衆議院

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第20号 平成16年4月21日(水曜日)

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平成十六年四月二十一日(水曜日)

    午前九時二分開議

 出席委員

   委員長 田野瀬良太郎君

   理事 萩山 教嚴君 理事 村井  仁君

   理事 山本 明彦君 理事 島   聡君

   理事 中塚 一宏君 理事 長妻  昭君

   理事 上田  勇君

      江崎洋一郎君    木村 隆秀君

      熊代 昭彦君    小泉 龍司君

      河野 太郎君    七条  明君

      田中 英夫君    谷川 弥一君

      中村正三郎君    西銘恒三郎君

      林田  彪君    原田 令嗣君

      増原 義剛君    宮下 一郎君

      渡辺 喜美君    五十嵐文彦君

      小泉 俊明君    鈴木 克昌君

      田嶋  要君    武正 公一君

      津川 祥吾君    津村 啓介君

      中村 哲治君    永田 寿康君

      藤井 裕久君    馬淵 澄夫君

      松原  仁君    村越 祐民君

      吉田  泉君    谷口 隆義君

      長沢 広明君    佐々木憲昭君

    …………………………………

   議員           五十嵐文彦君

   議員           津村 啓介君

   議員           中塚 一宏君

   内閣総理大臣       小泉純一郎君

   財務大臣         谷垣 禎一君

   国務大臣

   (金融担当)       竹中 平蔵君

   内閣府副大臣       伊藤 達也君

   財務副大臣        石井 啓一君

   財務副大臣        山本 有二君

   財務大臣政務官      七条  明君

   政府参考人

   (内閣府産業再生機構担当室長)   江崎 芳雄君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局長)  増井喜一郎君

   政府参考人

   (金融庁検査局長)    佐藤 隆文君

   政府参考人

   (金融庁監督局長)    五味 廣文君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)   高部 正男君

   参考人

   (日本銀行理事)     三谷 隆博君

   参考人

   (日本銀行理事)     白川 方明君

   財務金融委員会専門員   鈴木健次郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十一日

 辞任         補欠選任

  木村 隆秀君     西銘恒三郎君

  小泉 俊明君     田嶋  要君

  津川 祥吾君     中村 哲治君

同日

 辞任         補欠選任

  西銘恒三郎君     木村 隆秀君

  田嶋  要君     小泉 俊明君

  中村 哲治君     津川 祥吾君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 金融機能の強化のための特別措置に関する法律案(内閣提出第一八号)

 預金保険法の一部を改正する法律案(内閣提出第一九号)

 金融機能の再生のための緊急措置に関する法律等の一部を改正する等の法律案(五十嵐文彦君外二名提出、衆法第五号)

 金融再生委員会設置法案(五十嵐文彦君外二名提出、衆法第六号)

 派遣委員からの報告聴取


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     ――――◇―――――

田野瀬委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、金融機能の強化のための特別措置に関する法律案及び預金保険法の一部を改正する法律案並びに五十嵐文彦君外二名提出、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律等の一部を改正する等の法律案及び金融再生委員会設置法案の各案を議題といたします。

 この際、各案審査のため、昨二十日、東京都八王子市に委員を派遣いたしましたので、派遣委員から報告を聴取いたします。山本明彦君。

山本(明)委員 おはようございます。それでは、派遣委員を代表いたしまして、団長にかわり私からその概要を御報告申し上げたいと思います。

 派遣委員は、田野瀬良太郎委員長を団長として、萩山教嚴君、村井仁君、島聡君、長妻昭君、上田勇君、津村啓介君、佐々木憲昭君、それに私、山本明彦の九名でございました。

 会議は、京王プラザホテル八王子において開催し、現地各界の意見陳述者の方々から、現在本委員会で審査中の内閣提出、金融機能の強化のための特別措置に関する法律案及び預金保険法の一部を改正する法律案並びに五十嵐文彦君外二名提出、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律等の一部を改正する等の法律案及び金融再生委員会設置法案について意見を聴取し、これに対して熱心な質疑が行われました。

 意見陳述者は、青梅信用金庫理事長大杉俊夫君、多摩中央信用金庫理事長佐藤浩二君、タマティーエルオー株式会社代表取締役社長井深丹君、東成エレクトロビーム株式会社代表取締役社長上野保君、社団法人首都圏産業活性化協会事務局長岡崎英人君、八王子商工会議所専務理事河合和郎君の六名でありました。

 その陳述内容につきましてごく簡単に申し上げますと、地域経済の活性化に対し、信用金庫の社会的役割を認識して業務に取り組んでいること、リレーションシップバンキングへの取り組みが順調に推移していること、中小企業向け金融の円滑化のため、中小企業の技術力、経営力の目きき人材の育成及び中小企業支援ファンドの拡充等が必要であること、多摩地域の産業活性化に向けた産官学及び金融機関との連携が進められていること、地域の景気認識と金融機関の融資姿勢に対する中小企業の実感を踏まえたより一層の政策的対応が必要であること等の意見が述べられました。

 次いで、各委員から陳述者に対し、中小企業金融の円滑化に対する従来の資本増強の効果と今後の資本増強制度が機能するための条件、政府案において合併を伴う場合と金融機関単独の場合の結果責任に関する要件の違いがモラルハザードを招く懸念、信用金庫業界から見た都銀の融資姿勢に対する印象、信用金庫が地域経済に果たす役割、信用金庫のリスク対応と地域経済への貢献との整合性のとり方、リスク対応力を高めるための信用金庫としての取り組み、ペイオフ解禁を控えた信用金庫のマーケットリスクへの対応、金融検査に対する信用金庫の実感、DDSの活用に向けた取り組みとその問題点、政府系金融機関の存在意義、地元の伝統的な中小企業の状況、研究開発型企業の資金調達の実態とその多様化のための方策等について質疑が行われ、滞りなく全部の議事を終了した次第であります。

 以上が概要であります。

 会議の内容は速記により記録いたしました。詳細はそれによって御承知願いたいと思いますが、速記録ができましたならば、本日の会議録に参考として掲載されますようお取り計らいをお願い申し上げます。

 なお、現地会議の開催につきまして、地元関係者を初め多数の方々の御協力をいただきました。ここに深く感謝の意を表し、報告を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)

田野瀬委員長 以上で派遣委員からの報告は終わりました。

 お諮りいたします。

 ただいま報告のありました現地における会議の記録は、本日の会議録に参照掲載することに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田野瀬委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔会議の記録は本号(その二)に掲載〕

    ―――――――――――――

田野瀬委員長 引き続き、お諮りいたします。

 各案審査のため、本日、参考人として日本銀行理事三谷隆博君、日本銀行理事白川方明君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として金融庁総務企画局長増井喜一郎君、金融庁検査局長佐藤隆文君、金融庁監督局長五味廣文君、内閣府産業再生機構担当室長江崎芳雄君、総務省自治行政局選挙部長高部正男君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田野瀬委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

田野瀬委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。五十嵐文彦君。

五十嵐委員 民主党の五十嵐文彦でございます。

 理事等の皆さんには、地方公聴会に出張しての調査、御苦労さまでございました。

 全員の調査でありませんでしたので、ぜひその調査の速記録ですか議事録を詳細に検討させていただいて、そしてまた、この法案審議中にそれについて審議させていただきたいな、こう思っております。それは、委員長、お取り計らいをいただきたいと思います。

田野瀬委員長 理事会で検討させてもらいます。

五十嵐委員 本日は、金曜日に予定をされていた質疑が延びましたので、その通告してあった分等を質疑させていただきたいんですが、その間に事情がいろいろありまして、まず、それ以降なぜとまったかというのは、御存じのとおり、例の日本歯科医師政治連盟、連合会ですか、日歯連と言われるものですけれども、その日歯連の疑惑、これは中医協をめぐって、私も昔、中医協を取材したことがあるんですが、支払い側と診療側と第三者の学識経験者の三者が話し合って診療報酬を決める、こういう仕組みになっているんですが、その支払い側ともらう診療側とが贈収賄関係にあって、実は不正な結果が導き出された、それに中立的であるべき社会保険庁の長官がかんでいたという大変な疑惑の事件であります。これによって、ある意味では利益、利得を得ていた日本歯科医師政治連盟の方は、政治献金を多額に関係議員にばらまいた、こういう疑惑が出ているわけでございます。

 これは大変重大な問題でありますので、これについては各委員会とも最初に行われる委員会で、そうした閣僚等について、できれば全員について、閣僚、副大臣、政務官についても、その日歯からの献金の状況についてまず最初の機会に聞いてください、実はこういうお話がありまして、私もその党の方針に従ってお尋ねをしなければならないと思うわけです。

 そこで、谷垣財務大臣にお尋ねをいたすわけですが、日歯連、日本歯科医師政治連盟等から金品の収受がおありになったかどうかからお伺いをしたいと思います。

谷垣国務大臣 日本歯科医師政治連盟から、政治資金パーティーの対価といいますか、パーティー券を買っていただいた、過去にそういう経緯がございまして、これは政治資金規正法にのっとって処理をいたしております。

五十嵐委員 それはパーティー券購入だけであって、それは規正法上はちゃんと処理をしていると。それは、場所、時間と――いつのことであり、あるいはどのぐらいの額かというのをおわかりになっておりますでしょうか。

谷垣国務大臣 平成十二年二十万円、これは十二年の二月でございます。それから、平成十三年が五万円、これも十三年の二月でございます。平成十四年が十万円、これはやはりこの年の二月でございます。

 平成十五年以降につきましては、今回御質問があって、私どもで調査しましたけれども、私ども把握できている限りで、日歯連から平成十五年以降はこういう資金提供を受けていないということでございます。また、利益供与のようなものもございません。(発言する者あり)

五十嵐委員 今ちょっと声がありましたけれども、その他、選挙の陣中見舞い等供与、供応、一緒に食事をしたとか、そういうことも、記憶にある範囲で結構でございますが、そういう事実もございませんでしょうか。

谷垣国務大臣 日本歯科医師政治連盟の方と食事をしたということは、歯科医師政治連盟と食事をしたということはなかったと思います。

 ただ、私の選挙区の歯科医師の方と食事をしたことはございます。私の後援会にも歯科医師はいらっしゃいますので、食事をしたことが、いつのことかは記憶がございませんが、あったと思います。

五十嵐委員 確認ですが、今のは、そうすると、中央センターとしての日本歯科医師政治連盟との話だけであって、それぞれの御地元に歯科医師会というのがあって、それぞれが政治連盟の支部を実はつくっているわけですね。その支部レベルではこういったものは全くないという理解でよろしゅうございますか。

谷垣国務大臣 ちょっと、きょうそこまで私準備してきておりませんので、日本歯科医師政治連盟としては、先ほど申し上げたとおりであります。

五十嵐委員 そうすると、日本歯科医師政治連盟の分についての御回答は、今の御回答で責任をお持ちになるということでよろしゅうございますか。

 それから、地元の政治連盟の分については、これから調べてみないとわからないので、もしあった場合はお知らせいただけるということでよろしゅうございますか。

谷垣国務大臣 日本歯科医師政治連盟の件に関しては、先ほど申し上げたとおりであります。地元の問題はちょっと調べてみたいと思っております。

五十嵐委員 わかりました。谷垣大臣については以上でございますので、どうぞ、もう結構でございますので、ありがとうございました。

 それでは、本論の方に入りたいと思うんですが、本論の前に、まず、最近、新聞でちょっと気になったことがあるものですから、竹中大臣にお尋ねをいたすんですが、郵政民営化準備室というのができ、その副室長に高木金融庁長官のお名前が取りざたされている。それについて、閣議後の記者会見でしょうかその懇談でしょうか、竹中大臣の方から、専任でないと無理ではないかみたいなお話があるようなんですが、最初兼任というお話が伝わり、一方では大臣のお言葉として専任でないとというお話がある、これは果たしてどちらが正しいのでしょうか。

竹中国務大臣 御指摘のとおり、これは月曜日に官房長官の方から、四月二十六日付で内閣官房に郵政民営化準備室を設置すると正式に話がありまして、それで、今後、諮問会議が取りまとめます郵政の民営化の具体案及びその後の法案の作成作業を行う、そのためにつくるというふうに言った。そして、人事としましては、同室の室長には渡辺好明氏、副室長に前総務省総務審議官の鍋倉真一氏、そして金融庁長官の高木祥吉氏に就任していただく、そして、高木氏には、当面金融庁の長官を兼務していただくというふうな発表がなされました。

 これは、内閣官房の人事、内閣官房でお決めになることでございますので、今回の人事そのものについて、私は内閣府の特命担当大臣でありますのでコメントする立場にはないわけでありますけれども、官房長官が当面併任と発表されておられますので、私、金融担当大臣であり、またこの諮問会議を担当して郵政民営化の具体案を取りまとめる担当大臣である私としても、そのように受けとめております。

 お尋ねの、記者会見でいずれこの作業が大きくなってくる段階で仕事が多くなるのではないかという御質問に対しましては、いずれそういうことに御専念をいただかなければいけない時期が来る、そう考えるのは自然ではないだろうか、これは私なりの印象として申し上げました。

五十嵐委員 金融は、しかし、今大変な時期に来ておりまして、片手間でできるような情勢ではないと私は思うんですよね。まさに郵政民営化も金融問題の一環でもありますが、そういうお立場でお入りになるということであろうと思いますが、金融自体が今大変いろいろな問題を含んでいて、改革をしなければいけない時期でありますので、専任か兼任かというのは中途半端に続くというのはよくない。兼任でいかれるなら、いつまで兼任で、そこから先は専任だというようなことをむしろはっきりさせるべきで、竹中大臣がそういうようなお考えであれば、これは来るべき、例えばこの国会が終わって本格的に、郵政の民営化の仕事も本格化する、あるいは金融庁の次の国会に向けてのいろいろな活動が活発化する時期に、それはきっちりと明確に、身分、処遇がはっきりされる方がいいと思うんですが、重ねてお伺いをいたしたいと思います。

竹中国務大臣 御心配をいただきまして、大変ありがとうございます。

 兼任というのは確かに大変でありまして、私も、金融と経済財政兼任を言われて、これは大変だと思って、確かに大変でございます。特に、金融庁長官というのは大変重い仕事でございますし、今回の準備室の室長の仕事も大変重い。しかし、準備室は、まだウオームアップの段階で、これは次第に仕事がふえていくという段階でございますので、確かに、兼任は大変でありますし、それぞれの職責も重いということは、今委員御指摘のとおり、私もそのとおりだと思っておりますので、そこはしっかりと見きわめて、また、総理、官房長官とも御相談をしながら、しっかりと仕事をしていただけるような環境をぜひつくっていきたいと思っております。

 当面、しかし、兼務として高木長官にはぜひしっかりとしたお仕事をしていただきたいというふうに思っております。

五十嵐委員 それでは、前から積み残しになっている質問に移りたいと思いますが、まず最初にカネボウの問題を取り上げたいと思います。

 私の方がカネボウの方のカネボウブティック並びにカネボウグループの資料を、事業再生計画を提示いたしまして、この委員会で、その中にはっきりと実は四百七十億円の欠損があるという数字が出ていますということを申し上げました。その後、いろいろな報道でその欠損の中身のことについても随分出てまいりました。

 一つは、これは化粧品事業ではないんですけれども、犯罪に近いというかほとんど犯罪だと思うんですが、アクリルの関係の取引企業、ほとんど子会社ですね、そことの間である意味では架空の取引があって、そして、代金を徴収しないままになっている、それが巨額に上っているという話がありました。それを入れると相当な実は債務超過になる。

 おまけに、もうかっていると言われているはずの化粧品事業についても、実は、在庫は不良在庫ですね、化粧品も賞味期限がございます、不良在庫をお店の方に戻す形で隠しておった。まだ売れますよという形で価値があるものとしてカウントしていたということで、かなりの粉飾が疑われている。したがって、カネボウについては、今新経営陣が粉飾があったのかなかったのかということを厳しく調査するということになっております。

 その中で、産業再生機構の方では、粉飾をこの際明らかに、あったのかなかったのかはっきりしてほしい、ここで隠して粉飾が後で見つかるようだったら、これは産業再生機構はもう手を引きます、こういうことになっているんですね。しかし、最初に全部明らかにしてくれるのであれば、それは引き受けますよ、こういう方針だというふうに報道されているんですが、それでよろしいんでしょうか。

 その場合に、粉飾の程度によらずに引き受けるのか、あるいは、再生可能性が薄いと思われる化粧品以外の事業を取り込んで丸ごと再生事業として引き受けるのか、むしろ切り離して助かる見込みのある事業だけを再生させるということになるのか、その方針をお伺いしたいと思います。

江崎政府参考人 御答弁申し上げます。

 機構がカネボウの支援に対しましてどのような対応をするのかということでございますが、現在、機構は必要な資産査定等の調査を行っておる段階でございます。この結果によりまして判断をするということでございます。カネボウの過去の経理処理につきまして、その調査にカネボウの現経営陣がどのように対応するのかのみで判断されるものではないというぐあいに考えてございます。

 片や、カネボウの現経営陣の機構に対する協力、これがございませんと、しっかりとした事業再生計画を策定するということは困難でございます。ひいては、支援を継続するということも困難になるということは言うまでもなかろうかと思います。機構といたしましては、こうした考え方をカネボウの現経営陣に伝えておるところでございます。

 なお、機構といたしましては、四月の十九日でございますが、カネボウが委員会を設置してみずから調査に乗り出すということを発表されました。これに対しまして、現経営陣の自浄作用が働いているというぐあいに評価をしておりまして、現経営陣の機構に対する協力姿勢についても評価をしている、このように認識をしてございます。

五十嵐委員 ひどく甘い話なんですよね、それは。要するに、国民の側から見れば、産業再生機構がその再生事業に乗り出すという時点で、そこはもっと厳しく判断をもともとされなければならなかったのではないか。これはメーンバンクも承知していたはずだと私は思いますし、細かい部分については旧経営陣が隠していた部分もあるでしょうけれども、しかし、かなりの部分はつかめていたはずなんですね。

 今、新経営陣が自浄作用が働き始めているからそれを見ればいいんだというのではとても甘い、国民の目から見れば粉飾企業を助けるのかということになるわけでしょう。そうなりませんか。粉飾してでたらめやっていた企業を助けるのか、国民のお金で、ということになるじゃありませんか。

 ですから、大まかな方針は今の時点でもある程度判断されなければいけない。今のお話だと、丸ごと、再生見通しのない、粉飾を重ねていて大幅な債務超過の可能性のある化粧品事業以外の事業もまとめて助けることも大いにあり得るという判断でおやりになっているということでよろしいわけですね。

江崎政府参考人 一般論としてお答えをさせていただきたいと存じますが、ある企業の過去の経理処理が適切であったのかどうかという問題と、当該企業が営む事業が再生可能か否かという問題は、別の問題であろうかというぐあいに認識をいたしております。

 機構といたしましては、過去の経理処理の適切性、これで即支援を判断するということではございませんで、機構法にのっとりまして、各事業の再生可能性の有無、これで支援の可否を判断するというぐあいに認識をしてございます。

五十嵐委員 だから、それは程度問題でしょうと言っているんですよ。めちゃくちゃに粉飾に粉飾を重ねて大幅な債務超過だったら、再生のしようがないというのが当たり前じゃないですか。だから、再生の見込みがないところまで助けるのかという質問をしているんですから、過去どんなに粉飾していても再生の可能性があればいいんですという答弁は、もともとが矛盾しているんです。成立しない議論なんですよ。そう思いませんか。私が言っていることは間違いですか。

江崎政府参考人 カネボウにつきましては、化粧品事業以外いろんな事業を行ってございます。これらにつきましては、現在、機構が大変厳格な資産査定、その他もろもろ必要な査定、調査を行っておる段階でございまして、この調査結果を踏まえて事業再生計画の詳細を確定するということでございます。

 一般論として申し上げれば、幾つかの事業部門がございましても、中にはとてもキャッシュフローが回らない、利益が上がらないというものもございます、そういうものは例えば撤退をするとかほかへ売却をするとかいろんな形で処理をする、事業再生の見込みがある事業、それを再生という形で残していくというのが一般的な姿でございます。

五十嵐委員 何度か佐藤副大臣においでいただいたんですが、全然らちが明かないんですね。私どもは、銀行側も理解をしている、そして、カネボウ株式会社自体が認めているこの事業再生計画の中に、化粧品事業ですら四百七十億円の欠損金がある。四百七十億円、大きいですよ。この数字を示して、化粧品事業ですらこれだけの欠損がある。そのほかのものは、これはもう膨大な債務超過になるじゃないか、こういうことを指摘させていただいている。

 それからもう一つ、昨日の委員会で私は指摘させていただきましたけれども、なぜカネボウが花王との取引がほとんど決まりかけていたのがだめになったのか。これについては、一方では労働組合が反対したからという説がかなり出ているんですが、実はそうではなかったという証拠を私どもの調査活動によって手に入れました。それはきのう一部明らかにしたわけでありますけれども。

 これは三井住友銀行自身がそこを理解しておりまして、花王が欲しいのはもちろん化粧品事業だけである、あとは再生の見通しがない、したがって、化粧品事業だけののれん代等を、価値として三千八百億というのを計算して、引き受けよう、こういうことになったんですが、これはお互いにメリットのある話ですから民と民の話でうまくいくはずなのに、なぜだめになったかというと、三井住友銀行、メーンバンクの方で、切り捨てられる事業、化粧品事業以外は切り捨てられる、すなわち、これは再生見通しがほとんどありませんから、そうすると、管財人が入って清算されることになると、管財人が、なぜそこを切り離して、債権者にお金を返さなきゃいけないのにもうかる部分だけいいとこ取りをしてとられてしまうのか、過去の決算でどういう関係になっているのかを調べなきゃいけない、当然調べられる、その管財人が調べることによって、過去のグループ全体の粉飾決算が明らかになってしまう、そうすると、三井住友銀行がそれに関与していたことがわかってしまう、すなわち、管財人リスクがメーンバンクにも働いてしまうんだと。

 私、初めて聞いたんですが、管財人リスクという表現で、実はそこが花王への切り離し売却が難しくなった、それは三井住友銀行も理解して、むしろ三井住友銀行が主導をして花王への売却を断念させたというようなことに私どもの調査ではなっているわけであります。

 この管財人リスクということについて承知をしていたかどうか、それから、この間の事情について三井住友銀行と何らかの協議なり調査なりをしたかどうか、お伺いをしたいと思います。

五味政府参考人 御説明をいたします。

 管財人リスクという言葉は、私どもはちょっと聞いたことがございませんので、承知しておりません。

 それから、本件について、三井住友銀行によりますと、過去、適正な決算処理を行っているという説明をカネボウから受けていて、それ以上のことはわかっていないというふうに三井住友銀行は私どもにおっしゃっております。

 もちろん一般論でございますけれども、金融機関が、もし、取引先の不適切な決算処理というのを承知の上で融資を行うというようなことがございますれば、これはコンプライアンス体制なりあるいは信用リスクの管理体制ということから問題があるということになりかねませんから、そういうことであれば、法令に基づき適切な対応はしなければいけません。

 本件に関しては、三井住友銀行から今申し上げたように聞いておるというところでございます。

江崎政府参考人 機構の仕組みでございますが、機構は、あくまでも支援を要請するメーンバンク等、それから事業者からの申し込みがありまして初めてその事業再生を手がけられるということになってございます。機構を利用するのか否か、それはこういったメーンバンク等や事業者の判断にゆだねられているということをまず御理解をいただきたいと思います。

 今回、カネボウの件が機構に持ち込まれましたのは、民間での交渉がうまくいかなかったためであると認識をしてございますが、その間の事情につきましては承知をしておるところではございません。

五十嵐委員 いや、私どもだって管財人リスクなんという言葉は知りませんでしたよ。きのう、東京三菱の三木頭取にもお伺いしましたけれども、三木頭取も管財人リスクなんという言葉は聞いたことがありませんねと。つまり、聞いたことがないということ自体は、もちろん私の造語ではありません、ですから、完全に三井住友銀行でお使いになっている固有の表現であって、これはまさに、逆に言うと、自分たちは知っていた、粉飾を知っていて目をつぶっていた、あるいは共犯関係にあったということを白状しているのと同じことなんですね。私はそう思います。

 その証拠に、最近、三井住友銀行から聞こえてくるのは、今、産業再生機構が、江崎さんがおっしゃったとおり、どうにも再生のしようがない事業部分については切り捨てるということになりますから、清算をするということになる。

 そのときに、当然、欠損が出るわけですから、これを債権者はどうやって分担をするか、債権放棄するかという話になってくるわけですが、プロラタ方式で融資の比重に従ってやるのが清算では普通なわけですけれども、三井住友は、さすがに、過去の管財人リスク等々もあってプロラタはあきらめて、厚目に自分が負担をするということを覚悟したというふうに、私どもの調査ではそう出てきているんですね。もしそのような欠損処理をしなければならないときに、メーン銀行に厚くするということは、それはお考えになっているのか、それとも、機構としてはプロラタでいくということなんでしょうか。

江崎政府参考人 現在、化粧品部門以外につきましては、機構が、デューデリジェンス、さまざまな調査でございます、そういうものをやっておるという段階でございまして、これが終わりまして再生計画をつくるというところまで、どういう形になるのかというのは具体的にはわからないわけでございますが、ただ、機構といたしましては、原則としてはプロラタで処理をしておるということでございます。

五十嵐委員 プロラタ方式が原則だとおっしゃっているけれども、それでは、三井住友さんでは、その他の、百にも及ぶと言われていますが、融資企業が納得しないだろうということで、ある程度覚悟しているという情報が伝わってきておりますから、そこから見ても、三井住友はかなり粉飾に加担をしていたのではないかという疑いがあるんだというふうに思います。

 もう一つ、カネボウの監査法人はどこが担当しておりますか、お伺いしたいと思います。

江崎政府参考人 たしか中央青山、ちょっと名前は不正確かもしれません、中央青山が担当していたと記憶をしてございます。

五十嵐委員 そうなんですね、中央青山監査法人なんですね。またもお名前が出てくる監査法人なんですが、これはひど過ぎるじゃないか。犯罪ではないかと言われているような、先ほど言いました、いわゆるアクリル事業、繊維事業についての粉飾、それから、化粧品事業について、不良在庫を隠すという形でのかなり単純な手口での粉飾、これらをそっくり認めてきた中央青山監査法人ですね。その代表社員が公認会計士を監督する監査会のメンバーになるという、何のことだろうという、こういう人事も行われているわけですけれども、こういう監査法人をそのままにしておいていいんですかね、竹中大臣。

竹中国務大臣 御承知のように、監査法人、会計士は、まさに独立した立場で、大きな社会的責任を負って監査をする立場にあるというふうに認識をしております。そうした機能をしっかりと発揮していただくためにも、公認会計士法の改正についても先般ここで御議論いただいたわけでございますけれども、我々としては、公認会計士の監査審査会等々新たなルールもできました、そこで会計士等の業務管理体制等について調査、指導を行う品質管理レビューに対するモニタリング、そういった体制もできました、そうした中でしっかりとこの枠組みは維持していきたい、運用していきたいと思っております。

 ただし、重要な点は、あくまでも行政を含む何人からも独立した立場で監査意見を表明するという、これがまさに世界の監査システムの趣旨でもございますので、この点はやはりしっかりと、特に個別の監査意見についての適否を判断する、そういう機能ではないものですから、そこはしっかりと、まさに自覚を持ってやっていただきたいというふうに思っているところでございます。

五十嵐委員 個別の監査と言うけれども、こういうふうにたくさん、足利だっておかしかったわけですよ。我々が指摘したのは、足利銀行は粉飾だったからいきなり倒された、前の段階できちんと監査が行われていれば早期警戒措置、早期是正措置が働いて、急に倒れるということはなかっただろう、こう言っているわけですよ。ここでまたこうしたものが出てくる。

 さらに、もう一つお伺いしますけれども、UFJの監査法人はどこですか。答えてください。

五味政府参考人 私の記憶でございますけれども、中央青山監査法人であると。記憶でございます、申しわけございません。

五十嵐委員 そのとおりなんだと思いますね。粉飾決算つながりなんですね。これはやはり問題なんですよ。

 UFJ、八月の十九日に予告して、夏の暑い間に通常検査に入り、特別検査がその後追っかけたわけですけれども、なぜいまだに示達書が出てこないんですか。結果が出てこないんですか。

佐藤政府参考人 UFJ銀行に対する通常検査でございますけれども、昨年の八月二十八日から立ち入りを開始いたしまして、現在継続中ということでございます。確かに、立ち入りの期間が長くなっているということは事実でございますけれども、検査に要する期間の長短というのはいろいろな要因で決まってくるものだというふうに思っております。いずれにせよ、所要の検査を的確に行っていることの結果でございます。

五十嵐委員 だめだよ、そんなことを言っちゃだめですよ。それだったら、検査の意味をなさないじゃないですか。いいですか、石川銀行でもあったんですよ。全然学んでいないんだ。石川銀行でも、途中で実は債務超過がわかった、だけれども、その期の進行が進んでいて、次の期に移っているものですから、そこで増資計画があるからいいんですということでそれを認めて、半年ぐらいで倒れているんですよ。その間に増資に応じた人たちは何なんですか。

 皆さんは、大和銀行ニューヨーク支店事件のあの教訓も全く学んでいない。学習能力ゼロなんですね。あの大和銀行のニューヨーク支店事件というのは、井口さんという若いトレーダーが大穴をあけた。これは特別損失ですよ。直ちに発表すべきところを、それを隠して、監督官庁とも相談したけれども、まあ、まだいいんじゃないの、表に出さないでと言われたといって国ぐるみで隠した。その間に、アメリカが怒ったのは、大和銀行が社債を発行しているんです。特別損失を知りながら、それを隠して、社債を発行して損失をみすみす投資家に与えた。これはもう重大な犯罪だということで追放されたんじゃないですか。もしタイムリーにディスクロージャーされれば被害者は出なかったんですから、これは完全に不作為というより作為の責任なんですよ。これが当たり前の世界なんです、金融監督とか検査とかいうことでは。

 前の期に、国会での決算審議じゃないんですから、国会の決算審議だって努力してやっと追いついてきたでしょう、一期前の検査を、今ごろ、次の決算時期が来ているのにまだやっていますなんということで許されていいわけがないじゃないですか。どうですか。

佐藤政府参考人 ぜひ御理解をいただきたいんですけれども、私どもの検査は検査としてデュープロセスを経る必要がございます。銀行にとって不利益になるような指摘を行うケースも多々あるわけでございますので、私どもとしては、会計ルール、検査マニュアル等に沿って、しかも、事実に基づいて粛々と結果を取りまとめる責任があるということでございます。その責任を果たした上で、検査結果ということに取りまとめまして、検査を受けた金融機関に通知をする。この通知をしていって、その通知を踏まえて、銀行の方ができるだけ早い機会の決算等に反映していただく、こういう流れになっているわけでございますので、ぜひ御理解いただきたいと思います。

五十嵐委員 御理解できないですよ、それは。だって、もう次のものが出てきてしまうんですから。

 それから、特別検査はどうなっているんですか。前、私が追及いたしましたけれども、検査忌避問題というのは片づいているんですか。検査忌避はなかったという判断でもうそれは固まったんですか。特別検査と通常検査はどういう関係にあるのか。どういう関係にあるというのは、法律的なことはわかっていますからいいですよ、一緒に示達するということになりますか。

 なぜ特別検査の結果も出ないのか、そして、前期の通常検査の結果も出ないのか。相手は不服審査申し立てをしたのかどうか。やはりここまで来たら具体的なことを教えていただかなければ、逆に風評リスクが高まるんじゃないですか。

佐藤政府参考人 検査は、結果が取りまとめられましたら速やかに通知をいたします。

 それから、特別検査でございますけれども、今行っておりますのは十六年三月期の決算に向けた特別検査でございますが、UFJ銀行を含む全主要行に対しまして、一斉に、本年一月二十七日に予告をいたしましてスタートをしておりまして、現在、まだ継続中でございます。もともとの趣旨が、十六年三月期決算に反映をしてもらうという目的でやっておりますので、銀行サイドにおける十六年三月期決算の作業に織り込めるようなタイミングで結果通知をするということでございます。

五十嵐委員 今、そうすると、特別検査については、まだよその銀行も含めて継続中なんだというお話でした。通常検査については、これだけ時間がかかっているんですから。今、出口協議中で、銀行にとって不利益な検査結果を通知しようとしたから、それに対して意見が合わないで出口協議中と、こういうことでいいわけですか。

佐藤政府参考人 通常検査はまだ現在継続中でございまして、一般論として申し上げますと、出口協議で、銀行側あるいは検査を受けた金融機関の側が別の見解を持っているということで、その出口協議が長引くというような形にはなりません。

 一般的には、出口協議を終えまして、なおかつ、銀行の側が検査班とは別の見解を持っていて、それでは承諾できないという場合には、意見申し出制度というのがございますので、意見申し出を出してくるということがあろうかと思います。

五十嵐委員 ということは、今一般論としてお話しになられましたけれども、明らかに出口協議は終えたんだけれども意見申し出が行われている、それによって長引いているというふうに、今の御答弁は一般論でありますけれども、読み取れるんですね、前後関係をつなげて言うと。

 しかし、先ほど言いましたように、もう一つお答えがいただいていないのは、我々の調査では実は一兆二千億円に及ぶ巨額の開示債権不足、開示不足というのがあって、その引き当て相当額は七千七百億円に及ぶ。これは巨大な損失、損失とは言えないけれども、数字でありますから、大和銀行のニューヨーク支店事件と同じような、これは特別な案件なんですね。すなわち、これは投資家に速やかに開示をしなければならないような種類の案件だと私どもは思うわけです。

 そういう観点からして、これはタイムリーなディスクロージャーが必要だというふうに判断しますが、先ほどからのお話にもありますように、タイムリーディスクロージャーについてはどのようにお考えになっているのか、竹中大臣から伺いたいと思います。

伊藤副大臣 タイムリーディスクロージャーの制度につきましては、証券取引所の適時開示規則に基づいて、上場企業一般に対して日常的に発生する重要な会社情報を適時適切かつ公平に開示することが義務づけられている制度でございます。

五十嵐委員 全然答えになっていないじゃない。今の私の指摘に対してどう考えるのか。金融行政として、今のようなやり方じゃタイムリーディスクロージャーにならないじゃないかということを言っているんでしょう。意味がわかりませんか。

 要するに、一年前の調査の結果がまだ出てこないというようなことではタイムリーディスクロージャーにならない。しかも、タイムリーディスクロージャーに相応するような巨額の開示不足とかあるいは引き当て不足という問題なのではありませんかという指摘をしているんですから、それに対してどうしてお答えにならないのか。

伊藤副大臣 前提のお尋ねとして、個別行の検査内容にかかわる仮定の御質問でございますので、そうしたことについて私どもとして言及を差し控えさせていただきたいというふうに思っております。

五十嵐委員 いや、仮定じゃないんですよ。仮定だとしても、そういうケースがあった場合に対応できないじゃありませんかという、これは仮定の問題から普遍的な問題に変わるような問題意識を言っているんじゃないですか。何を言っているんですか。

伊藤副大臣 先ほどから御答弁をさせていただいているように、証券取引所の適時開示規則に基づいて、そして、上場会社一般に対して日常的に発生する重要な会社情報を適時適切かつ公平に開示することが義務づけられているわけでありますので、それに基づいてタイムリーディスクロージャー制度というものが行われるということであります。

五十嵐委員 意味がわかっていないですね。金融庁の検査にタイムリーディスクロージャーという仕組みが入っていないじゃないかということを言っているんでしょう、私が。質問の意味が全然わかっていないじゃないですか。いいですよ、これはとめてもいいけれどもまた後で重要なあれもしますから、いいですよ。だめだよ、そんな答弁しているんじゃ。

 それから、ほかの要件は、確かに決算役員会を開かないとあれかもしれないけれども、中小企業向けの貸し出し目標の達成度というようなものについてはもうおわかりになっているはずだと思うんですね。日銀で統計が出ているわけですから、個別にもおわかりになっているんだろうと思いますが、出していただけますか。

五味政府参考人 御説明を申し上げます。

 中小企業向けの貸し出し、これは、おっしゃっておりますのは、資本注入行が健全化計画で目標として掲げている数値が達成できたかどうかというお話のことであると理解させていただきますが、これは決算の計数というのが出ました後で具体的な確定作業をする必要があります。

 と申しますのは、中小企業向け貸し出しの実績値と申しますのは、例えば貸出金償却をしたとか、あるいは流動化をしたとか、そういったような要因、こういった影響を除外して実勢ベースで算定をしていく。もちろん、目標もそういう実勢ベースで提示をされているわけです。この確定作業が必要なものですから、決算の数値が出て即出るというものではないということでありますが、決算自体がまだ銀行から出ておりません。

 十六年三月期の中小企業向け貸出実績値と申しますのは、決算が出た後のこうした確定作業が必要ですので、現時点では難しゅうございまして、履行状況報告というのは銀行から出てまいりますが、それで確認をされ、公表もされるということになります。

 ちなみに、平成十四年度ですと、履行状況報告が最終的に公表されましたのは八月七日になっております。もうちょっと早くした方がいいというのは、私の理解では、ございますが、そんな状況ですので、ちょっと現時点で三月期というのはまだなんです。

 九月期は、もちろん、三月期の目標に対して半年たったところでどうかというのは出ておりまして、これについては、目標との乖離がかなりある場合には報告徴求であとの半期でどういう取り組みをするのかということを報告をいただいている、こういう状況でございます。

五十嵐委員 いや、生の数字は出ているはずなんですよ。その微調整はあるかもしれませんけれどもね。そうでなければ、今回の特別検査等の出口協議でも、中小企業向け貸し出しの未達を、私どもの調査範囲では、出口協議の中でもUFJ側に金融庁がお伝えになっているはずなんですよね。ですから、それはある程度のことは把握をされているはずなんですが。

 また、日銀自体は貸し出しの全体の数字が出ているわけですから、私は、達成できるかどうかという判断は現時点で十分できる、大体、決算取締役会が今週中に開かれるはずのところまで来ているわけですから、数字が出ていないはずがない、こう思いますが。

五味政府参考人 御説明をさせていただきます。

 今、UFJ銀行に対する検査で数字がある程度把握できているはずというお話でございましたが、この部分は、実際に検査でどういう内容のことをしているかということは、私、担当でもございませんし申し上げるわけにはいかないと思いますが、通常検査は十五年三月期を対象にしておりますが、十六年三月期は特定の大口先についての特別検査だけを実施しておりますので、まだ検査でそういうことが把握できるという状況ではないということでございます。

 あとは繰り返しになりますが、決算確定作業を経ませんと、これは実際に取り組みの効果がどういうところにあらわれたかというのは、中小企業向け貸し出しをきちんと分析した上でありませんと、結果によっては行政処分につながる話ですから、行政として責任ある立場で分析を行った上でないと、なかなかこれは外へ申し上げるわけにもいかないというのが基本でございます。

五十嵐委員 いや、通常検査の方が十五年三月期だというのは十分に私も理解した上で申し上げているわけですが、午後にもまた私の質問機会がございますので、引き続き追及させていただきたい。一回目はまずこれで終わります。

田野瀬委員長 次に、武正公一君。

武正委員 民主党の武正公一でございます。

 政府案への質疑ということでさせていただきたいと思います。

 お手元の方に……(発言する者あり)

田野瀬委員長 どうぞ、やってください。どうぞ、武正君、質問してください。

武正委員 お手元の方に資料を配らせていただいておりますので、まず二ページ目をあけていただきたいと思います。

 この二ページ目。これは帝国データバンクの、この四年間の大手行、地銀、第二地銀へのいわゆる大蔵、日銀等からの天下り、再就職の数字を出しているものでございます。

 ちょっとこれは段落が一段ずれているところがございまして、九八―九九年の「他の公的機関」の一番右の「内代表権」「天下りなし」は、「第二地銀」のところに上げていただきたいと思います。

 これを見ますと、都銀、いわゆる大手行は、大蔵、日銀からの再就職はほとんどなくなってはきていると見えますが、地銀、第二地銀は相変わらずの数字と言えるわけでございます。大蔵省、日銀から、それぞれ金融検査あるいは日銀考査をする対象の銀行に再就職をするということは、こういった検査、考査が甘くなるというふうに考えられますが、それぞれこの御認識をお答えいただきたいと思います。

山本副大臣 武正委員御指摘のように、財務省、日銀から地銀、第二地銀へ天下ることによりまして金融検査等が甘くなって問題ではないか、こういう御指摘でございますが、そういうことがあってはならないという立場でございます。

 そして、公務員の再就職につきましては、いわゆる天下り問題として先生御指摘のような議論があることを真摯に受けとめまして、権限を背景とした押しつけ的な再就職のあっせんは行うべきではないと考えておるところでございます。また、国家公務員法の規定等の枠内でこれまで適正に対応してきたところでございまして、今後とも行政に対する信頼を損なうことのないように適正に対処してまいりたいと考えております。

竹中国務大臣 検査をする立場から甘くなることはないかというお問いかけでございますけれども、これは金融庁としては従来からルールにのっとって厳正に金融の検査をしているところであります。これは、検査監督に私情、バイアスがかかると、我々の金融行政の信頼そのものが損なわれるということでありますから、我々は、その意味では常に襟を正してやっているつもりであります。

 国家公務員であった者が民間の金融機関に再就職することによって、いやしくも結果として検査がゆがめられるというようなことがあってはならないというのは、これは当然のことでありますし、その意味では、我々は特に注意してそういうことはきちっとやっているというふうにぜひ御理解をいただきたいと思います。

 ただ、今副大臣の話にもございましたように、そもそも職員の再就職についてはいわゆる天下り問題として議論がある。このことは我々も真摯に受けとめなければいけないと思っております。その意味では、今後とも、職員の再就職に当たっては、国家公務員法の枠内で適正に対処していくという決意でおります。

三谷参考人 今のお尋ねの日本銀行の考査と再就職との関係でありますけれども、そもそも、日本銀行の考査自身、決済システムの円滑かつ安定的な運行の確保を通じて信用秩序の維持に資するという中央銀行の重要な使命を果たすための手段でありまして、その際、何よりも大事なのは、やはり金融機関の経営内容の実態を正確に把握するということであると考えてきております。

 そうした意味で、日本銀行に過去在籍していた者が考査先にいるからといいまして、当該金融機関に対する考査に何らかの甘さが出るとか、そういうことはないよう厳正にやってきているところでございます。

 また、再就職そのものにつきましても、日本銀行の場合、個人の識見とか能力を期待して外部から人材を求められた場合に限って、世間からの批判を招くことのないよう留意しつつ、慎重に対応してきたところでございます。例えば役員の場合でありますと、日本銀行と当座預金取引をする民間金融機関への再就職は、退任後一定期間自粛するなどの再就職自粛ルールを設定しているところでございます。

 私どもとしましては、こうしたルールを厳格に運用することで、引き続き職務の公正性の確保に万全を期してまいりたいというふうに考えているところでございます。

武正委員 「営利企業への就職の承認に関する年次報告」ということで、人事院の方の報告もございます。

 一時、公務員改革の議論で天下りの承認を各担当大臣にというような御議論もありまして、それは今何か内閣府の方へ一括しようというような御議論もあるようでありますが、私は、人事院のチェック機関としての役割は重いものがあるので、やはり天下り承認についても人事院の役割は強化するべきであって、それをいたずらに和らげるべきではないというふうに思っております。

 その人事院の承認の件で、平成十三、十四、十五年を見ますと、これは財務省の分でありますが、人事院承認十件中四件が信用金庫、そして、財務省承認分九十九件中十一件が信用金庫、平成十四年は人事院十件中二件、財務省四十六件中八件、平成十五年は人事院十三件中三件、財務省五十一件中五件ということで、先ほど帝国データバンクの資料は地銀、第二地銀ということを挙げたんですが、実は、信金への再就職が人事院の年次報告でもかなりの高い率で出てきているということでございます。

 これについて、お手元の方に、先ほどの資料、一枚目に書かせていただいております。これは金融庁さんからの御返事でございます。

 実は、三月三十一日、民主党の部門会議において、このたびの法案は特に地域金融機関への公的資金の注入、あるいは合併促進、合併を進めていこう、こういったことも含めた法案でありますので、あだや公的資金を注入したところにその後例えば再就職をする、あるいは旧大蔵、日銀から再就職しているところに特に目をかけるとか、あるいはそうした既に再就職しているところゆえにさまざま何かの配慮があってはいけない、これは先ほど大臣からも御答弁があったことと共通すると思うんですが、そういった点から、六百九十九でしょうか、全金融機関に旧大蔵省から再就職している方の実績を出していただきたいというお願いをいたしました。

 その前には、この後段に書いてあるように公的資本増強を受けたところの資料は有価証券報告書の記載内容から出していただいたので、有価証券報告書の記載内容からでも出してくださいよ、こんなお願いをさせていただきました。

 また、特に旧大蔵省OBが、限定された六百九十九の銀行に、金融機関に就職しているかどうか、今実際に働いておられるかどうか、そのぐらいのことは当然把握をされているだろうということでそれをお願いしたのでございますが、この返事、紙をいただく前日に、今答弁を書くのに忙しくて調べられません、衆議院の調査局に聞いてくださいというようなお答えを口頭で金融庁からいただいたものですから、じゃ、文書で出してくださいというふうに言ったら、この文書が出てきたわけでございます。

 私は衆議院の調査局の方にもお願いしましたが、逆に衆議院調査局は金融庁の方にお願いしたいというような形で、結局私は日本金融名鑑から信金について役員を全部チェックさせていただいたわけでございますが、本法案の質疑にとって大変大事な点だというふうに思っております。

 つまり、これから二兆円の公的資金を投入しようという、特に地域金融機関、しかも、先ほどの地銀、第二地銀に加えて信金あるいは信組ということで、健全行に対しても注入をし、あるいは合併も視野にといったことでありますので、あだや信頼性を疑われるようなことがあってはならない、こういう認識からこういった資料を出していただきたいというお願いをしたんですが、金融庁がこういう返事をペーパーで出されたんですが、当然、担当大臣はこのことはお知りだと思うんですが、こういったことを金融庁としてお答えになることについて、大臣としてどのようにお考えの上、こうしたことがなされているのか、お答えをいただけますでしょうか。

竹中国務大臣 今武正委員から天下りに対する基本的な、厳しい姿勢を持つべきだということ、それと今回の法案との関連、これはやはり懸念はされるし、しっかりと見ていかなければいけないんだ、そういう観点から、信頼性云々ということからも天下りの実績について把握する必要がある、かつ、しかし、こちらからの伝え方等々についてもこういうやり方でよかったのかと、さまざまな御指摘を賜ったというふうに思っております。

 まず、天下りにおいて厳しい枠組みをやはりつくっていかなければいけないというのは、これは私の所掌ではございませんけれども、そのとおりでありまして、内閣全体としては、そういうことを考えているということだと思います。

 法案そのものは、これはるる申し上げませんですけれども、責任ある経営体制を求めるということで、安易な天下り等々が資金注入と結びつくようなことは、これは絶対ないような仕組みにしっかりとつくっているところでございます。

 そこで、実績云々でございますけれども、これも今委員御指摘くださいましたように、三月の十日の民主党の財務金融部門会議で、公的資本増強を受けた金融機関に対する旧大蔵省の再就職の実績ということで要請があったことを踏まえまして、これは本法案との関係にかんがみまして、増強を受けた金融機関について有価証券報告書の記載の中から大蔵省入省または財務局入局が確認できた者をこれは表として提出をさせていただいた。さらに、これは武正委員からの要請を受けて、財務省、旧大蔵省、金融庁における過去十年間の本省課長相当職以上の職員の離職状況についても提出をさせていただいた。

 ただ、さらに全金融機関について御指摘のようなそういうリストというのは、これは我々持っていないわけでございます。したがって、これを提出させていただくことは大変困難であるということはぜひ御理解を賜りたいと思います。もう一つは、金融庁というのは旧大蔵省職員の再就職の状況を把握するという立場にはないものでありますから、再就職云々という情報も持っていないということでございます。

 さらに、資料のやりとり等々の御指摘もございましたですけれども、もしも不手際がありましたら、これは私の方からもおわびをさせていただきますが、基本的には、先生にいろいろ連絡をとろうと、それで御説明させていただこうというふうにして、その結果、結果的に期日が遅くなってしまった、また、資料等々についても名称の記載がない等々不備があったというふうに聞いておりますし、その点につきましても、御指摘に沿いまして訂正をさせていただいたというふうに承知をしております。(発言する者あり)

田野瀬委員長 今あちこちで委員会をやっているから。今呼んでいるから。続けながら。

 武正君。

武正委員 今大臣の答弁の中で、責任ある経営体制をつくった法案であるということを言われておりますが、これは後で触れますが、いわゆる経営責任を明確にしていない、特に合併についてですね、これは今のお言葉からはやはり問題があるというふうに考えるわけでございます。

 また、ここ十年の資料をというのは、予算委員会に提出した資料そのままということでございまして、こちらの方は課長職以上ですから、私がこれから指摘をするような地方の財務局の関連、信金への再就職、こういった問題では対象外といったことでございます。

 私がこの件を強調したいのは、これから地域の金融機関に公的資金を投入しようという金融庁にあって、当然検査を厳正に行う省庁でありながら、その金融庁が旧大蔵省であった、つまり、いわゆるOBがたくさん再就職をしている。しかも、特に信金にあっての役職、こういったものについて、実はその検査のいわゆるカウンターパート、いわゆる対外的な部署があるところに再就職をしている。これが、やはり検査がゆがめられる可能性が大であるということからこういった資料の提出を求めたわけでございます。

 私は、先ほど触れましたように、日本金融名鑑で信金について全部調べましたところ、こういった数字、ちょっと手元資料では間に合わなかったので口頭でお伝えをさせていただきますが、旧大蔵省から信用金庫に、全部で三百四十九あるんでしょうか、再就職されている方、これは二〇〇三年の日本金融名鑑の役員の一覧からピックアップしたものですが、二百七名、うち代表権を持っている方が七十一名、その他、代表権はないけれども理事等が六十八名、監事が六十八名。信用金庫三百四十九金庫中、旧大蔵省から二百七名が再就職をされています。天下りなしは百五十四。ですから、二百近く、半分以上再就職をされております。しかも、監事にも、監事というのは申すまでもなくある面で銀行内での内部牽制、内部のチェック役、そういったところにも多数再就職をされております。日銀からは三十二名、うち代表権が十六名、その他、代表権はないけれども理事の方等十二名、監事四名ということでございます。

 これは私が調べたところの数字でありますが、この数字は当然大臣もお知りだったと思うんですが、この数字を聞いてどのように思われますか。

竹中国務大臣 名鑑をある意味でひっくり返してといいますか、それを精査されてそのような数字を集計された、大変敬意を表させていただきたいと思います。

 その数字そのものは、私は、申しわけありませんが把握をしておりません。基本的に、この数字についての印象いかんということでございますが、先ほど委員から、検査で、検査官みずからのカウンターパートでそういう人が出てきたらやはり違ってくるのではないか、そのような御指摘、御懸念があったということかと思います。

 しかし、繰り返し申し上げていますように、我々の検査というのは、これは、そういうことをしていくと私たちの業務そのものを否定していくということになりますので、間違ってもそういうことがないように、かつ、コンプライアンスを重視しながらしっかりと検査監督をしているつもりでございます。

 この数字そのものについては、多いのか少ないのか、いろんな受け取り方があろうかと思いますけれども、繰り返しになりますけれども、検査そのものは決してそういうことで影響を受けないように我々としてはやっていくつもりでございます。

 また、天下りそのものについては、これはやはり内閣全体でしっかりとしたルールをさらに考えていく。現時点におきましても、一定の空白期間を置いてしか関係分野には再就職できないということにもなっておるわけでございますので、そうした法的な枠組みをしっかり我々としては守りながら、かつ、信頼にこたえられるように、コンプライアンスを重視して検査監督をしていきたいというふうに思います。

武正委員 先ほど、大臣は、この文書にあるように、金融庁ではそうした再就職の現状を把握していないということでございますが、そのことをもう一度御答弁いただけますでしょうか。

竹中国務大臣 全金融機関について御指摘のあったようなリストは、私たちとしては持っていないということになります。また、金融機関への旧大蔵省職員の就職状況については、これは公務を離れた個人に関する情報であるということもあって、役所としては把握すべき立場にはないというふうにも思っております。

 いずれにしましても、我々としては、全金融機関について御指摘のようなリストは持っていないし、把握する立場にないということを御理解賜りたいと思います。

武正委員 私がやっても、こうやって日本金融名鑑で調べられるんですよ。今、把握する立場にないというのはどういうことなんですか。これだけ税金を投入して、国民の税金を投入したその投入先に、検査をすべき金融庁あるいは考査をすべき日銀から、特に、先ほど触れたように、全信金の半分以上に再就職をしている。しかも、内部でチェックをすべき立場の監事、これにも六十八名あるいは四名、大蔵、日銀から再就職をしている。こういった実態が、今私がお伝えをしても把握する立場にないというふうに申されるんでしょうか。

竹中国務大臣 公的資本増強を受けた金融機関についてはお出しをしているということでございますよね。

 公的資金増強を受けた金融機関を超えて一般的な全金融機関への旧大蔵省職員の就職状況につきましては、今申し上げましたように、公務を離れた個人に関する情報でありまして、役所としては把握すべき立場にはない、そのような趣旨で申し上げたわけでございます。資料も持っておりませんし、役所としてそういった意味で個人の情報に関して把握する立場ではないので、そのような資料はお出しできないという状況だということを御理解いただきたいと思います。

武正委員 先ほど実績を把握していないと言ったんですよ。つまり、持っていないということなんですが、今お出しできないということでしたが、出せないということは、あるということですか。

竹中国務大臣 そういうことではございませんで、持っておりません。

 公的資本増強を受けた金融機関に限らず、有価証券報告書で公開されている情報に基づいて旧大蔵省職員の就職状況を調べるということは、できるとは思いますけれども、これは作業量がまさに膨大でありまして、そもそも金融庁は旧大蔵省職員の再就職の状況を把握する立場にはない、旧大蔵省職員の再就職の状況を把握する立場にはない、そのような趣旨で申し上げているわけでございます。

武正委員 私は部門会議の三月三十一日からこのことをお願いしているので、きょうの質疑のためにということでございましたが、作業量膨大といっても、私、一晩でこの金融名鑑をチェックいたしました。そのお立場の方々だったらすぐできる、人数もたくさんいる。その上、公務をもう離れたということでありますけれども、先ほどから何度も言っているように、検査をする立場、考査をする立場、しかも、これから税金をこれだけ投入しようという対象銀行に、検査、考査とのかかわりの深いそれぞれ出身の母体から再就職されているのに、なぜそれを把握する必要がない、把握する立場にないというふうに言うんでしょうか。

 そうしたら、この法案について審議しなくていいですよ、もう勝手に通しますよと、我々にちゃんとした情報を提供しないで、審議に供する姿勢が見られないというふうに思うんですが、再度、この法案を提出しながらあくまでも把握する立場にないと、そのように言い切るんでしょうか。

竹中国務大臣 例えば検査をやらなきゃいけない立場にある、そして公的な資金も用意している立場にある、かつ、それが天下りと結びつかないようにしなければいけない、その問題意識は、委員御指摘のとおり、私たちも持っております。

 その防ぐための手段として、しからばどういう方法があるかということに関しては、これは、公務員の天下りに関する一般的なルールはそのためにつくられているわけで、しっかりとした空白期間を置く等々の制度をつくって、それをしっかりと守っていくということ。一方で、この法案そのものに関しては、経営責任がしっかりと保たれるように、つまり、そういう情状、情実、極めて何かプライベートな心情等々で公的な資金が投入されるようなことが万が一にもないように、さまざまな枠組みをつくっているということ。かつ、私たちの審査、検査、それと監督そのものは、しっかりとしたコンプライアンスの精神に基づいてやるような仕組みを、庁内でも例えばコンプライアンス対応室等々もつくりながらしっかりと対応している。

 その三つの枠組みの中で、委員が御懸念のようなことがないように私たちとしてはしっかりとやっていきたい、そのことを繰り返し申し上げている次第でございます。

武正委員 改めてこの場で御調査をして資料を提出していただきたいと思うんですが、これはできますか、大臣。

竹中国務大臣 繰り返し申し上げますけれども、公的な資本増強を受けた金融機関を超えて一般的な金融機関への旧大蔵省職員の就職状況については、公務を離れた個人の情報でもあり、役所としては把握する立場にはない、そのような資料を調査ないしお出しするということは、ちょっと私どもの立場では難しいのではないかというふうに思います。

武正委員 私は、非常に誠意のない御答弁というふうに言わざるを得ないわけでございます。

 これは時間の関係で、副大臣にも後で貯蓄率のことをお聞きしたいものですから、本当は独法のこともあわせて聞きたかったんですが、ちょっと先を急がせていただくことをお許しください。

 先ほど来責任ある経営体制をつくるということを言っておられますが、もう既に同僚委員から指摘があるように、合併については経営強化計画が達成できなかったときの経営責任のとり方もあらかじめ公約する必要はないという本法案、なぜそうした経営責任をとる必要がないという法案を出しておられるのでしょうか。これではモラルハザードを起こすことになると思うんですけれども、いかがでしょうか、大臣。

竹中国務大臣 今既に健全基準を満たしていないところに対しては入り口のところで責任を求める、合併ではないところに関してはいわゆる目標を示して結果責任を求める、そのことは既に御承知かと存じます。

 その上で、合併等について、合併等の抜本的な組織再編をする場合に、その責任ということをどのように位置づけるのか、モラルハザードを起こすのではないか、そういう御趣旨で御質問があるわけでございますけれども、まず、抜本的な組織再編の場合には、合併等の効果が発現するまでにはやはり相当の時間を要するということ、これが第一点だと思います。そして、組織再編は、それ自体に非常に前向きな経営改革が織り込まれている、非常に大きな経営の決断であるというふうに思います。また、中でいわば当事者間の相互チェックが働くということも、結果的には目標に向かって結果を求めるような動き、力がこの内部で働いていくというふうに考えられます。また、経営資源の融合等が期待できる。それそのものがよい結果を生み出す原動力になるというふうに考えられます。こうしたことから、法的な結果責任の枠組みを求めないということにしているわけでございます。

 ただし、これは合併のような抜本的な組織再編を行うかどうかにかかわらず、すべてについてでございますけれども、資本参加を受ける金融機関に対しては、この経営改革の確実な実行を期するという観点から、責任ある経営体制の確立を求めるんだ、かつ、資本参加後においても、金融機関が策定した経営強化計画の履行状況を適切にフォローアップする等の監督を行うということ、これはしっかりとやってまいります。

 加えて、合併等の抜本的な組織再編を行う場合には、モニタリング及び情報開示による金融機関の自己規制を重視しながら、これは仮に、特段の理由なく計画期間中でも計画と実績との大幅な乖離が生じた、かつ、改善への努力が見られないような場合に関しては、これは必要に応じて経営強化計画の履行担保に向けた監督上の措置を発動する、さらに、必要があれば普通株式への転換権も行使する、こういうような監督はしっかりとやっていくということになります。

 そうしたことを組み合わせて、十分に経営規律の確立が図られて、モラルハザードが生じないように、そのように制度をつくっているつもりでございますし、また、しっかりと運用する覚悟でおります。

武正委員 先ほど触れたように、信金の方のチェックをいたしますと、金融庁の金融検査官、地方の財務局の方が監事に再就職したり、あるいは代表になっていたりという例がたくさん見受けられるんですよ。ぱっとあけますと、きのくに信用金庫、砺波信用金庫、能登信用金庫、さぬき信用金庫、福岡信用金庫、直方信用金庫、西九州、熊本、奄美大島等々、これは、いわゆる金融検査官、あるいは金融検査官室長とか上級金融検査官とか、こういった金融検査の立場にある人が、今度公的資金を注入するかもしれない、あるいは合併を、枠組みをつくろうという、そういったところに監事だったり代表権のある立場で再就職しているんですね。

 さっきから、把握する必要はない、立場にないということなんですけれども、検査をする立場の方が、今の公務員の再就職の枠組み、もう年数等超えていたとしても、検査を受ける立場の銀行のしかるべき役職にいる。しかも、これを見ていくと、驚いたことに、大体皆さん金融機関で検査部長とか検査室長になっているんですよ。つまり、先ほど来話しているように、カウンターパートだと思うんですね。

 これがあっても把握する必要はないというふうに言い切られると思うんですけれども、委員長にお願いをしたいんですが、ぜひ、本法案の審議に大変大事な資料、それは我々委員が努力しながら調べることはできますが、金融庁におかれましては、六百九十九しか金融機関はないわけですから、その金融機関に旧大蔵省あるいは日銀からどのように今就職をされているのか、現状、それぞれの方の役職も含めて、数字を、あるいは資料をお出しいただきたい。これを委員長にお願いしたいと思います。

田野瀬委員長 もう一度答弁、もういいですか。同じことですか。(武正委員「はい」と呼ぶ)

 それでは、理事会で協議させてもらいます。

武正委員 先ほどから触れておりますが、金融検査をしてきた人が、信金の内部のチェックをする監事あるいは理事あるいは理事長、そして、その方々は、不思議と就職したときに検査部長とか検査室長になっている。こういったことが続いているわけなんですが、このことについて、大臣、どのように考えられますか、認識されますか。

竹中国務大臣 個別のケースを多々論じる立場にはないと思いますので、一般論ということになりますが、ここは恐らく、察するに、検査等々で培われたそういう目、そういう能力、そういうものを再就職先は再就職先でやはり期待しているということなんだと思います。これは基本的には、その能力を発揮していただくということは重要でございましょうから、多分、検査をやっていた人がいきなり営業に行くよりは、そういう監査的な仕事をされる方が、その方にとっても能力の発揮になるし、また、金融機関にとってもプラスになるということなのだと思います。

 ただ、これは先ほどから武正議員が繰り返し御心配しておられることなんだと思いますが、カウンターパートだからそのやりとりがルースになるのではないか。我々としては、繰り返しになりますが、相手がOBであろうがなかろうがしっかりとした検査をするんだ、その検査をしっかりさせるということと、資本の注入に当たってはしっかりとした責任ある経営体制を確立していくこと、それに尽きるんだと思っております。

 印象いかんということでありますので、余り適切なお答えではないかもしれませんが、そこは個別にいろんな御事情があるのだろうなというふうに思います。

    〔委員長退席、山本(明)委員長代理着席〕

武正委員 しっかりとした経営、責任ある経営体制と言いますが、先ほど触れたように、合併については経営責任を問わないという閣法でございます。その理由は――要は、こうやって監事とか検査室長とか検査部長に財務局からたくさん再就職されている。これは、合併の責任を問われるのはこういった方々ですよね、経営がうまくいかない、検査がしっかりできていないじゃないかと。監事、非常勤の監事も多いですよ、名前だけ借りたいんでしょうか。

 今のこの枠組みで公的資金を投入する、しかも、経営責任を問わない、民主党はしっかりと経営責任を問う、これが閣法との違いでありますが、問わないんじゃなくて、問えないんじゃないですか。OBがこれだけ信金に再就職をしていて、しかも、信金の中で検査をするべき立場にある、そして、そういった仕事をしている。合併をしてその責任を、合併が必要ということで責任を問えないんじゃないですか。どうですか、大臣。

竹中国務大臣 そういう意識は全くございません。先ほど申し上げましたように、責任ある経営体制を確立する、それにはケースケースでやはり幾つかの多様性があるんだというふうに思います。先ほども申し上げましたように、既に健全性の基準値を下回っているところについては、注入の時点で、つまり入り口で経営責任を果たしていただく。そうではないところについては、抜本的な合併等々以外のところについては、出口のところでしっかりと見させていただく。

 しかし、抜本的な再編、合併等々というのは、先ほど言いましたように、それ自体が非常に前向きな経営改革としての意味を既に持っているということでございます。さらに、当事者間のチェック、それと経営資源の融合等々、そうしたことを勘案して、バランスをつけて合理的な制度設計をつくったつもりでありまして、万が一にも、武正委員がおっしゃったように、情状酌量して、OBのことを考えて、それで経営責任が問えないんだ、そういうことを求められないんだ、そういうことは断じてございません。

武正委員 日銀にも伺います。

 日銀の考査役がたくさん信金にも就職をしている。例を挙げますと、平塚、さがみ、三条、静清、磐田、遠州、岐阜、蒲郡、南大阪、摂津、兵庫、愛媛等々でございます。これはほんの一部でございます。日銀の考査役という方が、その考査をすべき対象の金融機関に再就職をしている。これについて、このことによって考査がゆがめられることはないんでしょうか。

 そしてまた、こういったことは、特に日銀の考査役をやられた方が、金融機関への再就職等についてしかるべき内規でそれを規制するようなことはしていないんでしょうか。お答えください。

三谷参考人 私どもも金融庁と全く同じでございまして、OBが行っているから行っていないからということによって考査の中身に手かげんがあるとか、そういうことは全くございません。そこはきちんと厳正にやっております。

 それから、今のお尋ねの考査役ということでありますけれども、民間からのいろいろな、そういう人材を求められた場合、やはり銀行実務に詳しい人ということになりますと、比較的、考査役経験者というのが出てくる可能性は大きいと思います。ただ、私どもも、一応、考査役の経験者がそういった再就職をするに当たりまして自粛ルールをつくっております。私どものルールといたしましては、考査役経験者が考査役として実地考査を行った先、そこに対する再就職ということは当該考査実施後五年間は自粛するということで、その考査の中にそういったかげんが入らないような形で自粛をやっておるところでございます。

武正委員 足銀には、昨年の二〇〇三年金融名鑑では、すべて足銀からのプロパーの方と、それから栃木県庁から再就職されている方がいますが、旧大蔵、日銀、お一人もいないということなんですね。

 さて、大臣、もう一つ、今考査役のことを聞きましたが、金融検査をやっていた方があらぬ疑いをかけられないように金融機関への再就職を自粛する、これをやったらどうかと思うんですが、こういう法案も出している担当大臣としてこの提案についてどのようにお答えいただけますか。

竹中国務大臣 その自粛の意味でございますけれども、ある意味で、今の国家公務員の天下りに関する規制、枠組みというのは、そういうことを規制しようということを一つ形にしたものであるというふうに思います。一方で、これは働いている人からとりますと、どこかで食べていかなきゃいけないわけでありますし、職業選択の自由というのもまたしっかりと保障していかなければいけない。そこの枠組み、状況をどこで線引きするかという問題であろうかと思います。

 我々としては、やはり今の公務員の天下りの枠組みの中でしっかりとそれを守っていきたい、公務員の天下りそのもののルールについては、これはこれで、しかしさまざまな御批判があるということも、これは真摯に受けとめて、しっかりと内閣としては議論をしていきたい、そのように思っております。

武正委員 先ほどから触れているように、これだけ公的資金を金融機関につぎ込んでいるわけですから、今、公務員の再就職の枠組みでクリアされているからいいんだということでは許されないというふうに思っております。ですから、日銀の考査役が自粛をしているように、金融庁のあるいは旧大蔵省の金融検査官の方の再就職もやはり自粛をすべきであるということを再度申し上げたいと思います。

 ちょっと時間の関係で、一番最後の質問に、また副大臣もお待たせいたしました、資料の三ページ目をお開きいただきたいと思うんですが、公定歩合と貯蓄率ということで資料をつくってみました。公定歩合が〇・一ということで一番下にはいつくばっておりますが、貯蓄率が年々下がってくる。今、二〇〇二年の直近の数字が六・二とか、あるいは五・九とかいう数字が出ておりますが、低金利だから、銀行に貯蓄をする、金融機関に貯蓄をする率が下がっていくのは当然予想されるところでありますが、それ以外に理由があって、今、日本の貯蓄率がどんどんと、このままいくと個人の貯蓄率が下がっていく一方ではないか、このことに私は大変危惧を覚えております。法人の貯蓄は輸出企業を中心に増加をしておりますが、日本のこれまでの高度成長をなしてきた理由として、個人の高い貯蓄性向ということが今崩れつつある。

 この背景に、一つ理由とするのは、高齢者の所得について、もちろん金利の収入減など家計所得減少が大きいんですが、例えば二十代の五人に一人がいわゆるフリーターである、今、親の家計にいわゆる依存をしている、今は金融資産を持っておられる親の世代だからまだ依存ができるけれども、これがこれからどうだろうかということも指摘をされるんですが、高齢者世帯の増加もまた貯蓄率が減っている要因というふうにも考えるんですが、このことが行く行くは、国の財政構造の進展が残念ながら見込めない場合には、貯蓄減が中長期的には国債価格の下落、長期金利の上昇の誘因となるというふうに考えるんですが、貯蓄率がどんどん減っていることについて、まずは副大臣、よろしいでしょうか。財務省からまず御認識を。

    〔山本(明)委員長代理退席、委員長着席〕

山本副大臣 御指摘のように、家計におきますフロー面での貯蓄率がかなり低下しておりまして、武正委員のグラフでも、約半分、六・二という数字が出ておりますが、これは、所得が減少しましても過去の消費水準を維持しようとする消費者の動きが見られること、また、武正委員の御指摘のように、一般的な傾向としましては、高齢者人口がふえていけばいくほど構造的な要因としまして貯蓄率が下がる、こういうことは言えようかと存じます。

竹中国務大臣 委員御指摘の貯蓄率の低下というのは、マクロ経済バランスを考える上で中期的に日本の非常に大きな課題になるだろう、私自身は実は強くそう思っております。

 なぜ減っているかということに関しては、今も委員も御指摘のように、一つは、やはり高齢化が進んでいる。高齢者の貯蓄率は低い、場合によってはマイナスでありますから、その人たちの人口ウエートが高くなると、マクロで見ると貯蓄率は下がっていく。かつて、貯蓄分析の専門家である大阪大学のホリオカ教授は、どこかの時点で日本の貯蓄率は実はマイナスになる、家計貯蓄率がマイナスになる可能性があるとショッキングな推計を出されていることもございます。

 しかし、もう一つ考えなければいけないのは、今まさにデフレが続いておりますので、資産の実質価値が高まっている。例えば、一千万円の預金を持っていた、物価が一〇%下がりますと、今まで一千万円持っていなきゃ心配だなと思っていた人も、九百万円持っていれば大丈夫だと思うようになって、その分資産に余裕ができて、それを取り崩して消費をして貯蓄が下がっている、そういう局面もあろうかと思います。これは、今後、デフレの克服を目指していくわけでございますが。

 いずれにしても、これは恒等式でありますが、民間の貯蓄超過は財政赤字と経常収支の黒字の合計に一致するわけでございますから、民間の貯蓄超過が下がってきて、かつ、御指摘のように財政赤字が減らないということになると、海外の経常黒字が大きく変化するという可能性はある。そのことは、日本の金利ないしは例えば資金の流れに大きな影響を及ぼす可能性がありますので、これは中期的な課題として大変注目して運営をしていかなければいけないと思っております。

武正委員 先ほど分析は聞いたんですが、副大臣、そうしたことで国債価格の下落、長期金利の上昇の誘因となるというふうに考えているんですが、この貯蓄率がどんどん減っていることについてどのような認識を持っているのか。いい、悪いですね。問題なのか、いや、大丈夫なんだと。そして、それについてどういった対応が可能なのか。私は、ゼロ金利ということがこのままずっと続くというのは、貯蓄率がどんどん減っていく大変大きな要因だというふうに考えますので、これを改めなきゃいけないというふうに思っているんですが、重ねて、ちょっと副大臣、大臣とお答えいただけますでしょうか。

山本副大臣 先生御指摘のように、この傾向というのは、今現時点で見ますれば、個人の金融資産が依然として高水準を保っておりまして、個人金融資産一千四百兆というようなことを見れば、直ちに国債の消化に支障を来すというようなことには至らないだろう、そう思っておるわけでございます。

 しかし、常に危機に備えるということからして、また、仮定を置いて、貯蓄率がこの調子でどんどん減少していき、いわば銀行のいわゆる投下資本あるいは融資資金となるような財源にも枯渇が見られるということになりますと、どうしても国債の金利を上げたり、あるいは国債の消化というものにまさに支障を来す事態があり得ないとも限らない。こういうことになるならば大変なことになりますので、そういうことにならないように最善の努力を重ねていき、今現在、所得の低迷で貯蓄の減少につながっているということならば、地方景気も改善をして、雇用も改善して、そして民需主導の持続的な経済成長を実現するということに全力を挙げるということが肝要ではなかろうかと考えておるところでございます。

竹中国務大臣 今副大臣の答弁にありましたように、短期的に非常に大きな影響が出るというふうには思いません。

 ただ、やはり長期的にはしっかりと見ていかなければいけない。長期的にという趣旨は、貯蓄と投資というのは非常に長期をとると一致するというふうに考えられるわけです。そうすると、貯蓄が減るということは投資する力が減る、投資する力が減ると成長力が減るということになりますので、そういう意味では、経済の活力の根底に影響を与える、長期的にはその可能性はあるということであろうかと思います。

 短期的には、したがって、むしろその変化が、私はそんなに急激ではないと思っておりますが、そういうことが生じないように、今副大臣のおっしゃったようなことをしっかりと見ていくということだと思っております。

武正委員 これにて質問を終わります。ありがとうございました。

田野瀬委員長 次に、長妻昭君。

長妻委員 民主党の長妻昭であります。簡潔に御答弁いただければ幸いでございます。

 先ほど五十嵐委員からも日本歯科医師連盟の件のお尋ねがありましたけれども、これも我が党としてお尋ねをするということでございまして、本日は財務の両副大臣にお出ましをいただいておりますので、両副大臣にお尋ねを申し上げます。

 この日本歯科医師連盟、政治団体の方でございますけれども、そこから、あるいはその関連から、金銭的、物的支援、あるいは飲食の提供等々があったかどうなのかを両副大臣に御答弁をいただきたいと思います。

山本副大臣 日歯連から政治資金の提供を受けているかにつきましては、平成十一年及び平成十二年に、政治資金パーティーの代価に係る収入を受けております。その収入は、政治資金規正法にのっとりまして適切に処理されていると承知しております。平成十三年以降は、日歯連より政治資金の提供は受けておりません。

長妻委員 平成十一年、十二年、金額はそれぞれ幾らでございますか。

山本副大臣 平成十一年が二十万円、平成十二年が十万円、以上合計三十万円でございます。

長妻委員 そうしますと、日本歯科医師連盟、日歯連及びその関連するところも含めて、金銭的、物的、あるいは飲食の提供というのは、今言われた以外は一切ない、こう明言をされる、それでよろしいですか。

山本副大臣 この余につきましての資料は今手元にございませんので断言はできませんが、ないと考えるところでございます。

長妻委員 断言ができないというのはどういうところでございますか。

山本副大臣 この資料もパーティー券の収入でありまして、パーティー券を、過去にわたって地元、東京でも開催しておりまして、その意味におきまして、転々流通して、代価をいただいていることをすべて把握しているわけではありませんので、直ちにないと断言は今のところできませんが、鋭意、地元等も調べましてお答えができるかと思っております。

長妻委員 では、ぜひお答えを後日いただきたいと思います。

 石井副大臣はいかがでございますか。

石井副大臣 日歯連からの政治資金、物的供与、それから飲食等の提供を受けた事実はございません。

長妻委員 そしてもう一つは、年金の問題もお伺いしなければなりません。

 この年金で、これは竹中大臣も含めて両財務副大臣、お三人にお尋ねいたしますけれども、これも事前に通告を申し上げているんですが、これまで年金の保険料というのはきちんとすべてお支払いをいただいていたかどうかということでございまして、竹中大臣から順番にお答えをいただきたいと思います。

竹中国務大臣 閣僚としては、経済、資産に関する情報をルールにのっとって公開をしておりますが、それ以外の問題、お尋ねの問題も含めまして、そうした問題に関しては、プライバシーの問題もありますので、答弁は差し控えさせていただきます。

山本副大臣 現在、この問題につきまして、衆議院厚生労働委員会理事会で協議中と聞いておりまして、その結果を踏まえて対応する必要があると存じますので、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。

石井副大臣 山本副大臣と同じ理由で、答弁は差し控えたいと存じます。

長妻委員 ちょっと不可解な御答弁でございましたけれども、年金の保険料というのは、確かに、義務、例えばある期間以降は、これは支払わなきゃいけない、国民の義務になっている期間もございますが、それ以前は、確かに義務でない期間もあった時期もありました。私は両方聞いたつもりですけれども。私は、両方出していただきたいというふうに強く要請をいたします。

 そして、義務のところに関しては、これは国民の義務でありますから、例えて言うと、税金を払うというのは国民の義務だと思うんですね。そうすると、皆さんは税金をきちっと払っておられますかという質問で、いやそれはプライバシーだからお答えできませんと。これと基本的には同じだと思うんですよ、国民の義務ですから、義務以降の年金の保険料は。

 そこで、竹中大臣はプライバシーということを言われましたけれども、それでは、若干絞ってお聞きしますけれども、国民の義務になった以降の年金の保険料、これはきちっとお支払いいただいていた、こういうことでよろしいですね。

竹中国務大臣 先ほど両副大臣の御答弁にもありましたように、本件につきましては、厚生労働委員会において理事会で対応を協議しているというふうに聞いております。政府としては、その協議の結果を待って対応すべきであるというふうに考えております。

長妻委員 いや、プライバシーと言われたからお聞きしているんですが、そのプライバシーというのは、義務の部分はプライバシーというのは当てはまらないというふうに思うんですが、そうお考えでございますか。プライバシーというのは、任意のところを言ったわけでございますか。

竹中国務大臣 繰り返しになりますけれども、本件につきましては、厚生労働委員会において理事会で対応を協議しているところと聞いておりますので、政府としては、その協議の結果を待って対応すべきというふうに考えております。

長妻委員 いや、ですから、ではもうちょっと細かく質問します。プライバシーと言われたから、プライバシーというのはどういう意味ですか。

竹中国務大臣 プライバシーというのは、私の資産、納税、そういったこと、個人に帰属する個人の情報であるという意味で申し上げました。

 いずれにしましても、本件については、厚生労働委員会において理事会で対応を協議するというふうに聞いておりますので、政府としては、その協議の結果を待って対応すべきであるというふうに考えております。

長妻委員 それでは、竹中大臣に、これまで税金というのはきちっとお支払いいただいていましたか。

竹中国務大臣 これもプライバシーでございますので、必要なことにつきましてはルールにのっとって公開をさせていただきます。

長妻委員 金融、財政の担当の大臣が、税金をきちっと払ったかどうかというのをプライバシーで答えられないというのは、これは私はおかしいと思うわけですけれども、そういう意識がちょっとないようでございまして、これはきちっと公表するということを強く要請いたします。

 そして、金融機能強化法に入ります。両副大臣、御退席いただいて結構でございます。

 金融機能強化法に入りますけれども、先ほど武正議員の方からも質問がございましたが、資料をお配り申し上げておりますけれども、この資料の二ページ目に、金融庁がつくられたこういうスキームがございます。この中で、私もちょっと理解できないのが、この右の方にございますけれども、「抜本的な組織再編成の場合」と「その他の場合」と、二つに分かれている。簡単に言うと、合併をするときの資本注入と、ほぼ単独の銀行に資本注入をできる、こういう二つのスキームがある。

 ところが、ほとんど単独の銀行に資本注入を入れるスキームに関しては、経営強化計画というのを立てさせて、それが守れなければ代表権のある役員が退任する、こういう厳しい措置があるということで、これは私は大変いい措置だと思っているわけであります。これは、単独の場合、この表でいうと「その他の場合」には、一ページ目にございますが、この一ページ目は金融庁からつくっていただいた案文でございます、法律にはありません。こういうような基準を、法律が仮に成立したらするという文書をいただいておりますけれども、これは間違いございませんね。

竹中国務大臣 間違いございません。

長妻委員 この案文には「「金融機能強化のための特別措置に関する法律案」における「抜本的な組織再編成以外の場合の目標未達成の場合の経営責任の明確化」に関する基準は、「代表権のある役員が退任すること」とする」、こういうふうにありまして、これはもちろん例外なくこういうことがなされるという措置であるということで、私はこれは一定のことだとは思います。

 しかし、これは、ちょっと抜けておりますのは、では抜本的な組織再編の場合、つまり合併をしたときに資本注入をする、そのときに、経営強化計画を立てさせる、これが守れなかった場合は、単独の場合はやめさせるけれども、合併の場合はやめないでいい、こういう規定になっているわけですけれども、これは竹中大臣、もちろん退職、辞職というのが望ましいことは望ましいわけでありますか。

竹中国務大臣 そもそも、これは抜本的な組織再編の場合とそうでない場合に分けて考えている。

 我々が求めるのは、きちっとした経営改革をしてください、経営改革をすることによって金融機能を強化していただきたい、それに尽きるわけであります。

 経営改革の中身としては、これはいろいろなものがあると思いますけれども、抜本的な組織再編の場合というのは、相当やはりそれ自体が経営改革としての大きな意味を持っているというふうに考えているわけです。そうでない場合については、個々さまざまでもございましょうから、これについてはそれなりの枠組みをしっかりとつくらせていただくということに尽きます。

 今の委員のお尋ねは、これが望ましいかどうかということでありますけれども、これはまさしく、しっかりとした経営体制というのはつくっていただかなきゃいけないわけですから、しっかりとした経営体制に関して、最初の計画を出してくるときにまずどのようにその申請者が判断するかということに尽きます。もちろん我々はその経営体制の確立というのがしっかりとしたものであるかどうかというのは審査をするわけでありますけれども、これはケース・バイ・ケースであろうかと思います。

 いずれにしましても、抜本的な組織再編、合併等の抜本的な組織再編というのは、それ自体が経営改革としての大きな意味を持っている。かつ、その効果があらわれるのにやはり非常にこれは時間がかかります。かつ、合併でありますから、相互の内部チェック等々も、相互チェックも働いて、経営資源の融合も行われる。

 そういう中で、今回のように、委員が御指摘のように違った枠組み、適切な枠組みをつくったつもりでございます。

長妻委員 それは理由になっていないと思うんですね。単独で注入する場合は代表権のついた役員は退任する、こういうようなことにもかかわらず、今言われたのは、合併するから、これ自体、合併自体が経営改革になっているからと。

 ということは、こっちの方が、合併した方がスムーズに進むわけですから、これは達成が容易にできるということで、その容易な達成もできないのは退任をさせる、むしろこういう合併のときの方がハードルが今の話だと低くなるわけでしょうから、こっちを退任させる、こういうことの理屈じゃないですか。おかしいんじゃないですか。

竹中国務大臣 合併そのものというのはやはり非常に大きな経営改革になるわけです。したがって、経営改革そのものをまずしっかりとやっていただく。ただし、時間等々がかかるということは、これは考慮する。

 その上で、合併だったら何でもオーケーかというと、それはそんなことはないわけです。合併そのものについての強化計画をしっかりと審査をいたしますし、そして、何よりも、合併して、強化計画もとって、その後のフォローアップは、これは監督体制としてしっかりとやるわけでございます。

 合併の方がバリアが高いか低いかということは、これはいろいろな御意見があるかもしれませんけれども、合併等の抜本的な組織再編の場合には、例えば、短期的には店舗の統廃合の推進によります除却損の発生といった、組織の再編成に伴うそういった予期しがたい事情の発生によって収益等々も影響を受ける可能性もある。そういった意味で、これはやはり少し事情が違って、それ自身が私は厳しいものだと思います。

 繰り返しになりますけれども、経営強化計画をつくっていただいて、その後についてはしっかりと監督、フォローアップするわけでありますから、そこは担保されているということであります。

長妻委員 そうすると、合併のときと単独のときと、ある意味では経営強化計画を達成する難易度、ハードルの高さというのは、ちょっとまた今説明が変わったんですが、単独の方がハードルが低いということですか。合併だと大変な店舗合併とかいろいろがあって、合併の方がハードルが高くなるから、だから合併の方は責任を問うのはかわいそうだから問わない、こういうことなんですか。

竹中国務大臣 ちょっと、ハードルというのがいろいろな意味で使われる可能性がありますので、合併の方が、合併そのものが経営改革をその中に内包している、伴っているということなんです。つまり、合併そのものによって店舗の統廃合等々も進むであろうし、それによってそのコストをしっかり負担しなきゃいけないということも出てくるだろうし、それにあわせて減量化も必要だということも出てくるであろうし、そういった合併等々の組織再編、抜本的な組織再編が持っている経営の変革性というものを重視しようということで考えているわけでございます。

 いずれにしましても、その中に「責任ある経営体制の確立」というのが入っている、かつ、強化計画についてはしっかりとフォローアップをさせていただくということでありますので、これは、その入り口、出口で経営者がやめるかどうか、やめさせるかどうかということが唯一の基準ではないというふうに思っております。

長妻委員 そうすると、角度を変えますけれども、単独で注入する場合は、先ほどの案文にもありましたように、代表権のある役員が、これは計画が達成できなければやめる、例外なしにやめさせる、こういうことを書いてあるわけですけれども、では単独の場合は何でやめさせるんですか。

竹中国務大臣 単独の場合、まさにこれは、この場でもう御議論いただきましたけれども、合併はわかるけれども、単独の場合は甘くなるじゃないか、どうするんだという御質問をこの場でもいただきましたよね。(長妻委員「私はしていませんよ、それは。人の質問を変えないでください」と呼ぶ)この場でいただいたと言っているんです。この委員会でそういう質問をいただいたと申し上げているんです。だから、そういう御意見もあるということです。

 したがって、そういったことに関しては、まさにモラルハザードが生じないように、これは単独の場合は、抜本的な組織再編等々と違って、いろいろな場合が考えられるんだと思います。そうしたことも踏まえて、モラルハザードが生じないように歯どめを置いておくべきである。その歯どめの置き方としては、基準値以下の銀行については入り口のところで責任を求める、そうじゃないところに関しては、結果責任という形で、目標値を定めて、その上で結果責任を求める。そのような形でめり張りをつけているわけでございます。

長妻委員 そうしましたら、これは、大臣の発言というのは大変重いので、確かに大臣言われるように、モラルハザード、私はこれを本当に懸念するわけです、この法案で。それでは、合併のときは退任規定というのはないわけですが、明文化はないわけですけれども、大臣の口から、それは退任も視野に入れて、覚悟を持って、合併したといえども経営強化計画をやらなきゃいかぬ、これは退任も視野に入れた責任を感じながらやる、こういう発言をいただきたいんですが、それはできますか。

竹中国務大臣 要するに、いい銀行になって地域に貢献したい、リスクを先取りして、まさに金融機能を強化したい、そう申請する人、それに対して、その申請行為に対してペナルティーを科すということでは、これは私はないと思います。

 しかし……(長妻委員「単独では科している」と呼ぶ)単独でも科しておりません。これはペナルティーを科しているわけではありません、結果については責任を持っていただくということで申し上げているわけでありますけれども。したがって、ここはやはり責任ある経営体制をつくっていただくということに尽きるんだと思います。

 責任ある経営体制をどのようにつくるかというのはケース・バイ・ケースであります。その場合に、中には経営者についていろいろなケースが想定されるというふうに思いますが、これはいろいろなケースを想定して仮定で申し上げることは困難だと思います。しっかりとした経営計画をつくっていただいて、我々としてはしっかりとした審査を行う、かつ、繰り返し申し上げておりますけれども、その計画についてはしっかりとフォローアップをさせていただく、監督上のフォローアップはしっかりとさせていただくということでございます。

長妻委員 何と甘い大臣なのかと今本当に感じます。合併のときに、退任も何にも考えずに、公的資金注入してください、計画立てました、これは達成できません、やめないでもいい、こういうようなことでは、これはモラルハザードなんですよ。

 ですから、退任も含めて責任をきちっととっていただく、退任も含めて、こういう、大臣、答弁してください。

竹中国務大臣 責任ある経営体制を確立していただく、その責任ある経営体制をどのように確立するかというのは、これはいろいろな場合があろうかと思います。申請者によってまずしっかりと議論をしていただいて、我々としてしっかりと審査をしたいと思います。

長妻委員 ですから、その責任の中に当然退任ということも、選択肢の一つとしてこれは入るということでよろしいんですね。

竹中国務大臣 どのような形で経営責任、経営体制をしっかりとつくっていくかというのは、これは申請者においてしっかりと議論をしていただく問題だと思っております。

長妻委員 監督官庁としては、その中に退任という選択肢も含む、こういうような理解をされておられるわけですか。

竹中国務大臣 ケースに応じた適切な対応があると思っております。

長妻委員 ですから、そのケースの中には退任ということもあるんですかと聞いているんですよ。選択肢の一つでということで聞いているんですから。

竹中国務大臣 特定のケースを仮定して私が発言すると誤解を招くおそれがありますので、これはさまざまなケースがあるというお答えをさせていただきたいと思います。

長妻委員 そうしましたら、金融庁、監督当局が考えるその責任の中には退任という選択肢はない、こういう理解なんですか。どっちなんですか。

竹中国務大臣 いろいろな選択肢があるということです。(長妻委員「それはだめ。質問できませんよ。退任ぐらい、選択肢の中に入っているかどうか」と呼ぶ)

田野瀬委員長 長妻君、何らか意思表示してください。(長妻委員「質問できません」と呼ぶ)長妻君、質問できないんだったらできないで、私の指名によって答えてください。

長妻委員 それでは言いますけれども、質問に答えていないです。ですから、答えさせてください。

竹中国務大臣 私は一般論として申し上げておりますが、この中にはいろいろなケースがあるということを申し上げているんです。(長妻委員「だから、退任が入っているのかと聞いているんです。答弁させてください」と呼ぶ)

田野瀬委員長 長妻君。(長妻委員「答弁させてください」と呼ぶ)いやいや、それを発言してください、それを。(長妻委員「だめですよ」と呼ぶ)答弁してくださいという発言をしてください。(長妻委員「何度も聞いているんじゃないですか」と呼ぶ)座ったままではこれは続かないですよ、座ったままでは。(長妻委員「続かないって、答弁しないんじゃないですか」と呼ぶ)答弁はしましたよ。今答弁したから……(長妻委員「していないですよ。責任の選択肢の中に入っているのかと聞いているんです」と呼ぶ)だからそれを質問してください。これは時間はカットできませんよ。今は、これは時間カットできないですよ、アピールしていないですから。(発言する者あり)今答弁中ですから、ちょっと待ってください、その話は。(長妻委員「答弁中じゃないですよ」と呼ぶ)質疑応答中ですから。

長妻委員 そうしましたら、同じ質問をいたしますけれども、質問に答えてください。そんな大層な話じゃないですよ。選択肢の中に退任というのも入っているんですね、選択肢の一つとしてと聞いているんですから。入っているのか入っていないのか。

竹中国務大臣 選択肢というのは、この経営計画をつくって申請する人が、いろいろな選択をして経営体制を確立するわけです。その選択肢の中で、申請する人が、自分は責任をとってやめるべきだ、そう思えば、それはそういうこともあり得るでしょうし、私は、だからいろいろなケースがあると申し上げているんです。

長妻委員 そういうことは、だから退任という選択肢があるということで、初めからそういうふうに言われればいいじゃないですか。あるということですね、では。

竹中国務大臣 いろいろな選択肢があると申し上げているわけです。(長妻委員「何で答えないんですか」と呼び、その他発言する者あり)

長妻委員 今、つまらないというやじも自民党席から飛びましたけれども、これは基本的にモラルハザードの問題なんですよ。合併して、公的資金、最終的に国民の金になるかもしれない金が入って、それで経営計画をきちっと立てる、厳密に。しかしその経営計画はできませんでした、はい、やめません、こんなばかなことはあっちゃいけないんですよ、これは。

 だから大臣に、選択肢の一つという非常に抑えた言い方で聞いているのに、それも言えないと。何でこんな甘いんですか。甘過ぎますよ、大臣。選択肢の一つで退任もあると言えばいいじゃないですか。

竹中国務大臣 ちょっと委員の御議論が混乱しているように思いますので整理をさせていただきますが、まず、この問題は、申請者が申請してくるんです。申請者は、いろいろな選択肢があるんです。自分でやめればいいと思えばやめればいいんです。

 もう一つ、しかし、今おっしゃったのは、結果が果たされなかったらどうか。そのときの選択肢というのは、これは違いますよ。これは我々は監督するんですから。それで、監督して、きちっと、それが守られない、守られないのに何の対応もとっていない、これは我々は二十四条で、報告に基づいて必要な命令は出す。その中にはいろいろなものが当然のことながら入ってきます。これは例えば三割ルールというのが適用されたり、そういうものが、我々は、ガイドラインの中には当然のことながら退任を求めるという選択肢はあるわけですから、私は、ガイドラインのとおりやると言っているんです。

 しかし、委員が聞かれたのは入り口のところなんですよ。入り口のところ……(長妻委員「違いますよ。何言っているんですか。この一ページ目に書いてあるところから議論しているんじゃないですか。何言っているんだ」と呼ぶ)

田野瀬委員長 ちょっと黙ってください、答弁中ですから。

竹中国務大臣 いや、だから混乱していると申し上げたんです。今正確に御答弁申し上げましたように、入り口のところにおいては、経営者としてはいろいろな選択肢があります。その中には当然、自分は責任をとっておやめになるというものもあるでしょう。

 繰り返し申し上げているように、我々はその後監督をいたします。監督はガイドラインにのっとって、その中には、場合によっては責任者の責任を求めるという場合も当然に出てまいります。これはルールどおりです。

長妻委員 先ほど、ガイドラインの中で退任を求めるというのもあるということを御答弁いただきましたので、その言葉をかみしめて、厳しくチェックをいただきたいというふうに思います。

 そして、もう一点の質問でございますけれども、金融機能強化のための資本注入でございますが、これは、二回の資本注入、一回注入して、あ、失敗しちゃった、じゃ、もう一回注入しましょう、こういう二回の注入というのもあり得るわけですか。

竹中国務大臣 基本的には、我々としては、新たな公的資金の制度というのは、先ほどから言っているように、しっかりと経営改革をしてもらって金融機能を強化してもらう、そこで国が資本参加、今のようなデフレの状況が続いて、なかなか自己調達が市場では難しいという状況では国も後押しをしようという趣旨でありますから、その意味では、それを実効性あらしめるために、収益性とか効率性等の向上が見込まれなければいけません、地域における金融の円滑化が見込まれなければいけません。そういう要件を厳正に審査して、結果的にまたそれをフォローアップして厳しい自助努力を求めるわけであります。

 したがって、資本参加したところが再び、再度資本参加を行わなければならないといった事態は、基本的には想定しづらいというふうに考えている次第でございます。

 いずれにしても、個別の事例は個別の事例でございますから、これはルールにのっとって厳正に、的確に適用してまいりたいというふうに思っております。

長妻委員 委員長、お聞きのとおり答えていないんですよ。二回の資本注入があり得るのかということを聞いているんですよ。基本的にないというのはわかりますよ。それは当然ですよ。ぼんぼんぼんぼんあっちゃ困りますよ。ですから、二回の資本注入というのはできないという仕組みと考えていいんですね、これは。

竹中国務大臣 お答えしているように、基本的には、我々はしっかりとした仕組みをつくってそれを運用していきますから、基本的には想定しづらいわけであります。

 しかし、いずれにせよ、これは個々の事例、いろいろあります。例えば、その後また抜本的な合併をしなきゃいけないような事態が生じるとか、そういうようなことが個別にはいろいろありましょうから、その事例に応じて、我々としては厳正かつ的確に対応してまいりたい、そのように御説明しているわけでございます。(長妻委員「あり得るのかと聞いているんですよ。委員長、これは本当に答えてないですよ」と呼ぶ)

田野瀬委員長 立って言ってください。

長妻委員 何度もやっても、時間がどんどん過ぎて、答弁拒否ですよ、これ。

 だから、二回の資本注入というのはあり得るんですかと聞いているんです。

竹中国務大臣 法律的にはあり得ないわけではありませんが、基本的にそういう事態は想定しづらい事態であるというふうに申し上げているわけです。

長妻委員 ですから、二回の資本注入というのはあり得るんですか。(発言する者あり)だから、あり得るんですか。あり得るんですか。

田野瀬委員長 ちょっと、聞いていなかったので、もう一遍繰り返して答弁してやってください。

竹中国務大臣 法律的にはそういうことは不可能ではないわけでありますけれども、基本的には想定しづらいというふうに申し上げているわけでございます。

長妻委員 初めからそういうふうに言われればいいんですよ。何でそういうことをどんどん言わないで、答弁拒否。時間がどんどんたって質疑ができないじゃないですか。

 それで、今言われたように、二度の資本注入というのは法律的な枠組みではあり得るということの御答弁でしたけれども、仮にそういうことが起こった場合、先ほど基本的にないとおっしゃられましたから、仮にそういうふうに起こった場合、金融庁には重大な責任があると思うんですが、これはちゃんと金融庁、責任とるんですね、二回目の注入のときは。

竹中国務大臣 責任論というのは、これは経営者、そして当局、常に重要な問題だと思っております。しかし、どういう事態が起こり得るかというのは想定できないわけでありますから、我々としては、そういう事態が生じないようにしっかりと運営していくのがまさに我々の責任であるというふうに思っております。

 先ほど申し上げましたように、一般的には想定しづらい。これは、我々がきちっとその枠組みを運用して、経営者もしっかりと経営をして、かつ天変地異のような大きなアクシデンタルなことがなければ私はそういうことは想定しづらいと思っておりますので、我々としては、しっかりと枠組みを運用することによってその責任を果たしたいと思います。

長妻委員 ですから私も、何か天変地異があって、極端なことを言われましたけれども、天変地異が、そういうことがあった場合、それは私も一概にそういうことを言えるかどうかわかりませんよ。

 ただ、金融庁が非常に甘くて、これは謙虚にやはり金融庁も失敗する可能性があるというのを選択肢に入れなきゃいけないと思うんですけれども、金融庁が甘くて、そして二度の注入を余儀なくされてしまった、こういうケースの場合は当然金融庁に重大な責任が発生するから、例えば金融庁の長官が辞任するとか担当の大臣がやめるとか、そういう措置もきちっととる、こういうことでよろしいのかということなんです。

竹中国務大臣 長妻委員の御指摘、気持ちとして、そういうものが甘くなってはいけないというのは、これはもう全くそのとおりだと私も思います。そういう意味では、そういうことがないようにするのが我々の責任であるわけですけれども。

 これは、御承知のように時限的な立法であります。その意味では、その時限の期間でそういうことが起こるというのは、やはり、先ほどの議論に戻りますが想定しづらいことでありますし、何より、委員がおっしゃるその甘くならないような仕組みとして、第三者の目きき、専門家の委員会等々もつくり、それをしっかりと運用して、そうならない仕組みをつくっておりますので、繰り返しになりますが、この仕組みをしっかりと運用していくということが現実的には我々の最大の責任であろうというふうに思います。

長妻委員 本当にこれは大変な法律だと思うんですよ、モラルハザードを呼ぶ、私は呼ぶと思うんですが、くれぐれも気をつけていただきたいと思います。

 そしてもう一つ、一ページ目でございますが、この一ページ目では、単独の場合、経営強化計画が、最大三年の期間というふうに聞いていますけれども、達成できない場合、代表権のある役員が退任するというふうになる、こういうことがありますが、この場合は、退職金の支払いというのは当局としては認めない、支払うな、こういう指導をされるおつもりですか。

竹中国務大臣 以前も退職金の問題で委員から厳しい御質問をいただいた記憶がございますけれども、我々としては、最低限、代表権のある役員の退任を求めることを要件とする、そういうことを予定しております。

 しかし、これはあくまで法令上の最低限の基準でありまして、それを超えて、結果責任をとって退職する役員の退職金の抑制、停止が行われるというのは、これはあり得ることであろうというふうに思っております。これも、責任の程度とか、その個人の責任に帰すべき実態がどうかということにも絡みますが。

 我々としては、最低限退任を求める、そして極めて常識的な範囲でしっかりと対応をしていただきたいというふうに思います。

長妻委員 そしてもう一つは、金融機能強化法の中の、今申し上げました目標でございます経営強化計画というものでございますが、資料の七ページでございますけれども、金融庁の方にお話をお伺いしましたら、基本的には、主な数値目標としてはこの四つがある、こういう説明をいただきまして、ここに資料にまとめました。

 一つは、総資産に占める利益率。この目標というのは速やかに公表されるというふうに聞いておりますけれども、総資産に占める利益率、これも数値目標としてきちっとやる。二番目には、不良債権比率。これも数値目標として書かせる。三番目には、総与信に占める中小企業向け与信の比率。ある意味では中小企業貸し出しの目標ですね。四番目には、効率性。営業経費などの経費率。この四つは、主要な数値目標としてきちっと書かせて、最大三年間の計画の期間を与えて厳しく見るということですけれども、これで間違いございませんね。

竹中国務大臣 金融機能の強化を目的として国が資本参加をする場合は、確実に経営改革が進展しなければいけない。その際に、収益性の向上というのは、まず経営改革を行うための基礎になることだと思っております。この収益力の向上、それと内部留保の蓄積、リスク対応力の拡大、これは一種の好循環を生み出して、まさに金融機能を強化していくわけであります。

 このために、まず収益性の向上を数値目標とする。これは、そういう意味で、ここに書いております……(長妻委員「この四つでいいんですよ、この四つで」と呼ぶ)ちょっと細かいので説明させてください。まず、コア業務純益、ROAについて、総資産に占める利益率を目標とする、これはそのとおりでございます。

 効率性の向上、次に求めているのは、実は効率性の向上というのを求めているわけです。四番目に当たるわけですけれども、経費率の削減というのは、経営改革を実効あらしめるために当然必要であって、これも、数値目標として経費率の削減を求めることが適当だというふうに思っております。

 もう一つ、それに加えて我々が求めるのは、バランスシート上の問題だということです。バランスシート面に着目すると、これは不良債権の処理がおくれると経営基盤に悪影響を及ぼすということでありますので、不良債権問題の解決を図る必要がある。不良債権比率、では、ここに書いているのは、比率が目標値として出てくるかというと、これは、バランスシートに着目して不良債権の処理を進展することということになっておりますので、これは、具体的には不良債権比率を低下させることというのが目標になるというふうにお考えをいただきたいと思います。

 それともう一つ、数値目標ということではないんですけれども、与信供与の円滑化の指標。円滑化の措置というのは必要であります。その円滑化を図る客観的な指標として、総与信に占める中小企業向けの与信の比率等々が考えられるというふうに思っております。

 したがって、大枠こういうことに注目するというのは委員の御指摘のとおりなんですけれども、これが並列の数値目標ということかというと、これは必ずしもそうではないということであります。

長妻委員 ちょっと説明がわかりにくかったんですが、そうすると、この七ページの資料で、二番、不良債権比率、三番は総与信に占める中小企業向け与信の比率、これは、金融庁の事前の説明ですと数字をきちっと入れるというお話でしたけれども、二番、三番、これは具体的に数字を目標として入れる、こういう理解でよろしいんですね。

竹中国務大臣 まず、不良債権比率、これは、バランスシート上の問題と先ほど言いましたけれども、これに関しては、具体的に比率の目標数字とかというイメージではなくて、不良債権処理が進展すること、つまり、不良債権比率が低下することを求めているということでございます。

 それと、先ほどの与信供与の円滑化の指標でございますけれども、これは、実は非常に多面的に評価をしなければいけないところだというふうに思います。したがって、中小企業貸し出しの増加という一律の目標ではなくて、多様な方向を求める。その実績を示す指標として、今申し上げたような与信比率は重視したいと思いますし、さらに言えば、取引先企業数に占める経営改善の支援等の取り組みの先数等が取り組みの実績を示す指標として考えられる。したがって、先ほど、これは並列の目標ではないというふうに申し上げたんですけれども、そのように位置づけております。

長妻委員 そうすると、何か事前の官僚の人の説明と異なるんですが、二番目の不良債権比率というのは数字は書かない。それは、下げるというのは、これは当たり前で、やはりきちっと書かないと、最低限のラインは。それも書かない。

 そして、三番。これは、中小企業向け貸し出し、こういう資本注入、入れるのは、いろいろな目的がありますけれども、やはり具体的に言えば、中小企業に頑張ってもらいたい、再生してほしい、その手伝いをする銀行をつくろう、こういうことも目的の一つにあるわけですから、そういう意味では、三番の中小企業向け与信の比率の目標値、これは、三番目、入れるんですか、具体的な数字として。

竹中国務大臣 これは、先ほども申し上げたことなんですけれども、まず、地域金融を円滑化するためにこれをやるんだ、これはそのとおりなんです。円滑化するには、中小企業に対してもっと具体的にお金が回るようにしなきゃいけない、それも委員の御指摘のとおりなんです。

 しかし、金融の円滑化ということにはいろいろな多様な判断が必要だろうというふうに今までの経験からも考えているわけです。だから、数値そのものに関して、これは目標ではなくて、その取り組みの実績の指標として、比率は重要である……(長妻委員「比率は入れるの」と呼ぶ)比率は重要である。同時に、例えば、経営改善の支援の状況等々も評価をする。我々としては、これらの指標の実績を注視して、例えばその後改善がしない場合には必要な措置をとっていく、そのように位置づけておるわけです。

長妻委員 そうすると、うがった見方をすると、大臣、時間稼ぎのようなわかりにくい答弁をずっとされているんですが、ということは、三番でいうと、中小企業向け与信の比率の数字は入れるけれども、入れるけれどもそれが数値目標としての目標ではない、こういうことでよろしいんですね。

竹中国務大臣 評価は多様でなければいけない。それらの数字は各行によって設定はしていただきますが、目標というのは多様に見なければいけないということを申し上げているわけです。それと、申し上げているのは、画一の目標値を定めているわけではない、その意味で申し上げているわけです。説明が長いという御指摘ですが、実はそういうふうに非常に多様なつくりになっておりますので、それは、ちょっと説明が長いのはお許しいただきたいと思います。

長妻委員 いや、これはちょっとインチキですよ。この経営強化計画というのがあって、それを達成できないとやめるわけですよね、単独の場合は。ところが、数値目標はあるけれども、その数値目標は、多面的ないろいろな目標があるから、それが達成できなくても何か総合的に判断する。全然これは目標じゃないじゃないですか。何でそんないいかげんなことをやるんですか。中小企業向け与信の比率というのは一番重要じゃないんですか。

 これはたしか、メガバンク、都銀等に公的資金が入ったときに、中小企業の貸し出し目標というのがありましたよね。あれは具体的にありましたけれども、あれがうまくいかなかったからこっちに余り入れない、そういうことなんですかね。

竹中国務大臣 要するに、金融機能が強化されて中小企業の金融が円滑化されるというのは、本当に、委員おっしゃるとおり重要なんです。ただし、それは単に貸出比率だけではないでしょうということなんです。貸出比率についても見るし、さらには、先ほど言ったように、経営支援をどれだけしているか。ここでもまた議論いただきましたけれども、バランスシート調整を進めることが必要なんですから、そういうことを多面的に見なければいけないので、単独の指標で目標値、結果責任を求めないということを言っているんです。

 指標については、そういう重要な指標については書いていただきます、それがどの程度変化しているかというのはチェックいたします、しかし、そのチェックは総合的にしますよということを申し上げているんです。

長妻委員 次に参りますけれども、三ページ目でございますが、これは金融庁につくっていただいた資料で、債権放棄です。銀行が債権放棄を二回以上したリストを出してほしいと言いましたらこういう資料が出てまいりましたけれども、債権放棄を二回するというのは、私は、銀行の経営者にとっては恥だと思います、恥。一回放棄して、これで立ち直るということで預金者の大切な金を棒引きにした、失敗したからもう一回棒引きしよう。

 これは、竹中大臣、こういう金融機関は、この二回の債権放棄に着目して厳しく指導する、ペナルティーを科すという宣言をしてください。

竹中国務大臣 必要なこととはいえ、モラルハザード防止の観点から、債権放棄が安易に繰り返されるというのは、これはもう絶対に避けなきゃいけないことだと思います。同時に、経済情勢、非常に今ビビッドに変化している中で、より厳しい経済状況等を織り込んだ新しい計画でやらなきゃいけない、そういうことに経済合理性が認められるという場合も、これはやはりあるんだと思います。要は、そこがモラルハザードにつながってはいけない、まさに甘くなってはいけないということだと思います。

 そこで、我々は何を始めたかというと、債務者の再建計画の妥当性を検証するためのチームをつくっているということなんです。この再建計画の妥当性の検証チームは、検査局の中でも大変活躍をしてくださっていまして、そこでの検証を通して、安易な、まさにモラルハザード的なことが起こらないように、そこは、我々としては体制を強化して今やっているところでございます。

長妻委員 そして、この債権放棄二回というのも問題がありますが、この四ページ目は、まさに金融庁の公的資金の注入も二回、三回繰り返されているんですよ。金融庁の公的資金の注入も二回、三回繰り返されているんです。これは入れた理由というのは、すべてが、システミックリスクが危ないから入れるということで、同じ理由で何度も入れて、りそなに至っては三度も入れている。これは、金融庁として、二度、三度入れるということは、私は、恥だと思います、恥ずかしいことだと思います、これは。

 やはり、こういう責任なり、弁解というか、謙虚な気持ちで、ちょっとこれはやはり問題だ、次回からはきちっとやらなきゃいかぬと、反省の弁というのは全くないんですか。

竹中国務大臣 一度公的資金を注入した銀行が再度注入が必要になる、こういうことになるというのは大変遺憾なことであると思います。これに関しては、やはり非常に長期の時間を経て、専門家によって、政策全体がどうであったかという評価はしっかりとしていただかなければいけないと思います。

 また、それぞれ、りそな、足利等々については、経営の責任等々も含めた調査委員会ができておりますので、そこでさまざまな議論もいただこうと思っております。

 ただし、これは、複数回入れなければいけなかった銀行もありますけれども、返ってきた銀行もある。そこはやはり経営の差が出ているという状況でもあろうかと思いますので、我々としてはしっかりと監督上のフォローアップをしていきたいと思います。

長妻委員 金融庁として遺憾、そういう表現にとどまるわけですか。それで、調査委員会をつくって経営責任は厳しく問うけれども、当局が公的資金を何度も入れた責任というのは全然言及されないんですよ、この委員会でも、いつも。そういうことでは不公平ですよ、金融機関の経営責任ばかり問うて、二度、三度入れた、公的資金を注入した金融庁の責任は、遺憾でした、その一言で終わってしまう。これはおかしいですよ、大臣。

 そしてもう一つは、四大メガバンク、来年の四月からのペイオフ全面解禁の後もペイオフがない決済性預金という新しい商品をことしの秋以降つくる、こういうような報道がなされておりますけれども、これはペイオフという趣旨からしておかしいんじゃないですか。

竹中国務大臣 個別行の金融商品の内容を特に我々まだ聞いておりませんけれども、報道にあったということで、これは決済用の預金の導入も含めて、それぞれペイオフ解禁に向けて準備が進められていると思います。

 その預金そのものがおかしいのではないかという御趣旨もあったかと思いますが、ここは、もう一昨年になりますか、法案の審議の中で、いろいろと御審議をいただいたときにも申し上げましたように、日本の決済そのものが非常に銀行預金に、諸外国と比べても著しく偏っている、その決済システムを守るということも含めてこの制度そのものがつくられているわけでございますので、これはこれとして、やはりしっかりと活用していただきたいと思います。

長妻委員 最後でございますが、五ページ、六ページ目に金融庁からいただいた資料がございます。この六ページは、かつて民主党が請求しまして、平成十二年の三月期に全金融機関で要注意先債権よりも悪いものは全部で幾らですかといったときに、百五十・九兆円という巨額の金が出てきた。そして、平成十五年の三月期、同じベースでいうと、それが二二・五%減って、百十七兆円という数字になっています。この減った理由というのは、大臣どうお考えですか。

竹中国務大臣 言うまでもありませんけれども、この中には、単に債権管理上注意が必要な債権が含まれておりまして、いわゆる不良債権ではないわけでございます。

 減った理由でありますけれども、基本的には、不良債権のオフバランス化が進んできたというのが最も基本的な要因であろうというふうに思っております。

長妻委員 まだまだ、オフバランス化が進んだという一方で、それも確かにあると思いますが、いろいろな、金融を取り巻く、メガバンクを取り巻く大きな問題がまだある。そしてこの金融機能強化法もモラルハザードを招くというふうに私はここでまず申し上げて、ぜひ心していただきたいと思います。

 ありがとうございました。

田野瀬委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 先ほどの長妻議員の質問にも少し関連をするんですが、法案では、申請金融機関が提出する経営強化計画というものがありますが、その中に、明確な、中心的な数値目標を義務づけられているものというのは一体何でしょうか。

竹中国務大臣 要するに、経営改革を進めていただかなければいけない。その観点から、まず、御指摘のように、収益性の問題があります。収益性が向上しないと内部蓄積が進まない、リスク対応力ができないわけですから、これがまずございます。これを数値目標と指定する。

 もう一つ、しかし重要な点は、効率性の向上というのがあると思います。効率性の向上の代表として、経費率の削減はやはり重要であろうかと思います。これは、経営改革がどの程度実行されているかという経営の姿勢を示すことにもつながりますし、また、これをコントロールすることによって安定収益の確保にもつながるという面があろうかと思います。

 三番目が、バランスシート面でございます。バランスシートというのは、やはりリスクをしっかりと管理して、それを吸収していかなければいけないという役割を担っておりますので、例えば、貸し出しの高収益化を目指す余りに不良債権が増加するというようなことがあってはいけないわけであります。したがって、不良債権の処理についても、それをしっかりと目標としてコントロールすることが必要であるというふうに思っております。

佐々木(憲)委員 収益性と業務の効率性の向上については、法案の条文でも「目標」というふうに言葉が書かれていて、数値目標を盛り込むというふうになっているわけです。これは審査基準の中にも盛り込まれております。つまり、最大の目標といいますか中心的な目標は、収益性を、数値で掲げるということでそれを達成することを求めているわけですね。資本注入を受けた金融機関は、その履行状況を定期的に金融庁に報告し、報告徴求を金融庁は行い、監督上の措置をとることができる、こういうふうになっていまして、大変厳格な目標の設定とその達成、それの監督ということになっているわけです。

 その一方、中小企業向け貸し出し、これはこういうレベルの数値目標としては出されていない。そういうことですね。

竹中国務大臣 これは、国の資本参加に当たりまして、信用供与の円滑化等地域経済の活性化に資する方策というのを具体的に記した計画の提出を求めて、それを厳正に審査する、そのようにしております。

佐々木(憲)委員 つまり、収益性の目標というレベルとは違って、中小企業向け貸し出しの場合は数値目標としては示さない。そして、「地域における経済の活性化に資する方策として主務省令で定めるもの」というふうになっているわけですから、これは明らかに、中小企業向け貸し出し目標というものは収益性の目標とは違う、そういうレベルの位置づけになっている。つまり、明確な数値目標というものは掲げる必要はない、これが法案の内容ですね。

 そこで、確認したいんです。これまで公的資金が注入された銀行は、経営健全化計画という中で、中小企業向け貸し出し目標の提出が義務づけられておりました。例えば金融機能早期健全化法、この中には、法律で、経営健全化計画の中に「資金の貸付けその他信用供与の円滑化のための方策」を盛り込むことを求めまして、金融再生委員会告示で、中小企業貸し出しについては残高ベースで増加させるということを義務づけていたわけです。金融安定化法あるいは金融機能早期健全化法では、残高ベースで実績をふやすということを求めたわけであります。

 しかし、今回の金融機能強化法では、そうではない。

 これは非常に大きな違いでありまして、なぜ具体的な目標を定めないのか。これは、収益性優先、中小企業向け貸し出しは二の次、三の次、こういうことになるんじゃありませんか。

    〔委員長退席、山本(明)委員長代理着席〕

竹中国務大臣 今委員御指摘のありました早期健全化法の場合は、御指摘のように、公的資金を注入した金融機関については、貸し渋り等々を背景として、経営健全化計画において「資金の貸付けその他信用供与の円滑化のための方策」を定めるというふうにされておりまして、その内容としては、告示において、「特に中小企業者向け貸出しの総額については、原則としてその残高を増加させる」、そのように規定をされているところであります。

 一方で、今回御審議をいただいております新たな公的資金制度においては、国の資本参加に当たっては、先ほども申し上げましたように、信用供与の円滑化等地域経済の活性化に資する方策を織り込んだ計画を提出するというふうになっている。それは、地域経済の活性化のためにはやはり多面的な取り組みが重要だろうというふうに考えられるからであります。これは、貸出残だけではなくて多面的な評価が要る、一律の目標ではなく、活性化の方向の進捗が外部から評価できるように、しっかりとこれは計画に織り込んでいただかなければいけないというわけであります。

 例えば、そうした指標としましては、中小企業あるいは地元の企業に対する信用供与の比率、総資産に対する割合が考えられるというふうに思いますし、その他の指標も組み合わせて、その実績を公表することによって、パブリックプレッシャーのもとで取り組みを促すこととしている。

 要は、この活性化のための方策というのは非常に多様なものだということです。特にバランスシート調整等々も考えながらやっていく中では、単に貸し出しがふえるというよりはもっと支援をすることも重要な場合もありますでしょうし、そういう多様な評価をしていくという位置づけをしているわけでございます。

佐々木(憲)委員 いろいろな説明をされましたが、多様な判断が必要である、あるいは多様性が求められる、一律の数字ではあらわせないんだというようなことをおっしゃいました。

 しかし、金融機能が真に発揮されるかどうか、その地域の経済、地域の中小企業に資金が円滑に供給されるかどうかというのは、ある数字を見て、減っているか、ふえているかというのは非常に重要なわけです。減っていれば信用供与が円滑にいっていないではないか、ふえていれば、それは円滑にいっている証拠である、従来はそういうことで数値目標を決めていたわけですね。しかし、今度は、その数字が減っても、いや円滑なんだ。こういうことは、幾ら考えてもちょっと理屈に合わないわけでありまして、私は、今回の法案というのは非常に重大な問題があるというふうに思うのはその点であります。

 収益性は縛りをかけても達成する、中小企業向け貸し出しは、これは縛りはかけませんよという内容になっているわけでありまして、これは余りにも偏った法案ではないのかというふうに思うんです。

 そういう意味で、これは真の地域経済の貢献にはつながらない、公的資金の注入は受けて利益はふやしましたが、中小企業向け貸し出しは減りました、それでも結構でございますという法律なんですよ。これはもう本当に、私は、これ一つとっても、この法律、賛成するというふうにはとても言えません。

 それから、もう一つお聞きをしたいのは、今度の法律は、出発点は金融再生プログラム、一昨年十月三十日の、竹中大臣が発表されました。この金融再生プログラムは、二〇〇四年度に向けた主要行の不良債権問題の終結を掲げて、新しい公的資金制度の創設というものを、その検討を打ち出したわけですね。

 このような金融再生プログラムの中の位置づけを見ましても、この制度の対象としていたのは主に大手行であったわけです。これは間違いありませんね、その当時は。

竹中国務大臣 金融再生プログラムの目標等々、例えば償却ルールの適用等々は、これは主要行を対象にしたものでございます。その中で公的資金制度を検討しようということを書いて、その中で金融審のワーキンググループでこの審議が始まったわけでございます。

 経緯はそのとおりでございます。

佐々木(憲)委員 大手行を対象にということで始まったわけでありますが、金融審議会金融分科会、これが昨年七月に第二部会報告というのを出しまして、それを受けて金融庁の中で法案化の作業が進められた、その結果、最終的にまとめられた法案は、地域金融機関の再編というのが非常に強く打ち出された、意識されたものになっているわけです。

 大手行を念頭に置いて検討が始められた公的資金のこの新制度が、どうして地域金融機関の再編のためというものにすりかわっていったんですか。

竹中国務大臣 金融再生プログラムそのものの資産査定等々の適用は大手行を対象にしたものでございますけれども、この公的資金の制度そのものは広く検討が始まったというふうに理解をしております。

 その中で、今委員御指摘のありました、七月の公的資金制度のあり方というその報告の中で、考え得る枠組みとして次のように書いております。この地域金融機関についてですけれども、地域金融機関について、「その金融機能が低下すると、地域によっては、地域経済に重大な支障を招く可能性があることから、公的に資本増強をサポートして金融機能の強化を図り、地域経済の下支えをする必要がある場合が考えられる。」その意味では、この審議会の議論の中で、地域の金融機関に焦点を当てて金融機能の強化ということが議論をされてきたという経緯だと承知しております。

 ちなみに、これは地域金融機関の再編を目的とした法律ではございませんので、改めて御認識を賜りたいと思います。

    〔山本(明)委員長代理退席、委員長着席〕

佐々木(憲)委員 これは合併、再編ということを念頭に置いて定められている法案だというふうに理解をしております。公的資金で地域金融機関の合併が進んで、あるいは再編が進み、地域金融機関の数が全体としてこの間減ってきているわけです。公的資金でそれを今回は加速していこうというものですね。

 しかし、合併や再編が進んでいけば本当に地域への金融が円滑になるのか、地域への金融がふえるのか、これが問題でありまして、金融監督庁が発足した一九九八年以降、地域金融機関の再編というのは全体として非常に進みました。昨年三月末までに、結果的に第二地銀が八行減りました、一三・一%減。それから、信用金庫は七十機関減りました、一七・七%減。それから、信用組合が百三十二機関減りまして、これは四〇・九%も減っております。四割減ったんです。これは大変な減り方なんです。

 地域金融の破綻、合併が進んできたわけですけれども、果たしてこれが金融の円滑化につながったのかどうか。いかがですか。

竹中国務大臣 さまざまな経済の変動、そして金融市場の変動の中で金融機関の数が減少したという御指摘は、そのとおりだと思います。

 しかし、その中で合併の効果いかんということでありますが、これは、仮にもしこの合併なかりせばどのような状態が生じていたのか、やはりそこを基準に考えなければいけないのだと思います。合併だけがすべてよいわけではもちろんありませんが、極めて厳しい金融環境が続く中で、合併をしたからこそ財務基盤が強くなって、それによってこの厳しい状況をサーバイブしている、そういう金融機関も私はあるというふうに理解をしております。

 もちろん、地域の金融機関でありますから、やはり、規模が大きければよいというものではもちろんなくて、地域に対してしっかりと根を張って、きめ細かな金融サービスができるようにならなければいけない。その意味では、効率性を背景に財務基盤をしっかりさせるということと、それによって存続そのものを可能にするということと、本来地域金融機関の役割である、きめ細かな、地域に根差した金融サービス、これはやはり、厳しい中ではありますが、何とか両立をしていただかなければいけない問題であろうかと思っております。リレーションシップバンキングの考え方そのものになるわけでございます。

 合併に関しては、それなりの効果を伴いつつ、しかしまだ多くの問題があるので、しっかりと見ていかなければいけない状況であるというふうに認識をしております。

佐々木(憲)委員 この間、地域金融機関、信金、信組に対する検査というのが非常に厳しく行われまして、その結果、不良債権の評価が甘いというような評価が下されて不良債権をどんとふやされた、評価がえをさせられた。そのために引当金を積まなければならない、引当金を積めば、それで債務超過に陥ったりあるいは経営機能が大変不安定になる、こういうことで破綻し、再編し、あるいは吸収合併される、こういう形が非常にふえたわけです。つまり、金融庁の検査、一律の検査がこのような結果を招いている、これは大変大きな問題だと私は思っております。

 それで、財務強化が進んだと言いますけれども、全体として見ますと貸し出しは一体ふえたのかどうか。例えば二〇〇〇年の一月から二〇〇四年一月、ことしの一月までの四年間をとりますと、地銀がマイナス一兆八千三百五十八億円、これは一七%のマイナスです。第二地銀はマイナス九兆百七億円で一七・八%減らしております。信用金庫はマイナス七兆五千六百六十八億円、パーセントにして一〇・八%減であります。信用組合は、これもマイナス五兆二千百九十二億円で、三六・二%。これは日銀統計ですけれども。

 つまり、金融機関の再編は進んだ、金融の財務体質が強化された、そういう面もあるというふうにおっしゃいました。しかし、結果的に言いますと、金融の円滑化にはつながらなかったというのがこの間の金融再編の結果ではないか、それが実態ではないのか。大臣、どのようにお考えですか。

竹中国務大臣 銀行の貸出残高が減っているという御指摘はそのとおりでございます。しかし、これも何度か御答弁をさせていただきましたけれども、八〇年代の半ばぐらいからバブルのピークにかけて、日本の銀行の貸出残高、つまり信用が物すごい勢いで膨張をいたしました。GDP比七〇%ぐらいだった、それで安定していた貸し出しが一〇〇%を超えるところまでいって、それがバブル崩壊後も収縮しなくて、九七年ぐらいからようやく収縮を始めて、今八〇%台のところに来ている。私は、その意味では調整の最終段階に差しかかっているという認識で、今この時期を乗り切るのが大変重要だと思っているわけですが、しかし、やはり、そういった非常に長期のバランスシート調整のまだ途上にあるということなんだと思います。

 しかし、そうした中で、不良債権処理をしっかりとして、かつ、財務基盤を合併等々という手段も含めて強くした結果として、やはり金融機能に関しても前向きの動きが今ようやく出てきつつあるというふうに認識をしております。

 量的な調整はまだ続いているわけでありますが、例えば借り入れ企業から見た銀行の貸し出し態度、資金繰り等々のさまざまなDIを見ますと、これは明らかに不良債権比率の低下とともに改善をし始めた。さらには、ローンの質でありますけれども、地域金融機関の八割が、今、担保、第三者保証等々に頼らない融資制度を検討して、実際に始めているところもある。そういうところで、やはり金融機能を発揮している状況にある。

 まだ厳しい調整の期間は、バランスシート調整は続くわけではございますけれども、不良債権比率の低下、金融機能の強化に向けた動きが始まっている、その動きをぜひ大切にしなければいけないというふうに思っております。

佐々木(憲)委員 金融情勢の認識が根本的に違うと思うんです。

 バブル経済が崩壊をし、その結果、さまざまな問題が噴出をして、銀行の過剰融資というものが問題になり、その悪質な不良債権の部分については処理は一段落したというのはもう数年前に言われているわけですよ。銀行自身も言っている、金融庁も言っていた。

 ところが、現在ある問題は、長期的な不景気の中で中小企業の業況が悪化し、そして経営が困難になっている、そういう状況が新たに、これは政府の政策の結果でもあるわけですけれども、広がっているわけですね。そういうことに対してまともに対応していないじゃないか。バブル崩壊の調整過程じゃないんですよ。別な新たな不況下での中小企業の経営難というものに対して、それを改善していくという具体的な金融上のアプローチが全然見られない。今までと同じように不良債権を処理すればそれで済むんだという。そんなことをやって、ずっとやってきて、何も改善しないじゃないですか。

 結果的に、金融機能はますます弱体化し、地域に対する金融は、円滑化どころかますますパイプが詰まっているというのが実態であります。

 それから、貸し出し態度について言いますと、昨日も地方公聴会がありました。八王子商工会議所がアンケートのデータを出しました。そのアンケートの結果を見ましても、銀行の貸し出し態度は以前より厳しくなっているというのが四割であります。そして、改善されたというのは九%です。一割に満たないんです。

 そういう状況ですから、私たちはやはり現場の声をよく聞く必要がある。そういう実態を踏まえてどう対応するかということを考えないと、何か公的資金を入れて、収益性を、目標を大きくして、その目標だけを追い求めて、中小企業向けはさまざまな手段があるからといって目標も掲げない、そういうやり方が今の地域の金融機能を弱体化させ、ますます地域の中小企業が融資を受けることが非常に困難になっていく、そういう事態をみずからつくっているんじゃないか。

 それからもう一つ、法案の内容について言いますと、公的資金の入れ方なんですけれども、今まで組織再編促進法というのがありました。金融機関の合併再編を進める際に、合併によって二つの金融機関が、自己資本比率が違う金融機関、例えば一方が六%、一方が一〇%、こういう自己資本比率だったとします。合併すると、それがその分低下する。その場合の公的資金注入の上限は一〇%までということだったと思いますが、それはそのとおりですよね。

竹中国務大臣 特措法に関してはそのとおりでございます。

佐々木(憲)委員 ところが、今回の法案は、自己資本比率が六%の銀行と一〇%の銀行が合併して、一二%にする、仮に。そういう場合にも、そこまで公的資金は入れますよ、こういう仕組みですね。

竹中国務大臣 今ちょっと例でお話をしてくださっておりますけれども、十分な金融機能を発揮できるようなところに従来の特措法とは違う形で入れることは可能だという意味では、そのとおりでございます。

佐々木(憲)委員 そうすると、この公的資金の入れ方も、今までは一定の歯どめがあった。我々はそれでもそんなことをやる必要はないと思いましたけれども、しかし歯どめがあった。今回は、この歯どめも取り払って、もちろん回収が困難でないというような審査基準があるようですけれども、しかし、今までの組織再編促進法で掲げられたそういう基準と違って、いわば天井なしといいますか、そういうことになっている。しかも、その負担は、これは金融機関はやらないんですよ、最終的に欠損が出たら国民に全部ツケを回すんですよ、こういう内容になっているわけですね。

 こういう法案というのは、私は、これは本当にモラルハザードを招くし、しかも、システミックリスクで、それに対する危機的な瞬時の対応というような説明を今までされていましたけれども、そうではない、いわば平時の、しかも健全金融機関まで含めたそういうものが対象になる。これも本当に、今までの政府の従来の考え方からいっても極めてルーズな、そういう公的資金の投入の仕方になっているというふうに思うわけです。これは余りにもひど過ぎるというのが私の結論であります。

 私は、こういうやり方を幾ら続けても日本の金融機能は強化されないし、中小企業の融資に対する不安、これも解消されない、あるいは貸し出しの貸し渋り、貸しはがしという事態もますますこれで深刻な事態は続く、こう言わざるを得ないということで、この法案については反対であると明確に申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

田野瀬委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時十一分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

田野瀬委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 これより内閣総理大臣出席のもと質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。宮下一郎君。

宮下委員 自由民主党の宮下一郎でございます。

 本日は、総理をお迎えして、総理に直接質問をさせていただく機会をお与えいただきまして本当にありがとうございます。心から感謝申し上げます。

 本日は、財政金融政策全般につきまして、また、今回提出されております金融機能強化法案について、総理に対しまして御質問をさせていただきたいと考えております。

 構造改革なくして景気回復なしというメッセージのもと誕生いたしました小泉内閣も、スタートから三年、この間、デフレ圧力の高まりですとか株価の低迷など、非常に経済的に厳しい局面もございましたけれども、総理が訴えられました、今変わらなければ長期的な成長はないんだ、そういった強いメッセージが広く国民の中に受け入れられて、さまざまな面で、徐々にではありますが、経済の体質改善が行われつつあるというのが現状なのではないかと考えております。その結果、GDPの対前年伸び率も、足元、非常に好転してきておりますし、株価も上昇基調が続いているということで、我が国経済にはようやく明るさが、明るい兆しが見えつつあるというところではないかと思っております。

 特に、私は、小泉内閣の発足以来、景気対策として、従来ですと国債を増発して公共事業をふやす、そういった対策がとられ、総需要を創出する、政府主導でそういった政策によって景気を好転させるということが中心的に行われてきたわけですが、こういった政策をとらないで、いわば民間活力重視でここまで回復ができたというのは大変評価に値するものなのではないかなと思っております。

 この間内閣として打ち出された具体的な政策はさまざまございますけれども、例えば、税制改革を通じて、設備投資や研究開発、また、住宅を建設しようというような、さまざまな、前向きに頑張る方々、企業や個人の方々を政策的にサポートしてきたというのも今ようやく効果をあらわしてきているのかなという気がしております。また、同時に、政府、日銀一体になって、密接な連携のもとに機動的な金融政策をとられてきたということも大きいと思っております。さまざまな政策がトータルとして現在の景気指標における好調な数字を形づくっているのではないかと考えております。

 構造改革自体は道半ばということだとは思いますけれども、これまで進めてこられました構造改革について、どのような点が現在の経済指標の好転に寄与したと考えていらっしゃるのか、また、今後、日本再生のために、特に構造改革のどのような点に重点を置いて進めていこうとしておられるのか、総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

小泉内閣総理大臣 就任以来、民間にできることは民間に、地方にできることは地方に、そして民間の持っているやる気、創意工夫を引き出さなければならない、いわゆる改革なくして成長なしという構造改革の重要性を訴えてまいりました。

 当初の目標は、民間主導の持続的な成長を目指すということであります。そういうことから、就任時に大きな議論の的になっていたのが、不良債権処理を早く進めろということでありました。しかしながら、いざ金融機関の不良債権処理を進めていきますと、各方面から急ぎ過ぎるなという批判も起こってまいりました。逆に、遅過ぎるという批判もありました。両方ありました。

 急ぎ過ぎるという批判におきましては、このデフレの時代において不良債権処理を進めると企業倒産がふえる、過去の不良債権処理が進んでもどんどんまた新しい不良債権の処理が出てくるから、減るどころかふえるというところでありました。遅過ぎるという批判は、いや、そうじゃない、こういうときには一挙にやらなきゃだめだ、じゃないと民間の資金が必要な成長分野に回らないと。

 両方ありましたが、政府は、一つの期間を設定して、この期間内に不良債権処理、片をつけようということでやってまいりました。現実、不良債権の、大手の金融機関におきましては、目標どおり、額においても率においても処理は進んできたと思います。

 また、このまま進めていきますと企業の倒産がどんどんふえると言われておりましたけれども、現実には十数カ月連続して倒産件数は減少してきております。失業がふえるということでありますが、去年の今ごろ、たしか失業率は五・五%だったんじゃないでしょうか。今五%、まだ高い水準ではありますが、五%に減ってきまして、雇用者数の改善も見られます。

 さらに、税制改革におきましても、このような厳しい財政状況の中においても、単年度で増減税を一緒にさせるということではなくて複数年度の税制改革をしようということで、十五年度においては一兆八千億円の減税先行、今年度においても一兆五千億円の減税先行、複数年度で財政というものを考えようという手法をとってまいりました。

 さらに、規制改革、構造改革。全国で規制改革が無理ならば、特別な区域を設けて特区でやってみようという規制改革特区構想。

 さらに、公共事業をふやせ、まず景気対策だ、景気対策なくして改革なし、こういうときこそ財政をもっと出動させて、国債も増発させて、公共事業をふやせという声もございましたけれども、逆に公共事業はマイナス、減らす中で、各企業がやる気を持って立ち上がってくれております。

 そういう改革が総合的に今きいてきているのではないか。

 また、民間主導で、みずから改革の意欲を持って、地域も企業も個人も、新しい時代に自分の持てる力を発揮しようとする意欲を持って動き出してきた。こういう動きを政治が促進しなければいけない。余り政府が余計なことをしないで、みずから立ち上がる意欲、そういう環境整備をするのが政治として大事な役割だと思っております。

 そういうような効果がじわりじわりと出てきたからこそ、小泉がやめないと株価は上がらない、小泉がやめないと景気はよくならないと言われておりましたけれども、ようやく、それぞれの分野で意欲を持って立ち上がれば、日本経済捨てたものじゃない、日本もやればできる、世界に誇るべき技術もたくさんあるという機運が出てきた。この機運をさらに守り立てていきたいと思っております。

宮下委員 ありがとうございます。

 おっしゃるように、全体的に元気が出てきた、数字も好転してきたというところでございますが、その内容を見ますと、輸出産業中心、またデジタル家電等の新しい設備投資をしている企業中心にこの景気回復を引っ張っているというような構造がございまして、日本全体を見ますとまだまだ厳しい、地方でありますとか中小企業で厳しいところ、そういう意味では、まだ回復もまだら模様なのかなというふうな感じがしております。

 また、地域によりましては、必ずしも最先端の企業がなかなか活動しにくいような地域もございまして、各地域、それぞれの事情に応じてどう活性化していくかというのがこれから大きな課題になっていると思っております。

 地方におきましては、伝統的なたくみのわざを生かしました企業群でありますとか、また、企業が手をつないでネットワークをして、新しい物づくりをともに協力しながらやっていく、そういった形でありますとか、また、自然環境や地元の歴史を生かし、また農業や林業を生かしながら、連携した格好で新しい環境産業を生み出していこうとか、さまざま必死な努力が続けられているところでございまして、そうした中で、地域の金融機関の方々には、従来の担保主義一辺倒ではなくて、地域のそういったプロジェクトに一緒に相談に乗ってあげるようなアドバイザーとしての機能を強化していただくとか、そういったことも必要だと思っております。

 また、今、特区のお話も総理からございましたけれども、政府として取り組むべきなのは、こうした地域の知恵、そして民間の知恵をサポートしていくことなんではないかなと思っております。そうした意味で、構造改革特区によりまして、地域活性化のさまざまな取り組みをサポートしてきたというこの小泉内閣の取り組みは高く評価されるものだと思っております。

 よく、マスコミ等の論調では、小泉内閣の経済政策はとかく都市中心なんではないかとか、大企業中心なんではないかとか、そういった御批判もあるわけですけれども、こうした構造改革特区の取り組み、三位一体の改革の取り組み、また、今回の金融機能強化法のように、地域金融機関を元気にしたいという法案を提出されたというようなことも含めて、総理御自身、地域を元気にしたい、中小企業を元気にしたいという強い思いがおありになると思っております。

 私自身も、昨年十一月に初当選させていただきましたけれども、選挙では、地域を活性化して、地域を元気にすることによって日本を再生させたい、皆様とともに頑張りたい、そういったことをお訴えをして当選させていただいた経緯もございます。

 ここでは、その地域再生に対する総理の熱い思いをぜひ語っていただきたい、また、今後の取り組みに対してお考えをお聞かせいただきたいと思っております。よろしくお願いします。

小泉内閣総理大臣 私は、大都市中心ということを考えているわけではありません。地域再生の重要性から、都市再生という言葉の中にも、都市というのは東京や大阪だけじゃない、そのつもりで都市という言葉を使っているわけであります。稚内から石垣まで、都市再生、地域再生、そういうことを言っているのも、各地域において特色あるものがあるだろう。

 特に、昨年末から、地域再生構想、地域が少し考えてくれないかと言ったところ、約七百件もの地域から手を挙げてきましたよ、こういうものをやりたい、ああいうものをやりたいと。こういう、地域の、みずから、自分たちの町にはいいものがある、あるいは、今まで多くの方から理解されなかった点においても眠っている資源があるんじゃないかということに目覚めて、自分たちの町は自分たちの力で再生させよう、あるいは掘り起こしてみよう、いろいろな分野が出てきております。この地方の意欲をどのように実際具体的なものにしていくかというのがこれから大事な役割でありまして、地域の声をよく聞いて、都市再生というのは何も東京や大阪だけじゃない、稚内から石垣まで、都市の快適な資産といいますか、生かしていくものはたくさんあるんだ。

 ある若い、たしか青森でしたか、自分たちの町を一流の田舎にしたいと。かつて、田舎というのはどうも使いにくい言葉だなと思ったのが、そんな田舎という言葉を卑下する必要はない、田舎、都市、地方、一流の田舎にしたいということを言ってきて、これはいいな。それぞれの持ち味があるんだから、田舎には田舎のよさがある、一流の田舎にするように各地域が頑張っていただきたい。それをどうやって支援していくかというのがこれから大事なことだと思っております。

宮下委員 ありがとうございます。

 次に、今回の金融機能強化法案に関連してお伺いしたいと思います。

 今回の法案は、地域における金融機能の発揮という前向きな努力を行う金融機関が、必要な場合には組織再編をしたり、また、その際に国の資本参加が受けられるというような仕組みだと思います。

 昨日、当委員会におきましては、各金融機関のトップの方々に参考人としておいでいただきましてさまざまな御意見を賜ったわけでございますけれども、その中でも、金融機関の皆様方からは、こうした法整備がなされて、いざ体力強化をしたいというときに、前向きに取り組みたいといったときに、この法案のおかげできちっと体制強化に取り組める、こうした制度を整備していただけること自体非常にありがたいと思うし、意義があると思っているというような御発言がございました。

 これまで述べてまいりましたように、これからの日本再生のためには、地域経済の活性化が最重要課題であると思います。そういった意味では、地域金融機関は、この法案の活用も含めまして、地域の中小企業金融の円滑化をどう図っていくか、そのことにこれからもっと注力していただきたいと思っているところでございます。

 今、各金融機関では、きのうのお話でも、例えば、税理士会のチェックリストを活用して、無担保、第三者保証なしで、ビジネスに着目して融資をするというような新たな商品提供をするとか、各金融機関の皆様も新しい取り組みをしていただいているということもございましたけれども、ここでは、内閣として、政府として、中小企業金融の円滑に向けてどのように取り組んでいかれるお考えなのか、総理のお考えをお伺いしたいと思います。

竹中国務大臣 今、総理からお話もございましたように、地域の再生というのは構造改革を進める上で大変重要な課題である、また、今委員からお話がありましたように、その中で、金融を、しっかりと機能を強化するということは、政策課題として大変重要なものであるというふうに内閣としての位置づけをしているわけでございます。

 具体的に新たな動きも見える中でどのような政策を行っていくつもりなのかというお尋ねでございますけれども、御承知のように、地域を中心とした中小企業に関しましては、その間柄を重視したプログラム、リレーションシップバンキングのプログラムというのを昨年から進めております。そうした中では、これは、まず地域の企業をしっかりと再生してもらいたい、そうする中で、銀行自身が財務基盤を強化して、もって、その地域の経済も銀行そのものもよくなる、やはりそういう仕組みをつくっていく必要があろうかと思います。

 さらに、それを実現していくために各銀行努力をしておられますが、その一環として、我々も、検査マニュアルの中小企業編につきまして、より実態に即した、根雪的な融資の部分に対する対応もこれを資本とみなすことが可能になるような、そういうことも含めて今対応させていただいているところでございます。

 いずれにしましても、経済全体がよくなる中で、こうした動きを、地域の金融を強化するという意味では今大変重要なチャンスであると認識をしております。その意味で、今回お願いをしております法案も含めまして、これらを活用して、ぜひこの機会に地域経済の活性化、とりわけ地域金融の機能の強化を果たしたいというふうに思っているところでございます。

宮下委員 時間が参りましたので質問は終わらせていただきますが、これから、来年度、ペイオフに向けて、さらなる金融機関の体質強化、また、大きな話としましては、直接金融の活性化というような構造改革もさらに必要なのではないかと思っております。総理初め、政府一体となって経済活性化のためにお取り組みをいただきますようにお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

田野瀬委員長 次に、上田勇君。

上田委員 公明党の上田勇でございます。

 小泉総理、本日は、財務金融委員会の方に御出席をいただきまして、お疲れさまでございます。

 きょうは、今議題となっております金融機能強化法案、あるいはそれにかかわります我が国の金融システムをめぐる情勢などにつきまして、何点か御質問させていただきます。

 金融システムが経済活動の中で非常に重要な役割を果たしている、このことはもう申し上げるまでもないというふうに思います。特に今、地域金融機関が、地域の中小企業と非常に深くかかわっていて、地域経済の安定と成長に重大な役割を担っているわけでございますけれども、この地域金融機関、残念ながら、その期待されている機能を十分に発揮して地域経済に寄与しているとは必ずしも言えないのが現状ではないかというふうに考えております。

 今、景気の行方には、先行き幾分明るさが見えてきている中でありますけれども、中小企業をめぐる経営環境というのは依然として厳しさが続いておりますし、また地方経済も、幾分持ち直しが見えたとはいうものの、まだまだ厳しい状態が続いているわけでございます。今見えてきているこの兆しを本格的な経済再生に結びつけていくことがこれから経済運営に当たっての重要な点であろうというふうに思っております。

 特に、長期的な視点に立って日本経済を再生していく上では、新たな事業をつくり出していく、また新しい事業分野に挑戦する、よく第二創業というような言葉が言われますけれども、そういう分野を育成していくことが何よりも重要であろうというふうに思っております。しかし、そうした新しい分野にチャレンジしようとするときには、どうしても、担保能力や実績がなかなか十分でないために資金調達に相当支障を来すという現実がございます。昨日もこの委員会で地方公聴会を開きましたけれども、そのときにも、そういうような意見が多く提起をされたわけでございます。

 やはり今後は、地域金融機関で、これまでのように個人保証とか担保とかに余り過度に依存するんではなくて、その事業の成長性とか企業の経営能力とかそういったところに着目をした形での融資を拡充していく必要があろうかというふうに思っておりますし、また、この法案、そうしたことを、ある程度地域の金融機関がリスクを持ってそうした融資活動をできるようなことを目的としていることだろうというふうに考えているところでございます。

 今後の、担保や個人保証ではなくて事業の将来性あるいは経営能力、そうしたところに着目をした融資を拡大していく、そうしたことについてのお考え、また御提案があればお伺いしたいというふうに思います。

竹中国務大臣 上田委員が御指摘になられた問題、特に第二創業等々発展させる必要がある、これは、今の経済の状況を考えると大変重要なことだと思います。

 不良債権の処理というのは、ある意味で、今ある負の資産をなくすという意味でありますから、どうしても受け身的な性格を持つわけでありますが、新たな事業を起こしていく、そのための金融をつけるというのはまさに前向きの経営であり、それを支えるのが前向きの改革であるということになると思います。しかしながら、そうした場合、資金力や経験がない、そうしたものにかわって、事業の将来性でありますとか経営者の資質のようなものをやはりしっかりと評価できるような目ききの力を持つことこそが地域の金融機関に求められていると思います。

 先ほど申し上げました、間柄を重視するリレーションシップバンキングというのはまさにそのことを中心に据えておりまして、昨年の三月にまとめましたアクションプログラムの中でも、業種別の担当者を配置する、審査能力、審査体制を強化する、そうした技術力等々を評価できる人をしっかりと養っていく、そういうプログラムをしっかりとやってくれということがこのプログラムの中で大きなウエートを占めております。

 現実にそうしたことが今あらわれつつありまして、全体の八割が人材育成にしっかり取り組むというふうに言っている、さらにまた、八割が専担部署を設ける等々の行動を起こしつつあるところでございます。さらに言えば、これも八割なんでありますけれども、まさに担保や第三者保証に依存しないような制度を今検討して、取り組みつつある。そうした中で、今回の金融機能を強化するための新たな公的資金の枠組みというのが積極的に活用されて、さらに前向きの機能を強化していってもらいたい、そのような期待を持っております。

上田委員 小泉総理にお伺いしたいというふうに思います。

 この法案では、地域金融機関の組織再編が促進をされるという意味がございます。これからのというか将来の我が国の金融システムのあるべき姿、ビジョンについては、いろいろな見方、意見がございます。オーバーバンキングだから合併などを進めることが望ましいんだという見方が一方でありますし、また逆に、地域金融機関の数がそうやって減っていくと、今度は中小企業が資金調達の面で非常に困難を来すというような、そういう御意見も多く聞かれます。

 そこで、将来の金融システムのあり方、どういう金融システムが我が国においては望ましいのか、小泉総理のビジョンをお伺いしたいというふうに思います。

小泉内閣総理大臣 金融機関はよく産業の血液と言われるように、金融機関が健全でないと、あらゆる企業、産業に混乱をもたらしかねないということから、現下のもろもろの改革の中におきましても重要なものがいわゆる健全な金融機関の構築である、そういうゆえんであると思います。

 間接金融中心だと言われた日本経済、これからは、貯蓄から投資、そういう視点も重要だということで、税制におきましてもそのような流れを促進するような税制改正も行われております。また、いわゆる土地担保主義、土地神話が崩れたということから、土地だけに着目するんじゃない、その企業の持ち味なり経営者の資質、そういうものもよく見ながら、地域におきましては特にお互いの人間関係、人間同士の交流が密でありますから、そういう、人物を見ながら融資ということも重要じゃないか。いろいろ地域に根差した特徴があると思います。一律ではない、その地域の持てる持ち味というものをよく見通した健全な金融機関があるということが重要であると思います。今までどおりやっていいというものじゃない。

 また、金融機関の再編におきましても、これは強制してできるものじゃありません。それぞれの金融機関が、自分たちの金融業務に対してその地域の人が何を望んでいるかということをよく把握することも大事だと思います。そういう点から必要な、消費者の要望に見合うような金融機関の経営者の姿勢というものがより重要になってくるのではないかと思っておりますし、そういう健全な金融機関になるように、政府としてもできるだけのきめ細かい支援を行っていきたいと思っております。

上田委員 以上で質問を終わらせていただきますが、まさに今総理からも御答弁があったように、これから中小企業を元気にしていくため、そのためには、本当に地域の中小企業の経営と深くかかわっている、そういう地域の金融機関、この機能が十分発揮されなければいけないというふうに思っております。そういう意味では、金融庁はもちろんのことでありますけれども、政府を挙げて、さらに、そういう地域金融機関、この機能を回復し、また向上させていくために最善の努力をしていただきたいということを御要望いたしまして、終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

田野瀬委員長 次に、五十嵐文彦君。

五十嵐委員 民主党の五十嵐文彦でございます。

 総理には御出席をいただきましてありがとうございます。また、金融問題の重要な法案審議に当たりまして、総理出席を実現していただきました委員長初め与野党の理事さんたちに大変感謝を申し上げたい、こう思っている次第でございます。

 そこで、日本歯科医師政治連盟をめぐる大きな摘発がございましたが、この問題後初めて総理に直接お尋ねをする機会をいただきました。この社会保険庁長官、総理もよく御存じだと思いますが、下村さんというのは歴代長官の中でも大物でございました。その社会保険庁長官が逮捕をされるということがあり、また、日歯連の問題とは別に、その後、つい最近、また選択エージェンシーという出版社の子会社を通じまして、この間から問題になっている年金の保険料を流用した贈収賄事件が実は摘発をされております。いわば社会保険庁が伏魔殿のようになっているわけですが、この大きな、政府を巻き込んだ疑惑につきまして、総理の御認識、御見解を伺うと同時に、総理としても、相当古い話は結構でございますから、今の日歯連の問題で対象となっているような、例えば平成十二年以降の日歯連あるいはその下部団体からの献金その他があったかどうか、事実関係をあわせて、総理にお伺いをいたしたいと思います。

小泉内閣総理大臣 社会保険診療にかかわる不祥事が出てきたということは極めて遺憾であります。また、日歯連の問題につきましても、今、捜査中と聞いております。こういうことに関しましても、政治家たる者、心して、常に適正な政治献金のあり方についてよく注意していかなきゃならないと思っております。

 私の政治献金についての御質問でありますが、自由民主党神奈川県第十一選挙区支部の平成十二年から十四年分の収支報告書を確認したところ、日本歯科医師連盟から寄附を受けた旨の記載はないと承知しております。いずれにしても、政治資金については、政治資金規正法にのっとり適正に処理しているところでございます。

五十嵐委員 総理の最近の政治資金報告については、パーティー券も含めて当面ないということを事務所からもお伺いはしておりますけれども、総理だけではなく閣僚についても早急にお調べをいただいて、日歯連からの政治家絡みの疑惑も取りざたされ、新聞にも載っているわけですので、厳しく調査をしていただいて、もし疑われるようなことがあれば直ちに正していただきたいということを申し上げておきたいと思います。

 それから、本題に入りたいと思うんですが、総理、金融というのは非常に今その重要性が増してきている。例えば、昔は財政の赤字の問題は、これは財政と税金の問題だけで片づいたわけですが、今や、これだけ国債が大きくなってくると即金融問題で、長期金利の上昇は金融に大きく波及をいたしますし、それだけではなくて、一般の会社の資産として持っている価値が下がる、国債の価値が下がれば資産価値も、減損会計、時価会計によって下がってくるということで、金融機関のみならず大きな影響を持ってくる。金融自体が物事のかなり重要な大きな部分を占めるという時代になってきて、いろいろなものと金融とが絡んでくるという時代になりました。

 そこで、日本が今までのように、ある意味で世界で通用しないような、なあなあの世界で生きてきたのを、これを変えていかなければいけない。そういうことで、政府側も努力されて、例えば公認会計士・監査審査会というのを設けられているわけですけれども、その監査審査会の委員に任命された日本経団連の中村芳夫専務理事、私の高校の先輩でもあるんですが、専務理事が日本経済新聞のインタビューに答えても、世界的に不信感があるということをはっきり言われているんですね。

 日本の監査というのは、これは世界では通用しない、日本だけにしか通用しないということを監査報告書の中に書き記さなければならないような状況になっているわけです。そういう状況を払拭して、日本の企業の決算は、どこから見ても、世界じゅうからつつかれても問題がないんだ、公正なディスクロージャーがなされているんだ、そして公正な投資ができるんだということが、そういうマーケットが日本でもつくられなければいけない、保証しなければならない、そういう金融を目指さなければいけないということが、今の喫緊の課題だと思っているわけであります。

 そういう中で、今問題になっております法案なんですが、私は、方向性が、ややというか、かなり違うんだろうということを申し上げているわけであります。

 自民党議員さんから今お話がありましたように、昨日も、各業態別の金融業界の代表者においでいただきまして、質疑をいたしました。その中で、私の方から、個別行は救わないんだ、金融システムを救うんだという建前で公的資金は使われるんだということになっていた、ですから、個別行を救うのでなければ、金融危機から健全な預金者やあるいは借り手を守るということであるならば、これは、こういう仕組みは要らないで、むしろ預保法、預金保険法に任せればいいし、それでも足りないというのであれば、自己責任あるいは自助努力というのを総理も強調されていると思うんですが、まず自分で自己資本を増強する努力をされる、それでも足りなかったら、例えば、業界団体ごとに、信金中金というのがあります、全国ですね。それから、信用組合でしたら連合会というのがございます、そこで同じような資本増強の互助的な事業をやっているわけです、そこに国が再保証するなり間接的に注入すれば、そこに任せれば、仕組みとして、中小企業金融機関の皆さんを助けられるじゃないですかと。今法律がないからというのだったら、そういう法律をつくればいいんです。

 総理、自助努力、自己責任とおっしゃいますけれども、国民、預金者には自助努力だ自己責任だと言って、ペイオフを来年四月からやるわけです。それだったら、金融機関の経営者にとっても、まず自己責任、まず自己資本の調達は自力でやりなさい、それでもできないんだったら業界で、仲間で調達しなさい、それが本筋じゃありませんか。

 そうじゃなくて、手を挙げて、責任もとらないで、国から公的資金をちょうだいねという話は、虫がよ過ぎる。こういうセーフティーネットが厚過ぎればモラルハザードが起きますということを私どもは申し上げて、この法律というのは本来要らないんじゃないか、預金保険法の精神と反するんじゃないか、今言ったような方法で代替が十分できるし、そちらの方が理想的ではないかということを申し上げている。

 まず竹中大臣から伺って、そして総理に感想を伺いたいと思います。

竹中国務大臣 五十嵐委員のお尋ねは、まさにこの法案の趣旨にかかわる重要な部分であるというふうに思っております。

 まず、委員は、預金保険法との関連を挙げられましたけれども、これは委員自身がよく御承知のように、預金保険法というのは、そもそもが恒久的な措置であって、システミックリスクに対応するために、金融が危機的な状況にある、ないしはそういう危険性がある場合に発動するというものになります。であるからこそ、これは恒久的な措置として位置づけられているわけであります。

 しかしながら、今回の法律というのは、そういう恒久的な措置とは別に、今まさにこの時点で必要とされている政策的課題、これは、先ほどからもございましたように、地域の再生が重要であり、その地域の再生を支える金融の強化が重要である、そういう今日的な政策要請に応じるために、時限を区切って政策を設けるという趣旨のものであります。

 今、委員は、例えば協同組織金融機関等々の事例を挙げられて、まず仲間内で出すという方法もあるではないか、さらには自己調達する方法もあるではないかと。それはまさしくそのとおりでございます。

 したがって、例えばでありますけれども、特に主要行等々本来自己調達の能力があるはずだというようなところに関しては、まず、最大限の自己資本の調達努力がなされているかということを勘案するという条件は入れているわけでございます。さらに、協同組織等々については、地域の密着度を勘案して、中央機関等からの出資があるかどうかということを確認するという作業をとっているわけであります。

 モラルハザードが生じてはいけない、それもまさしくそのとおりでありまして、そうならないような仕組みとして、今申し上げたような、まず、自力でできるか、仲間内でできるかということはしっかりとやっていただく。しかし、例えば地域の金融機関、地銀等々については、そういう仕組みがない、ないしは調達能力がないところもある。そういうところに関しては、みずからがしっかりと経営改革を行って、経営改革を行った上で地域に対する金融機能を発揮できるということを確認した上で、これらをルール化して厳正に審査した上で、必要に応じて国が資本の参加を時限的に行う、そういう仕組みになっているわけでございます。

 この趣旨、それと枠組みにつきまして、改めて御認識をぜひ賜りたいと思います。

小泉内閣総理大臣 私は、五十嵐議員の考え方に基本的に賛成であります。

 しかし、現在のような状況におきまして、地域の金融円滑化、さらに、健全にしていかなきゃならないということを考えますと、時限的に公的資金制度、このような法案があって、経営者も緊張感を持って経営に専念してもらう、地域の方々にも不安を起こさないという形で、今回の時限的な法案があってもいいのではないかな。

 基本的にはよく五十嵐委員の御意見はわかります。

五十嵐委員 いや、責任を問わない、しかも上限もないという入れ方だったら、それはモラルハザードが起きるんですよ。

 それから、これは政策的に必要だからと言われるんですが、四月九日の竹中経済財政・金融担当相の閣議後の記者会見で、報道記者から、どうなんだ、地方銀行などの経営不安が指摘されているので、その保証枠二兆円は足りるのかというような質問があったのに対し、報道は承知しているが、足利銀行を除くすべての金融機関は安全性基準を満たしていると言ったと。そして、その保証枠というのは機械的に積算したもので、風評リスクなどには慎重な立場での行動をお願いする、こう言っているわけですね。

 これはまさに、こういう状況であれば金融強化法は要らないんじゃないですか。要するに、今安定している、こうおっしゃっているわけです。安定しているんだったらこれは要らない。

 先ほど言ったように、半分しかお答えになっていないんですが、いわゆる自助努力を助けるのがむしろ政府の役目であって、いきなり政府が直接プレーヤーになってお金を投入を、個別行に入れることを決めてしまうというのは、これは今までの法の精神と違うじゃないですか。預保法を読めば読むほど、これは大事な国のお金、税金で、後で穴埋めをしなければならなくなるかもしれないようなお金なので、極めて限定的に、条件を限定して、こういうときには入れてもいいですよという書き方になっているんですね、法の精神は。それは当然のことなんだろうと思うんですよ。

 今、偶発債務というのが、政府保証のものがどんどん膨らんでいて、これは、どこでそれが破裂して日本国にとっての大きな特別損失になるかわからないというような危険が高まっているわけですから、なるべくそういう偶発的な危険を回避するためには、政府保証とかそういったものは、公的資金というものは限定的に使っていきましょうというのは当然の立場だと思うんですね。

 ところが、預保法の仕組みを、これを横に置いておいて、そして今度は、合併をするときに自己資本が小さくなる方に引っ張られるからその分埋めてあげましょうという合併再編の促進法というのをつくられた。そうしたら、総理、一件しか適用がなかったんですよ、一件しか。みんな手を挙げなかった。そこで、それじゃ使い勝手が悪いから、個別に、単独でも入れられるようにしましょうといってこの法律が出てきた。これは余りにも安易、そしてもともとの預保法の考え方と外れている。

 要するに、先ほど言いましたように、仲間内でやれなくなるような事態というのは、もうそれは地域経済の危機ですから、預金保険法の発動をする状況なんですよ。これはそういうことなんだと思うんですよ。そういうことでなくて、これをどんどん使いなさい、使いなさいという形でやるのであれば、モラルハザードが起きますよ。だって、経営責任をとらなくていいという仕組みになっているんですから、これは。これは余りにもおかしいじゃないですか。

 今幾つかのことを申し上げましたけれども、竹中さんから。

竹中国務大臣 委員から、今、実にたくさんのポイントがございましたんですけれども、まず、経営責任、責任をとらなくていいと。それは、法律をよく読んでいただければ決してそうではないということが御理解いただけると思います。

 まず、自己資本比率が基準値未満の金融機関の場合は、国の資本参加時に、つまり入り口のところで経営陣の責任を厳格に追及する、これは責任をとるということであります。さらに、合併等を行わない場合については、経営改革の確実な実行を期するという意味で、経営陣はその収益性等の目標を示してもらう、そして、その目標が達成できない場合には結果責任をとっていただく。これも法律で明記しているわけでありますから、この場合は、いわば出口のところでといいますか、目標の達成すべきところできちっと責任をとっていただくということであります。

 唯一、根本的な合併等々を行うときにはそういうことを求めていないわけでありますが、これは、合併するというのは、そのものが、抜本的な組織再編というのはそのものが経営改革を伴うものである、結果が出るまでに時間がかかる、そういうことを考慮して、現実に合わせてそこに違いを設けているという制度でありますので、責任そのものはしっかりとやっていく。

 また、いずれにしましても、合併の場合も含めて、実際に計画を出した後は、それをフォローアップして監督をするわけでありますから、そこが大きく食い違って、さらに責任ある対応がとられない場合は、当然のことながら監督上厳しい責任を求めるということになるわけでございます。

 今委員もおっしゃったところで、私、記者会見で、確かに、足利銀行を除いて四%ないしは八%の健全性基準を満たしているというふうに申し上げました。だから必要ないではないかという、そこはやはりそうではないわけでございます。

 健全性基準というのは、リスクを吸収するバッファーとしての自己資本のいわば最低要求水準、ミニマムリクワイアメントなわけでありますが、今求められているのは、さらにそれを超えて、金融機能を強化して、今の地域の金融の活性化に資する、そういう前向きの部分なわけでございますから、それと私が申し上げたこととは、これは趣旨が違う、矛盾はしないわけであります。

 預保法との比較もございましたけれども、預保法というのは恒久的な措置であり、いわば危機対応でありますから、今のように、時限的に特定の政策目的を持って政策の枠組みをつくるというのは、これは根本的に違っているわけでございます。

 合併特措法についての御指摘もございました。合併特措法、まだ時間がそんなにたっていないということもありまして、資本の注入に関しては申請が一件でございましたけれども、この合併特措法というのはもっと広い枠組みで、手続の簡素化等々で資しているわけでありまして、それを利用した合併件数というのは二十数件ございます。二十数件あるということは、二行が合併したとしても四十幾つ、五十近くがこれを利用したということでありますから、これはむしろ非常に利用率が高いという側面もあろうかというふうに思います。

 いずれにしましても、我々としては、そういう時限的な立法を、特定の政策、趣旨に、目的に沿った限定的な形にして、モラルハザードが生じないようなしっかりとした仕組みをつくったつもりでございます。

五十嵐委員 竹中さん、大変口がうまくて、入り口での経営責任ということは言っていないですね。入り口での責任論は別の責任論なんですね。出口責任論だけ言って、責任をとらせるからいいんだと。これだったら何も自主的に手を挙げさせての注入じゃなくてもいいんじゃないですか。

 しかも、何度も言いますけれども、増資ができるんですよ。政策的に前向きに何か大きな仕事をしたいから増資すると言ったら、増資で集められます、そういう金融機関はお金を。それでも足りなかったら、先ほど言ったように仲間内でみんな集められるんですから。それでもなおかつ集められないというのは、経営責任を入り口でも問われなきゃいけないような悪い経営をしてきて自己資本が落ちているからなんですよ、それは。そうなんですよ。それは実態を無視した、単にあり得ないケースを並べ立てているだけの机上の空論ですよ。

 それでまた逆に、こういうようにあなたは厳しくすると言うんだったら、厳しくされたら手を挙げる人はいないですよ、それは。

 実際に、余り使うことは念頭に置いていないというような答弁でしたよ、上から下まで。全銀協の会長から地銀会長から第二地銀の会長から信金、信組に至るまで。これは今の状態では使われることは余り考えられない、それは最後のセーフティーネットとしては、選択肢の一つとしてあってもいいかもしれない。それは、自分が責任を問われないから、害にはならないからいいと言うかもしれないけれども、もろ手を挙げて賛成ですと言ったところは一つもないです。そういうことなんじゃないですか。

 もし、手とり足とり、最初から予備審査をしてやるんだったら、むしろそれは、金融機関にとっては迷惑なことで、多分手を挙げるところは、申請するところはないと思いますが、その見通しはありますか。

竹中国務大臣 委員言われるように、自力調達できるところは、これはもうもちろん大いにしていただければ結構なわけでございます。これは、政府の資本参加を求める場合は、政府のそういった審査等々あるわけでありますから、自力調達できるところは、それによってもちろん自由に経営をしていくということでありますから、当然のことながら、そのような行動をとられると思います。

 しかしながら、デフレの状況が続き、さらにリスク要因が高まっている、そういう状況が一方である。さらには、金融機関に関しては、非常に長い間日本の金融機関全体が傷んでいたという状況で、なかなか市場での自己資本調達が難しいというのは、これはまさに市場における現実であろうというふうに思います。

 そうした中で、まさに今委員もおっしゃったように、選択肢としてこういう制度があるというのは、私の知る限り、各方面でむしろ歓迎する声が上がっているというふうに認識をしております。その意味では、自己資本を充実させる中で、みずからもちろん経営改革を行うことは重要でございますけれども、地域の金融機能を強化していく、そういう意味でのこうした制度に対する潜在的な評価というのは、私はかなりあると個人的には思っております。

 これを一つのてこにして、先ほどからも御指摘のありました、日本の地域金融を本格再生して、より強い競争力を持っていく、そういう重要な一つの政策手段になり得るというふうに考えております。もちろんその際のモラルハザード等々のそういった問題点については十分に手当てをしたつもりでございます。

五十嵐委員 政府の資本参加を求めるということを安易におっしゃいましたけれども、政府がそういうふうに安易にプレーヤーになっちゃいけないというのが金融改革の大もとなんじゃないですか、総理。政府は事前チェックから事後的なチェックに移り、裁量行政はやめ、護送船団方式はやめて、自己責任、自助努力の世界に移りましょう、公正なルールづくりを中心に政府の行政はやっていきましょうと。要するに、言いかえるならば、かつてのようにプレーヤーやコーチになるのはやめて、あくまでも政府はジャッジメント、そしてルールづくりに徹しましょうというのが金融改革の大もとだったはずなんです。それを安易に、小さな金融機関にまで政府の資本参加をするというのは、これはどういうことなんですか。

 かつて柳澤大臣が、私どもが、緊急事態として一斉検査をして足りないところには公的資金をやって、一気に不良債権問題を片づけましょうと言ったとき、日本じゅうを国営銀行だらけにしてどうするんですかと言ったのは柳澤さんですよ。(発言する者あり)大臣がかわったら、今度は、小さなところにまで政府が資本参加していいんだと言うんですね。これはどういうことなんですか。

 そんなプレーヤーになっていいんですか。私どもは、非常事態だから、我々の案は、非常事態だから政府がとりあえず公的資金を注入してでも不良債権問題全体として、システムとして守るのは、これは仕方ないでしょうということを言ったわけですよ。我々はあくまでも危機管理として言った。危機でもないのに安易に政府が資本参加をします、困ってもいない金融機関に資本参加をします、プレーヤーになりますというのは、今までの政府方針とまるっきり違うじゃないですか。どう思われますか。総理にお尋ねしたいと思います。

竹中国務大臣 そういうことではないということは何度も御答弁をさせていただいたつもりでございます。

 金融担当大臣に就任させていただいたときから、私は、日本の金融機関は、決して危機的、つまり危篤のような状態ではない、しかし、決して健康体でもないというふうに申し上げてまいりました。これはグレーゾーンといいますか、通常の状況であれば、病の状況であれば、ある種自己蘇生といいますか、自分で調達して自分で回復していく一種のメカニズムを持っているわけでありますが、私は、今の時代認識として、日本の金融市場は十数年間不良債権を引きずり、さまざまな問題を抱えて引きずってくる中で、通常のような自己の復元力に欠けているというふうに認識をしているわけです。まさにそれがグレーゾーンが長引いているゆえんでもある。

 これがしかし、最後の一押しをすることによってある意味で通常の状態に戻れる非常に重要なチャンスを得ているというふうに思っております。であるからこそ、これは時限的な立法なんです。今回の、十数年続いてきた日本の金融の問題、繰り返し申し上げますけれども、本来ならば市場で調達できる可能性はあるかもしれないけれども、現実問題として、金融機関が今市場でその資金を調達するというのは大変困難な状況にある、そういうところを、いわば負の遺産を一掃してしまうという意味で、時限的に今回の枠組みを通じて、それで同時に、今求められている地域金融の活性化、地域経済の活性化に資そうという政策的な意思を持って行っているものでございます。

 したがって、裁量という御指摘もありましたけれども、今回の、ルールに基づいてしっかりと審査をして、第三者の審査会もつくって、そこで審査をした上で資本を注入するかどうかを判定していくわけでございますから、これは裁量ではない。ルールにのっとってしっかりと透明な形で、しかし、今置かれた状況に対応した政策をとっていくという姿勢でおります。

五十嵐委員 竹中さんのおっしゃっている半病人説というのは極めてまやかしなんですよね。病気でなければ政府が手を出すことはないんであって、自分で、自助努力でお医者さんへ行き、自助努力で薬を買って飲めばいいんですよ、それは。何で政府が助けなきゃいけないの。預金者は自己責任なんでしょう。おかしいじゃないですか。何で銀行経営者だけ助けられるんですか。みんなそう思っていますよ。特に中小企業、貸し渋り、貸しはがしを受けている皆さんは、そこまでして銀行経営者を政府が助けなきゃいけないのと。それだったら、不良債権のもとだったら、我々に一億円ずつ配ってくれた方がみんな健全になりますよと言うの。みんな正常先になりますよと言っていますよ、それは。そういうことじゃないんですか、総理。私はそう思います。

 この問題は、非常にいろいろな問題を引き起こすんです。例えば、こうやって無原則的に政府保証や、税金に変わるかもしれない公的資金のばらまきをふやすことは、いろいろなことに波及してきます。その一つが政治資金との関係であります。政治資金規正法二十二条の三というのがあるんですが、これはたしか、政府から補助金等をもらっているところから政治献金などを受けてはいけないというルールになっていると思うんですが、これまでに公的資金を受けた大手行それから地方銀行ありますけれども、そういうところとの関係は政府内で整理がついているんですか。選挙部長さんおいでいただいていると思いますが、御答弁をいただきたいと思います。

高部政府参考人 御指摘いただきました政治資金規正法第二十二条の三の規定、特に二項の規定は、国から直接資本金等の出資を受けている会社その他の法人の政治活動に関する寄附を禁止しているところでございます。

 預金保険法でございますとか早期健全化法等に基づきまして預金保険機構や整理回収機構が行います金融機関の株式等の引き受け等についてでございますが、これらの支援を受けた金融機関につきましては、政治活動に関する寄附をすることにつきまして、二十二条の三の規制は受けることはないものと考えているところでございます。

五十嵐委員 それは、きのう私がお尋ねした段階ではわからないと言っていたんですね。

 それは全くおかしな話なんですね。そう思いませんか。

 例えば、金融危機対応会議を開いて、りそなに公的資金が注入されました。総理が直接主宰をする金融危機対応会議で救済額を決め、救済を決定するんですよ。これは政府が補助金を交付する場合とどこが違うんですか。どこが違うんですか。そんな勝手な解釈はないでしょう。私は、これは完全に政府の補助金に準じて解釈されるべきだと思いますよ。こんな解釈で通用するんですか。

高部政府参考人 先ほど、政治資金規正法の第二十二条の三の二項の規定について申し上げましたが、委員御指摘ございました一項について、補助金等を受けている団体についての同様の政治活動に関する寄附の規制についての規定がございます。二項の方で、出資等を行っている場合の規制がございます。

 先ほどお答え申し上げましたのは、国から補助金あるいは国から出資金を受けているという規定ぶりになってございますので、国とは別の預金保険機構でございますとか整理回収機構が出しているものにつきましては、この規定の規定ぶりからして、直ちに直接的に適用させるのは難しいのではないかというふうに考えているところでございます。

五十嵐委員 そういうのを法匪というんですよ、法匪。法の精神が全然わかっていないんですよ。

 なぜ……(発言する者あり)いやいや、そうじゃないですよ。今の法律のままでいいんです。なぜ直接的でない、間接的な支出については問われないかというと、国の税金との関係がぴんとこないケースもあるから、そこまで責任を追及したらかわいそうでしょうというのが法の精神なんですよ、これは。わかりますよね。何かの団体を、例えば特殊法人を通じて補助金が流された、もとは国のお金だけれども補助金が流されたときに、それはもともとが国のお金だということがわからないかもしれないから、そこまで、受けた業者さんに寄附金の禁止規定をしたらそれはかわいそう、酷だから、そこは、だから直接国が出したところに限りましょうという法の精神になっている。

 ところが、このような場合には、もう完全に総理大臣が国そのものじゃないですか。主宰する会議で注入を決定する、それでも形式上は預保を通じてだから、それは補助金とは別に解して何の責任も問われないなんという解釈は国民が受け入れるわけはないじゃないですか、そんな。そんなばかなことはない。総理、どう思いますか。

小泉内閣総理大臣 難しい法律の解釈を今伺わせていただきましたけれども、よく政党間で協議していただきたいと思います。

五十嵐委員 わかりやすい話は、私、専門家じゃない、私、文学部出身で専門家でも何でもないんですが、法の精神というのはわかるでしょう。法律というのはみんな源があって、どういうつもりで書いたのかというのは皆さん十分に確かめられるはずなんですよね。

 それでは、今の論理で言うと、今度こうやって公的資金をばらまいても、中小の金融機関まで、公的資金が隅々まで使われるとおっしゃるんですが、私は使われないと思うんだけれども、使われるとおっしゃるんですから、行き渡ることが考えられるわけですから、その場合は、そういう公的資金を受けたところは、幾らでも政治献金等をしてもいい、こういう解釈なんですね、選挙部長さんとしては。

高部政府参考人 政治資金規正法につきましては、長年の経緯とそれからいろいろな御議論の中で今のシステムができ上がっているものと承知しておりますが、委員御指摘がございましたように、一定の政策目的のある中でどういう規制を具体的にしていくかということで今の条文ができているものと承知しておりまして、国から補助金、国から出資を受けているといったような規定ぶりになっておりますので、私どもとしては、その条文に則して解釈するということになろうかと思っております。

 これから広がったときにどうなるかというお話でございましたが、無論、個別具体の対応で、どういうことになるのかは具体に判断しなきゃいけないというふうに思っておりますが、国とは別の主体から補助金あるいは出資ということでありますると、この条文の中で、この条文が適用になるということにはならないのではないかというふうに思っております。

五十嵐委員 預金保険機構というのは、それは株式会社であるかもしれないんですが、もとのお金は全部税金なんでしょう。あるいは、国の保証する交付国債なんでしょう。これは政府そのものじゃないですか。そんなばかな解釈が成り立つはずはないでしょう。

 では、この金融二法案が、預保法改正案と金融強化法が出てくる段階で、その問題について金融庁と詰めましたか。補助金の範囲等にどこまで入るかどうかというのは、金融庁と詰めたんですか。

高部政府参考人 政治資金規正法の解釈をする場合には、やはり個別具体に、問題になりますればそれは所管省庁とお話をさせていただいて、どういう性格のものかというようなことを議論、意見交換をさせていただいた上で、一定の時間をかけて私どもとして判断をさせていただいているところでございます。

五十嵐委員 それはうそなんですよ。きのう来た担当の方は、そこは詰まっていません、今初めて指摘を受けましたみたいな話で、具体的に出てこなければどういう種類の出金になるのかわからないので、それは直ちに政治資金規正法に引っかかるのか引っかからないのかわかりません、こう言っていたんですね。うそじゃないですか。国会をばかにするんですか。

 では、金融庁に聞きましょう。金融庁、この点について詰めた上で法律を出されたんですか。

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 本法律を提出する際に、各省と協議をいたしまして、各省の合意を得て出させていただいているところでございます。

五十嵐委員 今増井さんがおっしゃったことは、要するに、総務省もうっかりしていて、金融庁もうっかりしていて、こんなことは考えませんでした、だから、見過ごされてきたんですと言っているのと同じなんですよ。(発言する者あり)そういうことですよ。だってそういうふうに聞きましたから、私は。

 総理に伺いますけれども、大手行は自民党に対する献金を今自粛していると思うんですが、今のやりとりを踏まえた上で、こうした公的資金を受け入れている銀行ないしその団体からの政治献金について、自民党の立場として、あるいは自民党所属議員に対してもですが、これはどうすべきか、今のところどういう御判断をお持ちか、伺いたいと思います。

小泉内閣総理大臣 公的資金の注入を受けた金融機関からの献金の受け取りを自民党は自粛しているところであります。

五十嵐委員 いや、自民党は自粛しているというより、何か大手銀行の方が自粛しているんですよね、実は。それはそうだと思うんですよ。

 今、これから解禁しようかと言っているわけですけれども、私は受けるべきではないと思うんですよ。国がこういうような形でかなり裁量的に公的資金を入れられるということになると、新たにまた利権になりかねないわけですね。そうでしょう。自分の関係している金融機関には公的資金を経営責任を問わないで入れてくれよと言うことはあり得るわけですよ。ですから、これは禁止すべきだと思うんです。

 法律で本来は禁止されていると思うんですよ。私は、あの総務省の解釈は間違いだと思っていますが、それは後で争うにしても、これは政治的にも禁じるべきだ。禁じるべきだと思うんですが、そのべき論を総理に改めて伺いたいと思います。

小泉内閣総理大臣 これは、何でも法律で規制がいいという以前の問題だから、自民党は自粛しているんですよ。別に大手が、こういう公的資金の入った金融機関が自民党に献金したいと言っているということも聞いていませんし、自由民主党はそういうことがあっても、今いろいろなお話もありますから、自粛ということはみずから慎んでいるんですから。そういうのは、献金しない、結構ですよと。そこら辺を考えていただきたい。

五十嵐委員 総理は、竹中さんに輪をかけて上手なんですよ。それはなぜかというと、いや、自民党としては、銀行協会に献金を再開してくれと頼んだんでしょう、頼んでいるんですよ。銀行協会というか経団連そのものに頼んでいるわけですが、それで、それを受けて、その中でそういう動きが出ているんじゃないですか、もう一回復活させようという動きが。

 だから、逆なんじゃないですか。だから、むしろ、総理としてそういう強い倫理観をお持ちであるならば、党としても、党の所属議員に対しても、この公的資金を受け入れた金融機関からは、これまでもそうですけれども、これからも献金を受け入れるべきではないということをはっきりおっしゃって決められるべきではないんですか。党総裁なんですから、それはできるはずなんですよ。これはどうでしょうか。

小泉内閣総理大臣 それは、政治資金規正法のあり方については各党で協議しておりますので、法律改正しなくてもできることはやっていこうということで自粛しているわけでございます。

五十嵐委員 これ以上詰めてもお答えは同じなようですからあれですけれども、それは、これからも総裁としては自粛を続ける、それは単に大手行にのみならず、公的資金が入っているところからはもらわないようにしましょうというふうに、少なくとも総理自身のお考えとしては持っているというふうに解釈をさせていただきたいと思います。

 しかし、それは各党間の協議の話ですけれども、実際には、私は、これは法律に違反する。何も補助金が直接国から出ているところだけはだめという理屈は成り立たないんですよ、さっき言ったように。それを強引に、総務省にきのう私が言ったら急に出てきた解釈ですよ、今出てきた解釈は。預保法の範囲から出てくるものについては、預金保険機構を通じての出金だからこれは当たらない、二十二条の三の一項にも二項にも当たらない、こんなでたらめな解釈を泥縄的に出してくるとは、本当に私はけしからぬというふうに思うわけでございます。そして、とにかくこの法律というのはそういう問題点も含んでいる。

 先ほど言いましたように、上限がないわけですね。これからも申し上げたいんですが、我々は、厳格な査定をすれば公的資金を強制的に注入しなければいけない場面でも、決められている四%、八%まで入れれば、あと、それはロスはないはずだ、それは厳格に査定をすれば。それを、いいかげんに査定をしておいて一二%も入れるんだ、これからもこういう方針を、中小の金融機関対象と思われるこの強化法にも使うんですかね。要するに、必要枠をもう無限大に置いてしまっている。とにかくどんどん入れてもいいんだというのは、先ほど言いましたように、国の税金に変わるかもしれないような保証については限定的に使って、大事に使っていきましょうという精神とは全く逆だと思うんですが。

 これは、この法律に限りません。今私が申し上げているのは、これからも、例えば危機対応会議を開かなければいけないようなケースでも、これからもりそなと同じような、りそな方式といいましょうか、八%必要でも一二%強まで入れてしまうというようなやり方をこれからもやるおつもりですか。

竹中国務大臣 私たちは、決して無条件、青天井な仕組みをつくっているということでは全くございません。しかし、これはやはり実情に合わせてその参加額を決めなければいけませんから、そこは経済の中での経営主体であり、そこでの判断をまず尊重しなければいけないわけであり、そこはやはり柔軟性というものはどうしても持っておかなければいけないのではないでしょうか。

 民主党の案は、その意味で非常に、私どもから見ると実は硬直的ではないかというふうに見えるわけであります。柔軟でなければいけない。ある程度規律は必要だということは私は全くだと思いますから、だからこそその必要額等々についてきちっと審査をする、その仕組みは、この法律の中では、何度も申し上げているように、つくっているということでございます。

 これから云々でありますけれども、危機対応会議の事例を今挙げられました。これは、どういうことが起こり得るかというのはわかりませんです。しかし、これは大盤振る舞いをすればいいという性格のものではもちろんありませんから、その時々に合わせて必要なものを限定的にやはり注入していく、これは公的資金を預かる立場からの当然の姿勢であろうかと私は思います。

 しかし、りそなの場合に見られますように、あのぐらい大きな金融機関が一度市場の中で過少資本になって負の風評を受けた場合には、やはりそれなりの対応が必要な場合もございますでしょう。そこはやはり、現実に応じて、まさに柔軟に、しかし公的負担を最小化するという観点を忘れずに対応していくということだと思います。

五十嵐委員 りそなの場合は、その傘下、ホールディングスの傘下の中にどうしようもない部分を実は抱えていて、そこがブラックホールになっている、それを見越して一二%強という過大な資金注入が行われたのであって、これぞモラルハザードきわまれりという話なんですよ。

 要するに、あなた方と私たちの違いは、しっかりしたモラルを持っているか持っていないかの違いであるということを言わせていただいて、私の質問を終わります。

田野瀬委員長 次に、島聡君。

島委員 民主党の島聡でございます。

 今、竹中大臣が民主党の案は硬直的だと言われましたが、とんでもない話でありまして、金融改革に向けて鉄の信念を持った法案であると言い直しておきますので、まず最初にそれを申し上げます。

 総理、ちょっと懐かしい本をお持ちしました。「郵政民営化論」という本でございます。私もこのメンバーで、一九九九年、私、一回生だから皆さんと同じぐらいのときでありますが、郵政民営化の勉強会をするといって、当時松沢議員から呼ばれて行きまして、私もいろいろなリスクがあったんですけれども、一つの思いとしてやろうということで行きまして、今も覚えていますが、マスコミはたくさん来ていました、メディアは。第一議員会館の一部屋でした。私ども民主党の議員は七人ぐらいいました。自民党議員は総理一人でした。何か寂しい顔をして、私の方を見て、やあと手を挙げたというのを今思い出しております。今も何か答弁に寂しさを感じていますので、何かいろいろ寂しいことがあるのかなと感じておりますが。

 きょうは金融機能強化法案の議論でございますが、ここは郵政民営化の議論をするのにぴったりなところでございますので、今後は、恐らく郵貯の金融論がございますし、村井筆頭は党の郵政問題研究会の座長でございますから、後でたっぷりとやらせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。

 まず、きのう地方公聴会がございました。地方公聴会にありまして、八王子商工会議所の河合専務が、地方公聴会があるというので、急遽景気関係のアンケートというのをとってくれました。それは、どうも総理と竹中大臣の感覚と随分違うんですよ。

 「景気の実態と意見」では、「景気は回復しつつある。」が二二%、「景気は横ばい状態にある。」が六八%。「企業業績について」も「横ばいである。」が五五%、「景気の見通し」も「横ばいで推移する。」が七三%なんです。それで、いわゆる民間の方で大企業と中小企業の差がすごく大きくなってきているということがありますし、小泉改革でいろいろなゆがみも出ています。

 総理が最初おっしゃった米百俵という精神というのは、あれ、ちょっと誤解がありますよ。あのとき、米百俵で、要するに教育に使って我慢するんだという話ですが、小林虎三郎というのは、河井継之助によって越後長岡の町が焼け野原になったんです。焼け野原になって、それを嘆いて、あのとき先の見えた人物がおりさえすれば町が焼かれはしなかった。そして、人々もこんなに飢えに苦しむことはなかった。もう少し賢明だったらこんなにみんな飢えに苦しむこともなかったんだけれども、これから頑張ろうというのが米百俵の精神。

 総理は今見えていますか、八王子商工会議所の河合専務理事なんかが思っていらっしゃる、今まだまだ中小企業が厳しい、そういう景気状況であるということは見えていますか。総理、お願いします。

小泉内閣総理大臣 だんだん明るい兆しが出てまいりまして、企業の業績も改善してまいりました。設備投資も増加してきたようであります。企業にやる気が出てきたな、大手中心がだんだん中小に広がっていくのじゃないかな、そういう明るい兆しが出てきたと思います。

 確かに、米百俵というあの話は教育を重視した話でありますが、結局、余り目先のことを考えずに将来のことを考えろというのが、あの米百俵の精神ですね。米百俵、今みんなひもじい思いをしている、飢えているんだから、これをみんなに配ってくれ、そうすると、二、三日なり四、五日、飢えをしのげるじゃないか。そこに小林虎三郎が出てきて、いや、みんなに配るのもいいけれども、配って、腹に、食ったらそれだけじゃないかと。将来を見て、このような惨めな状態にならないためにも、人材育成が大事だ、教育だと。それでこの米百俵を、みんなくれくれと言うひもじい思いをした藩士を制して、米百俵を全部売って、これを資金に学校を建てたという話であります。

 だから、こういう話、その時々、時代によって状況は違いますが、大事なことは、余り目先のことにとらわれず将来の重要なものに投資をしていこうという、先を考えて大事なことをしようという精神をあらわしたものだと私は理解しております。

島委員 だんだんよくなったと言われますが、要するに、賢明なリーダーがいれば焼け野原になることなく改革は進む、そうじゃない場合は焼け野原になっている。そういう焼け野原になったところも今地方にはたくさんある、それをまず認識してもらいたい。それが私の主張であります。

 今、五十嵐委員も言われました。今回の金融機能強化法は、ある意味で非常に危うい法律だと私は思っています。制度設計と運用次第で、もちろん法律だから全部悪いとは言わない、薬になる場合もある、毒になる可能性も大変ある、そういうふうに思っています。資本注入と同時に抜本的な不良債権処理をばっとやればいいでしょうし、あるいは経営改革もそのまま本当に、経営責任も先ほどから議論になって、進めばそれでうまくいくかもしれません。だけれども、今五十嵐委員が言われたように、これは見方によっては一種の銀行国有化法なんですよ。

 小泉総理、内閣総理大臣としてこういう法律を出されて矛盾を感じませんか。郵政民営化で民でできるところは民でと言っていて、銀行の方は何か国営化、そういう法律を出していて、それこそモラルハザード、今言われたように、長期的に見たらこれは非常に大変ですよ。そういう法律を出して矛盾を感じませんか、総理。

小泉内閣総理大臣 矛盾を感ずるものではありません。

 米百俵の時代、あれは、ひもじい思いをした人に一合もやらない、一升もやらないというところだと、今だったらとてもそんなことは許されないでしょうね。こんな飢えているのに何もやらないというのは何事か、冷たいと言って。政治的に、考えはわかるけれどもおれたちの背景には票があるんだ、考えろと言われて、とてもあのような強引な、我慢させるような政策はできないと思うんです。

 しかし、そういうことから、現在は、そのまま健全化になるものは自力でさせよう、悪いものはもう自分で倒産するのは当たり前だとほっておけるか。そうじゃない。痛みを和らげるために、混乱を最小限に抑えるために、やっぱり何らかの対策が必要じゃないか。ただただ痛みに耐えろじゃ通じないということだと思うんです。

 金融機関をほっておいて、悪いものは倒産するのは当たり前だというふうになると、金融機関の倒産というのは地域に一番影響が多いわけです。自力で立ち上がるのは当然でありますけれども、今回の法案も強制じゃありませんから、手を挙げてください。申請主義ですから。この法案がだれも使われなくて健全に立ち上がれば一番いいんです。時限的です。こういうかなり景気の悪い状況において地域に余計な不安を起こさせない、万が一のためにはこういう制度がありますよ、利用できますよという法案ですから、私は矛盾はしないと思っております。

島委員 矛盾すると言ったら大変でしょうから、矛盾しないというお答えしかないでしょう。閣議で決定しているんですから。

 二〇〇五年四月がペイオフの解禁日であります。来年の今ごろは、予定どおりにいけばペイオフが解禁されている話であります。参議院選挙後も総理が総理であるという前提で話していますけれども。ペイオフが小泉政権の重要な政策であったはずでありますが、これが先送りの決断がされました。二〇〇五年四月、ペイオフ解禁、この姿勢は変わりませんね、断行されますね。お答えください。

小泉内閣総理大臣 予定どおり実施いたします。

島委員 竹中大臣、きょうはほかの同僚議員も質問をしましたけれども、ペイオフというのはぜひやるべきだと私も思っているんです。これがいわゆるペイオフ解禁によって、本当に日本の金融機関の問題も解決をする方向になっていくでしょうし、国民自身も、要するに預金自身もすべて安全でない、安心じゃないということも考えていく、そういう大きな流れになってくると思います。

 だけれども、竹中大臣、きょうの朝日新聞ですけれども、全額保護の普通預金に決済預金というのができるとなっています。これですと、全額保護の預金が制度としてあると、どの金融機関に預けても大丈夫ということが続いてしまいますね。ペイオフの精神とは違う制度が続いたら、結局、ペイオフは抜け殻になるんじゃないですか。竹中大臣、どうですか。

竹中国務大臣 まさに島委員、そこは気持ちは同じだと思いますが、ペイオフというのは、預金者が銀行を選別する、その緊張感の中で銀行も経営をするから、それによってまさに市場の規律を通じて金融システム全体がよくなっていく。日本もかつてはそういうシステムを持っていたわけでございますから、これをやはり復活させる状況に早く持っていかなければいけないというふうに思います。

 そこで、決済性預金、これは一年半前になりますけれども、まさにこの委員会で御議論いただいた法案に基づくものでございますけれども、御承知のように、決済性の預金というのは、決済性であって、要求払いであって、かつ、金利がつかないものである。今、マクロ的にほぼゼロ金利の状況が続いておりますから、決済性預金とその他の預金との区別というのはなかなかつきがたいわけでありますけれども、我々なりに努力をしてデフレを克服して、金利がより正常な状況になってくる段階では、やはり金利がつく、つかないというのは重要なポイントになってくる。

 日本は諸外国に比べて圧倒的に銀行預金を通じた決済が行われていますから、そこは、例えば一日に一千万円とか、決済の日にわあっと超えてしまうということはあり得るわけですから、そうした決済性預金を銀行システムに基づいて守る、そのための決済性預金の制度は必要であろうというふうに私は思います。

 そうした趣旨でありますので、これがあるからモラルが保たれない、そういう状況はなくなるというふうに私は思っております。

島委員 今、総理が、二〇〇五年四月、断行すると言われたわけですから、ぜひ断行していただきたいと思います。

 郵政民営化論に移ります。懐かしいんですよ。九九年、四年前なんですけれどもね。委員十一人のうち四人が知事と市長になっています。上田清司、堂本、松沢の三人が知事、中田宏が市長になっていますね。不思議な勉強会でした。

 私が少し書いているんですけれども、そこには竹中平蔵慶応大学教授の評価も出ていまして、資産政策が必要だと書いてある。私も、それは賛成だとここには書いてあるんですけれども。そういう意味で、ちょっと不思議な感じでこれを読んでおりました。いろいろな意味で、不思議な感じで読んでおりました。当時、総理になるとは私も思いませんでした。そういう意味で不思議なわけであります。

 それで、郵便貯金の問題でございますが、総理に問います。

 当時から変わっていないとしますと、非常に金融機能に対してもたらす弊害が私はあると思っています。郵便貯金というのは二百三十兆あります。個人預金残高で三割超であります、二八%、三割ぐらいですね。ドイツのポストバンクですと、大体個人金融資産に占めるのが三%ぐらいなんです。フランスで七%ぐらいなんです。これは余りに個人資産に対して非常に大き過ぎる。みずほフィナンシャルグループでも六十一兆円ぐらいですから、極めて巨大である。この郵貯及び簡保、きょう経済財政諮問会議があるということも存じ上げておりますけれども、これは余りに私は大き過ぎると思いますが、総理の見解を承ります。

小泉内閣総理大臣 当時の勉強会、島さんもおいでいただいて、よく出てきてくれたなと、今から思うと勇気のある行動だったなと敬意を表しますよ。自民党では私一人。恐らく、ここにいる人全部反対じゃないですか。村井さん、今、特命委員会の座長になっているけれども。

 しかし、ここが政治のおもしろいところで、時代が変わると、おれは個人的には反対だけれども、これも時代の流れだな、賛成はやむを得ないなという雰囲気になってくるんですよね。そこまで持っていくのが大変なんですよ。民営化、賛成、反対でこの数年自民党は大揺れしましたけれども、ここで民営化については決着がつきました。もう反対できません。いかにいい民営化案をつくるかというのが、これから秋ごろまでの役割であります。

 そこで、郵貯、簡保、郵便、そして共通した全国の郵便局ネットワーク、これをどのように国民の利便向上のために活用するか、そして、見えない税金がどんどん非成長分野に使われているこの現在の官の構造をどうやって正していくか、これが郵政民営化で極めて大事なところであります。

 わずかなメンバーで始めて、恐らく、今の時代にこの郵政民営化が政治の課題にのってくると思ってあの勉強会でいろいろな議論をした人は、一人もいないと思うんであります。将来必要だからということで勉強していたと思うんでありますが、こうして現実の課題になってきたこと、当時から御協力して、その必要性を認識していた島議員に心から敬意を表したいと思います。

島委員 敬意をいただいてありがとうございますが、今は民主党の筆頭理事として闘っておるところでございますので、よろしくお願いをいたします。

 総理の答弁を聞いておられる村井筆頭の表情を非常に興味深く拝見いたしました。今は反対できなくなりましたと言ったときの、あの表情は、ぜひカメラでとらえてほしかった、そういうふうに思う次第でございます。

 今、見えない税金という話をされましたが、この郵政公社、〇三年四月に郵政公社になりました、きのう郵政公社の記念式典がありまして、私も生田総裁にお会いしてまいりましたけれども、郵政公社になった後も、郵貯というのが無償の政府保証を享受していますね、事業税、法人税等々につきまして。当時の民営化論の議論のときには、これは隠れた補助金だからと私たちも言っていたら、当時の小泉座長もそのとおりだというような意見を言っておられましたが、今はどう思われますか。

小泉内閣総理大臣 これは、郵政公社化するときにも、自民党内で大反対があったんですよ。公社化法案を出すときにも、自民党の政審、総務会で通らなかったんですから、政府で提案したんですよ。しかし、党の部会、総務会は承認しなかった、反対だと言って。しかし、出してみようと。結局、議論のあげくに、公社で議論はおしまい、公社が成った後は民営化の議論はしちゃいかぬという決議をして、ようやく自民党は納得して出したんですよ。

 党内の議論を終えていますが、私は、郵政公社は民営化の一里塚だと言ったんです。当時、いわゆる民営化に反対の議員は、とんでもない、また小泉が変なこと言ったとさんざん批判が出ました。当時もぎくしゃくしていたんです。今になってみてどうなっているか、時代はやはり変わってきたなと思われると思います。

 そこで、この郵貯のあり方も含めて、簡保のあり方も含めて、民間の金融機関と融合できるような改革を、これから郵政民営化案をまとめる秋ごろまでにはしていかなきゃならないな。当然、郵貯、簡保。郵便事業だけじゃありません、郵貯、簡保、やはり民間の市場と融合するような形の案をまとめていかなきゃならないなと思っております。

島委員 総理、そういう関係で私もリスクを冒してここに出たんですから、リスクを冒して答弁してもらいたいんですが、まとめのことはわかりました。当時と考えは変わっていませんかと聞いているんです。

小泉内閣総理大臣 当時とその民営化の必要性……(島委員「いや、今の事業税、法人税の免除」と呼ぶ)これは、将来民営化になれば民間と同じですから、もうけが出れば税金を払ってもらうようになります。

島委員 ということですので、村井座長がどういう顔をしておっしゃるか。ということでございますが、そういうことでございます。

 総理が、これは松沢議員とのいわゆる本の中での対談で、非常にある意味で今を見通したような議論がありました。今は暴論だけれども、将来、いずれ正論になりますよねという松沢君の問いかけに対しまして、「私は自信があります。」と言うんです。「それは消費税です。」と言うんです。消費税です。当時の小泉座長は、三%のときに「消費税導入は好ましいと私は賛成しました。」「三%を五%に引き上げるとき」も「賛成しました。」「今度は郵政民営化がない限り消費税を上げることには反対すると大蔵省に言っている」と。これをやったら「増税国家になるから、郵政民営化なしの消費税引き上げには反対する」と。ある意味で、ここまでは私も賛成であります。ある意味で、行財政改革をきちんとやった上でやるんだという話でありますから。

 ということは、郵政民営化が終わったら、次は消費税、増税も考える、そういう話ですか。

小泉内閣総理大臣 よく覚えておられますね。確かに、消費税導入三%、当時も批判がありましたけれども、私ははっきり賛成を打ち出しました。当時は、物品税を廃止する、所得税減税する、その財源として消費税三%導入する、これは私は率先して賛成しました。

 村山内閣のときの五%に引き上げも、三%の導入のときには、所得税減税、物品税廃止の減税額と消費税三%の導入額を同時、同時期にやる、これで理解が得られると思ったところ、理解が得られなかった。そこで、村山内閣の三%から五%に引き上げるときには、二%の消費税を上げますけれども、所得税の減税は先行してやります、これで理解が得られると思った。当時反対していた社会党の委員長が総理ですよ。これもまた大変政治的には驚くべき時代の変化だと思いますが、これ、自民党、社会党、協力して五%に引き上げてやったわけですね。

 しかし、今回、これから将来考えると、財政状況を考えると、減税財源ありませんから、何らかの財源のために消費税を引き上げる、だから行財政改革を徹底してやらなきゃいかぬと。

 そこで、私は、官の分野の構造改革、郵政民営化は必要だ。この税金がどんどん使われている構造を温存したまま、財源が足りないから消費税を上げるということについては私は反対するよと当時の大蔵省の幹部に全部言っていたんです。三%賛成、五%を賛成した小泉がはっきり言っているんだからと。私は、当時から、たとえ郵政民営化が暴論でも少数派でも、将来必ず多数派になると確信しているから今主張しているんだと。だんだんそのとおりになってきましたよ。だから、私の在任中は消費税引き上げないということは、このことなんです。私が在任している限り、郵政民営化は必ず実現します。道筋をつけます。

 その後、もう削るところがない、財源がないというときは、後は皆さんよく議論してください。私が退陣しているころですから。私は、どんなに長くてもあと二年半しかやっていませんから、任期は。それまでは精いっぱい、歯を食いしばってでも私の改革を実現するために努力します。その後、その後の人のことまで私は拘束することはできません、国民が選ぶことであります。どうしても財源が必要だ、足りない、国債はこれ以上発行しちゃいかぬ、じゃ、どこに見つけようと、その財源まで私が将来の総理大臣を縛ることはしない方がいいと思います。

    〔委員長退席、山本(明)委員長代理着席〕

島委員 それは、総理、ちょっと無責任です。行財政改革をやって、その後は縛ることはないということはいいんですが、財源はきちんと考えないと、いずれ。自分はここまでやる、後は知らない、それは無責任であるし、当然、この郵政民営化、そう簡単にできないんですから、村井さんの顔見ていたら。それはできるわけないですよ。あの筆頭理事、すごいんですから、いろんな意味で。ですから、それはきちんと。私の在任中は考えないというのは私は無責任だと思うけれども、どうですか。

小泉内閣総理大臣 私の在任中、議論は大いに結構ですと言っているんですよ。しかし、私の在任中は消費税を上げることはないということを言っているんです。議論まで縛りませんよ。議論は、これから税制改革の中で将来どういう税がいいかというのはいろいろ議論はしなきゃ。これを縛るのはおかしいです、政治家として、政党として。議論は自由です。

 しかし、この二年半の間に消費税を上げる環境にないと私は政治家として判断しているんです。だから、在任中は引き上げない。しかし、議論は大いに結構。あるべき税制というのは、一年や二年でできるものじゃありませんから。今から十分議論してやっても、少なくとも、どんなに早くても二年半以内に消費税を上げる環境にないと私は政治家として判断しているんです。

島委員 ということは、今から総理のもとでそういうことを研究する、消費税を上げることも含めて研究する場を設けるということはあり得るわけですね。

    〔山本(明)委員長代理退席、委員長着席〕

小泉内閣総理大臣 それは、党には税制調査会があります、政府にも税制調査会があります。そういう中で、消費税なりどういう税なり議論するのは、これは大いに結構だと思います。

島委員 いわゆる税源論、あるいはこれから財政再建論、非常に大きな課題になっていきます。

 時間が余りありませんが、竹中大臣に聞きますが、今非常に国債の問題が大きな問題になってきています。これは、郵貯が民営化されていった場合、今、日本の国債発行残高は四百八十二兆円、保有主体は郵貯、簡保で百三十六兆円ですよね、これが民営化していった場合に、仮にという話です、民営化していった場合に、これが民営化するといつまでも国債を保有しているわけではありませんから、そうなってくると、国債自身を売る可能性も出てまいります。そういうときに、国債の暴落する危険性等々があると思いますが、経済財政担当大臣としてどのようにお考えになりますか。

竹中国務大臣 郵政というのは、預貯金で二百三十兆、総資産でいうともっと大きくなるわけでありますけれども、非常に大きな資産と負債の塊を持っております。その負債の中にいわば郵貯という政府保証つきの商品があり、運用している資産の中に国債等々がある。この塊をどのように運用していくかというのは、これはマクロ経済的に見て極めて重要な問題であり、総理が、これを日本の民間市場の中に融合、つまり、吸収、統合していく、それを整然とやっていく必要があるというふうにさっきおっしゃられましたけれども、その中で、今、島委員の御指摘というのは大変重要な一つのポイントになってこようかと思っております。

 我々、そういう問題意識のもとに、例えば、これは経済活性化の原則で市場にしっかりと糾合されていくんだ、整合性の原則でこれは他の政策目標、例えば国債管理政策とか民間金融市場の改革とか、そういうことと整合的に行っていくんだ、その五つの原則を早い時期から宣言をして、その方向に向かって、今機能を議論しておりますけれども、機能を踏まえて、やがては具体的な制度論、組織論等々、御指摘のような問題意識も踏まえて、しっかりと制度設計をしていかなければいけないと思っております。

島委員 総理、今申しましたように、この委員会、郵政民営化、粗ごなしにはぴったりの委員会ですから、これからどんどん議論を一般質疑でやっていきたいと思っていますから、その節はまたぜひお越しいただければと思いますが、いかがでしょうか。

小泉内閣総理大臣 当初、勉強会のころから郵政民営化に関心を持ち、その改革の必要性に賛意を示した島議員の御意見でありますから、敬意を表すと同時に、これからも同志として御協力いただければなとお願いしたいと思います。

島委員 村井筆頭、ということですので、よろしくお願いします。

 終わります。ありがとうございました。

田野瀬委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 まず、総理にお伺いしますが、今提案をされております法案は、システミックリスクの危険のある状態ではない平時の時期に、銀行の体力を増強するために投入するというものであります。健全行を含む銀行に入れることができる。そして、損失が出た場合、国民負担にする、銀行負担はない、こういう性格のものでありまして、これは以前の政府の見解とはかなり違うものだと思うんですが、そういう違いのあるものだという認識はお持ちでしょうか。総理に。まず総理。

小泉内閣総理大臣 いや、私は違いがあるものとは思っておりません。これは強制的に公的資本を注入するということではありませんし、地域の金融機関、健全化のためにどういう対応が必要かということで、しかも、時限的に立法しているものでありますので、本来、こういう制度は使われないで各金融機関が健全性を高めていく、強固になるということが望ましいものだと思いまして、これがあるから全部強制的に公的資本を注入するというものではない。

佐々木(憲)委員 これまでも申請主義なんですね。ですから、申請では同じなんですが、ただ、問題は、システミックリスクの危機のない時期に、平時でも健全行も含めて投入ができるというシステムでありまして、違うんです。

 それから、負担は銀行負担が原則だという以前の見解がありましたが、今回はすべて国民負担だ、欠損が出た場合。それから、中小企業に貸し出す部分については、数値目標は定めない、収益性については数値目標は定める。ですから、今までは中小企業向けの目標がありまして、それを達成するためにいろいろな行政的な手法も用いたわけですが、それがないわけです。

 ですから、そういう意味で、今回の法案というのは、かなり国民の負担のおそれのある、しかも、銀行にとって負担の少ない、中小企業向け融資の拡大ということも余り期待できない、そういう内容のものだというふうに我々は見ているところであります。

 さてそこで、ちょっと話題を変えます。

 総理、この贈収賄事件で逮捕されました日歯連の臼田会長と総理はお会いになったことはありますか。

小泉内閣総理大臣 お会いしたことはあります。

佐々木(憲)委員 何度会いましたでしょうか。

小泉内閣総理大臣 何で会ったかわかりませんけれども、いろいろな会合、自民党はありますから、そういう会合でお会いしたという覚えはございます。

佐々木(憲)委員 今、お配りした資料を見ていただければと思うんですが、一ページの右の下の方に、二〇〇二年の五月二十四日、小泉総理と臼田会長は懇談をしている。石原伸晃大臣と安倍晋三官房副長官が同席をした。この記憶はありますか。

小泉内閣総理大臣 二〇〇二年の五月二十四日ですか、記憶にはありませんけれども、たしか就任あいさつだったと思うんですけれどもね。これは官邸ですか。これは場所は書いていないんだけれども。(佐々木(憲)委員「場所は東京です」と呼ぶ)東京。私と安倍副長官、石原大臣、これは一緒ということですかね。

 どういう会合だったとか思い出せませんが、たしか、そのころ日歯会長に当選したのかな、だとすれば、これは会長だったらば、就任あいさつというようなものだったんじゃないかと思うんですが、はっきり覚えていません。

佐々木(憲)委員 会長に就任したのは二〇〇〇年ですから。この二年前なんです。

 もう一回、三ページのところをあけていただきますと、右の方に、これは昨年の十一月一日ですから大分記憶は鮮明だと思うんですが、小泉総理大臣と会食をした、こういうことがありますが、記憶はありますか。

小泉内閣総理大臣 これは去年の十一月一日ですか。十一時四十五分、午前。選挙中じゃないですか。どこかの選挙のとき会ったのかな、よく覚えていません。

佐々木(憲)委員 これは名古屋でありまして、ホテルグランコート名古屋前で演説をしまして、これは演説ですね、その後、このホテルで武見敬三自民党遊説局長、それから臼田日歯連会長と昼食をとっている。これは選挙中でありまして、東京から三重にこの会長が移動する途中だったと思いますが、総理は多分遊説だと思うんですが、記憶はありませんか。

小泉内閣総理大臣 たしか、選挙中ですから、お昼をどこかで食べたんだと思います。どなたと食事したかというのは記憶にないんです。

佐々木(憲)委員 これは日歯広報の「臼田会長の動き」、臼田会長がどういう動きをしたかという、その記録の中から抜いたものです。総理自身の動静は新聞記事であります。全く同じ記録がございます。ちょうど選挙中でありまして、この選挙中にこういうふうにお会いになって、その会費は一体どちらが払ったんでしょうか。

小泉内閣総理大臣 選挙中ですから、私は党総裁ですから、どこで食事するかというのは党の選挙担当者に任せっきりですから、昼飯に何食べたのかというのもわかりませんし、そのとき私が自分でお金を払うわけありませんし、昼飯だから、何食べたのかな、十分か二十分で済むものですから手軽な食事だったんだと思いますけれどもね、選挙中ですから。よく覚えていません。

佐々木(憲)委員 この中で何を話したかというのを実は聞きたいんですが、どうも記憶が余りないようなんで。診療報酬の話をされたのか、あるいは選挙資金の問題を話をされたのか、どうも記憶がないようなんで。

 それで、こういうふうに、これは一例なんですが、臼田会長というのは、ともかく政治家との会合が非常に多いわけです。例えば皆さんにお配りしたこの資料を見ていただいただけでも、二〇〇一年十七回、回数からいいますとあります。二〇〇二年二十九回、二〇〇三年で六十四回に上って、急にふえているわけであります。

 それから、接待が、日歯連の会食接待というものが非常に多いわけでありまして、この四ページのところを見ていただきますと、二〇〇一年八百六十万、二〇〇二年八百九十万、こういう記録があります。その具体的な中身は次の五ページ以後にありますが、これは料亭ですとかあるいはホテルですね、例えば十三年の一月十九日、一番上を見ますと、十一万九千円、二月十九日十七万六千円、二月十九日十二万八千円というふうにずっとありまして、一回四十二万ですとか、あるいは五十二万とか、どうして一回でそんなに会食費がかかるのかと思うような大変膨大な金額が出てくるわけであります。

 それで、この接待攻勢というのは政治家に向けてかなり行われている。この政治家向けの接待攻勢なども随分マスコミでも指摘をされておりまして、この今挙げた金額、八百万以上という金額ですけれども、これは例えば九九年に比べると四割増、九五年に比べると二倍以上、そういうふうな報道もあるわけでございます。つまり、臼田会長が会長になって以後、急速にこの接待攻勢が行われている。

 しかも、自民党の中につくられております自民党医療基本問題調査会の少子高齢社会歯科診療報酬等に関する小委員会というものがつくられまして、それは二〇〇〇年につくられたわけでありますが、この日歯連がぜひそういうものをつくってほしい、こういう意向がありまして、自民党の側もそういうものをつくった。そのメンバーはもう既に公表されておりますけれども、この自民党の小委員会に、今度はそのメンバーに対して政治献金の攻勢を行う。

 一番最後に添付してありますのが、これは先日、我が党の山口議員が厚生労働委員会で配付した資料であります。こういう形で、何でこういうことをやっているのかということなんです。その目的は、診療報酬にかかわる日歯連の要望を反映させるためである。これははっきりと日歯広報にも書いてありますし、政治連盟の機関紙、日歯連の機関紙にもそのことが書かれているわけです。

 この小委員会は、記録によると三回ありまして、この日歯広報によりますと、二〇〇〇年の九月二十七日、二〇〇〇年の十月十九日、十二月十五日と開かれまして、その中で、歯科医療全般についての打ち合わせを行ったとか、あるいは歯科診療報酬の今後の対応等について協議を行った。つまり、要請を受けまして、こういう日歯連の要請に沿った政治的な発言を実際に行っている。

 その中のメンバーも、この問題について、例えば木村義雄議員はこのメンバーの一員ですけれども、かかりつけ歯科医初診料の条件緩和を求めて、何で使いにくいようにしているんだ、何とかしろ、こういうことを言いまして、同省の幹部は議員に激しく責められた、こういう話をしている。

 こうなってきますと、これは明らかにある目的を持って金品を提供し、会食接待を行い、それに基づいてその議員が動く。こうなりますと、これは、官僚の今問題になっている問題だけではなくて、まさに政治家に直接かかわる問題になってくるわけであります。

 こういう実態について今私は幾つか資料を提起しましたけれども、総理として、やはり何らかの調査といいますか実態把握、一体どうなっているんだということは当然党内でも検討すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

小泉内閣総理大臣 今初めてこの資料を拝見いたしましたけれども、捜査中だと伺っております。厳正な捜査を見守っていきたいと思います。

佐々木(憲)委員 捜査中というのは、それは地検の話でありまして、私がお聞きしているのは、自民党の総裁として、こういう状況がある以上、これを放置していいのか、これは政治的な対応というものがやはり政党の責任者として求められるのではないかと思いますが、その点はっきりしていただきたい。

小泉内閣総理大臣 政治資金については、資金法にのっとり、厳正に対処すべきだと思います。

佐々木(憲)委員 調査すべきだというふうに私は思います。これは非常に法にも触れる可能性のある、わいろ性が非常に強い、そういう資金の動きと、いろいろな接触が行われているわけでありまして、ぜひこれは調査すべきだという点を申し上げまして、質問を終わります。

田野瀬委員長 これにて内閣総理大臣出席のもとの質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして各案に対する質疑は終局いたしました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時二分散会

     ――――◇―――――

  〔本号(その一)参照〕

   派遣委員の東京都(八王子市)における意見聴取に関する記録

一、期日

   平成十六年四月二十日(火)

二、場所

   京王プラザホテル八王子

三、意見を聴取した問題

   金融機能の強化のための特別措置に関する法律案(内閣提出)、預金保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律等の一部を改正する等の法律案(五十嵐文彦君外二名提出)及び金融再生委員会設置法案(五十嵐文彦君外二名提出)について

四、出席者

 (1) 派遣委員

      座長 田野瀬良太郎君

         萩山 教嚴君   村井  仁君

         山本 明彦君   島   聡君

         津村 啓介君   長妻  昭君

         上田  勇君   佐々木憲昭君

 (2) 意見陳述者

      青梅信用金庫理事長   大杉 俊夫君

      多摩中央信用金庫理事長 佐藤 浩二君

      タマティーエルオー株式会社代表取締役社長   井深  丹君

      東成エレクトロビーム株式会社代表取締役社長  上野  保君

      社団法人首都圏産業活性化協会事務局長     岡崎 英人君

      八王子商工会議所専務理事           河合 和郎君

 (3) その他の出席者

      財務金融委員会専門員  鈴木健次郎君

      金融庁総務企画局審議官 三國谷勝範君

      金融庁総務企画局政策課長           桑原 茂裕君

      金融庁総務企画局信用課長           乙部 辰良君

      金融庁総務企画局信用課信用機構室長      藤井 健志君

      財務省大臣官房文書課国会連絡調整官      梶原 広彦君

     ――――◇―――――

    午前九時開議

田野瀬座長 これより会議を開きます。

 私は、衆議院財務金融委員長の田野瀬良太郎でございます。

 私がこの会議の座長を務めさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。

 当委員会におきましては、内閣提出、金融機能の強化のための特別措置に関する法律案及び預金保険法の一部を改正する法律案並びに五十嵐文彦君外二名提出、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律等の一部を改正する等の法律案及び金融再生委員会設置法案につきまして審査を行っているところであります。

 この際、派遣委員団を代表いたしまして一言ごあいさつ申し上げます。

 当委員会といたしましては、四議案の審査に当たり、国民各界各層の皆様方から御意見を賜るため、御当地におきましてこのような会議を催しておるところでございます。

 御意見をお述べいただく方々には、御多用中にもかかわりませず御出席をいただき、まことにありがとうございます。どうか忌憚のない御意見をお述べいただくようよろしくお願い申し上げます。

 それでは、まず、この会議の運営につきまして御説明申し上げます。

 会議の議事は、すべて衆議院における委員会議事規則及び手続に準拠して行い、議事の整理、秩序の保持等は、座長であります私が行うことといたします。発言される方は、その都度座長の許可を得て発言していただきますようお願い申し上げます。

 なお、この会議におきましては、御意見をお述べいただく方々から委員に対しての質疑はできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おきいただきたいと存じます。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 最初に、意見陳述者の皆様方から御意見をそれぞれ三分程度でお述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答えいただきたいと存じます。

 なお、御発言は着席のままで結構でございます。

 それでは、本日の御出席の方々を御紹介いたします。

 まず、派遣委員は、自由民主党理事村井仁君、同じく萩山教嚴君、同じく山本明彦君、民主党・無所属クラブ理事島聡君、同じく長妻昭君、公明党理事上田勇君、民主党・無所属クラブの津村啓介君、日本共産党の佐々木憲昭君、以上でございます。

 次に、御意見をお述べいただく方々を御紹介させていただきます。

 青梅信用金庫理事長大杉俊夫君、多摩中央信用金庫理事長佐藤浩二君、タマティーエルオー株式会社代表取締役社長井深丹君、東成エレクトロビーム株式会社代表取締役社長上野保君、社団法人首都圏産業活性化協会事務局長岡崎英人君、八王子商工会議所専務理事河合和郎君、以上六名の方々でございます。

 それでは、まず大杉俊夫君から御意見をお伺いいたします。

大杉俊夫君 おはようございます。青梅信用金庫の大杉です。

 本日は、地方公聴会で意見を述べさせていただく機会を与えていただきましてありがとうございます。

 私ども金庫は、多摩地区の北西部と埼玉県の南西部を営業地盤とする預金量六千億円の地域金融機関です。私は、お客様である中小企業の景況調査結果とお客様への取り組み方針を申し上げたいと思います。

 まず、十六年一―三月期の総合業況判断、DI値は、前期比九・七ポイント改善し、マイナス二六・三ポイントです。青梅商工会議所の商業・工業経営動向調査では、商業は依然として厳しいものの、工業関係では若干回復の兆しがうかがえたとなっております。また、同じ商工会議所調査で、金融機関からの借り入れが困難だと答えた企業が、工業で二十四先、比率で一〇%、前回調査比六ポイント改善、商業では二十一先、比率で一八%、前回調査比五ポイント改善となっております。地元の金融機関として、これからも資金申し込みにできるだけ前向きに対応してまいります。

 次に、お客様への取り組み方針は、地域のお役に立ち、お客様に喜ばれる信用金庫を基本方針として、一、相談できる、二、情報提供できる、三、便利である、四、地域に貢献している、このような信用金庫になることで、私たちの地域になくてはならない地域金融機関になることを目指しております。まだまだ中身が足りませんが、お客様のことをもっとよく知って、お客様のためにできることからやってまいりたいと思っております。

 最後に、先ほど申し上げましたお客様の景況判断は水面下のマイナス二六・三ポイントの厳しい環境の中で、一生懸命頑張っておられますお客様、中小企業の皆様と、地域内の経済の活性化のために努力している信用金庫の社会的役割につきまして御理解を賜り、引き続き御支援をお願い申し上げます。

 以上であります。

田野瀬座長 ありがとうございました。

 次に、佐藤浩二君にお願いいたします。

佐藤浩二君 多摩中央信用金庫理事長の佐藤でございます。

 本日は、このような席で意見を述べさせていただくということを感謝申し上げ、お礼を申し上げます。

 私ども多摩中央信用金庫は、昭和八年に立川で設立されまして、昨年の十二月でちょうど七十年ということになっております。その間、振り返ってみますと、常にお客様とともにあったということが歴史になっておりますけれども、私自身はここで理事長として三年、二〇〇一年の六月に理事長に就任いたしまして、三年ということになりました。職員から通算しますと三十八年ぐらいになるわけですけれども、これほど時代が変わってしまったというふうに感ずることはございません。私が理事長になりました二〇〇一年の秋というのが、今考えてみますとどん底ではなかったかな、地域経済にとりましても、また社会にとりましても、そういった感じがいたします。

 そうした中で、私ども自身が生き残っていくために何をするかというふうなことを考えて、やはりお客様とともにあるという、そうしたことを実践していかなければ生き残れない、こういうふうな感じを持って事業展開をしてきたわけですけれども、たまたま昨年から打ち出されましたリレーションシップバンキングの機能強化といったものと一致しておりまして、そうしたことをお客様のために、お客様がこの時代を乗り越えていくためにお手伝いしていくということが今の主題となっております。

 私どもの規模は一兆四千億という預金量と約九千億の貸出額でございますけれども、全国的に見ますと大体十番目ぐらいに位置するのかというふうに思っておりますが、それでも、非常に、これからの時代を生きていくというのは、特別なビジネスモデルを確立していかなければやはり難しいのかなというふうに考えております。参考までに資料としてつけさせていただきました「たましんレポート」ということで、私どもの内容について御理解賜れば幸いだと存じます。

 また、私ども、内部資料といたしまして、リレーションシップバンキングにつきましてたまたま一致していると申しましたけれども、昨年の上期が終わった時点で見直してみた資料をつけさせていただきました。きょうのこの資料にふさわしいかどうかは疑問ですけれども、内部資料としてございましたので、それをお持ちしましたので、またごらんいただければと思います。

 いずれにしましても、私どもはお客様とともにこの時代を生きていくということで、こうしたことをやっているということを御理解いただきたいというふうに思います。

 以上でございます。

田野瀬座長 ありがとうございました。

 次に、井深丹君にお願いいたします。

井深丹君 TAMA―TLOの井深でございます。

 TAMA―TLOというのは、大学の研究成果を特許化いたしまして、中小企業を含む民間企業に技術移転する会社で、設立後四年を経過しております。広域多摩地域、これは東京、埼玉、神奈川を含みますが、ここの二十の大学と連携いたしまして、研究者の発明の特許化と地域の中小企業のニーズに対応する技術移転を行っております。技術移転の具体的な方法といたしまして、地域新生コンソーシアム研究に代表されます産学官連携研究開発の管理法人業務を行いまして、研究開発の企画、管理、運営を担当しております。

 地域新生コンソーシアム研究開発は、研究開発型の企業にとって大変ありがたい制度でございます。中小企業の夢の新製品実現に向けまして、国が研究資金を提供し、大学が必要な技術を提供する制度でございます。

 TAMA―TLOは、平成十五年度には、地域新生コンソーシアムを含めて八件の研究開発プロジェクトの管理法人を行いまして、約五億円の委託を受けて、大学や企業に再委託いたしました。このうち四億円は国からの委託金でございますので、支払いは後払いでございます。したがいまして、研究開発に必要な資金といたしまして、平成十五年度は二億三千万円のつなぎ融資を受けております。

 TLOの業務にとって、資金調達は大変重要でございます。平成十四年度からは西武信用金庫と業務委託契約を結びまして、無担保のつなぎ融資枠を確保しております。この対価といたしましてベンチャー企業に対する投資委員会のメンバーとなりまして、投資案件の技術審査を担当しております。来年春開業予定の新銀行東京からも同様の技術情報提供という業務を受けることになっております。これにはTAMA―TLOの社員だけでは不十分でございますので、後で述べますTAMAコーディネーターの方々の力を結集いたしまして、グループとして対処したいと考えております。

 以上でございます。

田野瀬座長 ありがとうございました。

 次に、上野保君にお願いいたします。

上野保君 東成エレクトロビームの社長をしております上野でございます。

 私どもの会社の概要を最初に御説明申し上げたいと思っております。

 工場は、本社工場が瑞穂町でございますし、羽村市に工場を持っております。昭和五十二年に設立いたしまして、現在満二十七年目を迎えているところでございます。資本金は株式会社の一千万円でございまして、従業員は現在七十五名でございます。売上高でございますが、この三月期で十億六千万円を達成いたしました。前年比で一二%のアップでございます。お客様でございますが、現在二千五百社を持っておりまして、平成十五年度で新規に百五十社の新しいお客様を開拓いたしました。事業の内容でございますが、電子ビームの溶接加工、それからレーザーの加工ということを業にしてございます。

 私どもの会社のビジネスモデルでございます。中小企業は非常に多様なビジネスがございます。物づくり、それから流通、サービスがございますけれども、私どもの会社のビジネスモデルは、メーカーから一号機の装置を導入いたしまして、お客様とRアンドD、試作の支援、それから量産もお受けする。その場合に非常に高額な設備を購入しますので、信用力というのは大変重要でございます。それから、産学官連携をしながら最先端の技術を確立していくということをやってございます。

 中小企業向け金融に関する御提案でございます。

 民間の金融機関の体力の向上というのが私は非常に重要だと思ってございます。私ども中小企業は大変多くの経営資源の不足を感じておりますけれども、特に金融関係につきましては大変多くのニーズがございますので、そういうところで地域の金融機関がぜひ活躍していただくように体力の向上をお願いしたい、そのためには経営力とか技術力の目ききをぜひやっていただきたいなというふうに思っております。それから、政策金融の非常に重要な役割も担っておると思います。それから、やがては伸びていく中小企業のために、ファンドの拡充というようなことも大切だと思ってございます。

 これからは基盤技術を担う中小企業、それから製品開発型中小企業が広域に連携して、強い者同士が、全国にたくさんいらっしゃいますそういう人たちが、さらにまた引き上げ効果として、中小企業を引き上げていくというような効果をやっていきたいと思ってございます。

 ぜひ金融機関の方々に体力をつけていただいて、貸しはがしとか貸し渋りが起きないような形でぜひお願いしたいなというふうに思っております。

 以上でございます。

田野瀬座長 ありがとうございました。

 次に、岡崎英人君にお願いいたします。

岡崎英人君 社団法人首都圏産業活性化協会、通称TAMA協会の岡崎と申します。どうぞよろしくお願いします。

 資料をごらんいただきたいと思います。

 TAMA協会は、国道十六号線の沿線で、資料の地図に示しますとおり、黄色く色塗りしました一都二県にまたがる地区におきまして、産学官連携の推進組織として活動しております。

 この地区の特徴としましては、エリア内の製造品出荷額は二十二兆円ありまして、これはシリコンバレーの二倍に及びます。それと、企業でございますけれども、高い市場占有率を誇る製品開発型企業に加えまして、優秀な技術を持つ中小企業が多数立地してございます。大学でございますけれども、理工系大学だけでも三十八大学が立地しておりまして、ポテンシャルの極めて高い地域でございます。

 TAMAのネットワークでございますけれども、TAMA―TLOとTAMA協会が車の両輪となりまして産学官の連携を進めてございます。最近では多摩信さんや青梅信金さんなどの地域金融機関さんとタイアップさせていただきまして、優良企業の紹介を受けて研究開発や経営革新などの支援を行っております。この支援のコアとなりますのが、中小企業診断士あるいは技術士などの百四十名に及ぶTAMAコーディネーターでございます。

 それから、TAMA協会の実施事業でございますけれども、情報ネットワークから販路開拓までいろいろなことを実施してございます。とりわけ、TAMA協会のホームページには月に十万件以上のアクセス数がございまして、中には仕事の受発注も成立してございます。また、最近では、金融機関との連携に加えまして、販路開拓に力を入れております。販路のプロを介しまして、売れる物づくりを目指してございます。

 最後に、地域金融機関との連携でございますが、主なものを二つ挙げたいと思います。

 一つ目は、TAMAファンドの創設でございます。これも地元の西武信金さんとタイアップいたしまして昨年の四月に立ち上げました。ファンド総額は現在二十億円となってございまして、既に十二案件、三億円強の投資が実行されております。

 二つ目は、国の補助金のつなぎ融資制度の創設でございます。国の補助金が採択された場合、これは後払いでございますので、事前に資金を用意する必要があります。現在、多摩信金さんなどと連携をしながら、七案件、二億円弱の融資が実行されております。

 以上、大変雑駁でございますけれども、TAMA協会の取り組みと金融機関との連携につきまして御説明させていただきました。大変ありがとうございました。

田野瀬座長 ありがとうございました。

 次に、河合和郎君にお願いいたします。

河合和郎君 おはようございます。地元八王子商工会議所専務理事の河合でございます。よろしくお願いをいたします。

 本日は、地域の経済、金融の実態調査ということで八王子市までお越しいただき、ありがとうございました。それでは、早速本題に入ります。

 本日の意見陳述のお話をいただき、より新鮮かつ正確な情報を申し上げるため、商工会議所の幹部役員に対し緊急のアンケート調査を実施いたしました。お手元に概要の資料として配付をさせていただきました。本日は、この調査をベースに発言をいたしたいと思います。

 まず、景気の認識であります。

 景気動向の実感として、七割の企業が横ばい、二割を超える企業が景気は回復しつつあると認識しております。また、自社の業績につきましては、五割強が横ばい状態、三割弱が上向いているとしております。さらに、景気の見通しにつきましては、「このまま回復軌道にのる。」とするのが三割、「横ばいで推移する。」というのが七割であります。

 なお、大手や中堅中小企業に現状維持や回復感が多くある中で、企業数の大多数を占めます零細企業、八王子の場合には約七割がこの零細企業に当たりますけれども、この零細企業の方々が、むしろ悪化しているという声も聞かれるところが少し気になるところでございます。

 次に、金融機関と企業との関係の中で、金融機関の融資姿勢であります。

 「今までと変わらない。」とする企業が五割、融資姿勢が「以前より厳しくなった。」とするものが四割で、相半ばする見解が示されております。しかし、企業の金融機関に対します総体的な見方といたしましては、大変に厳しい、あるいは不信感を持っているというのが実態でございます。各企業者の具体的な意見等につきましては、後ほど発言の機会がありましたら御紹介をしたいと思います。

 いずれにいたしましても、長期間にわたったデフレ不況の中で、体力的に弱っている零細企業にとりましては、まだまだ厳しい経営環境が続くものと思われます。より一層の政策的な支援が欲しいというのが企業関係者の声であります。

 以上で御報告を終わります。

田野瀬座長 ありがとうございました。

 以上で意見陳述者からの御意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

田野瀬座長 これより意見陳述者に対する質疑に入ります。

 委員各位に一言申し上げます。

 議事整理のため、御発言は、一回につきおおむね三分以内でお願いいたします。また、御発言は、挙手の上、委員長の許可を得た後にお願いいたします。御発言は着席のままで結構です。

 それでは、挙手をお願いいたします。

萩山委員 自由民主党の萩山教嚴でございます。

 きょうは、八王子商工会議所専務理事の河合様、青梅信用金庫の大杉様、多摩中央信用金庫の佐藤様にお尋ねいたしたいと思います。

 まず八王子商工会議所の専務理事にお伺いいたしますが、多摩地域において最先端技術を駆使した先進的な企業が非常に元気がよいと聞いております。中小企業ではやはり伝統的な事業が中心だと思うわけですけれども、八王子商工会議所は一八九四年に設立以来百十年たっている、たいへん古いわけであります、地域経済社会の発展に貢献してこられたと存じております。そうした目から見て、地元の伝統的な中小企業の状況、あわせて、そうした企業に対して地域金融機関にどのような役割が求められておるのか、御所見をお伺いしたいと思います。

 次に、青梅信用金庫理事長大杉様、多摩中央信用金庫理事長佐藤浩二様にお伺いいたします。

 信用金庫は、都銀とは規模は全く違うわけであります。事業展開も地域に根差したものでなければなりません。多摩地区は、大手行、地域銀行、信金、信組と数多く、いわば激戦区だと思うわけでありますけれども、そうした中、信用金庫も地域の金融においてほかとは異なる戦略がなければ生き残れない。そのかぎは、地域の事業者へのきめ細かなサービスであり、地域の共存共栄だと私は思います。こうした信用金庫が地域の経済発展に果たす役割についてどのように考えておられるのか、お伺いいたしたいと思います。

 以上であります。

河合和郎君 お尋ねをいただきましたが、八王子は、御指摘のとおり、百十年の会議所の歴史がございます。この間、経済団体として地域の経済発展に貢献をしてきたという自負はございますけれども、歴史的に見まして、八王子の場合には繊維が中心の町で発展をしてまいりました。残念ながら、昭和三十五年代を境に生活様式の変化で着物というものの需要が全くなくなりましたので、現在では繊維産業は八王子の主力産業としては少し影が薄い存在でございますけれども、ただ、伝統技術としてはしっかりとした技術を残しながら、製品化を、ネクタイあるいは日用のマフラー等についてはまだまだしっかりした技術を持っております。

 それから、そうした企業にかわりまして、繊維工場の跡地に、今の先端産業の卵である企業がたくさん進出をしてまいりました。現在、八王子の中堅で動いております企業というのは、そういった繊維の後に入ってきた企業が多いということを聞いておりますし、昭和三十年代に八王子は多くの工場誘致を行いました。現在、八王子を支えてくださる企業は、すべてそのころに入ってきた企業だというふうに認識をしております。

 それから、金融に対しますお願いといたしましては、中小企業と申しましても非常に規模のスケールの違いがございますので、特に、先ほど申し上げましたように、零細企業に対します支援というものをぜひ手厚くしていただきたい、そして、零細企業が中堅中小企業に成長できるような支援策を講じていただければ地元としては非常にありがたい、そんなふうに考えております。

大杉俊夫君 お答えいたします。

 御指摘のとおり、地域社会との共存共栄を図っていくしか信用金庫の生きる道はない、私もそういうふうに深く認識しております。信用金庫の原点に立ち返りまして、お客様との信頼関係を確立し、地域社会の一員として、地域の中小企業や住民、商工会議所、また各種外部団体、さらには行政のパートナーとなりまして、ともに協力し合い、行動していくことが極めて重要であろうかと思います。そういう中で、豊かで活力ある地域社会づくりにもっと取り組まなければならないと自覚しております。

 当金庫の場合は、地域に対する円滑な資金供給はもとより、お客様が何でもお気軽に相談でき、お客様のことを親身になって考え、お客様の御要望に対して素早く情報提供できるよう努力いたしております。

 以上です。

佐藤浩二君 お答えいたします。

 私も、今大杉理事長が話されたように、地域と共存共栄する以外に将来の道はないというふうに考えております。

 先生がおっしゃったような気持ちを全く同じように持っているわけですけれども、実際、最近になりまして、都市銀行、メガバンクと言われるようなところとの違いというのが、やり方についてはっきり出てきているように思っております。

 例えば融資につきましても、中小企業の問題を解決していくための一つの手段としての融資というふうな形で考えておりまして、必ずしも収益を上げるためということだけではなくて、そうしたことが地域のためになっていくということを考えてやっていきたいというふうに思っております。

 以上でございます。

山本(明)委員 自由民主党の山本明彦です。

 最初に、佐藤理事長さんと河合専務理事に一つお伺いしたいと思います。

 中小企業検査マニュアルが今度変わりましたよね。その中でデット・デット・スワップ、DDSという新しい制度が採用されようとしておるわけですけれども、私、地元に行きまして、地元の信用金庫にも会議所にも行きまして、これは画期的というんですか、金融機関側にとっても不良債権は減るわけですし、金利は多少、上げる理屈がつくと言うとおかしいですが、上げられるわけですし、借り手側から見ると、転がして借りておったのが、いつ返せと言われるかわからぬのが原則的に返さなくてよくなるということで、非常にこれはいい制度だからどんどんと活用をしてくださいという話を地元の信金にも会議所の方にも宣伝をしておるわけですけれども、この点を、信用金庫側として佐藤さんはどのように商品化されようとしておるか、PRをしてみえるのかどうか。これは特に会議所の方からお聞きしたいんですけれども、どんな形でPRしてみえるか、問題点があれば、ちょっと問題点をお伺いしたいというふうに思います。

 二つ目を大杉さんにお伺いしたいんですけれども、先ほどから地域の金融機関として地域のお役に立つ、共存共栄という話でありましたけれども、私も、今言いましたように、これからの地方の中小企業というのは地元の金融機関とつき合っていくべきだと考えておりますけれども、実際、今までの実態として、メガバンク、都銀からはみ出して、融資を断られて大杉さんのところに駆け込んできた、何とか頼むと言ってこられたような事例をお聞かせいただきたい。どれぐらいそういった数があるのかということですね。それから、逆に、大手の銀行から融資先を大杉さんの方に持ってこようというような営業もしてみえると思いますけれども、そんな点の実態、それと、言えるか言えないかわかりませんけれども、都銀に対して、都銀のやり方はけしからぬというようなことがありましたら、ちょっと御開陳いただければというふうに思います。

佐藤浩二君 今おっしゃいましたデット・デット・スワップにつきましては、私ども、まだそうしたところまで現実に取り扱いということにはなっておりません。

 ただ、考え方としましては非常に有効なんではないかというふうに思っているわけですけれども、現実にそれを対象として使っていくことよりも、今の段階ではむしろ間接金融を通じて企業とともによくなっていこうという、そうしたことに力を入れておりまして、それに近いような融資をするということはあるんですけれども、現実的な問題としては、まだそこまでいっていないというふうな感じでございます。

河合和郎君 さまざまな制度をおつくりいただいて、中小企業、特に零細企業への支援ということが最近非常に目が向けられてきたということにつきましては、経済団体の担当としては、非常に喜ばしいことだと考えております。

 この検査マニュアルにつきましても、貸し渋りあるいは貸しはがしの防止のため、あるいは零細企業への支援のためということで、非常にありがたい制度が幾つもございます、考え方がございますけれども、実感といたしましては、ようやくここまで来たかという、中小零細企業に対する支援策がようやく回ってきたかというのが実感でございます。

 もう一つ、この制度として、いろいろな支援措置がありますけれども、これは経済団体としての責任もありますけれども、実際の企業者がなかなかこれを知らないという、PRが行き届かないというのが現実としては大きな問題点だと思います。せっかくいい制度があるのに知らないから使えないという方が結構いらっしゃいます。

 そういうときに、これは我々の責任でありますので、会報等を使って一生懸命PRするんですが、残念ながら会議所の会員イコール全企業ではございませんので、そういう意味では、もっともっとPRの方法というものを改善していかないと、制度をつくって使われないということになりますと、全く制度が生きませんので、そういう意味では、これからも地元の会議所としても努力をしてまいりたいし、制度の趣旨を生かすような形で取り組んでまいりたいと考えています。

大杉俊夫君 お答えいたします。

 御質問ございました、都銀から断られてお見えになったお客様ということでございますけれども、もとをただせば、私たちの力不足、本来なら私どもとお取引をいただけるはずのお客さんだったというふうに認識しております。そういう経過がございますけれども、お見えになっていただきました場合は、できる限りのことはさせていただいております。これは地域金融機関の当然の使命というふうに感じております。

 それから、営業が都銀さんの先を融資推進を仕掛けている例でございますけれども、やはりお客様の中には返済期間を長くしていただきたい、いわゆるキャッシュフローを出したいというお客さんもおられますので、現在そういうようなお客さんのニーズに合うようなセールスはさせていただいております。

 それから最後に、都銀さんのやり方でございますけれども、これは、私たちは、地域が限定されて、地域のための金融機関という認識でおりますので、若干都銀さんとは商売が違うというふうに認識しております。私たちは私たちの商売をさせていただきたいと思っております。

 以上でございます。

島委員 民主党の島聡でございます。きょうはどうもありがとうございます。

 まず大杉理事長と佐藤理事長にお尋ねします。二問尋ねます。

 一問目は、いわゆる地域経済に貢献されているということをお話になりましたが、リスクと地域経済への貢献ということについての質問であります。

 今、金融機能強化法あるいは私どもの金融再生法というのを議論しておりますけれども、今回はメガバンクではなくて信用金庫さん、信用組合さん、あるいは地銀さん、そういうものを対象にする法案であるという形になっております。いわゆるメガバンクと信金さんあるいは信組さん等々の比較の一番大きいところは、リスク対応力ですよね。

 リスクと地域経済への貢献という話でいきますと、例えば、どうしても政策の一つの基準が自己資本比率というものになってきます。今、佐藤さんのところは預金量が一兆四千億でしたか、それぐらいあれば相当な額でしょうが、平均すると三千億ぐらいの信金さんたちが多いとしますと、自己資本比率を例えば一〇パーだとしましても、例えば百億程度の不良債権でも出たら一挙に過少資本に陥るということも当然あるわけなんですね。そうすると、自己資本比率というのはかなり重視しなくちゃいけない。しかし、地域に貢献していく場合にそんなことばかり言ってもおれないというような思いがあると思います。

 ただ、私どもの基準として、この自己資本比率というのを基準にしているという状況でありますが、リスクと地域経済への貢献というもの、あるいは、もしそのリスク対応力を高めるためにはどういうふうなことをお考えになっておられるか。

 佐藤さんの御意見は承りました。本などで読ませていただきました。要するに、自己資本比率にそうこだわるべきじゃない、頑張っているところが出せばいいという話で、私も非常に好感を持ちますが、それと同時に、金融機関としての信用、いわゆるリスク管理というものがあるわけですので、それをどのようにお考えかということをお尋ねしたいというのが一点目であります。

 それからもう一つ、来年、二〇〇五年四月にペイオフ解禁という今の流れで行っておりますと、今度マーケットリスクというのを考えなくちゃいけない。

 フィッチ・レーティングス社の格付というのがございました。これはある意味でフィッチ・レーティングス社が独自にやられたわけですから、それをそんなに私も重視するつもりはありません。ただ、私、実はきのう、この地方公聴会に来るに当たりまして、自分の地元の信金さんも行ってきました。うちの地元の信金さんは全部スリースターだったんです、全部じゃないけれども、碧海信金さん、西尾信金さんがスリースターで、岡崎信金さんがツースターで。そういうことなので、フィッチ・レーティングス社もマーケットリスクという意味では余り問題がなかったんですが、三百十四信金中百五十二信金がいわゆる不適格のNで、大杉理事長のところも佐藤理事長のところもそうなっているという状況であります。

 これ一つを重視するつもりはありませんけれども、一つの基準としてマーケットリスクというのを今まで信金さん、信組さんというのは余り伺えなかったわけですが、こういうのが出てきて、それでまたペイオフというものが視野に入っている。そういうものに対して、マーケットリスクというものにどのように対処することをお考えか、その二点をお尋ねしたいと思います。

佐藤浩二君 私の考えをお答えいたします。

 まず第一番目の問題ですけれども、リスク対応ということと地域貢献ということが矛盾するのではないか、その辺の折り合いをどうつけるか、考えるかということかと思うんですけれども、私自身の考えは、むしろ地域貢献という、そうしたことをやることがリスク対応につながるというふうに思ってやってきております。現実には、貢献度というのが実際に収益に結びつくという考えを持っておりまして、やはり収益力がないというのは貢献度が足りない、そういう考えで経営をしていくべきだというふうに思っておりますし、現実にそうしたことをやっておりまして、内容的には、こう言うのもあれですけれども、よくなってきているというふうに考えております。

 ですから、それは相反することではなくて、徹底した貢献ということが何に対しても収益を生み出すということで、企業の価値をどう高めるかと一緒だというふうに考えてやっております。

 それから、二番目のペイオフ対応ということ、マーケットリスクの問題ですけれども、確かに、私ども、フィッチ・レーティングスのNという、そうしたことで星をいただいていないんですけれども、これは、今現実に私どもの内容が、まだ自己資本比率が八%という基準で多分見ているんだろうと思いますけれども、そうしたところがないということと、財務内容を勘案してそうしたことになっているということで、私どもとしては、それを課題としてよくしていかなければいけない。

 これもリレーションシップバンキングの一つの片面でございまして、やはり経営力を強化するという面から十分にその辺を考慮してやっていくべきだというふうに考えておりますけれども、ただ、私の考えは、だからといって自己資本比率にこだわってやるべきことをやらないというんでは元も子もないということでございまして、そうしたことをやることによって確実に価値が高まって上がっていくというふうに思っておりまして、これも、ここで決算が終わりましたけれども、私どものやってきたことをある程度の結果として見てみますと、税引き前利益でも五十億というふうな形で計上できるということになっておりまして、自己資本比率も七・四四から七・七八というふうに高まってきている。こうしたことから、来期には、別にそれが目標でやっているわけではありませんけれども、八%を超えるというふうに思っております。

 ですから、今のリレーションシップバンキングといったものをしっかりとやっていくということで強さと価値の二つを十分に高めていけるというふうに考えてやっているところでございます。

 以上です。

大杉俊夫君 お答えいたします。

 第一点のリスク対応力と地域貢献のお話でございますけれども、佐藤理事長がお話ししたとおりでございますけれども、信用リスクを軽減するために目ききとかいろいろ研修はさせていただいております。それが即役に立つかどうかは、まだやっている最中でございます。

 ただ、私が感じておりますのは、今まで私たちが蓄えてきた資本というのは、過去にお客様からお預かりした資本だというふうに感じております。ですから、地域のお客様がこういう厳しい環境の中で困っておられるならば、今のところ四パーという基準は超えておりますので、できる限り対応をしていきたい。また、そういう意味で、お客さんにできるだけ御相談させていただいて、ランクアップというんですか、改善していただいて、引当金を少なくするという形でまたリスク量を少なくできるのかなと考えております。

 それから、二点目のマーケットリスクのお話でございます。確かにフィッチの方の表示は、私たちNでございます。不適切というのかノーというのかわかりませんけれども、私は、私の金庫はそれほど悪いとは思っておりません。

 ちょっと御紹介させていただきます。私の金庫の中で、お客様マーケットリスクで一番問題があろうかと思っておりますのは、金融庁のホームページに記載されております不良債権の額と率が高いことでございます。十五年三月末で不良債権合計が五百十二億円、不良債権比率が一四・一%、これがお客様から見て高いという評価を受けるんじゃないかと思いましたので、昨年度、最終処理に努力いたしまして、十六年三月末では不良債権合計が三百九十一億円、不良債権比率を一〇・四までに改善いたしました。

 また、中核的自己資本に占める繰り延べ税金資産の割合も、十六年三月末はディスクロ基準で八・五三%でございます。自己資本比率は、昨年、融資が百二十九億円伸ばさせていただきましたので、〇・三一%減少し、八・五〇%でございます。なお、こういう言い方はどうかとは思いますけれども、十六年三月末で、貸出金の三カ月以上の延滞は百十四億円で、三・一%でございます。

 信用金庫の不良債権はどう考えるべきか、お客さんに御説明する場合は、大口先を除いて、返済したくてもなかなか返済できない三カ月以上の延滞債権が不良債権じゃないんでしょうかねというお話をしております。ですから、私の金庫が、フィッチがNをつけようが、私は立派な金庫だとお客さんに胸を張ってお答えさせていただいております。

 以上でございます。

上田委員 公明党の上田勇でございます。

 きょうは、皆様方には、早朝からお越しをいただき、また、大変貴重な御意見をいただきまして、大変にありがとうございました。

 私の方から二点ばかりお伺いをしたいというふうに思うんですが、一つは上野社長にお伺いをしたいというふうに思います。

 きょう、大変まとまった御提案を、中小企業向け金融に関する御提案ということでまとめて御提示をいただいたんですが、さっきからもちょっとお話が出ているんですが、中小企業の技術力、経営力の目きき人材の育成が必要だということがこの一番上の方に書いてあるわけでございます。

 確かに、従来の実績とか担保に着目をした形での融資から、これから将来性に着目をした融資に転換していかなければいけないということはよく言われておりまして、そういう意味で、こういう技術力、経営力の目ききが必要だというふうには言われているんですが、確かにそのとおりではあるんですけれども、実際には、これはどうするのかというと、なかなか難しい面も多いんじゃないかというふうに思います。従来の手法から大きく変えるわけでありますので、それを経験を積み、またいろいろと学習を重ねていくというのは大変なことなんだというふうに思うんですが、そのあたり、もう少し何かお考えがあれば補足をしていただければというふうにお願いをいたします。

 もう一点、これは井深社長か岡崎さんかどちらが適当なのかよくわかりませんが、先ほど御協力をいただいてこの地域での新しい事業分野に展開する企業の経営の支援をいただいている、研究開発型の支援をいただいているということを伺いまして、今の経済、若干上向きの状況もありますが、これが本格的に再生をしていくためには、やはり新しい分野での企業が立ち上がって活性化していくことが何より不可欠だろうというふうに思います。

 そういう意味で、御努力は本当にありがたいことだというふうに思っているんですが、ただ、こうした企業というのは、よく言われるのが、実績あるいは担保力がないので資金調達がなかなか難しいということも言われております。政府でも制度融資だとかいろいろな施策を講じておりますし、また、今金融機関の方々も、そういう意味ではベンチャー企業などの成長分野への融資、そうしたことも拡大をしているというふうには考えておりますが、この資金調達の困難さがいろいろな新しい企業が立ち上がっていく上で依然として非常に大きな制約になっているのか、もっといろいろな意味での資金の調達が可能になれば、そうした分野というのは、いろいろと新しい分野というのはもっともっと発展する余地があるのかどうか、その辺のお考えと、また、そうした場合にどういうような手法でそういう新しい資金のルートがというようなアイデアがあれば教えていただければというふうに思います。

 以上でございます。

上野保君 それでは、中小企業の目きき人材ということでお答えしたいと思います。

 中小企業の物づくり系、それから流通業、サービス業といろいろあるわけですけれども、今、最近非常に重要なのは、創業を、第二創業をする、あるいは新しく創業をする、そういう人たちをどう支援するかということが非常に大事なんだと思っているんですね。そのときに、一番最初にどこへ相談に行くのかというのが非常に重要だと私は思っているんです。

 これは、今地元の信用金庫さんにも、コーディネート機能という新しい役割を組織としておつくりになっている信用金庫さんもございます。こういうところが各支店の窓口にそれぞれ責任者を置いて、そういう人たちが大きな相談の窓口になるということを試みとしてやってございます。

 ただ、それだけで十分かというと、私は必ずしもそうではないと思っているんです。中小企業の経営者が、既に長い間、成功事例もありますし、多くの失敗をしながら新しい事業について目ききを既に持っているわけでございますので、そういう中小企業の中に、相談に乗りあるいは経営のアドバイスができるような経営者と連携していくということが、新しい視点として私は重要だと思っています。

 それから、国家資格となりました中小企業診断士の先生方ですね、この先生方も、多摩の中に診断士協会の多摩支会というのがございますけれども、こちらの方でも大変多くのネットワークをつくりながら、新しい創業あるいは第二創業について力を入れてございますので、こういうところに力を入れていくことが重要だと思っています。

 それから、私は、地元の信用機関に対する感想でございますけれども、多摩にいらっしゃる金融機関の中で、信用金庫さんというのは中小企業のメーンバンクになっている例が非常に多いんですね。普通、ある地方へ行きますと、メガバンクとかあるいは地方銀行の方々が多いわけですけれども、多摩の場合にはメーンバンクで信金さんだというところが非常に多いんですね。これは、前に、政策投資銀行の方々が多摩をリサーチされたときにそういう感想を持っておられました。それは、地元に密着して非常にやっておられると。

 ただ、そうはいいましても、一番最初に銀行の方へ創業したいとか第二創業のことが持ち込まれるかというと、必ずしもそうじゃないというふうに思っているわけですね。先ほど申し上げましたような、さまざまなチャンネルで新しい創業や第二創業を支援するようなことを非常にきめ細かくやっていく必要があるというふうに私は感じております。

 以上でございます。

井深丹君 ただいまの研究開発型企業の新しいビジネスについてお答えいたします。

 不足分は岡崎の方からも補足いたしますが、八王子を中心にした多摩地域は、いわゆる研究開発型企業がたくさんございます。こういう企業というのは、単なる加工だけじゃなくて、自分たちでユニットをつくってそれを販売するところまで力がついておりまして、ただ、販売する相手が、一般消費者じゃなくて産業用のものが多いのが特徴でございます。

 それで、今多摩でやりたいと思っている新しい技術分野としては、情報とバイオ、ナノテク、環境といった、国が重点的に進めている技術分野についての新製品をつくりたいという希望が出てまいります。こういう新しい分野の新製品開発について、まず企業からTAMA協会、TLOに提案していただきます。これは自分たちができるかどうかは別にして、自分たちのビジネス範囲でこういう新製品をぜひお客さんに提供したい、しかし、非常にハイテクであってなかなか自分ではつくれないというものを御提案いただきまして、これをTAMA―TLO、TAMA協会で検討いたしまして、大学と組み合わせをいたします。大学は、多摩地域には非常にたくさんございます。工学部を持つ大学だけでも四十ございますので、その研究者のデータベースから組み合わせをつくっていくわけでございます。そうして、TAMA―TLOで研究開発、ある期間を決めた新製品開発の基本計画をつくりまして、それを国に申請いたしまして公的資金の補助をいただくというような手順になっておりまして、今盛んにこれが進められておるところでございます。

 そうして、研究開発が終わりますと、ほぼ成果が出ます。我々はエンジニアリングモデルと呼んでおりますが、値段は高いけれども技術的な性能はしっかり出る、これをコストダウンすればすぐ製品になるところまで研究していただきまして、その後を実用化研究を各企業で引き受けるようにしておりますけれども、そのときにまた資金が必要になります。それは実用化研究の補助金をもらうとか、さらに今度は、TAMAファンドといいまして、投融資の枠を持っておりますので、それから資金を注入することになります。

 ただ、現在一番問題になっているのは、大学の力をかりますとすばらしいものができるけれども、自分で大きな設備を持って量産はできない。その間、これは産学官連携研究では死の谷と呼んでいますね、そこに大きな山、谷がありまして、なかなか乗り越えられない。その死の谷を越えるのをどうするかというと、単なる信用金庫からの投資だけでは間に合わない、やはり技術的にしっかりした製造技術を身につけさせることが必要になりまして、これについていろいろ対策を練っているところでございまして、何とかその谷を越える新しい制度をつくりたいなと考えているところでございます。

 以上でございます。

岡崎英人君 産学官の連携で出てきた成果でございますけれども、今、井深社長がおっしゃったように、事業化に至らせるためには、小さくしたり、あるいは低コスト化したり、その部分がありまして、非常にお金がかかります。その部分のお金なんですけれども、その会社自体が非常に財務状況がよくてかつ担保もあって、場合によっては保証人もつけられるというところはスムーズに借りられるんですけれども、必ずしもそうでない。

 TAMA協会が金融機関と連携して実施しておりますのは、一応二種類に分けて、まずアーリータイムズ、創業間もないベンチャーの方々についてはぜひTAMAファンドを使っていただく。ファンドによって安定した資金を、融資ではなくて投資という形で受けて、自分の事業を実用化に至らせていただく。

 もう一つは、第二創業。第二創業の場合には、今これから取り組む新しいビジネスについて、本当にそれが物になるかどうかということを第三者機関に事業評価をしていただく必要があるんですけれども、それを私どもが、例えばきょうおいでになっています地元の信用金庫さんから、信用金庫さんが抱えた案件を私どもに事業評価をしていただくということをしていただく。それによりまして、私どもの専門家、あるいは百四十名の技術士であるとか中小企業診断士であるとか、専門家がございますので、そういう方々が自分の得意とする分野を評価しまして、それをトータルにまとめて、全体の事業としてはどうかということを評価して、その評価結果を金融機関にお返ししてあげて、金融機関はその企業に対する融資を行う上での材料にしていただくというぐあいに、二色に分けて、スタートアップ間もないベンチャーに対する支援と、それから第二創業、そこそこやってきて新しいビジネスにチャレンジしたいという第二創業、これらについて金融機関さんとタイアップして御支援をしているという状況です。

津村委員 民主党の津村啓介と申します。

 御質問の前に、ちょっと私驚いたことがありましたのでまず申し上げたいんですが、冒頭、大杉さんと河合さんがそれぞれ資料をこうやって紹介していただいた中で、貸し出す金融機関の側と借り入れる側では大分認識が違うんだなということを感じました。

 最近の金融機関借り入れについて、困難と答えている企業が工業で六%ポイント改善、商業で五%ポイント改善と大杉さんから御紹介があった一方で、八王子商工会議所は緊急にわざわざアンケートをしていただいたようですけれども、こちらでは「以前より厳しくなった。」という方が四一%、「緩やかになった。」というのは九%しかないわけですよね。差し引きすると三二%ポイント悪化しておりますので、やはり立場が違うとこれだけ認識が違うのかという感じがいたします。そこのところの認識を間違えると、今回の法案の扱いというのは大分変わってくるのかなという気がします。

 こういう認識のずれがある中では、当然、この商工会の方で「自由意見」の中に大分厳しい意見がたくさんあるんですけれども、国は実態を適切に把握してほしいとか、金融機関が企業の実績を的確に判断できていないとか、かなり手厳しい意見がありまして、その一番上には「国による金融機関の支援は、中小企業への融資の円滑化につながるものにして欲しい。」というふうに出てくるわけですよね。

 これはまさに、ちょっと話が広がるんですけれども、上野さんの冒頭の「民間金融機関の体力の向上」というところとつながると思うんですが、確かに、今回政府案も民間金融機関の体力向上という意味ではお金を入れればそうなるのはもちろんなんですけれども、今回の我々の議論のポイントは、それが実態として貸し渋り、貸しはがしの解消に本当につながるのか、お金を入れるのは仮にいいとして、それが本当につながるのかという部分なんですが、過去に都銀、大手行ではそれがつながらなかったという事実があるわけで、今回それがつながるとすれば、つまり、政策効果が上がるとすれば、これは河合さんと上野さんに主に伺いたいんですが、どういう工夫が制度的になされていれば、都銀のときにだめだったものが今回はうまくいくとお考えですか。どういう工夫が必要と思われますか。

河合和郎君 大変難しい御質問なんですが、先ほどこのアンケート調査で引用されました、中小企業への融資につながるような対策をしてほしいという意見なんですが、実は、企業が直接お答えになった答えというのはもっと厳しい内容でございまして、きょうはそういう席だと思いますのでお伝えしますけれども、お金を入れても効果がないからやめた方がいいというのが本音の意見でございました。ですから、企業にとって、金融機関の体力があるなしにかかわらず融資姿勢というのは変わらないんじゃないかという、これは非常に残念なことなんですが、強い不信感があるということがベースにございます。

 ですから、それを払拭して、もしこの制度が効果を上げるとしたら、私はそれは金融機関の体質改善をしないといけないのかなという感じがいたします。特に融資担当者が企業の経営者の質なり将来性なり、そういったものをしっかり見きわめて判断をできるということと、その意見がきちんと本店なり経営判断する側に伝わるということが大事だと思います。ですから、せっかく担当者がよく理解してくれているのに結果はだめだというケースが非常に多いということを聞いておりますけれども、その辺のきちっとした現場の声が組織の中で伝わっていくのかどうか、そこが非常にこれからの改善点だと思います。

上野保君 中小企業の場合、非常に多様な中小企業がございます。今現在、情報家電とか、あるいは自動車にかかわるところとか、半導体とか液晶とか、こういうところにかかわるような企業というのは設備投資なんかができてございますので、それが大変景況感としてはいいというふうに来ていると思います。しかし、中小企業の場合には多くの小規模経営者の方々もいらっしゃいます。こういう方々の地域が多いところというのは、やはり地域についていろいろ問題があるんだろうと私は思うんですね。しかし、今現在、こういうふうに設備投資みたいなものがどんどん出てきているわけですね。中小企業の場合にも設備投資意欲というのは大変出てきてございます。

 そのときに、私ども中小企業が一時的に多くの設備投資をする、高額な設備投資をいたしますと、どうしても一時的に財務状況としては赤字に転落するというようなことも起こり得るわけですね。それから、製品を持っているような中小企業もございます、先進的な企業の場合には。そういうところというのは自前で研究投資をするわけですね。そうすると、一時的に赤字になる。その場合に、金融機関の方々は大変厳しい見方をせざるを得ないということなわけですね。

 したがって、私が御提案したいのは、国が金融機関に対して支援策を講じるというのは私は大変有効だと思っているわけです。ただ、そのときに、金融機関さんの自己都合で、自社の都合で、我々中小企業に対する金融支援が滞ってはいけないというふうなところが私は肝だと思っているわけです。

 それはどうするかといいますと、お金は出す、しかし、口は出さないというわけにはいかないわけですし、健全な金融機関としての経営をやってほしいというのを、厳しくするか緩やかにするかは別としまして、当然それは必要なことだろう。要するに、国民の税を活用するわけですから、やがては返済していただくわけですので、それはちゃんとした若干の縛りはあってしかるべきだと思います。

 ただ、私は、中小企業を支援するための金融機関に対する支援が本当に滞りなくいくということの目的というのが非常に重要だと思っているわけです。それで、我々中小企業もそういうことを受けて積極的に設備投資もできる、それから研究投資もできる、これを金融機関の方々はぜひゴーイングコンサーンというふうに考えていただいて、企業体というのは継続でございますから、一時的に厳しい状況というのは起こり得るわけですね、それをぜひ評価がちゃんとできるようにお願いしたいなということが率直な意見でございます。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 河合さんと大杉さん、佐藤さんに質問させていただきます。

 まず、河合さんにお尋ねしますけれども、このアンケート調査というのは大変参考になりまして、ありがとうございます。

 ここで一つ特徴が出ているのは、「景気の見通し」のところで横ばいが七割ですけれども、「大企業は回復しているが中小企業は悪化している。」と、非常に深刻な表現なんですけれども、先ほどの御説明でも零細企業はむしろ悪化しているというふうにおっしゃいました。それから、二ページのところで「中小企業は立ち遅れている。」ということで、内需の拡大ということを政策としてぜひということが書かれているわけです。ここに今の景気回復の一つの特徴が出ているんじゃないかと思います。それで「懸念材料」として個人消費の動向、個人消費が低迷しているということ、それから税、社会保障負担の負担増というのが大変大きな比率になっていると。

 こういう実態の中で、金融機関の融資の姿勢ですけれども、「以前より厳しくなった。」というのが四一%、「緩やかになった。」が九%ですから、景気も中小企業にとっては大変厳しい状況の中で、融資の方も厳しい状況というものが改善されていない。こうなりますと、これはなかなか大変じゃないかというのが、このアンケートの結果から見ますと感じるわけです。

 そこで、地域密着型金融機関に対してどのようなことを今望んでおられるか。それから、このアンケートの中にあります「都市銀行の無気力さが気になる。」というふうに書かれているんですが、これは確かに気になるんですが、どういうことなのか。大手の金融機関と中小金融機関の落差をどのように感じておられるのか。この点について河合さんにお聞きしたいと思います。

 それから、大杉さん、佐藤さんにお伺いしたいのは、金融機関として地域に貢献をしていく、その場合、中小企業のおやじさんの顔を見て、あるいはその企業の将来性というものを見て、一時的に赤字でも将来性があるということで融資の面で非常に努力をしておられるというふうに思います。ただ、その場合、中小企業の融資の査定を、別冊中小企業融資編というのが出されましたけれども、お聞きしますと、これがなかなかしんしゃくされていないんじゃないかというふうに聞いております。つまり、金融庁の検査あるいは監査法人の監査、これが中小企業の融資の面で配慮をしたものになかなかなっていない、かなり大手と同じしゃくし定規なやり方をしているんじゃないかという声を聞くんですが。そうなってきますと、不良債権ということで、先ほど比率を下げていったとおっしゃいましたけれども、検査が厳しくなればなるほど中小企業向けの融資が思うようにできないという状況が生まれているのではないか。その辺を率直に、検査のあり方といいますか、言いにくい面もあると思いますけれども、この際ぜひお聞かせをいただけないかというふうに思います。

 以上です。

河合和郎君 まず、中小企業は悪化をしているというこのアンケートの内容でございますけれども、先ほども申し上げましたように、私どもが中小と呼んでおりますのも、一億円、百人の体質の会社もございますし、ほんの数人の企業もございますので、どちらかといえばそういった零細企業を中心に考えていただけたらおわかりいただけると思います。

 特に、業種等で申し上げますと、建設業とかあるいは運輸、タクシー等でございますけれども、景気の動向によって一番最初に景気の波をかぶって、回復するときには一番最後まで回復の波が来ないというような業種も多々ございますので、そういったものも含めて、まだまだ新聞で書かれているような企業の景気回復というニュースからはほど遠いというのが、多分このアンケート調査の実感であろうと思います。

 それから、地域の金融機関に何を望むかということでございますけれども、これはやはり企業の実態をよく判断していただくということ以外にないだろうと思います。経営者の資質というものを見抜いていただいて、本当にやる気があるのか、あるいは私財をつぎ込んでまでやっているのかというような実態をよく見ていただいて、将来性を判断していただくというのが企業にとっては一番望ましいことであろうと思います。

 それから、都市銀行の無気力さということでございますけれども、これは融資担当者を含めて、何が何でもこの企業を救済してやろうという意気込みがどうも感じられないというのが企業の受けとめのようでございます。融資担当者は書類の運び屋であっては困るということが実感でございまして、申請書類を持って本店に帰って、これは本店決裁でこうなりましたということでマイナスの決定だけを伝えてくる。それでは企業にとってはあなたは何なのということになりますので、そういうときに、本気になってこの企業を救ってやるんだというような情熱があるのかないのか、また、そういう職員を会社として育てているのかどうか、その辺の問題が非常に大きいということと担当者の判断というのが全く生かされていないというのが、企業から見ると、実感としてそういう感じがするということを強く言っておりますので、その辺の落差の問題が非常にこれから大きなポイントになるだろうと思います。

大杉俊夫君 お答えいたします。

 最初の、こちらの八王子商工会議所さんの調査につきまして、金融機関に対する大変厳しい御指摘をいただきまして、これは私ども反省させていただく面もあろうかと、真剣に反省させていただきたいと思います。

 ただ、今お話いただきました中で、ちょうど私たちがやっていることがまさに別冊で出てきたというふうに思っております。やはりお客様とのコミュニケーションが深くとれているかによってお客様をどう御判断するかという形、ですから、私、お客様のことをもっとよく知ってと最初に申し上げたとおり、先ほど御答弁ございましたけれども、やはり担当者が一番よくお客様のことを知っていらっしゃる、また、担当者が一番お客様のことを思っていらっしゃる、そういうことを強くうちのシステムの中に組み込んでいきたい。

 実際、この別冊を使いまして、十二月末の自己査定で監査法人さんとやり合わせていただきました。その点につきまして、うちも主張すべきことは主張しまして、監査法人さんも主張されたわけですけれども、我々の定性面の判断を一年間見ていただきたい、それがだめだったら監査法人さんの御指摘どおりランクダウンはさせますけれども、私たちはそうは見ておりませんというふうにしてかなりランクアップさせていただきました。そういう意味では、大変使い勝手がよくなってきたというふうに思っております。

 それから、融資につきましても、よく佐藤理事長さんがおっしゃっているとおり、我々は自己資本のために融資しているわけではございませんので、あくまでも地域内のお客様が必要とされる場合にはそれに対応する、これが信用金庫が生まれました、生んでいただきましたもとの組織理念というんですか、そういうふうに理解しております。そういう意味で、この法案で新しい補完がされることもあり得るというふうには考えております。

 以上でございます。

佐藤浩二君 お答えいたします。

 お断りしておきますけれども、必ずしも業界の方々の意見と違うということもあるかと思いますので、あくまでも私の私見ということで述べさせていただきたいと思います。

 先ほど大杉理事長も言われたように、金融機関の姿勢につきまして厳しくなったという四一%という数字、非常に私も強く感じまして、こういったことに対して真剣に受けとめなければいけないというふうに考えております。

 ただ――ただと申しますのは、私どものやっている、力不足ということがそもそもあるんですけれども、そうしたことがまだまだ御理解いただいていないということもその原因の一つであって、これまで信頼をなくしてきた過程があったわけで、そうしたものを、中小企業の経営者の方の信頼というものをこれからつくっていく必要があると痛切に感じております。

 それから、別冊融資編という金融検査マニュアルが問題でございますけれども、私もたまたまことしの二月に検査を受けたわけですけれども、そういう中でそうしたものの精神が非常に生かされてきたというふうに感じております。やはり、我々がお客様のところへ行きましていろいろな問題を一緒に解決していこうという姿勢、そうしたものがかなり定性的な面として認められて主張が通っているというふうに感じておりまして、その結果としまして、ほとんど査定の違いがなかったという結果が出ておりますので、私としてはそういうふうな印象を持っております。

 それから、もう一つあえて申し上げますと、検査そのもの、私どもが自己査定をするわけですけれども、そうしたものはやはり厳しくすべきだというふうに考えております。なぜかと申しますと、中小企業の経営者にとりましても、どんないいときであってもいろいろな問題を抱えているわけで、そうした問題を一緒にえぐり出すことがどうしても必要になる。そういう意味では、そうした査定の中でどうしても問題点というものをしっかりと把握しなきゃいけませんし、そういう認識を共通に持つということが今後の経営をよくしていくという意味では非常に大事なことなので、その上で、私どもは、どうやってよくしていくかということのために、場合によっては破綻懸念先といった先であっても将来に向かって融資する、そういう形をとっておりますので、私としては、検査を厳しくするということと、これからお取引が問題になるということとは別なことだと考えておりまして、そうした姿勢でこれからやっていくという、これが私どものモデルということだと思っておりますので、そうした考えだということを御理解いただきたいと思います。

 それから、必要ないかもしれませんが、私は、メガバンクさんの生き方というものを信用金庫と同じように、逆に、信用金庫はメガバンクと同じようなやり方をしていけと、そうした政策であればこれは困ったことだと思いますけれども、やはりメガバンクさんにはメガバンクさんが存在しなきゃいけない理由と、貢献という意味でどこでどういう貢献をするかということをしっかりやっていただく、私どもは私どもでそうしたものをしっかりつくっていく。こうした違いというのはどうしても必要ですし、これが今の状況なので、お客様にもその辺を理解いただければ、お客様にとってみますとそれぞれ使い方が違う、そういうふうになっていくのではないかというふうに考えております。

 以上です。

長妻委員 民主党の長妻昭と申します。

 本日は、御足労いただきましてありがとうございます。

 多摩中央信用金庫の佐藤理事長と青梅信用金庫の大杉理事長に御意見をいただきたいと思うんですが、佐藤理事長のところでは、Winという企業再生支援融資という、あるいはWinアルファというような、ある意味では見識を持ったチャレンジをされているというふうに拝見をしております。

 今もお話がありましたけれども、要管理とかあるいは破綻懸念先、こういうような債務者区分でも時と場合によってはそういうような融資をしていく、こういうお話がございましたけれども、例えば、実例として要管理あるいは破綻懸念先で融資をして、その後、その債務者が回復をして要注意あるいは正常先になった、こういうケースというのは具体的にどのぐらいあるのかというのをお尋ねしたい。これは大杉理事長にも同じ質問をさせていただきたいと思います。

 もう一点は、そういう企業再生支援融資のようなものが、破綻懸念先に融資をするというときに、金融検査マニュアル別冊、融資編ができたとはいえ、そういう金融検査がそういう破綻懸念先に融資をするという一つの見識を持った決断を妨げるというかネックになるというか、そういうようなことは実際あるのか、検査の注文も含めて両理事長に二番目としてお尋ねをしたいと思います。

 三番目といたしましては、今、金融機能強化法、そして我が民主党が出しております金融再生法を審議しているわけでありますけれども、その金融機能強化法の中には、単独で公的資金を注入できると、合併じゃなくて。そのケースの場合は、ある一定の目標値をクリアできなければ代表権のある取締役は退任をする、こういう原則がうたわれておりますが、その一方で、合併のときの公的資金注入に関しては、ある一定の目標を決めて、それがクリアできなくても代表権のある方の退任までは明文化されていないという、私自身はモラルハザードを生みかねない条項ではないのかなという気もするのでありますけれども、これが三点目のお尋ねでございます。お願いします。

佐藤浩二君 お答えします。

 私どものWinとWinアルファについてのことでございますけれども、Winにつきましては、約六千件ぐらい短期間に実行いたしました。金額は二百億ぐらいになっているんですけれども、そうしたことによって破綻懸念ないしは要管理、要注意から上位になったかということでございますけれども、どれぐらいあるかというお話なんですが、大変申しわけないんですけれども、私は個々に件数を今把握しておりませんので。

 Winアルファにつきましては、まだ始めてそうたっておりませんが、何件かという数でございます。Winアルファにつきましては、もっと根本的な企業の改善といいますか、そういったものを目指してやっているものでございまして、短期間にそううまくできるということではないと思いますけれども、現実には何件かそうしたことをクリアしてよくなってきているということでございます。数字で申し上げられなくて大変に申しわけないんですけれども、そういったことでございます。

 それから、二番目のマニュアルについて、そうしたことが取引上検査でもってマイナスにならないのかどうかということだったかと思いますけれども、中には経過として私どもの気がつかない点で指摘をいただく面がございまして、そうした面はやはり是正する必要があるということが出てくることもございます。しかし、普通に考えますと、私は、ほとんどそれによってマイナスになるというふうには思っておりません。

 それから、機能強化法の問題でございますけれども、私も詳しく理解しているということではないんですけれども、強制的な注入ということではなくて、こちらから申請をしていく、そうしたことでございまして、我々がやろうとしていることを実行していくために必要な資本増強というふうに考えておりますので、そういう面からいいますと、何かやることがあって、こうしたことを実行していくためにどうしても必要だ、その支えになる、そういった感覚を持っておりますので、そういう面では合併という、単独であるか合併であるかということもありますけれども、合併というものも、私にとりましては、何か合併してその地域のためにやることがある、そうしたものを目指していくということから見て、それほどモラルハザードといいますか、そういったことで影響があるようには思っておりません。

 そうしたことをきちっと、何をするのかということをしっかりと考えてやっていくということになろうと思いますけれども、そうした選択肢が非常に広がるという意味では有効ではないかというふうに考えております。

 以上でございます。

大杉俊夫君 お答えいたします。

 最初の御質問の中で、融資したからランクアップというお話なんですけれども、私もそのデータはちょっと持ち合わせございませんけれども、ただ、十五年三月で破綻懸念先だった先が十六年三月で上位にランクアップした先は、百十五先ございます。そのかわり、ランクダウンした先も八十七先ございます。率で申し上げますと、上位の方へランクアップしたのは一三・四二%、ランクダウンが一〇・一五でございます。

 融資するかしないかのことでございますけれども、これは金融庁の御判断をいただくというより、我々地域金融機関としての、地域のために必要かどうかという経営判断でさせていただいております。ですから、ここに対しては何と言われても責任はあるということは私承知しておりますけれども、そのための信用金庫であるというふうに認識しておりますので、先ほど佐藤理事長おっしゃいましたとおり、自分の資産ですからより厳しく見ていきますけれども、それと御融資するしないは別問題だというふうに認識しております。

 それから、三番目の注入による役員のモラルハザードの件でございますけれども、そういうことは私よく存じ上げないんですけれども、そういうことよりも、やはり必要な資金があれば注入していただくという制度の方がより大切なのかなという感じがしております。

 以上でございます。

村井(仁)委員 自由民主党の村井仁でございます。

 本日は、大変お忙しいところをこのような形で貴重な御意見をちょうだいいたしまして、ありがとうございました。

 私は、ちょっと角度を変えた話でございますが、これはひとり言でございますけれども、日本の金融システムというのは、どちらかといいますと、本来、直接金融、自己資本で賄うべきところを随分間接金融に依存してきた、それがある意味ではいろいろな意味で問題の根幹をなしてきたというような感想を持っているわけでございまして、このほどDDSなんというお話が出てきて、佐藤理事長のところでも、このちょうだいしました資料を見ていますと、なお御研究中と、こんなようなことのようでございますが、これもある意味では自己資本の不足というものをどのように補うかというような問題意識なんだろうなと、これはひとり言でございます。

 そこで、この地域、井深さんのTAMA―TLOでございますとか、いろいろな取り組みをしていらっしゃる地域でいらっしゃって、いわゆる創業支援といいましょうか、新しい分野にどんどん乗り出そうというような問題意識をお持ちでいらっしゃる。

 そこで若干お尋ねなんでございますが、一つは、これは佐藤理事長にお伺いしたいのは、創業支援というのは、本来、私は、自己資本を何かうまいぐあいに注入していくという、それを投資家と要するにニーズを持っている人とを結びつけていくということが本当は一番大事なんじゃないかと思うのでございますが。そこで、創業支援というのはこのごろ若干ファッションみたいになりまして、いろいろなところで取り上げられている。佐藤さんのところでも、ブルームという商品ですか、やっていらっしゃる。これの働きというのがどの程度のものなのかというあたりが、私、もし具体的にこの機会にお教えいただければ大変ありがたいな、前からメディアなどでも取り上げられたりしておりますのを関心を持って見ておりましたので。これが一つでございます。

 それから二つ目は、これはTLOの井深さんも、東成エレクトロビームの上野社長も、お二人ともおっしゃいましたのが、政府系の金融機関の存在というのを結構大事なポイントとしてお触れになられた。何で政府系金融機関なのかというお二方に対するお尋ねと、これは今度は大杉理事長、佐藤理事長お二方に、このような政府系金融機関の存在というものをどんなふうに受けとめていらっしゃるか、このあたりをもしお聞かせいただければありがたいということであります。

 それから、もう一つだけ、井深社長からは、先ほど死の谷というお話がございました。これはまさに、何らかの直接金融のスキームで対処するというところへどうやってつなげていくかというスキーム、これは実は長いこといろいろな形で、いわゆるベンチャーキャピタルの活動をどのようにてこ入れしていくかということで、多くの方々が関心を持ってこられたテーマなんですが、このデスバレーをなかなか乗り越えられない、実際みんな苦しんでいるところでありまして、高度成長の時代でさえいろいろな問題があった部分であります。これにつきましてはそれこそどなたからでも、まずは井深社長から、それから後、どなたからでも御意見をいただければありがたいと存じます。

 取りとめのない話になりまして恐縮でございますが、ぜひいろいろお教えをいただきたい。ありがとうございます。

佐藤浩二君 それでは、最初にお答えいたします。

 創業支援ということで、私どもブルームという融資を、提携的な融資なんですが、取り扱っておりますけれども、実際の件数としますと、まだ二、三十件というところでございまして、金額も二、三億というふうな感じでございます。

 ただ、私どもの本質的な仕事としましては、地域の中で新しい事業が起きてくる、そういったものを地域の必須の条件としてどうしても育てていかなきゃいけないというふうに考えておりまして、そうしたことに少しでも役に立つようにということで、八王子でも、商工会議所様のいろいろな御支援をいただいたり、特区としての場所にそうしたインキュベーション施設をつくりまして、入っていただいていろいろお世話している、そうした状況でございます。

 それもまだまだ本当にうまくいっているということではないと思いますが、全体として新しい芽を何とか育てていこう、そういったことを全店でやっていくためには、やはりこうしたものは必要ということでやっておりまして、必ずしもブルームという商品の扱いがどうかというよりも、その辺が一番大事なことかなというふうに思っておりますので、御理解賜りたいと思います。

 それから、自己資本ということはもちろんなんですけれども、まだその辺をしっかりやっていくというよりは、間接金融で、先ほど言いましたとおり、何かいろいろな面で継続的にお手伝いしていく。そういったことから見ますと、今私どもは、普通の間接金融を使っての融資の方が、いろいろな面で継続した取引をしていく上では便利になっているというふうに考えております。

 それから、政府系の金融機関の問題でございますけれども、私の立場としましては、地域にいろいろな面でそうした選択肢が提供できるといったことは非常にありがたいことだと思っていまして、そういう面では提携して一緒にやっていこうというふうに思っておりまして、現実にそうしたことをやっております。

 以上でございます。

井深丹君 最初に、創業支援に関してお答えいたします。

 TAMA―TLOでは、大学発ベンチャー創出支援とか、大学発ベンチャー経営支援といったプログラムを受注といいますか引き受けまして、実際にベンチャー企業の支援を行っております。ただ、基本的には、経営とか財務または技術の指導ということが基本でございまして、金融に関する指導というのは一応プログラムに入っておりません。

 したがって、まず経営支援の方では、例えば大学とつき合うときにどういう社内ルールをもって臨まなきゃいけないかとか、それから、ベンチャー企業が技術開発の基本的な思想をきちんと盛り込んだ社規をつくらなければいけないとか、そういうところをTLOとしては教えている段階でございます。

 それから、大学発ベンチャー創出支援事業というのは、これは文部科学省の制度でございますけれども、これは、先生方が一生懸命研究した成果を、TLOが、会社設立まで持っていってください、社長の候補を決めて、どのくらいのビジネスプランで、将来どれまで売り上げを出すか、そのためにはどういうマーケットに参入するかといったところのプランをつくるというのが私どもの仕事でございます。

 一番問題になるのは、先生は、割と小さな資本でスタートしてぐんぐん伸ばしたいというふうにおっしゃいますけれども、会社というのはつくれば必ずそこでも死の谷というのがございまして、売り上げが出ないけれども人件費だけ使っちゃう、その期間を何年に見て、それを乗り越えるためにどのくらいの資本金を用意したらいいかというところが、大学の先生やベンチャー企業の方とTLOの判断が食い違ってくるところでございます。大きく飛躍させようと思えば、大きな資本金を用意して、二年、三年耐えなきゃいけない。しかし、それだけの大きな資本を先生が個人で用意するのは大変で、ではベンチャーキャピタルからの投資を受けますかと言うと、はっきり言って、ベンチャーキャピタルが投資するにはしっかりしたビジネスプランを用意しなきゃいけない。そこがあいまいだとなかなか投資は受けられないというところでございまして、TLOとしては、まず技術とビジネスプランをつくるということを優先にしておきまして、余りすぐに投資を受けるようにという指導はしていないのが現実でございます。

上野保君 政策金融についてお答え申し上げたいと思っています。

 政府系金融機関というのは、私どもは中小企業金融公庫を活用させていただいているというふうに理解しております。それは、私ども物づくり系の企業や、あるいは流通、サービス業も、土地を取得するとか高額の設備投資をするという場合には、大変長期にわたる設備資金が重要になります。それから、もう一つ重要な役割がございまして、長期の運転資金というこの役割は、私は大変重要だと思っているわけですね。これは我々中小企業にとっては底だまりというふうに言いまして、事業をやっている場合には必ず運転資金が必要となりますけれども、それがベースになって事業の流動化に対して対応できるということで、非常に大きな役割を担っております。

 それから、国が五年も前に経営革新支援法というものを制定しました。これは、物づくり系だけじゃなくて流通、サービス業も含めて、経営革新計画書というのをつくりまして都道府県に提出すれば、非常に低利で長い支援策を、金融支援を受けることができる。これは、経営革新計画書というのは、一年間で付加価値を上げましょうというような計画をつくってそれを実行していくということになるわけですね。こういうものをもっと多くの中小企業が活用すべきだろうというふうに私は考えております。

 国が産業政策というのを立案し、それを実行するために政策金融を策定するというのは、これは多くの国が実施していることでございますので、特殊法人と一緒に含めて政策金融を民営するというのは、私は、その役割をよく理解していただいて、ぜひこれを、全体からいいましても二%弱でございますので、要するに国が進めているこのことは非常に大きな役割だと私は思っておりますので、そのことをぜひ御提言しておきたいと思っております。

岡崎英人君 まず、創業支援の関係につきましては、今行政が整備しましたインキュベーションセンターというのは多数全国にあるんですけれども、私どもが提携をしていますインキュベーションセンターは、民間が整備したインキュベーションセンターと提携をしている。

 例えば、富士電機さんが、八王子から一歩先の豊田に富士電機東京システム製作所というのがございまして、それの独身寮をインキュベーションセンターに改造しまして、そこの入居者については、富士電機は、入居者が試作したものあるいは設計したものを、例えば設計した者はそれを試作するとか、試作した者はきちんと機能が出ているかどうか実験するとか、そういうことを富士電機さんは実費ベースでやっていただいているんですね。

 私どもはそういった入居企業に何をしているかということなんですけれども、富士電機さんがお持ちでないソフト支援を私どもが実施をしまして、早期にそこの入居者に巣立っていただく、最大でも二年ということを聞いております。

 もう一つは、西武信用金庫さんが、これも西武新宿線の新井薬師駅の駅から大体三十秒ぐらいのところに実は新井薬師支店というところがありまして、昔は地方から女子職員を採用できなかったということで、これも独身寮を整備していたんですが、これをやはりインキュベーションセンターに改造をして、私どもがソフト支援をして、西武信金さんがいわゆる経理面の支援をするということで、端的に言えば、ハードとソフトが相まって早期の事業化を実現していただく。

 そういった入居企業については、先ほど言ったTAMAファンドもありますので、ぜひこれから飛躍してIPOを目指したいというところについてはTAMAファンドの方に誘導するということで、物づくりをスタートアップで始めた方に余り負荷がかからないように、かつ、将来伸びようとするときに、なかなか間接金融は難しいので直接金融で伸びるようなサポートをしている。

 それから、最後にデスバレーの克服ですけれども、産学官の連携では一つの成果は出るんですが、それは機能的にオーケーだよと。ところが、大きさはばかでかくて、それはとても製品とか実用化にならない。そういう部分で今頑張っていますのは、量産化するためのお金を出す金融機関との連携、それから、つくったものを売るスキームがなきゃいけないので、それを販路開拓コーディネーターというのを使ってどんどん売ってもらう、場合によっては、販路開拓コーディネーターがお客さんから得た情報は貴重な情報であるので、それを企業の方に伝えて、その情報を踏まえた上で連携をして、余計なスペックは余りつくらない、こんなことの連携を一貫してやって、何とかデスバレーを克服するようなことを今実現しております。

 以上です。

大杉俊夫君 お答えいたします。

 政府系金融機関の存在についてでございますけれども、私とすれば、私たちの力不足を感じております。

 本来、我々ができることは我々がしていかなければならないと思っております。ただ、お客様にとりましては、金利面でのメリットも大きいかと思います。また、私どもの判断でございますけれども、できるだけ大口化は避けたいというふうに思っております。そういうときに、組むパートナーとしては話し合いがついて、それ以上私たちの方にも攻めてこないという形なので、現在お願いをしております。

 以上でございます。

井深丹君 私から、政府系の金融機関の存在の話と死の谷の話、二つまとめてお答えさせていただきます。

 まず、政府系金融機関ですが、TAMA―TLOという会社にとってどういう意義があるかということをお話しいたします。

 TAMA―TLOは文部科学省と経済産業省の認可団体でございまして、承認TLOという名前をいただいております。したがって、最初は多分運営に非常に金融的に苦しいだろうということで、政府系の金融機関からの融資を考えておりました。しかし、現実には、先ほど申しましたが、公的資金による産学官連携研究の仕事がどんどんふえましたので、それに使うお金という方が多くなりまして、これがいわばつなぎ資金ということになります。

 つなぎ資金には二種類ございます。公的資金で行う研究には、全額政府が出すいわば委託研究と、それから三分の一から半分企業が出す補助研究と二つございます。

 全額政府が出す委託研究については、TLOの名前でつなぎ融資を受けますから、割と楽でございます。政府系の金融機関も都市銀行も信用金庫もかなり貸してくださいます。それは大臣の名前の採択通知書というのが出ますので、これは担保と同じくらい価値がございます。ですから、その紙さえ出れば、安心して貸していただける。

 ところが、問題は、半分は企業が負担しなきゃいけない研究、三分の一は負担しなきゃいけない研究については、その企業には大臣や局長からの採択通知は出ないわけでございます。あくまで元請のTLOに出るだけでございます。

 ですから、小さな会社が三千万自己負担して六千万のお金を国からもらって研究するときに、その三千万の融資というのはどこから受けるかということになると、やはり取引銀行や取引の信用金庫から受けるしかないわけでございます。普通にいっては、これはなかなか受けられません。

 そこで、TAMA―TLOが一緒に研究するんだ、国からこれだけのお金が出ているのでお願いしますということを金融機関や信用金庫にお願いすることになります。そのときは、政府系の金融機関と取引している企業にとっては借りやすいということは聞いております。しかし、現在はそういう企業が負担して研究開発する制度が非常に普及しておりまして、どこの金融機関も大変御理解が上がってきまして、そう不自由なくお金を借りることができるようになったということでございまして、政府系の金融機関とほかの金融機関の区別というのは、TLOではほとんどついていない状態でございます。

 それから、死の谷の話でございますが、研究開発はできた、製品のちょっと格好悪いものはできた、さてこれをどうやって製品にして売るかということになると、これは非常に難しいのであります。以前は、大学の先生が研究した、しかしこれが製品にならない、何とかしろというのが一つの死の谷だったわけですね。

 ところが、国の大きな方針で産学官連携が進んでから、エンジニアリングモデルといいますか、企業が達成するようなものは大学と企業で一緒につくれるようになりました。そうすると、見て、ああすごいなというものがかなりできてきているわけですね。ところが、それが中小企業の手にかかって製品になると、それがなかなか難しい。何が難しいかといいますと、研究成果というのはほんの一部でございまして、たくさんの周辺技術があって製品ができてくる、その周辺技術がいわゆる製造技術とか生産技術と言われまして日本のお家芸と言われたところでございますが、それがハイテク部品、新しい分野の研究では、まだそこの生産技術がないのでございます。それで、我々、今一番よくやっているのはナノテクとかマイクロ加工とか、それからバイオ系の小さな分析計とつくっておりますが、これは研究ででき上がった、しかし、中小企業ではそれをつくる製造設備は何百億という設備投資をしないとできないというところが泣きどころでございます。

 TAMA協会でも、インキュベーションオフィスということで家賃の安い研究施設を用意しました。これは入れ物の話でございまして、一番大事なのは研究を製品に持っていく工場をどうするかでございます。これについては、近年、非常に新しい進展が出てきまして、大手企業が半導体とか微細加工の生産設備をオープンにし始めました。これをファウンドリーサービス事業と言っておりまして、まとめて来るものがあればどこからでも受けて、その大手企業の製造ラインがつくって提供いたします。先ほど岡崎から説明のあった富士電機の東京工場もそれをやっているわけです。あそこには半導体のセンサーとかアクチュエーターの製造工場がありまして、まとめて来たものはそこでつくって提供します、そのつくる前の試作もいたしますということになっております。

 八王子にある大手企業は皆さんそれをやりたがっています。看板の上では、例えば沖電気さんは半導体LSIのファウンドリーサービス事業をいたします、それから、オリンパス株式会社さんは光関係の微小部品のファウンドリーサービス事業をいたしますというふうにちゃんとカタログに載せております。

 私どもが考えているのは、大学と中小企業の共同研究成果をそこに入れられないかということを今考えているところでございます。入れるには一工夫要ります。それは、中小企業の技術者と大手企業の半導体技術者が仲よく相談をして一緒に設計しなければできないのであります。それをやるためのシステムをつくらないと、これは成功しない。これにはお金がかかります。それは装置のお金じゃなくて、建物のお金でもなくて、結局、大手企業と中小企業の一緒に相談する技術者の人件費を出してあげないと、これはうまくいかないわけであります。

 現在、TAMA協会、TAMA―TLOでは、中小企業のためのファウンドリーサービスセンターをつくりたいというふうに考えておりまして、これが一つのハイテクにおける死の谷を越える方策ではないかと今考えておるところでございます。

 以上でございます。

村井(仁)委員 どうもありがとうございました。中小企業が大手企業を下請に使うという感じですね。ありがとうございました。

田野瀬座長 以上で意見陳述者に対する質疑を終了させていただきたいと思います。

 この際、一言ごあいさつを申し上げます。

 意見陳述者の方々におかれましては、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。ここに厚く御礼を申し上げます。

 また、この会議開催のため格段の御協力をいただきました関係各位に対しまして深甚なる謝意を表する次第であります。ありがとうございました。

 それでは、これにて散会いたします。

    午前十時五十六分散会


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