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第27号 平成16年6月2日(水曜日)

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平成十六年六月二日(水曜日)

    午後一時開議

 出席委員

   委員長 田野瀬良太郎君

   理事 萩山 教嚴君 理事 村井  仁君

   理事 山本 明彦君 理事 島   聡君

   理事 中塚 一宏君 理事 長妻  昭君

   理事 上田  勇君

      江崎洋一郎君    熊代 昭彦君

      小泉 龍司君    七条  明君

      田中 英夫君    中村正三郎君

      西田  猛君    西銘恒三郎君

      林田  彪君    原田 令嗣君

      宮下 一郎君    森山  裕君

      渡辺 喜美君    五十嵐文彦君

      小泉 俊明君    鈴木 克昌君

      武正 公一君    津川 祥吾君

      津村 啓介君    野田 佳彦君

      古川 元久君    馬淵 澄夫君

      松原  仁君    村越 祐民君

      吉田  泉君    谷口 隆義君

      長沢 広明君    佐々木憲昭君

    …………………………………

   議員           鈴木 康友君

   議員           中津川博郷君

   議員           中山 義活君

   国務大臣

   (金融担当)       竹中 平蔵君

   内閣府副大臣       伊藤 達也君

   財務大臣政務官      七条  明君

   政府参考人

   (法務省民事局長)    房村 精一君

   財務金融委員会専門員   鈴木健次郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月二日

 辞任         補欠選任

  谷川 弥一君     西銘恒三郎君

同日

 辞任         補欠選任

  西銘恒三郎君     谷川 弥一君

    ―――――――――――――

五月二十八日

 消費税の大増税に反対、税率を三%に引き下げることに関する請願(吉井英勝君紹介)(第二七〇四号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 中小企業者に対する銀行等の資金の貸付けの適正な運営の確保に関する法律案(中山義活君外五名提出、衆法第四号)


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     ――――◇―――――

田野瀬委員長 これより会議を開きます。

 中山義活君外五名提出、中小企業者に対する銀行等の資金の貸付けの適正な運営の確保に関する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。提出者中山義活君。

    ―――――――――――――

 中小企業者に対する銀行等の資金の貸付けの適正な運営の確保に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

中山(義)議員 中小企業者に対する銀行等の資金の貸付けの適正な運営の確保に関する法律案に関する提案理由説明を行います。

 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました中小企業者に対する銀行等の資金の貸付けの適正な運営の確保に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。

 日本経済は回復の方向に向かっていますが、多くの国民の生活実感とは大きく異なり、いまだ多くの中小企業や地方は不況の真っただ中にいます。銀行の中小企業者に対する融資の現状についてはかねてからさまざまな問題点が指摘されてまいりましたが、依然として状況は変わっていないと受けとめています。

 まず、銀行から中小企業者及び保証人に対する事前説明が十分なされないまま、返済能力を超えた過剰融資及びこれに伴う過剰な担保の要求が行われてきたという事実がございます。その結果、多くの中小企業者や保証人は、債務の履行や担保権の実行の名のもとに、応分の負担を超えた、生存権を脅かしかねない過重なリスクを負わされている現状がございます。

 また、中小企業者が一度でも返済を滞らせるや、担保至上主義に陥っている銀行は、当該中小企業者の事業の将来性や再建の可能性を度外視して、担保不足を理由に、一転して貸しはがしを行い、これにより中小企業者の倒産が増加しているという事態も多々見られます。このような事態は、銀行の業務の公共性、倫理道徳性にかんがみて望ましい事態とは言えず、早急な是正が望まれます。

 しかしながら、銀行貸し付けをめぐるルールは、主に当事者同士の契約条項、すなわち約款に基づいて行われてきたわけで、貸金業に見られるような法律の形をとった規制はこれまで一切されてきませんでした。この当事者同士の約款も必ずしもフェアなものとは言えず、実際には銀行側の権利のみを定めていて、消費者・顧客である借り手側の権利を定めない、ないしは民法上当然認められてしかるべき従前の権利を制限する内容の条項が多かったというのが実情であります。したがって、本法案は、もしこれが成立すれば、銀行業の貸し付け方法を規制すると同時に借り手の保護の観点から条項を定める初めての法律ということになります。

 以上が、銀行と中小企業者及び保証人の間の契約締結過程及び契約内容の適正化を図るために、本法律案を議員立法としてまとめ、提出した次第であります。

 次に、本法律案の要旨を申し上げます。

 第一に、対象となる金融機関は、銀行及び長期信用銀行であります。

 第二に、対象となる貸付契約及び保証契約は、中小企業者に対する銀行等の資金の貸し付け及び保証契約を指します。

 第三に、銀行等が中小企業者に対し貸付契約及び貸付契約に係る保証契約を締結しようとするときは、貸し付け条件及び保証条件について、資金の借り手及びその保証人に対し説明をしなければならないとするものであります。特に保証人に対しては、その保証責任の範囲、期間等を明確にする義務があるといたします。

 第四に、銀行等が中小企業者に対し貸付契約及び貸付契約に係る保証契約を締結したときは、遅滞なくその契約内容を明らかにする書面を交付しなければならないとするものであります。

 第五に、銀行等は、貸付契約等の締結に関する方針を定め、公表しなければならないこととしております。その方針においては、貸し付け条件を定めるに当たり、中小企業者の経営状況並びにその事業の性質及び成長発展の可能性に照らし配慮すべき事項、また財産を担保として提供させるに当たっては、その使用形態に照らし配慮すべき事項、さらには保証期間、保証金額及び保証の範囲を定めるに当たっては、保証人となろうとする者の経済状況その他の事情に照らし配慮すべき事項及びその他貸付契約等の締結に際し配慮すべき事項について定めることとしております。

 以上が、本法律案の提案理由及びその要旨であります。

 本法案は、昨年の百五十六回通常国会に提出し、経済産業委員会で審議を行った経緯があります。法案成立に向けた強い決意を持ってこの国会に再度提出した次第であります。

 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願いを申し上げます。(拍手)

田野瀬委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

田野瀬委員長 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として法務省民事局長房村精一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田野瀬委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

田野瀬委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。村越祐民君。

村越委員 民主党の村越でございます。

 私は、中小企業者に対する銀行等の資金の貸付けの適正な運営の確保に関する法律案について、本法案を歓迎する立場から質疑をさせていただきたいと思います。

 以前、経済産業委員会でも主張いたしましたが、この間の政府の誤った政策によりまして最も痛みを負わされ続けてきたのは社会的弱者だと思います。経済主体に関していえば、この社会的弱者というのは、言うまでもなく、中小企業者や個人事業主の人たちであるわけです。大企業というのは、リストラをしまして、財務体質を改善して、むだを省いて財務体質をよくしていくことができるんだと思いますが、もともと必要最小限度のリソースで運営をしている中小企業というのは、これ以上省くためのむだというものがないわけです。やる気もあって努力もしているのに、銀行から融資が受けられないがために、倒産にばたばたと追いやられてしまう、そういった話をこの間たくさん耳にしてきたわけでございます。

 必要なところに資金が回っていくようになるためには金融システムを強化する、金融機能を強化する、それがまずもって先決なんだというのが政府の主張であると私は認識しているわけです。これはこれで大変結構なことだと思うんですけれども、必ずしもこれが必要であって十分なことではないんじゃないかと私は考えております。

 なぜならば、第一に、まず、中小企業というのは、私もこの間いろいろなところを回っていろいろな話を聞いてきましたけれども、現在も本当に、先ほど提出者がお話しになったとおり、大変苦しい状況にある。金融システムが元気になるまで到底待ってはいられないんだというのが本音のところだと思います。

 そして第二に、仮に金融システムが健全化した、強化されたとしても、必ずしも中小企業に対して適正な融資がなされるようになるとは限らないんじゃないか、そういう問題が依然として残るんだと私は思います。

 では、どうすればよいのかといえば、これは自明のことだと思いますが、その金融システムが元気を取り戻していくための政策をとっていくのにあわせて、今すぐに、中小企業のような経済的に弱い立場にある人たちに対して適正な融資が行われていくための仕組みを並行してつくっていく必要がある、そのように思います。この法案は、そのためのいわば基本法的な性格を持っているんだと私は理解しているわけでございます。

 まず最初に、きょうは竹中大臣にもお越しいただいておりますので、大臣にお伺いしたいんですが、大臣は、金融機能の健全化、強化ということをおっしゃっているわけですけれども、私は、先ほど申し上げたとおり、金融機能が健全になっただけで論理必然的に中小企業に対する融資がふえていくんだとは思わないわけです。そこで、銀行が中小企業融資にもっと積極的になるような政策を施す必要があると思うんですが、その点に関していかがお考えなのでしょうか、まずお答えいただきたいと思います。

竹中国務大臣 中小企業をめぐる環境を考えますと、金融システムの健全化、全体としての政策はそれはそれでよいけれども、決してそれは十分ではない、必要条件かもしれないけれども十分条件ではないだろうという村越委員の御指摘は、私もそのとおりだと思います。金融システムを全体として強化していく、それと並行して、中小企業金融に焦点を当てた施策をきめ細かくやっていくという努力は、やはりこれは政府として当然必要なことであると思います。

 私は中小企業対策全体を論じる立場では必ずしもございません。これは、税制の問題、さまざまな規制の問題、いろいろあろうかと思いますが、金融に関して、金融環境に関して、これは金融庁として努力しなければいけない部門でありますので、我々としてもそうした問題意識を持って取り組んでいるところでございます。

 多々ございますけれども、具体的に幾つか申し上げますと、まず第一に、中小企業を含む健全な取引先に対する資金供給の一層の円滑化に努めるよう、金融機関に対し繰り返し要請を行っております。意見交換の場等々で我々も必ずこのことを要請している次第であります。

 第二に、中小・地域金融機関について、これは間柄を重視した地域密着型の金融の機能強化を図る、いわゆるリレーションシップバンキングの強化を図る。これは、非常に包括的なアクションプログラムを立てて、我々もそこに焦点を当てて実施しているつもりであります。

 第三に、中小企業の実態に即した検査を確保するという観点から、金融検査マニュアルの別冊、中小企業融資編を、御承知のように、十四年の六月に策定をしまして、ことしの二月に改定を行っております。

 また、第四に、早期健全化法に基づく資本増強行に対しては、経営健全化計画におきまして、毎年度、これは中小企業向け貸し出しの増加計画を策定、履行することを求めております。

 さらには、平成十四年十月から、貸し渋り・貸しはがしホットラインを設けて、そこへ寄せられた情報を検査監督に活用する。また、金融機関に対して、与信取引に関する顧客への説明体制の整備を求めている等々を行っているところでございます。

 その意味では、我々も、そうした対応はきめ細かく必要だという立場に立って、しっかりとした政策を行っているつもりでございますし、また、引き続き、皆様の御意見を伺いながら、この方向は強化していきたいと思っております。

村越委員 先日の朝日新聞でしたか、政府広報で、大臣がみのもんたさんと対談されているような記事が載っていまして、それは拝読したんですけれども、その中でも、何か八割ぐらいの銀行が中小企業の融資に向けて動き出しているというようなことが書いてありまして、今のお話でも、円滑化に向けて要請をされているというふうなことをおっしゃっていますが、依然として、私が町中を歩いていろいろな方にお話を伺っていると、本当に、もう早くしてくれ、首がどんどん絞まっているんだというような、非常に悲壮感が漂ったお話ばかりが聞こえてくる。大臣がよく、プロアクティブとリアクティブ、それから選択と集中ということをおっしゃっていますけれども、選択から漏れているんじゃないかと私は非常に思っているわけです。

 先日の報道でも、大臣は何か夏の選挙に出馬をされるとかされないとかという報道がされていましたが、ぜひ大臣には立候補していただいて、国民の信託を経て、民主制と投票箱の過程を経て、行政の立場で頑張っていかれると一層よいのではないかと私は思っているわけですけれども、ここからは、法案の趣旨に関して提出者にお伺いをしたいと思います。

 今、中小企業をめぐる現状に関していろいろとお話しさせていただきましたが、一度この法案が出されて一年ぐらいたっているわけですけれども、この間、中小企業の現状をめぐってどのような変化があったのか、今の、とりわけ中小企業をめぐる金融に関する現状とか問題点をどのように提出者は把握されているのか、お答えいただきたいと思います。

中津川議員 お答えいたします。

 確かに経済のファンダメンタルズはよくなっているという認識はありますが、しかし、国民の生活、意識、それから中小企業を取り巻く金融情勢も含めて、非常に厳しい、実体経済は大変だというふうに、私は地元を回って常々感じているところであります。

 今、村越委員から話がありましたけれども、前回この法案は、経済産業委員会で私ども提案いたしました。思いのほか自民党の議員の方たちからも大変評価を受けたというふうに思っております。それから日にちも大分たってきておるわけでありますが、実際の中小企業の金融はむしろ悪くなっている。特に大手行、これは非常にふまじめで、貸出残高減少は極めて大きい。特に中小企業向けの貸し出し減少は続いている。

 ちなみに、数字を読み上げますと、一九九八年末に、貸出残高、金融機関の中小向け、これが約三百四十五兆円だったのが、二〇〇二年末には約二百七十九兆円、そして二〇〇三年末には二百六十兆円と減少しているんですね。もうひどいの一語に尽きます。

 そして、ここ一日二日のUFJの問題の中で浮き彫りにされましたが、中小企業融資が実にずさんだった。何か間際になってちょこちょこっと貸して、形だけを繕うというようなことも報道されているわけでありまして、貸し渋り、さらに貸しはがしというのが続いているという実感であります。

 ただし、二〇〇三年に入ってから、政府系の金融機関はわずかながら増加しているというのは光でありますけれども、依然として、大手銀行だけではなくて、昨年は、足利銀行が債務超過ということで一時国有化することを決定いたしまして、あれは地方銀行の一つの象徴だと私は思いますが、地方の銀行、金融情勢も、中小企業を取り巻く情勢も悪化をしているというふうに認識しております。

村越委員 非常に熱意のこもった法案であるということはよく承っているんですが、この法案が、これだけいい内容だ、そして、自民党の方々にも本来賛同いただいているんだということで、仮に成立した場合、どのようなメリット、効果があるのか、ぜひお聞かせいただきたいと思います。提出者の方、お願いします。

中山(義)議員 どういうメリットといいますか、この法律の趣旨を先ほど説明したように、銀行とそれから中小企業、どういう関係にあるか。

 中小企業はもともと、財産といいますか、資本もそれから資産もない。銀行が優位な立場から、お金を貸すときに、いろいろな契約自身が、法的な根拠がなくて、相対の、お互いの立場で契約をしているわけですね。その際に、保証人のあり方とか連帯保証のあり方とか、これを読んでみますと、法の遵守によらずとか、要するに、法律の根拠はないんだよ、我々とあなたたちの契約なんだよということで、もし一たん返済が渋るやいなや、大変なことをするわけですね。

 そういう面で、この法律の趣旨というのは、もともと消費者保護、いわゆる消費者契約法など、よそのものでは例えば不動産にしても貸し金にしても、こういうものは全部規制があるわけです。こうやって見ますと、規制のないのは結局銀行だけじゃないか。そういう面では、やはり消費者保護のため、それから中小企業保護のためにこの法律案があるわけでございまして、その辺を御理解いただきたいというふうに思います。

村越委員 一年前に、第百五十六回に提出されて結局成立しなかったということなんですが、仮に一年前にこの法案が成立していれば救うことができた中小企業があったかどうか、また、そうだとすると、その間倒産していった中小企業があるかもしれないということに関してどのような思いをお持ちなんでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。

鈴木(康)議員 委員もおわかりのとおり、経済対策とか景気対策というのはスピードとタイミングが非常に重要だというふうに思います。

 そういう意味では、一年間この法案が棚上げにされていなければ、やはり、救うことができた中小企業、あるいは経営者、あるいはその従業員、家族というものがあったというふうに私は思います。この間にも、随分たくさんの中小企業が倒産に追い込まれているという実態がありますし、相変わらず自殺者は年間三万人という大変大きな数であります。その自殺者の理由を見れば、借金苦というのが第一位でありまして、その後、事業不振、生活苦、あるいは失業と続くわけですけれども、こうしたものを、この法案があれば少しでも救えたというふうに我々は確信を持っています。

 そういう意味では、この法案が一年間棚上げになってきたということは、これは不作為の罪が与党側にあるのではないかというふうに私は思います。

 本日、この委員会にも理事として山本議員が参加をしていただいていますが、昨年、経済産業委員会でこの法案が審議をされたときには、山本委員からは非常にいい法案であるという賛成の趣旨の御発言をいただいているというふうに記憶をしております。そういう意味では、ぜひ今国会で本法案が成立をするように理事として御尽力、御努力いただくように、この場をかりてお願いを申し上げたいと思います。

 以上です。

村越委員 この法案のねらいであります無担保、無保証融資の拡大について、銀行側はどういった反応をしているんでしょうか、お聞かせください。

鈴木(康)議員 無担保、無保証については、これはもう多くのニーズがあることはおわかりのとおりだと思いますが、以前に比べればかなりその環境が整いつつあるというふうにも思うわけであります。例えば、今国会で経済産業省が提出をした中小企業金融公庫法の改正などは、我が党が主張してきました、中小企業に対する無担保、無保証の貸し出しを促進するものであるというふうに受けとめておりまして、当然の措置だと思うわけであります。あるいは、民間の銀行の中でも、最近は無担保、無保証を推進しようという機運があることも事実であります。

 ただし、まだかなり不完全なものでありまして、例えば、借入期間が三年から五年と非常に短いので、本来のニーズに合わない、非常に使い勝手が悪いというような声も多く聞いているわけでありまして、そういう意味では、まだ、全体としてこの無担保、無保証融資の拡大が順調に進んでいるとは思えないわけであります。

 そういう意味で、ぜひ今回この法案を成立させることによって、金融機関側にも無担保、無保証融資の拡大に向けて努力をしていただく一助になればというふうに思います。

村越委員 もう余り時間がないんですけれども、何点か法案の具体的な中身に関してちょっとお伺いをしたいんです。

 まず、銀行の説明義務に関してなんですけれども、銀行が融資をする際に説明をするというのはいわば当然のことだと思うんですが、これを義務化することの意義というのはどこにあるんでしょうか、また、その義務化がされなかった場合の問題点というのはどういったものがあるんでしょうか、お聞かせください。

中山(義)議員 義務化をされなかった場合の具体例という、そこからちょっと御説明したいと思うんですが、例えば、連帯保証の実態といいますか、どういうものが連帯保証なのか。これは、連帯保証の連帯保証人というのは第二債務者でもあるわけです。だから、保証人がもし払えなかった、また当事者が払えなかった場合にすぐに回ってくるわけですね。第二債務者ですから、払えない時点で回ってくる。非常に大きな負担を強いられているわけで、しかも、それが包括根保証であるとかそういうような問題だったら大変なことなわけです。ところが、我々はいろいろな実態を調べてみましたが、包括根保証、これが何であるか、または連帯保証が何であるか、こんな説明がされないままに判こを押している例が多々あるわけです。

 そういう面で、私どもは、説明責任というのはいかに大切か。これは先物取引でも証券取引でもみんなそうなんですが、事前説明がなされないで渡した場合には、やはり、聞いた方はそんな説明は聞いていないよとは言っても、後々その約定書とか契約書を見ますと書いてあるんですね。だから、契約書みたいなものがあるにもかかわらず実際は説明していないという例が多々あるわけでございまして、この実態はお調べいただければわかると思います。こんなことが許されるわけはありません。

 そういう面で、消費者保護の観点からも、我々は、絶対に事前に説明することは義務づける、これは特に法的なものとしてやるべきであると思います。先ほど言いましたように、規制をされていなかったのは銀行だけです。

 以上、説明を終わります。

村越委員 ちょっと時間がなくなりましたので最後に一点だけお伺いしたいんですが、貸付契約や担保提供に当たって、貸し付け方針を定め、それを公表する義務を規定することの趣旨がどこにあるのか、最後にお聞かせいただきたいと思います。

 今、包括根保証制度について義務づけがされるということをちょっとお話しいただいたと思うんですが、その点に関しても最後に論及していただだければ幸いです。

田野瀬委員長 既に質問時間が終了しておりますので、簡単にお答えください。

 中津川君。

中津川議員 包括根保証と言われる件でありますが、実は、包括根保証と政府の方も一括で言っておりますが、包括保証と根保証は違うんですね。包括保証というのは、もうエンドレスにどんどんどんどんふえちゃう、昔のフリーローンのような形ですかね。それから、根保証は、目玉がどうだとか腎臓を売れとかいう、あれで問題になりました、一億なら一億、極度額ということであります。それからあと、特約保証というのは普通でありまして、こういうことすらよく説明しないで判こを押させちゃうんですよ。

 それで、今、特に提案融資で銀行がずっとやってきたバブルのときの後遺症というもので、毎日、自殺者、夜逃げ、競売、まだそのあらしが続いているということでありますから、これは先ほど来から申し上げておりますように、やはり銀行といえどもこれは規制をかけないととんでもないことになるということであります。

村越委員 これで終わります。

田野瀬委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 まず、民主党の法案提出者に対しましてお聞きをします。

 貸付契約締結の際の書面交付についてであります。貸金業規制法では業者に交付を義務づけている、しかし銀行に対する法律上の義務規定はない。この法律の不備のもとで、現在どのような問題が生じているのか、それをこの法案ではどう改善しようとしているのか。

 時間が短いので簡潔にお答えいただきたい。

中山(義)議員 こういう規制をする法律がなかったというのは、やはり財務省の怠慢、もともと大蔵省が怠慢をして、要するに、銀行同士が談合をして、調子のいい、自分たちの勝手なやり方をつくってしまったんだと思うんですね、それを規制できなかった政府にやはり問題があった、このように私は思います。

 そのかわり、どういうことがあったかといいますと、例えば提案型融資なんかそうです。おたくのここは道路上にあって三十階建てられるから建てなさい、金は全部出します、中のテナントから何から全部うちが紹介しますと言いながら、一転土地が下がったら徹底的に返済を迫るというような、過去にそういうものが随分ありました。

 提案型融資なんかについても、契約した時点で説明義務と書面交付義務がないために、連帯保証とか、いろいろなふうになっている人たちの実際が説明されていないんです。また、そこがちゃんと自分に書面として残っていない。そこで不幸が起きた、こういうことでございます。

佐々木(憲)委員 大変よくわかりました。

 それで、次に竹中大臣にお聞きします。

 貯蓄共済組合の問題なんですけれども、四日市商工共済協同組合と商工貯蓄共済組合というのがあります。これは二〇〇二年五月に破産をいたしました。両組合員は延べ三千五百人ぐらいおります。預金保険に入っておりませんでしたので、積み立てた資金が組合員に返済されずに、いわば預金がゼロになる、こういう被害であります。

 その引き金を引いたのは、三重銀行が、この組合を不良債権だということで認定をしまして、強引な資金回収を迫ったということにあったと言われているわけであります。

 金融庁は、三重銀行に対して検査を実施したのはいつだったか、この二〇〇二年にあったのかどうか、これをお聞かせいただきたい。

伊藤副大臣 三重銀行に対しましては、平成十四年三月期を対象といたしまして、東海財務局が平成十四年の四月二十二日より五月二十三日まで立入検査を実施いたしまして、十五年一月二十四日に検査結果の通知を行ったところでございます。

佐々木(憲)委員 この検査のときに、三重銀行の自己査定が甘いという指摘をして、金融庁は、これは破綻認定すべきだ、こういうふうに断定をして、その結果、組合は貸付金の返済を求められた。それで、二〇〇二年四月に二億円の定期及び株式を売却することで返済することにしたわけですが、これによって資金繰りがつかなくなりまして、破産をした。

 つまり、金融庁の厳しい検査がこの二つの組合を破産に追い込んだのではないか、被害者をつくったということになると思うんですが、その認識はありますか。

竹中国務大臣 破綻認定というお言葉を使われましたけれども、金融庁が実施する検査では、いわゆる経営破綻や、経営破綻に陥る可能性が高い債務者に関しては、これは検査マニュアルに基づいて区分をいたします。

 要するに、法的、形式的な経営破綻の事実が発生している債務者を破綻先とする、法的、形式的な経営破綻の事実は発生していないものの、深刻な経営難の状態にあり再建の見通しがない状況にあって、実質的に破綻している債務者を実質破綻先にする、経営破綻の状況にはないけれども、経営難の状態にあって経営改善計画等の進捗状況が芳しくない、今後経営破綻に陥る可能性が大きいと認められる債務者を破綻懸念先として、それぞれ適切な区分がなされているかを検証する、債務者区分を検証するというのが我々のいわば検査の仕事でございます。

 検査は、これは言うまでもなく、自己査定の正確性、その上で引き当てなどが適切に行われているか、つまりリスク管理体制を検証していくものでありまして、金融検査は、その上で融資を行うか否かといった金融機関の経営方針や融資姿勢にまで立ち入る、経営に干渉するというものではございません。各金融機関の個々の融資対応というのは、金融機関みずからの経営判断によって行われるものであるというふうに承知をしております。

佐々木(憲)委員 質問に直接お答えになっていないんですけれども、債務者区分を変更した、より厳しく変更したと。

 このことについて、ここに三重県がつくった文書があります。こういうふうに書かれているんですね。「三重銀行が金融庁検査を受けた際、当該組合が破綻認定された。」ということですね。もちろん正確な表現かどうかは別としまして、より厳しい債務者区分に変更された、その結果、このような三重銀行の資金回収という事態を招き、それがこの両組合の破産につながり、三千五百人の積立金を拠出していた方々が、その資産がパアになってしまった。大変重大なことであります。

 もちろん、この組合側の資金運用の問題点というのはあったようです。その運用に対して三重県の、これは認可したわけですから三重県の責任もあると思うんですね。そういう問題はもちろんあります。しかし、重大なのは、やはり金融庁の検査がこういう結果を招いたわけでありまして、間接的にですよ。その認識がないということになればこれは極めて重大だと思うんです。

 被害者の家族は自殺未遂、一家離散というような大変悲惨な事態が次々と生まれているわけであります。やはり、これに対して何らかの救済策とか対応、そういうものを検討する必要があるのではないかというふうに思いますけれども、大臣の見解をお伺いしたい。これは竹中大臣に最後に、大臣の見解をお伺いしたいと思います。

竹中国務大臣 委員の御指摘は、検査を行ってこういう問題が生じたんだから検査に責任があるのではないか、短絡すればそういう御主張かと思いますが、我々は検査で、債務者区分についてこういう問題があるという事実を指摘するわけでございます。その事実に基づいて経営判断で融資がなされるかどうかということを、当然これは経営判断としてなされるわけであります。

 したがって、検査があったからそういう結果がもたらされたという、その因果関係のような言い方をされるのは、これは少し違うのではないかと思います。我々は、いわば検査でありますから、健康診断のようなものを行った。健康診断を行ったから病気になったんだと言われているような気がいたしますが、決してそうではないという、事実の問題でございます。

 個別の問題につきましては、いろいろ大変御苦労なさった方がいらっしゃるんだと思います。これについて個別のことを申し上げる立場にはございませんが、いずれにしましても、これは法令にのっとってしかるべく対応すべきところは対応を当然していくわけでございますし、個別の救済の問題というのは、県においてもいろいろな対応策がございますでしょうし、国としてやるべきことがあればしかるべく対応はなされているものと認識をしております。

佐々木(憲)委員 因果関係はないとおっしゃいますけれども、間接的な因果関係は明確にあるわけです。そのことの認識がどうもないようでありまして、検査によって査定を厳しくし、その結果、銀行の貸し出し姿勢に変化が生じ、資金回収に回る。ということは、間接的に検査によって債務者が破産に追い込まれていくという関係が極めて明確なんですよ。

 そういう認識なしに、ただ診断しただけなんだ、あとはどうなるかはそれは銀行の経営なんだ、こういうのでは極めて無責任でありまして、その点を最後に指摘して、時間が参りましたので終わります。

田野瀬委員長 次に、小泉龍司君。

小泉(龍)委員 自由民主党の小泉龍司でございます。

 三人の先生方、答弁大変御苦労さまでございます。大臣、副大臣も御苦労さまでございます。

 この法案の趣旨につきましては、冒頭に御説明もありました、また、村越議員の議論にもありました。私も、趣旨は理解をいたします。しかし、方法論という観点からこの法案は作成されたわけでございまして、方法論という点でこの法案を見ますと、やはり大きな問題があるというふうに申し上げざるを得ないと思います。

 それは、概括的に申し上げますけれども、確かに中小企業金融については、今我々が本気で取り組まなければならない政策課題がいろいろあると思います。その政策課題の中のこの部分は、大変失礼な言い方になりますけれども、イロハのイの部分。これをやりましたやりましたと出してきたように、大変失礼な言い方ですけれども、思えるんですね。もう少し中身にどうして入らないんだろうと。特に、昨年、経済産業委員会で議論が行われて一年たっているわけですから、同じものがまた出てきちゃったよと、ちょっと私もがっかりしたわけでございます。刻々、政策は動いております、状況も動いております、ここのところを少しきょうは議論をさせていただきたい。

 それから、イロハのイについても、この必要性は事柄の性格として認めます、しかし、金融庁から後ほど御説明をいただきますけれども、銀行法に基づいて事務ガイドラインというものが手当てをされてきた、措置がとられてきた、そういう点から考えるとやはりアウト・オブ・デートになってしまったな。せっかく出されるのであれば、もう少し中身を深く掘り下げて出してきていただきたかったな、気持ちはわかりますよ、そういうふうに私は申し上げたいと思います。

 しかし、一方的に批判しても申しわけないから、この法律の趣旨、言いたいところ、これは二つあると思うんですね。一つは、銀行は強い立場だ、債務者は弱い立場だ、したがって、イコールフッティングを図るべきだ、契約条件を事前に説明する、書面にする、そして契約条件というものを公表する、こういうことですね。もう一つは、銀行は公的な性格を持っている、したがって、中小企業の側のいろいろな事情をもうちょっと配慮していいんじゃないか、社会的存在として。この二つが中心概念だと思いますが、大枠、そういうことでよろしいでしょうか。いいと思いますので、簡潔に。公共性、そして倫理道徳性という言葉も出てきますね、趣旨を簡潔にお願い申し上げます。

中津川議員 小泉先生今御指摘のとおりでありまして、全くよく御理解していただけるなと思います。

 とにかく、貸す方が強いんですよ、借りる方が弱いんです。そして、バブルのとき、好景気のときに、提案融資とかいろいろなもので銀行が借りてくれ借りてくれと。支店長が毎日一カ月も来たら、判こを押しちゃう、そんなの読まなくて。だけれども、今その被害がどんどん出ているわけなんです。

 そして、私、個人的には、今、このデフレ状況のときに、デフレ下のときに不良債権処理を加速することはよくないのではないかということを党内でも言ってまいりましたけれども、これがさらに、参議院選挙が終わると、小泉さんはもうあと選挙ないというような考えで、どんどん進んでいくんじゃないか。それで倒れていくのは、やはり中小企業であり、そして保証人になった人たちなんですね。今まさに、この法案を出すというのはグッドタイミングなんです。その辺のところをひとつ御理解願いたいと思います。

小泉(龍)委員 簡潔な答弁でありがとうございました。

 そこで、イコールフッティングを図るという問題と、それから銀行の公的性格に起因する、この二つの概念に分けて議論を整理しなければいけないと思うわけでございます。

 銀行と債務者のイコールフッティング、これは大事な問題だと思います。

 この法案の書き方、揚げ足をとるようで申しわけないけれども、事前の説明はいいんですが、書面の交付、これは、証書貸し付けについては、当然、証書貸し付けですから書面にしますね。当然のこと。手形貸し付けというのは機動性が命でございますから、全部書類にしましょう、印紙も張りましょう、これでは手形貸し付けでなくなっちゃう。三番目に、保証契約は書面にしましょう、私は、書面にならない保証契約というのは銀行の問題じゃなくてそもそも民事法上無効にすべきだと思う、そこまで入るべきだと思う。いかがですか。

 この三つの点。証書貸し付けについては不要ですね、この規定は。手形貸し付けについては弊害が伴います。保証契約については、書面にしなければそもそもそんなものは無効ですよ。ところが、民主党の案では、銀行に義務づけるで終わっている、罰則がない。私は、入るべきだ、これは無効にするべきだ、どうしてそこまで入れなかったのか。この三点、よろしくお願いします。

中津川議員 今、手形貸し付け、専門的な言葉でございますが、煩雑になるということは全く私も同じ認識であります。

 ただ、証書貸し付けだけではなくて、手形貸し付けにおいても、理論的に、やはり書面の交付はやるべきだというふうには考えております。ただ、現実的には、確かに事務手続が煩雑になるということでありますが、しかし、これをやって借り手が融資を受けづらくなるということは、全く問題ないというふうに認識をしております。

 だから、書面の交付を法律上義務づけるということは、これは当然のことでありまして、今裁判で、この金融問題、銀行とばんばんやっているんですよ、やっているんですけれども、お金を借りている人の方が、ほとんど、九九・九九幾つ勝てない。それは、それを証明しなければいけないんですが、ないんです。銀行はあるんです。その深刻な状況をひとつ御理解いただきたいと思います。

小泉(龍)委員 保証契約無効の問題については御答弁がありませんでしたので、また後ほど、別の問題の中でお聞きをしたいと思います。

 その部分を――手形貸し付けをするんだけれども、しかし、どういう条件かはちゃんと知っておきたい。頭の中に入っています、忘れましたでは済まない。融通性も持たせたい。そこのところを、実は金融庁が昨年の七月に事務ガイドラインということでうまくまとめているんですね。これは事務ガイドラインだから通達みたいなもので、何で法律に書かないんだろう、こういうふうに立法者は思われると思いますけれども、この事務ガイドラインというのは、銀行法十二条の二、さかのぼれば銀行法の一条、しっかり読んでいただきたいけれども、根拠はあるんですよ。法律に基づいて柔軟性を持たせる、しかと書面で渡す、きちっと去年の七月にできております。御存じの上で書かれたとは思いますが、念のため申し上げておきたい。

 この点について金融庁から簡潔に現行の措置を御説明いただきたいと思います。

伊藤副大臣 今小泉委員からも御指摘がございましたように、私どもも、金融機関が顧客に対して契約の内容等の適切な説明を行う、このことは極めて重要なことだと認識をいたしておりまして、このような観点から、昨年の七月に事務ガイドラインを改定させていただいて、契約書等の書面の交付を含めて整備すべき説明体制について、私どもが銀行の内部管理体制の検証を行う際の着眼点を類型化し公表するとともに、今検査事務年度において検査の重点事項として説明責任の履行状況等の検証を掲げて、重点的に検証に注力をしているところでございます。

 また、今、手形割引あるいは手形貸し付けについて御議論があったわけでありますが、先ほど委員が御指摘をされているように、これは機動性が求められているものでありまして、貸付契約の都度の契約書面の作成がなじまないものでございます。こうした取引の実態を踏まえて、当該契約の書面交付を求めるのではなくて、契約条件の書面化、あるいは契約面の整備を適切に行うことによって顧客が契約内容をいつでも確認できるようになっているかどうか、こうした観点から体制整備を検証するという形にしているところでございます。

 さらに、先ほど大臣からもお話をさせていただいたように、貸し渋り・貸しはがしホットラインを設けさせていただいて、ここに寄せられた情報を検査監督にも活用させていただき、また、こうした情報も踏まえて、中小企業金融の円滑化に関する意見交換会においても説明体制や苦情処理体制の確立を繰り返し要請させていただいているところでございます。

 今後とも、検査や監督を通じて適切な説明体制を整備するように金融機関の方々に対して促していきたいと考えているところでございます。

小泉(龍)委員 今の御説明について一点だけ確認しますけれども、これは質問じゃありませんけれども、この法案は罰則がないですね。ガイドラインも、ガイドラインじゃしようがない、こういう議論があると思いますけれども、実効性の担保はどちらも業務改善命令、要するに監督によって締めていくということでありますので、法律に基づいてガイドラインがある、その点を御理解いただきたい。

 そして、イコールフッティングでございます。イコールフッティング、形式的にはガイドラインでできているんです。ところが、実態上イコールフッティングが図れない、これが大きな問題。それは包括根保証の問題。これは非常に大きな問題だと思います。期間がない、限度額がない。きょうの趣旨説明の中にもわざわざその話が出てきますね。それで、民主党の案は、期間を定めろ、限度額を定めろ、これを銀行に義務づける。これじゃだめですよ。そんな弱いことじゃだめ。これは無効にしなきゃだめですよ。そんな包括根保証は民事上効力を認めない。ここが大事。

 これは、実は自由民主党の昨年のマニフェストに載っているんですよ。そして、破産法。自由財産を三十三万にふやしましょう。この間、民主党も御理解いただいて九十九万にふやす破産法改正案が通りました。自民党は既に手をつけています。この法案のどこにもそれは出てこない。出てこない。自民党は、無効にする。

 これは、私も再三法務省に事前にお願いしました。そして、きょう法務省からしかと御説明をいただきたいけれども、法制審の中間取りまとめが出ました。今、パブリックコメントに出しております。この点について法務省からしかと御説明をいただきたいと思います。自由民主党のマニフェストに基づく立法措置、秋の臨時国会でございます。

房村政府参考人 ただいま法務省の法制審議会におきまして包括根保証のあり方について検討をしておりますので、その内容について御説明をさせていただきます。

 五月の二十四日に、法制審議会において包括根保証のあり方についての中間試案を公表いたしております。その内容を御説明いたしますと、包括根保証については、これのために特に中小企業の経営者等が非常に過大な負担を負わされ、過酷な結果を招いている、こういうことから限度額あるいは期間について何らかの制限をすべきである、そういう観点からその内容を幾つか提案しているわけでございます。

 まず第一点といたしまして、保証契約については書面によらなければその効力を生じないものとする、契約を書面で明確にしておくということを提案しております。

 それから次に、個人が保証人として継続的に発生する不特定の債務を保証の対象とするいわゆる根保証契約を締結する場合には、保証の限度額を定めなければならず、限度額の定めがなければ無効とする、こういうことを提案しております。

 次に、保証の期間でございます。

 根保証契約における保証の範囲を一定の期間内に発生した債務に限定するという観点から、まず、当事者間で期間を定めたときは、定められる期間の最長を五年間に制限すること、契約締結時から五年内に発生する債務に限って保証の対象とする、こういう合意をそこまでの範囲で認める、それを超えるものについては認めない、こういう提案でございます。

 仮に当事者がそのような期間の定めをしなかったときにどうするかという点につきましては、期間を定めなかったときは、三年内に発生した債務に限って保証の対象とする。当事者が特に期間を定めない場合には、法律で契約時から三年内に発生した債務に限る、こういうことを提案しております。

 ただ、当事者間で期間を定めなかったときにつきましては、一般の人の場合にはまさに三年に限定をいたしますが、これ以外に、法人の代表者が法人の債務の保証人である場合、こういう場合に保証の期間を定めなかったときは、契約から三年が経過した時点で、それ以後保証人が元本の確定を請求することができる、こういう案にするということも別案として提示をしているところでございます。

 そのほか、この五年あるいは三年が経過する前であっても、例えば、債権者が主たる債務者または保証人の財産に対して強制執行の申し立てをするというような一定の事情が生じたときには、その時点までに発生した債務等の額に限って保証人が責任を負うものとする、こういうようなことも提案してございます。

 以上のような内容の中間試案を公表いたしまして、現在、パブリックコメントに付しているところでございます。

 今後の予定といたしまして、この寄せられた意見に基づきましてさらに審議を続行いたしまして、できればことしの秋ごろには結論を得まして、早急に関係法案を国会に提出したいと考えているところでございます。

中津川議員 今、小泉議員のお話を聞いていまして、ちょっと一言申し上げたいと思います。また、今の答弁も踏まえて一言申し上げたいんですが、包括根保証、先ほど答えましたが、違うんですよ、一緒にしちゃ違うんです。

 ここに富士銀行の保証書があって、きょうそんな議論になるかと思って持ってきたんですが、判こを押す場所が三カ所ありまして、包括保証、根保証、特約保証と。これはわからない。好きなところに押していいと。当たりくじのようなもので、一番上にあるのを押しちゃうんです。そうすると、これがエンドレスの大変なことになってしまうということでありまして、今のような整備じゃ大変だなと思う。

 それから、済みません、あと一言、保証人の問題、個人保証の廃止の問題。私、小泉議員と同じ期でありますが、入ってすぐ個人保証を廃止する運動を、中山議員なんかとつくりまして一生懸命取り組んできたんです。それで一生懸命やっていて、自民党のマニフェストを見たら個人保証廃止と書いてあったので、あれ、民主党と同じじゃないか、これはまねフェストじゃないかななんていうふうに思ったことを一言申し上げます。

小泉(龍)委員 大変上手な御答弁で、本質がずれちゃったような気がしますけれども、要するに、無効まで踏み込むという、そこが一番コアの部分だと私は思います。三カ所押さなきゃいかぬ、事前の説明は必要、これはガイドラインでやっているわけですから。それでも判こを押してしまった場合、期限がない、限度額がない、これは無効にする。ここがこの法案には抜けているということをよく御理解いただけたのではないかと思います。魂が入っていない。

 先へ進みます。

 銀行の公的な性格、この考え方がこの法案の底流には流れております。特に配慮義務、こういう条文にこれは流れてきているわけでございますけれども、これは、銀行に貸し出しも含めて公的な性格があるというふうに、私もそこは広くは理解をいたしますけれども、何で、銀行に公的資金が入るんだ、民間の企業には公的資金が入らないんだ、助けてくれないんだ、銀行だけなぜ助けるんだ、よく地元で聞かれる問題でございます。

 これを理論的に整理していきますと、やはり預金通貨、銀行で振り込みをする、引き落としをする、それで決済は終わったと我々は思ってしまう。これが、預金が通貨として扱われている何よりの証左ですね。銀行の口座の操作で決済が終わると。だれも否定しない、だれも疑わない。この決済機能を守る、これが銀行の公的性格の淵源だと私は思います。

 何が言いたいか。貸し出しについて公的性格がないとは言いません。しかし、ここは、私企業としての利潤極大化行動を認めないわけにもいかないんです。二重構造を持っています、そこは。ですから、公的性格があるから、首に縄つけて、中小企業に配慮しなさい、これはある意味で立法府のアリバイづくり、免罪符。ちゃんと書いてあるんですよ、法律に書きましたと。だけれども、実際は、公的性格を持っているのは理論的には決済機能だから、貸し出しについてはもっともうけてもらいたいと、これは否定できないでしょう。二重構造、二重基準、この部分にしかと焦点を置いた政策に入っていかないと、我々はやりました、免罪符です、自己満足、そういうところに陥るんじゃないか、そういうことを申し上げたい。

 時間もあるので、しかし、その銀行の公的性格はどこに起因するのか、これをぜひ大臣に簡潔にお答えいただきたいと思います。

竹中国務大臣 銀行の公共性をどのように認識するか、委員御指摘のように、狭義、広義、いろいろな御意見はあろうかと思います。

 しかしながら、銀行は基本的には私企業として経営されている。銀行法第一条第二項において、この法律の運用に当たっては、自主的な努力を尊重する、そのことに配慮しなければいけない。その活力があるからこそ、資源の最適配分が行われるという重要な役割があるのだと思います。

 そうした観点からいいますと、公共性の一番大きなものは、決済システムの担い手として、その信頼が秩序を支える基盤である、決済機能を持っている、決済インフラであるということになるんだと思います。そこがやはり基本であるという点については、御指摘のとおりであろうかと思います。

中山(義)議員 小泉委員の発言を先ほどから聞いていまして、なかなか中小企業の方はそこまで理論がわからないんですね。それで私たちはこの法律案の一番初めに何を書いたか、中小企業なんです、おじさん、おばさんが商売をやっていて、銀行にだまされちゃいけないというところが我々は基本に置いているところなんです。

 よく理論はわかります。しかし、本当に、下町で中小企業で一生懸命商売をやっている方が、そんなことわかりますか。先生の議論は難し過ぎて私にはよくわかりません。そういう面では、中小企業にもわかる義務づけをしっかりしなきゃいけないというのがこの法律案の趣旨でございまして、その辺を御理解いただきたいと思います。

小泉(龍)委員 わかりました。私も、もちろん、おじさん、おばさんに支えられて選挙区から出てきているわけだから、気持ちは同じですよ。

 しかし、立法府としてやりましたじゃ済まないから。実際にお金が出ていかないといけないんですよ。実際にお金が出る、その方法は、私は、銀行の利潤極大化行動の方にも焦点を置いた政策をとらなければいけない、こう思います。

 今、世界の大手の金融機関で、高収益を上げている金融機関というのはみんなリテールですよ。個人あるいは中小企業に対する貸し出しを収益の大きな機会として発掘できた、開拓できた、それに成功したHSBCあるいはロイヤル・バンク・オブ・スコットランド、こういうところが、大きな投資銀行業務はアメリカが独占していますけれども、イギリスはリテールでどんどんそこが稼ぎ頭になっている。

 ここの大きな潮流は、きょう申し上げたいのは、スコアリングシステムです。さまざまな貸し出しリスクを点数化する、そして簡略化する、大数の法則でグループ化して、確率論的に貸し出しリスクを管理する、見合う金利をつける。この新しいシステムに入っていかないと、やるべきだ、やるべきだだけじゃ済まない、私はそのように思うわけでございます。

 ここで金融庁に伺いたいわけでございますが、提出者の方もその必要性は御理解いただいていると思いますので金融庁に伺いますけれども、金融庁は、リレーションシップバンキング、大変きれいな言葉でございます、経営者の資質、企業の将来性、こういうものを考えなさい、これは提出者も同じ考えだと思います。しかし、これは、スコアリングシステムという観点から考えたときに、審査コストを低くする、そこに意味が私はあると思うんですね。

 つまり、担保とか保証依存を脱却し、審査コストを下げる、そのことに大きな意味がある、なければならないと思うわけでございます。なぜならば、審査というのは固定費がかかります。必ず人員が必要。しかし、中小企業向け金融はロットが小さい、このロット当たりの固定費が非常に高くつく、採算が合わない。だから、貸し渋り、貸しはがしのベースができちゃうんですね。出せ出せと言っても、そこを解消してやらないと、固定費の高さを解消していくシステムを我が国でも取り入れないと、我々がここでいい気持ちになってもしようがないんですね。その点についてリレーションシップバンキングも甘いと思う。私は、これは言葉がちょっと躍っている、お題目になってはいけない、その点についていかがでしょうか、スコアリングシステムを入れていくという方法論、提案者と金融庁、お答えいただければと思います。

鈴木(康)議員 今御指摘のスコアリングシステムについては、我々も一定の評価をしています。アメリカでも、九〇年代、商工ローンでこれを導入していまして、大体五万ドル未満が八〇%なんですね。今言ったように、リテールの部分でこれが非常に機能しているということは、我々もこれは一定の評価をします。

 ただ、一方で、これまでの貸し手と借り手の間のあうんの呼吸あるいは長い歴史とかいろいろなものが、例えば地域の金融なんかではあるわけですね。そういったものが機械的にやられることによって阻害されるんではないかということも私は一つ危惧するわけでありますけれども、そういう点を踏まえて、我々の法案があれば、もちろんスコアリングシステムというのは一つの武器として十分機能するだろうなということが一点。

 それから、少し前に戻って包括根保証のことについてお話を申し上げたいと思いますが、私も、今、法制審の答申を受けて、法務省が新法あるいは民法の改正でこの包括根保証をある意味で限定つき根保証にしていくということをやろうとしていることは理解をしています。ただ、そのことが私たちの法案と矛盾をしているわけではありません。

 我々の法案の中では、保証について、保証内容、保証期間、あるいはそういった保証についての貸し付けの基準というものを公表していくということでありますから、あくまでこの包括根保証についてきちっとそれを是正していくということと矛盾をしない、ある意味で両輪であるというふうに理解をしておりますので、その点、御理解をいただきたいと思います。

竹中国務大臣 スコアリングシステムの位置づけでございますけれども、私は、これはむしろリレーションシップバンキングであるからこそ大変重要になってくるという認識を持っております。

 リレーションシップバンキングは、間柄、フェース・ツー・フェースの関係を重視する、これはしかし非常にある意味で時間とお金がかかる、組織全体として見ればコストリーなシステムであります。これはこれとしてしっかりとやっていかなければなりません。であるからこそ、形式的なスコアリングでクリアできるものについては大いにスコアリングシステムを活用すべきであって、一方でコスト削減を図りながらお金のかかるところにはお金をかけていく、そうすることによってきめ細かい金融ができていくというふうに認識をしております。

 現実問題として、我々もこのリレーションシップバンキングのアクションプログラム等々の中でスコアリングモデルの活用等の取り組みも要請するというふうにしておりまして、これはまさに私はコインの両面であると思っております。

 現状は、要請を受けた金融機関の十五年度上期の取り組み実績を見ますと、銀行の約五割がスコアリングモデルの活用等による担保、保証に過度に依存しない融資に取り組むというような状況が出つつありますので、これはこれとしてしっかりと伸ばしていきたいと思っております。

小泉(龍)委員 そこで、我が国の金融機関も一部スコアリングシステムに入ってきました。そして、リレーションシップバンキングもそれを要請しております。しかし、欧米のようにだあっと広がっていかない一番大きな理由は、行内格付に照らして、こういう格付の企業ならばスコアリングに載るだろうという事前のスクリーニングを行内格付でかけているわけですね。これは非常に限界があります。

 アメリカあるいは――特にアメリカですけれども、他行の借り入れ、他行への返済、他行の状況も含めた、銀行が情報を共有できる情報信用システムがベースにあるわけです。これは、消費者金融の世界でそういうものが今つくられてきておりますけれども、金融業界にもそういうものが銀行の出資を含めてつくられている、その上にスコアリングシステムがどんどん今広がってきているというのが現状でございまして、ここにひとつ御努力をいただきたい。簡単で結構ですから、方向性だけ一言。

竹中国務大臣 各銀行は、地域密着を目指しながら、その中でそれを競っているという状況にあると思っております。今委員御指摘のような方向、これはケース・バイ・ケースでありますけれども、模索するところは私はふえてくるというふうに認識をしておりますし、そこはしっかりと伸ばしていくように、我々でできることはやっていくつもりでございます。

小泉(龍)委員 金融庁にも申し上げたいのは、リレーションシップバンキングという、きれいな言葉というのはその場を説得することはできるんですが、中身に本当に入っていかないと、提案者も含めてですけれども、我々が今やろうとしていることに到達できないと思いますので、よろしく御努力をいただきたい。

 時間が来ましたけれども、最後に、これも簡単に聞きますけれども、アメリカは二百万人の銀行員がいる、商業銀行が七千九百ある、かつては倍あったわけですが、合併しても七千九百ある。我が国は六百行しかない、六、七十万人しか銀行員がいない。これで本当にリレーションシップバンキングができるんだろうか。リテールバンキングのあり方として、オーバーバンキングどころではなくて、銀行の数が足りないんじゃないか、支店の数が足りないんじゃないか。

 例えばロイヤル・バンク・オブ・スコットランドがナットウエストを買収しまして、千五百の支店をほとんど残したんですよね。日本の場合はぐうっと凝縮、スリム化する。この合併政策というのは、リレーションシップバンキングの考え方のもとでは逆方向を向くべきではないかと私は問題意識を持ち始めましたけれども、いかがでしょうか。

竹中国務大臣 今小泉委員御指摘の中で、銀行の数と支店の数というのが、これはそれぞれいろいろな解釈があるんだと思います、銀行の数に関して言いますと、むしろイギリスは少ない、しかし、拠点の数はそれなりに多いという御指摘。今の日本の銀行を見てみますと、これはいろいろな方向を模索して、その特色に合った店舗配置、合併政策等々を考えていると思います。一般論として言えば、合併によって財務基盤が強くなるという事実はございますが、それによってきめ細かいサービスができなくなると競争力を失うわけでありますので、そうしたことも踏まえた経営判断が行われると思っております。

 最近の傾向として一つ注目しておりますのは、フルバンキングの支店と機能別に特化した支店というのをしっかりと分けていこうではないか、これは戦略としては一つ今後考えられる方向であろうかと思います。

 いずれにしても、大いに個性を発揮して、よい競争の中で住民サービスを強化していっていただきたいと思っております。

小泉(龍)委員 時間が参りましたので終わりますが、趣旨は理解いたします、しかし、方法論としては大変未熟なものがある。しかし、こういう議論をする貴重な機会を与えていただいたことは心から感謝を申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。

田野瀬委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後二時十分散会


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