衆議院

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第15号 平成15年5月16日(金曜日)

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平成十五年五月十六日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 小坂 憲次君
   理事 金子 一義君 理事 林田  彪君
   理事 渡辺 喜美君 理事 生方 幸夫君
   理事 松本 剛明君 理事 上田  勇君
   理事 中塚 一宏君
      上川 陽子君    倉田 雅年君
      小泉 龍司君    坂本 剛二君
      砂田 圭佑君    田中 和徳君
      竹下  亘君    竹本 直一君
      中村正三郎君    萩山 教嚴君
      林 省之介君    増原 義剛君
      山本 明彦君    山本 幸三君
      五十嵐文彦君    井上 和雄君
      上田 清司君    大島  敦君
      大谷 信盛君    佐藤 観樹君
      中津川博郷君    永田 寿康君
      平岡 秀夫君    石井 啓一君
      遠藤 和良君    黄川田 徹君
      達増 拓也君    佐々木憲昭君
      吉井 英勝君    阿部 知子君
      植田 至紀君    江崎洋一郎君
      金子善次郎君
    …………………………………
   国務大臣
   (金融担当大臣)     竹中 平蔵君
   内閣府副大臣       伊藤 達也君
   財務副大臣        谷口 隆義君
   財務大臣政務官      田中 和徳君
   政府参考人
   (金融庁総務企画局長)  藤原  隆君
   財務金融委員会専門員   白須 光美君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十六日
 辞任         補欠選任
  小泉 俊明君     大島  敦君
  仙谷 由人君     大谷 信盛君
  達増 拓也君     黄川田 徹君
  江崎洋一郎君     金子善次郎君
同日
 辞任         補欠選任
  大島  敦君     小泉 俊明君
  大谷 信盛君     仙谷 由人君
  黄川田 徹君     達増 拓也君
  金子善次郎君     江崎洋一郎君
    ―――――――――――――
五月十五日
 公認会計士法の一部を改正する法律案(内閣提出第一〇六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 公認会計士法の一部を改正する法律案(内閣提出第一〇六号)


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     ――――◇―――――
小坂委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、公認会計士法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。金融担当大臣竹中平蔵君。
    ―――――――――――――
 公認会計士法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
竹中国務大臣 ただいま議題となりました公認会計士法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 政府は、証券市場の公正性及び透明性を確保し、投資者の信頼が得られる市場を確立する等の観点から、公認会計士監査の充実及び強化を図るため、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、公認会計士の使命、職責を明確化することとしております。
 第二に、公認会計士及び監査法人の被監査会社等からの独立性を強化することとしております。具体的には、監査証明業務と一定の非監査証明業務の同時提供を禁止するほか、公認会計士が同一の会社等を一定期間以上継続的に監査することを制限するなどの措置を講ずることとしております。
 第三に、公認会計士及び監査法人に対する監視監督の機能の充実強化を図ることとしております。具体的には、監査法人等の業務運営の適正性を監視するための行政の立入検査権を導入するほか、監査法人の内部管理等についての日本公認会計士協会による指導や監督を行政が監視する制度を設けることとしております。
 第四に、公認会計士試験制度の見直しを図ることとしております。具体的には、公認会計士の質を確保しつつ多様な人材を輩出していくため、現行の試験体系を簡素化するほか、一定の実務経験者などに対して試験科目を一部免除するなどの措置を講ずることとしております。
 第五に、監査法人の社員の責任を一部限定することとしております。具体的には、指定社員制度を導入し、監査に関与しない社員の責任を限定することとしております。
 第六に、規制緩和を推進することとしております。具体的には、広告事項の制限を廃止するほか、監査法人の設立等についての認可制を届け出制に改めるなどの措置を講ずることとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
小坂委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
小坂委員長 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として金融庁総務企画局長藤原隆君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
小坂委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
小坂委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。増原義剛君。
増原委員 公認会計士法の一部改正の法案に対する質問に入る前に、竹中大臣に一つ御質問したいと思います。
 と申しますのは、先般、証券市場の活性化策につきまして政府の方でお取り組みになったということを聞いております。
 今の低迷する株価でありますが、いろいろな要因がもちろんあると私は思います。経済の実態が一体どの程度のものか、あるいは投資家から見て魅力ある商品がきちっと市場に提案されているのか、さらには、いわゆる需要と供給のバランスが一時的にせよ崩れているのではないかといったようなこと、いろいろあると思います。
 大臣は、今の低迷する株価、お聞きするところによりますと、今の株価は必ずしも実体経済の基礎的なものをあらわしているとは思えないというふうな御発言もあったやに聞いておりますが、私自身は、個人的にはやはり、いろいろ理由はありますけれども、いろいろな要因でもって、例えば厚生年金基金の解散とかといったようなことをもちまして、いわゆる売り、供給が過度に出ていて、株式市場における需給のバランスが崩れているのが大きな原因ではないかというふうに思っておりますけれども、大臣の御所見をお聞かせください。
竹中国務大臣 本日、公認会計士法について御審議を賜るわけでございますけれども、その背景にある一つの要因としても、多くの投資家から信頼を得るような市場を形成していく必要があるという問題意識でございますので、その意味で、冒頭で証券市場の問題について御指摘をいただいたのは大変ありがたいというふうに思っております。
 言うまでもありませんが、株価の変動要因を特定するのは大変困難でございまして、私自身、今の株価が正しいか間違っているかというようなことに関して、特に意見を申し上げたことはないつもりでございます。ただ、一般に市場で指摘しておられますのは、もちろん株価というのは、経済の活性化をしてそれが株価に反映していくというのが大前提でございますから、構造改革を通して経済を活性化していく、そうした期待をまた市場参加者に持っていただくというのが大変重要な問題であろうかと思います。
 ただ、現実問題としましては、委員少し御指摘くださいましたように、現実には、企業は増益している、日銀の見込みによっても、ことしは増益見込みである。そうした中で、バブル崩壊後最安値をつけている、そういう事実はやはりございます。その意味では、いろいろな要因があるわけでございますけれども、当面の需給が現実に何らかの大きな力を及ぼしているという点はやはり無視できないのではないかと思っております。
 そうした観点から、与党の金融政策プロジェクトチームでも大変貴重な御提言をいただきました。また、経済財政諮問会議の民間議員からも、ほぼ同様の視点からの御提言をいただきました。そういう御提言を受ける形で、今週の月曜日と水曜日、関係閣僚が集まりまして、まさしく証券市場の構造改革と活性化に向けて、早急に行うべきことと今年度中に行うべきこと、さまざまな要因を考慮しながら引き続き検討することと分けて、我々なりの対応策を検討しました。その項目は十三項目に及んでおります。
 今申し上げたように、非常に多様な要因があるものですから、我々の方も多様な対応が必要であろうかと思っておりますが、厳しい問題意識を持って、先般の閣僚の決定を受けて行動に移していきたいというふうに思っているところでございます。
増原委員 今、大臣の御答弁、いろいろ要因があるというお話がございました。
 このたびの十三の施策のうち、中長期のものもあればいろいろありますけれども、私は、どうも株式市場における需給のバランスが崩れているという意識を持っているものですから、そういう切り口から見た場合において、いわゆる需要喚起対策というんでしょうか、そちらの方と見るべき施策、また一方において、過度の供給を、売りを抑制するような施策、この二つで仮に切ってみた場合でありますが、十三の施策のうち、どういうものが需要喚起策になり、逆にまたどういうものが過度の売りを抑制する施策になるというふうにお考えなのか、ちょっとその点につきまして御説明いただければと思います。
竹中国務大臣 増原委員御指摘のとおり、短期的に、特に需給のゆがみがあるのではないかという点は、繰り返し申し上げますが、大変重要なポイントであるというふうに思っております。
 具体的に需要供給、それぞれどういう対応策を考えているかということでありますけれども、供給、売り圧力になっているものとして、かねてから指摘しておりますのは、持ち合い株の解消の問題がございます。特に、その中には、銀行の保有株を、銀行の経営を安定させるために、リスクの高い株を余り持っていない方がいいということで、これを制限しているという要因もございます。したがって、それが要因になっている。
 そういったものに関しましては、株式買い取り機構の機能を強化するということで、これは与党の先生方に大所高所から、議員立法の対応も含めいろいろ御検討賜っていただいておりますが、我々としても、そうした先生方の御努力とあわせて必要な努力をしていきたいというふうに思っているところ、そうしたことが今回の対応の中にも示されてございます。
 失礼しました。ちょっと今の説明は順序が逆になりましたけれども、売りの方を少し抑えるという意味では、株式保有制限の施行時期を、当初考えていたものよりも、その後BISの規制が変わりましたものですから、それを二年先にするということでプロジェクトチームから御議論をいただいておりまして、それに対して我々も適切に対応していきたいと思っているところでございます。
 さらには、売りに関してはいわゆる年金の代行返上の問題がございます。これについては坂口大臣の方で、その実施の時期を前倒しするというようなこと、さらには物納の条件を緩和するということについて、可能な範囲で適切に対応するというお約束をその場で坂口大臣はされたわけでございます。
 今度は、買いを増すということに関しましては、先ほど言いましたように、株式買い取り機構の機能をさらに強化していくということ、これが重要な役割を果たそうかと思います。さらに、この中には日本銀行の対応を期待するということも含まれますし、さらには例の確定拠出年金を普及させる、さらには従業員の株式の所有プランである、アメリカではESOPといいますが、そういうことについても今後引き続き検討をしていく。
 そういった内容が、ちょっと御説明が前後して大変失礼いたしましたが、それぞれの対応策として盛り込まれております。
増原委員 わかりました。ぜひ有効な施策としてこれが機能しますよう、我々与党としましても十分頑張っていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、法案の質問に入らせていただきたいと思います。
 このたびの公認会計士法の改正、これはかなり思い切った改正に大きく一歩踏み込んできているなという感じを私は持っておりまして、その内容と方向性につきましては大いに評価できるというふうに思っております。その中で、さはさりながら、その内容につきまして、幾つかよくわからない点あるいは疑問に思っている点等があるものですから、この場をかりまして御説明をいただきたいと思います。
 まず第一点は、公認会計士の独立性の問題でありまして、その中でも、監査証明業務と非監査証明業務の間のいわゆるファイアウオールでありますけれども、これにつきまして、その内容が一体どうなっているのか、その考え方はどうなのかということにつきまして質問をさせていただきます。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 米国におきますエンロン社等の不正会計事件や、あるいは我が国におきます近年における虚偽証明事件、この背景には、監査人と被監査会社の癒着による粉飾決算を見逃す等の問題があったというようなことが指摘されております。
 これらの指摘を踏まえまして、監査の公平性、信頼性の向上を図りまして、会計士及び監査法人が被監査会社から独立していることを実質的にも外観的にも維持するために、大会社等に対しまして、監査証明業務と一定の非監査証明業務とを同時提供することを禁止するための措置を講ずることといたしております。
 具体的な禁止対象となります非監査証明業務につきましては現在精査中でございますが、考え方といたしましては、一つには、被監査会社の経営判断にかかわることを防止する、もう一つは、監査人みずからがなした業務をみずから監査するいわゆる自己監査、そういうことをすることを防止するという観点から、現在、アメリカにおきます企業会計改革法などの諸外国の改革の動向も踏まえつつ、禁止条項につきまして内閣府令で明確にすることを検討いたしているところでございます。
増原委員 具体的に言えば、公認会計士法の二条の一項と二項ということになるんですか。どうも、改正法案のそのものには出てきていないものですから、非常にわかりにくいなという感じがいたしております。
 二十四条の二の、二つありますね、「内閣府令で定める」という表現が。その中の二つ目の、「第二条第二項の業務(内閣府令で定めるものに限る。)により」と書いてありますけれども、この内閣府令につきましては一体どんなものを規定しようと思っているのか、御説明いただきたいと思います。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 現在検討中でございますが、制限の対象となります業務につきましては、先ほど申しましたように、米国の企業会計改革法に倣いまして、今念頭に置いておりますのは、こういうものを内閣府令で規定する方向で検討しております。
 一つには、記帳業務でありますとか財務書類、会計帳簿に関する業務、二つ目は財務・会計情報システム設計でありますとか、三つ目は現物出資財産評価に関する業務でありますとか、四つ目は保険数理業務、以上申し上げましたものは自己監査に類するものでございますし、そのほかに、内部監査の外部委託に関する業務、さらにはブローカー、ディーラー、投資アドバイザー、投資銀行業務、さらにこれらに準ずる業務でございまして、経営判断に関与するおそれのある業務、またはその監査する財務書類をみずから調製する業務に該当すると認められる業務、こういうものを今考えております。(発言する者あり)
増原委員 今不規則発言が出ておりますけれども、要するに国民の権利義務にかかわってくるものなんですね。こういうものはすぐれて法律事項であろうと私は思っているんです。
 そういう意味で、そういったものを国会できちっと審議をすることが大事なのであって、それをいやしくも裸でといいましょうか白紙委任的に政省令にゆだねるというのは、私は法制としてはおかしいというふうに思っております。
 この点につきまして、よく政府の方は考えていただきたい。いかに政府部内でいろいろな審議会をやりますとか利害関係人の意見を聞きますとか言いましても、いやしくもそれを決めるのはやはり国権の最高機関である国会が、立法府がそれをしっかり見ていくというのが大事なことなのであって、そういう大事な内容につきましては、ぜひこれからは法律できちっとするようにしていただきたいというふうに思います。
 それでは、第二点目に移らせていただきたいと思います。
 第二点目、いわゆる我が国の資本市場のインフラとしての公認会計士制度の充実強化、私は極めて重要であるというふうに思っておりますが、その充実強化策につきまして四点ばかり、時間の許す限り質問させていただきたいと思います。
 まず第一点は、公認会計士の量的拡大を目指しているというふうに聞いておりますが、国際的な比較も含めて、その拡大を図る考え方、あるいは定量的なものを含めましてお話しいただければと思います。
伊藤副大臣 お答えをさせていただきたいと思います。
 我が国の公認会計士の数は約一万四千人でございまして、アメリカの約三十四万人と比較をしますとかなり少ないものがございます。
 現在の経済社会を見ますと非常に複雑化し、多様化し、国際化しておりますので、公認会計士業務の質的そして量的な需要の増大に対応していくことが大変重要な課題だというふうに思っております。また、監査の質を高めていくためには、外部からの監査だけではなくて、企業の内部監査の充実も大変重要なものだというふうに思います。
 このためには、公認会計士試験の受験者層の多様化と受験者数の増加を図って、そして一定の資質を有する公認会計士を経済社会に多数輩出していくことが必要であるというふうに考えております。
増原委員 今、伊藤副大臣の御答弁の中で需要という面がありましたが、その点について私は非常に懸念していることがあります。それとの関連で、第二点目にそれでは移らせていただきます。
 欧米に比しまして、我が国の一千四百兆とも言われている個人金融資産に占めるいわゆる直接金融の割合、これは極めて低いですね。一割以下といったような状況になっております。これはなぜかという点にも絡んでくると思うんですけれども、企業会計制度、あるいは法人の財務監査に対する関心、こういったものが欧米に比べてかなり違っていたのか、あるいはニーズが、さっき需要と言われましたが、それがなかったために、今のように一万四千人ですか、そういうふうな状況になっているのではないかなと。要すれば、間接金融主体の我が国と、直接金融がサブ的な金融市場の中における問題点というんでしょうか、そういったものが如実にあらわれているのではないか。
 ですから、逆に言いますと、確かに、グローバリゼーションがありまして、そのニーズは徐々にふえてきていますが、企業側から見て、あるいは投資家から見て、ニーズが一体どの程度のものなのか。今、大量に、公認会計士制度、試験も含めて緩やかにしまして、もちろん質は確保する必要がありますけれども、どんどん出していくとしましても、果たしてそれに正当な対価を支払うかどうか。はっきり言えば、監査証明業務に対して企業がきちんとした対価を払おうというような状況になっているかどうかというのも非常に大きいと思うんですよ。
 ですから、公認会計士の量的拡大だけでもって果たしていいのかどうか。もう少し企業側にきちんとした監査業務を義務づけるような、それをもっともっとやらないと大変なことになるよといったようなことがないと、量的拡大をするといいましても、それはなかなか難しいのではないかという気がいたしております。それと、今の一万四千人を一体どの程度まで広げたい、充実したいと思っておられるのか。その点につきましても御所見を伺いたいと思います。
伊藤副大臣 先生から大変重要な御指摘がございまして、先生御指摘のとおり、現在、個人金融資産に占める直接金融のシェアが欧米に比べて低いところがございます。これを拡大していくということも大変重要でありまして、そういう意味から、貯蓄から投資への流れを加速して、そして、今まで証券投資を行ったことがない個人投資家を含め、幅広い方々が投資家になり、証券市場へ参加していただく、そのことを促進していくことがやはり必要だというふうに考えています。
 こうした観点から、今回、個人投資家にとって参加しやすく信頼できる証券市場とするため、身近な金融機関などで証券を購入できるようにするなどを内容とした、先般御審議をいただいた証券取引法等の一部を改正する法律案を国会で御審議をお願いさせていただき、そして、それとともに、今公認会計士法の改正について御審議をお願いしているところでございます。
 今回の改正案におきましては、公認会計士の独立性の強化、そして監視監督体制の充実強化とともに、公認会計士の質を確保しつつ量的な拡大を図っていきたいというふうに考えているところでございます。このような公認会計士制度の見直しが、証券市場の活性化のための他の施策と相まって、今まで証券投資を行ったことがない方も含め、個人投資家の証券市場への積極的な参加を促進し、直接金融の拡大に資するものと私どもも期待をしておりますし、こうした流れの中で、先生御指摘のとおり、やはり企業の側の意識改革も進めていかなければいけませんし、そうしたことを認識して私どもも対応していかなければいけないというふうに思っております。
増原委員 量的に一体どの程度を目途に拡大するかということについては御答弁がなかったんですけれども、一万四千人ぐらいを五万人ぐらいにするといったようなことも漏れ承っております。もちろん、ある程度量がいけば、ある時点からそれが質に転換してくるという面はあろうかと思います。
 そういう意味で、公認会計士の方々、きょうもかなり来られていますけれども、大いに競争して切磋琢磨をされるという意味でも、人数をふやしてもいいんだろうとは思いますけれども、先ほどの株式市場じゃありませんけれども、要は需要と供給なものですから、むしろ需要側を、正当な需要をきちっと喚起するようにしていかないとなかなか難しいんだろうというふうに私は思っておりますので、そこらあたり、アクセルとブレーキではありませんけれども、きちんとよく見ながらそれを進めていっていただきたいというふうに思っております。
 それから第三点でありますが、時間の都合上、次に移らせていただきます。
 皆さんも既に御承知のように、日本とドイツには、会計士制度とは別に税理士制度というものがあります。この公認会計士制度との役割分担についてどのように考えていったらいいのかなということを私は思っておりまして、例えば、日本でも大都市にいらっしゃる公認会計士の方々は、まさに監査業務をやられている。しかし、そうでないところ、データも見させていただきましたけれども、四大監査法人とか、あるいはパートナーシップを組まれてやっていらっしゃるとか、そこそこのところはちゃんと監査業務をやっておられますけれども、私の友人の一人会計事務所なんかは、これは監査業務ではないんですね。税理士業務、これで収入の大半を得ているというのが実は実態なのであります。
 一万四千人というふうに申しましたけれども、かなりの方は、実は、監査業務というよりも、そのニーズがないわけですね。御承知のように、上場している法人であるとか、商法の特別法人であるとか、特別の企業であるとか、そういうものについては監査証明の部分を義務づけていますけれども、そうでないところが多いわけであります。
 圧倒的に、法人の数でいえば、中小企業なんかはそうではない。むしろ、彼らのニーズは何かといいますと、税務なんですよ。とりわけ、今のように厳しい状況にあったら、実質的には赤字なんだけれども、形式上何とか黒を出して納税証明がとれるようにならないと、銀行からの融資にも差し支えるとか、あるいは指名競争の指名にも入らないとか、こういった実態が実はそこにあるわけであります。
 もちろん、別にそれをよしとしているわけではありません。ありませんけれども、そういうときに、公認会計士が担う役割と税理士が担う役割、これを将来的にどう考えていくかということにつきまして、御答弁を賜れればと思います。
伊藤副大臣 先ほどから御指摘をいただいておりますように、これから証券市場の健全な発展を実現していって、その中でニーズが起きていく状況というものが大変重要だというふうに思っております。
 今回の公認会計士法の改正におきましては、公認会計士監査制度の充実強化を目的とするものでありますので、従来の監査証明業務の範囲、税理士業務を行うことができる公認会計士となる資格を有する者の性格を何ら変更するものではございません。公認会計士と税理士は、異なる使命と職責を有しつつ、五十年余りの間、職業会計専門家として併存してきたものでございまして、公認会計士制度と税理士制度との役割分担につきましては、中長期的な観点から、関係者の間での十分な議論が必要ではないかというふうに考えております。
増原委員 この場で今すぐそれをどうこうというのはなかなか難しいんだろうなという気はしますが、税理士制度というのは、先ほど申し上げましたように、日本とドイツに特有の制度であります。他の国々にはない制度でありまして、そうしますと、それはなぜそういうふうになっているかというところが一つの大きなポイントだと思うんですね。
 はっきり言いますと、中小企業で、もちろん非上場の中小企業という場合は、直接個人投資家を相手にしているわけではない、金融機関とか、財貨・サービスの売買をする取引の相手方になってくるわけですね。もちろん、そういう方々にも適正に、ある程度財務内容は出さなくてはいけませんけれども、大企業、不特定多数の一般投資家を相手にしている場合とはおのずから情勢が異なってくるわけであります。
 そういう意味で、中小企業の企業会計のあり方、今金融庁でも、企業会計につきまして、民間の機構、これは任意団体なんですか、それでいろいろ議論をされているようでありますが、大企業を中心とした不特定多数の投資家を対象とする会計制度のあり方と、そうではないケース、それについて何か御所見をお持ちであれば、お伺いしたいと思います。
竹中国務大臣 まさに委員の御指摘は、いわゆる企業会計と税務会計の間をどのように考えていくか、これは大変難しい問題なのだと思っております。
 ちょっと私ごとで大変恐縮なんですが、本当に私ごとで、私の弟は実は公認会計士をしております。若い学生のころ、一生懸命勉強しておりました。同じころ、私は、職業会計人を目指していたわけではありませんけれども、やはり勉強しておきたいなということで、税理士の試験の部分科目を、法人税とか簿記とか財務諸表とかを勉強させていただきました。これは大変役に立っていると思っているんですが、実は、そのときに、いろいろ弟と話していますと、どうもやはり違うところがあると。本当に若い、問題意識のないころでありましたけれども、大変素朴に、どう考えたらよいのかなと思った経験がございます。
 今まさに増原委員御指摘になったように、企業会計というのは、これは債務者や投資家の保護を目的として、それを主たる任務としている。税務会計は、課税所得の公平、適切な算定を目標とするものである。それぞれ、目的に応じた適切な取り扱いがあるということだと思います。
 欧米を見ましても、課税所得の算定においては、商法決算を基礎とする確定決算主義を採用している国もある。一方で、確定決算によらないで、独自に算定する方法を採用している国もある。日本では、御承知のように、確定決算主義によって、基本的には商法決算及び企業会計を基礎として課税所得が算定されるわけですが、税法には、課税の公平性、公正性の確保という要請があること、さらに加えて、特定の政策的課題、いわゆる政策減税をどう行うかとか、そういう政策課題がありますので、企業会計の違いが生じることはやむを得ない面がどうしても出てくるのだというふうに思っております。
 大変大きな問題でありますので、まさに御専門家の皆様に引き続き制度の進化について御議論いただかなきゃいけないと思いますが、企業会計と税務会計の差に出てくる繰り延べ税金資産というのは、そのすき間を埋める象徴的な項目でもあります。我々としても引き続き勉強していきたいと思いますが、それぞれ独自の国、社会が培ってきた制度がありますので、それはそれでやはりきちっと重視していかなければいけないというふうに考えております。
増原委員 わかりました。私もかなり難しい問題だろうなというふうに思います。
 ただ、それを考えるときに、要は企業会計制度と税務会計、これはできるだけオーバーラップするというのでしょうか、差異を少なくしていく、そこは何らかの合理性でもってそうなると思うんですね。ですから、制度的にその差異を少なくしていくことが大事である。
 それからもう一方で、不特定多数の大企業を中心として投資家に対してどうするかという場合と、中小企業のように、不特定多数ではない、特定であるという場合における財務の公平性といったようなものは、おのずとその厳しさに濃淡があっていいのではないか。私はむしろ、それぞれの業界を区分するというよりも、中長期的には、それぞれの業界が、公認会計士、まさに会計士と税理士というものが相互に乗り入れていく。
 今、公認会計士は一万四千人ですけれども、税理士の方は六万弱おりますね。もちろんこれが、監査証明業務などをできるという人はごく少ないだろうと思いますけれども。いずれにしても、企業にとってどういうニーズがあるか、そこらあたりをしっかり踏まえながら、そういう制度というものは今後考えていくべきではないかなというふうに思っておりますし、中長期的には、公認会計士と税理士とが、それぞれ自分たちの得意分野を生かしながら、相互乗り入れをしていくといったような方向に行くべきではないかなというふうに思っております。これは私の私見でございます。
 時間が参りましたので、以上をもちまして質問を終わらせていただきます。御答弁ありがとうございました。
小坂委員長 次に、佐藤観樹君。
    〔委員長退席、渡辺(喜)委員長代理着席〕
佐藤(観)委員 本題に入る前に、生保の予定利率引き下げの問題について、各マスコミ等も大変にぎわしくなっておりますので、これについて一言だけ申し述べ、かつ我々の要求を言っておきたいと思うのであります。
 というのは、これは保険業法の前の審議のとき、つまりセーフティーネットを張るときに既にこの話はあって、そして、一国会で二回も法案の改正を出すということは異例なことであります。このことは、民主党の、部門会議と言っておりますけれども、財務金融の部門会議と金融庁の間で、署名捺印はしておりませんが、メモで取り交わしたことであって、一国会で二回法案を出すということは異常なことであるということの認識、これは確かに、過去、ほかの法案が変わったんで、その関連で変わったという例は二回ありますけれども、そういうことはないんだよというのが原則であります。
 それともう一つ。もし今言われているようなことをやるんだったら、金融庁はディスクロージャーをもっとしなさい。そのことについてはついに金融庁は書きませんでしたけれども、我々の言っている意味は、ディスクロージャーをもっとしなければ契約者は納得しないということを申し上げて、その合意のもとにセーフティーネットの保険業法の改正というのはやった経緯があります。その経緯を踏まえて、恐らく来週か再来週には生保の予定利率引き下げの問題は出てくるんだと思いますから、そのことをまず踏まえておいていただいて、あとは私の私見でございますが、その前に、前提として。
 一体、例えば三%で切ったときに、平成八年以前の契約というものがどれぐらいあるのか。大体半々と言われておりますけれども、例えば六%受け取っている人が一割だというんだったら、これはまた問題の性格が違う。だけれども、半々だということになると、またこれは問題の性格が、随分重みが違ってくると思うのであります。公式に、六%近くの金利を払っているというものがどれくらい金額においてあるのか、契約口数においてあるのかというのは、どこにも出ておらぬのであります。これによって問題の性格が変わってきますから、このことを、もしきょう無理ならば、いずれの機会にはっきりしておいてもらいたいと思うのであります。
 それともう一つ。これは私の私見であり、部門会議でもまだ詰めておりませんけれども、今の金融庁の伝えられている案を見ますと、一方的にいわば契約者は損をすることになります。広い意味では損にはなりませんけれども、実態的には損をすることになるわけであります。
 では、経営者は何をやっていたのか。すべての生命保険会社が予定利率の引き下げをするというような状況なら話は別だけれども、言われておりますのは一部であります。その一部分の経営者というのは一体何をしていたのか。その経営者たちはどういう責任をとるのか。例えば給料をカットするとか、何らかのそういうことをしなければ、とても契約者は納得することにならぬと思いますので、ぜひ、そのことは頭に入れておいてもらいたいと思うのであります。
 逆の面でいえば、六%の金利のものをもらっている人というのは、ある意味では、国民的には、特権的とまで言わないまでも、この超低金利の中で六%のをもらっているというのは、それはちょっとおまえさん、多いんじゃないのと言うけれども、一方では、私契約ですから、私契約を何らかの格好で制限するという例は私は知らない。
 ということになりますと、この問題、尽きるところ、経営者の責任というものもはっきりしないと、契約者の方から見ると、何で自分たちだけが全部負担するんだと。もちろん、銀行が出しておるものやら、いろいろな、トータル、更生法を使ったときとどっちが得なんだという、広い意味で契約者というのはありますけれども、見る限りは契約者だけが一方的な負担をこうむるということになるわけでありますので、そのことを肝に銘じて、まず冒頭、大臣から、御答弁をいただく部分についてはいただきたいと思います。
竹中国務大臣 計数等々につきまして、ちょっと急にお答えできない点もございますので申しわけございませんが、基本的には、佐藤委員にはかねてから、この生保の問題で大変御心配をかけて、いろいろな御助言もいただいているというふうに認識をしております。
 大きく三点あったかと存じます。
 まず、我々まだ、かねて申し上げてきましたように、大変難しい問題を一生懸命勉強してまいりました。その法案を出させていただけるかどうかという最終的な結論を得ているわけではございませんが、お約束しましたとおり、我々としての論点の整理を今しまして、それをお出しして、御検討いただいて、さまざまな御意見を伺いながら法制化に向けての検討を進める段階に来たというふうに考えております。
 その過程で、今御指摘いただきましたさまざまな点については、できるだけ十分な配慮をして、幅広く御意見を伺いながら、議論も重ねながらやっていきたいというふうに思っております。特にディスクロージャーの問題は、我々もディスクロージャーを徹底させるという点に関しては、そういう方針は一貫しているつもりでございまして、それをさらに強力に進めたいというふうに思っております。
 どのぐらいの人がどのぐらいの予定利率のもとで契約をしているのか、若干技術的に難しい問題はございますが、審議会等々にお出しした資料等々で、必要がございましたらまた御説明をさせていただきたいと思っております。
 また、いずれにしましても、最後の点、委員が指摘されましたのは、要は、やはり契約者の保護が一番大事だろう、保険契約者の立場に立つことが一番大事だろうという点に集約されるかと思います。一方的な損をかけるものであってはならない、経営者の責任はやはり十分に何らかの見識を持った対応を保証するものでなければいけない、その点も、我々も契約者の保護が重要であるという立場を重視することが基本だと思っておりますので、先般の論点の整理を踏まえて、今のような視点に十分に配慮しながら、法制化に向けた検討を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
佐藤(観)委員 それでは、本題の公認会計士法の改正の問題に移りたいと思います。
 御承知のように、平成十年十月二十三日に長期信用銀行は、金融再生法第六十八条二項に基づきまして即日特別公的管理下に入ったわけであります。何も長銀を出さなくても、ほかの例でもいいんですが、長銀が一番衝撃的でしたから長銀の例を出しますが、国民から見ると、長期信用銀行という、国が関与している銀行が突然、一言で言えばつぶれたわけですね。
 その経過については、皆さんの方から「破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告」というのが平成十二年の八月に出ていて、「特別公的管理の開始決定が行われる状況に至った経緯」ということで、十二月の十六日に長銀が出し、かつ平成二年からの状況がずっと細かに書いてあって、極めてドラマチックに書いてある。
 これは、「内部調査委員会調査報告書に基づく総括報告書」というものであります。これは平成十一年十二月の十六日に長銀が出したものでございまして、これを下敷きにして、そして、私も余りはっきりわからないんだけれども、平成十年、九年、八年、七年の有価証券報告書というのを見てきたんです。
 そうすると、余りにも落差が大きいというんでしょうか。つまり、不良債権が膨大になり、最終的には、判決が昨年出ましたように、頭取以下役員三人が、配当してはいけない状況なのに配当したということで、これは控訴中でありますけれども、判決が有罪として出ております。
 それまでの有価証券報告書というのは一体どうなっているかといいますと、つまり、時間がないから簡単に言いますと、一般に公正妥当と認められる監査基準に準拠して、通常実施すべき監査手続を実施したということで、中身については、各項目に書いてある数字というのは正しいんだと思うんです。私は正確にわからない、正しいんだと思うんですが、正しい数字がずっと出ていて、最終的に金融機関が破綻する。これは平成十年だけの話ではなくて、八年、九年でも同じように、通常公正と認められる、正当妥当と認められる監査基準に基づいて監査しました、そして最終的には適正であります、一言で言えば、経営成績を適正に表示しているものと認められるということが書いてあるわけですね。
 それから、半期ごとの報告書というのも出ておりますけれども、これも書きぶりは同じように、一般に公正妥当と認められる中間監査の基準に準拠しということと、これらの書いてある数字は有用な会計情報を表示しているものと認める、こういうことが書いてあるんですね。
 この有価証券報告書なり半期の報告書なりを読むと、どうして金融機関が破綻したんだというのはちっとも読めてこないんですね。確かに、経営判断というのは公認会計士はしないし、それから、破綻に至るまでの報告書の中には経営判断の問題も入っているし、善管条項も入っておりますし、その他いろいろ条項も入っているが、全般の長銀が力があったときにはやってもいいけれども、力がなくなったときにはやってはいけないんだということも報告書の方には書いてあるわけです。
 それで、問題は、私がこれから非常に重要な問題だなと思っているのは、この公認会計士法を今論議するときに、こちらにある報告書というものと、これはとてもじゃないけれども全部読み切らぬから、三年分だけです。三年分だけの報告書で書いてある最終的な報告の部分と、こちらの方の破綻に至るまでの経過、これは本当にドラマチックで、何か小説でも書けるような大変いい報告書だと思うんですが、最後がまたしゃれておりまして、一番最後のところ、「長銀は長年にわたりディスクロージャー回避のために手を尽くし、その経営実態について市場を欺き続けていたのであるが、ついに最後には市場に暴力的に報復されたのである。」という極めて文学的な表現が書いてあるわけです。
 問題は、重ね重ね言いますけれども、監査法人が入っておりますこの報告書、これが三年分であります。この報告書と、こっちの破綻に至るまでの経過とが余りにも乖離があるんですね。
 例えば、最後に平成九年なんかでは、不良債権がこれだけ膨れておるというようなことが、投資家なりあるいは債権者に何らかの格好でこちらに出てこないと、一体これは株主なり債権者保護になるんだろうかという、最も根本問題でありますけれども、ちょうどあなたも勉強なさったようでありますので。
 確かに、私も公認会計士の方に教わりまして、この間に若干変更があるんですね。変更というのは、基本的には私は、それによって数字は変わるけれども、最終的な結論は変わるものではないと思っておりますけれども、若干会計基準の変更とかあるいは会計規則等の変更、あるいはもっと細かく言えば、連結法の扱いの問題、持ち分法の問題とか、あるいは今は実効支配力ということでいろいろと入っておりますけれども、こういった問題等々、若干いろいろ数字の取り扱いについてはこの間でも変わってきているわけであります。
 しかし、いずれにいたしましても、全体的にいって、この報告書と、公認会計士が見たこの数字は当然正しいんだと思うんですけれども、そこに至るまでの経過を書いたこのものとが余りにも距離があって、私はどこも投資していないけれども、これで一般投資家はディスクロージャーがされているということになるんだろうか。長銀の、例えばどこの国のどこのあれにどうだとか、いろいろなそういうものがずうっと書いてあります。しかし、その数字は正しくても、全体的に書いていないんですね。
 一体、こういう乖離というのは、これからまただんだん言いますけれども、これは局長で結構ですけれども、どういう経過でこういうことになってくるのか。これは、僕は重要な、別に監査法人が間違いがあるとかないとかの問題ではなくて、一体、先週やりましたように、これから証券市場を広げていこう、コンビニでも株を売ろうといっているときに、先ほど増原先生からも御指摘があったけれども、本当の実像というのがわからないと、投資しようといっても、する気にはならないと私は思うので、余りにもこの乖離が大き過ぎるというふうに感じたんですが、どうなんですか。
伊藤副大臣 今、長銀の問題を例に出されながら、財務書類と実際の結果の間に乖離があり、そのことが不信を生んでいるんだという御指摘をいただきました。私も、そのことをしっかり受けとめて、今の金融行政をしっかりやっていかなければいけないということを感じております。
 長銀の経緯につきましては政府委員の方から答弁をさせていただきたいと思っておりますが、長銀の問題の、この前後にかかわらず、本来、監査及び会計の専門家であります。そして、独立した立場から、監査法人あるいは公認会計士は財務書類及び財務情報の信頼を確保して、そして債権者や投資家を保護していかなければいけない、これが重大な責務でございます。
 この長銀の問題が生じることによって、監査法人に対して、あるいは金融行政に対しても厳しい批判が生じたことは、私はこれは否定できない事実だというふうに思っております。そうしたことを背景にして、平成十一年から品質管理のレビューがスタートいたしました。また、今回の公認会計士法の改正におきまして、行政に置かれている八条委員会でこうしたレビューというものをモニタリングしていく制度を導入させていただきたいというふうに考えております。
 また、今回の改正におきましては、米国においてもエンロン事件というものが生じ、また、我が国でも虚偽証明事件も起きているわけでありますから、こうした事件も踏まえて、公認会計士の独立性の強化や、あるいは監視監督体制の充実強化など、公認会計士監査の充実強化を図っていきたいというふうに考えております。
佐藤(観)委員 私は、公認会計士の品質管理、どうも品質管理という言葉は余りふさわしくないと思うんですけれども、そのレビューが悪かったからこういうようなことになっているんじゃないんだと思うんですよ。ちょっと伊藤副大臣の答弁は私は納得できないのであります。
 問題は、日本の株式市場といいましょうか、会社のあり方というのは、結局、見ているところがばらばらなんですね、おのおのが。おのおのがばらばらなんですよ。結局、おたくの金融庁にもいろいろな課があるけれども、例えば銀行関係は当然、銀行の信用確保と申しましょうか、金融システムの安定化ということをやっていますし、証券行政をやっているところは、証券会社がうまくいっているかどうかというところで。では一体、証券市場という、つまり、国民が入る舞台のことについてはどこが責任を持ってやっているんだろうか。投資家保護、投資家保護と言うけれども、現実には一般投資家はほとんどふえないし、一体、行政としても、ではどこが責任を持ってやっているんだろうか、投資家は一体何を信用して投資をしたらいいんだろうかということです。
 例えば、アメリカの場合には個人投資家が多いですね。ですから、顔が個人投資家に向かっている。機関投資家というのは、日本に比べれば割合として少ないということがあるものですから、アメリカの場合には個人株主を重視するという方向に行政自体ができているけれども、日本の場合には極めて軽視している。つまり、やっていることが、金融庁はあるけれども、私も長い間当委員会におって、大体、大蔵というところは、課あって省なしなんです。自分がここにいるときは自分の課がいいようにいいようにして、隣の課に移りますと、今度はまた違う。例えば、銀行の関係の課でも証券の課でも、今度はその人が税務関係に行きますと、また全然言うことが違うんです。まさに課あって省なしなんです、日本の行政というのは。
 そんなものですから、再々言いますように、監査報告書というものと、その中身が、おのおのが間違っているという意味じゃなくて、本当に一般投資家に顔を向けた、投資家保護という面での行政というのはなされていないのではないかというふうに思いますけれども、いかがでございますか。
    〔渡辺(喜)委員長代理退席、委員長着席〕
伊藤副大臣 今先生から御指摘がございましたが、私ども、金融行政として一番大きな使命は、投資家や利用者をしっかり保護していくということでございます。そうした視点に立って厳正な検査をし、そして監督をしていくことが大変重要なわけであります。
 また、証券市場の信頼性を確保していくという意味からも、監督業務、そして証券市場にかかわる検査、監視に対する機能をしっかり強化し、そして適切な対応をしていかなければいけないということは私どもも十分認識をいたしているところでございまして、私どもとして、さらに必要な改革を推進しながら、金融庁の任務の大きな一つであります有価証券の投資家の保護に全力で努めてまいりたいというふうに考えています。
佐藤(観)委員 何十年、投資家保護というのを私も聞いております。ただ、このシステムを変えない限り、本当の意味での個人投資家の保護ということになりません。コンビニで株を売ったって、ちっともこれはふえません。何しろ本体が、投資しようという会社がどういうふうになっていて、ひょっとしたらあしたつぶれちゃうかもしれないというような状況では、絶対これはふえませんよ。
 それで、私たち民主党の方は、本当に個人投資家を保護する、ふやすためには、アメリカのように日本版SECをつくって、全部ちゃんと管理をして、市場で行われている悪いことがあったら大変な権限を持って調査をできる、あるいは各証券会社に対しても指導できるという、統一的に一体的に証券市場というものを見ていくシステムをつくらなければ、絶対に、これは口で伊藤さんが何千遍投資家保護と言おうと、実際には、本当に一般投資家を保護する機関がないんだから。
 ですから、私たち民主党は、おととし、日本版SECをつくりなさいと。総理大臣のもとに五人委員を置いて、もちろん事務局もありますけれども、そういう日本版SECをつくるべきだということを申し上げているんですが、まだ皆さん方の方は気づいていないということでございます。
 その点、大臣、いかがですか。
竹中国務大臣 証券市場における取引を、投資家、特に個人の投資家を重視しての立場からしっかりと監視しなければいけない、これはそのとおりだと思います。
 現実に、官庁の仕事というのはどうしても縦割りになってしまって、さまざまな弊害が随所であるということも、これは我々努力はしておりますけれども、やはり、そういう問題もあるということは事実なのだと思います。
 しかし、そういう中で、証券市場の取引の監視を行うのにどのような体制がよいかということになりますと、この監視体制を強化したいというのは、全く同感です。では、どのような体制がよいかということを、実は諸外国の例等々を見ながらつぶさに調べていくと、これはなかなか、体制についてはいろいろな議論があるというふうに改めて私自身気づいている次第でございます。
 つまり、例えば、金融というのが非常にコングロマリット化している。これが証券会社か銀行か保険会社かわからないようになってコングロマリット化していく中で、業態横断的な行政機構というのに実は世界の流れが行っていて、証券だけ、銀行だけというのではなくて、業態を横断的に見る、しかし、行政の機能そのものは、監督と検査はしっかりと分ける。逆にそこを総合的にやって、検査に基づいて監督をやるんですけれども、そこは独立していないと、監督の顔色を見ながら検査をやっているということになると、これは実は別の弊害が出てくるわけでございます。
 その意味では、我々としては、機能はしっかりと強化をしていきたいというふうに思うわけでありますけれども、どうも、証券だけを独立してやっているというアメリカは、しかし、アメリカはアメリカで結構成功しているように見えるわけですね。ただ、世界の潮流から見ると、アメリカのような形でやっているところは、むしろ方向としては逆で、証券だけではなくて、総合的な形での金融業に対応する方向に向かっているというのも一つの事実でございますので、どのような形態をとるべきかということについては、世界の動向を見ながら、我々としては引き続き検討していきたいというふうに思っているところでございます。
佐藤(観)委員 先ほどの過去の経過からいって、問題認識は大臣もおありになると思いますので、ぜひこれは、せめて一年以内に、どういうシステムをつくるのが一番いいのか。私たちは、参考になるものといえば、アメリカのSECが一番それだけの権限を発揮して、まさに一般大衆の投資家保護というのをやっているのかな、やっているというふうに思っていますので、日本版SECをつくるべきである。コングロマリット化したら、コングロマリットに適応するような、それに対応できる行政というのを、行政といっていいのか、行政というよりも、行政よりはちょっと離れたところにすべきだというふうに考えておるわけであります。
 したがって、皆さん方が求めておる証券市場の公正性とか透明性とか、投資家が信頼を得られる市場を確保するとか、今度の公認会計士法の改正だけでできるわけではなくて、やはり、企業のあり方、コーポレートガバナンスの問題もございますし、あるいは企業を取り巻くリスクに関する情報とか、あるいは財務や経営成績について企業経営者自身が判断、分析をする、開示義務というようなことをも含めてやっていかないと、公認会計士法をこのように改正すれば万々歳というわけにはいかぬと思うのであります。
 そこで、お伺いしておきたいんですが、ゴーイングコンサーン、つまり継続企業の前提の開示ということが今度義務づけられますけれども、そういうことになっていけば、かなり皆さん方が第一条に書いてあるような目標に向かっていくことになるんでしょうか。その点はいかがでございますか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 企業のゴーイングコンサーンを前提とする監査につきましてはもう既にスタートしておるところでございますが、それにつきましては、そういうことが適切に監査の中で反映されることが、適切な財務情報の開示あるいは証券市場の発展につながるというふうに思っております。
佐藤(観)委員 いずれにしろ、トータルにこれはやっていかないと、日本の証券市場というのは発展していかないし、これは銀行とも裏表の関係もありますから、日本の金融自身が強くなっていくことにならないと思います。
 それで、後、各条項にいきますけれども、先ほど増原議員からもございましたけれども、業務の相反条項、つまり、これをやっている会社については公認会計士はこれをやってはいけないということを政令で定めるということになっております。先ほど中村委員も自席から御意見がございましたけれども、これは本当に、政令に落としてしまうというのは越権だと思うんですね。これは罰則がつくんでしょう。これをやっちゃいけないというんだったら、堂々と法律に書いて、これはいけません、公認会計士は、これは許されますけれども、こういう場合にはこうしてはいけませんというのを法律で書くべきである。
 本来だったらここで寝ちゃうところですけれども、時間がありませんからしませんが、いわば、実態的には、法律だけ読んだのではちっとも――これに限らずです。最近は、政令に落としたり省令に落としたり、最後の通達まで読んでもわからない具体例というのは幾らでもある。つまり、これは国会に対して行政優位、これは何も民主党というだけじゃなく、皆さん方も、自民党さんたちもそう思われると思いますけれども、そういう意味では、罰則を持っているような、こういうことをやってはいけないという項目については法律でしっかりと書くべきだというふうに考えますが、いかがでございますか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 今、委員御指摘のように、できる限り法令にゆだねるべく私どもも努力しておりますが、他方で、例えばいろいろな事情の変更で追加しなきゃいけないもの、あるいは事情の変更で削らなきゃいけないもの、そういうものを弾力的に実行するような必要性にも迫られるところもございまして、そういうことも勘案させていただきまして、ただ、考え方と我々の現在の方針につきましては、国会の場で十分御説明させていただきたいというふうに思っております。
佐藤(観)委員 国会では議事録が残りますからそれは残りますけれども、法律というのはひとりで歩くわけです。どうしても本当に必要ならば、国会へ出して、国会の場で審議をするというのが、今あなたの言っていること自体が行政優位なんですよ。新しいことが起こったら自分たちの方でやらせてもらいます、全く国会軽視なんです、無視なんですよ、あなたの答弁自身が。それがおかしい。ましてや、罰則のつくようなものについて、勝手に、知らぬうちに追加してやるというのは、これはもう言語道断ですよ。
 本来なら、各政令、省令が変わるごとに理事会で聞いてやるということを、かつてはやったこともありますけれども、なかなか膨大になってくるものですから、大変残念ながら、国会に時間がなくて、それはなされておりません。しかし、いずれにしろ、これは内閣法制局とどういう関係になってくるかわかりませんけれども、あとの時間のこともあるからしませんけれども、余りにも行政優位のあり方というのは国会としては問題だ、党派を超えて問題だと思うのであります。
 この件について大臣に答弁を求めます。
竹中国務大臣 重要な事項は国会で御審議をいただく、これは揺るがせない大前提であろうかと思います。
 そうした中で、今回、先ほどの局長の答弁にもありましたように、基本的には監査証明業務といわゆるコンサル業務の兼業を排除しなければいけない。その場合に、いろいろ考えていくと、コンサル業務というのは実に幅広いものであり、かつその時々の要請に応じてやはり変わってくるということにならざるを得ないのではないかというふうに考えたわけでございます。そうした観点から、法制局とも当然のことながら御相談をしまして、今回のような措置にさせていただいているわけでございます。
 この点を何とぞ御理解賜りまして、また、先ほど言いましたように、立法の趣旨については、国会答弁等々で我々としても明確にさせていただくように努力をいたしますので、今回の趣旨を何とぞ御理解いただきたいと思います。
佐藤(観)委員 これは、実はこの法案だけではないんですよ、お互いに国会人として、非常にそういう傾向が見られる。アメリカのコンサル業務と日本のコンサル業務というのは全然イメージが違うわけであります。アメリカの監査法人と言っておるけれども、あれはいわば会計事務所と言った方が日本人には非常にわかりやすい、日本の監査法人とは全然違うと言った方がいいんじゃないかと思うんであります。
 いずれにしましても、国会軽視のあり方については極めて不満でありますので、十分意にとめて、今後法案を出すときにはこのことを、これは自民党さんとも同じ考えだと思うんだけれども、余りにも政令、省令、あるいは最終的には通達に至るまで、例えば税法なんかだと、通達でも各税務署によって違う場合があるわけですよ。というようなこともあって、国会の中で審議すればそれですべていいというものではないことを十分大臣は銘記していただきたいと存じます。
 それから、時間がなくなりますので、試験制度の問題でございます。
 これは、五万人体制をつくりたいということで緩和をするというような格好でありますが、今まで三段階あったものについて、最後の実務研修、実習をなくそうということであります。
 しかし、粗雑なと言っては失礼でありますけれども、数だけふえればいいというものじゃなくて、国民の信頼が置けるものに公認会計士というのはしていかなきゃいかぬわけであります。信頼を置ける、十分それだけの力を持った公認会計士が五万なら力になりますけれども、頼んだ方がほかに指摘をされるような公認会計士では困るわけでございまして、今公認会計士協会が専門研修をやっているわけでありますが、これをそのまま三次試験といいましょうか、に当たるものとしてやるべきだというふうに考えますが、それでよろしゅうございますね。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 公認会計士になるためには、単に試験に合格するだけではなく、豊富な実務経験が求められているわけでございますが、今回の試験制度等の改正におきましては、社会人を含めた多様な人材にとっても受験しやすい試験制度とするための見直しが大きな柱の一つとなっております。このため、社会人等にとって負担が重いとされております実務経験を、試験の受験要件とはせずに、試験合格後、公認会計士の業務を行うための登録までに修了する必要があるものとの位置づけとすることといたしております。
 具体的には、試験合格に加えまして、二年間の業務補助等の修了及び実務補習の修了を行政が確認することを公認会計士登録の要件としまして、実務補習の修了には、内閣府令で定める日本公認会計士協会が実施する統一考査に合格することを必要とすることといたしております。
佐藤(観)委員 今まで五科目でしたか、一回で全部通らなきゃいかぬという制度がありましたが、これは二年に延長されたことはいいことだと思うんです。税理士さんの場合には、あれは永久に持っているんだったかな、になっていますので、それは評価しますが、今の答弁のように、いわば、失礼だけれども質の確保といいましょうか、これをぜひ忘れないようにしてもらいたいと思います。
 それから、監査法人のあり方の問題ですけれども、今、ちょうど昭和四十一年からでなかったかと思いますけれども、監査法人というのができてきて、大分大きくなって、四大監査法人となったわけでありますが、一番大きいのは三千人台ぐらいいるわけです。確かに、歴史的には合名会社の思想を引き継いだ、一人一人が社員ですから、引き継いだものといいますけれども、全然自分が監査したこともないものが無限責任で責任をとらされるというような今のあり方は、極めて前近代的な法制度だと思うのであります。
 したがって、これについては有限責任に、つまり、今度は指定社員という制度ができましたが、相手に通告をすれば全部指定社員というので片づくのかな。それから、税法上これはどういうことになるのか。指定社員の個人の所得になるのか、監査法人との関係はどうなってくるのか。そのあたりは、もし指定社員ということで全部カバーできるんだったら、新たな制度は要らないのか、有限責任という制度は必要ないのかどうか、ちょっとそのあたりを説明してください。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 監査法人をめぐる組織問題に関しまして、米国のように、例えば有限責任パートナーシップの組織形態を制度的に導入すべきであるというような御指摘あるいは御議論があるのは承知いたしております。また、今回指定社員制度を導入して、それですべてがカバーできるのかというような問題があることも承知いたしております。
 この点につきまして、今回、有限責任の事業組織形態についての政府全体の検討にあわせまして、税法上の取り扱い、それから監査法人の社員資格、それから損害賠償請求に対する支払い能力の向上、財務内容等の公開等の点も含めまして、将来検討すべき課題だと思っております。
 なお、先ほどちょっと申しましたが、今回の法改正におきまして指定社員制度を導入いたしまして、監査に関与しない社員については被監査会社等に対する責任を出資金の範囲に限定するというふうな措置を講ずることといたしております。(佐藤(観)委員「税はどうだ、税は」と呼ぶ)
 税につきましては、ちょっと詳細存じ上げませんが、いずれにいたしましても、その税の問題も含めまして、今後、政府全体としまして、私法上の事業組織形態の検討について検討することといたしております。
佐藤(観)委員 次に今度は、アメリカのエンロン事件もございまして、アメリカのを読んでみると、ちょっと日本とは性格が違うことなんでありますが、それは別として、今度の法案では、七年間の範囲内で政令で定める期間ということとして、インターバルを二年間置くという、七・二と我々呼んでいますけれども。七年間というのは、法律の読み方としては、七年間連続してやるということなのか。それから、アメリカの場合には、五年・五年条項というのが今度新しく改革法の中に入りましたが、日本でそれをとらなかった理由は何なのか。
 それから、監査法人でも三千人ぐらいいる監査法人から、個人でやっていらっしゃる監査法人もいるわけですね。個人がかわれということは即首切りになっちゃうわけで、監査法人、公認会計士個人でやっているものと、全く一律に七年間なり、二年間インターバルを置けというのは、ちょっと一律過ぎるんじゃないか。
 それから、被監査法人、これも、世界的に支店があってやっているところと、そこまでは大きくないけれども、法人でも、学校法人なり組合なりなんなりという、その程度の法人に対してまた七年・二年条項を設けるというのは、余りにも事の対処の仕方が一律的ではないかと私は思うのでございますけれども、いかがですか。終わります。終わるけれども。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 公認会計士の交代が義務づけられる監査は、投資家、債権者等を多く抱えまして、その活動の公共性が高く、社会的影響も大きいと考えられるところでございます。証取法監査対象会社と一定規模以上の商法特例法監査対象会社に関しまして、今回交代制を導入することといたしているわけでございます。
 これらの監査の信頼を維持向上させていくために、監査を担当している公認会計士を定期的に交代させ、会社との癒着を防止することは、これらの会社を監査している以上、必要最低限の措置だというふうに思っております。したがいまして、それは、監査法人の規模の大小でありますとか、公認会計士、監査法人ということを問わず、やはり同一の規制を適用していく必要があるんだと思っております。
佐藤(観)委員 もう終わりますけれども、答えになっていないんだわ。私は、かつて公認会計士協会が人を派遣して監査をしたらどうかということを提案したこともありますけれども、賛意を得ることはできなかったのであります。いずれにしろ、かわるといったって、例えば、三人でやっておるものが、七年連続して、その次にかわれといったってかわる人がいないわけですよ。そうすると、その監査法人は監査をその会社に対してできなくなる。
 しかも、今度は非常に監査しなきゃならぬ範囲を広げましたね。証取法あるいは商法の範囲でさらに非常に広げたわけで、それを一挙に一律にやったのでは、これは現実に運営において困ることが出てくると思うし、逆に言えば、中小零細と言っては失礼かもしれないけれども、個人でやっておる監査人というのはますますできなくなって、ますます寡占化が進んでいくことになる。これは、やはり競争原理の導入という面からいいますとよくないと思いますので、答弁があれば。同じことを言ったってしようがないよ、同じことを言っても。ああ、わかりましたと……
小坂委員長 時間が終了いたしております。
佐藤(観)委員 御指摘のとおりでございますと言ってもらうのはいいけれども、同じことなら要らない。
藤原政府参考人 先ほど少し多岐にわたる御質問で答弁が漏れてしまいまして申しわけございませんが、御指摘のように、個人の公認会計士、地方のいろいろな事情等もございましてなかなか代替される方もいらっしゃらない、そういう方に対しましては、今回、法律上も特例措置を定めることといたしておりまして、具体的には公認会計士協会などによる品質管理レビュー、こういうことを受けることを条件にいたしまして、個別に私どもが承認していくというような措置を講ずることといたしております。
佐藤(観)委員 答弁になっていませんけれども、総理大臣の格別な許可があればというようなことですけれども、余りいい方法じゃないと思いますので、そのことを申し上げて終わります。
小坂委員長 次に、松本剛明君。
松本(剛)委員 佐藤議員に引き続いて、公認会計士法の一部を改正する法律案について質疑をさせていただきたいと思います。
 大臣、改めて、この法案の今次改正案の目的でありますが、先ほど提案理由説明ということで、全部は読みませんけれども、一番冒頭のところで、「証券市場の公正性及び透明性を確保し、投資者の信頼が得られる市場を確立する等の観点から、公認会計士監査の充実及び強化を図るため、」このようにおっしゃったかと思います。
 今のここまでの審議でもそうでありますけれども、監査の信頼性を確保するということが本改正案の目的であろうというふうに思いますし、公認会計士の与えられた使命というのもまず監査をしっかりやる、このことが最も重要だと思いますが、御所見を伺いたいと思います。
竹中国務大臣 公認会計士は、監査と会計の専門家として、独立した立場で、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することによって、会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、もって国民経済の健全な発展に寄与する、そういうことを使命としているわけでございますから、委員御指摘のように、今、世の中、会計のシステムが変わり、企業と投資者の間も非常にダイナミックに変わり、日々これまた進化している状況でありますから、社会のインフラとしての会計士に期待される役割は非常に多様なものになりつつあるとは思いますが、やはり何といっても、中核的な役割というのは監査証明業務である。委員の御指摘、多分そういうことであろうかと思いますけれども、この点に関しては、私も全くそのとおりでございます。
 公認会計士法第二条の第一項において、「公認会計士は、他人の求めに応じ報酬を得て、財務書類の監査又は証明をすることを業とする。」というふうに明記しておるところとも符合するわけでございますけれども、中核的な役割というのはまさしく監査証明業務であろうというふうに私も考えております。
松本(剛)委員 改正案の使命の規定もお読みをいただきましたし、二条一項のところも御指摘をいただきましたので繰り返しませんが、改めて、今申しましたように、中核的な役割が監査証明業務であるということを確認させていただきましたら、この法案においてもまずしっかり監査証明業務ができるようにこの改正案をおつくりいただいた、そして、その方向でこの法案はあるんだ、こういう認識でよろしいでしょうか。
竹中国務大臣 先ほど申し上げましたように、公認会計士に対する期待、果たすべき役割というのは非常に多様な面がありますし、それは進化しておりますが、その中心的なものは監査証明でございますから、その意味では、今回の法律改正に当たっても、そのことが最も強く念頭にあったというふうにお考えいただいてよろしいかと思います。
松本(剛)委員 それでは、今お読みいただいた一条の使命の規定の中身について少し議論をさせていただきたいと思います。
 今もお読みいただきましたように、もう繰り返しませんが、その中で、「会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、もつて」このような段があります。
 これはまず、「会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、」となっておりますが、「会社等の公正な事業活動、」というのは「保護等」に係るんでしょうか、「図り、」に係るんでしょうか。
 昨日、御質問をお届けしたときにも、きちっとそのことも書いてお届けをしていると思いますが。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 一条は、「公認会計士は、監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、」この「図り、」に係るわけでございます。
松本(剛)委員 主語は「公認会計士は、」でよろしいんですか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 「公認会計士は、」でございます。
松本(剛)委員 少しくどいようですけれども、公認会計士は、会社等の公正な事業活動を図る、こういうことでよろしいんですか。
藤原政府参考人 今回、この「会社等の公正な事業活動、」ということが入っております趣旨につきましては、公認会計士が会社等の財務に関する情報の信頼性を確保することは、一つには証券取引法に基づきます有価証券報告書等における財務情報の適正性を担保することによりまして、会社の資金調達の円滑化を図ることとなり、また、二つ目に、商法監査特例法の適用会社では、株主総会で選任されました会計監査人の監査を受けなければならないとされていることから、間接的に、不正防止などを通じまして会社のコーポレートガバナンスの一翼を構成する役割を有するということでございます。
 これらの意味におきまして、公認会計士の使命としまして、会社等の公正な事業活動を図ることが位置づけられるという意味でございます。
松本(剛)委員 早口でお読みになったので少し理解できなかったんですが、コーポレートガバナンスという言葉が入っておったかと思いますが、公認会計士さんがコーポレートガバナンスに関与する、こういう理解でいいわけですか。
藤原政府参考人 会社のコーポレートガバナンスは、内部による牽制、それから外部監査による牽制、そういうのが両方から期待されて、コーポレートガバナンスが十全のものになっていくというふうに審議会の答申でも書かれております。
松本(剛)委員 では、公認会計士は、会社のコーポレートガバナンスの一翼を外部の者として担う、こういう理解でよろしいんですか。
藤原政府参考人 担うと申しますか、そういうことを通じましてコーポレートガバナンスに寄与する、貢献するというふうに私ども思っております。
松本(剛)委員 そういうことを通じてというのはどういうことなんでしょうか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、例えば、証取法に基づく有価証券報告書等におきます財務情報の適正性を担保する、あるいは株主総会で選任された公認会計士の監査を受けねばならないとされていることから、間接的に、不正防止などを通じてコーポレートガバナンスの一翼を構成するということでございます。
松本(剛)委員 もう一度もとへ戻りますが、公認会計士は、会社等の公正な事業活動を図るんですね。図るという言葉は、申し上げるまでもないですけれども、計画する、計画を立てたり努力する、企図する、意図する、工夫するということですよ。事業活動を公認会計士が計画するんですね。そういう理解でよろしいですか。
藤原政府参考人 図るという言葉にもいろいろございますが、寄与する、貢献するということも私どもは含んでいると思います。
松本(剛)委員 それでは、直されますか、寄与する、貢献すると。普通、辞書を引いても、図るという言葉に寄与するという言葉は出てまいりませんけれども。
藤原政府参考人 まさしく先ほどから繰り返しになりますけれども、コーポレートガバナンスの一助に資するという方向で私ども考えております。
松本(剛)委員 法律の審議をさせていただいて、法案の解釈でありますから、図るという日本語を勝手に都合のいいように、寄与する、貢献するというふうにお変えになられると、これは日本語で書いてある法律なんですから困るんですよ。
 今、局長は、寄与する、貢献するという意味だとおっしゃいましたが、図るというのはそういう意味では普通は解釈はされないというふうに思いますけれども。
藤原政府参考人 全体として、この一条をお読みいただければおわかりになると思うんですが、「公認会計士は、監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、」それから「投資者及び債権者の保護等を図り、」ということになっておりまして、まさしく「財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、」こういうことを「図り、」というふうにつながっていく、全体としてそういうふうにつながっていくものだと思っております。
松本(剛)委員 委員の方のところにも資料は行っているんでしょうか。お配りした資料の一をごらんいただきたいと思います。
 今お配りしたので、局長ちょっと御確認いただいてからで結構ですが、「公認会計士の使命及び職責」、この法律案要綱は、最終私どもにお示しいただいたものとは違いますが、途中段階でこういう案があったという理解でよろしいですか。
藤原政府参考人 法案を作成する過程におきまして、何段階かにわたっていろいろと資料をつくっておりますが、その過程の中の一つでございます。
松本(剛)委員 途中の段階だということを御確認いただきました。
 その後、「会社等の公正な事業活動、」が入ったということになろうかと思いますが、そういうことでよろしいですか。
藤原政府参考人 そのとおりでございます。
松本(剛)委員 法案の原案が策定される過程にはいろいろなステップがあろうと思いますけれども、どこで入ったんでしょうか。
 ちなみに、ここにありますのは公認会計士協会さんの協会のあれだと思いますが、「最後の段階で公認会計士の使命に「会社等の公正な事業活動」というのが入り、」このように公認会計士協会さんは認識をされておられるようですが、この最後の段階というのはどこなんでしょうか。
藤原政府参考人 これにつきましては、ずっと与党ともいろいろと御相談しておったわけでございますが、そういう段階で最後に入ったということでございます。
松本(剛)委員 議院内閣制で政府・与党でありますから、政府原案をおつくりになるのに与党と御相談をするのはある意味当然だろうと思います。そのことを私も否定するわけではありませんが、事務方の段階ではなくて、与党との議論の段階で入った、このような理解でよろしいですか。
藤原政府参考人 私ども、こういうものをつくってまいります場合には、最初の素案の段階から、いろいろと段階を踏んで御相談させていただいておりまして、こういうことで与党との相談の結果変わるということは多々あることでございます。
松本(剛)委員 与党との相談の結果変わったということでございますが、与党からは、どのような趣旨でこれを入れようという御提案だったんでしょうか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 繰り返しになりますが、その議論の過程におきまして、先ほど私が申し述べましたように、公認会計士が会社等の財務に関する情報の信頼性を確保することは、証券取引法に基づく有価証券報告書等における財務情報の適正性を担保することによって会社の資金調達の円滑化を図ることになるのではないか、あるいは、先ほど申しましたように、商法監査特例法の適用会社では、株主総会で選任された会計監査人の監査を受けなきゃならないとされていることから、間接的に、不正防止などを通じてコーポレートガバナンスの一翼を構成する役割を有するんじゃないかというような御議論がございまして、そういうものを踏まえてこういうことにいたしたわけでございます。
松本(剛)委員 違う観点からお聞きをしましょう。
 監査証明業務を行うことによって会社等の公正な事業活動を図れる、こういう理解でよろしいんですか。
藤原政府参考人 ちょっと御質問の趣旨がよくわかりませんが、いずれにいたしましても……
松本(剛)委員 では、もう一回。
 公認会計士さんが多様な役目を負っているというのは先ほど大臣もお話があったとおりでありますが、先ほど増原議員の議論の中にもあったように、監査証明業務、非監査証明業務とあると思いますが、中核は監査証明業務だという話を先ほどいたしました。中核の監査証明業務を通じて会社等の公正な事業活動を図る、こういう理解でよろしいですか。
藤原政府参考人 公認会計士の主たる業務が監査証明業務ということであることは先ほど大臣からも答弁させていただいたところでございますが、ただ、公認会計士の業務といたしましては、それだけではなく、非監査業務も当然ありますし、その他の業務もあるわけでございまして、それだけという話ではございません。
松本(剛)委員 後段の「投資者及び債権者の保護等を図り、」というのは、証券取引法の趣旨と一緒であろうというふうに思います。これは、まさに監査証明業務を通じてディスクロージャーをしっかりさせることによって、証券市場改革促進プログラムの中にもあったように、信頼される市場をつくろうということになるんだろうと思います。
 非監査証明業務はいろいろな業務がありますけれども、監査証明業務は、純粋に監査をし、財務会計の内容を証明する、こういうことだろうと思います。指導をするとかそういった機能はコンサル機能のようにも言われますけれども、これは非監査証明業務という理解でよろしいんですか。
藤原政府参考人 先ほどの増原議員の御答弁のときにも、今回禁止される非監査業務というのを列挙いたしましたけれども、ああいうことがいわゆる非監査業務でございまして、経営の内容に至って指導するということであれば当然のことながら非監査業務でありまして、今回もそういうことは禁止されるという話だと思っております。
松本(剛)委員 経営を指導するというのは非監査証明業務だというお話であっただろうと思いますが、会社等の公正な事業活動を図るというのを素直に読むと、やはり経営を指導するということに読めるんですよ。ですから、今おっしゃったように、図るを、寄与する、貢献するというふうに読みかえれば、それは確かに指導するということにはなりませんが、素直に図るということを読めばそうなる。
 ここに、もう一度あれしますが、これは公認会計士協会さんの協会の雑誌の抜粋ですけれども、先ほど申しましたように、最後に「「会社等の公正な事業活動」というのが入り、」これは、おっしゃっているのは、お名前は申しませんが、協会の副会長さんですから。これによって、「会社等の公正な事業活動を図る、サポートするということは、公認会計士の指導機能を明確にしなさい」、こういう趣旨だと理解をしておると協会は言っておられますが、これは間違いですね。
藤原政府参考人 私、その論文というか何か見ておりませんし、全体見ておりません。ちょっとコメントできかねると思っております。
松本(剛)委員 私が申し上げた日本語をもう一回ゆっくり申し上げましょうか。
 「会社等の公正な事業活動」を図るというのが入り、これは「公認会計士の指導機能を明確にしなさい」、こういうふうに私たちは受けとめていると協会の方はおっしゃっている。先ほどのお話だと、中核的な役割の監査証明業務を通じて会社等の公正な事業活動に寄与する、貢献する、局長はこうおっしゃいましたが、協会の解釈が間違っているとすれば、協会は金融庁の御所管の協会でありますから、きちっと御指導いただきたいと思いますが、いかがですか。
藤原政府参考人 まさしく、先ほどから繰り返し申し上げておりますが、今回のその趣旨が、一つには有価証券報告書等における財務情報の適切を……(松本(剛)委員「もうそれは結構です」と呼ぶ)はい。
 もう一つ、まさしくコーポレートガバナンスの、間接的に、不正防止を通じて会社のコーポレートガバナンスの一翼を形成する、ここにつきましては、それでは全く、今先生の言ったような趣旨が全然配慮されぬかと言えば、そこは一部そういうことはあるのかもしれません。ただ、それが経営の判断にかかわるとかいうような話ではなく、こういうことであればそういうこともあり得るのかなというふうには思っております。
松本(剛)委員 先ほど、どういう経緯で入ったかも確認させていただきました。私も、局長とこうやって議論させていただくのは本意ではない。恐らく局長も、事務方でおつくりになった案にはなかったわけですから、入れて、整合性のある説明をここで無理やりするというのは本意ではなかろうと思います。それだけに御苦労されているのが率直に感じられるわけですけれども、もう一遍御整理をいただかないと、今のは日本語として全く通っていないんですけれども。
 改めて、これは大臣に御判断をいただかなければなりませんけれども、これを削る気はありませんか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 私どもも、議論の過程におきまして指摘されました先ほどの二点につきましては、まさしくそのとおりだというふうに思っておりまして、これが矛盾するような規定ではないというふうに思っております。
松本(剛)委員 もう一度原点に戻って確認をさせていただきます。
 今回の法改正は、日本の公認会計士監査の体制というんですか、内容をしっかり充実強化することにあったはずなんですよ。もちろん使命ですから、いろいろなことを書くことがありますが、これを読む限り、一番先に「会社等の公正な事業活動」という話がぽんと出てくるわけですね、投資者より、債権者より先に出てくるわけですね。今お話ししたように、これを素直に日本語で読むと、誤解なのかもしれません、でも私も同じように読みました。会社の指導機能というのがこれによってきちっと書き込まれたんだ、こういうふうに素直に解釈するのが普通の日本語の読み方だろうというふうに思います。
 先ほどからずっと証取法のお話からされますし、間接的にコーポレートガバナンスという話をされますけれども、本来、中核的な監査証明の役割というのは会社のためですか。違うでしょう。株主や投資者、債権者のためじゃないんですか、株主イコール投資者ですけれども。
藤原政府参考人 もちろん投資家、債権者のためでもございますが、あわせて、その会社のためにやるということも重要なことだと思っております。
松本(剛)委員 監査証明業務を会社のためにやるという理解でいいんですね。局長、確認です。
藤原政府参考人 言葉が足りなかったので訂正させていただきます。
 会社の適切な財務情報を提供するということは、ひいては、先ほどから繰り返し御答弁申し上げておりますが、会社の適切な資金調達にも資しますし、会社のコーポレートガバナンスにも間接的に寄与するということだと思っております。
松本(剛)委員 あえて言えば反射的効果であるべきですよ、監査証明業務というのは。使命の中にそのことが目的で入るというのは、どう考えてもおかしい。百歩譲って、「もつて」の後に入るんだったらまだわからなくもない。どうですか。
藤原政府参考人 今回の公認会計士法の改正、従来から企業会計部会の方で御議論いただいて結論を得たものでございますが、その中で、やはり監査というのは外部監査だけではなかなか十全ではない、したがって、まず内部の監査も非常に重要である。もちろん、内部の財務諸表の調製過程が一番大切かもしれませんが、その両々相まって初めて適切なものができる。それが適切なものができなければ、先ほどもちょっと御議論ございましたが、それでは監査が一体何をやっていたのかと。
 しかし、その前提としまして、御案内のように二重責任という原則がございまして、まず企業内におきましてきちっとした財務諸表をつくる、それをまた企業内でチェックする、監査する、それをさらに公認会計士、監査法人が、それが果たして適切であるかどうか、そういう二重チェックといいますか二重責任、そういうことで成り立っておる制度でございますので、企業内のそういうチェック、責任というのは極めて重要なことでありますし、それが相まちまして初めて有効な制度になるんだというふうに思っております。
松本(剛)委員 今の、企業内の監査が大変重要だということは私も否定をしませんが、その企業内の監査を公認会計士が指導することが大事な公認会計士の使命だといって一番先に出てくる、こういう理解でいいわけですか。
藤原政府参考人 必ずしも、その順番が一番先に来ているから大切という話を書いているわけではございませんが、いずれにいたしましても、その両方を相またなければきちっとした監査はできないということでございまして、両方とも大切だと思っております。
松本(剛)委員 確認をさせていただきましょう。そうしましたら後段の、投資者、債権者の保護は、これは外部監査の話、監査証明業務、そして会社等の公正な事業活動は非監査証明業務の経営指導の部分を指す、こういう理解でいいわけですね。
藤原政府参考人 繰り返しになって恐縮でございますが、ここの「会社等の公正な事業活動、」の趣旨と申しますのは、先ほど申しましたように、有価証券報告書等に基づく……(松本(剛)委員「いやいや結構です。その確認だけしてください」と呼ぶ)ええ。それからもう一つは、株主総会で選任されました会計監査人の監査を受けなければならないわけでございますので、間接的に、不正防止などを通じて会社のコーポレートガバナンスの一翼を担うということでございます。
松本(剛)委員 内部監査が重要だとおっしゃったのは局長なんですよ。ですから、外部の公認会計士監査の前の内部の監査が重要だ、そうおっしゃったわけですよ。この議論をさせていただいてそうおっしゃったのは、そういう話じゃないんですか。それとも、さっきのは全然関係ない、時間稼ぎのために関係ないことをおっしゃったんですか。
藤原政府参考人 外部監査を充実することがひいては内部監査の充実にもつながるということは、企業会計部会の方でもこういうふうに答申をいただいておりまして、それが両方とも重要であり、それがお互いに影響し合うということだというふうに思っております。
松本(剛)委員 もう一度繰り返しますが、最初にお話ししたように、今回の公認会計士法で最大のポイントは、公認会計士の中核的な役割である監査証明業務――監査証明業務をまさか内部の監査だとはおっしゃらないですね。これは当然、外部の監査ですね。この監査証明業務をしっかりやるということですね。
 ですから、事務方の皆さんが最初におつくりになったように、「投資者及び債権者の保護等を図り、」これなら素直に読めますよ。どういう御要望で、どういう背景でこの「会社等の公正な事業活動、」が入ったか私もわかりません。先ほどの御説明でも、正直言って理解はできませんでした。
 結果としてそういうふうになるということは私も否定をいたしませんけれども、使命の欄に、わざわざここに規定をするということはどんな意味があるのか。(発言する者あり)おっしゃるとおりです。今話がありましたけれども、私も、最初に申しましたように、無理やり入れられたとは言いませんけれども、入れられた局長がわざわざこれを説明しなきゃいけないというのは不本意であろうかというふうに思いますけれども、法律論議でありますし、政府案として出てきた以上は、やはり担当の局長にお伺いをしたい。
 会社等の公正な事業活動を図るというのは、監査証明業務を指すんですか、非監査証明業務を指すんですか。経営指導機能というのをこの中に含むという理解でいいんですか。
藤原政府参考人 まさにこの条文に書いてあるとおりでございまして、まさしくこれ以上のものではございません。
 確かに、投資家及び債権者の保護というのももちろん大切でございますし、他方、先ほどからるる申し述べておりますように、会社等につきましても、そういうまさしく資金調達の円滑化を図るとか、あるいはコーポレートガバナンスの一翼を担うというようなことで寄与するということだというふうに思っております。
松本(剛)委員 資金調達の円滑化を図るとおっしゃいましたが、だれから資金調達するんですか。投資者、債権者じゃありませんか。ですよね。投資者、債権者にきちっとするということが大事だということですよね。「会社等の公正な事業活動、」というのはむしろ経営者のやるべきことであって、なぜここに経営者の話、経営の話が出てくるのか。無理に入れるから、そこで御苦労されなきゃいけなくなるわけですよ。
 我々もちゃんと法律を読んで議論するんですから、先ほど佐藤委員も行政優位の話をしました。国会での審議はできるだけ避けて内閣府令に落とそう、こういうことがあるからだとすれば、これはもっと言語道断であります。きちっと我々はチェックするのが国会の役目でありまして、法律をつくるに当たって、今回のこの審議は与野党で合意しましたので審議時間については申しませんけれども、常に充実した審議を私どもが求めているのもそういう理由であります。法案の策定過程、政府原案の策定過程でいろいろなものが入ってきて、大変おかしなものができる。しかし、これはできたら法律なんですから、国民を縛るわけですからね。
 もう一度、読んだとおりということでは解釈ができないじゃないですか。私、まず、図るを、保護に係るのか、図るに係るのかをお聞きして、図るに係る、図るということを日本語として解釈したらこういうことだと申し上げた。あげくの果てに、最後は、これは読んだとおりですと。これじゃ議論にならないじゃないですか。きちっと一遍統一した見解を出していただいてからでないと、私は質問を続けられません。
藤原政府参考人 たびたび繰り返しになって恐縮でございますが……
松本(剛)委員 会社等の公正な事業活動を図るというのはどういうことですか。少なくとも、監査証明業務、非監査証明業務、二種類の公認会計士の職務があるとすれば、そのどちらをどう指すんですか。ここのことを先ほどからお聞きしているわけで、証券取引法云々という話を三遍も四遍も読まれても時間がもったいない。お願いします。
藤原政府参考人 先ほども御答弁申し上げましたが、二番目の点でございますが、ここにつきましては、必ずしもすべてが監査業務という話ではなくて、一部非監査業務のところも含むのではないか。ただし、その非監査業務の場合でも、経営に関与するというようなことでは今回禁止されている条項に当たると思っています。
 それからもう一つ、会社と申しますが、会社は、先ほどから経営者だけという概念にとらえておられるようでございますが、必ずしも会社というのは経営者だけではなく、株主とかそういう者も含んでいるということでございます。
松本(剛)委員 もう一度、ちょうど幸か不幸か委員が十五人しかいないようであります。委員長を入れて十六人かな。
 しばらくおとめをいただいて、その間にしっかりした解釈を出していただくように御要請をさせていただきます。
小坂委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
小坂委員長 速記を起こしてください。
 松本剛明君。
松本(剛)委員 では、もう一度確認をさせていただきます。
 第一条の、会社等の公正な事業活動を図る、公認会計士は図る。この会社等の公正な事業活動というのは、監査証明業務、非監査証明業務、どういう形で、公認会計士は何をしようとしているのか、解釈を確認したいと思います。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 公認会計士につきましては、会社等につきましてまさしく監査業務を中心としてやっておるのは事実でございます。それが中心でございますが、コーポレートガバナンスの面におきまして、一部、非監査証明業務におけるものがあるということは事実でございます。
松本(剛)委員 エンロン、ワールド・コム含めて、コンサルとかそういうことをどう分離するか、さっき増原議員も審議をされていましたけれども、その第一条の使命でごちゃごちゃに両方入ってきたんじゃ、何のためのものなのか、話にならないじゃないですか。
 局長、一回整理してから、私も質問時間をそうしたら留保させていただいて、私、あと何分残っているのかな。
小坂委員長 委員に申し上げます。
 それでは、委員の残余時間十一分、これを保留させていただきまして、次の質問者に入り、後ほど再答弁をさせますので、よろしくお願いいたします。
松本(剛)委員 ちょっと待ってくださいよ。だって、後の質問者のまだ準備もあると思いますから、予定の時間に達していないと思いますから。
小坂委員長 速記とめてください。
    〔速記中止〕
小坂委員長 速記を起こしてください。
 質問者は質問を継続してください。――質問者は質問を続行してください。――速記をとめてください。
    〔速記中止〕
小坂委員長 速記を起こしてください。
 松本委員の質問時間は、残余の時間を留保し、次の質問者に入り、後ほど再度指名をいたします。
 次に、中塚一宏君。
中塚委員 自由党の中塚です。
 まず、公認会計士法の質問に先立って、けさ発表になりました一―三のQEの件、伺いたいというふうに思います。
 年度で、実質でプラスということで、二年ぶりということですね。ただ、デフレーターは過去最大ということで、デフレの厳しさをあらわしているということだと思うんですが、まずそこのところはいかがでしょうか。
竹中国務大臣 中塚委員御指摘のとおり、けさ、マーケットが始まる十分前の八時五十分でございますけれども、ことしの一―三月期のGDPの一次速報を発表しております。
 実質成長率は、一―三月期ゼロ%でございます。過去に若干さかのぼった改定も行われておりますので、結果的に見ますと、十四年度の実質成長率は一・六%ということになりました。その意味では、我々は、景気は全体として持ち直しの動きになる中で、足元では横ばいで推移している、いわゆる踊り場的である、そういう認識を月例経済報告で示しておりますが、そういった姿が実質GDPの数字にはあらわれているのではないかと思っております。
 ただ、同時に、これまた委員が御指摘になりましたように、デフレーターについては厳しい状況になっております。デフレーターにつきましては、十四年度一―三月期について見ますと、前年同月比でマイナス三・五%ということで、何度かこの場でも御議論させていただきましたけれども、実質成長率については、実物経済については、厳しいながらも予想より少し上のところに来ているが、デフレは厳しい、そういった点を重視しながら、しっかりとした経済政策の運営を行っていきたいというふうに思っているところでございます。
    〔委員長退席、渡辺(喜)委員長代理着席〕
中塚委員 今踊り場のところにあるというふうなお話がありましたし、あと、景気が横ばいだという政府の見方を裏づけるということだったわけですけれども、一―三だけだと実質でゼロですよね。しかも、四四半期連続で前期は下回ってきていると思うんですが、そういう意味では、横ばいとかあるいは踊り場にあるということではなくて、やはりどんどんと悪化、減速傾向にあるということなんじゃないか、私自身はそういうふうに思いますが、そこのところはいかがでしょうか。
竹中国務大臣 水準を議論するのか伸び率を議論するのかという御指摘だと思います。
 まさしく、水準では、下がっているわけではございませんですから、悪化ということではない。これは悪化、減速というお言葉をお使いになりましたが、悪化ではないというふうに思っております。まさに横ばいでございます。しかし、四半期ごとの伸び率に関しましては、これは季調済み前期比で申し上げますが、昨年の四―六月期が一・三%、次が〇・八%、〇・五%、そして〇%でありますから、その意味では減速の姿というのが出ている。
 全体としては持ち直しているけれども、今踊り場だというふうに申し上げましたけれども、そのように御理解を賜りたいと思います。
中塚委員 ということは、景気はやはり横ばいであると同時に減速もしているということなんですか。
竹中国務大臣 水準は横ばいです。ただし、その増加、GDPの増加傾向に関しては、伸び率が縮まっているという意味で減速をしているということです。
中塚委員 ということは、横ばいではあるけれども、やはりその回復の力はそんなに強くないということですね。だんだんその力自体は鈍ってきているというふうな御説明だったと今思いますが。
 その一―三の中で、外需、輸出関連の弱含みということが大きくクローズアップされているわけで、やはりイラク戦争とかいろいろな要因があると思いますけれども、ただ、円・ドルなんかを見ても、ちょっと円高の方に振れているようなところもあって、これから輸出関連が、ではどこまでそれが牽引車になれるかというと、そこはなかなか難しいんだろうというふうにも思うんですが、そこの見通しはいかがでしょうか。
竹中国務大臣 GDP全体でゼロ%、横ばいと申し上げましたが、今お触れになられたように、実は外需が、これは寄与度で見るとマイナスの〇・二ということになっております。逆に内需がプラスの〇・二でありまして、むしろ、一般に認識されている、少なくとも去年の日本経済で認識されていたように、内需は弱いけれども外需で支えているということとはこの四半期に関しては逆転をしておりまして、外需がむしろ弱くて、内需の方は少しだけれどもまだ成長している、そういうような姿になっております。
 外需がどのように推移していくか、それをどう見るのかというお尋ねでありますが、これは、アメリカの経済を中心とした世界の経済の動向に非常に敏感に反応していかざるを得ないということになります。
 今のところ、アメリカのブルーチップスのコンセンサス等々、今後の成長予測を見る限りは、ことしの後半には成長力が戻ってくるという見方が、専門家の平均値としての見方は示されておりますが、これに対しては、個人的な見解として、いろいろな人が、これは少し楽観的過ぎるのではないかというような表明もございますし、先般のOECDの閣僚理事会では、多くの方々は、我々は今コーシャスオプティミズム、楽観的だけれども警戒的な目を持った楽観主義でなければいけないというふうな指摘をしておられました。その点はやはり非常にしっかりと注意をして見ていかなければいけない局面であるというふうに思っております。
中塚委員 外需が弱含んでいたという結果が出て、アメリカ経済等について今御説明があったわけですし、そして内需は予想外に好調だったということだと思うんですが、では、そういう中にあって、今後はどういう政策運営をとっていくのかということが大変重要になるわけです。けさの会見では、改革なくして成長なしだから構造改革をやるんだというふうにおっしゃっていますけれども、それは今までずっと言い続けてこられたことであって、外需が落ち込んでいる、そして内需で何とかというときに、構造改革というと一体何をどういうふうにどうすることなのかを、今までいろいろなことを発表されていますけれども、では、それに加えて何をするのかという話がまた今度出てくる、出てこなきゃいけないというふうに思うんですが、そこはいかがでしょう。
竹中国務大臣 今のような状況を受けてどのような政策対応をとるかということに関しまして、けさの記者会見で三点を申し上げております。
 そのうちの一点が、委員御指摘になられた、やはり構造改革をしっかりと進めていくことだ。中身は何かということでありますが、これは例えば、動き出した特区、この特区をやはり軌道に乗せるということが重要でありましょうし、さらには、活性化のための先行減税を行っておりますけれども、この先行減税が、内容がなかなか、特に証券税制等普及していないのではないか、そういったことの周知徹底というような地道な努力も必要だと思います。
 二点目として申し上げましたのは、成立した予算を機動的に執行していくことである。この予算の執行というのは、今の我々にとって大変重要な課題であると思います。
 第三点として申し上げましたのは、一昨日、関係閣僚が集まって取りまとめた証券市場の構造改革と証券市場活性化について、そこで、早急にできること等々、区分を分けて発表しておりますので、それを急いで強力に実行していくことであろうかと思います。
 あえて、記者会見で申し上げましたことにもう一点つけ加えるとすれば、やはり、先ほどの答弁でも申し上げましたように、デフレが引き続き、物価の下落が深刻であるということでありますから、日本銀行と連携して、この問題にしっかりと対応していくことがどうしても必要かと思います。
中塚委員 対策を打つには、その原因というか、そういったことをちゃんと調べて、その上で対策を打たなきゃいけないわけで、外需の話は、それはアメリカの経済のことですから、また世界経済のことですから、我が国だけでいかんともしがたい部分は確かにあるんだろうというふうに思うんですね。そういう意味では、よそ様任せになっちゃったら話にならないわけで、では、我が国として何をするかということが非常に重要になってくる。
 予算の早期執行とかいうお話を今されましたが、今、公共投資も住宅投資もマイナスになっていたというふうな結果も出ているわけなんですけれども、個人消費が唯一上向いていた、その原因、理由というのはどういうことだとお考えなんでしょうか。
    〔渡辺(喜)委員長代理退席、委員長着席〕
竹中国務大臣 一―三月期について見ますと、消費が寄与度で〇・二%、実は、設備投資が寄与度でそれより大きくて〇・三ということになっております。したがって、この消費、投資がしっかりとしていくように、実は政策的な手段というのはなかなか限られてはいるんですが、これを行っていくことが重要だと思います。
 設備投資に関しては、先ほども申し上げましたように、活性化のための先行減税をしっかりと定着して、これを活用していただくようにすることだと思います。
 お尋ねの、消費が厳しい環境にあるというふうに言われながら、それでも少し伸びているのをどのように考えるかということでありますが、ここはいろいろな要因があるのだと思います。
 ただ、一つ、少し構造的な観点から申し上げられますことは、日本の場合、消費者の財布のひもが締まっている、財布のひもを締めている、将来不安でぎゅっと締めているという言い方がなされるわけですが、統計から見る限りはむしろ逆でありまして、可処分所得に占める消費の割合、つまり消費性向というのは構造的には実はかなり高まっております。消費性向の裏が貯蓄性向でありますけれども、貯蓄性向は、十年前一四%程度であったものが、今はその半分以下になっている。その意味では、消費者は、安定した生活を求めて、お金はまあそこそこ使おうとしているということなのではないかと思います。そういった点が日本の消費を割と底がたくしているのではないかというふうに思っております。
中塚委員 設備投資が〇・三という話は、やはりデフレーターの問題があって、デフレがそれだけ激しいということなんだろうと私は思うんですね。個人消費の〇・二というのももちろん同じ側面を持っているというふうに思いますけれども。
 経済政策の中で、財政、金融、産業、大体そういう三つの政策がある中で、個人消費なり設備投資なりを活性化させていくときにどうするか。設備投資については、減税ですね、設備投資減税というのをことし、今年度から始まっているわけです。ところが、個人の消費ということについては、どっちかというと、消費をエンカレッジするような政策というのは余りとられていないわけですね。例えば、発泡酒とかたばこというのを消費に入れていいのかどうかは別ですが、そっちについては増税というようなことが多くなっている。
 金融政策は、確かに量的緩和自体は否定はしませんが、金融政策だけで需要がつくれるというふうにはなかなか思えないわけで、そこでやはり財政の役割というのは常にあるんだろうと私は思います。
 ただ、そのやり方としては、では、従来型のやり方がいいのかというと、それは決してそうではなくて、政府部門の非効率さというものを考えたときに、やはり民間がやった方が効率がいいだろうというコンセプトで設備投資減税なんかもおやりになっているんだろうというふうに思うわけですね。要は、非効率な官にようけ金を残すよりも民間に残して効率よく使うということで需要もつくっていけるだろうというふうな考え方がその根底にあるはずだと思うんですが、そういう意味で、やはり個人消費等をエンカレッジする、家計をエンカレッジするような、そういう税制が必要なんだと思うんですが、そこはいかがでしょう。
竹中国務大臣 御指摘のように、財政、金融、産業、それぞれの政策に役割があると思います。繰り返し言いますが、しかし、財政に象徴されますように、政策の発動余地が非常に乏しい中で、いかに効率的にまさに民の活力を引き出していくかというのが常に政策の基本であろうかと思います。
 先ほど、税制面からも消費者をエンカレッジするような政策を今回とられていないのではないかという御指摘がございましたが、企業部門の活性化に主眼を置いておりますから投資減税等々が目立ちますが、資産に対する課税の軽減というのは証券税制に象徴されるように行われているわけで、これは家計に対してもメリットのあるものであったというふうに思っております。
 そこでお尋ねの、財政の役割をどのように考えるのか、特に、消費ないしは家計に対する税制をどのように考えるのか。この点については、何度も委員とは御議論をさせていただいておりますが、財政は、もう言うまでもありませんが、マクロで見ると実はかなりの赤字をキャリーしているわけで、その意味では、結果として財政部門が経済に対して需要面の刺激を与え続けているという状況が続いているというふうに思います。
 ただ、これは中長期的には、子供たちの世代のために、基礎的収支、プライマリーバランスをどうしても回復させなければいけない。今、その意味では、思い切った財政の発動は大変困難な状況にあると思います。
 家計を刺激するような税制ということになりますと、これは、委員は例えば所得税の減税のようなものを意図しておられるのでしょうか、ちょっとどういうものなのかよくわかりませんですけれども。先ほど言いましたように、まず、マクロで財政の発動余地というのが非常に乏しいということ。それと、税制改革については、中長期的な資源配分の最適化という観点から、長期的視点に立った税制改革の第一歩を、ことしの、十五年度の税制改革で行っておりますので、まずこれを定着させた上で、引き続き中長期的な観点からさまざまな可能性を議論していきたいというふうに考えております。
中塚委員 マクロで財政の発動余地が少ないというのはそのとおりだと思うんですね。だから、発動の余地が少ないからこそ、より、一番効果的な方策を考えていかなきゃいけないという中にあって、私は、赤字が多いから増税しろというふうな話がよくありますが、今の財政、行政の仕組みのままで増税したってそれは赤字が膨らむだけの話で、というのは、財政、行政の仕組み自体が非効率だから赤字になっているということなわけですから、今のまま増税したって、私は赤字が拡大するだけだと思うんですね。
 それよりは、官と民との資金の配分というふうな観点に立ったときに、官よりも民の方がより効率的にお金を使っていけるんだろうという意味で、だからむだを省いてその分を減税に回す。減税というよりは、官と民の資金の配分を変えて、そのことにより経済を活性化させていくという視点に立った政策が必要なのではないのかというふうに考えております。
 また今度、間もなく、あと二カ月か三カ月ぐらいですか、四―六も発表になるであろうと思いますので、そうなればまたこのことについては議論をさせていただきたいというふうに思っておりますが、次に、公認会計士法の質疑に入らせていただきます。
 先ほど来、公認会計士の使命規定のところで、「会社等の公正な事業活動、」というふうな文言について議論されておりました。きょうは谷口財務副大臣にお越しをいただいておりまして、谷口財務副大臣は公認会計士でいらっしゃる。この委員会で参考人質疑というものが残念ながら行われなかったということもありまして、尊敬する谷口副大臣に、きょうは副大臣というよりは公認会計士としての御意見を伺っていきたいというふうに考えております。
 まず、ずばっと伺いますが、谷口副大臣は、先ほどの、会社等の公正な事業活動ということについて交わされていた議論について、どういう御意見をお持ちでしょう。
谷口副大臣 これは所管が違うのでなかなか言いにくいんですが、しかし私の個人的な考え方ということで申し上げますと、先ほどから藤原局長が答弁をいたしておりましたが、やはり公認会計士の期待されておる仕事というのは、基本的には、そういうコーポレートガバナンスといったようなことが正常に動くような大きな流れの中で、監査を通じて期待されておるところがあるんだろう、そういう意味では理解できるのかなというように考えております。
中塚委員 そうすると、そもそも公正な事業活動って一体何なんだという話にまた戻っちゃうんですけれども、コーポレートガバナンスの話にしたって何にしたってそうですが、公正さをどういうふうに担保していくのかということになれば、では国営監査がいいという人もいるかもしれませんね。そうではなく、公認会計士がやればいいじゃないかと言う人もいらっしゃると思いますけれども、公正な事業活動というのは一体何なのか、そして、その公正な事業活動を評価するというのはどういうことなのか。これは、では金融庁にまずお伺いします。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほども御答弁申し上げましたように、「公認会計士は、監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保する」、これをもちまして「会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、もつて国民経済の健全な発展に寄与する」ということでございまして、まさしく、独立した立場におきまして、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保する、こういうことによりまして、先ほども申し上げましたが、企業の資金調達に寄与する、あるいは間接的に企業のコーポレートガバナンスに寄与するということを言っております。
中塚委員 その公正な事業活動の評価というのは、だれが、どういうふうに、どうするべきだというふうにお考えなんでしょう。
藤原政府参考人 公正な事業活動というのは、先ほど申しましたように、公認会計士の独立した立場から、財務書類とかその他の財務に関する情報の信頼性を確保する、それをもちまして、企業が、資金調達活動あるいはコーポレートガバナンス、こういうものに間接的に寄与を受けるということだと思っておりまして、まさしく、それが適切に行われることが、翻って企業の公正な活動、証券市場の公正さにつながっていくということだと思っております。
中塚委員 同じ質問を谷口副大臣に伺いたいんですが、「会社等」になっていますけれども、「等」についてはちょっとまたお尋ねしたいことが別にあるんですが、会社等の公正な事業活動というのは一体どういうことなのか、そして、その会社等の公正な事業活動を評価するとは一体どういうことなのか、だれが評価するのかということについて、どういう御意見をお持ちですか。
谷口副大臣 今大臣がフランスのドービルに行っております。ここでも、どうもコーポレートガバナンスのことが議題に上るようであります。このところ、国際会議におきましても、コーポレートガバナンス、また証券監督者機構というのがありますけれども、こういう観点も含めて、特にヨーロッパを中心にしてこのような動きがあるようでございます。
 そんな状況の中で、今回公認会計士法が改正されるわけでございますけれども、我が国の企業の中でも、企業行動が逸脱をして、いわば犯罪に近いような状態も現にあったわけでございます。そんなこともございまして、各企業におかれましては、行動規範といったようなものもより一層厳格につくってやっていらっしゃるわけでございます。このようなことも、広い意味では監査の中に該当するのではないか。
 会計監査は、先ほどから局長が言っておりますように、投資家保護といったことが一番大きな役割でありますけれども、その中で、財務書類の検討のみならず、広い意味で、そのような行動規範も検討するといったようなことで心理的牽制というようなことも起こり得るんだろうということで私は考えております。
中塚委員 その公正な事業活動の評価というのは、だれがどのように、どう行われるべきというふうにお考えでしょうか。
谷口副大臣 これは、私、先ほどから申し上げておりますように所管じゃありませんので、法案について委細細かくやっておるわけではありません。
 しかし、私の個人的な意見で申し上げますと、やはり反社会的な企業行動というのは当然責められるべきでありますから、どこに基準を求めるかということではなくて、社会的通念としてその企業がどうなのかということが問題ではないかというように考えております。
中塚委員 正義感の強い方なので、反社会的な行動とか、それはもちろんあっちゃいけないことはよくわかるんですが、では、果たしてそれまで公認会計士さんのお仕事にしちゃっていいんですかというふうな疑問が出てくるわけですね。
 会社が不正なことをやっているということですが、不正といっても、公認会計士さんの関連する不正といえば、それは財務諸表の問題であるとか、要は経営内容にかかわる問題ということで、では、それが現実問題どういうふうに評価をされるかは、やはりマーケットなわけですね。だから、この公認会計士法だって、要は証券市場改革の一環として、証券取引法と、あとこの法律もということで、今回国会でこういうふうに審議をされているはずなわけですよ。
 そういう意味で、会社の公正な事業活動というのはやはり、きちんとお金をもうけて、それを債権者や投資家なりに分配し、なおかつ税金を納めていく、それが一番の社会貢献ということになっていく、それ以外の何物でもないはずだと思うんですね。
 そういった面では、公正な事業活動ということについて先ほど来議論が行われていますが、これがなくったって公認会計士さんのお仕事には別に差しさわりはないはずですね。現実問題、今までもなかったわけだし、入ったということは、逆に何か目的があって入ったんだろうというふうに思うんですが、そこのところはいかがでしょうか。
谷口副大臣 中塚委員がおっしゃることはよく理解できるわけでありますけれども、例えば企業の定款の中で、その企業が行動する業務範囲については規定されているわけですけれども、それが、先ほども申し上げました、例えば法的に許されないことを企業が行うということは、売り上げに、または会社の収益に貢献するかもわかりませんが、一方で、これは許されないことであります。ですから、そういうことは監査の中に入ってくると考えても私は当然なんだろうというように思うわけであります。
中塚委員 ですから、そういうことを通して、もって投資者及び債権者の保護を図るわけですね。それであるならば、そういういろいろな犯罪的行為が行われていたとしても、それは当然のごとく指摘をしなければいけない話であって、何も新たに盛り込まれる必要というのはないんだろうというふうに思うんです。そこはいかがですか。
谷口副大臣 それは、先ほど、冒頭私が申し上げましたように、我が国のみならず、国際会議の場で、コーポレートガバナンスのありようについては今非常にテーマに上がっておるわけでございます。そういうことを念頭に入れますと、従来当然視されておったことを、いわば若干明文化したというように私は考えておるわけであります。
中塚委員 では、コーポレートガバナンスの話がありましたので、確かに、エンロンとかワールド・コムとかいろいろな事件が起こったから昨年アメリカでもいろいろな施策が打たれたということなんですが、これは金融庁に伺いますけれども、今回は「会社等」になっていますね。「等」というのは一体どういうことなんでしょうか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 「会社等」の「等」と申しますのは、例えば、今やっております独立行政法人の監査でありますとか自治体とかなんかのそういうのも含めた、もっと公的な広がりのところも含めての「等」ということでございます。
中塚委員 「会社等の公正な事業活動、」、独立行政法人の公正な事業活動ということも、これは公認会計士さんのお仕事なんですか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 現在、公認会計士は、必ずしも企業だけではなくて、そういうところにつきましても監査をやっております。したがって、そこも仕事だと思っております。
中塚委員 今局長が独立行政法人というふうにおっしゃったからお尋ねをしているので、独立行政法人の公正な事業活動も公認会計士さんのお仕事の使命ということに入るんですか。
藤原政府参考人 ここに書いてありますように、「監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保する」ということは、会社であれその他の形態であれ同じことだと思っておりまして、そういうことは一つの使命だと思っております。
中塚委員 独立行政法人が公正な事業活動を行うというのは、それは当たり前の話ですよ。当然のごとく、当然のようにやらなきゃいけないことを「等」に含めて、「公正な事業活動、」というふうなことで公認会計士さんの使命にしてしまうという考え方、もちろん公正な事業活動が何なのかということとも関連をいたしますけれども、ちょっとここのところはいろいろなものを一緒くたにし過ぎていて、ちょっと説明もされにくいんじゃないかなというふうに思います。
 時間が来ましたので終わります。
小坂委員長 次に、佐々木憲昭君。
佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 前回の一般質疑で、私は、銀行の融資に対する行為規制について竹中大臣に質問をいたしました。どうも答弁が質問とちょっとかみ合っていなかったような感じが私はいたしまして、初めにこの点について再度お尋ねをしたいと思います。
 前回の質問で、私は、同じ融資行為なのに、貸金業者であれば過剰融資とか取り立て行為が法律で規制されているけれども、銀行が行う融資には何の規制もない、これはおかしいのではないか、こういうふうにお尋ねをしたわけです。銀行に対しても同様な法規制が必要ではないかというふうにただしたわけでありますが、竹中大臣の御答弁は、金融サービス法を将来的に検討するというような最後の答弁でございました。私は、これは全く別の話だというふうに思っておりまして、問題は、銀行の行為規制の必要性、この点について触れておられなかったわけであります。
 まず、議論の前提としまして金融庁に確認をしておきたいんですけれども、一九七九年六月に金融制度調査会がまとめた「普通銀行のあり方と銀行制度の改正について」、こういうものがございます。その中で、「法制面に関しては、各国の金融取引における消費者保護のための立法の状況にかんがみると我が国では整備が進んでいるといえない」、「金融取引における消費者保護規制について、今後、早急に具体的な検討が行われる必要がある」、こう指摘しているというふうに思いますが、まずここの点を確認しておきたいと思います。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 昭和五十四年六月のその金融制度調査会の答申、これは先ほど委員御指摘のありました、「普通銀行のあり方と銀行制度の改正について」という答申でございますが、この中におきまして、「法制面に関しては、各国の金融取引における消費者保護のための立法の状況にかんがみると我が国では整備が進んでいるといえない」という指摘と、それから「金融取引における消費者保護規制について、今後、早急に具体的な検討が行われる必要があると考える。」との記載がなされていることは事実でございます。
佐々木(憲)委員 大事な点は、「消費者保護規制について、」「早急に具体的な検討が行われる必要がある。」こう指摘をしている点でありまして、同様の提言はその後も繰り返されているわけです。
 私は、前回の質問で、バブル期の銀行融資をめぐる被害の実態を示しまして、大臣にも被害者の手記を後でお渡しさせていただきました。
 政府の審議会が、バブル以前から繰り返し、銀行の融資行為に対する規制が必要だ、こういうふうに指摘をしていたわけですが、同時にまた早急な検討も求めていたわけですが、しかし、政府は事実上それを放置してきたのではないか。政府が銀行に対する規制をこの審議会の提言どおりきちっと行っていれば、バブル期の金融被害は防げたのではないかというふうに私は思います。銀行被害を生み出した原因として、銀行に対する法規制を放置してきた行政の責任、やはりこういう問題もあると思いますが、大臣は、行政に責任は全くないというふうにお考えなのか。この点、どのようにお考えでしょうか。
竹中国務大臣 前回も議論の重要な対象になりましたが、一九七九年六月の金融制度調査会の答申、これは大変重要な答申であります。この中で、金融取引における消費者保護規制について、銀行融資はもちろん含まれるわけでありますけれども、銀行融資についてということではなくて、金融取引全体についてこれは制度を進化させろということが大変重要な点として書かれているわけでございます。
 その後、現実問題として、日本のマーケットの中にもいろいろな問題が生じました。それに対して、政策的にも、これは前回も、こういうことをやらせていただいていると御答弁をさせていただきましたし、委員もよく御承知のとおり、いろいろな制度の進捗はあるというふうに思っております。
 その中で、直接のお尋ねは政府の責任いかんということでありますが、これは現実問題としてこういう問題が起きてしまったわけで、政府として、業界として、それぞれ反省すべき点はたくさんあると思っております。そうした反省を踏まえて、前回も申し上げましたように、さまざまな制度整備を今させていただいているわけでございまして、それについては、もっと早くできないか、もっと危機感を持ってやらなきゃいけないと、さまざまな御指摘を受けていることは承知しておりますが、我々も、そういった危機感を持って今懸命にその制度整備をしているところでございます。
佐々木(憲)委員 私は、金融消費者保護の法制度の検討というのはほとんどなされていないんではないかと思っておりまして、これは、おくれているというよりも、できていないというのが率直な感想なんです。
 金融制度調査会が、バブルでいろいろな問題が発生して被害も広がった、それを受けまして、九七年六月の答申で改めて法規制の必要性に言及しております。「銀行等の消費者ローンに係る利用者の保護」ということで、こういうふうに書いているんですね。「個人利用者の保護という視点を重視する観点から、銀行等の消費者ローンについては、従来の通達を中心とした規制の形式で十分と考えられるかという問題があるほか、書面の交付など通達によっても規制が行われていないといった問題もあり、銀行等の消費者ローンに係る更なる行為規制について、今後所要の措置を講ずる必要がある。」こういうふうに明記をしているわけです。
 この答申は、金融ビッグバンに伴う利用者保護策としまして三つ挙げているんです。一つは金融サービス法、二つ目は裁判外紛争処理制度、そして三つ目が銀行への法規制を含む消費者信用保護策、この三つを挙げております。
 大臣がおっしゃったのは、金融サービス法について、前回の私の質問に対してお答えになったわけですけれども、裁判外紛争処理制度ですとか銀行の法規制を含む消費者信用保護策、特に消費者信用保護、この面については、実態的にいいますと検討が進んでいない。この答申が出てから五年たつわけです。消費者信用保護策については、この答申ではこういうふうに言っているんですね。「九七年度中に結論を得、速やかに所要の措置を講ずる」、こうまで言っているわけです。九七年ですからもう大分前ですね。
 こういう指摘があったという点について、まずこの事実関係を確認しておきたい。あったかないかだけ言ってください。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 一九九七年、平成九年の金融制度調査会の答申「我が国金融システムの改革について」の中におきまして、先ほど先生御指摘のように、「銀行等の消費者ローンに係る利用者の保護」を重視する観点から、「銀行等の消費者ローンについては、従来の通達を中心とした規制の形式で十分と考えられるかという問題があるほか、書面の交付など通達によっても規制が行われていないといった問題もあり、銀行等の消費者ローンに係る更なる行為規制について、今後所要の措置を講ずる必要がある。」また、「消費者信用保護の諸施策については、今後検討を進めて九七年度中に結論を得、速やかに所要の措置を講ずることが望ましい。」とされているところでございます。
佐々木(憲)委員 つまり、私が指摘したこの部分は明確にあったということであります。
 大臣、つまり金融消費者保護制度について、九七年中に結論を得て、速やかに所要の措置を講ずるというふうになっていたんですが、これが実行されていないんです。これは直ちに検討を開始すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
竹中国務大臣 佐々木委員から、一九七九年から始まってさまざまな答申がある中で、こういったことを金融庁は何もやっていないではないかという御指摘の中で、今、詳細な三点の御指摘がございましたが、何もやっていないということは少し違う。これはぜひ御理解を賜りたいと思うんです。
 御指摘の一点は金融サービス法であったかと思いますが、これについては前回議論をさせていただきました。金融サービス法は、その後の、これは平成十二年ですか、三年後の二〇〇〇年の金融審の報告で出ているものでありますが、金融サービス法というのはやはり理念系ではあるんだけれども、現実に今の業の法律があるわけで、それとの整合性を、今既存の法律との調和を図りながら整備していくべしということが書かれております。
 そういった理念と関連しますけれども、金融サービスに関しては、これは平成十年の銀行法の改正でありますけれども、銀行法の十二条の二で重要事項の顧客への説明等の規定を設けている。さらには、平成十三年四月に例の金融商品販売法を制定いたしました。これは非常に大きな前進であった。金融サービス法に関連する部分ではそういうことが言えたのではないかと思います。
 さらに、裁判外の紛争処理については、この問題に関しては、不動産の紛争処理をどうするか、いろいろな紛争処理があるというふうに聞いておりますけれども、これは平成十四年の三月に閣議決定された司法制度改革推進計画においても、裁判外の紛争解決手段については、関係機関等の連携強化、共通的な制度基盤の整備を進めることによってその拡充、活性化を図るとされておりまして、それに基づいて、これは決して金融庁のみならず、ちょっと申し上げましたけれども、不動産の処理、いろいろなものがありますので、法務省等々において今検討をされているというふうに認識をしております。
 それと、消費者信用法につきましてでありますけれども、これは御承知のように、消費者契約法がその後できております。これは金融に限ったものではありませんが、横断的な消費者契約法の中でその精神が具体化しているというふうに認識をしております。
 もちろん、これで十分かどうかというのは、これは不断に検証していかなければならないと我々も思っております。ただ、九七年のその三つの指摘というのは、今申し上げたようなそれぞれの形で我々なりに着実に推進しつつあるという点、ぜひとも御認識を賜りたいと思います。
佐々木(憲)委員 今、いろいろ進んでいるというようなお話がありましたが、私が一番問題にしたいのは、銀行の融資の問題、その行為規制というものが具体的に進んでいないということなんですよ。例えば金融商品販売法というのがありますが、これは銀行の融資は対象外であります。ほかの制度もいろいろ御紹介いただきましたけれども、実際に銀行の融資行為に対して規制を加えるという具体的な措置がいまだに出ていないわけであります。こういう点で、やはり早急に検討すべきだと私は思います。
 その点で、バブル期の被害の話というのは過去の話じゃなくて現に続いておりまして、十年たっても解決していないわけであります。回収を強化したいということで、銀行は、ともかく話し合いもなしに一方的に競売にかける、貸し手の責任をめぐって裁判を争っているのにその最中に競売をかけてくる、こういうことは日常茶飯事でありまして、相続税対策だということで銀行を信じて借りた、子供に家を残そうと借金をしたら、逆に銀行に競売をかけられて、自宅を失う、ホームレスになる、こういう状況であります。つまり、現実に、法律の不備で苦しんでいる方が多数おられるわけであります。これは直ちに手を打つべき問題だと私は思います。
 外国の例を挙げますと、銀行を対象にした消費者信用保護法というのはきちっとありまして、そういうものをやって、ビッグバン、自由化というものを進めているわけです。日本の場合は、消費者保護の方が全く置き去りになりまして、自由化だけが進むという非常にゆがんだ形になっていると思うんです。
 ですから、銀行の融資行為あるいは回収行為に対する法的規制の検討、これは直ちに開始すべきだと思うんです。大臣のイニシアチブでぜひこの点はしっかりやるという決意をお聞かせいただきたいと思います。
竹中国務大臣 金融商品の販売の中で銀行の融資というのをどのように扱っていけるのか、いくべきなのかというのは、引き続き我々も問題意識として持ち続けなければいけない重要な課題であろうかと思っております。
 先般からリレーションシップバンキングの議論を少しさせていただきましたけれども、リレーションシップバンキングのアクションプログラムというのは大変我々も力を入れているわけでありますが、実は、特にこれは地域、地元に密着したいろいろな融資業務を担当する方々を対象にしますので、その場合の説明責任、それに必要なさまざまな研修等を含む措置というのを、その中に、我々も非常に強い問題意識を持って織り込んだつもりでございます。
 現状ではそういった努力を重ねながら問題の解決の方向をぜひ図りたいというふうに思っておりますが、繰り返し申し上げますが、貸金業と銀行というのはやはり基本的に違うし、その法律が出てきた背景も違う、これはもう前回御説明させていただいたとおりでございます。今の銀行という枠組みの中でどのように今の問題を解決できるか。当面は、そのリレーションシップバンキングのアクションプログラムの中でしっかりと対応していきたいというのが私の気持ちでございますが、法体系全体をどのように考えるかというのは、これは強い問題意識を持って引き続きぜひ検討をしていきたいと思います。
佐々木(憲)委員 貸金業と銀行も、成り立ちは違いますけれども、しかし借りる側からいいますと同じ融資行為なわけであります。一方は規制されて一方は規制されない、規制されないので被害がふえる、これが今の現状なので、業界の側の形態だけ考えるのではなくて、借りる側、消費者の側の立場から見て同じ行為ならば、同じ規制をしてもらいたい。私はこれは当たり前のことだと思うので、ぜひその点を、検討の際にしっかりと念頭に置いてやっていただければと思います。
 次に、提案されております公認会計士法改正案についてお聞きをしたいと思います。
 企業がその活動内容、経理状況を広くかつ正確に開示するというのは、企業に社会的責任を果たさせるという点でもこれは大事なことでありますし、一般の投資家が的確な投資判断をできるようにするためにもこれは重要だというふうに思います。
 先ほどから議論されております第一条の件につきましては、この法案そのものの文章自体が日本語として非常にわかりにくい文章になっておりまして、しかも、企業の責任に属すること、会計士の責任に属すること、これが混在しておりまして非常に問題が多い、これは指摘されているとおりであります。
 私は、ここに週刊ダイヤモンドの九八年十一月十四日付のコピーを持っておりますが、公認会計士協会の当時の会長、現在は会長かな、今は違うんですね、中地宏さんがこういうふうに言っているんです。「会計士の仕事は、企業が会計基準などにしたがって正しく財務諸表を作成しているか否かを監査して意見を表明することである。企業が決められたとおりにやっていれば、その企業が倒産しようがしまいが会計士には関係のないことだ。企業が基準どおりに作成していないことが見抜けなかったのであれば、それは会計士の腕が悪い。そういう会計士はリハビリが必要だ。」こういうふうに言っておりまして、会計士の仕事の範囲、これは非常に限定的に述べられているわけですね。
 このことがしっかりやられることによりまして、企業自身が公正な企業活動に寄与するといいますか、あるいは経済の発展に寄与する、こういうことにつながっていくわけでありまして、それが、この一条には、確かに先ほどからの議論を聞いていますと、大変複雑怪奇にその中身が混在しておりまして、なかなかわかりにくい文章になっているので、これは後でさらに松本議員が質問されますので、その点を私も注目していきたいと思っております。
 そこで、アメリカでは、エンロンの事件を契機にしまして、一会計士の企業担当期間五年というふうにしているわけですね。しかし、今回出された法案では七年となっております。
 最初、金融庁は五年という案をつくっていたのではありませんか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 同一人による継続監査期間に関しましては、現在の公認会計士協会の自主規制では七年とされておるところでございますが、米国では、従前の自主規制による七年を企業会計改革法によりまして五年としているということも踏まえまして、昨年十二月の金融審議会の公認会計士制度部会報告では五年または七年というふうな提言がされておるところでございます。(佐々木(憲)委員「いやいや、最初、五年という案じゃなかったんですか」と呼ぶ)私どもも、五年または七年ということで考えておりました。
佐々木(憲)委員 二月二十一日の日経の夕刊によりますと、「法案作りでは、金融庁は当初、米国と同じように五年ごとの交代を法律で義務づけようとした。だが、会計士協会は従来通り七年にとどめるよう主張、金融庁との対立が続いていた。二十一日の自民党企業会計小委員会で調整した結果、五年に縮める案で決着した。」と報道されているわけです。
 ところが、三月三日付の日経金融新聞によりますと、一たん決着した五年の案に日本公認会計士協会が反発して、こういうふうに報道されているんですね、「交代期間を現在の会計士協会の自主規制である七年にとどめるよう自民党議員に猛烈に働きかけた。」と報道されている。そして出てきたのが七年だということであります。
 経過はこういう経過だったんじゃありませんか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほどもお答え申し上げましたように、既に金融審の審議の段階案におきまして、五年または七年という両論がございました。これは、監査人の独立性を強化する観点から五年とすることが望ましいわけでございますが、他方、監査人が経営者と対等な立場で議論ができるようになるためにはある程度の日数が必要、したがって七年程度の日数が必要という意見、両方がございました。
 したがいまして、そういうことを踏まえながら、また議論をした上で、最終的には政令に委任することといたしまして、当初は七年間とすることといたしますが、七年後に五年間というふうに見直すことを視野に入れまして、「七会計期間の範囲内で政令で定める連続する会計期間」というふうに規定したところでございます。
佐々木(憲)委員 最初は、金融庁は五年、あるいは自民党も五年といっていたのが、会計士協会の圧力で七年、自主ルールに合わせた、これがこの法案だというのが全体の経緯を見ますとわかります。(発言する者あり)本当は自民党に答えていただきたいんですが、今は答弁者じゃありませんので、静かにしていただきたいと思います。
 今の、公認会計士協会の自主ルールは、同一の会社に七年関与した者は二年間その会社の監査をしてはならないという規定があって、この法案はその自主ルールを法律にしたというだけであります。しかし、自主ルールよりも法律にした方がいいといえば言えるわけですけれども。
 例えば、国際的に見てこの期間というのはどうなのかといいますと、アメリカは五年であります。その後五年間は、その会社の監査はできません。イギリスでは期限は五年、フランス、ドイツでは六年となっております。
 竹中大臣にお聞きしますが、この七年というのは、国際的に見ましてかなり長い方になるのでありますが、この期間の短縮について、今後全く検討の余地がないのかどうか、お聞きをしたいと思います。
竹中国務大臣 いろいろなお考えがあるポイントだと思います。しかし、制度を有効に機能していくためには、やはりどこかのポイントを決めなければいけない。その決定は、大変社会的に大きな意味を持ってくるポイントであろうかと思います。
 そうした観点からお尋ねをいただいているわけでございますが、五年がいいか七年がいいか、先ほどの局長の答弁にもありましたように、それぞれメリット、デメリット、考えなければいけない点があろうかと思います。
 我々としては、政令で、当初は七年間とする、それで、七年たつわけでありますけれども、七年後に、その後は五年間に見直すことも視野に入れて、規定して、考えていくということを現時点では考えております。
佐々木(憲)委員 五年も視野に入れてというお話でありました。
 では次に、監査法人が懲戒処分を受けた事例というのは今までたくさんありまして、故意による虚偽証明を行ったとか、それで登録を抹消されたとか、過失による虚偽証明で業務停止、戒告を受けたとか、いろいろな事例があります。
 この間大問題になりました、長銀の破綻の問題、あるいは日債銀、山一証券、そごう、これらの会社も、監査法人の監査を受けてオーケーが出ていたところであります。それなのに、粉飾決算というのがさまざまに問題になっております。例えば長銀は、粉飾決算で、東京地裁が元頭取らに有罪判決を言い渡しております。日債銀もあるいは山一証券もそごうも、株主が粉飾決算で訴訟を起こしております。
 そこでお聞きしたいんですけれども、これらの、今私が挙げた事例、監査をした公認会計士あるいは監査法人が懲戒処分を受けた例はありますか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 御案内のように、公認会計士法におきまして、監査法人や公認会計士が、故意に、会社が作成した虚偽のある財務書類を虚偽のないものと証明し、または、相当の注意を怠って、会社が作成した重大な虚偽のある財務書類を重大な虚偽のないものとして証明した場合には、監査法人や公認会計士に対しまして懲戒処分をすることができる旨規定されております。(佐々木(憲)委員「あるか、ないか」と呼ぶ)
 今御指摘の長銀、日債銀等につきましては、監査を行った監査法人につきましては懲戒処分は行っておりません。
佐々木(憲)委員 これだけ大問題で監査そのものが機能していなかった、粉飾決算があったということで裁判でも有罪判決が出ているという状況のもとで、なぜ懲戒処分が行われないのかと極めて不思議であります。
 公認会計士協会の元会長の中地氏は、マスコミのインタビューでこういうことを言っているんですね。「長い間監査が機能してこなかったのは事実だ。それが端的に表れたのが銀行で、当時の大蔵省が検査で認めたものを、会計士がノーということはできなかった。財務局の指導で問題のある金融機関に適正意見を出していた例もなかったとはいえない。会計監査を機能させようという仕組みになっていなかった」。これは、日経の二〇〇一年九月十三日付で、こういうインタビューに答えているんですね。これは極めて重大な発言だと私は思うんです。
 大蔵省から天下りもいろいろ問題になっておりました。監査法人に対して天下りがあれば、これは当然独立性も問題になりますし、私は、行政からも独立しなきゃならぬというふうに思うんですが、これらの点について今後どういうふうに対応するおつもりか、竹中大臣、お伺いしたいと思います。
竹中国務大臣 きょうの御議論いただいているテーマの中で一貫して出てくるのは、やはり、独立した監査人、公認会計士、それで公正不偏な立場から監査を行って社会的な責任を果たしていくということであろうかと思います。したがいまして、監査法人、公認会計士には、被監査会社はもちろんのことでありますけれども、監督当局からも独立した立場で監査を行うことが求められるというふうに思います。また、公認会計士、監査法人が、虚偽のある財務書類を虚偽がないものとして証明していた場合、これは公認会計士法に基づいて適切に対処しなければいけない。
 天下りのお話でありますけれども、今のところ、金融庁出身者でそういった監査法人に就職している者はありませんけれども、これは国家公務員法の枠組みのもとで、引き続き厳正に対応してまいる所存でございます。
佐々木(憲)委員 終わります。
小坂委員長 次に、植田至紀君。
植田委員 社会民主党・市民連合の植田至紀です。
 法案に沿って御質問させていただきますが、私も、冒頭、一条、「公認会計士の使命」にかかわってささやかに伺うつもりでおったわけですけれども、どうも先ほど来議論になっておる答弁を伺っておりますと、せっかく賛成の立場で臨んでいるのに何かしづらくなるような答弁が繰り返されておるので、ちょっとそこを整理してみたいんです。
 といいますのは、私が昨日の質問通告でも申し上げましたけれども、要は、まずこの「公正な事業活動、」というものの解釈、これが恐らくは健全なコーポレートガバナンスということを意味するということは否定なさらない、まあそういうことだろう。なれば、そもそもそれを実践するのは会社の側であって、こういう書き込み方をしていると公認会計士の本来の役割を逸脱するようなことになりかねないんじゃないのか、そういう危惧を持ちますよと、私はその一点でこのお話を伺いたかったわけです。ですから、私の質問に対しては、当然、いや、そういうのは、この条文の構成に照らしてそんなことはないんですということを答弁していただきたいわけですが。
 この一条、言ってみれば、この一条の主部は「公認会計士は、」という部分ですよね、いわば日本語の文章の。法律は非常にわかりづらい文章なんですが、「公認会計士は、」というのがまず主語、主部になるわけですね。では、述部はどこか。「もつて」以下ですよね。「公認会計士は、」要は「国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする。」
 では、どんなことをやってそういう使命を果たすのか。具体的にやる仕事はちゃんと法律に書いてあるわけです。「財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保する」のが公認会計士の仕事なんですよね。
 どういう立場でやるか。それはその前段に書いてある。「監査及び会計の専門家」であって、「独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保する」、これが公認会計士の役割ですよね。
 そして、その結果として、この「図り、」という部分を寄与するという解釈をされましたけれども、まあ寄与するでよしとしましょう。「会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等」、この大きく二点にかかわって、「財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保すること」によって、この二点について、結果として寄与するんだよ、そういう文脈なわけですね。
 ですから、「公正な事業活動、」という言葉だけを取り出してしまうと、それがひとり歩きするとこれは非常に問題であって、そもそもここで、「公正な事業活動、」の前段に「会社等の」とあるわけです、「会社等の公正な事業活動、」。ですから、ここの文脈だけでは、この「公正な事業活動、」の主体はだれか、これは「会社等」であるということは明確になっているわけですから、そのことをきちっと説明されればよかったわけです。
 私の言ったような御説明をされれば、その説明を踏まえて、この条文で、いろいろな経緯の中でこの「会社等の公正な事業活動、」というのが最終的に盛り込まれたけれども、条文構成では、そのことが公認会計士の役割を逸脱するような、そういう文言にはなっていないんだ。今の、私が申し上げたようなことで、理解でいいんですね。
藤原政府参考人 本件につきましては、松本先生から後ほど再質問があった際にまとめてお答えすることになっておりますが、基本的には……(植田委員「それはだめでしょう」と呼ぶ)大変失礼いたしました。私ども……(発言する者あり)ですが、今お許しいただけるんであれば、私どもの方からお答えさせていただきたいと思っております。それは……(植田委員「私の質問に対する答弁であって」と呼ぶ)はい。
 私ども、まさしくそういうことだと思っておりまして、公認会計士は、その監査証明業務を独立した立場で行い、会社等における不正の発見あるいは正確な財務情報の開示等を図ることによりまして、財務書類等の信頼性を確保するということでございまして、このことを、「会社等の公正な事業活動、」を図るという表現によって、「公認会計士の使命」として明記したものでございます。
 また、その「会社等の公正な事業活動、」とは、公益法人や独立行政法人などの公会計の対象となる活動主体も含めまして、ひいては我が国の経済活動主体の事業活動の公正さを総じて図るということも内容としているものであると申し添えたいと思います。
 以上でございます。
植田委員 答弁される前の一言は余計でしたよ。余り怒らせないでくださいよ。前日に質問通告しているわけですから、その質問通告した質問に対して、いや、その質問については後で答えることになっていますのでと、私、植田至紀の質問に対していかに答弁するかでしょう。余計なことは言わぬでください。しかも、賛成したると言うてる法案に、もうちょっと色ええ答弁を。全くもう。
 それで、要は、もう一遍確認しますが、ここで私はそんな時間とりたないんですわ。だから、私が今申し上げたように、この条文、わかりにくいけれども、素直に読めば、「公正な事業活動、」ということについては、まさに条文において、会社等がやる公正な事業活動と書いてあるわけですね。ここでの主体、「会社等」がやる「公正な事業活動、」に対して、「公認会計士は、」「財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保する」という具体的な仕事を通じて結果として寄与するんだよと。
 むしろ私の方があなたの答弁の助け船出しているようなものじゃないですか。日本語を解析したら文法上そうなっているじゃないですか。だから、そのとおりです、ありがとうございましたと言っていただければいいんですよ。本当にまあ。
 だから、そこは、その話は後でまたされるんでしょうけれども、そういう理解を私はしておきますから、当然ながら、この条文が公認会計士の役割を逸脱するような可能性はないということだけ、はいと言ってください。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 先生のおっしゃるとおりだと思っています。
植田委員 それだけ言っていただければいいんです。
 それと、そういう先ほどから議論があったようなことがあったものですから、ここは竹中大臣に伺いたいんですが、最終的に、最後の述部のところの「国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする。」という文言が、実にやはりあいまいな印象を与えてしまうわけなんです。本来ここはもう明確に、公共の利益の保護に寄与することを使命とすると書き込んだ方が明確だったと私は思いますけれども、当然ながら、ここで「国民経済の健全な発展に寄与する」この使命というのは、まさに公共の利益を保護する公認会計士の役割を示したものだと私は理解していいでしょうか。この点は、竹中大臣お願いします。
竹中国務大臣 植田委員のおっしゃるとおりだと思っております。
 「国民経済の健全な発展」という文言の中には、公認会計士が監査という公的な性格を、業務を通じまして、まさに公益の利益に貢献するという趣旨がその中に込められているということでございます。
植田委員 はい、わかりました。
 では、次に進みますけれども、私、監査日数、報酬の決め方にかかわって伺いたいんですけれども、やはり、独立性の確保にとって重要なのは、顧客との交渉力が弱い、相手方企業に従属している事態というものをどう解消していくかということだろうと思います。
 改正法案の基本になりましたところの金融審公認会計士制度部会報告では、公認会計士制度の充実強化という項目があったと思いますけれども、「監査報酬などの公開を義務づける方向で検討することが適切」だと明示されているんですが、今回、それについては、私、法案見ましたところ、反映されていません。
 私は、やはり、被監査企業に対しても、実際に支出した報酬額を開示して、十分な監査を受けているんですよということをオープンにするということは、やはり監査の信頼性のあかしを示す有効な施策の一つだと思うわけですが、当然これは御同意いただけますね。
伊藤副大臣 監査の充実強化を図るためには、公認会計士や監査法人によってしっかりと時間をかけながら適正な対価を得て監査を行える環境を整備していくことが不可欠であると私どもも考えております。
 特に、監査の複雑化、専門化、高度化に応じて、監査内容に見合った対価として監査報酬が位置づけられるべきでありまして、このためには、監査に対するコストをめぐる社会的な意義がより幅広く定着していくことが必要であると考えております。この観点から、監査報酬を初めとする監査情報の公開は大変重要な課題であると認識をいたしているところでございます。
 監査情報の公開の具体的な方策につきましては、公認会計士制度での対応に限定されることがなく、例えば、既に商法の改正に伴う計算書類規則が改定をされ、去る四月一日以降、企業サイドから監査報酬の総額などの開示が実施されることになっております。
 このような実情等を踏まえつつ、社会的な意識を幅広く醸成していくという観点から、今後とも検討してまいりたいと考えております。
植田委員 今後の検討課題ということなんですが、そこで、一つの私なりの考え方についてのコメントもいただきたいわけですけれども、監査日数や監査報酬というのは、実際、監査人とだれが交渉して決めるのかということ。理想を言えば、監査というのはディスクロージャー制度の一環なわけですから、当然、その受益者たる投資家、要は監査人と投資家の間で決めるというのが一番理想だと思うんですね、一番理想だ。
 実際ではどんな仕組みにするのかという点は、当然制度設計は難しいだろうと思うわけですが、ただ、可能な限り、経営者だけが交渉決定権を持つということではなしに、経営者以外の第三者が公正な立場で関与する仕組み、そういうものをやはり制度設計として、課題として検討されるんであれば、一案として考えていただきたいんです。
 というのは、実際問題、これは最終的に公認会計士法の中で書き込むのか、私も不案内ですけれども、例えば商法に係ることなのか、その辺は、商法は法務省になりますが、商法の改正をしなければならないのであれば、金融庁の方からむしろ積極的に提起してほしいわけです。
 要は、日本における監査人の選任、解任、不再任は経営者だけで決定することはできませんよね。監査役会の同意を得て、その議案を株主総会が承認をするという形をとっているわけです。にもかかわらず、日数、報酬の決定というものにかかわっては、現状においては監査役、監査委員会、もちろん株主総会も関与していない。
 ですから、少なくとも、アメリカなんかの先行事例を踏まえるのであれば、実際、アメリカなんかの場合ですと、社外取締役によって構成されておる監査委員会が実質的な権限を持っているというわけですから、少なくとも日本においても監査役等の同意を得る、最低限まずここはやらなければならないんじゃないのかと思うんですが、その点はいかがですか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、これは極めて商法等にかかわる問題でございまして、なかなか金融庁だけでお答えできるものではございませんが、お答え申し上げますと、会社と外部の監査人との間には、御指摘の監査の日程や報酬のみならず、監査従事者の氏名、資格、監査報告書の提出期限などを明確にした監査契約が締結されるわけでございまして、このような個々の監査契約に基づきまして外部の監査が実施されておるところでございます。
 監査契約につきましては、通常、代表権を有します取締役が会社を代表して締結しておりますが、代表取締役の恣意的な判断に外部監査のかかわり方がゆだねられているわけではありません。商法上、代表取締役は、御案内のように、取締役会の監督下に置かれるというふうに解されておりますし、また、そもそも、例えば商法監査特例法におきます大会社では会計監査人が株主総会において選任されることとされておりますなど、こういうことで、会社と外部の監査人との関係につきましては、現行法におきましても制度的な規律のもとに置かれていると考えております。
 したがいまして、御指摘の点につきましては、現行法において既に外部監査人との関係については会社のコーポレートガバナンスの下に置かれている制度の実情を踏まえた上で、さらなる制度的な手当てが必要かどうかにつきましては、関係者等も含めまして、慎重な検討が必要であるというふうに認識いたしております。
植田委員 一番最後の部分ですね。現状の制度の話はわざわざ御説明いただかなくても結構やったんですが。要は、申し上げましたように、経営者以外の第三者がきちっと関与できる仕組みというものを一応展望していただきたい。そこで具体的に、現状において一番適切な制度設計はどうなのかということを検討していただきたいという趣旨でございますので、ぜひ、引き続きの御検討をお願いしたいと思っております。
 次に、会計と監査の信頼性の確立にかかわって、今回の改正の一つの柱の中で、いわゆる四十九条にかかわって立入検査の点が新たに起こされておりますが、立入検査の権限は犯罪捜査のためには認められないというふうに書いてあります。言わんとすることはわかります。
 ただし、立入検査自体を、犯罪捜査の目的を持って立入検査できへんわけですけれども、立入検査することを通して犯罪性を感じ取れる、犯罪のにおいがする、そういう場面が出てくるだろうと思うわけです。その段階において、せっかくこういう立入検査というものを設けたわけですが、そういう問題が起こったときに実効性はどういうふうに担保されているんでしょうか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘の改正法第四十九条の三の二項の規定は、現行法に規定されております公認会計士等に懲戒相当理由があると思料される場合ではなくて、懲戒処分を前提としないで、業務の適切な運営の確保のために行う監査人の財務状況や内部管理体制に関する立入検査権限を定めているものでございます。したがいまして、その発動の要件は、「公益又は投資家保護のため必要かつ適当であると認め」られるときに限定いたしておりまして、当然に犯罪捜査のために認められたものではございません。
 同条第四項の規定は、こうした趣旨を確定的に規定しているものでございまして、他の法律なんかにおきましても、立入検査の権限規定におきましては一般的に規定されているところでございます。
 なお、証券取引法におきましては、刑事告発を前提とした調査、検査等につきましては、証券取引等監視委員会職員の固有の権限として規定されておりまして、公認会計士がディスクロージャー等の違反等証券取引法上刑事告発の対象となるような不正を働いた場合には、監視委員会があわせて刑事告発を行うこととなっております。
植田委員 丁寧に御説明いただくのは非常に勉強になってありがたいんでございますが、私が今聞いているのは、要は、今回の立入検査、それは犯罪捜査のための立入検査をするわけじゃないよということは理解していますよ。その上で、当然、別に犯罪捜査の目的で立入検査するわけじゃないけれども、立入検査の結果、問題が起こったときにこの条文でどこまで担保できているんですか、そして、犯罪性が感じ取られたらどういう形で今後流れとして処理されていくのか、そこを聞いておるんであって、犯罪捜査のために立入検査をやったらいかぬという理由づけの話を聞いたわけじゃないんですよ。もう一回。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。大変失礼申し上げました。
 公務員は、その職務を行うにつきまして、犯罪があると思料するときは告発しなければならないという規定が刑事訴訟法の第二百三十九条第二項にございまして、仮に立入検査におきまして刑事告発の対象となる犯罪があると思料すれば、関係当局に告発することになるものと考えられております。
植田委員 時間がありませんが、わざわざ今さらエンロン事件で監査法人が証拠隠滅をしてどういう問題があったかというようなことをるる述べませんけれども、くれぐれも、公認会計士法の立入検査が結果的にざる法にならぬように願いたいものだと思っておりますが、現状では、私はこの点は大いに不満であるということだけは申し上げておきます。
 時間がありませんので、あと一、二点伺いたいわけですが、先刻も監視体制の強化にかかわって幾つか議論がありましたので、重複は避けます。
 ここでは、とりわけ監督指導の行政側の役割について伺いたいわけですけれども、当然、監査に対する監督官庁の監視体制というのは重要ですけれども、実際、現状、金融庁の体制はどうなっているかとちょっと問い合わせてみますと、専門性も不足しておるわけです。担当部署が企業開示参事官室、ここの総員が二十二人だそうでございます。そして、公認会計士の資格を持ってはる方が二人だと。不正確であればそこは訂正していただければいいと思うんですが、二人しかいいへん、その体制でほんまに企業の決算であるとか監査の中身というものを十分にチェックできるんやろか、素朴な疑問を抱くのも当然だろうと思うんですが、少なくとも、こうした人員体制の強化について金融庁はいかにお考えか。どうですか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の法改正では、公認会計士監査の充実強化を図るために、監査法人等に対する監視監督体制の強化の一環としまして、監査法人等の業務運営の適正化の監視のための懲戒事由を前提としない立入検査、それから公認会計士協会の品質管理レビューの公認会計士・監査審査会によるモニタリング制度というのを導入することといたしております。
 これらの新たな事務を的確に処理するためには、実効性のある体制を整備する必要がございまして、関係当局の御理解を得つつ、必要な人員を確保していきたいというふうに思っております。
植田委員 今の話は局長に聞かぬと大臣に聞いた方がよかったですね。要するに、この体制の充実のためにきちっと要求しますよということを、竹中大臣、お願いします。
竹中国務大臣 今まさに、御心配していただいているとおり、我々は本当にこの体制を強化しなければいけないと思っております。新たな仕事がいかに出てくるかというのは今局長の話にあったとおりでございます。
 今、公認会計士業務を専担しているのは四名でありますから、これはしっかりと我々としても必要に応じて増員要求をしていきたい。ただ一方で、検査を拡充しなきゃいけない、そういう要求の中で、なかなか制約条件は大きいのでありますが、我々としては、あくまでもこれを実効あらしめるためにしっかりと要求をしてまいりたいと思っております。
植田委員 次を急ぎますけれども、最後に試験制度の見直し等にかかわって伺いたいんです。
 まず端的にお答えしてほしいんですが、会計士補さんというのはなくなるわけですね。あらかじめ言っておきますけれども、会計士補というのはどういう資格で、その後何の試験を受けないかぬのかという制度の説明は、局長さん、していただかなくて結構です。要するに、今回の改正で、会計士補さんが結果的に会計の世界から退出しなければならないような、著しい不利益を生じるようなことはありませんね、大丈夫ですねということだけお答えいただければと思います。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 従来の二次試験合格者、いわゆる会計士補には、適切な経過措置を講ずることといたしております。
 例えば、新試験の短答式の免除でありますとか、論文式の会計学、企業法と選択科目の免除、それまで行った業務補助と実務補習の新制度への引き継ぎを認める、こういうことをやることにいたしております。
 さらに、会計士補の身分に関する規定につきましては、引き続き旧法の規定を適用するとの規定を置くことといたしております。
植田委員 次に、今回公認会計士の数を量的にふやしていく、量も質も向上するということでございますけれども、そこで、実際に試験のありようも変わってくるわけですけれども、例えば大体合格者数二、三千名をイメージするのであれば、かなりやはり環境が変化しないことには難しいところも出てくるだろうと思うんです。
 これはまず、端的に金融庁さんのお考えだけ伺いたいんですが、公認会計士という資格を取得するに当たって、今回新しい試験制度を導入されるわけですが、例えばアカウンティングスクールみたいな、ロースクールというのが去年法案を審議させていただきましたけれども、そういういわゆる専門職大学院みたいなものを金融庁さんなりには想定しているのかどうかということ、まずその点だけ端的に。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 御案内のように、複雑、多様化、国際化を遂げている今日の我が国の経済社会におきまして公認会計士が担う監査証明の意義にかんがみますと、公認会計士としての資格を得た後の不断の自己研さんはもちろんのこと、公認会計士を目指す受験者層を拡大して多様化を図るということが不可欠でございます。
 こういう観点からの、御指摘のようなアカウンティングスクールと申しますか、専門職大学院というものにつきましては、今後、経済界や産業界の要請なども踏まえつつ、教育課程のカリキュラムやレベルあるいは求められるスキルにつきまして、公認会計士試験制度との連携を視野に入れた検討を行っていきたいと思っております。
植田委員 これは、二〇〇六年から新しい試験制度が導入されるわけですから、悠長なことは言っていられないと思うわけです。
 それと、一つは、ロースクールのときも問題になったんですけれども、私も、ロースクールというのはやはり司法においてきちっと自己完結をするロースクールであるべきだったと思うんですけれども、何かそんなのができるなというたら、文科省さんがぱくぱくと食らいついてくる。要するに、そういう前に、ちゃんと基本的な、今おっしゃったカリキュラムなり大学院の構想、そしてまた、そこで当然スキルを開発しなければならないわけですね。
 今の大学の商学部の先生をそのま引っ張ってきたって、実務をやっておらへん先生方がようけおるわけですから、一部の偉い大学は別ですけれども、経営学部や商学部が全部そんな先生ばかりではないわけですから、実際、少なくとも一条で書かれた公認会計士の使命にたえ得る人材を新たに養成していかなければならない、そういう意味では指導教官の確保も大切なんですよ。
 ここが大事やと思うのは、これもロースクールのときの議論でもやったんですけれども、今だって、会計士を目指す人たちのための専門学校はぎょうさんありますね。例えば、大学の商学部に会計学コースとか、経営学部に会計学コースとかいうて設けても、それが結果的に受験予備校になったらこれはあかんわけですわ。言ってみれば、そこの非常勤講師に専門学校の人が小遣い稼ぎに来て、大学で教えておる、これはほんま大学教学としては不細工な事態ですわ。
 ですから、その部分、金融庁としてきちっとまず枠組みをつくるべきだと思うんですけれども、いつ検討を始め、そしていつぐらいに結論を出せるのか。リミットは二〇〇六年です。どうですか。
竹中国務大臣 ロースクールの話が出ましたが、アカウンティングスクールの役割は大変重要だと思っております。
 しかし、私の経験からいきましても、大学というのは摩訶不思議なところでありまして、競争原理がほとんど働かずに、たまたまこういうことを教える先生がいるからこの科目をつくれとか、そういうことがまかり通ってしまう面もある。結果的に見ると、全く役に立たないスクールになってしまうか、それか、非常に極端な、まさに予備校化するか、そういう危険というのをかなり敏感に我々は持っておかなければいけないと思います。そんなことにこのアカウンティングスクールを絶対してはいけないというふうに私自身強く思っております。
 そのために、先ほど局長から答弁しましたように、産業界、経済界、それと専門家、公認会計士も入っていただきます、学者にも入っていただきます、そういう方々に入っていただいて、今度の試験制度とも連携してできるような、そういう検討の場、懇談会を、これは私としては可及的速やかにつくりたいと思っております。今法案の御審議をお願いしておりますが、法案を国会で御決定いただけましたならば直ちにこの懇談会の立ち上げには着手したいと思っております。
植田委員 直ちにということだそうですので一安心というところですけれども、ある意味では、ロースクールのときに踏んだ轍を、轍と言ったら語弊がありますが、金融庁さんには踏まないでほしい。要するに、きちっとした制度的枠組みをこしらえてほしい。なぜかというと、何のために今回一条を設けたのか、そこを踏まえて進めていただければと思います。
 終わります。
小坂委員長 次に、松本剛明君。
松本(剛)委員 もう時間も限られていますので、早速、先ほど御紹介させていただいた話を御回答いただきたいと思います。
竹中国務大臣 条文の解釈に当たりまして大変混乱をさせてしまいまして、申しわけなく思っております。もう一度私の方から申し上げさせていただきたいと思います。
 会計士の使命に関連して幾つかお尋ねをいただいた件に関してでございますけれども、これは言うまでもありませんけれども、公認会計士は、監査証明の業務を、これはまさにメーンの業務でもあります、独立した立場で行って、会社等における不正の発見、正確な財務情報の開示等を図ることによって財務書類等の信頼性を確保する、これが大変重要な、与えられた使命でございます。このことを、「会社等の公正な事業活動、」を図るとの表現によって、「公認会計士の使命」として明記したというものでございます。
 この「会社等の公正な事業活動、」というのは、公益法人や独立行政法人などの、公会計の対象となる活動主体を含め、ひいては我が国の経済活動主体の事業活動の公正さを総じて図るということをも内容としているものでございます。
 特にお尋ねのございました点、会計士は監査業務をしっかりとやる、それが職業としての務めでございます。それを行うに当たって、「図り、」という趣旨でございますが、会計士の方々には、投資家がこれによって保護されなければいけない、会社等の事業活動が公正なものでなければならない、そういうような意図、強い問題意識、マインドセットをぜひ持っていただきたいというのが、この「公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、」という点でございます。
 したがいまして、コーポレートガバナンス云々のお話がございましたけれども、これはコーポレートガバナンスを直接担当しているわけではございません。しかし結果的に、コーポレートガバナンスがうまく機能するような、社会のインフラとしての機能を財務諸表の監査証明を通じて行う。しかし、そういった仕事を行うに当たっては、結果的には投資家がそれによってちゃんと保護されているのか、企業の公正な事業活動が保証されているのか、そういうことを、問題意識を持って、まさに意図してやっていただきたい。それが結果的に国民経済の健全な発展に寄与することになる、そのように私自身も思っております。
松本(剛)委員 私、先ほど何度か、植田議員だけが助け船を出して、仏様のようにあれですけれども、私自身も、監査証明業務によってなのかということも含めて、繰り返しお聞きをさせていただいたと思うんですね。コーポレートガバナンスの話、内部監査の話まで出てまいりました。率直に言って、貴重な質問時間を返していただきたいと委員長にお願いをさせていただきたいぐらいでありまして、きちっと、法案の、しかも一条の使命の解釈なんですから、お聞きをしたらすぱっと御回答をいただきたいわけであります。
 もう一つ、今大臣の御回答がありました。言葉としてそれで通じるということは私も認めますが、使命の規定とこの法案ができた規定を最初に確認をさせていただきました。もう一度繰り返しになりますけれども、公認会計士の皆さん方の協会の中で、これはまた後で、多分大臣のところも、役所にはおありだろうと思いますけれども、ごらんいただいたらと思いますが、これが入ることによって広い範囲の仕事ができるようになった、このように協会の皆さんは解釈をしているように読めるわけであります。
 素直に読むと、やはりこの文言が入ったがゆえにそう読める部分というのが出てくるわけでありまして、今、日本語はそういうふうに通じさせることができるんだという、いわば解釈があったわけでありますが、この文言を入れる必要があったのかどうかということに関しては依然として疑問のままだということをぜひ申し上げたい。私たちは、この文言はやはり削除をするべきであるということを強く御指摘を申し上げたいと思います。
 そして、今回この公認会計士法の改正をするに当たっては、癒着を断ち切って、しっかりと監査が信頼されるものになる。これは金融庁さんがお出しになって、調査室がおつくりになった資料集の中にもありますけれども、皆さんも御存じのことでありますが、レジェンド、外国の監査法人から、日本の監査は日本の慣行でやっていて国際的な慣行ではないというような警句をつけられる。こんな情けない状態を脱しよう、今までのことを変えようということでこの公認会計士法の改正があるんだと私は思うんです。
 協会の方は、協会の会計士さんが集まっておやりになるわけでありますから会計士のために動くというのはわかりますが、私が申し上げたいのは、今回の法改正で、会計士の方々が、いや、範囲が広がってよかった、七年・二年で、今までどおりでよかった、試験は変わったというけれども、実際は公認会計士協会がやるから今までと余り変わらないから、急に会計士がふえなくてよかった。よかったよかったと言われて、今までと変わらない。これでは会計士法の改正の意義がどこにあるのかということが問われるということを申し上げたいと思います。
 今の使命の規定については、ですから私は、今申し上げたような見解は依然として変わりませんが、もう一点、インターバルの話についてもどうしてもお聞きをさせていただかないといけないと思います。
 今のお話を、ずっとここまでの審議を通じてお聞きをすると、おおむね七年・二年ということでやろうということだというふうに理解をいたしますが、これは局長にお聞きをした方がいいんでしょうか、六年なら一年休めばいいんですか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 法文上、連続した期間ということで書いてございまして、例えば今のケースで申しますと、六年でやめた場合、一年間、間があるという場合はそれはいい。ただ、アメリカの場合も全く同じでございまして、アメリカの場合も五年・五年となっておりますが、四年間でやめた場合はインターバルを置いてまた四年間できるというような規定になっております。したがって、連続したというところに意味がございます。
松本(剛)委員 時間がもったいないですから、六年なら一年休めばいいんですね。そこでうなずいてください――そうですね。
 監査法人の場合は、対象になるのは社員ですね。ですから、例えば二十五で公認会計士の試験に合格して公認会計士になった、六十五まで四十年間働くとした場合に、四十ぐらいで社員になるとして、六年・一年、四年・一年でいかれたら、この四十年ほどの公認会計士生活の中で、その会社の監査をしないというのはせいぜい四、五年ですよ。これで癒着が断ち切れると思いますか。
竹中国務大臣 この制度だけで癒着を断ち切れるか、その意味では、クオリティーコントロールと言うとしかられるかもしれませんけれども、さまざまなそういったチェックのシステムをこの法律の中には用意しております。
 ただし、たとえ六年・一年と、ちょっと極端な例で申し上げますが、その間も、しかし一年のインターバルができるという点は大変重要なのだと私は思います。それによって、その間にさまざまな問題点が表に出される。そういう意味で、今御指摘がありましたけれども、例えばアメリカ等々でもほぼ同じような規定になっているわけで、この点は制度全体としてうまく機能させて、問題が生じないように、我々としてもぜひ努力をしたいと思います。
松本(剛)委員 インターバルの話でしたが、五年、七年の議論のときも、ある程度の期間をやらなければ会社はわからない、こういう話があったわけですよ。インターバルの一年に入った会計士は全くわからずに終わる、意味のない一年が繰り返されるということになりますけれども、いかがですか。
竹中国務大臣 会社の深いところがわかるという意味での理解と、何かこれはおかしい、問題があるということの発見というのは、これはやはり少し性格が違うのではないのかなというふうに思っております。その意味で先ほどから局長の答弁をさせていただいて、ぜひ、そう御理解をいただきたいと思います。
松本(剛)委員 もう一度最初に返って申し上げますけれども、先ほど佐藤議員も質疑で申し上げました、市場を欺いて最後は市場に報復された、あれは長銀の話でしたけれども、今のような監査をして、今のような状況が続いていたら、日本の経済全部が市場を欺き続けて市場に報復されるんじゃないかという危機感からこの公認会計士法の改正案があるんじゃないですか。
 そうしたら、今おっしゃったように、会社の細かいことがわかるということと、どこかおかしいというのがわかる。公認会計士はどこかおかしいということがわかるのが一番大事なんじゃないですか。長銀の話でも、長年にわたって、どこかおかしいがわからなかったわけですね。
 まさにこれは、監査の質を上げていくと同時に、七年・二年というのはまさに従来の慣行をそのまま維持するということで、全くこれでは今までの癒着を断ち切るという状況になっていない、従来と変わっていないという状況ですよ。今の状況をいわば法が追認したということになってしまいます。大臣の見解を伺いたいと思います。
竹中国務大臣 これに関しては金融審でも、五年または七年、委員が御指摘のような点も含めてさまざまな議論がなされたというふうに聞いております。
 同時に、今既に定着している制度を安定的に、よりよいものに導いていかなければいけない、そうした観点から、先ほども申し上げましたように、スタートとしては七年でスタートする、その後は五年にすることも視野に入れて検討していく、そこはしっかりとぜひ検討したいと思います。
松本(剛)委員 今のいいところを残すとおっしゃいましたけれども、今じゃだめだからこの公認会計士法を変えるという話じゃないんですか。このままでは本当にどうにもならないという部分の危機感も一部にあると思うからこそ、この公認会計士法の改正があったんだと思う。七年・二年では全く効果がないというふうに私たちはある意味では感じているということを申し上げたいと思います。
 それから、もう一点だけお聞きをしたいと思います。これは局長にお聞きをした方がいいのかもしれません。
 七年というのを今度カウントするそうであります。こういうことも、先ほどもありましたけれども、そもそも政令で決めるのではなくて法で決めるべきだと思いますけれども、七年というのは、今度この法律が施行になった時点で、既に七年続いているところはすぐに交代という理解でよろしいんですか。
藤原政府参考人 これから七年、法施行後から七年、法律上はそういうことでございます。
松本(剛)委員 ということは、この法律が有効になるのは今から七年後という理解でいいわけですね。
藤原政府参考人 法律は将来に向かっての話でございますが、別途、今、公認会計士協会の自主ルールというのもまた七年・二年というのがございまして、それがそこで事前に働く場合がございます。
松本(剛)委員 何のために公認会計士法をつくったのかというのが全くわからなくなる今の御答弁だったんじゃないか、このように思います。
 けさの新聞にも報道がありました。竹中大臣が一番お感じになっていると思いますが、与野党で決めた質疑時間が終了しましたので私も終わりますが、金融機関の監査とか、思っていても口に出せないと思いますが、大臣、言いたいことがいっぱいあると思います。
 こういうところをしっかり今直すために今回の公認会計士法の改正があったのではないかというふうに思いますが、残念ながら、この法案の改正では到底その効果が期待できないということを強く申し上げて、委員各位が良心に従って賛同していただけることをお願いして、私の質疑を終わりたいと思います。ありがとうございました。
小坂委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時五十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時二十四分開議
小坂委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、本案に対し、生方幸夫君から、民主党・無所属クラブ提案による修正案が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。生方幸夫君。
    ―――――――――――――
 公認会計士法の一部を改正する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
生方委員 ただいま議題となりました公認会計士法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、提案理由及び内容の概要を御説明いたします。
 米国では、昨年のエンロン事件を契機として、会計士の交代制などを柱とする企業会計改革法が成立しました。企業会計に対する不信が証券市場に対する不信を招き、それが株価下落にもつながっている我が国の現状をかんがみれば、我が国においても、企業会計の信頼性を高める対策が不可欠です。
 本改正案は、そうした観点から、三十七年ぶりの抜本的改正案として政府が提出したものですが、与党審査の中で重要な部分が骨抜きにされたことは御案内のとおりです。本改正案の所期の目的を果たすためには、骨抜きにされた部分を修正するとともに、民主党が提出している証券取引委員会(日本版SEC)設置法案の成立を図ることが必要であることを強く申し上げます。
 以下、主な修正点について御説明いたします。
 第一に、第一条に規定された会計士の使命から、「会社等の公正な事業活動、」という文言を削除します。一見耳ざわりのいい文言ですが、与党審査において、会計士は企業から報酬を得ているのだから企業のために働くべきだとの意見が出され、この文言が付加されたという経緯を考えると、削除が妥当と考えます。
 第二に、会計士にとって必須のスキルでありながら、試験では軽視されている簿記について、論文式試験の独立した科目とします。
 第三に、いわゆる会計士の交代制について、会計士のみならず監査法人にも交代制を義務づけることとするとともに、十年間に五年間を超えて同一の大会社等を監査できないこととします。政府案は、与党審査においてこの部分が完全に骨抜きにされております。企業と会計士、監査法人との癒着、なれ合いが企業会計に対する不信の根底にあることを考えると、この部分は本修正案の核心とも言うべきものです。
 以上、皆様の御賛同をお願い申し上げます。
小坂委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
小坂委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 公認会計士法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。
 まず、生方幸夫君提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
小坂委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。
 次に、原案について採決いたします。
 原案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
小坂委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
小坂委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、渡辺喜美君外二名から、自由民主党、公明党、保守新党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。上田勇君。
上田(勇)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。
    公認会計士法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一 公認会計士監査の充実及び強化の目的にかんがみ、証券市場の公正性及び透明性を確保し、投資者の信頼が得られる市場を確立するよう、今後とも一層の努力を払うこと。
 一 公認会計士試験制度の見直しの趣旨にかんがみ、行政として、公認会計士の規模について一定の目標と見通しをもった上で、同試験制度の管理・運営に当たるよう努めていくこと。
 一 公認会計士試験における「租税法」科目に関し、その出題については、公認会計士となる資質を検証するための試験の一部であることを踏まえ、適切に対応されるよう留意すること。
 一 公認会計士と税理士に関して、その試験制度における取扱いについては、規制緩和の観点をも踏まえ、引き続き検討すること。
 一 公認会計士試験合格者の公認会計士登録に当たっては、公認会計士の質の維持の観点から、実務経験についての一定の考査等を踏まえることとする等、十分な措置を講ずること。
 一 監査法人の大規模化の実態等に照らし、今後、民事法制等において、いわゆるリミテッド・パートナーシップ制度の一般的な導入等が図られることとなった場合には、監査法人の組織についても、これに対応した所要の措置を講ずることを検討すること。
以上であります。
 何とぞ御賛成賜りますようよろしくお願い申し上げます。(拍手)
小坂委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
小坂委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付すことに決しました。
 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。金融担当大臣竹中平蔵君。
竹中国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨を踏まえまして配意してまいりたいと存じます。(拍手)
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小坂委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
小坂委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
小坂委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後一時三十分散会


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