衆議院

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第17号 平成17年4月8日(金曜日)

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平成十七年四月八日(金曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 金田 英行君

   理事 江崎洋一郎君 理事 遠藤 利明君

   理事 竹本 直一君 理事 村井  仁君

   理事 中塚 一宏君 理事 原口 一博君

   理事 平岡 秀夫君 理事 谷口 隆義君

      小野 晋也君    岡本 芳郎君

      木村 太郎君    熊代 昭彦君

      小泉 龍司君    鈴木 俊一君

      砂田 圭佑君    田中 和徳君

      谷川 弥一君    中村正三郎君

      永岡 洋治君    萩生田光一君

      早川 忠孝君    宮下 一郎君

      森山  裕君    山下 貴史君

      渡辺 喜美君    井上 和雄君

      岩國 哲人君    岸本  健君

      近藤 洋介君    鈴木 克昌君

      田島 一成君    田村 謙治君

      津村 啓介君    中川 正春君

      野田 佳彦君    馬淵 澄夫君

      松崎 哲久君    村越 祐民君

      吉田  泉君    石井 啓一君

      長沢 広明君    佐々木憲昭君

    …………………………………

   財務大臣         谷垣 禎一君

   国務大臣

   (金融担当)       伊藤 達也君

   内閣府副大臣       七条  明君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局長)  増井喜一郎君

   政府参考人

   (金融庁監督局長)    佐藤 隆文君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 佐々木豊成君

   政府参考人

   (国税庁課税部長)    竹田 正樹君

   政府参考人

   (中小企業庁経営支援部長)            野口 泰彦君

   参考人

   (日本銀行理事)     白川 方明君

   財務金融委員会専門員   鈴木健次郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月八日

 辞任         補欠選任

  谷川 弥一君     早川 忠孝君

  山下 貴史君     萩生田光一君

  小林 憲司君     岸本  健君

  田島 一成君     近藤 洋介君

同日

 辞任         補欠選任

  萩生田光一君     山下 貴史君

  早川 忠孝君     谷川 弥一君

  岸本  健君     松崎 哲久君

  近藤 洋介君     田島 一成君

同日

 辞任         補欠選任

  松崎 哲久君     小林 憲司君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 保険業法等の一部を改正する法律案(内閣提出第七〇号)


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     ――――◇―――――

金田委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、保険業法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、参考人として日本銀行理事白川方明君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として財務省大臣官房審議官佐々木豊成君、国税庁課税部長竹田正樹君、金融庁総務企画局長増井喜一郎君、金融庁監督局長佐藤隆文君、中小企業庁経営支援部長野口泰彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

金田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。馬淵澄夫君。

馬淵委員 民主党の馬淵でございます。

 きょう改めてこうして委員会での質疑の機会をいただきましたが、まず冒頭、私も一言申し上げなければならないのは、先日この委員会の席上でもお話をさせていただきました。この当委員会が、与党の方々の出席が足らないということで、定足数を満たさないということで、これに気づいて私ども抗議を申し上げ、そして休憩になり、その後散会となりました。結局、皆さん方が郵政の問題で勉強会を優先されているということで結果的には散会となった、前代未聞の話であるわけでありますが。そのときの新聞によりますと、読売新聞でも、与党の財務金融委員の一人は、現時点では委員会より郵政民営化問題の方を優先すべきだと判断した、こう述べられております。このように国会軽視、委員会軽視も甚だしい状況が続いている。本来、大臣が委員会、国会での答弁、説明を求められた場合には出席しなければならないというのは憲法で定められています。こうした状況の中で大臣が欠席をされる、これが、もとはといえばこの問題の発端なんです。

 私は、質疑をさせていただくという機会は本当に大事だと思っていますが、冒頭、これは通告をさせていただいてはいませんが、大臣の御見解をお聞きしたい。もともと一緒に仕事をされておられたわけでありますから、伊藤大臣に、大臣が委員会の出席を拒否する、どのような場合に委員会の出席を拒否することが許されるとお考えですか。これは通告していませんが、大臣は政治家として、国務大臣の一員として、ぜひお聞かせいただきたいと思います。前回の散会のこともありますから、大臣、しっかりこれはお答えください。

伊藤国務大臣 お答えをさせていただきたいと思います。

 総務委員会の問題については、その経緯について詳細を承知いたしておりませんけれども、竹中大臣も、昨日の本会議において、誠心誠意審議についてお答えをさせていただきたいという趣旨の答弁をされておられました。

 これは言うまでもなく、国会の審議というのは大変重要なことでありますし、また、今後の金融行政を考えていく場合にも、あるいは金融をめぐるさまざまな状況に的確に対応して、そして利用者の保護あるいは金融の発展を期していくためにも、国会での議論というものを大切にしながら、それを踏まえた対応をしていくということがとても重要だというふうに認識をいたしているところでございます。

馬淵委員 いや、本当に大臣、お答えになられない。相変わらずずっとお答えになられないおつもりでしょうか。竹中大臣は欠席をされる、総理は答弁拒否をされる、大臣までそのような対応をされるんですか。

 私が今お尋ねしたのは、どのような場合に限って大臣が委員会の出席を拒否できるとお考えですかとお聞きしているんですよ。現実にその問題が発端で、皆さん方、郵政の部会に出られて、欠席されて委員会が流会になっているじゃないですか。

 私たちは国会に審議に来ているんですね。ですから、大臣、もう一度お尋ねさせてくださいよ。どういう場合に大臣が委員会を欠席するということが妥当だとお考えですか。お答えください。

伊藤国務大臣 これは、私ども行政に携わる者として、立法府の御判断というものを大切にしていくというのは当然でありますし、先ほど来答弁をさせていただいているように、国会の審議というのは極めて重要だというふうに認識をいたしております。したがって、立法府の判断において委員会が開催される、国会の本会議が開催されるということであれば、それを最優先していく、そのことを尊重して、私どもとして適切に対応していくということは極めて重要だというふうに思っております。

馬淵委員 伊藤大臣はかつてそういう意味では中小企業経営者、御自身も自営業として一生懸命やってこられた、そして政治家としてこの場に立たれて、私は本当に国民にわかる言葉で話していただけると思っているわけですが、今の御答弁を聞いても、いかなる場合に大臣が委員会の出席を拒否できるかということのお答えになっていません。

 今の御見解を聞いていると、やはり大臣が、竹中さんと御一緒に仕事をされていたときに、何のために国会の仕事をされてきたのか、自民党のためにされているようにしか私には聞こえないんですよ。この委員会のメンバーに法案の審議をということで場を持っていただいていると理解していますが、今のお話では、私ども、大臣が本当に国会を重視し、この場でしっかりとした法案審議をやろうという御姿勢があるとは到底見えない、こう断ぜざるを得ません。

 大臣のお答えが十分ではありませんが、私もせっかくいただいた質疑の機会でありますから、この保険業法の問題について本論に踏み込んでいきたいというふうには思いますが、ぜひ大臣、御自身の言葉で、そして御自身の政治家としての御見識、判断をこれからの質疑の中でもお聞かせいただきたいとお願いを申し上げます。

 さて、この保険業法の改正でございます。いわゆる無認可共済、根拠法のない共済について新たに今回法の規制をかけていくということで、慎重に、その共済という相互扶助の精神をしっかりと重視しながらこの法の枠組みをつくっていかねばなりません。

 そこで、きょうは、この法律がいかに市場を保護し、あるいは消費者の権利というものを保護し重視していくかという観点に立てているかどうかということを、一つ一つ細かい点でありますが、洗い出していきたいというふうに思っております。

 まず最初に、細かい点からお聞きをしていきますが、今回のこの共済保険、共済という名のもとにということであれば、かつても、特定の者というところで、不特定か特定かというところで非常に判断が難しいところでありましたが、今回この法案改正におきましては、少額短期ということで具体的に二条でお示しをされています。この少額短期の具体的なところでいえば、保険金額の総額が一千万円を超えない範囲、政令で定める金額以下の保険であって、かつ二年以下の期間内、このように第二条には示されています。

 そこでお尋ねしますが、この少額短期、二年以内、一千万円以下ということではありますが、そこにはいわゆる定期性、掛け捨てというものは含まれているんでしょうか。

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 今の先生の御質問の少額短期保険業者の取り扱う商品ということでございますけれども、商品の中には掛け捨てと積み立て型というのがございますけれども、積み立て型の商品については取扱商品から政令で除外するつもりでおりますので、基本的には掛け捨ての商品というふうになります。

馬淵委員 基本的には、この少額短期という商品については掛け捨てのみであるというお答えであったと思います。そして、こうした商品を扱う業者を、さらには二百七十二条で小規模事業者という形で位置づけておられます。

 さて、この小規模事業者でありますが、昨日も一部にお聞きになられたところがありましたが、もう少し具体的に私はお聞きをしていきたいというふうに思います。

 この小規模事業者というもの、保険料の総額による基準ということを想定されるかと思われますが、どの程度、具体的にはどのような規模のものを小規模事業者とお考えになるんでしょうか。

    〔委員長退席、遠藤(利)委員長代理着席〕

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生御指摘のとおり、少額短期保険業者というのは、一定の事業規模の範囲内で、保険金額が少額でかつ保険期間が短期の保険のみの引き受けを行うという事業者でございます。

 したがって、その一定の事業規模というのが問題になるわけでございます。具体的な基準は政令で定めることとなりますけれども、私どもとしては、現行の保険会社につきましては最低資本金が十億円ということになっております、したがいまして、十億円程度の内部留保が必要となる水準としまして、年間の保険料収入が数十億円程度となること、それぐらいのレベルを想定しております。

 もうちょっと具体的に申し上げますと、一定の仮定を置いた計算でございますけれども、現行の保険会社につきましては、御承知のように健全性基準というのがございまして、いわゆるソルベンシーマージン比率でございますが、この健全性の基準を機械的に適用いたしますと、先ほどの最低資本金の金額の十億円程度の内部留保、それに匹敵するような内部留保が必要となる事業規模というのは、年間収入保険料が五十億円前後になります。こういった水準も勘案しながら、今後の、策定いたします健全性基準なども踏まえまして、よく検討することとしたいというふうに思っております。

馬淵委員 今のお答えで、内部留保十億円、そして保険料の総額が数十億、これも具体的に言えば五十億程度を想定されているというお答えをいただきました。

 実は、ここの金額というのは非常に重要だと私は思っています。と申しますのは、先ほどのお話にもありました、保険業となればこれは免許制となります。今回、登録制ということでの小規模事業者、この小規模事業者が保険会社の適用になるのか、いわゆる免許側に移るのか、あるいは登録側にいるのか、これは大きな違いとなります。

 この五十億という幅、ある一定の水準を今お示しいただきましたが、それでは重ねてお尋ねをします。これはぜひ大臣にお答えいただきたいんですが、保険会社にかわるちょうどその境目、内部留保十億、最低資本金十億、その境目が五十億だと、今増井さんにお答えいただいたわけでありますが、基本的な考え方として、小規模事業者から保険会社にかわる、つまりそこの間はすき間は生まないようにしていく、シームレスにしていくんだというお考えはしっかりと金融庁の方はお持ちなんでしょうか。大臣、お願いします。

伊藤国務大臣 今委員からは大変重要な指摘をいただきました。シームレスにしていくということは非常に重要でありますので、そうした観点から、私どもとして、具体的な基準を検討していきたいというふうに思っております。

 その数字の詳細につきましては、他の財務規制の仕組みとの関連がありますので、そうしたことも勘案しつつ、全体として整合性のある規制体系というものを築き上げていくことが大変重要だというふうに考えておりますので、委員の御指摘を踏まえて検討を進めていきたいというふうに思っております。

馬淵委員 大臣から、シームレスにしていかねばならないということ、これもしっかりと今御答弁をいただきました。

 今、現実に共済の現場で大変心配をされておるのは、水準を低く設定されてしまうと、保険会社に適用になってしまうような、これは大変なことになると。保険会社ではないよさを維持するために共済をつくってきた、それがいわば市場で消費者に認められて保険料総額が上がってきている。しかし、この中で、内部留保が十億に満たないような会社は当然あるわけですね。そうしたところが、もし、すき間が生まれるようなことになってしまう、あるいはその総額を低く抑えられてしまうと、これはもうたちまち廃業するか、資本金を集めるための大変な苦労をしなければならない。こうした現場の声をぜひ大臣並びに金融庁の皆さん方には重視していただきたい、現場からの声というものをしっかりととらまえて、これを検討していただきたいというふうに私は思っております。

 そこでもう一点、気になる点がございます。これは供託金という仕組みの問題であります。供託金は、小規模事業者に対して、ある意味、持ち逃げをさせないためのものだというような御説明を私はいただきました。実際問題、悪徳業者が保険料を預かって逃げてしまったりしないように、それは保証金という形でしっかりと押さえておくという監督官庁としてのお考えだと思いますが、この供託金、これも現時点でどのような程度を想定しているのか。これも、供託金が余りにも大き過ぎると、それこそ流動性を失って、事業会社、共済会社の運営に非常にそごを来す可能性があります。供託金というのが、ある一定の水準というところで、どの程度のことをお考えなのか、これも業界の方々が非常に注意をされている点でありますので、ぜひお答えいただきたいというふうに思います。

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生御指摘のように、供託金という制度を今回設けようと思っております。これは、一つは、少額短期保険業者につきましては、少額短期の保険の引き受けのみを行うということでございますし、かつ資産運用に伴うリスクを排除していることなどを踏まえまして、いわゆるセーフティーネットと言われます保険契約者保護機構への加入を義務づけないということがございます。さらにまた、御指摘がございましたように、資金の不正利用を防止しなきゃいかぬという観点がございます。また、万が一、今セーフティーネットのお話を申し上げましたが、破綻した場合に契約者の損失を補てんする必要がある。そういった観点から、一定の金銭の供託を義務づけるということにしておるわけでございます。これは、金融審議会の第二部会報告におきましても、契約者などの保護の観点から、参入時において一定額の保証金の供託を義務づけ、事業の規模に応じて供託額の上乗せをする仕組みとするというような報告もなされております。

 そういったことで、今回供託を義務づけるわけでございますが、具体的な水準につきましては、まず業務開始時に求める最低限の供託金の額というのがございますが、これにつきましては、一方で契約者の保護の観点もございますし、一方で少額短期保険業者の事業の開始を著しく困難にしないといった観点も必要でございますものですから、どちらも考慮をいたしまして、今後、関係者の意見もまた幅広く聞こうとは思っておりますが、今の段階では、例えば一千万円程度ということを念頭に検討したいというふうに思っております。

馬淵委員 一千万円ということが一つの基準でというお話でありますが、これも責任準備金の積み立て、それぞれの事業の規模によって大きな差が出てくると思います。そこについては、これはできる限り段階的に、供託金というものを責任準備金の額に応じて、これも細か過ぎても運用の問題というのがあるのかもしれませんが、段階的な供託金の仕組みというものをお考えいただくことはどうなのか、お答えいただけますでしょうか。

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど私、御説明をいたしましたのは、最低限の供託金の額でございます。今先生御指摘の点でございますが、先ほどちょっと申し上げましたように、金融審議会の部会報告でも「事業規模に応じて供託額を上乗せする仕組みとする。」ということが書かれております。そういった観点から、私どもも、事業規模に応じて上乗せする部分につきましては、保険料収入の一定額を積み立てる危険準備金制度というのが今保険会社、損保会社などにございますけれども、こういった制度との整合性等も踏まえまして、例えば保険料収入の増加に応じて段階的に積み増しを求めるといったことなども念頭に、また関係者等の御意見も幅広く聞きながら、今後検討してまいりたいというふうに思っております。

馬淵委員 もう一点、今度は募集人についてちょっとお尋ねをしたいと思います。

 この保険の募集人については、業法の二百八十三条、そこでいわゆる所属保険会社の賠償責任を定めておりまして、その免責事由の中に、募集人に対する相当の注意、あるいは損害発生防止に努めたということで、募集人に対する研修等がこの中に示唆されている、このように言えるかと思います。

 現在は、生損保などでは、業界団体、協会やあるいは自社で資格あるいは研修、試験というような仕組みをとっておられるわけでありますが、今回、この募集人規制、これも同様に事業会社がみずからの判断で免責事由のために行うとするならば、生損保のように大きな大きな会社であれば、これは自社やあるいは協会でそうした仕組みをつくっていくことも、この長い歴史の中では今日何とかできたかもしれない。しかし、今まで全く網の目のなかったところの共済事業者が、募集人に対して、みずからがそうした資格試験なり研修なりを組み込んでいくということは、これは極めて負担になっていくのではないでしょうか。その業界の負担になるということが、すなわち共済事業者そのものをそれこそ締め出してしまう結果にならないか。

 あくまで保険というのはお金を扱うものでありますが、そのお金を預かるのは、これは現場の人なんですよね。この募集人の方々の行為そのものが極めて重要であると考えるならば、この募集人規制というものを業界に任せるというような形で行うのは、逆に過度の負担を要求しているということになりはしないかということをお尋ねしたいと思います。

七条副大臣 今、募集人に対する資格試験ということでお尋ねいただいたことでございますが、現行の保険業法におきましては、この募集人の適正性を確保する観点から三つの規定がございまして、先生も御存じのとおりでございます。まず一つは保険募集人の公正な保険募集を行う能力の向上を図るための措置義務、あるいは二つ目が保険募集人の重要事項の説明や虚偽表示の禁止を定めた行為規制、それから三つ目が適正な説明に伴う使用者責任、この三つの規定がございますけれども、これらが今回の少額短期保険業者に対しても規定をされる。

 そうしてまいりますと、今まで実質的に各保険業者が営業員の研修やあるいは試験制度も実施をされてきたところでございますけれども、今までこの三つのことがきちっと確保されておりますので、行政庁としては、さらに保険業者に対する新たな公的資格試験を創設する必要性は低いものではないか。

 その中で、先ほど先生が心配しておられましたことも勘案してまいりますと、今各保険業者がやっておられる教材のようなものを提供していただける、あるいは少数の業者同士が共通の試験をやっていけるような制度をつくる、そういうようなこともこれから自主的にやってこられるのではないか、こういうふうにも考えているところでございます。

馬淵委員 既にある保険会社の方々の協力をという今お話でありましたが、極めて零細も含めて出てくると思いますので、そうした共済事業者が過度な負担にならないように、いわゆる事業者の締め出しにならないように、ぜひそこはしっかりと見ていかねばならないということを御指摘させていただきます。

 続きまして、移行期間についてなんですが、今回これが法施行まで、来年の四月の一日、約一年。そして、それから二年の間で移行するということでございました。

 しかし、これは今まで一切網がかかっていなかったところに新たな法の網の目をかけていくということで、今までの実態把握ができていない状況、もちろん総務省さんが実態把握をされて、四百幾つですか、事業者があるというようなところではありますが、現実にこの二年間の中で、時には廃業を考えねばならぬといった業者も出てくるかもしれません。この中で、本当にこの移行期間というものが十分であるのかどうか。

 一つは、私は御指摘をさせていただきたいのは、行政の側の体制でもあります。今までなかったものに対して行政側が審査を行っていくというときに、これは現行の体制で可能なのか。また、これを強化していくといっても、現実にはその機構や人員、定員といったものもこれは来年度予算になるわけですよね。となりますと、実質的にはその移行期間の二年目のところでやっとまともな体制が整う。その中で本当に十分な審査を行っていけるのか。

 これについては、私は若干、移行期間というものも実態調査なくしてぽんとやっていくという中に無理はないのかということを御指摘したいと思いますが、これに関しまして、大臣、いかがお考えでしょうか。

    〔遠藤(利)委員長代理退席、委員長着席〕

伊藤国務大臣 移行期間に無理がないのかという御指摘でございましたけれども、今回の改正案は、少額短期保険業者制度を設けて必要最小限の規制を適用するほか、少額短期保険業者等の登録を受けるまでに施行後二年間の移行期間を設けるなど、移行の円滑化のための最大限の配慮を私どもとしてさせていただいているところでございます。

 既存の共済事業者は、法人格のない任意団体事業者が多数である一方、新保険業法においては、少額短期保険業者または保険会社は株式会社、相互会社でなければならないとしたところでございます。このため、多数の団体において株式会社等を設立し、既存の契約の移転等を行うために必要となる期間を考慮して、原則、法施行から二年間は引き続き任意団体での事業継続を可能とする移行期間を定めたところでございます。

 いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、本法案が成立した場合には、改正法の施行に必要な政令、府令を速やかに策定するとともに、共済団体の契約者や新たな登録が必要になる事業者に対しまして、政府広報、ホームページ等を通じて、関係機関とも連携をし、改正法律の内容等を広く一般に周知徹底して、そして契約者保護や既存事業者の移行の円滑化に努めてまいりたいと考えております。

馬淵委員 これからということであるというふうには理解はしますが、私がさっきから気になるのは、政省令で政省令でというのは、結局、法案審議の中で政省令でと言われてしまったら、何も決められないんですよね。やはりここでしっかりと、政省令でという話ではなく法案の中に、もう既にそこはしっかりと皆さん方の中で確認をされて出してくるべきものなんですよ。この移行期間の問題、あるいは、先ほど私は供託金のお話もさせていただきましたが、これも全部政省令あるいはこれから詰めていくというお話ばかりなんです。

 もう時間がなくなってまいりましたから、この非常に重要な問題ではあるんですが、今度は大臣の見識としてお尋ねしたいのは、もう一点、これは別の観点ですが、制度共済。他省庁の所管の制度共済が幾つもあります。これは今回ほっておく、さわれない、とりあえず何もないところに網をかけてきた、そしてその細かいところは政省令で決めるというお話です。

 制度共済については、所管は別ですが、今後制度共済に対しても金融庁なりが政府としてこれはしっかり見ていくということをお考えなんでしょうか。これは端的にお答えいただきたい。

伊藤国務大臣 お答えをさせていただきます。

 今回の改正につきましては、近年の根拠法のない共済の急増、あるいは事業内容や規模というものが多様化をしている、こうした現状を踏まえて、早急に契約者保護の仕組みを整備する必要がある、こうしたことを踏まえて、保険業法において少額短期保険業者の特例制度を設けて、契約者保護の観点から必要最小限の規制を課すものでございます。

 委員からは制度共済の関係についてのお尋ねがあったところでございますが、所管官庁のあるいわゆる制度共済のあり方については基本的に所管官庁において検討されるべき事項であると考えますけれども、金融取引上の消費者保護の観点から、私どもとしては関係省庁ともよく相談をしていきたいというふうに思っております。

馬淵委員 大臣、私は決意を聞いているんですよ。相談じゃなくて、今後こうした金融取引について、所管官庁としてやはりしっかり見ていかなければいかぬという御決意があるかどうかを聞いているんですよ。

 私、きょうも冒頭から申し上げたように、大臣、先ほどから答弁が全部棒読みじゃないですか。私と同世代じゃないですか、御自身の言葉で語ってほしい。

 だからこういうことを言われるんですよ。これは「選択」という雑誌ですけれども、「金融システム不安が後退するなか、金融危機対応の特命的ポストだった金融担当大臣の早期廃止論が日に日に高まりそうだ。」と。いいですか、大臣。こうした状況で、「国際的にも政治的中立性が重んじられる金融行政に政治家が直接介入するのはタブーであり、日本の金融庁のように長官がいて、さらに大臣職を設けているのは日本だけ。」だ、こんな指摘が出ています。私が聞いていても大臣が御自身の決意をお答えにならないから、こうした声が出てくるのじゃないですか。金融担当大臣として、本当に御自身の言葉で発していただきたい。

 そして、政省令で政省令でと言うのであれば、法案審議は意味がないじゃないですか。私は、昨年の十一月十二日、この財務金融委員会の場で質疑をさせていただいた。これは何かといいますと、信託業法です。信託業法の中で不動産の流動化ビジネスが起きたときに、これが信託の登録という形になってしまう、その場合どうするんですか、そうした現場の声を皆さん方は御存じなんですか、私はこうお尋ねをさせていただいた。いや、これから決めていくんだという話でありましたが、現実に何が起きたか。

 これは新聞にも出ていますが、昨年十二月から一月にかけて新たな登録を行うというところで、十二月の三十日から、登録申請の受け付けが一月二十八日まで、つまり年末年始を入れて三十日間で一千万の営業保証金を準備して不動産業者が登録申請を行わねばならないという状況の中で、大混乱が起きているんですよ。大混乱が起きて、結果、全国に十三万社ある不動産業者の中で登録できたのは二百社。十三万の不動産業者がすべて不動産の流動化ビジネスをやっていると私は言わない。しかし、混乱が起きたのは事実なんです。

 私は、昨年の十一月に指摘をさせていただいた。政省令で定める、現場の声を聞いてなんという話じゃなくて、法案審議のときにそこまで現場をしっかり精査した上でお出しいただかなければ法案の審議にはならないじゃないですか、こうお伝えをさせていただいたのです。基本的な姿勢が十分でない。大臣がそのような対応をとられるならば、それこそますます金融担当大臣の廃止論が出てきますよ。大臣、しっかりそこを考えていただいて、政省令で定めるなんというやり方ではない、法案審議にしていただきたいということを私は最後に申し上げておきたいと思います。そこの一点だけ、大臣、御決意をお聞かせください。

伊藤国務大臣 私に対しましていろいろ御批判がございました。そのことは真摯に受けとめさせていただきたいというふうに思いますが、棒読みではなくて、私の考え方としても先ほどお話をさせていただいているところでございます。

 制度共済については、それぞれの根拠法があります。そして、所管官庁があって、その中で適切に対応がされているというふうに思います。しかし、一方で契約者保護全体を考えた場合に、制度共済のあり方についても、今回のこの保険業法の見直しにおきましては、五年以内に制度全体を見直すということになっておりますので、そうした観点からも、関係する省庁とは緊密に連携をとりながら相談をし検討していきたいというふうに考えているところでございます。

 そして、政省令の問題についても、基本的な考え方については法案で示させていただいて、そして政省令の中身についてもできる限り、国会審議の形骸化にならないように、私どもとして丁寧に誠実に説明をさせていただきたいというふうに考えておりますが、行政庁といたしましては、経済情勢が変化をしていく中で適切に柔軟に対応していくということも必要でありますし、その中には、技術的な問題でありますとか、あるいは細目的な事項、手続についてのことがございますので、そうしたものを政省令に委任をさせていただいているところでございます。

 また、先ほど信託業法との関係についてもお話がございました。私どもとしても、関係の業界の方々とあの当時からいろいろな議論もさせていただいているところでございます。政省令を策定させていただくに当たっては、パブリックコメントを付して関係者の方々の幅広い意見を聞かせていただいて、それを踏まえて政省令の検討を進めながら確定をさせていただいているところでございます。委員の方から、関係業界の方々とお話をされて具体的な問題点があるようでありましたら、それはまた示していただいて、私どもとしてもそうしたものに対して適切に対応させていただきたいというふうに思っております。

馬淵委員 ありがとうございます。

 制度共済につきましては、既に税額控除が適用されています。極めてアンバランスな状態であります。政府としては、ぜひこの金融取引全般に対してのしっかりとした意思を示していただきたいということを最後に申し添えまして、私の質疑とさせていただきます。どうもありがとうございました。

金田委員長 次に、田村謙治君。

田村(謙)委員 民主党の田村謙治でございます。

 馬淵議員に続きまして、保険業法等の一部を改正する法律案につきまして質問をさせていただきたいと思います。

 まずは、今まで馬淵議員も議論しておりました共済に関する契約者保護のルールの導入についてでございますけれども、馬淵議員もおっしゃっておられましたとおり、確かに今まで無認可共済というものがさまざまな問題を起こして加入者に多大なる被害を及ぼすケースが多々あった、それは民主党の諸先輩も指摘をしてきたことでありますし、それについて今回政府がようやく対応をするということで、それは一定の評価ができるものと私も考えている次第です。

 一定以上の規模のものについては免許制の保険会社に取り込んで、そして小規模のものについては少額短期保険業者という新しい制度として規制をかけるということでありますけれども、そういった一定の評価ができる新しい制度、今までのケースにおいては、大方の方が、国民もあるいは野党も評価をするような制度を一たん導入すると、大体それでよかったと、政府も大体自己満足に終わるというのが通例でございます。さまざまなケースにおいてまさにタイミングというものが非常に重要なんだろうというのは、私の前回の質問のときも別の件で指摘をさせていただいたところでございますけれども、今回の共済についての新しい制度の導入というのは、まさにそのタイミングが非常に時宜を得たものであるのかどうかというのを今最初に考えてみたいのですけれども、そもそも無認可共済の問題というのは、いつごろから政府、金融庁としては御認識をなさって、そしてまた内部で議論をしていらっしゃったのでしょうか。

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生御指摘の無認可共済、いわゆる根拠法のない共済でございますけれども、もともと特別な根拠法に基づかずに設立された任意団体等で共済事業を行うというのは、前からそういった共済というのはあったわけでございますが、これまでは自発的な共助を基礎とするものでありまして、その契約者を保護するための規制は基本的には必要ないというような考え方できていたわけでございます。

 ところが、過去において共済事業に関連したさまざまな問題がございました。特に、近年になりまして、いわゆる根拠法のない共済につきましては、その事業の規模あるいは形態が多様化してきている。これに伴って事業者が所在不明であったり、あるいはマルチ商法的な勧誘方法が用いられているといったことなどで、国民生活センターなどへの相談件数が増加をしてきております。また、先般、総務省の方で御調査をいただいた調査結果を見ましても、任意団体などによる共済につきましては、ここ五年間に事業を開始しているものが相当ふえて六割弱ある、そういった状況にもあるということでございます。

 そういった状況にかんがみまして、昨年一月開催をされました金融審議会の第二部会におきまして、根拠法のない共済への対応が「保険に関する主な検討課題」の一つとされまして、具体的な検討が開始をされまして、この問題について昨年の十二月の金融審議会の第二部会報告を踏まえてこの国会に法案を提出させていただいている、そういう経緯でございます。

田村(謙)委員 ありがとうございました。

 今局長がおっしゃっておられましたように、まさに無認可共済というのは根拠法がない、そういう意味では確かに金融庁には責任はもともとない、金融庁の所管外だという考え方なんだと思います。確かに、根拠法というのは非常に重要なわけですけれども、ただ、もちろん、無認可の共済であっても広い意味での金融サービスの一環であるというのは事実だと思います。そういった意味で、とにかく根拠法があるものだけを金融庁が見ていればいいんだという考え自体が、確かに政府の皆様は大変お忙しいのでなかなか手を広げられないという事情はわかりますけれども、やはりそこは金融全体を見るのが金融庁の役目だ、より広い、大所高所からの視野を持って、日々、まさに根拠法がない、そういう意味では所管外のものについてもしっかりと把握をしていくということが金融庁の役目なんだろうというふうに私は思います。

 この無認可共済についてもなかなか実態を把握し切れていないということは当局からの御説明でも聞いておりますけれども、そして、結局、総務省ですか、他省庁の調査にある意味で頼っているというような状況があるという話も聞いていますが、そこは金融全般をしっかりと見るという認識を金融庁の中で持っていただくことが非常に重要なのではないか。そして、それは根拠法がないということであれば、そこは民主党がかねて主張していますように、金融サービス法といったような金融全般についてある意味で網をかけるような法律というものをしっかりと整備する必要があるのではないかというふうに指摘をさせていただきたいと思います。

 問題が起きて数年たって、周りからもいろいろと声が上がってきて、やむを得ず重い腰を上げて、その分野についてだけまた根拠法をつくって法律を整備していく、そのような後手後手の対応では、金融というのは、今後もさまざまな業界が知恵を絞って、あえて悪く言えば、法の網をくぐるようなあるいは根拠法がないような分野にさらに手を伸ばしていく、そういったことが今後も続くと思います。そういった意味では、結局イタチごっこになってしまう。そこはしっかりとある意味で先手を打つような、金融サービス法といったようなものについてしっかりと御検討いただきたいということをまず最初に御指摘をさせていただきたいと思います。

 それでは、今回の改正案に盛り込まれている制度について若干お伺いをさせていただきます。

 先ほど馬淵議員も議論をしておりました少額短期保険業者についてでありますけれども、一方で保険会社というものがあって、保険会社については保険契約者保護機構というものがあって、まさに保険会社が破綻した場合には契約者を保護するというセーフティーネットがあるわけですけれども、今回新たに創設をされる少額短期保険業者という制度については、それに対応するようなセーフティーネットというものは整備されているのでしょうか。

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のセーフティーネットでございますが、契約者保護機構のセーフティーネットには入らないということでございます。

 ただ、一方で契約者の保護の観点からはさまざまな規制といいますか、保護の観点からの制度を設けようと考えております。一つは、財産的基礎という意味で最低資本金の額を定める。さらに、登録をいたすわけでございますが、登録業者に対してはその引き受けるリスクに応じた責任準備金の積み立て義務を課す。それでリスクに応じた自己資本の充実状況を適切に監督をするといったことも考えたいと思います。また、先ほど来たびたび御議論をいただいております供託の制度も設けたいということでございまして、いろいろな形で契約者保護を図ってまいりたいというふうに思っておるところでございます。

田村(謙)委員 ありがとうございました。

 先ほどの馬淵議員が議論した点につながると思いますけれども、今御説明いただいたような最低資本金ですとか責任準備金、そういった本当の大枠は、細い枠でしかないと思いますけれども、そういった枠は確かに今回の改正案で示された。ただ、結局、それを実際に政省令で詳細を定めて施行するということになると、まさに今回想定されている政省令のレベルでの話というのが非常に重要なわけです。

 そういった意味で、先ほど大臣が、馬淵議員に対する答弁において、まさに適切、柔軟に対応するというふうにお答えをなさっておられましたけれども、結局それは、委員会での議論というのは本当の大枠の、ある意味で漠然とした、相当解釈の範囲が広い部分にとどめておいて、あとは当局から見て適切な、そして当局が柔軟に対応する、あえて悪く申し上げると、それは非常に当局にとって都合のいいような、そういった政省令で詳細を定めるということにもつながりかねないということは、私も馬淵議員と同じ考えを持っているわけでございます。

 もう今回の件に関しては議論はできないわけですけれども、そういった今回のこの枠組み以上により詳細な部分、それは詳細だからといって重要性が下がるということには決してならないと思います。そこはしっかりとこういった委員会の場で議論するということが重要なんだろうというのは、馬淵議員に続いて私も重ねて御指摘をさせていただきたいということでございます。

 今回に関しては議論はできませんので、この改正案のもとで政省令をおつくりになる際に、馬淵議員も言っておられましたように、しっかり現場の意見を聞く、あるいは我々野党の意見も聞く、そういった周りの意見もしっかりと踏まえながら、本当に消費者、契約者の保護の観点に立った制度をおつくりになることを私からも重ねて要望を申し上げる次第です。

 そして、この新しい制度が導入された後でございますけれども、晴れて根拠法ができて金融庁の監督下に入るということになるわけですけれども、総務省の調査によると、無認可共済として把握されたものは四百を超える。まさにそこは一体どれぐらいの数があるのかという実態はちゃんと把握はできないというふうに金融庁の方もおっしゃっておられたと思いますけれども、当然、監督、検査をする先というものが純粋に増加をするということになるんだろうというふうに思うのですけれども、それに当たる検査監督の体制が十分なのか、人員等を含めしっかりとした準備がなされているのか、その点について大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。

伊藤国務大臣 今、委員がいろいろなことを御指摘をされたわけでありますけれども、政省令の問題は、行政として都合のいい形で運営をしていきたいということではなくて、委員も大蔵省銀行局等で活躍をされてこられたわけでありますので、そうした意図ではないということは御理解をいただけるというふうに思います。

 委員が御指摘をされた非常に重要な点は、幅広く関係者の方々の意見を聞いて実効性ある政省令というものを設けていく、その重要性について御指摘をされたというふうに思っておりますので、そのことはしっかり受けとめて、私どもとしても、パブリックコメント等を大切にしながら対応していきたいというふうに思っているところでございます。

 また、委員からは、監督、検査のあり方、金融行政の体制面についての御質問がございました。金融庁といたしましても、金融行政の課題に的確に対応していく観点から、これまでも検査監督の体制の整備を着実に進めてきたところであります。今回の法改正におきまして相当程度の検査監督業務の増加が見込まれるところでございますが、規制の実効性というものを確保し、そして契約者保護を図ることは極めて重要であると認識をいたしているところでございます。こうした認識のもとで、金融庁といたしましては、行財政改革の観点から大変厳しい定員状況のもとでありますけれども、今後、関係当局の理解を得つつ、必要な検査監督の体制というものを整備していきたいというふうに思っております。

田村(謙)委員 ありがとうございました。

 大臣の方から御指摘をいただきましたように、確かに私は財務省、大蔵省にいたわけでございます。過去の話になりますので、特に触れるつもりはなかったのですけれども、大臣からお話がございましたのであえて申し上げさせていただきます。

 私が入省いたしましたのは平成三年、銀行局に配属になりました。当時二年間金融部門にいて、後は金融部門ではありませんので、現在いろいろと変わっている部分はあるだろうというふうに私は思っていますけれども、非常に鮮明に覚えておりますのは、当時、護送船団方式というのは当たり前だというふうに銀行局内で上の方から下の方まで認識をしていて、私はまさにバブルが崩壊した年に入省いたしましたので、欧米の例を見ても、そんなのはもたないだろうというふうに素人ながら思ったわけですけれども、何ばかなことを言っているんだというふうに、だれにも相手にされなかったというのが非常に鮮明に残っている記憶です。

 ただ、もちろん、実際に金融の情勢が日本の経済全体も含めて非常に厳しくもなって、そして金融庁というふうに独立をして、先ほど大臣がおっしゃっておられましたように検査監督体制も強化をされて、当時とは全く比較ができないわけではありますけれども、かといいまして、それが本当に生まれ変わったのかというのは、私はいまだに疑問を持っているところであります。

 実際、私が銀行局にいましたのは十五年も前ではありますけれども、ただ、上の方の方というのは当時と余り変わっていない。逆に、当時の中堅、中核だった人が今の幹部になっていらっしゃるわけですので、この厳しい経済状況の中で大きな発想転換を図られた方もいらっしゃると思いますけれども、そうじゃない方も私は結構いらっしゃるという認識を持って財務省を飛び出た人間でございます。そういった意味で、金融庁の方々が、全員の方々が自分たちに都合のいいような政省令の整備を決してしないというふうには私は決して確信は持てないというふうに、そこは今でも思っているわけでございます。(発言する者あり)合いの手、ありがとうございます。

 その点に関して私も中にいた人間としてあえて反論させていただいた上で、さて、まさにその検査監督の体制。

 そこも、大臣は当局が用意なさった答弁を棒読みなさっていらっしゃいましたけれども、こういう人員の問題になりますと、確かに一般論としては、行政改革だ、税金のむだ遣いが多い、だから公務員を減らせという話は、かなり通用する部分があるんだろうと思います。そして、霞が関、国家公務員の定員を削減するんだということで、毎年何%という目標を立てて削減がされているわけですけれども、それを役人任せ、各省庁任せにすると、各省庁では当然自分たちの人員は削りたくないので、結局、各省庁一律の削減になってしまう。そういった中で、確かに、金融庁の検査監督部門というのは、数年前の金融危機などもありましたので、そういう非常にわかりやすい、だれもがわかりやすい理由がありましたので、純粋に要員が増加をしているというのは私も知っているところでありますけれども、それが本当に十分なのかというのは、私は、明確な数字ではないにしても、やはりまだまだ不十分なんだろうというふうに感じている次第です。

 今回のこの無認可共済、さらに監督対象がふえて、それによって実際何人必要なのか。そういう人数を出したとしても、そもそも一律の定員削減があって、さらにその中での特殊事情による増員があって、結局純増何人という、金融庁全体の話でそうなってしまうと思いますので、無認可共済の今回の話があったからといって、検査要員が素直にふえるということには決してならないんだろうと非常に悲観的に考えているわけです。そこはやはり、役所に任せるのではなくて、しっかりと政権の中で、どの分野により人員をふやさなければいけないというのは、まさに大臣がリーダーシップをとって進めていかなければいけないんだろう。そこは、役所の調整では不可能だろうと私は強く思うところでありますので、今後のより大臣のリーダーシップを改めて御要望させていただく次第です。

 さて、続きまして、先ほど馬淵議員が最後にちょっと触れておりました制度共済、その点に関して私も馬淵議員に続けて議論させていただきたいというふうに考えます。

 無認可共済についてはさまざまなマスコミに問題点が出て、また、一方で制度共済についても同じような事件がいろいろと起きているわけです。さかのぼれば、九七年のオレンジ共済事件や、あるいは二〇〇〇年のKSD事件、ある党の議員の方も逮捕されてしまう、そういったような事件もあったわけです。そして、ごく最近では、二〇〇二年の四日市商工共済協同組合が経営破綻をした。そしてまた、二〇〇三年には、原口筆頭理事のおひざ元で、佐賀商工共済協同組合が経営破綻をした。それらはいずれも制度共済、根拠法があって所管省庁がしっかりと監督をしているところなんだろうと認識をしています。まさに、先ほど馬淵議員に対する答弁で大臣がおっしゃっておられましたように、所管官庁が適切に監督をしているはずのそういった共済があえなく経営破綻をしている。

 それは、まさに幾つかの事件でも明らかなんだろうというふうに私も考えます。例えば、もう御案内の方も多いと思いますけれども、佐賀共済の場合にはそもそも運用の担当者というのはワラントとワラント債の違いもわからない、そういったずぶの素人が担当していたとか、あるいは、運用にアルゼンチン債を用いる、ある意味ではほとんど常識的には考えられないようなことをしているような状況がまかり通っていた。当然の帰結として破綻をしてしまったということなんだろうと思いますけれども、そういった状況の中で、馬淵議員に続いて、あえて重ねてお伺いさせていただきます。

 制度共済について先ほど大臣はお答えになっていらっしゃいましたけれども、所管の省庁でしっかりと監督をされているというふうに本当にお考えなのか、改めてお伺いをいたします。

伊藤国務大臣 まず、先ほどの体制の整備の問題でありまして、それをしていくために政治のリーダーシップが非常に重要だという御指摘をいただきました。私もそれについては全く同感でありまして、だからこそ、今年度の予算あるいは定員の問題について積極的に関与をし、体制整備に努めてきたところであります。

 しかし、一方でやはり行財政改革の観点あるいは厳しい定員事情があることも事実でありますから、私どもに与えられた体制というものを最大限活用して効率かつ的確な金融行政を行っていくということも非常に重要でありますので、そうしたことを肝に銘じて金融行政というものを行っていきたいというふうに思っております。

 また、委員は今までの経験から、金融行政そのものに対しても問題意識があるんだということを明確にお話しになられました。そうした観点からも、私ども金融行政が委員の目から見ても信頼に足る金融行政であるかどうか、そのことについてぜひ十分見ていただいて、問題があれば御指摘を本当に賜りたい。私どもとしても、そのことを真摯に受けとめながら、信頼される金融行政を確立していくために努力を重ねていきたいというふうに思っておりますし、委員は同期の方や同僚の方も金融庁にたくさんおられるというふうに思いますので、ぜひそうした観点からも金融行政を見ていただきたいというふうに思っております。

 また、今御質問の点でありますけれども、過去の共済事件に関連したさまざまな問題につきましては、これは詐欺でありますとか、あるいは背任罪で逮捕、起訴される、こうしたことがございました。こうした問題というものは、保険業法やあるいは金融行政の範疇を超える点もあろうかというふうに思いますけれども、いずれにいたしましても、金融取引上の消費者保護の観点から、私どもとすれば、所管官庁の方々とも十分に連携をとりながら相談をさせていただきたいというふうに思っておりますし、また、今回の法律におきましては、五年以内に見直しをしていくということになっておりますので、そうした中で共済制度全体の問題についても関係省庁とよく相談をしていきたい、検討をしていきたいというふうに考えております。

田村(謙)委員 どうもありがとうございました。

 ただ、一点私が質問させていただいたのは、さまざまなそういった事件がある中で、それでも所管省庁は制度共済についてしっかりと監督をしているのかと。今後の話ももちろんありますけれども、それも若干は議論させていただきたいと思っておりますが、現在あるいは今までしっかりと監督をされていたというふうにお考えなのかどうか。私は今の御答弁ではちゃんとお答えいただいていないと思いますので、その点について改めてお伺いをさせていただきます。

伊藤国務大臣 これは先ほども馬淵委員の御質問に対してお答えをさせていただきましたように、それぞれの所管官庁において規制法があり、それに基づいて監督がなされているわけでありますから、その中で適切な対応がなされているというふうに思います。そうした中で問題があるとするならば、それぞれの所管官庁の中で検討されていくことが非常に重要だというふうに思っておりますし、御党においても、それぞれの委員会において問題があればそのことを御指摘されているというふうに思いますので、その中で適切な対応がなされているというふうに考えているところでございます。

 いずれにいたしましても、今後、共済制度全体のあり方について、今回の法律におきまして、先ほども答弁をさせていただきましたように、五年以内に見直しをしていくということでありますので、全体のあり方については、関係省庁ともよく連携をとりながら、相談をしながら検討をしていきたいというふうに思っております。

田村(謙)委員 ありがとうございました。

 結局、私が再度お伺いしたことについてはほとんどお答えいただいていないというふうに私は思います。裏返して言えば、まさにさまざまな事件が象徴しているように、他省庁というのはしっかりと監督できていないのじゃないか。それを大臣も個人的にはお考えなんじゃないかなというふうに、あえて、これ以上このことについてはお伺いしませんけれども、想像もしたりする次第です。

 実際のところ、まさに金融というのは非常に専門性が高いという中で、他省庁が、それぞれの所管の省庁がしっかりと検査監督ができていない。それが、さまざまな事件が象徴していることなんだろうというふうに思います。私は、そういった意味では、制度共済でも、全部とは言いませんけれども、ほかの省庁、あるいは場合によっては自治体の場合もあるわけですが、そういったところがそういう監督検査の十分な体制がない、その能力がないというものについては、やはりしっかりと金融庁が見なければいけないのじゃないかなという考えを持っています。

 先ほどから、この件に限らず、定員の件、要員の件についても他省庁とも相談しながらというような、馬淵議員への答弁も含めて、他省庁と適切に相談をして連携をしていく、よくある官僚答弁でもあるわけですけれども、結局、それは、もちろん大臣は金融庁の大臣ですから、御自身の担当というのは金融庁、まさにその金融庁の所管しているものだけだというのは当然のことでありますけれども、ただ、現実として多くの大臣は、伊藤大臣がそうだと私は決して思いませんけれども、多くの大臣というのは、それぞれの省庁の、まさに官僚答弁を読み上げて、その官僚の言いなりになっている、言うとおりにそれを納得して答弁をしている。そういう場合が非常に多いわけでございます。

 例えば今回の件に関しても、他省庁と相談をする、連携をとるというのは、実態はどうなのか。大臣が担当者に、しっかりと国民のために議論しろ、議論してしっかりと連携をとれ、そういう御指示をなさったとしても、実際の担当者、それは例えば金融庁とほかの省庁の担当者とのやりとりになると思いますけれども、実態はまず最初に縄張り争い、けんかになって、そして、ほかの省庁は、金融庁は自分たちの根拠法があるところだけやっていればいいのだと。ほかの省庁の担当者、まさに制度共済の担当者の人たちというのは、余計なことに口を出すな、こちらはこちらでしっかりやっているのだと。まさにそれをあらわした官僚答弁が、他省庁はしっかりと対応していると金融庁としても考えるということになってしまうのだろうと思います。

 事務局に任せていて、まさにこういう縄張り争いはさまざまな政策においてありますけれども、縦割りの省庁の弊害の典型というのは、それぞれの担当者に任せると単にけんか別れをしてしまう、そして、結局何も進まないというのはいろいろな面であるのだと思います。今回の件についても、私は、今回、他省庁についてあえてお伺いをしても、どうせ同じような答えをほかの大臣が言うだけというのはわかっていますので、そこは伊藤大臣に今のお答えをいただけば十分だというふうに思いましたので、ほかの省庁の大臣は呼びませんでしたけれども、そこは事務方に任せては結局何も進まない。まさに大臣が責任を持って、ほかの省庁ともしっかりと連携をとるというのが一番大事なのだろうというふうに私は考えます。その点についてもぜひとも御認識をいただきたいということを重ねて指摘をさせていただきたいと思います。

 それでは、今度は保険のセーフティーネットについて話題を移させていただきます。

 今回の改正について議論する前に、前段として二〇〇三年の改正で導入された生命保険の予定利率引き下げについて触れさせていただきたいというふうに思います。この財務金融委員会におきましても、民主党の諸先輩が反対の論陣を張ったというふうに私も聞いていますけれども、それからちょうど二年が経過をしたというわけです。

 保険業者がまさに破綻寸前に経営が追い込まれた場合に、自主的に予定利率引き下げを申請する、そういったスキームだというふうに聞いていますけれども、いろいろな論点がありますが、例えばある意味銀行でも同じような議論はあったと思いますけれども、結局、申請をするというのは、自分の会社がまさに破綻寸前だというふうに言ったに等しい。申請をすると、幾らその後若干の解約規制があったとしても、どんどん解約する人がふえて、結局は破綻をしてしまうのではないか、そういった見方も当時あったと思いますし、そして、いろいろな意味を含めて、結局は金融庁の責任逃れの仕組みでしかなかったのではないか、そういった議論もあったというふうに聞いています。また、契約者保護という観点にしても、まさに破綻の前に予定利率の引き下げというものを行った方が契約者にとって有利だというのも、必ずしも明確に言えない。結局はケース・バイ・ケースになってしまう場合もあるというような議論もあったと思います。

 そして、二年間経過をして、確かに今は株価が持ち直したというのが一番の要因だと思いますけれども、一部の大手保険会社の危機というような話は聞かれなくなったわけですけれども、今振り返って、予定利率引き下げという制度が本当に必要だったのかどうか。あくまで私も文字で見たわけではありませんけれども、当時の伊藤副大臣は、予定利率の引き下げについて、そういう制度の導入ということについては否定的だったというような話も聞いたことがあるのですけれども、それについて大臣の御見解をお伺いさせていただきます。

伊藤国務大臣 御質問にお答えをさせていただく前に、先ほど大臣のあるべき論についても御指摘があったわけであります。私自身も通産省の政務次官をさせていただき、また、党においても経済産業部会長をさせていただいて、経済産業省所管の制度共済の問題についても十分認識をいたしているところでありますし、また、大臣たる者、大所高所の観点からいわゆる消費者保護に資するような対応をしていかなければいけないというのは、委員が言われるのは、そのとおりだというふうに思っております。

 特に、私自身、昨年の九月までは、内閣府におきまして国民生活局も担当して消費者行政の問題についても取り組んでまいりましたので、だからこそ、こうした観点からも根拠法のない共済の問題について今回のような法律案を提出させていただいて、御審議をさせていただいているところでございます。それぞれの政党におきましても、省庁の縦割りを超えてさまざまな議論がなされているわけでありますので、そうしたことを私どもとしても真摯に受けとめながら、消費者行政に資する枠組みというものをしっかり整備して、その保護の徹底に努めていきたいというふうに思っております。

 それから、今のお尋ねの点でありますけれども、先ほどさまざまな議論があったということを御紹介になりました。そうした議論を経て、平成十五年の保険業法の改正において予定利率の引き下げを可能とする仕組みというものを整備したところでございます。この改正については、保険契約高の減少、株価の低迷、巨額の逆ざや負担といった、当時の生命保険会社をめぐる非常に厳しい経営環境というものを背景にして、保険会社の破綻というものを未然に防ぎ、保険契約者等の保護を図るために必要なものであったというふうに考えているところでございます。

 生命保険会社の現状を見れば、依然として多額の逆ざや負担というものが発生をしていること、将来、経営破綻に直面する保険会社があらわれる可能性を排除できないということ、こうしたことを考えますと、この制度を廃止するという認識は私は今持っておりません。

田村(謙)委員 ありがとうございました。

 今大臣からお答えがございましたけれども、結局、二年前に比べて株価が持ち直した、それによって今危機は薄れている。ただ、その一方で、また株価が下がれば、もちろん株価だけではありませんけれども、さまざまな環境が悪化をすれば再び危機が来る可能性もあるというお話だったと思います。

 まさに逆ざやというのは日本の生保の非常に大きな問題であって、すぐに、そんなに短期間で解決のできる問題じゃないというのは私も十分に認識をしているわけですけれども、この二年間、金融庁でもさまざまな制度を導入して、二年間たって株価は持ち直した。そして、今は大丈夫だ、小康状態だ。ただ、再び経営状態が危なくなる危険性もあるから予定利率の引き下げという制度は維持する必要があるというのは、あえて裏返して申し上げると、まだまださまざまな経営改善というものがなされていないところがあるというふうにもとらえられるんじゃないかなというふうにも思うわけです。

 そこで、実際、この二年間を振り返って、生命保険業界というのは本当に健全になったのか。株の話というのは一番大きいと思いますけれども、この二年間でどの程度株価に対する耐久力というのを各生命保険会社が高める努力をしていたのかということについて御認識をお伺いいたします。

佐藤政府参考人 我が国生命保険業界の財務の健全性についてのお尋ねでございますが、基本的な認識といたしましては、財務の健全性は全体として改善のトレンドの上に乗っているというふうに思っております。株価の変動に対する耐久力がどうかという点でございますけれども、それも改善をしてきているということかと思います。

 株価がたまたま改善してきているということだけに依存した健全性ということでは頼りないわけでございますので、さまざまな制度的な枠組みあるいは保険会社自身のリスク管理能力の向上ということが重要であろうというふうに思っております。

 そういう観点から見ますと、これまで金融商品に対して時価会計が適用される、あるいはソルベンシーマージン比率の算定方法が厳格化される、さらにはディスクロージャーが拡充をされる、さらに将来収支分析の義務づけといった財務の健全性に係るルールの整備、より厳格なチェックを行う枠組みというのが、ここ数年かけて整備されてきたというのが一つございます。そういった枠組みの中で、各生命保険会社がALMの観点等から資産運用管理の強化を行う、こういう流れになってきているというふうに思うわけでございます。

 結果といたしまして、各生命保険会社におきまして、株価変動リスクをコントロールするという観点から、株式の売却をここのところかなり進めているということでございます。

 例えば、これは統計上は損保も含んだところでございますけれども、保険会社の株式市場での売り越し額という指標で見ますと、平成十三年度一兆一千億強、十四年度七千五百億強、十五年度一兆六百億強、十六年度が六千億円弱、こういうことで売り越しの状態がずっと続いているということでございまして、この結果、残高ベースで見たときに、生命保険会社の資産に占める保有株式の構成比でございますが、これが十四年三月末で一三・四%であったものが、一番直近で、十六年九月末には一一・一%という比率に低下してきているということでございます。

 それから、株式の含み損益でございますけれども、これはもちろん市況の改善ということが部分的に寄与しているわけでございますが、十四年三月末に一兆八千八百二十二億円という含み益であったものが、直近の平成十六年九月末におきましては四兆八千七百三億円という含み益に拡大しているということでございます。

 なお、大幅な株価の変動といった、さまざまな生命保険会社が抱えるリスクに対する備えとしてソルベンシーマージンというものが用意されているわけでございますけれども、この健全性の指標でございますソルベンシーマージン比率というもので見た場合にも、平成十四年三月末にこれが六七二・二%というものでありましたのが、十六年九月末には八五九・三%という比率に改善をしてきている、こういう状況でございます。

田村(謙)委員 ありがとうございました。

 さまざまな生保各社の資産運用に関する経営努力、そこは今御説明をいただきましたけれども、そしてさまざまな数値というのもお話をいただきました。確かに、株に依存するような運用というのは改めて、ALMといったような手法を導入してという改善努力をしているということは私も承知をしているわけですけれども、ただ、それで本当に健全になったのかというのは、結局どのレベルまで行けば十分なのかというのは、もちろん明確に数字ではあらわせないところはありますが、その一方で、今回のセーフティーネット、それを維持していくというのは、先ほど大臣もおっしゃったようにまた危機が来るかもしれない、それは、まだまだそういった意味で十分に運用リスクというものを低めて改善というものが十分になされていないということも意味しているんではないかなというふうに私は考えるわけでございます。そういった点を若干御指摘させていただいて、議論を進めさせていただきます。

 そういった意味で、今後、生命保険各社の経営状況はどうかというのは、もちろん金融庁がしっかりと監督をしていただくということが大事であるとともに、契約者がどの会社を選ぶか、あるいはまさに契約者の保護という観点からも、それぞれの会社の経営状況についての情報の開示というものが非常に重要なんだろうというふうに私は思います。

 現在は、いわゆる三利源、死差、費差、利差という三利源について情報が開示をされていない。結局、経営がどこまで悪いのかあるいはどこまで改善されていたのかというのは、そういった数値がわからないのでなかなか見えにくい、そういう状況がいまだに続いているのじゃないかなというふうに思います。例えば簡易保険ですとかあるいはJA共済といったようなところでは三利源を開示しているという話も聞いておりますけれども、生保の会社の方ではそういったある意味で経営の核心のような情報を開示すると、それが各社との競争において不利になるというような議論もあると聞いていますが、また一方でその三利源を開示しているところもある。そういった中で、生保の三利源あるいは将来収支といったようなものの情報を開示させる、それを義務づけるべきではないかというふうに思うんですけれども、その点についての御見解をお伺いします。

佐藤政府参考人 一般的に、情報開示というのは大変重要なことだというふうに私どもも認識しております。それは消費者の方々がきちんと選択する前提であるということと同時に、金融機関、保険会社等が緊張感を持って経営をしていくというインセンティブにもなるというふうに思っております。

 こういった観点から、生命保険会社の財務の健全性に関するディスクロージャーというものにつきまして、開示の基準というものを整備してきておるわけでございますけれども、例えば、平成十二年度の決算からは、保険会社の基礎的な収支の状況を示す指標として基礎利益というものを公表するようになりました。また、平成十三年度からは、それまで各社がそれぞれに公表していた逆ざやの額の定義を明確化して統一したといったことを行ってきておるわけでございまして、こういった枠組みに沿って各社が開示の内容を改善してきているということだと思います。

 そして、御指摘のいわゆる三利源でございますけれども、これにつきましては、この指標が各社の競争戦略にかかわる内部管理の指標でございますので、これを各社公表していないという現実にあるわけでございます。これを当局が公表を義務づけてはどうかという御指摘でございますけれども、この点につきましても、これが各社ごとの競争戦略に係る内部管理の指標であるということでございますので、慎重な対応が必要であろうというふうに認識しておるところでございます。

田村(謙)委員 ありがとうございました。

 今お話ありましたように、三利源の合計である基礎利益、そして逆ざや、そういったものの開示を義務づけたという点では確かに進歩はしているというふうに思いますけれども、裏返せば、詳細がわからないのは死差益と費差益の二つの数値だけということになるんだろうと思います。まさに費差益というのがどれだけ経営のコストというものを削減しているか、どれだけリストラを進めているのかというのが露骨にあらわれる数字ですので、そういったところを出したくない。あるいは、費差益に関しては、まさに費差益が非常にある意味では高過ぎる。だからこそ生命保険会社というのは、逆ざやがあっても黒字の経営を続けていられる。もちろん、黒字であるのは大事なことではありますけれども、消費者、契約者の観点から見た場合に、費差益というのはある意味では高過ぎる。結局は、それが保険料にはね返っているのではないか、そういう疑念を生んでいる部分もあるんだと思います。経営の核心というふうな話も今ございましたけれども、やはりそこは契約者保護という観点とのバランスの問題だと思いますので、改めて三利源についての開示を義務づけた方がいいのではないかということを御指摘させていただきたいというふうに考えます。

 さて、時間も限られてまいりましたけれども、保険とは大きく話が違うんですが、今後の話ということで、ノンバンクのことについて少しだけ最後に触れさせていただきたいと思います。金融庁の中に貸金業制度等に関する懇談会というものがあると思いますけれども、その点について少しだけ、今後のこともありますので触れさせていただきます。

 先月の三月三十日にまさにその懇談会が開催されたというふうに聞いていますが、その趣旨についてまず最初にお伺いをさせていただきます。

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 貸金業制度等に関する懇談会の件でございますが、昨年一月に施行されましたやみ金融対策法で、その中に附則の第十二条というのがございまして、ここに「貸金業制度の在り方については、この法律の施行後三年を目途として、新貸金業規制法の施行の状況、貸金業者の実態等を勘案して検討を加え、必要な見直しを行う」。また、出資法の上限金利の関係につきましては、「この法律の施行後三年を目途として、資金需給の状況その他の経済・金融情勢、資金需要者の資力又は信用に応じた貸付けの利率の設定の状況その他貸金業者の業務の実態等を勘案して検討を加え、必要な見直しを行う」というような規定がございます。

 そういった検討条項の趣旨を踏まえまして、貸金業制度等のあり方につきまして幅広い観点から勉強していくという目的で、今般、総務企画局長の懇談会ということで貸金業制度等に関する懇談会を開催することとしたものでございます。

田村(謙)委員 どうもありがとうございました。

 おととしの七月に、この委員会において、当時の竹中大臣が前向きにノンバンク全体の体系整備について取り組みたいと思っておりますという御答弁をされたというふうに聞いております。また、先ほど触れました、今御説明いただきました貸金業制度等に関する懇談会の資料というものを金融庁のホームページでも拝見いたしましたけれども、それによると、平成十六年三月末の時点で、貸金業者の貸出残高約四十七兆円、第二地銀は約四十二兆円ということですので、それを上回っているという状況に現在あるわけですけれども、伊藤大臣は、貸金業者、ノンバンクを金融システムの中でどのように位置づけていくべきとお考えか、大臣の御見解をお伺いさせていただきます。

伊藤国務大臣 お答えをさせていただきます。

 ノンバンクにつきましては、銀行などにない独自のノウハウというものを生かして、小口の分野でありますとかあるいは専門性の高い分野に資金を提供いたしており、我が国の金融システムにおいて重要な資金仲介機能、金融仲介機能というものを果たしているというふうに考えております。他方、最近においては、いわゆる商工ローン問題やあるいはやみ金融問題が社会問題化する等の問題が生じているわけであります。

 こうした中で、私どもとして、昨年十二月に公表、策定をさせていただいた金融改革プログラムにおきましては、市場参加者のニーズにこたえ、健全な競争と新しいビジネスの開拓を促す観点から、ノンバンクに対する規制のあり方の見直し等を行うことといたしております。また、先般公表いたしました工程表におきましては、ノンバンクに対する将来的な規制のあり方については、やみ金融対策法の見直し条項の趣旨を踏まえつつ、先ほど局長からも御説明をさせていただきました貸金業制度に関する懇談会において、関係省庁と連携しつつ、幅広い観点から検討を行うことといたしているところでございますので、工程表に基づいて検討を進めていきたいというふうに思っております。

田村(謙)委員 ありがとうございました。

 貸金業に関しましては、昔ですと非常に悪質な業者というものが話題になっていたわけですけれども、先ほど申し上げましたように、非常に規模も大きくなってきた。そしてまた、例えば海外を見れば、GEといったような世界に名立たる外資も参入してきている。そして、まさに東京三菱ですとか三井住友といったような大手都銀がノンバンクと手を組むというようなこともできてきているわけでございます。

 そういったわけで、貸金業というと、とにかく今までの悪質な業者をどうするかというような観点から、上限金利の数値といったようなことや、あるいは行為規制ということに焦点が当てられがちだと思いますけれども、そこはやはりしっかりと貸金業を金融システムの中で位置づけをしていく、そういったことが非常に重要なんだろうというふうに思いますので、そういった議論をその懇談会でもしていただきたいと思いますし、この委員会でも今後させていただきたいというふうに思います。

 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

金田委員長 次に、中塚一宏君。

中塚委員 民主党の中塚一宏です。

 保険業法の一部改正案について伺います。

 保険業法の一部改正案、これは、無認可共済の問題と、あともう一つはセーフティーネットが二つの柱になっている。両方とも契約者保護ということをうたっているということでありますけれども、民主党の考え方でもあるし私の考え方でもあるんですが、契約者を保護するということと悪徳業者を排除するということは違うと私は思うんですね。特に無認可共済の話なんかはいろいろと被害の実態があって、けさも国民生活センターの方からお話を伺ったんですが、確かに悪徳業者がいるのは事実だと思います。でも、その悪徳業者を排除することと契約者を保護するということは、私はそれはイコールではないと思う。やはり大切なことは、契約者の視点に立って、契約者の権利をいかに擁護するかということが一番のポイントになっていかなければいけないと思うわけなんです。

 このことはセーフティーネットでも同じことが言えて、金目の話が関係するものですから、きょうは財務大臣にもお越しをいただいております。何で契約者を保護するのに国民の税金というものを当てにしなきゃいかぬのかということにもなるわけなんですが、結果として保険会社を助けるということになっては、もう話にはならないということだと思います。

 まずそのことを申し上げて、質疑に入りたいと思います。

 無認可共済を、今回、少額短期保険業者というカテゴリーにして登録制にするということでありますけれども、まず冒頭お伺いをしたいのは、この現状把握状況ですね。何か話に聞くと、金融庁は、もちろん今、要は法律がないわけだから、その業者が一体どれぐらいあるのかというのをお調べになったこともない、総務省が調べたものによって御説明をいただいたということなんですけれども、この無認可共済業者の現状の把握状況というのをまずは御披瀝いただけますでしょうか。

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生御指摘のように、根拠法のない共済というのは監督官庁がないということでございまして、その正確な実態把握というのは困難な状況にございます。そうした中で、総務省が、昨年四月から十月に、根拠法のない共済の実態等の調査を全国的に実施したわけでございます。これによりますと、任意団体等による共済として全国で四百二十二団体を把握している、企業内共済等として百三団体、それから公益法人等による共済として百五十九団体を抽出いたしまして、実態調査報告を取りまとめたというふうに伺っております。

 調査報告、細かいことになりますけれども、ごく簡単に申し上げれば、任意団体等について、共済の規模は、加入者で合計二百七十三万人、掛金総額で四百九十四億円。共済の種類は生命、身体に関する共済が四割強である、財務情報についても、会員にも貸借対照表と損益計算を開示していない団体が三割ある、あるいは責任準備金のないものが四割といったような調査結果になっているというふうに承知しております。

中塚委員 今お話があったわけですが、私どもの会議でお配りをいただいた資料の中に、あれは新聞のコピーだったと思うんですけれども、中には調査に答えないという団体もあったということですし、ということは、恐らく、この今お話しになられた数が、いわゆる無認可共済すべてということではないんではないのかというふうにも思うわけなんですね。

 何でこんなことを聞くかというと、皆さんの契約者保護という考え方が、やはり業者を通じて契約者を保護しようというふうに考えておられるからなんですね。業者を通じて契約者を保護するというふうに考えると、まずはその業者の数を把握しなきゃいかぬというところから始まる。業者の数を把握した上で、登録をさせて、いろいろな義務を課すということになるんでしょうけれども、では、果たしてそんなやり方で契約者保護というのができるのかということですね。

 要は、この法律が仮に成立をすれば、今から一生懸命無認可の共済の業者をお探しになられるんでしょうか、そこのところはわかりませんが、一生懸命お探しになられていろいろな義務を課していくということなんですが、それでもなおかつ漏れるものというのは出てくるわけで、そうなると、そもそもの契約者保護という政策の目的というものが達成されないんではないのかというふうに私は懸念を持つわけなんです。

 そういった意味で、やはり大事なことは、個別の業法による契約者保護ということではなくて、契約者の視点からの契約者の権利の擁護ということ、それをやっていく必要があるということなんだと思います。

 続いて伺いますけれども、この無認可共済で再共済をしている団体もあると伺っております。この再共済先ですね。無認可共済というからには任意団体でやっているところもたくさんあると思うんですけれども、再共済先もあるというふうに聞いているんですが、この無認可共済の再共済を引き受けるようなところというのは一体どういうところがあるのか、これを教えていただけますか。

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申し上げました昨年十月の総務省の実態調査報告によりますと、調査に応じました任意団体等百六十六団体ございますけれども、再共済契約を締結しているものは百十一団体、六六・九%になっているというふうに承知しております。

 この報告によりますと、その再共済契約の相手方別の状況でございますけれども、その相手方としては、国内の保険会社が三十三団体、三〇%、国外の保険会社が五十団体、四五・五%、国内、国外の両保険会社に再共済をしているというのが十六団体、一四・五%などとなっているというふうに承知しております。

中塚委員 なるほどね。これは後ほど保険会社の財務の健全性のところでお伺いしたいと改めて思いますが、要は、実は保険会社の契約高というのはずっと減っているんですね。これは大問題なんです。減っている理由にはいろいろある。そのこともまたお伺いしたいと思うんですが。保険会社の契約高は減っているけれども、共済はどんどんとふえている、無認可のものも含めてふえているというか、無認可がふえている。しかも、その無認可の再共済先が保険会社であるということは、実はこれは本当に大きな構造問題なんだと思います。これはまた後ほど取り上げたいと思いますが。

 さて、今回、根拠法のない共済というのを少額短期保険業者にされる、それで、登録をさせて最低資本金は一千万円というものをお考えになっているということなんですけれども、加えて、先ほど来我が党の委員からも質問が出ておりましたが、一定額の供託をさせるということなんです。供託の額について、局長からの御答弁もあったわけでありますが、もうちょっと詳しく教えていただきたいんです。その供託の額、政令によって決めるということだそうですが、せめてその政令で決める決め方ですね、例えば、こういう商品を扱っている少額短期保険業者だったらこれぐらいの供託金は要るのではないかとか、そういったものをお示しいただきたい。

 というのは、要は、責任準備金の問題とも関連をする話ですし、責任準備金の話と関連するということは、やはりこれはセーフティーネットの問題とも関係をしてくるわけで、契約者保護ということをお訴えになる以上は、この供託金の額というのにもある程度のリーズナブルさというものが求められると私は思う。

 一定の供託ということではありますが、資本金の一千万というものに加えて供託をさせる場合の、その供託金の基準ということについてお答えをいただきたいと思います。

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生御指摘のように、今回の少額短期保険業者につきましては一定の供託金を義務づけようというふうに考えております。

 この供託金の額の具体的な水準でございますけれども、これは政令で定めることになっておるわけでございますが、この考え方につきましては、昨年十二月の金融審議会の第二部会報告におきましては、「契約者などの保護の観点から、参入時において一定額の保証金の供託を義務付け、事業規模に応じて供託額を上乗せする仕組みとする。」というふうにされているわけでございます。

 この考え方に基づきまして現在私どもが考えています供託金の額でございますが、まず、業務開始時に求める最低の供託金の額につきましては、今の契約者の保護の観点、それから一方で、少額短期保険業者の事業の開始を著しく困難にすることは適当でないというような観点も考慮いたしまして、例えば一千万円程度を念頭に、今後、関係者の意見を広く聞きつつ検討してまいりたいというふうに思っております。

 それからもう一つは、「事業規模に応じて供託額を上乗せする仕組み」というところでございますけれども、これにつきましては、今、保険商品別というような御指摘がございましたけれども、そういう仕組みではなく、保険料収入の一定割合を積み立てる危険準備金制度というのが今保険会社にございますけれども、こういった制度との整合性等も踏まえまして、例えば、保険収入の増加に応じて段階的に積み増しを求めるといったようなことなども念頭に置いて、これも関係者のお話も幅広く聞きながら検討してまいりたいというふうに考えております。

中塚委員 ということは、事業規模というのは保険料の収入額に応じてということでよろしいわけですかね。

 ということは、この少額短期保険業者がお仕事をしていかれるうちにどんどんと保険料が入ってくる、掛金が入ってくるということになった場合には、財務内容を情報開示させて、その上で、ことしはこれだけふえたんだから、じゃ、これだけ供託金を積み増ししなさいよ、そういう制度をイメージされているということなんでしょうか。

増井政府参考人 お答えいたします。

 イメージとしては、今先生がおっしゃるとおりだと思います。

中塚委員 ということであるならば、何でそれを責任準備金という形にされないのか。

 というのは、今、根拠法のない共済をやっていらっしゃる任意団体もある、いろいろな団体があるんでしょうが、それを要は株式会社なり相互会社にさせるということですよね。だったら別に、責任準備金という形で積ませたって問題はないというふうに私は思います。

 あともう一つは、今御答弁の中でいみじくもありましたけれども、結局、業者が開業をする、あるいは、この法律が通ることによって、今無認可共済をやっていらっしゃる方が資本金が必要になったりすることもある、そしてまた供託をしなければいけなくなる場合もある、そのときに要は事業が円滑に進まない可能性もあるということをおっしゃいましたが、ただ、それを配慮し出すと、今度は契約者の保護というのができないということにもなるわけですよね。

 だから、私は、この法律で本当に契約者の保護ということをされるんであったら、そこのところは、一定の供託ということで政令でお決めになるのかもわからないけれども、供託なら供託ということになるのかもしれませんが、それはそれでいいんですけれども、やはりこれはもう極めて責任準備金的なものになっていくということだと思うんですね。だったら、それはちゃんとそのようにお書きになる、そのようにされるべきであると思いますよ。一定の供託という形では、やはりこれはちょっとわかりにくい。

 実はけさ、無認可共済をやっていらっしゃる方からお話も伺ったんですけれども、ここのところはやはりすごい重大な関心事項なんですね。そういった意味で、制度の創設の趣旨が今おっしゃったとおりのことであるならば、やはりこれはもう責任準備金だという形にお変えになった方がいいと私は思います。そのことは私の意見として申し上げておきますけれども。

 それと次は、今度は資産運用の方にも規制をかけるということなんですが、安全資産ということで預金なり国債ということが書いてあるということですけれども、その資産運用の預金、国債、こういったもので果たして少額短期業者というのが成り立つのかということですね。というのは、今ちゃんとやっていらっしゃる方々というのがいて、その方々は、定期性のものであれば、はっきり言って運用というものにそんなにセンシティブになる必要はないというお話もされていましたけれども、そうではないものをやっていらっしゃる方もいらっしゃるでしょう。そういったときに、資産運用にまで足かせをはめるということになると、では、果たして少額の短期業者というのは成り立っていくのかということですね。そこのところはいかがでしょうか。

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のように、少額短期保険業者につきましては、資産運用を預金あるいは国債等の流動性の高い資産、安全資産に限るというふうにいたしております。

 これは、少額短期保険業者は、その事業規模、あるいは取扱商品、これは短期しかも少額ということでございますが、それに限定をされているということでございまして、保険会社のように大規模な資産を保有することは想定をされておりません。また、事業規模が小さい場合には特にやはり財務の健全性の確保に配意する必要があるということを踏まえて、そういった安全資産に限るというふうにしておるわけでございます。

 それで、では実際、少額短期保険業が成り立つのかということでございますけれども、これも先ほど申し上げましたように、事業規模が一定の範囲内であること、さらに、取り扱う商品が保険期間がもともと短期だということで、運用益という意味ではもともとが当てにならない部分でございます。さらに、保険金額が少額なものに限られているということでございますので、長期的に有利な運用利回りの確保等のために幅広い資産運用を行うということは想定をされておらない。したがって、資産運用をそういった預金あるいは国債などの流動性の高い安全資産に限るといった方が合理的だろうということで、こういった形にさせていただいているわけでございます。

中塚委員 さて、その資産に関連して今度は商品の方のお話を伺いたいと思うんですけれども、商品も今度は少額、短期、掛け捨てということに限定するということになっております。資産の運用について一定の枠をはめる、もう一つの取扱商品についても今度は一定の枠をはめるということなんですが、この少額、短期、掛け捨てということについて、商品規制のあり方ということについて、一体これはどういうことをお考えになっているのかというのをお示しいただきたい。

    〔委員長退席、遠藤(利)委員長代理着席〕

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 商品規制のあり方がどうかという御質問でございますが、これはまず、保険金額が少額の部分というのと保険期間が短期の部分ということがございます。具体的な基準といたしまして、事業者の引き受けるリスクの程度、あるいは共済事業者の取扱商品の現状等を勘案いたしまして、保険の種類ごとに政令で定めることといたしたいと思っております。

 まず、人あるいは身体に係る保険であります生命保険あるいは医療保険等につきましては、保険金額は、これもまた種類に応じて少し細かく見なきゃならないわけでございますが、数百万程度を考えております。保険期間は一年というふうにしております。それから一方で、損害保険の方は、実質、実損てん補の性格がございますので、これにつきましては、法律に書いてあります上限の保険金額一千万円、保険期間二年間というふうにすることを想定しておるところでございます。

中塚委員 商品も規制をかける、そして運用も規制をかけるということで、ある意味、この法律で決まっていること以外はやっちゃいかぬということになってしまうわけだと思うんですが、果たしてこういったやり方が本当にいいのかということですね。

 冒頭申し上げたとおりに、悪徳業者は悪徳業者でちゃんと排除をしなければいけないんですが、やはりそうではなくて、契約者を保護するという視点から考えたときに、あれはするなこれはするなということを決めて、それで契約者を結果として保護するという法律になっているんだとは思いますけれども、果たしてこういうやり方でいいのかということですね。

 悪徳業者も現実問題としているにはいる、でも、ちゃんとやっていらっしゃる方もいらっしゃるということであって、けさお話を聞いたところ、もちろんちゃんとやっていらっしゃるところからお話を伺ったわけでありますけれども、やはりこういったやり方というのは、例えば共済というのは、大臣、聞いておいてください、共済は要は非営利でやっているんだということをおっしゃるわけですね。その方は営利事業もやっていらっしゃる、それにあわせて非営利事業として共済をやっていらっしゃるということなんですが、要は、非営利としてやっている共済を、保険業法という営利の仕事を縛るための法律の中にひっくるめるということについて、やはり納得のいかない部分があるということをお話しされているわけなんですよ。

 もう一つは、そういった意味で、再保険先は保険会社だというお話も冒頭ございましたけれども、やはりこの法律というのはいわゆる保険会社、免許を持ってやっている保険会社、そういうところに寄り過ぎているんではないのか、あるいは、そういう形で保険会社に寄り過ぎてもらっては困るという御意見をお述べになっている、今無認可共済をやっていらっしゃる方がいらっしゃるんですが、これについてはいかがでしょうか。

伊藤国務大臣 委員からの今の御指摘というのは大変重要な御指摘だというふうに思っております。だからこそ、金融審議会におきまして、昨年一年かけてこの議論をさせていただいてまいりました。

 委員御指摘のとおり、構成員の相互扶助、その中で果たしてきた役割というものを大切にしながら、契約者の立場からその権利を保護していく、そうした視点というものは非常に大切でありますし、また一方で、国民生活センターにその相談の件数というものがふえていく、根拠法のない共済というものが増加をし、その業務の内容でありますとか規模というものが多様化をしていく、そうした中で、契約者を保護していくための緊急対応が求められている。

 私どもとしては、今委員が御指摘をされた点も含めて、金融審議会での議論というものを踏まえて、そして少額短期保険業者という制度を設置させていただいて、過剰な規制にならないように、一方で、契約者保護の観点から、今回のような保険業法の改正案を提出させていただいたところでございます。

中塚委員 関連して伺いますけれども、今回、法が改正されても、適用除外というのがあって、制度共済はおのおのの制度があるということですけれども、制度共済以外にも適用除外というのがあるわけですね。

 いろいろな適用除外団体の要件がぱっと書いてあるわけですけれども、団体の自治にゆだねても問題がないというふうに判断をされる、あと、やはり団体の自治にゆだねては問題だというふうに判断をされる、その具体的な線の引き方。契約者を保護するという意味では同じだと思うんですよ。少額短期保険業者の契約者であれ、そうでない適用除外の契約者であれ、あるいは保険会社の契約者であれ、契約者であるということについては変わりがない。

 契約者保護ということのためにつくった法律であるならば、やはりこれは一律にするべきだと私は思いますが、そうではなくて、団体の自治にゆだねても問題がないというふうにされている。団体の自治にゆだねて問題があるというものもあるのかもしれませんが、この二つをどういうふうに合理的に線を引かれるのかということについてお答えをいただきたいと思います。

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の改正案というのは、そもそもがやはり根拠法のない共済の規模、形態、これが多様化をしてきたということで、特定の者を相手として保険の引き受けを行う共済事業と、不特定の者を相手として保険の引き受けを行う共済事業、それを区別することがだんだん容易でなくなりつつあるといった状況を踏まえて、いろいろな観点から検討したものでございます。

 そういう観点から、今回は、先ほどの先生の御指摘のように、保険の引き受けを行う事業について原則として保険業法の規定を適用するということをしながら、一方で、保険業法の規定を適用する必要がないと思われる団体については適用除外、これは個別に法令で適用除外というふうに列挙していこうということでございます。

 では、どういう団体をそういった適用除外にするかということでございますが、これにつきましては、保険事業につきまして、やはり構成員の自治による監督を理由として契約者の自己責任を問うことが可能な団体。といいますのは、共済という制度自体、やはり基本的には、ある仲間内で構成員が自治によっていろいろな事業を行っていくというような本質であろうというふうに思います。そういったものに対しては契約者の自己責任を問うことが可能であろう、そういう判断から、そういった団体について指定をする。すなわち、団体の構成員相互間、それから保険の引き受けを行う主体と契約者との間に極めて密接な関係があるといったことが社会通念上明らかであるというようなことが考えられる団体を個別で法令で列挙したいというふうに考えているわけでございます。具体的には、先ほど御指摘があった制度共済あるいは企業内共済、労働組合あるいは地縁による団体、例えば町内会など、そういったようなことを考えているわけでございます。

中塚委員 ちょっと今の説明ではよくわからないんです。団体の自治にゆだねて大丈夫で、その団体の構成員によって財務内容の健全性なんかが常にわかるということですか。だから、登録をする必要もない、規制をする必要はないということなんでしょうか。ちょっとそこのところをお答えいただけますか。

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 もともと根拠法のない共済というのが法制度の外にあったということにつきましては、やはりその団体の構成員が自分たちの自治によっていろいろな形での事業を行っていて、ある意味で、仲間内で事業を行っている、そういった世界には公的な規制を及ぼす必要はないであろうということで、もともとの共済というのはそういうことからスタートしたんだろうと思います。

 そういう観点からいって、自分たちの自治でやっているものにつきましては契約者の自己責任を問うことが可能であろう、そういう考え方から、もともとは法規制の外にあったということでございますので、そういう観点を考えますと、今回、個別に法令で列挙している部分についても、そういった考え方から列挙するという形にしているわけでございます。

中塚委員 契約者の自己責任を問うことができるだろうということの大前提は、要は、契約者が共済について、経営について、いろいろと意見も言うことができるし、意見だけじゃなくて実際にその行為も及ぼすことができるだろうという判断をされているということですよね。

 ただ、それでも、その共済がうまくいかない場合というのはあると思います。それでもうまくいかなかった場合については、要は、契約者の保護はしないということなんですか。

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申し上げましたように、そういった世界はある意味では自己責任を問える世界であろうということでございます。要するに、そういう観点から、いわゆる国がいろいろな規制を行う必要はないであろうということで、今までは規制をしてこなかったということでございます。

中塚委員 今の御答弁は違うんじゃないですかね。自己責任でやってもらうということは、それは国としてはその契約者は保護はしないということですよね。この法律は契約者の保護のためのものなんでしょう。無認可共済の契約者を保護するということでおつくりになられて、適用除外のものをつくっている。適用除外の共済の契約者というのは、自己責任でやってもらえるだろうから規制はしないんだという御答弁をされたんだと思いますが、何でなんですかね。

 契約者を保護するということであるならば、私は変わらないと思うんだけれども。少額短期保険業者の契約者であれ、適用除外の、要は学校だの会社だのでやっていらっしゃる共済の契約者にしたって、契約者という意味では変わらないんじゃないでしょうかね。それを何で、片方は登録にする、商品も規制をかける、また運用も規制をかける。でも、他方、適用除外の方はそういう規制もかけないわけですよね。規制をかけない。それで、もしこの共済が飛んだらあとは自己責任ですよという話では、私は、契約者保護の理念といいますか契約者保護の哲学というのは、この法律には貫かれていないんじゃないかというふうに言わざるを得ないと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

伊藤国務大臣 ここはやはり大きな議論になったところでありまして、今日まで、構成員の相互扶助というものを基礎にして、共済というものがそれなりの役割を果たしてきたわけであります。

 その中で団体の自治の運営というものがなされてきたわけでありまして、委員からすると、契約者保護の観点からいたしますと、団体の自治運営そのものにも踏み込んで契約者保護の規制をかけるべきではないかという御議論がありますけれども、一方で、今までの自主的な共助というものを基礎にした共済の役割というものを大切にしながら制度設計をしていく、やはり行き過ぎた規制をかけてはいけない、そうした観点からの議論もあり、今回のような形の制度設計をさせていただいたということであります。

中塚委員 納得できないんですが、要は、契約者保護だというふうにおっしゃるから私はお尋ねをしているわけであって、契約者の保護というやり方もいろいろなやり方があるとは思いますよ、あるとは思いますが、でも、少額短期保険業者というのを登録制にするという一方で、そうではないものも認めておいて、そうではない適用除外の共済に加入されている人は、これは万々が一のことがあっても保護をされるということにはならないということだと、やはりこの法律というのは、契約者保護というためのものではないというか、契約者保護という意味では極めて不十分だというふうに言わざるを得ない。それは、皆さんがおっしゃっているとおりの法律ではないというふうに言わざるを得ないんじゃないか、私はそういうふうに思います。

 ちょっと、時間がもう半分以上過ぎてしまったので、次に、セーフティーネットの話をお伺いしたいと思っています。

 そもそも、保険会社というのに何でセーフティーネットが必要かということだと思います。金融機関、預金者というのは、これは決済機能もある。万々が一のことがあれば、その決済機能が社会経済的に大きな影響を与えるということでセーフティーネットを張るということなんですが、それも、はっきり言ってペイオフも解禁をされたということですね。であるにもかかわらず、決済機能も担っていない、それこそ保険というのは、今の局長の御答弁ではありませんが、自己責任ということだと思いますよ、その自己責任で加入をする者のために、何でセーフティーネットが必要なのかということですね。

 それは、保険会社の経営が厳しい、いろいろ大変だということはまた後からお話をするとして、考え方の問題として、何で保険会社にセーフティーネットというのが必要なのか、保険契約者にセーフティーネットというのが必要なのかということを、金融担当大臣にまずはお伺いしたいと思います。

伊藤国務大臣 生命保険そして損害保険それぞれについては、平成十年以降、保険会社の負担金を財源としてセーフティーネットの仕組みが整備されたところでございます。この保険会社のセーフティーネットにつきましては、そもそも、保険契約というものが国民経済あるいは国民生活の基礎となっている、他社への乗りかえが困難なものである、そして長期にわたり保険会社の経営状況の変化を見通した選択を期待することが困難である、こういった特性があります。こうした特性の面から、保険会社の破綻時に保険契約者の自己責任を問いにくい面があるとされていることに加えて、今後も保険会社の破綻の可能性が完全には払拭できない状況もあること、こうしたことを踏まえて、今後もこのセーフティーネットの制度は必要性があるというふうに考えたところでございます。

    〔遠藤(利)委員長代理退席、委員長着席〕

中塚委員 次は財務大臣にお伺いしたいんですが、要は、私は保険会社間の相互援助制度だけでも問題があると思っているんですが、それに加えて政府補助まで張ってあるということで、財政をお預かりになる立場の大臣からして、決済機能もない、そういう保険会社に何でセーフティーネットが必要なのかということについて、お考えをお聞かせいただきたい。

谷垣国務大臣 今度の保険業法の改正に当たりまして、平成十八年度以降どういう形で持っていくのかということにつきましては、財務省としても非常に重要な事項だと思いまして、関心を払って議論にも参加してきたところなんですが、一つは、生命保険会社の経営環境が今どういう状況なんだろうかということがあると思います。それからもう一つは、今までは、生命保険契約者保護機構、この財務状況が一体どうなっているのかというようなことがあると思うんですが、そういうことを踏まえまして、業界負担や政府補助のあり方というものについて今まで検討してきたわけです。

 今も伊藤大臣からも御答弁がございましたけれども、一つは、確かに委員のおっしゃるように、生命保険会社は決済機能というようなものは持っていない、決済システムに直接結びついているわけではないのはおっしゃるとおりだと思いますけれども、生命保険には大変多数の国民が参加しておりますし、もし保険契約者の保護が図られない、確保されないということになると、国民生活に重大な支障を来すおそれがある。

 これは、世帯ベースで九割の国民が加入しておりまして、個人金融資産の三割を占めているということが一つあって、そして、生命保険会社は、確かにそういう中で金融システム全体としても大きな役割を果たしている。有価証券の保有高であるとか、あるいはインターバンク市場の出し手としても、それから融資機能としても相当大きなものを持っておりますので、仮に生命保険会社の破綻が相次ぐというようなことになれば、金融市場に大きな影響を及ぼすおそれがある等々のことを勘案いたしまして、今回の法律のようなことが私どもも必要であると考えた次第であります。

中塚委員 今の御答弁ですけれども、要は、保険会社がつぶれると銀行がつぶれて大変なことになるから、保険会社がつぶれないように契約者を保護するんだという話ですよね。果たしてそういうことでいいのかと私は思うんですよ。

 だって、確かに今のロジックはそのとおりなんだけれども、でも、根本的な問題はそういうところにはなくて、それは保険会社と銀行との関係というのはあるんですが、それはそれですね、それはその問題をどう解決するかということが大切なんで、そもそも論として、何で保険契約者を保護しなきゃいかぬのかということになると思うんですね。

 政府補助は当然ですけれども、私は、相互援助制度だって必要ないというふうに思っています。というのは、何で、ある契約者を助けるために、ある契約者に泣いてもらうようなことをしなければいけないのかということですね。保険契約自体は、全部別々の契約として結んであるわけであって、その別々に結んであるはずの契約を、何でほかの人のお金で、ある人の契約を保護しなければいけないのかということになると、私は、やはりそれは理屈が立たないと思います。

 まずそもそも論のことをお伺いしたわけですが、次に、加えて、保険会社は、やはり相変わらず破綻の蓋然性が高いというふうにお考えになっているのかどうか。そうでなければこんな制度は必要ないと私は思うんですけれども、そうお考えになっているからこそ、このセーフティーネット、加えて政府補助ということを御提案になっているということなのか、そこをまず金融担当大臣にお伺いしたいと思います。

七条副大臣 破綻に対する蓋然性が高いかという認識でございますが、先ほど来、ソルベンシーマージン比率のことだとか収益性の話が出ておりましたし、十四年、十五年、十六年と、徐々に収益性がよくなる、あるいはソルベンシーマージン比率のパーセンテージもよくなりつつあることはもう先生も知ってのとおりでございますが、生命保険会社の現状を見ますと、いわゆる逆ざやの負担がなお存在していることに加えて、近年の生命保険市場の熟成、死亡保険ニーズの生存給付ニーズへのシフト等による死亡保険にかかわる保有契約高の減少など、非常に構造的な変化が生じていることも事実でございます。

 その観点から考えますと、事業費、経費や、すなわち第三分野への取り組みの強化、あるいはそれらのことの中から、先ほど言いましたように逆ざやがあることもまた事実であるものの、ソルベンシーマージン比率についても全体として改善傾向にありますけれども、厳しい状況にあるところもある。

 そして、もう一つは、保険会社の財政については、より厳格なチェックを行う枠組みが整備されていかなければならない。このような枠組みのもとにおいて、生命保険会社の財政チェックが今度の早期に改善していかなければならないし、問題の早期発見、あるいは早期対応がなされていくのではないかと考えているところでございます。

中塚委員 私、最近余り新聞も読まなくなっちゃったんだけれども、この保険業法の資料をもらって、久しぶりに保険会社の事業概況、きょう皆さんのお手元にお配りしてありますが、これを見て、ああ、やはり保険会社というのは本当に大変なんだなと思いました。だから、大変なんだから皆さんセーフティーネットをお張りになるということだと思うんですけれども。

 今、七条副大臣から御答弁ありましたが、やはりこの保有契約高というのはずっと減っているんですね。死亡保険の保有契約高が減っている。それで、いろいろ細かいデータが開示をされていないからはっきりしたことは言えないんだけれども、一般論で言うと、保有契約高が減っていくと費差益も縮小していくことになるはずなんですね。加えて、保険料の収入もずっと下がっているんですね。十四年から十五年にかけては五千億ほどふえていますけれども。

 そういった意味で、保有契約高はどんどんどんどんと下がっていっていて、保険料収入というものもどんどんどんどん下がっているということは、実はこれは生命保険会社の業務内容というか収益構造というのは、ますます悪化しているということですよね。

 あと、もう一つ、逆ざやの問題をお話しになられましたが、逆ざやの問題ですね。私もちょっとこれを審議するに当たって生保の方にお話を伺ったんですけれども、契約の方は、今もうどんどんと予定利率の低いものを契約し出しているから、そっちはそっちで大分楽にはなっているようなんですが、逆に今度、運用の方で、高い利率の国債が今期で償還を迎えるというのが大変に多いという話も聞いていて、実は逆ざやは今期からまたふえるという話を私は伺っているんですね。だから、そういった意味で、保険会社の経営というのは本当に大変だなと。

 それで、ちょっとお話がありました第三分野の伸びということについても、保険料収入がふえているのは第三分野が伸びているからだと思うんですね。要は、保険契約高が減って保険料収入がふえているというのは、恐らくこれは第三分野がふえているということだと私は思います。ただ、第三分野は、保険料はふえたって、ちょっとまだ海のものとも山のものともわからないですね。要は、支払うときの基準なんかがこれからどういうふうに変わっていくのかということもあるわけなので、そういった意味で、これで保険料の収入が、死亡保険で稼げないから第三分野で稼いでいくということになると、私はかえって保険会社の収益構造というか財務内容を悪化させるということになっていくんだろうと思うんです。

 結局、何が問題かというと、やはり逆ざや問題ですね。どこまで行ったってやはり逆ざや問題で、逆ざや問題をどう解決するかという話になると、それはもう金利のことをお伺いせざるを得ないわけなんです。だからきょうは日本銀行にもお越しをいただいているんですけれども。

 やはり、各大手の生保は、この金利もなかなか上がらぬだろう、低金利は長期化するということを考えている。どんどんと持っている資産もロングになっているわけですね。長期のものを保有するようになっているということなんだけれども、私は、根本的な生命保険の問題というのは、やはり金利ですね、これを何とかしないことにはもうにっちもさっちもいかないんだろうと思います。

 そういった意味で、政策決定会合も終わったということでありますが、日本銀行に、きょうは金利の問題、特に生命保険の問題と関係をしてですが、この金利の問題についてお伺いをしたいと思います。

白川参考人 お答えいたします。

 日本銀行は、現在、持続的な物価の安定とそのもとにおける経済成長の実現という目的の達成のため、量的緩和政策という、中央銀行としては異例の思い切った金融政策を実施しております。具体的に申し上げますと、この現在の量的緩和政策の枠組みを消費者物価指数の前年比が安定的にゼロ%以上になるまで続けるということを約束しているところでございます。

 その消費者物価指数でございますけれども、ひところに比べましてマイナス幅が若干縮小してまいりましたけれども、なお小幅のマイナスを続けております。そうした現状におきましては、先ほどの消費者物価に基づく約束に従いまして、金融緩和を続け、金融面から日本経済をしっかりサポートするということに全力を尽くしているところでございます。

 今、先生御指摘の、生命保険の運用の逆ざやの問題でございますけれども、私どもとしましても、生命保険や年金といった機関投資家が、超低金利が持続しているもとで厳しい運用環境に直面していることは十分承知しております。しかし、現在の我が国の経済、物価の状況全体を踏まえますと、当面、低金利政策を続けることが適当であるというふうに判断いたしております。

 日本銀行としましては、物価安定のもとで持続的な経済成長が実現し、その結果として企業の収益率が上がっていく、そのもとで物価も上がっていく、その結果運用利回りも上がっていくという姿に早く持っていきたいというふうに願っております。

中塚委員 お配りした資料の裏を、伊藤大臣、ごらんいただきたいんですが、大手の生命保険会社の十六年度の上期の報告が載っている。

 解約、失効というのは何とかストップがかかっているわけですね。一時生保離れなんて言われたんだけれども、要は、解約、失効というのはストップがかかっているんだけれども、この保有契約高はずっと減り続けているということは、やはりもうそれは新規の契約が全然とれていないということですね。

 新規の契約がとれない原因というのは、予定利率が低い、しかも各生命保険会社はその予定利率の低い人には配当をしないで、それで逆ざやを埋めておるわけですよ、今。だから、生命保険に新しく入ろうという気にならないんですね。

 私は、根本的にこの問題が解決しない限りは、やはり生命保険会社の財務が健全化するということにはならないし、はっきり申し上げて、今の日本銀行の御答弁でも、金利を上げる環境というのにもなかなか持っていかれないだろうということになれば、生命保険業界の将来というのは極めて暗いなというふうに言わざるを得ないわけですね。

 私は、そもそも論からして、こういう契約者保護のために相互援助制度をつくったり政府補助をつくったりするということについては反対ですが、でも、やるべきことは実はもっとほかにあって、ちゃんと経済財政の運営というものに誤りなきを期して、保険会社が立ち行くような経済というものをちゃんとつくるということが、やはり何よりも大事だというふうに思います。

 そのことを申し上げまして、きょうの質問を終わります。

金田委員長 次に、平岡秀夫君。

平岡委員 民主党の平岡秀夫でございます。

 きょうは保険業法の一部改正法案ということで審議に臨んでいるわけでありますけれども、まず冒頭に、先ほど同僚の馬淵議員からも指摘がありましたけれども、今回の保険業法の一部改正法案の中身を見てみますと、多くの事項が政令とか内閣府令といったようなものに委任されているということであります。ある程度の委任をする必要性というのは、私も否定するものではありませんけれども、政令とか内閣府令で書かれる中身ですね、どんな考え方に基づいてどういうことが書かれるのか、一言一句まで言えとは言いませんけれども、そういうものが示されていなければ、やはりしっかりとした審議ができないんだろうということで、私もこの審議の前にぜひそれは提出してほしいということを要望してまいりました。ようやく先ほど出てきたというようなことで、それから審議をしてくださいというのでは余りにもこの国会の審議というものを軽視し、そして国会審議そのものを形骸化させていくということになるというふうに思うわけですね。

 そういう意味で、私は、この政令とか内閣府令に委任している事項について、どういう考え方でどうするのかということについて、前もって示されなかったことについて強く抗議を申し上げたいというふうに思います。この点について金融担当大臣の御見解をお伺いいたしたいと思います。

伊藤国務大臣 政省令の問題についてお尋ねをいただいたわけでありますけれども、私どもといたしまして、今回の保険業法の改正について、基本的な事項について法律で定めつつ、その時々の経済社会情勢等を踏まえて行政庁による機動的な対応が必要な事項や基準、そして細目的事項、手続等について、具体的な定めは政省令に委任をしているところであります。

 こうした委任事項に関する具体的な内容については検討中でございますけれども、国会審議の形骸化ということにつながらないように、できる限り私どもとして本日の御審議の中でも誠実にお話をさせていただき、説明をさせていただきたいというふうに考えております。

平岡委員 先ほどもらったばかりですから、すべて網羅的にチェックしているわけではありませんので、私自身も今ここで、はい、わかりましたと言うわけにはいかないというふうに思いますけれども。(発言する者あり)今回の審議の中でも、政令に委任されている事項あるいは内閣府令に委任されていることについて非常に重要な部分もありますので、この審議の中でも、むしろ中身は何を書くのかというよりはどういう考え方に立ってどういうふうにしようとしているのかというような視点から審議させてもらいたいというふうに思います。

 先ほど共産党の先生の方からも、私はもらっていないぞというふうに言われまして、それは仕方ないな、仕方ないということないです、要求を私が強く出したので私だけしか来ていないのかもしれない。そういう意味においては、私のためだけの審議ではないのですから、やはり各委員が共通して持っている情報のもとに審議されることが重要であるということで、その点についても、私はみんながもらっているのかと思ったらそうでもないということで、強く抗議を申し上げたいというふうに思っております。(発言する者あり)今すぐ配れますか。今すぐ配ってもチェックするのにちょっと時間がかかるので。配れるなら配ってください。

 ちょっと時間がもったいないので、内容に入っていこうと思います。

 最初に無認可共済の問題についてということでありますけれども、無認可共済、私も、昨年の十一月に、総務省の方で実態調査といいますか、いろいろな調査をしたということを踏まえて質問させていただいたという経緯がございます。そして、そのときに伊藤大臣にもいろいろなことをお聞きいたしました。いろいろなことをお聞きしたんですけれども、当時大臣は、大体最後こういうふうなフレーズで締めくくっておられるのですね。「委員の御指摘も十分踏まえながら、私どもとしてしっかり今後の検討を進めていきたいというふうに考えております。」大体こういうフレーズで締めくくっております。ということで、多分、今回、法案を出されるに当たっては、しっかりと検討してでき上がったものだということでありますから、大臣はしっかりと理解をされているという前提でお話を聞かせていただきたいというふうに思います。

 そこで、まず最初に、これは私が指摘させていただきました話です。金融審議会の中でも、議論としては、同じ商品を取り扱うのなら同じ監督規制とすべきではないかというようなことも意見として出されていました。この点についても伊藤大臣どう考えますかということで私は聞いているのですね。

 そういう意味では、この点について、消費者保護と言っちゃいけないんだそうです、今は消費者権利の保障という言葉にしなければいけないんだそうでありますけれども、消費者権利の保障の観点、あるいは競争のイコールフッティングの観点から、今私が申し上げた人たちの考え方については法案ではどのように取り扱われているのか、どのように盛り込まれているのか、考えられているのか、この点についてまず総論的にお聞かせ願いたいというふうに思います。

伊藤国務大臣 お答えをさせていただきたいと思います。

 先ほど、前国会での議論について御紹介がございました。その当時、金融審議会において根拠法のない共済について精力的に御議論をいただいているところでございましたので、その中で、国会での審議というものも大切にしながら、私どもとして今回の法律というものを提出をさせていただいたところでございます。

 御指摘の点でございますけれども、金融審議会の報告書が提出をされたわけでありますが、その報告書の中において「契約者などの保護、保険会社との公正な競争条件の確保、特定のニーズに対応した保険商品の円滑な提供の観点等を総合的に勘案すると、一定の事業規模の範囲内で、保険期間が短期のものであって、保険金が見舞金、葬儀費用、個人の通常の活動で生じる物損等の填補程度に留まる等少額短期保障のみの取扱いを行う事業者については、保険業法において、事業の特性を踏まえた一定の特例を設けて対応することが考えられる。」とされたところでございます。

 こうした考え方を踏まえて、一定の事業規模の範囲内で少額短期の保険のみの引き受けという限られた事業のみを行う者について、幅広い商品の取り扱いが可能な保険会社と比べて参入時の規制を緩和することとするなど、御指摘の消費者保護の観点、そして競争のイコールフッティングの観点も踏まえたものになっていると考えております。

平岡委員 さはさりながら、個々に見ていくといろいろと疑問に感じる点もあるんですね。例えば、少額短期の保険商品というのは、別に保険会社が取り扱ってはいけない商品であるわけではないですね、大臣。

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 そのとおりでございます。

平岡委員 大臣、ちょっと、今のは質問には書いてありませんけれども、そんな常識的なことを答えられないというんじゃ、この制度設計そのものがどういうふうになっているのかというのが、私、本当に疑問に思いますね。

 では、もう一つ聞いてみます。非常に基本的なことです。

 なぜ少額短期保険業は小規模事業者でなければ行ってはならないとされているのですか。

増井政府参考人 恐縮ですが、先生の今の御指摘は、小規模事業者は行ってはいけないという御趣旨ですか。済みません、ちょっと……。

平岡委員 済みません。私、政府参考人に聞いているわけではないので、政府参考人が聞き漏らしたのは仕方ないのかもしれませんけれども、私の質問は、法律の第二百七十二条の第二項に書いてあること、なぜこうなっているんですかということを聞いているだけなんですね。「少額短期保険業者は、小規模事業者でなければならない。」何で小規模事業者でなければできないんですか、でなければいけないんですかということを聞いているんです。

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の少額短期保険業者というのは、そもそもいわばフルの保険会社はある意味でいろいろなリスクを抱え、いろいろな規制のもとでやっているものでございますが、今回はある意味で短期あるいは少額というような限定された事業を行う事業者に対しまして、比較的一定の事業規模の範囲内で行う事業者に対して、特に少額短期保険業者としてその事業を認めようという趣旨でございます。

伊藤国務大臣 先ほども金融審議会の報告書を引用しながらお答えをさせていただいたところでございますけれども、少額、短期の保障のみを取り扱う事業者について、保険業法において事業の特性を踏まえた一定の特例を設けて対応していく、そういう考え方に基づいて今回少額短期保険事業者制度というものを設置させていただいたということでございます。

平岡委員 だから、さっきの質問につながるんですよね。少額短期保険商品というものについては一般の保険会社でもできるんですよね。できるんです。だけれども、業者ということになると、小規模の事業者でなければいけないんだ、こういうふうにしているんですよね。ある意味では、本当に発想が逆なんですよね。

 そういう意味で、ちょっと基本的な問題がいろいろ出てきます。

 例えば、先ほど供託金の話がありましたね。供託金は最初に積んでいたけれども、その後、事業が拡大してきたら、だんだんだんだんこれは大きくなってくる。そうすると、あるとき突然、小規模事業者ではなくなってくる可能性があるんですよね。そうしたら、その人たちは保険会社にならなきゃいけないんですね。そして、セーフティーネットを考えてみると、小規模事業者というのはセーフティーネットには入らなくてもいいですよと。だけれども、だんだんだんだんふえてくると、少額短期保険商品しか取り扱っていないにもかかわらず、突然セーフティーネットに入らなきゃいけなくなるんですね。なぜですか、なぜセーフティーネットにその時点から入ることになるんですか。

伊藤国務大臣 これも先ほど金融審議会の報告書を引用しながらお話をさせていただいたように、私どもといたしましては、契約者などの保護、そして保険会社との公正な競争条件の確保、特定のニーズに対応した保険商品の円滑な提供の観点、こうしたものを総合的に勘案してこのような制度設計をさせていただいたところでございます。

平岡委員 どういう制度設計をしたかということは、こういうと言われてもちょっとあれですけれどもね。

 もう一遍、本来私が通告した質問に従ってというよりは、文書にもっと忠実に質問してみます。

 今回、少額短期保険業に対するセーフティーネットは設けられていません。なぜ設けられていないのかということについては、先ほど大臣が答弁されたようなことだと思います。しかし、その背景というのは、金融審議会の金融分科会の第二部会の中でも、保険契約者の損失が限定されるのであれば必ずしもセーフティーネットは必要ないけれども、募集に際しては説明を義務づけろ、こういうふうにしているわけですね。つまり、一つ一つの商品が小さくて保険契約者が受ける損失が小さいのであればセーフティーネットに入れる必要はないんじゃないですか、こういうことですよね。

 だけれども、さっきの私の質問に戻りますね、こっちの質問に戻りますね。少額短期保険商品だけを取り扱っている業者がだんだんだんだんたくさんのお客さんを集めてきて、商品は同じです、商品は同じだけれども、あるとき突然あなたはセーフティーネットに入ってくださいという仕組みになる。なぜですか。

伊藤国務大臣 その時点において、規模が拡大をし、保険会社と同じ形になる。だからこそ、その時点において保険業法の保険業者と同じ適用を受けるということであります。

 今回の少額短期事業者の制度というのは、委員がまさに御説明をされたような理由で、セーフティーネットの中に入らない形で設計をさせていただいたわけでありますけれども、その理由は、万が一の破綻の場合に契約者に生じる損失が限定されている、そうした観点から保険契約者保護機構への加入対象としなかったということでございます。

平岡委員 伊藤大臣は、規模が大きくなってくると保険会社と同じになるんだというふうに言われました。同じになるんじゃないですね。同じにしているんですよね、今回の法律で。大きくなったら保険会社にしましょうというふうにしているからなるのであって、これは自然になるわけじゃないんですよね。

 だから、私が聞いているのは、なぜそういう制度設計にしたんですかと。特にセーフティーネットについて言えば、少額短期保険業者であるならばセーフティーネットの対象にならないけれども、これが大きくなって、小規模事業者というもの以上に大きくなってきたときには保険会社になり、同じ商品を扱っていてもセーフティーネットに入らなければいけなくなる、対象になる。ちょっと変だと思いませんか。

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の法律の建てつけでございますけれども、先生もよく御承知だと思いますが、保険の定義のところで、今まで特定、不特定という分け方をしておったわけでございます。特定の者に対する保険を販売する場合には保険業法の適用外だったわけでございますが、今回その定義を外しまして、いずれにしても、特定も不特定もなく、基本的に保険業者というふうになる。そういった中で、特に少額短期保険業者についてはこういった条件で保険の営業を認める、それ以外のさらに小規模なもの、あるいは構成員の自治に任せている、そういった団体が行うような事業につきましては適用除外として除いている、そういった構成になっております。

 したがいまして、今先生も御指摘のような、いわば事業規模が大きくなって少額短期保険事業者にならないような事業者に対しては保険会社になっていただいてセーフティーネットに入っていただく、そういったことになるんだろうというふうに考えております。

平岡委員 私、冒頭に、同じ商品を取り扱うなら同じ監督規制とすべきだと。監督規制というのはセーフティーネットも含まれて考えられるわけだと思いますけれどもね。

 例えば、少額短期保険商品を保険会社も売っている、少額短期保険業者も売っているというときに、片方はセーフティーネットに入らなければいけない。セーフティーネットに入るということはどういうことかといえば、負担金があるわけですね。負担金というのは、保険料収入と責任準備金の残高とかで計算して出されるわけですね。そういう負担をしなければいけないけれども、少額短期保険業者の方はセーフティーネットに入らないでそういう負担をしなくてもいい、こういうことになっちゃう。そういうことについて制度の整合性というのがない。

 同じ商品を取り扱うなら同じ監督規制とすべきだという考え方とは違ってきているんじゃないですかということなんです。どうでしょう。

伊藤国務大臣 これも、先ほど来この委員会で答弁をさせていただいているように、今回、根拠法のない共済に対してどういう対応をしていくかということを考えた場合に、一方で、今までの構成員による自主的な共助というものを基礎として果たしてきた根拠法のない共済のあり方、その役割というものを大切にしていくという議論、そして、今委員からお話がありましたように、契約者保護の観点から、他の生命保険会社との公正な競争条件ということも考えながら、どのような形で契約者保護ということも含めて考えていく必要があるのか、そうした観点の中で総合的に議論をして今回のような制度設計をさせていただいたわけであります。

 これは、今、根拠法のない共済というのはさまざまな形で行われているわけでありまして、その中でいろいろな役割を果たしてきているわけであります。そうした共済というものが、行き過ぎた規制をかけてしまいますと、そのことによって事業を継続していくことが困難になってしまう、そのことにも十分配慮をして、今回のような、行き過ぎた規制にならないように、一方で契約者保護というものを考えながら制度設計をさせていただいたということでございます。

平岡委員 多分、この問題は、基本的に我が国のセーフティーネットの仕組みというものが余り近代的でないということなのかもしれないですね。もっと近代的に、マーケットメカニズムに沿ったような、本当の再保険的な仕組みで運営されるというようなことになれば、もっと負担金のあり方も違う、補償のあり方も違う、いろいろなことがあって、今回もセーフティーネットの仕組みを大分いじっているようですけれども、ある意味では少し近代化されてきているのかもしれませんけれども、そこに原因があるのかもしれないというふうにも思います。

 こればかりやっていてもあれなので、今回の制度設計が、私が冒頭に指摘したようなことについて必ずしも十分に答え切れていないのじゃないかという点についてちょっと指摘させていただきました。

 さらにもう一つ指摘させていただくと、実は、この無認可共済の問題について言うと、先ほど消費者権利の保障という視点のことも大事だということで申し上げましたけれども、もう一つ、やはり消費者の利便性といいますか、適正な競争が行われて、消費者にとって非常にメリットのある制度というものをつくっていくためにはどうしたらいいのかという、そんな意味合いもあるんだろうと思うんですね。

 そういう意味では、参入をどうするかという問題として、先ほども供託金の問題がありました。供託金の問題は随分議論をされていましたので、私としてはあえて議論を蒸し返すつもりはありませんけれども、一つだけ私が気になるのが二百七十二条の五の第二項でございます。そこに、「内閣総理大臣は、保険契約者等の保護のため必要があると認めるときは、少額短期保険業者に対し、その少額短期保険業を開始する前に、前項の政令で定める額」、これは今まで議論されていた供託金ですね、「のほか、相当と認める額の金銭の供託を命ずることができる。」こういうふうに書いてあるんですよ。

 先ほどの説明でいくと、政令で定める額というのは、一千万円を最低限ぐらいにしてまずスタートして、その後、事業規模が大きくなってきたりしたら供託金の額も変わってくるということで、それで十分かどうかは別として、それなりに考え方はお示ししていただいたということでありますけれども、この二項の部分は政令にすら委任されていない。法律にこうやってぽんと書いてあるだけで、細部は内閣総理大臣が勝手に決められる、そういう仕組みになっているんですね。

 これでもし追加的に、これは事業を始める前に積まなきゃいけないものですから、これは消費者保護の必要性があるんだ、保険契約者等の保護のために必要があるんだといって、勝手にその金額を供託しなさいと命じたら、新規参入だってできないですよ。こんなにいいかげんな供託の命じ方ってあるんですか、これはどうしてこんなことになっているんですか。

金田委員長 増井総務企画局長。

平岡委員 ちょっと、これはやはり大切な問題ですよ。これは大切な問題。これは大臣にもちゃんと事前に通告してありますから。

金田委員長 じゃ、また後ほど大臣を指名します。

増井政府参考人 事務的な方を先に御答弁させていただきたいと思います。

 先生御指摘のように、この法律の二百七十二条の五の第二項で、「内閣総理大臣は、保険契約者等の保護のため必要があると認めるときは、少額短期保険業者に対し、その少額短期保険業を開始する前に、前項の政令で定める額のほか、相当と認める額の金銭の供託を命ずることができる。」という規定がございます。

 この規定に基づいて供託を命ずることになるケース、それからその金額につきましては、保険契約者保護の観点を踏まえて個別具体的に判断する必要があると思いますけれども、したがいまして、一般論としてその水準が幾らということを申し上げることはなかなか難しいわけでございますが、例えば、事業の急拡大を見越して非常に大規模な資本を有して事業を開始する会社などが仮にあったといたしますと、一般ルールによる最低供託金の額、これは先ほど私は御答弁の中で一千万円程度を想定しているというふうに申し上げましたが、それだけの供託を求めるということになりますと、やはり著しく不合理な水準、低い水準になるというようなケースも考えられるわけでございます。そういった場合には、事業開始年度に想定されます保険料収入も勘案をいたしまして、その事業年度終了後に求めることとなる金額の供託をあらかじめ命ずる。先ほど保険料収入に応じた供託の部分があると申し上げましたが、ここの部分を事業開始年度の前にあらかじめ供託をする、そういったことが考えられるのではないかというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、こういった例外的な場合についての適用につきましては、先生御指摘のように事業者にとって不当な参入規制になるということでは本来の制度趣旨からもとるわけでございますので、そういった運用に当たっての考え方を明確にすることも含めまして、適正な運用に努めてまいりたいというふうに考えております。

伊藤国務大臣 今局長から答弁をさせていただきましたように、例外的な場合についての適用を想定しているということでこのような形をとらせていただいたわけでありますが、今委員が御指摘をされたように、事業者にとっての参入規制となりますので、この点について、その運用に問題がないように、不当な参入規制ということにならないように、その運用に当たっての考え方を明確化することも含めて、適正な運用に努めていきたいというふうに思っております。

平岡委員 先ほど政府参考人の方から説明があった中身をちょっと考えてみますと、多分それは一項の方で政令で定める額というか、その書き方ですよね、どういうものを基準にして、どういう計算式をつくって、どうやったらこれだけの金額が出る、それが供託金額ですよと、だれの目から見ても明らかであり、かつ、それが妥当であるかどうかについて多くの人たちがチェックできるという、そういう仕組みの中でできる話なのかなというふうに思ったんですね。

 それ以外にこの二項のような仕組みで、何か内閣総理大臣が自分が思ったらこうやってできるという、これは仕組みとしては極めて……。これはどこかの法律にこんな例があったということで、昔、そんな法律をつくった人たちのときは、今言っているような消費者の利便性確保だとか消費者の権利の保障だとかそういう概念が薄い時代だったのかもしれませんから、当然だ、当局のやることは間違いがないんだと。私が出たころはそうかもしれませんけれども、大分変わってきておりますからね。そういう意味では、やはりできる限り、護送船団方式とかあるいは裁量行政であるとか、そんなことじゃない、そういう仕組みであるべきだと私は思いますね。もう一度、私のその考え方に対して伊藤大臣の御見解をいただきたいと思います。

伊藤国務大臣 例外的な場合についての適用を想定しているというのは先ほど局長からも答弁をさせていただいたとおりでありまして、一番大切なことは、不当な参入規制にならないようにしていくということが大変重要でありますので、その運用に当たっての考え方を明確化していくということも含めて、適正な運用に努めていきたいというふうに思っております。

平岡委員 無認可共済の問題についてはいろいろなところで指摘されておるところでございますけれども、きょう、私たちも独立行政法人国民生活センターさんの方からもいろいろ話を聞かせていただきました。そのセンターが去年出した資料の中に、無認可共済の現状についてということで公表したものがあります。

 その中に、募集の仕方の問題が書いてあります。無認可共済の問題ですね、ちょっと読み上げます。「特に、マルチ商法的な勧誘方法を用いて無認可共済を販売する場合、マルチ商法に顕著なトラブル(マージンを得るため強引な勧誘が行われやすい、人間関係を利用した勧誘等)と複合的に絡むことがあり、その解決を図ることが難しくなるおそれが高い。」こういうような指摘がされておりまして、特にいろいろな相談があるのはこうした事例だということで、幾つかの事例も紹介をしています。

 ということで、今回の法改正においては、こうした連鎖販売取引あるいはそれに類似した取引についてどういうようなことになるのか、ちゃんとこういう問題意識に対してこたえられているのかどうか、この点についてお尋ねいたしたいと思います。

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の改正案の中では、御指摘の連鎖販売取引またはその類似取引、いわゆるマルチ的な保険募集そのものは禁止しているわけではございませんが、現在の保険業法においても、保険募集の適正性を確保するために、例えば、保険募集人の公正な保険募集を行う能力の向上を図るための措置義務、あるいは保険募集人登録制度、保険募集人の重要事項の説明や虚偽表示の禁止などを含めました行為規制、また、保険募集人の不適切な説明などに伴います使用者責任などの規定が設けられておりまして、こういった規定につきましては、新設いたします少額短期保険業者につきましても、これらの規制が課されるようにしております。

 したがいまして、少額短期保険業者につきましても、こういった規制に対応するために、今、保険業者でもやっておりますけれども、保険募集を行う者に適切な教育指導を行い、保険契約に関する十分な知識を有する者を保険募集人とした上で、虚偽の説明や、重要な契約事項を告げない行為の禁止といった契約者保護のルールのもとで募集を行うということでございますので、今申し上げましたマルチ的な保険募集を含む不適切な保険募集は抑止されるものというふうに考えております。

平岡委員 私は、マルチ的なものがすべていけないと言うつもりはございませんので、それはそれでまた別の法律でちゃんとした規制が行われているということでありますから、その法律の範囲内で行われていることに対してとやかく言うつもりはありませんけれども、いろいろと問題が起こっているというか、そういう問題が指摘されているということを踏まえてどうなっているのかということを念のため確認させていただきました。

 そこで、今答弁があったところでいきますと、保険募集人なんかの保険業法における仕組みが今回の少額短期保険業者に対しても適用されるということで、それはそれでいいと思うんですけれども、ただ、具体的な仕組みをもう少し見てみますと、例えば、保険の募集に関していろいろ決めている法律の百条の二というのが、これは保険会社に対して書かれてあって、そこでは業務運営に関する措置をちゃんと保険会社は講じなさいと。その中に、保険募集に当たってはこういうふうにしなさいということで、例えば書面の交付とか、あるいは説明をしなさいとか、被保険者の同意の手続をはっきりとさせなさいとか、そういうようなことが内閣府令で書かれているんですよね。

 先ほど冒頭に申しましたように、この部分が準用されていて、準用されているということは、今度は新しく内閣府令を定めなきゃいけない。では、その内閣府令にどんなことが書かれるんですかといったときには、何も資料がないということで、事前には、口頭的にはどんなことが書かれるのか説明を受けましたけれども、法律の二百七十二条の十三で準用している百条の二が適用される場合における内閣府令がどんなものになるのか。先ほど言いましたように同じ商品を扱うのならば同じような監督規制に服すべきであるという視点からして、どのようなものになるのか、ここではっきりと明言しておいていただきたいというふうに思います。

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生が御指摘の、業務運営に関する措置義務を定めました法律の百条の二の規定の準用でございますが、少額短期保険業者についての準用でございますが、この具体的内容は内閣府令で定めるということになっております。ただ、先ほど来御説明をいたしておりますように、少額保険業者も保険会社と同じ保険業を行うものでございますので、基本的には同様の規制を課すことというふうに考えております。

 具体的には、この規定に基づきまして、保険募集人の能力の向上を図るための措置、あるいは適合性の原則に関する社内体制を整備するための措置、個人顧客情報の安全管理等のための措置、業務の委託を受けた者における体制整備を図るための措置などを定めるように考えております。さらに、少額短期保険業者につきましては保険契約者保護機構への加入を義務づけないということにしておりますことから、保険募集に際して、保険契約者に対し保険契約者保護機構の対象ではない旨を記載した書面の交付を義務づけるといったことも検討しております。

平岡委員 先ほど冒頭申し上げましたように、同じ商品を取り扱うのなら同じ監督規制の中でイコールフッティングの世界であるべきだという視点から、今説明された話は今度内閣府令ができるときにもう一度チェックをさせていただきたいというふうにも思っております。

 時間がないので、セーフティーネットの話に移らせていただきたいというふうに思います。

 先ほど来からセーフティーネットの問題はいろいろと出ておりました。我が国では、この仕組みができたのは、たしか平成に入ってからだというふうに思いますけれども、諸外国ではこのセーフティーネットの仕組みというのはあるんですかないんですか。どんなところでどんなのがあるか、簡単でいいです、こんなことを聞くために審議をやっているんじゃないので、どの程度あるか簡単に答弁していただければと思います。

増井政府参考人 簡単に御説明申し上げます。

 先進諸外国の多くにおきましても、保険契約者などの保護のために、保険契約者の破綻時における保険契約の価値の一定部分を補償するというセーフティーネットが設けられていると承知しております。

 具体的には、例えばアメリカ、イギリスなどにおきましては、生命保険、損害保険の双方につきまして、保険会社の破綻時に保険契約の価値の一定部分を補償するセーフティーネットが存在いたしますし、あるいはフランス、ドイツなどにおきましては、伝統的には、自動車保険等の強制保険についての支払い保証制度が存在するだけであったわけでございますが、近年の生命保険会社の破綻などを受けまして、生命保険に係るセーフティーネットが整備されているというふうに聞いております。

平岡委員 さっきの質問の中でも、日本のセーフティーネットが本当に近代的なものになっているのかどうかという点については、ちょっと私も疑問に思っているところはありますけれども、いろいろ諸外国にも類似の制度があるということでありますから、やはり常に、どうするのが一番いいのかという視点は失わないでいただきたいというふうには思います。

 ただ、セーフティーネットがあるからといって、むやみやたらとたくさんの保険会社が破綻したらいいというものでもないだろうと思いますし、それから、先ほど来から質問がありますように、ほかの会社の保険契約者が負担しなければならなくなるような事態というのは極めて異例なケースだということで、ほかの保険会社の契約者が負担をしなくても済むように、これらの負担金が使われないという仕組みで物事が運用されていかなければならないというふうに思うんですけれども、そういう意味で、破綻処理について金融当局としてはどのようにお考えになっているかということについて基本的なところを大臣にお伺いいたしたいと思います。

伊藤国務大臣 破綻処理についてというお尋ねでございました。恐らく、今までの破綻処理も含めてどのように考えているのか、そうした意味も含めての御質問であろうというふうに思っております。

 金融行政といたしましては、やはり保険会社の破綻というものを未然に防止していく、そのためには、経営悪化する前の段階で早目に認知をして、早目に対応していくことが極めて重要であるというふうに思っております。こうした観点から、ソルベンシーマージン比率の算定方法の厳格化、あるいは早期是正措置の導入、財務情報にかかわるディスクロージャーの拡充、オフサイトモニタリングに基づく早期警戒制度の導入等、制度上あるいは監督上の枠組みの整備を進めてきたところでありますし、また、その実効性というものを確保していくために、検査体制の拡充や、検査と監督の連携の強化を図ってきたところでございます。

 また、破綻処理が避けられない保険会社の破綻処理手続に当たっては、保険契約者の保護を第一義として、できるだけ迅速に、また、できるだけ社会的コストを小さくしつつ適切な処理がなされることが重要であると認識をいたしておりまして、また、その際の一連の処理手続における透明性や契約者間の公平性ということにも留意する必要があるというふうに思っているところでございます。

 いずれにいたしましても、破綻処理の前に保険会社の破綻が未然に防止されるのであれば、それが最も望ましく、そのためには、保険会社みずからが、自己責任原則に基づき財務の健全かつ適切な運営を確保していくことが必要であります。行政当局といたしましても、先ほども申し上げましたような制度上あるいは監督上の枠組みというものを積極的に活用しながら、各保険会社の財務の健全性の確保に向けた早目早目の対応を行うよう、今後とも努めてまいりたいと思っております。

平岡委員 ぜひ早期のいろいろな対応ということを心がけていただきたいというふうに思います。

 今回、一つセーフティーネットで大きな問題になっているのは、政府の補助、これまでも行われてきたというか制度としては用意されていたわけでありますけれども、実際に使われたことはないというふうに聞いておりますけれども、今回もこの制度が維持された、維持されたというよりは、ちょっと変わった形で維持されているということでありますけれども、今までの政府の資料などを見ますと、政府の補助の上限は四千億円だ。今回はそういう制限はなしに、まあ政府の補助の枠はないんだ、こういうような説明をされることも多いんですけれども、それが仮に正しいとしたら、どうして今回政府の補助の枠は取っ払われて、形式的には青天井になっているんですか。どうでしょう。

伊藤国務大臣 御指摘のとおり、現行の生命保険セーフティーネットの財源措置というのは、平成十五年から十七年度の三年間について、資金援助等に要する費用の業界による負担が一千億円を超えた場合には四千億円の範囲で政府の補助を可能とする仕組みとされているところであります。

 一方、改正案におきましては、原則として業界負担により資金援助等に要する費用を賄うとの考え方に立っており、あらかじめ具体的な枠を置いて政府補助の措置を用意する仕組みとはいたしておりません。具体的には、基本的に業界負担により賄う生命保険契約者保護機構の仮限度額四千六百億円の範囲内で対応する制度としており、万一それを超える場合に限り政府補助の発動を可能にいたしているところであります。

 なお、現行制度におきましても、四千億円までは政府補助が自由に行える仕組みではなく、業界負担を超えるような資金援助が必要となった場合には、その都度、必要な額を精査の上予算措置において国会の御審議をいただくことになり、この点におきましては改正案でも同様でございます。

平岡委員 大臣を余りいじめるつもりもないんですけれども、四千億円というのはどこで決まっているんですか。現在の四千億円の政府の補助の枠というのはどこで決まっているんですか。

 時間がもったいないので、後でじっくりと聞いてほしいんですけれども、そういう枠があるのかないのか、どういうふうにして枠が設けられているのかぐらいは、やはり勉強してから来ていただきたいなというふうに思うのでありますけれども、いずれにしても、大臣の答弁にありましたように、最終的には予算で具体的な金額を計上して、国会の承認が得られない限りは出せないという仕組みになっているということだけは間違いないので、仮にこの仕組みができるかどうかというのはわかりませんけれども、与党の多数によって強行的に成立した場合でも、この予算の段階で、本当に適切であるのかどうかということについては私たちもしっかりとチェックをさせていただくということにはなるんだろうというふうに思います。

 それで、実は、今回の法律の改正を見ますと、今までの平成十七年度までの政府の補助が行われる事態というのは、こう書いてあります、国民生活または金融市場に不測の混乱が生じるおそれが認められる場合、「不測の混乱」。今回の改正では、平成二十年度末までは、国民生活または金融市場に極めて重大な支障が生じるおそれが認められる場合ということで、「不測の混乱」から「極めて重大な支障」というふうに表現が変わっています。これはどこがどういうふうに違ってくるんですか。

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の改正案につきましては、その資金援助額が業界負担枠を超える事態が生じた場合について、その資金援助額を業界負担だけで賄う場合に、各社の財務状況が著しく悪化し、保険業に対する信頼性の維持が困難となり、ひいては国民生活または金融市場に極めて重大な支障が生じるおそれがあると認められる場合には、政府補助を行うことができるというふうになっておるわけでございます。

 現行制度は、今御指摘がありましたように、下段の部分でございます、後半の部分でございますが、「国民生活又は金融市場に不測の混乱を生じさせるおそれがあると認める場合」というふうになっておりまして、そこが「極めて重大な支障が生じるおそれがあると認める場合」に変わっているわけでございます。

 この改正の趣旨は、政府補助の発動要件を、今の御説明のようにより厳格化いたしまして、業界負担枠を超える資金援助が必要となった場合であっても、政府補助がなければ国民生活や金融市場に非常に深刻な影響を与えると判断される場合に限定したという趣旨で考えております。

平岡委員 そうやって聞いても、一体どこがどういうふうに違ってきているのかというのはさっぱりわからないだろうと思うんですね。

 要は、最後は、だれが、どういう手続のもとでこういう事態が生じるおそれが認められるのかということだろうと思うんですよね。大臣、この認定はだれがどのようにして行うんですか。

伊藤国務大臣 お答えをいたします。

 改正後の保険業法上の政府補助の発動につきましては、生命保険契約者保護機構が発動要件に該当する旨の申請を行い、そして当該申請に基づいて主管大臣である内閣総理大臣及び財務大臣が政府補助の要件を認定する手続にすることを考えております。

平岡委員 預金保険の場合は金融危機対応会議とかというようなものが設けられてちゃんと審査するんだというのは、本当にそうやって審査しているかどうかというのは、今までのりそなとかを見ても、本当にちゃんとしているのかという疑いはありますけれども、曲がりなりにもそれなりに法律にもちゃんと書いてある。今大臣が説明されたことはどこに書いてあるんですか。

伊藤国務大臣 法律で「実施に関し必要な手続は、政令で定める。」とされておりまして、この中で明らかにしたいというふうに思っております。

平岡委員 そういう大事なことを政令で定めると書いてあって、何もわからない。法律を読んだ人は、これはどういう手続で認められて、どういう手続で実行されるのか全くわからない。政府の補助という非常に重大な、ある意味では極めて政治的には論議があるところですよね。そんなことを「手続は、政令で定める。」ですべてわかってくださいというのは、ちょっと幾らなんでもひどいんじゃないですかね。大臣、どう思いますか。

伊藤国務大臣 今までこうした手続について規定がなかったところがありますので、したがって、今回これを明確化させていきたいというふうに思っているところでございます。そのためにも関係者の方々の幅広い意見をお伺いをして、そして政令で明確化させていきたいというふうに思っております。

平岡委員 制度を急いでつくらなきゃいけないから、とにかく急いでやらなきゃいけないので、とりあえず政令にさせてください、こんなこと書きますよというんならいいですよ。平成十七年度、もうずっと前からこの仕組みはあるんですよね。あって、今回また新しくするんですね。そのときにも、また政令で手続を決めさせてくださいというのは、幾ら何でも怠慢ですよ、これは。私は強く抗議したいと思いますね。政府の補助という非常に重要な、ある意味では政治的にも非常に重要な論議を呼ぶ可能性のある問題について、すべて政令委任だというのは、私はこれはおかしいというふうに指摘しておきたいと思います。

 時間がなくなりましたので、このセーフティーネットの仕組みについて金融審議会の中でも議論があったというふうに聞いておりますので、一つ質問をしておきたいと思います。

 今は事前拠出ということが制度の仕組みになっているということで、これはどういう仕組みの中で事前拠出になっているかというふうに聞いても、また多分大臣は答えられないと思いますから、そういうことだということで理解していただきたいんですけれども。ただ、事前拠出ということになると、それだけの負担金が保護機構の方に置かれてしまって運用益も稼げないとかというような問題もあったりするということで、ほかの国にはいろいろな仕組みも、事前拠出ではあるけれどもそうした問題に対応するようないろいろな仕組みもあるというふうにも聞いています。それから、金融審議会の中では、事前拠出じゃなくて、これまでの実績から見ると事後拠出でもいいんじゃないかというような指摘があったというふうに聞いています。この点については制度を変えていないということで今までどおりのようでありますけれども、三年後に見直しの規定が置いてあるという中で、大臣、この事前拠出、事後拠出についてはどのようにお考えになっていますか。いろいろな問題を考えたときに、事後拠出というような可能性もあるんでしょうか。どうでしょう。

七条副大臣 これにつきましては私の方からお答えさせていただきます。

 今先生もう十分御承知のとおり、現行制度は事前拠出でございますが、他方で、事後拠出については、保険会社の破綻が生じた場合、厳しい今の市場の環境下で他の保険会社に拠出を求めることとなることに対する不満が出てくることがあり、あるいは破綻保険会社に対して拠出を求めることができず、各保険会社の負担の平準化が図られることがなくなってしまうことがある。そういうようなこともまた他方であるわけで、それらを慎重に考えていかなければならない、こういうふうになっておるところでございます。

 当然、施行後三年以内にそれらを見直していかなければならない。附則の三十八条一項に基づきまして、その中で、必要に応じて拠出のあり方についても検討を行うこととなると考えておるところでございます。

平岡委員 セーフティーネットの仕組みについて言うと、きょうずっと議論していても、何か余り近代的じゃない、昔の奉加帳方式で、とにかく豊かな保険会社からあらかじめ寄附金を募っておこうというような仕組みにしかすぎないような、そんな印象を受けました。それが、先ほど言った少額短期保険業者にはセーフティーネットには入れさせない、負担金もとらないとか、そんなことにもつながっているのかなというふうに思うので、もっともっと近代的な仕組みになるということをぜひ私は検討していただきたいというふうに思っているんですけれども、最後にその点についての大臣の御見解をお伺いさせていただいて、私の質問を終わります。

伊藤国務大臣 近代的な仕組みが必要だという御指摘をいただきました。また、委員の方から、その近代化と言えるようなセーフティーネットにしていくために具体的にどのような点が必要であるかという御指摘をいただければ、そうしたものも踏まえて、私どもとしても考えていきたいというふうに思っております。

 いずれにいたしましても、今回の改正案におきましては、三年以内に生命保険契約者保護機構の資金援助等に要する費用に係る負担のあり方について検討を行うということになっておりますので、委員の点も含めて、必要に応じて負担金の拠出方法のあり方あるいは今後の運営の仕方について検討していきたいというふうに思っております。

平岡委員 終わります。

金田委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時十二分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

金田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。鈴木克昌君。

鈴木(克)委員 鈴木克昌でございます。

 保険業法の改正について、私からも質問をさせていただきたいというふうに思います。

 パッチワークとは、色や大きさのさまざまな布ぎれを継ぎ合わせて変化に富む模様をつくり出す手芸、またその作品のことであります。

 なぜこのようなことを申し上げたかということでありますが、本法案についても、ここ数年、法の見直しや整備等が重ねられ、そして、これからもまた幾つかの法が整備をされていくというふうに思うんですが、この間の金融庁の動きを見ておると、どうしてもパッチワーク的な動きだとしか思えないわけでございます。したがって、工芸品や芸術品をつくるならこれでよいわけでありますけれども、国民の生活や経済に密着した金融については、パッチワークでは困るのではないか、私はこのように思うわけでございます。

 それでは、少し日本の姿について申し上げたいと思うんですが、現在の日本は、社会全体に失業、自殺そして犯罪の多発といった不安が増加しております。経済分野でも、旧聞でありますけれどもオレンジ共済事件を初めとした数々の信頼の崩壊ともいえる現象が広がっております。国民はそんな中で大変な不安を感じていると思うわけであります。

 それでは、日本の経済社会はどのような姿が望ましいのか。私は、サッカー型ゲームに強い社会をつくっていかなくてはならない、このように思うわけでございます。

 サッカー型と言うと奇異に感じられるかもしれませんけれども、仮に従来を野球型といたしますと、これからはやはりサッカー型でなくてはならないと思います。野球型というのは、ピッチャーがボールを持っております。当然のことです。そして、投げるとバッターが打つわけですね。あらかじめ、どこから飛んでくるかというのは想定できるわけであります。それに合わせて動けばいいわけでありますが、サッカーというのは、まさに選手一人一人の技術の高さと瞬発的な情報交換が物を言い、加えて、監督の采配とチーム育成の戦略と指導力、そして、明確で公正なルール、A級レフェリー、競技場に当たる市場インフラ、そしてレベルの高い応援団といった要素がしっかりそろうということが、サッカー型ゲームに強い社会をつくる要件になるのではないか、このように思うわけであります。

 これを日本の経済社会のイノベーションに必要な基本要件に当てはめてみれば、ルールは日本の法制度、レフェリーは政府、規制機関、そして監督は会社や国のリーダー、競技場などのインフラは市場整備、そして選手は企業者や勤労者といった社会全体であり、応援団は国民全員ということになるのではないかというふうに思います。

 大変長々と申し上げておりますが、そういう形の金融市場、そしてまた金融行政に変えていかなくてはならない、冒頭申し上げたようなパッチワーク型ではいけないのではないかということを私は申し上げておきたいわけであります。

 現在、日本の金融サービス市場は金融商品の規定があいまいであり、販売方法の規制が難しいといった弱点を持ったまま自由化が進んでいるのは御案内のとおりであります。

 海外に目を向けてみますると、長引く不況に苦しんでいたイギリスで金融ビッグバンが始まったのは、一九八六年のことであります。証券取引システムの電子化で取引がスピードアップ、市場が活性化し、規制緩和を進め、取引手数料を自由化し、外資系企業にも門戸を開いた。ここまでは日本の金融ビッグバンがまねた内容であります。

 しかし、イギリスの金融ビッグバンにはもう一つの柱があったわけであります。それは、投資家保護の法律制定であります。ビッグバン開始と同じ年、銀行預金と保険を除くすべての金融商品をカバーする金融サービス法を導入し、その後、金融サービスアンド市場法に発展し、すべての金融商品が一つのルールのもとに置かれるようになったわけであります。イギリスでこうした金融サービス市場のルールを守るためにつくられた組織が、御案内の金融サービス機構、FSAであり、不正な販売行為を行った業者には罰金などのペナルティーを科す強い権限を持っておる。このように、法律による消費者保護を健全な金融サービス市場発展のための重要なかぎと考えてきたイギリスは、今や世界屈指の金融先進国となっておるわけであります。

 さて、今回の保険業法の改正案について順次質問をさせていただきたいと思います。

 まず最初に、生命保険セーフティーネットに関してお伺いをいたします。

 預金保険機構やペイオフの問題が大きくクローズアップされておりますけれども、補償制度の整備強化は、預金保険機構やペイオフの問題だけではない、保険のセーフティーネットの基本的な枠組みにも大きく関係するものであります。

 これまでの生命保険のセーフティーネットの構築プロセスを見ると、五千三百八十億円もの金が投入され、今回の見直し案についても、資金援助が業界負担枠を超えたときは政府補助が可能としております。業界負担枠を超えたときの定義が、午前中もいろいろと質疑が交わされておりますけれども、資金援助を業界の負担のみで賄うとなれば、生命保険会社の財務状況が著しく悪化し、保険業に対する信頼性の維持が困難となり、ひいては国民生活または金融市場に重大な支障が生じるおそれがあると認める場合とあるわけであります。

 ところが、これは非常にあいまいな表現だと私も思います。具体的にどのような基準でもって、国民生活または金融市場に重大な支障が生じるおそれがあると判断をされておるのか、金融大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の改正案におきましては、先生御指摘のように、生命保険のセーフティーネットについて、万一、資金援助額が業界の負担枠を超える事態が生じた場合には、法律上の要件を認定した上で、平成十八年から平成二十年度までに破綻した生命保険会社に係る資金援助等について政府補助を行うことを可能としております。

 どういった場合かという発動要件につきましては、今先生がおっしゃったとおりでございますが、先ほどの御質疑の中でも申し上げましたが、この部分は、現行制度では「国民生活又は金融市場に不測の混乱を生じさせるおそれがあると認める場合」というふうになっていたのを、「極めて重大な支障が生じるおそれがあると認める場合」というふうにいたしまして、いわば発動要件を厳格化、強化してきたということでございます。

 具体的には、例えば、生命保険契約が国民の基礎的な生活資産になっている中で、生命保険会社の破綻について、生命保険会社各社の負担金のみで資金援助のための費用を賄うとすれば、経営状態が悪化をして、そのため生命保険業に対する信頼性が損なわれ、それによって広く生命保険契約が守られない、そういった不安を招くことになって、その結果、国民生活に極めて重大な支障が生じるおそれがある、そういった場合。あるいは、生命保険会社が金融システムにおいて重要な役割を果たす中で、その破綻によってその他の生命保険会社に対する信頼性が損なわれ、それが金融市場に波及することによって、金融市場に極めて重大な支障が生じるおそれがあるといった場合があるというふうに考えております。

鈴木(克)委員 要は、だれが、いつ、どのような基準で判断をするのかというところを明確にしておかなければならない、これがやはり法律だというふうに私は思うんですよね。結局、今の御答弁を聞いておっても、だれがいつどのような状況で判断をするのかということはあくまでも明確ではないというふうに私は思います。

 次の質問に移らせていただきます。ちょっと目線というか質問のあれを変えまして、小泉さんが、私でなければできない、まさに日本の改革の本丸だとおっしゃっておる郵政民営化についてお伺いをしたいと思うんですが、これは仮定の話であります。成立するのかしないのか、それはまさに今からの動きいかんということでありますが、仮にこの郵政民営化が成立をしたとき、いずれにしてもどのようなルール、法律でこの巨大な金融機関を動かしていくのか、こういうことをお伺いしたいわけであります。

 当然、今後、投資サービス法だとか金融サービス市場法というような法律が制定されていくのかどうかわかりませんけれども、いずれにしても、先ほど申し上げましたイギリスの事例でも、包括的、横断的法制の整備のもと、こういう法律がきちっと整備をされている中で、郵政民営化の根幹であるこの巨大な銀行と保険会社、これが今のままのルールで本当に管理できるのか、そして運営できるのか。私は、やはり従来の発想ではならないと思います。

 もちろん、これは仮定の話ですから、非常に御答弁しにくいかもしれませんけれども、仮に、金融庁として、そうなったときのことを想定して議論したことがあるのか、またそういうことを考えたことがあるのか、その辺をまずお伺いしたいと思います。

伊藤国務大臣 お答えをさせていただきたいと思います。

 まず、冒頭に委員の方から、野球型ではなくてサッカー型チームが強いというお話がございました。大変示唆に富むお話であったというふうに思っております。

 私どもといたしましても、金融行政が今までの不良債権問題の緊急対応から将来の望ましい金融システムを目指す、そういう未来志向の局面に変わりつつある中で、金融システムの安定から活力のある金融システムを構築していかなければいけない、そうした観点から、昨年の十二月に金融改革プログラムを策定させていただき、公表させていただいたところでございます。その中における金融行政の基本的な考え方といたしましても、市場規律を補完する審判の役割というものを果たしていく、そして同時に、利用者保護ルールというものを整備して、そしてそれを徹底させていくことが重要であるという考え方を明らかにさせていただいたところでありますし、また、市場のプレーヤーの方々が活力あるプレーというものをしていただくためにも、グラウンドキーパーとしての役割、環境整備というものも非常に重要であるというふうに思っているところでございます。

 また、イギリスの取り組みについても御紹介がございました。私もこの通常国会が始まる前、実はイギリス、ロンドンにお伺いをして、先ほどお話がございましたUKFSAの関係者の方々とも親しくいろいろ意見交換をさせていただき、また過日もUKFSAの幹部の方が日本に来日されたときにも意見交換をさせていただいて、今後の活力ある金融システムというものを利用者の保護の観点の中で進めていくためにしっかりとした対応を行っていかなければいけないというふうに思っているところでございます。

 そして、郵政の御質問をいただいたところでございますけれども、郵政の民営化につきましては、昨年の九月に閣議決定されました郵政民営化に関する基本方針に基づき制度設計が行われてきたところでありますが、四月四日に郵政民営化に関する制度設計についての政府内部における取りまとめがなされたところでございます。現在この取りまとめに基づいて与党の皆様方と調整をさせていただいておるところでございます。

 郵便貯金会社、郵便保険会社に対する法令の適用関係についての御質問をいただいたわけであります。基本方針におきましては、最終的な民営化時点における郵便貯金会社、郵便保険会社のあり方については、民間金融機関、生命保険会社と同様に銀行法、そして保険業法等の一般に適用する金融関係法令に基づき業務を行うとされているとともに、移行期当初から民間企業と同様の法的枠組みに従うとともに、移行期における両者のあり方については、銀行法、保険業法等の特例法を時限立法で制定し対応することとされているところでございます。

 いずれにいたしましても、詳細な制度設計につきましては、現在、郵政民営化準備室を中心として政府として取り組んでいるところでございますが、金融庁といたしましては、金融行政上の観点も踏まえながら適切に対応していきたいと思っております。

鈴木(克)委員 今の大臣の御答弁をお伺いしますと、一応想定をして議論をしておる、このように理解をさせていただいたわけでありますが、その中で、最終的には民間の金融機関や保険業の現在の法律でやっていくんだ、場合によっては時限立法で対処する、こういうことをおっしゃったというふうに思います。

 しかし、議論をしたのかどうかと聞きながらこういうことを言うのはおかしいわけでありますが、私は、やはりもう少し慎重に、オープンに、こういうことが議論をされておるならば出していくべきだというふうに思うんですね。何が言いたいかというと、やはり国民は一体全体そんな大きな会社ができたときにどうなっていくんだろうかというふうに心配をしておるわけですよね。だとするならば、やはりその議論をきちっとオープンにすべきだというのが一つ。もう一つは、やはりそうであるならば、そういった結果を見てからきちっとした法律をつくっていくというのも必要であろうというふうに思うわけですよね。

 したがって、私は、現在の法律のもとでこの巨大な、本当に考えられない大きな銀行や保険会社がやっていけるというふうにはどうしても思えないわけでありますが、その点いかがでしょうか。もう一度御答弁をいただきたいと思います。

伊藤国務大臣 今委員からも御指摘がございましたように、議論の透明性というものを確保して国民的な議論が大切である、私自身もそう思っておりますし、今回の郵政民営化につきましては、まず基本原則というものを明らかにして基本方針を策定し、そして政府としての制度設計のあり方というものを取りまとめさせていただきながら現在与党の皆様方と調整をさせていただいて、議論をさせていただいているところでございます。

 したがって、まだ法律という形といいますか、具体的なものに基づいて今委員の御質問に対してお答えできる段階にはないわけでありますけれども、今回の取りまとめの中におきましては、移行期当初は公社と同じ業務範囲とするが、段階的に拡大をして、最終的な民営化においては民間企業として自由な経営を可能とする、そして具体的には、民営化委員会の意見を聴取し、新会社の業務能力、イコールフッティングの状況等を勘案した上で、主務大臣の認可により新規事業を行う仕組みとされているところであり、民業圧迫が生じないような配慮がなされているというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、民間金融機関とのイコールフッティング、あるいは金融資本市場に対する影響、こうした金融行政上の観点というのは非常に重要でありますので、そうした観点から金融庁として適切に対応していきたいというふうに思っております。

鈴木(克)委員 次に移らせていただきます。

 私は冒頭、銀行、証券、保険、そしてまたその他の投資物件に関する法律のそれぞれのすき間を埋める横断的な法律を早期に確立すべきだ、それが金融サービス市場法と仮にするなら、そういう法律をやはり早くやるべきだということを申し上げました。

 実は今回、私もまだ国会へ来てから一年半でありますが、かつて過去にどんな関連の法案が審議されていたのかということで、第百四十七国会からずっと一遍調べてきました。膨大な法律が出ておるんですね。

 それで、私は申し上げたいんですけれども、現在我が国の市場を取り巻く諸制度は、法規制間のすき間やずれが多く、制度疲労を起こしていることは明らかである。金融ビッグバンについても、法制の縦割りの区分を基本的に残したままで金融市場改革を行おうとしていると言わざるを得ない。まさしく現在の状況は、市場機能がきちんと機能していない中で継ぎはぎ的に法整備を進めている状況にあり、パッチワーク的な被害者救済策、いわばモグラたたきのような対症療法的な改革が進んでおる。

 私は、我が国で、ユーザーと市民が保護され、かつ納得して参加できる高質な金融資本市場の形成が急務であり、そのためには包括的、横断的な市場法制が最優先課題であり、早急に取り組むべきだと考えております。現在の日本市場は、国際的な資本市場形成の動向からも明らかなように、大きいだけの超ローカルな市場にとどまるような方向に突き進む方向である。

 まず、現行法の問題点を浮き彫りにしていく中で、今後の政府の対策についてお伺いをしていきたいというふうに思うわけであります。

 今申し上げましたように、いずれにしても、銀行、証券、保険、そしてその他の投資物件の間に、本当に数限りないすき間があるわけですよ。そこに結局オレンジ共済のような、最終的には消費者そして国民が被害に遭うような状況にあるわけです。私は、これは本当に、まさに法律の欠陥だというふうに思えてなりません。

 そこで、先ほど申し上げましたが、たくさんの法律を、これは読み上げればそれこそ時間がなくなりますけれども、金融大臣として、これだけ複雑な法律がこれだけたくさんあるということについてどのような御見解をお持ちになっておるのか、一度お伺いをしたいと思います。

伊藤国務大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 専門制、分業制を特徴とするかつての我が国の金融制度というものは、日本の戦後の経済復興あるいは高度経済成長というものを支えてきた、ある種の役割というものを果たしてきたものと考えているところでありますが、委員も先ほどから御指摘がございますように、金融の自由化あるいは国際化、証券化等の進展、そして利用者ニーズの高度化、多様化、こうした環境に的確に対応していくということが極めて重要であるというふうに思っております。

 そうした認識から、金融改革プログラムにおきましては、民間活力を引き出し、利用者利便を向上させるための制度設計と利用者保護ルールの整備徹底を掲げておりまして、そうした視点から金融システムないし法体系の整備に取り組んでいきたいというふうに考えておるところでございます。特に、二十一世紀を支える新しい金融の枠組みというものは、縦割り規制から機能別、横断的なルールに転換していく、こうした観点に立って、金融サービスに関するルールの整備を進めていくことが重要であると認識をいたしておりますので、法律の整理統合については、その必要性、合理性などの幅広い観点から検討を進めていきたいというふうに思っております。

 いずれにいたしましても、現在、金融審議会におきまして、証券を中心とした横断的な法制である投資サービス法の制定に向けた検討を進めておりますので、今後とも、こうした取り組みを積み重ねていくことによって、利用者保護ルールの整備を着実に進めていきたいというふうに思っております。

鈴木(克)委員 くどくなりますけれども、例えば、銀行法、証券取引法、投信法、投資顧問業法、金販法、保険業法、信託業法、商品取引所法。本当にいろいろな法律、これは私は読み上げるだけでも大変なんですが、大臣の頭の中にはすべて入っておるのかどうかわかりませんけれども、これはユーザーにとってみると本当に大変なんですよ。

 例えば、縦横無尽に法律を読んでやっていかなきゃならないユーザーや金融サービス業者にとっても、こんな煩雑な、しかも、ありとあらゆる法律が幾つか改正を重ねられておる、こういう状況を放置しておくというのは、私は本当にいかがなものかなと。これで、世界に開かれた市場である、マーケットであるということはとても言えないんじゃないかなというふうに思います。ぜひひとつ先ほどのような形で法の整備を急いでいただきたいというふうに思います。

 最後に、包括的、横断的金融市場法制定に向けた取り組みの必要性をもう一度申し上げていきたいと思うんです。

 包括的、横断的な市場法制を構築していくことが最優先課題であり、私は、現在進められている投資サービス法はあくまで我が国の金融資本市場の包括的、横断的法制定のプロセスの中間目標だと言い続けておって、最終的には、先ほどから申し上げているように、金融サービスアンド市場法の制定だというふうに思っています。

 過去のEU金融市場統合効果の先行研究などを参考にしますと、金融サービスアンド市場法の整備による金融資本市場の高質化メリットの試算があるわけですが、資金調達コストが〇・二%引き下げられて、改革実施から七年後の実質のGDPは〇・五五%増加する。そして、これは日本の場合約二・九兆円に相当するわけです。GDPの増加に伴う税収増が年平均二千七百四十億円となるわけですね。そうすると、これは、現在の金融庁の予算百七十一億円よりはるかに大きな金額、増収になるわけですよね。したがって、くどくなりますけれども、私はぜひひとつそういう観点からも早く法整備をお願いしたいというふうに思います。

 それから、もう一つですが、審議会なんですけれども、例えば、実務家パネル、消費者パネル、中小企業家パネルのような形で、イギリスの場合はその三パネルできておるんですね。金融審議会とは別に、私はやはりこういうようなパネルをつくって多くの声を聞くべきだと。

 金融審議会の委員を私もちょっと調べてまいりましたけれども、結局、学者八人、証券八人、銀行三人、企業二人、マスコミ一人、シンクタンク二人というような形で、どこの審議会を見ても大体構成は一緒なんですね。その中には本当に多くのユーザーや国民の代表が入っておるかということになりますと、私はそうではないと思うんですね。

 そういう意味で、こういうような形で金融審議会と別のパネルというのをぜひつくっていただきたい、このように思いますが、いかがでしょうか。

七条副大臣 これについて、私の方からお答えさせていただきます。

 今先生お話がありましたように、金融サービスの機能別、横断的なルールの整備を進めていくことは重要であると考えており、今後とも、消費者、投資家保護ルールの整備を着実に進めてまいりたいと思います。

 こうした法整備の際に、金融審議会におきまして、内閣総理大臣等の諮問に応じて、国内金融に関する制度等の改善に関する重要事項に関して、これをパネルとさっき先生がおっしゃっておられましたが、学識経験者あるいは専門家、産業界あるいは消費者の代表等々の有識者の幅広い分野の方々においでをいただく、あるいは金融の実務家においても専門委員として調査審議をしていただいているところでございまして、今後も、こういう意味では、幅広い分野の方々に御意見をお伺いし、先ほど先生がおっしゃられたようなイギリスや諸外国に負けないような金融サービスに関するルールの整備を着実に進めてまいりたいと考えているところでございます。

鈴木(克)委員 時間がなくなりましたので、最後に、私は要望というかお願いをしておきたいんですが、ちょっと十項目ほどお願いを申し上げますので、後で文書なりで結果をお知らせいただければ大変ありがたいと思うんです。

 一つは、今回の保険業法の一部改正の真の目的は何なのか。二つ目に、任意共済の中には消費者が満足している共済もあると聞いておるけれども、彼らの意見を十分聞いてそれを反映しておるのかどうか。三番目に、なぜ適用外、少額短期保険業、保険会社の三区分にしようとしておるのか。四番目に、任意共済の中で、消費者が満足している共済と問題がある共済、例えば財務基盤だとか悪質というようなものを一律の法律で縛ることは問題ではないのか。五番目、消費者ニーズにこたえる新商品の開発は歓迎されるべきであり、保険会社に対する規制と同様の規制を課すことでその可能性をつぶしてしまうのではないか。六番目、制度共済、農協、全労済、コープ共済等との整合性はどうなるのか。

 もうあと四つだけ申し上げて終わります。

 任意共済への規制については、消費者のためになるものであれば大いに賛成であるが、大手保険会社の立場での改正であれば問題であり、金融審議会の議事録からも、必ずしも消費者のための改正をしているとは思えない。二つ目、制度共済、公益法人については何ら議論されていないのではないか。その次、少額短期保険業者の定義、数値については根拠が不明瞭である。引受限度額や事業規模、そして保証期間等であります。最後に、保険会社と共済とはその成り立ちが異なっており、非営利事業の共済と保険会社のような営利事業を同一の保険業法のもとで規制することは問題であり、保険会社になる場合でも保険業法の中に共済枠を設けるべきである。

 こういうことについて、後で結構でございますから、ぜひひとつ御回答をいただきたい、このことをお願い申し上げて、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

金田委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 保険業法改正案でありますが、これは無認可共済の契約者をいかに守るかという、そのルールを確立するというのが目的だというふうに聞いておりますが、この法案を提案している以上、実態をどう把握するかというのが大変重要だというふうに思っております。どのぐらいあるのかということですが、数千というふうにも言われておりますが、金融庁として独自にどのように把握されているか、まずお答えをいただきたい。

伊藤国務大臣 根拠法のない共済につきましては、監督官庁がなく、その正確な実態把握は困難でございますが、総務省が昨年の四月から十月にかけて根拠法のない共済の実態の調査を全国的に実施をして、同年十月に調査報告を取りまとめたところでございます。

 金融庁といたしましては、総務省からの実態調査の報告を受けたほか、インターネット等により、共済事業を行っていると推定される事業団体百三団体を把握をし、そのうち根拠法のない共済の具体的な事業概況等を把握するため、比較的大規模な共済事業者を中心にヒアリングを行うとともに、昨年十月に金融審議会第二部会におきまして、これまでの審議の状況を整理した論点整理を国民の意見募集に付し、つまりパブリックコメントに付させていただいて、共済事業者を含め百十九件の意見をいただくこと、そして、金融審議会において根拠法のない共済の実態について審議の参考意見を聴取するためヒアリングを行うことなどにより、できる限りの実態把握に努めてきたところでございます。

 このような可能な限りの実態把握を行って、また、金融審議会での検討結果を踏まえ、今回の法改正を策定させていただいたところでございますが、今後、新たに創設される少額短期保険業者の実態を把握するとともに、適切に監督を行っていきたいというふうに思います。

佐々木(憲)委員 この実態把握というのが非常に不十分だと思うんですね。総務省が四百二十二、金融庁が今のお話で百三というのを一応対象として調べてみたということでありますが、例えば総務省の調査の四百二十二の中で、実際には共済を実施していなかったものが百十七ある、既に休廃止していたものが九、所在不明が八十、調査への協力が得られなかったのが五十、こういうものを除きますと実地調査が実際に行われたというのは百六十六なんですね。ですから、四百二十二のうち実体的に把握できたのは百六十六というわけでありまして、これは非常に漠然とした数字であります。実際にそれ以上にどの程度広がっているのか、これがなかなか把握されていない。この漏れたものについてこの法律によってどう網をかけるか、この実効性にやはり問題があるのではないか。この点についてはどのようにお考えですか。

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 実態の把握という意味では、先ほど大臣がお答え申し上げましたように、金融庁独自でも、あるいは総務省の調査でもやっているつもりでございますが、この制度自体も、今仮に共済事業をやっている既存の業者につきましても、この制度がスタートいたしますと、登録で二年間猶予期間を設けて、その間に登録をしていただくということでございますので、それが仮にそういった登録なしで行われた場合にはそれなりの罰則もあるということでございますので、届け出登録をしていただいて、ある意味ではだんだん実態がわかってくる。

 そういったことも含めて、今回はこういった新たな規制の枠組みのもとで実態把握に努めながら、改正保険業法の施行から五年以内に既定の枠組みについて検討し、必要があればそれに基づいて必要な措置を講ずるということにしているところでございます。

佐々木(憲)委員 法律を提案する以上、実態がどうかというのはもうちょっと正確に把握をするというのが当然だと思います。法律を施行してから二年間登録を待ちましょう、やってみなきゃわからぬ、こういう話じゃ、私は、実効性のあるものにならないのではないか、そういう点を指摘しておきたい。

 次に、規制の対象となる事業者の範囲でありますが、例えば制度共済は対象にならないというお答えが繰り返されておりますけれども、この制度共済の中でもいろいろな問題が起こっているわけであります。例えば商工共済というのがありまして、二〇〇二年の四月二十三日に破産をいたしました静岡商工資金協同組合、これは組合員が三千七百人であります。それから、二〇〇二年六月二十五日に破産をした四日市商工共済協同組合は千四百人。二〇〇三年八月二十七日に破産をした佐賀商工共済協同組合は一万六千人と大変な規模でありますが、大変な被害が出ているわけです。

 この被害者の声をお聞きいたしますと、こういう声が上がっております。例えば佐賀商工共済協同組合の場合、飲食店経営の男性は、大学受験を控える長女と長男の学費のために、十八年前から毎日数千円ずつ共済の積み立てを続けてきた。九月中旬で満期を迎え、積立金約一千万円が戻ってくるはずだった。しかし、これがパアになったということです。あるいは、組合には三十年前から加入をして積立金は七百万円だったが、これが戻ってこない。これからどうやって生活していったらいいのかという声もあります。

 さらに、四日市の場合には、定年を迎えた夫を持つ妻から、つらいのに死ねない自分が情けない、こつこつためたお金、どうか返してほしいという声がある。一千万円以上積み立てていたお年寄りが、お金が戻らない、一体どうしたらいいんだ、こういう声が大変多いわけであります。

 こういうものが救済されなければならないと私は思います。こういう共済の被害者がきちっと救済されるように規制をするというのは当然だと思いますが、大臣はどのようにお考えですか。

伊藤国務大臣 今の点につきましては、経済産業省、お見えであると思いますので、所管官庁からまた御答弁があろうかというふうに思います。

 基本的には、やはり法律を所管する所管官庁において適切な対応がなされているというふうに思っておりますし、また、課題があるとすれば、その中で、契約者保護の観点からしっかりとした対応がなされるべきものというふうに思っているところでございます。

 いずれにいたしましても、金融取引における消費者保護の観点から、私どもといたしましては、関係省庁と十分に連携をとり、また相談をしながら、利用者保護の実効性を確保するために対応をしていきたいというふうに思っております。

佐々木(憲)委員 この場合は都道府県が所管をしているということでありますが、まともな対応がなされていないわけであります。経産省からも来ていただいておりますが、経産省としては、この三つの組合の破綻に関連をして、どのような対応をされましたか。

野口政府参考人 お答え申し上げます。

 中小企業等協同組合法におきましては、組合は事業年度ごとに事業報告書あるいは財務諸表を所管の行政庁に提出する義務がございます。また、所管の行政庁は、報告の徴収、検査、監督上の命令をすることができるとされております。

 本件の場合の所管の行政庁は、設立の認可を行った各県ということになります。法を所管いたします当省といたしましては、組合運営に疑義があると思われる組合に対しては、組合の所管行政庁がこれらの手法を用いまして適切に対処することが重要と考えております。

佐々木(憲)委員 所管をしている県がまともに対応していないわけです。法を所管している経産省は、その実態を調査をして、その上で、こういう破綻が起こったということは、これは有効に機能していなかったわけです、したがって、被害者が救済されるようにやはりきちんと指導すべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。

野口政府参考人 あくまでも中小企業等協同組合法におきましては、今般のように問題になった共済組合、こうしたものの運営に疑義があるという組合に対しましては、組合の所管行政庁が先ほど申し上げましたような検査等の手法を用いまして適切に対応するということが基本だというふうに考えております。

佐々木(憲)委員 法を所管しているのは経産省でありますから、この監督が十分に行われていないわけであります、県の監督が。それはしようがない、それは県の責任だと。きちっと所管が機能していないわけですが、それはしようがない、こういう立場なんですか。それとも、不十分な点があれば、もうちょっと何とかしなさいというのが当たり前だと思うんですが、経産省はどういう立場なんですか。

野口政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申し上げましたように、現在の法律上は、所管の行政庁が先ほど申し上げましたような手法を用いて適切に対応するということが基本だというふうに考えております。

 ただ、昨今の事情を踏まえまして、さらに制度的対応が必要か否か、これにつきましては、今後、共済事業を行う組合の実態も十分に踏まえながら検討をしていきたいというふうに考えている所存でございます。

佐々木(憲)委員 そこで、今回の法改正でも、こういう点も含めて省庁にまたがる横断的なルールをつくるというのが私は当然だと思っております。しかし、この法案を見ますと、こういう問題については別問題だということになっていて、ルールの中に入ってこないわけです。

 経産省にお聞きしますけれども、金融庁から今回の法案の検討に当たって具体的な相談がありましたでしょうか。

野口政府参考人 法案の協議におきまして、通常のいわゆる合い議というものが法案提出前に私どもにあったというふうに承知をしております。法案につきまして協議がございました。法案提出前に法案の協議がございました。

佐々木(憲)委員 そうしますと、経産省と金融庁は相談をした上でこういう法案を出したと。経産省は、例えば今問題になっている商工共済などについて、当然、横断的な共通の性格を持っているわけですから、そういうものにすべきだという意見を出すべきだと私は思いますが。

 じゃ、金融庁に聞きましょう。

 経産省からそういうふうな意見を仮に聞いたとして、これは拒否して、独自に金融庁は金融庁でやったということなんですか。

伊藤国務大臣 拒否してとかそういうことではありませんで、今回の改正に当たりましては、政府部内におきましても金融審議会の議論の状況を関係省庁に連絡をさせていただくなど連携をとってきたところでありますし、また、今経産省からも御答弁がございましたように、法案の提出に当たっても、それに先立ち関係省庁と協議を行ってきたところでございます。

 今回の法案の提出につきましては、先ほど来答弁をさせていただいておりますように、根拠法のない共済につきまして、それが急増し、またその業務の内容でありますとか規模というものが多様化していく、あるいは国民生活センターにおける相談というものが増加をしていく中で、これに迅速に対応していくために今回の制度設計をさせていただいて、保険業法の改正案を御審議をいただいているところでございます。

 制度全体、共済全体の問題につきましては、今回の制度設計に当たっては五年以内に見直すという形になっておりますので、関係省庁ともよく連絡をとらせていただいて、そして相談をさせていただきながら、今後のあり方について検討を進めていきたいというふうに思っております。

佐々木(憲)委員 事前に、法案を出す場合に一般的な説明を関係省庁に行うというのは、これはあると思うんですが、しかし、法案作成の過程で、私は、経産省からまともに具体的な実体のある法案の内容についての協議を行ったということは聞いておりません。ですから、これは金融庁が自分のいわば縦割りの部分を囲い込むような形でやったという印象が非常に強い。

 今、五年後の再検討の際には各省庁と協議したいとおっしゃいましたが、この商工共済などについても当然検討の対象に含めるというのは当たり前だと思うんですけれども、いかがですか。こういう問題も含めて検討すると……。

伊藤国務大臣 ぜひ御理解をいただきたいのは、私たちの庭先をきれいにするためにということでこの問題に対する対応をしたわけではありませんし、また私たちの権限を拡大していくためにこの問題に対する対応をしたわけではありません。

 当委員会におきましても、この根拠法のない共済のあり方、そして契約者保護の観点からこれに対してどう対応していくべきなのか、そうした真剣な議論がありました。そういうことも踏まえて金融審議会において一年間にわたって議論が行われ、そしてその報告に基づいて今回の制度設計を提案させていただいたところでございます。

 共済制度全体の問題につきましては、保険業法に基づく保険会社制度及び少額短期保険業者制度、そして現在幅広く行われている根拠法のある共済との関係を含めて、幅広い観点から検討する必要があると考えております。この点について、先ほども御答弁をさせていただきましたように、本法施行後五年以内に行う見直しの中において、関係者の皆様方とよく相談をし、協議をさせていただきながら検討をしていきたいというふうに思っております。

佐々木(憲)委員 それでは次に、この法案の内容なんですが、政令で定めると、今まで何度もここで議論がされておりますけれども、政省令で定めるというのがいかに多いかであります。保険業の定義から始まりまして、少額短期保険業の定義、政令で定めるというのは次から次と出てきまして、これは項目で何カ所、政令あるいは内閣府令で定めるというふうになっているんですか。数を言ってください。

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 今回新たに設ける条文におきまして、政省令に委任している箇所は百十カ所程度になるものと承知しております。

佐々木(憲)委員 百十カ所ですか。(増井政府参考人「はい」と呼ぶ)これは余りにも多過ぎまして、しかも、先ほど配られましたけれども、「現在検討中の内容」が配られても、まだ非常に不明確な点が多々あります。すべて決まってから出せと言うつもりはありませんけれども、しかし、ある程度はっきりしているものについては法律の中に書き込むということをやり、そして、手続的に政省令にするのが正しいというものはそうする、そういう峻別をまずやった上で、しかも、この政省令の中で確定的に言えるものは事前に法案を提出するときに公表する、こういうふうにしていただきたい。今審議中に、先ほど質問が民主党の議員からあったときに全議員に初めてこれが配られたというようなやり方は、私は審議のあり方としてよろしくないというふうに思いますので、指摘をしておきたいと思うんです。

 それで、具体的な内容についてお聞きをします。

 対象になるかならないかということでありますが、例えば小規模な共済は対象とならない、しかし少額短期保険業者は対象になる、こういうことになりますよね。では、その線引きは何なんですか。何を基準にこれは線引きされるんですか。

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の保険業法改正案でございますけれども、今御指摘のように、保険業法の適用除外となる団体といたしまして、小規模な共済ということが一つございます。これは、保険事業におきまして、構成員の自治による監督を理由として契約者の自己責任を問うことが可能な団体がある、そういう観点から、団体の構成員の相互間及び保険の引き受けを行う主体、保険者と契約者との間に極めて密接な関係があることが社会通念上明らかであると考えられる団体を個別に法令で規定するという形で規定しておるわけでございます。

 具体的に、その少人数の共済の具体的な基準でございますけれども、一般に、今申し上げましたように、保険事業について構成員の自治のみによる監督を理由に自己責任を問うことが可能と考えられる規模として、構成員が千人以下のものとすることを想定いたしております。

佐々木(憲)委員 それでは、少額短期保険業者と保険会社の間は何によって線引きをするか。これは、最低資本金十億円、それから保険料収入の総額で五十億円という回答が今までの質疑の中で出たと思うんですが、それでよろしいですか。

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生御指摘の少額短期保険業者と保険会社との線引きでございますけれども、基準が大きく言って二つあると思います。一つは、一定の事業規模の範囲内で行うというのが少額短期保険業者の一つの要件でございます。それからもう一つは、少額短期保険業者という名前そのものから由来しておりますけれども、保険金額が少額で短期の保険のみを引き受けを行う、この二つの要件がございます。

 今先生が御指摘になりました五十億云々というのは、事業規模の基準の方のお話でございます。事業規模の基準につきましては、政令で定めることといたしておりますけれども、今、現行の保険会社、これは最低資本金が十億円ということになっておるわけでございますけれども、この現行の保険会社の最低資本金であります十億円程度の内部留保が必要となる保険料収入を基準にしようという考え方に基づいて一定の機械的な計算をして、御答弁としては数十億と申し上げましたが、今の機械的な計算をすると五十億程度になるということで、それが一つの水準としてまた検討したいということを申し上げているわけでございます。

 それからもう一つは、商品の方の、保険金額が少額で保険期間が短期という問題がございます。これは、先ほど来御説明をさせていただいておりますけれども、保険の種類ごとに政令で定めることといたしておりまして、人、身体に係る保険である生命保険あるいは医療保険については、保険金額が数百万程度、保険期間は一年、さらに、実損てん補の保険でございます損害保険については、保険金額が一千万円、保険期間は二年ということで、それがある意味で線引きの基準ということでございます。

佐々木(憲)委員 今、二つの基準を出されました。一つは保険料収入の総額、それからもう一つは少額、短期、掛け捨てになっているのか、限定されているのか、そうではないのかと。

 それで、それぞれの基準は今の説明でわかったんですが、例えば、保険料収入の総額が五十億円以上あっていながら、扱い商品としては少額、短期、掛け捨てに限定されている、そういう場合はどちらに入るんですか。

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生、五十億円というお話ございましたが、五十億円というのは一つの参考の数値でございますので、必ず五十億円かというと、これからよく検討したいと思っております。

 今の御指摘でございますけれども、今の事業規模の基準を上回るような規模で事業を行っている業者というものにつきましては、少額短期保険業者の定義に当てはまらないわけでございます。したがいまして、仮に少額で短期な商品しか扱わない業者でありましても、当該基準以上の事業規模を有する場合には保険会社の免許を取得することが必要であるということになると思います。

佐々木(憲)委員 私は、保険会社に適用する法律を一律に適用するのが正しいのかどうかという問題が次に出てくると思います。

 不特定多数の顧客を相手にした保険会社の場合と、組合員を対象にした相互扶助的な、協同組合的な性格を持った団体の場合では、これはやはり違うと思うんです。営利を目的としているかあるいは非営利かという区別もできると思いますけれども、いずれにしても、全く同じ基準を一律に適用するというのは実態に合わない。やはり相互扶助的な、協同組合的な性格を持っている共済の場合は、自治を尊重した別のルールというものが必要になるのではないか。こういう点で、例えば政令を考える際に、そういう問題を考慮に入れて政令を考えるのか、それは無視して一律でこういうことをやるのか、どちらですか。

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 今の事業規模の関係でございますが、昨年十二月の金融審の報告の中では、保険会社と異なる規制を導入する場合のメルクマールとして事業規模を中心とすることが考えられる、その際、引き受けリスクの全体の大きさを勘案し、保険料収入等を用いることが適当であるというような指摘がなされております。今回の法案につきましては、こうした考え方に基づきまして、少額短期保険業者の特例の対象となる事業者は、先ほど申し上げましたように、一定の事業規模の範囲内にあるものとして、「その収受する保険料が政令で定める基準を超えないもの」というふうにしております。

 先ほど保険料の考え方を申し上げましたが、そういった基準を超えるものにつきましては、現行の保険会社並みの引き受けリスクを総量として保有することになるというふうに考えておりまして、そういう観点から申し上げますと、やはり保険会社の免許の取得を求めることが合理的ではないかというふうに考えているところでございます。

佐々木(憲)委員 いや、私が聞いたのは、一律に適用するのがいいのか、それとも性格が違うわけだから何らかの考慮が必要ではないかと。

 やはり実態を踏まえた対応というものがないと、これは余りにも……。規模は同じ大きさだと、しかし、全然違うわけですよ、営利を目的として不特定多数に対して営業を行っている会社と、そうではなくて組合員の相互の扶助という性格を持ったものと、これは違うんですよね。そういう実態を踏まえた対応をするのかどうか。一律にやるのか、それとも実態に対応したやり方をするのか、そこを聞いているわけです。その答えになっていないですよ、今のは。

増井政府参考人 お答え申し上げます。

 今の、いわゆる組合的な性格のものとそうではないものについてどう区分するのかというか区別すべきではないかということでございますが、もともとこの根拠法のない共済を検討する際にも、そういった組合的なもの、組合の構成員が真に限定され、その自治に任されているというようなものについては適用除外にしようという考え方で適用除外にしたわけでございます。

 そうでなくて、かなり事業規模が大きい、仮に商品が限定されていても事業規模が相当大きい、そういった事業者につきましては、先ほどちょっと申し上げましたようにリスクの総量、その団体が抱えているリスクの総量というのが相当大きいというふうに考えられるということで、そういった観点から保険業としての免許を取っていただきたい、そういう観点で今回の法改正をお願いしているところでございます。

佐々木(憲)委員 私は何もルールがなくていいと言っているんじゃないんです。ルールの適用の仕方なんです。それを一般の保険会社と同じような形で一律に適用していいものかどうか、そこは当然検討した上で対応するというのは当たり前じゃないですか。大臣、それはもう当然のことだと思うんですね。いかがですか。実態に応じるのは当然でしょう。

伊藤国務大臣 実態を踏まえてということは非常に重要なことだというふうに思っておりますし、また、政省令を策定するに当たっては、パブリックコメントに付させていただいて、幅広い関係者の皆様方の意見を十分聞きながら策定をしていきたいというふうに思っております。

 ただ一方で、私どもとして留意をしておかなければいけないのは、やはり基準というものはできるだけ明確化していく、そして、潜脱的な行為が起きないような、そういう配慮というものもしっかりやっていく必要がありますので、そういう点を十分勘案しながら今回のような制度設計をさせていただいたところでございますけれども、関係者の皆様方の意見というものを十分聞きながら、政令については制定をさせていただきたいというふうに思っております。

佐々木(憲)委員 以上で終わります。

    ―――――――――――――

金田委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 財政及び金融に関する件調査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後二時四分散会


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