衆議院

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第13号 平成16年12月1日(水曜日)

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平成十六年十二月一日(水曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   委員長 金田 英行君

   理事 江崎洋一郎君 理事 遠藤 利明君

   理事 鈴木 俊一君 理事 村井  仁君

   理事 中塚 一宏君 理事 原口 一博君

   理事 平岡 秀夫君 理事 谷口 隆義君

      小野 晋也君    大前 繁雄君

      岡本 芳郎君    木村 太郎君

      城内  実君    熊代 昭彦君

      倉田 雅年君    小泉 龍司君

      柴山 昌彦君    砂田 圭佑君

      田中 和徳君    竹本 直一君

      中村正三郎君    永岡 洋治君

      早川 忠孝君    宮下 一郎君

      森山  裕君    山下 貴史君

      渡辺 喜美君    井上 和雄君

      岩國 哲人君    鈴木 克昌君

      園田 康博君    田島 一成君

      樽床 伸二君    津村 啓介君

      中川 正春君    野田 佳彦君

      馬淵 澄夫君    村越 祐民君

      吉田  泉君    石井 啓一君

      白保 台一君    長沢 広明君

      佐々木憲昭君

    …………………………………

   財務大臣         谷垣 禎一君

   国務大臣

   (金融担当)       伊藤 達也君

   内閣府副大臣       七条  明君

   内閣府副大臣       西川 公也君

   財務副大臣       田野瀬良太郎君

   財務大臣政務官      倉田 雅年君

   会計検査院事務総局次長  重松 博之君

   会計検査院事務総局第二局長            増田 峯明君

   政府参考人

   (内閣府産業再生機構担当室長)          藤岡 文七君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   大田 弘子君

   政府参考人

   (公正取引委員会事務総局官房審議官)       小島愛之助君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局長)  増井喜一郎君

   政府参考人

   (財務省大臣官房長)   津田 廣喜君

   政府参考人

   (国税庁次長)      村上 喜堂君

   政府参考人

   (社会保険庁次長)    小林 和弘君

   政府参考人

   (経済産業省経済産業政策局長)          北畑 隆生君

   参考人

   (株式会社産業再生機構代表取締役社長)      斉藤  惇君

   参考人

   (株式会社東京証券取引所代表取締役社長)     鶴島 琢夫君

   財務金融委員会専門員   鈴木健次郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

十二月一日

 辞任         補欠選任

  木村 太郎君     柴山 昌彦君

  谷川 弥一君     早川 忠孝君

  永岡 洋治君     城内  実君

  鈴木 克昌君     園田 康博君

  長沢 広明君     白保 台一君

同日

 辞任         補欠選任

  城内  実君     永岡 洋治君

  柴山 昌彦君     木村 太郎君

  早川 忠孝君     大前 繁雄君

  園田 康博君     鈴木 克昌君

  白保 台一君     長沢 広明君

同日

 辞任         補欠選任

  大前 繁雄君     谷川 弥一君

    ―――――――――――――

十一月二十六日

 特定非営利活動の促進のための法人税法等の一部を改正する法律案(野田佳彦君外三名提出、衆法第七号)

同日

 共済年金制度の堅持に関する請願(達増拓也君紹介)(第三五五号)

 同(松野頼久君紹介)(第三九六号)

 同(園田博之君紹介)(第四四六号)

 消費税の大増税反対に関する請願(山口富男君紹介)(第三七三号)

 消費税増税中止、医療ゼロ税率適用に関する請願(志位和夫君紹介)(第四七九号)

 消費税の増税反対に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第四八〇号)

 同(石井郁子君紹介)(第四八一号)

 同(穀田恵二君紹介)(第四八二号)

 大衆増税反対に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第四八三号)

同月二十九日

 消費税の大増税反対に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第五七二号)

 同(石井郁子君紹介)(第五七三号)

 同(穀田恵二君紹介)(第五七四号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第五七五号)

 同(志位和夫君紹介)(第五七六号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第五七七号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第五七八号)

 同(山口富男君紹介)(第五七九号)

 同(吉井英勝君紹介)(第五八〇号)

 同(志位和夫君紹介)(第八六四号)

 共済年金制度の堅持に関する請願(福島豊君紹介)(第五八一号)

 消費税の増税に反対することに関する請願(石井一君紹介)(第八六一号)

 大増税計画反対等に関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第八六二号)

 認定NPO法人制度の改善に関する請願(松岡利勝君紹介)(第八六三号)

 消費税増税中止、医療ゼロ税率適用に関する請願(山口富男君紹介)(第八六五号)

 同(吉井英勝君紹介)(第八六六号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 会計検査院当局者出頭要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 財政及び金融に関する件

 証券取引に関する件


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     ――――◇―――――

金田委員長 これより会議を開きます。

 財政及び金融に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、参考人として株式会社産業再生機構代表取締役社長斉藤惇君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

金田委員長 この際、参考人に一言ごあいさつを申し上げます。

 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、ありがとうございました。忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。どうかよろしくお願いいたします。

 これより参考人に対する質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中塚一宏君。

中塚委員 民主党の中塚一宏でございます。

 斉藤参考人におかれましては、お忙しいところを、また、新聞紙上でもたくさんの案件が産業再生機構にはあるというふうに伺っておりますが、そんな中お越しをいただいたことに心より厚く感謝を申し上げたいというふうに思います。

 先般来この委員会で取り上げてまいりましたダイエーの問題でありますけれども、きょうはその件に関して斉藤社長にお伺いをいたします。

 ダイエーという個別企業の処理にかかわる話ではありますが、ただ、問題はそういうところにあるのではありません。そうではなくて、そのダイエーの処理に当たって不当な介入とか圧力があったというふうに示された文章がある、本日お配りをいたしました、きょうはお越しになられていない高木委員長の辞任届及び要請書というものでありますが、こういったことをもとに、私どもは行政のあり方をただそうということを考えているわけであって、決してダイエーの個別の問題というわけではありません。

 この要請書の下の方にも書いてありますけれども、「二度と再び同様の事態が繰り返されることがないよう、」というふうに書いてあるわけですし、このままでは産業再生機構の存立の意義さえ問われるということがこの要請書や辞任届には書いてあるわけなんです。そういった視点からのお伺いであるということをまず申し上げておきたいというふうに思います。

 結局、ダイエーの問題だけではなくて、今、巷間言われておる某自動車会社の問題でも、いろいろなうわさが私どものところに入ってまいります。個別の話がどんどん積み重なっていって一般論になるということをまず御認識いただきたいというふうに思います。

 また、加えまして、斉藤社長は、産業再生機構の社員百六十人を束ねるお立場でいらっしゃる。ホームページなんか拝見いたしますと、「新生日本への「架け橋」として」という言葉が書いてあって、そういった意気込みで第一線で一生懸命お仕事をされている社員の方々、恐らく斉藤社長のことをすごく慕っていらっしゃるというふうに思いますが、そういった方々の士気に、万々が一行政が介入することによって影響があってはならない。これも最終的には国民の負担になるかもしれない、そういうことなわけですから、そういった意味で、本日、お忙しいところをお越しいただきましたけれども、誠実に、そして真実をお話しいただきたいというふうに思います。

 まず、経済産業省からいただいた資料にも、そしてまたこの場で北畑経済産業省の局長からも伺っておりますけれども、九月二日の日に北畑局長と斉藤社長とお会いになっていらっしゃる、また電話をされているということを聞いておりますが、そのときに北畑さんは頭の体操をしたという答弁をされているわけです。

 北畑さんは、会談で、斉藤社長に対して、丸紅をスポンサーとして推薦されたんではないですか。いかがでしょうか。

斉藤参考人 お答えさせていただきます。

 確かに九月の九日に北畑局長の方からお会いしたいというお申し出がありましてお会いいたしまして、当然、国家公務員としての守秘義務を負っておられる高官でいらっしゃいますので、かなり突っ込んだ具体的な話をさせていただいたということは事実でございますけれども、御案内のように、ただいま私どもはデューデリジェンスをこの対象事業者については行っており、なおかつスポンサーを募集中でありますので、個別の名前等々につきましては発言を控えさせていただきたいというふうに存じ上げます。

中塚委員 斉藤社長、北畑さんは、実は丸紅の話についてはお認めになっているんですね。

 実は、北畑さんと斉藤社長がお話しになったときに、北畑さんの方から、イトーヨーカ堂とイオンは、スポンサー、受け皿になることにダイエーが反対をしている、イオンは政治的な問題もある、スポンサーは二社よりも三社の方が競争効率があるので望ましい、小売業と不動産に分ける上下分割はダイエーが望んでいない、だが上下分割せざるを得ないのであるならば、ディベロッパーは機構に、食品スーパーは機構でなく丸紅がマジョリティーをとることを考えられないかというお話をされた。これは私が、今手元にある資料に基づいてお話をした。それに対して、斉藤社長が、一たん減資をした上でまた出資をするということは利益相反であってそういうことはあり得ないというふうにお答えになったんじゃないかというふうに私が北畑さんに問いかけましたところ、北畑さんは、それは九月三日に電話でお話があったというふうにお答えになっているんです。

 ですから、北畑さんは、メモもない、テープもないというふうにおっしゃっていましたが、私はある事実に基づいてお伺いをしたところ、斉藤社長がその九月二日の会談を受けて三日の日に、それは利益相反になるのでそういったことはあり得ないということを言われたというふうに御答弁をされているんですが、そのことは事実ですか。

斉藤参考人 最初に、先ほど私九月九日と申し上げたかもしれませんが、九月二日でございます、申しわけございません。二日でございます。

 御質問でございますが、確かに九月二日の局長との会話の中では個別企業の名前等々が相当出た会話であったということは記憶しております。ただ、先ほども申しますように、我々は、守秘義務がかかった国家公務員の局長とある程度のお話をするということは、やむを得ないことであると思っておりますけれども、かなり突っ込んだ話でありましたので、このような公開の場で、個別具体の企業に関するお尋ねというものに対しまして、産業再生機構の社長であります私の立場から、今その当該企業にいろいろな影響を与える、あるいは及ぼす可能性があると思いますので、個別のことにつきましてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。

 ただ、委員御指摘のとおり、我々は基本的には独立性、中立性、公平性というものを抜本的な思想にしておりまして、日本の経済がこれだけ長い間窮境に至った原因に、そういう純経済的な判断以外でいろいろ需要が達成できなかったということをベースにしまして、非常に、独立性とか中立性とか公平性、あるいは透明性というのは、絶対侵されてはならないものだという思想は持っております。

中塚委員 独立性、公平性、中立性というお話をおっしゃるんだったら、私は、なおさらここはきっちりとお答えになるべきだと思う。というのは、これも新聞報道ですが、ウォルマートと丸紅がタッグを組んで入札をしてくるというふうな話も私は伺っております。最終的にどこがスポンサーになるのかは、それはわかりません。入札によることでしょうし、また産業再生機構としてもいろいろなお考えがあることでしょう。でも、それがどんな結果になろうと、ああ、やっぱりそうだったのかというふうに余人が思えるような結果になってしまっては、これは、今社長みずからが言われた、公平性、中立性、透明性ということに真っ向から反することになってしまう、私はそういうふうに思います。社長もそこでうなずかれていらっしゃるわけだけれども。

 そういうことであるならば、やはりこのときにそのお話があったのかということについて、北畑さんはお認めになっているわけなんです、であるならば、斉藤社長として、やはりこのダイエーというものの名前が挙がり、そして推薦があったということはちゃんとお答えになるべきなんじゃないでしょうか。

斉藤参考人 先ほどもお答えいたしましたように、確かに個別企業の名前が挙がり詳しい話し合いになったということはお認めいたしますけれども、何せ、現在、対象事業者は産業再生機構のデューデリジェンスに入っているわけでありまして、なおかつ毎日の事業を市場で行っているわけであります。それに対しまして、新聞報道でありますけれども、いろいろなところがいろいろな形でスポンサーとして手を挙げているという報道もありまして、当事者であります私産業再生機構の社長が、個別の企業名とかその組み合わせの内容について公の場で論評するということは、かなり事業を毀損したり、いろいろな影響を与えるということを御理解いただきまして、何とか御了承いただきたいというふうに存じ上げます。

中塚委員 介入があったということについてお伺いをいたしますが、私は、介入というのはやっぱり二つだと思うんですね。要は、それは経済産業省として、具体的な社名を挙げて要請なり推薦なりがあったということ。あともう一つは、例の期限の問題、機構としてダイエーに対して期限をお切りになった、その期限を延ばせということ、これも介入なのかもしれません。介入と言われるときには、私はその二つのことが思い浮かぶわけなんでありますけれども。

 きょうお手元にお配りをいたしましたこの高木委員長の辞任届と要望書ですけれども、斉藤社長はこれをごらんになったことはありますか。

斉藤参考人 このものと全く同じかどうかはわかりませんが、この種のものを拝見しております。

中塚委員 辞任届ですか。

斉藤参考人 辞任届とこの要請書です。

中塚委員 辞任届は実は三種類あるというふうに言われておりまして、これは三番目のものだというふうに聞いておりますが、あて名のところには斉藤社長のお名前もありますから、恐らく斉藤社長あてにもお届けがあったんだろうというふうに思います。

 さて、それで、この辞任届の中身なんですけれども、今おっしゃれないというふうな御答弁がありました。そういった中で、介入を受けたということ、特に、この辞任届には期限の延長のことが子細に書いてございます。この期限の延長を求められたということについて、「機構の期限設定は機構がスポンサー選定作業を主宰することを前提として、回答を求めているのであるから単なる期限延長は無意味である」ということが書いてあるわけなんですけれども、この介入ということについては、斉藤社長はどのように認識をされていらっしゃいますか。

斉藤参考人 まず、先ほども申しましたように、この辞任届並びに要望書ですか、このような紙を拝見したことも事実であります。また、先生おっしゃいますとおり、私あてにもなっておりますので、拝見しております。全く同じものかどうかはちょっとわかりませんが。

 それで、経産省の役人の方との会話の問題でありますが、私どもの方に対しましては、特に六日に発送といいますか、実は発送というよりも、対象企業のところへ私どものスタッフがお訪ねをして御説明を申し上げたということなんですが、それに対して、これはどういうことなんだと説明をきつく求められました。その説明を淡々と、なぜこういう手紙といいますか連絡をしなければならなかったかということを詳しく説明したつもりであります。

 突然十二日で切った手紙が出たというような表現が新聞紙上等々もありますが、詳しいことはちょっとあれですが、ここに至りますまでに何度も、当事者、事業会社の役員の方、あるいは銀行を通して、場合によっては手紙で、場合によっては口頭で、何度も、我々が行いますデューデリジェンスの性格、内容の説明をして了解をしていただき、そして途中で、なかなか協力を得られないことに対しましても、協力をしていただかないと我々は事業を進めることはできませんというようなお話を何度もやって、わかりましたということで、現場に行くとなかなかそれが進まないということが繰り返されて、六日に至る。したがって、六日で突然打ち切るというのも大変いけないだろうということで、一週間ぐらいの余裕を置いてということで、別に連休があるとかないとか何の関係もなく、十二日、一週間後ということで、もし私どもをお使いになるのならば、我々は国民の保証されるお金を使う以上はこういう条件でしか責任がとれません、お使いにならないのならばそれはもう御勝手でございますということを実は申し上げただけですということを北畑局長等々にも御説明をしたということでありまして。

 私としては、今介入というお言葉がありましたけれども、向こうからの厳しい質問に対して御丁寧にお答えを繰り返したということでございます。

中塚委員 介入ということに対してちゃんと、介入かどうかということは別にして、ちゃんと説明をされたということなんでしょうか。でも、では高木さんはどうしてこう介入というふうに書くんでしょうか。しかも、その介入があっては産業再生機構の存立にまでかかわる、やってられないということで辞任届までお出しになられているということなんですが、何で高木さんが辞任届まで書かなければいけないようなことになるんでしょうか。いかがですか。

斉藤参考人 いろいろ役所の方々やほかの銀行の方々とのお話の内容等々につきましては、先生やごく限られた幹部には情報を共有するということをやっております。それで、それに対しまして、先生はこの要請書、これは私信ということでもございますし、この内容について私が云々という立場でもないんではないかというふうに思います。また、辞任の問題というのは個人的な問題でありますので、私がいろいろ評論するのも適当ではないと思います。

 ただ、先ほども申しましたけれども、我々は独立性、中立性あるいは公平性ということが極めて重要であるということは、もうこれは会社の中じゅう書きまくっているぐらい、五カ条の御誓文のように書いておりまして、全社員これは心をここに一つにしておりまして、これなしに我々が納税者のお金を、保証したお金を使う論理もないということで、非常に気を使っているところであります。だれに何と言われても中立性、公平性だけは保たなければいけない、これは全社員が一致しているところであります。なかんずく高木委員長は、御案内のとおり、この法律の立法段階から携わっていらっしゃいまして、特に最高決定機関であります委員会の長という立場でおられますので、その思いは人一倍強かったんではないか、こういうふうに拝見しております。

中塚委員 今社長がおっしゃった、独立性、中立性、透明性と五カ条の御誓文のように書いてあるということでございますけれども、それが介入によって侵されそうになったということだから辞任届をお出しになられたということなんじゃないんですか。この件で高木さんと社長はお話し合いになったことはないんでしょうか。

斉藤参考人 この件だけで先生と特別にお話し合いをしたということはございません。これはあくまでも先生個人のお考えで、こういう要望書というかあるいは辞任の書類をおつくりになったと思います。もちろん、先生御指摘のとおり、私のところへ持ってこられましたので、私としては、それはお受けできませんというお話はしました。

中塚委員 聞き方を変えますが、斉藤社長は、介入だというふうにお感じになられるような事柄はございましたでしょうか。そしてもう一つ、ではどうして高木さんは介入だというふうにお感じになられて、おやめになろうとまでされたのか。その理由についてはいかがですか。

斉藤参考人 まず、先生がどうして介入とお受け取りになられたかというのは、私としてはちょっとよく先生の心情まで察することはできませんので評論はできないんでありますが、私としては、こういう官と民というものの位置づけ、言葉として民という言葉と官という言葉もあると思いますが、この原点は、民というのは、基本的には資本主義国家においては資本の理論、資本効率性というもの、経済性というものをベースに事をジャッジしていくものである、官というのは必ずしもそういうことだけではジャッジできないという立場でのものであるというふうに思っております。

 産業再生機構は、先生御案内のとおり、もう職員ほとんど、九〇%以上かもしれませんが、みんな民の中の民ぐらいで、海外でも活躍してきた連中ですし、まさしく市場で生きてきた連中ですから、全く経済理論、資本理論、市場理論で動く人たちであります。これに対して当然、官からは何らかの意見はあるということは、それは別に否定する必要はないであろう、大いに論議したらいいとむしろ私は思います。

 我々は、この日本の長期にわたった経済の渋滞といいますか、おくれ、国際競争力の減価というのは、まさしくこの市場理論、資本理論の意識が薄かったからこういうことになったと思っておりますので、我々は、我々の考え方が現在は最も日本にとって必要だし重要だと思っておりますのでそのことは主張する、ただ、官の方がおっしゃったから、それをはいと言って受け入れるというような考えは持っておりません。

中塚委員 端的に伺いますが、では、斉藤社長は、介入はなかったというふうにお考えになっているわけですか。

斉藤参考人 介入という定義が非常に難しいと思いますが、私自身は、官の方々といろいろなことを激しく討論すること自体は介入とは思っておりません。

中塚委員 斉藤社長はこの件について官の介入はなかったということなんでしょうけれども、他方、高木さんは、介入があったからおやめになるということで、こういったものまで用意をされた。最終的には辞任に至らなかったし社長もおとめになったということだと思いますが、ということは、社長と委員長の意見は違うわけですね。であるならば、やはりそれは、この場に高木委員長にお越しをいただかないことには実態の解明というのは進んでいかない、私はそういうふうに思います。

 財務金融委員長、改めましてここで、高木新二郎委員長の参考人の招致というものを求めたいというふうに思います。

金田委員長 理事会で協議させていただきます。

中塚委員 時間がだんだんとなくなりましたので原口委員と交代をしたいというふうに思いますけれども、最後に一つお伺いをいたします。

 今、介入、あるいは何をもって介入と言うのかというお話がありました。十月八日朝、電話で北畑さんとお話をされていると思うのです。そのときに、民間のデューデリをやめさせろというのはおかしい、大臣に文句を言わせるぞと。そして、村上誠一郎産業再生担当大臣が、この方の妹さんが私ども民主党の岡田代表の奥さんなんですけれども、機構はイオンにやらせるつもりではないのかという電話をお受けになったことはありますか。

斉藤参考人 確かに十月八日の朝、先ほども申しましたように、私どもがダイエーさんに対して書面で御説明したその内容につきまして、経産省の北畑局長から電話をいただきました。局長もお話があったようですけれども、かなり激しいやりとりになりました。ただ、今先生がおっしゃいましたいろいろな個別の名前とか、そこにつきましては、大変申しわけないんですけれども、先ほどから申しますように、私の社長としての立場でお答えするということは、当該企業にもいろいろ影響を与えますので、ぜひ御容赦いただきたいというふうに存じます。

中塚委員 どうもありがとうございました。終わります。

金田委員長 次に、原口一博君。

原口委員 民主党の原口一博でございます。

 先ほどの中塚委員に対する御答弁で、高木委員長が介入と感じられたことは御自身にはわからないという貴重な御答弁がありました。私、そのとおりだと思います、斉藤社長。

 ですから、委員長がどうして介入と思われたのか、これは大変政治的にも法的にも大事なところでございますので、改めてでございますが、今の答弁から明らかなように、まさに高木委員長を本委員会にお招きして、その真意は高木委員長に伺いたいと思います。

 委員長におかれましては、私からもお計らいをいただきますように強く要請をいたします。

金田委員長 はい、わかりました。

原口委員 ありがとうございます。

 まず、問いの一番でございますが、一体委員長というのはどういう権限を持っているのか、そして、だれに責任があるのか。

 産業再生機構法第十五条では、支援決定等は委員会は取締役会から委任を受けたものとみなすというふうにされています。また、第十六条で委員長は委員会の会務を総理するとされていますが、機構法の中で委員長の果たす役割は何ですか。それから、支援決定等の権限はどこにあるのか、責任者はだれなのか。それを伺いたいと思います。

斉藤参考人 お答えいたします。

 ただいま先生御指摘のとおり、一応、産業再生委員会というのは、この事業体の支援決定、買い取り決定、処分決定という三つの大きな決定要項がありますが、これの最高決定機関というふうに位置づけられていると思います。それで、委員長が議長をやっておられる。委員長は当然、委員七名の互選によって選ばれるということでありますけれども、我々の理解では、事業の最終決定権は委員会が持っている。ただ、機構の責任というのは、株式会社でございますし、私、代表取締役社長でございますので、これは普通の会社といたしまして、株式会社産業再生機構の全責任は私が持っているんだと了解しております。

原口委員 明確な御答弁ありがとうございます。

 まさに、支援の最終決定の責任、その権限、これが委員長にあるわけでございまして、その委員長が――きょう委員長、資料を配付させていただきたいと思います。

 お手元に、先ほど中塚委員が配付された辞任届とそれから要望書をお示ししています。この両方でも、いわゆる経済産業省から強い介入を受けた、あるいは、この要望書の下のパラグラフでございますが、「個別の案件をめぐって経済産業省から強い介入を受けたと感じざるを得ないような事態に直面し、困惑致しました。」ここまで委員長がおっしゃっている。つまり、今斉藤社長のお話のように、実質的な決定権を持つ、そしてその権限を持つ最終決定の責任者が、こういう介入を受けたというふうにおっしゃっているわけで、まさにこれは機構法に照らしてもゆゆしき事実でございます。

 ですから、介入を受けたというふうに思うか思わないかは、斉藤社長の御答弁のように高木委員長にしかわからない話でございまして、斉藤社長はそういう事実とまでは認識をしていないということでございますので、まさに高木委員長から直接お伺いしなければいけないというふうに思います。

 さて、もう一点お聞きをいたしたいと思います。

 お手元に、本委員会に経済産業省が平成十六年十一月付で「経済産業省と産業再生機構及びダイエーとのやりとりについて」ということで提示をいただきました、理事会への提示資料がございます。ここで、産業再生機構ということで、経済産業省がおっしゃることが書いてあります。八月二十日、ダイエー再建のスポンサー候補四グループが入札手続に参加、民間入札の締め切り予定日は十月十二日であった。つまり、民間が最初に十月十二日ということで期限を決めていたということが経済産業省の文書で、ここでわかります。その後十八日に延期と括弧に書かれています。

 そして、九月の二日、先ほど審議があったところでございますが、経済産業省の北畑局長が産業再生機構斉藤社長と面談して云々と。幅広くここで意見交換をされたと。

 その翌日、これも括弧の中をごらんいただきたいんですが、九月三日、民間入札に向けた資産査定と同時並行で機構による資産査定を進める、これもまた括弧に入っているんですが、ただし機構への正式支援要請を前提としない旨ダイエーと主要三行間で合意と。つまり、これは機構と書いてありますけれども、ダイエーさん、民間銀行さんの間でどういうふうに考えられたかということが経済産業省の文書には書いてあるわけでございます。

 そこで、斉藤社長にお尋ねしますが、理事会でも北畑局長は何回も私たちの前で、例えばこうおっしゃっています。民間を押しのけるようなことはしないということだったのにどういうことか、あるいは、間髪を置かずに新聞に出るとはどういうことかと。つまり、所管の局長が、機構が守秘義務違反を犯したのではないか、そういう疑念を持って機構に尋ねたということをおっしゃっているわけです。機構に守秘義務違反はあったのか、あるいはそういうお尋ねはあったのか、まず斉藤社長から伺います。

斉藤参考人 まずお答えからさせていただきますけれども、機構に守秘義務違反があったとは一切認識しておりません。

 我々は、守秘義務に対しましては非常に厳格なルールをしいておりますし、新聞等々で報道があるたびに内部の調査をやったり、あるいは、我々は例えば、コピーをとるところは全部、とる人間からコピーの内容から写真に写るようになっていたり、いろいろな手法を使って、情報が外へ出ないように厳格なルールをしいております。

 したがって、私は自信を持って、絶対に産業再生機構から情報が漏れるということはないということを、まず申し上げたいと思います。

 それから、御質問の点で、我々は、事業会社とメーンバンク、金融機関が両方そろって事前申請をやっていただいて、デューデリに入ってくれという要請がない以上、絶対に、我々の方から作業をしかけるということは一回もやったこともありませんし、今までもやっておりません。

 この場合も、現実に代表者が印鑑を打った事業会社の書類をいただき、銀行側からも書類をいただいて、なおかつ、担当者は、このデューデリジェンスというのは普通のほかの事業会社の場合と同じですよ、我々は支援決定ができるかどうかを査定するデューデリしかやらない、それ以外のデューデリはあり得ません、よろしいですねということでスタートしております。

原口委員 多分、そこが経済産業省との認識が違っていたところだと思うんです。

 つまり、この九月三日、先ほど読み上げましたけれども、機構への正式支援要請を前提としないデューデリを民間と機構とで同時並行でやるんだということを経済産業省の文書は物語っています。つまり、このデューデリの中で、正式支援要請がなく機構が勝手にやったのではないか、あるいはそこに、やっていることについてさまざまな意見を述べることは何の問題もないと。

 逆に、これは十一月十二日の中塚委員への答弁で、北畑局長はこうまでおっしゃっているんです。「機構法の二十二条は、申請主義でございます。ダイエーの方がまず銀行と相談をして機構に申請をするという申請主義でございまして、これが逆回りになっているのではないかということについて議論をいたしました。」また、「機構に申請を要請するか否かという極めて重要な経営上の問題について、六日付の文書で、」これは十月六日付の文書でございますが、「十二日回答期限という文書でございましたから、これは極めて問題だと申し上げました。」ここまでおっしゃっているわけです。つまり、機構法に照らして、機構のパフォーマンスがそれについて大変問題を含んだものであったのではないかということを担当の局長がおっしゃっているわけなんです。これは私は大問題だと思います。また、その後に、「ショートノーティスであり、」ショートノーティスというのはつまり期限が余りにも短くて、そして、「やり方として丁寧さ、丁重さに欠けるということについて、斉藤社長とはかなり激しく議論をいたした記憶がございます。」ここまでおっしゃっているわけです。

 つまり、今おっしゃったのは、デューデリについてはダイエーから要請があった、あって初めてやっている、その御認識と、それは事前審査であって正式要請でないという経済産業省の北畑局長の御認識がずれているわけです。この認識のギャップについて、どのようにお考えになりますか。

斉藤参考人 まず、まさしく二十二条に言いますところは、我々は申請主義であるということはもう言うまでもないことでございます。

 それで、先ほども申しますように、九月の十五日でしたか、そのちょっと前ぐらいで、事業会社の代表者の印鑑がちゃんと打ってあって、私もそれに対してカウンターで打ちました。両者のサインがちゃんと入ったアグリーメントが結ばれているわけでありまして、その申請があって初めて我々はスタートしておりますから、時間が逆転はしていない。

 ただ、ちょっと考えますのは、なかなかわかりにくいところがありまして、二十二条に言います申請というのは、実は普通の場合もそうなんですが、我々、支援決定日を大体決めてまいります。そうすると、普通の場合は、取締役会で、その前の日ですとか、ひどい場合はその日に正式の申請というものを出されるのがあります。これをもって二十二条申請になっておりまして、我々が入っていますのは事前の審査でございます、あくまでも。何か少しほかと違ったというのは、確かに並行でやったというのはほかでは余りやらなかったことではありますけれども、しかし、そのときに、並行ではあるけれども我々のデューデリが優先しますよとか、いろいろなことをちゃんと銀行にも事業会社にも説明して、了解をいただいてスタートしたということであります。

 それから、ショートノーティスというお話は、先ほど申しましたように、実は最初の入り口のところから、一週間置きぐらいに何度も、協力を得られない、法務デューデリのところへ入っていっても書類が出てこない。私どもは、二百数十名のローヤーの方とかアカウンタントの方、全国の方を集めて組織をつくっておりまして、これは時間給の方々でまさしく国民の経費で大変高いのでございますが、それでその前一カ月完全にあいてしまっているわけです。空っぽで全然ワークができない。こんな無責任なことはできないので、おやりにならないならおやりにならない、しっかりしてくださいと。おやりになるならこういう条件で、しかも時間が三月三十一日と切られているので、申しわけないけれどもこういう条件でしかやれませんという申し上げをしたわけでありまして、その前に当事者は、私どもと事業会社、私どもと銀行は相当話し合った後で六日の手紙が出ているということで、これは局長には随分説明したつもりであります。

原口委員 その間の経緯がよくわかりました。つまり、私が今お配りしたペーパーにございますように、八月二十日の時点で民間の入札参加、民間入札の締め切りの予定日も十月十二日になっている。それと並行して機構の事前のデューデリが進んでいる。

 延ばしたのは民間の方であって、期限ということについてこの委員会でも各大臣に聞きました。期限の設定というのは機構のさまざまな業務について大変重要なものである。それは今斉藤社長がお話しになりましたように、大きな費用もそこに発生をするし、また、機構は期限を区切った組織でございまして、後ろがある組織であるということからしても、この期限の問題というのは業務の重要な柱であるという答弁を各大臣がいたしました。

 この認識は斉藤社長も同じでございますか。

斉藤参考人 まさしくおっしゃいますとおりでありまして、普通は、事前の審査というのは、場合によっては四カ月、五カ月かけたりすることもあるんでございますが、今回の場合は、もう三月三十一日に買い取り申し込みの期限が切ってありますものですから、逆算しますと、どうしましても最低三カ月以上ぐらいかかるということから、この十月の十二日という日にちはぎりぎりの重要な日であったというふうに思います。

原口委員 今の御答弁で明らかになりましたけれども、機構が設定したというか、これは合意した期限ですね、一方的に機構が設定した期限でなくて、銀行及び当該の企業と合意をした期限。それを大きく延ばせというのは、大変業務に支障がある、こういうお答えであったと思います。

 それで、ちょっと一個前の御答弁に戻りますが、機構の方のデューデリが優先するということもお答えでしたか。民間のデューデリと並行していますね。機構の方のデューデリが優先するという御認識であったわけですか。そうしますよという。ちょっと私、答弁をうまく聞き取れなかったので、再度お尋ね申し上げます。

斉藤参考人 これは、私が直接というよりも、現場のスタッフが、事業会社の役員の方あるいは銀行の方といろいろな話をしている中に、当然、並行デューデリを行っていくとどこかでぶつかることがあるだろうということを考えまして、その場合は機構のデューデリを優先してくださいねという話を申し入れております。

原口委員 まさにそのことが起こったわけですね。つまり民間ベースにおける支援決定と機構による支援決定とがある意味では火花を散らした。そのときに、今おっしゃった、機構を優先してくださいねというのはお願いであって、それは契約ではないわけですね。ちょっと御答弁をお願いします。

斉藤参考人 守秘義務契約というのを結んで、それで入ったということでございます。

原口委員 ということは、もう一回伺いますが、デューデリについて回答期限を設定するということは機構の重要な業務であると。省庁がそのことについて、ああしてくれこうしてくれと、監督官庁であっても言う権利というのがあるのか。機構の重大な業務について、私もこの機構法をずっと読みましたけれども、各省庁はそこまでの権限は与えられていないんではないか。もしそういう権限を法律で与えてしまえば、さまざまな予期せぬ負担が発生し、あるいはこれは言葉が過ぎるかもわかりませんが、モラルハザードや癒着やブラックボックスが生まれてしまう。行政が政治化してしまえば、そこにはやみが生まれてしまう。行政が政治化してしまえば、そこに恣意的なさまざまな差配が生まれてしまう。これを私たちは国会の中でずっとチェックをしてきました。

 そこで、こういう、行政が回答期限を延ばしてくれと機構に要請をすること、これは機構法の中にどこか条文がございますか。あるいは裏を返して言えば、監督官庁はそういう期限の設定について、それを延ばすように要請する権利というのは、どこかに書いてありますか。あるいは、それはこの機構法が想定していない問題ですか。斉藤社長から伺いたいと思います。

斉藤参考人 個別案件の資産査定の途中で主務官庁から期限についての発言が入っていいというようなことは、どこにも書いていないと理解しております。

原口委員 つまり、法律に基づかないことをやられた。あるいは逆に、これは逆から聞きます。もしそういう中で主務官庁が機構の業務に期限を延ばせということをやってきたときに、何が起こりますか。私たちは何を心配すればいいんでしょうか。

斉藤参考人 少し話が長くなりますが、どうも経産省と我々との見方が少し違っていたのは、我々はあくまでも中立機関であり、国の保証したお金を使わせていただく以上、民間でおやりになって資産査定をなさった値段が果たして本当に正しいのか、恣意的でないかどうかということをチェックする立場なんでありまして、何か、民間と我々が争って事業会社をとり合っているというふうな誤解があったんじゃないかと思うんです。

 我々は全然そういう気持ちはありませんで、もともと中立的な仲介者でございますから、民間で査定なさった資産をベースにして、さあ、あと銀行さんに放棄を幾らしてもらって資産を産業再生機構で買い取れということですと、我々は自分で何の査定もしないままに国民のお金を使ってしまうという無責任なことをやる、そういうことは我々は絶対できません。我々は、自分たちが納得するデータをちゃんと押さえない限り国民のお金を使うことができませんというのが我々の立場でありました。

 したがって、我々としてはこういうことを説明して、いろいろ御意見はあったと思いますが、長々とこういうことを説明して、一応御理解いただいたんじゃないかと私は思っております。

原口委員 御理解をいただいたというふうには、社長は思っていらっしゃるかもわかりませんが、私どもは理事会でもこの委員会でも当該局長にお話を伺っていますので、御理解いただいていないと思っています。

 何となれば、こうおっしゃっているんです。これは我が委員会の理事会での御発言ですが、十月十二日の段階で機構はオペレートしておらず、関係ないんだ、オペレートしていないからまさにその業務のあり方について意見を言ったのであって、幾ら期限のことであろうが、それは不当な介入ではないということを明言されているわけです。

 機構は十月十二日の段階でオペレートしていないというこの認識が私はまさに間違っていると思うんですが、斉藤社長は、十月十二日の段階はもうデューデリをして、逆に言うと、その期限の日ですから、国民に向けて国民負担の最小化やさまざまな産業再生の観点から決断をしなきゃいけなかった、そういうファイナルの時期だったと私は思いますが、斉藤社長の御認識を伺いたいと思います。

斉藤参考人 局長のそのオペレートという意味がちょっとよくわかりませんので、余り評価するあれはないんですけれども、一応、現実に、十月十二日時点におきましてはデューデリを十分やっている最中で、それがうまくいかないという状態に陥っていたということでございます。

原口委員 オペレートという意味は、きょうは御本人がいらっしゃらないのでまたそれを聞かなきゃいけないんですが、つまり、産業再生機構法に言う正式申請があったその後のことをおっしゃっているのではないか。つまり、事前審査の中のさまざまな申し出については、そこは機構の正式なオペレートでない、そういう意味なのではないかと、これは私が解釈を、何回も聞いて解釈をしているんです。

 しかし、そういう解釈をもし仮にしてしまえば、何が起こるかというと、先ほどから何回も申し上げておりますとおり、機構の業務の一番大事なところである国民負担を最小化し極小化し、そして中立公正な業務を行うというデューデリに予見を与えてしまうということになってしまうわけでございまして、私のこの認識について斉藤社長がどうお考えになっているか、お尋ねをしたいと思います。

斉藤参考人 先ほどから申しましているように、機構が全員でその中立性、公平性等々を必要以上に主張します一番大きなポイントは、異様なことで曲がって国民負担が大きくなるということは許されない。あるいは、我々は三年以内に資産を国庫に戻すということになっております、そのときに、正しい査定で入らないとまた毀損をして大きな負担を国民にかけてしまう。もう極力そういうことはないようにというつもりで、我々は公平性、中立性ということを申し上げているということであります。

原口委員 誠実にお答えいただいてありがとうございます。

 この当該企業の問題は、当該球団が実際に外資に売却をされている、そのことも後になってわかるというようなこともございました。官製談合という言葉がありますが、官製ぐるみの粉飾のことが行われるとすれば、まさに国民は負担だけをし、そして産業はいつまでたっても再生しないということになりますので、きょうの御答弁からも明らかなように、一番最終の大事なときに、その業務の中心である期限について不当な介入があったのではないかという疑いがますます強くなりました。

 再度高木委員長にお出ましをいただいて、そして、今の斉藤社長の御答弁に対するさらなる、その決断の根拠あるいはさまざまな事実について本委員会でただしていきたいと思います。

 斉藤社長、きょうはありがとうございました。

金田委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 ダイエーはさまざまな銀行から融資を受けておりまして、その金額は六月末に九千五百七十二億円、約一兆円弱であります。銀行から見ますとこれは巨額の不良債権ということになるわけですが、これから再生計画が成立をしまして、銀行とそれから機構の債権買い取り内容というものが決定されていく。そうなると、それ以外の債権の部分は正常先に変わるということになると思いますが、基本的にそう考えてよろしいですか。

斉藤参考人 基本的にそのように御理解いただいてよろしいかと思います。

 私ども産業再生機構が資産を査定いたしますのは、かなり厳しい査定をいたします。例えば減損会計等々はもう前もって導入していきますし、不動産等々は原則時価、特にコアでない事業は時価で査定するというようなことをやっていきますために、通常多くの債権放棄を銀行に行ってもらいます。結果、企業の財務状況というのは大変大幅に改善いたしまして、また、我々は、事業計画でコア事業に集中する、ノンコアはできるだけやらない、それから有能な経営者を外から持ってくるというようなこともやっていきます。実際はこれは、正常債権か云々かということは金融庁がルールに従ってお決めになることでありますけれども、そのような、バランスシートがきれいになっているということでこういう債権については貸し倒れの危険性がかなり低くなっているということで、債務者区分が不良債権の区分ではなくなるということがあるということかと思います。

佐々木(憲)委員 つまり、UFJ、みずほ、三井住友などの大銀行にとっては産業再生機構を使うと不良債権処理が進むということになるわけでありまして、機構が銀行の債権を政府保証の資金で買い取るということによって、本来銀行が負うべき企業再生のリスクをいわば肩がわりするということで、最終的に損失が出た場合には税金で穴埋めする、こういう仕組みになっていると思います。

 それで、日経の十月十四日付によりますと、UFJの六月末の不良債権残高は四兆六千億円で、来年三月末までにダイエーを含めた六社で計二兆円強の残高圧縮のめどをつけた計算になると言っているわけです。これは、今回のダイエー処理を進めていけばそういう方向が出てくるということだと思うんですね。

 それで、問題は、最終的にこれは国民負担になるかならないか、これはこれからの話なんですけれども、国民負担が起こらないということが言えるのかどうか、その点をお聞きしたいと思います。

斉藤参考人 先ほど申しました、債権が優良債権化するといいますか、不良債権の区分から切り離されるということは、産業再生機構を使えば必ずそうなるということではありませんで、金融庁のルールというのは産業再生の支援対象会社にのみ適用されるということではございません。しっかりした経営再建計画を立てて、バランスシートがちゃんと健全になっておれば同様な査定を金融庁はなさっているということであります。ですから、何か産業再生機構に行けば自動的に不良債権が優良債権に変わるような文書がよく見られますが、必ずしもそれは正しい表現ではございません。

 ただ、ポイントは、先生今おっしゃいましたように、我々はどうして二次ロス、三次ロスをやらないか。国民負担というのはいろいろな形で出てまいりますが、経済がいつまでもだらだらしていて、本来は利益を出して税金を納めていかなきゃいけない企業が、税金も納められない、ボーナスも上げられない、給与もカットしていくというような事業をだらだら続ける。そしてその背景で銀行からだらだらとお金を貸していってもらって、業務の改善はない、資産の評価もし直さない、こういうことを繰り返してくると、結果的には国民あるいは国家全体の毀損になるということでありますので、我々は、一時的には痛いかもしれませんけれども、思い切って銀行、金融機関の持っております資産に対して厳しい査定をさせていただいて放棄をしていただく。それをベースにして事業をしっかり戻して、早く、三年以内でございますが、需要が戻ってくることでそれを市場の買い手に、これは必ず売らなければなりません、売って、回収して国庫にお金を返すということになっておりますので、保証はできないのでございますが、我々は大変そこの気持ちは大事にしております。

佐々木(憲)委員 そこで、雇用問題についてお聞きしたいんですけれども、再生機構法の第一条で「雇用の安定等に配慮しつつ、」と規定をされております。また、二十二条四項では「事業再生計画についての労働者との協議の状況等に配慮しなければならない。」と書かれているわけです。これはもともと原案になくて修正で書き込まれたものです。雇用の安定、地域に与える影響、これを最小限にとどめるというのはこの法の精神だと思いますけれども、この法律で定められております労働者との協議、これはどのように行うつもりでしょうか。

斉藤参考人 これはもう支援決定の五つの条件の中に先生がおっしゃったとおりはっきり書いてありますので、我々は、大きな組合があるところはもちろん組合の方々、場合によっては幹部会に出たり、それから上部団体、連合さんとかのところへお訪ねして、いろいろ御説明して御協力いただいたりあるいは御指摘をいただいたり、それから組合がないような会社もありますが、そこも従業員の方みんなに集まっていただきまして、こういうことでございますということをぴちっと説明して、みんなの合意をいただいてやる。当然、先生御指摘のとおり、経済合理性だけがスタートして、個人個人の人権、生活権が侵されていいというような考えは我々は毛頭持っていません。

 最終的な着地点は個人個人の生活の安定であり、それをベースとする経済の繁栄だということはよく理解しておりますので、ある企業の処理で我々はばらばらにするといって批判されたりしておりますが、実はどうしてそういうことをやっているかというと、労働者の方々をお守りしながら、新しい、生きる職場で働いていただこうということで、企業をある程度分散して、栄えている企業と一緒になっていただくということをやっているということでございます。

佐々木(憲)委員 読売の十月十九日付で、余剰人員が二万七千人と報道されたことがありまして、この内容を見ますと、UFJ銀行など主力三行が再生機構と一緒にまとめたということで報道されているんですが、二万七千人余剰だとなりますとこれは大規模なリストラという話になりますが、果たしてこういう試算があったのかどうか。社長はこういう数字を御存じなのかどうか。こういう規模のリストラというのは、やはりこれは、今おっしゃった精神からいいましてやるべきではないと思いますが、そのお考えをお聞かせいただきたいと思います。

斉藤参考人 多分先生の今のお話は、現在我々がデューデリに入っております事業会社のケースのお話かと思います。必ずしも二万七千という数字、私自身は完全には認識しておりませんけれども、ただ、多分新聞報道等々にあったんだろうと思います。

 今、支援計画といいますか、もし我々が支援できるのならば事業計画をここからつくっていくという段階でございますので、細かいことについて申し上げることを控えさせていただきたいのでございますが、ただあくまでも、我々は、個人個人の生活の犠牲の上で企業が栄えればいいという気持ちは毛頭ありません。まさしく産業再生機構であり、事業再生である。したがって、企業の救済と支援ということを国民の保証金でやるというつもりはありません。結果として、産業が栄える、労働者の方が職場を動かす、移るということは、これはあるかもしれません。今、非常に効率性の悪いところでお働きになって、ボーナスも上がらないとか、そういうところの方がもうちょっと違うところへお移りいただいて、さらなる明るい人生をやっていただくように、そういうことも考えながら我々はプランニングをしているということでございます。

佐々木(憲)委員 ありがとうございました。

金田委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。

 参考人におかれましては、御多用中のところ御出席の上、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

 斉藤参考人は御退席いただいて結構でございます。

     ――――◇―――――

金田委員長 次に、証券取引に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、参考人として株式会社東京証券取引所代表取締役社長鶴島琢夫君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

金田委員長 この際、参考人に一言ごあいさつを申し上げます。

 本日は、御多用中のところこの委員会に出席賜りまして、まことにありがとうございます。忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 まず、鶴島参考人に十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えをいただきたいと存じます。

 それでは、鶴島参考人、よろしくお願いいたします。

鶴島参考人 鶴島でございます。よろしくお願いをいたします。

 まず、西武鉄道株式の上場廃止につきまして説明をするようにとあらかじめ御指示をちょうだいしておりますので、この件に関します私どもの対応、考え方について御説明を申し上げたいと存じます。

 御案内のとおり、私ども東京証券取引所では、十一月の十六日に、西武鉄道株式の上場廃止を決定し、公表をいたしました。

 西武鉄道は、去る十月十三日、個人が所有しているとしてきた株式のうちに、実質的には、同社の大株主であるコクド及びその子会社であるプリンスホテルが所有している株式が多数存在することが判明した旨を開示いたしました。

 これを受けまして、私どもでは、同日、西武鉄道株式を監理ポストに割り当て、上場廃止のおそれのある銘柄として、投資者の注意を喚起するとともに、西武鉄道からその原因等について報告を求め、株券上場廃止基準に規定をいたします虚偽記載に係る上場廃止基準及びその他公益または投資者保護に係る上場廃止基準に該当するかどうか、これにつきまして審査を行ってまいりました。

 その結果、一つ、西武鉄道は投資者の投資判断の基礎となるコクドからの支配の程度や同社株式の分布状況に関する情報について誤った開示を長期間にわたって継続してきたこと。また、その影響は、過年度において、上場廃止基準において充足要件としております少数特定者持ち株比率に継続的に抵触する水準にまで及んでいたことが確認されました。そして、三つ目に、こうした事態が成立し得る事情といたしまして、西武鉄道における組織的な取り組みがあったと推認されるに至ったものでございます。

 加えまして、西武鉄道における株式事務は、議決権や配当など株主の権利にかかわる事務処理について不適当な行為を継続してきております。また、所有の態様に疑義のある多数の株式の存在を発見してからこれまでの間の対処についても、開示の遅滞あるいは開示前におけるコクドによる株式の売却への関与、こうした状況が見られるなど、投資者の信頼を裏切るともいうべき問題が認められました。

 こうしたことから、私どもでは、西武鉄道は株券上場廃止基準に規定する虚偽記載を行い、かつ、その影響が重大であると認める場合、及び、その他公益または投資者保護のため上場廃止を適当と認めた場合、こうした規定に該当するものとして西武鉄道の上場廃止を決定したものでございます。

 なお、同株式は、十一月十七日付で整理ポストに割り当てられました。整理ポストは上場廃止が決定した銘柄について投資者に換金の機会を提供するため設けられているものでございまして、その期間は原則として一カ月間となります。したがいまして、同株式は、本年十二月十六日木曜日を最終売買日とし、十二月十七日金曜日に上場廃止となります。

 ところで、十月十三日の西武鉄道の有価証券報告書の訂正以降、私どもの上場会社において、西武鉄道以外にも、伊豆箱根鉄道、日本テレビ放送網など、有価証券報告書における重要な情報の記載の訂正を理由として監理ポストに割り当てられる銘柄が相次いでおります。

 このうち、伊豆箱根鉄道につきましては、審査の結果、上場廃止基準に該当するとして上場廃止を決定し、日本テレビ放送網につきましては、上場廃止事由に当たらないと判断し、監理ポスト割り当てを解除しておりますが、いずれにせよ、私どもでは、先般来、短期間のうちにこのように多くの投資者の信頼を損なうような事例が相次いで判明し、上場会社並びに証券市場に対する社会的な信頼の失墜を招きかねない事態が生じている事態を大変重く受けとめております。

 まず、私どもでは、十月の二十九日に全上場会社の代表者に対しまして、会社情報の適切な開示に関する要請文を送付しておりますので、その内容から御説明を申し上げたいと存じます。

 要請内容について概略を申し上げますと、先般来、多くの投資者の信頼を損なうような事例が相次いで判明し、上場会社並びに証券市場に対する社会的な信頼の失墜を招きかねない事態が生じている状況を踏まえまして、全上場会社の代表者に対しまして、情報開示に関係する社内管理体制等の検証を行うなど、万全の対応をとるよう要請をいたしました。

 また、上場株券の公正な価格形成及び円滑な流通を確保する上で、財務内容を初めとする重要な会社情報が適時適切に開示されることは不可欠なものでありまして、投資者の証券市場に対する信頼の根幹をなすものでございますので、上場会社の代表者に対しまして、投資者の視点に立った会社情報の適切な開示ということの重要性について改めて認識を深めていただきますよう要請をいたしました。

 さらに、私どもでは、今申し上げました上場会社に対する要請事項の実効性を上場制度の側面から確保するための検討を急ぎ、十一月十六日に、会社情報等に対する信頼向上のための上場制度の見直し、制度要綱として公表をいたしました。この内容につきましては、来年一月初旬を目途に実施をしたいと考えております。

 制度改正の概要でございますが、上場会社の誠実な業務遂行に関する基本理念を上場規則にまず設けることといたします。

 これは、上場会社においては誠実に業務を遂行することが社会的に期待されているということを改めて意識していただくため、上場会社が遵守すべき基本理念、すなわち、「上場会社は、投資者への適時適切な会社情報の開示が健全な証券市場の根幹をなすものであることを十分に認識し、常に投資者の視点に立った迅速、正確かつ公平な会社情報の開示を徹底するなど、誠実な業務遂行に努めなければならない」旨を私どもの取引所の規則において定めるものであります。

 次に、タイムリーディスクロージャーの重要性に対する上場会社の一層の意識向上を促す観点から、会社情報の投資者への適時適切な提供について真摯な姿勢で臨む旨の宣誓を行っていただくことといたします。

 これは、今次相次いだ投資者の信頼を損なうような事例の発生を踏まえまして、全上場会社の代表取締役が投資者に対して誠実な行動を約束することが証券市場への信頼を回復するために有効であると考えて実施をするものでございます。具体的には、代表取締役等が異動したときまたは前回の宣誓から五年を経過するたびに宣誓書を提出していただくことといたしまして、宣誓事項について重大な違反を行った場合には上場廃止基準の対象とすることといたします。

 次に、上場会社に対し、有価証券報告書等の記載内容の適正性に関する確認書、具体的には、有価証券報告書等の提出者の代表者がその提出時点において当該有価証券報告書の内容に不実の記載がないと認識している旨を記載した書面の提出を求めることといたします。

 さらに、親会社等の会社情報の適時開示ルール等の見直しを行うことといたします。

 現行制度におきましては、平成七年以前に上場した会社につきましては、親会社等の会社情報の適時開示は任意となっておりますが、投資者に提供される会社情報の充実を図るため、非上場の親会社等を有するすべての上場会社に対して、親会社情報の適時開示を求めることといたします。

 また、親会社等を有する上場会社に対し、現在、決算短信への記載を要請しております親会社等の持ち株比率及び当該親会社等との取引の開示について、規則上も開示を求めることといたします。

 以上、御説明をいたしました会社情報に関する経営者の意識向上策と親会社情報の充実化が今回の対応の大きな柱でございます。

 なお、そのほか、株式の権利処理について適切な手続の実施を確保するため、株式事務代行機関の設置をすべての上場会社に義務づけることといたしまして、上場後に代行機関への委託をしないこととしたときには上場を廃止することとするなど、幾つか所要の手当てを行いましたが、やや技術的な見直し内容も含まれておりますので、詳細は省略をさせていただきます。

 以上が、今回の一連の問題発生を踏まえて私ども東京証券取引所が取り組む施策の概要でございます。

 私どもでは、十月十三日の西武鉄道の問題発生以降、証券市場の信頼回復のためには一刻の猶予もない、こうした意識を持って臨み、このような対応策を迅速に策定したところでございますが、今後も、市場運営者として投資者が安心して参加できる環境を提供できるよう一層の努力を払いたい、こう思っている次第でございます。

 以上でございます。

金田委員長 ありがとうございました。

 以上で参考人の御意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

金田委員長 これより参考人に対する質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。谷口隆義君。

谷口委員 公明党の谷口でございます。

 本日は、東京証券取引所鶴島社長、本当に御苦労さまでございます。先ほど十分余りの説明をいただいたわけでございますけれども、西武鉄道の虚偽記載による上場廃止についてお伺いをいたしたいと思います。

 上場会社が上場を廃止されるということは、いわば死刑宣告を受けたに等しいと言われておるわけでございます。なぜならば、証券市場で、直接金融市場で資金調達をするというようなところが絶たれるわけでございますので、大変な混乱が生じるわけでございます。

 従来は、上場廃止基準を見せていただいても、財務諸表等の虚偽記載ということで多かったのは、多分、粉飾決算をやって上場廃止になったというようなところ、経営破綻をして上場廃止になったというようなところなんだろうと思いますけれども、今回の場合は若干異質でございまして、現行の上場廃止基準で考えますと、コクドという実質的な親会社が関係会社ということで財務諸表等の注記のところに虚偽記載があったということでございます。こんなこともあって、東証では、この上場廃止基準を見直していく必要がある、財務諸表のみならず、財務諸表以外の有価証券報告書の虚偽記載についても上場廃止基準に抵触するというような形で変えようとされているようでございます。

 今回、鶴島社長のブリーフといいますか記者会見の状況を見ておりまして、先ほどおっしゃっておりましたけれども、少数特定者持ち株数基準、長期にわたってこれに抵触しておったということと、コクドによる西武株売却など指摘された後の開示もおくれた、また、組織的な取り組みがあったと推認されるというような状況でございます。確かに、株の配当も実質株主に配当しておるというようなことも聞いておりますので、このようなことを総合的に考えますと、今回の上場廃止は相当なものであると私は思います。

 一方で、西武鉄道というのは鉄道事業者でございます。地域社会に大変大きな影響もございますし、日本経済に大きな影響もあるわけです。仮に資金調達が絶えてしまうというようなことになってしまいますと、地域社会また日本経済に大きな影響も与えることすら考えられるわけでありますけれども、どうも今、状況を聞いておりますと、再建計画が経営改革委員会で立てられて、銀行団も従来どおりの融資姿勢をやっていくというようなことでございますけれども、この上場廃止について、こういう公共的色彩の強い企業、上場会社というのは我が国のリーディングカンパニーですから大きな影響があるわけでありますけれども、このような企業の上場の廃止が社会に与える影響ということも当然東証の中で議論されたと思うわけでございますけれども、このあたりはどうでございますか。

鶴島参考人 ただいま先生御指摘のように、上場廃止というのは、それまで上場をしておりました企業にとってあるいはその株主にとって大変大きな影響を与えるものでございます。おっしゃるとおりでございます。

 したがって、我々も、この上場廃止という問題については大変慎重に対応をしております。その影響が大きいだけに、我が方の廃止基準でも、具体的に、列挙主義をとって、こういう場合には上場廃止になりますということを明示している次第であります。これは、やはり証券市場全体の信頼性、そうしたものを確保するために上場廃止もやむを得ないという立場からこうした制度をとっております。

 ただいま御指摘になりました西武鉄道の公共性ということも、先生おっしゃられるとおり、地域にとっても大変大きな影響が出かねないという問題もあると思います。そうしたことも私ども議論の中では十分議論をいたしました。しかし、それでも、やはり証券市場全体の信頼性の確保、維持ということからすると、この上場廃止基準に照らして今回の上場廃止はやむを得ないだろう、こう判断をした次第でございます。

谷口委員 この上場廃止決定に至るまで政府機関と多分水面下で御協議もされたと思うわけでございますけれども、今私が申し上げておりますように、上場企業というのは、日本経済に多大な影響を及ぼす会社がたくさんございます。

 それで、私の提案でありますけれども、例えば政府機関、特に一番近しいところは金融庁でございましょうか、こういうところと、仮に東証が上場廃止にしたいといった場合に意見調整をするような機関を設けたらどうかなと私は個人的に思っておるわけでありますけれども、これについてどのようにお考えでございましょうか。

鶴島参考人 その点につきましては、上場廃止そのものあるいは新規上場そのものは、現在、東証が判断をしそれを金融庁に届け出る、こういう仕組みになっているというふうに理解をしております。今回の場合も、金融庁からは、これは長官の記者会見等でも、東証の判断を尊重したい、こういう御発言があったと記憶をしておりますけれども、我々も、その点については慎重に判断をし、その結果について金融庁に報告はいたしております。

 決定する権限といいますか、決定そのものは東証の権限として金融庁もお認めをされているというふうに理解をしております。ただ、こうしたいろいろな影響の大きい問題については、今先生御指摘のように、行政当局とも必要に応じて意見交換なりあるいは調整なりということも必要であろうかと存じております。

谷口委員 たまたまこの西武鉄道は含み益もあるということで、銀行団も従来どおりの融資姿勢を守りたいということで、今のところは大きな問題にはなっておらないわけでありますけれども、上場企業の中にはいろいろな状況の企業もあるわけでございますので、そういう企業が今回のような上場廃止ということになって大きく経済が揺れ動くというようなことのないように私どもは考えておるわけでございます。こういう観点から申し上げたわけであります。

 それと、今の上場基準を拝見しておりますと、オール・オア・ナッシングといいますか、上場廃止基準に抵触しなければ何のペナルティーもないというような状況でございますので、どうも金融庁は課徴金なんかを言っておるようでありますけれども、余り好ましくないけれども上場は維持できるというような状況も当然考え得るわけです、このような考え方について、東証の社長としてどのようにお考えでございますか。

鶴島参考人 今おっしゃられるように、上場廃止というのは、言ってみれば最後のおもしといいますか手段になっていることは事実でございます。その間に何か上場会社に対してできないかということについては、私ども、過去何度も議論をした事実はございます。

 現在は、廃止に至らないけれども上場会社として不適切な開示、ディスクロージャーを行ったとか、そのほか、理由によっては業務改善報告書というのを提出していただいて、これを公衆縦覧するというような制度も設けております。これが五年間に三回、この業務改善報告書を求められるような状況になると上場廃止になる、こういうことでございます。

 今御指摘の課徴金みたいなものは、実は私どもも過去いろいろ議論をしたことがございます。ただ、取引所と上場会社というのは上場契約というもので結ばれておりまして、そこに課徴金みたいなもの、罰金制度みたいなものがなじむかどうかというところがありまして、現在まだ、課徴金なりあるいは過怠金なりといったようなものについて、そういう方向が出せていませんけれども、議論の対象にはなっておることは事実でございます。今後、どういうふうに考えていくか、さらに詰めてまいりたいというふうに思います。

谷口委員 もう時間が参りましたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。

金田委員長 次に、岩國哲人君。

岩國委員 おはようございます。民主党を代表して質問させていただきます。

 まず最初に、東京証券取引所は、今回の西武鉄道のこういった事件について、いつ、どこで、だれから、どういう方法でこれを知り得たのか、それを御説明いただけませんか。

鶴島参考人 具体的に私どもが事実の報告を受けましたのは、西武鉄道が本件について公表を行った十月十三日、公表の数時間前でございました。具体的にだれから報告があったのかということについて言及することは差し控えさせていただきますが、西武鉄道の役員から私どもの上場部に報告がございました。

 つけ加えますと、ただいま申し上げましたように、事実として聞いたのは十月の十三日でございますが、その二営業日前の十月の八日金曜日にこうした内容に関して調査を行っているとの事前の連絡が私どもの上場部に入りました。私どもからは、同社に対しまして、調査を速やかに進め、概要を把握し次第、直ちに開示を行うように要請したところでございます。

岩國委員 十月八日のその連絡はどこからあったんですか、上場審査部に対して。

鶴島参考人 これは西武鉄道からございました。

岩國委員 その連絡を受けてから二営業日が経過しておりますけれども、その間に東京証券取引所としてはどういう対応をされたんですか。

鶴島参考人 これは今申し上げましたように、できるだけ早く事実をまとめて開示をしてほしいという要請をいたしました。そして、二営業日後に参って事実の公表ということにこぎつけておりますので、その間、事務局で連絡をとり合っているとは思いますけれども、そうした状況の中で二営業日後に公表が行われた、こう承知をしております。

岩國委員 社長は二営業日ということを強調されますけれども、実質的には五日間ぐらいあったわけでしょう。のんべんだらりと、朝出勤して夕方になったら帰っていくという程度の感覚でこの連絡を受け取っておられたのか。この取引所の上場審査部の中で、だれか一人ぐらいは、これは大きな事件になりそうだという感覚のある人はいなかったんですか。二営業日というのは単に取引所のあいている時間の話であって、取引所のあいている時間しか仕事をしてはならないというルールはどこにもないわけですから。五日間が経過しているじゃないですか。金融庁に連絡をしたのはいつですか。

鶴島参考人 今事務局に確認したところ、前日の夕方、十三日発表の前日の夕方、金融庁には連絡をしたと記憶していると申しております。

 今先生から御指摘のように、確かに、その間、土日と、それから月曜日が休日でありましたので、休みが挟まっております。私どももこの休日をのんびりしていたわけではありません。今回のこの西武鉄道に限らず、必要に応じて休日出勤もし、我々として努力をしているということも御理解を賜りたいと思います。

岩國委員 こうした、新潟災害と比較するのは適切ではありませんけれども、日本の信用市場にとって大きな損害を、ダメージを与えるのは、これは地震では震度五か六か、震度七に相当するわけです。そのときの危機管理体制は一体どうなっておったのか、東京証券取引所において。そういう危機管理能力に欠ける会社が上場するということは、決して日本の資本市場にとってプラスになるとは私は思えないんです。ですから、この点を正確に報告していただきたいと思うんです。

 その五日間の間にどういう作業をされたのか。休日出勤をした、休日出勤を命じたのはだれであって、何人の人が出てきて、どういう作業をやって、西武の連絡を待つ以前に、東京証券取引所の方で調査し、上場会社の報告を待つまでもなく既に皆さんの方で摘発された事実があったのかどうか。それとも、ただ待ちに待ち、ひたすら待って、自分たちでは資料一枚開くこともなく、データを分析することもなくやっておられたのか。具体的に、その五日間の間に何人の人間が、延べ時間でこの問題に集中しておったのか。その結果として、上場会社の報告を待つまでもなくどのようなものを皆さんの手でつかむことができたのか。つまり、自己浄化能力、自己摘発能力、自己審査能力というのはどの程度であったのか。それを我々に安心できるように説明していただきたいんです。

 釈迦に説法ですけれども、私も三十年間、アメリカの市場、ヨーロッパの市場、日本の市場と、それぞれ十年間ずつ見てきました。こういう事件が起きたときには、どこでももっと早く動くものだと私は思います。そして、来年の上場を目指し、日本の資本市場の根幹をなす、その皆さんにとって唯一の財産は、上場する企業の、これは欠陥商品でないということを一般大衆に品質保証してみせる審査能力でしょう。その自分たちが審査したことに何か瑕疵があるとすれば、さらに再審査してみせる、そして一人の投資家も誤解されることのないように敏速な行動をする、そういった一連の信用保証能力というものが本当に東京証券取引所にあったのかどうか。

 企業との上場契約というものを皆さんはされます。この上場契約は、一般の企業でいえば商品の販売取扱契約だと思うんです。商品は何か。信用そのものでしょう。その信用が損なわれようとしているときに、二千台の車のうちの一台にしかすぎません、その程度の発言をされることがありますけれども、二千台のうちの一台ということは、トヨタにとっても三菱自動車にとってもこれはやはり大変なことなんです。ましてや、一般の物的なものと違って、こういう信用の瑕疵というのはもっと大切なものだということです。この点について、どういう行動をおとりになったか、再度御説明いただきたいと思います。

鶴島参考人 今先生のおっしゃられたことについて全く異論はございません。二千社の一社だからいいというような考えは毛頭持ってございません。一つでも二つでも、瑕疵のある、信頼を失墜するようなものが出れば、それは市場全体の信頼を壊すということは我々もよく心得ております。私どもの体制としても、上場を控えて、管理体制、特に今御指摘のリスク管理体制というものを整え、リスク委員会というものをつくり、我々も十分そうした体制を組んで対応をしてまいりたい、こう考えているところでございます。

 先生が御指摘のように、私どもの対応について手ぬるいところがあったんではないかという御指摘は、十分に踏まえて今後に生かしたいというふうに思います。

岩國委員 時間が終わりましたので、終了いたしますけれども、再度、その五日間に東京証券取引所としてこういう緊急事態にどういう対応をしたか、詳細な報告をこの委員会に提出していただきたいということを委員長にお願いしたいと思います。

 二番目に、取引手口の公開を去年の五月から停止しておられます。どの業者がどういう売りをやったか、買ったか、以前は手口というものは公表されておったんです。一年前から停止されました。理由は株価のファンダメンタルズに影響がないから、そのとおりだと私は思います。しかし、こういう事件があったときには、どの業者が、どの証券会社が、どの銀行が、空売りしたのか、あるいは信用で買ったのか、現物で売ったのか買ったのか、犯罪性のあるときには遅滞なく手口を公開する、そういう例外規定を設けるべきだということを要望して、私の質問を終わります。

金田委員長 理事会で協議させていただきます。

 次に、村越祐民君。

村越委員 民主党の村越祐民でございます。

 本日は、鶴島社長、お忙しいところを国会に御足労いただきましてありがとうございます。私は、一連の有価証券報告書の虚偽記載問題に関しまして、今後の防止策と申しますか対応策と申しますか、前向きなお話をお伺いしたいと思っております。

 私は、若干、今回の報道を受けまして、自分で勉強をしました。防止手段というのは、大きく分けて三つあるんじゃないかなと私は思っています。

 一つ目は、上場企業自身によるコーポレートガバナンスというか内部監査ですね。社会の公の器としての企業の自浄作用に期待をするということですね。

 もう一点は、今回この二点目が西武の問題に関しては一番問題が多かったのではないかと私は思っているんですが、外部監査ですね、公認会計士等が外部から監査をする。とりわけ西武の場合非常に問題だったのが、外部監査に関して、監査法人ではなくて、個人の会計士が、何人かが外部監査を担当していた。しかも、それぞれ二十七年間と十七年間ですか、非常に長い期間にわたって特定の個人の会計士が外部監査を担当していた。その上、サンプリング監査という方法と、悉皆監査という、全部のべつ幕なし調べる方法と二通りあるようですが、全部を監査していなかったというような報告もあるわけです。二点目にこういう問題があったと思います。なおかつ、外部監査という二つ目の防止手段がある。

 三点目が一番重要だと思うんですが、これは、御社東証による監査というのがあるんだと思います。とりわけ今回の場合、一と二の防止手段、企業のコーポレートガバナンスが働かなかった、そして二点目の外部監査も働かなかった。そうなってくると、三点目の、東証がどこまで公正な市場をつくっていく上で監査を及ぼし得るのかということが大変重要だと思います。

 ところが、先ほど来お話があるように、東証は上場を目指している、あくまで営利企業だということがあります。つまり、コスト意識が求められるわけですね。そうはいっても、東証というのは非常に公的色彩の強い企業だと思います。つまり、営利企業といえども、社会的な義務でありますとか公的責任というのが常について回る。公的責任というのは、もちろん、公正な株式市場を担保していくということだと思われます。つまり、こういう二つの相反する要請があるわけです、営利企業としての側面、それから公的責任があるというわけですね。この点に関して東京証券取引所としてどのようにお考えになっているのか。

 また、今回のような問題に関しては、二点の防止策が多分あるんですね。ディスクロージャーの問題とエンフォースメントの問題があると思います。この点につきまして、何かお考えがありましたら、あわせてお答えいただければと思います。

鶴島参考人 お答えいたします。

 今御指摘のように、確かに私ども、株式会社化をし、上場を目指しております。その点では営利性ということも当然追求をしなければいけません。ただし、御指摘のように、私ども東京証券取引所は我が国のセントラルマーケットとして高い公共性を有しておりますので、我々としてはその社会的な責任を強く負っているということを十分認識しております。そして、この公共性、公正性を確保していくためには、私ども持っております自主規制機能を十分に発揮していくことが最も重要なポイントだろう、こう考えております。

 しからば、営利性とこの自主規制機能とはどういう関係になるんだ、トレードオフの関係にならないのかという御質問なり御指摘をよく受けます。私どもは、決してこれはトレードオフの関係になるものではないというふうに考えております。

 それは、なぜならば、証券市場というのは、その利用者からあるいは社会から証券市場に対する信頼性、公正性というものがその根幹にならないと、市場そのものが機能しないと思っております。したがって、私どもは、この自主規制機能を十分に発揮して信頼性、公正性を担保する、言ってみれば、自主規制機能というのはマーケットの品質管理機能だというふうに考えております。この品質管理機能、自主規制機能を十分発揮することによって、信頼性をかち得、公正性をかち得、社会の負託にこたえる。このことによって、長期的には、多くの参加者が、多くの利用者が市場に参加をし、その結果として、長期的な、安定的な利益も確保できるというふうに考えております。したがって、決してこの両者はトレードオフするものではないというふうに我々は信じております。そして、そうしたことが実現できるようにこれからも万全を期してまいりたい、こう思っております。

 それから、監査制度等々の問題について御指摘がございました。

 確かに、現在、証券市場の規律を守るために公的な法的開示資料として有価証券報告書等、もろもろの報告書がございます。それから、主に財務状況についてが中心になると思いますけれども、公認会計士という法律に基づく監査制度というのがございます。そのほかに、この市場の規律を守るために我々自身が用意をしているいろいろな規程、仕組みというものがございます。

 確かに、例えば公認会計士の監査報告で適正と出たものの中にも、後から粉飾というようなものも出てまいります。これについて取引所は何かできないのか、やるべきではないのかという議論もございます。ただ、公認会計士という専門の職種の方がかなりの長時間をかけて監査したものについて、我々がそれを一から洗い直すということは能力的にも時間的にも無理があります。

 したがって、決して逃げるわけではございませんが、こうした証券市場の規律、秩序を守るためには、それぞれの有価証券報告書制度、監査制度、そして我々の持っている制度、仕組み、規程、こういうものがお互いにうまくかみ合って証券市場の信頼を確保していくということが大切であろう、必要であろうというふうに考えております。

 ただし、我々も公認会計士の方々とは、今回、不祥事が続発をしたという経験を踏まえまして、先般、私は公認会計士協会の会長と話をいたしました。そして、お互いどういう工夫ができるのか、ここで一回基本的な検討をしてみようじゃないかということで、お互いの実務家から成るプロジェクトを立ち上げました。もう既に第一回目をやりましたけれども、十二月、今月から月一、二回のペースでそのプロジェクトで検討を行いまして、今考えられるあらゆるケースから出てくる問題点を総ざらいして、何がどう工夫ができるかということについてその改善策を含めて検討してまいりたい。具体的なプロジェクトも発足をさせました。

 したがって、先ほど谷口先生からの御指摘もありましたけれども、行政あるいは公認会計士、こういう方々とも常に意見交換、連携を深めながら、証券市場の信頼性の維持向上ということに万全を期してまいりたい、こう思っておる次第でございます。

村越委員 御答弁ありがとうございました。

 ほかにも何点かお伺いしたいことがありましたが、時間が来ましたのでこれで終わりにしますが、いずれにせよ、この西武鉄道の問題は、とりわけ一般の株主と申しますか、数は少ないのかもしれませんが、一般の株主というか正直者がばかを見るような状況がこの株価の下落あるいは上場廃止によって出てきているんだと思います。こういうことは事後的な措置ではだめなんだ、対応できないんだと思います。ですから、私が先ほど指摘をして社長が御答弁になったような、東証の監視機能というのをしっかり充実させていただきたいということを御要望しまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

金田委員長 次に、平岡秀夫君。

平岡委員 民主党の平岡秀夫でございます。

 今回、一連の、証券取引市場でいろいろな事件が起こってしまいまして、投資家の皆さんの信頼性を失われるような事態が生じたことに対しては、非常に遺憾に思っております。こういう事態が発生した以上は、東証としてしっかりとした対応をとっていただかなきゃいけない。しっかりした対応の中には、一つは事実の解明と、それに対する適正な処分、そして、当然のことながら今後の再発防止策ということになろうと思います。

 まず最初に、西武の問題についてちょっと触れてみたいと思います。

 十月十四日に、西武鉄道あてに東証として質問状を出したというふうに報道されています。質問項目は二十一あるというふうに報道されていますけれども、この質問内容と回答状況について公表していただきたい、まずそれをお願いしたいと思います。

鶴島参考人 確かに、おっしゃられるとおり、私ども、この事件が起きましてから、西武鉄道に対し何回かの質問状を送り、またヒアリングも行っております。そして、その回答も得ております。ただ、その内容を具体的に申し上げるのは、我々も証取法上の守秘義務がかかっておりますので、具体的に我々の方から申し上げることは差し控えさせていただきますが、先般、これらのやりとりの結果、西武自身が十一月の十二日に「コクド管理株の発生の原因・経緯等について」という、今手元にございますが、こういう報告を開示を行っております。この中に、我々とのやりとりの中で明らかになったこと等々については記述がございます。したがって、これは西武鉄道がみずから開示をしたものでございますので、こちらをもってかえさせていただければと思います。

平岡委員 守秘義務の問題はありますけれども、二十一項目の中には、当然、普通の上場会社であれば親会社の情報として開示していなければならなかった情報というのもあるんだろうと思うんですね。そういうものについて開示をするという姿勢は、どうしても必要じゃないですか。どうですか。

鶴島参考人 私どもも、何点かの視点から西武に対して質問状あるいはヒアリング等を行っておりますけれども、具体的にそこから何を得たかということについては、私どもの口から申し上げるのは控えさせていただきたいというふうに思います。

平岡委員 そういう姿勢で投資家の皆さんから本当にこの東京証券取引所が信頼を得られるかという点をしっかりと考えていただきたいというふうに思うんですね。

 西武については上場廃止決定がされました。廃止決定されたのですけれども、廃止決定された後、つまり、上場廃止されたら東証はこの西武の株式の問題については何ら責任を負わないという立場になるんですか、それとも何か責任はあるんですか。依然として責任は持ち続ける部分はあるんですか。

鶴島参考人 先ほど来申し上げましたように、上場廃止というのは大変大きな影響を及ぼします。したがって、我々も慎重にその判断をいたします。

 上場廃止になりますと、私どもの管理下を離れてしまいますので、その後の私どもの管理が及ばないことになります。ただ、それまで上場していた間に多くの株主もできておりますので、そうした方々の換金の場ということで整理ポストで一カ月間の商いということを制度として設けているわけでございます。

 今、先生のおっしゃる東証の責任というのが、具体的な意味合いが、もう少し御説明いただければそれに対応したいと思いますが。

平岡委員 ちょっと時間がないので。私が責任と申し上げたのは、冒頭申し上げましたように、事実の解明、投資家の皆さんに対してちゃんと事実を解明するという責任は依然としておありになるんじゃないか、上場廃止したからといって、もう後は知りませんよという立場に立つべきではないのじゃないか、こういう意味で申し上げました。

 これは時間がないのでやめて、次の日本テレビの関係について質問させていただきたいというふうに思うんです。

 日本テレビは、十一月七日に公表された文書の中で、有価証券報告書と大量保有報告書の二つの書面で不一致の状態が続いていたことを放置してきたということをみずから認めておられます。この原因が何であったのかということについては、日本テレビが十七日に公表した中身を見ますと、まず最初は当時の小林社長の箔づけである、その後は務台氏あるいは渡辺氏の株式と位置づけることによって読売新聞社との親密さの象徴とするんだ、こういうことで説明しているんですけれども、東証としてもその説明どおりだという形で認定をされたのでしょうか。

鶴島参考人 なぜそういうことになったかということは、今先生がおっしゃられた、日本テレビの説明を我々もそういうことかということで聞いたわけでございます。

 ただ、動機がそういう箔づけ等ということであっても、有価証券報告書に虚偽の記載をするということは重大な行為でございますので、それについては、私ども、先ほど申しましたけれども、その経緯とそうした体制、今ちょっと御指摘がございましたように、内部的にも有価証券報告書を担当する部署、それから大量保有報告書を受け取った部署、これらの連携とか、あるいはこうしたことに対する認識が不足をしておったということも事実でございますので、その間の経緯及び今後の改善策について、現在、改善報告書の徴求を求めているところでございます。

平岡委員 これは大量保有報告書だけでなくて、公正取引委員会に対して提出している株式保有報告書でも実質株主で報告がされているんですよね。そういうことを考えると、日本テレビについて言うと、放置してきたというふうな公表の仕方をしていますけれども、知っていながらあえて隠した。先ほど言いましたが、親密さの象徴のためというようなことを言われると、一体だれに対して親密さを象徴するものとして示さなきゃいけないのか。これは多分投資家だろうと思うんですね。投資家を欺くためにこういうものを出したということで、私は、虚偽記載としてもこれはかなり意図的で、故意的で、問題が大きいんじゃないかというふうに思うんですよね。

 これに対して東証としては一体どういう対応をとるんですか。先ほどの話でいけば、上場廃止はしないというようなことで決定がされたということでありますけれども、この意図的な虚偽記載に対してどう対応するのか。これは今東証が問われているところです。どう対応するんですか。

鶴島参考人 今申しましたように、虚偽記載を行ったということに対しては私どもも大変重く受けとめておりまして、そうした体制の整備、既に有価証券報告書の訂正報告書というのは出されたと認識をしておりますけれども、こうしたことが起きた経緯及びそうした体制、これの改善というものを今求めているところでございます。

平岡委員 冒頭申し上げましたけれども、今後の体制整備、再発防止というのは当然必要なんですけれども、起こった事実についてちゃんと解明し、それに対してしっかりとした処分を行っていく、これが必要なんだということを申し上げているわけであって、虚偽の有価証券報告書が提出されたということに対する東証としての対応、その処分にかかわる対応というのは一体何なのかを聞いているんです。

鶴島参考人 私どもの上場廃止基準に該当するかどうかということが、廃止をするかどうかの分岐点でございます。この廃止基準で、虚偽記載であり、かつ、その影響が大きい、重大であるというふうに認定した場合には、私ども上場廃止に踏み切るわけでございます。

 その意味で、西武鉄道及び伊豆箱根鉄道はそうしたことに該当する。先ほど、冒頭に西武鉄道がなぜ廃止になったかということについて御説明をさせていただきました。

 日本テレビについては、もちろん虚偽記載があったことは重く受けとめておりますが、証券市場に与えた影響の度合いということが、例えば西武鉄道であれば、廃止基準そのものに該当をいたします少数特定者持ち株比率に長年にわたって抵触するようなことを隠ぺいしておったというようなこと、なおかつ、それが組織的に行われておったというようなこと、これに対して日本テレビ放送網の方はそこまでの重大な影響という判断には至らなかった、こういうことでございます。

平岡委員 上場廃止までやるかどうかということはまた別問題としてあるとは思うんですけれども、私が申し上げているのは、事実を解明し、その事実に応じた、しっかりとした対処をする、このことを求めているということでございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

 時間が来ましたので、終わります。

金田委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 今度の有価証券報告書虚偽記載事件で問題になりましたのは、経営内容の見えにくい非上場企業が上場企業の実質的な支配をしているという場合ですね、この非上場企業に経営内容の開示をどのように求めていくかということが問われているわけであります。

 それで、なぜ長期にわたって実態をつかむことができず、不正を放置したままで来たのか、この原因を究明することが大事だと思いますが、それはどのようにお考えでしょうか。

鶴島参考人 御指摘のように、長期間これが見つからなかった、こういうことに対しては、私どももこれを重く受けとめております。

 私ども、先ほど申しましたように、法定開示資料である有価証券報告書の記載事項、これを前提にもろもろの仕組みを組み立てているということもございます。したがって、私どもが積極的にこの有価証券報告書の記載事項を洗い直す、あるいは不実の記載を突きとめるということは、私どもの権限からいってもなかなか難しいところがございます。

 今回の反省の一つとして、親会社であるコクドの情報が何もわかっていなかったということがございます。したがいまして、今度の改善案の中では、こうした親会社の情報の適時開示ということを規定上義務づけるという措置をとりました。これで全部が今回のようなことがなくなるかどうかというのはなかなか難しいところもありましょうけれども、私どもは、非上場の親会社の情報を開示していただく、そういう点では大きく前進をする措置であろう、こう考えております。

佐々木(憲)委員 親会社の情報開示ということは大変重要だと思うんですが、問題はどこまで求めるかというその内容です。これは今まで掌握できなかったという反省に立って、やはり可能な限りの徹底した開示は必要だというふうに思いますので、その点を念頭に置いてやっていただきたいと思います。

 さらに、チェックの体制ですけれども、虚偽記載などの不正をチェックする権限はどの程度あるのかというのが非常に問題になるわけであります。東証としては、どの点に限界を感じているのか、そしてまた、それを克服するためにはどのような手段が必要なのか、例えば行政に対してこういう点をぜひやってほしいということですね。その点ありましたら、ぜひお答えいただきたいと思います。

鶴島参考人 有価証券報告書の記載について不実があるかどうかということについて、私どもが調べ直す権限自体持ち合わせていないのだろうというふうに考えております。

 ただ、仮に、物理的にできるのかということになりますと、二千数百社の有価証券報告書あるいは半期報告書、こういうものを、全部、一から私どもが洗い直してその不実の記載を見つけるということは、物理的にも能力的にも無理だろうというふうに考えております。

 ただいま先生から、行政に対する期待というものが何かあるか、こういうことでございますが、十一月の十六日に、金融庁から、有価証券報告書等の審査体制の整備を初めとしたディスクロージャー制度の信頼性確保に向けた対応というものが既に打ち出されております。したがって、こうした対応が効果を発揮して、ディスクロージャー制度、ひいては証券市場に対する信頼性確保というものが図られることをその面では期待をしている次第でございます。

佐々木(憲)委員 西武はインサイダー取引の疑いも持たれておりまして、これは非常に重大なことだと思うのですが、調査はやっておられるのか、その際、何に着目してチェックをされているのか、お聞かせをいただきたい。

鶴島参考人 個別銘柄についてどんな調査をしているか、その調査状況がどうなっているかということについては、従来からコメントを差し控えさせていただいておりますが、一般論として言えば、重要事実が発生した場合には自動的に私どもはインサイダー取引のチェックというものをいたしております。今度の西武につきましても、上場廃止という重要事実が発生をしておるわけでございますので、当然その対象になっていると御理解をいただいて結構だと思います。

 ただ、今マスコミ等で言われております、コクドがいろいろな会社に対して株を売ったんではないかと、売ったとする、そして、それの買い戻し請求が出ている、これが事実を隠して売ったとすればインサイダーの疑いがあるのではないか、こういうことがございますが、これは私どもが直接立ち入るところではないわけでございます。

 私どもの証券市場の中で、今申し上げましたような重要事実が発生をした場合に、それに対して売買審査部というところできめ細かいチェックを行っていく。これは、あくまでも証券会社、取引参加者を通じて、その後ろにいる顧客というものに対して資料あるいは情報の提供をいただく。直接その当事者に対して、私どもはこれまた手が及びません。したがって、ある程度の調査をいたしますと、その先は監視委員会の方に調査結果を報告し、その先の調査を進めていただく、こういう体制になっているわけでございます。

佐々木(憲)委員 この上場廃止決定の当日、西武の側はジャスダックに上場するんだという記者会見をされています。この原因究明ですとかあるいは再発防止をする前にこのような発言をするということについて、どのように見ておられますか。

鶴島参考人 実は、昨日の参議院の財政金融委員会でも同じ御質問を受けました。

 私どもは、確かに上場廃止という処分を下しました。ただ、ジャスダックというのは独立した市場でございまして、我々が運営管理をしているわけではございませんので、私どもがこれに対して何か意見を言うという立場にはないのではないかというふうに考えておりますと昨日もお答えしましたが、本日もそうお答えをさせていただきたいと存じます。

佐々木(憲)委員 しかし、証券市場を律していく立場にあるわけですから、原因の究明のないまま東証がだめならジャスダックだということは極めて安易でありまして、また、企業の行動倫理からいって極めて私は重大だと思うんですが、コメントをしないというのもこれまたどうかなと思いますが、これは真っ当なやり方だというふうにお思いなんでしょうか。

鶴島参考人 基本的に情報開示、それが正確な情報の開示であるということは、証券市場を支える基本的な根幹部分の要件だというふうに思っております。

 したがって、私どもは、今回の一連の事件に対して、全上場会社の経営者の方々にも要請文を出したり、今後の対応を急いで取りまとめたという姿勢で臨んでおります。それが私どもの基本的な考え方であるということを御理解いただきたいと思います。

佐々木(憲)委員 時間が参りましたので、終わります。ありがとうございました。

金田委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。

 参考人におかれましては、御多用中のところ御出席いただきまして、貴重な御意見を賜りました。本当にありがとうございます。委員会を代表して厚くお礼申し上げさせていただきます。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時十五分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時一分開議

金田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 財政及び金融に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、政府参考人として財務省大臣官房長津田廣喜君、国税庁次長村上喜堂君、金融庁総務企画局長増井喜一郎君、内閣府産業再生機構担当室長藤岡文七君、内閣府政策統括官大田弘子君、公正取引委員会事務総局官房審議官小島愛之助君、社会保険庁次長小林和弘君、経済産業省経済産業政策局長北畑隆生君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、会計検査院事務総局次長重松博之君、会計検査院事務総局第二局長増田峯明君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

金田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。柴山昌彦君。

柴山委員 自由民主党の柴山昌彦でございます。

 今回の西武鉄道問題で、私の地元所沢が大変な混乱に陥っております。言うまでもなく、上場廃止に伴う株価の暴落によって、株主のみならず、株式を担保にとっている金融機関にも大変なダメージが生じています。また、所沢の駅前、西武の関連会社がたくさん事務所を構えているわけですけれども、こうした地域の再開発にも大きな影響が出るのではないかというように言われております。

 また、先生方御案内のとおり、ことしは西武ライオンズが日本一になったわけですけれども、この西武ライオンズが所沢から移転してしまうのではないかということで、地元ファン、また関連の取引先等が大変大きな不安に陥っております。さらにまた、大変悲しいことでありますが、親会社コクドも、株式事務担当者がお亡くなりになるという事件もありました。

 こうした事態について、まず伊藤大臣に、どのようにお感じであるかということを冒頭伺いたいと思います。お願いします。

伊藤国務大臣 委員からは西武鉄道の上場廃止の問題についてお尋ねがあったわけでありますけれども、個別の上場株式の取り扱いというものは市場開設者、取引所が自主規制規則に基づき判断するものであり、西武鉄道株式の取り扱いについても、東証が同社からの聴取を踏まえて規則に基づき判断されたものと承知をいたしております。

 上場廃止により、委員からも御指摘がございましたように株主等の関係者に影響が生じているわけでありますけれども、東証においては、その規則である上場廃止基準に照らして厳正な対応がなされたものと考えております。

柴山委員 今のお答えなんですけれども、きょう午前中、東証の代表取締役社長の参考人質疑もあったと承知しておりますが、その東証の監督官庁は金融庁でございます。また、言うまでもなく、証券取引等監視委員会、これについてもやはり監督庁は金融庁である。また、今回、西武鉄道の会計監査人が二十七年間あるいは十年間の長きにわたってずっとその地位にあったということが問題とされていますが、公認会計士審査会もやはり金融庁が本来監督をしてしかるべきだ。

 もちろんのことながら、金融庁からはこうした機関に対して人の派遣を行う、そして監督行政を行う。そんな中で、金融庁の責任というものはかなり大きなものがあるのではないかと私は考えておりますが、この点について、大臣、どのようにお考えでしょうか。

伊藤国務大臣 今委員からは金融庁の責任についてお尋ねがあったわけでありますけれども、一連の不適切なディスクロージャーに関する事案が続く中で、こうした問題が証券市場の情報開示制度に対する国民の信頼というものを大きく揺るがすことになっている、こうした問題意識を私どもも強く持っているところでございます。

 こうしたことを踏まえて、私どもといたしましては、十一月の十六日にこの対応策を取りまとめて公表させていただいたところでございますけれども、そこに盛り込まれた一つ一つの対策というものを強力に推進していくことが金融庁としてまず果たすべき責任ではないかというように考えております。

    〔委員長退席、江崎(洋)委員長代理着席〕

柴山委員 率直に申し上げて、それで十分かなという感は否めないわけでございまして、とりわけ、先ほど申し上げたように、やはり大勢の株主あるいは金融機関がこれによって強いダメージをこうむっているわけでございます。

 そうしたダメージを受けたステークホルダー、これへの支援策、そういった対応について何かお考えでしょうか。

伊藤国務大臣 一般論として申し上げさせていただきますと、上場廃止となった株式の所有者やあるいは当該株式を担保に貸し付けを行っている金融機関は、あくまでも自己責任原則のもとでみずからの投資判断あるいは経営判断で取引を行っていることから、仮に上場廃止によって損失が生ずることがあったとしても、こうした株主、金融機関に対し何らかの公的な支援措置を講ずることは困難であるというふうに考えております。

柴山委員 今、自己責任というお答えがあったんですけれども、自己責任というのはやはり適正な情報開示が大前提だと私は思っております。

 そのような観点から、先ほど大臣から御答弁をいただいたディスクロージャー制度の信頼性確保に向けた対応、これについてのペーパーをちょっといただいて事前に見せていただいたんですけれども、その中で、今回有価証券報告書が提出されていた関東財務局から証券取引等監視委員会に検査、報告徴求権限を移してしっかりとやるよというようなお話があります。しかし、結局、これまでそうした検査機能というものが十分機能していなかったからこういう問題が起こったんじゃないですか。

 アメリカのSECが陣容約三千人、それに対して日本の監視委員会はわずか二百三十七人、地方の財務局に在籍する監視官を合わせても四百四十人にとどまるということで、体制としては大変貧弱ではないか、また、権限もやはりなかなか限定的で十分機能しないのではないかというように考えますが、この点、どのようにお考えですか。

伊藤国務大臣 証券市場の信頼性というものを確保していくためには、適切な情報開示がなされるということが極めて重要だというふうに考えております。そうした中で、一連のこういうような不適正な事案が生じたということは大変遺憾なことでありまして、こうした事態というものを重く受けとめて、まず開示企業、そして監査人、そして市場開設者、それぞれ市場に関係する関係者がこの事態というものを重く受けとめて、しっかりとした信頼性向上に向けての対応をしていくことが必要であるというふうに考えております。

 金融庁におきましても、先ほど来委員から大変厳しい御指摘をいただいているところでございますけれども、そうしたことを重く受けとめて、私どもとして対応策を取りまとめ、公表させていただいたところでございますが、この中に盛り込まれた施策というものを一つ一つ丁寧に、そして強力に推進することによって、市場に対する信頼性というものを確保していきたい、また、私どもの審査の体制も含めて、しっかりとした体制整備を行って対応していきたいというふうに考えております。

柴山委員 それ以外にも、今後の対応策としては、経営者の有価証券報告書の正確性あるいは適時開示等に関する宣誓書を提出させるですとか、あるいは上場会社における社外取締役の強制ですとか、そういったことも私はオプションとしては考えられるのではないかなというように思っております。

 また、今回いろいろ方針が出ているわけですけれども、これは行政指導にとどまるのでしょうか。それとも、きちんとした法律として明文化されるのでしょうか。

伊藤国務大臣 私どもが取りまとめをさせていただいた対応策、この中には、情報開示制度に対する信頼性を向上させていくために、いろいろな観点から対応策を取りまとめさせていただきました。その中には、先生の今御紹介がありましたものに関係する部分として、金融審議会の関係するワーキンググループにおいて議論をしていただくというものがございます。こうした中で積極的に議論をしていただいて、早急に考え方を取りまとめていきたいというふうに考えております。そのような形で審議会で御審議をいただきたいというふうに思っておりますけれども、その中には、もし法律の改正が必要になってくるものがあれば、それに対応して私どもとしても国会での御審議をお願いしていかなければいけないというふうに思っております。

 いずれにいたしましても、今ワーキンググループにおいて議論がスタートをいたしましたので、このワーキンググループにおいて精力的な御審議をお願いしたいというふうに思っております。

柴山委員 西武鉄道も大変な問題だったんですけれども、あわせて日本テレビの問題についてもちょっとお伺いしたいんですが。

 報道によりますと、渡辺恒雄グループ本社会長の名義株の保有者が実は読売グループ本社であったというようなことを金融当局に事前に報告していたというものがありました。

 もしこのとおりならば、金融庁はいわば株主偽装の事実を知っていながら適切な対応をとらなかったということになると思うんですけれども、これはどのように説明されますか。

伊藤国務大臣 個別事案の詳細についてはコメントを差し控えさせていただきたいと思いますが、日本テレビ放送網を所管する関東財務局におきましては、有価証券報告書の訂正報告書の提出があった日の前日に、会社から有価証券報告書の訂正が必要である可能性がある等の説明があったと承知をいたしているところでございます。また、訂正の内容につきましては、具体的な話をお伺いしましたのは訂正報告書提出の約二時間前のことであり、関東財務局が訂正報告書の適正性について了承を与えたということはないと承知をいたしております。

柴山委員 この問題については、やはり事実関係をしっかりと確認していくことが必要かなというように思っております。

 続きまして、ちょっと西武鉄道の方に話を戻させていただきたいと思うんです。名義株の配当について、実際に株式を保有して収益を享受している者に課税がなされるということが私は大前提だと思っているんですけれども、もしそのように課税処分がなされていたのであれば、なぜ有価証券報告書の記載の誤りを指摘できなかったのでしょうか。これは国税当局の方に伺いたいと思います。

村上政府参考人 お答えいたします。

 国税の課税関係をちょっと御説明いたしますが、配当につきましては支払い段階で一応源泉徴収がなされております。ただ、その所有者が単なる名義人であるときには実際にその配当収益を享受する方に課税するということで、実質所得者課税と言っておりますが、そういうことで運用させていただいているところであります。

 それで、なぜそういったことがわかった場合に関係当局に話をしないのかということだと思いますが、国税職員には、国家公務員法による守秘義務以上に、各税法で重い守秘義務が課せられております。これは、申告納税制度のもとで税務の執行を円滑に行うためには納税者の皆様方の信頼と協力を得ることが必要でございまして、もし税務職員が職務上知り得た秘密を漏らすとするならば、納税者と国税当局との信頼関係が損なわれ、ひいては申告納税制度の基本とします税務行政の運営に重大な支障を来すということになりかねません。

 したがいまして、調査の結果、調査内容、有価証券の記載問題等を含めましてそういうようなことを知り得たとしましても、一般的に関係当局に通報することはいたしておりません。

柴山委員 そうはいっても、国税庁と金融庁というのは、いわば旧大蔵省のもとではやはりかなり緊密な関係が私は認められていたと思うんですよね。そのような中で、国税庁が虚偽記載を知っていて金融庁が全く知らないということは、私はどう考えてもおかしいと思います。また、刑事訴訟法上もやはり告発義務というものが明定されているところでもありますので、今の御答弁はかなりしゃくし定規に過ぎるのではないかなというように思うんですが、もう一度お考えをお聞かせ願いたいと思います。

村上政府参考人 お答えいたします。

 刑事訴訟法に公務員の告発義務が規定されているわけでございますが、先ほど申しました理由から、税務調査の結果知り得た事実についてそういう当局に対し告発することについても、おのずから消極的にならざるを得ないと考えております。

 なお、この点につきましては、法務省の見解につきましても、守秘義務が設けてある趣旨から考えて、税務の執行上特に支障があるという場合には告発義務は免除される、そういった国会答弁も法務省の方からなされているところであります。

柴山委員 今回の問題もそうなんですけれども、やはり私は、資本市場の公正なルールの確立と、それを担保するための制度というものを早急に構築していただかないと、いつまでたってもこの国の市場というものが投資家の信頼を得られないままであるということを強く申し上げたいと思っております。

 若干早いですが、私の質問は以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。

    〔江崎(洋)委員長代理退席、委員長着席〕

金田委員長 次に、中塚一宏君。

中塚委員 私の時間は限られておりますので、午前中の参考人質疑を受けてダイエーの問題について伺いたいと思いますが、率直な感想を申し上げて、経済産業省も経済産業省だけれども、再生機構も再生機構だなというふうな印象を受けました。

 まず北畑さんにお伺いいたしますが、十月八日、中川大臣と斉藤社長が会った、そのとき御同席をされているようでありますけれども、その際に、中川大臣が今のDDは支援決定するためのものではないのかというふうにお問いかけになり、そして北畑さんは今のCAは特殊的なものだというふうにお答えになった。ふんふんとおっしゃっているからどうもそのようでございますが、私の手元にあるメモのとおりのようでございますけれども、その際に斉藤社長は、違いはあるが支援をするか否か検討するためのものだというふうにお答えになった。そういうふうに私は承知しているんですが、この特殊なCA、CAは特殊的なものだということの意味というのは、機構への正式支援要請を前提としないということでいいんでしょうか。

北畑政府参考人 ダイエーが機構と結んだ守秘義務契約についての御質問でございますけれども、御質問のとおり特殊なものだと思っております。正式な守秘義務契約は十月の十三日に締結をしたというふうに受け取っております。この時点では機構入りを前提としないCA、これは前例のないものだと思います。

 その背景としては、ダイエーは民間企業による再建を目指して、民間の応札者との間で資産査定作業をしておったわけでありまして、それに対して、機構とは、その資産査定を補完するといいますか、並行して結んだ守秘義務契約でございまして、機構のこれまでの実績からいっても異例のCAであったというふうに理解をいたしております。

中塚委員 次に、藤岡さんにお伺いいたしますけれども、藤岡さん、過去いろいろと御答弁をされている。査定行為、資産査定の行為をするに当たっては個々の事業者と金融機関において判断されるべき、判断されたということが前提になっているというふうにもお述べになっているわけでありますけれども、そもそも、支援を前提としないCAなんというのを結ぶということについて、それは果たしてこの産業再生機構法、あるいは産業再生機構というものが想定をしているのかどうか、いかがでしょうか。

藤岡政府参考人 政府といたしましては、機構がどのような契約を結ぶかについては幅広い権能を認めておるところでございます。したがいまして、まさに守秘義務契約でございますが、さまざまな形があるというふうに理解してございます。

中塚委員 そのさまざまな形のある守秘義務契約なんだけれども、午前中、斉藤社長もおっしゃっておりましたが、要は、その守秘義務契約にのっとってやったら、なかなかDDが進まない、いろいろと妨害等がある、民間事業者とのDDが並行して進んでいる、自分が欲しいと言った資料がなかなか手に入らなかったり、インタビューをしようとしたら、今度は民間のDDも重なっていてインタビューができなかったりするというふうなことがこれあり、それで、十二日までにもう民間のDDは打ち切れ、そして、機構として機構入りを前提としたDDをやるということで新しいCAを結ばせてくれというお手紙をお出しになったということなんです。

 かつて答弁をされたときに、これは機構にとって重要な判断だというふうに御答弁になったわけですけれども、けさの斉藤社長の答弁を踏まえた上で、ではそのお考えに変わりはないですね。

藤岡政府参考人 聞き及びますに、このたび機構がまさに十月十二日という日取りを決定いたしましたのは、非常に重要な事項だというふうに考えてございます。

中塚委員 さて、それで、北畑さんはこれがけしからぬというふうにお考えになったからこそ、お電話をされたり、またあるいは大臣と一緒にお話をされたということだと思いますけれども、何でそれがけしからぬのかということです。要は、活用を前提としないCAをずっと続けるべきだと。そしてその結果、北畑さんとしては、ダイエーがどういうふうな形になればよかったというふうにお考えなんですか。

北畑政府参考人 これは、衆議院の法案審議のときの附帯決議の第一号にもあると思いますけれども、民間でできるものはまず民間でやるというのが原則であって、それがやれないときに機構が出ていくというふうな附帯決議をいただいております。

 ダイエーについてはまさにそのケースでございまして、十月の十八日を期限とする民間の入札が進展しておったわけでありますから、公的な機関である機構はその結果を待つべきであった、こういうふうに考えておりました。

中塚委員 さて、藤岡さん、それで、ところが機構には存立期間がある、だから、機構が期限を切ったというのは、これは業務にとって非常に重要なことだというふうにあなたはお答えになったということだと思うんですが。

 では、ここであえて再び問いますけれども、その重要なことだということについて、経済産業省として期限を延ばせという話をする、これは、要は、その法律が想定をするところの「意見を述べる」という範囲の中のことなのか外のことなのか、いかがですか。

藤岡政府参考人 お答え申し上げます。

 機構法は、まさに主務大臣として内閣総理大臣、財務大臣それから経済産業大臣を指摘してございますし、また、それに関しまして幅広い監督の機能もそれぞれの大臣に付与されているということでございます。

 そういう意味からいたしますと、まさに業務の一環としての意見交換におきまして、どういう事項は意見交換してはならぬというような定めはございません。そういう意味から、まさにさまざまな意見交換があるという理解でございます。

中塚委員 では、続いて伺いますけれども、午前中の質疑の中で、私が丸紅の話を申し上げましたら、斉藤さんは個別の企業の名前は答えられないということをおっしゃっていた。それはそうなのかもしれません。私は納得できませんが、言い分としてはあるかもしれません。ただ、こういった委員会の場で個別の名前を答えられないというふうに答弁をしなければならないようなことを、経済産業省の方が、幾ら九月の段階とはいえ、上下分割であるとかそういったことを言うというのは、これは介入には当たらないんでしょうか。

 これは、前回の北畑さんの答弁の中でもありましたとおり、斉藤さんは、減資をした上でさらに出資をするというようなことは本来企業の行動としてはあり得ないというふうに言われたと。それで、九月の二日の話を受けて、そのお答えがあったのは三日ですというふうに北畑さんはおっしゃっているわけだから、要は、九月の二日、三日に、ダイエーについて上下分離をする、そして流通は丸紅、不動産は機構という話をされたということはもう北畑さん自身お認めになっている。では、そういったことを話をするのは、果たしてそれは介入には当たらないのかどうか、いかがですか。

北畑政府参考人 何度か御答弁させていただいていますが、九月の二日時点というのは、機構は、先ほど御質問のあった条件つきのCAも結んでいない段階でございまして、世の中進行しておりましたのは、ダイエーによる民間企業のスポンサーの入札作業が進んでおった、こういう時点でございます。

 私は斉藤社長と、お互い議事録をつくらないということで自由に意見交換をしようということでお会いいたしました。したがいまして、相当突っ込んだ議論はしたわけでありますが、御指摘の企業以外にも、民間企業として応札していたすべての企業について私は斉藤社長にお話しし、自分が持っていた情報をお話しいたしました。

 斉藤社長は、民間に応札していないけれども、将来、仮に機構にダイエーが来るということになった場合に関心を持っている企業ということで、自分のところにアプローチしている企業ということで、その企業の情報を私の方に開示していただきました。そのうちの一部だけ取り上げて、そこの部分の私の発言が何かメモで外に流出しているようでございますけれども、そこの部分を私が強調したということではありません。斉藤社長もそういうふうに受け取っていただいていると思いますが、全体の議論をしたわけでございます。

中塚委員 いや、私が申し上げているのは、全体の議論だろうが何だろうが、要は、個別の企業の名前は挙がっているということを申し上げているわけであって、その個別の企業を挙げて話をするようなことが、法律が想定をしている、意見を言うということの範囲内なのかどうなのかということを伺っている。藤岡さん、いかがですか。

藤岡政府参考人 さまざまな意見交換の中で、個別の企業名が入ることもあり得ると考えております。

中塚委員 時間が参りましたから、きょうはこれで終わりますけれども、九月の二日、三日の会談なんかの様子を伺っておりますと、北畑さんだって、産業再生機構を使うということについては避けられないというふうにお考えになっていた節があるわけですね。斉藤さんは、けさおっしゃっていたのは、要は、機構というのは民間のデューデリが正しいかどうかを見るところなんだ、機構と民間がダイエーをとり合っているということではないという話をされていたわけなんです。だったら、やはりそれは、介入だというふうに高木さんが言い、辞表まで書かなきゃならないような状況にまで追い詰められたということについて、きょうの参考人質疑でも全くもって事実は解明されていないというふうに言わざるを得ない。だから、重ねて金田委員長に求めますが、高木産業再生委員長の参考人招致をお願いいたします。

金田委員長 理事会で協議させていただきます。

中塚委員 終わります。

金田委員長 次に、岩國哲人君。

岩國委員 岩國哲人でございます。民主党を代表して質問させていただきます。

 まず最初に、伊藤大臣にお伺いいたします。

 今回の西武の株式の問題、金融庁は、この問題について、いつ、だれから、どこで、どういう方法でお知りになりましたか。

伊藤国務大臣 お答えをさせていただきたいと思います。

 有価証券報告書の審査を担当している関東財務局が、本件にかかわる正確な事実関係等について当該企業から説明を受けたのは、訂正報告書が提出をされた十月十三日であると承知をいたしております。

 なお、これに先立ちまして、十月の初旬に、西武鉄道側から他人名義株の存在について今後事実関係の調査を行うとの話が金融庁の事務方になされて、そして金融庁側からは、有価証券報告書等の開示書類にかかわる窓口は関東財務局であることを伝えるとともに、早急な調査を行い、訂正の必要があれば速やかな開示書類の訂正を行うよう伝えたと承知をいたしております。

岩國委員 十月の初旬というのは、十月一日と十月九日で大分違います。きょう取引所の社長からは、十月八日に取引所の方に連絡があったと、こういうことでした、これは西武側から。金融庁の方にはそれよりも先にあったということですか、それよりおくれてあったということですか。

伊藤国務大臣 十月の一日に、西武鉄道の代理人の方から私どもの担当者に話があったと承知をいたしております。

岩國委員 これは大変大事なことだと思います。十月の一日に西武は金融庁に連絡をしておきながら、十月八日まで取引所に連絡を怠っていたということが、ここではっきりとわかったわけです。

 この事実について、金融庁は、取引所側と連絡、協議されましたか。大臣自身は、今答弁される瞬間は、金融庁の方に先にあった、それから一週間も取引所に連絡がおくれておったということを認識して今の答弁をされたかどうか、もう一度答弁をお願いします。

伊藤国務大臣 私に報告がありましたのは十月十三日でございましたが、西武鉄道側から十月一日に連絡がありましたのは、その事実関係の調査を行うという話でありまして、この調査を行うに当たって、私どもとすれば、その開示書類にかかわる窓口が関東財務局であるというお話をさせていただいて、そして調査を行った結果としてもし訂正の必要があるとするならば、速やかに訂正の書類を出していただきたい、そのように伝えさせていただいたわけであります。

岩國委員 十月一日にそういう連絡を受けたときに、取引所と金融庁との間には何らかの連絡はありましたか。

伊藤国務大臣 十月の一日に連絡を受けたときに、その後に私どもの方から東証に連絡をさせていただいているということはありません。

岩國委員 一体、金融庁と取引所の関係はどうなっているんですか。こういう金融の根幹をなすような株式市場、資本市場で何かが起きようとしている。西武から、もう一度いろいろと調査をしたいという連絡は毎年必ず一回はあるんですか。五十年間に何回あったんですか。そういう、これはと思うような連絡を受けながら、これは日常茶飯事のことじゃないですよ。毎月一日には必ずそんな連絡が来ておったんだったら、私はその程度の対応でいいと思います。しかし、取引所に連絡をせず、そして大臣の耳元に達したのに十二日を要している。その連絡を受けた担当官は大臣と同じ建物の中におったんですか。同じ建物だったら、何階と何階の違いがあるんですか。どうぞお答えください。

伊藤国務大臣 重ねてになりますけれども、十月一日のときには、西武鉄道側から、こうした事実関係の調査を行うという話の連絡があったということであります。

 したがって、私どもとして、こうした開示書類の窓口が関東財務局であるということをお伝えさせていただいて、そして万が一、調査をして訂正の必要がある場合には、速やかに訂正の報告書を提出していただきたい、その旨をお伝えさせていただいたところであります。

岩國委員 同じような言い方、同じような表現で、ついきょうの午前中、この席で鶴島社長から、十月八日に初めての連絡がありましたと。つまり、このなぞの一週間。こういった情報というのは、場合によっては株価にも大きな影響を与えることにもなりますし、西武の株価だけではなくて、ほかの株価にも大きな影響を与えることになるわけです。

 なぜ、そういう連絡がこの一週間放置されたのか。そして、なぜ金融庁は連絡をとろうとしないのか。当然、取引所にも同じ時間に同じような連絡が行っておったと思っておったのか。十月八日に初めて連絡を受けた取引所は、十月一日、既に一週間も前に金融庁の方にそのような問い合わせ、連絡があったということを取引所の人たちもいまだに知らないんじゃないかと思うんです。こういう金融行政の一体化、水も漏らさぬような連係プレーは、危機管理のときには私は非常に大切だと思うんです。

 けさも申し上げましたけれども、こうした経済の環境やあるいは資本取引の面で、新潟大災害にも相当するような、震度五、震度六、震度七に相当するような事件が起きようとしているときに、その連絡さえもお互いにとらない。西武が連絡してきたから聞きました。取引所も取引所で、のんびりと、十月八日に聞きました。十月一日に聞いた金融庁と十月八日に連絡を受けた取引所と、お互いに十二月一日を迎えるまでその食い違いを問題ともせず、これからの体制に万全を尽くしますとおっしゃっている。何が万全ですか。こういう連絡の欠陥について、大臣、どのように思われますか。

伊藤国務大臣 東証との連携について、しっかりなされていないんではないかという御指摘がございましたけれども、これは、西武鉄道側においてまだ調査中の段階で、事実関係が確定をしていないという状況の中で私どもの方に問い合わせがあったということであります。その問い合わせも、事実関係の調査をしていくんだということでありましたから、私どもとして、開示書類にかかわる関係の窓口というものを御連絡させていただいて、そして、事実関係の調査の中で問題があって訂正の報告書を出さなければいけないということであるならば、これは速やかに出していただきたい、その旨をお伝えさせていただいたところであります。

岩國委員 事実関係を調査したいというわざわざの電話があれば、これは何かが起きていると思わなきゃいかぬでしょう。そうじゃありませんか。受けた担当官は、どういう報告を上司にしておったのか。西武から毎年毎年、盆暮れにそんな連絡があったのならばともかく、何かおかしいと思うのが普通の感覚じゃありませんか。その程度の感覚でこの金融の監督行政、指導行政をやっておられるとしたら、私はこれは大変な問題だと思います。

 金融の世界におけるこういう連絡は、だれかの密告電話ならいたずらということもあるでしょう。十月一日のはいたずら電話じゃないでしょう。事実関係の何を調査するんですか。どこかの西武鉄道の駅で人身事故があったからと、そんなことの話じゃないでしょう。金融庁にかけてくる電話というのは内容は何かということがわかる程度の常識と感覚を持っていなくちゃいかぬじゃないですか。もう一度しっかりと答えてください。

伊藤国務大臣 今先生から重ねての御指摘がございましたけれども、だからこそ私どもとしては、西武鉄道の事実関係、それに基づいて、訂正があるような事態になれば速やかに訂正報告書を提出していただきたいということをお伝えさせていただき、そのことの窓口を御連絡させていただいたところでございます。

 当然、担当者の方としても、西武鉄道の調査についてその状況を注視していたわけでありますし、先生御指摘のとおり、こうした問題がディスクロージャー制度全体に対する信認ということに対して大変大きな影響を与えていくわけでありますから、そのことはしっかり受けとめて注視をしていかなければいけない、そういう認識を持っていたというふうに思います。

岩國委員 そういうときには取引所にまず連絡すべきじゃありませんか、何かが起きているということであれば。取引所は十月八日まで何も知らなかったんです。その一週間、金融庁の方ではどういう作業をし、実態解明に何らかの、自分なりの努力をしておられたのかどうか。のんべんだらりと、そのうち西武から電話かかってくるでしょう、来たら対応しましょうぐらいの話で、残業する人一人もいない。そして、西武鉄道の有価証券報告書を審査した人間が見落としたかどうか気になって一生懸命残業してでも掘り起こしたかどうか、これもない。大臣に報告もしない。取引所の担当者と連絡もとらない。ないない尽くしじゃ、これはしようがないじゃないですか。

 大臣、聞いておられますか。質問しているのは私です。

 こういうないない尽くしの監督行政では、これからいろんな規制緩和をやっていくというときに大変心細い思いがします。一人一人の検査官なり担当官の常識と、それから何かが起きているという嗅覚、感覚、こういうものを持たなかったら、私たちは安心して株式を買うこととか取引所を信用することができないと私は思います。

 同じことの繰り返しになりますから、この点については、十月一日から金融庁の中でどういう体制でだれが何を取り調べたのか、全く何もしていなかったのか、それをしっかりと調べて委員会に報告していただきたいと思います。委員長、必ずその報告を要求していただくようにお願いいたします。

金田委員長 理事会で協議します。

岩國委員 次に、谷垣大臣に税務の観点から質問したいと思います。

 こうした西武鉄道の株価形成あるいはこうした変則的な株主構成が税務の方にどういうインパクトを与えたか。結果としてこれは脱税につながっている、少なくとも巨額の節税につながっているという推理が成り立ちます。この点について、財務省としても十分調査されたかどうか。例えば、堤康次郎氏はどれだけの税金を払っておられたのか。また、受取配当に対して、その税金はだれが払っておったのか。実質的な所有者が払っておったのか、形式的な所有者が払ったことになっているのか。税務の面からこの事件の解明は十分に財務省の中でしておられますか。そういう、贈与税はどうなったのか、あるいは相続税はだれが払ったのか。こういう架空名義、名義貸しの株式についての配当の課税関係、それから贈与、相続の課税関係、これを堤康次郎氏と堤義明氏、それから日本テレビについて渡辺恒雄氏、この三氏についての調査をされたかどうか、お答えください。

谷垣国務大臣 個々の課税関係、個別にわたる事柄についてはお答えをしないということで今までも来ておりますし、この件についてもそのようにお答えをさせていただきたいと思っておりますが、全く一般論でございますけれども、私どもは必要な情報が、あればというのはちょっとあれでございますが、必要な情報をきちっと集めて適切に対処している、こうお答えいたします。

岩國委員 各税務署で所得額の公開が行われておりますね。当然こういう方たちは高額所得者の中に入っておられて、毎年毎年数字が公開されておったと思います。過去五十年間にわたって、西武鉄道、日本テレビの株価、上場されて以来あるいは上場前から、この課税関係について、関係されるこの三人の公開された範囲のデータだけでも提出していくことは可能ですか。お答えください。

谷垣国務大臣 過去、どのように公開されていたのかも今つまびらかにしておりませんので、ちょっと検討させていただきます。

岩國委員 過去において三人の方それぞれについて公開されている範囲について、すべてをこの委員会に提供していただきたいと思います。これは、国民はそういう疑惑の目で見ております。株式市場があるいはこうした変則的な株主構成がそういう節税、脱税目的のために行われたということであれば、これは許しがたい犯罪行為ということになるわけですから、そういう重大な関心を持って、直ちに資料を整理し、この委員会に提出していただきたい、そのように思います。

 次に、質問を変えます。

 前回のこの委員会におきまして、私は国債の問題についていろいろと質問させていただきました。国債の海外PRについて、そういう海外PRの計画はないと田野瀬副大臣から私は答弁をいただいたんです。ところが、あと十五分で始まります国債に関する懇談会で、海外PRに関する実施計画というものがそこで説明されるという。年度内には行いません、そういう答弁を私にされた財務省がそういう会議を開いて、そして偶然ですけれども、私の質問時間に合わせたかのごとく、二時からそういう懇談会が開かれる。そこで海外PRの実施要綱を発表される。これは一体どうなっているんですか。

 私は海外PRそのものは悪いことではないと思います。いいことだと思います。やるべきです。やるべきことだからこそ、なぜこの程度のことを、明快に気持ちよく前向きにこの委員会で説明していただけないのか。これは与党だけじゃなくて、野党も含めて、国債の順調な消化、そういう体制が整備されていくこと、そして財務省が一生懸命それに取り組んでいくこと、みんな我々賛成しているんですから。それをなぜ、もう既に決まって、案内書の原稿まで一生懸命担当者が書いているようなときに、そんなことは年内に行いませんと。私が、それでは年度内でどうですかと言ったら、年度内に行うことがないということも御理解いただきたい、これではどう御理解すればいいんですか。私は、こういうことはもっとさわやかにすらっとどんどん答弁していただかないと、ここは外務委員会じゃありませんから、そんな政治的な配慮ばかりしている必要は全然ないわけです。事実を率直に語っていただくのがこの委員会だと私は今までは安心して聞いておったんです。これから安心できないということになるんですね。

 小さなこと、しかもいいことだけに、このような取り上げ方をするのは私は気が進みませんけれども、なぜあのときに、準備が進んでおるのに、副大臣としてはそういう、進んでいないというふうな発言をせざるを得なかったのか、その点について御説明いただければ御説明いただきたいと思います。

 小泉内閣、最近はいろんな委員会で、本会議でも、いろんな場所で、問題発言、問題答弁が多過ぎるんです。問題答弁というのは、国民に対してはっきり説明をしようとしない。例えば、例の、自衛隊がいる地域は戦闘地域か非戦闘地域か。自衛隊がいるところは非戦闘地域ですと、こういうふうな逆立ちの答弁。これは言ってみたら、交差点の信号は赤か青かと聞いているときに、人が歩いているから青でしょう、こう言っているのと同じことでしょう。信号を聞いているのに、人が歩いていたら青に決まっています、こういう答弁を小泉さんがしておられる。同じようなことがファルージャの問題についても、私はそこへ行っていませんからわかるわけがないでしょう、あるいは、その状況は知る人ぞ知る、こういうふうな、答弁を拒否するような日本語がどんどん乱発されている。私は、せめてこの委員会だけは、谷垣大臣も伊藤大臣も、すべての人が正直に率直に。しかも隠ぺいする必要は全くないことにまでこのような発言、答弁をされる、何か理由があれば聞かせていただきたいと思います。

田野瀬副大臣 十一月十六日の委員会であったと思います。せっかくの岩國先生から御提言、御提案も含めた御質問をいただいておったにもかかわりませず、私の答弁が言葉足らず、舌足らずであったと。私も、議事録を見ましてそんなふうに確認し反省をいたしておる次第でございます。

 ただ、あの時点では確たる計画がまだ定まっておらなかったということを御理解いただきながら、あれから検討に検討を重ねてまいりまして、そして、本日申し上げることができますのは、来年一月に欧州、ロンドンでございますけれども、及び米国のニューヨークで海外向け広報を実施する方向で現在必要な準備を進めておるところでございます。

 そんなことで、改めまして、岩國先生の御提案を含めた御質問にお答えさせていただきたい、このように考えておる次第でございます。

岩國委員 その件はそういうことで、これからはもう、計画を進めておられるときは、わざわざ私が、そういうことを実行されてはどうですかという気持ちも含めて聞いている人間に対して、まるでそんなことはやりたくないみたいにおっしゃる必要は全くなかったと私は思いますので、ぜひこれからはそういうことのないようにお願いいたします。

 次に、財務大臣にお伺いいたします。

 国債の残高がどの辺でピークに達するのか、金額及びそれから時期について。世界一の借金大国の借金大臣として、寝ても覚めても恐らくそのことが心配で心配で、大変な御苦労だと私は推察いたします。いつごろまでこれはふえ続けて、国債の残高としてはどの辺の金額でとまるのか、それは時期としてはいつなのか。それについて、いろいろな試算、シナリオを検討していらっしゃると思いますけれども、我々一般国民は、新聞を開けば、とにかく国債がどんどんどんどんふえていって利払いの費用だけでも大変だ、そのことだけでも非常に暗い思いをするわけです。一体どこまでこのぬかるみは続いていくのか、どの辺でとまるのか、ピークアウトする時期とそれから水準についてお答えいただきたいと思います。

谷垣国務大臣 御答弁する前に、岩國委員から、この委員会ではできるだけ虚心坦懐に率直に議論をせよという御指摘をいただきまして、私どももそのように努めなければならないと思っております。

 そこで、今の国債の問題でございますが、私どもが試算をしておりますのは、国債整理基金の資金繰り状況等についての仮定計算、いわゆる資金繰り表と言っておりますが、それを試算して出しております。

 ここでは、将来においての国債の償還財源見通し等を展望していくために、一定の仮定を設けて今後の国債整理基金の資金繰り状況を試算しているわけですが、その資金繰りでやっておりますのが、予算委員会にお出ししているいわゆる後年度影響試算の一定の前提のもとに計算しました歳出と税収等の差額が全部公債金で賄われるというふうに十九年度までは仮定し、それから、平成二十年度以降は十九年度における差額と同額の新規国債発行が行われることを仮定して計算を行っておりますが、今のところ、私どもが計算しておるのは、平成二十九年度、十三年後というところまで試算をして発表しております。

 その試算の最終年度、平成二十九年度では、年度末公債残高は九百四兆円、それから利払い費は十六・四兆円ということになっておりまして、これはもちろん国債発行額や公債残高などの将来像とか目標を示したわけではありませんで、実際の国債発行額については、その時々の経済社会情勢を踏まえて毎年度の予算編成で決めていくというふうな仕組みになっておりますが、一応、今のような形になっております。

 それで、いつになったらピークだということでございますけれども、今私どもが一応視野に置いてやっておりますのは、この委員会でもたびたびお答えしておりますけれども、二〇一〇年代初頭に基礎的財政収支の黒字化を目指すということでやっております。

 それで、もう委員には釈迦に説法でございますが、基礎的財政収支のバランスをとるというところまで目標としているわけで、二〇一〇年代初頭にそういう目標でやっているわけでございますが、そのときのいわゆる経済成長率と利子率の関係等で結局どうなっていくかという点については、十分な試算はまだ持っているわけではございません。

岩國委員 忘れる前に、委員長にお願いしておきます。

 先ほど私が要求しました資料、中塚委員が要求しました資料については、必ず理事会でお取り計らいいただきますようにお願いいたします。よろしいですか。

金田委員長 理事会で協議させていただきます。

岩國委員 ありがとうございます。

 今谷垣大臣の御答弁をいただきましたけれども、それは金利水準二%で計算しているケースですか、三%ですか。金利水準についてはどういう、長期国債の金利水準を何%と置いて、利払いについてこういう試算、平成二十九年の年間利払いが十六兆円と大変な金額ですけれども、二%と三%ではこれは全然話が違います。

 それから、長期的なこういうシナリオの計算というのは大変難しいし、選択肢ももう限りなく多い、御苦労なことだと思いますけれども、成長率を一応ゼロとして、歳出カットもゼロとして、税収の伸びもゼロとして、三つのゼロで計算した場合にはどういう結果が出ておるのか。

 それから、金利水準については、今の数字は何%を前提にしたものか。お願いいたします。

田野瀬副大臣 二%で計算したものでございます。

岩國委員 三%で計算したものをお答えいただけますか。三%ではどういう結果が出ておったか。

田野瀬副大臣 三%で計算したデータは今のところ持ち合わせておりません。

岩國委員 そういうお答えが出るだろうと思って、私も調べておきました。

 二月二十六日、谷垣大臣はこの委員会で、仮に三%と置いた場合どうなるかという仮定計算も行っているわけでございます、こう答弁していらっしゃるじゃないですか。三%のがないとは、いつの間になくなったんですか、それは。

田野瀬副大臣 十七年度、十八年度、十九年度の三年間については三%で計算したデータはございます。

岩國委員 ということは、これから三年間は金利はやや三%に近いケースもあり得る、しかし、三年過ぎたら三%というケースは非常に少ないから必要はなくなった、こういうことですか。なぜ、今から三年間だけ二%と三%と両方計算しておいて、三年を超えた部分については二%の計算だけしか試算されないのか。作業的にはそんなに困難なことじゃないでしょう。二%と三%と並行してこれから三年間やったのであれば、それから先も二%と三%を両方おやりになるべきじゃないですか。それは、作業を本当にやっていないんですか、それとも発表できない何かの理由があるんですか。どちらか、お答えください。

田野瀬副大臣 五年後、十年後等の長期にわたる試算は行っておりません。

岩國委員 時間が尽きましたからこれで終わりますけれども、私は、ゼロ金利政策の国民的なコスト、家計に対するマイナスインパクトについても大臣と議論したいと思いました。時間が尽きて残念ですが、またその点は別個いたします。

 それから、今の国債のシナリオについては、いろいろな前提を置きながらどんどんどんどんやってみてください。三%の場合はやっておりませんと。なぜ、これから三年間だけ三%をやって、そこから先の三%はあり得ないのか。専門家の一般的な見方は、三年を過ぎたらむしろ二%よりも三%のシナリオの方が蓋然性は大きいと見られているときに、専門家と思われている財務省の人たちが三%より二%の方を視野に入れているということは、ますますこれから、十五年、二十年、長いシナリオの狂いの度合いが大きくなるということを警告して、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

金田委員長 次に、村越祐民君。

村越委員 民主党の村越祐民でございます。

 午前中の参考人質疑に引き続きまして、お時間をいただきましたので、質問させていただきます。

 東証の問題、あるいは西武、コクド、日本テレビ等々の問題に関して、若干、通告した質問の積み残しもあります。また、インサイダー取引の問題に関しても触れたかったんですが、せっかく一般質疑ということで、若干緊急性の高い問題、昨今の新聞報道をめぐる問題に関して、きょうは御質問させていただきたいと思います。

 IT調達に関する問題であります。

 ほかにより安価な代替手段があるという意味で必要性が乏しかったり、あるいは適正な価格水準というものを十分に吟味、研究調査しない、それで調達する、結論として国民の税金だったりあるいは年金の掛金が相も変わらず垂れ流しで、むだ遣いをされているという報道があるわけです。

 例えば契約内容が非常に包括的で、ほにゃららシステム一式というように、ほぼ業者に丸投げになっている。その結果として、この新聞報道で指摘がありますように、契約外の公費出費が伴うようになっている。それに加えて、巨額の投資をしているんであれば、そこから得るべき権利というものが本来役所に帰属するべきなのに、業者に権利が帰属しているというおかしな状況がある。そして、その契約外の出費をするに当たって何の疑問も感じないまま支払いがなされているといった、非常にでたらめな調達がされているという意味での新聞報道がなされているわけです。

 十一月二十九日の読売新聞の記事を若干読み上げますが、「社会保険庁のコンピューターシステムの開発・運用をめぐり、昨年度、請負業者のNTTデータと日立製作所が行った契約外の業務について、同庁が作業内容を確認せず、業者側から言われるままに百六億円の公費を支出していたことが、同庁のIT調達に関する「刷新可能性調査」でわかった。」という報道なんですが、まず、この十一月二十九日の新聞報道に関して社会保険庁にお聞きをしたいと思います。

 一点目は、このシステムを導入する際、契約締結時に、果たして事前にきちっとした審査をなさったのか、あるいは業者からきちんとした中身の詳細に立ち入った見積もりをとった事実があるのかどうか、記録が残っているのか、お答えいただきたいと思います。

小林政府参考人 今委員御指摘の点でございますが、社会保険庁と株式会社のNTTデータの契約につきましては、株式会社のNTTデータが定めますデータ通信サービス契約約款というものが基本のものでございます。これに基づきまして、昭和五十五年の一月から長期の継続契約ということで行っているところでございます。

 この契約におきましては、NTTデータの電気通信設備でございますハードウエア、ソフトウエア、通信回線及び端末設備というものを私ども社会保険庁が使用させていただくということで、その役務の提供の対価として毎月の利用料を支払う、こういう契約内容になっておるところでございます。利用に関しまして契約の内容を変更すると、その都度、内容の指示、確認を行うということでございますとか、費用の見積もりにつきましても先方から出していただいて、それに基づいての契約をやっておるという状況でございます。

 また、日立製作所及び日本電子計算機株式会社というところとの間でも契約を結んでおるわけでありますが、こちらの方は昭和四十二年から契約をさせていただいておるところでございますが、ハードについてはレンタル方式での賃貸借契約、ソフトウエアについては請負契約ということでの契約を締結しております。こちらにつきましても、毎年度の契約締結時に内容の指示、確認を行うとともに、費用の見積もりをとっているところでございます。

 新聞報道の指摘があった業務につきましては、私どもとしては、社会保険業務、オンラインシステムの運用上当然必要な業務として契約に含まれているというふうに考えているところでございますけれども、契約の透明性あるいは検証可能性を高めるという見地から、個別の業務を契約書上も明確に位置づける、単価も設定をするというようなことでの見直しを今後図ってまいりたいと思っております。

村越委員 今、この百六億円の後づけの支出が契約に含まれているというふうにお答えになったと思いますが、そうだとすれば、契約を取り交わした時点で契約書にこのことが記載されていたんでしょうか、どうでしょうか。お答えいただけますか。

小林政府参考人 契約書については割と包括的な契約の記載になっておりますので、新聞報道にございますように、今、社会保険オンラインシステムの刷新可能性調査というのを行っているわけでありますが、その中間報告の中で、現行の契約には明記されていない作業があるというような記載がこの中間報告の中にはされているところでございます。

 個別の、個々の業務という形での明確な記載がないというあたりは私どももしっかりと受けとめなければならぬというふうに思っておりますので、先ほど申し上げましたように、契約の透明性を高めるという観点から、今後、契約書上の明確な位置づけあるいは単価の設定ということに取り組んでいきたいと思っております。

村越委員 ちょっとよくわからないんですが、端的にお伺いしますが、事前に審査をされたんでしょうか、見積もりをおとりになったのでしょうか。その点につきお答えいただけますか。

小林政府参考人 個別の契約の変更などを行う際には、事前に内容についての指示、確認を行うとともに、費用の見積もりも提出をしていただいております。

村越委員 この文書というものをぜひ公開していただきたいと思いますので、閲覧可能なものであればぜひ後で見せていただきたいなと思います。

 一般論として、次にお伺いしたいんですが、審査をしないあるいは見積もりをとらないという契約は、会計法上どのような評価をされるんでしょうか。これは主計局にお伺いするべきことなんでしょうか、それとも社会保険庁の方で回答を用意されているのであれば、お答えいただきたいと思います。

小林政府参考人 先ほどからお答えをさせていただいておりますが、今回報道に係る事実関係につきましては、このオンラインシステム運用上当然必要な経費ということで私ども考えておりますので、今回のこの関係につきまして会計法上の問題は生じないというふうに考えております。

村越委員 いや、質問にお答えになっていないと思います。一般論としてというふうにお断りしたように、そういう契約があった場合どうなのかということをお答えいただきたいと思います。

小林政府参考人 一般論ということでの御質問でございますので、個々の契約内容についての事前の審査をしない、あるいは見積書がとられていないというようなことについては、やはり問題があるのではないかというふうに考えております。

村越委員 いや、問題があるのはわかっているんですが、法的にどういう評価がされて、仮に違反があった場合どういう罰則規定があるのかということをお伺いしております。お答えいただけないでしょうか。通告してあると思うんですが。

 時間がもったいないので、次に行きます。

 それでは、今回、このような報道がありまして、いろいろ国民に対してまた社会保険庁はやらかしたのかというような印象を、意図せざる結果かもしれませんが、与えているんだと思います。

 そこで、私、いろいろ調べましたら、平成十六年十一月二十六日付で、「社会保険庁は変わります」宣言というのをアナウンスされていると思います。この中で、二という項目で、「予算執行の透明性の確保」という項目があって、今年度中に調達コスト削減目標の設定をします、そして来年度中に社会保険オンラインシステムの最適化計画を策定しますというふうにうたわれているわけですけれども、こういうふうに問題が出てきてしまうと一刻の猶予もないんじゃないかと私は思うんですが、今回の報道を受けてどのような対応をされるのか、お伺いしたいと思います。

小林政府参考人 社会保険オンラインシステムに関しましては、政府全体のレガシーシステムの見直しという作業がございます中で、今年度、外部のコンサルタント会社に委託をしまして、刷新可能性調査というのをさせていただいておる、これは十六年度の調査でございます。この調査結果を受けまして、刷新可能性、さらには契約の見直しに関する方向性というのが示されてくると考えておりますので、それを受けまして、十七年度、来年度に最適化計画の策定をさせていただきまして、それを受けて具体的なシステムの見直しというものにつなげていきたい、こういうふうに思っております。

 また、委員御指摘の調達委員会、調達の内容についての見直しという作業も部内でさせていただいております。ことしの十月に調達委員会というものを庁内に設置させていただきまして、そこで調達に向けて、いわば削減目標なんかも含めての議論もし、今後社会保険庁において行う調達案件については、ここで事前の審査を行うというような形で調達の内容の適正さを確保する、あるいは透明性を高めるという作業をさせていただくつもりでおります。

村越委員 非常に悠長なことをおっしゃっているなと思うんですね。今お引きになった、恐らくこれがその刷新可能性調査の中間報告書だと思うんですが、「「社会保険オンラインシステム刷新可能性調査」 業務・システムの課題及び方向性について」二〇〇四年十月六日付のものが手元にあるんですが、この中に「現行の契約には、契約に明記されていない作業が行われている、ハードウェアの調達がレンタルであるのかリースであるのか曖昧である等、コスト構造に不透明なところがあり、コスト妥当性の監視・評価は容易ではない。」というような明確な指摘が既にされているわけです。したがって、早々に、このような問題に対して、改革に取り組まなくてはいけないようなところに来ているんじゃないかと私は思っております。

 そこで、次の質問に移りますが、IT調達あるいはe―Japanということでいろいろな電子化に政府は取り組んでいるかと思います。その制度の一端としまして、CIO補佐官というものを各省庁につけて、各省庁が採用していろいろな取り組みをされていると思うんですが、このCIO補佐官の任務は何か、どのような認識をされているのか。これは、社保庁、それから財務省にもお伺いをしたいと思います。

小林政府参考人 CIO補佐官、各省にIT関係の専門家の方に御就任をいただきまして、私どもの厚生労働省におきましても、これは統計情報部というところが担当しておりますけれども、ちょっと今具体的な人数は記憶しておりませんけれども、相当数の方に御就任いただきまして、また、私どもの社会保険オンラインシステムにつきましても、このCIO補佐官の方々に、今進めております刷新可能性調査の中身についても随時御報告をさせていただき、またアドバイスをいただきながら、中身のある、実のある刷新可能性調査ができるように、種々アドバイスをちょうだいしているところでございます。

津田政府参考人 CIO補佐官の任務でございますが、これは電子政府構築計画という昨年の七月に決められたものの中に明記をされております。それによりますと、府省内の業務、システムの分析、評価、それから最適化計画の策定に当たりCIO及び各所管部門の長に対する支援、助言を行う者ということになっております。

 財務省におきましては、去年の十一月に一名、ことしの四月にさらに一名を加えまして合計二名で情報システム関連の調達に当たりまして、仕様書のチェック等によって支援、助言をいただくことにしております。

村越委員 社会保険庁はデータをお持ちでないということでちょっと残念なんですが、たしか先ほど担当者の方が二名いらっしゃるというようなお話をされていたかと思うんですが、問題は、このCIO補佐官がこのようなIT調達案件に際してきちっと審査をされているのかどうか、そういう役割を担っているのかどうかということだと思っております。

 そして、一律に、調達案件に関して全部を審査するのか、あるいは一部のサンプリング審査しかしないのかということも肝要だと思っておりまして、とりわけ調達に関してCIO補佐官がそれぞれ社会保険庁と財務省で審査をされているのかどうかお伺いしたいんですが、これも通告をしてあると思いますので、お答えいただけないでしょうか。

小林政府参考人 調達の審査なり適否というものを議論するに際してCIO補佐官の方々が直接参加するというような形はとっておらないところでございますけれども、我々、かなり大きなオンラインシステムを動かしておりますので、そのオンラインシステムの中身、今まさにやっております刷新可能性調査というような中についてはCIO補佐官の方々の専門的な知識をぜひともいただきたいということで、かなり連携をとりながらアドバイスをちょうだいしておるという状況でございます。

津田政府参考人 財務省における情報システム関連の調達に当たりましては、原則としてすべての案件について事前にCIO補佐官によって仕様書のチェックなどをしていただいて、支援、助言をいただくことにしております。

村越委員 今御答弁いただいておわかりのように、社会保険庁と財務省で対応が若干違う。どうして社会保険庁ではCIO補佐官は調達の際に意見を具申するようなことがないんでしょうか。

 この「情報化統括責任者補佐官等活用事例集」というものの中には、CIO補佐官が入札業者から提出された提案書等の評価等をするんだ、あるいは情報システム調達にかかわる仕様書等の作成に対する助言等をするんだ。あるいはまた、業務、システムの現行体系の整理に対する助言等をするんだ、これは次長がお答えになっていましたが、こういうマニュアルがあるわけです。

 そもそもこういうことが問題になるのは、要するに役所が大きな機械を買う際に、専門能力がない、専門知識がないから、ある意味、悪い言葉で言えば業者から吹っかけられてぼったくられてしまうということになっているわけです。わざわざ外部から専門知識を持っている人を入れているわけですから、どうしてこの人たちを活用しないんでしょうか。私には理解できないんですが、お答えいただけないでしょうか。社会保険庁、お願いします。

小林政府参考人 IT関係の調達、委員御指摘のとおり、非常に専門的な知識が必要な部分になりますのは御指摘のとおりでございます。御指摘を受けまして、私どもの中でさまざまなIT関係の調達に関してCIO補佐官の方々への御協力なり連携のあり方についてさらに検討してまいりたいと思っております。

村越委員 ぜひそうしていただきたいと思います。また、一人とか二人とかというのでは必ずしも十分な体制だとは言いがたいので、その人的構成に関しても検討していただきたいと思います。

 次に、読売新聞の新聞報道というのが何回か連載でなされておりまして、若干財務省所管の財団に関する報道がありましたので、このことに関してちょっとお伺いをしたいと思います。

 問題になっているのは、財務省所管の日本システム開発研究所というところが出している出張旅費システムなるソフトが取り上げられているわけですけれども、私が思うに、このソフトというのは、今政府が必死になって排除しようとしているレガシーシステムですね、私、個人的にはこれに該当するんじゃないかなんて思っていたりもするんですが、それはさておき、この出張旅費システムというのを導入されているでしょうか。また、その理由、導入されているのであればどうしてそれを使っているのか、導入していないのであればどうしてそれを使っていないのか。社会保険庁と財務省にお答えいただきたいと思います。

小林政府参考人 今御指摘のありました出張旅費システムでございますけれども、私ども、出張に係ります事務処理につきましては、市販のソフトウエアを活用して運賃の算出を行う、また、あわせて書類作成については一部手作業という形で行っておりまして、この出張旅費システムというものは導入をしておりません。

津田政府参考人 財務省におきましては、出張旅費システムは導入しております。その際に、一般競争入札による調達を行って適正に執行しているところでございます。

 なお、今御指摘になった財団法人のシステムではないシステムであります。

村越委員 一般競争入札を行われて適正な価格で適正な品物を入れるというのは、大変結構なことだと思います。

 さて、問題となっている財団が財務省所管だということで関連してお伺いしたいんですが、これまでこの財団に対して財務省はどのような監督指導を行われてきたんでしょうか。お答えいただきたいと思います。

田野瀬副大臣 公益法人に対する指導監督については、従来から、毎年度当該法人から提出される事業報告書等をもとに法人運営等の指導監督基準への適合状況の確認を実施するなど、公益法人の指導監督基準にのっとって適切な指導監督に努めてきたところでございます。

 また、平成十三年度には、各省庁において、公益法人に対する立入検査の充実等について、所管公益法人に対する検査は少なくとも三年に一回実施するものとする、そんな申し合わせをしておるところでございます。当日本システム開発研究所に対しましても、この申し合わせに基づいて立入検査を実施させていただきました。

 以上でございます。

村越委員 時間が来てしまいましたので、ほかにも会計検査院等にちょっとお伺いしたいことがあったんですが、いずれまた別の機会で取り上げたいと思っております。

 最後に申し上げておきますと、全体責任は無責任だという格言があります。要するに、国民の税金を使って何か買い物をする際に、変なものを買った場合等、特に責任の所在を明らかにしておかないと、およそ予算執行の透明性の確保などは担保しようがないということを指摘しておきたいと思います。また別の機会でこれは取り上げたいと思います。

 これで終わります。

金田委員長 次に、平岡秀夫君。

平岡委員 民主党の平岡秀夫でございます。

 私は、有価証券報告書虚偽記載等の問題について質問させていただきたいと思います。

 きょうの午前中の参考人質疑の際にも申し上げたんですけれども、今回のさまざまな事件というのは、証券取引市場の信頼性、投資家の信頼を失うというようなものになってきているということで、東京証券取引所としても、あるいは金融当局としても、しっかりとした対処をしていかなきゃいけない。その対処というのは、一つはやはり事実関係をはっきりとさせ、それに対するしかるべき処分をしっかりしていくということ、それから再発防止に向けての今後の対応をしっかりしていく、こういうことになるというふうに申し上げております。

 そういう視点に立って質問を申し上げたいというふうに思うのでありますけれども、先ほど自民党の柴山委員の方から、日本テレビの株式の問題については、当局は事前に知っていたという、事前に報告していたというふうに日本テレビの方が報道で言っているというようなことがあって、それに対して大臣が答弁されているんですけれども、ちょっとかみ合っていなかったので、私の方からもう一度、しっかりとした答弁をもらおうと思うんです。

 日本テレビは、みずから公表した文書の中で、平成二年に読売新聞社は財務当局と相談の上、実態に即した大量保有報告書を提出したというふうに説明をしております。そして、今回問題となっているのは、日本テレビが出している有価証券報告書における株主の状況というものが、要するに大量保有報告書と中身が違うということであります。ということは、金融当局は両方持っているわけでありますから、ちゃんと見ていれば、この事実というのは、両方が違っている状況というのはわかっていたはずなんですよね。このわかっていたはずのことが、金融当局として全く何の対応もされていないということについて問題とされているということであります。この有価証券報告書における株主偽造の事実を知りながら金融当局として放置していたのかということについて、大臣から御答弁をいただきたいと思います。

伊藤国務大臣 お答えをさせていただきたいと思います。

 前段に、やはりディスクロージャー制度に対する信認を回復していくためにも、事実関係をしっかり把握して、そしてそれに基づいた再発防止策をしっかりやっていかなければいけない、委員の御指摘は全くそのとおりだというふうに思っております。私どももそうした認識に立って今後の対応を行っていきたいというふうに考えているところでございます。

 今、株主の偽装の事実を知りながら放置していたのではないか、そうした御質問がございました。

 大量保有報告書等の公衆縦覧期間は、これは証券取引法上、五年と規定をされているところであります。直近五年間において、読売新聞グループ本社から株券保有割合の増減に伴う大量保有報告書の変更報告書が提出されたことはございません。また、現在、同社による日本テレビ放送網株式の保有状況について記載されている変更報告書で、公衆縦覧に供されているものはないと承知をいたしております。

 そのような状況に加えて、公衆縦覧期間を過ぎた大量保有報告書等については、これは行政の文書管理規則に従い廃棄されていることから、大量保有報告書の提出当時の状況を当局として確認することは困難であるということは御理解をいただきたいというふうに思います。

 いずれにいたしましても、大量保有報告書等の審査に当たっては、その報告書と記載の内容の整合性について留意をしていくということは非常に重要なことでございますので、今後とも、一層適切な審査が行われるよう努めてまいりたいと考えております。

平岡委員 大臣、何を言っているんですか。公衆縦覧期間が過ぎているからどうのこうのという話を言っているんじゃないんですよ。

 平成二年のときに、大量保有報告書を、相談を受けて、こういうふうにしたいということでやったということで了承している、実質に応じてやるんだということになっているわけですよ。そのときに当時の有価証券報告書がどうなっているかというのは、見ればわかるわけですよ。そのときになぜ当局としてちゃんとした対応をとってこなかったのか。それが今までずうっとそのまま放置されてきているということじゃないですか。今は縦覧されていないからそんなことは知りませんという、そんな答弁はおかしいですよ。大臣、もう一遍やり直ししてください。

伊藤国務大臣 重ねての答弁で大変恐縮でございますけれども、その当時の状況を確認していくということは、これは大変困難でありまして、なぜかといえば、先ほど来お話をさせていただいているように、行政の文書管理規則に従ってこうした書類が廃棄されている。そうした状況の中で確認をしていくということがなかなかできないものですから、こうした事情をぜひ御理解いただきたいというふうに思います。

平岡委員 当時の、平成二年のときのこの大量保有報告書について、財務当局で相談を受けた人にちゃんと聞いて、どういうことだったのか、これは有価証券報告書との関係はどうだったのか、ちゃんと調べて報告してください。そうしないと、これはさっきも言ったように、事実関係をはっきりさせないと、これに対して適切な処分がとれない。それが、ひいては証券取引所あるいは投資者に対する信頼を失わせることになるんですよ。大臣、ちゃんとやってください。当時の担当者に聞いて、どうだったのか確認をして、今すぐできないでしょうから、この委員会に報告してください。よろしいですね。

伊藤国務大臣 この点について厳しい御指摘をいただいているところでございますけれども、この当時の書類が破棄をされている、そうした状況の中で確認をしていくということは、これは大変困難なことでありますので、そうした意味からも御理解をいただきたいということを答弁させていただいているところでございます。

平岡委員 らちが明かないのでこれ以上これはやりませんけれども、ちゃんと調べていただきたいということをお願いしたいということで、委員長、この問題、委員会としてもちゃんと対応するように求めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

金田委員長 理事会で協議させていただきます。

平岡委員 次に、今回の有価証券報告書について言うと、西武鉄道あるいは日本テレビ、中部日本放送などのケースについて言うと、虚偽記載、形式的には虚偽記載に当たるというふうに私も理解しているわけですけれども、その程度はいろいろあるのかもしれません。証券市場にどれだけの影響を与えたのか、あるいはどれだけの意図、故意を持ってやったのか、いろいろあると思うんですけれども、これらのケースについては、実はこの前、十一月の十二日の伊藤大臣の記者会見の中でも、虚偽の開示に対しては厳正に対処していかなければならないというふうに言われているわけでありますけれども、これらの問題について厳正に対処していくということでよろしいでしょうか。

伊藤国務大臣 記者会見でもお話をさせていただいたように、証券取引等監視委員会において、法令違反にかかわるような事実の疑いがあれば必要に応じて調査をし、そして、調査の結果において法令違反の事実というものが確認をされれば、これは法令に基づいて厳正に対処されるものになるというふうに考えております。

平岡委員 形式的には虚偽記載ということに当たる事実ははっきりしているわけですよね。その後の背景はいろいろあるのかもしれませんけれども。これらについては、刑事事件にするかしないかにかかわらず、しっかりと……。この後結果を、どういう中身であってどういう対応をとったのか、その報告を求めたいと思いますけれども、よろしいですね。

伊藤国務大臣 個別のことについてコメントすることはお許しをいただきたいというふうに思いますが、一般論として、先ほど来お答えをさせていただいているように、問題があれば法令に基づいてこれは厳正に対処していかなければなりませんので、私どもとしてしっかり対応していきたいというふうに考えております。

平岡委員 虚偽記載ということには形式的には当たっているので、これに対して当局がどのような対応をとったのか、これは、後日、私の方でしっかりとまた聞かせていただきたいというふうに思っていますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

 それから、この有価証券報告書の虚偽記載の問題について言えば、いろいろなちまたの指摘もあるわけでありますけれども、当局における有価証券報告書のチェック体制が不十分であるというような指摘も一般にされているわけでありますけれども、体制整備についてはどのようにお考えになっておられるんでしょうか。

伊藤国務大臣 お答えをさせていただきたいと思います。

 西武鉄道等々、有価証券報告書の訂正がされるという事態に至っていることに関連をして、この審査について厳しい御批判があるということについて、大変重く私どもとして受けとめているところでございます。

 このため、十一月十六日に、私どもとして、ディスクロージャー制度の信頼性確保に向けた対応について取りまとめ、公表させていただいたところでございますけれども、有価証券報告書等の審査体制というものを整備していく観点から、来年七月から、有価証券報告書等の虚偽記載等にかかわる検査、報告徴求権限を関東財務局から証券取引等監視委員会に移管することとし、これに伴う審査体制全体のあり方を、現在、金融庁総点検プロジェクトというものを推進いたしておりますので、その一環として検討していきたいというふうに思っております。

 また、開示義務違反等にかかわる情報収集の強化を図る視点からは、ディスクロージャー・ホットラインというものを開設していく。

 また、開示書類にかかわる分析能力というものを向上させていかなければなりません。そうした観点から、EDINET、有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システムの機能を充実していくために、特にXBRLという新しい、財務情報を効率的に処理をしていく、タグをつけた、処理するためのコンピューター言語、こうした言語化に向けた動きを加速することとし、このために、関係団体によるEDINETの高度化に関する協議会を発足させる。

 こうした内容を公表させていただいたところでございますけれども、私どもとして、こうした対応策一つ一つを強力に推進していきたいと考えているところでございます。

平岡委員 今、冒頭言われた、今まで権限を関東財務局が持っていたけれども、これを証券取引等監視委員会に移管するというような話でしたけれども、実はかつて、中央官庁の方で持っていた権限を、当時は証券局だったと思うんですけれども、財務局に移管するという形で有価証券報告書の審査機能というのをおろしたことがあるんですよね。そのときはそれが最もいいということでおろしたんだろうと思うんですけれども、今度はまた逆に財務局からこっちの方に上げてくる、中央の方に上げてくるという、そういうことになって本当に大丈夫なんですか。今までの経緯から考えてみて、どっちに動かすかによってそんなに違ってくるとは思えないんですけれども、どうですか。

伊藤国務大臣 この点につきましては、さきの通常国会で証券取引法を改正していただいたわけでありますけれども、それに基づいて市場監視機能を強化していくために、監視委員会に証券にかかわる検査の一元化を行っていくわけであります。この一環として検査等を担う人材を監視委員会に一元化をさせる、そのことによって効率的な検査の実施が可能になるものと考えております。

平岡委員 今回の事件の反省として、やはり審査体制というのをしっかりとつくっていくということをぜひ金融庁の方に、金融大臣の方に要請しておきたいというふうに思います。

 次のテーマに移っていきたいと思います。

 今回の事件について言えば、監査の問題がいろいろ取り上げられているわけでありますけれども、あるとき新聞報道を見ていましたら、西武鉄道の決算監査というのは同じ個人会計士が二十九年間担当していたというふうな状況の中で、ことし四月施行の改正公認会計士法でも、個人事務所には五年交代ルールが、当初は七年でありますけれども、適用にならないというような報道もあったんですけれども、これは事実に反するのではないかというふうにも思うんですけれども、この点について大臣の正しい認識をここで説明していただきたいというふうに思います。

伊藤国務大臣 お答えをさせていただきます。

 本年四月一日に施行された公認会計士法では、いわゆるローテーション制度というものが導入をされたわけでありますが、この制度は、監査人が七会計期間継続して監査を行った場合に、その交代が義務づけられているわけであります。そして、このローテーション制度は、監査法人の社員だけではなく、個人の公認会計士が監査を行っている場合についても適用をされることになります。

平岡委員 そういうことを前提に再発防止のことを考えると、これはきちっと適用されていけばある程度防げるのかなと。ただ、今回の改正法でも、施行されてから七年間とか五年間とかというような位置づけになってまいりますから、必ずしもすぐに交代をしなければいけないという状況じゃないということで、自主的な交代というようなこともしっかりとやってもらわなければいけないというふうにも思っているわけであります。

 そして、次の監査の問題についていきますと、これはまた多くの人が言っているわけでありますけれども、今回の有価証券報告書の中にあります大株主の状況というのは、監査の対象外であるというようなことが言われています。しかし、考えてみると、この大株主の状況というのは、株式上場廃止基準の中にも、株主の状況がこうであったらこれは廃止されちゃうんですよという、ある意味では非常に重要な項目ですよね。こんなものが監査の対象外にされているということ自体がまずおかしいじゃないかというふうに思うんですけれども、この点について大臣の御見解をいただきたいと思います。

伊藤国務大臣 お答えをさせていただきたいと思います。

 上場審査基準における審査項目というものは、上場審査の審査を行うに当たって、株券の円滑な流通と公正な価格形成、こうしたことを確保する観点から必要と認められた項目を広く規定しているところと承知をいたしております。

 他方、公認会計士、そして監査法人による監査というものは、証券取引法上、有価証券報告書のすべての記載事項についてではなく、貸借対照表、損益計算書その他の財務書類を対象として行われているものでございまして、これは諸外国においても一般的にそのような形で行われているものと承知をいたしているところでございます。

 なお、大株主の状況は財務計算に関する書類ではないことから公認会計士監査の対象にはなっておりませんが、株主の状況等に連動して財務書類に関する部分に訂正が生じる場合には、その部分は監査の対象となります。

平岡委員 公認会計士が監査する部分はBSとかPLとかといって財務書類に関する部分に限定されているんだというのは、それならそれで別にいいんですけれどもね。では、大株主の状況というのは一体だれがチェックするんですか。だれもチェックしないという状況の中で、これは株式上場廃止基準に当てはまっているか当てはまっていないかということを判断していかなきゃいけない。だれかがチェックする、しなければいけない。それを、だれもいないような状態をつくり出しているのは当局じゃないですか。どうするんですか。

伊藤国務大臣 ここに問題があれば、これは財務局でチェックをするということになるわけであります。私どもとしても、正確な財務諸表をつくり、そしてその信頼性というものが確保されるということが極めて重要でありますので、そうした意味からも、財務局の役割というものは非常に重要であると認識をいたしているところでございます。

平岡委員 財務局が責任を持っているというなら財務局が責任を持っているというのでいいんですけれども、株式上場において非常に重要な項目、場合によっては上場が廃止されてしまうような項目、これについてチェックするのはだれであるのかということが明確な仕組みにしておかなければ、だれもが、いや、私の監査対象じゃありません、あるいは、有価証券報告書は監査役が監査したものに基づいてやっているので我々は中身は知りません、こんなことが今答弁で行われているわけですよね。こんな状態をつくり出しておくことは当局の責任ですから、しっかりとそこは当局においても漏れがないように制度を仕組んでいただきたいということをお願い申し上げたいというふうに思います。(発言する者あり)決意を聞けというふうに周りからもありますので、大臣の決意をお聞かせください。

伊藤国務大臣 信頼というものを向上させていくためには、私どももしっかりとした対応をしていかなければなりませんし、第一次的には、やはり開示企業においてコーポレートガバナンスというものをしっかり発揮して適切な財務諸表というものを作成していくということも非常に重要なことだと思います。さらには、監査人、市場開設者、それぞれが今回の問題について深く認識をして、そして最大限の努力をしてディスクロージャー制度に対する国民の信頼というものを回復していくということがとても大切なことではないかというふうに思っております。

 その中で、私どもの責任というものも十分認識をしながら、過日、その対応策を発表させていただいたところでございますので、その対応策の一つ一つを強力に推進していきたいと考えております。

平岡委員 そういう答弁をされると、コーポレートガバナンスじゃなくてガバメントガバナンスが必要なのかというふうにも、周りから声が出ておりますから、これからもしっかりと、我々も政府に対して果たすべき責任を果たしていただくように要請していきたいというふうに思っています。

 ところで、先ほどちょっと出ましたけれども、日本テレビの件に関して言えば、読売新聞社は大量保有報告書を実態に即したものとして出しているというお話がありました。この件について、もう一つ似たような制度がありまして、これは独占禁止法の十条に基づく株式所有報告書というのがあるんですね。この読売新聞グループ本社の日本テレビ株式保有については、この株式所有報告書の提出は実態に即したものになっているんでしょうか、それとも有価証券報告書のような形で、形式的といいますか、あるいは虚偽のものになっているんでしょうか。

小島政府参考人 お答え申し上げます。

 独占禁止法に基づく届け出は、平成十年の改正に伴いまして、一定の総資産規模を有する会社が他社の議決権の一〇%、二五%、五〇%をそれぞれ超えて取得した場合に、当該取得のときから三十日以内に公正取引委員会に報告することとされております。

 御指摘の読売新聞グループ本社につきましては、平成十年以降、日本テレビの株式取得に係る報告はなされておりません。ただし、平成十年の法改正以前は、各事業年度終了後三カ月以内に株式所有状況を報告することとされておりましたところ、読売新聞社は当該報告を提出しており、日本テレビの株式所有比率につきましても、個人名義とされていたものも含めて実態どおり報告されておりました。

 以上でございます。

平岡委員 この点は、私も午前中に東証にも言ったんですよ。実は大量保有報告書は実態に即している、今公取に出している株式所有報告書も実態に即している。唯一有価証券報告書だけが実態に即していない、株主偽造の報告書になっている。これはかなり意図的じゃないか、故意じゃないか、こういうものをほっておいたらいけないんじゃないかということで、有価証券報告書偽造についての処分といいますか対応をしっかりとすべきだというふうに言っているんですけれども、大臣、どう考えますか。

伊藤国務大臣 この点も先ほど御答弁をさせていただいたように、私どもとして、法令に基づいて問題があれば適切に対応していきたい、厳正に対応していきたいと考えております。

平岡委員 先ほど言いましたように、どういう結果が出されるかに従ってまた私の方からその経過等について質問させていただきたいというふうに思っていますので、きょうはこれぐらいにしておきます。

 あと、実は問題になっているケースとして、コクドの西武鉄道株式保有に係る株式所有報告書、それから中日新聞社の中部日本放送株式保有に係る株式所有報告書、これはちゃんと実態に即した株式所有報告書が提出されているのでしょうか、公正取引委員会にお願いします。

小島政府参考人 お答え申し上げます。

 中日新聞社による中部日本放送の株式保有、それからコクドによる西武鉄道の株式保有につきましても、同じように平成十年の法改正以前の報告によりまして当該報告は提出されておりますが、中部日本放送の株式保有につきましては、第三者名義とされていたものを含めず提出されておりました。また、コクドにつきましても、西武鉄道の株式所有比率については、第三者名義とされていたものを含めず報告されておりました。

 以上でございます。

平岡委員 実態が違うものを受け取って、公取としては、ちゃんと実態に即したものを提出せいという、そういう指導といいますか、そういうことをすべきじゃないかと思うんですけれども、どうですか。

小島政府参考人 独占禁止法の企業結合規制は、一定の取引分野における競争を実質的に制限するもととなる株式保有等を規制しているものでございます。その観点から、企業から提出された株式所有報告書等やその補足調査を通じて、企業結合関係が競争に及ぼす影響について検討しております。

 今回の各社の株式保有につきましても、これまでそれぞれ当事会社に名義株の所有の経緯や実質的な所有の状態、状況など、事実関係の報告、説明を求め、現在、実態把握に努めているところであります。

 なお、現時点では、いずれの株式所有も一定の取引分野における競争を実質的に制限するものとして直ちに独占禁止法上問題になるようなものではないと認識しているところでございます。

平岡委員 直ちに問題を生ずるものではないというならば、みんなそうなっちゃうじゃないですか。こういう情報をちゃんと集めて、そこから問題点がないかどうかを探っていくのが公正取引委員会の果たすべき役割だというふうに思います。

 答弁に大変不満がありますけれども、時間が参りましたので、私の質問はこれで終わらせていただきたいと思います。

金田委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭です。

 コクド、西武鉄道の有価証券報告書虚偽記載事件で、経営内容が見えにくい非上場企業が上場企業を実質的に支配しているという場合、親会社の経営内容の開示をどのように求めるかというのが大変重要であります。午前中の参考人質疑で、東証の社長のお話では、虚偽記載の不正をどこまでチェックできるかとお聞きしましたら、その機能には限界があるという話でありました。いわば捜査権限などというものはないと。したがって、これは当然行政の役割というものが重要になると思うわけです。

 先日、十六日ですか、有価証券報告書の審査体制の見直し、強化という内容の方針も出されたようですけれども、直接立ち入って検査できるわけではないとすれば、虚偽記載かどうかを判断するというのは一体どのようにして判断をされるのか、その点をお聞きしたいと思います。

伊藤国務大臣 虚偽かどうかというのは、資料、財務諸表を見て判断していくことになろうかというふうに思います。また、立入検査をして確認をしていくということになろうかと思います。

佐々木(憲)委員 財務諸表を見て判断をするといっても、その財務諸表が虚偽記載になっているのかどうかということを判断するその基準は、立入検査、検査をして調べて虚偽かどうかが判定できる、こういうことになるということですね。確認します。

伊藤国務大臣 今委員から指摘されたとおりでありまして、そして、私どもとして、立入検査に至るに当たっては、いろいろな情報を収集して立入検査をさせていただきますので、その中で確認をさせていただく、検証させていただくことになろうかと思います。

佐々木(憲)委員 十一月十六日に金融庁が発表されました「ディスクロージャー制度の信頼性確保に向けた対応について」というこの文書の中で、「開示制度の整備」という項目があって、その中に、親会社が継続開示会社でない場合の親会社情報の開示の充実のあり方について、金融審議会第一部会ディスクロージャー・ワーキング・グループに検討を要請するというふうに書かれているわけですが、この検討は、どのように、いつまでに結論を出していただき、どういうタイミングでこれを実行するのか、この点をお聞きしたいと思います。

伊藤国務大臣 今委員から御指摘がございましたように、有価証券報告書の提出会社の親会社にかかわる情報は、子会社たる当該提出会社のコーポレートガバナンスの状況等を把握する上で重要な情報であると私ども考えておりまして、そうした認識のもとで、過日まとめさせていただいた「ディスクロージャー制度の信頼性確保に向けた対応について」、この中で、親会社が継続開示会社でない場合の親会社情報の開示の充実のあり方について金融審議会の担当ワーキンググループに要請するとともに、既に御議論をしていただいているところでございます。

 具体的な開示内容につきましては、これは現在御審議をいただいておりますので、詳細を今申し上げる段階にはないというふうに考えておりますけれども、いずれにおきましても、この問題は大変重要な問題であるという認識をいたしておりますので、精力的に御審議をいただいて、できるだけ速やかに御審議の結果をおまとめいただき、そのことを踏まえて私どもとしての対応を進めていきたいと考えております。

佐々木(憲)委員 この情報開示の点については、親会社の情報というものが大変わかりにくいということでありますから、当然、上場企業と全く同じというわけにはいかないかもしれませんけれども、その水準に非常に近いところにまで開示をさせるというのは私は必要なことだろうと思うんです。そうしなければ、実際に上場している企業の命運を左右する親会社が全くその情報がわからないということになるのでは、これはまずいわけでありまして、その水準について一体どの程度の、これは議論をしている最中とはいいますけれども、当然、ある水準というものが望ましいという判断というのはあると思うので、その点、大臣の御見解を伺いたいと思います。

伊藤国務大臣 親会社の情報開示を充実させていくということは、委員が重ねて御指摘をされているように、私どもとしても非常に重要なことだというふうに考えております。

 そして、今ワーキンググループで精力的に御審議をいただいているんですが、どのレベルになるかということは、これはまさに審議をいたしておりますので、その詳細を私どもとして今の段階で申し上げることはなかなかできないということについて御理解をいただきたいというふうに思いますけれども、この情報開示をしっかりやっていくという観点の中で議論がなされているわけでありますので、私どもとしましては、そうしたワーキンググループの専門家の皆様方の御議論を踏まえて適切に対応していきたいと考えております。

佐々木(憲)委員 どうも余りリーダーシップが感じられないんですね。

 要するに、検討しなさいと丸投げをして、出てきたものに従いますというんじゃ、一体何のために検討させるのか。つまり、これだけ事件が非常に大きなショックを与えているわけでありまして、その原因を究明して、どこに問題があったのかということを明確にし、対応策を探るというのが当然なことだと思うんです。

 今回の場合も、長期間にわたって実態が把握できなかった、しかも、虚偽記載が長期にわたっていた。そういうことを踏まえますと、やはり徹底した開示というものを求めていく、これは当然のことだと思うんです。ぎりぎりのところまで開示してもらうという方向で、どこまでできるのかを検討してください、これが当たり前じゃないですか。そういう姿勢に立つというのが当然だと思いますけれども、いかがですか。

伊藤国務大臣 今、御指摘がございましたように、長期間にわたってこうした問題が把握できなかった。十分な情報開示、これが非上場の企業である親会社であるがゆえに十分把握することができない状況になっていた。委員が御指摘をされたその点というのは、まさに重要な問題だというふうに思っております。

 そうしたことを踏まえて、今、専門家の、審議会のワーキンググループのメンバーの方々が精力的に御議論をいただいているところでございますので、できる限り情報開示制度の信頼性にこたえていけるような、そういう方向に向かって報告書がまとめられるということを期待いたしておりますし、私どももその報告書を踏まえてしかるべき対応というものをやっていきたいというふうに思っております。

佐々木(憲)委員 それでは、もう一点だけ。

 長期にわたってこういう事態が続いてきた原因についてどのように分析をしておられるのか、どのように把握しておられるのか、端的にお答えいただきたい。

伊藤国務大臣 これは、やはり会社の中のガバナンスの問題、コーポレートガバナンスの問題がかなり大きな課題としてあったというふうに認識をいたしております。

 したがって、私どもとしても、今回の対応策の中で、開示企業に対しても、こうした問題の重大性というものを十分認識して、そして最大限の努力をしてディスクロージャー制度に対する信認というものを回復していただきたい、確固たるものにしていただきたいということをお願いさせていただいたところでございます。さらに、この対応策の中でも打ち出させていただいているように、監査人に対して、あるいは私ども自身の審査体制の充実ということをしっかりやりながら、ディスクロージャー制度に対する信認というものを確保していきたいと考えております。

佐々木(憲)委員 時間が参りましたので、以上で終わります。ありがとうございました。

金田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時二分散会


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