衆議院

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第18号 平成15年6月3日(火曜日)

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平成十五年六月三日(火曜日)
    午前九時三十分開議
 出席委員
   委員長 小坂 憲次君
   理事 金子 一義君 理事 七条  明君
   理事 林田  彪君 理事 渡辺 喜美君
   理事 生方 幸夫君 理事 松本 剛明君
   理事 上田  勇君 理事 中塚 一宏君
      上川 陽子君    倉田 雅年君
      小泉 龍司君    坂本 剛二君
      砂田 圭佑君    田中 和徳君
      竹下  亘君    竹本 直一君
      中村正三郎君    萩山 教嚴君
      林 省之介君    増原 義剛君
      山本 明彦君    山本 幸三君
      五十嵐文彦君    井上 和雄君
      上田 清司君    海江田万里君
      佐藤 観樹君    仙谷 由人君
      中津川博郷君    永田 寿康君
      長妻  昭君    平岡 秀夫君
      松原  仁君    石井 啓一君
      遠藤 和良君    東  祥三君
      達増 拓也君    佐々木憲昭君
      吉井 英勝君    阿部 知子君
      植田 至紀君    江崎洋一郎君
    …………………………………
   国務大臣
   (金融担当大臣)     竹中 平蔵君
   内閣府副大臣       伊藤 達也君
   財務大臣政務官      田中 和徳君
   政府参考人
   (金融庁総務企画局長)  藤原  隆君
   政府参考人
   (金融庁監督局長)    五味 廣文君
   参考人
   (預金保険機構理事長)  松田  昇君
   財務金融委員会専門員   白須 光美君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月三日
 辞任         補欠選任
  小泉 俊明君     松原  仁君
  永田 寿康君     海江田万里君
  達増 拓也君     東  祥三君
同日
 辞任         補欠選任
  海江田万里君     長妻  昭君
  松原  仁君     小泉 俊明君
  東  祥三君     達増 拓也君
同日
 辞任         補欠選任
  長妻  昭君     永田 寿康君
    ―――――――――――――
六月二日
 出資法の上限金利の引き下げ等に関する請願(植田至紀君紹介)(第二七一一号)
 同(植田至紀君紹介)(第二七六九号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 保険業法の一部を改正する法律案(内閣提出第一一九号)


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     ――――◇―――――
小坂委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、保険業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、参考人として預金保険機構理事長松田昇君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として金融庁総務企画局長藤原隆君、金融庁監督局長五味廣文君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
小坂委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次に、本案審査のため、明四日水曜日午前九時三十分、参考人として社団法人生命保険協会会長横山進一君、社団法人日本アクチュアリー会理事生保委員長石井一眞君、金融審議会金融分科会第二部会長堀内昭義君、慶應義塾大学商学部教授深尾光洋君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
小坂委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
小坂委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹下亘君。
竹下委員 おはようございます。自民党の竹下亘でございます。この法案につきまして質問をさせていただきます。
 先週、十四年度の生命保険会社の決算が、たしか三十日に一斉に発表になりました。これを見ておる限り、いわば費差、利差、死差の三要素の発表というものはトータルとしてしかないわけでございますが、決していい決算内容にはなっていない。
 まず、この決算内容をどのように判断されておるのか、そして、特に、この法案が対象としております逆ざやの動向というものがどう変化をしたのか、いい方向へ動き始めておるのか、それともまだまだ厳しい状況が続いているのかといったようなことも含めて、この逆ざやの動向をどう見ていらっしゃるかという点についてまずお尋ねをしたいと思います。
伊藤副大臣 お答えをさせていただきたいと思います。
 大手生保の決算状況についてでございますが、平成十四年度の決算を見ますと、やはり、保有契約高というものが減少し、そして超低金利の継続による逆ざや問題があり、株価の下落といった、厳しい経営状況が続いております。
 ただし、大手生命保険会社十社は、いわゆる逆ざやを補った上でなお約二兆円の基礎利益を計上しております。また、ソルベンシーマージン比率については、株価下落による有価証券含み益の減少等により多くの会社で低下をしておりますが、健全性の基準を上回っているところでございます。
 しかしながら、逆ざやは引き続き経営上の大きな、構造的な問題として存在をいたしておりまして、公表の逆ざや額は、保有契約高の減少から、大手生命保険会社十社ベースで、若干の減少はしているものの、なお一兆一千六百七十億円に及んでおります。
 金融庁といたしましては、今後とも各保険会社に対し、健全性の確保に向けて懸命の経営努力を促してまいりたいと考えております。
竹下委員 まだまだ逆ざやの状況、非常に厳しい状況が続いておる。何せ、だれも予想しなかった、大変長い事実上のゼロ金利、超低金利が続いておる、資産デフレが進んでおるという状況でございます。
 そして、決算発表の席上、生保各社は、この法案が提案をしておりますいわゆる予定利率の引き下げといったセーフティーネットにつきましては、こうした制度自体があることは各社とも否定しないというか、容認をするという基本的な姿勢であったわけでございますが、自分の会社はこの予定利率の引き下げというシステムは使わない、あるいは行わない、取り入れないということを、全社が、決算発表の席上では、多少のニュアンスの違いはあっても、言うという状況にありました。
 では、この法律は、生保各社に容認はされても、使わないということを今の時点で言われておるわけでございますが、こういった事態を、提案していらっしゃる金融庁としてはどう受けとめていらっしゃるかという点についてお尋ねをしたいと思います。
伊藤副大臣 生命保険会社を取り巻く経営環境というのは、先ほどお話をさせていただいたように、一層厳しいものになっていると思っております。こうした中で逆ざやの問題を解決して、そして保険契約者の保護を図るためには、保険会社・保険契約者間の自治的な手続により契約条件を変更する仕組みを整備して、そして経営の選択肢の多様化を図ることが重要と考えられることから、今般法案を提出させていただいたところでございます。
 なお、先生御指摘のように、先週行われました十五年三月期決算の公表において、生保各社がみずからの財務の健全性等を踏まえ、予定利率を引き下げる考え方はないとコメントしたことは承知をしておりますが、制度の整備自体を否定したものではないと私どもとして承知をいたしているところでございます。
 私どもとしましては、国会での御審議を通じて本制度の意義、内容について十分理解が得られるよう努めるとともに、保険会社の監督に当たっても、風評リスクが生じないような万全な体制をしながら対応していきたいというふうに思っているところでございます。
竹下委員 生保各社は、資産デフレの進行あるいは逆ざや、さらには超低金利、運用難という中で大変厳しい経営環境に置かれておることは、決算内容を見ても、そしてその後のコメントを見てもわかる状況にございます。
 過去、七社が破綻をいたしておりますが、破綻をしたときに契約者が受ける不利益というものも私たちは現実に見てきたわけであります。金融庁を中心としてというか、セーフティーネット、五千億の基金をつくって対応してまいりましたが、もうそれも尽き、新たな基金をつくらなければならないという事態もことしに入ってもう既に経験をしておるところでございます。
 ですから、このままずるずるいって破綻してしまうということを考えますとそこまで心配する必要もないかもしれませんが、私は、今回セーフティーネットの一つとして予定利率の引き下げができるスキームを取り込んだということは、ある意味で政治的なぎりぎりの選択ではないかな、ぎりぎり容認できる選択ではないかなという感じを持っておるところでございます。(発言する者あり)野党席から、できないという話も出ておりますが、例えば憲法上の問題もある、あるいは一割の人が反対をしたらできないというようなこともございます。いろいろな問題をはらんでおりますが、何もしないという政治的な選択はないと私は思います。その意味でぎりぎりの選択だという気持ちを持ちながら質問をさせていただいておるわけであります。
 しかし、実際には、申請をしたいと仮に生保の経営者が考えましても、そのことが出た瞬間にいわば風評被害も当然ありますし、申請をしてしまいますと、解約の凍結期間がありますけれども、引き下げ申請に伴ういろいろなごたごたが会社の経営そのものを直撃するという事態も当然想定をされます。これまでもそういった議論がさまざまな場でなされてきたわけでありますが、その意味では、この引き下げのスキームだけというのは事実上実効性が極めて乏しいのではないかと私は考えるわけであります。
 ですから、経営の選択の中で、例えば合併ですとか再編ですとかあるいは業務提携ですとか、もっと言いますと、異業種との、例えば物をつくっている、自動車をつくっている会社との提携といったようなことも含めて、経営が大胆な判断をする、その際に、いわば合わせわざの一つとして予定利率の引き下げというスキームを利用する、そうした形での利用なら可能性があるんではないかなと私は考えておるわけでございますが、こういった点について金融庁としてどのように考えていらっしゃるか、お伺いをしたいと思います。
竹中国務大臣 委員から、まさにぎりぎりの容認、ぎりぎりの選択なのではないかという御評価をいただきました。
 この問題がいろいろ議論され出してから私自身常に申し上げてきたつもりなんでありますが、これは本当に難しい選択なのだと思っております。こうすることによってメリットは私はあると思います。しかし、今委員おっしゃったように、それによって風評被害が広がらないだろうかというデメリットも出てき得るということを十分に配慮しなければいけない。その意味で、大変難しい選択なんだというふうに思っております。その際、風評等々のデメリットはできるだけ小さくするような努力をやはりあわせて行うことによって初めてこの法律の趣旨が生かせてくるのだろうと思うわけであります。
 それは何かというと、まさに今委員がおっしゃったように、大胆な経営革新等々がそれに一緒についてくる、それによってこの後の経営がやはりよくなるんだ、そういうことを実際にやはり見せていくことだと思います。大胆な経営改革で実際にその後よくなるんだということを示す一つの手段として、これまた委員御指摘になったような合併、再編等々が当然選択肢の中に入ってくるんだと私は思います。
 いずれにしても、重要なのは、条件変更後の安定的な経営を確保できるように生保会社が十分な努力を行うこと、これがやはり大変重要なことであって、それに対しては、我々行政当局としても、条件の変更に当たって、保険業の経営続行を図るという観点から、もちろん内容等はしっかりとチェックいたします。また、変更後においては、検査やモニタリングを適切に実施して、経営状況をしっかりと把握して、健全性に向けての真剣な経営努力を求める必要があると思っております。
 重ねて申し上げますが、その中の、経営改善の努力の選択肢として、委員御指摘のような合併、提携、再編といったような判断はやはり尊重されるべきであろうかというふうに思っております。
竹下委員 経営が相当ぎりぎりの決断をしなければならない状況というのはこれまでもありましたし、これからも、こういう経済状況が続くとあるかなという思いがするわけであります。
 そういう中で、生保各社、これまでもかなり合理化あるいはリストラというものを努力してきております。例えば、過去七年間、十社ベースで見てみますと、内勤職員は二二・七%の削減、営業拠点も一九・四%、職員数の削減も二二・二%、役員の削減も一三・九%、事業費の削減二一・一%。おおむね、さまざまの分野で二〇%前後のいわゆるリストラを実施してきておるということは、これまで生保各社が発表した数字の中あるいは統計の中で出てきておるわけでございます。
 実は私は、本当にこれでよかったのかな、リストラというのは本当にこういうものかなという疑問を持っております。日本の企業の強さというのは、社員を大事にするという日本の風土に根差した考え方、それが基本にあって、そのことが、日本企業あるいは日本経済が世界に冠たる経済大国になった大きな礎ではなかったか、これは私は確信をいたしております。
 例えば第一次、第二次オイルショックのころを思い起こしてみましても、あのとき企業はリストラクチャーはやりましたけれども、人を切るという形、二〇%以上も社員は減らすという形のリストラではなくて、私は当時経済関係の記者をいたしておりましたが、ほとんどの企業が一時帰休という形でのリストラクチャー、経営の再構築をやったわけであります。
 これはどこが違うかといいますと、一時帰休というのは、一人一人の社員のところを経営サイドあるいは労務サイドの人間が回って、必ず再雇用するから、今会社がこういう経営状況だからここは耐え忍んでくれという説得をする中で、経営と従業員、社員との間のきずなというものを傷つけることなくリストラクチャーを実はやった。そのことがその後、例えばオイルショックは世界で一番うまく日本が乗り越えましたし、その後の経済成長、発展にもう一度つながることができた。しかし、今回のいわゆるリストラというものを見ておりますと、そこが、社員を大事にするという点が見落とされて、あるいはその視点がなくなっているんじゃないかなという危惧を感じております。
 欧米の企業が簡単にいわゆるリストラ、人を切ってということをやります。これは企業風土の違いにもよると思いますが、経営の大目的、一番大きな目的が株主に報いる、社員を大事にすることよりも株主に報いることが経営者に課せられた非常に大きな課題であるという点が、欧米のリストラと日本のリストラとの一番大きな違いだろうと私は思っております。ですから、彼らが何をねらってやるか、大胆にリストラをやってV字形の経営回復を果たす。それができなかったらリストラは意味ないわけであります。
 ところが、日本の企業がやっておるリストラを見てみますと、これは生保に限らずでございますが、V字形回復しているか、していない。リストラの意味、何にもないじゃないか。人を減らしてリストラして、ようやくぎりぎりの経営状態。そんなものはリストラと言わない。というよりも、日本の企業が、あるいは日本の社会あるいは日本の経営体質が抱えておる、社員を大事にするという、人間のきずなを持った経営の部分を大きく傷つけて、V字形回復もしない、両方とも失っちゃったというのがここ十年ぐらいの日本経済の構造改革の失敗だというふうに私は感ぜざるを得ないと思っておるわけであります。
 そこでお伺いをしたいと思いますが、このように、実はリストラというのは大変な劇薬です。先ほど数字を挙げましたが、七年間でじわじわと平均二割削減するというのは、これはリストラと言わないんじゃないか。私は、経営の責任というのは実はあるんじゃないかなという感じを持っております。劇薬だからこそ、V字形回復をねらうなら、あえて日本の企業が持っておる強み、社員を大事にするという強みに傷をつけてでもねらうというなら、そこでは、例えばいきなり一年で三分の一減らす、営業拠点も減らすといった大胆なことをしなきゃ、七年間で二割減らすというのは実はリストラになっていないんじゃないかなという、経営の責任というものを非常に感じるわけであります。
 もう一歩踏み込んで言わせていただきますと、それをじっと見てきた監督官庁はどういう目でその状況を見てきたんだろう。つまり、監督責任も含めて、そして特に生保各社の経営責任ということを含めて、どう見ていらっしゃるか、どう受けとめていらっしゃるか、お伺いをしたいと思います。
竹中国務大臣 委員御指摘くださいましたように、過去七年間で見ますと、非常に大ざっぱに言って、職員数は二割強減りました。人件費は二八・五%減らしている。その意味では、七年間で見るとそれなりの経営努力はしているんだろうというふうに思う。しかし、一方で、これは生保のみならずでありますけれども、日本の経営そのものがこのような調整でうまくいくのだろうかということが非常に厳しく今問われているのだと思っております。その意味では、委員の御指摘、我々非常に深く思いいたさなきゃいけないところがあります。
 日本経団連の奥田会長御自身が、実は、経営というのはリストラをすることが重要なのではないんだ、一番いい経営はリストラなんかしなくてもいいような形で持っていく。まさにおっしゃった、従業員との信頼関係を大事にして、社内にあるリソースを最大限活用していける、それがやはり本当に立派な経営なのだと思います。
 その意味では、最悪の経営というのは、追い込まれて追い込まれて、やむを得なく、しかし中途半端なコスト削減を行って、その結果として、おっしゃったようにV字形にも結果が出てこない。これは、この業界のみならず多くの日本の産業界でやはりいろいろ反省すべき点があるのだというふうに思っております。
 これに関して、もちろん、経費削減、新商品の開発、業務提携など、生保としては努力は重ねている面は、私は、一面ではあるのだと思っております。その意味で、現状、何とかそれなりの基礎利益を上げてソルベンシーマージンも維持しながら、しかし、やはり多くの問題を有しているというのがこの業界の経営の実態であろうかと思っております。
 その意味では、何が重要かというと、やはり早目早目にいろいろな手を打っていって、先ほどの奥田会長の言葉にもありましたように、そんなリストラは本来だったらやらなくてもいいような経営状況をつくっていくということがやはり経営にとって大変求められる。今回の法案も、その意味では、早目早目にいろいろなことが打てる一つの選択肢を用意したいという思いが私たちにはございます。経営は引き続き非常に多くの努力が必要と思います。
 最後に御指摘のありました、我々はそれを検査してモニタリングする立場にありますので、我々自身もそういう思いから今回の法案も用意したわけでありますけれども、早目早目の早期是正、それと早期警戒の制度をしっかりと活用して、各社に対して懸命な経営努力を行うように強く促して、そうすることによって我々の責任もぜひしっかりと果たしていきたいというふうに思っております。
竹下委員 竹中大臣がおっしゃいました、追い込まれて少しずつ少しずつ小出しにした結果が今の生保の状況であり、あるいは日本企業の状況ではないかなと思う。ここに実は最大の危惧を持っておるわけでありまして、構造改革というのは、ある意味でそこを何とかすることがブレークスルーに通ずるのではないかなという感じを私自身は持っております。経営者にとっては、厳しい選択、やるなら早目に、まだみんながそこまで精神的に追い込まれる前に、早目に、返り血を覚悟でやらなきゃならぬ。だけれども、それが経営というものが抱える責任ではないかなという気がいたすわけでございます。
 話を法案の方にまた戻させていただきますが、今度の法案、予定利率の引き下げ、下限三%ということを包含しておる状況でございますが、国民にとりましては、そもそも予定利率の引き下げということ自体が何を意味しているのかよくわからない。これが保険料のいわゆる割引に今まで当たっていたわけでございますが、その部分がなくなる。それから、引き下げというのはどういう手続で行われるのか、あるいは異議を申し立てるにはどうすればいいかといったこと、確かに書いてあります。書いてはありますが、保険会社は必死で勉強してわかると思いますが、契約者自身は、法律に書いてあるあるいは政令に書いてあるというだけではなかなか理解が行き届かない。しかし、契約者個人個人にとっては非常に大きな影響を持つ事態になるわけであります。
 それから、さらには、仮にどこかが引き下げを行ったといたしましても、将来景気が好転いたしまして当然金利も上昇してくる、そういう状況の中で契約者に利益をどういう形で還元すればいいのかといった点。しかも、ここには、今契約している、三%以下の予定利率で契約をしておる現在の契約者は、将来金利が上がっても、それほど、ほとんどメリットはない。三%まで引き下げた人にだけ還元するというのは、同じ契約者でありながら、その間に不利益といいますか不公平が生じるおそれもあるといったようなことも含めて、ですから、国民への周知徹底といいますか、もしこれをやる場合には相当きめ細やかな理解を得る努力をしていかなきゃならぬ。
 その点と、将来利益を還元するということも、日本経済がよくなれば当然予想できるわけですが、その際のあり方なり基本的な考え方といったようなものをお尋ねいたしたいと思います。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 今御指摘ございましたように、今回の法案は、保険会社とそれから保険契約者の間の自治的な手続というもので契約条件を変更する、いわば新たな選択肢を追加するというものでございます。引き下げの対象となる保険契約者の十分な御理解を前提とした制度でございますが、なかなかまだ契約者にとっては理解しにくいというようなところもございます。
 それからまた、今予定利率の御指摘ございましたが、予定利率の引き下げというのは保険契約者等の保護の観点からやむを得ない場合に限り行うということでございますが、これも、基本的には契約者の利益に資するものと私どもは考えております。
 ただ、繰り返しになりますが、保険契約者には、制度が複雑過ぎてなかなかよくわからないということもございますので、これは保険会社だけに任せることではなく、金融庁といたしましても、制度の内容でありますとかあるいは制度の意義につきまして、例えば金融庁のホームページ、こういうものを活用することを初めとしまして、あらゆる機会を通じまして国民や保険契約者の理解が十分得られるようにきめ細かな最大限の努力をしていきたいと思っております。
 それからまた、もう一つ御指摘ございました、将来、経営状況あるいは金利が好転するというような状況においてどうするのか、その点についてもよく説明すべきではないかということでございますが、今回の法案の中におきましても、将来金利が好転したり景気がよくなった場合、経営がよくなった場合ということにつきまして、そういう場合の取り決めもすることができる、それを定款に記すこともできるということを規定いたしております。
 もちろん、引き下げられました契約者についてはそういうことも可能でございますが、先生御指摘のように、それ以外の契約者の方々については、当然のことながら、金利が上昇し経営が向上いたしますれば、恐らく現在は極めて行われていない、あるいは極めて低い利率で行われている配当等がまた戻ってくる、高い配当になるということを通じまして利益の均てんが図られるものと考えております。
竹下委員 この法案は、セーフティーネットの選択肢の拡充といった意味で、冒頭に私がお話をさせていただきましたが、しかも、いろいろな問題もはらんでおるぎりぎりの選択であろうという感を今もって持っておるわけでございますが、しかし、一番望ましいのは、この法案が施行された後も、これが各社によって導入されることなく、また経営破綻も起きないという状況が、きちっと経済が安定しているという状態が続くことが一番大事なわけであります。
 できれば使ってほしくない法律であるわけでありまして、そのために、生命保険各社が努力をすること、ソルベンシーマージンも含めて世の中の信頼をきちっと獲得する努力をすることがまず第一義的に企業として必要な点であるわけでございますが、というよりも、実は、政府において、例えばデフレを克服して株価の下落あるいは土地を含む資産価値の下落というようなものをきちっと防ぐ、そして経済の安定成長に向けて最大限取り組む、それを実現するということが、実はこの法律よりもはるかに日本経済にとって、あるいはこの生保という分野に限ってもはるかに大きな力になるというふうに考えるわけであります。
 経済運営を担当していらっしゃる竹中大臣として、この生保の問題もさることながら、デフレ克服を含めた経済運営の決意をお伺いさせていただきたいと思います。
竹中国務大臣 今竹下委員、三点御指摘くださいましたが、三点とも私は全くそのとおりであると思います。まず、この法律そのものは使われなければそれにこしたことはない、そういう性格のものである。第二点としては、そのためには何といっても経営努力が必要である。第三番目、これは特に重要なポイントだと思いますが、それを可能にするようなデフレ克服というマクロ経済環境をしっかりつくっていかなければいけない。特に第三点はやはり極めて重要なポイントになろうかと思います。
 今、デフレ、低金利、特に名目金利がゼロ近傍にまで下がっているというのは、マクロ政策上こういう選択肢をとらざるを得ない一つの状況があったわけでございますが、結果的に見ると、名目金利で利益、所得を稼ぐような業界には非常に大きな負担になっている、その典型が実は生保であろうかというふうに思っております。その意味では、今のマクロ環境の中で、生保というのは総体的に見て非常に厳しい影響を受けざるを得ないような状況に追い込まれている、それに関しては、やはり一にも二にもデフレを克服することに尽きると思っております。
 これは、まず経済を活性化する。かねてから経済活性化するための特区等々いろいろな努力を重ねておりますけれども、加えて、日本銀行と一体となって、マネーサプライがふえるような、それによって自然と緩やかな物価上昇が戻ってくるような状況をぜひつくっていきたい。これに向けて引き続き、これは日本銀行の皆さんとも御相談をしながら、ぜひいろいろと努力をしていきたいというふうに思っております。
竹下委員 終わります。どうもありがとうございました。
小坂委員長 次に、遠藤和良君。
遠藤(和)委員 公明党の遠藤和良です。この法案、大変国民の皆さんから注目をされている法案ですけれども、私は、できれば、大変重要な法案ですから、竹中大臣と二人で一問一答をさせていただきたいと思っています。
 まず、生命保険主要十社が決算を出しましたけれども、これをどう評価するかという問題です。私は、経営体力の低下は一段と進んでいる、こういう認識をしますけれども、竹中大臣はどう認識しますか。
竹中国務大臣 先ほど決算の概要につきましては副大臣から答弁させていただいたとおりでございますが、基本的な認識としては、経済環境が一層厳しくなって、その意味で、逆ざや問題が生保の財務体質に対して従来よりやはり重くのしかかってきているのではないだろうか、そのような認識を持っております。ソルベンシーマージン比率等々、株価下落、有価証券の含み益の減少等により多くの会社で低下しているという点も踏まえまして、その意味では、今遠藤委員御指摘のように、ますます重くのしかかってきているのではないだろうかという認識を持っております。
遠藤(和)委員 にもかかわらず、予定利率の引き下げは全社とも現時点で申請の気持ちはない、こういうふうに会見で表明していますけれども、こうした態度についてどう思いますか。
竹中国務大臣 各社はそれぞれの立場で、保険会社といいましても体力の格差もございますし、いろいろな立場で今さまざまな経営戦略をめぐらせているというふうに思っております。
 この問題は、先ほども申し上げましたように、やはりそれによってその後の経営体質が非常にうまく改善するんだというような、大胆な経営合理化の、経営改革の案でございますとか、さらには、合併を含むような再編案、そのようなもの等も考慮に入れながら、非常に戦略的な経営戦略の中で、競争戦略の中でひとつ意思決定されていくものだというふうに思っておりますので、現時点でそのようなことは考えておりませんというのは、私は、公式表明としては非常に理解できる面がございますが、現実には、こういった新しい経営の選択の手段ができましたら、これはやはり戦略の中に組み込んで、さらに戦略的ないろいろな検討がなされていくであろうというふうに考えております。
遠藤(和)委員 この法案の条文の中に「保険業の継続が困難となる蓋然性」という言葉があります。その蓋然性とは一体何だ。今も蓋然性は既にあるのではないかというふうな認識もあるんですけれども、この蓋然性について、政府は、客観的な基準、こういうものを公表するおつもりはあるんですか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の法案におきまして、保険業の継続が困難となる蓋然性がある場合には、契約条件の変更の申し出を行うことができるというふうになっております。
 「保険業の継続が困難となる蓋然性がある場合」というのは、単に保険業の継続が困難となる可能性があるといった程度ではなくて、現時点で、破綻の要件であります保険業の継続が困難であるという状態には至っていないが、将来を見通して契約条件の変更を行わなければ、ほかの経営改善努力を織り込んでも保険業の継続が困難となることが合理的に予測できる場合、こういう場合が該当するというふうに考えてございます。
 いずれにいたしましても、その申し出に当たりましては、当該保険会社が申し出の理由につきまして十分合理的に説明ができることが必要になると考えておりまして、行政当局の承認に当たっても、そうした観点から十分しっかりと審査をしていきたいと考えております。
遠藤(和)委員 ですから、前もって客観的な基準を発表しなければ、それぞれの会社が蓋然性がありとして届け出をする、内閣総理大臣が、そうですね、ありますねということで決める話のような気がするんですね。そうすると、蓋然性というのは一体何だ。本当に客観的な、各社とも統一された基準で蓋然性というのを議論するのかしないのかということは大変問題になるわけでございます。
 この蓋然性というのは余り法律の用語の中に出てこない言葉じゃないかなと私は思うんですけれども、これをきちっと前もって公表すると逆にここの会社は蓋然性ありということが第三者にわかっちゃう、そうだから風評被害になる、したがって前もっては公表できないんだ、こういう意味かもしれませんけれども、この蓋然性の合理的な基準というんでしょうか、こうしたものはやはり責任を持って示すべきではないのかな、こう思いますが、どうでしょうか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 まさに先生の御主張、そのとおり、御卓見だと思っております。
 ただ、他方、将来の見通しは合理的に説明できる必要はあるわけでございますが、期間につきまして仮に画一的な基準を設けますと、先生の御指摘のような風評被害といいますか、そういうものも出てまいりますし、また、保険会社と保険契約者の間の自治的な手続によって問題解決を図るという今回の法律の趣旨の道を制約するというようなことにもなりかねないという危惧がございますこともちょっと御理解いただきたいと思っております。
 いずれにいたしましても、具体的な運用につきましては今後慎重に検討してまいりたいというふうに思っております。
遠藤(和)委員 それから、経営内容の情報開示の問題ですけれども、その情報開示というのを生命保険会社の判断にゆだねている、これでいいのかという問題を私は提起したいと思います。
 例えば三差益、保険会社の利益の源泉ですね、それを差益ごとにきちっと公表するのが本当は筋ではないのかな、こう思いますけれども、それは公表されておりません。この実態についてどう考えますか。
伊藤副大臣 先生御指摘のように、保険会社が情報開示、ディスクロージャーというものを充実させていく、これは大変重要な問題だと私どもも認識をしております。
 しかし、いわゆる三利源の問題につきましては、各社の競争戦略にもかかわる内部管理指標でございまして、この公表を義務づけるということについては慎重な対応が必要ではないかと考えているところでございます。
 なお、保険会社の損益の状況については、平成十二年度決算から、保険会社の基礎的な収支の状況を示す指標として基礎利益を創設し、これを公表するとともに、平成十三年度決算から、それまで各社がそれぞれに公表していた逆ざや額の定義を明確にしたことにより、相当程度のディスクロージャーが行われているところでございまして、これらの公表が確実に実行されていくことがまずもって重要ではないかと考えております。
遠藤(和)委員 やはり、この三差益を公表してこそ本当の情報開示なんですよ。それをしないで蓋然性があるとかないとか言っているのは本当におかしいと私は思いますね。
 私は推測するんですけれども、恐らくほとんどの生命保険会社が死差益におんぶしているんじゃないか。死差益におんぶして、利差益はほとんど逆ざやですけれども、費差益は少々の経営努力があるにすぎない。ほとんどは死差益という、これは生命保険会社の自助努力じゃありませんよ、本当に他力本願で利益をいただいているという話ですから、その経営の実態が暴露をされるからこの三差益を公表しないんじゃないですか。
竹中国務大臣 今、伊藤副大臣が御答弁させていただいたとおりなんでありますけれども、ディスクロージャーが重要であるということは、我々も全くそのとおりであろうと思っております。
 ただ、この三利源の問題というのは、一種の、競争政策にかなり深くかかわっている内部管理指標であるということで、我々としては、それを政府として義務づけるということには慎重でなければいけないというふうに思っております。
 しかし、これは競争戦略の中で、まさに各社が御判断になることでありますので、今回の法律の中でも、その自主的、自治的な手続を、我々としては、ぜひそこは重視をしていきたいと思っております。
遠藤(和)委員 これは競争政策の政策判断じゃないと私は思います。生命保険会社そのものが社会に存在する以上、どうした利源からどうした利益をいただいているのかというのは公表するのが使命だし、そのことによって、逆に風評被害はなくなると私は思いますね。これは公表する方向で、きちっと政府が責任を持って対応していくというのが、私は、生命保険業というものが国民から信頼される業に成熟する大変重要な観点だと思います。
 予定利率の引き下げを申請する場合においては、三利源、三差益は当然明らかにした上で申請するということになるんでしょうか。
伊藤副大臣 予定利率の問題につきましては、先ほどからお話をさせていただきましたように、保険会社・保険契約者の間の自主的な手続により契約条件を変更する仕組みでございまして、こうしたことを踏まえますと、予定利率の変更がやむを得ないことを保険契約者に十分説明をして、その理解を得ることが当然に必要になっていくわけであります。
 先ほどから先生から大変いろいろな御指摘をいただいているわけでありますけれども、三利源の問題についても、これを公表するか否かについては、当該の保険会社が保険契約者に十分説明をし、その理解を得られることによって、必要かどうかという判断の中で決まっていくものではないかというふうに私は考えております。
遠藤(和)委員 そうすると、これは必要条件じゃないということですか。
伊藤副大臣 先ほどもお話をさせていただいたように、利率の変更はやむを得ないということを保険契約者に十分説明をし、その理解を得ることが当然に必要になると考えられるわけであります。
 先ほど大臣からもお話をさせていただいたように、いわゆる三利源の問題については、各社の競争戦略にもかかわる内部指標でございまして、契約条件の変更を申し出る保険会社が、保険契約者の保護の観点から行われる契約条件変更手続の中でこれを保険契約者に示すかどうかは、経営戦略全般等の見地も踏まえつつ、当該保険会社が、保険契約者の理解を得るために必要があると判断するかどうかによって決まることになると考えられます。
遠藤(和)委員 大臣、既に簡保は三利源を公表しているんですよ。本当に、生命保険に対してそうしたものを明らかにしていくということが私はやはり大事だと思うんですね。特に、こうした蓋然性があるかないかとか、経営実態はどうなのかということを明らかにする意味では、これは非常に重要な視点だと思いますね。もっとよく政府部内で研究して、前向きで検討してもらいたいと思いますが、どうですか。
竹中国務大臣 どのようにディスクロージャーをしっかりとしたものにしていくかというのは、我々も常にいろいろな観点から検討しているつもりでございます。遠藤委員の御指摘も踏まえて、我々としては、引き続き、ディスクロージャーの改善についてはしっかりと検討をしていきたいというふうに思っております。
遠藤(和)委員 それから、この法案による引き下げを行った方が破綻処理されるよりも契約者にとっては有利である、契約者保護になるんだ、こういう説明を政府はしているわけですけれども、それはこの法律の条文上どう担保されていますか。
藤原政府参考人 破綻処理の場合と、今回の予定利率の引き下げの場合、典型的に違っておりますのは、まず、破綻処理の場合は、今セーフティーネットが働いておりますので、最大限一〇%までの過去に積み立てた責任準備金のカットがあり得るということでございますし、またさらに、破綻の事例を見ますと、予定利率につきましてもかなりの引き下げが行われております。
 今回は、そういう責任準備金のカットにつきましては認めないということをまず法令上明記しております。それから、さらに予定利率につきましても、これは政令で定める率ということになっておりますが、現下のもろもろの状況を考えまして、今のところ、三%程度ということを考えております。
 そういうことをもろもろ考えますと、破綻の場合よりも全体としてはかなり有利だということが言えるというふうに思っております。
遠藤(和)委員 それから、景気がよくなって金利が上昇した場合には、予定利率を下げたことによる効果というものをいただいた場合にはそれを契約者に還元をする、こういう法文も入っていましたかね。
藤原政府参考人 御指摘のように、今回の条件変更を総代会あるいは株主総会等、あるいはさらにはその変更対象契約者に異議申し立ての提案をする際に、その中に、会社が、将来、金利が上がる、景気が回復する、経営状態がよくなるといった場合には、そういうことについても決めることができる、決める場合はそういう提案として提案するようにということにいたしております。
遠藤(和)委員 法律の条文の中に出てきます保険調査人ですけれども、これはどんな仕事を具体的にするんですか。そして、その公正性というのはどのように担保するんでしょう。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 今回のスキームにおきまして、行政当局は、契約条件の変更案の承認に当たりまして、その内容が保険契約者の権利を不当に害していない、そういうところをチェックするために確認をすることといたしております。
 こうした手続の過程で、例えば、保険会社が作成しました契約条件の変更の内容等によっては、保険数理の専門家等が第三者の立場からチェックすることが必要となる場合も想定されるために、行政当局は、必要に応じまして保険調査人というものを選任いたしまして、契約条件の変更の内容や将来の財産等の予測等につきまして調査させることができる仕組みを設けているところであります。
 なお、この保険調査人による調査の公正性を担保する観点から、保険調査人につきまして、善管注意義務や当局による解任権を規定いたしておりますほか、保険調査人が不正の請託を受けて財産上の利益を収受した場合等には、五年以下の懲役または五百万以下の罰金等に処するような規定を設けているところでございます。
遠藤(和)委員 風評リスクに対する考え方ですけれども、一番最初に申し上げましたように、このままほうっておくと、せっかく法律はつくったんだけれども、どこの会社も手を挙げない状態になるか、全部がそろって手を挙げるかしかないのではないかな、こういうふうに思いますね。本当に勇気を出して、法律の趣旨に沿って、破綻を免れる、そして契約者の保護を優先しようという良心的な会社は風評の被害のリスクに遭う、こういうことでためらいがちになる、こういうふうな状態がありありと目に見えるわけでございます。
 本当にこの法律の趣旨を理解した保険会社が、良心的に契約者の保護を考えて、優先をして、申請をする、こうしたことが風評の被害にならない、この仕組みというものをぜひつくっていかなければいけないのですけれども、何か具体的にそういうことをお考えでしょうか。
伊藤副大臣 予定利率の引き下げの手続は、その異議申し立て手続、ある程度時間を要するものであり、その間、手続を混乱なく粛々と進め、保険集団の維持を図ることが保険契約者の保護に資すると考えられるため、一定の期間、解約に係る業務の停止について行政命令を行うことができるとしております。
 解約に係る業務の停止により、保険契約者への解約返戻金の支払いは停止されることになるわけでありますが、解約に係る業務の停止については、あくまで手続進行過程における処置にとどまるものであり、手続終了後においてなお解約を希望する者については速やかに解約が実行されるものとなっております。
 このように、解約停止の期間中にあっても、保険金の支払いや手続開始前に解約申し出を行われた保険契約の解約返戻金の支払いは行えることになっている、このような対応をしっかりしていきたいというふうに思っているところでございます。
竹中国務大臣 少し補足をさせていただきたいと思うんですが、冒頭で遠藤委員からお尋ねいただいたことと少しダブってしまうかもしれません。
 この制度を本当にうまく、風評リスクを高めることなく経営戦略の中に使っていただけるようにするためには、我々も努力が必要だと思いますし、保険会社そのものの努力も大変必要だと思います。要するに、これによってその後の経営が非常に、財務基盤が特に非常によくなるんだということが多くの市場関係者に見てわかるような、そういう仕組みの中でこの制度が活用されるということがやはり何より重要なのだと思っております。
 その意味では、例えば画期的な経営革新、経営改革と同時発表していただくとか、合併を含む再編等々とうまく組み合わせるような形でこれを活用していただくとか、これも考えられる一つの方法だとは思いますけれども、広い意味での経営改革の努力と一体化させることによって、ぜひこの制度の趣旨を生かして活用していただきたいというふうに我々は思っております。
遠藤(和)委員 風評被害、風評リスクを回避するのは、私は情報を開示することだと思うんですね。情報が開示されていないからうわさがうわさを呼ぶわけでして、リスク管理という意味から、情報をきちっと全部開示しちゃう、これが、心配なようですけれども、本当は一番安全な運営の仕方ではないかと思うんですね。そういう意味からいって、三利源も公表しちゃう、経営の実態も明らかにしちゃう、こういうことの方がかえっていいのではないかな、こういうことで申し上げたわけでございます。
 それから、今大臣おっしゃいましたけれども、やはりこの法律は、大きな選択肢、今後の経営をどうするか、あるいはある意味では業界の再編、こうしたものの大きなきっかけになるということではないのかなと思うんですね。
 今の生命保険業界というのは、私は、やはりまだなお護送船団方式の中にあるのではないかと。横ばかり見ていて、みんなが挙げたら手を挙げよう、挙げないのだったらだれも挙げないでおこう、こういうところでは、みずからの責任で経営をしていくというのが芽生えてきませんよね。こうしたのではなくて、やはりみずからの判断で、みずからの契約者に対して、どう保護し、対処をしていくか、こういう能力のあるといいますか体力のあるといいますか、こうした業界に生まれ変わる必要があるのではないか。そうした意味では、この法案が果たす役割は大きいのではないかと私は思います。ですから、むしろ業界再編きっかけ法案と言ったらいいんでしょうか、そういう認識をしたいと思いますが、そういう認識でいいんでしょうか。
竹中国務大臣 幾つか重要な御指摘をいただいたと思っております。
 風評等々を抑えるためには情報開示こそがやはり最善の方法であるという御指摘は、私は全くそのとおりであろうかと思います。今回、自主的、自治的な手続の中でこういうことを行うわけでありますから、その中ではやはり、保険契約者を説得するためにも、納得いただくためにも、さらに情報開示に努力をしていくというのが、これは当然自然に想定される姿であろうというふうに私は思っております。
 それともう一つ、護送船団ではなくてみずからの判断でと。まさに自主的、自治的な手続の中でいろいろな経営戦略を立てていく、その選択肢の一つを提供するというのが今回の法案の趣旨でございますので、その意味では、こういったものも一つのきっかけとして、非常に厳しい環境下で自主性、自律性を発揮するような経営にどんどん移行していっていただきたいというふうに思っております。結果としてそれが業界の再編や合併等々を促すということも、これはあり得ることだというふうに思っております。
 いずれにしても、競争的な環境の中で、自主的な判断に基づいて、我々としては選択肢を一つ用意いたしますので、積極果敢な経営をぜひしていただきたいというふうに思っております。
遠藤(和)委員 これで予定していた質問は終わるんですけれども、最後に、やはり全体の経済の、デフレから脱皮するという視点で申し上げたいんです。
 デフレ現象というのが、日本の経済現象のみならず世界を巻き込んだ、世界同時デフレ懸念のようなものがあると私は思うんですね。ですから、問題の解決がいよいよ難しくなっているような気がするんです。特に世界の工場になっている中国が、経済成長率が七%あるわけですけれども、その中で労働賃金は低下していますね、それから物価も低下していますね。そうしたデフレ現象にあるわけでございます。
 今、経済というのは世界同時に何もかも流通するわけでございますから、そういう中で、日本の経済運営だけで日本のデフレが克服できるのか、こういう視点があると思います。そうすると、世界と協調してどういうふうな通貨政策やあるいは経済政策を同時に行っていくのか、こういう大きな問題になるわけですけれども、そうした観点から、竹中さん、どのように日本のデフレ回復、デフレ回避政策を考えていらっしゃいますか。
竹中国務大臣 まことに大きな、重要な問題であると思います。
 日本の物価がマイナスになっている、しかし諸外国も、まだマイナスではないけれども、プラス五であったのがプラス二になり一になり、そういったデフレ的な傾向を持っている、全くその御指摘のとおりでありまして、その背景には、グローバリゼーションと、もっと言えば、安い賃金のところにいろいろな物価水準が収れんされていくような、要素価格が均等化していくような、非常に強い流れがあるのではないか。これは今までもあったんだけれども、グローバリゼーションの中でその速度が格段に速くなったのではないかというような問題意識をやはり持っております。
 それに対して日本としては一体何ができるかということになりますと、これはなかなか悩ましい問題なんでありますけれども、まず、国内での特殊な要因、マネーサプライがふえないという、これは決して国際的な要因ではなくて日本の問題でありますから、まずきちっとそれに対応していかなければいけないという日本固有の問題があろうかと思います。
 一方で、今申し上げたような世界的な問題に関しては、例えば為替制度をどのように調整していくのか。相対価格の調整という意味では為替の役割というのは大変大きいですから、そういった問題、為替の制度、その調整のあり方についてやはりかなり大がかりな議論を同時にしていかなければいけないというふうに思っております。
遠藤(和)委員 終わります。ありがとうございました。
小坂委員長 次に、生方幸夫君。
生方委員 民主党の生方でございます。
 まず、保険業法の改正案は、もう既に三月に一度、セーフティーネットの延長ということで出ておりました。このときにも予定利率の引き下げということが話題になっておりましたので、私も、両方セーフティーネット関連でございますので、同時に出すべきではないかというように金融庁の方にも言いましたけれども、金融庁の返事は、今は考えていない、しかし将来のことはわからないというような返事でございました。
 三月に出さないで、今の時点で出してきたその理由からまずお伺いしたいと思います。
竹中国務大臣 御指摘のとおり、この国会で例のセーフティーネット法案について御審議をいただきました。我々、これを三月十四日に国会に提出させていただいております。それで、保険業法の改正案、再び、予定利率の引き下げという形で、五月の二十三日に国会に提出をさせていただきました。
 その経緯でありますけれども、セーフティーネット見直し等に係る法案については、御承知のように、ことしの三月末で政府補助の特例措置が期限切れになるということになっていましたために、生命保険への信頼性を確保していくという観点から、やはり早期に手当てを、どうしても我々としては早く行いたいという思いがございました。
 一方、予定利率の問題でありますけれども、先ほどからも少し御議論いただいていますように、やはり実に多くの論点がございます。逆ざやという構造問題、これは何とか解決に向かわせたい問題でありますけれども、なかなかそれを解決する打ち出の小づちのような政策があるわけではなくて、実に多くの論点をやはり丁寧に丁寧に検討していかなければいけない、そういう性格のものであるというふうに当時から認識をしておりましたし、そのためにさらに議論を深める必要がありました。
 その後も引き続き幅広く検討をしてきたところでありますけれども、各方面とも議論を深めた結果、今般、このような法律案として取りまとめることができたということで、国会で御審議をいただく運びになったところでございます。そういった時間的なずれがあったという点をぜひ御理解賜りたいと思います。
生方委員 普通は、一法案を、同じ国会では二度改正案を出すということはあり得ないわけですね。
 今竹中さんがおっしゃるように、論点整理に時間がかかったということですけれども、もう既に金融審議会には〇一年の六月からかけられているわけですね。もう二年以上もそこでたっているわけです。もう三月の時点で予定利率の引き下げというのは大体内容は詰まっていたわけで、唯一考えられるのは、四月の統一地方選挙しか考えられないんですよ。統一地方選挙で、国民の皆さん方に不利になるような法案を出したら与党の選挙に不利になるだろう、これ以外にずらした理由というのは考えられないんですよ。
 そうじゃないというのであれば、三月の時点と五月の時点で保険業界の中に非常に大きな変動が起こった、だから早急に出さなければいけないということならまだ納得はいきますけれども、三月から五月の間に保険業界の中に一体どういう変化が起こったのか、危機が深まったのか、そういう認識があるのかどうか、お伺いしたいと思います。
竹中国務大臣 同一の国会で同一法案、改正案の提出ということでありますけれども、いわゆる一事不再議の問題を御指摘だと思います。既決された問題と同一の問題について同一会期中はこれを審議しないということでありますが、今回はセーフティーネットと予定利率ということでありますので、その点の差異があるということはぜひとも御理解をいただきたいと思います。
 生方委員御指摘の、その間に一体どういう変化があったのかということでございますが、これは、先ほども申し上げましたように、我々の議論、予定利率の引き下げという大変難しい、ナイーブな問題の解決に、我々として、議論の整理にやはり時間を要してしまった。繰り返し申し上げますが、これはなかなか難しい問題であります。それについて、それぞれの細かな観点を一つずつ我々としては議論してきたつもりです。各方面にもまた御議論をいただいたつもりでございます。そうした中で、このような形で時間が、二カ月と十日ぐらい、二カ月半ぐらいでありますけれども、ずれる形で御審議をお願いすることになったという点、御理解をいただきたいと思います。
生方委員 まだ全然お答えいただいていないんですけれども、三月の時点と、たかだか一カ月半ですね。そんな一カ月半の間の準備がなくたって、三月の時点で出せたことは間違いないわけで、三月から五月の間に生保業界に何かが起こったという認識があるのか、そうではない、単に準備の時間だけがかかったんだという認識なのか、それだけお伺いします。
竹中国務大臣 先ほども申し上げておりますように、今回このような形でお願いすることになりましたのは、我々として、準備期間として時間を要した、この点でございます。
生方委員 それではお伺いしますけれども、既に〇一年六月に中間報告が出されていますね。審議会を開いて中間報告が出されて、九月に再度審議会が開かれて、この場では、まだ環境が熟していない、引き続き協議ということになった。
 ことしの五月にもまた金融審議会第二部会が開かれましたね。この金融審議会が開催された目的というのは一体何ですか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 金融審議会におきましては、予定利率の問題につきまして、御指摘のように、一昨年、御議論をいただきまして中間報告等取りまとめていただいたところでございますが、与党におけるその議論の状況等を踏まえまして、先般、五月十二日でございますが、金融審の金融分科会第二部会を開催して御議論いただいたところでございます。
 その会合におきましては、まず、事務局の方から、金融審議会の一昨年の中間報告に対する行政等あるいは生命保険会社等の対応状況でありますとか、あるいは生命保険を取り巻く環境の変化でございますとか、予定利率引き下げに係る議論のその当時の状況等について御説明させていただきました。当日の会合におきましては、予定利率の引き下げ問題につきまして非常に幅広い観点からさまざまな意見があったところでございますが、結論といたしまして、行政として作業を進めることについて了とされたものでございます。
生方委員 この審議会は総理の諮問機関ですね、大臣。今度、この五月に審議会にかけた目的、これは、単に意見を聞くというのが目的だったのか、あるいはそこで一定の方向性を出すというのが目的だったのか、どちらだったんですか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほども御答弁申し上げましたが、一昨年に、中間報告を取りまとめていただきまして、その後九月に、先生御指摘のように取りまとめを一応やったわけでございます。そこにおきましていろいろと御指摘されたこと、私ども、それが宿題としてあったわけでございますが、そういうものについての対応状況、それからその間の状況の変化、また昨今の予定利率を取り巻く議論の状況等、こういうものにつきまして審議会で御報告を申し上げたところでございます。
生方委員 こういう質問をするのは、新聞報道によったり、議事要旨をいただきました、これを見たりすると、この予定利率の引き下げに対して批判的な意見が多いわけですね。これだけ批判的な意見が出ている。それを聞いておきながら、ただ聞きおくだけでこの法案を出してきたんじゃ、何のために審議会があるかわからないから、どういう意図でこれを開いたんですかと聞いているんですよ。だから、どういう目的でこの審議――もう局長じゃなくていい。どういう目的で開いて、こういう批判的な意見が出たのをどういうふうに政府として受けとめたのか、大臣、お伺いしたいんですけれども。
竹中国務大臣 今局長から答弁させていただきましたように、この間の五月の金融審議会というのは、生命保険を取り巻く環境の変化、行政当局等の取り組みを説明しまして、委員の方々からは幅広い観点から御議論をいただいたわけです。これは御承知のように公開で行っておりますので、メディアの方々もそのやりとりは聞いておられたというふうに思います。
 今委員が、批判的な意見が多かったということでございますが、これは結果から見ますと、やはりさまざまな意見があったということであろうかと思います。一昨年の中間報告から経営環境は悪化している、それを受けて、経営の選択肢をふやすことには意味があるというような意見をお述べになった方もおられました。その予定利率引き下げが有効な選択肢となり得るのかというような質問をされた方もいらっしゃいました。そうした中で、基本的には、委員の方から幅広いさまざまな意見があったわけでありますが、行政として作業を進めることについては了、了解だというふうにされたと承知をしております。
生方委員 前回のときはパブリックコメントをとったわけですよね。今度のも、新聞報道によれば、少なくとも当初はパブリックコメントをとるという方向だったにもかかわらず、たった一日だけ意見を聞いただけで、十分な討議がとても私は行われたとは思わないんですね。国民の九割もが参加している保険の、一方的にその負担を国民に押しつけるわけですから、国民からもやはり広く意見を聞かなきゃいけないというのが当たり前の話で、一カ月半の時間をかけたというふうにおっしゃるんであれば、当然この審議会、何日間か開くか、あるいは公聴会を開いて広く国民の意見を聞くということをやるのが当たり前だったんじゃないですか。何でそんな急いでこの時点で出してこなきゃいけないのか、何で三月に出せないで今出てくるのかというのは私には理解できないんですけれども、いかがでございますか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 予定利率の問題につきましては、多くの論点につきまして幅広く検討してきたところでございますが、今般、関係方面と議論を深めた上で法案を提出することといたしたところでございます。
 いわゆるパブリックコメントに関する手続につきましては、これは閣議決定等によって定められているわけでございますが、国会におきまして御審議を経る法律案につきましては、パブリックコメントの対象にはなっていないものと承知いたしております。
 それでは、なぜその……(発言する者あり)何ですか。
小坂委員長 答弁を続けてください――生方幸夫君。
生方委員 パブリックコメントをとらない、国会に出すからとらないというんであれば、国会できちんと、これは後の話ですけれども、公聴会をぜひとも開いていただかなきゃいかぬということを申し上げておきます。
 ただ、新聞報道によれば、もともとはパブリックコメントをとることにしていた。ところが、一般の世論からいえば当然反対が多いだろう、反対が多い意見を聞いたらこの法案が出せなくなるからパブリックコメントをとらないというんじゃ、何のためのパブリックコメントかわからないじゃないですか。それは、国民に幅広く意見があるから国民の反対意見を聞くというんであればいいけれども、聞いたら恐らく反対意見が多いだろうから、出せないんだからパブリックコメントをとらないというんじゃ、何のためにパブリックコメントがあるか、わかりゃしないんじゃないですか。竹中大臣、どうですか――竹中さんです。事実関係はいいから、もう。
竹中国務大臣 新聞報道で、パブリックコメントを求めるというふうに言われていたという御指摘でありますが、私の知る限り、金融庁の内部でパブリックコメントを求めようというような議論は、これはもう当初からございませんでした。
 理由は、今ありましたように、パブリックコメントについては、閣議決定等で、どういう場合にどのようにするかということは決められておりますが、その中には、国会で御審議をいただく法案というのは含まれておりません。したがって、法案に関してはまさにここで御議論をいただいているわけでございまして、当初からパブリックコメントを求めるということは、これは本当に金融庁の中でも議論はなかったということでございます。
生方委員 だって、保険業法、この予定利率の引き下げというのは、もともと国会で最終的に結論を得なきゃいけないんでしょう。前に求めているじゃないですか。何で、〇一年に求めているのに今回は求めないと。それは全然、言っていることおかしいじゃないですか。国会で審議、もともとしないつもりだったんですか、〇一年にやるとき。これはおかしい。――委員長じゃないですよ。局長はいいから。大臣、今言ったこと、どうなんですか。――いやいや、今言ったことですよ。国会で審議することについてはパブリックコメントをとらないというふうに言ったんですから、〇一年のときにはパブリックコメントをとったということは、国会で審議する予定がなかったのか、それだけを御確認です。
小坂委員長 藤原総務企画局長。事実関係をしっかり答弁してください。
藤原政府参考人 ちょっと事実関係を整理させていただきたいと思います。(生方委員「関係ないじゃないか、局長は。今の竹中さんの答弁に対して聞いているんだから。あなた、出てくる必要ないんだ、全然」と呼ぶ)
小坂委員長 指名しておりますので、答弁してください。
藤原政府参考人 平成十一年三月にいわゆるパブリックコメントの取り扱いにつきまして閣議決定されたわけでございますが、十一年三月の閣議決定は、「規制の設定又は改廃に伴い政令・省令等を策定する過程において、国民等の多様な意見・情報・専門知識を行政機関が把握するとともに、その過程の公正の確保と透明性の向上を図ることが必要である。」ことから、政省令を対象としているものでございます。
 他方、御指摘いただきました、金融審議会においていわゆるパブリックコメントというものがなされたわけでございますが、これは、中間報告が六月に出されまして、さらに議論を深める際に、その過程におきまして、国民・保険契約者の理解を図るということから行われました、いわば、閣議決定で言うパブリックコメントとは違った意味での意見募集というような位置づけでございまして、我々が言っておりますパブリックコメントとはちょっと違うわけでございます。
竹中国務大臣 パブリックコメントというのは何のためにやるのか。これは、平成十一年三月に閣議決定しまして、十二年一部改正をされておりますけれども、「政令・省令等を策定する過程において、」つまり、行政の中だけで、これは政令、省令はそういうものでありますから、そういうことをいわば民意でチェックしよう、そういう趣旨からこのパブリックコメントの制度はあるというふうに考えております。したがって、まず、国会で御審議をいただく法律案については、この閣議決定されたパブリックコメントの対象ではやはりないということなんだと思っております。
 もう一つ委員が聞かれました、では一昨年の金融審議会の中間報告はどうだったんだということだと思いますけれども、これは、予定利率の引き下げのみならず、生命保険をめぐる各般の検討課題が含まれている、その内容の当否を含めて広く内外の意見聴取が行われる必要があった、その観点から行われたというふうに承知をしております。具体的には、生命保険会社の財務基盤の充実はどうか、これも中間報告の内容であります。保険契約者からの信頼性の向上、多様な保険商品開発の促進等々、そういった問題について、中間報告は非常に幅広くいろいろな議論をされておりますので、これに対して内外の意見聴取が行われたというふうに承知をしております。
生方委員 確認なんですけれども、国会で審議する法案についてはパブリックコメントをとらないというのは、やはり撤回していただかないと。そうしたら、審議会でパブリックコメントをとるものは全部国会にかけないということになるじゃないですか。そういうことじゃないでしょう。
 これ、政令、省令の改正で済む話じゃないじゃないですか、もともと。保険業法を改正しなきゃこんなもの通るわけないんですから。そういうのを前提にしてパブリックコメントをとっておきながら、今回とらなかった理由は国会審議するからとらないんだという、理由にはならないでしょう。それじゃなきゃこれからおかしくなっちゃいますよ。
 国会審議する法案については一切パブリックコメントをとらないんだということになれば、パブリックコメントなんか全然とることなくなっちゃうじゃないですか。その発言はやはりきちんとしなきゃおかしいことになっちゃいますよ。――局長、いいですから。局長は、私はあくまでも、局長を呼んでいいかと言うから、呼んでいいよと言っただけの話で、あなたにこんな答えてくれなんて言っていない、全然。大臣どうですか。
竹中国務大臣 これは平成十一年三月に閣議決定されたものでありまして、対象として、この手続は、行政内で完結して広く一般に適用される意思表示を対象としている。国会において審議をやる法律案は、この平成十一年三月に閣議決定されたパブリックコメントの対象ではないということ。これは閣議決定されておりますので、これは私一人の意見でどうこう申し上げられる問題ではございません。
生方委員 この法案についてだけじゃないということを竹中さんがおっしゃったんですよ。一般的に国会審議する問題はパブリックコメントをかけないと、一般的に言っているんです。この法案について言っているわけじゃないんですよ。だから、竹中さんの言ったことが全部閣議決定されたということであれば、これから先、国会審議される問題はすべてパブリックコメントをかけないということで、閣僚としての発言でいいんですね。これから先もそういうことはとりませんということでいいんですね。
竹中国務大臣 パブリックコメントというのはいろいろな意味があります。例えば、一昨年にパブリックコメントを金融審でとった場合は、これのパブリックコメントを……(生方委員「それはいいから、一点だけ答えてください。これから先もそうなんですかというだけ答えてくれればいいですよ。この法案に関してだけではなくて……」と呼ぶ)
小坂委員長 質問者は指名を受けて発言してください。
竹中国務大臣 ぜひちょっと聞いていただきたいのでありますが、閣議決定で定められたパブリックコメントではないということです。
 ただし、それ以外にいろいろなケースがあると思います。法律案についても、時間的な余裕があるような場合とか、これはぜひいろいろな意見を聞いてみよう、そういう意味でのいろいろなコメントを広く求めるというのは、これは別に排除するものではないと思っております。
 私が申し上げたのは、閣議決定をされたこのパブリックコメントの対象かどうかということに関して申し上げたつもりでございます。
生方委員 よくわけがわからないんですけれどもね。
 とにかく今度の問題は、国民の九割もが加入している保険料の利率を引き下げようという法案ですからね。これをパブリックコメントをとらないで、ほかにパブリックコメントをとるような問題ないじゃないですか。だから、とらなかった理由は、とれば反対が多いだろう、反対が多い法案についてはパブリックコメントをとらないというんじゃ、パブリックコメントの制度そのものがもう要らないということになるじゃないですかということを指摘しているんですよ。
 この問題ばかりやっているわけにいかぬから、それ以上、行きますが……(発言する者あり)うるさいんだよ、不規則発言が。
 そもそも、今度の保険業法改正で予定利率の引き下げができるようにしたという条文、九六年の保険業法改正で予定利率の引き下げという文言そのものをとったわけですよね。予定利率を引き下げちゃいかぬ、これは財産権を侵害するおそれがあるからいかぬということで、九六年に保険業法をわざわざ改正したわけですよ。それからまだ七年ぐらいしかたっていないのに、今度はまたやはり予定利率を引き下げるように法律をつくろうというのは、たった七年間で何でこんな変わらなきゃいけないんですか。わざわざ取り下げておいてまたつくるというのはどういうことなんですか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 平成七年、改正前の保険業法では、御指摘のように、大蔵大臣の行政命令による保険金の削減等の規定が設けられておりましたが、これらの規定につきましては、現行法では削除されております。
 当時の保険審議会の議論におきましては、大蔵大臣の行政命令により保険金を削減する規定につきましては、行政命令の効力を直接既存の契約者に及ぼすことになり不適当ではないかというような議論がございまして、こうした議論を受けまして、保険審議会の報告を受けて、当該規定は削除されたものと承知いたしております。
 なお、今回のスキームは、保険契約者の保護の観点から、保険会社と保険契約者の間の主体的な判断、自治的な手続によって契約条件の変更を行うものでございまして、保険契約者の十分な理解を前提とした仕組みであることが、削除された旧保険業法の規定とは異なるものと考えております。
生方委員 だから、行政命令じゃなくて今度は自治的な仕組みになったからいいんだということを言っていますけれども、これは国民の九割が参加している保険ですよ。それについて、国民の九割の人に、今度の契約の変更はどういうことであるのかということをどうやって説明するんですか。ただ一片の文書だけ出して、これこれこうなりましたと、それで一割以上の反対がなかったからということで通しちゃって、それが自治的な仕組みということになるんですか。竹中さん、それでいいんですか。一割の異議申し立てがない限りはこのままいっちゃうわけですよ。
 ところが、保険業法の改正案、私も勉強いたしましたけれども、かなりこれは難しい法案ですよ。どうして予定利率が引き下げられなきゃいけないのか。予定利率の引き下げという言葉だと、何となく、引き下げられるのかと、預金の金利が引き下げられるように考えるかもしれないけれども、本当は保険金が減っちゃうわけですよね。同じ保険金を取りたいというふうに思えば、保険料が上がるわけですよ。そういうことを十分国民の皆さん方に理解してもらう、もらった上での判断というのならそれは自治的な判断ということになるかもしれないけれども、国民の九割もが加盟しているものが、国民の全員が理解して、それを自分の自治的な判断でこういうふうにするということは考えられないでしょう。
 それが、行政命令は財産権を侵すことになるから憲法違反であって、片っ方は、自治的な仕組みであるから財産権を侵すことにならないから憲法違反にならないというのは、それはまさに欺瞞じゃないですか。国民はだまされていることになるじゃないですか。
 局長じゃなくて大臣が答えてください、大臣が。
竹中国務大臣 先ほどから申し上げていますように、この手続そのものはやはり本当に難しい手続だというふうに私自身も当初から思っております。
 しかし、まず、判断の基準として、逆ざや問題という厳然たる構造問題が存在をしている。この逆ざや問題が中期的に保険会社の体力をむしばんで、これが本当に経営破綻に至るようなことになったら、やはりその場合に一番大きな被害を受けるのは保険契約者ではないのか。その保険契約者の利益を少しでも守るためにどういう選択肢があるかという、その選択肢を模索したのが今回の法律でございます。
 生方委員おっしゃるように、そういう意味では、しかし、手続そのものは、本当に、国民にきちっと理解されて、保険契約者がきちっとその内容を理解して自分の意思を反映できるような仕組みを一生懸命つくっていかなければいけないというふうに思っております。そのために、今回は、申し出を受けるかどうかというのはまず行政当局がしっかりとやる。それで、混乱を回避しながら、いろいろな保険会社による契約条件の変更案を作成するに当たっては、その条件変更がやむを得ない理由、さらには条件変更の内容、変更後に一体どうなるのか、業務や財産状態がどうなるのか、それと基金、劣後ローンの取り扱いどうするんだ、経営責任どうするんだ、そういうふうに、示さなければいけない項目を書いてかつ承認を得る、さらには保険契約者による異議申し立ての仕組みをつくる。
 それぞれについて、保険契約者は確かに多いですから、生方委員おっしゃるように、これをしっかりと理解していただくというのは簡単なことだとは思いませんけれども、しかし、原点に立ち返って、本当にその保険会社が破綻してしまったような場合の保険契約者の被害に比べれば、少しでも被害が小さくなるのではないか、そのような仕組みをぎりぎりのところで模索して、我々としてはこの仕組みを提案させていただいているつもりでございます。
生方委員 先ほども質問がありましたけれども、三利源も公開されない、これから先の将来の予測も公開されないというような形の中で、国民に判断しろという方が無理なんですよ。それは後ほど申し上げますが。
 その契約者の意見を聞くべきだということは、中間報告にも契約者集会を開くべきだということが盛り込まれていますね。何でこの契約者集会というのが今回落ちちゃったんですか。当然契約者集会というのを開いて広く意見を聞かなきゃいかぬでしょう、株主総会とか社員総代会だけじゃなくて。それは中間報告にもきちんと盛り込まれていたんですから、契約者集会を開くべきだと。何でこれが落ちたのか。
 局長じゃなくて、大臣お答えください。だめだよ、局長ばかり。それだったらもう局長呼ばないよ、これから。
藤原政府参考人 済みません。ちょっと私の方からこの辺お答えさせていただきたいと思っております。
 保険契約者の自治的な意思決定システムとしましては、契約者集会の開催は理念的には望ましいことは事実でございますが、他方、極めて多数に上ります保険契約者集団における意思決定システムとしては、実際問題としては有効に機能しないおそれがあると考えております。
 このため、今回のスキームにおきましては、意思決定手続を、会社の機関意思決定手続と、それから保険契約者の権利の保護の手続、大きくこの二つに区分いたしまして、機関意思決定手続につきましては総代会または株主総会の特別決議によることといたしまして、保険契約者の権利の保護手続は異議申し立て手続の活用にすることにいたしたところでございます。
生方委員 局長に申し上げますけれども、局長はあくまでも参考として出ていいかと言うから私はいいよと言ったので、こんな答弁してくれと頼んでいないんですよ。それではもう呼びませんよ、次から。あなたが出てくるんじゃ、あなたに私は質問しているんじゃないんだから、大臣に質問しているんだから。
 契約者集会を開かなきゃいけないんじゃないか、これ、中間報告に盛り込まれたのを何で取っちゃったんですか。
 社員総代会と株主総会、私も社員総代をやっていましたよ、社員総代になってくださいというので初めて保険に入ったんですから。では保険入りましょうという形で、社員総代をやっていました。社員総代会に何回か出ましたけれども。その程度のものなんですよ。
 だから、本当の契約者の意見を聞くというのは、契約者集会というのを開いて一般からやはり広く、これは物理的に無理だといったって、今インターネットやら何やらいろいろあるんですから、どういう御意見があるんですかと聞くのが当たり前じゃないですか。
 そんなこともしないで、こんな重要な法案を、三月に出さないで、四月の統一地方選挙という、本当は国民にそこで広く意見を聞けたはずですよ。わざわざそういう機会を逃して、パスしておいて、ここに出てきて、本当、十八日までですよ、会期末のこんな厳しいときにぱっぱっぱっとやっちゃって七月から適用するなんて、こんなばかな話がどこにあるんですか。最低でもそれは契約者集会ぐらい開くというのは当たり前の話じゃないですか。大臣、いかがですか。
竹中国務大臣 契約者集会を開催する、それは確かに理想であろうかと思います。その点は、理想的な解決であるというのは、私は否定はいたしません。
 しかし、大手の生保で千二百万人の契約者・社員がいる、それの大会というのは、これはしかし現実問題としてやはり困難だと私は思います。インターネットで云々という話もありましたけれども、それに当たっても、やはり本人の確認の問題等いろいろな問題が出てきますので、いわゆる実際の利用可能性、フィージビリティーという観点からしますと、やはり現実的な仕組みをつくっていかざるを得なかったということであります。
 そこで、機関の意思決定については総代会、株主総会の、しかもできるだけ厳しくということで特別決議の対象にした、最終的には異議申し立ての活用で保険契約者の権利の保護手続には当たる、そういうようなぎりぎりのところで、我々としては現実的な仕組みを用意させていただいたつもりでございます。
生方委員 これは、保険契約者のうちの二、三%がこういう影響を受けるというんならいいですよ。かなりの方が影響を受けるわけですよ。だから、物理的に何百万人いるからどうのこうのといったって、何百万人の方が契約の変更を迫られるわけですから、その人たちがきちんとそこへ行って意見を述べる機会が与えられてしかるべきでしょう。
 それは、千何百万人いるから、全部集まれと私言っているわけじゃないですよ。インターネットも何もあるんですから、意見を言いたい人は意見を言ってくださいということで、幾らだって機会があるじゃないですか。そういう機会を一切しないでいて、何でしないのかといったら、そこで反対意見がいっぱい出るから、反対意見が出るのならやるのやめちゃおうと。パブリックコメントをとらないのもそういうことでしょう。
 国民に何の聞く機会も設けないで、国民の一方的な不利益になるようなこういう法律を通していいのかという政府の姿勢ですよ。こんなのでいいんですか、こういうやり方で。政府に対する信頼の問題ですよ。もっと言えば、個人と保険会社という、民間と民間が結んだ契約を、政府が一方的に法律をつくって変えてしまうというようなことをやったら、これは契約そのものが成り立たなくなっちゃいますよ。
 一点だけ聞きますけれども、これ、予定利率を引き下げるという法案が仮に通ったとしますね。三%というふうに巷間言われておりますが、三%の予定利率の、三%以下にはしないという法案が通った場合、その次に、三%からまたその次に下げるということはまさかしないんでしょうね。そこだけ確認をしたいと思います。
竹中国務大臣 現時点で、そのようなことはもちろん考えておりません。
 先ほどから何回か御質問いただいておりますけれども、我々としては、そこに逆ざや問題という、これは理屈抜きでやはり解決しなければいけない問題がそこにある。その場合に、そのままこれを置いておいて、生保の経営を破綻に導くようなことを、何もしないで待っていていいのか、それか、そのような場合に、何らかの自治的な合意で条件変更する手続を選択肢として用意するのか、私はやはり原点はその点だというふうに思います。
 これは強制的に政府が介入してそれを下げさせるというようなことは、そういう趣旨でおっしゃったのではないと思いますけれども、そういう法律ではございません。自治的な手続の中で、自主的な決定の中でやっていただこうということであります。その際に、できる範囲で、非常に大きな保険集団という現実を考えて、しっかりと、できるだけその人々の、契約者の意思を反映させるようなぎりぎりの選択肢は用意したつもりでございます。ぜひその点を御理解いただきたいと思っております。
生方委員 すぐ契約者の保護ということを言いますけれども、これは破綻処理もあるわけですよ、更生特例法を使って。そのための更生特例法をつくっているわけですよ。その場合は、基金とか劣後債とかそういうものをきちんと処理しなきゃいけないというふうになっているわけですよ。今度の場合、そういうことははっきりしていないんですね、処理することもあり得るということになっているだけで。
 この法案の一番の目的は、もう結論部分になっちゃいますけれども、これ、銀行の基金や劣後債がパアになっちゃうのを防ぐためには、これは更生特例法を使用するよりも、予定利率を引き下げることによって国民に広く負担をしてもらおうということになっちゃうじゃないですか。
 銀行がやばくなっちゃいけないということで公的資金まで導入する仕組みをつくっているわけですよ。銀行の方は何の心配もないんでしょう。心配もないのであれば、予定利率の引き下げということをやらないで、経営が破綻しそうになっているところがあるとすれば、ちゃんと更生特例法というのをつくったわけですから、更生特例法を適用して、きちんと基金や劣後債というのを債権放棄させることによって、予定利率だってそれほど下げなくたって済むということだってあり得るわけでしょう。いかがですか。
竹中国務大臣 これは、更生特例法を適用するような場合には、我々はちゅうちょなくそういう法律を適用して、きちっとした対応を、これまでもとってきたと思いますし、とるつもりであります。
 それが契約者のためになるのか。契約者自身がためになるというふうに判断するならば、これは異議申し立て等々できちっと反論すればいいわけでありますから、これは自治的な中で、自分としては自分が契約している会社が破綻する方がいいというふうな意識をお持ちになるならば、これはそういう意思が反映されるような仕組みは仕組みとしてつくっているつもりでございます。
 しかし、現実問題として、責任準備金がカットされる、ないしは、これはどういう状況を設定するかにもよりますけれども、今までの破綻の例等々から見ると、やはり利率がかなり大幅に下がる、そういうようなことを考えるならば、一つの契約者保護の選択肢としてこのようなものを準備しておくということには私は意義があるというふうに思っております。
生方委員 結局のところ、物言わぬ国民がみんな損するんですよ。公的資金の導入だって、国民はいろいろクレームをつけたくたってつけようがないじゃないですか、二兆円も入れるといって。文句つけようがないんですよ。今度は契約者、予定利率の引き下げだって文句つけようがないんですよ。それで、あなたら、それの方が破綻するよりは有利なんだよと言われたって、国民がどうして納得するんですか、そんなの。
 国民は保険会社と契約をし、保険会社は、これは超長期の運用ですから、金利が将来下がることだって当然経営者として見通していなきゃいけないわけですよ。それ以前に、簡保の予定利率を引き上げちゃったということがあるから、それにつられたということもあるから、政府の責任ももちろん大きいんですけれども、これは生保会社の責任なんですよ。
 破綻をするのであればそれは破綻をしたということで、契約をしている国民も納得がいくんですよ。自分が契約をした保険会社が倒産をしてしまった、破綻をしてしまった、それは自分も責任があるわけですから。ところが、今度の法案のように、何が何だかわからないうちに一律に、一律というか、申請したところだけですけれども、引き下げられるというんじゃ、私は納得がいかないと思うんですよ。こういう法案は、やはりつくるときはきちんと国民の意見を聞くべきだというその原点すら守っていないということで、本当におかしなことだというふうに思います。
 次ですけれども、将来破綻が懸念されるおそれがある生保会社というのは何社あるんですか。
伊藤副大臣 超低金利の継続による逆ざや、あるいは保険契約高の減少、株価の下落等、生命保険会社をめぐる経営環境というのは大変厳しいものがありますが、ただし、現時点において契約条件の変更の申し出を行う保険会社を具体的に想定しているわけではございません。
生方委員 一応、健全性の目安とされているのが、ソルベンシーマージンで二〇〇%ですよね。この間発表されました数値を見ますと、最低でも、主要十社でいえば三六〇、次いで四一〇で、主要十社以外では、一社だけが四〇〇台ですが、その他すべて七〇〇から一〇〇〇、多いところは三〇〇〇を超えているようなところがあるわけですね。
 この数字を見る限り、おっしゃるように何の心配もないんですよ。心配がないんだったら、何でこんな会期末に急いでこんな法案を出さなきゃいけないんですか。別に次の国会だって十分いいじゃないですか。十分国民の意見を聞いて、国民の皆さん方に納得をしてもらってから出して十分です。何でこんな急いで会期末に出してこなきゃいけないんですか。その理由を教えてください。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 今先生御指摘のソルベンシーマージン比率と申しますのは、まさしく早期警戒措置と申しますか、足元の経営状況等を把握する指標でございまして、今回提出しております予定利率の引き下げのことにつきましては、もう少し長いタームのことを見ております。したがいまして、ソルベンシーマージン比率とこれとは違います。
生方委員 委員長、私は重ねて大臣にというふうに言っているんで、局長はあくまでも参考人として出ていいかと言うから、出ていいよと言っただけで、こんな何遍も答弁してくれなんて全然頼んでいない。だめですよ。
 竹中さん、もう一回聞きますけれども、二〇〇%なんでしょう、健全性の目安とされているソルベンシーマージンは。今言いましたように、最低でも、危ないと言われているところだって三六〇あるわけですよ。その次で四一〇で、その他もみんな七〇〇から一〇〇〇なんですよ。一番いいところは三千幾つもあるわけですよ。
 少なくとも、国民はそのソルベンシーマージンを見て生保会社が安全か安全じゃないか判断しているわけで、今見ている限り、二〇〇が健全性の目安というのであって、それが三六〇から四一〇、ほかのところはみんな五〇〇以上あるというのなら、国民はみんな安全だと思いますよ。安全だと思うときにどうしてこんな法案を急いで出すのかと納得いかないじゃないですか。何でこんな急いで出さなきゃいけないんですか、健全だというのであれば。とりあえず将来破綻する懸念がないというのであれば。
竹中国務大臣 ちょっとソルベンシーマージンの解釈という技術的な話なので局長に答弁をさせましたけれども、このソルベンシーマージンの比率というのは、一種の、今の支払い能力でありますから、全部ではありませんけれども、基本的には今の財務の状況を示す指標である。我々としては、しかし、将来に向かって、この逆ざやの問題というのは、どのようにそれが経営に影響を与えていくか、将来にわたってどのような財務内容になっていくかという、まさに将来の蓋然性を議論しているわけでありますから、今の、横で、横ぐしですぱっと切った一つの判断基準と、将来をどう見るかということに関しては、もちろん重なる面はありますけれども、違う面もあるという点はやはり見ていかなければいけない。
 それで、先々を見越して重要なのは、過去の破綻の例等々を見ても、やはり早目早目にいろいろな手を打っていくことが極めて重要なんだ、その早目に打つときの一つの選択肢だ、その多様な選択肢を提供するための一つの方法として今回の予定利率引き下げの仕組みというのを提供したいというふうに考えているわけです。
生方委員 それでは、契約者は何を見て、この生保が将来危ないか危なくないかというのを判断すればいいんですか。どの数字を見て、ソルベンシーマージンじゃだめだというんじゃ何を見て判断すればいいんですか。
五味政府参考人 保険会社の財務の状況、これは現在もディスクロージャー、さまざまなされておりまして、この指標によって健全性をそれぞれに判断できるということであろうと思います。従来から、保険業法に基づきまして、保険会社の収益の状況、それから資産負債の状況、そして今お話に出ておりますソルベンシーマージン比率、それから契約の状況、こういったものなどにつきまして保険会社に対してディスクロージャーを求めているということで、こうして開示されました各種の経営指標を総合的に活用して保険会社の健全性というものが判断をされていく。
 なお、判断に資するように、適宜、開示内容の見直しを行っておりまして、例えば、最近では、十三年六月の金融審の部会報告を受けまして、ソルベンシーマージン比率の分子分母の内訳まで開示をするとか、あるいは、契約期間によって予定利率が違いますので、契約期間別の責任準備金の内訳も開示をする、あるいは基礎利益、これの開示を徹底させる、逆ざや額の算出方法を統一するなどなどの厳格化も図っております。
生方委員 今小さい声でいろいろ言っていましたけれども、国民が一々そんなものチェックできて、わかりますか。そうじゃないためにソルベンシーマージンというのをつくったんでしょう。
 ソルベンシーマージン、現下のと言いましたけれども、ソルベンシーマージンは、通常の予測を超えて発生するリスクに対してどの程度の支払い余力を有しているかということでしょう。発生するリスク、リスクなんですから、これは将来じゃないですか、将来の話ですよ。将来も含めているんですよ。
 だから、ソルベンシーマージンが今現在三六〇から四〇〇もあって、ほかのところは、危ないと言われていないところは五〇〇以上あるわけですよ。だから、その数字がおかしいんであるというのであれば、ソルベンシーマージンの基準そのものを改めるべきでしょう。
 アメリカの基準も若干最近は緩和されたようですけれども、アメリカのいわゆるRBC基準というので計算をすれば、株価が八千円というのを想定すると、今、主要十社のうち六社がアメリカの基準でいえば二〇〇を切っているというんですよ。こういうこともあり得るわけですよ。だから、国民は一体何を見て判断していいのかわからないじゃないですか。
 ソルベンシーマージンは大丈夫ですよ、安全ですよと言っておきながら、将来に備えて、何があるかわからないから予定利率引き下げますといったって、では、国民は何を見て判断すればいいのですかといったら、三利源も発表されていないし、将来予測についても一切発表されていない。何の発表もされていない中で、国民に一方的負担だけ押しつけるって、こんなばかな話があっていいんですか。
 だから、ソルベンシーマージンがこんな高くて破綻をする懸念があるというのであれば、ソルベンシーマージンの基準そのものを見直すべきじゃないですか。大臣、いかがですか。大臣、答えてください、大臣。
伊藤副大臣 お答えをさせていただきたいと思います。
 「保険業の継続が困難となる蓋然性がある場合」とは、将来を見通して、そして、契約条件の変更が行われなければ、他の経営努力を織り込んでも保険業の継続が困難となることが合理的に予測できる場合が該当すると考えているわけであります。
 一方、ソルベンシーマージン基準は、現時点での保険金等の支払い能力の充実の状況を客観的な数値であらわすものであり、早期是正措置を的確に運用していくためのものでございます。
 ソルベンシーマージン基準については、さまざまな御指摘もありまして、平成十三年の三月に、保険会社に関する時価会計の導入を踏まえて、非上場株式や外貨建て有価証券等の評価損益を幅広くソルベンシーマージンに反映させるなどの見直しを行い、保険会社の財務状況の実態を適切に反映するよう厳格化したところでございます。
 私どもといたしましては、今後とも、保険業法に基づく報告徴求を通じた財務の状況等の的確な把握、そして見直し後のソルベンシーマージン比率を活用した早期是正措置制度の適切な運用をしてまいりたいと考えております。
生方委員 竹中大臣、竹中大臣、後ろとばかり話していないで、ちゃんと論議を聞いていてもらわなきゃ困りますよ、そんな。後ろと話すのは終わってからにしてくださいよ。終わるか、やる前にしてもらわなきゃ困りますよ。
 だから、まず、予定利率が引き下げられるのは、これまでだったら破綻処理しかないんですよ。破綻したときにしかできなかったんですよ。それをやろうというんでしょう。それで、今、早期是正措置のことが話に出ていましたけれども、早期是正措置の中で、ソルベンシーマージンが一〇〇%を切って〇%以上のときのみ、配当の禁止や保険料の計算方法の変更ができるというふうになっているんですよ。
 今、ほとんどのところは、さっき言いましたように、三六〇から四〇〇、普通のところは五〇〇から一〇〇〇あるわけですよ。予定利率の引き下げというのは破綻ですから、もっともっと全然先の話じゃないですか。何で四〇〇もあるところ、五〇〇もあるところに今この法案を持ってくるのか、とても国民が納得できるような説明がないんですよ。
 危険だというんなら危険で、そういう認識を持っているというんならそれでいいですよ。生保会社があすにも倒れるかもしれぬからセーフティーネットをつくらせてくれというんならいいけれども、言っていることが全く矛盾しているじゃないですか。大丈夫なんですと言いながら、セーフティーネットをつくらせてくれ。言うのが矛盾しているじゃないですか。しかも、急いでいるって。何で急がなきゃいけないのか。今、出たばかりですよ、三六〇から四〇〇というのは先週出たばかりの数値ですよ。
 だから、国民がきちんと納得できるような情報公開もなされていなきゃ、ソルベンシーマージンも、全然、株のリスクを一〇%とか土地のリスクを五%しか計上していないとか、いろいろな問題があるのをそのまま使っていて、片方では大丈夫ですと言いながら片方では備えるというふうに言っていて、情報公開は一切なされていないし、国民の意見も聞いていない。全くおかしいじゃないですか、これは。それで、しかも急いでいる。
 一体どういうことなんですか。何にも理解できないですよ、国民は。
竹中国務大臣 いやいや、先ほどから、なぜこのような法律的枠組みが必要かについては、私なりにしっかりと答弁させていただいているつもりです。
 まず、どういう問題意識、危機意識、現状認識を持っているのかということに関しては、とにかく我々としては、逆ざや問題という非常に厳しい構造問題がそこにはあるということです。この逆ざやという構造問題の中で、現時点でソルベンシーマージンの比率を見ますと十分にはありますけれども、これはやはり、日に日に生保の体力を消耗していくということが懸念されるわけです。今まさに体力があるうちにいろいろな選択肢を用意して、早目早目の対応をとってもらうことが、その先に、結果的には保険契約者の利益になるだろうという観点から、我々はこの法案を提出しているわけです。
 例えばソルベンシーマージンにしても、これは早期是正のための一つの重要な基準でありますけれども、それ以外に、我々は、早期警戒のさまざまな指標、これは先ほど監督局長が答弁しましたけれども、いろいろな形でやっております。その早期警戒、早目早目のいろいろな措置をとる一つの選択肢としてこのようなものを今提出しているつもりです。
 国民の意見でありますけれども、これは金融審等々でも御議論をいただいて、御意見は伺いました。幅広く我々としても議論をして、まさにこれは国会で御議論いただいているところでありますので、ここはやはり我々がこの法案を出すに至った問題意識というのをぜひ受けとめていただいて御審議をしていただきたいというふうに思っております。
生方委員 これは、大臣の認識としては、予定利率を引き下げるということは破綻ではない、デフォルトではないというふうにお考えなんですね。
竹中国務大臣 基本的には、これは破綻の解釈、意味でありますけれども、法律的な意味での破綻ではもちろんないというふうに思っております。ただ、財務的には一種の条件の切りかえでありますから、そういった条件切りかえの後でやはりしっかりと財務内容をよくしてもらうような、これは先ほどからいろいろ、合併、再編とか思い切った経営改革と出ていますけれども、それを伴うことによって初めて意味があるものになると思っております。
生方委員 大手格付会社では、予定利率の引き下げを申請した時点でもうそれは破綻だと言うとはっきり言っているんですよ。そうしたら、恐らく契約者は解約に走りますよ。解約は、一時的にはもちろん総理の命令によって停止することはできますけれども、最終的に解約すると私は思いますよ。実際に更生特例法で破綻処理をしたところでも解約はいっぱい出ているわけですから、ここにも解約はいっぱい出ると思いますよ。せっかく予定利率の引き下げをして生き延びさせようとしても、結果的には、私は、解約が殺到して、倒産、あるいはもう一段予定利率を下げるということにならざるを得ないと思いますよ。
 だから、先ほども質問しましたけれども、最低でも、予定利率を引き下げてもう一回引き下げる可能性があるなんてばかなことだけはやめていただかなきゃ、予定利率を少なくとも一回引き下げれば、国民は十年や二十年は大丈夫だろうというふうに思いますわね。それが、また経営が悪くなったからまた下げさせてくれというんじゃ、これは国民、とても納得がいきませんよ。それは大臣、一回下げたら、これは少なくとも五年や十年は下げないんだというのがなきゃ、とてもこんな法案は国民は納得できませんよ。いかがですか。
竹中国務大臣 再度引き下げのことの前に、ちょっと一点、破綻なのではないかという御指摘があって、それで格付会社のお話がございました。私、こういうことも踏まえながら、法律的な意味では破綻ではないというふうに申し上げたつもりなんですが、格付に関しては、やはり条件変更ですから、これを厳しく見るということは、その瞬間ではあるのだと思います。
 しかし、同時に、格付会社が言っていることは、格下げした上で財務力の改善状況を確認しながら段階的に見直していくということでありますから、やはりここでも、先ほど申し上げているように、その後の経営革新とか思い切った財務の改善がどのぐらいなされることが重要か、これは格付会社もそのように思っているわけだし、私自身実はそのように思います。
 それで、直接お尋ねの、引き下げするとしても、こんなことが二度もあるというのはこれはむちゃくちゃではないか、それは私も全くそのとおりだと思います。ただ、そもそもこれは、なぜこんな問題が生じてきたかというと、残念ながら、バブルの時期にゼロ金利の時代が来るなどということはやはり想定できなかったわけです。もちろん、こんな状況になったのはだれの責任かというのは御議論としてあるかもしれませんが、いわばこれは金利に関するパラダイムが変わってしまった、我々はその世界の中にいて、だからその問題をやはり解決せざるを得ない状況になる。
 これは、今ゼロ金利ですけれども、仮に何か変なことが起こって将来マイナス一〇%金利とかそんなことになれば話は別ですけれども、今のような、普通、常識的に、名目金利はゼロ以下には下がらない、そういう状況下では、一度引き下げた後さらにもう一度ということは、これはあってはいけないことだし、あり得ないことだと思っております。そうならないように、我々としては、その承認に当たっては、しっかりとそこを行政府としては見ていかなければいけないと思っております。
生方委員 それは、意図的にはそうしないと言ったって、法律的にはできるわけですからね。恐らくそうなっちゃうと思いますよ。そういうふうにしないと言うんなら法律に盛り込めばいいじゃないですか。予定利率の引き下げは、少なくとも一回引き下げたら五年間は引き下げないとか十年間は引き下げないという約束でもしない限り、国民は安心できないですよ。あっ、引き下げた、これで将来ちゃんと大丈夫だろうなというふうに思ったらまた二年後に引き下げられたというんじゃ、これはとても納得できないですよ。最低でもこれは、もし大臣がそういう気があるんであれば、そういうふうに思っているんであれば、法律に盛り込めばいいじゃないですか。予定利率引き下げた場合は少なくとも最低十年間は再度の引き下げは行わせない、これは認めないということを法律に盛り込むべきじゃないですか。
竹中国務大臣 すべてのことを法律に書くことはできないと思います。重要な点は、この法律ないしは今回の行政の手続の中で、そういうことが起きないことをいかに実効的に担保していくか、やはりそこが政策上重要なポイントだと思います。
 そういう観点からいいますと、決定の変更の内容の中にしっかりと財務や業績についての将来見通しを書けということを我々としてはこの法律で義務づけているわけでありますので、その中で、今おっしゃったような、契約者に不安が生じないような実際的な姿をぜひ描いていきたいと思っております。
生方委員 それは、政府の政策に信頼性があればいいですよ。「りそな」だって、もう既に一兆数千億円入って大丈夫だろうと思ったら、また今度二兆じゃないですか。こういうことを繰り返しているんですよ。公的資金を投入したら金融システムが安定すると言っていて、投入しても投入しても安定しないでまた投入する、これがあるから我々は心配しているんですよ。この予定利率の引き下げをやったからって、国民が安心だと思ったらまた引き下げられるということだって、当然、今までの政府の経過からいえばあるんですよ。だから私は言っているんですよ。
 もう一点聞きますけれども、先ほどから逆ざや逆ざやと、逆ざやを解消しなきゃいかぬというふうに竹中さんはおっしゃっていますわね。それで、今巷間言われているのは、予定利率三%にまで引き下げるというんでしょう。これは政令で定めるというのもおかしな話ですけれども、三%で逆ざやが解消するというふうに思っているんですか――大臣。
竹中国務大臣 ちょっと数字を探し出すのに時間がかかって、申しわけありませんでした。
 仮に一律に三%まで引き下げられれば一体どういうことになるか。これは、平均運用利回りが、今、十三年度で二・三%であります。利下げ前の平均予定利率が三・五六%、十三年度であります。三%まで引き下げた場合の平均予定利率が二・五%程度というふうに考えられます。こうしたことから勘案しますと、三%程度というのは、逆ざやの解消に、要するに、平均運用利回りが今二・三%で、三%に引き下げた場合の平均予定利率は二・五になるわけでありますから、ほぼ同じぐらいまで来る。そうした観点からいいますと、保険契約者の利益を守りながらこの逆ざや問題を解消していくという意味では一つの合理的な水準であろうかというふうに思っております。
生方委員 これは、金融庁としては、当然、その予定利率を引き下げたところに対してはスポンサーを見つけて、先ほども業界再編に結びつけるんだというふうなことをおっしゃっていましたから、やっていこうというんでしょう。ところが、三%じゃ、私は、今おっしゃったように、二・幾つでも最初からもう逆ざやになっているんですよ。これは将来的に金利がどんどん上がるというのならいいですけれども。先が見えているわけですよ。見えているにもかかわらず、三%ということで、目先だけ何とかごまかして、また二年先には今度二%になるというのは目に見えているじゃないですか。だから、三%というのはもともとおかしいんですよ、もしそう言うのであれば。それとか、費差益のとり方がおかしいんですよ。非常に不当に多くとっているということしか考えられないじゃないですか。
 それと、もう一点だけ、最後ですから伺いたいんですけれども、契約者に対する負担を今度強いるわけですよね。当然、それと同時に、基金を提出したり、劣後債、これに対してもある程度の債権放棄というのはなされなきゃいかぬですわね。これはこれからの話し合いということになっていますけれども、大臣としてはどのぐらい債権放棄させるというふうにお考えですか。
竹中国務大臣 まず、原則としては、まさに委員がおっしゃったように、これは自主的、自治的な手続の中で決められていく問題でありますし、それぞれの、個々の会社のケースで、ケース・バイ・ケースであろうかというふうに思っております。
 しかしながら、契約者の合意を経ないと今回の契約条件の変更というのはできないわけでありますから、その中でやはりそれぞれの責任を果たさなければいけない、そういう形の中で自治的な合意が成立していくものだというふうに私は思っております。
生方委員 基金と劣後債、大体四兆三千億ぐらいあるんですよね。だから、これを幾ら取り崩すかによって、予定利率の下げ幅をどのぐらい少なくするかということも可能なわけですよ。だから、それを契約者の方に納得してもらう意味でも、少なくとも半分は放棄させますとかいう方針ぐらい打ち出さなきゃ納得ができないんじゃないですか。まず契約者の納得をとってからそれという話じゃないでしょう。契約者に理解をしていただくためにもきちんと、破綻処理の場合はきちんとこれを取り崩すということが出ているんですから、何で今度の場合だけ話し合いなんですか。きちんと取り崩すということをちゃんと明言するべきじゃないですか。
竹中国務大臣 そこがまさに破綻処理と違うところであるということです。ここは、自治的、自主的な中で、早目早目の経営の選択の一つの手段として用意したものでありますから、ここはやはり実態に合わせて、これは経営者の責任も同様であると思いますけれども、しっかりとした決定がなされていくというふうに思っております。
 また、行政として承認すべき問題がありますので、その点に関しては、我々としては全力を挙げてぜひしっかりとやっていきたいと思っております。
生方委員 時間が来ましたので、これで質問を終わりますが、いろいろな問題があることもわかりましたし、パブリックコメントもとっていないので、ぜひとも、この委員会において公聴会を開いて、広く国民の皆さん方の意見を聞いていただきますように、委員長の御配慮をいただきますようにお願いいたします。
小坂委員長 次に、海江田万里君。(生方委員「いやいや、返事をちょっと」と呼ぶ)
 理事会にて協議いたします。
海江田委員 海江田でございます。
 ただいまの生方委員の質問、かなり広範囲にわたって、私も質問しようと思っていた部分がかなり触れられましたので、その中での竹中大臣の答弁に対しても少し追加的に質問をしたいなと思っています。
 今し方、竹中大臣は、予定利率の引き下げというのは、予定利率の引き下げをやらないで破綻になったとき契約者がこうむる被害、それと、予定利率の引き下げをやったときのこうむる被害を比べると、予定利率の引き下げをやった被害の方が契約者にとっては少ないから、だから、この制度の目的はそこにあるんだというようなお話がありましたが、これはそのとおりですか。
竹中国務大臣 これは、個々の契約者について、ないしは個々の経営について、いろいろな場合を想定しなければいけないと思います。しかし、大方のケースといいますか、一般的なケースとしては、私が申し上げたような場合が通常は想定されるのではないかというふうに思っております。
海江田委員 これは、竹中大臣だけじゃなくて、金融庁の皆さん方も必ずそういう言い方をするわけですね。契約者にとっては、予定利率の引き下げをやらないで破綻になってしまったとき受ける打撃の方が、受ける損害の方が大きいですよということなんです。
 ただ、この立論といいますか、この理屈立てが成り立つためには、予定利率の引き下げをやれば保険会社というのは生き長らえることがあって、予定利率の引き下げをやったにもかかわらず破綻ということは念頭に置いていないわけですよね、これは。
 だから、この引き下げをやれば保険会社の破綻は免れることができるんですよという自信、これがまずおありなのかどうなのかということをお尋ねしたいと思います。
竹中国務大臣 その点は、生命保険会社の現状をどのように認識するか、どのようにしっかりと我々が把握するか。その上で、保険会社は、先ほど申し上げましたように、将来の収益、業績とかについてしっかりとした将来予想を出さなければいけません。その将来予想がしっかりとしたものであるかどうか、そういう点のチェックを通して、これはもちろん契約者自身もチェックするわけでありますけれども、これはしっかりとなされていかなければいけないというふうに思っております。
海江田委員 きょうは傍聴の方もたくさんいらっしゃいますけれども、今の話、わかりましたか、今の説明。利下げをやれば、予定利率の引き下げをやれば生命保険会社は生き延びることができるんですかどうなんですかということを聞いたわけですよ。それに今二、三分かけてお話ありましたが、わかりますか。僕は少なくともわからないと思うんですね。
 利下げをやれば、予定利率の下げをやれば必ず生き延びることができるんですか。いや、そうじゃないと言うんならそうじゃないでいいんですが、正直におっしゃってください。やはり傍聴人の方がわかるようにおっしゃってくださいよ。
竹中国務大臣 国会の審議でありますので、質問者に対して正確にお答えするのが私の責務だと思っております。
 この問題に関しては、これは当然のことながら、マーケットにおけることですから一〇〇%完全にこうなりますということはあり得ないわけです。そんなことは海江田委員よく御承知のとおりでございます。
 しかし、その中で、我々としては、まさに利用できる情報で最善の見通しを立てた上で、これはしっかりとやっていける、そういう状況下で今回の契約条件の変更が行われる、そうなるようにさまざまな制度をつくったつもりでございます。
海江田委員 必ず破綻しないということは言い切れない、それは確かですね。
竹中国務大臣 これは、例えば、一回破綻して、それで特例法で再生させた場合でも、再び破綻しないかということになると、可能性の問題としてはそれはゼロではないわけです。通常の、我々の常識的な予測可能な範囲で、マーケットではいろいろなことが起こり得ますけれども、その意味では、そういうことがゼロかというふうに言われたら、これはゼロではありません。
 しかしながら、やはりそういうことが起こらないように、我々で、利用可能な情報に基づいてしっかりと見きわめていけるような仕組みにしているということでございます。
海江田委員 私は、ゼロだなんということを言っているんじゃ全然ありませんで、この制度を、法律をつくって、これで生命保険会社が手を挙げることによって、むしろ破綻の道が早まるんじゃないだろうか、破綻の道へつながるんじゃないだろうかという危惧を持っているということをまずお話ししておきます。
 それは、何となれば、まず、先ほど来議論がありましたけれども、この予定利率の引き下げをやるのには、もうこのままでは保険の営業ができないよという、蓋然性という言葉を使っていますが、そういう可能性が高いところ、わかりやすく言うと、このままでは立ち行かないよというところが手を挙げて予定利率の引き下げをさせてくださいという話ですから、この蓋然性ということがありますから、手を挙げた瞬間に、ここの生命保険会社はこのままではもう立ち行かないんだな、このままで行けば破綻の可能性が大きいんだということがまずそこで認定をされる、周知徹底されるわけですね。
 そうしますと、やはり解約のおそれがあるんですよ、はっきり言いまして。ただ、この解約のおそれについては、手を挙げたときから一連の手続が終わるまで、大体一カ月以上で、二、三カ月じゃないですか、この二、三カ月の間は解約ができないことになっているんですよ、これは。解約をさせないような手だては講じているということですが、さて、それが終わったところで、その予定利率の引き下げが終わったところで、解約はできるんですか、できないんですか――これは基本的なことですから、こんなことは大臣が知らなきゃだめだよ、そんなのは。こんなの知らなきゃだめだよ、これは……(発言する者あり)いや、正確にも何も、知らなきゃだめだよ。ひどい話だね。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の法律で予定しておりますのは、契約変更の申し出を行いまして、一連の手続が完了しまして報告される、そこまでの間を停止するということでございまして、それ以降につきまして、万が一解約したいという方が出てきた場合は、それをとめるものではございません。
海江田委員 これは万が一じゃないんですよ。解約ができるんですよ、手続が終わったところで。これは覚えておいてくださいよ。覚えておいてくださいというよりも、簡単な話だから。
 では大臣に聞きますけれども、この間の生命保険会社の破綻、九七年の日産生命から始まりますけれども、一番手近なところでは、東京生命があるし、協栄生命があるし、それから千代田生命がありますけれども、これらの生命保険会社の破綻の直接のきっかけというのは何ですか、これは。どういう認識を持っておられますか。
竹中国務大臣 それぞれのケースについていろいろ若干違うところがあると思っておりますが、基本的に、これは銀行もそうであるし生命保険会社もそうであると思いますけれども、やはりいろいろな風評の中でいわゆる解約がふえてくる、それによって資金が、払い戻し、払い出しができなくなる、これはいろいろな金融機関に共通している問題だと思います。
海江田委員 まさに解約が生命保険会社の破綻の一番のきっかけなんですよ。もし継続させようということを考えるんだったら、生き延びさせるためには、解約をさせないという言い方はちょっとおかしいんですけれども、ただ、解約をどうやって阻止することができるのかという問題は一つはやはりあるわけですよ。これは私は、予定利率の引き下げというものが、先ほどもお話をしましたけれども、何ら生命保険会社を生き延びさせることにならないということから言っているわけですからね。ここは誤解をいただかないように。
 今度の場合は、これは当然のことですけれども、解約については全く自由なわけですよ。しかも、さっきお話をしましたけれども、手を挙げて自分のところは悪いよということを言うわけですから、そうなったらば、解約するのは当たり前じゃないですか。それに対して何ら打つ手はないわけでしょう。それはどうなんですか、そこのところは。
竹中国務大臣 海江田委員御指摘の問題というのは、我々も当然のことながら考えております。それに対して、そういうような、この法律が抱えている問題点が顕在化しないようにやはり運営をしていかなければいけないということは、その点については私は疑義はございません。
 その点に関して、けさほどからの議論でもございましたけれども、やはり、これによってその後の経営が非常にしっかりする、そういうような安心感を持ってもらわないと、単に利下げするだけということであれば、御指摘のような問題というのはやはり出てくるんだと私は思うんですね。そのために、思い切った経営の革新について、その見通しを含めて、しっかりしたものを示していただく、さらには、先ほどから言っている再編、合併等も含めて、その後の経営がやはりこれでよくなるんだ、これで従来より安心になるんだというような姿を描く。これがないと逆の効果がやはり生じ得るわけで、そこは、条件変更の後経営をどのようにやっていくのかという、まさに経営の中身次第であるというふうに思います。
海江田委員 これは、基本的にやはり解約は自由なわけですから、できるわけですから、これを縛ることはできないわけですね、当然。だから解約させなきゃいけないわけです。
 予定利率の引き下げがあった、この予定利率の引き下げの申し出をするのは、恐らく金融機関の、この間の「りそな」みたいに、例えば金曜日とか、そういう形になるんだろうと思いますけれども、突然そういう引き下げの手が挙がったところ、それまでは、生命保険会社が危ないんだろうとか何だとかいろいろな風評はありますけれども、それが現実のものになるのはやはりまさに手が挙がったところ、多くの人に、特に契約者に周知徹底するのはそこのところからなわけですね。
 そうなったらば、それでしばらくの間解約ができないということになると、本当にもうみんな待ち構えているわけですよ、解約ができるときを。それを待ち構えて、確かにこれは解約できるようになるよということになれば、それはどんどん解約の手続が来る。解約というのは、もう言うまでもありませんけれども、これは優良資産からどんどん売っていかなきゃいけない。特にニューマネーというような新しい契約、今度の決算を見てもわかるように、ニューマネーは危ないところなんか入ってきていないんですよ。新しい契約が入ってきて、これはまさにニューマネーで、そこがいろいろな、解約なんかに対応するわけで、ここのところがないわけでしょう。それから、まさに株式なんかももう大変評価損が出ているわけです。だけれども、それだって売らなきゃいけないだろう。売ればまた株式市場が下がるということだ。
 これはまさに、手を挙げて、そこからずっと一定の手続が終わって、解約が自由になった瞬間に、今度はこれ、当然その生命保険会社はむしろつぶれてしまうんじゃないだろうか、こういう大変大きな危惧を私は抱いているんですよ。こんなことをむしろやるから。こんなことをやらないで、再生法の手続でやれば、それは粛々とそういう形になっていくわけで、これはみんなが納得できる話なんだけれども。そこのところは、解約に対する考え方というものが全く理解されていませんし、それからそういう意味では全く手だてが打たれていない。
 例えばですけれども、今の保険業法の中でも、一つの、もちろんこれは破綻しなきゃだめですよ、再生法でいかなきゃいけない話ですけれども、再生法でいって、契約者保護機構の方から、例えば解約控除なんという制度があるわけですよ。解約控除の制度があって、解約の控除の制度があるからそれだけマイナスになっちゃうから、みんなはしようがないから契約に残るというような、一種、あめとむちのむちの部分なんですけれども、やはりそういうのはあるわけですよ。
 ただ、これは、破綻ということがあるから、破綻があって、再生法の中で粛々とした手続があるから解約控除という制度が埋め込まれたわけですけれども、今度のは破綻でも何でもないわけだから。しかも中身のはっきりしない、予定利率の引き下げになるから、だからそういう解約の控除なんというものも埋め込めないわけですよね。そうなったら、どうやって破綻を防ぐことができるんですか。ぜひそれは教えていただきたい。常識で考えていただいても結構ですよ。
竹中国務大臣 解約の問題が懸念される、非常に重要な問題で、大きな注意を払わなければいけない、その御指摘は私は全くそのとおりだというふうに思っております。
 それと、海江田議員がおっしゃった早期解約控除制度というのは、制度として、実は今回は当然それを念頭に置いていないわけでありますけれども、それは一般論としてはそういうような制度も今後いろいろな行政の手法の中で取り入れていくということはあり得ることだというふうに思っております。
 しかしながら、今回の問題に関して申し上げるならば、要するに、まさに先般の「りそな」の問題等をお考えいただければ、これは、自己資本比率が二%になった、非常に厳しいということを明らかにした。しかし同時に、財務の基盤を強化するということを発表して、それだけではなくて、経営のガバナンスも刷新するんだということを発表して、それによって預金者は、これは心配ない、むしろよくなるというふうに思っていただいたから、今回そういった意味での解約というようなものは起こっていなかった。
 生命保険の方も、もちろん状況は違いますし事情は違いますけれども、やはりこれによってよくなるというような状況をつくっていただく、それの一つの手段としてこれを使ってもらう、それに尽きるんだと思います。
 これを下手に使うと御指摘のような問題というのはあり得るわけですけれども、繰り返し言いますけれども、これによって財務の基盤が強くなる、同時に経営についても、いろいろな形で、契約者の合意をとるような形で、将来の見通し、ほかの債務者をどうするのか、さらには経営の責任をどうするのかということを、これは全体の変更の中にパッケージとして入れていただくわけで、そうすることによって、委員御指摘のような問題が生じないような形でぜひこの制度が運用されるように我々としては持っていきたいと思っております。
海江田委員 今解約控除の制度を行政の立場でなんて、そんなことを言っちゃだめですよ。これはちゃんと法律の中に書かなきゃいけない、もしやるんなら。いや、そうですよ。だから、保険業法のときでも、平成十年の改正でわざわざ盛り込んだわけですよ、そこのところを。
 これまでの破綻は全部やっているんですよ、これは。それは当然ですよ。それをやらなければ、移行の手続に入ったところでどんどん……。
 それは、受ける側は嫌がりますよ。よくお見合いなんかで、最初はこういう人だろうと思っていたら、いや、実は全然違うんだという話で。この話は微妙ですから余りしませんけれども。全然話が違ってくるわけだから。移行の手続に入ったって、それは当然のことながら嫌なんだから。(発言する者あり)そうですよ。解約した方がいいわけだから。解約すると損だ損だと言って……。
 これはちょっと話が飛んじゃうけれども、この解約の話は大事で、そんなことは、本当にやるんだったら、きちっと法律の中で書かなきゃいけないし、もちろん、私どもはそんなこと、書くということに反対ですよ。反対だけれども、それを書いておかないで、何か手だてを講じます、解約させないような手だてを講じますなんて、こんなばかな話はないのでね。やるんだったら正直に言ってくださいよ、それは。それはそうですよ。
竹中国務大臣 いや、申し上げているのは、これは、経営革新によって、例えば予定利率引き下げによって財務は基盤が強くなる、財務の基盤が強くなって、それ以後むしろ経営は安定する、そういうような姿を当然のことながら示してもらわないとだめなわけです。それと一体化した形で、この戦略はまさに一つの選択肢として使ってもらえるように我々としては準備をしたということです。
 したがって、繰り返し言いますけれども、経営を強くしていく、そのための一つの手段でありますから、経営を、全体を強くするということなくして、これはこの法律だけでどうこうということでは決してない。やはりそこの総合的な戦略性、競争戦略の強化というのが保険会社には非常に強く求められているわけです。
海江田委員 保険会社がこれから経営の体質を強化するなんというのは、申しわけないけれども、絵にかいたもちなんですよ。しかも、自分たちでやるので、強制的な早期是正措置でも何でもないわけだから。
 自分たちで計画を出してそれをやりますということを言うだけで、それは契約者の心理に立ってみれば、さっきもお話をしましたけれども、東京生命にしろ協栄にしろ千代田にしろ、みんなやはり解約がわあっと来て、そして破綻をしたわけですよ。破綻をすればするほど、ますます解約者がどんどん相次ぐから、だからその控除という制度、早期解約控除というのをやって、移行する生命保険会社に対する一種の安心感を与えるためにそういう制度をつくって、それはもちろん契約者にとっては犠牲になっているわけですけれども、そういう制度をつくっているわけです。それが、一片の紙切れに書いた経営改善計画なんかで、これは信用するはずがないんですよ、契約者が。
 だから、本当にそれでいいと思っているんですか。思っているとしか言いようがないと思うけれども、そんな大甘の、本当に甘過ぎますよ、これは。この問題について全く理解をしていない。
 それからもう一つ、再生法でやった場合と、予定利率を下げた場合との間で、そちらは、積立準備金は一割カットしますよ。あれは、積立準備金一割カットしますよというのは、まさに保険業法で、この間、平成十年のときにつくったこの保護機構の中で、一割まではカットできますよ、最大一割ですよということですから、現実的に言えば、東京生命なんかは積立準備金カットしていないわけですよ。協栄もたしかカットしていないはずですよ。早く手を打って、早く破綻をさせて再生の方の過程に入っていけば積立準備金はそういう形で減っていかないんですよ。それが最近の傾向なんですよ。それから、その場合の予定利率も、一・七五とか、二%に近いところにあるんですよ。
 だけれども、ここの機械的な試算というのは、積立準備金も一〇%カットになりますよという話ですし、それから、予定利率の方もたしか一・五%ぐらいで計算をしているんですよ。そういう形で破綻をしたときの数字を出して、それと比べて、片一方では三%に予定利率を引き下げた場合の数字を出して、これを機械的試算ということを言って、どんなに予定利率を下げた方が有利かということを宣伝しているわけですよ。こんなのは機械的な試算でも何でもなくて、これはまさに恣意的な試算ですよ。
 だから、もし責任準備金をカットなしで、それから一・七五ぐらい、あるいは二%ぐらいで、しっかりとこれから金融庁が監督をして早期是正をやらせて、つぶれるところはなるべく早くつぶすという形でやったときの試算、そういうのは出しているんですか、どうなんですか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 今、先生の方から二つのケースの試算についての御指摘ございましたが、これにつきましては、その議論をしております過程におきまして、もう少し具体的なイメージがわかないかという話がありまして、私ども、決してその二つのケースを単純に比較できると思っておりませんでしたが、そういう御要請も受けまして、極めて機械的な前提を置いて、それぞれの場合について機械的な計算をしたものでございます。
 したがいまして、これを二つ並べて比較するというような目的でつくったものではございません。
海江田委員 では、直近の東京生命の破綻のケースでいうと、責任準備金の取り崩しはなし、それから引き下げ後の予定利率は二・六%という数字が出ているんですよ。私、さっきも言いましたけれども、その前が、協栄生命の場合も取り崩しなし、そして予定利率は一・七五、こういう数字が出ているんですよ。だから、例えば二でもいいですし二・五でもいいし、取り崩しがなしで、機械的なら機械的でいいですよ、その数字を出してくださいよ。それと、三%に予定利率を下げたときに、では、どっちが最終的には契約者にとっては有利ですかというのを出してくださいよ。
 出せますか。出せるでしょう、当然、機械的なら。当たり前じゃないの、そんなの。
藤原政府参考人 実際の、過去に破綻しました生命保険会社の例につきましては、試算ができると思っております。
海江田委員 いや、破綻した場合じゃなくて、機械的に当てはめて数字を置いてやったわけでしょう。責任準備金を一〇%カットして、目いっぱいカットするわけですよ、今の法律で決められている。それから、その後の、破綻後の予定利率というものも、これは一・五を出しているわけですから。一・五というのは、例えば東邦生命の例でありますとか、それから千代田生命が一・五なんだけれども、それを使っているわけでしょう、この試算は。
 しかも、機械的だというのだったから、それなら簡単で、コンピューターに入れて、積立準備金が、ない、ゼロの場合で、引き下げ後の予定利率を、二・六%でもいいですよ、直近にあるんだから、二%台が。あるいは二%でもいいですよ。そういうのを出せるでしょう、たちどころに。出しているんじゃないんですか、そういうのを。
藤原政府参考人 今先生の御指摘のようなことが可能かどうか、ちょっと検討させていただきたいと思います。
海江田委員 何で。可能じゃないですか、だって。やったんだから、これ。そうでしょう。
 やると言ってくださいよ。それがなければ、実は、さっき冒頭に言った皆さん方の論理というのは、とにかく破綻のときよりもこっちの方が有利なんですよということをずっと言っているわけじゃないですか。だけれども、そこは崩れちゃうんですよ、その数字によっては。そこはやはり出してくれなければ実は議論もできないわけですよ、当然のことながら。本当にそうですよ。出すと言ってくださいよ、できるだけ速やかに。そうしなきゃ、この後できないでしょう、たくさんの人がいるわけだけれども。持っているんじゃないの。
藤原政府参考人 御指摘のような作業をしたいと思っておりますが、多少時間がかかることをお許しいただきたいと思っております。
海江田委員 当然やっているでしょう、これは。機械的にと言うんだから、機械的に幾つもやったんでしょう、シミュレーションを。
 全くやっていないの、これしかやっていないの。これしかやっていないということだったら、機械的じゃなくて恣意的にということになっちゃうんだけれども、これは本当に。どうなんですか、これは。
藤原政府参考人 海江田先生よく御案内のように、生保の契約というのはかなり多様性がございまして、特約を初めとしましていろいろな契約がございますので、なかなか一概にできないということは御理解いただけると思っておりますが、私どもがつくりましたものは、そういうことでなかなか難しいということを申し上げておったんですが、さはさりながら、なかなか具体的なイメージがわかぬということを踏まえまして、かなり大胆な仮定を置きまして、それをそれぞれのケースにつきましてやったものでございまして、現在それ以外のものをつくっているあれはございません。
海江田委員 それはおかしいんでね。
 だから、どうして本当に責任準備金が一〇%、さっきからもう何度も言っているけれども、マキシマムをカットしているわけですよ、わざと。それから、一・五という数字だって、初期のころの、さっきも、何度も言うのは嫌ですけれども、東邦生命だとか、つまり破綻を先延ばしにさせて、そして結果的に財務内容が、資産内容が傷んで、そしてその結果予定利率も下がってしまったという例をやっているんですよ。
 そこから何年か経過する中で、さっきも言っていました早期是正、早期警戒だとかいうことを言って、なるべく早く破綻させよう、そうすれば傷口は浅くて済むからということで、ずっと金融庁はそれでやってきたんでしょう。その結果、東京生命も責任準備金の取り崩しはなかったですね、それから予定利率も二・六%の引き下げで済みましたね、ああ、よかったですねという、そこの延長でずっとやってきているわけでしょう。
 またあの九七年ぐらいに戻るわけですか、これは。そういう戻ったことを前提にして計算しなきゃいけないんですか、これは。まさに、そういう数字なんですよ、これは。絶対おかしいですよ。だから、すぐやってくださいよ。これは大臣がやらせると言って。言わなきゃだめだよ、それは。
藤原政府参考人 まさに過去の破綻の例におきましても、さまざまな状況のもとで、さまざまな要因のもとでいろいろなことが起きておるわけでございますが、今先生御指摘の点を踏まえまして、努力してみたいと思っております。
海江田委員 ですから、これだけ本当に国民生活に直接影響のします法案の審議に対して、金融庁の側は資料も限定的ですし、それはやってみないとわからないみたいな答弁がさっきから続いているので、これは本当に、もちろん私らも納得できませんけれども、契約者というのは納得できないと思いますよ、こういうような状況を見たんでは。しっかりとこれは議論をやってもらわなきゃいけないわけですが、あと私は幾つか疑問点をただしておかなきゃいけない点がありますが……(発言する者あり)そうですか、そういう話もありますけれども。
 では、言うけれども、あるんだったら出してくださいよ、これは。ないの、本当に。そこのところだけちょっと確認する。
藤原政府参考人 ただいま先生が御指摘のような資料はございません。
海江田委員 では、申しわけないけれども、それは怠慢を認めますね。機械的と言いながらこの一つだけを出しておいて、それは当然こういう状況になれば、三%の下げに対して、有利になるのは当たり前ですよ。それは認める……(発言する者あり)そうですよ。やはり幾つかの試算を出して、当然あるものだと思っていたら、これだけなんだもの。どうしてこれだけでいいということになったんですか。これは僕は不思議でしようがない、こんなのは。どうですか、それは。
藤原政府参考人 先ほども御答弁申し上げましたが、この予定利率の問題をいろいろと議論する過程におきまして、私どもとしましては、前から申し上げていますように、個々の契約者は若干ありますが、全体として契約者のためになるということはるる御説明してまいったところでございます。それを、ある一定の仮定を置いて、イメージでわかるような形で示してほしいという御要請がございまして、それに基づきまして、制度上最大限こういうことが可能だということを踏まえまして別々に試算したものでございます。
海江田委員 さっきの生方議員の議論でもありましたけれども、金融審議会の第二部会、ああいうところも、いろいろな憲法上の問題もあって、財産権の侵害になるとかそんなようなこともありますけれども、こういう予定利率の引き下げというのは、技術的にも大変難しいし、それから国民感情というか契約者の感情からいっても難しいということで、金融審の人たちはそれこそそれぞれに専門家でありますから、これはやはり無理だという結論が出たわけですよ。
 だけれどもあとは、行政がやるのならそれは行政の責任においてやってくださいという形で、従来だったら金融審で特に議論させて、金融審から上がってきて、その金融審の答申を受けてこういう法律をつくるということだけれども、今回は金融審がもう、やるんだったらどうぞ勝手に金融庁やってくださいよという形で投げちゃったんですよ。
 だから、その意味では、やはり金融庁がしっかりとしたデータをそろえて、しかも、さっきも議論になっていましたけれども、本当は一回この保険業法の改正がありながら、それをそのとき一緒に持ってこないで、わざわざ引き延ばしをやったわけだから。その引き延ばしも政治的なものでも何でもないと言うんだから。準備に時間は幾らでもあったわけですよ、これは。それくらいのデータは当然のことながらやっておいて、こういうデータもありますけれどもと正直に言えばいいじゃないですか。
 それを正直に言わないで、自分に都合のいいデータだけを持ってきて、しかも、それを言わないんならいいですよ。だけれども、それがこの制度の、予定利率の引き下げをやる一番のメリットというのは、破綻のときと比べて、契約者にとって、保険会社にとってはまた別なメリットがあるでしょうけれども、契約者にとっては破綻をするよりもこっちの方がいいんですよということで言っているわけでしょう。その根拠になる数字がはっきりしない。
 それから、さっき私は解約の点で問題点を指摘しましたけれども、これをやったところで破綻につながっていく大きな蓋然性があるんですよ、これまた。
 そんなおかしな法律をどうしてこれは議論できるんですか、本当のことを言って。(発言する者あり)いや、そうですよ。どうですか、それは。大臣、どうですか、今の話を聞いていて。そうだと思わないですか。いいかげんな法律ですよ、はっきり言って。
竹中国務大臣 試算も含めてしっかりと議論をしろという御指摘は、これはそのとおりだと私も思います。その試算にどのぐらい時間がかかるのか、私が考えている以上に複雑な計算をしているようでありまして、それはちょっと御相談させていただきたいと思います。
 ただ、今まさに、これは海江田委員おっしゃったように、この場合、非常に基本的な変数というのは二つしかないんですね。責任準備金が一〇〇%か九〇%か、その後の予定利率が三%か、これは一・五にしていますけれども、それが例えば二・五だったら、二だったらどうなるんだと。これは二つでそれぞれ十通りの組み合わせをつくったら百通りの試算になってしまいます。そこまでやれとはおっしゃらないと思いますけれども。
 基本的には、責任準備金が一〇〇%の場合と、それとあと、一・五%じゃなくて、過去の破綻等々含めてもう少し高い場合と、したがって二通りということになりますけれども、そのぐらいについては、これはそれぞれ二つしか変数はないですね、御指摘のとおり。どのように動くかというぐらいのことはやはり資料としてもあってもよいかなと思いますので、ちょっと済みませんが、どのぐらいの負担になるかという問題はあろうかと思いますので、詳細は御紹介をさせていただきますけれども、試算を少し追加するということは考えてみたいと思います。(発言する者あり)
小坂委員長 質問者、質問を継続してください。
海江田委員 いつまでに出してくれるんですか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 これからもう一回、中で、専門家といいますか作業をやる人たちと詰めますが、少なくとも、前回つくりましたあれから申し上げても、きょうじゅうという話にはなりません。(発言する者あり)
小坂委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
小坂委員長 速記を起こしてください。
 ただいまの海江田万里君の資料要求につきましては、理事会で協議をすることとし、海江田君の残余の質問時間二十五分については、理事会で預からせていただきまして、後日、その消化について決定をさせていただきます。
 以上で海江田君の本日の質問を終了することといたします。
 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三十分開議
小坂委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。長妻昭君。
長妻委員 民主党の長妻昭でございます。よろしくお願いいたします。
 この予定利率下げの法案が審議スタートということでございますけれども、今発売している東洋経済という雑誌六月七日号に、相沢代議士の、相沢代議士は金融再生委員長も務められましたけれども、こんな記事が載っております。「株価の動向次第では一斉申請もありうる」と、利下げのですね。
 そこで、記者のインタビュー形式ですけれども、「自主申請では「あの生保は危ない」と見られ、制度自体が使えないとの指摘があります。」という記者の質問に、相沢代議士は、「やはり単独では手を挙げにくいだろう。できれば行政命令で一斉に予定利率を下げさせるべきというのが本音だが、内閣法制局では財産権の侵害として反対している。私も直接折衝したがダメだった。旧法で認めていたのは旧憲法下だったからで、新憲法では認められないと。 それならば、申し出の方式ではあるけれども、できれば皆でやってくれればいいと思っている。」それで記者が、「一斉にやるケースもあると。」という質問で、「それもありうるだろう。こんなことは別に談合になることではないし、独禁法の問題はない。」こんなようなお話をされておられるわけでございます。
 竹中大臣にお伺いいたしますが、仮に一斉に引き下げ申請をしたとき、これは独禁法に何か抵触するということはあるんですか。
伊藤副大臣 お答えさせていただきたいと思います。
 仮定の御質問に答えることは大変難しいところがございまして、そうした意味での答弁は差し控えさせていただきたいと思うんですが、あえて一般論として申し上げさせていただきますと、仮に独禁法上の問題が生じた場合には、競争政策の観点から、所管省庁において適切な対応がなされ、当庁としては、それを踏まえた上で適切な対応を行うことになると考えております。
長妻委員 今のお話は、仮にというのは、これも仮にですけれども、仮に予定利率の本法案が通過した後一斉に引き下げがあったときに、その問題に関して独禁法に抵触する可能性もそれはもちろんあると、こういう御答弁ですね。
伊藤副大臣 今御答弁させていただいたように、仮定の質問について具体的に私どもとして答弁をさせていただくことについては差し控えさせていただきたい。そして、一般論として、仮に独禁法上の問題が生じた場合には、競争政策の観点から、所管省庁において適切な対応がなされるということでございます。
 いずれにいたしましても、今回のスキームの場合には、個々の保険会社ごとに手続が行われるものであり、私どもといたしましては、個々の保険会社ごとに要件に該当するか否かについて判断を行うことになると考えております。
長妻委員 そうすると、竹中大臣にお伺いしますけれども、これはちょっと私も疑念があるんですが、この法案は、成立してもなかなかワークしないんではないのか。一つワークするとすれば、業界が一斉にある一定幅を下げていく。こんなようなことは私は許されないと思うんでございますけれども、仮にそういうようなたぐいの申請があったときに、大臣、こんなのは受け付けられない、当たり前だと、こういうふうに明言、今、くぎ刺しておいてください。
竹中国務大臣 これは、伊藤副大臣が今お答えさせていただいたとおりでありまして、本当に、まさに談合に匹敵するような事実があるかないか、その一点なのだと思います。談合であれば、もちろん論外であります。
 いずれにしても、今回の法律の枠組みは、自主的な判断、自治的な手続の中で、まさに経営の判断の中で行われるべきものでありますので、その趣旨にのっとって運営をしっかりとしなければいけないと思っております。
長妻委員 ちょっとお答えになっていないんですけれども。そうすると、業界が一斉に下げを申請してくる、こんなのは認められぬ、こういうことでよろしいんですか。
竹中国務大臣 繰り返し申し上げますけれども、談合的なことがあれば、これは公取の立場でしっかりと監督なされるものだと思っております。我々としては、個々について、これがまさに蓋然性を有しているのか、その手続がしっかりと踏まれているのか、内容がしっかりしたものか、そういうものをしっかりと判断していくというのがこの法律の趣旨であると思っております。
長妻委員 ちょっと意味がわからないんですが、大臣が言う談合というのはどういう意味ですか。
竹中国務大臣 独禁法を所轄しておりませんので一般的なことしか申し上げられませんが、まさに競争制限的に、口裏を合わせるといいますか、競争制限的に、競争制約的な形で裏の合意が行われて、それが結果として、同じような価格とか、同じような商品設計とか、そういうものにつながっていくことだと思っております。
長妻委員 ぜひ今の答弁を忘れずに、一斉申請的なものがあればきちんと吟味をしていただきたいと思います。
 次に、ディスクローズの問題でございます。
 生命保険会社は、どの会社も、アクチュアリー会というところの実務指針、これも例の「りそな」の公認会計士の実務指針に似ているわけでありますけれども、こういうアクチュアリー会の実務指針があって、将来収支分析、大体五年、生命保険会社はやっているわけであります。これは、五年後にその生命保険会社は本当に保険金が払えるような安全性があるのかどうかというのを、毎年毎年その生命保険会社がやるというのが実務指針で義務づけられ、そして金融庁の検査マニュアル、生命保険会社にも検査マニュアルがございますけれども、その検査マニュアルの中にも、この将来収支分析を金融庁がチェックするというのもちゃんと書いてあるわけであります。
 その意味で、一つ重要なのは、本当に将来収支分析というのがきちんとまじめになされていれば、五年後の将来収支分析が出るわけでありますから、本当にきちんと予測がなされていれば、危ないか危なくないかというのは五年前からわかるわけであります。その意味で、果たして本当に金融庁はまじめに将来収支分析を検査しているんだろうか、こういう疑義を私は持っているわけでございます。
 ぜひ大臣にディスクローズいただきたいのは、過去の例でございますけれども、過去破綻した生命保険会社、七ありますが、せめて破綻した生命保険会社の過去の将来収支分析がどういうものだったのか、これを明らかにしていただくというのは重要だと思います。といいますのは、多分、破綻直前まで将来収支分析はバラ色の、いや問題は全くないですよというような将来分析が内部でつくられていて、それを金融庁が見て、金融庁が多分だまされていた、あるいは金融庁も知っていながらそれを認めていた、こういうことが明らかになる。
 大臣は金融庁の職員ではありませんから、国民から送り込まれた、金融庁を厳しくチェックする、チェックマンで送り込まれておられるわけでありますから、別に金融庁の立場に立つ必要はないわけでありますから、職員を守るだけに専念するわけではないわけでありますので、私は、せめて破綻した生保の将来収支分析、これをぜひ公表をしていただきたい。そこからこの法律の議論は始まると思います。
伊藤副大臣 情報開示、ディスクロージャーが極めて重要だというふうに私どもも認識いたしておりますが、先生御指摘の破綻会社の将来収支分析の公表については、公表した場合の破綻処理策に与える影響等に十分留意する必要があると考えております。
 具体的に申し上げますと、破綻会社は、破綻処理の中でスポンサーの支援を受け、あるいは新会社に引き継がれている生命保険会社としての業務を継続しており、これらを公表することにより、存続会社の競争戦略に影響を与えることが考えられます。
 したがって、破綻会社に関しても、将来収支分析の公表については慎重に対応する必要があるものと考えているところです。
長妻委員 その理屈は通らないと思うんですね。結局、金融庁の信頼性がチェックできなくなるわけでありますので。
 竹中大臣にぜひお約束をいただきたいのでありますけれども、今後破綻する生命保険会社、ここは必ず将来収支分析を公表させる、そのための手はずを整えて公表させていくと、前向きな御答弁をいただきたいと思います。
竹中国務大臣 情報の開示については、長妻委員とはいろいろな問題についてこれまでも議論をさせていただいてきております。
 今後破綻するような会社が出てきた場合云々というお尋ねでございますが、これはまさに今副大臣から答弁がありましたように、破綻して、基本的にはそれがいろいろな形で、吸収されたり合併されたり、そういうところに引き継がれていく、形を変えて存続していく、そうした存続した会社に対する風評というのをやはりしっかりと考えなければいけないのだというふうに思っております。
 その意味では、我々としては、とにかく、先ほど金融庁がだまされてはいけない、こうおっしゃいました。これはそのとおりでありまして、我々は監督の立場からしっかりと詳しい情報をとって、一般にはなかなかディスクローズが難しいようなものについても、監督の立場から我々は情報をとってしっかりと見ていくわけですから、その観点からは、本当にしっかりと見ていく責任を負っていると思っております。
 ただ、繰り返し申し上げますが、たとえ破綻した会社でありましても、それが形を変えて存続していっているということを考えますと、その風評リスク等々はやはり考慮しなければいけないわけで、この点は御理解を賜りたいと思います。
長妻委員 いや、それはおかしいんですね。破綻した後、風評リスクと言っていて、破綻してぴかぴかの生保に生まれ変わるというのがこの更生特例法でありましょうから、また風評リスクがあるというのはどういう意味ですか。
竹中国務大臣 今も申し上げましたように、その資産が引き継がれ、従業員を含む経営資源が引き継がれ、それが一つの企業体として形を変えて存続していっているわけでございますから、そこで解散されて、ゼロになって、全くその実体がなくなったということではないのだろうというふうに思います。こうした点はやはり考慮されるべきだと思います。
長妻委員 委員長にちょっと要請申し上げますけれども、破綻した生命保険会社の将来収支分析、これをぜひ出していただきたいというのを御検討賜ればと思うんですが。
小坂委員長 これについては答弁を求めます。
 竹中金融担当大臣。
竹中国務大臣 今も申し上げましたように、こういった情報の開示につきましては、むしろ形を変えて継続された企業体の風評リスクを高めるという危険もありますので、こうした情報の開示にはやはり慎重でなければいけないというふうに思っております。
 我々としましては、監督当局の立場から、そうした情報をしっかりと吟味して、間違いのない監督をしていくつもりでございます。
長妻委員 一番大事なのは、将来収支分析というものがきちっとなされていれば、かなり前に破綻の兆候もわかるわけでありますので、それを公表しないと、事後的な、金融庁がどういう対策をとるはずなのがとれていないのか、あるいは本当に過去ちゃんとやっていたのか、そういう検証が全くできないわけでありますので、委員長におかれましては、検討をぜひ賜りたいと思うんです。
小坂委員長 長妻昭君に申し上げます。
 今御指摘の問題については、質疑応答を通じて明らかにしていただきたいというふうに思いますので、答弁を求めます。
 竹中金融担当大臣。
竹中国務大臣 我々としては、原則として、情報開示できるものはどんどんしなければいけないという基本姿勢を持っております。しかしながら、情報開示に当たっては、それがもたらす幾つかの影響を考慮しなければいけない、そうした点から、一般に公開される情報と監督当局が入手する情報というのはおのずと違ってくるのだと思います。
 我々としては、そうした将来見通しについて、監督の立場からこれをしっかりと聴取して、しっかりと監督をしていく、そうしたことを通して金融当局としての責任を果たしていきたいと思っております。(長妻委員「ぜひ理事会で」と呼ぶ)
小坂委員長 理事会で協議する事項ではありませんので、質問を続行してください。
長妻委員 このディスクローズの問題、本当に金融庁は及び腰なんですね。
 三利源の問題もあります。これは先ほども質問が出ていましたけれども、金融庁は個々の生命保険会社の三利源、全部数字を持っているわけです。今あります、金融庁は。それをぜひ公表してください。なぜ公表できないのか。仮に公表したらこういうリスクがあるんだよという理屈があるはずですね。公表したらどういう困ることが起こるんですか。
伊藤副大臣 繰り返しになりますけれども、保険会社のディスクロージャーの充実の重要性というのは私どもも十分認識しているところでございますが、この三利源の問題については、競争戦略にかかわる内部管理指標でございまして、ほかの事業会社においても内部管理指標をあらわすかどうかというのはそれぞれの会社の判断の中で行われるものであって、そうしたものの公表を義務づけるということについては、私どもとしては慎重に対応していくことが必要ではないかというふうに考えているところでございます。
長妻委員 いやしかし、これだけ国民の関心が高いといいますか、生保が不安だ不安だ、そして予定利率を下げてくれ下げてくれ、でも利益の源は企業秘密ですと。これだけ注目を浴びている数字でありますから、今の理屈では通らないと思うんですね。
 そしてもう一つ、三利源の中の死差益、これを算定する基準というのは、アクチュアリー会がつくっている生保標準生命表一九九六というのがあります。一九九六年策定であります。ここの死亡率に基づいて保険料率が決まる、こういうことになっているわけでありますけれども、これは一九九六年から全然更新されていないというわけであります。
 これが全生命保険会社が使っている指標でありますけれども、今申し上げた指標というのは、生保に加入されている方の死亡率の表なんです。ある意味では、生保の被保険者の方を対象にした死亡率ということで、一般国民とは違う死亡率であります。そして、一般国民との死亡率を比べると、ちょっと解せないことがあるんですね。
 といいますのは、一般国民の死亡率というのは厚生労働省が出しております生命表というのがございますけれども、この日本アクチュアリー会、今、生保全部が使っているのは一九九六年版でありますが、一九九六年から二〇〇一年、厚生労働省は二〇〇一年、最新の国民全体の生命表というのを持っております。
 それを比べますと、一九九六年と二〇〇一年を比べると、国民全体では死亡率が下がっているわけであります。国民全体でいうと、四十五歳以上の方はどなたも一九九六年から二〇〇一年までで死亡率は全部下がっている。三十歳以上でも、女性の場合は死亡率が、三十五歳以上、四十から四十五は下がっているというようなことにもかかわらず、まだ一九九六年時点、死亡率の非常に高い生命表を使っている。
 ですから、今回利下げをする前に、既に生保は、この死亡率をいろいろな数字を引いたり足したりして、そこで利益を得るような操作をしているんじゃないか、こういうふうに私は疑念を持ってしまうんですが、大臣、いかがですか。
伊藤副大臣 今御指摘の生保の標準生命表というのは、生命保険契約に加入している被保険者の死亡率の実績をベースに、保険引き受けに当たって行われる健康診断等による危険選択の効果を排除するとともに、生命保険契約の安定性を確保するため、保険数理上、一定の安全率、これはどうしても統計的なぶれがありますので、そのぶれを補正していくために安全率というものを織り込んで作成しているものでございます。
 この結果、生保標準生命表に示される死亡率が実際の死亡率に比べて保守的なものになっているということは御指摘のとおりでございますが、これにより、最終的な余剰が生じた場合に、契約配当といった形により契約者に還元される仕組みになっております。
長妻委員 国会審議が形骸化しているんじゃないですか。私も質問通告しましたけれども、それは次の次ぐらいに質問する内容を今お答えになられていて、ただお役人が持ってきた紙を順番に読む。私だって、初めから質問通告した順番ごとに全部できませんよ。順番ぐらいは変えてもいいでしょう。それを、紙をただ上から下へ読んで、何なんですか、これは。
 いや、私が聞いているのは――もう言わないですよ。ちょっと答えてください。時間がもったいないから。
小坂委員長 質問を明確にしてください。(長妻委員「ちゃんと言いました。そんな質問していない」と呼ぶ)
 伊藤内閣府副大臣。
伊藤副大臣 今前段で答えさせていただいているように、生保の標準生命表というのは、生命保険契約に加入している被保険者の死亡率の実績をベースにして、保険引き受けに当たって行われる健康診断等による危険選択の効果を排除するとともに、生命保険の安定性を確保するため保険数理上一定の安全率というものを織り込んで作成しているので、先ほど先生御指摘されているように、差が出ているということでございます。
長妻委員 これでまた時間をとってしまったんですが、先ほど申し上げたのは、一般国民は一九九六年から二〇〇一年までで死亡率が下がっている。死亡率が下がっているにもかかわらず、生保の計算の基準は一九九六年時点の表を今も使っている。これは何で見直さないのか。これは金融庁の検査の項目に入っているんですよ、この九六年の。
竹中国務大臣 今副大臣がお答えさせていただいたとおりだと思うんですが、長妻委員のお尋ねは、一方で一般的な死亡率があって、一方でアクチュアリーの協会がつくっている生保向けの一種の死亡率がある、これが、まず数値がこちらは大きく変化しているのに、こちらは九六年のを使っているではないかと。
 副大臣が説明しましたように、これは当然のことながらベースが違っているわけです。それによって、これは委員御指摘になりましたが、サンプルがまず違うわけですね、保険の対象者になっている。これを考えるときに、さらに、しかし、こちらは健康診断とか受けていますから、そのリスクは減らさなきゃいけない。しかし一方で、変動については安全性を見なければいけない。そういう操作を行っている。
 恐らく、まだ答えていないんじゃないかとおっしゃっているのは、これは九六年の数字じゃないかということだと思うんですが、この生保の生命表の適正性については、これはアクチュアリー協会が、外部の有識者も含めた検討会で、毎年実績死亡率に照らして検討を行っているというふうに聞いております。それで、毎年検討を行って、必要があるときに改定をする、そういう仕組みになっていますので、定期的に見直すものではない。しかし、毎年死亡率に照らして検討を行っているというふうに承知をしております。
長妻委員 そんなおかしな話はありますかね。これはまたお任せじゃないですか。金融庁がこのアクチュアリー会の一九九六の標準生命表をチェックするんですよ。ただ勝手にアクチュアリー会がつくるわけじゃありません。
 全体の死亡率で一般国民は下がっている、にもかかわらず一九九六年から据え置きだ。そうしたら、単純に考えたらもうかる一方じゃないですか、死差益が。何でこれは変えさせないんですか、金融庁。
 私が何でこういう議論をするかというと、これも死差益を、三利源を公表すればまだこういう疑義が晴れてくるんですよ。さらに、死亡率も公表すれば疑義が晴れてくるんですよ。何の死亡率かというと、生命保険の、まさにこのアクチュアリー会がつくった生保標準生命表の根拠データとなる被保険者の死亡率、日本の生保に入っている被保険者全体の死亡率の推移、それを見れば、これが問題があるかどうかもわかるわけですよ。ぜひそういう死亡率の生データを公表してください。金融庁はちゃんとチェックしているのかどうか、国会がチェックできませんから、ぜひ公表していただきたいと思います。
竹中国務大臣 死亡率、御指摘の資料の提出については検討させていただきたいと思います。
長妻委員 そして、この生保標準生命表一九九六、一九九六年のを使っている、この是非についてもぜひ検討いただきたいと思うんです。
竹中国務大臣 これは、委員御自身がおっしゃったように、サンプルが違うわけですね。サンプルが違っているわけですから、それぞれの動向で数字が違ってくるというのは当然のことでございます。
 今申し上げましたように、これは、専門家において毎年チェックが行われているというふうに承知しております。我々は、監督する検査項目になるものは適切に検査をこれまでも行ってきましたし、これからも行ってまいります。
長妻委員 三利源のうち、死差益は、先ほど申し上げましたように、企業秘密でも何でもないんですよ。これは、逆算すれば大体はわかるんですよ、数字は。さらに、この死差益の基準になるのは、どの生保も、企業秘密じゃなくて全く同じ一つの、今申し上げた生保標準生命表一九九六に基づいて、ある程度これに基づいて計算しているわけでありますから、死差益を公表すると何で企業秘密というか問題が起こってくるんですか。
 これは義務づけないと、この法案は本当に国民の皆さんに受け入れられないと思いますよ、全然何にも公表しないけれどもただ下げてほしい下げてほしいでは。死差益を公表、義務づけを検討するという御答弁をぜひ大臣からいただきたいんです。
竹中国務大臣 これは何度か御答弁をさせていただきましたけれども、この三利源の問題というのは、メーカーでいえば一種の製造コストの部分に相当するものだと私は思います。これは競争政策上の重要な内部管理の資料だというふうに思っております。これについて政府が公表を義務づける、政府が義務づけるということに関しては慎重であらねばならないというふうに考えます。
 これは一般論としての三利源でございますが、今回議論になっておりますのは、この法案で、自治的な手続、自主的な判断のもとで、まさに、これも競争政策の一環として、保険契約者の合意を得るために経営としてはさまざまな努力をしなければいけないというふうに思います。その中で、まさしく自主的、自治的な手続の中で、どのような情報公開を行うかということも決定されていくんだと思っております。
長妻委員 大臣ともあろうお方が、製造業と比べてはだめですよ。金融の生保は、まさに金融庁がきちっと監督する、そして、今回、不安だ不安だということでこういう法律が出てきているわけでありますから、全然話の比較が違うと思うんです。
 いずれにしても、例えば、死差益を公表したら、何かこれは企業秘密だから、この数字を使ってほかの会社が有利に展開して不当な競争になるということですか。だって、それは全部に公表するんですよ。どういう不都合が具体的に起こるのか。
竹中国務大臣 繰り返し申し上げますけれども、その企業がどういう源泉から利益を得ているのか、これは製造原価と同じでありまして、内部管理上、競争政策上、やはり重要な戦略的な意味を持っている数字だというふうに考えております。そうした観点から、これを政府が義務づけるということに対してはやはり慎重であらねばならないというふうに思っているわけであります。
 競争戦略の中で、むしろそういったことを明らかにして、それを競争戦略上の一つの売りにしたい、こういうことを考える企業が出てきても私は不思議ではないと思いますが、政府が義務づけるということに関しては、やはり慎重であらねばならないと思っております。
長妻委員 まあ、国民は本当に蚊帳の外といいますか。だって、生保は利益出ているわけですよ。生保は利益が出ている。でも、逆ざやだ逆ざやだというから、普通の方は、逆ざやというから、これは赤字かなと思ったら、最終的には利益が出ている。じゃ、どういう利益の構造なんだというのを説明しないまま、逆ざやだ逆ざやだ。でも、利益は出ている。でも、大変だから下げてくれ。こんなの通りませんよ、絶対。だから、利益は、逆ざや分をここで埋めているんですよ、こういう説明があって、それでもこうこうこうだという説明がないと。だって、利益出ているんですから、紙の上では。
 これは検討するというふうに、大臣、言ってください。大臣は、別に金融庁を守るとか生保を守るとか――国民を守るんですから、検討すると言ってください、ぜひ。
竹中国務大臣 御指摘のとおり、国民・保険契約者を守るのが私の務めだというふうに思っております。
 今、長妻委員言われたように、保険利率を引き下げようとするときに、それじゃ通らないぞというふうにおっしゃった。そういう意見が本当に保険契約者の中で強く出てくるならば、これは当然のことながら、自治的手続の中でそのような決定がなされるんだと思います。そのような場合には、当然のことながら、その三利源が公表されてくる場合も出てくると思います。
 繰り返し言いますが、一般的な保険会社に対して法律でそういうものを義務づけるということに関しては、競争政策上、戦略上の問題を含めて、政府としては慎重であらねばならないと思っております。
長妻委員 大臣、国会の発言、総理に次ぐ金融の最高責任者、大臣の発言というのは重いわけでありますので、そうしましたら、じゃ、仮に予定利率下げるときに、契約者に通知しますね。その中に三利源は、これは入れるべきよ、これは普通は入れますわねと、このぐらいの答弁してください、みんな注目していますから。そういう答弁してください。
 先ほど、法的に義務云々という話がありましたから、じゃ、できればそれは普通は入れますわねと、大臣の発言ですから、国民感情を表に出して、ぜひそれを言ってください。
竹中国務大臣 どういう状況下で利下げを求めるのか。その会社がどのような財務状況であるのか。それに対して、契約者がどのような姿勢をとろうとしているのか。それによってケース・バイ・ケースでありますから、そこはいろいろな場合があるのだと思っております。
 ただ、そういう利率を引き下げよう、それに当たって契約者の合意を得ようという会社の中で、例えば、その利源を公表するところが出てくるということはあり得ることだと思っております。
長妻委員 どうしても、公表すべき、公表が望ましいという言葉は出ないわけですか、公表が望ましいという言葉は。
 これは大臣、通るんですかね。利益は出ている、でも、逆ざやだから大変だ大変だ。じゃ、逆ざやで利益が出ているのは何でと聞いたら、いや、そんなの教えられませんと。そんなばかな話ありますかね。こんな法律通すんですか。三利源をそこの通知に載せるのは望ましいぐらい言ってくださいよ。何で言えないんですか、大臣。
竹中国務大臣 自主的な決定、自治的な合意を尊重するというのが法律の建前でありますから、これは好ましい、これは好ましくないということをアプリオリに私が申し上げるのは適切ではないというふうに思っております。
 ただ、一般論として申し上げれば、しっかりとした情報公開を行って、それによって契約者の合意をしっかりと得るということは必要であり重要なことであると思っております。
長妻委員 「りそな」のときからそうですけれども、これも金融庁、逃げなんですよ。監督官庁の役割を放棄しているんですよ。みんな生保にお任せで、いや金融庁は知りませんと。
 では、その通知の中に経営責任も書くというようなことを聞いていますけれども、これはもちろん、代表者、社長はやめる、やめるのは当たり前でしょうと。大臣、それは当たり前ですね。
竹中国務大臣 金融再生プログラムのときも同じ質問を長妻委員からいただいたというふうに記憶しておりますが、しかしこれは、それこそケース・バイ・ケースなのではないでしょうか。
 本当にこれまでの経営に責任を負っている経営者もあれば、新規に急遽就任して、急遽経営を立て直さなければいけないという立場の方もいらっしゃいますでしょう。それに対して、経営者である以上、やはり一定の責任は当然問われるわけでありますけれども、それこそ自主的、自治的な手続を重んじるこの法律に当たって、一律に責任をとるべきだ、そうではないというようなことは申し上げるべきではないと思います。
長妻委員 本当にがっかりしますね。そうしたら、監督官庁は要らないですよ。この仕掛けをつくったら、金融庁は解散してください。だって、もう要らないですよ。することないじゃないですか。
 ということは、ケース・バイ・ケースで、経営者は一人もやめないということもあると。私もあれ言っているんじゃないですよ、直前に、例えば経営者が全部交代するということはあるかもしれません。その場合は、それは確かにケース・バイ・ケースでしょう。ただ、直前に交代しないで、ずっと以前からの経営者が続いている場合、それは、もちろん経営者の交代というのは当たり前だ。
 だれもやめないで、予定利率を申請して、それで認可しちゃうんですか。そういうケースもあり得るんですか。そんなばかな話ないですよ、これは本当に。とらの子のお金を削られるんだから。信じられないよ。
 望ましいぐらい言えないですか。望ましいも言えないんですか。
竹中国務大臣 今まさに長妻委員がケース・バイ・ケースだとおっしゃったとおりなんだと思います。経営者がかわったばかりだったら、それは仕方ないだろう、それはケース・バイ・ケースだろうというふうにおっしゃった。しかし、前からやっている人には責任があるだろうと。じゃ、どのぐらい前からやっている場合に責任があるのだろうか。これはまさしくケース・バイ・ケースなのだと思っております。
 ただ、いずれにしても、法律の運用に当たっては、その法律は、どうしてこんなものが必要になったのかということを踏まえて、やはり経営者には経営者としての当然のモラルが求められるというふうに思いますし、我々もその趣旨を体してしっかりと運用する責務を負っていると思っております。
長妻委員 そうすると、ケース・バイ・ケースという話でありますけれども、じゃ、これはどう考えても経営者が退任するのが望ましいケースというのは、大臣、どういうケースですか。
竹中国務大臣 まさしく仮定の問題でありまして、一概に申し上げることはできません。
長妻委員 大臣が指針を出さないと、法律というのは解釈もいろいろあるわけでありますから、大臣の発言によって、生命保険会社だって注意深く聞いていますよ、この発言を。ですから、国民の皆さんにも、ケース・バイ・ケース、やめないでもいい――だから、ケース・バイ・ケースと言われるから、大臣が考える、これは経営者がまあやめた方がいいわな、こういうケースというのは、大臣、例えばどういうケースなんですかということを聞いているんですよ。それを聞いているんですよ。ここで大臣話さなかったら、だれもやめないですよ。
 契約者に保険金下げてくれ下げてくれ、でも、経営者はだれもやめません、それでいいんですかね、大臣。やめるべきケースというのは例えばこういうケースだというのをちょっと言ってください。言えないんですか。
竹中国務大臣 これは政治の判断ではなくて、まさに今、法律をどうするかということを御議論いただいているわけであります。その法律を御議論いただいている段階で、どのような場合を想定されているかということに対して予見を与えるようなことは、政治的な判断であれ、個人の判断であれ、申し上げることには問題があると思います。
長妻委員 都合のいい法律ですね、これは。全部生保に任せて、金融庁は見解は何もありません。それは納得できません。
小坂委員長 質問は何ですか。――質問者は質問を継続してください。長妻昭君。
長妻委員 答弁がないんですよ。
 いや、でもこれは、今自民党席からもありますけれども、契約者の方にとっては、終身保険なら終身保険の本来受け取るはずの保険金が削られる可能性があるんですよ。そのときに、経営者の責任、いや、ケース・バイ・ケースでわかりません、そんなの私は知りません、私の権限じゃありません、感想も言えませんと。何でそんな生保に気を使っているんですか。大臣の見解を言ってくださいよ。
 ですから、これはやめるべきだなと思われるケースというのは、例えばこういうケースだと何で言えないんですか。
竹中国務大臣 何度も申し上げておりますけれども、仮定の、幾つかの想定を重ねてこういう場でお答えするというのは、やはり不適切であろうかと思います。
 ただ、一般的な例で、一般的な考え方として申し上げるならば、経営者というのはやはり非常に重い責任を負っている。契約者に対してそれなりの負担を求める場合に、それはどのような形で経営者としての責任を果たしていくのか。経営者としての責任の果たし方は多様であると思います。今度こそきっちりと経営を立て直すというのも一つの責任でありましょうし、過去の問題に対してそれなりのけじめをつけるという果たし方もありましょう。そういう問題については、やはり経営者としてのモラルをしっかりと全うしていただきたいと思うし、同時に、自主的、自治的手続の中で、契約者の意見を反映する形でぜひきちっと決着をしてもらいたい、我々もそれをしっかりと監督をしていきたいと思います。
長妻委員 そしてもう一つは、生命保険の予定利率の高い時期に入っている生保の契約者に対して、余りきちんと説明をしないで予定利率の低い契約に切りかえさせている疑いがあるケースが非常に多いというふうに私は認識をしておりまして、お配りした一枚の紙でございますけれども、これはある生命保険会社がつくった資料でありまして、これはすべてのお客さんに見せている資料ではないというふうに聞いておりますけれども。
 例えば、ここで見ていただきますと、左の二つ目、平成二年四月二日から平成五年四月一日まで、予定利率五・五%。これは終身保険であります。そうすると、男性一万二千八百九十円。一万二千八百九十円を三十五歳の時点で六十歳まで二十五年間毎月積み立てると、単純に足し算した合計額は三百八十六万になります。しかし、払い込み終わった六十歳に仮に解約するとしたら、四百四万になる。これはもちろん、今の銀行に預けるよりも随分有利な金額であるわけでありまして、非常に有利な契約でありまして、普通はよっぽどお金に困るということがない限り解約しない契約でありますけれども、この契約がどんどん解約されて、予定利率の低い契約に転換されている。
 こういう疑義があるわけでありますけれども、一部週刊誌等でも、今それが具体的な例とともに出ております。私も聞いておりますけれども、ぜひ大臣、一度調査をしていただきたいと思うんですが、いかがでございますか。
竹中国務大臣 委員の御趣旨は、保険契約の転換、これが何か変な形で行われているのではないのか、そういう際に説明が不十分な例があるのではないか、多分そういう趣旨でおっしゃっているのかなというふうに思います。
 しかし、こうした問題に関しては、当然のことながら我々も、保険の問題は特に大変複雑な制度でありますから、一般の契約者に対してしっかりと説明をさせなければいけないというふうに思っておりまして、転換に係る保険募集の適正化を図るために、保険業法施行規則等を改正したところであります。今はどういうふうになっているかといいますと、転換前、転換後の保険契約に関する重要な事項については書面で説明しなさい、保険契約者からは書面を受領した旨の署名とか記名押印を受けること、これを保険会社に義務づけているところであります。
 この保険契約の転換に関して、仮にも法令に抵触する疑いのある不適切な事例が生じた場合は、事実関係の解明に努めて、我々としては法令に基づき厳正に対処しているつもりでありますけれども、この姿勢は強く貫きたいと思っております。
長妻委員 それでは、ここで私は申し入れいたしますけれども、調査してください。どうですか。
竹中国務大臣 我々は常に、こういう問題に関して、例えば地方の財務局に入る情報、さらには金融庁に対して直接寄せられる情報、そういう情報に基づいて、非常に強い問題意識を持って、このようなことがないかということを日々チェックしておりますので、このような監視監督の姿勢をぜひとも貫きたいと思っております。
長妻委員 では、こういう不当な転換の情報入っていますか。
竹中国務大臣 さまざまな顧客、契約者からの情報というのは財務局等に寄せられておりまして、それに基づいて、必要に応じて我々は厳しくこれをチェックする体制をとっております。
長妻委員 ですから、情報は入っていますか。五・五%とかかなり高い終身保険等々が、本人もよくわからずに低い利率に転換されていた、これはけしからぬ、そういうような苦情が金融庁に入っていますか。
竹中国務大臣 こういう契約者、顧客からの苦情というのは、日々絶えず、ある種ある程度の量でたくさん寄せられているわけでありますけれども、最近特にこうした問題が非常に大きく変化しているないしはふえているというような情報は得ておりません。
長妻委員 ぜひ集計をきちっととって、生保の問題に取り組んでいただきたいと思います。
 そして、更生特例法による例えば破綻処理の場合でも、責任準備金のカットはない、そしてその後の予定利率も三%を下回らない、こういうケースもあるわけですね。
竹中国務大臣 あり得るかということでありましたら、これはあり得るということだと思います。
長妻委員 いや、実際に条文には、更生特例法では、今までは、生命保険会社みずからが申請、申し立てしていますけれども、金融庁がかわりに申し立てするということも可能になっているのですね。
 ですから、早目早目にやれば、むしろ、予定利率を下げるよりも、非常に効果的な契約者の保護になるんではないか。そういうケースもあるわけでありますから、ぜひそのケースを十分に国民の皆さんにも説明していただきたいと思いますけれども。金融庁が申し立てをする、この制度をお使いになることも今後はあり得るのかどうか。
竹中国務大臣 これは、要件を満たせば当然あり得ることであると思っております。
 我々は、今御指摘の法律ないしは今回の法律、できるだけ選択肢をふやすことによって、大変厄介な問題でありますけれども、少しでも国民に負担がかからないような形でこの問題の解決を図りたいというふうに思っているところでございます。
長妻委員 この予定利率の下げ、私も多少心配なんで、自分が加入している生命保険会社に電話をいたしましたら、いや、絶対に利下げなんかしませんとその生保は断言をする。多分、皆様が御加入のところも、電話すればこう断言すると思うのですけれども、大臣、実際に利下げを考えていながら、意思決定をもうしていながら利下げはしませんと言うのは、どこまでのタイミングが、まあ解散と何とかはうそついていいというようなことをよく言われていますけれども、こういうのもうそついていいんですかね。利下げを考えているんだけれども、いや、考えていません。どこまでの範囲が許されるんですか。そういう基準というのはあるんですか。
竹中国務大臣 これは、一概に申し上げるのは大変難しいと思います。
 今回のこの法律で用意されているスキームは、保険会社からの契約条件変更の申し出によって始まるわけでありますけれども、これは金融の一つの手続に共通している問題だと思いますが、まさに、手続に入る場合は一気に手続に入るということになるのだと思います。こうした点は、金融の問題の性格上、やはり考慮しなければならないのではないかと思っております。
長妻委員 そして、これは銀行救済法ではないかということも言われ、私もその側面は大いにあると思っておりますけれども、全部生保にお任せ、お任せと言っておられますが、では、この予定利率下げの場合、基金とか劣後ローンは削減するべきだと思うんですが、これも大臣、生保に全部お任せですか。
 ですから、基金とか劣後ローン、全く一銭も手をつけない、これもケース・バイ・ケースで、オーケーの場合もあるよ、こういう寛容なことを言われるんですか。
竹中国務大臣 繰り返し申し上げますけれども、今回のスキームというのは、保険会社に対して、早目早目の対応ということで、一つの経営の選択肢を持ってもらうということが重要なポイントであります。したがって、経営責任の問題もそうでありますけれども、基金や劣後ローンの取り扱いについても、保険会社の経営陣の方針や説明を保険契約者が納得するかどうか、そういった自治的な手続の中で適切に対応が図られていかなければいけない問題だというふうに思っております。
 今回の法案では、御承知のように、経営責任でありますとか基金等の取り扱いについてどのような方針をとるのか、この方針を記載した書類を保険契約者に対して送付することを義務づけることにしておりますので、そうした中で、まさに責任ある、自主的、自治的な解決が図られていくということを期待しているわけであります。
長妻委員 そうすると、ケース・バイ・ケース、ケースによっては基金、劣後ローン、一銭も手をつけない、こういうこともあり得るということでよろしいんですね。
竹中国務大臣 これは本当に、まさに非常に高度な経営の判断になってくるんだと私は思います。
 例えば、基金等の取り扱いについては、強制的なカットを仕組めば、かえってその後基金や劣後ローンの調達が困難となって、結果的に業務の継続を困難にするような場合も、これはまさにケース・バイ・ケースではありますけれども、一つ想定されなくはない例であります。
 そうした点も考えて、これは、個々のこういう問題を抱えた生命保険会社がどのような状況にあるかということで、一律に判断はできないわけでありますけれども、先ほどから申し上げていますように、自主的、自治的な判断、しかし、そうした問題に関しても、一体この問題をどのように扱うか、経営者の責任をどのように扱うかということをきちっと説明資料の中には含ませるという仕組みにしておりますので、そうした中で、まさに経営の中でのベストの解決が図られていくものというふうに考えております。
長妻委員 大臣、今の生保不安に対して、監督官庁としてもうちょっと踏み込んで発言しないとだめですよ。だって、生命保険を指導する立場で、今生保がぴかぴかの生保だったらいいですよ、それは。こういう法律が必要なぐらい劣化しているわけでありますから。
 では、私が聞いたところによると、大体四十歳ぐらいの方で大手生命保険会社だと年収は大体一千二百万ぐらいもらっている、ある生保の方はそういうふうに言われておりましたけれども、これは国民感情からいって高いと大臣、思われますか。
竹中国務大臣 仕事というのは、その方がどういう能力を持って、どういう仕事をしておられるかということでありますから、外見的な名目の所得をもって高い、低いというふうに申し上げるのは難しいかと思います。ただ、いずれにしましても、例えば給与の平均値等々から見ますと、保険のみならず、金融業界全般、まだ平均値等々から見て高いところにあるという認識は私は持っております。
 先般の「りそな」の場合も、人件費総額を三〇%カットするというような措置も出てきたわけでありますけれども、各金融機関は、生保のみではなくて、金融業界全体が今多くの問題を抱えている中で、それがかつ国民経済的な課題になっている中で、しっかりとした仕事をしていただきたい。必要なリストラはやはりやっていただかざるを得ない。しかし、本当に高いレベルの仕事をして、結果的に高い給料がもらえるような、そういう形に生まれ変わっていただきたいというふうに思っております。
長妻委員 あくまで生保に寛容ですね。予定利率を下げる、でも四十歳で年収一千二百万はもらいます、こういうことが本当にいいのかどうか。何か人ごとですね、大臣は。
 例えばこの制度で、下限を政令で三%に設けるやに聞いておりますけれども、三%以下にしないとだめな生保、立ち直れないという生保、それで破綻でもない、こういう生保はどうすればいいんですか。
竹中国務大臣 これも、三%以下にしないと立ち直れないというのは一種の仮定の御質問になろうかと思いますけれども、今我々が用意しようとしているこの一つの選択肢を使っていただけるかどうか、これが考慮の対象にならないということであるならば、大規模なリストラを含めてもっと思い切った別の手段をとっていただかなければいけない。
 我々は、繰り返しますが、今回の法案は一つの選択肢を提供するものである。これを使うところもあれば、使わないところもあるかもしれない。しかし、問題としては、生保全体を立て直していく、逆ざやを解消していく、基盤を強くしていく。これはどっちにしても、この法律があろうがなかろうが、しっかりとやらなければいけない問題でありますから、そうした中で、ぜひとも思い切った改革をしていってもらいたいと思っております。
長妻委員 最後に、重要なことをお尋ねいたしますけれども、結局、今回こういう法律が必要になるぐらい生保不安が起こった。生保危機と言ってもいいと私は思いますけれども、これは、金融庁というのは全く責任ないんですか。
竹中国務大臣 これはまさに、いわゆる護送船団と言われた時代から、監督当局はずっとこの業界を見てきた。その中でさまざまな問題が生じてきた。さまざまな問題で、解決できた問題もあるけれども、やはり解決できないで引き継いできた問題が非常に大きい。これは業界の問題であると同時に、やはり金融監督当局の我々も、しっかりと反省すべきところは反省をしなければいけない問題であるというふうに思っております。そうした観点から、問題をとにかく先送りするのはやめよう、問題が出たらできるだけその場でそれを表に出して解決していこうと。
 銀行に関しては、私自身、資産査定であるとか自己資本の充実であるとかガバナンスの強化等々、明示的なプログラムを出してまいりましたけれども、保険の業界におきましても、結果的によりガバナンスが強化されて、そのガバナンスの強化のもとでしっかりとした問題の解決が図られていくように、私たちには引き続き非常に大きな責任があると思っております。
 この予定利率の引き下げを考えなければいけなくなったということの直接的な背景としましては、過去、主としてバブルの時代等に非常に高い予定利回りの金融商品を保険会社がつくった、それを金融庁も認可したということでありますから、この点は、やはり反省すべきところは反省しなければいけない点はあろうかと思います。
 しかしながら、金利の全体の低下というのは、八〇年代の後半において、ゼロ金利の時代が十年後に来るだろうというのは、残念だけれども、だれも予見できなかった。そういった問題もやはり背後にあるということは認識せざるを得ないと思っております。その時々でベストを尽くした判断はしてきたということであろうかと思いますが、それでも今回のような問題が生じているわけでありますので、反省すべきところは反省をして、しっかりと問題の解決に当たっていくのがやはり我々の責任であろうと思っております。
長妻委員 反省をするというお話がありましたけれども、反省をするということは、それに伴って責任をどういうふうにとるかということがあると思うんですが、これはただ反省するだけで、例えばどなたか役職者がある程度の処分を受けるとか、あるいは注意をするとか、そういうことは大臣、全くないんですか。反省だけで、ないんですか。
竹中国務大臣 バブルの時代に、ゼロ金利が来るということを想定してなぜ対応しなかったのか、なぜこんな高い金融商品を認可したのかということは、確かにこれは一つの責任の問い方かもしれませんが、現実問題として、そうした担当者は今はもういないわけでありますし、そうしたことを予見するのも、はっきり言って困難であった、ほとんど不可能に近かった。
 そういう状況を踏まえれば、我々として果たすべき責任は、現状を受けて、現状をしっかりと見詰めて、その上で、あくまでも保険契約者の保護というその原点に立ってしっかりと検査監督の仕事を進めていく、結果的に、業界が強くなって、国民が安心して生保に加入できるような状況をつくり出していくことであるというふうに思っております。
長妻委員 今、責任責任とうるせえよというようなやじが飛びましたけれども、責任が一番重要なんですよ、再発防止ということで。いや、本当にそう思いますよ。官僚の皆さんはじいっと注目していますよ、この委員会を。生保の皆さんも。
 責任とらされるのかなと思ったら、反省だけで、だれも責任ないと。ずうっとこういうことが繰り返されて、そして同じ過ちがずうっと続いている。結局は、国民の金でしりぬぐいする。ソルベンシーマージンだって、千代田生命、協栄生命、東京生命、破綻直前に二〇〇パー超えているじゃないですか、数値を最近変えたということでありますけれども。それだって、だれも責任とっていないじゃないですか。安心だ安心だと国民に言っておいて、そして二〇〇パー以上だと。そして破綻しちゃう。それで、済みませんとも何にも言わない。だれも責任とらない。反省の言葉もない。謝罪もない。どうなんですか。
竹中国務大臣 この間、本当に多くの問題が発生をしてきて、繰り返しますが、その中で、懸命の努力によって、問題を抑えた、ないしは拡大を防止できたような問題もありましたけれども、積み残された非常に大きな問題が残ってしまったというのは事実であろうかと思います。
 しかし、これをしっかりと受けとめて、我々として、まさに委員御指摘のように、失敗をすることなく、問題をとにかく解決に向けて努力していくということが我々に課された大変重要な責任であると考えております。
長妻委員 いや、ちょっと今答えていないので、最後、これで質問を終わりますけれども、ですから、二〇〇パー以上のソルベンシーマージンにもかかわらず破綻しちゃった。二〇〇パー以上は大丈夫、大丈夫と金融庁は言っていたわけですよ。その責任はないんですか、あるんですか。そして、どうとるんですか。
小坂委員長 質問時間は終了しておりますので、端的に答弁してください。
竹中国務大臣 反省すべき点はあるんだと思っています。そうした反省を踏まえて、この基準の見直し等、しかるべく対応いたしました。これからもしっかりと対応していきたいと思っております。
長妻委員 これで質問を終わります。
小坂委員長 次に、東祥三君。
東(祥)委員 自由党の東祥三でございます。
 前回、五月二十一日の質問を踏まえた上で、さらに今回質疑をさせていただきますが、まず、本委員会において今回議題になっております法律案についてでございます。
 午前中来、竹中大臣のお話を聞いている限り、今回の予定利率の引き下げというのは、保険契約者の犠牲のもと保険会社を守るために行うものではないのか、こういう印象を持っているんですが、この点について、大臣、いかがですか。
    〔委員長退席、林田委員長代理着席〕
竹中国務大臣 ぜひとも基本的な問題として御理解を賜りたいと思っておりますが、保険契約者の保護のために本当にどういうやり方が一番よいのかということを私は真剣に考えているつもりでございます。
 生保は、過去の問題、今長妻委員からも御指摘がありましたが、いろいろな経緯を経て、逆ざや問題という非常に厳しい構造問題を抱えている。これが日々、保険会社の財務をむしばんでいっているというような状況にある。こうした場合に、将来、仮にも生保が破綻したような場合に保険契約者は一体どのような被害を受けるだろうか。これは風評被害等々で資産が劣化していくということが極めて大きいですが、それを除いて、非常にスムーズにいわゆる破綻の手続がとられたとしても、責任準備金は最大一〇%までカットされる可能性がある。予定の利率は、過去の例から見る限り、二%とか、それはいろいろなケースはありますけれども、一%台とか、相当低くなってしまう。
 そうであるならば、今回のような早目の措置をとって、責任準備金の額はカットしない、だから一割までのカットはない。予定利率についても、引き下げはするけれども、下限を設けて、破綻したときよりは恐らく、先ほどから議論があったように、いろいろな場合はあり得るけれども、一般に想定されるケースとしては、破綻の場合よりは高い予定利率を確保できるような仕組みをつくることによって、結果的に保険契約者の利益が守られるのではないのか。少なくとも、そういう選択肢を準備しておくことに意味があるのではないかというふうに考えているわけでございます。
 したがって、決して保険契約者の利益を犠牲にして云々ということは、間違ってもそれはないつもりで我々としてはこの仕組みをつくらせていただきました。この点につきましては、ぜひとも御理解を賜りたいと思います。
東(祥)委員 結局、大臣がおっしゃっているのは、保険会社の破綻を回避する方が契約者のためになる、そういう考え方に立っているということは、今の答弁でも明確であります。
 竹中大臣は、自由主義経済を信奉するのかどうかよくわかりませんが、基本的にそういう立場に立っているんだろうと思いますけれども、状況状況によってどんどん変わっていきますから、やはり原理原則に基づいていかなければ、選択肢すら選択肢でなくなるわけですね。だから、そういう意味からいきますと、自由主義経済体制のもとでは、基本的に契約遵守、そしてまた市場原理に従って保険会社も破綻処理を行いつつ、そして契約者の保護というのは、これは別途の手当てを行うべきではないのか。私は、自由主義経済論者でありますから、そのように思います。
 事実、金融機関の場合には、このような契約条件の変更なくして破綻処理を行って、その中で別途預金者保護などが図られているわけであります。そういう意味におきましては、竹中さんのみならず、小泉内閣そのものが、ある意味で、原理原則を持たないで、その場その場で対応していくということが明らかになりつつあるんだろう、こういうふうに思うわけであります。
 そこで、保険会社の予定利率引き下げの議論の参考にするためにも、金融機関の破綻処理を例に引いて、これは前回私が通告していた問題でありますけれども、顧客の保護に万全が期されているかどうか、こういうことを確認することとしたい、このように思うわけであります。
 前回、質問で終わってしまったんですけれども、金融機関が破綻した場合、金融整理管財人が任命されるわけでありますが、その金融整理管財人が中心的な役割を果たすと聞いている。そこで、そもそも金融整理管財人というのは一体だれが任命するのか、基本的なところからちょっとお伺いしたいのであります。
伊藤副大臣 基本的なことなので、私からお答えさせていただきたいと思います。
 預金保険法によりますと、金融庁長官は、金融機関が債務超過等の所定の要件に該当する場合に、当該金融機関に対し金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分を行うことができるとされておりまして、また、管理を命ずる処分と同時に、金融整理管財人を選任しなければならないとされているところでございます。
東(祥)委員 基本的なことだから明確に答えてもらいたいんですが、だれが任命するんですか。預保法によるならば、七十四条で、総理大臣が任命権者でしょう。しかし、総理大臣はそれぞれそういうリストを持っているわけじゃないんですから、一体だれが実質的に任命しているのか、これが基本の質問であります。それに対して、だれなんだということを答えてもらいたい。
伊藤副大臣 法律につきましては、先生お話しになられましたように、預金保険法によって内閣総理大臣権限が金融庁長官に法定委任されておりますので、金融庁長官がということになります。
 実務上どのような過程を経て管財人が任命されるかということにつきましては、金融整理管財人の任命については、当該の金融機関を管轄する地方財務局において、金融機関の管理職経験のある実務家や金融実務に詳しい弁護士の方から金融整理管財人候補者の選任を行い、さらに、弁護士管財人候補については、預金保険機構が所属の弁護士会に照会を行うなどした上で、本人の了解を得て正式に管財人として任命しているところでございます。
東(祥)委員 それは個々の破綻した金融機関によって異なってくる、そういうことですか。基本的には金融庁長官が任命するわけでありますが、今おっしゃったとおり、地域の財務局にそのリストがあるんですか。いかがですか。
伊藤副大臣 法律的には、金融庁長官が任命をするということになっておりまして、それで、実務上のどのような過程を経てということで、先ほどお話をさせていただいたように、当該金融機関を管轄する地方財務局において、金融機関の管理職経験のある実務家やあるいは金融実務に詳しい弁護士などの中から金融整理管財人の候補の選任を行って、さらに弁護士管財人候補については、預金保険機構が所属弁護士会に照会を行った上で、本人の了解を得て正式に管財人として任命されるということでございます。
東(祥)委員 金融整理、破綻について詳しいという、そういう人は日本にほとんどいないんじゃないですか。平成十年以降金融機関が頻繁に破綻してきているわけですけれども、地域の財務局で、その問題に詳しい弁護士をどういう基準で選んでいるんですか。いかがですか。
伊藤副大臣 これは、その地元金融機関や地元弁護士会の協力を得て選任しているものと私どもとしては承知いたしておるところでございます。
東(祥)委員 副大臣が言っていることはわかるんですよ。だから、いないんじゃないのかと。基本的には弁護士、あるいはまた金融整理の専門家と言われる、それが自称他称、よくわかりませんけれども、どこかにプールされておかない限りそれは無理でしょう。
 副大臣は、法律上あるいは実務上と。法律というのは一番尊重しなくちゃいけないんですよ。金融庁長官が任命する以上、その人たちが当該問題に対してちゃんと対処できる、そういう確信がない限り任命なんかできないはずでしょう。だから、そこはどうなっているのかということですよ。地域財務局にそのような人たちが全部集まっているんですか。ここにいらっしゃる仙谷先生は、東さん、確信を持って言えるけれども、そういう人材というのはいないとおっしゃっている。僕は信頼しますから。
 そうすると、そういうプールはどこにあるんですか、どういう基準で選んでいるんですか、それは自称なんですか他称なんですか。それは、そういう専門家を選んでいくところが政府の中になければ、金融整理管財人というのは、後から質問させていただきますけれども、一体何をやっているのかという話になってくるわけですよ。そういう人材発掘の基準がなくて、どうしてそういう人たちを採用することができるんですか、また、任命することができるんですか。
伊藤副大臣 これは、ないというようなお話が出ておりますけれども、金融実務に詳しい方々、この方々を選ぶために、財務局において、地元の金融機関や地元の弁護士会と協力して、そうした金融実務に精通している方を選任しているということでございます。
東(祥)委員 そうすると、地域財務局に金融整理、破綻の専門家と言われる人たちが常時ノミネートされているんですか、実務上。副大臣、いかがですか。
伊藤副大臣 重ねての答弁で大変恐縮なんですが、財務局において、金融実務に精通している弁護士の方々を選任するために、地元の金融機関や地元の弁護士会の協力を得て選任しているわけでございまして、その話し合いの中でふさわしい方々を選任するということで意見交換をし、そしてその協力の中で選任されているものと承知をいたしております。
東(祥)委員 では、金融庁において、地域財務局の窓口になっているところがあるんですか。金融庁において、管財人を選出するに当たって、おっしゃられるとおり、地域財務局が抱えている人材グループと連携をとっているところがあるんですか。弁護士会の協力を得ていると言っているけれども、では、弁護士会から推薦されてきたものを、金融庁は、その財務局の意見を聞いた上で判断するということなんですか。それを明確に説明してくださいよ。
 基本的に弁護士なんでしょう。では、その弁護士の中でどの弁護士がいわゆる破綻、整理の問題に関して精通しているかどうなのか、それは金融庁では把握できないわけでしょう。そうしたら、地域財務局でそれを専門に扱っている部署があるんですか。いかがですか。わからなければわからないでいいですよ。
伊藤副大臣 これは、個々のケースにおいて財務局で選任していくわけでありますけれども、金融庁としましては金融危機対応室で担当することになっておりまして、それがいわゆる財務局と連携をとっているわけでありますけれども、先ほどお話をさせていただいたように、破綻した場合には、その当該金融機関を管轄する財務局において、地元の金融機関や地元の弁護士会と協力して選任しているということでございます。
東(祥)委員 そうすると、金融庁の長官が金融整理管財人を選ぶに当たっての基本的な前提というのは、地域の財務局からこの人がいいというふうになったら、それに対して肯定する以外ないという話なんですか。それも、今副大臣の話を聞けば、弁護士の協力を得ていると。弁護士というのは民間の団体でしょう。そこから上がってきたものを、地域財務局がある意味で何の異論もすることなく、ここから上がってきたんだから、ではそれを採用しましょうということですね。
 どこに判断の基準があるんですか。東京地裁でやっているんじゃないの。東京地裁民事第八部という、いわゆる破綻処理を専門としている弁護士グループがあると思うんですけれども、ここでやっていることじゃないんですか。そこから推薦を得て、そして金融庁長官が任命しているんじゃないんですか。いかがですか。
伊藤副大臣 先ほども少し御説明をさせていただいたように、弁護士の管財人候補については、預金保険機構が所属の弁護士会に照会を行って、そこで、過去に例えば賞罰等々があるかどうか、そうしたものを照会しているわけであります。その上で、本人の了解を得て正式に管財人として任命しているところでございます。
東(祥)委員 余り整理されていないと思いますが。
 金融整理管財人というのは、任命されたら報酬はどこから出るんですか。
伊藤副大臣 金融整理管財人の報酬については、預金保険法の第七十七条第五項の規定に基づきまして、金融庁長官が決定することとされております。
東(祥)委員 いや、聞いているのは、報酬はどこから出るのか、ただで働くんですか、どこから報酬が出ているんですかと聞いているんです。その報酬額は幾ら。
伊藤副大臣 報酬の出どころでございますね。これは当該金融機関から拠出されるということになります。
東(祥)委員 当該金融機関は、破綻した金融機関から出るんですか。
伊藤副大臣 当該金融機関というのは、破綻した金融機関でございます。
東(祥)委員 では、報酬額はどういうふうに決まるんですか。
伊藤副大臣 具体的な基準につきましては、金融整理管財人に任命した個人の情報に関することでございますので、大変恐縮ですが、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
東(祥)委員 では、どこが報酬額を決めるんですか。
伊藤副大臣 先ほどお話をさせていただいたように、報酬については、預金保険法第七十七条第五項の規定に基づきまして金融庁長官が決定をするということになっております。
東(祥)委員 任命は金融庁長官がやる。そうすると、破綻した金融機関の資産あるいは債権、これをだれがどのように仕分けをして、そしてだれの責任でどのように処理するのですか。
伊藤副大臣 破綻金融機関の資産が、だれがどのように切り分けをして、だれの責任でどのように処理するかという先生の御質問でございますが、預金保険法の第七十四条に基づく管理を命ずる処分があったときは、金融機関の代表権や業務の執行並びに財産の管理、処分を行う権利は金融整理管財人に専属されることとされております。
 そして、破綻金融機関の受け皿金融機関への営業譲渡等に際しては、破綻金融機関の資産内容について破綻金融機関、金融整理管財人及び受け皿金融機関との間で協議が行われまして、この協議の結果、受け皿金融機関に引き継がれる資産と整理回収機構に買い取られる資産との振り分けが行われることになっております。
東(祥)委員 副大臣、今の答弁でも明らかなとおり、金融整理管財人には広範な裁量権が与えられている、こういうふうに理解するわけでありますけれども、そこで、もし、金融整理管財人が不正を行った場合、金融庁はどのような対応をして、どのような責任をとるのでしょうか。
伊藤副大臣 金融機関の破綻処理において、金融整理管財人がその業務に関して不正を行うなどということは、公的な責務にかんがみて万が一にもあってはならないことだと考えております。
 しかし、先生お尋ねのように、もし仮に金融整理管財人がその業務に関して不正を行ったことが司法等の場で明らかになった場合には、当局といたしましても、必要に応じ、関係法令に照らして厳正に対応するべきものと考えておるところでございます。
 そして、管財人業務に関する罰則といたしましては、わいろ収受罪等や守秘義務違反による秘密漏えい罪などが当たるというふうに考えております。
東(祥)委員 それは金融整理管財人に対しての法的処罰の内容であって、私が聞いているのは、金融庁としてどういう責任をとるのかということを聞いているんですよ。それはあるのですか。
伊藤副大臣 内容によるわけでありますけれども、その内容に相当の理由があると認められた場合には、必要に応じて、私どもとして適切な対応をしていきたいというふうに考えておるところでございます。
 ただし、私どもの場合には、捜査当局や裁判所とは違って、犯罪を捜査したりあるいは紛争を解決する権能を持っておりませんので、そのことについては御理解をいただきたいと思います。
東(祥)委員 この点についてはまた後ほど聞きますけれども、例えば、地元の金融機関が、私は江東区に住んでいますが、極めて地域に密着した金融機関が昨年一月の十二日に破綻しました。そして、九月の十七日に受け皿金融機関に事業譲渡されて、同日、預金保険機構からの資金援助も行われている。
 この間、金融整理管財人が破綻金融機関の不動産を売却しておりますけれども、一般公募を行っていなかったと聞きます。これに関してはいろいろなうわさがありまして、不当な廉価で売却されたとの指摘をする者もおります。それが一方においては事実であり、一方においては事実でないかもしれない。だから、双方にかかわってくる問題であります。
 一つ僕は聞きたいのですけれども、破綻した金融機関、そしてそれが抱えている資産あるいは債権、これをできるだけ高い価格でもって売るというのが普通の考え方なのだろうというふうに思うんです。ところが、私が理解しているのは、任意売却ですよ。そのときに、なぜ一般公募しないのか。この点について、いかがですか。
伊藤副大臣 今、具体的なケースを想定されてのお尋ねなものですから、私どもとしましては、個々のケースのことについてコメントすることは控えさせていただきたいと思います。
東(祥)委員 僕は一般論で聞いているんですよ。金融整理管財人には大量な裁量権が与えられている、それは副大臣が言われているとおりですよ。そのときに、金融庁として、破綻した金融機関が持っている資産あるいはまた債権、これを処理するに当たって、できるだけ高い値で買ってもらうというのは当たり前でしょう。先ほど申し上げましたとおり、その後資金注入していくわけですから。不良債権でどうしようもなくなってしまったものをRCCに渡していくわけでしょう。その部分に関しては、回収できないものは公的な資金が注入されるわけでしょう、副大臣。そうであるとするならば、基本的には、一般公募が普通なんだろうと私は思うんですよ。金融庁として、その点についてどのように考えるのですか。
伊藤副大臣 これは一般論としてお話をさせていただきたいと思うんですが、破綻金融機関の処理においては、迅速に事業譲渡を行うことが、取引先企業に対して円滑な資金供給の観点からも、また費用を最小限に抑えていくという観点からも重要でありまして、受け皿金融機関が引き取らない資産については早期に処分をすることが求められているものでございます。
 したがいまして、金融整理管財人が一般公募によらずに不動産を売却したとしても、その価格が不動産鑑定書などによって適正なものと認められ、またRCCの買い取り価格よりも有利な条件であれば、そのような方法も当然認められてしかるべきものではないかと考えております。
    〔林田委員長代理退席、委員長着席〕
東(祥)委員 副大臣、キーワードを言っている、迅速。
 例えば、一つの破綻した金融機関が数カ月間受け皿金融機関を探すに当たって、整理管財人がそこで仕事をしている。数カ月間があるんですよ。その間、その数カ月の間に処理できればいいわけですね。僕はよくわかりませんけれども、一般公募をやるということは、何カ月後に、この日公募いたします、そういうことを明確にしておけば、それはその期間内においてできるんじゃないですか。
 迅速ということは、一体どういう期限を設けるのですか、一般論でですよ。いかがですか。
伊藤副大臣 先ほども一般論として、迅速に事業譲渡を行うことが大変重要だということをお話しさせていただいたと思います。
 特に、受け皿金融機関が引き取らない資産については早期に処分することが求められているわけでありまして、そうした場合には、一般公募によらずに不動産を売却したとしても、その価格が、先ほどもお話をさせていただいたように不動産鑑定書などによって適正なものと認められ、またRCCの買い取り価格よりも有利な条件であれば、そのような方法も否定されるものではないというふうに考えております。
東(祥)委員 副大臣、私が聞いているのは、迅速に対応しなければならない、それは期限があるんですか。
 いいですか、一般論ですよ。ある金融機関が破綻した、数カ月後に任意売却でそれを処理した。その数カ月間あるならば、一般公募をやったとしても不思議ではないんじゃないですか。どうして一般公募でやるという原則をとることができないんですか。決められた期間内においてそれをやることができれば、一般公募ほど公平なものはないんじゃないですか。いかがですか。
伊藤副大臣 一般論というお尋ねにはなっておりますけれども、個々いろいろな条件のついた、仮定に仮定を重ねた中で、私どもがお答えをすることは大変難しいということは御理解をいただきたいと思うんですが、金融機関の個々の財産の処分については、先ほどもお話をさせていただいたように、金融整理管財人の裁量にゆだねられているものでございまして、個別の事案の処理方針について私どもが指示をするということではない、その中で金融整理管財人が一番適切な形で対応していくということでございます。
東(祥)委員 そうすると、副大臣、金融整理管財人がやることに対しては、それを事後承諾していかざるを得ないということを副大臣は言っているんですよ、そういうふうに理解していいですか。
伊藤副大臣 お答えをさせていただきます。
 破綻金融機関の個々の財産の処分については、金融整理管財人の権限において法令の枠組みの中で掌理されておりまして、実務上も、不動産売買においては、不動産鑑定書において価格を確認するなど、適切に対応してきているものと承知いたしております。
 また、先ほどお話をさせていただいたように、私どもが金融整理管財人に対して直接の指揮権を有しているわけではございませんので、今御説明をさせていただいたように、金融整理管財人が適切な対応をしていくというふうに私どもとしては承知いたしております。
東(祥)委員 受け皿金融機関が決まるまでの間、今おっしゃったとおり、金融庁も、いわゆる金融整理管財人に対して何の監督権限も持っていないと。そうすると、その中にもし係争中の案件が出てきたときに、金融整理管財人の基本的な権限の中でそれを処分するということになったとしても、金融庁としてはそれをそのまま事後承諾していく以外にない、こういうふうに一般論として理解していいですか。
伊藤副大臣 これは一般論のお答えになりますけれども、資金援助については、この額については預金保険機構が精査の上適切に決定されるものでございますので、先生が今言われたような形にはならないというふうに思っております。
東(祥)委員 どうしてですか。金融整理管財人の行う行動に対して、金融庁としては監督権限を持っていないんでしょう。そうすると、基本的に、金融庁として、金融整理管財人が、破綻した金融機関の資産なり債権を処分するに当たって、あくまでも法令の中で認められている、禁止条項がない限り、それをそのままやることができるということなんでしょう。その一つの具体的な質問として、僕は聞かせていただいているんです。
 係争中で、本来ならばRCCの方に移行されるのが当たり前だというものであったとしても、整理管財人の判断でそれを処理、処分することができる、それがあったとしても別にRCCとしては問題ではない、こういう話になってくるんですか。いかがですか。
伊藤副大臣 仮定に仮定の話なものですから、私どももお答えしにくいところがあるんですけれども、これは一般論として重ねてのお答えになりますけれども、RCCについて今お触れになられますが、適正に処分をしていくに当たって、RCCの買い取り価格よりも有利な条件であれば、先ほどのように一般公募によらずに不動産を売却するという方法があってもそれは否定されるものではないというふうに私どもは考えております。
東(祥)委員 RCCは、要するに、金融機関が破綻するということは、私たちの想像を絶するどろどろした側面が出てくるわけですよ、副大臣。その結果として、どのようにそれを処理したらいいのか。これは大変な不良債権でなかなか回収が難しい、この場合はRCCに任せていこう、そういう話でしょう。いわゆる健全債権はちゃんと受け皿銀行の方に譲渡していくわけでしょう。その間、今副大臣が言われているとおり、これはまさに欠陥でありますけれども、金融庁は何ら金融整理管財人が行うことに対して指導的役割、監督権を発揮することができないということをもう既に認めてしまっているわけであります。
 例えば、いわゆるRCCが関係している案件について、その後金融整理管財人が入ってくることによって、本来ならば、RCCの方が金融整理管財人に、この案件に関しては十分注意して判断した方がいいですよ、そういう勧告を得ている問題であったとしても、ある意味で金融整理管財人は自分自身の職権によってそれを処理、処分していくことも場合によって可能であるということですね。副大臣、いかがですか。
伊藤副大臣 これはかなり具体的な個別の事案に即した御質問でございますので、私どもとしては答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
東(祥)委員 僕が問題にしているのは、金融整理管財人というのは全権を与えられてしまっている、金融庁としてはそれに対しての監督権限がないんだということですよ。
 先ほど副大臣からお話がありましたとおり、金融整理管財人は基本的に不正を働く人間ではない、そういう前提に立ってやっているわけですよ。火事というのは起きちゃいけないんですよ。しかし、火の用心をして、起きた場合どうしたらいいのか、それが本来やっておかなくちゃいけないものでしょうという視点で申し上げているんですよ。
 まして、ここで先週来議論されている「りそな」の問題にしてもそうでしょう。公的資金を投入していくんですよ。だれがそれをチェックしているのかという話ですよ。金融庁がそれをちゃんとやっているのかやっていないのか、そのことを私は問いたださせていただいている。
 そうすると、金融整理管財人に全権が委任されていて、例えば不当に廉価でもって任意売却しちゃったもの、本来それをちゃんとした形でもってやっていれば国庫の負担がまさに少なくて済むという場合もあるんではないのか、その場合どうするんだ、そういうことを僕は質問させていただいているんですよ。そこには何の歯どめもチェックもないんではないのか、こういうふうに思うんです。
 副大臣、常識論としていかがですか。余りにも金融整理管財人にすべての権限が与えられてしまっているんじゃないのか。そうしたら、国民にどうやって説明するんですか。個々の一つ一つの案件をチェックしていくということは極めて難しい。しかし、現実にはそこに公的資金という国民の税金がつぎ込まれていくわけでしょう。それに対して金融庁が真正面から答えることができないとするならば、竹中金融相がいつも言われているとおり、地域に密着した、そのような金融なんかできるはずがないじゃないですか。いかがですか。
伊藤副大臣 個々具体的なお話になっているので、私どもとしては一般論としてしかお答えができないわけでありますが、金融整理管財人が、先生いろいろな事例をされておられますけれども、私どもとして、被管理金融機関の業務及び財産の管理を適切に行っていないと認められるときには、金融整理管財人を解任することができる、こういう規定があるわけでございます。現在、被管理金融機関は存在しておりませんけれども、今後とも、このような預金保険法の規定に基づいて、私どもとしては適正に対応していきたいというふうに思っております。
東(祥)委員 副大臣、同義反復でしょう。
 先ほど言っているのは、金融整理管財人に全権が与えられているんですよ、そうでしょう。ではそれに対して、金融庁としてはチェック機能は何ですか、あったら教えてください。どういう場合、チェックするんですか。基準がなくて、どのように不正を正すんですか。明確なその部分がなければどういうふうにして不正を正すんですか。教えてくださいよ。チェック機能を持っていないんじゃないの。
伊藤副大臣 先生ぜひ御理解をいただきたいんですけれども、金融整理管財人は、財産の処分について、金融整理管財人の裁量にゆだねられているわけであります。全権が委任されているわけじゃなくて、財産の処分について裁量にゆだねられているわけであります。
 どのような形で処分をするか、先ほど私が答弁をさせていただいたことをどういう形でやるかということでございますけれども、これは、具体的にどのようなことが起こったのか、その起こったことと、今私たちに与えられている法律の規定に基づいて、私どもとしては、適切に対応していくということでございます。
東(祥)委員 だから、副大臣、金融整理管財人の預金保険法上の権限行使について僕は聞いているんですよ。前から、価値前提を明確にした上で、破綻した金融機関の債権、そしてまた資産、これを処分するのは金融整理管財人でしょう、それに対して、これをチェックする何らかの制度がないじゃないですかということを聞いているんですよ。新たに設けるべきなんじゃないですか。それはあるというなら、それを教えてくださいと言っているわけです。
伊藤副大臣 お答えさせていただきたいと思います。
 破綻金融機関の貸出関連資産等の切り分けについては、預金保険機構紹介の監査法人が、当該破綻金融機関の依頼のもと、第三者的立場から資産査定を行った上で、金融整理管財人と受け皿金融機関との協議により決定されるものと私どもとしては承知いたしているところでございます。
東(祥)委員 それがチェック機能だと言っているんですか、チェック制度だと言っているんですか。
 では、大臣、素朴に、常識論として、いわゆる破綻した金融機関の資産あるいはまた債権の処理に関して、お話を聞く限りにおいて、絶大な権限が金融整理管財人に与えられている、僕はこういう印象を持ちます。そしてまた、その金融整理管財人がどういう形でもって選ばれてくるのかということも非常にあいまいとしております。
 そういう中で、いろいろなうわさされる問題が多々いろいろなところから出てきている。僕は基本的に一般論で申し上げているんですけれども、当然、普通、一つの案件を処理するに当たって、いろいろなところから、高いお金で買いたい、そういうものがあるとするならば、それを全部受けて、そしてその上で、高い値で買ってくれるところに売却するというのが当たり前のことなのではないのか。しかし、そういうことが原則としてできない場合もひょっとしてあるかわからない、いろいろなものが裏にあるかもしれない。しかし、原則論としては、それは一般公募で売却すべきである、そういう基準だって立てられるはずなのではないのか。
 ところが、基準にもならない迅速で、一般公募というのは、時間がかかってしまうのか、そうじゃないでしょう、期日を決定すればいいわけだから。そういう原則も立てないままに、どのようにして、先ほど副大臣が言われている適切な行為、これを判断することになり得るのか。その基準を示さない限り、適切か不適切かというのはわからないじゃないですか。監査法人が入ったとしても、監査法人との間で話し合いでやられている、どういう基準に基づいてやっているのかということがない限り、チェック機能は果たすことができないんじゃないですか。
 そういう意味において、何らかのチェックする制度というものを設定すべきなのではないのか、この点について、大臣、いかがお考えですか。
竹中国務大臣 先ほどから伊藤副大臣が何度か答弁させていただいていますように、金融整理管財人というのは、確かに、委員御指摘のように、余り我々にも、一般の方々にも、どういうことをやっているかなじみがないし、なかなかその活動については難しい面があるんだと思います。
 これは、副大臣が答弁しましたように、要するに、管理を命ずる処分があったときは、被管理金融機関、管理される金融機関を代表して、業務の執行並びに財産の管理及び処分を行う権利、これは金融整理管財人に専属するわけですね。その意味では、絶大なというふうに言われましたけれども、非常に大きな権限と、その裏腹に責任を負っているということになるんだと思います。
 これはしかし、それに対して我々はどういう立場にあるかというと、まさに、内閣総理大臣は、任命するわけでありますけれども、この管財人が財産の管理を適切に行っていないと認めるときはこれを解任することができるという形で、人事権の行使を通してそれをチェックするシステムが一つある。しかし、これはまさに経営そのものだと思うんですね。新しい被管理金融機関を代表して、その財産の処分等々の権利を専属的に持っているわけでありますから。それ一つ一つについて、もし、何か基準をつくれということであれば、これはやはり非常に難しいのではないかなと思うんですね。ただし、これは適切かどうかという非常に相対的な中で、不適切なときは解任するという形で、我々は、そのチェックを行う。
 もう一つは、これは別途、今、仮に、本来十億で売れる資産を五億で売ったということであるならば、これは、被管理金融機関を代表して誠実に行うというその仕事に対して明らかに背任の行為になってくるんだと思うんですね。これは正確に法律はどの条文で読むのかはともかくとして、これは背任として、当然のことながら司法上の問題になるでありましょうし、これはこれでやはりきちっとチェックが私はなされていかなければいけないんだと思います。
 先ほどから一般公募の話が出ておりまして、本当に時間があるのであるならば、善良なる管理注意義務としては、できるだけ一般公募に基づいて適切な価格で売るというのは、これはやはり望まれる一つの姿であろうというふうに思います。
 委員の念頭にあるのがどういうケースであったのか。何カ月かあったというふうにおっしゃいますけれども、これは、要するに、受け皿機関に引き継がれないで、さあ、RCCに行くか処分するかというふうになった、そのときからどのぐらいの期間があったかというようなことも、個別には当然重要になってくると思うのであります。
 そこは、まさに非常に重い責任を持った、一方で公的な責任を負っていて、一方で財産の処分する権利を専属している大きな責任を負っている人でありますから、当然のことながら善良なる注意管理義務があるわけで、それを適切に行っていないと認められるときは、金融庁としても解任とかそういう行為をとるであろうし、さらには、先ほど申し上げた背任がないかどうか、別の法律でしっかりと見ていくべき問題であろうというふうに思います。
東(祥)委員 副大臣、整理管財人の仕事を終える、つまり、破綻した金融機関が受け皿金融機関に営業権が譲渡される、そこで、基本的に管財人の仕事というのは終わるんですよ。その後、清算人というのが残っているんですよ。
 僕は、ブリーフを受けましたけれども、どうも、管財人が、その後、清算人にもなっていく。その人は僕に、管財人というのはお医者さんだ、病名をちゃんとはっきりさせた上で、健全な部分、不健全な部分、これを整理する、そして清算人というのは葬儀屋さんだ、そういうふうに僕に説明してくれたんですね。
 ただ、よくわからないんですよ。どうして、受け皿金融機関に渡した後、清算人という仕事があるのか、管財人と清算人の仕事というのは違うんじゃないのか。まず、この点に対して質問させていただきたいんですが、管財人が、その後、清算人になるというのは普通なんですか。いかがですか。
伊藤副大臣 金融整理管財人に関しては、その管理を終了した後に清算人に就任することを禁止する規定はございませんので、法律上、問題はございません。また、そうした事例はしばしば見られることでございます。
東(祥)委員 しばしばというのはどういうことですか。病院が葬儀屋をやっているというケースもあるんですね、確かに。しかし、それは大多数じゃないですよ。
 そうすると、例が適切かどうかわかりませんが、基本的に、管財人が清算人をそのまま引き継ぐ、引き継ぐのかどうかわかりませんが、そもそも、名前が違うんですから、機能も違うんだろうと思うんです。それは後ほど質問させていただきますが、どれだけの件数があって、そのうち、どれだけが、管財人を終わった後、清算人になっているのか、パーセンテージで言えますか。
伊藤副大臣 破綻金融機関が、事業譲渡が行われた結果として清算法人となった場合には、当該清算法人は金融機関ではなくなりますので、当局の監督下にはなくなることになります。
東(祥)委員 そうすると、清算人というのはだれが任命するんですか。例えば、管財人がその破綻した金融機関との間で何らかのコネをつけて、そしてその後、整理しなくちゃいけない法人になっていくときに清算人になる、そのときには金融庁というのは全く関与しないことになるんですか。
伊藤副大臣 これは商法等の規律にゆだねられておりまして、清算法人の清算人の選任というのは、商法等の規律にゆだねられて、総代会での選任や裁判所での選任が行われることになるものでございます。
東(祥)委員 大臣、ちょっとおかしいんじゃないですか。破綻した金融機関、その債権あるいはまた資産を処理していく、そこに預保法上与えられている権限を金融整理管財人は行使していく。そして、その結果として、どうしても健全債権として移譲できない問題に対しては、それなりの国の手当てをしていかなくちゃいけなくなる。そこを、極めて重要な役割を金融整理管財人が行っているわけですよね。
 そして、その後、その破綻した金融機関のいわゆる清算人として、この管財人がそのままい続けるということに関して、金融庁の監督も離れてしまう、任命も離れてしまうということであれば、そこに何らかの問題あるいは疑義が生じたときに、清算人に対して一体どうなっているのかということを質問せざるを得なくなってくる。
 しかし、その清算人が金融整理管財人であるとするならば、そこで起こってきたことに対して、自分自身、すべて自分なりの解釈を施して説明することができるようになってしまうんではないのか、このように私は疑義を呈させていただきたいと思うんですけれども、いかがなんですか。いわゆる公的資金、それを扱っている国として、そこにはちゃんとしたルールができ上がっていないんではないのかというふうに思うんですが、この点についていかがですか。
伊藤副大臣 ちょっと先生の御質問の趣旨を十分理解していないところがあるんですが、これは、事業譲渡が行われておりますので、その事業譲渡が行われて、つまり、もう金融機関としての形がなくなっているわけであります、清算法人というのは。したがって、この当該の清算法人は金融機関でなくなるということで、私どもとして、監督下にないという状況になるというふうに認識をいたしております。
東(祥)委員 ただ、大臣、今後の問題を考えたときに、あくまでも金融庁としては、金融整理管財人に不正は生じない、不正はあってはならない、こういう視点で、常に性善説に立っているのかわかりませんけれども、私は江東区にいて、長谷川平蔵、いわゆる鬼平犯科帳ですよ、いいことを言っているんですね。人間として、すねに傷を持たない人間っていないと言うんですよ。僕はそのとおりだなと思いますね。同じ平蔵ですけれども。
 そういう意味におきまして、私たちが扱う問題というのは、何度も僕は繰り返し申し上げさせていただいておりますが、それは国民のお金なんですよ。それを扱うに当たって、それを考えていくに当たって、今までの答弁をずっと聞いている限り、余りにも金融庁というのは、国の資金を扱うに当たって、その責任感がほとんどないんじゃないのかな。丸投げしてしまえばそのまま、そこで何が起こってくるかは、それはその人が罪をかぶればいい、こういう話ですよ。
 金融整理管財人に関しても、それも新しい仕事なのかわかりません、過去なかったんだから。それに対して、数年の経験を踏まえた上で、制度的に問題があるんではないのかということを僕は提起させていただいているんですよ。だから、新しいことを新しいチェック制度といいますか、それを当然、大臣の指導のもとに検討していくべきなんだろうというふうに思うんですけれども、いかがですか。
竹中国務大臣 お尋ねの問題に関しては、私は高度の法律論的解釈は得意ではありませんけれども、これは基本的には、今、管理を命ずる処分というのが行われて、管理を命ずる処分が行われたときに金融整理管財人が着任して仕事を行う。事業譲渡とかしてしまうと、その管理を命ずる処分が停止されますので、そうすると、金融整理管財人の仕事としては終わってしまう。その瞬間に、事業譲渡等々で金融機関でなくなりますので、金融庁の管轄からも離れてしまう。法律的には、副大臣申し上げたようなことが現実には起こるわけだと思います。
 委員お尋ねの件は、結果として、しかし、こういう制度というのは、まさに金融整理管財人、先ほど仙谷委員は、そういう人は余り日本にいないんだというふうにもおっしゃいましたけれども、そういうことも含めて、制度自身が新しいですから、これは常に制度そのものは進化をさせていかなければいけないという宿命を負っていると思います。我々の銀行の資産査定にしても、法律でこれが義務づけられたのはほんの実は数年前の話で、それを我々今一生懸命、制度を少しでもよくしよう、進化させようとしているわけでありますので、そうした問題については、私なりには勉強はしてみたいというふうに思います。
 ちょっと、今すぐ、どういう事例についてどういうことが必要だ、どういう方向で検討するというようなことは申し上げられませんけれども、御指摘のような管理を命ずる処分が生じた場合に、それがうまく制度として機能していくかどうかということについては、常に制度を進化させなければいけないという観点から、これはぜひ私なりに勉強をしてみたいと思います。
東(祥)委員 これは副大臣が答えてくれればいいと思うんですが、基本的に、金融整理管財人というのは皆さん弁護士ですか。弁護士でない金融整理管財人というのは過去にありますか。
伊藤副大臣 金融実務家でありますとか、あるいは会計士が選任されるケースもございます。
東(祥)委員 それは、あるんですね。かなりのパーセンテージであるんですか、弁護士だけじゃないんですか。
伊藤副大臣 通常、二人任命されるケースが多うございますので、その中の一人として金融の専門家が入るということがあります。
東(祥)委員 それは、今までの破綻した金融機関、そしてそれに就任した管財人で、その後その人たちがどういうふうになっているのかというデータを全部いただけますか。これは金融庁に申し上げますが、時間がかかっても構いませんから、今すぐということじゃありません、それをお願いしたいと思います。
 さて次に、管財人の管理下にある金融機関が、これが極めて重要なんですが、従来と同様の融資を継続できない状況にあることは十分理解することができます。しかし、そのような事情があるからといって、その金融機関の破綻とは無関係の多くの中小企業を苦しめるようなことがあってはならない。そこで、竹中さんがよく言われるとおり、リレーションズバンキングだとか、竹中大臣は言葉をつくるのが巧みですよね、中身が僕よくわからないんですが。そういうことはあってはならない、その認識は一致しているわけです。
 問題は、金融庁の担当大臣としてやらなければいけないのは次の質問でありまして、破綻した金融機関の取引先への円滑な資金供給のため、どのような措置を講じているのか、これが本質的な問題になってこざるを得なくなる。それは、先日言われた、いわゆるリレーションズバンキングということにもかかわってくる問題ですけれども、それはどのように、竹中平蔵大臣のもとで、いろいろなデバイスがちゃんとつくられ、やっているのか、説明していただきたい。
伊藤副大臣 今先生御指摘をされたように、今の問題は大変重要でございまして、金融機関が破綻した場合に、善意かつ健全な借り手に対して救済機関にしっかり引き継いでいくということがまずもって重要であります。
 このため、金融整理管財人に対して救済金融機関の早急な確保を要請するとともに、地方自治体や民間、政府系金融機関等に対し、善意かつ健全な借り手への信用供与、このことに対する円滑性というものを確保するために、迅速かつきめ細やかな対応を要請してきているところでございます。
 また、政府といたしましては、取引金融機関の突然の破綻に伴い、経営上の困難に直面した中小企業に対して、政府系金融機関によるセーフティーネット貸付制度やあるいは信用保証協会によるセーフティーネット保証制度を用いて、連鎖倒産といった事態を防ぐための対策を講じているところでございます。
東(祥)委員 何か不安を感じちゃうんですけれどもね。要するに、伊藤副大臣も現場をいろいろと知っているわけだから、いかに中小零細企業が大変な状況にあるかというのはおわかりいただけるでしょう。その人たちに説明するように説明しなければ、何を言っているのかわからない。
 つまり、金融機関が破綻した、そして、融資を受けている中小零細企業は、自分たちは今までどおり融資をちゃんと受けられるんだろうか、受けるべき金融機関がなくなっちゃった、どうするのか、それに対して答えていないじゃないですか。その重要性は私は認識しています、政府としてセーフティーネットワークもちゃんと張っております、だから何なんだと。だから私たちは借りることができるのかできないのか、そのことに対して明確な答えを出さない限り、それは答えになっていないんですよ。わかるように説明してくれませんか。
伊藤副大臣 わかるように具体的に説明をさせていただいたつもりなんですが、私の説明が十分でなかったのかもしれませんけれども、第一に、これは救済金融機関に速やかに引き継ぐことが極めて重要でありますので、したがって、金融整理管財人に対して救済金融機関を早急に確保してもらいたい、このことを要請していくということであります。
 そして同時に、地方自治体や民間、政府系金融機関に対して、善意かつ健全な借り手への信用供与の円滑性というものを確保するための迅速かつきめ細やかな対応を要請しているところでありまして、金融庁としましては、財務省、中小企業庁に対して、そして財務局は、都道府県、関係市町村、地方の経済産業局、こうしたところに要請をしているところでございます。
 先ほど私が、セーフティーネット保証・貸付あるいはセーフティーネット保証制度についてお話をさせていただきましたが、これは制度でありまして、そうしたセーフティーネットの制度というものを私どもとしてはしっかり確立をしておりますので、そうした制度を用いて連鎖倒産といった事態を防ぐための対策を講じているところでございます。
東(祥)委員 時間が来ましたので終わりますが、伊藤さん、金融機関が破綻して、そしてその金融機関が受け取ってもらえる新たな受け皿機関、迅速につくってもらうのは当たり前のことじゃないですか。数カ月間そこに時間がかかったならば、どうするんですか。今まで破綻する前の金融機関からちゃんと融資を受けていたところが、その金融機関がなくなってしまって融資を受けられなくなる。どうするんですか。それに対してあなたは答えていないでしょう。そのことを僕は申し上げているんですよ。
伊藤副大臣 お答えしているつもりでございますけれども、私どもとしましては、関係の機関に対して要請をしているだけではなくて、セーフティーネット貸付・保証制度というものを設けているわけでありますから、そうしたものを活用して迅速かつ適切な対応をしていきたいというふうに思っているところでございます。
東(祥)委員 今まで融資を受けていて、そして問題がなかったところは、その金融機関が破綻したとしても、何らかの手でその後も一貫してその融資を受けられると、そういうものを政府は完備しているということを言っているんですか。重要なことを言っているんですよ。それに対して明確に答えてくださいよ。それで終わります。
伊藤副大臣 今お話をさせていただいたように、政府におきましては、セーフティーネットとして、具体的にセーフティーネット保証・貸付あるいはセーフティーネット保証というものを用意させていただいていて、具体的な実績も上がっているところでございます。
東(祥)委員 では、議論がかみ合いませんが、また機会あるごとに御質問させていただきたい。
 以上で終わります。どうもありがとうございました。
小坂委員長 次に、吉井英勝君。
吉井委員 日本共産党の吉井英勝です。
 きょうは私、最初に、この法案によって生保会社が破綻前に予定利率等の契約条件を変更できるということにした場合に、引き下げ対象、九五年以前の契約者になりますが、要するに一体どれだけの人がまず影響を受けることになるのか、この辺のところから入り口として質問したいと思います。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 今回のスキームは、既に御案内のように、保険会社や保険契約者の自主的な判断、自治的な手続のもとで予定利率の引き下げが行われるものでありますことから、引き下げの対象等についても、自治的な手続の中で個々のケースに応じまして決定されるものでございます。したがいまして、どの程度の保険契約者が影響を受けるかということについてお答えを申し上げるのはなかなか困難でございます。
 ただ、その契約条件変更の対象となり得る契約件数につきまして、御参考までに申し上げますと、全社ベースでの個人保険及び個人年金につきまして、予定利率が三%以上の契約が大宗を占めます平成七年度以前の契約件数は五万一千四百四十四万三千件でございまして、個人保険あるいは個人年金全体の四二・〇%となっております。
吉井委員 それは、けた数はそれで、けたが違うでしょう。
藤原政府参考人 済みません、ちょっと読み間違えまして。
 契約件数は五千百四十四万三千件でございます。
吉井委員 何かやけに少ない話だなと思ったら、むちゃくちゃで、五千百四十四万件なんですよ。全体の四二%にかかわってくる。
 それで、金融庁資料でも出ておりますが、責任準備金残高の中で予定利率三%以上の契約に対応する責任準備金残高を調べてみれば、個人の保険については七〇・五%。だから、お金の方で見たときに、七割に当たる人が予定利率引き下げの対象になってくる、これは、もちろん全部がやった場合の話ですけれども。そういうことになるんじゃありませんか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 個人保険と個人年金の責任準備金を合計いたしましたもので見ますと、一九九六年以降のものが大体二九・五%でございますので、それ以前のものが逆に七割あるということでございます。
吉井委員 それで、生保商品ごとに見たとき、これはあらかじめお願いしてあるんですが、九五年以前に契約された件数と、利率引き下げで引き下げられる保険金額は幾らになるのか。終身保険とか養老保険とかいろいろありますね、その件数と金額。お願いしてあるのが今わかるならばお聞かせいただきたいし、頼んであるがまだ大分時間がかかるということであれば、調べてからということになるでしょうが、どうですか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のものの中で、終身保険につきましては、予定利率三%以上の契約が大宗を占めます平成七年度以前の契約件数が五百二十九万二千件、終身保険全体の四七・五%となっておりますが、定期保険や養老保険につきましては、数字を今持ち合わせておりません。
吉井委員 実は、今の五百二十九万件というのはわかっている話なんですが、金額としてはどれぐらいになるのかとか、その他のものについても、やはり全体像がきちんと審議をやっていく中でわかるということが大事なことなんですから、これは速やかに集計をするなり試算をするなりして、これは今間に合わなければ後ほど資料としてまず出していただきたい。
 金融庁試算では、将来受け取る保険金が最大四割削減されるという契約者が出るわけですが、これは国民にとって生活設計に大打撃ですね。加入年齢が若い契約者や、貯蓄性の高い保険商品を購入した契約者は明らかに大きな金額の削減になるわけです。実際、私もいろいろ生保の現場の方に問い合わせをしたりして、今現実にどんな声が出ているのかということを聞きました。例えば、日生の契約者の方から、古い契約で、年金プラスアルファで必死に積み立ててきた、予定利率引き下げが実際にやられたら、下がったらどうなるんだ、直ちに計算してくれ、こういう心配の声が実際には現場でいっぱい出ていて、その中で、本当に相談を受けている人自身が、若いときからいろいろお願いして頑張ってもらって、もう胸が痛くなってくると。これが実際の現場の声ですよ。大体、生活設計が成り立たないとか、契約違反じゃないかという怒りの声が現場では本当に満ち満ちているということをまず言っておきたいと思います。
 それで、これは私、竹中大臣に聞いておきたいんですけれども、大臣、本会議でも聞いたときにあなたは答弁を避けておられるんですが、公的年金がどんどん改悪されてくる、私契約の生保、年金まで削減となると、その中で、将来に備えた自助努力として、みんな頑張って生保に加入して保険料払ったりしてきた人が将来設計も狂ってくるという話ですから、一体、契約者にどんな責任があるというふうに考えているのか。これは本会議で質問したんですよ。そのとき答弁漏れていますので、はっきり答えていただきたいと思います。
竹中国務大臣 今吉井委員が、問い合わせのある保険会社の皆さんが本当に長い間お願いしてきたのに胸が痛いという御紹介がありました。その事情は私なりに非常に理解しているつもりです。
 しかし、我々、今直面している問題は、とにかく資産の価格が、株も土地もこんなに下がってしまって、その結果として、利回りが本当にバブルのときに想定できなかったような時代になってしまっているという事実なんだと思うんですね。これは、先ほどの例で申し上げると、生保の方は確かにそういうお問い合わせがあったら胸が痛むと思います。
 しかし、これはあえて比較のために申し上げますけれども、本当にこのまま逆ざやをほっておいて、万が一にも保険会社そのものが破綻したような場合にはさらに大きな被害が契約者に及んでしまう。そういうことは避けるという意味では、これは一つの選択肢にしていただくというのが今回の趣旨なんです。
 吉井委員は、これは一体、契約者にどうして責任があるんだというお尋ねでありますけれども、結果的に、現実に金利がここまで下がって、資産の価格が低下したという状況の中で、契約者のこうむるマイナスを少しでも小さくする方法はないかという観点から今回のスキームが考え出されておりますので、この点をぜひとも御理解を賜りたいと思います。
吉井委員 超低金利政策を進めてきたのも政府なんですよね。その結果、国民の所得が銀行等金融機関に移転されているわけですよ。デフレスパイラルをつくってきたのも、これは経済政策の失敗ですよ。何か今のお話を聞いていますと、何か選択肢をいろいろつくってあげたからどうぞというふうな感じなんですが、そうじゃなくて、私が言っているのは、契約者に一体どんな責任があるのか、このことを聞いているんですよ。
竹中国務大臣 繰り返し申し上げますけれども、経済がこのように疲弊してきたというのは、これはやはり十年間我々の社会が、これは政策の責任であり、企業経営者の責任であり、その中で我々自身が、そうしたことの中で少しでもよい結果をもたらすにはどうしたらいいのかということを考えていかざるを得ないというふうに思います。
 どういう責任があるのかということに対する直接的なお答えではありませんけれども、我々としては、目の前に逆ざや問題があり、目の前に将来、より大きな被害をこうむるかもしれない保険契約者がいる、その現実を受けて、保険契約者のために少しでもなるような方法はどういうことかということから、今この法案を御審議いただいているわけでございます。
吉井委員 結局、超低金利政策をやったのも、経営者が個々にやっているんじゃないですよ。政策としてやってきたわけですよ。それから、デフレスパイラルに追い込むような経済政策をとってきたわけですよ。それを、何か人ごとのように言って、それで、契約者にどんな責任があるかといったら、責任はないのに何かぐだぐだ言っているだけで、私は、結局、この問題については答弁できない、それが今の政府のとっている態度だ、答弁不能だということを言わなきゃならぬと思います。
 それを、この法案で本当に皆さんが強行した場合には、予定利率引き下げということで、突然、国民の将来に備えたとらの子の財産と言えるものを、その一部を召し上げるという仕組みを国がつくるということになりますから、言ってみれば、こういう契約でこれだけと思ったものが一遍になくなるわけですから、私はこれは国家的詐欺行為と言わざるを得ないということを指摘して、次に、予定利率引き下げという制度について、一体、世界にそういう例があるのかということで見ていきたいと思うんです。
 これは、資料を持ってきていただいて、追加資料などもいただいて、レクチャーも受けましたが、要するに、保険の国アメリカでも過去に実例はないわけですね。イギリスでは、株式会社の保険では条件変更ができない、相互会社の保険でも、既存契約書の中で変更に関する約款がない限り条件変更はできない。フランスでは、株式会社形態の場合、総会決議で条件変更はできない、相互会社でも、総会で規定の改正はできても、保険金の減額や保険料の増額は認められない。ドイツでも、契約当事者の合意で保険金の削減を行ったことはないという御説明ですが、本当にこれは、もともと保険ということを考えると当たり前の話だと思うんですが、まず、世界のこれらの例について確認をしておきたいと思います。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 既に先生の方から、概要、御説明ありましたので、もう少し詳しいところを御説明させていただきます。(吉井委員「詳しいことはもういい。確認しているだけ」と呼ぶ)よろしいですか。
 それでは、諸外国におきます予定利率の引き下げに関する方針につきましては、一つには、アメリカ、イギリス及びフランスにおきましては、法令上、既契約の予定利率の変更を可能とするような規定はないものと承知いたしております。また、ドイツにおきましては、保険監督法第八十九条におきまして、監督官庁は、生命保険会社が永続的にその義務を履行することができないことが明らかになった場合には、保険契約に基づく義務を、その財産状況に応じ削減することができる旨の規定がございますが、これは破綻に近いケースが想定されているものと承知いたしております。
吉井委員 要するに、前三者はなく、ドイツについておっしゃったんだが、これはあらかじめレクで聞きますと、発動した例は一回もない。ですから、ないわけです。世界で利率引き下げの例がないという、その理由は何ですか。
藤原政府参考人 私ども、調査いたしましたが、理由については定かではございません。
吉井委員 提案するなら、それぐらい調べておくのは当たり前でしょう。ちょっとひど過ぎると思うんだね、これ。
 それで、世界もそうなんですが、日本でも、契約者間の信頼関係なしには存在し得ないんですよ。一定額の保障という信頼を崩したら、この保険という制度は成り立たない、これは当たり前のことでしょう。
 だからこそ、皆さんの方は保険の専門家だから保険を研究してはると思うんだけれども、法律学全集の大森忠夫さんの「保険法」の中で、「私保険制度といえども、経済的には多数人からの拠出金を基礎とする一種の社会的貯蓄制度として、またとくに多数の加入者に対する経済生活の安定保障の制度として、社会的にも重要な機能をもっている。」加入者、つまり契約者ですね、「加入者は経済的に比較的弱小で、かつ保険に関する知識経験に乏しい者である場合が少なくない。」つまり、契約者は弱者なんだということを言っているんですよ。保険会社は強い立場にある、強者だということを言っているんです。
 「また保険取引の大量的処理の必要から、保険契約は業者の定める定型的条款に従って処理されるところの附合契約と化する。従って、保険関係の成立および内容についてこれを当事者間の自由合意に任せる場合には、加入者の利益が不当に害されるおそれがありうる。国家が私保険事業に対して免許制度をとり、その事業形態を制限し、普通保険約款についても認可制度をとり、」「保険制度の公共性や社会性を考慮に入れなければならない。ことに、加入者の利益が不当に害されないよう、契約当事者間の私法関係についても強行法的規準を設ける必要が強調される」と。
 つまり、契約者は弱者で、会社の方は強者という関係にあるからこそ、契約当事者の自治として野放しにされる問題じゃないと。皆さんの方がプロだから、そういう大森さんなんかのものはよく研究されてのことと思いますが、これが通説ではないんですか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 今、質疑通告になかったそういうものを読まれまして、私どもも、保険に関しましての通説はかなりいろいろあると思っております。先ほどちょっと諸外国の例でも申し上げましたが、現在においてはすべての国にないわけでございますが、実はかつて、ドイツにおきましては、日本の旧保険業法のような規定、要するにそのモデルになった規定もございまして、それも一つの保険理論として成り立っておったということを考えますと、必ずしも一つの通説が支配的だということにはなっていないと思っております。
吉井委員 この大森さんのは読まれたのか読まれていないのかそれは知りませんけれども、当然これまでの保険法についてよく御研究の上だと思うんですけれども、何かいろいろあるということは言ったんだけれども、大森さんの方は都合が悪いから読んでいないのか理解しておられないのか知りませんが、要するに、保険契約というのは信頼、これが基礎なんですよ。
 力関係の上で、情報にしても経済力にしても何にしても、圧倒的に強者の会社と弱者の契約者との間では、当事者間自治ということでは簡単に野放しにできない、済まされないということがあるから、だからこの法律があるんだというのが、これは当然のこととして理解しておられるはずなんですよ。何か今度違う法律を出してくるので、慌てて通説を変えようと思っておられるのかどうか知りませんが、通説というのは、あなたの方の解釈で決まるものじゃありません。
 一般に、商行為に関する法規ということであなたがおっしゃるんだったら、これはいわゆる任意法規であるというのが原則ですよ。保険契約も商行為の一部に属する限り、この一般原則に従うはずなんです。しかし、保険制度の技術性、社会性を考慮するときは、「ある種の規定は加入者の不利益に変更することをゆるさないいわゆる半面的強行規定とし、ある種の規定は契約当事者のいずれの利益にも変更をゆるさない全面的強行規定とすることが必要または適当と考えられる。諸外国の立法が保険契約に関するある種の規定を加入者の不利益のためにも変更をゆるさない絶対的強行規定としているのは、まさにこの趣旨である。」
 これが法律学全集の中で示されているところだと思うんですが、政府参考人の方は、こういう立場の理解は全くお持ちじゃないということですか。
藤原政府参考人 私ども、先ほどから大臣からも御答弁申し上げておりますように、現在置かれております逆ざや状態というようなものが保険集団の中で大変大きな影響を及ぼしているということが、今回、保険集団、もちろん保険会社と保険契約者の私法上の関係でございますが、これにつきましても、保険集団間の中の自治的な手続、保険契約者の参加を求めて、そういうある一定の歯どめ、例えば、責任準備金をカットしない、あるいは予定利率の引き下げについてもある一定の歯どめを設ける、こういう歯どめのもと、自治的な手続の中でそういうことが行われることについては、これは合法的なものであるというふうに考えております。
吉井委員 私が聞いていますのは、どうも最近大分状況が変わったという、そんな話を聞いているんじゃないんですね。だから、これは今も言いましたように、法律学全集の中でも、保険法というものについて、「諸外国の立法が保険契約に関するある種の規定を加入者の不利益のためにも変更をゆるさない絶対的強行規定としているのは、まさにこの趣旨である。」と。
 だから、さっき実例を挙げて、諸外国の例もみんなないんですよ。そのことを聞いているんですよ。しかし、保険法についての考え方というのは、諸外国の考え方とも日本の通説とも違うんだと。何かおっしゃるんだったら、どこがどう違うのかお聞かせいただきたい。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 諸外国に例を見ないとおっしゃっておられますが、現在確かにないわけでございますが、かつては、日本の旧保険業法の手本となりましたドイツの保険業法というのもそういう立場からなられておりまして、必ずしもそういうものがないというわけではございません。
吉井委員 何か昔々の、古代史とまではいかなくても、ここは歴史の議論をやっているんじゃなくて、今はないわけです。ドイツの例もさっきおっしゃったけれども、これはレクに来られた方も、しかし発動したことは一回もないと。ドイツの例でも、今の話でも大分違うわけなんですけれども、要するに、発動した例もない。世界に例がないんですよ。
 しかも、日本の法律学全集の中でも、これは諸外国の立法が、要するに、加入者の不利益のために変更を許さない絶対的規定としているのは、まさにこの趣旨なんだということで、先ほど述べたことをきちんと言っているんです。
 そういう法律学の上からしても、出してきたものは全くおかしいものであるということを申し上げまして、もうこれは、さっきおっしゃったような最近の状況を余り言わない方がいいですよ。それを言うんだったら、午前中から議論されておりますように、死差益、費差益、利差益について、逆ざや逆ざやと言うけれども、それは利差益の話だけなんですよ。全部情報を公開しないことには議論できないんですよ。だから、そういう話を持ち出してはいけないということを申し上げます。
 次に、金融審議会保険ワーキンググループ座長の山下友信東大教授は、国際的には、なかなかそういう、要するにこの利下げをやる制度は、他の国でもほとんどないわけで、「仮に提案するとしますと、それは今の生命保険業界がどういう状況になっているのかということについて、国民的コンセンサスを得ないとできない話です」と。これは、二年前の四月二十五日の金融分科会第二部会第三回の議事録に出ております。
 この山下先生はそういう指摘をされたんじゃありませんか。
藤原政府参考人 二年前の山下先生の発言についてちょっと今調べております。
吉井委員 大体、レクに来ていただいている方は全部この金融審議会の話、私は金融の審議会なんか詳しい方じゃありませんけれども、レクに来ていただいている方はみんな詳しい方で、そういう方たちはみんな頭にインプットされているわけですよ。だから、レクいただいていることに基づいて私は金融審議会の問題についても聞いているんですが、調べておいてもらうとして、次のことも聞いておきます。
 二年前の金融審議会では、二〇〇一年九月の第二部会、「今後の進め方」というまとめの中で、一般契約者等は、その大多数が制度の導入に反対の意思表示をし、生保会社もほとんどが反対の立場を表明している。これは、読んだらそのとおり書いてありますから、読んだとおりを言っているんです。また、予定利率の引き下げなどというこの制度は、国民・保険契約者の理解の上、社会的な認知が十分得られてこそ初めて導入が可能としているんですね。そして、パブリックコメントに寄せられた声の九割が反対という結果だったと思うんですが、これはどうなんですか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 生命保険の予定利率の引き下げに関しましては、御指摘のように、金融審議会第二部会におきまして一昨年議論が行われまして、十三年の六月に「生命保険をめぐる総合的な検討に関する中間報告」が出されました。それを踏まえまして、いわゆる広く意見を求めた結果が、今先生のおっしゃったとおりのお話でございまして、同年九月には「生命保険をめぐる諸問題への対応―今後の進め方―」というものが取りまとめられたところでございます。
吉井委員 ですから、座長の山下東大教授も、要するに世界に例がない、それは私がさっき、皆さんも答弁され、私も指摘したとおりなんです。そして、その上に立って、では、今のことについては、パブリックコメントを求めたら、反対の声が九割。その声の中には、保険は約束は命、その約束を変更するというのは、保険という事業そのものを否定することになると書いてありますね。生保だけではなく、固定利率をうたっている金融商品がすべて怪しいものと感じられてくることになる。つまり、金融業界全体が不信を食らうことになるんですよ、こんなことをやっておったら。
 そこで、竹中大臣に伺いますけれども、この声という結果を踏まえて、現時点では制度導入の前提となっている環境は整っていないと判断せざるを得ないとして、二年前には法案化を断念したわけですね。ことし五月十二日の金融審議会では、「意見が一致できるというわけではない」とまとめているんですね。書いてあるから、私、そこを読んでいるだけなんですけれどもね。一体、法案提出までの二週間ほどの間に、どのように社会的認知が得られたと竹中大臣は判断しておられるのか。パブリックコメントを聞いたかどうかの話じゃないですからね。社会的認知が得られたと判断しておられるのかどうか、これを伺います。
竹中国務大臣 金融審議会の二年前の山下先生の御指摘は、ぜひ確認をもう一度させていただきますが、実は、五月十二日に開催しました金融審議会で、山下委員は、生命保険をめぐる環境に関して、二年前より経営環境は悪化している、経営の選択肢をふやすことに意味があるのではないかというような御発言をされたというふうに伺っております。その意味では、この二年間の生保をめぐる経営環境の変化というものは、これはこれでやはり専門家の方々もしっかりと受けとめていらっしゃるのではないかというふうに認識をしております。
 一昨年の金融審議会で議論されたときに、国民の合意を得るためにも、それ以前にいろいろなことをやらなければいけないという御指摘は確かにございました。これは、財務基盤の充実、それに関しては、社員配当ルールの弾力化でありますとかさまざまなことを行った。保険契約者からの信頼の向上ということで、ディスクロージャーに関しましても、十四年三月に保険業法の施行規則の改正等を行いました。その意味では、主として財務基盤の強化、それとディスクロージャー、さらには多様な商品開発等の促進、これについても、企業向け商品の届け出制への移行など、行政の方でも対応できることをやった。つまり、二年の間に、やはり生保を取り巻く環境の変化、それと、一方で課題とされた幾つかの問題に関しての前進があったというふうに認識をしております。
 先ほど御紹介しました五月十二日の金融審議会につきましては、基本的には、行政側がそうしたことを対応するところについては了とするという意味で、そういう意味での御意見は得られたというふうに聞いておりまして、大変いろいろ難しい問題はありますけれども、機は熟してきているというふうに認識をしているわけでございます。
吉井委員 私がお聞きしたのは、パブリックコメントを今度とったかどうかの議論を今しているんじゃなくて、竹中さんは社会的認知が得られたとどういう事情で判断されたのかということを聞いたんですよ。
 東大教授の山下さんのお話をされましたが、山下さんは、二年たった今日も、国際的には利率引き下げなんというような制度は他の国でもほとんどないとおっしゃった話が、二年たった今、変わったわけじゃないんですよ。今日の金融環境、経済環境が変わったということについてお話はされたか知らないけれども、二年たって世界にこういう例が生まれたという話じゃないんだから、山下さんの例をそういうふうな形で取り上げると、これは先生に対して私は大変失礼なことになるというふうに思います。
 それで、要するに、社会的認知が得られるということにはなっていないんですよ。二年前には認知を得られなかった、だから法案を断念した。今も社会的認知は得られないんですよ。今おっしゃったのは、環境の変化を口にしただけなんです。
 そこで、では生保業界の方がどういうふうに今、さっき少し現場で対応している人、苦労している話を言いましたけれども、どういう状況になっているかといいますと、A社、B社、C社、ずっとありますけれども、各社ごとに今マニュアルをつくって、文書で回すか口頭指示をやっているかの違いはありますけれども、窓口で何を言っているかというと、大体、予定利率引き下げに関する質問を受けたときの応答話法なり問答集というのをつくっています。例えばA社のマニュアルというのを見てみると、当社は十分な健全性を維持しており、引き下げは断固しない決意です、その意味で当社と無縁な法律です、こういうふうに自信を持って堂々とお客さんに答えなさい。各社ともこれは記者会見で、引き下げ申請には無縁だと幹部の方が語っております。
 この法律は保険業界が求めている法律なのか。要するに、保険に入っている契約者の側は全然求めていないんですね。どうも保険業界が求めているわけでもないと感じられるんですが、この法律は一体だれがつくってくれと求めている法律なんですか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 現在、保険会社は、超低金利の継続のもとで逆ざやというもの、それからさらに、逆ざやだけではなく、保有契約高の減少でありますとか株価の下落というようなことから、大変厳しい経済環境にあると認識しております。こういう厳しい経済状況のもとで、各保険会社においては、健全性の確保を図るために、財務基盤の強化でありますとか提携等を通じた多様な業務展開を推進、あるいは経費の抑制などによって経営基盤の強化に懸命に努めているところと存じております。
 当局といたしましては、今後とも、その経営責任を果たすという観点からも、各保険会社に対しまして懸命な経営努力を行うよう強く促してまいりたいと思いますが、なお、保険会社の方々とはさまざまな機会を通じまして経営の健全性の確保に関し意見交換等を行っているわけでございます。
 本法案については、直接の要請はなかったというふうに承知しておりますが、こういう現下の厳しい状況を考え、保険契約者の保護ということを考えれば、ぜひ現在取り組まなければならないものだというふうに考えております。
吉井委員 保険会社の人たちも経営上苦労しているのはよくわかるんですよ。それは、もともとこういう経済状況を経済政策の失敗でやってきたんだから、これは苦労しますよ。その問題は当然あるんです。これは本会議でも最後の質問でそこはやりましたけれども、またこれからもやりますけれども、きょうは法案にもう少し近いところでやろうと思っているから、経済環境がどうしてこう悪くなったのかの議論はちょっとおいておきます。
 しかし、逆ざや逆ざやと言うけれども、あるいは株価と言うけれども、全部それは、別に保険会社が経営を失敗して逆ざやになっているわけじゃないんですね。もともと経済大失政で経済環境が悪くなってきて生まれているんですよ。
 それで、当事者間自治と言いながら、当事者の保険会社も求めていない、契約者はこんなの困ると言っている。これは何なんですか。生保会社の方のパブリックコメント、二年前にも出ていますけれども、「本制度が存することそのものにより、生命保険事業に対する国民・契約者の信頼を失うことになる」「生保商品が将来の予定利率引き下げの可能性を内包する商品となることによる、他の金融商品との比較における競争力低下も懸念される。」「国際的にみても、破綻時以外に契約条件変更を認める制度を有する国はなく、もしこのような制度を創設した場合、日本の生保業界に対する諸外国からの評価は著しく低下する虞がある。」これが生保会社の皆さん方が出している声なんじゃないですか。
 二年たった今、この声が全部消えてしまった、本制度の存在で契約者の信頼を失っても仕方がないんだ、構わないんだ、皆さんが内々お聞きになったらそういう声に変わっているというんだったら、それはどうも記者会見の内容とは大分違うようなんですが、それならそれでそういうふうに聞かせてください。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 一昨年に中間報告あるいはその後の取りまとめをしたときに広く意見を求めた中で、保険会社自身がこれについて反対したのは事実でございます。
 そのときのいろいろな要因がございますが、特に一番大きかったのは、中間報告で取りまとめられておりますスキームが現実にはワークしない、ワーカブルではないと。特に多くの指摘がございましたのは、一つには、解約を停止しないでこういう手続を進めることに対しての不安、あるいは社員総会で物事を決する、この二つが最大にワーカブルではないというような観点。したがって、そういうようなものに対しての対応を欠いたままこの制度を仕組んだ場合は大変危ない状況になるということが、保険会社の反対の相当の部分の話でございました。
 今回、その指摘を踏まえまして、その部分をかなりワーカブルにするために、社員総会にかえまして社員総代会、あるいは申し出がありました際は、手続が完了するまではその間解約の停止をするというような仕組みの改善を行っております。
 それからもう一つ、今回の決算発表が、つい先日、生保各社あったわけでございますが、その決算発表の席上におきましても、今回政府が提出しておりますこのスキームにつきましては、一般的な制度としてそういうものがあっておかしくない、あるいはあった方がいいというようなことをおっしゃった方々が多かったというふうに聞いております。
吉井委員 そのときの記者会見が出ていますね。申請は破滅に向かう一里塚との声も漏れる、会見では各社とも引き下げ申請に無縁であることを強調したと。こういうふうに、だから、当事者間自治だと言いながら、結局、別に会社の方がこれをつくってくれと言っているわけでもない。実際にマニュアルをつくって現場で指示しているのは、当社は十分な健全性を維持しており、引き下げは断固しない決意です、その意味で当社と無縁の法律だと、問い合わせを受けたらしっかり答えなさいとマニュアルをつくって言っているじゃないですか。
 私は、そういう点で、本当にこの法律は、まず二年前には反対の声があったのを知りながら、では今みんながこれをつくってくれ、つくってくれと変わったのかといったら、そういう声も聞いていないということをさっきおっしゃったわけですが、それで出してくるということ自体が本当におかしい法案だということを言わなきゃならぬと思います。
 大体、予定利率引き下げというのは、一定額の保障という保険商品の特徴を大きくゆがめるんですね。投機性や不安定性を高めるような変額だ何だというものは、金融庁はそっちへ誘導しようとお考えなのかもしれないけれども、保険会社と保険に対する信頼を損なったら、これは保険業そのものの存在意義を失わしめることになる、このことを改めて私は肝に銘じておかなきゃいかぬと思うんです。
 次に伺いますが、ソルベンシーマージン比率二〇〇%を一つの目安にして、いろいろ早期是正措置だとか、あるいは竹中プログラムの早期警戒制度とか、さまざまな仕組みで取り組むという話はけさほど来お聞きしました。また、金融庁は生保に対しても深みのあるヒアリングをするということは前からも言っておられます。つまり、形式上は保険会社の申請なんですよ。しかし、実際には金融庁がヒアリングと称して生保会社に申請を出させるように追い込んでいく仕組みになっていくんじゃないか。これは、これまでから信金信組を破綻に追い込んだし、追い込んだ手法も、やはり私はそのことを強く感じてきました。
 二〇〇一年の六月二十六日の金融審議会金融分科会第二部会の中間報告で、総代会によるガバナンスには限界がありと、さっき言っておられたこととかかわるわけですね。総代会の決議によってのみ変更を認めることは困難、契約者集会等の適切な意思決定プロセスが用意される必要があるというふうに中間報告で書いてあります。
 しかし、この契約者集会を開いて利率引き下げを決めるしかないということになるとしても、実際上、契約者集会というのは不可能ですね。だから株主総会で決定すると。株主総会で決定までは契約者はよくわからない。決定されたらそのことを知って、それから契約者は異議申し立てをしなければならない。結局、これは利率引き下げを認めるという仕組みに変える。
 自治手続を云々されるんだけれども、契約者には、形の上では異議申し立てがあるように装いを凝らしながら、それから会社の方に対しては、これも提案する自治があるかのように装いを凝らしながら、形式上はそうかもしれないが、実際上は金融庁が深いヒアリングということで、これは実際にたくさんの信金信組が一年間で、一昨年、五十八ぐらいつぶされましたね、破綻に追い込まれました。同じような手法で、申請を出さざるを得ないところへ追い込んでいく。
 そうすると、名前は自治手続なんだけれども、これは自治手続などという言葉はとても使えない仕組みになっていくんじゃないですか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 今回のスキームは、何回も御説明していますように、保険契約者の十分な理解を前提にいたしました上で、保険会社と保険契約者の主体的な判断、自治的な手続によって契約条件の変更を行う仕組みでございます。
 具体的には、保険会社は、総代や保険契約者等に対しまして、引き下げの理由や引き下げ後の経営の見通し等を示さなければならないこととしておりますし、また、保険契約者集団における意思決定システムにつきましては、保険契約者数が膨大であるということを勘案しまして、あるいは保険の団体性ということにかんがみまして、意思決定手続を二つに分けておりまして、会社の機関意思決定手続と保険契約者の権利の保護手続、このように二つに分けておりまして、前者の会社の機関意思決定手続は総代会や株主総会の特別決議、それから後者の保険契約者の権利の保護手続は異議申し立て手続の活用ということになっております。
 したがいまして、あくまでもそういう自治手続の中で今回の意思決定をしていただき実施していただくということが基本でございまして、当局が引き下げの申し出を促すというようなことは制度の趣旨になじまず、適当ではないというふうに考えております。
吉井委員 制度の趣旨になじむ、なじまぬの前に、契約者の十分な理解を得てというお話がありました。しかし、それだったら、もともと提案してないんですよ。パブリックコメント、二年前は圧倒的に反対なんですね、九割。それから変わってないのに、十分な理解を得てだったらそもそも提案はしないというのが、これは当たり前のことですよ。
 金融庁の事実上の指示で利率引き下げを進めるということになってきて、それで株主総会で決定し、その後それを知った契約者が否決することができるのかどうか。否決できたらあなたの言っておられる話の何分の一かはあり得るかもしれませんが、二百四十条の十二で、条件変更の通知がなされたときに契約者が異議申し立てを行っても、変更対象契約者総数のうち十分の一を超えるもの、かつ変更対象契約金額総額の十分の一を超える額という非常に高いハードルを設けていますね。これでは、事実上変更を拒否することはできない。
 それどころか、異議申し立てが成立しない場合には全員が条件変更を承認したものとみなすとされていますね。これでは、自治的な手続というのは言葉だけで、実際には、いざ利率引き下げだとなれば、会社の思惑どおり利率引き下げを押しつけていく、こういうことにならざるを得ないんじゃないですか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 今先生の方から、契約者の十分の一、あるいは財産の十分の一超というものについては非常に緩いというような御指摘ございましたが、また他方、ほかの方面からは、これはかなり厳しい、これはよっぽど会社側がしっかりと説明をし、ぎりぎりの案を契約者の方に提案して御理解を得なければ、それでは反対意見が成立してしまうというような、かなり緊張関係を強いるような水準でございますし、また、そういうことにならないように、会社としても、いろいろなことにつきまして契約者の御理解を真摯にいただけるような条件、あるいはその変更、これを考えていかなければいけない。そういう緊張感の中で、この自治的な手続の中で、今回、このことが進められていくということを期待しておるわけでございます。
吉井委員 変更対象契約金額の総金額の十分の一ということなんですよね。それで、変更対象契約金総額というのは、要するに責任準備金のこと、イコールですね。
藤原政府参考人 さようでございます。
吉井委員 それで、お手元に資料を一枚出させていただいておりますが、要するに、異議申し立てに必要な債権額はどれぐらいになるか、責任準備金残高で見たときに。これは、生保各社からディスクローズされているものに基づいて私の部屋の方でつくらせていただきました。
 例えば、日本生命は責任準備金残高が二十七兆二百二十五億八千二百万円、責任準備金残高全体のうち予定利率三%以上に相当する分を見ますと、十九兆七千六十五億九千六百万円、比率でいうと七二・九二%ですね。第一生命で七二・七六、住友生命が七一・六二%、三井生命が七六・八一、朝日生命が八一・二六%、太陽生命で六一・六九%、大同生命六四・四四%。これは実際に調べて出したものなんですが、まず、私の方の議論の前提で、これは間違っとったらいけませんから、あらかじめ金融庁の方にもこれは確認をお願いしておきましたが、まず確認しておきたいと思います。数字間違いないですね。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 私どもの方としても、これは確認した数字でございます。
吉井委員 今確認してもらったんですが、そうすると、例えば日本生命、三%以上が十九兆七千六十五億九千六百万円。つまり、これは残高の七二・九二%に当たるんですが、契約者と金額はもちろんイコールじゃないというのはわかっていますよ、人数と。イコールだったら七二・九二%の人となりますが、そうじゃないんですけれども、契約者と金額がイコールではないが、しかし、おおむね約七割の契約者に影響が及んでくるのがこの部分だと。
 それで、異議申し立てをしようとすると、十分の一ですから、そうすると一兆九千七百六億円、約二兆円に相当する、それだけの契約者の、お金に直したときの分ですが、その人々が異議を申し立てないと利率引き下げを食いとめることはできない、こういうことになるんじゃないかと思いますが、この点も確認しておきます。
藤原政府参考人 そのとおりでございます。
吉井委員 そうなると、要するに、保険業界が一、二の三で全部引き下げを申請したとなると、物すごい金額になるんですが、例えば日本生命の場合、ただ、これらの会社の方は、そもそも健全性を持っているから、うちはこんな法律要らぬのだ、窓口でちゃんと言いなさいというふうに口頭、文書等で窓口に徹底してやってはるところですよね。しかし、仮にそこが利率引き下げを出してきたときに、大体「りそな」に投入する二兆円規模に相当する、これは責任準備金残高でのことですが、十分の一ですから約二兆円ですよ。それだけのものに相当する人たちが異議申し立てをしないことには異議申し立ては成り立たない。
 これは法律上の仕組みからいうとそういうことなんですが、しかし、これは結局、それだけの、「りそな」に投入した金額に相当する異議申し立てをするぐらいの人がいないことには、法律はあるんだけれどもそもそも異議申し立てはできない、異議申し立てが成立しなかったら、みんながこれを認めた、受け入れたことになってしまう、こういうことになるんじゃないですか。
藤原政府参考人 おっしゃるとおり、今回の法律では、十分の一超の人、それから今の責任準備金、この超、これは「かつ、」で結ばれておりますので、その二つが要件になります。
 先生がおっしゃったように、数字を見ればそういうことでございますが、ただ、この異議申し立てと申しますのは、必ずしも今回の予定利率のときだけに存在する制度ではございませんで、現在も、五分の一あるいは十分の一の、両方とも「かつ、」で結ばれておりますが、そういうものをもって変更する手続として保険業法上定着している仕組みでございます。
吉井委員 まず、日生、第一生命、住友生命、三井などでは、大体責任準備金の七割台なんですね。つまり、七割に当たる人が引き下げ対象ということになってくるわけですが、これだけの金額を考えたら、この異議申し立てというのは事実上はできない、ほとんどできないということになってくるんじゃありませんか。
藤原政府参考人 これは例えばの話でございますが、仮に一番大きな日生というのを考えてみますと、保険契約者は一千二百万人いるわけでございまして、その一割というと百二十万人、これが単純に先生も御指摘のように、これはイコールではないんですが、百二十万人の保険責任準備金として一兆円何がしが大きいか少ないかというところは、ちょっと私どもとしても判断はしかねると思っております。
吉井委員 判断しかねるでは困るんですよ。法律上は異議申し立てができるということなんですよ。異議申し立てができるから、だからこれは契約者と保険会社の間の自治の手続なんだということですね。異議申し立てができなかったら自治手続じゃないというわけですよ。しかし、お話を伺っておったら、一千二百万人の契約者で百二十万人、それだけの人が異議申し立てしないと異議申し立てはできないんですが、実際上わからないというお答えなんですよ。
 しかし、異議申し立てが百二十万、これが例えば百十一万だったとしましょうか、百十九万でもいいんですけれども、では、それだけの人が異議申し立てをしたが、しかし実際は、期限を超えて、ああ、そんなことがあったのか、知らなかったということで話があったりして百三十万になったとしても、異議申し立てが成立しない、ある時点で。そうすると、全部これはみんなが引き下げを認めたということになるわけでしょう。これは自治でも何でもないと思うんですね。それでも自治だというお考えですか。
藤原政府参考人 今回の手続は自治にのっとってやるということでございまして、契約条件の変更の申し出が当局の承認を得た場合は、まず公告をすることになっておりますし、それから、契約の引き下げ対象者については全員通知をします。その段階で、引き下げの理由でありますとか、現在の財政状況、将来の財政状況、そういうようなこと、あるいは、先ほどから御議論になっております経営者責任についてどう考えるか、基金、劣後ローンについてどう考えるのかというようなことについて全員に通知をすることになっておりますので、そこは、自分は知らなかったというようなことはないというふうに思っております。
吉井委員 これは一九九七年に破綻した日産生命保険の場合ですが、その保険管理人から出された文書、これは契約者一人一人にもちろん出されるわけですが、日産生命の場合、ではどういう内容のことが言われたかといいますと、異議申し立てが成立した場合ということ、もちろん文書であるんですね。あなたがおっしゃるように、詳しい説明は多分今度の場合も行くのかもしれません。
 しかし、日産生命の破綻のときは、一九九七年八月一日付で契約者に送られた文書の中で保険管理人が言っているのは、異議申し立てが成立した場合、「保険契約はすべて消滅し、保障がなくなります。」「受け取れる金額も大きく減額されます。」「少なくとも数年間は受け取れません。」異議申し立ては御契約者の皆様にさらに不利になりますというおどしですよ。あなたがおっしゃるのは、会社が一方的に送りつける文書なんですよ。実際上、日産生命の破綻のときはこういう文書が送られているんですね。
 会社の方は力があり、情報を独占しているんですよ。一人一人の保険契約者、千二百万人ですから、中には保険に詳しい人がいるかもしれないけれども、そんな人はほとんどいないんですよ。私も保険のことはよくわからないですから。そういう私が、そんな情報も何にもなしに、詳しい財務状況その他、財務状況を書いてもらったところで普通の人は余りわからないんですよ。
 しかし、書いてある言葉は、例えば日産のときのように、「保険契約はすべて消滅し、保障がなくなります。」とか「受け取れる金額も大きく減額」「少なくとも数年間は受け取れません。」とか、異議申し立ては御契約者の皆さんにさらに不利になります、こういうことを書かれたら、異議申し立てしようというふうにならないでしょう。これは、両方が同じ立場で物が考えられて、同じ情報量があって判断できるんですよ。
 こういう文書を送られて、それで十分の一という高いハードルで異議申し立てをして、実際に予定利率の引き下げができるか言うたら、これは竹中大臣、もう政府参考人いいですわ、これは大臣、こういうふうなやり方では、実質的には異議申し立てというのはできないことになってくる。言葉はありますよ、しかし現実にはできない、これがこの法律の持っている怖いところじゃないですか。
竹中国務大臣 今いろいろ御指摘になった点は、これは本当に、保険契約者の権利を守る意味で極めて重要であるというふうに思います。
 実質的にそこらが担保できない可能性があるのではないかと。実質的に担保させるような方法でぜひ実行をさせます。具体的には、どのようなフォーマットで保険契約者に聞くのか。これも、我々はその手続を承認する立場にありますから、そこで責任を持ってしっかりと見ます。
 十分の一が高いか低いか、これはいろいろあろうかと思います。しかし、千二百万の保険集団がいて、もしもこれがきっちりと、我々は、そのはがきの、はがきなのかどうなのか、きちっと本当にやらせなきゃ大変なことになると思いますけれども、先ほど、二年前のアンケートがありましたけれども、もし九割の方が本当に反対されたら一千万人の反対者が出ますから、その意味では、十分の一の反対で異議申し立てが成立するというのは、私は、やはり制度としてはしっかりと機能するものだと思うんです。そのような観点から制度はつくったつもりであります。
 御指摘のように、本当にこれがきちっとワークするようにするのは、これは我々の重要な責任だと思っておりますので、御懸念がないように、ぜひ責任を持ってやるようにいたします。
吉井委員 ちゃんと機能させるように努力するとか目指すというお話なんですが、ただ、今のこういうひどい経済実態をつくってこられた、経済大失政を一方で進めていらっしゃって、その言葉で国民に信頼せよ、納得せよというのは、私はちょっとむちゃだと思うんですよ。
 大体、今おっしゃった自治の手続という話がずっとこの間ありましたが、自治の手続というのは、実態としてはこれはうそだということを言わざるを得ないということを申し上げまして、この続きの議論はまたの機会にして、きょうは時間が参りましたので、質問を終わります。
小坂委員長 次に、植田至紀君。
植田委員 社会民主党・市民連合の植田至紀です。
 先ほどの吉井先生の質疑にもありましたけれども、法案提出に係る経緯にかかわって竹中大臣の方にお伺いいたしますが、ちょっと私の方も復習をさせていただきたいと思っております。
 先ほども取り上げられておりましたように、二年前の中間報告では、この制度は、国民・保険契約者の理解の上、社会的な認知が十分に得られてこそ初めてその導入が可能となるというふうに書いてあるわけです、大臣。ですから、その背景や理由は、私、伺いません。
 第一問目。要は、現在こうして法案が提案されたということは、すなわち、国民・保険契約者が理解をされ、社会的な認知が十分に得られたがゆえに法案を提出したというふうに理解していいでしょうか、竹中大臣。
    〔委員長退席、林田委員長代理着席〕
竹中国務大臣 二つの点を申し上げたいと思います。
 御指摘のように、十三年九月、二年前に金融審の中間報告では、この問題に関して、まず先に取り組むべき多くの事項が存在していると考えられる、その前にやるべきことが幾つかあるだろうという御指摘がありました。そうした御指摘を受けて、この二年間、保険各社においても、また行政当局においても、指摘された問題についての真剣な取り組みを行ってきたというふうに承知をしております。
 例えば、保険会社に関しては、基金の増額、株式会社化等、財務基盤の強化、事務費の削減や合併、業務提携等の経営合理化の推進、幾つか議論になりましたが、ディスクロージャー、それに基づく総代会の運営に関するディスクロージャーの強化などガバナンスの強化。
 行政当局においても、中間報告で指摘された事項を幾つかやってまいりました。昨年、平成十四年の三月には、配当ルールの弾力化、それとディスクロージャーの充実等を内容とする制度整備、さらには、先般成立しました改正保険業法の中に中間業務報告書の作成義務等、これもディスクロージャーでありますけれども、等々を行ってきた。
 そういった前回指摘されたまず先に取り組むべき事項について、それなりの進捗があったというふうに判断しているというのが第一点でございます。
 第二の点は、先ほどからも出ておりますが、五月の十二日開きました金融審におきましても、山下先生初め、こうした制度を一種の選択肢の多様化という観点から整備するのは意義があるというような御意見をいただいた。そうした点を総合的に判断いたしまして、さらに、この二年間の保険業界を取り巻く環境の厳しさを考えまして、こういう法律を御審議いただく必要があるというふうに判断したわけでございます。
    〔林田委員長代理退席、委員長着席〕
植田委員 今私が伺いましたのは、この二年間何をやられたかということを伺ったわけじゃないんです。簡単なことです。国民・保険契約者が理解をされ、社会的な認知が十分得られたから提案されたんですねということだけを聞いたわけです。その経緯を私は今聞いておりませんね。
 もう一度言います。国民・保険契約者が理解をされ、社会的な認知が十分に得られたと責任者たる竹中大臣は判断されたから、今こうやって審議されている法案を提出されたんですね。これはイエスかノーかで、簡単な御答弁だと思いますが、よろしくお願いします。
竹中国務大臣 認知を得るためには保険業界も我々もやらなければいけないことがある、それはやらせていただいた。さらには、幅広い国民各層から出ていただいている金融審議会でも、作業を進めるということは了とされた。その意味で、認知は得られているというふうに考えたわけであります。
植田委員 先ほど第一問目に私が伺った、この話は私は復習のつもりで聞くつもりやった、そんな長くやるつもりじゃなかったんですが、この平成十三年九月二十一日の「生命保険をめぐる諸問題への対応」、もう既に竹中大臣の方が丁寧に引き合いに出されて事の経緯を御説明いただきました。
 「現時点では、制度導入の前提となる環境が整っていないと判断せざるを得ず、まず先に取り組むべき多くの事項が存在している」、そしてこの「取り組むべき多くの事項」についてこの間努力してきたんですということをおっしゃったわけですが、この文言の前段にこういう言葉があるんです。なぜ私がここにこだわるかというと、「このような留意点及び上述の意見募集結果を踏まえれば、」とあるんです。
 ですから、先ほどの竹中大臣の答弁に対応するのは「このような留意点」の部分ですね。ここはいろいろと取り組んだ、それはあくまで竹中大臣の主観でありましょうけれども、留意点の部分はおっしゃった。しかし、「上述の意見募集結果」、当時の意見募集、パブコメの結果について一々私はどんな結果だったかということは申し上げません。今回は、この意見募集の結果、その「まず先に取り組むべき多くの事項」について竹中大臣はクリアしたと主張される。では、その結果、国民の意見募集をしたときに、明らかに二年前と違った結果が出ていなければおかしいわけですが、それを論証するデータすらないわけですね。今回パブコメをやっていない。
 本会議での答弁でも、法案提出に当たって一々パブコメを出さなきゃならないということはないんですというふうなことを答弁されていましたけれども、これまで政府が取り組んでこられた、いろいろ御努力されてきた経緯の中で、少なくとも、国民・保険契約者が理解をする、社会的な認知を十分に得るということを明示的に提示できるようなデータは当然ありませんね。思うと、頑張ってきたので二年前よりは浸透したように思いますというさっきの話です。要するに、それを論証するデータはお持ちではありませんね、当然。
竹中国務大臣 御指摘のように、パブリックコメントには付しておりません。しかしながら、幅広い国民各層を代表して構成されております金融審議会におきまして、五月に開催させていただいて、その中でこうした作業を進めていくことは了とされたという点でございます。
植田委員 先に進みたいと思いますが、今の御答弁ですと、国民の九割は何らかの形で保険に入っているわけですけれども、その九割がすべて金融審議会の先生方にすべてをゆだねたと、そこで決めたんだからもう国民の理解は得られたという非常に粗っぽい御答弁だったように私は思います。
 もう一点、今回の法案の幾つか事前に御説明を受けましたけれども、金融庁さんから概略を説明したペーパーをいただきました。この一枚物、「予定利率引下げスキーム」、これを見ると、早見表で大体どういう仕組みになっているのかということはよくわかるわけですけれども、最初に三行、これは当然ながら、提案者の問題意識を示した文章だろうと思います、当然金融庁さんが出しているわけですから。
 きょう資料として配ろうかと思ったんですけれども、うちの事務所、裏紙でコピーしているのでちょっとはばかられるので、読み上げますが、こう書いてあるんです。「超低金利が継続する中で、「逆ざや」問題を解決し保険契約者の保護を図るための制度として、保険会社・保険契約者間の自治的な手続きにより、契約条件を変更する仕組みを整備する。」
 超低金利が継続しておるというまず現状認識があります。どうにかせないかぬ。そのために二つのことをやります。逆ざや問題を解決するんです。それともう一つ、保険契約者の保護を図るんです。二つの獲得目標があると理解します。そのために何をするか。保険会社・保険契約者間の自治的な手続によって、契約条件を変更する仕組みをつくるということでございます。
 ですから、この保険会社・契約者間の自治的な手続で契約条件を変更する獲得目標は、逆ざや問題の解決と保険契約者の保護。ちなみに、この保険契約者の保護を図るというのは、当然提案者の主観ですから、これからそれが果たしてうそかほんまか、そのことは議論されるでしょうが、この「「逆ざや」問題を解決し」という形でここに文言が書き込まれているというのは、当然ながら、逆ざや問題を解決するその責任が保険会社及び保険契約者にあるというふうに政府はお考えであるがゆえにこういう文章になったんですね。その点はそういうふうに理解させていただいてよろしいですね。
竹中国務大臣 逆ざや問題という場合に、マクロ的な低金利が続いているという状況を指すのであれば、これは政府の重要な役割、マクロ政策の話になります。
 今回、言うまでもなく保険会社のことを問題にしているわけですから、マクロ問題、マクロ政策を問題にしているわけではありません。保険会社及び保険契約者が直面している逆ざやという問題に対して、みずからの利益を守るために、契約者の利益を守るためにどのようにしていったらいいのか、それがここで言う逆ざや問題の解決という意味であります。
植田委員 直面している逆ざや問題というふうにやや論点をずらしておっしゃられましたけれども、そもそも起こっておる逆ざや問題というものを解決する責任はだれにあるのか。契約者にあるんですか。契約者にあるとは私は思わないわけですが、私はそういうシンプルなことを聞いているんです。どうぞ。
竹中国務大臣 繰り返しますけれども、これはマクロ的な問題を議論するのか、既にマクロ経済の中で、マクロの状況をギブンとして、それぞれの経済主体が一生懸命その問題の解決を図っていかなければいけない、この問題はやはり分けなければいけないと思います。
 逆ざやの問題というのは、まさに異例な超低金利が続いている状況にある。このマクロ問題というのは、そうせざるを得ないような客観的な状況がこの十年間で出現してしまった、この問題を解決していくのは、これはマクロ政策上の、政府にとっての重要な課題であるというふうに思います。しかし、現にそこに逆ざやの問題がある以上、各経済主体は、この与えられた状況の中で最善の、最も被害が少ない、最も利益が多いような解決策を当然のことながら模索していかなければいけない。
 そういったマクロの問題と、それぞれの経済主体の対応の問題を区別して議論をしなければいけない。マクロの問題を解決していく責任は政府にあると思います。
植田委員 そういう御説明なものですから、ここの一枚物のペーパー、逆ざやというのをわざわざ括弧つきで「逆ざや」とされているのでありましょうけれども。
 ただ、そうなると、私は、余り深くここは、きょうはその部分で質問するつもりはありませんので、保険会社も契約者も望んでいないような、何で自治的な手続なるものをわざわざ政府が用意するんだろうかという疑問は、当然、なおさら今の御答弁を伺っていると氷解しないわけです。それはまた別途の機会ということで、きょうは、ちょっとこの手続にかかわって、その流れについて御教示を伺いたいと思って、質問を幾つか用意させていただきました。
 まず、契約条件の変更の申し出、そしてそれを行政当局が承認する、そういう手続、二百四十条の二にかかわる部分でございますけれども、これは幾ら聞いてもさっぱりわからへんわけですが、「業務又は財産の状況に照らしてその保険業の継続が困難となる蓋然性がある場合」、そういう場合、変更の申し出をするということでございます。
 改めて蓋然性というものを字引で引きましたら、事象が実現されるか否か、また、「その知識の確実性の度合。確からしさ。」ということだそうでございます。私は大辞林でしたので、広辞苑ではまた違う書き方をしているのかもしれませんが、ちなみに、数学的に定式化されたものを確率と呼んでいるそうです。
 この「確実性の度合。確からしさ。」この確からしさというものは一体何によって御判断されるのかというふうに私がもし仮に問うたら、今回の場合ですと、それぞれの個々のケースごとによってその蓋然性を判断するんだというふうにおっしゃるんでしょうか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の法案におきまして、今先生御指摘の「その保険業の継続が困難となる蓋然性がある場合」という文言が出ておりますが、こういう場合に契約条件の変更の申し出を行うことができることになっております。
 それで、「その保険業の継続が困難となる蓋然性がある場合」というのは、単に保険業の継続が困難となる可能性があるといった程度ではなくて、現時点で破綻の要件であります保険業の継続が困難であるというような状態には至っておりませんが、将来を見通して、契約条件の変更を行わなければ他の経営改善努力を織り込んでも保険業の継続が困難となることが合理的に予測できる場合であるというふうに考えております。
植田委員 ここは何遍伺ってもぐるぐる回るんですね。蓋然性とは何ですかと言ったら、それは、契約条件の変更を行うという行為がなかったら保険業の継続は困難となる、そういう状況なんですと。それが蓋然性なんですと言うしかないわけですけれども。
 二百四十条の二の二のところで、まさに、「保険会社は、前項の申出をする場合には、契約条件の変更を行わなければ保険業の継続が困難となる蓋然性があり、保険契約者等の保護のため契約条件の変更がやむを得ない旨及びその理由を、文書をもって、示さなければならない。」とあるわけですから、この文書の内容、具体的に何を書き込むんでありましょうか。教えてもらえますか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 保険会社は、契約条件の変更の申し出を行うに当たりましては、自社の経営状況等を総合的に勘案して申し出がなされるものと考えておりまして、各社によりまして、先生御指摘のように、経営状況等が異なり得るものでございますから、あらかじめその理由につきまして、その内容につきまして具体的に申し上げることは極めて困難でございますが、いずれにいたしましても、契約条件変更の理由につきまして十分合理的に説明できるものであることが必要だと思っております。
植田委員 要は、蓋然性というものが一体どういうものであるのかということは、現段階ではわからないわけですね。幾ら聞いても、契約条件の変更を行わなければ保険業の継続が困難となる、そういう確からしさがあるということなんですという以上は言えない。そして、実際に申し出があって、理由を述べた文書が上がってきたら、大体それが目安になる。だから、それが出てくるまで、実際海のものとも山のものともわからないんですというふうに理解してよろしいですか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、蓋然性につきましては、契約条件の変更を行わなければ、他の営業努力をしても、なかなか将来において保険業の継続が困難ということでございますが、その具体的な内容につきましては各社ごとに違っておるわけでございますので、それを画一的にこういうふうにと言うのはなかなか難しいということを繰り返し申し上げさせていただいております。
植田委員 非常に明快で、よくわかりました。
 要するに、出たとこ勝負で、文書が上がってこぬとわからへんということでしょう。要するに、今の御説明、私も何遍も丁寧に繰り返していますが、条文に書いてあるこの二行ほどの文章、今局長は読み上げてはるだけやん、さすがにもう答弁書なくても暗唱されるぐらいに。そこしかないわけですやんか。要するに、あとはわからへんと。わからへんとおっしゃったらええんですよ、もう。
 要するに、今回の法案、何ぼ糊塗しても、そもそも入り口のところで瑕疵があるわけです。提案をするに至る過程で瑕疵があると私は思いますけれども、肝心なところで、さあ、実際どんなものですかと言うたら、いや、契約条件を変更せぬ限りつぶれてしまう、その蓋然性だと。それは何ですかと言うたら、なかなか難しいとかなんとかおっしゃるだけでしょう。
 要するに、わからへんわけでしょう。それでいいですよね。私がそういうふうにシンプルに理解していいですね。
藤原政府参考人 現時点でそれを、例えばこういうものについてこういう条件に当てはまればこうだというふうな画一的なことをお示しすることは、各社の実態がさまざまであることを考えますと、なかなか難しいということを申し上げているわけでございます。
植田委員 結局、個々のケースごとに判断をすると。
 私は、今質問しておりますけれども、別にどこかの生保会社を念頭に置いて聞いておるわけやないんですよ。そういう余計なことをおっしゃったら、むしろ生保会社に失礼でしょう。私は、何もそんなことを念頭に置いて聞いていないわけですから。条文に沿って忠実に聞いているだけなんですよ。具体的にどういうふうな想定ができるんですかということを聞いているだけであります。
 そのことを説明するのに、説明したら生保会社の業務内容について抵触するような、そういう答弁、御用意できるんですか。そういう答弁になってしまうから答えられないというのであれば、それはそれでいいですけれども、そうじゃないんでしょう。そうじゃないんやったら、わからへんのやったら、わからへんとおっしゃっていただければいいんですよ。わからへんでしょう。というか、そういうふうにしか答えられへんのでしょう。もう一回どうぞ。
藤原政府参考人 繰り返しになって恐縮でございますが、具体的なことはもちろん申し上げるわけにいきませんが、それをある一定の基準を設けて、これに該当するというようなことも、先ほどから、午前中からの議論でもありますように、風評被害を招きかねないとか、あるいは自治手続の中で制約要件になるとか、そういうこともかんがみますと、そこまで具体的なある程度の基準を設けてそれを示すということはなかなか難しいということでございます。
 それにつきまして、私ども、今後、引き続きまた検討させていただきたいと思っております。
植田委員 先ほどから答弁聞いていると、みずから今回の法案の不備をお認めになるような御答弁ばかりおっしゃって、まあ、ここでぐるぐる回っていても同じ話でしょうから、ちょっと角度、話題を変えます。
 では、実際、ようわからぬ、その契約条件変更の申し出が出たとしましょう。では、今度、これは行政当局によって申し出を、適当であれば承認をする手続がある。実際、先ほどまでしていた質問がきちっと私なりに納得できなきゃ、この質問もできないわけですけれども、一応、とりあえず、限られた時間ですので先にすっ飛ばすんですが、申し出と承認、どれぐらいの時間がかかります、実際のところ。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 契約条件の変更の申し出から申し出の承認までの具体的な時間についてのお尋ねでございますが、これもやはり個々のケースによって異なるものと考えられますので、一概にどの程度の期間ということを申し上げるのは難しいと考えておりますが、申し出に理由があるときは、速やかに契約条件の変更手続に入ることが適当と考えられますことから、できる限り早く承認を行うことが必要と考えております。
植田委員 いずれにしても、申し出をしたら、申し出は、これは秘密裏に申し出をするわけじゃないですよね。申し出をした段階でわかりますわね。承認するまでないしょということはないでしょう。だから、申し出をすれば、これは朝の十時に申し出をすれば、夕刊には全部載るわけですよ。どこそこ会社が申し出ましたと。それなら、そこから一週間、十日いうたら、まさに、おっしゃるように風評被害が起こるとかいうふうになるでしょうから、速やかにということになるんでしょうね。
 では、即日やる、要するに、十時に申し出がありました、それなら夕方の五時には判こついて承認しましたということも考えられますね。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 申し出自体はオープンでやるということではないのでございます。
 ただ、今、先生おっしゃいましたように、仮に、保険契約会社に対しまして、事前の監督とかそういう過程におきまして、監督当局が当該保険会社の業務とか財産の状況について十分把握しているという場合、そういう場合もあり得るわけでございまして、そういう場合については、場合によっては即日に承認を行うこともあり得るというふうに考えております。
植田委員 申し出をするであろう当該保険会社が、申し出をするんであろうなという推察のもとに待ち受けておったら、書類の審査も簡単に済むという話ですね、要は。大体わかっているわけですから、一かけから全部調べ直さないかぬことはないということですよね、今の話は。そういう場合は即日もあり得るということですね。もう一回全部引っぺ返してということはない。
 ということになれば、事前の段階で、かなり綿密な、詳細にわたって当該保険会社と金融庁との間でやりとりがある、日常的にいろいろな指導監督をなさっているだろうと思いますけれども。ただ、今回のような法律ができる以上は、今後、当該保険会社と金融庁の間で、しかも即日承認をするようなケースも否定なさらないわけですから、そういうケースの場合、どんなやりとりがなされるかといえば、まさに、業務または財産の状況を精査すれば保険業の継続が困難となる蓋然性があるかどうかも含めて、相談されたり、協議されたり、指導されたりということも当然考えられるというふうに理解してよろしいですか。
藤原政府参考人 具体的なケースはさまざまなケースがあり得ようと思っておりますし、私の方も必ずしも監督行政担当しているわけではございませんけれども、さまざまなケース、先生御指摘のようなケースも含めて、いろいろなケースがあり得るんではないかと思っております。
植田委員 そうしたことも含めた指導が行われるということは否定なさらない。それはそうですわ。これで契約条件の変更するという枠組みできちゃうわけですから。申し出をするしないも含めて、念頭に置きながら、金融庁と当該保険会社の中でやりとりがあるということは、これは当然あり得ることですわね。
 そこで、ちょっと戻って聞きますが、当然それは経営改善のために指導をなされるわけですよね。申し出がないにこしたことはないわけですから、そんな頻繁に申し出があるようではとんでもない話ですから、申し出をせぬでもいいような、自助努力で経営改善ができるようにどうすべきかということについて、当該保険会社と監督当局の間では、真摯に、鋭意、日常的にやりとりがなされるわけですね。
伊藤副大臣 先生御指摘のように、私どもとしましては、従来から、ソルベンシーマージン比率というものを活用して、早期是正措置制度というものを厳正な運用に努めているとともに、この制度を発動するに至る前の段階で、各生命保険会社において早目早目の経営改善が図られるように求めてきているところでございます。
 具体的には、収益指標等に照らして経営改善が必要と認められる保険会社に関してはヒアリングを行い、そして必要な場合には報告徴求をし、さらに必要な場合には業務改善命令を発出することによって経営改善を促すということをいたしているところでございます。こうした早期警戒の仕組みというものは、直接的に予定利率の引き下げの制度と結びつくものではございません。
 いずれにいたしましても、私どもとしましては、保険会社に早目の経営改善を求めていくことは重要な課題でございまして、実効性のある運用というものをしっかりしていきたいというふうに思っております。(発言する者あり)
植田委員 今、伊藤副大臣お答えいただきましたけれども、今も声が上がっていますけれども、具体的に、鋭意、的確に監督当局としての役割を果たしてきたのであれば、今回のようなこんなスキームをこしらえる必要はなかったんですよ、実際。でしょう。
 要するに、今まで、鋭意、適切な御指導なりなんなりなさっていたけれども、どうもこういうことも考えぬことにはやばいかなと思わはったさかいにこんな法案が出てきたのと違いますの。だから、幾らそこで副大臣、るる雄弁に語っていただいても、語れば語るほど、では、これ必要なかったのよねということを論証することにしかならないわけですよ、これまでの監督指導が何の瑕疵も不備もなかったとおっしゃるわけですから。そうなっちゃいますよ。御反論ありますか。
伊藤副大臣 これは、逆ざやという構造的な問題を抱えておる中で、自治的あるいは自主的な手続の中で契約を変更するという経営の判断の新しい手段を設けるということでございまして、そうした手段を設けるとともに、私どもとしましては、従来同様、先ほど御説明をさせていただいたように、早期警戒措置も含めて、早目早目に経営の改善を求めていくということをしながら、監督当局として経営改善の努力というものを確保するために適切な対応をしていく、このことが基本であるというふうに考えております。
植田委員 ちょっとまた話は飛びますけれども、いずれにしても、一生懸命、的確に、適切に経営改善の指導をずっとやってきたというふうにおっしゃるわけです。先ほどの話は繰り返しませんが、今回、新たなこういう引き下げのスキームが加わる。当然ながら、経営改善の指導も、その経営内容によっては、このことも念頭に置いたやりとりがやはりなされる。
 例えばこういうことですよ。私は何も金融庁が申し出をしろと強要するんだろうななんていうふうには思っておりません。それは本会議でも、竹中大臣、そういうことは適切ではないというふうにはっきりとおっしゃっておられましたので。目で会話することはあるかもしれませんけれども、口では言わなかった、でも、大体、おれの考えていることわかるやろといって、おれの目を見ろというような調子で、呼吸でやることはあるかもしれませんが、口に出すことはないでしょう。
 しかし、こうしたスキームを含めて、念頭に置きながらの改善指導になる。そうなれば、やはり、あんたのところほっといたら申し出をせないかぬような事態に追い込まれるよというような指導になるわけですね。だから、もっと早いことあんばいよう手を打ちや、そういう指導をされるわけですね。そんな難しいこと聞いていないです。そういう指導をされるんですね。実に簡単なことです。お願いします。
伊藤副大臣 先ほどからお答えをさせていただいているように、私どもとしましては、早期の是正措置あるいは早期の警戒制度というものを活用しながら、早目早目に経営改善が図られるように、そのことを促していくわけでありまして、大臣も本会議中に御答弁をされているように、予定利率の引き下げ制度そのものについては、保険会社、そして保険契約者による自主的、自治的な手続の中で進められるものでございまして、当局が契約条件の変更を指導する、そうしたことは制度の趣旨になじまない、適切ではないというふうに考えております。
植田委員 とすれば、金融庁の指導としては、契約条件の変更を申し出なくてもいいように、保険会社が適切に対処するように指導されるわけですね。そうですね。いや、もう聞きません。そういうふうにされるわけですね。
 とすると、やはり、金融庁の御判断として、今回、契約条件の変更を行わなければ保険業の継続が困難となる蓋然性がある場合申し出をするとおっしゃった。それについてはもにょもにょと、難しいだの何だの、要は実際起こってみぬとわからへんという局長の話でした。
 しかし、監督当局としては、そういう事態にならないためには、契約条件の変更を行わなければ保険業の継続が困難となる蓋然性がある場合に至るような蓋然性というものは早いこと察知せぬといかぬわけですね。どの段階でそういう判断をされ、適切に指導されるんでしょう。
伊藤副大臣 先ほどお話をさせていただいたように、私どもとしては、早期是正措置、そしてこの制度を使う前の段階として早目早目に対応できるように早期警戒制度、オフサイトモニタリングの制度を活用しながら、早目早目に経営の改善というものを促しているわけであります。
 この早期警戒制度に使う指標については、これはちょっと、具体的なことを申し上げますと風評リスクという問題にかかわってまいりますので、私どもとしましては、その中で、収益性等の指標を使いながら早目早目の対応をしていく、そうしたことで経営の改善というものを早い段階で促していくということを適切に対応していきたいというふうに思っております。
植田委員 そこは副大臣も、ここのところは突っ込みませんけれども、早目早目に適切にといっても、私は、ではその早目早目の適切の物差しは何なんですかというふうに聞いたら、早目早目、適切にという話ですから、それで、はいわかりましたということにならないよということだけはちょっと念を押しておきたい。私は、では早目早目とか、早目に対応した、適切に対応したということの物差しはどうなっているんですか、その判断はどういう段階、どういう基準で行われるんですかと聞いたって、早目早目、適切しか返ってこないわけですから、再度聞きませんけれども、それは念を押しておきます。要は、ようわからぬということですね。
 さて、ただ、金融庁さん、先ほど総務企画局長が、即日承認するというケースもあり得る、そういうことも想定できるとおっしゃった。ここはなぜか非常によくわかるわけですが、金融庁さんも、業務または財産の状況に照らしてその保険業の継続が困難となる蓋然性があるということを既に申し出以前の段階で認識しているケースもあるというふうに理解していいわけですね、即日承認するわけですから。何も私は、金融庁が申し出をしろと強要しているとは言いませんよ、今のところは。しかし、既にその蓋然性があることを申し出以前の段階から認識しているから即日判こを押せるわけですよね。そういうケースがあるということでいいわけですね。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほどの御質問に対して私がお答え申し上げましたのは、破綻処理の話ではなくて、まさしく今回の予定利率の引き下げの話でございますから、今回、ある程度の長いスパンを見た段階で、契約条件の変更をしない場合、ほかの営業努力をいろいろやってみても将来において保険業を継続できない蓋然性がある、その部分でございますので、短期の話ではございませんので、これからの、どのような営業努力をするとか、あるいはどのような改善努力をする、そこの部分は、まさしく会社しかよくわからない。
 私が先ほど申し上げましたのは、そういうものを除く会社の現在の経営状況、そういうものについてかなり十分把握していれば、その場合は即日でも承認するということもあり得るということを申し上げたわけでございまして、現下、足元の話と破綻の話と一緒にされるとちょっとまずいのではないかというふうに思っております。
植田委員 別に、破綻の話を私は聞いていなかったんですけれども。即日判こが押せるということは、少なくとも、申し出が出てくる、当日申し出が出て当日承認するわけですから、その前日以前から、いずれそんなことはあるなということがある程度わかっていなければ判こなんか押せないでしょうと、それだけの話を聞いているんですよ。それが何か破綻処理と、何を混同したのかわかりませんが、それだけの話を私は聞いているんですよ。そんな難しいことを聞いていないんですよ。そこはちょっと、わかっているんでしょう。
藤原政府参考人 当該生命保険会社を監督当局が日常的に監督しているわけでございます。かなり濃密に監督しているわけでございまして、今回、もし仮に予定利率の引き下げというような申請がなされた場合においても、その場合におきましても、その把握の程度、それからその申し入れの内容、さまざまなケースがあると思いますが、そういうものを勘案しますと、場合によっては即日ということも十分あり得るというふうに思っております。
植田委員 答弁をすればするほど、いかにこれがええかげんな法案かということを答弁で立証されているということをぜひ御認識いただきたいと思いますが、時間がありませんので次に進みます。
 では、今回、保険契約者は、申し出がなされ、それを承認され、解約の停止命令が発せられる、その瞬間まで、当該保険会社が業務または財産の状況に照らしてその保険業の継続が困難となる蓋然性があった、この場合過去形なんですが、あったということは、まさに解約停止命令が発せられるその瞬間まで契約者の皆さんは知ることはできないというわけですね。これはイエスかノーかでお答えいただけますか。
藤原政府参考人 そういうことだと思います。
植田委員 それで、契約条件を変更しない限り保険業の継続ができないか否か、そこまで、それが破綻でなかろうが何でなかろうが、これは契約者にとってみれば大変な話です。
 そこで伺いますが、そうした重大な当該保険会社の経営のありよう、中身というものを、解約停止命令が発せられるまで契約者は全く知らなくてもいいということなんでしょうか。そういうお考えだから、今、発せられるまでそうした実態にあったことは知ることはできないんですね、そのとおりとおっしゃる。そのとおりとおっしゃる以上は、知らなくてもいいというふうに政府としてはお考えだということでいいですね。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 今回のスキームにおきましては、保険会社が将来の経営のあり方を考える際に、経営の選択肢の一つとして予定利率引き下げの申し出の検討がなされるものと考えております。契約条件の変更の申し出に当たりましては、自社の経営状況等を総合的に勘案して申し出がなされるものと考えておりますため、事前に、契約条件の変更をしなければ保険業の継続が困難となる蓋然性がある旨を契約者に示すことは困難だというふうに思っております。
 ただ、いずれにいたしましても、契約条件の変更に当たりましては、保険会社は、保険契約者等の十分な理解を得ることが求められることから、保険契約者に対しましては契約条件の変更がやむを得ない理由を示すことになっておりますし、基本的に契約者の保護に資するものと考えております。
 なお、保険事業が保険契約者の信頼を確保していくために、保険会社が財務の状況に関するディスクロージャーに常時努めることは極めて重要でございまして、当局としましてもさらに主体的、積極的な取り組みを求めてまいりたいというふうに考えております。
植田委員 もう一々反論しませんけれども、局長、今のお話しになっていることは議事録に残るということはお忘れなきように。恥ずかしいですよ。ここでやりとりしておっても話になりませんね、これは。
 時間がありませんので、私もあと三十七分までですか。次、では、変更案の承認について伺いたいんです。
 総代会で四分の三の特別決議、株主総会で三分の二の特別決議でそれぞれ承認ということになるわけですけれども、変更対象契約者による異議申し立てが十分の一を超える場合は否認される。恐らく、先ほどからのやりとりを見ておると、質問者の方は、十分の一なんて、そんな条件は大変じゃないか、きつ過ぎるじゃないかと。例えば、ある生命保険会社だと八百万ぐらい対象者がいるとすれば八十万集めなければ、そんなのとてもじゃないけれども無理じゃないかという指摘もありましたけれども、どうやら提案者の方は、かなりそれは緩くて、こんなんだったら十分の一すぐ集まっちゃうよというふうな、むしろそっちの方にスタンスを置いたお考えをなさっているようです。
 私は、別にそれは、どちらをとるかという話をするんじゃなくて、そもそも総代会、株主総会の特別決議、それぞれ厳正な決議でございます、四分の三、三分の二。しかし、その決議が十分の一の異議があれば否認されてしまうわけです。否認されなければならないほど総代会及び株主総会の特別決議の正当性の根拠が薄弱であるというふうに政府も理解をなさっているというふうに私は理解していいんですか。
藤原政府参考人 今回のスキームにつきましては、契約者保護の観点から、保険会社と保険契約者間の主体的な判断、自治的な手続によって契約条件の変更を行うものでございまして、保険契約者の十分な理解を前提とした仕組みとなっております。
 このため、今回のスキームにおきましては、意思決定手段を、会社の機関意思決定手続と保険契約者の権利の保護手続の二つに大きく分けておりまして、機関意思決定手続につきましては総代会または株主総会の特別決議による、それから、保険契約者の権利の保護手続、これにつきましては、異議申し立て手続の活用によることとしたものでございまして、その二つを分けて考えているところでございます。
植田委員 私も不勉強ですが、調査室等の資料等を読んでいますので、概要を別にここで説明していただかなくても、一応そのことは植田も理解しておるという前提で御答弁いただければと思います、時間の関係もありますので。
 今問うているのは、総代会もしくは株主総会の特別決議が、場合によっては変更対象契約者の十分の一の理解を得られないことがあらかじめ想定できるんかということだけなんですよ。まあ、そのことはもういいです、どうせ答弁できないでしょうから。
 ちなみに、株主総会、総代会というのは株主もしくは社員の意思を正確に反映するよう運営されていると監督当局は確信されておられますか。
藤原政府参考人 保険相互会社の総代会は、社員総会にかわるべき機関としまして設置されました業務運営の最高意思決定機関でございまして、社員のうちから選出されました総代によって構成されているわけでございます。また、保険相互会社におきましては、総代会に保険契約者の意思が十分反映されますように、総代候補者選考委員会の設置によりまして総代選考方法の改善を行いますとともに、総代の構成や議事内容等、総代会におけるディスクロージャーの充実、こういうものに努めて、総代会の充実に努めているところでございます。
植田委員 それもわかっている。だから、私もそこの部分の総代会、社員総会の条文を読んできて聞いていますから。要するに、正確に反映するよう運営されていると確信していますかと言うたら、確信しているんだったらしていると言ってもらうだけでいいです、ここは質問の入り口のところですので。
 そこで、ちょっと非現実的な話にもなるかもしれませんが、保険業法の三十九条を読めば、社員総数の千分の三以上に相当する数の社員もしくは三千名以上の社員、六カ月前から引き続いた社員である者が社員総会の招集を請求することができるとあります。となれば、この請求権、三十九条では社員総会請求権が定められていますが、当然これを受け取るのは取締役会が受けるわけですけれども、請求がなされれば社員総会を開催するという手続に至るんでしょうか、至らないんでしょうか。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘の保険業法の第三十九条第一項は、少数社員による社員総会の招集請求権を規定したものでございまして、二項では、少数社員から請求があったにもかかわらず遅滞なく社員総会の手続が行われないとき、または、その請求があった日から八週間以内の日を会日とする社員総会招集の通知が発せられないときは、請求を行った少数社員は、裁判所の許可を得てみずからその招集を行うことができるものとされております。
 他方、ただし、相互会社が総代会を設置している場合には、保険業法第五十条の規定によりまして、総代会の廃止または定款の変更を目的としたものに限り、社員総会招集請求権が認められているところでございます。したがいまして、総代会を設置しております相互会社におきましては、保険業法第三十九条の規定による社員総会招集請求権の行使については制限があるところでございます。
植田委員 いや、ありがとうございます。次、五十条の話を確認しようと思っておったんですよ。先に言うていただきましたね。五十条では、千分の五、総代会の廃止等々で社員総会の招集を請求できる。そうなれば、これは社員総会を開かないかぬわけですね、ということになるということも御説明いただきました。
 さて、契約条件変更の申し出が出て、承認されて、解約停止命令が出ます。すると、速やかに変更案を作成して総代会もしくは株主総会を開かなきゃならないという手続がありますね。仮に、承認がされたその日、もしくは次の日に変更案をつくって、そうしたら、大体二週間ありますから、最短でも二週間後になりますね。事実上、解約停止命令が出て申し出が承認されてから株主総会、総代会が開かれる。では、この場合、総代会ですが、総代会が開かれるまでに、その総代会の廃止を求めて社員総会を請求すれば、当然ながら、総代会はあくまでも社員総会にかわるべき機関でございますから、社員総会の開催が優先されるわけですね。
藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 総代会を設置しております相互会社におきまして、社員総会招集請求権は保険業法の第五十条によりまして行使される必要がありますが、先ほど申し上げましたように、同条に規定しております総代会の廃止または定款の変更を目的とした場合に限り、社員総会の招集を請求することは法令上可能でございます。
植田委員 すなわち、今の御答弁でいけば、保険会社による契約条件の変更案をこういう総代会の特別決議で上げてしまうなんという、そういう総代会を開かれたんじゃ困りますという千分の五の人たちが結集して、それより前に社員総会を開けと、要するに総代会を一たん廃止して、そして、その社員総会において改めて、そんな変更案の作成はまかりならぬということになれば、それは理屈の上では可能ですよね。実際、社員総会開こうと思ったら、日本のありとあらゆる、東京ドームや札幌ドームや、全部借り切ってでもまだ足りませんけれども、実際どうするのかは別にしても、原理的には可能ですよね。その場合、当然ながら、そういう事態になれば、そもそも申し出を保険会社は取り下げざるを得なくなるというケースも出てきますね。
 もっと言うならば、社員総会を開くなんということは、現実問題、これは、千二百万人から社員がいるような保険会社の社員総会を開くってどないすんのやということになるのは、私は十分承知しています。しかし、ちゃんと社員総会についての手続は法律に書かれている以上、私が申し上げていることは決して荒唐無稽ではない。社員総会がもう事実上意味ないというんやったら、この条文を切り捨てればいいわけですよ。それで総代会の規定をもっと厳しくしたっていいわけですよ。現にある以上、そういうことは可能ですね。
 そうなれば、かかる社員総会を開けなんという要求が千分の五で出されてきた段階で、保険会社としては、総代会を廃止するための社員総会を開催するために、膨大な経費がかかりますね。そんなことになれば、事実上その段階で、そこまでなるんやったらもうかなわぬということで、申し出取り下げようかという判断に至るケースもあるかなと、イフの話でございますけれども、感じているわけですよ。その辺はそういう流れになりますよね、現実問題。
藤原政府参考人 先ほどもお答え申し上げましたように、総代会を設置しております相互会社におきましては、社員総会の招集は保険業法第五十条の規定による必要がございまして、その場合は、総代会での契約条件の変更の決議を取り下げる目的とすることはできないわけでございます。
 なお、現在はございませんが、仮に総代会を設置していない相互会社が出てまいりまして、そういう場合におきましては、契約条件の変更の決議の取り下げを目的とした社員総会の招集を請求することは可能でございます。仮に、社員総会におきまして契約条件の変更が否決されました場合には、保険会社は契約条件の変更を行う旨の申し出を取り下げることになると考えられます。
植田委員 いずれにしても、総代会があって、したとしても、その総代会に対して千分の五の社員が不信を抱いて、このときはいきなり申し出を取り下げろ、そういう社員総会の請求はできぬが、しかし、そもそもそんなことを決めるような総代会はけしからぬということで、総代会の廃止を議題にして請求権を発動すれば、これは社員総会を開かざるを得ない。事の経緯の中で、結果的に保険会社が申し出を取り下げざるを得ないという場面も想定されるということは、今うなずいておられるからお認めになるというわけですね。
 ですから、要は、法律も使いようで、十分の一の異議申し立てをする以前の段階で、総代会を招集するという段階で、その段階で十分の一ではなくて千分の五の同志が集まれば、まず総代会の廃止から始めればかかる不当な契約条件変更の申し出を取り下げることが法律上は可能ですよねということを確認させていただいたわけです。
 可能だということで確認をさせていただいたということで、次に進みます。可能でしょう。もういいんです。いいです。
小坂委員長 答弁いいですか。
植田委員 いいです。もう可能だということを確認しているんだから余計なことを言わないでいいんです。
小坂委員長 確認されていませんよ。いいですか。議事録には残っていませんけれども、いいですか。答弁させますか。
植田委員 いいです。言っているからもういいんですよ。あと、最後――できるんでしょう。できないわけじゃないでしょう。
藤原政府参考人 先生のおっしゃったことは、理論上は可能でございます。
植田委員 理論上可能だと。やはり委員長から指摘いただくと、聞いておいた方がいいかなというふうに素直に思った次第です。
 それで、総代会は、少なくとも、今も事実上社員総会を開くことが困難なため、次善の策として設けられているわけですから今のような話があるわけですが、実際、保険業法四十二条の二及び府令、施行規則の二十一条、総代に関する定款記載事項が挙げられているけれども、これを見ると、要は何を書き込めばいいかというと、総代の定数、総代の任期、総代の選出の方法、総代に欠員が生じた場合の措置、これだけですから、実際は、総代をいかに選出するかというのは、各保険会社の任意ですね。まず、それ一つ。
 それと、実際、私は各保険会社の総代の面々を調べてみました。そうそうたるメンバーでございます。社長、社長、弁護士、社長、専務取締役、社長、会長、社長、頭取、専務、頭取、社長、社長。たまに主婦というのも出てきますけれども、主婦といってもいろいろでして、うちのおふくろみたいにブルーカラーの女房でミシンの内職をしていたのも主婦ですし、それこそ大会社の社長さんの令夫人もこれは主婦でございまして、マリー・アントワネットのような主婦ばかりかもしれません。実際、任意といっても、これは各地元財界の偉いさんばかりですよ。
 そこで伺いますが、ある保険会社では、総代候補者選考委員会というのをこしらえて、その推薦した候補者について信任投票を行う、そういう制度を採用しています。そして、総代候補の選考基準によれば、生命保険事業に認識と関心を有し、総代たるにふさわしい見識を有する人、ちなみにそこの保険会社の総代の内訳を見たら、今みたいなあんばいなんですね。見識を有するか否かの基準というのは、やはり肩書で決まるんでしょうか。それ、二つ教えてください。
藤原政府参考人 先生おっしゃるように、生命保険会社の総代につきましては、任意で決められることになっております。任意で決められるわけでございますが、これも先生今おっしゃいますように、総代選考委員会なるものをつくっているところが多うございまして、そこで地域的なバランス、いろいろなバランスを考えまして、そこで発議してそれを信任投票にかけるというようなことをやっているところが多いように聞いております。
植田委員 信任投票を行っておられるから問題ないということでしょうけれども、これは余りといえば余りなんですよ、総代会のメンバー、ほんま、見たら。すごいですよ。一々言いませんよ、何生命がどんなんやと。会長、会長、社長、会長、結局こういう方々が、じゃ、国民の九割の保険契約者の意思を代弁し得るのかどうなのかということ。実際にどんな層から、例えば管理職層、ブルーカラー、ホワイトカラー、自営業者、無職、さまざまな各層からバランスよく配置する、それぐらいのガイドラインというものがなきゃ、こんなのは、要するに地元の有力企業の偉いさん、ずらっと並んでいるだけですやんか。
 そういうことを考え直さないことには、今回十分の一の問題が議論される以前に、そもそも総代会で特別決議をしてこんなものができるのか、契約条件の変更が可能になるのかということに大いに疑うのは、その決議機関が果たして、ほとんど国民イコール契約者ですよ、その契約者の総意を反映するものかどうか大いに疑問だということがあるわけですよ。
 ですから、総代会のありようにかかわって、府令もしくは法律の部分でもうちょっと具体的にこれから書き込んでいかなきゃならない。むしろそれが前段階にやられるべきじゃないんでしょうか。そういうことは全くやる気ないんですか、もうお任せですか。
藤原政府参考人 総代会の構成等についての御指摘でございますが、総代会制度と申しますのは、現在の相互会社の実態を踏まえた合理的な制度であるというふうに考えておりますが、より多くの社員の意思を総代会の運営に反映していくという観点から、現在、法律上、少数の社員による議案提案権、先ほど先生御指摘になりましたものに加えまして、総代候補者選考委員会の設置によります総代選考方法の改善や、あるいは総代の構成や議事内容等総代会に係るディスクロージャーの充実、こういうものを今充実させておりまして、総代会の改善に努めておるところでございます。
植田委員 ちょうど時間が来ましたので終わりますけれども、きょうの、とりわけ答弁の速記録を読むのが非常に楽しみでございます。
 その答弁の中に、今回の法案がいかに瑕疵あるものかというものの証拠がたくさんあるだろうと思います。終わります。
小坂委員長 次回は、明四日水曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時三十七分散会


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