衆議院

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第4号 平成17年10月18日(火曜日)

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平成十七年十月十八日(火曜日)

    午後二時五十八分開議

 出席委員

   委員長 小野 晋也君

   理事 石原 伸晃君 理事 江崎洋一郎君

   理事 遠藤 利明君 理事 竹本 直一君

   理事 渡辺 喜美君 理事 永田 寿康君

   理事 古本伸一郎君 理事 石井 啓一君

      井澤 京子君    石原 宏高君

      木原  稔君    倉田 雅年君

      佐藤ゆかり君    鈴木 俊一君

      関  芳弘君    薗浦健太郎君

      高鳥 修一君    谷川 弥一君

      土井 真樹君    中根 一幸君

      平口  洋君    藤田 幹雄君

      藤野真紀子君    松本 和巳君

      松本 洋平君    宮下 一郎君

      山本ともひろ君    小沢 鋭仁君

      鈴木 克昌君    田村 謙治君

      長安  豊君    平岡 秀夫君

      三谷 光男君    吉田  泉君

      鷲尾英一郎君    谷口 和史君

      佐々木憲昭君    中村喜四郎君

    …………………………………

   国務大臣

   (金融担当)       伊藤 達也君

   内閣府副大臣       七条  明君

   内閣府副大臣       西川 公也君

   農林水産副大臣      宮腰 光寛君

   財務大臣政務官      倉田 雅年君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 堀田  繁君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局長)  三國谷勝範君

   政府参考人

   (金融庁監督局長)    佐藤 隆文君

   財務金融委員会専門員   鈴木健次郎君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 銀行法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一四号)


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     ――――◇―――――

小野委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、銀行法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として金融庁総務企画局長三國谷勝範君、金融庁監督局長佐藤隆文君、内閣府大臣官房審議官堀田繁君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

小野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石原宏高君。

石原(宏)委員 自民党の石原宏高です。

 本日は、銀行法等の一部を改正する法律案について御質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 実は、一昨年の前々回の衆議院選挙に立候補するまで、旧日本興業銀行またみずほフィナンシャルグループで十五年間、金融マンとして働いてまいりました。最後のみずほフィナンシャルグループにいるときに、実は私のセクションで、全銀協を通して、銀行の証券の仲介業務の参加とか、また信託代理店業務の参加等について金融庁の方にお願いするような準備をしていたものですから、その後に、昨年の四月から証券仲介業務が銀行もできるようになりまして、また十二月からは信託代理店業務もできるようになりまして、まさに今回の法改正で銀行業務について幅広く代理店業務ができるということで、私自身、金融商品のワンストップショッピングというものがまさに解禁されるようになったのではないか、そういう印象を受けております。

 また、今金融業界、大変厳しい競争の中にさらされておりますので、なかなか不採算な店舗を維持していくというのは難しい中で、利用者の利便性を考えたときに、幅広く代理店業務といったものを拡大していくということが私はやはり利用者にとって重要であると思いますし、また金融機関にとっても絶対に必要不可欠なことだと思いますので、まさにこの法案がすばらしい法案であるというふうに感じております。

 最初に御質問させていただきたいと思うんですが、まさに今回の銀行法等を一部改正する法律案によって銀行代理店業務が幅広く認められるようになったということによって、金融審議会が発言しておりました金融商品に対するアクセスの改善といった目的というものはほぼ達成されるのか、それともまたさらに新たなる改正というものが行われていくのかどうか、そのことを少し教えていただけますでしょうか。

伊藤国務大臣 委員は、今お話がございましたように、金融マンとして第一線で活躍をされて、今回の規制緩和にかかわる仕事もされてきたということでございますので、そうした視点から今回の法律案の意義について御指摘をいただいて、私どもも、そうした御指摘をしっかり受けとめながら、今回の法案が利用者利便の向上につながり、そして銀行経営の柔軟かつ効率的な経営に資するように、しっかりとした運営をしていかなければいけないというふうに思っております。

 委員からは金融審議会の答申を御紹介いただいて、その中でも金融商品に対するアクセスの改善を図っていくことが重要である、こうした提言をいただいているところでございますが、これとともに、昨年公表しました金融改革プログラムにおきましても、利用者のニーズに応じて多様でそして良質な金融商品・サービスというものが適時適切に提供されるようにするためにも、銀行等の参入形態の多様化が盛り込まれたところでございます。

 最近の金融制度改革におきましては、先ほど委員からも御紹介ございましたが、証券仲介業の創設及び銀行等への同制度の解禁、そして信託契約代理店等の創設など、金融商品の販売チャネルの多様化、拡充が図られてきているところでございます。

 本法律案におきまして銀行代理店制度の見直しをさせていただくわけでありますけれども、このことは、金融商品に対するアクセスの改善といった観点からも一つの段階に到達したものと言えるのではないかと考えておりますが、引き続き、金融改革プログラムに掲げた諸施策の実施を通じて、利用者のニーズに対応し、利便性の一層の向上に努めていきたいと考えております。

石原(宏)委員 ありがとうございます。

 ちょっと繰り返しの質問になってしまうかもしれないんですけれども、金融大臣また金融庁として、将来的に証券取引法の六十五条を撤廃してユニバーサルバンキングを目指していくお考えというのは、今現在ではあるのでしょうか。

伊藤国務大臣 今回の銀行法の改正につきましては、これは銀行代理店業の担い手を拡大していく、そして幅広い形態で参入を認めるものでございますので、融資等の銀行業と証券業との間における利益相反防止の観点からの証取法第六十五条に関する議論とは切り離して考えるべき問題であると思っております。

 銀行の証券業務への参入の範囲は、弊害が小さいと考えられる業務から順次拡大をしてきており、昨年の十二月には証券仲介業務を銀行等に解禁させていただいたところでございますけれども、六十五条の根拠になっております利益相反やあるいは銀行の優越的地位の乱用の可能性は、今なおその重要な論点であると考えております。

石原(宏)委員 どうもありがとうございます。

 次に、顧客保護の観点からちょっと質問をさせていただきたいんです。

 銀行代理店業務が緩和をされて、銀行が扱う金融商品に対するアクセスが改善されることは、先ほども述べましたように、利用者の利便性を向上するということで好ましいことなんですが、その利便性の向上と同時に、やはり利用者の安全に対してしっかりと配慮をする必要があると思うんです。

 今回の改正案の中では、代理店業者と契約を結ぶ所属銀行が、代理店業者がその銀行代理店行為について顧客に加えた損害を賠償する責任を負うこととするというふうに規定していますけれども、例えば、つい最近大変問題になりましたキャッシュカードのスキミングといった犯罪が代理店業者もしくはその従業員の遺漏によって発生する場合、また、全く関係なく発生した場合に対して、例えば代理店業者で口座を開設しキャッシュカードを手に入れた顧客というものが、その損害賠償の請求を銀行に直接できるのでしょうか。また、全銀協のルールができたと思いますけれども、銀行で口座を開設してキャッシュカードを手に入れた利用者と、代理店業者を窓口にして口座を開いてキャッシュカードを手に入れた利用者と、同じような対応になるという理解でよろしいでしょうか。

三國谷政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の法案におきましては、委託元銀行は代理店が顧客に加えた損害を賠償する責任を負うこととしております。

 御指摘のような、キャッシュカードをめぐり、代理店が過失により顧客に損害を与え、損害賠償責任が認められるような場合につきましても、基本的には委託元の銀行もまた賠償する責任を負うことになるものであります。

石原(宏)委員 どうもありがとうございました。

 あと、この法案に関するポイントとして、ちょっと繰り返しになってしまうと思うんですが、やはり代理店業者に対する監督と検査の問題があると思うんです。法案上は、内閣総理大臣が、銀行代理店業者に業務等の状況に関し報告または資料の提出を求めたり、職員による検査を行ったり、また、監督上必要な措置を命じたり、許可の取り消し、銀行代理店業務の全部または一部の停止を命ずることができるというふうにしております。

 この前、財務金融委員会の中で、では、実際の金融監督庁としての銀行代理店業者に対する検査みたいなものがどういうふうに行われるか、その体制についてお話を伺ったんですけれども、各財務局に二名程度の担当者がいて、十の財務局で二十名、また、金融庁の方に五名の担当者がいて、この二十五名で銀行代理店業者の認可の手続から、また検査を行う、そういう解釈をしたんです。

 それと、もう一つ。では、実際に一年間、これが解禁されて銀行代理店業務に携わる会社がどのぐらいふえるかという話の中で、現行二百社あるものに対して、プラス五百社ということで七百社ぐらいというお話を伺いまして、例えば、もし五人の担当官が五営業日、銀行代理店業者に検査に入ったときに、ざくっと計算してみて、土日は除くと、三年に一度ぐらいしか入れないのかなというようなイメージを持ちました。

 そうすると、やはり所属銀行による指導というか監督というものが大変重要になると思うんです。私は銀行にいたものですから、いろいろな金融不祥事がある中で、銀行の中のセクションの検査なんか年に一度行われるようになったということで、私自身、この代理店業務を幅広く認めることはいいとは思うんですけれども、やはり所属銀行が年に一度ぐらいこの銀行代理店業者に対して監督というか検査のようなものを行う必要があるのではないかというふうに思います。

 そして、もしそういう同じような考え方を持っていただけるのであれば、今、金融監督マニュアルですかがありますけれども、そういうものにこの銀行代理店業者に対する監督を一年に一度行うようなことをしっかり記載した方がいいと思うんですけれども、その点いかがお考えでしょうか、教えていただけますでしょうか。

佐藤政府参考人 銀行代理業者に対する当局の規制についてでございますけれども、ただいま委員から御指摘いただきましたように、当局が直接、報告徴求、立入検査を行ったり、あるいは業務改善命令を出すということも可能でございますけれども、基本的には、まずは所属銀行に対する当局の検査監督の中で対応するということを基本といたしております。

 具体的には、所属銀行本体に対する検査監督におきまして、銀行代理業者に対する業務の指導等に問題があると認められた場合には、必要に応じ所属銀行から報告を求め、その結果によっては所属銀行に対して業務改善命令を出すということで、銀行代理業者に対する業務指導の体制の改善を求めていくという体制でございます。

 それで、委員からの御提案は、こういった日常業務を私どもやる際に監督指針というものを持っておりますが、これは御案内のとおり、日常の私どもの監督業務の際に注意を払うべき主要な着眼点とか留意点というものを記載したものでございまして、あらかじめ公表をし、監督を受ける金融機関の側にも承知をしておいていただく、こういう枠組みでございますけれども、この監督指針に、所属銀行による銀行代理店に対する検査、指導の基準のようなものを記載してはどうかという御提案であろうかと思います。この点は、私どもといたしましても、一つの有力な選択肢になるのではないかというふうに思います。もちろん、銀行がどの程度の、あるいはどのような密度の検査、指導を行うべきかというのは、代理される業務の内容とかさまざまな要因によって変わってくると思いますので一概には言えませんけれども、一つの選択肢であろうかと思います。

 いずれにいたしましても、私どもとしては、銀行代理業者の適切な業務運営を確保するために、こういった選択肢も含めまして、所属銀行による指導が実効性のあるものになるような、そういう仕組みを検討してまいりたいというふうに思っております。

石原(宏)委員 どうもありがとうございます。

 しっかりと銀行を指導して、銀行が銀行代理店をしっかりと指導できる枠組みをつくっていただければと思います。

 次に、これは当たり前のことかもしれないんですけれども、ちょっと気になっていることがあります。もし銀行代理店業者が海外送金なんかを扱ったときに、マネーロンダリングもしくは送金をしてはいけない国等に送金をしないようにやはり徹底されなきゃいけないと思うんです。ちょっとうろ覚えなんですが、疑わしき取引みたいなものは銀行が金融庁の方に報告をしたと思うんですが、もし、ただ海外送金を銀行代理店が扱うようなときは、その報告というのは、銀行代理店から所属銀行を経由してきっちりと金融庁の方に御報告されるということでよろしいでしょうか。

七条副大臣 この問題について私の方からお答えをさせていただきます。

 石原先生、現場におられた関係もあってそういうことに詳しいのであろうと思いますけれども、このマネーロンダリングの問題、特に海外送金の問題につきましては、本人確認法あるいは組織的犯罪処罰法などによりまして、銀行本体は、代理店における取引を含めて、本人確認やあるいは疑わしい取引の届け出を行う義務がございます。当然、銀行本体の責任において代理店も本人確認をやることになるということでございますし、このために、疑わしい取引の届け出については届け出義務等が課せられる、銀行本体から報告を受けるということでございます。もう一方で、また、銀行代理店における本人確認等、マネーロンダリングなどの防止のための必要な対応も、銀行本体の責任のもとで適切に実施をしていかなければならない。

 私たちといたしましては、銀行代理店におけるマネーロンダリング等の対応につきましては、適切に行うよう検査監督に努めてまいらなければならないと考えているところでございます。

石原(宏)委員 どうもありがとうございました。

 私も若いころに窓口をやっておりまして、中国人の方が六百万円ぐらいキャッシュを持ってきて、それを数えて送金をしたことがあって、そのときにちゃんとパスポートを確認したりしたんですけれども。そういうことをまず代理店がうっかりやってしまって、それが何か麻薬組織みたいなものに関与していて、例えば海外で報道されたりして、こういう代理店業務が広く行われるようになったからそういう犯罪、うっかりがたくさんふえてくると日本の評判も落ちてしまうので、そういうこともしっかり徹底していただきたいと思います。

 最後の質問になりますけれども、これもちょっとテクニカルな話になってしまうんですけれども。銀行法上いわゆる五%ルールというのがあると思うんですが、その兼ね合いでちょっと質問をさせていただきたいんです。

 五%ルール上、銀行は金融関連子会社以外の会社については五%超の株式を保有することができないという理解でありますけれども、今回の法案が通過した後に、例えば不動産業を主業とする会社が銀行代理店業務を行うことになって、だからといって、その不動産会社が金融業務をやっているからこの会社は金融関連会社なんだというふうに言って、その後にこの銀行がこの不動産業を兼業する会社の五%超の株式を保有するようなことはまずできないと思うんですが、そういうことの徹底と、できないという解釈でよろしいでしょうか。

三國谷政府参考人 御指摘のとおりでございます。

 代理の問題と子会社の問題は別の問題でございまして、不動産業者などの一般事業会社が銀行の代理店となりましても、そのことによりまして金融子会社として扱われその株式の五%超を取得するようなことができるようになるわけではございません。

石原(宏)委員 ありがとうございました。

 ちょっと時間が早いんですけれども、以上、私からの質問とさせていただきます。どうもありがとうございました。

小野委員長 それでは、続きまして、谷口和史君。

谷口(和)委員 公明党の谷口和史でございます。

 私の方からは、銀行の経営戦略、また利用者の保護、そういった観点から質問を幾つかさせていただきたいと思います。

 日本では、バブルの崩壊以降、銀行の数も、またその店舗の数も減少を続けてきたわけですけれども、アメリカを見ますと、合併や経営統合などで銀行数は減っておりますけれども、このところの短期金利の引き上げなどを背景に、銀行が小口預金の取り込みに力を入れてきたことなどから、店舗数は増加傾向にあります。日本もこれまで超低金利、ゼロ金利が続いてきたわけですけれども、今後金利が上昇に向かうことは間違いなく、米国と同じように、預金契約の拡大が銀行の収益にとって大きな位置を占めてくるのではないかというふうに考えます。

 今回の改正案、利用者の利便性向上を目的としたものですけれども、銀行にとっても収益基盤の強化という点で代理店を活用した戦略は非常に重要だというふうに考えるんですが、伊藤金融担当大臣の見解はいかがでしょうか。

伊藤国務大臣 今委員が御指摘をされましたように、これからの日本の金融システムのあり方を考える場合にも、やはり利用者の満足度が高くて活力ある金融システムというものをつくり上げていかなければならない。その場合に、利用者利便の向上とあわせて、経営の効率化が図られるような、そういう環境整備をしていかなければならないというふうに考えております。

 そうした観点からも、今回の銀行代理店制度の見直しというのは非常に重要な制度改革だというふうに考えておりまして、幅広い形態の銀行代理業の参入を認める、その結果として、金融機関にとっては、代理店の有する幅広い顧客ネットワークを新たな顧客層の掘り起こしのためのツールとして利用することが可能となりますし、また、効率的そして柔軟な店舗展開が可能になるというふうに考えております。

 また、今回の改正で信用金庫が銀行や他の信用金庫の代理店となることができるようになることから、現在信用金庫では取り扱っていないような商品やサービスというものを既存の顧客へ提供していく道も開かれていくわけであります。このことによりまして、顧客に対するサービスが向上して顧客の流出の防止につながり、また、新たな金融商品の開発負担の軽減、手数料収入などが期待できるのではないかと考えているところでございます。

谷口(和)委員 ありがとうございます。

 先ほど少しアメリカの例を紹介させていただいたんですけれども、今回の改正案では、外資系の銀行も邦銀と同じ条件で日本国内で一般業者や信金などと代理店契約を結ぶということは可能なのでしょうか。

三國谷政府参考人 お答え申し上げます。

 改正後の銀行代理業制度におきましては、外国の法令に準拠いたしまして外国において銀行業を営む者が我が国において支店を設置し銀行業の免許を受けたもの、外国銀行支店といいますが、これも国内銀行と同様、銀行代理業制度を活用し、一般事業会社や信用金庫などと代理店契約を結ぶことが可能になります。

谷口(和)委員 ありがとうございます。

 そうすると、今後、外銀も代理店を利用してサービス網を日本全国に広げることも考えられ、国内の競争が活発化するということも想定できるかと思うんですけれども、競合によってサービスが向上していくという点から、これはやはり消費者、利用者にとっても非常にいいことであるというふうに考えるんですけれども、大臣の見解はいかがでしょうか。

伊藤国務大臣 健全な競争によってサービスの質が向上していくということは、これは消費者にとってプラスのことだというふうに考えております。

 今回の改正によりまして、外国銀行も含めてすべての預金取扱金融機関にとって、地元の百貨店やホテルを代理店として店内にカウンターを設けて銀行口座の開設をすることができますし、また、宅建業者や不動産業者を代理店として住宅ローンの勧誘、取り次ぎを行うといった、代理店を活用した店舗展開が可能となるわけであります。

 このように、今回の銀行代理店制度の活用によって販売チャネルというものが拡大をして、外国銀行により提供されるものも含め、金融サービスへのアクセスが改善することは利用者の利便性の向上につながるものと考えております。

谷口(和)委員 ありがとうございます。

 米国の例でありますけれども、アメリカでは顧客のニーズに対応するために、週七日の営業を行ったり、また、金曜日に窓口を午前零時、夜中まであけていることなど、さまざまな工夫が行われているようであります。

 今回の銀行法の改正案、例えば、代理店は二十四時間営業で口座開設とか送金などこういったサービスを提供することも可能になるのでしょうか。

三國谷政府参考人 まず、銀行法本体の方の御説明をさせていただきますと、銀行の営業所の営業時間につきましては、午前九時から午後三時まで、これが確保されている限り、これは必要最小限でございまして、それから先、銀行の創意工夫によりまして営業時間を延長することは妨げられておりません。

 次に、今回の銀行代理業者の場合でございますが、この場合には、当座預金を取り扱う場合、これは法案上特定銀行代理業者としておりますけれども、これにつきましては、決済システムの安定の確保の観点から、銀行と同様午前九時から午後三時までは確保するように定めているところでございますが、この時間帯が確保されている限り、営業時間を創意工夫により延長することは妨げられておりません。

谷口(和)委員 ありがとうございます。

 次に、利用者保護の観点から、確認の意味も含めまして質問をさせていただきたいと思います。

 銀行代理業者が顧客に与えた損害については銀行本体が損害賠償の責任を負うというふうにされていますけれども、具体的に申しますと利用者は一体どういった損害を受けるのか、具体例を挙げてお教えいただければと思います。

三國谷政府参考人 例えば、銀行代理店の従業員等が横領するケースでございますとか、あるいは管理失当によりまして物を紛失する場合でございますとか、あるいは分別管理がうまくいきませんでその区別がつかなくなる場合等々が考えられるところでございます。

谷口(和)委員 一方、銀行の損害賠償責任についてですけれども、これが免除されるのは、代理店委託をする際に相当の注意をし、損害の発生の防止に努めた場合に限定されるというふうにされていますけれども、こういった規定を入れた趣旨というのはどういったところにあるのでしょうか。

三國谷政府参考人 若干法律面の御説明をさせていただきますけれども、民法七百十五条で使用者責任というのがございます。ただ、この一般則に従いますと、当該責任を認めるための要件であります委託元銀行と代理店の間の使用関係、これが常に認定されるとは限らない、これが一般則上の問題がございます。

 このため、今回の法案におきましては、銀行代理店が顧客に与えました損害につきまして、委託元銀行が原則として損害賠償責任を負うということといたしましてその責任を明確化している、これがまず一点でございます。

 続きまして、委託元銀行が委託を行うことについて相当の注意をし、かつ顧客に加えた損害の発生の防止に努めたことを立証した場合に免責されるという規定がございますが、これは一般民事上のルールにつきまして、これをそのまま適用するというか、それに倣いましてこのような規定としているところでございますが、民法の使用者責任については事実上かなり無過失責任に近い運用がなされていると言われておりまして、実際に免責が認められる場合は極めて限定されていると考えております。

谷口(和)委員 大変ありがとうございました。

 最後に、消費者そしてまた利用者が実際に使いやすい制度になるよう、運用上万全の措置をとっていただくことを要望いたしまして、私の質問とさせていただきます。ありがとうございました。

小野委員長 それでは、続きまして、吉田泉君。

吉田(泉)委員 民主党の吉田泉です。私の方からも、今回の銀行法の一部改正案、質問をさせていただきます。

 私は、きょう大きく三つほど御質問したいと思っております。一つは、郵便局と今回の改正との関連でございます。それからもう一つは、貸金業との関連であります。そして、時間があれば証券業との関連、大きくこんなふうに質問をしてまいります。

 まず最初に、郵便局と今回の改正案との関連であります。

 今回の法改正の最大の目玉は、要するに銀行代理店制度を見直す、拡充する、こういうことであります。いろいろな会社、個人が代理店業に参入してくると予想されますが、金融庁の事前の説明、資料によりますと、代理店に入ってくる具体的な会社として、例えば百貨店とかホテルとかスーパーマーケットとかそういう例を挙げて説明がありました。

 しかし、郵政民営化法案が通りました。現実問題、二万四千という郵便局ネットワークが全部代理店に入ってくるとなると、ホテルとかスーパーマーケットもあるかもしれませんが、全体的なイメージとしては、圧倒的に郵便局というのが銀行代理店の主要なシェアを占める、こういうふうになるんじゃないかと思います。

 そこで、まず、金融庁としてはここ数年でどのぐらい銀行代理店の店舗が開店すると見込んでおられるか、そして、その中で郵便局はどのぐらいのシェアを占めるとお考えなのか、お伺いします。

伊藤国務大臣 参入規模についてのお尋ねでありますけれども、現在銀行代理店については大体二百弱存在いたしますが、ここに一般事業者の参入を認めることになりますので、そのことによって増加する、こうしたことを考えますと、参入業者数として五百程度を想定して銀行代理店に対する初年度の検査監督体制を整備することと考えているところでございます。

 郵政民営化における郵便局ネットとの関連でありますけれども、民営化は平成十九年十月ということでございますので、この五百の数字の中にはカウントをいたしておりません。今後の郵政民営化の状況というものを注視しながら、私どもとして、それを踏まえた監督検査の体制整備というものを進めていきたいというふうに思っております。初年度はその五百ということを想定した体制整備をしていきたいと考えているところでございます。

吉田(泉)委員 五百というのは会社の数であって店舗の数ではないと思いますが、店舗の数についてはやってみないとわからぬというところもあると思いますので、次の質問に移ります。

 郵便局を初めスーパーマーケット、ホテル、そういう一般の事業者が代理店に入ってきます。一般事業者が兼営する代理店、そういうところでは業務の内容として個人ローンまではできる、しかし事業会社向けの事業ローンは扱えないということに金融庁の方の基準がなっているようであります。一方で、郵便貯金銀行ができますが、そうしますと民営化から十年ぐらいのうちに大いに融資業務に進出する、郵便貯金の残高は百四十兆円ですが、この四分の一ぐらい、三十五兆円ぐらいは融資に向けたいという計画があります。三十五兆円が全部事業向けとは思えませんが、消費者向け、個人向けと事業向けの両方あると思いますが、先ほど申し上げた代理店の業務範囲、一般事業者は代理店になっても事業向けローンはできない、原則できないという基準があるわけですが、そうしますと、郵便局もできないということになるのでしょうか。

三國谷政府参考人 お答え申し上げます。

 郵便局株式会社も制度上は一般事業者でございまして、新たに事業向け貸し付けの媒介業務を扱おうとする場合には、兼業内容が当該貸し付けの媒介業務に支障を及ぼすおそれなどの要件につきまして個別に判断する必要がございます。

 その際、郵便局株式会社につきましては、一つは特殊会社として総務大臣の監督を受けること、それから、従来から預金、為替などの銀行業務に相当する業務を行ってきていること、それに伴う社会的信用といったことのほか、審査体制や内部管理体制の状況、これを総合的に勘案いたしまして、問題がなければ認められるものと考えております。

吉田(泉)委員 そうしますと、郵便局事業向けローンは問題がなければ認められ得るというような御答弁だと解釈します。

 それから、三つ目の郵便局関連の質問ですが、そもそも、今回の法改正の目的の一つは、国民の金融アクセスを改善する、そのために代理店をふやすんだ、こういうことだと思います。

 それで、金融排除の問題ですが、山間僻地に代理店ができたがなかなか採算がとれない、撤退する、閉鎖される、こういう場合、まあ金融排除のおそれがある場合ですが、今回の法律では、そういう金融排除に対して何か対応ができるものなのかどうか、あくまで山奥の郵便局の場合は貯金銀行と代理店である郵便局のその両者にお任せするしかないのかどうか、そこをお伺いしておきます。

伊藤国務大臣 今の委員の御質問を必ずしも正確に私はとらえられていないかもしれませんが、今回の改正は、今委員からも指摘がございましたように、幅広い事業者に銀行代理業へ参入することを認めるわけでございまして、このことによりまして代理店が有する顧客ネットワークを活用して、販売チャネルを拡大して、利用者の金融サービスへのアクセスを拡大する観点から行われるものでございます。

 したがいまして、金融排除の御指摘がございましたけれども、支店設置が難しい地域におきましても、利用者の金融サービスへのアクセスを改善、向上することができる、可能になるものと私どもとして考えているところでございます。

吉田(泉)委員 いずれにしましても、金融排除の問題というのは、結局、日本人はこれからどこに住むのかという問題につながってくると私は思います。町場、都会や都市部だけでいいのか、やはり長い目で見ると、山間部、離島、こういうところに日本人が住んでいけると。そして、そういう多様な日本人がいることによって日本の活力が出てくる、そういうことに直結するような大事な問題だと思っております。

 二つ目の大きなくくりですが、貸金業と今回の法改正との関連ということでお伺いします。

 先週の十月十四日のこの委員会で、民主党の鷲尾委員の方からも質問が出ました。それに対して副大臣の御答弁は、消費者金融会社は代理店参入については原則として認められないという答弁がありました。まず、その理由をお伺いします。

七条副大臣 これは私の方がお答えさせていただいたものですから、私の方からお答えさせていただきます。

 今先生御指摘のとおり、原則としてということでございますが、原則基本的にと私は答えたのではないかと思っております。その観点から申し上げますと、消費者金融業者については、貸金業を主たる業務としており、これに加えて銀行代理店として銀行の貸し付けの代理あるいは媒介を行うこととなると、みずからが有する顧客に対する債権との関係で利益相反的行為が行われるおそれがあることから、基本的に貸付業務の代理、媒介が認められないものと考えているところでございます。

吉田(泉)委員 利益相反ということですが、事前に金融庁からいただいた参考資料を今手元で見ているんですが、代理業者は貸付契約は自分では結べない、貸付契約締結の権限はない、あくまで媒介しかできないんだ。締結するのは親銀行である、こういう基準がありますね。それでも貸金業は代理業になってローンを組むことはできないんでしょうか。

七条副大臣 一番問題になりますのは、債権があるのか、いわゆる借金があるのかないのか、そういう問題的なものがありますから、例外的に、ない場合を一つ申し上げてみたらと思うんですけれども。

 基本的にと申し上げましたが、あくまでも想定上のケースでありますけれども、例えば預金担保貸し付けなど代理店において顧客を選定する余地が極めて限られた定型的な取引であれば、内部管理体制やいわゆる審査体制などを勘案して例外的に認められる余地もあるのではないかと考えられるという意味で、基本的にはと。

 しかしながら、基本的に、さっき申し上げたとおり、消費者金融については代理店の参入は認められない、こういうふうに考えていただければと思っております。

吉田(泉)委員 ちょっと別な視点から見ますと、これも金融庁の資料ですけれども、代理店を許可するときの基準がいろいろあります。その中の一つに、兼業の内容が法令に抵触しないというのが条件になっております。当然だと思います。

 それで、私は、この間の副大臣の御答弁を聞いて、貸金業、まあ消費者金融会社は代理店の許可が基本的にはされないという御答弁を聞いたときに、さっと思い浮かんだのは、貸金業者は、利息制限法、一五%とか二〇%とか制限されている法律を超えて営業を現実問題しているわけです。それが、つまり、利息制限法に抵触する営業をしているから代理店として認められぬのじゃないのかなというふうな思いを持ったんですが、その点はいかがでしょうか。

七条副大臣 基本的に、先ほど申し上げましたように、利益相反的行為としては、銀行による貸付資金を、みずからが有する回収困難ないわゆる貸付債権の返済に充てるというところが想定をされる。そういう意味も含めて、貸金業については、いわゆる消費者金融については基本的には認められない、こういうことであろうと思います。

吉田(泉)委員 法令抵触というよりかは利益相反というのが認められない大きな要因だということだと思います。

 そうしますと、この間は消費者金融会社は認められないという御答弁だったですが、同じく貸金業の範疇に入る、例えばクレジット会社、商工ローン、いろいろございますが、これも原則認められないということでよろしいんでしょうか。特にクレジットについては、銀行系のクレジットもあります、それについてもだめだということなんでしょうか。

七条副大臣 御指摘の業者が銀行代理店業者として貸し付けの代理、媒介が認められるか否かについては、今のクレジット会社や商工ローンのような場合も含めて、これはケース・バイ・ケースで内部管理体制などを踏まえて判断せざるを得ないと考えておりまして、一つ、先ほどありました商工ローン業者については、消費者金融業者と同様貸金業者であることから、基本的に銀行代理店としての貸付業務の代理、媒介は認められないものと考えております。

 もう一つ、クレジット会社につきましても、ケース・バイ・ケースで考えなければならないことが出てまいりますが、顧客に対してクレジット債権、いわゆる月賦のようなもの、債権として、先ほど借金をするしないという問題がありますが、そういう月賦販売などを抱えている関係もありまして、銀行代理業務をあわせて行うこととの関係において利益相反的な行為を誘発しかねない。これらについても慎重に判断をして、ケース・バイ・ケースで考えていかなければならない。したがいまして、クレジット会社については慎重な判断が必要であろうかと考えております。

吉田(泉)委員 クレジット会社や商工ローンについても利益相反という心配があるということだと思います。

 そこで、一方でここ数年、ここ四、五年、銀行といわゆる貸金業との提携ですね、資本提携、業務提携が進んでいるわけです。まず、その両者の提携の実態についてお伺いします。

七条副大臣 先生おっしゃるとおり、よく知っていただいているのではないかと思いますが、銀行においては貸金業者に対する出資や貸金業者との提携による消費者金融会社の合併運営といった資本提携、業務提携を通じて、リテール取引の強化を図る動きが今見られているところでございます。

 具体的に申し上げますと、銀行が貸金業者に対して出資を含む業務提携を行っているものが二つありまして、東京三菱銀行グループによるアコムに対する出資、あるいは三井住友銀行によるプロミスに対する出資がございます。

 また、銀行が貸金業者と提携をして新たに消費者金融会社を合併で運営していく事例といたしましては、UFJ銀行とプロミスによる株式会社モビットの運営、三井住友銀行とプロミスによる株式会社アットローンの運営、それから、東京三菱銀行とアコムによる株式会社DCキャッシュワンの運営等々の事例がございます。

 先ほど合併と申し上げたかもわかりませんが、合弁という意味のものでございまして、合弁会社でやる場合がこういう三つの例でございます。

吉田(泉)委員 そうしますと、利益相反する銀行と消費者金融が、一方では業務提携、資本提携しているという実態もあるわけでございます。

 例えば、きょうの朝刊で消費者金融会社の広告が大きく出ておりました。これは今副大臣がおっしゃったモビット、UFJが五〇%の株を持っているモビットという消費者金融ですが、これを見ると、モビットという消費者金融会社の自動契約機ではないようですが、消費者金融の申し込みの自動機械、これがUFJ銀行の店頭に置かれている。恐らくすべての支店に置かれているような感じで私は見たんですが、現実には、銀行の店頭に消費者金融の自動貸付機といいますか、それが置かれているというのが、そこまで来ているという時代であります。利益相反という考え方だけでいいのかなという疑問をちょっと持っているところでございます。

 それで、この貸金業という問題、非常に大きな社会問題を抱えていると私も思っております。いわゆる多重債務で多くの人が人生を破綻させるような問題が起こっている。政治としては、何とかセーフティーネットということを考えなければならない非常に大きな課題がそこにあると思っております。

 それで、今短期的には、今のままの消費者金融に、貸金業に銀行の代理店業務をやらせるというのは私も大変危険だと思います。ただ、長い目で見ると、今資本提携、業務提携の話がありますけれども、銀行が消費者金融という分野にもっと進出すべきだ、銀行が進出することによってこの消費者金融という業態を正常化していく、つまり、利息制限法を超えたような高利でのローンをやめていく、そういう方向がいいんじゃないかなと私は個人的には感じているところであります。いわば、余り消費者金融会社を排除するんじゃなくて、銀行となるべく一体化させていく、そういうことも長い目では必要なんじゃないかなというふうに思っております。政府の方でも貸金業関係の懇談会をこの半年やっておられる、近いうちにまた新しい制度のアイデアも出されると思いますので、それをよく見たいと思いますが。

 とりあえず私の質問は、銀行代理店が、今までは届け出制だったんですが、今回の法改正で許可制になる、そういう意味では代理店の展開が法律上は厳しくなるということであります。一方、先ほど申し上げた消費者金融の店舗については、自動契約機と銀行のATMを組み合わせたような無人店舗も含めて、今のところ、随分、大手だけでも七千ぐらいの店舗があるようですけれども、余り規制がなくて、いわば無規制のままにどんどんどんどん消費者金融の方の店舗は膨らんでいる。この銀行の代理店に対する規制、許可ということと、消費者金融の店舗に対する無規制ということを比べると、私はちょっとバランスがなさ過ぎるなという気がしておるんですが、金融庁の見解はどうでしょうか。

三國谷政府参考人 まず一点、今回、銀行代理業につきまして届け出制から許可制になっておりますが、この部分は、これまでできなかった法人格が別の人たちも銀行代理業に参入できるようにする、その際に顧客保護の観点からいろいろな措置を講じる、そういう一環でやっているものでございます。

 次に、貸金業でございますけれども、貸金業につきましては、この参入につきましては、貸金業務の適正な運営を確保し、資金需要者等の利益の保護を図るという観点から、例えば貸金業に関し不正または不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者として内閣府令で定める者でないこと、こういったことなどを求め、登録制を採用しているところでございます。この上で、貸金業者がいわゆる無人契約機器等を備えた店舗を設置する場合には、登録の変更の届け出を求めることとしているところでございます。

 次に、銀行代理店でございますが、銀行代理店につきましては、他の法人格に代理業を行わせるものであり、また決済システムの一翼を担っていることなどから、幅広い事業者の参入を認めるに当たりまして、先ほど申し上げましたように許可制を採用し、業務遂行能力、社会的信用、財産的基礎、それから兼業が銀行代理業に支障を及ぼすおそれがないことなどを審査することとしております。

 こういうぐあいに、貸金業者の店舗設置あるいは銀行代理店への参入につきましては、それぞれの性格に応じた規制がなされているものと考えております。

吉田(泉)委員 それぞれの性格に応じた規制とはおっしゃいますが、その問題も含めて貸金業の問題を私の方もいろいろこれから考えていきたいと思います。

 最後になりますが、今度は証券業と今回の法改正との関連でございます。先ほど石原委員の方からも六十五条の問題が出ましたが、その問題でございます。

 新聞は、今までの銀行法では銀行の一〇〇%子会社しか代理店はできなかったんだというような書き方をしております。つまり、今回の改正によって証券業も代理店を開店できるんだというような書き方をしておりますが、どうもそうではなくて、去年の内閣府令の改正によって、既に去年から証券業も銀行の代理店になれるということだと思いますね。

 それで、この一年前から、銀行、それから証券、保険、この三つの業界がそれぞれ代理店になれるという仕組みになったわけであります。そして、今回はさらに、例えばスーパーマーケットが代理店になるとしたら、銀行の代理店にも保険の代理店にも証券の代理店にも、三つの事業の代理店を一つの業者が兼ねることもできる、そこまで今回の法改正で行くというふうに理解しているところであります。ということは、代理店レベル、消費者に非常に一番近いレベルでは銀行と証券の銀証の融合というのが進んでいるというふうに考えていいのか、いやいや、それは上辺の見方であって本質はそうじゃないんだということなのか、その辺の御見解を伺います。

伊藤国務大臣 今委員が御指摘をされましたように、銀行、証券、そして保険の各業態につきましては、既にお互いに代理仲介業を兼ねることが認められております。また、一般事業会社による代理仲介業につきましても、従来から認められてきた保険募集に加えて、平成十六年四月からは証券仲介業が認められて、そして今回の銀行法の改正によりまして銀行代理業が認められることになるわけであります。

 これによりまして、代理仲介業においては、銀行代理店、保険募集人、紹介、仲介業者の兼営が可能となっていく。製販が製造と販売が分離していく中でいわゆるワンストップショッピングの環境整備をしていく、一カ所で多様な金融サービスを提供することが可能となることによって顧客の利便性向上に資することが期待をされるわけでありますけれども、ただし、銀証分離の観点からいいますと、それぞれの委託元の銀行、保険、証券会社については、リスク遮断の観点から原則として兼営が認められないということでございますから、銀証分離の基本的な考え方は変わらないと認識をいたしております。

吉田(泉)委員 銀証分離の基本的な考え方は変わらない、これからも守っていくんだということですが、現実問題としては、代理店レベルでも随分融合が進んでいるという面があると思います。それから本店レベルでも、銀行が証券業の子会社をつくることもできる、金融持ち株会社もできるという意味では、現実問題としては大分融合が進んでいるわけであります。しかしながら、利益相反というようなこともあって何とかこの六十五条の精神は守ろうという趣旨だと思いますが、今後、その六十五条の趣旨を守っていくためのポイントをお伺いします。

伊藤国務大臣 今答弁をさせていただきましたように、金融技術が発達していく中で、金融の商品の開発、製造の部分と販売の部分が分離をしていく、そうした流れがあるのだろうというふうに思います。

 その中で、販売の部分については、これはワンストップショッピングの環境というものを整備して、それで一カ所でさまざまな金融商品、サービスというものが提供されることによって利用者の利便というものが向上していく。一方で、委託元の本体の銀行、証券、保険につきましては、これはリスク遮断の観点ということは非常に重要でありますし、利益相反や銀行の優越的地位の乱用の可能性、こうしたことに対する重要な論点というものは引き続きあるものと認識をいたしておるところでございます。

吉田(泉)委員 ありがとうございました。

 時間ですので終わりますが、今回の法改正によって金融アクセスがふえるというのは大変結構だと思います。ただ反面、借り入れアクセス、いわば借金のアクセスもふえるということであります。多くの国民が借金地獄、アリ地獄に陥らないようなことを考えるということも政治の役割であるということを申し上げて、終わります。

 ありがとうございました。

小野委員長 それでは、引き続きまして、平岡秀夫君。

平岡委員 民主党の平岡秀夫でございます。

 きょうは、銀行代理業の問題を中心に質問させていただきたいというふうに思うのでありますけれども、その前に、私が質問をする視点といいますか、どういう視点から質問をするかということをまず前置きをしておきたいというふうに思います。

 どうもいろいろと銀行代理業の話を聞いてみると、銀行代理業というものは、こういうふうに一般的に認められた後、かつ、郵政民営化が行われた後に、一体、金融業界というのはどんな形で動いているのかなというところが私には余りよくつかめない。何か知らぬけれども、ごちゃごちゃになっていて、節度のない社会になってしまっているんじゃないかなというような気がしてしようがない。さらに言えば、果たして今までの規制との整合性というのがとれているのだろうかというようなところを私は大変疑問に思っておりますものですから、そういう点を中心にして具体的な問題を聞いていきたいというふうに思っているところでございます。

 そこで、先ほど、銀行代理店制度の見直しが行われた後、どれだけの代理店というのができるんでしょうかというような質問がありました。聞いていますと、ほとんど答えていないという状況であったようでありますけれども、なかなか需要とかいったものが想像できないのかもしれません。それ以上に想像がつきにくいのかもしれませんけれども、私は、銀行の支店の店舗で行われていることと銀行代理業者の店舗の中で行われていることが一体どこがどう違って、なぜそんなことが起こるのかということについて、まずお聞かせいただきたいと思うんですね。

 例えば、銀行の支店の中で、テナントを呼び込んで、そこでいろいろな業務を、業務といいますか営業をさせる、物品販売であったり旅行代理店のようなサービス業であったりとか。そういったようなことをさせているケースと、銀行代理店という形でコンビニエンスストアとかあるいは旅行代理店の中において銀行代理業を行っているというようなケース、見ると余り違わないような気がするんですけれども、先ほど銀行の支店で行っているケースとして挙げた例です、こんなことは、銀行の支店でコンビニエンスストアとか旅行代理店にテナントとして何かやらせるということはできるんでしょうか、どうでしょう。

伊藤国務大臣 銀行の本店、支店、そして銀行代理店舗、恐らく顧客の目から見てどのような業務の内容に違いがあるのか、そういう問題意識の中での御質問であろうというふうに思います。

 まず、銀行の本店、支店は銀行として同一法人であるため、銀行の経営判断により支店ごとに業務内容等は異なり得るものと考えられますが、基本的にはすべての支店において本店同様の業務を行うことが可能であるというふうに思います。また、銀行店舗としての外観や設備等は、顧客から見た場合、特に区別できることは求められていないと承知をいたしているところでございます。

 一方、銀行代理業につきましては、一般事業法人との兼営が認められるために、兼業している他業との関係で、例えば事業向け貸し付けを行えないといったように、業務範囲が限定をされている場合がございます。また、外観につきましても、銀行代理業について、銀行代理業である旨の標識を掲げるよう義務づけるとしておりまして、顧客から見て代理業者であることについて誤解が生じないよう工夫を行っているところでございます。

平岡委員 私が聞いているのは、例えば銀行の支店の中にテナントとして物品販売するとか旅行代理店のようなサービス業をするとか、そういうことはできるんですかということをまず聞いているんです。

三國谷政府参考人 銀行の資産等に余裕というかそういう部分がございまして、それを有効活用するというような場合には認められております。

平岡委員 そうすると、銀行の支店と銀行の代理業を行っている者が自分の店舗の中に代理業を行うためのコーナーを設けてあるというようなのは、外観上は余り変わらないわけですね。看板がついているのが、要するに支店とついているのか、代理業という看板をかけているのか、その違いしかない。外観上ですよ。中でやっている業務は一般の人にはわかりませんからね、何ができて何ができないかということは、見ただけでは。ということで、外観上は看板が違っているだけだということで理解してよろしいですね。

三國谷政府参考人 まさしく外観の問題でございまして、どのような店舗を物理的に活用しているかということかと思います。ただ、その場合でも、銀行代理業である場合には、自分がどこの銀行の代理業をするかということをきちんと標識を掲げることによってそこは識別できるようにするということでございます。

 一方、内容ということでございますれば、従来から答弁申し上げておりますとおり、銀行支店であれば本体と同様のことをすべてできる。これに対して代理業であれば、その兼業の内容等に応じまして所要の条件がつく等のことがある、そういう違いがあろうかと思います。

平岡委員 どうも私の質問趣旨をよく理解していただいていないので、この話をやっても時間のむだかもしれませんけれども、さっき言ったように、私が言いたかったのは、これからの規制緩和後の姿というのがどうもごちゃごちゃになってしまって、一般の民間の人たちには非常にわかりにくいものになってしまわないか、こういうことに対して私は疑問を持っているということであります。

 時間があったらまたこの問題に少し戻りたいと思いますけれども、答え方の視点が私に事前レクしたこととはちょっと違うので、とりあえず留保しておきたいと思います。

 それで、先ほど消費者金融業者が銀行代理業をやろうとしたら基本的には認められないんだという話として、貸付行為について利益相反的行為が考えられるからなんだというような説明があったと思うんですけれども、これは銀行代理業が認められないということですか、銀行代理業は認められるけれども貸付業務について禁止される、制限がかけられるということでしょうか。どっちでしょう。

三國谷政府参考人 利益相反関係が強い場合には、媒介も含めましてそれは認められないということでございます。

平岡委員 いや、私が聞いているのは、銀行代理業として認められないということなのか、銀行代理業は認められるけれども貸付業務は認められないのかということを聞いているんですよ。媒介と代理の話をしているんじゃないんです。

三國谷政府参考人 代理業の中には三点ございまして、一つは預金の受け入れ、もう一つは貸し付け、為替でございます。それぞれ全部でございますとフルセットでございますが、個々の代理業につきましては、許可の段階で条件を付すこと等によってその一部ということも可能でございます。その中で、例えば貸し付けということになりますれば、それは基本的には、貸し付けにつきまして代理業として適切かどうかということで判断されることになろうかと思います。

平岡委員 正確に言うと、だから、消費者金融会社も銀行代理業は認められる、ただし、貸し付けについてはいろいろな問題があるから承認されないとか禁止されるということもあり得る、こういうことなんだろうというふうに思うんですよね。そうだとすると、今までの理解でいくと、消費者金融会社にとってみれば、自分たちは預金を受けられる、そういう業務が自分たちの店舗でできるということなら、これは大変なメリットだろうと思うんですよね。そういう意味では、私は消費者金融会社にとってみれば、貸付業務が仮にできなくても、それはそれで非常にいい改正だろうというふうには思うんですけれども。

 もう一つ先に進んでみると、今回の法律を見ると、銀行は銀行代理業ができるようになっているんですよね。これはどうですか、銀行と銀行代理業というのは貸付業務においては利益相反じゃないんですか。どうですか、大臣。

伊藤国務大臣 今までも銀行はほかの銀行の銀行代理業務は認められておりますので、今回の問題で特に何か問題が生じるということではないというふうに考えております。

平岡委員 銀行は貸付業務は利益相反行為として何の問題もないと言うのであれば、消費者金融会社だって別に貸付業務をやっているからといって、その部分について認められないというような答弁をする必要はないですよね。利益相反行為にならないようにちゃんとしていけば問題ないんじゃないですか。

三國谷政府参考人 今回、規制緩和ということでございまして、基本的に銀行につきましてはこれまでも代理業務が認められているというところでございます。

 なお、銀行につきましては、免許審査を通じまして、銀行業務を的確、公正、効率的に遂行することができる知識経験と十分な社会的信用を有する者が参入を許されているところでございます。また、日常的な深度ある検査監督によりまして適正な業務運営の確保が図られているところでございます。したがいまして、銀行が他の銀行の代理店になる場合につきましては、これまでどおり代理を認めたいと考えているところでございます。

平岡委員 大変納得しがたいんですけれども、この問題だけやっていても仕方がないので。

 先ほど、一般事業者が銀行代理業となる場合には事業向け貸し付けは認めないんだというような説明がありました。それで、今、消費者金融会社については利益相反行為があるので貸付業務は基本的には認めないんだ、こういうように言われました。ほかにはどんな業種について、どんな規制といいますか、業務としてやっちゃいけないというようなことがあり得るんでしょうか。どんなことを今考えていますか。

三國谷政府参考人 兼業一般に関する基本的な考え方でございますが、一つは、兼業の内容が法令に抵触しないこと。もう一つは、兼業の内容が銀行代理店としての社会的信用を損なうおそれがないこと。三点目は、兼業の収支の見込みが良好なものであること。四点目は、兼業の内容が利益相反的取引や優越的地位の乱用といった弊害が生じる蓋然性が高いものでないこと。五点目は、兼業と銀行代理店業務との間において顧客情報の適切な取り扱い、利益相反防止に関する内部管理体制が整備されていること。こういったところを勘案いたしまして、兼営によりまして銀行代理業に支障が及ぶおそれがある場合には銀行代理業への参入を認めないこととしたいと考えております。

平岡委員 今言われたものでこんなケースがだめだということを想像できるような人は、ここにはほとんどおられないんじゃないかと思うんですよね。

 もうちょっと具体的に、こういう場合はだめなんだというのを出していただきたいというふうに思うんですけれどもね。どうでしょうか、大臣、そういうのを整理して出していただけますか。大臣、検討して出しますと言ってくれればいいんですが。

小野委員長 平岡君、この場で答弁として出すという意味ではございませんね。(平岡委員「はい」と呼ぶ)ということです。

 伊藤金融担当大臣。

伊藤国務大臣 考え方は整理をして、より明確化していきたいというふうに思っております。

平岡委員 考え方を整理していただいたときに、また抽象的な言葉で言われると一般の人たちはわからないので、できるだけ具体的に整理していただいて、また提示していただきたいというふうに思います。

 それから、今回の銀行代理業の話について言うと、金融審議会の論点整理の中では、銀行代理業の許可を受けた者は複数の銀行等の代理等を行うことができるようにするんだということが言われているんですけれども、どうもこの法律を見ると、余りそんなイメージが出てこないんですよね。例えば銀行法の五十二条の四十三のところに分別管理が出ていますけれども、分別管理も実は「自己の固有財産と分別して管理しなければならない。」というふうに書いてあって、例えば所属銀行が複数ある場合に、その所属銀行ごとにどういう管理をしていったらいいのかということは全く法律には書かれていない、こういう状況なわけですよね。

 そこでお尋ねいたしますけれども、この法案では、金融審議会が指摘しているような複数の銀行の代理等を行うことができる仕組みになっているんでしょうか。どうでしょうか。

七条副大臣 もう先生御存じのとおりでございますけれども、本法律案においては、一つの銀行代理店が複数の金融機関の代理店となることを妨げないということになっているところでございます。

平岡委員 それがどこにも書いていないので、ちょっといろいろ不安になるんですけれどもね。

 例えば許可申請時に所属銀行が幾つあるかで、多分、この許可をしていく基準というのが、この法律で書いてある基準よりはむしろもっともっとレベルが下なのかもしれませんけれども、異なってくるんじゃないかというような気がするんですよね。どうでしょう、その点は。

三國谷政府参考人 今回の銀行法改正の段階におきまして、許可の申請に当たりまして、所属銀行の商号というのは届け出事項として提出しなければならないこととされているわけでございます。

 なお、許可の基準でございますけれども、先ほど来申し上げておりますような財産的基礎あるいは兼業のおそれ、それから社会的信用、こういったところが基本でございまして、所属銀行の数ということ、それ自体は直ちには許可の直接の要件ということにはならないかと思いますけれども、いずれにしても、受ける銀行代理業者の側におきましては、複数の所属銀行を対象といたしましてもきちんと銀行代理業ができる、そういった場合にそういった複数のものも受けることになろうかと思います。

平岡委員 この法律を見ますと、所属銀行が一つであっても複数であっても、特に許可基準について明確にどういうふうに違うのかということが書いていないんですね。ただ、書いてあるのは、今度、所属銀行が変わるときには届け出をしなさい、こう書いてある。つまり、所属銀行が一つだったのが二つになったり三つになったり四つになったりするときには、届け出だけでできるという仕組みになっているんですよね。果たしてこんなことで、本当に銀行代理業はちゃんとやっていけるというような審査、チェックが当局でできるんでしょうか。どうでしょう。これは大臣に。

三國谷政府参考人 今回の銀行代理業の適格性につきましては、受ける銀行代理業者の側でその代理業が適切にできるかどうかということからこの適否が判断されるわけでございます。したがいまして、所属銀行の数自体は、それが直ちに銀行代理業者の許認可に当たりまして直接影響を及ぼすわけではございませんが、御指摘のとおり、後にこの数がふえた場合には届け出事項となっているわけでございます。その届け出の中で、もし日ごろの検査監督等を通じまして、それがキャパシティーを凌駕するような場合には、業務改善命令等がつくこともあろうかと思います。

平岡委員 検査を通じて、あるいは監督を通じて業務改善命令という形の、まあ事後チェック型なんですかね、事後チェック型を選んだというのは、それはそれでいいのかもしれませんけれども、せっかく許可制度というのをつくるわけですから、もうちょっと細やかな許可制度にした方が、我々として、どんな場合にどんなふうに許可されるのかという、そういうイメージがわいてくるんだろうというふうに思いますので、その点は指摘させていただきたいというふうに思います。

 ところで、ちょっと話は変わるんですけれども、この銀行代理業者を銀行が使った場合には、この銀行代理業者というのはいろいろな人がいるんだろうと思いますけれども、大変資産力があって健全な代理業者がこの代理業をする場合、この代理業者が何らかの事務事故を起こしたようなときに、そのリスクというのは、基本的には銀行との約束事の範囲でしょうけれども、その代理業者の方が負担するというようなことが期待できるという意味においては、自己資本比率の計算の中においてはこうした代理業者を使った場合の効果というものが反映されていいんじゃないかというふうに思うんですけれども、この銀行代理業者を使った場合と使わない場合とで自己資本比率の計算のあり方というのは違うんでしょうか、同じなんでしょうか。どうでしょう。

伊藤国務大臣 今御指摘がございましたように、今般の法律案におきまして、銀行代理業者による事故発生に伴う損失は、顧客との関係で原則として銀行自身に帰属することになるわけであります。

 現行の自己資本比率におきましては、リスクアセットの計算に際してオペレーショナルリスクが考慮されていないことから、銀行代理業者を使うことに伴う影響は基本的に生じないものと考えております。

 一方、バーゼル2、新しい自己資本比率規制におきましては、オペレーショナルリスクが新たに追加されており、銀行代理業にかかわる事故発生リスクもこの中で考慮されることになっているわけでありますけれども、バーゼル2におけるオペレーショナルリスクの計測につきましては、オペレーショナルリスクの大きさが銀行の業務規模に比例するとの前提に基づいて、最も簡便な基礎的資料においては、外部委託先に支払う手数料を含む粗利益を基準に算出をされること、そして、バーゼル銀行監督委員会において、外部委託される業務にかかわる銀行自身の責任を厳格にとらえて、当該業務にかかわる銀行の責任を軽減することは適当ではないとしていること、こうした点に照らしますと、基本的には、銀行代理業者を使っていることを理由に銀行の所要自己資本を軽減することは適切ではないと考えております。

平岡委員 そこで話を少し変えまして、今農協、漁協の信用事業のあり方というのがいろいろと問題になっているわけでありますけれども、例えば漁協が信用事業を行える場合の基準というのが引き上げられると。例えば、出資金が一億円以上でなければいけないとか、あるいは担当の常勤理事がいなければいけないとかというようなことがあるわけで、その基準を満たさない漁協というのも出てくるんだろうと思いますね。

 そういう漁協について言うと、今回の法律改正の中で特定信用事業代理業というものが制度としてできるわけでありますけれども、この特定信用事業代理業の許可というのは、そうした漁協に対しても与えられる可能性というのはあるんでしょうか。

宮腰副大臣 農協など他の業態に比べまして事業規模が零細な漁協系統におきましては、組織、事業基盤の強化を図るために、全国各地で漁協合併あるいは信用事業の譲渡などによる一県一信用事業体制の構築に今取り組んでいる最中であります。

 この場合、漁協合併に参加しない漁協が信用事業協同組合連合会等に信用事業を譲渡した場合に、主務大臣の許可を受けて漁業資金の貸し付け等業務の代理、媒介という特定信用事業代理業を行うことは制度的に可能であるというふうに考えております。

平岡委員 今、副大臣は私の質問を先取りされてしまったんですけれども、私の質問は、そもそも信用事業ができなくなってしまった、基準に達しないためにできなくなってしまった、こういう漁業協同組合でも特定信用事業代理業というのはできるんでしょうかという話を聞いたんですけれども、今のお答えは、今、合併が進められている中でいろいろな問題が出てくるということを踏まえて答弁されたわけですけれども、私の質問に対しては、できますよという答弁だったということですね。

 そして、今、合併が進められておって、一県一漁協とか一県一信用事業体制といったようなものをやっていく中で合併に参加できないような漁協が出てきたときに、その漁協は信用事業を譲渡したり廃止したりしなければいけない、こういうような漁協についても特定信用事業代理業というのができるんでしょうかという質問になっていくはずだったんですけれども、今それを答えられたんですね。できるというふうな御答弁でございましたから、ぜひその辺も弾力的にいろいろ考えていっていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。よろしいでしょうか、確認の意味で。

宮腰副大臣 答弁を先取りしまして申しわけありません。

 ただ、主務大臣の許可を受けてということで許可条件が明記されておりますので、それに合致した場合においては特定信用事業代理業を行うことは制度的に可能であるということでございます。

 以上です。

平岡委員 いろいろな条件があることは、そうだろうと思いますけれども、余り不当な条件とか、政府とかあるいは官の言うことを余り聞かないからちょっと意地悪しようとか、そんなことのないようにぜひお願いを申し上げたいというふうに思います。

 そこで、協同組織金融機関の話に今入っちゃったんですけれども、信用金庫の関係についてちょっと質問してみたいと思うんです。

 今回の仕組みを見ますと、信用金庫も多分銀行代理業ができる、これは政令で多分指定されるんだろう、書かれるんだろうと思います。それから、銀行も信用金庫代理業というのができる、これも政令で書かれるんだろうというふうに思いますけれども、銀行代理業の許可を受けた人が、今度は信用金庫の代理業を行うときにまた別に許可をとらなきゃいけない。これは、何か許可基準を見てみると、余り関係ないような気がするので、一つをとれば後同じように、銀行代理業の許可がとれれば信用金庫代理業とか特定信用事業代理業とかそういうこともできてもいいように思うんですけれども、何でそれは別々に許可をとらなければいけないんですか。

七条副大臣 二つ問題がありましたが、一つ目の問題は先生御指摘のとおりでございまして、信用金庫は銀行代理店業を行うことができ、銀行は信用金庫代理店業を行うことができる、こういうことでございます。

 それからもう一つ、信用金庫につきましては、会員外への貸し付けの規制など銀行とは異なる規制が信用金庫法上出てまいります。この関係も含めまして、信用金庫が委託を受けた代理店についても銀行の代理店とは異なる規制が適用され、別途の監督上の対応が必要になり、このために銀行代理店が信用金庫代理業を行おうとする場合には新たに信用金庫法上の許可を必要とすることになる、そういう意味で許可が必要だ、こういうことでございます。

平岡委員 まあ、信用金庫法がどういう規制をしているかというのは、業務委託をするときに信用金庫がちゃんと指導すれば済む話であって、今、この許可するときの基準に何が書いてあるかといったら、人的な問題とか財産的な問題とかそういう問題ですよね。何も信用金庫法上の理解がある人とか銀行法上の理解がある人とかというのが条件になっているわけではないので、そこは私はむしろ過剰な規制になっているんじゃないかというふうに思いますよ。むしろ金融代理業みたいなものとして構成していく、というような仕組みでやるべきであって、一つ一つ全部各業法に基づく許可がなければ代理業ができないという仕組みをとること自体、私は非常に不思議な感じがします。

 これはこれでおしまいにしますけれども、一つ信用金庫について言うと、今、地区制というのをしいているわけですね。地区の中でなければ支店とかがつくれないということなんですけれども。例えば静岡にある信用金庫の取引先が、本店が静岡にあって、その支店とか工場が東京にあるというようなときには、東京でもその支店あるいは工場と取引をしたいというニーズが昔からあるわけなんですけれども、今回のこの信用事業代理業について言うと、この代理業の許可を受けた人は、東京で代理店をつくって、そうした静岡の信用金庫のために業務を行うことができるというふうに、どこにも制約は書いていないんですね、私は思うんですけれども、そういう理解でいいんでしょうか。どうでしょう。

伊藤国務大臣 この点につきましては、信用金庫というものは、地区に限定された会員の相互扶助のために設立をされた協同組織金融機関であるという趣旨から、信用金庫本体の事務所と同様に、代理業者につきましても地区外に設置されないものと考えております。これは信用金庫制度の趣旨を踏まえた指導監督上の措置でございます。

平岡委員 そうすると、許可申請のときにどこに店舗を置くかというようなところで、この店舗が地区外にあったらこれは許可されないという仕組みですか。

伊藤国務大臣 先ほど例にありましたような形はいわゆる飛び地ということになってしまいますので、そうしたものは地区に限定された会員の相互扶助である協同組織金融の趣旨にかんがみますと適切ではない、指導監督上から地区外に設置できないというふうに私どもとして考えております。

平岡委員 果たしてそれでいいのかどうかというのは、もっと議論があると思いますけれども、ちょっと時間がないのでとりあえずここで置いておきます。

 郵政民営化との関係で先ほど同僚議員の方からも質問がありましたので、私も、郵政民営化担当副大臣にも来ていただいておるということなので、時間が余りありませんが、聞かなければいけないということで聞かせていただきます。

 まず確認なんですけれども、今回の郵政民営化法の中で、代理店という言葉を銀行代理業というふうに変えています。代理店については、代理店の設置、廃止についてはこうこうしなさいというようなことが書いてあるんですね。だから、銀行代理店の設置、廃止というと、ある特定の店舗を念頭に置いて、そこにつくるかつくらないかというようなイメージなんですけれども、郵政民営化法における代理店の位置づけと銀行代理業の位置づけというのは同じでいいんでしょうか。どうでしょう。

西川副大臣 まず郵便貯金銀行と郵便局会社の代理店契約でありますけれども、これは、別途他の銀行代理業者と郵便貯金銀行が代理店契約を締結することは、郵政民営化法上妨げられておりません。そして、郵便貯金銀行は銀行法の適用を受けますので、銀行法に基づく銀行代理店規制の枠組みのもとで他の銀行代理業者に業務を委託することは可能である、そういう中で一般の銀行でありますから銀行法の規制を受ける、こういうことです。

平岡委員 私が聞いているのは、郵政民営化法の中で、銀行代理店というふうに書いてあったのが銀行代理業というふうに変わっているんですよね。代理店というイメージは、一つ一つの店舗について、設置、廃止とかという言葉であらわれているように一つ一つの郵便局についてそれぞれ規制がかかっているというふうに私は思うんですけれども、今回、銀行代理業という形になっちゃったので、一つ一つの店舗については基本的には法律上の規制はなくて、代理業を営む者についてだけ規制がかかっているという仕組みになっているんですよ。そういう意味で、郵政民営化法の中における代理店ということと銀行代理業というのは同じ概念なんですか、それとも違う概念なんですかと。まずこの基本を押さえてからでないと次の議論へ進めないわけですね。ここをしっかりとまず答えていただきたいと思います。

伊藤国務大臣 その点につきましては、同じ概念でございます。

小野委員長 平岡秀夫君、時間になりましたので。

平岡委員 ちょっと、質疑の持ち時間が終了したので、最後に簡単に聞きます。

 今回のこの改正によって、郵便貯金銀行については郵便局株式会社以外の銀行代理業に代理業務を委託することができる、ただ単に届け出だけで済むという仕組みになります。逆に、郵便局株式会社というのは郵便貯金銀行以外の銀行等についても代理業務ができるという仕組みになります。この場合には銀行法第五十二条の三十九の規定に基づく届け出だけでよくなります。

 こうなりますと、ただ単に届け出だけで、自由自在に郵便局を代理店として使う使わないということの判断ができる、こういう仕組みに今度はなっているわけですね。こういうことで皆さん方が主張しておられた今の郵便局のネットワークというものを維持できるんでしょうか。どうでしょう。これは民間の経営判断の中でかなり大幅に動いてくるんじゃないかというふうに思うんですけれども、その点についてはどのように認識しておられますでしょうか。

西川副大臣 この問題も大変長い時間審議をしていただきました。私どもの考え方を申し上げたいと思いますけれども、郵便局会社にとりまして郵便貯金銀行からの委託料が収入の大きな割合を占める、こういうことからしますと、郵便局会社はまさにみずからの利益を長期的に極大化していこうとします。そういう中で、郵便貯金銀行と長期にわたり安定的な契約関係を維持することを経営判断として志向すると私どもは考えております。

 仮に、郵便局会社が郵便貯金銀行と競合する金融サービス業を他行から受託しまして、それらを積極的に取り扱うということになりますと、秩序が大分乱れてきますので、こういう中でどういう形になるかといいますと、私どもはネットワークを大切にしたい、二万四千七百のネットワークが貴重な資源だということで、一度結んだ契約が長期的に結ばれていくだろうということでございまして、十年たった後も長期的に契約を結ぶことも拒まない、長くて結構だ、こういう表現をしておりますけれども、ネットワークを大事にしながら、そして、新しく新規に店舗をつくるのであれば相当の経費もかかるでしょうから、私どもはそれが維持されるということで考えております。

小野委員長 平岡秀夫君の質疑時間は終了いたしました。

平岡委員 はい。新しい店舗をつくる必要はないんですよね。今ある、いろいろな仕事をしているところに代理業というものが認められれば、そこに頼めばいいわけでありますから、今の説明はちょっとおかしいと思いますけれども、時間が来ましたので、終わりにいたしたいと思います。

小野委員長 それでは、引き続きまして、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 まず初めに、数字を確認したいと思います。銀行は、この十年で支店をどれだけ減らしましたか。減らした理由は何でしょうか。

佐藤政府参考人 我が国の銀行の店舗の数でございますが、十年前の平成七年三月末で一万七千百五十七店ございましたのが、本年、平成十七年三月末に一万三千八百二十三店舗というふうになっておりまして、この十年間で三千三百三十四店舗、率にいたしまして一九・四%の減少ということになっております。

 店舗が減少した要因でございますけれども、店舗の設置、廃止等は、各金融機関において、一方で利用者利便の観点あるいはその経営戦略上の位置づけ等を勘案して、おのおのの経営判断に基づいて行われるものでございますので、理由についても一概には申し上げられないというふうに思いますけれども、例えば一つには、合併等の経営再編に伴いまして、隣接する店舗を統廃合するといった例であるとか、あるいは、地域の顧客ニーズに即しましてATMだけの無人設備に転換するといった例があろうかと思います。

佐々木(憲)委員 三千三百三十四店舗、かなり大幅な店舗が減っているわけであります。簡単に言いますと、今まであった銀行の支店が目の前からなくなるところが結構生まれている。理由は、効率化ですとかあるいはコストの圧縮、こういうことが言われているわけです。単純に言いますと、銀行のネットワークとしては先細りになっている。

 そこで、代理店というものの考え方が出てくるわけであります。ところが、現在は一〇〇%子会社でなければ代理店として認められない。その要件を緩和して代理店をふやし、多角的な商品を売って、そこで利益を上げる。これが目的の一つだと私は思いますが、大臣、いかがですか。

伊藤国務大臣 今回の改正の意義につきましては、もう何度も御説明をさせていただいておりますように、銀行代理店の担い手というものを拡大する、そして販売チャネルというものを多様化することによって利用者利便の向上、そして同時に、銀行の柔軟かつ効率的な店舗展開を可能にすることによって効率的な銀行経営に資するものになる、そうした意味で重要な制度改正であると考えております。

佐々木(憲)委員 簡単に言えば、利益を上げたいというのが銀行の要請だろうと思うんです。

 この改正案では、これまで認められておりませんでした一般事業会社が代理店として認められる、証券会社や保険会社も代理店を営むことができる。簡単に言いますと、スーパーですとかコンビニ、身近なところで代理店を広げて多様な金融商品を売る、こういうことが可能になるわけですね。

 確かに、銀行側の論理としては、効率的でかつ利益の上がる体制づくりだということかもしれませんけれども、消費者の側、国民の側にとっては一体どうか。私は、さまざまな問題が発生する可能性があるのではないかと。

 そこで、金融被害という観点から現状をお聞きしたいんですけれども、例えば、国民生活センターに寄せられた金融関連の苦情相談、これは、二〇〇二年あるいは二〇〇四年の数字、どうなっているでしょうか。

堀田政府参考人 お答えいたします。

 国民生活センターでは、各地の消費生活センターを結ぶPIO―NETを運営しております。その消費生活相談情報の合計でございますけれども、生命保険それから損害保険それから預貯金、証券等に対する苦情を合計いたしました数字は、二〇〇二年度が一万三千六百六十三件でございます。それから二〇〇四年度が一万六千五十一件となっております。

佐々木(憲)委員 銀行の窓口で金融商品の販売が緩和されて以来、販売実績は伸びておりますけれども、その一方で、投資信託あるいは個人年金保険でトラブルが急増しております。銀行窓口販売についての国民生活センターへの相談件数というのも、これは急増しているわけであります。

 例えば、こういう事例があります。これは相談として寄せられたものですけれども、十年物の定期預金を希望して銀行を訪れた。ところが、定期預金より有利ですよと勧められたのが変額個人年金保険であった。そこで契約をしました。元本保証ですかと質問したところ、年金原資保証ですと言われた。それで元本保証と思った。しかし、後日、引受保険会社から送られてきた郵便物を見たところ、十年後に一括して受け取った場合、元本を下回ることがあることに気づいた。それで解約を申し出た。解約控除料がかからない期間に解約をしたけれども、解約返戻金は元本を割っていた、こういう六十代の男性の相談事があります。

 あるいは、本人確認を新たな方法で行うことになったため通帳と印鑑を持参して出向いてくださいと銀行から連絡があった。銀行に着くと、同行の他支店で契約した外貨預金の有効活用の話をされた。元本保証で相続対策にも有利ですよと説明され、外貨預金を解約し、勧められた金融商品を契約し、その場で全額を支払った。説明の際に通された部屋は暗く、書類の字も小さいためよくわからず、銀行員の指示どおりに契約書に記入した。パンフレットや重要事項説明書は契約後に渡された。その際、個人情報の利用に関する同意もしたが、その意味はよく理解できなかった。これは七十歳の女性の話なんですね。帰宅後、契約した商品は外貨建ての定額個人年金保険であり、リスクの高い商品とわかった。銀行にはすぐクーリングオフを伝えたけれども、できないと言われた。やむなく解約することにしたが、当初支払った一千二百万円のうち数十万円の損失が出た。これは七十代の女性の相談なんですね。

 ほかにもたくさんこういう事例はありますが、時間の関係上省略します。

 これらの特徴は、銀行の説明が元本割れのリスクを十分説明していなかった、あるいは、消費者が求めていないのに、いや、こちらの方が有利ですよと強引に勧誘をした、あるいは、知識がない高齢者に複雑でハイリスクの商品を販売する、こういう形でトラブルになっているのが非常に多いんです。今の銀行でも、今まさにこういう事態が発生しているわけですね。契約解約に関する相談がほとんどでありまして、年代別に見ますと、六十歳代以上七五・三%、七十歳以上が四九%。ですから、圧倒的にこれはお年寄りの被害が多いわけであります。銀行代理店をふやすとこのようなトラブルがふえるのではないか。

 そこで、確認したいのは、従来の規制、つまり消費者保護の水準を超える新しい水準というのが今度盛り込まれているのか、それとも、従来の水準で代理店にそれを守るように、こういうことなのか、その点、確認をしたいと思います。

三國谷政府参考人 今回の枠組みでございますが、今回の改正におきまして、顧客保護に万全を尽くす観点から、銀行代理業者に対しまして、顧客への対応については、基本的には銀行と同様の義務を課すこととしております。

 なお、銀行代理業者につきましては、一般事業者との兼営が認められるため、兼業による弊害が生じますことを防止する観点から、分別保管義務、情実融資の禁止などの規制を設けているところでございます。

佐々木(憲)委員 つまり、現在の銀行と同様の水準の規制を適用するというわけであります。つまり、現在でもこれだけの被害が生まれているわけです。その水準は何か新しく強化されるというものではない、適用範囲を広げたというわけであります。

 それでは、大臣にお聞きいたしますけれども、今回のこの改正案で、金融をめぐるトラブルというものは今より減らせる、こういう約束はできますか。

伊藤国務大臣 今回の制度改正において、代理店と利用者のトラブルの発生というものを防止していく、あるいは契約者保護上の必要な手当てをさせていただいて制度設計をさせていただいているところでございます。

 代理店におきましても、やはり、今委員が御指摘をされました一番重要なポイントというのは、顧客へ正確かつ十分な情報提供をしていくということでございますので、今回の制度設計においても、説明義務あるいは虚偽の説明等の禁止ということをしております。

 私どもとしても、検査監督を通じて、こうした措置の実効性が担保できるように適切な対応を講じていきたいと思っております。

佐々木(憲)委員 現在も、銀行そのものの窓口でもこういう被害というものが発生しているわけです。これが代理店に広がるわけですから、銀行ではない他業者が銀行の代理店をやるというわけですから、これは被害の可能性が広がる、そう見なければならない。

 日本には金融消費者保護法という制度はありません。まだできていないんです。投資サービス保護法も、これはいつになるかわからないわけです。こういう規制法を提案しないまま今のような代理店の規制緩和をどんどん広げていく、こういうことになると、金融被害が続出するという可能性もある。私は、一方だけが規制緩和が進んで、そして消費者保護はなおざりになる、こういう非常にバランスを欠いた今回の法案改正というのは、やはり到底賛成できないというふうに思っております。

 次に、法人向け融資についてお聞きします。

 銀行代理業者となった一般事業者、これは直接の貸出業務はできない。しかし、金融庁の説明資料によりますと、こういうふうになっているわけですね。目きき、将来性のある企業の発掘、その他経営支援業務、こういうものができるというわけですね。つまり、優良な中小企業かどうかを判断する、あるいは銀行にその業者を紹介する、あるいは企業の経営を支援する、こういうことは間接的に貸出業務にかかわる、直接ではないけれども間接的な業務になる、そういうことができるということですね。

三國谷政府参考人 制度の立てつけでございますけれども、代理のみならず媒介も許可の対象となっているところでございます。

佐々木(憲)委員 融資にかかわる間接的な業務はできるというわけであります。

 それを利用した不正取引の危険性というのは大変大きいと私は思うんですよ。例えば、大手スーパーが銀行の代理業者となった、その場合、納入業者に対してこういう優越的地位を乱用した不正取引というのが発生する可能性はあると私は思うんです。つまり、間接的な、融資のそういう役割を担うわけですから、それを利用する危険性というものはあると言わざるを得ないと私は思います。その点をどれだけ規制できるのか、私は非常に心もとないというふうに思います。

 次に、個人に対する融資の点について伺います。

 例えば、住宅販売会社が銀行代理業者となって、住宅の販売と住宅ローンをセットで販売する、こういうことが可能になる。あるいは、不動産会社が不動産への投資、この不動産は値上がりしますよ、私は銀行代理業者ですから、ローンを組みますからどうぞ買いませんか、こういう売り込みもできる、こういうことは可能になるということですね。

三國谷政府参考人 先ほども申し上げましたとおり、制度は、代理のみならず媒介も許可制の対象としているということでございます。

 それから、個別の融資につきましても、抱き合わせ販売等は禁止しているところでございます。

佐々木(憲)委員 この抱き合わせ販売というのは、今言ったものは抱き合わせ販売に入るんですか、入らないんですか。

三國谷政府参考人 御指摘の、不動産業者がそういった事業の販売と融資をセットにするような場合であれば、抱き合わせ販売と思います。

佐々木(憲)委員 これは規制されるわけですね。こういうことはしてはならないということなんですか。

三國谷政府参考人 二点ございます。

 参入段階でも規制がございますし、行為規制としても抱き合わせ販売等の規制が行われているということでございます。

佐々木(憲)委員 個人に対するさまざまな提案融資というもので、従来、バブル時代にも大変な金融被害が出てきたわけであります。本当にそういう被害が防げるのかどうか。私が事前に説明をお聞きしたときは、これはやれるんですよという説明だったんです。どうなんですか。

三國谷政府参考人 もう一回、繰り返しになるかもしれませんが。いずれにいたしましても、そういった融資をする立場が、自分の力、これは圧力を利用してセット販売をする、こういったものは抱き合わせ販売として禁止されることになるわけでございます。

 そういったものを現実の事象としてどうとらえるかは、銀行本体の指導監督あるいは行政当局の検査監督によって対応していくことになろうかと思います。

佐々木(憲)委員 何となく心もとない答弁ですけれども、これは全面禁止にはどうもならないという形ですね。圧力を、つまり優越的地位を使ってそういうものをしてはならない、しかし、提案をして相手がオーケーですよという対等販売といいますかそういうことは可能になる、こういうことなんですか。

三國谷政府参考人 抱き合わせ販売の禁止でございますが、顧客に対しまして、銀行代理店が他業の取引をすることを条件として貸し付けの媒介を行うこと、これは禁止されます。

佐々木(憲)委員 ということは、私が先ほど説明をしましたような、住宅を販売する場合に住宅ローンとセットで販売する、ワンセットで販売するということは、これは禁止なんですか可能なんですか、どちらですか。

三國谷政府参考人 正確に申し上げますと、例えば、銀行代理店たるカーディーラーと車を購入する顧客の関係では、顧客は当該カーディーラーからの借り入れが必須ではなく、必ずしも貸し付けの権限を背景にカーディーラーが顧客に対して優越的な地位にあるとは言いがたいことから、自動車ローンと車をセットで契約すること自体が抱き合わせ販売に該当するとは考えておりませんが、そういった融資を条件としてやるような場合には抱き合わせ販売になろうかと思います。

佐々木(憲)委員 今の説明は、その抱き合わせ販売の解釈の仕方が非常にあいまいであるということなんですね。

 結局、抱き合わせ販売というのは、優越的な地位を利用して、セットでなければ販売しませんよとこれを押しつける、こういうのが抱き合わせ販売であって、そうでない場合、これは、今言ったように自動車の販売の場合もあり得る、そういうことのケースもあり得るという話なんですから。

 そうすると、今までこういうことでいろいろな被害が生まれてきているわけですよ。その被害というものが、今度の代理店業務を認めることによってさらに広がる可能性がある、そういう点を私は強く指摘をしておきたいと思います。

 時間が参りましたので終わります。

小野委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

小野委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 銀行法等の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

小野委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

小野委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、江崎洋一郎君外二名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党の三派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。江崎洋一郎君。

江崎(洋)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。

    銀行法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。

 一 銀行代理業者の参入の許可制、兼業の承認制については、可能な限りその要件を明確化し、透明性の高い仕組みを構築すること。

 一 代理業者が自ら兼業する業務と金融商品の抱き合わせ販売、代理業者が自らの地位を利用した情実融資等の懸念を払拭すべく、代理業者はもとより委託元銀行への監督、指導を徹底すること。

 一 代理業者の端末から委託元銀行のホストコンピュータに通じること等による顧客情報漏洩の懸念を払拭すべく、代理業者の内部管理体制を整備させるとともに、委託元銀行に対しても人的・技術的補完を行うよう監督、指導を徹底すること。

 一 代理業者が唯一の地域金融の担い手になるという事態をも想定し、その参入許可、兼業承認の審査に当たっては、顧客サービス、顧客保護の充実という観点から十分かつ迅速に行えるよう適切な措置を講ずること。

 一 銀行代理業者への参入許可、兼業承認などの実務を担う地方財務局等がその行政機能を発揮できるよう、組織、要員等につき、遺憾なきを期すること。

 一 今回の改正により、金融サービスの販売部門を一般に開放する制度改革については完了し、競争原理の環境が整うことから、引き続き、顧客情報や資産保護の観点を踏まえつつ、金融サービスの利用者保護のための横断的法制の整備を急ぐこと。

以上であります。

 何とぞ御賛成賜りますようよろしくお願い申し上げます。(拍手)

小野委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

小野委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。金融担当大臣伊藤達也君。

伊藤国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨を踏まえまして配意してまいりたいと存じます。

    ―――――――――――――

小野委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

小野委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 金融に関する件調査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時五十七分散会


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