衆議院

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第6号 平成14年11月13日(水曜日)

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平成十四年十一月十三日(水曜日)
    午前九時八分開議
 出席委員
   委員長 小坂 憲次君
   理事 金子 一義君 理事 七条  明君
   理事 林田  彪君 理事 渡辺 喜美君
   理事 江崎洋一郎君 理事 古川 元久君
   理事 石井 啓一君 理事 中塚 一宏君
      上川 陽子君    倉田 雅年君
      小泉 龍司君    坂本 剛二君
      砂田 圭佑君    田中 和徳君
      竹下  亘君    竹本 直一君
      中村正三郎君    萩山 教嚴君
      増原 義剛君    山本 明彦君
      山本 幸三君    吉田 幸弘君
      五十嵐文彦君    生方 幸夫君
      海江田万里君    小泉 俊明君
      小林 憲司君    佐藤 観樹君
      中川 正春君    永田 寿康君
      長妻  昭君    原口 一博君
      上田  勇君    遠藤 和良君
      達増 拓也君    佐々木憲昭君
      吉井 英勝君    阿部 知子君
      植田 至紀君    松浪健四郎君
    …………………………………
   財務大臣         塩川正十郎君
   国務大臣
   (金融担当大臣)     竹中 平蔵君
   内閣府副大臣       伊藤 達也君
   財務副大臣        谷口 隆義君
   財務大臣政務官      田中 和徳君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 加藤 裕己君
   政府参考人
   (内閣府産業再生機構(仮
   称)設立準備室次長)   小手川大助君
   政府参考人
   (金融庁総務企画局長)  藤原  隆君
   政府参考人
   (金融庁監督局長)    五味 廣文君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    樋渡 利秋君
   参考人
   (日本銀行総裁)     速水  優君
   参考人
   (日本銀行理事)     三谷 隆博君
   参考人
   (預金保険機構理事長)  松田  昇君
   財務金融委員会専門員   白須 光美君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月十三日
 辞任         補欠選任
  生方 幸夫君     原口 一博君
  小池百合子君     松浪健四郎君
同日
 辞任         補欠選任
  原口 一博君     生方 幸夫君
  松浪健四郎君     小池百合子君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第六一号)
 金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法案(内閣提出第六二号)


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     ――――◇―――――
小坂委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案及び金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法案の両案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 両案審査のため、本日、参考人として日本銀行総裁速水優君、日本銀行理事三谷隆博君、預金保険機構理事長松田昇君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として金融庁総務企画局長藤原隆君、金融庁監督局長五味廣文君、内閣府大臣官房審議官加藤裕己君、内閣府産業再生機構(仮称)設立準備室次長小手川大助君、法務省刑事局長樋渡利秋君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
小坂委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
小坂委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。五十嵐文彦君。
五十嵐委員 民主党の五十嵐文彦でございます。
 二法案につきまして質問させていただきますが、本会議質問で幾つか指摘をいたしましたがそのお答えが不十分であったということで、まずその問題を詰めていきたいと思います。
 まず最初に、ペイオフ再延期に関係する法案でございますけれども、今まで金融庁は、金融システムは安全だからペイオフを実施するんだということを言ってまいりました。総理もたびたび同様の発言をしておりました。安全なら実施しなさいという話を我々はずっと言ってきたわけですが、ここへ来てペイオフ再延期だというのは、金融システムが安全でないという認識なんだろうと思うんですね。
 私は、百二条の解釈を狭く解すべきではなくて、広く解していい。なぜなら、これは危機管理なんだから、起きてしまってからでは遅過ぎる。決済機能の破綻だけではなくて金融仲介機能の不全そのものが金融危機であり、これはいつ決済システムの破綻に結びつくかわからない。そういう意味で、これはもう危機を宣言すべきだということを終始申し上げた。
 今、一点言いましたけれども、安全だという認識はどこへ行ってしまったのか。総理は、危機ではないけれども平時でもない、こう言っているんですね。それは、平時でもないというのはどういうことなのか。その辺をきちんと竹中大臣に御説明いただきたいと思います。
竹中国務大臣 危機かどうかということに関しては、これまでも何度も議論をさせていただき御答弁もさせていただきましたが、同時にしかし、日本の金融システムには解決を要するさまざまな問題があるということを申し上げてきたつもりでございます。
 今般、金融システム、金融行政そのものを、単に危機を回避するという段階から、さらに構造改革を支えるようなより強い金融システムを構築するという段階に強化をさせたい、そのために、平成十六年度までに、いわばこの問題を終結させたい、完治させたいと、ある意味でいう意味でございます。そういう過程で、国民の不安が生じないように、また中小企業等々への金融が円滑に進むようにということで、ペイオフの解禁を延期させていただいたわけでございます。
 そのような意味でいいますと、危機かどうかということに関しては、これまでも繰り返し申し上げましたように、パニックという意味での危機ではないということは確かだと私は思いますが、同時に、金融システムが抱えている問題点、解決を要する問題点というのを十六年度までにしっかりと解決をしていきたいというふうに申し上げてきたつもりでございます。総理の御答弁もそういう趣旨であるというふうに解釈をしております。
五十嵐委員 答弁していないんですよ。
 パニックという意味での危機でないという認識は何回も聞いていますからわかっています。しかし、平時でない、あるいは危機前夜だという我々の認識については何も語っていない。単に危機回避でなく構造改革の強化の面だというのは、これは論理のすりかえなんですよ。ごまかしですね。
 なぜならば、この危機は構造改革、日本の金融システムの構造的な問題と密接にかかわっている、あるいは日本経済全体の構造の問題と密接にかかわっているのであって、そんなことは当たり前の話なんです、構造改革を強化しなきゃいけないなんというのは。
 だから、危機の前夜であるかどうかという認識、それとこのペイオフ再延期との関係をきちんと説明できなければ、私の質問に答えたことにならないのですよ。もう一回答えてください。
竹中国務大臣 危機というのは、非常に連続的な変化ではなくて非連続的な変化でありますから、そう簡単に予測することは現実的には不可能であろうかと思います。その意味で、それの前夜であるかどうかというような問題の設定は、これはお答えするのがなかなか難しいということはぜひ御理解をいただきたいと思います。
 しかし、繰り返し申し上げていますように、これはやはり解決を要する深刻な問題が日本の金融システムにはあるというふうに思っております。その問題をぜひとも十六年度までに解決したい。そうすることによって、単に危機を回避するということだけではなくて、強い金融システムをつくっていくことができる。その意味では、そのことはまさに構造改革そのものであるというふうに思っております。
 そういう意味で、その間の混乱を生じさせないようにしたいというのが金融行政を担当する者の思いでありまして、国民に不安を与えない、同時に中小企業等々の金融に支障を生じさせない、そういう観点から今回のペイオフの延期という措置をとったものでございます。
五十嵐委員 繰り返しは結構ですから、的確に私の質問に答えてください。
 非連続だというのも、失礼ですけれども、これはインチキな答弁ですね。なぜならば、例えば有事の緊急事態法を見ても、おそれのある事態というのを、危機に、まさに直前においてそれに対処できるようにしているわけです。危機管理というのはそういうものじゃないですか。そういうことでしょう。ですから、非連続だなんという話はないのですよ。ほかの法律ではきちんと危機に関しては連続性を認めるんです。そこで非連続なんだからという理屈で全部切って捨てるのはおかしな話なんですね。
 なぜこれにこだわるかというと、危機を認めないと、本当に危機になってしまう可能性が非常に強い。すなわち、ある意味で予防的な公的資金の強制注入ができるかどうかにこれがかかってくるんです。
 なぜそれを問題にするかというと、前回の失敗の轍を踏まない、わだちを踏まないという意味なんですね。銀行は健全なんだけれども、健全性をより増すために公的資金を注入するんだといって注入をしてきた。そして、そこで経営責任を問わなかったということは大失敗だった。あらゆる識者からそういう指摘を受けているじゃないですか。
 ですから、百二条の解釈でこれができるならいい。しかし、それをみずから縮めて、限定的に解釈して、そして私どもは、それならば民主党が要求している、金融再生法、早期健全化法を復活させてきちんと法に基づいて堂々と強制的な注入ができるようにしたらいいじゃないかといったら、それは改正預保法に含まれているからいいんだと。
 すなわち、そこでは百二条を大きく解釈しておいて、私たちが予防注入を求めると、それはできないということになる。それは全く使い分けなんですね。百二条の解釈を大きくしたり小さくしたり、恣意的にしている。そして、その結果として、前回と同じ過ちを繰り返そうとしている。そこが問題だ。だから、危機を素直に認めなさい、認めて、今の問題を早く解決しなければいけない。
 それから、先ほど私の質問にも答えていないんですね。二つ言って申しわけないのですが、私がもう一つ申し上げたのは、いわゆる金融仲介機能がここまで崩れてきたら、これは一種の、金融の大きな柱である一つの機能の機能不全、停止なんだから、立派な危機じゃないですかと。それに対しては答えていない。それはどうなんですか。
竹中国務大臣 五十嵐委員の御指摘は、現状をどのように解釈するかという問題と、百二条における予防的な注入は可能かどうかというその解釈の問題、二点おっしゃっているわけでございます。
 現状の解釈については、現状の認識については先ほど申し上げたとおりでございますけれども、この百二条の解釈については、これはことしの二月に柳澤大臣が御答弁したというふうに聞いておりますけれども、この「おそれ」というのを、柳澤大臣の答弁が手元にありますので、「「おそれ」と書いてあるものですから、そこがやや予防的な投入論ということも成り立ち得る余地が全くないとは言えない、」という言い方を柳澤大臣がしておられる。しかし、「一つの見方としてというほど前広に考えるべきではない」「現象面ではっきりあらわれてきたということでもない、そのあたりの中間で絶妙な判断をすべきというのが我々に課された使命だろうと考えております。」
 私も、そのとおりであろうかと思います。その意味では、解釈論はそんなに、非常に何か限定的にということではない、この柳澤大臣の御答弁のとおりであろうかと思います。
 最後に、金融仲介機能が現実問題として大幅に崩れているのではないかということでございますが、金融仲介機能が非常に傷んでいるという点は私も認識をしております。であるから、何回も申し上げておりますように、ここまで信用乗数が下がってきて、しかし同時に、これはバブル時に日本の信用が非常に、各銀行、信用が拡大して、それがある種もとの水準に戻る一種の調整のプロセスの中にあるという点も考えますと、危機的におそれ、それが収縮しているというふうな認識は現時点では持っておりません。
五十嵐委員 私は、金融仲介機能の不全、著しく低下どころではなくて不全だと。だからこんなに自殺者がふえて、倒産がふえている。九四年以来、中小企業だけで八十五兆円の信用収縮が起きている、貸し渋りが起きているということ自体が、これは主要行だけですよ、これ自体が、八十五兆円を上回る貸しはがしが起きていること自体がこれは完全な仲介機能の不全状態じゃないですか。それがそういうおそれに当たらないという解釈を今示されたわけですけれども、これは全く認識がずれている。それだったら、なぜ慌てて今回のような金融再生プランの作成だとかあるいはペイオフ再延期だとかをしなきゃいけないのかという説明がつかないじゃないですか。これはもう分裂病というべき問題じゃないですか。これはおかしいと思いますよ。この問題ばかりやっていられませんから、そういう指摘をして、もうあなたの答弁は破綻している、支離滅裂だということを指摘させていただきます。
 それからもう一つ、私の本会議場での代表質問に対する政府側の答弁の中で、もう一つ指摘をしておきたいんですが、民主党が主張をしている金融アセスメント、これに対して、こういうのはすぐれて経営判断の問題なんだから政府が評価するのはおかしいんだというのを終始退ける理由にされているわけであります。
 私たちは、政府が評価するというよりも、むしろ第三者的な機関が公正な評価をする、しかもそれは評価をすることが目的なのではなくて、わかりやすくするというだけで、むしろそれは情報の開示、それによって自主的な競争を促すんだという、これが目的でありますから、いわゆる自由主義経済の原則とこれは反するものではないと考えているわけであります。
 もう一点、自主的な経営判断を尊重するんだというけれども、自主的な経営判断を尊重したら公的機能、金融機関は公的な機能を有しているから特別に保護されてきたわけですし今も保護されているわけですが、自主的な経営判断では公的機能を果たさないからこういうことが必要、動かすことが必要であって、動かすためにこのような情報公開制度が必要である。いわゆる地域の経済にどれだけ貢献するか、あるいは中小企業にどれだけ配慮をしているかということを客観的に見られるようにしましょうというのが私たちの目的であります。
 あるいは、貸し手と借り手の関係には支配、被支配の関係が生じがちである、それを利用した金融慣行、これは極めて不公平、不公正な金融慣行が横行しているが、これを是正するために、あるいはチェックをするためにこういう機関を使い、また情報公開制度を使うべきではないか、こういう趣旨で私どもは主張しているわけです。
 大体、我々の案をちゃんと見ているのか。木で鼻をくくったような、自主的な経営判断に任せる問題で政府が介入すべきでないというようなことでおさまるような話ではない。それだったら我々はこういうことを主張しないわけですから。今がどういう状態なのかという認識に立った問題提起をしているのに、公式論で切って捨てるというのは何事なんですか、これは。きちんと答弁してください。
竹中国務大臣 民主党提案のいわゆる金融アセスメント法案によりますと、内閣府の外局として設置され、報告徴求及び立入検査権を有する地域金融円滑化評価委員会が評価を行うというふうにされていると理解しています。したがって、この点では、政府の一機関が個別金融機関の活動を評価するということにやはりなるのだと思います。その意味では、例えば民間の格付機関など市場による評価とは性格が異なっているのではないかというふうに考えるわけです。
 総理の答弁の趣旨は、金融機関の融資業務については、これはやはり各金融機関の自主的な経営判断に基づいて行われることが基本であって、その評価については、基本的には利用者、預金者、投資家など市場によって行われるべきではないかということをおっしゃったのだと思います。
 金融機関の自主的な経営判断に任せては公的な機能は果たせないのではないかというその最後の御指摘でありますけれども、基本的に、経済の基盤を支える中小企業への円滑な金融の確保が極めて重要である、この点は非常に我々も強い認識を持っております。
 このため、金融庁としては、健全な中小企業に対する一層の資金供給の円滑化を図ること、不良債権の早期処理等を理由に貸し渋りや貸しはがしを行わないことなどについて、金融機関に対しては繰り返し要請を行っている。さらには、さまざまなこれは中小企業貸し出しに対する配慮やセーフティーネットの構築を行う。御承知のように、モニタリングとしての貸しはがしのホットライン等々を設けて、それを検査に結びつける。そういうさまざまな政策を組み合わせることによって対応すべきであるというふうに考えているところでございます。
五十嵐委員 私の言うことを聞いていないんですかね。私どもも、利用者、預金者に判断を、借り手あるいは預金者に判断をしてもらおうということなんですよ。ただそれが、判断が難しいから、わかりやすい数字であらわせるような何らかの指標を出しましょうということで、そういう意味では、正確に言うと違うんですよ、評価と言っても。いわゆる評価のやり方というのはいろいろあるわけです。それは、政府の一機関が評価するからおかしいという話ではないということを何度も説明しているじゃないですか。それだけで言うのは、私は我々に対する侮辱だと思いますね。
 そして、このアセスメント法案については、与党の皆さんの中にも賛成する方がいっぱいおられるんですよ。今話し合いも始まっているところなんです。民主党が言っているからとりあえず否定しておこうというような態度は、私は許しがたい、こう思いますね。
 それから、次に移らせていただきますけれども、お手元に資料を配付いたしております。繰り延べ税金資産の問題でありますけれども、竹中さんは原案などなかったんだと言うけれども、明らかに繰り延べ税金資産のアメリカ並みの基準というものを主張されていたはずで、それがなくなったということが今回の金融再生プランでの一つの大きな特徴になっているんだと思います。
 繰り延べ税金資産というものが本当に妥当かどうかというのをいろいろな角度から調べてみたのがこの表であります。主要行の主なところ、特にここに出ているのは、東京三菱を除いてありますから、いわゆる公的資金を注入されている主要行なんですが、過去十年間の平均の繰り延べ税金資産、それを五倍、五年分ですから五倍したもの。これを合わせると、そこに一兆五百七十三億円と出ています。それから、過去五年間の平均を五倍したもの、過去三年間の平均を五倍したもの、昨年度の実績を五倍したものというのを並べてみて、そして一方、今計上されている繰り延べ税金資産がどうかというのを比較したものです。
 どれを見ても、一兆円、五千億、四千六百億、約二千億。今計上されているのは六兆七千億ですよ。確かに、今一生懸命、償却しろ、償却しろと言われているものだから、引当金を積んでいるというのはそれは確かでしょうけれども、幾ら何でも、過去五年分の平均の五千億の十数倍じゃないですか、六兆七千億というのは。いかに過大に計上しているかというのは、もう一目瞭然です。粉飾しているんですよ、結局は、粉飾。これは非常に問題なんです。先ほどの、金融機関の自主的な経営判断の問題といいますけれども、こういうことがあるから、結局、ルールをきちんとしなきゃいかぬということなんです。
 私、ジョージ・ソロスという人が、ファンドの世界で一番有名な代表者でありますけれども、当然のこと、市場原理主義者、マーケット至上主義者だと思っていましたら、最近論文を読むと、そうじゃないんだ、金融というのは物を介在する取引とは違うんだ、こう言っていまして、倫理とかルールというものを厳格に求めていかないと世の中を間違った方向へ持っていってしまうということをジョージ・ソロスさんが言っているんですね。これはそういうことなんだろうと思うんですよ。これは明らかに粉飾であります。
 ですから、我々は、厳しくしなきゃいかぬ、こう言っていたわけなんですが、それを撤回されてしまった。撤回するのに、ルールの急な変更だからだと。これは、野球をやっていたらアメリカンフットボールになっていたというようなことを銀行当局者から言われたらしいんですけれども、私は、そうじゃないと。急に変更しないといけないほどあなた方はルールを破ってきたからだ。世の中をめちゃくちゃにしてしまったから、事ここに至っては、これは変更せざるを得ないんだという話で、だから危機が、危機の認定が必要だということを申し上げていたんですね。
 この繰り延べ税金資産の妥当性についてどう考えられるか、まず伺いたいと思います。
伊藤副大臣 御指摘の会計上の繰り延べ税金資産の計上は、公認会計士協会の実務指針にのっとり、将来の回収可能性について、監査法人による検証を経た上で行われております。
 この繰り延べ税金資産に見合いの額が資本勘定に適正に算入されているか否かについては、計上された税効果相当額、つまり、繰り延べ税金見合い額が、今後五年間の期末一時差異の将来加減算調整前の課税所得、すなわち貸し倒れ等が実際に発生し、過去の有税償却等に伴い計上された繰り延べ税金資産が損失計上され、その分、課税所得が減算される前の課税所得の今後五年間の見込み額に実効税率を乗じた額を上回っているか否かにより検証されることになっております。
 そして、五十嵐議員が御指摘をされているのは、損金計算書上の法人税、住民税及び事業税の計上額、すなわち貸し倒れ等の発生に伴う過去の繰り延べ税金資産の損失計上により、その分減算された後の課税所得ベースとした納税額等について、その五年間平均を五倍した計数となっているわけであります。
 いずれにいたしましても、繰り延べ税金資産については、金融再生プログラムにおいて、会計指針の趣旨にのっとり、その資産性を厳正に評価するとともに、外部監査法人により厳正の監査、厳格な検査を実施するというふうにいたしております。
五十嵐委員 あなたの講義を受けているんじゃないので、わかり切ったことを繰り返し長々言っていただかなくても結構でございます。
 私が言っているのは、このような措置が極めて裁量性が高い。ジョージ・ソロスさんも言っているんですが、ディスカウント・キャッシュフローだって、将来価値の見積もりというのは結構難しいんだ。したがって、いろいろなあいまいな部分や、自分の都合のいいように解釈する余地というのは出てくるんだ。だから、その辺を厳しくやらなきゃいかぬという話をしているわけですよ。
 それでは、実例で言いましょうか。藤和不動産が、このたび二回目の債権放棄を主要行からしていただくということになったようであります。一回目と二回目、これは合わせて五千百億円の債権放棄になる。債務免除になるんですね、藤和不動産の側から見ると。経営責任は問われないということになるそうですけれども、私は、これは異常なことだと思うのです。
 なぜかというと、五千百億円というのは、本来の、藤和不動産もともとの有利子負債の大部分なんですよ。はっきり覚えていませんが、八割前後になるんじゃないですか。要するに、借金した額の八割を免除してもらわなきゃ助からないというのは、これは再建可能な企業なんですか。それで、この藤和不動産は、ここまでしてもらったおかげで、ダンピングして商売をしている、ほかの努力している企業をいじめているという話が出ているわけですよ。これはどういうことなんですか。
 銀行の体力に合わせてちょびちょびおまけをしてあげるということからそういうことが起きるんであって、これは明らかに粉飾しているんですよ。銀行側の粉飾になっているし、藤和不動産に対する債権について、これは極めていいかげんな見積もりが行われた、こういうことなんですね。回収可能性なんかありゃしないじゃないですか、こんなところに。金利がちょっとでも上昇すれば、たちまちアウトなんですよ。債務超過でしょう。実質的にはもう債務超過なんじゃないですか。もともとの有利子負債の大部分を放棄してもらわなければ生き残れないような会社を、これを再建可能だというところにしているということじゃないですか。
 この問題について、どう考えますか。
竹中国務大臣 十一月七日に藤和不動産が新経営計画を発表したということは承知をしております。これは個々の銀行の個別の取引に係る事例で、個別の問題でありますので、詳細なコメントは差し控えたいと思いますが、いずれにせよ、それぞれの問題について、関係者が再生に向けていろいろな角度から幅広く取り組んでいるという一つの結果であると思います。
 これは個別の問題ではなくて、あくまで一般論としてでありますけれども、今回の金融再生プログラムの中では、資産査定の厳格化の措置をさまざまな観点から織り込んだつもりでございます。再建計画の妥当性についても、きちっとこの資産の査定の中で見ていくということを明記しておりますし、これらの措置を実施していく中で、これはぜひとも的確に対応していきたいというふうに私は思っております。
五十嵐委員 私も、普遍的な問題の、一般的な問題の典型的な一例として挙げているんじゃないですか、これは。銀行がこういうことをしているからだめだと言っているんでしょう。五千百億円も債務免除するんだったら、あなた、中小企業に一億円ずつ免除してやったら、五千百社が助かるんじゃないですか。そうでしょう。皆さん、そう思うはずですよ。
 五千百億円、ここに、この腐った企業を助けるために、申しわけないけれども助けるために、実は、たくさんの会社から貸しはがししているんですよ。これが、我々が言っている不良債権問題の本質じゃないですか。腐った大口債務者に追い貸しをし、金利をゼロにし、その分自己資本が減るから、インチキをし、中小企業から貸しはがししている、それが本質じゃないですか。だから、これをちゃんとやるために何をするのかということをずっと言い続けてきているのです。どうするんですか、こんな問題を。
 私は、繰り延べ税金資産にしても、ディスカウント・キャッシュフローにしても、きちんとやるべきであるし、ですから、それには危機の認定が必要だと何回も申し上げているわけです。もう一つ銀行側からは、そういうのは無税償却させてくれないから、繰り延べ税金資産に頼らざるを得ないんだという話が出てくるわけですね。無税償却の問題については、これは財務大臣と金融担当大臣との間でちゃんと話ができているんですか。これは政府としての方針をきちんとしなければ、この問題は解決できないですよ。
 何度も申し上げていますけれども、与党の中と、金融担当大臣と財務大臣と小泉さんとばらばらなんですよ、みんな。これでちゃんとした仕事ができるはずがないんです。(発言する者あり)財金分離は必要なんですが、財金分離は必要なのに、それをきちんと使わなかったのが問題なんですよ。だめですよ。どうですか。
竹中国務大臣 五十嵐委員御指摘になったように、これは繰り返し言いますが、今回の個別の企業に対して物を申し上げるというのは差し控えさせていただきたいですが、一般論として、委員がおっしゃったように、もし本当にその不採算な企業を延命させるためにそこにお金をつぎ込んでいっている、その分、健全な中小企業から貸し渋り、貸しはがしというような現象が起こっている、これはやはり、断固としてこういう措置はとめなければいけない。今回の金融再生プログラムは、まさに非常に強いそういう思いのもとに作成されているということをぜひ御理解いただきたいと思います。であるからこそ、再建計画がなされているようなところについては、その再建計画の厳しいチェックも含めて資産査定を厳格化していく、それを直近の、来年の三月期から適用していくということを明記しておりますし、それはぜひとも私は実現をしたいというふうに思っております。
 一点、だから危機を認定しろという点に関しては、これは先ほど御答弁させていただきましたけれども、そこは少し認識が違うわけでございますが、しかし、こういう御指摘のようなことが起こってはならないし、断固それはとめたい、そのために金融再生プログラムを厳格に運用していきたいというふうに思うわけであります。
 あと、後半に御指摘になりました税制変更に対する、これは我々の要望は要望として、もちろんこれは行っているわけでございます。これもしかし、税制の問題と企業会計原則の問題と銀行監督の基準の問題との非常に難しい、重要な接点にありますものですから、要望すべきことは、これは当局としては当然要望させていただきます。しかし、その一方で、市場とのギャップをやはり埋めなければいけない。そのために繰り延べ税金資産についてどのような取り扱いをすべきかということに関しては、関係者の知恵を集めて早急に検討をしたいというふうに思っているところであります。
塩川国務大臣 まず最初に、五十嵐さんからなかなか貴重な発言がございまして、金融と財政を分離したということが、やはり一体的にやるべきであるのに、非常に総合性が欠けておるということ、私はまさにそう思いまして、金融の行政の中で、監督と検査と指導というものを一つまとめにしてやっておるところに、ちょっとした私はそごが起こってくるんじゃないかなという心配は実はしておるのであります。しかし、現在の制度の中において最善を尽くさなきゃならぬということでございまして、努力をしております。
 そこで、お尋ねの税金の問題でございますけれども、貸倒引当金を無償にするという、繰越損金を無税にするというこの制度につきまして、実はいろいろと今まで議論はございましたけれども、金融機関についてぜひこれをやれということを最近議論になってまいりましたのは、つい最近でございまして、過去においてこの問題は余り提案としてはなされておらなかった、希望としてはございましたけれども。
 それはなぜかというと、やはりこの問題は一般企業と公平にやらなきゃならぬということから見ましたら、膨大な法人税の改正にもつながってくるということでもございますので。そのことがございますだけに、私も今回こういう申し入れをいただきました、つい最近でございますが金融庁から提案がございましたので、政府の税制調査会に検討してくれということをしたのですが、最近におきましては、結論は出し切れずに、いずれ検討はするけれども、法人税全体というよりも税制全体の税収確保等の関係をどうするかということもあるしするので、慎重に考えたいというのが政府税調の考えでございます。
 なお、その議論の中に、それじゃ銀行だけ、金融機関だけ切り離してという議論もございますけれども、これについては、税の中立、公正の原理からいってとるべきではないということが言われております。
 それからなお、申し入れ、提案の中に、繰り延べ期間を十五年にしろという提案も実はあるわけでございますけれども、十五年といいましても、第一、税務署自体が、書類の保管責任は最長七年でございますから、それだけの資料を保持しているものではない。銀行当局においてもその十五年という期間は長過ぎるんではないか。また、十年という申し入れもございますけれども、先ほど言った期間を勘案いたしますと、十年も現実的には非常に難しい問題ではないかと思ったりしておりまして、いずれにしても、無税償却の問題については今後の検討の問題になると思っております。
五十嵐委員 話が逆なんですよ。財金分離をなぜしなければいけないかということに、では、少し話がずれますけれどもさせていただきますけれども、まさに今言ったように、財務省が財の方を大事にする余り、金融をその配下に置いていた。だから、税金を大事にするから、無税償却の一般引当金の範囲は小さくするんだ、だから有税償却になってしまうんじゃないですか。そうでしょう。
 無税償却を、無税でできる一般引当金の部分を大き目に見れば、これは本来もっとこういう償却が進んだはずなんです。だけれども、それができなかったのは、むしろ財務省が自分の権限を小さくしたくないから、金融をむしろ財政の支配下に置いているからそういうことが起きた、そういうことなんですよ。だから、財金分離は、しなければならなかったというのはむしろそういうところがあるからで、全く別の意味にとっているんですよ、あなた方は。そういうことじゃないですか。
 私は、そうではなくて、今回の問題については、財務省と金融庁との間で十分に話し合って、話をつけてから案を持ってきなさいということを言っているんじゃないですか。いまだにばらばらのことをやっていて、それでどうするんですかという話なんですよ。
 それから、もう一つ資料をつけていますので、話が前後して大変恐縮でございますけれども、金融庁から、私、資料要求をいたしまして、自己査定と特別検査の結果について、その格差を教えてくれと言ったら出てきたんですね。
 この一巡目、二巡目というのは特別検査です。その前に、特別検査の前の普通の検査の実は乖離があって、それが柳澤さんが答えていた二五%なんですよ。ですから、一巡目、二巡目の前に、その前に一般的な検査があった、それが乖離率二五%だったんですね。それが、特別検査一巡目を終えたら三五・九%に、十ポイント以上ふえているんですね。これはいかに甘い資産評価をしていたかということなんです。普通は検査をすれば、重ねれば、だんだん下がってくるのは当たり前なんです。それがこういう結果になっているのが、まさに甘い検査、甘い自己査定をしていたということの証拠なんですね。
 これはこれから先どうなるのかというのが問題なんですが、その前に、これはあくまでも平均なんですね。償却引き当て額について、五〇%以上の増加、すなわち乖離率があるところが五行もあるんだというんですね。この五行を公表できますか。
竹中国務大臣 配付いただきました資料は、先週の金曜日に、これは、金融再生プログラムでの施策に基づきまして、自己査定と金融庁の査定の格差を縮める努力をやはりしてもらわなければいけない、そういった思いを込めて公表をしたものでございます。
 ちょっと技術的なことでありますが、柳澤大臣が、これは平成十三年七月時点で金融検査マニュアルに基づき検査を実施した数字、二五%という数字を、これはメンションをしておられます、口頭で言っておられますが、これは、主要十五行のうちの十一行について、対象も、リスク管理債権に係るものというのを柳澤大臣がお話をされたということでございます。今回は貸出金分類額でございまして、債権の範囲が異なるということと、金融機関の数が違うということでございますので、そこはちょっと、単純な比較はできないというふうに思います。
 お尋ねの件、今回、我々の目的は、金融機関に自己査定をしっかりとしてもらう、そういうことを自覚していただくために公表しているわけでありまして、したがって、集計値、つまり平均値と、それと分布、御指摘のように、五〇%以下、何行、何行という形で、各金融機関に自覚を促すというものでございます。
 これについて、その個別の名前は公表できるのかということでございますが、これは、銀行に関する風評リスク等々を考えまして、現時点ではやるべきではないというふうに判断をしております。
 さらに、先ほど申し上げましたように、とにかくこれは金融機関にしっかりとした自覚を持ってもらって、それで自己査定をしっかりとやってもらって、金融庁の査定に近づけさせるというための手段でありますので、その意味では、今回の我々の公表というのはそれに十分資するものであるというふうに考えています。
五十嵐委員 銀行は、公的機能を担わされている半ば公的な機関でもあるわけですね。そこが粉飾決算をしちゃいけないわけですよ。これは粉飾決算の間接的な証拠になってくるわけですね。予想がつくんですよ。いわゆるこの乖離率が大きいところは、大口の債務者、先ほどから言っている大口の債務者を抱えているところでしょう。大口債務者御三家と言われているようなところがありますけれども。あるいは別の銀行も、大口で非常にしこっている大きな二社を抱えている銀行がありますけれども、メガバンクがありますけれども、そういうところに決まっているんですよ。予想がつくんです。大体五つ、私、言おうと思えば言えるんですけれども。
 こういうのはむしろ積極的に公表して、絶対に粉飾しちゃいけませんよということを周知徹底させる、私はそのことの方が大事だと思うんですよね。どうなんですか、これは。どうしてここだけ名前を伏せなきゃいけないのか、ちょっとわからないんですよ。
竹中国務大臣 先ほども申し上げましたように、今回の公表の目的は、これは我々も非常に強い思いでこの再生プログラムに記載したわけでありますけれども、こうした数値を公表することによって銀行自身に非常に強い自覚を持ってもらう、その点に尽きます。
 一方でしかし、銀行に対する風評リスクというのは、これはこれでやはりしっかりと考えていかなければいけないと私たちは考えております。
 今回、こういう形で公表をさせていただいて、これは金融機関の、ぜひともその努力、その成果、奮起を促して、自己査定がしっかりとさらに進んでいくことを私たちとしては期待をしているところであります。
五十嵐委員 全然答えになっていないですね。
 私どもは、何回も言っていますけれども、この不良債権問題というのは、過当競争で、ゼロ金利でなければ生きられない、そして将来の再建の見通しも極めて薄い大口債務者、これをソフトランディング路線で救っていこうというところから問題が来ているんですと。それで、この大口債務者については、本当は、政治が関与して政治があっちはだめ、こっちはいいというのではなくて、金利上昇に耐えられないところはそのまま市場原理に従って退場していただくというのが、これは普通のあり方だと思うんです。まともな金利負担に耐えられない会社が、これは自然に退場、淘汰されていくというのが普通の姿だと思うんですが、そうではない姿をつくってしまっている。
 それなのに、この産業再生機構というのは、今度のプランの目玉のようでありますけれども、どうも話を聞いてみると、中小企業、肝心の中小企業についてはどうも相手にしていない。むしろ、相手にできないんじゃないか。この、今申し上げたような、むしろRCCに即行っていただかなければならないような再建可能性の薄い大口債務者を救う、政治的に救う機構になってしまうのではないか。
 RCCと産業再生機構の関係。今まではRCCの企業再生本部を中心にやっていくんだと言っていたのが、急に変わってしまった。そして、泥縄でつくられた産業再生機構というのは何もまだ決まっていないという状況なんですが、何も決まっていないといっても、これが大口債務者用のものなのか、中小企業も相手にするものか、そのぐらいはわかるでしょう。そのぐらいは答えられなければおかしいと思うんですが。
 我々は、そういうあり方はおかしいと。先ほど言っていますように、大口債務者を政治が選別して選ぶというような話はおかしいというふうな立場からですが、産業再生機構の機能について、基本的な流れ、方向性について伺いたいと思います。
 小手川さん。
小手川政府参考人 この産業再生機構につきましては、実は昨日、産業再生それから雇用対策戦略本部が設置されまして、今後、この本部におきまして、その基本指針がつくられるということでございます。
 それで、実は私どもも、八日の日に三人で立ち上げたのですが、昨日から二十名弱の人員をいただきまして、これから本格的な法案作成作業等に入るという段階でございます。
 したがって、詳細は今後時間をかけて詰めていかないといけないんですが、今般の、例の三十日の総合対応策でございますけれども、その中でのキーポイントとしましては、メーンバンクと債務者との間で経営再建計画がほぼできつつある等によりまして再生可能というように機構が判断できるものを対象にするとなっておりまして、その際には、その債務者のいわゆる規模につきましては、そこは大企業、中小企業といった差別はしていないというふうに承知しております。
五十嵐委員 しかし、中小企業は大変多いわけですから、この産業再生機構というのは、そうすると物すごい大きな、全国規模の大きな組織になるんですか。そうじゃないんでしょう。だから、大口しか必然的にできないんじゃないですか。
 私はいいと思うんですが、ある番組で、与党のこの委員会の筆頭理事の金子一義さんと御一緒いたしまして、議論をいたしました。金子さんの口からは、いや、これは大口、大企業しかできないんですよ、こう言われているんですね。与党の筆頭理事が言われているんですよ。私は、それはそのとおりだと思いましたよ。そうなんだろうと思いますよ。必ずしも大企業だけとは限らないみたいな話をおっしゃっているんですが、実際にそういう組織も実力もノウハウも恐らくないんじゃないですか。ですから、それは無理だと思いますよ。いいかげんなことを言われては困るんですよ。
 それから、ついでにもう一つだけ小言を言っておきますけれども、何でこの大事な話、この法案に極めて重要なかかわりがあるこの産業再生機構について、担当大臣が決まったけれども、要求しても出てこれない。どういうわけですか、これは。本来ならば、このままでは審議できないですよ。そうじゃないですか。この一部なんですから。いわゆるデフレ対策、金融再生プランの重要なファクターである産業再生機構について、担当大臣が決まったのに所管の委員会に出てこれないというのはどういうことですか。
 それから、基本的な方針も言えない。大企業が相手なのか、中小企業まで面倒見るのかということも言えないというのはどういうことなんですか。あるいは、うそを言ってしまうというのはどういうことなんですか。どうなんですか、もう一回答えてください。
小手川政府参考人 まさにその点も含めまして今後も詰めてまいりますが、債務者ということにつきましては、私どもそこは、中小企業を対象にしないとかいうことをあらかじめ頭の中に置いてやっていくということではなくて、ここにございますように、債務者というのは一般的に債務者という頭でやっていくつもりでございます。
五十嵐委員 だから、それは矛盾しているじゃないですか、そんな。それは政府部内も与党との間も違っているんですよ。塩川大臣の発言とも違うんじゃないですか。
 これは質問を続けられなくなっちゃうじゃないですか。私は、きょうはこれでとめるつもりはないんですよ、優しいから。だけれども、これは重大なそごが来ちゃっているんだもの。これは質問できないですよ。
小手川政府参考人 まさにこれから機構全体の仕組みをつくっていく段階でございます。それで、もちろんその際には法案という形でお諮りすることになってくるわけでございますが、それで実際にその機構の方にどういうふうな債務者の案件が出てくるかということにつきましては、当然メーンバンクとその債務者の間で再建計画がほぼ合意しているものについて出してくるということでございますので、現段階におきまして具体的なことを申し上げる段階にはないということでございます。
五十嵐委員 それはだめですよ。大企業だけ救うのかどうかという重要な問題ですから。大骨も背骨も小骨と一緒の話をしちゃだめなんですよ。そんなことも決めないで国民の前に出してきたんですか。そんなばかな話はないでしょう。全部決めてから出し直してきなさいよ、それだったら。大臣と、つい最近まで財務省におられた事務当局との間で話がこんなに違っているんじゃ、話にならないじゃないですか。質問できないぞ、これは。
塩川国務大臣 その件につきましては、昨日、産業再生雇用戦略本部が設置されたところでございまして、根本になりますところの指針が決まってこなければ、その指針を決める段階において機構を同時に定めるということになっておりまして、まだそこまで至っておりませんで、でき得れば来週中にその方針を明確に示して作業にかかりたい、こういうことでございます。しばらくの間、猶予いただきたいと思います。
五十嵐委員 きのうおっしゃった自分の言葉と矛盾しているのが一点。それから、今もおっしゃいましたように大方針も決まらない。では、名前だけ決めて出してきたというんですか。国民をばかにしないでくださいよ。産業再生機構という名前だけ決めて出してきたんですか、それじゃ。あとは何も決まっていない、そんなばかなこと、あるわけないじゃないですか。こんなもの、質問できるか。
塩川国務大臣 今、名称を決めないでと言いましたけれども、それじゃ無名の委員会というわけにいきませんから、ですから仮称ということをやっておりますし。だから、構想はちゃんと申し上げておって、この構想に基づいてすべて、機構なりあるいはまた活動方針、指針というものを明確にしていくのを順序を踏んでおるところでございまして、何も全く架空のものを申しておるものではございません。
五十嵐委員 だから、構想があるんならちゃんと言いなさい、政府の間で違っているのもおかしいじゃないですかと言っているんですよ。そこに答弁がないじゃないですか、それは。だめだ、これは。
塩川国務大臣 いや、私は、質問が、非常に複雑に質問があるので。
 中小企業をどうするのか、大企業をどうするのかという扱いでございますか。そうであるならば、そのような質問をしていただいたら私はお答えはきちっとできる。つまり、中小企業を中心にやるのか、大企業を中心にやるのかという、このお話でございますか。そこははっきりして質問していただきたい。(発言する者あり)
小坂委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
小坂委員長 速記を始めてください。
 五十嵐委員にお願いを申し上げます。
 もう一度、質問の内容を明確にして答弁を求めてください。
五十嵐委員 委員長に申し上げますけれども、それは私に対して大変な失礼な話ですよ。どこの私の質問の、はっきりしていないということですか。はっきり言ったじゃないですか。訂正してくださいよ。そんなばかなことはない。
小坂委員長 五十嵐委員に重ねてお願いを申し上げます。
 もう一度質問を繰り返していただくようにお願いいたします。その際に、昨日との相違点があるのであれば、その点を明確にして言っていただけると明確になると思います。
五十嵐委員 先ほどもはっきり言ったじゃないですか。
 私は、この産業再生機構は大手企業を対象にしたものですかどうですか、中小企業についてはどう考えるんですかということを申し上げた。小手川準備室長は、それは一般企業まで含めて、中小まで含めて対象にするんだということをおっしゃった。しかし、昨日、同僚議員の長妻委員の質問に対して塩川大臣は、これは大口債務者を対象に、大手企業を対象にしたものだという趣旨の答弁をされている。矛盾しているではないですかということをはっきり何回も言っているじゃないですか。それに対して、私の質問がはっきりしないから答えられないというのは、訂正してください。
塩川国務大臣 そういう趣旨でしたら、はっきりいたしました。
 では、お答えいたします。
 それは、まず、中小企業と大企業とを同じ基準ではできないだろうと思います。でございますから、指針を決める場合に、大企業を中心に決める基準というものと、中小企業の審査をする基準というものとはおのずから若干違ってくるものであろうと思っております。
 そこで、私は先日答えましたのは、まずやはり大企業を中心にした受け取り方をしていくべきであるということを申し上げて、そして中小企業については、中小企業に適合するような基準をきちっとして、中小企業も同時に進行させていくということをやるということは、先日答えたとおりであります。
五十嵐委員 それは全くごまかしですよね。
 今戻られましたけれども、金子一義さんも某番組の中で、この再生機構では、これは大手しかできないんだということをはっきり述べられている。そして、大体私も先ほど指摘しましたけれども、それじゃ全国的なベースで中小企業まで面倒を見られるような組織になるんですか、能力があるんですかということを言ったら、答えてないですけれども、多分ないでしょう、それは。
 では、もう一回答えてくださいよ。
小手川政府参考人 まず、今回の機構につきましては、できる限り民間の力をこの機構の中で利用していきたいということで、実際の機構の設立の際には、民間の人材の活用を図っていきたいと思っております。
 したがって、まだ現在、それについては準備段階ですが、今後詳細を詰める必要はありますけれども、今先生の言われた問題点につきましては、そういうような、民間の人材の活用ということを通じて大幅なものをやってまいりたい。
 それでもちろん、制度の仕組み方としましては、三十日の総合対策の中にございますように、あくまでも債務者ということですので、ここは企業の規模に関係なしに対象に入ってくるものではないかというように現在考えております。
五十嵐委員 いまだに答弁は矛盾をしておりますし、それから、まず、質問の趣旨がわからないような時間稼ぎで私の時間が削られましたので、私は重要な質問を大分残してしまいました。
 これできょうは終わりますけれども、別途、さらに質問時間を確保して、そして重要な審議を続けさせていただけますように強く要望いたしまして、私の質問を終え、同僚議員に譲ります。
小坂委員長 次に、原口一博君。
原口委員 民主党の原口一博でございます。
 本法案並びに関連について、大臣にお答えをいただきたいと思います。
 冒頭、方針も決まらない、そしてやはり不良債権の問題設定そのものを間違っているんですね。不良債権の問題は大銀行、大都市の問題じゃないんですよ。それだけの問題ではない。むしろ、地方の中小企業の問題であり、地域の問題なんです。そこの問題設定を誤るから、まさに方針も出ないような法律を出してくる。
 そして、大きなのこぎりでもって、抵抗勢力のさびをつけて、いつそれで手術されるかわからないから、もうあの竹中プランが出た後でも相当な貸しはがしが起こっているじゃないですか。マクロの経済認識を語らず、対処だけをやるからこういう形になるのであって、私は、ぜひ竹中さんが大臣をお受けになったときのその初心に返っていただいて、それはこのままじゃだめだ、このままじゃ危機だと思って、あえて今の政権の中に入られたんだと思う。それは大きな勇気が要ったんだと思う。不良債権の処理というのは、まさにやみの勢力との闘いでもありますから、それは生半可な覚悟ではなかったと思う。しかし、問題設定を間違えてしまって、なし崩し的に、泥縄的にやってしまうと多くの国民が迷惑をする、そのことをまず指摘しておこうというふうに思います。
 そして、先日、我が党の中川議員が朝銀について質問をし、朝銀から朝鮮総連に幾ら渡ったのか明らかにせよという質問をしましたところ、組織的と思われる、そういう電話やさまざまな嫌がらせに遭っています。私たちは、ここに立つことだけでも言論が封じられるなんということはあってはならない。まず、大臣にお尋ねをします。
 金融整理管財人を置いてもう二年がたとうとしている。もうこの朝銀の問題については、公的資金をその受け皿銀行に対して投入するかどうか、そのリミットがあと一カ月以内に迫っていると思います。朝鮮総連に対してどれほどの融資が行われたのか、そこを明示すべきだと思いますが、大臣の明確な答弁を求めます。
伊藤副大臣 お答えをさせていただきたいと思います。
 当委員会でも何度か御答弁させていただいているように、私どもは守秘義務の関係からその点については公開ができないということでございます。
原口委員 そうであれば、私たちは国会で公的資金の投入を認めるわけにはいかない。今回出されている金融機関組織再編特措法、健全な金融機関同士の合併に資本注入する理由は一体どこにあるのか。本当のねらいは、実質的に経営危機にある金融機関を救済するため持参金をつけることではないか。また、これを皆さんは朝銀に適用するつもりなんじゃないんですか、違うんですか。
伊藤副大臣 本法律の趣旨から考えて、これを破綻処理に利用することはございません。
原口委員 伊藤副大臣、よく聞いて答えてくださいね。
 これは皆さんが今回出された法律について今聞いているんです。金融機関組織再編特措法というのを皆さん出されているわけです。これは、健全な金融機関同士の合併に資本注入するというのが趣旨ですよ。
 そうしたら、実質的に経営危機にあるものに持参金をつける形になってしまうんじゃないか。今皆さんが朝銀にやろうとしていること、そのことに適用される危険があるから聞いているので、今あなたは破綻の話をされたでしょう。全然違うことを答えてもらっちゃ困るんです。こっちだって命かけてやっているんですよ。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の提案しております法律につきましては、四%以上といういわゆる健全な金融機関の合併、これを念頭に置いておりまして、いわゆる四%以下とかあるいは破綻懸念とか、そういうものの金融機関の合併については、想定しておらないところでございます。
原口委員 だったら、幾らどういうお金が流れたかなんというのは、明らかにしなさいよ。テロ支援国家と言われ、万景峰号でお金が流れているなんということも指摘されている。
 そこに、今拉致の問題で日本全国が、我が国がどんなに残念な対応をしてきたか、拉致被害者の家族の皆さんにどんな思いをさせたのか、そのことをやっているときに、四%云々健全であるところに、当たり前じゃないですか。だったら、その根拠を示しなさいよ。架空口座や借名口座がたくさんあって、そこから流れたということが指摘されているじゃないですか。皆さんも調査すると、総理まで言っているじゃないですか。なぜ出せないんだ。
五味政府参考人 お答えいたします。
 北朝鮮系のこのいわゆる朝銀も含めまして、個別の金融機関からの個別の債務者向けの融資状況あるいはその金額、態様、こうした個別の取引に係る事柄というのは、私どもにとりまして、職務上知り得た秘密というものになります。したがって、国家公務員の守秘義務の観点から、当該債務者が法的整理に入っていて、既に公開情報となっているというような例外的な場合を除きまして、従来からコメントは控えさせていただいております。
 なお、朝銀東京から朝鮮総連への貸し出しにつきましては、金融整理管財人による告発を受け立件されましたこの信用組合の旧経営陣に対する刑事事件、その論告求刑公判、これは公開されておりますが、これにおいて朝鮮総連側への貸出残高の累計額は平成十年三月末には二百五十億円を超過するに至ったというふうに述べられておると承知しております。
原口委員 個別の案件、個別の債務者じゃないんですよ。今あなたがお話しになったその裁判で、朝銀と総連、そしてその先にある学習組、これは一体であった、北朝鮮労働党本部、これと一体であったと判決で言われているじゃないですか。個別の善意の債務者あるいは債権者、その情報を開示しろと言っているんじゃないんですよ。非常に残念な答弁ですね。
 あなたたちが今回出してきたこの法律もそれに使われる可能性を排除できない。これ、使いませんと言いなさい、では。
五味政府参考人 御審議中の法案に関するお話でございますけれども、個別の案件につきまして、個別といいますのは個別の合併案件でございますね、それについて、一定の仮定のもとにお答えをするというのは控えさせていただきたいと存じます。
 いずれにいたしましても、個々の合併がこの法案の資本増強の対象となるかどうかというのは、業法上の合併認可、あるいはこの法案に規定いたします経営基盤強化計画の認定要件など、こうしたさまざまな要件に従って厳正に審査は行われていくということになるということでございます。
原口委員 適正に審査や検査を行っていたらこんなこと起こらないじゃないですか。何を言っているんだ。私は、この問題で、また引き続き国会でいつまでもやろうと思います。あの拉致の問題をないがしろにしたことが、国民の安全そして国家の尊厳を汚している、このことも全く同じじゃないですか。
 日銀総裁にお見えいただいていますので、日銀総裁に幾つか質問をしたいと思います。
 今経済全体で、私も、先日、予算委員会で派遣されまして、ヨーロッパの中央銀行、それからブンデスバンク、フランスの中央銀行、多くの人たちと議論をしてきました。
 世界的なデフレの傾向、これをどうとらえるのか。アメリカのダウが三年連続落ちた。これはアメリカの歴史の中では過去二回しかない。一九二九年と一九三七年、この二つです。世界的なデフレ傾向が大きく進んでいるんではないか。ヨーロッパについても二%の安定化条項を、この数年、物価が破ってしまっているけれども、それは特殊要因であって、世界的なこのデフレ傾向というのは、私たちはそのリスクをよほど強く認識しておく必要があるんじゃないかというふうに思っておりますが、日銀総裁の現状認識をお尋ねをし、そしてあわせて竹中大臣の現状認識をお尋ねしたいと思います。
速水参考人 お答えいたします。
 九〇年代に入りましてから、世界的なディスインフレ傾向が見られることは御承知のとおりでございます。現在、海外でも財の価格を中心に物価下落傾向が広く見られております。
 生産者物価、これが幾つかの先進国、アジア諸国において前年割れとなっているほか、消費者物価につきましても、財の価格についてだけ見れば、米国や英国などもマイナスの伸びとなっております。
 こうした世界的な物価動向の背景としましては、エマージング諸国を中心にして、世界的な供給能力が急激に高まってきているということ、これは労働人口の関係でございますが、そういうことや、技術革新の動きが生産性を高めてきているといったようなことが指摘できると思います。
 現在の日本における物価下落につきましては、需要側の要因、需要不足ですね、これと同時に供給側の要因、これには先ほどのことのほかに輸入品が安いといったようなこともございますが、そういう双方が複雑に絡んでおりまして、こうした世界的なディスインフレ傾向の強い影響を受けているというふうに考えていいと思います。
 今後の物価動向を展望するに際しましては、こうしたディスインフレ傾向に対して、各国政策当局が今後どういうような政策面で対応をしていくかというようなことも重要なポイントになってくると思います。
 この点、日本銀行としましては、経済をできるだけ早期に持続的な成長軌道に復帰させて、物価がマイナス基調から脱却できる状況を実現するために、中央銀行の立場から最大限の努力を続けてまいる方針でございます。
竹中国務大臣 デフレの問題、世界的なデフレの問題というのは、委員御指摘のように、我々やはり非常に深刻に、重大な問題としてとらえておかなければいけないと思います。
 日銀総裁の話にもありましたように、需要の不足の問題もあるでしょう。しかし、同時に、重要なのは、やはり供給側の要因、これは一見迂遠な話に聞こえるかもしれませんが、世界の経済が統合されていけばいくほど、いわゆる人件費とか要素価格が均等化していくんだという非常に有名な命題があります。これがグローバリゼーションの中でやはり急速に起こり始めたという厳しい認識を持たなければいけないのだと思います。
 それを、特にこれは中国の人件費等々の話になりますが、その証拠としては、日本の場合、卸売物価や消費者物価よりもGDPデフレーターの方が現実に早く下がり始めた、こういった点は非常に深刻に受けとめなければいけないと思います。
 恐らく、そうした中で、ここは専門家の間でも議論が分かれてなかなか一致点はないところでありますが、やはり金融面での対応、金融政策の役割というのは私はやはり世界的に重要になってくると思いますし、そうした観点を視野に入れながら、しかし需要面も、供給面も、金融面も、両方しっかりとした政策をとっていかなければいけない状況にあると思っております。
原口委員 少し危機を回避するための現状認識を共有しておきたいと思います。
 やはり、デフレが内需の自律的な回復を阻害している、そのために、輸出が期待できなくなった途端、景気後退に陥る。デフレによる企業部門の実質負担の増加といったことを私たちは、今大臣がお話しになったように、重く見ておかなければいけない。
 自己資本を充実させると、金融仲介機能が回復して、貸し出しがふえる、これは本当に正しいのか、そうでないのか。私は、これは一義的にはそのことによって金融は健全化するかもわからぬけれども、企業は内部資金を下回る設備投資しか今行っていない現状です。これはまさにデフレによる企業部門の実質負担の増加、成長率が高まらなかったというのも一因でしょうが、実質賃金上昇率が企業収益増を上回っているために、雇用コストを回避するために雇用も回復しない。一五%を占める設備投資、これと個人消費五五%、日本経済の、第一エンジン、第二エンジンを直撃されている、こういう状況だというふうに思います。
 その中で、私が他国の中央銀行の皆さんと議論をしてきたのは、アメリカのプライベートセクターのバランスシートの悪化をどのようにリスクヘッジしていくかということでした。特に、年間八百億を超えるデフォルトを起こしている、株価の下落が年金を直撃している、州政府の財政も直撃している、こういう中で、恐らくアメリカは政策を総動員して、この間FRBが金利を下げましたけれども、総動員して、すべて一体となってこの日本のような形に、日本は物のデフレと資産のデフレが合わさってスパイラル的に落ち込んでいく、そういう危機のはざまにある、いや、もうそれが進行しているというふうに思えるかもわからない。アメリカは政策を動員して、恐らく乗り越えることができるでしょう、彼らが過去やったのと同じように。しかし、私たちはその危機について強く認識しておかなきゃいけないというふうに思うんです。
 デフレの害悪については、まさに設備投資を抑制して、手元資金より設備投資が下回ってしまう、経済全体が縮小してしまう、こういうことが考えられると思うんですが、皆さんは何の政策を総動員してデフレスパイラルを回避しようというのか。財政出動を少々出したから世界的なデフレ傾向、これをとめるということは私は難しいと思う。とすると、デフレのトレンドをいかに緩和していくかということに政策の中心が当たるべきだというふうに私たちは考えていますが、大臣の基本認識を伺いたいと思います。
竹中国務大臣 けさ八時五十分に七―九月期のGDPの速報値が出されました。御承知だと思いますが、まさに外需がマイナス〇・一という、外需がマイナスに転じまして、結果的に、トータルの数字そのものは〇・七%でありますから数字そのものはそんなに低くないんでありますが、その半分ぐらいが在庫の貢献ということも踏まえて、外需が弱くなった、それによってまた日本の経済の持ち直しテンポが緩やかになったという数字が出ております。
 こうしたことも踏まえて、委員御指摘になったように、デフレによって実質債務が増加するということを企業が嫌って、それが企業行動を大きく変えて、今日の今まで経験しなかったような新しい経済の姿が出てきているという点は、もうまさしく御指摘のとおり、大変大きなポイントになろうと思います。
 しからば、それをどのように解消していけるのだろうか。残念ながら、これをやればすべてうまくいくだろうという打ち出の小づちのようなものはなかなか見当たらないわけであります。需要は需要でしっかりとやっていきたいと思いますし、規制改革は規制改革でしっかりとやっていきたいと思う。しかし同時に、ちょっと先ほど申し上げましたように、私はやはり金融政策の役割というのはそれなりに重要だと思っておりまして、であるからこそ、総理がしばしば、政府、日銀一体となってという言葉を最近よくお使いになるのだというふうにも思っております。
 政府としてできること、その金融政策の効果がうまく機能するようになるためには、これは金融仲介機能が高まっていかなければ、日銀が幾らベースマネーをふやしてもマネーサプライはふえないということになっているわけでありますから、ここは政府は政府として、この不良債権の処理、金融システムの健全化に努力する。その上で、やはり金融的な現象に対しては金融政策にも非常に大きく私たちは期待をしておりまして、そういう総合的な政策でこの難しい局面をしのいでいかなければいけないと思っております。
原口委員 私は、マクロの安定化政策がその効果を生んでいない、あるいは失敗しているから、景気が回復せず、不良債権も積み増されている。また、実はこの不良債権の中身を見てみると、新たに積み増された不良債権もふえているんですが、根雪となっている不良債権も、これを見過ごすことができない。バブル期に土地転がしに踊った人たち、あるいは地上げに狂った人たち、その不良債権もまだ処理が、これは後でRCCについて指摘をしますが、ばかにならない量がある。そして、その中で最も傷んできているのが我が国の成長エンジンである中小企業である。ここが最も大きな問題なんです。ゼロ金利になれば、幾ら日銀がお金をまいても、短期金融市場がブラックホールになってしまいますから、全く効果を生まない。
 その中で、日銀総裁にお伺いをいたしますが、RCCについて検査をすると一年前のちょうど予算委員会の審議で日銀総裁は私にお約束をこの国会の場でなさったと思いますが、RCCに対する日銀考査はどのようになっているでしょうか。
速水参考人 RCCにつきましては、法律に基づきまして、金融機関の不良資産を買い取って、その管理や処分を行うということが基本的な使命となっております。また、RCCは、その過程で、法的な調査権限を持つ預金保険機構とも協力をしつつ、債務者の財産の実態解明を行っております。
 私どもは、こうした状況に関して、RCCから適宜ヒアリングを行っておりますが、これまでのところ、さらに考査を行う必要は生じていないと考えております。当座預金も持っております。考査の契約もできております。しかし、今までやったことはございません。
 不良債権問題の解決に向けてのRCCの重要性にかんがみれば、今後とも、状況について適切にフォローしていきたいと考えております。
原口委員 そうすると、一年前私に答弁されたのはうそだったということですね。RCCがどんなビヘービアをやっているか、何で考査しないんですか。これだって銀行じゃないですか。これを特別にする理由はありませんねと。前向きに考えます。当たり前じゃないか。やるべきことをやらずして、今回、まさに株を買う。
 デフレの時代はキャッシュが一番有利ですね。その次は国債です。そして、株は最もリスクが高い。それをなぜ日銀が買うのか。これは、皆さんが、私たち国会で議決をして予算を決める財政に踏み込んでしまっている。日銀の本分から大きく外れているんじゃないですか。ティア1のオーバーする、銀行が持っている八兆円の、そのうち二兆円をマックスとして、トリプルBマイナス以上の株を買うと。
 私は、この場ではっきり申し上げます。
 速水総裁が、どんなことを言われようが信念を貫いてこられた、そのお姿を私は支持をしていました。しかし、今回の日銀の行動はどう考えても理解ができない。法律にも違反をしている。そして、財政を国会で議決するというその大原則にも踏み込んだ、まさに暴挙だと思う。そして、この政策過程については何も明らかにされていない。日銀の政策委員会で決定するのはこんなことじゃないからなんです。
 政策をこういうふうにした理由、そしてその過程について公表する義務があると思う。なぜならば、財政政策、これは二兆円分日銀が紙を刷って、その分買うだけなんですよ。穴があけばだれが責任をとるのですか。そういう大きな財政政策については国会しか責任をとれないということで、法律が決まっているのです。
 なぜやったのか。その政策目的は何か。そして、政策に至るまでの議論の過程を公表するつもりはあるのか。RCCに考査をしないなんというのは、一年前の予算委員会にもう一回戻してください。
 もうRCCについてはここで答弁いただかなくて結構だけれども、今の三点について、なぜ、何の政策目的でこれを出しているのか、国会のまさに財政議決、これを侵すものではないか、その過程についてオープンにするのか、はっきり答えていただきたい。
速水参考人 我が国の金融機関は、歴史的な経緯から多額の株式を保有しております。御承知でしょうけれども、主要国で民間の金融機関が株を持っているのは日本とドイツだけです。ドイツは、これは今減らしつつあります。日本は、御承知のように、大手十一行について見ましても、三月決算で見まして、ティア1といいますか、自己資本の、十七兆ぐらいとして、株の保有は二十五兆を上回っているのですね。今、株が右肩上がりで上昇しておりますときはよろしいですけれども、含み益で、それで不良貸し出しの償却などをずっとやってここまで来たのです。
 ところが、昨年から時価評価になりました。それと同時に株価が下がり始めたわけですね。株価の下落につきましても、これは日本だけでなくて世界的な動きであって、アメリカを中心にして、日本の株が下がっておる。ヨーロッパなどは日本よりももっと株が下がっておるわけです。今後も、株が下がっていくことが十分あり得る。
 先ほど申し上げたようなことで、自己資本よりも株の保有が多いということは、株価が下がっていけば自己資本を圧迫していくわけです。現に、この三月の決算あたりから見て、自己資本自体も減ってきておりますし、含み益が含み損に変わってきているわけです。こうやって自己資本が減っていけば、銀行は何とかそれを避けようとすることは間違いないと思います。
 これは、今の金融機関の体力は相当低下しておることは御承知のとおりです。大幅な株価変動というのは、個別の金融機関経営や金融システム全体への信認を損ないかねないわけです。そうなれば、日本銀行の目的である、金融機関の間で行われる資金決済の円滑な確保を図り、もって信用秩序の維持に資するというのは、これは新しい日銀法一条二項にはっきり書かれております、このことを達成できなくなるわけです。
 株保有というのは減らさせていかなければいけないと私は思っております。もともと、資本主義経済で株が上がったり下がったりする、リスクを分散するために、経営者は、企業家は株をみんなに持ってもらって経営をやっていくというのが株の本質だと思います。
 このため、日本銀行は、本件買い入れによって金融機関の株価変動リスクを軽減していかなければ、銀行の経営は安定化しませんし、不良貸し出しの減少もなかなか難しい。まして、先ほどおっしゃった金融仲介機能を発揮するということはできなくなってくるわけです。リスクのあるものには手を出しません。これは自然なことだと思います。
 私どもとしましては、本件買い入れは日本銀行法に定める目的達成上必要だというふうに判断して、同法四十三条ただし書きに基づきまして、金融庁、金融大臣と財務大臣から認可をもらって取得しておるわけでございます。
 なぜそれを発表しないのかというお話でございますが、これは、私どもは、決定会合で決めるべき金融政策ではございません。みずから公表する必要はございません。もちろん、情報公開法などで請求があれば、可能な限り開示することは用意しております。金融政策ではない。株式の買い入れにつきましては、九月十八日に検討に着手しまして、十月十一日には具体的スキームをそれぞれ決定したわけでございます。
 これらの決定は、いずれも政策委員会の通常会合で行ったものであります。金融政策決定会合につきましては議事要旨を公表しておりますが、通常会合につきましては、信用秩序の維持に関する事項を取り扱うというようなことから、日本銀行法改正時の議論を踏まえて、議事録等は公表しておりません。
 もとより、本件買い入れに関する二度の通常会合の結果につきましては、その重要性にかんがみて、会合終了後直ちに公表するとともに、記者会見を実施しております。その後もあらゆる機会をとらえて、私どもの考え方を丁寧に説明してきたつもりでございます。
原口委員 全く丁寧じゃないんですよ。財政法定主義、これにも反している。
 そして、今まさに総裁がおっしゃったことは、日本の金融システムが危機的な状況にあるから、まさに日銀法四十三条を拡大解釈してやったんだということじゃないですか。これから株が下がるからということを宣言しているようなものじゃないですか。十二月から、十二月いっぱいにこれを買うんでしょう。では、一時から三分の一も、四分の一になった株を銀行側は放すんですか。これからずっと下がるという見込みなんですね、日銀は。
 全く私たちは理解ができないし、中央銀行がやるべきことをせず、そしてやらぬでもいいことをやる。八兆円のうちの二兆円も、二五%も皆さんが買い取る理由はない。買い取り機構なんというのもつくっているじゃないですか。本当に右手がやることと左手がやることが全く違っている。そして、説明すべきだ何だ、丁寧にやっているなんといって、だったら出してください。情報公開法なんというよりも、国会、私たちもそのもとで、国民に説明する義務を負ってここにいるんです。出しますか、その政策決定の過程について。出す義務があると思う。
 少なくとも、委員長にお願いしますが、この財務金融委員会の総意として、理事会で諮って、その政策決定の内容を理事会に日銀から報告をされるようにお計らいをいただきたいと思います。
小坂委員長 理事会で協議いたします。
原口委員 やはりオープンであることが一番強いんですよ。
 委員長、お許しをいただいて、資料を配付させていただきたいと思います。
小坂委員長 どうぞ。
原口委員 資料の一は、竹中大臣、一九九九年三月に注入した公的資金、優先株のうち、既に転換期が到来しているものを普通株に転換した場合の含み損を算出したものです。私たちが計算したものですが、もうこれほどの含み損が出てきている。
 先ほど、資料二の繰り延べ税金資産の妥当性については五十嵐議員が指摘をしましたが、なぜ私たちはペイオフを解禁しようとしたのか、その政策目的は何ですか。それは、善意の預金者に迷惑をかけてはいけない、全く責任のない国民に余計な負担をかけてはいけない、だから金融のシステムを安定化させて、責任をとるべき人がしっかり責任をとらなきゃいけない、このことからペイオフの議論というのは起こったのではないんですか。これを再延期するということは何を意味するのか、あわせてお尋ねをしたいと思います。
竹中国務大臣 ペイオフに関連しまして、まさに善意の預金者を守る、そのために金融のシステム、さまざまなシステムをしっかりと構築していかなければいけないという御趣旨は、私も全くそのとおりであるというふうに思います。
 しからば、そのペイオフの延期というのは一体どういう意味を持つのかということでございますが、これはもう何度かここで述べさせていただいたことになりますけれども、我々としては、まさに預金者と投資家、それと健全な借り入れ企業に資するような金融システムをつくりたい。その意味で、今日、金融システムを覆っている問題を平成十六年度までには払拭させたい。そういう意思でこの金融再生プログラムをつくり、しっかりとした金融行政を構築していきたいというふうに思っているところでございます。
 そうした中で、十六年度まで、資産査定を強化し、ガバナンスを強化し、さまざまなことをしていただかなければいけない。そうした過程で、まさに善意の預金者が不安に思ったり迷惑を受けたりすることのないよう、また中小企業の金融が滞らないように、このペイオフはやはりしっかりと延期して、その間に万全を期したいというふうに考えたわけでございます。ぜひともその点、善意の預金者もおるという観点からの措置であるということは、御理解賜りたく思います。
原口委員 小泉総理は、内閣発足以来再三にわたって、金融システムは健全であって、ペイオフは予定どおり解禁すると明言してきているんです。明らかな政策転換なんです。
 そして、今中小企業を守るというふうにおっしゃいましたが、資料の四をごらんになってください。主要行の債権放棄額、過去五年について出してくれと言いましたが、平成十三年の三月期と十四年の三月期、こんなに債権放棄している、大企業中心に。しかし実際に、貸し渋りや貸しはがしは、先ほど五十嵐議員が指摘をしましたとおり、中小企業を直撃しているんですよ。元気なところ、まじめにやっているところから猛烈な貸しはがしをしている。
 皆さんは先日、業務改善命令を出したでしょう、主要行について。その改善命令に基づいた期間が十五日に迫っていると思いますが、どの銀行に対して業務改善命令を出したのか。私の手元には、UFJホールディングス、そしてあさひ銀行に対して業務改善命令、中小企業向け貸し付けについて余りにもそれがひど過ぎるから、主要行に業務改善命令を出しているじゃないですか。そして、十一月十五日までに業務改善計画を出せと、きょうが十三日ですから、あさってまでに出せと言っているじゃないですか。
 私は、銀行の経営者が、この竹中プランの発表前後に、健全な借り手をまさに人質にとるかのように、貸しはがしをするかのような発言をした、全く許せないと思います。こういう人たちをトップにいただいている日本の経済というのは、未来はないと思う。この業務改善命令を出した理由は何ですか。そして中小企業の貸し出しが、今お話しになったようなところでふえますか。マクロの経済政策を間違っているというのは、そこのところを言っているんです。
 どうぞ大臣、この業務改善命令を出した銀行、そして、その業務改善計画が出てくると思いますが、その後のことについてどのようにお考えなのか、お尋ねをしたいと思います。
伊藤副大臣 業務改善命令に至るまでについて御説明をさせていただきたいんですが、UFJホールディングス及びあさひ銀行に対して、貸し出し増加に向けた取り組み状況等の報告徴求を行い、精査をいたしました。
 そして、UFJについては中小企業向けに限定した貸し出し目標の設定を行っていない、あさひについては十三年度下期において中小企業向け貸し出し目標の設定を行っていないなど、目標達成に向けた実効性のある施策が十分に講じられたとは認めがたいことから、みずから的確に履行しようとしていないと認められた場合に当たると判断をしたところであります。このため、十月十八日に両社に対して業務改善命令を発出いたしました。
 今後、UFJとあさひ銀行に対しては、中小企業向け貸し出し計画の達成に向けた具体的方策を織り込んだ業務改善計画を、先ほど原口委員御指摘のように、十一月十五日までに求めるとともに、提出後三カ月ごとに実施状況の報告を徴求することといたしております。
 また、以前に業務改善命令を発出しました新生銀行については、中小企業向け貸し出しが改善されたというふうに認識をいたしております。
原口委員 UFJだけで十四年三月期二兆五千億、中小企業向けの融資が減っているんですよ。そして、あさひについては一兆四千億です。ここに手当てを入れなきゃいけないのに、先ほどの質問にもありましたように、中小企業向けには何のパッケージもない。まさにBIS基準をそのまま運用して、そして多くの中小企業の構造改革が後回しになってしまっている。そこに日本の多くの今の沈滞、停滞の原因があるというふうに私は思います。
 資料の五をごらんになってください。これは、ちょうど一年前に、十四年の一月に、RCC所有の不動産の管理委託物件、これについて金融庁から私の方へ提示をいただいた資料です。これは、西日本地区だけ管理会社と管理物件を出してくださいということでお願いをしたのですが、預保の理事長、きょうお見えいただいておると思いますが、RCCが不動産会社に委託する業務というのはどういうものですか。
松田参考人 お答えいたします。
 RCCが不動産管理会社に委託する業務は、所有不動産のうちで賃貸事務所とかあるいは賃貸マンションのようにテナントの管理が必要なもの、入居者を募集するとか入退居にかかわるとかあるいは契約に関する事項、賃料の請求あるいは物的な設備の管理、その他苦情処理、そういうテナント管理に必要な場合にそういう不動産について不動産管理会社に委託をしている、こういうことでございます。
原口委員 不動産管理会社の選定基準はどのようなものですか。この表をごらんになれば、皆さん一目瞭然だと思います。例えばサバイ総合管理会社、相当多くの物件を管理していますね。特定の会社に集中していると思われますが、集中している理由は何ですか。
松田参考人 御指摘のように、本年の一月末の案件では、西日本のうち約三〇%ぐらい、六十三件中十八件がある特定の、サバイ総合管理という不動産管理会社に委託をしておる、これは事実でございます。それがその後、現在では十五件に、処理が終わりまして済んでおりますけれども、いずれにしても、西日本においては非常に大きなウエートを占めていることは事実でございます。
 一般的に委託をする手続としましては、RCCが所有しております不動産の管理を委託する会社について選定する際には、まず委託に係る不動産の特性、事務所かマンションかあるいはゴルフ場か、そういう種類と、それから立地条件、都市か地方部か、そういうものと、それからそれを引き受けてくれる候補の会社のこれまでの実績あるいは能力、特徴、そういうものについて勘案をしまして二、三社を選定いたしまして、それらの会社から管理費用の見積書を提出させて、原則として最も低い価格を提示した会社を選定している、このように承知をいたしております。
 御指摘のサバイにつきましては、確かに多くのものが入っておりますが、これは現在十五物件になっておりますけれども、そのうちの十件は自己競落に係る物件でございます。
 自己競落というのは、本来なかなか競落する人がいない場合にみずからRCCが買い取る場合でございますので、その管理が非常に難しい。中に払わない方もいますし、いろいろな形で、暴力団の関係の人もいないわけではない。いろいろ難しい関係がありますので、そういう困難な管理業務を取り扱う業務にこのサバイというところはたけている、実績もある、こういうことがありまして、結果として他社に比べて多くなっているのではないかな、このように考えております。
原口委員 不良債権の処理をする会社の社長さんを追っかけていくと、その人の住所が公園であったというようなこともあったわけです。
 この不動産会社サバイの関連会社、関係者等に低価格でRCCが管理する不動産等が任意売却されている事例が相当あるじゃないですか。違いますか。
松田参考人 お答えをいたします。
 不動産管理会社であるサバイの関連会社あるいはサバイそのもの、あるいは関係者に低価格で不動産が任意売却されているのではないかというお尋ねだと思いますけれども、もともとこの売却につきましては、預金保険機構と、RCCの前身である住管及びRCBの三者の不動産協議会で不動産処分基本方針というのを決めておりまして、これに基づいて、不動産の簿価、価格に基づいて、処分方法は公開競争入札か指名競争入札か不動産会社への媒介委託をして売るか、それから、たまにある随意契約は、公共用地として売却する場合とか、単独利用が困難な土地を隣接の所有者にお渡しして有効利用してもらう、そういう場合に限られているわけでございます。
 価格につきましても、それぞれ担保物件の査定については、第三者の鑑定を入れるとか、社内評価でもきちっとした鑑定士を入れるとか、そういうぐあいにいろいろ順序をきちっと決めております。したがって、RCCの所有不動産について、特定の不動産会社または関係者に相当数の不動産が低価格で任意売却されているということはない、このように考えております。
 ただ、御質問があるということで、調べました。担保物件につきましては三件ほど、彼らが関係会社もしくは、で担保物件を取得している、そういう事実はございました。
原口委員 担保物件を取得しているじゃないですか。そして、本当にそれは調べたんですか。私が調査した中ではもっとありますよ。名前はサバイという名前じゃないけれども、関連会社であったり、あるいは社長さんの配偶者の方であったり、それはいっぱいありますよ。価格はどうやって決めているんですか。RCCの一部の役職員のみの関与で不動産処分が低価格で行われるのであれば、二%なんという価格で売っているんじゃないですか。どうやって回収の極大化を図るんですか。
 皆さんは、やみの世界とは結ばないと言ってきた。公正公平にやると言ってきた。そして、予算委員会で私は大阪・泉の件を質問しました。預保の理事長はあのとき、不適切という、その範囲を超えた回収であったという答弁をされました。しかし、もう現在は、RCCの中から、変な国会議員に言われたからその場は謝ったけれども全然悪くないんだなんということを言っているやつがいるじゃないですか。皆さん、どんなことをやっているんですか。
 RCCの一部の役職員のみの関与で不動産処分が低価格で行われるということはないんですか。はっきり答えてください。
松田参考人 先ほどお答え申し上げましたように、RCCが持っております所有物件につきましては、三者不動産協議会の取り決めに従って行われておりますので、安易に低価格で任意売却されているということはない、このように思っております。
 ただ、先ほど申し上げましたように、担保不動産について、私どもが調べた限りでは三件、確かにこの特定の管理会社が落として、買っておりました。それにつきましては、担保物件でございますので、本来は債務者が当該担保物件を別の方に売るという形でございますので、本来RCCは別に関係はないんですけれども、さはさりながら、債権者でございますので、その交渉に一緒に臨む場合もございます。したがって、現在まで私が調査した結果把握しております限りでは、いずれもRCCの評価額を上回る価格できちんと債務者がその特定の管理会社に移している、売っているという事実でございます。
原口委員 この件はきのう通告しましたから、皆さんがどれぐらい調査されているかわからない。
 委員長にお願いしますが、私が調べたところと今の理事長のお答えとは違う部分がございます。また引き続き委員会でこのことはただしていきたいというふうに思うんですが、サバイ総合管理会社というのはそもそもどんな会社なんですか。あるいは、やみの勢力、先ほど私が申し上げました暴力団あるいはその構成員と関係ないんですか。
松田参考人 特定の企業のことをあれこれ言うのはいかがとも思いますけれども、お尋ねでございますので申し上げますが、株式会社のサバイ総合管理というのは、確かに不動産の売買、賃貸、仲介及び管理業務を行うことを目的とした会社でございます。
 もともと平成五年の十月に、岸和田土地建物という会社がございまして、その中に建物管理部ということの中で、組織内の組織としてサバイ総合管理という、部単位のような組織だと思いますが、それができておりました。その後、十年の十一月に、岸和田土地建設株式会社の関連会社に有限会社でキシケンというものがございます、それに併合される形で分離、独立をいたしまして、株式会社サバイ総合管理となって設立された会社でございます。建物総合管理、マンション経営等を主たる業務としていると認識しております。所在地は大阪市の西成区でございます。
原口委員 やみの世界は。
松田参考人 なお、やみ社会との関係でございますが、これまでの調査の結果では、そういうことはないというように承知をいたしております。
原口委員 RCCはやみの世界とは全く関係ないと言っていたから、その答えを私は信じたいと思う。しかし、引き続きここは調査をしなければいけないと思います。
 竹中金融大臣にあと数点お尋ねをしたいんですが、その前に法務省、大和都市管財事件の主犯格である豊永浩に対する公訴事実及び同事件の公判状況についてお尋ねを申し上げたいと思います。
樋渡政府参考人 お答えいたします。
 お尋ねの事件につきましては、最初は、平成十三年十一月六日、大阪府警察において、大和都市管財株式会社元代表取締役豊永浩ら十九名を詐欺罪により逮捕し、同月二十七日、大阪地方検察庁において、同人ら三名を同罪により公判請求したものだというふうに承知しております。
 主犯格の豊永浩に対する公訴事実の要旨は、資産運用商品であるGFPシュアー・ファンドの募集と称し、株式会社ゼネラルファイナンスパートナーを営業者とする匿名組合契約に基づく出資金名下に、平成十一年十一月ごろから同十三年四月ごろまでの間、投資家八十六名から合計約十一億二千五百二十四万円を詐取したというものでございます。
 さらに、平成十三年十一月二十七日、大阪府警察におきまして、同じく豊永浩ら十八名を詐欺罪により再逮捕し、同年十二月十八日、大阪地検におきまして、起訴済みの三名を含む七名を同罪により公判請求したものと承知しております。
 主犯格の豊永浩に対します公訴事実の要旨は、DTK抵当証券の販売と称し、大和都市管財が買い戻し特約つきで販売する抵当証券の共有持ち分権の買い付け代金名下に、平成十一年十一月ごろから平成十三年四月ごろまでの間、投資家二百七名から合計約十八億五百九万円を詐取したというものでございます。
 その後、平成十四年十月十日、被告人七名のうち三名につきまして、大阪地方裁判所において、二名を実刑とし一名を執行猶予とする有罪判決が下されており、これらの判決はいずれも確定しておりますが、その余の豊永浩を含む被告人四名につきましては、現在大阪地方裁判所においていずれも公判係属中であると承知しております。
 検察当局におきましては、今後とも引き続き公訴の維持に万全を期するものと承知しております。
 以上でございます。
原口委員 資料七をごらんになってください。これは、今、本裁判、公判中でございますが、被害総額が一千億円を超え一千百十一億円、そして被害人数一万八千人とも言われる、あの豊田商事事件をしのぐ大規模詐欺事件です。そして、これは一九九三年当時にはもう実質、金融庁も債務超過を認めている。平成七年にも九年にも業務改善命令を出したときも、関連会社にまさにタコが自分の足を食うような、そういう融資をやっている、そのことをつかんでいたんではないか、つかんでいながら去年までこれが生き延びて、そして多くの人たちに、善意の多くの皆さんに被害をもたらしたんではないか。
 これは、亡くなった石井紘基議員と金融庁の皆さんに平成七年、八年当時のことを伺いました、昨年。これはもうテープにありますが。まさにあの、きょう佐々木議員おられますが、鈴木議員に対して外務省の問題、それと同じような問題なんですね。これは、実は金融庁の内部資料として弁護団が法廷に出した資料なんです。これを見たら、平成七年、八年、もう金融庁はこの大和都市管財という事件が、融資先は同族会社である、そして、実質上の自己融資だというふうにもう認めているんです。そして、大阪地検に対して違法性についての検討方まで要請して、そして業務改善命令書を交付しようとした。ここまで言われているんです。そして、一部の圧力でそれを思いとどまっているんです。
 まさに竹中大臣に、その原告団が出した資料が事実かどうか調査をしてほしい。この内部資料がもし当時金融庁のものであったとするんであれば、金融庁ぐるみに被害を拡大していた、そうとしか思えないんです。多くの抵当証券会社は、後ろに銀行を持っている。だから、木津信金のあのときも、やはり銀行がバックアップして被害を極小化しているんです。ところが、これは後ろに銀行も何もない。それがこの不況の中で去年まで生き延びるというのは絶対おかしいんです。しかも、さまざまな、ナイス・ミドル・スポーツ倶楽部や新たなものをどんどんつくって、やっている。なぜですか。ぜひ大臣に調査をお願いしたい。この文章が果たして、当時、これは平成七年、八年のことを書いたものですから、金融庁の中にあるはずなんです。もしあるとしたら、金融庁ぐるみ、国、中央政府ぐるみで被害者を救済しなきゃいけない。皆さんが見て見ぬふりをしたことが多くの被害を拡大したんだという証拠です。大臣の答弁をいただきたいと思います。
伊藤副大臣 御答弁をさせていただきたいと思います。
 今お示しをいただいた資料が議員の御質問の前提に、調停の場に示された資料であるか、ちょっと私ども、ここを精査できていないものですから、昨日、この資料をもとにということを前提に私どもで調べさせていただきました。
 私どもは、金融庁の担当部局がこの資料があるかどうか確認する作業の中で、この資料はそうだというふうに確認することはできませんでした。
 御承知のとおり、金融監督庁の設立は平成十年の六月であり、金融庁の設立は十二年七月でありますので、金融庁でこの資料を作成したものではないというふうに思われます。
原口委員 私は、設立が変わっているから書類がなくなるなんということはないと思うんです。あの薬害エイズのときも、今回の外務省のときも、当時はないと言っているんですよ。三月に園部レポートが出ました。園部報告書を今見たら、私たちが今知っていることと全然違いますよ。それを考えれば、まだ、きのうの夜これを御提示していますから、きょうまで捜せということも無理かもわからない。しかし、どう考えてみても、皆さんはこの後、業務改善命令を出しているんです。そして、実質的にこの関連会社も含めた自分の会社に対する融資をもとに抵当証券を販売していたということも、これもこの国会の中で認めているんです。
 大臣にお願いしますが、当時の状況をもう一回精査してほしい、そして、一万八千人もの被害者が出ているということを重く受けとめてほしいと思うんです。金融担当大臣、お答えをいただきたいと思います。
伊藤副大臣 委員御承知のとおり、こうした文書の保存期間は原則三年であります。私どもも大蔵省の方にも事務方を通じてこうした資料がなかったかどうかは確認をいたしましたが、そうしたものはないということでございまして、確認することはできませんでした。
原口委員 やはり金融検査がいいかげんであってみたり、あるいは一部に癒着をしてみたりすると、どれほど多くの人たちが、善意の被害者が出るかということを、まさに地でいった事件ですよ。私は今の答弁には納得ができない。
 資料の一に戻ります。「公的資本増強行優先株の含み損」、これは私たちがつくった、いろいろな資料をもとに提示をした資料でございますが、一体どれぐらい、このときの入れた税金は毀損しているのか。竹中大臣、お答えをいただきたいというふうに思います。
伊藤副大臣 優先株の現在の価格については、普通株への転換開始時期が到来していない優先株が半分程度残っております。したがって、現在の普通株式の株価を前提とした合理的な試算をすることは大変困難であります。
 すなわち、優先株式は、転換開始時期、配当率、そして転換価格の上下限等の諸条件を一体のものとしてその商品性が設計されておられるものでありますので、転換開始時期等の一部の条件のみを抜き出して、他の条件を全く考慮せずに試算をするということは適当でないというふうに思っております。
原口委員 いや、もう時期は来るわけです。一部来ているわけです。そうしたときに、幾ら損失があるかなんということも開示できないで、では、今回の預金保険法の一部改正、当座預金の部分について新たな保護をやるということ。つまり、法律はつくるけれども、運用は幾ら国民に面倒を見ていただくか、あるいは御迷惑かけるかわからないということでは、これは全く話にならないんじゃないですか。再生機構の方針についても出ていない、そして、今、過去にやったことの総括もできないということであれば、では、もう一回総括して、そして提案し直されたらどうかと思うんです。
 私は、国民から選ばれた国会のお一人お一人の皆さんに、やはり誠実な審議、そして国民に対する説明責任、オープンであることが一番強いんです。そのことを金融庁に強く求めて、時間が参りましたので、質問を終えたいと思います。
 ありがとうございます。
小坂委員長 次に、達増拓也君。
達増委員 今回の預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案ですけれども、これが今国会に出てきたのを見まして、私はびっくりいたしました。
 といいますのも、もともと、この決済用預金というものをつくって決済機能を保護していこうという発想は、ペイオフ解禁を来年四月一日からやるということとセットになっていたわけであります。来年四月一日にペイオフの解禁が迫ってきまして、しかし、不良債権問題がなかなか解決しそうにもない、そういう危険な中でペイオフ解禁をするに当たって、では、せめて決済機能については保護しておこう、そういう話だったんだと思います。
 それで、改めて確認してみますと、今回の法案のもとになっているのは、金融審議会の答申、ことし九月五日金融審議会が出した「決済機能の安定確保のための方策について」という答申、これが決済機能安定確保のためのいろいろな政策を提案しておりまして、これが大体そのまま法案になっているわけであります。
 この「はじめに」のところを見ますと、「平成十四年七月三十日に、小泉総理大臣から柳澤金融担当大臣に対し、ペイオフは予定通り実施すべきであるが、一方、決済機能の安定確保のための方策を検討し、必要な改革案をとりまとめるよう指示があった。」つまり、小泉総理の指示は、ペイオフは予定どおり実施する、一方で決済機能の安定確保のための方策を検討すると。
 この金融審議会の答申でありますけれども、そもそも、決済機能の安定確保、決済用預金というものをつくって決済システムを保護していくことが必要なのかどうかという、必要性の議論はほとんどやっておりません。というのも、総理の指示ありきだからであります。小泉総理がやれと言っているわけですから、やる必要があるかどうかを云々するのは、これはもう政府、審議会の仕事ではありませんので。つまり、今回の法案のもとになっているのは、小泉総理のツルの一声なわけです。
 七月三十日にそういう総理の指示があったと審議会の答申の「はじめに」に書いてあるわけですが、そのペーパーは金融庁が作成して残っております。金融庁の作成、七月三十一日付のペーパーで、「決済機能の保護に向けた検討について」という金融庁ペーパー、こう書いてあります。「昨日、柳澤金融担当大臣及び蝋山昌一座長(日本型金融システムと行政の将来ビジョン懇話会)が小泉総理大臣に対し「金融システムと行政の将来ビジョン」について報告した際、小泉総理から柳澤金融担当大臣に対し、ペイオフは実施すべきであるが、一方、決済機能の安定確保のための方策を検討し、必要な改革案をとりまとめるようにとの指示があった。」突然こういう指示があったわけであります。
 この小泉総理の指示というものの文書が別添としてついてあります。どういう総理指示があったかというと、「一 ペイオフ解禁は構造政策の一環であり、その基本を揺るがしてはならず、予定通り実施すべきである。」と総理指示が出ているわけです。「金融機関には、預金者の信頼が得られるよう、経営基盤の強化に向け、格段の努力を促すべきだ。」「二 ただ、今日の蝋山先生の話をはじめ、いろいろと話を聞くに、決済システムが危うくなるようなことはあってはならない。 そのための方策を早急に検討し、必要な改革案をとりまとめてもらいたい。」
 ですから、少なくとも言えるのは、ペイオフ解禁を二年延期するのであれば、この決済システム保護の方策をやれという総理の指示は意味を失うのではないか。つまり、ペイオフ解禁を延期するのであれば、この法案を今国会に出してくるのはおかしいので、見直すのが筋だと思うんですけれども、大臣、いかがでしょう。
竹中国務大臣 七月三十日の総理の指示、それと九月上旬の金融審議会の答申、それぞれ御紹介いただいたとおりでございます。
 しかしながら、総理の御指示というのは、これは、ペイオフは原則として当然やるべきであって、我々も、金融、この問題が終結した後でそのことはしっかりやりたいと思っているわけでございます。しかし一方で、これは座長の蝋山教授のかねてからの主張でありますけれども、御承知のように、蝋山教授はナローバンク的な、決済銀行的な考えをかなり持っておられる、その蝋山教授が総理といろいろな機会にお話をされて、決済システムというのはやはりしっかりやらなければいけないな、そういう趣旨で総理の発言があったというふうに理解をしております。
 したがって、ペイオフを解禁するから決済システムということではなくて、決済システムそのものについてはやはりしっかりと日本の事情に照らしたシステムを持っておかなければいけない、そういう御指示であったというふうに理解をしております。
 もう言うまでもありませんけれども、現金以外の安全確実な決済手段、日本の場合はこれは銀行、金融機関を通じた決済に九五%依存している。アメリカの七五%等とは大幅に違う。先進国の中でもドイツと日本が比較的これが高いわけでありますが、ドイツに比べても日本は相当高い。そういう事情を踏まえて、これは決済機能のいわば強化として、ぜひともやはり準備をしておく必要がある。その定着を図るためにも、また預金者に対して十分な説明を行うためにも、早期にこれを手当てしておきたいというふうに思うわけでございます。
達増委員 決済システムの重要性にかんがみてやることにしたと言うには余りにも唐突、しかも総理のツルの一声ですからね。まさか総理が急に思いつきで、ある一学者先生の話を聞いて思いつきで指示を出して、それにみんなが従って、法案が出てきて、国会もそれにつき合わされるというのでは、非常にいいかげんな話だと思うので。
 いろいろ推理いたしますと、柳澤金融担当大臣が蝋山先生と一緒に小泉総理に会った、その場でこのペイオフ解禁の話とセットで決済機能保護の話が出てきている。ですから、推測しますと、やはり柳澤大臣がここでイニシアチブをとって、ペイオフ解禁はもうすると言った以上しなきゃならない、しかしそれは余りにも怖いとびびった柳澤大臣が、決済保護だけでもきちっとやっておこうということで、決済保護について日ごろから論じている蝋山先生と一緒に総理を説得して、それで総理が、それならそうしようということで、本当は柳澤イニシアチブなんでしょうけれども、総理の指示という形にした方が動きやすいので、そういうことにしてあるというのが実は真相なんじゃないでしょうか、いかがでしょうか。
竹中国務大臣 その点は先ほども申し上げましたように、蝋山教授の持説というのはさまざまな形で総理に伝わっていたというふうに私も認識しております。
 それと、とりわけ、銀行のシステム障害で決済がどうこう、大丈夫かというような議論が四月にあった。そうした点にも大変関心が、これは政府内部で総理も含めて大変高まっていたというような事情もございます。国会等の議論でも、決済に混乱を生じさせないことが重要である、そういうさまざまな指摘がやはりあったというふうに思います。そうした中で、決済そのものについて総理御自身は以前からやはりこの重要性というのをお考えになっていたと思いますし、それがそのような指示、御指摘になったんだというふうに理解をしております。
    〔委員長退席、渡辺(喜)委員長代理着席〕
達増委員 今の答弁に関連して伺いますが、今回のこの法案は、ことしあった大銀行のネットワークシステムダウンによるシステム障害、そういう機械的なシステム障害が起きたときについてどのようなことを規定しているんでしょうか。
竹中国務大臣 基本的には、今回の問題というのは、例えば銀行が極端な経営危機に陥った場合とかそういったものを問題にしておりますから、直接の関連があるということではないと思います。ただ、仕掛かり中の決済の話とか、そういうものに関してはこれはやはり一部関連してくるものは出てくるかと思います。
達増委員 おっしゃるとおり、直接の関連はないんですよ。直接の関連はないんですけれども、先ほど紹介した七月三十一日付金融庁ペーパー、「決済機能の保護に向けた検討について」というものの二のところには、「本年に入り生じた金融機関のシステム障害においても、期せずして決済機能の重要性が改めて広く実感されたところである。」と、取ってつけたように、期せずして広く実感されたというのも、総理の指示で新しい政策をスタートさせるには余りに根拠薄弱なことが書いてあるわけでありますけれども、非常に怪しいものを感じるわけであります。ですから、いわば柳澤大臣の置き土産という法案なのかなと思うんですけれども。
 その柳澤大臣は、あくまでペイオフ解禁は予定どおりやると言い続けてきたわけであります。そして、総理もそうおっしゃってきた。ところが、今回、内閣改造して金融大臣が竹中大臣に交代し、今国会の所信表明で小泉総理は、突如、ペイオフ解禁は二年延期するというふうに突然――この七月三十一日の総理指示は、「ペイオフ解禁は構造政策の一環であり、その基本を揺るがしてはならず、予定通り実施すべきである。」とはっきり総理は言っているわけです。「金融機関には、預金者の信頼が得られるよう、経営基盤の強化に向け、格段の努力を促すべきだ。」それが、あっという間に変更してしまう。なぜ来年四月一日にペイオフ解禁できないんでしょうか。その理由を伺いたいと思います。
竹中国務大臣 総理からの御指示は、まさに政策全体として見れば、構造改革を一層加速する、その点に尽きるのだと思います。そのために十六年度に不良債権問題を終結させる。そうした中で、さまざまな政策的な手段といいますか、それをどのような順番、シークエンスでやっていくのかという問題になってくるのだと思います。
 どういう理由でペイオフを延ばしたのかという直接のお尋ねでございますけれども、これは、十六年度までに終結させる中で、資産の査定の強化、ガバナンスの強化、さまざまなことをこれから銀行自身にかなり強力にやっていってもらわなければいけない。そうした中で、まさしく善意の預金者が不安を感じることがないように、かつ中小企業の金融が滞らないように、やはりそうした万全の政策をとっておきたい、そういう配慮に基づくものでございます。
 政策全体として見れば構造改革を一層強化する、そのために九月三十日の時点で、十六年度にこの問題を終結させるようにという指示を私自身、直接総理から受けたわけでありまして、そのような中での動きであるというふうに御理解をいただきたいと思います。
達増委員 きちんとした理由が説明されないと、何ていいかげんな総理大臣なのだろうかということになってしまうと思うんですね。総理の指示ということなんですが。
 改革を加速させていく、改革を強化していくのであれば、むしろ前倒しして来年一月一日からペイオフ解禁というのが筋のはずであります。それを、締め切りを延ばすということは、今までやっておくべきことを実はやれないでしまっていたからこれからやらなきゃならない作業量がまだたくさん残っていて、それで四月一日までには間に合わないということなんだと思いますね。
 ところが、柳澤大臣は、大丈夫だ、やるべきことはやっている、銀行も全体として問題はないということをずっと言い続けていたわけでありますが、そうしますと、柳澤大臣はうそをついていたということになるんでしょうか。
竹中国務大臣 先ほどから申し上げていますように、危機を回避するための金融行政をさらに一歩踏み出して、より構造改革を支える、しっかりとした強固な新金融システムをつくれというのが、これが基本的な考え方であります。その意味では、目標、ハードルを高くしたというふうに私自身は考えています。そうした中で、目標を高くする中で、政策についてはやはり、順序といいますか、しっかりと組み立てていかなければいけない、そういう中での判断であります。
達増委員 そうすると、少なくとも今まで柳澤大臣がやっていたこと以上のことをやらなきゃならないというふうに、いわば政策の転換をしたわけですね。
竹中国務大臣 これまでに加えて、さらに一層資産の査定について強化を図っていってもらわなければいけませんし、自己資本、ガバナンスを、これはまあ銀行も今までだって当然努力をしてきたわけでありますし、そういう行政はしてきたわけでありますが、さらに一層進めていかなければいけないという意味で、政策を、構造改革全体として進むように強くした、強化したということであります。
達増委員 スポーツでも何でも、強化合宿とかいろいろありますけれども、それは、弱かったから強化しなきゃならないわけでありまして、この秋に至って不良債権処理なり金融改革なりを強化すると宣言しているということは、今まで弱かった、そういう宣言というふうに受けとめたいと思います。
 それで、なぜ今まで弱かったか、そしてこれから強化しなきゃならないかという本質は、やはり不良債権最終処理ということが、本当は二、三年で、小泉内閣成立から二、三年で終わらせるはずだったものが、二年で終われば来年四月には終わっているということですからね。去年の四月、小泉内閣ができて、四月の発足直後行われた総理の所信表明、最初の所信表明で、不良債権最終処理は二、三年で行うと言っていたわけです。そのときの緊急経済対策にも、二、三年で不良債権処理ということが盛り込まれました。
 二年で終わっていれば、来年四月にはもう終わっているから、晴れてペイオフ解禁ということだったんでしょうけれども、その二、三年ということが、この秋の政策転換で平成十六年度が締め切りということになりました。平成十六年度ということは、十七年三月までということにすれば、二、三年でやると言っていたものが一、二年延びてしまう、不良債権処理も二、三年でやると言っていたものが三、四年というふうに延びてしまったということですけれども、この変化の理由は何なんでしょう。
竹中国務大臣 小泉内閣ができた当初から、それなりの想定を持って経済の運営をしてきたつもりでございます。
 先ほど、この七―九月期のGDPの数字が出たという話をしましたけれども、実は実質GDPの動き、実体経済の動きというのは、もちろん経済は非常にばらつきが大きいですから、現実は非常にいろいろなわけですけれども、少なくとも集計値で見る限り、実質的な経済活動というのはそんなに実は極端に悪いわけではない。少なくとも、我々が想定した数値等々よりは、その想定のほぼ範囲、ややそれよりいいというぐらいの動きを実はしてきました。
 しかしながら、我々にとってもやはり予想以上に厳しかったのはこのデフレの問題です。デフレは、先ほどから世界的な傾向であるという御指摘が原口委員からもありましたが、そうした中で日本自身のデフレも予想以上にやはり厳しくなっている。その中で、デフレが深刻であって、それゆえに不良債権の新規的なものが出てくる、不良債権が出てくることによって金融機能がさらに低下してデフレが加速している、そういういわば予想以上に厳しい状況が出てきたということは、これは我々も認識をしています。
 そうした中で、であるからこそ、この不良債権の終結に向けた動きをより加速、強化しなければいけないということを、これは私自身、金融担当大臣に就任する以前から、経済財政諮問会議等々でもいろいろと議論をしてきたところでございます。
 そうした一つの流れを受けて、今回、不良債権の処理に向けた動きを一層加速させたい、そこが、申し上げている、より一層強化しなければならないという判断をしたところであります。
達増委員 そこで、デフレと不良債権処理加速の関係の問題であります。
 デフレによって不良債権処理が、最終処理がおくれたのであれば、デフレが悪化すれば不良債権処理の作業はさらに遅々として進まなくなるでありましょう。したがって、デフレ対策、株安ですとか、低成長ですとか、不景気ですとか、そういったことを改善させるような政策をきちっととらないまま不良債権処理の加速を進めれば、さらにデフレが進行し、不良債権処理全体の終了がおくれる。また、おくれているからといって加速すれば、さらにデフレが進む、そういうスパイラル的な事態の悪化ということは論理的に予想されるんですが、この点はいかがでしょう。
竹中国務大臣 委員の御指摘というのは、非常に理解できると思います。
 であるからこそ、我々は、その不良債権処理にあわせて、それと対になっている総合的な対応策をとらねばいけないということを我々自身も強く認識しているところであります。
 しからば、そのための政策として一体どういうことが必要であるか、ここはいろいろな意見が分かれるところなのかもしれません。我々は、日本には潜在的な力がある、それを掘り起こすために規制改革、特区に象徴されるような規制改革をぜひ強力に進めていきたいというふうに思いますし、予算の配分にしましても、より需要喚起に、雇用創出に結びつくような形で有効な使い方をしてまいりたいというふうに思いますし、また、これは金融側には金融政策も相当一体となって活用をしていかなければいけないというふうに思います。
 そうした点も踏まえて、既にことし六月の骨太第二弾でさまざまな経済活性化のプログラム、三十のアクションプログラムを立てているわけでありまして、そのアクションプログラムをさらに強化したい、より早くやりたい、より大きな規模でやりたいということを集計的に示したのが先般の総合対応策という形になっております。
 今後、さらにこれを詰めていかなければいけない問題がありますので、これについては税収の動向なども見ながら引き続き検討をしていくということにしております。
達増委員 デフレ、総合的な対策を図るということなんでありますけれども、戦後、日本のデフレ対策は基本的に財政出動ということで行われたんだと思います。ケインズ主義的とかいうふうに言われることもありますけれども、ケインズが理論的根拠を示した総需要創出の政策、有効需要をふやして、それで消費をふやし、投資をふやし、景気をよくしよう、そういう政策が従来はデフレ対策としては基本だったわけですけれども、今回、政府の方で準備中といいますか、新聞などでは報道されている総合デフレ対策は、基本的にそういう伝統的な財政出動はやらない、ケインズ的な財政出動はやらない、いわゆる構造調整のようなところでデフレ対策、デフレを克服していこうということで、その辺の理論的背景を確認したいんです。
 去年の経済財政白書、「改革なくして成長なし」のパートワンの方ですね、これで、構造改革について、「構造改革は、労働力、経営資源、資本、土地といった我が国が持てる貴重な資源を、生産性の高い分野に振り向けることによって、日本経済の潜在成長力を高める。」というふうに書いてあるんですね。
 去年から、小泉構造改革というのは一体何なんだという議論がずっとあるわけでありますけれども、小泉構造改革の基本は資源の再配分で、より最適な資源配分を目指す、そこに眼目があるという理解でよろしいでしょうか。
竹中国務大臣 小泉構造改革の基本的な考え方というのは、今御引用いただきました昨年の経済財政白書でかなり明快に書いたつもりであります。そこで申し述べたいのは、基本的には経済のやはりサプライサイドをしっかりとさせなければ、持続的な成長はあり得ないという点であります。
 まさに、白書の中に出ていると思いますけれども、確かに成長率が減ってきました。実際の成長率というのは、実際の需要を積み上げたGDPの伸び率が非常に低い。しからば、その理由は何なのかということを今度は潜在成長力から調べてみると、これはまさに潜在成長力が落ちてきたから需要側の成長力も低くなってきたと考えるべきであるということを計量的、実証的にその中に示していたと思います。
 しからば、委員がお尋ねのように、これは配分の問題なのか。基本的には、潜在成長力を高めるためには我々が持っている資源を有効に使わなければいけませんから、これは配分の問題というのは当然非常に重要になります。しかしながら、配分だけではありません。それは、資源そのものの力を高めるということは当然に重要になります。我々が持っている人的な資源そのものを高めるわけでありますから、これは配分だけではなくて、その資源一つ一つの力を高めていく、人間力を高めるんだ、経営力を高めるんだ、そういうことを踏まえて、それはもちろん配分だけではなくて、サプライサイドを強化して、潜在成長力を高めていくというのが我々が目指すべきやはり政策であるというふうに思っております。
 前半で、財政出動でやってきたという御指摘がありましたが、日本は、先進工業国の中ではむしろ珍しく、財政を確かに活用してきた国であったというふうに思います。しかし、これも、財政を出動させてデフレをとめるというときに想定されているのは、需給ギャップを埋めろということだと思います。
 しかし、それはあくまで閉鎖された閉鎖経済の中の話で、国内で需要をふやせば国内の需給ギャップが縮まるかもしれない。しかし、開放経済になってくると、我々が問題にすべきは世界全体の需給ギャップということでありましょうから、過去のような形で非常に純粋な閉鎖経済を前提にした財政政策というのは、これは当然のことながら役割は違ってくる。
 ですから、であるからこそ、開放経済になればなるほど、これは一般論で恐縮でありますが、実は財政政策よりも金融政策の役割が高まってくる、これはもう世界じゅうで認識されていることであろうかと思います。
達増委員 いろいろな論点があったと思います。例えば、理論的にはサプライサイドということで経済全体を説明し切ることはできて、そういうモデルは経済学の理論の中にはいろいろあるんですけれども、実は、供給と需要はコインの裏表というところがあって、需要が低ければどんなにすぐれた財やサービスもさっぱり売れないわけです。
 そうすると、生産性というのは幾らで売れたかが問題で、高く売れれば生産性が高いということになりますから、買い手がつかないとどんなに供給側の力が高まってもだめだ。逆に言うと、買い手の力も高まらなければ供給側の力が高まったことにならないというのが、需要と供給をめぐるコインの裏表だと思うんですね。そういう意味で、需要側に着目する政策というのはやはり大事なんだと思うんです。
 それで、特に大事だと思うのは雇用の問題ですね。市場メカニズムのモデルが理論的に機能をすれば、需給ギャップの問題なども、理論的にちゃんと回転すれば失業なんというのはないわけで、新しい職にさっと移ることができる。
 しかし、なかなかそうならないのは、いろいろ理由がありますけれども、賃金の下方硬直性ですね。ことしの経済白書も「むすび」の中で、賃金の高どまりの問題が指摘されているんですけれども、賃金下方硬直性がある限り、なかなか売れなくなっても社員の給料を下げることができず、それが倒産につながったり、首切り、失業につながったりする。そして、そういう人間関係というか、社会的な理由で経済理論どおりにコスト調整が進まないことによって、失業という経済理論上あってはならない現象が起きてしまうわけですね。失業者がふえれば、その人たちは物を買うことができない。消費が落ち込んで、需要が落ち込んで、それでスパイラル的にデフレが加速する。恐慌、パニックということが起きてしまう。
 よくケインズ政策はもう通用しないとか、ケインズの理論は通用しないとかいうこともあるんですけれども、一つ賃金の下方硬直性があるだけでも、ケインズ政策というのはやはり有効なんじゃないかと思うわけです。特に民主主義国としては、完全雇用というのをやはり政策目標のトップの一つに掲げるべきだと思うんですね。
 これは皆さん意外だと思うかもしれませんが、自由党は実は完全雇用ということを目標にしています。個人の自立は大事にします。ふだんからうちの党首は、有権者に向かって、意識を変えろとか、個人は自立せよとか、きついことを言うんですが、ただ、政策論としては、すべての国民が意識が高く、すべての国民がどんな困難にも耐えられるわけではないということを重々現実主義的にわかっていますので、失業がないような雇用対策というのは政府がきちんとやらなきゃならない、そういうことを自由党では政策論としては持っているわけであります。
 ですから、失業が今ふえている中で、やはり財政出動、それは公共事業とかを含む支出増のほかに減税というやり方もあるので、要はマクロで有効需要がふえていけばいいと思うんですが、そういう積極的な財政政策というのは、特に雇用との関係でもやはり必要だと思うんですけれども、いかがでしょう。
竹中国務大臣 需要の政策と供給の政策はコインの裏表であるという達増委員の御指摘は、私は全くそのとおりであると思います。ぜひ御理解いただきたいのは、需要管理をやらないなどということは、これは一言も言っていないわけです。
 ことし一月の「改革と展望」の中で、これは需要管理は当然のことながら重要で、であるからこそ、財政とマクロ経済が一体になった中期ビジョンを、過去の内閣ではやっていなかったことを初めて示して、需要と構造改革をしっかりと管理していこうという強い意思を我々は持っているわけです。
 御指摘の雇用に関しては、これはどのマーケットでもそうですが、特に労働市場というのは、やはり価格調整機能が完璧ではない、これは全くそのとおりであると思う。であるからこそ、それを総需要で調整するケインズ政策というのは、これはそれなりに重要なわけです。
 我々は、そういうやり方を全く否定しているわけではありません。重要な点は、しかし、少し景気状況が変わったから、すぐそういう微調整型の補正予算を毎回毎回積み重ねるというのは、これはいかがなものか。これは財政の判断というのは必ずおくれますし、そういうことは現実にはできない。だから、そこはビルトインスタビライザーをしっかりと活用しようと。景気が悪くなれば税収は減ります。現実に、ことしもそういうことが起こりつつあるんだと私は認識をしています。
 これはタックスペイヤーから見ると減税になったのと同じ効果で、納付額が減っていくわけでありますから、この点については、これはしっかりと活用した上で、基本的な総需要管理は、やはり本予算の中ではしっかりとしていこうという考えを持っているわけです。
 であるからこそ、実は先行減税をやる。先行減税については、これはいろいろな政府内部等々の調整をこれからやらなければいけませんが、経済財政諮問会議では、やはりこれはある程度まとまった規模の先行減税を現状の需要状況から見てやる必要があるということは、これはしっかりと議論をしてきているところでございます。
 景気の微調整だけにやたら頼ることによって財政がどんどん膨張していくというメカニズム、これはとめたい。しかし、本予算の中で、総需要の管理は、これはしっかりとしていく。それは、マクロと財政の整合性を保つという観点から、「改革と展望」を示しながらやっていく。ことしもこれはローリングで示して、そのような運営をしっかりとやっていきたいと思っております。
達増委員 完全雇用ということにどれだけこだわるかということでもあると思うんですね。補正予算などを使った微調整は、市場メカニズムと比べてうまくいかないケースがあり得るというのは全くそのとおりです。
 私は、特に今の自民党を中心とした政府・与党は輪をかけて、政官業癒着のむだ遣い、ムネオハウス二億円で済むところに四億円の予算をつけたりとか、その他、丸投げによって何億円も業者が懐に入れるとか、それを口ききのお礼として議員や議員秘書に上げてしまうとか、そういうことがまかり通る政府・与党が財政政策を積極的にやると、それは国民経済全体を壊してしまうと思いますので、今の政府・与党が続くことが前提であれば、私は財政政策はほとんどしない方がいいと思っておりまして、三十兆円国債なんて、もっと少なくしても、僕は、国債なんか出すな、これ以上一円も借金するなと言いたいくらいではあるんです。
 ただ、一般論として、あるいは我々が近い将来、将来じゃなく近々政権に着くようなケースも視野に入れて考えますと、市場メカニズムもまたこれは万能じゃないわけですよ、だから今こんなに失業がたくさんあるわけでしてね。
 ですから、小泉内閣というのは、そういうむだ遣いの危険性をはらみつつ、だから緊縮財政をとっているのでありましょうけれども、ただ、市場メカニズムに任せ切るには、どうも今市場による円滑な調整が非常におくれて、現に、二、三年で終わるはずの不良債権処理も終わらないで、痛みに耐えるのは二、三年で済むかと思っていたら、どうも三、四年、さらに四、五年ぐらい痛みに耐え続けなきゃならなくなってくるんじゃないか。
 これは、経済の論理としては、市場の失敗の興味深いケースとして教科書に載せたいようなケースかもしれませんが、政治の論理としては、ここはやはり今のままではまずいのじゃないかと思うんですが、この点いかがでしょう。
    〔渡辺(喜)委員長代理退席、委員長着席〕
竹中国務大臣 先ほども申し上げましたように、市場のメカニズムが万全などということはあり得ない。経済学者は何か市場メカニズムが万全だと思っているというような、何か世間一般で非常に偏見があるように思いますが、経済学の最先端の分野というのは、いかに市場メカニズムが働かないときにどうするかという議論を、これは最先端の分野ではまさにそういうことをずっとやってきているわけで、これは単純に市場メカニズムを前提にした経済運営というのはあり得ないと思います。
 しかし、同時に、やはり政府ができることというのは、政府は自分で資源配分をすることはできませんから、やはりこれはマーケットの力にゆだねなければいけないということは、これは当然のことながら非常に大きいわけで、そこはまさしく実態を見ながら政治の責任で判断をしていくということになるのだと思っております。
 そういうような意味では、私は、やはり規制改革等々に示されるように、日本の企業の潜在力を考えますと、そこは、もっと自由にメカニズムを発揮してやってもらわなきゃいけないところというのは、当然のことながらたくさんあります。
 しかし、金融のように、民間がなかなかしっかりしていないから、現実問題として政府系金融機関が大きな役割をむしろ果たさざるを得ないというところは、現実には間違いなく存在しているわけです。
 その点は、政府の役割というのは間違いなくあるわけでありますから、そこはめり張りをつけてしっかりとやっていかなければいけないと思っています。
達増委員 もう一つ、小泉内閣の経済政策の背景にある考え方について確認したいのですけれども、国債、公債の負担の問題であります。
 これは、普通の民間人にとって、借金というのはそれは負債で、後で返さなきゃならない、そういう負担なわけでありますけれども、国民経済の中で、外債を発行せず国民経済の中だけで公債を発行し、外国に買ってもらうんじゃなく国民がそれを買うのであれば、それは税負担と基本的には変わらない。要は、国の予算を賄うに当たって国民の間でどういうふうに負担をするか、将来世代、今の世代、過去の世代、また所得を、今国債を買えるだけ余裕のある人たちにそういうお金を出させるか、そういう国民経済の中の役割分担の問題であって、論理的には公債、国債がふえていくことがそのまま国民経済を傷つけるわけではない、そういう指摘は昔からあるわけですよね。
 しかし、小泉内閣は、非常に財政規律にこだわって、三十兆円枠というものを終始大事にしているわけなんですけれども、その財政規律にこだわる理論的根拠というものがあれば伺いたいのですけれども。
竹中国務大臣 日本のように、政府部門の借金を民間部門の分厚い貯蓄が安定的にファイナンスしている国というのは、海外からファイナンスを受けている国とは違うのではないだろうか。これは、さながら私自身がお金がないときに、家族の、例えば私の妻から多少ファイナンスしてもらっているということと同じではないか。その意味では、実は為替変動のリスク等々を回避してファイナンスをしているという意味では、そういう点、日本のファイナンスの仕方は明らかに違っていると思います。
 しかし、後半、達増委員がお尋ねになった点は、先ほどの点と私は大変関連していると思います。もしも、本当の意味での市場メカニズム的なものが完璧に働いていて、人々の行動が完全に合理的であるならば、実は国債の問題というのは全然考えなくていい。政府が借金しているということは、将来の税負担だから、国民はちゃんと賢くて、ちゃんと自分の貯蓄をふやしているから、国全体で見ると貯蓄と投資のバランスは変わりません。何ら影響は受けません。これは、まさに真空状態での議論としてはそういうことはあり得るわけですが、現実にはそういうことは全くないということであります。
 ですから、その意味では、国債の問題に関しては、小泉政権は非常に現実的に考えているということになるのだと思います。
 この国債が本当に国民の負担かどうかということを議論すると、これはもう哲学論争、神学論争になります。しかしながら、少なくとも現状で申し上げなければいけないのは、今のままでいくと、政府部門というのは利子を払うためにさらに借金をしなければいけなくなる状態に陥りつつあって、これは国債の残高が無限大まで行くということです。これはあり得ない、これはどこかで大変な修正をしなければいけない。もし政府が意志を持って修正をしなければ、今度は市場の方が暴落という形でこれにはね返ってくるだろう、これはとめなきゃいけない。ここだけは、実は哲学論争の以前の問題として、もう私は自明の問題なのではないかと思っております。
 プライマリーバランスを回復させるということは、これが無限大に行かないで、水準は高いかもしれないけれどもどこかで高どまりさせようということを意図しているわけですから、繰り返しますが、この問題に関しては非常に現実的な対応策をとっているつもりであります。
達増委員 構造改革関係の政策については市場メカニズムへの期待をやや大きく出す一方で、財政の問題については人間行動の非合理性の方を心配するようなやり方は、ちょっと矛盾しているんじゃないかと思います。そういう矛盾が、郵便局は民営化するのに銀行は国営化という、郵便局を民営化すると一方で銀行を国営化していく、産業再生機構でどんどん国が閻魔大王をやっていくという、民へ民へと構造改革をやる一方、マクロ財政政策的なところについては、国の、市場に任せられないというところを強調していくのは、どうも矛盾しているんじゃないかと思うんですね。
 それから、借金がどんどんふえていく不安、利子払いがふえていく不安、その不安というのは、要は政府のガバナンスの問題なんだと思うんです。国に勢いがあれば、かなりの借金をしても国民の間に不安というのは余り出ないんですね。
 極端なケースを言えば、日清、日露戦争を戦っていたころの日本は外国からどんどん借金をしていたわけでありますけれども、戦争には勝ちますし、賠償金なども取って、満州鉄道の権益などもとって、余裕で外国に借金を返すことができる。
 ですから、きちんとした財政のプログラムのもとで借金を積み増せばそれほど不安は高まらないけれども、そういう財政のプログラムを出すことができない。総理大臣が、夏には絶対ペイオフ解禁は予定どおりやるとツルの一声を上からやったかと思うと、秋の声を聞けば、やはりペイオフは二年延期すると、総理の指示で、ツルの一声でやる。そういう内閣、政府・与党である限りは国債の増発というものが不安につながる、そういう政府のガバナンスが問われていると思うんですが、いかがでしょうか。
竹中国務大臣 先ほど、民では市場メカニズムで、官ではむしろそうではないメカニズムという御指摘がありましたが、これは、民の部門では市場の淘汰という形でそれなりのガバナンスを働かせる仕組みが官よりも比較的健全に働いている、私はやはりそのように考えるべきであろうかと思います。
 その意味では、公的な部門のガバナンスというのは大変に難しい。ですから、こうした財政赤字というのは、民主主義の中では肥大化していく宿命にあるというような分析をしてノーベル賞をもらった人もいるわけであります。
 財政のプログラムを示せ、これは「改革と展望」をここはやはり守るべき大変重要なポイントだと思っておりますので、「改革と展望」の中で、中長期的な、責任のある経済運営、財政運営を明示することによって、そうした御懸念が生じないようにしっかりとやりたいと思っております。
達増委員 国会も国のガバナンスの重要な一要素でありまして、私は、最近の株安の原因の一つに、小泉内閣の支持率が高いということがかえって株安要因になっていると思うんです。内閣支持率が高いのでなかなか政策の大転換が行われないだろうということが、かえって株安要因になっている。ですから、私は、小泉内閣をどんどん批判して、支持率が下がれば株高になると思っておりまして、そういう意味で、一円でも株を上げるためにどんどん批判していこうと思いますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。
小坂委員長 次に、中塚一宏君。
中塚委員 本日は、前回の積み残し、金融再生プログラムに関する話と、あと、法案についても伺いたいというふうに思うんです。
 まず、ペイオフの問題、竹中大臣に。十三年五月二十八日の予算委員会でペイオフ解禁について、解禁の延期等々に象徴されるような、政府が一たん約束したことを延期するというのは、政府のクレディビリティーというか信頼を損ねるという意味で大変に残念なこと、というふうにおっしゃっているわけですね。
 先ほどの質疑の中でも、政策の強化というか、ハードルを高くしたというふうなことをおっしゃっていますけれども、延期そのこと自体は、やはり残念なことということでよろしいですか。
竹中国務大臣 理想的には、例えばこの時点で、日本の金融システムが非常に健全で強固なものになっていて、それをもってペイオフも解禁されるような状況になっているということは大変望ましい状況であると思います。
 しかしながら、現状の非常に難しい問題、先ほど申し上げましたように、実物経済は予想どおり、ないしは予想以上だったんだけれども、その予想を超えるようなデフレが深刻化している。そうした中で、であるからこそ、一層この問題の解決に向けた政策の強化を行わなければいけないということでありますので、一〇〇%の理想から比べますと、これはこれで大変残念な思いはありますけれども、新しい状況を踏まえた政策の実現に向けて、やはり私なりにしっかりと努力をしていきたいと思っております。
中塚委員 強化とかハードルを高くとか、いろいろなことをおっしゃるんだけれども、もう大臣自身が、やはり、かねて予算委員会で、信用を損ねる、大変残念なことだというふうにおっしゃっているわけですから。私は、もうそのことはちゃんと明らかに、残念だということはおっしゃった方がいいと思いますよ。
 加えて、予想外のデフレというふうなお話もありましたけれども、実は同じときに、そういうことが絶対起こらない経済運営をしていかなければならないというふうにもおっしゃっているわけですね。そういうことが絶対起こらない経済運営ができなかった、だから、残念だけれども、ペイオフ解禁を延期したということだと思うんですが、デフレがとめられなかった原因というか、予想以上にデフレが進行した原因、それは経済政策運営上の観点から何だとお考えなんですか。
竹中国務大臣 これは本当にいろいろな要因があると思います。想定していたよりもデフレが深刻に進んだ要因、一つには、不良債権、それと、それによってマネーが伸びないことによってデフレが加速化されるという悪循環が、これは私たちの想定よりも厳しかったということが第一点だと思います。もう一つは、先ほど原口委員の御指摘にもありましたけれども、世界的にそういう状況が出てきているということ、これももう一つの大きな要因であろうかと思います。
 デフレの要因はさまざまでありますから、一つ一つについて細かいことはさらにはありますけれども、大きな要因としてはそういう点がやはり重要であった。
 もちろん、世界的なデフレの予測が読めなかったのかということに関しては、これはこれで、読めなかったということになるわけでありますが、経済はまさに生き物でありますから、その時々の状況に応じて、適宜適切に対応をぜひしていきたいと思っております。
中塚委員 では、全世界的なデフレの傾向ということであれば、それに対する対応というのはどういうことを考えていらっしゃるんですか。
竹中国務大臣 これは恐らく、今後、G7、IMFの総会、さまざまなところで、英知を出し合って解決していかなければいけない、ちょっとオーバーに言えば、人類共通の新しい二十一世紀の経済問題であろうかと思います。
 したがって、現時点で、これをやればこれが妙薬であるということは、どの国でも見出し得ていないわけでありますが、私はやはり個人的には、金融政策の役割というのが従来の枠組みを超えて重要になってくるのではないか。これはきょう、あすの問題ではありませんけれども、今後、例えば十年ぐらい振り返ってみると、やはり二十世紀と比べてこの二十一世紀の最初の十年間ぐらいは金融政策が重要であった、そういうような形で、金融政策への依存度を高めていくのではないだろうかというふうに思っております。
 そうした関係を、今、政府、日銀一体となって、どのようにすべきかということを、お互いの役割分担の中で責任を果たしていかなければいけないと思っているところです。
中塚委員 G7云々というお話がありましたけれども、大臣はG7は行かれないんですよね。G8か、塩川大臣が御出席になる。お行きになれないところで、G7、8を挙げた取り組みというふうにおっしゃるけれども、それもちょっとよくわからないし、あともう一つは、金融政策ということもおっしゃいましたけれども、これだけ金融緩和して、もう金利もべたべたに下に張りついていて、量的緩和もこれだけやっていて、それでも資金需要が出てこないというふうなことなわけですね。では、このデフレをとめていくということについて一体どういう知恵があるのか。
 もう一つ、不良債権ということもおっしゃいました。竹中大臣は、恐らく担当者ではなかったから、委員会等では御発言にならなかったと思うけれども、やはり日本の不良債権問題というのは大変に深刻だという思いを、大臣就任以来お持ちだったんだろうというふうに思うんですね。
 ただ、要は、これまでの金融庁の発表、あるいは行政ということについて、竹中大臣が、不良債権問題、深刻だ、こんなものじゃないというふうにお考えになるのは、それはそうであったかもしれないんだけれども、ただ、やはり金融庁が、それであっても特別検査もやり、いろいろなことはしてきているわけですよ。
 そういう中にあって、ペイオフ解禁を延期しなきゃならぬようになってしまったということについて、絶対起こらない経済運営をしなきゃいかぬというふうに言っておられたわけなんですから、余り、政策の強化とかハードルを高くするとかいうことではなくて、ペイオフを延期しなければいけないような経済運営をしてしまったというか、せざるを得なくなったというか、そういうことについて、もうちょっとちゃんと責任というものを感じていただかないと、その責任に立った上で今後のいろいろな施策というものをおやりになるということにもつながっていくはずなわけですね。
 法案なり再生プログラムなり、両方共通するんですが、財務大臣と竹中大臣、お二人にお伺いしますけれども、不良債権の処理ですね。私は、不良債権の処理のコストというものを、大まかであっても、明示をするべきだと思うんですよ。
 先ほどからお金の使い方の話がありましたけれども、金融機関に資本注入をする、あるいは金融機関から不良債権を買い取るということで、ロスが発生すれば、もちろんすぐ国民負担になるわけですね。塩川大臣、財政をお預かりの立場でいらっしゃって、この間の四大行のトップが、こんなのができたら貸し渋りする、貸しはがしするみたいなことを言う。だから、そういう経営者のところに血税を投入する、なおかつ、ロスも出るかもしれない、優先株を普通株に転換したら、それだけでもロスが発生するわけですね、もう今は。そういうふうな金融機関に対して、不良債権処理をするときに金融機関に対してお金を使うということと、あといろいろなことを言う人がいますけれども、不良債権、実体経済の問題であれば、そこの、実体経済をもっとよくするべきだという人もいて、金融機関にお金を入れるのか、あるいは実体経済の方にお金を入れるのか。
 極論では、民間企業の、借りている方の借金、みんな棒引きしてやれというふうな話だって言う人はいますし、景気対策、経済対策で財政出動しろというのも、言ってみれば民間の借りている方に対してお金を回すようにしていけ、使うようにしていけということなんだろうと思うのですが、そういう意味で、銀行に対してお金を使って不良債権を消すのか、あるいは実体経済の方にお金を使って不良債権を減らしていくのか。やはり私は、不良債権を処理するというときに、では一体そのコストというのは幾らぐらいかかるのかというのはやはり議論の前提としてあってしかるべきなんじゃないかと思うのですが、まず塩川大臣、いかがでしょうか。
塩川国務大臣 今お聞きしておりまして、実体経済にお金を使うというのは、要するに実体経済とおっしゃる意味は、不良債権の発生した企業に対してということですか、それとも実体経済全体に対してという話なんでしょうか。それと銀行に対する公的資金のコストという、どっちのことなんでしょう。
中塚委員 金融機関の方は、お金を、資本注入するなりあるいは資産を買い取るなりということでお金を使いますね。借りている方という意味ですね、実体経済。借りている方ということ。
塩川国務大臣 わかりました。
 それでは、その借り入れした、実体経済というのは企業の方でございますね。企業に金を入れるか、私はこれは非常に問題があると思うのです。つまり二次ロスをどこで負担するかということがまず第一の問題ですね。これは金融機関に入れるのか、実体経済の方に入れるのかという、ここの問題もあると思います。それは一つの、金融機関に入れる金の使い方もある。それから、それではなくして、自己資金を充実さすために銀行に使うんだというこの銀行の使い方もありますね。だから、銀行の使い方にも二つあると思います。
 実体経済も、一方に構えていいますと、破綻した企業ですから、これに対して金を入れるということは、公的資金を入れるということは、これは、私は生きた経済になってこないと思うのです。それよりも、再生プランがあって、再生のステップにおいてその資金を入れていくということであれば十分な国民経済の効果はあるけれども、ただ破綻した企業に対する救済的な資金の供与ということでは、私は効果は薄い。そうであるとするならば銀行に注入すべきであろうと思っておりますが、我々、今考えておりますのは、そうではなくして、破綻企業の中で生かすものがあれば生かしたいという、そちらの方に公的資金を使いたい、こういうことであるとするならば、それはこっちの方に意義があると私は思っております。
竹中国務大臣 中塚委員のお尋ねは、コストの話と、コスト比較との関係で銀行か企業かという、その二点であったかと思います。
 まず、コスト、何でもってコストをはかるかというのは、これはもう委員御自身がよく御理解の上お尋ねだと思いますが、これはもう本当に難しい。資本に不足額が生じて、それを資本注入するような話を想定するのか、それかさまざまな銀行行動の中で資産が圧縮されて、信用の圧縮が起きて、それを何らかの形で補てんするという形のコストなのか、さらには企業の清算等々で失業者が出た場合のそのコストなのか、これはちょっと考えただけでも、もういろいろなケースが想定されますから、これはちょっと技術的に数字でどうこうということは、これは大変難しいということになろうかと思います。一つ、失業の話にしても、再生型の破綻なのか清算型の破綻なのかによって、実情を調べてみても全くこれはケースが違うわけですので、そういう難しさがあるということだと思います。
 その上で、二番目の、企業に対してお金を入れるのか云々というのは、これは日本もそうですし、多くの国々の経験で、やはり銀行に幾つかの国が公的なお金を入れたわけですけれども、これは決済機能を持つ社会的なインフラを担っているから、そういう理由で、インフラを守るために公的資金を今まで注入してきたんだと思います。これは企業の救済とかそういうことでは全くない。一方で、企業にもしお金を入れることがあるのかということになると、今塩川大臣お答えのように、これはやはり市場経済の国では、原則としてはやはりそういうことは考えられないのではないのかと思います。
 例えばですけれども、一九八〇年代の最初に、クライスラーに対してアメリカが、連邦政府が融資保証を行いました。幾つかのケースで、そういったインフラではない企業に対して政府が直接介入したという例は全くないわけではありませんが、こういうのはいわゆるベールアウトということで、基本的には行わない。
 実は、諸外国の中、先進工業国の中でも、日本はこういうベールアウトを最も行ってこなかった国であるというふうに認識されている。アメリカは意外と実はベールアウトというのは行っております。しかし、日本のまさに風土も考えても、まずはやはりお金の使い方は国民に対して非常にわかりやすく、シンプルなメッセージを送るものでなければいけないと思いますので、これはやはりお金の使い道としてはインフラを、もし必要であればですけれども、インフラを守るためにお金を使う、それがやはり政策の原則ではないかと思います。
中塚委員 コンセプトはそのとおりであっても、けれども今まででも破綻金融機関の処理のために、ペイオフコスト超分はほとんど税金で面倒を見ているわけですし、資本注入したものであっても、今だってキャピタルロスはもう発生してはいるわけですよね。
 企業側にお金を入れるといったって、別に倒れているものを国が助ける、そんなことは言語道断で、やれと言うつもりもありませんが。それは例えば、公共投資でお金を回すというのだって、企業の方に金を回していくといううちの一つの選択肢なんだろうと思うし、また、極端な話をする方は、もう徳政令で借金を棒引きにしてやれ、そうしたらみんな、ほとんど健全債権になるじゃないか、そうすれば金融機関だって不良債権問題が解消できるじゃないかというふうなことを言う方もいらっしゃる。
 どれがいいとか悪いとかいう問題に入る前に、では一体、こっちには幾らかかってこっちには幾らかかるんだというふうな大まかの金額というのがないと、議論がなかなか前に進んでいかないんじゃないか。
 竹中大臣は、さっきから伺っておりますと、またいろいろな委員会でお話をしたときに、需給ギャップは管理しないということはないけれども、それを全部財政で埋めるということはないというふうにお答えになっていたし、私も、それはもちろん今はもう不可能だろうと思うんですね。別に財政出動だけが需要追加というわけじゃありませんし、ほかにもいろいろな方法はあるんだろうというふうには思いますけれども、ただ、議論をするときには、私はやはり、幾らかのそういった目安というものがないことには、どっちがいい、どっちが悪いという話になりようがないんだろうというふうに思うんですね。
 政策的なコンセプトとしては、決済システムを維持するということが真ん中にあったとしても、過去やったことというのは、結局、決済システムの維持にはもちろんなっていますけれども、どっちかというと銀行救済というふうな中身の方が多いわけですね。そういうふうにお考えになったから、また今までやってきたことでも不良債権問題が解消しないし金融システムが安定しないからこの再生プログラムというのをお出しになったんだろうと私は思います。だから、そういう意味で、また工程表やら何やらこれから出てくるんだろうと思いますけれども、ぜひ不良債権の処理のコストということについてもお考えをいただきたいというふうに思います。
 この間、特別支援の枠組みということについて伺いまして、大臣に資本注入の考え方を伺いまして、資本不足解消論というのと予防的投入論というのと、あと危機対応投入論という三つがあって、そのうちで大臣はどの立場をおとりになるのかという話で、危機対応投入論ということをお答えになりましたけれども、それはよろしいんですね。
竹中国務大臣 前回の御指摘を受けまして、これはことしの二月に中塚委員と柳澤大臣のやりとりで、それぞれ、資本不足解消、危機対応、予防的投入、そういう三つの考え方があるということを改めて確認をさせていただきました。
 これはちょっと、それぞれどういう、微妙に何か境界領域のようなものもあるようだし、柳澤大臣もやはりその境界領域は微妙に判断しなきゃいけないということを言っておられるようでありますので、これだ、あとはだめだということでは全くないんでありますけれども、その意味では、危機対応投入論というものが基本であるのかなというふうに、柳澤大臣の御答弁を読ませていただいて私自身も思いました。
 ただ、その辺は、境界領域で絶妙な判断をすべきというのが我々に課された使命だろうと考えていると、柳澤大臣はそうおっしゃっているわけで、そういう点はやはりあるのだと思います。
中塚委員 そうなりますと、境界領域、この三つの投入論の中の境界領域の問題もさることながら、金融危機って一体何だということにも、またそれは、話は広がっていくわけですね。何をもって金融危機とするのかということにもなっていくわけなんですけれども、きょうはちょっとこの話はしませんが。
 その何をもって金融危機とするのかということと関連するのは、特別支援の枠組みですね。これを即時適用するということなんですけれども、これは、要は大臣が宣言をされるわけですか、この銀行は特別支援だということを。それを大臣が宣言をして、そしてこの手続に入っていくということでよろしいんですか。
竹中国務大臣 これは、この手続の問題でありますので、その工程表等々の中で、どういう仕組みでやるのが一番よいのかということは検討したいと思います。しかし、現実的に、現実的な判断といいますか実質的な判断は、やはり担当の大臣としてしっかりとしなければいけないと思っております。
中塚委員 特別支援の枠組みの中に「預金保険法に基づく公的資金の投入」というのがあって、これは、要は現行法に基づいてやるということなんだから、どの方式で投入するのかとか、危機がどういうことなのかということももちろんありますけれども、金融危機対応会議というのを開かにゃいかぬわけですね、投入しようとすれば。
 そうすると、「「特別支援」の枠組み」と書いてあるし、「特別支援」だってかぎ括弧つきで書いてあるわけですよ。なおかつ、新しい法律なんかは用意はされないというふうな話なんですけれども、この金融危機対応会議と特別支援の枠組みの関係というのは、一体どうなるんですか。
竹中国務大臣 万が一にも公的資金を注入するというような場合は、これは一つの法律行為として、この金融危機対応会議で議論を当然のことながらするわけでございます。担当大臣として私なりにもちろん判断を申し上げますが、その決定といいますかは、議長である総理によって行われるべきものになります。
 ここで言うその枠組みというのは、基本的に、実質的な議論は金融危機対応会議のような場でやはり私は行われることになると思いますが、もう少しその金融危機対応会議、方法、百二条で書かれた以外のことも含めて、例えば日本銀行との強力な連携、それとか、そうしたことが起きた場合に対するガバナンスの問題、これは、金融行政全般としてこういう考え方でやっていくという、そのまさに枠組みを述べたものになっている。その中で、公的資金注入のその法律的な手続は、この金融危機対応会議で行う。
 繰り返しますが、実質的には金融危機対応会議でいろいろな幅広い議論がなされますでしょうから、その枠組みと全く別のところにこの金融危機対応会議があるわけではありませんが、この公的支援の枠組みそのものは、より広い一つの枠組みであり概念であるというふうにお考えいただければと思います。
中塚委員 広い枠組みというふうにおっしゃるけれども、新しい法律は要らないで現在でもできることがほとんどですわね。検査官の常駐的派遣とか、それは今はやっていないし、できないんでしょうけれども。ただ、今でもできることをぱあっと並べて書いてあるだけで、日本銀行と政府が金融危機のときに連携するのだって当たり前の話だし、今だってできることがばあっと書いてあるだけで、何かその特別支援みたいな新しいことを始めるというふうに書いてあるという、どうも解せない。
 やはり、その辺のことは、実はちゃんと詰めないでおつくりになっているんじゃないでしょうかね。どうも、事務方の方から御説明を聞いてもよくわからないし、大臣の今の自身の御答弁についても釈然としないものがあるし、そこのところは本当に全然詰めて考えていらっしゃらないんじゃないかというふうに思います。
 次に、いい、悪いは別にして、資本注入をした場合なんですけれども、資産査定を厳格化する、あと、税効果会計も見直すのかどうかは別ですけれども。資産査定を厳格化したら、自己資本比率が低下しました、あるいは毀損しましたという話になったときに、例えば、国際業務基準行、これが八から四の間に自己資本比率が低下したとしますね。そのときに一体、資本注入をする前に、国際業務からの撤退ということを強くお求めになるのか、それとも、資産査定厳格化前までのレベルにもうぽんと資本注入をしてかさ上げをされるのか、そこのところは当局としてはどういう判断に立たれるのですか。
竹中国務大臣 中塚委員、十分に先ほどの特別支援は詰めていないのかという御指摘もございましたですけれども、これはぜひ御理解賜りたいのは、不良債権の処理を加速するという中で、さまざまに一体何が起こるのかというような不安を抱く方も結構多いというふうに思います。そうした点も踏まえて、今の、もちろんこれは現行の枠組みの中で政府、日銀が一体となってやるわけでありますけれども、その中で、万全の対応を期すんだ、そこの金融問題から経済の底割れを絶対起こさせないんだと、我々はこういう枠組みとこういう決意を持っているということを改めて明確にすることによって、これへの対処の我々の姿勢を明確にこの中で示しておきたかった、それがここに書いた趣旨でございます。
 お尋ねの件でありますけれども、海外営業拠点を有する銀行については、この自己資本比率が八%未満になった場合には、これはルールにのっとりまして早期是正措置の対象になります。この八%未満の銀行は、この早期是正措置に従って自己資本比率の回復を図るか、それとも、みずからの判断によって国際業務から撤退して国内基準の適用行になるかということ、これは、こういうルールがもちろん御承知のように決められているわけでございます。こうしたルールにのっとって、これは早期是正措置の枠組みの中で我々としては対応をしていくということになります。
中塚委員 その前段の部分で、不安を抱く人がいるからこういう枠組みを持っているんだということをアピールするとおっしゃるけれども、私は、今の行政とか、全然整合性がないこんなものが出てくること自体、私は不安です。こういうものが出ることが不安をあおると思います。
 早期是正の話がありましたけれども、それは資本注入との関係はどうなんですか、その場合は。
竹中国務大臣 これは資本注入との関係ということでありますから、早期是正措置に従ってまず対応を求めるということになります。この時点で、例えばですけれども、金融危機であるというような状況で、その対応が宣言されていたならば、これは、銀行の申請によって資本注入の問題を当然のことながらこれは検討することになるわけでございますけれども、これは繰り返し言いますけれども、今の法律の枠組みの中で、金融危機の対応の宣言をしている場合だということになります。
中塚委員 その場合は、要は自己資本比率というものをどのレベルまで回復をさせることになるんでしょう。
竹中国務大臣 当然のことながら、まずは自力の調達で、この早期是正の枠組みの中で、自主努力によってしっかりとやってもらうということになります。
中塚委員 自分の努力をする、それでもできなかったというときに資本注入、手を挙げるということになるわけですね。その手を挙げたときに、じゃ、おまえさんのところはもともと国際基準行だったけれどももう国内基準でいいじゃないかという話をして、そのレベルまでの資本注入にとどめるのか、あるいは、もともと国際基準行だったんだからそのレベルまで資本注入をしてやるのか、そこのところはどうですか。
竹中国務大臣 これは委員、個別の判断の問題でありますから、今の時点でそういうことを一般論としてちょっと想定してお答えできる問題ではないと思います。
中塚委員 一般論として、私は当局としての意思は必要だと思いますよ。だって、それは公的資金というぐらいなわけですから。公的資金は税金がもとになっている、保証したりして使うお金ということですね。そういうものを使うときに、やはりそれは当局としての意思というものはちゃんとなけりゃいかぬというふうに思います。
 だから、例えば国際基準行であったものが国内基準行におっこったら、それは全部国内基準行としてやっていくんだということを徹底させるとか、そこのところはちゃんと当局として意思がなければ、また、銀行からの申請に基づいて、八%じゃ心もとないから一二%にしてくださいみたいな、そんな話で資本注入が行われるということでは、私は、結局前回、前々回と何にも変わらなくなる、そういう意味で、当局としての意思は、これはきちんとお持ちになっておくべきだろうというふうに思います。
 時間がちょっと大分押してきたので、法案の方で、合併再編の話についてちょっと伺いたいんですが、合併再編の問題ですけれども、オーバーバンキング論ということについて竹中大臣はどういうふうにお考えなのか。銀行の数自体はまだ多いというふうにお考えなのか。そこはいかがですか。
竹中国務大臣 オーバーバンキングというときに、いろいろな議論のされ方がなされていると思います。日本の地域金融機関について、そうしたオーバーバンキングの状況にあるという見方があるということはそれなりに承知をしていますけれども、各地域の具体的な実情や貸出先の状況、金融サービスに対するニーズは、これはまさに多様でありますから、一概にそういうことは言えないのだと思います。
 今回の特措法も、あらかじめそういった金融機関の数に関して量的なイメージを念頭に置いて行われているわけではない。これはあくまでも、今合併したいと思っている金融機関の自主的な経営判断に基づく合併等を支援するということを意図しております。
 オーバーバンキングという場合は、さらに銀行の数だけではなくて銀行の貸出量そのものが、バブルのとき以来非常に大きくなったままで十分に下がっていないのではないだろうかという御指摘があることも承知をしております。今そういったものが調整されていく、計数で見る限りは調整されているわけですが、その過程で地域の中小金融機関等々にさまざまな問題が起こりかねないような状況になっているということは承知をしております。それに関しては、新たな金融、手段をどのようにつけていくか、新規参入ないしは信託を使った新しい仕組み、そうした観点は観点としてしっかりと考えていきたいと思っているところであります。
中塚委員 今の御答弁だったら、別にこの合併再編の法律だって要らないということになるわけですよ。それは合併したいものは合併すればいいわけであって、何もそれを、合併したものを国が自己資本比率のかさ上げのために資本注入やら優先出資やら、そんなことをする必要もないわけですね。
 やはりそれは、数が多いという考え方の前提に立っているから、その数が減っていくように、それが円滑に進むようにしようということがこの法律の背景としてあるはずだろうし、実際、国の政策だって、いっぱい銀行をぽこぽこひっつけて、四つもでかいのをつくっちゃったわけですよね。やはり、今までの考え方の前提に立てば、当局としては銀行の数はまだ多いというふうにお考えだし、合併することはいいことだというふうにお考えになっているから、こういう法律をつくっていらっしゃるというふうに私は理解をいたします。
 合併ということなんですけれども、合併して本当に収益力は改善をするのかということですね。不良債権の問題、確かに、今あるものをどう処理するかという話の中で、公的資金を入れろだの、不良債権を買ってやれだのといろいろな話が出てきますけれども、でも、金融システム、金融の問題からすれば、やはり収益力というものが改善して、自分でもうけたお金でちゃんと不良債権を引き当てるなりなんなりしてもらえれば何の問題もないわけだし、そうなっていくことが実は理想の姿なんだろうというふうに思いますけれども、その銀行の収益力の改善ということについて、合併すればそうなるとお考えですか。
竹中国務大臣 改めて申し上げますけれども、今回の法案というのは、そういうマクロ的な意味といいますか、全体としての数量調整というようなものが念頭にあるわけではなくて、自主的に経営基盤を強化したいと思っている銀行が現実にある、しかしその障壁となっている問題がある、その障壁となっているところ、自己資本比率の高いところと低いところが一緒になると、足して二で割ればその平均値になるわけでありますから、それで下がるところが出てくる、そういうことは避けようということを念頭に置いておりますので、マクロ的な、全体の調整ということを念頭に置いているわけではございません。
 結局、合併によって何がもたらされるか、そういう問いでございますけれども、これはやはり経営基盤を強化するということが当然のことながら大変重要な期待されるポイントになります。政策的にこれを支援するわけでありますけれども、その前提として、金融機関等が、経営基盤強化計画の認定に当たって、ビジネスモデルが持っている改革方向、収益性が相当程度向上するということを我々としては確認することにしておりまして、合併等によってまさに経営基盤が強化される、それによって適切な経営体制が構築されて、ひいては借り手企業にもメリットが及ぶ、預金者にもメリットが及ぶ、そういう形を目指しているわけです。
中塚委員 経営基盤強化の話はされたけれども、収益力についてはお触れにならなかったというふうに思いますけれども。
 竹中大臣、以前この委員会で、過去の資本注入は失敗、私は失敗だと思っていますから失敗というふうに申し上げましたが、そういう中で、銀行のガバナンスの弱さということをお挙げになられましたね。合併するということは経営基盤強化になるというふうに今おっしゃいましたけれども、ガバナンス強化ということについては、私は逆行している例の方が多いと思うんですね。
 だって、四大銀行だって、何かでっかいものとでっかいものがひっついて、それでガバナンスが強化されたかといえば、全然そんなことないですね。ことしの四月、システム障害を起こしたような銀行にしたって、起こしたこと自体も問題だけれども、その後の対応なんかを見ると、本当にでかければいいというものじゃなくて、でかいがゆえにガバナンスが弱くなっている部分がたくさんある。それはやはり地域の金融機関についても同じことが言えるんじゃないか。
 合併ということが私はガバナンス強化に逆行する例の方が多いように思うし、実際そうなんだろうと思うんですけれども、そこはどうですか。
竹中国務大臣 御指摘のように、大きければよいということは、これはもう現実を見ても全くないわけであります。単に規模の拡大だけを追求する、合併して規模の利益というのは、非常に短期間にそういうものは出なくはないわけでありますけれども、それだけを追求した合併というのは、逆に、まさに戦略性のない合併ということになりますが、そういうものはむしろガバナンスを弱める可能性も、そういうリスクもあるわけで、これは大いに問題が残るということになると思います。
 今回は、そういうことが起こらないように、十分にその統合の効果が上がるように、先ほど申し上げましたように、この政策支援の前提として金融機関等が提出する経営基盤強化計画を認定する。その認定するに当たっては、ビジネスモデルがどのような革新性、改革方向を持っているかということ、先ほども申し上げましたようにこれは収益性も重要です、収益性が相当程度向上するということを確認の上で行うことというふうになっておりますので、これは何といっても自主的に合併をする人たち、組織統合をする人たちの戦略性というのを我々としては期待するわけですが、同時に、その強化計画の認定に当たって、当局としてもしっかりとこれをウオッチしていきたいというふうに思います。
中塚委員 今まで資本注入をしたところだって、経営健全化計画ですか、というのを出させているわけですね。経営健全化計画を出させているけれども健全にならないから金融再生プログラムをつくらなきゃいけなくなっているわけで、それは地方銀行、地域金融機関についたって私は同じだと思いますよ。
 だから、合併をさせていくということが本当に経営の基盤強化になるのか。例えば、地域の銀行なんか、地域密着で、小回りのよさとか、そういうのが身上のはずですから、そういったものが、合併することによってかえってニーズにこたえられなくなるというふうなケースも出てくるかもしれない。ということで、結局収益力も低下をするというふうなことになるのかもしれないという意味で、この合併再編を目的とした法律ではありますけれども、合併しないのにはしない理由があるわけだし、したい人にはしたい理由があるわけですから、それはやりたい人は勝手にやればいい話であって、別にそれを国がアシストする、支援をするという必要はないというふうに私は思います。
 さっきのオーバーバンキングの話で、銀行の数じゃなくて、もう一つは、やはり資金余剰の問題というのがあって、その資金余剰あるいは貸し出し余剰というものをどんどんやはり解消させていかないかぬ、そういうふうな宿命にもあるわけですね、日本の銀行というものが。そういう貸し出し余剰というものがどんどん減っていくということと、今の貸し渋りあるいは貸しはがしということについての関連についてはどうお考えですか。
竹中国務大臣 全体としての貸付残高が圧縮されていく、しかしまだマクロの数値で見ると高いというふうに言われている、それに対しては貸し渋りという、一方で資金のニーズがあるところにお金が回っていない、その関係という御質問だと思います。
 これは幾つかの問題があろうかと思いますけれども、今の銀行貸し付けがやはり、これは一部に懸念されていますように、一部の収益性の低いところに塩漬け状態で置かれていて、その分なかなか本当に資金を必要としているところに回ってこないようなメカニズムになっているのではないか、そういう懸念はやはり私は持たなければいけないのだと思います。繰り返し言いますが、そういう事態を解消するために、資産査定の健全化等々、今回の金融再生プログラムがつくられているということ。
 それともう一点は、それでもやはり銀行の貸し出し全体が圧縮が続いているということは、やはり非常に構造的な問題として、日本の金融というものが銀行を中心とした相対取引型の間接金融に物すごく依存してきたということにあるんだと思います。これについては、間接金融から直接金融へ、間接金融の中でも相対型ではなくて市場型の間接金融へということで、これは今回も、より多様な形が広がるように証券市場の活性化も考えておりますし、これは総合的に取り組んでいかなければいけない、別のまた大きな課題であると思っています。
中塚委員 では、最後に一つだけ伺います。
 税効果会計の見直し、繰り延べ税金資産の見直しなんですが、銀行についてのことだと思うんですね、金融再生プログラム。生命保険会社についてはどういう取り扱いをされるんでしょう。この繰り延べ税金資産の見直しは、生命保険会社についても適用をされるおつもりですか。
伊藤副大臣 生命保険会社の健全性を判断するためのいわゆるソルベンシーマージンの比率の算出における取り扱いを見直すことは考えておりません。
中塚委員 終わります。
小坂委員長 午後二時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時四十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時二分開議
小坂委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。植田至紀君。
植田委員 社会民主党・市民連合の植田至紀です。
 きょうは、幾つかお伺いしたいわけですけれども、いずれにしても、私自身は、効率性、経営の健全性を追求する動きの中で、金融機関が本来果たすべき役割を忘れてしまってはならないなという、一応そういう全体を貫通する問題意識で幾つかお伺いしたいわけです。
 まず一点目は、ペイオフの解禁にかかわって二点ばかりお伺いしたいんですが、一つは、私自身はペイオフ解禁の問題について、解禁の是非を云々ということよりは、どうした条件下で実施できるのか、あるいはするのかということが論じられてしかるべきだろう。むしろ、その解禁の目的意識、そこにこだわるべきだろう。ということになれば、今の段階では、これがペイオフを実施できる環境というのをどう整備するのかだろうなと思っているわけです。
 ただ、一方でペイオフ解禁の基本方針がありながら、オーバーバンキング解消を掲げつつも、一方で金融システムの動揺を防ぐために護送船団行政を行ってきたというのがやはり実態だろうというふうに思います。だから、そういう状況の中では、どういう選択をしても、結果が結局同じになってしまえばこれはだめだろう。
 そこで、実際環境整備として必要なことは、まず一点は、新たな不良債権の発生というものをやめる、食いとめること。それは、産業、企業の再生に向けたスキームの強化があるだろうと思います。
 そして次に、私がお伺いしたい二点目ですが、今の件は別に、質問というよりは、まず一点そういう課題があるだろうということで、今大臣にお伺いしたいのは、次に、やはり中小企業への資金供給の円滑化、強化ということが求められるだろうというふうに思うわけです。地域の金融機関の使命というのは、当然中小企業の新陳代謝を促しながらも、将来性のある企業というものを支援する、そうしたビジネスモデルを開拓していくということだろうと思うんですが、ペイオフ問題を機にして、こうした地場の経済に密着した地域金融機関、協同組織の金融機関等について、やはり都市銀等の金融機関とはまた別の角度から、その存在意義と役割というものを再検討していかなければならないというふうに思っております。
 大体御同意いただける話だと思うんですが、まず冒頭、そのことを御確認したいと思います。
竹中国務大臣 ペイオフ解禁問題をきっかけに、やはりこのペイオフは当然のことながら、金融機関の自主的な経営に対していわばいい意味での健全な監視ないしはプレッシャーみたいなものが働くようにしていくということなんだと思います。そのときに、当然のことながら考えなければいけないのは、では、そういう正常な状況で想定される金融市場の姿というのは一体どういうものなのかということなんだと思います。
 その点で、植田委員は、やはり地域の金融機関については、地域の金融機関としての本来のあり方というのはどういうべきかということをきちっとやはり位置づけて考えるべきであろうという御指摘だと思います。
 以前一度話させていただきましたが、私は、植田議員とは隣の和歌山の育ちでございますが、そこでの信用金庫の理事長さんとは、非常にいろいろお世話になって子供のころを過ごした。そういうときのやはり経験も踏まえて、これは今でも当然生きていることだと思いますけれども、地域に根差したリレーションシップバンキングのあり方というのは、グローバルな金融のあり方とはやはり違うというふうに思います。金融担当大臣になって以降、リレーションシップバンキングは違うという観点から、ぜひそのあるべき論をきっちりと議論したいということを繰り返し申し上げたつもりでございます。
 今回の法案は、そういう意味では、地域金融機関のそういった役割を念頭に、その詳細はこれからさらに議論をしなければいけませんが、経営基盤の一層の強化が必要であるという、自主的にそうしたいというところに対しては、きちっとその障壁を取り除くような特別措置を講じたいというものでございます。リレーションシップバンキングのあり方については、今年度中に幅広く御議論を伺いながら、しっかりとした一つの見方、指針をつくっていきたいと思っております。
植田委員 もう一点、簡単なことを、ペイオフ解禁、ペイオフ問題にかかわって一つ聞いておきたいんですが、実際、地域においてはペイオフ問題というものがどうあらわれるかといえば、中小の金融機関と郵貯の問題だろう。
 というのは、実際、私も限度まで貯金ないんで別に気にはしていませんけれども、通常の貯金で、定額貯金は一千万までですけれども、振替口座は預け入れ限度がありませんので、しかも支払い保証がありますからおいしいわけで、言ってみれば、やはり地域金融機関の合併が促進されたとしても、実際郵貯へのそういう資金のシフトが解決しなければ抜本的な対策にはならないだろうな。ここはやはり即応性も要するんだろうとは思うんですけれども、この点はどういうふうにお考えでしょうか。
伊藤副大臣 金融庁といたしましては、郵貯等の公的金融機関は民業を補完するものだと基本的に考えておりますが、いずれにいたしましても、民間金融機関がまず経営基盤というものをしっかり強化をしていく、その努力を懸命に行うとともに、顧客のさまざまなニーズにやはり的確に対応して適切な資金の仲介機能というものを発展させていくことが肝要だというふうに思っております。
 今委員の方から、郵便振替口座ぱ・る・るのお尋ねだというふうに思いますが、これは、郵貯において、郵便振替口座以外の口座については一千万の預け入れ限度額が適用されている一方、郵便振替口座と競合する民間の決済用預金については、今御審議をいただいております預金保険法等の改正法案により全額保護をされる、そういう措置を講ずるということを考えておりますので、本法律案が成立することを前提に考えれば、郵貯への資金シフトが今後大きな問題になるとは考えにくいというふうに思っております。
植田委員 今副大臣が前段で御答弁されたところは、また質問の末尾のところで具体的にちょっと聞きたい、どちらがお答えいただけるのかわかりませんが聞きたいと思っていますので、よろしくお願いします。
 もう一つ、しようもないことをちょっと教えてほしいんですけれども、実際、今回の再編成特措法でA銀行とB銀行が合併するケースで、両方に預金していた顧客に限って両行の分を合算した二千万円までが向こう一年保護されるということらしいんです。
 それなら、例えば、私、植田が竹中銀行に一千万、塩川銀行に百万預金していました。合併すれば一千百万。それで合併直後に九百万貯金したら、その分も含めて二千万ぎりぎり保護されるというふうになるわけですが、こうした合併後に預けられた分まで保護せないかぬということについてはいかがなんでしょうかね。その点、何か議論があったんであれば御教示いただけますか。
伊藤副大臣 合併後の預金を合併前からの預金と区別するためには、合併等の時点において、破綻処理時と同様の手順で全面的に名寄せを行う必要があり、金融機関に多額の追加的なシステム負担及び事務負担を求めることになり、かえって合併等の障壁になるんではないかというふうに私どもは考えております。
 預金者にとってわかりやすく、かつ、金融機関に過大なシステムの負担をかけない措置とする必要があることなどを踏まえれば、合併等を行う金融機関の数に応じた保険限度額を定める本措置を一年限りの経過措置として導入することは妥当なものだと考えております。
植田委員 要は、各銀行が名寄せをようせぬさかいに、そこはお目こぼししようと。もっとも、私らからすれば、あと九百万そこへ駆け込みで入れておこうか、とりあえず一年は入れておこうということはあるかもしれへんけれども、確かに、銀行側から、そういう特例があるからとりあえずもうちょい貯金してやというような話にはなかなかならへんかなとは思うんですけれども、これが恒久措置なら別ですけれども一年ですので。言うてはることはようわかります。
 それともう一つ、この特措法にかかわって、資本増強のスキームにかかわって伺いたいんですが、信金、信組等の合併の場合は、この法案のスキームでは、各業態のいわば中央機関に公的資金を入れる。それを原資にする。そして、その中央機関が当該業態の個別金融機関を支援する。間接注入になるわけですが、間接注入であれば、国の側から見れば、国がこうむるリスクというものは当然軽減できるというメリットはあるわけですけれども、今度はその一方で、中央機関の方のリスク負担が増大するということは当然なわけですが、そうなると、中央機関としてもリスクを考えたらなかなか安易には支援できへん。なれば、中央機関の思惑が先行するような再編が進められるということになると、逆に、場合によっては合併促進が抑制されるような局面も出てくるのかなと思うんですけれども、その点についてはいかがなんでしょうか。
伊藤副大臣 御指摘の間接的な資本増強スキームについては、従来から、合併等を行う協同組織金融機関に対して資本増強を行うために業界内で相互支援制度が設けられており、多数の金融機関が利用していることから、これを活用しつつ預金保険機構がバックアップすることが有効と考え、今回の法案に盛り込んだところでございます。
 現行の相互援助制度のもとにおいても、信金中金等の中央機関は、傘下の金融機関から要請を受けて資本増強に応じ、必要な指導、アドバイス等を行っているものと承知をいたしております。
 本法案の支援措置は、この相互援助制度の仕組みをベースに、預金保険機構が信託受益権の買い取り等によりこれをバックアップすることにより、現行の相互援助制度を一層使いやすいものにというふうに考えております。
 いずれのスキームにおいても、経営への介入は必要最小限度とする予定でありまして、組織再編にとって抑制的に働くことがないように配慮することといたしております。
植田委員 そのとおりでしょうが、一抹の不安は残りますけれども、もう一回聞き返しても何か同じ話になりそうなんで、次。
 今のところは前段の話ですが、次に、いわゆる金融機関の再編整理をしていくという背景にあったオーバーバンキング論について幾つかお伺いしたいんです。
 というのは、あらかじめ申し上げておきますが、今回の法案なり、また、今の竹中大臣なり伊藤副大臣なりがお考えの銀行の再編なり整理というものが、それがオーバーバンキング論に基づいているということで聞いているわけではなくて、もちろんそうした再編をするということの背景にはあったでしょうということで聞いておるんです。
 というのは、柳澤前大臣は、金融不安の背後には金融機関の過剰という問題があるということを金融再生委員会の初代委員長に就任したときから唱えられてきたことは事実でありますし、また、塩川財務大臣も同趣旨のことはおっしゃっておられることも、これは事実として私は理解をいたします。ですから、実際、合併支援策というものを決めるに当たっては、やはりそうした論も背景にはあったということは、これは当然共通認識としてあると思うのです。
 そこで、実際にこうした考え方が、とりわけ地域金融機関の場合には、地域への密着性とか小回りがきくということで考えれば、そうした再編整理、要するに、例えば、規模が大きくなることによって逆にニーズにこたえにくくなって、結果的に収益力が低下するというふうなこともあるでしょうし、そもそも適正な金融機関の数がどれぐらいなのかなんということを定義する方法なんて恐らくありませんでしょうから、一国一城ですぐらいのそういう話ですから、一県二行でもいいですが、実際そういうことは別に定義しようがないわけで、それぞれの置かれている地域における産業の特質なり地域の実情なりに合わせて、それに応じた金融機関が活躍するということがいいんだろうと思うんです。
 しかも、そういうことで考えてしまうと、例えば、今の、かなりの規模、数千億円規模の信金とか第二地銀を統合して数兆円規模の金融機関にするということになれば、逆に、総資産利益率、ROAがもともとあったものよりも下げてしまう、そういう整理もあるんじゃないだろうか。そういうことにもなってしまいかねないとも思うわけですけれども、その点についてはいかがでございますでしょうか。
竹中国務大臣 いわゆるオーバーバンキングの話はけさも少し議論させていただきましたが、これはいろいろな見方があるのだと思います。私自身は、むしろ金融機関の数云々というよりは、日本の金融システム全体が相対型の間接金融に過度に依存している、そういう状況はやはり是正されていくだろうし、また是正されていかなければいけない、そういう認識を持っております。
 お尋ねの件は、そういう地域金融機関の合併等により、むしろ逆にニーズにこたえられなくなって収益率を押し下げるのではないのかという御心配なのだと思います。御心配は御心配としてこれは理解できることだと思います。しかし、これは要するに、きちっとした意味のある、戦略性のある合併をやるかどうかというところに尽きるんだと思います。
 これは仮定の話ですが、無理やりに何でもいいから数を減らせ、それで、こことここと一緒になりなさいというようなことになりますと、これは御指摘のようなことになるわけですが、今回想定しているのは、まさに自主的な経営判断で、それこそ、自分たちの地域において新たなビジネスモデルをつくってニーズにこたえていくためにどうしたらよいかということを自主的に検討した結果として、合併したいところに対しては、その障壁を取り除くような政策的手助けをするということですから、これは本当にうまい合併をやってもらうということに尽きるんだと思います。政策の上からも、経営基盤強化計画の認定に当たっては、収益性が相当程度向上するというようなことを審査することにしていますので、行政の方からもその点はチェックする。
 そうした観点から、真に意味のある、多様なニーズにこたえて、地域に密着して、結果的に収益基盤も高まるような、そういう合併をぜひ推進してもらいたいと思うし、それを支えたいというふうに思います。
植田委員 それはそうですわね。竹中大臣が合併しなさい言うて仲人の役を金融庁さんが別にやるわけやのうて、やりたいニーズに対応してこういうツールをこしらえたんですよということは、それはよくわかります。恐らくそういうお話なんだろうなと思ったんですが。
 そこで、もう一度お伺いしておきたいのは、金融機関の数が減れば、それぞれの金融機関の収益力が向上する、そして金融システムが安定するというふうな風潮があり、数減らしが進められてきたということは、これはうそではないだろうと思います。
 ですから、今回の法案がそういう意味合いがあるかないかということを問おうというわけじゃないんですけれども、この間のオーバーバンキング論というのが、資金の過剰ということと金融機関の過剰というものが何か混在しながら論じられてきたのかなという気が私はしておるんですよ。
 ですから、そうなれば、オーバーバンキング論の、いわば数を減らせば収益力が向上することになるはずなんですけれども、本来は、今金融機関の収益力が低いというのは、当然、資金需要のアンバランス、要するに資金の相対的な過剰に起因しておるものだろう。だから、資金があっても運用する機会がやはり少ない。それでまた、運用してもそうですから、利ざやが稼げない。そういうことが金融機関のやはり低収益の基本的な要因だろうと思いますから、金融機関の数を減らすことの是非はともかくとしても、そもそも、資金の過剰ということを解決しない限り、金融機関の数が仮に整理されたとしても基本問題の解決にはやはりなっていかないだろうなと思うんですが、そういうふうに私、理解しておいていいでしょうか、竹中大臣。
竹中国務大臣 委員のおっしゃる資金の供給過剰というのが、短期的な意味でのマネーの供給過多ということをおっしゃっているのか、私が先ほど申し上げたように過度に相対型の間接金融に依存してきたということをおっしゃっているのか、ちょっと意味が定かでないところもございますのですが、私自身は、先ほど申し上げたように、日本の金融システム全体、まさに金融の、お金の融通のシステムが、銀行を中心とした相対型の間接金融に過度に依存してきている。それのやはり調整が今行われているし、実際に行われていなければいけないということなのではないかと思っております。そのためには、実は間接金融から直接金融へ、ないしは市場型の間接金融へということで、金融システム全体を、新規参入も含めて、新しい形に誘導していくことが必要なのではないかと私は思っております。
 日本の金融機関の収益力が低いということは、これはさまざまな形で指摘をされておりますけれども、収益力の低い業種というのは銀行だけではなくて、ほかにもあります。収益力の低い業種を全部挙げてみると、健全な競争の中でどんどん刺激を受けて新しいビジネスモデルを開発していく、そういうイノベーションの圧力をやはり受けてこなかった業種なんだと思うんですね。
 銀行の問題も、これはさまざまな要因がありますけれども、やはり基本的には、今申し上げた、健全な競争メカニズムというようなところも踏まえて考えていかなければいけないと思っております。
植田委員 私は前者のことで聞いていたつもりなんですが、今、最後のお話であったところにつなげて聞きますと、だからこそ利用者の視点からの金融機関の存在理由というものを見据えていかないかぬのと違うんかなということ、一番最後に大臣おっしゃったところからつなげていくと。そうした役割をどう担っているかということでやはり金融機関が評価されなければならないと思いますので、その意味で、単に数が多いから減らすという手法というものは、やはり問題を残すだろうなと。
 ですから、一番最初に聞きましたように、大企業相手の大手銀行と、中小企業相手の中小金融機関のそれぞれのやはり役割というものを見直し、それぞれのありようというものを考えていくということで、次、最後の質問にかかっていきたいんですけれども、地域金融の再編ということでいえば、これは実際、片道切符ですわね。生き残り競争にこれから参加する片道切符でございますが、実際、金融機関、再編後に試練を受けるだろうと思うわけですが、地域の金融機関が本来の強みを発揮していくためにも、また地元の地場産業等々に円滑な資金を供給しやすい環境を整えるために、やはり今後、金融当局の指導のあり方、アドバイスのあり方というのも考えていかなければならないと思うんですけれども、その点はどうでしょうか。
伊藤副大臣 今委員が御指摘をされたように、地域金融機関の将来を考えた場合には、やはり引き続き地域に根差して、地域金融機関が持っている持ち味というものをいかんなく発揮していく、そのことによって、地域で頑張っておられる企業の経営内容というものを子細に把握して、そしてきめ細かに事業者のニーズにこたえることを通じて経営基盤を強化していくということが非常に重要なことではないかというふうに思っております。
 当局といたしましては、地域金融機関のこうした利用者のニーズに的確に対応した、そういう機能を十分発揮していくために、経営の健全性の確保、そして収益を向上していくための経営の改革の努力、こうしたことを十分に考えて、検査監督上の措置を適切に行使していきたいというふうに考えております。
 また、中小企業向け融資、そして円滑な資金供給の確保については、あらゆる機関を通じて、地域の金融機関に対して適切な対応を要請しているところでありまして、今後とも、この点については十分留意をして対応していきたいというふうに考えております。
植田委員 そこで、とりわけ金融当局として、例えば信金、信組等々、狭い地域であるが特定の分野、業界に強いとか密着しているような、そうした中小金融機関の育成等々についてはどういうふうに考えていらっしゃいますか。ちょっと個別の話ですが、教えてもらえますか。
竹中国務大臣 今委員、育成というふうにおっしゃいましたですけれども、育成ということになるのかどうか。基本的には、冒頭で申し上げましたように、リレーションシップバンキングのあり方については、これはやはり全体の姿をどのようにしていくかということをまずしっかりと議論した上で、当然のことながら、御指摘のような信金、信組というのは、その中で非常にしっかりと位置づけられなければいけないものであるというふうに思っております。
 グローバルなバンキングとリレーションシップバンキングが違うということは、これは皆さんおっしゃいますし、それを言うのはある意味で当たり前のことなんでありますけれども、では、一体どのような形でそれを社会の中に位置づけていったらいいかということは、これは実はやはりなかなか難しい。しかし、違うということはもう歴然とした事実でありますから、その難しいという事実から逃げないで、しっかりとこのリレーションシップバンキングを位置づけて、その中で、育成ということになるのかどうかわかりませんが、やはりしっかりとした位置づけを信金、信組についても与える必要があると思っています。
植田委員 育成というと、確かにそれぞれが主体的に行動するわけで、ちょっと言葉の使い方が適切でなかったかもわかりませんが。
 私、今のお話でいいんですけれども、要は、地域経済に本当に責任を有し、そしてその役割を果たしている金融機関をどう支援、強化していくんだということなんですよね。とりわけ、地域経済を支えている中小零細企業に対する安定的な資金供給体制、そしてまた資金供給の円滑化ということなんですけれども。
 いずれにしても、そこで地域金融システムを考えた場合、どういう地域金融システムかというと、地域の資金を地域の発展のために還元していく、そうした地域の金融システムというものをどうこしらえていくのかということが一つ地域金融改革の目標、目的であるべきだというふうに私は思っておるわけですが、その点、端的に、これはそういう獲得目標でいいんですねということだけ竹中大臣に確認して、最後の質問にいきたいので、お願いします。
竹中国務大臣 地域の資金が地域のために使われるというような視点は、何らかの形で、これは社会として位置づけていくことはやはり必要であろうかというふうに私は思います。もちろん、非常にそれを硬直的にやると、また金融市場は基本的には全部つながっておりますから、これはこれで金融の資源配分機能を非常にゆがめることになってしまう。しかし、やはりそこには何らかの形での、まさにそれがリレーションシップバンキングだと思います。そういうような視点は何らかの形で考えていくということは、これは必要なことであると思います。
植田委員 それが必要だということを受けとめて、最後にもう一つだけ竹中大臣に伺うんですが、具体的に言うと、実際、崩壊しつつある地域経済というものをとにかく食いとめて、もう一度持続的に成長していく基盤を、とりわけその地域の中で金融機関が頑張る、そしてまた地域の地場産業も頑張る、お互いの関係性の中で地域を支える体制をつくっていく。その確立するための措置をこしらえるということ。そして、やはりそうした、言ってみれば社会的貢献を果たしておる地域の金融機関に対する支援というのが必要になってくるだろうというので、私ども社民党が法案という形でまとめていないのに物を言うのもちょっと照れくさいんですけれども、いわゆるCRA、地域再投資法ですね、日本版のCRAというものを、やはり竹中大臣としても具体的な一つの方策として前向きに検討されるお気持ちがおありかどうかということだけ御確認させてください。
竹中国務大臣 日本版CRA法というものでどういうものをイメージするのかということにもよると思うんですが、先ほど申し上げましたように、地域というものに対する何らかの視点は必要だ、しかし、それを非常にリジッドに割り当てをつくってしまうことによる弊害というものに対しても十分に警戒をしなければいけないと思います。
 アメリカの制度の場合は、これは非常にアメリカ的な要因を考えて、つまり、所得格差等に基づく差別を解消するというようなアメリカ独自の要因に基づいてつくられている。日本には日本の独自の要因があるということだと思いますので、そういった視点をしっかりと踏まえて、リレーションシップバンキングのあり方を考えるということだと思います。
植田委員 いや、アメリカなんかがグローバルスタンダードだというて、他国にアメリカンスタンダードを強要している、喜々とそれを強要されている国もあるかもしれませんが。そのアメリカが、一方で、地域再投資法といって、わがんとこだけはローカルスタンダードもちゃんとあれしているわけですよ。日本もそこのところをゆめゆめ、やはりやらぬことには、それこそ和歌山も奈良もほんまにあかんようになってしまうのとちゃうかいなと思っております。
 以上で終わります。
小坂委員長 次に、佐々木憲昭君。
佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 まず、十月三十日に公表された金融再生プラン、あるいは改革加速のための総合対応策、この問題についてお聞きをしたいと思います。
 この中心課題として据えられておりますのが、不良債権処理の加速であります。竹中大臣はしばしば、不良債権処理をしなければ必要な分野に、成長分野に資金が回らないんだ、こういうふうに言っておられますね。
 しかし、よく考えてみますと、果たしてそうなのかどうかという疑問が出てくるわけでありまして、まず前提として、この委員会で何度も私は日銀総裁とも議論をしましたが、その説明によりますと、今、既に過去最大の金融緩和ですね、大変な金融緩和であります。ですから、日銀から銀行に対しては大変な資金が供給されておりまして、総裁自身も、じゃぶじゃぶ供給されている、こういう表現を使っているわけです。したがって、現在は、銀行にとっては資金不足ではなくて、いわば資金的には過剰状態にある、こういうふうに言えるのではないかと思いますが、大臣の認識はいかがでしょうか。
    〔委員長退席、林田委員長代理着席〕
竹中国務大臣 銀行にとって資金が過剰かどうかということでありますけれども、これはどういう判断基準によるのかだと思います。銀行が利用可能な、例えば日銀等々、いろいろなマネーマーケットで調達可能な資金の量そのものは決して不足していないという意味では、これは、日銀総裁の言葉を御引用されましたが、委員のおっしゃるような面はあるかと思います。
 しかし、銀行にとって、きちっと健全にリスクをとって、そのリスクとリターンとの関係できちっとした形で貸し出しを伸ばしていけるような状況にあるかどうかということになりますと、つまり、自分がリスクをとって利用できるというようなお金が十分かどうかというと、残念ながら、そうはなっていないのだと私は思います。
 であるからこそ、貸しはがしとか貸し渋りとか、この意味は、本当に必要としているちゃんとした借り手にお金が回っていないという意味であるとするならば、そういうことが起こり得る状況になっているんではないのかなというふうに思います。
佐々木(憲)委員 今大臣の御答弁では、銀行にとっては利用可能な資金量は不足していない、しかし、その先に行かないのはいろいろ理由があって行かないのだ、こういう話であります。
 ですから、不良債権を処理しなければ資金が足りない、あるいは資金不足である、こういう状態ではないわけですね。つまり、日銀から銀行の間には、過去最大規模の大量の資金供給が行われている。問題は、銀行から先に資金が供給されていかない、必要な分野にもそれが行かない、そこに大変大きな問題があると思うんです。その理由は何かということを究明することがむしろ大事ではないかと思うわけですね。
 二つあると私は思っております。一つは、この不況が非常に深刻になっているために資金需要が低迷している、したがって、なかなか資金が移動しないというのが一つ。それから二つ目に、今大臣もおっしゃったように、銀行側の貸し出しの姿勢に非常に問題がある。銀行自身が貸し渋りあるいは貸しはがしに走るような状況になっている。銀行自身に問題がある、こういうことが言えるのではないかと思うわけですね。したがって、そこに問題があるならば、それにどう対応するかを考える必要があると思うわけです。
 したがって、竹中大臣のお考えをお聞きしたいのは、銀行から先に流れていかないその理由、私は二つ申し上げましたが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
竹中国務大臣 基本的に考えている枠組みというのは、お話を伺っている限り大きな差はないように、ここまでのところは思えます。
 ただ、大変重要な点は、銀行から貸し出しがふえない理由は何なのか、そういうお尋ねでありますが、一つは、資金需要がないという御指摘、それは、現下の経済状況下で従前に比べて資金需要が強くないという点は確かにあると思います。しかし、資金需要がないという表現と貸し渋り、貸しはがしがあるという表現は、明らかに矛盾があると思います。
 つまり、貸し渋り、貸しはがしというのは、借りたいと思っている人が借りられないという意味ですから、借りたいと思っている人がいるということですから、その意味では、マクロで見ると資金需要が以前より少ないということはあるかもしれませんが、需要がないということではないわけですね。
 もう一つ、貸し出しの姿勢だというふうにおっしゃいました。私も、貸し出しの姿勢という点でそれを否定するつもりはありませんが、では、なぜそんな貸し出しの姿勢になるのかということが重要だと思います。
 ここは、やはり二つ重要な点があろうかと思います。一つは、銀行自身が不良債権、不良な資産を持っているからリスクがとれないということです。リスクがとれない。不良債権の償却に追われて、不良な資産を持っているがゆえにリスクをとって前向きに貸し出そうとすることができない、これが一つの大きな要因だと思います。
 もう一つは、これは委員と多分意見が一致すると思いますが、本当に健全な企業で、そこの資金を必要としているところに対してお金を貸すというのが、これは銀行の利益になるはずです。にもかかわらず、そういうことが起こっていないとすれば、銀行は、みずからの収益を高めるという当たり前の行動がとれていない可能性があるのではないだろうかということになる。これはどういうことかというと、まさに銀行の経営においてのガバナンスに何らかの問題があるのではないのかということになるわけであります。
 したがって、資産査定をきっちりとして、自己資本も充実して、不良債権の処理を進めることがやはり重要であり、ガバナンスを強化して、ちゃんとした企業にちゃんとした貸し付けをしていけるような、そういうガバナンスを確立していくことが重要であるというのがその再生プログラムの出発点になっているわけであります。
佐々木(憲)委員 大臣の認識は半分私と共通しているんですが、あとの半分が大分違うんであります。
 共通しているという点で申しますと、借りたい人がいる、借りたい企業がある、にもかかわらず貸し出さない、あるいは高い金利をつけなければ貸さないよ、こういう銀行の行動、ここが問題なんだ、それを直さなければならぬ、この点は共通すると思うんですね。問題は、不良債権があるためにリスクがとれないので貸し出せないんだ、この点ですね。
 私は、それでは不良債権を処理してしまえば貸し出せるのか、その関係が本当にあるのか、この点について、次に具体的な事例で議論をしてみたいと思うわけです。
 例えば、不良債権が処理されてしまった後、銀行から企業に資金が円滑に流れるかどうか。一つの例として、新生銀行があるわけですね。これは、不良債権を国民の税金できれいさっぱり処理をしているわけです。新生銀行は、一時国有化された長銀がリップルウッドに譲渡された後、名前を新生銀行に変えたわけです。国民の税金が七兆四千億円使われたわけですね。このうち、長銀が持っていた不良債権の処理や引き継ぐ債権の引き当てのために三兆五千億円が使われました。これは返ってこないわけです。国民負担は三兆五千億円、もう既に確定しております。
 その上で、瑕疵担保特約というのがありまして、二割以上減価すれば不良債権が新たに発生するということで、これも国民負担で買い取ってやらなければならぬと。至れり尽くせりのやり方をして、新生銀行にとっては不良債権処理は完全に終わっておりまして、その結果、二〇〇一年三月期の当期利益も九百億円を超えているわけです。二〇〇二年三月期も六百七億円の利益を上げております。十億円で買った銀行が、既に二年で合計一千五百億円の利益を上げている。
 このように、新生銀行というのは、現在では不良債権処理から完全に解放されている銀行であります。竹中大臣の言うとおりであれば、不良債権を持っているためにリスクがとれないというような状態ではありません。
 具体的な数字をお聞きしますけれども、その前に、この新生銀行の貸し出し状況、ふえているのかどうか、どんどん拡大しているのかどうか、これはどのようになっていますでしょうか。
五味政府参考人 お答えいたします。
 新生銀行の国内向け貸し出しでございますが、平成十四年三月末の実績で四兆八千四百六十一億円でございます。一年前の平成十三年三月末の実績は、国内向け貸し出し、六兆円でございます。さらに一年前の十二年三月末の実績は七兆四千九百七十億円でございます。
佐々木(憲)委員 この新生銀行は不良債権の負担から完全に解放されておりますが、貸し出しがその分ふえていったかといいますと、今報告がありましたように、平成十二年三月末で七兆五千億円の貸し出しがありました。それが、平成十四年三月末では四兆八千四百六十一億円、大変な減り方であります。
 これは一体どういうわけか。不良債権を処理しても貸し出しはふえない、必要なところに貸せる状況が本来あるはずであるにもかかわらず、貸し出しが大幅に減っている。これは、竹中大臣がおっしゃっているような、不良債権があるから新しい貸し出しができないのだということではなくて、全く別の原因で貸し出しが減っている。つまり、銀行が貸し出さないんです。リスクをとりたがらないんです。そういうところに問題があるのであって、不良債権に問題があるのではないということはこの事例をとっただけでも明らかではないんでしょうか。
竹中国務大臣 これは、どういうようなタイムスパンでその貸し出し行動を評価するかということだと思います。
 今、特定の銀行の例を出されましたけれども、これはそれ特有のいろいろな要因が働いていると思います。さらには、そこの社長なり頭取なりの方針によって、今、新しいビジネスモデルに移行していく最中なのであろうかということを私は理解をしております。
 そういった形で、最適な規模というものを模索しているでありましょうし、その中での一つの定常的な状態をビジネスモデルとしてつくった後は、これは当然のことながら自己収益を上げて、自己資本を拡充して、それによって収益を最大化していくために適切な貸し出しを行っていくというふうに、時間のスパンをもって考えていくのがやはり自然なのではないかと私は思っております。
佐々木(憲)委員 新生銀行が発足したのは二〇〇〇年の三月末であります。タイムスパンといいますか、もう既に三年近くたっているわけですね。不良債権処理はもう既にこの銀行には関係のない話になってスタートしたわけですから、当然、貸し出しがどんどん伸びていくというのが当たり前でありますが、それが伸びていっていないわけです。
 特有の要因が働いているとおっしゃいましたが、そういうことであるならば、不良債権がたまっていたから貸し出しが伸びなかったということではないわけでありまして、不良債権が処理されても貸し出しが伸びない、そういう結果になっておるわけですから、不良債権が足かせになっているという理由は成り立たないと思うんですが、いかがでしょうか。
    〔林田委員長代理退席、委員長着席〕
竹中国務大臣 そこは一概には言えない問題であると思います。
 不良債権の問題というのは、要するに、明らかにこれは銀行だけではなくて、すべての企業にとってのリスク許容度というのを弱めるわけでありますから、同じリスク許容度で判断するならば、当然のことながら、不良債権があることによってそのリスクがとれない度合いというのは格段に高まるということだと思います。
 繰り返して言いますが、今の個別の銀行の事例というのは、新しいビジネスモデルを模索して、それに移行している途上であるというふうに私は思っております。そういったことで、もしこれに多額の不良債権があったならば、そのリスク許容力というのはますます小さくなっていくということはこれは否定できないわけでありますから、そうでないときに比べて、リスク許容力が高まって、健全な貸し出しができるようになっていっているというふうに考えるのがやはり自然であると思います。
佐々木(憲)委員 全くの詭弁だと思いますね。リスク許容度の話をされましたけれども、不良債権を処理しても融資が大幅に減っている、このことは大変重大でありまして、不良債権を処理すれば必要なところに資金が回るという議論は全く成り立たない、空論だということしか私は受けとめることはできません。
 しかも、来年の三月末、この段階で、では貸し出しの予定はどうなっているのか。これは四兆円であります。ですから、貸し出しの目標自身も縮小しているわけです。
 中小企業の問題について申しましても、当初の中小企業向け貸し出しは、二〇〇〇年度では四千三百億円この段階で貸し出しを減らしました。二〇〇一年度になりますと八百億円減らしているわけであります。二〇〇二年度になりますと、さらにこれは残高で五千億近くも減額する、こういう計画を立てているわけであります。しかも、瑕疵担保特約によって、二〇〇二年度は、今年度ですね、二千七百億円、これを国に買い戻させようとしているわけであります。
 つまり、中小企業向け貸し出しそのものも、一時は問題がありまして業務改善命令が出されて、若干立ち直ったかのように見えたけれども、全く基本的には変わっていない。したがって、私はこの例というのは典型的な不良債権処理終了、つまり国民の税金によって抜本的に、これ自体けしからぬわけですけれども、国民負担によってやったということは。しかし、それによっても、そのことによって不良債権が完全に処理されても、全く必要なところに資金が回らない。
 ですから、何が問題かといいますと、貸し出す姿勢を変えなきゃならぬのですよ。新しいビジネスモデルをつくるんだとおっしゃいましたけれども、その新しいビジネスモデルを理由にして、これは各銀行とも勝手にそういう理由で不良債権処理が終わってもどんどん縮小するということだってあり得るわけでありまして、そういうことで全く合理化できるような話ではないというふうに思います。
 そこで問題なのは、銀行から先の貸し出しの姿勢をどう正していくか。先ほど大臣は、やはり必要なところに資金が回るように貸しはがしや貸し出しは抑えなければならない、正さなければならない、こういうふうにおっしゃいました。やはりそういうところに資金が回るようにしていくということが大変重要だというふうに思うんです。
 これはホームページで、「中小企業政策を考える」「シンクタンクのメッ」というところから引用させていただくわけですけれども、これは中小企業関係の方の発言でありますが、「赤字なら非効率な企業で、高額の収益があれば高生産性分野の企業と呼ぶんでしょうか。で、前者の企業はさっさと処理して、つまり、たとえ倒産しようとも融資金を引き揚げて、後者の企業に回せというのでしょうか。しかし、企業というものは生き物で、数年赤字が続いたかと思うと、突如成長を始めることが珍しくありません。企業のなかで、低生産性分野から高生産性分野に資源が移動するんですね。」「とにかくいまダメだから将来もダメだなんてことはないわけです。つまり、非効率な企業を温存しているという主張には、企業のダイナミズムという視点が欠けている」「非効率な企業を淘汰するよりも、非効率な企業の生産性をどうあげるかが重要なのではと思います。とくに金という資源は簡単に移動できますが、ヒトやノウハウなどの情報的資源は簡単には移動できません」「低生産性企業に関しては、もしそれらがすべて無くなってしまったら、日本の経済はどうなるのかということも考えておく必要があります。」
 こういう発言でありまして、これは現場の感覚を大変よく反映したものだというふうに私は思います。したがって、こういう可能性のある企業をどう支えるのかということが、銀行のまさに新しいビジネスモデルの中心に据えなければならない課題だろうと思うわけですね。
 この点で竹中大臣にお伺いをしますけれども、今やるべきことは、本来必要としている中小企業に資金が回るように銀行の行動を是正していく、これがやはり今やるべき中心課題ではないのかと思いますが、いかがでしょうか。
竹中国務大臣 お話を伺っている限り、私は全くそのとおりだと思います。ただし、非常に違う点があるとすれば、姿勢を変えさせなければいけない、姿勢はどうしたら変わるのかということなのだと思います。
 一点、ちょっと補足させていただきますが、先ほど、個別の銀行の紹介がありまして、不良債権はないはずなのに、これが減っている、貸し出しが減っているということがありましたが、その銀行の不良債権比率は、公表されている数値で二〇%でございます。これは、他の銀行の一般よりはるかに高い比率に今のところなっております。そのことは事実として申し上げておきたいと思います。
 それで、今がだめなら将来がだめだということはない、これはもうそのとおりだと思います。企業という非常に複雑な経営体の将来にわたる、目、生き死にをはっきりと見きわめる目こそがバンカーの目であるというふうに思います。
 そのために、どうしたらよいのかということで、例えばですけれども、これは大手の大口債務者には限られますが、例えば今回議論させていただいているディスカウント・キャッシュフローの方法というのも、今の時点ですぱっと切るのではなくて、将来にわたる成長性とかも見てきちっと判断できるようにしましょうということであるからこそ言っているわけでございます。
 銀行の姿勢が、銀行の姿勢というのは私が言っている言葉だと、まさにガバナンスの問題、本当に必要としているきちっとした企業にお金を回していけるようなシステムをつくっていくということでありますから、その限りにおいては、私はおっしゃっていることは大変もっともだと思いますが、その姿勢を変えさせる、変えるのは、やはりこれはリスクをきちっと取り除くことであり、リスクとしての不良債権を取り除くことであり、きちっとしたガバナンスの働くようなシステムを持っていくことであり、私はやはり、そういう再生プログラムに書かせていただいたような政策に尽きるのではないかなと思っております。
佐々木(憲)委員 前段の新生銀行のお話ですけれども、不良債権の比率が二〇%という話でしたけれども、一つは、それ以前にあった不良債権は大胆に処理をされているわけであります。しかも、それを国民の税金によって処理をしたわけでありまして、それ以後も貸し出しが減っているという話を私はさせていただいたわけであります。それからもう一つは、この買い取った資産が目減りをすれば、その分を国が買い取ってくれるという大変ありがたい仕組みがつくられているわけでありまして、そういう意味でも二重三重に不良債権の負担を軽減されているという点を指摘しておきたいと思います。
 それから次に、姿勢の問題ですけれども、銀行の姿勢を変えるということが大変重要だというふうに申し上げました。具体的に、これは共通して見られるわけですけれども、例えば東京商工会議所がアンケート調査をやりました。その結果、回答をした企業のうち金融機関からの金利引き上げ要請を経験しているのはどの程度かというのがあります。業態別にいうと、都銀が七五%であります。次いで信用金庫が一六%。圧倒的に都銀が金利引き上げを求めている。つまり、リスクを負担せずに押しつけているわけであります。
 しかも、要求された金利の引き上げ幅は、一%未満が六六%、一%超二%未満が三〇%。結構大胆に、金利を上げろ、こう言われているわけであります。しかも、長期の運転資金融資を完全に返済をした後、新たな融資契約を断られた、あなたのところはもう返してもらったけれども、もう新しく次の融資はしませんよ、こういう企業が一四%に達している。返済期限を短縮して、例えば、一年のところを六カ月で返しなさい、あるいは二年のところを一年で返しなさい、そういう経験を持つ企業は一四%であります。
 しかも、こういうところは、ほぼ中堅、中小企業が圧倒的ということなんですね。ですから、体力のある大手銀行、都市銀行が体力のない中小企業に対して無理難題を吹っかけて高い金利を要請した、その要請を受け入れたのかどうかというのを聞いていますけれども、受け入れざるを得ないというので、八二%の企業が受け入れているわけです。こういう状態ですので、全く、銀行の姿勢というのは中小企業に対しては非常に冷たい。
 これは、同じ東京商工会議所の調べですけれども、ことしの九月五日から十日に調べた、つい最近の調査ですが、資金繰りについて、七―九月期の資金繰りはどうですか。悪化したと回答する企業は、前回から四・一ポイント増であります。三一・八%で、三割を上回る状態になっておる。好転した、よくなったという企業は、前回に比べて一・九ポイント減少、四・七%にすぎない。貸し渋りによる企業経営への影響についてはどうか。既に限界に来ており、経営に深刻な影響が出ている、いずれ影響が出ると思うと回答した割合は、前回の調査は七一・一%でしたが、三・五ポイント増加して七四・六%になっております。
 つまり、最近になって急に銀行側の貸し出し姿勢が悪くなっている、極めて渋くなっているということがこの調査結果に出ているわけであります。もう限界だというところに、金利を上げなければあなたのところ貸しはがしやりますよ、こういうおどしまでかけられている。
 あるいは、中小企業家同友会、全国組織の中同協というのがありますが、そこの調査によりましても、最近の七―九月期の調査を見ましても、金利引き上げの要請を受けたというところが非常に急増しております。要請を受けた企業で、応じた企業は七〇%。それから、応じざるを得なくなった理由。一方的に通告されたというのが二六・六%、融資がとめられることを懸念した、これが三二・八%。つまり、もう問答無用で、あなたのところはこれから一%上げてもらいますよ、それが嫌なら融資をとめますよと言われることを恐れて受け入れざるを得ない、こういう状態であります。
 竹中大臣にお伺いしますが、こういう、急速に銀行の貸し出し姿勢が厳しくなって、中小企業は大変苦しんでいる。これについては、ホットラインその他の体制もつくって何とか対応したいというお話がありましたが、じゃ具体的に、銀行のこういう姿勢を変えるためにはどういう手だてを打つべきなのか。これは、至急調査をして、対応策を検討して、必要なところに資金が回るような具体的な措置をとっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
竹中国務大臣 今委員は、商工会議所のアンケート調査を御紹介くださいましたが、そうしたアンケート調査に示されているとおり、現状、大変厳しい金融環境が続いているということは承知をしております。
 改めて申し上げますけれども、これまでの銀行の不良債権の処理のおくれが、こうした形でさまざまな問題を生じさせつつある。この点に対しては、非常に注視をしながら、混乱を避けながら、ぜひとも持続的な銀行の貸し出しが可能になるような状況をつくりたい、それが金融再生プログラムが目指しているところであります。
 言うまでもありませんけれども、一般論としては、取引先の信用リスクを十分見きわめた上で、このリスクに見合ったリターンをとるという観点から貸出金利の引き上げ交渉を開始しているといった動きがあることは承知しておりますし、やはりリスクとリターンが見合ってこそ、先ほどから申し上げているように、安定的に取引関係を続けることができるわけでありますから、これはこれで、きちっとやるべきことはやらなきゃいけない。そうすることによって、本当に中長期的な観点から資金仲介機能を適切に果たせるという面はやはり私はあると思いますし、認めなければいけないのだと思います。
 ただ、銀行、貸し手という優越的な地位を利用するような形で、不当な取引の押しつけのようなことがあっては絶対にならないというふうに思います。
 どのような対応策をとるのかということでありますが、私たちとしては、一方で、きちっと中長期的に持続的な発展が可能な、サステーナブルな金融システムをつくるために、不良債権処理の加速を軸としたこの金融再生プログラムを着実に進めていきたい。一方で、その間の対応策としては、やはり非常に多様なことをしなければいけないと思っております。いわゆる貸し渋り、貸しはがしといったようなことが生じないように、これまでも金融庁は銀行に強く要請をしてきましたが、こうした姿勢は今後ともさらに必要になってくると思います。
 同時に、先ほど優越的地位の乱用はけしからぬという話をしましたが、これは公取に窓口がある。一方で我々は、貸し渋り貸しはがしのホットラインというものを設けて、これが地方の財務局でも稼働できるような体制に持っていったところであります。この結果を検査等々にも着実に反映させていきたいと思いますし、公取の窓口との連携等はしっかりと深めるように尽力したいというふうに思います。
 さらに、これも金融再生プログラムの中に書き込んでおりますが、やはり、中小企業に対する新しい貸し手、この新規参入というものも積極的にぜひ実現したいと思っております。免許申請からそれが実現するまでの短縮をどのように行えるかということを今工程表の中で検討しておりますし、信託を利用した新しい中小企業への資金供給の仕組みをいかにつくるべきかということの検討も始めております。
 こうしたことを、多様な政策を組み合わせることによって、問題が生じないように全力を尽くしたいと思っております。
佐々木(憲)委員 「貸し渋り・貸し剥がしホットライン」の話がありましたので、ちょっとその具体的な中身についてお聞きしますが、これは、一般の被害を受けた借り手の側からの訴えをホットラインで受け付けるということになるんだろうと思うんですね。
 その場合の対処の仕方であります。今の御答弁では、検査に反映させると。それだけでは、ホットラインで、何とかもうあすから、手形が落ちないので何とかしてほしい、銀行の貸し渋りでえらい目に遭っている、こういうことに対応することにならないのではないでしょうか。やはり訴えがあったら即それに、具体的に調査もし、銀行の側に非があると認められる場合には是正をさせる、こういうことがないと、ただ聞きおいて、ああ、今度いつあるかわからないけれども検査のときに調べてみましょうという程度じゃ、これは対応策にならないと思うんです。
 もちろん、全体の銀行の姿勢を正すということは必要だと思いますが、個別の対応について、もうちょっと具体的な、リアルな対応策が示されなければ、これは全く絵にかいたもちに終わらざるを得ないのではないでしょうか。
伊藤副大臣 この「貸し渋り・貸し剥がしホットライン」につきましては、今、経済産業省、中小企業庁の方にもお願いをして、全国の中小企業団体にもこのことを設置したということを広く伝えていただくことをお願いいたしております。
 そして、ここで集まってきた情報につきましては、検査そして監督に生かしていくということでございますから、その中で明らかに法令違反ということがある場合には、私どもとしては、私どもに与えられている権限の中で適切に対応をしていきたいというふうに思っております。
佐々木(憲)委員 その適切対応の内容なんですが、検査監督に生かすというだけでは是正にはならないですよね。その場で是正するんでしょうか。訴えがあった、聞きました、検査監督にそのうち生かしましょうというんじゃ話にならないわけで、どうするんですか、その辺。
五味政府参考人 お答えいたします。
 金融再生プログラムには、ホットラインによって通報された内容につきまして「重大な問題があると判断される場合には、その金融機関に対して報告を徴求するほか、必要があれば検査を実施し、適切な行政処分を行う。」という記述になっております。
 一つ一つの取引について、民間同士の取引でございますから、当局がこれをどうせよという命令をするという権限はございませんけれども、それが法令上問題がある、あるいは銀行経営の適切性という面から見て問題があるということであれば、報告徴求といった行政上の手続を踏んだ上で、事実を確認し、必要な措置をとる、こういうことになります。
佐々木(憲)委員 訴えにきちっと対応できて、適切な措置がとられなければ、ホットラインといって、ただ電話が来ました、ああそうですかじゃ話にならないわけですから、効果のある対応策をぜひとっていただきたいというふうに思います。
 さてそこで、次に、金融再生プランの公的資金投入の部分についてお伺いをしたいと思います。
 この金融再生プランの内容を見ますと、資産査定を厳格化しまして、その場合には再検査なども、特別検査を行いまして、引当金を積み増す、あるいは処理を加速する、こういうことになっているわけですが、それ自体中小企業にとっては迷惑な話でも一面ではあるんですけれども、ここにはこう書かれているんですね。「個別金融機関が経営難や資本不足もしくはそれに類似した状況に陥った場合等には、以下に示す「特別支援」の枠組みを即時適用し、」というふうに書かれております。そして、その枠組みの中には、必要な場合、「現行の預金保険法に基づき、速やかに所要の公的資金を投入する。」こういうふうに書かれております。
 私が前回竹中大臣に確認をしたときは、この現行法の枠内でできるものというのは、金融危機対応会議の議を経て、内閣総理大臣の認定を受けた金融機関のみが定められた期間内に申し込むことができて、そして、資本増強を実際に行うかどうかは総理大臣が決定すると。その前提として、公的資金の注入ができるのは、我が国または当該金融機関が業務を行っている地域の信用秩序の維持に極めて重大な支障が生ずるおそれがあると認められる場合、いわばシステミックリスクを引き起こす危険性があると認定された特定の金融機関に対して公的資金が投入できる、これが今の法体系であります。
 今度の再生プランというものは、この法体系から見ますと、かなり幅が広い感じを受けるわけです。経営難に陥る、それから資本不足に陥る、これはシステミックリスクの危険性が起きる前段の話ですね。もしくはそれに類似した状況に陥った場合、類似した状況。
 お聞きしたいんですけれども、個別金融機関が経営難に陥ったり資本不足に陥るだけで、果たして現行法が適用できるんでしょうか。
竹中国務大臣 現行法というのは預金保険法百二条のことであると思いますが、これは何度か答弁をさせていただきましたが、どういう場合にこの百二条が適用できるか、つまり危機と認定できるかということに関しては、これは一律に、一概に、前もって先見的に、危機はこうであるということを申し上げることができないものですから、個々の判断をしていかなければいけないというふうに思います。
 その意味では、現状で何か確定的なことを申し上げるのは困難なわけでございますけれども、状況判断しながら、これは適宜適切に、間違いのない判断をしていかなければいけない問題であると思っております。
佐々木(憲)委員 そんな答弁じゃ何にも答弁にならないですね、漠然としていて。
 つまり、現行法では、当該金融機関が業務を行っている地域の信用秩序の維持に極めて重大な支障が生じるおそれがある場合と限定をしているわけであります。その場その場に応じて適切に判断すると書いていないんですよ。そんないいかげんなこと、書いていないですよ、この法律には。
 私も、この法律ができるときに、大蔵委員会でしたか、質問しましたが、その場合には非常に限定的なんだという答弁を繰り返しお聞きしました。ですから、今の答弁のように、何か漠然として、そのとき判断すればいいんだというようなことではありません。経営難や資本不足だけで、大体、経営難というのは一体だれがどのように判断するんですか。そういうときに公的資金が投入できるルートが開かれる、これは現行法からいって完全に逸脱している部分だと思います。
 それからもう一つは、それに類似した状況に陥った場合。経営難に類似した状況、資本不足に類似した状況、何ですか、これは。説明してください、具体的に。何が類似しているのか、どういうことなんですか。
竹中国務大臣 まず、その危機につきましては、これは、今申し上げたことは何度も御答弁をさせていただいていることと共通であるというふうに思っております。
 金融危機への対応にはさまざまな局面がありますから、その定義を具体的に申し上げることは困難である。あえて申し上げれば、信用秩序の混乱によって、我が国あるいは当該地域全体の金融機能が不全に陥りかねず、実体経済への悪影響も懸念されるような事態などが考えられる。しかしながら、いずれにせよ、個々のケースごとに金融危機対応会議の議を経た上で総理大臣が判断する仕組みとしているということで、これは繰り返し御答弁をしていたことであります。
 これは法律の定めでありますから、百二条は法でありますから、この法を超えて公的資金を注入するというようなことは、これはもうあり得ないわけでございます。金融再生プログラムに書いておりますのは、そういったさまざまな事態を想定した上で、この枠組みを適切に使って、金融部門から絶対に経済の底割れを起こさせないという我々の決意とその枠組みを書かせていただいているわけでありまして、公的資本注入に関してよって立つところは、これは預金保険法の百二条ということに尽きるわけでございます。
佐々木(憲)委員 預金保険法の百二条の解釈というのが、当時の法改正のときの説明、答弁が有権的な解釈でありまして、繰り返し答弁しているから同じことでいいんだというのは、これは、全く繰り返しでたらめな答弁もできるということになるわけであって、全く説明になっていないと思いますよ。
 それから、質問に答えておりません。経営難に類似した状況、あるいは資本不足に類似した状況とは何でしょうか。
伊藤副大臣 これは特別支援を前提にという御質問だというふうに思いますので。
 公的資金投入については、このプログラムの中にも書かれているように、現行の預金保険法に基づきということでございます。
 特別支援は、日銀と政府が一体になって、そして万全の危機管理体制をつくる、つまり流動性というものをしっかり確保するということでございます。その流動性をしっかり確保する対象になる個別の金融機関が経営難あるいは資本不足、それに類似する場合ということをここで例示させていただいておりまして、具体的なことについては、今事務方に精力的に検討をさせていただいている。
 ここに書いております特別支援というのは、繰り返しになりますが、政府と日銀が一体となって万全の危機管理体制をつくるということでございます。
佐々木(憲)委員 政府、日銀一体で万全なんというのは、それはここに書いているとおりのことであって、私が聞いたのは、経営難に類似した状況とか資本不足に類似した状況。それを詰めたら、それは具体的にはこれから検討すると。何か具体的なことを聞き始めると、検討する、検討するといって、ここに書いてあることの説明ができていないんですよ。つまり、再生プランというものを責任を持って発表しているわけですから、発表している以上は、ここに書かれていることはこういう意味ですということをきちっと説明してもらわなきゃ困るわけです。それでなければ意味がないわけですね。
 今のこの部分についても大変あいまいで、どのような状況を想定しているのか。経営難といっても何が経営難なのか、基準は何か、これも全く明らかではありませんし、類似したと、経営難に類似するなんというのは日本語としてもよく通用しないような言葉であります。
 もう一つお聞きしますけれども、公的資金の制度について別のルートをつくろうとしているわけですけれども、ここの四ページにありますが、「不良債権問題を終結させるため、迅速に公的資金を投入することを可能にする新たな制度の創設の必要性などについて検討し、必要な場合は法的措置を講ずる。」こうなっているわけですね。つまり、今の特別支援金融機関、その問題とは別枠で公的資金を投入する仕組みをつくりたい、検討したいと。
 これは一体何なんでしょうか。不良債権問題を終結させるための公的資金、これはどういう意味なんでしょうか。システム的な危機とは全然関係のない、いわば金融が安定している状態で不良債権を処理する、そのために税金を投入しますよ、こういう新しい、全く別の、いわば平時の税金投入体制を検討する、こういうことなんでしょうか。
竹中国務大臣 現行の預金保険法百二条というのは、いわゆる危機を想定して、その危機時の対応の中で、危機宣言をした上で対応するということになっているわけでございます。その危機とは何かということについて、先ほどから何度かお尋ねがございましたし、それについて御答弁をさせていただいたつもりでありますが、この問題に関しては、かねてより専門家の間で、危機のこうした対応だけで十分かどうかと非常に幅広い問題が提起されてきたというふうに認識をしております。
 今日の預金保険法百二条の限定的な形だけで、法的な枠組みだけで、平成十六年度に不良債権問題を終結させるという問題に対応できるのかどうか。この点について、幅広く、その新たな枠組みが必要かどうかという必要性をも含めて検討していきたいということを申し上げているわけでありまして、現時点でこういう場合を想定している、ああいう場合を想定しているということでは決してございません。しかし、必要性については幅広く、専門家からも指摘があると思っておりますので、それについて検討を進めたいと思っております。
佐々木(憲)委員 全然私が聞いていることに正面からお答えにならないんですが。
 不良債権問題を終結させることと公的資金を投入するということ、これが結びつけられているわけですね。どういう形で公的資金が、何に使われるのか、そこを説明してください。
竹中国務大臣 この金融再生のプログラムは、先ほどの委員の御質問にも関連しますけれども、基本的な方針を書いているものであります。しかし、言うまでもなく、金融行政そのものは緻密な実務の積み上げでありますから、実務の積み上げの話と基本的な方針の話というのは、これはやはり分けて考えていただかざるを得ないと思います。その実務の積み上げの中でどのような対応が可能かということを検討する、そのために工程表を作成するということを明記しているわけでありまして、そうした中で議論を深めていきたいと思っております。
佐々木(憲)委員 全然答弁になっていないね。
 「不良債権問題を終結させるため、迅速に公的資金を投入する」、こうなっているんです。方針を聞いているんです。実務を聞いているんじゃないんです。ここの方針、こういうふうに書かれている、これはどのような意味なんでしょうかと。もう少しわかるように説明をしてください。この方針の内容についての説明を求めているのであって、実務の話を聞いているんじゃないんです。今の説明じゃ何もわかりませんよ。
竹中国務大臣 ですから、基本的な考え方を御説明申し上げているわけです。今の状況というのは、今の枠組みというのは危機が起きたときの枠組みであります。
 では、危機が、危機的ではないような状況の中で何か対応策をとる必要もあるのではないかという専門家の指摘が幅広くある。その認識を踏まえた上で、どういうことが必要なのかどうかも含めて検討をしていくというふうに明確に述べているわけです。
佐々木(憲)委員 危機的な状況でもない場合でも公的資金を投入する仕組みをつくる、それを検討するということですか。
竹中国務大臣 そういうことが必要かどうかも含めて検討をするということです。
佐々木(憲)委員 必要かどうかも含めて検討するということは、否定されないわけだから、今までの枠組みを大幅に広げて公的資金投入、つまり税金投入、国民の血税を投入するという場合は、これまでは非常に限定されていたわけですよ。特別な場合ですよ。政府の説明によって、今までも、危機、システミックリスクあるいはそれにほとんど近い、そういうおそれのあるときにのみ使えると。
 今回提案されているのを見ますと、最初に私が指摘をさせていただいた経営難、資本不足、こういうものだとか、今回の不良債権処理のための公的資金投入、これは全く現在の法律、預金保険法の枠をはるかに超えているものでありまして、国民の税金をこんな形でどんどん投入できる仕掛けだけは拡大する、こういうやり方というのは、しかも説明を求めてもまだ具体的なことは言えない、これでは議論ができないわけですね。
 まあ今わかったことは、今までのようなシステミックリスク対応型ではもう狭いので、それ以外の状況でもいろいろ理由をつけて国民の税金を大いに注ぎ込んでいこう、国民負担はその分ふえる、こういうことがよくわかりました。
 さて、それでは次に、今度の法案について触れていきたいと思いますが、合併を促進する、そのための法案である、それを支援するんだ、こういうことですね。
 塩川大臣にお伺いしますが、経済財政諮問会議の九月九日の御発言ですけれども、こういう発言をされていますね。「信用金庫は三百以上あるが、資本金一千億円以上とか預金八千億円以上とか、地方銀行では預金一兆円以上といったモデルケースを示し、これを一つの基準に合併するとの意見もある。すると、信用金庫が三つ、四つ集まるケースも出てくるのではないか。」こういう発言をされたと思いますが、記憶はありますか。
塩川国務大臣 発言したことはあります。
佐々木(憲)委員 この場合、例えば信用金庫で預金八千億円以上、これはどうして八千億なんでしょうか。理由は何でしょうか。
塩川国務大臣 八千億円で、精密な数字を算定して申したのではございませんで、現在、金融機構としてやっておりますので都市銀行相当の主要十五行でございますか、平均いたしまして、行員一人当たりの生産性は大体二十億でございますね。二十億円相当でございます。そうすると、それに合わせて計算してくると、信用金庫等においては、現在の人員状況を見ますと、八千億円ぐらいが必要なんではないか。また、地銀においては二兆円以上のところが必要なんではないかなという、そういう腰だめ的なことでございます。
 要するに、体質改善しなきゃだめだ、それぞれの金融機関の単位がもっと強化しなければだめだ、そういう意味においての例示的な数字で言ったものでございまして、計算して言ったものでは、正確な算定をしたものではございません。要するに、一人当たりの生産性を基準にして言ったということであります。
佐々木(憲)委員 一人当たりの生産性というのは全く発想が別の話だと思います。
 例えば、中京大学の先生が、どのぐらいの規模が信用金庫にとって望ましいのか、これを研究されておられまして、そこでこういうふうに言っているんです。この方は、「信金は預金量五千億円以上になってはいけない」というふうに言っているんだと。「中小企業融資をその収益の生命線とする地域金融機関にとって、融資や地域を見る目線を中小企業と同じにする必要があるからです。アメリカのコミュニティー銀行の定義は預金量十億ドルが上限です。日本の場合ならば、職員数も百数十名くらい、理事長が融資部などの職員と日常的に意見交換ができる状況にあり、中小企業と同じ感覚で経営し、地域との関係を築いていくことで都市銀行がケアできない地元の商店や工場に食い込んでいくことが、コミュニティーバンクを名乗る条件でしょう、」こういうふうに言っています。
 これに対して、信用金庫の側の、これは日興信金の理事長の御発言ですけれども、こう言っているんです。「私は、信用金庫に入って、どうすれば貸せるかを終始考えさせられました。私にとって信金は最初から中小企業の「再生工場」でした。定量的に融資をすれば融資先が夜逃げをしていなくなってしまうということになりかねない。」「オフバランス化の議論は、金融機関は中小企業の首吊りの足を引っ張って放り出せということです。」「地域密着であるためには、「信金は預金量五千億以上になってはいけない」との意見に賛成です。顧客から理事長の顔が見えなくなってしまうからです。」これは、借りる側も、それから貸す側もこのような発言をされている。これは一つの例であります。
 ですから、預金量は八千億円以上でなければならない、これは一つの考えかもしれないけれども、しかし現場の感覚からいいますと、なぜそんなに大きくしなければならないのか、顔が見えなくなるではないか、こういうことになるわけですね。
 そこで、具体的に、ではその預金量八千億というのは、日本の信金、信組、あるいは地銀で、どのぐらいのところがそれに入るのか。これを、機械的で結構なんですけれども、例えば地銀の場合、第一地銀それから第二地銀、それからもう一つは信金、信組ですね。信金、信組の場合には預金八千億円以上、それから地銀の場合には預金一兆円以上、これは塩川大臣がお示しになった基準ですけれども、この基準を超えるものは全体の中でどのぐらいなのか、数字を示していただきたい。
五味政府参考人 申しわけございません。信用組合の計数を持ってまいりませんでしたので、信用金庫と地銀、第二地銀で申し上げます。
 信用金庫につきましては、平成十四年三月末で全体の機関数は三百四十九金庫ございますが、このうち預金が八千億円以上のものは二十三金庫でございます。それから、地方銀行は平成十四年三月末で六十四行ございますが、お話の預金一兆円以上ということになりますと五十七行でございます。それから、第二地方銀行、同じく五十四行ございますが、一兆円以上のものは十九行でございます。
佐々木(憲)委員 今数字を示していただいたわけですけれども、この基準でいきますと、信用金庫は三百四十九あるんですけれども、基準に達するのは二十三でありまして、それ以下のところはすべて合併の対象になるということになりますね。つまり、九割以上が合併の対象になる。それから地銀の場合も、特に第二地銀、これは三分の二ぐらいは合併の対象になる。大変なこれは大合併じゃありませんか。
 こういうことをもし実行した場合、塩川大臣の地元の関西だけで見ましても、第二地銀ですが、七行あるうち五行は消えてもらいましょう、合併してもらいましょう、こういうことになるわけですね。果たして、それで一体、地域の金融機能というものが支えられるのかどうか。これは大臣、こういう基準でやるべきだ、こういうお考えなんでしょうか。
塩川国務大臣 当初申しましたように、数字はあくまでも腰だめ的な数字でございまして、行員一人当たりの生産性ということを私は一つの基準にして申し上げたことでございます。いわゆる弱小金融機関とメガバンクのような銀行と、それぞれの社会的、経済的役割は違っておるのは当然でございますけれども、それにいたしましても、余りにも金融機関の中で弱小金融機関というものは、それは経営がしょせんは激しい競争の中にあって難しくなるであろうと私は想定いたします。
 そうであるならば、この際にやはり体力を強化して、信用補完は十分できるような体制をとっておくべきだと思っております。現に、バブルの崩壊しましたこの結果から見て、あらゆる金融機関が同様の災難を受けておりますけれども、特に弱小機関においての被害というものも相当きつく出てきております。そういうところを見ると、私は、金融機関の体力向上のために非常に大きいスケールでの合併をしてもらいたいと思っております。
佐々木(憲)委員 全く実態を無視した考えだと思います。弱小とおっしゃいますけれども、規模は小さくても立派な経営をしている信金、信組はたくさんあります。規模は大きくても、貸しはがし、貸し渋りをやっているところはあります。大きくなればいいことだというのは全く現実と違うと思います。
 しかも、合併に伴ってさまざまな問題点が生まれているわけですね。例えば、三十数年来の取引が合併でストップした、合併をしたという理由で、もうあなたのところは取引先だとはみなしません、どうぞ別なところへ行ってください、こんなでたらめなやり方があるでしょうか。
 あるいは、例えば京都の場合を取り上げましても、京都は北部の五つの信金の合併が発表されて、ことし十一月五日に京都北都信金ができました。京都府下には三つの信金、一地銀、非常に少なくなってしまいました。
 この四月に京都の中小企業家同友会が行った調査があります。北部五信金合併・金融問題緊急調査というものですけれども、それを見ますと、合併に当たっての不安、新規融資の実行に不安を覚える、四六・九%、融資の継続に不安を覚える、三二・七%、店舗の廃止、これが不安だ、三〇・六%。つまり、結局、取引している中小企業にとっては合併して果たしてよくなるのかというと、不安を覚えているという方の方が多いわけです。
 店舗が減少して得意先が遠く離れてしまう、このことについて、必要な情報を得るために担当者がじっくり話し込むという時間さえとれなくなる、現場の職員の話でそういう話が出ているわけですね。
 あるいは、貸し出しが非常に厳しくなる、こういうふうに指摘をされておりますし、東京の場合でも、王子、太陽、荒川、日興、これは来年七月をめどに合併するというわけですけれども、存続金庫である王子信金に企業の格付や融資の査定を合わさざるを得なくなる。今まで、それぞれの顔が見える、地域の中小企業、業者のおやじさんの顔を見て、この人は信頼できる、あるいはしっかりした経営能力がある、それを見越して貸し出していた。ところが、四つ五つ集まりますと、特定の一つの信金の基準に全部従わざるを得ない。そうすると、今まで貸していたところが、これはだめだと言われる。こういうことがあちこちに起こってくるわけであります。こうなっていきますと、これは一体何のための合併なのか。
 現場の融資担当者の話でも、合併に向けて支店の三割減、職員の千名削減、こういうことが言われて、地域を回れる信金マンの数も減って、企業を細やかに見て、経営者の人となりを知る担当者はさらに少なくなる。融資の基準を査定が厳しいと言われる存続金庫に合わせることになれば、企業育成どころか、現状の融資が続けられるかどうかもわからない。既に営業の中心は、保証協会つき融資と住宅ローンになっていますと。本当に地域の産業、地域の中小企業を守るような方向になっていないのではないか。
 こういう状況が生まれるわけでありまして、大きくすれば何かよくなるという発想は私は幻想だと思うんですけれども、塩川大臣、いかがですか。
塩川国務大臣 弱小のものが集まって大きくなっても何の意味もないと思います。しかし、やはり経営力のあるところが経営力の弱いところを合併して、スケールを大きくするということは、それだけ金庫としての、金融機関としての基盤が強くなることだと思っております。
佐々木(憲)委員 合併したら金融機関の基盤が強くなるんでしょうか。私は具体的な事例を調べてみたわけですけれども、例えば、幾つか信金を調べてみました。合併、これは破綻ではなくて通常の合併でありますが、合併してもその利益はどんどん減っているところがたくさんあります。
 例えば、呉信金と芸陽信金の合併の場合を見てみますと、両金庫の合併前の預金積み立ての合計額は六千二百四十七億円でありました。それが次の年に六千二百二十億に減りまして、さらに貸出金も、四千七百億円から四千百億円に減っております。それから福鞆信金と東城信金の合併の場合、合併前の二金庫の合計は、預金は千五百億でありました。それがさらに、次の年、減りました。それから、業務純益はどうか。合併前は十二億円の業務純益でありましたが、九億に減りました。経常利益も二億八千万から六億の赤字に転落をいたしました。それから、高山信金、神岡信金、私は全部調べられませんので、ぽんぽんと任意に選んで調べてみたんですが、結果的には、利益も減っておりますし、貸出金、預金などもそんなに改善をしているわけではありません。
 こういう状況を見ますと、合併をすれば何か収益力が上がる、あるいは合併をしたら貸し出しがふえていく、こういうことにはならないのではないか。ですから、私は、むしろそういうことよりも、現在ある、地域の信用金庫あるいは地域の金融機関が中小企業にどれだけ親身になって融資をするのか、そのところを中心に置いた経営の指導監督ということをやるべきであって、何か特定の基準を設けて、預金八千億とか預金一兆円とか、一律のを上から当てはめて号令をかけるようなやり方というのは、やるべきではないというふうに思います。
 既に日本の金融機関というのは大幅に減少しておりまして、この数年間をとりましても、例えば信用組合は、政府の一律の検査マニュアルによる検査によってどんどん破綻させられた。既に百二十二の信用組合が減少しております、減っております。それから、信用金庫は六十七減っております。第二地銀は九行マイナスであります。これは、この六年間の数字です。しかも、昨年、一昨年、大変減り方が急増しているということです。
 その結果、地域にとっては大変不便な事態が生まれておりまして、これは本当にゆゆしき状況だと私は思うんです。例えば、船橋の信用金庫が合併によって目の前から店舗がなくなって、その地域の中小企業が本当に苦労しているという訴えが寄せられております。目の前から支店が消えまして、遠いところまで時間をかけて行かなければならない。これが、合併といいますか、破綻し吸収されたその地域の中小業者の嘆きの声であります。
 こういう状況を考えますと、私は、この合併というものを何も上から、上からやるんじゃなくて自主的だという話がありますが、合併すればいいのだ、何かいいことがあるんだというふうに単純に言えるのではないと思いますけれども、その点、竹中大臣、塩川大臣、それぞれ御見解をお伺いしたいと思います。
塩川国務大臣 私は、これを基準に合併せいと言っているんじゃありません。私は、金融機関がなぜ破綻をし、各地域においてそれぞれ非常な迷惑をかけておるか、それこそ取引しておる者が大変な迷惑を受けておるわけでございますから、それはやはりそれぞれの金融機関にそれだけの体力がなかったことだと思っております。
 佐々木さんがいろいろと例を挙げられましたこと、そういうことも私はあると思います。そういう利用者の声もあると思っております。しかしながら、公に全般的な問題として見ました場合に、やはりこの際に、日本全体がオーバーバンキングであり、しかも格差が非常に大きいという事実に着目しなければならぬと思っておりまして、そうであるとするならば、それぞれの金融機関が創意を込めて、それぞれの体質強化のために合併をするか、あるいは増資をするかを考えなければならぬのでありまして、例えば信用金庫にいたしましても、先ほど五味局長から言っておりましたように、八千億円以上のところで大体百億円近くの出資金しかございません。しかも、自己資本といったら一千億円もないような状況でございます。
 こういう資本の弱小が、結局は体質強化するためには合併して補強するということをせざるを得ないのではないか。いろいろおっしゃいますけれども、だんだんと信用金庫、減っていくとおっしゃいますけれども、これは、消えていくんではなくして新しく生まれ変わっていく、こう見ればいいわけでございまして、合併によって信用金庫は新しい生まれ変わりをする、それで、いろいろおっしゃいますけれども、されど信用金庫は合併へと進んでいく、こういうことは言えると思います。
竹中国務大臣 まあ、合併というのはあくまで一つの手段でありますから、やる場合は、非常に意味のある、うまい戦略的な合併をしていただく、そうじゃない合併はもちろん意味がないのだと思います。一方で、独自で特色を発揮してやっていけるところも当然にある。そういう中で、もうこれは個々の経営戦略の問題であると思います。
 ただ、塩川大臣おっしゃいましたように、一般論としては、財務基盤が弱いところがあるのではないかという問題意識はやはり重要だと思っておりまして、そうした中でそれぞれの経営戦略が適切に戦略されていくということを期待しております。
佐々木(憲)委員 もう時間がないので一言ですが、破綻をし迷惑をかけていると先ほどはおっしゃいましたが、一律の検査マニュアルによって、小泉内閣になって五十幾つの信金、信組が破綻させられました。自然に破綻したのではなくて、政府が破綻をさせたわけであります。その結果、大変な迷惑が広がっているんですよ。そのことの反省をまずしていただかなければならないんです。
 それから、金融庁は、ことし七月十二日に懇話会の報告というのを出しまして、こういうことを言っているんです。
 最近の経済学では、数量化の困難なソフト情報の処理に際しては、小規模組織の方が大規模組織より……
小坂委員長 質問時間が終了しております。
佐々木(憲)委員 効率的という考え方が支持を集めている、このため、合併、統合させさえすればいいという一律の施策はとるべきではない。
 金融庁の懇話会の報告がこういうふうに言っているわけですから、竹中大臣はここによく耳を傾けて、今までのような、合併すればいいという発想を根本的に転換していただきたい。このことを最後に申し上げて、質問を終わります。
小坂委員長 次に、阿部知子君。
阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
 きょうは、塩川財務大臣並びに柳澤金融担当大臣を初め各委員の皆様も……(発言する者あり)ごめんなさい、癖になっておりました。竹中新金融担当大臣初め皆様と、そして各委員、何名かはおなじみでございますが、長時間の審議、御苦労さまです。余りにも今までの柳澤さんの印象が強くて、またよく御指導いただきましたので、ついつい言葉が出てしまいました。
 そこで、本日は特に、柳澤金融大臣にかわった竹中金融大臣に多く御質問をさせていただきます。
 まず、午前中でしたか、五十嵐委員の御質問の中にもございましたが、金融再生機構等々、これからいろいろ論議されるところだから、きょう、皆さんはしっかりと意見をお言いなさいというお話でございました、与党側は。そして野党側は、まだ形にもならない幻のような、どこへ向かうともわからないものではなかなか審議ができないという論議もございましたが、私は、まずもって、昨日出されました景気の判断について、竹中大臣にお伺いいたします。
 昨年の十一月に景気判断、景況判断、下方修正をなさいまして、引き続いて、本年三月でしたか、立ち直り、上方修正をなさった後、一年ぶりの下方修正ということになってございます。
 下方修正に至った幾つかのポイントは、例えば、アメリカの景気状況とか、あるいは我が国もアメリカに深く関与するところの輸出の問題、あるいは雇用、生産等々も伸びが見られないということでの判断でございますが、竹中大臣にあっては、逆に基本的には底を打って戻っていく、戻っていく途中のつっかえであると思っていらっしゃるのか。もしくは、さらにある意味では長期的な、これは何人かの委員からも御質問がありましたが、現在、世界的なデフレ状況が続いている中で、なかなか我が国にとっても新たな産業調整、どの分野で新たな産業育成がされていくのかということもまだ歴然とはしていない中で、かなり長期的な見通しを持って、現在、景気ということを、低迷を考えていかなければいけないのか。その点について、一点目、お願いいたします。
竹中国務大臣 阿部委員に早く名前を覚えていただけるように、しっかりと答弁をさせていただきたいと思います。
 御指摘のとおり、昨日、月例経済報告で、景気は、引き続き持ち直しの方向に向かってはいるんだけれども、そのテンポが緩やかになっているという判断をさせていただきました。これはまあ若干の下方修正というふうに私自身も申し上げております。
 ただ、これはぜひとも御理解いただきたいんですが、持ち直しに向けた動きは続いておりますが、これまで牽引してきた輸出、生産の伸びが緩やかになっている。そういう意味で、方向は変わっていないんだけれども、それが緩やかになっているという判断であります。
 それをほぼ裏づけるように、きょう、朝、七―九のGDP統計が出されました。これは数値そのものは結構高くて、〇・七%、年率に直しますと三%になりますので、日本の潜在成長力を考えると、伸びそのものは決して低いわけではないというふうに思います。ただ、外需がマイナス〇・一%の貢献になって、内需がプラスの〇・八でありますけれども、そのうちの半分が在庫になっております。そういう意味では、いわゆる消費、投資を合わせたところの本源的な内需は〇・四ぐらいということで、拡大は続いているんですけれども、少し前期に比べると緩やかにというような状況だと思います。
 阿部委員のお尋ねの趣旨は、これはこの先どうなるのだ、どういうふうに見ていくのかという非常に本質的な問題であろうかと思います。
 基本的なシナリオは、この持ち直しに向けた動きがまだ続くというふうに見ておりますけれども、やはり、アメリカ経済の動向でありますとか世界的な資産市場の調整、さらに、ヨーロッパやアジアも少し鈍化の兆しが見られるということで、従来以上に非常にきめ細かく注意を持って見ていかなければいけない局面になったというふうに認識をしております。
 我々としては、もちろん、このまましぼんでいくのではなくて、これが持続的にもう少し基本的に持ち直しが続くように期待をしているわけでございますので、さきの総合対応策の早期実現等々を含めて、しっかりと見ながら運営をしていきたいと思っているところでございます。
阿部委員 ここにお集まりのどなたもが早い時期に経済的な立ち直りを期待する、国民はましてなおのことと思いますが、そうは申しましても、ポジティブに考えたくても、その芽が本当の意味でなかなか見つかってこない。もちろん、竹中大臣のおっしゃる今の金融の問題、特に不良債権問題等々を片づけていくことがその一歩であるという道も確かにその一つであろうと思いますが、やはり私たちの目の前に現実に横たわる経済のありさまはなかなか一筋縄ではいかないように思います。
 その大きな理由は、昨日も、またこれまでの委員会でも竹中大臣も御指摘でありますが、やはり大きな意味で産業のありようが変わってきている。特に、大量生産、大量消費方式で人件費も安く、供給側がある程度過剰の感を呈する、それに対して需要の側が十分に、伸び悩んでおる、伸びていないという状況もございます。そうなりますと、今の産業構造調整は、やや長期的な波を見た方がよろしいのではないか。
 先ほど、竹中大臣は、現在の状況をバブル期の調整にあるのではないかというふうに原口委員の御質問に答えておられましたが、やはりこの間の事態を見まして、それは、先ほど申しますような、アメリカあるいはドイツ、ヨーロッパ、それからアジアにおけるいろいろな問題ということもあった場合に、よほどしっかりと、そして粘り腰で、長期にわたる展望を持たなければならないのではないかと私自身は考えております。
 そして、竹中大臣がまだ金融担当大臣でなかったころと思いますが、いわゆるIT産業の問題ですね、これは今、アメリカも我が国も、ITバブルが崩壊したという形でよく評されますところの問題ですが、かなりの部分、ITに期待していた部分は森内閣当時もあったと思うのです。このことについて、現段階でのお考えを伺いたいと思います。
竹中国務大臣 非常に長期的な観点からの産業調整のプロセスにあるという認識が必要だという御指摘は、全くそのとおりであろうかと思います。
 私、午前中に、原口委員の質問に答えてバブル期の調整というふうに申し上げたのは、これは銀行信用の拡大、それがバブルのときに非常に拡大して、それのまだ調整が続いているという趣旨で申し上げたつもりであります。この長期的な調整を進めていく中では、当然のことながら、新しい技術の最先端の分野としてのITとかバイオなどの問題、さらには、それとは別の次元では、やはり地域的な競争力地図の変化というようなことも視野に入れていかなければいけないと思います。
 直接お尋ねの、IT産業がどうなっていくかということでありますが、ITに関しては、いわばオール・オア・ナッシングといいますか、ちょっといいときには、物すごくいいぞ、これはバラ色の未来をもたらすぞというような論調がともすれば主体になり、少し悪くなると、バブル崩壊でもう全然だめだというような認識がともすれば広がりつつあるわけですが、これは間違いなく、IT革命というのは、いわばデジタルな技術を駆使して、専ら今は通信にそれを活用しておりますが、通信だけではなくてデジタルな技術を使ってさまざまな分野が開かれていくというのは、非常に大きな、ちょっとオーバーですが、やはり歴史的な流れになっていくということは間違いないと思います。
 短期的に見ても、実は、ITバブルが崩壊した崩壊したといいながら、やはりITの部門というのは着実に広がっているわけでありまして、日本のインターネット人口も、二年前には一九%であったものが、これはちょっと古い数字ですけれども、今は四二%を超えている。その意味では、着実にこれは根づいてきているというふうな評価をむしろ私たちはすべきであろうかと思います。
 であるからこそ、こうした点も含めて、予算配分においても重点分野として、科学技術の開発も含めて重視しているわけでありますので、こうした点については、やはり決してオール・オア・ナッシングの見方に陥ることなく、着実に推進していく、これを一つ一つやはり個人一人一人が物にしていくというような観点から、引き続き取り組んでいく必要があると思っております。
阿部委員 ただいまのIT関連の質問はもう一問後につけ加えさせていただきまして、今の後半に関与することでもありますが、技術革新ということをお述べになりました。それもだれしも同意するところでありますが、以前よりこの委員会で特に塩川財務大臣に何回か御答弁いただきまして、現在ないしは今後、我が国のリーディングインダストリーとなるようなものをどこにどう想定していくのか。
 この問題は、実はきょうは竹中大臣の方に振りたいと思いますが、エレクトロニクス、機械、自動車といった産業がこれまでイメージされておりますが、竹中大臣にあっては、実際に今おっしゃったようなIT関連のこと、技術革新と言われる部分をさらに進めて、どういう分野育成をなさりたいか、そこがまた我が国を大きく引っ張っていけるものなのかどうか、この点についてのお考えをお願いします。
竹中国務大臣 リーディングインダストリー論というのは、詰めれば詰めるほど難しい問題であろうかと思います。ITしかり、バイオしかり、ナノテクノロジーの分野しかり。さらには、少し視点を変えれば、都市開発関連しかり、文化、環境しかり。いろいろなことが言えると思うんですが、私のイメージとしては、むしろ、それがリーディングインダストリーという、今までの自動車産業、電気機械産業というようなくくりではない形で、例えばデジタルな技術をさまざまな分野で、これはサービス業も含めてさまざまな分野で活用するという形で非常に多様な分野が広がっていくというのが、今後の一つの産業のイメージなのではないかと思います。
 であるがゆえに、例えば、何とか産業を育てようとか、一つの役所の中に何とか課、何とか産業課のようなものをつくってできるようなものではなくて、これからの行政というのも、非常に多様な芽が、社会の中でふっと出てくるような芽が大事に育つような形で規制を十分に改革し、さまざまにそのイノベーターを後押しできるような、そういうシステムをやはりつくっていくことが必要になっているのではないか。
 技術の分野については、バイオ、ナノ、いろいろなことを挙げることができますが、むしろリーディングインダストリーというような概念ではない形で、いろいろな形での産業の発展が期待できるのではないかと思っております。
阿部委員 もちろん私とて、ある産業が、例えば鉄鋼業のようにある時代を切り開く、これからがそういうスタイルだとはもちろん思っておりませんが、しかしながらまた、今、竹中大臣の御答弁にございましたが、例えばバイオとかITとかを活用する場合に、ある産業分野の育成も同時に必要となろうし、もう一点私が伺いたいのは、やはりエリア、地域的な連合の問題であります。
 そこで、次の質問に移らせていただきます。
 このたびの二〇〇二年度の通商白書、これは経産省がお出しであるとは思いますが、通産省のものであっても、気持ち、お考えはかなりの部分を共通されると思いますから伺いますが、二〇〇二年度版通商白書で、二十一世紀の前半には、欧州、米国に加えて、いわゆる東アジア、東アジア地域での先進経済圏が成立していくものと考えられ、東アジアの発展と日本の産業構造、地域経済構造の変化は連動しているということで、逆に日本にとって、東アジアは大きなビッグチャンス、ある意味でビジネスチャンスでもあり、平和のチャンスでもあるということだと思いますが、こういう指摘がございます。
 先ほどの大臣の御答弁とあわせて、このエリアでの経済的な連動、枠組みについてのお考えを伺いたいと思います。
竹中国務大臣 東アジア、東南アジアまで含めての地域でありますけれども、この地域は、専門家がさまざまに分析していますように、世界の中でも最も、いわゆるインテグレーション、統合の進んだ地域であるというふうに思います。
 例えば、日本を代表する電気機械メーカー等々は、この中に、部品組み立て、販売等々を含めて、それはもう実に多くの企業ネットワークを持っていて、しかもそれが、例えばマレーシアでつくったものが日本で組み立てられるとか、そういう単純なものではなくて、台湾でつくったものが一度マレーシアに行って、またシンガポールに行って、それで日本に来るとかいう、そういう意味での非常にダイナミックな統合関係が実現しているというふうに思っています。
 かつ、この地域は、多くの発展途上国が非常に問題を抱えてきた七〇年代、八〇年代に飛躍的に発展力を示した地域であって、かつ、この地域は、ある意味で東西冷戦構造の代理戦争的なことをずっとやらされていた。朝鮮半島しかり、ベトナムしかり。そういうところが九〇年代以降、いわゆる東西の壁がなくなったことによって、非常に大きな平和の配当を受けた地域にもなっている。さまざまな要因を重ね合わせて、これはやはり非常に大きな可能性を持っている。そうした意味での白書の指摘というのは大変に適切であると思っております。
 日本は、シンガポールと経済連携協定を結んで、こうした形での統合をさらに強めようとしている。日本に対する期待も大きいということも踏まえて、しっかりと対処していかなければいけないと思っております。
阿部委員 そのことと関連して、特に金融面でお伺いをしたいと思いますが、大臣は、ASEANプラス3で、3の方に東アジアを入れられましたが、特に東アジアをとりますと、実は、このエリアには共通の通貨圏もございませんし、また、アジア全体でいえば、アメリカの輸出に大きく依存しているという意味で、ある種不安定要因も強いところであると思います。かつてのバーツの下落もその一環でございましょうし。そういうエリアにあっての日本の金融の果たすべき役割ということを私は伺いたいと思うんです。
 なぜこういう質問をしますかという折に、今、不良債権処理問題を初めとして、ある意味で後ろ向きに語らざるを得ない部分、かつてのバブル期の不良債権、あるいは今の構造調整のところから新たに生じてくる不良債権問題もございますが、私は、今もし金融改革に積極的に打って出るのであれば、国民にとってはもっといい、本当にいい未来があるということをだれかが積極的に発信しないと、何のために痛いのか、苦しい痛み、これもやはり希望という名があってこそ意味が出てまいります。
 そこをきちんと論議した上で、むしろ私個人の考えですけれども、不良債権処理問題は積極的に打って出るべきだと私個人は思っております。ただし、その前提にどんな未来像が国民に与えられるかというところをもっと論議していただきたいと思っておりますので、そういう視点から、アジア、特に東アジアにおける金融面での我が国の役割をどのようにメッセージするか、これをお願いいたします。
竹中国務大臣 大変大きな難しい問題であると思いますが、やはり当然のことながら、政策を遂行するに当たってそういうビジョンを持っていなければいけないと思います。
 私は、日本の金融というのは、東アジアとの関連で、特にやはり二点、三点、重要なつながりが出てきていると思っています。
 一つは、日本という国は非常に重要な資本輸出国であるという点です。日本の多額の貯蓄がアジア等々で投資をされる。これは、世界で見ますと、だれかが投資をするためにはだれかが貯蓄をしていなければいけないという恒等式が成り立ちますから、発展の源泉である投資を支える日本の貯蓄の源泉というのは大変重要であります。だからこそ、日本のODAにも日本の海外直接投資にも大変期待をしています。
 先般、内閣府で行った分析でありますけれども、例えば、日本のODAだけでベトナムの経済成長の二%とかGDPを押し上げるような効果があるというような結果もございました。だから、貯蓄を活用する。これは、貯蓄を貸し手に、利用者に回すことが金融でありますから、金融の役割は大きいということだと思います。
 もう一つ、アジア通貨危機のときに議論された問題であり、これは私の担当ではなくて塩川大臣の御担当ということになるかと思いますが、そういういざという場合の地域のファイナンスをやはりきめ細かく、もちろんIMFがそういう役割を担うわけですが、IMFのイニシアチブについては、これは賛否両論、さまざまな議論が当時ありました。やはり、地域のことを熟知している、地域の中でそういったいざというときの融資、資金融通のファイナルリゾートがあるべきではないか。そうした考え方が実は当時からあるわけで、アジア版の通貨基金というような話もそこから出てくるわけですが、そういう意味からも、やはり日本の金融というのは大きな役割を果たさなければいけないと思います。
 やはりその前提となるのは、何といっても、圧倒的な経済ウエートを占める日本がアジアの中で安定的に経済発展している、経済成長し続けているということであって、日本が本来二%から二・五%成長の実力を持っているはずなのに、不良債権問題等さまざまな足かせの中で、現実には〇%、〇・五%というような成長になっていること自体が、やはりアジアに対する責任、貢献を十分になしていないということになるんだと思います。そうした観点から、やはり日本のアジアにおける責任というものを自覚しながら経済政策を進めていかなければいけないと思います。
阿部委員 前宮澤財務大臣当時、先ほどおっしゃられました、宮澤大臣がまだ大蔵大臣であられたころだったか首相であられたころだったか、そのアジア通貨基金の問題もございまして、ただ、その後、我が国においては、どちらかというと、もう本当に国内の金融状況、雇用状況、経済状況が非常に大変な折で、どうしてもそこに重点を置かざるを得ない中で過ごしてきておりますが、やはり先ほど申しました、例えば五年後、十年後、二十五年後のどこにある程度の未来像を置くのかということをあわせてぜひ論議していただきたい。
 そういう観点に立ったならば、きょう午前中も、そして前々回もそうですが、幻が、字体が変わるだけで実物になりましたところの金融再生プログラムについて、この字体の変わった方で伺いますので、よろしく御答弁をお願いいたします。
 私は、そうした観点からいたしますと、いわゆる公的資金の注入というものを、預金法の百二条で総理大臣が金融危機と認定されて、銀行が申請して、そこで十五兆の枠というものを使う、それで果たして本当に処理し得るのかどうかということが実は最大の疑問であります。
 そういう観点からこれを読みますと、幾つかの気になる文章がございますので、文章に沿って少し御説明を受けたいと思いますが、文章がわからなくなりまして、文章何ページと言った方が親切なのですが、ちょっと見えませんので、お許しください。
 「迅速に公的資金を投入することを可能にする新たな制度の創設の必要性などについて検討し、必要な場合は法的措置を講ずる。」という一文がございます。この部分は何を意味しておるのか。それから、「検討し、」というのはどこで検討するのか。恐らく、私が思いますに、預金保険法百二条以外のスキームで公的資金を注入する、これはかなり予防的注入あるいは強制注入という意味ととりますが、ここの一文について、どこで検討され、どういう内容を意味しておるのか、その点についてお願いいたします。
    〔委員長退席、七条委員長代理着席〕
竹中国務大臣 御指摘のはプログラムの四ページのところであると思いますけれども、これは、先ほども申し上げましたように、今の法律の枠組みでは、預金保険法百二条に基づいて危機宣言をして、公的資金を注入する。公的資金注入が必要かどうかはともかくとして、必要である場合はこの枠組みだけがあるということになります。
 かねてから、多くの専門家、関係者の間から、この枠組みは枠組みとして必要な場合はしっかりと運用をしていくわけですけれども、それだけで十分なんだろうかという御指摘が多々あったというふうに認識をしています。したがいまして、それが必要かどうかも含めて、ぜひやはりこれから前向きに検討したいというふうに思っているわけでございます。
 では、これをだれがどのように検討するのかということでありますが、やはりこれは幅広く専門家、関係者の意見を聞いてしっかりと検討しなければいけないと思います。どういう枠組みで、審議会とか委員会とか、それでいつまでにやるかということに関しては、月末の工程表までに議論を詰めて明らかにしたいと思っております。
阿部委員 あと幾つか質問がございまして、質問予告もしてございますのですが、時間の関係で二問ほど飛ばさせていただきまして、公的資金注入に際して、もしそういうことが行われた場合の責任論について、もう一点、このプログラムに即してお伺いいたします。
 きょう、参考人で来ていただきました加藤審議官にはちょっと失礼いたしますが、お許しください。次回、またやらせていただきますので。
 一九九九年の公的資金注入の折に、経済戦略会議の最終報告におきまして、いわゆるその当時の公的資金注入に対して、責任論については、これは竹中大臣も加わっている会議ですが、事態の緊急性にかんがみ公的資金投入問題とは切り離して責任論については考えるべきであると。また、公的資金を受け入れた金融機関は、早急に自主的経営改善計画を策定して、三年後に顕著な改善がなければ、そのときに経営責任を明確にする必要があるというふうにかつてお述べでいらっしゃいます。
 現時局下で、場合によっては公的資金投入もあり得るかもしれない場合の経営責任についても同じような御見解か、あるいはこの当時よりは格段に進歩されたか、その点についてお願いします。
竹中国務大臣 阿部委員が今お読みになったところの、その前文もぜひ読んでいただきたかったのでございますけれども、「公的資金を受け入れざるを得ない銀行の経営者責任が問われるべきことは当然である。」経営者責任ははっきりと問われなければいけないと思うということが、この経済戦略会議のときの基本的な考え方であったと思います。
 しかし、経営責任が問われるまで公的資金を注入しないということであるならば、これはもう当時、非常にせっぱ詰まった、まさに危機の状況でありましたから、それはそれで、経営責任はちゃんと問え、しかし、とりあえず公的資金の注入はやれ、そういうことを言っているわけでありまして、経営責任は問うべきであるということをしっかりとこの経済戦略会議でも述べていたというふうに思います。
 その意味では、今回、経営者責任の明確化を強く厳しく求めるというふうに再生プログラムには記入しているわけで、基本的な考え方は同じであるというふうに思っています。
    〔七条委員長代理退席、委員長着席〕
阿部委員 事態の緊急性にかんがみ三年猶予するぞと言われたら、これはちっとも速やかに責任ということではないわけで、また、これまで三回の公的資金注入があったわけですから。そして、現在をその当時と、どのように深刻な事態と受けとめるかによっても、また方針のスピードも変わってまいると存じます。
 先ほど、前段を読んでいただきたかったとおっしゃいました。私は読みました。でも、その後につく文章が、事態の緊急性にかんがみ資金は入れる、経営責任は三年と言われると、やはりこれは余りにも世の中の緊急とか責任とかいうところに、何か問題を起こして三年後まで猶予してくれるのなら責任ではないわけですから、その点について、重ねてきちんとした対処を私として申し出たいと思います。
 長いお時間お待ちいただきました。塩川財務大臣にお伺いいたします。
 塩川大臣には、以前から、私が道路特定財源の一般財源化について、この委員会でも三回ほど質問をさせていただきましたが、とりあえず、来年度の予算においては、昨日、国土交通省の扇大臣もおっしゃっておられましたが、一般財源化という形ではなくて道路関連に薄めて、広げて御利用になるというふうな御見解でしたが、このことは塩川大臣も合意をされているのでしょうか。
塩川国務大臣 私は、財務大臣就任以来ずっと一貫して言っておりますことは、道路特定財源を、徐々に、道路を中心としたもっと幅広い一般財源として使えるようにいたしたい。そういう希望を申し上げてまいりましたし、また、十四年度予算におきましても、金額にしてそれほど多くはございませんけれども、三千数百億円でございましたけれども、重量税の一部を削減いたしまして一般財源として使っておる。十五年度におきましても、これをさらに拡大していきたいと思っております。
阿部委員 申しわけございません、もう一問塩川大臣にお願いいたします。
 私は、その大臣のおっしゃっていることとここでの確約について、やはり今回の方針について、今年度は、ごめんなさい、ちょっと聞き漏らしましたが、見送りで、来年度から本来のお考えを展開されるという意味なのかというのが一問。
 もう一つ、本四架橋の債務返済に活用する方向も既に合意がとれておるというふうに書かれておりますが、これについても、これをも含めた一般財源化なのでしょうか。二点お願いいたします。
塩川国務大臣 一つは、本四架橋の問題につきましては、これは新聞社に聞いていただいたらわかると思いますが、私から申したものではございませんので。私はそういう発言はいたしませんし、また政府も、まだそこまで結論を出したものでもございません。
 それから、一般財源の問題と特定財源の問題、非常に名前にこだわっておられるように思うんですけれども、道路特定財源というのは要するに総称していうことでございまして、税金でいいますと、個々に、揮発油税であり、自動車重量税であり、そういう名称がついたものでございまして、それを総称いたしまして、いわゆる道路特定財源と言っております。この財源は、道路の整備、建設に重点を置いて使うということになっておるので道路特定財源ということを言っておりますけれども、私は、今、もう国の財政状況が非常に緊迫してきておりますので、貴重な財源を有効に使わせてもらいたい。
 でございますから、道路とそれに関連して面整備の面、あるいはまた道路と附属してくるところの公共的施設、あるいはまた道路のために必要な、道路からの原因となってくる環境対策等、いろいろな面に幅広く使えるように、この財源を有効に使いたいというので、私は一般財源のように使うということを言っておるのでございまして、その点の御理解をお願いいたしたいと思います。
阿部委員 のようにという部分に暫定税率のことがかかわってくるので、塩川大臣はそのような御答弁だと思うのです。
 私は、従来から申しておりますように、これから少子高齢化社会を控えまして、現在の道路、もちろん道路も社会的公共資本ですから、きちんと必要なものは整備されるべきと思いますが、全般を見渡したときに、この財源をどこにより積極的に使っていけるのかということで、のようにではなくて一般財源化するという、本来のお気持ちのように政策を進めていただきたいと思います。
 その点についてはいかがでしょうか。しつこくて済みませんが、お願いします。
塩川国務大臣 御希望は私たちもよくわかりますが、できるだけ状況等を判断して進めていきたいと思うわけであります。
阿部委員 前向きな御答弁をありがとうございます。
 そして最後に、この法案に関係したことで、一問御質問をいたします。いわゆるペイオフの延期問題でございます。
 実は、このペイオフ延期問題は、先ほど私が柳澤金融担当大臣と申しましたように、私の中に深く刷り込まれておりますのは、このペイオフ問題で四回、五回と質問をいたしまして、そして私は、現下の金融不安定状況から見て、ペイオフそのものは、やはり金融規律ですからきちんとやるべきと思いますが、時期を見るべきだというふうに、そのときは私の立場は申し述べました。
 そして、そういうことへの柳澤大臣の御答弁ですが、ちょっと思い起こすために、これは、この委員会のさきの国会の最終日というか、最後の委員会だったと思いますが、繰り返させていただきます。
 これは柳澤大臣のお言葉ですが、要は、私は、ペイオフというのは構造改革のための施策で、これは非常にある意味で大きくきくと思っているわけです、これはもう本当に、金融機関にとっては最大の緊張、今までに比べれば最大の緊張をしなければならない、自分が預貯金者の信頼を得られないということになったら、点々点々と続いて、したがって、私は、かなり強烈な構造改革を強いる道具というか動機になっているんだろうと思いますという御答弁なんですね。
 道具で、動機で、重要で、そして延期するというのはなぜでありましょうか。お願いします。
竹中国務大臣 これは、柳澤大臣として非常に強い思い入れを持ってこれまでの政策を推進してこられたというふうに、私も強く感じ入っております。柳澤大臣のその点での御指摘は、やはりこれは金融機関に、先ほどから私が申し上げている、一つのガバナンスといいますか、経営の主体性を持ってしっかりとガバナンスを発揮してもらうということが必要だということなのだと思います。そのための一つの手段として、ペイオフというのは大変重要であるという御趣旨の発言であったかと思います。
 ガバナンスの強化というのは、その意味で、思いは同じでございます。ただ、何度も申し上げましたけれども、このガバナンス、資産査定、自己資本、一体として強化をする中で、不安を避け混乱を避けるために、今回、私の判断として、ペイオフを二年間延期させていただいたということでございます。
阿部委員 実はそれでは、先ほど来何人かの委員も御指摘のように、答えになっておらぬのだと思いますね。今一番必要なことはガバナンスだとおっしゃいまして、そしてその場合に、責任ということですね、自己規律とか、そういう観点から柳澤大臣、確たる御答弁だったと思います。
 そこを変えていかれるのであれば、これもまた説明責任ですから、きちんと説明をされて、あいまいにしないで方針を、しかしながら、よくよく検討したところ、かくかく部分に問題が残り、これあり、今の時局下で不良債権処理をまず優先して、しかるべき後にペイオフの解禁をやるんだというふうにわかりやすくメッセージしていただかないと、それこそ、ふにゃふにゃふにゃといって言い逃れてというのでは、一番悪い前例になると私は思いますので。
 私は、柳澤大臣も深く尊敬しております。そして、何度もこの件でやりました分だけ思い入れが強うございますので、竹中新大臣にあっても信念を持ってきちんと答弁をしていただけますようにお願い申し上げて、終わらせていただきます。
    ―――――――――――――
小坂委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 両案審査のため、来る十五日金曜日、参考人として株式会社みずほホールディングス取締役社長前田晃伸君、株式会社三菱東京フィナンシャル・グループ取締役社長三木繁光君、株式会社UFJ銀行取締役頭取寺西正司君、株式会社三井住友銀行頭取西川善文君、社団法人全国地方銀行協会会長平澤貞昭君、社団法人第二地方銀行協会会長森本弘道君、社団法人全国信用金庫協会会長長野幸彦君、社団法人全国信用組合中央協会会長田附良知君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
小坂委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、来る十五日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時三十三分散会


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