衆議院

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第3号 平成16年10月29日(金曜日)

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平成十六年十月二十九日(金曜日)

    午前十時一分開議

 出席委員

   委員長 金田 英行君

   理事 江崎洋一郎君 理事 遠藤 利明君

   理事 鈴木 俊一君 理事 村井  仁君

   理事 中塚 一宏君 理事 原口 一博君

   理事 平岡 秀夫君 理事 谷口 隆義君

      江藤  拓君    小野 晋也君

      岡本 芳郎君    木村 太郎君

      熊代 昭彦君    倉田 雅年君

      小泉 龍司君    佐藤  勉君

      柴山 昌彦君    砂田 圭佑君

      田中 和徳君    竹本 直一君

      谷川 弥一君    中村正三郎君

      永岡 洋治君    宮下 一郎君

      森山  裕君    井上 和雄君

      岩國 哲人君    鈴木 克昌君

      田島 一成君    樽床 伸二君

      津村 啓介君    中川 正春君

      永田 寿康君    野田 佳彦君

      馬淵 澄夫君    村越 祐民君

      吉田  泉君    石井 啓一君

      長沢 広明君    佐々木憲昭君

    …………………………………

   財務大臣         谷垣 禎一君

   国務大臣

   (金融担当)       伊藤 達也君

   内閣府副大臣       七条  明君

   財務副大臣       田野瀬良太郎君

   内閣府大臣政務官     西銘順志郎君

   財務大臣政務官      倉田 雅年君

   財務大臣政務官      段本 幸男君

   政府参考人

   (金融庁検査局長)    西原 政雄君

   政府参考人

   (金融庁監督局長)    佐藤 隆文君

   政府参考人

   (財務省理財局長)    牧野 治郎君

   財務金融委員会専門員   鈴木健次郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

十月二十九日

 辞任         補欠選任

  山下 貴史君     江藤  拓君

  渡辺 喜美君     佐藤  勉君

  小林 憲司君     永田 寿康君

同日

 辞任         補欠選任

  江藤  拓君     柴山 昌彦君

  佐藤  勉君     渡辺 喜美君

  永田 寿康君     小林 憲司君

同日

 辞任         補欠選任

  柴山 昌彦君     山下 貴史君

    ―――――――――――――

十月二十九日

 関税暫定措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第一四号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 金融に関する件(破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告)


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     ――――◇―――――

金田委員長 これより会議を開きます。

 議事に入るに先立ち、委員長から一言申し上げます。

 今後の本委員会の運営に支障を来すことのないよう努めてまいりたいと存じますので、委員各位におかれましては、出席方を特にお願いいたします。

 ありがとうございます。

 金融に関する件について調査を進めます。

 去る六月十一日、金融機能再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づき、国会に提出されました破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告につきまして、概要の説明を求めます。金融担当大臣伊藤達也君。

伊藤国務大臣 おはようございます。

 本年六月十一日、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、平成十五年十月一日以降十六年三月三十一日までを報告対象期間として、その間における破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出申し上げました。

 本日、本報告に対する御審議をいただくに先立ちまして、簡単ではございますが、本報告の概要について御説明申し上げます。

 初めに、足利銀行に係る特別危機管理について申し上げます。

 足利銀行については、昨年十一月二十九日、金融危機対応会議の議を経て、預金保険法第百二条第一項第三号に定める措置を講ずる必要がある旨の認定、及び特別危機管理開始決定がなされております。その後、同年十二月十六日及び二十五日には、預金保険法第百十四条第一項に基づき、足利銀行の取締役、監査役の指名及び選任が行われ、本年二月六日には、新経営陣のもと、経営に関する計画が提出されております。

 次に、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容について申し上げます。

 金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は、報告対象期間中には行われておりません。

 続いて、新生銀行及びあおぞら銀行からの預金保険機構による瑕疵担保条項に基づく債権買い取りの状況について申し上げます。

 報告対象期間中に預金保険機構が引き取った案件は、新生銀行については六件で、債権額が二百八十五億円、支払い額が二百七十六億円であり、あおぞら銀行については十三件で、債権額が百六十六億円、支払い額百四十五億円となっております。

 続いて、預金保険機構による主な資金援助等の実施状況及び公的資金の使用状況について申し上げます。

 破綻金融機関の救済金融機関への営業譲渡等に際し、預金保険機構から救済金融機関に交付される金銭の贈与に係る資金援助は、報告対象期間中にはなく、これまでの累計で十八兆六千百六十二億円となっております。

 また、預金保険機構による破綻金融機関からの資産買い取りは、報告対象期間中にはなく、これまでの累計で六兆三千六百六十三億円となっております。

 これらの預金保険機構による資金援助等について、本年三月三十一日現在における公的資金の使用状況について申し上げます。

 一般勘定、金融再生勘定、金融機能早期健全化勘定、危機対応勘定及び金融機関等経営基盤強化勘定における政府保証つき借り入れ等の残高は、各勘定合計で十九兆八千七百九十一億円となっております。

 最後に、参考として報告しております公的資本増強行に対する取り組みのうち主なものについて申し上げます。

 りそな銀行においては、昨年六月十日に経営健全化計画が公表されましたが、新経営陣のもとで改めて策定した数値目標等を含む新しい経営健全化計画が、昨年十一月十四日、提出、公表されました。

 ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しては、これまでも適時適切に所要の措置を講じることに努めてきたところであります。金融庁といたしましては、今後とも、我が国の金融システムの一層の安定の確保に向けて万全を期してまいる所存でございます。

 御審議のほど、よろしくお願いを申し上げます。

金田委員長 これにて概要の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

金田委員長 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として財務省理財局長牧野治郎君、金融庁検査局長西原政雄君、金融庁監督局長佐藤隆文君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

金田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。遠藤利明君。

遠藤(利)委員 自由民主党の遠藤利明です。

 私、財金の委員会というのは初めてなものですから大変緊張しておりますが、今、伊藤達也担当大臣から話を聞かせていただいて、かつて一緒に活動した仲間でもありますし、その意味からも、我々もいろいろな形で支援をしながら、日本の金融をしっかりしていく。ただ、今報告を聞いておりまして、正直、問題はまだまだありますが、安定をしてきているなという印象を持ちました。この中身を踏まえて質問をさせていただきたいんです。

 その前に、財務大臣にまず最初にお伺いしたいと思います。

 昨日、中国が九年ぶり、貸出金利は〇・二七ということでありますが、金利の引き上げをされた。新聞の報道等を見ますと、アメリカも大変歓迎をしている。これは、もしかすると、来月の二日の大統領選挙といいタイミングでこの利上げがされたのかなと。今月初旬にワシントンで開かれた七カ国蔵相・中央銀行総裁会議、G7に中国の人民銀行の総裁も招かれて、そこでいろいろな議論をされた。そういうことを踏まえて、しかし、何かいいタイミングだなという感じを実は私はいたしました。

 そこで、いろいろな皆さんのとらえ方、それぞれあるかと思います。ただ、日本という国がバブル期以降大変崩壊をして、経済の低迷、あるいは、何よりもそういう中で、この先日本という国は大丈夫なんだろうか、そういう不安感を持ったわけであります。しかし、それを底支えといいますか下支えをしてきたのはやはり日本の技術、そしてそれが貿易黒字あるいは経常収支の黒字となってあらわれてきたわけでありますが、その牽引をしてくれたのは、もちろん世界経済全体でありますが、やはりアメリカ並びに中国がその要素は大変大きいんだろう。

 とりわけ、最近の中国経済の伸展といいますか伸長といいますか、オリンピックあるいは万博、そういうこともあるのかと思いますが、大変な伸びをされている。それに、最初は日本も、中国が伸び過ぎて大丈夫かなと、一時期そんな心配をした時期もありますが、逆に、例えば、つくるのは中国であっても、工作機械だとかソフトだとかそういうものは日本がしっかり担っている。そして結果的に伸びてきている。そういう意味では、中国経済というのは、日本に与える影響は大変大きかったなと思います。

 この利上げが、果たして日本経済にとってどのような影響をもたらすのか。あるいは、日本という国にとって、これからこの中国経済にどんな形で関与されるのか。この中国の利上げについての日本経済における影響について、大臣の認識をお伺いしたいと思います。

谷垣国務大臣 今遠藤さんがおっしゃった中国の金利の上げでございますが、きのう発表されたところは、貸付金利の引き上げは一九九五年以来九年ぶり、預金金利では一九九三年以降十一年ぶりということのようであります。

 それで、よその国の金利水準、よっぽどの場合でないと、おたくの金利を上げたのがいいとか悪いとか、そういうコメントは私は差し控えるべきものじゃないかと思っておるんですが、今遠藤さんがおっしゃったように、この間のG7でも、中国財政部長、私のカウンターパート、それから人民銀行の行長をお招きして、G7と意見交換をいたしました。これはやはり中国経済が、隣の国の日本に与える影響ももちろんですけれども、日本に限らず、アジアあるいは欧米にとってもゆるがせにできない影響を持つ存在になってきている。日本の景気回復も中国の景気に引っ張られた面もおっしゃったようにあると思いますが、また反面、G7の関心は中国経済が過熱し過ぎているんではないかという心配もありまして、そういう観点から、この間のG7ではいろいろなG7の側から議論がありました。

 また、中国の側からすると、エマージングマーケットがだんだん先進国経済といろいろな関係を持っていくに当たっての、ソフトランディングといいますか落ちつき先をいろいろ探るためにも、中国にとってもいい機会だったのではないか、そういう意味で、私は実りある対話だったと思っております。

 それで、日本からもそういう関心があるわけでありますけれども、今度の利上げが日本経済にどういう影響を与えるかということについては、今後注意深く見守っていかなきゃならない課題だなと思っております。

 いずれにせよ、昨今中国は過熱を防ぐ施策、手だてをいろいろ打っておられるわけですから、私は、今度の施策も中国経済の安定的な発展に寄与するものであってほしい、こう思っております。

遠藤(利)委員 アメリカ大統領選挙で、もしケリー候補が当選すると当然人民元の切り上げを要求するだろう、こんな観測もといいますか報道もされておったわけでありますが、反面、今のブッシュ政権に対して、中国に対して無策ではないか、こんな批判があった中での、まさに微妙な、いい時期なんだろうな、なかなか中国というのはうまい対応をされたのかな、そんな認識をしております。

 ただ、日本経済を引っ張ってくれた大きな力が中国経済という認識は大方の皆さんの一致するところだろうと思いますし、中国経済が失速するということは、逆に言えば日本経済にとっても大きな悪影響を及ぼすわけでありますから、そうした中で、私たちもしっかり中国経済の動向は見守っていかなきゃならない。

 同時に、そうした中で国内のこれからの経済、私は最近のいろいろな本会議、委員会での議論を聞いておりまして、財政当局も、安定をしこれから確実に上向いていくんだろうという認識をされているんではないだろうか。

 例えば定率減税の縮減、廃止。当然実質的にも増税という形になるわけでありますし、先日、民主党の樽床議員からは、消費税を言うべきじゃないですか、そんな話もありましたが、そんな共通認識になりつつあるというのは、それだけ底を打ってそして堅調に推移をしていくだろう、そういう中で、消費税もそういう時期に来ましたねと。もともと、昔消費税の議論があったときは、直間比率の是正からスタートしたんだなと思っております。それが所得税をずっと下げていったわけですが、そして反面、今五%の消費税。たしかあのときの議論は、直接税、間接税の比率を五〇、五〇にしましょう、そんな議論もあったんではないかと思いますが、予想以上の少子化、少子高齢化社会の中で、やはり財源確保が大事です、そんな観点の中で、消費税の引き上げを現実の形として決断をしなきゃならない時期が早晩来るんだろう。

 きのうの参議院の財政金融委員会の中で谷垣大臣が二〇〇七年から踏み切りますと発言をされた、その後トーンダウンをされたというような話が新聞には出ておりますが、その真意についてお伺いをしたいと思います。

谷垣国務大臣 きのう参議院の財政金融委員会で我が党の愛知治郎参議院議員から御質問がありまして、その御趣旨は、日本の財政再建をやっていくに当たって歳入歳出両面からバランスのとれた対策を打っていく必要があるとおまえは言っているけれども、具体的には特に歳入面からいうとどういうことなのかという御質問がありまして、それに対しまして、私からは、昨年の与党税制改革大綱に示された考え方などを踏まえて御答弁申し上げました。

 それは、一つは、平成十七年度、十八年度では、これから三位一体の関係で、所得税を中心に地方住民税に税源移譲していくということを考えなきゃいけない。そういう面からも、あるいは基礎年金の税負担を三分の一から二分の一に持っていくに当たっても、恐らく所得税というものを考えなければならないだろう。その両面から、まず十七年、十八年度では所得税改革というものを考えなきゃいかぬ。その間に、いろいろな公共サービスはどういうものが必要か、これは、歳出のむだを省く、めり張りをつけるというような作業の中でどういうものが必要か、特に社会保障関係ですね、そういう必要とされるべき水準を見きわめながら、平成十九年度からはそういったことを含めて消費税を含めた対応をとらなければいけないだろうということを申し上げたわけですが、ややトーン高く、響き強く受けとめていただいたのでああいうことになったわけでございます。

遠藤(利)委員 私、次の総理大臣は大変だろうなと思います。小泉さんは自分は上げないとおっしゃっているわけですから、当然次の総理大臣が上げなきゃならない。消費税をやって、消費税というか増税をやってうまくいった総理大臣はいない、こう言われるわけですから、谷垣財務大臣もその有力な候補の一人でいらっしゃるわけでありましょうから、そんな意味で大変なんだろうなと。願わくば、小泉さんが自分で決めて、そして退陣をされて次の人に渡すというのがやはり本来一番理想かなと。そういう決断をされるかどうかわかりませんが、どちらにしても、次の総理大臣は大変だろう。その中で、ぜひこの消費税、もう私も判断をしなきゃならない時期だと思っておりますので、その中で我々もしっかり議論をさせていただきたいと思っております。

 私二十六分までですから時間が余りないので、伊藤大臣に幾つか聞きたいのですが、簡単に。

 まず、先日からいろいろな報告の中で、日本の不良債権処理というのは大変、ある意味ではうまくいっているんだろうなと私は思います。

 そこで、例えば昔六千八百五十億円の住専のときにあれだけ議論して、もう国が割れるような、沈むような議論をしたのに、今の資本注入はもうけたが違うわけですね。それでいて、皆さんそんなに騒がなくなってきた。それだけ、国有化していろいろなことをしながらも、やはり金融をしっかりしなきゃならないという共通認識をみんな持ってきた。国を壊すわけにはいかないと。その中で、例えばりそなの救済だとか、それから今回のUFJにしても、あれだけ危ないと言われたときに、東京三菱と合併を決めて、さあ、その後に告発と。こう、さすがにしっかり考えていらっしゃるな。いろいろ議論はあるかと思いますが、そういう意味では、政策としてしっかりやっていらっしゃる。

 伊藤大臣、副大臣から引き続きでありますが、その中で、金融再生プログラム、不良債権比率を十七年三月末までに十四年三月の半分程度に低下させる、そんな目標を目指していらっしゃるようでありますが、この目標が達成する見込み、簡単で結構です、お答えいただきたいと思います。

伊藤国務大臣 冒頭にも温かいお言葉をいただきまして、決意を新たに金融行政に一生懸命取り組んでいきたいというふうに思っております。

 今の御質問の点でございますけれども、日本経済を長年苦しめてきた不良債権問題を解決するために、私どもは金融再生プログラムを策定させていただきました。この中で、御指摘のとおり、約二年半で不良債権比率を半分程度にしていくという目標を立てさせていただいたわけでありますが、主要行の十六年三月期の不良債権比率を見ますと、全体として五・二%まで低下をしてきておりますので、そういう意味からしますと、順調に推移をしているのではないかというふうに思っております。

 しかし、まだ不良債権問題が正常化をしているわけではありませんので、金融再生プログラムの諸施策を全力で推進して、そして、この問題の解決に向けて努力を続けていきたいというふうに考えております。

遠藤(利)委員 都銀とかそういう主要行の不良債権処理のめどは大体ついてきたのかなという気がいたします。

 ただ、私は山形でありますが、地元の経済はまだまだ厳しい。これは産業構造にもよるわけでありますが、なかなかいま一つ明るさが見えてこない。そうすると、地銀あるいは第二地銀、そうした金融機関の不良債権、あるいは、こうした金融機関がしっかりしないと当然貸し出しもしっかりやってくれないというふうなことになるわけでありますが、そういうことを考えますと、なおさら地方、中小・地域金融機関のリレーションシップバンキングですか、そういう機能強化をぜひしていかなきゃならない。

 時間がありませんので。たまたま昨日、私の地元の山形で、山形しあわせ銀行と殖産銀行が来年から持ち株会社の設立により経営統合する、そんな発表をされたところであります。そういう点を踏まえて、大臣の所見をお伺いしたいと思います。

伊藤国務大臣 今、先生からもお話がございましたように、昨日、十七年十月を期して持ち株会社を両行で設立して経営統合を進めていく旨の公表が行われたところでございます。両行は、さらなる経営体質の強化とそして安定を図って、地域金融、地域経済への貢献を果たしていくことを目的として、相互信頼と公平の原則にのっとって対等の精神で合併を前提とした統合を行う、こうした方針を発表しているというふうに私どもとして承知をしているところでございます。

 経営統合というのは、すぐれて当事者の経営判断によるものでございますけれども、経営管理の改善あるいは経営基盤の強化、こうしたものが結実するという形で具体的な成果に結びつくことを私どもとして期待しているところでございます。

遠藤(利)委員 最後に、時間がありませんので、簡単に一言だけ。

 来年の四月からペイオフ解禁拡大になるわけでありますが、これから円滑に移行するために、金融庁あるいは金融機関の取り組みについて、最後に大臣にお伺いしたいと思います。

伊藤国務大臣 ペイオフ解禁拡大を円滑に実施していくためには、先ほどお話をさせていただいた金融再生プログラム、そして中小・地域金融機関については、リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムの諸施策を今展開しておりますので、この諸施策についてしっかりと各金融機関においても展開をしていただいて、そして利用者の方々の信認を確保するということが非常に重要なことであろうというふうに思っております。

 また、そうした中で、情報開示というのも非常に重要な課題ではないかというふうに思っております。みずからの銀行の健全性あるいは経営に対する考え方というものをわかりやすく説明していくということも信頼向上にはつながっていくことになりますので、そうした観点からも、私どもとしても、この趣旨というものをしっかりPRして、そして円滑に実施ができるように準備を進めていきたいというふうに思っております。

遠藤(利)委員 時間が来ましたので、これで終わりたいと思います。ありがとうございました。

金田委員長 次に、谷口隆義君。

谷口委員 公明党の谷口でございます。

 まず初めに、伊藤大臣、このたび、金融問題が大変山積いたしておる中で御就任されまして、大変な御苦労だと思いますけれども、ぜひ頑張っていただきたいというように思う次第でございます。

 それで、私はきょうは十分ぐらいの時間でございますので、一つだけ、若干私の方からお話をさせていただいて、大臣の御見解をお伺いいたしたいというように思います。

 大きな話なんですけれども、我が国の金融機関が戦後高度経済成長を果たした、この根底のところで産業資金、企業資金を流していって高度経済成長が実現をいたしたわけでありますけれども、バブルが崩壊して、今、金融機関も大変低迷いたしておるわけでございます。国際競争力もないということで、護送船団行政と言われて、官からやはり離れていかなきゃいかぬ、国際競争力もつけていかなければならないということで、一九九六年の十一月に金融ビッグバンが行われて、今八年目になるわけでございます。

 それで、今の状況を見ますと、当時十三行都銀があったわけでありますけれども、今三行に収れんされようとしているわけでございます。今のその状況を見るに、この三行が非常に規模は大きくなったわけでありますけれども、国際競争力といった観点なども見ますと、必ずしも強固なものなのか、若干やはり脆弱性も感じられるというところが私にはあるわけでございます。

 それで、この金融ビッグバンを推し進めていくときに、先ほど申し上げました、護送船団行政から離れて世界でも通用するような金融機関ということでやっていったわけでありますけれども、先日、シティバンク・エヌ・エイ在日支店の行政処分がございました。これが私は大変なショックであったわけでございます。当時の議論の中では、大手の金融機関、メガバンクがやはり目指していくべき金融機関が、例えばこのシティバンクもそういう金融機関だというように思っておったわけです。

 従来から我が国の金融機関は預貸が中心でございますので、余りフィービジネスに乗り出すというのは今までなかったわけですね。このフィービジネスというのは非常にリスクが高いわけです。デリバティブの取引だとかその他、収益を稼ぐために今フィービジネスにどんどん乗り出しておるわけでありますけれども、このシティバンクも同じように、従来からそういう業務を総合的にやっている金融機関であります。

 それで、先日このシティバンクの在日支店のパンフレットをいただきましたけれども、この金融機関が百年以上にわたって我が国に支店を置いてやっているわけですね。それで、このパンフレットを見ますと、「法令遵守の体制」というところで、シティグループの基本理念はすべての行員がコンプライアンスに対して責任を持つところにあり、毎年年頭には統括在日代表がコンプライアンスの重要性を述べたメッセージを全行員に向けて発信し、コンプライアンスに取り組む姿勢をみずから示しております、こう書いているわけです。

 ところが、先日の処分、金融庁の検査当局、大変これは頑張ってやっていただいたと思っており、大変評価するところでございますけれども、この内容を見て私は大変ショックを受けたわけであります。この行政処分の「命令の内容」が、平成十七年九月三十日をもって、丸の内、名古屋、大阪、福岡といったプライベートバンク部門の業務を停止する、この認可を十七年九月三十日に取り消しをし、あわせて、本年の九月二十九日から十七年の九月二十九日までの間、当該支店の業務を停止するというような行政処分の内容でございました。

 それで、これは時間がありませんので一々個別に申し上げることはできませんけれども、この「処分の理由」を見ますと、在日支店のコンプライアンス態勢またガバナンス態勢などに根本的な問題が認められたと書いてあるわけです。特に、プライベートバンク部門で公益を害する行為、また重大な法令違反、極めて不適切な取引等が多数検証された、このようにあります。

 具体的に申し上げますと、「公益を害する行為」で見ますと、PB部門で、顧客開拓と収益獲得に偏重し、顧客、取引内容の事前調査、貸出審査等がいずれも実質的に行われていないということから、有価証券の相場操縦等の罪で起訴された被告人たちへの多額の資金流用を許す貸し出しの実行、及び、同被告人の依頼によって、地方公共団体から公的資金を引き出すための見せ金融資を実行しておった、こういうことであります。

 また、「法令違反」のところを見ますと、シティバンクの海外支店において現地監督当局に対し疑わしい取引の届け出が再三行われている取引者との取引の推進、口座不正開設等によりマネーロンダリングと疑われるような取引を許すなど、というようなことを書いています。

 あと、いろいろあるわけです。

 それで、先ほどの冒頭の話に戻るわけですけれども、本来、我が国の金融機関をどういうような体制に持っていくのかというのは非常に重要な問題であります。そういう観点で、私がさっき申し上げましたように、今回のこのシティバンクにつきましては大変ショックを受けたわけでありますけれども、伊藤大臣に、今後、我が国の金融行政の責任者として、金融機関のあるべき姿、これは一体どういうように考えていらっしゃるのか。官僚答弁じゃなくて、みずからの考え方をお述べいただきたいというように思うわけでございます。

伊藤国務大臣 お答えをさせていただきたいと思います。

 委員には、金融ビッグバン以来、金融システム改革の推進について大変お力添えをいただいておりまして、そうした中で今のようなお話の御指摘があったのではないかというふうに思っております。

 私も、金融行政を預からせていただいて二年が経過をいたしましたが、今日までは不良債権問題を正常化させていくために多くの取り組みをしてまいりました。そして今、正常化に向かいつつあるわけでありますが、そうした、以前の不良債権問題に取り組んでいた時期においても、また正常化した時期においても、私は、共通して非常に大切なことは、やはりガバナンスを徹底させていくということだろうというふうに思っております。

 残念ながら、今日までの検査の中で、このガバナンスに対する取り組み、内部管理体制について問題がある金融機関があったということは検査の中でも明らかになっており、これに対して厳正に対処してきているところでございますが、経営者の意識、またそうしたものが末端にまでしっかり浸透しているかということについて、やはりここは大きな課題がある、そうした認識の中でしっかりとした経営管理というものを行っていかなければいけないのではないかというふうに思っております。

 特に、金融システム改革の中では、金融の今までの縦割り行政を見直して、そして利用者の方々がさまざまなサービスというものを多様に受けられるような、そういう環境というものを整備していかなければいけません。それにあわせて、利用者保護というのは大変重要な観点でありますので、そうした観点からもしっかりとした経営を行うことは非常に重要なことではないかというふうに思っております。

 私も、そうした問題意識を持って、これからの金融行政に一生懸命取り組んでいきたいというふうに思っております。

谷口委員 この件は、担当者が悪意でもってやっておったというのみならず、店舗として、在日支店全体として、もっと言うと、私本店の方がどういうような指示を出したのかわかりませんが、全店的な対応の可能性もある。こういうようなフィービジネスに我が国の金融機関がこれから乗り出していって、今プライベートバンク部門も国内金融機関も推進をしてやっておるわけでありますけれども、ただコンプライアンスだけではなくて、金融機関として果たしてどういう方向が望ましいのかという姿を想定した中で金融行政のやりぶりが必要なのじゃないかというように思っておるわけです。

 そのことについて若干、もう時間はありませんけれども、もしありましたら。

伊藤国務大臣 今まで、特に日本の銀行経営の場合には、バブル後の負の遺産というものを処理していく、そのことに多くの労力を費やしてきたわけであります。そして、こうした問題が正常化するに当たって、今、銀行経営の基本に立ち戻る、つまり、利用者のニーズに的確に対応した経営をしていくというその基本に立ち戻る、そうした時期に私は入りつつあるのではないかというふうに思っております。

 その中で一番重要なことは、やはり信頼であります。その信頼を確立した経営というものをしっかりやっていくことができるか、そのことがこれからの銀行経営、まさに基本の問題でありますが、そうしたことが問われているのではないかというふうに思います。

 そうした中で、これからは経営資源というものをいかに利用者のニーズに応じた形でこたえていくか、それにこたえた金融サービスや金融商品というものを開発して、それを投入することによって、金融機関としての評価というものを、企業価値というものを高めていくことができるのか、そうしたことが問われる時代になったのではないかというふうに考えております。

谷口委員 ぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。

 以上で終わりにさせていただきます。

金田委員長 次に、岩國哲人君。

岩國委員 おはようございます。民主党の岩國哲人でございます。

 谷垣大臣と伊藤大臣に、財政一般、それから金融行政について幾つか質問させていただきます。

 まず最初に、ことしの数多くの台風、とりわけ最近の新潟の大地震、けさも新潟では寒い寒い朝を迎えられた多くの方がいらっしゃる、大変お気の毒に思います。だからこそ、銀行の窓口サービスその他において、弾力的な、そして臨機応変なサービスが的確になされるようにまず要望して、それから質問に入らせていただきます。

 ことしの台風、地震、いわゆる自然災害における保険金の支払い、昨年に比べて相当大きなものが予想されると思います。まず、日本のこうした生命保険あるいは損害保険、この自然災害に関連した支払い保険額は昨年は幾らだったのか、ことしは幾らと既に想定されているのか、端的に二つの数字だけをお答えください。

佐藤政府参考人 台風等の自然災害に伴う支払いでございますけれども、そこの部分だけ完全に取り出してという集計を必ずしも私ども持っておりませんけれども、一般的には数千億円のオーダー、損害保険会社が支払う保険金は、ここのところ数千億円のオーダーというふうに見ております。

岩國委員 委員長、今の答弁でおわかりになりましたか。数千億円と。一千億円のことを数千億とはだれも言いませんから、二千億以上九千億の間ということでしょう。その程度の漠然とした数字で対応されようとするんですか。

 こうした自然災害が話題になっているときに、これに関連して業界にどれだけの負担がかかってくるかということを常にウオッチし、それに対応していくのがあなた方の役目じゃありませんか。金融庁はそういうことに数千億円という、新聞の数字よりもっとアバウトな数字、それは世間一般の人の表現でしかありませんよ。

 例えば、例の九・一一、ニューヨークでテロ事件がありました。あの大きな災害が起きたときに、世界じゅうの保険会社が支払いに対応したんです。その中で、九・一一のテロ事件の支払いに関連して、一番最初に倒産したのは日本の保険会社だったでしょう。アメリカの保険会社でもない、イギリスの保険会社でもない、アラブの保険会社でもない、日本の保険会社が地球の裏側のあの事件で一番最初にひっくり返る、こういうことが起きているじゃありませんか。

 私は、この自然災害で日本の損保会社が倒産する、破綻するということを言っているんじゃありません。どれだけの負担がかかってくるのか、そして、その負担額をある程度上限を見た場合に、そういった経営に問題が生じる保険会社はないのかと。そこまで詰めてちゃんと見ていらっしゃいますか。

佐藤政府参考人 先ほど、全体としてどれくらいかというお尋ねでございましたので、数千億円というお答えをいたしました。

 私ども、当然、自然災害によって損害保険会社が多額の保険金を支払うということについては非常に重要なことだと思っておりまして、常時ウオッチしているというところでございます。

 例えば、今年度に到来いたしました自然災害で大きなものとしては、近いところでは七月の新潟、福井豪雨、あるいは台風の十六、十八、二十一号、八月から十月でございますけれども、この辺については、数字が、損害保険協会の調べで、足したところで四千億円弱という数字が出てきているわけでございます。

 いずれにいたしましても、巨額の保険金の支払いに備えて損害保険会社ではさまざまな対応をしているというのが一般的でございまして、一つは再保険によってカバーする、それからもう一つは異常危険準備金というものを積み立てておるわけでございます。異常危険準備金の各社ごとの水準、多少のばらつきがございますけれども、全体として見ますと十分な残高を確保しているというのが現状でございまして、ことし、さまざまな自然災害が集中しておるわけでございますけれども、ことしのこういった事態にも十分対応できるものであろうというふうに思っております。

 ちなみに、十六年三月期における火災保険、風水害を含むわけですけれども、この火災保険に対します異常危険準備金というのは、業界全体で八千九百七十九億円という数字になっているわけでございます。

岩國委員 一社当たり最高金額でどれぐらいの負担が今現在では既に想定されていますか。破綻した大成火災海上の場合には、七百億円の支払いで経営破綻が起きたわけです。ことしのこういった自然災害、昨年に比べて明らかにふえています。一社当たり最高限度は、名前をおっしゃらなくても結構です、A社で結構ですけれども、一番大きいところはどれぐらいと想定しておられるか。端的に数字でお答えください。

佐藤政府参考人 今年度に到来しております自然災害について、具体的にどれくらいの金額が保険金支払いになるかということはまだ確定しておりませんので、なおかつ、個社ごとの対応でございますので、詳細を申し上げるわけにはまいりませんけれども、基本的に、先ほど申し上げましたように、危険準備金の水準あるいは再保険によるカバーといったことでおおむね対応できるという状況にあろうかと思います。

岩國委員 現地における災害への対応を進めると同時に、金融庁においても、こうした金融的なマイナスインパクトが、新潟の地震が丸の内の直下型の地震になったということのないように、しっかりとそういう保険会社の経営に対するインパクトというものはお調べになるべきだと私は思います。

 この大成火災の場合も、皆さんがそういう九・一一のときに回り回って日本の保険会社の倒産を招くというふうなことを想定してはおられなかっただろうと思います。結果が起きてから対応されたにすぎない。今度はそういうことのないように、私はお願いしておきます。

 次に、こうした保険の支払いにおいて、A社とB社で判断が違う。同じ災害について、あるいは生命保険を掛けたけれども、同じ人に対して満額の支払いが行われ、B社は支払いを拒否する、こういうことが最近ふえているんじゃありませんか。こうした保険の支払いをめぐって、訴訟の件数がこの十年間に倍増しているというデータもあります。こうしたA社とB社で判断が違うということは、一般の保険を掛ける人、損害保険にしても生命保険にしても、大変困るわけです。

 これは非常に過当な営業行為の結果としてそういうことが起きているのか、あるいは、それぞれの保険会社の経営方針がこの十年間に顧客に対して非常に厳しい査定を行うようになったのか。こうした訴訟の件数、そして、その中で複数の社が同じ事件に対して違った判断をしているケースがどれぐらいふえているのか、それについてデータをお持ちであれば、ここで明らかにしてください。

佐藤政府参考人 現在、そのようなデータは持ち合わせておりません。

岩國委員 それでは、早急にそういうことを業界として、これは当然私はディスクロージャーの対象にもなるべきだと思います。

 各年度において、満額支払いの件数は幾らあったのか、満額支払われなかったケースはどれぐらいあるのか、訴訟に持ち込まれたケースがどれだけあったのか、その訴訟の結果がどうであったのか。そして、A社とB社と二つの会社に、いろいろな御商売なんかされている方は、一社だけではなくて、お二人の大臣もおわかりでしょうけれども、A社にも掛け、B社にも掛け、両方に顔を立てる、こういうことは随分行われているわけです。それが、同じ判断が今まで出ておったのが、最近は違った判断が出るケースがふえてきている。これについて早急にお調べになることを要望して、次の質問に移ります。

 先ほど伊藤大臣から、足利銀行、破綻金融機関の件について御説明いただきましたし、報告書もいただきました。

 この足利銀行の経営懸念というものが報道されたのはいつだったのか、そして、金融庁の立入検査が行われたのはいつだったのか、端的に日付だけを二つ教えてください。

西原政府参考人 今お尋ねの報道懸念がいつかというのはちょっと承知しておりませんが、立ち入りをいたしましたのは、直近で言いますと、平成十五年八月の十九日に予告をいたしまして、九月の二日に立入検査に入っております。終了いたしましたのが十一月の十一日。検査結果を通知しましたのが十一月の二十七日でございます。

岩國委員 八月十九日に予告された、その原因は何ですか。何に基づいて予告されたんですか。どこからの情報、いつ入手して。

西原政府参考人 検査につきましては、我々、限られた人員と組織の中で、一定の期間内に全体として金融機関をくまなくといいますか、余りこの間隔がばらつきのないように、そういった形で検査を実行しているのが実情でございます。

 そういった中で、この足利銀行につきましては、その前に検査をいたしましたのが平成十三年五月の十八日に立ち入りをしておりまして、その終了が平成十三年の六月の二十一日、そして、検査結果通知を平成十三年の七月の十九日に行っております。そういった関係から、大体二年ちょっとたっているというような周期ということもございまして、それでこのタイミングで入らせていただいたということでございます。

岩國委員 今までの検査のローテーションからいえば、間隔は二年六カ月あいておった。それが、このときは二年三カ月と、三カ月早目にされた。私は結果的にはそれは適切な繰り上げだったと思いますけれども、それにしても、二年六カ月でなくて、三カ月繰り上げて早目に実行しようと思われたのは何か根拠があったわけでしょう。全国の銀行に三カ月早くその年はおやりになったならまだわかりますけれども、なぜこの足利銀行に、どういう情報に基づいて、どういう判断で三カ月このときは繰り上げて実行されたんですか。

西原政府参考人 特段の、特別な情報を持って縮めて入ったというようなことではございません。

 ただ、やはりここの金融機関につきましては、検査の期間、間があいております、二年三カ月。その間に業務改善命令を十四回、そういうような形で、いろいろな形で打っているというようなこともございまして、そういった中身についてもしっかりと点検したいというようなこともあって入ったということでございます。

岩國委員 そして、立入検査が行われ、それから、八カ月前の数字、三月期決算について検査結果が通告されたのが十一月二十七日。結局、八カ月もたって、その数字がほとんど違っておった。これは、検査の結果、指導されて数字が変わったというのではなくて、既に、その三月期の決算、そして五月末の株主への報告、これらの数字がすべて虚偽報告、世間一般で言う粉飾決算であったということではありませんか。

 そういう虚偽の記載あるいは粉飾決算であったという認識は、金融庁としては持っておられますか。

西原政府参考人 一つ先ほどの答弁を訂正させていただきます。

 先ほど十四回業務改善命令と言ってしまいましたが、誤りでございまして、十四回にわたる報告徴求、銀行法二十四条に基づく報告徴求をかけて、それをもとにして業務改善命令は一回打っている、こういう状況でございます。そういった中で立ち入りをしたということでございます。

 それで、粉飾決算ではなかったのかというお話でございますが、私ども、検査によって、この十五年三月期、点検をさせていただいているわけですが、それにつきましては、銀行法に基づいて、いわば信用秩序の維持あるいは預金者保護等の観点から銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保する、こういう観点から行っているものでございます。

 したがって、この検査というのは、粉飾決算などのいわゆる犯罪捜査を目的として行っているものではございませんので、その犯意等を認定するというようなことはやっておりません。

 ただ、検査において、例えば自己査定がしっかりしているか、あるいは、リスク管理、こういったものがしっかりしているか、そういうことをつぶさに点検いたしまして、その結果として、実際に決算と我々の検査との間では乖離が生じたということでございます。

岩國委員 それは伊藤大臣にお伺いします。

 こうした困難な時期にこの金融行政を担当されるのは大変なことだろうと思います。今までの経験された大臣以上の実績、知識、経験というものがなければ、こういう行政は引き受けられるものじゃないと思います。

 そういうお立場で、この足利銀行の場合には粉飾に値する、そういう認識は持っておられるかどうか。また、日本長期信用銀行の場合にも大幅な数字の変動がありました。これは株価にも当然影響を与え、そして不測な損害を多くの投資家に与えてしまった。足利銀行の場合も、そして長銀の場合も。これは粉飾ではないという認識ですか、それとも、虚偽の記載が行われておったという認識をお持ちですか。どちらですか。

伊藤国務大臣 今検査局長から答弁をさせていただきましたように、私たちに与えられている目的というのは、信用秩序というものを維持し、そして預金者を保護していくために、しっかりとした検査監督を行っていくということであります。犯罪捜査を目的としたものではございません。

 委員が御指摘をされているのは、粉飾決算というのは、具体的には証券取引法上の有価証券報告書虚偽記載の罪を想定されているんだと思います。この罪が成立をしていくためには要件がございまして、重要な事項について虚偽の記載がある、そして有価証券報告書もしくはその訂正報告書を提出することが必要であり、これらの要件について故意を有することが必要であります。

 私どもの検査の過程の中で把握できた証拠に照らして見ますと、こうした粉飾であるという認定には至っておりません。

岩國委員 それでは、証券取引法上の虚偽記載にこれは該当するのではないかと大臣自身が思っているケースはありますか、今までの銀行検査の中で。銀行の持っている辞書には粉飾という字はないのかどうか、それをお答えいただきたい。

伊藤国務大臣 先生も大変御専門家でいらっしゃいますので、今の金融行政の仕組みについてはもう十分御理解をいただいているというふうに思います。そういう意味では、今の点についてのお尋ねは、これは証券取引等監視委員会で、もしそうした疑いがあれば、法令に基づいて適正に対応するということになっているわけであります。

 過去の例を見ますと、今先生が御指摘をされました日本長期信用銀行、そして日本債券信用銀行については、残念ながら、こうしたことがあったということであります。

岩國委員 伊藤大臣の適正に適正にと、皆さんよく適正に処理されておりますとか、適正に行われておりますと。それでは、この足利銀行の監査報告書、それから株主に対する営業報告書の中で、こういった経営破綻をにおわせる言葉は一つも使われていない。株主は安心して持ち続ける、あるいは投資家は改めて買った人もあるかもしれない。この中で、平成十三年、十四年、そして十五年の三月においても、六月の日付の監査報告書を見ましても、経営状況及びキャッシュフローの状況を適正に表示しておりますと。世の中全く平和に、足利銀行を取り巻く環境は何も心配することはない、こういう監査報告書を、皆さん、検査の対象としていないんですか。

 では、だれがこういうことを検査する権限を持っているんですか。こういうことをきちんと検査の対象にしているならば、監査報告書がおかしいのであれば、すぐに警戒信号を出すべきでしょう。検査の三カ月のおくれ、それから、こうしたことに対して適正ではないという指摘が行われなかったために、どれだけ多くの人が結果として損失をこうむっているか。このことについて、私は、十分これから留意して行政を進めていただきたい、そのことをお願いし、次の質問に移ります。

 足利銀行の行員に対する給与とか賞与のカット、これは現在も続いておりますか。端的にお答えください。

佐藤政府参考人 足利銀行、特別危機管理銀行というふうになっておるわけでございますけれども、昨年十二月に新しい経営陣が発足したわけでございます。

 その新しい経営陣のもとで、本年二月と六月に経営に関する計画というのが策定されまして公表されているということでございまして、その中で、特別危機管理開始決定を受けるという事態に至ったことを踏まえ、徹底した経営の合理化を図ることにより、ローコストオペレーション体制を確立し、収益の抜本的な強化を図るという方針が示されているわけでございます。

 足利銀行においては、こうした方針のもと、行員の年収水準につきましても、賞与の支給を見合わせるとか定例給与水準の見直しを行うということで、大幅な引き下げを実施しているところでございます。

 この六月に策定されました経営に関する計画の期間中、つまり平成十六年度から平成十八年度まで、つまり平成十九年三月まででございますけれども、この間はこうした取り組みを継続するというふうにされているところでございます。

岩國委員 今まで公的資金投入が行われた銀行等における刑事犯、それから民事犯、これで起訴されている件数はありますね。刑事に関しては三十三件、それから民事に関しては九十四件、この資料の中にもそれは出ておりますけれども、そうした中で、今まで銀行関係のこうした不祥事件、経営破綻に関連し刑務所に入った人は何人いますか。

佐藤政府参考人 金融機関の破綻が起きました場合に、関係当事者がその経営責任の調査を行う、それを踏まえて民事、刑事上の責任追及をする、こういう枠組みになっておるわけでございますけれども、実際に御指摘のような刑務所に入った人間が何人いるかという数字は、私ども、今ちょっと把握しておりません。

岩國委員 要するに、皆さん、そういうのを訴訟を起こされたり起訴されても最後までフォローする、最後の最後まで本当に悪いケースは刑務所に入れてみせるという迫力も何にもないじゃないですか。要するに、バッターボックスに何回も立っているけれども、一回もバットを振ったことがない、ノーヒットのような結果に終わっているわけでしょう。

 今までそれだけの、三十三件、それから民事で九十四件、百件以上のことが行われながら一人も刑務所に入らない。だれも本当に責任を問われるところまでいっていないということなんです。そして、一般の行員は、こういう厳しい環境の中で、給料のカット、賞与のカット、それをこれからもずっと何年も続けていく。おかしいじゃありませんか。

 私は、金融庁も、金融庁の担当職員の方も、失礼ですけれども、給与カットを実施すべきじゃないかと思いますよ、ふだんの監督行政に責任があると思われるならば。いや、我々には権限だけはあるけれども責任はないんだと。私はそういう行政というのはないと思います。権限を持つ以上は、責任も当然持つべきだと。足利銀行の職員と同じだけの給与カットを実施する考えは、伊藤大臣、おありですか。

伊藤国務大臣 今先生の御指摘は、金融行政が国民からの信頼というものをしっかり確保するためには、しっかりとした意識を持って行政に携わっていかなければいけないということだと思います。

 今、金融庁の職員は、寝食を忘れて、私どもに与えられた使命を達成していくために一生懸命努力をしているというふうに私自身は思っているところでございます。今お尋ねの点について、私どもがそういう対応をするということは、今私自身は考えておりませんけれども、しっかりとした仕事の中で国民の信頼にこたえていくということが非常に重要だというふうに思っております。

岩國委員 谷垣大臣に質問させていただきます。

 今、こうした足利銀行その他に公的資金を投入し、次々と銀行の国有化が日本では進んでおります。一方では郵便貯金という、公営で十分やっていけるところを今度は民営化しようと。アクセルとブレーキを踏んでみたり踏まなかったり、こういう点で非常に妙なことがこの国では進行しているわけです。

 今までこうした、よその国において、外国において銀行の国有化を進めた国がどこかにありますか、あれば教えていただきたいと思います。いわゆる先進国と言われる国の中で、いわゆる資本主義諸国と言われる国の中で、こういう公的資金を投入しては次から次と国が経営権を持つようなケースが行われてきたかどうか。

伊藤国務大臣 谷垣大臣は金融行政の責任を今まで果たされてきたわけでありますけれども、この点について私からお答えをさせていただきたいと思います。

 海外における銀行の国有化の事例は、海外の社会経済情勢によってさまざまなケースがあり得るというふうに考えられます。このうち、いわゆる金融危機への対応の目的として、公的資金により当該金融機関の発行する全株式を取得した事例としていえば、例えば、スウェーデンにおいて、一九九二年に金融機関支援庁が国内第四位の民間銀行であるゴータバンクの全株式を取得した事例というものがございます。そして、韓国においても、一九九八年から二〇〇一年にかけて預金保険公社が国内第七位の第一銀行ほか計七行の全株式を取得した事例があるというふうに聞いております。

岩國委員 もともと、強かった日本の銀行が最近のように経営上どんどん弱くなってきたのは、私は、いわゆるBIS規制に原因があると思います。

 BIS規制というのは、アメリカ、ヨーロッパのほとんどの銀行のように、株式を持たない、人間の体でいえば、八頭身がいいのか九頭身がいいのかわかりませんけれども、要するに体形が全く違うところの人たちが締めているベルトの穴に合わせて、日本の、何頭身かわかりませんけれども、体形の違う人間が、アメリカ土産、パリ土産と言われて、そんなベルトの穴の全く違うものを無理やりにさせられているから、日本の銀行のサービスはどんどん悪くなる、経営はどんどん悪くなる。

 これは、平成四年、土田銀行局長は、このBIS規制を導入するときに何と言ったか。この新しいBIS規制を導入することによって、我が国の銀行は従来以上に自己資本の充実に努力が払われると同時に、量的拡大の重視から収益をより重視した経営への転換が図られることになりますと。その後十年、起きたことは全く逆じゃありませんか。自己資本はどんどん損失し、そして収益重視どころか損益の方へどんどん転換しております。

 私は、こういった外国のBIS規制というものを、我が国と全く違う風土、そういう狩猟民族のようなアメリカ、ヨーロッパ、農耕民族の日本のすべての経済取引や顧客との関係というのは、アメリカ、ヨーロッパと違って長期的な関係をより重視し、その信頼感の上に立ってこそいろいろな商取引が行われている、そういう風土の中にこれを急速に盛り込んで、その上、いつまでも方向転換することなくそれにしがみついている、それを強制している、そういうことを転換しない限り、日本の銀行はますます体力を損失し、そして、その体力を損失するたびにその治療代と入院代を一般国民が払わされる、この構図が続いていくということになります。両大臣においては、このBIS規制をどういうふうに我が国においては適用すべきなのか、これを導入したコストは、国民コストはどうだったのかということをぜひ御検討いただき、国民に説明していただきたいということを要望しまして、残念ですけれども、私の質問時間が切れてしまいました。お願いいたします。

金田委員長 次に、津村啓介君。

津村委員 民主党・無所属クラブの津村啓介と申します。

 本日、たくさんの大臣、副大臣に御出席をいただきまして、直前の通告になりましたけれども、御質問させていただきます。

 大臣所信をいただきました。そして、今回、内閣改造後初めての質問という形になりますので、政治姿勢に係る御質問をさせていただきたいと思います。

 改めまして整理をさせていただきたいと思いますが、さきの通常国会では、年金の未納問題が大変大きな国民的な議論ともなりました。各大臣、副大臣、政務官の皆さんの年金の未納の有無につきましてお尋ねしたいと思います。お答えください。

谷垣国務大臣 既に通常国会でもお答えしたわけでございますが、国民年金の保険料の支払い状況については、国会議員が国民年金に強制加入となりました昭和六十一年四月以降に関して、私は、昭和六十三年十二月から平成元年六月までの七カ月間、それから平成二年二月から十一月までの十カ月間、国民年金保険料を支払っていない時期がございました。

 この支払っていなかった時期は、私が郵政政務次官それから防衛政務次官の職にあった時期でございまして、当時の記憶もはっきりいたしませんが、就任中は共済に加入するので国民年金保険料の支払いは不要であるというふうに勘違いしたのが原因だろうと思っております。勘違いによりまして過去の一時期において未納の事実があったことは、まことに不明の至りである、こう思っております。

伊藤国務大臣 記者会見でもお話をさせていただきましたように、私は保険料につきましては納付をさせていただいております。

田野瀬副大臣 私が国会議員となって以降、すべての期間において保険料を支払っております。

七条副大臣 お尋ねの件に関しましては、年金の納付状況を確認しましたところ、私が平成五年に当選以降、保険料を納付しておりますし、現時点で未納のことは一切ありません。

倉田大臣政務官 お答えいたします。

 平成十二年に国会議員となって以降、未納、未加入は一切ございません。

段本大臣政務官 私につきましても、平成十三年に国会議員になってから、未納、未加入は一切ございません。

西銘大臣政務官 私も、平成十三年七月に参議院議員で当選して以来、未納はございません。

津村委員 それでは続きまして、今回、内閣改造の一つのコンセプトでもあったのかと思います郵政民営化の問題が大変大きな議論となっているわけでありますけれども、各大臣、副大臣、政務官の郵政民営化に対する考え方につきまして所見をお聞きしたいと思います。

谷垣国務大臣 私は内閣の一員でございますから、内閣の方針に従ってこの問題にも対処していくということでございます。それで、内閣の方針は、先ほどこの問題に関する基本方針を決定いたしましたけれども、この基本方針に沿って郵政民営化の話を詰めていく、こういうことでございます。

 私は、さっきも年金の件で申しましたけれども、かつて郵政政務次官も務めたことがございまして、郵政事業というものが日本の近代の発展の上で大きな役割を果たしたことはよく承知いたしております。今も大きな役割を果たしているわけですが、ただ、やはりいろいろな制度、時代が変わりますといろいろな問題が生じてまいります。

 今財務省におります私の観点からいたしますと、いわば金の流れをどう今の時代に合ったものに変えていくかという改革をしなければならないんだろうというふうに考えておりまして、詳しく申し上げる場ではございませんので、三点申し上げますと、一つは、民営化する、そして競争が入ってくるということによって国民の利便を向上させていかなければいけないだろうと思います。

 それからもう一つは、経済の活性化という観点から、今まで公的部門に流れていた金を民間部門に回すことによって、持続的な民間主導型の成長というところにつなげていかなければならないだろうと思います。

 それから、私のやっております財政の観点から申しますと、いわゆる潜在的な国民負担というようなものを減らし納税義務を負うような、イコールフッティングの姿にしていくことによって財政の改善というようなことにも資するのではないか、そういうような方向に合わせた改革をなし遂げていきたい、このように考えております。

伊藤国務大臣 私も内閣の一員でありますので、内閣の方針に沿ってこの問題に対応していきたいというふうに思っております。

 郵政の民営化というのは、国民の貯蓄を経済の活性化に生かしていく、そのためにお金の流れを官から民へシフトしていく構造改革であるというふうに思っております。私どもの行政の観点からすれば、公正な民間金融機関との競争条件というものを確保していく、あるいは金融資本市場に対する影響、こうした金融行政上の観点から適切に基本方針にのっとって対応していかなければいけないというふうに考えているところでございます。

田野瀬副大臣 内閣の方針に従って対処してまいる所存でございます。

七条副大臣 お尋ねのありました件につきましては、内閣の一員であり、内閣の方針に従って対処してまいりたいと考えております。

倉田大臣政務官 内閣の方針に従いまして対処してまいります。

段本大臣政務官 当然、私も内閣の方針に従って対処してまいりたいというふうに考えております。

西銘大臣政務官 内閣の一員として、政府の方針に沿って対処してまいりたいと思っています。

津村委員 仄聞するところによりますと、この郵政民営化の問題に関しまして、自民党内では郵政懇話会と称するグループをつくってさらに深く勉強されているということでありますけれども、皆さんこれに入っていらっしゃるんでしょうか、入っていらっしゃらないんでしょうか。

谷垣国務大臣 自民党の中にはいろんな議員連盟なりいろんな勉強会がございます。一々について、私がどれに入っている、入っていないというお答えは、差し控えさせていただきたいと思います。

伊藤国務大臣 私も、ちょっと、議員連盟、どれに入っていたかというのを正確に覚えておりますけれども、郵政懇話会についてはたしか入会をしていたというふうに思っております。

田野瀬副大臣 私も、入っていたかどうかにつきましては、お答えすることを差し控えさせていただきたいと思います。

七条副大臣 私は、皆さんと同じように、さまざまな議員連盟には参加させていただいております。いずれも国会議員としての個人的な判断によるもので、したがいまして、副大臣としての職務に何らの支障はないものと考えております。

 いずれにいたしましても、小泉内閣の一員として、内閣の方針に従い適切に対応してまいりたいと考えております。

倉田大臣政務官 私も、今現在、入っているのか入っていないのか、ちょっとわかりませんけれども、いずれにせよ、一議員として個人の判断だと考えておりますので、お答えは差し控えさせていただきます。

段本大臣政務官 私につきましても、議員連盟はいろいろなものに入っていますが、それはそれぞれ議員一個人としてのことでございまして、ここでは答弁を差し控えさせていただきたいと思います。

西銘大臣政務官 私は入会しておりません。

津村委員 内閣の一員としてというお立場と議員としてのお立場を使い分けられる意味が、この場合よくわからないわけでありますけれども、この質問にはそこはきっちりとお答えしていただきたいと思います。

 さきの通常国会の話、そして内閣改造の話をさせていただきましたが、今臨時国会においては、政治と金の問題が党首討論を初め大変大きく取り上げられているところであります。私たちもしっかりとこの問題を厳しくチェックしていきたいと思うわけでありますが、いわゆる迂回献金あるいは旧橋本派からの献金というものを皆さんは受け取られていらっしゃいますか。お尋ねいたします。

金田委員長 また全員ですか。

津村委員 はい。お願いします。

谷垣国務大臣 ありません。

伊藤国務大臣 迂回献金というのがどういうものを指すかわかりませんけれども、日歯連のことであるならば、私は献金を受けておりません。

 それから、旧橋本派ということでありますけれども、平成研究会に私は所属をいたしております。政治団体からの寄附については、政治資金規正法にのっとって適正に対処いたしております。

田野瀬副大臣 迂回献金や旧橋本派からの献金は一切ございません。

七条副大臣 私も同じように、今田野瀬副大臣が言われたように、一切ございません。

倉田大臣政務官 迂回献金につきましては一切ございません。

 それから、私は平成研究会に所属しております。そこからのものは、政治資金規正法にのっとってきちんと処理をしております。

段本大臣政務官 私も倉田政務官同様、迂回献金は一切ございません。

 橋本派に属して政治活動をやらせていただいておりますので、政治資金規正法にのっとってきちんと処理させていただいております。

西銘大臣政務官 迂回献金につきましては一切ございません。

 平成研からの話でございますが、急な御質問でございますので、よく調査をしてみたいというふうに思っております。

津村委員 必ずしも十分なお答えをいただけなかったケースもございますので、今後、この今御質問させていただいたテーマにつきましては、同僚議員から引き続き厳しくチェックをさせていただきたいと思います。

 それでは、以下の御質問につきましては伊藤大臣のみに御質問させていただきますので、あとの皆さんはこれで結構でございます。ありがとうございました。

 それでは、御質問いたします。

 本日の御質問でありますけれども、FRC報告に関連いたしまして、一つは、五カ月後に迫りましたペイオフ解禁に向けた環境整備がしっかりと進んでいるのかどうかという、多少技術的なことも含めたチェック、そしてもう一つは、こちらを先にお答えいただこうと思っておりますが、やはり、今回、私、大臣になられた伊藤さんには初めての御質問でありますので、私がさきの、前任の竹中大臣と繰り返し議論をさせていただきました、そして今後とも丹念にフォローをしていきたいと考えております日本版金融ビッグバンの検証、そして次世代の金融市場政策のあり方について、まずこれは冒頭伺わせていただきたいと思います。

 まず、金融市場整備についてでございますが、大臣が就任をなされてから、さまざまな所見あるいは記者会見等の場で公的な発言をされているわけでありますけれども、総理からの三つの御指示ということを軸に、不良債権処理、地域経済の活性化、あるいは金融システムの安定強化といったことについて繰り返し言及をされている一方で、東京マーケットの国際競争力向上という観点からは余り目立った御発言がないというふうに受けとめておりまして、実は残念に思っております。

 また、竹中大臣との考え方の違いという、多少意地悪な御質問をされたときに、伊藤大臣は全くないというふうに極めて明快に述べられているわけですが、理念として連続性を強調されるのは結構かと思いますけれども、しかし、やはり金融環境といいますか金融行政をめぐる環境は大きく変化をしておりまして、竹中大臣の金融行政の一つのテーマが不良債権処理を促すということであったとすれば、あと五カ月後にはペイオフの解禁という形で、この不良債権問題処理とはまた違った新しい世界が広がっていく、それを是とされていると思いますので、その先にある前向きな取り組みというものを、伊藤大臣の、志が見えないというような報道もありましたけれども、この場でぜひ東京マーケットの活性化についての前向きな御所見をいただきたいと思います。

伊藤国務大臣 大臣の就任に当たりまして、総理の御指示も踏まえて、私は、三つの課題に金融行政上取り組んでいきたいというお話をさせていただきました。

 一つは、今御指摘がございましたけれども、不良債権問題を正常化させていく、金融再生というものの総仕上げをしっかりやっていくということ。そして二つ目は、中小企業の再生やあるいは地域経済の活性化に貢献できるような地域金融というものをしっかりつくり上げていきたいということ。そして三つ目として、国際的にも最高水準の金融機能を利用者のニーズに応じた形で提供できるような金融システムというものを構築していきたい。この三つの課題に挑戦をしていきたいというお話をさせていただいたところでございます。

 記者会見の中で、竹中大臣が進めてきた金融行政についてどう思うかという問いでありましたので、私は、竹中大臣とともに、不良債権問題を解決していく、これは長年日本経済を苦しめてきた重要な問題でありますので、この問題を解決していくという問題意識は全く同じだということをお話しさせていただきました。

 私は、竹中大臣の進めてきた金融改革の中で、二つのことは引き継いでいかなければいけないというふうに思っております。

 一つは、金融再生を必ず実現していく、その総仕上げをしていくということであります。そして二つ目は、有事であっても平時であっても、ガバナンスの徹底というのは共通した課題だというふうに思っております。ガバナンスというものを充実させていく、そうした視点から金融行政を展開していかなければいけない。この二つの点をお話しさせていただいたところでございます。

 そして、不良債権問題が正常化をしていくと、金融に係るフェーズというものも変わってまいります。不良債権問題が正常化していけば、金融機関にとっても経営の自由度というのは広がっていくわけであります。その中で、どのような形で利用者のニーズにこたえていくことができるのか、利用者のニーズに応じた金融サービスや金融商品というものを提供していくことができるのか、そのことが問われる時期に入ってくるのではないかというふうに思っております。

 そうした問題意識の中で、国際的にも最高水準の金融機能というものを利用者の方々が十分活用できるような、そういう金融改革というものをしっかりやっていかなければいけないというふうに思っているところでございます。

 金融再生プログラムの後、平成十七年度から二年間の重点強化期間を対象として、仮称でありますけれども、重点強化プログラムをつくるということが基本方針二〇〇四の中で明記をされているところでございます。この中で、委員の御指摘がございました東京マーケットの魅力の向上、こうした問題も含めて取り組んでいきたいというふうに思っているところでございます。

津村委員 東京マーケットの機能向上というのは最後に少しだけお触れいただいて、本当にワン・オブ・ゼムという感じを受けたのは大変残念でございます。

 私としては、もう少し大きくこの質問を始めさせていただいたつもりでして、繰り返し、伊藤副大臣も陪席されていた場で何度も御質問をしているんですが、私は、あの九六年秋の日本版金融ビッグバンというものが、多少、その後の現実の流れを見るとそれの評価は分かれるところもあると思いますけれども、非常に大きな夢を持って始められた構想であった、当時の橋本首相のもとで始められたというのを何度か本会議場でも触れさせていただきました。

 そして、その後、金融環境が大変厳しいものになりましたので必ずしも思うような成果を上げ切れなかったわけで、その環境整備として、不良債権処理、つまりマイナスを減らすという意味で不良債権処理に取り組まれてきたのは、これは金融庁として大変苦しい取り組みであったと思います。

 しかし、それが、たび重なるペイオフ解禁の延期ということはありましたけれども、そしてそういう中で、残念ながら、日本の金融行政あるいは金融市場に対する国際的な評価というのは大きく揺らいだ場面もあったと思うわけですが、今回、後ほど再確認させていただきますけれども、いよいよペイオフを解禁するということであれば、これは大変国際的にメッセージになり得る、言うなればチャンスだと思います。そういうふうに前向きに位置づけていただきたい。

 その上で、金融ビッグバンの当初の夢が、今もう少し地に足のついたものになる必要はあるかもしれませんが、しかし、そこは再検証をしっかりしながら新しい絵を描いていただきたい、それが、竹中大臣ではなく伊藤大臣の、次代の大きな役割、もしかしたら最も重要な課題の一つかもしれない、そういうことを申し上げたかったわけで、三つの総理からの御指示のうち三番目にそれは読み込めるんですよというような、そういう技術的なお答えが欲しかったわけではありません。

 そのことに関連して、実は私、金融庁の最近の取り組みで注目しているものが一つあるんですけれども、私が四月の二十七日の当委員会で、まさに今申し上げたことと同じ趣旨のことを申し上げたんです。市場間競争の観点から日本版金融ビッグバンの意義と成果を改めて検証して、ポスト不良債権処理の金融市場政策というものを示してほしい、そういう努力を国民に見える形で示してほしい、そういった趣旨のことを、言葉は違いますけれども申し上げました。その後、七月の十一日の新聞報道が今私の手元にあるんですけれども、日本版ビッグバンを検証する、金融庁が改革効果を総括するという記事が出ておりまして、偶然かもしれませんけれども、私の思いも通じたのかなというふうに大変うれしく記事を読みました。

 これについて、大変抽象的な記事ですので、少し具体的に教えてください。今ちょうど平成十七年度の概算要求の時期でもありますけれども、こうした、人もあるいは情報もお金ももしかしたらかかるかもしれない取り組みです。今回の概算要求において、この金融ビッグバンの総括、そして今後の金融市場戦略ということについてはどういった内容があるんでしょうか。

伊藤国務大臣 先ほどお答えをさせていただいたのは、何か技術的にお答えをしようというつもりは全く私はございません。委員が御指摘をされていることは大変重要な課題であるというふうに認識をしておりますし、これからの金融改革を考えていくに当たっての大きな柱であるというふうに認識をいたしております。したがって、私は、委員と竹中大臣が当時議論されておられたということも横で聞いておりましたし、議事録も精査をしながら、委員から具体的なイメージがあればぜひそうしたことも提示をしていただきたい。

 私たちは、新しいプログラムをつくるに当たって、国会の議論も踏まえて、しっかりとしたこれからの新しい金融行政の方向性あるいは金融改革の方向性というものをつくり上げていきたいというふうに思っております。

 また、お尋ねの、金融システムの改革、日本版ビッグバンの効果について、平成十六年七月七日に公表した平成十六年度金融庁政策評価実施計画において、十六年度から総合評価に着手したところでございます。

 本評価に当たっては、これから複数年にわたって実施をしていきたいというふうに考えておりますが、現在、具体的にどのような形で進めていくかということについてはまだ検討中であります。専門の方々に来ていただいてこの調査をしていただくということも考えていかなければいけないというふうに思っておりますし、また、ある部分については専門の研究所の方々の知見を活用するということもあろうかと思います。

 しかし、具体的にどうしていくかということについては、現段階ではまだ検討中でありますので、予算措置を含めた具体的な内容についてまだお話しできないことはお許しをいただきたいというふうに思います。

津村委員 そのことに関連して、金融ビッグバンという一つのキーワードを使ってお話をしてきましたので、それに特化したということではまだまだこれから体制を整える途中段階だということかもしれませんけれども、私、実はこうした政策評価の仕組みというものが今金融庁において日常的に行われていないんじゃないか、そのことを大変危惧しております。

 これは単に八年前の取り組みの評価、そういう歴史を振り返るという意味ではなくて、本当は時間があれば御質問するつもりだったんですけれども、私から申し上げますけれども、例えばですが、シティバンクの今回の検査の問題にしても、行政処分をするのは、それは厳格にしなければならないですから結構です。ただ、これはいろいろなところで金融庁の方に伺って答えは出てこないんですけれども、一つのそういった行政処分をしたら、プライベートバンキングという意味では日本で最大のシェアを持っていたシティバンクなわけですから、そこに撤退を迫るような、結果的に撤退するというような、そういう処分を下した結果、マーケットにどういう影響があるのか、マーケットと大きく言わなくとも、大変、富裕層と言われますけれども顧客がいるわけですよね、その方たちがどこに流れていくことを想定するのか。検査とは全く別のことですから、それをまぜこぜにしろということを言っているのではなくて、一つのそういう行政処分をするからには、そのことがマーケットに及ぼす影響をどこかでやはり分析はしていなければいけないと思いますし、場合によっては別の措置をミックスしなければいけないということがあると思います。

 それは、もう金融庁の一つの行政処分にとどまらず、年金問題にしても介護の問題にしても、いろいろなお金の動きが出てくれば必ず金融マーケットにはね返ってくるわけですし、今回の郵政民営化の議論、先ほど財務大臣も少しお触れになっていましたけれども、金の流れを左右する、そういう政策議論を、マーケットの育成の観点からどういう市場へのインパクトがあるかということを分析する部署はあるんですかということを、実は幾つかの場で聞いたんですけれども、そういうものはちょっと思いつかないというようなお答えをいただいたことがあります。

 そういった政策、そういったマーケットへのインパクトを考える分析というのは現在されていないということでしょうか。

伊藤国務大臣 委員から重要な指摘を受けているというふうに思います。

 私も、しっかりとした行政を展開していくためにはやはり政策の評価をきちんとやっていくということが重要でありますし、今回、金融ビッグバンについての検証をする、つまり総合評価という新しい手法にも挑戦しようというのもそうした意識からの取り組みであります。

 ただ、御承知のように、金融庁、非常に多くの仕事を抱えていて、限られた組織、人員の中でこうした問題にも挑戦をしていかなければいけません。今の点については市場課で分析を行っているわけでありますけれども、では十分できているかといえば、課題があることは事実であります。

 今、そうした問題も含めて、金融庁全体として、金融庁が発足をして六年が経過をしました、人員も約三倍になっているところでございますけれども、やはり行政の効率というものをどうやって上げていくことができるのか、適切な行政運営ができているのか、そうしたことを検討するために、金融庁総点検プロジェクトというものもあわせて実施をいたしております。

 そうした中でも、委員の御指摘も踏まえて、政策評価の充実に向けて取り組みを進めていきたいというふうに思っております。

津村委員 それでは、この件につきましては最後に御提言をして終わりますけれども、以前、実は別件で、国債管理政策につきまして、財務省の方に、国債管理政策というのはこれから国の借金を考える上で大変重要で、しかもマーケットに見える形でその議論をしていないと、それは考えているんですよというだけでは答えになりませんよね、内外が見ているわけですからと、そういうことを御質問し、その中で専門チームをつくったらどうですかという御提言をしました。そうしたところ、恐らく私の質問より前からもう準備はされていたんだと思うんですが、国債企画課だったか業務課だったか、二つの課を新設するというような話を御紹介いただきまして、なるほど、そういう取り組みをされているんだなということがあったわけです。

 この問題というかこのテーマも、私は、もちろん市場課の方、考えていらっしゃる方は何人もいらっしゃると思うんですが、やはりそれが外に伝わってこなければ、これはマーケットとの対話ですから、一人で頭の中で考えていますよということではそれは答えになっていませんので、ぜひマーケットに対して自分たちの市場戦略を発信する、セクションが必要なのかわかりませんけれども、外に見える形で、当然お金もかかると思いますが、金融庁からこういうものが必要なんだということを発信していっていただければと思います。

 では、次の質問に移らせていただきます。今のは御提言ですので、これからもまたお聞きすることがあるかもしれません。

 それでは、本題でありますFRC報告に関連しまして、先ほど申し上げましたペイオフ解禁をめぐる環境整備の話をさせていただきたいと思います。

 まず冒頭、ペイオフ解禁がもう所与のものとして話は進んでいるようにも思うんですが、しかし国際的には、半年前ぐらいだったと思いますが直前になって延期をしたケースもありますので、今回は果たしてどうなのかという目は常にあると思います。

 そうした中で、つい昨日でしたか、山形しあわせ銀行と殖産銀行さんの経営統合が発表もされまして、新聞等ではペイオフを目前にした地銀の再編が加速しているというような報道もありますし、それが十分なのか、そういう議論もあると思います。ペイオフ解禁が再延期される可能性というのは全くないということでよろしいでしょうか。

伊藤国務大臣 これは、総理もこの点については予定どおりペイオフの解禁拡大というものを行っていくということは当委員会でもお話をされているというふうに思いますし、私も、就任に当たって総理から、ペイオフ解禁拡大を円滑に実施できるように金融システムの安定強化についてはしっかり取り組んでほしい、こういう指示もいただいているところでございますので、こうした取り組みを進めていきたいというふうに考えております。

 したがって、予定どおりペイオフ解禁拡大を実施させていただきたいというふうに思っております。

津村委員 決意はよくわかりました。

 そういった決意といいますかお考えが説得力を持つためには、やはりシステム的な対応も含めて具体的な取り組みがしっかりと進んでいるということが国民に周知されなければいけないと思うわけですけれども、一つの大きなテーマとして言われているのが、いわゆる公金預金の関連もありまして、決済性預金の導入が進んでいるかどうか。

 これは金融庁さんも、あと恐らく預金保険機構さんもさまざまな努力をされているのはわかるんですけれども、いろいろなものを読みますが、十月の一日でしたでしょうか、各新聞社のインタビューに伊藤大臣がお答えになりまして、九割以上の金融機関で導入が既に進んでいる、または検討が進んでいるというようなお答えをされているように思います。しかし、私、これはやはり一〇〇%でなければいけないんだと思います。九十何%ということであれば、あとの何%はできていないということであれば大変問題だと思います。

 それからもう一つは、四月一日に導入したのでは、これは遅いんじゃないか。なぜなら、新しい金融商品ということであれば、そこに従来の定期預金なり普通預金から資金がシフトする可能性があるわけですけれども、そういった資金シフトがペイオフ解禁と同時に急激に起こるということであれば、それは個別金融機関の経営という観点からも、あるいは金融市場での運用という面からもある種のリスクになるわけです。

 三月以前にこの決済性預金が一〇〇%導入されていくことが、ペイオフ解禁に向けた環境整備ということでは大変重要だと思うんですが、こういったモニタリングというのはきっちりとされているんでしょうか。数字的なものも含めてわかりやすく御説明ください。

伊藤国務大臣 今、決済用預金についての導入状況でございますけれども、検討、準備を行っているというふうに私どものヒアリングに対して回答がなされた状況を見てみますと、九六・四%であります。

 そして、すべてというお話でありますけれども、基本的にはこれは、各金融機関が他の金融機関との競争の中で、みずからの経営判断で顧客のニーズにこたえて適切に対応していくということが基本ではないかというふうに思っております。

 そしてその中で、金融庁としては、やはり金融機関が決済機能の最終的な担い手として決済業務を独占的に取り扱っているわけでありますから、預金者の多様なニーズにこたえて適切に預金口座を提供する、そうした責務があるというふうに考えておりますので、顧客の期待にこたえた、そうした金融機関としての適正な対応というものを期待しているところでございます。

津村委員 恐らく、地域金融機関であれば、もちろん個別行によるとは思うんですが、公金預金にかなり依存しているといいますか、シェアが高いところも多いと思うんですね。

 恐らく、九六・四%ということは、引くと三・六%がまだということだと思います。その三・六%、よくわかりませんけれども、それが仮に地域金融機関、割と規模の小さいところが多いんだとすれば、そういったところが地方公共団体から見ると不安だということになれば、これは単にその三・六%という数字以上に大きな意味を持つと思うんですけれども。つまりその内訳ですね。ここで全部それを紹介してくださいというたぐいのことではないと思いますが、しっかりと検査でフォローをしていっていただきたいと思います。

 恐らく、検査で地域金融機関を回っている頻度というのは数年に一度ということだと思うんですが、本件については、特別な検査かどうかわかりませんけれども、どういう形でフォローしているんでしょうか。アンケートのような形でしょうか。それとも、実地で入って何らかの指導、指導ではないかもしれませんけれども、チェックをしているんでしょうか。

伊藤国務大臣 先ほどの、残りはというお話がございましたけれども、これは個別の金融機関のことでありますので、その内容についてお話をさせていただくということは差し控えさせていただきたいと思いますが、一般的に申し上げますと、零細、多口の預金構成になっておりまして、実際上は決済の保護が図られる金融機関も存在しているものと承知をいたしております。

 そして、ペイオフ解禁拡大に当たって、その円滑な実施に向けて金融行政としてどういう対応をしているのかということでありますが、これは私ども、検査においてもまた監督上も、そして預金保険機構との連携というのも非常に大切でありますので、そうした中で準備を粛々と進めているということでございます。

津村委員 最後の質問になると思いますけれども、ペイオフ解禁後の姿というのはまだだれも見たことがないわけで、いろいろとその後の金融市場の混乱、あるいは金融機関の経営が混乱を来さないためにも、しっかりと危機管理的なケースも含めてマニュアルづくりを進めていかなければいけないと思います。

 そうした中で、ペイオフ解禁後の破綻処理についてのマニュアルづくりは既に進められているという報道も目にしたことがありますけれども、私が一つ大きなリスクとして考えますのは、現在は極めて金利が低い、短期ではゼロ金利の状況でありますので、決済性預金あるいは従来の普通預金あるいは定期預金、どこにお金を預けていても余り金利差がないものですから、まあ、じゃ、安心だから決済性預金のところに預けておこうということがあるかもしれません。

 ただ、今後、金利上昇が、やはり数年以内にはデフレ脱却ということになれば視野に入ってくると思いますけれども、金利が上昇した世界ではやはり決済性預金に積んでおくというのは預金者としてはメリットがない。金利メリットとしては、定期預金の方に預けた方が当然金利が高いわけですから。そうすると、決済性預金から抜いて、どうせ抜いてどこかにつけかえるんだったら、それは優良行に行こうということで、要は、何が言いたいかといいますと、金利上昇局面において金融機関の選別が一気に加速するのではないか。そういったことが、これは金利上昇はマクロで起きるわけですから、個別金融機関がターゲットではなくて、全国一斉に急にそういった資金シフトが起きることも想定できなくはないと思います。

 現在のマニュアルづくりといいますか、将来の対応において、このリスクはどういうふうに対応されるおつもりでしょうか。

伊藤国務大臣 金利上昇についてのお話がございましたけれども、これを前提としてどのような対応をしていくか。仮定の質問でございますので、これに答えていくというのはなかなか難しいことではないかというふうに思っております。

 一般論としては、預金での運用に当たっては、やはり利回りでありますとか安全性、利便性、多様な要因を勘案した上で選択がなされていくものだというふうに思っておりますけれども、ペイオフ解禁拡大を控えてやはり金融機関が考えていかなければいけないのは、より一層の経営基盤の強化、そして収益力を向上していく、そのための経営改善というものをしっかり進めていくということが一つ。そしてもう一つは、やはり自分たちの金融機関の健全性というものをわかりやすく説明していく、あるいは自分たちがどのような経営方針を持って銀行経営に当たっているのか、そのことをしっかり情報開示して丁寧に説明をしながら信認というものを確保していくことが非常に重要なことではないかというふうに思っております。

 また、行政としては、この制度、預金者の側から混乱がないように十分その趣旨を説明していくことが大変重要でありますので、広報活動にも力を入れて対応に当たっていきたいというふうに思っております。

津村委員 最後に一言だけ言わせてください。

 金融庁の持っている情報、あるいは検討しているかしていないかということも含めて、それはやはり外にオープンにすることによって初めて意味があることが多いと思うんですね。それは、行政の情報は何だってそうなんですが、やはり金融というのは、金融庁の仕事というのは、先ほども申し上げましたけれども、マーケットですし、いろいろなところに社会的、公共的な意味を持ちます。海外に対しても強いメッセージ性を持ちますので、ぜひきっちりと、やることはやっているんだということは、もし本当にやっているのなら外に出すべきだと思うんですね。

 そのときに、今のマニュアルづくりの件ですけれども、金利上昇の際のことは仮定の議論なのでとおっしゃいましたけれども、今後、中長期的に金利上昇のシナリオを描いていくことは、これは当然やらなければいけない課題であって、これまで金融政策が不良債権処理の問題やそういった金融機関、金融システム保護の観点からともすればゆがめられたんじゃないか、そういうような疑念を持っている方がいらっしゃる中で、もしかして金利上昇に対するリスクが個別金融機関にダメージを与えるんじゃないか、そういう疑念があると、それは金融政策の自由度が奪われかねないことだと思うんですね。

 そういう意味では、金融政策の自由度をしっかりと担保するためにも、金融システム維持のための金融庁の、これだけのことをやっているんだというメッセージをもっと発していただきたいと思います。

 終わります。

金田委員長 次に、馬淵澄夫君。

馬淵委員 民主党の馬淵でございます。

 きょうは、FRC報告についてということで質疑の時間をいただきました。また、新任の伊藤大臣、きょう、初めての私からの御質問です。伊藤大臣には、しっかりと、はぐらかさずに真っ正面からお答えをいただきたいと思っております。

 まず、きょう報告されましたFRC報告でございますが、これは、破綻金融機関の処理の措置並びに破綻の処理の状況の報告がなされておるものでございます。この中には処理の状況、措置等が示されているわけでありますが、ここに「公的資金の使用状況」という項目がございます。その中にさらに「金融機能早期健全化勘定」というのがございます。この説明を見ますと、平成十六年の三月末で七兆九千三百三十一億円の残高ということで御説明をいただいております。この中には、平成十一年、九九年の三月に行われました旧三和銀行、そして東海銀行並びに東洋信託銀行に対します早期健全化法に基づく資金増強、この結果の累計というのが含まれているということでよろしゅうございますでしょうか。事務方で結構です、お答えください。

佐藤政府参考人 含まれていると存じます。

馬淵委員 今、含まれているということです。この残高の中に、今申し上げた旧三銀行、すなわち、これは現在のUFJ銀行、UFJホールディングスに対しての資本増強、これが含まれているということであるとお答えいただきました。

 さて、このUFJ問題、この財務金融委員会で再三再四取り上げられ、また、さまざまな委員からの質問も行われております。かくいう私も、五月の二十六日、この財務金融委員会で、UFJ銀行の業績予測、二転三転する業績予測と最終的な決算の大幅な乖離につきまして、また同僚議員からも、UFJ銀行の非道取り立てや、あるいは検査忌避の問題等々を取り上げさせていただきました。

 金融行政の中で、さまざまな金融庁のかかわる中でいろいろと問題が発生している、このことを国民に対して明らかにすべきだということで、私どもは再三再四UFJについてもお尋ねをさせていただいたわけでありますが、本日は、その件につきまして、UFJ銀行について少し大臣からお話を伺わせていただきたいというふうに思っております。

 まず、こうしたさまざまな公的資金注入行、銀行は、早期健全化法に基づく資本増強ということで経営健全化計画の提出が求められております。UFJ銀行も同様にこの経営健全化計画を提出されておるわけであります。中でも重要なポイントとしましては、やはり不良債権の処理であると考えられます。

 さて、この不良債権処理、経営健全化計画の中にある銀行が一生懸命に取り組んでいる不良債権処理の一つの方法として、不良債権の売却ということが考えられます。そこで大臣にお尋ねしたい。この不良債権の売却というものはどういう観点で行われるべきとお考えでしょうか。

伊藤国務大臣 私どもが、不良債権問題の対応についてこうすべきだとかああすべきだとか、そういうことを言うべきではないのではないかというふうに思っております。これは、経営の判断の中で、不良債権問題に対して正常化に向けた努力をしていくということを、主要行、各金融機関の方々は明らかにされているわけでありますから、その方針に基づいて対応していくものだというふうに思っております。

馬淵委員 私、金融庁のトップとして具体的にどういう売却の仕方をしろという指示をお持ちなのかということをお聞きしたわけではありません。これは、不良債権処理をするという大きな方針を国として出されていく、不良債権処理を進めなさいという方針を出されていく中で、不良債権の売却というものはどのような基本的な観点に立って考えるべきかということをお尋ねしています。個別のお話ではありません。このことがお答えになられないということは、不良債権処理を進めなさいという方針ですら出せないということになりませんか。

 大臣、もう一度お尋ねしますが、客観的に、一般的に、どのような観点で進めるべきかということをお答えください。

伊藤国務大臣 一般論としてお答えをさせていただきますと、貸出金の回収額の極大を図る、こうした観点から、その実現可能性が高く、そして最も合理的だと思われる方法を選択すべく検討がなされているものと承知をいたしております。

馬淵委員 回収額の極大化、そして、実現性が高く、最も合理的と、今三つお答えをいただきました。

 では、もう一点、違う観点からお尋ね申し上げます。

 不良債権処理の中で、債権の売却という手が当然ながら考えられますが、さらには債権放棄という、これはやむにやまれぬことではありますが、金融機関においては債権放棄をせざるを得ないという状況も当然考えられます。その具体的な処理の方法をお尋ねするわけではありません。今度はこの債権放棄に対して、金融庁、大臣として、この債権放棄に対してはどのような観点で取り組むべきかということをお考えでしょうか。お答えください。

伊藤国務大臣 不良債権をバランスシートから切り離す一つの手段として債権放棄というものがあるわけでありますけれども、借り手企業の再生につながることで残余の債権の回収がより確実になる等、合理性を有する場合、その合理性がどこにあるか、そうした中での判断がなされるものではないかというふうに承知をいたしております。

馬淵委員 おっしゃるとおりですね。BSからの切り離し、オフバランス化していくという中で、残余の債権が回収可能かどうかという検討が重要だ、おっしゃるとおりだと思います。

 そして、さらに合理性というふうにお答えいただきました。つまり、不良債権処理においては、この合理性ということは非常に重要だと。先ほどのお答えの中にも、売却に関しても合理性、そしてこの債権放棄に関しても合理性というものが求められる、こう二つに関して同様のお言葉を使われた。つまり、この合理性、経済的合理性ということが重視されるということでよろしゅうございますか。

伊藤国務大臣 これは先ほどからお話をさせていただいておりますように、基本的には経営判断の問題であります。金融機関も自己責任と市場規律の中で経営の運営がなされているわけでありますから、その中で当然合理的な判断が求められていく、そうした中で、厳しい競争環境の中で経営を行っていかなければいけないというふうに思っております。

馬淵委員 経営判断は当然なんですが、御指摘のように合理性ということ、経済的合理性ということが重要だとお答えいただいたと私は解します。

 さて、UFJの経営健全化のための計画、これはお手元に資料を配付させていただきました。平成十六年九月、つい先般、経営健全化計画が出されているんですね。その中に、不良債権の売却並びに債権放棄についての考え方ということが、UFJ独自で一生懸命考えられた結果として出ていると思います。この中で、不良債権の売却等に関しましては、早急に実施をし、そして対応を加速していくということで具体的なことは述べられておりませんが、「債権放棄についての考え方」を少し見ていただきたいと思います。

 これに関しましては、十一年一月二十日の金融再生委員会発表の金融再生委員会の運営の基本方針、同年三月十二日付発表の申請金融機関に対する資本増強の基本的考え方、さらには、十三年九月十九日付の私的整理に関するガイドライン研究会が公表した私的整理に関するガイドライン、これに示されている考え方を踏襲して、四点ここに御提示をされています。

 先ほどお話しのように、「債権放棄により取引先の経営状態が改善することを通じて、残存債権の回収が確実になること」「債権放棄を行わない場合との対比で経済的合理性があること」「取引先の経営陣の経営責任の明確化が図られること」「取引先の破綻による社会的影響に配慮すること」と。四つのポツで説明があるわけですが、まさに先ほどの話、債権放棄を行わない場合との対比の中で経済的合理性があるということが最も重要だということも、これはちゃんと金融庁の御指導のもとで出されているUFJの健全化計画の中にもうたわれております。

 さて、こうしたUFJの、大臣がおっしゃった方針を踏襲したこの計画を見まして、さらにそれがどのように進んでいるかというところに目を移していきたいわけでありますが、私は、このような記事を目にしました。お手元にお配りをしました資料の二つ目でございますが、十月の二十三日の読売新聞に、「国際興業、米ファンド傘下に UFJなどの債権売却」ということで記事が載っております。

 ちょっとここを読ませていただきますと、「UFJ銀行の大口融資先である国際興業の再建計画の最終案が二十三日、明らかになった。UFJなど取引金融機関の保有する国際興業グループ向け貸し出し債権の大半にあたる約五千億円を、米投資ファンド、サーベラスが約二千億円で一括して買い取り、サーベラス傘下で再建を目指す。サーベラスは、買い取った債権(国際興業にとっては債務)を出資に振り替え、国際興業株の過半数を取得して経営権を握る見通しだ。簿価と売却額との差額の約三千億円は、金融機関が事実上、債権放棄する。国際興業は関係金融機関との調整を急ぎ、十一月中に合意したい考えだ。」とあります。

 さて、客観論、一般論でも結構です。大臣、この記事に対しましての大臣の御所見をお伺いしたい。

伊藤国務大臣 客観論、一般論ということでございますけれども、委員の御指摘は個別金融機関の個別取引先についての事柄でありますので、そうした報道があることは承知をいたしておりますけれども、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。

馬淵委員 個別金融機関の問題であるということでございますが、これも竹中前任大臣も常にそういうお答えであったんですが、個別金融機関の問題であるからといって常に御答弁をいただけない中で、あれよあれよという間にさまざまな処理が進んでいってしまっているのが今日までの金融行政の中で問題視されてきたのではないでしょうか。

 UFJ銀行は、不良債権比率というものを目標設定としまして十七年の三月末までに三%台に削減する、このように掲げられております。経営健全化計画の中でうたわれておるわけです。この三%台を目標とするということ、つまり、四月のペイオフ解禁に向けて、金融庁のある方向の中で一生懸命に不良債権処理を進めていかれているわけであります。この不良債権処理を進める中で、先ほど私がお聞きをした経済的合理性があるのか、その実現可能性、実現可能性は恐らくあるんでしょうね、しかし、この経済的合理性があるのか、果たしてだれもが納得できるような客観的な合理性を持っているのか、このことに対して金融庁が何の見解も示さないということについては、私はいかがなものかと思います。

 さて、同じこの記事を見ていただきます。少し読ませていただきます。「国際興業は、乗り合いバス事業やホテル事業、不動産事業などを中心に、約五十社のグループ企業を傘下に持ち、ハワイのシェラトンホテルなどの優良資産も保有している。」帝国ホテル、これは上場株です。「帝国ホテルの株式も三九・四%を所有する筆頭株主だ。しかし、バブル崩壊による不動産事業の低迷で、経営不振に陥っていた。」とあります。

 私が申し上げたいのは、経済的合理性を大臣も説明され、そして、UFJもその指導に基づいた計画の中では経済的合理性を真っ正面でうたっている。しかし、この今まさに行われようとしている不良債権処理、五千億の債権です、これはUFJの中でも大口の債権なんです。先ほどお配りした中にも、「UFJ銀行に特定大口先専担部署として戦略開発部を新設し、」とありますが、いわゆる六つ、七つと言われる特定の大口の不良債権先である、この五千億の貸付先である国際興業、ここに二千億で不良債権を売却し、かつ、三千億円の債権放棄をする。つまり、六割方はもう要らないと言った方が経済的合理性があるということをUFJ銀行は今やろうとしているわけです。

 さてそこで、私がここの場で問題視したいのは、果たして本当にそうなのかということなんです。

 国際興業は、確かに未上場企業であります、上場しておりませんから、その保有資産の内訳等々明確にはなっておりません。しかし、今報道されている、あるいは現実に、古い会社でございますから、長年の国際興業という会社の持つ資産、一般にも知られている部分がたくさんあります、それらが優良資産である可能性も十分に高い。ハワイのシェラトンホテル、帝国ホテルの株式、これも筆頭株主ですから、経営支配権を持つ株式であります。これらの資産があるのにもかかわらず、これを二千億で売却しようとしている。しかも、三千億円は債権放棄する。

 この銀行は、先ほども私確認させていただきましたが、早期健全化法に基づいて公的資金が注入されている銀行なんです。すなわち、我々の税金、血税が注ぎ込まれた銀行が債権放棄という形でこれを行おうとしている。税金が投入された銀行が経済的合理性ということをうたっているのだけれども、その中身について十分に我々に知らしめずに行おうとしているこの取引。さらには、サーベラス、一般にはハゲタカファンドと呼ばれるような外資系の投資ファンド、このように評されています、その会社の評価に関してはそれぞれにあることでしょうけれども。

 私がここでぜひ確認をさせていただきたいのは、このように金融行政として公的資金を注入した銀行に経営健全化計画を出させ、そしてその方針というものを明確に出させている、大臣のおっしゃった方針を踏襲して経済合理性を訴えている、にもかかわらず、こうしたものについて、取引について、不良債権処理について、個別のことだからコメントできないと放置してしまうんですか。このことについて検査なり厳しい監督責任というのは、大臣、おありだとはお考えになりませんか。お答えください。

伊藤国務大臣 個別具体的なことにお答えができないのは、金融機関や、あるいは取引先の債務者企業、その権利でありますとか競争上の地位、あるいは正当な利益、こうしたものを侵すおそれがあるために私どもとしてコメントを差し控えさせていただいているわけであります。そのことについて御理解を賜りたいというふうに思います。

 また、一般論として申し上げますと、先ほどからお話をさせていただいているように、貸出金の回収額の極大の観点から、実現可能性が高く、最も合理的と思われる方法を選択すべく銀行として検討されているというふうに思いますが、しかし、どのような場合に債権放棄をするのか、あるいはどのような場合に債権売却を実施するか、これは債権者と債務者、この中のおのおのの経営判断の問題でありまして、こうした経営判断の事例について金融庁が一つ一つ関与するということは適切ではないというふうに思っております。

馬淵委員 経営判断に対して金融庁が個別の判断は示さないとおっしゃっていますが、現に、このFRC報告の中でも、足利銀行がさまざまな経営判断をする中で、検査を通じて金融庁の意図というものをお伝えになられたのではないんですか。

 このような五千億もの債権のうちの三千億を債権放棄させていく、その経済合理性を明らかにさせるということを、再度お伺いしますが、金融庁としては十分に関心を持って見守っていくという御意思はおありなんですか。お答えください。

伊藤国務大臣 私どもは、金融行政として、信用秩序の維持、利用者、預金者の保護、そして金融の円滑化を図っていくということが行政の目的であります。そうした観点から、金融機関の業務の健全性でありますとか適切性というものを注視して、そして、検査監督を通じてそうした視点から確保するための行政を行っているわけであります。

 したがって、そうした観点からの行政というものはしっかり行っていかなければいけませんが、今のように、何か、ある金額を無理やりさせたとか、そういうことは全くないわけであって、これは債権者と債務者の間の個々の経営判断によって起きることでありまして、その具体的な内容について金融庁が関与するということはあり得ません。

馬淵委員 伊藤大臣、真っ正面からお答えくださいと私も冒頭に申し上げたわけでありますが、見守っていただかなければならないし、少なくとも金融監督行政、資本を注入した責任者として、血税を使うということを行ってこられた責任者として、これに対してはしっかりと見きわめていただくという方針を打ち出していただかねばならないと私は思います。

 この記事、その後の展開というものがまだ報道はされておりませんし、今後もさまざまな情報が私どもあるいは行政の皆さん方にも入ってくるかと思います。これに関しましては、今後も私どももしっかりと見守ってまいりますので、ぜひ金融当局としましてはこれに対して厳しい目を持って取り組んでいただきたいということをお願い申し上げます。

 それでは、このUFJの問題はこの辺にいたしまして、次に、FRC報告ということでのお時間をいただきましたが、私の方からは、せっかくですので、今般起きました新潟県中越地震に係る金融危機管理につきましてのお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。

 まず冒頭、この問題につきまして、私は質問に先立ちまして、新潟県中越地震の被災者の皆様方に心からのお見舞いを申し上げたいと思います。

 先週末の大規模地震におきまして、新潟県における金融のインフラの状況、被災の状況というもの、これにつきましていろいろとお聞きをしました。そうしましたところ、幸いなことにといいますか、金融機関の被災の状況というのは、大手行に関しましてはほとんど被害はなかった、通常どおりの営業であるということ。

 また、地域の金融機関におきましては、十月の二十四日午後五時、最も被害が明らかになった、激しかったころ、このときにおきましては、地域金融三行、第四、北越、大光とあるわけですが、二十一店舗のATM、あるいは八店舗の店舗外ATMの停止等々であります。また、協同組織金融機関の状況におきましても、一信金三支店などにおいて停電といった状況であった。

 そして、その後、二十七日の午後三時現在、第四銀行を初め地域銀行に関しましては、店舗外のATMが数カ所停止をしているといった状況であり、協同組織金融機関の状況においては、一信組、一信金の出張所、支店においてATM停止といった状況。

 すなわち、災害下における地域金融の金融インフラというものは、被災の状況は幸いにして軽かったと言える状況ではなかったかというふうに思います。

 こうした金融システムインフラの危機管理、大規模災害等に備えた金融インフラの危機管理について、まず、政府の方針、金融庁としてどのような具体的な方針、取り組みをお持ちかということをお聞かせいただきたいと思います。

佐藤政府参考人 災害の発生時におきます金融庁の体制でございますけれども、災害対策基本法第三十六条第一項等の規定に基づきまして、金融庁の所掌事務について防災に関しとるべき措置を定めた金融庁防災業務計画というのをつくっております。

 その中で、大規模災害時におきましては、被災地を管轄する財務局長を通じまして現地における災害の実情や資金の需要状況等を把握した上で、関係機関、団体と緊密な連携をとりながら、民間金融機関に対して、機を逸せず、必要と認められる範囲内で適時適切な措置を講じるよう要請する、こういうことになっております。

 今般発生いたしました新潟県中越地震におきましても、震災発生後、速やかに庁内の情報収集体制を整備いたしまして、二十四日の早朝、関東財務局に対して被災地域における地域金融機関の被害状況の調査、報告を指示し、その後も定期的な状況報告を求めているということでございます。こうした財務局経由での状況把握に加えまして、主要行など東京に拠点のある金融機関につきましては、新潟支店の状況等について、それぞれの金融機関に直接ヒアリングを行うといったことで対応をいたしております。

 以上のような体制のもとで、先ほど二十七日時点での状況を御紹介いただきましたけれども、昨日二十八日の十五時現在では、店舗外ATMが十一カ所休止中、六つの農協で営業停止中、こういう状況になってございます。

馬淵委員 今御報告いただきましたのを私も事前にお聞きしていたわけでありますが、私がお聞きを申し上げたいのは、まず、金融庁として、地域全体が被災をした場合の金融インフラに対する危機管理体制。個別個別での銀行に対する危機管理体制を要求しながら、関東財務局あるいは日銀の出張所、営業所などで情報を把握するといったこと、これはわかります。ただし、地域ごとでの全体の危機管理体制というものに対する方針、こういったものは金融庁はお持ちでしょうか。大臣、お答えください。

伊藤国務大臣 金融庁の災害発生時における体制といたしましては、災害対策基本法第三十六条第一項の規定に基づきまして、金融庁所管業務について防災に関してとるべき措置を定めた金融庁防災業務計画というものを策定しているわけであります。

 この計画の中身でありますけれども、金融に関する措置として、災害が発生した場合に、その被災地を管轄する財務局長を通じて現地における関係機関と緊密に連携をとりながら、災害の実情あるいは資金の需要状況等に応じて、民間の金融機関に対して適時適切な措置を講じるよう要請するものと定めているところでございます。

馬淵委員 では、少し違ったところでお聞きしますと、今のお話は、例えば、災害救助法適用後の要請という形で出されている書面がございますが、これは九項目ほど載っております。

 関東財務局新潟財務事務所長あるいは日本銀行新潟支店長名で出されておりまして、八項目めに、「災害の状況、応急資金の需要等を勘案して融資相談所の開設、審査手続きの簡便化、貸出の迅速化、」こういったものが求められています。そして、「適時的確な措置を講ずること。」という形で指示が出されている。

 恐らく大臣並びに皆さん方はこうしたことで措置をしているというふうにお考えだと思いますが、私は、まずこの要請に対してお聞きをしたいと思っておりましたが、その前に、同様の事例ということでお尋ねをしますが、阪神・淡路の大震災、このときにどのような対応をしたか、そして、その結果はどういう形で、その対応がスムーズにいったのかあるいは滞ってしまったのかといったレビュー、これは金融庁の中ではされてきましたでしょうか。お答えください。

佐藤政府参考人 平成七年一月に発生いたしました阪神・淡路の大震災におきまして、地震の発生した当日に約四百五十の銀行店舗が営業停止するといったことで、大変甚大な被害が生じたところでございます。

 この状況にかんがみまして、当時の大蔵省近畿財務局神戸財務事務所あるいは日本銀行神戸支店の方から、関係金融機関等に対して、通帳等を紛失した預金者への預金の払い戻し、定期預金の中途解約等、被災地域の被災者に対する金融上の特別措置を指示するといった対応をとったところでございます。

 こうした阪神・淡路大震災の経験を踏まえまして、金融庁におきまして、災害発生時の対応について、一つは金融庁防災業務計画の内容の充実、二つ目には事務ガイドラインの改定といったことを随時行ったわけでございます。今回、新潟県中越地震において講じた措置をとってみますと、今回は、先ほど御紹介いただきました融資相談所の開設、あるいは貸出金の返済猶予といったきめ細かい措置も盛り込んでいるということで、その進展があるというふうに思います。

 今後とも、災害対応のあり方は固定的なものということではなくて、随時見直しを行う必要があるんだろうと思いますので、改定すべきものは改定することによって、被災者への対策に万全を期するよう努めていくということかと思います。

馬淵委員 ガイドラインの見直し等を行っているということであります。

 さて、先ほど私がお伝えをした要請書に戻ります。

 大震災の教訓も得てガイドラインの見直しも行っている、そして、防災に対して災害救助法適用後徹底した対応をしているとお答えでありますが、私が問題視したいのは、こうした災害を受けた地域における復興資金の需要への対応ということであります。

 金融庁の方では、先ほどの、恐らくガイドラインにのっとってということでしょうけれども、融資相談所の開設や、あるいは手続の簡便化、貸し出しの迅速化ということをしなさいよと、通達ですね、要請書を出している。

 しかし、考えていただきたい。被災地、今回の新潟とはまた違うかもしれませんが、例えば大規模災害があった被災地において、中小企業などの多数の企業がある、そして、そこに地域金融がある。企業も被災をし地域金融も被災をしている状況だとすれば、当然ながら、その損害を回復しなければならないということで大きな損失が見込まれる中で企業も再生をしようとする。中小の、あるいは商店も再生しようとして資金が必要となる。

 ただでさえ地域金融機関というのは、先ほど来の金融庁の行政の方向の中で大変苦しい経営状況があるわけです。健全な経営をしていくのは難しい状況にある中で、被災をしたというさらなるロスが見込まれるところで、金融庁が相談所窓口を設けなさいよ、あるいは手続を簡便化しなさいよという御指導、御指示をされたとしても、地域金融機関がその被災状況の中で、これからまだまだ損害が発生するかもしれない、貸付先がさらにもっともっと厳しい状況になるかもしれない、不良債権が伸びるかもしれないという状況の中で、銀行が、金融機関が、地域金融機関が積極的に対応しようとするインセンティブが働くんでしょうか。あるいは、そのインセンティブを働かせるための具体的施策というのは何らかお考えなんでしょうか。

 私が申し上げたいのは、いや、やっていますよ、対応はしていますよ、窓口を設けなさいと指示しましたよと言いながらも、銀行はただ単に窓口を設けただけで終わりになってしまいはしないか、金融機関に具体的に復興資金の需要に対応しようとするインセンティブが働くようなきめ細かな指導というものを、リレバンをうたって一生懸命地域に根差してやってきた金融機関に対して、金融庁そのものが何らかの方策というものをお考えになっていかなくてはならないのではないか、私はこのように考えるわけです。

 大臣、どうか、今申し上げた方向につきまして、大臣の御見解、御所見をお伝えください。

伊藤国務大臣 金融庁が一連の行った対応については、先ほど来局長からも答弁をさせていただいたところでございますが、被災地の再建を図っていく、これは政府全体としてしっかり取り組んでいかなければいけないことだというふうに思っております。

 そうした中で、私ども金融庁としても、例えば経産省との連携の中で信用保証制度というものもあるわけでありますから、被災された中小企業に対する対応の一つとして、中小企業庁とも緊密に連携をしながら、そうした資金の円滑化に努めていくということも非常に重要なことだというふうに思います。

 また、先ほど委員からはリレバンのお話もございました。地域の金融機関は、地域に根差した金融機能を発揮するために努力をしているわけであります。そうした観点からも、地域経済への貢献ということで、復興に対して地域金融機関としての対応というものが望まれるのではないかというふうに思っているところでございます。そうした対応がされることを私どもとして期待をいたしております。

馬淵委員 今のお答えの中では信用保証協会、これは中小企業庁、すなわち、経済産業省の支援の仕組みの中でというお話でありますが、私が申し上げたいのは、金融機関に対してさまざまなみずからの行政の方向に関しては厳しく指導をしながら、しかし、一方で地域におけるその対応の状況についてはお任せであるといった形で果たして本当に危機管理、地域に対する対応が十分できるのかということ、これについては私はまだまだきめ細かい対応が必要なのではないかということをお伝え申し上げて、時間となりましたので、私の質問とさせていただきます。

 どうもありがとうございました。

金田委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭です。

 金融機関の中小企業向け貸し出し問題についてお聞きをしたいと思います。

 初めに数字を確認したいんですが、二〇〇一年三月から直近までの金融機関の貸出残高、その増減はどのようになっていますでしょうか。総額、それから大企業、中小企業向け、それぞれお答えをいただきたいと思います。

佐藤政府参考人 日本銀行の貸出先別貸出金国内銀行という資料がございまして、これから引用させていただきたいと思います。

 まず、貸出総額でございます。平成十三年三月に四百六十九・三兆円だったものが、平成十六年三月には四百八・六兆円ということで、六十・六兆円の減少でございます。

 それから、この資料における大企業向けという数字を見ますと、百・一兆円から八十四・三兆円ということで、十五・八兆円の減少。それから、中小企業向けにつきましては、二百三十三・四兆円から百八十四・九兆円ということで、四十八・五兆円の減少ということでございます。

佐々木(憲)委員 今、数字を示していただきましたが、貸出総額が小泉内閣になってから六十兆円マイナスになる、しかも、その中で中小企業向けが非常に比率が高い、約五十兆円近い減少であります。

 なぜこういう状況になっているのかというのが大変重要でありまして、私は二つ要因があると思っております。まず一つは、銀行の貸し渋り、貸しはがしというものが依然として改まっていないというのがある。二つ目は、資金需要全体としての低下があると思っております。

 まず、不況の影響はもちろんあります。同時に、融資対象となっている中小企業そのものの数が減っているのではないか。例えば、統計を見ますと、この十五年間で、企業数は五百四十三万社から四百七十四万社と、約七十万社、これだけの数が減っているわけです。率にしますと約一三%でございます。この五年間をとりましても、毎年毎年、七万社から九万社減っているわけです。これも融資残高が減少していく一つの要因ではないかというふうに私は思いますが、大臣、どのような認識でしょうか。

伊藤国務大臣 貸出残高が減少している理由としましては、今御指摘がございましたように資金需要の低迷、それだけではなくて、今、中小企業も過剰な債務を抱えております。借りたお金を返さなければいけないということで、一生懸命債務の返済に努めているところであります。そうした努力や、あるいは不良債権のオフバランス化の進展、貸出債権の流動化など、さまざまな要因があるところではないかというふうに思っております。

 そうした中で、今、金融庁といたしましては、リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムに基づいて、各金融機関に対しては、中小企業に対する資金の円滑化を図るための努力を進めていただきたい、そのことを繰り返し要請しているところであります。

 こうした要請を受けて、今、金融機関としては地域金融機関としての機能強化に向けての努力がなされているわけでありますが、中小企業に対する金融機関の貸し出し態度、これは日銀短観等がございますけれども、こうしたものを見てみますと、十五年第一・四半期から第二・四半期連続して改善をしてきておりますし、十六年六月の調査では、九年九月調査以来、六年九カ月ぶりにプラスに転じるなど、改善の動きも出てきているところではないかというふうに思っております。こうした取り組みをさらに進めることによって、中小企業に対する資金の円滑化というものをしっかり図っていかなければいけないというふうに思っております。

 さらに、中小企業が減少していることも大きな理由ではないかという御指摘がございました。先ほどの日銀短観においても、例えば、飲食でありますとか宿泊、こうした部門は大変厳しい傾向にあるということがあらわされています。その中でも改善傾向があるわけでありまして、そうした中で、例えば、不況業種と言われる飲食店舗においても、新しく店をやろう、あるいは多店舗展開をする人たちもおります。そうした方に対する資金供給の円滑化を図っていくということも大変重要な視点ではないかというふうに思っております。

 今、中小企業はさまざまな点でいろいろな努力をされているわけでありますから、そうしたニーズにこたえた金融機関としての金融の円滑化を図っていくということは非常に大切なことだと認識をしているところでございます。

佐々木(憲)委員 私が聞いたことに端的にお答えをいただきたいんです。いろいろな周辺のお話はもちろん大事だと思いますが、時間が短いものですから。

 私がお聞きしたのは、毎年七万から八万の企業数が減っておりますので、融資対象がもちろん減るわけですから、それも一つの融資残高減少の要因となっているのではないかという一点を聞いたわけでありまして、そう思うのか思わないのかということを改めて答えていただきたい。

伊藤国務大臣 先ほどからお答えさせていただいておりますように、融資残高の減少はさまざまな要因があろうかというふうに思います。その中で、資金需要が低迷しているということもあるというふうに思いますし、中小企業が減少するという傾向があれば、これもやはり要因になるだろうというふうに思います。だからこそ、新しいニュービジネスでありますとかベンチャービジネスというものを振興していくということも非常に重要な点ではないかというふうに思います。

佐々木(憲)委員 新しく企業を起こしていく、起業ですね、これは非常に大事なことだと思うんです。現実はどうかといいますと、廃業する企業と新しく起こす企業というのはどちらが多いかといいますと、廃業の方が最近上回っておりまして、この十五年間廃業がまさっております。したがって、全体として企業数が減少しているという傾向なんですね。

 これはなぜそうなるのかという点ですけれども、例えば経営に失敗して倒産をする、廃業する、しかし、その後立ち上がることがなかなかできないという状況があるのではないか。その要因として、例えば包括根保証という、当委員会でも取り上げられた問題ですけれども、企業が倒産した際に、連帯保証、第三者保証まで求める、社長そのものにも求めるということで、その企業が負っている負債の全責任をそういう方々に負わせてしまう、こういう仕組みが大きな社会問題になってきているわけです。

 金融機関が融資を確実に回収するというために、経営者本人、親族、知人、そういうところに包括根保証の契約を求める、その結果、倒産した場合、こういう方々が負債を全部かぶって、身ぐるみはがされるといいますか、大変な状況になっているわけでありまして、中には多重債務に陥る、あるいは自殺をするという方もいらっしゃる。やはりこういう問題が日本の大きな、新しい企業を再生していく上でネックになってきたのではないかというふうに思うわけであります。

 この包括根保証を取り扱っている銀行は現在どの程度あるのか、示していただきたいと思います。

佐藤政府参考人 この八月末で、私どもでヒアリング調査をした結果でございますけれども、包括根保証を何らかの形で取り扱っているという銀行は、主要行等で十三行、地方銀行では六十五行中四十四行、第二地方銀行では四十九行中二十六行ということで、合計いたしますと八十三行で取り扱っている。母数は百二十七行でございます。

佐々木(憲)委員 この包括根保証というものの見直しというのが、今度、これは法務委員会ですか、民法の改正ということで政府が提案をされているようですが、この方向に進むべきだと私は思っております、根保証は限度額を設ける、それから、保証期間を制限して、保証人は一定期間だけ責任を持つ。こういう内容に転換するというのが大変重要だと思うんです。この方向で金融行政を進めていくということが今後求められると思いますが、大臣の決意をお聞かせいただきたいと思います。

伊藤国務大臣 これからこの法案の御審議が進んでいくことになろうかというふうに思いますけれども、この法案が成立をいたしましたら、それに基づいて金融行政を展開していかなければいけないというふうに思っております。

 先ほど委員から御指摘がございましたように、やはり担保や保証に過度に依存したそういう仕組みそのものが、中小企業が再生を期していくに当たっての大きな障害になっていたという問題意識を私も強く持っております。

 そうした中で、契約を結ぶに当たっては、しっかりとした説明責任を果たしていくということが金融機関に問われているわけでありまして、私どもの事務ガイドラインにおいてもそうしたことを明記して、検査や監督の十六年度の基本方針の中でもそうした留意点というものを明確にいたしておりますので、この法案に対応した形で私どもとしてもしっかりとした金融行政を行っていきたいというふうに思っております。

佐々木(憲)委員 今触れられましたガイドラインの中には、「契約締結の客観的合理的理由の説明」という項目がありまして、その中に、経営に実質的に関与していない第三者に保証を求める場合、特に包括根保証契約については債権保全の観点から見て有効性に限界があると指摘されていることも踏まえた客観的合理的理由の説明、さらに、経営者等に包括根保証を求める場合の客観的合理的理由の説明を行わなければならないとなっております。

 包括根保証の説明をきちっとやりなさいよというのがこのガイドラインですよね。したがって、包括根保証そのものが廃止されるということになりますから、当然、このガイドラインも書きかえるというのが当たり前だと思うんですが、大臣、どうなさるおつもりですか。

伊藤国務大臣 今委員から御指摘がございましたように、現在の監督指針の中では、包括根保証契約に当たってしっかり説明をしてほしいということが書かれているわけでありますけれども、包括根保証の法案、この改正の法案が成立した場合には、当庁としても、監督指針の記載を改めるなど必要な改定を行っていきたいというふうに考えております。

佐々木(憲)委員 時間が参りましたので、終わります。

金田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時三十九分散会


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