ちなみに、けさの地元新聞、北国新聞でありますが、きのう一斉に各銀行とも株主総会がありまして、北陸銀行の高木頭取は、決断は早いにこしたことはないとまで質問を受けて表明はしておられる、こういう状況でありまして、なぜメトロポリタンとの会談に応じたのかということについてお伺いをしたいと思います。
 また、メトロポリタンは日本国内での銀行免許を持っておりませんし、事ここに至れば、そもそも石川銀行の受け皿には時間的にも無理なことはわかっての会談の申し入れであると思いますし、また、預金保険機構の事前の了解もないままの、勝手な記者会見だったと伺っております。このような行動は、アメリカでもルール違反と聞いております。
 このメトロポリタンの本当のねらいは何だったのでしょうか。いろいろな問題をはらんでいると思いますが、金融庁としての見解をお伺いしたいと思います。
村田副大臣 先ほどの私の答弁で、松田理事長というふうにお答えいたしましたが、松田理事長と松田理事がおりまして、長を落としていただきたい。大変失礼いたしました。おわびを申し上げたいと思います。
 それから、なぜそうした、メトロポリタンと交渉をしたのか、あるいは会談を持ったのかということでございますが、預金保険機構としては、公的機関でございますので、そうした申し出があれば応じて話を聞いた、こういうことであるかというふうに思っております。
 メトロポリタンはまだ国内に銀行免許を持たないわけでございますが、これについて、一般的にどういう手続で免許の審査をするのか等々の、手続関係の御質問があったか、こういうふうに思いますが……(馳委員「それは次の質問です」と呼ぶ)いいですか。大変失礼いたしました。
 それでは、売名的な行為ではなかったか、こういう質問だと思いますけれども、これにつきましては、石川銀行の譲り受けに関しまして、同行の譲渡先選定権限を持ちますのが金融整理管財人であります預金保険機構でありますので、相手方、メトロポリタンはそうした金融整理管財人である預金保険機構を訪問した、こういうふうに考えておりますけれども、それ以外にどういうねらいがあったかということについては、私ども承知していないということでございます。
    〔委員長退席、中野(清)委員長代理着席〕
馳委員 これはぜひ委員の皆さん方にもお伝えしておきますが、メトロポリタンの方は、預金保険機構と会談をする前に既に記者会見をセットして、私が先ほど説明したような状況下にありながらも、メトロポリタンとしては引き受ける準備がありますよということを既にマスコミに流しておったわけですね。これを売名行為と言わずして何と言うのか、その真意は何なのかということを金融庁にもそんたくしていただきたいということを私は申し上げているのであります。
 次の質問に移りますが、石川銀行のような、地域に拠点を置く金融機関の受け皿に外資がなることの是非について、金融庁としての見解をお伺いしたいと思います。
 地域の経済安定を掲げて、地元投資家、預金者、地元企業のために金融活動をする、いわば地域に根をおろした金融機関が石川銀行の受け皿としてふさわしく、外資はともすれば自己利益に走りやすく、ミスマッチであると同時にリスクが大きいと思いますし、先般の富山県議会の答弁におきましても、中沖知事は、私は個人的には反対だ、今私が述べたような趣旨で明確に答弁もしておられます。ちなみに、中沖知事というか富山県は北陸銀行の出資者でもありまして、そういう観点からの発言だったとは思いますが。
 あわせて、国内に銀行免許を持たない外資が受け皿になることを表明して免許の申請をしてきた場合、どんな手続で免許の審査をしたりするのか、また、最速でどのくらいの期間で免許を与えるのか、お聞きしたいと思います。
 受け皿選定と免許申請という、こういう並行審査の場合、初めに結論ありきで、審査が慎重かつ公正に行われるのか、これも疑問でありますので、見解をお伺いしたいと思います。
柳澤国務大臣 地域銀行が破綻したときに、その後継というか承継銀行はどういうものであるべきかという観点から、ここで外資についてどう考えるか、こういうお尋ねでございます。
 基本的には、私どもは内外、外から来たものを初めから除外してかかるというような、何かそういう方針を持っているかといえば、それはございません。要は、最終的にどういう経営方針でやるかということが問題でございまして、その経営方針というものが、これまでの地域金融機関の実績をよく踏まえられて、しかも健全な銀行業務を展開するということかどうかが大事だというふうに考えておるわけでございます。
 そういうことで、外資になることの是非ということは、外資かどうかということよりも、その経営が、今言ったように、本当に地域の経済を強くしていく、そのためのインフラとしての金融の役割を果たしていくということかどうかがここで是非を問われるべき問題だというふうに受けとめております。
馳委員 大臣、今までにも二、三例あると思いますし、北陸では実はこういう例がある。山一証券が破綻しました。それを北陸の方ではメリルリンチですか、撤退してしまっているんですね。ある意味では収益第一主義という印象が北陸の金融機関や県民の中には随分、印象として根差しておって、何だ、外資の皆さんは、山一証券の店舗も人員も引き受けて、いや、よくやってくださると思ったら、あっという間に引き揚げてしまったという印象が非常に強いのです。
 だから今回のメトロポリタンの話にしても、これも、支店も雇用も守りますよというふうな話し合いが実は二十四日の日になされたそうでありますけれども、本当にそうなのかなという疑念が経済界にもあるということをまず、これは金融庁としてもわかっていらっしゃるでしょうから、今の大臣のお答えは一般論ではあると思いますけれども。
 地元のと私は申し上げますと、やはり石川銀行との取引先というのは中小中心なんですよ。中小中心の皆さん方は、いや、これは、受け皿決まって、その後に、では優良なものは受け皿に行きますよ、そうじゃなきゃRCC行きでしょ。RCCも回収専門ばかりではなく再生の方向にも行くと法改正でなりましたけれども、自分たちはどうなるのかな、中小企業の皆さんは。RCCは新規融資をしてもらえますか。しないんでしょう。これが一番不安なんですよ。
 同じような形で、外資に食い物にされてしまうんじゃないかという不安があるということがあったので、私は今質問をさせていただいたということも御理解いただきたいと思います。
 それでは手続論、お願いします。
柳澤国務大臣 証券会社の方の例を挙げられましたけれども、それはそこでまた別途の理由があったということですので余り、できますれば、先生のようなお方に、あれはこうなんだよというようなことで御説明いただければありがたい、こういうように思います。詳細はここで申し上げることはございませんので差し控えますが。
 それから、現にこの問題については、もう金融整理管財人が地元の金融機関にいろいろと折衝を重ねておりまして、むしろそちらの方が、最終的な合意までは至っていないんですけれども、環境が整いつつあるというふうに我々はかなりポジティブに状況を評価しておるということでございますので、私どもが、何か先ほどの一般論で、無理やりに外資の方になんというような気持ちは金輪際ございませんので、御理解を賜りたいと思います。
村田副大臣 それではお答えいたしますが、銀行の免許でございますが、申請があったときには、銀行法第四条に定められた審査基準に適合しているかどうかということを審査させてもらう。これは、財産的な基礎の問題、それから収益性の問題、それから人的構成ということではないかというふうに思います。
 審査でございますけれども、今申しましたように、銀行の業務にかかわる収支の見込みを審査するということになっておりますので、破綻金融機関の受け皿の場合には、従来の例で見ますと、営業譲渡契約締結あるいは基本合意締結の後に受け皿会社が設立されて、その後に銀行の免許の申請が行われてということでございます。
 免許に要する最速の処理期間、大体どれぐらいかかるか、こういうことでございますが、銀行法施行規則の四十条に、申請が当局に到着してから一カ月以内に当該申請に対する処分をするように努めるものとするということにされておりますので、ケース・バイ・ケースでありますけれども、大体おおむねそういった標準処理期間をめどに処理されているという過去の例でございます。
馳委員 副大臣、今私が最後に質問したのは、並行審査の場合に、いわゆるまず初めに結論ありきということのないように慎重に公正にやっていただきたいということに対するコメントがないんですけれども。
村田副大臣 審査は、銀行法四条に定められたとおり、その審査基準に合致するかどうか公正に適正になされる、こういうことでございます。
馳委員 あと、もう一回期間の確認なんですが、私は事前にいろいろとレクをいただいたときに、大体早くても三カ月くらいかなというような話を伺ったんですけれども、そんなものなのか。
村田副大臣 特に外資系、関西さわやかと東京スターの例で申し上げますと、大体それぞれ一カ月前後でございますね。三カ月ということではございません。申請をされてから免許付与まで大体一カ月、こういうことでございます。
馳委員 一カ月だそうです。私はちょっと、一カ月で十分な審査がなされて、ましてや銀行免許を出すわけですから、心配を一応表明しておきます。
 次に、今までの議論を伺ってきて、私の見解を含めて地元の期待も申し上げておきたいと思います。
 石川銀行の受け皿は地元の金融機関がなるのがよい、メトロポリタンとの話は地元金融機関との交渉が決裂しない限り全く進展を見ない話である、金融庁も地元金融機関が受け皿となるように重ねて最大限の努力をしていくべき、このように私は見解を持ちましたが、大臣、いかがでしょうか。
柳澤国務大臣 金融庁は、この破綻金融機関の営業譲渡につきましては、公正でありかつ透明である手続に沿ってこれを進めるという基本原則に立っております。
 地元の方々に対しましても、金融整理管財人がいろいろと折衝をさせていただいておるわけでございまして、先ほど申したように、むしろまだ合意には達していないけれどもそういう環境が整いつつあるというふうに考えておりまして、私どもとしては、これに対して、できるだけそれが実るように、我々の方でできることは努力をさせていただきたいということが基本的なスタンスでございます。
馳委員 今回のように外資が名乗りを上げてきた原因として、受け皿選定が長期化していることも挙げられます。
 特に、地元石川県の基幹銀行であります北国銀行のかたくなな受け入れ拒否、この受け入れ拒否については、北国銀行のきのうの株主総会でも深山頭取から言及がありました、総合的に勘案して、経営基盤が石川銀行と重なりますから引き受けませんと。
 ただし、私がそんたくするに、本音の部分は恐らく、取引先が重なるところが地域的に結構多いんですけれども、そうすると、管財人からブリッジバンク、ワンタッチで次の受け皿に行く場合に、RCC行きも出てきますね、当然。そうすると、その時点まで、取引先の中小企業の皆さん方は、自分がどこへ行くか、まだ最後の決断をいただいていないわけなんです。そうすると、同じ地域にいて、何だ、おれたちはRCC行きか、どうするんだというふうな、こういう不安が不満として来るのが嫌なんじゃないかな、私はそういうふうに判断もするんです。
 恐らく、総合的な経営判断でもありますし、もちろん経営陣や株主総会も切り抜けなきゃいけない問題でしょうから、だから、総合的に判断して北国銀行は、地域における重要な銀行であるにもかかわらず、当初から、引き受けません、こう表明しているんですが、私は、地域に対する貢献という意味では、これは余りにもそういう観点を無視した、地銀としての使命に反するように思いますし、率直に、けしからぬと実は思っているんです。
 こういうことに対して余りコメントはしたくないかもしれませんが、私も、地元にいて、北国銀行さんの堅実な経営手腕、安定的な運営については高く評価する立場ではありますが、事今回の問題については、なぜかというと、きのう北陸銀行の高木頭取も株主総会で、我々は地域に貢献するために、北陸の金融の安定のためにも、そういう観点からも、引き受けるに当たっては最終的な決断を出す段階まで来ている、そんなに決断が遅くなることはない、早い方がよい、こういうふうに述べておられるのを見るにつけ、地元石川県の人間として、北国銀行の姿勢はいささかいささかではないかと思うんですよ。
 この件について、また私が大きな声を上げ過ぎると票が減るのかなという気もするのですが、それは抜きにして、北国銀行のこういう姿勢について金融庁としてはどう思いますか。
    〔中野(清)委員長代理退席、委員長着席〕
柳澤国務大臣 できればという、特にお地元の御出身でもあるし、お地元のことについてよく御存じの馳委員から、残念だという、あるいは遺憾だというような感じをお述べになられつつのお話でございました。
 つい、馳委員のまじめなそういう述懐を聞いていると、私も同感だとここで言い切りたいような誘惑にも駆られるんですけれども、ここはぐっとこらえまして、やはり個別の、そういうまさに大きな経営判断なんですね、各行にとって。それはやはりそこを尊重していくべきだ、それについてコメントをこういう場で申し上げるというのは差し控えるべきだろう、このように考えております。
馳委員 次に、石川銀行の受け皿問題は、結局は石川銀行から融資を受けている借り手である中小企業の保護の問題とも言えます。そこで、中小企業に対する金融行政のあり方について質問させていただきます。
 本日、柳澤大臣は、閣議後に、中小企業への金融検査のあり方を、今までの大手も中小も同じ方式から、現実、中小企業の立場を考慮した検査マニュアル別冊、中小企業融資編の作成、整備についてをパブリックコメントを経て現場で実施されると発表されました。
 これは、検査について、主要行、地銀、第二地銀、信金、信組といった金融機関の規模、業態を対象にするのではなく、大手、中堅企業と中小企業、零細企業となる借り手を対象とした現実的な対応として高く評価いたします。しかしながら、現場の検査官が今までの厳しい検査としての方針変更をどう調整してくれるのか、検査が現実と対応しなければ今までと同じではないかと危惧する金融関係者が多くおります。例えば半年後とか来年三月に実施状況を再点検し、さらにこの制度を前進させるシステムづくりができないかをお伺いしたいと思います。
柳澤国務大臣 「金融検査マニュアル別冊・中小企業融資編」という、検査マニュアルの文字どおり別冊を用意しようということで、四月の十二日から五月の二十日までパブリックコメントをいただいてきたわけでございますけれども、こういう御意見も含めまして検討を行った上、最終的に内容を確定いたしましたので、本日、検査マニュアルというのは検査官の検査のマニュアルですので、検査官にあてまして通達をし、あわせてこれを公表するというふうにした次第でございます。
 これが徹底するようなシステムを考えろ、こういうようなお話でございますけれども、私どもは、検査の第一線で働く検査官、もちろん、事前にまず十分な研修をするということでやらせていただいておりますが、同時に、検査中に、ちょっと検査の第一線ではなくて、バックオフィスというか経営者のところへ行って、今検査をさせていただいていますが検査官とその現場の対象者の話し合いぶりというようなもの、何かお聞きですか、何か問題はありませんかというようなこと、これをモニタリングと言っているんですが、こちらからバックオフィスの者が出かけていって、そういう現実に検査官がやっているところをモニターさせていただくというようなことを既にとらせていただいておりまして、今先生御指摘のことについては、こういうシステムを十分機能させるということによって御要望にもおこたえできるのではないか、こういうように考えております。
 検査マニュアルで検査の基準が変わるかというと、それはそうではないわけでして、あくまでも、基準は基準なんですが、中小企業の特殊性というものをもっと見なさい、経営の実態をもっと見なさい、そのときの着眼点はかくかくしかじかですよというようなことを掲げ、さらにそのことを徹底させるということで、できるだけ実態に、できるだけじゃなくて実態に合った債務者区分なりなんなりに至るような、そういうことを進めていくということでございますので、御理解のほどをそちらについてもお願い申し上げます。
馳委員 最後の質問とさせていただきたいと思います。
 中小企業白書の資料から申し上げたいと思いますけれども、キャッシュフローから見た有利子債務の返済期間は、大手で六・八九年、中堅で九・八年、中小企業が十九年であります。普通のときでも返済に時間がかかる厳しい経営実態の中小企業に対して、銀行の収益力を強化せよ、リスクに合った金利を取れという金融庁の指導があると言われ、金融機関が金利引き上げを許容している事例が全国で多々発生していると伺っております。中小企業を四段階の業績に分けて、特に力の弱く業績の下のランクの企業からねらわれているのが現実です。
 史上最低の預金金利をそのままにして、金融庁は、銀行収益力強化のためにはこのような金利引き上げをするよう指導しているのでしょうか、または現実に行われている金融機関の金利引き上げの動きを認めているのか、お伺いしたいと思います。
 これでは、中小企業は、特に弱い経営者の企業は今まで以上に大変であります。この厳しい現実をわかっているのでしょうか。大臣はこのような動きをやめさせる通達や大臣発言による指導を直ちに実行すべきと考えますが、どうかお伺いいたします。
柳澤国務大臣 金融庁はかねて、金融機関が健全であるように、これは具体的に言うと、それだけではありませんけれども自己資本比率ということに関係が深いものでございます、そういうことを申しているわけですけれども、じゃ、この自己資本というものはどうして充実できるかといえば、これはもうどちらから考えても結局収益を上げていくということでございまして、そういう意味で、収益力の向上というのは健全性の向上に直結するものでございます。
 そういうことで、収益を上げるということを強く言っているわけですが、収益を上げるというのはどうしたら可能かといえば、まず第一にコストを下げること、これはもう我が手で簡単にできます。したがって、よく組織の中でむだがないかということでむだを省いてコストを下げる、これが第一でございます。それからもう一つは、例えば、業務の中でも手数料収入を上げる、資産を使わない手数料というような収入を上げなさい、こういうようなことが考えられるわけですが、日本の銀行というのは預貸の業務というのにまだ依存しております。
 そこで、預貸の業務からも収益を上げるように努力をすべきだ、こういうことになるわけでして、そういうときに一番日本でおくれをとってきたのが、正直言って、信用リスクに見合う金利というものを取ってこなかった。
 これは何でそうだったかというと、信用リスクというものをほとんど担保不動産で吸収してしまいます。そうしますと、信用リスクというものは、事業それぞれA、B、C、D、債務者によってそんなに変わりはしないということになります。そこで、べたに金利も同一水準でほぼ貸してしまうということが行われてきたわけですが、今や担保に頼るわけにいかなくなってきているというようなことで、勢い、信用リスクというものが強く意識されるようになりましたので、それに見合った利幅をいただくように、その信用リスクに見合うぐらいの金利は上乗せをできるだけするようにということを言っておるわけです。
 そこで、そういうことをやると、押しなべて中小企業に対して攻勢が及んでくるじゃないかというのが馳委員のお尋ねなんですけれども、これはそういう面もあろうかと思うんですが、先ほど来御議論の、信用リスクを考える際に、中小企業の場合にはよくその特殊性に着眼をして実態を把握しなさいということを言っているわけであります。そういうことで、先ほどの関連も踏まえてやるようにということを私どもとしては指導していくようにいたしている次第でございます。
馳委員 一言、今の答弁を伺って、そここそまさしく政策でやる部分ではないか、政策でもっとやる部分ではないかということを私は申し上げて、終わりたいと思います。
坂本委員長 次に、永田寿康君。
永田委員 永田寿康でございます。
 国会が延長されまして一言申し上げたいのは、今回の国会、なぜ延長されたのかということを与党の皆さんにぜひ考えていただきたいんです。というのは、別に会期末になって新しい法案や新しい景気対策をやろうという話が出てきたわけじゃないんです。当初から出てきたものを淡々と粛々と議論しているうちにいろいろなスキャンダルが出てきて、審議がたびたびとまる、国会が空転する、こういうことになって、議員が一人逮捕されるということになって、こんな恥ずかしい理由で国会を延長するなんということは、私はもう少し反省していただきたい。
 これは、こういうスキャンダルで審議がたびたび延びて国会を延長するような羽目になるのであれば、それは国会を延長することによって解決する問題ではなくて、身ぎれいにすることによって解決をするのがやはり正しい王道だと思います。ですから、ぜひこの点、皆さんに、与党の方々は、問題の解決方法が間違っているということをわかっていただきたい。
 そして、きょうは、もちろん、金融再生委員会の報告を受けてそれに対する質疑をしなければならないわけですが、大前提として、今国会、政治と金の問題が大きく取り上げられましたから、議論をする相手が、ちゃんと身ぎれいな、信頼に足る人物であるということを確認することはとても大切なことだと思っています。ですから、最近逮捕された鈴木宗男議員、この方と関係が特にうわさをされておる砂田政務官について、そこのところ、私の本来の芸風とはちょっと違うんですけれども、信頼関係を確認するためにお時間をいただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 まず冒頭、砂田政務官、鈴木宗男さんないしは自民党北海道比例区支部の第一支部から多額の現金が渡っておるということが報道されておりますが、これが事実なのかどうか、それから、一体総額で幾ら受け取ったことになっているのか、お伺いしたいと思います。
砂田大臣政務官 お答えいたします。
 鈴木宗男議員から、平成十一年に二百万、平成十二年六百万、平成十三年五十万、以上であります。
永田委員 確認しますが、ほかのものは、要するにそういうふうに報告を恐らくなさっているんだと思いますが、私も一部の報告は確認しておりますが、それ以外のルートで現金の授受はなかったということでよろしいですね。
砂田大臣政務官 そのとおりでございます。
永田委員 一方で、砂田政務官から鈴木宗男議員に渡したお金はありますか。
砂田大臣政務官 私の記憶では、鈴木先生に私から渡した記憶はありません。
永田委員 では、現在、総額八百五十万円の受け取りがあったというふうにお答えいただいたわけですが、これは、いつ、どのような形で、物理的に、つまり、秘書が取りに行ったとかあるいは本人同士が現金をやりとりしたとかあるいは振り込みだったとか、その手段、時期、それから場所ですね、お答えいただきたいと思います。
砂田大臣政務官 たまたま私の部屋の隣が鈴木先生の部屋でございますので、呼ばれて部屋へ伺ったというようなことだったと思います。
永田委員 これはそれぞれ三年分あるわけですが、毎年一回で授受は済んでいるんですか。
砂田大臣政務官 夏と冬という感じであります。
永田委員 そうすると、初めて受け取ったのは恐らく平成十一年ということになろうと思いますが、このときには、どういうような形で最初話が出たのか。つまり、自分からお金が欲しいと言ったのか、それとも、鈴木宗男議員から、君、君、お金を上げるからちょっと来たまえと言われたのか、それとも、何の内容もなく、いきなり呼ばれて、行ってみたらそこに封筒が用意してあったのか。どういう形で最初の接触があったのか、教えてください。
砂田大臣政務官 私は、鈴木先生とは三十年来のおつき合いでございますので、これまでもいろいろな行き来がありました。そういう意味では、部屋へ呼ばれるというか、お隣から秘書さんに声をかけられるとかいうような形で部屋へ伺って、盆とかお正月、盆暮れにそういうものをいただいたという経過でございます。
永田委員 ということは、三十年来のつき合いで、初めて現金を受け取ったのが平成十一年ということでよろしいわけですか。
砂田大臣政務官 そういうことの授受は過去にはありませんでした。ですから、初めてということでございます。
永田委員 受け取ったときにどういうふうにお考えになりましたか。つまり、二百万のうち、夏と冬に二回に分けるとすれば多分百万百万とか、そういうような受け取り方をしたんだと思いますが、今、財布の中に百万円入っている人はほとんどいないと思うんですね。そんなに軽々しい金額じゃないと思います。
 受け取ったときに、どういう趣旨のお金だというふうにお考えになりましたか。
砂田大臣政務官 鈴木先生がどういう気持ちでくれたかというようなことについては知る由もないのでありますけれども、私は、議員になってしっかり頑張れという励ましの意味であったというふうに受け取っております。
永田委員 政治家ですから、たくさんの方から応援を受けていますし、ただ、どういう趣旨のものかということを、現金を受け取るときに普通聞くんじゃないのかなと僕は思うんですよ。
 それは、パーティーをやるのであれば、パーティーチケットを買ってください、これはパーティーに来てくださいと、もちろんその中には一部現金としての応援が含まれているということは、これは明々白々なわけですよ。しかし、突然現金を渡されて、これで単にしっかり頑張れよと言われて、はあ、そうですかと言って、そういうことというのは砂田政務官は日常的に行っているんですか。
砂田大臣政務官 そういうことが日常的にあればありがたいことなんですが、残念ながら、その話は、盆とか暮れとかいう儀礼的な話であって、そのときに、ぜひとも、我々は、おつき合いの中で、お盆とかお正月とかいう儀礼的なものであるというふうに考えております。
永田委員 それはおかしな話ですよね。日常的にある話ではない、要するに、珍しいことだと言いながら、受け取ったときに、儀礼的なものであると考えたと。要するに、年賀状をもらうのだったら、それは儀礼的なもので、日常的に行われていることですからこれは理解できるにしても、多額の現金を受け取っておいて、これが普通の儀礼のことであるといって特段疑問も抱かずに受け取ったということは、僕は不自然なことだと思うんですけれども、もう少し当時の心境を、あるいは趣旨について、どういうやりとりがあったのか、教えてください。
砂田大臣政務官 特別なやりとりも特別な説明もありません。要するに、しっかり頑張れというふうな意味でいただいたものと私は了解しております。
永田委員 改めてお伺いしますけれども、おかしなことだとは思わなかったんですね。
砂田大臣政務官 我々の政治の中では間々あることでもありますので、金額とかなんとかいうことよりも、頑張れと言われてありがとうございますと言う、それだけのやりとりであったと思います。
永田委員 冒頭申し上げたとおり、この話というのは、政府の要人として国会で議論をするのに信頼に足る人物かどうかということを見るためにお話をしているのであって、やはり百万、二百万という、あるいは六百万という年もあります、こういうような金額が渡ったときに、頑張れと言われて納得してしまうというのは、やはりいかがなものかなと、正直、私の感覚では思いますね。
 だって、変な話ですけれども、私は日常的に、議員活動をもう二年やっていますけれども、先輩議員から御飯をごちそうしてもらうときだって緊張します。二万円以上の御飯をごちそうすることはまずありません。現金を受け取ったことは一度もありません。これはやはり自分の身を、どこまで僕が清いかとかというのは問題ですけれども、それが政治家としてあるべき姿じゃないかというふうに思うんですが、なぜ、そのように多額の現金を受け取っておきながら、おかしなことだと思わなかったというのはちょっと不思議な、これで果たして信頼に足る人物かどうか、私は一つクエスチョンマークがつくと思います。
 さて一方で、三十年来のつき合いだとおっしゃいました。三十年間、どのようなつき合いがあったのか、具体的な話があれば教えていただきたいと思います。
砂田大臣政務官 中川一郎先生の秘書をされていたころからのつき合いでありますから、別に、特別どんなつき合いという中身的にあるものでもありません。顔見知りで、知り合いだということであります。
永田委員 では、平成十一年から現金のやりとりがあるわけですが、このあたり、平成十一年ごろから今まで、大体どれぐらいの頻度で鈴木宗男さんと個人的な接触を持つ方なんですか、砂田さんは。
砂田大臣政務官 議員会館が隣同士でありますから、そういう意味では、朝晩でも会うこともあれば、あるいは特別に相談をするとかいうような、そんな特別な時間を持ってつき合っているということではありません。
永田委員 いわゆるムネムネ会という会のメンバーリストがあちこち、正直言って全部同じだというわけではないんですが、マスコミの紙面を踊らせています。
 ムネムネ会というのはどういう会なのか、教えていただきたいと思います。
砂田大臣政務官 鈴木先生を中心に、親しい仲間が集まって、一杯やったり飯を食ったりという程度の会であります。
永田委員 それはメンバーは、正式のメンバーリストというものは会には存在するんですか。
砂田大臣政務官 私の記憶には、そういうリストを見たことはありません。
永田委員 ムネムネ会のメンバー、多分何度も接触を持たれていると思うので、大体どういう顔ぶれだということは砂田政務官の意識の中には多分あるんだと思いますけれども、この中で現金のやりとりがなかったというような方というのは、思い当たりますか。
砂田大臣政務官 他のメンバーの中でそういうことがあったかなかったか、私は一切存じてはおりません。
永田委員 ムネムネ会は、まあ一杯やったりというような接触はあるらしいのですが、大体どれぐらいの頻度で行われるものなんですか。
砂田大臣政務官 過去、私の記憶で三回か四回ぐらいの記憶ですが、私が出席したのは。
永田委員 まあお食事会をするのであれば、恐らくは、ここの場所にしましょうと時間と場所をセットして皆さんに御案内をする、そういうようなことをやる人がどこかに一人はいないと困ると思うんですけれども、それは通常だれがやっているんですか。
砂田大臣政務官 確たる記憶はありませんけれども、電話がかかってきたりということで、それで秘書から聞いて、そしてその時間にそこへ行くという程度のことでございます。
永田委員 御自分でその世話人というか通知をしたことはあるのかないのかと、あと、大体どういうような話がそこで持たれるのか、教えてください。
砂田大臣政務官 別に特別な話とかいうことは全くなくて、まあ一杯飲んで雑談程度のことで、政治の話をする程度のことでございます。
永田委員 そのときの会費はだれが払うんですか。
砂田大臣政務官 たしか割り勘であったと思います。後で請求が来たと思います。
永田委員 砂田政務官は、昨年の自民党総裁選挙のときに高村派で唯一橋本候補の推薦人になっておられますけれども、そのことについて鈴木宗男さんとお話をされたことはありますか。
砂田大臣政務官 全くありません。
永田委員 そのほか、日常的な政治活動の中で、鈴木宗男さんとの間に頼まれ事をしたりされたりすることはあるんですか。
砂田大臣政務官 それも全くありません。
永田委員 一方で、民主党の福山哲郎参議院議員が参議院で質問をしたときに、この受け取ったお金について鈴木宗男議員の証人喚問を見て判断なさるというお話がありました。何を判断するつもりだったのか議事録を見ても定かではないんですけれども、何を判断するつもりだったのか、あるいはどういう判断に至ったのか、教えてください。
砂田大臣政務官 証人喚問の中で、私が知っている鈴木先生と証人をされる鈴木先生と果たしてどんな違いがあるのか、私の知らない鈴木先生がそこにいるのかどうか、そこのところをしっかり確認したかっただけであります。だけれども、結果としては、大して違いはないという結論でした。
永田委員 結果として大して違いはないということは、逮捕をされてもおかしくない人とおつき合いをして、逮捕をされてもおかしくないと昔から思っていたその人からお金を受け取っていた、そういうことですね。
砂田大臣政務官 私の知っている鈴木先生はそういう方ではないと私は信じていました。だから、証人喚問でどういう返答をされるのかが興味があったわけでありますけれども、だけれども、私の知っている鈴木先生と証人喚問で証言された鈴木先生と、そんなに変わりはなかったという意味であります。
永田委員 証人喚問は議院証言法によって偽証の罪が成立する制度であります。明確な偽証があの証人喚問の中で幾つかなされています。それを見ても、あ、なるほど、私の知っている鈴木宗男さんだったら当然偽証はし得るな、こういうような印象を持たれたということですか。
砂田大臣政務官 私はそれほど人が悪くありませんからそんなふうには思いませんでしたけれども、率直に、日ごろ見ている鈴木先生とそんなに変わりがなかったなというイメージでありました。したがって、私は、今は、これからはっきり司直の手で明らかにされる結果を知りたいというふうに考えています。
永田委員 ムネムネ会のメンバーと言われる人たちで現金をもらった人がいて、この人たちの何人かが鈴木宗男事務所にこのお金をお返しした、こういうような話が出ていますが、砂田先生は今後いかがなさるおつもりですか。
砂田大臣政務官 私は、長いつき合いの間の中で、純粋に頑張れ、しっかり政治活動をやってこいというふうな励ましの意味でいただいて、大変ありがたいことだというふうに今でも感謝しております。
永田委員 それは、返還などの手続をとるつもりはないということですね。
砂田大臣政務官 今の段階でそんなことは考えておりません。
永田委員 おかしいと思わないんでしょうか。鈴木宗男さんが逮捕された疑義は汚職です、はっきり。贈収賄ですから、これは汚職です。汚職で、手元にあるお金、どういう出どころかというのは収支報告書なんかにも載っていますから、必ずしも汚職で得たお金ばかりだとは限りませんが、しかし、献金という形でやまりんからお金を受け取っていたことは事実なんですよ。これと、お金に色はありませんから、そうやって一つの財布に入ったものがその汚職をやった当の本人からまた自分のポケットに入れられたということについて、何かこう、感じるものはないんでしょうか。
砂田大臣政務官 その当時私は鈴木先生を信頼しておりましたから、別に今現在のようなことが起こり得るそういう予測も予見もありませんでした。だから、そういう意味では、知る由もないことであったというふうに考えております。
永田委員 私のような若造にこんなことを言われると大変不愉快な思いをされるかもしれませんが、政治というのは結果責任なんですよ。あのときは知らなかったとかあのときは信頼していたとか、それじゃ済まない話なんです。
 将来にもわたって清潔でいい人から応援をしていただく、それは一つの信頼関係ですからそれはいいんですけれども、やはり後から見ても、逮捕をされ、そしてさまざまな疑惑が、百十八項目に上る疑惑が国会で議論されておる、こういう方から現金を受け取っておった過去があって、そのときは信頼していたからいいんだというのは、僕は議論をする相手としてこれまた信頼を一つ失ってしまうようなことになると思うのですが、その点についてコメントはいかがですか。
砂田大臣政務官 私は、そういう意味では、このたびの司法の手できちっとした結論が出ると思いますので、その結果を見て善処したいと思っております。
永田委員 ほかのメンバーの方々はお返しになったということで、それとは大分違う対応をなさる方だなというふうに思っておりますけれども、先ほど来、私の知っている鈴木宗男さんと同じだったという言葉を繰り返されましたが、どのような方だと理解していらっしゃるんですか。非常に清潔で、決してあのような逮捕に係る疑義は絶対に無実だというふうに、やはり信頼はなさっているんでしょうか。
砂田大臣政務官 少なくとも、これまでのおつき合いの中ではそういうふうに信頼をいたしております。
永田委員 ところで、辞職勧告決議案の件ですけれども、あのとき砂田政務官は賛成票を投じていらっしゃいますね。票じゃないですけれども、起立をなさっていますね。そのときに、現金をもらっていたということについて、何かこう、感じるところはありませんでしたか。
砂田大臣政務官 これはもう、私は、事実が解明されるとき、はっきりするわけで、そして、辞職勧告の決議案、これは、世間に政治家としてあれだけの影響を与えたこと、そういう意味の中ではやむを得ないだろうという判断であります。
永田委員 しかし、それはおかしなことというか、要するに、証人喚問を見てもまあいつもの宗男さんと変わらないということをおっしゃる。つまり、十二年、十一年こうやって現金を受け取るときには信頼をしていた、そのとおりの人格があそこに出ていたというお話ですから、逮捕を許す必要は全くないと思うのですけれども、それでは多分理由にならないと思うのですが、どういうような考えであったのですか。
砂田大臣政務官 私が知っている個人としての鈴木先生は、そういう意味で信頼に足りるというふうに考えておりましたし、ただ、要するに、議員としての立場の中で周りからああいうふうな指弾を受けたという意味では、国会議員としてあそこで辞任をする、解任をされるという形は全体の流れの中ではやむを得ぬことではないかというふうに考えております。
永田委員 しかし、政治と金の問題がここまで取り上げられた国会というのは大変恥ずべきものだと思いますけれども。
 砂田政務官の政治資金収支報告書と総支部の政治資金収支報告書を調べさせていただきました。この中で、平成十二年になると個人に対する企業献金が禁止をされて、突然総支部への献金に切りかわるというようなケースが見られます。
 私、ちょっとチェックをしたんですけれども、平成十一年に企業から個人になされていた献金の非常に多くが、実は総支部への献金に翌年切りかわっています。同じ人が同じ金額を献金しています。こういうことというのは脱法的な行為だというふうにお考えになりませんか。
砂田大臣政務官 ちょっと僕、今おっしゃる意味がもうひとつ理解できていないんですけれども、法人から個人に切りかわった……(永田委員「法人から個人への献金が法人から政党への献金に切りかわったんです」と呼ぶ)それは、要するに、法人からは個人の後援会は受け取れなくなったという、方法が変わりましたから、だから政党支部というところへ移譲をしてもらったということであります。
永田委員 笑い声が漏れているのはおわかりだと思いますが、法人から個人への献金を禁止するというのは、別に手続を変えてくれという話をしているわけじゃないんですよ。そうじゃなくて、実態的に個人と法人とのつながりを、少なくとも現金のやりとりという面については絶とうと。
 政党は公的な組織ですから、これを支援することはありにしても、個人が受け取れなくなったから、そのかわりに政党に寄附をして、事実上、総支部長は政党を自由にする立場にありますから実態は何も変わらない、こういうようなことを許すのはやはりいけないことだというふうに思うんですけれども、そこはやはり問題ないとお考えになりますか。
砂田大臣政務官 政党に寄附することを相手側に依頼するわけですから、それで相手側の了解を得てそうなるわけですから、私は基本的にはそれほど間違ったことではないと思っています。
永田委員 だから、政治改革の趣旨をそれじゃゆがめてしまうんですよ。個人が法人から現金を受け取らないというルールをつくったのは、それは別に現金を受け取らないという手続だけの問題ではなくて、あくまで個人が法人に対して借りをつくらない、資金面での借りをつくらない、こういうことを目的としているわけですね。その目的をゆがめる行為だというふうにお考えになりませんか。
砂田大臣政務官 私は、自由民主主義を支援する会社がそういう形で自由民主党の支部に寄附をしていただくことをお願いすることは、決して間違ったことではないというふうに考えております。
永田委員 先ほど来、政党に寄附をすることを依頼するというお話をしていますが、十一年までに、つまり法人から個人への献金が禁止される前に、個人として献金を受け取っていた法人に対して、これからは政党支部に切りかえてくださいというお願いをしたことがあるということを確認したいんですが、いかがですか。
砂田大臣政務官 特別、個人にいただいているものをこれからはいただけなくなりましたと、それで、自由民主党を応援するのはどうしたらいいかと言われれば、こっちにしてくださいという結果だと思います。
永田委員 本当に、それはもう制度の趣旨をゆがめる話なわけですよ。
 私は、法人からの献金はゼロです。個人も政党もゼロです。それでやっていけるように組んでいるんですね、システムを。そういうふうにシステムを、制度改革の趣旨をゆがめながら政治活動をやっていかなきゃいけないということに対して、やはり議論をする相手としての信頼を一段と失わせるものであるというふうに私は思います。
 この話ばかりやっていると、何だおまえ、ちゃんと政策の質問をしないのかと言われるのもなんなので、残り時間で質問をしたいと思います。
 最近、為替マーケットが大変振れています。そして、株式も日米とも同時に安くなってきていて、それで日銀が為替介入をしておりますけれども、この為替介入の量とかタイミングとかあるいは効果について政府当局は満足をしているのかどうか、ひとつコメントをお願いしたいと思います。
塩川国務大臣 為替介入のタイミングだとかあるいは量、効果についてでございますけれども、これは、極端に為替が動きましたときに我々は非常な注目をしておりまして、介入の時期というのは非常に難しいのでございますけれども、でき得れば安定を図れる時期というのを見計らって、ある程度警告的な意味において介入しておることがあるということであります。
永田委員 サミットでも経済の先行きに非常に強気の見通しを声明として出したわけですけれども、どうも世間の見方とは大分違うというふうに思いますし、また、IMFなんかははっきりと、世界の経済について日本の状況はリスクと言えるものであるという表現を使っていますね。国際機関でもないサミットがああいうIMFと全然違う意見を表明するというのはどういう意図があるのか、僕にはちょっとはかりかねるのですけれども、その辺の事情をもしも教えていただけるのでしたら教えてください。
塩川国務大臣 御存じのように、首脳会議が開かれました一番最初の趣旨は、たしか昭和四十九年ですか、石油ショックの後の世界経済の安定を図るという趣旨から発足したのでございますが、その場合にも世界全体の経済の趨勢を議論するということでございました。
 最近は、経済と政治が非常に密接に関係しておるので、どちらかというと経済問題と同様に、同量以上に、世界の平和機構の安定というもの、そういうところに議論が集中しておるような感じがいたしておりました。
 今度のカナダにおきますところの議論も、やはり世界全体が政治的、外交的に安定しなければ経済が安定しない、そういう趣旨の議論が多かったと思っております。そして、経済の動向全体につきましても、比較的、世界経済全体はいわばバブル崩壊からIT不況の、そこを立ち直って、底を固めてきて、これから回復期に向かっていくという認識で一致しておる、我々もそのように認識しておるところであります。
永田委員 たびたび、経済のファンダメンタルズはしっかりしている、財務大臣も記者会見でおっしゃっておられるわけですけれども、これは何を根拠にしてそういうふうに御判断なさっているのか。具体的に、残り時間を全部使っても構いませんから、教えてください。
塩川国務大臣 やはり、基礎的な考え方として、私は経済の専門家でもございませんけれども、政治家の一員として経済を見ておりますことによりますと、日本の経済力というのは、やはり潜在的生産力というものはしっかりしておると私は思っておりますし、また、それで新しい時代を切り開いていく技術力というものも、確かに先端的な技術の培養というものは強く努力しておると思っておりますし、また流通関係につきましても、あるいは金融におきましても、バブル崩壊の後遺症は残ってはおりますけれども、しかし、それぞれの金融基盤なりあるいは流通基盤というものは、そんなに崩壊しておらないと思っております。
 そういう点から見まして、総合的に見てファンダメンタルは確実にしっかりしたものがある、こう認定しておるところであります。
永田委員 時間が最後ですからコメントを一つだけして終わりにしますけれども、ファンダメンタルズってそういう言葉じゃないんです。ファンダメンタルズというのは基礎的条件ということですから、経済、景気の先行きについて、ちゃんとその条件、例えば金融が円滑にいっているとか技術力がどんどん伸びているとかあるいは雇用がしっかりしているとかマーケットがうまくいっているとか、そういうようなことが重要なわけであって、流通基盤があるとかあるいは生産力がしっかりしているとか、生産力がしっかりしていたって景気が悪くなることだってあるんですよ。それは、やはりファンダメンタルズというのはそういう意味の言葉ではないということはぜひ御理解いただきたい。
 それから、バブルの後遺症という言葉を使いましたけれども、バブルの後遺症なんかじゃないんですよ、今の景気の話というのは。バブル崩壊からV字回復をしている韓国なんかの例もあるわけですね。なぜ日本がここまでもたついているのかということを真剣に考えて、これが単なるバブル崩壊の後遺症だというのであれば、構造改革なんか要らないんですよ。構造改革やらなきゃいけないわけですよね。だったら、それはバブルの崩壊だという認識をまず捨てるところから始めなきゃいけないんですよ。
 もう少し議論はしたいところでありますけれども、ぜひそこのところをもう一度お考えになって、何を根拠にして景気がこれからよくなっていくと言えるのか、ぜひお調べいただいて、今後の議論、実りある議論をしたいと思いますので、ぜひまたの機会にお願いしたいと思います。
 以上でございます。
坂本委員長 次に、長妻昭君。
長妻委員 民主党の長妻昭でございます。三十分という時間ですので、また端的にお答えをいただければ幸いでございます。
 前回のこの財務金融委員会で、私も質問をさせていただいたみずほ銀行のトラブルの件でございますけれども、そのときに、柳澤大臣に時系列的な報告書をいただきたいということをお願いしたんです。そして、今月の十九日に金融庁が、この七枚のみずほの行政処分についてというペーパーを発表されておりますけれども、この中には書いてございませんが、前回柳澤大臣も答弁されているように、みずほに何回も大丈夫なのかということを聞いた、そうしたら、大丈夫ですと言っていた、トラブルが起こっていることも言わないという御答弁があって、その何回も聞いたということのやりとりですね。どういうことを聞いてどういう回答があったのかということを、時系列的に何月何日というのをお出しいただきたいということを言ったんですが、これはお出しいただけますか。
柳澤国務大臣 今回のみずほのシステム障害ということについて行政庁、金融庁としてどういう対応をしてきたかということでございますけれども、最初に検査で指摘したわけですけれども、その検査以後、監督の立場でどうしたか、こういうことでございますが、大きく分けますと、何回もこれについて確認の作業をしなければならない、そういう機会が実は手続的にもございました。
 その第一は、当然のことながら、検査指摘事項について二十四条報告を徴し、その二十四条報告にうたわれたところの改善状況のフォローアップという作業があるわけでございます。
 それからもう一つ、みずほの場合は、分割、統合につきましての認可申請というものが出てくるわけでございますので、この認可申請等の審査という機会が当然持たれなければならないということになります。
 それから、これは認可申請と同時に、新しい銀行の体制になりますので、これらについては資本注入行として経営健全化計画を提出しなければならないということになってございまして、新しい経営健全化計画と申しましょうか、経営健全化計画の見直しというようなことでございましょうか、そういう機会が手続的に出てきたわけでございます。
 それからもう一つは、これは事実問題でございますけれども、UFJ銀行のシステム障害というものが発生をいたしましたのに伴いまして、みずほに対しても、その際、このシステムの状況、開発の状況あるいは再編の状況について聴取をして、同様の障害を起こさないようにということを当然言わなければならない機会があったということでございまして、このような機会にそれぞれ、監督の方が当然この問題の手続における担当者でございますけれども、加えて、検査の方に私ども人材をプールしておりますけれども、この検査の方のシステム検査についての専門家、こういうものも加わっていただいて、これらのシステムの状況について確認の作業を行ってきたというのが概略でございます。
長妻委員 私が聞いておりますのは、前回と同じことでありますけれども、何回も大丈夫なのかということをみずほに聞いてやりとりがあったということで、その何回もという、時系列的に何月何日の、そういう文書として出していただきたい、出すんですか出さないんですかということであります。
柳澤国務大臣 私ども、そういう今私が申し上げたような機会、そういう一連の手続の中で出された文書も当然あるわけですけれども、その文書に基づいて口頭でのいろいろなやりとりというものがあるわけでございますが、これらについては、逐一それらの記録が、口頭での話についての記録が存在しているわけでもないわけでございまして、要するに、行政手続が書面で行われる、その際に口頭でのやりとりが行われるというような状況だというふうに承知をいたしております。
長妻委員 そういうのが存在しないというのはあり得ないというか、そうであれば、これは大臣、国会で、何回も大丈夫なのかということを聞いてやりとりがあったというのは、うろ覚えの話を国会で言ったわけですか。全然そういう記録がないのに、何かやりとりで、それも大臣直接が当然電話でやりとり、聞くわけじゃないでしょうから、そういうあいまいなところで国会で答弁されているのか。私はきちんとした、そういう何回もやりとりをしたというからには、やはりその証拠を出していただきたい。
 それを、なぜかというと、結局、金融庁にお伺いしますと、みずほのトラブルの報告書というのは、この七枚、これで全部、終わりですよという話が金融庁からありまして、これだけなわけですね。それも、みずほの行政処分。金融庁みずからはどういうふうに今後再発防止をやっていくのかというのが一行も書いていない。そこで、前回私が聞いたところはこの文書の中にどこにあるんですかと聞きましたら、たった一行ですよ、「当局による監督面での度重なるチェックも有効に機能しなかった」ここにありますと。前回私が国会で聞いた話は。
 こんないいかげんな、これは私も疑うわけじゃないですけれども七枚の、防衛庁じゃないですけれどもね、概要じゃないですか、これ。本当はもうちゃんとした、四十ページかなんかわかりませんけれども、そういう資料があるんじゃないですか。逆に、なければ、何回もやりとりをして、そのたびに大丈夫ですと言っていた、トラブルが起こっていることも言わないというようなことを大臣が国会で言われているわけですから、委員長、ぜひ、前回も理事会でのお話を頼みましたけれども、この資料を提出するように金融庁に求めていただきたいと思います。
坂本委員長 理事会で、後日検討します。
長妻委員 次に、監査法人の問題でございます。
 これは金融庁にも確認しましたら、住専問題が過去ございましたけれども、そのときに粉飾決算を見逃したんではないかということで朝日監査法人が裁判を今やっている最中でございますけれども、その朝日監査法人が和解金を払ったということでありまして、朝日監査法人によると、和解金を払ったのは法的責任を認めるものではないんだと。しかし、和解金を払っているということでございますので、これは監督官庁、公認会計士法の三十四条の二十一第一項によって、監査法人を監督する金融庁としては、新たに調査をして、何か処分の予定等々の検討を始めるということはございますでしょうか。
柳澤国務大臣 私も、私自身は、けさの新聞でしたか、そういう和解の手続が進んだという報道に接したわけでございます。もちろん、担当部局には同、関係の監査法人からそういう報告はあったというふうに報告を受けております。
 ただ、同監査法人は、和解において法的責任を認めていないということを申しておりまして、そうだとすると、ここから私ども懲戒の処分を行うということはなかなか困難ではないか、このように判断をいたしております。
長妻委員 それはちょっとおかしい話だと思うんですね。先ほどから、前回から申し上げているように、監査法人というのを本当にうまく機能することによって、不良債権問題を初め金融庁の手間も、手間といいますかそういう仕事も減りますし、国会で不良債権問題を議論しないでも、監査法人がきちんとやってくれれば問題が減るわけでございますけれども、その意味で重要だということなんですが。
 今の御答弁だと、監査法人自身が法的責任を認めないと処分は出さない、そういうような今御発言に聞こえるんですが、そうすると、金融庁というのはもう要らないんじゃないですか。監督官庁じゃないんじゃないですか。監査法人が法的責任を認めないと動けない、こういうことでよろしいんですか。
柳澤国務大臣 事案の経過から申しますと、これは、一般論で申しますと、刑事事件になりますと、刑事で罪を認定されるというのは故意の場合というふうに私承知をいたしております。その場合にはストレートに懲戒処分の理由にもなり得るということで、これは非常に簡単なんでございますけれども、過失ということになりますと、我々の方は処分の事由になり得るわけでございますけれども、それが、ですから刑事の裁判でどういうふうに認定されるのか、事実認定も行われるのかということを見ていないといけない。
 我々の方も、当然今、長妻委員がおっしゃられたように、独自に調査をしているわけですけれども、我が方調査のみでは過失についてそこに認定するだけの証拠が見つけられないという場合には、むしろこれは我々としてはなかなか懲戒処分の理由はないなということですが、他の事案で、委員から御指摘いただいたことですけれども、刑事の裁判が進行中である場合には、なおそれをだめ押し的に、そこでどういうような事実が認定されるかというものを見守る、こういうようなことでございまして、我が方といたしましては、ちゃんとした調査に基づいて一定の、我が方なりの、中間段階とも言えますけれども、結論に達している、こういうのが実態でございます。
長妻委員 ちょっと頼りないといいますか、これは裁判が、山一証券の監査法人もそう、ヤオハンもそう、前回私がここで申し上げました長銀もそう、日債銀もそう、そごうも監査法人が裁判で争われているというようなことでありまして、それで過去、戦後、処分が出たのはたった五つ、五法人しかない、監査法人。それも一番軽い懲戒が五件だけ。本当に金融庁監督しているのかなというふうに疑うんですが、今私が申し上げた複数の企業、裁判を争っているところの監査法人に対する今までの金融庁の調査の報告と中間報告をぜひ国会に提出していただきたいと思います。――ちょっと速記とめていただけますか。
坂本委員長 柳澤金融担当大臣。
柳澤国務大臣 調査書を出せと言っているんだ。あの人はすぐ何か出せと言うんだよ。
長妻委員 あの人というのは何事ですか。あの人、出せって、何ですか、それ。
柳澤国務大臣 いや、我々の話で、聞いていた。
長妻委員 あの人、何ですか、あの人というの。今マイク入って、立っているんだよ。あの人というのは撤回しなさい。
柳澤国務大臣 いやいや、委員長って言っていません、私……
長妻委員 今言ったでしょう。
柳澤国務大臣 発言の許可を求めてないですよ。
坂本委員長 いや……
長妻委員 国会に出すのは当たり前でしょう。
柳澤国務大臣 だから、さっき言ったとおりで……
長妻委員 何、あの人が出せと言っているって。
坂本委員長 大臣。
柳澤国務大臣 委員長。
坂本委員長 はい、どうぞ。
柳澤国務大臣 要するに、今先生の御指摘になった事案を含めて、会計監査については事実関係の把握のための調査を行ってきておるわけでございます。このうちヤオハンについては、法に基づく調査の結果、懲戒処分を行う必要があるというふうに認めましたので、既に平成十二年六月二十一日に、この監査を担当した中央青山監査法人に対して懲戒処分を行い、また、実際に直接担当した関与会計士二名については、これは業務停止三カ月の懲戒処分を実施したということでございます。その他の事案については、現時点においては、先ほど申し上げたとおり、会計士に過失責任があったと認定できる状況に至っていない、こういうことでございます。
 それで、先ほど言ったことの繰り返しですけれども、また会計側が虚偽記載等の刑事訴追を受けている場合には、新たな事実が判明する可能性もあることから、傍聴等によってその刑事裁判の動向も注視しているところである、これが現状でございます。
 ただ、私は今個人的に問題意識がないわけではないんです。それは、昨今のアメリカにおけるもの、個別の事案の名前はともかくとして、いろいろ上場企業において非常に、執行者はともかくとして、監査法人のかかわりも非常にここで問題をいろいろ我々に提起しているというふうに私自身は受けとめておりまして、ここのところは、そうしたアメリカの状況等が、我が国で同様のことが起こっているとは思いませんけれども、やはりこのことは他山の石としても我々がきちっと問題を整理して、我が国にそういったことが生起しないように、金融庁の行政でひとつ、どういう方策になりますか、あらゆることを考えて先行的に対処をしていかなければいけないという思いを強く実は持っております。
長妻委員 今申し上げた資料請求、あの人は何でも資料を出せと言うというのは、これは当たり前なんですよ。国会というのは、皆さんの資料を要求して、それに基づいて議論するわけですから、出さないから私は言っているわけで、国会で言っているわけです。
 それで、委員長、山一証券と日債銀とそごうと住専、この四つに関しては、中間報告、監査法人に対してどういう調査をしたか、その資料を出すように御協議をいただきたいと思いますが、いかがですか。
坂本委員長 追って理事会で協議いたします。
長妻委員 次に、株主総会が開かれましたけれども、この株主総会で、UFJが役員の退職慰労金というのが一人平均四千四百万円、三井住友銀行が一人平均約七千九百万円、住友信託銀行が一人平均約二千九百万円の退職慰労金が出ているということが株主総会で公表されたということでありますけれども、今申し上げた三つの銀行というのは公的資金が注入をされている銀行でありまして、公的資金注入行は退職金というのはもう一切払っちゃいけない、私は強くそういうふうに思うわけでございます。
 なぜならば、これは資料一を皆様にお配りしたものでございますが、これは民主党が作成したものでございますけれども、右の方の正味自己資本比率というのは、公的資金を除いた自己資本の比率が幾らかというのが書いてございまして、ほとんどが八%を下回って、四%を下回っているところがある。ということは、公的資金がなければ立ち行かなくなる銀行なわけでありまして、公的資金がなければ業務を全部できるわけじゃない銀行であります。公的資金で救われているにもかかわらず、全部の、本当に身を削っていただいて不良債権の原資に充てるべきだと思うんですが、退職金を支払っている。私は支払うべきでないと思うんですが、それについて大臣の御意見を。
柳澤国務大臣 公的資本を入れている場合に、これをどう考えるかということであろうと思うんです。
 今委員がおっしゃられたとおり、これは、そうした企業体としての自主性というのをほとんど認めないようなことでいろいろ考えるということまでが健全化法を制定したときに考えたことなのだろうかということでございます。私はやはり、個別のいろいろな財務政策あるいは経営判断というようなものにまでは余り直接的な介入を避けながら、そのあたりについてはできるだけの自主性を尊重しながら、公的資金を受け入れるに当たってのいわば自分たちのもくろみ、これを経営健全化計画というもので出しているんだろうと思いますけれども、それをパブリックプレッシャーにさらされながら、できるだけ実現をしていくという方式を健全化法は選んだのだろう、こういうように思うのでございます。
 退職金云々についても、そういう気持ちも私もわからないわけではないわけですけれども、やはり経営に当たっては、従業員あるいは役員のモチベーションというようなものも考えて、総体としてどこが一番のいろいろな要請をできるだけ満足させるための均衡点かということを、これは経営のまさに判断として選んでいくということが健全化法の枠内でとられている措置であるというように私は思っておりまして、委員の今仰せのようなことについては、若干と申しますか見解を異にするわけでございます。
長妻委員 政府は、優先株という大株主でありますし、優先株の配当があるからまあいいのだということではありませんので、ぜひ、株主としても監督官庁としても、もうちょっとけじめといいますか自己責任といいますか、危機感を共有するようなそういう銀行であってほしいと私は思いますので、引き続きぜひ御検討いただきたいと思います。
 そしてもう一点は、ペイオフの問題でございますが、きょうの破綻金融機関の報告にもございますけれども、預金保険機構から破綻銀行、金融機関に対して巨額のお金が贈与されているわけで、こういうコストを減らすということが重要だと思います。私は、その意味では、来年四月に普通預金も含めてペイオフ全面解禁になりますけれども、これはもちろん来年四月に全面解禁するべきだという意見を持っておりますけれども、これは今もそういう方針は変わらないと思いますが、大臣の決意を、全面解禁します、絶対しますという御決意をぜひ。
柳澤国務大臣 私も、いろいろな問題について、もちろん決意を持っておりますけれども、私の立場でそういう決意をぺらぺらぺらぺら、皆前広に言っていいことばかりではないだろう、私はこういうように思います。
 きょうも新聞で若干のことが報道されましたので、閣議後のわずかな時間での記者の皆さんとの面談でもそのことを聞かれまして、私は、やはりペイオフ解禁というのは構造政策の一環なんですということを申し上げまして、我々は、もちろん預金の動向等を、当然、職務使命の上でこれを最大の注意を払って見ておるということは同時にしているんだけれども、今現在そういうようなところから我々の方針を転換するというような状況が起こっているとは考えていない、こういうことを申させていただきましたので、ここでもそれを繰り返しておく次第でございます。
長妻委員 非常に表現が、何かトーンが下がっているような、もう柳澤大臣もどんどん特定勢力に取り込まれてしまう過程なのかなということで、ぜひ来年四月、ぺらぺらじゃなくてこれは方針でございますから、来年四月に完全解禁をしていただきたいと思います。
 そしてもう一つは、今東京都でも大きな問題になっておりますけれども、悪質貸金業者、出資法で定めた上限金利をオーバーする貸金業者がかなりふえている。東京都の被害相談も、九九年度は四千件ぐらいだったのが昨年は一万件以上ということで、三倍近く苦情相談、被害相談もふえているわけでございますけれども、監督官庁、金融庁として、当然東京都内だけでやっている貸金業の監督官庁は東京都でございますけれども、複数またがるところ、あるいはこの貸金業法は金融庁が所管でございますから、金融庁の強い取り締まるという姿勢を一言お願いします。
柳澤国務大臣 委員御指摘のとおり、最近、違法な高金利事犯が増加しているという状況にございまして、そういう状況を我々も承知をいたしまして、今後は都道府県、捜査当局とより一層緊密に連携を図ることをいたします。そして、そのことによって、国民に対して、違法業者あるいは悪質業者について、これが多大の迷惑にならないように、このことを期してまいりたい、このように思いますし、同時にまた国民の皆さんにも、こうしたことについて、いろいろな面でこういうものにひっかからないような啓発の活動もしていきたい、このように考えております。
長妻委員 最後に、不良債権の問題でございますけれども、これは資料四というところに、小泉総理の参議院の本会議場での発言、これが今政府の最高のルールといいますか、取り組みの一つの公約だということと理解しておりますけれども、平成十六年度末までに不良債権の比率を三%台後半から四%程度にする、これが今政府のバイブルといいますか。
 それで、次のページには資料五がございますけれども、これは二つございますが、昨年とことしでございますけれども、不良債権のルール、破綻懸念以下の債権は、原則として、既存債権は二年以内にオフバランス化、新規は三年以内にオフバランス化ということが昨年出ていますし、ことしは、新規の部分に関しては三年以内にオフバランスするんですけれども、一年以内に五割、二年以内に八割を処理する。これが、ある意味ではこの三つが政府が出した数値目標ということで、数値目標を出したこと自身は一定の進歩だというふうに思います。
 それで、資料六でございますけれども、私どもの方でこういう表をつくってみたんです。
 そうすると、今のルールに当てはめると、例えば平成十三年の三月期は八・三兆円の既存の不良債権がある、それは二年でゼロですから、十五年の三月期にはゼロになる。ここの右には目標が書いてありますけれども、これを達成するということで大臣は今頑張っておられるというふうに認識をしております。
 そして、一番大事な小泉総理が言われた不良債権比率ということで、一番下には平成十三年の三月期が五・三パー、九月期が六・二パー、十四年三月期が八・四パーということで、十六年度末ということは十七年の三月期、右の方にありますけれども、ここで三%台後半から四%程度にする、これが一つ大きい目標だ、いろいろ条件が変わらなければ不良債権の額を半額にしていくと。
 これで正常化というふうに総理は言っておられるわけでありますけれども、これを正常化と言うこと自身が、この数値だけでいいのかどうかという議論はありましょうけれども、まあ一つの数値目標であると。これをぜひ達成するようにしていただきたい。
 ただ一つ申し上げたいのは、このとおりいきますと勝負は平成十五年の三月期の新規発生の不良債権の部分だというふうに考えていまして、というのは、新規発生は二年で八割処理をするということでありますから、平成十五年の三月期に全部うみを出し切れば、ここで新規発生分がふえるかもしれませんけれども、ここで自己査定をきちんとしてうみを出し切れば、平成十七年三月期には、二年以内にやればですよ、かなり減っているということになりますので、私は、まだ特別検査でもうみが出し切っていないというふうに考えておりますので、あと勝負は一年、この一年弱以内に、平成十五年の三月期には新規発生が、きちんと本当に自己査定をして、全部そこで、もう先送りをしないですべて出し切るというようなことが必要だと思うんですが、大臣の認識を。
柳澤国務大臣 るる委員から指摘をされたことについては、私どもそのように考えており、また、そのように方針を公表いたしております。
 そして、私どもとしては、その公表した方針でこの問題に対処をし、ぜひとも目標を達成するように、総理の言葉ですが努めていくということ、このことには変わりございません。
長妻委員 最後、一点でございますけれども、平成十五年三月期の新規発生の不良債権額は、十四年の三月期が六・九兆円ですけれども、この六・九兆円よりもふえるとお考えですか、減るとお考えですか。
坂本委員長 時間が来ていますから、簡潔にお願いします。
柳澤国務大臣 今先生のせっかくのお尋ねですけれども、ちょっと私どもまだ、マイグレーションレートというんですか、遷移率のことでいろいろ計算をするということしか実は手法はないわけでございますが、この作業自身ももうちょっと時間が必要なものですから、今ここで委員の御質問に答える用意はないわけでございます。
 最後にちょっと一言だけ。私、きょうかなりひどい風邪を引いておりまして、かなり熱もありまして、いろいろこっちで私語したことがお気にさわるような表現があったとしたら、ちょっと状況に免じてお許し賜りたいと思います。
長妻委員 どうもありがとうございました。
坂本委員長 次に、佐々木憲昭君。
佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 不良債権の最終早期処理に関連して、RCCの健全金融機関からの買い取り不良債権業務についてお聞きをしたいと思います。
 昨年秋の臨時国会で金融再生法が改正されまして、不良債権の買い取りを従来より高い価格である時価で買うこととなりました。そこで実態をまず確認したいんですけれども、改正案が施行された一月から三月の間で、RCCによる五十三条買い取りの実績、これはどうなっているのか。買い取った金融機関の数、債権元本と買い取り価格、これがどうなっているか、それから債権元本に対する買い取り価格の比率、これは改正前に比べてどのようになったか。この点、お聞きをしたいと思います。
村田副大臣 四―六月の実績がきょうの午後発表される予定なのでございますが、御質問は一―三の実績の数字でございますので、一―三で答えさせていただきたいと思います。(佐々木(憲)委員「四―六でもいいですよ」と呼ぶ)では、四―六を言いましょうか。
 それでは四―六なんですが、きょう、実は今申しましたように預金保険機構において午後公表される予定でございまして、これまでのところ、百四十一の金融機関から、債権元本合計が一兆四千七百三十三億円の債権を買い取り価格合計で七百八十億円で買っております。債権元本に対する買い取り価格の比率ですが、これを改正法の施行前と施行後と比べますと、平成十三年の十二月末までの買い取り分が、債権元本一兆七百六十八億円、買い取り価格合計三百九十三億円でございますので、これは対元本比率三・七%であります。今度は一―六でやりますと、その買い取り分では、債権元本三千九百六十六億円、買い取り価格三百九十五億円、対元本比率九・九%、こういうふうになっているようでございます。
佐々木(憲)委員 今の数字をお聞きしますと、改正後は三倍近く引き上がったということになります。
 買い取り価格の引き上げというのは、結局RCCの二次ロスの拡大につながるものでありまして、これは最終的には国民負担ということになるわけで、私はここで大変重大だと思うのは、買い取り価格の引き上げが実施されてわずかの間に、さらにこの買い取り価格をもっと上げるべきだ、こういう声が出ていることでありまして、そうなりますと国民負担はますますふえるということになるんですね。今は時価というふうになっておりますが、これを実質簿価にしてほしいという声がいろいろ出ているようであります。
 例えば朝日新聞の五月十二日付を見ますと、大手行の幹部から、債権元本から貸倒引当金を差し引いた実質簿価に近づけてほしいなど、買い取り価格の低さに注文が相次ぐ、こういう報道もあります。それから、例えば日経のこれは五月十五日付でありますけれども、自民党の山崎幹事長と保守党の野田党首は二月に実質簿価の採用で一致した、実質簿価なら買い取り価格は元本の八〇%前後まで上昇する可能性もある、小泉総理らが慎重姿勢を示し、お蔵入りとなった、だが、与党と接触する大手銀行の担当者は、不良債権を一気に切り離す策として、実質簿価の動きは消えていない、こういうふうに述べているそうであります。
 そこで、塩川財務大臣にお聞きしますが、塩川大臣は、こういう銀行の要請、銀行の要望、これを受けたことはございますか。
塩川国務大臣 私は、所管事項じゃないので、そんな要望は受けておりません。
佐々木(憲)委員 柳澤金融担当大臣はいかがでしょうか。
柳澤国務大臣 受けておりません。
佐々木(憲)委員 塩川大臣は五月十四日の記者会見で、買い取り価格の引き上げについて見解を聞かれまして、次のように答えておられます。
  私は、二倍とか三倍とか、そんな数字は上げませんけれども、RCCがもう少し勉強して買ってくれるようにしたらええなと思っております。そうすると、RCCの責任というものがやっぱりありますので、RCCは二次ロスを絶対かぶってはいかんと、国民に迷惑かけたらいかんという、この高貴な精神ですね。それに対して政府はどのようにRCCとの間に関係を持つかということだと思うんですね。そこがちょっとはっきりしていないから、RCCもやりにくいだろうね。そこはやっぱり、ずばりと本音で話するのがいいんじゃないかな。
こういうふうに述べておられるわけですが、御記憶があると思うんです。
 そこで、塩川財務大臣にお聞きしたいんですけれども、RCCが二次ロスをかぶらないために政府が持つ関係、これはどういうことを指しておられるのか。大臣は、そこがはっきりしていないからRCCもやりにくい、本音で話をする、こういうわけなんですけれども、その本音というのは、公的資金を用意するから安心して高値買いをしてもよろしいというような本音なのか、その辺の真意をお聞かせいただきたい。
塩川国務大臣 私はそのような発言をしたことを覚えておりますが、そのためには一つ前提がありまして、RCCが債権を買い取る場合に、私は、機械的に買っているような感じが、銀行との間で交渉が行われている、どちらも機械的な話が行われているような感じがしてならぬのです。
 しかし、実態を見ましたら、私が見ましたのは、具体的なことでございますので申し上げませんけれども、私の大阪の地域であったことなんですけれども、その地域が再開発されること、しかも、それがいいディベロッパーに渡ったら非常に成功するであろうようなところが、いわば不良資産としてかかってきておるんですね。そういうのが、地元の要望と合わないところがあるんですね。そういうのは、もっと私は、査定が単に機械的な査定じゃなくて、その地域の発展性とかいろいろなものをかみ合わせた話をしてくれたらいいがなということがあった、そういうことがあります。
 それともう一つは、例えば社会福祉法人なり学校法人等がございますね。そこらが、実は不良債権でそういうRCC送りになっているところがあるんですよ。しかし、RCCはそれをとりません。公益法人ですから、できるだけ避けて、要らぬ、こう言いますけれども、そこらは、ある程度は話し合いに乗って整理も進めてくれたらいいがなと。
 いろいろな実例がございますから、私は実例で、私は法律の立場で言っているんじゃないので、そういうのも見たら、ある程度もっと現実的にというか、そういう立場に立って話をしてくれたらいいがなという趣旨で言ったんだと思っておりますが、言葉を全部覚えていませんから、ちょっとわかりまへんけどな。だから、そういう趣旨だと。
佐々木(憲)委員 ということは、現状は時価で買い取っているわけですね。それはかなり機械的だというふうな認識なのか。つまり、今の時価ではなくて、例えばもっと上げて実質簿価という議論があるわけですが、そういうことを考えて発言をされておられるのか。そこのところをはっきりさせていただきたい。
塩川国務大臣 さっきも申しましたように、そういう原則論に立っての私の発言じゃございませんで、実情がいろいろあると。そんな、しゃくし定規だけで世の中動いていませんから、いわばそれに合わせた対応をある程度、原則はゆがめたらいけません、原則は原則ですけれども、しかし、運用に際しては、ある程度合わせてくれたらいいがなという趣旨で私は言ったことです。
佐々木(憲)委員 財務大臣ですので、発言は慎重にしていただきたいと思うんです。
 つまり、銀行が不良債権処理をしたい、それをスムーズに進めるために価格を高くして買い取ってあげて、それは後で国民が負担するというようなことを思わせるような、そういうような発言をされるということになりますと、一体、財務大臣は財政をどう考えているのか、こういうことになるわけでありまして、私は、銀行負担を軽減してやるために国民負担をふやすなんというのはとんでもない話だというふうに思っておりますので、その点は強調しておきたいと思います。
塩川国務大臣 それは、余り行き過ぎた思惑ですね。私はそんな思惑を持って言っているんじゃございませんで、あくまでも私は、さっき言っていますように、債権の整理とかあるいは企業の再生とかいろいろなことがございますが、やはり、現実を離れて法律だけで処理しようとしても、世の中なかなかうまくいきませんよ。だから、ある程度は現実に即したことをやってほしい、そういう希望ですから、間違いのないようにひとつお願いしたいと思います。
佐々木(憲)委員 次に、銀行の融資のあり方についてお聞きしたいと思いますが、バブル時代に融資の仕方というのが非常に問題になりまして、まともな審査もしないで、とにかく担保不動産があれば値上がりを見込んでどんどん貸しまくる、こういうことでバブルがあおられていったわけでありますが、バブル崩壊後は、それが大きな不良債権になって銀行の経営を圧迫したというのが実態であります。ここからしっかりした教訓を引き出すということが大事だと思うんです。
 そこで、私は、柳澤大臣に基本的な考えをお伺いしたいんですけれども、融資の面で二つの観点が重要だと思うんです。
 一つは、投機に走るんじゃなくて必要なところにきちっと資金が回るようにする。つまり、例えば中小企業が今不況で大変だけれども、その中小企業の将来性あるいは経営者の能力、こういう点に着目をして、その点を重視して貸し出すということが一つであります。もう一点は、きちんとした審査をしてルールに基づいて貸し出す、このことが大変重要だというふうに思うわけであります。
 返済能力がないところに所得の何倍も貸すなどというようなことはやはり避けなきゃならぬと思いますけれども、融資のあり方について、大臣は基本的にどのようにお考えか、お聞きをしたいと思います。
柳澤国務大臣 そうたびたび佐々木委員と意見が一致するところばかりではないんですけれども、この件についてはかなり同じような見解を持っております。
 これまで日本の金融機関は、担保を徴求することによって信用リスクの部分はほとんど無視できるというような環境の中にありまして、バブルの時代には、これはもうよく言われることですけれども、銀行は審査部門をやめてしまってその要員を皆、営業の部門に移してしまった、それで銀行の審査能力というか、そういうものも非常に地を払ってしまうというような惨たんたるありさまになった、こういうことでございまして、これはもうあってはならないことでございます。
 殊に、これからプロジェクトファイナンスというように、その事業がもたらすキャッシュフローしかその返済の財源というものがないというような融資の仕方も考えていってもらいたいというふうに、我々かなり早いころから申しておるわけですけれども、そういうことの場合には、本当に、まさに審査能力だけが頼りということになるわけで、これをいかに磨いていくかということがいわば金融機関の収益を生む源泉だ、そのくらいの気持ちでその充実を図ってもらいたい、こういうように考えております。
 また他方、今の経営者の能力だとかいうことについても、将来性とかというようなもの、目先の数字だけじゃなくてそういうことも考えてもらいたいということもまたございます。この点は、リレーションシップ融資というか、債務者との関係性というかそういうものでかなり個性を持った融資をするということの一つのビジネスモデルらしいのですけれども、そういうようなこともまた非常に大事で、先ほど言った、いわゆるキャッシュフローを中心としていろいろなものを市場価値ではかっていくということのほかに、そういうリレーションシップによる融資というものも共存させていくというのが、我々が考えなければならないモデルだろうということでございます。
 では、この市場志向型のモデルとリレーションシップ志向型のモデルというのが、どこをどう使い分けていくか、そういう条件というものがあるんだろうか。このあたり、今、私の私的な懇談会の先生方にも御議論いただいているまさに一番難しいところでございますけれども、そのあたりについても、何か一つのメルクマールというものを示せて、それがまた、銀行が自分らの判断にそれを反映させて、両方ちゃんとやっていくというようなことになれば、私は、非常にいい金融システムが構築されてくる要因の一つにはなるのではないか、こういうことを考えているわけです。
佐々木(憲)委員 そこで、先ほどの大臣の御答弁にもありましたが、バブル時代に、かなりいいかげんな審査で企業にもあるいは個人にも貸し出したという事例がありまして、ともかく担保があればどんどん貸す、返済能力があるかどうかということよりもそちらの方を重視するというような考え方が随分ありまして、その後遺症が、最近いろいろな形で、我々、相談を受けるんです。
 例えば、ともかく大量の融資を受けたけれども、バブル崩壊した後返済が非常に困難になる、ともかく競売にかけて財産を全部取り上げられる、生きていけないというような訴えが結構あるわけです。それはやはり貸し出す側の審査のあり方にも問題があったのではないかと思われる事例が随分あるんですね。
 例えば、具体的にお聞きをしますけれども、個人に対して、その人の年間所得の何十倍も貸すとか、これは返済能力をはるかに超えた過剰融資だと私は思うのです。こういうものはやはり正常ではないと思うのですが、貸し方として、この辺、どういうふうに見ておられるか、少し具体的にお答えをいただきたいと思います。
柳澤国務大臣 あの当時の融資を今から見たら、恐らくいろいろなことが言えるんだろうと思います。
 私、あの当時聞いたことを記憶しているだけでございますけれども、例えば、担保掛け目一二〇%というようなことでいいんだというような融資もあったようでございまして、したがって、そのときには、担保の価値、それすら今のように過大評価するわけですから、そういう融資が行われているときに、その債務者の年収が幾らであるなんというようなことがちゃんと勘案されることはないような融資もあり得るというか、可能性としてはあり得たのではないかというように思うわけです。
佐々木(憲)委員 そのような融資を行った結果、銀行の側にも貸し手としての責任というのは当然あるわけであります。借り手の側も、その銀行が提案をした融資に対して、ああ、そうですかと銀行を信頼して借りたんだけれども、しかしそれがなかなか返済できない、こういうことで、今あちこちに被害が起きているわけであります。
 もう一点、具体的にお聞きしますけれども、例えば億単位の融資をするという場合、一億とか二億とか。その場合に、銀行の人が本人に一度も会わないで、電話一本で、名前を貸してくれ、こういうような話があって、本来、そういう契約をする場合には、本人に会って契約するというのは当たり前だと思うのです。ところが、融資を実際に受ける口座開設は不動産会社と銀行がやる。不動産会社が自分の不動産を個人に売る。その個人との関係でいうと、電話だけだった。しかし、融資を受ける契約は、不動産会社が勝手にやって、銀行に届け出する判は認め印を購入して、勝手に帳簿もつくる。それで、不動産会社が入金、出金の手続を行う。こういう事例も聞いているわけですね。
 そうすると、今度は、バブルが崩壊した、不動産会社の経営がおかしくなる。そうすると、銀行が、この個人に対して非常に厳しい取り立てを行う。個人は、自分は銀行との関係では電話一本受けたというだけにすぎない。しかし、銀行の側は、いや、貸したんだ、契約書がある、だから返せというので、競売にかけてくるという事例があって、これはちょっと余りにもひどい例ではないかと思うのです。これはやはり正常な貸し方ではなかったと思うのですけれども、この辺はどういうふうにお考えになりますでしょうか。
柳澤国務大臣 個別具体のことについては、佐々木委員は今情報としてはかなり詳細な情報を提示されながらお話しになったということかと思うのですけれども、契約がとにかく合意になったについては、ケース・バイ・ケース、いろいろな、その場の雰囲気だとか物の言い方だとかというようなことも全部絡んでの最終的な合意でございましょうから、私、そういったことを知らないままに、今申したようなことでもコメントするということはちょっと差し控えるべきではないかな、こういうように思います。
佐々木(憲)委員 私は一般論としてお聞きをしたんですけれども、何か個別のことで答えられないというのもちょっとおかしな話なのであって、やはり銀行の貸し出しのルール、これはしっかりとしてもらわないと、ともかくどんどん貸し出す、それを今になって反省して、やはりああいう貸し出しはよろしくなかったというふうに思われる事例、たくさんあるわけであります。
 その場合に、銀行が一方的に個人から競売で家を取り上げて生活ができないようにしていくというようなことになりますと、みずからの責任は一体どうなのかということになるわけであって、そこはやはり話し合いによって、お互いにどういうふうにやっていくのが一番いいかということを優先するのが当たり前だと思うのですね。
 弱い個人ですから、一方的にどんどんやられますとこれは大変なことになると思いますので、その辺については、やはりきちっとした銀行側の責任ということも頭に入れて対応されるということを期待いたしまして、ちょっと時間がオーバーしましたが、以上で終わります。
坂本委員長 次に、中塚一宏君。
中塚委員 先ほど柳澤金融担当大臣から、ペイオフの全面解禁の問題についての答弁がありましたけれども、できるできないというのはそのときの経済状況なりなんなりによることでしょう。めちゃくちゃになればできないということは、それはもちろんあるんだと思うのです。ただ、経済財政運営やら、あと金融機関の財務内容ということも含めてそういう状況にしないということと、あともう一つは、今のところ、方針でペイオフを全面解禁するということが決まっているわけですから、ではそれに向けて金融機関をどういうふうに今後監督し、また指導していくのかということが大変重要だと私は思っています。
 その観点から、地銀の問題と、あと、時間があれば都銀の問題ということについて、地銀、都銀が抱えている問題とそのリスクについて伺っていきたいというふうに思うのです。
 いろいろなところ、選挙区なんかを回ったりしていろいろな人の話なんかを聞くと、やはりペイオフということについて大変に懸念を持たれている方が多いわけで、そういった人の話なんか聞いていますと、地域金融機関からの預金流出ということが実態としてあるんじゃないのかというふうに思うわけですが、預金流出の実態ということについてお調べになっているのか。あるいは、数字があるならばそれをちょっと御披瀝をいただきたいというふうに思うのですが。
村田副大臣 ペイオフ解禁後の預金動向でございますけれども、もちろん私ども、常日ごろから預金シフトの動向については十分注視しているわけでございますが、これまでのところ、定期性の預金から流動性へ、定期性の預金が大幅に減少している、それから大口の預金が減少しているという状況は顕著に見られますけれども、トータルで見てみますと、業態別の預金が移動が起こっている、こういうことは、顕著な例は見られていないというのが私どもの認識でございます。
中塚委員 そういうことをモニタリングされているのは当然のことなんだろうと思うのですが、それで、その結果、どういう対策をとるかということで、地域金融機関の合併促進に関する具体案というのを何かお考えになっているというふうに伺っておりましたが、きょうの新聞の朝刊なんか見て私もびっくりしたんですけれども、そういったことが含まれているのかどうかということも含めて、この地域金融機関の合併促進に関する具体案というものが検討されているとするなら、それが大体いつぐらいにどういったものが出るのかというのを大臣の方からお聞かせいただきたいと思うのです。
柳澤国務大臣 私ども、四月十二日だと思いますが、特別検査の結果の公表をさせていただいたそのときに、三つばかり、新しい不良債権問題を中心とした課題に取り組むための施策を発表させていただきまして、その中に合併促進というものを入れさせていただいたわけでございます。
 これはかなり広範にこの問題を検討するということで、検討させているわけでございますけれども、役所のことで、こういう場で言うのは大変恐縮なんですが、役所は大体七月から年度がわりになるわけでございます。しかし、人事異動がちょっとおくれれば、まあ人事異動が行われてから新しい事務年度が始まる、こういうふうにおとらえいただいていいわけでございますが、そこまででやはり取りかかりの仕事についてはできるだけひとつ形を整えて次の担当者にバトンタッチさせるというのが、ある意味で、仕事の継続性をしっかり確保するためということでも必要だということになっておりまして、そんなことから、私、従前から記者会見等で、今のチームでの取りまとめの結果は、仮にかなり中間的なものになるかもしれませんが、それはそれで公表をさせてもらうことはあり得べし、こういうことを予告してきました。
 いまだにその方針でいるわけでございまして、どの程度の深みというか具体性がそこに盛り込まれるかということについては、これは相当概括的なものにとどまらざるを得ないだろう、こう思っておりますが、いずれにせよ、問題の広がりというか取り組むべき施策の広がりというあたりはわかっていただけるような、そういうものを、いつになりますか、七月の初めまでというくらいを言わせていただきますが、そういう段階で出したい、このように考えております。
中塚委員 「合併促進」というタイトルになっているわけですが、合併だけが金融機関の財務内容を健全化するということではないんだろうというふうに思いますけれども、そういったものの中に、例えば今言われているような保証限度額の引き上げとか、あと、自治体の預金、公金預金なんかは保護するというふうなことを合併等と絡めて盛り込むような可能性というのはあるのかどうかということはいかがでしょう。
柳澤国務大臣 保証限度額の点については、少なくとも合併した当座は、すぐこれを一本化してその従前の限度額を適合させるということが果たしてどうか、こういう問題はごくごく自然のこととしてあり得るわけです。聞くところによれば、韓国なぞもその辺はやはり調整している、こういうような話も聞くわけでございまして、常識的なことでそんなことがあり得るかということは考えられると思いまして、まだどうするかというような結論を出しているわけじゃないんですが、問題の広がりの中にはそういうものもあり得るというふうに申し上げておきたい、このように思います。
 それから、公金預金のことについては、まさにペイオフそのものの問題でして、それはちょっと、合併の問題との絡みというのは考えられないことではないかと思います。
中塚委員 中身の問題もさることながら、ペイオフの全面解禁というのがそれこそもう来年度ということになりますと、七月のタイミングというのが本当にそれぐらいでいいのか、本当はもっと早く出ていなければいかぬのじゃないかというふうにも思うわけです。
 それと関連して申し上げれば、地方銀行で優先株で資本注入をしたところが無配になって、国としては議決権行使をするということになったわけですけれども、その議決権行使ということについて、これによってもリストラを進めるとか、あるいは合併ということについて検討をさせ始めるとかいうことも可能であったはずなんだろうと思うのですね、株主総会はもう終わってしまいましたけれども。今、手元には、きのう、特に岐阜銀行の中期経営計画というものをいただいておりますが、この議決権行使ということで、果たしてではこの中身で十分なのか、満足なのかということはあると思うんですが、これは、大臣はいかがお考えですか。
柳澤国務大臣 資本注入行が当初予定したような財務状況を実現できなくて、当期利益という次元でとった場合にそれを三割以上下回った場合等々、いろいろなケースがあるわけですが、これについては、いわゆる今申し上げた三割ルールという俗称をかぶせまして、その明確化についてという文書をあらかじめ公表いたしております。
 それを見ますと、どういうことをうたっておったかといいますと、業純が、ROEの計画値がおおむね達成されていること。だから、ROEはまず業純のカテゴリーですが、ROEは達成されていなければだめですよということ。
 それからもう一つは、当期利益は下振れているんだけれども、それはやはりこっちが評価できるような要因で、特に不良債権の積極的な処理というようなことが行われたのでそういう下振れしたというものでなければいけませんよと。
 それから最後に、剰余金の減少を回復するための方策として、抜本的な収益改善策、大体それはリストラに、具体性がなきゃいけませんので、なるんでしょうけれども、そういうようなことを明らかにしておりまして、そういうものがきちっと決まっておる前提の上での議案であれば、個別具体的に、いや、優先株主であるところの国の利益を害するというようなことがない限り、この議案については賛成しましょう。
 つまり、言わんとするところは、事前に、この三つのこと、特に二つですね、後、三つのうちの二つのことについては確保されるようにきちっと彼らに考えてもらう、当該の銀行に考えてもらう。そういう前提で、議場に行ってどうこうということにはならないようにいたしますということをその方針にうたっておりまして、今回もこの考え方に沿った措置であるということ、ぜひこれは御理解を賜りたいと思います。
中塚委員 今大臣がいみじくもおっしゃったように、結局、監督官庁であり株主ということなわけですから、経営改善の計画ということについても関与される、関与していくこともできるわけだし、そしてまた、それを議決するということになるわけですから、ますますそういう意味で責任、行政の責任というのは大変に重くなっていくということになると思うんです。
 そういう意味で、結局、もともと財務内容がそんなによろしくないということで資本注入を受けて、そしてまた、結局それが、優先株が無配になってしまったということ。その後を受けて、業務の改善計画と、あと議決権行使ということになるわけですから、この計画で本当に、では、それでいいのかなということなんですね。
 メルクマールがあって、二つというふうなお話でしたけれども、やはりここはもう少し強く、厳しく関与をしていかないと、四月一日から、来年ですのでもう一年ないわけですから。それこそ信組の話にしたって、信組の検査というのが地方から国に移ったということをもって延期一年というふうな経緯もあったわけなので、これももっと早く取り組まなきゃ、そしてまた厳しく取り組まなきゃいかぬ課題だというふうに思うわけです。
 ちょっと残りの時間で、今度は大手行についての、ことしの後半なり、あと年度の残りのリスクということについて伺っていきたいんですが、新生銀行の瑕疵担保特約の行使、これが来年の三月一日まででしたか、債権回収行動というものがどんどんと出てきた場合に、その他の、新生銀行以外のメーンバンクにリスクが集中するということで、二〇〇二年度の大きな波乱要因だというふうに思うわけですが、これについてはいかが御見解をお持ちですか。
柳澤国務大臣 新生銀行の瑕疵担保条項の行使期限が迫っているときに、それが他の大手行にある種のリスクをもたらすのではないか、こういうお話でございます。
 多分先生も念頭に置かれてお話しになっていらっしゃると思うんですが、今回の大手の小売業ですね、それの再建計画で、いわゆるメーン、準メーン以外のところについては残高維持ということを計画の中に盛り込んでいて、残高維持を新生銀行にもお願いしたところ、これは段階的にやはり回収させてもらいたいという話が出た。その場合に、それを一体どうやって消化していくか、こういうことの中で、現在では多分一つの可能性だろうと思うんですけれども、では、それは大手行でそうしたことを引き受けようかという話があるというような報道があったわけでございます。
 何と申しますか、個別のことについて私、感想を実は持っていますけれども、それをまた言うのも適切でないように思いまして、ここでは差し控えますが、いずれにせよ、新生銀行も日本の銀行の中の、システムを形づくる大きな要素であるということについて、できるだけ協調的に対処してもらいたい。それからまた、瑕疵担保特約を、それなるがゆえにそういう適合した事態が生ずるような、そういう行動というのは、やはりよく良識をもって抑制的に考えてもらう、これは当然のことだと私は思いまして、ひっくるめて、余りそういう人に迷惑になるようなことは、できるだけ、それこそ差し控えてもらいたい、こういうふうに基本的に考えております。
中塚委員 きょうのところは、そういうリスクが二〇〇二年度後半に向けてあるということを指摘しておきたいというふうに思うわけですけれども、そのほかにも、みずほ銀行の問題であるとかこういったことも、検査の結果と、あるいは預金の増減というふうなことが明らかになったときにはリスクになる要因だと思いますし、それ以外にも、いわゆる生保ですね。いろいろなことを言われている生保があって、その生保と金融機関、大手銀行との巨額な持ち合いの関係ということもあるし、また、会計上の制約として、繰り延べ税金資産というのがもう限度いっぱいいっぱいになっているというふうなこともある。そういったことを考えても、やはり年度の後半に向けてなかなかリスク要因は消えないなというふうに思っているわけです。
 最後に一つ、ちょっとお風邪で調子が悪いときに恐縮ですけれども、通告をちょっとしていないのですが、ワールドコムですね、これも言ってみれば波乱要因の一つです。これも、アメリカの企業で急成長していたと言われているものが、こういうふうな粉飾決算を繰り返していたというふうなことがぼんぼこ出るというのも、そのこと自体けしからぬわけなんですけれども、邦銀でも大手銀行で大体四百億ぐらい貸しているというふうに言われているのです。
 このワールドコム、まだ別に破綻をしているわけではありませんけれども、この粉飾決算の事件の与える影響、邦銀に与える影響というのはどういうふうにお考えになっていますでしょうか。
柳澤国務大臣 ワールドコム、まだ処置が決まっているわけではないわけでございますが、私どもも、ワールドコムに対する邦銀のエクスポージャーはどのくらいかということについては関心を持っておりますし、それからまた、個別の銀行それぞれについてどうかというようなことについても関心を持っておりますが、いずれにしても、それが大問題になるというようなことはないと判断しております。
中塚委員 終わります。
坂本委員長 次に、阿部知子君。
阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
 きょうは、先ほど来、柳澤金融大臣、おかげんを崩されているところで、私の質問であとお時間をいただいて大変恐縮ですが、大半、大臣に対してですので、よろしくお願いいたします。
 先ほど塩川財務大臣の景気判断のお話も少し披瀝されておりましたが、この間、株価が一万円割れをする、あるいはアメリカの経済の低迷などなどが報じられる中で、辛うじてと申しますか、アメリカ経済が少し立ち直り、アジア向けの輸出も進んで、日本の景気も少し浮上してきたまだやさきで、これからのアメリカの逆に言うと景気の影響、それから円高ということも要素として出てまいります可能性もある中で、これは本来、所轄の、担当ではないことは存じた上で、柳澤金融大臣は、この間の景気判断、特に五月の月例経済報告が底入れ宣言ということにはなってございますが、まだまだ株安、円高、不安要因もございますと思いますが、こうしたことについてグローバルな見通しはどのようにお持ちでございましょうか。一点目です。
柳澤国務大臣 かねて申しますように、私どもはマクロ経済の分析をする係、担当を事務局に持ち合わせていないわけでございます。したがって、阿部委員からそうお尋ねになられても、内閣府の報告を聞いているものをお話しするということでございまして、それだったらもっとふさわしい方がいらっしゃるんじゃないかと思うんでございます。
 いかがいたしましょうか。何かしゃべらないといけないんでしょうか。失礼しました。
阿部委員 そういうお答えも予測しておりましたので結構です。
 それでは、例えばですが、株価が一万円を割れてきたような場合に、今問題になっております不良債権処理問題でもやはり影響が多大に出てくるようにも思いますが、そういうことについての柳澤金融大臣のお考えはいかがでしょうか。
柳澤国務大臣 株価は――かなりこのところピッチが早く保有株の縮減に取り組んでいるようでございますけれども、なお絶対の水準というか残高というのはかなりのウエートを占めているわけでございます。
 今、時価会計でございますのでこれらはすべて時価に直すということで、一つは減損会計を使う必要がある部分もあるし、一つはそれは使わないでただ資産の中での評価損ということを計上しなければならないということでございますが、いずれにせよ、これは、一方は収益を直撃しますし、それがない場合でも自己資本を侵食するという作用を持ちますので、株価については、私ども、単に市場の思惑で下落するというようなことはできるだけないようにしてほしいな、そういう期待を持っているわけでございます。
阿部委員 逆に、期待感の一方で、このラインを割ると危ないというような、こういう考え方、されるのかどうかわかりませんが、デッドラインというふうなお考えはお持ちでいらっしゃいますか。
柳澤国務大臣 この点については、シミュレーションをすることは可能でございますが、その場合でもかなり前提を置かないとそのシミュレーションもできません。
 私の昨今の感じでいいますと、銀行のビヘービアというのは非常にいろいろでございまして、単純に株価がこれになったら自己資本比率がこうだというふうにならない、そういうふうに強く感じていまして、そういう意味では、シミュレーションをするについても、これはいわば一元方程式じゃなくて、多元方程式でやらないと間尺に合っていかないなという感じを持っておりまして、そういう意味では、余り株価と自己資本比率を対比させるような、そういう考え方というのはちょっと有効でないというふうに思い始めています。
阿部委員 本当にそうであれば、この株価の問題は銀行にとっても負担が軽くなってまいりますでしょうが、やはりまだまだ株式への依存度も高いと思いますので、先ほどの全体の政府の判断もあわせて、今、我が国が諸外国からも金融不安ということで評価を落としている点も多々あり、柳澤金融大臣が見識を持って臨んでおられる点は承知していながら、しかしながら解決されていない点もあると思いますので、今後よろしくお願いをしたいというのがまず一点です。
 まず、次の問題もほかの委員もお聞きになりましたのでなるべく重複がないようにまいりたいと思いますが、いわゆるペイオフ問題でございます。
 ペイオフ問題は私はこの委員会でよく取り上げさせていただいて、柳澤金融大臣の断固たる決意もよくよく存じておりますが、きょうの御答弁を聞きますと、断固たる決意はありながら状況も判断しつつという、多少揺らぎも見えるのかなというふうに拝聴いたしましたが、実は二十五日付の、先ほどの自由党の中塚委員もお取り上げですが、朝日新聞に出ておりましたペイオフ特例の問題。先ほど金融大臣もお答えになりましたけれども、そして、韓国でもこのような現状追認的な特例、ある合併した直後の特例期間というようなものもあるようだというお答えでもありました。
 私が以前お伺いしたときに、たしか、大手銀行については四月のペイオフについては何ら心配もなく、信金、信組については、これは問題があってはいけないので厳しい査定で臨んでおるというお答えで、今度、地域金融機関の再編ということが絡んでまいります場合に、地銀というものの現在のそうした面の金融機関としての安定度の評価は、柳澤金融大臣はどうお考えでしょうか。
柳澤国務大臣 今阿部委員がおっしゃられた地銀ということの中に第二地銀まで含んでのお話かとも思いますけれども、何と申しますか、私ども、まず、この四月一日を迎えるに当たって自己資本比率の状況等で問題のあるところはありませんということを申し上げたわけですが、そのことはその後も変わっていないというふうに思っております。
 預金の動向はどうかといいますと、預金の動向は、大手銀行でもやはり定期性預金が減って、それから流動性預金がふえているということでございまして、そのことは、むしろどこも大体同じようなことでございます。
 業態というか、今の銀行のカテゴリーで見た場合もどうかといえば、信金、信組、それから第二地銀、地銀というように、そういうようなところが月によって対前年同月比でマイナスが立っている月もありますけれども、それらについてもそんなに何か深刻にとらえなきゃならぬようなそういう幅にはなっていないという認識を持っているわけでございます。
阿部委員 これも先ほどの御答弁の再確認をさせていただきたい点ですが、現状追認的に、例えば預貯金の一千万円を超えた保護を統合銀行について、第二地銀や地銀も含めて行うことはあっても、地域金融機関の再編のために積極的に今のペイオフ問題の例外をつくることはない、積極的に統合のために一つの手段としてペイオフの特例期間を置くことはないという御所見でございますか。
柳澤国務大臣 基本的に、私どもは最初に、信組が検査が一回も入っていないので、これを度外視してペイオフをやってしまうということはちょっと控えるべきだといったときに、じゃ、信組だけペイオフを延期して他はペイオフをやるということが可能なんだろうかと、全く頭の体操ですが考えたことはあるのですが、そういうことはやはり不可能なんですね。そんなところへいったら、その業態に預金がどばっと入ってしまうということは容易に考えられるわけでございまして、やはりある業態ごとに、この業態はペイオフ待ってやりましょう、あとはペイオフしましょう、これはちょっと考えにくいことだということで御答弁になるかと思います。
阿部委員 そういたしますと、最初の一点目に戻ってまいりますが、来年四月からのペイオフは既存の、既定の方針どおり行っていかれるというお考えであろうかと思いますが、その件について、各方面からやはり懸念が表明されていると思います。特に日本商工会議所や全信協という方々の御意見もこれあり、なぜこの金融情勢、なかなか、安定したとはいえども不安定要素も高い中で、あえて来年四月全面解禁に踏み込むのかということの御答弁が一つ。
 それから、何度も確認いたしますが、先ほどおっしゃいましたが、もしも業態によってペイオフを部分的に残しながらやらなきゃいけないようなことがあるのであれば、むしろその場合は、私は、ペイオフ解禁を延期すべきだ、業態別にそういう例外をつくるんであれば延期すべきだと思いますが、その点についてはいかがでしょう。
柳澤国務大臣 要は、私は、ペイオフというのは構造改革のための施策で、これは非常にある意味できくと思っているわけです。これはもう本当に、金融機関にとっては最大の緊張、今までに比べれば最大の緊張をしなければならない。自分が預金者の信頼を得られないというようなことになったら、たちどころにこれは立ち行かないことになるわけでございますから、したがって、私は、かなり強烈な構造改革を強いる道具というか動機になっているんだろう、こう思います。
 ですから、そういうことで、私どもとしては、当該のそれぞれの金融機関の構造改革の努力と同時に、政府もその努力を支援するというかその努力に協力してやる、そういう局面として何があるかということを考えてやらなくてはならない、こういうように思っているわけでございまして、それが基本の考え方でございます。
 なお、業態別の云々ということは、初めからこれは具体論としても考えにくいことでございまして、それはもうちょっと、これからも阿部委員がお考えになるときに、できれば除いて考えていただいた方が能率的じゃないかというように思っております。
阿部委員 別に私が考えたわけではなくて、報道紙上あるいは金融大臣の記者会見などをホームページで拝見して伺ったことですので、私の理解が及ばなかった点があればそれは私の方で至らなかったこととおわびいたしますが、そのように受けとめられる御発言もあるやに思いますので、もう一度、大臣の方も記者会見のところをホームページでごらんいただければ幸いであります。
 あわせて、今のさまざまな金融機関の問題、特に中小企業の皆さんへの貸し出しの問題とあわせて、構造改革を行うにも極めて微妙な問題があるという認識も恐らく共有はしてくださっていることと思いますが、それに関連いたしまして、二十四日付の日経新聞にも本日の朝日新聞にも出てございましたが、整理回収機構の不良債権買い取りのことについてお伺いを申し上げます。
 不良債権の買い取りということで、これまでは、破綻懸念先という形での買い取りというのは、実質破綻先というものはあったとしても、破綻懸念先あるいはそれ以下のものについて、特に全国信用保証協会連合会の保証がついたものについては、実際に整理回収機構でお引き受けになるということは、これまではなかったやに報道されております。
 その件とも関連して、いわゆる回収機構、RCCの中に企業再生本部というのが発足されたのが昨年十一月と思いますが、そして、そのとき、金融再生法の改正で、これからは企業再建ということも念頭に置きながらRCCの業務を行うというお話でもありましたが、実際の数値についてお伺いいたします。
 この企業再生本部を発足されて以降、手がけられた企業再建の件数、それと、RCCが発足してから、昨年十月、この改正以前に手がけられた件数について、おのおのお答えくださいますか。実務方で結構でございます。
村田副大臣 企業再生本部設置前の数字でございますが、約四十件について企業再生に関与している、こういうことです。それから、RCCの企業再生本部が昨年十一月に設置されましたわけですけれども、本年六月までに十四件につきまして企業再生手続を実施してきた、それ以外に、現在約百三十件の債務者企業について再生の可能性を検討しているところ、こういうことでございまして、RCCも、経済合理性を考えまして、債務者企業の実態に応じました企業再生に取り組んでいる、こういうことを御報告申し上げたいと思います。
阿部委員 単純に年平均いたしますと、今のデータから逆算いたしまして、発足以前が十六件、再生本部が発足してからは年平均十七・五件で、そして昨日いただきましたデータでも、企業再生本部の真の意味の活躍というのでしょうか、それはちょっとまだ地についていないのかなという気がいたします。
 そこで、この企業再生本部の人員ですが、どのような陣容で臨んでおられ、人員の充実ということはどのようになっておりますでしょうか。これは直に質問通告していなくてごめんなさい。
村田副大臣 企業再生本部でございますが、役員四名、それから職員が六十名、こういうことでございまして、それぞれ、東京特別回収部から東京・東日本地区、大阪特別回収部、大阪・西日本地区と、地方の組織もありまして、一生懸命、企業再生に取り組んでいる、こういうことでございます。
阿部委員 では、最後に、柳澤金融大臣にお伺い申し上げます。
 銀行サイドからこのRCCに移るに当たって、中小企業、特に先ほど申しました信用保証協会のついたような中小企業の業態、経営の場合に、やはりRCCに移って以降はちょっと不安が強い。もう企業再生を今六十名の陣容で行っておられるとおっしゃいましたが、そのRCCにおける企業再生の実績と、今後の運用、活用のされ方について、これは担当大臣の柳澤金融大臣からも一言、覚悟のほどと、それからまた、信用保証協会とRCCとの協議を見守っておるという、これもホームページで拝見いたしましたが、そのあたりについても、一言お願いします。
柳澤国務大臣 先ほどどなたの御質問でしたか、長妻先生の御質問でしたか、我々、スケジュールを決めて不良債権のオフバランス化をすると。それについては、やはりその受け皿というものがなければそういうことはなかなか実現が難しいわけでして、私どもとしてもRCCを、どうしてもというときには受け皿にしてくださいということとセットにしてオフバランス化を進めるということになっております。
 したがって、これから、オフバランス化のためにも、RCCの活用の程度というのは増加していくわけでございますが、その場合にRCCは、従来やってきた回収に加えて企業再生というものに取り組むということが、これは小泉内閣になっての強い方針として打ち出されておりまして、RCC側もそれを十分受けとめて、その体制等について整備を図り、また、これはRCCの言葉でございますけれども、再生マインド、今までは回収マインドが強かったわけですが、再生マインドというものをRCCとして持たなきゃいけない。こういうようなことで、その姿勢を積極的にしていただいておる、このように考えておりまして、ぜひその方向で進んでもらいたいと私としても思っております。
 なお、そのプロセスの中で、信用保証協会の保証がついたものについてどう取り扱うかということでございますが、実はある銀行が、大変たくさん、金額が多額の債権をRCCに売りたいというオファーをしながら、途中でちょっとそれが急にしぼんじゃったことがありまして、これは一体何でこんなにしぼんだんだと言ったら、いや、保証協会の方からちょっといろいろな意見があってというようなことで、しぼんでしまったというようなことがございました。
 私、やはりそこには一定のルールが必要なんじゃないかというように考えておりまして、当事者の皆さんも、同様の考え方から、今、そのルール、どういうものだったらRCCにやることはやむを得ないと考えてもらえるのかということをきちっとしないと、片一方でやっているオフバランス化がそれでうまくいかなくなっちゃうというのは、私としては非常に困るわけでございまして、やはりそこはできるだけ日本の不良債権問題の処理ということを尊重しつつ、また、かつ、企業再生、中小企業の存続というものをできるだけ図っていく、そのぎりぎりのところを探っていく一つの基準をつくらなきゃいけない、非常に難しい作業かと思うんですが、そういう両方の要請の衝突が起こっているということでございますが、早く解決をいたしたいと考えております。
阿部委員 一方で今、金融大臣のおっしゃられたルールの明示化という問題と同時に、銀行そのものにも、やはりきちんとした銀行としての能力発揮もまた期待するものでございます。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。
坂本委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時二十三分散会


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