衆議院

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第7号 平成17年2月28日(月曜日)

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平成十七年二月二十八日(月曜日)

    午前十時六分開議

 出席委員

   委員長 金田 英行君

   理事 江崎洋一郎君 理事 遠藤 利明君

   理事 竹本 直一君 理事 村井  仁君

   理事 中塚 一宏君 理事 原口 一博君

   理事 平岡 秀夫君 理事 谷口 隆義君

      小野 晋也君    岡本 芳郎君

      木村 太郎君    熊代 昭彦君

      倉田 雅年君    小泉 龍司君

      鈴木 俊一君    砂田 圭佑君

      田中 和徳君    寺田  稔君

      中村正三郎君    永岡 洋治君

      西銘恒三郎君    原田 令嗣君

      御法川信英君    宮下 一郎君

      森山  裕君    渡辺 喜美君

      井上 和雄君    岩國 哲人君

      内山  晃君    鈴木 克昌君

      田島 一成君    津村 啓介君

      中川 正春君    永田 寿康君

      野田 佳彦君    古本伸一郎君

      馬淵 澄夫君    牧  義夫君

      松木 謙公君    村越 祐民君

      吉田  泉君    吉田  治君

      石井 啓一君    長沢 広明君

      佐々木憲昭君

    …………………………………

   財務大臣         谷垣 禎一君

   国務大臣

   (金融担当)       伊藤 達也君

   内閣府副大臣       七条  明君

   法務副大臣        滝   実君

   財務副大臣       田野瀬良太郎君

   財務大臣政務官      倉田 雅年君

   厚生労働大臣政務官    森岡 正宏君

   会計検査院事務総局第一局長            諸澤 治郎君

   会計検査院事務総局第二局長            増田 峯明君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  中城 吉郎君

   政府参考人

   (内閣法制局第三部長)  山本 庸幸君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   大田 弘子君

   政府参考人

   (内閣府経済社会総合研究所景気統計部長)     太田  清君

   政府参考人

   (金融庁証券取引等監視委員会事務局長)      長尾 和彦君

   政府参考人

   (総務省自治税務局長)  板倉 敏和君

   政府参考人

   (法務省民事局長)    寺田 逸郎君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    大林  宏君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   杉本 和行君

   政府参考人

   (財務省主税局長)    福田  進君

   政府参考人

   (財務省理財局長)    牧野 治郎君

   政府参考人

   (国税庁課税部長)    竹田 正樹君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           中島 正治君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房参事官)           瀬上 清貴君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)       伍藤 忠春君

   政府参考人

   (厚生労働省年金局長)  渡辺 芳樹君

   政府参考人

   (社会保険庁長官)    村瀬 清司君

   参考人

   (日本銀行総裁)     福井 俊彦君

   参考人

   (預金保険機構理事長)  永田 俊一君

   財務金融委員会専門員   鈴木健次郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十八日

 辞任         補欠選任

  谷川 弥一君     原田 令嗣君

  山下 貴史君     御法川信英君

  岩國 哲人君     内山  晃君

  鈴木 克昌君     牧  義夫君

  田村 謙治君     吉田  治君

同日

 辞任         補欠選任

  原田 令嗣君     西銘恒三郎君

  御法川信英君     寺田  稔君

  内山  晃君     岩國 哲人君

  牧  義夫君     松木 謙公君

  吉田  治君     永田 寿康君

同日

 辞任         補欠選任

  寺田  稔君     山下 貴史君

  西銘恒三郎君     谷川 弥一君

  永田 寿康君     古本伸一郎君

  松木 謙公君     鈴木 克昌君

同日

 辞任         補欠選任

  古本伸一郎君     田村 謙治君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 会計検査院当局者出頭要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 平成十七年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案(内閣提出第二号)

 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一二号)


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     ――――◇―――――

金田委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、平成十七年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案並びに平岡秀夫君外二名提出の両案に対する両修正案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、参考人として日本銀行総裁福井俊彦君、預金保険機構理事長永田俊一君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として財務省主計局次長杉本和行君、財務省主税局長福田進君、国税庁課税部長竹田正樹君、金融庁証券取引等監視委員会事務局長長尾和彦君、内閣官房内閣審議官中城吉郎君、内閣法制局第三部長山本庸幸君、総務省自治税務局長板倉敏和君、法務省民事局長寺田逸郎君、法務省刑事局長大林宏君、厚生労働省大臣官房審議官中島正治君、厚生労働省大臣官房参事官瀬上清貴君、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長伍藤忠春君、厚生労働省年金局長渡辺芳樹君、社会保険庁長官村瀬清司君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、会計検査院事務総局第二局長増田峯明君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

金田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吉田治君。

吉田(治)委員 民主党の吉田治でございます。

 まず最初に、役所の方に申し上げたいのは、本日、私、土日を挟んだとはいえ、証券取引等監視委員会の事務局長、だれか来てくれと言ったのに、初め入っていなかったということ。その割には、金融庁は事前に、どういう質問をされるんですか質問をされるんですかばかりを聞いてくる。大変国会に対して失礼なことだ。要請したことにはちゃんとせずに自分のことばかりやっておるということが、後ほどの質疑の中でも明らかになるかもしれませんが、その辺については猛反省を促したい。

 とりわけ私のように、こうして財金で初めて質問をする人間に対しては、知らない人だからどうでもいいんだろうというぐらいの思いを持たれているのであるならば、その気持ちは改めていただきたいということをまず冒頭申し上げると同時に、この機会をいただいて、本来でしたら予算委員会の分科会で、前回の予算委員会の一般質疑で谷垣財務大臣もおっしゃられたように議論をしたいということでございましたので、議論をしたいなと思っておりましたら、この委員会が入って、十分時間をやるのでいっぱい議論をするようにということでございますので、楽しみにきょうは、この週末過ごさせていただいた次第でございます。

 まず、大臣の過日の一般質疑の答弁を読ませていただいておりまして、定率減税の縮小、廃止という言い方をされますが、大臣、これは実質的な増税、そう私は認識しているんですけれども、大臣もそう認識されているんでしょうか。

谷垣国務大臣 私も、きょうは吉田委員と議論ができることを楽しみに出てきたわけでありますが。

 今、定率減税の縮小、廃止、縮減、こういうような表現を使っておりますが、それは増税そのものではないかというお問いかけでございます。

 これはいろいろな観点から言えると思います。確かに、委員のおっしゃるように、昨年度から比べれば増税をお願いするということでもございますし、導入時の経緯から見れば、臨時異例の、特例の制度でございますから、どこかで廃止しなきゃならないという性格のものでもあったと思います。

吉田(治)委員 あのときの小渕内閣の議論で言うならば、恒久減税のはずだったですよね。それがいつの間にか、的という言葉が入った。中国語では的と言うと「の」という意味になるらしいんですけれども、日本におると、それはいつか消してしまえということになって、今大臣言われたように、これはもう実質増税と言わざるを得ないと私は思うんですね。

 手元に財務省が出されている「日本の財政を考える」というこの冊子、お聞きしますと何冊でも、こういうところで話をしたい、どこそこで日本財政の話をするというと、割と冊子をまとめて、下さる。どういうものかと思って楽しみに読んでいきますと、要するに、つらつら書かれていることは、日本はもうとんでもない状況になってきているから増税認めてよ、増税しかないでしょうと。読んでいけばいくほど、普通の人はそういう感覚に陥らざるを得ない。そして、中身的に言っても、諸外国に比べて日本の負担は少ないんだ、少ないんだと。しかし、隠れた負担というのがさまざまあるということは触れられていませんよね。

 例えば、公務員の定数の問題にしても、公務員の数は少なくても、過般、独立行政法人となりましたけれども、いわゆる特殊法人の職員、この数を入れていくと、諸外国に比べても、遜色のないという言い方はよくないかもしれませんけれども、人数は変わらなくなってくるとか、そういう話は触れられていない。行財政改革で自分たちはこれだけ血を流したんだということが誇らしげにも、残念なことに、このペーパーの中には、財政という観点ですから、そこまでは書けないのかもしれない。

 しかし、一方では、今大臣、定率減税は増税だという言い方をされました。

 しかし、大臣、この間の議論をしている中でお答えをされていない部分が数点ありました。この定率減税が実質増税という形になったときに、雇用にどういう影響があるのか、個人所得はどうなるのか、ひいては日本経済であるGDPにどういう影響になるのか、数字統計はとっておりますかと、あのときは時間がございませんでした、御質問をさせていただきました。

 ただ、大臣の答弁は、ここにもございますけれども、いや、これは、今景気がだんだんよくなってきているからその辺は勘案してというふうなことだけで、具体的に数字をとっているのか、とっていないのか。とっているというのは、要するに、計算しているのか、予測をしているのか、その辺はどうなのか。いかがなんでしょう。

谷垣国務大臣 今最初に、公務員の数は少ないけれども、特殊法人等入れれば諸外国に比べて遜色ないという表現、突然そういう御議論でございましたので、ちょっと今、手元に数字はございませんけれども、たしか政府の出しておりますものは、特殊法人や何かも加えた数字を出していたんじゃないかと思います。これはまた、ちょっと私も戻ってよく調べたいというふうに思っております。

 それから、今数字について答えていないではないかということをおっしゃいました。これに関しましては、平成十七年度政府経済見通しというのをつくっておりまして、これは定率減税の縮減を含む経済運営を前提としてつくっているわけでありますが、そういうことを前提としても、構造改革の取り組みの進展などによって、景気回復が雇用所得環境の改善を通じて家計部門に波及する動きが強まって、引き続き民需中心の緩やかな回復を続けるという、これは当然内閣府において調査をされて、そういう見通しを政府としてはつくっております。

吉田(治)委員 大臣、大臣は誠実な方だと私は存じているんですけれども、やはり余りにも、役人の言うことじゃなくて、私は前回も今回も同じことを質問しているんですね。個別の案件に数字を出しているのか、出していないのか。今の大臣の答弁は、全体のくくりの中でそういうものを入れてと。

 私の手元にある国会の調査局の資料によると、各シンクタンク、いわゆる民間の日本総研であるとか第一生命経済研究所だとか、全部それは、結果としてこの定率減税が縮小、廃止になるとこれだけの影響がありますよと。民間ができているんですよね。それぞれまた数字が違います。これは当然だと思います、計算の仕方が違うんだから。

 では、国家として、私は民主党の部会の中でも財務省の方に申し上げました。財務省の方はそのときどう答えたか。何%どうするかが決まらない限りは数字は出せませんとそのとき言われた。

 ということは、反対を言うと、こういう形で定率減税で縮減が半分にするんだと決まったのであるならば、雇用にどう影響するのか、個人所得に、可処分所得はどうなるのか、実質成長率は、その大くくりの中から抜いてきて、定率減税の影響というのは、減税がなくなって増税になることの影響というものはどれだけあるのかということを、大臣、国民は、私ははっきり言って、ばかでもなければあほでもないと思うんですよ。はっきりと言われれば、先ほど申し上げました、この財務省の資料を読んでいってもなるほどなと納得すると思うんですよ。そこを、大くくりにしたら幾らで、そういうふうな言い方をするから、ますます何か隠しているんじゃないか、何かおかしいんじゃないかと思うんです。

 再度聞きます。その数字はつくっているのか、試算しているのか。お答えください。

谷垣国務大臣 定率だけを取り出して、その定率だけの影響がどうなるかというようなことはやってないわけです。

 それで、政府経済見通しというのは多分ごらんいただいているだろうと思いますけれども、そこに主要経済指標が入っておりまして、例えば、雇用者の所得というようなことをおっしゃいましたが、今の雇用者報酬は、十六年度は二百六十四兆でございましたけれども、十七年度の見通しは二百六十五・二兆になるとか、いろいろ数字はございます。それで、これは平成十七年度の税制改正やそういう制度改正を織り込んで内閣府としてこういうものをつくっているわけでございます。

吉田(治)委員 これほど国民生活に大きな影響を与える、一人一人でしょう、定率減税の廃止というものは。縮小、廃止、増税というものは。私は出すべきだと思うんですね。

 個人所得、それぞれ階層によって違います。シンクタンクの多くが言われているのは、いわゆる中間所得層、一番購買力のあるところ、日本の経済にとって六割を占める個人消費の一番お金を使う層を直撃する、そう言っているところがほとんどなんですね。そういうことを明らかにして、国全体は、国全体はばかり言われると、大きな政策転換のときということに関しては、それを言うべき義務が大臣にも内閣にもあると私は思います。

 また、もう一方で言うならば、既にもうこれだけのものを負担しているというのはよく言われますよね。医療、年金、配偶者控除の廃止等含めて、巷間言われておるのは、小泉政権になってからだけで国民負担は三兆八千億円ふえた。今手元に持っております調査局の資料においても、さまざまな部分で三兆五千億円、そういうふうに資料としてもちゃんと出ている。個人所得課税、社会保険料の負担等、すべて小泉内閣において負担だけがふえていった。定率減税は恒久的で、景気がよくなったから縮小、廃止をしていくんだ、実質増税しても大丈夫なんだ。では、大丈夫の先に、このことによって国民生活、お一人お一人の生活はどうなるのか。出さない方は怠慢じゃないですか。

 先ほどの質問取りと一緒ですよ。自分の都合のいいことは聞きに来るけれども、大事なことを聞いても答えない、対応もしない。大臣、その辺について、今後こういう大きな政策転換するときに、ちゃんとこういう数字を国民に明らかにするということをお考えになられるというのはいかがですか。

谷垣国務大臣 吉田委員は今、小泉内閣になって三兆何千億とおっしゃいました。いろいろな負担増をお願いしていることも事実でございます。しかし、では、負担増をお願いしなかったらやはり公共サービスも下げなければいけない。だから、結局、影響というものはトータルでないとなかなかはかれない、こういうふうに私は思います。

 したがいまして、こういうものを織り込んでいろいろなことを算定いたしますと、政府経済見通しのようなことを私どもは考えている、こういうことであります。

吉田(治)委員 公共サービスに逃げないでくださいよ。そこの議論は、私は、個人の生活はどうなるのかと。今、公共サービスの話は、日本の財政を考える中にあって結果としてこうなりますよと。私はそこのところはもう一度よく考えてもらいたい。

 きょう、日銀総裁おいでだと思います。日本銀行として、定率減税が廃止をされて増税になったときに、日本経済に与える影響というものは試算をされたことがあるんでしょうか。

福井参考人 お答え申し上げます。

 日本銀行から見ましても、こうした財政再建に絡む措置、これはこれからの日本経済の姿形をつくっていく上で非常に重要な問題点でございますので、強い問題意識を持ってこの定率減税縮小の問題についても注意しているということでございますが、国会及び政府におかれましての御検討が国民の目に見て理解されやすい形で進行していく、そのことは、同じ額の租税措置であっても、これからの経済に及ぼす影響はうんと変わってまいります。そこまで含めて一生懸命今見ているというところでございます。

吉田(治)委員 済みません、数字はとられているんですか、試算されているんですか。そこだけお答えください。

福井参考人 日本銀行では、個別の租税項目について、具体的にそれの直接的な影響という形で経済見通しの計算はいたしておりません。

吉田(治)委員 いつも日銀総裁の答弁というのは、本当に、次に質問ができないくらい丁寧ですよね。それが総裁の最後の、国民の理解をしっかりとるという、私はその言葉になると思うんですね。大臣、私たち同じ議員としてやはりそのことはしっかりと理解しないと。これはあれでという、役所が考える理屈で答えてはいけないと私は思うんですね。

 そういう中で、今回の定率減税の増税について、弾力条項というものが自民党の税制大綱の中に入っているとお聞きしております。大臣の答弁の中にも少し触れられていました。では、具体的に、この弾力条項というのはどういうふうに活用し、どういうふうに使っていく予定なんですか。それとも、一年たって来年終わります、来年じゅうにこの弾力条項、例えば来年のいついつまでにこの弾力条項に基づいて、例えば定率減税をしたけれどもやっぱり景気が悪くなったな、定率減税、上積みをもう一遍しなければいけないな、もしくは廃止をやめようというのは、この見込みというのはいつぐらいを予定されているんですか。

谷垣国務大臣 御指摘のように、与党の大綱の中にはいわゆる弾力条項と言われるものが入っております。この趣旨は、たびたび御答弁も申し上げておりますけれども、経済は生き物だから景気動向については当然注意深く見守っていく必要があるし、その時々いろいろな問題が生じた場合には、どういう政策的な対応が必要になるのか、どこが問題なのかというようなことを適切に判断して機動的に対応せよということでございまして、今、吉田さんは、もう少しそれを具体化するとどうなのかというふうにおっしゃいましたけれども、まさにそういう意味ではここは一般条項的な規定になっていると思うんです。

 それで、その上で、ではもう少し私なりに具体化して申しますと、ことし定率減税二分の一縮減ということでありますから、平成十八年度、残りの二分の一はどうするかということを当然議論しなければならないわけでございますから、そのときに、では経済状況を見て、あとの半分はどうするかということは当然経済状況を見ながら議論をしていただく、これは来年の議論になるわけですね。それが一番の目的だ、一番の含意だと私は思っておりますが、もちろんそれだけにとどまるわけではありません。

 ただ、ここで言っておりますことは、臨機応変、柔軟に対応せよということではありますけれども、まず最初に、では定率減税の縮減、廃止の導入を廃止せよという判断を一義的に結びつけるというわけのものでも必ずしもないということだろうと思っています。

吉田(治)委員 だから私、一番最初に、それぞれGDPの影響はどうかというと、去年の十二月八日の第三十二回経済財政諮問会議の中で、竹中大臣はこう言っているんですね。財政の健全化の観点でいうと、例えばGDP比一%、五兆円に達するような負担増は注意をしなければいけない、オーバーキルの可能性があるということではないかと考えている、こういうふうに述べられているわけです。その後本間議員が言われ、その後谷垣大臣が発言をされています。会議録が公開されております。

 それを見ていくと、弾力条項というか、私がなぜ定率減税、個別の数字を出さないんですかと、GDPの数字、ひょっとしたらこれは竹中大臣が言われたように一%負担増に結果としてなっていくのではないか、その試算を出しているけれども怖くて出せないんじゃないか、そういう危惧の念を持つから、出したらどうですかと言っているんですけれども、その辺はいかがなんですか。

谷垣国務大臣 怖くて出せないとかいうことではなくて、そういう数字は具体的に手元にないわけです。ですから、全体を見て、こういう来年度の経済、十七年度の経済見通しというのをお出ししているわけであります。

吉田(治)委員 出していないことを自慢するんじゃなくて、竹中大臣がこういう経済財政諮問会議で谷垣大臣もいる前で言っているんだったら、一つ一つの大きな政策転換、国民生活にかかわるようなことは出して、どうだということを言うべきものが、先ほど日銀総裁が言われた国民の理解を深めるということではないんですか。

 私はそれはどうしても、定率減税の廃止、実質増税。今までこれだけ負担をしてきた。毎月毎月、働いている方々は、給与明細書の中で社会保険料がふえていっている。去年の十二月のボーナスは実質一割カットだ、何でカットされたのか、医療保険の負担と厚生年金の保険料の負担。お勤めの方にとって本当に楽しみであるボーナスが、その二つで消えていった。今度は定率減税が縮小、廃止されて増税だ。そして、その中身はどうなのかといったら、どうなるかはわかりません、それはもう大きな経済の中ですと。それで国民が納得して、では次の選挙も自民党に一票入れようか、ようやっとるということには決してならない、そのことを私は強く申し上げさせていただきたいと思います。

 次に、消費税の議論。これは前回もお話をさせていただき、一部マスコミ等にも出ましたけれども、もう一度この議論。あの大臣の答弁を見ると、二けたになったときに非課税品目であるとかそういうようなものを考えていくということがございました。

 その後、私、そのことに関して、消費税の過去の議論に対して、何かいい資料はないかなと思って探してまいりましたら、ちょうど政府税調の委員もされたお方がある団体で講演をされております。「消費税の複数税率化」という名目で、佐野正人さんというお方ですか、調べましたらペーパーが出てきまして、その団体にお願いしたら、この冊子は身内のものだから、でもお勉強されるのでしたらどうぞという形でちょうだいいたしました。

 それを読んでいきますと、消費税の議論、これは昭和五十四年、まさに大平さんが亡くなられたあのダブル選挙のときの議論にさかのぼっていく、遠因となるその選挙に上っていく。一般消費税というものが出てき、その後中曽根内閣で売上税になった。売上税のときの議論では、昭和六十二年の自民党税調の税制改正大綱では税率が五%。今と一緒ですよね。昭和六十二年に出てきた税制大綱では今と同じ五%でありながら、非課税取引というものがかなり認められていた。四十四項目が列挙をされている。突然そんなものを出すんだったら、非課税のものをしていく必要があるんじゃないかと。

 この冊子においては、NHK、今話題になっておりますNHKの受信料も入っておりますし、また新聞の販売価格も入っておりますし、そういうふうなものが出てきた。それほど認めないと国民はうんと言わないだろう、国民生活に密着している四十四品目はやはり置いておくべきだというのが、そのときの税制大綱五%をとるとき。

 時代が移って竹下さんになって、三%で消費税が導入をされた。そのときは、薄くするからみんな認めてよ、三%に薄くするからみんな認めてよと。売上税の場合は、例外を認めるが課税するものは五%。消費税の場合は、例外は余り認めない、網羅的に課税するから三%。それが、橋本政権で五%になるときに、本来であるならば、中曽根内閣のときの売上税の議論に戻して非課税品目だとか複数税率だとかそういうものを考えるべきものを、当時は所得税の減税、法人税の減税、中小企業の軽減税率等の優遇措置のわあわあわあと言っている中で、気がついたら何もなく五%になった。

 私は議論を一度立ち返って、五%の一番最初のそもそも論の、ほんの十数年昔の、二十年たたない前の議論に戻っていくならば、そのときに比べて日本の経済状況というのは極めて悪くなっているんですから。六十二年は景気がいいときに、五%だったら四十四品目を外そうとした。しかし、今、景気が悪いときに五%になっても外されていない。そして、谷垣大臣の答弁を聞いていると、二けたになったら複数税率を認めるということであるならば、これから先、次のステップとしては、二けたになる前にもう一度一けた台の消費税のアップというものを考えているんだなと。五%のときもうまくいったから、八%のときには、このときも一緒にせえのでみんな上げてしまう。そして、二けたになったら、やはりそこまでやるとやり過ぎだから、複数税率であるとか非課税品目であるとか、そういうふうなものを入れていこうと。大臣の答弁を聞いていると、それしか考えられない。

 消費税を上げていく。そして、この「日本の財政を考える」を見ていくと、消費税を上げる上げる、世の中的に言ったらそれで仕方がない、どうしようもないと。しかし、上げ方の中で、今のような上げ方、今五%という現実を考えたときに、五%は中曽根内閣のときには四十四品目もあったのが、今はゼロだ。八%に上げたら黙って八%。

 大臣の答弁を聞くと、ずっとそれしか、二けたになったら複数税率ということは、五%を八%にするときには何もそういうことは考えない、そういうことでよろしいんでしょうか。

谷垣国務大臣 まだ所得税を、検討していただかなきゃならぬと思っておりますが、税率をどうするかというような具体的な議論に入っているわけではありませんので。今、二けたの税率になったら軽減税率を入れるんだとおっしゃったと言いますが、私は、二けたぐらいになったら、EU等でもそういう議論がされておりますが、低所得者を配慮して複数税率という議論も考えなければならないかもしれないというふうに多分申し上げたんだと思うんです。

 ただ、そのときでも、仮に二けたの税率というようなことになりましても、軽減税率というものを考えると、なかなか難しい問題があることは申し上げなきゃならぬと思うんですね。一つは、何が軽減税率に適当かというのは、ちょうど売上税のときも、四十幾つ軽減の項目がありましたけれども、やはりライフスタイルが変わってくると、それぞれの価値の置きようが違いますから、物品税のときも随分議論がありましたけれども、ゴルフ用具は課税されているけれどもスキー用品は課税されていないのはなぜだとか、人によって考え方が違ってまいります。なかなか、軽減税率というのをこれにしようと一致した結論を出すのが難しい。

 それから、税率を複数にしますと、納税者の方も徴税の方も非常にコストがかかるというようなことがありますので、私は、そういう意味からすれば、複数税率を設けて余り煩雑にするのは非常に問題もある、そのあたりは、しかしこれからの議論だと思っております。

吉田(治)委員 さすが優秀な大臣で、上手に切り抜けはったなという感じがするんですけれども。世の中的に言ったら、ヨーロッパがどうであろうと、やはり二けたになるとそういうことも考えるけれども、例えば、次のステップとして、消費税の、今、来年、再来年、小泉内閣でするのかどうかわかりません、小泉さんはしないと言われているけれども、任期も来年の秋までだということになると、その先、来年の税制調査会、また、ことしの税調の議論の中でもそういうのが出てくると、やはり八%ぐらいにしておこうかと。

 私は、大臣、過去の経緯や、ライフスタイルが変わったというのは、それはそれでわかるんですよ。でも、今、国民生活を考えていて、複数になったら煩雑だ、やれ何だといっても、現に今、煩雑になっているじゃないですか。

 何が煩雑にしているかというと、四月になって内税になったじゃないですか。国民はみんなどう考えているか。百均行って、百円均一ショップですか、行って、消費税がどうなっているか。百五円なのか、九十五円で業者がかぶっているのか。国民というのは一円までお金のことを厳しく見ている、今そんな時代じゃないですか。

 そうなってくると、税率が、このことは認める、このことは認めない。私は、今の五%の段階であっても、過去の経緯からすると複数税率、非課税項目を認めていたんですから、今からでもそれはすぐに着手すべきだと思っています。

 先ほど言っていたのは、定率減税で、国民生活にどれほど増税になって、所得は減るのだとか、GDPがどうなるのかという数字すらつくっていない人たちが、国民にも説明できない人たちが、足らないから負担してくれ、ややこしいからと。だから、一番最初の議論なんですよ。都合のいいことばかり言ってきて、肝心のこちらのことは何にも知らんぷりだ、ほったらかしだ。

 どうなんですか、大臣。これから非課税項目については、二けたのときになったら考えるのか、それとも、これからもその項目は一つの検討項目として、何%であっても考えるのか、どうなんですか。

谷垣国務大臣 それは、現段階で複数税率を考えているかというと、全く考えておりません。要するに、何%に消費税をするかという議論までまだできていないんですから、考えようがありません。

吉田(治)委員 私が申し上げているのは、今後の話じゃなくて、国民の経済を考えていったときに、例えば今の定率減税廃止に向けて弾力条項を与党で入れられたように、税というものは国民生活に大変大きい影響を及ぼすんですから、今の現実の五%の中でも、非課税項目であるとかそういうふうなものを考える必要があるんじゃないか、そういう検討はもう今後一切しないということなのか、どういうことですか。

谷垣国務大臣 非課税項目ということであるならば、現在でも、社会保障の分野等々、極めて公共的と申しますか、非常に必要なものに関しては非課税項目を設けております。

 ですから、そういうようなことを、例えば今後の情勢の展開によって考えなきゃならないかもしれませんが、ただこれも、非課税項目を余り広げていくことは、広く薄く御負担をいただくという観点からいうと、また、何というんでしょうか、制度そのものを反対の方向に持っていってしまう可能性もありますので、私は、現実問題としては、現状ぐらいの話ではないかというふうに思っております。

吉田(治)委員 この話をすると、非課税項目、三つぐらいあるんですね。軽減税率と何とかといって、三つぐらいあって、私は得意じゃないので余り深く入りたくないんですけれども、やはり、そういう、税が難しくてフラットにする、簡単にする部分と同時に、やはり生活にかかわるものは、ちょっと複雑になっても、今電卓がありますからね、はっきり言って、国民は一生懸命計算しますから、その辺は広くもっと、非課税項目だけじゃなく軽減税率を含めたり複数税率を含めて、そういうありようがあって私はいいのかなという感じがするんですけれども、その辺、大臣、どうでしょう。どうお考えになられますか。

谷垣国務大臣 今、確かに、消費に負担を求めるという消費税の性格からして、ここはかけるのはおかしいなという一定の分野、それから医療、福祉、教育、こういう社会政策的配慮の必要な部分には非課税ということでやっております。今、できるだけ単純化して議論せよというふうにおっしゃって、私もそのとおりだと思うんですが、非課税措置にしておきますと、社会福祉の零細な法人なんかでも、何か、中で事業をして売り上げがあった場合に転嫁できないという問題が生じてまいりまして、かえって非課税であることで問題が生じてくるような場合が現実にも生じて、いろいろ御議論をいただいておりますので、私は、税の仕組みという点から考えると、一律であるのが一番使いやすいんだと思います。今、吉田委員は、みんな計算するからとおっしゃいましたけれども、そこは、割合、事業者にとっては難しくなってきているところではないかなと思っております。

 ですから、一番最初のお問いかけに対するまた再度のお答えになりますけれども、相当消費税率が上がってきた段階では、生活必需品等について複数税率を検討する余地と申しますか必要性が生じてくるけれども、その場合でも、そういう税の仕組みや使い勝手というようなものから考えるとどうなのかという、その辺も、まだちょっと十分お答えする段階ではないので、考量する点だけを申し上げました。

吉田(治)委員 では、非課税であるとか軽減税率や複数税率化とかいうことも、今後の消費税のあり方の中で一つの議論の大きなテーマになるというふうに理解してよろしいんでしょうか。

谷垣国務大臣 あくまで仮定の話でございますので申し上げにくいんですが、当然そういう議論はあり得るし、起こってくるのではないかというふうに考えております。

吉田(治)委員 それでしたら、前回の議論の中でもう一つ残っていたのが、消費税の簡易課税の、今度、免税の売り上げが三千万から一千万に引き下げられての議論。前回、本当、広報をしっかりやるんだということで、大臣答弁終わっているんですけれども、まず、消費税の課税免除の売上高が引き下げられたことによる税収見込みというのは大体どれぐらいなんですか。

福田政府参考人 お答え申し上げます。

 いわゆる事業者免税点制度の改正によります影響額でございますが、十七年度予算額では約四千億円弱を見込んでおります。

吉田(治)委員 十七年度ですよね。十八年度になったら見込みとしてはどれぐらいになりますか。

福田政府参考人 仮定で計算しなきゃいけないんですけれども、十八年度においても、物の値段その他の上昇等をどういうふうに見込むかということであろうかと思いますが、今申し上げた数字とそんなに大きな違いはなかろうかというふうに考えております。

吉田(治)委員 そうですかね。いろいろな試算の仕方があるというのは確かなんですけれども、今回の免税点の引き下げによって、当初、財務省はこう言われていましたね。個人が約八十八万、法人が四十八万、百三十六万事業者となると発表した。それが、昨年の十月末になると、事業者数を訂正した。その結果、最大で、個人約百五十一万人、法人が約五十三万社、合計二百四万事業者、二倍に膨れ上がっているということですね。これが来年、再来年、消費税の売り上げの免税がなくなって納めることになることによって、税収にしたら大体一兆五、六千億ふえるんじゃないかと言われておりますけれども、その辺の試算の部分と、これほど数がふえた、ふえていく、そういうことに対する対応方。

 財務省、きょうは国税庁はお呼びしておりませんけれども、主税という形で言うならば、税の部分でどういうふうに対応方をされていっているんですか。

福田政府参考人 新たに課税事業者となるものの推計の方法と、私どもが御提案申し上げたときに前提といたしましたデータと、その後実際に課税事業者となるもの、これは国税庁の方が、その課税事業者となる可能性があるものに対しまして指導、相談等を行う必要がありますことから、これは既存のデータとして、所得税等の確定申告実績をもとにその対象者をやや広目に把握したものでございまして、その間に今御指摘のような差があるのは事実でございます。

 いずれにいたしましても、対象者が広まり得るということで、国税庁の方では、新たに申告をしていただく可能性のある方について幅広く通知、指導、相談等を行っているところでございます。

吉田(治)委員 幅広く通知をしているということですけれども、そもそも論からいうと、税制改革法十条二項で「その仕組みについては、我が国における取引慣行及び納税者の事務負担に極力配慮したもの」だというふうな形で特例措置を言っておりますけれども、では、これはあれですか、納税者の事務負担が軽減されたということがあって、この免税制度の上限が引き下げられたと。法律に基づいたらそう言いますよね。十一条では適正転嫁を促し、十七条三項では云々という形になりますけれども。法的要素の条件は備わっているけれども、時間がたったから納税者にとって事務負担をさせても大丈夫だ、三千万から一千万にしてもと。それはどういうふうに検証がなされたんですか。

福田政府参考人 御案内のように、消費税は平成元年に導入されたわけでございますけれども、それから十年以上を経過いたしまして、この消費税に対する国民の信頼性あるいは透明性を向上させるために、免税点の見直しを行い、今御指摘のように、三千万の売り上げから一千万の売り上げの方に改正をさせていただいたということでございます。

吉田(治)委員 いや、私の質問に答えていませんよ。私の質問は、信頼性、透明性じゃなくて、納税者の事務負担の配慮をしてこういうふうにしてきたんだ、ということは、なくすということは納税者の事務負担が軽減されたと、どう軽減されて、それはどう検証したのかと私は質問したんですよ。

福田政府参考人 お答え申し上げます。

 消費税が導入されたときより、今申し上げましたように十年以上を経過しております。事業者の皆様方にも、消費税というものの仕組みそれから制度、そういったものの理解を導入当時よりも深めていただいているもの、私どもはこういうふうに認識しております。それを踏まえまして、他方で、さっき申し上げましたように、消費税を負担していただく国民の皆様方の信頼性、透明性を向上させる、そういう観点から、免税点の水準につきまして見直しを御提案させていただいたということでございます。

吉田(治)委員 同じことですよね。自分は認識した、思った、検証はしていない、だから、おまえたちはこれをのめと。今の局長の答弁はそういうことじゃないですか。私が聞いたのは、どう軽減されたと検証したのかと。いや、私たちが認識しているからそれでいいじゃないか、役所が決めたんだからがたがた言うなと言わんばかりの今の答弁であったと私は言わざるを得ない。

 そういう中で、現場の方々は、簡易課税制度というものがある。これは前回の一般質疑のときにも御質問をさせていただきましたけれども、時差がちょっと出てくるんですよね。今、二百四万になった事業者の方に、ではあなたたちは納税者になりますよ、こういう簡易課税制度というものもありますよと。確定申告の時期ですね。今、局長の答弁の中にも、確定申告のときを使ってという答弁がございました。では、二百四万の方にそのことを今現場の税務署でどう周知徹底がなされているんですか。

 得か損かの話じゃありません。こういう制度があるんですよ、あなたたちは来年の申告から納税者になるんですよ、ことしの十二月三十一日までにどういう方策を選ぶのかちゃんと決めてくださいよと。二百四万の方、法人の方は場合によったら税理士さんがおいでになるかもしれない。では、最低百五十一万の個人の方に、通知は送っているんですか、税務署の現場でその話をしているんですか。いつものように積み上げておいて、置いてあったんだから見ないやつが悪いんだと。どちらなんですか。

福田政府参考人 お答え申し上げます。

 この消費税の改正案、御案内のように、十五年度の税制改正で行わせていただきました。これまでの取り組みといたしまして、十五年の五月から六月に、例えば国税庁のホームページに消費税の改正内容を掲載いたしました。また、今御指摘のように、リーフレットを作成いたしまして、新規の課税見込み事業者を含みますすべての課税事業者、これは見込みでございますが、の方々に送付させていただきますとともに、税務署、関係機関の窓口に備えつけてございます。また、六月以降、国税局あるいは税務署におきまして、関係民間団体、地方公共団体、商工会議所、商工会、いわゆる業界団体の方々等の御協力を得ながら、事業者に対する消費税法の改正内容の説明会を実施してございます。

 それから、十六年になりまして、去年でございますが、二月、三月の確定申告期におきます申告相談等におきまして、新たに課税事業者となると見込まれる方に対しまして、改正内容の周知を図りますとともに、各種届出書の提出を依頼してございます。十六年の五月、去年の五月からでございますが、これも全国の税務署におきまして、十五年分の所得税の申告実績等に基づきまして、新たに課税事業者になると見込まれる方に対しまして、課税事業者届出書の提出依頼文書の送付を初めといたしまして、記帳指導機関の紹介、記帳水準向上のための個別の記帳指導への誘導等を実施すること等々としております。昨年の十二月までには、課税事業者の届け出書の提出依頼文書の送付によってもまだ提出していただいていない事業者の方々に対しましては、電話等により再度の提出をお願いいたしますとともに、必要に応じて、個別訪問によります提出依頼あるいは記帳実務の把握等を実施しているところでございます。

吉田(治)委員 それにしては母数が出てこないじゃないですか。おととしやりましたと。すべて送付したのは、おととしの統計をとった百三十六万事業者、去年が二百四万事業者、どっちに対してやったんですか、送ったんですか。初めの百三十六万しかやっていないんだったら、後の方のやったことは、やっていないことと一緒じゃないですか。そして実際上、結果として、提出は個人で約五割、法人でも七割弱だ、もう一歩突き進んで、では、簡易課税制度というのがあってその提出をしてくださいよと言って、提出されている方なんて、ほとんどいないはずです。東京の霞が関を考えるんじゃなくて、現場の税務署の皆さん方のその声をやはりくみ上げて、この問題についてどうなっているのか、こうしているのかということを私はしていく必要がある。

 前回の一般質疑でも申し上げましたように、届け出をするのであるならば、その申告期限、これは省令で変えられるそうですね、法律の改正は要らないと書いていますので、省令で変えられるのであるならば、そこの省令の部分で、これからの数カ月の動きを見て、申告期限、提出、届け出期限というものの見直しもする必要があると思うんですけれども、財務大臣、どうでしょうか、その辺は。

田野瀬副大臣 これにつきましては私の方から御答弁申し上げたいと思うんですが、委員がおっしゃっておられますように、消費税の簡易課税制度は、中小事業者の事務負担に配慮する観点から設けられた制度でございまして、売り上げに関する記帳のみで簡易に申告することが可能となっておりますことはよく御承知のとおりでございます。

 この簡易課税制度については、制度を選択するか否かにより売り上げや仕入れに関する記帳義務の内容が異なる等から、適正な課税を実現するためには、その選択の有無を課税期間の開始前に確定しておくことが必要でありまして、事前に選択制としておるところであります。

 簡易課税制度の選択を事後的に確定申告時にできるようにすることについては、本則課税と比較して納税額が有利か不利かを考慮した上で制度を選択することが可能になり、いわゆる益税の発生を制度的に容認することとなるため、私どもといたしましては、現在、適当でないと考えておるところでございます。

吉田(治)委員 田野瀬先生のところは大変大きな学校をやられているから経理の方もしっかりされているでしょうけれども、売り上げ一千万というのは、法人にしても個人にしてもかつかつの生活ですよね。その方々が、税金のことまで年内に発想というのはないでしょうね、多分。うちのおやじも小さな町工場をやっていましたけれども、大体正月を越えて、女優さんか何かが税務署に行き始めてから、これはえらいこっちゃというので一年間のことをやっていましたよね。そういう方がほとんどだと私は思うんですよ。

 だから、先ほど主税局長がああしましたこうしましたと言うけれども、現実として、簡易課税の前提の消費税の納税者であるという届け出すら五割、七割の状況であるならば、簡易課税のここの部分については、紋切り型にそれはどうのこうのと言ったって、益税は今四千億出てくると言っているんですから、もう出てくるのはわかっているんですから、そこまで取り立てに行かずに、もう少し中小企業への優しさというんですか、これぐらいだったら中小じゃないですね、零細企業ですよね。

 もともと自民党というのは、零細企業を一つ基盤にしていたんじゃないんですか。その方々に、あなたのところは益税だからだめだと紋切り型に切って、それで票がふえるんですかね。私らだったら、地元に帰って自民党はけしからぬですよと言って歩きますけれどもね、こんなことをしてと。多分それの方が、我が党の方が票がふえていって、政権交代に近づくんだと思います。

 私はそこのところを強く申し入れをさせていただいて、次に、この混乱について、今副大臣が言われましたけれども、大臣はどういうふうに横で聞かれてお考えになりますか。やはり役所が言うとおり、そのとおりだと。大臣は弁護士さんで、僕は弁護士活動をどうされたか聞いたことはないんですけれども、やはり中小企業とか小さな会社とかとおつき合いすると、大阪で言うおやっさんに会うと、大将に会うと、そこまで頭回らぬ、とにかくきょうの仕事、あしたの晩飯ということになると思うんですけれども、どうですか。

谷垣国務大臣 確かに、委員が先ほど指摘されておりますように、委員もよく私の選挙区のことも御存じでいらっしゃいますけれども、零細な事業者がたくさんいらっしゃるわけですから、そういう方々に、新しい税の制度の仕組みを周知徹底していただく、理解していただくというのはなかなか容易なことではないと思います。ですから、私どもも努力の至らない点は多々あると思いますが、新しい制度を理解してやっていただくように、我々もさらに努力をしなければならないと思っております。

 ただ、他方、田野瀬副大臣が申し上げましたように、今までの消費税、売上税の時代からのいろいろな議論の中で益税批判というのも随分ございまして、不公平じゃないかと。税はやはり公平でなければなりませんので、そういう観点からすると、ある程度、十年、十数年たって、今回のような見直しをしていくのも一つの流れだと思いますので、今おっしゃったような点、できるだけ、完璧を期すというとなかなか難しゅうございますが、さらに努力をいたしたいと思っております。

吉田(治)委員 益税の部分は、本当につらい話ですよね。また、事務に負担させるのもつらい話でありまして、この議論については、またこれから先、確定申告が終わったら統計も出るでしょうから、そこから先、また議論させていただきたいと思います。

 ちょっと目先を変えまして、大阪に国民会館というのがございまして、これは武藤山治さんという、戦前のカネボウの実質経営をされてその後政治家になられて、残念なことに最後、テロで亡くなられるんですけれども、このお方のところで毎月のように講演会がございまして、加藤寛先生、慶応大学の名誉教授で政府税調の会長もやられたお方が、講演の中でこういうことを言われているんですね。だから、これは確かなのかどうなのかということから入っていかなければいけないんですが、その前提として、日本にとって不良債権処理ということを言われました。随分長くかかった、目鼻が立っているのかどうかは別としまして。

 公的部門の不良債権というのは、政府としては今どういうふうに、あるのかないのか、どういう部分が不良債権だと考えられているのか、まずその認識をお聞かせいただきたいと思うんです。

谷垣国務大臣 公的部門の不良債権の議論というのは随分今までもございまして、その中には、私どもから見ますとややピントがずれているなというのもございました。例えば、ある一定の政策的必要があって利子補給をしているような公的金融に関して、それが利子補給しているがゆえに全部不良債権であるということになると、そういうふうな御議論もありまして、それは違うんじゃないかというふうに私どもは心の中では反発をしていたわけでございます。ただ、他方、そういう御懸念が非常に幅広く出てまいりまして、私どももそれを看過しているわけにはやはりいかないということがございます。

 もちろん、個々の特殊法人はそれぞれの監督官庁等があって見ておられると思いますし、私どものところにもそういう機関がございます。それから、政府系金融機関みたいなものは、零細なところにお貸しをしている、例えば国民金融公庫のようなところにある程度不良債権があるというのは、それはいたし方のない面もあるわけでございますけれども、特に、財投機関等に関しましては、長い間そういう御疑問があって、やはりそこはきちっと点検して、御心配はないんだということを示さなきゃいけないというので、このところ相当精力的に努力をしていただきまして、ほぼほぼ、皆様方にそのあたりはそんな御心配はないんだと言えることが御説明ができる状況になっております。

吉田(治)委員 前回の一般質疑のときに、都市再生機構、十二兆円ほど財投からお金が入っている、お金の使い方についてちょっと議論をさせていただいたんですけれども、それらを含めて言っても今胸を張って言えるんだということは、不良債権はない、あっても微々たるものだ、そういうようなものなんですか。

谷垣国務大臣 要するに、支払いが滞っているというような意味での不良債権というのはまさに微々たる、微々たると言うのはいけないかもしれません、例えば、それぞれの政府系金融機関で、民間の金融機関と比べた場合のパーセンテージ、民間の金融機関よりも政府系金融機関の方が若干数字はよくなって、いい数字が出ておりますけれども、やはりある程度の不良債権はございます。

吉田(治)委員 加藤先生が講演の中でこう言われているんですよね。二〇〇二年一月、竹中大臣とアメリカの前の経済諮問委員長のハバードさんがお会いなさった。ハバードさんが、竹中さん日本の不良債権はいつ終わるんですかと言うと、いや大体終わります、あともう少しと言うと、ハバードさんがにやっと笑って、それは民間部門の不良債権でしょう、公的部門の不良債権はどうなるのですか、公的部門の不良債権、あなたのところは二百六十七兆円もあるのですよと言ったので竹中さんはびっくりしました。すぐ帰ってきまして、正月でありましたが、私、要するに加藤先生が会いましたら、彼、竹中さんは、いやあ大変ですよ、向こうはちゃんと日本の不良債権が公的部門にあることを知っているのですよ、これを直さなければならないのですよということを言いましたと。

 これは一般に公開されている文章ですから、秘密の会議でもない。講演録として出版もされ売られているものです。しかも、政府税調をやられた加藤さんが竹中さんからそういうお話を聞いてきたということであるならばそのとおりでしょうと、竹中さんにきょう来てもらいたかったんですけれども、一度、だから前回この議論をしたかったんですけれども、竹中大臣は日本の公的部門の不良債権は二百六十七兆円、使えるお金が大体三百五十兆円ですから、その八割近くあると認識している。今の大臣の認識と随分違うじゃないですか。この辺はどうなんですか。

谷垣国務大臣 違っております。竹中大臣がどうおっしゃったのか、私はよく伺ってみなきゃいかぬと思いますけれども、財投機関に関しては相当なことを手入れしておりましたので、そのような御認識は無用であるというふうに考えております。

 あと、公的機関という場合の定義もあると思うのですが、それから政策金融機関については先ほど申し上げたように、不良債権というものは確かにございますが、それは金融機関としてこれは大変だというようなものではないと思っております。

吉田(治)委員 加藤先生はこう言っているんですね。日本は民間部門と公的部門がある、公的部門というのは特殊法人ですね、この特殊法人が三百五十兆円のお金を使っている、そのうちの二百六十七兆円が不良債権だと言われてきて、そのとおりだと。大臣の認識と、竹中大臣が加藤先生に言っておられていることと違うじゃないですか。

 まあ、大臣にとったら寝耳に水の話で、そんなの知らぬわという話でしょうけれども、聞いたことないよという話だけれども、そういうお方がこういうところで公にそういう発言をされて、竹中大臣がしっかりそうだねと答えているということは、例えば今資産の問題で言われたら、加藤先生は同じところで言っています、道路公団のガードレール、標識、あれは不良債権じゃないんですよ、何年かたったら取りかえるけれども、あれは今なら純粋に減価償却という概念がないから資産として計上されているんですと、同じ講演で述べられているんですよね。

 ということは、そこの最後の道路公団の話は別としても、今の議論というのはこれは私はしっかりとこの財務金融並びに予算でもう一度していかないと、民間だ、苦しいと言って終わった途端に今度は公的なものが出てくる。郵政の民営化というのは、気がつけばそれらを隠すために民営化して国民に負担を及ぼさせる。

 そういうものとして考えたら、極めて、理論が成り立つというのですか、英語で言うメークセンスになると思うんですよね。だからちょっと、私はここの議論というのはもう少し深めていかないとならないと思っております。

谷垣国務大臣 どなたがどうおっしゃったかということは私は存じませんが、今吉田さん、二百何十兆という規模のをおっしゃったわけですね。(吉田(治)委員「二百六十七兆」と呼ぶ)ええ。これは確かにそういう議論をされる方がおられます。確かに、その方のおっしゃっている数字も二百六十七兆でございます。

 しかし、それにつきましては、例えば、地方公共団体向けの財投が四十二兆ございますが、これは不良債権であるという前提に立って、そのうち三十五兆は貸し倒れとなり国民負担になる、こういうふうにおっしゃっておられますが、地方債が返済不能になるという仮定をしてやっていくかどうかというのがその中の三、四十兆の規模の問題としてございます。

 それから例えば、国鉄のような場合は七兆を未返済であって不良債権かつ国民負担だとおっしゃっているのですが、旧国鉄債務は一般会計から確実に償還されているとか、いろいろな問題、一々挙げるのは差し控えますが、もちろん、そういう御疑念がありますので、一つ一つとらえて、この国会で議論をして問題点を明らかにして、国民にも安心、安心なり心配両方あるかもしれませんが、していただくのは、やっていただく必要があると私は思っております。

吉田(治)委員 まあ、本人いない前で議論するのはいかがですので、竹中大臣がうんそうだと言っているんですから、また竹中大臣にどこかで聞きますわ。そうでないと、今の議論二つ、私が言っていることと大臣が言っていることで内閣不一致になってきますから。大変な郵政の民営化の議論に対しても、また私たちの、要するに郵便貯金、簡易保険という私たちが預けている金がどう使われているか、これが不良債権で民営化されたら泥をかぶってくれという話になるんだったら、こんな話は乗れないということになってまいります。

 そういう中で、ライブドアの問題いろいろございますけれども、まず私は、日銀総裁もおいでです、金融庁長官もおいでですけれども、日銀の総裁に、このごろ日銀から出ております金融政策決定会議ですか、金融経済月報、政策委員会月報等を見ますと株価のことについて余り触れられていない。特に、最新の金融政策決定会議の中ですか、ここにはちょっと余り……。株価のことも触れられたんですけれども。

 日本のバブルというのは地価と株価で二つやってきましてそれが崩壊した。株価というのは、これから後ほどの議論にさせていただきますけれども、外資から含めても安くて大変買いやすいよね、今外資がテレビ報道されていますように東京の土地を買い回っているように、そのうち、経済団体が恐れているように商法が変われば外資の株が交換で入ってくるんじゃないかと言われておりますけれども、経済のかじ取りの主要なお一人である日本銀行として、この株式市場というふうなものについてどういうふうに認識をされているのか、その御認識をまずお聞かせいただきたいと思います。

福井参考人 株価の認識は大変難しい問題でございますけれども、一番基礎になる株価に対する認識は、過去十年以上の間に非常に大きな変化があったというふうに思います。

 端的に申し上げますと、バブル経済を含むそれ以前の段階では、日本の株価の形成は将来の土地の値上がり等を織り込む形で非常に活発な株価形成が行われていたと思いますけれども、バブル崩壊後そして現在、恐らくは今後も、株価形成の基本的なメカニズムは企業価値の割引現在価値、企業が将来生み出すキャッシュフローの割引現在価値という形で、これは恐らくほかの先進国にも共通する尺度で株価形成が行われ始めておるし、これは続いていくだろうというふうに思っています。

 そういう目でいきますと、最近、過去一年ぐらいの株価を振り返ってみますと、二〇〇三年の後半以降、景気の回復が顕著になって将来の企業価値というものが比較的認識しやすくなって、株価の上昇が基調として強まってきた。ただし、昨年の後半以降は、御承知のとおり、今景気が一時的な足踏み状態にある、先行きが少し読みにくくなっておりますので、底値はかたいけれども上値も重いという状況になっています。多分この先、景気が踊り場現象を脱却していきますと、再び株価の足取りももう少し堅調になっていくだろうと思います。

 もう一つ、将来を見通します場合に注目しておくべき現象がございます。これはアメリカも日本も共通でございますが、企業の国際的な競争環境が非常に厳しくなった。特に、大きなエマージング諸国の企業との厳しい競争ということを意識しておりますので、日本の企業もアメリカの企業も、まず収益はキャッシュフローという形でしっかり抱えながら、投資の項目については自信の持てるところに絞って行っていく、こういう態度をとっています。つまり、過去と比べますと、キャッシュフローの高さの割には企業の新規投資は相対的に慎重だ、こういう状況で進んでいまして、この状況は今後もある程度尾を引いていくだろうと思います。

 そうなりますと、株式市場において、株価形成の場合に、企業の将来利益を割引現在価値として計算いたします場合に、キャッシュフローのうち、まだ投資に振り向けられていない部分は、将来の利益発生、それの割引現在価値として計算することができない部分でございますので、従来に比べますと上値が重いという要素を引きずりながら、しかし、基本的には、先行きの景気回復期待、そしてインフレ率の動向等を織り込みながら考えていくんだろう、こういうふうに考えています。

吉田(治)委員 要するに、日銀総裁からるる御説明いただいたように、株式というのは日本の経済に大変大きな影響を及ぼすということ。

 きょう、金融担当大臣にまず御質問させていただきたいんですけれども、大蔵省から金融庁に変わっていったときに変わった点が数点あって、その御確認をさせていただきたいんです。

 まず、大蔵省時代は、裁量行政、護送船団方式というものが言われました。これはなしにしようということ、これはまず御確認いただいて、そして、金融庁になってどうするのかというと、それは、金融庁としては、自由にしていただいて、市場にお任せをして、ルールはちゃんとつくりますよ、そして判断は裁判所の方で、司法の形で判断をしてもらえればいいというふうな形に金融行政が変わったと私は思うんですけれども、それはもうその認識で間違いないんでしょうか。

伊藤国務大臣 今御指摘がございましたように、大変重要なお話があったというふうに思います。

 私ども金融行政とすれば、事後チェック型の行政に転換をして、そして市場の透明性というものを確保しながらルールに基づいた経済取引が行われていくということが非常に重要であります。特に証券市場の場合には、その信頼性を確保するためには適切なディスクロージャー、そして公正な取引が確保されていくことが非常に重要でございますので、そうした観点から、私どもとして、仮に問題があるとすれば、適切な対応をしていかなければいけない、そうした不断の努力をしていかなければいけないというふうに思っております。

吉田(治)委員 いや、大臣、問題が起こった場合に対応するという場合に、司法の果たすべき役割というのはその中でどう考えられているんですか。

伊藤国務大臣 御承知のとおり、証券取引等監視委員会というものがございます。これは法律においてもその独立性、中立性というものが担保されておりまして、インサイダー取引等の事実の疑いがある場合には必要に応じて調査を行い、法令に違反するようなことがあれば、法令に基づいて適切に対応されることになっております。

吉田(治)委員 このライブドアの場合、たしか前回の一般質疑の後に大臣がテレビカメラで囲まれていたとき、例のいわゆる時間外取引という部分で、大臣はあのときテレビでこう言われているんですね。これは違法ではない、合法だというふうなことを言われましたよね。

 では、証券取引法で、三分の一以上の相対の株式取得について公開買い付けを強制しているわけでしょう。そうすると、そこで金融庁がいち早く適法だという見解を出すということは越権行為じゃないんですか。今の大臣の話であるならば、証券の監視委員会が個々の法令に違反しているのかどうかということについて、しっかりと見守った上で答えを出すべきものが、テレビカメラに囲まれた金融大臣が、それは適法だ、法律的に間違いないと。

 金融庁はいつから裁判所のように法律について合法、違法ということを言うことになったのか。意見として、見解として言うのであるならば、それは私は構わないと思う。しかしながら、あの言い方をして、みんな、これは何も違法ではないんだと思っている。我が党の代表ですら、合法だからと。あれは、私は間違っていると思います。個人の見解としてはそうだけれども、裁判所が最後判断すべきことだと言うべきだったと思う。そうでないと、かつての金融行政と一緒じゃないですか。裁量行政で決めて、これでいいんだと。

 この場合に、金融庁の適法という意見も、司法の場においたら変わる可能性があるということを意識されてあの発言をされたのか。また、司法というものの前では一つの見解にすぎないということを金融庁としては認識されているのか。その辺はいかがなんですか。

伊藤国務大臣 私が記者会見等でお話をさせていただいているのは、個別の取引ではなくて、一般論として、制度論として、今回の立ち会い外取引、時間外取引というものが今御指摘になられたTOB規制の対象となるかどうか、この点について議論のあるところでございますし、そのことについてお答えをさせていただいたということでございます。

 TOBの制度というのは、市場の透明性あるいは公正な取引を確保するために設けられた制度であります。そして、立ち会い外取引は、現行法上においてはTOB規制の適用の対象となっておりません。そのことを私はお答えをさせていただいたということでございます。しかしながら、立ち会い外取引の使われ方いかんによっては相対取引と類似した形態になり得る、このことがTOB制度の形骸化ということを招きかねない、したがって、TOB規制の対象とするかどうかについて検討していきたい、こういうお話をさせていただいたところでございます。

吉田(治)委員 適用の対象かどうかというのは、金融庁が判断すべきことなんですか。結果として、それは裁判所が判断すべきことじゃないんですか。

 きょう、証券取引等監視委員会の事務局長、来られていますけれども、その辺はどういうふうに仕切るわけですか、今回の一件を含めて。時間外取引だと、相対取引なのか、市場取引なのか。私は、そこはしっかりと裁判というものを司法によってやらないと、金融庁が何でも大丈夫大丈夫ですと言ってきているということはどう考えてもおかしい。私たちのような素人が読んでいても、今、プロの大臣が、もう本当にこの財金のことを、金融のことをずっとやられていた大臣が言われるから、なるほど、そうかなと思うけれども、私は合点がいかない。事務局長、どうなんですか。

長尾政府参考人 お答え申し上げます。

 事後チェック型の行政に変わる中で、私どもの監視委員会の役割というのはますます高まってくるものと認識しております。

 ただ、そうした中で私どもがやることは、一般論でございますけれども、さまざまな物事について、疑わしい、違法行為があるなと疑われた場合に事実関係の確認をして、それがまた違法行為が確認された場合には厳正に対処する、こういうところが私どもの役回りでございます。

 それで、証取法の解釈、またあるいは個別のいろいろな業界からの照会、そういったものにつきましては金融庁の方で対応している、そういう役回りになっております。

 司法との関係やその後の話は、ちょっと私どもではないと思います。

 以上でございます。

吉田(治)委員 大臣、この問題で法改正が必要というふうに言っているのは、今まで野方図に取引させていた、いわゆるトストネットという時間外取引を利用して、大量の株式移動は今までされてきた。現にされてきているわけですよね。それが相対取引であるのに市場取引であると称して税金対策に悪用されてきたのではないかとよく言われていますし、ライブドアのケースはその氷山の一角にすぎないという見方もあります。反対を言うと、金融庁がそれに対して法改正の必要を認めているのは、そうした乱用の事例を今までいっぱい持ってきている、黙って見てきたと。事後型チェックだと言いましたけれども、要は、今回は公共放送という、触れてはならないと言ったら語弊があるかもしれないけれども、そこに手を突っ込んでしまった、だから法改正をしなければいけない、でも今までのことは目をつぶらないかぬから、違法ではなかった、適法だったと言わざるを得ないという部分があるんじゃないですか。私は、ライブドアの堀江さんという人は知りませんけれども、彼にしてみれば、今まで当たり前にしてきて、何で突然こんな目に遭うんだ、私は多分場合によってはそういうことを言いたいんじゃないかなと思います。

 その辺が一点と、先ほど言いました、金融庁の見解は司法というふうな前ではどういう見解になるんですか。司法というものが最後決めるんだ、しかし、その前では、私たちは一つの見解としてこういうふうに、先ほど事務局長言われたように、解釈をしているんだと。どうなんですか、そこは。その二点。

伊藤国務大臣 私が記者会見等でコメントさせていただいているのは、制度論として、立ち会い外取引というものがTOB規制の対象にならないかどうか、こういうお尋ねに対して、適用にはならないというお話をさせていただいているところでございます。

 私どもとして、証取法を所管しているわけでありますから、その証取法がどのような解釈がなされていくのか、どのような形で法的な安定性というものを担保することができるのか、そのことについて、私どもとして適切な対応をしていかなければいけないというふうに思っております。ノーアクションレターというのもまさにそうした制度の中で設けられているところでございますので、今委員御指摘がございましたように、個別の案件に対して私どもが恣意的に対応している、何か判断をしているというようなお話がございましたが、そうではなくて、制度論としてお話をさせていただいているところであります。

 立ち会い外取引というのは、委員御承知のとおり、機関投資家のポートフォリオの組みかえでありますとか、あるいは持ち合いの解消でありますとか、自社株取得の取引に使用されてきたわけでありまして、会社支配を目的とした大口の買い付けに用いられるということを想定して導入された制度ではございません。

 しかし、この立ち会い外取引が、その使われ方いかんによっては、会社支配を目的とした大口買い付けに利用することも可能でありますので、こうしたことを放置しておくと、公開買い付け制度、TOB制度そのものの形骸化を招きかねない、こういう議論があるところでございます。

 こうした事態に対応していくために、私どもとして、公開買い付け制度、TOB規制の対象とすべく、そのことを視野に入れながら、今検討作業を続けさせていただいているということでございます。

吉田(治)委員 制度論の話ということで、テレビの前で言ったことに対してるる御説明は結構なんですよ。

 私が聞いたのは、司法の前ではどうなんだ、司法の判断についてどう考えるのかということを最後御質問しているので、その辺はどうなんですか。

伊藤国務大臣 司法は最終的な判断をなされるというふうに思います。

吉田(治)委員 私は、事後的チェックであるとかそういうことをするのであれば、もっとどんどん司法の部分も入っていく、司法制度改革というのはまさしくそのためにあるわけじゃないですか。

 そして、後の面でいうと、野田議員の方から御配慮いただいて、何ぼ時間を使ってもらってもいいと言うから、あと一時間ありますので、おつき合いいただきますけれども。例えばライブドアの部分についても、ライブドアの役員が架空取引で逮捕されている。IT業界で架空取引は商習慣だと言われているとか、自由化が進んで、余りにも規律面というものが自由で、何でもやったらいいんだ、金もうけさえしてくればいいんだと。今言ったような伊藤大臣の理論を、申しわけないけれども、町を歩いている、おばちゃんと言ったら語弊があります、こういう言い方は今よくないですから、お姉様方に言って、そうですかとわかるかというと、絶対わからないんですよね。

 ということは、東大がいいとか悪いとかは別にしても、そういう方々だけが自由という名前で謳歌をして好きにやっていく。そして、先ほど申し上げたように、例えば株式分割の話であるとか、今回リーマン・ブラザーズがやった下方修正条項つき転換社債の問題であるとか、そしてソフトバンクの孫さんがやっているような私募ファンド、さまざまな問題が起こってきて、気がつけば、怪しいという言い方はよくないけれども、それぞれ何かぎりぎりのところをやっている。

 そして、金融行政からすると、まあ、それは自由化の中で事後チェックでと。事後チェックは、最終的に自分が責任を負わないように、まあ、あれは適法だったからおかしいから今度法改正をすると。何かこのライブドアの一件を見ていくと、ライブドア対ニッポン放送の戦いでマスコミ的にいっているけれども、私は、基本的には日本の金融行政自身が問われているんだと思う。もしも、この院内テレビをマスコミの方が見られていたら、そういう視点というのはぜひとも必要だと思うんですね。

 余りにも金融庁のしていることが、行け行けどんどん好き放題、終わったところで、自由の限界、乱用というのは、金融庁の体制そのものができていないというふうに考えていいんじゃないかと。そして、証券監視委員会の事務局長の答弁は、答弁にもなっていないような答弁じゃないですか。もう、私たちは、私たちはと。引いて、引いて、引いてと。もう金融庁さんにと。もう、そもそも論からいったら、こういう金融の自由化というのは、こういうはずじゃなかったんですけれどもね。

 大臣、大臣として、その辺は今後、自由だ自由だ好き勝手と、そして今回、先ほど申し上げましたように、公共放送という部分がかかわってきたから突然ルール変更をするんだ。何か、そうして考えざるを得ないんですよ。どういうふうに御所見をお持ちになられていますか。

 また、これは、単にライブドアだけの問題じゃない。今の株式市場というもの、間接金融から直接金融に変えていこうという世の中の流れの中で、本当に投資家が守られているのか、いろいろな状況があると思います。そういうこれからの組み立ての中にも、今までのようであってはならないと思うんですけれども、大臣としての御所見というのはいかがでしょうか。

伊藤国務大臣 利用者の方々あるいは投資家の方々がやはり市場の持つ可能性というものを十分に利用できるような、そういう制度整備をしていくということが金融行政の基本であり、また一方で、同時に、利用者の方々が安心して、信頼してその市場というものを活用できるような仕組みというものを整備していく、その二つが金融行政の基本的な役割だというふうに考えているところでございます。

 先ほど来、委員からいろいろな御指摘がございましたが、私どもとして、仮に証券市場の公正性に問題があるとするならば、問題があるようなことが出てくるとするならば、それに対して不断の見直しの努力をしていく。そのことによって市場の信頼性を確保していくということは、非常に重要なことだというふうに思っております。

 ただ、先ほど来指摘をされているように、何か、放送との関係の中でこの制度の見直しをしていくということではありません。先ほど来お話をさせていただいているように、TOB制度の趣旨というものがございます。この趣旨というものが、市場の透明性そして公正性というものを確保していくために設けられた制度であった。立ち会い外取引の導入、これは平成九年に行われているわけでありますが、この導入というのは、市場機能を強化していくために、つまり、機関投資家のポートフォリオを入れかえるとか、あるいは持ち合い株を解消していくとか、あるいは自社株の取得をしていく、そのために使用されることを目的として導入されたものであります。

 ただし、この使い方によって、想定をしていない、会社支配を目的とした大口の買い付けが行われるとするならば、TOB規制の本来の趣旨を形骸化することになってしまいますので、私どもとして、そうした事態に対応していくために、立ち会い外取引をTOB規制の対象としていく、そうした方向の中で、今所要の措置を講ずるべく検討を進めさせていただいているということでございます。

吉田(治)委員 改めてこの問題は議論しますけれども、どう考えてもおかしいですよね、二つ考えて、TOBと相対取引云々含めて。気がついたら、結果としてはおかしい方向になって、相手がニッポン放送だからというふうな方向に持っていくというのは、どうも金融庁の責任逃れというか、これはやばいなと思って逃げているのかというふうに感じざるを得ないんですけれども、この辺はもう一度議論をさせていただいて、野田議員の本当に特段の御配慮で、最後の質問にようやく入れます。

 最後の質問、これは、日本振興銀行というのが設立をされましたよね。木村剛さんというお方。福井総裁、おいでですよね。福井総裁が営業局長のときにこの木村さんが部下で、仲人をされたと言われているんですが、個人的なことですから、一切そのことについて私はプライベートだから答えないというんだったら、それは結構なんです、間違っていたら間違っていたで結構です。いかがですか。

福井参考人 当時は日本銀行の職員でございました。私的なことを答えていいかどうかでありますが、私は、仲人をしております。個人的なことでございます。

吉田(治)委員 本当によくお答えいただきました。うわさ話でしてね、仲人をされているとかいう話が。

 昨年の十月二十一日に、この木村さんがフィナンシャル・ジャパンという雑誌を創刊された。ここのツーショットが竹中大臣と福井総裁のツーショットであった。竹中大臣にとったら、木村さんということは金融庁の顧問もされていたので、これはそれで納得するんですけれども、総裁が、要するに福井という名前ではなくて、日本銀行総裁という日銀の信用というものをまさにこの雑誌の正面に掲げたわけですよね。私が出るような雑誌だということを。その辺の経緯というのはいかがだったんですか、総裁。

福井参考人 私個人に依頼があったわけではございません。日本銀行の政策広報の方に依頼がございました。日本銀行の広報活動の一環として、これに応ずることにしたということでございます。

吉田(治)委員 それはそれで理由は立っているんですけれども。

 では、日本振興銀行の設立の状況なんですけれども、ちょっと、資料がぎょうさんあって、本当は二、三時間しゃべりたいところなんですけれども。金融庁の顧問をやりながら、新しい銀行の開業の準備をされたと。当時、伊藤大臣は副大臣か何かで金融庁においででしたよね。この振興銀行だけじゃない、普通、銀行が新しくできるのに大体何年ぐらいかかるんですか。

伊藤国務大臣 申しわけございません。今、手元に資料がないものですから、全体としてどれぐらいの平均かという、ちょっと正確な数字を今持ち合わせておりませんので、後ほど委員のところにお届けをさせていただきたいと思います。

吉田(治)委員 私の調べた限りでは、Eバンクやイトーヨーカ堂さんがやられた銀行は四年かかっているんですよね。東京都の銀行は今申請していますけれども、どうなるかすらわからない。しかし、この日本振興銀行は、開業するまでに約二年、しかも、たしか金融庁の顧問をやりながらの開業であったのではないかと言われていますよね。

 そうしますと、まず一点目は、金融庁の顧問をしながら銀行開業で走り回っている、そういうふうなことについて、国民として、いかがなものなのかというのが一点目。そして二点目は、この場合に、創業者のメンバーが皆ばらばらに分かれていった。そして、半年たって決算内容を見ていくと大赤字ですよね。ほかの百何十年もやっているような銀行と、半年始めた銀行と不良債権率はほとんど同じ。そしてなおかつ、前の役員から東京地検に告訴状が出てという形が出ていっておりますよね。

 きょう、検察庁においでいただいております。この刑事告訴というのがされた場合に、個々の問題は言いません、個別案件は結構です、普通、大体、正式に受理ということはすぐにされるものなんですか、それとも時間がかかるんですか。いかがですか。

大林政府参考人 お答え申し上げます。

 一般論で申し上げますと、検察当局においては、告訴状、告発状の内容を精査し、告訴、告発の要件を満たしているか否かを判断し、これを満たしているものについては、受理した上、法と証拠に基づいて対処しているものと承知しております。

吉田(治)委員 大変極めてよくない話なんですけれども、こういう質問したくないんですけれども、では、この銀行は何のためにできたのか。大体、銀行というのは、さらで始めた新生銀行を見たらわかるように、すっと利益が高いです、今までのしがらみがないですから。できた段階ですぐに不良債権で、山盛りになって、大株主であった木村さんは、出てこなかったのが突然出てきた。そして、結果として出てきて、ではどうするのか。どう考えてもこれは、上場して、上場株の利益を得るためにこの銀行をつくったのかなと。趣旨はいいですよ、中身は。そう感ぜざるを得ないですよね。

 そして、この件について刑事告訴が出て、これも、個人的なところは言いたくないんですよ、福井総裁大好きですから。福井総裁には本当に丁寧にいつも質問に答えていただいているんですけれども、そういうことはないと思うんですけれども、福井総裁のたしかお父様は検事総長をされて、初代の日本の野球のコミッショナーもされたとお聞きしております。

 例えば、検察がそういうことで配慮をすることは決してないとは私は思うんですけれども、今言われたようなことというのはやはり、それぞれこの業界において、またこの銀行を取り巻く話の中においては大変重いことでありますし、もう時間でございます。たくさんの資料がありますので、また読み込んでこの場で御質問させていただきたいんですけれども、これから新規公開株をしていくということになると、検察庁、また申しわけない、あのリクルートの未公開株のときは、未公開株をもらったということで贈収賄になったんだよね。その辺ちょっと教えて。どうなのか。

大林政府参考人 具体的な案件について申し上げるのはちょっと差し控えさせていただきたいんですが、株が賄賂の対象となることは間違いございません。

吉田(治)委員 そうなってくると、余り事件物みたいなことは言いたくないんですけれども、竹中大臣、伊藤副大臣、木村さんが顧問でこんな銀行ができてというと、次の機会にこのことについては議論をしたいなと思っておりますけれども、本当に残念な、この銀行がどうなるのかというのは、これから見ていかないと、気がついたらまたどこかに吸収合併で国民の税金が使われるというようなことが行われてはいけないなと。本当に伊藤大臣には御苦労をされたと思うんですけれども、質問はそれぐらいにさせていただいて。

 最後、今までの株の問題を含めて、法務副大臣、長いことお待たせしました。これから法務省で商法改正等が行われていきます。外国の株、外国人の投資家が株式交換で日本の企業を買収することができると言われております。この件について、法務大臣として、今までの株式市場のあり方、そして今の状況等含めて私は一つお願いしたいのは、何でもいいんだということは決してあってはならない。野方図にしてはいけない。そして、一つは、労組のあり方、組合のあり方も変わってきますので、労働組合の意見もよく聞いていただきたい。そして最後は、株式交換で外資が入ってくるときに、先ほどのニッポン放送の話じゃございませんけれども、外資が株式交換していい業界と、しては悪い業界は絶対仕分けるべきだ。日本の国の根幹にかかわるような会社まで外資で株式交換をすべきでないと思いますけれども、最後、その辺の御所見をいただいて、質問を終わらせていただきたいと思います。

滝副大臣 現在予定をしております商法の改正問題についてお尋ねがございました。今、委員の方から、最近における問題を踏まえての御意見をちょうだいいたしました。

 私ども、この商法改正と申しますか、特に会社法の改正については、平成十四年から検討を始めてきた問題でございまして、今委員の御指摘のようなことも踏まえた上でいろいろ論議を重ねてきた問題でございます。まだ途中でございますけれども、早急にまとめる段階に至っておりますので、今ここで、はいそうですかというわけにもまいりませんけれども、そんなことを踏まえた上で議論をしているということだけを申し上げておきたいと存じます。

金田委員長 福井日本銀行総裁から発言を求められております。これを許します。

福井参考人 吉田委員、大変申しわけありませんが、プライベートなことなんですが、私の父は福井検事総長ではございません。全く別の方でございます。大変申しわけありません。

吉田(治)委員 その確認をいただければ大変ありがたいです、私の方もちょっと自信がなかったので。だから、きょう、検察庁、悪いけれども調べてきてくれと朝言ったでしょう。総裁、申しわけない。大事なことだからちゃんと調べに入ったんですけれども、ペーパーが来る前に質問時間になったので、それはお許しいただくと同時に、野田議員には大変感謝を申し上げまして質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

金田委員長 次に、野田佳彦君。

 残り時間。

野田(佳)委員 はい。

 大変吉田治議員が熱意あふれる質問を続けておりまして、いっぱい質問項目があるので時間が欲しいと言われたので、多少はいいよと言ったら、こんなにとられるとは思っていませんでした。

 きょうは、いろいろ用意したものをかいつまんで御質問をさせていただきたいと思います。

 先週の金曜日に、同僚の津村議員が谷垣大臣に橋本内閣の総括について質問をされていました。私はあの議論を聞いていて、改めてああそうだったのかと思ったんですが、第二次橋本内閣で谷垣大臣は閣僚だったんですよね。その後に、小渕内閣で大物政務次官と言われたわけですよね、それで財政のまさにお仕事をされたわけです。そのころの経緯を考えてみると、私は平成八年から平成十二年まで浪人をしていましたのでよくわからなかったんです。考えてみると、このころのことをちゃんと総括することが物すごい大事だなというふうに思いました。

 というのは、今回、法案の審議でかかっています例えば定率減税。これはもともと橋本内閣のころの財政構造改革の失敗から生まれて、その延長線上で小渕内閣で決めたことだと思うんです。特例公債法案も、これも財政構造改革の一環で保険料を流用する流れをつくって、そして時限立法で六年間だったと思いますけれども、その後、期間を延長して、公債の特例等のという、等のところに今法案として保険料の流用事項を入れているということで、たどっていけば全部橋本内閣が淵源であったというふうに思うんです。

 私はこの総括をすることがとても大事だと思っていまして、先ほど浪人中だったと申し上げましたけれども、ちょうど、一挙に増税路線に政府がシフトした後の惨たんたる日本の経済の状況を私も肌をもって感じたというのがあのころの経験でございました。

 私事で恐縮ですけれども、事務所はずっと当然置いておかなければいけないんですが、五階建てのビルで三階に入っていました。一階の布団屋はつぶれ、二階のマッサージ屋は夜逃げし、四階、五階もみんな倒産という中で、辛うじて自分の事務所が維持できたというのが奇跡に近いなと思っているぐらい厳しい経済状況でございました。

 それをたどると、やはり橋本内閣の景気認識がどうだったのか、それを踏まえて一挙に財政構造改革に転換したあのやり方はどうだったのかということを厳しく総括することが、今回の定率減税の半減、その先にある廃止ということに踏み切っていいのかどうかという大事な議論ではないのかなと私は思っています。

 そこで、当時、これは私の言葉で言うともっと過激な言葉になってしまって、本会議でも議事録削除の要求が橋本さんについては出ていますので言いませんで、イギリスのタイムズに出た論文をちょっと読み上げたいと思います。タイムズの九八年一月十三日付なんですね。「日本がアジアにもたらした新しい混乱 方向転換だけが崩壊を食い止められる」という論文なんですけれども。

 「将来、アジアの”奇跡”経済を荒れ地にしてしまった大恐慌についての歴史が書かれるとしたら、一人の男が二通りの書き方をされるだろう。ひとつは、へまを犯した被告人として、もうひとつは、アジア大陸から政治的・社会的腐敗を一掃したヒーローとして。その男は日本の首相・橋本龍太郎である」という非常に皮肉めいた書き出しから始まりまして、「アジアの金融危機の連鎖反応を大きくした触媒は、九七年四月、橋本政権によって行われた大増税である。この増税政策は、一九三〇年のスムート・ホウリー関税法以来、先進資本主義国で行われたもっとも愚かで、もっとも無意味で、破壊的な経済政策といわれることになろう」というところで、これは読み上げればずっとこういうばり雑言的な批判なんですね。まさに、国民経済に与えた影響を含めると、それぐらい厳しい総括が必要だったろうと私は思います。当時の閣僚として、大臣はどのように総括をされているんでしょうか。

    〔委員長退席、遠藤(利)委員長代理着席〕

谷垣国務大臣 当時、私は科学技術庁長官という仕事をしておりまして、直接当時の金融情勢などを見ていたわけではありませんけれども、内閣の一員として、閣議そのほかの議論でも大変な状況を肌身に感ずる立場にあったわけでございます。それを総括するのが大事だという野田委員の御発言、私も全くそのとおりだと思いますが、他方、今おっしゃいましたように、あの当時の出来事は今とすぐ結びついている面がございまして、なかなか客観的に冷静に総括するのも難しい点も確かにあるわけでございます。

 私なりに当時の橋本内閣の課題というのを考えますと、当時は、大変経済は不透明感がありましたので、明るい展望を開くためにはやはり本格的な景気回復をしなきゃいかぬというのが大きな課題であったことも事実でございます。ただ、当時ようやく、その背後に、単なる循環的な問題ではない、構造的な問題があるんだということも本格的に議論をされ出した時代でございました。要するに、そういう構造問題を解決した先には、二十一世紀の仕組みをどうつくっていくかという課題もあの当時にはあわせてあった。これも、ある意味では今も全部引きずっているところでございます。

 その中で、橋本内閣は、これもまた今も続いているところでございますが、財政が非常に悪い状況、先進国中比べて悪い状況でありましたので、橋本さんはいわゆる経済状況にも配慮しながら財政構造改革をしようということで、さっきおっしゃった財革法も出されました。それから、今タイムズの記事もお読みになりましたけれども、消費税率の引き上げ等、そういったものを実施し、それから歳出面でも、そのまま財革法を推し進められたわけですが、いろいろなことをおやりになりました。それからもう一つ、あの当時、少子化が進んできて、社会保障の構造改革もしなきゃならぬというので、その面でもかなりのお取り組みがあったというふうに思っております。

 それで、もう一つの、さっきのまさにタイムズですけれども、いわゆる九兆円というものが、ちょっとどういう表現だったか忘れましたけれども、大変な歴史に残る愚行で、それが日本の経済の、あるいはアジアかもしれませんが、経済をがたがたにした、こういう御趣旨であったと思います。これは、みんな因となり果となっていますので、何が原因で何があれだというのもなかなか言いにくいところもございますが。

 当時の状況を見ますと、平成九年当時のマクロの消費動向を見ますと、平成九年の一―三月、四月から消費税が上がるわけですね、その一―三月期というのは消費税が上がるからといって相当駆け込み需要というのがあったわけですね。それで四月―六月はその反動がやはり相当あった、そういう時期だと思います。それで家計、最終需要というのはマイナスになった。ところが、七―九月において増加に転じてきて、ようやく消費税の値上げを吸収しつつあったのが、その夏から秋にかけてであったのではないかと思うんです。それで、そのときにいわゆるあのタイのバーツの下落が起こりまして、これはもちろん日本の問題だけではなく国際的な状況が起因するわけでありますけれども、それが、あっという間にアジア各地に、あるいは世界と言ってもいいかもしれませんが、広まった。そのとき、日本にはやはり構造的な不良債権等の問題があって、潜在的に金融の不安があって、タイのバーツから発生したああいう金融の危機が一気に日本の国内で火を噴いていったという状況だろうと思います。

 だから、ちょっとそこは野田委員と見方が違う、あるいは先ほどのタイムズの記事と見方が違うかもしれませんが、あるいはどちらも原因であると言うべきであるかもしれません。ただ、九兆円等の問題はようやく吸収しつつある状況であったというふうに私は認識しております。もちろん、あのときに消費税の値上げ等がなくて、もう少し日本に体力があれば、タイのバーツから始まったああいう動きがあのような大きな結果にはならなかったかもしれません。それは仮定のことで、私はそこのところは何とも判断をしかねるところでございますけれども。

 ですから、私自身は、恐らく野田委員の判断とは若干違っておりまして、ようやく当時の日本は四月の消費税値上げの影響を吸収しつつあった段階に、そういういわば外在的なものが不良債権という内在的なものに火をつけたというふうに見ているわけでございます。総括というのとちょっと違った方に行ったかもしれませんが、大きく言うとそんなふうに見ております。

野田(佳)委員 橋本内閣当時の九七年ぐらいというのは、今よりも経済成長率は高目で推移をしていたはずですし、先ほど吉田議員との議論の中で出ていた雇用者報酬、平成十六年度が二百六十何兆とおっしゃっていましたね。十七年は二百六十五ぐらいですか。当時はたしか二百八十兆円台に乗っているはずなんです。というレベルで、さらに雇用者報酬の伸び率も高いころです。そのころに九兆円近い増税をやるという、ある意味では錯覚に陥る要因はあったろうと思うんですね。

 今回は、雇用者報酬は今もっと低いレベルで推移をしているという中において、もっと厳しい景気認識のもとで慎重な判断が私は必要じゃないかと思うんです。多分、反論として、九兆円レベルの増税と今回の定率減税の規模は違うよとおっしゃるかもしれません。

 そこで、景気認識の問題なんです。

 先週の議論では、これはいろいろ事実関係を言うと、ほとんど共有できるところはあるんです。大きな企業はいいけれども中小企業はまだまだ大変ですね、そうですねとおっしゃる。企業部門はいいけれども家計部門は大変ですね、そうだとおっしゃる。外需はよかったけれども内需までうまく火がついていませんね、そうだとおっしゃる。基本認識は大体共有できたんですね。

 ただ、なぜか景気判断の結論だけがいつも違うんですよ。これは中塚議員とのやりとりでもそうだったと思うんですけれども。一部弱含みで心配なところがあるけれども、総体的には景気はよくなっている、回復局面にあるというのが大臣の御判断なんですね。私の方は、一部いいところはあるよ、だけれども総体として見ると景気は後退局面ではないのかという、過程での議論はかみ合うんですが、結論が違うんです。

 でも、同じ事実を見て結論の出し方が違うということは、これは今竹中大臣の表現で言うと、やや長い踊り場というんですけれども、踊り場というと、何か階段を上ってきて一つ呼吸を置けるような、休憩できるような感じですが、踊り場というよりも、私は、今、日本の危機というのは、それぐらい解釈が分かれるぐらい綱渡りの状況だと思うんです。綱渡り状況なんですね。

 橋本内閣当時は、まだ景気の回復軌道は、体操でいえば平均台を渡るぐらいの、細いかもしれないけれども軌道はあったはずなんです。だけれども、大増税の路線にしてしまったから、平均台からおっこちたんですね。

 今回は、もっと細いタイトロープを綱渡りしているときなんです。そのときに、例えば、平年度ベースで定率減税の半減で一兆六千億円、そのほかの、先ほどから出ていた、その他の税の控除とか社会保険料の引き上げなどを含めると、タイトロープを渡って綱渡りをしているときは、ちょっと押しただけでバランスを失しておっこちちゃうわけですね、という非常に慎重な景気判断をしなければいけないのではないかと私は思いますが、改めて大臣の御認識を問いたいと思います。

谷垣国務大臣 確かに、野田委員がおっしゃったように、共通の認識もいろいろあるんだと思います。

 そこで、では、どこが私どもの判断と野田委員を初めとする方々の御判断とが違ってくるのかというふうに考えますと、一つは、先ほども申し上げましたけれども、バブルがはじけて以降日本の経済の足を引っ張ってきた構造的なもの、象徴的には不良債権だと思いますけれども、それは同時に、それを抱えた呻吟している企業がたくさんあったわけですけれども、そういうものが、産業と金融の両面からの整理といいますか改善がある。したがって、確かにまだこれも、大企業ではいいけれども中小企業ではどうかということになるんですが、今、企業の有利子負債の率はバブルがはじけて一番低い状況になってきているというようなことがあるのではないかと思います。

 それからまた、十二月の日銀短観によりますと、確かに大企業はいいけれども零細企業はどうだというのはありますけれども、中堅中小企業もいずれも企業収益は増加をしてきているというようなことがあります。

 それからもう一つは、今は不良債権を初めとする構造的な問題が大きく変わってきたということと、当時の経済情勢、国際的な経済情勢を見ますと、これは、あのタイのバーツ下落以来、世界じゅうにああいうものが波及していった状況と、現在は、もちろん心配もいろいろございます、原油価格がまた再び高騰してきているというだけではなく、鉄を初めとする素材価格が上がってきているのがどういうことかとか、私の所管しております為替もしょっちゅう注意をしなきゃならないことがあると思いますし、もちろん心配はたくさんございますけれども、基本的に、アメリカ、中国等、健全な拡大を続けているというようなことが当時とは違うのではないかというふうに思っております。

野田(佳)委員 為替もあるいは原油高の問題も、この後少し議論をしたいと思っているんですね。外在的な要因が日本の経済にどんな影響が出てくるか、これは景気の先行きの問題に絡んで質問したいと思っていたんですけれども、今の大臣の御答弁の中で、景気がよくなりつつあるという判断材料として、例えば不良債権処理が進んできているとか、企業の収益について触れられました。それは、確かにそうだと思うんです。

 ただし、今問題になっている定率減税の問題に絡めていいますと、定率減税を導入した目的はそもそも何だったのかなんです。定率減税導入の目的というのは、これは経済活動の回復に資すること、著しく停滞した経済活動の回復ですよね。でも、ここで言っている経済活動の回復というのは、不良債権処理であるとかあるいは企業の収益を伸ばすということではないと思うんです。なぜならば、所得課税における減税ですから。ということは、これは家計の消費に刺激を与えて、国民の可処分所得をふやそうということがこの定率減税の導入の目的であったはずなんです。

 不良債権処理が云々とか企業収益がどうのと言われても、この定率減税のそもそもの目的とかみ合わない議論でありまして、問題は、今、家計がいずれにしても厳しく、個人消費が二期連続マイナスである、そもそもの定率減税導入の目的を達していない、実現していないと私は思うわけです。にもかかわらず、なぜ半減、廃止へと向かうのか、これについて改めて整理してお答えをいただきたいと思います。

谷垣国務大臣 確かに、野田委員がおっしゃるように、定率減税そのものが不良債権処理を直接推し進めるというようなものでなかったことは、これはそのとおりだと思います。というよりも、むしろ、当時の非常に低迷した経済状況の中で、構造改革も進めなきゃならない。そのためには、あのとき所得税の最高限やあるいは法人税の最高税率も下げたわけですけれども、それぞれやはり労働意欲とかあるいは企業の競争力、国際的な競争力もつけなきゃならない。そういう構造改革をしながら不良債権処理も進めなきゃならないけれども、不良債権処理を進めるに当たっては何とかそれを下支えするものがなければなかなか進まないなというようなことが、この定率減税の背景にはあっただろうと思います。

 ですから、直接の目的ではないという点では委員と全く同じでございますけれども、そういう手法を使って全体の経済の体力を高めながら問題点を、外科手術みたいなこともあるかもしれませんが、問題点を解決していこうと当時は考えたんだというふうに考えております。

野田(佳)委員 景気認識については、せんだってもそうでしたけれども、今回もなかなか埋まらないようなんですが。

 そこで、先行きにかかわる問題なんですが、先週のいろいろ国際経済の動きというのは、随分気になるものがありました。先ほど大臣もちょっと触れられました、為替の問題、それから原油高の問題、これについて大臣のお考えをお聞きしたいと思うんです。

 まず一つは、先週末のドル安の動きです。

 私は、これは、かなり投機的ないろいろな動きがあって、双子の赤字で苦しいあの今のアメリカ経済に対して、やはり心配なマーケットのいろいろな動きなんだろうと思います。それで、円高・ドル安傾向というのがこれからも流れとして定着していってしまうのかどうか。例えばブッシュの経済報告の中でも、ドル安というのは、輸出であるとかあるいは景気という意味において比較的評価をするような発言が入っていました。ドル安が心地よいんじゃないかというような感じなんですね。ということを踏まえると、円高・ドル安傾向が流れとして定着していくということは、私は、まだ景気回復ができていないという中で、しかもデフレも脱却していないという中で、日本経済にとって大きなマイナスになっていくだろうと思いますが、この辺の見通しについて大臣はどのようにお考えでしょうか。

    〔遠藤(利)委員長代理退席、委員長着席〕

谷垣国務大臣 これは、私は、為替に関しては、昨年は随分介入をしたりいたしまして、私自身もある意味でのプレーヤーでございますので、要するに為替の先行きがどういうふうになっていくのかという予想はしないことにしておりまして、そこは御勘弁をいただきたいと思うんです。

 ただ、今、アメリカの予算教書等でどういうふうにアメリカ当局が見ているか。これは、アメリカ当局がごらんになっていることを、私、論評する立場ではございませんけれども、アメリカの中も常に二つの考え方があるというふうに私は思っております。一つは、やはり産業界中心に、貿易等を考えるときに、余りドル高というのは自分たちの競争力の点から考えても困るという考え方が一方にあると思います。他方、そうはいいましても、アメリカはああいう双子の赤字を抱えておりまして、アメリカ国内のファイナンスをどうやっていくかという観点からすると、強いドルでないと困るという考えも同時にあって、そのときそのときで両方の、何か両方の顔を持つ女神がございましたけれども、アメリカはそういうようなところがあるのではないかというふうに私は思っております。

野田(佳)委員 先行きの話は慎重だということで、お立場はわかるんですが、逆に言うと、過去の検証というのはしっかりやらなきゃいけないと思っていまして、大臣も触れられていたとおり、過去に大変多額の介入をしたことがありました。二〇〇三年の一月から二〇〇四年の三月ぐらいまでで三十五兆円規模ですね。途中で、二〇〇三年の九月に財務大臣に就任されていると思いますので、その部分の中では相当に関与をされてきたはずだと思うのです。

 当時の為替の介入というのは、要は円高・ドル安を歯どめをかけていこう、それはデフレから脱却できていない中でこの傾向が強まれば日本経済に大きなマイナスであるという意味で、あれだけ、なりふり構わず、三十五兆円というのは史上最大の作戦ですね、という介入をしたはずなんですね。私はそのよしあしというか成果というのはわからないんですが、その三十五兆円介入の意味というか、あるいはその総括といいますか、効果があったのかどうか。その点だけ、先行きのことは言いにくいということでしたから、その総括をお尋ねしたいと思います。

谷垣国務大臣 まず初めに申し上げておきたいことは、我が国の為替介入というのは、例えば円とドルとの関係を見たときに、このぐらいが限界であるとかこのぐらいが望ましい相場であるとかいって、そちらの方に誘導しようとか、そういう考えでやっているわけではありません。あくまで、これはG7等の声明にもたびたび、毎回必ず入れられておりますが、経済のファンダメンタルズを反映すべきもので、行き過ぎた相場的な動きや急激な動きは安定した経済の発展に望ましくない、特に日本の場合にはデフレを脱却するかどうかというなかなかデリケートなときでありますので、そういう形で攪乱をされるのは好ましくないという考え方から、投機的な動き、思惑的な動きがあるときにはそれなりの手段をとらせていただくということでやってまいりました。

 それで、委員がおっしゃいました、私は一昨年の九月に財務大臣になったわけですが、私が就任する直前にドバイでG7がございまして、そのときのマーケットの受けとめ方が、G7のコミュニケがドル安を容認したかのようにとられて、今までも若干あった動きが非常に加速していったという面が、市場の思惑がそっちの方に動いたという時期であったと思います。

 しかし、当時、今でもそうでございますけれども、アメリカ経済というのは、いわゆる世界の三極の中で最も堅調でございましたけれども、あの九・一一以来の地政学的不安とか、アメリカももちろん世界の三極の中で一番好調だとはいえ全く問題がないわけではありませんで、よく言われる双子の赤字みたいなものがございますので、そういうことと相まって何となくマーケットのイメージがドル安容認という方向に動いていった。それはやはり、当時のファンダメンタルズ、あるいは日本の置かれた状況からして望ましくないというふうに考えたわけでございます。

 では、その結果をどう総括したかということになりますと、実はこれもなかなか難しい問題でありますけれども、私は、当時の、まだデフレを完全に脱却できているわけではありませんけれども、これ以上デフレを加速させないで、デフレ脱却の手がかりを探るという意味では、非常に効果といいますか意味はあった。

 現時点でできる総括はその程度でございます。

野田(佳)委員 為替と同時に、もう一つ今懸念材料というのが原油の高騰ですよね。

 先週末、ニューヨークの原油の先物のマーケットでは、WTIですか、五十一ドルに乗る。昨年十月に五十五ドルという最高値がありましたけれども、再びまた五十ドル台に乗ってきました。これはアメリカだけではなくて、例えば中東産のドバイ原油、これが四十二ドル幾らかですよね、これも最高値を記録する。これはアジアの指標でありますから、大変深刻な問題だろうというふうに思っています。この原油の今後の見通し、高どまりしてしまって世界経済にあるいは日本経済にさまざまな悪影響を及ぼすという懸念を私は持っているんですが、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

谷垣国務大臣 今おっしゃいましたように、ニューヨークのWTIというんでしょうか、これも再び上昇に転じて五十ドルを超えている。日本はドバイをあれしているわけですが、ドバイも上がってきているということで、それが日本経済にどういう影響を与えるかということになりますと、かつてに比べますと原油依存率というのは非常に下がってきておりますので、国際的に見てもそういう意味では原油価格の影響に比較的、あくまで比較的でございますが、比較的強い国ではないかというふうには思っております。

 ただ、こういうふうに原油価格が上がってきたときに、これは私が申し上げるまでもなく、世界経済はお互いにつながっているわけですから、こういった原油価格の影響が世界経済のどこにどういう影響を与えて、それがまた日本にはね返ってくるかということは十分注意をしていかなきゃならないことだろうと思っております。

 先行きがどうなるかということも、いろいろ、それぞれの世界に、大量の資金が場合によっては石油に流れていくこともあったり、為替に流れていくこともあったり、株に流れていくこともあったりで、なかなか判断も難しいものがあると思いますけれども、私は、これはG7等でもたびたび議論になってきましたけれども、原油国も必要な生産、供給をしていただかなきゃなりませんし、消費国の側でもやはりエネルギーの効率的な使い方とかそういうものをもっと考え、この間のG7でも議論になったんですけれども、原油に関するいろいろな情報というものがもっと透明度を増して、お互いに何が起こっているのか、もう少しよくわかるように持っていかないと、これは国際的な協力が必要であろうというふうに思っております。

野田(佳)委員 私は、日本経済に影響があるとすると、価格が上がる分、その分は要は産油国の所得に移転をする話ですから、その分マイナスであるということ、上がった分が製品価格に転嫁されれば、それは企業の収益を圧迫して設備投資などに陰りが出てくる、これを価格に転嫁した場合は消費者に出ますよね、転嫁しない場合は企業に出ますね、いずれにしても、これはマイナスだと思うんです。加えて、がぶ飲みをしているアメリカや中国みたいなところが失速をすれば、当然輸出にも影響するということで、大変私は心配事だと思っていますので、注意深く見守っていきたいと思います。

 と言っているうちに時間が来てしまいましたけれども、なぜこういう原油の問題とか為替の問題を言ったかというと、景気の先行きについて極めて不透明感が漂っているわけであって、原油とか為替の今言ったような懸念が本当に現実のものになってしまうと日本の輸出は減少し、これまで輸出主導で景気回復の軌道をつくろうとしていましたけれども、残念ながらそれはしぼんでしまうわけです。一方で個人消費についても、今伸びる芽というのは感じられません。という中で、やはり定率減税の半減、廃止という方向は非常に日本経済にマイナスであるという認識を示して、もっとこの定率減税の話をしたかったわけでありますけれども、改めて、私どもが修正案で出していますように定率減税の部分は少なくとも削除して、延期ないしは撤回すべきだということを最後に申し上げて、終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

金田委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時十分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

金田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官大田弘子君、内閣府経済社会総合研究所景気統計部長太田清君、財務省理財局長牧野治郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、会計検査院事務総局第一局長諸澤治郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

金田委員長 質疑を続行いたします。永田寿康君。

永田委員 およそ一年ぶりの財務金融委員会での質問ということになります。古巣に戻ってきた感じでちょっと伸び伸びしておりますが、ぜひ一時間おつき合いいただきたいと思います。

 今回審議されている法案というものは、税制に関する法案であります。税制に関する法案でいろいろな通告をして、金融に関するもの、特別会計の制度に関するもの、会計検査に関するもの、さまざま質問を、税制と余り関係ないんじゃないかと思われるような質問も通告をいたしておりますが、冒頭、そのことの意義について、やや言いわけめいておりますが、ちょっとお話をしておきたいと思います。

 というのは、やはり国会の、議会の持つ機能の最も根源的なものは何かということを、突き詰めて改めて考えてみたいと思います。

 というのは、私が勉強したところによりますと、こういうふうに言われております。つまり、議会制民主主義がまだ成立をしておらなかったころ、王制が世界の統治機構の中心だったわけですね。そこにあって、王様は自由に国民から、簡単に言えば租税を取って、国民のためになることもやってきたし、自分の生活に関することもしたし、酒池肉林の放蕩を繰り返していた人もいた。

 そういう中で、納税者たちが怒りの声を上げたわけですね。王様、あんたは偉い、しかも強い、だから何をやるのも勝手だ、しかし増税をするときだけは国民と相談してから決めてくれ、そういうふうに国民たる納税者が申し入れをしたわけですね。王様の方も、それはそうだな、おまえの言うのももっともだ、ただし全納税者と一人一人話し合いをするわけにはいかないので、代表者を出せと。こういうふうに言ったのが議会制民主主義の始まりだというふうに、私は学校で勉強しました。

 そうであるならば、国会の機能も、議会制民主主義の機能の最も根源たるものは、税金を幾らにするかということが最も大事なテーマであって、今の国会では予算をどうするかということが非常に大きなテーマになっていますけれども、予算というのは実は二番目に来るものなのであって、本当は税金を幾らに決めるかということの方が先に来る問題であると思います。

 ですから、税制の議論の中で、本当にその税金がどのように使われるかということを議論していくことは当然非常に優先順位の高いことでありまして、そういう意味でいえば、国がなすすべてのことについてこの財務金融委員会が、税制と関連する委員会でありますから、議論をする機能あるいは責任を負っているんだということを、まず諸先輩方の前で、大変差し出がましい話でありましたけれども申し上げて、質問に入りたいと思います。

 さて、金融庁が分科会の関係で早目に退室をされなければいけないというので、金融関係の質問から先にしたいと思います。

 ライブドアとフジテレビによるニッポン放送株の、言ってみれば争奪戦というか、これについて、法廷に持ち込まれるという大変厳しい展開になってきています。ここはぜひ、この当事者たる日枝社長とそれから堀江社長に財務金融委員会に来ていただいてお話をしていただかなければならないというふうに、私思っておるわけでございますが、まずそのことを、委員長、理事会で協議をしていただくわけにいかないでしょうか。

金田委員長 では、理事会で協議させていただきます。

 永田ヒロヤス君。

永田委員 名前を間違えないようにしていただきたいと思いますが、寿康(ひさやす)と申します。それで、これはしゃれにならなくて、デイリー自民党というホームページがありますよね。二月八日付になっているデイリー自民党の中に、馳浩議員が私の資金の使い方について指摘をしたという記事が載っているんですけれども、私の名前、間違っていますから、直しておいてください、自民党さん。私の名前を間違っているので、ぜひお伝えをしておきますが、謝罪もしてくれたらいいなというふうに思っています。

 ところで、このライブドアによって、時間外取引で大量のニッポン放送株が取得されました。このことについて、違法ではないか、あるいは脱法行為ではないかというような議論がされているわけですが、金融庁、これは違法性、脱法性についてはどのように認識されていますでしょうか。

七条副大臣 先生、一年目ということでございますが、元気のいい質問をしていただきましてありがとうございます。

 今、違法性があるのかないのか、こういうことでございますけれども、この件に関しましては、私、前の予算委員会でも答弁させていただきましたけれども、違法性があるのかと言われますと、違法性があるとは言えないというのが答えになるのではないかと思っております。

永田委員 フジテレビによってニッポン放送株の新株発行予約権が大量に取得されました。このことについては、違法性はあるのでしょうか。

七条副大臣 一般論として言うしかございませんけれども、今有利発行規制、あるいは著しく不公平な方法における新株発行の差しとめといった商法上の制度があるということは、私たちも認識いたしておりますが、商法は金融庁の所管ではない上に、今回、先ほど先生もお話がありましたように、司法によって仮処分申し立てがされているところでございますから、コメントは差し控えさせていただきたい、こういうようなことでございます。

永田委員 法務省にお伺いすることになるのかもしれませんが、実はこの問題は、新株発行予約権、これを取得するというのは、単に金融マーケットだけの問題ではありません。当然、ニッポン放送という上場している大きな会社、これがどこの会社の子会社になるのかということを誰が決定する権限を持っているのかという、非常に哲学的な問題を含んでいます。つまり、株式会社というのは一体どういう存在なんだということなんですね。

 私は、別にどっちの肩を持つつもりもありませんけれども、そこには非常に重大な論点があると思いますので、法務省、まずこのような重大な決議、つまりニッポン放送がどの会社の子会社になるのか、ニッポン放送という個別の固有名詞を出す必要もなく、上場されている株式会社がどの会社の子会社になるのかを決定する権限を有するべき者というのは一体だれであるというふうにお考えでしょうか。

滝副大臣 大変突然の質問でございますから、なかなか答えが適切かどうかわかりませんけれども、基本的には、それは株主がお決めになるというのが基本的な問題だろうと思います。

永田委員 現在の商法においては、会社のオーナーたる株主が役員をだれにするかという任免権を持っているのが一般的なケースですよね、微々たる例外はありますけれども。今回のケースでは、役員が株主を選んだんですね。逆になっているわけですよ。つまり、ニッポン放送の役員が、自分たちの会社の株を持っているべき人はだれであるかを考えたときに、それはライブドアではなくてフジテレビであるべきだと。役員が勝手に議決をして、勝手にその思いを遂げようとしたわけですね。

 これは、株主と役員の、取締役の力関係があべこべになっているんじゃないかと私は思うんですけれども、これは一般論として、役員が勝手に議決をしてだれの子会社になるかということを実質的に決めてしまうということは許されるんでしょうか、許されないんでしょうか。

滝副大臣 一般論として申し上げるならば、会社の株式を発行する、幾らまで発行できるかというのは定款でそれぞれ決まっておりますから、その定款で決まっている範囲内であれば、それは取締役会で幾ら発行するということは決められますから、その限りにおいては御指摘のように取締役会が何か株主を決めるようなことになるんですけれども、今の商法の体制では、それを基本原則としておりますので、一般論としてはそれはあり得るということになります。

永田委員 それは違うんじゃないですかね。私が法務省の方にお伺いをしたところによりますと、確かに、取締役会が議決をすれば、一定限度、つまり株主総会から授権をされた範囲内で新株を発行することができる、あるいは当然予約権も発行できる、それは当然だと思います。しかし、その考え方の裏にあるのは、一々新株を発行するのに株主総会を開いていたのでは手間がかかってコストがかかってしようがない。だから機動的に資金を調達して、機動的に事業を拡大できるように、そういうことをするために、あくまで株主総会が授権をした範囲内で新株を発行する権限を取締役会は持っているというふうに私は教わりました。

 そうであるならば、今お答えになった内容では、実質的にどこの子会社になるのかを取締役会の議決で決定することになっても問題はないというようなお話でしたけれども、それはやはり考え方としては問題があるというふうにお答えになるのが、法務省の姿勢として、一貫した姿勢を示すのであれば、やはり理論的にはそれは問題があるというふうにお答えになるのが正しい姿勢なんじゃないでしょうか。

滝副大臣 ただ、株式の発行という立場からすると先ほど申しましたような結果になる。それは、先生の御指摘のように、結果的にそれはおかしいじゃないかということは言えると思いますけれども、少なくとも株式の発行という点に関しては、先ほど申し上げたとおりだと思います。

永田委員 ちょっと確認をしたいんですけれども、結果としてそうなるという言葉を強調されたということは、それは、裏を返せば、本来あるべきやり方ではない、制度を使って合法に手続を進めたんだけれども、本来望ましい姿ではないということを暗に示しているんじゃないのかなというふうに思うんですけれども、それは法務省としては、つまり企業のガバナンスをだれが決定するのかということをここでは議論しているわけですから、そういう意味でいえば、そういうあり方が望ましいのか望ましくないのか、ぜひもう一回御答弁いただきたい。

 つまり、確認をしたいんです、これは、本来あるべきやり方ではない、本来望ましい姿ではないということを暗にお認めになっているというふうに理解してよろしいですね。

滝副大臣 基本的には株式は資金調達のために発行するわけでございますから、その資金調達の面から見る物の考え方と、先生御指摘のように、会社の役員会というか会社を実質的に運営する権限をどこが持つかという問題とは多少違った観点があると思いますけれども、少なくとも今の株式発行という観点からすれば、私どもが申し上げたとおりでございます。

 ただ、それがどうもおかしいなという印象というのはみんなお持ちだと思いますけれども、それは、今の商法の中でそういうものを違法だとかなんとかと言っているわけじゃありませんので。

永田委員 それでは、先週の金曜日か、私の事務所にお越しいただいて説明された法務省の方とは説明が全く食い違ってしまうわけですよ。つまり、資金調達のために新株を発行するのは構わないというふうにおっしゃったわけですね。現在の、フジテレビが二千八百億、二千九百億円にも上ろうとする金額をニッポン放送の株式取得のために支払う。仮に支払った場合、その資金の使途について、何に使うかということを一応説明しているわけですけれども、百八十億円ぐらいかけて、ニッポン放送とフジテレビが共同でフジテレビの今の本社の近くにスタジオを建設するということが言われているわけですが、残りの二千七百数十億については使途の説明は全くされていないわけですね。

 つまり、そういうことを考えると、この資金の使い方について説明ができない状態にあるということは、これは必要のない資金をフジテレビがニッポン放送に対して払い込む、その対価というか、その反対物として株式が渡される、こういうふうに考えるのがやはり妥当ではないかと思います。

 そうであるならば、資金調達を中心に、この二千七百数十億の株式をフジテレビに付与するのではなくて、やはり経営権、議決権というものをフジテレビに直接渡したいというのが趣旨、主眼であるというふうに判断をするのは私は公平な見方だと思いますけれども、法務省は、こういうようなやり方というのは、法律上許された手続を踏んでいるからやむを得ないものだというふうにいつまでもお考えになるんでしょうか。もう一回、確認したいと思います。

滝副大臣 先生が御指摘の問題は、商法二百八十条ノ十という枝番号の条文がございますけれども、そこで株式発行の差しとめ請求権というのがございますね、その問題に絡んでまいりますと、先生の御指摘のような問題が出てくるという場合があり得るということですね。どういうことかというと、不公正なる方法をもって株主の利益を害するおそれがある場合には株式発行を差しとめできますから、新株発行権の場合も同じです。

 ですから、そういう問題になってくると、それはまた話は別だということになると思います。

永田委員 確認をしたいんですけれども、今不公正という言葉を使いましたけれども、必ずしも違法である必要はないわけですよね。公正かどうかというものがこのやり方の適否を判断する基準になるんであって、これは違法であるかどうか問わないわけですね。

滝副大臣 商法の規定では、著しく不公正なる方法をもって、こう書いてありますから、違法とは言っていないわけでございます。

永田委員 ところで金融庁、果たして、こういうやり方が横行する、仮にこのフジテレビのやり方が裁判所で適法だという判断がなされた場合、それは裁判所の判断ですから、国会や行政が何を言う必要もない、何を言うこともできないものではありますけれども、しかし、仮にこういうことが合法だとして認められた場合、日本の金融マーケットに対する信頼というのはどういうふうになるのかということを議論しておく価値は十分にあると思います。

 つまり、あの行為一つの行為、フジテレビが新株発行予約権を獲得した行為そのものは合法かもしれないけれども、だけれども、ひょっとしたら金融マーケットの信認の低下という観点からして放置できないことになるのかもしれない。つまり、法改正をしてでも、ああいうやり方はもうできないようにしておく必要があるのかもしれない。それは、あの行為が、個別の行為が合法か違法かということを離れて、我々は、金融マーケットのあり方を適正なものたらしめるために、国会で十分議論をしておく必要もあるし、価値もあることだというふうに思っています。

 仮にああいうことが合法だというふうにされた場合、我々はあれを放置しておくべきなんでしょうかどうでしょうか、金融庁の考えを伺いたいと思います。

七条副大臣 先ほどコメントはできないということを申し上げましたけれども、金融庁といたしましては、仮に証券市場の公平性を確保する上で措置を講ずる必要が生じれば適切に対応してまいらなきゃならないと考えております。

永田委員 違う。だから、措置を講じる必要があるかどうかというのと、あと適切な措置を講ずると言ったけれども適切な措置とはどういう措置なのかということを議論しようと言っているんですよ、ここで。いいですか、今回の事件のキーマンですけれども、村上ファンドの代表も、ああいうフジテレビみたいなやり方が放置されるんであれば、日本の金融マーケットに対する信頼は地に落ちるという発言を繰り返しています。

 金融庁にとっては、株式市場というものは単に投資家同士がお金をやりとりするだけの場かもしれないけれども、その裏には当然、議決権という、ガバナンスに関する重要なファクターが取引されているわけですね。株を持つことの究極のメリットというのは、もちろん配当を得ることもあるかもしれないけれども、それを超えて、やはり議決権をどう行使するのかというのが、最も根源的で、しかも重要な権利だと思います。

 それをやりとりしている場所なわけですから、あれを放置することによって金融マーケットの信用がどうなるかということをきちんと議論したいわけですよ。ですから、何か措置を講ずる必要があるんだったら適切なことをやると言うけれども、講ずる措置が生まれる余地があるかどうかを議論したいんです、どう思われますか。

七条副大臣 これはもう何度も繰り返しの答弁になってしまうかもしれませんけれども、先ほど来申し上げたように、有利発行規制やあるいは著しく不公平な方法による新株発行の差しとめといった、商法上のいわゆるそういう制度が存在することは理解をいたしておりますが、しかしながら、今司法で争われている、そういう仮処分申請の申し立てがあり、司法による判断にゆだねるところでございまして、コメントは差し控えたい、こういうことでございます。

永田委員 それはひどいと思いますよ。僕は今言ったじゃないですか。個別の問題、つまり、フジテレビとニッポン放送とライブドアをめぐるこの個別の問題については訴訟に入っているので行政がコメントするのは避けたい、その気持ちはよくわかるんですよ。それはそれでいいです。

 仮にあれが合法だという判決が出た場合、あれは問題ないという判決が出た場合、つまり公正だという判断ですね、これが出たときに、今の法令に基づけばあれはなかなか規制しがたい行為であるという判断をしたにすぎないんですけれども。

 では、あれを放置したままで日本の株式マーケットの信認はどうなるのかという議論をしているわけですから、個別のことに言及しろと言っているんじゃなくて、もっと単純化して言うと、一般化して言うと、上場されている株式会社の役員が、取締役が勝手に議決をして、どこの会社の子会社になるということを自律的に判断することが望ましいことかどうか、許されることかどうかという議論をしているんですよ。ぜひお答えください。

伊藤国務大臣 今副大臣がお答えをさせていただいたように、やはり委員の御指摘は仮定のお話でありますので、私どもの立場からコメントをさせていただくことは適切ではないというふうに思っております。

 ただし、先ほど来副大臣も答弁をさせていただいているように、私どもにとりましては、やはり市場の信頼を確保していくというのは非常に重要なことであります。そのためにも適切なディスクロージャー及び公正な取引というものが確保されていくということが非常に重要なことだというふうに認識しておりますので、そうした問題に仮に抵触するようなことが出てくる、何か問題があるとするならば、そのことについては、私どもとして不断の見直しをしていかなければいけないというふうに思っております。

 一般論としても、委員お尋ねの部分についてはこれはすぐれて商法の問題でありまして、既存の株主の保護の問題については、先ほど来副大臣やあるいは滝法務副大臣から御答弁されているように、有利発行の差しとめでありますとか、あるいは著しく不公正な方法による新株発行の差しとめといった商法上の制度があるということは承知をいたしておりますけれども、これよりさらに投資家保護、既存の株主を保護していくために制度上の措置をしていくかどうか、これは商法の中での議論になってまいりますので、私どもとしてこれ以上のコメントができないことを御理解賜りたいと思います。

永田委員 大変問題のある答弁だと思います。

 まず、私は仮定の話をしているんじゃありません。いいですか、わかりやすい例示をするためにライブドアとかニッポン放送の例を出しましたけれども、それについては裁判に持ち込まれているんでもう言及しなくて結構ですと申し上げているんです。

 議論の組み立てとしては、そうした上で一般化して、いいですか、上場している株式会社の取締役会が勝手に議決をして、どこの子会社になるということを実質的に決めてしまうようなことが公正なこととして許されるのか、それともそれは放置できないと考えるのか。

 そして、加えて、今、伊藤大臣はわざわざ長々と時間を使ってこういうふうにおっしゃいました、これは商法の問題だと。しかし、こんな無責任な人に金融マーケットのルールを担当させてはいけないと思いますね。

 いいですか、既存の株主の気持ちを考えてみてくださいよ。自分たちが株を持っていて、その会社のオーナーだと思っていたら、いつの間にか、自分の議決権をはるかに上回る株が勝手に自分の知らないところで発行される権限をだれかに勝手に付与しちゃう。そういうことが自分たち金融庁のあずかり知らぬ問題だというふうにおっしゃっているわけですよ。そんな人たちの定めたルールのもとで、金融マーケットでプレーをしている投資家たちの気持ちをどういうふうに考えているんですか、権利をどういうふうに考えているんですか。その権利はだれが守るんですか。それはあり得ない話ですよ。

 これは、商法の問題だけでもないし、金融マーケットだけの問題でもないんです。両方があって、両方がすき間なく、既存の株主あるいはこれから株主になろうとする人たちの権利をすき間なく埋めて、議論をして、守っていくという姿勢を示さなきゃいけない問題なんですよ。これは商法の問題だからとか言っていられない話だと思いますよ。ちゃんと答えてください。

伊藤国務大臣 重ねてになって大変恐縮でございますけれども、私どもからすれば、市場の信頼性というものを確保していくことが非常に重要だと。したがって、適切なディスクロージャーでありますとか、あるいは公正な取引を確保していくために適切な対応というものをとっていかなければいけないというふうに思っております。

 これ以上のコメントについては、やはり私どもの立場からいたしますと、市場に対する影響等々もございますので、コメントは差し控えさせていただきたいというふうに思います。

永田委員 ディスクロージャーは一切関係ないです。

 副大臣でも構いませんから、大臣がお忙しければ、どうぞ御退席ください。副大臣がかわって今の議論を続けたいと思います。

 それはあり得ない話ですよ。これは、こういうことについては金融庁がどう考えている、法務省はどう考えているということを適切に市場に対してメッセージを発することによって、初めて市場の信頼というのは確保できるんですよ。マーケットの信頼を損なう可能性があるとか今大臣はおっしゃいましたけれども、冗談じゃありません、これは言わないことの方がリスクが高いんですよ。そこをわかった上で多分、私の同期が支えている副大臣、後ろに座っておられるのは私の同期なんですけれども。そんなことは関係ないですね。

 法務省、手が挙がっていますが、コメントできますか。では、お願いします。

滝副大臣 七条副大臣から御答弁される前に私の方から一つだけ御説明させていただきたいと思います。

 今御指摘のように、株主の権利をどう保護するかということは、これは商法の上でも大事な問題でございますけれども、株主の権利というのは、やはり経済的な権利というのが第一義的に商法の部分で出てくるわけですね。したがって、そういう意味での株主の保護というのが出てくるわけでございますけれども、例えば特定の人間に新株発行権を与えることによって株主の、株の構成が変わっても、それは基本的には株主の権利あるいは株の権利を阻害するものではないというふうに、商法の世界では理解をしているわけでございます。したがって、そこのところが出てくると、話がややこしくなる問題があるんじゃないかと思います。

 今恐らく委員のおっしゃっているのは、そういうような株主の権利というのは何を考えるかというところがすべての根本でございますから、まず、株主の権利というのは、要するに、いわば経済的な利益というものが中心になって商法が考えられているということだけは申し上げておきたいと思います。

永田委員 あのですね。そこはすごく大事な問題で、まさに七条副大臣のお話もお伺いしたいんですが、ちょっとその前に、そこがまさに大事なところなんですよ。つまり、「一九四〇年体制」という本が書かれて、それ以来、私は確かにそういうこともあるのかなと思っているんです。

 これはどういうことかというと、一九四〇年、つまり、第二次大戦が始まる、そして終わるころに、株式会社のガバナンスに関するルールというのが大きく変更されたわけですね。それは何かといったら、まず、株式会社が個々の会社の利益を追求してしまう。本当は、国としては国力というものを戦争遂行のために集中的に使っていきたいと。しかし、株式会社というのは、国の言うことを聞いてくれなくて、個々の利益を個別にばらばらに追求してしまう。

 これは一体なぜだろうということを考えた、当時の新官僚と呼ばれる人種が何を考えたかといったら、これは、株主が配当という個人個人の利益を追求する、それが結局は株式会社の行動原理を定めてしまっているんではないか、つまり、戦争を遂行するための方針とは全く違う方向に株式会社の経営を持っていってしまう。

 そういうふうに考えて、結果、何をやったかといったら、株主の、会社のガバナンスに対する権限を大幅に弱めたんですね。しかも、困ったことに、戦争が終わってもいまだにその名残が続いているんですよ。これが株式会社のガバナンスに対する、その制度というのはもちろん法務省を中心として国がつくっているわけですけれども、これが株式会社の経営環境を今でもゆがんだ状態に置いている一つの大きな原因なわけですよ。

 だから、今もう一度改めて、この問題を契機にして我々は議論しなきゃいけないんです。株式会社というのは一体だれのものなのか。その経営の方針というのはだれが決定するべきものなのか。そういうことをもう一度考え直さなきゃいけないんですよ。

 そこにあって、今の副大臣の答弁というのは非常に問題をはらんでいるんですね。つまり、経済的な利益、株主の経済的な利益を我々は守っていかなきゃいけないと。確かに、それはそうかもしれない。しかし、株主の経済的利益といった場合、今の日本ではほとんど株価の維持ということを指しているんですね、同値なんですよ。

 本当はそうじゃないんですよ。株主にとっての、まず第一に優先に来る経済的利益というのは配当であって、そして、その配当そのものと同じぐらい重要なものが実は議決権なんですよ。経営方針に関する議決権の方が実ははるかに根源的な意味を持っているんですね。しかし、その議決権という部分については、その一九四〇年体制ができて以来、いまだに非常に弱められたままになっているわけですよ。

 だから、我々は、やはりそういう株主の権限というものをもう少し強化するべきではないかという議論をしていきたいわけですよ。法務副大臣、そういう切り口からの答弁はいかがですか。

滝副大臣 立法論というか、株主の権利をどういうふうに位置づけるかという議論の中では、先生の御指摘のような議論があると思います。

 ただ、私が今説明したのは、日本の商法の体系というのは、株主の権利というのは、先ほど申しましたようなことを第一義的に位置づけているということだけを御説明申し上げたわけでございます。

永田委員 これじゃ国会審議なんかやめた方がいいですね。

 今の法制度に従って考えたらどうなるかなんてことは役人に聞けば教えてくれるんですよ。もっと言うと、証券会社とか、あるいは公認会計士、税理士の皆さんに話を聞いたら、議決権がどういうふうに行使されるべきかなんということはだれでも教えてくれるわけですよ。もっと言うと、学校の経済学部の教室に行けば幾らでも教えてくれるわけですよ。

 そうじゃない。僕らが議論しようとしているのは、会社のガバナンスは一体どうあるべきかということを議論しようとしているんでしょう。今の制度を説明したって何の答弁にもならないんですよ。今の制度に問題があるんだったら、それは直していかなきゃいけないと議論するのが国会でしょう。今の制度に問題はないと考えるのか。つまり、ああいうふうに、どこの子会社になるのかを勝手に取締役会で決めちゃってもいい、そういうような制度を、今でもあるいは今後も望ましいものとして維持していこうと考えるのか。法務省のトップたる、政治家としての発言をちょっと聞かせてくださいよ。

滝副大臣 ですから、基本的には、これはこれからの会社法の中で議論をするように、私どもはそういう中で今までいろいろ議論をしてまいりました。

 その中で、やはり一つだけつけ加えさせていただきますと、基本的には、今の議論の中にもありましたけれども、会社のいわば自由度、株主も含めて、そういうものをできるだけ定款の中に決めていく、そのための方策をどうしたらいいかというのがまず第一義的に俎上にずっと上っておりまして、それが今度の商法改正の中でどういうふうに出るか。

 それから、それをもとにして、会社自身、株主も含めて、株主総会でどういうような決め方をしていくかということはその会社の中の問題だという余地を、自由度を増すような格好でこの問題を議論していくというのが、これまでの、この二年間というか二年以上にわたる商法の改正の議論なわけでございますから、その中に今先生のような御指摘をどういうふうに踏まえていくかということでございまして、ここでもって私の方から、法務省としてはこうだというようなのは、まだ時期尚早じゃないかなと思っております。

永田委員 やはり、制度改正が仮に行われるのであれば、それは一義的には、政府がまず第一にその問題点を検討して法案を出していくべきものだと僕も思いますから、それはぜひやっていただきたいと思うんですよ。

 今、商法改正の中で議論していくべきだという発言が滝副大臣からありました。当然、そこには、既存の株主の権利をどうしていくのかということもありますから、これは金融庁も絡んでいくべき問題だと思うんですよ。これは、両者で連携をとりながら議論を進めていくというふうに期待してよろしいんでしょうか。これからの進め方をちょっと説明してください。

滝副大臣 当然、金融庁はこの問題に関しては一番関係の、一番というか関係の深い機関として、意思疎通をしながらやってまいりたいと思います。

七条副大臣 先ほど来先生から御質疑をいただいております件でございますけれども、これは、株主が損か得か、あるいは公平か公正でないかということについては、先生も御存じのとおりでございますけれども、商法上の問題であると思います。

 私たち金融庁としましては、特に、証券市場の公平性、公正を確保するというのが金融庁の仕事でございますけれども、これは商法上の問題もありますし、今、先ほどお話がありましたように、法務省ともあるいは相談をしながら、今後、できることは前向きに対処していかなきゃいけないと考えておるところでございます。

永田委員 これはどういうスケジュールで議論をされるのか、おわかりでしたらちょっと説明してください。結論はいつ出るんですか。

滝副大臣 今国会の通常国会ということになりますと、目標は三月の中旬ということになっているんですけれども、今の段階で私の方から言うと、国会対策上の問題でおしかりを受けるかもしれないけれども、少し手間取るのかなという感じも持っております。しかし、一応、公定された期限は三月の中旬ということになっていますから、それを目指して努力をしている最中でございます。

永田委員 副大臣、国会対策上おしかりを受けると今おっしゃいましたけれども、副大臣の仕事というのは、与党の国会対策委員会の方を向いて仕事をするのか、それとも市場や国民の方を向いて仕事をするのか、どっちの方が優先順位が高いのか、教えてください。市場から褒められたら、それでいいんじゃないですかね。

滝副大臣 言わずもがなのことを申し上げたかもしれませんけれども、やはり、国会は国会としての法案を提出する時期、それによってどうやって法案を審議していくかという整理の問題がございますから、できるだけそういうルールに従ってやるというのが、これは政府側としては当然のことだと思っております。

永田委員 不毛な議論なので、これぐらいにしておきますけれども。

 金融庁がいらっしゃるので、ちょっと話を変えて、今度は、ペイオフ解禁が近づいてきているので、そのことに対してちょっと掘り下げて話をしたいと思います。

 法務省、もう多分これから聞くことはないと思いますので、どうぞ御退席いただいても結構でございます。

 このペイオフが延び延びになってきたのは、振り返ってみれば、やはり、金融機関が大変な不良債権を抱えて、財務の安定性が危機的な水準になったということで延ばしてきたわけですけれども、それを、当座をしのぐために大変莫大な金額の公的資金が注入されてきました。公的資金を注入するときに、ただで公的資金を民間銀行に注入するわけにはいかないということで、いろいろ条件をつけたわけですね。つまり、不良債権を処理して、自己資本比率を十分な水準まで確保して、そして貸し出しもふやしてくれということを言ったわけですよ。しかし、事後的に見てみると、この政策が成功したとは言いがたいというふうに私は思っているんですよ。

 金融庁は、この政策の実効性、それから成功したとか失敗したとか、成否ですね、これはどういうふうにお考えでしょうか。総括を聞かせてください。

七条副大臣 ペイオフ解禁に対する問題のお尋ねだと思います。

 ペイオフ解禁拡大は、市場規律のもとで、各金融機関より、緊張感を持って経営基盤の強化に取り組むことにより、金融システム全体としての安定性が持続的に保持されることの観点から、本年四月より実施される、こういうことでございます。

 まず一つは、主要行の不良債権比率がどのぐらいあるか、あるいは地域金融機関についてリレーションシップバンキングの取り組みが着実に進んでいるかどうか、あるいはそういうような不良債権比率は全体として低下のトレンドに入っているかというようなことを考えながら、私たちは考えていかなければならないと考えているところでございます。

永田委員 委員長も苦笑していますよ。

 そうじゃないでしょう。あの莫大な公的資金を注入して、一方で、その注入された銀行にはいろいろ注文をつけたわけですよ。自己資本比率は確保しなさい、収益も上げなさい、そして貸し出しもふやしなさいと言ったわけですね。この三点を見ると、では、不良債権の処理はある程度進んだのかもしれない、それは事実かもしれない、だけれども、自己資本の確保という点についていえば、やはり、一回注入した銀行がその後、今度破綻に追い込まれたり、そういうことを考えると、必ずしも僕は成功したとは思えない。

 それから、もっと言うと、貸し出しをふやしたかどうかという前提については、もう何十兆円もこれは貸し出しが減っているわけですよ。完全に失敗していますよね。当初意図した方向にこの政策は動いていないんじゃないかというふうに思っているわけですよ。金融庁はそこの総括を、つまり、過去の失敗を振り返ってどういうふうに総括されているんですかというふうに聞いているんですけれども。

七条副大臣 今、不良債権処理の問題がございましたけれども、不良債権比率の低下や自己資本比率の改善が見られるところであり、また、金融機関の中小企業に対する貸し出し態度についても改善傾向が見られているかどうか、こういうようなことも踏まえて考えなければならない、こういうことでございます。

永田委員 考えなければならないと。考える論点というか視点を説明していただくんじゃなくて、どうだったということを聞いているんですよ。

 現実的に、貸し出し態度はある程度改善傾向が見られる部分があるのも私は知っています。しかし、貸出額そのものはどうかといったら、大幅に減っているわけですね。つまり、公的資金を注入することの条件として貸し出しをふやしてくださいと言ったわけでしょう、金融庁は。それが無視されたわけでしょう。やはりそれは失敗したと言うべきなんじゃないですかね。過去の失敗を直視して、反省をして今後の糧にしないと、いつまでたっても行政というのはよくならないんですよ。ぜひ、これは失敗したのか成功したのか、その一言で答えてください。

七条副大臣 これについては、二年前から、前の竹中大臣の時代から、不良債権処理に積極的に取り組んできた、この一年ないし二年で不良債権を半減するといういわゆる目標については、この三月末に恐らくやその答えが出てき、半減してきたことになるんだろうと。そういう意味では、一つの答えが出てきて、ある程度の前向きな、成功をしたと言えるのではないかと考えておるところでございます。

永田委員 だから、まだら模様なんですよ。僕も、全面的に失敗したとは言わない、零点だとは言いませんよ。だけれども、百点とも言えないでしょう。どこかしくじっているところがあるわけですよ。それは、貸し出しが大幅に減って、そのせいで倒産に追い込まれた会社がたくさんあるというところに如実にあらわれているわけですね。なぜそういう、金融庁が当初意図していなかった方向に世の中やこの政策そのものが動いてしまったのかという反省をしなきゃいかぬと思うんですよ。そこを議論しようと言っているんですね。

 もう起こっちゃったことはしようがないんですよ。あの時点で公的資金を注入せざるを得なかったというのも、理屈としてはわかりますよ。そういう立場をとることは、僕は全く合理性がないとは思わない。民主党は反対をしましたけれども、だけれども、反対をする立場にも合理的な理由があるし、あれを実行したいと思うのも合理的な理由があると思う、両方ともあるんだと思う。だから、それは別に今さらどうこう言いませんよ。

 ただ、過去の失敗の部分の反省だけはしましょうよ。それは一体何かということなんですね。間違いなく貸し出しは減ったんですよ。なぜそういうことが起こったのかということを金融庁はどう分析されていますか。

七条副大臣 今お話がありました貸し出しが減ったということでございますけれども、貸し渋りや貸しはがしが生じることのないように各地域金融機関に対して、これは適切に処理をしてきたところでございます。

 しかしながら、いろいろな形の中で、自己資本比率の改善ができたかどうか、あるいは不良債権比率の低下ができたかどうか、こういうようなことを考えながらやってきたものでございますから、私たちにとってはある一定の成果は上がっているのではないか、こういうふうに考えているところでございます。

永田委員 自己満足は小泉政権の最大の特徴ですから、幾ら自己満足をされるのも構いませんけれども、現実にそれで社会が動いているわけですから、あなた方が満足すればいいという問題じゃないんですね。

 だから、いいですか、今おっしゃったのは、貸し出しがふえるように地域金融機関などに適切な措置を講じてきたところであると。しかし、実際には減っているわけですよ。減っているということは、その措置は適切ではなかったということですね。なぜそういうことが起こったのかということを分析してほしいと言っているんですよ。それは分析していないんですか、ひょっとして。

 ヒントを申し上げますと、不良債権比率の引き下げということを金融庁は意図しました。副大臣、聞いてください、これは非常に重要なところなので答弁書を見るんじゃなくて聞いてください、いいですか。まず、不良債権比率の引き下げを金融庁は望んだ、それもあって公的資金を入れた。これはいいですね、不良債権比率の引き下げ。それから、自己資本の確保、これも金融庁が望んだ、そのためにお金を入れた、それもいいでしょう。収益性の回復、これも金融庁は条件としてつけたわけですね。しかし、この三つの条件というのは、実は相互に矛盾しているんですね。一つを実行しようと思うとほかの部分にマイナスの効果が出てしまうというのが私の立場であります。

 つまり、不良債権比率を引き下げようと思えば、これはどういう手法によるのが一番簡単かと言ったら、まず不良債権を処理してしまうわけですから、手元にある余裕資金つまり引当金をどんどんそこに充てて償却をしてしまう、これは自己資本の取り崩しにつながるわけですね。つまり、不良債権比率を引き下げるということは、自己資本比率を押し下げる効果があるわけですよ。

 加えて、収益性の回復と不良債権比率の引き下げというのも、実は両立しない問題なんですね。不良債権比率を引き下げようと思えば、当然、リスクのある資産をどんどん処分して、リスクのない国債などの、もう単純に利益だけが出てくる、そういう資産に切りかえることの方が合理的な局面だったわけですよ。だから、収益性を回復しろと言ったら、どんどん貸し出しを減らしてどんどん国債を買う、こういう方が合理的な状況にあったというふうに考えるのが私の立場であります。

 そうであるならば、金融庁は矛盾したことをやろうとしたんじゃないか、そういうふうに思っているわけですよ。そういう分析というのは金融庁の中でなされていないんですか。

七条副大臣 今言われたような内容につきましては、分析をすることは必要であろうと思っておりますが、今そのことを言われたことに対しては、これからも取り組んでいきたいと思っています。

永田委員 いや、分析をして取り組むとおっしゃいましたけれども、一体何をどう取り組むのかよくわからないし、今の論点からして、金融庁はどういう意思を持っているのか、どういうふうに過去の総括をしたのかということをやはりちゃんと聞いておきたいのですけれども、どうしてそういうお答えをいただけないんでしょうか。どうぞ。

七条副大臣 貸し出しの減少ということが一つはあったということでございますけれども、これはもう金融機関の問題だけではないと私は思っておりますし、企業の借り手としての資金需要の問題でもあり、あるいはそれらが対応しているかどうかということは一概に言えないと思っております。

 ですから、分析をいろいろしながら、それに対して取り組んでいかなければならないことは取り組んでいこうと思っております。

永田委員 だから、分析結果はどうなんですかということを本当は議論したいわけですよ。

 資金需要の問題はあるとおっしゃいましたけれども、資金需要の問題というよりは、むしろこれは、リスクのある民間企業などにあるいは個人などに貸し付けをするよりも国債を買った方がリスクと収益性から見て合理的だという、そういう環境があったからなんでしょう、やはり。そのことを考えずにお金を幾ら突っ込んだって政策目的は達成されないという、そういう分析の不足をしっかり反省するべきだというふうに思いますね。

 それからもう一つ、BIS規制が今度少し内容、内容というかやり方が変わりますよね。リスクの査定が非常に精緻化されるという話なんですけれども、これはこれで望ましいように見えて実は必ずしもそうでもないという議論をしたいと思います。

 まず、自己資本がどの程度の水準であるべきかという議論、どの程度の水準まで自己資本があったら金融機関の財務の健全性は保たれるんだというそういう議論をするときに、僕は一つぽっかり抜け落ちている視点があるんじゃないかと思っているんですよ。それは、資産のリスクというものは、個々の資産の個々のリスクを足し上げても全体のリスクにはならないんじゃないのかという議論は、僕は非常に合理的で正当性があると思うんですよ。

 つまり、Aという会社にお金を貸している、Bという会社にも貸している。ところが、Aという会社は例えば夏暑くなったら商売が苦しくなる、だけれどもBという会社は夏暑くなったらもうかる。逆に、Aは夏寒かったらもうかるけれども、Bはもうからない。こういう逆相関の関係、つまり経営環境が逆相関の関係にあるような資産は、これは幾ら持っても、まあリスクの絶対値の大きさが同じであれば、逆相関の資産を持つことというのは実はポートフォリオ上望ましいことだと言われていて、そういう資産というのは幾ら持っても全体のリスクはふえないわけですよ。つまり、そういう個々の資産のリスクの相関あるいは逆相関というものをしっかりと見ていかないと、リスクそのもの、資産全体のリスクというのは計算できないというふうに、今の最先端の金融の世界では思われているわけですね。

 しかし、BIS規制というのはそういう視点がぽっかり抜け落ちていて、単に個々の資産のリスクを個別に査定して、それを足し上げたら全体のリスクになるだろうと考えているわけですよ。これは僕は非常に乱暴な議論だと思う。なぜ、こういう乱暴な考え方に立ってつくられている規制に日本は喜々として従っているのか。

 このリスクの相関、逆相関に関する考え方、金融庁はどういうふうに思っているのか説明してください。

七条副大臣 今のBIS規制の問題についてでございますけれども、BIS規制そのもののいろいろの規制の中で、今先生が言われるようなものも金融庁がやらなければならないこともあります。しかしながら、規制というものの中で、それを認識しながら取り組むべきことを取り組んでいきたい。

 特に、先ほど言いました貸し出しの減少だとかあるいは金融機関の問題だけでなくして、資金の需要の問題とかいうようなことを今やってきたわけでありますけれども、このBIS規制の問題も同じようにこれからも取り組んでいかなきゃならないと考えております。

永田委員 全然わかっていない。正直言って、後ろの秘書さんと酒でも飲みながら話し合った方がずっと実りある議論になるんじゃないかと思っているんです。

 そうじゃないんですよ。個々の資産のリスクには相関、逆相関があるでしょうという話をしているんですよ。そういう議論を無視して一律に八%という規制をしても、意味は乏しいんじゃないですかと言っているんですよ。だからそうじゃなくて、本当に実りある規制というか、銀行の経営に対して意味のある抑止力というか、そういうものを発生させようと思ったら、やはり徹底的に情報を開示して、この銀行はこういうところに貸し込んでいる、それは例えば天気がよくなったらどういうリスクが発生するようなそういう資産である、あるいは天気が悪くなったらどうなる、そういうことを徹底的に開示してあとはマーケットに任せるというやり方しか、僕は究極的にはできないんじゃないかと思っているんですよ。なぜ、これはマーケットを離れて一律の数字で規制をしようとしているのかということに対しては十分な説明が必要だと思いますよ。

 話が終わったら、副大臣、聞いていただきたいんですけれども、いいですか。

 加えて、先ほど申したとおり、不良債権比率の水準それから自己資本比率の水準それから収益性、この三つは相互に相関しているんですよ、逆相関ですけれどもね。ということは、一個だけを規制しても残りの二つがそれによって影響を受けて動いてしまうので、一個だけ規制をするというのは実は意味がないんですよ。なぜこれは一個だけ、つまり自己資本比率だけをこんなに乱暴なやり方で規制しているのか。取り組むべきことは取り組んでいかなきゃいけないなんという、そんな乱暴な答弁じゃなくて、もう少し金融庁の考え方をきちんと説明してください。

七条副大臣 先ほど来の問題でございますけれども、リスク管理というものは、一つはこれは銀行自身がやるべきことがあろうと思いますし、今回、リレーションシップバンキングのいろいろなことの中で考えておりますけれども、柱の中の一つに、開示の事実を通じて市場規律の実効性を高めていく、これを含めて実効性を高めていくことが私たちの課題だと思っております。

永田委員 実効性を高めるのは当然なんですけれども、八%規制という乱暴なやり方がどれほど正当性があるのかという議論をしているんですから、その答弁じゃだめだということは一つ指摘をしておきたいと思います。

 時間がないので、もう一つ次に移しますけれども、平成十五年の十二月に私がこの委員会で質問をして、当時の竹中大臣からお答えをいただいた繰り延べ税金資産の自己資本への算入基準、これを見直そうというお話でしたけれども、検討状況はいかがでしょうか。

七条副大臣 それにつきましては、算入の適正化に向けた具体的な規制の検討を行っているところでございます。

永田委員 その具体的な中身を話してくださいと言っているんですよ。僕があの質問をしたときに、竹中大臣は、半年以内に結論を得たいと言ったんですよ。平成十六年の五月には結論を得ていなきゃいけない話ですよ。それからもう半年以上たっているわけですから、ぜひその具体的な中身、どういう規制をするのか、それで、こういう規制は検討したけれどもだめだという結論に至ったとか、そういう話をしてください。

七条副大臣 具体的な中身ということでございますけれども、金融審議会の報告においては、繰り延べ税金資産の算入の適正化に当たっては、金融システムへの影響やマクロ経済政策との整合性を考慮し、適当な経過時期を設けて段階的に実施をすることが望ましいとされておるところでございます。また、算入の適正化の最終的な姿に関しましては、報告書においても、我が国よりも無税償却、適当な範囲が広いと考えられる国と比較した際に、我が国における繰り延べ税金資産の計上額が多くなることは必ずしも不思議ではないとされ、算入の適正化に当たってはその影響、税の相違も考慮をすることが望ましいとされているところでございます。さらに、算入の適正化の開始時期は可及的な速やかなとするのが望ましいものでございますけれども、不良債権比率の半減目標を達した以降とすることが望ましいとされているところでございまして、引き続き、金融庁といたしましては、報告書の趣旨を踏まえて、繰り延べ税金資産の算入の適正化について十分な検討を進めていきたいと考えているところでございます。

永田委員 全くだめだめな答弁なんですが、一体何の意味があるんでしょうか、今の答弁に。

 例えば、一個だけ突っ込んでおきますけれども、時間ももったいないのであれですけれども、不良債権比率が半減した、この目標が実行された後に繰り延べ税金資産に関する規制はしていきたいというふうにおっしゃいましたよね。なぜそういう判断に至るんでしょうか。なぜ不良債権比率を半減させた後でなければこの繰り延べ税金資産に関する規制の改革はできないんでしょうか。

七条副大臣 本年の三月決算期の状況を見きわめていくということも含めて、不良債権比率が半減することが一つの目安の中で考えていきたいと考えているところでございます。

永田委員 違うでしょう。繰り延べ税金資産は実体のない見せ金でありますから、つまり、繰り延べ税金資産を使って預金を払い戻したり、繰り延べ税金資産を使って不良債権を処理したりすることはできない。実体のない資産だから、不良債権処理がある程度めどが立つまで規制の変更ができないというわけでしょう。そっちの方が本音でしょう。

 そうじゃなかったら、不良債権処理を半減するという目標が実行される前に規制をしたって、何ら問題はないはずですよ。なぜそういう時期を選んだのかということを突き詰めると、そういうことに行き当たるんですよ。であるならば、実体のない見せ金というこの繰り延べ税金資産を、これに関する規制を改革するのは、むしろ銀行が危険な時期にやるべきなんですよ、本当は。そうじゃなかったら、いつ倒れるかわからない、預金の払い戻しがきちんと受けられるかどうかわからないような状況で、銀行は危ない橋を渡りながら経営していくことを強いられてしまうわけですよ。それはやはり考え方が僕は違うと思いますね。

 どうぞ、お答えください。

七条副大臣 繰り返し答弁になるわけでございますけれども、適当な経過時期を設けて段階的に実施することが望ましい、報告書もそういうことになっておるところでございます。

永田委員 せっかくお越しいただいている方々に質問しないのも失礼なので、別の問題に移しますけれども、しかし、この問題は本当に延々と長い間時間をとってやりたいので、ぜひ理事の皆様、審議時間を十分にとって、もう二十時間でも三十時間でも一人でやり続けますから、ぜひ時間をとっていただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。

 会計検査院の方、お越しいただいていると思いますが、先日、財政制度審議会が二月九日に開かれて、そこで特別会計についてかなり踏み込んだ議論が行われて、それを受けて十七年度予算はかなり削られたと。私の計算だと、十六年度予算に比べて十七年度予算は二千億円ぐらい削られたと思っているんですが、財政制度審議会が数カ月議論をしただけで二千億円もの予算を削ることが可能であるということを考えると、会計検査院は一体今まで何をやってきたんじゃいという思いがあるんですけれども、会計検査院、なぜこのようなことが起こるのか。つまり、自分たちが仕事をしたわけじゃない、一切協力をした形跡も見られない、しかし二千億円も特別会計の予算が削られている、この事態を会計検査院はどういうふうに受けとめているのか、ぜひ、今後の意欲も含めて答弁してください。

諸澤会計検査院当局者 お答え申し上げます。

 先生御指摘の特別会計の整理合理化につきまして、財政制度等審議会で報告があり、そしてこれを十七年度予算案に反映したとするものがあるということにつきましては、私ども承知しているところでございます。

 私ども会計検査院といたしましては、特別会計につきましては従来から、大変重要な検査テーマである、そういう認識のもとで、関心を持って検査を行い、またいろいろな問題に取り組んできたつもりでございます。

 具体的な事例を一つ一つ御紹介する時間もございませんけれども、例えば、個々の特別会計についていろいろな分析事例もございますし、また、全体の特別会計の決算状況も検査報告に報告をさせていただいているところでございます。このような取り組みを今後ともさまざまな角度から取り組んでまいりたいと思います。

 また、私どもがこのような形で従来から取り組んでおりました特別会計のことは、私ども、その検査の結果はフォローアップをし、また当局がどのような措置をとっているかということも見ておりますし、財政当局との意見交換会やいろいろな機会で、お互いに今後の取り組み状況なども話をしたりしております。これが今後とも十分に生かされるように、検査の中でも、引き続きいろいろな角度からの取り組みを行ってまいりたいと考えているところでございます。

永田委員 本当に、時間があったら絶対許さない答弁なんですが。

 財務大臣、特別会計、非常に問題の大きい、まあまず額が大きい、それから、財源が固定化されているためにどうしても支出が浪費的というか、非常にずさんな支出をしているんじゃないかという疑いがあります。そういう意味で、手始めに公会計がつくられたというふうに聞いています。要は、特別会計の分析をしっかり進めようということで公会計をおつくりになっているというわけですが、この意義と今後の進捗状況、それから、せっかくつくられた特別会計の財務諸表等の今後の活用というか、分析をする上でどういう切り口でやっていこうとしているのか、その意思を説明してください。

田野瀬副大臣 まず私の方から、公会計の整備状況及びその目的につきまして御説明申し上げたいと思うんです。

 財務省といたしましては、国の財政状況を国民にわかりやすく説明するとともに、予算執行の効率化、適正化に資する財務情報を提供するために、公会計の整備に努めてまいったところでございます。これまで、企業会計における貸借対照表の手法を活用して、一般会計及び特別会計をあわせた国の貸借対照表を平成十年度決算分から作成、公表してきたところでございます。

 企業会計における考え方及び手法を活用し、フロー及びストックの財務情報をよりわかりやすく提供するため、まず、新たな特別会計の財務書類を平成十一年度決算分から作成、公表してきたところでございます。また、一般会計と特別会計とを通じた各省庁の財務状況を明らかにするため、昨年六月、財政制度等審議会において省庁別財務書類の作成基準が取りまとめられまして、昨年十月、平成十四年度決算分の省庁別財務書類を作成、公表したところでございます。平成十五年度決算分からは、各省庁と特殊法人等を連結した省庁別連結財務書類もあわせて作成、公表することとしております。また、国全体の財務状況を明らかにするため、各省庁が作成した省庁別財務書類を集約した国の財務書類を作成、公表することといたしております。

 財政構造改革の取り組みに対して国民の御理解を得るに当たっては、財政の現状をわかりやすく説明することが重要であり、その一環として、引き続き公会計の充実を図ってまいりたい、このように考えております。

永田委員 これで質問を終わりますが、長尾証券取引等監視委員会事務局長におかれましては、済みません、質問が当てられませんでしたけれども、次回必ずお願いしたいと思いますので、きょうは勘弁してください。

 それから、一年ぶりの財務金融委員会の質問、病み上がりみたいなもので、本当は一時間半時間をいただけるというはずだったんですが、一時間半どころか二時間でも三時間でもいただけるように、あの場では理事にお願いをするべきだったと後悔をしております。ぜひ理事の皆様、徹底的に時間をとって、そして実りある審議をできるように、我々に時間を、その土俵を与えていただきたいと思いますので、ぜひよろしくお願い申し上げます。

 きょうはありがとうございました。

金田委員長 次に、平岡秀夫君。

平岡委員 民主党の平岡秀夫でございます。

 この国会冒頭、政治と金の問題ということで、予算委員会でもかなり激しくやりとりがあったところでございます。まだこの問題については証人喚問の問題も残されておりますので決して終わったわけではございませんけれども、私は、この政治と金の問題について、ちょっと切り口を変えてお尋ねしてみたいというふうに思っております。

 というのも、今回、税制改正、そして最終的には税金で賄われなければならない特例公債を発行することを授権する法律を現在審議しているわけでありますけれども、多くの国民の皆さんが、本当に税金というのは公平に、公正に取られているのか、あるいは払った税金がしっかりと本来あるべきところに使われているのか、こうした点についていろいろ疑問に思っておられるんだろうと思います。そうした点がしっかりと対応されていなければ、幾らいい制度をつくってみても絵にかいたもちになってしまうというようなことだろうと思います。そういう意味で、政治と金の問題について、少し切り口を変えて聞いてみたいと思います。

 同僚議員の原口さんが予算委員会でいろいろとこの政治と金の問題についても厳しく指摘をしているところでございますけれども、予算委員会で総理に対して、平成十三年の七月に政策活動費として合計一億円が総理に渡されているというようなことで問題点を指摘しております。その論議を踏まえて私として質問してみたいのは、政策活動費としてつかみ金的に総理に支払われ、そしてそれしか収支報告書に記載されていないというこのお金については、どういうふうに使われたかによってはいろいろな問題が生じてくるのではないのかなというふうにも思うわけです。場合によっては、個人の収入であり、そして個人的な消費がされているのであるならば、かつて問題となったような政治家の問題と同様の問題もあるのではないかというふうに思うわけです。

 そこで、まず最初に、これは政治家に聞くというよりは、むしろ税の執行について所管している国税庁の方から、こうしたつかみ金的に収支報告されている資金に対する実態把握というのは一体どのようになっているのか。この実態把握という言葉をあえて使ったのは、いろいろな権限に基づく査察あるいは調査、そうしたものもあろうかと思いますけれども、そういったものも含めて、すべてを含めて、実態把握というのはちゃんと行われているのかどうか。この点について、まず国税庁からお伺いいたしたいというふうに思います。

竹田政府参考人 お答え申し上げます。

 一般論として申し上げますと、私ども国税当局といたしましては、あらゆる機会を通じまして、課税上有効な資料、情報の収集に努めておりまして、こうした資料等、納税者の方から提出いただきました申告書等を総合検討して、課税上問題があると認められるような場合には税務調査を行うなどいたしまして、適正な課税の実現に努めているところでございます。

平岡委員 当然のことを答弁していただいたということではありますけれども、この問題について個別に立ち入っていくということは、これまでの委員会審議の慣行といいますかあり方として、なかなか答えていただけないということはわかっているわけでありますけれども、一つこれに関して聞いてみたいんですけれども、先ほど私が申し上げました、政策活動費としてつかみ金的に収支報告されている資金でありますけれども、これらの資金については、法令上何らかの、例えば税法でもいいですし、商法でもいいですし、政治資金規正法でもいいですし、何でもいいんですけれども、法令上記載、保存あるいは提出などの義務が課されているような書類というものは何かあるんでしょうか。

竹田政府参考人 先生御承知のように、政治家の個人の方が提供を受けた政治資金につきましては、所得税の課税上雑所得の収入金額として取り扱うこととされているわけでございます。雑所得につきましては、所得税法上の記帳あるいは記録保存制度の対象となっておりませんので、政治資金に係る雑所得につきましても、帳簿の記帳や帳簿書類の保存義務は課されていないということになります。

 その他の税法以外の法令の話についてはちょっと今お答えしかねますが、その他、例えば税法上でございますと、例えば秘書の方の給与等に関して、一定の場合でございますけれども、源泉徴収票の提出の義務が課されているといったようなこともございます。あるいはまた、これは非常に例外的でございますが、事務所の借り上げの賃料につきまして、これは基本的には法人ということでございます、政党の場合にしか余り当たらないと思いますけれども、それにつきましての支払い調書等の提出等がございます。

平岡委員 今私が申し上げているといいますかお伺いしているのは、政策活動費としてつかみ金的に収支報告されている資金が、どのように使われているかということが何らかわかるような法令上の書類があるのか、そういう質問でありましたので、基本的には、今の答弁ではほとんどないというようなことだろうというふうに思います。

 そういう意味でいきますと、私は、このままほうっておいたのじゃいけないんじゃないかな、こういうふうに思うんですよね。私も政治家の一人ですけれども、しがない政治家でございますので、お金の透明性をより高めていくということについては何の抵抗もない、そういう立場に立っておりますけれども、むしろ税務当局にとってみても、あるいは公平な税制をつくっていかなければいけないという立場に立っている税制当局にとってみても、政治資金がこのような状況のもとに置かれているということについては、やはり問題意識を持ってもらわなきゃいけないというふうに私は思っているんですよね。

 ここは税法の中で書くというよりは、むしろ政治資金規正法の中でしっかりとした枠組みをつくっていく、制度をつくっていくということが本当は必要であろうというふうに思うんですけれども、そうしたことをしていく努力を、これは税務当局もあるいは税制当局もしていかなければいけない。この点についてどのようにお考えになっているかということをまず税務当局からお聞かせいただきたいというふうに思います。

竹田政府参考人 政治資金規正法におきます収支報告のあり方等につきまして、私ども国税当局としては所管外ということでございます。お答えできる立場にはないことを御理解いただきたいと思います。

平岡委員 執行当局としては、制度の問題について口を出すとまたいろいろと縦割り省庁の世界の中で意地悪をされるというようなこともあるのかもしれませんけれども、問題提起は、国税当局として、徴収する当局として、こういうことではちゃんとした課税ができませんよと。先ほどお聞きしたら、適正にやっていますよと言うけれども、じゃ、何やっているのという話になると、ちゃんとした書類は何もない状態の中で、新聞報道とか週刊誌報道なんかをちょろちょろっと見てファイルしているぐらいで実態把握に努めていますと言うんじゃ、国民はだれも信頼してくれませんよ。いろいろ問題があるなら問題があるで、それを制度としてちゃんと把握できるような仕組みにしていくということを国税当局としてもやっていくということを私は切に要請したいというふうに思います。

 ところで、税制当局としての財務省、そして政治家としての財務大臣に、今私が問題提起した部分についてどのようにお考えになっているか、ここで答弁していただきたいというふうに思います。

谷垣国務大臣 今平岡委員がおっしゃった問題は、二つの側面があると思うんですね。一つは課税の公平性、政治家だけ特別扱いにされているのではないかとかいうような意味での課税の公平性が担保できているかという問題と、それから、そもそも政治活動という公的な活動に使われるべき資金の流れは透明であるべきではないかという二つの側面があって、若干違った側面があるように思うんです。

 課税の公平性という観点から見ますと、これも、私、議事録を調べてみますと、時の大平総理と市川房枝参議院議員が議論されていたり、青島幸男参議院議員と竹下大蔵大臣が議論されていたり、この問題は何度も議論されておりますけれども、要は課税の公平性という観点の中ですと雑所得ということで、政治家であろうと政治家以外の方であろうと、同一ルールでやろうという考えで今まで来たんだろうと思います。

 そこで、政治家だけ特別なルールをつくるかどうかという議論、多分平岡委員はそういうふうに言っておられるわけではないと思いますけれども、そこはなかなかそうはいきにくい。そこで、結局政治資金規正法上の透明性の、もちろん税法上の問題では、先ほど国税当局も答弁しておりますように、どういうふうにして課税関係の資料をきちっと集めるかという問題があるわけですけれども、主として、政治資金の流れは透明であるべきではないかという、私は、どちらかというと、これは政治資金規正法上の問題ではないかなというふうに、委員もちょっとさっきそう言われましたけれども、思っております。

 そこで、今の政治資金規正法は、これは財務大臣として御答弁申し上げているわけじゃありませんけれども、政治資金規正法上の問題が適切なものになっているのかどうかというのは議論のあるところだと思います。私自身の考え方を申し上げますと、私はことし、国会へ出て二十二年になりますが、二十二年前から比べますと、政治資金の透明性を図るという観点では随分進歩してきたというふうに思います。二十二年前はもうちょっとどんぶり勘定であり、なかなか懐の中はうかがい知れない世界というところも多分にあったように見えますけれども、随分その点では、まだまだ不備なところはあるのかもしれませんが、進歩してきたと思います。

 この上どれだけやるかというのは国会の中で十分議論していただかなきゃなりませんけれども、その際は、政治資金の流れの透明性の問題と、もう一つは自由な政治活動というものをどう担保するか。これは、うまく調和するかもしれませんし、場合によっては相矛盾する面もあるのかもしれません。その辺のところはまだまだ議論をしなきゃならないことがあるのかなと思っております。

平岡委員 これまでも何度か議論されてきたということのようでありますけれども、ぜひ谷垣大臣と私との間でも議論が行われて、そして、より透明性の高い政治と金の仕組みというものができた、あるいは課税の適正さについてより適正さが高まってきた、こういうふうに社会から、国民から評価されるようにしていきたいというふうに思います。

 確かに谷垣大臣が言われましたように、課税の公平性と政治資金の透明性、この二面があるというふうに言われましたけれども、まさにある意味では表裏一体の関係でもあるんだろうというふうに私は思うんですよね。課税の公平性が担保されないような状況のもとで、例えば、私はよくわかりませんけれども、小泉首相が、総理になっていただいた政策活動費一億円というものが、もしかして小泉首相の個人的なものに使われていたというふうなことがあるとするならば、そこにやはり課税関係をしっかりと行わなければいけない。国民の皆さんがその一億円をどういうふうに使ったんだろうかというようなことでは、課税の適正さが保たれているというふうには言えないんだろうというふうに私は思うわけです。そういう意味で、この問題はしっかりと議論をさせていただきたいというふうに思っております。

 ついでに、今私が問題提起させていただいたのは政策活動費としてのつかみ金的に収支報告されているお金のことを言いましたけれども、もう一つ、これは特に自民党の派閥の政治団体において言われている話でありますけれども、所属議員に対して毎年氷代とかもち代とかという形で配付されている政治活動費というものについて、これを収支報告書に記載しなかったために、ある政治団体は収支報告書の中で実態のない巨額の繰越金を計上しているというような問題も発覚をしております。こういう状況について言うと、課税関係は、この政治団体と関係議員に対してはどういうふうになるのか。まず国税当局の方からお伺いいたしたいと思います。

    〔委員長退席、遠藤(利)委員長代理着席〕

竹田政府参考人 お答え申し上げます。

 あくまでもこれは一般論でございますが、一般論として申し上げますと、政治団体は、法人税法上、公益法人等または人格のない社団等に通常該当すると思われますけれども、その場合、税法所定の三十三の収益事業を営む場合に限って、その収益事業から生ずる所得につき法人税が課されることとされております。したがいまして、政治団体が収益事業を営んでいない場合、この場合には法人税の課税関係は生じないということになろうかと思います。それから、収益事業を営んでいる場合でありましても、その収益事業に係る支出以外の支出につきましては法人税の課税関係には影響を及ぼさないということになります。

 今先生御指摘の氷代とかもち代といったものの支出は、通例であれば収益事業に係る支出以外の支出であろうかと考えられますので、法人税の課税関係には影響を及ぼさないということになろうかと思います。

 それから、政治家の方個人に対する課税関係でございますけれども、これは、先ほど申し上げましたように、政治家個人の方が提供を受けられた政治資金につきましては、政治資金収支報告書への記載の有無にかかわらず雑所得の収入金額として取り扱うこととされております。そして、雑所得の金額は、一年間の総収入金額から必要経費の総額を差し引いて計算するということになっておりますので、この総収入金額から政治活動のための支出を含む必要経費の総額を差し引いた残額が課税の対象となる。したがいまして、残額がない場合には課税関係は生じない。

 以上でございます。

平岡委員 今ちょっと仕組みを説明していただきましたけれども、雑所得ということであっても、経費というのはその雑所得を得るために必要となったものでなければならないということで、いただいたものを使っちゃったらそれで経費になったということではないということだと思いますけれども、こうしたもち代とかあるいは氷代といったようなものがどのように使われているかもよくわからないというような状況が、今、政治と金の問題でいろいろと指摘されている状況であります。国税当局は、この辺についても国民の皆さんが疑惑を持つことのないような実態把握、場合によっては調査をしっかりとしていただきたいということを要請しておきたいというふうに思います。

 次に、話を移しまして、税法の具体的な検討に入る前に、税制の問題に入っていきたいというふうに思っております。

 きょうの午前中の審議の中で、消費税法の改正があって課税事業者が拡大される、あるいは、簡易課税制度の適用が縮小されるといったような形になるということで、これがこれから、個人でいえば平成十七年が課税期間ということになって動き始めるわけですね。この問題自体についても、当委員会でもかなりこの税制改正がいいのかどうかということについては議論されたわけでありますけれども、制度ができた以上はその円滑な執行ということが非常に必要であるというふうに思います。午前中の吉田委員の質問の中にもそうした点がありましたけれども、私は、この点の中でちょっと問題を絞っていろいろ質問してみたいというふうに思っています。

 中身は、今度消費税の免税事業者が売り上げ基準でいくと年間三千万円が一千万円に下がるということで、免税事業者の範囲が狭まるということになるわけです。逆に言うと、課税事業者の範囲が広がるということであるわけですけれども、課税事業者の範囲が広がったときに、簡易課税制度を自分として選択するかどうかというものが特に零細事業者の方々には迫られてくるわけでありまして、この簡易課税選択については届出書を出さなければいけない、こういうことになっているわけであります。

 本来の制度であれば、課税期間が始まる前に届け出をしなければいけない、つまり、平成十七年の暦年で考えてみますと、昨年末までに届け出をしておかなければいけないということになるわけでありますけれども、制度移行に当たって特例措置が設けられているので、ことしじゅうにその届け出をすればいいというふうに経過措置でなっているというふうに私としては承知しておりますけれども、本来の届け出期限である平成十六年末までに一体どれぐらいの選択届出書というのが出ているんでしょうか。予想されている、新たに課税される人たちとの関係でいくと、どのぐらいの割合の方が出しているというふうになっているんでしょうか。その点についてどういうふうに評価をしているかという点について、お答えいただきたいと思います。

竹田政府参考人 お答え申し上げます。

 消費税の事業者免税点が三千万円から一千万円に引き下げられたことに伴いまして、新たに課税事業者となられる個人事業者の方は、百二十八万件程度になるのではないかと見込んでおります。法人につきましては五十三万件程度新規の方がおられるかと思いますが、個人の方については百二十八万件ぐらいと見込んでおります。

 そして、平成十六年十二月末現在で、この中の約八割程度、法人も同様でございますが、約八割程度の事業者の方から課税事業者の届出書の提出がなされております。この課税事業者の届出書を提出された方のうち、今先生がお尋ねの簡易課税制度を選択している事業者、既に簡易課税の選択届出書を提出された方でございますけれども、個人事業者の方につきましては六割弱、法人につきましては約七割の方が簡易課税の選択届出書を提出しておられるということでございます。

平岡委員 今の割合というのは、通常の、今までの執行の状況からいうと、どういうふうに評価されるんでしょうか。適切にというか順調に届け出が出されているというふうに評価するんでしょうか、それとも、今までのペースからいうと、まだちょっと周知徹底が足りていないというふうに評価するんでしょうか。

竹田政府参考人 既存の課税事業者の方々全体で五割程度の方が簡易課税制度を選択されておりまして、うち、個人の事業者の方については約六割程度、法人の方は約四割程度の方が、これは既存の課税事業者の方が簡易課税制度を選択されておられるという状況がございます。

 今回、免税点が引き下がったということは、既存の課税事業者よりは小規模の方ということになりますので、したがいまして、既存の方よりは恐らく簡易課税を選択される割合が高いのではないかなというふうに私ども考えております。ただ、先ほど先生お話ございましたように、本年の十二月までという例外が個人事業者の方にはございますので、今現在六割弱と申しましたけれども、これからまたこの計数もふえてこようかと思っております。

 いずれにいたしましても、私どもは、この簡易課税制度を知らなかったという事業者の方が、意図せずして本則課税になってしまうといった事態が生じることのないよう、この課税事業者となると見込まれる方に制度の内容を十分説明したリーフレットの送付を行ったり、いろいろな説明会の機会におきまして、この簡易課税制度の仕組みあるいは届出書の提出時期についての周知徹底、広報を、今後とも鋭意広報等に努めてまいりたいと思っております。

平岡委員 先ほどの答弁の中でも、今回新たに課税事業者になる方々は、これまでの方々よりも零細な方々である、したがって、簡易課税の選択もふえるのではないかというようなお話でありましたけれども、まさに、これから適用になられる方々というのは、税の仕組みについてもよくわからない、自分がどのような取り扱いになるかもよくわからないというような方々が多いわけであります。そういう意味で、今回も、経過措置の中でことし末までに届け出をすればいいという仕組みにはなっているようでありますけれども、ただ、先ほど午前中の議論にもありましたように、事業をしている人たちは、ことしの末までと言われたって、ことしの末がどういう意味があるのかというのはほとんどわからないわけですね。いざ申告をするという段階になって初めて、どういう仕組みになっていて、何をしなければいけなかったのかということに気がつくというようなことが多いわけであります。

 特に、この問題について取り扱いをしておられる税理士の方々の話によりますと、そういう状況であるからこそ、ことし末でなくて消費税の申告期限までにこうした届出書を出すようにしていただくことが円滑な申告とか届け出になるということで、新しい制度へ移行するときに限ってでもその辺の配慮をしてほしいという要請が非常にたくさん来ているわけですけれども、この点について、大臣どうでしょうか。ことしの末までというんじゃなくて、この申告期限である来年の三月末というような形で、この届け出の特例を設けることはできないんでしょうか。どうでしょう。

谷垣国務大臣 これは午前中も随分議論させていただいたわけでありますけれども、制度の目的が、事業者の煩瑣な手続をできるだけ省こうという趣旨ででき上がっておりますので、事後的にするとどうしても、過去、この制度には益税ではないかという批判がついてまいりましたけれども、それが回避できないということで、やはり事前に手続の簡便性を選ぶという選択をしていただきたいと思っております。

 ただ、今平岡委員がおっしゃいましたように、また午前中も御答弁申し上げましたように、零細な事業者の方々にこの趣旨をよく知っていただくというのはなかなか容易なことではございません。今年度、これをできるだけスムーズに理解をしていただいてやっていくというのは国税庁に課せられた最も大きな仕事の一つではないかと思いますが、そこはできる限り万全を期してやらせていただきたいと思っております。

    〔遠藤(利)委員長代理退席、委員長着席〕

平岡委員 ここで今結論が出ると思っているわけじゃないんですけれども、これからの執行状況といいますか届け出の状況を見ながら、やはり混乱のないように、零細企業者の方々に対して混乱を起こさせることのないように、しっかりと大臣の方からもウオッチをしておいていただきたいというふうに思います。

 それから次に、税制の問題について、ことしの税制改正の中でも議論をされておったわけでありますけれども、いわゆる環境税ですね、炭素税と呼んだり、あるいは地球温暖化対策税というふうに呼んだりいろいろあるわけでありますけれども、昨年の予算要求の中でも、環境省からも環境税の導入をしたいということで、環境省が出した提案についてはさまざまな問題があったということだと私たちも思っているわけでありますけれども、ただ、環境税の必要性というのは、国民の多くの皆さんに環境問題をしっかりと理解してもらう、あるいはいろいろな価格インセンティブを通じてそれなりの効果を上げていくという意味においても、私は十分に検討に値するものであろうというふうに思っているんですけれども、来年度の税制改正に向けてはそれが実現されなかった、こういう状況にあるわけであります。

 この点について、財務大臣としては環境税についてどのようにお考えになっているのか、そして、環境省が昨年から提案してきた内容については、どういうところにどういう問題があったために自分たちとしては採用に踏み切れなかったのか、この点についての財務大臣としての見解を教えていただきたいというふうに思います。

谷垣国務大臣 京都議定書も発効いたしましたし、環境対策あるいは環境政策としてなすべきことも非常に負荷がかかっている状況ではないかと思うんですね。

 環境税については、大変影響するところが大きい税制でございますので、いろいろ議論を深める必要があるんですが、私これから議論していくときに一番大事なことは、環境政策全体の中で、ほかにも今まで環境政策をいろいろやってまいりましたから、そういう環境政策全体の中でどうこの環境税というものを位置づけるのか、位置づけられるのか、そして、いろいろな類似の、類似というか今まで同じような目的でやってきた制度をどう整理し調和させるのかというようなことをよく考えていかなければいけないのではないかなと思っております。今後、京都議定書目標達成計画というのが策定されるわけでございますので、その策定作業における温暖化対策全体のあり方の検討状況を踏まえて考えていくということが私どもの基本的なスタンスでございます。

 そこで、平岡委員からは、環境省からも環境税についての環境省案というものが出ているけれどもそれをどう評価するかということがございました。これについては、今申し上げましたように、温暖化対策全体の中での環境税の果たすべき役割というのは一体何か、化石燃料などの価格を引き上げることによって消費を削っていくのか、削減していくのか、あるいは温暖化対策に充てる財源確保のためなのかといったような問題、それから、先ほどこれも触れたところでありますが、既存の温暖化対策予算との関係といったあたりをさらに詰めていく点があるのではないか、こういうふうに考えております。

平岡委員 今の答弁は、確かにおっしゃられる問題点といいますか課題というのは、あるのはわかってはいるわけでありますけれども、財務大臣として環境税についてはどういう方向性を持って検討していこうとされておられるのか。つまり、全体の環境対策の中で検討してきた、それは当たり前の話なんですけれどもね、当たり前の話の中であるけれども、財務大臣としてのそういう方向性みたいなものというのが何かないんですか。これから環境省がまたいろいろ案をつくってきても、そんなものは関係ない、私のところじゃなくて全体の中で議論してくださいということで終わってしまうような話なんですか、どうでしょうか。

谷垣国務大臣 関係ない、全体の中で議論しろと言うつもりはございません。まだ詳細に我々の見解を申し上げる段階ではないと思いますが、先ほどちょっと申しましたように、関係するいろいろな制度あるいは税制等との関係をどう整理し、あるいは調和させていくのかというような点は、私どもの観点から見て大きな問題点だろうと思っております。

平岡委員 ということは、環境税については前向きに考えていくけれども、既存のいろいろな仕組みとか制度とかがあるので、それとどう調和させるか、調整するかというところが課題であるというのが大臣としての認識だという理解でいいでしょうか。

谷垣国務大臣 決して後ろ向きに考えているわけではありません。ただ、冒頭申しましたけれども、関係するところが非常に大きいわけですので、関係する各方面のいろいろな調整というのもやはりあるのではないかと思っております。決して後ろ向きでいるわけではありません。

平岡委員 民主党の予算案というのを見られたかもしれませんけれども、私たちは、環境税については基本的には導入していこう、ただ、いろいろな調整を要することとかあるいは産業に与える影響とかいろいろあるから、そこはそこなりに我々としてもしっかりと整理していこう、こういう立場でつくっております。

 ぜひ財務大臣におかれても、各関係方面の方々の意見を聞くことは大切だろうと思いますけれども、この必要性についてもしっかりと認識していただいて、今後の作業を進めていっていただきたいというふうに思います。

 次に、酒税の問題についてちょっと入っていきたいというふうに思います。

 酒税についても、来年度の税制改正の中では余り大きな変動がなかったというふうに思っていますけれども、これまではかなりいろいろな議論がありました。例えばビールと発泡酒の税率がどうであるべきなのかとか、あるいは清酒と果実酒、ワインのような醸造酒間でもいろいろな税率の格差があることについてどう考えるか、あるいは清酒と合成清酒についてどのように考えるべきなのか、こういうさまざまな税制の格差の問題もあったというふうに思います。

 それから、国際間比較を見てみても、日本の酒税の仕組みというのはかなり、ある意味では外国と比べて特異な状態になっているというふうに思うわけですね。例えばビールの税率が極めて高いといったようなこととか、日本の国酒と呼ばれている清酒の消費がほかの国の代表的なお酒に比べてみると極めて低いとか、いろいろな状況をもたらしているということもあるわけであります。

 この点について財務大臣としては、酒税のこれからのあり方、これから検討されていくということになっているようでありますけれども、基本的にどのようにお考えになっているか、まずお聞かせ願いたいというふうに思います。

谷垣国務大臣 酒税のあり方というものが、どういうお酒が生産されて、流通して、消費していくかというのにびっくりするほど大きな影響を持っているなと私は思っております。そういうことでありますから、やはり酒税を考えるときでも、できるだけ税の中立性とか公平性というようなものを念頭に置く必要があるのかなと思っておりますが。

 その上で、政府、与党の税調等の指摘もありますが、酒類間の税負担格差というものがかなり、今特異な税制だとおっしゃったのにはそういうこともあると思うんですが、酒類間の税負担格差が随分ある。それはもう少し縮小していく方向で考えるべきではないか。それから、相当細かに酒類も分かれておりますけれども、ある程度これを簡素化していきませんと、余り細かく分けていると、どっちに行くかでえらい差が出てきたりというようなことがございますので、基本的に酒類の分類というのは簡素化をしていく必要があるのではないか、そういう政府と与党税調の御指摘を踏まえて検討していきたいと思っております。

平岡委員 検討するということは、それはそれでいいんですけれども、とかくお酒について言うと、財政状況というものを踏まえて比較的上げやすいというか、国民の支持が得られやすいということで上げる方向で調整が行われてくるということで、与党の検討の状況の中でも、財政事情を考慮しといったような附帯条件をつけるような形で調整するのであれば、既に高い方に合わせていくんだというようなことがにじみ出ているような感じもするわけでありますけれども、先ほど言いましたように、かなり酒類によっては国際的に見ても高い税率になってきているものもあるというような状況でありますから、財政事情を考慮してやるといったような考え方についてはどういうふうにお考えになっていますでしょうか。

谷垣国務大臣 私ども、財政も厳しい状況でございますから、全く財政状況というのを無視してやるわけにはなかなかいかないと思いますけれども、しかし、今おっしゃいましたように、消費の動向であるとかその生産を担っている産業のあり方、実情、こういうものをよく見て方向を決めていくということが大事ではないかと思っております。

平岡委員 先ほど申し上げましたように、日本の清酒というのは国酒と言われているけれども、国内における消費が極めて少ないといったような状況が生じている背景には、多分、税金だけじゃなくて、原料の問題とか、あるいは生産者の問題であるとか、いろいろな問題があるんだろうというふうにも思います。そういう意味で、多分お酒税だけで物事を考えていくということではないんだろうと思いますけれども、この酒税がいろいろなお酒に対して与えている影響、つまり、いろいろな税金の格差であるとか、あるいは国際的なお酒税との違い、こういったものがかなりあるということをやはりしっかりと認識していただいて、これからの酒税のあり方についても検討していっていただきたいというふうに要請しておきたいと思います。

 それから次に、今回提出されている法案の中の特例公債法案についてお聞かせいただきたいというふうに思います。

 まず最初に、特例公債の発行に関してでありますけれども、来年度予算について言うと、総理も、あるいは財務大臣も、今年度、平成十六年度に比べると二兆二千億円も減額ができたというふうに胸を張っておられるところもあるわけでありますけれども、その中身を見てみますと、実は建設国債が大幅に減少しているという状況であって、特例公債について言うと、補正後の姿で見ると、平成十六年度で二十七・九兆円、そして平成十七年度は二十八・二兆円という発行額で、むしろ特例公債がふえてきている。

 そういう状況の中で、あえて二兆二千億円減額になっているんだというふうに胸を張っておられるということは、皆さんの中でも建設国債と特例国債との区別というものを余り意識されなくなってきたんじゃないかな、こんなふうにも受けとめているわけでありますけれども、こういう特例国債がかなり大きな規模になってきたという状況を踏まえたときに、今、建設国債と特例国債を区別している意味というのが極めて薄くなってきているんじゃないか。これから後、議論するような問題を考えていくに当たって、あえてこの二つを分けて議論していくことがかえって根本的な財政の改革をしていくときに足かせになってしまうんじゃないか、こんな気がするわけであります。そういう意味で、特例国債と建設国債の区別をしていることの現代的意義については、今、どういうふうに考えておられますでしょうか。

田野瀬副大臣 この件につきまして、私の方から当方の考え方を御説明申し上げたいと思うんですが。

 先生御承知のように、財政法によりまして国の歳出は原則として租税等をもって賄うべしという非募債主義の考え方を原則としつつも、公共事業費、出資金及び貸付金の財源について例外的に公債の発行を認めておるところでございます。これは、公共事業費等の経費が消費的支出ではなく、国の資産を形成するものであって、その資産からの受益も長期にわたることから、国会の議決等の一定の要件のもとに公債発行によることを例外的に認めているものでございます。

 現在は、税収等と歳出とのギャップが極めて大きいため、建設公債と特例公債をあわせて収支を埋める状況となっており、その結果として財政法の原則が忘れられがちになっているとの指摘も、先ほど御指摘いただいたこともございますが、財政法の規定する原則は公債発行の抑制の観点から現在も妥当とするものであり、建設公債と特例公債とを区別することは現在も適切であると私どもは考えておるところでございます。

平岡委員 そのもの自体の考え方は私も否定するものではないんですけれども、例えば、せんだって、昨年の十月に、私、奄美群島へ行ってまいりましたら、奄美群島の方々が、自分たちの町づくりのためにぜひ補助金を一括交付金的に渡してほしいと。ただ、公共事業補助金については、そういう形で一括交付金化する、あるいは税源移譲するということについては、もともと公共事業というのは建設国債で賄われているのでそれは認めてもらえなかったというようなことを言っておられたんですよね。

 まさに税源移譲の問題なんかを考えていったときに、建設国債を発行することを前提にして物事を考えているという風潮が生まれてきている。つまり、建設国債であれば、これは財政法第四条のただし書きではあったとしても、当然にこれは出せる仕組みであるから、これを税源移譲することはできないんだと。こんな仕組みで日本の財政制度が考えられてきているというところに大きな問題があるんだろうと私は思うんです。

 民主党の予算案でいくと、私たちは、公共事業補助金については、現在、四・五兆円国から地方に行っているわけでありますけれども、これについてはやはり地方が自由に使える形で税源移譲していこう、そして、地方で本当に必要な公共事業はやってもらおう、公共事業はなくてほかのものに、例えば福祉であるとか文教であるとかそういうものに使いたいというのであれば、それにも使ってもらおうじゃないか、こういう提案をしているわけでありますけれども、こういう提案をすると、政府の方では、いや、それは税金によって賄われていなくて、建設国債によって賄われているんだから税源移譲なんかできませんよという説明をする方もおられるということで、今、財政制度全体を考えるに当たって、この建設国債と特例国債との区分というのが逆に改革の足かせになってきているというふうに私は思っているんです。この点について、財務大臣はどのようにお考えになるでしょうか。

谷垣国務大臣 私は、財政法の規定のように、ややそもそも論になりますけれども、建設国債の場合にはいわばインフラとなって長い間の受益ということにつながるから、それは借金をしても、後の世代に負担をしていただいても建設を進めていこうじゃないかと。しかし、それ以外の借金は、これは本来してはならないんだという精神は、今、平岡委員は、現実を見ると、財政法の原則はそうだけれども違っているんだろうとおっしゃいましたけれども、なかなか、もうこれだけ借金しているんですから後は何でも同じですわと言うわけにはいかないんだと私は思います。やはり、そこのところはやせ我慢であっても維持していく必要があるというふうに私は思っているわけです。そこで、今の税源移譲、三位一体との関係で、建設国債を財源としているようなものは、補助金をやめても結局地方にお渡しするものはない、こういう、今、平岡委員が批判されたような見解を私どもはとっているわけでございます。

 これも委員会でるる御答弁申しましたけれども、そもそも、今、公共事業全体がスリム化を要請されているという点もございます。それから、今、建設国債が財源であるということがございます。さらに言えば、先ほどから申し上げたように、将来の受益があるからといって、将来の受益者から払っていただこうということですね、そこはまだ現実に税源というものはない、それならばということになって、結局、多分委員もそう言われるんじゃないかと思いますが、現実に赤字国債で賄っている部分、二分の一ぐらいしか本来埋まっていないのに、それは地方に補助金のとき税源として渡すんだったら結局同じことじゃないかとおっしゃるわけですけれども、私どもは本来ここは借金で賄うべきものではない、財政法にはそれは例外だと書いてある、そこのところは、お渡しするのは、ここは余り言うとしかられるかもしれないですけれども、中身は二分の一しかないんだから二分の一と言いたいんですけれども、それじゃ地方が回らないだろうから、こちらの方はやはり税源をお譲りするということなのであります。

 だから、それと建設国債発行の場合と同じだというのでは、何か逆転した発想というふうに私は思っているわけであります。

平岡委員 まさに逆転しているのは政府なんですよね。なぜかというと、建設国債の対象経費、それはいいですよ、私も建設国債主義を守っていくということ自体はそれなりの考え方だと思うんですけれども、それを盾にして、建設国債なら国債で発行できるんだからこれは税金で賄わなくていい、したがって税源移譲はできないんだ、しないんだという発想がおかしいんですよね。

 まず、税源移譲すべき歳出とは一体何なのか、税源移譲の対象となる歳出とは一体何なのかと考えたときには、建設国債であるのか特例国債であるのかというのはある意味では二の次なんですよね。その二の次の議論を持ってきて、公共事業補助金については税源移譲できないんだということを言っているのは、これは本末転倒なんですよ。だから、私は、その点を指摘するために先ほど来からあえてこういう順番をたどって言ってきているわけであります。

 だから、大臣、補助金改革をするときに、公共事業補助金は建設国債の対象になっていて、税金で賄われていないんだから、それは税源移譲の対象にならないんだというような主張はもう二度としてほしくない、私はそう思っているんですけれども、これについてどういうふうに反論されますでしょうか。

谷垣国務大臣 先ほど申し上げたことの繰り返しになるわけですけれども、私は、先ほど申し上げたような理由から、委員にはおしかりを受けるかもしれませんが、税源移譲の対象にはならないというふうに思っております。地方も建設地方債の起債によって税源調達をしているということがございますけれども、それは地方は地方債でおやりになるという方法はもちろんあると思うんですけれども、税源移譲する対象には、先ほどのような理由からならないんではないかと考えております。

平岡委員 だから、議論が本末転倒になっているわけですよ。もともと、財政法第四条のただし書きにあるといっても、公共事業だって税金で賄うというのが基本だったわけですね。まさに昭和四十年代、四十年まではそういう形でやってきたわけですよ。

 だから、それが建設国債に頼るようになって、建設国債でやっているものについては税源移譲できないというような言い方になってきてしまっているわけですけれども、それは本来の問題ではなくて、本来の問題は公共事業の規模をどの程度にしていくのか、それを国と地方はどのように分けていくのか、そういう問題であるんであって、今国が地方に公共事業については補助金という形で渡している、その分について建設国債で賄われているんだから、それは税源移譲できないんだというのは、それは議論が逆転しているというふうに私は思います。

 この問題についてはそういう理屈を使って地方との間で交渉されている、あるいは地方の方々を説得しているという実情がいろいろなところで聞こえてきましたので、私はあえてこの点について指摘しておきたい。もし、また今度こういう問題が地方と国との間で議論が起こるようであるならば、私たちはしっかりとその点について政府と議論をしていきたいというふうに思っていますので、その点、よろしくお願いいたしたいというふうに思います。

 次に、特例公債法の中に含まれている年金事務費負担の特例について御質問をさせていただきたいと思います。

 この年金事務費負担の特例は、平成十年度からとりあえずは来年度まで特例という形で組まれてきているわけでありますけれども、そもそもこういう特例をつくった経緯といいますか、なぜこれをつくり、そして今までずっと継続されてきているのか、この点についての見解をお示しください。

田野瀬副大臣 これにつきましても私の方から御説明申し上げたいと思うんですが、年金事務費につきましては、非常に国の厳しい財政事情にかんがみまして、財政構造改革法に基づき、平成十年度から十五年度までの間、保険料を年金事務費に充てることが可能となる特例措置を講じ、国庫負担を縮減してまいりましたことは、委員御承知のとおりでございます。

 この特例措置は平成十六年度においても継続しているところでありますけれども、平成十七年度においても引き続き、国の財政状況が非常に厳しいことから、特例公債法に基づき特例措置を継続することといたしておるところでございまして、よろしく御理解を賜りたいと思います。

平岡委員 今の事情は、国の財政事情が苦しいということだけが唯一の理由という、そういうとんでもない議論になっているというふうに思うんでありますけれども、今まで一体幾らこの特例で一般会計の方は節約をしてきているというか、歳出の縮減をしてきているんでしょうか。

杉本政府参考人 財政構造改革法及び特例公債法に基づきまして、年金事務費の一部に保険料を充てることによりまして縮減されました国民年金及び厚生年金に対する国庫負担の額は、予算ベースで申し上げますと、平成十年度から平成十七年度までの間で、累計で七千三百四十六億円となっております。

平岡委員 七千四百億円弱の経費の節約が行われているということなのかもしれませんけれども、これはいつまで続けるつもりですか。

谷垣国務大臣 ことしは平成十七年度分をお願いしておりまして、また平成十八年度の予算をつくるときにどうするかということはきちんと考えて議論をしなきゃいけないと思っているんですが、今いつまでだというふうに平岡先生がおっしゃったのは、これは毎年毎年特例でお願いをするというような姿は、国の財政が悪いから毎年毎年特例でお願いするんだというのなら、長期的に一体どう考えていくんだということを多分お問いかけになっているんだろうと思うんですね。

 それで、今の法律は、私が申し上げるまでもなく、事務費は税から入れろ、一般会計から入れろという原則になっている。これは恐らく、国民皆年金という制度のもとで、国民皆保険という制度のもとで、結局この事務費は国民すべてのためだから一般会計で出すんだという論理で法律ができ上がっているんだろうと思うんです。

 それに対して、私どもが今は国の財政が厳しいからということでお願いしている背景には、民間の年金などはその年金の中で事務費も賄うとか、あるいは労働保険なんかも主としてそういう形になっていると思いますが、制度設計としてはそういうことも十分あり得るので、こういう形でお願いをするということになっているわけです。

 そもそもこの議論をどうしていくかということになりますと、やはり社会保障、社会保険のあり方がどうなのだということの見通しというものが私は非常に大事になってくると思います。現在、社会保険庁改革というものが、いろいろ今御苦労をされているわけでありますけれども、その社会保険庁改革等の議論の推移も見ながら、私どもはまた議論をきっちりしていかなきゃいけない、こう思っております。

平岡委員 政府は、昨年年金の抜本改革を行った、そういう立場で物事を考えておられるようでありますけれども、抜本改革を行ってもなおかつこんなような特例が来年度も続いていくということに対して、私は政府の姿勢というのを非常に疑問に思いますね。

 それからもう一つ、今回の定率減税の縮減で出てきた財源をどうするかといえば、これは基礎年金に対する国庫負担を引き上げていく、つまり、年金財源に一般会計から持ち出していくということですよね。今回のこの特例は、逆に一般会計から持ち出すものを減らして、特会で自分で賄ってもらおうということで、政府がやっていることは非常にちぐはぐなわけですよね。片方では一般会計から特会に繰り入れるものを大きくし、片方では本来は一般会計から特会に持っていかなきゃならないものをこうした特例をつくってとめてしまう、こういうようなことをやっているということが大変私は不思議でしようがないし、こんなやり方というのは、本当に場当たり的なやり方であって、決して国民の皆さんから年金制度に対する信頼を得られるものではないというふうに思っているわけです。

 そういう意味でいくと、年金の抜本改革の中でこの問題についてもしっかりと議論をしなきゃいけなかったということで、それをしてこなかった政府の責任は非常に大きいというふうに思うんですけれども、どうでしょうか。

谷垣国務大臣 要するに年金事務費の根本的なあり方をどうするかというのは大きな問題でございますから、これからもよく議論を詰めなきゃならないわけですが、特に社会保険庁改革というようなものの帰趨を私どももよく見なければならない、先ほどの御答弁の繰り返しでございますが、そう思っております。

平岡委員 社会保険庁改革も必要なことであるので徹底的にやっていただきたいというふうに思いますけれども、この問題は、社会保険庁改革ができないからといって、いつまでもずるずるずるずると繰り返していくということの不自然さというか、国民が納得できないような状況というのはしっかりと認識してもらわなければいけないというふうに思います。

 時間がないので、用意した質問の中で所得税法の改正案についてちょっと質問させていただきたいと思います。

 今回の所得税法の改正案の中には、いろいろこれまでも話題となっている点が含まれているわけでありますけれども、あえて小さい話題を取り上げてみたいと思います。

 特別償却制度なんでありますけれども、今回、特別償却制度がいろいろな分野で縮減をされております。これは租税特別措置法の合理化とかあるいは縮減といったような大きな方針の中で考えられている話だと思いますけれども、例えば公害防止用の設備であるとか、地震防災対策用資産であるとか、あるいは半島振興対策実施地域、離島振興対策実施地域における工業用機械等の特別償却については縮減をする、こういうようなことになっているわけでありますけれども、今日本の置かれている状況を見たときに、例えば地震防災対策用資産について、今までの税の特別措置を縮減していかなければいけない時期に来ているのか、むしろ地震対策というのはもっともっとしっかりしていかなければいけない時期に来ているんじゃないか。それから、例えば離島振興実施地域についても、今離島が置かれている状況を考えたときには、いかにして離島を元気にさせていくか、離島の経済を活性化させていくかということを真剣に、今まで以上に真剣に考えなければならない時期に来ているんじゃないか、こういうふうに私は思っているんですね。

 そういう状況にありながら、単純に、ある意味では機械的にこういったものを縮減させていくということについて、財務大臣が政治家として一体何を見てやっているのかという気がしてしようがないのでありますけれども、大臣、この点についてどのようなお考え方のもとで……。これは大臣です、済みません、問題の事項は小さいんですけれども。大臣が今めくっている間、私一生懸命しゃべっていますので、早く探してください。

金田委員長 福田主税局長。(平岡委員「では、主税局長の後、大臣お願いしますね」と呼ぶ)

福田政府参考人 まず、特別償却制度でございますが、先生御指摘のように、資産を取得した初年度に、通常の減価償却に加えましてその資産の取得価格の一定割合の償却を行うことができるという、いわゆる租税の特別措置がございます。こういう租税特別措置がございますので、これはあくまでも公平、中立、簡素という租税原則の例外措置として講じられているものでございますので、これまでこういったものにつきましては利用実態がどうなっているのか、つまり、特定のものに偏っていないのかどうか、利用実態が低調となっていないのか、創設後長期間にわたっていないか等々の視点から、政策目的あるいは効果、政策手段としての適正性を十分に吟味して整理合理化を行ってきたところでございます。

 十七年度税制改正におきましても、今申し上げましたような基本的な考え方のもとで、特別償却制度を含めます租税特別措置について整理合理化を行ってきたところでございます。

 具体的に御指摘のございましたものについて、特にコメントがございました地震防災対策用資産につきましては、特定の地域について長期間、この場合は約二十年でございますが、長期間にわたり講じられている措置であること、近年の利用実績が低調であること、早い段階での投資を促すこと等々といった観点から償却率の引き下げ等を行ったところでございます。なお、別途、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の制定に伴いまして、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進地域を新たに対象地域に追加しているところでございます。

 また、離島振興対策実施地域における工業用機械等につきましては、特定の地域について長期間にわたり講じられている措置であること、近年利用実績が低調であること、具体的に申し上げますと平成十五年度で五件でございます、早い段階での投資を促すこと等々といった観点から、償却率を引き下げたところでございます。

谷垣国務大臣 平岡委員から、まだまだ必要なものであるにもかかわらずこれを縮減していこうなんというのは、政治家として逆の方向を見ているんじゃないかというお問いかけだったと思います。

 今、主税局長からも答弁いたしましたけれども、委員には釈迦に説法ですが、これは租税特別措置法、例外的な措置であるから不断の見直しをしなきゃならないというのは一つだと思います。

 それから、ややこれは乱暴な言い方になるかもしれませんが、こういう租税特別措置の特別償却のようなものは、これまでにやってくださいということで利用を促していくということも、私は場合によっては意味がある、必要な場合があるというふうに思っております。

平岡委員 時間が来たのでやめますけれども、いろいろな税というのは、今まで財政状況が非常に厳しい中で、歳出が非常に縮減されていく中でいろいろな政策的意図を持った仕組みというのがあるわけですね。そういう中で、本当にどこに我々が焦点を当てた政治をしていくのかという点については、ある意味じゃ大臣とか副大臣あたりがしっかりと見ておかないと、形式的に、非常に簡便に物事が行われていることが多々あると思いますので、しっかりとその辺は大臣としてもウオッチしていただきたいというふうにお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

金田委員長 次に、古本伸一郎君。

古本委員 民主党の古本伸一郎です。

 私からは、議題となっております定率減税に絞りまして質問を申し上げたいと思います。

 今般の定率減税の縮小の法案でありますが、思い返せば、当時何の目的でこの定率減税を入れたか。これは何をか言わん、可処分所得の向上による消費の喚起であったと思っています。これは政府もその当時そういう整理をして、定率税の縮減を図った。これはもう言うまでもありません。そういう大前提に立ったならば、今議論されているポイントの中で、政府税調にもうたっておられます、その定率減税を縮減してもいいという判断に至った部分につきまして、まず第一点目、質問してまいりたいと思います。

 政府税調の〇四年の十一月の中にこう書いてあります。失業率の低下、雇用情勢も改善、消費マインドの改善もあって、個人消費は緩やかに増加している、こういう判断を入れておられますが、では翻って、当時、この小渕減税を入れたときの経済情勢をかんがみたときに、何が原因で消費マインドが冷えたのか、これを端的にお願いします。

谷垣国務大臣 平成十一年に定率減税を入れたわけでありますが、当時のいわゆる恒久的減税法というので入れたわけですね。先ほども、午前中の議論でも御答弁申し上げたんですが、いろいろなねらいがあったと思います。まさに委員が御指摘になった定率減税の部分は、可処分所得をふやして、冷えた消費に何とか熱をもう一回持たせたい、少しでも熱を持たせたいということであったろうと思いますし、そのほかに法人税や所得税の最高税率を落としたというのは、やはり全体の構造を変えていかないと、とてもこの時期は乗り切れないぞということがあって、企業の競争力をふやしたり、あるいは個人のやる気をそれでやろうというような面があったと思います。

 それで、ちょっと遠回りになりましたが、消費を冷やしたものは何だったのかということであると思いますが、これは当時の景気とか当時の経済状況をどう認識するかということにもかかってくると思いますけれども、午前中も申し上げたことの繰り返しになりますが、確かに橋本内閣のときに、消費税等々入れて、いわゆる九兆円の負担増と言われた現象がありました。四月からそれに対する冷え込みがあった後、それをようやく取り戻してきたときに、秋にいわゆるバーツが下落してアジア金融危機というものが起こって、それが日本にも飛び火をしたということがございまして、一挙に心理が冷えていったというような流れがあるだろうというふうに思います。

古本委員 マインドが冷えた理由を今伺ったわけでありますが、確かに八兆六千億に上る新たな国民的な負担増があったわけですね。これが大きな消費が冷えた理由だとすれば、今、果たして我が国の消費が、個人消費が、内需を底支えしている個人消費が改善しているかどうかというのを判断する物差しは、何をもって個人消費が向上してきていると判断なさっているんですか。具体的な数値を教えてください。何の指標を見ていますか。

谷垣国務大臣 委員は個人消費だけを取り上げておっしゃいましたけれども、先ほど私はやや広げた答弁をいたしましたのは、いろいろなねらいがあって幾つかの制度があのとき取り入れられたということを申し上げたかったわけであります。

 今回も、委員の御指摘は恐らく、全体、例えば大企業は好調であるとかそういうことが言われていても、個人消費はなかなか火がつかないねというのは、谷垣、おまえも認めているだろう、それならば何で定率減税なんだと多分おっしゃっているんだろうと思います。確かにその部分は、この委員会でも何度も議論を申し上げたんですが、私どもも長い間の悩みでございました。

 ただ、企業業績が好調の中で、この間のGDP統計を見ましても、雇用者報酬が立ち直ってきている、そういう流れが見えてきておりますし、いろいろな失業率等も、十年来、バブル崩壊後戻ってくるという趨勢にようやく入ってきたというようなことは、個人消費の方向に私はいい影響があるんじゃないかと思います。

 それで、手を挙げておられますが、その前にもう一つ申し上げたいことは、しかし、平成十一年、あれを導入したときのいわば私の言葉で言う底が抜けてしまうかのようなおそれを感じさせる経済状況、それは結局不良債権や何かの構造的な問題が背景にあって、バーツが下落して日本にも飛び火してきた、そういうようなものは、ほぼほぼ乗り越えつつあるというところは大きく違っているというふうに考えております。

古本委員 今底が抜けるという話がありましたが、私は、大臣ほどの見識のある人ですから、底が抜けるというのがどういう定義かというのはまた別の機会に伺いたいですが。

 今回、消費が上向いている、マインドが上向いているという判断をしているのが、定量的にかつ客観的にはかっているメジャーが何ら示されていないんですね、実は。

 ちょっとホームページを見ただけで載っている数値ベースでお話ししますよ。これは総務省の家計調査等々の数字ですが。

 まさに九八年当時、小渕減税を判断するに当たって、時の経済情勢ですよ、この数字、失業率。九八年から〇四年に対して、今まさに減税分を縮減しようとしているわけですから、当時と比較しなきゃ意味がありませんね、当時の経済情勢と。その前提はいいですね。そうしますと、失業率、コンマ四ポイント上がっています。悪くなっています。悪化しています。失業者数、十九万人ふえています。それから、現金給与、実質三万円強減っています。可処分、一万円減っています。消費支出、これも減っています。直近の十六年、総務省の家計調査ベースで見ればそうなっています。

 少なくとも、きょう傍聴の方も大変いらっしゃっているようですが、庶民の感覚、まさに日本の内需を支えている個人消費の、家計の実感からすれば何もよくなっていないんです。むしろ悪くなっている。そういう中で、どうして減税を縮減できるなんて判断ができるのか。いまだ存在意義は十分にあるんじゃないですか。お答えください。

谷垣国務大臣 確かに、個人消費をもっと伸ばしていきたいという観点からしますと、さらなる減税という声もあるいはあるのかもしれませんが、今委員は、導入当時から比べてよくなるどころかむしろ悪くなっているというふうな表現をなさいました。

 私は、これを判断するときに、確かに、あれからいろいろな失業率なんかもうんと下がって、またちょっともとへ戻してきたりして、数字だけを見ますと、あの当時の方が高くて今の方が低いというところも、今の失業率だけじゃなしに、いろいろな数字を見ますと確かにあると思います。それは委員のおっしゃるとおりですが、私は、全体の流れみたいなものをやはり見るべきではないかというふうに思うわけです。

 それは、流れということを申し上げた一番は、先ほども申し上げた不良債権そのほかの構造的なものが乗り越えられつつあるということでございますけれども、ですから、企業の有利子負債率等も大きく減ってきている、それから雇用者報酬も少しよくなってきたとか、そういうような、一度ぜい肉をそぎ取ってもう一回体質を変えようという過程で相当落ちていった、それがようやく下支えができるような感じが出てきたということを私は申し上げたいわけでございます。

古本委員 もう少し家計実感のある生っぽい話でいいますと、平成十六年総務省家計調査、消費支出は対前年比では一・五ポイント上がっているんですね、対前年ですよ。だけれども、問題は、減税をした当時の経済環境と比較しなきゃいけないということを申し上げているんですね。

 その意味では、直近のこの平成十六年の状況を見ましても、いわゆる衣食住、まさに消費のかなめですよ、家計の支出のかなめである衣食住は依然として下落の傾向ですよ。消費性向は上向いていない。そして、この衣食住は、いわゆる勤労者世帯、平均家庭の三十三万円の消費支出に占める割合は過半ですよ、光熱費も入れれば。これが下落の傾向にある中にあって、一般の庶民の家計実感からすると何ら上向いていないですよ。ぜひ大臣、これは認識をいただかなきゃいけない部分なんですね。

 確かに、波の中で一たん底を打って若干上向いている兆しがあるかもしれない。これはずっと予算委員会でも踊り場という表現をなさっていたかと理解していますが、踊り場の議論をここでやるつもりはないですけれども、少なくとも庶民の家計実感からすると、こういう数字もあるんですよ。

 そこで、少し議論を進めたいんですが、先ほど企業の業績が上向けばという話がありましたが、大臣は、企業の業績が上向くことが先ですか、それとも、個人の消費が活性化して内需が底がたくなって結果として物が売れることによって在庫が調整されて企業の業績が上がる、どっちが先だと思いますか。端的に。

谷垣国務大臣 これはそのときそのときの情勢によってまた違うと思いますが、現在の情勢を見ますと、雇用、業績等は相当よくなってきて、設備投資等もまあまあだし、機械受注のようなものも、先行指標と言われるけれどもかなりいいということを考えますと、それがまず引っ張っていってもらいたい。それが家計に及んで、個人消費に及んでいってもらいたい。現在の趨勢はそういうことではないかと思います。

古本委員 消費には、恐らくマインドの部分、これは政府税調にもそう書いていますから、買い物をしたいという気持ちになる、これは消費の計画ですよ。今度はボーナスが入るから、おれもいよいよ液晶テレビ買おうかと。これはマインドですよ。それと、もう一つは実質の可処分ですよ。やはり先立つ財布の中身がなければどうしようもない。私は、そういう意味では、企業の業績が上向くということよりも先に可処分が減るということによるマイナスインパクトの方が大変大きいと思いますよ。結果、在庫調整になったときにどうするんですか。責任とれるんですか、大臣。

 そういう意味では、今回は可処分が減になることが明確なんですよ。これは事務局でいいですが、一体幾ら減るんですか、可処分は、今回の増税によって。今回の中間所得層いじめのこの増税によって、可処分は幾ら減るんですか。

福田政府参考人 お答えを申し上げます。

 一定の仮定計算を行いまして、夫婦子二人の給与収入五百万円の場合には、十八年度分で月々千二百円の負担増をこの定率減税の縮減によってお願いすることになろうかと思います。それから、同じく夫婦子二人の場合の給与収入七百万円のケースでは、月々定率減税の縮減によりまして二千九百円の増になるというふうに試算しております。

古本委員 本当に寂しいですよ。それは十八年度の一―三でいけばそういうことかもしれませんが、半減がされて、それがすべて一―十二でかかってくる以降のインパクトでいけば、これは数字で出ているじゃないですか。財務省も発表しているでしょう。モデル世帯で年収七百万世帯でいけば、半減による増税額は年間四万一千円ですよ。はっきりそう言いなさいよ。何で千円だ二千円だと、そういう数字でごまかすんですか。答弁訂正してもらいたい。

 時間がもったいない。僕が整理させてもらいます。これは財務省が発表している数字ですから。モデル世帯七百万で四万一千円ですよ。それから、五百万の世帯で一万八千円の増です。結果、初年度、十八年度の可処分の減は恐らく一兆円を超えるんじゃないですか、消費性向七割でぶっかけて。そういう数字も試算されていますね。政府税調でも出ている。大臣、今ちょっと横にそれてしまいましたが、そのくらい今回の増税によって可処分に対するインパクトはあると思うんですね。

 結果、私は、今回の定率減税というのは、小渕減税は、カンフル剤じゃなかったと思っていますよ。特別減税ならば一年限りですね、時限で。これはまさに恒久的の的は入れたかもしれませんが、これはペースメーカーじゃないんですか。景気をよくしていく、内需の底割れを防ぐために個人消費によって支えていく。このペースメーカーを外すか外さないかの判断を、大臣の先ほどの言葉をかりれば、底が抜けた、見えない不安感があった当時と比べて今がよくなっているとか、そういうあいまいな数字で判断してはいけないと思うんですよ。具体的に、消費支出がこれだけ上向いているからこう判断したとか、失業率がこれだけ好転して雇用不安が払拭されたから判断したんだとか。

 もっと言えば、資産デフレが物すごい不安に対して拍車をかけたんじゃないですか。四千万円で買った、庶民がなけなしの金をはたいて買ったマンションが、今売ったら一千万を切っていますよ。この簿価割れをしている資産デフレの中で、まさに消費を手控えた、まさにそのスパイラルに入った中で、こういった環境が好転していると言えるんですか。そういう中で、大臣はぜひ判断をしてもらいたいんです。その意味では、抽象的な言葉の表現では全く合点がいきません。

 続いて、中堅所得を直撃するということについて具体的に質問したいと思います。

 さっき数字を私は申し上げましたが、実は単身所得で見れば、さっきのはいわゆるモデル世帯ですから配偶者と扶養二の世帯でしたが、単身者で見れば、実に年収七百万の人は年間六万七千円できいてきます、増税が。五百万の人は三万八千円の増税できいてきます。政府税調にも書いています。

 大臣、IT家電を初め、いわゆる高額の耐久消費財を初め、内需を底支えしてきている世帯というのは、大体年収幾らぐらいの人がよく買い物してくださって個人消費を支えていると思いますか。感覚で結構ですよ。

谷垣国務大臣 ちょっとよくその資料を見ていないのでわかりませんが、多分、薄型テレビなんというのをお買いになるのは相当な高額世帯だろうというふうに思います。

古本委員 液晶は例え話で言っただけで、まさに日本の経済全体が消費が上向いているという判断をする上に立てば、別に液晶テレビだけじゃなくて、あまたの消費財があるわけでして、そういった部分を買い支えている人は一体だれかというと、これは国税庁が出しているいわゆる所得の分布ですが、これによると、データがある平成十四年の直近のデータですが、年収七百万円以下の給与所得世帯は約八四%です。したがって、年収七百万円以下の日本のいわゆるサラリーマンの人、給与所得者の公務員の皆さんもそうですよ、これが大体八割なんです。一方、一千万を超えているような方というのは約四・九%、確かにほんの一握りの人々ですね。

 したがいまして、今回の増税によって可処分の減の直撃を受ける世帯というのは、一体どういう収入世帯の人だと思いますか。大体直撃を受けるなという実感のある世帯ですよ、年収で。

谷垣国務大臣 これは結局、全部二〇%を今まで引いてきたわけですから、要するに、所得税を払っておられる全給与所得者にみんなそれはきくものだと私は思っております。

古本委員 それは計算すればそういうことなんですが、ただ、減税感を、恩恵をすごく感じてこの何年間か暮らしてきた人というのは、何をか言わん、私は、年収が五百万、七百万、あるいはその前後にある中堅所得層の皆さんだと思うんですね。この人々をまさにターゲットにした今回の増税なんですよ。結果、この人たちが増税になると、物を買わなくなりますよ、消費が落ち込みますよ。そのとき、大臣、責任とれるんですか。

 これは責任論ももちろんのことなんですが、もう少し議論を進めたいと思います。

 平成十八年以降の税、社会保障の負担増というのを少し検証したいと思うんですが、実は、小渕さんが減税を入れたとき、確かに八兆六千億、これは消費税の三%から五%増による五兆円アップというのが大変プラスのインパクトにあったと思うんですが、そこを排除すれば三兆円ですよ、小渕減税のときのいわゆる国民的負担増ですね。

 今回、平成十六年から既に開始されております例えば配偶者特別控除の上乗せの廃止による所得税、あるいは厚生年金の保険料引き上げ、労使折半ですが、これ等々をスタートに、ずうっとさまざまな、配偶者特別控除上乗せの廃止、住民税ですね、これは十七年、それから十八年は公的年金控除の縮小、これは老年者控除の廃止ですね、等々、ずうっと積み上げていくと、国民全体の負担増は、これは経営者も含めてですからあえて国民全体という言い方をいたしますが、これは単純計算で五兆円を超えるんですね。これだけの新たな負担増がある中にあって、本当に小渕減税を入れたときの環境と、状況がよくなっていると、そう判断できますか。これだけ負担増になるんですよ、大臣。

谷垣国務大臣 今の、定率減税の縮減だけではなくて、配偶者特別控除の上乗せ部分を廃止するとかいろいろなことがあったのは事実ですね。ただ、それらはまた何に使われているかということもあるわけでございまして、配偶者特別控除でいえば少子化対策にかなりの部分が使われて児童手当のようなものになっているとか、それから社会保障等に関しましても、社会保障給付は大体年に一兆を超える大きさでふえていっているというようなこともございまして、つまり、何を申し上げたいかといいますと、委員が先ほどから、確かにこの定率減税を縮減すればサラリーマン世帯の収入が減ることは、その増税部分だけ減ることは、それはそうだと思いますが、そこで、では消費がどうなるかと、それだけを取り上げて議論をされるのは、私は、もう少し広げて見ないと、なかなかそうはいかないんじゃないかということを申し上げたかったわけであります。

古本委員 今大臣がそうおっしゃっていただいたので、この財源を何に使うかについて議論を進めたいと思うんですが。

 まさにこの定率減税によって得る財源を何に使うか。これは、国民年金の、公的年金の国庫の補助率を二分の一に上げていく、これによって不足するだろう財源に充てていく、これは間違いありませんね。イエスかノーかだけ。

谷垣国務大臣 これは、一つは今おっしゃった部分、それからもう一つは……(古本委員「障害年金」と呼ぶ)それもありますが、もう一つはかなり大きな部分が、要するに交付税に算入されるという面がございます。

古本委員 これは与党合意がありますよね。政調会長同士の合意ですか、自由民主党の与謝野さんと公明党の井上さんが、平成十七年予算・税制に係る合意ということで、こう書いてありますよ。平成十七年度税制改正における定率減税の見直しによる増収分については、交付税率相当分は地方交付税交付金として地方一般財源に充てる、その次に、特別障害者給付金云々に充てる、こう書いてありますが、これは、大臣、確かに今言われた部分はここで確認をされているということだと思いますが、専ら今回の増税によって、定率減税の縮減によって得られる財源は、年金財源がまさに危機的状況になっている中で、見合いでそれに充てていくために今回増税を図るんじゃないんですか。答弁願います。

谷垣国務大臣 見合いでやるためにだけではございません。その部分もあるんです。もちろん、その財源をどこから得てくるかというのは大きな政治課題でございましたから、この定率減税をやらないとなかなかできないねという議論はございました。

 それから、これは見合いというのとは違うんですが、三位一体の改革をするためにはどうしても所得税体系を見直さなければならないということがありまして、そのためのいわば準備段階ということもございます。

古本委員 今、見合いじゃないという話がありましたが、少なくとも政府税調の資料や今回の判断に至った経緯の紙には、いわゆる国庫の負担率二分の一、年金財源が今まさに枯渇している中でそれに充てていくためには、これはまことにもって数字的にも二兆円を超える税収増になりますから大変いいという判断をなさっているんじゃないですか。このことを避けて、答弁を今避けられたようにお見受けしましたが、真っ正面からそのためにこれを増税するんですとお答えになったらどうですか。違うんですか。

谷垣国務大臣 いや、それはそれに充てるというのは、充てる財源をどうしようかという議論の中から出てきたことは間違いないことでございますし、今お読み上げになった与党間の合意にもそういう趣旨が書いてあるわけでありますから、それは一つのねらいであったことは間違いありません。

古本委員 ありがとうございます。

 では、そのために増税をするという前提に立って議論を進めたいんですが、なぜ年金財源が危機的状況に陥ったんでしょうか。なぜ陥ったんですか。理由を述べてください。

谷垣国務大臣 それはいろいろなことがありますから、一言で端的に申し上げにくいですけれども、やはり大きなことは、人口のカーブが変わってまいりまして、高齢者がふえていった、支え手が減ってきた、こういうことがやはり大きな根本的な原因の一つだろうと思います。

古本委員 まさに負担と給付のバランスの線形が予定外にして大変インバランスになってきた、こういうことだと思いますが、私は、このことはだれもとがめないし、とがめられたものじゃないですよ、わからないですから。ただ、出生率の数を隠していたというのは許せませんよ。そこをおいていても、これはしようがないと思う。

 もっと大どころがあるじゃないですか。未納、未加入はどうなっているんですか。四百四十万人が未納だったんですよね。この人たちは一体何千億円払わなかったんですか。いまだ数字は公表されていないようですが、単純に一万三千三百円をぶっ掛ければ、これは恐らく七千億円を超えますよね。これだけの財源を、不足をしたと言って、それに充てるために所得税を増税していいんでしょうか。これは物すごく疑問に思うところです。もっと言えば、まだまだありますよ、年金財源をむだ遣いしているのは直されたんですか。きょうは社保庁問題はやりませんけれども、山ほどあります。

 そういう中で、今回、まさに年金財源が、政府税調の石会長の言をかりれば、せんだっても政府税調でコメントされていますよね、制度の空洞化と。それを穴埋めするために、庶民の、しかも、日本の消費の内需を支えている個人消費に直結する年収五百万、六百万前後の方は、まさに食うために、暮らすために、着るために、必ず消費に回してくれますよ、貯蓄に回すゆとりはない、そういう人々を苦しめる増税を図るんですよ。なぜに年金財源が枯渇したのか、未納、未加入があるからですよ。

 もう少し議論を進めますよ、大臣。この未納や未加入になっている人は、なぜ未納や未加入になっているかというその理由を御存じですか。御存じか御存じでないか、御存じだったら教えてください。

谷垣国務大臣 私の理解するところによりますと、いろいろな理由はあると思いますが、一つは年金制度の将来が果たして確実なものだろうか、入っても仕方がない、むしろその金を自分で有利に回した方がいいんじゃないかというようなお考えもあるだろうと思います。それから、やはり年金制度というものに対して理解がないというか、よく御存じないということも、若い方なんかはあるんだろうと思います。

古本委員 厚労大臣じゃなく財務大臣ですから、私は、まさに金庫番の大臣としてこのことは問いたかったんですよ。大臣、実はそれは間違っているんですね。理由の中には入っていますが、主たる理由じゃないんですよ。

 これは平成十四年の、社保庁もみずからをディスクローズしようという思いの中で調査なさっている、これはホームページに公開されています、これを見れば、最大の理由は、保険料が高くて経済的に払えないというのが理由なんです。四十代においては七割を超えています。一方で、確かに制度を当てにしていないというのは二十代では一番の理由になっています。

 したがいまして、四十代の、まさにイメージがわきませんか、年収三百万、四百万、五百万、山ほどいますよ。先ほど申し上げたように、年収七百万以下の人は実に八四%ですよ。五百万以下の人は六七%ですよ。給与所得者四千万人全国いる中で、実にその七割の人が五百万以下なんですよ、大臣。その人たちがまさに切実な思いで言っているのは、払いたくても払えないと言っているんです。そういう人たちに今回増税するんですよ。

 これは、あえて表現を恐れずに申し上げれば、低所得層を中心に未納者が仮にいるとすれば、そういう人たちに、自律的に年金財源を、年金を納付して財源の悪化に自律的にまさに加入者である皆さんが直していこうという、そういう努力に水を差すことになりませんか、今回の増税は。御意見を伺いたい。

谷垣国務大臣 今おっしゃった中で、確かに子供を育て盛りでなかなか家計も十分に伸びないし苦しいという方々がいらっしゃるのは、よくわかります。ただ、今度の定率減税の縮減自体は、先ほども申しましたけれども、どこにきくかと言うとやや抽象的ですけれども、二〇%減税してきたのを一律に半分に戻していこうということですから、今おっしゃったような方だけをねらい撃ちしたという形ではないと思うんですね。

 それからもう一つ、確かに委員が御指摘になるように、年金の空洞化というものがある。もちろん、これから税制改革は年金だけを目標にしているわけではありません。年金は財政の中で極めて大きな部分ですから、税の議論というのも年金と無関係でできないわけでありますけれども、しかし、この年金財政自体をやはり立て直していくということがなければ、先送りをしていくわけにはなかなかいかないと私は思うんですね。まだ、それをどう立て直していくか、特に財源面からどう立て直していくかというのは、特に基礎年金二分の一に持っていくにも完全な道筋が描き切れているわけではありません。まだ第一歩ということでございますが、そういう年金財政の立て直しに着手をしたいという気持ちはあるわけでございます。

古本委員 参考までに、さっきのアンケートの中で、年金未納者の所得層の中央値を見れば、未納の方の所得層の中央値が年収で三百一万円です。納付されている方の中央値が三百七十三万。ですから、これだけを見て軽々には判断できませんが、総じて、やはり所得が低いことが原因となって払えていない背景もあると思うんですね。

 そういう意味では、私は、はぐくんでいくという意味では、まさに可処分が減になる今回の増税は、年金財源が破綻をした、その穴埋めをするために所得税を増税する、その所得税の減税効果がきいてきた、より実感を持ってありがたいなと思っていた世代というのは年収五百万円前後、その人たちが年金が払えていない、これはまさに負のスパイラルに入るんですよ。そのことを大臣はよく御認識をいただきたいと思うんですね。

 今財源の話を言われましたので、もう少し議論を進めます。

 今回の定率減税の縮減による、政府が得べかりし歳入減といいますか歳入が減った分ですね、これは約三兆円できいてきているというふうに伺っておりますが、このある意味得べかりし税収分に対しては、見合いで国債を発行されましたか。イエスかノーかだけ。

    〔委員長退席、遠藤(利)委員長代理着席〕

谷垣国務大臣 見合いという意味はよくわかりませんが、これを入れました年は、大きく国債発行額を伸ばした年であったと記憶しております。

古本委員 こういう表現が政府税調の中にあるんですね。平成十一年来、所得税減税の三兆円ほか累次の減税が歳入を圧迫して、その分巨額の公債発行が続いている。私は、その分という言葉を解釈すれば、減税をした分はその分国債を発行してきたとこれは素直に読めるんですね。正しいですか、これ。

谷垣国務大臣 余り単純化して言うわけにはいきませんが、大きな減税が国債発行額の増加につながったという面はあったと思います。もちろん、国債発行額の増加はそれだけではありません。景気対策のための累次の景気対策、財政出動ということもあったと思いますし、景気の悪化による税収減というものもあったわけでございますから、単純化して言うとちょっと間違いですけれども、減税による面も相当あったと私は思います。

古本委員 何となれば、では、今回の増税に伴って政府が新たに得る財源、二兆数千億に及ぶと聞いておりますが、来年は一―三月ですから、それ以降は通年できいてきますよね、この分は大臣は神に誓って国債を発行しないと約束できますか。純減できますか、この分を、見合いで。見合いでですよ。

谷垣国務大臣 これは、今まだ景気状況や何かを見なければわかりませんので、天地神明に誓ってというわけにはなかなかまいりません。

 それは、現に、入れなければならない年金であるとか、いろいろな財政需要がありますから、そこをよく見なければ何とも申し上げられませんが、来年も、私は、国債発行額をできれば縮減していくというのは努力目標としては極めて重要なものだと思っております。

古本委員 まさに、加藤の乱から、大臣、ずっと男っぷりを上げてこられて今日に至っているわけですよ。もう後は、総裁のいすは目の前ですよ。総理とは言いませんよ。総裁のいすが目の前まで来ている。そういう方が、まさにきょう傍聴にも来ておられる方々の、まさに庶民の所得層、五百万前後の人が、ねらい撃ちじゃないんですよ、ねらい撃ちじゃないんですけれども、より痛みを感じやすい所得層の人々に、新たな負担増を強いる今回の増税を図ってまでもやらなければいけないことは、まさにこの赤字体質を直したい、財政健全化を図りたい、こうおっしゃっているんですよ。何となれば、それによって、増税で歳入がふえるのですから。

 ここはひとつ、その分見合いで赤字国債は発行しませんと約束したらどうですか。そうしたら、国民も納得しますよ。

谷垣国務大臣 持ち上げられた後、どう答弁していいか悩んでおりますけれども。

 確かに、委員がおっしゃるように、この定率減税をどうするかというのも、熾烈な賛否があるのは私は承知しております。しかし、その賛否がありながら、やはりやらせていただきたいとお願いしているのは、財政構造を少しでもよくしていきませんと、ますます将来の世代にツケを残していく形になるからだというふうに考えておりますので、国債発行額を縮減していくという努力は全力を挙げてやりたいと思っております。

古本委員 議論を進めたいと思うのですが、定率減税縮減の目的の中に、税の公平性という観点が、法律の中にも今後抜本的見直しを図っていくということを条件にうたっておられますよね。そのことを考えれば、政府税調の中にもはっきり書いてある、税の公平性を担保していく中で、今回所得税全体を見直していく、その一環としてこれがあるのだという前提に立てば、いや、これは抜本見直しではないのだ、とりあえずの、その場しのぎでやっているのだといったら、この議論は御破算にしなければいけませんよね。ですから、これは抜本改革の一環であると答えるしかないと思うのですが。

 そうだとすれば、私はせんだっての予算委員会での大臣の答弁が忘れられません。これはどのくだりかというと、いわゆる所得の捕捉率、トーゴーサンピンの問題です。大臣はこう答えられました。公平感を持ってぴしっとやるのは、技術的にも至難なことと答えられました。今でもそう思われていますか。

谷垣国務大臣 捕捉率を高めていくというのは、国税当局また財務大臣である私の任務だと思います。ただ、これは職業の形態、所得の形態、報酬の形態がさまざまですから、これを全く同じにするというのは、なかなか簡単なことではないと思っております。

古本委員 大臣、実は、これは私自身がサラリーマン出身だったからというわけではありませんが、現実的に、平成十四年の源泉所得、総額十四兆八千億、これの内訳を調べました。そうしますと、給与所得層からの源泉徴収所得税が九兆七千億、すなわち、七割を超えています。まさに我が国の所得税の屋台骨を支えているのは給与所得者ですよ、サラリーマン。そして、この所得税から今回さらに増税をするという意味では、トーゴーサンピンで捕捉率においてある意味で割を食っている給与所得層が、さらに割を食って二重の割食いになるのではないですか、これは。この不公平感がある限り、これは本当にばかばかしくて、とりあえず生活のための必需品は買いますよ、だけれども、本当に国民全体の経済が守りに入ったら、本当に大臣、責任とれるのですか。所得の捕捉率の問題は、これはセットで解決せずして所得税の増税の議論をするということは、極めてバランスを欠く議論だと思うのです。答弁願います。

谷垣国務大臣 セットで解決をするということで委員が何をイメージしておられるのかよくわかりませんが、捕捉率を上げていく努力はあらゆる機会を通じてやらなければいけない、こう思っております。

古本委員 ぜひやっていただきたい、切に願うところであります。

 日本の少子高齢化という大変な課題の中で、未来を切り開く、きょうちょっと暗い話ばかりしましたので、ただ、現実ですよ、冷厳な事実として申し述べてきましたので、少し未来の話をしたいと思います。

 大臣は、政府税調にも書いています、財政の健全化が急務と言っておられますが、財政を健全化するために、例えば新規の国債発行を抑制するとか赤字国債は出さない、さらに歳出削減努力をする。これは政府税調にも書いています。そして、増税を図り、税収を上げていく、こういうことが書いてあります。今申し上げた以外に、財政を健全化する、日本の未来のためにですよ、何かいい方法があると思いませんか。

谷垣国務大臣 今おっしゃったのは、歳出をカットするというのと歳入を図るということをおっしゃいましたけれども、その前に、やはり全体が体力が高まって、日本の体力が高まって、制度を変えて増税や何かを図らなくても税収がふえていくというのがなければ、歳出カットと、歳入を、入るを図るということだけでは、なかなか目的は達成できないと思っております。

古本委員 大臣、大事な観点を落としていると私は思いますね。政府が歳入減によって今苦しい、ついては、歳入増を図るためには増税をする。そうですよね、定率減税縮減して増税するのですから。収入が欲しくて増税する、これは子供でもわかりますよ、こういう単純なことは。そうではないのですね、GDPを上げればいいのですよ。国民所得全体を上げていけばいいのですよ。

 GDPの数字を負担率と並行で調べてみました。ちょうど三十五年前の昭和四十五年、GDP六十一兆で、国民負担率二五パーでした。そして十五年前、平成二年、GDPは三百四十八兆で、国民負担率三八%。そして直近の平成十六年は三百六十五兆で三五パー。つまり、三百五十兆円前後台で張りついているのですね。

 したがいまして、まさに金庫番の財務省としては、単純に歳入を上げたいから増税をするということではなくて、いかにして税収を上げようかとすると、これは国民経済が活性化すれば税収はおのずと上がるわけですよ。そういう方向でぜひ知恵を絞っていただきたいのですね。

 その意味でいけば、きょうはもう時間がなくなってまいりましたが、例えば住宅のリフォーム減税やいわゆる新規の自己資金取得減税、いろいろな要望が経済界からも出ているようでしたが、今回見送りとなりました。住宅は本体で二十兆、関連も入れれば三十兆ですよ。例えばこういう部分で景気を浮揚していこうとか、アイデアはいろいろある。私は、ぜひそういう前向きな議論も、歳入をふやしたいから増税しようなんて単純な発想ではなくて、まさに育てて果実をとる、そういう財務省であってほしいなと思っています。

 最後に一点だけ。

 せんだっての政府税調で、石会長が未納、未加入などの空洞化の穴埋め財源としての安易な消費税引き上げを牽制したという新聞記事が出ていましたが、社会保障のために消費税を議論しているわけじゃない、消費税を増税するにも使途を特定すべきじゃない、一般財源が望ましい、こう言っているんですが、なぜ所得税なら充てていいんですか。

谷垣国務大臣 現実に二分の一に上げていく過程をたどりますから、実際上、その定率減税を縮減した分が入っていく、相当部分が入っていくということは間違いありませんけれども、これを目的税のような形にしているわけではありません。私は、目的税というのは、そのときそのときはそれでいいかもしれませんが、長期的に見ますとやはり財政を硬直化したり何かすることがありますので、できれば目的税でないようなもので考えていく方がいいんではないかと思っております、一般的に言って。

古本委員 いずれにいたしましても、今回の増税に伴って痛みをより感じる所得世帯層は五百万から七百万あるいは五百万以下の、まさに減税の恩恵をより感じている層に可処分減という直撃をする、影響の出る増税には反対でありますし、そして、このことによって日本の個人消費が冷え込むことをまさに憂う中で、大臣の今後の賢明なかじ取りを強く要望して、終わります。

 ありがとうございました。

遠藤(利)委員長代理 次に、井上和雄君。

井上(和)委員 民主党の井上和雄でございます。

 連日、大変長時間の審議が続いておりますが、谷垣大臣、また田野瀬副大臣、本当に大変お疲れだと思いますが、きょうもあと三時間少々でございます。私は持ち時間が四十五分でございますので、ぜひよろしくお願いいたします。また、委員の皆さんも、本当に、お休みになっている方もいらっしゃると思いますが、もうしばらくでございますので、御協力お願いします。

 さて大臣、今回の定率減税の縮減なんですけれども、私、景気回復をおくらせる大きな原因となるものですから、これは絶対やめるべきだと考えます。その大きな理由というのが、二月の十六日に発表されました昨年十月から十二月期の前期比の実質GDPが年率換算でマイナス〇・五%、そして、昨年七月から九月期も改定の実質GDPでマイナス一・一%、さらに、四月から六月期、マイナス〇・八%。つまり、今マイナス成長が続いている、三四半期もマイナス成長が続いているということだからでございます。これは明らかな景気後退状況にあるというふうに思えるんですね。

 アメリカでよく言われているのは、マイナス成長が二半期続けば基本的にはリセッションということでありますから、今回の増税は、そういうことから考えれば、明らかに景気の先読みを間違えた。政府は恐らく楽観していたのかもしれません。そういう状況の中で決定したんじゃないかというふうに私は思っているんですけれども、大臣はどういうふうにお考えですか。

谷垣国務大臣 今、先日発表された昨年第四・四半期のQEを引いて、景気がリセッションなんじゃないかというふうにおっしゃいましたけれども、国際的に見ましても、先般、OECDの対日審査というのが発表されましたけれども、我が国は過去十年間で最もよい状況にあるということでございまして、この程度で最もよい状況というのは、十年間もっと頑張らなきゃいけなかったなという気もいたしますが、そういうふうに外から見られておる面があるかと思います。内から見ますと、これはこの委員会で延々議論してまいりましたので細かなことは申し上げませんけれども、要は、定率減税導入当時の著しく停滞した時期からは、いろいろな構造改革面、体質が変わってきたということが基本に私はあると思っております。

 それから、景気の面だけではなく、二番目に、先ほどからの御議論でありますけれども、三位一体等で地方に税源を移譲していく場合、やはり消費税体系を見直す必要がある、その一環でやっていく必要があるということがあると思います。それに加えまして、先ほど議論いたしましたように、基礎年金を税で二分の一に持っていくというような財源をどこに求めるかというような議論もございました。

 それに加えて、何よりも私つくづく思いますのは、日本の財政は非常に悪い状況にありますので、このまま放置しておきますと、もちろんツケを後の世代に先送りするということになるわけですけれども、要するに財政に対する不安感がこれから経済を元気にしようとしてもその足かせになるのではないか、そのためにやはり一歩でも二歩でも前に進めなきゃいけないのじゃないか、こういうようなことを総合的に考えて、今回、こういう定率減税の縮減をお願いしたということで、若干井上委員の視点と違う面があるかと思いますが、そのように考えております。

井上(和)委員 大分違って本当に残念なんですけれども。

 今、OECDのお話をされましたけれども、私も外国のメディアの記事なんかを見ていましたけれども、基本的にニューヨーク・タイムズでも、日本は完全にリセッションに沈んだというふうに解釈しているわけですね。でも、必ずその後に注がつくんですが。先ほども申し上げましたように、アメリカではマイナス成長が二期続けばリセッションというふうに判断をしているわけですが、日本は別の解釈の仕方があるという注が必ずついてくるわけなんですね。

 あとBBCなんかも、ブルームバーグもそうですね。人によっては、今の日本の経済というのはインパクトに耐えるには脆弱過ぎるというふうに言っていますね。インパクトというのはこういう増税だというふうに思っているんですが。こういった外国の、日本はもう既に景気後退だ、リセッションだと言っている報道に関して、大臣、どういう御感想ですか。

谷垣国務大臣 今回の四半期のGDP統計、確かに三四半期連続マイナスということでありますけれども、どこが悪かったかといいますと、一つは輸出が弱含みであるということがあります。それからもう一つは、個人消費等が、これは前々からの課題でありますけれども、余りぱっとしないなということがあるというふうに思っております。

 ただ、これもるる申し上げておりますけれども、アメリカも中国も、これがこれまで続いた日本の景気の回復を引っ張ってきた面がありますけれども、基本的にこの二つの経済圏は好調であるというふうに思いますので、これは持ち直してくるんじゃないか。

 それから個人消費の方は、これは台風とか地震もございましたし、気温によって冬物が売れなかったというようなこともあったと思いますが、要は、個人消費が戻ってこないというのは長い間の我々の心配事でありましたけれども、ちょっと雇用者報酬が戻ってきつつあるというような、あるいは失業率も趨勢的に減ってきた形の中で、企業業績はいいから個人消費の方に還元してくるような形になってくるのではないかというふうに考えておりますので、リセッションだリセッションだと余り大きな声で言っていただかなくてもよいのではないかと思っております。

井上(和)委員 今回の定率減税の縮小というのは、個人消費に非常に影響を与えるということを私の同僚は何人も申し上げているんだと思うんですが、そこで、これは内閣府にお伺いしたいんですけれども、景気後退の定義は日本ではどういうふうにしているんでしょうか。

太田政府参考人 景気後退の定義という御質問でございますが、現在、政府では、景気の現状判断につきましては、各種経済指標の動向などを踏まえまして、その上で月例経済報告で行っております。一方、これは事後的な作業ということになるわけでございますが、データが蓄積してまいりますと、それを待った上で景気の山と谷というものを設定して正式に決定しておりまして、景気後退期というのは、この景気の山を越えて、これは当然のことでございますけれども、景気の山を越えて谷に至るまでの期間であるということでございます。

 仮に景気後退期にあるというふうに判断された場合でございますが、それがいつから始まったのかというのはその山からということでございますが、この設定は、学者などの有識者で構成される景気動向指数研究会での議論を経た後に、内閣府の経済社会総合研究所長が行っております。

 具体的にどういうふうに行っているかといいますと、景気後退期というのは経済指標が低下している時期でございますので、各種経済指標の低下の程度、それがどの程度低下しているかということ、それから、それが各経済活動をあらわす指標にどの程度波及しているか、浸透しているかということ、それから低下期間がどの程度長くなっているか、そういったことなどを考慮いたしまして、これは統計的な、ちょっとテクニカルになりますが、統計学的な手法をも用いながら行っているということでございます。

井上(和)委員 引き続きお伺いしたいんですけれども、つまり、もう既に半年以上ですか、三四半期ですから、景気が下り坂になっているわけですね。そういった状況の中で、どうして今回は景気後退じゃないというふうに判断しているか、もう少し説明してくれますか。どうして、具体的にどういう指標がどうなっているか。

大田政府参考人 現在の状況は、リセッションではなくて一時的な踊り場だというふうに判断しております。その理由として、三点申し上げます。

 通常、景気後退期になりますと、売り上げが落ちて在庫が積み上がります。その在庫がはけるまで生産を抑える。そして、設備が相対的に過剰になりますので、設備を調整するという循環をたどります。私どもは、この在庫が積み上がるかどうかというところをまず注目いたしますが、現在、全体としまして在庫は低い水準で推移しております。次に、では設備投資はどうかといいますと、設備のストックにつきましても、企業は古い設備の除却を進めておりますのでまだ低い水準にありまして、ストック面から調整圧力はかかっていない、これが一点目でございます。

 それから二点目としまして、生産が弱含みになっておりますけれども、これは生産全体が落ちているわけではありませんで、情報化関連財、半導体ですとかデジタル家電ですけれども、専らこの部分が落ちております。この部分の調整がいつ終わるのかというのが、今一番注目されるところです。ただ、ITバブルが崩壊したときに比べまして早目早目に調整しておりますので、そう長くはならないと判断しております。実際、きょう発表になりました鉱工業生産全体の鉱工業生産指数ですけれども、一月は前の月に比べまして二・一%増加になりまして、昨年五月のピークの水準を上回っております。したがって、もう少しこれは様子を見ていきたいと思っております。これが二点目です。

 それから三点目としまして、消費が弱含んでおりますが、先ほど谷垣大臣御指摘になりましたように、昨年の夏以降は台風、地震、暖冬という一時的な影響がございました。実際、きょう発表になりました小売業の販売額では、前の月に比べて五・七%増という比較的よい数字が出ておりますので、これもどんどん落ちていく状態にはないと見ております。

 以上三点に加えまして、一方で明るい指標としまして、企業収益は非常に好調で、設備投資も増加しております。それから、雇用情勢は改善しているという明るい動きもございます。

 以上を判断いたしまして、景気は、現在踊り場的な状況にはありますが、その動向を大局的に見ますと、緩やかな回復局面にあると判断しております。

井上(和)委員 踊り場というのは英語で何というのか、ちょっとお伺いします。もしできれば定義もあわせて。

大田政府参考人 申しわけありません。正確には……。アメリカではソフトパッチという、一時的なぬかるみでしたっけ、というような表現がとられていたと思います。

 踊り場というのは階段の踊り場で、上り階段で一時的に横ばいといいますか停滞を続ける時期と判断しております。

井上(和)委員 ソフトパッチ、私は聞いたことないんですけれども、本当にそういう定義があるのか、私は非常に怪しいというふうに見ているんですね。

 基本的には、例えばマイナス成長が二半期続かない場合でも、当然これはリセッションではないという定義もあるというふうに私は理解しているんですね。だから、日本のように三期続いているからといってリセッションじゃないという判断ができるかというと、そうじゃないと思うんです。つまりは、それは逆にマイナス成長が一半期しか続かなくても、大きなショックがあって一時的に鉱工業生産が急落したり、雇用が、急に失業率が上がったりした場合には非常に短期間でリセッションに突入するということがあり得るけれども、今回のように非常に長期にマイナス成長が続いていてリセッションじゃないというのは、私はよくわからないんですね。それを、恐らくは皆さんは踊り場という名をつけたというふうに私は理解しています。

 そこで、大臣も実は本当はわかっているんじゃないかと私は思っているんですね、非常に聡明な大臣ですから。予算書でも、予算編成の前提となる経済情勢といって、とにかく非常にいいことが書いてあるわけですね。十六年度も民間需要中心の回復を続けると見込まれると書いてありますし、十七年度も非常にいいことを書いていらっしゃる。だから、今内閣府の方が言ったが、一月、これが本当にそういうふうに上がればいいでしょうけれども、ただ、輸出の状況は、私も一月は下がったというふうに理解していますけれども、だから、果たして、こういった予算書で言っていらっしゃる前提条件が私はかなり崩れているというふうには思っています。大臣は、それは絶対にお認めにならないでしょうけれどもね。

 つまり、繰り返しますが、政府の見通しというのが、当然、予算をつくった時期は昨年ですから、そのときは割とバラ色の見通しを持っていた。ところが、現実はかなり落ち込んでいるというのが実態じゃないでしょうか。大臣、どうですか。

谷垣国務大臣 先ほどからいろいろ御答弁もありましたけれども、私は、今、踊り場というのは竹中大臣のお得意の表現でありますけれども、海外のいろんな動きなんかを見てみますと、ことし後半ぐらいからはかなりまたいろんなよいものが出てくるんじゃないかなという感じがしております。

井上(和)委員 輸出も下がっているし、民間の消費支出も下がっている、鉱工業生産は一月は上がったとおっしゃったんですけれども、これはどういう要因かわかりませんが、二期連続でマイナスも続いているわけですから、決して予断を許さない状況だと思うんですね。そういう中での、非常に予断を許さない中での増税は非常に危険を伴うということだけは、ここで申し上げておきたいと思います。

 次に、話題をかえまして、環境税について大臣にお伺いしたいと思います。

 先ほど同僚の平岡議員が同じ質問をいたしましたけれども、実は、私、超党派の議連をつくりまして、省エネの問題に取り組んでおります。議連の名前は環境・省エネ外断熱議連といいまして、特に住宅部門での省エネを、特に建物の断熱を推進しようという目的で、これは自民党の先生方とも協力してやっているわけですね。

 なぜ私がこの問題に取り組み始めたかといいますと、大臣御存じのように、私、以前アメリカに住んでおりまして、アメリカから帰ってまいりまして、日本のマンション、コンクリートのマンションに住み始めたんですね。冬になりましたらこれが物すごく寒くて、一晩じゅうエアコン、暖房をつけっ放しで寝ないと寝られない。うっかりとまっちゃったときに私も大変風邪を引いてしまったという経験をしまして、アメリカにいたときは同じコンクリートのマンションでも、非常に快適で、冬でも半そでで過ごせるような快適な生活を過ごしていて、日本に帰ってきて、一体これはどうなっているんだという思いを強く持ちました。

 その点、同じコンクリートのビルですから、恐らくセントラルヒーティングになっていないからかなというぐらいに最初は思っていたんですね。ところが、いろいろ調べてわかったことが、欧米と日本では断熱というコンセプトが根本的に違っているというのがわかりました。

 欧米でどうなっているかといいますと、建物全体を厚い断熱材でかぶせるわけですね。こういうビルでもかぶせちゃうわけです。そうすると、家全体、建物全体がオーバーをかぶっているような状況になるわけです。これを外断熱と言うんですけれども。

 日本では、このビルもそうですが、そういう構造になっていなくて、内側にパンパンと断熱材が張ってあるとか、そういう状況になっているわけですね。そうすると、例えば床の部分は何もないですから、また、断熱材の張っていない部分が出てきて熱が非常にむだになる。熱が逃げていくというわけです。窓もほとんど日本の場合は一枚のガラスですから、そこからどんどんどんどん熱が消失される、そういうふうになっているわけです。現実には、こういった、九九%の日本の建物というのは内断熱という建物で、実際に外断熱でつくられているものは一%程度しかないんですね。

 具体的な話をしますと、長野県の大町にある病院がありまして、これは大きな病院で、こっち側が内断熱でこっち側が外断熱というふうになっているんですね。古いものを改修してこっちが新しくなって、外断熱にしたわけです。

 冬に外側から、赤外線サーモグラフィーというのがあるんですが、つまり、建物がどういうふうに、どのくらい熱を発散しているか赤外線カメラで撮りますと、従来の内断熱の建物というのは赤外線カメラで撮ると真っ赤になるんです、つまり建物全体から熱を発散しているわけですね。つまり、熱がどんどんどんどん出ているわけです。ところが、外断熱の建物になりますと、熱が全く発散していないんです。出ているのは窓から。窓は、特にアルミサッシは非常に熱伝導率が高いですから、熱がどんどん出るんですけれども、窓部分だと。建物自体は全然熱が発散していない。そういうのを私も現実に見たことがあります。つまりは、そういった欧米型の建物というのは、非常に熱を中にためることができるというものなんです。

 実は、先週、スウェーデンのハンス・エークさんという建築士の話をこの議連で聞いたんですけれども、この人はスウェーデンで住宅をつくっているんですが、暖房がなくても住める住宅をつくっているんですね。何で暖房がなくても住めるかといったら、このうちはエネルギーを使わない、つまりは、建物の断熱材が物すごく厚いんです。壁に四十センチ、このくらいですね、断熱材が入っている、屋根もこのぐらい入っていると言っていました。

 ちなみに日本はどうかといいますと、今回、中越地震の後に、私も議連として、とにかく仮設住宅の断熱材を厚くしてくれというふうに厚生労働省や県庁にお願いしたんです。そうしますと、本来は日本の仕様というのは五センチです、断熱材が。それをとにかく何とかしろと言って、十センチまでしてくれました。しかし、そのハンス・エークさんの言っている無暖房住宅というのは四十センチですよ。つまり、それだけエネルギーの省エネということに関して、特にスウェーデンなんかは進んでいる、ドイツもそうなんですけれどもね、というわけです。

 日本は本当にやられていないんですね。窓も、ヨーロッパでは、寒い国ですから三重ガラス。サッシも、熱を通さない樹脂サッシとか木のサッシが使われていて、ほとんど熱をむだにしない。このハンスさんのつくったうちというのは、大体一年間に使う暖房の量というのは、ボルボの車のガスタンクの一回満タンにした分ぐらいだ、だから恐らく六十リッターぐらい、それで一年間賄えるということを言っています、約百平米くらいのうちでですね。

 どうも今回の環境税の議論を聞いていますと、何かもう日本は他国に比べて非常に高水準の省エネを既に達成しているんだ、これ以上の余地はなかなかないというようなことが結構言われているんですよね。私、こういった問題に取り組んでいて、何を言っているんだと。とんでもない話でね。大体、家庭部門で約一六%のCO2を排出しているわけですね、オフィスなんかもありますから、かなりのCO2削減というものが、こういう断熱とかをきちっとやっていけばできるんですね。

 ところが、何かもうすべてやっちゃったんだというようなことをよく知らないで言っている人がいて、どうもそういう人たちの声が強くて環境税もなかなか導入ができないというような状況じゃないかなと思っているんです。

 そういった意味で、最近も、御存じかもしれない、TOTOというメーカーがあるんですが、委員会で特定のメーカーの名前を出して恐縮なんですが、これは非常にすばらしいアイデアで、おふろが冷めないおふろというのをつくったんですね。つまりは、一度お湯を入れて、ずっと一晩じゅうあったかい。要するにそのコンセプトがまさしく外断熱を利用して、おふろのおけの外をずっと断熱材で囲んでつくったおふろ、魔法のおふろとか、魔法瓶かな、とかなんとか言っていますけれども、それが今大変売れている。

 つまりは、やる気になれば、やはり日本人は非常に優秀ですから、いろいろなことができるんですね。ところが、もうやることやったんだからという態度で努力をしない、そういう状況にあるのが、私は今回の京都議定書の問題だと思います。

 そういった意味で、ぜひ、これは増税になりますから景気判断は慎重にしてやらなければいけないと思うんですけれども、今後、積極的に考えていただきたいと思うんですが、私の話を聞いて、大臣、御感想はいかがでしょうか。

谷垣国務大臣 今の外断熱、内断熱というお話は、私も今まで伺ったことがなかったものですから、なるほど、そういうものかと思いまして、まだやれることが相当あるのかなという気もしたわけであります。

 他方、我々が子供のころ住んでいたうちは、暖房なんかを考えるよりも、風通しをよくして夏を涼しくというようなうちに住んでおりましたから、そういうところで、大分、住宅に対する考え方がスウェーデンのような寒い国とは違っている面もあるのかなと。どこまでそういう考えが日本の中に入れられるかという気もいたしましたけれども。

 私自身も、家を建てますときに、多少ながら断熱材を入れてあったかくなっておりますので、まだまだいろいろな、暖房の方にしろ、あるいは冷房の方にせよ、日常生活で工夫できることはまだかなりあるのかなと思いました。

井上(和)委員 どうもありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。

 次に、今月の十四日に、大阪府の寝屋川市の小学校で教師の方が、鴨崎満明さんという方、五十二歳の方ですけれども、十七歳の少年によって刺殺された事件がございました。この事件によって、この方が亡くなって、同僚の二人の教諭の方も重傷を負ったということです。亡くなった鴨崎先生、大変人気のあった熱血先生だというふうに報道されています。本当に鴨崎先生の御冥福を心からお祈りしたいと思います。

 その後、各地域でいろいろな対策が今とられているようです。例えば、護身用の警棒とかさすまたというんですか、それを学校に上げて侵入者に備えるというようなこともやっているわけですね。文部省では、このさすまたも、一度も使ったことがなければいざというときに有効利用できない、そんなことを言っているというわけなんですが。私は、今回こんなような対策を見て、ちょっとこの日本という国、何か国家の体をなしていないなという気がしました。大臣も恐らく同じような感想を持たれるんじゃないかと僕は思うんですけれども。

 つまり、まさに今、日本の教育が大きく揺れていて、学力崩壊ですか、こういった問題が声高に言われていて、教育をとにかく再建しなきゃいけないということで言われている中で、最も重要な役割を果たす先生方に、さすまたを使って、何か侵入者が来たら、捕り物ごっこみたいにして取り押さえろということを言っているわけですよね。

 ちょっと想像力を働かせれば、例えば、この委員会室が学校で、委員長が先生、我々が生徒として、国会にもだれも警備員がいなくて、いつ侵入者があるかわからない、そんな中でこういう議論をしていたら、恐らく委員長は、話を聞くよりもドアの方を見て、変なのが入ってきたら何か取り押さえなきゃいけないというふうに思われるかもしれない。我々も気が気じゃないので、何か変な人が来たら大変だと思っておちおち勉強もできない。そんなような状況に陥ってしまうんじゃないかと私は思うんですよ。先生が安心して教えることに専念する、子供を指導することに専念して、子供たちも安心して勉強ができる、こういう環境をつくれなければ、これははっきり言って国として体をなしていないと私は思います。

 そういった意味で、私は本当に、今回の予算を組み替えてでも、組み替えて、とりあえず人口密集地帯にある学校、そういうことが起こりやすい学校、数千校でも、警察のOBとか自衛隊のOBとか、警備員をちゃんと配置すべきだと私は思います。

 私も計算してみましたが、例えば五千校に、一人四百万ぐらいの、そういう方を配置し、年収四百万円ぐらいかかったとしたって、二百億ぐらいでできるわけですよ。子供たちが安心して勉強できる場所を二百億円ぐらいの予算で確保できれば、私は安いと思いますよ。それができないような国だったら、私は本当に国家の体をなしていないというふうに思うんですが、大臣はいかがでしょうか。

谷垣国務大臣 委員が子供のことをいろいろ考えていろいろ仕事をしておられたことはよく承知しておりますけれども、私もかつて、こういう子供の問題、いろいろ関心を持ち始めたころ、これは大変うかつだったなと思いますのは、要するに、こういう子供の問題は、発展途上国や何かで、非常に健康的にも教育的にも、生活の上でも悲惨な状況に置かれている子供たちをどうバックアップしていくか、それが大事だと。日本ではある程度問題は解決しているというふうに思っていたわけでございますけれども、昨今を見ますと、日本の中にも実は問題がたくさんあった、足元をよく見ていなかったという気がするわけであります。

 それで、今おっしゃったのは、特に学校をめぐる安全の問題を取り上げられたわけでございますけれども、十七年度予算案でも、学校の安全確保に向けた取り組みを一層充実しなきゃならないというので、学校の安全体制を必要とするような小学校等において、ボランティア、これも今おっしゃった警察のOBとかあるいは自衛隊のOBという方も入るかもしれませんが、そういうボランティアの方で学校の巡回警備等をやっていただくスクールガードというものを設けて、効果的な安全体制をつくろうという地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業というような予算も、経費を計上したわけでございます。

 それから、これはすぐ学校というわけではございませんけれども、警察官の増員も、この数年で一万何千人かになると思いますが、進めてまいりまして、ようやくそういう警察官の訓練を受けた人が現場に配備されるような段階になってまいりました。そういうのも効果を上げてほしいと思っておりますが、そういうこととあわせて、やはり地域社会の連帯というものがなければ、なかなか学校の安全も保たれないのではないかなと思っておりますが、どういう施策をやっていけば学校の安全というものに結びつくか、私どももよく研究をしたいと思っております。

井上(和)委員 大臣、研究する必要はないですよ、この問題に関しては。警備員をきちっと置いて、変な人が入ったらすぐ取り押さえられるようにしておけば、それで問題は解決するんですよ。それすらできないということは、本当に私は国家の体をなしていないというふうに思います。

 そういった意味で、これは真剣に考えていただいて、もし小泉総理が、予算を組み替えて、とにかく日本の小学校に警備員を配置して子供の安全を絶対確保しますということを今国会中にやれば、内閣支持率は相当上がると思いますよ、五%ぐらい。絶対できないと思っていますからそう言いますけれどもね。

 だから、ぜひこの問題に関して、先生にやらせるとか、本当に茶番劇で、こんなのはきっと外国でテレビで報道されますよ。おもしろいから。普通ないですから、そういうことは。だから、まず先生が教えることにきちんと専念できる、そういう環境をつくること、そうしなければ学力崩壊なんかはとても議論できないですよ。ぜひこれは本当に真剣にやっていただきたいと思います。

 同じく学校の問題なんですが、耐震化の問題。耐震化も非常におくれていますね。私は文部省のデータを、この問題はよく言われていますけれども、東京ですら、昭和五十六年以前の建物の耐震化率は、五〇%ぐらいしか、五〇%ですよね。少ないところ、うちの同僚の平岡先生の山口というのは、二、三%ですね。これは資料を配る時間がなくて、本当はお配りしたかったんですけれども、済みません。例えば徳島も数%、茨城で一〇%、そんな状況ですよね。驚くほど耐震化は進んでいない。

 つい先日、金曜日には、東京直下大地震で経済被害は最悪で百十二兆円という報道もあります。本当に一体いつ来るかわからない状況の中で、耐震化が進んでいない。もし地震が起こって、学校がつぶれて多くの子供たちが犠牲になったら、これはやはり政府の責任だと私は思いますが、大臣、いかがでしょうか。

谷垣国務大臣 学校の耐震化は、今おっしゃったように、そこで勉強する子供たちの安全という意味でも極めて大事だと思いますし、それから、大きな災害なんかが起きますと、学校がいろいろな避難の拠点とかそういうのに使われたりしますから、地域の安全、安心という意味からも、非常に意味合いの大きいことではないかと思っております。

 それで、今おっしゃった耐震化も、相当地域によってばらつきもあるわけですけれども、文教予算全体はちょっと縮減しておりますが、この耐震予算は少しでもふやそうということで、昨年度、十八億増ということでありますが、千百七十三億円の予算を確保しております。今後とも、これは引き続き重点を置いてやりたいと考えております。

井上(和)委員 子供の安全の問題、また地震、耐震化の問題も、こういう重点的なものをやはり優先的にやるという国になっていかなければいけないというふうに強く思いますので、ぜひよろしくお願いします。

 今度、国の債務管理の話に話題をかえまして、ちょっとお伺いしたいと思います。

 国の借金というのは、国債もありますし、それ以外に借入金もあるわけですよね。私が着目したのは、特別会計の借入金というのが割と大きな金額になっているというふうに理解しているんですけれども、今どのくらい借入金はありますか。

牧野政府参考人 お答えをいたします。

 平成十六年三月末現在でございますが、借入金残高は六十兆六千五十七億円でございまして、このうち特別会計の借入金現在高は五十六兆九千九百七億円になります。

井上(和)委員 短期の借り入れというのは幾らになりますか。

牧野政府参考人 今申し上げましたのは、短期も長期も含めたものでございます。

井上(和)委員 いずれにしても、相当の借入金があるわけですよね。

 これは大臣にお伺いしたいんですけれども、プライマリーバランスの黒字化という議論をするときに、基本的には一般会計の話をされているんでしょうか。これは特別会計を入れて、当然特別会計の方が非常に大きな予算になっているわけですけれども、この件に関して、大臣、いかがでしょうか。

谷垣国務大臣 通常、プライマリーバランスの回復で議論されておりますのは、これは国も地方もありますけれども、国の場合で申しますと、国の場合も地方の場合もそうでありますが、一般会計で通常議論されております。

井上(和)委員 現実には、一般会計よりも特別会計の方が非常に膨張しているわけです。借入金も六十兆近い……

谷垣国務大臣 ちょっと済みません、失礼いたしました。

 国民経済計算、SNAシステムというのがございまして、そこで計算しますときは、SNAの一般政府というような表現で言っておりますが、これは中央政府、地方政府と社会保障基金を足してやっております。この場合には、社会保障関係の特別会計等が含まれてきている、そういう計算の仕方も行われております。

井上(和)委員 つまり、社会保障関係以外の特別会計が当然あるわけですよね。それに関してはどうなんですか。それも全部入っているということですか。(谷垣国務大臣「社会保障関係の」と呼ぶ)以外の。

谷垣国務大臣 それはSNAの計算の中では入ってきておりません。

杉本政府参考人 ちょっと済みません。

 「改革と展望」でございますが、この場合には国と地方を合わせたプライマリーバランス、基礎的財政収支の黒字化ということを言っております。その場合に、国と地方はSNAベースでございますので、国の場合は、中央政府として全体でとらえておりますので、一般会計、特別会計、それから国の部門としてカウントされるような主体、こういうものを入れたところのいわゆる国民経済計算ベースで考えておりますので、特別会計も入っていると観念していただいて結構でございます。

井上(和)委員 大臣もよく御理解されていなかったようですから、私もはっきりわからなかったものでお伺いしたんです。

 ちょっと早いですけれども、これで私の質問を終わらせていただきます。どうも大臣、ありがとうございました。

遠藤(利)委員長代理 次に、原口一博君。

原口委員 民主党の原口一博でございます。

 この二法案の審議、徹底的に審議をさせていただきたい。その中で、財務大臣、それからきょうは日銀総裁にもお見えいただいておりますので、るる質問をさせていただきたいと思います。

 まず、先般のG7の場で、世界経済の先行き及びリスクファクターについてどのように議論が行われたのか。また、そこで議論された世界経済の先行き、リスクのファクターについて、私たちはどのようにヘッジをすればいいのか。先ほど、我が党の古本議員がお話をしましたが、ドメスティックな経済の指標だけを見ていてはとてもヘッジできないような大きなリスク要因についてもここでしっかりと議論をしておくべきだ、私はそう思っておりますので、まず日銀総裁、先般のG7の場での議論について御紹介をいただきたいと思います。

福井参考人 お答え申し上げます。

 G7の場及びその他の国際会議の場で最近共通いたします認識は、世界経済につきまして、今年について、昨年に比べ成長率は若干低下するものの、持続的な拡大パスに着実に乗った姿で拡大を続ける、こういう予想でございます。

 リスク要因という御指摘がございました。リスクファクターとしては、まずグローバルなインバランスの問題が存在する、マーケットも強く意識し続けている要因でございます。この点につきましては、今回のG7では、米国は財政赤字の縮小ないし健全化、欧州及び日本はさらなる構造改革に優先的に取り組んでいかなければならないということが確認されたということでございます。

 G7が終わりまして、御承知のとおり、アメリカの政府は、二〇〇九年度における財政赤字半減達成を視野に入れた米国の会計年度での二〇〇六年度の予算教書を公表したわけでありますが、これはG7コミュニケの趣旨を踏まえた米国の姿勢を示しているものだというふうに理解されていると思います。こうした政策は、世界経済のインバランスを緩和して、各国がより長期的に、持続的な成長を達成していく上で必要不可欠なものでございます。今後は、日本を含めたG7各国がそれぞれ掲げた目標、構造改革を含め、着実に実行していくことが重要だということだと思います。

 このほか、G7コミュニケでも、原油価格高騰のリスクが引き続き意識されておりまして、かつコミュニケでも言及されております。市場の透明性やデータの完全性が円滑な市場運営のかぎであるということもあわせ確認されているところでございます。

 原油価格の高どまりは、エネルギー多消費国を中心に、これは実質購買力の低下を通じて経済の減速につながる心配があるわけでありますし、先進国におきましては、インフレ予想に及ぼす影響に注意しなければならないというふうに、これまたリスクファクターでございます。この点は、各国がそのリスクを十分念頭に置いて、適切なマクロ経済政策の運営を行っていかなければならないという状況でございます。

原口委員 総裁がお話しになりますように、さまざまなリスクファクターをヘッジしながら、その構造改革を我が国は進めなきゃいけない。

 そこで、一番問題となるのは持続的な成長に欠かせない消費、国内の内需の拡大、これをどう持続的にするかということが政策の最初のターゲットであるはずです。

 しかし、その政策のターゲットをこのような定率減税の縮減という形でやってしまうことが、ちょうどあの橋本財構法のときにかえって財政赤字を拡大させ国民の負担はその後かえって大きくなりましたね、そして負担が大きくなるだけではなくて、経済全体の成長も鈍化をし、そして恒久的減税というような減税をして今に至っているという、そこの反省がどこまできいているんだろうか。このことをきょうは明らかにしたいと思います。

 委員長にお許しをいただいて、きょう三種類の資料をお手元に出していますが、まず財務金融委員会配付資料三をごらんになってください。

 日銀総裁と財務大臣、これは対ユーロ、対円に対して、ドルがどのような動きをしているかということを示したグラフです。私は、ニューヨーク・タイムズのレポート、グリーンスパンさんとブッシュさんのみつ月が終わりかけているのではないだろうか、このレポートに着目をしました。すなわち、これまでの連銀総裁とそれから大統領との間の緊密な財政運営あるいは経済運営、こういったものが、ある意味では一つの曲がり角に来ている。

 先ほど総裁がお話しになりましたように、アメリカの財政再建がなければ連銀は金利を上げざるを得ない、こういう状況になっているのではないか。このグラフをごらんになれば、二〇〇一年の〇・八二というのがユーロの底ですね。それから六六%も切り上がってきている。円については三三%。主役はやはりユーロなんですよ。

 ここで私たちがきょう問題にしたいのは、その次のページをごらんになってください、主要国の外貨準備と対米証券投資。世界経済が、一方でアメリカの経常赤字、それから、中国を中心とする、大変大きな勢いで外貨準備がふえている。

 私たちは、ふやした外貨準備はドルに向かうものだと、ドル債を買うものだとアメリカの当局も思っていた節があります。しかし、現実には何が起こっているかというと、外国からさまざまなものを買って外貨準備をふやしても、それをドルで持っていてドルが暴落してはたまらないということで、ドル売りの圧力が非常に大きな勢いでかかっている。民間資本がアメリカに流れて起こったのではなくて、中国の外貨準備をごらんになってください。二〇〇〇年に千六百五十六億ドルだったのが、もう今や五千百四十五億ドルになっている。これがドルに向かうんだったら、中国の元はドルとペッグしていますから、ある意味では今までの予想どおりなんですが、それはユーロに向かっている。

 アメリカは、世界から一年間に六千億ドル集めないと回らない経済、これを維持するためには、先ほども申し上げたように、民間の資本を引きつけるためにアメリカは金利を上げなきゃいけない。アメリカがくしゃみをすれば日本経済はまさに肺炎を起こすという状況は今も変わっていないんです。その中で、世界的規模でこういうことが起こっている。

 私は、今日銀総裁がお話しになった、アメリカの財政赤字がなぜ問題なのか、その一つの大きな理由がここにあるというふうに思うんですが、財務大臣、日銀総裁、このグラフを見て、どのように思われますでしょうか。お尋ねをいたします。

谷垣国務大臣 確かに、委員が御指摘のように、この数年というか、このしばらくの趨勢は、ユーロが高くなっていったことにあるというふうに考えております。

 それで、今委員の御質問は、結局、外貨準備を持って、日本もふえておりますが中国もふえているのが、アメリカに向かわずにユーロに向かっているんじゃないかということでしょうか。

 私は、中国の外貨準備がどういうポートフォリオになっているのか、中国もこれは発表していないですね。(原口委員「いやいや、ここに書いてあるよ。対米証券投資」と呼ぶ)対米証券投資といいますのは、多分、中国政府がということよりも、中国全体がどれだけかということなんじゃないかと思いますが。中国政府は発表していないと思うんです。

 それで、私どもも、日本のポートフォリオの中身がどうなっているかということは、確かに、ドル買いが多いですから、大宗的にドル建てが多いことは事実でございますけれども、この中身がどうなっているか、どういう影響を受けているかというのは、影響するところが大でございますと、私は、発言は極めて慎重でなければならないと思っております。

福井参考人 ただいまの御質問に関連して申し上げますれば、米国の赤字、なかんずく経常赤字は、この前に問題になりました一九八〇年代の後半に比べますと、今回の方がスケールが大きくなっている。アメリカ経済の大きさ、名目GDPに対する比率も、前回は三%ぐらい、今回は五%を超えて、さらに進もうとしているということが大きゅうございます。したがいまして、その反射効果として、それ以外の国の通貨にプレッシャーがかかる、あるいは外貨準備がふえるということになっております。

 八〇年代後半ともう一つ違いますのは、赤字国が当時は分散していた、今回はかなり米国に集中している、そして、黒字がどちらかといえばアジアにたまりがちだ、こういうふうな感じがある点は違いだと思います。

 しかし、もう一つの違いは、その間にグローバル化が非常に進み、資本の面でも、国境を越えて資本がより円滑に動くようになった。米国において、政府部門は赤字でございますが、米国の民間部門が世界の投資家に望ましい投資機会を提供し続ける限り、ファイナンスがされやすくなっているという面もございます。

 現在のところ、そういう状況で、米国の国際収支のファイナンスが急に不円滑になり始めているという兆候はないわけでありますけれども、いつまでもこういう状況が続くかどうかについて、市場においては根底的な懸念が残っているという状況だと思っております。

原口委員 財務大臣のお答えより、日銀総裁のお答えの方がより確実だと思います。

 IMF、米国財務省の資料をなぜここに出しているかというと、アメリカの方がこういう統計を持っている。特に、アジアにおいて、例えば、仮に外貨準備を五割ドルで持っていても、一〇%ドルが弱くなれば、その年の五%成長というのはチャラになってしまうわけです。つまり、外貨準備で稼いだお金はドルの急落によって消えていく、こういう状況について、私たちはどういう政策スタンスをとればいいかということを言いたくて申し上げているわけです。

 その次のページをごらんになってください。

 特に、アメリカで起こっていることは、これは長短の金利のところですが、この三ページ目。ドイツの金利は横ばいですね。アメリカの金利はどんどん上がっている。国債も、長くなればなるほど、ドル債の金利は余り上がっていない。短期の金利が上がって、長期の金利が上がっていないのが、私は大きな問題だというふうに思っています。

 その次の四ページを開いてみると、アメリカの十年国債の利回り、これは、ことしの一月一日で四・一八八という数字ですけれども。インフレ連動債、まさに、短期金利が上がって長期金利が上がらない、長短の金利差が縮小している。このリスクを私たちはどうヘッジするのか。アメリカの金融機関にとって、これは大きな問題なわけです。八割以上の利益が、短期の安い金利で調達して、長期の金利の高い投資をやっている、これがまさにアメリカの今の金融の姿だというふうに思います。このメカニズムがどのような要因で狂ってくるか、アジアの金融危機どころの話ではないと思います。

 アメリカの債務問題、今日銀総裁がお話しになったように、過去十五年くらいで、何かあると金融緩和という政策をとってきた。その結果、債務が国全体でGDPの約三倍になっている。これは、この委員会でも何回も議論がありましたけれども、中国やアメリカの経済に、いわゆる外需に支えられてきた日本経済の成長エンジン、このエンジンに、大きな懸念、あるいはリスクの懸念材料が出てきているということではないでしょうか。

 連銀は、あとどれぐらい金利の引き上げをするのか。マネーサプライが減り、投機資金が減れば、日本株を買う資金というのもかなり減ってくるわけで、私は、何も悲観的シナリオをここでつらつらと述べる気は全くありません。しかし、世界の我が国の中では、政策ポジションをどうとっても手の届かないところ、財務大臣、私は、自分たちの政策でやれるところは、それは自分たちでヘッジすればいい。しかし、自分たちの政策の手の届かないところで大きな金融の世界での変化が起こっていることについては、よほど慎重に議論を積み重ねておく必要があるということでこういう数字を出しているんですが、財務大臣、御所見をいただきたいと思います。

    〔遠藤(利)委員長代理退席、委員長着席〕

谷垣国務大臣 おっしゃるとおりだと思います。

 アメリカがどういう形で資金をファイナンスしているのかというのは非常に重要な問題でありまして、その回転がおかしくなってしまいますと、影響は非常に及んでまいります。

 それから、ちなみに先ほど私申し上げましたのは、この外貨準備で示してあるというのはドル表示をしたものでございまして、この中身がどうなっているかというのはこれだけではわからないわけでございます。日本も八千百十二億ドル、こうなっているわけでありますが、その中身は私どもも発表しておりませんし、恐らく中国も発表していないと思います。

原口委員 いや、だからそこに私たちの大きな懸念材料がある。去年、ニューヨーク連銀の総裁とも議論をしましたけれども、恐らくアメリカに対して割と経済を引っ張るようなポジションを各国は持つんだろうと私たちも思っていまして、そう期待しているわけですけれども、しかし、今申し上げたような理由でアメリカの経常赤字が積み上がり、しかももう一つ、いとこの赤字という財政赤字が莫大になっていけば、それをヘッジする方向に各国金融当局も動くだろう、民間の資金が流れる、その流れる力よりも、むしろ中央銀行のポジションがますます高まっている、その重要性が高まっているだろう、そのことは否定できませんねということを申し上げているんです。いかがでしょうか。

谷垣国務大臣 おっしゃるとおりだと思います。その意味で、今度G7で、先ほど日銀総裁も言われましたけれども、私どもも構造改革の努力を約束したわけですけれども、アメリカにも財政規律を求めて、アメリカもそれを了承したというのは意味のあることだったと思っております。

原口委員 同じことを日銀総裁に伺いますが、アメリカのドルのいわゆる信頼をつなぎとめるために世界各国がさまざまな協力をしなきゃいけない。我が国は、何回も申し上げますが、外需頼みの今までの経済を大きく内需主導。日銀総裁は二つの道筋を示して、日本経済が安定成長にしっかり到達するために、経済が本来の本格回復をするために何が必要かということをお答えになっていますが、その二つの道筋というのは何ですか。

福井参考人 まず、民間部門の構造改革、これは間もなくペイオフの全面解禁ができるというところまで前進してまいりました。これからは、企業及び金融機関とも、より前向きに新しい循環メカニズムを相呼応してつくり上げていけるだけのリズム感を出していかなきゃいけない。我々のマクロの政策はそれをバックアップしていくということでございます。

 同時に、金融政策は、特に中長期的な物価の安定を目標としています。物価が恒常的に下がり続けるという状況を脱却しなければいけないわけなんですけれども、ここのところは、経済の持続的な回復の実現、それが表裏一体となって、物価の面でも決してインフレに行かない、しかしデフレからは脱却するという望ましいパスを築いていかなければいけない。そういう前向きの努力がいよいよ今から始まっている。

 今までは、どちらかといいますと、過去の問題処理、金融機関も不良債権問題の処理、そして、同じく物価の下落であっても需給ギャップが大きい状況からの脱却、後ろから前に向いて、向きを変えるための懸命の努力でございましたけれども、これからは前向きに、呼吸が合うように前進していかなければいけない。その中で、引き続き我々は緩和政策を続けていきますし、引き続き、資金が今後はより前向きに有効に使われていくように努力していかなければいけない、そういうことだと思っております。

原口委員 私もその二つのパスだと思っています。つまり、リズムと、経済成長に対する本当の意味での実感、確信と言ってもいい。資金市場についても、ここをしっかりと改革しなきゃいけない。この二筋だと思っています。

 そこで、どうしてこういったことをやるのか。私は、先ほど古本議員が質問をいたしましたけれども、リズムを壊すだけではなくて消費を直撃する、結果、年金の財源も毀損し、そしてまた新たな増税といったものをやらなきゃいけない。橋本行革法でなぜあれが失敗したかという総括は、もう何回も予算委員会でもさせていただきましたし、あのときも申し上げました。あのとき必要だったのは政府の歳入歳出構造の改革だったはずです。それを単なる歳出カット、そしてそのツケを国民の一番中核のところに押しつけたがために、かえってあの後どれぐらい赤字国債を発行しましたか。百兆、二百兆という額じゃありませんね。それと同じようなことを今やっているんではないかということを、私は申し上げておきます。

 可処分所得を増加させる政策を今こそ打つべきで、特に、今申し上げたようなグローバルな、経済が大きなリスク要因を抱えているときに今これをやるというのは、やはり内側だけを見ている議論だなというふうに思います。

 また日銀総裁に伺いますが、日銀は、私はこれは大反対でしたけれども、まさに日銀が財政政策まで踏み込んだような株の買い入れを、三兆円を枠にやりましたね。これはどうなったんですか。今も続けているんですか。たしか昨年の九月三十日ですか、それぐらいで締め切っていると思いますが、もうそれもやめているんでしょう。

福井参考人 委員御指摘のとおり、日本銀行によります金融機関からの株式の買い入れ措置は極めて異例の措置、異例の措置ということを我々も強く意識して実行してまいりました。

 先ほども申し上げましたとおり、我々は、後ろを振り返って過去の問題を完全に処理して、早く前向きに物事を進めたい。後ろ向きに処理しなければいけない問題の一つが、金融機関の財務の健全性。その場合に、不良債権の処理の問題はございますけれども、株式の市場価格変動リスクを金融機関が大きくかぶっている状況にあっては、なかなか目的が達成されません。財政政策というよりは、金融機関の財務の健全性のための努力の一環として、我々はそこに異例のサポートをしたということでございます。

 金融機関の株式の保有状況が資本のティア1の部分を超える部分をなるべく早く消すことによってバランスシートの健全化を図りたい、その目標がかなり達成された。同時に、政府の方において用意しておられます、あれは正式の名前は忘れましたが、株式の買い入れ機構、この機能が強化されたということも私どもにとりましては朗報でございまして、既に我々の方の買い入れ措置は完全に終わっております。

原口委員 日銀の買い入れ措置は終わっていますね。では、政府の買い入れ措置は終わっていますか。

伊藤国務大臣 お答えをいたします。

 買い取り期間は十八年九月までということになっております。

原口委員 財務大臣、お聞きになったとおり、まだ買い取りをやっているんですよ。こういう状況の中で定率減税の縮減。ティア1を超える中核的な自己資本、五兆円程度を銀行が余計に持っていたわけですね。それを、日銀は財政政策に踏み込み、そして政府も、銀行から申し出があったらトリプルB以上の株についてはこれを買いますという異様な政策をまだ続けているんですよ。右手がやっていることと左手がやることが違いませんか。莫大な資産の移動を国民から金融機関に対してまだ行っている段階で、そしてこういうことをやるんですか。国民に理解できますか。

 後でお話をしますが、年金の財政についても、この二案、これは両方とも年金関連ですね。年金の基礎的な財源のところにする、あるいは年金の事務費、これは公債特例法の改正ですけれども。本当にまじめに年金の部分についてもしっかりと財政改革をやっていますか。一人一人の可処分所得が足りずに年金を支払うことができない、年金の保険料も払えない。それに加えて、皆さんに預けていて本当に自分たちの年金は大丈夫か、それがこの年金問題の本質じゃないですか。

 日銀総裁、今まで三兆円の枠の中で二兆を超える株を銀行から買い入れられたと承知をしていますが、どこに委託をして、日本銀行が選定した格付機関ですね、格付機関を四つぐらい選定して、そこがトリプルB以上だといったところにその株を指定したんじゃないかと思いますが、これはどうやって市場に戻すんですか。いわゆる流動性の高いものから銀行から株を買っているわけでしょう。つまり、それだけ流動性の高い株、それから格付の高い株というのを日銀にいつまでも塩漬けしておくんですか。そこで莫大なモラルハザードが起こっている可能性はないんですか。

福井参考人 日本銀行が買い入れました株式、買い入れに当たっての銘柄の基準は三つございまして、上場株式であること、そしておっしゃるとおり、格付がトリプルBマイナス相当以上であること、そして、取引所における売買成立日数が年間二百日以上かつ売買累計額が年間二百億円以上、これは流動性の高い株式ということでございます。これを日本銀行が直接買うというよりは、信託銀行に事務を委託するという形で買い入れている、こういうことでございます。買い入れました株式は、おっしゃったとおり、グロスで累計二兆百八十億円に上っております。

 これの今後の処分、つまり、買い入れた株式の処分でございますが、平成十九年の十月以降に開始をして、平成二十九年の九月末までに終了するということにしております。まだしばらく売却開始まで時間がありますし、開始いたしましても、十年間かけて市場にインパクトが少ない形で売却していきたいということでございます。我々としては、できる限り日本銀行の財務の健全性から売却損を回避するということにも十分留意しながら、市場にお返ししていくということでございます。

原口委員 財務大臣、お聞きになりましたか。こういうことをやっているわけですよ。

 そして、市場に対するインパクトを少なくなんといっても、現実にもう今金銭の信託で評価損益を計算すれば六千四百六十四億円、これは日銀のプラスになっていますよね。だから、将来どうなるかわからない、もうちょっと前まで、株価がどうなるかわからない、そして銀行が株を持ち合っていて、そしてティア1を超える部分が五兆円以上もある、その中でこの政策をやっているんですよ。先ほどの質問の中で、経済が少し上向いたどうのこうのなんという甘いものでまだないですよ。

 私は、単にいわゆるストックマーケットだけがよくなればいいという考え方に立っていません。財政再建もやるべきだ。ボンドマーケットも不良債権化して、まさにさまざまな赤字が積み重なることによって、それも銀行や経済の悪パフォーマンスの一つになるから、財政再建の道筋を示すべきだという考え方です。しかし、だからといってこの所得税の定率減税のところが第一の政策課題に来るというふうに考えるのは、本当に経済や今までの国民の痛みがわからない、そういう人たちの政策だというふうに断ぜざるを得ません。

 日本銀行が選定した格付機関、これはどこですか。

福井参考人 四つございます。

 株式会社日本格付研究所、株式会社格付投資情報センター、ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク、スタンダード・アンド・プアーズ・レーティング・サービシズ、以上四つでございます。

原口委員 まさに外資やさまざまな、今日本の中で起こっている、日本経済が塗炭の苦しみを味わっているときに、今おっしゃったSPやムーディーズ。予算委員会で何とおっしゃっていましたか。その人たちの格付で日本経済をはかられてたまるか、その人たちが外から見ているもので信頼できるか、そんな話をしていたんじゃないですか。しかし、現に、今お答えになったように、日本の外側の格付機関にも格付してもらって、そして銀行の持ち株を減らそうと今やっているわけですよ。そのときにやる政策だということを明らかにしておきたいと思います。皆さんは、この定率減税や特例公債の中に年金事務費を入れた、そういったことを強行されようとしている。私は許せないと思います。

 年金についてお尋ねをしますが、きょうは社会保険庁長官がお見えだと思います。

 財務大臣、この年金の事務費については、政府としては、財務省としても今回また新たな御提案をされていますが、財務金融委員会配付資料二の二ページ目をごらんになってください。これは予算委員会で使った資料ですが、年金事務費の費用負担の考え方。つまり、去年よりも事務費については十二億円ふやしておられる、保険料負担と国庫負担で、負担のあり方については変わったけれども、いずれにせよ事務費はふえている。本当にぎりぎりの努力をしたと言えますか。

 一ページをごらんになってください。これは保険料の徴収コストです。これは社会保険庁からきのういただいたものですが、国民年金に至っては、一兆九千六百二十七億円を徴収するのに、徴収額百円当たりに三・一七円もかかっている。政管健保や厚生年金が〇・一三円であるのに対して、これだけのお金がかかっているんです。本当にこれをまだ続けるんですか。

 年金事務費、財務大臣がお話しになるように、国庫であろうが保険料負担であろうが国民のお金に変わりありません。ですから、私は、ここに思い切った切り込みが必要だ、どのようなむだをどのように正したかというその証明が必要だと思います。そうでないんだったら、こんなお金を認めることはできないと思うんです。いかがでしょうか。財務大臣はこの間の議論の経過をお聞きになって、年金事務費についてはもうこれ以上ない改革の努力をしたと胸を張っておっしゃれますか。

谷垣国務大臣 今委員のお配りになったこの表を拝見しまして、徴収費一人当たり、国民年金と政管健保、厚生年金、随分違うじゃないかという御指摘がありまして、私も子細には承知しておりませんけれども、やはりそれぞれの年金の制度のあり方から見て、国民年金は御承知のようになかなか不払いが、未払い、未加入があって苦しんでいるわけです。ある意味で徴収コストが高くなるのはやむを得ない面もあるのかなと思いながら拝見しましたけれども、さらにこういうところは精査をして、もっと縮減できることがあるのではないかということは考えなければならないというふうに思っております。

 ただ、平成十七年度予算におきましては、むだ遣いが多いという国会での御議論もありまして、相当厳しく精査をしたつもりでございます。年金事務費の内容、事務局の借料とか公用車の更新費用であるとかあるいは職員の研修費、宿舎関係、あるいは通知書、納付書の合理化、こういうようなことを相当厳しく見直したことでございます。ただ、システム開発等は年金改正法である程度入れなきゃならないこともございましたので、やむを得ない経費の増加もありましたが、システム経費を除きますと、保険事業運営に直接かかわる経費や内部管理事務経費について対前年度九・八%減と、縮減を行っております。

 まだまだやれるところがあるのかもしれません。それはこれからもさらに努力をしたいと思っております。

原口委員 私は、そういう言葉ではなくて、現実にどうなったかということをこれから財務大臣や皆さんと一緒に追っていきたいと思います。財務大臣がそういう意欲を示されたということは多とします。しかし、現実にはどうなっているか。きょうは会計検査院にお見えいただいています。

 会計検査院、平成十年から十五年度、年金に関する決算検査報告ということで私たちにも資料を出していただいていますが、主にどんなむだがありましたか。どんなことを皆さんはこの社会保険庁や年金について指摘をなさいましたか。

増田会計検査院当局者 お答えを申し上げます。

 私ども会計検査院では、従来より、年金に関しまして多くの事項を検査報告に掲記いたしております。

 具体的に掲記事項を申し上げますと、不当事項といたしましては、厚生年金保険の老齢厚生年金等の支給が適正でなかったもの、及び厚生年金保険の保険料等の徴収に当たりまして徴収額が不足していたもの、この二件については毎年検査報告に掲記をしているところでございます。

 平成十二年度から十五年度までの検査報告には、年金の支給については、延べ約三千四百人に係る約二十二億九千四百万円の不適正支給を、また、保険料の徴収につきましては、延べ約五千六百事業所に係る約百六十九億三千三百万円の徴収不足を掲記しております。

 不当事項といたしましては、このほか、十五年度決算検査報告に、国民年金事業に使用する金銭登録機の購入契約と、それから、年金等に関する届け出用紙等の印刷システムの提供を受ける役務契約に関する二件を掲記したところでございます。

 また、国民の関心の極めて高い特定の検査対象に関する検査状況といたしまして、十五年度決算検査報告には、国民年金事業の実施状況につきまして、その適用や保険料に関する事務が効率的に執行されていないなどの状況、それから、十四年度決算検査報告には、社会保険庁が設置いたしました厚生年金老人ホーム等の事業運営の現況につきまして、本来の目的に沿った利用が低いものが見受けられるなどの状況を掲記しているところでございます。

 さらに、事務処理の改善を求めた事項といたしまして、十二年度決算検査報告には厚生年金保険等の適用事業所の全喪処理について、それから、十三年度決算検査報告には、特別支給の老齢厚生年金の受給権者に係る現況届による就労情報の把握及び活用につきまして掲記したところでございます。

原口委員 財務大臣、これは一個一個読み上げていったら、この時間が終わってしまうぐらい大きいんです。

 その中の一つ、金銭登録機の購入契約、これも随意契約です。この小さな登録機が全部十七万三千四百六十円、全国の二百六十七社会保険事務所において、随意契約によりカワグチ技研から金銭登録機を購入している。よくレジとかにありますよね。これが十七万幾らもする。それを会計検査院は、この購入そのものが全額適切とは認められない契約金額だというふうにしているわけです。

 こういう金銭登録機だけじゃありませんよ。会計法令の趣旨をまさに無視したようなもの。同じ平成十五年度の決算検査報告で、届け出用紙等印刷システムの提供を受ける役務契約について、その導入の必要性がない。ないにもかかわらず入れているじゃないですか。これも、平成十一年、十二年、十三年、十四年、十五年、全部随意契約で、相手はカワグチ技研ですよ。結果は、そういう印刷用紙は要らない、だから手書きでやっている。全部これがむだですよ。財務大臣、私がなぜ年金事務費で年金の中からこの事務費をやめてくださいということを申し上げたかというと、財務省のチェックがなくなって余計ひどくなっているからなんです。

 財務大臣、財務省はさまざまな、二年前から各省庁の予算についてダブルチェックのシステムをお入れになっていますよね。政策評価をし、効果とさまざまな費用を数値化し、そしてそれを厳しく事後的に査定する仕組みをつくられているはずです。それに戻されたらどうですかということを私たち民主党は言っているんです。彼らに、厚生労働省の今の、あるいは社会保険庁の今のような体質でやられていたのでは、年金保険料は幾らあっても足りないんです。だから、こういう資料の二にあるような中途半端な出し方でなくて、全額皆さんの査定のもとに置かれたらどうですかということを申し上げているんです。別に不合理なことを言っているんじゃないと思いますが、財務大臣、いかがですか。

谷垣国務大臣 まず、今御議論のあった金銭登録機、カワグチ技研から全部随契で入れているではないかというような問題点につきまして、金銭登録機については業者選定も不適切であったのではないかという御指摘もありました。それで、平成十六年度から一般競争入札で購入を行っておりまして、なお、この金銭登録機は国民年金保険料の戸別訪問等の収納のために国民年金推進員等に携帯させる必要のあるものであったということでございますので、平成十七年度予算においても、一般競争入札ということではありますけれども、購入に必要な額は計上しております。

 そのほか、届け出用印刷システムとか、撤去したりいろいろなことをやっておりまして、今それで委員の御指摘は、もっと予算の査定に当たって財務省の目が届くようにせよということであったと思いますが、今後ともそれはやらなきゃならないと思っております。

原口委員 いや、財務省の目が届くようにじゃなくて、保険料負担からもうこういう事務費に使うのはやめてください。チェックできていないでしょう。財務省だってチェックできていませんよ。そうしたら、きょう社会保険庁長官お見えでございますから、もう一つのことを。

 大体、なぜこんなものを一人一人に持たせる必要がありますか。十七万幾らといったら、もう今の皆さんの机の上にあるこの端末より高いですよ。汎用性の端末よりも高い個別の機械なんかありますか。システムについても、システムの費用が今回入っているから十二億ふえるんだなんというのは説明になりませんよ。

 社会保険庁長官、今皆さんはレガシーシステムの見直しをされているというふうに聞いていますが、プログラムミスでどういうことが起こりましたか。百二十数億かけて平成八年から十一年にかけてプログラムを、これも随意契約です、財務大臣、随意契約を行って、そして約二十四億もの過払いをして、国民の皆さんに二十四億円分返してくださいということを今言っているんじゃないですか。どんなシステムをつくればこんなミスが起こるんですか。社会保険庁長官、お答えください。

村瀬政府参考人 年金給付ミスに関しまして御報告申し上げたいと思います。

 本件につきましては、先ほど委員からもお話がありましたように、事象としましては二十七事象ございまして、そのうち十六事象で過払いが三十四億五千四百二十三万、それから未払いが二百五十億二千七百九十五万、現在発生をしております。

 このうち、十五年度に判明したものは一件二十四億でございます。現在、十六年度に判明したものとしまして九事象、まだ金額は確定しておりませんが、二万六千三百九十四名について現在対象にしておりまして、かつ、五千三百名につきましては、事象は確定しておりますけれどもまだ金額等の特定はできていない、こういう現状でございます。

原口委員 財務大臣、お聞きになりましたか。この厚生年金保険等の給付誤り、年金給付システムのレベルアップ、それまでバッチ処理、一括処理をしていたのを即時処理にするというそれだけですよ、それだけで、百二十三億円お金をかけて六千二百四十九人に迷惑をかけているわけです。

 財務大臣、一回これはあなたの年金ですよと言われてもらって、ずっと後になってから、いや、実はあれは過払いでしたから返してくださいと言われたらどうなりますか。返さなきゃいけないわけでしょう。こういうことが大きな年金不信になっているんです。

 社会保険庁長官、私はその当時の契約書を、さっきこの委員会に出していただいたので今、厚いものをこの間に読みました。財務大臣、この契約をごらんになったら平常でいられませんよ。こう書いてあります。この第十条ですね。当該システムの相手方は日立製作所ですが、日立製作所と社会保険庁の間での結ばれた契約ですが、甲は、成果物の引き渡しを受けた後六カ月以内に瑕疵を発見したときは、直ちに乙に相当の期限を定めて修正を請求し、または修正にかえもしくは修正とともに当該瑕疵による通常生ずべき損害に対する損害賠償の請求をすることができると。

 簡単に言うと、システムを納入して半年以内に瑕疵が見つかったら、それに対して請求できる。この場合、平成八年から十一年ですから、今何年ですか。今見つかった瑕疵は、契約書のどこにも書いていないじゃないですか。国民は、こんな契約を結ばれて過払いをされ、あるいは過少払いをされ、そして何も法的措置をとることができないんですか。

 日立製作所は、自主的にこの問題について五千万円分、社会保険庁に自分らのシステムの次なる契約と相殺する形で五千万円払った。本当は払っていないんですよ、次の契約を渡しているわけだから、そこで減らしただけなんですけれども。そういう御答弁があったと思いますが、社会保険庁長官、いかがですか。

村瀬政府参考人 まず、お問い合わせの件の中で、年金給付システムの修正が必要になった場合、要するにプログラムミスが発生した場合でございますけれども、当然のことながら、これを正しいものに変えるのは、すべて委託業者、日立側の金銭で修正をされているというのは、まず一点申し上げたいと思います。

 それから、今回の給付ミスで、十五年度でございますけれども、約一億四千七百万かかっております。これに対しまして、五千万を日立製作所から差し引きでいただいております。その理由は何かといいますと、事務ミスとシステムミスと両方ございまして、その件数比にあわせまして、日立製作所から負担をしていただいているということでございます。

 一方、契約上の問題でいいますと、先ほどお話がありましたように、十五年度以前の契約につきましては瑕疵担保が六カ月、それから十六年度以降の契約については一年に変えておりますが、これは民法六百三十七条における担保責任の存続期間の瑕疵が一年以内ということになっておりまして、その契約に合わせて十六年度から一年に変更しているということでございます。

原口委員 財務大臣、お聞きになったでしょう。これだけのシステムミスですよ。しかし、私たちは、今のだって契約書のどこに書いてありますか。こうやって国会で問題になったから、そしてろくろく一般競争入札もせずに、ずっと随契、随契、随契でやっているんです。しかも、財務大臣、変えるとおっしゃったけれども、これはまだ続いているんですよ。先ほど財務大臣がお話しになった、この法案の根拠になっている、まさに自分たちも血のにじむような努力をしているんだ、自分たちも改革の努力をしているんだ、今の答弁でもう崩れているじゃないですか。彼らに国民の年金事務費を運用する資格があるのかということを国民の皆さんは問うているんです。

 だから、私は、全部事務費をなくせということを言っているんじゃありません。事務費を認めるのであれば、年金の部分はなくして、すべて財務省のさまざまな、契約書のコントロールの中でやった方がいいんじゃないですかということを申し上げているんです。

 今のような、この瑕疵について、財務省として指導するおつもりはありませんか。まだこういうことをやるんですか。旧のレガシーのシステムをあっちを手直し、こっちを手直し、しかも、あと七項目、どこが悪いかもわからないんですよ。いかがですか。

谷垣国務大臣 私ども、当然、予算の査定というのはしっかりやらなきゃいけないと思っております。ただ、予算の執行自体は執行官庁の責任でありますから、やはり執行官庁が責任を持ってきちっとやっていただくということが当然の基本だろうと私は思います。

原口委員 いや、それを谷垣さんのお口から聞くとは思いませんでしたよ。だから、さっき言ったじゃないですか、財務省は二年前から執行のフィードバックをして、その執行にふぐあいがあれば予算については切り込むということを皆さんがおっしゃっているじゃないですか。しかも、現にやっているじゃないですか。これほどのことが起こっていて、一元的には執行官庁の責任だなんて言われたら、どれをもって財務省はフィードバックするんですか。皆さんがなさっている、今財務省の皆さんが頑張っていることは絵にかいたもちだとおっしゃったのと同じなんですよ。そんなことを言いたいんじゃないんでしょう。

谷垣国務大臣 それは、確かに予算執行調査という制度も取り入れて逐次やっておりますので、そういうようなものはきちっと反映していかなければならないと思っております。それから、社会保険庁改革というのが今進んでおりますから、その社会保険庁改革というのはさらに加速して頑張っていただかなければならないというふうに私も思っております。

 ただ、さっきの繰り返しになりますが、執行自体はあくまで執行官庁が責任を持つ。我々、予算の査定は、さらに執行調査等を踏まえて厳格にやりたいと思っております。

原口委員 その予算の査定が厳格に行われたのが私が示しているこの資料の二の二ですか、本当にこれですかということを聞いているんです。とてもそうじゃないでしょうということを、幾つも幾つも例を挙げなきゃいけない。三ページ目は、今申し上げた不当事項の役務の部分、会計検査院がるる書いていますね。四ページ目は、先ほどの金銭登録機、この手の話ばかりなんですよ。

 私は、年金の問題を考えるときに、だれがどのような責任をとるかわからないというのが一番よくないと思うんです。きょうは年金局長にもお見えいただいていますが、社会保険庁長官は、年金の運用については自分たちには責任がないんだ、運用は厚生労働省の年金局なんだ、そこで一手にやっていて、平成十四年度で株に運用して三兆円穴が出たのも、平成十五年度で市場運用よりも年金のいわゆる運用が低いのも、それも厚生労働省の年金局に責任があるんだ、このようなお答えだったと思うんですが、それは間違いありませんね。だれが責任を持っているんですか。

渡辺政府参考人 お答えいたします。

 委員がおっしゃっておられる年金の運用という日本語でございますが、恐らく後段でおっしゃいましたのは年金資金の運用責任という問題であり、先ほど来、私どもの長官との間での運用という御議論は制度の執行、運用、こういう問題だと思いますので、整理して申し上げたいと思います。

 厚生労働省は、御承知のように、厚生年金保険事業や国民年金保険事業に関することを法律に基づいて所掌事務としており、そのもとで、厚生労働省年金局と社会保険庁の分担でございますが、法律に基づいて、社会保険庁は、厚生年金、国民年金事業の実施に関する事務をつかさどり、いわゆる実施庁と言われております。また、厚生労働省年金局は、厚生年金、国民年金制度等の企画立案を所掌する、こういうことにされておりますので、先ほど来の個々の支給ミス等につきましては、給付を受ける権利は請求に基づいて社会保険庁長官が裁定するという個別法の条文になっておりますので、社会保険庁長官のもとで、社会保険庁の責任において個々の支給決定等々が行われている、先ほどのお話は、その範囲のことでございました。

 今お尋ねの中に新たにまざってまいりましたのが、年金資金運用、年金積立金の運用という概念でございますが、これにつきましては、法律上、年金事業の運営の安定に資することを目的として行われている事業でございますが、厚生労働大臣が行うこととされており、その運用の基本方針を定めて、特定の特殊法人、既に通りました法律によりますと十八年度からは専門の独立行政法人でございますが、そちらで、現在は基本方針に基づいて運用がなされている。したがいまして、積立金運用に関する最終的な責任は、その基本方針に基づいて運用を実施した当該特殊法人の長であると同時に、その基本方針を定めている厚生労働大臣が直接的に最終的な責任を負う、こういう関係にございますので、運用という言葉はちょっと幅がございますけれども、保険料の徴収や年金の裁定、支給、こういう制度の執行面における分野と、年金積立金の運用においての責任主体が、行政的には今分担されている、こういうことでございます。

原口委員 行政的な説明、ありがとうございました。

 まさにそのとおりで、しかし、どんなに年金基金を毀損してもその人たちが、あるいは、年金運用はそれぞれの信託会社等に運用を委託されていますけれども、そこでマイナスが出ようがペナルティーはないわけです。その割り振りの割合が変わる。このことを上田議員や私どもが国会で指摘してから、非常に残念なことに、その運用の主体は日本の資本ではなくて外国の資本が多くそこに入るようになった、この現実についても踏まえておかなければいけないというふうに思います。

 私は、この定率減税の縮減というものは、あるべき税制の中でしっかりと議論されるべきだ。中川議員が議論をしましたけれども、私たちはどの層に向けた政策誘導をしているのか、あるいはどうすれば日本の社会的な安定や持続的な経済成長が続くのか、そういった全体像から議論をされるべき話ではなかったかと思っています。

 財務大臣に、あるべき税制の姿についてどのようにお考えなのか。私は、歳入の構造改革といったこともこの委員会で何回も申し上げてきました。それは、直間比率も含めた構造改革にいち早く手をつけなければ、逆に言うと、今の税制のゆがみをさらに拡大し、そして多くの人たちの活力を奪うことになるということを主張してきたわけです。

 財務大臣、もう一回さら問いをしますが、財務大臣が今お考えになるあるべき税制というのはどういうものなんですか。そして、歳入構造改革はどのようなタイミングで行おうとされようとしているのか。二点について伺います。

谷垣国務大臣 あるべき税制、非常に広い範囲にわたりますけれども、ごく大きな観点から申しますと、少子高齢化、グローバル化といったような現状に私たちは対応することを迫られているわけですが、そういう状況の中で、国民の安心を確保しながら、どうやったら活力ある経済社会を維持していくことができるかという目的に資さなければならないと思うんですね。そのためには、公的部門の改革を進めて、持続可能な財政をつくっていく必要があると思っております。

 こういう中で、あるべき税制の構築に向けての改革は、いわゆる国と地方の三位一体の改革、それから社会保障改革、こういったものと整合性をとってやる必要があると考えております。そしてまた、二〇一〇年代初頭に基礎的財政収支を回復していくんだということを申し上げておりますが、それに取り組む上でも避けては通れない課題ではないかと思っております。

 こういう制度改革に当たりましては、歳出改革の推進、それから民需主導の持続的な経済成長をどう実現していくかということとあわせまして、必要な公的サービスを広く公平に分かち合うという視点から、所得それから消費、資産といった多様な課税ベースに適切な負担を求めていく必要があると思います。特に、個人所得課税の本来の機能、基幹税として所得再分配の機能ももうちょっと担ってもらわなければならないと思っておりますが、そういう個人所得課税の本来の機能、それから消費税の役割、広く負担していただくという意味では、消費税の役割を高めていくということが今後の税体系を考えていく場合の基本的な視点ではないかと思います。

 それで、どういうスケジュールでやるのかということでございますけれども、平成十七年度の予算をお願いしているわけでありますが、これから十七年度、十八年度におきましては、もちろんその前提として、歳出をきちっと見直していくという作業が前提に立つわけでありますけれども、さっき申し上げた三位一体等の関係で、所得税から地方住民税へ税源移譲していくという中で所得課税の抜本的な見直しを詰めていくということではないかと思っております。

 それとあわせて、先ほど申し上げましたような社会保障改革、それから今の三位一体改革もあるわけですが、社会保障改革等を、平仄を合わせながら、必要な行政サービスの水準は何かというものを見きわめながら、それをどう負担していただくかということになると消費税の議論をどうしてもしなければならないと思っておりますが、平成十八年度までに方向といいますか結論を出しておくということが必要ではないかと思っております。

原口委員 今御答弁を聞いて、多分そこの基本的な認識が私たちと違うんですね。

 恐らく、少子高齢化の中で今最も厳しい状況の中におられるのは、先ほどお話がありましたような、五百万とかあるいは四百万、三百万、そういう勤労世帯。日本は総合課税でございませんから、所得についても、それこそある一定以上の所得の人たちは所得という形では得ませんね。利子だとかあるいは株式の配当だとか、そういったもので頑張っている人たち、資産で頑張っている人たち、それに対して、いわゆる会社から月々いただく給料、そこで頑張っている人たち。今一番痛んでいる、あるいは一番不安に思っている人たちはいわゆる勤労者世帯、そこがさまざまな相次ぐ負担増で痛んでいる。そこが痛んでいる限り、日本経済の持続的なあるいは安定的な発展というのはあり得ないんじゃないかというのが私たちの基本的な考え方なんです。

 だから、社会保障制度全般でいうのであれば、年金のことについても一元化のテーブルに早く皆さんが、年金のブラックボックスを全部明らかにして、三党合意にあるように明らかにして早く入った方がいいというのが私たちの立場ですけれども、もう一方で、市民公益の役割向上、公益を担うのはやはり官だけでないんです。

 私たちの同僚でありました上田さんが埼玉の知事になって、今空き交番がやはりいろいろなところで悩みになっている。この空き交番をガーディアン・エンジェルスの人たちと契約をしたり、警察官OBのNPOの人たちと契約をすることによって、特段の財政をそこに出動しなくてもさまざまな意味での治安の回復が図られている、そういうことが埼玉県で今起こっています。

 ですから、私たちは、あるべき税制の姿を今回民主党案で出していますけれども、市民公益の部分、公益を担うのは官で、官に対して官が動くだけのパフォーマンスをするために税を取ります、こういう考え方ではなくて、逆に言うと、新たに公益を担ってくれる市民公益、経済市民セクターと言ってもいいでしょう。そういうセクターをはぐくんでいくという税制をビルトインしておかないと、景気がよくなれば増税をし、もう一回景気が悪くなればまた今度の税制ももう一回もとに戻せなんというストップ・アンド・ゴーをやっている限りにおいては、本当の意味での公益というのは実現できないんじゃないか。

 私は、今回財務大臣がなさるべき政策スタンスは、市民公益のところを誘導するそういう税制改正といったことを念頭に入れられる、税の市民化、税の自由化と言ってもいいでしょう。そういったことについて何らかの提案があってもよかったのではないか。

 定率減税のところを直撃するのではなくて、むしろ市民公益の部分をふやす、これから団塊の世代の人たちが退職をなさる、その皆さんが次なる人生をさらに社会の公益のためにさまざまなところで実現できるようにする、そういう税制誘導が今必要だったんではないか、いや、必要なんだということで私たちは提案をしているんですが、財務大臣、反論があったら教えてください。

谷垣国務大臣 今の御認識は私も正しい御認識だというふうに思います。

 けさ方、予算委員会の分科会でも同趣旨の御質問がありましたので、私は、近代国会ができますときに結社の自由というのが非常にみずみずしい思想としてあった、それを今に置きかえれば、NPO等がどういうふうに、今委員がおっしゃったように、公益を担うのは官だけではないんだ、民間人が同時に公益を担っていくんだというようなのが恐らく近代国家をつくるときの結社の自由の発想の中にあったんじゃないかというようなお答えをしたわけです。

 今度の私どもの税制改革でも、NPO税制と、今までよりも基準を緩和するというような中身を含んでおりますけれども、一番難しいのは、結局NPOというのは自由に行動していただかなければいけないわけですから、政府がどこまでその中身を見られるかというようなことと余りなじまないわけですけれども、しかし、公共サービスの原資である税というのを減免しようという以上は、やはりその制度が悪用されていない、その仕組みの中できちっと運用してくださるという何かの基準というものが必要でございます。

 その基準をどこに求めていくか。余り国家が全部やるようなことではいけない、そこに問題の難しさがあるんだというふうに思っておりまして、私どもとしては、今度の税制改正で御提案した改正案をぜひ活用していただきたいと思っているわけであります。

原口委員 市民公益に対する考え方が同じであれば、私は、今回の定率減税の縮減が真っ先に来るということには多分ならないだろうと思っています。それぞれの市民の力、いわゆる勤労者世帯の力をしっかりと下支えする政策こそが大事だというふうに思います。

 日銀総裁、もうこれで結構です。

 金融についても少しお伺いしなければいけないことがあります。先ほどの株式買い取りスキーム、これは銀行が申請をするということになっていますから、トリプルB以上であれば、銀行に恣意的に、この株を売ってくれ、政府に買い取らせてくれというような、そういうモラルハザードが起こる危険性も一方であったわけです。

 西武鉄道の有価証券報告書の虚偽記載問題に関連して、私たちはこの委員会に堤さんを参考人で呼んでくださいということを言っていますが、西武鉄道株式は株式取得機構の買い入れ対象株式に該当しますか。また、対象となるんだったら買い入れ実績はいかがですか。

伊藤国務大臣 お答えをさせていただきます。

 銀行等保有株式取得機構は、国内上場株式または店頭登録株式であり、かつ一つ以上の格付機関からトリプルBマイナス格相当以上の格付を取得している場合、またはこれに相当する信用力を有する場合等の条件を満たす銘柄を買い取り対象といたしており、このような銘柄について銀行から要請されれば機構は買い取りを行うスキームとなっております。

 お尋ねのありました西武鉄道につきましては、上場株式であったものの、公開されている情報によりますと格付機関の格付を取得していない等から、買い取り対象銘柄には該当していなかったものと思われます。

原口委員 なぜあえてこの質問をするかというと、インサイダー取引をして、いわゆる日銀にしろ金融庁にしろ、これまでにはないスキームを今用意しているわけですね。たまたま今西武鉄道さんの場合はそれに該当しない可能性が高いということですが、ここに多くのモラルハザードが起こる可能性がある、あるいはインサイダー取引といったものがそこに横行する危険性があるということを指摘したくて申し上げたわけであります。

 また、これは、私たちも日本版SECやさまざまな金融サービスの改革に向けて法律をつくらなければいけないというふうに思っていますが、内閣法制局に伺います。

 こういう有価証券報告書の継続開示違反に対して課徴金を導入すること、私たちは今独禁法の改正というのも、これは別の委員会ですけれども、私、提案者になって、経済司法の大改革ということで今進めようとしています。独禁法は非常にゆがんだ形をしていまして、まさに行政指導であったものを制裁にということで、制裁金に一本化をして、そして経済の自由をきっちりと確保したい、私たちはこういうふうに考えているわけですが、内閣法制局にお尋ねをします。

 継続開示の違反に対して課徴金を導入することについて現在検討されているというふうに聞いていますが、問題点、留意点を挙げてください。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 御承知のとおり、昨年成立した証券取引法の改正によりまして、ことしの四月から、インサイダー取引とか発行開示書類の虚偽記載についての課徴金制度というのが発足いたします。そこで、先般金融庁の方から、継続開示書類の虚偽記載についても課徴金を導入したいのだがどうかという御相談を受けたわけでございます。

 そもそも課徴金というのはどういうことかということを、十分御存じと思いますけれども、ちょっと御説明させていただきたいと思うんですが、これはカルテルやインサイダー取引といった経済的利得を目的とする法令違反につきまして、違反行為により得られる経済的利得相当額を基準とする金銭的負担を課すことによりまして、違反行為がいわばやり得になるということを防ぐということと、これを通じて違反行為の防止という行政目的を達成する、こういうものでございます。

 このような課徴金制度でございますけれども、そういう意味からいきますと、目的のために必要かつ適切な手段だということで、憲法三十一条が規定する適正手続にも合致しておりますし、他方、その趣旨、目的、手段などを考えますと、憲法三十九条後段が規定する二重処罰の禁止との関係も問題にならないというふうに考えているわけでございます。

 要約するとそういうのが課徴金でございますけれども、それでは、この継続開示書類の虚偽記載についてはどうかということでございます。これについては、発行開示の場合とやや事情が異なっておりまして、それにより得られる経済的利得があるのかどうかということ、あるとしてその内容は何か、そしていかにしてその数字を算出するかということが実は必ずしも明らかではございません。そういうことで、課徴金というのは他方で憲法三十一条、三十九条ということで将来問題にもなりかねないということもございまして、これについてはしばらく時間をかけて慎重に検討したいというふうに思っております。

原口委員 金融担当大臣に伺いますが、まさにこのところを課徴金という形で、継続的開示義務違反について取り締まることができなければ、まさに市場の信頼性、あるいはインサイダーでどれぐらい利益が得られたか、刑事罰もありますから二重処罰の関係もこれは議論をしておかなければいけないと思うんですが、現時点で結構ですから、金融庁のこの証券取引法の一部を改正する法律、私は、市場の信頼性を高めるためには私たちのように行政制裁金というような形にする方がすっきりするだろうと思うし、今のような内閣法制局のお考えであればここをクリアするのはなかなか難しいんじゃないかと思いますが、大臣の基本的なお考えを伺いたいと思います。

伊藤国務大臣 お答えをいたします。

 私どもといたしましても、現在、継続開示義務違反に対する課徴金制度の導入に向け、法制面の詰めの作業を行っているところでございます。現行の証取法の体系のもとでは、継続開示義務違反に対する課徴金を導入するためには継続開示義務違反により会社に生じる経済的利得を定量化する必要がありますが、継続開示義務違反による利得は抽象的、間接的であり、利得があるとは言えないのではないか等の指摘がなされているところでございます。

 私どもとしては、引き続き法制化に向けて最後まで努力をしていきたいというふうに考えているところでございますが、現段階において法制化の見通しが立っているところではございません。

原口委員 今回のライブドアとフジテレビとの間の話も、まさにこういったものを、目をそらすために個別のものについて圧力がかかるなんということはあってはならないし、今大臣がお答えになりましたように、私は、利得というよりも、市場に与えたさまざまなダメージあるいは証券市場全体への信頼といったことからすると、また別の整理が必要なんではないかということを申し上げておきます。

 財務金融委員会配付資料の一をごらんになってください。これは、破綻した北朝鮮系信用組合に対する資金援助、回収額でございます。一兆四千億近く公的資金が入り、そのうちの一兆一千四百四億円が金銭贈与でございます。資産買い取りが一千八百十億円、回収額が現在のところ一千四十億円ということでございまして、その次のページをごらんいただくと、朝銀信組の状況ということで、平成九年五月十四日、朝銀大阪が破綻をし、そして朝銀近畿になり、今現在、三つの朝銀系の信組になるまでです。これだけ多くの朝銀関係の金融機関が一次破綻、二次破綻をしている。

 この現状で、一体、今、債権回収の現場でどういうことが起こっているんだろうか。一つ一つをつぶさに今調査をしているところでございます。

 この三枚目の資料の三。これは上にファクスの日付をわざと入れておりますが、二〇〇二年の二月八日十時三十一分に、預金保険機構が私に示していただいた、「RCC所有不動産管理委託物件一覧 西日本地区」でございます。預金保険機構の理事長、お見えでございますので、この三ページ目、四ページ目の資料、これについて間違いはございませんか。

 そして、これを見ると、RCCの所有不動産管理物件が、サバイ総合管理という管理会社、この名前が一番たくさん出てくる。これは一体どういう事情でございましょうか、お尋ねをいたします。

永田参考人 お答え申し上げます。

 今、委員お示しの物件一覧でございますけれども、平成十四年一月末の資料としては、これで間違いないと考えております。

 それから、次のお尋ねでございますが、このサバイの件でございますけれども、御案内のとおり、整理回収機構は、所有不動産のうち、賃貸事務所や賃貸マンションのようにテナント管理等が必要な不動産につきましては不動産管理会社に管理を委託しておりまして、それ以外については整理回収機構が直接管理をしているところであります。

 不動産管理会社に管理を委託している不動産は、ちょっとこれの時点を変えますと、平成十六年十二月末現在で、所有不動産の約一〇%でございますけれども、三十六物件でございます。これらは、整理回収機構が当該不動産管理会社の担当者と常時連絡をとるなど適切な管理に努めているところでございます。

 先ほどの御質問の関係でございますが、整理回収機構は、所有不動産の管理を新規に委託する場合は、公正、透明な手続の観点から、原則としまして、委託に係る不動産の特性、立地あるいは会社の実績、能力等を勘案の上、二、三社を選定し、これらの会社から管理費用の見積書を提出させて、原則として最低価格を提示した会社を選定しておるわけでございますけれども、過去におきまして、自己競落等で保有することとなりました物件のうち、入居者に暴力団等反社会的勢力がいるなど特殊な管理を必要とするものについて、そのような管理に実績を有する企業にその管理を委託してきたところでございまして、さらにそのような実績等を有する企業が限定されていたことから、当該企業、すなわちサバイ総合管理への委託件数が他社に比べて多くなっているものと承知しております。

原口委員 それは、預保の理事長、私は逆ではないかと。この管理会社自身が自己競落をしている、そういう可能性はありませんか。

永田参考人 お尋ねでございますが、一部そういう物件があるとは承知しております。

原口委員 委員長、今、大変な御答弁ですよ。

 つまり、RCCに送られた不良債権そのものを管理会社が自己競落すれば、それこそ何でもできてしまうわけです。

 財務大臣、金融担当大臣、ごらんいただきたいんですが、この資料の一番最後の十一、メゾン何とかと書いていますが、これがきょう問題にする物件です。ここは、今お話しの管理会社の方が住んでいたのではないかということを言われている物件です。

 さて、これの登記簿謄本、私もさまざまな角度から調べてみました。個別の問題にかかわりますから、プライバシーに配慮しながら質問をいたしますが、五ページをごらんになってください。大阪市天王寺区のこの土地は、大体広さが七百六十二平米。これがこういう共有者であった。

 そして、六ページをごらんになってください。私が注目したのは、この乙区の根抵当やさまざまな債権の設定の仕方であります。限度額が最初、昭和五十七年の三月二日においては五千万円ですよ。五千万円であったものが、その次のページ、七ページをごらんになってください。八番、九番、十番。根抵当権がそれぞれ、平成十二年七月十日、朝銀近畿が債権者になり、この人物に債権額四千万円で設定をされている。九番は、根抵当権が、これも朝銀信用組合が、債務者、この有限会社共進というのに対して、限度額三億円の根抵当権を設定している。そして十番、これは同じく平成十三年八月二十三日に設定をされていますが、共同担保があるというものの、債権者朝銀西信用組合が、株式会社共同物産に対して、極度額七億円で根抵当を設定しているわけです。こんなことが本当に起こるんだろうかと思うんです。

 なぜ、私が資料の、この朝銀の破綻の図を出したか。二ページ目をごらんになってください。

 では、この根抵当が設定されているときというのは一体どういうときなのか。平成十二年の七月十日というのはどういう日なのか、平成十二年の十一月三十日というのはどういうときなのか。

 まさにこの期間は、二ページ目の一番上のところをごらんいただくと、朝銀大阪が、まさに九年の五月十四日に破綻公表され、十年の五月十一日に事業譲渡され、その間、金融整理管財人も派遣されていないんですよ。朝銀近畿に派遣されるようになったのは平成十二年の十二月二十九日です。管財人も派遣されない、その間にこういう根抵当が設定をされ、そして、不良債権であれば、預保の理事長、RCCに行くはずのものがそこへ行かずに、ミレ信用組合、つまり朝銀近畿もこれまた破綻をし、十四年の八月十二日に事業譲渡をされますから、RCCに行くはずのものがそこに行かずに、平成十五年の十二月二十五日には抵当権、根抵当権もこのミレ信用組合が放棄をしているんです。

 ミレ信用組合の資金量というのは五百億ぐらいじゃないですか。五百億ぐらいの信用組合が、これほど大きな債権放棄が本当にできるんだろうか。背後にある被担保債権がどうなったのかということを見ないと、これの流れはよくわからないけれども。

 しかし、ごらんになってください。破綻の直前に必ず出てくるノンバンクの会社があります。十五番のところですね。ここでも、八ページの十五番、根抵当権設定、これは平成十六年の一月二十三日に根抵当の権者、これはオリックス株式会社と書いてありますが、これが新たな根抵当権を設定している。その前にも出てくるんです。七ページ目。これも、先ほど申し上げました平成十二年の七月十日に、二億四千万もの極度額を設定したときに、また根抵当権者が出てきている。

 最初、五千万の担保の価値の土地が、こうやって転がるうちに、しかも、この三つの根抵当権の設定あるいは抵当権の設定者、この人たちは非常に関連が深いんではないかと私の調査では出ているわけです。何が起こっているのか。

 金融担当大臣、私が今一番恐れるのは、金融整理管財人も入らず、しかも次々に破綻をする。破綻金融機関はその破綻の直前に大きなお金を当該の債権者に貸し込み、そして倒れる。倒れた分だけ、その分穴があく。穴があいたところには国民の税金が入る。そしてまたきれいにしてもらって、もう一回大きなお金を貸し込んで、また倒れる。これを繰り返されたのでは国民の税金は幾らあっても足りないんです。

 私が国会で初めて取り上げたときには、この朝銀関係の不良債権は三千億強でした。それがこの数年で一兆四千億も、どうしてこんなに膨らむのか、そしてどうしてこんな不思議なことが起こるのか。しかもそこにRCCの管理会社も絡んでいるんではないか。皆さんにお配りをした絵では、わかりにくいですが、一番最後のページの写真の一番下の絵には管理サバイと書いてあるんです。まさにRCCの管理会社が管理をしているこの物件でこういったことが行われている、非常に不透明な担保設定あるいは不透明な債権放棄が起こっている、この事実について預金保険機構はどのように認識をされているのか。

 私は、かつてRCCの不適切な回収事案というのを国会で取り上げました。RCCがやみと同じようなことをやっていた。やみとは結ばない、国民負担を極小化すると約束をしたRCCがまさに不適切な回収をしていた。私は、そこでRCCの態度は変わった、RCCは生まれ変わったということを信じたかった。

 しかし、こんなことが本当にできるんでしょうか。これだけの土地でたくさんの担保をとって、そして倒れる、債権放棄をするということができるんでしょうか。私は、きょうはお示しした資料はこれだけですけれども、ほかの裏づけ資料を見るにつけ、とても尋常なことが起こっているとは思いにくい。

 預金保険機構、一般論で結構ですから、現実の債権の回収現場のきっちりとした調査あるいは債権回収の妥当性の検査、これがなされているかどうか、預保の理事長と金融担当大臣から御答弁をいただきたいと思います。

永田参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねの具体的な事例につきましては私どもは承知をしておらないところでございますけれども、一般論ということでお話がございましたので申し上げますと、破綻した金融機関の事業譲渡等に当たりましては、金融整理管財人において厳格な資産査定を行った上で、原則、善意かつ健全と認められる債務者については受け皿金融機関に、残る不良債権についてはRCCに引き継ぐこととしております。

 仮に、破綻前に行われた融資の中に御指摘のような不適切なあるいは不透明な融資が認められるということでございますれば、当該債権はRCCに引き継がれ、RCC、預金保険機構においてその実態の解明を行った上で、徹底した責任追及や債権回収作業を行うこととしております。

 いずれにしましても、預保、RCCは、破綻した金融機関の処理に当たって、その処理に公的資金が費やされているということも踏まえ、法令に違反する事案や不誠実な債務者等に対しましては、法令にのっとり厳しい姿勢で対処してまいりたいと考えております。

 一つ、お許しいただきまして、先ほど私が答弁しました中で、先ほどの不動産管理会社との関係でございますけれども、RCCが保有している物件について、これを売却したという事実はございませんで、担保物件の任意売却に当たってその先にサバイがあらわれたということはあるというふうに聞いております。失礼いたしました。

原口委員 資料二は、今預保の理事長がおっしゃった金融整理管財人の派遣の前に行われた担保設定であるということを示しています。この資料の二は私がつくった資料ではありません。金融担当大臣、この資料は金融庁の資料でありますから、朝銀の近畿に対して金融整理管財人が送られたのは、十二年の十二月二十九日管財人派遣、この資料は適切であるということを答弁してください。

 そして、具体的な事案についてお答えにならなくて結構です。しかし、ここで穴があいていたら国民負担はウナギ登りに上るんです。そして、これはまだ現在も進行している。ここで皆さんが国民に税をお願いされる前にやるべきことがあるんだというふうに思いますが、金融担当大臣の基本的な姿勢と決意を伺っておきたいと思います。

伊藤国務大臣 委員からは穴があいてはいけないという御指摘でございました。私どもとしても、二度と同様の問題を起こすことがないように、破綻した北朝鮮系信組の受け皿となった新設組合に対して、朝鮮総連の役員経験者の組合役員からの排除やあるいは監査機能の強化など厳格な措置を定款に定めるとともに、朝銀独自のオンラインシステムからの離脱や、朝鮮総連からの経営の独立性を確保するための役員体制の整備を図ってきたところであります。

 私どもとして、こうした枠組みは有効に機能し、経営の独立性や健全性を確保するために、財務局の監督部門において受け皿組合の監督を専担する者を配置し、業務運営に関して頻度の高いヒアリングを行うとともに、財務局の検査部門においても受け皿組合の検査を継続的に担当する検査官を配置して、そして業務運営全般にわたりコンプライアンスに重点を置いた検査を実施するなど、厳正な監督検査に努めてきているところでございます。

 金融庁としては、今後とも、北朝鮮系信用組合において適切な経営管理体制が確保され、そして経営の健全性が維持されるよう、引き続き厳正な検査監督に努めていく所存でございます。

原口委員 資料の適正さについては御答弁なさらなかったんで、答弁ください。

伊藤国務大臣 お示しになられた資料については、そのとおりだと思います。

原口委員 もうこれで終わりにしますが、国民の税金を一発たりともミサイルの原料にはしない、国民の税金を、公的資金をこれ以上理不尽なところには一銭も入れない、その強い決意、これをこの委員会で強く表明をし、私の質疑とします。

 ありがとうございました。

金田委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 まず、税制の問題についてお聞きをしたいと思います。

 戦後、所得税法が成立をしまして、それから一貫してとられてきたルールの一つに高齢者への優遇措置という考え方があります。時代に応じて内容や形は修正されてきましたけれども、一貫して高齢者に対しては優遇策が講じられてきたわけであります。五十年近くも続けられてきたこの措置はどのような理由に基づくものか、まずこの点についてお聞きをしたいと思います。

田野瀬副大臣 それでは、その意味、趣旨につきまして私の方から御説明申し上げたいと思います。

 公的年金等の控除は、昭和六十二年のいわゆる抜本改正において、従来、給与所得として課税されていた公的年金を雑所得として課税するとの所得区分の変更を行った際、それまでと同程度の控除水準を維持するために設けられたものでございますが、公的年金が、通常、経済的稼得能力が減退する局面にある者の生計手段とするため、公的な社会保険制度から給付される年金であること等を考慮し、他の所得との間の負担調整措置として位置づけられてきたものでございます。

 一方、昭和二十六年の改正により設けられました老年者控除は、納税義務者が老齢である場合は、肉体的能力において一般壮年者より劣っていると認められることから、その負担を軽減する社会政策上の措置として説明されてきたと承知をいたしておるところでございます。

佐々木(憲)委員 今説明がありましたように、老齢者に対する優遇措置というものは、経済的稼得力が減退する、つまり収入が減る、あるいは体力が低下する、そういう方々のために必要なものとしてこれまで措置されてきたわけですね。

 ところが、それが昨年の税制改正で老年者控除が廃止される、それから公的年金等控除というものは縮小される、さらに、ことしの税制改正では、地方税の改正で六十五歳以上の非課税措置が廃止される。つまり、今まで原則的にとられてきたこういう考え方が、根本から変えられるという重大な局面にあるわけであります。なぜこういうことをやるのか、その理由について説明してください。

田野瀬副大臣 十六年度の改正の趣旨についてのお尋ねでございます。これにつきましても私の方から御説明申し上げたいと思うんですが。

 近年の高齢者をめぐる環境変化について見ると、平成十三年十二月の高齢社会対策大綱において、「高齢者は、全体としてみると健康で活動的であり、経済的にも豊かになっている。他方、高齢者の姿や状況は、性別、健康状態、経済力、家族構成、住居その他に応じて多様であり、ひとくくりに論ずることはできない。」、そういうことになりまして、年齢だけで高齢者を別扱いする制度の見直しが課題とされているところでございます。

 一方、少子高齢化の進展に伴い、今後急増が見込まれる社会保障などの公的サービスに係る費用の負担を現役世代に求めることとした場合には、将来の現役世代の負担が過重となり、社会の活力の発揮は期待しがたくなる。

 そんなことで、平成十六年度税制改正における年金税制の見直しにおいては、以上のような観点から、世代間、高齢者間の税負担の公平を確保するため、実質的に年齢のみを基準に高齢者を優遇する措置となっている公的年金等控除の上乗せ措置及び老年者控除を廃止したものでございます。その際、六十五歳以上の高齢者について、公的年金等控除の最低保障額を加算する特例措置を講ずることとしており、標準的な年金以下の年金だけで暮らしている高齢者世帯には適切な配慮を行っておるところでございます。

 以上が理由でございます。

佐々木(憲)委員 経済的稼得力が減退するという状況は変わっていないんじゃありませんか。豊かになったとおっしゃいますけれども、年齢、つまり退職をして所得が低下する、それを年金で何とかカバーしたい、そういう状況に対して税金をどんと重くするというのはよくないだろうということで、これはやってきたわけです。ですから、高齢者になって稼得力が向上しているのかどうか、二十代、三十代のように収入が伸びているのか、あるいは体力が急に回復しているのか。そういうことはないでしょう。

田野瀬副大臣 ただいまのお尋ねでございますが、繰り返しになるかもわかりませんが、平成十三年十二月の高齢社会対策大綱において、「高齢者は、全体としてみると健康で活動的であり、経済的にも豊かになっている。他方、高齢者の姿や状況は、性別、健康状態、経済力、家族構成、住居その他に応じて多様であり、ひとくくりに論ずることはできない。」こんなふうにされておるところでございます。

佐々木(憲)委員 年寄りになると急に元気になる、年寄りになったら所得が急にふえるというならまだ別だけれども、そんなことはないんですよ。状況は変わっていないです。稼得力は低下をし、体力も低下するというのが、高齢者になれば当然の摂理であります。

 ですから、そういう状況を踏まえて、これまで五十年間、戦後ずっとそういう措置がとられてきた。それを昨年、ことし、根本的にひっくり返してしまう。その理由として、元気になったとか豊かになったとかいろいろな理由を挙げていますけれども、世間には全然そんなのは通用しません。この高齢者支援を廃止するというのは、非常におかしな議論なんです、考え方なんです。

 今年度改定が予定されている住民税非課税措置の廃止で増税となる高齢者はどのぐらいいるのか、税収は幾らか、それから一人当たりの負担増はどのぐらいか、これを数字を出してください。

板倉政府参考人 本年度の個人住民税に係ります、六十五歳以上の者に係る非課税限度額の廃止の御提案を今させていただいておりますけれども、これによります影響でございますが、大体百万人でございまして、増収の見込み額が、平年度ベースで約百七十億円というふうに見込んでおります。個人一人一人で見ますと、少ない方は数千円、千円とか二千円とかというレベルから、年額で数万円というぐらいの幅になろうかと思います。

佐々木(憲)委員 全体の予算から考えますと、八十兆の予算なんですから、〇・〇二%程度なんですよ。そういうお年寄りに対してどんと税金をふやすというのは理不尽だと私は思う。住民税の非課税から課税に変わると、ただそれだけじゃないんですよ、国保料あるいは介護保険料なども連動して負担がふえるわけです。税金も保険料も上がるわけですね。そういう仕組みになっていますでしょう。

板倉政府参考人 ただいまのお尋ねでございますけれども、これは税の方でそういうふうにという制度になっておるわけではございませんけれども、国保なり例えば介護保険等でそういう住民税の額というのを基準にしてその料を算定するというようなことが一部に行われているということでございます。

佐々木(憲)委員 百七十億円の増税で、連動して保険料などが幾らふえることになりますか。

板倉政府参考人 税収と直接関係はないのではないかと思いますけれども、私どもが承知をしております現在の例えば国保料の算定の仕方等からいたしますと、この全体の国保に係ります負担をどういうふうにそれぞれの被保険者に分担をしていただくかというような基準としてその税額なり何なりをお使いになっているということでございますので、これが上がりましても全体の国保料の総額というのは変わらないのではないか、最終的にはそういうふうに調整をされることになるのではないかというふうに私どもは承知をしております。

佐々木(憲)委員 そんなことはないので、実際には連動して上がっていくわけです。負担が非常に大きくなるのですね。変わらないなどということは現実を見ていない議論でありまして、例えば名古屋市の高齢者のケースを取り上げてみたいと思うのです。皆さんにお渡ししたこの資料を見ていただきたい。

 この場合、夫、年収二百六十万、妻、基礎年金の世帯でいいますと、所得税、住民税、国保料、介護保険料、敬老パス、これで年二十三万一千百八十円もの負担増、これは約三倍です。つまり、十一万五千八百七十円から三十四万七千五十円と大変な負担増であります。単身世帯だと、年四万一千六百十円から十六万四百五十円、何と四倍になるわけであります。

 これはちょっと大臣に。税制上こういうものが膨らんで、その結果、ほかのものに連動してこういうふうにふえていくと。これは想定されていましたか。

谷垣国務大臣 佐々木委員とは昨年もこの議論をやらせていただいたような記憶があるわけでございますけれども、平成十六年度税制改正における年金課税の見直し、これは、先ほども答弁がございましたように、世代間、高齢者間の税負担の公平を確保する観点から行ったわけでありますけれども、その際に、標準的な年金以下の年金だけで暮らしている高齢者世帯にはいろいろ配慮する措置も講じたところでございます。

 その上で、国保料あるいは介護保険の保険料の計算には、先ほども総務省の税務局長から御答弁がありましたように、個人住民税における課税所得とか納税額等が援用されておりますから、年金財政の見直しを含む所得税の見直しが結果的に保険料に影響を及ぼすことは、これはあり得ることだろうと思います。

 ただ、先ほど板倉局長からの御答弁にもあったところですが、国民健康保険料や介護保険料については、まず、その個々の保険者ごとに被保険者全体で負担する保険料の総額が先に決まるわけで、それに基づいて被保険者への賦課を行う仕組みにしておりますので、年金税制の見直しによって個々人の課税所得水準が変化しても、保険負担量全体が増大するという仕組みにはなっていないわけでございます。それは違うと先ほど佐々木委員は板倉局長の答弁に否定されましたけれども、制度はそういうふうになっていると私は理解しております。

佐々木(憲)委員 これは名古屋市に確認をした数字でありまして、全体としてその総額が決まるというふうに言いますけれども、この徴収の仕組みというものが税によって決まっていくわけでありますので、ある一定水準を超えれば当然連動してふえていくという仕組みそのものは変わっていないわけですから、その仕組みを変えてしまうなら別ですよ、ですから、そういう意味ではこういうことにならざるを得ないのですよ、現実に。こういう実態が本当にわかっていないと思うのです、今の答弁を聞いていても。

 ですから、これは昨年既に決定されて実施されております公的年金等控除の縮小ですとか老年者控除の廃止によって所得税の課税最低限が低下する、その結果、これは新たにまた住民税の課税になるという場合も出てくるわけです。そういう新規に住民税課税となった世帯は、どのぐらいいますか。

板倉政府参考人 十六年度の老年者控除の廃止等で影響を受ける方が約四百万人で、今回が百万人でございますが、合わせて五百万人でございますけれども、私ども、これはなかなか計算が難しいのでございますが、推計では半分か半分弱ぐらいではないだろうかというふうに思っております。新たに課税になる方です。

佐々木(憲)委員 五百万人というのは大変な数でありまして、六十五歳以上の人口は二千万人ですから、六十五歳以上の高齢者の四分の一がこういう事態になるわけです。

 ここで紹介したいのですけれども、これは二月二十五日の毎日新聞に投書が載っていまして、これは年金を受給している七十九歳の方の投書です。少し読み上げてみますと、

  税務署から、所得税の申告書が届きました。

  私は年金生活者なので、申告書に書き入れ、証明書類を持って、担当者へ相談に行きました。

  彼は電卓を打った後「あなたは今年から税金を払うことになるので、この用紙でなく、三枚つづりのこの用紙に書きかえ、二月十五日以降に出かけてください」と言われました。

  なぜこうなったのか、彼といっしょに、去年の申告書と比べてみました。今年から配偶者特別控除の一部廃止で、三十八万円の控除がなくなっているのです。だから、税金を支払わなくてはなりません。

  これだけではなく、それに伴って当然市民税が増額されます。来年は老年者控除の廃止など、更に税金を多く支払わなくてはならなくなるようです。

  年金受給者は、寿命が迫っています。反対する力もなく、言われるままに生きていかなくてはならないのか、と思うと残念でたまりません。

これが新聞に出ていた投書であります。やはり今のこういうやり方というのが、高齢者の生活を破綻させて生きがいを奪うということになると思うのです。

 先ほど名古屋の例を示しましたけれども、これはそれぞれの自治体でどういう影響が出るのか、調査をして、見直すべき点は見直す、こういう姿勢が大事だと思いますけれども、その実態把握をやる必要があると思いますが、いかがでしょうか、大臣。

板倉政府参考人 先ほどおっしゃいましたとおり、個々の方にとりましては、当面は、今の国保の料の決め方によりまして、負担がふえるという方が出ることはあり得るわけでございます。ただ、影響を受ける方が多くなればなるほど、全体としてはその料の決め方の基準を変えるなり、何かそういう見直しというのが行われるのであろうというふうに我々は思っておりまして、これは所管違いということになるかもわかりませんけれども、それぞれの地方団体の方で適切に対応していただけるものというふうに思っております。

佐々木(憲)委員 大臣、要するに、こういう影響がどういう形で出てくるかというのは当然把握すべきなんですよ。つまり、税制上の措置を決めるのは財務省です。しかし、その結果、どんな影響が生まれるかということについても考慮をした上で決めなきゃならぬのです。

 今回、いろいろな問題が出ているのです。新聞の投書まで出てきている。そういうわけですから、どういう状況にあるのか、どういう実態になっているのか、この点を把握するという努力をするのは当然だと思うのですが、いかがでしょうか。

谷垣国務大臣 先ほど申しましたように、税の変化に伴って保険料に変化が出てくる場合があり得ると御答弁申し上げました。それで、総額としては決まっているということももう一回申し上げますが、その中でふえる方もあれば減る方もあるのかもしれません。

 そこで、保険料等をどのような基準で徴収するかは、それは社会保険制度の中で、負担能力に応じた適切かつ公平な負担を図るという観点から検討されなければならないのは、これはおっしゃるとおりだと思うんです。ですから、この点は、まず厚生労働省におかれてそのあたりを御判断いただくべきものと考えております。

佐々木(憲)委員 税金は上げるけれども結果がどうなるかは厚生労働省だというのは、余りにも無責任ですよ。そういう影響がどう出るかということを最初から考慮した上で、税制というものは決めていかなきゃならぬ。お年寄りが、今までより負担が二倍、三倍、四倍になる、そういう負担がふえて生活できるか。そこまで考えて税制というものは決めなきゃならぬですよ。

谷垣国務大臣 その点は先ほども御答弁いたしましたけれども、標準的な年金以下で生活しておられる方々にはそれなりの配慮を含む制度をつくったつもりでございます。

 それから、重ねて申し上げますが、これは確かに、それぞれのあれによって若干ふえる方もあれば減る方もあるかもしれませんが、どうも委員は得心しておられないようですからもう一度申し上げますが、総体としての保険料は変わらないわけなんですね。その中で、税の制度の違いによってそれはあると思います。あると思いますが、まずその点は考えておるということを、首をひねらないで、すとんと胃の腑におさめていただきたいと思います。

佐々木(憲)委員 それはまゆつばものでありましてね。

 要するに、この税制によって計算上上がるわけです。保険料全体の話をされましたけれども、それならば、一体こういう影響が出てくる人が申請をしたらもとに戻るのか。戻らないでしょう。若干のクッションはもちろんあるかもしれないけれども、しかし、これだけ直接的な影響が出る方々が救われるのか。救われるなら救われる方法を出していただきたいけれども、それは多少面倒を見ますよという程度の話で、一体大きなショックは解消されるか。解消されません。実態をよく調べていただきたい。

 それから、子育ての世代に対してもこれは影響が大きいんです。例えば、公立保育園の保育料の場合、共働き世帯では、夫と妻で定率減税の縮小、廃止による増税の影響、これはダブルパンチですよね。さらに、世帯単位の所得税額を基準に決められている保育料が増額するわけです。まさにトリプルパンチであります。

 定率減税の導入時には、地方自治体の保育料の収入減を防ぐために、保育料に係る徴収金基準額表というものを変更したんです。要するに、定率減税で減税になる、したがって、連動して当時は保育料は下がるわけです、自治体にとって保育料の収入が。それを防ぐために、基準額表というものを調整して、保育料の収入が減らないという形にしたんですね。今度は逆なんですよ、定率減税を縮減するわけですから。そうなると、逆方向にこの徴収の基準額表を変更しないと負担だけが市民にかぶさっていくということになるわけです。

 そこで、尾辻厚労大臣は、昨年十一月三十日の参議院の厚労委員会でこういうふうに答弁しているんです。「当然今後またこの逆のことが起きれば逆に近いことをするというようなことになろうと思いますので、必ずしもその所得税が増えて保育料が上がるということにはつながらないのではないでしょうか」というふうに答弁されておられますが、これは事実ですね、厚労省の関係者。

伍藤政府参考人 お尋ねの保育料の関係でございますが、市町村に対する国庫負担の精算基準として、私ども保育料の基準額表というものを示しておりまして、その中で所得税額等に応じて保育料が定められております。定率減税導入時には、導入前後で所得が同じ場合には基本的に同じ保育料となるように所得税額区分の税額の見直しを行ったところでありまして、この定率減税導入時の対応を参考にしながら、今回の税制改正を踏まえてどうするかは適切に対応してまいりたいという趣旨の答弁を厚生大臣がしたことは事実でございます。

佐々木(憲)委員 そういう趣旨からいいますと、これはいつから実施するのかというのが次に問題になるわけです。これは二〇〇六年度予算の論議のときにこの点を実行していくのか、その点、はっきり答えていただきたい。

伍藤政府参考人 保育料は前年の所得税額に基づいて決定をされるものでございますので、今回の定率減税の見直し、平成十八年の一月から実施ということでございますので、この影響は平成十九年度分の保育料から発生するわけでございますので、それに間に合うタイミングで私ども判断をしなければいけない、こういうふうに考えております。

佐々木(憲)委員 もう一度確認しますけれども、その変更の幅というのは、保育料の負担がふえないように配慮するということは確認できますね。

伍藤政府参考人 児童福祉法の趣旨等で保育料の算定の仕方というのは決められておりますので、今回の税制改正だけを念頭に置いて保育料の見直しをするとすれば、過去の定率減税導入時の経緯を踏まえれば御指摘のようなことになろうかと思います。

 いずれにしても、保育料というのはその時々の家計に与える影響等を総合的に見て決めるということになっておりますので、そういった全体の状況の中で決めるということでございますが、税制の関係からいえば御指摘のようなことになろうかというふうな感じでございますが、これは先ほど申しましたように、導入時までに私どもまたいろいろ議論をして決めなきゃいかぬというようなことだというふうに感じております。

佐々木(憲)委員 これは、働く世代あるいは子育て世代、それから高齢者、さまざまな影響が出てくるわけでありまして、そういう影響をよく考えないで、ともかく財政上の必要からぼんとこういう増税をするということが非常に重大な問題でありまして、私どもは、定率減税の縮減にはそういう意味でも反対であります。やるべきではないというふうに思っております。

 次に、話題をかえまして、預金保険の問題についてお聞きをしたいと思います。

 これは、金融機関が破綻した際に、預金者保護ということで銀行業界が保険料を支払って共同で積み立てるというのが、積立金、つまり責任準備金と言われるものであります。

 金融庁にお聞きしますけれども、今、年間の保険料の収入は幾らあって、責任準備金の残高は幾らか、示していただきたい。

伊藤国務大臣 お答えをいたします。

 預金保険機構は、一般勘定において金融機関から徴収した預金保険料を受け入れ、そして破綻金融機関に対する資金援助等の業務に必要な費用を賄っているところであります。

 お尋ねがありました責任準備金につきましては、これまでに実施された資金援助等にかかわる費用を賄うために既に全額取り崩されているところでございまして、一般勘定においては欠損金が生じており、その額は十五年度末において三兆四千九百三十八億円になっております。また、もう一点お尋ねがございました十五年度の保険料収入につきましては、五千二百二十一億円となっております。

 当該欠損金につきましては、今後金融機関から徴収する保険料によってその解消が図られることとなっております。

佐々木(憲)委員 大変な大きな欠損が発生しているわけでありまして、これは過去の銀行の破綻の処理ということの結果でありますが。

 そこで、現在、郵政民営化というものが大変な問題になっておりますが、郵便貯金は預金保険料を払っていないと思いますが、郵政民営化されたら、郵政民営化基本方針にあるように、預金保険機構に加わる、そして所定の預金保険料を払うことになるんだと思うんですが、それは事実でしょうか。

中城政府参考人 お答え申し上げます。

 昨年九月十日の閣議決定で、「郵政民営化の基本方針」の中では、郵貯と簡保の民営化前の契約と民営化後の契約というのを分離しまして、新契約については政府保証を廃止し、預金保険、生命保険契約者保護機構に加入する、通常貯金についてはすべて新契約とするというふうになっております。

佐々木(憲)委員 どのくらいの額を払うことになりますか。

中城政府参考人 民営化後の預金保険料等の関係につきましては、現在、基本方針に沿って制度設計、法案化作業を行っているところでございまして、したがって、制度設計中でございますので、現時点では具体的な計数はお示しできないことを御理解いただきたいと思います。

佐々木(憲)委員 おかしいじゃないですか。試算をしないで保険料は払いますと、そんないいかげんなことありますか。何の計算もしていないんですか。

中城政府参考人 現時点で具体的な計数をお示しすることはできませんが、骨格経営試算ということで、有識者会議の議論に資するために、郵政民営化準備室におきまして、四民営化会社について一定の前提条件のもとでの将来収支というものを見るための機械的な試算をしたことはございます。

 その中で、これは前提条件などは政策意図とか経営判断とは一切無関係で、準備室として決定したものではございませんけれども、前提にいろんな条件はありますけれども、一つの試算という形で、骨格経営試算の中で預金保険料もその数字が出るというふうにはなっておりまして、それはホームページなどにも公表されております。

佐々木(憲)委員 試算しているじゃないですか。

 ここに、郵政民営化準備室自身が計算したものがあります。前提条件によって変化するということでありますけれども、民営化される二〇〇七年では六百十八億円、その後どんどんふえまして、二〇一五年には一千九十九億円、二〇一六年になりますと一千百三十五億円の預金保険料を支払うという試算をされております。この計算の前提条件ですね、貯金残高を幾らと見て、それから預金保険料を何%として計算をしているんでしょうか。

中城政府参考人 預金量につきましては、二〇〇六年度に郵便貯金二百十四兆円から二〇一六年度に百四十二・五兆円に下がるということでございます。預金保険料については現状どおりというふうに考えております。

佐々木(憲)委員 この民営化準備室の試算は、民営化時点で既存の定額貯金が切り離されることを想定しているというふうに聞いております。そのため、当初の金額は低い形になっているようです。その後、新たな定額貯金の預け入れが進むということを想定しているというふうに思いますが、いかがですか。

中城政府参考人 先ほど申し上げましたように、基本方針では、新契約について預金保険、生命保険契約者保護機構に入るということでございますが、通常貯金についてはすべて新契約ということでございますので、民営化当初では通常貯金がほとんどということでございます。

佐々木(憲)委員 全国銀行協会、銀行の側の試算によりますと、二〇〇二年度は二千十億円、二〇〇三年度は一千九百四十四億円となっておりまして、これは、銀行は自分で預金保険料を払っていますから計算に間違いないと思うんですが、前年度の貯金残高に現行の保険料率を掛けて算出したというふうに銀行側は説明しております。

 ですから、今おっしゃいましたが、このまま新しい郵便貯金会社ができる、定額貯金の残高は新たに回復していく、現在の残高になれば計算上は二千億円程度の保険料を払うことになるというふうに思います。これはいかがでしょうか。

中城政府参考人 民営化当初は通常貯金でございまして、それから年を追ってだんだん定額の振りかわりというのがふえていくというのは先生御指摘のとおりでございます。私どもの試算では、先生申されましたように、二〇一六年には千百三十五億円になるという数字を持っております。

佐々木(憲)委員 ところで、伊藤金融担当大臣、この預金保険の責任準備金が先ほど三兆五千億円欠損になっていると。その理由ですね、これはどういうことなのか。まずそれを確認したいと思います。理由について説明してください。

伊藤国務大臣 先ほど答弁させていただきましたように、破綻金融機関に対する資金援助等の業務に必要な費用を賄ったためでございます。

佐々木(憲)委員 破綻金融機関への資金援助等がその理由であると。そうしますと、この欠損金については、郵便局の利用者に責任はあるんでしょうか。

伊藤国務大臣 郵便局の預金者だけ取り出して議論するということについてお答えをすることは、ちょっと適切ではないかなというふうに思います。

佐々木(憲)委員 いや、私が聞いているのは極めて単純なことで、銀行が破綻をして、そのために預金保険が機能をして結果的に欠損が生まれているわけですね。郵便局は別のところにあるわけです。その利用者がまた別にいるわけですが、この金融機関の破綻の関連で生まれた欠損金に郵便局利用者は責任があるのかと聞いているんです。

伊藤国務大臣 大変恐縮です、そこだけ取り上げて議論することはいかがかなというふうに思います。

 なぜかと申しますと、健全な金融機関の預金者においても同じようなことが言えるわけでありまして、これは預金を受け入れている金融機関が保険料をそれぞれ出し合って対応しているという制度でございますので、そうした趣旨の中で考えていくべきものと考えております。

佐々木(憲)委員 健全な金融機関の預金者に関係あるのは当たり前です、銀行の預金者ですから。

 私が聞いているのは、郵便局に貯金をしている人ですよ。この人がどうして銀行の欠損金の責任を負うんですか。関係ないでしょう。

伊藤国務大臣 今の時点においては関係がないということでございます。

佐々木(憲)委員 では、いつの時点になったら関係が出てくるんですか。

伊藤国務大臣 今の時点では関係がないということでございます。

 今、民営化について、政府の中でも、与党においても議論をいたしているところでございますので、これが民営化されれば、先ほど準備室からもお話がございましたように、民間の金融機関と同じ条件の中に入って対応していくということになろうかと思います。

佐々木(憲)委員 いや、私が聞いているのは、今既に欠損金があるわけです。この欠損金は過去の金融機関の破綻処理の結果なんです。それはだれに責任があるかといったら、銀行の経営者ですよ。経営がまずかったから破綻をした。その結果、そういう事態になった。銀行はそうだけれども、郵便局に貯金している人たちは全然関係ないでしょう。民営化したら何で関係が出るんですか。そっちの銀行の責任を、民営化したらどうしてこっちになるんですか。関係がないんじゃありませんか。

伊藤国務大臣 先ほど答弁をさせていただいたように、この預金保険料というのは、預金を預け入れている金融機関がそれぞれの預金に合わせて保険料を徴収して対応しているわけでありますので、そうした中で考えていくべきものだというふうに思っております。

佐々木(憲)委員 聞いていることに答えていないですね。

 郵便局に貯金をしている方々が、何で銀行の破綻の、そういう欠損の大きな数字に何の責任もないでしょう。

伊藤国務大臣 今の制度ではそのとおりでございます。

佐々木(憲)委員 今の制度ではという意味はどういう意味ですか。今だって将来だって責任はないでしょう。

伊藤国務大臣 繰り返しになりますけれども、預金保険料というのは、預金を預けている民間の金融機関を対象として、その預金の預け入れに応じて保険料を支払っているわけであります。その中で考えていくべき問題だというふうに思います。

佐々木(憲)委員 いや、預金保険機構の仕組みというものは、それは共同で参加する金融機関が保険料をお互いに出し合って、破綻に、万が一のときに備えるというのがこの仕組みですからと。そんな説明を幾ら聞いたって、そんなのは私の答弁にはなりません。

 私が聞いているのは、何度も言わせないでくださいよ、郵便局に貯金をしている方々は、過去、銀行の破綻で生まれた欠損に責任はないでしょうと言っているんですよ。

伊藤国務大臣 重ねてで恐縮でございますが、今の時点ではそうだというふうに思います。

 しかし、民営化をされて、いわゆる信用秩序全体の中で考えた場合に、この預金保険料を預金預け入れ機関からその預金に応じて徴収することによって対応していくわけでありますから、そうした考え方のもとにおいて対応されるべき問題だと思います。

佐々木(憲)委員 銀行の破綻というものの責任がなぜ郵便局に貯金している方々に発生するんですか。その欠損というのは過去の負の遺産ですよ。どうして貯金をしている人たちに責任があると言えるんですか。責任ないでしょう。

伊藤国務大臣 今の時点においてはそうでありますけれども、新しい銀行が設立された場合には預金保険料の徴収の対象になるわけであります。信用秩序の維持のためにも、そして少額預金者の保護のためにこの制度が設けられているわけでありますから、そうした中で対応されていくべき問題だと思います。

佐々木(憲)委員 いや、責任があるないについて答えていないですね。どういう理由で銀行が過去破綻をしたときの責任を郵便局に貯金をしている人に負わせるんですか。どういう関係で責任があるんですか。将来何で責任が出てくるんですか。あの人たちにどういう責任があるんですか。関係ないでしょう。

伊藤国務大臣 責任があるなしという問題ではなくて、預金保険制度というものは、健全な金融機関の預金者においても、この金融機関において保険料というものは負担をされているわけであります。新しい金融機関が誕生した場合には、同じように預金保険制度の中に入り、そして預金取扱高に応じて預金保険料をお支払いいただきながら、この預金保険制度というのは少額の預金者を保護する制度でありますから、その目的に資するような形で対応されていくべきものと考えております。

佐々木(憲)委員 責任あるなしではなくてじゃなくて、あるかないかを聞いているんですから。全然質問に答えていない。全然質問に答えていないでしょう。だめだよ、そんな答弁じゃ。

伊藤国務大臣 先ほども答弁をさせていただいたように、委員は責任のことをおっしゃっておられますけれども、預金保険制度というのは、責任の問題ではなくて、少額の預金者を保護し、そして信用秩序を維持していくために設けられた制度であります。したがって、健全な金融機関の、預金を預け入れられている金融機関においてもその残高に応じて保険料を支払い、この制度の目的に資するような形で対応されているものでありますから、新しい銀行が誕生した場合も同じような考え方の中で対応されるものと考えております。

佐々木(憲)委員 全然質問に答えていない。これは、要するに、責任がない者に責任を負わせる仕組みなんですよ。そうでしょう。

 つまり、銀行がお互いに、破綻をした際に、その破綻処理をする、あるいは預金者を保護する、そのために必要なものとして共同で保険料を納めて積立金を積み立てていた。これは責任準備金です。それが、銀行経営者の経営のまずさから銀行が破綻する。その銀行が破綻をしたツケが回って今その準備金がずっと減っていて、マイナス三兆五千億円欠損が出ているわけです。それを毎年少しずつ保険料で穴埋めしているというのが現状ですね。

 では、そこに郵便貯金が、これは民営化ということで銀行にとっては大変神風のような話が出てきて、それで、先ほど試算が紹介されましたけれども、例えば、十年間で、全体でこれを足しますと九千九十三億円なんですよ。銀行業界の試算はもっと多いですけれどもね。これは民営化準備室の試算によると約一兆円、これで穴埋めさせようというわけなんです。そうすると、銀行業界は、ああ、いいのが来た、一兆円持って民営化して保険料を払ってくれると。今は三兆五千億円穴があいているからね。これで埋めてもらおうと。それで銀行業界が、ちょうどいいタイミングで来たということで、試算までして、いや、もっと多いはずだと。先ほど言ったように、最初、定額貯金などは外して、普通の貯金で試算をしているけれども、そうじゃない、もっと多く払えるはずだと。これが銀行業界の主張です。つまり、自分が責任を持っている、いなければならない責任準備金の欠損を銀行は自分で穴埋めせずに、郵便貯金が民営化される、ここの保険料一兆円で穴埋めしてやろうと。それで自分の責任を逃れようと。

 だから、この民営化というのはどういう意味を持っているかといえば、郵便貯金をしている一般の庶民が、何の責任もない銀行のこの欠損の穴埋めのために自分たちが負担させられるというのが民営化なんですよ。こんな民営化は、絶対にこれは認められませんよ。こんなツケ回しのような、本当に私は、経済のルールからいって全く逸脱したこんなやり方はやめるべきだと思いますよ。

 ですから、少なくともこういうやり方というのは、責任準備金の穴埋めにこういうものを使う、こういうのは最初から想定しないという立場をとるのが当たり前じゃないですか。まあ、民営化そのものをやめるのが一番いいけれども。どうですか。

伊藤国務大臣 欠損金の穴埋めをするために民営化するわけではございませんので。

 預金保険料率の問題については、法令上も、保険金の支払い、援助その他の機構の業務に要する費用の予想額に照らし、長期的に機構の財政が均衡するように定めなければならないとされているところでございますので、こうした考え方の中で欠損金の問題について対応されていくということでございます。

佐々木(憲)委員 本当に、今銀行業界が何を言っているかというのを見ても、銀行業界は、今のこの民営化のやり方というのは、保険料を担いでやってくる、そういうものだということが非常にはっきりしたと思います。それは保険料を目当てに民営化するのではないというような話をされましたが、結果的にそうなるんじゃないですか。民間銀行の経営の不始末からこういう事態を発生させて穴があいた、その穴を一般の郵便局の利用者に負わせようというんですよ。そういうやり方というのは、私は絶対に認められない。

 これは、銀行関係者もこの保険料についてこう言っているんですね、保険料の引き下げをお願いしたいと申し上げたい。つまり、銀行は、自分の保険料を下げてほしい、自分の負担は軽くしてほしいという主張までしているんですよ。そういうときに、郵便局を利用している一般の庶民が、貯金をしている庶民が負担をさせられて、銀行の不始末の穴埋めまでさせる、しりぬぐいをさせられる、こんな民営化は絶対に許せない。民営化はいろいろな理由があって我々は反対だけれども、これもその一つです。

 これは自民党の中でも反対が多いらしいけれども、我々もこんなやり方は国民の利益に一切ならないということを最後に述べまして、質問を終わらせていただきます。

金田委員長 次回は、明三月一日火曜日午後五時五十分理事会、午後六時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後七時四分散会


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