衆議院

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第4号 平成17年2月22日(火曜日)

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平成十七年二月二十二日(火曜日)

    午後六時三分開議

 出席委員

   委員長 金田 英行君

   理事 江崎洋一郎君 理事 遠藤 利明君

   理事 竹本 直一君 理事 村井  仁君

   理事 中塚 一宏君 理事 原口 一博君

   理事 平岡 秀夫君 理事 谷口 隆義君

      小野 晋也君    岡本 芳郎君

      木村 太郎君    熊代 昭彦君

      倉田 雅年君    小泉 龍司君

      鈴木 俊一君    砂田 圭佑君

      田中 和徳君    谷川 弥一君

      中村正三郎君    永岡 洋治君

      宮下 一郎君    森山  裕君

      山下 貴史君    渡辺 喜美君

      井上 和雄君    岩國 哲人君

      鈴木 克昌君    園田 康博君

      田村 謙治君    津村 啓介君

      中川 正春君    中根 康浩君

      馬淵 澄夫君    村越 祐民君

      吉田  泉君    石井 啓一君

      白保 台一君    佐々木憲昭君

    …………………………………

   財務大臣         谷垣 禎一君

   国務大臣

   (金融担当)       伊藤 達也君

   内閣府副大臣       七条  明君

   総務副大臣        今井  宏君

   財務副大臣       田野瀬良太郎君

   財務大臣政務官      倉田 雅年君

   政府参考人

   (総務省自治財政局長)  瀧野 欣彌君

   政府参考人

   (総務省自治税務局長)  板倉 敏和君

   財務金融委員会専門員   鈴木健次郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十二日

 辞任         補欠選任

  田島 一成君     中根 康浩君

  野田 佳彦君     園田 康博君

  長沢 広明君     白保 台一君

同日

 辞任         補欠選任

  園田 康博君     野田 佳彦君

  中根 康浩君     田島 一成君

  白保 台一君     長沢 広明君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成十七年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案(内閣提出第二号)

 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一二号)

 財政及び金融に関する件


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     ――――◇―――――

金田委員長 これより会議を開きます。

 財政及び金融に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、政府参考人として総務省自治財政局長瀧野欣彌君、総務省自治税務局長板倉敏和君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

金田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中川正春君。

中川(正)委員 大変中途半端な時間に先週に引き続いてこの委員会を設定されまして、本来なら夜なべをしないで、まだしっかり余裕はあるわけですから、ちゃんとした時間で十分な議論を進めていくということを、今出席をしていただいておる皆さんを代表して申し上げたいというふうに思います。そのことをまず申し上げて、具体的に幾つかの項目を、事前に連絡をさせていただいた内容を議論していきたいというふうに思っています。

 まず最初に、今回の法案、定率減税に関しまして、我々も実は対案を出していくというかそういうものを考えています、対案といったって、定率減税をやっちゃだめだということははっきりしているんですが、それ以外に、もっと緊急的なところで考えていくべきではなかろうかという問題を二つほど出しているんですが、そのうちの一つがNPO税制なんですね。実は、このNPO税制をちょっと違った観点で議論をしていきたいというふうに思うんです。

 それは、もともと我々のNPOのあるべき姿というのは、今のように二万何千件というNPOの法人格というのが認められてきたにもかかわらず、その中で認定NPOといいますか寄附金が所得税控除の対象になっていくNPOというのは二十六しかないという報告を聞いているわけですが、こんなはずではなかった。こんな前提でこのNPO法案を議論してきたということではないわけでありまして、そういう意味では、時代を全く認識していない。特に、認可行政をやっているのが国税局あるいは税務署でありますから、そういうところに認可を任せていくような形態でこれ以上続けていっても仕方ないんじゃないか、時代に対して全くついていっていないという姿がここに出ているんじゃないか。そういう指摘をまずさせていただきたいと思うんです。

 その上に立って、違った観点というのは、一度、災害ということを取り上げて議論をしたいというふうに思うんです。

 去年からことしにかけてさまざまに大変な災害が出てきておりまして、今もテレビや新聞で報道されておりますのは、三宅島にしてもそうですし、あるいは新潟の状況にしてもそうでありますが、とにかく、いかに再建をしていくかという、そこのところが今非常に苦労している。苦労しているというよりも、塗炭の苦しみの中で再建に向かって住民の皆さんが頑張っている姿というのが出てきます。しかし、それぞれ全くめどが立っていないという現実が私は真実なんだろうというふうに思うんですね。

 そんな中でこれを考えていくのに、一つはNPOの枠組みを使うということ、それからもう一つは地震保険ですね。これまで何回もこれは取り上げられて議論してきましたが、この地震保険をどう運用していくかということ。それからもう一つは、特に困っている人たちの中で指摘をされるのはダブルローンですね。

 今、ローンを負っている最中に災害に遭って、地震に遭って家が壊れてしまって、それをもう一回再建するには、前のローンも抱えて、そしてまたもう一つ次のローンも抱え込まないと家の再建ができないというふうなところ、これを特にこの財務金融という分野で見ていったときに、税制とそうした保険制度とさまざまな組み合わせの中で災害を中心にして一度議論をしていきたい、そんな中で新しい知恵が出てこないかということを考えていきたいというふうに思うんです。そういう趣旨で質問をさせていただきたいというふうに思うんです。

 NPOは一番最後にしておきまして、まず最初に地震保険なんですが、これは、数字は聞かせていただいています、今、加入率が一七%、火災保険に入っている人たちの中でもこれに追加加入しているのが三三%ですか、そこぐらいにとどまっているというふうに聞いています。これはどうしてこの辺で地震保険というのがとどまってしまっているのかということですね。これをどうお考えですか。

田野瀬副大臣 私の方からお答えを申し上げたいと思います。

 地震保険については、これまでもその普及促進に向けて適宜保険料率の見直し等を初め、制度の充実を図ってきておるところでございます。政府として、加入促進、啓発のための広報ポスターを作成するなどの広報活動も積極的に実施をしてきたところでございます。

 また、民間においても、損害保険協会が主体となってマスメディアを通じたCMあるいはキャンペーンの実施や、火災保険契約者の地震保険未加入者に対して地震保険加入のお勧めはがきの送付などが行われておるところでございます。

 この結果、普及率も平成五年度の七%から平成十五年度は一七・二%と着実に、委員大変低いという御指摘でございますけれども、私どもといたしましては、その普及率が着実に向上しておる、こんなふうに考えておる次第でございます。

 今後とも、制度の趣旨を踏まえ、官民一体となってより一層の普及促進に努めてまいることが重要である、このように考えておるところでございます。

    〔委員長退席、遠藤(利)委員長代理着席〕

中川(正)委員 あたかもポスターを張っているからそれだけ普及率が伸びたんだというふうな答弁だったんですが、違うんですね、これ。災害が起きたから、特に阪神・淡路以降、その重要性といいますか、ニーズが出たから、災害が起きたから、そこを契機にして普及率が伸びたということなんですね。ところが、やはり高いんですね。

 国民一般の議論というのは、私たちはそれにこたえて新しい法案を出しているんですが、個人補償の制度というのをすんなりと考えていくべきなんじゃないかということ。これはいろいろ、憲法の規定の問題なりあるいは公平性という壁に突き当たってなかなか突き破れないところがあるんですが、しかし、素直に考えて、ここは何らかの形の救済策といいますか、再建に向かっての、一番財政的にも効率のいい形でリスクが担保できるような、そういう制度というのは何らかの形で要るだろうというのは、これは今国民のコンセンサスなんだろうというふうに思うんですよ。

 そこで、谷垣大臣、今のこの制度、これはもうなかなか伸びないですよ。大体私も統計にずっと目を通してきたんですが、地震が起こったらびゅっと伸びるんですが、それ以降また下がってきたりしまして、この制度そのものがやはり定着をしないということ。これは目に見えているんですね。それに加えて、住宅ローンなんか組むときに、この地震保険も一緒に組み込もうじゃないかというようなことを銀行の主体的な判断でもってやっている組み合わせもあるんですね。それは相当部分いっていることもある。

 そんなことを全部トータルで考えていって、今のままで推移をしていったら同じことを繰り返すんじゃないかと。同じことというのは、災害が起こるたびに、やはり個人補償を何らかの形でしなきゃいけないですねということが出て、そこがなかなかもうひとつクリアできないから、またそれは忘れ去られて、さまざまな今あるスキームもどんどん普及率というのが落ちていく。この繰り返しを、恐らくこれからも、このままほうっておいたらしていくんだろうというふうに思うんです。谷垣大臣、そのことについて、それでいいとお考えなのか、それとも、ここはちょっと知恵を出して、もっとさまざまな施策というのを考える余地があるんじゃないかと。

 例えば、公的資金の使い方も、災害が起こった後、それに対して個人補償という形でどっと出すという一つのスキーム、やり方があるわけですが、それじゃなくて、事前にそういうのを地震保険と組み合わせておいて、ここに公的な資金をもう少し、いわゆる再保険という形のレベルだけじゃなくて、それにもう一つ工夫をした形で、保険料が下がるようなスキームを入れながらこれをさらに大きく普及させていく方が、例えば公的に同じように金をかけるんだったら、こちらの組み合わせの方がいいんじゃないかとか、そういう議論をしていく必要があるんだろうというふうに私は思うんですけれども、そこらはどう考えられますか。

谷垣国務大臣 確かに、今、中川議員がおっしゃったように、地震の被害者救済のための財政支出というのもなかなか理屈の上でも難しいところがあって、そうだとすると、保険という方法をもう少しやりやすいようにすべきじゃないか。特に中川議員のお話は、そうやってやった方がむしろ財政的にも事後的な支出よりも助かるという表現をしていいかどうかわかりませんが、メリットがあるんじゃないかという御議論だったと思います。確かに、一考に値する考え方だと私も思うんです。ただ、もちろん、地震保険の加入率の向上と実際に地震が起こったとき財政支出がどういう関係かというのもなかなか一義的にはわからないところはあると思うんですね。

 結局、今委員が指摘されましたように、中川さんが指摘されましたように、かつて、やはり地震が起こると大変だというので、みんなニーズを感じて入る。我々もそのためのPRもそれなりにやってきたつもりです。だけれども、のど元過ぎれば何とやらというようなことも現実にはあった。

 ただ、今、地震の再保険みたいのもやって、いざというときには財政的にもバックアップをするという形でやっているわけですけれども、結局、あとどういう知恵が出るのかというのは、我々も議論していかなきゃいけないと思うんです。先取りして言ってはいけないかもしれませんが、恐らく、かつて強制加入でやっていたじゃないかという御主張もあるんだろうと思うんですね。ただ、これも、我々行政府ですから、国会で附帯決議がついて、あれはやめろと言われますと、余り、言いにくいところはあるんですが、もう一回頭をクリアにして、私、それがいい、国会の御決議もありますしそうやってかつて改めた経緯がありますから、それを変えた方がいいと言っているわけじゃないんです、ただ、もう一回頭をフリーにして、利害得失、どっちがいいかというようなことはフランクに議論してみて、どっちがいい結論かというようなことはやる必要があるんじゃないかと思っております。

中川(正)委員 質問通告はしてあったので、私の話を先取りしていただいたんだろうというふうに思うんですが、確かに昭和五十五年まで強制加入だったわけです。

 しかし、再保険の制度をつくっていても、実績を見ると、阪神・淡路大震災のときだけ公的資金が出ているんですね。あとは、大きな災害を幾つも積み重ねているんですけれども、あとは何にもないんです。だから、今、いわゆるプラス・マイナス・ゼロの保険制度の中で全部負担をクリアしているというのが現状なんですよ。だから、それから考えていったら、もっと公的資金の関与ができる幅というのを広げていくことによって、保険料が強制になっても抵抗の出ないようなレベルに工夫ができるんじゃないかというのが私の考え方なんですね。そこへ向いて制度を工夫するにはどうしたらいいかというような知恵を出していく必要があるんじゃないかということを指摘しておきたいと思います。

 さっきのお話のように、一度考えてみると。考えてみるというのは普通は余り当てにならないんですが、しかし、谷垣さんの言われる考えてみるというのは、それなりの重みがあるんだろうというふうに受け取らせていただいて、その一度考えた結果もひとつ報告をしていただきたいというふうに思います。

 さらに、NPOの関係なんですが、スマトラのときに、小泉総理はまず五億ドル拠出をしますよと世界に向かって発表をいたしましたね、このアピールの仕方と、その後CNNでずっと流れてきた各国首脳のアピールの仕方では基本的に違っているところがあるんですよ。例えばアメリカなんかではどうしたかといったら、大統領以下、過去の大統領も含めてですよ、国民に向かって、大変なことが起こっているんだ、だからみんなで義援金を出してこようという形でアピールしたんですね。それを見た上で、政府自体が出していく拠出金額というのがその後決まってきたというプロセスがあった。

 この二つを見て、有権者の中には、私にさまざまにメールが来まして、あれは見方によっては小泉さんがいい格好しているだけじゃないか、我々の税金を何で勝手に五億ドルなんというようなことを言い出すんだと。こういうメールが多かったんです、実は。それは、今のODAの話もそうですし、あらゆる分野で、そうした国民の、あるいは税金を払っているサイド、タックスペイヤーのサイドの意識がこれだけ変わってきている時代に、どうも政府がそれについていっていないんじゃないかという典型だったんじゃないかというふうに思うんですよ。

 さらにそれを突き詰めて考えていくと、ヨーロッパにしても、イギリスでも民間の義援金がそういう形でだあっと集まった、それから、アメリカでもそういう形で集まったということのもう一つ後ろにある仕組みというのが、基本的に違っているんだなというのがそれからずっと推察していくとわかってくるんですね。

 それは、アメリカの場合は、大統領がそう言った前提の中に、ポスターがありまして、私もポスターを見たんです、そのポスターの一覧表にNPO、NGOがずうっと書き連ねてあるんですよ。これは何百という主体ですよね、何百、何千という。それで、義援金を出していただくときに、それぞれのNPOあるいはNGOの活動主体が、具体的にそれを義援金として募集をして支援を一緒にやっていこうという動きを出して、その幅の中で義援金が集まってくる、あるいは皆がそれに参加をする意思表示をしてくる。しかも、憎らしかったのは、それの所得控除を、普通は十二月で締めますよと言うのに、一つまたいで、一月までそれを延ばしますからしっかりやってくださいというメッセージまでつけて皆のやる気を起こさせている。こういうエンジンというかスキームというか、そういうものが後ろにあって市民社会というのが動いていくんだろうなというのをつくづく私は感じました。

 それに対して、日本の義援金の集め方というのは赤十字か地方自治体なんです。この二つなんです。そこで集まってきたものがどんなふうに使われたかというのも、なかなか国民にしっかり伝えられないという状況の中で今動いているわけなんですね。

 そんなことから考えていくと、この際、特定災害について、特に国内の、新潟や三宅島なんか今テレビで特集されていますけれども、ああいうことがぽんと起こったときに、NGOなりNPOがどっとそこへ向いて支援活動に入る、入るときの資金と、それから以降使われてくる、直接いわゆる個人補償に回っていく部分もあわせて、こういう人たちが参加をして資金調達活動といいますか義援金を集める母体として活発に動いていくような仕組みづくりというのを、一遍つくってみてはどうかということ、特別に。そこの問題意識を私は持っているんですけれども、どう思われますか。

谷垣国務大臣 今、中川委員から寄附税制みたいなものと災害援助のあり方という問題提起がございました。

 実は、先ほど予算委員会でも、多分御党の中でそういう議論を活発にやっておられるからだろうと思うんですが、藤田委員からやはりそのような、バンダアチェやスリランカの例を挙げながら御質問がありました。そこで、官房長官が答弁をされて、ジャパン・プラットフォームを中心とするNGOにおいて、必ずしも資金が潤沢でない、だから税制上の優遇措置などを考えて、日本で余っている金をうまく使えないかとか、これは政府、民間あわせてやるべきことだと思うけれども、どうするかということも考えなきゃというような御答弁が官房長官からありまして、それで藤田さんから、財務大臣、おまえどう思うんだと急に振られました。それで、私がお答えしましたのは、寄附税制というのは、個々の制度の立て方もあると思いますが、やはり国民性とか文化というものも私は相当あるんじゃないかと思っております。

 ちょっと委員の御質問にずれるかもしれませんが、私、このごろ時々大学関係者から言われますのは、国立大学から独立大学法人という形になって、そうなると、それぞれの大学においてそれぞれのファンドといいますか財政的基礎を固めようという動きが出てくる。そうすると、どうしても寄附税制というのをもう一回考えてくれないとなかなか独立大学法人がうまく回らない、何とか考えてくれというような御陳情も大学関係者からいただいたことがございます。

 そういうことを考えますと、いつぞや総理が国会の答弁の中でおっしゃったんですが、憲法八十九条、あの中には、ちょっと私は文言を正確に覚えておりませんが、教育と祭祀と技芸に関する団体については公の支配にない限り寄附をしちゃいかぬということが書いてあって、それと私学助成というものは一体どういう関係になるんだろうかという、実はなかなか悩ましい問題もあるというようなことをおっしゃったことがあります。

 私は、あの憲法八十九条の規定というのは、多分に私の類推もあるんですが、要するに、マッカーサー憲法でつくられたときに、寄附を盛んにするアメリカの風土というものがあって、そういう国では、例えば教育機関というようなものは本来市民社会の中の寄附によって賄われるのが原則であって、そこへ国家がやたらに金を突っ込んで口出しをするのはよくないという思想が多分あの規定の背後にあるんじゃないかというふうに私は前々から考えているんですけれども、そういうところまで踏み込んで考えなきゃいけない面もあるのかなという気がします。

 ただ、余り長広舌を振るってもなんですから、NPO税制に戻りますと、官房長官も、もう一回NPO税制を見て環境を整え直すというような問題意識を持っておられるんだと思うんですね。それで、私は、NPO税制については、平成十四年度、十五年度両次の改正で認定要件の緩和等を行ってきておりますし、それから平成十七年度の税制改正、今お願いしている税制改正の中でも認定NPO法人制度の認定要件をさらに緩和する等の措置を入れておりますので、やはりまずこれを十分利用していただくべきではないかなというふうに思っております。

 さらに考えることはいろいろあるんですが、ただ、現実に控除をするということになると、悪用されているような例もないとは言えませんので、やはりそれがきちっと使われているということをチェックできる体制であるかどうかというのは、私どもの観点からすると、大事な譲れない観点じゃないかというふうに思っております。

中川(正)委員 だから、一発でやろうというのは、私たち、いわゆる民主党のNPO法案をまずは出すんですが、百歩、二百歩譲って、なかなかリスクが大きい、それはさっきのNPO法人の中にもさまざまありますよということがあるんだとすれば、災害に限って、特定の分野で、具体的にどんな事業をするかということを確定させてから、それだけをまず認めてみたらどうか。いわゆる幅を、それに関するNPO法人の寄附集めをしていく幅ですね、NPO法人の数ですね、これをぐっとここで広げてみたらどうか。それで、期限を区切って、目的を災害に絞ってまずやってみる、そこから次の結論を出してきたらどうかというのが私たちの提案なんです。

 これについても党内で議論をしてきまして、NPOの皆さんの意見もたくさん聞きました。特にさっきのインド洋、スマトラの話は、あれはジャパン・プラットフォームに公的な金を流すというよりも、今認定法人は四つしかないですね、それが三十、四十も同時にいろいろな形で活動しているにもかかわらず認定法人は四つしかないんです、そんなところをみんなに広げてやる。この分野にだけという、その特定災害を指定して広げてやる。そういうインセンティブを与えた上で、一遍活動を見てみるというふうなことをやってみてはどうでしょうかということです。これは、自民党の中でもそろそろ議論を始めておるんだということを聞かせていただいています。ですから、まずぜひそんなような流れを認識していただいて、我々、法案をこれから出していきますから、出したときには、ひとつしっかりとした政府の見解というのをつくっておいてもらいたいなということを改めて申し上げます。

 それから、次に三位一体の話に入っていきたいというふうに思います。

 谷垣大臣、私は今政府の三位一体論を聞けば聞くほどわけがわからなくなってくるんですが、これは、もともとは地方分権、まあ、地方主権と言った方がいいのかもしれないけれども、そういう流れを財政的にもつくっていこうということだと思うんですが、行き着くところはどこへ行くんですか。これは何を実現しようとしているんですか。もっと言えば、国と地方との関係というのはどのように整理をされていこうとするんですか。どんなイメージで今この財政議論を大臣はしているんですか。そこのところをまず入り口として聞いていきたいと思います。

谷垣国務大臣 これはあるいは麻生大臣に本来御答弁いただくべきことかもしれませんけれども、これは私の観点と麻生大臣の観点が違うわけではないと思いますが、地方でできることは地方でというのが総理の表現ですけれども、できるだけ権限を現場に近いところに持っていく。私の観点から見ても、これから財政資金は潤沢にあるとは言えないわけですから、できるだけ有効に使っていただく必要がある。そうしますと、それはできるだけ現場に近いところで、切実に感じたものにお金が回るような使い方ができるようにしていこうということではないかと思っております。

 そうやって地方の権限をふやしていくということでありますけれども、それと同時に、先ほど申しましたように、国も地方も財政はよくないわけですから、あわせてスリム化ということもなければならない、こういうふうに考えております。

中川(正)委員 これから財政バランスなり、あるいは予算を具体的にどう組んでいこうかというときに、基本になるのは、さっきの、身近にできるところは地方でやっていったらいいじゃないかという、その基準だけで物が動いていくわけじゃないと思うんですね。具体的に、どの事業は地方でやって、どの事業は国でやっていくべきなのかということと、それを予算化したときに最終の落ちつくところはどこなんだと。

 立場を変えていえば、地方の財政担当者あるいは首長の皆さんが……。今の議論は、削るところはここを削ろう、削ろうというのは補助金をカットしよう、あるいは負担金をカットしようと。これをしようこれをしようと、この議論は見えているんですよ。ところが、それの全体像ですね、なぜこれをカットするのか、なぜこの事業なのか、最終的にこうやって一つ一つカットしていって全部カットするのか、それともどれを国に残していくのか、あるいは補助金を別な形でひっくり返していくのか、それで最終的に、うちの県は前と比べてトータルで財政的にどこまでへこむのか、あるいはどこまでふえるのかということが見えないんですよ、今の財政担当者は。それは、知事も市長もそう。見えないから、これを削るよと言われたら、いや、それは大事なんだから削っちゃだめだだめだという話になって、石をぽんと投げたまま、それじゃ、おまえたちまとめてこいと。こういう話になっている。私も見えない。それは大臣はどういうふうに認識しているのですか。

谷垣国務大臣 確かに、今中川委員が御指摘になったところは、非常に問題点というかポイントなんですね。つまり、補助金を地方に譲渡して税源移譲するとしても一体何と何をやるんだ、その基本的な考え方は何なんだと。これは私が答弁するより、今井副大臣がおられるから今井副大臣に答弁していただくべきことだと思いますが、今までの地方分権の議論の中で、総論的には、国のやるべき事務、それから地方のやるべき事務というのは随分議論があったと思うんです。ただ、去年、おととし、こういう議論をやりまして、地方から案を出していただいてやり出しますと、やはりこういう議論は総論的にやったのではなかなか答えが出ない。今も実は中教審で議論をしていただき始めているところですが、教育というものはどこまで国が関与して、どこまで地方がやるべきことなのかというような議論でも、本来、一つ一つ個別に詰めていかなければ、私は総論的な議論だけではなかなか進んでいかないんだと思います。

 去年ありました議論の中でも、例えば災害対策のような公共事業のようなものは、災害はどこで起こるかわかりませんから、起こったときに、国がある意味ではプールしておいて必要なところにつける方がそれぞれの地方に分けるよりもいいじゃないかとか、いろいろな議論がございましたけれども、実は、個々の補助金をどう考えるかに当たって、そのあたりは、地方でやるべきことという裏には国のやるべきことというのがなきゃならないはずですから、そこの議論は実はまだ個別には十分詰め切れていないところがたくさん残っていると思います。したがいまして、今の中川委員の御質問には、まだそこのところは個別に議論していかなければ、例えば教育でも答えは出ないというのが私の率直な感想でございます。

 ただ、そうなると財政はどうなるんだということですよね。結局、補助金改革や税源移譲に伴い個別の地方公共団体がどうなるのかというのが、最終的には個々の公共団体の財政担当者の一番の御関心だろうというふうに思います。

 それで、どうしてもそれをやると、今まで、均衡ある発展というのは自民党、私どもの好きな言葉でしたけれども、ある意味では均衡ある発展の手段は国が税源を持って、補助金でもって均衡あるようにやっていくというのが一つの仕組みでしたから、そこで、その税源は地方に渡してください、補助金はやめますということになると、どうしても財政力の差がついて出てくるじゃないかという問題があるわけですね。そこは基本的には、私が余り差し出てこういうことでやるというのはちょっと御答弁しにくいんです、まず総務大臣から答弁をしていただくべきことじゃないかと思います。財務省としても、相対的な観点から、税源移譲のあり方とか交付税改革のあり方等について、これは総務省と議論をしながらやらせていただいておりますが、ちょっとそこになりますと、これ以上私が申し上げると今井さんが怒られますので、このぐらいで控えさせていただきたいと思います。

    〔遠藤(利)委員長代理退席、委員長着席〕

中川(正)委員 そもそも論で詰まっていると時間がすぐにたってしまいますので、そもそも論はさっきの指摘で理解をしてもらいたいというふうに思うんです。これは、このままいっても真の意味での地方分権になっていかない、混乱があるだけで。

 残ったものは何かといったら、こういうことなんですよ。いわゆる権力構造を変えていくということですよね、国の形を変えるわけですよ、分権というのは。そうすると、今、三つほど機能が分かれるんだと思うんですよ、分権をしていくと。一つは公的サービスを提供する部分ですね、これがある。これは、税金取って予算化して、それを公的サービスとして再配分するという、この部分がある。それから、真ん中に、今度事務事業を、地方分権法ですね、これは主に許認可の主体なんだと思うんですよ。法律で枠組みをつくって、その運営をしていくために、マネジメントをするための主体を明らかにするということですね。それで、そのもう一つ上に企画立案部分、いわゆる全国一律基準でいくのか、それとも地方の基準でいいのかという、その基準をつくって、これは法をつくると言いかえてもいいかもしれない。この三つの部分があるんだと思うんです。

 今やっている分権議論というのは、この一番上の部分をほっておいて、二番目と三番目を動かしているんですよ。だから、これを動かしていっても、結局のところ、例えば、今回出ているさまざまな、いわゆる義務教育の論点にしても、あるいは国保の、地方自治体でも真ん中の県の方へ向いて、ある程度、調整資金を移していこうじゃないか、広域化していこうじゃないかということにしても、これはみんな中央のいわゆる企画立案部分の一つの枠組みの中でやっている。しかも、その中で議論になっているのが、ナショナルミニマムをどこが一体保障するのか、このナショナルミニマムというのは何なのか。企画立案だけを国がやって、あと財政的には、法律の中で地方がその財政を確保してナショナルミニマムを詰めなきゃいけないよというふうな形態に持っていくのか、それとも、そのナショナルミニマム自体も、ある程度その地域の裁量権の中でつくっていって、それに見合う財政を移転するという形態になっていくのか。こういう基本的な部分を整理しないままに個別にそうやって議論していったら、その個別課題によってやり方が全部違ってくるという危険性がある。だから混乱しか残らないということなんですよ。

 だから、私がやはり一番必要だと思うのは、ここは政治判断なんですが、一番必要だと思うのは、まず企画立案部分からしてどう体系化していくか、国と地方の。これをある程度基準をつくらないと、でき上がったものはあちこちいびつで、国が地方分権という名でもって財政的におまえのところでやれ、そのかわり基準はこれだけだ、この基準を守るためにしっかり頑張れよ、こういうような程度の地方分権でしかなくなってしまうというおそれがありますねということを指摘しておきたいと思うのです。これは入り口論です。これは入り口なんです。これをやり始めると、一時間これからまた過ぎてしまう。ここは財金ですから、もう少し具体的な話に持っていきたいと思うのです。

 それはどういうことかというと、そういう入り口論を整理する必要はあるんですけれども、もう一つ、今差し迫った問題というのは、地方の財政担当者は一体こうやって、例えば十八年までに、総務省の方は、財政調整の、いわゆる地方交付税のことも含めてすべて片づけますから、それまでは仮の姿でいってくださいよということで地方譲与税とかあるいは特定の交付金で今仮置きをするというスキームで来ているわけですよね。これをずっと持っていって、例えばその財政担当者としては、うちの県は実際最終的に落ちついたときにどうなるんだろうと。端的に言えば、得するのか損するのかどっちなんだろうと。それがこのままのスキームでいったら、都市部と田舎の方と相当違っていまして、恐らくこのままでいくと相当いびつな形になってくるだろうというのは想像ができる。

 譲与税一つとってみても、頭数で配分するわけですから、これまで補助金であったものが、たまたま公共事業を削られなかったからよかったけれども、公共事業がこれに入っていたら、島根や鳥取なんというのは非常に削られる部分が多くて、譲与税で交付される部分が少ない。逆に東京はひとり勝ちで、交付税でも、これはもともとなかったわけですから、移された分はそのまま東京へ向いてはね返ってくる、こういうことなんですね。もう時間の関係で、それをどうするのかと本当は総務省に聞くんですが、総務省は交付税で最終的には調整しますという答弁でしょう。せっかく来ていただいたんだから、そこのところはどうするんですかという質問をまずしましょう。

今井副大臣 限られた時間ですが、今、どうしても三位一体ということで税財政論が先行しますし、地方にとっても、現実の問題としては、税財源がどのような形になるのかということは近々の大きな課題でありますし、それに対する不安もあろうかと思います。

 先ほど、入り口論、そもそも論がありましたけれども、そういった税財政のことだけで地方分権、地域主権というのを矮小化してしまっている。何も東京弁が全国弁ではないわけで、方言が尊重されなきゃいけないし、この間、文化庁ではもち百選もやりましたけれども、民謡も含めて、いわゆる文化という切り口で、そういう高い志を持って分権論をやらないと、非常に矮小化してしまうのではないか。

 それで、御質問の、どうするのという……(中川(正)委員「それは総務委員会でやりましょう、税に集中してください」と呼ぶ)はい。その話については、今お話しのように何点かで地方に対する配慮もしていかなければいけない、こういうふうに思っているわけであります。

 御案内のように、四兆、三兆というのは、形としては全体像として示されているわけでございますけれども、税につきましては、個人住民税をフラット化するということでありますし、それから法人事業税については分割基準を見直しする、あるいは交付税によって補てんしながら財政力格差をなくしていく、こういうことで個別の自治体に困難な影響を来さないように最大の努力をしていくということでございます。

中川(正)委員 ところが、片方で交付税の総枠を削っていきますよという、この方向性がはっきり出ているわけですね。これは、今の時点からそれが始まるわけですから、もちろん税財源そのものが移行したときには、当然国税がへこんでくるわけですから、特に所得税がへこんでくるわけですから、その分は交付税も自然と減ってきますね。こういう形になるわけですね。

 そうすると、例えば、今は都道府県でいけば東京だけが不交付団体だ、都道府県でいけばこの線が、もっと周辺の、都市部を中心にした地方公共団体が不交付団体になってくる。そういうふうにおりてくるわけですね。現に、市町村ではもうそれが始まっていますね。私の地元もそうです。鈴鹿も四日市も不交付団体。去年からことしにかけて、どんどんそういう形態が出てきているということですね。そうすると、この調整機能はだんだんだんだん小さなものになってくる、交付税そのもので調整していくという話が。

 もっと言えば、さっきの、いわゆる法人事業税ですね、事業税の、地方分へ持っていく割合をふやしましょうという、この法案が今出ているわけですが、そのことについても、具体的にそれがどれぐらいの数字になって、そうやって基本的な部分というのは題目でつないでありますけれども、財政担当者としては、ことしの予算、それから来年の予算が具体的にどんな数字で固めることができるのか、その見通しを持った上で分権を論じてきた、これは当然のことだと思うんです。総務省としては、その数字を地方自治体に示していますか。

今井副大臣 御案内のように、補助金がどういう内容で改革されるのか。税源の移譲につきましては、フラット化をしたり、先ほど御答弁させていただきましたように、法人税を分割基準にするとか、地方交付税も十七、十八と万全の措置をしていく、あるいは算定基準も一〇〇%認めていくとか、いろいろな配慮をしているわけでありますが、具体的に、この自治体はこういう形になりますという数字を個別に精査するということは、今の段階ではできませんし、税調もございますし、それにつきましては御理解を賜りたいと思う次第であります。

中川(正)委員 それは理解できませんよ、地方としては。どうなるかわからないというものに乗っているわけですから、みんな。

 私、どうしてもわからない。谷垣大臣、こっち向いてください。どうしてもわからないのは、こういう話し合いをしながら、どこへ向いていくかわからないというものに対して、それぞれそれでいいよといって予算をつけていく財務省の感覚というのがわからないんです。これを国の立場に置きかえたら、当然、それははっきりさせましょうよということになるでしょう。

 来年どうなるかわからない、再来年どうなるかわからない、十八年で交付税をもう一回根本的に見直して組み直すんだと言われたら、財政担当者として、うちの県はどうなんだろう、これまでの財政規模が本当に維持できるんだろうかということになりますね。その不安というのが今あるから、それにぽんと石を投げて、ではこの補助金を削りましょう、これをなくしましょうといったときに、それでは困るという反応がまず出てくるんですよ。そこの構造を、財務省、なぜそれでいいということにしているんですか。

谷垣国務大臣 なかなかお答えしにくいお問いかけですが、今までの仕組みを大きく変えようとしているわけですから、ある程度過渡期に少し不協和音が出てくるというのは、これはできるだけ避けなければなりませんけれども、できるだけそれをぎくしゃくしないようにしていくというのは当然考えなきゃいけません。

 先ほど今井副大臣からもお答えがあったと思いますが、個人住民税の所得割のフラット化とかいろいろなことをお考えになって、そのあたりの、移行期のいろいろな触れをできるだけ少なくしておやりになろうとしていると思うんですね。だから、私は、できるだけ我が方としても総務省とそういう点はよく連携をとりながらやらなきゃいけないと思っております。

中川(正)委員 それは、地方の担当者はさっきの答弁で満足すると思ったら大きな間違いですよ。こんな不安な状況で、何が地方分権あるいは三位一体ですか。

 もう一つ聞きますけれども、実は、事前に私は財務当局に、具体的に一遍数字を出してみろと。東京都と三重県、私の足元で恐縮なんですが、東京都と三重県と島根県の所得が、それぞれ典型的な三つを比べてどうなんだと。こういうことをお願いしたんです。これは、大体目の子でも、あるいはこれまでの議論の中でこういうことになるだろうという数字は、実は表に出してくれるなと言われているんですが、事務当局は出してきているんですね。出してきているんです。それにもかかわらず、表に出さずに、これをもとに議論もせずに、ただどうなっていくかわからない、議論をしてみないとわからない、それだけで今進んでいるんですよ。こういう状況ではだめでしょう、大臣。

今井副大臣 現実の問題で先ほど申し上げましたように、補助金改革ではどういう形の補助金改革を地方政府も中央政府も納得してやる、そして、税源はフラット化をしていく、その間の過程においては地方交付税はきっちりと確保をしていくということでありますので、アバウトの意味で、都道府県が辛うじて、今委員がおっしゃるように、御指摘があってかなり丸めた形で三重の話も出させていただいているんだろうと私は推測しておりますけれども、補助金が具体的にどういう削減をされて移譲されるんだということによって変わってしまうわけでございますので、それは、今、各地方政府ごとの将来の財源がどのくらいになるんだという、確定したことはできないわけでございます。

 以上です。

中川(正)委員 谷垣大臣、できなかったら予算をつけたらだめですよ、これは。できるまで待たなきゃ。そうでしょう。逆さまなんですよ。議論を先にやっておいて、ちゃんと結果を責任持って示して、こういうふうになるから、ことしはこんな形で進んでいきますよというのが常識じゃないですか。それが、行き着くところがわからない、どこへ行くかわからない。こんな予算のつけ方ありますか。

谷垣国務大臣 政府の基本方針は、骨太の二〇〇四の中でも、財政力の弱い団体では税源移譲額が国庫補助負担金の廃止とか縮減に伴って財源措置すべき額に満たない場合がある、だから、これから実態を踏まえながら、地方交付税の算定等を通じて適切に対応するという枠組みを設けた中で私どもは作業をやっているわけであります。

 それで、今、わからないじゃないかとおっしゃいますけれども、例えば平成十七年度予算を組むときは、一応平成十七年度の整理をして、こういう方向に向かうということは、まだ不確定というわけじゃなしに、整理をして進んでいるわけです。先ほどお示しになった、何かこういうのが出ているとおっしゃったのも、そういう整理を一応平成十七年度としてしたものの姿でございます。

中川(正)委員 違うんですよ、国の整理と地方の整理と違うんですよ。

 これは、ここでとうとうとやってもいいんですけれども、もう一回申し上げますが、国の整理は、特に財務省の整理は、トータルな整理なんです。地方自治体、個々の地方自治体については、例えば三重県、島根県がどうなるのかということなんです。これについては整理できていないと総務省は言っているんです。できていないんですよ。数字がわからないんですよ。そこのところがわからないままにどんどん動いていく。動いていった結果、どちらへ向いて収束するかというのはこれからの議論ですねということでやられている。

 もう一方、これを進めていったら確実にどうなるかといったら、やはり政治論なんですね、最終的には東京からどれだけ調整資金を削るか。それと同時に、もう一つ言えば、そうした都市部と地方の関係において、今の状態、ということは、これは十五年から移譲が始まってきているわけですね、それに対してその前の十四年の状態、それぞれの財政調整の状態と、これから進めていこうとする新しい国の形、これは基本的にはそれぞれの県で前にあったものは確保してもらえるという前提でいくのか、それとも東京と地方の財源のバランスを大きく変えていこうとするのか。例えば、地方に厚くしていこうとするのか、それとも地方に薄くしていこうとするのか。こういう議論が全く抜けているんですよ。そういうことに基づいて具体的に落ちつく先が、どういう具体的な額になっていくのかというのが判断できるんですね。

 このままでいったら、それもない、こっちもない。だから、行き当たりばったりで、だあっとなし崩し的に話が進んでいくだけで、結果的に出てきたものは相当いびつなものになってくる、こういうことを指摘しておきたいというふうに思います。こんなのは無責任です。地方に対してこんな議論を進めていくというのは無責任です。そのことを指摘しておきたいというふうに思います。

    〔委員長退席、江崎(洋)委員長代理着席〕

 次に、所得税、今回の定率減税のことについて触れていきたいというふうに思うんです。

 まず、景気の先行きなんですが、いろいろ資料をいただきました。この法律の中にも景気の状況を見て実施するかどうかは考えようじゃないかという一項も入っていますけれども、全体的に見て踊り場だというのがここ最近の報告ですね。これを見ていると、一つは、三四半期連続でマイナス成長となっていますね。四年度の四月から六月期がマイナス〇・八、七月―九月期がマイナス一・一、それから十月から十二月期がマイナス〇・五。これから見ていると、どうもピークは二〇〇四年の一月から三月期にあって、それから以降、確実に景気は減速をしてきているということ。これははっきりしてきましたね。

 この要因といいますか、では、これから先どうなるのか。こういうのを見ていても、この中身は、大体が輸出に牽引されてこれまでの景気の持ち直しというのがあった。それが、純輸出の景気の牽引力がこれから落ちてくる、現にもう落ち始めてきているわけですね。これが一つ。

 それからもう一つは、輸出が好調であっただけに、いわゆる投資、設備投資というのも、これにずっと偏った形の設備投資。私の身近なところで判断してもまさにそうです。そういうところであったわけですが、この輸出が落ちてくるということがはっきりしてくると、今伸びている投資というところまで落ちてくる可能性がある。

 それからもう一つは、本来ならその元気が雇用者報酬といいますかいわゆる個人所得に向いてはね返って、それが景気の循環というのもつくって、そこからぐっと持ち上げてこなきゃいけないんですが、どうも日本の今の状況というのは、そういう意味では社会構造が変わってきて、あるいは雇用形態も変わってきていますから、個別の賃金というのは実質的には下がり続けているんですよね。だから、そういう意味では、ここでいわゆる景気の好循環というかそこから支えていく社会的な鎖というのが日本の場合は切れているということがある。

 そういうことをこもごも考えていくと、どうも、景気が踊り場なんじゃなくて、循環としてこれからまだ落ち続ける、そういうふうに考えざるを得ないというふうに思うんですよ。それに対して追い打ちをかけてこの定率減税ですから、真剣に考えて、ここはそうした条項を活用してしばらく待ってみる、この状況をしっかり見定めた上でこれを実際に実行するかどうか決断をしていくという、今の時点でそのアナウンス効果というか、待ちますよ、もうしばらくこれは発動しませんよというふうなことを言っていくべきなんだろうというふうに私は思うんですよ。法案を廃止するというのが我々の基本的なスタンスですから、これは廃止するということを言わなきゃいけないんだろうと思うんだけれども。

 しかし、これまでの議論の中で、かたくなに定率減税定率減税とここまで引っ張ってきたわけですから、少なくともそうした景気への配慮はどう考えておられるか、答えてください。

    〔江崎(洋)委員長代理退席、委員長着席〕

谷垣国務大臣 今、この間出されたQE、GDP統計、それもお引きになりながら中川委員は今の景気の見方をお示しになりました。もちろん、これからの景気をどう見ていくかということも大きな問題ですが、私は、その前に、要するに、この定率減税を入れたとき、平成十一年ですが、あの当時の経済情勢といいますか、あの当時の状況と今日の状況の違いというのが大事な点ではないかと思います。

 それで、今委員は、循環的にもこれから、今現在、悪くなっていくという見通しを示されました。あの当時は、もちろんそういう循環の問題もありましたけれども、それ以上に何か構造的なもの、具体的に言えば不良債権とかそういうものだと思いますが、そういうようなものが非常に全体を悪くしていて、底が抜けるような不安をみんなが持っていた時期だというふうに思います。その時期に比べますと、現在では不良債権処理、それから産業再生、両輪となったものが進んできて、有利子負債率もバブル崩壊以後の一番低い状況になっているというような大きな変化が私は基本的にあるのではないかというふうに思います。

 そういう前提のもとに、では、今の景気をどう見るのかというのは、若干中川委員のお考えとは異なっておりまして、確かに三期連続マイナスということになったのは事実ですが、これは基本的に、悪くしている要因は、委員もおっしゃいましたけれども、米中の好調に引っ張られてきたようなところが少し落ち込んで貿易が悪くなっている。それから、個人消費がやはり思わしくない、これは前々からそういうことでありますけれども、そういう面だと思うんですね。

 ただ、私は、これからアメリカも大変拡大基調だと思いますし、中国の場合は、むしろ心配は、過熱していく方の心配がやはり大きいんだろうと思います。当局者は過熱を下げるようないろいろな手を打っておられますが。ですから、基本的に、そこの基調がどんどん落ち込んでいくという基調ではないと思います。

 それから、個人消費は、早く個人消費がよくなってもらいたいというのはみんなが思っていたことでございますけれども、基本的に、こういうGDP統計が出ましたけれども、設備投資が三四半期連続増加と企業部門は引き続き好調な動きを示している、それから雇用者報酬が増加してきたというようなことで、要するに、そういう企業の業績が個人消費に移っていく趨勢ができつつあるというふうに私は考えておりまして、この間のGDP統計が消費面で振るわない背景には、やはり災害の影響であるとか、あるいは季節的な、割合暖かくて冬物が売れないというようなことが背景にあったのではないかというふうに見ておりますので、ちょっとそこは中川委員のお考え方とは違うわけです。

 それであと一つは、要するに、見直し条項というか景気に配慮しろという条項があるから少し待つんだというのを宣言しろ、こういうことでございますけれども、これは、やはり景気は生き物ですからよく見ていかなきゃならないことは事実であろうと思います。事実であろうと思いますが、主としてあの入った一文が意味しているところは、段階的に定率減税も縮減をお願いしておりますので、平成十八年度の後をやるときにどうするのかというのが一番基本的な含意だろうと思います。もちろん、それだけではなくて機動的に見ていかなきゃならない面があるのは事実でございますが、私は基本的にそのように考えております。

中川(正)委員 大分景況感が谷垣さんと違うようです。

 地元へ帰って各企業を回っていても、恐らく皆さんそうだろうと思うんですが、中小企業を中心に、まさかこの景気がいいというふうな思いがあるようなところはないんですよ。何ということを政府はやり出すんだろうという、その怨嗟の声で満ちていますよ。ということは、やはりそこに、輸出関連企業、特に大企業を中心に収益率が上がっていく部分が、これは生産効率が上がったとかなんとかというんじゃなくて、全部中小下請を含めて弱いところへ向いて移転されただけの話で、それが、もっと言えば、派遣労働者や何かも含めて低賃金の方へ向いてぐっと押し込まれている、この構造がある。

 だから、そこは、恐らくこの定率減税が入った時代よりももっと極端に、もっと大きな社会の溝として今でき上がっているんだということ。この実感があるんですよね。そういう前提で今のその流れを分析していったら、また違った絵柄ができてくるんだろうということを指摘しておきたいと思います。今これをやっちゃだめですということを指摘しておきたいというふうに思います。これが一つですね。

 それからもう一つは、これは半分だけやるということですが、もっと言えば、本当は、こういうちまちましたことというか上げる下げるという話じゃなくて、所得税そのものの構造をどうしていくかということ、これは政府税調でもいろいろな議論がありますけれども、これを今、これからのトータルな税のビジョンとして議論をしていく、あるいは具体的な政府の見解というのをしっかりと国民に対してアピールをしていくときだというふうに思っているんですよ。そこのところがないままに、まずこれだけはもとへ戻してくれというふうな話でしかないんで、将来の見通しが我々も立たない。

 もっと言えば、年金や福祉関連のことをどうしていくかという話と、それからプライマリーバランスをとっていく話と、これは全部、前にちょっと申し上げたようにトータルな話があるんだと思うんですね。要は課税ベースなんだと思うんです。

 所得税そのものが空洞化しているという状況が、これはいろいろなところで指摘をされています。年齢が上がっていって、退職年齢がどっとふえると、それは当然ですよ、これまで現役で働いていた人たちが年金生活に移るわけですから、それだけでも構造が変わってくる。そういう人たちは今度は何をするのかといったら、勤労所得から資産の運用の中で所得が回ってくるわけですから、その資産の運用をどうしていくのかといったときに、その部分についてはどちらかというと減税傾向というか、いわゆる投資へ向いて、なるべく資金を集めてこようという方向の中で税を抑えぎみに持っていっているわけですね。そうすると、ここでもまた流れが空洞化をしていくというふうなことがある。

 そんなことを、政治として、いわゆる政治判断として、どのようにまとめていくかというような議論が本当はされなきゃいけない。そんな中で、いわゆる累進構造の問題であるとか、総合課税の問題であるとか、あるいは二元化にするのか一元でいくのかというような話でいくのか、あるいは納税者番号をいつから入れるのかとかというような、そんな話を早いところ整理をしないと、これは幾ら定率減税をもとへ戻しても、所得税そのものがこれだけ空洞化していったら全然効き目がないんですよ。というようなことを何も議論しないで、これだけを頑張っていくという、その心というかその姿勢が私たちには理解できないということを指摘させていただきまして、時間が来たようでありますので、終わります。

 ありがとうございました。

金田委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 定率減税の縮減の問題について、まず谷垣財務大臣にお聞きしたいと思います。

 与党税調の税制改正大綱ですね、先ほども議論になっておりましたが、この中に「定率減税を二分の一に縮減する。なお、今後の景気動向を注視し、必要があれば、政府・与党の決断により、その見直しを含め、その時々の経済状況に機動的・弾力的に対応する。」、こういうふうに書かれております。これは、景気動向によっては定率減税の縮減を見直すということ、つまり中断もあり得るということですね。

谷垣国務大臣 先ほど中川委員との間でも議論をさせていただいたわけですが、この条項、要するに、前提として、先ほど申し上げましたように、景気が雇用所得環境の改善を通じて家計部門に波及する動きが強まっている、それで引き続き民需中心の緩やかな回復があるだろうというのが我々の認識の前提にあるわけですね。

 ただ、もちろん、そういうふうに見ているんだけれども、経済は生き物ですから、今後の景気動向については当然よく見ていかなきゃいけないわけでありまして、それで、その時々の経済状況に応じて、何か打つ手が必要になったときには、それは経済のどこに問題があるのかというものをきちっと把握して適切な対応をしなきゃならないというふうに私どもは考えておりまして、指摘された「機動的・弾力的に対応する」というのは、そういうことを言っているわけですね。

 ですが、景気動向が悪化した場合に、では直ちに定率減税縮減の見直しを行うという趣旨のものでは必ずしもないと私は思います。もちろんそういう選択肢を排除しているわけではありませんが、一応この条項については、そういうふうに申し上げます。

佐々木(憲)委員 何かはっきりしない答弁でありまして、悪化したから直ちに見直すというわけではないということは、どういうことなんですか。景気動向が幾ら悪化しても見直すということはしないということなんですか。

谷垣国務大臣 いやいや、それは、そのときの経済情勢によって機動的、弾力的に対応する、こういうことですから、いろいろなことがあり得るわけです。

佐々木(憲)委員 そうしますと、景気が、谷垣大臣と我々は大分認識が違いますけれども、さらにこれからどんどん悪化する、仮にそういう状況になった、秋になって、このまま定率減税の縮減というものをやっていったらこれは大変な家計負担と景気の底割れになりそうだ、そういう状況になれば、この定率減税の縮減は中止する、そういう選択もある、あり得るということですね。

谷垣国務大臣 それは、そのときの状況によって機動的、弾力的というんですから、それはいろいろな可能性があるわけです。

 ただ、私は、先ほど中川委員にも御答弁申し上げましたけれども、ここに書かれている主たる含意は、半分縮減をお願いしているわけですね、平成十七年度には。そうすると、あとの半分をどうするのかというのが平成十八年度の税制を議論するときに当然出てまいりますから、それをどうするかというのは、十分そのときの景気の動向を見て判断しなさいよというのが、もちろんそれだけとは申しませんが、この条項の主たる含意ではないかなというふうに考えております。

佐々木(憲)委員 ということは、つまり、十七年度はもう決まったんだから、決めたんだから、これは状況が幾ら悪化しても実行する、問題は十八年度をどうするかだ、そういう話ですか。

 そうすると、これは分離論ですね。その分離論というのは一体、総理の答弁にもありませんしこの大綱の中にもないわけで、これは極めて特異な、谷垣大臣独特の解釈であって、これはおかしいんじゃないですか。

谷垣国務大臣 いや、佐々木委員は、私はそんなこと言っていないのにそういうふうに鋳型に当てはめる。だから、主たる含意は、平成十八年度の税を議論するとき残りの半分を入れるのには十分景気の動向を見ながら判断をして、だからそれは、そのとき悪ければそのときの判断に影響してくるというのが主たる含意であると申し上げて、すべての含意だというふうに申し上げているわけではないんです。

佐々木(憲)委員 よくわからない。十七年度はどういう状況があってもこれは実行する、問題は十八年度以降だ、それをどうするかというのがこの中に書かれていることの含意である、そういうことなんですか。つまり、十七年度はいわば実行してしまう、どういう状況があろうが。問題は十八年度だ、そのことについてこれは書いている、こういうことなんですか。どうも今の話はそういうことですよね。

 そうなると、そのときの経済状況に機動的、弾力的に対応するというのは、つまり縮減全体について見直しを行うということではなくて、縮減の一部は実行するが一部は見直すんだ、こういう考え方になりますね。

谷垣国務大臣 佐々木さんは私の答弁をよく理解しておられて、無理にそういう鋳型に当てはめようとしておられるのじゃないかなと思うんですけれども。もともと、だから私は、主たる含意は平成十八年度だと申しましたけれども、では、平成十八年度、あとの半分を入れるか入れないかがすべてではないと申し上げているわけです。えらくぎりぎりお詰めになりますから。

 大体、今の平成十七年度でお願いしておりますものも、実施に移るのは平成十八年一月からですよね。それから、次の議論をやっていきますときには十分そのときの景気動向も判断しなければならないわけですから、こういう議論が具体的になっていくのは平成十八年度を議論するときになってくるのではないかなと思いますけれども、機動的、弾力的ですから、それはいろいろなことがあり得るわけです。

佐々木(憲)委員 全くいいかげんな答弁でありまして、十七年度を見直すという発想は、谷垣大臣の今の答弁の中には一切見えてこない。つまり、一月から三月までの一千八百億ですか、それはいわば、どんな状況でも食い逃げのようにぱっととってしまって、あとは十八年度どうしようか、こういう話だというのがよくわかりました。

 さてそれで、次に伊藤金融担当大臣にお聞きします。

 まず前提として、現在、金融、銀行を取り巻く経営環境、これは多少最近よくなっているのか、それともますます厳しさを増しているのか、どちらでしょうか。

伊藤国務大臣 お答えをさせていただきたいと思います。

 まず、不良債権問題に対する取り組みにつきましては、主要行におきましては、金融再生プログラムにおきます諸施策というものを展開して、昨年の九月期の不良債権比率は四・七%まで低下をして、今期の三月期に半減目標を達成させるということを金融再生プログラムの一つの目標にいたしているわけでありますけれども、その目標達成に向かって順調に進捗をいたしているというふうに思います。

 そして、中小、地域の金融機関の問題でありますが、「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」に基づいて、中小企業の再生と地域経済の活性化、こうしたことを図りながら、不良債権問題も同時に解決をしていこう、そのための諸施策を展開しているところでございます。

 確かに、主要行よりも不良債権比率は少し高いところがございますけれども、全体としては不良債権比率は低下をし、そして自己資本比率も向上してきておりますので、全体としては進捗している状況にあるのではないかというふうに思っております。

 ただし、ペイオフ解禁、拡大は目前に迫ってきておりますし、中小・地域金融機関におきましても、一層緊張感を持って、経営基盤の強化と収益力というものを向上させながら、さらに地域の方々、利用者の方々の信頼を確保していくために、みずからの健全性というものをわかりやすく丁寧に、またみずからの経営に対する考え方というものも公表しながら、経営改革を進めていくということが非常に重要なことではないかと認識をいたしているところでございます。

佐々木(憲)委員 私の聞いたのは極めて単純なことなので、そんな難しい長い答弁は要らないんです。要するに、よくなっているのか悪くなっているのか。今の答弁ですと、全体としてはよくなりつつある、こういう認識だということだと思います。

 ところが、最近、金融機関の経営環境はますます厳しさを増している、こういうことで大げさに言いながら、さまざまな手数料の引き上げというのを銀行は行っているわけです。

 例えば、両替手数料ですとかATMの利用手数料、あるいは中小企業向け融資の条件変更の際の手数料。私は、この間、財務金融委員会で、こういう問題を次々と問題にしてまいりました。考えられるあらゆる手段を使って手数料の引き上げを図っている、これが大変評判が悪いわけであります。

 最近大きな問題になってきておりますのは、自治体の指定金融機関が各自治体に対しまして、公金の収納支払い等に関する業務についての手数料を一斉に引き上げようということで、自治体に迫っているわけです。

 例えば、一昨年九月、全国地方銀行協会が全国知事会、全国市長会など五団体に要望書を出しております。昨年の七月にも出されておりまして、その要望書を見ますと、こう書かれているわけです。「地方銀行全体で年間一千億円を大きく上回る負担となっています。」こういうふうに言って、全国で約千七百の自治体の指定金融機関が、その分、つまり一千億円をはるかに超える部分を自治体に負担してもらいたい、こういう要望書を出しているわけであります。単純に計算しますと、一自治体当たり一億円弱の負担増になるわけです。これは大変な手数料負担なんです。

 金融庁としては、この一千億円以上の負担を自治体で見るというのは、これは当然の立場であるというふうにお考えなんでしょうか。

伊藤国務大臣 公金収納の事務に関するコスト負担についてお尋ねがあったわけであります。

 私どもも、地方銀行協会が自治体に対してコスト負担を求めるために書簡で要請していると今御紹介ございましたが、そのことについては承知をいたしております。いずれにいたしましても、この問題については、基本的には、当事者である銀行と地方公共団体の間で十分協議をして合意を得るものではないかというふうに考えております。

佐々木(憲)委員 承知しているけれども、当然という立場ではなくて、それは両者の協議で決めていくものであるという答弁でありました。

 この要望書を見ますと、こういうことも書いてあるんですね。「なお、現在、地方交付税の算定基礎である基準財政需要額の単位費用には、金融機関への手数料等の項目がなく行政コストとして扱われていない」「個別地方公共団体ならびに地方公共団体関係団体から主務官庁に対し、」総務省に、「主務官庁に対し、基準財政需要額の単位費用についての計上方法の見直しを働きかける等の対応についても検討願いたい。」こう書いてあるんです。つまり、銀行が自治体に、今まで自治体の側が負担していなかった、銀行の収益の中でそれを負担するということになっていたわけです、それをこれからは自治体に全部負担させるんだと。しかも、基準財政需要額の算定基準の中に入れるように、自治体が国に働きかけなさいと。こんなことまで何で地方銀行協会が言わなきゃならぬのか。私はこれは非常におかしな文書だと思うんですが、こういうことを言うのは当然だというふうに思いますか。それとも、これはちょっとおかしいな、行き過ぎだと思いますか。どちらですか。

伊藤国務大臣 今委員からは、地方銀行協会の要請のあり方について問題である、こうした御指摘でございますけれども、一般論として申し上げれば、地方銀行協会の内部でどのような議論をしていくのか、そしてどのような形で意見集約を行っていくのか、そしてこれに基づいて対外的にどのような要請というものを行っていくのか、これは基本的には地方銀行協会が判断すべきことでありますので、私どもがその適切性について当局として判断すべきものではないというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、先ほど答弁をさせていただきましたように、当事者間において十分協議した上で合意をしていく、このことが非常に重要なことではないかと考えております。

佐々木(憲)委員 そうしますと、金融庁はこれは関与していないし、またこれは当事者間の問題であるというふうにおっしゃいましたが、この地方銀行協会がこのようなことをやる背景に金融庁の政策的な問題はないのか、全くないのか、その辺はどうですか。

伊藤国務大臣 委員は恐らく地方公共団体の財政的な視点から御議論をいただいているんではないかというふうに思います。

 委員も御承知のとおり、先ほど私が御答弁をさせていただきました「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」、この前段に金融審議会で御議論をいただいて報告書をまとめていただいております。その報告書の中において、中小・地域金融機関の健全性、こうした観点から考えていくと、コスト負担の適正化の問題についてはやはり考えていく必要があるんではないか、重要な課題ではないかというふうに私どもは認識をしているところでございます。

 しかし、いずれにいたしましても、この問題は、当事者間において十分に協議をして、そして合意をしていくべき問題であるというふうに考えているところでございます。

佐々木(憲)委員 この文書を見ますと、こういうふうに書いているんですね。「地方銀行においては、リレーションシップバンキングの機能強化のため、収益力の向上に向けた一層の取組みが強く求められ、」強く求められていると。「指定金融機関業務等のコスト負担の適正化など地方公共団体との取引改善が喫緊の経営課題となっております。」と。つまり、金融庁が収益力向上を言っている、そのことが地方公共団体に手数料の引き上げを求める一つの根拠になっているんだ、こういう説明をしているわけです。これは、金融庁がこのような方針を出してやっているからこういうことになるわけであります。

 例えば、手数料、実際の自治体との関係で一体どうなっているかといいますと、一つの例として琉球銀行をたまたま見たんですけれども、昨年の十二月に発表されましたが、経営健全化計画のフォローアップ、この内容を見ますと、市町村との手数料有料化交渉はこうこうやっておりますと書いてありまして、十六年度の収益改善額は一千二百万円であると。つまり、収益力向上という方針が金融庁から出されて、それに基づいて自治体と交渉した、そうしたらこれだけの収益が上がりましたと。これは金融庁にフォローアップという形で確認されているわけです。

 こういうことを考えますと、私は、これは逆じゃないかと。地域への貢献あるいは自治体へのサービスということを考えると、こういうやり方は全く逆行していると思いますよ。このリレーションシップバンキングの本来の目的は、地域への貢献だったはずであります。それが地域への負担押しつけの口実にされている。これは、理解の仕方としては私は行き過ぎだと思いますが、いかがですか。

伊藤国務大臣 この点については、やはりコスト負担の適正化ということをどういうふうに考えるかということが大きなポイントではないかというふうに思っております。金融審議会の報告書におきましても、地方公共団体との間で適切な分担がなされているかどうかという問題が指摘されているところである、こうされておりまして、中小・地域金融機関の健全性確保の観点から、こうした取引についてコスト負担の適正化について大切な課題であると私どもは認識をしているところでございます。

 いずれにいたしましても、この問題は基本的に当事者間で十分協議をしていくことが非常に重要でありますから、その協議の上で合意をしていくということが大切なことではないかというふうに考えております。

佐々木(憲)委員 協議は協議でいいんですが、そういう方向に金融庁が全体として追い込んでいるということ自体が問題なわけであって、そこを根本的に改めていただかなきゃならぬということを最後に申し上げまして、終わります。

金田委員長 以上で両大臣の所信に対する質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

金田委員長 次に、内閣提出、平成十七年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。

 順次趣旨の説明を聴取いたします。財務大臣谷垣禎一君。

    ―――――――――――――

 平成十七年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案

 所得税法等の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

谷垣国務大臣 ただいま議題となりました平成十七年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。

 まず、平成十七年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案につきまして御説明申し上げます。

 平成十七年度予算においては、歳出改革路線を堅持、強化するという方針のもと、従来にも増して歳出全般にわたる徹底した見直しを行い、一般歳出について三年ぶりに前年度の水準以下に抑制し、新規国債発行額についても四年ぶりに前年度より減額したところであります。一方、予算の内容については、活力ある社会経済の実現や国民の安全、安心の確保に資する分野に重点的に配分するなど、めり張りのある予算の配分を実現しました。

 しかしながら、我が国の財政収支は引き続き厳しい状況となっており、特例公債の発行等の措置を講じることが必要であります。

 本法律案は、厳しい財政事情のもと、平成十七年度の財政運営を適切に行うため、同年度における公債の発行の特例に関する措置及び年金事業等の事務費に係る負担の特例に関する措置を定めるものであります。

 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。

 第一に、平成十七年度の一般会計歳出の財源に充てるため、財政法第四条第一項ただし書きの規定による公債のほか、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で公債を発行することができること等としております。

 第二に、平成十七年度において、国民年金事業、厚生年金保険事業及び国家公務員共済組合の事務の執行に要する費用に係る国等の負担を抑制するため、国民年金法、国民年金特別会計法、厚生保険特別会計法及び国家公務員共済組合法の特例を設けることとしております。

 次に、所得税法等の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。

 本法律案は、現下の経済財政状況等を踏まえ、持続的な経済社会の活性化を実現するためのあるべき税制の構築に向け、定率減税の縮減とともに、金融・証券税制、国際課税、中小企業関係税制等につき所要の措置を講ずるものであります。

 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。

 第一に、国と地方のいわゆる三位一体の改革との関係で、平成十八年度に国、地方を通ずる個人所得課税の抜本的見直しが必要となることを展望しつつ、平成十一年以降、景気対策のための臨時異例の措置として継続されてきた定率減税について、導入時と比較した経済状況の改善を踏まえ、その規模を二分の一に縮減することとしております。

 第二に、金融・証券税制について、株式投資を促進するための環境整備の一環として、特定口座で管理されていた株式の無価値化による損失を譲渡損失とみなす特例を創設する等の措置を講ずることとしております。

 第三に、国際課税について、外国子会社合算税制を、国際的な企業活動の実態に、より一層即したものとするとともに、国債の保有者層の拡大を図る観点からの、非居住者等が保有する国債の非課税特例を受けるための手続の簡素化等を行うこととしております。

 第四に、中小企業関係税制について、中小企業の新たな事業活動の総合的な促進に資する観点からの、中小企業の支援のための税制上の措置等を講ずることとしております。

 そのほか、所得税の寄附金控除の限度額の引き上げ、法人税に関し民事再生等の場合の資産評価損益と欠損金の損金算入等に関する措置、検査機関等の登録等に対し登録免許税の負担を求める措置のほか、共同で現物出資をした場合の課税の特例の廃止等、既存の特別措置の整理合理化を図るとともに、住宅用家屋に係る所有権の保存登記等に対する登録免許税の特例等、期限の到来する特別措置についてその適用期限を延長するなど、所要の措置を講ずることとしております。

 以上が、平成十七年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案の提案の理由及びその内容であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

金田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後七時四十二分散会


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