衆議院

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第10号 平成18年4月12日(水曜日)

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平成十八年四月十二日(水曜日)

    午前九時十二分開議

 出席委員

   委員長 小野 晋也君

   理事 江崎洋一郎君 理事 七条  明君

   理事 宮下 一郎君 理事 山本 明彦君

   理事 渡辺 喜美君 理事 小沢 鋭仁君

   理事 古本伸一郎君 理事 石井 啓一君

      井澤 京子君    伊藤 達也君

      石原 宏高君    小川 友一君

      越智 隆雄君    大野 功統君

      河井 克行君    木原  稔君

      佐藤ゆかり君    杉田 元司君

      鈴木 俊一君    関  芳弘君

      とかしきなおみ君    土井 真樹君

      冨岡  勉君    中根 一幸君

      西田  猛君    萩山 教嚴君

      広津 素子君    藤野真紀子君

      馬渡 龍治君    松本 洋平君

      御法川信英君    安井潤一郎君

      小川 淳也君    鈴木 克昌君

      田村 謙治君    高井 美穂君

      長安  豊君    平岡 秀夫君

      三谷 光男君    吉田  泉君

      鷲尾英一郎君    谷口 隆義君

      佐々木憲昭君    野呂田芳成君

      中村喜四郎君

    …………………………………

   財務大臣         谷垣 禎一君

   財務副大臣        竹本 直一君

   財務大臣政務官      西田  猛君

   政府参考人

   (人事院事務総局職員福祉局長)          吉田 耕三君

   政府参考人

   (防衛施設庁施設部長)  渡部  厚君

   政府参考人

   (総務省人事・恩給局長) 戸谷 好秀君

   政府参考人

   (総務省行政管理局長)  藤井 昭夫君

   政府参考人

   (財務省理財局長)    牧野 治郎君

   政府参考人

   (財務省理財局次長)   日野 康臣君

   政府参考人

   (国税庁課税部長)    竹田 正樹君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           徳永  保君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房官庁営繕部長)        奥田 修一君

   参考人

   (日本銀行総裁)     福井 俊彦君

   財務金融委員会専門員   鈴木健次郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十二日

 辞任         補欠選任

  大野 功統君     冨岡  勉君

  佐藤ゆかり君     安井潤一郎君

  とかしきなおみ君   御法川信英君

  土井 真樹君     杉田 元司君

  藤野真紀子君     馬渡 龍治君

  平岡 秀夫君     高井 美穂君

同日

 辞任         補欠選任

  杉田 元司君     土井 真樹君

  冨岡  勉君     大野 功統君

  馬渡 龍治君     藤野真紀子君

  御法川信英君     とかしきなおみ君

  安井潤一郎君     佐藤ゆかり君

  高井 美穂君     平岡 秀夫君

    ―――――――――――――

四月十一日

 共済年金制度等の改善に関する請願(下地幹郎君紹介)(第一四四三号)

 大衆増税反対に関する請願(穀田恵二君紹介)(第一四四四号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 国有財産の効率的な活用を推進するための国有財産法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三六号)


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     ――――◇―――――

小野委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、国有財産の効率的な活用を推進するための国有財産法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、参考人として日本銀行総裁福井俊彦君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として財務省理財局長牧野治郎君、財務省理財局次長日野康臣君、国税庁課税部長竹田正樹君、人事院事務総局職員福祉局長吉田耕三君、防衛施設庁施設部長渡部厚君、総務省人事・恩給局長戸谷好秀君、総務省行政管理局長藤井昭夫君、文部科学省大臣官房審議官徳永保君、国土交通省大臣官房官庁営繕部長奥田修一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

小野委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。広津素子君。

広津委員 本日は質問の機会を与えていただきまして、どうもありがとうございます。

 まず、我が国の財政状態につきまして質問をさせていただきます。

 我が国は、三月二十七日現在使用できた平成十五年度の貸借対照表によれば、国の単体で九百四十一兆円の債務があります。今お配りしております財務諸表の一番右の列をごらんください。単体ではなく、独立行政法人や郵便貯金などを含めた連結ベースでは、千八十一兆円の債務になります。

 しかしながら、債務のみを認識して、国民一人当たりの債務残高が大きいと、必要以上に嘆く必要はないと思います。その理由は、我が国には債務と同時に資産もあり、平成十五年度の貸借対照表によれば、国の単体で六百九十六兆円の資産があって、その結果、純債務は二百四十五兆円になっているからです。この表の一番下の列をごらんください。債務の残高マイナス資産の残高が二百四十五兆円になっております。独立行政法人、郵便貯金等を含む連結ベースでは、資産が八百四十兆円あり、純債務は二百四十一兆円となっています。

 このような公会計による財務諸表がありますと、国の財政状態について過度の悲観や楽観をしなくて済むわけですが、現在、公会計による財務諸表の整備についての進捗状況はどうなっているのでしょうか。まず、これを御質問したいと思います。

竹本副大臣 おはようございます。

 この道の専門家の広津先生にお答えするのは多少緊張する気持ちもありますが、現状をまず御説明いたします。

 財務省といたしましては、国の財政状況をわかりやすく説明する、また財政活動の効率化、適正化を図らなきゃいけない、こういう目的のために、企業会計の考え方を活用いたしました公会計の整備を進めてきておるところでございます。

 具体的には、まず、国の貸借対照表の作成に取り組みまして、平成十年度決算分から作成、公表したところでございます。さらに、特別会計財務書類、省庁別財務書類と順次その整備を進めまして、昨年九月には、一般会計と特別会計を合わせました、国全体のストックとフローの財務情報を提供する平成十五年度決算分の国の財務書類というものを作成、公表いたしました。これで、これまで整備を進めてきた公会計に関する財務書類が一通り出そろったことになるわけでございます。現時点ではそういう状況でございます。

広津委員 どうもありがとうございます。

 次に、我が国における公会計の導入状況について御質問します。

 我が国においては、平成十八年三月二十七日現在において利用できる直近の財務諸表は平成十五年度のものです。これは、ソニーなどの国際的大企業である民間企業が、決算を三カ月程度の短期間で終了して、財政状態、経営成績、資金の状況を投資家に開示しているのと比較しますと、かなり遅いと言わざるを得ません。

 ちなみに、同じ国であるニュージーランドでは、平成十六年七月一日から平成十七年六月三十日の有価証券報告書を平成十七年十二月十六日に電子媒体EDINETで公表しており、決算に要する期間は六カ月となっております。

 我が国も、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどの他国と同様、迅速に現在の財政状態、収支の状況を広く国民に開示し、国債購入者にも情報提供する必要があると思いますが、いかがでしょうか。また、決算の結果を次年度の予算に反映できるように、財務諸表の公表を早めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

谷垣国務大臣 まず、現状を申し上げますと、財務諸表の公表時期は、省庁別の財務書類は、歳入歳出決算の計数が確定しました後に、省庁ごとに一般会計それから特別会計の財務書類を作成して、それを合算あるいは相殺消去して関係法人を連結するといった作業が必要でございます。そこで、今は、その完成、公表時期が、決算の計数確定の翌年春ごろというふうになっているわけです。

 それから、国の財務書類の方は、一般会計と特別会計を合算したもののほか、一般会計のみのもの、それから一般会計と特別会計に独立行政法人などを連結したもの、三つ財務書類をつくっているわけでございますが、省庁や独立行政法人等の間に膨大な数の取引を相殺消去する必要がある、それから前年度の計数も併記している等々によりまして、省庁別財務書類の完成から約五カ月、期間を要しているのが現状でございます。

 こういう作業手順を踏んでいるために公表まで時間を要しているんですが、毎年毎年少しずつ早くなってきていることは事実でございまして、なれもあるんだろうと思います。初めてやったときと、二度目、三度目はだんだん早くなってきておりますので、これまでも少しずつ公表の早期化を図っているところですが、今後とも、できるだけ早く出して、こういう国会の御議論にも早期に参考にしていただく、また我々が次の予算等々をつくるときにもできるだけ参考になるように、そういうふうに図っていきたいと考えております。

広津委員 ありがとうございます。

 次に、負債をより少なくする方法について御質問します。

 国民に負担をかけずに、既につくってしまった負債をできるだけ小さくする方法の一つに、売却できる資産をなるべく高い値段で売却して売却益を出す方法があります。この点につきまして、財務省は、貸借対照表に載っている価格が時価に近いため売却しても売却益が出ないと言っていらっしゃったのですが、どのような検討がなされているのでしょうか。

 また、国有財産のうち、売却可能なものはどれだけあるのでしょうか。

谷垣国務大臣 ただいまの厳しい財政状況にかんがみますと、今おっしゃったように、未利用国有地など売却可能な国有財産は積極的に売っていこう、それから、それを少しでも財政健全化に役立てよう、これは大事な政策課題だと思っているわけです。

 そこで、どういうふうに価格をつけていくかということですが、財政法等にいろいろ規定がございまして、不動産鑑定士の鑑定評価額などをもとに算定した時価によるということを原則としておりまして、原則は、一般競争入札によって最も高い価格で申し込んだ人に対して売却するということでやっております。

 ただ、例外で随意契約でやっているのがあるわけですが、それは、公園あるいは学校敷地など公用ないしは公共用といった用途に供するもので、地方公共団体などに対して随意契約をする場合がありますが、原則は、先ほど申し上げたような一般競争入札で高い価格をつけた方に売るということでございます。

 実際の売却額についてはその時々の地価動向等に左右されると考えられますけれども、いずれにせよ、一般競争入札によって売却益を最大限追求するということでこれからもやってまいりたいと思っております。

広津委員 ありがとうございます。

 次に、有形固定資産についてお伺いします。

 まず、売却についてです。

 国が使っていない財産、遊休資産は速やかに処分するのがよいと思いますし、未利用になっている国有地の売却については、何らかの取り組みを進めるべきだと思います。

 そこで、国有財産の効率的な活用を推進するための国有財産法等の一部を改正する法律においては、どのような売却促進のための具体策が講じられているのかをお伺いします。

 また、有形固定資産の使用の効率化について、庁舎や土地に空きスペースがある場合や、容積率に満たない建物が建っている場合、どのように対応される予定でしょうか。

 庁舎の新設に当たっては、容積率の無駄をなくし、かつ建物の効率的な使用をするという観点から、単独庁舎ではなく、合同庁舎化を積極的に推進することが必要だと考えますが、いかがでしょうか。

谷垣国務大臣 政府の資産の売却収入の目安について答えろということを落としまして、申しわけございません。

 それで、三月十六日の経済財政諮問会議で、歳出歳入一体改革の関連から、国の資産のうち財政再建のための財源となる資産について、その売却収入の目安、これは約十一・五兆円であるということをお示ししております。それで、この収入は財政健全化に最大限役立てていく、こういうことでございますが、今のように、財政再建のための財源とならないものもございます。

 そこで、国の資産規模の対名目GDP比を今後十年間でおおむね半減させるというような長期的な目安がございますので、これを実現する観点からは、例えば財投貸付金のように、財源とならない資産の圧縮等をどうしていくか、これは、工程表を作成していく中で検討していくなど、取り組んでいきたいと思っております。

 ですから、私どもは、財政健全化に役立つもの、それから、必ずしもそうではないけれども全体の資産規模を圧縮していくためにやっていくもの、こういうのを分けてきちっとやってまいりたいと思っております。

牧野政府参考人 お答えをさせていただきます。

 三つほど御質問いただいたと思いますので、順次お答えさせていただきます。

 一つは、今回の国有財産法の改正案においてどのような売却促進のための具体策が講じられているかでございますが、我々、今までも、不用となりました庁舎等の跡地や物納財産の未利用国有地などにつきまして、積極的に売却を進めてまいりました。ただ、その未利用国有地のうちでも、宅地条件が劣る不整形な土地、それから借地契約等の対象となっているような権利付財産、これは売却が進んでおりません。

 具体的に申し上げますと、不整形等の理由で売却が困難な土地のストックは、平成十六年度末で二千百億円と、これは五年前の三倍になっております。それから、権利付財産でございますが、これも、ストックベースで平成十六年度末で六千四百億という高い水準になっておりまして、今回の法律改正において、こういった事態を少しでも解消していくために、まず、不整形等の理由によって売却が困難な土地につきましては、その一部を隣接の土地と交換する、そうしまして、建築基準法上課されております通路の幅員を確保するということを実現したいと考えております。それから、借地契約の対象となっております権利付財産につきましては、底地と借地権の一部を交換いたしまして借地権の消滅を図る、こういうことによりまして、財産の売却をしやすくしていきたいというように考えております。

 それから、もう一つ御質問がございましたのは、庁舎や土地に空きスペースがある場合に、あるいは容積率に満たない建物が建っている場合にどのように対応するかということでございますが、これは当然、この厳しい財政事情を踏まえますと、庁舎等の空きスペースやこういった未利用の容積率につきましても、可能な限り無駄を排除していく必要があるというように考えております。このため、今回の法改正では、庁舎等の空きスペースにつきまして民間への貸し付けを可能といたしまして、その有効活用を図るということにいたしております。

 それから、法定容積率に対する利用率が低い庁舎等についてでございますが、これは集約化を進めまして不用敷地を捻出いたしまして、それを積極的に売却あるいは有効活用を進めていくということで、先ほど大臣御答弁ありましたとおり、三月十六日の経済財政諮問会議でお示ししたところでございます。今後とも、こういった努力を続けてまいりたいと考えております。

 それから、もう一点御質問がございましたのは、建てかえる場合に、庁舎を新設する場合に、容積率の無駄をなくして、かつ効率的に使用するという観点から、合同庁舎化を積極的に推進することが必要ではないかということでございました。これは全く御指摘のとおりでございまして、そういう容積率の無駄をなくしまして、かつ建物の効率的な使用をするという観点から、各省庁との間でできる限り合同庁舎化が実現するよう調整してきたところでございますし、今後とも、そういう方向で調整をしてまいりたいというように考えております。

広津委員 どうもありがとうございます。

 次に、耐震化について御質問します。

 庁舎等の耐震化につきまして、今回の特定国有財産整備特別会計の制度改正について御説明いただければ幸いです。

 阪神・淡路大震災から十年たって、今回の制度改正によりやっと耐震化に取り組むこととなったというのは、少し対応が遅いと考えられますが、庁舎等の国有財産の耐震化の状況、これまでの取り組みについて御説明いただければ幸いです。

 また、建てかえを行わない庁舎等の耐震化につきましては、耐震改修を行うのか、どのような計画があるのかについてお伺いしたいと思います。

牧野政府参考人 お答えをいたします。

 庁舎の耐震化についてでございますが、今回の制度改正におきまして、庁舎の使用について省庁横断的な調整を徹底するということにいたしておりまして、その結果、不用となる財産につきましては、特定国有財産整備特別会計におきまして、必要な耐震性を備えた合同庁舎の整備財源として活用する仕組みを導入することといたしました。

 こういうことによりまして、一般会計の負担にとどまらず合同庁舎を整備するとともに、低層、未利用な非効率な使用状態のまま処分ができなかった、そういった土地の処分も可能になるというように考えておりまして、こういった取り組みで庁舎の耐震化を図るとともに、庁舎の集約、高層化によりまして、土地の有効利用それから跡地の処分を促進していきたいというように考えております。

奥田政府参考人 それでは、引き続き庁舎の耐震化の状況等について御説明をさせていただきます。

 官庁施設の耐震化対策につきましては、従来より取り組んできたところでございますけれども、御指摘の阪神・淡路大震災の発生を受けまして、大規模地震において総合的な耐震安全性の確保を図るという観点から、平成八年十月に官庁施設の総合耐震計画基準及び官庁施設の総合耐震診断・改修基準というものを制定いたしております。

 これ以降、この基準に沿った耐震診断及び施設整備を実施しておりまして、これまでに構造体の耐震診断はほぼ終了しております。既に八十棟以上の耐震改修を実施したところでございます。現在の耐震化の状況につきましては、おおむね三分の二の施設において、耐震性能は満足するという状況でございます。

 それから、耐震改修を行う考え方でございますけれども、既存の官庁施設で耐震性能が十分でない施設につきましては、その施設の重要度とか、あるいは保有している耐震性能等を考慮して、緊急度の高い施設から重点的、計画的に建てかえあるいは耐震改修、この二つの方法により対策を実施するということで、いずれの方法によるかにつきましては、コストの比較とか工法などの技術的検討を踏まえて判断するということにしております。

 耐震改修の実施に当たりましては、災害対策の中枢機能を担う拠点的施設あるいは警察関係施設など重要性の高いものから計画的に実施をするということにしておりまして、平成十八年度予算におきましては、対前年度一・六倍となる四十五億円の耐震改修費用を計上しておりまして、重点を置いて改修を進めるということにしております。以上でございます。

広津委員 どうもありがとうございます。

 最後に、有価証券、出資金についてお伺いします。

 有価証券、出資金は、例えばNTT株式等のように、経営主体が国であった組織を民営化すると、創業者利益を得て現金化できるものも多いはずです。具体的に、どのくらいの数のどういう組織に対する有価証券や出資金があるのでしょうか。例えば、郵政公社初め民営化法人の株式もしくは出資金を譲渡した場合、かなりの収入が見込めると思われますが、いかがでしょうか。

竹本副大臣 幾らぐらい見込んでいるかということですが、一応八・四兆円ぐらいを見込んでおります。

 どういうことかといいますと、まず平成十五年度で見ますと、国の財務書類におけます政府出資の対象でございますが、公社が一法人、独立行政法人が八十七法人、特殊法人等が三十七法人、特殊会社五法人、国際機関十二法人、清算法人四法人の合計百四十六法人となっております。

 それで、民営化法人の株式を売却した場合の売却収入でございますけれども、先ほど答弁の中でもありましたように、三月十六日の経済財政諮問会議で、今後十年間の売却収入の目安として、政府出資につきましては先ほど申し上げました八・四兆円を見込んでいる、こういう報告をいたしております。

 それで、この内訳ですが、先生おっしゃられたとおり、民営化が決定されております日本郵政株式会社、それから既に民営化されている成田国際空港株式会社等について、機械的、網羅的に計上しております。あくまでも機械的に計上しておるわけであります。例えば、市場の状況等によって、今後相当程度変化することは十分あり得るという前提でございます。

 この民営化された及び民営化が決定されたもの以外のものに対する政府出資については、国の政策目的の実現の観点から、こういった当該機関の法人等の事業の的確な遂行、それから経営基盤の安定を図るために行われているものでありまして、必ずしも民営化ができるものではない、こういうことでございます。例えばIMF等に対する出資というのは、利益を上げるためにやっておりませんので、これはちょっとこういった目的には合わない。

 そういうことで、いろいろ制約がございますので、できるものを合わせれば、冒頭申し上げましたとおり八・四兆円、こういうことでございます。

広津委員 どうもありがとうございました。よくわかりました。

 つたない質問ですが、丁寧にお答えいただきまして、どうもありがとうございました。

小野委員長 以上で広津素子君の質疑を終了いたします。

 引き続きまして、谷口隆義君。

谷口(隆)委員 公明党の谷口隆義でございます。おはようございます。

 本日は、国有財産法の一部改正案、これについて、私、本日三十分の持ち時間でございますけれども、半分をそちらに、あとの半分は、きょうは日銀の総裁に来ていただいておりますので、金融政策についてお伺いをいたしたいと思います。

 この国有財産法の改正案は、今行政改革の特別委員会で審議をいたしております、いわば徹底的に無駄を省いていくというようなことの準備段階の法整備をこの法律が担っているということなんだろうと思います。先日、私も特別委員会で質問をさせていただいたところでございますが、先日とは違う観点で、本日、質問をさせていただきたいというように思っております。

 二〇〇六年度の末には、国、地方を合わせましての長期債務が七百七十五兆円になるという大変な財政悪化が続いておるわけでございます。そんなことでございますので、歳出削減を徹底的に行い、また歳入構造も見直しをすべきところは見直しをしていくというような形で財政の健全化を図っていかなければなりません。そういうようなことをやらないと、最終的には国民負担になるということでございますので、これは徹底してやはりやっていく必要があるというように思うわけであります。

 この法案、何点かのポイントがありますが、先日の特別委員会で私は申し上げたんですが、確かに国有財産、処分すべきものは処分していく必要がありますけれども、その必要性を十分勘案して慎重に処分をしていかないと、後顧の憂いを残すというようなことになりかねないということも申し上げたわけであります。

 本日、一番初めに質問させていただきたいのは、よく言われております国家公務員の宿舎の件であります。

 東京二十三区の国家公務員宿舎の件で申し上げますと、法定容積率を十分使っておらないということで、これを目いっぱい使ったらいろいろな活用ができるだろうというようなことで、また、これを民間に賃貸するということになりますと、賃貸収入も入ってまいりますから、そういう観点でやっていく必要があるということでございますが、先ほど牧野局長のお話を聞いておりましたら、そういう観点で売却もしくは有効活用を積極的に進めていきたいということでございます。

 それで、お伺いをいたしたいわけでありますが、財務省から、「東京二十三区内所在国家公務員宿舎 法定容積率に対する利用率調べ」というものを入手いたしました。これは、合同宿舎と省庁別宿舎と二つの分類になっておりまして、合同宿舎全体で申し上げますと、容積率満杯を一〇〇%といたしますと、全体で五六・六%。この分類、中身を見てまいりますと、このうち、築十年以下が利用率で七三・一%、築二十年以下が七二・五%、これはかなり利用されている。ところが、築二十一年以上が四二・七%というような状況になっております。

 また、省庁別宿舎で申し上げますと、全体として利用率の平均が四一・三%。このうち、築十年以下が七四・一%、築二十年以下が五七・五%、築二十一年以上が三八・五%。このように、築二十一年以上の宿舎が、かなり利用率に余裕がある、容積率に余裕があるというような資料になっておるわけであります。

 ですから、この資料を見る限り、売却を進めたらどうかとか、いろいろな観点での協議が行われるんだろうと思いますが、私が申し上げたいのは、この宿舎、二十一年程度であれば、十分まだ使用にたえるわけでございます。その宿舎を仮に売却するといったような場合には、あとまた追加的な支出が出てまいります、新たにつくらなきゃなりませんから。この追加的な支出と、仮に容積率いっぱいに建てかえてその余剰分を賃貸に回すというような収入を考えた場合、建てないということになりますと収入が得られないということになりますから、これをいわゆる機会原価というわけでありますけれども、このような比較をしなければならないと私は思うわけであります。

 今回のこの法案において、このような民間ベースの採算計算、どのようにやっていらっしゃるのか、御答弁をお願いいたしたいと思います。

谷垣国務大臣 ことし一月の財政制度等審議会の答申で、国有財産管理に一層効率化を推し進めるに当たりまして、既存庁舎がどの程度有効に活用されているのか、それから個別の庁舎の整備あるいは管理方法としてどういうものが効率的であるか、こういうことについて定量的に検証していく必要があるという指摘をいただいております。

 私どもは、この指摘を踏まえまして、今後、関係省庁と連携を図りながら、可能な限りコスト分析といった定量的分析手法を導入して国有財産の有効活用を徹底していきたいと思っているんですが、これは、今すぐというわけじゃないんです。将来的にやはり考えなきゃならぬことは、これは国土交通省と連携する必要が当然ございますが、庁舎のライフサイクルコストというんでしょうか、生涯費用といいますか、そういうものに関するデータベースをつくって、改修と建てかえの費用の比較ということも取り組んでいく必要があるのではないか、こういうふうに考えているところでございます。

谷口(隆)委員 谷垣大臣おっしゃるように、まだ使用にたえ得るものをあえてつぶして、それでまた追加的な支出を行うということは、本来、それによって利益を生むのかどうかという観点をよく考えていただきたいということを申し上げたわけでありまして、この運用のところで民間ベースの運用のやりぶりが導入されるだろうというように思うわけでありますけれども、そういう観点で、かえって無駄をした、不必要な支出を行ったと言われることのないように、しっかりやっていただければというように思う次第であります。

 それで、次にお尋ねをいたしたいのは、特定国有財産整備特別会計がございます。これはいわゆる特特会計と言われるものでございます。この特別会計を整理統合していくということも、この行政改革推進法の中で盛られておるわけでありまして、今三十一ある特別会計を、不必要なものは一般会計に統合するとかつぶしてしまうとか、いろいろな形になってくるんだろうということであります。この特特会計で申し上げたいのは、これは先ほど出ておりましたけれども、昭和三十年代から四十年代に非常に耐震性に問題のあるような庁舎が、今現在国土交通省の調査によりますと出てまいりまして、この状況を見るに、一刻も早く耐震性に問題のある庁舎を耐震性の観点で手を入れていかなければなりません。

 それで、これから対応していくということでありますけれども、一般事務庁舎の約三分の一、約二百七十万平米でございますが、これが耐震基準を満たしておらないということのようでございます。しかし、その中でも、非常に緊急度の高いものも低いものもあるようでありますので、この特会の中でこれをやっていくということでございますが、先ほど申し上げましたように、この特別会計そのものを、この特特会計も平成二十二年度末には、目途ということでありますけれども、一般会計に統合するというようなことになっております。

 この五年間で、このような耐震性に問題のある庁舎をしっかりとした庁舎にするというようなことをこれからやられるわけでありますけれども、この五年間ですべてできるのかどうか、私は疑問に思うわけでありますけれども、どのようにお考えなのか、お伺いをいたしたいと思います。

谷垣国務大臣 特定国有財産整備特別会計、長いので、ちょっといわゆる特特会計と申し上げますが、この特特会計で、今おっしゃった当面緊急の課題となっている耐震性の欠けた庁舎の改築、それから都心の宿舎の移転、再配置、今まで特特会計は一般会計から繰り入れができるような仕組みになっておりましたけれども、今後それはしないということで、つまり、一般会計の負担によらないで、庁舎、宿舎の跡地を財源とするスクラップ・アンド・ビルド、こういう枠組みで、緊急度の高いものから重点的、計画的に取り組んでいく、こういうことを考えているわけですが、御指摘のように、この特特会計が二十二年度を目途として一般会計に統合される予定になっておりますので、今申し上げた庁舎の耐震化、具体的にどう進めていくかということについては、早急に具体的な計画を策定していかなければならないと思っております。

谷口(隆)委員 まず一番大事なのは、そういう耐震性に問題のある庁舎を問題のないようにしなければならないということが最優先でありますので、そこを重点的に考えてやっていただきたいというように思う次第であります。

 それで、次に、先ほど申し上げましたように、金融政策についてお伺いをいたしたいと思います。

 大変お忙しい中、本日、日銀の福井総裁、来ていただきまして、ありがとうございます。何点かお伺いをいたしたいと思いますが、まず初めに、先日の日銀短観であります。四月三日に公表されましたこの日銀短観についてお伺いをいたしたいわけでありますが、この日銀短観を見まして、マスコミ報道も私も大変驚いたのです。何が驚いたかと申し上げますと、大企業製造業が十二月のときに比べまして一ポイント下落をしたわけであります。

 それで、民間調査機関による三月短観の業況DIの予測が出ております。この三月の業況DIがどういうようになるのかという予測でありますけれども、ちなみに、前回でありますが、業況判断DIが一九でありました、九月の段階で。それで、十二月の段階で二一になりまして二ポイントアップしまして、今回二〇ということになったわけであります。それが、先ほど申し上げました業況DIの予測で申し上げますと、最大が二四、最小が二一、中央値が二三ということになっておりまして、この最小値を下回るような業況判断DIであったわけであります。この結果を踏まえまして、一般的には景気がピークアウトの兆しが見えてきたのではないか、こういう考え方も出てきております。

 あの量的緩和が三月の九日の決定会合で解除されまして、市中においては金利先高感が出ております。このような金利先高感が景気回復に対する抑制力という形になっておるのではないか、このようなことも言われておるわけでありますが、総裁にこの短観についての御判断、御所見をお願いいたしたいと思います。

福井参考人 ただいま委員から御指摘いただきましたとおり、先般の短観を見ますと、業況判断、高水準で横ばいと、事前の予想に比べますと少し低かったというふうな感じの数字が出ていることは確かでございます。短観の中身として出ております企業のもろもろの事業計画と比べて、少し控え目な業況判断になっているということは確かでございます。

 私どもは、最近、前回だけに限らずここ数回の短観を見ておりまして、過去の短観と比べてちょっと違った特徴がある、それは、企業の特に収益見通しあるいは収益率見通しに比べて、この業況判断が控え目に出る傾向が最近うかがわれるというふうに思っています。今回の短観につきましても、私どもは、中身は非常に堅実な短観である、しかし企業は前のめりになっていない、あくまで控え目なスタンスをとった、そういう短観だということで、私どもの勝手な解釈かもしれませんが、むしろ景気が長続きしやすい、息の長い景気回復につながりやすい企業態度というものをあらわしている短観ではないか、こういうふうに理解しているわけでございます。

 と申しますのも、中身を見ますと、新年度も増収増益見通し、そして設備投資計画も比較的しっかりとした中身になっている。しかし、企業は前のめりになっていない。かつての好況期のようにどんどん前倒しの生産をするとか、あるいは意欲的な売り上げ計画を持つとか、あるいは好況に向かっているからといって、かなり思い切った設備投資をしてひょっとしたら過大設備になるかもしれないというところまで踏み込んでは投資をしないという形になっていますので、冷静にこの短観の中身を我々分析し続けておりますけれども、多分、目先過剰在庫を抱えて調整しなきゃいけないとか、過剰設備を抱えて調整しなければいけないとか、景気の屈折を招きやすいような中身の短観ではない、しかし企業は着実に事業計画を前向きに進めている、そういうふうな短観であったというふうに理解をさせていただいております。

谷口(隆)委員 今総裁がおっしゃったように、設備投資は割と短期ではなくて中長期なものですから、業況の変化に敏感に反応しないところがあるんだろうと思います。

 それで、そういう私が申し上げておるような景気感にいわばピークアウト感が出てまいったとしますと、金融政策のところも万全の体制で慎重にやっていただかなきゃいかぬと思うわけであります。先ほど驚いたと私申し上げましたが、民間機関の調査の最小値を下回るポイントであったわけでありまして、ちょっとここで総裁にお伺いいたしたいわけでありますが、最小値が二一、最大値が二四、この間に、民間の予想の範囲内におさまらなかったというのはかつてあったのでありましょうか。

福井参考人 過去の短観の趨勢は、委員御指摘のとおり、あるいは今民間のアンケートの中でお答えになっておられる方々の予測のとおり、収益の見通し、なかんずく売上高経常利益率、これの推移に対して業況判断のレベルがぴたっと一致するように、並行的に、いいときはいい、悪いときは悪いという方向に進む、この趨勢のとおり予測を立てると今お示しになったような予測になる、我々がやりましてもそういう予測になります。

 しかし、現実は、最近はそれを少しずつ下回る傾向が出てきている。今回は一段とそれがはっきり下回っていたということは事実だと思いますが、しかし、やはりそれだけ企業がこれから先行きの経営を、前向きにはやるけれども慎重なスタンスでやりたいと。個々の経営としてもそうですが、全部これが集積されますと、これは製造業、非製造業、大企業、中小企業、押しなべてそういう傾向がございますので、景気全体に翻訳して申し上げれば、息の長い、つまり余り派手な景気にはならないけれども息の長い景気につながりやすい企業態度ではないか、こういう解釈を導き出し得るのではないかというふうに思っています。

谷口(隆)委員 確かに、将来の企業収益を示すと言われておる株式市場も上昇基調でありますから、それは私の危惧に終わるのかもわかりませんが、やはり日銀が考えておられた状況とも若干異なった、違和感があったとおっしゃったわけでありまして、よく慎重に見ていただきたいと思う次第であります。

 それで次は、財務大臣もおられますけれども、長期金利であります。谷垣大臣も大変注意深くこの長期金利を見ていらっしゃるんだろうと思いますが、三月の量的緩和解除後の長期金利の動向を見ますと、三月九日の解除のときに長期金利が一・六〇〇でありまして、四月七日に一・九〇〇、四月十一日、昨日でありますけれども一・八八五ということで、二%に近づいております。

 先日のASEMでも、財務大臣会合でもこのようなことが話題になったようでありまして、アメリカは御存じのとおりもう一回ぐらいFOMCが引き上げるのではないかと言われておりますし、またECBも今金利を上げているという日米欧の金利上昇の基調が続いておるわけでありまして、きのうの決定会合が終わってからの総裁の記者会見の中で総裁自身も、海外市場の動向とも絡んで、債券市場の一部にボラタイルな動きが見られるのも事実であるということもおっしゃっておられます。この長期金利の動向に大変関心が持たれております。

 今現在、政府では、この六月に歳入歳出の一体改革で、今この意見集約をしておるところでありますけれども、この前提となる長期金利が大きく振れてまいりますとまたこの考え方全体に影響が出てくるということでありますが、総裁にこの長期金利の動向について御見解をお伺いいたしたいと思います。

福井参考人 私ども、ふだんから債券市場、株式市場あるいは為替市場の動き、それが相互にどういうふうなチェックを働かせながら動いているかというふうなことを綿密にウオッチいたしておりますけれども、このうち債券市場の金利、いわゆる長期金利について申し上げますと、今委員が御指摘なさいましたとおり、最近では少しこれが上昇している、あるいは、さらに加えて言えば、市場のボラティリティー、不規則な変動も高まる傾向を示しているということであります。

 その背景でありますけれども、これはやはりいろいろあると思います。一つには、景況感の一段の改善ということは市場関係者がひとしく認識しておられるところでありまして、つれて株価がかなり堅調に推移している、その影響を受けていると思います。二番目には、米国など海外の長期金利動向がございます。このところ、つい最近まではいわゆるコナンドラムと言われて、短期金利が上がっても長期金利はむしろ下がると言わんばかりの傾向がございましたけれども、最近は、米国を先頭に長期金利が少し上がり始めています。これにつれて欧州及び日本の長期金利にもその影響が明確に波及してきている。三つ目には、恐らく日本の先行きの金融政策運営に対してさまざまな観測が今出始めている。これらの影響が複合的に作用しているというふうに思っています。

 さらに詳しく申しますと、恐らく、長期金利といいましても、比較的短い期間の、短期、中期のゾーンと、御指摘なさいましたような十年あるいはそれ以上の長い金利と両方あると思いますが、私ども見ておりまして、短中期のゾーンについては、景況感のよさ、あるいは日銀の金融政策をめぐるさまざまな思惑というのがより強く反映している可能性がある。長い金利につきましては、最近のところは、むしろ海外からの影響がやや強いのかな、こういうふうに思っております。

 いずれにいたしましても、私ども、長期金利の動きについては重大な関心事項でございます。今後の動きを十分注視してまいらねばならない、こういうふうに思っております。

谷口(隆)委員 市場関係者も、この長期金利の動向については大変関心を持っておるわけであります。いつゼロ金利が解除されるのか、こういうことに大変関心も市中では持っておられるわけでありまして、当預残高が、量的緩和が解除されたときに大体三十三兆円程度だったと思いますが、今お聞きしますと二十五兆円程度になっておられるようであります。

 これを、必要残高としては六兆円ぐらいでありますけれども、大体十兆円程度に持っていきたいというようなお話のようであります。これへ持っていくのに三カ月から四カ月程度、そうすると、七月、八月ぐらいには大体ゼロ金利が解除される環境が整えられるというようなことを市場関係者は言っておるわけでありまして、この七、八、九ぐらいで金利の引き上げ、短期金利の誘導目標を日銀は引き上げるのではないか、このようなことが出ておりますが、総裁の御見解をお伺いいたしたいと思います。

福井参考人 当座預金残高の削減については、今、市場の状況を見ながら慎重にこれを進めている最中でございます。

 短期金融市場の状況あるいは金利の形成のされ方を見ておりましても、スムーズにこのプロセスが今進んでいるというふうに私ども認識いたしております。当初の予定のとおり、数カ月かけて円滑に流動性を吸収し終えるのではないかというふうに今のところは考えております。

 しかしながら、ゼロ金利政策がいつ終わるかという問題と、この流動性の吸収の過程が終わるということとは無関係だというふうに考えていただきたいと思います。金利政策の方につきましては、あくまで今後の経済、物価情勢次第、今のところは全くオープンであり、我々は予断を持って臨んでいない。むしろ、今月末にはまた、二〇〇六年度だけでなくて明年度、二〇〇七年度につきましても、日本銀行としての経済、物価見通しというものをお出しいたしますし、それに対して、中長期的に見て、物価安定のもとでの持続的な景気拡大の方向ということに沿っているかどうか、その評価、さらには、よりロングランに見たリスク要因は何かというふうなこともあわせて材料提供をさせていただきます。

 市場の中でもそれをそしゃくしていただいて、金利形成をより練れたものにしていただきたいと思っておりまして、そういうコミュニケーションを通じて、将来の金融政策のパスというのが次第に確認されていくだろう、こういうふうに考えています。

谷口(隆)委員 次に、歳出歳入一体改革の中間取りまとめが出ておるわけでありますけれども、そこで、「改革の基本「原則」」の中で金融政策に言及しているところがありまして、「デフレから脱却し、民間需要主導の持続的な成長と両立するような安定的な物価上昇率を定着させる。」というようになっております。

 それで、申し上げたいのは、この内閣府の試算によりますと、実質成長率でありますが、二〇〇六年には一・九、二〇〇七年、二〇〇八年は一・八、二〇〇九年から二〇一一年、プライマリーバランスが黒字に転換すると言われておる二〇一一年には一・七、こういうような実質成長率がこの内閣府の試算で出ておるわけでございます。

 今、経済財政諮問会議の中で議論されております名目GDPと長期金利の関係、これが最近の状況では、長期金利が名目GDPを上回っているというのが一般的であるようであります。ですから、そういう意味では、長期金利が四、名目GDPの成長率が三というのがプルーデントな考え方なんだろうと思います。しかし、名目成長率が四、長期金利が四という考え方があります。この長期金利が四ということを考えた場合に、日銀の今おっしゃっているゼロから二%程度という物価上昇率を超えるような物価上昇率になる可能性があるわけであります。

 福井総裁も今諮問会議に出ておられるわけでありますが、この議論、どういうようにお考えなのか、お考えをお伺いしたいと思います。

福井参考人 今委員からお示しいただきましたとおり、まず、「構造改革と経済財政の中期展望」の中で、実質経済成長率の推移について御指摘のような数字が示されている。それからまた同時に、経済財政諮問会議で、歳入歳出一体改革の中間取りまとめという形で、長期金利と名目成長率をマトリックスの形にして、いろいろな組み合わせが選択肢として、あるいは議論の対象として示されている、こういう段階だというふうに私は認識いたしております。

 したがいまして、さまざまな選択肢がまだ議論が続けられている最中でございますので、特定の組み合わせについて、詳しく私がコメントを加えるということは現時点では必ずしも適当ではないのかなというふうに思っておりますが、それはそれとして、一般論として、日本銀行の立場でこうした問題に絡んで考え方を申し上げるとすれば、今後、日本経済の国際的な競争力をより強めていく、そして、その姿が今後最も重要な財政再建のプロセスと両立するように、財政再建にもしっかり寄与するように持っていくためには、何といいましても、日本経済の潜在成長能力を高めていくということが大事でございます。

 今、アメリカが三・五%ぐらいと言われています。日本は一・五%前後、一・五%を上回りつつあるかどうか、そういうところでございますが、まだかなり開きがある。ヨーロッパに比べてすら、潜在成長能力がまだちょっと低いと言われている状況でありますので、これを人口が減っていくという厳しいハンディキャップを乗り越えながらこれから高めていくということが一番大事だというふうに思っています。

 実力を高めながら、かつ、コンスタントにそれを実際に顕現化して安定的に実質成長率を伸ばしていく、ここの部分で日本銀行は大いに貢献できるだろう。つまり、中長期的に物価安定を確保しながら、波の少ない経済成長を実現させていくということが一番大事だと考えています。

 結果的に物価上昇率が上乗せされて、結果的に望ましい名目成長率も実現していくだろう。まず名目成長率ありきというスタンスをとらないのが賢明ではないか、一言で言えばそういうことだと思います。

谷口(隆)委員 時間が参りましたのでこれで終わりますが、この量的緩和解除後の金融政策、非常に重要な運営が求められております。非常に重要な時点になっていると思います。ぜひ、日銀におかれましては、そういう観点で頑張っていただきたいと申し上げまして、終わらせていただきます。

小野委員長 以上で谷口君の質疑を終了いたします。

 引き続きまして、関芳弘君。

関委員 おはようございます。自由民主党の関芳弘でございます。

 本日は、政府資産の圧縮の問題に関しましていろいろ御質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

 最近、マスコミの、特によく新聞にいろいろ出ておりますけれども、政府資産の整理ということにつきましては、これは今現在、日本の財政を立て直す上で非常に大切な内容だということで言われているわけでございますが、本当に私もこの点につきましては、甚だ微力ではございますけれども、一生懸命自分の知恵を出しながら進めてまいりたい、政府・与党、皆様一緒になって進めていかなければならないなと思っておるところでございます。

 このような中で、では、どういうふうなやり方が具体的にあるのかという話が今いろいろなされておるところでございます。

 そこで、今いろいろな政府資産の圧縮案というところがマスメディア、新聞とかには出ておるわけでございますが、例えば、財務省案でございますと十一・五兆円圧縮できるのではないかという御意見を出していただいておりましたり、また、自民党の財政研の中間報告のところでは百十二兆円できるのではないか、また、経済同友会の提言からいけば、いやいや、もっといけるんじゃないか、百七十五兆円までいけるのではないか。いろいろな手法で、いろいろな意見が出てきまして、それをこれからしっかりと検討していかなければいけないところだと思っております。

 その中で、いろいろな項目がある中で、その具体的な方法につきまして、その方向性を、今どのような御方針を持っていらっしゃるのかというところにつきまして、個別にお伺いをしてまいりたいと思います。

 まず一つ目でございますが、ネーミングライツというところでございまして、国有財産に関します命名権。ここら辺のところにつきまして、まず一つ目、お伺いをしたいと思います。

 これは、普通財産、行政財産のみならず公共用の財産を含めまして、国有財産につきまして原則一般競争入札を行いまして、命名権、これは一定の期限つきにするかどうかというところはありますけれども、命名権を売却することによって国有財産の有効活用を図っていってはどうかなということも一つ考えられるのではないかと思います。

 先般、私、いろいろな打ち合わせとか会議とか話をしておりますと、例えば、高知で坂本龍馬のすごい大好きな方々につきましては、高知の空港については龍馬空港というふうな名前にしたらどうかとか、いろいろな意見が出ているわけでございます。そこは、いろいろな、業務上支障がないようなところを考えながら、そういうふうな命名権の、いわゆる競争入札で売却するという方向は考えられるのではないかと思うわけですが、それにつきまして御意見をお伺いしたいと思います。

谷垣国務大臣 命名権を競争入札で売ったらどうだ、それを財政再建に役立てろ、私は十分検討に値する議論だろうと思っております。

 具体的に考えますと、それぞれの、これは普通財産、行政財産、公共用財産、いろいろございますけれども、それぞれの所管省庁といいますか、やはり行政財産、行政財産に限らず国有財産、それぞれの目的等々がございますから、そういう行政目的と果たして調和するかしないかというような問題もあるんだろうと思います。政策目的を達成する上で障害があるのかないのか、そういった点を十分検討していただく必要があると思いますが、そういった検討を踏まえて、これは可能だということであれば、私はそれは十分傾聴すべき意見だろうと思います。

関委員 ありがとうございます。

 私もこの命名権のところにつきましては、きっといい方向性に進めていけるのではないかと非常に期待しているところでございます。

 二つ目のところでございますが、これは町を歩いておりますと、私なんかもよく気になるところでございますが、デパートなどでいろいろな広告等、いわゆる看板等が掲げられて、それがいわゆる商業上で収益を生むような使い方がされているものが多々ございます。いわゆる国有財産につきましても、広告媒体、例えば看板等に関しましては、例えば支障のない範囲で設置することなども認めまして、広告手数料ですか、非常に商業的になるかもしれませんけれども、その広告手数料などを得るようなアイデアも考えられるのではないかと思っておる次第でございます。

 その点につきまして、大臣のお考えをお聞かせ願えればと思います。

谷垣国務大臣 これも手法として十分私は検討していく価値のあるものだと思います。

 ただ、これも先ほどのような、それぞれの行政目的あるいは公共目的と調和するかしないかというような議論があるんだろうと思うんですね。そこらは十分にやらなきゃいけない。

 やはり、議論をされる方によりますと、例えば私の役所はもとは大蔵省だったわけですが、あの当時は金融もやっておりましたから、余り一つの特定の金融機関の広告をそこに出すのがいいかどうかというような議論は当然あるんだろうと思うんですね。ですから、そのあたりは十分検討していかなきゃいかぬことだろうと思います。

関委員 その使用目的とか、支障のない範囲でという点を踏まえまして、私もこの点につきましてはいろいろまた考えてまいりたいと思いますし、方向性としましては、積極的に、ある程度前向きにやっていくことが本当にいいことだと私も思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

 大きな項目で二つ目でございますが、これはよく、先ほども御質問が出ておりましたけれども、いわゆる小規模とか低利用の国有財産の売却に関しまして御質問をさせていただきたいと思います。この売却の基準を設定するか否かというところの点でございます。

 今、国が保有しております庁舎、宿舎などのうちで小規模で低利用のもの、そこの基準をどう考えるかのところはあるんですが、その基準を、客観的かつ合理的な基準をある程度考えまして、包括的に見直すことを通じまして国有財産の有効活用を促進することは、これは非常に有効な手だてではないかと思っておるところでございます。

 ただし、例えば宿舎にしましても寮にしましても、これは通常の業務で、予算の策定の時期ですとか非常に厳しい業務状況で頑張ってくださっている官僚の方々の点とか、私どもも非常によくその点はわかるところでございますが、今国有財産として持っておりますもの、これはやはり国家、いわゆる国民の皆様からの税金で建てておりますものでございますので、しっかりと有効活用していくところが必要だと思います。

 その点から考えますに、例えば東京都の二十三区の中でいいましても、たくさんの国有資産で宿舎、寮、また庁舎がございますけれども、先般、私も、三月の六日でございますが、その建物を実際に見てまいりました。その見てまいりましたところから申し上げますと、もっともっと有効利用ができるのじゃないかなと正直思いました。先ほども質問が谷口先生の方からございましたけれども、低利用のところというのは国民の皆様方が見てもいろいろ意見を持たれるところだと思います。

 そこで、私が思いますのは、一番有効活用するようなアイデアをみんなで考えて出し合って、例えば今、三階建て、四階建ての都内の一等地のところにあります建物をもっともっと高層化したりして、遠くから通われている方々、官僚の方々とかをもっと近いところに移っていただくとか、そういうふうないろいろな有効活用、さらに今よりもよくしていくという考え方をとりまして、有効活用していくようなことが大事じゃないかな。ただ、それを考えますに、一つの基準を考えないといけないのではないかなと思っておる次第でございます。

 例えば、昭和五十六年以前に取得した建物は、原則としてすべて売却したらどうかな。それとか、昭和五十七年以降に取得した物件につきましても、例えば容積率が一五〇%以下ですとか、敷地が三千平方メートル以下の物件については、原則として売却したらどうかとか、また庁舎に関しましても、同じような基準を入れていく考え方、一つのメルクマールをつくっていくということが大切じゃないかなと思う次第でございます。

 そこの点につきまして、そのような基準を入れていくことに関しましてお考えを聞かせていただければと思います。

谷垣国務大臣 国の資産・負債改革の一環として、国の資産規模を縮減していく。それで、国が保有する資産を厳選して、必要なものは持っておくけれども、不必要なものは、売却可能なもの、こういうものは売却をして財政再建に役立てていく。これは私ども基本方針としているところであります。

 そこで、特に庁舎、宿舎等につきましては、いろいろ民間の方のお知恵もかりて今検討しているところでありますが、そういった検討も踏まえまして、三月十六日の経済財政諮問会議で一応私どもの考えを整理して、これは歳入歳出一体改革の関連からでございますが、考え方を整理して、国の資産のうち財政再建のための財源となる資産についてどういうふうにしていくかという一応の方針をお出ししております。

 それは、公務員宿舎については、集約化を進めて、都心三区は原則として売却する、それから、それ以外も、法定容積率に対する利用率が五割未満のものについては、合同宿舎化を推進して、不用となった敷地を売却する。それから、庁舎については、法定容積率に対する利用率が五割未満のものについては、合同庁舎化などを推進して、不用となった敷地を売却する、こういう基準をつくりました。それで、総計約一兆円の売却収入が図れるのではないかというところをお示ししたところです。

 与党でも今いろいろな御検討が進んでいるというふうに承知しておりますが、政府と与党がいろいろな観点から議論を行うことによりまして、国有財産というのは国民共通の資産、財産でございますから、それのより一層有効な利用方法、活用方法が見つけられていくのではないか、こう思っております。

関委員 ありがとうございました。その一兆円というところ、大臣、かた目におっしゃっているんじゃないかなと思うんですが、さらにおつりを出していただけますようなところをぜひともお願いしたいと思っておるところでございます。

 それでは、質問の三つ目でございますが、国有財産に関しまして有効活用する際に、市場化テストの考え方を入れられないかなというところにつきまして質問をさせていただきたいと思います。

 普通財産、行政財産の区別を問わずなんですが、すべての国有財産に関しまして、処分可能な資産としましては、情報公開、フルオープン化でございますが、した上で、今大臣からもお話ございましたけれども、民間から有効かつ効率的な活用方法、これはいろいろあるかと思うんですが、例えば今お話が出ておりましたような売却も一つだと思いますし、また証券化、それとかPFIなんかを利用していくのも一つの方法だと思います。

 このような提案をどんどんと募集して、いわゆる民間の知恵をどんどんと吸収するような形で、このような提案を所管の官庁によります利用状況、資産査定等と比較しまして、実際に処分対象とするか否か、そういうふうなことにつきまして、いわゆる市場化テストの考え方を国が行う事業にも着目して入れていこうというふうな考え方というのはとれるのではないか、そのことによって、今まで我々が気がついていなかったりするところがあるかもしれませんので、そういうふうな漏れを防いでいけるのではないかと思っておる次第でございます。

 この点につきましては、今いろいろ市場化テストのことが議論にはなっておるところでございますが、国有財産につきましてもこのような考え方を導入してはいかがかと思うところでございます。この点につきまして御意見を聞かせていただきたいと思います。

谷垣国務大臣 行政財産は、今現に行政目的で使用されておりますので、そのすべてを処分可能ということはこれはできないわけですが、先ほど申しましたように、財政事情、非常に厳しいことを踏まえますと、庁舎、宿舎については集約化を図る、そして不用敷地を積極的に捻出していくというのが基本方針だというのは先ほども申し上げました。

 どう進めていくかという点で、今市場化テスト等々のいろいろなお考えをおっしゃいましたが、民間の知見を活用していくということが私は極めて大事な視点ではないかと思っておりまして、財務省、先ほど有識者会議と申しましたが、二十三区内の宿舎のあり方について、民間人から成る有識者会議をやっていただきまして、そこで民間の視点を踏まえた幅広い検討を行っていただいているわけです。この有識者会議は、六月目途に基本計画を取りまとめていただくわけですが、それ以降も、今度は改組しまして、宿舎以外の国有財産全般についてもモニタリングを行っていただくという方針でございまして、その中で十分、今おっしゃったような手法はどれだけ使えるのかということを検討していただけると考えております。

関委員 ありがとうございます。三人寄れば文殊の知恵と言われますけれども、それ以上のたくさんの人が集まればさらにいい知恵がいろいろ出ると思いますので、その点につきましてはオープンな形で進めていっていただけるように私もお願いしたいと思っておるところでございます。

 では、次の質問をさせていただきたいと思います。次は、国が保有します金融資産、負債の圧縮の点でございます。

 この点につきましては、今、議論百出といいますか、本当にこれが可能なのかどうなのかですとか、いろいろな意見が出ているところは十分承知しているところでございます。しかしながら、ここのところも、先ほどお話にございましたとおり、いろいろな知恵を考えながらいろいろ今後進めていくべきではないかなと思っておるところでございます。

 この件に関しまして、例えば、いろいろな手法があると思われますし、いろいろな金融機関がこういう方法はどうかなというふうな話も私もいろいろ聞いたりしておるようなところではございますが、ここの金額、目標金額としましては百兆円ぐらいどうかなとかいうふうな意見も出ておるわけでございますけれども、そこの金額のところについては、今すぐには決まらないところでございますので議論からは外したいと思うのですが、その考え方といたしまして、政府が持っている金融資産をいかに使っていくか。

 ちょうど一九九〇年代のところでは、バブル崩壊後、民間のいろいろな企業につきましては、資産の圧縮というのを非常にいろいろな手法を使いながら頑張っていったところでございます。その点につきましても、今、政府の方につきましてもいろいろ考えてくださっているところだと思うのですけれども、そこの大きな方針ですとか、その手法はどのようなことを考えていらっしゃるですとか、方向性につきまして一言お考えを聞かせていただければと思います。

谷垣国務大臣 先ほど一番最初に委員が冒頭のところで、資産圧縮をどのぐらいできるのか、国は十一・何兆と言っている、党の方では百何兆だ、それから同友会ですか、百何十兆と。いろいろ違いがあるんです。相当違いがあるんですよね。これをやりますときに、何を目的としてやっているのかという点を明らかにしていかないと、何か議論が混線していくんじゃないかと思っております。

 それで、私どもが国の資産というものを活用して十一・何兆できると申しましたのは、それを売却することによってその売却益を財政再建に充てることができる、そういう財源となるものという観点から整理をしたわけでありまして、党の方の御議論あるいは経済同友会の方の御議論は必ずしもそこだけではない視点で議論をされているんだろうと思います。

 それで、私たちの方、十一・何兆と申し上げましたけれども、その先に資産、債務をこれからGDP比で半分ぐらいに圧縮していくというような目標を達成するためには何をやっていかなきゃいけないかというのは、あの十一・何兆のほかに別途課題としてあるわけであります。

 そこで、国の貸付金ということを考えますと、その大宗を占めるのは財政融資資金の貸付金ということになるわけですが、財政投融資につきましては、平成十三年度以降、郵貯等の預託義務を廃止するといったような改革を進めまして、民業補完性あるいは償還確実性というところから、厳格な審査を行って、無駄を排除していこうという見直しを行ってきました。その結果、最盛期は毎年の規模も四十兆を超えておりましたけれども、現在は十五兆台ということになりまして、最盛期の四割を切っている。それから、残高も最盛期の約三割減となってきた。

 ですから、私は、私どもの本業といいますか、一番肝心なところは、まず、この努力を今後も継続していくというのが一番基礎にあるのではないかなと思っております。ですから、この財政融資資金についても、行革の重要方針や今回の行政改革法案を受けた政策金融改革等がございますけれども、その中で重点化、効率化を図って圧縮していくということに今後も努めなきゃいけないと思います。

 その上で、証券化の議論がいろいろございますが、私は、これについては相当まだ検討しなければならないことがあるんだろうというふうに思っております。

 一つは、これは先ほど言ったことの関連でございますが、党の方も当然、これは財源となるものではないという整理の上でやっていただいているわけですが、証券化による収入というのは財投債の償還に充てられるわけで、普通国債残高の圧縮の財源とはならない。そういう意味での限界があるということは十分意識しておく必要がある。

 それから、財投債というのはやはり国の信用というものでやっている、安い資金調達コストでやっているということがございますし、財投債、規模が多うございますから、プレミアムの差というものは相当大きな規模になります。また、そのコストというものもかなりかかるだろう。そういったものをどう見ていくのか。百兆規模の証券化であれば恐らく数兆円そういったものがかかるのではないかと思いますので、そのあたりをどう見て判断をしていくのか。やった結果、損をしてしまったというようなことでは元も子もないんだろうというふうに思いますので、そこらの判断はよくしなきゃいけないというのがございます。

 それからもう一つは、ここもいろいろな金融技術等の関連があるんだろうと思いますが、財投の貸付金というのは政策目的のために貸しているわけでありますから、やはり政策的な観点からのコントロールが可能かどうか、証券化して売却していった場合に果たしてそういうことが担保できるのかどうかというのは、財投という制度から見ますと重要な関心事でございます。

 ここらあたりをどう解決できるのかできないのかという点は、十分議論していただく必要がある点だと思います。

関委員 ありがとうございました。

 確かに、実際に金融資産のオフバランス化というところにつきましては、いろいろな、今大臣が詳細をおっしゃってくださったような点で課題は残りますというのは、よく私も存じているところでございます。フロー面といわゆるストック面をしっかり分けて考えないといけない中で、やはりそこの、また我々が考えていかないといけないのは、ファンドのつくり方でいろいろな工夫もできるのもまた一つだと思います。

 そこで、今大臣からお答えいただきました点を踏まえつつ、本当に今後いかにどのような工夫が金融商品としてつくっていけるのか、そこのところについてはしっかりと議論をして、できるだけ資産の圧縮に努めていきますように、私もいろいろ研究し頑張ってまいりたいと思っておりますので、何とぞよろしくお願い申し上げたいと思います。

 それでは、最後の質問にさせていただきたいと思います。

 これは、今までいろいろお話をさせていただきました政府資産を圧縮する方法、進め方につきまして、どのような進め方をしていこうかというところでございますが、いわゆる、今も大臣からお話をいただきましたとおりで、民間の知恵をいろいろ活用していくことはこれは本当に大切なことだ。そのときに、民間の知恵を入れていくときに、どのような制度、機関をもって入れていくのが一番適切かというところのお考えをお伺いしたいところでございますが、財政、金融法制とかいろいろなところが絡んでまいります。不動産知識も要れば、何から何までいろいろな、本当に全知全能をもって進めていかないといけないと思うところでございますが、そのときに、今、一つ金融資産のところについても意見が出ましたとおり、専門性は非常に要るところだと思います。

 その点で、このように専門性が必要な中におきまして、独立、中立の立場を持つ、いわゆる民間の専門家を集めた第三者機関というのをつくってこのような政府の資産圧縮を進めていくと、やはり一番効率的にたくさんの知識が集まって進めていけるのではないかなということを考えたらどうかなと思うところでございます。また、この第三者機関におきましては、やはり期限を切って、非常にアクセルを踏んで短期間で方向性をしっかりと詰めていく、そのようなことが大切ではないかなと思うようなところでございます。

 それで、今申し上げましたような民間の専門家を集めた第三者機関の設置と、いわゆる非常に今後大切な、日本の財政を再建するこの五年間というような位置づけをもちまして進めていくような方向性につきまして、私は大切なことだと思うんですが、それに関します大臣のお考えをお伺いさせていただきたいと思います。

谷垣国務大臣 民間の知見をどう吸収していくかというのがポイントだというのは、私もそう思います。

 この点につきましては、経済財政諮問会議の中に資産・債務改革を含む検討を行う専門調査会を設置するということが既に決まっております。どういうメンバーがお入りになるかということは私承知しておりませんが、恐らく、ここは民間のノウハウといいますか、知見を吸収する場ということで多分人選も行われるのではないかと思っております。

 それから、先ほど申しました、現在、宿舎のあり方について御検討いただいている有識者会議が、これは六月の取りまとめ以降、総理の御了解も得て、庁舎等も含む国有財産全般について検討、フォローアップするということになっておりますので、私どもとしては、こうしたところで十分民間の知見を活用して、国有財産について、国有財産をどう上手に利用あるいは売却していくか、積極的に取り組んでいきたいと思っております。

 それから、検討の期間について、例えば五年ぐらいに区切って早急に結論を出すべきだという御趣旨だったと思いますが、これはあらかじめ何年と区切ることはなかなか難しいのではないかと思っております。例えば先ほどの経済財政諮問会議の専門調査会等々は、内閣府なり諮問会議でどういうふうに結論を出されるか私もまだよく承知はしておりませんが、いずれにせよマンマンデーの議論をしていてもしようがないということはおっしゃるとおりだと思います。早急に有効活用を図れる具体策を出していくということで取り組みたいと思っております。

関委員 ありがとうございます。

 やはり、民間の知恵をしっかり取り入れながらこのような政府資産の圧縮というところに努めていくときには、いわゆる組織の独立性、中立性というところが非常にポイントだと思いますので、その点につきましては、本当に民間の専門家だけ集めた第三者機関等、また、どういうふうにつくっていくか、よくよくここのところにつきましては独立性、中立性というところに観点を置きながら、ポイントを置きながら、またよく議論をさせていただければと思うところでございます。

 それでは、本日は、谷垣大臣に非常に詳細に御意見、今後の方向性をお伺いさせていただきまして、ありがとうございました。

 私は、ちょっと、日本の歴史がすごく好きなものでよく読むんですけれども、江戸時代の幕政改革というのをいろいろ読んでおりますと、一七一六年から、吉宗の時代でございますけれども、享保の改革があった。一七六七年からは、田沼時代ですけれども、田沼意次によって改革がなされた。一七八七年からは、寛政の改革で松平定信が行った。一八三七年には、天保の改革ということで水野忠邦が行っていった。このような、日本の歴史の中で本当にみんな苦労しながら財政再建というのをやっていったというところを読んでおりますと、今、この平成十八年、日本の財政再建、日本の歴史に残るのかどうかという点からしますと、恐らくは残るぐらいの改革がなされていくんだと私は思います。

 そのときに、ではそれをだれが実施をしたのか。そこは、谷垣大臣と財務金融委員たちということで、恐らく後半のところの財務金融委員たちというところは省かれるかもしれませんが、しっかりと政府とかいわゆる我々衆議院議員、参議院議員、みんな全知全能を使って、本当にいい財政再建を行い、日本の将来が明るくなりますようにみんなで頑張っていくべきだ、私も頑張ってまいりたいと思うところでございますので、何とぞ大臣よろしくお願い申し上げます。

 本日は、どうもありがとうございました。

小野委員長 以上で関君の質疑を終了いたします。

 続きまして、吉田泉君。

吉田(泉)委員 民主党の吉田泉であります。

 私の方からも、国有財産法改正に関しまして御質問をさせていただきます。

 最初に、資産売却の問題についてお伺いいたします。

 今後十年間で政府の資産規模をGDP比半減するという決定が昨年末閣議でなされたわけであります。そして、その後、行政改革推進法案が出されまして、それによりますと、国の資産、十五年度末ベースで七百兆円ございますが、その中から、外国為替関係の資産、年金の寄託金、それから公共用資産、こういった、資産規模を減らす対象にならないというものを除いた残りが今回の半減資産の対象であると。新聞は、ざっと計算するとこの資産が四百三十兆円だ、十年後のGDP比をにらみながら必要な半減額を計算すると大体百五十兆円ぐらい半減することになる、こう書いたわけでございます。

 そんな中で、この間の三月十六日の経済財政諮問会議、谷垣大臣が「資産・債務改革における資産売却について」という資料を提出されました。それによりますと、十年間で十一・五兆円の資産を売却するんだということになっております。

 先ほどの百五十兆円という半減目標額と大変大きな開きがある数字になっておりますが、伺いたいのは、国の資産半減計画の全体の概要は一体どういうものであるか、教えていただきます。

谷垣国務大臣 先般、三月十六日、諮問会議で、歳出歳入一体改革との関連で、国の資産のうち売却収入の目安は十一・五兆だと申し上げたのは、先ほど関委員にも御答弁したところでございますが、その売ったものが財政再建の財源になるものというものでございまして、今後、さらにGDP比で半減をさせていく、それは必ずしも、財源となるものはないというわけではないんですが、やはりリスクを軽減するという意味においてそういうことをやる必要があるだろう、こういうことでございます。

 それについては、財政融資資金貸付金のようなものをどう圧縮していくかというようなことを引き続き検討していかなければならないわけでございまして、本国会に提出している行政改革推進法案の中では、こういう、国の資産・債務改革の具体的内容それから手順あるいは実施時期については、今年度中に工程表を作成するということとされております。

 私どもも、その目標に合わせて、できるだけ早期にお示しできるように努めていきたいと考えております。

吉田(泉)委員 今年度中に概要をはっきりさせるということで、今現在では特にはっきりしていないという御答弁だったと思います。

 そうしますと、十一・五兆円の方に入ってお伺いしたいと思いますが、谷垣大臣が言われた資産売却十一・五兆円、これは出資金と国有財産と両方含まれているということであります。国有財産の中も二つに分かれていまして、未利用地とか物納財産、こういうもので二兆円強、そして、宿舎、庁舎、この分で一兆円、こういう内訳になっております。

 先ほど御質問も出ましたけれども、改めて、庁舎、宿舎の分で一兆円というものの計算の根拠をお伺いします。

牧野政府参考人 お答えをさせていただきます。

 この一兆円の根拠でございますが、これは三月十六日の、先ほどから大臣が御答弁されています経済財政諮問会議でお示ししたわけですが、その際には、公務員宿舎に関する有識者会議の先生方の御意見もいろいろ伺いながら、一つの基準を設けまして積算をいたしました。

 具体的には、公務員宿舎でございますが、まず、都心三区は原則売却する、それから、それ以外も、法定容積率に対する利用率が五割未満のものにつきましては売却する、そういう基準を設けまして、私どもそういう国有財産の一覧リストを持っておりますから、それに該当するものを個々に積み上げて〇・五兆円になったということでございます。

 それから、庁舎の方でございますが、これも法定容積率に対する利用率五割未満のものについて集約化を進めて売却するという基準を設けまして、これも先ほど申し上げた宿舎と同じように積み上げ計算を行いまして、それで〇・五兆円となったということでございます。

 その計上したときの単価、価格でございますが、これは私ども国有財産台帳は相続税評価方式で基本的に計上いたしておりまして、相続税評価の路線価というのは大体公示価格の八掛けということになっておりますので、それを割り戻しまして、土地取引の基準、指標となります地価公示価格と同水準になるように、そういう意味では時価に換算して計上したということでございます。

吉田(泉)委員 一兆円についても、あくまで不用分の土地建物の売却だということだと思います。

 この件について、経済同友会緊急提言というのが三月に発表されました。「バランスシート改革のための六つの緊急提言」という名前になっております。その中に、庁舎、宿舎の関係の項目があります。経済同友会の方の考え方は、庁舎については原則賃借化がよい、つまり、一たん全部その土地を売却しちゃってもう一回借り戻すということをやるべきだと。宿舎については、これはもう原則廃止だ、そして全部売却してしまおうと。こういう方針で計算をしたところ、庁舎、宿舎関係では十一・七兆円の資産圧縮ができる、こういう提言になっております。

 大変思い切った考え方、そして大きな数字が出てきたと思います。財務省は一兆円ですから、十倍以上の売却額を見積もっているということであります。

 ところが、一方では、国有財産を本当にどこまで売っていいのか、財政事情悪化のために売ろうということなんですけれども、簡単に売るんじゃなくて、長い目で見ると、せっかくの国有地だから公園にしたらどうだとか、そういう慎重論も出てきているわけでございます。

 そこで、まずは、この同友会の考え方、非常に大胆な考え方に対する政府の見解をお伺いします。

    〔委員長退席、七条委員長代理着席〕

谷垣国務大臣 国有財産をどうしていくかというのはいろいろな観点からの議論があるんだろうと思うんですね。

 それで、私どもの今の基本的な考え方は、不必要なものあるいは高度に利用できていないもの、それはできるだけ集約化して高度に利用して、不用なところもそこに捻出して、それで不用なものは売却をしていくというのを基本方針としているわけでございます。

 それから、その売却するときでも、今おっしゃった、例えば地方自治体が公園に使いたいというような、公共用財産にしようというような場合には、例えば随意契約であるとかいうようなこともございますけれども、基本方針は、今申し上げたような、集約化、高度利用をして不用なものを捻出してそれを売っていくということであります。

 それを超えて、経済同友会の緊急提言のような、庁舎を原則賃借する、リースバックをするということは、確かにそのときは資産のスリム化につながると私は思いますが、同時に、これは賃料負担というものが生ずるわけでございますので、果たして国民負担の軽減につながるのか否かという点はあると私は思います。ですから、そういうことが一つ。

 それからもう一つは、宿舎を原則廃止すべきだ、こうおっしゃっているんですが、やはり職務の能率的な遂行であるとか国の事務の円滑な遂行ということを考えますと、これを全部なくしてしまえというのは、私は、やや公務というものに対しての御理解が足らないのではないかというふうに思っておりまして、先ほど述べたような基本方針で私どもは対処していきたいと考えているわけでございます。

吉田(泉)委員 私も、この点に関しては、やはり長期的な観点で、ある意味では国有財産を守るという観点も一つ必要だろうというふうに思っているところでございます。

 それから、先ほどの三月に出された計画によりますと、国有財産を三・一兆円、これを十年間で売ろうということになるわけですが、売却のタイミングですね。地価は今底を打って、これから上がっていくということが予想されるわけですが、この地価の上がり方を見ながら、十年かけてじっくり売った方がいいのか、もしくは、決まった以上はなるべく早くどんどん売った方がいいのか、どういうお考えなのか、お伺いします。

谷垣国務大臣 先ほどから御議論のように、売却収入の目安を示して、未利用国有地等々で約三・一兆円と言っているわけですが、これらは、国においては今使用していない財産や、それから、庁舎、公務員宿舎の効率的な使用によって出てくる余剰地の売却ということであるわけですが、私は、可能な限り早期に売却していくということで臨むべきだというふうに考えております。それは、国の資産規模の対名目GDP比を今後十年間で半減させるという長期的な目安を実現するためには、財産の売却、有効活用というのは、そうゆっくりしていたら結果が出てこないということが一つあります。

 それからもう一つは、土地は価格変動リスクがございますので、将来の地価動向についてあらかじめ確たる見通しを立てるということは難しいので、そこは、いつが一番得かあるいは損かというようなリスクを国としてはなかなかとりにくいということがあろうかと思います。したがいまして、方針としていけば、できるだけ早期にということになるのではないかと考えております。

吉田(泉)委員 それからもう一つは、売却の相手でございます。国有財産というのは、究極の所有者は日本国民だと思うわけですが、売却に当たって日本国民を優先すべきではないかなと思うんですが、いかがでしょうか。

谷垣国務大臣 これは、会計法令等々の考え方は、多くの参加者が競うことによって最も公正で最も有利な条件が見出されるという考えで、いわゆる一般競争入札によるということになっておりますので、そういう考え方から申しますと、日本国民を優先するという考え方で組み立てているわけではございません。

 ただ、先ほどもちょっと申しましたけれども、公園とかあるいは学校敷地とか、公用、公共用等の用途に供するものとして、地方公共団体などに対して随意契約をする、こういう道はあるわけでございまして、今委員がおっしゃったような視点はこっちの方で生かしていくということになるのではないかと思っております。

吉田(泉)委員 大臣おっしゃるように、売る場所にもよると思うんですね。ただ、例えばこの国会議事堂の土地がアメリカの不動産会社に買われちゃったとか、こういうことはないように、ぜひひとつ慎重にやっていただきたい、こう思うところでございます。

 次に、今度は、提案されました国有財産法につきまして三点ばかり、借地権の問題を中心にお伺いしたいと思います。

 今回のこの法案改正によりまして、例えば飛行場の中の空港ビルをつくるとき、もしくは国立公園の中に宿泊施設をつくる、そういうときに、行政目的が同じだということで国有地を相手方に貸すことができるようになるわけであります。それからもう一つは、隣接地権者と国とが建物を合同で建てよう、合築という言葉が使われておりますが、合築する場合に、隣接の方に国の土地を貸すことができる、こういう改正になるわけであります。それはそれで結構だと思うんですが、そういうとき、借地権の問題が出ると思います。借地権は一体どういうふうに考えているのか。

 それから、普通は、土地を貸すときには権利金というのを取るわけですが、権利金は取るようなことになるのか、お伺いします。

牧野政府参考人 お答えをいたします。

 改正法案の内容につきましては、先生から非常に克明な御説明をいただきましたので省かせていただきますが、先生御指摘のとおり、今後、空港ビルですとか国立公園内の宿泊施設の設置、それから民間との合築といったことが可能になります。この場合、貸付相手方には借地権が発生いたします。その場合に貸付相手方から権利金を徴求するかどうかということでございますが、これは、貸し付け方法でございますとか民間慣行などがございますので、それを踏まえて判断することになるというように考えております。

 ただ、今回、法改正いたしました行政財産の借地でございますが、これは、原則といたしまして定期借地を使っていく方針でございます。この場合には、民間慣行を踏まえますと権利金は徴求しないということになっておりますので、そういうことになるのではないかと考えております。

吉田(泉)委員 そうしますと、定期借地権ということで権利金は取らない方針だということだと思います。

 次に、交換制度についてお伺いします。

 土地に、国有地に借地権等の権利がついている、いわゆる権利付財産を、借地権を持っている方と、国が持っている底地権、これを交換する、そして、きれいな土地を一部つくってそれを売却しよう、これも結構なことだと思いますが、そういうときに、相手方の借地権の価格、これはどのように算定されるものなのか、もしくは、国有地を取得したときに既に借地権というのは決まっているのが大半だということなのか、その辺をお伺いします。

牧野政府参考人 お答えをさせていただきます。

 取得時の権利つき割合でございますが、これは国税庁が定めております財産評価基本通達というのがございまして、この規定によりまして、借地権割合がおおむね同一と認められる地域ごとに国税局長が定めております。

 今先生御指摘のありました、交換時における借地権割合でございますが、これは、今申し上げたように、国税局長がその地域ごとの実情に応じて決めておられますので、基本的には、同様に、当該国税局長の定める割合を借地権割合とするということになると考えております。

吉田(泉)委員 国税庁の借地権割合で算定されるという御答弁でした。

 もう一つ、この定期借地権の件でお伺いしますが、今回、一般定期借地権を設定可能にするために、土地の貸し借りの契約を五十年以上でもよろしい、五十年以上の契約、今までできなかったわけですが、それを可能にしようということであるわけです。定期借地権を設定するという目的で五十年以上にするということであります。

 実は、借地借家法が施行されて、定期借地権というのができて十四年近くたつわけなんですが、そうしますと、今までこの十四年間、国有地を貸し付けるというときに定期借地権ということがなかったのかどうか、もしくは、今までこの十四年間、普通借地権ということでやってきたのかどうか、その辺の実情をお伺いします。

牧野政府参考人 お答えをいたします。

 まず、貸し付けを行ってきたかどうかでございますが、現下の財政事情が非常に厳しいということでございまして、私ども、極力売却して財政収入の確保に貢献していくということを優先してまいりました。したがいまして、新たな貸し付けというのは原則として行っておりません。したがいまして、定期借地権による新たな貸し付けというのも行っておりません。例外的には、地方公共団体等へは新規貸し付けを行っております。この場合には、借地借家法における普通借地権を設定しております。

 それから、定期借地権の貸し付けはないと申し上げましたが、物納で引き受けた財産につきましては、定期借地権あるいは普通借地権が設定されている場合がございまして、その場合には、国が貸し主として従前の貸し主の地位を承継するというような取り扱いといたしております。

吉田(泉)委員 物納の場合とか地方公共団体への貸し付け等を除けば、国有地を貸し付けるということはしていなかった、原則、やるなら売却だというお話でした。つまり、国有地の貸し付けというのは、少なくともこの十四年間は極めて異例だったということだと思います。

 さて、その極めて異例な国有地貸し付けの一つの例として、自民党本部への国有地の貸し付けについて何点かお伺いしたいと思います。

 実は、この問題は、もう随分前から何度か委員会でも取り上げられてきたわけなんですが、ことしの二月十日、予算委員会、民主党の末松義規議員がこの問題を取り上げました。そして、そのときの末松さんの要求によって、その後、不動産鑑定士から補足説明書というのが出されました。私も末松議員経由でそれをいただいて見たところであります。

 つまり、直近の賃料改定時、これが平成十五年、今から三年前の十月なんですが、そのときに不動産鑑定士が、この本部の土地の賃料は従前どおり年額七千百万円でよろしい、そういう査定をしたわけですが、なぜ七千百万としたかの説明書を今回出してきた、こういうことであります。

 それを見ると、まず、この土地の時価ですけれども、これは千坪あるんですが、一坪八百万円だということで、これは相続税評価等から計算したわけですが、総額八十億円の土地であるということであります。更地価格は八十億円。しかし、妥当な賃料を計算するときはこの八十億円という数字は使わないと。借地権がある。借地権を考慮した結果、五分の一の底地割合、五分の四は借地権だ、五分の一、つまり十六億円を賃料計算のときの基礎価格とする、こういう計算方式になっているわけであります。そこだけ見ると、国が貸した土地が結果的に五分の一に減ってしまった、借地権五分の四を持っていかれちゃった、こういう結果になっているわけであります。

 普通は、土地の貸し付けに当たって借地権が発生するようなときは、大体それに見合う権利金というのを取る慣行がございますが、この件についてかつてそういうことがあったかどうか、確認させていただきます。

牧野政府参考人 お答えをいたします。

 新規の貸し付け時に、貸し付け相手方から借地権利金を徴求するかどうかにつきましては、その地域における民間慣行に準拠するということにいたしております。今先生御指摘の、貸し付け当初、昭和三十九年当時でございますが、永田町周辺地域におきまして借地権利金の授受が民間慣行として一般的ではございませんでした。そういうことで、借地権利金を徴してはおりません。

吉田(泉)委員 権利金を取っていなかったということであります。

 それから、現在の地代は七千百万円ですから、時価八十億円に比べると一%未満というレベルなんですが、税務上は相当の地代という考え方があって、これが現行では六%とされております。ですから、そういう税務上の相当の地代を取っていないと。

 権利金も取っていない、相当の地代も取っていない、こういうときは、相手方が個人の場合は贈与だということで所得税がかかってくる、それから相手方が会社の場合は法人税の対象になる、こういうことであります。国税庁長官の通達が出ていますので、簡単に計算してみますと、大体国は相手方に対して八十七億円の贈与をしたということになるわけであります。しかし、相手方は政党ですから税金がかからない、こういうことになっております。権利金がない、相当の地代もいただいていない、税金もいただかない、こういうケースになっております。

 原則的に、国有財産を貸し付けるというときには、この条件は民間準拠、普通の民間のやり方でやろうというのが大原則でありますけれども、どうもこの場合は、民間ではあり得ない特別の便宜が図られてきたと言わざるを得ないと思うんですが、いかがでしょうか。

牧野政府参考人 お答えをさせていただきます。

 先生おっしゃられるように、その八十億、現在の価格でいえばでございますが、それが十六億、二割としか評価されないのはおかしいじゃないかということでございますが、借地権の経済的価値といいますものは、借地権利金の授受がございませんでも、借地権者の立場が社会経済情勢の変化に伴って強化されてまいりまして、契約期間中に自然に発生してくるというように考えられております。これは単に国有地の貸し付けだけではございません、民間においてもこういった事態が広く生じておりまして、これは避けられなかったものだということで御理解を賜りたいと存じます。

吉田(泉)委員 ちょっと見方を変えると、そうしますと、国の方の国有資産台帳、これがバランスシートにも載っているわけですが、この案件については台帳上は幾らに今なっているんでしょうか。借地権分はもう除かれているんでしょうか。除くとしたら、本来これはいつ除くべきだったのか、その辺も含めて御答弁ください。

牧野政府参考人 国有財産台帳上でございますが、自民党本部の価格は、平成十三年三月三十一日を基準日とします台帳価格の改定におきまして、四億八千万円というように登録をされております。これは借地権価格相当額が控除されておりません。

 十三年三月三十一日の価格改定に際しましては、原則として相続税評価方式を採用するということになっていたわけでございますが、このときに関東財務局では、こういう政党本部敷地あるいは大使館敷地、高速道路敷地など特殊な用途に供されているもの、百四十四件でございますが、これは従来どおり、時価倍率を従前の台帳価格に乗じるという方法を採用いたしまして、したがいまして、借地権価格相当額の控除をいたしておりませんでした。

 これは、私ども、適切だとは思っておりませんので、今回の平成十八年三月三十一日を基準日とする価格改定に当たってはきちっと相続税評価方式を採用いたしまして、借地権価格相当額をそれから控除するという取り扱いにしたいというように考えております。

吉田(泉)委員 そうすると、時価八十億円の土地、借地権を除くと十六億円ですか、これが今の台帳では四億八千万円であって、今回の評価でこれをやり直す、時価ベースにして借地権を除く、こういうわけですね。

 本来は、この国有財産台帳から借地権を除くという作業は、いつやるべきなんでしょうか。

牧野政府参考人 お答えをさせていただきます。

 権利付財産の土地につきましては、平成八年三月三十一日、前々回になりますが、基準日とします価格改定時には、借地権価格相当額を控除する、そういう取り扱いはしておりませんでした。先ほど申し上げましたように、平成十三年三月三十一日の改定におきまして、実質的な土地の価値を反映させるという観点から、統一的に相続税評価額を使い、借地権相当額は控除するということを行ったわけでございます。

 したがいまして、本件につきましていつ借地権相当額を控除すべきであったかということであれば、本来であれば前回の十三年の改定時に行われるべきであったというように考えております。

吉田(泉)委員 十三年に本来は借地権分を除くべきだったと。もっと考えると、やはり、建物が建てられた、そして登記されたときに借地権が発生するわけですから、本来はそのときにやるんじゃないかなというふうにも思うわけです。

 一つ聞いておきたいのは、自然発生的な借地権という土地になっているわけなんですが、国有財産で自然借地権が発生しているという案件はほかにどういうものがあるんでしょうか。

牧野政府参考人 お答えをいたします。

 自然借地権がついている土地でございますが、自民党本部を含めまして全国で五百八十九件ございます。貸し付け相手方の内訳を申し上げますと、地方公共団体が三百六十七件、個人が七十七件、民間法人が七十六件、学校法人が八件、大使館が四件、政党が二件、公益法人等が五十五件ということになっております。

吉田(泉)委員 最近においては定期借地権つきしか認めないということになって、昔の案件がこれだけまだ残っているということだと思います。

 それから、七千百万円という年額地代の妥当性の問題ですが、いろいろ専門家の方に聞くと、借地権がついている土地の、この場合は継続地代ですが、どのぐらいの地代が妥当なのかというときに、幾つか方法があるんですが、非常に簡単な、補助的な手段というのが二つあるというわけですね。公租公課倍率法、土地にかかる税金を何倍かする、それから平均的活用利子法、八十億円の土地を何%で回すか、この二つの方法があって、これが非常に参考になるというわけですが、この自民党本部の案件について、この二つの方法で、参考として地代を計算すると幾らぐらいになるものでしょうか。

牧野政府参考人 お答えをいたします。

 私ども、国土交通省が定めております不動産鑑定評価基準というものを用いまして継続賃料を求める鑑定評価の手法としておりまして、その中には、差額配分法、利回り法、スライド法、賃貸事例比較法というのが定められておりますが、先生がおっしゃいました公租公課倍率方式、それから平均的活用利子法というのは明記されておりません。

 また、国有地の継続貸付料の算定方法を定めました現行通達におきましても、スライド法を原則とし、特例として、一定地域の民間実例等の実情に照らして不適当と認められる場合には差額配分法や賃貸事例比較法を用いることができるというようにされておりまして、先生が御指摘のございました両方の手法を用いての本件の貸付料の算定というのは行っておりません。

吉田(泉)委員 私が申し上げた二つの方法は正式の手段ではないということはよくわかります。ただ、補助的な手段として参考数値を出せまいかということだったんですが、出していただけませんでした。これは国が地主なわけですから、地主として、一体どのぐらいの賃料が妥当なのかどうか、簡単にチェックする方法が二つあるというわけですから、これは私はやった方がいいかと思うんですよね。

 それで、かわりに私がやりました。そうした結果、公租公課というのが、鑑定士の説明書、先ほど申し上げた説明書によると、五千二百万ばかりあります。大体税金の二・五倍ぐらいの賃料をいただくのが普通だということでありまして、これですと一億三千万円。それから、平均的活用利子法、これは土地の時価を、これは千代田区の平成十五年の平均値でいきますと二・二四%で回す、これを掛けますと一億八千万円ということですね。この二つ、平均しますと一億五千五百万円ということです。現在の賃料が七千百万円ですから、二倍強という数値が出てくるわけであります。

 ことしの十月、三年ぶりの地代見直しの時期になります。今回は、行政改革方針が閣議決定され、国有財産法も改正された、非常に大事なときの地代見直しになるわけであります。つまり、国有財産をもっと効率的に活用しようという政府方針が出て、それにのっとって法律が今改正されようとしている、そういう時期であります。

 今回のこの三年ぶりの見直しについては、先ほどのような参考数値も踏まえて、値上げに向けて所有者としての意思をもっと強く出したらどうかなと思うんですが、いかがでしょうか。

谷垣国務大臣 この次の改定のときに賃料を幾らにしていくかというのは、これは、私どもは財政法第九条にのっとってやるということがお答えでございます。これは、適正な対価なくしてこれを貸し付けてはならない、こういうことでございますから、ことし十月が改定でございますけれども、これは不動産鑑定士の意見価格を基礎として算定していく、こういうことでございます。

吉田(泉)委員 財政法九条にのっとって不動産鑑定士の意見を聞いて粛々とやるという姿勢だと思いますが、今回の行革の精神に反するんじゃないでしょうか。これだけ国を挙げて国有財産を売ろう、貸すなら貸すでもう少し貸し方を考えよう、こういうときに、不動産鑑定士に任せて世間相場よりも低い賃料に甘んじているというのは、私は、いかがなものかな、究極の所有者である国民の理解を得られないんじゃないかなというふうに危惧しているところであります。

 そして、もう最後になりますけれども、将来の問題ですけれども、国有財産法二十四条というのが、公用等に供しようとする場合には貸付契約が解除できるという国有財産法の条項もあります。この自民党本部の案件は、中央官衙地区という地区からはちょっと外れるようですが、いずれにしてもその隣接地であります。もう一つの社民党の方は、実は中央官衙地区に入っている、こういう土地であります。将来的には、原状を復帰して、国が利用できるような土地に戻していく、そういう長期方針、長期計画を今から立てるべきではないかなというふうに考えますが、いかがでしょうか。

谷垣国務大臣 先ほど来の委員の御意見で、国有財産は国民のものであるから、こういう行革で少しでも財源を捻出しなければならないときには、できるだけ高く貸し付け、あるいは、高く取れないのなら早く返してもらえ、簡単に言えばそういう御趣旨だったと思いますが、やはり、では不動産の適正な価格は何か、こういう算定をするために国が制度をつくった資格が不動産鑑定士でございますから、そこの判断、基準、こういうものを守るというのは国が踏むべき道ではないかと思っております。

 それから、本件貸付地は中央官衙地区の確かに近隣地ではございますけれども、国有財産法二十四条、これは、公用等に供しようとする場合に貸付解除ができるとされているわけでありますけれども、現在、そこで言うような必要性は生じていないわけでございまして、これによって契約解除をできるというわけではないと思います。

 それから、現時点において将来の公用等の需要が必ずしも想定されているわけではございませんので、御指摘のような利用計画をつくるという状況でもないんだろうというふうに私どもは考えております。

吉田(泉)委員 中央官衙地区というのは、やはり日本国の中心地といいますか、おへそといいますか、かなめの部分でありますので、これを長期的にきちんと守っていくという姿勢が必要だろうと思います。

 今すぐ返してもらうというのは私も無理だと思います。その借地借家法の規定もあって、借り主の方の権利もありますから。ただ、建物が、耐用年数が、もう四十年たっているわけですから、いずれ尽きるときも来ると思います。そういうときを見込んでそろそろ相談した方がいいんじゃないかなということを申し上げて、時間ですので終わります。

 ありがとうございました。

七条委員長代理 次に、田村謙治君。

田村(謙)委員 民主党の田村謙治でございます。

 私も、引き続きまして、国有財産法の改正案に関しまして質問をさせていただきます。

 私は、若干ポイントを絞りまして、国有地の売却や有効活用という中で、先ほどからも各委員の質疑の中で出ております国家公務員宿舎にまずポイントを絞って御質問をさせていただきたいと思います。

 私は、前、まさに国家公務員宿舎に住んでおりましたので現状をよく把握しているつもりでございますし、やはり当時から、非常に恵まれているなというのは自分で感じていたところであります。私がいました四年前に、既に財政状況はますます厳しくなっていたわけでありまして、こういった中で、都心、都心に限りませんけれども、非常に広大な敷地を使った公務員宿舎、それがたくさんある。私の感覚では、ほとんどの職員が公務員宿舎を利用している。公務員宿舎を利用していない人というのは、自分で家を買いたいとか、あるいはぼろい官舎が嫌だから自分で借りているとか、そういう方であって、基本的には、やはり安い官舎がいいなということで官舎に住んでいるという実態も、もちろん完璧にわかっているわけではありませんけれども、相当部分を把握しているつもりであります。

 そういった意味で、私はもう当時から、国家公務員宿舎の存在意義というのはどうなんだろうかと。それが、まさにこれだけ日本株式会社、政府が財政の赤字を積み重ねて、倒産寸前だという危機感を私は持っておりますし、倒産寸前かどうかはともかく、かなりの危機感を大臣初め皆様お持ちで、その点に関しましては共有していただけると思いますけれども、私はかねて思っておりました。

 そして、昨年、民主党の中で、特別会計の見直しということでプロジェクトチームをつくりまして、私はその一つとして特特会計の調査もしていたわけなんですけれども、そのころから、国家公務員宿舎の意義について、どうなんだという話は財務省の理財局の担当者の方とも議論していたところであります。既に経済同友会でも提言が出た中で、新しい議論では既になくなっているわけですけれども、私のかねての強い思いがございますので、まずはその点につきまして議論をさせていただきたいと思います。

 若干法律を拝見しますと、国家公務員宿舎法という法律があります。そこの第十三条に、有料宿舎を貸与できる場合というのを二つ掲げられてあります。一つ目が「職務に関連して国等の事務又は事業の運営に必要と認められる場合」、そして二つ目が「住宅不足により国等の事務又は事業の運営に支障を来たすおそれがあると認められる場合」、その二点が掲げられているわけですけれども。

 そういった中で、有料宿舎を借りている職員というのが何人ぐらい、そしてそのための宿舎というのが、戸数ですね、数がどれぐらいあるのか、まずは数字を教えてください。

    〔七条委員長代理退席、山本(明)委員長代理着席〕

牧野政府参考人 お答えをいたします。

 国家公務員宿舎は、先生御指摘のとおり、国家公務員宿舎法第一条の規定に基づきまして、国家公務員等の職務の能率的な遂行を確保し、事務事業の円滑な運営に資するということを目的に設置しているわけでございます。

 宿舎の貸与につきましては、同法第二条に規定いたします、常時勤務に服することを要する国家公務員等を対象として行うとされておりまして、この規定に基づきまして宿舎の貸与を受けることができる、その対象となります職員数は、平成十七年の調査で五十七万九千人でございます。対しまして、公務員宿舎の戸数は約二十三万五千戸ということになっております。

田村(謙)委員 ありがとうございました。

 五十八万人という数字ですと、余りに多くてぴんと来ない部分もありますけれども。そしてまた、その二十三万戸、実際、余り利用されていないという宿舎があって、それをいかに有効活用するか、あるいは集約化するかという議論についてはかなり進んできたなと。先ほどの大臣の御答弁にもありましたし、政府でもいろいろと検討していらっしゃるというのは、方針として示しているということは私も十分に認識をしているわけでありますけれども。

 例えば、今御答弁で、政府の効率的な業務の遂行ですとか円滑なと、そんなのはある意味で当たり前のことを言っているにすぎないんだと思います。要は、有料宿舎でないと円滑な遂行ができないとか何か支障を来すとかというような場合以外に、まさに公務員宿舎である必要があるのかどうかということなんですよ。

 例えば、法律を見た場合に、例えば住宅不足というのが掲げられています。これは古い法律ですから、今は住宅不足なのかどうか。確かに地方に行くと住宅不足というのはあるかもしれないなと思いますけれども、場所によっては十分なそういう賃貸住宅がないというところはあるというのは、私も静岡に住んでおりますのでわかるところではありますが。効率的な業務の遂行のためと、では、要は、有料宿舎、まさに公務員宿舎じゃないとどういった支障があるのか、そういったところをより具体的に御説明ください。

牧野政府参考人 もう少し具体的に、それでは申し上げさせていただきます。

 ことし一月の財政制度等審議会で答申をいただきまして、そこでも宿舎の必要性については指摘をいただいております。そこで具体例として挙げられておりますのは、例えば、広域で高頻度な転勤がされることへの対応、自衛隊など官署に近接した居住が求められる者や僻地などでの勤務への対応、それから新規採用者の確保等のための宿舎の設置が必要であるというように述べられております。

 それから、先生ちょっと触れられました住宅困窮の場合云々ということでございますが、これは、事実、僻地における宿舎の設置などがこれに該当すると思いますが、この場合も職務に関連して必要なものというように考えられますので、単に住宅不足ということだけで宿舎を設置している例はないというように考えております。

田村(謙)委員 確かに転勤は多いとは思いますけれども、別に全員ががさっと転勤するわけじゃないわけでして、例えば、では、転勤に関して、僻地というのは地方の話になると思いますので、より都心ですね、都会、東京ですとか大阪、そういった都会におけるものを考えてみればいいと思うんですけれども、そういうところにおいては賃貸住宅というのもかなりあふれていますよね。別に余っているわけじゃないにしても、それは十分にあると思います。

 そういった中で、転勤というのは、別に、まさに同じ時期に大勢の転勤がある、それは明確な数字じゃなくてもいいですけれども、全職員の中で大体どの程度の割合の人たちが一度に転勤するのか、そういったことはお調べでいらっしゃいますか。

牧野政府参考人 お答えをさせていただきます。

 国家公務員の転勤の実態でございますが、在職者に占める転勤者の割合は、これは平成十六年度の転勤実態調査でございますが、一二・八%でございます。これに対しまして、民間の場合には二・四%ということで、国家公務員はやはり転勤が多いということだと考えております。

田村(謙)委員 でしたら、その一二・八%というのは大体何人ぐらいになるんですか。

牧野政府参考人 お答えさせていただきます。

 これは、一年間で三万七千人ということになります。

田村(謙)委員 三万七千人。別に、そもそも転勤する人全員に宿舎が必要なのかという議論がありますけれども、とりあえず、三万七千、四万人近く。全員に必要だという仮定に立った場合、でも、結局、宿舎、もちろん自衛隊などの場合というのは十分理解できますよ。それに対して私は反対するつもりはありませんので。例えば、先ほどおっしゃった、官署に近接した居住が求められる自衛隊のようなかなり特殊なケース、特殊でも人数は多いですけれども、そういった人たちと、それから転勤ですか、あと、新規採用というのはちょっとよくわからないんですけれども、それで、その人数を積み上げると何人ぐらいになるはずなんですか。

牧野政府参考人 お答えをさせていただきます。

 自衛隊あるいは行刑施設などで、こういう特定の官署に勤務する職員のために宿舎を設置する必要がある戸数、これは十万五千戸でございます。それから、年間転勤者で転居を伴う者、この関係で必要なものが九万八千戸でございます。主なものはその二つでございます。

田村(謙)委員 今、自衛隊など、そういうところで十万戸、あと転勤などでというのは、先ほど年間で大体約四万人、三万七千人とおっしゃったのが、必要なものが九万八千とおっしゃっていましたけれども、急にそれはどうしてそんなにふえるんですか。

牧野政府参考人 お答えをいたします。

 先ほどお答えしました四万人弱という人数は一年間の転勤者でございまして、転勤はもう毎年毎年起きていくわけでございますから、そういう、二年あるいは三年にわたって繰り返し繰り返し転勤が毎年毎年起きるわけでございますから、それに対応するためにどれだけ必要かというのを計算しましたのが、先ほど申し上げた戸数でございます。

田村(謙)委員 今いただいた数字、大体足すと約二十万ですよね。

 私は、そもそもその二十万が必要なのかという議論もちょっともう少しさせていただきますけれども、それでも、既に不要な部分というのは、単純に引き算をすると四、五万戸あるような気がしますが、そもそも、結局、なぜ公務員宿舎じゃなきゃいけないのか。転勤でも、当然、民間の賃貸があるわけですよね。それが、なぜ公務員宿舎じゃなきゃいけないんですか。

牧野政府参考人 お答えをさせていただきます。

 もちろん、賃貸というのはございます。ただ、国の都合で遠隔地に転勤になるケースが多いわけでございますが、そのときにそういう賃貸住宅を探すということが難しいという面もございますし、それから、これは、ちょっと先生、ぜひ御記憶にとどめていただきたいんですが、そういう賃貸に入りました場合には住宅手当を支給することになっておりまして、そういう財政負担を考えますと、果たして公務員宿舎の方が無駄かということについてはちょっと疑問があるというように思っております。

田村(謙)委員 今、住宅手当の話が出ましたので、でしたら、そちらの、私もまさにその議論をしようとしておりました。

 まさにこれは、日本の財政は非常に厳しい。民間企業でいうと倒産しているんじゃないかと私も思っていますけれども、大企業が、バブル崩壊後、不景気のときに、非常に厳しい状況にある中で、まさにコスト削減をどうするか、さまざまな手を打った中で、社宅をどんどん売却するということを進めていったのは、もう私がより具体的に言う必要もないことだと思います。

 当然、売却をして、それによって、例えば財政赤字を減らせば、将来的なまさに払わなきゃいけない利息とかそういう部分もあるわけですから、かなり国の負担というのは、それによって減るものというのは、単純に売却した売却金額だけじゃないわけですよね。そういったところも考えなければいけないと私は思うんです。

 例えば、それこそ財政審、政府においても、庁舎に関して、まさに民間から借りるのと庁舎を維持するのはどっちがいいのか、そういうコスト計算をしていらっしゃるというのは私も拝見しておりますが、官舎についても同じようなコスト計算をすべきなんじゃないんですか、その住宅手当とかおっしゃるんでしたら。それはしていらっしゃるんですか。

牧野政府参考人 お答えをさせていただきます。

 当然のこととして、宿舎についてもそういう計算をしていくべきだと思っております。

 いずれにしましても、今後、公務員宿舎をどうするかということにつきましては、現在、伊藤滋先生を座長にして有識者会議を開いていただいて、その中で、まさに先生がおっしゃられているような、公務員宿舎の必要性でございますとか、あるいは今後のあり方でございますとか、そういう御議論、極めて幅広くやっていただいておりますので、我々としてはその結論を待って対応を考えたいというように考えております。

田村(謙)委員 私が今お伺いしたのは、コスト比較をすべきだと今おっしゃいましたけれども、庁舎では既にしていらっしゃるわけですよね。何で公務員宿舎だけやらないんですか。

 それは別に、そもそも、去年の財政審の答申を見ても、そういった発想が公務員宿舎に抜けているんですよ。それこそ、集約化を図ると大臣がおっしゃっていました、集約化というのは、あくまで、今、公務員で公務員宿舎を利用している人はどこかにまとめて大きな官舎に入れましょうとか。それは、公務員宿舎を減らしましょう、戸数を減らしましょう、あるいは、そもそも要るのかどうかという議論には全然踏み込んでいないんですよね。

 古い官舎がたくさんある、それを集約化して、そのあいた土地を売りましょうというのは、そんなのは当たり前なんですけれども、そもそも公務員宿舎が要るのかどうか、そして賃借と比べたコストとどうなのか。私は、もう当然、賃借の方が安いと思っていますけれども、長い目で見て、国の財政赤字を減らす、国の負担を減らすという意味でいいと私は思っていますが、そういったコスト比較をなぜ今までしていないんですか。

牧野政府参考人 お答えをさせていただきます。

 先ほど申し上げました答申の中でも、合同宿舎の効率的な整備の推進という項目がございまして、その中で、PFIの活用の検討、あるいは建てかえと民間借り受けのコスト比較を適切に実施する必要があるというように御指摘をいただいておりまして、これに基づいて、我々はきちっとコスト比較はやっていきたいと考えております。

田村(謙)委員 指摘を受けたんだったら、すぐにやればいいんじゃないですか。なぜ今までやっていないんですか。そこは大臣にも、御答弁ください。

谷垣国務大臣 これは、今、田村委員が御指摘のように、きちっとそういうようなコスト計算をしなきゃいけないと思います。今、伊藤滋教授の座長のもとで宿舎の使用等を検討していただいておりますから、その結論を待って直ちにそういうことに着手すべきだと思います。

田村(謙)委員 ぜひそこは至急やっていただきたいと思います。

 谷垣大臣は、まさに自民党の中でも財政に対する危機感というのは非常に強いというふうに私も理解しています。自民党の中で、まさに消費税をいつ上げるかというのはさまざまな抵抗もある中でも、やはり二年後には消費税を上げるべきだというようなお考えを大臣が示していらっしゃるというふうに私も知っております。そこはやはり、金額は確かに何兆とかいう単位にならないかもしれない。ですけれども、民間だったらある意味で当たり前の、とにかくいろいろなコストを切り詰めていく、赤字会社で職員がどうなんだと。

 先ほど、吉田委員への御答弁に関して、経済同友会というのは公務に対する理解が足りないんじゃないか、宿舎の原則全廃というのは理解が足りないんじゃないかとおっしゃっておられましたけれども、私はかなり理解しているつもりでありますが、それでも、公務員宿舎がなぜそんなに必要なのかと。もちろん、全く要らないかどうかはわからないですよ。でも、例えば都心におけるものはほとんど要らないんじゃないかな、最低限必要なものは借り受けにすればいいんじゃないかなと。新しく建てた官舎においても宿舎においても、別に、民間に売却をして、その後また借りる。とにかく、もう最低限必要な、本当に都心の近くに住まなきゃいけない人はそういった手当てなども必要だと思いますけれども、そういった議論が今まではほとんどなされていないというのは私は大変問題だというふうに思っています。

 あともう一点、先ほど住宅手当の話が出ましたので、その点に関してもう少し質問をさせていただきたいんですけれども。

 公務員の給与というのがまさに民間並びだということで、人事院勧告というものがあります。それについてお伺いしたいんですが、公務員宿舎を借りていると、まさに住宅手当はないわけですよね。仮にぼろくても古くても、大変いいところに、非常にもう数万円みたいな金額で住んでいる。あるいは駐車場の料金も、都心だったら五万、六万、七万するのをわずか五千円で借りているわけですよね。そういった部分は全く考慮していないで民間の給与と比較しているというのはなぜなのか、人事院の方にお伺いします。

吉田政府参考人 お答え申し上げます。

 国家公務員の給与水準につきましては、民間準拠の原則に基づきまして、毎年、全国の民間の事業所で四月に実際に払われた給与を実地調査をして捕捉すると同時に、職員の四月分の給与と比較を行っております。

 仮に公務員宿舎を民間と比較するということになりますと、民間企業の社宅というものとの関係が問題になってくると考えられます。

 民間企業の社宅につきましては、その貸与が職務と密接に関連しており、退職すれば直ちに退去せざるを得ないということなど、借家権として権利保障に乏しいという点で、民間におきましても、一般の賃貸住宅の貸与と性格を異にしている面があることを考慮いたしまして、その使用料はいわゆる世間並みの家賃額より低い額で定められていると承知しております。このような社宅の性格に基づきまして、一般には、民間賃貸住宅の賃貸料と社宅使用料との差額を賃金として取り扱うという扱いは行われておりませんで、したがいまして、私たちが調査をいたします際にも、民間の賃金台帳にはそういうものは記載されていないという状況がございます。

 国家公務員の宿舎につきましても、国の事務事業の円滑な運営ということのために設置されておりまして、かつ民間社宅の使用料と均衡がとれた使用料が徴収されているということからいたしますと、公務員宿舎も民間社宅と同様でありまして、社宅の貸与は勤務に対する報酬というものには当たらないと考えております。したがいまして、官民比較の対象としておりません。

    〔山本(明)委員長代理退席、委員長着席〕

田村(謙)委員 今、給与に当たらないというお話でしたけれども、でしたら、ちょっと国税庁の方にお伺いをしたいんですが、民間企業がまさに社宅について市場の相場よりはるかに低い家賃で社宅を提供した場合に、その差額を給与とみなして課税をするという話を聞いたことがあるんですけれども、それが事実かどうか、そしてまた、公務員についてはそれはどうなのか、お伺いします。

竹田政府参考人 お答え申し上げます。

 所得税法上、給与所得者が勤務先から社宅の貸与を受けている場合におきまして、その給与所得者が実際に負担している社宅の使用料がその社宅の利用について通常支払うべき賃貸料の額よりも低額であるときは、その差額は給与の収入金額に含まれて、課税関係が生じることになります。

 この場合、その社宅の貸与が職務と密接に関連している、そして住まいとしての安定性に乏しい、こういう点で、いわゆる一般の賃貸住宅の貸与と性格を異にしている面があることなどを考慮いたしまして、この通常支払うべき賃貸料の額を、その社宅の敷地と家屋の固定資産税の課税標準額に一定の率を乗じるなどとした計算式、これは所得税法の基本通達で定めておりますが、この計算式によって算出することといたしております。

 したがいまして、この社宅の貸与に関しまして経済的利益の額を算定する上で、いわゆる実勢相場の価格との差額をそのまま給与として課税するということはしておらないわけでございますが、こうした取り扱いは、国家公務員でも民間会社の社員も全く異なることなく、すべての給与所得者について適用しているものでございます。

田村(謙)委員 今、国税庁で、余りに低い家賃の場合、ある意味で給与とみなすというふうに御答弁いただいたんですけれども、それについてはいかがお考えですか。もう一度人事院にお伺いします。

吉田政府参考人 民間の社宅の場合に、今先生御指摘のような、仮に賃金であるという評価がされるケースがあるとすれば、これは法令上、賃金台帳に記載されなければなりませんので、そういうものは我々の比較の対象に入ってきているというふうに理解しております。

 それから、国家公務員の宿舎につきましては、今国税庁の方からお話がありましたが、そういう種類の給与はないというふうに理解しております。

田村(謙)委員 次のテーマに移りたいので、もうこれ以上議論は余りしません、もうお伺いしませんけれども、そもそも民間企業で社宅をどれぐらいの人たちが利用しているのか、そういったところも含めて冷静に比較をしなければいけないんだろう。私もそこは、明確に民間企業がどうかという数字は知りませんけれども、私の経験、感覚では、やはり国家公務員の方がはるかに官舎を利用している率は高いんじゃないかなという印象を持っています。

 そういった中で、それはもう給与じゃないんだということで比較をしないというのは、私は、民間とのまさに客観的な比較になっていないんじゃないかなと。宿舎だけじゃないかもしれませんけれども、民間と比べる場合に、純粋にもらったお金だけじゃなくて、そういったところもすべて考慮した上で、ちゃんと民間と比較をしていただきたいなというのが私の考えでございます。

 結局、とにかく、先ほど何度かお伺いしましたように、民間とのコスト比較。今回、この改正自体が、少しでも財政赤字を減らしていくんだ、国有地も必要最小限に絞っていくんだ、そういう考えの中で、この国家公務員宿舎に関しての検討というのはおくれているなと。

 それはなぜか。やはり私は、それは今の政権、自民党が役人に甘い、そういう部分が今までずっとあったわけですよね。いろいろと役人に政策をつくってもらって、国会でも深夜まで働いて大変なんだ、だから、ある意味で、国家公務員宿舎とかそういうところにはいろいろな、そういういい待遇には目をつぶろうというところがあったとしか私は思えません。

 最近になって、中川政調会長が先導していらっしゃる財政改革研究会ですか、官舎をどんどん売るべきだと、何か視察がテレビに出ていましたけれども、そんな、官舎が都市部にあるなんというのは、もう自民党議員、皆さんだれもが知っているわけですから、今さら見に行って、何かこんなの大変だななんというのは、全く遅いですよ。そんなのはもうだれもが知っていることじゃないですか。大臣やっていらっしゃったら、部下がどこに住んでいるかは当然知っているわけですから、ああいったパフォーマンスは、私はひどいと思います。

 私が議論していると、政権側の応援をしているんじゃないかとよく言われますので、私は決して自民党の財政改革研究会の片棒を担ぐつもりじゃなくて、とにかく全然遅過ぎるし、今回の公務員宿舎の存在意義の検討というのがほかの庁舎とかと比べておくれているというのは、やはり官に甘いなというふうに私は理解をしています。

 もう一点、その延長線上で、一つ財団法人を取り上げたいと思います。ちょうど国有財産に関係するものですので。

 財団法人国有財産管理調査センターというものがあります。今ちょうど、今回のこの国有財産の改革についてもそうですし、そしてまた、公益法人についての改革も行革の一環としてやっていますよね。その公益法人の一つだというふうに思いますけれども、その業務というのは、私が事業計画書を拝見しますと、国有地等の有効活用に関する調査研究。そして二つ目が、国有財産の管理。その国有財産というのは、主に駐車場と未利用の国有地、その管理。そして三つ目が、国からの委託業務の実施。その委託業務というのは、主に公務員宿舎の維持管理、そしてもう一つが、国有財産の一般競争入札による売却に伴う業務というふうに書いてあります。

 そういった業務をしているということですけれども、まず最初に、その財団法人国有財産管理調査センター、国有財産がナショナルプロパティーですので、NPセンターという略称も一部にはあると聞いていますが、そのセンターの役員と職員の数、そして省庁のOBの数、さらにその役員の給与についてお伺いします。

日野政府参考人 お答え申し上げます。

 国有財産管理調査センターの役員、職員の数はどれくらいかというお尋ねでございました。平成十八年三月三十一日現在の役職員数は、常勤役員で二名、非常勤役員で十一名、それから、常勤職員八十二名ということになっております。

 それから、役所からの出身者はどのぐらいかというお尋ねがございました。法人の役員名簿に記載されました最終官職が財務省である者は、常勤役員で一名、非常勤役員で三名でございまして、その他の省庁である者の数は、常勤役員一名、非常勤役員二名でございます。

 なお、最終官職が財務省である常勤職員の数は二十六名となっております。

 それから、役員の給与は幾らかというお尋ねがございました。常勤役員二名に対する十七年度の報酬総額は、年額で約三千百万円となってございます。

 なお、センターの常勤役員の報酬の額について、個人別にということになりますと個人情報に当たりますので、その辺は御容赦いただきたいと思います。

田村(謙)委員 ありがとうございました。

 常勤二名、私も、ホームページにも出ていますので、役員名簿というものは拝見しました。昨年の八月現在のものですけれども、非常勤の理事長が、大蔵省の名古屋税関長が最終官職だった方。そして、常勤の専務理事と常務理事がいらっしゃって、専務理事は、総務庁の人事局次長が最終官職、そして、やはり常勤の常務理事が四国財務局長、大蔵省のOBですよね。その専務と常務の給与が三千百万ですから、大体一人千五百万ですね。そして、職員が八十二名。八十二名のうち、財務省からの財務省OB、天下りをした人が二十六名。

 そういった財団は一つ一つ挙げたら切りがないんだと思いますけれども、今回、国有財産に関するものですので、一つの例として大変いいんじゃないかなと思います。やはり経緯とかお伺いして調べましたけれども、天下りのためにつくった法人としか思えないような気がするんですが、大臣、いかがお考えになりますか。

谷垣国務大臣 国有財産管理調査センター、何をやっているかということは先ほどから御議論がありました。

 私も、これは一体何をやっているところかというのは、今度よく話を聞いてみたんです。そうしますと、もともとは財務局で国有財産等々の管理をやっていた。例えば、物納等で来てまだ売れていない、それをどうやって売っていくかというような管理をやっていた。相当、植木の手入れとか何か、財務局でやるのではとても大変だからというので、いわば今の言葉で言えばアウトソーシングをして、させる機関としてつくったんだということのようでございます。

 したがいまして、役所、財務局本体が、そういう定型的なあるいは技術的な仕事というのはできるだけ省いていこうという発想からできたものだということでございますので、天下りのためにつくったというのは必ずしも当たらないだろうと思います。

 今後考うべきは、こういう、今いろいろ役所の仕事の中でも、市場化テストとか、あるいはいろいろな、できるだけアウトソーシングをしていくべきだという議論がございますが、そういう中で、この機関が果たす役割は何なのかということは、よく議論していく必要があろうかと思っています。

田村(謙)委員 時間も限られていますので、私が財務省の方から聞いた話も私の方で話しますけれども、結局、先ほど申し上げた業務、具体的に何をやっているかと聞いてみたんですよ。

 そういった中で、例えば駐車場の管理とか未利用の国有地の管理。結局、国有地の管理というと、フェンスを張って草を刈るとかそういうことですよね。駐車場の管理というと、駐車場の整備をして、そこを貸すということですよね、極めてシンプルな管理業務だと思いますけれども。あるいは、公務員宿舎の管理。

 別に、そういった不動産物件の管理をしている民間業者はたくさんいる。要は、民間業者にたくさんいるわけです。幾らでも委託できるわけですよ。なぜこのセンター。聞いたところによると、随意契約のものもあると聞いています。その随意契約にした理由、まさに、なぜ民間じゃなくてこのセンターじゃなきゃいけないのか、その理由を教えてください。

竹本副大臣 今回の国の資産・負債改革の趣旨を踏まえまして、未利用国有地を売却するまでの間におきましても、一時貸し付けや管理委託の方法によって暫定活用を図る必要が当然あるわけでございます。

 これまで管理委託につきましては、国有地が国民共有の財産であることにかんがみまして、公共的な用途に利用されるように地方公共団体や公益法人を対象として行ってきており、民間に営利目的で委託することについては慎重な取り扱いをしてまいりました。

 しかしながら、資産・債務改革を進める中で、未利用国有地の売却までの間の暫定活用のあり方については見直しを行っていく必要があります。積極的な情報提供、管理委託先の公募、こういったことをやりながら、未利用国有地のより一層の効率的な利用の推進を図っていきたい、こういうことでございます。

 先ほど大臣から答弁ありましたように、当センターは、もともといろいろな管理の、手間のかかる資産を管理するために設けられたところでございますが、そういったところにこういった委託業務を、一時的というわけでもないですけれども、やらせるのが適当と思って、今までここでやってきたわけでございますが、趣旨を踏まえてこれからも改革していかなきゃいけないと思っております。

田村(謙)委員 もともとの経緯も重要なんですけれども、結局、なぜセンターなのか。

 例えば、民間に委託先がないんだよというふうにおっしゃっていただければわかりやすいですね。一番わかりやすい理由だと思いますよ。ですけれども、最近特に、例えば研究調査業務も、財務省理財局は基本的に民間に調査を委託していて、今まで過去にやってもらったものの延長線のものしか調査研究について委託していないと言っていますよ。そして、駐車場とか国有地の管理。

 だから、先ほどから聞いているのは、もともと設立の経緯を聞いているんじゃなくて、今なぜセンターに委託しなきゃいけないかというのを聞いているんですよ。なぜセンターの方が民間よりいいのか、その理由を教えてください。

谷垣国務大臣 経緯は先ほど申し上げたとおりでございますが、やはり、国有財産の管理がどうあるのか、あるいはその発注の仕方がどうあるのかというのは議論がいろいろございましたので、既にここのセンターが扱っている業務、今までは随意契約で行ってまいりましたけれども、まず北関東が扱っている部分について一般競争入札をいたしまして、この四月から一般競争入札で落とした業者にやっていただいているということでございます。

 それで、最初の取り組みでございましたので、どういう方が入札に入っていただくかどうかという、いろいろ不安もあったわけでございますが、今度の結果を見まして、今のような考え方を逐次推し進めていくということではないかと思っております。

田村(謙)委員 今、大臣に御答弁いただいた北関東地区で一般競争入札をして、結局それは全部民間が受託したというふうに聞いています。

 結局、やはりセンターは要らないんじゃないんですか。民間にこれからすべて任せればいいのであって、別に財団法人は要らないんじゃないんですかね。

竹本副大臣 平成三年当時でございますから、その当時はこういった業務を行う民間企業はなかったわけでございまして、それでNPセンターへ委託を行ったわけでございます。ところが、その後、こういった民間企業が育ってまいりましたので、平成十一年度から順次民間企業への委託に移行しております。

 現在、外部委託戸数全体に占めるこのNPセンターの委託分の割合でございますが、全体の一六%まで下がってきておるわけでございます。具体的に言いますと、外部委託戸数五万一千余戸のうち、NPセンター委託は八千戸ぐらいになっております。そのように下がっております。

 したがって、これからは、先生おっしゃるとおり、NPセンターに委託をしているものについてもできる限り早期に民間への委託を進めてまいりたい、そういうことでございます。

田村(謙)委員 今後の方向性としては当然だと思うんですけれども、今おっしゃった、まさに平成十年ですか、十一年から件数が減っている、民間にどんどん委託しているということであれば、当然、既に業務量は減っていると思いますけれども、この数年間。それで、職員を減らしたりとか、そういった努力はしていらっしゃるんですか。

日野政府参考人 お答え申し上げます。

 このセンターは寄附行為におきまして定数を定めております。現在は十一名以上十四名以内ということでございまして、そのほか所要の職員を置くということで規定されております。

 それで、理事につきましては最小限の二名を常勤としているほか、理事の定数につきましては、以前、十五名以上二十名以内であったものを、先ほど言いました十一名以上十四名以内というふうに平成十五年四月から改めておりまして、実員ベースで申し上げますと、平成十四年七月一日現在がピーク時で、理事の数が十九名だったものが、現在十一名にスリム化しております。また、職員についてですが、実員ベースでピーク時が平成十五年七月一日ですけれども、当時百三十一名でございましたが、本年三月末では八十二名にスリム化しているところでございます。

 いずれにいたしましても、役職員の数につきましては、業務量等を勘案の上、適宜見直しが行われているところでございまして、今後とも適切な見直しが行われていくものと承知しております。

田村(謙)委員 もともと、確かに設立当時、九一年、そのころは委託する業者がなかった、全部なかったとは思いませんが、なかった部分もあるのかもしれないですよ。今、既にもう民間で全部できる。今後そうしていくんだというんだったら、もうすぐに今年度からそうすればいいんじゃないんですか。

日野政府参考人 先ほど大臣の方から、売却事務につきまして、北関東部分について今年度から一般競争入札に切りかえたわけでございます。実情を申しますと、これに応札した会社が二社しかございませんでした。

 仮にセンターから一般的な民間の方に全部切りかえた場合に、相当膨大な競争入札案件の下作業事務を請け負っていただきます。また、かなり精度の高い作業もしていただかなきゃいけないものですから、今回、一般競争入札で落札された企業が実際に作業をしていただいて、どの程度の精度のある仕事をしていただけるか、ある程度そういうことを見きわめるのとともに、民間市場における需要をさらに喚起して、できるだけ幅広い企業の方から手を挙げていただけるような、そういう市場環境も見きわめていかなきゃいけないのかなというふうに考えております。

田村(謙)委員 いろいろと民間に委託した場合にどうなるか適宜見なきゃいけない、先延ばしでよく使う御答弁だと思いますけれども。その中身が、駐車場と未利用地、更地の管理と、あと公務員宿舎ですよ。そんなの別に民間でやっているのは幾らでもあるし、別にみんなそれぞれ、民間もそれによって収入を得なきゃいけないわけですから一生懸命やっていますよね。とてもそれで様子を見なきゃいけないなんて思いません。そんな新しい業務じゃないじゃないですか、別に。

日野政府参考人 センターの業務には幾つかございまして、私が先ほど申し上げましたのは、一般競争入札の事務でございます。

 例えば、物件の調査をし物件調書をつくったり、あるいは入札のための公告の準備、そういったことについて、本来であれば財務局の職員か、場合によっては下請に出すこともありますけれども、そういう実務をセンターにかわっていただいている、そういうことを申し上げました。

 委員が御指摘になりましたものは、駐車場はございますけれども、これは今の売却の話とは違いまして、これは売却するまでの未利用国有地を暫定活用するときに、センターに駐車場として管理、運営をさせている。その上がりの収入でもって、他の収益性のない管理地の、いろいろ管理費用をそれによって賄ってもらう、そういうことを管理委託しているということでございます。

田村(謙)委員 もう時間が来ましたけれども、最後にまた申し上げます。

 先ほども自民党の委員の方の議論でも、今回が歴史的改革になるんじゃないかというような発言もありましたけれども、この公益法人制度改革、そして今回の国有財産の有効活用、結局、官に甘いんですよ、役人に。宿舎の検討も結局先延ばし。そしてまたこういう、こういう財団法人は山のようにあると思いますけれども、もちろん、今回の公益法人制度改革の枠組み自体については、方向性は私は別にいいと思いますけれども、公益法人を本当に改革するのであれば、そういった一つ一つ、本当に必要なものだけを残して、残りは全部民にゆだねるというのが真の官から民へという抜本的な改革であって、今回、結局、相変わらずの小泉政権のよくある表面的な改革にしかすぎないということを、二つの例で議論させていただきました。

 以上で質問を終わります。

小野委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時十分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時一分開議

小野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。古本伸一郎君。

古本委員 民主党の古本伸一郎でございます。

 大臣におかれましては、連日の御対応、大変お疲れさまでございます。そしてまた、政府参考人といたしまして本日は各省からおいでをいただいておりまして御対応いただいておりますことに、冒頭、感謝を申し上げる次第であります。

 私からは、議題となりました国有財産法等の一部を改正する法律案につきまして、できるだけ賛成したい気持ちになるように、いささかの疑念もないように質問をしてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 冒頭、委員長にお許しをいただきまして、資料を配付いたしたいと思いますので、よろしくお願いします。

 まず、先ほど来の議論を拝聴いたしておりまして、これは与野党問わず共通をして各委員の皆様がおっしゃっておられたことに、現在の我が国の置かれる、財政が大変厳しい中にあって、少しでも財政収入に貢献をすべく、いわば国の、国民の資産である、資源であるという言い方で財政審ではなされておったかと理解いたしておりますが、国民共通の資源であるところの国有地を売却していくんだということでありますが、その際に、冒頭確認いたしたいのが、有効活用イコール売却なのか、その大きな理念について、まず大臣にお尋ねいたしたいと思います。

谷垣国務大臣 有効活用イコール売却というわけでは必ずしもないと思っておりまして、まず、有効に活用していないものは、例えば宿舎等にしましても、統合するというような形でできるだけ有効に活用する。そうしますと、余ったところといいますか、余剰の部分が出てまいりますから、その余剰の部分は売却をして財政再建にできる限り役立てる、こういう考え方でございますから、ぎりぎり突き詰めれば、今委員のおっしゃったように、最後は余剰ないし売却可能な部分は売却していくということでございます。

古本委員 例えば、具体的な話を申し上げますと、先日、当委員会におきまして、委員長を団長に、都内のいわゆる都心にある公務員宿舎、あるいは防衛庁の研究施設の現地視察に行ってまいりました。その際に、大体の委員の方が出席されたという前提で申し上げますと、例えば、靖国神社に内堀が突き当たる、ちょうどイタリアの文化館あたりがある、千鳥ケ淵のすぐ真横に、三番町住宅なる農水省の宿舎がございまして、約千平米の土地であります。一等地であります。

 この土地は、有効活用をするんだという議論の延長線に立てば、今は行政財産でありますが、これは用途廃止をして、俗に言う用廃を行いまして普通財産に振りかえ、そして売却をしていくことこそが有効活用である、このように理解をされているんでしょうか。

牧野政府参考人 お答えをさせていただきます。

 原則は、今大臣から御答弁がありましたように、不用になった敷地については売却する、これが原則であることは間違いございません。

 ただ、個々のケースにつきまして、売却によらずにより国に収入が上がるといいますか、そういう方法が個々具体のケースで仮にあれば、それを排除するということではございません。

古本委員 では、今財務省が行っておられる監査という業務があると思います。これは省庁横断的に、例えば農水省が不要になったとしても文科省で必要である、その場合は、まさに采配役として財務省が再配分をし、スペースをコントロールし、結果、不用となった財産であっても、引き続き、国全体、政府全体で見れば行政の目的に適している、かなうという判断が一方であると思うんですね。

 その意味では、例えば、今総理が、都内の都心の公務員住宅を売れるものは売りなさいという御指示が経済財政諮問会議でもあったやに伺っておりますが、そのことを受けたならば、今監査の議論の状況として、例えば先日見せていただきました三番町、農水省のこの住宅につきましては、例えば農水省が住宅用地としては要らなくなったけれども、その横にある農水省の合同会議所というんでしょうか、かつては米価審議会の舞台になったというふうに諸先輩から教えていただきましたが、そういった非常に記念的な、歴史的な場所でもありますから、単に民間に売り払うのではなくて、農水省としても、行政の目的を少し持ちながら、部分的に民間に貸し出してもいいんじゃないか、こういうような判断があった場合、現在の法規制ではこれは可能なのかどうか、まず御確認をするわけであります。

牧野政府参考人 今お尋ねのケースでございますが、三番町の住宅を用途廃止しまして普通財産にして、その一部を貸し付けるということは可能でございます。

古本委員 それでは、今回の法改正により、行政財産でありながら民間に貸し付けることができるようになるんでしょうか。

牧野政府参考人 お答えをさせていただきます。

 基本的に、国の行政財産としての用途を妨げない範囲内であり、かつ堅固な建物を建てるというような場合には、貸付対象になるということになっております。

古本委員 更地である国有地があったとして、現在、普通財産であれば貸し付けることができるというふうに理解しておりますが、これは行政財産のままであっても、用廃をしなくても、今回の法改正をもって民間に貸し付けることができるようになるんでしょうか。

牧野政府参考人 繰り返しになって恐縮でございますが、今回の法改正をやっていただけましたら、行政財産で、行政目的で使っている財産でございますが、その一部を、今申し上げたような堅固な建物を建てるとか、そういう場合には貸し付けを行うことができるようになるということでございます。

古本委員 そうしますと、私は今回の法改正の中で目玉の一つと思っています借地権設定が新規に、民法上の借地権五十年を認めるようになるというふうに織り込まれておると理解いたしておりますが、まさに堅固な建物を建て、そして何か民間が事業を行いたいという場合においては、これは認められるという理解でいいんですかという確認が一点と、その際に公益性というものが問われるのかどうか、お尋ねをするわけであります。

牧野政府参考人 またちょっと繰り返しになってしまうかもしれませんが、要は、行政財産でございますから、行政の特定の目的のために使用されているわけでございますから、その目的に資する場合について、さっき申し上げたような堅固な建物を建てるというようなニーズがあれば、それは貸付対象になるということでございます。

古本委員 そうしますと、現在ある国有地のあり高が全体で何十兆か総額であるんでしょうけれども、そのあり高の中で、行政財産である以上は必ず上物がある、つまりは更地はない、こういうことをおっしゃっておられるんでしょうか。

牧野政府参考人 お答えをさせていただきます。

 要は、例えば今回想定されているのは、飛行場の場合の空港ターミナルのような場合ですね。ですから、空港という行政財産があって、その一部のターミナルを民間が借り受けて行った方がいいという場合には、これは貸付対象になると思います。

 三番町の場合は、先生一番御関心をお持ちなので、例えば、三番町住宅を含めて全体で何らかの行政目的で使う、そういう行政目的で使われる施設の中に、その行政目的に資するような用途として堅固な建物を民間の方が建てるというようなケースが、これは頭の体操でございますから、仮にそういうケースがあれば、それは貸し付けの対象になるということでございます。

古本委員 それでは、現実的な話でお尋ねをしますが、三番町の農水省の住宅は、約千平米に対して八戸の世帯が入っておられます。これは、法定容積率に基づいて目いっぱい建てれば、約八十平米のいわゆるマンションを建てたとして、約五十戸ぐらい、法定限度目いっぱいで高度化したとして確保できると思います。千平米の用地であります。

 事実、近隣のしょうしゃなマンション、あの三番町周辺のしょうしゃなマンションはまさに億ションで売られておる中に、その谷間にあって、あの非常にクラシカルな宿舎がある、こういうことでありますから、仮に民間がそういう開発を、上物を行い、底地を農水省が持ちながら、農水省職員の方が引き続き、さすがにペントハウスに入るというわけにいかぬと思いますので、下の方に入っていただくという場合は、これは行政の用に供しながら、引き続き定期借地権も設定できる、かつディベロッパーは上物を建てることができる、こういうことは可能になるんでしょうか、今回の法改正で。

牧野政府参考人 先生が今御質問されているようなケースを、行政財産の貸付規定を織り込んだ経緯といいますか趣旨からしますと、そういうことを想定していたわけではございません。あくまでも行政財産でございますから、行政財産としての目的がございますので、その目的に資する範囲内で、かつ民間の方が堅固な建物を建てられる場合には貸付対象になる。それがマンションだというのは、ちょっと我々も想定していなかったものですから。恐らく、マンションのようなものであれば、あえて行政財産で、行政財産の目的に資する範囲とかそういう制約のかからない普通財産にして、それで売却するなり貸し付けるという方が自然なのではないかと思います。

古本委員 では、今宿舎に入っておられる方は建てかえたその郊外のところに転宅しなさい、こういうことが全体の流れだと思うんです。何となれば、大臣、まさに国家のかなめである霞が関の俗に言う高級官僚の皆様を中心に、恐らく都心三区を中心に、近隣に、危機対応も含め、あるいは特別な目的、警察や刑務所関係や国立の病院の看護師さんや、特殊な業務の方に加え、俗に言う国家のかじ取りを専らなさっておられる高級官僚の方々がまさにこの辺に住んでいるわけですよね。その人たちが二時間満員電車に揺られて、財務省主計官が手元狂っちゃったといって計算を間違えたら、えらいことですよ。

 二時間満員電車に揺られて通うことが本当に国家の利益に資するのか、あるいは適正家賃に基づいて国会周辺に住んでいただくことがそんなに問題なのか。これは入り口の理念でありますので、確認をするわけであります。

谷垣国務大臣 確かに、今委員がおっしゃったように、国家の枢要な任務を担っていただいている方々が公務の遂行に支障のないように、そのための住宅を提供するという必要性は私はあると思います。

 しかし、今回の考え方の背景にございますのは、いろいろ比較考量はもちろんあると思うんですが、現下の厳しい財政状況を考えますと、都心三区、ここのものは売却をしよう、こういうことであります。あと、できるだけ集約するなり有効活用して、そして、余剰が出た、利用しなくていいようになったというところは売却をして、少しでも財政再建に役立てよう。その背景で、確かに、今までそういう形で公務員に役所の近くに住んでいただいた、そういうメリットは犠牲にされる面が出てくると思いますが、そこは価値判断として、このような決定をしたということであります。

古本委員 お配りをした資料の二番をごらんいただきたいと思います。これは昭和五年の、一九三〇年当時の皇居周辺の霞が関あるいは永田町かいわいの、今でいう住宅地図の感覚に近い図面でありましょうか。一連の資料を集めるに当たりまして国会図書館の担当御当局には大変な御尽力をいただきましたことに感謝を申し上げながら、資料を使わせていただくわけであります。

 大臣、どうですか。当時、新議事堂というのがちょうど皇居の真下あたり、おへその下のあたりにありますね。これは、まさに今の議事堂のロケーションだと思います。ドイツ大使館があります。これが今は国会図書館に変わりました。その横、さっと左に目を転じると、これは大蔵大臣官邸というんでしょうか。谷垣さんも、昭和五年であれば、オリジナルの、独自の官邸に入ることができたわけでありますね。さらに、その上に目を転じると、文科、当時文部大臣官邸があって、その上に大蔵大臣秘書官官舎というのもありました。

 よく言われます。明治、大正、昭和の初期、まさに私利私欲を捨てて、国家のために高潔なる政治をすることができる政治家がいた。そして、まさに公僕として国家国民のために公務に邁進する、これは憂いなく邁進することができる官僚がいた。その前提に、衣食住足りていい仕事ができるということがあったんじゃないでしょうか。

 谷垣さんは、今、世田谷に御用地をお持ちだというふうに資産公開なさっておられますが、我が国の財政をすべて預かる谷垣さんが世田谷のそんなちっちゃな家に住んでいちゃいけませんという見方もあります。通勤にどれだけかかっておられるか存じ上げませんが、まさに危機対応で、すぐ駆けつけられる距離に官邸があったっていいじゃないですか。

 勢い、今、確かに財政の赤字、大変な喫緊の課題である中で、政府資産を圧縮していこうという考え方自体は否定するものではありません。したがいまして、我が党の方も、中の議論の中で、そのことについて真っ向から否定するのは無理があろうということで、きょうの審議にも臨んでおりますが、これは、本当に必要なものの国有地というものは、行政の目的の範囲というものが大変定義があいまいであります。空き地で持っておくことによって、将来の防災空地になるかもしれない、あるいは都市計画道路の替え地候補の種地になるかもしれない。そういうことを、国として資産を持っておるということも、これはかけがえのない、国家としての、ある意味ゆとりであり、後世に受け継いでいく大変な財産であるんじゃないかという問題意識なわけであります。

 したがって、先ほどの、都心三区の公務員の皆さんの宿舎をお売りなさい、こういう御指示でありますが、配付しました資料の六番、こちらのA4の方ですが、公務員宿舎の移転・跡地利用に関する有識者会議の資料をごらんいただきたいと思います。

 六でありますが、六の一をまずごらんいただきたいわけでありますが、大体これは経済財政諮問会議で総理が、都心の公務員宿舎について売却できるものがあるんじゃないかということをおっしゃった。これを受け、御省として有識者会議を立ち上げた。それで議論を重ねてきた結果、現在、一定の売り払い基準なりを定めようと、別途、六月の骨太に向けてやっておられる、こういう全体の工程図でよろしいかと思います。加えて、財政審によって、国有財産がどうあるべきかという議論も並行して議論が走っております。そして今回の法改正であります。

 そこで、大臣にお尋ねいたしますが、今回の法改正の趣旨によれば、理財局長は先ほど、そういったことに貸し付けるということは想定をしていなかったというふうにおっしゃいましたが、いいですか、国家の財政が今火の車なんですね。つまり、財政収入を得たいんですね。一方で、効率的な行政を行っていく上においては、近いところに公務員の皆様が宿舎を設けるということも否定はしないとおっしゃった。

 そうすると、実は、実現可能な実にうまい方法がある。これは、国有地を民間ディベロッパーに貸し付けて、そして事業を営んで、あるフロアを底地に応じてそれをもらえば、フロア分もらえば、これは実は、公務員の宿舎が移転せずして、かつ、底地は手放すことなく大家さんとしてあり続ける、そして賃貸収入を得ることができるんですね。

 今回の法改正は、もとよりそういうことは想定していません。それはおっしゃったとおりです。そこのところに後追いで、公務員宿舎はけしからぬという議論と、あるいは財政審の話が、答申が一月の十八日になされた。これは幾つかの話が走っておりまして、この際、これをあわせた議論をしなきゃいけないと思うんです。

 その意味で、改めて大臣にお尋ねするわけでありますが、これは技術的な部分も含んでおりますけれども、国有地の底地を国が持ちながら、これは大家さんとして持ちながら、行政目的をかないながら、そして、民間から賃料が入る方法が仮にできるならば、これは得策だと思いませんか。

谷垣国務大臣 私どもが基本的に今すぐ利用の現状がない、そういうものは、また逆に集約化して、できるだけ有効利用して、今使用に必要でない、そういうものを生み出していこう、それは貸し付けでなく売却をしていこう、こういう考え方に立って今まで物を整理してきましたが、その背景にございますのは、言ってみれば、土地を貸すというのは国家が不動産業を営むということですよね。それはどういうことかというと、土地は結局、価格変動リスクを持っておりますから、長期に持っておりますと、やはりそういう変動リスクを持って商売をしなければいけないということだろうと思います。

 こういうことが果たして、今それは全体の流れもございます、民でできることは民でと。国が果たして商売をした場合に、民間よりうまくできるかという今の議論がそこにあることは事実でございますが、果たして国家が、そのような不動産を貸し付けする、あるいはそういう仕事がうまくできるかという問題がやはりあろうと考えたわけでございます。それから、将来的にやはり売るんだということが前提でございますと、一たん貸し付けた場合には、やはり後、返してくれというと、これはなかなか問題がある。やはり現在のいろいろな土地の借地権等々の問題もあろうかと思います。

 そういうことを考えますと、むしろ国としては、できるだけ重点化をする、高度利用するということで、余剰な土地は売却をして、そして財政再建に役立てよう、こういう基本的な考え方で問題を整理して今度の法案にもしたわけでございます。

古本委員 それでは、資料の九の二をごらんいただきたいと思います。これは財務省の方でつくられた、谷垣さんのお手持ち資料だと思いますので、もうよく頭の中に入っておられると思いますので申し上げます。

 今大臣は、まずは売却をし、いわば単年度での財政収入に貢献できる方が国家として喫緊の課題に手だてが打てるんだ、こうおっしゃった。九の二の(3)番、一般庁舎、宿舎の効率的な使用により不用となった不動産を今後十年間売却し、約一兆円が入る。十年間で一兆円、これは正しいですか。

牧野政府参考人 お答えをさせていただきます。

 この金額は、下にございます売却基準に基づきまして、個々の国有財産を台帳ベースで洗いまして、そして、この基準に該当するものを積み上げた金額でございます。

古本委員 今おっしゃった台帳ベースというのは、国有財産台帳価格ということで、地価公示等を参考にしながら国において定期的に改定をなさっている、いわば時価に近い、実勢価格に近い価格だと思います。

 つまりは、簿価ではなくて時価だという前提に立ちますと、十年間頑張って売ったって一兆円ですよ。我が国の借金は幾らですか、大臣。都心の一等地を一生懸命売りに売って売りまくって一兆円。これを世間で焼け石に水と言うんじゃないでしょうか。

谷垣国務大臣 焼け石に水という耳に入りやすいお言葉をお使いになりますが、やはり今おっしゃいましたように、私どもは、今年度末で長期国債五百兆を超えるものを持っているわけであります。焼け石に水とおっしゃられれば確かにそうかもしれませんが、しかし、利用できるものは何でも利用して、少しでも圧縮していこうということでございます。

古本委員 それでは、逆に、この一兆円以上に収入の入る、財政収入に貢献できるうまい方法があれば、それに乗るんでしょうか。

谷垣国務大臣 それは、いろいろな精査をして見つけ出していかなければならないと思っております。

古本委員 理財局長、先ほど大臣は、精査をし検討の幅は広げなきゃいけないんじゃないかという御趣旨をいただきましたが、技術的なことをお尋ねします。

 先ほど来申し上げております三番町の土地、これはもう皆さんが視察に行かれていますから、わかりやすいので申し上げておりますので、その点は御留意いただきたいわけでありますが、この三番町の農水省の物件を、仮に、法定容積率目いっぱいにマンションを建て、賃貸事業収入を業者が得ながら、底地の地代を国に財政収入として賃料を払っていただく。国庫にこれは貢献できる。なおかつ、公務員の皆様が、何も郊外に二時間電車に揺られなくたって、今までどおりそこから通うことができる。お子様だって、官僚の御子弟でしょうから、優秀な方がせっかく近所の白百合か雙葉かに受かって、やっとのこと、またお父さん転勤になっちゃってなんて、それは気の毒でしようがない。

 今言ったことを総合的に判断すれば、これは検討の可能性ありますか。

牧野政府参考人 お答えをさせていただきます。

 三番町にいたしましても、ああいう優良な物件が出てきた場合に、先生がおっしゃられるように、民間に貸し付けて、そこにビルを建てて一部を借り戻すということなんですが、要は、それは先ほど大臣が御答弁されましたように、ある意味では、国が不動産業をやるようなことになるわけです。それから、国が売る必要があったときに、これは借地権との関係で売れないというような問題もございます。

 ですから、国有地を貸し付けるということについては、突然のお尋ねですから率直に言わせていただきますと、ちょっと無理があるんじゃないかなと思います。ただ、最初に私申し上げましたのは、売却が原則で、ただ売却によらないで、あるいは売却を活用しながら、あるいは民間と一緒に、何かより有効な利用の仕方があれば、それは排除する考えはないということでございます。

古本委員 これは、国家の財政が火の車なわけですよね。皆さんで知恵を出し合おうじゃありませんか。

 視察へ行ったときに、与党の理事の方々がいみじくもあの内堀を走りながらおっしゃった言葉が余りに印象的でしたので、調べてみました。ちょうどパレスホテルから毎日新聞東京本社屋等々を走っているときに、この土地はどこの土地だったんだ、同行した事務局の方は、ちょっと調べますということで、即答はなさらなかった。別途、調査室の方からお尋ねをさせていただいた結果、関東財務局所管のいわゆる普通財産売り払いの情報は、三十年間の保存年限を超えると情報がありませんという大変紋切り調の答弁をいただいておりましたが、こんなのは法務局に行って謄本を上げればすぐわかりますよ。国有地でした。パレスも毎日も国有地であります。

 ここを仮に、大臣、売らずに、個別個社の名前を申し上げて大変恐縮ですが、何せ視察に行きましたので、委員会として。その中の車内での発言でありますので、視察中の発言ということで重く受けとめて調べましたところ、国有地でした。これ、業者に売らずにリースしていたら、今ごろ三菱地所さん顔負けの大家さんですよ、大大家さん。財政収入に大変貢献してくれる、底地を持ちながらです。もう既に、内堀の周りのかつての一等地は民間の手に渡っている、このことに先祖返りすることはもうできません。しかし、今後とも発生するそういうことについて、本当に国家として底地を手放していいのか、これは大変不謹慎かもしれませんが、焼け石に水の一兆円程度のために、こういう議論であります。

 再度、財務大臣にお尋ねいたします。貸すという概念は本当にないんでしょうか。

谷垣国務大臣 今の古本委員のお話の中で、私も、おまえ個人の個人的な考えはどうだと問われたら、それは国有地は余り手放したくないなという気持ちは率直に言ってございます。しかし、私の気持ちからすれば、なかなかそういうゆとりあることを言っておれなくなったのではないかという気持ちでございまして、財務大臣としてこういう決定をしなければならないことは残念でございます。残念でございますが、やはり国家の財政を立て直すためには少しでも役立てようということでやっているわけでございまして、それで、貸し付けという概念はないのかという再度のお問いかけでございますが、これも先ほど申し上げた答弁の繰り返しでございます。

 確かに、おっしゃるように、パレスホテルのところでしょうか、いまだに持っていればリース料はかなり入ったかもしれません。ただ、これはやはり、それは御商売としてやっておられる方々の運用の結果ということもあろうかと思うんですね。国家が、ではこれから土地の価格がどうなるかということを見渡して、それだけ上手に活用できるのか。自分が持っておって行政のために使うんだというなら、それは持っておったらよいと思います、また持たなければいけないと思いますが、それを超えて、要するに余剰地を捻出して、そこを何とかうまく商売をしてやっていこうという能力が国家にあるかどうかというのはやはりよく考えなければいけない点ではないかと思います。

古本委員 理財局長に技術的な確認をいたしますが、普通財産、行政財産を行政の用に供している中にあって、用地を民間に一部貸し付けるということについては、フロアについては、それを今回捻出をし、寄せて、とめて、あいたところを貸すということは本法に織り込まれているということで、これはまことにもってすぐれていい法案だと思いますが、用地を、更地を貸していくということについては、これは行政財産であると少しはばかるものがあるけれども、普通財産であるならば現行法でも貸し付けることができるわけでありまして、これは普通財産に用廃をした物件に関してはその限りにあらず、つまりは貸すことができる、こういう整理でいいでしょうか。

牧野政府参考人 お答えをいたします。

 先生おっしゃられるとおり、今回の法改正でお願いしておりますのは、行政財産について、その行政目的に反しない範囲内で貸し付けをさせていただくということをお願いしているわけでございまして、普通財産については一般的に貸し付けは認められております。

 ただ、これまでやはり財政収入を確保するということがまず喫緊の課題でございましたので、まず売却を原則とするという方針で、貸し付けについてはできるだけ控えるということで運用をしてまいりました。

古本委員 運用してまいりましたということは、今後は、仮に普通財産に用途廃止をして振りかえて、入札等にかけても売れ残り、あるいは残っている、あるいは監査の結果、現在数千件まで物件が絞られてきているというふうに伺っておりますが、依然として、ある意味売れずに残っておるような物納財産等々、何らかの事情である普通財産に関しては、今後は、何も売るばかりじゃなくて、積極的に借り手があるならば貸していく、これでよろしいんでしょうか。

牧野政府参考人 お答えをさせていただきます。

 物納財産なんかで売れ残りが生じることは実際にございます。ただ、そういったものは基本的には売却を原則としておりますので、一時使用を認めるというような形になると思います。

古本委員 そうしますと、借地権設定を、新たに民法上の五十年を今回の法案に織り込み、堅固な建物を建てる前提においては貸し付けることができるようになる、このように理財局長は先ほどおっしゃった。これは行政財産の場合だけに関して言っておられる、正しいですか。

牧野政府参考人 今回の規定は普通財産にも適用されます。ただ、我々が今回法律改正をお願いいたしましたのは、最初にも申し上げましたように、空港のターミナルでございますとか、あるいは国立公園内にありますホテルのようなものでございますとか、そういったものを念頭に置いて、行政財産のより有効な活用を実現したいという目的でお願いをしているわけでございます。

古本委員 今、国にある財産、普通財産と行政財産を合わせてどれだけあるんですか。その中で、本当にペンペン草が生えていて何にも使っていないという用地が、これは赤線とか青線とかというそういう特殊な用地じゃなくて、比較的地形もよくて使い勝手が非常にいいんだけれども、国有地という、管理地という看板が一つ上がっているがために手も足も出ませんといって、隣近所の人が貸してくれと財務局に言ったって貸してくれないしで、そのまま放置しているという土地は全国探したって一カ所もないんですね、ないと局長は断言できるんですね。あるんですよ。そういうものを貸したらどうですかと言っているんです。

牧野政府参考人 今先生が御指摘になったような、多分それは物納財産だとは思うんですが、そういったものは、当分売り払いの見込みがなければ、要望があった場合に、先生は貸し付けと言っておられるわけですが、貸し付けをしてしまいますと借地権が発生し、まさにそれが国有地の権利付財産の売却が困難になっている理由の一つでもございますから、そういった場合には我々はやはり使用許可という形で対処をしていきたいというように考えております。それは、できるだけ先生からそういう御批判をいただかないように、国有地の看板が立って遊んでいるような土地がないように、さらにこれからも努力してやっていきたいと考えております。

古本委員 そうしますと、その堅固な建物を建てて借地権設定していい場合というのは、飛行場における航空会社の何かそういう建屋だとか、非常に限定したケースだけを想定しておられる、こういう整理でいいですか。

 そうしますと、他方で、財政収入に、断腸の思いで、本来は売りたくない土地も売らなきゃいけない、担当の財務大臣としてこれはまさに後顧に憂いないかというと、極めて断腸の思いだとまでおっしゃっておられる。であれば、財政収入に定期的に貢献できる、毎年地代が入ることが期待できる。停止条件を入れればいいじゃないですか、地代が滞ったときにはすぐ退去するとか。国なんですからそんな一札入れることは簡単ですよ。きょう、あす新規に借りてくれる民間の方があるならば、賃料もらえばいいじゃないですか。何でそんなにこだわるんですか。できるんでしょう。できるという整理をなさった方が後々のためにいいと思いますよ。できないと言っちゃったらもうできなくなっちゃいますよ。

牧野政府参考人 できないと申し上げているわけではありませんで、法律上はもちろんできるわけでございます。ただ……(古本委員「法律上はできるんでしょう」と呼ぶ)できます。それは普通財産については今でもできますし、行政財産については法改正でできるようになります。

古本委員 では、整理いたしますと、これまでは普通財産であれば、賃貸といいますか、国の場合ですから使用許可並びに貸し付け、短期の場合は使用許可、長期の場合は貸し付けという少し行政用語の整理をなさっておられるようでありますが、今回の法改正に伴いまして、行政財産につきましても、新規に貸し付ける、これは使用許可ではなくて貸し付けることができる、こういう整理でよろしいですね。イエスかノーかでお願いします。

牧野政府参考人 一つ訂正を。済みません、先ほど普通財産について使用許可と申し上げましたけれども、あれは一時貸し付けの間違いでございます。

 済みません、ちょっとその話を今聞いていたものですから、先生の御質問、ちょっと……。

古本委員 現状では普通財産しか貸し付けることができないわけでありますが、使用許可が出ないわけでありますが、今回の法改正に伴いまして、行政財産であっても長期に貸し付けることができるようになる、イエスかノーか。

牧野政府参考人 先生のおっしゃるとおりでございます。

古本委員 ありがとうございます。

 そういう議論を整理した上で、少し、お配りをした資料の四をごらんいただきたいと思います。A3の大きい方です。

 財務省所管の、これは各省各庁が持っておられる宿舎、また監査をして、スペースコントロール等々で財務省の御協議も大変になろうかと思いまして、財務省が持っておられる都心の合同宿舎用地を再開発、賃貸した場合の事業性検討をしてみました。これはエクセルに前提の数字をほうり込めばすぐ出る簡単な話でありますので、順番に御説明をしたいと思います。

 千代田区に財務省の持っておられる分だけで約一万九千平米あります。四番町、二番町、麹町、紀尾井町、聞いただけでディベロッパーからよだれが出るような一等地ばかりであります。それから、港区、これは約一万平米ありますが、南青山、西麻布、六本木、三田、これはもう素人でもわかります。いいところなんだろうなとその響きだけでわかります。新宿区、これは若干、ちょっとお手ごろなエリアに入ってまいりますが、その下の縦計で、新宿合計約七万七千平米あります。渋谷、これはまさに住宅、レジデンシャルエリアとしては今羨望の的のエリアですね。代々木、恵比寿、広尾、神宮前等々三万六千あります。これは財務省分だけです。

 これに前提条件として法定容積率四〇〇%目いっぱい建てたとして、千代田区内あるいは港区内等々の、今実際に貸し付けておられる、恐らくこのエリアに建つマンションですから高級マンションです、平米単価を、それぞれ前提を置いております。一方、建築コストをこれは要しますので、建築コストを前提として大体平米三十万から五十万、これはタワーマンションの今相場であります。もちろん、中に大理石を使えば高くなりますし、安いユニットバスで我慢すれば安く下がる、これは当然のことでありまして、大体平均の四十万円・平米でほうり込んで数字を試算いたしてみました。

 そうしますと、何と、千代田区の場合は年間四十六億は家賃収入、賃貸収入が見込めます。港区二十三億、新宿はちょっとお手ごろになりますので少し飛ばしまして、渋谷七十八億入る。この合計の年間の賃貸収入で百四十七億入ります。

 一方、建屋の建設費は、それぞれの千代田、港、渋谷、これは法定容積率目いっぱい建てた前提で、建築単価平米四十万円で積算すると、約八百七十億円かかります。では、この八百七十億、新規にどこから持ってくるんだ、こういう話になりますから、これは例えば新宿区の比較的都心の一等地というところから少し外れたところを仮に地価公示、平成十八年の最新の地価公示ベースで、実勢価格じゃないですよ、地価公示で売却を全部したとして、九百七十億入る。大臣、建築コスト、チャラです。

 こういう検討を御省御局はやっておられますか。やった上で売るとおっしゃっていますか。

牧野政府参考人 お答えをさせていただきます。

 先生の御試算が、一つの御試算としてそういうのは成り立つんだろうとは思います。ただ、我々が売却を原則としていると申し上げていますのは、売却価格は、基本的に、一番有利な形で開発された場合のその開発利益が還元されるといいますか、現在価値で割り引かれた、それがベースになって売却価格が決まっていくというように考えているものですから、こういうように具体的に開発で数字を、毎年の収益を出された場合と、売却した場合と、現在価値ベースで見てそんな大きな差が出るとは我々は考えておりません。

古本委員 今、局長、大事な観点をおっしゃいました。国有地を売るか売らないかということについて、実は、かつての資料を調べますと、平成十一年の国有財産中央審議会報告「今後の国有地の管理処分のあり方について」という、ここの整理が、実は今、現行では生きておるんじゃなかろうかと思います。

 その文書を読み上げますと、売るか売らないかの判断基準の考え方として、「例えば、当該未利用地」、つまり国有地ですね、「について、国が保有することにより生ずることが期待される価値と、国が保有することに伴う機会費用とを比較衡量し、前者が後者を上回るような場合には基本的に保有し、逆であれば売却することが考えられる。」という国有財産中央審議会の報告書が生きておるんではなかろうかと思われます。

 ところが、昨今の政府・与党の御議論の中で、資産圧縮せよという中で、これはもしかしたら、持っておいて、保有をすることにより行政として得ることのできる利益、あるいは、これははかり知れない将来に対する国としての、ある意味持ち続けることが責務である、これも含めてある意味での利益という整理をしたならば、実は売らない方が、本当はその利益の方がまさっているんだけれども、この際、断腸の思いで売ろうというんであれば、一兆円という金額は余りにもはかないんじゃないですか。余りにもパイがちっちゃい。それこそ財政赤字に対し一割、二割貢献できる、そのぐらいのことが期待できるならば、これはもろ手を挙げて、どうぞ売りましょうと国民もおっしゃるでしょう。

 売るかどうか、この判断基準は今回の法改正の中に織り込まれていますか。つまりは、どういうケースの場合に売るか、どういうケースの場合に保有するか、今回の法案の中に織り込まれておられるでしょうか。

牧野政府参考人 お答えをさせていただきます。

 今先生御指摘になられましたような、どのような場合に売るか売らないかというようなことは、今回の法改正の中には盛り込まれておりません。

古本委員 そうしますと、先ほどの資料の九の二でお示しをいたしました、これは財務省の資料ですが、庁舎売却あるいは宿舎売却の基準として、これはまだたたき台なんでしょう、六月の骨太に向けての議論の俎上という前提で申し上げますが、更地の場合は一律売却、一刀両断に売却、一般庁舎の場合、法定容積率に対する利用率五割未満のもの、これもまた一律売却、宿舎、都心三区については原則売却。これは、都心の一般庁舎、宿舎だけに関して言っておられる特別なルールなんでしょうか、それともあまたの国有地に適用される今後の売却基準なんでしょうか。

牧野政府参考人 お答えをさせていただきます。

 これは二十三区だけではございませんで、全国ベースで計算をしたものでございます。売却と書いてございますし、原則は売却であることはもう先ほどから申し上げているとおりでございます。売却であればその他の開発が行われた場合の開発利益も当然売却価格に反映されるという意味で売却というのを基準にしているわけでございます。

 最初にもちょっと申し上げましたが、では、個々具体のケースで必ず売却するのかということになれば、むしろ地方公共団体と共同で何か行った方が町づくりの観点からいいとか、いろいろなケースがございますから、それは個々具体のケースで判断させていただきたいと考えております。

古本委員 そうしますと、国有地を持ち続けることによって得られる有形無形の何か利益のような概念が仮にあるとすれば、それを上回る利益があればこれは売るんだということがこの国有財産中央審議会報告書に書いておられることではなかろうかというふうに理解をいたしますが、現在もこの考え方は生きておる、こういう整理でいいでしょうか。

牧野政府参考人 基本的なそのときの答申の考え方というのは生きて、さらにそれを引き継いで、今度、財政制度等審議会の国有財産分科会で御審議をいただいて新たな方向を示していただいたということだと考えております。

古本委員 ちょっと違うんじゃないでしょうか、局長。更地の場合、一律売却と書いておられるじゃないですか。これは、有無を言わさず売却なんじゃないですか、この基準が。しかも、都心三区に限らず全国あまたの国有地に汎用性のある基準であるとおっしゃられた。先ほどの答弁を訂正されますか。

 もしそうであれば、この基準に基づけば、仮に、三番町という非常に象徴的なところで言っていますが、あそこが、農水省がもう要らないということになって用途廃止をした、そして普通財産に振りかえられた、そしてそれで更地一千平米がある、自動的に、売るんだ、こういう流れに、六月の骨太にこのまま提出されたらそうなりますけれども、そういう理解でよろしいですか。

牧野政府参考人 この資料は、財源となる資産が幾らあるかというのを三月の段階で取り急ぎ出す必要があったということで、有識者会議の先生方と御相談して決めた基準でございます。これはあくまで基準でございますので、個々具体のケースにどうするかというのは、原則は売却でございますが、それ以外の取り扱いが、先ほどから申し上げているように、地元調整なりいろいろな有効利用の仕方についてよりよいものがあればそれを排除するものではないということでございます。

古本委員 そうしますと、売却基準、一律更地売却、こう書いておりますが、個々の事案ごとに御省の専門の部局において精査をし、都度判断をする、こういう整理でいいですか。

牧野政府参考人 極めて細かな、小さな物件につきましてはそういう検討が必要だとは思いませんが、それなりの規模のものについてどうするかということは、もちろん、我々あるいはその有識者会議、いろいろな方の御意見を聞きながら今後決めていきたいというように考えております。

古本委員 これは、大臣の御党の、自民党さんの政府資産圧縮プロジェクトチームの、何かこれは報道ベースでありますが、伺いますれば、宿舎、寮は、昭和五十六年以前に取得した物件については売却でしょうか、五十七年以降に取得した物件については、容積率一五〇%以下または敷地面積三千平米以下の小規模物件は原則として売却、こう書いておられる。まだわかりやすいですね、面積要件が入っているというのは。塩を送るわけじゃありませんが、まだわかりやすい。三千平米、しかし、これは一律で、今後、財務省の方の出される骨太の方にも面積要件のようなものが入ってきたならばこれは要注意ですよ。都心の三千平米と郡部の三千平米は、これは中身が違います。三番町の千平米、よだれが出る一等地ですよ。

 したがって、今後の基準づくりにおいては、その辺も含め、今申し上げたような、指摘をしたポイントも含め配慮をし、最終的な骨太になっていくんでしょうか。

牧野政府参考人 ただいま見ていただいております、我々といいますか大臣が諮問会議でお示しいたしました基準は、そういう意味で、財源が出る、ともかくその目安をつけなければいけないということで、有識者会議と御相談しながら決めた基準でございます。

 ですから、最終的に、その骨太の段階でどういうものになるかというのは、そのままになるというわけではございません、いろいろな御意見を聞きながら、改善するべき点があればそれは改善していきたいというように考えております。

古本委員 資料の六の三をごらんください。先ほど来局長がおっしゃっておられるメンバーであります。国家公務員宿舎の移転・跡地利用に関する有識者会議のメンバーであります。民間の大手ディベロッパーの方が二人入っておられます。何が何でも売りたいんじゃないですかと国民が指摘をされたらどう答えますか。

 逆に、ここに出ておられる会社さんにおかれては、個別個社ですけれども、これは、でもマスコミ発表をしていますから、三井と三菱ですね、底地を借りて上物を建てるというようなことはまさに十八番ですよ。そういう意見は出ていないんですか、この人々から。

牧野政府参考人 先生御指摘の点につきましては我々非常に注意深く考えておりまして、お名前が出ておりますが、このお二人から個々のケースについて自分たちがどうしたいとかそういうお話は一切出ておりませんし、やはり、都市再開発をやってきたプロとして、そういう有識者として御意見をいただいております。

 ただ、先生がおっしゃられるように、今後、この有識者会議は、国有財産の売却そのものをモニターしていくということで、総理の御了解も得て七月から、恐らく七月になると思いますが改組されることになりますので、そのときには、先生がおっしゃられるような疑念を生まないように、こういう実際に商売をされている方は引いていただく方がいいだろうというように考えております。

古本委員 逆ですよ、逆。こういう開発能力を持っておられる大手ディベロッパーの方々からまさに全方位的に意見をいただいて、ただ売ればいいという、その前の資料の六の二、念のため、総理のコメントをつけさせていただきました。

 経済財政諮問会議、第二十七回、総理のコメントです。特に都心の官庁の宿舎の資料を全部出してもらう、財務省は売却不能と考えているようだが、なぜ不可能なのかよく調べてもらいたい、資料を全部出してもらう、特に土地の価格が高いところ、売却不能と言っているところも出してもらう、理由を聞きたい、私は不可能じゃないところがあると思う、こうおっしゃった。

 なるほど総理の御指示ではありますが、実は、売らずに貸して、そういうディベロッピングをした方が一つの手法としてありますよという意見が民間から出ていないんですか。

牧野政府参考人 お答えをいたします。

 幅広く意見を聞くという御趣旨で、先生、さっきおっしゃったんでしたら、私、ちょっと勘違いして答弁をしたのかもしれません。幅広く意見を聞くという意味では、これはいろいろな、ここに入っておられる二社だけじゃなくて、いろいろな専門のディベロッパーの方とか、あるいは都市再生機構とか、いろいろな方からお話は伺っております。

 こういう、ここに入っている業者の二社の方から賃貸にすべきだという意見は出ていないかということでございますが、それは今のところ出ておりません。むしろ、それ以外の有識者の方からそういう問題提起はございましたので、それは、当然、中で検討をいたしております。

古本委員 少しおもしろい事例を御報告したいと思うんですが、きょうは防衛庁にも来ていただいております。お待たせしました。

 六本木の交差点から入ってほどなくすると、右手に、今、大変な新たな東京のランドスケープになるであろう、東京ミッドタウンなる、三井不動産を中核グループとする開発物件があります。もともとそこには何があったんでしょうか。防衛庁の旧六本木の庁舎がありました。

 資料の三をごらんいただきたいと思います。

 この物件は、平成十三年に関東財務局が一般競争入札で売り払いを行っておられます。その議論のプロセスとして、防衛庁として、市谷の防衛庁に移転をしていく、いわゆる統廃合をする前提で売り払いをなされておられます。

 そのとき、どういう議論を、経過を経て売却するに至ったか、その際の議論の経緯を簡単に御説明いただきたいと思います。

牧野政府参考人 お答えをいたします。

 本件跡地、六本木の跡地の処理につきましては、国の将来の利用見込みや地元公共団体の利用要望の有無を検討いたしましたが、民間へ売却することが適当であるというように判断いたしまして、国有財産関東地方審議会に平成十一年六月に諮問をいたしまして、利用用途については、オープンスペース、都心型住宅及び公共、公益的機能について導入を検討すること、処分に当たっては、切り売りせず、都市計画決定を経た上で処分することとする基本方針について答申をいただきました。

 この方針を受けまして、財務省、東京都、港区の三者協議で再開発地区計画の内容を協議した後に、平成十三年三月、東京都都市計画審議会の議を経まして、同年四月に、東京都が、赤坂九丁目地区再開発地区計画の都市計画で、区域の整備及び開発に関する方針、それから公共空地の面積及び歩行者専用道路の整備等の基本的な事項を決定いたしました。この都市計画に基づき、国が開発条件を付しまして、当該跡地を一般競争入札により処分いたしたものでございます。

古本委員 当委員会で視察に参った中に、防衛庁の技術研究本部がありました。目黒ですね。ここの面積が十三万平米、都心のまさに一等地、高級住宅街のど真ん中、これをなぜ財務省が選定されたかはよく存じ上げませんが、見せてくれました。

 こういう都心で、今後、いわゆる高額物件を動かすときには、かつて東京都、当該の港区等々と御協議なされたように、単純に一般競争入札ではなくて、利用目的あるいは用途に制限をかけて、まさに国民共通の貴重な資源でありますから、そういう、ある意味、与件を構えて売却をしていくというこれは前例であるし、今後ともこういうことを踏んでいく、さらには目黒の防衛庁もそうだ、こういうことでよろしいでしょうか。今後、防衛庁のこれを、目黒を売るんであれば。

牧野政府参考人 お答えをさせていただきます。

 都市計画決定を経るかどうかは、それは、売却する場合の、あるいは有効活用する場合の面積の大きさによりますから、一概に都市計画決定とは申せませんが、かなりの規模の土地を売却する、これはもう地元にとって極めて町づくりの観点からも大きな影響のある話でございますから、現在でも、その地元の公共団体とは密接に連絡をとりながら売却するものは売却するというように処理をしているところでございます。

古本委員 谷垣さんは、先ほど同僚委員の質問に対して、土地というのは価格変動リスクがとれない、だから売れるときに売るんだ、こうおっしゃった。売れるときに売るということは、裏返すと、売ったことによって時として周辺地価の引き上げ要素になるケースもあると思われます。

 具体的な例をお示しします。

 資料の五をごらんいただきたいと思います。五の一です。

 一九八六年に、新宿区西戸山の公務員住宅跡地を、随契で公示の一・五倍で売却されました。その後、新宿区大久保の地価公示ポイント、八六年に平米六十三万円だったのが、八七、八八、そして九〇、これはバブルピークという背景もあるかもしれませんが、三倍増です。これは、なぜこういうことが起きてしまうか。これは、不動産鑑定士業界を初め、実勢価格を扱っている不動産業界を初め、国が行った取引というのは相当重たいんです。したがって、その売買価格事例というのが、結果、実勢価格になっていくという傾向にあります。

 その下、八五年、紀尾井町、司法研修所。これはオークションです。その後、公示は二・八倍。六本木、林野庁、八六年。これもオークション、一般入札。結果は二・八倍。オークションの結果、価格が引き上がり周辺地価が上がってしまった、こういう事実がある中で、なるほど、価格変動リスク、これは政府としてとれない、これはよくわかりますが、結果、売ったことによって周辺の地価が上がってしまうという問題があります。

 今、我が国の地価公示、先ごろ最新の平成十八年が発表されましたが、今後、我が国の地価は上がるべきだと思っておられますか。財務大臣、今の地価が適正だと思っておられますか。

谷垣国務大臣 土地の価格あるいはマーケットで決めるものについて、べきかべきでないかということは、私としては申し上げにくうございますが、長い間、やはり土地の価格が下がる傾向にあった、資産デフレだという見方があった中で、経済の回復とともにそういうものがとまってくるというのは、ある意味では自然なことだろうと思います。

古本委員 マーケットで決まること、これはもうそのとおりであります。

 しかしながら、今、国の金利政策も含めて総合的に考えたならば、金融機関の資金が不動産業界に再び還流してきています。これはREITあるいは新規の投資物件、これを見れば明らかであります。そういう中で、低金利によって行き先のなくなった借り手のいない資金が流れ込んでいる。金利政策と実は深くかかわっている。そういうことを考えれば、マーケットが決めることですという他人事ではない。

 さらに、マーケットが決めることと言いながら、一兆円ばかりが焼け石に水と申し上げましたが、ほとんどが都心三区ですよ、恐らく稼ぎ頭は。親孝行するのは都心三区の物件。一気に上がったらこれはどうするんですか、大臣。

谷垣国務大臣 これは都心三区だけでは必ずしもありませんし、また、今持っている国有財産を売るにつきましては、先ほど局長からも答弁をいたしましたけれども、かなり大きなものになれば、当然地元との調整とかがかかりますから、それは一気に全部というわけにはなかなかいかぬのだろうと思っておりますが、今おっしゃったようなことは我々も十分注意はしていかなければいけないと思います。

古本委員 先ほどの防衛庁の例に戻るんですが、防衛庁が、ここはもう要らないと。そして、財務省に渡して普通財産に用廃をしたというプロセスにおいて、まさに監査を行い、これは平成十三年の売却の話でありますので、各省各庁に、ここは本当に要らないかという確認をなされましたか。

牧野政府参考人 済みません。監査はやっておりません。

古本委員 つまり、監査をせずして、防衛庁が要らなくなったということを受けて用途廃止をし、そして買い主を探した、こういう理解でいいですね。――はい、うなずいていただきましたので、そういうことであります。

 資料の中で少しごらんをいただきたいものがありますが、十番、「都心三区の借受庁舎等の実態」をごらんいただきたいと思います。千代田、港を初め各省各庁が借りておられる物件が延べ床ベースで十三万八千平米あります。賃料にして年間百億を超える負担をなさっておられます。

 これらの物件で、新規に平成十三年以降借りたものがありますか。

牧野政府参考人 恐縮なんですが、今回の法改正で借り受け庁舎についても実地監査の対象にしていただきたいとなっているわけで、それまで借り受け庁舎は監査の対象でございませんでしたので、私どもでそういう正確な場所なり数字なりを把握しておりません。

古本委員 今の答弁を整理しますと、片や、六本木の、檜町のまさに都心の一等地を民間に売り払う、そういうことをしながら、一方で、都心三区約十四万平米、フロアが足りないということで、もちろん建てかえニーズとかもあったんでしょうけれども、新規で年間約百億払っておられる。

 これは谷垣大臣、こういうのをちぐはぐと言うんじゃないでしょうか。

谷垣国務大臣 ちぐはぐとは思いません。

 やはり、あの六本木の土地はまとまった土地でございますから、私自身は売却のときの経緯はよくわかりませんが、あれだけ大きなものをあの地区の都市の再開発に結びつけようとしたことでありまして、それはそれで意味のあったことではないかと思います。

古本委員 いや、大臣、違うんですね。実は、世の中の大家さんといいますか金持ちの常識、お金を持っておられる、土地持ちの方の常識は、土地は貸すんですよ。売っちゃだめ。そして、貸したところによって等価でフロアをもらうんですよ。これはディベロッピングの基本です。

 つまり、東京ミッドタウンを今開発されておられますが、実は、防衛庁跡地、これは全体七万八千平米の土地を売っているんですね。例えば、一万平米分ぐらいを売らずに底地は国が持っておいて、フロアでもらえれば、文科省の皆様方は、今、丸の内の何も肩身の狭い間借りのビルに入って、しかもこんな家賃を払ってといって指摘を受けなくても、堂々と、自社ビルというんでしょうか、自前の官署であるフロアを等価でもらい、そこに入居すれば、霞が関のこの閉塞した空気から、六本木の東京ミッドタウン族になれたんですよ。ここは文科省の皆さんもそのとおりだと言ってくれるかもしれない。何といったって文部科学省ですもの。こういう発想があるんですかとお尋ねしているんですよ。ちぐはぐですよ。

 もっとありますよ。資料の五を見てください。資料の五の二でありますが、「戦後の国有地売却の混乱」、これは何と大蔵省財務局の三十年史に載っています。これを見ました、三十年史。いいことを書いています。国庫が非常に苦しかった時代にどういう方法をとったかというと、まさに今と同じなんです。国有地売りますという電車のつり広告まで出した。売りまくった。一方で、戦後の復興の中でスタッフを採用しなきゃいけない、そういう中で宿舎が足りない、慌てて宿舎用地を買いあさるという極めてちぐはぐなことをしたということを述懐されているんです。

 五十年たったって同じことをしているんじゃないですか、財務大臣。

牧野政府参考人 お答えをさせていただきます。

 まず、六本木の件なんでございますが、六本木、監査しないと申し上げたんですが、要はあれは、非常に商業化の進みました六本木地区に防衛庁を置いておくのがいいことかという問題がございまして、防衛庁のあそこの処分代金を財源として、そうして市谷に新たに建てかえるという特特会計の仕組みを使ったものでございますので、そういう意味では、一体で売ってそれを財源にしたということですので、その点はぜひ御了解をいただきたいと思っております。

 それから、今、二十年代に、片っ方で宿舎を売って片っ方で買っていたという、これはもう事実でございます。これは大変私どもも国有財産行政上お恥ずかしいことだと思っておりますが、一言、言いわけがましいんですが、ちょうど昭和二十年代でございまして、国有財産行政は、当時、旧軍財産が大量に国有財産に、普通財産に返ってまいりまして、それをどう処分するかということに追われておりまして、十分なそういう調整ができなかったわけでございまして、この点は私たちも反省すべき材料だと考えております。

 そういったことを受けまして、今回は、借り受け庁舎のお話も出ましたが、借り受け庁舎についても監査を入れさせていただくように法改正をお願いしておりますし、それ以外の使用調整についても強力に、効率性という観点を法律にも明記させていただきましたので、そういう観点から使用調整を強力にやって、こういう御指摘を二度と受けることがないようにきちっと行政を進めてまいりたいというように考えております。

古本委員 事実あったんですね。この都心の残された数少ない、切り売りしてきてしまって残っていた一等地を民間に売るに当たってもう一歩知恵が働けば、文科省の皆さんは東京ミッドタウン族になれた。ぜひ二度と過ちを犯さないようにしていただきたいと思うわけであります。

 そして、大臣、少し視点を変えてお尋ねをするわけでありますが、今回の議論に上っておりますのはすべて国の資産、財産の圧縮の議論だというふうに理解をいたしております。ここで忘れてはならないのが実は、平成十六年に独法に現物出資をした、山とある資産の問題であります。

 資料の十一の一をごらんいただきたいと思います。これは単年度ベースでありますので、合計どれだけ出資したんだということであるならば、これは縦計を入れていただくということになります。例えば、平成十六年度ベースで、これは国有財産台帳価格ベースでありますので非常に時価に近いイメージだと思いますが、約七兆円出資しております。土地だけです。建屋を入れればもっとあります。

 そして、めくっていただきますと、十一の二に、国立大学法人を中心として、それぞれ現物出資した先のリストを添付いたしております。

 こういったところも、現物出資したということは、既に所有権がそれぞれの独法に移っておるという前提に立った上で申し上げますが、監査のメスを入れなくていいんでしょうか。

竹本副大臣 財務省の行っております国有財産の監査でございますが、国有財産の総括権に基づきまして、各省各庁の所管する国有財産の管理及び処分の適正を図るために実施するものでございます。

 そういう意味で、独立行政法人や国立大学法人は、国とは別の独立した機関でございまして、その所有しております不動産は国有財産ではないわけでございます。したがって、監査の対象にはなっておりません。

古本委員 ただいま副大臣に法律論をおっしゃっていただきましたが、私は現実論をお尋ねしたいと思います。

 谷垣さん、実に平成十六年の単年度だけで七兆に上る現物出資をいたしております。そして、これを見ていただければ、大臣の母校も、大変な金額の台帳価格ベースで出資を受けておられます。キャンパス周辺は、もう森のようになっておられるんじゃないですか。最近行かれましたか、大臣。森ですよ、森。

 あの森の中にちょっと空きスペースがあれば、例えば学生諸君が入る、そういうコンドミニアムとあわせて、近所のOLさんも入ってもらえる、要するに、民間への貸し出しをやって賃貸収入を得て、国立大学法人であるそれぞれの大学が、例えば東大が賃料収入を得て、そして産学共同開発で得られるような、ちょっとお小遣い稼ぎのように、財政に貢献するというやり方もあるんじゃないですかと思って調べたら、国立大学法人法二十二条によって、営利目的でのそういったことができないというふうになっているんですね。ところが、どうですか。先日、テレビを見ていましたら、神戸大学ビーフとか、いろいろなものを売り出していますね。

 つまりは、発想の転換なんです。本当に広大なあの森の中で、一坪たりとも土地は余っていませんと本当に国立大学がおっしゃっているんですか。これは、法律をいじればそういうこともできるんですね。

 今回、矢面に立っているのは役人の人たちだけですよ。おまえたちの官舎が気に入らぬ、宿舎が気に入らぬと。ちょっと目を転じれば、台帳ベースでは七兆ものお宝が眠っているじゃないですか。ここになぜメスを入れなくていいんでしょうか。全く理解ができません。

 今、運営費交付金で約五五%国から出ているはずです。そして、残りの四〇%少しが学生諸君からの、親御さんからの授業料で賄っておられる。それから、附属の大学病院のいろいろな収益も入ってくるんでしょう。たとえ一%でも、何せ借金八百兆に対し一兆円でも欲しいとおっしゃるのであれば、多少は貢献してもらってもいいんじゃないでしょうか。

 等々を考えますれば、実は今回の骨太の議論に、独法の観点、現物出資した用地の観点が全く抜け落ちている。このことについて御所見を求めます。

谷垣国務大臣 これは私、直接独法の担当ではございませんが、国立大学法人あるいは独立行政法人をつくりましたときに、先ほど竹本副大臣から御答弁しましたように、それぞれの自主性に任せて運営をやっていく、それに対して旧監督官庁みたいなところが余り口を出さない、独立性を重んじてやっていこうということでございますので、それぞれの、例えば国立大学法人等がどう御判断されるかは、やはりそこの自主性に任されているということだと思います。

古本委員 それでは、まるで仕送りを出した親は、後は全く子供に見限られちゃって、もう夫婦で二人、老人ホームに入るみたいな、本当に寂しい話じゃないですか。これは塩川さんに次ぐ新たな格言が出そうですよ、本当に。母屋がこれだけ苦労していて、おかしいじゃないですか。再度、御所見を求めます。

谷垣国務大臣 仕送りしたら後は寂しい老夫婦なんというみたいなことをおっしゃいますが、まだ古本さんはそれを実感しておられないんだろうと思うんですね。

 独法等がどうあるかは、これからまた、独法等に移って何年かたって、いろいろ見直しの議論は当然あると思いますが、現状においては、先ほど申し上げたような整理をして、それぞれひとり立ちして立派にやってくれと送り出したわけでございますから、まず、一本立ちした子供たちがどう元気に生きていく道を探るかというところを見守るのが、今現状ではないかと思っております。

古本委員 今回の国有地、国の資産の圧縮の議論の始まりは、政府資産が少し大きいんじゃないか、諸外国と比べても大きいんじゃないか、これを圧縮していこうというところからスタートがあったというふうに理解しています。

 結果、今、行革推進法の中でも、これは資産の圧縮という議論のパートにおいて、今まさに議論されているわけでありますが、十三の一の資料をごらんいただきたいと思います。政府から出ておる、これは行革法の方のパートになるかと思いますが、極めて縦横で絡んでおりますので、少し触れたいと思います。

 第五十九条、丸を打っておきました。「国の資産の圧縮」でありますが、「平成二十七年度以降の各年度末における国の資産の額の当該年度の国内総生産の額に占める割合が、平成十七年度末における当該割合の二分の一にできる限り近づくことを長期的な目安として、」これに留意しながら、次に掲げる措置を講ずると。どういう措置を講ずるか。次のページでありますが、十三の二、「売却が可能と認められる国有財産の売却を促進すること。」。

 つまり、今、当委員会で議論をしている国有財産法の改正の話と、経済財政諮問会議で、公務員の宿舎がけしからぬ、都心の一等地にあることがけしからぬという総理のお言葉、さらには財政審による国有地のあり方、さらに行革のこの話、これは複雑に絡んでおります。そういう中から、見事に独法の土地の話が抜け落ちているんです。この先は行革の議論に私はゆだねたいと思っておりますが、これは実は大きな観点です。そのことを強く指摘するにとどめておきたいと思います。

 そこで、先ほどの同僚議員が触れていただいたところを少しおさらいをしておきたいと思うわけでありますが、先ほどのお配りをしたA3の方の、大きな方の資料の表紙、一番をごらんいただきたいと思います。

 これは安政六年の地図であります、一八五九年。ちょうど地図の真ん中の下にあります松平出羽守でしょうか、ここが今の議長公邸であります。それから、左下に紀伊殿、井伊殿、尾張殿、これは何をか言わん、現在の紀尾井町です。ニューオータニ、赤プリのあるところですね。そして、山王神社、今の日枝神社になっているんでしょうか、これは。ちょうどイメージがぴったりと当てはまります。

 すっと目を転じると、英国大使館用地、左にございます。そして、右端の方、ちょっと家紋だけしか写っておりませんが、これは現在の米国大使館になっております。めくっていただいて、二ページ、ちょうど左の方に、英国大使館が吹上御所の御苑の横にありまして、大体現在の位置関係が御理解いただけるかと思います。

 先ほど来議論がありましたが、国家の喫緊の課題である財政の赤字を少しでもよくしていきたいという大臣の御決意があるならば、アメリカ大使館の用地が貸し付けられておるわけでありますが、賃料は今現在払われておりません。

 そして、国会図書館の調べによれば、資料の五を再度ごらんいただきたいわけでありますが、資料の五の一であります。アメ大用地が、約一万三千平米が平成九年までは二百五十万円で貸し付けられておりました。平米単価、これは私の方で手計算しましたが、百九十円・平米・年であります。その点は、イギリスは、さすが紳士の国、千円・平米であります。しかも、今も払っていただいております。

 何を申し上げたいかというと、これは特例用途、約百件余りあるというふうに先ほど局長がおっしゃっていましたが、いろいろあると思います。逆に、我が国が在外公館で、かの国で大変厚遇を受けているケース等々あると思います。ただ、未払いはよくありません。

 さらに、先ほど来、自民党本部の、御党の議論になりましたが、これは約千坪ですか、三千三百平米、吉田先生のおっしゃった、電卓をはじきますと平米二万一千円でした。極めて良心的という見方もある。

 アメ大の平米百九十円、これは改定されるんですか。もっと言えば、一円でも欲しいんでしょう、時価で買ってもらったらどうですか。

谷垣国務大臣 アメリカ大使館の貸付料については、平成十年の貸付料改定交渉が合意に至らずに、現在まで交渉を行っておりまして、解決がついておりません。鋭意これは今議論をやっておりますので、できるだけ早く決着をつけたいと思っておりますが、そういう交渉中でございますから、今買い取ってもらったらどうかという御意見がございましたけれども、そのあたりもちょっと今はコメントを差し控えさせていただきたいと思います。

古本委員 いや、それは異なことをおっしゃいますね。十年間で一兆円ですよ。年間、単純割りで、加重平均じゃなくて単純割りで一千億。一千億でも、のどから手が出るぐらい欲しいから、都心の一等地をどんどん売りますと。これは断腸の思いだと。なぜこういう議論の俎上に、まさに未来永劫にわたって日米関係は大事です。安心して、借地権の問題もなく、まさに買い取ってもらえばいいじゃないですか。

 逆に、ひもとけば、山口筑前守の御用地をお預かりし、恐れ多くも異国の方に売り渡すことはばかる、そういう大義でもあるならば、今言っておられる、国有地売却しちゃいかぬじゃないかと言っている私の論にまさに賛同していただける。どっちなんですか。自己矛盾を来しておるようにお見受けいたしますが、いかがでしょうか。

谷垣国務大臣 これはせっかくのお尋ねでございますが、現在アメリカ大使館と交渉を行っている最中でございますので、その影響もございますので、これ以上は御勘弁をいただきたいと思っております。

古本委員 自民党本部はいかがですか。思い切って、買い取られたらどうですか、売り払われたらどうですか。今の地価公示で幾らか、ちょっと前提がわかりませんが、仮に、あのかいわいですから平米数百万円でしょう、それで計算すれば百億円は下らない金額が入ると思いますけれども。のどから手が出るんでしょう。いかがでしょうか。

谷垣国務大臣 これは相手のあることでございますから……(発言する者あり)今といっても、それは自民党もいろいろ意思決定機構がおありだと思いますので、今、私どもは、相手方もあるというふうに思っております。

古本委員 委員長、私はなぜこういう議論をこの神聖なる財務金融委員会で申し上げておるかというと、実は、我が国のこの国土というのは一体だれのものかという非常に本質的な議論を申し上げているつもりであります。

 遠く江戸時代に思いをはせれば、まさにここに徳川幕府が営々と天下太平のために政治を行っておった。その後に、廃藩置県によって、まさに江戸城を無血開城したときに、諸侯がもちろんお家取りつぶしになり、廃藩置県になる際に、版籍奉還、つまり土地と臣民を朝廷にお出ししますという概念からこの版籍奉還が行われた。その過程において、この江戸城周辺の大名屋敷、名立たるこのお屋敷街が、この後めくっていただいたこの図面に出ておりますとおり、時の明治政府の用地になり、大正政府、そして昭和の政府と相至っているわけであります。

 営々と受け継がれてきたこの土地であればこそ、その使い勝手については、単にあいているからさあ売ろう、単に年間一千億が欲しいからさあ売ろうという議論ではなくて、ちょっと一呼吸置いていただいて、こういう図面も広げていただいて、この土地はだれから授かってきた土地なんだろうかと、ほっと一呼吸置いていただいて考えていただくことを、御党の例の改革チームも、あるいは政府も考えないと、これは明治の元勲に顔向けができませんよ。

 その意味で、今申し上げたとおり、アメ大用地あるいは御党の本部用地、これは例外なき議論であるならば大いに賛同できますが、これは違う、でも、あっちは売る、もちろん相手のある話です。しかし、これは聖域なき改革だと言うのであれば、聖域なき圧縮でなければこれは道理が通りません。大臣の御所見を求めます。

谷垣国務大臣 今、諸侯からもずっと受け継いできた国有地ではないかと。首相官邸は、丹後峰山藩京極氏のお屋敷でございました。私の今おります財務省は、丹後宮津藩の藩邸がございました。日比谷公園には、私のホームタウンである福知山朽木藩の屋敷がございました。今申しましたのはみんな私の選挙区でございますので、選挙区のそういうゆかりの方々がいかにそういうことに愛着を持っているかということも、私はよく承知しております。

 そういうこともございますので、先ほど断腸の思いと申し上げたのは、そういう気持ちも、委員と共有する気持ちも私の中にあるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、できるだけ国有地を効率利用することによって、そして、先ほどちょっと申しおくれましたが、例えば防災等々のために国有地というのは必要なこともあるじゃないかと。現実に防災のために使うというようなことであるならば、今の法にございます随意契約等々も使ってそれはやることは可能でございますが、現にそういうことがないところはできる限り財政再建に役立てていきたい。もちろん、個別のことは、個別のそれぞれの土地をどう利用するかということはまたそれぞれ個別の判断がございますけれども、基本方針としては御了解を賜りたいと思っているわけであります。

古本委員 では、残された時間で、少し詰めておきたいことがありますが、売却によって周辺地価が、国有地の売却事例が周辺地価を引き上げてきたという事実がある。このことについてお認めになりますか。

谷垣国務大臣 未利用国有地については、先ほど申し上げたような財政状況の中で積極的に売却してきたわけですが、我が国における土地の売却件数、十六年度で約百六十万件ございますが、その〇・三八%でございまして、もちろん影響がなかったとは申しません。しかし、限定的であったのではないかと考えております。

古本委員 少し議論がすれ違っています。

 一般競争入札でやる限りは、オークションですから、どうしても競り落としたい人はだんだん上がっちゃう、こういう問題がどうしてもある中で、先ほどの六本木の防衛庁の跡地のケースでいけば、あれはもちろん一般競争入札ですが、与件を相当絞った関係で、手を挙げた業者さんは絞られたというふうに聞いています。その意味では、場合によっては随契もありきじゃないか、都心の大変優良な宅地あるいは商業用地を売り払う際には、これは単純な一般競争入札でやれば再度バブルの再燃になりますよという警鐘を鳴らしているわけであります。その意味で配慮されますかというふうにお尋ねしています。

牧野政府参考人 お答えをさせていただきます。

 基本的には、最有効利用していただくことが基本だと思っておりますが、先生がおっしゃられますように、都心の中で大事な再開発の種地であるとか、そういう地元のいろいろな計画の種地になり得るようなものについては、前も申し上げましたけれども、地元とよく調整をして、それが随契適格な相手であれば随意契約という手法も活用していきたいというように考えております。

古本委員 一方で、土地価格変動リスクをとれないという、大臣がおっしゃったところから整理しますと、先ほど来申し上げた東京の六本木、防衛庁跡地でいけば、昭和六十三年のバブルピークを指数で一〇〇と置いたならば、地価公示ベースですよ、実は関東財務局が売却した平成十三年は指数でいけば一六です。激安になっています、価格が落ちている。そして今、平成十八年ベースでいくと、指数で二〇・一です。ちょっと上がってきている。つまりは、平成十三年に売らずに今まだ持っておけば、もうちょっと高値で売れた、これは結果論でありますが、そういうことになっちゃう。したがって、価格変動リスクがとれないからこそ、そう売り急がずに持っておいて、本当の高値で売り抜けるということもあるんじゃないですか。

 その意味でいきますと、資料の八の二をごらんいただきたいと思いますが、残念ながら、都心の、先ほど来申し上げた渋谷区内等々の国有財産の売却事例、これは調査室に調べていただきましたが、平成十五年、十三年と、聞いただけでも一等地だなとわかるような、代々木の上原から神宮前から千駄ケ谷、売ってきています。これは、売ったポイントからすると、地価公示は今徐々に上がってきているんですね。

 今まさに、売るのは底値じゃないですか。底値で売って、安値で仕込んだ業者が高値で売り抜ける姿を一般庶民はどういう思いで見ると思いますか。冗談じゃないですよ。本当に、一兆円、年間一千億、のどから手が出るのであれば、今は底値だから売っちゃいけないんじゃないですか。御所見を求めます。

谷垣国務大臣 今底値かどうか、先ほど資産デフレがまだ続いているというようなことを申しましたけれども、売るといってもきょう売るわけじゃございませんから、そこら、我々も損をしながら売ろうと思っているわけではございませんので、もちろんいろいろな、きちっと価格等はつけますし、一般競争入札でも一番高いところの方に買っていただくんですが、もちろんそういう流れも全く見ないわけにはいかないのだろうと私は思います。

古本委員 そうなんです。一般競争入札の一番高い人に買っていただく、結果として、オークションが行われ、つり上がっていくんです。三番町の一千平米なんて、もうマンション業者にしてみれば絶対欲しいですよ。絶対に周辺地価は上がります。したがって、全体の地価が上がってきて、ずっと、はねて、今底値を打っているのが上がってきたときに、高値で売って、財政に貢献したいというのならまだわかる。でも、それは、まさに資産デフレとありましたが、土地の値段が上がるべきかどうかという、そもそも政府としての金利政策も絡めた、金融機関が今不動産に資金が流れているという前提の中で、政策として、不動産価格といいますか、地価に関する概念は持っておかないと、ターゲットプライスは持っておかないと、これはできないと思いますよ、そのかじ取りは。

 そして、最後に、そういったことを指摘しながら、先ほどの東京ミッドタウンの例の、この三番の資料をごらんいただきたいと思いますが、実は、これは十三年に坪七百五十九万円で売却しています。一千八百億円入っています。一千八百億円が、これは防衛庁の市谷への移転費四千三百億円強の中に特特会計を通じて充てられておりますので、一般会計から持ち出しがなく措置することができたということで、その意味ではよかったと思います。財政に貢献したんだと思います。

 これを仮に売らずに持っておったらどういうことになったかということを計算してみました。これも、与件をほうり込めば数字が出ます。前提条件につきましては少しはしょりまして、委員の皆様にはごらんをいただいたとして、年間で約百億を超える地代が入ります。これ、借地権設定を、堅固な建物と理財局長がおっしゃっていただいた、五十年目いっぱい設定しましょう。約五千八百億円、未来永劫我が国の財政に寄与します。

 そんな百億も払う業者がおるのかねと。これはおるんです。ディベロッパーの事業性検討です。一千八百億円の金利負担もして新規で借り入れをするよりも、地代として払った方が、十分にフィージビリティー、事業性があるんです。

 一坪当たりの賃貸効率を七割と置きます。そして、法定容積率の七〇〇%目いっぱいで建てたとします。運営経費としてテナント収入の二割を引きます。国への賃借料の支払いについては五十万円、これは今の時価ベースで計算をして、年・坪五十万お支払いする。そして、六本木周辺のいわゆる高級オフィスそれから賃貸住居の単価で出すと、大体これぐらいの、二万五千円・月・坪、期待できる。これで出しますと、実は、粗利で一〇%ぐらい出せるんですね。何よりも、一千八百億円キャッシュで業者は払わなくて済む。年間百億円を払って、一方でテナント収入が入りますから。

 こういうビジネスモデルを考えたならば、いや、これを考え出すと、国が不動産業者になるのか、こういう話になるので、賃貸はできますよということなんです。しかも、単年度で一千八百億円入り切りがいいのか、営々と賃貸収入が入ってくるのがいいのか。これは骨太の議論の中にぜひ貸し付けという概念を入れてください、入れるべき。金持ち売らず、金持ち貸す、これはセオリーですよ。大臣の御所見を求めます。

谷垣国務大臣 先ほどから、こら貧乏人、もう少し知恵出せと言われているような気がしてまいりましたが、いずれにせよ、基本原則は先ほど申し上げたように売却するということでございますが、個々の物件になりますと、必ずしも基本原則のとおりいくかどうかは、これはわかりません。先ほど局長から答弁もございましたように、それぞれの地域の再開発をどうしていくかというような問題もあろうかと思います。

 そのあたりをどうしていくかというのは、今有識者会議でいろいろ民間手法というようなことを言っていただいておりますのも、やはり我々は、その中で本当によい知恵があれば使っていく必要もあろうかとは思っているわけでございますが、原則として先ほどのようなことを考えたことは御了解いただきたいと思います。

古本委員 官から民へが総理のキャッチフレーズじゃなかったんでしょうか。まさに民間の知恵を得るために今いろいろな有識者会議を行っておられるんじゃないんでしょうか。イニシャルコストという初期投資が、いわゆる業者にとってみれば一番負担になるんです。そのイニシャルコストを使わずして、これだけの広大な土地を使って仮に賃貸事業ができたとしたならば、これはビジネスモデルとして十分成り立つと思います。

 こういったことを検討する上において、残念ながら、大臣が今御省にて御検討の売却基準なるものを拝見すれば、一律売りますとしか読めません。あの中に貸し付けの要素を入れる御予定は、きょうこの審議を経て、おありになったでしょうか。

谷垣国務大臣 先ほど申し上げたように、基本的にはああいうふうに考えているわけでございます。

 ただ、先ほど申し上げましたように、個々の問題に関しましてはいろいろな考え方があり得るということは、私はそう考えておりまして、有識者会議等々で、こういう方法で民間の知恵を活用すればこういうふうにもっとよいことができるということであれば、それは取り入れるにやぶさかではないと思っております。

古本委員 今後、参議院での審議に恐らくこの後なっていくんだと思いますが、売却基準、そしてどういう場合に売るのか、どのタイミングで売るのか、幾らで売るのか、だれに売るのか、さらには、どういう用途に使ってもらった方が国民共通の資源としてまさにそのお役を果たしたんだという理解ができるのか、これはぜひ慎重審議を求めるところであります。

 その際に、再度申し上げますが、これは売却だけではない、さまざまな不動産活用手法がある。その意味で、有効活用という言葉を冒頭引かせていただきました、これは大臣の言葉でありますから。有効活用とかけて売却と解くというふうに若干私は誤解をいたしておりましたが、大臣のお考え、そして今後の骨太への反映を考えますれば、有効活用とかけて、含む貸し付け、こういう理解でよろしいでしょうか。

谷垣国務大臣 先ほど申したことの繰り返しでございますが、やはり不動産というのは一律に不動産というわけじゃないと思うんですね。みんなそれぞれ、その土地その土地の固有性といいますか特殊性を持っておりますから、それを全く捨象した、捨象して一般論だけで押し切るわけにはなかなかいかない場合が出てくるだろう、こういうふうに考えております。

古本委員 太古の歴史から受け継いできた国有地でありますので、ぜひ、与党の先生方も含め、霞が関の官僚の皆さんも含め、みずからの問題として受けとめ後世に受け継いでいただきますことを切に願いまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

小野委員長 以上で古本伸一郎君の質問を終えます。

 続きまして、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 国有財産とは何ぞや、一体幾らあるのかという議論が続いているわけであります。

 財務省は、売ることが可能な国有財産として、売却収入で見て十一・五兆円、これに対して、自民党の財政改革研究会は百十二兆円、経済同友会は百七十五兆円ということであります。十倍から十五倍の開きがあるわけですね。同じ自民党でもいろいろでして、中川政調会長は、十一兆円程度というのはスズメの涙だ、こう言っている。これに対して、党の税調の顧問をしている津島雄二さんは、国有財産を売れば借金がなくなると言わんばかりだが、国民はすぐだまされるが私はだまされない。片山虎之助参議院幹事長も、こんなにうまい話を信用していいのか、まゆつばというやつじゃないかと批判をしているわけです。何でこんなに違いが出てくるんですか。

谷垣国務大臣 この議論をやりますとき、何を議論しているのかということを考えずに議論をするともうごちゃごちゃになっちゃうんですね。

 それで、私どもが、今後資産、債務の問題で国有財産等々を売却して十一・五兆ということを申しましたのは、歳出歳入一体改革の関係で、要するに現在のこれだけの財務体質を改善するに役立つもの、財源としてそうなるものを、どれだけあるかと言われたら十一・五兆でございます、こういうふうに申し上げているわけです。

 他方、党の方の百兆を超える議論は何をやっておられるかといいますと、必ずしも財政の赤字を穴埋めする財源の話をしておられるわけじゃなくて、大きなバランスシートになって、資産のところも大きいけれども負債のところも大きい、それをそのままに置いておくとリスクがいろいろあるじゃないかと。例えば、金利変動リスクみたいなのも金融資産を持っているとあるじゃないかというようなことから、それを圧縮するにはどうしたらいいかという議論をしておられまして、直接財政再建に役立てようという議論ではないわけでございます。

 それから、さらに同友会の方はそれに輪をかけた規模になっておりますのはなぜかといいますと、いろいろな違いはあると思いますが、大きなところは、例えば、今NTT株でも、国家が持っていなければならないというものがあるわけですね。そういうものも、政策を改めて全部売却したときにはもうちょっと出てくるぞということを言っておられますので、それはまた政策論として、そういうものを売却したらどうかという議論はあると思いますけれども、私どもは、今の法を前提として考えますと、そこまでは今議論の限りではない、こう思っているわけであります。

佐々木(憲)委員 要するに、一番の違いは金融資産、これを入れるか入れないかというのが中心だと思うんですね。金融資産というのは大半が自治体や特殊法人への貸付金でありまして、そのため、証券化しても財投債の償還に使われるというだけでして、負債も減るけれども資産も減るというものですね。だから、国債の減少にはつながらないわけでございます。むしろ、証券化した商品を魅力ある利回りにするためには、その分政府が貸付債権を安く手放すという必要も出てきたり、これは財政再建にとってプラスには決してならないと私は思うんです。また、そのためのさまざまなコストが必要になる、かえって負担はふえるというふうに思われる面もあるわけです。

 この点で、財務大臣はこの証券化についてどのようにお考えでしょうか。

谷垣国務大臣 佐々木さんと意見が違って論争することが多いわけでございますが、今の点に関しましては私は極めて近い見解を持っておりまして、国の信用を背景に資金調達をしている財政融資、これをそういう形と切り離して民間に売るとなると、やはり金利の差、プレミアムの差というものもあろうかと思いますし、コストもかかります。

 それから、財政融資というのは一定の政策目的があって貸しているわけでございますので、政策目的と違うところに使われていってしまっては困るわけですけれども、それを一体どうコントロールしていくのかといったような観点が十分克服できるのかどうかというのは、よくよく議論をする必要があるのではないかと思っております。

佐々木(憲)委員 金融資産を除きますと、一番核になるのは土地建物であります。しかし、ここで考えなければならないのは、国有財産とは何だ、何だろうかと。つまり、国民の財産であるということだと思うんですね。

 財務省が出しているいろいろな国有財産のパンフレットなどを見ますと、「くらしに役立つ国有財産」というような見出しが躍っているわけであります。国有財産の効率的利用ということであるならば、私は、国民のためにどう有効に活用するかというのが発想の中心にならなければならない、何でも売ればよいというものではないと思うんです。

 先ほどの議論もありましたが、売却で一時的な収入があったとしても、やはり、例えば、財産を買った私企業、これが独占的に占有して利用する、一般の国民がそこから排除される、こういう結果に売却をするとなってしまうわけでありますが、そういう認識というのはおありですか。

谷垣国務大臣 御指摘のように、国有財産は国民共通の貴重な財産、資産であるということは、おっしゃるとおりだと思います。ですから、これまでも、例えば公園であるとかあるいは緑地であるとか、そういった公用ないしは公共用、国の財産を処分する場合にはそういったことを優先的に考えるべきだという考え方でやってまいりました。

 今回でも、一月、財政制度審議会の答申もございまして、地方公共団体などで公用、公共用として使いたい、欲しいという要望があるものにつきましては、要望の受付期間やあるいは契約期限を設定はするが、引き続き優先的な取得を可能にする、こういう考えで臨んでおります。

 それで他方、先ほど、みんなで使っていたものが買った者に独占、独占というか、ほかの方が排除されるようじゃつまらぬじゃないかという御趣旨のことですが、今の厳しい財政状況をかんがみれば、売却可能な国有財産、使っていないようなものは特に積極的に売っていって、その代金は結局、借金といっても私財務大臣一人でしょっているわけではございませんで、国民共通の負債でございますから、それを少しでも圧縮していくのに役立てていく、こういう方針で臨んでいるわけでございます。

佐々木(憲)委員 国有財産はこれまで、公用、公共用の用途を優先する、こういう原則で管理、処分がなされてきたと思います。とりわけ、庁舎等の行政財産については、専ら国が直接使用するということを念頭に、貸し付けなどの私権の設定は原則として禁止する、こういうことでやってきたわけですね。そのために、民間の利用については、国の事務事業に支障を及ぼさないという範囲で、行政処分である使用許可により民間利用を認めてきたにすぎない。

 それで、民間利用を促進するための今度のこういう新しい規制緩和というのは、この今までの考え方、今までの原則というものを変えるものでありまして、かなり大きな転換だというふうに思うんですが、いかがですか。

牧野政府参考人 お答えをさせていただきます。

 先生御指摘のように、従来、行政財産については、その使用について、民間なりの使用については厳しくやってまいりました。それは基本的には、国の資産について、適正性と申しますか、そういう観点を重視して国有財産行政をやってきたわけでございます。

 ただ、最近は、やはり国有財産を少しでも有効に活用しろという声が非常に強くなっておりますし、それから規制緩和という声も非常に強くなっておりまして、そういう中で、我々として、行政財産の使用目的に反しない範囲で、より有効な活用の道があればそれは実現したいということで法改正をお願いしているわけでございます。

佐々木(憲)委員 国民の財産をそのように扱っていいかどうか、これについては私は根本的に疑問を持っております。

 しかも、金額から見て財政的にはほとんどプラスにならない。例えば国家公務員宿舎の売却で、一兆円と言いますけれども、しかし、この売却がすべて可能と言えるかどうか、これもまた問題でありますし、十年間かけて売るわけでありますから、年間にすれば、先ほど焼け石に水という話がありましたが、本当にそうだと私は思います。六百兆円の債務に比べますと本当に微々たるもので、今やっているのは重箱の隅をつつくような話ですよ、簡単に言うと。それで、この財産をむしろウの目タカの目でねらっている不動産関連企業あるいは民間ディベロッパー、こういう企業もあるわけです。

 そこで、お聞きをしたいんですけれども、自民党の政調会長などは、第三者機関の設置によってその処分を考えたいというようなことをおっしゃっている。しかし、問題はそういう機関の構成メンバーであります。

 その財産を利用して利益を上げようとする企業の代表が専門家の顔をしてそこに入ってくる、こういうことになりますと、国民の財産を切り売りする計画に自分自身が入ってきて、その計画を作成して、それを自分が利用する。まさに新しい利権が発生しかねない。こういうやり方はやはり認めてはならぬと思うんです。やはり利害関係者をそこから排除するということをやらないと、これは新しい癒着が生まれるというふうに思いますが、どのように対処されますか。

谷垣国務大臣 第三者機関を使って進めていくべきだという御提案の一番とるべき点といいますか一番ポイントは、今まで役所の持っていた手法だけではなくて、民間でいろいろ高度に利用したりしている方法があるから、それをできるだけ取り入れたらどうだ、取り入れるべきものは取り入れろということなんだろうと思うんですね。

 それで、私どもも、経済財政諮問会議のもとで資産・債務改革を含む検討を行う専門調査会を設置しよう、これは既にそういうふうに決まっております。

 それから、財務省で現在、宿舎のあり方について御検討いただいている有識者会議というのがございますが、これは伊藤滋教授に座長をしていただいておりますが、これは総理の御了解を得て、六月目途の取りまとめ以降改組をいたしまして、庁舎等も含めた国有財産全般について検討していこう、フォローアップしていこう、こういうことで、外部の知恵も入れていこうということになっております。

 そこで、そこにどういうメンバーが入るかということでございますが、経済財政諮問会議の専門調査会のメンバーにつきましては、これは内閣府が所管でございますから、内閣府において適切にお選びいただくものと思っておりますが、私どもの方の有識者会議をどう改組していくか、これは、伊藤座長とも相談の上、国有財産の有効活用を図るという観点から、適切で公正な方、中立的な方々、こういった方にお願いしたいと考えているわけでございます。

佐々木(憲)委員 といいますと、先ほども少し議論がありましたが、現に今有識者会議の中に入っている不動産、ディベロッパー関係の企業の利害関係者、これは入れないということが原則だとはっきりここで認めていただけますか。

谷垣国務大臣 これは座長の伊藤先生とも御相談をしなければなりませんので、私独断で申し上げるわけにはいきませんけれども、やはり中立公正という観点は大事だと思っております。

佐々木(憲)委員 これが新たな利権を生むようなそういう温床にならないようにということを申し述べたいと思います。

 さて、そこで、国有財産というふうに財務省が出してきた資料を見ますと、ここに資料を配付しましたが、四十二兆円となっておりますが、その七割に当たる三十二兆ですね、この下の部分ですけれども、これはバツがあって、最初から聖域化しているわけです。

 それで、この資料一で、一般庁舎・宿舎が九・六兆円、未利用国有地が〇・四兆円、合わせて十兆円、これが対象になると。ところが、防衛施設等とされている部分は三十二兆円ある。その内訳は次の二枚目にあります。大きな数字の方から言いますと、防衛施設九・三兆円、国有林野八・六兆円、在日米軍施設としての提供財産四・六兆円等々となっているわけです。

 なぜこの部分を最初から聖域化しているのか、この部分に無駄が一切ないということがなぜ言えるのか、そういう検討は最初からなぜしないのか、これを聞きたいと思います。

牧野政府参考人 お答えをさせていただきます。

 防衛施設、あるいは刑務所ですとか石油備蓄基地、そういったものは削減が非常に難しいものとして分類しております。

 ただ、これらについても決して一切手をつけないということではなくて、その中で、先ほどもちょっと話題に出ておりましたが、自衛隊関係でも、都心で緩やかに使っているような施設があれば、そういったものは見直していく必要があると思いますし、そういうのを個々にちゃんと検討していきたいと思っております。

 ただ、まとまってある程度の一定の金額が出るのは、ここへ出しておりますこの九・六兆円と未利用国有地であるということでございます。

佐々木(憲)委員 まとまってといっても、ほかのところの方が数字が多いんですから、これはきちっと検討するというのは当たり前のことであります。

 例えば、米軍基地を見ましても、例えば横浜だけを取り上げましても、根岸住宅地、横浜ノースドック、富岡倉庫地区、池子住宅地区及び海軍補助施設、上瀬谷通信施設、深谷通信所、鶴見貯油施設。今現実に市と当局が交渉をして、そして返還の一部合意をし、また交渉中、こういう状況であります。しかも、利用の方法は公園ですとかあるいは福祉の増進のため、こういうことでやっているわけですね。

 全国で見れば、こういうのは幾らでもあるわけです。国民の財産を検討するというのですから、やはり公共的にどう利用するかという観点から、すべての分野を聖域化せずに対象にするというのは、これは当然じゃないんでしょうか。

牧野政府参考人 お答えをいたします。

 今回整理いたしましたのは、財源になり得るものというものを中心に検討したわけでございまして、今先生が列挙されました横浜の米軍関係の跡地、まだ最終的に使途が決まっているわけではございませんが、一般論でございますけれども、ああいう米軍に提供していた財産のようなものについては、大体地元の自治体が、例えば公園で使いたいとか、そういう用途で希望をされることが多くて、そういった場合には、我々はそれを尊重してきております。

 そうしますと、売り上げといいますか売却代金というのは極めて限られたものになるものですから、そういう意味で、今回は売却収入に上がるものについて整理をしたということで御理解をいただきたいと思います。

佐々木(憲)委員 この二枚目を見ていただきますと、厚生年金施設・会館等一・五兆円、あるいは裁判所・矯正施設等一・九兆円、これは米軍とは関係ないわけでありまして、こういうのはなぜ入らないのか、根本的にこれは疑問です。

 大体、ここに挙がっているのは財務省関係だけなんですよ。ほかの省庁に関係のあるところは検討の対象にしていないんですよ。こういう非常に偏ったやり方をしている。すぐ売れると。これは財務省として売れるかどうかしか考えていない。

 したがって、私は、今回のこのやり方というのは、まことにゆがんだ、非常に狭い対象にだけ、しかもそれも財務省の手のつけられるところだけ、しかも公務員宿舎、こうなってきますと、財政に寄与するということは建前だけれども、実態的にはほとんど役に立たない、むしろ私は有害であるというふうに思いますので、この法案には私は賛成できません。

 何でこういうことをやるのかというのが問題でありまして、何か国は、一生懸命コストを削減しているんだ、あるいはここまで切り縮めているんだ、こういう姿勢を見せるということに専ら重きが置かれているのではないか。そして、それは何のためか。それは、次に庶民に対して消費税を増税しなきゃならぬ、消費税を増税するための前提づくりをやっているというような感じが私はするわけです。そういう点で、今回のやり方はまことに問題が多いということを指摘しておきたい。

 さてそこで、次に改正消費税の問題についてお聞きをしたいと思います。

 消費税の免税点を売上高三千万円から一千万円に引き下げるということに伴いまして、新たに消費税の課税対象となる個人事業者、これは何万件生まれたのか。そのうち、ことし三月に申告、納付したのは何割いるのか。ここに西日本新聞のコピーがありまして、これは三月十五日付なんですけれども、九州七県の自営業者が消費税の申告をしたのは二割にとどまっている、こういう報道もあります。全国的にはどの程度なのか、示していただきたい。

竹本副大臣 佐々木先生おっしゃったとおり、三千万から一千万に免税点が引き下げられたわけでございますが、それによりまして、個人事業者は百二十二万件程度と見込んでおります。個人の事業者でありまして、法人の方は五十三万件ぐらいと見ております。

 それから、もう一点お聞きの、では、これに従って何割ぐらいの人が申告をしているかということでございますが、国税庁において現在集計中でございますので確たることは言えないんですけれども、新規課税事業者を含む平成十七年分の申告見込み者数百六十四万件のうち、おおむね九割以上の方々から申告書が提出されているのではないかとの感触を得ているところでございます。

佐々木(憲)委員 これは百二十万といっても大変な数なんですよ、一言で言いますけれども。納付する方も大変な新しい負担を負わされる。それも大変だけれども、税務署の方もこれは本当に大変な状況でありまして、労働強化。

 私が聞いているところによりますと、新規課税者のうち半数程度しか申告していないのではないか、これはそういうふうに感じているわけですが、先ほど九割と言いましたね。それは三月の末時点でそういうことが言えているのかどうか、私は根本的にちょっと疑問に思っております。

 申告をしない業者が相当あるということも事実で、申告がなされない理由というのは一体どこにあるとお考えですか。

谷垣国務大臣 消費税の新規課税事業者は、これは今さら言うまでもございませんが、基準期間である平成十五年の課税売上高が一千万を超える方が対象なわけですね。

 それで、三月三十一日に個人事業者の消費税の申告期限を迎えたところでありますので、率直に申し上げて、今、無申告者の実態等を十分把握できている状況では必ずしもないんですが、想像するに、申告していない方はなぜ申告しないかということになりますと、一つは、平成十七年分の課税売上高が一千万円以下であれば申告の必要がないというふうに思い違いをしておられる方もあると思いますし、それから、申告義務があるということは知りながら故意に申告しないという方もいらっしゃるんだろうと思います。

佐々木(憲)委員 私が直接中小業者のお話を聞いている限りでは、納税するだけのお金がない、こういう話が随分多いんです。政府の調査でも、消費税をまともに転嫁できない、そういう業者が半数いると。それから、中小業者になればなるほど経営が赤字のところが多い。

 具体的に、例えばこんな話があるんです。ある業者は、元請から一方的に価格引き下げの要請を受けて、競争も激化する中で単価が下がっている、そこに消費税の上乗せ分というのは、なかなかこれはできないんだ。あるいは別の業者は、ことしから消費税の課税業者になったが、売り上げが伸びないので消費税分を転嫁できていない。もう一人は、元請からファクス一本で、値引きをしてくれ、こういう通告があった、とても消費税を転嫁できない、単価七円、その仕事に、二円値引きしなさい、こういうことを通告されて、もう全然交渉の余地はないという業者がいるわけです。

 こういう業者にとっては、消費税というのは身銭を切って払わなきゃならぬわけです、消費税を預かっていないわけですから。こうなりますと、事実上、間接税ではなくてこれは直接税的性格となってしまっているわけです。

 谷垣大臣はこういう実態を御存じですか。

谷垣国務大臣 年来、佐々木委員の御持論でございますので、佐々木委員の御主張はよく理解しております。

 それから、実態はまだ、三月三十一日までが期限ですから、これから私どもも実情がどうなのかというのはよく把握しなければいけないわけですが、いずれにせよ、今の御議論の前提は、転嫁できていないということですよね。ただ、この税制は、もう言うまでもございませんが、転嫁していただくということが原則でございますから、そのために私どもも、今までいろいろな広報活動やいろいろなことをやってまいりました。転嫁をして、そして一人でも多くの方にきちっと申告をしていただくということであろうと思います。

佐々木(憲)委員 転嫁が原則ではあるが、できていないというのが実態なんです。その実態で、どんな状況が生まれているかというのをやはり正確に把握していただきたい。

 年間売上高一千万から三千万という業者というのはどういう業者か。大体、従業員でいいますと一人から四人ぐらいなんです。白色申告者も多く、帳簿もつけるゆとりがないという方々が多いわけです。税務署にこういう人たちがたくさん来るわけですね。税務署員に相談しながら申告書を書いている。一件当たりの消費税額というのは、大体、せいぜい十万から三十万、こういう方々が多いわけです。

 課税業者になるかどうか判断する売上高というのは、確かに、今言われたように平成十五年の売上高であります。その次の年の売り上げ、これが一千万円以下になっても消費税は納めなきゃならぬ。これ、大変な負担になるわけです。

 こういう声があります。前の年に一千万を超えていたが、次の年は三百万しかない、売り上げですね。それなのに、消費税は十一万円だ。どうやって払うのかという声。あるいは、二千五百万円の売り上げとなったが、経費の多くは給料だと。所得税は五万円余りなのに、消費税を計算すると九十五万円になるというのでびっくりしたと。あるいは、所得税五万円だけれども、消費税が六十三万とか、所得税が、実質赤字なのでゼロだけれども、消費税は十二万円払わなけりゃならぬという業者がたくさんいるわけですよ。

 こういう中で、負担できないので、もう、ことし様子を見て廃業するという業者が出てくるわけです。今回のこういう改正消費税で、廃業するという人たちが相当生まれるんじゃないか。これはどうでしょうか。

谷垣国務大臣 先ほど申しましたように、私どもは、これからよく実態も把握する調査をするということをしなきゃいけないと思っておりますが、ただ、先ほどから申し上げましたように、やはり、私どもがやらなければならないことは、これは転嫁をするというのが前提でございますから、そのための広報や指導とか、そういうものはよくよく念を入れてやらなきゃいけないと思っております。

 そこができますと、あとは預かり金的な性格でございますから、それは納めていただかなければいけないということではないかと思います。

佐々木(憲)委員 大臣は、転嫁できる転嫁できる、転嫁するのが原則だ、そればかり言うんですけれども、実際の経営者の取引、その実態というのを余り御存じないんじゃないか。下請業者は、先ほど言ったように単価が一方的に下げられる。親会社と交渉できないんですよ、力関係からいって。全部自分がかぶるわけです。それが実態なんですよ。経済産業省の実態調査を見ましても、転嫁できていないという業者が大体全体の半分ぐらいいるわけです。そういう実態で負担がふえるわけですから。

 例えば、こんな話もあるんですね。

 年商二千二百五十万、こういう業者で消費税は二十一万円。三百六十五日開店しているが、年々売上高がダウンしている。年に一度は夫婦で温泉旅行ぐらいしたいが、それもできない。消費税を払う金などない。店の賃料すら停滞している。ことしやってだめならもう店を畳むしかないと。こういう業者が切実に訴えているのは、一括して税金を納められないので、何とか分納ができないだろうか。分割した納税ができなければ、これはサラ金に頼るしかない、こういう話がある。

 谷垣大臣にお聞きしますが、こういう声にこたえて、やはり、それぞれの業者の実態を踏まえて、分納あるいは延納も含めて、親切に対応するということが私は求められていると思いますが、いかがでしょう。

谷垣国務大臣 免税点の引き下げに伴って新たに課税事業者となる方々について、国税当局は、やはり申告や期限内納付等の相談にきめ細かく今まで対応するということでやってきたと思いますが、仮にこうした事業者について国税が滞納になったような場合には、その実情というものをよく聞いてみなきゃいかぬ。それで、法令の規定に基づいて適正な処理に努めていく必要があると思うんですが、今後、滞納者から消費税等の納付について御相談があった場合にも、滞納者と十分意見を交換して相談をしながら、分割納付の計画等々を含めて、その実情に即した対応をとることとしておりまして、引き続き法令の規定に基づいて適正に処理をしていきたいと考えております。

佐々木(憲)委員 次に取り上げたいのは、税務職員の長時間超過密労働ですよ。これは大問題でありまして、百万以上対象がふえますと、職員はもう大変なんです。

 私が聞いているところでは、確定申告の受け付けの際、毎日一週間ずっと立ちっ放し、そういう職員がいる。あるいは、会場の喧騒の中、申告納税に対応するために中腰の業務が一日続き、思わずしゃがみ込んでしまうという姿があちこちで見られる。職員によって言うことが違うじゃないかという、そういう抗議の声もある。あんたの説明はまどろっこしいから早くしろと、こういうことで、職員は、ストレスと過労と、こういう状況の中で本当にへとへとになっている。

 こういう状況もあるんですよ。確定申告のちょうど真っただ中ですね。東京の江戸川南署、ここでは、二月下旬から連日二時間、三時間の超勤が続いて、ある職員は倒れてしまった。入院して、そして亡くなった。三月十五日に亡くなられたんです。そういうことも起こっております。あるいは、新潟、長岡署では、二月に、目まいで倒れ頭を打ち、助けを求め、意識をなくし、そのまま入院するという状況がある。千葉西署では、救急車で運ばれる。八王子では、収受事務に従事していた職員が脳梗塞で入院する。こういうふうに、非常に多くの方々がこういう中で倒れて、あるいは過労死、そういう状況になっているわけです。したがって、これは大変な事態になっていると私は感じました。

 ところが、国税庁、財務省の方は、納税者がふえる、今までのやり方では対応できない。自分で書く自書、これを徹底しろ。代筆のような相談はするな。職員は親切丁寧などという、そういう発想を切りかえろ。もう、ともかく数をこなせ。こういう指導をしているというふうに聞きましたが、こんなことをやっているんですか。

谷垣国務大臣 確定申告期は、税務署の職員にとっても非常に心身に負担がかかる時期であることはおっしゃるとおりだと思います。

 他方、先ほどの御議論のように、消費税についても、改正がありましたから、やはり相談に見える方には親切丁寧に対応しなければならないという面がございまして、私どもとしても、特にそういうような方々には適切に親切に対応しなきゃならないという指導をしているところでございます。

 この二つを両立するというのは、それは相当大変なことでございます。ですから、一つは、今委員のおっしゃったことでもあるんですが、IT化とかアウトソーシングとかいうようなこともやらなきゃなりません。また、e―Taxというようなことで、できれば、そういうようなところで簡便に納税を申告していただくという道もできるだけ普及をさせなきゃならないということもありますが、あわせて、やはり定員の確保というのは私どもも努めなきゃいけないと思っております。

 それから、先ほど、確定申告期は非常にストレスもかかる、中には、倒れられて病気になった、あるいは命を落とされる方もあるというお話がございました。私どもとしてもそれに対しては十分対応しなきゃいけないと思っておりまして、確定申告期はその前後に健康診断等を行うようなこと、それからまた、体調がすぐれない場合には速やかに診察が受けられるような配慮、こういうようなことも現に行っているわけでありますが、今後ともしなければいけないと思っております。

佐々木(憲)委員 これは、定員の確保というのは当然だと思いますけれども、実務の量に対応できていないわけですよ、実際に。抜本的に、やはり増員ということを考えなければならない。アウトソーシングと言いましたけれども、この問題は大変、守秘義務の関係で問題が起こる分野なんです。そういう意味で、単純にアルバイトにどんどん出していっていいというものでもない。また、専門家もそんなにいるわけではない。そういう点をよく考えて対応すべきだと思います。

 それから、根本的に言いますと、こんな、消費税の中小業者負担、免税点の引き下げというような、こういう法改正をやったことが間違いなんですよ、根本的にはですよ。しかも、この状況のままで、谷垣財務大臣は消費税上げろ上げろと。こんなことをやっていたらますますひどいことになるということを最後に指摘して、もう時間が参りましたので、終わります。

小野委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

小野委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 国有財産の効率的な活用を推進するための国有財産法等の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

小野委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

小野委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、山本明彦君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党及び国民新党・日本・無所属の会の四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。山本明彦君。

山本(明)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。

    国有財産の効率的な活用を推進するための国有財産法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。

 一 現下の極めて厳しい国の財政事情に鑑み、国にとって真に不用な国有財産については、売却などその有効活用に努めること。また、国が使用する必要のある国有財産については、財務大臣による監査及び使用調整を責任を持って実施するとともに、民間の視点を積極的に取り入れ、PFIなど一層の効率的な活用に努めること。

 二 国家公務員宿舎については、真に必要な宿舎需要に限定し、合同宿舎化等により効率的に整備を推進すること。特に、東京二十三区内の宿舎については、都市再生や土地の高度利用等の観点から、その移転・跡地有効活用を促進すること。

 三 国有財産の有効活用又は売却促進に資するため、貸付けを行う国の庁舎等の床面積の余裕部分の状況や売却可能なすべての未利用国有地に関する情報を適時に更新するなど、国民のニーズにより即応した情報を迅速に提供するよう努めること。

以上であります。

 何とぞ御賛同賜りますようよろしくお願い申し上げます。(拍手)

小野委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

小野委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。財務大臣谷垣禎一君。

谷垣国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。

    ―――――――――――――

小野委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

小野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時三十六分散会


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