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第2号 平成15年2月7日(金曜日)

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平成十五年二月七日(金曜日)
    午後五時三十六分開議
 出席委員
   委員長 小坂 憲次君
   理事 金子 一義君 理事 林田  彪君
   理事 渡辺 喜美君 理事 生方 幸夫君
   理事 松本 剛明君 理事 上田  勇君
   理事 中塚 一宏君
      上川 陽子君    倉田 雅年君
      小西  理君    砂田 圭佑君
      田中 和徳君    竹下  亘君
      竹本 直一君    中村正三郎君
      林 省之介君    増原 義剛君
      松野 博一君    山本 明彦君
      山本 幸三君    五十嵐文彦君
      井上 和雄君    上田 清司君
      小泉 俊明君    仙谷 由人君
      中津川博郷君    永田 寿康君
      平岡 秀夫君    石井 啓一君
      遠藤 和良君    達増 拓也君
      佐々木憲昭君    矢島 恒夫君
      植田 至紀君    原  陽子君
      山谷えり子君
    …………………………………
   財務大臣         塩川正十郎君
   国務大臣
   (金融担当大臣)     竹中 平蔵君
   内閣府副大臣       伊藤 達也君
   財務副大臣        谷口 隆義君
   財務大臣政務官      田中 和徳君
   財務金融委員会専門員   白須 光美君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月七日
 辞任         補欠選任
  小泉 龍司君     小西  理君
  坂本 剛二君     松野 博一君
  吉井 英勝君     矢島 恒夫君
  阿部 知子君     原  陽子君
  江崎洋一郎君     山谷えり子君
同日
 辞任         補欠選任
  小西  理君     小泉 龍司君
  松野 博一君     坂本 剛二君
  矢島 恒夫君     吉井 英勝君
  原  陽子君     阿部 知子君
  山谷えり子君     江崎洋一郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 財政及び金融に関する件


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     ――――◇―――――
小坂委員長 これより会議を開きます。
 財政及び金融に関する件について調査を進めます。
 財務大臣の所信を聴取いたします。財務大臣塩川正十郎君。
塩川国務大臣 今後の財政政策等の基本的な考え方につきましては、先般の財政演説において所信を申し述べたところでありますが、本委員会において重ねて、所信の一端として、今後取り組むべき課題等について申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。
 第一の課題は、財政構造改革であります。
 平成十五年度予算については、歳出全体にわたり徹底した見直しを行うため、まず、概算要求段階において要望可能額を大幅に緩和するとともに、活力ある社会経済の実現に向け、重点的、効率的配分を行うことといたしました。また、高齢化の進行による負担増など歳出の増加が見込まれる中、予算執行調査の結果等を活用した経費の節減やコストの見直しなどを図り、一般歳出及び一般会計歳出全体について実質的に平成十四年度を下回る水準といたしました。
 我が国の財政事情は、平成十五年度末の公債残高が四百五十兆円程度に達する見込みであるなど、過去に例を見ない厳しい状況にあります。今後の中長期的な財政運営に当たっては、先般閣議決定された「改革と展望」で示された、二〇一〇年代初頭におけるプライマリーバランスの黒字化を目指すとの目標達成に向けて努力してまいります。
 第二の課題は、税制改革であります。
 従来の制度を大幅に見直し、個人の資産のより一層の活用と企業の新分野への取り組みの支援を念頭に置き、平成十五年度税制改正において、現下の経済財政状況を踏まえ、所要の措置を講ずることといたします。
 このため、先般、所得税法等の一部を改正する法律案を提出したところであります。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
 具体的には、我が国産業の競争力強化のための研究開発・設備投資減税の集中・重点化、次世代への資産移転の円滑化に資する相続税、贈与税の一体化及び税率の引き下げ、貯蓄から投資への改革に資する金融・証券税制の軽減・簡素化、土地の有効利用の促進に資する登録免許税の軽減、人的控除の簡素化等の観点からの配偶者特別控除の上乗せ部分の廃止、消費税に対する信頼性、透明性を向上させるための事業者免税点制度等の改革、酒税及びたばこ税の見直しその他の所要の措置を一体として講ずることとしております。
 なお、このうち相続税、贈与税の一体化においては、一般の贈与について二千五百万円まで、住宅取得に充てる場合には三千五百万円までを非課税枠とするなどの措置を講ずることとしております。
 以上の措置の実施により、平成十五年度において、国、地方合わせて一兆八千億円程度の減税となり、多年度においては税収中立となります。
 今後も、少子高齢化と税制のあり方、国、地方のあり方と税制等、さまざまな検討課題についてさらに議論を進めてまいります。
 第三の課題は、世界経済の安定と発展への貢献であります。
 我が国は、国際機関やG7、アジア諸国等と協力しつつ、国際金融システムの強化や開発途上国の経済社会の発展等の課題に取り組んでまいります。また、アジアにおける通貨、金融の安定化に向けても、一層の貢献を行ってまいります。
 為替相場につきましては、ファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要であり、今後とも、為替相場の動向を注視し、必要に応じて適切に対処してまいる所存であります。
 また、WTO新ラウンド交渉に積極的に取り組むとともに、自由貿易協定等の経済連携も積極的に推進してまいります。具体的には、既にメキシコとの間で正式な協定締結交渉を開始しており、韓国、ASEAN等との間でも検討を進めております。
 なお、本日、特恵関税制度の改正等を内容とする関税定率法等の一部を改正する法律案及び国際開発協会への追加出資を内容とする国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案を提出したところであります。
 次に、今国会に提出しております平成十五年度予算の大要について御説明いたします。
 まず、歳出面については、一般歳出の規模は四十七兆五千九百二十二億円、一般会計全体の予算規模は八十一兆七千八百九十一億円となっております。
 次に、歳入面について申し述べます。
 租税及び印紙収入については、平成十五年度税制改正を織り込み、四十一兆七千八百六十億円を見込んでおります。また、その他収入については、三兆五千五百八十一億円を見込んでおります。
 これらの結果、公債発行予定額は三十六兆四千四百五十億円、公債依存度は四四・六%と、財政事情は厳しくなっております。特例公債の発行については、先般、平成十五年度における公債の発行の特例に関する法律案を提出したところであります。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
 財政投融資計画については、行財政改革の趣旨を踏んまえ、全体規模を縮減しつつ、構造改革に資する分野に重点を置き対象事業を見直すとともに、現下の経済金融情勢を踏まえ、企業再生・中小企業金融等、真に政策的に必要と考えられる資金需要には的確に対応することとしております。この結果、平成十五年度財政投融資計画の規模は二十三兆四千百十五億円となり、前年度当初計画に対しまして一二・六%の減少となっております。
 以上、財政政策等に関する私の所信の一端を申し述べました。
 なお、既に本国会に提出したものを含め、今後、御審議をお願いすることを予定しております財務省関係の法律案は、平成十五年度予算に関連するもの四件、その他一件、合計五件であります。
 今後、提出法律案の内容につきましては、逐次御説明することとなりますが、御審議のほどよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
小坂委員長 次に、金融担当大臣の所信を聴取いたします。金融担当大臣竹中平蔵君。
竹中国務大臣 金融担当大臣の竹中でございます。引き続きよろしくお願い申し上げます。本日は、現下の金融行政について一言申し述べさせていただきたいと思います。
 まず、最近の経済情勢を見ますと、景気は、引き続き一部に持ち直しの動きが見られるものの、先行きに対する不確実性が高まる中、このところ弱含んでおります。
 このような厳しい経済情勢にあっても、日本経済の再生を図る道は、「聖域なき構造改革」を迅速かつ着実に推進する以外にありません。政府としては、改革なくして成長なしとの基本的な考え方を引き続き堅持し、経済活性化に向けた構造改革の取り組みをさらに加速してまいります。特に、金融行政においては、金融システムの安定強化、証券市場の構造改革等に強力に取り組んでまいります。
 まず、不良債権問題については、小泉総理の平成十六年度に不良債権問題を終結させるという強い覚悟を受け、昨年十月末に策定した金融再生プログラムの諸施策を、作業工程表に従って着実に実施しているところです。
 これにより、主要行の資産査定の厳格化、自己資本の充実、ガバナンスの強化を図り、我が国の金融システムと金融行政に対する信頼を回復し、構造改革を支えるより強固な金融システムを構築してまいります。
 次に、生命保険については、保険会社が破綻した場合に生命保険契約者保護機構が行う資金援助等に対する政府補助の特例措置が本年三月末で終了することから、これを延長し、本年四月以降三年間の破綻に対応するため、改めて五千億円の規模のセーフティーネットを整備するなどの措置を講ずることとしております。
 なお、超低金利が継続するなど、生命保険会社の経営環境には厳しいものがありますが、生命保険をめぐる諸問題については、引き続き幅広く勉強してまいりたいと考えております。
 金融システムの安定強化と並び、もう一つの我が国金融の重要な課題が証券市場の構造改革であります。貯蓄から投資への流れを加速するため、我が国証券市場について、今までに証券投資を行ったことがない方も含め幅広い投資家の参加が促進されるよう、信頼が得られるものとするとともに、だれもが投資しやすく、金融証券取引のグローバル化に伴う市場間競争にも適切に対応できるものとしていく必要があります。
 このような観点から、今回、証券税制について、投資優遇への抜本的な見直しを行うとともに、証券投資の販売チャネルの拡充多様化、市場仲介者に対する信頼性の確保、公認会計士監査の充実強化、取引所の連携統合などのための制度整備を行うこととしております。
 ただいま申し上げました施策を実現するため、本国会には、保険業法の一部を改正する法律案、証券取引法等の一部を改正する法律案及び公認会計士法の一部を改正する法律案の提出を予定しております。
 法律案の詳しい内容につきましては、今後、改めて御説明させていただきますが、当委員会の委員長及び委員の皆様におかれましては、何とぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
小坂委員長 以上で両大臣の所信聴取は終わりました。
    ―――――――――――――
小坂委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。上田勇君。
上田(勇)委員 公明党の上田勇でございます。
 きょうは、自由民主党そして新保守党の御同意をいただきまして、私の方から、塩川大臣また竹中大臣の所信に対しまして、質問させていただきます。
 まず、両大臣、予算委員会に引き続きまして、大変お疲れさまでございます。
 今、両大臣から所信を伺ったわけでございますけれども、まず、塩川大臣の所信の中で税制改正につきましてお話がございましたので、この税制改正につきまして何点かお伺いしたいと思います。
 税制改正の要綱では、この目的を「持続的な経済社会の活性化を実現する」というふうに書かれております。内容としても、それに沿いまして、企業の技術革新、生産性向上に資するために、研究開発、設備投資などを促進するための大幅な法人税の減税を行うというようなことになっておりますし、さらに、特に中小企業については、一層の減税措置をとっているわけでございます。また、相続税、贈与税あるいは土地・住宅税制につきましても、住宅投資や土地の流通を促進する目的で減税が行われているわけであります。
 それで、こうした減税によりどの程度の経済効果を期待されているのか、御見解を伺いたいと思います。
塩川国務大臣 これは、私は、相当刺激的な効果を与えてくれるものと思っております。
 確かに、減税規模としてはそんなに大きいものではございませんが、これは財政のバランスをとるためにやむを得ない措置としてとったのでございますけれども、中身は相当従来の税制改正とは変わってきておるということは感じていただいておると思っております。
 すなわち、個人及び中小企業に重点を置いておるということでございまして、例えば設備投資あるいは研究開発にいたしましても、中小企業者がそれの適用を受けやすいような項目、対象を非常に重点的に盛り込んでおるということが一つでございます。もちろん、大企業も研究開発は積極的に活用できるようにしておりますけれども、中小企業者が使いやすいように配慮しておることが一つ。
 それから、中小企業対策としても、内部留保の廃止であるとか、あるいはまた交際費の関係等いたしましたし、個人に重点を置いたということでございまして、個人の資産が流動化して、より一層経済の活動に参加してくれるようにということで、親の財産が子供に移行しやすいような措置を講じたということが一つ。
 それからもう一つは、どうも、貯金がふえるけれども株式投資はふえないということでございますので、貯蓄から投資へとの流れをつくっていくために、証券税制を改正いたしました。今回の証券税制は非常に思い切った改正を制度的にいたしましたので、今のところ、私たち聞いておりますのは、非常に好評で、証券投資への一般の関心が向いてきておるのではないかと思っております。
 そういうことを通じまして、企業並びに個人の資産の流動化を通じまして、経済の活性化を図っていく方向に効果が出てくると思っております。
上田(勇)委員 ありがとうございました。
 ただ、今度の税制改正につきまして、いろいろ、マスコミとかでは、企業を減税して個人の負担を増加させるものだという批判がございます。
 もちろん、我が国の中小企業、大変グローバルな競争の中でしのぎを削っているわけでありますので、そこで技術革新や生産性を向上してもらうことが日本経済を立て直す上で必要でありますし、そのことによって個人にも利益が及ぶ、そういう図式というのはよくわかるんですけれども、ただ、ここで個人の負担が、税収中立というお話もありましたように、ことしの五月からは酒税やたばこ税も上がりますし、来年になると今度は所得税についても事実上増税になるということを考えれば、これは、どれだけの経済効果が上がっていくのか、その負担に見合うような経済効果が期待できるのかというようなことは、やはり今度の税制改正の効果をよく理解していただく上で、ある程度定量的な面での分析や効果の測定ということもこれから必要になってきているんではないかというふうに思います。
 今の時点で、では、これを数量化するということは非常に困難だろうというふうには思いますが、今後これをよりよく理解してもらう意味で、この経済効果、ある程度定量的な評価も必要なんではないかというふうに思いますので、ぜひその辺は、財務省におきましても御検討を要望させていただきたいというふうに思っております。
 もう一点、この税制改正の中で、NPOの税制がございます。長年、NPOの税制優遇の拡充というのは、私も含めまして、この国会の中でいろいろと取り組んできたわけでありますけれども、このたび、そういう意味では、収益事業に係るみなし寄附金制度が創設されたこととか、寄附金控除の対象となります認定NPOの要件が大幅に緩和されたなど、相当拡充されたという意味では評価できるというふうに私も考えております。
 欧米の主要先進国などでは、NPOが非常に大きな社会的また経済的な役割も果たしているわけであります。我が国ではまだ、それほど果たしているという段階ではないかというふうに思いますが、とはいっても、近ごろその数もふえておりますし、活動も非常に広範、活発になってきております。今回の税制改正によりまして、こうしたNPOの活動に対して、その財政基盤に支援が拡大できるわけでありますので、さらにそうした役割が強化されるんではないかということが期待されるというふうに思っております。
 今の内閣の基本的な方針の一つが、民間でできることは民間で行うということでございまして、これは何も経済活動だけではなくて、従来は公的セクターが担っていたような福祉とか教育とかあるいは文化の面だとか、そういったところも民間のNPO団体などがこれから担っていくというのが将来の社会像の一つなんではないかというふうに思います。
 そういう意味で、将来の日本の社会の中におきまして、こうしたNPOなどの民間の非営利団体の役割、また、そういった活動に対する御認識を伺えればというふうに思います。
谷口副大臣 今上田委員がおっしゃったように、最近、NPO法人の動きについて大変関心を持たれておるわけでございまして、NPO法人の民間非営利活動は、まさに、おっしゃったような、官から民への流れの中で、活力ある経済社会を築いていく上で大変大きな役割を果たすものと考えておるわけでございます。
 そういうこともございまして、十五年度税制改正におきましては、認定NPO法人制度につきまして、広く一般から支援を受けていること、適切な情報公開を行っていること等の現行の認定要件の基本的な考え方は維持しつつ、従来の認定要件の緩和、みなし寄附金制度の導入を行うこととしたわけでございます。
 若干具体的にお話をさせていただきますと、一つは、先ほど触れられましたが、パブリックサポートテストの要件を緩和させていただきました。また、活動範囲等が複数の市区町村に及ぶこととする広域性要件を廃止することにいたしました。また、海外送金に関する届け出につきましては、二百万円以下については事後届け出とするということになったわけでございます。また、それにつけ加えまして、認定NPO法人につきましては、みなし寄附金制度を導入いたしまして、あわせて、損金算入限度額を所得の金額の二〇%にするということにさせていただいたわけでございます。
 今後、できるだけ多くのNPO法人にこの制度を活用していただきたいというように考えておるところでございます。
上田(勇)委員 今、幾つか、今度の税制改正の減税の部分につきまして御質問させていただいたんですが、残念ながら、こうした減税の部分について、一般に十分知っていただいていないんではないのかなという感じがいたします。せっかく税制改正を行って、それによります経済効果を最大限に生かしていくという意味では、減税の目的であるとか内容、あるいはその期待している効果などについてもできるだけ多くの人に知ってもらうということが、やはり効果を発現する意味で非常に重要だというふうに思います。
 特にその中でも、こうした税制改正を活用できる人には積極的に活用してもらうことが必要だというふうに思いますので、その中でも、今度の減税の中では、ことしの一月にさかのぼって適用されるというようなことも、特に研究開発減税や設備投資減税のように、あります。
 これはやはり、次年度の事業計画を立てる意味では、早くそうした情報について知っていればそれだけ大きな経済効果が上がるんではないかというふうに思いますので、ぜひ財務省の方にお願いしたいことは、できるだけ早い時期に、前広に広報活動にも力を入れてもらいたい。そして、できるだけ多くの人たちに今回の税制改正の内容あるいは目的も知ってもらうような努力をしていただきたいというふうに思いますけれども、御見解を伺いたいと思います。
谷口副大臣 まさに、今おっしゃっていただきましたように、税制改正の内容につきましては、国民各層に深く理解していただくということで、従来から各種の広報活動をやっておるわけでございます。
 今回の十五年度税制改正案につきましては、一つは、持続的な経済社会の活性化を実現するためのあるべき税制の構築に向けたものである。従来の税制改正を上回るような抜本改正であったというようなこと、また、今おっしゃっていただきましたように、平成十五年の一月一日に遡及して一部は適用されるということもございますので、既に具体的に作成いたしておるわけでございますが、QアンドAを用いるとか、非常にわかりやすい形でのパンフレットをつくっておるわけでございます。財務局等を通じまして、国民の皆さんに周知をしていただくように、これからも積極的な広報活動を進めていきたいというように考えております。
 また、つけ加えますと、これから税制改正の御審議をいただくことになりますので、国民の皆様に誤解を与えないという観点で、この広報活動につきましては、平成十五年度税制改正については、国会の審議を経て関係法律が成立した後に実施されるという旨をつけ加えておるわけでございます。
 以上です。
上田(勇)委員 今回の税制改正によりまして、それはもちろん多年度税収中立というわけでありますので、経済的なプラスの効果が上がる部分、そしてやはりマイナスの効果の発現せざるを得ない部分と両方あるんですけれども、その辺は正しく認識をしてもらって、特に中小企業減税などは、中小企業の経営者がなるべく早く、どういう状況なのかをできるだけ多くの人に理解してもらうということが、やはり効果を最大限に発現することになるというふうに思いますので、ぜひ積極的にそういう広報に努めていただきたいと思います。
 それで、次に、今度は中小企業金融の関係で、金融庁で昨年十月に、貸し渋り・貸しはがしホットラインを開設いたしました。これは、今の中小企業金融の状況を考えれば、利用者のいろいろな苦情や意見が殺到するんではないのかなというふうに期待をしていたんですけれども、どうも聞くところによりますと、さほど利用されてはいないんじゃないかというふうに聞いております。今の多くの中小企業が金融機関による貸し渋りや貸しはがしに大変苦しんでいることを考えますと、若干意外な感じがいたします。そういう意味で、その理由をどういうふうにお考えなのか。
 また、もちろんこれは、中小企業の人たちがいろいろと実情を訴えるという意味での重要性もあるんですが、同時に、政府として、今の中小企業金融の実態がどうなっているかということを正しく把握する意味でも、もっともっと利用してもらった方がいいんではないかというふうに思いますので、もっと積極的な利用を図るべきだというふうに考えますけれども、御見解を伺いたいと思います。
伊藤副大臣 お答えをさせていただきたいと思います。
 先生御指摘のとおり、日本経済の根幹をなす中小企業の実態や実情というものをしっかり把握していくということは極めて重要であります。そうした観点から、金融再生プログラムに基づき、私どもとしまして、貸し渋り・貸しはがしホットラインというものを昨年十月の末に開設させていただいて、今日まで約四百四十件の情報が寄せられているところでございます。
 ただ、私どもとしても、やはり広報をより強力に展開していかなければいけないというふうに考えておりまして、今日まで、地方自治体でありますとかあるいは商工会議所、商工会に対しまして、PR用のリーフレットを作成させていただき、配布させていただいておりますけれども、より積極的に、関係する団体にこのホットラインについての広報活動を一生懸命展開していきたいというふうに考えております。
 ホットラインで受け付けた情報についてでありますが、これは監督そして検査の部局において、内容を整理、分析いたしているところでございます。今後、個別の金融機関に対するヒアリングや実地検査に当たって、これらを重要な情報として活用していきたいというふうに思っております。
 また、その結果として、金融機関の融資や資金回収に係る体制面等に重大な問題があると判断される場合には、その金融機関に対して報告徴求を行うこととし、さらに必要があれば、貸し渋りや貸しはがしに重点を絞った検査を実施するなど、適切に対応していきたいと考えております。
上田(勇)委員 今御答弁にもあったんですけれども、先日、私も、地元で中小企業を経営している方にちょっとこのホットラインの話をしたときに、その方がおっしゃるのには、どうせこのホットラインにいろいろな苦情を伝えたりあるいは情報を提供したとしても、結局は聞きおかれるというだけで、その後何か善処してくれるのか、行政としてきちんと対処してくれないんではないか、結局、声を寄せてもむだになってしまうというような声がございました。皆さんがこうした見方をしているというわけではないと思いますけれども、こうした声があるというのはとても残念なことだというふうに思います。
 今、伊藤副大臣の方からも、このホットラインに寄せられた声については金融庁としてしっかりときちんと対応していくという御答弁がありましたので、ここに寄せられたさまざまな声は、意見を言えば、それが適切なものであれば、今の金融行政の中で改善されるんだという信頼性が必要だろうというふうに思いますので、ぜひよろしく対応していただきたいと思います。
 次に、竹中大臣の先ほどの所信の中で、生命保険をめぐる諸問題につきまして言及がございました。「生命保険をめぐる諸問題については、引き続き幅広く勉強してまいりたい」ということでございましたけれども、この「諸問題」の中には、今いろいろと論議があります予定利率の見直し問題も含まれた趣旨なんではないかというふうに理解をいたしました。生保の逆ざやの現実、あるいは近年の生保数社が破綻をしたというようなことを考えれば、この問題はやはりしっかり検討していかなければいけない問題であるのは間違いがないと思います。
 しかし、予定利率を見直すということになりますと、契約者にとっては不利益が及ぶ契約の変更になりますので、これは慎重に考えていかなければいけないことなんだろうというふうに思います。
 ただ、経営悪化を放置しておいて破綻してしまうと、今までの事例などから見ると、契約者にとってはかえって不利になるというようなこともあり得るわけでありますし、また同時に、そこには公的資金が投入される、税金が投入されるというようなことも考えておかなければいけないので、早い段階で対応しなければいけない問題だろうというふうには認識をいたしております。
 大臣の先ほどのお話の中でも、詳しくはこれから勉強するということでありますけれども、私は、その際には、契約者側に著しい不利益が生じるというようなことはやはり避けなければいけないわけでありますので、一つには、その会社が将来破綻するかもしれないというような可能性もあるんだ、そういうような蓋然性、あるいはその際には契約者にもっと不利益が及ぶことも予見されるということが前提だろうというふうに思いますし、また、その見直しを行う場合には、それぞれの会社におきます手続が厳格で透明で、契約者にとっても納得のいくようなプロセスが必要なんだろうというふうに思います。
 また、これまでに払い込んだ保険料、その運用については、基本的に今までの契約にのっとっているわけでありますので、見直しというのは、これから先のことに限られるべきなんだろうというふうに思いますし、あわせて、契約者側だけがそういう負担をするというようなことがないように、会社側も経営責任の問題やリストラをしっかり行って、公平な負担が図られるということも必要なんだろうというふうに思っております。
 詳しくはこれから勉強するということでありますが、今ちょっと基本的な考え方について見解を述べさせていただいたんですけれども、大臣、御所見があれば伺いたいと思います。
竹中国務大臣 上田委員はこの問題に大変お詳しいというふうに聞いておりましたが、まさに考えなければいけない非常に難しい問題でありますが、それぞれの立場から考えなければいけない問題点を非常に適切に御指摘してくださったのではないかというふうに思っております。
 現実問題として、逆ざやは存在しておりまして、経営上もなかなか難しい問題になっている、これは否定できない問題であろうかと思います。しかし、何といっても、やはり考えるべきは契約者の利益の問題でありまして、どういう措置をとるのが契約者の利益になるのか、ここが揺るがせない議論の起点であろうかと思います。
 同時に、いろいろな可能性を今考えているわけでありますけれども、そのときに、責任の問題、モラルの問題、実に考慮すべき問題がたくさんある。だれしもが納得できる解決策というのはなかなか容易に出てこない性格の問題であろうかと思いますので、まさしく今、幅広く、先生御指摘のような点を踏まえながら、一生懸命汗をかいて勉強しているというところでございます。我々なりにもう少し勉強した上で、これはきちっとプロセスを踏んで、問題点を広く皆様方に御議論していただけるように努力をしたいというふうに思っております。
上田(勇)委員 具体的にはこれから検討されるということでありますけれども、先日テレビを見ておりましたら、この予定利率の見直しの問題を扱っておりまして、その解説では、満期時に受け取れる額が随分減ってしまうというような形で解説をしておりまして、どういう計算でそういうような想定が出てきたのかわかりませんけれども、私が考えているよりも、必要以上に不安をあおっているような内容だったという印象を受けました。
 生命保険というのは、本当に契約者がたくさんいます。勤労者であれば、大体生命保険に入っているという人が多いでしょうし、それだけ影響の範囲が大きいということは、やはりこの問題が非常に重要なことなんではないかというふうに思います。
 この問題について、こういうような非常に不安感が大きくなっているというのは、その原因の一つは、政府から提供される情報が余りにも少ないんじゃないか。知らないから、どうしてもいろいろな憶測だけが飛んで、かえって不安感が増幅されるというようなことになっているのではないのかなという気がいたします。
 もちろん、これは、今お話にもあったように、影響が及ぶ範囲が広くて、しかも大きいということから、慎重に対応されているということはよくわかるんですけれども、そうした無用な不安の増幅を避ける意味からも、やはりもっと開かれた、オープンな議論をする、情報を提供していくということも重要なのではないかというふうに思いますので、ぜひ考えていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
竹中国務大臣 御指摘のように、いろいろ最近、新聞、テレビの番組等々でこの問題が取り上げられていることを承知しております。改めて、この問題の影響力の大きさ、問題の重要さというのを我々自身も認識しているわけでございます。
 保険というのは、そもそも仕組みが難しくて、商品性といいますか、それぞれの商品設計が非常に多様で複雑になっているということも手伝って、いろいろ憶測を呼んでいる。我々としては、逆に、政府が何か一つの方向を決めたような形でとられるというのを一番心配しておりまして、その意味でしっかりと勉強しているというのが現状でございます。
 これは、先ほど申し上げましたように、ある段階で、我々なりの議論の整理をしっかりつけた段階では、ぜひきちっと御説明をして、やはり広く、わかりやすく御議論をいただかなければいけない重要な問題だと思っております。委員御指摘のような点に非常に注意を払って、進めていきたいというふうに思います。
上田(勇)委員 ありがとうございました。以上で質問を終わらせていただきます。
小坂委員長 次回は、来る十二日水曜日午後五時十分理事会、午後五時二十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時十四分散会


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