衆議院

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第3号 平成16年1月30日(金曜日)

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平成十六年一月三十日(金曜日)

    午前十一時開議

 出席委員

   委員長 田野瀬良太郎君

   理事 鈴木 俊一君 理事 萩山 教嚴君

   理事 村井  仁君 理事 山本 明彦君

   理事 島   聡君 理事 中塚 一宏君

   理事 長妻  昭君 理事 上田  勇君

      江崎洋一郎君    江藤  拓君

      木村 隆秀君    北川 知克君

      熊代 昭彦君    小泉 龍司君

      河野 太郎君    七条  明君

      田中 英夫君    谷川 弥一君

      中村正三郎君    中山 泰秀君

      林田  彪君    原田 令嗣君

      宮下 一郎君    渡辺 喜美君

      五十嵐文彦君    楠田 大蔵君

      小泉 俊明君    佐藤 観樹君

      鈴木 克昌君    武正 公一君

      津村 啓介君    永田 寿康君

      藤井 裕久君    馬淵 澄夫君

      松原  仁君    村越 祐民君

      吉田  泉君    谷口 隆義君

      長沢 広明君    佐々木憲昭君

    …………………………………

   財務大臣         谷垣 禎一君

   国務大臣        

   (金融担当)       竹中 平蔵君

   外務副大臣        逢沢 一郎君

   財務副大臣        山本 有二君

   農林水産副大臣      金田 英行君

   財務大臣政務官      七条  明君

   政府参考人

   (防衛庁運用局長)    西川 徹矢君

   政府参考人

   (総務省自治財政局長)  瀧野 欣彌君

   政府参考人

   (外務省経済協力局長)  古田  肇君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   杉本 和行君

   参考人

   (日本銀行総裁)     福井 俊彦君

   財務金融委員会専門員   鈴木健次郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

一月三十日

 辞任         補欠選任

  江藤  拓君     中山 泰秀君

  西田  猛君     北川 知克君

  仙谷 由人君     楠田 大蔵君

同日

 辞任         補欠選任

  北川 知克君     西田  猛君

  中山 泰秀君     江藤  拓君

  楠田 大蔵君     仙谷 由人君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 平成十四年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例に関する法律案(内閣提出第一号)

 農業共済再保険特別会計の農業勘定における平成十五年度の再保険金の支払財源の不足に充てるために行う積立金の歳入への繰入れに関する法律案(内閣提出第二号)


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     ――――◇―――――

田野瀬委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、平成十四年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例に関する法律案及び農業共済再保険特別会計の農業勘定における平成十五年度の再保険金の支払財源の不足に充てるために行う積立金の歳入への繰入れに関する法律案の両案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、参考人として日本銀行総裁福井俊彦君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として財務省主計局次長杉本和行君、防衛庁運用局長西川徹矢君、総務省自治財政局長瀧野欣彌君、外務省経済協力局長古田肇君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田野瀬委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

田野瀬委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。津村啓介君。

津村委員 おはようございます。民主党・無所属クラブの津村啓介と申します。よろしくお願いいたします。

 議題でございます平成十四年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例に関する法律案につきまして御質問いたします。

 私は、現在の政府、日銀によるマクロ経済政策運営において、いわゆる出口戦略が明確になっていないケースが多く、国民の将来不安の一つの大きな背景をなしていると考えております。言いかえれば、現在の深刻な危機が、どのような条件が満たされたときに克服されるのか、そして、どこに危機克服の出口があるのか。本日は、現在の政府、日銀によるマクロの経済政策運営において随所に見られます、こうしたさまざまな特例的な措置と、異例な政策の出口を明確にすることを一つの底流的なテーマ、キーワードとしながら、以下、具体的な質問を進めてまいります。

 一つ目の質問でございます。財政法六条一項の立法趣旨についてでございます。

 私の手元にある資料によれば、平成十三年十一月十三日、前回、同様の法案が審議された衆議院財務金融委員会での質疑におきまして、当時の自由党鈴木淑夫議員の質問に対しまして、当時の塩川財務大臣は、財政法六条一項の条文のねらい、法の精神は、「終始一貫いたしまして、それは国の財政の健全化を守る、この一点だと思います。」こう極めて断定的に述べておられます。この点については、谷垣大臣、現在でもこうした理解でよろしいのでございましょうか。

谷垣国務大臣 今、津村委員おっしゃいましたように、塩川大臣の御答弁と私も同じ考えを持っております。

 財政法六条については、申すまでもございませんけれども、公債及び借入金の償還財源として決算上の剰余金の一部を基金に入れるということで公債の償還を確実ならしめようとした趣旨である、それを大きく言えば、塩川大臣のおっしゃったような表現になると思います。

津村委員 大臣、ありがとうございます。

 国債整理基金への繰り入れにより将来にわたる償還財源をプールするという形で財政の健全化を進めるのが、本来の、いわば原則であります財政法六条一項が想定する原則的な世界、そういう御答弁かと思います。

 一方で、今回の法案でございますが、その趣旨説明におきまして、谷垣大臣は、国債の発行を極力抑制する観点からと御説明をなさいました。これも実は、突き詰めれば、財政の健全化をゴールにしているという点では財政法六条一項と同じゴールを設定している、そういうふうに理解できるかと思います。結局のところ、特例措置をとってもとらなくても、財政健全化のための効果、そういう観点では、若干の手続的なコストはともかくといたしまして、基本的には同じゴールを設定しているということかと理解しております。

 であるとすれば、同じ財政健全化を目的とした二つの政策オプションのうち、どうしてわざわざ特例措置を設けてまで新規の国債発行の抑制にこだわるのか、なぜ国債整理基金への繰り入れではだめなのかをお聞きしたいと思っております。

 少しお話ししたいんですが、例えば、これがもし、株主からのチェックが正常に働いている、節度ある民間企業であれば、多額の借金を抱えた状態で前年度の決算に剰余金が発生すれば、まずストックベースでの債務を減らして、そして利子負担を軽減していこう、こう考えるのが普通の企業財務の考え方ではないかと思います。余ったのだから使っちゃおう、そういうことであれば、その場では見せかけのゆとりが見えますけれども、しかし、それは借金の返済が後回しになる一方ですので、これは健全な財政の姿とは言えないのではないかと考えるわけです。

 以下、私の見方でございますけれども、結局、例の、小泉さんいわく大したことのなかった、三十兆円枠の公約の幻影を今でも引きずって、新規発行額、つまりその年単年の借金の表面的な金額だけを気にして、より本質的な部分を隠している。すなわちこれこそ隠れ借金そのものだと思うわけでございます。もし私の理解が不正確なのであれば、なぜ、同じ効果しかないのにわざわざ特例措置を設けるのか、合理的な説明をお聞かせください。

谷垣国務大臣 今津村委員がおっしゃいますように、この二つのオプション、どちらをとるかによりまして、もちろん、手続的に、例えば利息がどうなるかとかいう小さなところでは違いがありますけれども、大きな意味では変化がない、同じ効果であるというのはそのとおりだと思います。

 その中で、なぜ、こういう法律をつくって、基金には入れないでやっているかということになりますと、結局、今の財政事情にかんがみた場合、予算編成に当たって、国債の発行を極力抑制していく、そのことが一番大事じゃないかという方針を立てたわけであります。それはやはり、これだけ大きな国債を発行しておりますと、流通している国債に対する信認を維持していくということがまず考うべきことではないかな、このように考えまして、今回のような措置をとったということでございます。

津村委員 三番目の質問は、実は今のお答えに大変深く関連するんですが、国債の信認が一つの問題というか、重視しているというお話でございました。

 私は、国債の信認を高めるためにも、どういう原則で財政政策運営がなされているか、その中期ビジョンといいますか、先ほど私が使った言葉で言えば、出口戦略までしっかり明確にしておくことがまさに国債の信認を高める上で非常に重要ではないかと思うわけです。

 今回の法案のタイトルには特例という文言が入っておりますが、実際には、過去二十年間で八回、平成十一年以降はほぼ例年のように特例措置が続いておりまして、そもそもどっちが原則でどっちが特例なのかということがはた目にはわかりにくい状況になっている。もう少し言えば、現在の財政事情を考えれば、今後とも剰余金の処理に当たって同様の措置が繰り返されるのではないか、そういう素地が続いているのではないか、そういうことも言えるかと思います。

 例えば、政府の見通しによれば、財政健全化と大変深くかかわることですけれども、例のプライマリーバランスの黒字化まであともう十年近く、明確な年限は出ているのか出ていないのかちょっとこの間よくわかりませんでしたけれども、そういった想定がなされているというぐあいですから、この間、十年近くの間、決算上の剰余金が生じた場合やはり今後とも一般財源への繰り入れが続くと、予見可能性を持ちたいわけですからそこを、今後のことを知りたいわけですけれども、今後とも条件が変わらなければこの繰り入れが続くと考えるべきなのか、それとも小泉さんの気持ち一つで変わるようなことなのか、そこを、考え方を示していただきたい。

 もう一度繰り返しますが、いかなる条件が整えばこの異常な特例措置が回避されまして、財政法六条一項が描く原則どおりの世界、姿に戻るのか、この特例解除の条件を出口として示していただきたいと思います。

谷垣国務大臣 剰余金の処理については、六条、こういう規定がございますけれども、これで行っていくのが法律上の基本であるということは私は変わらないと思います。

 しかし、現在の大変厳しい財政事情でございますので、平成十五年度の補正予算では国債の増発を回避することを優先したということでございます。それで、追加財政需要、どうしてもやむを得ざるものは出していかなければいけないということで、今回のような措置をとらせていただくことにした。

 今後どうするのかということになりますと、これは、基本は、先ほど申しておりますように財政法第六条に基づく対応だ、法律上そうでございますけれども、それは私どももそう考えているわけでありますが、そのときそのときのやはり国債をめぐる状況等あるいは経済財政をめぐる状況等というものを考えながらやっていかなければならない、こういうことではないかと思います。

津村委員 御答弁ありがとうございます。

 続きまして、これもまた大変深くかかわるわけでありますが、いわゆる国債管理政策と呼ばれる分野について伺いたいと思います。多少私の想定よりも時間がありますので、個別具体的な話も交えながらお話をさせていただきたいと思います。

 国債残高が大変高どまりしている。あるいはさらにふえ続けている、そしてまた一方で、近年では発行債券の種別の多様化も進んでいるということがあると思います。若干具体的なことを御紹介すれば、平成十一年の九月には三十年債の導入があった、十五年一月にはストリップス債、昨年の三月、やはり十五年三月には個人向けの国債の発行も始まった、そして本年三月からはいわゆる物価連動国債の発行も始まる、そういうふうに聞いております。

 こうした日本の国債市場が質量ともに拡大をする、これを成熟と呼んでいいのか、国の借金がふえているわけですからなかなか表現は難しいですけれども、いずれにいたしましても、この市場が拡大している中で、それに応じて、発行体としての、資金調達主体としての政府、財務省サイドがいわゆる国債管理政策の質的な高度化を進めていかなければならない、これは一般論でございますが、そのように考える次第です。

 もう少し具体的に申し上げますと、将来の利子負担を軽減すること、これが非常に重要ですし、また、円滑な国債の消化、安定的な消化を確保する見地からも、国債、JGBという商品とその市場を熟知した、そして、どうすれば資金調達コストを最小化できる、つまり税金のむだ遣いを減らすという話ですけれども、こうした知識と経験を持った、高度なファイナンス理論を自在に操ることのできる人材の確保、場合によっては民間の金融市場の方も含めて、そういった方々の登用が今後ますます重要になると考えるわけです。

 少し御紹介いたしますと、私ども民主党の海江田万里委員は、やはり前回このテーマについてこの財務金融委員会で議論が行われました平成十三年十一月の際に、いわゆるデットマネジメント、国債管理政策ということだと思いますが、これを専門に扱う独立した部署、これは欧米であればあるんだ、どうして日本はこれだけ国債発行残高があるのにそうした部署を設けていないんだ、あるいは設けているのか、そういうような質問をされまして、そのときの答弁はちょっと引用するほど中身が具体的になかったものですから引用いたしませんが、今回、今くしくも来年度の予算、人員が審議される、そういう時期でございます。

 今後、財務省として、国債管理政策の強化策について、とりわけ人的な側面からどういった陣容の強化、これをお図りになっているのか、できればぜひ金融市場の皆さんに対してアピールをしていただければと思います。

谷垣国務大臣 津村さんから、国債管理政策に対して大変明確な御指摘があったと思います。

 国債管理政策をやっていきます場合に、いろいろな技術的な問題がもちろんあるわけでありますが、そのまず第一番の前提は、財政当局として財政規律というものをやはりきちっとやっていく、財政規律に対しての堅固な意思を持っているんだということをやはりいろいろな機会に示していくということが一番基本中の基本なのではないかと思っております。これは今の財政上ではなかなかその辺は簡単なことではありませんけれども、先ほどちょっとお触れになりました、二〇一〇年代初頭にプライマリーバランスを回復していくんだ、そういう意思、方向性をあらゆる機会に示していくということがまず一番大事かな、このように思います。

 その上で、今委員が御指摘になりましたように、中長期的な意味から、コストの増大を抑制していく、そういうことを基本としながら確実かつ円滑な消化を図っていくのが一番基本的な考え方ではないかなというふうに思っております。

 そういうもとで、市場のニーズとかあるいは動向といったものを十分に踏まえて国債発行を行う、それから国債市場のインフラ整備というようなことも考うるべき点がたくさんあるのではないか、そういうことを考えまして、昨年の十二月三日に「国債管理政策の新たな展開」というのをまとめまして公表させていただきました。委員が今御指摘になりましたように、こういう国債管理政策を遂行していく、その体制というものの整備、これにやはりかなり力を入れているところでございます。

 具体的に申しますと、その機構として、国債を担当する国債担当審議官それから市場分析官というポジションを新設する。それから、今までは国債課というものがございましたけれども、これを二つの課に分けまして、国債企画課それから国債業務課と二つに分けて充実させていく。それから、定員としても、国債関係課の人員、今まで四十八名でございましたけれども、これを五十三名にふやすということをしております。それから、市場分析官というのを新たに設けるわけですが、これは、市場動向等の分析のノウハウを新たに導入するために、専門的な経験、知識を持った民間の方を登用して、その方向を充実させていきたいというふうに考えております。ことしの七月から実施することを予定いたしております。

 今後、こういう体制の整備も含めて、先ほど申し上げた「新たな展開」でお示しした方向をきちっと踏まえながら、国債の円滑かつ確実な発行というものに、それから国債市場の安定という方向に努めてまいりたい、こう思っております。

津村委員 御丁寧な答弁をありがとうございました。

 これは私個人の意見でございますが、少しだけ申し上げますと、民主党の立場といいますか、国民の声を代表しながら税金のむだ遣いをなくしていこう、そういうことは厳しく予算審議等で私ども唱えておりますし、細かいところも含めてしっかりチェックをしていきたい、そう思っております。

 それが大前提の上で申し上げるわけですが、やはりそうはいいましても、めり張りのある人員配置あるいは予算ということをしていただければいいわけで、国債管理政策というのは私は大変重要な問題だと思っております。そうした中で、今のお話、大変よくわかりましたけれども、今後とも国債市場をしっかりと見据えながら国債管理政策を行っていただきたい。そういう観点から、必要であれば、しっかりと人と物と金と情報、そういったものを谷垣大臣のイニシアチブのもとでマネージしていただければ、そう思う次第です。

 以上で谷垣大臣への御質問は終わらせていただきます。ありがとうございました。

 多少時間の配分が、私、自信がないものですから、少し順番を変えて一つ……(発言する者あり)はい、わかりました。

 農林水産省から、金田副大臣でしょうか、来ていただいていると思います。一点御質問を先にさせてください。

 今回、二つの法案について審議しておる中で、農業共済再保険特別会計の農業勘定における平成十五年度の再保険金の支払財源の不足に充てるために行う積立金の歳入への繰入れに関する法律案について、一点でございますが、お聞かせください。

 昨年の冷害、これに対して、農家の皆さんが非常に深刻な被害を受けている。そうした中で、今回、私ども、補正予算に対してはまた別途の考えもございますが、この法案については、これは前向きに検討しなければいけない大変重要なテーマである、そういうふうに考えているわけです。

 そしてまた、農家の皆さん、私はいろいろな方からこの間ヒアリングをさせていただいたんですけれども、年内に共済金を受け取ることができるかどうか。これは、前回の、平成五年の例のタイ米を緊急輸入したとき、あの大変深刻な冷害の際にもやはりあった事例ですけれども、年内に共済金が欲しい、そういうニーズが大変大きいというふうに聞いております。

 その措置というのは現在とられているんでしょうか。それとも、この審議が進んでいかなければ、農家の皆さんはさらに苦しんでいる状態が続いている、そういうことなんでしょうか。これはどちらでしょうか。

金田副大臣 昨年の干ばつ、そして日照不足、冷害というようなことで、水稲を中心に大変な被害がありました。全国で作況指数が九〇ということでございます。特に北海道は七三ですか、東北地方も大分被害がありまして、八〇ぐらいの作況指数ということでございます。

 それで、この対策で農林水産省で対策本部を設置させていただきまして、共済金をなるべく年内に払おうというような対策を講じさせていただいております。そのほかにもいろいろな融資制度等々の対策を講じておりますが、とにかく年を越す前に払っていただきたいという農家の皆さん方の期待にこたえるために、つなぎ融資というようなことで、今、共済金が千百八十億ぐらいですけれども、ほとんどが、そのうちの一千億ほどのお金が水稲でございまして、これについては年内に支払うように措置しまして、大体水稲については全額の支払いが終わっていると思います。これから、畑作物について、損害額が確定し次第年度内に支払えるように対策を講じているところでございます。

津村委員 具体的な御説明をありがとうございます。

 私、確認ということで御質問させていただきましたが、少しだけですけれども勉強したところ、水稲について年内に基本的に支払われている、そして、仮払いですから、少しその間時間がかかった分、利子負担がこれは発生する、それが補正予算に二億円程度計上されていると聞いておるんですが、必要な措置でないかと思っております。

 そうした中、今、畑作物というおっしゃり方をいたしましたけれども、大豆等の件については、まだ損害額が必ずしも正確に算定されていないということもあって、いまだ執行が進んでいないということでありますが、やはり大変重要な問題と思いますので、こちらが遅滞なく措置されることを、これは個人的ですけれども、希望いたします。引き続き努力を重ねていただければと思っております。

金田副大臣 まさに、この共済金の支払い、なるべく早くという農家の皆さん方の要望にこたえるために、水稲については大体支払いが済んでおります。あと、百億ほどの畑作物共済金の支払いでございますが、損害額を確定し次第払わせていただきたいということでございます。

 これは、つなぎ融資ということで、民間の金融機関から金を借りているわけでございまして、この法律をなるべく、一日でも早く通していただきまして、そうすると、また利息分が安くなるわけでございますので、どうかよろしくお願いします。(発言する者あり)

津村委員 私も、臨時国会をやっていればというのはそのとおりだと思います。

 それでは、続きまして、遠いところを来ていただきました福井日銀総裁に御質問をさせていただきたいと思います。先般の追加的な金融緩和についての御質問でございます。

 質問の趣旨ですが、今回の措置につきまして、一部市場参加者からは、そもそも今回の政策変更の背景には、量的緩和政策の効果に対する福井総裁御自身の認識の変化があったのではないか、そういった見方をする向きもあるようでございます。

 ここは正確にお話をするべきだと思いますので、私も少し具体的な資料を探してまいりました。お配りもさせていただきましたので、一部は読み上げさせていただきながら御紹介をいたします。

 まず一つですけれども、こちら、BNPパリバ証券というフランス系の証券会社がございますが、こちらでウイークリー・ボンド・ストラテジー、ウイークリーですから毎週出ているんだと思うんですが、こちらは英語にも訳されて、海外の投資家にも広く読まれているレポートだと聞いております。

 こちらの中に、これはもう皆さんのお手元にはあるんですが、御紹介させていただきますけれども、ここで、総裁記者会見の文言を引きつつ、総裁のコメントに対して次のように論評しています。

 「デフレ・スパイラルの防圧に貢献したことから、経済の立ち上りにも役に立つだろうと説明している。ついに日銀は量的緩和の効果を積極的に認めたのである。そして、まさに、ここに論理の飛躍がある。流動性供給による金融システム不安の沈静化と、資源配分の効率化によって達成されるべき経済体質の強化はまるで違うはずだ。」少し略しますが、「福井総裁自身の本意であるか否かはともかく、日銀(或いは賛成に投じた七名の審議委員)は、また新たな領域に踏み出した。或いは、そうせざるを得なかったと見るべきであろう。」。

 これだけでなくて、そのほか、追加緩和措置が発表された翌日の一月の二十一日の新聞各紙にも同様の指摘が見られまして、今回の日銀の追加緩和については、市場との対話、これまで福井総裁が昨年三月に就任されて以来大変努力をされてきたと思うんですけれども、この市場との対話という部分で若干配慮不足があったんではないか、そういった論調が一月二十一日の報道に大変目立ったのが残念でございます。

 例えば、「日銀はこれまで「量的緩和はデフレ解消の効果は薄い」と主張しており、突然の「路線変更」には、市場を始め、日銀内部ですら、戸惑いの声が出ている。」これは朝日新聞でございますが、こう報道されております。

 引用が長くなりましたので、最後にいたしますが、こうした市場の戸惑いにつきましては、実は本日日経新聞にも報道がありますが、日銀の審議委員であります田谷さんが、昨日の京都市内での記者会見において、市場との対話の至らなかった面として次のように認めております。私の手元にあるのは昨日の午後にブルームバーグで配信をされました記事ですので、そこからの引用ということで読み上げさせていただきます。

 田谷審議委員は、今回の決定について、私はマネーサプライをふやすために行ったとは思っていないが、そう思っている人もいる、為替のためにやったと思う人もいるし、量的緩和の効果を誤って解釈している人もいる。少し略しますが、ある行動をとった後、誤解を含むさまざまな解釈が出てくること自身、我々のコミュニケーション、政策が、我々というのは日銀ということですが、我々のコミュニケーション、政策が不十分であることをあらわしていると思う、もう少し、何をやるにせよ、市場との対話をもっと図っていく必要があると思う、こう日銀の田谷審議委員が述べておられます。

 本日、大変御足労いただいておるわけでありますけれども、言うまでもなく国会の場は国民との対話の場でありまして、また、金融市場も大変注目をしていると理解しております。ただいま御紹介いたしました、ついに日銀は量的緩和の効果を積極的に認めたとか、日銀は新たな領域に踏み出したとか、突然の路線変更、こういった受けとめ方が本当に正しいのか、もし仮に誤解であるとすれば、量的緩和政策の効果に対する福井総裁のこれまでと変わらない御評価と、今回の政策変更の正しいねらいについて、この場を通じて、私、多少時間がございますので、改めて説明をしていただきたいと思います。

 私は、あと十分時間がありますが、もう一つ御質問を用意しております。

福井参考人 お答えを申し上げます。

 少し長い御質問をいただきましたので、答弁も若干長くなることをお許しいただきたいと思います。

 まず、日本銀行の一貫した政策姿勢を申し上げます。これは、CPI、つまり消費者物価指数の前年比変化率が安定的にゼロ%以上になるまで現在の超緩和、量的緩和の枠組みを維持する、そして情勢の推移に応じて必要な補強措置を講じていく、これが一貫した政策姿勢でございます。

 ただ、日本銀行を取り巻く金融経済情勢は刻々と変化をしております。刻々の変化、しかし、大きくとらえますと、私どもの感覚では、昨年の夏ごろまでは、経済が、どちらかというと、ともすれば落ち込もう落ち込もうとするような環境でございました。幸いにも、昨年の夏過ぎ以降は、経済が少しずつ上向きの方向に、いわばいい方向に局面変化をした、こういう状況でございます。

 日本銀行の基本的な政策スタンスは、消費者物価指数が安定的にゼロ%以上になるまで、どんな局面変化があってもこれを貫くということであります。政策姿勢は一貫しておりますが、局面はいい方向に変わっているということでございます。

 したがいまして、政策運営をいたします心構えとしては、昨年の夏ごろまでは、落ち込む経済に対していかに下支えするか、こういう気持ちで政策運営に当たる。そして、昨年の夏過ぎ以降、特にことしになりましてから、将来展望が少しずつ明るくなっております。せっかく出てきたこの新しい芽を大事に育てていく、こういう気持ちに気持ちは切りかわります。しかし、一貫した政策姿勢は、CPIが安定的にゼロ%以上になるまで断固今の枠組みを続ける、そして、情勢の変化に応じて、必要とあらば追加措置も講ずる、この姿勢でございます。

 現在の状況に即して申し上げますと、景気は確かに緩やかに回復をしておりまして、先行きにつきましても、当面景気が後戻りしてくる心配はない、これは非常に歓迎すべきことだと思っておりますが、ただ、回復テンポは、まだ過剰債務など構造的な問題が多々残っておりますもとで、緩やかなものにとどまる可能性が強いと私ども判断しております。私どもが注目しております物価情勢ですが、これも、下落傾向というものは少しずついい方向に改善しつつあるというふうに思っておりますが、消費者物価指数の動きを見ておりますと、基調的にはなおしばらく下落基調をたどる、つまりデフレ脱却の展望はなお容易につかみにくいという状況にございます。

 したがいまして、こういう状況のもとでは、我々の持てるフレームワークのもとで、景気の回復をより確かなものにしていくための必要な措置というものはタイムリーにやっていかなければならない。それに加えまして、金融・為替市場の動向を見ておりますと、折に触れ、長期金利あるいは為替の動きが不規則な動きをする、そうしたことが、経営の最先端に立っておられます企業経営者の心理状況をどういうふうに巻き込むかというふうなことについても注意深く見ながら、政策対応をさせていただきたいということでございます。

 量的緩和の効果でございますけれども、今申し上げましたとおり、消費者物価指数の基調は少しずつよくなっている。指数で申し上げますと、あと〇・幾らのマイナスの物価じゃないか、こういう感覚をお持ちになるかもしれません。しかも、景気が少し上向いてきたからには少し気楽に見ていいんじゃないかという気持ちが、ひょっとしたら経済界全般に少しずつ出始めているかもしれないと私どもは思っておりますが、しかし私どもの認識は、残り〇・幾らのデフレを克服していく道、つまりこの最後の一マイル、ザ・ラスト・ワン・マイルはなお非常に厳しい道だ、これが私どもの基本的な認識でございます。

 この道を克服していくそのプロセスというものは、引き続き、企業部門もそれから金融部門も、やはり、リストラの努力をさらに進めていただきながら、新しい価値創造の過程に早く入っていただかなきゃいけない。そのことを、我々が提供する非常に緩和的な金融条件、金融環境というものをフルに活用しながら、さらに前進してほしい。つまり、構造改革のさらなる前進、経済全体としては持続的な成長軌道への復帰、この道筋と金融緩和の効果との相乗効果をより強く出していくことが、唯一、この残り一マイルの厳しい道を乗り切っていくルートであると私どもは確信しているわけでございます。

 量的緩和の効果というものは、もう御承知のとおり、流動性をたくさんマーケットに供給することによりまして、短期金利のみならず期間の長い金利についても極力低位に抑えて、企業及び金融機関、特に企業にとっての資金コストを常に最低限のものに抑える、信用スプレッドについても、非常に幅の狭い、低位なものに抑えて、金融環境を企業にとって有利なものにしていくということのほかに、金融市場あるいは我が国の経済にはさまざまなショック要因が今後とも舞い込んでくると思いますが、そのショックを金融市場の中で極力速やかに吸収してしまう、そういう安定的な金融環境を企業に提供することによりまして、今後とも、リストラ、さらにはより前向きに価値創造に向かっての新しいビジネスモデル構築を支援してまいりたい、こういうことでございます。

 経済が落ち込む、ともすれば落ち込もう落ち込もうとする昨年夏ぐらいまでの状況にあっては、こうした私どもの量的緩和のフレームワークというものは、落ち込みを下から支えるという意味で、つまり、経済がデフレスパイラルに落ち込んでしまうということを強力にサポートしたと思います。今度は、経済が前向きに動き始めましたら、その下支えしていた力は、これに伴って後押しをしていくという力になるわけで、表現は、下支えから後押しというふうに変わるといたしましても、金融緩和の効果、実態的な効果そのものは何ら変わりがない。

 私どもの姿勢も量的緩和の効果も変わらない、これは消費者物価前年比変化率が安定的にゼロ%以上になるまで貫き通す、こういうことでございます。

津村委員 今、大変明確な御答弁があったと思います。これまでの、心構えというお言葉を使われましたが、心構え、そして、量的緩和の実態的な効果は何ら変わっていないという明確な御答弁を得られたと思っております。

 まだ少しだけ時間がございますので、多少重複いたしますが、量的緩和政策の出口戦略について、今回は短くて結構ですので、伺わせていただければと思います。

 なぜそういう御質問をいたしますかといえば、内外に大変不確定要素が多い中で、確かに現時点で出口論を論ずることは大変難しい。これは福井総裁も記者会見等で述べられております。おっしゃるとおりですが、しかし、現在の短期金利がほぼゼロ%で固定的に推移している中で、将来の短期金利への期待に働きかける、いわゆる期待形成を通じて、長期金利の安定、ひいては実体経済への直接間接の波及ルートを確保することが日本銀行の政策運営において決定的に重要な意味を持つもの、そう考えるわけです。

 今回の追加緩和直後の国債利回りの推移を見ましても、まだまだ一週間しかたっておりませんし、その他さまざまな要素があります、余り乱暴なことをここで議論するのは差し控えたいとは思うんですが、そうはいいましても、五年債の利回り、十年債の利回りは、ちょっと済みません、細かい数字がありませんけれども、グラフにして見てみても、ほぼ五年債、十年債は横ばいの中、二十年債についてはやや上昇、強含みというような姿もございます。今回、時間軸効果を延長したという理解もあるわけですけれども、これは、期待されているそういった結果には、期待形成にはつながっていない。

 そういう意味でも、まあ失敗と断ずることはできませんが、対話不足が若干あるのかなというような気がしたものですから、今後の、今まさに総裁がおっしゃられた、消費者物価指数の安定的な前年比ゼロ%以上での推移、こういったものを実現するパスといいますか、具体的なこれからのシナリオ、あるいは、その途中で、この間、日銀の政策手段というのは随分当初の予想より拡大してきたわけでありまして、それは一つ一つ理由があるとは思いますけれども、今後の予見可能性という意味でも、残された、あり得る政策手段も含めて、今後の出口戦略を伺いたいと思います。よろしくお願いします。

福井参考人 ただいまの御質問に対しましては極めて簡潔にお答え申し上げるということでお許しいただきたいと思いますが、と申しますのは、出口戦略の詳細を申し上げるには余りにも時期尚早だという点が一つございます。

 ただし、将来におきまして、この量的緩和のフレームワークから通常の金融政策のフレームワークに切りかえていく、いわゆる出口戦略というのは非常に重要だという点は同時に強く認識をいたしております。

 CPI、消費者物価指数の前年比変化率が安定的にゼロ%以上になるまでというものは、私ども、当面の非常に重要なゴール、目標といたしておりますけれども、消費者物価指数の前年比上昇率がゼロ%以上になれば、すぐ、均衡ある、将来望ましい日本経済の姿になるかどうかということとはまた別問題。その先、本当に均衡ある日本経済の姿、いわゆる最終的なゴールに行くまでさらに距離があるかもしれないというふうに思っていかなきゃいけないと思います。したがいまして、そういう意味では、消費者物価指数の前年比上昇率が安定的にゼロ%以上に達するというのは、一つの通過点であるかもしれないということでございます。

 ともあれ、まずこの通過点に早く達しなきゃいけない。そして、通過点が来た以降の問題については、より望ましい、均衡のとれた日本経済に向かって我々としても金融政策はきめ細かく運営していかなければいけないと思いますが、重要な点が幾つかあると思います。

 一つは、量的緩和のフレームワークのもとにおきましては、効果もねらっておりますけれども、コストも払っている。つまり、金融市場の機能をかなり犠牲にしながら金融政策の運営をしておりますので、金融市場の機能回復というものを図りながらその後の金融政策は運営しなければいけない。それから同時に、先ほど委員も御質問なさいましたけれども、国債発行残高というものが非常に累増しているという前提条件のもとでその後の金融政策もやっていかなきゃいけない。したがいまして、国債管理政策と金融政策との整合性ということを十分図りながら、安定的な市場運営を図っていく必要がある。

 大まかに言いますと、そういう大きな課題が頭に浮かびます。詳細は、これからじっくり勉強していくことだというふうに思っております。

津村委員 最後に一言だけ申し上げます。

 もう時間がありません、詳細を御紹介いたしませんが、本日朝の日経新聞等の報道によれば、日本銀行は本年七月からかなり大胆な組織改革を行うというような報道がなされておりました。課制、局、課とあるわけですけれども、その課を廃止するといった、かなり大胆な改革案だと思います。

 この間日本銀行が経営合理化の努力を続けていると、この間平岡議員の質問に対して予算委員会でお答えになっておられました。そういった努力があること自体、私、事実として知っておりますけれども、今回のような、若手の登用あるいは組織のフラット化、こうした、組織を活性化していくという努力が同時に行われなければ、経営合理化だけでは組織は活性化されません。組織の士気あるいはモラールといいますか、そういったものが低下することが大変心配されるわけでございます。ぜひ、こうした前向きな努力をこれからも続けていただければと思います。

 そこはエールを送らせていただきまして、そしてまた、先ほど、終始一貫して変わらぬ量的緩和への評価と、非常に明確な御答弁をいただいたこと、大変有意義であったということを申し上げて、私の御質問を終わります。ありがとうございます。

田野瀬委員長 次に、馬淵澄夫君。

馬淵委員 民主党の馬淵澄夫でございます。

 本日は、発言の機会を賜りまして、まことにありがとうございます。私自身、きょうは国会議員となって初質問であります。政治の道を志し、ようやくこうして国会の場で討議に参加させていただけることに大変感激をいたしております。同僚新人議員五十八名並びに諸先輩方々の名に恥じぬよう、重責を担わせていただきたいと思っております。

 さて、世情を見ますと、国民生活は疲弊し切っております。私自身、六人の子供と私の両親、家内の両親の十二人家族で暮らしてきましたが、その市井の家計の苦しみというものを大変実感いたしております。それでも多くの国民が、あすの光を夢見て精勤し、そして税金を納める。この税というものは本当にとうといものだと感じております。

 その税を国民生活向上のために使い道を決めていくということが政治であり、そのかじ取りのかなめになるのが財政であります。しかしながら、財政というのは、一般には難しい、何やら近寄りがたいものという響きがあるのではないでしょうか。財務金融委員会を、民間企業経営の現場にいました私自身が国会に来てやらせていただきたいと思いましたのも、まさに、この国難の時代に、国家の経営である政治の最も重要なかじ取りを行う部門であると思っていたからであります。

 企業経営、これを考えますと、営業なくしては成り立ちません。売り上げがすべてを解決すると言われるのも、現場感覚としては実態に即したものと思われます。しかし、昨今、そうした現場の営業の売り上げや、あるいは新規商品、サービスの開発努力、また徹底したコストダウンを図る生産部門の努力というものが、経営者あるいは総務、財務部門の無責任なかじ取りによって一瞬にして崩壊し、企業経営破綻が発生していることを考えますと、財務金融部門を含む経営の責任の重大さというものを痛感するものであります。

 この国政の場で、国家の経営の根幹たる財務金融委員会で、健全な国家財政運営の一助となりたいと思った次第でございます。これから全力で取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。

 本日は、まず、補正予算関連法案につきまして御質問をさせていただきます。

 この平成十四年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例に関する法律案についてでありますが、本法律案は、その名のとおり、財政法上の特例を認めるものであります。財政法六条一項に定める、公債の償還財源への充当という原則を曲げる以上、これを認めるに当たっては厳格であるべきと考えます。

 先ほど同僚議員の津村さんからの質問にもございましたが、また所信にもお話がありましたが、まず大臣、この制度の趣旨と、そして適用に当たっての判断基準、これをまず端的にお示しいただきたいと思います。

谷垣国務大臣 馬淵委員の初めての御質問、答える私も、一生懸命答えさせていただきたいと思います。

 それで、今、財政法六条の特例措置をこの補正予算でも行う、原則が財政法六条であるのに、その例外的措置をとるからには、やはりきちっとした態度が必要ではないかという御趣旨でございました。

 先ほど津村委員の御質問にもお答えしたところでありますが、財政法六条の趣旨は、剰余金が出た場合に基金に繰り入れることによって、国債、公債の償還を確実ならしめようという趣旨からあの規定が設けられている、これはもう申すまでもないことでございます。

 そして、先ほど津村委員の御質問にもこれもお答えしたところでありますが、公債発行を抑制して、結果として基金に繰り入れない特例を設けるのか、それとも基金に繰り入れていくのか。結果的には、国家の財政上大きな違いはない、最後のつじつまの上では。しかし、今回、私どもは、やはりこれだけの国債を発行しておりますと、国債の信認というものが大事である、こういうふうに考えまして、今回もということになりますが、今度のような特例法をお認めいただいて、補正予算をつくっていこうという方向を選んだわけでございます。

 今後とも、剰余金の処理、これは財政法第六条に基づく対応を行うことが基本であるということは、私どももそういう認識でおりますけれども、今度の措置については、今のような財政事情のもとで、国債増発を回避しながら行う、やむを得ざる追加財政需要に対応していく方法であるということで御理解をいただきたい、こう思っております。

馬淵委員 かつての財務大臣また大蔵大臣の皆さん方がこの特例措置をいともたやすくお認めになってこられたわけでありますが、それでは、過去二十年間における財政法六条剰余金、これを一般財源に繰り入れてきた累計金額と充当割合、これはいかほどになりますでしょうか。お答えいただけますか。

杉本政府参考人 数字の御質問でございますので、私の方からお答えさせていただきます。

 過去二十年間における剰余金の一般財源への充当額の累計は九兆五百九十三億円でございまして、決算上の剰余金の累計額は十三兆一千四百九十一億円でございます。

馬淵委員 累計額、今おっしゃいました十三兆一千四百九十一億円、うち、一般財源への充当九兆五百九十三億円。充当割合六八・九%ということだと思いますが、立法措置を伴わない繰り入れもありますのでこれは区別しないといけないわけでありますが、過去二十年間における立法措置による一般財源への充当累計額、これは四兆五千億円余り、立法措置は八回に及ぶわけであります。これは、先ほどの立法措置を伴わない充当も含めた累計額の三四%、約三分の一に当たります。

 そして、ここ十年間で見ますと、財政法六条剰余金の累計額というのは三兆九千億円、特例立法措置を行った累計金額は一兆八千億円と、実に五割弱になんなんとするわけであります。

 このようなことが頻繁に行われるようになったわけでありますが、これは、決算上の剰余金の一般財源への繰り入れが、もはや特例ではなく、常態化しているという証左ではないでしょうか。大臣、お答えを願います。

谷垣国務大臣 これは先ほど御答弁したことの繰り返しになりますが、あくまで基本は財政法六条に定められているものである、私どももこう考えているわけでございますが、今の委員御指摘のように、過去においてかなり頻繁にこういう特例措置をとってきたことも事実でございます。

 これは要するに、これだけ発行している国債の信認を維持しようということでございますが、方向としては、全体の財政規律を今後も緩めることなく、この六条の原則が原則として通用するようなことに早く持っていきたい、こういうふうに考えております。

馬淵委員 国債の信認を維持するためということでお話をされていますが、政府は、先ほど来ありますように、本法案提出の理由を、趣旨を、国債発行額を極力抑制するとの観点からとされておられます。

 しかし、結局は、赤字国債、これを発行して賄うべき歳出を先送りし国債の発行を回避する、いわゆる財政のやりくりであり、隠れ公債と呼ばれるものにほかならないのではないかと考えるわけであります。

 そして、先ほど述べたように、決算上の剰余金の一般財源への繰り入れが常態化しているということも明らかなように、赤字国債の発行を形式的に抑えるために行われるさまざまな財政上のやりくり、これが実は財政の不明瞭さを高め、問題を覆い隠すことになっているのではないかと考えるわけですが、大臣、いかがお考えでしょうか。

谷垣国務大臣 これは、いろいろな財政上の手法を弄して隠れ借金をつくっているんじゃないかという御趣旨のお問いかけだろうと思います。

 ただ、私ども、今まで、かつて、確かに財政法上の手法を弄して、いろいろな意味で、表面を見たときに、今の日本の財政の実態に必ずしも的確に対応しないような手法が間々あったことは、これは否定できないことであると思っておりますが、私どもは現在、それをできるだけ明らかにして、国家の財政状況が明瞭に認識できるようにしなければならないということで、改善の努力を続けているところでございます。

 それで、この件につきましては、先ほど申しましたように、結局、繰り入れて新たにまた国債を発行、今度の補正もやむを得ざる追加財政需要に限っているわけでありますけれども、基金に充当いたしますと新たな国債を発行しなければならないということになりますので、そういう道を選ぶのか、それとも、国債の発行は抑えて繰り入れをしない道を選ぶかという、いわば二者択一の選択でございます。

 そういう点で、いわば小さな点で違いがございますけれども、全体の、大きな点では、私は、国家の財政状況というものに変化を来しているものではないというふうに考えてこのような選択をしたわけでございますので、御理解をいただきたい、こう思っております。

馬淵委員 今のお答えでありますと、大きな点では変化ないというお話ですが、この特例立法措置が常態化しており、この措置よりも、まず財政健全化への根本的な改革が実は推進されていないという事実が御答弁を聞いていても明らかであるということは確認できたのではないかと思います。

 先ほど来、大臣、国債の信認を維持するためにと繰り返しおっしゃっておりますが、大臣、国債を個人的には幾らお買いになられておりますか。お答えいただけますか。

谷垣国務大臣 突然のお問いかけでございますので、余りいいかげんなことは申してはいけないんですが、かつて幾らか持っていたことは事実でございますが、現在は私、所持はしていないのではないかと思います。間違っておりましたらまた訂正させていただくことがあるかもしれませんが、そう認識しております。

馬淵委員 大臣が先ほど来、国債の信認を高めるためにとお話がありましたが、今お持ちでないかもしれないという御答弁ですけれども、自分でお買いになられないものを人に勧めるというのはいかがなものかと私は考えます。これは企業経営の中でも、経営人みずからが株主たる姿、私は、一般の経営の社会では当然ではないかというふうに考えます。

 それでは、次の質問に移らせていただきます。

 そもそも、当初予算に対して補正を計上しなければならない事態、これがなぜ発生しているかと申しますと、歳入減、そして歳出増に原因があるわけであります。歳入の部分について、先ほど、特例措置を講ずるということに対して御質問をさせていただいたわけでありますが、ちょっと歳出部分にも触れさせていただきます。

 まず、先ほどの言葉にもありましたが、やむを得ずというお話ではありましたが、この補正予算を組むことに対する見解、これを大臣、お話しいただけますでしょうか。

谷垣国務大臣 補正予算を組む基本方針ですか。(馬淵委員「はい」と呼ぶ)

 基本方針は、我が国の今の経済情勢をどう見るかということが基本にあると思いますが、企業収益は改善してきて、設備投資も増加をしてきている。いろいろな数字を見ておりますと、いろいろなばらつきはもちろんあるわけでありますが、大きく申しますと、国主導の、財政主導に頼らなくても民需が伸びてくる形で回復してきている、こういうふうに見ているわけであります。

 こういう認識のもとで、平成十五年度の補正予算については、義務的経費を中心としたやむを得ない追加財政需要に限って対応を行う、そしてそれは国債は発行しないで行おう、こういうことで編成をいたしました。これが今回の補正の基本方針でございます。

馬淵委員 義務的な経費ということでお話がありました。

 補正予算を見ますと、先ほどおっしゃった追加額のうち、当然増の社会保障関係である義務的経費の増加分、これが五割を占め、そしてイラク支援や災害対策等の、予測し得なかった緊急の追加需要、これが二割となっています。確かに、御指摘のように、景気浮揚策のような、今日まで実効のなかった政策的補正予算は計上されておりません。

 しかし、義務的経費といいながらも、結果として当初予算を補うことになったということは、現下の景気に対する予測並びに認識が少なくとも一年前から大きく外れていた、あるいはずれていたということではないでしょうか。

 さてそこで、谷垣大臣、そして竹中大臣にもお見えいただいておりますが、景気に対する認識についてお答えいただけませんでしょうか。

谷垣国務大臣 それでは、まず私から申し上げます。

 先ほどもちょっと触れたところでございますけれども、輸出それから生産、ともに増加しておりますし、企業収益や設備投資の改善も続いております。また、雇用情勢も、大変厳しい中ではございますが持ち直しの動きが見られ、けさ、閣議で、総務大臣から昨年十二月の労働力調査の報告がございましたけれども、四・九%と、三十カ月ぶりに五%を割ったという御報告もあったところでございます。そういうように、設備投資それから輸出に支えられて、着実に回復してきているのじゃないかなと思っております。

 これから先の見通しですが、十六年度の我が国経済ということになりますと、世界経済もおおむね回復が続いているというふうに見ておりますので、生産や設備投資の緩やかな増加が続いていくのではないか。こういういわば企業部門の動きが、雇用、所得環境に、厳しいけれども、少しずつよい影響を及ぼして、家計部門も徐々に明るさが生じてきているということではないかな。こういうことから考えると、引き続き民需中心の緩やかな回復過程をたどるのではないかと思っております。

 ただ、私どもとしては、大きな流れはそうでございますけれども、まだらといいましょうか、いいところ悪いところ、いろいろある、こういうこともやはりよく目を光らせながら財政運営もしていかなければならない、こんなふうに思っているところでございます。

竹中国務大臣 馬淵委員は、民間で、非常にフレッシュな感覚で経済を見てこられたと思います。そういう感覚で我々もしっかり見ていかなければいけないと思っております。

 民間部門、非常にまだら模様でございますが、全体としての流れ、まさにマクロ的な動きということになりますが、それに関しましては、今谷垣大臣が答弁されたとおりであると思っております。

 参考までに数字を申し上げますと、今年度の経済成長の見込み、実質で二・〇%の見込みでございます。名目でも、わずかでありますがプラスになる。来年度の経済見通しは一・八%。これは、アメリカを中心に世界経済が比較的好調を続けるであろうということを前提にしておりまして、名目成長率も〇・五%と、少しずつ高くなっているという姿を想定しております。

 しかし、このマクロの動きを、やはり、地域であるとか中小企業であるとか、そういうところに浸透させることが重要であるということは、これはもう我々も非常に強く思っておりまして、こうした芽を今まさに浸透させたいというふうな認識を持っているところでございます。

馬淵委員 お二方ともに、景気の見込みというものに関しては、厳しいながらも、まだら模様ながらも上向きであるということを繰り返しおっしゃっているわけでありますが、財政の健全化ということを最大眼目とされる財務省のお立場でいえば、一番よいのは、当然ながら歳入が歳出を上回ることであり、少なくともバランスさせていくということであると思います。

 歳入増を図っていくには、全体の税収増、すなわち景気回復によることが最大の要因であることは間違いありません。しかし、それが実現しない今日、先ほどの剰余金の処理、すなわちいわゆるやりくりによって賄うか、あるいは赤字国債の発行、いわゆる借金で賄うしかないわけであります。一方、歳出の抑制を図ることは、すなわち、緊縮化だけではなく、大きく歳出構造を変えていかねばならない。それが小泉政権下における構造改革ではなかったのかと思います。

 今般の剰余金の特例処理、そして、その原因となる補正予算措置そのものが、小泉改革という言葉がまさにかけ声だけに終わっていることの証左ではないか。先ほどの御答弁のような景気認識で、かつ、補正予算もいたし方ないという程度の認識では、国民は到底納得いくものではないということを私の方からはお伝えをさせていただきたいと思います。

 そして次に、今、竹中大臣もお見えであります。景気の予測、認識、それに基づくプランが「改革と展望」と称するプランではないかと思われます。国と地方の基礎的財政収支、いわゆるプライマリーバランスについてお伺いをします。

 「改革と展望」では、このプライマリーバランスの黒字化について、二〇一〇年代初頭の達成をうたっておられます。私は、これもなかなか厳しい目標だとは思っています。言うはやすしですが、経済は生き物ですから、情勢に応じて見通しは大きく変わってきます。もしも長期金利が想定以上に上昇すれば、利払い負担がふえ、この目標もやはり先送りになる。デフレ脱却の目標、既に竹中大臣がかつて言われてきた、これが実は目標が二年先送り、さらに一年先送りとされたことと同じことが起きるかもしれません。情勢に応じて見通しが変わるのも理解できなくはありません。しかし、少なくとも最初の見通しが甘かったのは間違いないのではないでしょうか。

 この点、実際、一昨日の新聞ですが、米連邦準備理事会、FRBが、二十七、二十八日の両日に開かれた定例の連邦公開市場委員会、FOMCにおける声明を発表しました。その中で、超低金利の継続姿勢を示すものと言われる、かなりの期間、コンシダラブルピリオドという表現を削除したということが大きく報じられており、FRBが超低金利の修正に含みを持たせたものと受け取られ、市場も一斉に反応しているようであります。このように、金利一つとっても、情勢は刻一刻と変化します。

 プライマリーバランスの二〇一〇年代初頭の黒字化という目標が達成可能なのか、また、目標達成のための政府としてのどのような具体策を講じていかれるのか、谷垣大臣、竹中大臣、両大臣に伺います。端的にお答えいただけますか。

竹中国務大臣 委員御指摘のように、日本の今のマクロバランスを改善していくためには、経済を一方で構造改革によって活性化していく、そして歳出構造、歳出をできる範囲で抑えながら、歳出の構造をしっかりと変えていく、この御指摘は私たちも全く共通して持っております。同時に、二〇一〇年代初頭のプライマリーバランスの回復というのは大変難しい作業であるということも、私たちも思っております。

 委員のお尋ねは、それをどのように達成していくのかということが中心でございますけれども、一点、ちょっと技術的なことで申し上げさせていただきたいんですが、金利の上昇がプライマリーバランスの改善を阻むのではないだろうかという御指摘がございましたが、これは、プライマリーバランスというのは国債の金利を払う前の収支でございますから、実は金利の状況とは独立してプライマリーバランスというのは存在する。であるからこそ、逆に、プライマリーバランスを改善させていくということを我々は政策目標として重視しなければいけないというふうに思っているわけでございます。これは技術的な問題でありますけれども。

 プライマリーバランスを改善させるためにどうするか。その道筋は、これは一貫しておりまして、とにかく歳出の規模をGDP比で見て大きくしないようにする。これは、緩やかなゼロシーリングといいますか、歳出キャップをはめていくというのが基本でございます。その間に経済を活性化し、デフレを克服することによって税収が上昇してくるという形をつくっていく。二〇〇六年までは少なくともそういう状況を我々は想定しております。

 二〇〇七年以降については、それまでと同程度のプライマリーバランスの改善をどのようにやっていくのか。これは、歳出の面と歳入の面でどのような形をとるのかということを二〇〇六年度までにしっかりと国民的な議論をしていかなければいけない。

 いずれにしましても、今、プライマリーバランスの赤字、GDP比でマイナス五・四%ぐらいでございます。これを十年で解消するということは、年平均でGDP比〇・五%ぐらい縮めていくという努力が必要である。

 実は、先ほど、予定どおり進んでいないのではないかという御指摘がございましたが、「改革と展望」で示されておりますように、十五年度から十六年度にかけては、プライマリーバランスは、GDP比でマイナス五・四からマイナス四・六%程度に低下するということが想定されております。

 GDP、それと失業等々、これは昨年の「改革と展望」とことしの「改革と展望」を比べていただきますと、当初より達成がおくれているということはございません。デフレの問題、物価の問題だけ、なかなかこれは厄介な問題であるわけですが、実質成長率、名目成長率、プライマリーバランス、失業率等々、その意味では当初予定どおりの数字を達成、ないしはそれを上回っておりますので、これは難しい目標であるというのは御指摘のとおりでございますけれども、我々としては、何とかこの路線を強化、拡大して、目標を達成したいというふうに思っているわけであります。

馬淵委員 竹中プランと呼ばれるプランでありますから、竹中大臣からの御答弁をいただいたということだと理解します。

 去る二十八日の本委員会におきまして、所信に対する質疑の答弁の中では、谷垣大臣が、社会保障制度の見直し、そして三位一体の改革、公共投資に対する改革、これらを挙げて、進めることで目標を達成していく、こうおっしゃっておりました。しかし、まだまだ抽象的で、政府が掲げた目標を信じて、この苦しい中で歯を食いしばってついてくる国民への説明責任を十分に果たしているとは言えないと思います。

 また、同じ答弁の中で谷垣大臣は、平成十六年度予算において、二〇一〇年代のプライマリーバランスの改革に向けて一つの手がかりが得られたのではないか、こう明確におっしゃっております。であるならば、一つでも二つでも結構です、なるほど、これでプライマリーバランスの黒字化目標が達成できるかもしれないと思わせるような具体的な施策、これを国民の前に示していただけないでしょうか。

谷垣国務大臣 二〇一〇年代初頭にどう回復していくかという大きなプログラムに関しては、今竹中大臣から御答弁をいただいたとおりでございます。

 それで、ちょっと私、今手元に計算を持っておりませんが、一つの手がかりを得られたと申しましたのは、十六年度の公債依存率は四四・六%でございまして、十五年度と同じになっているわけですが、これは計算していただきますと、昨年より、ちょっと今数字が頭に入っていないんですが、プライマリーバランスが回復をしているのは事実でございます。

 これを目しまして、私は、一つの手がかりを得られたと申し上げたわけでありますけれども、これは、先ほど馬淵委員もおっしゃいましたように長い間の見通しでございますから、確かに竹中大臣のおっしゃったように金利負担そのものはプライマリーバランスと直接関係ないとはいえ、財政運営に大きくかかってまいりますので、なかなか読めない要素がたくさんあって、脆弱な要素があることも私は事実だと思っております。

 論語ではございませんけれども、任重くして道遠しということでございますので、やはりきちっと歳出の見直し努力を続けていくということ、先ほど、二〇〇六年までそういうことでやるという竹中大臣のプログラム、御紹介がございましたけれども、そういう努力をやはり汗をかいて続けていくということが一番基本ではないかと思っております。

馬淵委員 公債の依存率を見て手がかりを感じたとおっしゃいますが、それが果たして本当に国民の皆さん方に納得できる手がかりとして示されているかどうかというのは非常に疑問に感じるわけであります。予算執行調査やコスト削減ということだけでなく、企業収益あるいは産業創出に直結するような、そういうことを感じさせる予算化ということを前面に押し出しているとは到底思えないわけでありまして、今の御説明の中での二〇一〇年代のプライマリーバランス黒字化の目標が口先だけでないということを信じております。政府の皆さん方には、ぜひ目標達成のために一層の努力を促していただきたいと思います。

 それでは、次に参ります。谷垣大臣の前任の塩川前財務大臣は、よく、財政の基本は入りをはかって出るを制することとおっしゃっておりました。次に、この出るを制するの部分について質問をしたいと思います。

 補正予算というのはみだりには提出してはならない、これは当たり前のことであります。また、現下の厳しい財政事情を勘案すれば、予算編成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費が必要となり、補正予算を組むことがやむを得ない場合であっても、出を制するということでいえば、その追加財政需要というのは、十分に精査した上で、真に必要な経費だけを認めなければならないと思います。

 今回の補正予算、先ほどもおっしゃいましたが、義務的経費、当然増、こういった部分でいたし方ないという言葉がありましたが、当然厳しい査定方針で臨まれたことと思いますが、まず、いかに厳しい態度で臨んだのかということを、大臣、端的にお答えいただけますでしょうか。

谷垣国務大臣 それぞれ、厳しい態度と申しますか、実質上、一般会計歳出及び一般歳出を平成十五年度予算よりも抑制していくということが基本でございますが、それと同時に、めり張りをつけていくということをあわせて目標といたしました。

 それで、前年度より実質的に抑制していく、これは、災害とかあるいは義務的経費で若干伸びている点が確かにございますけれども、実質的には昨年よりも削り込んだという内容になっているのではないかと思います。

 それから、めり張りの方も、社会保障関係、これはもう高齢化が続いていくという増要因がございます。それから科学技術関係、それから中小企業対策費、こういうものは、政策的にいわば張りをつけたわけでございますが、そのほかの予算については一様に抑え込んでいった、こういうことをやらせていただきました。

 それから、先ほど、プライマリーバランスのことで、ちょっと数字が手元にないと申し上げましたけれども、国債費マイナス公債金収入の推移というのがございますが、平成十六年度は対GDP比で三・八〇%減ということでございますので、これが一つの数字になるかと思っております。

馬淵委員 ありがとうございます。

 今の御答弁を踏んまえまして、追加財政需要、今申し上げたような補正予算の御質問を私させていただいているわけですが、補正予算を見ますと、今回の追加財政需要の主なものの一つに、イラク復興支援経済協力費の一千百八十八億円というのがございます。

 このイラクの復興支援については、昨年十月時点で、既に政府は、イラク復興に対する当面の支援として総額十五億ドル無償資金供与、イラクの中期的な復興需要に対する支援として最大三十五億ドルの円借款、合わせて総額五十億ドルの支援を表明してきました。今回、補正の中に計上された千百八十八億円というのはこのうちの一部、一〇・八億ドルということだそうですが、これは、言葉は悪いですが、そうしますと、まずは額ありきで、中身は十分に精査されていないのではないかと心配するのであります。

 この点、今回の補正予算に盛り込まれた経費というのはどのように査定されたのか、これを端的にお答えいただけますでしょうか。

谷垣国務大臣 さっき、プライマリーバランスのことで舌足らずの答弁をいたしましたので、ちょっと補足させていただきますと、平成十五年度予算の場合の国債費マイナス公債金収入、これがGDP比ではマイナス三・九五%でありましたが、平成十六年度は、それがマイナス三・八〇%になっているということでございますので、プライマリーバランスの若干の改善が見られるということでございます。

 それで、イラク関係の復興支援の査定のあり方ということでございますが、確かに、去年十月、マドリードの支援国会合がございまして、そこで我が国は、イラクの復興に対して、当面の支援として総額十五億ドルの無償資金の供与を約束したわけでありますけれども、この約束をするに当たりましても、イラクの復興に対して我が国にふさわしい貢献をするという観点から、実施を想定している分野、事業の規模などにつきまして、外務省と協議、検討しながら行ったところであります。

 それで、平成十五年度の補正予算では、この十五億ドルのうち、イラク復興支援のための経済協力費として、電力それから水・衛生、保健医療、治安そのほかの分野における具体的な支援ニーズについて、外務省と詰めまして、一〇・八億ドル相当の千百八十八億円を計上したところでございますので、外務省とその点は積み上げながら協議をしたところであります。

馬淵委員 今、外務省と積み上げたということだそうですが、復興支援というのは急務であり、通常の経済協力のように事前に調査を行うというのは難しい、これはよく理解できます。

 そして、こういった場合に、言葉は悪いですが、人というのは、つかみ金というのを渡されるとむだ遣いしたくなるのが常なんですよ。やはり、そこはできる限り精査するというのが必要でないかと思うわけです。

 政府は、国際関係機関、世銀等が行った二〇〇七年までの復興需要調査の結果を踏まえて支援額を算出された、こういうふうにお話しされているわけですが、それでは血税を費やすということに対しての説明責任を十分に果たしたとは思えません。仮に、現地の復興支援のニーズを十分に反映しないで巨額の支援がばらまかれるだけに終われば、身を削って国際社会の一員として責任を果たそうと思っている国民の気持ちを裏切ることになります。

 特に、通常国会冒頭、イラクへの自衛隊派遣をめぐり、連日、きょうも熱心な論議が交わされている。国民も注目しております。そして、陸上自衛隊の派遣、ブーツ・オン・ザ・グラウンドという米国との約束ありき、派遣ありきという形で、自衛隊が現地に行って何をするのかが十分に議論されていない、これが今一方で議論されている中でありますが、お金の部分でもまた同様に、額ありきではないか、こう思うわけであります。

 そして、特にこの支援の中身についてなんですが、きょうは逢沢外務副大臣にもお見えいただいておりますが、予算編成時に十分な精査を行うこと、これは当然ながら必要なわけでありますが、そのお金の執行の部分でも、十分な確認、適切な執行の担保ということが重要だと思っています。

 昨年秋に、外務省は、大手商社等に対して、イラク国内で検討可能な事業のリストアップをしてこいと、非公式な会合でこれを求めています。これは、新聞の記事で見ますと、経団連の会員企業の一部の、その中での会合、また、日本貿易会、正会員企業数四十八の会合、ここで実際に、出せ出せ、こういうことを呼びかけておられるわけであります。

 外務省がこうして非公式な呼びかけを一部商社のみに行って、そして、当然のごとくNGO等は含まれていないわけですから、発注側の外務省が一部企業だけにリストを提出させる、これは入札の透明性、公平性という点で非常に問題がある。また、これは、額がありきであって支援の内容が詰まっていない証左だというふうに思われますが、この点、外務省いかがお考えでしょうか。お答えいただけますでしょうか。

逢沢副大臣 先ほど財務大臣の方から、当面の支援、十五億ドルの無償、そして総額五十億ドルまでの資金供与をする用意がある、そのことをマドリードの支援国会議で表明し、その後の作業になっているということについては御答弁をいただいたところであります。

 このイラクの復興支援、経済協力費のことについては、これはもう政府・与党挙げてあらゆる情報を集め、それを的確に分析し、そして、この十五億ドル、五十億ドルという数字を、最終的には政治の判断、政治決断で決定したということを申し上げておきたいというふうに思っております。

 千百八十八億円の復興支援の経済協力費、今回の補正でお願いをしているわけでありますが、予算委員会でもこのことについては申し上げたわけでありますが、まず、復興信託基金に四百九十五億円。そして、国連機関を経由しての支援に百三十四億円。この中には、例のハビタット、国連人間居住計画を通じて、例えば学校再建のプロジェクトを動かしていこう、あるいは貧困層を対象とした住宅の再建、そういうものはやはり国連機関を経由しての方が適当であろう、そういう判断をいたしたわけであります。一方、直接の支援について恐らく国民の方々は大変強い関心をお持ちのはずでありますが、これは、今同時並行で行われております特別委員会の方でもいろいろ議論をいただいております。五百五十九億円であります。

 実は、恐らく今委員が御指摘のことはこの直接支援のことについて、商社あたりから、いろいろさまざま、玉を出してこい、案件を出してこい、それが必ずしも、バランスを欠いている部分があるではないかといったような指摘がございましたが、そういう手段もワン・オブ・ゼムであるということを申し上げておきたいと思います。

 例えば、電力について申し上げますと、日本は今までイラクの発電所、随分手がけてまいりました。事情がよくわかっている、そういう背景はございます。あるいは、十三病院のことについてもあらゆる場所で申し上げてまいりました。日本が資金協力をして、ODA予算を使ってつくった病院、したがって、どういうところに手を入れれば病院の機能が回復するか、中を見ればどういう機材が必要なのかということがよくわかる。実は、奥、井ノ上両氏もそういったことについて大変な活躍をいただいておった。そういう努力の積み重ねが千百八十八億円になっているということをあらゆる場所で申し上げてきておるわけでありますけれども、ぜひ委員の御理解もいただきたい。

 なお、NGOの協力もいただいているわけでありまして、退避勧告が出ている都合で、多くのNGOはアンマンあるいはクウェートあたりに今居を置いているわけでありますが、そういう方々とも連携をしながら、この千百八十八億円、それぞれ中身のある予算の積み上げをさせていただいているということを申し上げておきたいと思います。

馬淵委員 もう時間となりましたので、今のお答えの中で、私申し上げたように、公平性あるいは透明性、これが担保されているかということについて十分にお答えいただけたとは思えないんです。

 繰り返し申し上げますが、企業に例えれば、外務省の方々は国際部であります。折衝を直接やってこられている。その折衝をやってこられている中でいろいろなことがおありでしょう。しかし、そこでの公平性、透明性をしっかり担保していただかなければなりません。

 そして、最も大事なのは、この財務部門で、その中身に対しての精査、これを厳しく見詰め直していただく、そうした姿勢が必要ではないかと思われます。せっかく出すお金ですから、イラクの復興支援にしっかりと役立てていただきたい。それが、苦しい中でこれだけ多額な復興支援に理解を示してくれている国民の期待にこたえることであることを再度申し上げて、私の質問とさせていただきます。

 以上です。

田野瀬委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時二十六分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時一分開議

田野瀬委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。佐藤観樹君。

佐藤(観)委員 きょうは、既に同僚議員二人やられましたように、平成十四年度の歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例に関する法律でございますので、一応触れなきゃいかぬだろうということでございますが、御承知のように、平成三年、六年、それから十一年、十二年、十四年と、同じような処理がされているわけです。

 それで、これはもう何度か審議をしてきた中でも、谷垣さんが先ほど言われたように、大きな会計から見れば翌年に繰り越すか国債の返済に充てるところに入れるか、大きく言えば同じだということはそうなんだけれども、しかし、あえて六条というのを財政法で残してあるし、これは実際一緒だからなくしてもらいたいと、国会が一番嫌がる皆さん方の方からも言ってこない。この六条の意味ということにつきまして、どういうふうに考えていらっしゃいますか。

谷垣国務大臣 財政法六条の意味は、公債及び借入金の償還財源としてこの剰余金をきちっと充てて、公債あるいは借入金の償還を確実にしていこうという趣旨であるということは、これはもう明白でございまして、やはりそれは、財政法の考えの上において、一つの基本的な財政法の立て方ではないかというふうに認識しております。

佐藤(観)委員 しかし、御承知のように、国、地方合わせて七百兆余の借金がたまっているわけですので、それはお互いにもう細かい数字は言わなくてもおわかりのとおりですが、片方ではそれを返せるようにしていこうと言ったって、現実には、とてもじゃない、後でお伺いしますけれども、そんな状況ではない。にもかかわらず、六条の一項というのがあるのは、今大臣言いましたように、あくまでこれが基本的な姿である。しかし、現実にはなかなか、とてもじゃないけれども、これだけ借金がたまってしまうと、返還金に充てるような余裕はないねと。

 そこで気になるのは、これはまだ採決はしていないと思いますけれども、平成十五年度の補正の中で、これはちょっと通告していないので恐縮ですが、事務方、簡単なことですから教えてあげてください、既定経費の節減というのは一兆一千七百十六億三千百万円と膨大なんですね。確かに、節約したり不用になったりするものがありますけれども、不用額が一兆九十一億二千六百万円と、幾ら八十兆の予算を組んでいる中でも、余りにもこれは大きいのではないかということで、各省庁いろいろ調べてみたら、財務省が一番多いんですね、七千四百億。中身は何かと聞いてみたら、一つは国債の金利が安くなった分だけ国債費が安くなる、それから、もう一つは人件費が人事院勧告によってマイナスになるということで、財務省が特に国債費が大きなウエートを占めると思うのでありますけれども。

 そこで思ったのでありますけれども、かつて田中内閣のときじゃなかったかと思いますけれども、大変景気がよくて、我々が陳情しなくても、各市町村が陳情しなくても、ぼんぼんと箇所づけがなされた時期が、今から見れば夢のような時期があるんですね。そういう意味で、これらの不用額なり節約額なりを見て、やはり人というのは金がたくさんあると気分的には非常に豊か、ふくよかになるけれども、今そんな財政状況じゃないものですから、このあたりは十分精査をして、お互いにさらに、財政の状況は厳しいんだ、厳しいなどという表現じゃない、もっと大変なんだということを認識するためには、この不用額、節約額、既定経費の節約というところもさらに切り込んで次の予算のときにはやる必要があるんじゃないかということを片方の方では思ったものですから、それについて考えをお聞かせいただきたいと存じます。

杉本政府参考人 先生おっしゃいますように、合計額一兆一千七百十六億円の既定経費の節減がございまして、そのうち千六百二十五億円が節約額でございます。これは、予算の成立を受けた後、節減合理化に取り組んでいただきたいということで各省庁にお願いいたしまして、行政経費等既定経費の一部、そういうものにつきまして執行を留保するということをやりまして、最終的に節約させていただいたものでございます。

 残りの一兆九十一億円、これが不用額でございます。そのうち人件費が二千四百三十一億円でございます。これは、人事院勧告がございまして、俸給の引き下げ、官民較差一・〇七%、期末手当〇・二五カ月分等減額することになりまして、その影響等でございます。それから、国債費が七千百八十七億円でございまして、その他の物件費は四百七十三億円でございます。

 先生の御指摘の中で大きいのは一つは人件費だと思いますが、人件費につきましては、これは毎年、人事院勧告に基づきまして、官民較差の調査をしていただきまして、それに基づいて対処しておりますので、そういったことを踏まえて予算の執行段階で対応する話だと思っております。

 それから、国債費でございますが、それは国債の金利をどういうふうに見るかということでございますが、過去の金利趨勢等を踏まえまして国債金利を見ておりますが、それは、やはり世の中の、市場の、マーケットの実勢等によりまして金利が変動いたしますので、今申し上げたような額の不用額が出てきたということでございます。

 十六年度予算におきましても、予算計上に当たりましては、必要額のみを計上するということで、いろいろな効率化等の中身の徹底した見直しを行っているところでございまして、そういった関係で、経費の節減にはいろいろ意を用いているところでございます。

佐藤(観)委員 十五年度の補正がまだ通っておらぬのに十六年度の予算の話をするのはいかがかなとは思っておりますが、ただ、これだけは言っていかなきゃいかぬのは、まあ必ずしもあなたの責任じゃないが、半分以上はあなたの責任じゃないかと思うんですが、小泉内閣ができたときに、国債は三十兆以上発行しませんということを言い、そのうちに、いや、あの公約なんて大したものじゃないんだということで大問題になった。新規国債三十六兆四千四百五十億、はるかに三十兆を超えているわけですね。これは、担当大臣としての責任はどう考えておるのか。総理と同じように、あんな公約は大したことないんだということなのか、これはどう考えておるんですか。

谷垣国務大臣 大変お答えするのに難しいお問いかけをいただいているわけでありますが、かつて総理が国債三十兆を限度とするという公約をなさったわけでありますけれども、現実にはなかなかそれが難しい状況になってまいりまして、十六年度予算は三十六兆六千億である、おっしゃるとおりでございます。

 それで、私としては、総理がかつてああいうことをおっしゃったことの意味は、財政規律をきちっとしていく、そのために全力を挙げて努力をせよ、こういう趣旨ではないかというふうに受け取りまして、私自身、昨年九月に今の仕事についたわけでありますけれども、財政規律をきちっとしていくというのが私の仕事の一つの目標である、こういうふうに考えているところでございます。

 これも午前中の質疑でもお答えをいたしましたけれども、十六年度予算におきまして、施策のいろいろな見直し、あるいは経費間の優先順位といいますかめり張り、厳しい選択を行いまして、歳出全般にわたった見直しをいたしまして、一般会計歳出及び一般歳出について、実質的に十六年度は平成十五年度以下に抑制したところでございまして、その結果、公債依存度が前年並みの四四・六%となったわけでございます。

 それから、午前中の質疑で馬淵委員の御質問にもお答えしたところでございますが、いわゆるプライマリーバランスの数字が、平成十五年度より平成十六年度は若干よくなるということになっているわけでございますが、しかし、財政の状況が依然として厳しいことには変わりがございませんので、今後とも、財政の規律をきちっとするということを一つの目標として努力をいたしたいと思っております。

佐藤(観)委員 今は結局そうは言えないかと思いますが、やはり今の表現の中でも、あの当初の小泉総理の勢いに比べると、財政規律をしっかりするんだという目標というものに変わったり、あるいは予算で四四・六に抑えた、赤字の発行額を抑えたということで、結局、小泉内閣における財政規律というのはだんだん緩んできているということが問題なので、確かに目標ではあるが国民に対する公約なので、やはりここのところはしっかりたがを締め直さないと、後からお伺いしますけれども、返す当てのない借金がどんどんふえているわけでありまして、小泉首相が就任直後に言った三十兆円を超えない、新規発行は三十兆円を超えない、当時、予算規模八十兆でありますけれども、もう一回原点に返らないと、たがはだんだん今の発言のように緩やかになっていってしまって、後は大変なツケが次の世代に残ることになる、このことだけをしっかりと肝に銘じていただきたいと存じますが、いかがですか。

谷垣国務大臣 財政規律を立て直すと肝に銘じて職務に励みたいと思っております。

佐藤(観)委員 余り十六年度予算に入るといかぬものですから……。ただ、一つだけ聞いておきたいのは、先ほど大臣の言葉にもありましたように、国民のとうとい税金というものを、何とか効率的にかつ効果が上がるようにということで、十六年度予算の中でもいろいろしているようでございますが、それの中身は、私の方もレクチャーを受けているので言いませんが、ちょっと気になることがあるんです。

 というのは、政策群なり、あるいは規制改革と予算の連携等々聞いておりますと、予算の単年度主義というのが、これも二年、三年にわたるような継続事業というのはなるべくよく見直そうというようなことを言いながら、片方では単年度主義というのがだんだんまた緩やかになっていってしまうというような感じがいたします。

 もし、予算手法のイノベーションということで、政策群なり、あるいは規制改革と予算とを組み合わせるというようなことは、うまくいけば、だんだんこれが予算に占める割合が高くなってくる。そうなってくると、予算をつくる上においての硬直性と申しましょうか、それがだんだん強くなってくる。これもまた問題だと思うんですね。そのあたりで、予算は予算としての単年度主義というのは、これは確保するんだということは理解をしていいですね。

谷垣国務大臣 予算は、もちろん単年度主義が原則でございます。毎年毎年、その都度、国会に予算を提出して御審議をいただき、認めていただく、それがやはり基本であることは言うまでもないことでございます。

 今委員がお触れになりましたように、モデル事業あるいは政策群という形で、毎年毎年、単年度主義を徹底的に貫きますと、場合によっては硬直化の弊も出てくる。例えば公共事業にいたしましても、単年度単年度にやるのと、何年間か目標を立てて一気にやるのではコストが違ってくるというようなことも現実にはあろうかと思いますので。

 今やっておりますことは、単年度主義を改めて、全部を弾力化していこうということをやっているわけではございませんで、あくまで単年度主義が原則である中で、柔軟化といいますか、弾力化といいますか、より効率的に使えるのはどこかというのを今まだ探り始めたという段階でございますので、この効果と限界がどのぐらいのところかというのは、今後とも見きわめながら作業をしていかなければならないのではないかと思っております。

佐藤(観)委員 次に、今ちょうど地方自治体が予算を組んでおるところでございますが、正直言って、地方自治体は、三位一体の改革と言われてうたい文句はいいけれども、いつも小泉内閣はそうですが、財源がなくて予算が組めるだろうかという大変厳しいところに来ているわけであります。悲鳴を上げていますよ、泣いていますよ、本当に地方自治体は。よっぽど財政調整基金かなんかがあって、積んであるところはおろしてそれを一時使うにしてもです。

 これは総務省の方にちょっと確認をしたいんでありますけれども、つまるところ、小泉内閣のこの三位一体の改革、皆さんのお手元には配ってございますけれども、結局、十六年度というのは、中身については後でまたお伺いしますけれども、一兆三百億地方に回し、しかし、財源移譲自身はざっと四千五百億ということに、尽きるところ、まず大枠で言えばそういうことにしか……。つまり、残る五千五百というのは、これは一兆円補助金を減らしておいて、五千五百億円財源が行っていない、こういう状況だというふうに大枠は理解してよろしいですね。

瀧野政府参考人 三位一体の改革についての御質問でございますが、十八年度まで目標を決めまして、全体として補助金を四兆円程度縮減あるいは見直しをする。その中で、地方団体が引き続き行わなきゃいけない仕事につきましては、税源移譲を含め、基幹税の移譲を行う、また、交付税につきましても全体的な事業の見直しの中で縮減を図っていくという、三つの項目につきまして一体的に行っていこうというものでございます。

 十六年度におきましては、そのうち、国庫補助負担金につきまして一兆三百億円の改革を行おうとしておるわけでございますが、その中には、引き続き地方公共団体が行わなきゃいけないものもございますし、また、公共事業等のように、仕事の見直しで規模を見直していくというものもあるわけでございます。また、奨励的補助金のように、地方公共団体に、全体的な財政措置をする上で、その仕事をするかどうかも任せていくというような、いろいろなものがあるわけでございます。

 そういった中で、引き続き地方公共団体がやらなきゃいけないというものに確実に税源移譲を含めて税源措置をしていこうというふうに考えてございまして、それにつきましては、所得譲与税あるいは税源移譲予定特例交付金というような形で税源を付与していこうということにしておるわけでございますが、御指摘のように、一部分につきましては仕事の見直しをして縮減をしていくというものもございますので、その部分につきましては、全体として、税源を含めて財源が縮減されている部分もあるということは事実でございます。

佐藤(観)委員 局長の言うことの中身は後でお伺いしますが、ちょっと大臣、昨年十一月に第二次小泉内閣が発足したときに、これから三年間で四兆円削減するんだという記者会見があったわけですね。

 今、お手元にございますように、この表を見ますと、十五年度の分も入れてあるわけですね。大臣の頭の中では、三年間で四兆円といった、一番近くに言った総理の言葉が、そう我々の方は理解してよろしいのですか。というのは、これから十七年、十八年で終えるこの三位一体の改革をするときに、あと残る金額が、五千六百億円ずれてきますから、ここのところは、先ほど瀧野局長が、十六年、十七年、十八年で四兆円規模ということを言われたわけですが、財務省の方としては、いい悪いは別にして、中身のことは別にして、十五年にやった五千六百億円も含めて四兆円というふうに理解をしているんですか。そこはどうですか。

谷垣国務大臣 補助金改革につきましては、今おっしゃいましたように、十八年度までにおおむね四兆円程度、これを目標として改革を行うというふうにされているわけですが、これまで、十五年度は改革の芽出しということで五千六百億やりました。それで、十六年度にはおおよそ一兆円と、合わせて一・五兆円を超える改革を行ってきているわけですが、これらを踏まえて税源移譲をやっていこうということであります。

 それで、今後の補助金改革については、おおむね四兆円程度ということでございます、その目標を目指して、できる限り多く積み重ねていくように最大限の努力を重ねていきたいと思っております。

佐藤(観)委員 芽出しということで言われたのでちょっとよくわからないんですが、三年間で四兆円か、この十五年度の五千六百億円を入れるのか入れないかによって、あと、残りが違うわけですね。

 瀧野局長の話では、これから始まる三年度に四兆円と。あれは総理がそう言ったんだから、記者会見でちゃんと。十五年度の五千六百億円は入っていないと。中身はまだ別よ、中身はこれから。この一兆三百億円、ですから、残りまだ三兆円近くあるわけですね。そういう意識でよろしいですか。

谷垣国務大臣 五千六百億と来年度の一兆強というのは、同じ思想で、同じ目標に向かってやってきているわけですね。ですから、この五千六百億は、何か日陰で生まれたというようなものじゃないんだと私は思うんです。やはりこれを含んで考えていくということでありますが、できるだけ多くやっていくというのは当然の目標だろうと思います。

佐藤(観)委員 総理が十一月の第二次発足時に、十六年度、十七年度、十八年度におおむね四兆円と言ったんですから、財務大臣としては、この十五年度の、あなたが言う芽出しというのは別にして、三年間でやはり四兆円近くやらなきゃいかぬのです、と思いますが、いかがでございますか。

瀧野政府参考人 先ほども御答弁いたしましたとおり、国庫補助負担金等の改革につきましては、目標年度十八年度ということでございますが、初年度が芽出しの部分を含むかどうかというところは、結局、今回の税源移譲として所得譲与税が想定されておるわけでございますが、その所得譲与税で四千二百億強予定しておる中には、十五年度に補助金の見直しをいたしました義務教育費国庫負担金のうちの共済長期負担金も含まれているということでございますので、やはり全体を見渡しますと、芽出しの部分を含めながら、しかしできるだけ多くの改革に取り組むということであろうかというふうに我々も考えております。

佐藤(観)委員 本当はもう少し追及しなきゃいかぬのですが、時間がないものですから。

 それで、平成十六年にやる予定になっている公立保育所運営費、あるいは義務教育費、義務教の国庫負担の退職手当、児童手当等を一般財源化すると書いてあるんだけれども、これはあなた、みんな義務的経費でしょう。これ、まず一つ聞きます、四千五百億円分は、県、市町村にどうやって配るんですか、何を基準にして配るんですか。

瀧野政府参考人 御質問の今後の配り方でございますが、今後法案で御審議いただくということになっておるわけでございますが、現在の私どもの考えといたしましては、公立保育所等の運営費一般財源化の財源としての所得譲与税につきましては、人口で配っていきたいというふうに考えてございます。それから、義務教の国庫負担金の退職手当等の部分につきましては、税源移譲予定特例交付金というものといたしまして、これも基本は人口。ただ、現在の国庫負担金の配り方が、不交付団体につきましては一定の補正をしておりますので、そういうことも念頭に置くという形で配っていきたいというふうに現在考えております。

佐藤(観)委員 今までは、これらの項目についてはそれなりの基準があって配ってきたわけですよね。今度、人口割ということになると、人口の多いところは、実はこんなに要らないんだというところもあれば、もっと必要だというところもあるわけですよね。人口割がいいかどうかのこともあるけれども、これは一般財源化なんというけれども実は全くのひもつきで、こんなのでは地方自治体は全くひもがついて、自由に自分たちが、首長さんたちが、ここを重点にしたいんだということを、まだそれは初年度だからということもあるかもしれないけれども、これでは完全なひもつきと申しましょうか、全く義務的経費を、今まで割っていたのを、中央が割ったのを、今度総務省がやるのかどうか、人口割に変えるだけということで全然ひもは切れていない、首長から見るとそういうことになるんですが、いかがですか。

瀧野政府参考人 この国庫補助金等の改革をいたしまして、できるだけ地方公共団体の財源で仕事をしていただく、そこに受益と負担の関係も生まれてくるだろうというふうに考えて改革を踏み出しているわけでございますが、御指摘のように、義務的なものにつきましてどの程度の裁量の余地があるかということは当然議論になるわけでございまして、今後、義務教育等につきましても、地方公共団体の方で裁量の余地が生まれるような形での義務教育費国庫負担金制度の中での運用の見直しということも考えていかなきゃいけないというふうに考えておりますし、また、実際に必要な経費につきましては、地方財政計画の中に需要額として全額を算入いたしまして、交付税制度の中で調整をするということも考えておりまして、全体として、財源をきちんと、地方団体の財政運営に支障がないように確保していきたいというふうに考えております。

佐藤(観)委員 もう一つは、簡単なことを言いますと、冒頭言ったように、約一兆円余を国から地方に回して、事実上費目はついているけれども、今度地方自治体が、税源移譲という、予定のものもあるけれども、四千五百億受け取るということですから、その差五千五百億あるわけですね。ですから、地方はとてもこれでは予算が組めないと。とてもこれでは――私どもに言ってきているのは、公立保育所運営費、これどうやって削るんだと。しかも、義務教の退職手当だって、各市町村によって、その年に退職する人に、あんた、まけてちょというわけにいかぬ金額ですよね。

 そうすると、これは事実上の義務的経費。児童手当もしかり。児童手当、上げよ上げよ、こう言いながら、今度は三年生までにするのか、という予算になっていますけれども、結局、もらえるものはほとんど義務的経費で、一般財源化という名称はいいけれども、中身は全然なっていないということであります。そのことが一つ。

 もう時間がありませんから、もう一つ財務大臣にお伺いしたいんだが、これからの税源移譲のところで、国税にあるもののどういうものを税源移譲していくのか、どこにポイントを置くのか。たばこ税と言った人もおる、消費税と言った人もおる、あるいは所得税だと言った人もおる。このあたりは両省はどういうふうになっておりましょうか。

谷垣国務大臣 税源移譲につきましては、平成十八年度までに所得税から個人住民税へ税源移譲していくということを基本に置いて考えていきたい。

 先ほど総務省からも御答弁がありましたように、補助金を廃止ないし縮減していく、性格がいろいろでございますから、毎年やっておりますと、非常に事務が煩雑になる。何年かして、この補助金改革の姿、どういうものを地方でも引き続きやっていただくか、そういう形がはっきりしたことにあわせて所得税を中心に地方住民税を持っていく、こういうことで税源移譲を行う。先ほど御指摘のような所得譲与税ないし税源移譲予定交付金というのは、あくまでもその間のつなぎの姿である、こういうふうに考えておりまして、そういう方向で作業をこれからやってまいりたいと思っております。

瀧野政府参考人 ただいま財務大臣からも御答弁がありましたように、私どもも、今後、地方団体の税財源が拡充できますように、基幹税ということでございますので、住民税、それから地方消費税等ございますけれども、そういった基幹税を中心に考えていきたいと考えておるところでございます。

佐藤(観)委員 今非常に三十人学級ということが言われておる。そういうのは今度の改革の中で実現できるんですか。さっきから言ったように、義務教の退職金とか公立保育所運営費が一般財源化と書いてあるけれども、全然余裕がない。そのうち地方債も減らされということになると、全く使うお金――確かに、補助金はさらに効率的にして少なくしていく必要はあるわけですけれども、しかし、これをもって補助金改革の一端というのでは、これはまさに小泉内閣の、まあ道路公団もそうですけれども、まやかしの地方税源移譲、全く硬直的、全く、ゆとり、他の新しい政策をやることがないと言っても過言ではないと思いますけれども、何か反論ありますか。

谷垣国務大臣 佐藤委員、まやかしとおっしゃいましたけれども、今回の義務教育費国庫負担制度の改革の中で、いわゆる総額裁量制というのを導入いたしまして、教職員の給与水準であるとかあるいは配置のあり方を地方が自主的に決定できる制度へ改めるということが入っておりますし、それから、加配措置の弾力化ということも中身に入っているわけでございまして、都道府県の自主的な選択で少人数指導のために措置される加配教員を柔軟に活用することが可能なような制度改正を今進めている、こういうことでございます。

佐藤(観)委員 いずれにいたしましても、中途半端なと申しましょうか、まやかしがいけなければ中途半端な、しかも、地方へ配る地方交付税は御承知のようにもとが小さくなっているんですから、制度的になかなか行かないし、地方財政計画の中で今度はこれも小さくしていこうということですから、住民サービスはさらに小さくならざるを得ない。こういう、一兆円おろしたがごとく見えるけれども、実際に来ているのは四千五百億程度というようなことでは、なかなか、お題目に挙げております三位一体の改革という、名前はいいけれども、どうもそこまで行っているとは我々の側は見ていないということだけ申し上げて、私の質問を終わります。

田野瀬委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭です。

 補正予算の大変重要な柱がイラク関連予算でありますので、この点についてお聞きをしたいと思います。

 全体の金額ですけれども、二〇〇三年度、本年度予算ですね、それから今回提案されている補正予算、さらに来年度予算、合わせまして、このイラク関連予算というものは幾らになるのか。谷垣大臣にこの全体像を、主な項目と全体的な金額、これを示していただきたいと思います。

谷垣国務大臣 自衛隊部隊のイラク派遣に関する経費につきましては、イラク人道復興支援特措法に基づく基本計画、実施要項の策定がございました。それを受けて、自衛隊がイラクで使用する装備品の購入や事前の訓練といった派遣の準備に要する経費は約二百四十一億円、これを昨年十二月十九日に予備費でまず措置いたしました。

 それから、自衛隊がイラクで活動する際に必要となる手当とか、あるいは通信、糧食、燃料、こういったものに関する経費のうちで、今年度中、平成十五年度中に必要な経費につきましては、防衛庁長官の派遣命令が発出される都度、予備費で合計約二十七億円を措置しております。

 それから、来年度に、平成十六年度に必要な経費につきましては、十六年度予算に約百三十五億円を計上しているということであります。

杉本政府参考人 今大臣から御説明ございましたのが、イラク復興に関する自衛隊の派遣に関する経費でございます。

 それに加えまして、イラクの復興支援に関する経済協力の関係の経費を計上させていただいております。

 これは、昨年の十月、イラク復興支援会合のマドリード会合におきまして、我が国といたしましては、総額十五億ドルの無償資金の供与をプレッジしたところでございますので、これに基づきまして、十五年度補正予算におきましては、この十五億ドルのうち、イラク支援のための経済協力費といたしまして十・八億ドル相当、千百八十八億円を計上させていただいております。

 十五億ドルと十・八億ドルのプレッジの差、四・二億ドルにつきましては、十五年度既定予算及び十六年度当初予算で手当てさせていただくこととしておりまして、想定しております額は、十六年度予算、当初予算におきまして全体で二・九億ドル相当、三百十九億円、それから十五年度既定予算におきましては一・三億ドル相当、百五十九億円ということを想定しております。(佐々木(憲)委員「合わせて」と呼ぶ)

 合わせて十五億ドルでございますので、千六百六十六億円。それは、十五年度予算の既定予算、補正予算、当初予算合わせて、イラク復興に係る経済協力に関する経費でございます。

 このうち補正で計上させていただいております一千百八十八億円、この支援の内訳につきましては、イラク復興信託基金への拠出金といたしまして四百九十五億円、それから、ユネスコ等の国際機関経由の支援といたしまして百三十四億円、イラクへの直接支援等といたしまして五百五十九億円の事業を実施することを想定しております。

 支援の分野といたしましては、電力、教育、水・衛生、保健、雇用等、イラク国民の生活基盤の再建及び治安の改善に重点を置くこととしておりまして、イラクへの直接支援につきましては、例えば発電所や変電所等の緊急リハビリ、それから浄水機やごみ収集車の供与、地方中核病院のリハビリ等の実施を検討しているところでございます。

佐々木(憲)委員 要するに、自衛隊関連で合わせて四百三億円、直接自衛隊派遣にかかわる経費ですね。さらに、経済援助として千六百六十六億円。ですから、合わせますと二千六十九億円。イラク関連といいますと、こういうことになるわけですね。非常に規模としては巨額な資金であります。

 しかし、これは全体の中のまだ一部ではないんでしょうか。総額としては、昨年五十億ドル支援というような話もありましたが、今後どのぐらいかかるのか、この点についてお聞かせいただきたい。

杉本政府参考人 先ほど申し上げましたマドリードの支援国会合で、十五億ドルの無償供与を表明いたしまして、その他円借款等を含めまして、五十億ドルの支援を考えているところでございますが、まずは無償協力をやっていくということでございますので、十五年度、十六年度を合わせました予算措置におきましては、この十五億ドルの無償協力に関連して予算措置をさせていただいたというところでございます。

佐々木(憲)委員 そこで、外務省は十五億ドルの一部を自衛隊の活動費用に活用することを検討しているという報道が一部ありますけれども、もしこれが行われれば、ODAを自衛隊が活用するという初のケースである、こう言われるわけですが、そういうことを想定しているんでしょうか。

古田政府参考人 御答弁申し上げます。

 御指摘のようなODA予算をそのまま自衛隊に活用するということは、私どもとしては考えておりません。

西川政府参考人 従来のODA等とのすみ分けと申しますか、そういうところはきちっとされておりまして、我々は我々の活動の範囲内での予算の執行ということで仕組みがつくられております。(佐々木(憲)委員「ちょっと意味がよくわからない」と呼ぶ)

 済みません。自衛隊の活動用の経費ということでODAの部分を当方で使わせていただくことはございません。

佐々木(憲)委員 それで、これは東京新聞の一月二十一日付でこういう報道がありますので、この点についてお聞きしたいんですが、陸上自衛隊先遣隊長の佐藤さんが、サマワを州都とするイラク南部ムサンナ州のハッサン知事と会談をした、これは二十日のことであります。「その中で、サマワを中心とした同州を対象に、日本側が三段階、十年規模の復興支援構想を持っていることを伝えた」、こういうふうに報道されております。

 三段階で十年規模の復興支援を行うという構想はこの報道で初めて知ったんですが、この構想はあるんでしょうか。「会談には、日本の外務省関係者も同席した。」こういうふうになっていますので、外務省も同様の構想で考えているんだろうと思うんですけれども、その辺はどうですか。

西川政府参考人 陸上自衛隊の先遣隊が一月の二十日にムサンナ州の知事と懇談をいたしましたことは、これは事実でございます。

 この際、知事、部族の代表、それから宗教指導者、サマーワ市評議会代表、これが実は議長代理でございましたが、等に対しまして、当方の先遣隊の佐藤隊長より、一点は、自衛隊の行う人道復興支援活動は、医療、給水、公共施設等の復旧整備等を考えており、その活動の実施に当たっては、CPAやオランダ軍と連携する考えであること、それから、自衛隊の行う人道復興支援とは別に外務省も経済協力を実施していく考えであり、自衛隊と外務省で連携をとりながら復興支援に取り組むということなど、我が国の今後の人道復興支援活動の基本的な考え方について説明いたしております。

 この一月二十日に実施されましたムサンナ州の知事等との懇談におきましては、ただいま申し上げましたように、当地における我が国の今後の人道復興支援活動の基本的な考え方について説明したにすぎず、委員御指摘の三段階十年サマワ復興といった具体的な復興支援計画を明らかにしたという事実はございません。

古田政府参考人 御答弁申し上げます。

 当日のやりとりにつきましては、ただいま御答弁になったと同様に私ども認識しておりますが、外務省といたしましては、イラクへの自衛隊の派遣が円滑に行われるように、職員の安全確保に十分配慮しながら引き続き最大限の協力を行っていくという方針でございまして、このために、防衛庁とも御相談しながら、先遣隊の派遣に伴って職員を派遣しておるわけでございます。

 これらの外務省職員は、自衛隊が現地で人道復興支援を行うことに伴って現地からさまざまな援助に関する要望等も伝えられることがあり得るわけでございまして、こういったニーズを外務省本省にしかるべく連絡、報告をするというような業務もあり得るというふうに思っておるわけでございます。

 この二十日の会合におきましては、外務省の職員も参加しておったわけでございますが、その時点では、同行した外務省職員は、外務省の事務所を開設するということは御説明いたしておりますが、御指摘のような十年規模の復興支援を念頭に置いて事務所を開設する云々というようなことは申し上げておりません。

佐々木(憲)委員 言っていないという話なんですが、ただ、これは報道されているところによりますと、佐藤先遣隊長は、復興は三段階で実施したい、最終的には五年から十年の期間を要するが、復興に役立ちたいと知事に伝えたと。

 関係者によるとということで、第一段階は、主にイラク復興支援特別措置法の基本計画に盛り込まれている浄水・給水、医療支援、道路復興などの人道復興支援活動で、期間は三から五カ月間を見込む。第二段階は、内外の企業を誘致しやすくするために整備すべき社会資本を絞り込み、具体的計画を練る、これには一年から一年半をかけるという。最終段階、第三段階では、計画を現実化し、企業誘致を進める、早ければ五年、遅くとも十年で復興計画が完成すると見ていると説明したという。こういうふうにかなりリアルなんですね。ああ、さもありなんと思うような報道がされている。

 ということは、かなり現地では具体的に説明が行われていたという可能性が非常に高いわけでありまして、一体、本当にどのような説明をしたか。今そういうことは言わないと言っていますけれども、しかし、こういう報道をされている以上、実態はやはり違うのではないか。この点については引き続き私ども、正確な情報を把握していただきたい、実際にこういうことを言っていないのかどうか、現地の実態を掌握していただきたいと思います。いかがですか。

西川政府参考人 お答えいたします。

 ただいま報道にありますような形につきましては、当方の、この一月二十日の会合でございますけれども、実は、一月の十六日に先遣隊が参りまして、その上で十九日にサマワの方へ先遣隊の一部が、一部といいますか二十数名が入っております。その翌日に知事にお会いしておるということで、実はこのとき、先ほどお話ししましたように、三十名ほどの方が、例えば各部族代表だとか宗教指導者とか、こういう各界の代表的な方が来ておられて、うちの隊員たちも非常にびっくり……(佐々木(憲)委員「いや、調べるのかどうかと聞いているんだから」と呼ぶ)

 済みません。そのあたりについて我々としては、今のところ、そういうふうな話は、これは歓迎会が非常に主であって、そういうことはなかったと私たちは考えております。

佐々木(憲)委員 調査するのかしないのかと言っても、全然するとは言わない。こう考えていると言うわけでありまして、全く正確な情報を国会に提供する姿勢がないということを今示していると思うんです。

 私は、非常に重大だと思いますよ。といいますのは、この十カ年計画なんというものがもし仮に説明が行われていたとすれば、当然そのための財源が要る。財務大臣は、十カ年計画とか三段階、聞いていますか。

谷垣国務大臣 一月二十一日の報道にあるような、あるいは今委員がこの場でおっしゃったような具体的な事実に関しては、私は一切承知しておりません。

 佐々木委員も、報道がすべて正しいわけではないということは、共産党の御経験でも十分御承知ではないかと思うんですが。

佐々木(憲)委員 だから、調査をしなさいと言っているんですよ。具体的にこういう情報がある。それに対して、調査をするとは言わない、私はこう考えているという程度の答弁ではだめなんですよ。そうでしょう。事実関係を明確にするというのが国会の役割であって、その実態を調査するように引き続き要求をしたいというふうに思います。

 さらに、もう一つお聞きしたいのは、この復興支援計画、復興支援の予算でありますけれども、どのようなルートを通じて現地に渡るのかというのが次の疑問であります。

 全体としては、多国間、つまり国際的な機関、こういうところを通じて、その機関のルートで渡されるというのが一つありますね。

 それからもう一つは、五百五十九億円がイラクへの直接支援となっているわけであります。これは二国間の枠組みでやるということなんですが、一体この直接支援というものはどういう形で、つまり、現在はフセイン政権は崩壊して、政府としては、行政組織としては存在していないわけですね。しかし、米英軍が駐留をし、米英軍の占領統治になっている。一体、その相手はだれなんですか、支援の相手は。そこをはっきりさせていただきたい。

古田政府参考人 御答弁申し上げます。

 まず、一般論として申し上げますが、我が国の無償資金協力でございますが、その受け手としては、相手国政府、それから国際機関、あるいはNGOといったものがございますが、このほかに、地方の共同体でありますとか学校、病院等の公共性、中立性の高い団体であって、しっかりと機能しており、事業を効果的かつ適切に実施する能力のあるものに対して供与しておるということでございます。これはいわゆる草の根援助も含めて申し上げておるわけでございます。

 イラクに対する直接支援でございますが、私どもとしては、統治評議会のもとの中央各省庁、これにつきましては国連安保理決議の一五一一で、イラクの主権を体現しているものというふうに位置づけられておりますので、この中央省庁とも接触をしておりますし、それから、県あるいは病院等の機関のうちで、活動目的でありますとか、その実績、人員の数、専門的知見の有無等からプロジェクトの実施能力を総合的に判断して、供与先として適切かどうかということを決定することといたしております。

佐々木(憲)委員 暫定行政当局、CPA、これはどういう扱いになるんですか。ここには出すんですか、出さないんですか。

古田政府参考人 御答弁申し上げます。

 御指摘のCPAでございますが、私どもとしては、我が国のODAをここに直接供与する考えはございません。

佐々木(憲)委員 そうしますと、イラク暫定統治評議会、ここを通じた支援ということになるんだということなんですね。しかし、このイラク暫定統治評議会というのは、CPAとの関係というのは極めて明確でありまして、事実上、予算の配分などもこのCPAの了解なしにはできないというような関係にあるわけですね。

 そうすると、一つの問題は、CPAの事実上の支配下にあるそういう行政組織に出すということになれば、これは憲法上の問題が出てくるのではないかという議論があります。しかし、それは今ここでは置いておいて……。

 では、もう一つは、このイラク暫定統治評議会というのはどういう組織になっていて、それから、各地域、このサマワの地域というのも一つの日本が深くかかわる地域というふうに想定されているわけですけれども、一体、どの組織に幾ら、何のために配分をするか、それはだれが決定するか、そこのところをはっきりさせてください。

古田政府参考人 御答弁申し上げます。

 まず、統治評議会でございますが、これは全国の行政を束ねる組織で、イラク人から成る、二十五人のイラクの代表から成る組織でございまして、そのもとにさまざまな中央省庁があるということで、これを全体をあわせて国連の安保理決議ではイラクの主権を体現しているものというふうに位置づけておりますので、私どもとしては、例えばこの中央省庁との関係でいきますと、電力のプロジェクトでございますと、電力省との間でどこにどんなプロジェクトが必要であるかということを検討するわけでございますし、それから、水・衛生回りでは地方公共事業省というものがございまして、そちらと同じように議論いたしますし、保健医療の分野では保健省というものがございます。それから、先般発表させていただきましたが、六百二十台の警察車両を提供するということにいたしましたが、この場合には内務省と御相談をしてプロジェクトを決めておるわけでございまして、中央省庁との関係では、以上のようなところが今具体的に私どもがコンタクトをし、プロジェクトをいろいろと想定しているところでございます。

 このほかに、例えば水回りで、バグダッド市でありますとかバスラ市でありますとか、市の当局、例えば下水道局とか、そういった当局とも接触をいたしまして、そういったところからのニーズをくみ上げるということもございます。

 いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、各中央省庁のみならず、その他の県でありますとか病院でありますとか、あるいは市の当局も対象になるわけでございまして、そういったところとお話をしながらニーズを見きわめて、そしてプロジェクトを決定するということで、最終的には日本国政府として決定するわけでございます。

佐々木(憲)委員 では、具体的にお聞きしますけれども、サマワの場合、市評議会というものが一体存在するのかしないのかというのは大議論になっておりますけれども、ここはどういう形で地方組織に配分をするんですか。

 それから、ルマイサの市の評議会のメンバーが辞任をしたと言うけれども、結局、地方組織というのは存在しているのかしないのかも日本政府自身も全く把握できないような状況があるわけですね。一体、どこにどういう形で配分するかということですね。それはどうなっているんですか。だれがそれを検証するんですか。だれが決定するんですか。

古田政府参考人 御答弁申し上げます。

 サマワに対する経済協力、さまざまなプロジェクトが考えられるわけでございますが、現在動いておりますのは、例えば、先般発表しました警察車両でございますが、六百二十台のうちの二十台をサマワに持っていくわけでございますが、これはイラクの内務省が六百二十台を全国にどう配分するかということで決定をして、そしてサマワの警察に提供する、こういう流れになっております。

 それから、同じく先般発表いたしましたが、国連のハビタットという組織が住宅でありますとか学校の修復、建設をやるわけでございますが、これにつきましても、県の当局、あるいはハビタット自身が、昨年来ずっとイラクで活動してきて、この部分にこういうことをしたらいいのではないかというようなことを判断しながら、具体的にどこで何をするかということを決めていくという流れもございますし、それから、サマワの属する県、ムサンナ県でございますが、県の当局と御相談をして、いろいろな個別のニーズを伺うということもあり得るわけでございます。

佐々木(憲)委員 この経済支援の受け皿のそれぞれの組織がどうなっているかというのは、非常に不明確であります。サマワ市評議会も、存在しているという国会答弁が、存在しているというのは撤回しますと。つまり、機能していない、存在していないと。ところが、きょうのイラク特の総理の説明は、存在しているかしていないかわからないと。本当にくるくる変わるわけですよ。そういうわけのわからぬ相手に、一体どういうふうにそのお金が流れていくか、どこに使われていくか、さっぱりわからないわけですよ。

 本当にこれはいいかげんなので、私はここで資料を要求したいんですが、この経済援助が最終的にどのレベルに、どの組織に幾ら、何の目的で提供されるかの一覧表をこの委員会に提出していただきたいと思います。

古田政府参考人 御答弁申し上げます。

 まず、サマワ市の評議会については、いろいろと御議論ございますが、今般の十五年度補正予算の中で、サマワ市の評議会を対象とする支援は想定いたしておりません。

 それから、御指摘の点について、この十五年度の補正予算を要求するに当たりまして、私ども、どういう分野の案件を想定しているかということは整理はできておりますので、それに関する資料はお出ししたいと思います。

佐々木(憲)委員 いや、分野はいいんですよ。分野はわかっているんです。それはもう既に発表されておりますしね。そうではなくて、受け皿の組織、一体どういう組織に幾ら、何の目的でそれが提供されるのか、その一覧表を出してくださいと言っているんです。

古田政府参考人 御答弁申し上げます。

 この補正予算を要求するに当たりまして、いろいろと想定をいたしております。これはあくまでも想定でございまして、最終的にどう決まっていくかということは、これからのプロセスもあるわけでございますが、私どもがどのように想定をしてこの補正予算を要求しておるかということで資料をお出ししたいと思います。

佐々木(憲)委員 その想定というのは何ですか。想定というのはどういうものなんですか。

古田政府参考人 御答弁申し上げます。

 まだ先方との間で最終的にプロジェクトとして幾ら、何に幾らということが厳密な意味で合意が、合意といいますか、決定をしていないという意味で想定というふうに申し上げておるわけでございます。

佐々木(憲)委員 そんないいかげんなものじゃだめだと思うんですよ。具体的に何にどのように使われるかということがまだはっきりしない、しかし枠だけは決めると。だれに渡るかもわからない。そういう状況で、一体これは審議できるんでしょうか。これは根本的な問題だと思うんですけれども、それを具体的に出さない限りは、実際審議できないんじゃないですか、どうですか。

古田政府参考人 御答弁申し上げます。

 繰り返しになるかもしれませんが、先ほど申し上げましたように、例えば電力でありますと、電力省との間でいろいろなプロジェクトを念頭にずっと議論してきておるわけでございまして、その煮詰まり状況、ニーズというものはあるわけでございますので、そういったものを踏まえて、この五百五十九億円をどういうふうに積算をしてきているかということについては、もちろんお出しできるわけでございます。

佐々木(憲)委員 ちょっと今の答弁だと、先ほどと変わらないのですが、具体的な資料を出していただかないと。

古田政府参考人 御答弁申し上げます。

 五百五十九億円という補正予算の要求をさせていただいておるわけでございますから、それの根拠となる、どこを対象にどの分野で幾らということについては当然あるわけでございまして、例えば、電力でいえば電力省、それから水・衛生であればバグダッド市当局あるいは地方公共事業省、保健医療でありますれば保健省または病院そのもの、それから治安関係で申し上げますと警察車両では内務省、その他日本のNGOの活動費ということでNGOに対して供与するものもございます。(佐々木(憲)委員「だから、資料を出すのかどうかです、受け皿組織の資料」と呼ぶ)

 ただいま申し上げましたことに関する資料をお出しする用意がございます。

佐々木(憲)委員 今、出すという答弁がありましたので、理事会でその内容について検討していただければ幸いです。

田野瀬委員長 期限も理事会で検討させていただきます。

 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。

 この際、暫時休憩いたします。

    午後二時十七分休憩

     ――――◇―――――

    午後十時四十八分開議

田野瀬委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 再開に先立ちまして、民主党・無所属クラブ及び日本共産党所属委員に出席を要請いたしましたが、出席が得られておりません。やむを得ず議事を進めます。

 先刻質疑を終了しました内閣提出、平成十四年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例に関する法律案及び農業共済再保険特別会計の農業勘定における平成十五年度の再保険金の支払財源の不足に充てるために行う積立金の歳入への繰入れに関する法律案について議事を進めます。

山本(明)委員 動議を提出いたします。

 ただいま議題となっております両案の討論は省略し、直ちに採決されんことを望みます。

田野瀬委員長 ただいまの山本明彦君の動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

田野瀬委員長 起立総員。よって、そのとおり決しました。

 これより採決に入ります。

 まず、平成十四年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例に関する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

田野瀬委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 次に、農業共済再保険特別会計の農業勘定における平成十五年度の再保険金の支払財源の不足に充てるために行う積立金の歳入への繰入れに関する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

田野瀬委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 ただいま議決いたしました両法律案の委員会報告書の作成は、委員長に一任願うことに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

田野瀬委員長 起立総員。よって、そのとおり決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

田野瀬委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後十時五十一分散会


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