衆議院

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第22号 平成16年4月27日(火曜日)

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平成十六年四月二十七日(火曜日)

    午前九時三十一分開議

 出席委員

   委員長 田野瀬良太郎君

   理事 西野あきら君 理事 萩山 教嚴君

   理事 村井  仁君 理事 山本 明彦君

   理事 島   聡君 理事 中塚 一宏君

   理事 長妻  昭君 理事 上田  勇君

      江崎洋一郎君    木村 隆秀君

      城内  実君    熊代 昭彦君

      小泉 龍司君    河野 太郎君

      七条  明君    田中 英夫君

      谷川 弥一君    中村正三郎君

      西田  猛君    林田  彪君

      増原 義剛君    宮下 一郎君

      山下 貴史君    渡辺 喜美君

      五十嵐文彦君    小泉 俊明君

      鈴木 克昌君    武正 公一君

      津川 祥吾君    津村 啓介君

      永田 寿康君    藤井 裕久君

      馬淵 澄夫君    松原  仁君

      村越 祐民君    吉田  泉君

      谷口 隆義君    長沢 広明君

      佐々木憲昭君

    …………………………………

   財務大臣         谷垣 禎一君

   国務大臣

   (金融担当)       竹中 平蔵君

   内閣府副大臣       伊藤 達也君

   財務大臣政務官      七条  明君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 田口 義明君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局長)  増井喜一郎君

   政府参考人

   (財務省国際局長)    渡辺 博史君

   政府参考人

   (国税庁次長)      村上 喜堂君

   参考人

   (日本銀行総裁)     福井 俊彦君

   財務金融委員会専門員   鈴木健次郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十七日

 辞任         補欠選任

  原田 令嗣君     城内  実君

同日

 辞任         補欠選任

  城内  実君     山下 貴史君

同日

 辞任         補欠選任

  山下 貴史君     原田 令嗣君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 証券取引法等の一部を改正する法律案(内閣提出第八三号)

 株式等の取引に係る決済の合理化を図るための社債等の振替に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第八四号)


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     ――――◇―――――

田野瀬委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、証券取引法等の一部を改正する法律案及び株式等の取引に係る決済の合理化を図るための社債等の振替に関する法律等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、参考人として日本銀行総裁福井俊彦君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として財務省国際局長渡辺博史君、金融庁総務企画局長増井喜一郎君、内閣府大臣官房審議官田口義明君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田野瀬委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

田野瀬委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中英夫君。

田中(英)委員 おはようございます。自由民主党の田中英夫でございます。

 今議題となっておりますものにつきまして質問させていただきたいと存じます。

 本日も、新聞を見ておりますと、景況感としてはやや先行きが明るくなったのかなという感じのことが書かれております。しかし、詳しく見てみますと、やはりそれは専ら輸出であったり中国マターであったりしている部分が大きいということもあります。

 私は、昨年の十一月から初めて国会に来させていただいたわけでありますが、地方政治、地方自治の中にあって、やはり地方がしっかり輝いていかなければならない、こんな思いを今も強烈に持っておりまして、そのことが日本全体が元気になる、それからいえばやはり当然、企業としての活況とともに個人消費が上がっていかなきゃならぬ、こういうことになると思います。

 個人消費というものについては、やはり社会に対する国民の安心感というものがなければならぬ、こう基本的に思っておりまして、そういう意味におきましては、この日曜日、三つありましたそれぞれの衆議院補選、我々自由民主党の候補が国民の皆さんの圧倒的な御支持をいただいてそれぞれ勝利をさせていただきました。こうしたもので、我々が進めておる施策というものに一定の御理解もいただけた、それならば、やはり国民年金のようなものも含めて安心感、安定感を早くもたらすようにしながら、これを個人消費やあらゆるものにつなげていかなければならない、このように私自身も一年生ながら思っておるところでございまして、そんなことを踏まえながらひとつ質問をさせていただきたい、このように思っております。

 まず、証券取引法の一部を改正する法律というこの法案でありますけれども、提案した理由、改正の意義ということについて、再度、改めてお聞かせをいただきたいわけであります。

 あわせて、「市場機能を中核とする金融システムに向けて」という、昨年の十二月の審議会報告を踏まえてこれは提案される、このように言われておるわけでありますが、金融システムの強化、改善ということも、具体的に何を目指すのか、その必要性、効果等々含めて、まず最初にお伺いしたいと思います。

竹中国務大臣 証取法改正の提案理由でございますけれども、間接金融から直接金融へのシフトを含めて、個人投資家の証券市場への参加を促さなければいけない、これは、さまざまな形でこの委員会でも御議論を賜ってきたことかと存じます。そのためのインフラ整備、そうした意味での市場の構造改革を一層進めていきたいという強い気持ちを我々持っております。

 こうした認識も踏まえまして、金融審の第一部会におきましては、ビッグバン改革以降の成果というのを検証する、その上で、現段階で一体何が必要かということを精力的に御議論いただくという目的だったわけでございますけれども、委員御指摘のとおり、昨年の十二月に部会報告が出ております。今回の法案、改正は、この部会報告も踏まえまして、金融資本市場の基盤整備のためにという目的で提出をさせていただいております。

 しからば、もう少し具体的に何を目指すのかという御質問になろうかと思いますが、御承知のように、日本の金融システムというのは銀行中心の相対型の間接金融に非常に大きく依存している。象徴的には、家計の金融資産に占める現預金の割合というのは五割を超えている、そういうふうな形であらわれている。こういう仕組みそのものは、ある状況下では大変大きな時代的な役割を果たしたというふうに思います。家計の貯蓄を集めて、銀行が、特にメーンバンクのようなシステムのもとで、将来性のある企業に融資をしてしっかりと企業の面倒を見ていく、それは非常に大きな役割を果たしたという点は事実だと思います。

 同時に、今のような状況では、日本がキャッチアップを果たして世界のフロントランナーになっている、そのような状況を振り返りますと、預金取扱金融機関に、この国のいろいろなリスクが集中的にそこの部門にかぶさっているということにもなってしまう。

 また、資産の運用者から見ると、非常に偏ったといいますか、世界の諸外国に比べても偏った運用構造になって、それに合わさったシステムになっているということになる。その意味では、市場参加者がおのおのリスク、リターンの選好を持って市場に積極的に参加していく、このような多数の市場参加者の選択によりまして幅広くリスクが配分される金融システム、そういうものを、市場機能を中核とする金融システムというふうに呼んでいるところでございます。

 こうした観点から、この金融システムを改善強化するという観点から、五つの点について所要の措置を講じるということを目指しております。

 一つは銀行等による株式等の売買の証券会社への取次業務、いわゆる証券仲介業務の解禁、市場監視機能・体制の強化、ディスクロージャーの合理化、組合型ファンドへの投資家保護範囲の拡大、証券会社による顧客の注文の執行に当たっての最良執行義務の導入、それぞれ技術的な用語をちょっと含んでおって恐縮でございますけれども、そうした措置を講じるということを目指しております。

田中(英)委員 今の御説明、基本的なことをお聞きしたわけでありますけれども、今の中にもありましたように、大手行を初め金融機関が一定の役割を果たしてきたけれども、もう少し直接投資の方へ回そう、こういうようなお話でありました。

 実は、数字を聞かせてもらっておりますと、個人の金融資産について、日本においては、現金や預金がもう五五、六%へ行って、株式や債券や投信というものが一〇%余りだ、こういうことを聞かされております。アメリカ合衆国においては、現金、預金等は一二%ぐらいで、今言いました株式、債券、投信が逆に六割近くになっておる、こんなふうに聞いておるわけであります。

 それならば、今そうして我が国のシステムが変わっていくであろうことを期待するとなりますと、理想の割合というものを実際どのように考えられておるのかということをお聞きしたいと思います。

竹中国務大臣 田中委員の直接の御質問は、理想のポートフォリオをどのように想定するかというお尋ねでございますが、正直言いまして、理想の割合について明確に申し上げるのは、これは性格上大変難しいことだと思っております。

 しかし、まさに今委員御指摘のとおり、株式、投信等の日本の家計のポートフォリオに占める割合が極端に低くなっているというのは、これはさまざまな指標を見ても事実でございまして、どの程度が理想であるかというのは申し上げるのは難しいのでありますけれども、やはり、目指すべき方向といいますか、進むべき方向については比較的はっきりと申し上げられるのではないか。市場機能を中核とする金融システムを構築するという観点からは、やはり株式、投信等の割合が現在より相当高くなっていく、金融システム全体で幅広くリスクテークが行われる、そういう方向がやはり望ましいといいますか、目指すべき方向であろうというふうに思っております。

 いわゆる間接金融につきましては、先ほども申し上げますように、重要な役割を果たしてきたということ、それともう一つ、中小企業等に関する金融についてはやはり今後とも間接金融の有効性はある、これは基本的には変わらないというふうに思っておりますので、この点もしっかりと認識をしていく必要があるというふうに考えております。

田中(英)委員 きっちりと割合を数字で言ってもらえるというようなものではないというふうに思っておりますが、そちらへ進めていくということであろうと思います。

 今もおっしゃった、金融機能がある一定の役割を果たしてきた。余り果たしてきた果たしてきたというふうに言われますと、従来の銀行等の金融機関重視が、実際、きょうの時点やったら間違うとったんかな、こういうふうな感覚にもなるわけでありますが、そのあたりは、今までとこの時点で、やはり、そのようにしていこうということの情勢変化というか、その辺についてもう少し聞かせていただきたいな。

 一方では、あえて言うならば、そうすると、金融機関について相当な重点的改善をいわゆる税も投入してやっておる、そういうことと、矛盾とは言いませんけれども、頑張ってそちらをやっておった中で、この辺はどういう考え方になるのか、少しお知らせいただきたい。

竹中国務大臣 金融システムの歴史的役割とその変化をどのように位置づけるのか、これは大変重要な御質問かと存じます。

 いろいろな御評価は専門家によってあろうかと思いますけれども、基本的には、我が国が大変高い潜在的な成長力を有している、そういう潜在的な高い成長力を有している産業部門、企業部門に、家計の貯蓄を集約して、集めて、それをそういうところに集約的に投資をする。しかもその場合に、先ほど申し上げましたようなメーンバンク制度等々、非常に長期的なリレーションを大事にしながらしっかりと投資資金を供給していく。そうすることによって、この社会が持っていた高い潜在的な成長力を実現することができた、特に高度成長期を中心に、日本の金融システムに関してはやはりそのような評価ができたのではないかと思います。

 しかしながら、それはあくまでも、潜在成長力が非常に高くて、そういった意味でのビジネスリスクが低い場合にそれはそれで有効な機能を果たしたわけでありますけれども、経済の成熟とともに潜在的な成長力はやはり低下してくる。その中でリスク要因も高まってくる中で、やはり社会全体としてはむしろリスクを分散するというようなことが大変重要な課題になってくる。その意味では、田中委員おっしゃったような、状況変化がやはりあったのかという御質問に対しては、非常に大きな経済的な背景、環境の変化というものがあったということなのではないかというふうに思っております。

 もちろん、これは一日に、急に変化する性格のものではありませんから、その間も金融システムは変化をしてまいりましたし、これからも少しずつまた変化をしていくわけでございますけれども、そうした一つの節目として、こうしたリスクを分散する、証券化、直接金融を重視するような形での法案の整備、環境の整備というのは、やはり政府としても非常に求められようかというふうに思っております。

 繰り返し言いますが、しかしながら、やはり間接金融、銀行を中心とする間接金融の役割は重要でございまして、これが揺らいではやはり日本の金融システム全体が大変なことになる、そのような意味で、銀行の行政は銀行の行政としてしっかりと行っているつもりでございます。

田中(英)委員 全体的なことについて少しお聞きをしてお答えをいただいたんですけれども、それでは、やや個別的な、先ほどおっしゃっていただいた点について、時間があるだけお聞きしたいと思います。

 一つは、今回銀行が証券仲介業務へ参入するというか解禁となる、こういうことであります。改めて、それがどういう意味があるのかというところをお聞かせいただきたいわけでありますけれども、既に一年ですか二年ですか、投信については、投資信託については扱っているということがありますよね。全くそういうことをやっていなかった金融機関がそれをするようになったその折が多分大きな節目、変化だったんだろうというふうに思うんですけれども、それから比べて、今回、それが証券にも移っていくというのは、投信の次の範囲拡大程度のことなのか、いやいやこれは相当な意味があることをやることになるのかというあたりについてお聞かせをいただきたいなというふうに思うわけです。

 といいますのは、銀行の窓口が貯蓄から投資という方へある程度移っていく、半々になるかどうかわかりませんが、というふうになってくると、結局、銀行にとって同一顧客の資金をどう振るかというか、営業上どのように考えるかということが出てくるというふうに思いますので、銀行にとってまた大きな変化にこれがなるのだろうとは思うんですけれども、投信を始めたころと比べて、このことがどんなまた変化なのか教えていただきたいと思います。

伊藤副大臣 お答えをさせていただきたいと思います。

 銀行の投信販売の解禁を踏まえて今回の銀行による証券仲介業の解禁というのはどういうものを意味するのか、こういうお尋ねだというふうに思いますが、この点につきましては、貯蓄から投資への流れを加速して、そして証券の販売チャンネルを拡充していく、そうしたことが金融システムを改善強化することに資する、こういう観点から行うものでございます。

 具体的には、銀行の店舗において、顧客が株式等の売買の注文を行い、そしてこれを証券会社に取り次ぐことを可能とするわけでありますけれども、これによりまして、例えば証券会社の店舗が少ない地域におけるアクセスの改善など、顧客の利便性の向上が図られ、また投資経験のない銀行顧客層の市場参加を促していくなど、投資家層のすそ野拡大に資するものというふうに考えております。

 他方で、銀行業務と、そして証券業務の間の利益相反、こうした弊害が生じるのではないかというふうに言われておりますが、金銭の貸し付けを条件とした取引行為の禁止、あるいは融資部門との情報共有の禁止など、その弊害を防止するための措置をあわせて講じる予定でございます。

 また、先生御指摘の、平成十年に投資信託の販売業務を解禁したところでございますが、今回の措置によりまして、銀行と証券会社が連携をして、そして市場機能を中核とする金融システムの強化に向けた流れが加速をされる、そうしたことを私どもは期待しているところでございます。

田中(英)委員 今のお話は、多分これからの銀行の業務としてそのように変化をしていくということであろうと思うのであります。今の中にありました利益相反で、顧客の安全を守るという意味である一定のことを考えていくということはあると思いますけれども、私、先ほどお聞きしたのは、逆に、銀行にとってどっちかなというところ、どちらがみずからの事業、営業としていいのかなというところに、それだけの、銀行としてのきっちりとした考え方とかそういうものがあるんだろうかとか、これから迷うのかなとか、何かそんなことを思いまして、少しお聞きをしたわけです。

 それはそれとして、そうすると、今のお話で、わかりやすく聞かせていただくと、銀行にとってはこれはハッピーなのか、それから証券会社にとっては同じようにハッピーなのか、あえてひっくり返して言えば問題はないのかということでありますが、それと、銀行窓口に来る顧客としてはハッピーなのかというあたりについては、すべていいということになるのかどうか、ちょっとその辺について見解をお聞かせいただきたい。

増井政府参考人 お答えいたします。

 先生御指摘の、銀行等による証券仲介業務でございますけれども、預金取扱機関にリスクが集中する金融システムから、多数の市場参加者に、より幅広くリスクが分担される金融システムへの移行を促すということを先ほど来大臣からも御答弁申し上げているとおりでございます。

 それぞれ、投資家あるいは金融機関、証券会社にとって、それではどういうメリットがあるか、具体的に考えてみますと、例えば投資家にとっては、ワンストップショッピングだとか、あるいは証券取引が行われる店舗へのアクセスが改善される、要するにいろいろな店舗が多くなるということでございますが、そういった利便性の向上などが図られるというふうに考えます。

 それから、金融機関にとっては、これはいろいろな考え方がございますけれども、証券会社等との提携によるフィービジネスの範囲の拡充、要するに、そういったビジネスチャンスがあり得るということだと思います。

 一方、証券会社にとっては、金融機関のネットワークを通じました顧客層の拡大という意味でメリットがあるというふうに考えております。

 それぞれの立場からいっても、今回の制度についていろいろなメリットが享受できるのではないかというふうに考えている次第でございます。

田中(英)委員 問題はない、メリットだけがあるというふうに今聞こえたのでありますけれども、要は金融機関においてこれを窓口として可能とする。我々一般で考えますと、私自身も証券会社より金融機関の方がなじみが多いということは事実でありまして、そういう意味で、やはりそういう一般論からいって、なじみの多い方でさまざまな取り扱いを広げるということが非常にうまくいく、そのシステムが、直接投資、間接投資の問題が変わっていく、そういう意味かなというふうに今思ったんですけれども、顧客にとっても、それは両方選択できるということだけであるならば問題はないのでしょうか。その辺についてはお聞かせいただきたいのであります。

 それと同時に、今のお答えの中にもありましたけれども、要は、証券会社が選ぶというよりは、金融機関の方が証券会社を選ぶ、こういうことになるでしょうから、証券会社の中での競争は多少激化するというか、そういう部分はあるんだろうな、どこまで行っても大と小との闘いというものが生まれてくる可能性はあるのかなというふうなことを思いますが、その辺についてはいかがですか。

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 証券会社の立場から申しますと、先ほど申し上げましたように、金融機関とのネットワークを通じた顧客層の拡大というメリットが一方であるということも御意見ございますが、もう一方で、確かに、先生御指摘のように、競争が激化する懸念というのも当然あるかと思います。

 ただ、いずれにいたしましても、全体として、今申し上げました証券市場のすそ野を広げる施策として、証券業界全般としても今回の施策については御理解をいただいているところでございます。

田中(英)委員 証券業界のことはそれとして、どこにおいても競合関係があるものはあるということでありますから、別段そのことを大きく問題視するわけではないんですが、そういう傾向が出るかなというふうに思ったわけであります。

 実は、同じことを銀行の方においても少し思っているんですが、こういうストーリーはどうなんでしょうね。

 私自身が近年五年間は十万ほどの市の市長をしておったのでありますけれども、その外郭団体といいますか、例えば住宅公社とかそういうところが資金が必要となって借り入れをする、こういうふうに思ったり、ちょっとお金があって、例えば一部事務組合がお金があって、どこかいいところに預けよう。

 こういうふうにする場合、京都は、先に言っておきますけれども、信用金庫も含めて四金融機関、信用組合はちょっと私わかりませんけれども、非常に安定していますので問題はないんですけれども、かつては、合併する前はいろいろあった。

 そうすると、ある金融機関の話によると、その当時、私のところは、都市銀も含めてですけれども、競争してまでも、それは金利の競争ですけれども、してまでも預金はもう要らない、それより貸出先を探すということの方が大切なので、もう我々は、借りる需要があったときだけはひとつ頼みますわ。また、余り資金の集まっていない、どちらかというと、いわゆる形としては弱いとされる金融機関の方は、少しいい金利をつけますので預けてくださいよというような、預金の方を重視するか、融資の方を重視するか、それが金融機関の強弱に多分かかわっておったんだろうと思うんですけれども、そんなことを言ってきて、我々の方は逆に、ペイオフのこともありますから、どこか一カ所に預けておいて一カ所から買っといたら相殺できるのにと思うとんのやけども、金融機関はもう選別的戦略を立てなんだらあかんねん、こういうことを言っておったのを今思い出しておるのであります。

 そういう意味におきまして、非常にワンパターン化すれば、預け入れについて、金利でもう余り頑張らぬでも、ある程度ここの金融機関は安定していると思ったら、人は、要するに預金は集まってくる。しかし、それを貸しに、融資に回さなかったら金融機関としてはやっていけないということで、いいところはもう融資先を一生懸命探している。そして、そのおこぼれとは言わないけれども、ある一定のものを、弱い金融機関も少しいい金利をつけてお金を集めて、自分のところの安定化を図っておるというようなところでバランスがとれとったんかなと思っておるわけであります。

 そこへ今度は証券が入ってきたら、優良なる金融機関が全部顧客をかき集めて、あっちもこっちも、これもありまっせ、こっちもできまっせというふうになってしまうと、またここで金融機関の中でも少しそういう意味の生存競争が余計始まるのかなというようなストーリーを考えたんですけれども、これはそういうふうにはなりませんか。

増井政府参考人 先ほど御答弁申し上げましたように、この制度、いろいろな面でメリットがあるというふうに考えておりますが、一方で、懸念される弊害というのもあり得ると思います。先生御指摘のように、金融機関が、仲介業解禁によっていろいろな形で優越的な地位を乱用する等の弊害が出る、それが懸念されるという御意見もございます。

 そういった観点から申し上げますと、まず第一に、銀行等の金融機関が融資とセットで証券取引を強要するような行為、こういったものにつきましては現行の内閣府令においてももう既に禁止をされております。さらに、今回の改正によりまして仲介業務が可能になるということを踏まえまして、例えば銀行の中での融資部門と証券仲介業務部門間の情報の共有を禁止するだとか、あるいは貸出先が発行する有価証券についての手取り金が借入金返済に充当される場合に当該事実を投資家へ開示せずに勧誘する行為を禁止するなどの措置、いろいろな形でのいわゆる弊害防止措置を講じることによりまして、そういった形での弊害がなくなるようにということで措置を講じているところでございます。

田中(英)委員 別に競争関係があることを否定しているわけでも何でもないんですけれども、要は、新たなことが始まると、それをベースにしてまた激烈な競争が始まる、それによって、特に地方金融において、安定的にそれが地方経済に貢献をしてほしい、こう思っているときに、金融機関同士のさまざまなことが起こったり、そういうことのないようにひとつうまく運用の方へ持っていっていただきたい。

 全く違うことをお聞きしますけれども、市場監視機能・体制の強化ということをする、こういうことで、この提案の中で証券取引等監視委員会の検査範囲の拡大等の措置を講ずる、こういうふうに言われているわけであります。そのことの趣旨はいいと思うのでありますけれども、要は、そうするとこの委員会が、言うなれば、人員的にも、能力的にも少し拡大をしなきゃならぬということに多分なるんだろう、このように思います。思いますし、またそれはそれでいいのでありますけれども、逆に言えば、従来からの、同じものではないですけれども、いわゆる金融庁の中にある審査課、これについては同じ体制でいくということは、全体的にまた金融庁の人員がこれによって膨らんでいく、こういうことになるんでしょうか、ちょっとお答えいただきたいと思います。

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 金融庁の定員につきましては、毎年々いろいろな形での増員について努力をしているところでございます。

 今御指摘のございました、今回の監視委員会の機能の強化に関しても、これは来年度以降の定員の要求ということになりますが、いずれにいたしましても、万全の体制で臨みたいと思っておりますし、かつ、金融庁の中にございます検査部関係の検査官の増員につきましてもこれからも努力をしてまいりたいというふうに考えております。

田中(英)委員 もちろんそれぞれが役務が違うことはわかっておるわけでありますけれども、同じようなやり方をしながらやってきておるということも含めてお聞きをしておるわけでありますが、要するに、一つずつのものをこうしてとっていけば、それは必要なことだ、こうなるけれども、気がついたら肥大化しておるということのないように、そのようなこともまた少し気になったなと思ってお聞きしました。

 もう時間ありませんので、最後に、こうしたいろいろな資金を企業及び事業所が調達できる、そういうルート、そうしたものがふえるということは非常にいいことだというふうに思いますけれども、そのことは、当然大きな企業から進んでいくというふうに思います。そうしたものが、理想として、やはり地域の中小、零細とまで言いませんけれども、そうしたところにも資金の調達のいろいろな方途が広がっていける、このことがまた地域経済も活性化していくということに多分うまくなるんだろうと思いますが、そこにまでこれは視点があって、なおかつそういうふうにいくであろうというものがあるんでしょうか。それを最後にお聞きしたいと思います。

竹中国務大臣 先ほどから田中委員には大変重要な御指摘、幾つかいただいていると思いますので、しっかりと取り組む所存でございます。

 中小企業に対する影響ということでありますけれども、中小企業の金融に関しましては、御承知のように、これまでもリレーションシップバンキングを中心に、マニュアルの改定等も含めて、さまざまな要請を金融機関に行う等々も含めて、しっかりとした対応を行ってきているつもりでございます。今回の措置に関連してということになりましても、それなりに効果をもたらすのではないだろうかというふうに期待をしております。

 具体的に、証券取引法の改正法案においては、ベンチャー企業や成長中小企業の株式売買を行うためのいわゆるグリーンシート市場、これを中小企業の一般的な資金調達の場としていくために、証取法に非常にしっかりと位置づけ、制度整備を図る。これはそのものでございます。さらに、ベンチャー企業に投資を行います投資事業有限責任組合について、これも証取法上の投資者保護の対象とする。これはやはり直接的につながるものだと思います。

 また、投資家の信頼が得られて効率的で競争的なものに証券市場全体がなっていくということによって、中小企業が市場を利用して資金調達をする場面が増加していく。これは全般的な姿でございますけれども、例えば、小口債券の証券化、流動化を通じて、中小企業融資における適切なリスク、リターンの関係がマーケットの中で形成されている、そうしたことを通して、やはり中小企業の融資も適正化していくという間接的な効果、これも我々としては大いに期待しているところでございます。

田中(英)委員 大いに期待をしながら、終わります。

 ありがとうございました。

田野瀬委員長 次に、小泉俊明君。

小泉(俊)委員 民主党の小泉俊明でございます。

 質問に先立ちまして、今、何といいましても国民の最大の関心事は、大臣の考えられないような国民年金の未納の問題であります。実は、この事態が発覚しました後、テレビを見ていましたら、二十代のサラリーマンの方たちが何人かインタビューを受けました。その中で話していたのは、ばかばかしくて年金を払う気にはならない、また、払えと言う前に自分たちがやれよということを、まさに正直な感想をテレビを通じて述べられていました。

 今回、衆議院の補選があったわけでありますが、投票率が非常に低い。これは本当のところを言っちゃいますと、非常に白けてしまったというのが、私はこの問題がかなり大きな影響があったのかなと思っております。

 信なければ立たずというのは、これは孔子の話でありますし、三木元内閣総理大臣がよく言っていた言葉であります。

 そこで、冒頭でありますが、谷垣大臣と竹中大臣に、まずこの点について、年金の未納問題、御自分にはないのかということと、また、未納の期間があったかどうか。そして、公人に関しましては、例えば刑法二百三十条の二のように、名誉毀損の事実の証明におきましても、公人は一般人と違ってプライバシーの問題も保護されないんですよね。ですから、その点も十分御認識いただいて、ゆめゆめそういう御回答をされないように、きちっとお答えいただけますでしょうか。谷垣大臣と竹中大臣によろしくお願いいたします。

谷垣国務大臣 最初に、今、小泉委員のお話の中で、刑法の名誉毀損と事実の証明との関係で、公人にはプライバシーは保護されないとおっしゃいましたけれども……(小泉(俊)委員「いや、緩い」と呼ぶ)緩い。緩いと言われると、最初に用意した答弁と若干違いますが、私は政治家にもプライバシーはあると考えております。

 そこで、私の公的年金の支払い状況ですが、現在、私は国民年金に加入しておりまして、支払っております。来年の二月まで支払いますと、六十歳になるわけでございますが。それ以上どうお答えするかということは、今国会の中で御議論があると思いますから、その御議論に私は従いたいと思っております。

竹中国務大臣 谷垣大臣のおっしゃったとおりだと思っております。今は国民年金に入っておりますし、保険料を支払っております。その他の情報、個人情報につきましては、内閣の御方針なり国会の御方針なりに従いたいと思います。

小泉(俊)委員 本来、谷垣大臣はさっき刑法の問題をお話しになりましたが、やはり私人と政治家、特に大臣は違うんですよね、法律上も。その点については、今のような御答弁ではなくて、私はきちっと堂々とお話しされた方がよろしいと思います。信なければ立たずというのが、一番の、政治家が信頼を失ったらすべての行政も政治も動いていきませんので、ぜひともその点は襟を正してやっていただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

 本論の方に入りますけれども、まず冒頭、四月十三日、経済統計の問題につきまして、竹中大臣に質問をさせていただきました。単身世帯の消費動向に三十五カ所も誤りがあった、また、二〇〇二年国民経済計算につきましても二回訂正したということですよね。これは何しろ、何回も申し上げますけれども、政府の政策決定の基礎になるだけではなくて、国民の信頼の基礎でもあるわけであります。この点について抜本的対策をお尋ねしましたところ、竹中大臣は、私の責任でやるとお答えいただきました。

 そこで、その後具体的にどういう抜本的対策をおとりになられたのか、明確にお答えいただけますでしょうか。

竹中国務大臣 御指摘のとおり、小泉委員から四月の十三日、大変重要な御指摘をいただきました。改めてでありますけれども、そのようなミスがあったということに関しては、大変申しわけなく思っております。

 答弁をさせていただきましたとおり、私の方から改めて防止策を徹底するように担当部局に指示をいたしました。その指示を踏まえて、経済社会総合研究所長から担当の部長に対して、統計の誤りの発生とその防止の徹底についてということで、しっかりとした周知徹底等取り組みを進めるようにという指示が出ております。

 具体的に、担当と各部局は統計の誤りの発生を防止するために機械を用いたデータのチェックの作業を追加するということと、目視によるチェックを徹底する。統計が大きくなると、目視で数字がぽんと飛んでいるところをおかしいのではないかと、こういうのはやはり重要なことになりますので、それで万全を期して作業に取り組んでいるところでございます。

小泉(俊)委員 いろいろな統計をホームページで見ますと、私が指摘した以外にも実はかなり訂正があります。私は大分緩んでいると思うんですね。これは五十ぐらいある経済統計がすべて、特に一次統計が狂うと二次統計のGDPも全部狂ってきますので、またこれは別途御質問させていただきますが、竹中大臣、全体を統括される責任者として、私が申し上げた統計以外の統計もぜひとも間違いのないようきちっと監視監督をしていただくようお願い申し上げます。

 次に、谷垣大臣と福井日銀総裁に、G7からちょうどお帰りになられたばかりでありますので、この点についてちょっとお尋ねをさせていただきます。

 まず為替の問題であります。

 これは委員会でたびたび、毎度毎度、私は為替の巨額介入についてお話をさせていただいておりますが、アメリカからも、グリーンスパンFRB議長、引き続きスノー財務長官、そして、最近はIMFの報告書でも、この十五カ月間で三十五兆円を超える日本の巨額介入につきまして批判されているわけですね。

 このG7、そしてまた日米の二カ国協議におきまして、今回のこの巨額介入に関する議論や批判というのはなかったんでしょうか、谷垣大臣。

谷垣国務大臣 今回のG7、それから日米の、スノー長官とのバイの会談は日銀総裁にもお入りいただき、グリーンスパンさんも入られた会談でございますが、そこで日本の為替介入に対する議論というものは特にございませんでした。

 今回、G7のコミュニケの文言は前回二月のボカラトンの声明と一字一句同じでございまして、為替レートは経済ファンダメンタルズを反映すべきであって、過度の変動や無秩序な動きは経済成長にとって望ましくないという基本的考え方が再確認された。それで、バイの会談の、バイの会談と申しますか、ああいうところですから、食事のときとかカクテルのときとかいろいろ立ち話なんかがあるわけですが、ああいう認識をこの前打ち出して、全体落ちついた姿になってきたんじゃないかという共通認識はあったと思います。

小泉(俊)委員 実は、これは四月十五日に発表されました、アメリカ財務省の主要貿易相手の為替政策に関するアメリカ議会に対する報告書というのがありますね。これは、八八年の包括通商競争力法ですか、これに基づきまして、アメリカ財務省が年二回議会に報告するわけですね。

 不公正な為替操縦に当たると認定した場合には相手国に是正を求める、そういう義務を課している法律でありますが、この四月十五日に発表されました報告書によりますと、日本の介入を含めて法的に問題がある国はない。しかし、日本の円売り介入について、極度に大きかったと不満を表明している。G7などの会議の場で日本に介入を自粛するよう求める方針を示したと言われているんですね。この中で、アメリカ財務省は、二国間協議とG7会議の両方を通じて日本とこれらの問題を積極的に論議すると明確に明記されているわけでありますが、ここまで書いてあっても、議論というのは全くなかったんですかね。大臣、もう一度確認します。

谷垣国務大臣 今おっしゃった報告で書いてございますことは、日本については、為替介入は日銀が長引くデフレを克服するためにベースマネーを急激に拡大する金融政策に移行すると同時に行われていると。それで、介入による円資金の供給は、その不胎化が部分的にしかなされなかったために重要なベースマネーの拡大の一要素となったという客観的な記述ではないかと思います。それから、介入額が極めて多額であったということも、客観的に指摘されているのは事実ですが、日本当局の為替介入に対する考え方を客観的に書いて、批判的な記述というふうには理解しておりません。

 それで、先ほど申しましたように、G7では、そういう大きな共通の認識はありましたか、落ちついた方向になったねと、それ以上のことはございませんでした。

小泉(俊)委員 谷垣大臣、G7では今お話しのとおりだったとは思うんですね、私も。

 ただ、これは、テーラー財務次官が二十二日に記者会見されている内容、そしてまた二月に入ってからのグリーンスパンFRB議長のお話、そしてまたスノー財務長官の三月に入ってからの批判とか、また、IMFの報告書においては明確に、客観的事実だけではなくて、かなり巨額の介入に対していろいろな話が出ています。

 それでは、G7におきましては、谷垣大臣おっしゃるように、何で余り為替の問題が議論に上らなかったんでしょうか、これはどうお考えでございますか。

谷垣国務大臣 今までずっと批判があったというふうに小泉委員は御認識ですけれども、私はそういうふうに認識しておりませんで、かなり客観的に日本の考え方もよく理解して述べておられるというふうに思いますので、メディア等はそれぞれの方の御発言を批判があったという、私、余分なことを言うかもしれないが、ややマゾヒスチックな受けとめ方もあるのじゃないかなと思っております。

 それで、今回取り上げられなかったのは、全体落ちついた方向になってきたという基本認識が大体共有されているからではないかと思います。

小泉(俊)委員 今、マスコミの方がちょっとマゾヒスチックじゃないかというお話もあるんですが、私は、客観的にかなりきちっと分析されて、いろいろな問題があることは確かですので、その点から実は書かれていると思います。

 それで、私は、何で今回のG7で為替の問題が問題にならなかったかというと、幾つか問題があると思うんですが、何といいましても、アメリカ大統領選を十一月に控え、イラクの情勢に最大の関心が、アメリカ国内の世論も、そしてまたアメリカもそこに関心が移ってきた。逆に言うと、かなりイラクの問題が深刻な事態になってきたんだなと。どうしてもG7に参加しているすべての国に協力を取りつけなきゃいけないような、極めて切迫した事態になってきたということ。

 もう一点が、やはりG7でも出ていましたが、これは資料で配付させていただいておりますウエスト・テキサス・インターミディエートのここ五年間の原油価格の推移でありますね。これを見てもわかりますように、ここ五年間でもついに最高の高値に向かってきたわけでありますね。アメリカも原油の六割を輸入に頼っておりますので、かなりインフレの懸念が本当に現実化してきた。また、たまたま、開催したときが百九円でありましたので、余り問題にならなかったのかなと思うわけでありますね。

 そういった点でたまたま出なかっただけでありまして、私は谷垣大臣に前回も前々回も確認をさせていただいておりますが、為替が急激に動くときには、介入が必要であれば思い切ってやるということを谷垣大臣は毎回御答弁されております。ですから、円高の傾向になってきたときには勇気を持っておやりになられると思うんですが、当然、その時点では、対アメリカとの関係におきましても、いろいろなあつれき、そしてまた批判が出てくるんだと私は思うんですね。

 それで、私、予算委員会からもずっと言わせていただいていますが、これほど巨額な、十五カ月間で三十五兆円を超える為替介入というものはやはり無理がある。経済効率性も私は乏しいと思います。今、無理無理にやっている理由は、何しろ輸出産業を保護するということでありますので、そのおかげで何とか輸出は好調になってきた、それに伴う設備投資も数字は出てきた。しかし、それとともに米国経済も何とか今好調である、毎度申し上げておりますが、外国人の買いによって株価も何とか一万二千円まで来た。ここまで来た段階で、財務大臣として、為替の介入に頼るのではなくて、個人消費を中心とした内需の拡大の政策に大きく足を踏み出すことが、日本はその時期に来ているんだということを、アメリカ経済また中国の経済を見ても、私はそれを御指摘しておきたいと思います。

 また、この介入によりまして、本当にいろいろ大きな副作用が出てきたわけですよね。その点についてちょっとお話をお聞きします。

 政府は、三月末が期限でありました、日銀に売った十兆円の米国債のうち六兆二千億円分について、先日、売り戻し期限を三カ月延長したわけでありますよね。一回は延長できるという日銀との取り決めがあるわけでありますが、余りにも巨額な政府短期証券の発行によって、これを市場に出してまた日銀にお金を返すわけでありますけれども、これは金利の上昇の弊害とか市場での消化に問題が出てきた等の弊害が出てきていると私は思うんですが、この点について、谷垣財務大臣、そして日銀総裁はどのようにお考えでしょうか。

谷垣国務大臣 昨年暮れ、日銀との間で取り決めを交わしまして、約十兆円相当の米国国債を買い戻し条件つきで日本銀行に売却して、このうち三・九兆弱は既に買い戻したわけでありますが、残余の六・一兆円強につきましては、今おっしゃったように、外為特会が売却した米国国債を買い戻すために必要な円資金の調達が可能となるまで期限を延長した、これを日銀との間で合意させていただきました。

 これは、政府短期証券の発行で円資金の調達をなだらかにしていく必要があるということでやったものでありまして、外為特会で特に円資金の調達が難しくなっているということではないというふうに私は認識しております。これは六月三十日までにきちっと買い戻すことといたしております。

福井参考人 ただいま谷垣大臣からお答えのございましたとおりでございますが、取り決めに従いまして、三月の期末、政府の方は、マーケットをごらんになっておられて、やはり平準化して資金調達をした方がいいだろうというお考えであったろうと思います。

 私どもの方も、今年度の期末は例年になく極めて平穏な金融市場でございましたけれども、それでもやはり念には念を入れて、期末日にはなお書きを適用して三十五兆円の上限を超えて資金供給をして市場の平穏を期した、そういう状況でございますので、資金繰りが集中する場合に、それが平準化して行われるということは極めて自然なことだというふうに考えております。

小泉(俊)委員 今、資金繰りを平準化するというお話なのでありますが、余りにも巨額過ぎるために、平準化しなければいけないぐらいかなりの、実際は一遍にやっちゃうと短期金利が上昇したり、いろんな弊害があるから平準化する必要があるわけでありますが、三カ月後の六月末、大臣、これは間違いなくこのときには大丈夫なんですか。

 要するに、延長したということは、何らかのあつれきとかハレーションが起きるからこそ延長したのであって、三カ月後、六月の末には六兆二千億、谷垣大臣は六兆一千億と申しましたが、その返済に関しましては問題は全くないんでしょうか、谷垣大臣。

谷垣国務大臣 FBの市中消化がちゃんとできるかということになると思うんですが、短期金融市場でFBは中核的な金融商品であるというふうに考えられて幅広い需要があるというふうに私は思っておりますので、六月に返済するということはきちっと予定どおりできるというふうに考えております。

    〔委員長退席、山本(明)委員長代理着席〕

小泉(俊)委員 巨額資金介入のもう一つの副作用が、日経の報道等によりますと、介入に伴う資金調達により日銀に対する政府の借金がことしの三月で十五兆円に急増してきたと言っているわけですね。この日銀に対する政府の借金について、まず財務大臣、これは財政規律のゆがみというかそういう観点とともに、日銀総裁に関しては日銀の財務の健全性について損なうのではないかという指摘もあるんですが、その点につきましては、谷垣大臣と日銀総裁、どのようにお考えでございましょうか。

谷垣国務大臣 これも委員との間でたびたび議論をさせていただいているので、余りかわりばえしない答弁で恐縮なんですが、私は、現在こういうことで特会にも格段おかしなことが生じているというふうには考えておりません、日銀にこういうことでお願いはしておりますけれども。

 ちょっと前に返りますと、十五兆というのがどういう根拠の数字か、私もどういう積算の上でなされているのかよくわからないのですが、特段の支障は起きていないというふうに考えております。

福井参考人 十五兆円という数字は私も一度だけ新聞で拝見したことがございますが、よくわかりませんが、私どもの推察では、恐らく十五兆円のうち二、三兆円は日本銀行がみずから引き受けている分、これは外国の中央銀行の運用対象とするためにFBが必要だ、そのために日本銀行がこれは自発的に引き受けた分でございます。したがいまして、十五兆から少なくとも二、三兆は引かなきゃいけないんですが、そうすると十二兆ぐらいになると思います。そのうちの半分ぐらいが、先ほど御質問のございました、恐らく外為関係で、三月末、一回延長されたこの部分も何か計算の中に入っているんじゃないかなというふうに思います。そうしますと、純粋に、政府の要請があってFBを引き受けている残高というのは六兆円ぐらいになってくると思います。

 これにつきましては明確なルールがございまして、公募入札において募集残高が生じた場合に一時的に引き受ける、あるいは為替介入の実施等によって国庫に予期せざる資金需要が生じたときに一時的に引き受ける、こういったたぐいのものでございます。明確な歯どめがございますし、従来からも、これはその後比較的短い期間のうちに市中で資金が調達されましてお返しをいただいている分でございます。日本銀行の財務の健全性にFBの引受残高が弊害になっているというふうには考えておりません。

小泉(俊)委員 十五カ月間で三十五兆円為替介入したわけでありますが、その介入資金というのは、政府短期証券を一たん全部日銀に引き受けていただいて、それで資金調達をしている。また足らなくなったものですから、米国債を買った十兆円分をまた日銀に引き受けてもらって、また買って、いわゆる、形はどうあれ自転車操業に結構近い状態なんですよね。

 そもそも財政法五条が日銀の国債引き受けを禁止したというのは、戦前においては軍事費を捻出するためにすべての国債を日銀に引き受けさせた、そういう反省のもとにおいて財政法五条ができているのでありまして、今回のような巨額な介入資金を日銀が一たんといえども引き受けるというのは、私は財政法五条の脱法行為に当たると。あくまでも例外でありますので、政府短期証券を認めるのは例外が大きくなり過ぎて、日銀総裁、例外は厳格にというのが法律の大原則でありますので、例外を緩くしてしまうと原則と例外がひっくり返ってしまいますので、その辺につきましては十分御配慮をしながらやっていただきたいと思います。

 次に、G7の中では余り大きく触れられなかったと思うのですが、私は、今最大の問題が米国の長期金利、これが世界経済に与える極めて大きなインパクトを持っていると思うわけであります。

 G7と同時期に開かれましたアジア、中南米、アフリカなどの二十四カ国の発展途上国によります財務相・中央銀行総裁会議、G24と言われますが、この共同声明なんかにおきましては、回復過程にある世界経済は長期金利の上昇という重大なリスクに直面していると明確に述べているんですね。米国の双子の赤字の削減を求め、アメリカ発の世界的金利の上昇に大変強い懸念を表明したと。これは、アメリカの双子の赤字がどんどんふえていきますと、米国の金利が上昇をし、途上国のマネーが全部また流出をする、それによってまた金利の高騰という悪循環が出てくるんじゃないかということですね。

 また、IMFの国際通貨金融委員会、IMFC、この共同声明におきましても、二十四日、長期金利の上昇と原油高が世界経済のリスク要因だというのを明確に指摘しているわけですね。

 この金利の上昇、特にアメリカの長期金利の上昇については、G7では、谷垣大臣、そして日銀総裁、このお話は出たんでしょうか。

谷垣国務大臣 G7の議論の中で、国際経済の見通しというようなことで、それぞれのところで何の問題を抱えているかという議論がございまして、そういう一般的な議論の中ではこういうことも触れられたわけでありますけれども、これはグリーンスパンさんの御発言をかりますと、いつも経済は懸念材料が五十ぐらいあるんだけれども、今は三十五ぐらいになったかなというようなことでございまして、当然、いろんな意味での懸念材料としてはこういうことも視野に入れておく必要はあるんだろうと思いますけれども、全体は非常に健全な方向に向かっておりますので、まあ、そういうことでございます。

福井参考人 市場の動きが経済の実態とか方向性から見て飛び離れた動きをするということは、いつの場合でも経済にとっては大きなリスクでございますが、これから世界的にも経済が本当に持続的な回復の軌道あるいは拡大の軌道に乗る、それを定着させていくという観点から見て、御指摘のように、原油の価格とか長期金利の動向というのは下手をするとリスク要因になりかねない、そういった感じの議論は行われております。

 コミュニケをごらんになられましても、その中で、特に原油価格について、より強いリスク要因だということは明確に指摘されているところでございます。長期金利についての一般的な感触は、持続的な回復ないし成長の方向が次第に確実になるにつれ、物価の方ではディスインフレーションに歯どめがかかりつつある、こういう認識になってまいりますので、金利に対する市場の感覚も少しずつ変わってきている。これが跳びはねるような動きを現出させないようにしなければならない、これが共通の認識でございました。

 グリーンスパン議長のお話も、金利の情勢は徐々に地合いとしては変わっていくかもしれないけれども、しかし、米国においてインフレのリスクが目前に迫っているわけではない、こういったことで、きちんと市場と会話を交わしていけば、うまく市場の期待の安定化を図ることができるんではないか、こういうニュアンスのお話は確かにございました。

小泉(俊)委員 日銀総裁、どうもありがとうございました。

 日本の現下の経済を見てみますと、三割を超えるアメリカに対する輸出とともに、中国と言われておりますが、中国だけではないんですね、実際数字を見ますと、NIES、ASEANの方が数字が大きいんですね。ということは、G7というのは、単なる七カ国ではなくて、世界に対する大きな影響を持っていますよね。特にG24のような発展途上国、ここの経済というのは日本とかアメリカと違って非常に脆弱ですから、その辺について配慮するのもG7の大きな仕事だと思っていますし、そこにアジアを代表して参加される谷垣大臣のウエートというのはかなり大きいし、責任も大きいと私は思うんですよね。

 ですから、世界じゅうのG7以外の国が懸念していることを勇気を持ってG7の中で発言していくのが日本の信用を高める一つの道であると私は思いますので、今後も、引き続きありますので、そういった懸念がありましたら、ぜひともそういう声を、発展途上国等さまざまな国を代表して発言していただくよう、よろしくお願いを申し上げます。

 ちょっと時間がなくなってまいりましたので、証券取引法の一部を改正する法律案の方に移らせていただきたいと思います。

 幾つも用意したんですが、あと十分もありませんので、端的に絞ってお話をお聞きします。

 今回の銀行に証券仲介業を認めるという法律、私は、これを本当に今の法律のまま通していいのかという疑問を感じています。それは、証券取引法六十五条で、そもそも両者を分けた、垣根を分けた大きな理由、立法趣旨、この弊害がまさに私は出てくるんじゃないかと思うわけであります。

 例えば、銀行が貸出先企業に有価証券を発行させて貸出金を回収したり、優越的地位や情報を乱用して顧客に損害を与える危険性というのが、私は、この法律ではかなり高いと思います。現実に証券取引法の弊害が生じた場合、四十四条、四十五条、六十六条の十三、そして内閣府令、それに違反した場合には行政罰ということになるわけでありますが、行政指導等の行政罰になるわけでありますが、現実にこの法律を通したときに起きる弊害というのは、竹中大臣、これは弊害防止できるんですか、その実効性はあるとお考えですか、明確にお答えください。

竹中国務大臣 今回の改正の中での一つの大きな項目であります銀行等による証券仲介業の解禁について、本当にそれによる弊害を生じないか、大変重要なポイントであるというように我々も認識しております。

 これは、御承知のように、昨年十二月に取りまとめられました金融審の報告において、さまざまな観点からの御指摘を既にいただいております。その中で、いろんな問題は指摘をいただいた上で、銀行であるがゆえに必要となる有効な弊害防止措置を条件に所要の法的手当てを行うことが望ましいのではないか、そういう最終的な御指摘をいただいております。そういう観点から、先ほどから申し上げておりますように、貯蓄から投資への流れを加速するという目的で、弊害防止措置に十分配慮いたしながら、今回の法案を提出させていただいている次第でございます。

 具体的な弊害の防止でございますけれども、銀行等による証券業務に関しては、信用供与の条件として証券取引をさせる行為等を禁止しているわけでありますけれども、今般の仲介業の解禁に伴いまして株式等の取り扱いが可能になるということでありますから、それを踏まえて、さらに、まず第一に金銭の貸し付けを条件として証券取引の受託等をする行為を禁止するということ、証券仲介業務部門と融資部門との間の情報の共有を禁止するということ、貸出先が発行する有価証券についての手取り金が借入金返済に充当される場合には、当該事実等を投資家に開示せずに勧誘する行為を禁止するという、いわゆる弊害防止措置を講ずることとしているわけであります。

 加えて、委員の御質問は、それの実効性ということでございますけれども、これは法令でありますから、それの実効性に関しては市場監視機能・体制の強化に努めてきているところでありまして、これは引き続き法令違反行為を的確に把握し、これを厳正に対処する。

 我々としては、当然、実効性を十分確保していく、しっかりとした監督体制もしいていく、そういう決意でおります。

小泉(俊)委員 今までも証券取引法等においていろんな不正監視システムというのはあったんですよね。ところが、今まで何が現実に起きてきたかといいますと、バブル期に変額保険ですよね。これは、銀行が自分の関連の生命保険会社に利益を上げさせるために顧客に融資をしてそれを買わせる。これをあたかもおいしい言葉でつっておいて、いざとなったら株価が下がることにだれも責任をとらないわけですよ。これも防止できなかったですね。

 あと、マイカルですよね、御案内のように。これは、メーンバンクの指導下で経営破綻直前に個人向け社債を売って、メーンバンクだけはちゃんと資金を回収しておく、その結果、膨大な損害を一般の国民に与えたんです。実は、第二常磐線の、今度私の茨城に入ってきますが、ここの会社の社長もマイカルのこの社債を百億買って、飛んじゃったんですよね。

 ですから、かつてあったとしても、実効性がないんですよ。ですから、単に法律があったって、今私が述べた二つのことすら、一般の顧客なり投資家を守れないようであれば、また同じことを繰り返すんじゃないかという危険性は私はあると思いますので、法律で決めたからといって、それが実効性があるわけじゃないんですね。実際は、その監視システムがしっかり機能するかどうかというのが極めて大きいので、私は疑問を感じます。

 特に、具体的に一点申し上げますと、四月から導入されますこの証券仲介業務を一般事業会社、個人がやった場合、この証券仲介業者が顧客に損害を与えた場合、顧客は、財産的損害を受けた場合、直接、その一般事業者や個人に仲介業を委託した大もとの証券会社に対して、証券取引法六十六条の二十二によりまして損害賠償請求ができるんですよ。これが大切なんですね。要するに、損害を受けた個人を、どうやってその人を守るかですね、行政罰とか刑事罰ではなくて。

 ところが、今度、銀行に同じように証券仲介業務を認めるわけですね。どういうわけか、銀行に対しては、証券取引法の六十六条の二十二ですよ、損害を受けた被害者が銀行に委託した証券会社に直接損害賠償請求を認める規定の準用がないんですよ。これは私はおかしいと思います。

 やはり被害者の一般投資家をきちっと守っていかなければ、実効性が、先ほど申し上げたように弊害を防止する措置なんかあったって機能しないんですよ、実際のところは。そして、一番最後の最後のとりでというのは、財産的損害を受けた方たちがきちっと損害賠償請求をできるというところに私は最終的な保護の決め手があるんだと思うんですね。

 その点につきまして、証券仲介業務を銀行に認めながら、証券取引法の六十六条の二十二を銀行にだけ準用していないのは私はおかしいと思うんですが、この点について、竹中大臣、いかがでしょうか。

竹中国務大臣 今の証取法六十六条の二十二に定められている損害賠償責任の問題というのも、御指摘のように大変重要な問題だというふうに思います。

 ただ、これは御理解いただきたいのは、仲介業者が仲介業について顧客に損害を与えた場合、委託を行った証券会社が責任を負うという規定にしているのは、そもそも、仲介業者というのは財務基盤を要件としていないわけですから非常に基盤が弱い、その意味で、投資家を守るためにまさにこういうことを設けている。

 それに対して、銀行というのは、業法においてそもそも財務規制があって、財務基盤があるんだ、だから、これは銀行がみずから責任を負うんだということなんです。そこで、当然のことながら金販法も適用される、その意味では、投資家は保護されます。投資家は保護しなきゃいけない。その場合に、むしろ銀行に責任を課しているという枠組みになっておりますので、その意味では、御懸念のようなことではなくて、むしろ銀行に厳しいという趣旨でこれが設けられている。

 いずれにしても、実効性を上げることが大事ですから、そこは総合的な監督を含めてしっかりとやってまいります。

小泉(俊)委員 竹中さん、それが違うんです。銀行が仲介業務をやった場合、そこを通じて顧客は銀行との契約関係はないんですよ。契約関係は、あくまでも仲介業務をやっているだけですから、証券会社としか契約関係がありません。ですから、銀行に対して損害を受けた方が損害賠償請求をするのは、民法七百九条の不法行為責任しか問えないんですよ。これは、立証責任は、違法性から因果関係から、谷垣大臣御案内のように、請求する方がすべて立証しなきゃいけないわけですから。訴訟の実態というのは、挙証責任あるところに敗訴ありというのは当たり前の話ですね。

 ですから、証券取引法六十六条の二十二によって、直接契約関係が一般事業者と個人にないからこそ、直接契約関係のある証券会社に一たん責任追及させておいて、そこで損害賠償を補てんした場合には、証券会社が今度仲介事業者に損害賠償請求する。その点について、今回、銀行に対して責任をとれと言ったって、契約関係がないですから。契約があれば債務不履行責任で、挙証責任は向こうにありますからいいですよ。ですから、私は、それでは実質的には保護にならないと思うんですが、幾ら財産があっても結局訴訟で全部負けちゃうんですね。その点についてはいかがですか。

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 銀行が証券仲介業を行う場合には、銀行がみずから帳簿にその旨を記載するということになっておりますので、したがいまして、仲介を行ったということは記録に残るということでございます。

 それからもう一つは、銀行が取り次ぎをした場合には金販法の規定の適用がございますので、この場合には、仮に何か問題が起こった場合には、挙証責任が逆転をするといったような、いわゆる金販法の適用ができるということになっております。

小泉(俊)委員 時間が来ましたので。何しろ、いろいろな法制度があったとしても、機能するかどうかが一番問題となります。確かに、証券市場の活性化とか個人株主をふやすというのは、私もずっと言ってまいりましたので、その趣旨はわかるんですが、弊害が大き過ぎたら意味ないですね。大企業と一般個人の場合には全然力関係が違いまして、現実にお金がなくて訴訟を起こせないぐらい損害を受ける場合もあるんですよ。ですから、ぜひともその点を十分考慮していただいて、ただ、私は、ちょっとこの法律は筋が悪いということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。

山本(明)委員長代理 次に、津村啓介君。

津村委員 民主党・無所属クラブの津村啓介でございます。

 質問に先立ちまして、少し質問の本旨にずれるんですけれども、本日の御質問、二つの法律案についてやや逐条的に一つ一つ丹念に質問させていただきたいと思っておりまして、事前に質問通告もさせていただきました。そうした中で、極力参考人の方に答えさせたいということを繰り返し言っていただいたんですけれども、副大臣がちょっとほかの委員会の関係で、竹中大臣に負担がかかるというようなお話もありまして、いろいろ考えたんですが、やはり私は、私どもも対案を提出して重要法案を議論していったり、そういった努力もしている中で、大臣、副大臣にお答えいただきたいというふうに思いまして、御無理を申し上げております。

 それに関連して、多少つけ加えると、私は、こういったこともあるわけですから、必要ならば副大臣や政務官をふやしてでもしっかりと、きょうはどうしてもとおっしゃるんで参考人の方に座っていただいておりますが、お答えいただきたくないんですけれども、そういった形で対応していただきたいということを冒頭申し上げたいと思います。

 何かお話があればどうぞ。

竹中国務大臣 法案を担当している大臣でございますから一生懸命答えさせていただきます。また、今御指摘のありました副大臣、政務官、金融庁は政務官がいないんです。今は副大臣がちょっと別の委員会に行っておられるということで、本当にふやしてほしいなと私自身も思っております。

 繰り返し言いますが、大臣としてしっかりと答えさせていだきます。非常に技術的なことになると政府参考人に少し確認しなきゃいけないようなこともありますので、できるだけ御不便をかけないように、しっかりと答弁をさせていただきます。

津村委員 それでは、具体的な質問に入らせていただきたいと思います。

 冒頭、これは少し大きな御質問になるんですけれども、金融ビッグバンの現状評価というところで、前回も総論的なところで伺ったんですが、一点、絞って伺いたいと思うのが、私は、金融ビッグバンのねらいが幾つかある中で、もちろん消費者の利便性を向上させる、あるいは金融産業の国際競争力を高めていく、そういった国策としてのねらいもあったと思いますけれども、もう一つ、雇用も含めた市場間競争、二十四時間、国際金融マーケットが開いている中で、ロンドンとニューヨークが閉まっている間は、極東地域、アジアの地域が、マーケットが唯一開いている時間帯、エリアになるわけです。そうした中で、シンガポールや香港あるいはその他の市場に比べて、東京マーケットが最も魅力的なマーケットでありたい、そういった国としての意思も、国家意思というものがこの金融ビッグバンには働いていると理解をしているんです。

 ビッグバン提唱から七年余りを経て、現在、そういった成果、つまり、シンガポールその他と、取引規模あるいは雇用でもいいんですけれども、数字的に確認できるものとして、どのような成果があるのかということを教えてください。

竹中国務大臣 まず、津村委員おっしゃいましたように、やはり国の政策として、シンボルである東京の市場を国際的に競争力のあるものにしていくということは、これはまず政策的な意図として大変重要であるというふうに思います。金融ビッグバンは、まさにそのような意思を反映した一つの政策であった。本家イギリスの一九八六年のビッグバンも、やはりシティーの復興というのは国の威信をかけてやったことであるというふうに思います。

 九八年の金融システム改革、日本の金融ビッグバンを踏まえて、我々としては、仲介者の新規参入、業務の自由化、競争を促進する観点から取引所集中義務の撤廃、さまざまな措置を講じて、その効果なわけでありますけれども、この効果は、まず何ではかるかというのと、どの時点と比べるのかということによって、評価は物すごくまちまちになってくるんだというふうに思います。

 例えば上場会社数、売買代金、時価総額等々、これを、例えば平成十五年の数値とこの日本版金融ビッグバン当時の平成十年の数値と比較しますと、いずれも、東京の数値というのは、ニューヨーク、ロンドン市場に対して相対的に実はよくなっているという数字が出てまいります。その意味では、東京市場のプレゼンスに関しては比較的向上しているという評価も可能である。ところが、これをさらに十年さかのぼってバブルのときと比べると、これはもう明らかに日本の数字が低くなる、そういう中にあろうかと思います。ただ、いずれにしましても、金融ビッグバン政策をとってからの数値ということになりますと、ニューヨーク、ロンドンと比べると、上場会社数、売買代金、時価総額等々についてはそれなりの評価があるのかというふうに思います。

 ただ一方、シンガポールと比べたらどうか。これも津村委員の御指摘にありました。これは、売買代金ベースで比較しました場合、平成十年のシンガポールの売買代金は対東京比で七・八%でした。しかし、売買代金の方は相対的に東京の方が大きくて、シンガポールの比率は十五年には四・三%に下がっている。その一方で、時価総額ベースで見ますと、数字は、評価は逆になりまして、平成十年のシンガポールの時価総額、東京比で四%であったものが今五%に上がっている。売買代金ベースと時価総額ベースで少し評価が違っております。

 日本のプレゼンスの高まりというのはそれなりに見られているのではないだろうか、これをもっと確実なものにしたい、そういう思いでおります。

津村委員 実は、この数字についても、昨日から資料を取り寄せながら金融庁の皆さんにお話を伺ってきた経緯があるんですけれども、多少苦言を呈させていただきたいんです。

 株式だけではなくて、為替なりあるいは債券なり、マーケットだけとってもいろいろあるわけです。そうした中で、数字が、つい先ほど、五分ほど前にそこでも追加をしていただくようなぐあいでしたけれども、結果的に債券の数字は依然いただいておりません。明らかにこれは公表されている数字だと思うんです。金融庁さんが作成されているわけではもちろんないでしょうけれども、市場整備をされている、あるいは金融ビッグバンを所管されている金融庁さんが、こういったマーケットの規模、あるいは他のマーケットとの比較ということを日常的にされていないとすれば大変おかしな話で、そういうことはないと思うんですけれども、確認させていただきたいんです。

 私からは、債券、為替そして株式、この三つのマーケットについて、先物取引も含めて数字を一通り見ていただきたい、チェックしていただきたい、その結果をお伝えいただきたいということも申し上げていたんですけれども、株式の話だけが出てきて、しかも、上場会社、売買代金、時価総額の話がありましたが、非常にこの間、株価がボラティリティーが高いといいますか乱高下しているわけですから、そういう意味では比較的、取り上げる指標としては余り適切じゃないような感じも私としてはします。

 むしろ、上場会社は明らかにシンガポールの方がふえているわけですし、そういったところを見ると、ちょっと、金融ビッグバンのフォローというか、その成果をしっかりフォローされているのかどうか、やりっ放しになっているんじゃないか、その辺が不安になるんですが、そこはしっかりと数字をチェックされているんでしょうか。だとしたら出していただきたいんですけれども。

    〔山本(明)委員長代理退席、委員長着席〕

竹中国務大臣 先生に御迷惑をおかけしたとすれば、それは私の方からも深くおわびを申し上げます。

 ただ、恐らく事務方は、私の知る限り、もう必死で、きのうもほとんど担当部局は徹夜で先生方の御質問に対する対応をさせていただいております。我々としては、さまざまなデータをより迅速的確に把握、整理できるように常に努めているつもりでございますが、ちょっと話を聞きますと、例えば為替は日銀が所管している、日銀からデータを取り寄せる、そのような形になっているんだそうでございます。もちろん、我々としては評価は常にしているわけでありますけれども、例えば特定のフォーマットでそれをお出しするとなると少し時間がかかったりしてしまう。いずれにしましても、担当の者は、本当に、それこそわき目も振らず必死で今やっております。我々の方もしっかり対応いたします。

 それでお願いでございますが、できれば、できるだけ早く、またいろいろな趣旨の、特に長期の統計等々に関しましては、早い時間にいろいろお知らせいただければ、我々の方も対応をもっとスムーズにさせていただけるというふうに存じます。

津村委員 日常的に数字をフォローされていると思っていたものですから、ちょっと私の方に誤解があったとすれば、対応がぎりぎりになったことはおわび申し上げます。

 そのこととも多少関連するんですけれども、実は、この御質問を差し上げた真意は、前回、三月二日の竹中大臣への初めての御質問と流れは一つなんですけれども、私としては、金融ビッグバンという一つの大きな国家的なプログラムというか大きなビジョンが示された、それについては、その後の金融情勢の変化もありまして、評価はいろいろ分かれますし、マイナス面もなかったとは言えないと考えるわけですが、そのあたりの中間的な総括といいますか評価を金融庁さんがある程度示される。

 また一方で、当初示されたプログラムの中で、できているもの、できていないものがいろいろありますね。保険の窓販なんかもそうだと思いますけれども、金融情勢が目まぐるしく変わっているわけですから当初の予定どおりすべてやるべきだということを必ずしも申し上げる気はないんですけれども、これはちょっとおくれている、あるいはこれは残っている、そういったことを一度整理して、今後どういう形でどういう目標に向かって進めていきたいかということをこのあたりで一度整理をされる。

 竹中大臣、金融検査の面では、竹中プランということで、内容の是非はともかく、明確なビジョンを示されて金融再生に取り組まれているわけですけれども、金融マーケットの面についても、これは、私、竹中さんへの提言といいますか、御進言申し上げるという趣旨なんですけれども、金融ビッグバン以降の金融システム改革について、この間、この半年ほど、私が衆議院議員になってからでも、何回となく、保険の窓販についても、今回の二つの法案についても、結局、目標の対比、どの辺まで来ているんだ、今どういうポジションにあってこれからどういう課題があるのか、そういうことについて繰り返し御質問を差し上げているんですが、断片的な御回答がどうしても多くなっていて、全体観がなかなかつかめない。

 これは、質問がしにくいということは瑣末なことかもしれませんけれども、マーケットから見ても、あるいは海外から見ても、金融ビッグバンはどこに行ったんだ、金融行政がダッチロールしているんじゃないか、そういう印象を与えかねないと思いますので、竹中大臣はそういったビジョンを示されるのはお得意だと思いますので、このあたりでそういった整理をされたらいかがかなということを提言させてください。

竹中国務大臣 恐らく津村委員は、金融問題に対する全体的な整理というのは頭の中で非常にきちっとなさっていらっしゃるということで、それで今の御指摘が出てきているというふうに思います。

 ぜひ、次のように御理解を賜りたいと思います。

 構造改革を行う段階で、我々は最初から、改革には、ちょっと片仮名で恐縮ですが、リアクティブなものとプロアクティブなものがあるのではないだろうか。リアクティブなものというのは、これは不良債権の処理が典型でありますけれども、できてしまった不良債権というのは苦しくてもしっかりと処理していくしかない。しかし、それだけで日本経済がよくなるわけではなくて、プロアクティブなものがあるだろう。この間のグローバリゼーション、世界市場の変化に対応して、また技術のフロンティアが広がったということに対応して、しっかりと前向きにやっていかなければいけない。

 小泉政権ができてから三年間の主な役割は、実は、まさに我々が呼んでいるところの集中調整期間、集中的に調整を行う、不良債権の問題、それと財政赤字の拡大を食いとめるという問題、このリアクティブな構造改革にやはり大きな軸足を置いていたというふうに思っております。だから、それを集中的に調整する期間という意味で集中調整期間。実は、その集中調整期間は十六年度までというふうにしている。

 十七年度以降は、まさに今、今回、ことし六月の骨太方針についての議論を開始しておりますけれども、ぜひ、プロアクティブなものに重点を移していって、そのために必要な長期の成長基盤を重点的に強化する。今までは集中的に調整する、今度は重点的に強化する、その中でさまざまな政策を前向きに打ち出していこう。ちょっとオーバーに言いますと、そういう時代認識を持っております。今、津村委員が御指摘になった問題というのは、まさにその中でしっかりとお答えを出していかなければいけないものであると私は思っております。

 金融再生プログラムというのは、不良債権の処理にまさに焦点を当てております。もちろん、それだけではないわけでありますけれども、それを超えてさらに、その中に実は、金融ビッグバンの評価と、それのさらなる継続、加速というのは、私は、その重点強化の非常に重要な部分になってくるというふうに思っております。

 まだ集中調整期間でありますので、この一年間はわき目も振らずにこの金融再生プログラムの実行に当たっていきたいと思っておりますが、それを踏まえて、これは時期的にはちょっと秋ぐらいになるのかどうなるのか、その重点強化に向けた金融のあり方につきまして、どの程度体系的に、どの程度整合的に示せるかというのはこれから積み上げて考えますが、恐らく津村委員が御指摘のような方向で私たちも当然動いていかなければいけないというふうに思っております。

津村委員 ありがとうございました。

 それでは、今回の二つの法案について、少しずつ御質問をさせていただきます。

 まず、これは最も大きなテーマの一つだと思うんですが、銀行等による証券仲介業務の解禁についてでございます。

 その御質問に入る前に一つ確認させていただきたいんですが、一般事業法人と個人については、証券仲介業務の取り扱いがこの四月一日から解禁になっています。特殊な事情のある銀行とは意識的にその時期をずらしているということだと思うんですが、この四月以降の実績及び評価というものはどうなっていますでしょうか。

竹中国務大臣 まず、実績のお尋ねかと思いますが、登録申請を今受けているわけですけれども、現実には、制度としてはスタートはまだしておりません。したがって、登録申請の状況はちょっと今手元にはございませんが、非常に幅広くいろいろなところで御対応をいただきつつあるというふうに認識をしております。

津村委員 今回の法律案のベースになっているものの一つに、金融審議会の部会報告、十二月二十四日に出されたものがあると思います。繰り返し金融庁さんからいろいろな場面で御説明いただくときに引用されるものですので、ここでも引用させていただきたいんですが、証券仲介業については、冒頭、こういう書き方をされています。「銀行を除く形で導入し、未だ施行に至っていない証券仲介業の範囲を現段階で見直して銀行を加えることは、政策として拙速にすぎるとの指摘がある。また、これまで銀行が行えないことを前提に証券仲介業に参入するプランを立ててきた者にとって、」つまり一般事法や個人だと思いますが、「前提条件の変更になってしまうことも事実である。」これは事実だと思います。

 こういった問題点を報告書の中で指摘されているんですが、その後段に、いや、それでも銀行をやろうという理由として、これは全く時間軸と関係ないところで、ワンストップショッピングとか、銀行顧客層の市場参加を促すとか、地域におけるアクセスが改善されるとか、それは別に以前からあったメリットで、この期に及んでといいますか、この一年間で何ら変更があるたぐいのものではないと思うんですが、そういったメリットのみを書いて、最後、こう締めくくっているんですね。「換言すれば、一般事業会社にできることを、銀行にだけ制度的にできないままにしておくことは、もはや国民に対して説明できない段階に来ている」。

 ここに大分論理の飛躍がありまして、今まで、銀証分離については、この証券仲介業務についても長い長い議論の歴史があるわけですけれども、昨年、一般事法と個人だけにとどめて、ちょっと銀行とは別扱いして様子を見ようということにしたはずなのに、まだそれが、先ほどおっしゃられたように制度として実質的にスタートを切らない段階で、その様子を見たともとても言えない段階で、あるいは議論の前提条件の基本的な変更をこの段階でする理由が示されていない。ぜひ理由を教えていただきたいと思います。

竹中国務大臣 金融審の報告について丁寧に御紹介をいただきました。銀行を除く形で導入していまだ施行に至っていない証券仲介業の範囲を現段階で見直して銀行を加えるのは、政策として拙速過ぎるという指摘がある、そのとおりでございます。一方で、顧客の利便性の向上、投資家等のすそ野の拡大、証券会社の店舗が少ない地域におけるアクセスの改善、そういった意義を重視しなければいけないという指摘がございます。そして、銀行であるがゆえに必要となる有効な弊害防止措置を条件に、通常国会で所要の法的手当てを行うことが望ましいという御指摘もございます。

 こういう今の金融の問題というのは、事ほどさように、常にさまざまな立場からの意見があって、全会一致でその方向というようなことではやはり明らかになくなってきている。それだけ、非常に、今までにない新しいことをどんどんどんどんやっていかなければいけない状況であろうということかと思います。

 この時点でなぜなのかという御指摘でありますけれども、基本的には、潜在的にこれまでも非常に強いニーズがあった、銀行に対する仲介業参入への期待、そういうものが、市場全体の動向とも絡め、やはり改めてそうした機能を見直そうではないか、そうすることによってこの今の時期に貯蓄から投資への流れを加速、本格化させようではないか、そういう認識が委員の間にも大変広まったのではないのかなというふうに思います。

 これはやはり、一つ一つ積み重ねながら、合意形成をしていきながら、しかし方向としては進むべき方向に持っていかなければいけない。今の行政は押しなべてそういうところがあるわけでございますけれども、今回、その利益相反の問題等々についてもある程度手当てのめどがついたということで、このような形でお諮りをしているというふうに御理解を賜りたいと思います。

津村委員 時間的に急に早まってルールの変更、ゲームのルールが変わったことについての御説明にはなっていなかったように思うんですけれども、委員の皆さんの認識が広まったというのはちょっと御説明ではないと思うんですが、もし補足があれば御説明いただきたいということと、それから、最後におっしゃられた、利益相反を防止する実効的な手段が講じられることになったのでということをちょっと口走られましたけれども、具体的にはどういうことですか。

竹中国務大臣 銀行の優越的地位が問題ではないかというのはさまざまな形でこの場でも御議論をいただいているわけでございますけれども、銀行等による証券仲介業に係る弊害防止措置、今、現行法令におきましても、信用供与の条件として証券取引をさせるような行為を禁止しているわけでございます。今般の証券仲介業の解禁に伴いまして、これは株式等の取り扱いが可能になるわけでありますから、さらに大きく三点、措置を講じるということでございます。

 第一は、金銭の貸し付けを条件として証券取引の受託等をする行為というのを禁止いたします。第二に、証券仲介業務部門と融資部門との間の情報の共有を禁止いたします。第三に、貸出先が発行する有価証券についての手取り金が借入金返済に充当される場合に当該事実を投資家へ開示せずに勧誘するという行為を禁止いたします。

 先ほども同僚委員からその実効性はということを尋ねられているわけですが、まず、我々は、法律として禁止をした、明確に禁止した。実効性に関しては、市場監視機能・体制の強化に努めているところでありますけれども、引き続き、法令違反になるわけですから、これを的確に把握をして厳正に対処する、その弊害防止措置を含めて、実効性の確保に金融庁として全力を挙げたいというふうに思っているわけでございます。

津村委員 ここの辺から、まさに、私ども民主党の考え方と金融庁さんの作業の進め方の最も大きな違いといいますか、一番大切な部分になってくると思いますので、少し事実に即しながら御質問をしたいと思います。

 たくさん措置を講じられている、これを禁止するこれを禁止すると今三つか四つおっしゃいましたけれども、法律で書くのはそれは簡単なことで、禁止する必要があるなら禁止すればいいんです。しかし、そういったことがしっかりと、その実効性、まさに実績として、では、二年後三年後に、そういった制度が導入された後に、監視当局がいろいろ禁止事例についてしっかり摘発する、不公正取引がないことを明らかにしていくということができるかどうかが一番重要なわけで、そういったことを考える上でも現状を少し見たいと思うんです。

 日本とアメリカで、両市場、マーケットの規模の差もありますけれども、それぞれに監視当局が置かれている、そういった中で、不公正取引の摘発件数というのはどれぐらいの差があるんでしょうか。具体的な数字でお願いします。

竹中国務大臣 済みません。摘発件数とおっしゃったんでしょうか。(津村委員「はい、そうです」と呼ぶ)摘発件数は、平成十四年度の我が国証券取引等監視委員会等の刑事告発案件は二十二人・社、二十二でございます。他方、二〇〇二年度の米国SEC関連刑事案件は二百五十九人・社でございます。二十二と二百五十九でございます。

津村委員 二十二と二百五十九ということですから十倍以上なんですが、それほど大きな差が生じる背景といいますか、生じるのはなぜだと思われますか。

竹中国務大臣 この背景は、いろいろな要因があると思いますけれども、先ほど少し委員も御指摘になりましたが、市場規模の差異というのも一つの要因になろうかと思います。資産をどれだけ持っているか、そのポートフォリオはウエートが随分違っているわけでありますので、ストックではかるかフローではかるかはともかくとして、その取引の母数が何倍も違っているというのは一つ大きな要因であろうと思います。

 一義的に言うのは難しいのでありますけれども、これは、アメリカSECと監視委員会では、その機能、制度の違いがある。その機能、制度の違いも反映して人数等の違いがあるということだと思います。具体的に言いますと、我が国の証券取引等監視委員会の定員は、財務局も含めて四百十五人、これは、証券会社等の検査部門、それと犯則調査部門の合計であります。一方、アメリカSECの法務執行局は千三百五十七人。この人員面での差があります。

 機能、制度面の差というのは非常に大きいと思いますけれども、アメリカのSECは、民事裁判や行政手続を経た処理、あるいは被疑者との和解により案件を終結させるんですけれども、監視委員会は、精緻な調査を行って、起訴、公判といった司法手続が予定されている刑事告発を行っている点、この点が大きな違いだと思います。つまり、刑事裁判にたえるような精緻な調査、証拠を収集していなければいけない。アメリカの場合は、その前段階で仕事が終わる。そのような、これは幅等、深さ、プロセスの深さ、その違いも非常に大きいのではないかというふうに思っております。

津村委員 定性的な御説明が多かったように思うんですが、機能が、市場監視機能、流れとして強化する方向にあると思うんですけれども、ここ数年の取り組みといいますか努力として、監視機能を強化するために、法律はわかりましたが、人員、あるいは予算になるのか、そういった具体的な取り組みとしてはどういうものがありますか。例えば、監視当局の検査官の人数が何人ふえているとか、そういったことを教えてください。

竹中国務大臣 こうした機能を強化しなければいけないというのは、方向としては同じなんだと思います。

 そうした観点から、一つは、やはり制度、体制の強化なわけでございますけれども、具体的に今お尋ねのありました、この委員会等の具体的な組織の拡充等という観点から申し上げますと、監視委員会の十六年度末の定員につきましては、検査部門で三名、取引審査部門で二名、特別調査部門で十八名、犯則調査を担う特別調査部門を重点的に強化しております。

 十五年度末定員の二百十七に対しまして二十三の増員でありますから、一〇%強、十数%の増員を行っている。その結果、監視委員会での総勢二百三十七人の体制となっておりまして、昨年度に続いて抜本的な強化体制が図られているというふうに思っております。

 また、十七年度でありますけれども、これは、今回、証取法の改正案を今御審議いただいておりますけれども、この改正案におきまして、課徴金の調査権限が付与されるということ、金融庁から監視委員会への検査委任範囲が拡大されるということ、それと監視委員会の機能の抜本的な強化策が幾つか織り込まれているということがございますので、今後、これについては、関係当局の理解を得ながら、必要な機構・定員の確保に我々としてはしっかりと努めなければいけないというふうに思っております。

津村委員 昨年も似たような議論が一般事法や個人についてもあったわけですけれども、今、大臣のお話を聞いてみても、課徴金のお話まで言及されましたが、今回の証取法改正というのは、相当実は大きな幅広い業務がふえているわけで、監視委員会の皆さんのお仕事というのは相当来年度以降ふえるはずだと思います。

 だとすれば、昨年の増員実績よりも相当大幅な増員、あるいは、場合によっては抜本的な機構改革も含めて必要だと考えるんですけれども、これからその予算あるいは定員の議論が夏あるいは冬にかけてされていくと思うんですが、昨年よりも数字的に見て相当大幅な増員が必要という認識は大臣はお持ちでしょうか。

竹中国務大臣 新しい機能が加わるということでありますから、これは本当にしっかりと増員を我々としてはお願いしたいというふうに思っております。

 市場がこういう局面にあるときにこのような組織の拡充を行って市場の信頼性を高めていくということは、日本経済全体にとって大変意義のあることでございます。我々としては、そうした観点からこの法律の御審議もお願いしているわけでありまして、当然のことながら、それを組織、機構、人員に反映できるように、しっかりと関係省庁に働きかけていく決意でおります。

津村委員 同時にお伺いしたいんですけれども、定員をただふやすのは、これもまた言えばいいわけではなくて、やはりそれなりの知識あるいは経験を有した方をしっかりと集めていかなければいけないわけですが、どういった方々を採用しよう、あるいはそういう現実的な選択肢として採用できるんでしょうか。

竹中国務大臣 人員の量だけではなくて質が重要だというのは、まさしく御指摘のとおりであろうというふうに思っております。特に、今の監視委員会の仕事というのは、証券取引が非常に高度化、複雑化して、情報技術もどんどん発達していく、それに合わせて非常に迅速にかつ的確に判断しなければいけないわけでありますから、それにふさわしい人材を質的に確保していくということは、これは大変重要な作業であるということを思っております。

 そのためにも、我々実は、民間専門家の積極的な登用をまず行っている、それと、職員に対する研修の充実を行っている、この二点で、ぜひともさらに対応していきたいと思っております。

 具体的に申し上げますと、まず、検査官として、現在、弁護士が二名、公認会計士等が十人及びデリバティブ等の専門的な知識を有する者、以前に金融機関で取引を行っていたとか、そういう方をイメージしていただければ結構だと思いますが、そういう方が四十六名、計五十八名、この四月二十六日の時点で民間専門家が既に在籍をしております。これは十六年度末の定員が二百三十七名でありますから、そのうちの五十八名ということですから、約四人に一人がそういうお金のプロフェッショナルな経験を既に積んでいる方だというふうに思います。

 また、監視委員会では、職員がデリバティブ等の高度な専門知識とかを習得できますように、民間の専門家を講師として専門分野の内部研修を行う、そして、何よりも、犯則調査等々になりますと、やはりオン・ザ・ジョブ・トレーニングだということになるんだと思います。そういうオン・ザ・ジョブ・トレーニングの実効が上がるように、さまざまな現場での工夫もしていただいているところでございます。

 質という観点に関しては以上のようなことでございます。

津村委員 お話を伺えば伺うほど、やはり非常に専門性の高い仕事でもありますし、今は、質と量という形で伺わせていただきましたけれども、やはり機構というか制度の仕組みとして、人事面での独立性、あるいは機構としても独立してされる方がよほど効率的かなという気がいたします。

 そういう意味では、銀証分離の見直しも含めて今アメリカと似たような市場の、マーケットの特性自体が今までは日本型の特性ということを、報告書にも何回も出てきますけれども、アメリカのマーケットに非常に近づいている、さまざまな面で。そうした中で、監視委員会のあり方も、アメリカのSECのようなあり方を参考にしながら、より市場監視機能を強化していくことが必要でないか、今のお話の流れからそういうことが導かれてくるのかなという気がします。

 実は、竹中大臣御案内と思いますけれども、私ども民主党はかねてより日本版のSECをつくって、こういったことは非常に重要であると竹中大臣も先ほどからおっしゃられておりますけれども、私どもとしては、ある意味ではようやくそういうお話になってきたのかという思いがありまして、改めてここで御提言させていただきたいんですけれども、日本版のSECを今後の課題として考えていかれるということはお考えになっていませんか。

竹中国務大臣 日本版SEC、いろいろなイメージでいろいろな御議論があるかと思いますが、方向として、そのような御議論をしておられる専門家がいらっしゃるということは私も十分に承知をしております。これは引き続き、監視体制の議論というのは非常に大きな問題でありますから、幅広く社会全体で御議論を賜りたい問題だと思っておりますが、幾つかございまして、どうも、専門家と言われる方の話を聞いても、若干誤解があるのかなというふうに思うのは、一つは独立性の問題でございます。

 今の監視委員会は合議制の機関でありまして、「委員長及び委員は、独立してその職権を行う。」こととされている。一定の事項に該当する場合を除いては、「在任中、その意に反して罷免されることがない。」委員長、委員の身分保障が金融庁の設置法において以上のように定められている。委員会は、金融庁長官等の通常の指揮監督権の対象にはなっていない。監視委員会の独立性は、その意味では、私は実質的に保障されているというふうに思っております。

 それともう一つ、アメリカとの関係でSECの話というのは常に出てくるわけでございますけれども、しかし、海外の動向を見ますと、実は、アメリカのSECというのが世界の潮流からは少し違う形で存続しているのではないのかなと思う面がございます。

 具体的に言いますと、金融が非常に複合化していく中で、総合的な観点から、縦割りではなくて総合的な観点から見ていくということが実は海外の潮流になっている。業態横断的な金融行政機構というのが一つの潮流になっている。イギリスでは、こうした金融のコングロマリット化に対応するために業態横断的な金融サービス機構が設立された。ドイツでも金融監督機関を統合した。アジアでも、韓国が金融監督機関を統合して一元化を一九九九年に実現している。

 その意味では、我々としては、今のような形で、決して縦割りではない、業態横断的な形で、独立性を確保しながらその機能を充実していくことが基本的に重要なことではないかというふうに思っております。

津村委員 それでは、次の質問をさせていただきます。

 顧客の、実際のお客さんの立場に立った御質問を一つしたいんですけれども、今回の制度改正のもう一つのポイントとして、ディスクロージャーの合理化というテーマがございます。

 具体的には、目論見書を、三部構成という形を一つの形として認めて、そのことによってポイントをわかりやすくするということだと思うんですけれども、この目論見書というのは、取引をしたことがある方は皆さん思われると思うんですが、本当に読みにくくて、目論見書と読めずにメロンミショと読む人もいるという話もありますけれども、これを、この報告書の中では、市場入門商品である投資信託についてやる意味が大きいということが書かれているんですね。一方で、社債や株式については必要ないというようなことがかなり明快に書かれています。

 ただ、法律案の中では、そういった金融商品について特に限定はないと認識しているんですが、これは報告書とあわせ読みすると、投信のことだけを言っているんですか。それとも、個人向け社債とかあるいは株式等についても個人の方でたくさん顧客がいると私は思うんですが、社債や株式についてもこれは対象に含まれているというふうに受けとめてよろしいんでしょうか。

竹中国務大臣 御指摘のように、投資家から見ると、目論見書がどうなるのか、分割がどうなるのか、大変重要な問題になると考えます。投資家にとってわかりやすい目論見書にしなければいけない。投資家のニーズに応じた情報提供を可能にするために、今回は、必ず交付しなければいけない目論見書と請求に応じてやるものというふうに区別するわけでございます。

 その分割の対象となる有価証券につきましては、これは政令で定めるということにしております。どのような有価証券をその対象にするかについても、有価証券の種類ごとに判断する必要がありますけれども、現段階においては、政令で投資信託証券を定めるということを考えております。

 これは、投資信託というのは市場入門商品であるということで、個別の会社の信用力に基づいて発行されるものではなくて投信財産の価値を基本として発行されるものでありますので、目論見書のすべての記載内容、それが投資判断にとって重要であるということではないだろう。だから、分割でもよいのではないか。

 一方、個人向け社債を初めとした株式や社債などにつきましては、これはまさに発行する会社自体、全体の信用力でありますから、これは部分的に、つまり三部構成化にはなじまないのではないか、そのように考えている次第でございます。

津村委員 私の持ち時間がほぼ終了したようですので、最後に二つだけ申し上げて終わりたいと思います。両方技術的なことで、技術的じゃないかな、今回の法案に即したことで申し上げるんですけれども、一つは、今の目論見書については、これは本当に現場では重要なものだと思います。報告書の中に、「名称制限の緩和、電子交付要件の簡素化など」「発行者の工夫の余地を確保しておくことが望ましい。」というふうに書かれております。法律案にはそういったことは具体的に出てきませんけれども、今後、政省令等で何らかの手当てをされる際に、極力実際に見やすいもの、名称制限ですから、まさに目論見書じゃなくてほかの言い方もできると思いますが、そういった具体的な工夫をどんどん入れてくださいということを一つ。

 それからもう一つ、これは本当は時間をかけて御質問するべきことだったと思っているんですが、今回のもう一つの株式不発行の関連で、これは証券保管振替機構、いわゆる保振の仕事が、名指しではありませんけれども、ほかのところでもやりたいところは申請することはできる形にはなっていますが、実態としては、現状、保振がこれを想定されていると思われるわけですけれども、仕事がかなりふえる、仕事がふえるといいますか役割が大きくなっていく中で、やはりきっちりとガバナンスが行われているか、あるいは透明性のある運営がされているのか。株式会社化がされているわけですけれども、現状、その役員報酬も含めて非常に不透明な印象がございます。

 この間、いろいろ金融庁の皆さんにも御協力いただきながら、有報等も拝見しましたけれども、なかなか情報が不十分といいますか、以前、役員の方が年収二千万、三千万、三千二百七十万円だったか、そういった数字も出ておりましたけれども、そういったことが実際にどうなのかということが確認できるような、ガバナンスあるいは透明性の強化ということをお願いいたしまして、私からの質問を終わります。

    ―――――――――――――

田野瀬委員長 この際、お諮りいたします。

 政府参考人として国税庁次長村上喜堂君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田野瀬委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

田野瀬委員長 次に、村越祐民君。

村越委員 民主党の村越でございます。

 まず冒頭、先ほど田中委員が、この前の日曜日の埼玉、広島、鹿児島での補選の総括をされておりましたから、私も私なりにちょっと総括をさせていただきますと、我が党は大変残念ながら惜敗したわけですけれども、この結果は必ずしも国民の皆様が、例えば今年金の問題なんかが焦点になっていますけれども、政府の年金改革案を国民の皆様が裏書きしたということにはならないんじゃないかと非常に強く思っているわけです。

 非常に残念ながら投票率が本当に過去に例を見ないぐらい低かったということで、我々政治家一同は襟を正して、どのように政治の場に民意を正確に届けることができるのかということをいま一度考えなくてはいけないのではないか。そういう意味でも、これから年金の審議に関しては、与党の皆様は、政府側は、強行採決などせずに、議論のテーブルに着いて慎重に議論をしていただきたい、私はそのように強くお話を申し上げて、これから質疑に入らせていただきたいと思います。

 さて、きょうは次長にお越しいただいておりますので、年金保険料のことに関して最初にお伺いをさせていただきたいと思います。

 まず国税庁次長に、これは一般論としてお伺いしたいと思うんですけれども、国民年金保険料の未納問題に関することなんですけれども、一般論として、国民年金保険料を払っていない人が社会保険料控除を申告していた場合、これは脱税的行為になるんじゃないかと私は考えているんですけれども、次長として、国税庁として公式見解をいただければと思います。

村上政府参考人 お答えいたします。

 あくまで一般論でございますが、国民年金の保険料を払っていなくて社会保険料控除を受けていた場合には、それは是正が必要になるということだと思います。

村越委員 私が伺っているのは、脱税的行為に当たるのかどうかと、是正が必要かどうかということではなくて。脱税に類する行為になるのかどうかという、その点でお答えいただきたいと思います。

村上政府参考人 申告が漏れているという――言葉の説明なのでございますが、脱税といった場合は故意にやっているであるとか悪質な手段を用いるとか金額が非常に大きいだとか、そういった要件があるかと思います。この場合は国税犯則取締法に基づき査察官が調査をしてということになるのでありますが、一般に所得控除の場合に漏れているケースというのは全くないわけではありません、扶養控除もありますし、いろいろ各種控除があるわけでありますが、そういった場合には、通常は脱税とは申し上げず、所得が漏れていると申し上げた方がいいと思います。(発言する者あり)

村越委員 今御指摘あるように、一般論として申し上げると、やはり二十一年間滞納しているというのは非常に高額で悪質な事例に当たると僕は思うんですね。

 是正というふうにおっしゃられたかと思いますが、是正が必要な場合というのはまさに税金を納めていない場合に当たるわけで、これは脱税的行為というふうに論理必然的になるんじゃないでしょうか。

村上政府参考人 再度のお答えになるのでありますが、脱税といった場合に、正確に言うと、脱税というのは法律用語ではないのでありますが、逋脱犯とかなんとかということに近い概念だと思いますが、その場合は、先ほど申しました故意だとか、故意、わざとですが、故意にやるだとか金額が非常に大きいとか、そういったケースに該当するかと思います。

 この場合、国民年金の場合は月々一万三千三百円、年間十六万円でしょうか、税金に直しますと恐らく一〇%として一万六千円、金額が寡少でありますし、非常に証拠収集の問題があるわけでありますが、うっかり忘れていたというケースの場合、そういった場合、果たして脱税と言えるかどうかという問題もあります。

村越委員 いま一度すっきりしないのでお伺いしたいのは、是正とおっしゃられましたけれども、是正の意義に関してもう一度お話し……。何なんでしょうか、是正というのは。

村上政府参考人 お答えいたします。

 是正というのは、要するに直すという意味で申し上げたんですが、申告書は当然出ておられると思いますが、その場合、是正とするのは、当方から指摘して修正申告を出していただくなり、あるいは職権で更正をする、そういった場合を是正と申し上げております。

村越委員 故意が認められて、そして金額が大きくて悪質な場合は是正が必要であると。言い方をかえれば、脱税的行為になるんだと私は今のお話を総合して考えているわけですけれども。

 では、そういった場合に、国税庁として、一般論として、加算税、延滞税というものをどういうふうに考えるんでしょうか。そういったものを提出するように求めていくんでしょうか。

村上政府参考人 お答えいたします。

 社会保険料控除にかかわらず、あらゆる所得が漏れている場合、加算税とか延滞税はかかりますが、ただ、国税通則法上、一定の金額以下は切り捨てになりますから、その場合は徴収しなくてもいいというケースはございます。

村越委員 今一万三千三百円ですか、一般論として、仮に二十一年間、過去の金額は違うんでしょうけれども、それを積算した場合に、例えば加算税、延滞税というのはどうなるんでしょうか。

村上政府参考人 お答えいたします。

 これは除斥期間の問題でございますが、通常の場合は三年で時効になります。したがって、二十一年とおっしゃられても、そのまま二十一年分を払う必要があるということではございません。

村越委員 保険料のことは一たんおいておくとして、納税というのは、釈迦に説法ですが、国民の三大義務の一つである。つまり、保険料を払っているか払っていないかということよりも、税金を納めているか納めていないかという方がはるかに重大な問題なわけでして、その点から考えまして、やはり国会議員がそういう制度があるというのを明らかに知りながら保険料未納であり続けたというのは、故意が明らかに認められるでしょうし、非常に悪質であると私は考えるんですけれども、その点、税制というか税を監督する立場におありの方としてどのようにお考えになるでしょうか。

村上政府参考人 政府参考人でございますので一般的なことをお答えする立場にございませんが、あくまで未納があるため社会保険料控除の適用を受けていたという人は是正する必要がありますが、未納があっても、社会保険料を払っていなくても、社会保険料控除の適用がなければ別に税金上何も問題はございませんので、そういう方々は是正する必要はございません。

村越委員 国民年金保険料が未納であって、なおかつ、社会保険料控除を申告していた場合は調べる必要が生じるんだということだと思うんですが。

 では、ここからはある意味で個別具体の話をしたいと思うんですけれども、さきに三人の閣僚の方が保険料を未納であったという報道がなされて、非常に物議を醸しているわけでありますが、この人たちが社会保険料控除を申請していたのかどうかということが問題になるわけです。これはお調べになるのでしょうか。これはぜひ大臣にお伺いしたいと思います。

谷垣国務大臣 きちっとした情報がある場合には、機会を必ず生かして是正をしていく、そういう姿勢で臨んでいると思います。

村越委員 保険料をお支払いしていなかったということをお認めになって陳謝をされていたわけですから、それはきちっとした情報である、ソースが確かだということで間違いないことだと思うんですが、そうだとしたら、やはり監督権者として、大臣はその点に関してもお調べになる必要があるんじゃないか。そうでもしないと、この問題というのは僕は収束をしていかないんじゃないかと。

 やはりこれをきちっと決着をつけてから、年金の法案も、我々はあくまで反対しているわけですけれども、提出者側としてはちゃんと身辺を整理されてから、この問題に関してきちっと審議をされるべきだと私は思うんですけれども、きちっとお調べになるべきなのではないでしょうか。大臣、いかがでしょうか。

村上政府参考人 是正とか調べるというのは、要するに税務調査ということになりますが、あくまでそれは個別にわたる事柄でございますので、我々守秘義務が課される関係上、具体的なお答えは差し控えさせていただきたいと思います。

 ただ、あくまで一般論でありますが、たとえ保険料が未納であっても社会保険料控除を受けておらない場合は是正の必要がないということは、先ほど申し上げたとおりです。

村越委員 今御答弁されたように、まさにそこが問題なわけですね。社会保険料控除を申告しているかどうかというところがまさに問題なわけで、それをお調べになるかどうかということをこの場でお伺いしているわけです。そして、私どもとしては、それをやってもらうことをお約束いただきたい。大臣にこれはぜひお伺いしたいと思います。

谷垣国務大臣 個別案件については、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。

村越委員 一般論として、個別具体の話ではなくて、一般的にお調べになるかどうかということをぜひお約束いただきたい。

谷垣国務大臣 一般論として、適正な執行に努めるのは我々の当然の義務でございます。

村越委員 ということは、具体的にお調べになるというふうに受け取ってよろしいんでしょうかね。

 私、週末に、これはちょっと関係ない話ですけれども、地元で国政報告会をしまして、(発言する者あり)ありがとうございます。委員会での自分のつたない仕事ぶりなんかを報告させていただいたんですけれども、地元の有権者の方から谷垣大臣というのはどういう方かという質問を受けまして、毎回御答弁に大臣の誠実なお人柄が反映されるような誠実な答弁ばかりされる方で、ある意味、敵の立場にある方ですけれども、心底本当に尊敬申し上げていますというふうに、本当に僕はそういうふうに申し上げてきました。

 ですから、この件に関しても、僕は、恐らく大臣は本当に心の底ではおかしいんじゃないかと思っていらっしゃると思うんです。ですから、ぜひ大臣のそういったスタンスを貫徹していただいて、この点に関してもきっちりお調べいただきたいな、私はそのように思うんですが、いかがでしょうか。

谷垣国務大臣 大変温かい言葉をおかけいただいてありがたく思っておりますが、やはり個別の案件については申し上げないというのは税務行政では基本的な義務でございますから、それはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。

村越委員 確かに個別の事例なのかもしれませんが、果たして提出者側の三人の閣僚というのが個別だといって片づけられる問題なのかということをやはり考えるべきじゃないかと思うんですね。国民の皆様にちゃんと保険料を払いましょうと言っていらっしゃる提出者側が払っていなかったというのは、ちょっと性質が違う非常に重要な問題じゃないかと。それをきちっと議論してから、繰り返すようですが、強行採決なんかしないで、そういう構えを見せていらっしゃるそうですけれども、きちっと全部クリアにしてから国民の皆様に対して御説明する必要があるんじゃないかと私は考えるんですが。やはりきちっとこのことに関してクリアにするというお約束をいただかないと、私も地元で有権者の皆様にいかに大臣がすばらしいかということをお話ししてきたばかりですから、そういうお答えをいただかないと、僕もきょう地元に帰れないですから、ぜひ一歩踏み込んだお答えをいただきたいと思います。

谷垣国務大臣 私は、今の仕事の前は国家公安委員長でございました。そのときも、いろいろな不正があるではないかという御質問があって、それを明らかにして臨むべきではないかということを御質問で受けたこともございますけれども、捜査の個別についてはお話しできないということで一貫してまいりました。

 今回も、税におきましても同じことがあるというふうに私は思っておりますので、お答えは差し控えさせていただきます。

村越委員 本当に残念なお答えで、私はちょっと失望しているんですけれども。

 では、別のことをちょっとお伺いします。

 恐らく大臣のことですから、僕はお調べになるんじゃないかと。この場ではそういうふうに答弁をされても、きちっと対応してくださると私は信じているんですけれども。仮に、一般的に調査をして、控除を申告していたということが明らかになった場合、それは修正申告をさせるんでしょうかね。遅延税、遅滞税だったり加算税というものを含めて、延滞税というものを含めて対応されることになるんでしょうか。

村上政府参考人 あらゆる納税者に税法は同じように適用になるんだと思いますが、当然のことながら、もし保険料を払っていないのに社会保険控除を受けておられる方があれば、それは是正するということであります。

村越委員 非常に、今一番国民の皆様が関心を持っておられることですから、プライオリティーが最も高いと思われるわけでして、まず最初にこの三閣僚の方々をお調べしていただきたいと私は思うんですが、ぜひそれを調べるということをどうしてもお約束いただけないでしょうかね。

村上政府参考人 あくまでそれは個別の御質問でございますので、我々は守秘義務が課される関係上、調査するしないを含めてお答えを差し控えさせていただきたいと思います。

村越委員 大臣にやはりお伺いしたいですね。これは明確なお答えをいただかないと、本当に私地元に戻れないので、ぜひ明快に、一般論としてでも結構ですから、調べるということをお約束いただきたい。お願いします。

谷垣国務大臣 国税庁は常に適正な執行に努めていると考えております。

村越委員 適正な執行をしているのはわかりました。よくわかりました。調べるか調べないかということをぜひお答えいただきたいと思います。それをやはりお答えいただかないと、審議を続けられないと思います。

谷垣国務大臣 先ほど警察の例も申し上げましたけれども、やはり個別の案件にどれだけ私が前向きか後ろ向きかというようなことを示すのは、私は慎重であるべきだと考えております。

村越委員 別に、ここに呼んでどうするとかそういうことではなくて、政府が国民の皆様に対してまず襟を正してきちっと対応するというスタンスを示していただきたいということを僕は申し上げているわけでして、それが僕は谷垣大臣の本心じゃないかと本当に思っているんですね。それをひた隠すということでは、ある意味、大臣の政治哲学というものに反するんじゃないかと。やはりそれを貫徹していただきたい、そのように真摯に僕は今思っています。

 ですから、もう何度も申し上げるようですが、きちっと調査をしていただきたい。そして、いつまでに調査をするのかということもあわせてお約束をいただきたい。そうしないと、この審議もそうですけれども、年金の問題に関して、やはり我々はテーブルに着くことができないんじゃないかと思うんですね。本当にその点お願いしたいと思いますが、いかがですか。

谷垣国務大臣 明確に申し上げますが、調査をするしない、これはみんな個別の案件にかかわります。個別の案件についてのお答えは一切差し控えさせていただきます。

村越委員 そうすると、未来永劫調査をしないというふうにも受け取れてしまうんですが、それではこのままこの問題を監督権者として大臣は放置されるおつもりなんでしょうか、いかがでしょうか。

谷垣国務大臣 いや、放置をするとも言っておりませんし、しないとも、そういうことも申し上げていないんです。個別の案件についてのお答えは差し控えさせていただく、こういうことを申し上げているわけです。

村越委員 では、その三閣僚が未納だったということは明らかな事実なわけでして、そうだとして、こういう問題が出てきている以上、個別的なことはともかくとして、一般的なこととして調べるということをやはりお約束いただく必要があるんじゃないかと私は思うんですけれども。一般的な問題として監督権者として調べる、別に三閣僚がどうのこうのというのではなくて、調べるということをお約束いただけないでしょうか。大臣にお伺いしたいと思います。

村上政府参考人 あくまで一般論でお答えしますが、是正が必要なものにつきましては、国税当局としては是正をいたしているところであります。今後とも、その方針には変わりはございません。

村越委員 是正が必要だということですから、では、一般論としてお伺いしますけれども、二十一年間未納だった場合、なおかつ、社会保険料控除が申告されているということがかなりの程度強く推測される場合、それは是正が必要な場合に当たるんじゃないですか。

村上政府参考人 先ほど申し上げましたように、時効は一応三年でございますから、是正が必要な年数というのは恐らく三年だと思います。

村越委員 関連してお伺いしますけれども、三年で時効ということは、一般論としてお伺いしますけれども、二十一年間未納していた人に関して言うならば、十八年間分ですね、三年で時効になっちゃうわけですから。十八年間分は納めさせないということになるんでしょうか。

村上政府参考人 お答えいたします。

 それはもちろん、あくまで不正に社会保険控除を適用したケースでありますが、既にそれは徴収権が消滅いたしておりますので、徴収はできません。

村越委員 それは、国民の皆さんは到底納得できない、看過できない事態だと私は思うんです。こういう場でこの問題が問題になっている以上、このことを調べるというお約束をいただかない限り物事は進まないと私は思うんですね。

 冒頭申し上げたとおり、これは年金の保険料の問題というよりも、むしろ今お話ししているのは国民の三大義務の一つである税金を払っているかということの問題ですから、脱税というのは非常に大きな犯罪だと私は思うんですね。こういう問題があるのではないかという話になっている以上、やはりお調べになるというお約束をいただかないと、どうにもならないと思うんですが。しつこいようですけれども、大臣にお約束をいただきたいと思います。ちゃんと明確にお答えいただかないと、私は立つことができませんので、お願いします。(発言する者あり)

谷垣国務大臣 国政調査権を背景にという不規則発言と言っては失礼ですが、やじが聞こえましたが、国政調査権というのは議員個人に帰属しているものではありませんで、院の権限であるというふうに私は理解しております。(発言する者あり)いやいや、ちょっと、このやりとりは……。

 そこで、先ほどと私は同じお答えをする以外はございません。

村越委員 いや、僕がお伺いしたのは調べるか調べないかということで、国政調査権云々ということを伺っていません。私は、衆議院、ハウスの一員としてあるいは国政調査権を行使しているのかもしれない、私はそのような立場で今質疑をさせていただいています。ちゃんと質問通告しているわけですから、きちっと、調べるか調べないか、やるのかやらないかということをお答えいただきたい。

谷垣国務大臣 先ほどから個別の案件にはお答えしないと申し上げております。

田野瀬委員長 村越君。何か発言しないと。

村越委員 ちゃんとお答えにならないと、僕は立ちません。

田野瀬委員長 時間とめてあるね。

 それでは、いいですか、答弁してもらいます。谷垣大臣。

谷垣国務大臣 先ほどから政府委員の方もお答えをしておりますけれども、税務行政のあり方として、もちろん是正すべきものは是正して、適正な執行に努めていくというのは当然のことだろうと思っております。

村越委員 繰り返し申し上げますけれども、きょうは証取法の一部改正に関しての質問をやるということで通告させていただいたんですけれども、これはいかにして市場が公正で透明化を図れるかというようなところに改正のポイントがあると思うんですけれども、政府側が不透明なのに、市場が公正で透明化云々という議論をするのは僕はおかしいと思うんですね。

 国税庁の方が一般論として調査はやるというふうにお答えになったと思うんですが、その上で、やはり保険料を納めていなかったという、御当人がこういうふうに認めていらっしゃるわけですから、僕は調査をされるというふうに今承ったというふうに申し上げたい。

 いつまでにこれをやるのか、今ちょうど年金の審議がこの国会の最大のポイントになっているわけですから、やはり期限を切っていただかないといけないと思うんですね。その点に関しても言及いただけないでしょうか。

谷垣国務大臣 私の答弁を正確に理解していただきたいと思いますが、今の、いつまでというのは個別のことになるわけでありますから、それはお答えできないと先ほどから申し上げておりまして、一般論として、税務行政としては是正すべきものを是正して、適正な執行に努めるのは当然だとお答えしているわけであります。

村越委員 では、一般論としては、継続反復してずっと調査をしているわけでしょうか。そして、継続反復して行われている調査の中で、一般論として、この三閣僚が調査の対象になるということはあり得るんでしょうか。

村上政府参考人 一般論としてもなかなかお答えづらいんですが、通常、所得税の確定申告というのは三月十五日に終わるんですが、その後、申告調整いたしまして、通常は五月連休以降ぐらい、順次調査をしていくところだと思います。

 それは、時効が来るまでいつまででもできるわけでありますので、必ずしも、事務を処理している、何かの仕事をいつまでに処理するというのではなくて、ずっと継続して作業をしておりますので、調査もいつからいつに何をしているかということについては、明確に、一般論としてもちょっとお答えできないということです。

村越委員 以上の答弁を総合しますと、きちっと、私の大好きな大臣が……(発言する者あり)いや、これは本当なんですよ。これは迅速に対応してくださるというふうに私は今受けとっております。きちっと対応していただいて、国民の皆様に対して明らかにしていただきたい。この点だけはちょっと念を押して、通告した質問の一部だけになってしまうかもしれませんが、やらせていただきたいと思います。

 大臣は、G7からお戻りになったばかりだと思うんですが、実は、つい先日、金融関係に勤めている友人と話をする機会がありまして、彼の総括ですと、成果がどこにあったのかよくわからない会議だったということを彼はコメントしていました。これはいろいろな評価があるかと思うんですが、今、株価も堅調だ、経済も緩やかに回復してきているということもあるんでしょうが、依然まだ不安定な状態にあるんだと私は思っています。

 そういった中で、財政運営というのは非常に微妙なかじ取りをしていかなければいけないと思うんですけれども、まず大臣に、せっかくお戻りいただいて、お忙しいところお出ましいただいているわけですから、G7の総括を簡単にしていただければと思います。

谷垣国務大臣 G7という場は七カ国の蔵相と中央銀行総裁が集まるわけですが、その機会に、先ほども出ましたように、G7だけではないいろいろな、財務大臣やらIMF、世銀等の会合も開かれまして、そういったいろいろな場で世界経済を初めとするさまざまな問題について忌憚のない意見交換をするということが一番大事なことではないかと思っておりまして、その点で、今度は、世界経済について、前回の二月のG7以降、回復傾向が強まっているという共通の認識が得られたわけです。

 もちろん、コミュニケにも書いてありますように、エネルギー等リスク要因はあるし、それから世界的な経常収支等の不均衡問題があって、そういうものを克服していくためにはそれぞれ課題があるだろうというようなことも、お互いの課題等もいろいろ議論し合って共通の認識が得られている、それでお互いに協調してそういうことに取り組んでいこうという重要ないわばメッセージが出せたのではないかなと思います。

 そのほか、今度は新興市場国の問題であるとか開発、それに関連してイラク復興支援のあり方、こういったことも議論になりましたし、イラク復興支援というよりもイラクを含む大きな中東地域全体をどうしていくかというような議論もなされました。あとはテロ資金対策、それからIMF、世銀等の機能をどうしていくかというような議論もあったところでございます。

 日本では為替について今までG7で非常に関心が強いわけでありますけれども、これは比較的落ちついた状況になってきたということで、前回と同じ、一字一句同じなんですが、コミュニケを採択したのは、やはりそういう共通の認識があるということを再度示そう、こういうようなことであったと思います。

 以上、ちょっと簡単ですが、総括をしたということであります。

村越委員 忌憚のない意見交換をされてきたということですけれども。共同声明というものが出されたと思うんですが、イラク問題に関してアメリカへの配慮というか言葉選びが非常に慎重になっているような共同声明だったと思うんですけれども、今新聞なんかによく書いてある地政学リスクというものが非常に高まっているということが、原油の価格だったり、長期金利だったり、為替というものの不安定要因になっている、悪影響を及ぼしかねないというような共通認識が、大臣がおっしゃられるような意見交換の中であったというふうに承っているんですけれども。

 また、そういうものを受けて、大臣が我が国として取り組みをしていかなければいけないというコメントを出されたというふうに何かで読んだんですけれども、そういった地政学リスクというものの軽減に向けて我が国としてどういう取り組みをされていくのかということを、恐らく大臣のことですから帰りの飛行機の中でお考えになっていると思いますので、何かありましたら、ぜひお伺いしたいと思います。

谷垣国務大臣 イラク、特に今おっしゃった原油価格の問題等については、幾つかの国から世界経済の安定的な回復のためには原油価格というものが安定的な価格で供給されていくことが重要だというような見方が示されたわけですが、他方、現在の原油価格の高騰が直ちに世界経済の回復にとって障害となるといったような見方は出されずに、ただ、今後のリスク要因としてエネルギー価格というものがあるというふうにコミュニケにも書かれましたけれども、大きな合意としてはそういうことであったと思います。

 それから、長期金利の動向等についても、実は、私、先ほど小泉委員の御質問のときにはG7に限局してお答えしたような気がいたしますが、IMFCという会合で、私自身も長期金利の動向がこれからのリスク要因の一つであるということは申し上げたところでございます。

 そういういろいろなリスク要因を乗り越えていくためには、先ほども申しましたけれども、それぞれの持続的な成長を志向した構造改革を進めていくことが大事であろうということでございます。

 ですから、日本も、今続けている構造改革の努力、財政であるとか、あるいは税制もいろいろな問題がございますし、規制、金融、そういった改革を進めていくということが一番大事なことではないかなと考えております。

村越委員 時間が参りましたので、質問を丸々残してしまって非常に遺憾なんですが、これで私の質問を終わりたいと思います。

 ただ、先ほどの問題ですが、やはりきちっと調査をしていただきたい、そのことだけもう一度繰り返し念を押して、これで終わりたいと思います。

田野瀬委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 証取法改正案について質問をさせていただきます。いろいろな論点がありますけれども、きょうは、今回の法案の第六十五条改正についてお聞きをしたいと思います。

 銀行などの金融機関が本体で行う証券仲介業を解禁するというのが今回のポイントであります。竹中大臣は、先日の提案理由説明で、多様な投資家の幅広い市場参加を促進するための改正だ、こういうふうに説明をされました。

 そこでお聞きしたいんですが、投資家の幅広い市場参加を促進するためには、株式取引の信頼性の確保というのが大変大事だと思います。この点での竹中大臣の基本認識をまずお聞きしたいと思います。

竹中国務大臣 信頼性は非常に多様な形で確立をしていかなければいけないのだと思います。

 まず、投資家から見ますと、株式市場に上場されているような企業等々がどのようなしっかりとしたガバナンスのもとで財務諸表をつくっているのか。したがって、非常に広い意味でのインフラという意味では会計制度はまさしく重要だと思いますし、株式会社の監査等々を行う会社のガバナンスに関連する商法のあり方等々も大変重要であるというふうに思います。さらには、市場における直接の取引そのものがしっかりと適切に管理をされているのか、不当な行為等々がないような仕組みになっているか、その監視、罰則の体制は十分になっているのかどうか、さらには、より広く情報そのものが非常にオープンな形で開示をされているのか。

 ある意味で金融市場というのは情報の塊だというふうに言った方がおられましたが、そういった情報の透明性等々も含めて、最終的には、取引をする場合に投資家というのは専門家に比べて弱い立場に置かれる可能性がございますから、そうした立場に対して十分な配慮がなされた、そういう取引の仕組みになっているのか、そういうことすべて、やはり総合的に重要であると思っております。

    〔委員長退席、山本(明)委員長代理着席〕

佐々木(憲)委員 そこで、実態ですけれども、内閣府では、おととしの五月に、こういう、証券投資に関する世論調査というものを行っております。

 この調査結果を具体的に聞きたいんですけれども、現在証券投資を行っているというふうに答えた人は何%でしょうか。

増井政府参考人 お答えいたします。

 平成十四年五月の証券投資に関する世論調査の中ででございますけれども、「現在の証券投資の有無」について聞きましたところ、「現在行っている」と答えた者の割合は九・八%ということでございます。

佐々木(憲)委員 では、今後証券投資を行ってみたいというふうに答えた人、それから行うつもりはない、それぞれ何%でしょうか。

増井政府参考人 お答えいたします。

 「今後の証券投資の意向」についてでございますが、「株式」の場合でございますが、「行ってみたい」とした者の割合は一一・四%、それから「行うつもりはない」とする者の割合が八二・七%、「わからない」とする者の割合が五・九%ということでございます。

佐々木(憲)委員 現在証券投資を行っている人は回答者の一割にも満たないという状況であります。今後も行うつもりはないという方は八割を超えているわけですね。

 それでは、今度の法案でこの方々が株式投資に向かうのかどうか。金融庁の説明によりますと、銀行の窓口での証券仲介業を解禁すれば利便性が向上する、それから投資経験のない銀行顧客層の市場参加を促して新たなすそ野を拡大する、それから証券会社の店舗が少ない地域におけるアクセスの改善につながる、こういうようなことを挙げまして、市場参加が促進される、こういうふうに説明をされているわけですね。

 国民が求めているのはこういうことなんでしょうか。

 内閣府の調査では、「証券市場の活性化を図り、より多くの個人投資家に市場へ参加してもらうために、政府はどのようなことをすべきだと思うか」こういう設問もあります。つまり、株式投資をしたいなと思えるようにするにはどういうことを政府がすべきなのかということなんですね。これについて、上位二項目を挙げていただきたいと思います。

増井政府参考人 お答えいたします。

 「政府に対する要望」について聞いたところでございます。これは複数回答でございますけれども、「景気を回復させること」を挙げた者が全体の五六・五%でございます。これが一番高かったわけでございます。次が、「証券市場において不正な行為が行われないように厳しく規制、監視すること」これが四五・九%ということでございます。

佐々木(憲)委員 景気を回復させてほしい、させてもらいたい、してもらいたい、そうすると当然株価も上がっていくから、それをやってくれというのが一番多いわけですね。それから二番目が、証券市場において不正な行為が行われないように、むしろ厳しく規制、監視する、これが求められているということだと思うんですね。

 それでは、逆にお聞きしますけれども、利便性を向上させてほしい、それから銀行で株式の仲介をしてほしい、こういう要望というのはその中にはありますか。

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 直接、利便性という言葉のものはございません。質問項目の中の表現でございますが、例えば「証券会社等が顧客に適切なサービスを提供するように監督すること」等の要望事項はございますが、直接利便性という言葉はございません。

佐々木(憲)委員 結局、政府が今回の法案でねらっている、利便性の向上ですとかあるいはアクセスの改善につながるとか、そういうことを国民は別に期待していないわけですよ。国民が期待しているのは、不正を正してほしい、それから景気を回復してほしい、こういうことでありまして、法案は国民のこういう声にはこたえることになっていないのではありませんか。

竹中国務大臣 まず、先ほど冒頭で答弁させていただきましたように、信頼性を回復するためにはいろいろなことをやらなければいけないということであろうかと思います。

 そういう意味では、今回の法案の趣旨でありますけれども、今委員が特に御指摘をくださいましたが、だれもが投資しやすい市場にする、アクセスを容易にするということに加えまして、投資家の信頼が得られる市場を確立する。具体的には市場監視機能・体制の強化、ディスクロージャーの合理化、そして、例えばでありますけれども、組合型ファンドへの投資家保護範囲の拡大等々が含まれているわけであります。さらに、効率的で競争力のある市場の構築のために、証券会社による顧客の注文の執行に当たり最良執行義務を導入する。

 そういう意味では、投資家の信頼を得られる市場というのは、これをやればすべてうまくいくというものではございませんけれども、今回の課徴金制度の導入に象徴されますように、非常に幅広く、市場の監視体制の強化、ディスクロージャーの合理化等々、我々としては国民の要望にも配慮した形での法案の提出ということになっていると理解をしております。

 もう一点、委員が冒頭でおっしゃったアクセスの改善といいますか仲介業等々につきまして、これは内閣府の設問には直接の設問はないわけでありますけれども、例えば、やはり顧客に対する適切なサービスを求めているというのはこのアンケートからも推察することはできますし、証券投資に対する教育啓蒙活動、つまりもっといろいろな情報がわかりやすく手に入ってほしい、そういうような潜在的なニーズは、具体的な設問はありませんけれども、やはり国民の間にはあるのではないかというふうに思っております。

 特に、この点に関しては、証券会社の店舗数が二千百店舗ぐらい、銀行等が二万四千六百六十五という、アクセスの拠点が随分違いますから、これはやはり他の監視体制の強化とも相まって、今回のアクセスの改善というのはやはり大きな意味合いを持ってくるのではないかというふうに考えております。

佐々木(憲)委員 それは政府の勝手な解釈でありまして、国民自身が求めているのは、何も銀行で株を紹介してほしい、仲介してほしいということではないんですよ。そういう要望はほとんどないんです。

 投資をしようかなと思う、その気持ちをつくるためには、やはり市場がしっかり、不正がなくて信頼できる市場であるということ、それから、株が上昇するような景気対策をしっかり国民の立場に立ってやってほしい、これが求められているわけでありまして、窓口で株が、銀行のところに行けば株が買えますよというようなことをすれば投資家がふえる、これは極めて単純なことでありまして、そうはならない。

 サービスを求めているということもありましたけれども、必ずしも銀行の窓口で株が買えるというのがサービス向上だというふうには私は思いませんし、そういうことも望んでいるとは思えないわけであります。

 そもそも、この証取法の第六十五条の銀証分離、銀行の証券業務の原則禁止という規定は、どういう目的で定められたのかという点、立法の趣旨、そもそもの趣旨について、ここで確認をしておきたいと思います。

竹中国務大臣 いわゆる銀証分離の考え方というのは、融資等の銀行業と、それと証券業の間の利益相反を防止する、企業に対する過度の影響力を排除する、そして健全性を確保するという観点から設けられたというふうに承知をしております。

 利益相反の話はけさの議論でもいろいろ御指摘をいただいておりますけれども、融資先に証券を発行させて融資資金を回収する、こういうことはあってはならないわけでございまして、これに対して今回はきちっとその歯どめを設けているわけでございます。

 そもそも、さかのぼると、もう一つは、一九二九年に始まりました大恐慌の反省で、一九三三年に銀行法が制定される、これは健全性の確保、リスクの遮断というような意味合いも非常に強かったというふうに思っております。

 重要な点は、今回の改正は、銀行等の金融機関が、証券会社から委託を受けまして、投資家との間で株式等の売買の仲介を行うという事実行為を行う、この事実行為を行うということを解禁するものでございまして、証券取引法六十五条の基本的な考え方、銀証分離の基本的な考え方を変えたわけではないということでございます。

佐々木(憲)委員 この銀証分離の原則が法律によって規定をされたのは、一九四八年、昭和二十三年の証取法の制定の際に、アメリカのグラス・スティーガル法の規定を取り入れたものでありまして、これは、銀行の証券業務からの遮断ということによって預金者を保護する、利益相反の防止ということなんでありますが、この原則を今回は取り外すということになるわけであります。銀行が企業に対して影響力を持ち、企業の詳細な経営状況や預金者の情報を持っているわけでありまして、その銀行が証券業務を行うということは、さまざまな弊害が生まれるわけであります。

 ところが、現在、銀行の子会社と本社の関係で、子会社については証券業務への参入が認められている。今回は、その本体、銀行本体そのものの仲介業務を認めるということになるわけであります。そうしますと、子会社と本社は一定の企業体としては相対的に違うものでありますから、しかし、本体の中でその仲介業務を認めるということになりますと、これまでとは違う大変な密着度でありますから、これはレベルが違うわけですね。

 具体的にお聞きをしますけれども、例えば、預金を預けに来ました、そういう人がいます。その人に、いい投資のお話がありますよ、株を買いませんか、こういうふうに勧める、こういう行為は禁止されるんでしょうか。

増井政府参考人 今回の解禁は証券仲介業でございますので、銀行の名前で証券取引、引き受けなどをすることではないのでございますが、今のように勧誘をするということは証券仲介業の中に入ると考えております。

佐々木(憲)委員 勧誘はできると。つまり、預金を預けに来た人に対して、いいお話がありますよ、いいお話といいますか、株を買いませんか、それはできると。

 そうなりますと、銀行というのは、現に今投資信託を売ることができる。銀行内部の預金者のデータというのを持っているわけです。例えば、たくさん預金をしている高額預金者、その預金者に対して投資信託の売り込みも現に行っている。こういうことになっていきますと、これは銀行内部の情報を利用して特定の金融商品を販売する、あるいは、今回これが解禁されますと株式を販売することができる。私は、こういうやり方は明確に禁止すべきだというふうに思うんです。

 例えばこういう場合はどうでしょう。株の購入資金として融資をしましょう、株の購入の仲介をしますよ、その資金はうちの銀行から融資しますが、どうでしょうか。これは禁止されるんでしょうか。

増井政府参考人 今回の措置によりまして、さまざまな弊害防止措置を講じているところでございますが、今御指摘の、バックファイナンスを条件に証券取引の受託等をする行為ということについては、これは禁止をするということで考えております。

佐々木(憲)委員 その場合、そういう行為を行った場合には、これは罰則はあるんでしょうか。

増井政府参考人 その違反行為に対しては行政処分が課されることになると思います。

佐々木(憲)委員 罰則の規定というものはきちっと法律の中にあるんですか。

増井政府参考人 規定はございませんけれども、いずれにしても、法令違反に対しては監督上の処分で対応するということになると思います。

佐々木(憲)委員 罰則規定がないわけでありまして、行政上の処分ということを今言われましたけれども。

 それから、例えばこういう場合はどうでしょうか。利益相反行為として大変問題になると思うんですけれども、銀行が、ある特定の企業に対して支援を行っている、増資をするために株を発行させるということも銀行が提言をして、その企業が株を発行する、これを銀行の顧客に販売する、引き取らせる。仲介するわけですけれども。そういう行為に対して、これは防ぐということはできるんでしょうか。

増井政府参考人 今御指摘の、融資先が発行する有価証券について、手取り金が借入金返済に充当されるといったような場合でございますが、これは、当該事実を顧客に告げずに勧誘する行為を禁止する、これは内閣府令でそういった形で定める予定になっております。

佐々木(憲)委員 内閣府令で禁止ということを言われているんですけれども、法的にはないということであります。

 ただ、禁止ということが、これらの、先ほどの二つの例、私は三つ挙げましたけれども、二つの例については禁止をしますというふうに言われました。

 しかし、実際に不正行為を監視するのは一体だれが監視するんですか。一体、日常的な取引をだれが見張るんですか。

    〔山本(明)委員長代理退席、委員長着席〕

竹中国務大臣 銀行等が行う証券の業務について、これは当庁に寄せられた苦情で、民間からの情報のうち、例えば法令違反の疑いがある、そういうように寄せられた銀行等に対して事実確認を行っているわけであります。また、銀行等が行う証券業務については、証券取引等監視委員会がこれら取引の公正確保に係るルールの遵守状況の検査を行ってきているところでございます。

 この事実確認、検査の結果、それと法令違反行為が認められた場合には、これは証取法に基づき、我々としては厳正に対処をするということになります。

佐々木(憲)委員 今の答弁でも、苦情があった場合ですね。苦情があった場合にそれに対して一定の対応をする。しかも、これは業界に任せているわけですよ、実態的に言いますと。

 それから、監視委員会が検査監督といっても、これは日常的には行われていないわけでありまして、現に、その体制自体も不十分だと言われていまして、適正な摘発ができないんじゃないかという状況にあるわけです。

 例えば、具体的に言いますと、一九九八年十二月に、銀行窓口での投資信託の販売というのが解禁されました。投資信託の協会の統計によりますと、銀行の販売シェアというのは非常にふえておるわけです。年々拡大しておりまして、一九九九年末に六・三%でしたが、ことし三月末には三六・五%に拡大している。

 そこで、お聞きをしますけれども、内閣府にお聞きします。「投資型金融商品の取引における消費者保護」、二〇〇二年八月に国民生活センターから出ているこの統計で、投資型金融商品に関する苦情件数の中で、投資信託の各年度の苦情件数の推移、それから、そのうち、銀行に対する苦情件数というのはどういうふうになっていますか。

田口政府参考人 お答えいたします。

 ただいま御指摘のございました、国民生活センターが行いました研究会の報告書でございますが、これによりますと、各地の消費生活センターに寄せられました投資信託に関する苦情相談件数は、平成十一年度におきましては二百七十五件、平成十二年度には四百八十二件、平成十三年度には七百十九件となっております。このうち、銀行に対する苦情相談件数につきましては、平成十一年度が五件、平成十二年度が二十八件、平成十三年度が八十三件となっております。

佐々木(憲)委員 この二年間で、わずか二年ですけれども、投資信託の相談件数というのは二倍になっております。苦情が非常にふえているということなんですね。そのうち、銀行の販売をめぐる相談というのが十七倍にふえているんです。

 国民生活センターがまとめた相談事例によりますと、例えば、これは二十八歳の女性ですけれども、銀行で積立預金を窓口に申し込んだ、そうしたら投資信託を勧誘されて契約をした、内容がよくわからなかった、こういう方もいます。それはこの中に紹介されておりますけれども。例えば、こういうのがあります。八十一歳の女性、銀行の勧誘員に、元本割れもなく安全な商品と言われた、投資信託の契約をした、投資先の外国企業が破綻したために大幅に元本割れをし、運用が困難となった。それから、四十七歳の女性ですけれども、銀行の窓口の女性に元本保証であることを確認して金融商品を購入した、外国の○○という会社の倒産の影響でマイナスが出て、現在五十万円の損が出ているという、窓口の担当者は元本保証だと言ったので、その女性と面談したいのだが、既に退社していると言われた。こういう事例ですね。

 このようにして、預金を申し込みに窓口に行ったら、投資信託を勧誘されて、元本割れする可能性がありますよという説明もない、そして銀行に言われるままに買った、ところが元本割れを起こす、こういうトラブルというのが急増しているわけですね。

 竹中大臣、こういうトラブルがふえているという認識はお持ちなんでしょうか。

竹中国務大臣 先ほど内閣府の国民生活局からも答弁ありましたように、そういう苦情がふえている。これは先ほど、苦情が十七倍になっているという話がありましたが、銀行の取り扱いがそもそもこの間十倍になっておりますので、現実問題として、先ほど、冒頭、銀行でアクセスをふやしても取引はふえないのではないかとおっしゃいましたが、投信に関してはかなり急激にふえている、そういう中でそうした問題も生じている。

 そういうことに対しては、一方で、我々としては、先ほど言いましたように、そういった監視委員会また金融庁等々の苦情対応等々でしっかりと対応していっているつもりでございます。

佐々木(憲)委員 ふえていると言いましたけれども、このように勧誘をして、わざわざ、預金をしに来た方に、いわばその人が希望もしないのに投資信託を押しつけているという形で実際にこういう被害がふえているわけです。取引がふえている、その原因も誘導ですよ、実際は。

 では、こういう被害はどのように救われたのか。その救った実績というのはどういう形であらわれていますか。

増井政府参考人 恐縮でございます。今手元にそういった実績に関するデータはございません。

 いずれにしても、今回、銀行によります証券仲介業が行われる場合には、一つは、証券外務員登録の要件を、担当者はそういった登録をしなけりゃいけない、あるいは、先ほど御指摘のありました元本割れの危険性に対する明確な説明が行われるということ、勧誘に関してはそれが必要なわけでございまして、あるいは、断定的な判断を提供するなどの不当な勧誘行為が行われる場合には、証券取引法の行為規制あるいは金融商品販売法の適用を受けることになるということでございます。

佐々木(憲)委員 救ったという実績が十分把握されていないのが実態なんですね。

 今、金融商品販売法があるからそれによって規制するんだというふうにおっしゃいました。しかし、今私が紹介した事例は金融商品販売法が施行された後の事例なんですよ、二〇〇二年度分ですからね。つまり、法律をつくっても、被害はなくなっていないだけじゃなくて、ふえているわけです。

 ですから、実態的にこういう被害者をどう救うのかということをしっかりと考えないと、今既に行われている投資信託のこういう被害も救済もできないのに、今度はまた株を銀行が仲介するということでどんどんどんどん広げていったら被害がふえるだけじゃないですか。

 やはり私は、国民が、決して株に投資をしたいという方々がふえているわけでもないのに、受け皿だけそういうものをつくって、それで株に誘導していく、そういうやり方が被害を広げていく、そういうことで銀証分離の原則をゆがめるということで、きょうはこの点について絞ってお聞きをしましたけれども、また別な機会に別な論点で質問させていただきます。

田野瀬委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時四十二分散会


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