衆議院

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第8号 平成17年3月1日(火曜日)

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平成十七年三月一日(火曜日)

    午後六時六分開議

 出席委員

   委員長 金田 英行君

   理事 江崎洋一郎君 理事 遠藤 利明君

   理事 竹本 直一君 理事 村井  仁君

   理事 中塚 一宏君 理事 原口 一博君

   理事 平岡 秀夫君 理事 谷口 隆義君

      小野 晋也君    木村 太郎君

      熊代 昭彦君    倉田 雅年君

      小泉 龍司君    鈴木 俊一君

      砂田 圭佑君    田中 和徳君

      谷川 弥一君    中村正三郎君

      永岡 洋治君    西銘恒三郎君

      宮下 一郎君    森山  裕君

      山下 貴史君    渡辺 喜美君

      井上 和雄君    岩國 哲人君

      鈴木 克昌君    田島 一成君

      津川 祥吾君    津村 啓介君

      中川 正春君    野田 佳彦君

      馬淵 澄夫君    村越 祐民君

      吉田  泉君    長沢 広明君

      佐々木憲昭君

    …………………………………

   財務大臣         谷垣 禎一君

   国務大臣

   (金融担当)       伊藤 達也君

   内閣府副大臣       七条  明君

   財務副大臣       田野瀬良太郎君

   財務大臣政務官      倉田 雅年君

   政府参考人

   (内閣府経済社会総合研究所総括政策研究官)    荒井 晴仁君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   杉本 和行君

   政府参考人

   (財務省主税局長)    福田  進君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 桜井 康好君

   政府参考人

   (環境省地球環境局長)  小島 敏郎君

   財務金融委員会専門員   鈴木健次郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月一日

 辞任         補欠選任

  岡本 芳郎君     西銘恒三郎君

  田村 謙治君     津川 祥吾君

同日

 辞任         補欠選任

  西銘恒三郎君     岡本 芳郎君

  津川 祥吾君     田村 謙治君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成十七年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案(内閣提出第二号)

 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一二号)


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     ――――◇―――――

金田委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、平成十七年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案並びに平岡秀夫君外二名提出の両案に対する両修正案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として財務省主計局次長杉本和行君、財務省主税局長福田進君、内閣府経済社会総合研究所総括政策研究官荒井晴仁君、環境省大臣官房審議官桜井康好君、環境省地球環境局長小島敏郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

金田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。村越祐民君。

村越委員 民主党・無所属クラブの村越祐民でございます。

 本日は、所得税法の改正、定率減税の縮減問題に関して、大臣に、相対的な若者の立場から、若者としての主張をぶつけながら質疑をさせていただきたいと思います。ことし初めてのこの委員会での質問ですので、大臣、よろしくお願いいたします。

 さて、本当に目を覆わんばかりの財政赤字による政府債務の累増だったり、あるいは少子高齢化社会がやってくることによる社会保障関連費用の増大というものにかんがみれば、長期的に見れば、やはり増税だったり社会保障費用の増加というのは残念ながら不可避なことなんだと私も考えております。ただ問題は、それをいつやるのかということと、我が国が今抱えているさまざまな経済課題との折り合いの中で、何を優先してやるべきかということがやはり重要だし、議論しなければいけないんだと私は思っています。

 結論から言いますと、私は、今やるべきでないし、ナンバーワンプライオリティーでもないと考えています。消費税率のアップだったり、厚生年金保険料の引き上げや医療保険制度の改正による負担増が相まって、九七年度ですか、景気の急激な悪化を招いたという反省に立てば、現時点で家計負担が急増するということはやはり極力避けるべきではないか。また、企業部門の投資や支出をふやして、民間部門の貯蓄超過を減らした後に、財政赤字の削減を増税等を行って実現すればいいんじゃないかと私なんか考えているわけです。

 実質GDPの前期比が三四半期連続してマイナス成長になっている、消費も引き続き減少しているということは、これは大臣がどうおっしゃろうとも、踊り場ではなくてやはり景気は後退しているんじゃないかと思います。この問題に関しては、ことごとく、今までいろいろな議論がこの委員会でなされてきたと思います。ただ、さんざんやっても、結局見解の相違で、意味のある質疑になるとは私は思えませんので、また大臣もほとほとお疲れでしょうから、それはやめておきまして、別の観点から質問したいと思っています。

 ただ、この議論の前提としてあえてお伺いしておきたいことがまずありまして、どういう判断に基づいて定率減税の縮減あるいは廃止ということを政策として決定したのかということなんですね。

 大臣はかつて、縮減あるいは廃止をするときの二つの要件として、景気が確実に回復したとき、これがまず一点。もう一点は、税制全体を改めるときが来れば縮減あるいは廃止をしてもいいんだということをおっしゃっていたかと思うんですが、こういう二つの判断に基づいて今回決定をされたんでしょうか。この点、まずお答えをいただければと思います。

谷垣国務大臣 今委員が指摘されましたように、確かに、定率減税を入れたときのねらいというのは、一つは当時の停滞した経済状況にどう対応するかということでありましたし、それから所得税体系そのものの見直しが迫られていたわけですけれども、抜本的な所得税改革までの手段としてこういうことをやろうという、二つあったわけです。

 ですから、委員が今おっしゃいましたように、一つは景気という面もありました。この点は委員が、もう疲れているだろうから余り言わぬとおっしゃいまして、今までの議論でそれぞれ見解の違いがございましたから私どもの見解を今さら繰り返しませんが、要は、あの当時の状況に比べると不良債権処理あるいは産業再生というようなものが進んできて、まだまだ問題点はあるんだけれども、全体はあの当時に比べて底がたいものになってきたというのは一点ですね。

 それからもう一つは、所得税体系の見直しですけれども、何度も繰り返し申し上げておりますが、平成十八年度に三位一体の税源移譲、これは所得税から地方住民税へという形でやりますので、どうしても所得課税体系を全体で見直さなければいけない。

 そこでもう一つ入るわけですが、なら十八年度にやればいいじゃないかという御議論があるんですけれども、やはり私どもは、これは景気とか今おっしゃった家計なんかの影響も見ると、段階的にやっていった方がいいだろうということで、平成十七年度は二〇%のものを半減していくという形でお願いしている、おおむね申し上げるとそういうことでございます。

村越委員 景気の認識に関してはやらないというふうに申し上げたんですが、ただ、どういうデータを参照されているのかということに関してちょっと議論をしてみたいときょうは思っています。

 内閣府経済社会総合研究所から、きょうは荒井総括政策研究官にお越しになっていただいていますので、GDP統計という重要な指標があるかと思いますが、この点に関してちょっとお伺いをしてみたいと思います。その上で、ちょっと大臣からもコメントをいただきたいと思っているのですが。

 内閣府が、平成十六年度の七―九月期の二次速報値から、GDP統計の算出方法を固定基準年方式から連鎖方式へと変更したわけです。これは、固定基準年方式ですと、その基準年から離れれば離れていくほど実質GDP、成長率が過大評価というかかさ上げされてしまうという指摘がありまして、そういった問題をクリアできる、また、よりアクチュアルなデータが出てくるようになったという点で、本来非常に歓迎すべきことだと思うんですけれども、一方で、GDP統計の空白問題ということが指摘されていると思います。

 つまり、景気の流れを長期的な観点から、総合的な観点から判断しようとした場合、当然ながらいっぱいデータが必要になってくるわけです。そして、いっぱいのいろいろなデータ、長年にわたるデータを参照する必要が出てくると思うんですけれども、現時点で、九三年以前の実質GDPは旧方式の、固定基準年方式のデータしか存在しない。つまり、空白の期間ができてしまっているという問題があるという指摘があるのですけれども、内閣府として、この九三年以前のデータに関して遡及推計を行う予定があるのかどうか、お答えいただきたいと思います。

荒井政府参考人 お答えいたします。

 先生御指摘のとおり、九三年以前への遡及推計については今後の課題ということになってございまして、先生御指摘のありました、今回採用した新しい連鎖方式を適用する必要があるというふうに考えてはおりますけれども、具体的な公表の時期についてはまだ確定をいたしておりません。

 といいますのは、現在、ちょうど昨年の春に公表されました平成十二年産業連関表の計数等に基づく基準改定作業というものを最優先で進めておりまして、本年末には基準改定作業が完了するというふうに考えております。九三年以前については、現在、直ちに遡及推計を行うということはなかなか作業上困難でございますけれども、政策判断にも影響がある、あるいは一般のユーザーからも要望も強いということで、ぜひ、この基準改定作業が一段落した段階で、できるだけ早く遡及推計の実現に向けて作業を進めていきたいと考えてございます。

村越委員 非常に問題だということは御認識があるんだと、今の御答弁からよくわかりました。

 本当にこれは非常に大事なことなんだと思います。政府機関だけではなくて、民間のシンクタンクなんかもこの内閣府の発表したデータに基づいて経済分析を行うわけですから、発表がおくれるとかあるいは空白期間があるだとか、そういうことがあると非常に大きな問題になってくるんだと思います。OECDのチーフエコノミストも、これはちょっと読み上げますが、日本では従来から統計に不明確さがあり、ほかのどの国よりも動向が読みにくくなっているというふうに御指摘をなさっているぐらいですから、政府としてやはり早急にこの問題には取り組んでもらわないと困るんじゃないかと私は思うわけです。

 もうちょっと追加でお伺いしたいんですけれども、新方式への移行に伴って、現在、公表が従来よりおくれている確報データというものが何点かあるかと思うんですが、何が具体的におくれているのかということと、作業の負荷が例年より非常に多く発生して今大変だと思うんですが、具体的にどういう体制でこの作業をしておられるのか、お答えいただきたいと思います。

荒井政府参考人 お答えをさせていただきます。

 先生御指摘のように、いわゆる年度の確報というものの公表が例年ですと十二月から三月にかけて行われるわけですけれども、平成十五年度の確報については、実質化方式を旧方式から新方式に移行した、それに伴いましてしばらくの間は、旧方式の推計も、多少おくれてではありますけれども、同時に並行して計算をし公表するというようなことで、作業の負荷がふえておりまして、それの影響で例年より公表がおくれているものが幾つかございます。

 具体的にどのようなものがという御質問でございましたけれども、国民経済計算、大きく分けまして、第一部フロー編、そして第二部ストック編に分かれております。フロー編の中では、一の統合勘定、あるいは三にあります制度部門別資本調達勘定のようなものが公表がおくれてございます。そのほか、付表と言われる中にも公表がおくれているものがございます。それから第二部のストック編でございますけれども、ストック統計は、その多くがフローを積み上げて計算をするものがございますので、フローの方が計算が完了しないとストックの方の計算に移れないということで、ストック編には公表がおくれているものが多くございます。これも皆様に不便をおかけしているということで申しわけなく思っておりまして、鋭意作業を進めていきたいと考えております。

村越委員 非常に多くのデータがまだ算出されていないということがおわかりになったと思うんです。

 そこで、大臣にお伺いしたいんですけれども、今回、この増税策、増税策とお呼びにならないかもしれませんが、今回のこの施策を実行するという判断をされるに当たって、こういった内閣府のデータを当然ながらいろいろ参照されているかと思うんです。なおかつ、こういうデータを非常に多くごらんになる、いわば一番の得意客というかビッグユーザーでいらっしゃるかと思うんですが、そのビッグユーザーとして、こういう問題に関して大臣はどのようにお考えでしょうか。

谷垣国務大臣 私どもは、そのときそのときの瞬間風速ももちろん見なきゃいけないわけですけれども、もう一つやはり、流れといいますか、経済全体がどういう方向に向かっているのかというのを見なきゃいけないと思うわけですね。そういう中で、言うなれば政府の中にいる人間として使っておりますのは、内閣府でつくっておられるこういうものが、ほかにもいろいろ見ますけれども、一番参照しているわけですね。

 それで、今おっしゃったことは、こういうGDP統計が方式が変わったと。確かに、ほかの国は皆、連鎖方式に変更したところが多いようですから、村越さんがおっしゃった、日本のGDPはちょっと読みにくいというのも、方式が諸外国と違ってきて読みにくいというところもあったのかなというふうに思うわけでございます。

 ですから、私どもとすると、あのとき心配しましたのは、新しい方式によって数字が下がって、何かペシミスティックな感じが出ると困るなということは思っていたわけでありますけれども、ただ、現実にそういう改正を加えられまして、より国際的にも比較ができたり、よりきちっと見られるものができてきたのは結構だと思いますが、流れで見ておりますから、古い、前のGDP統計も十分参考にしているところでございます。

村越委員 繰り返しになりますけれども、非常に大事な問題になると思いますので、現場の皆さんも非常に日々一生懸命やられていて、急に負荷がふえて、恐らく同じ人数で同じ体制で作業されていると思いますので、あるいは、人員を多く割いていただいてより迅速に対応できるようにしていただきたいと思いますので、きちっと大臣からも、得意客の、ビッグユーザーの立場から、ぜひ現場の体制をきちっとしてもらえるように働きかけていただきたいなと思っております。

 内閣府の方はもうこれで結構です。ありがとうございました。

 そこで、大臣にまたお伺いしたいんですけれども、今回、この増税策を決定するに当たって当然データを参照されたということなんですけれども、これは、新方式の連鎖方式のものを参照されて判断をされたのか、それとも旧方式のものだったのか、あるいは速報のものなのか確報のものなのか、どういったところをごらんになって判断されたんでしょうか。

 というのは、先ほどペシミスティックというふうにお話しされましたが、連鎖方式のものというのは一般からいって悪く出るわけですし、また、速報と確報ですと、速報の方がよく出て確報が出ると悪くなるという一般的な見方があります。例の、去年の年金のときの合計特殊出生率の話ではありませんが、やはり参照するデータが後から間違っていた、あるいはもっと悪かったというと、政策の合理性というものが後から疑われる結果になると思うんですね。そういった観点から、どういったデータを今回具体的に参照されたのか、お答えいただきたいと思います。

谷垣国務大臣 これは先ほど御答弁したことでありますけれども、要するに、瞬間風速も見なきゃいけないし、流れも見なきゃいけない。

 流れでいいますと、今まで逐次発表されてきたものをいわばずっと見ているということですから、もちろん、速報値が出、確定値が出るごとに若干認識を修正しながらやっているということだと思いますし、現在の瞬間風速ということになると、一番最近のものを見ながら判断する。もちろん、そうなりますと、GDPだけではありませんでいろいろな、けさも閣議で雇用統計とかいろいろなものが総務大臣から御報告があったりしますが、そういうようないろいろなものを見ながらやっているということでございます。

村越委員 では、次の質問に移りたいんですが、私は若干、次に政策の整合性の問題も考えなきゃいけないんだと思うんですね。

 というのは、政府はかねてから、デフレから脱却するということを最優先課題にするんだというふうなアナウンスをずっとされてきたと思うんですけれども、まず、そもそも、現時点でデフレから脱却をされたとお考えなのでしょうか。その辺の御認識はいかがでしょう。

谷垣国務大臣 結論から申しますと、デフレを完全に脱却したというふうには思っておりません。まだデフレ、緩やかながらデフレの状況にあると思っております。

 これは消費者物価とかいろいろなものの物価関連統計を総合的に見て判断しなければならないわけでありますが、国内企業物価は、素材とか石油化学、こういった上昇などの影響もあって前年比プラスなわけですね。ところが、消費者物価は前年比でまだ小幅な下落基調だということを総合して考えて、依然として、最初に申し上げたような緩やかなデフレだというふうに判断しております。

村越委員 財政全体のバランスから考えますと、増税策による黒字の拡大というのは、広い意味で緊縮財政になるんだと思います。デフレが終了する前に、完全に終局する前に緊縮財政に移行するというのは、政策として一貫性に欠けているんじゃないかと私は思うんですけれども、いかがでしょう。しかも、デフレ脱却まで現状の緩和政策を続けるという日銀の政策にも、整合的でないと考えるんですけれども、その点はいかがでしょうか。

谷垣国務大臣 デフレは緩やかながら存続しているという状況を前提として考えるわけですけれども、今村越委員がおっしゃいましたように、日銀も、非常に金融政策、私どもと基本的な認識を一緒にしながら力を合わせてやっているわけです。

 そういう中で、今委員のおっしゃったことは、結局、ここで定率減税を縮減すると、どうしてもそれは負担増ということになって、消費や何かを冷やしたりして、景気に悪い影響を与えてデフレ克服にもつながらないのではないかという御認識だろうと思います。

 確かに、今のようなデフレの状況を考えますと、やらずに済ませられるならばやらずに済ませた方がデフレ克服に向けた面ではプラスということは、それはおっしゃるとおりではないかというふうに思います。ただ、ここになりますと、結局いろいろな総合的判断ということになってくるんだと思います。

 例えば、基礎年金の保険料にしても、税負担部分は三分の一から二分の一に持っていかなきゃならないとすると、財源をどこに求めるかとかいうような問題もございますし、それを、では国債を発行して結局そういうあたりを全部穴埋めするんだということになると、これはいろいろな目標を、我々は一兎だけを追っているわけではありませんので、二〇一〇年代初頭にプライマリーバランスを回復してツケを後の世代に回さないようにしようというようなこともこれはございますから、いろいろ考えてこういう判断をしたわけであります。

 要は、そのときにデフレが物すごい深刻な状況になっていったり、景気がまたそこで失速をするようなことになっていってしまっては、それこそ元も子もない、こういうことになるわけですから、そこらあたりは私どもとしても二段階でやって、ことしは半分で、十七年度だけをとりますと千八百五十億の負担増ということにこの定率減税はなるわけですが、二年かけてやって、そういうあたりを全体内閣府で見ていただいて、政府経済見通しは、こういう定率減税の縮減があってもそういうものを吸収してやっていけるという判断のもとにやっているわけでございます。

村越委員 今のお話のところはまた別の機会に議論をさせていただければと思います。

 またタイミングのお話を、なぜ今かというお話をさせていただきたいと思うんです。先日も大臣が御答弁の中で、どこかで廃止をしなければいけないんだとおっしゃっていましたけれども、今やる、今やるんだと大臣がおっしゃるところの一つの根拠として、今増税しても、この程度なら景気の腰折れというものには至らないんだと認識がおありかと思います。そうでないかもしれませんが。まあ、この認識をめぐって議論をしても、これも泥仕合いになっちゃいますのでしようがないんですが。

 より重要な議論として、今回の所得税の増税をした場合と、また増税を見送った場合との比較考量というか試算というのをやはりしなければいけないんじゃないかと思うんですね。これもあるいは先日来議論があったかもしれませんが、そういった比較考量というか試算をきちんと行ったのかどうか、そのあたりはどうなんでしょうか。

福田政府参考人 定率減税の縮減等の制度改正が経済に与えます影響につきましては、負担増のみを取り上げて議論することは適当でなくて、定率減税の縮減によります増収額の一定額が基礎年金の国庫負担の引き上げ財源等に充てられること、あるいは年金の給付総額が毎年一兆円超増加していくと見込まれることなど、歳入歳出両面での措置や制度改正の趣旨を踏まえて、政策全体の中で総合的に検討する必要があると私どもは考えております。

 したがいまして、定率減税の縮減といった特定の負担増のみを取り上げて、制度改正を行わなかった場合との比較あるいは試算などを議論することは必ずしも適当ではないと考えておりますが、あえて申し上げますれば、定率減税の縮減による平成十七年度増収額、今大臣から御答弁を申し上げましたが、千八百五十億円でございます。例えば、GDP、十五年度の名目GDPが約五百一億円でございます。十六年度で実績見込みで五百五億、十七年度は五百十一億といった、このGDPの規模との比較におきまして〇・〇四%弱程度となっておりまして、景気に対する影響は……。失礼しました。五百一兆円でございます、失礼いたしました。五百一兆円、千八百五十億円。

 それから、他方で、GDP、十五年度ですと五百一兆円でございますが、この規模との比較におきましても、〇・〇四%弱程度になろうかと思いますが、景気に対する影響は大きいものではないと考えているところでございます。

 なお、これも先ほど大臣から御答弁申し上げましたけれども、十七年度の政府の経済見通しにおきましては、定率減税の縮減を含みます政策運営を前提といたしまして、GDP等の経済指標についての十七年度の見通しを示しているところでございます。

 以上でございます。

村越委員 今いろいろお話がありましたが、やはり普通の家庭の主婦だったりサラリーマンの認識というのは、僕はそうじゃないと思うんですね。源泉徴収で持っていかれるのは月々たかだか数千円だとかという議論がありましたが、やはりそれが非常に家計に対して強く響いてくるんじゃないかと私は思うんですね。

 定率減税というのは、重税感が強い中間所得者層に対する配慮であったと思うんですけれども、今回の法改正によって、その人たちをまた課税強化することになると思うんですね。そのことに対する説明というのは、大臣、どういうふうにされるんでしょうか。

谷垣国務大臣 これは、二〇%、減税を一律にしたわけですね。ですから、要するに給与所得者というか、給与所得に限らないわけですけれども、主として給与所得者、みんな二〇%やっていただいたのを今度半分にするわけですから、そういう意味では、物すごい高額所得者はすぐそれが生活に響くというわけではないんだろうと思いますね。ですから、おっしゃったように、ある意味では中堅のサラリーマンというところにきいてくることは、そうなのかなというふうに私も思います。

 他方、今我が国は所得課税の水準というのが一番低い状況になっております。そうしますと、所得税が果たしている役割というのは、資産を再分配する累進課税というものがとれますから、そういうような機能を発揮しているわけですけれども、ここまで所得課税の率が低くなってまいりますと、そういう所得再分配機能というのを発揮しにくくなるという面が今度は逆にあるわけですね。

 私どもは、十八年度に所得課税の見直しをやりますときに、地方は、これは確かにフラット化、所得割のフラット化ですから、むしろ所得再分配とは若干違う方向に参りますけれども、所得税は、それは、もう一回所得再分配機能を生かしていくという方向で組み合わせていかなければいけないんじゃないか。そういう意味で、所得税は基幹税ですから、税収を確保する機能というのはもちろんありますけれども、所得再分配の機能も今後考えていかなければならない面ではないかと思います。

村越委員 ほかにもいろいろお伺いしたいことがあったんですが、一点だけ私の主張をお話しして終わりにしたいんです。

 政治家が物事を判断するときに、やはり焦りとおごりというのは禁物なんだと思います。そう考えると、今回のこの増税策というのは、がむしゃらにまず財政の信認を回復しようという点での焦りと、我が国の景気の現状に対する認識を誤っているという点でのおごり、この二重の禁物を犯している、焦りとおごりの二重の禁物の政策なんじゃないかと私は思っています。

 ちょっと言い逃げみたいになっちゃいますが、それだけちょっと指摘をして、またいずれ御議論させていただく機会があると思いますので、私の質問を終わりにします。

金田委員長 次に、田島一成君。

田島(一)委員 民主党の田島一成でございます。遅くなりましたけれども、最後、御答弁の方、よろしくお願いを申し上げます。

 あえて、お忙しい中、伊藤大臣にもお越しいただきましたので、実は、きのうの三井住友フィナンシャルグループが赤字二千四百億円に下方修正したという点について、ちょっと確認の意味でのお尋ねをぜひさせていただきたいと思います。

 かつては金融再編の勝ち組とさえ言われていた三井住友ですけれども、昨年九月には、中間決算で、当時、社長も下期には損失の拡大はないということをたしか記者会見等でおっしゃっていたと思います。しかしながら、ここに来て、また、再度の処理拡大ということになりました。かつて、東京三菱と経営統合する羽目になったUFJと全く同じようなパターンのように私は受け取ったんですけれども、まだ検査が終了していない段階でこうして業績修正がなされたということは、一体何を意味しているんだろうか、果たしてこれで市場に打ちどめ感というものが広がっていくんだろうか、出すことができるんだろうか、そんな不安を抱くんですけれども、今回のこの三井住友の下方修正、伊藤大臣、どのように受けとめていらっしゃるのか、お聞かせいただけますでしょうか。

伊藤国務大臣 お答えをさせていただきたいと思います。

 御指摘のように、業績予想修正がなされた、そのことが公表されたということは承知をいたしておりますが、個別の問題についてお答えできないことは御理解をいただきたいと思います。

 一般論として申し上げれば、立入検査中といえども、タイムリーディスクロージャーはあくまで金融機関の自主的な経営判断として行えるものと承知をいたしております。

 また、一般論として、委員は健全性の問題からも御質問をされているというふうに思いますが、私どもといたしましては、不良債権問題を正常化していく、そして構造改革を支える強固な金融システムを構築していくために、金融再生プログラムを策定し、そして主要行、各金融機関は不良債権問題の解決に向けて努力をされてこられたわけであります。その結果として、昨年の九月期の中間決算においては主要行の不良債権比率が四・七%まで低下をし、そして、私どもとして半減目標を策定しているわけでありますけれども、その目標達成に向かって順調に推移をしているものと認識をいたしております。

 私どもとして、この目標を確実に達成していくために、改革の手綱を緩めることなく取り組んでいく必要があるというふうに思っております。いずれにいたしましても、検査監督の適切な措置というものを講じながら、金融システムの安定性というものが持続的に確保されるように努力を続けていきたいというふうに思っております。

田島(一)委員 恐らくそういう答えであろうかというふうにも思いながら、しかし、検査終了前にこうして下方修正されたということは、相当リスクも伴っているわけですよね。そのことも承知の上でやられるにしても、やはりそこは大臣としてしっかりとしたお考えをお示しいただくべきだ、これはぜひ強く要望しておきたいと思っております。

 市場がどのように受けとめていくのか、また国民がどのようにこれを受けとめるのか、この辺の緊張感をしっかり持っていただきたい、そのことだけ強く要望させていただきたいと思います。

 質問は以上ですので、どうぞお引き取りをいただきたいと思います。

 さて、今回の所得税法等の改正に関してですけれども、私自身、実はライフワークとして環境問題にずっとかかわってまいりました。今回、どうして環境税という議論が、あれだけ盛り上がり、また京都議定書が発効したにもかかわらず、こうして後ずさりになってしまったのかという点について大きな疑問を持ちながら、残念でならない、そんな気持ちを持っております。

 かつても、大臣は環境税の必要性についてという記者会見の答弁で、全体の政策の中で税をどういうものとして位置づけていくかという議論だというふうに、わかるようなわからないような御答弁に私は受けとめました。

 もちろん、この地球温暖化という喫緊の課題、このことはだれしもが御理解をいただいていますし、かつての答弁でもいただきましたけれども、果たしてこの経済全体への効果、影響に寄与する、環境と経済の両立を自信を持って環境省が案として出してきた環境税なんですけれども、この環境税の導入という点について、大臣としてはどのような御見解と思いをお持ちなのか、改めてもう一度お聞かせいただけませんでしょうか。

谷垣国務大臣 京都議定書も発効いたしましたね。田島委員はお隣の滋賀の御出身でいらっしゃいますが、私も京都選出でございますから、京都と名のついた議定書はやはりそれなりに我々もバックアップをしなきゃならないという気持ちは持っているわけでございます。

 ただ、環境税、御承知のようなスキームで環境省は、すべての化石燃料と電気に炭素一トン当たり二千四百円、こういう形の課税をしようと考えておられるわけですね。これは、やはり関係するところが非常に広いものですから、広く負担を求めるという形になりますから、これは定率減税ももちろんそうなんですけれども、国民の理解と協力がなければこれはなかなかできるわけではありませんで、そうなると、環境面もそうですが、経済、国民経済や産業の国際競争力に与える影響とか、それから、既存のエネルギー関係、いろいろな税がございますけれども、そういうものの関係をどうするかとか、かなり幅広く検討していかなきゃいけないんじゃないかというふうに私は考えているわけでございます。これから京都議定書目標達成計画というのをつくっていくわけですから、その中でどういう位置づけをしていくかということを議論を煮詰めなければならないわけですね。

 あるいは、委員の御質問を先取りして答えてしまうかもしれないんですけれども、環境省が昨年提案されました環境税について、私もまだまだコンクリートに煮詰めたものがあるわけではないんですが、要するに温暖化対策全体の中で環境税をどういう役割を果たしていこうとするのか、化石燃料などの価格を引き上げて消費を抑制しようということを考えているのか、あるいは温暖化対策に与える財源確保なのかとか、そういう目的と効果というものをはっきり設計する必要があるだろうというのが一つであります。それからもう一つは、既存の温暖化対策予算というものとどう整合性といいますか調整をしていくかという問題があるんじゃないかと思っておりますが、まだこれはあらあらのものでございます。

田島(一)委員 あらあらと今おっしゃってくださったんですけれども、本当に時間的に言うと待ったなしの状況に今あるわけですね。本当に急がなければならないというこの状況の中で、果たしてそのようなお考えの段階でいいのかな。これは、もちろん財務省だけではありませんし、環境省と、そして一番対立関係のようにある経産省との関係等、また経済界の動き等々も考えていくと、本当にどう調整をしていくのか、時間が本当に待ったなしだなというふうに思っているんです。

 きょうは環境省の方にもお越しいただきましたが、この環境省の具体案、税収であるとか、またそれの使い道についてまで踏み込んでくださったんですけれども、この経緯も含めて、もう一度環境税として組み立てなければならないんだという思いをきちっとお伝えする努力をやっていただかなきゃいけないとも思います。もう一度、この経緯と、改めてここまで踏み込んでこられたことについて御説明をいただきたいと思います。

桜井政府参考人 環境省といたしましては、環境税は、二酸化炭素の排出量に応じまして、企業あるいは家庭など、幅広い主体に公平に負担を求めることができる有力な追加的な施策であるというふうに考えておりまして、六%削減、この京都議定書の目標達成のために必要な施策であるというふうに考えているところでございます。

 昨年、いろいろ各方面で御議論をいただきました。昨年十一月の政府税制調査会の答申におきましては、「京都議定書の目標達成を念頭に、環境税の果たすべき役割が具体的かつ定量的に検討されることが必要である。」というふうに記述されておりますし、また、昨年十二月の与党の税制改正大綱では、あらゆる政策的手法を総合的に検討した結果を受けて、必要に応じ、そのあるべき姿について早急に検討するというふうにされておるところでございます。

 現在、政府におきましては、京都議定書の目標達成のために必要な追加的な対策、施策を盛り込んだ目標達成計画というものの策定に向けた作業を進めているところでございますが、本達成計画の策定作業を通じまして、環境税の果たすべき役割につきまして検討を行い、これを踏まえて、環境税のあるべき姿について早急に検討を進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

田島(一)委員 目標達成計画、非常に悠長にやっていただいているなというふうに私は思うんですけれども。

 これまでに地球温暖化対策と称して、一兆二千億円がこの温暖化対策として使われてきているわけであります。この一定支出に対して削減効果はどれぐらい出ているのか、こういった現状をきちっと御説明されるのが順位としてはまず優先であろう。そういうことをしないから、いわゆる経済界、また経産省も含め、まず税ありきのような印象でとらえられて断固反対というような、そんなムーブメントに発展しているような気が私はいたします。言いわけも含めて、なぜこういう取り組み、現状として、使っているこの一兆二千億円でこのような温暖化対策の効果が上がっているんだよということをオープンにされていかないのか、その辺の御説明をいただけないでしょうか。

小島政府参考人 環境省の方では、現在、地球温暖化対策推進大綱の中に盛り込まれております対策、これに必要な予算をすべて計上して、これが一兆二千億、今おっしゃったとおりでございます。

 この中をいろいろ、今、各省の協力もいただきまして再度分析をしております。例えば、その中には、省エネルギーでありますとか、まあ直接効果のあるものでありますとか、あるいは森林、原子力というようなものでありますとか、あるいは新幹線、地下鉄ということ、あるいは廃棄物というようなことで、それぞれの予算の効果というものを分析しております。

 例えば新幹線あるいは廃棄物というのは、ほかの目的でございますので、これを組み替えて温暖化対策に使うというのはなかなか難しい。あるいは直接省エネルギーというのはもっと効果的に使えるのではないだろうか。あるいは原子力とか森林というのは、そのままエネルギーの確保でありますとか森林の多面的な利用でありますとかということで、これはなかなか動かしがたい予算になっている。こういうようなことを分析して、それぞれの効果を今作業中でございます。

 単に十七年度の予算についてどうかというようなことも作業しておりますけれども、できるだけ京都議定書の目標年次である二〇一二年までの対策、これを定量的にあらわして検証できるようなものにしたいということで、今、京都議定書目標達成計画の作業をしているところでございます。

田島(一)委員 作業中ということでまだ具体的なものが出てこないんですけれども、大体いつぐらいまでに出すおつもりですか。

 当然、今御指摘もいただいている、御認識もいただいている既存のエネルギー税制、これとの整合性というのを整えていかなかったら、いわば、一方では環境破壊に税金を使っている、もう一方では環境対策だといって環境税、こうした相矛盾するものを同じようなエネルギー源に乗っけたところで国民の理解などというのはもちろん得られませんし、これでインセンティブ効果だといったって、それはしょせん無理な話ですよね。ましてや一兆二千億円をどう使っているのかという部分の説明もなされていない。こういう矛盾したことばかりが続いているから、結局、政府税調も与党税調も先送りという一番安易な方法に逃げてきたんじゃないか、こう私は思うんですけれども。

 もう具体的な部分ははっきりおっしゃった方がいいんじゃないですか。受けて立つ財務省だって、本当に、大臣、しびれを切らして待っていただいていると私は思うんですよね。こんな状況だから、こうした所得税法の改正についても全然順位がわかっていないじゃないかといって怒らなきゃいけないんですよ。しっかりやらなきゃいけないのは、本当は、その順序、環境省からやはりメッセージを早く発信していくということだと思うんですけれども、このスケジュールも含めてどうお考えなのか、お答えいただけませんでしょうか。

小島政府参考人 まず、政府において今作業中の京都議定書目標達成計画でございますけれども、これは第二ステップが今年度からということでございます。若干こぼれますけれども、今年度中には国民に提案をする案を取りまとめたい、三月中を目途として作業をしております。これは国会の附帯決議等もございまして、国民の意見を聞くということになっておりますので、四月いっぱいはパブリックコメントなりヒアリングなりをしてまいりまして、連休の前後にその意見を勘案して京都議定書目標達成計画の閣議決定に至りたい、こういうスケジュールで今作業をしております。

 その計画の中で、いろいろな削減の対策、そしてそれを確実に達成するための具体的な施策、これは規制や補助金やあるいは自主的な取り組みの促進、さらに税制、環境税を含めたものの位置づけをしていく、こういうことになるわけでございますけれども、具体的にどのようにこれを整理できるかというのは、作業中でございますので、今の申し上げましたようなスケジュールの中で政府全体の調整をしていきたいと思っております。

田島(一)委員 五月の連休前後でおまとめいただいて閣議決定をという運びですけれども、当然その段階では、いわゆる環境破壊促進税、そんな言い方をしては失礼かもしれませんが、揮発油税だとかそういったものとの整合性はきちっと整理するというふうに受けとめてよろしいんでしょうか。

桜井政府参考人 環境税と既存のエネルギー諸税との関係の議論でございますが、揮発油税あるいは石油石炭税など既存のエネルギー関係諸税につきましては、これは、御承知のとおり、道路整備ですとかあるいはエネルギー対策というような財源調達を目的として課税をされているところでございます。そういう意味では、その見直しにつきましては、温暖化対策の推進という観点とは別途の議論が必要なのではないかというふうに考えております。

 また、エネルギー関係諸税は、環境税と同様化石燃料に課税するものでありまして、副次的な効果としてCO2の排出抑制効果があると考えられますが、環境税は、こうした効果も含めまして、既存の温暖化対策では削減が不十分であるということから、追加的な施策として検討しているということでございます。

田島(一)委員 結局は、自分のところの省庁、省の中だけでやれることをやって、よそのところのやっている部分は別途の議論として完全にふたをしてしまう。だけれども、結局、税を払うのはだれなんでしょう。国民ですよ。皆さんが払うのに、こうした矛盾したものにかけられていたら、おかしいじゃないかと思うのは当たり前ですよね。絶対進みませんよ、そんなことやっていたら。だから、各省庁の縦割りは一向に直らないと批判ばかり受けるんじゃないですか。やるんだったら、国交省にまでしっかり直談判しに行く、それくらいの覚悟を持たないと、絶対こんなのできませんよ。

 私たちは、いい形でインセンティブ効果もやはり大事だ、国民に一定の理解をしてもらおうと。事実、国民の多くが、環境税を導入しても仕方がないと認める人たちが非常に多くふえてきています。その数字を背景に環境省も思っていらっしゃるでしょう。でも、やはり矛盾したこうした税制はきちっと一定整理をしていく。そうしなかったら、ただただ取りやすいところから取りましょうと言っている今回の定率減税縮減なんかと全く変わらないんですよ。その辺をはっきり皆さんの覚悟としてお示しいただかないと、これは全然話にならないとしか言いようがないんですけれども、お考えがあるんでしたらお聞かせください。

桜井政府参考人 先ほども答弁させていただきましたけれども、現在の既存のエネルギー課税というのは、それぞれの目的に立って課税をされているところでございます。

 環境税の場合、私どもが考えております温室効果ガスを削減するという意味では、化石燃料の価格に上乗せをするという意味で、例えば、省エネ機器の買いかえなどを促進するという価格インセンティブ効果というようなものもございますし、国民の一人一人が税負担を感じる、感じていただくということで、みずからの行動を変えていくというアナウンスメント効果とでもいいましょうか、そういったものもございますし、また、税収を温暖化対策に充てるという意味での財源を確保するという効果もあろうかというふうに考えております。こういったことを考えますと、既存の財源を活用するということだけでこれらの効果を十全に発揮できるかということにも留意が必要であろうかというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、私どもといたしましては、今後とも、さまざまな機会を通じまして、国土交通省あるいは経済産業省を初め関係省庁、あるいは、この議論におきましていろいろ反対の御意見をちょうだいしておりますけれども、産業界との意見交換も重ねて、また、当然でございますけれども、国民の皆様との意見もよく伺いながら環境税の具体的な内容について議論を深めて、粘り強く御理解、御協力を得られるように努めてまいりたいというふうに考えております。

田島(一)委員 時間がない中で、本当にそれだけの作業をやっていこうと思うと、果たしてこの連休前後に間に合うのかな、そんな不安も実は持っております。

 やはり急ぐべきは、目的は環境税の創設ではありません。そんなことは私が言うまでもないと思います。いかにしてこの地球温暖化ガスを削減していくのか、ここにしっかりとポイントを置いていただいて、勇気ある決断と、それから、大慌ての姿勢でこうした関係省庁との連携をとっていただきたい。とりわけ、本当にその目的を達成するためだったら、例えば中国やアメリカとの関係、アメリカに対してもっと強く、中国に対してももっとプッシュをしていく、そういう姿勢を持つべきであります。

 そうした優先順位を無視して、まず環境税ありきのような議論にどうしても集中していますから、国民の信頼も得られなくなってきている。このことは、多分、皆さんもよく御存じのはずだと思います。とりわけ、CDMに全力を注ぐであるとか、こうした取り組みの方法がまだまだあろうかと思います。こうしたことも踏まえて、ぜひ慎重かつダイナミックなお取り組みに私は期待をしたいと思っております。

 さて、こうした紆余曲折、そしてまた、国内各方面からいろいろな調整であるとか検討というものが、これから先、環境税にはまだまだ必要だなというふうにも考えます。もし、この環境税というもののありようといいますか方向性が一定定まって出てきた場合、当然、いよいよ財務省の出番というふうになるわけですけれども、この先、財務省として、こうした関係諸税とのかかわりも含めてどのように進めていこうとお考えか、大臣としての抱負並びに思いを最後にお示しいただけたらと思います。

谷垣国務大臣 私どもは、今も御議論がありました大綱をどうつくっていくかというのをまず非常に関心を持って見守っております。

 その上で、委員がおっしゃったように、道路特定財源を初めとする既存のエネルギー諸税制とどう調整していくかという、これはなかなか、委員も今指摘されていたことでございますけれども、大変大きな問題でありますから、これは、環境税をどういうものとして見ていくのか、それから、既存のエネルギー関係税制がどういうものに使われているか、そちらの今の状況、こういうのも含めて調整をしなきゃならないと思います。なかなか力わざも要る仕事ではないかなと思っているわけですが、今の段階では、まだ具体的なことに踏み込んでお答えできる段階ではありませんので、これから御一緒に議論をしてまいりたいと思っております。

田島(一)委員 当然のことながら、優先順位をしっかりと踏まえていかなければならない、現状をしっかりと見詰めていかなければならない、このことは大臣も当然御理解していただいているものと思います。日本として果たさなければならない役割を考えたときのことは当然環境省も御理解いただいていると思いますし、これから先、日本だけではなく、いわゆる最大排出国のアメリカ、中国に対してどのようなアナウンスメントをするかという問題も非常に煮詰めていかなければなりません。こうした課題をしっかりと踏まえながら、また、税制としてつくっていく場合の御苦労を考えると、谷垣大臣の方にも、この真摯なお取り組み、前向きな姿勢というものを、モチベーションを高めていただきたいということをぜひお願いしたいと思います。話が随分逸脱しましたけれども、時間が参りましたので、これで質問を終わらせていただきたいと思います。今後とも、ぜひよろしくお願いを申し上げます。

 ありがとうございました。

金田委員長 次回は、明二日水曜日午後二時二十分理事会、午後二時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後七時六分散会


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