衆議院

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第13号 平成18年4月25日(火曜日)

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平成十八年四月二十五日(火曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 小野 晋也君

   理事 七条  明君 理事 宮下 一郎君

   理事 山本 明彦君 理事 渡辺 喜美君

   理事 小沢 鋭仁君 理事 古本伸一郎君

   理事 石井 啓一君

      阿部 俊子君    井澤 京子君

      伊藤 達也君    石原 宏高君

      小川 友一君    小里 泰弘君

      越智 隆雄君    大塚  拓君

      大野 功統君    河井 克行君

      木原 誠二君    木原  稔君

      佐藤ゆかり君    鈴木 俊一君

      関  芳弘君  とかしきなおみ君

      土井 真樹君    中根 一幸君

      萩山 教嚴君    広津 素子君

      藤野真紀子君    松本 洋平君

      山本ともひろ君    渡部  篤君

      小川 淳也君    北神 圭朗君

      近藤 洋介君    鈴木 克昌君

      田村 謙治君    長安  豊君

      平岡 秀夫君    三谷 光男君

      吉田  泉君    鷲尾英一郎君

      谷口 隆義君    佐々木憲昭君

      野呂田芳成君    中村喜四郎君

    …………………………………

   議員           大串 博志君

   議員           鈴木 克昌君

   議員           田村 謙治君

   議員           古本伸一郎君

   議員           三谷 光男君

   議員           吉田  泉君

   財務大臣         谷垣 禎一君

   国務大臣

   (金融担当)       与謝野 馨君

   内閣府副大臣       櫻田 義孝君

   内閣府大臣政務官     後藤田正純君

   農林水産大臣政務官    金子 恭之君

   経済産業大臣政務官    片山さつき君

   経済産業大臣政務官    小林  温君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 広瀬 哲樹君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 堀田  繁君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局長)  三國谷勝範君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局総括審議官)          中江 公人君

   政府参考人

   (金融庁証券取引等監視委員会事務局長)      長尾 和彦君

   政府参考人

   (財務省大臣官房参事官) 林  信光君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房審議官)           佐久間 隆君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房商務流通審議官)       迎  陽一君

   政府参考人

   (経済産業省商務情報政策局消費経済部長)     谷 みどり君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁次長) 細野 哲弘君

   政府参考人

   (中小企業庁事業環境部長)            小川 秀樹君

   財務金融委員会専門員   鈴木健次郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十五日

 辞任         補欠選任

  越智 隆雄君     大塚  拓君

  河井 克行君     木原 誠二君

  広津 素子君     阿部 俊子君

  松本 洋平君     山本ともひろ君

  平岡 秀夫君     近藤 洋介君

  鷲尾英一郎君     北神 圭朗君

同日

 辞任         補欠選任

  阿部 俊子君     小里 泰弘君

  大塚  拓君     越智 隆雄君

  木原 誠二君     河井 克行君

  山本ともひろ君    松本 洋平君

  北神 圭朗君     鷲尾英一郎君

  近藤 洋介君     平岡 秀夫君

同日

 辞任         補欠選任

  小里 泰弘君     渡部  篤君

同日

 辞任         補欠選任

  渡部  篤君     広津 素子君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 証券取引法等の一部を改正する法律案(内閣提出第八一号)

 証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第八二号)

 証券取引委員会設置法案(古本伸一郎君外六名提出、衆法第四号)


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     ――――◇―――――

小野委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、証券取引法等の一部を改正する法律案及び証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として金融庁総務企画局長三國谷勝範君、金融庁総務企画局総括審議官中江公人君、金融庁証券取引等監視委員会事務局長長尾和彦君、内閣府大臣官房審議官堀田繁君、農林水産省大臣官房審議官佐久間隆君、経済産業省大臣官房商務流通審議官迎陽一君、経済産業省商務情報政策局消費経済部長谷みどり君、資源エネルギー庁次長細野哲弘君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

小野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤ゆかり君。

佐藤(ゆ)委員 自由民主党の佐藤ゆかりでございます。

 本日は、通称の金融商品取引法案について質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

 金融商品取引法案は、従来の金融商品にかかわる個別法を統括しまして一元規制にする点で、我が国の金融行政の上で大きな進展となるべき法案ではないかと思います。従来であれば、銀行預金に始まりまして、保険、証券、投資信託、商品先物、商品ファンド、外国証拠金取引など、リスクや利益の規模がそれぞれ異なる金融商品の取引というものを、プロから一般投資家の方々まで多様な市場参加者のもとで、それぞれが個別法で規制をしてまいりました。銀行法、証券取引法、信託業法、そして商品ファンド法などがそれに当たります。

 ただ、このような品目別の規制ですと、新しい金融商品は、縦割り規制の網をすり抜けて、事実上、無法状態で販売されているような危険性もあったわけでございます。実際、個人投資家が思わぬ損害をこうむるようなケースも発生しておりましたことから、一元化した金融商品取引法案の成立が今回急がれていたわけでございます。

 金融審議会でも、金融庁以外の関係省庁や民間事業者の方々から、今般、個別法を強化すればいい、あるいは新しい法律の規制対象には加わりたくないというような異論、反論というのも当初は出ておりました。しかし、やはり貯蓄から投資への流れを着実にするという点、そして同時に、投資家保護の環境整備が必要であるという目下の急務の課題のために、難関を乗り越えまして、この法案を取りまとめられました御尽力には敬意を表したいと思います。

 本日は、閣議によりまして大臣の御出席が質問時間の後半からになるというふうに伺っておりますので、まず先に、法案の細目に関する質問の方から進めさせていただきたいと思っております。

 まず最初に、プロとアマ、いわゆる特定投資家と一般投資家の基準に関する質問をさせていただきたいと思います。

 現行の個別法のもとでの縦割り規制から、金融商品取引法によりまして横断的な規制となります結果、取り扱う商品や業務内容については規制が逆に柔軟化される結果となります。

 特に、流通性の高い有価証券を取り扱う証券会社などの第一種金融商品取引業あるいは投資運用業等では、株式会社のみが参入可能という形態になりますが、その一方で、流通性の低い投資組合のシェアの販売などの第二種金融商品取引業では、個人もこの業界に参入が可能となるわけであります。参入基準といたしましても、第一種の証券会社では、最低資本金が要求されたり、自己資本比率あるいは純財産額規制など、さまざまな規制が課されるわけでございますけれども、第二種取引業への、例えば個人の参入の場合ですと、単に営業保証金一千万円だけで参入可能になるという見込みで、極めて緩い参入規制というのもあるわけでございます。

 そうした中で、一方で、この金融商品取引法案の中では、投資家のプロとアマの区別についても柔軟化が図られております。中小法人や富裕層などの一部の一般投資家の方々につきましては、今後、特定投資家への移行が可能となるわけですが、その一方で逆の流れも可能になってまいります。上場企業などの特定投資家が一般投資家へ格付を移行することも可能になるわけであります。

 こうした状況を踏まえまして、実は、少し気になりますのは、この第二種金融商品取引業あるいは投資助言・代理業並びに金融商品仲介業等では、まさに個人も参入可能なわけですけれども、投資家のプロとアマのそれぞれの移行の判断、こうした新たに参入する個人等を含めました第二種金融商品取引業等の業態にかかわる参入者の方々がきちんと的確に投資家のプロ、アマの区別をできるかどうか、その判断基準となります明確なものが今回の法案で用意されているものかどうか、まずお伺いしたいと思います。

三國谷政府参考人 お答え申し上げます。

 まず今般の法案におけますプロとアマの区分でございますが、特定投資家制度という制度、それと一般投資家という二つに分けているところでございます。

 このうち、一般投資家といたしましては、特定投資家以外の法人、それからそれ以外の個人が該当するわけでございますが、このうち、特定投資家以外の法人及び知識、経験、財産の状況に照らしまして特定投資家に相当する者としての一定の要件を満たす個人につきましては、原則として特定投資家には当たりませんが、本人の申し出と慎重な手続を経ました上で特定投資家として取り扱うことが可能な仕組みとしているところでございます。

 まず、このうち、選択による一般投資家から特定投資家への移行につきましては、この手続は、まずはあくまでも顧客側からの申し出によって行うこととしているわけでございます。この場合におきましては、いわゆるこの段階での適合性の原則が適用されることになっておりまして、例えば、その知識、経験、財産の状況及び投資の目的に照らしまして、特定投資家としてふさわしくない投資家に対しましては、選択による特定投資家への移行を勧誘するようなこと、これは適合性原則に反するわけでございまして、これは業者の方にそういうことはしないようにということになるわけでございます。

 その上で、一般投資家が選択により特定投資家に移行しようとする場合には、業者に対しまして、契約の種類ごとにその移行を申し出るということでございます。申し出を受けました業者は、承諾時におきまして、特定投資家に対する本法の規定の特例の内容、それから当該移行に伴うリスク、こういったことを理解していることにつきまして、申し出者の書面による同意を得なければならないこととしているところでございます。特に、個人投資家の場合には、これに加えまして、申し出を受けました業者が特定投資家への移行に伴うリスク等を記載した書面を事前に交付しなければならないこととなっております。また、申し出者が選択により特定投資家に移行可能な一般投資家の要件に該当していることを確認しなければならないこととしているわけでございます。

 なお、一般投資家が選択により特定投資家に移行する場合の有効期間は一年とされているところでございます。

佐藤(ゆ)委員 ありがとうございます。

 そうした中で、一つさらに気になることがございまして、引き続きプロ、アマの基準に関連した事項でございますけれども、業務内容によって参入規制がさまざまに異なる中で、実はこの投資家のプロ、アマの移行を逆に悪用するケースが出てこないものかということが、一点、気になるわけでございます。

 そういった意味で、その監視体制についてぜひとも教えていただきたいんですが、実はこの法案では、不公正取引や風説の流布、あるいは偽計、相場操縦など、いわば一部ライブドア事件でも発覚したと言われております違反行為の罰則について、懲役では、現行の五年以下から改正後は十年以下へ強化が図られております。また、罰金では、個人の場合が現行五百万円以下から一千万円以下へと引き上げられておりまして、また、法人の場合には、現行五億円以下から七億円以下に強化がされているわけであります。

 そうした中で、一方、法案では、一部の上場企業などの特定投資家もプロからアマへ移行することが可能であるという法案になっているわけですが、結果として、法人格のプロが個人のアマへ仮に投資家の身分を何らかの形で変更できたといたしますと、実は罰金は、現行の法人の五億円であったものが改正後では個人のカテゴリーで一千万円へと、逆に罰金が縮小するような結果にもなりかねないと思われるわけであります。

 こうした罰金逃れのための投資家身分の変更につながらないかどうか、そのあたりのセーフティーネットについてお伺いしたいと思います。

三國谷政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、罰金の話でございますけれども、これにつきましては、法人の場合には法人として、あるいは個人の場合には個人として、それぞれの罰則の体系に基づき科せられるものであることをまず御説明申し上げたいと思います。

 なお、その次に、今回の一般投資家から特定投資家への移行の問題でございますけれども、業者の方で、これらの義務に違反したと認められます場合には、まずその違反行為自体が監督上の処分対象となり得るほか、違反した場合には、当該投資家につきましては特定投資家として取り扱うことができませんことから、当該投資家を相手方とする取引等におきまして一般投資家向けの行為規制が遵守されていなければ、その点についても監督上の処分等の対象になり得るものと考えているところでございます。

 いずれにいたしましても、こういった規定、実質面あるいは手続面でも相当の規定を整備しているところでございまして、全体として、投資者の保護が図られるよう制度設計しているところでございます。

佐藤(ゆ)委員 せっかく御答弁いただいたんですが、実はこの質問の詳細については、昨日のレクできちんと私がお伝えしていなかったということもあって、突然の質問になったかもしれませんけれども、今お答えいただいたのは、むしろ一般投資家から特定投資家への移行のケースでお答えいただいたのではないかと思います。私が懸念しておりますのは、特定投資家から一般投資家への移行、法人格から個人へ何らかの形で仮に投資家の身分が変わった場合に、結果として罰金が減額になってしまうというところが懸念されたわけでございまして、このあたり、ぜひとも監視体制を今後強化していただきたいというふうに思うわけでございます。

 もう一度お伺いさせていただいてよろしいですか。

三國谷政府参考人 一般投資家と特定投資家の間の移行の問題と、それから、罰金の対象としてその主体となる者が法人であるか個人であるかというのは、これはちょっと平面の異なる話かと思っております。それぞれの世界におきまして、それぞれの制度に則しまして所要の制度整備をしているということでございます。

佐藤(ゆ)委員 何となく了解したような了解しないような御説明であったと思いますけれども、後ほど、より詳細がわかり次第また御教示いただければと思います。

 それから、課徴金について次に御質問させていただきたいと思いますが、見せ玉による株価操作の場合の利得の特定方法、それから課徴金の算出方法について確認をさせていただきたいと思います。

 今回、見せ玉への罰則強化として、顧客や証券会社の自己売買部門については課徴金制度を導入したということで、また、証券会社の自己売買部門には、顧客と同様に今回は刑事罰も導入するなど、一定の法改正による進展というのが見られるわけでございます。

 そこで、実際に見せ玉による課徴金の算出はどのように行うのか、まず算出方法についてお伺いしたいと思います。

三國谷政府参考人 まず、今回の規制の対象となっております見せ玉の問題でございますが、これは、約定する意思のない大量の注文を発注するいわゆる見せ玉につきまして、これは、顧客によるものか証券会社の自己売買によるものかを問わず、相場操縦行為に該当し得るものといたしまして課徴金の対象とすることとしているところでございます。

 具体的な額でございますが、相場操縦行為に係ります課徴金の額と申しますのは、相場操縦行為の行われた期間中の売りつけ価額から買い付け価額を控除して求めた売買損益、それから、当該期間終了時におけるポジション、これを一カ月以内に解消したことで得られる売買損益、これを加算することにより算出することとしているところでございます。

 見せ玉行為自体からは利益は発生いたしませんが、これとあわせて行われます売買の相場操縦期間及びその後一カ月以内の売買損益、これに基づきまして、相場操縦行為と同様の方法により計算することによりまして、見せ玉による課徴金の金額を算出することとしているところでございます。

佐藤(ゆ)委員 実際に期間中の売買損益に基づいて算出されるということと、あと、今お答えいただきましたのは、期間終了後についても一カ月の期間は売買損益について計算に入れるというふうにお答えいただいていると思います。この点は、課徴金の対象になっているということは大変注目できるのではないかと思います。

 実際、以前私も、自民党の部会の方で見せ玉に対する課徴金の原案が出ておりましたときに、課徴金が少な過ぎるのではないかという指摘をさせていただいたわけでございますけれども、今回、最終的な法案では、この見せ玉による利得をすべて課徴金として没収するような形での規定に強化をしていただいている結果となったということには、御努力には評価をしたいと思います。

 それから、少しテーマがかわりますが、この法案の中に盛り込まれております自主規制の強化策について移らせていただきたいと思います。

 事前審査型の金融行政から事後監視型金融行政への移行というのは、やはりプロの投資家の参加を高めて金融市場を活性化して、また、その市場の活性化を通じたトータルな意味での経済の活性化の上で不可欠な政策的な方向性であると考えております。

 そうした中で、事後監視体制の一環として、金融業界全般におけます自主規制の強化というのは、やはり一つ、公平で公正な取引の確保のために重要なステップではないかと思われるわけであります。

 そこで、まず取引所の自主規制部門の独立性の強化についてお伺いしたいと思います。

 取引所がとり得る組織形態そのものについてですけれども、中でも、取引所の経営陣に対して措置の助言を行う外部の自主規制法人の設置、あるいは行為の差しとめ請求などを行える内部組織としての自主規制委員会などの設置が今回法案の中で強化策の選択肢として描かれているかと思います。

 今回、東証の方は、こうした自主規制法人または自主規制委員会の設置等につきまして義務づけられるものなのかどうか、その点を確認させていただきたいと思います。

三國谷政府参考人 お答え申し上げます。

 取引所の自主規制業務でございますが、これは、公的な役割の一部を取引所が行使するという面がある一方、やはり、取引所会員間の取り決めである定款や諸規則の規定に基づいて行われており、もともと会員の自治の理念を基礎としている面もありますことから、自主規制委員会の設置や自主規制法人の設立を法律で義務づけることは、今回はしていないところでございます。

 取引所がどのような組織形態により自主規制業務を行うかにつきましては、取引所を取り巻く環境、それから市場の開設者がみずからの市場をどのように設計していくかといった方針により異なるところがございますことから、自主規制委員会の設置や自主規制法人に委託する方法等、こういったことにつきましては、市場の開設者がみずからの判断により選択すべきものと考えているところでございます。

佐藤(ゆ)委員 ありがとうございます。

 では、そうしますと、東証を初めとした幾つかの取引所につきましては、今後上場するなどの動きというのもあろうかと思われますけれども、自主規制法人または自主規制委員会等の設置というのは上場とともに取引所も義務づけられるものなのかどうか、今後の東証のいわゆる自主規制組織のあり方などにつきましても、金融庁の御意見をお伺いできればと思います。

三國谷政府参考人 今回の法案におきましては、株式会社形態をとります取引所が上場する場合には内閣総理大臣の承認を得なければならないこととされているところでございます。その際、内閣総理大臣は、一つには、取引所の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがあると認められるとき、それから取引所市場における取引の公正が確保されていないと認められるときには、上場を承認してはならないとされているところでございます。

 取引所が上場する際に、自主規制法人を設立いたしましたり自主規制委員会を設立することは義務づけられておりませんが、当該申請を行いました取引所が自主規制法人に自主規制業務を委託し、または自主規制委員会を設置しているかどうかにつきましても、業務の健全かつ適切な運営、または取引の公正が確保されているか否かについての重要な判断要素として考慮されることになるものと考えているところでございます。

佐藤(ゆ)委員 そうしますと、上場をした際でも自主規制法人あるいは自主規制委員会等の設置というのは必ずしも義務づけられないということだと思いますが、取引所の上場によりまして、実は、取引所そのものの監視機能と自主規制とが利益相反になって、おろそかになってしまうようなことがあってはならないと思うわけであります。そういう意味で組織づくりには気をつけていただきたいと思うわけです。

 特に取引所で知り得るいわゆるほかの上場企業の取引情報等、こういったものは取引所で情報として流れてくるわけでございますけれども、取引所が上場した後に、みずからの利益拡大のためにそういった情報が転用されませんように、いわゆる取引所内部での情報遮断の組織づくり、こういったものはきちんとやって、考慮していただきたいと思います。

 それから、先ほどの質問に多少戻らせていただきますが、もう一度確認をさせていただきたいと思います。

 プロとアマの基準の違いということでございますが、どこまでをプロと考えて、そしてどこまでがアマとして位置づけられるのか、金融庁の方にもう一度確認をさせていただきたいというリクエストもいただいております。

三國谷政府参考人 特定投資家と一般投資家の違いでございますが、大きく言って四分類でございます。

 一つには、特定投資家ということで決まっておりまして、それは一般投資家に移行できないグループ、その次には、原則特定投資家ではございますが、この中には、みずからの申し出により一般投資家にみずから移行することができるグループ、こういったものがございます。これに対しまして、一般投資家でございますが、一定の要件を満たさない個人と申しますのは、これは常に一般投資家ということでございますが、特定投資家以外の法人あるいは知識、経験、財産の状況に照らして一定の要件を備えている方、こういった実質要件等厳格な手続のもとに一般投資家から特定投資家に移行できる方、こういう四つのグルーピングが行われているところでございます。

佐藤(ゆ)委員 今後、特に、一般投資家の方で富裕層等あるいは中小企業経営者等の方々で、特定の投資家に移行できる方々のより詳細な、わかりやすい、明瞭な基準というのを公表していただきたいと思います。

 さて、自主規制の問題に戻らせていただきたいと思います。

 一つは、今回、法案の中で、もう一つは、各業界、金融業界ごとにこれまで自主規制協会というのは設置されておりましたわけですけれども、これを統一するといいますか、これまで自主規制の水準の基準が最も高かった日本証券業協会の水準に各業協会の基準も合わせるというようなことがうたわれております。ただ、これらの自主規制機関への加入というのは、今回、すべての業者について義務づけられておりません。協会への非加入業者というのが出てくるわけですけれども、実は、協会規則等を考慮して、社内規制の作成、変更で、非加入業者にもそれを遵守するようにというような監督を行うこととしているわけです。

 実際問題としまして、非加入業者というのは、なかなか、協会規則やそれに対する変更事項があった場合に、その通達を切れ目なく毎回入手できるというような、必ずしもそういう状況にはないと思います。通達漏れのおそれというのが絶えずあるわけでございますが、特に、今回、規制緩和によって、金融商品の、特に第二種取引業者等流動性の低い取引業務においては個人でも参入が可能であるというような状況の中で、これらの流動性の低い取引業務において、個人を含めた非加入業者について、均一的な自主規制の確保についてはどのような監督体制をしかれるのか、お伺いしたいと思います。

三國谷政府参考人 お答え申し上げます。

 本法案におきまして、金融商品取引業者は、自主規制機関である金融商品取引業協会への加入または金融商品取引所の取引参加者となることが法的には義務づけられておりませんことから、自主規制の実効性を確保するためには、こうした自主規制機関への加入等を行っていない金融商品取引業者につきましても、そういった同様のルールが遵守されるような一つの工夫がされているところでございます。

 こうした観点から、今回の法案では、現行の証券取引法と金融先物取引法と同様な考え方に立ちまして、内閣総理大臣は、自主規制機関への加入等を行っていない第一種金融商品取引業者及び投資運用業者の業務につきまして、公益を害し、または投資者保護に欠けることのないよう、協会または金融商品取引所の定款その他の規則を考慮して、当該業者またはその役員、もしくは使用人が遵守すべき規則の作成または変更を命ずる等、適切な監督を行うことを規定しているところでございます。

佐藤(ゆ)委員 特に、各業界で、自主規制の水準の均一化そして非加入者との間の均一化はぜひとも図っていただきたいと思います。

 さて、大臣も御到着されましたので、そろそろ話題をかえさせていただきたいと思います。

 この金融商品取引法案では、銀行法や保険業法、それから商品取引所法、あるいは不動産特定共同事業法など、幾つかの法律の所轄にある投資商品、具体的には、投資性の強い預金ですとか保険商品、あるいは商品先物などについては、金融商品取引法の範疇外に置かれているわけでございます。これらの商品については、金融商品取引法の利用者保護と同様の規制を適用するというふうに法案でうたわれているわけでございます。

 この金融商品取引法以外の法律につきまして、同様の規制というものが具体的にどのように担保されるのか、他業法での具体的な商品の例をもし挙げていただけるならば挙げていただきながら、今後の規制の状況について説明していただきたいと思います。

三國谷政府参考人 今回の法案につきましては、各種の改正法によりまして横断的なルールの整備に努めているところでございますが、今回の金融商品取引法案におきまして直接の適用対象となっていない投資性の強い預金、商品先物取引等につきましては、金融商品取引法の適用対象である有価証券デリバティブ取引と経済的な性質が同じである面がございますことから、本法案の規制と同等性を確保するための措置を講じているところでございます。

 具体的には、まず、投資性の強い預金でございますが、これは銀行法におきまして、金融商品取引法の販売、勧誘規制を準用することとしております。これによりまして、例えば投資性の強い預金である外貨預金、デリバティブ預金の販売、勧誘につきましては、広告等の規制、契約締結前の書面交付義務、損失補てん等の禁止、適合性の原則等の金融商品取引法と同様の規制が及ぶことになっているところでございます。

 また、商品先物取引につきましては、商品取引所法におきまして、金融商品取引法の販売、勧誘規制の内容を規定することといたしまして、具体的には、商品取引所法におきまして、広告等の規制、取引証拠金等の受領に係る書面の交付、虚偽告知の禁止といった販売、勧誘規制を追加いたしますほか、損失補てんの禁止、適合性の原則等の販売、勧誘規制の内容を改正いたしまして、同等性を確保することとしているところでございます。

佐藤(ゆ)委員 承知いたしました。

 今、販売、勧誘規制というのが出たわけでございますけれども、そこで、一般投資家の保護の観点で、広告規制あるいは説明義務の拡大について、今回、金融商品取引法の方で含まれている項目について少しお話をお伺いしたいと思います。

 法案の販売、勧誘規制の中に、実は一般投資家向けの広告規制というのが今回盛り込まれております。その規制の文言を読みますと、利益の見込み等について著しく事実に相違する表示をすること及び著しく人を誤認させるような表示をすることを禁止と書いてあるわけでございます。

 確かに、著しく事実に相違する表示を禁止するということは大前提として大事なことではございますけれども、事実に相違する点の指摘のみならず、潜在的なリスクについての正確な記載、これについても、いわゆる広告の記載からリスク事項の欠落のないように規制すべきではないかと思われますが、この点はいかがでございましょうか。金融担当大臣にお伺いしたいと思います。

櫻田副大臣 お答えさせていただきます。

 今回の法案では、投資者保護を図る観点から、金融商品取引業者が顧客に対して販売する場合に種々の行為規制を設けているところであります。

 広告規制におきましては、著しく事実に相違する表示をすることや、著しく人を誤認させるような表示をすることを禁止することに加えて、業者の商号や名称、金融商品取引業者である旨、登録番号のほか、顧客の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの等として、政令で定めるものを表示する義務を課すこととしており、御指摘のリスク情報等については政令で定めることを検討してまいりたいと思っております。

 また、リスク情報等につきましては、業者が顧客との間で契約を締結する前に交付しなければならない書面の中でも示すこととしており、具体的には、契約の概要、市場リスクにより元本欠損のおそれのある場合にはその旨、また、市場リスクにより元本欠損のおそれのある場合、元本欠損の額が元本の額を上回るおそれがある場合はその旨等を書面記載事項として定めているものであります。

佐藤(ゆ)委員 やはり広告規制の中でリスク表示がどれだけ徹底されるかというのは、リスクが潜在的にどこまでリスクと言えるかという非常にグレーな範囲もあることから、非常に難しい問題ではないかと思います。そうした中で、一般投資家の保護というのがなおざりにされてしまっては結果としていけないと思われるわけです。

 そこで、一つの例として、この配付資料の方をお手元に配付させていただきましたが、ごらんいただきたいと思います。

 これは、実は最近の日経新聞に出ておりました円定期の預金の広告記事でございますけれども、「金利が上がる円定期!?」ということで、当初の三年間は金利が一・三五%、そして、次の三年間は一・四五%に上がります、そして、さらに次の四年間については一・七五%まで上がるというような商品設計になっております。元本保証はされているわけでありまして、真ん中に「元本保証」と大きく書いてありますが、実は元本保証と書いてありますこの部分の右下の注釈のところをごらんいただきたいと思います。

 まず、二重丸で書いてありますところが、「本預金には、当行の判断により満期日を六年に繰り上げることができる特約が付いています。」と。これは最長十年の定期預金ですけれども、満期日を六年に繰り上げることができる特約がついているというわけです。そして、さらにその下に括弧でくくってありますが、「中途解約はできません。」というふうに書いてあります。「当行が例外的に中途解約に応じる場合、利息は付されず違約金が発生し、お受取金額が元本を下回る可能性が非常に高くなります。」そして「また、解約日前に支払われた利息があった場合、解約時には当該利息分も差し引かれます。」というふうに注意書きが書いてあるわけでございます。

 実際のところ、ここの情報では、まず、元本が保証されているということ、これは極めて明確に出ていると思います。あと、繰り上げ償還の可能性についても記載されているとおりであります。そして、三つ目に、中途解約もできないということがはっきり明記されているわけであります。あとは、無理やり中途解約した場合には元本を下回る可能性もあるということが書いてあるわけです。

 実は、私はこの商品の設計を見て、一つ記載されていないリスクがあるのではないかと思うわけでございます。

 といいますのは、これは、「元本保証」と書かれている上の三つのボックスがありまして、左側のボックスをごらんいただきたいんですが、「預入三年後、六年後に金利が上がります。」と書いてありまして、その六年後以降から一・七五%に上がるというような商品設計になっているわけでありますが、実は、六年後の金利というのがどういう状況になっているか、市中金利がどのような水準にあるかというのはまだわからないわけでございまして、場合によっては、定期金利での約束の一・七五%を市場金利が下回っている場合もあれば、上回っている場合もあろうかと思われるわけであります。

 万が一、この一・七五%を下回っている場合には、この定期預金を提供している銀行にとりまして、預金金利のいわゆるライアビリティーの金利の方が市場の運用金利よりも高くなってしまうということで、銀行にとりましては、その結果、六年後に繰り上げ償還が可能というふうに商品設計がされているわけであります。その一方で、仮に六年後の市場金利が約束の定期金利の一・七五%を上回る場合になりますと、今度は、定期預金者が途中解約できないという条項がついているわけであります。したがいまして、市場金利はそれ以上、例えば二%、二・五%まで上がった場合に、この定期預金者は一・七五%の固定金利で固定されてしまって身動きができない状況になるというわけであります。要するに、将来の不確実性のある金利の状況に対して、仮にこの一・七五%よりも六年後の金利が上がった場合でも、下がった場合でも、いずれの場合でもこれは銀行が勝つ商品設計になっているわけであります。

 そうしたことを踏まえまして、通常のプロの投資家の方々であれば、金利が一・七五%に対して六年後にどちらに行くのか、こういった金利のリスクについては慎重に投資判断をするわけでありますけれども、普通の、いわゆる一般の預金者の方々、個人の方々につきましては、六年後に仮に市中金利が一・七五%を上回っていた場合に、自分の定期預金金利が一・七五%でロックアウトされてしまっていて途中解約できない。そのことによる金利のいわゆる機会費用のロスにつきましては、現実問題として認識が薄い方々もおられるのではないかと思うわけであります。

 確かに、元本割れはしない、こういった明確なリスクはないということは表記されているわけですけれども、固定金利についても実は潜在的にリスクがあるということ、将来得うる市場金利に対して割れる可能性がある。

 そういった観点からいきますと、やはり、将来場合によってはこの一・七五%の金利を市中金利が上回る可能性があるけれども、中途解約できない、そこまで説明した方が一般のアマの定期預金者の方々に対して非常に親切な説明になるのではないかと思うわけでありますけれども、このあたりの広告での固定金利で閉じ込められることのリスクについての表記、これが何ら記載がないわけですけれども、大臣の御所見をお伺いできればと思います。

三國谷政府参考人 いろいろ御指摘ありがとうございました。

 本法案の三十七条の広告等の規制につきましては、「次に掲げる事項を表示しなければならない。」ということの中に、商号、名称または氏名、あるいは登録番号ということがございますが、三号には「当該金融商品取引業者等の行う金融商品取引業の内容に関する事項であつて、顧客の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものとして政令で定めるもの」というところがございます。御指摘のリスク情報等につきましてはこの中で検討してまいりたいと考えております。

佐藤(ゆ)委員 リスクというのは、わかりづらいものでグレーゾーンのものもありますけれども、できるだけ個人の投資家の方々あるいは預金者の方々にわかりやすいような状況でぜひとも検討していただきたいと思います。

 今回使いました例は新聞記事の広告で、これは預金ですから、今回の金融商品取引法の範疇外の例ではあろうかと思いますけれども、一般的にこういったことが記載されていて、この事例の場合には、恐らくプロの投資家であればこういう定期預金は買わない可能性も高い、銀行が勝つということがわかっているわけですから。売れる先はやはり個人の定期預金者ということになるのではないかと思うわけであります。そうした意味で、やはり個人投資家の方々につきましてもきちんと利益の出せるような、情報の透明性の高い投資環境というのをつくることは、やはり我が国の資本市場の育成にとって極めて大事なことではないかと思います。

 私は、何も金融機関が悪いと言っているわけではございませんで、やはり最終的には、資本市場の育成にとりまして、個人投資家のすそ野を広げていくということが非常に健全で安定的な市場の育成につながると思っているわけであります。そういった意味で、ぜひとも、個人投資家もきちんと情報の開示のもとで利益を出せるような広告の表示の仕方あるいは広告の規制の仕方、そういった観点からも広告規制等を考えていただきたいと思うわけであります。

 もう一点、一般投資家の保護の観点についてお伺いしたいと思います。

 こうした個人投資家にまつわる思わぬ損失の発生のケース等が出たことから、今回、金融商品取引法案が急がれる一つの理由ではないかと言われているわけでありますけれども、この点、一般投資家の保護の観点で、金融商品取引法案の中では紛争やあっせんの機関の認定制度というのが設けられるということになっております。この紛争あっせん機関の主な業務としましては、金融商品取引業に関する苦情の解決や、争いがあった場合のあっせんを行うというふうにされております。

 この認定対象となります機関としては、NPO組織や消費者団体でも認定可能であるということで第三者機関として挙げられるわけでありますけれども、こういった第三者機関、いわゆる中立的な、情報網の提供の観点からも消費者に対してこういった第三者機関というものを認定して設置することは、結果として市場の透明性の向上にもつながるということで、大事な動きではないかと思うわけであります。

 そこで実際に、この紛争あっせん機関の認定ですけれども、どのような基準であるいは条件でこの第三者機関が認定されるのか、そして、認定された第三者機関が紛争解決をどのように行い、そしてまたあっせん業務を行えるのか、想定し得るそういった仕組みについて御回答いただきたいと思います。

三國谷政府参考人 お答え申し上げます。

 まず認定投資者保護団体でございますけれども、これがどういうことをやるかということでございますけれども、苦情処理につきまして、投資者から対象事業者の業務に関します苦情についての解決の申し出がありましたときは、その相談に応じ、申し出人に必要な助言をし、その苦情に関する事情を調査するとともに、対象事業者に対しましてその苦情の内容を通知してその迅速な処理を求める、こういったことでございます。

 あっせんにつきましては、対象事業者の業務について争いがある場合に、当事者があっせんを求めましたときは、学識経験を有する者であって事件の当事者と特別の利害関係のない者をあっせん委員として選任する、あるいは、あっせん委員は当事者または参考人から意見を聴取するか報告書の提出等を求め、適当と認めたときは、事件の解決に必要なあっせん案を作成し、その受諾を勧告することができることとしているところでございます。これらの手続は、認可金融商品取引業協会あるいは公益法人金融商品取引業協会の苦情あっせん手続と同様でございます。

 なお、こういった苦情あっせん手続を初めといたしまして認定投資者保護団体が業務を適切に遂行するために、認定投資者保護団体の役職員が知り得た情報には秘密保持の義務が課されますとともに、内閣総理大臣は、認定投資者保護団体の業務の状況に応じまして、報告命令や認定の取り消しなどの措置を講じることができるなどの措置が講じられているところでございます。

 なお、認定投資者保護団体としての法律に規定されている要件を満たせば、NPOや消費者団体等も認定を受けることが可能となる仕組みとなっているところでございます。

佐藤(ゆ)委員 今御回答の中にございました利害関係のない人たちをあっせんするという部分でございますけれども、金融取引になりますと、やはり専門的な知識、そういったものが苦情の解決や争いの解決においてバックグラウンドとして重要ではないかと思われますが、そうした専門家の知識を持った中で利害関係のない人たちをあっせんするという何かプール制度でも設けられるのか、そのあたりはどのように具体的に人材をあっせんする仕組みになっておられるのか、もう一度お伺いしたいと思います。

三國谷政府参考人 具体的な仕組み等につきましては、またそれぞれこれからいろいろな工夫、検討をしていく必要があろうかと思いまして、個別具体的にこうであるとかということを申し上げる段階ではございませんが、認定投資者保護団体として認定されるための基準につきましては、一つには認定を取り消されまして二年を経過しない者等の一定の欠格事由に該当しないかという点のほか、認定投資者保護団体業務を適正かつ確実に行う必要な業務の実施の方法を定めていること、認定投資者保護団体業務を適正かつ確実に行うに足りる知識、能力、経理的基礎を有するものであること、認定投資者保護団体業務以外の業務を行っている場合には、その業務を行うことによって認定投資者保護団体業務が不公正になるおそれがないことといった要件を定めているところでございます。

 こういった趣旨を踏まえまして、こういった団体が適正にこの役割を果たしていくことを期待しているところでございます。

佐藤(ゆ)委員 ありがとうございます。

 それでは、情報開示の点で、もう一つ先に進んで、今度は四半期開示についてお伺いをしたいと思います。

 四半期開示を今回法制化するということは非常に重要なステップではないか、市場の透明性を増す意味で非常に大事なステップであるというふうに私も認識をしているわけですけれども、それと同時に、その結果、思わぬ競争関係が生じてしまう可能性もあろうと思うわけでございます。

 実は、今回の法案で新興市場を含む上場会社すべてについて四半期開示が法定化されるわけですけれども、経営者によりましては、特に新興市場の企業経営者の方々におかれましては、四半期開示で利益を出さなければならない、そういうプレッシャーの結果、逆に、非常に企業経営の事業計画が短期化してしまうというような影響も、実は図らずも出てしまうこともあるわけでございます。短期的な経営結果を出すことへの企業経営者の方々へのプレッシャーが高まって、本来の事業計画とは一線を画すような、短期的な視野で経営判断を行わざるを得ないような事例というのは実際に企業の中で散見されるわけでございます。

 例えば、赤字が出そうなある四半期に、急に人件費をカットしたりあるいは事業費をカットして、財務上何とか黒字を捻出してその期の決算報告を済ます、そういうことはよく聞かれる話でございます。ただ、実際には、事業継続のためにそれらが必要経費であることもあるわけですので、結局は、半年後には一度カットした人材や経費についても再び復活させるというような非常に短期的な経営資源の入れかえなどが行われる場合もあるわけでございます。

 その要因として、一つに、四半期開示のもとでの企業競争の激化というのが考えられるわけでありますが、これは経営操作の範疇ですから何ら違法性はないわけではありますけれども、こうした企業経営の時間的な尺度に対する影響、これが行き過ぎますと、極端な例ではありますけれども、例えばライブドアの事件にあらわれましたような極端な結果主義が先行してしまってプロセスが軽視される、あるいは、ルール不在のまま、結果だけを追求すればいいというような企業経営者の方々も場合によっては出てまいりかねないわけでございます。

 そうした中で、この観点、非常に大きな問題ではありますけれども、四半期開示の問題と、経営判断の、場合によってはゆがみを与える影響の問題についてお伺いしたいと思います。

櫻田副大臣 昨今、企業を取り巻く経営環境の変化が激しくなってきていること等から、投資者に対しまして企業業績等にかかわる情報をより適時に開示することが求められているところでございます。

 こうした状況下の中、平成十五年四月以降、四半期開示が証券取引所の自主ルールにより段階的に導入されてきており、東証上場会社では既に九割以上の会社が財務諸表を開示し、投資者にも定着してきているところでございます。

 四半期開示につきましては、短期的な成果を求めることとなり経営判断がゆがめられるのではないかという御指摘があることは承知しておりますが、一方では、四半期開示は開示企業、投資者間において重要な投資情報として定着しており、企業内において、より適時に経営管理に必要な情報を把握し的確な経営のチェックを行うことにもつながるものと考えております。

 また、四半期開示を法制化しなければ、四半期情報に虚偽記載等がある場合でも罰則が適用されない等の問題も指摘されているところであり、今般、四半期開示の法制化を提案させていただいているところでございます。

佐藤(ゆ)委員 私も、四半期開示の必要性というのはまさに同意しているとおりでございまして、その根拠というのは大変大切なものがあると思います。

 そこで、組み合わせとして、四半期開示の重要性はさることながら、結果として、思わぬそういった経営操作のようなものが行われてしまう可能性について、例えば経営判断の段階で視野を少し長期化するような、そういった施策の組み合わせもあろうかとは思います。例えば、長期的な投資活動に対して何らかの優遇策を設ける、そういったことで少し投資判断あるいは経営判断を長期的に戻すような、そういった施策、例えば税優遇等ですけれども、このあたりの措置については、谷垣大臣はどのようにお考えになられるでしょうか。

谷垣国務大臣 税の関係ですけれども、今度の金融商品取引法ですか、横断的な観点から投資者保護というものをやっていこうということで、そういう中で利用者保護ルールの徹底、こういうものをやっていこうということだろうと思いますが、税制につきましては、今まで、金融商品間のばらばらな取り扱いというようなものをできるだけ是正していこう、それから、金融商品間の中立性をつくっていこうということで、この数年間いろいろなことを取り組んできたわけでございます。

 こういう法律が今御議論されているのを受けまして、さらにその方向を進めていかなきゃならないんじゃないかと考えております。今申しました、金融商品間の課税の中立性とか、あるいは制度の簡素性といいますか、そういうところにも十分留意しながら、金融商品課税の一体化を進めていくということかなと思っております。

 今まで、金融商品間のまちまちなのを変えていくという観点からいたしますと、二〇%の分離課税というようなことでバランスをとってまいりました、そういう方向、それからもう一つは、損益通算をする範囲をどういうふうにしていくか、拡大していくという方向、そういう方向を見据えながら議論をしていくということだろうと思っております。

佐藤(ゆ)委員 実際に、金融商品取引法を受けて、金融課税一元化の動きでございますが、今一部御答弁を既にいただいたとおりでございますけれども、昨年の年末の十八年度の税制大綱でも、また金融商品課税の一元化というのが見送られる結果となりまして、引き続き検討課題ということで残されているわけでございます。

 金融商品のコングロマリット化時代におきまして、やはり切れ目ない税制、大臣が今おっしゃられたとおりでございますが、それはぜひとも進めていただきたいと思っております。具体的に、横断的な金融税制の整備につきまして、もし今後の見通し等、検討手順として何かタイムテーブルがありましたら、御教示いただければと思います。

谷垣国務大臣 タイムテーブルというのは特にあるわけではないんですが、今、佐藤委員おっしゃいましたように、去年の暮れでもやや課題が残っておりますので、そういうものをきちっと詰めていかなきゃいけないと思っております。

佐藤(ゆ)委員 最後になりましたけれども、この金融商品取引法、いろいろと金融審議会のレベルでは取りざたをされていたわけですけれども、横断的な法制として、今回、消費者の観点からも利便性が高く、そして一般投資家の保護に向けてきちんとした法整備につなげていただきたいと思っているわけでございますが、そういった意味で大臣の決意のほどをお伺いしたいと思います。

与謝野国務大臣 国民は、貯蓄、投資、いろいろな選択肢をこれから持つようになるわけでございます。そういう中で、投資をした場合に、やはり情報開示を通じて投資家が必要な、または正確性の高い情報を得るようにする、それを幾つかの条文で担保しているということも一つでございますし、また一つは、やはり取引自体の公正性を確保するということも大事なことでございます。また、今は、一つの商品、一つの市場ということよりは、やはり業界横断的にいろいろな商品の種類が出てまいっておりますけれども、いろいろな分野にまたがっているということもまたこれから出てくるわけでございます。

 そういう意味では、業界横断的、また投資家を保護する、取引の公正性を維持する、こういう観点から、投資を行った場合にも投資家が十分な知識とまた法律上の保護のもとで投資行為が行えるということを目指した法律でございまして、今後とも、仮にこの法律を皆様方に御承認いただければ、金融庁としては、貯蓄から投資という流れを一層強めていく上での投資家の保護、取引の公正性の確保ということに意を尽くしたいと考えております。

佐藤(ゆ)委員 今、大臣に御答弁いただきましたように、我が国の資本市場の育成に向けて、やはりこれまでやや軽視されてきました一般投資家の保護の観点にも重点を置きながら、ぜひとも法整備を進めていただきたい、そのように思います。

 これで私の御質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

小野委員長 以上で佐藤ゆかり君の質疑を終了いたします。

 引き続きまして、鈴木克昌君。

鈴木(克)委員 民主党の鈴木克昌でございます。私も、今回上程されております本法案について、少し御質問をさせていただきたいというふうに思います。

 今法案は、今さら私が申し上げるまでもなく、ある意味では国民皆さんが注視をしておる法案だというふうに思います。それは、ライブドア事件を例に挙げるまでもなく、本当に額に汗をしてしっかりと頑張っておる多くの国民と同時に、一方では、民間造幣局とまで言われるような手法でもって巨額な富を一瞬に築いていくというこの構造、こういうものが本当に社会の公正という意味で許されていいのかどうかというようなところが国民の皆さんの期待を集めておるところだというふうに思うわけであります。そこで、その背景について私も少し申し上げて、順次質問に入らせていただきたいと思うんです。

 構造改革なくして景気回復なし、そして聖域なき改革ということで、小泉内閣はいわゆる構造改革を進めてきたわけでありますけれども、今、この改革のいわゆる影の部分がいろいろと噴出をしておるというふうに言っても過言ではないのかというふうに私は思っています。

 小泉政権は、かつてないスピードで市場原理主義を導入してまいりました。そして、その結果、我が国がかつて経験したことのないような格差社会をつくり出している、つくり出しつつあるということだと思います。まさに格差社会が怪物のように大きな口をあけて、先ほども申し上げましたように、一生懸命まじめに生きている国民をのみ込もうとしておるんではないか、このように思うわけでございます。

 今回のライブドア事件は、小泉構造改革が引き起こした社会のゆがみを象徴する出来事である、このように私は思っております。競争による結果が公平で唯一の尺度だと、あえて言うならそういう社会を目指そうとしておる小泉構造改革は、結論として、手段を問わずに金をもうけた者が一番偉いという社会につくり変えようとしておるんではないか、ここに私は非常に大きな危機感を感じておるわけであります。

 ライブドア事件が明らかとなった、そして、小泉改革が五年間、規制緩和のラッパを吹き鳴らし、強硬に推進した市場原理主義の導入は、ある意味では間違っておったんではないか、こういうふうに国民の皆さんも考え始めたというふうな状況が、先回の補欠選挙の結果にもあらわれておるんではないのかな、こんなふうに思います。

 さて、前段はそれぐらいにしまして、今回の法案理念、これは、非常に耳ざわりがいいというか聞こえがいいというか、後ほどまた大臣に順次お答えをいただければいいわけですが、特に、利用者保護の徹底だとか利用者利便の向上だとか、市場の公正性や透明性をいわゆる確保していくのだ、このようにおっしゃっておるわけでありますが、果たして本当にそれが実現できるのかと。

 政府はこれまで、いわゆる市場法制の改正を、まさに何度か繰り返されてきました。しかし、その結果、御案内のように一般投資家の投資被害は後を絶たずに、いわゆる利用者が保護されているとは全く言えない状況ではないか、このように思うわけであります。今回のライブドア事件のほか、カネボウを初めとする一連の不祥事は、いわゆる法のすき間をつく問題ばかりでありまして、日本の企業と経済の信頼はまさに失墜をしておる。そして、国民の間に不公平感というのが増幅をされておるということであります。

 そこで、今回の政府案は、表層的には市場法制の抜本改革をうたってはいるけれども、その実は、これまでと同様の、大変御無礼な言い方になるかもしれませんが、場当たり的な内容となっておるんではないか、こんなふうに私は基本的に本法案について考えておるわけでございます。

 そこで、まず総論として大臣にお伺いをしたいんですが、この改正案の全体像について御質問させていただきます。

 金融庁は二〇〇六年の一月十一日の説明会で、本法案を、金融商品販売法としてのホップ、そして投資サービス法、いわゆる金融商品取引法としてのステップ、そして、融資、保険も含めた金融サービス法としてのジャンプとしての位置づけを表明されておるわけでございます。実際には、そういったホップ、ステップまではこの法案は確かにクリアをしているやに考えますけれども、ジャンプということになると、非常にほど遠いわけであります。

 では、なぜ今回の改正でジャンプまで届くことができなかったのか。その理由をお伺いするために、まず、この数年間の市場行政の総括と、それから改正案の全体像についてお伺いをしていきたいというふうに思います。

 今回の政府提出改正案は、本法、整備法、合わせて一千二百ページに及ぶもの、大変膨大なものでございます。なぜ、今このような大がかりな改正案を提出するに至ったのか、その理由をいま一度大臣からお聞かせいただき、そして、先ほど申し上げましたように、本法案の全体像について、本質的な意義、つまり、両法を少し直そうとしておるだけなのか、あるいは、先ほど申し上げたように、消費者保護のいわゆる視点を本当に入れ込もうと思っておるのか、そのあたりも含めて御答弁をいただきたいと思います。

与謝野国務大臣 これまでも、利用者保護のためにいろいろな法制度の整備を行ってまいりましたが、今回の法案は、金融資本市場を取り巻く環境の変化に対応し、幅広い金融商品を対象とする横断的な制度の整備を図ること等により、一つは、利用者保護ルールの徹底と利用者利便の向上、第二には、貯蓄から投資に向けての市場機能の確保及びまた第三番目には、金融資本市場の国際化への対応を図る、こういうことを目指しているわけでございます。今回の法案を整備するに当たりましては、議員の御指摘のとおり、特に金融商品・サービスの消費者の保護がとりわけ重要であるとのスタンスのもと、所要の対応を図ったところでございます。

 具体的には、まず第一に、既存の利用者保護法制の対象となっていないすき間を埋め、第二には、利用者に対して金融商品・サービスを提供して市場仲介を行う業者に対して、説明責任といった利用者保護のための横断的な規制を導入し、第三番目には、同じ経済的性質を有する金融商品には同じ利用者保護ルールを適用する、こういうこととしているものでございます。

鈴木(克)委員 当然大臣はそういうふうにお答えになると思うんですが、しかし、利用者保護の徹底とか、利用者の利便性の向上とか、市場の公正性や透明性というふうにおっしゃるわけでありますけれども、非常に自己矛盾も多い法律でもあるし、問題点もあるし、今おっしゃったように、すき間を埋めるということでありますが、私は、決してすき間は埋まっていない、まだまだいっぱいすき間がある法案だ、このように思っておるところであります。若干、説明責任を果たすとか、いろいろと改善をされておるところはないとは言いません。だけれども、しかし本当にこれが抜本的な問題解決になっていくかどうかということになると、私は、まだまだ問題がある、こういうような認識でございますので、申し上げておきたいというふうに思います。

 そこで、二つ目の質問として、ちょっとくどくなるというか、実は、私、二月二十一日の当委員会でもこのことを触れておるわけでありますが、結局、先ほど申し上げました、小泉構造改革が引き起こした市場のゆがみのきわみの例がライブドア事件だ、このように思っておるわけですね。

 今回の政府案と絡めて、改めていわゆるこの問題を質問させていただきたいというふうに思うわけでありますが、ライブドアの強制捜査の端緒となったのはニッポン放送株のTOBであった、これはもう御案内のとおりであります。しかも、株式市場が開かれておらない、本当わずか二十八分間の間に、ライブドアがニッポン放送株の約三〇%をいわゆる時間外取引を使って入手をしたわけであります。

 ある雑誌で、証券会社の社長が、今回のあれは、前日までに打ち合わせをしておかなければあの取引はあり得ない、恐らく電話をつなぎっ放しにしておいて、数分ごとに数百万株ずつ出させて買い取り、次々に指示を繰り返すやり方だと。それを聞いた社長は、この瞬間に、当然、ライブドアなど関係者が呼び出されて一斉に調査が入るだろうというふうに思っておったんですけれども、結局何もないということで本当にびっくりした、このように言ってみえます。

 また、これも伺ったあれですけれども、取引の前に、アメリカの証券会社であるリーマン・ブラザーズが、担当の役所、担当の役所というのは恐らく金融庁だと私も思うわけでありますが、に電話をして、時間外取引をしてもよいかというふうに問い合わせたところ、よいという返事をもらっていると、これは巷間言われておるわけであります。

 通常、役所に時間外取引をしてもいいですかというふうに電話して、いいですよなんて答えるお役人というのは普通いないんじゃないかなというふうに思うんですが、これは、だれがだれに問い合わせをしたのか。なぜ適法だという解釈がなされたのか、いま一度私はお伺いをしたい。

 そして、与謝野大臣にお伺いしたいんですが、与謝野大臣は、今回のライブドア事件から、どのようないわゆる教訓をお受けになったのか。とりわけ、ファンドをめぐる規制のあり方等について、どんな教訓を得られたのか。そして、それはこの法案にどのように結実されておるのか、その点をお伺いしたいと思います。

与謝野国務大臣 金融庁としては、企業買収の局面における証券取引の透明性、公正性の確保等を通じて、我が国の証券市場に対する信頼を高めていくことが必要だろうと考えており、経済社会の動向や他の関連する諸制度の変遷等に応じて、証券取引法令等の制度面の見直しを柔軟に行うことも重要であると考えております。

 そのような観点から、企業買収に関連する制度については、昨年の証券取引法の一部改正において、時間外取引を公開買い付け規制の対象としたことに続きまして、現在御審議いただいている証券取引法等の一部を改正する法律案において、公開買い付け制度、大量保有報告制度の網羅的な見直しを提案させていただいているわけでございます。

鈴木(克)委員 質問にお答えをいただいていないというふうに思うんですが。だれが問い合わせをして、だれが答えたのか。ここはやはり多くの国民は知りたいところだというふうに思うんですが、さっきも申し上げましたね、時間外取引をしてもいいかということで電話をしたら、いいですよと、普通、私はやはり答えないと思うんですね。

 そういう御答弁だと、ちょっと、これは申し上げるつもりもなかったんですが、ここに「なぜ検証しないニッポン放送株の時間外取得」ということを書いた書籍があるんですが、一年前に監視委員会がちゃんと動いておればライブドア株の暴落でこれほどの被害者が出なかった、監視委員会がやらなかったから特捜部が出てきたんだというようなこと、こんな場合はアメリカではきちんと検証が行われる、なぜ適法だったのか、だれがだれに問い合わせたのか、ここをやはり解明しない限り、本当にライブドア問題の影を消すわけにはいかないんだということなんですが、大臣、どうですか、もう一度この部分についてお答えをいただけませんでしょうか。

与謝野国務大臣 本来は個別の案件についてコメントはすべきでないと考えておりますけれども、委員から具体的なお話がございましたので、果たして、ライブドア本体あるいはライブドアの代理人から金融庁に問い合わせがあったのかどうかということにつきましては、そういう事実はなかったということは明確にしておきたいと考えております。

 また、証券監視委員会の名誉のために申し上げておきますと、証券監視委員会は金融庁からいわば独立性を持った組織でございますけれども、委員長のお話をお伺いしますと、常に、このような目立った大量の取引については、証券取引法に照らしていろいろな事実を把握していたということで、この問題について目をそらしていたわけではないということを申し上げておきたいと思っております。

鈴木(克)委員 これは恐らく、今後また司直の手によってある部分解明をされていくでしょうし、またそれをきちっとしない限り、私はやはり、我々政治家として国民からの信頼にこたえることができないというふうに思うので、ぜひひとつ大臣にも申し上げておきたいんですが、このことについては、やはりきちっと調べ、そしてきちっと公表をしていただく、ここをやはりぜひお願い申し上げておきたいというふうに思います。

 さて、三点目の質問に入らせていただくわけでありますが、先ほど、私は、非常に自己矛盾も多いし問題点も多い、こういうことを申し上げたわけであります。自己矛盾の一つ、たくさんある中で、特に、法のすき間を埋めたと大臣は先ほどおっしゃったわけでありますけれども、例えば、今回の法律には、融資つき変額保険や住宅ローンなどの担保つき融資がどの対象にもなっておらないとか、それから、問題点としては、消費者保護をうたいながら、例えば参入規制に関して、原則認可制のものも登録制にまとめて、いわゆる基準を低いところにしようとしているとか、不招請勧誘禁止が現行法よりもむしろ後退をしておるのではないかとかいうような問題があるわけでございます。

 しかし、それはそれとして、恐らく同僚の委員からもいろいろと指摘が出てくると思いますので、私は、先ほど佐藤委員からも話があったわけでありますが、プロ、アマについてお伺いをしていきたいというふうに思うわけでございます。

 現行の証券取引法の硬直的な規制体制を改めて、プロとアマ、それぞれに応じた柔軟的な規制体制を構築するということで、アマに対する十分な保護、それからプロに対する金融イノベーションの促進を両立する、こういう趣旨であるわけですね。

 私は、この趣旨に異論を申し上げるつもりはないわけですが、ただ、ここで非常に問題なのは、先ほどもお話がありましたけれども、プロとアマのいわゆる規定の振り方といいますか、これは非常に困難な作業というか、問題があるというふうに思うんですよね。まさにプロ、アマと一口で言うけれども、それをどのように区分するかということは大変な問題だというふうに思います。

 四つの基準ということですよね。プロとアマの仕分けについては、基準の明確性、客観性、それから柔軟性ときめ細かさ、そして十分な投資家保護、そして実行可能性、この四つが言われるわけでありますけれども、例えば法人ということになると、法人はプロ、個人はアマと仮に区別すると、基準の明確性、客観性というのは確かに確保されるわけでありますけれども、いわゆる多種多様なリスクを持つ金融商品が幅広く流通している現状を踏まえると、このような区分は、さっき言った多様性ときめ細かさをむしろ欠くのではないかというふうに思われるわけですね。

 それから、例えば金融取引の経験に応じてプロ、アマを区別するということになると、これはきめ細かな対応は可能となるわけですが、逆に今度、業者が顧客のいわゆる金融取引経験を正確に把握するということが困難になりまして、実行可能性には疑問が生じてくるということであります。

 また、顧客の金融資産に応じて区分するというふうにしても、先ほどと同様にきめ細かな対応は可能となるわけでありますが、業者が顧客の金融資産を正確に把握するのは困難だと。

 こういうふうに矛盾、矛盾というのか、非常に本当に問題があるんですよね。このようなことから、私は、やはりプロとアマをどう区別するかということは、本当に深く議論をしていく必要があるんだというふうに思うんですね。ああそうですか、プロとアマを分けるんですねというだけでは済まないというふうに思うんですが、だれをプロとしてだれをアマとするのか、今回の法案で具体的な規定といわゆるその趣旨といいますか、今申し上げたようなケースに対する、それは心配ないんだよ、こういうことなんだよということを、ぜひひとつ腑に落ちるような御説明をいただきたいと思います。

三國谷政府参考人 少し長くなるかと存じますが、今回の法案におきまして導入いたしました特定投資家制度におきましては、諸外国の制度も参考といたしまして、基本的には、特定投資家、これはプロでございますが、それと一般投資家の二分類を出発点としております。その中で、中間層における選択による移行を考慮いたしまして、この中間層には特定投資家から一般投資家に移行する方と一般投資家から特定投資家に移行する方、これを合わせまして四分類に区分することとしているところでございます。

 まず第一に、一般投資家に移行できない特定投資家、これはいわゆる純然たる特定投資家でございますが、これは開示規制におきましてプロ概念である適格機関投資家というのがございます。これのほか、国と日本銀行、これらは特定投資家でございます。

 第二点目といたしまして、一応特定投資家ではあるけれども、選択によりましてみずから一般投資家並みの取り扱いを求める、そういう方への移行可能な特定投資家といたしましては、投資者保護基金その他内閣府令で定める法人を予定しておりますが、これにつきましては、投資者保護基金のほか上場企業等を定める予定でございます。

 第三に、今度は選択によって特定投資家に移行可能な一般投資家でございますが、これは一つには、特定投資家以外の法人が該当する予定でございます。さらに、個人でございますが、今般の法案では、個人投資家の保護を徹底する観点から、個人はすべて一般投資家と位置づけること、これが基本でございます。その上で、知識、経験、財産の状況、これが特定投資家に相当する者として要件に該当する者に限りまして、その選択により特定投資家への移行を申し出ることができることとしているところでございます。

 それ以外の方でございますが、第四に、特定投資家に移行できない一般投資家、これは申し出によっても特定投資家に移行できない方でございますが、これはそういった要件を満たしていない個人、この方々は一般投資家ということで保護が徹底されるわけでございます。

 次に、この特定投資家制度を導入した趣旨でございますけれども、今回は、顧客が特定投資家であるかあるいは一般投資家であるかという区分に応じまして規制の適用を柔軟化する、そういう制度を設けることとしております。

 その趣旨でございますけれども、これは昨年末の金融審議会報告でも指摘されておるところでございますが、一つは、特定投資家と一般投資家の区分によりまして、適切な利用者保護とリスクキャピタルの供給の円滑化を両立させる必要があること、二点目は、特定投資家は、その知識、経験、財産の状況などから、適合性原則のもとでも保護に欠けることにはならず、かつ当事者も必ずしも行政規制による保護を望んでいないと考えられること、それから三点目でございますが、特定投資家につきましては、行政規制というよりも市場の規律にゆだねることによりまして、規制による取引コストを削減し、グローバルな競争環境に置かれている我が国金融資本市場における取引の円滑を促進することなどが挙げられているところでございます。

 こうした考え方のもとに、今般の法案におきましては、業者が一般投資家との間で取引を行う場合には、投資者保護の観点から十分な行為規制を整備する一方で、その知識、経験、財産等の状況から、金融取引に係ります適切なリスク管理を行うことが可能と考えられる者、これは適格機関投資家などでございますが、これらを特定投資家と位置づけました上で規制の簡素化を図ることとしているところでございます。さらに、諸外国の事例も踏まえまして、一定の場合には、選択によりましてこの両者の間の移行、こういったこともできるようにしているというところでございます。

 いずれにいたしましても、選択により特定投資家に移行できる個人につきましては、その手続面におきましても、あるいは実質面におきましても、要件あるいは手続等を定めることによりまして、投資家保護に欠けることのないように法案を提出させていただいているところでございます。

鈴木(克)委員 ここは本当に時間をかけて議論をしておかないといけないところだというふうに思うんです。

 個人はすべて一般投資家とする、また柔軟規定を設けるという部分、その辺のところはまた私もしっかりと勉強させていただきたいと思うんですが、いずれにしても、なかなか、今のお話を聞いておって、国民の皆さんが、ああそうか、あれがプロでこっちがアマだなということは恐らくわからないと思うんですよね。でも、それはやはり私は問題だと思うんです。もう少し、もちろん規定はきちっとしなきゃならないわけでありますが、私は、国民に対してわかりやすく説明をしていく必要があるし、プロ、アマという判断だけでも、これだけの時間をかけて、あれだけ難解な言葉を聞かされなきゃならないということは、やはりこの法律にまだまだ問題があるのではないのかなというふうに思うわけでございます。

 それで、ちょっと先ほど若干お話がありましたけれども、アマからプロ、プロからアマにいわゆる移行をするというケースがあるわけですよね。これは非常に重要な論点だというふうに思うんですが、個人顧客をアマからプロに転換させるということについて、どのような要件を設けておるのか。先ほどお話があったかもしれませんが、ちょっと私は理解できなかったので、もう一度説明をしていただきたい。と同時に、プロに移行した元アマ、元アマというか、アマの方々をどのように保護していくのか、そういうような規定を設けているのかどうかということについてもお聞かせをいただきたいと思います。

    〔委員長退席、宮下委員長代理着席〕

三國谷政府参考人 お答えをいたします。

 基本的には、個人投資家というのはすべて一般投資家と位置づける、これが基本でございます。ただ、そういった中で、個人投資家であっても、例えば知識、経験もある富裕層といったものもございまして、一定の要件を満たす者に限りまして、選択によりまして特定投資家の方に移行できるということであります。

 この法案におきまして、その場合、投資者保護に欠けることにならないように、一つには、手続面でもいろいろな制度整備をしているところでございます。

 まず、選択によりまして、一般投資家から特定投資家への移行の手続は、あくまでも顧客の側からの申し出によって行うこととしております。この場合におきましては、いわゆる適合性の原則が適用されまして、その知識、経験、財産の状況及び投資の目的に照らしまして、特定投資家としてふさわしくない投資家に対して選択による特定投資家への移行を勧誘するような業者は、当該原則に違反することになるわけでございます。

 次に、一般投資家から特定投資家への移行の申し出を受けました業者は、これを承諾する場合には、特定投資家につきましての特例の内容や移行に伴うリスクを理解している旨につきまして、当該申し出者から書面による同意を得なければならないこととしているところでございます。

 特に、移行の申し出をした者が個人である場合には、さらに厳格な手続といたしまして、業者から申し出者に対しまして、事前に特定投資家に係る特例の内容や当該移行に伴うリスクを記載した書面を交付しなければならないこと、それから、業者は、移行の申し出を承諾する前に、申し出者が特定投資家に移行可能な一般投資家の要件に該当していることを確認しなければならないことなどを定めているわけでございます。これらの義務に業者が違反したと認めた場合には、その違反行為自体が監督上の処分の対象となるところでございます。

 それ以外に、今度は実質要件でございますけれども、こういった原則は、個人投資家は一般投資家ということでございますが、移行できる者につきましては、今後、実質要件も定めていきたいと考えているところでございますが、その場合に、現時点で、例えばでございますが、資産の合計額から負債の合計額を控除した額が一定額以上であり、かつ、その資産のうち、有価証券等の合計額が一定額以上のものを有している個人、こういった要件を定めることを考えているところでございます。

 いずれにいたしましても、基本的には個人は一般投資家とした上で、手続面、実質面におきまして適切な要件を定めました上で、その場合におきまして特定投資家に移行できる、こういった制度として御提案申し上げているところでございます。

鈴木(克)委員 私がなぜこれだけくどくというか時間をかけてお伺いしているかというと、いわゆるプロへ転換をすることによって、脱法手段といいますか、こういうおそれがあるんじゃないかということを実は心配しておるんです。

 それから、いわゆる消費者と金融機関などとの間で、プロ転換の有効性をめぐっていわゆるトラブルが多発をするのではないか、こういうことを心配するものだから、一方で元アマの保護はどうだといって聞きながら、言っていることは逆のことを言っているようなことになるかもしれませんが。

 いずれにしてもこの問題は、ただ、ああそう、アマがプロになったの、プロがアマになったのという話だけではない、非常に奥深い重要な問題が潜んでおるというふうに私は思うんですね。

 したがって、もう一度そういう意味で、脱法手段に使われるのではないかとか、それから、いわゆる消費者と金融機関などの間でプロ転換への有効性をめぐってトラブルが発生するんじゃないかとかいうようなことについては、御答弁をいただけたらというふうに思います。

三國谷政府参考人 御指摘のとおり、これによりまして、本来一般投資家であるべき方が特定投資家と扱われまして、不測の事態とかあるいは損害をこうむることのないよう、さまざまな要件手続を定めているところでございます。

 先ほど申し上げましたとおり、手続的にも相当厳格な要件を定めておりますし、それから実質要件につきましても、これは個人投資家の保護に欠けることのないように、いろいろな御指摘をいただきまして、私どもも、そういった点につきましても検討を行ってまいりたいと考えているところでございます。

 いずれにいたしましても、やはり基本的には、アメリカにおきましては、自衛力認定投資家とかいろいろ、一定財産というものを条件としているわけでございますが、日本におきましても、そういった要件につきましては実質要件もしっかりと定めてまいりたいと考えているところでございます。

 なお、一般投資家が特定投資家になった場合には、その期間は一年でございまして、一年ごとにその辺もチェック、更新される仕組みになっておりまして、利用者保護の徹底には十分配慮した仕組みとしてまいりたいと考えているところでございます。

鈴木(克)委員 わかりました、少しわかってまいりましたと言うべきかもしれませんが。

 続いて、今度の問題で非常に深刻な問題だというふうに思っておる商品先物について少しお伺いをしていきたいんですが、今回、政府の掲げる看板と実際の法案の中身が異なっておる最たる例がこの商品先物取引ではないのかな、このように私は思っておるわけでございます。

 金融庁は、本法案作成過程で、他省庁所管の金融商品までをと展望されたやに伺っておるわけでありますが、結果的に意見がまとまらないということで、法令のすき間を埋めることを大義名分として立法作業を開始された、このように伺っておるわけでございます。

 一方で、政府案は規制の横断化、これは先ほど大臣もおっしゃったように、規制の横断化を今回最も評価すべきセールスポイントだ、このようにおっしゃっておるわけですね。政府自身も、このデリバティブ取引について幅広く本法案の対象としたと主張されておるわけですが、この規制の横断化とは一体全体何なのか。同じデリバティブ取引である商品先物取引はそもそも本法案の直接の対象とされていないわけでありますけれども、その直接の対象とされなかった理由は何か。まず、このことについてお伺いをしたいと思います。

三國谷政府参考人 お答えいたします。

 商品先物取引でございますが、これは、金融商品取引法上のデリバティブ取引と同様に、投資性のある金融商品・サービスとしての性格を有する一方で、例えば農産物や鉱物の生産や流通において発生する価格変動リスクに対します保障機能を担うなどの役割も果たしているところでございます。

 したがいまして、今回の法案におきましては、商品先物取引につきまして、現物取引の生産、流通をめぐる政策と密接に関係するものとして引き続き商品取引所法において規制することとしているものでございますが、ただし、商品先物取引を金融商品取引法の直接の対象とはしておりませんものの、利用者保護を図る観点から、商品取引所法において基本的に金融商品取引法と同様の利用者保護ルールを適用することとしておりまして、これによりまして利用者保護のための横断的な法制の整備に努めているものでございます。

鈴木(克)委員 先ほど申し上げましたように、金融庁は、この法案の作成過程で、他の省庁が所管をしておる金融商品までもというふうにしたわけでありますが、結局、省庁の壁を越えることはできなかったということであります。

 私は、これは個人的な意見なんですが、確かに、縦割り行政の日本の制度の中で、横断的なというか、他省庁のあれを一つの法律としてあれするのは難しいかもしれませんが、例えば金融商品というのは日本で非常に大きな案件になっていくわけでありますから、例えば金融商品取引庁といいますかそういうような、本当に、まさに横断的な一つの、責任を持って扱える部署というものを私はつくってもいいんじゃないかと個人的には思っておるぐらいでございまして、いずれにしましても、金融庁所管以外の投資商品についても、投資者保護を十分に確保するためには、それぞれの監督官庁が証券取引等監視委員会と同じレベルの厳格な検査を実施できるかどうかということがポイントになってくる、私はこのように思うんです。

 きょうは、経産省、農水省からもお越しをいただいておるようでありますので、その辺で、商品先物のエンフォースメント、実効性についてお伺いをしたいんですが、政府案では、商品取引所法について、金融商品取引法と規制の同等性を確保する、確保というふうにしておるわけでありますが、真に横断的な利用者保護法制を整備したということであるならば、単に規制の文言を合わせるだけでは私は不十分だと。エンフォースメントの人員、体制、そしてまた地方組織も含めてどうなっておるのか、その辺のところを経産省、農水省の順にお伺いをしたいと思います。

 それで、経産省に寄せられた商品取引に関する苦情は、平成十五年が六百七十件、平成十六年が五百六十二件というふうに私調べたんですが、これはやはり、少ない数ではないというふうに思っています。そういうことを含めて御答弁をいただきたいと思います。

片山大臣政務官 委員御指摘の、商品取引所法に係る検査、まず監督体制のエンフォースメントでございますが、いろいろと苦情等問題も生じておりましたので、平成十七年から、規制強化も行った改正商品取引所法の施行がされたことを契機といたしまして、この法に基づいて、商品取引員に対する立入検査を行います検査官、それから行政処分の検討等を行う監督担当官の充実を行ってまいりました。

 具体的には、平成十六年度以降ですが、検査及び監督に係る業務、おのおの独立して行う検査室と監督室を設置いたしまして、組織上も整備を図っておりますとともに、本省と地方経済産業局、おのおのにおいて検査官の定員をそれぞれ倍増させまして、十六年度には二十四人だったのを、今、十八年度は五十一人につけておりますが、大幅な体制の拡充を講じております。

 先ほど御指摘がありましたように、苦情の方もいろいろ出ております。先生の今お手元の資料というのはどういうソースかちょっと私どももわからないのですが、国民生活センターの方に商品先物に係る苦情件数というのが寄せられておりまして、平成十五年度には、おっしゃったよりも大分ございまして七千八百十件あったんですが、十六年度も多いので、その辺から私ども拡充エンフォースメントをしておりまして、十七年度は四千二百十二件とほぼ半減いたしまして、若干はエンフォースメント強化の効果が出てきたのかなとは思っておりますが、さらに実態を、常に目を光らせまして、必要に応じて検査監督体制の強化を図ってまいりたいと考えております。

佐久間政府参考人 農林水産省のエンフォースメントの体制についてお答えいたします。

 農林水産省におきましては、利用者保護の観点から、検査やこれに基づく行政処分などの法執行を厳格化することが不可欠であると考えておりまして、平成十六年度から十八年度にかけまして、七名の商品取引所検査官の定員増加を行ってございます。現在、本省、地方農政局と合わせまして二十七名を配置いたしております。また、昨年より、その商品取引所検査官のうち一名につきましては、公認会計士を採用いたしたところでございます。

 農林水産省といたしましては、今般の商品取引所法の改正とあわせまして、引き続き厳正かつ適切な立入検査を行っていくことによりまして、法執行の厳格化、委託者保護の徹底を図ってまいりたいと考えてございます。

鈴木(克)委員 経産省も農水省も、いずれにしましても、地方組織を含めた人員、体制の整備をきちっとやはりやっていただいて、本当に実効性のある体制にしていただきたいというふうに思います。

 しかし、このことは、各省しっかり頑張ってくださいということと同時に、やはり、先ほど私が申し上げましたように、本当に総括的に扱える部署をつくるのが本来なんですよ。縦割りの行政だから、これは農水省の所管でございます、これは経産省所管でございます、これは金融庁の所管でございます、これがやはりだめなんだというのが、今、国民がそうおっしゃっておるわけですから、そういう体制をやはり早く整備をしていただきたい、このことを私は強く申し上げておきたいと思います。

 次に、不招請勧誘についてお伺いをしたいと思います。

 被害を多発させた金融商品は、ほとんど不招請勧誘が始まりということですよね。これは言うまでもありませんけれども、電話や訪問で売り込んで、しかもしっかりとした情報を与えないということなんですね。まさに一本の電話から始まったということを聞いたことがあるんですが、本当に問題はここにあるんじゃないかなというふうに思っています。

 この法案は、禁止行為に、金融商品取引契約の締結の勧誘の要請をしていない顧客に対し訪問または電話をかけて金融商品取引契約の締結の勧誘をする行為を挙げて、不招請勧誘禁止を法案に取り込んでいるような書きぶりをしておる。しかし、この書きぶりは、実質、政令指定以外のものは不招請勧誘を行ってもよいということ、つまり、圧倒的多数の金融商品取引契約には不招請勧誘を認めてもいいというふうになっていくわけです。これは、私の解釈がへそ曲がりで違うぞとおっしゃるかもしれませんけれども、私はそのように思うんですね。

 商品取引における行為規制を強化していながら不招請勧誘の禁止が導入されていないというのは、私は、非常に問題があるんじゃないかなというふうに思うんですが、なぜ不招請勧誘禁止の手当てがなされなかったのか、金融庁と経産省にお伺いをしたいと思います。

三國谷政府参考人 顧客からの明示的な要請がない限り、電話、訪問による勧誘を行ってはならないとする、これが不招請勧誘の禁止でございますが、これにつきましては、一方で、例えば、新たな金融商品・サービスにつきまして顧客への説明機会が極めて限られてしまいますなど、営業の自由を制限する面もございます。したがいまして、今回の法案におきましても、当該規定を一律に適用するのではなく、取引の性質や利用者被害の実態等を勘案しまして、その対象範囲を定めることとしているところでございます。

 御指摘の商品先物取引に関してですが、これは、昨年五月に施行されました商品取引所法の改正法におきまして、再勧誘の禁止の規定及び勧誘受託意思確認義務の導入など、利用者保護の観点からの規制強化が図られており、取引に関する苦情も引き続きあるものの、現時点では、改正法施行前に比べますと減少傾向にあるものと承知しておるところでございます。

 いずれにいたしましても、商品先物取引に関する利用者保護の徹底を図るために、引き続き、所管官庁におきまして検査監督の充実を図るなど、商品取引所法における再勧誘の禁止規定等の厳格な運用を図っていくことが必要と考えているところでございます。

片山大臣政務官 ただいま金融庁の政府参考人からもお答えいたしましたように、不招請勧誘でございますが、一律に禁止するかということにつきましては、商品先物取引だけにとどまらず、商品先物同様に元本が保証されないほかの金融商品や、レバレッジ効果がある有価証券デリバティブ等の金融商品取引の全般等との均衡を踏まえることですとか、幅広く議論をしていただく必要があるのではないかというふうに考えております。

 金融商品との関係を見ますと、金融商品取引の法案におきましては、不招請勧誘の禁止の対象といたしまして、相対取引をやっております店頭金融先物取引のみを政令指定する方向だというふうに私ども承知しておりますが、商品先物取引と同様、取引所取引である金融先物取引の方につきましては再勧誘の禁止までということで、不招請勧誘の禁止の方は導入されない方向であるというふうに伺っておるわけでございます。商品先物取引につきましては、そもそも個人を相手方とした店頭の取引を禁止してございます。

 そこで、先ほども申し上げましたような商品先物取引自体について、昨年五月に商品取引所法を改正いたしましたが、ここで厳格な再勧誘の禁止を既に導入しておりまして、これらの実効性を高めるために商品先物取引の委託者の保護に関するガイドラインというのも定めまして、さらに、先ほどお答えした検査監督体制の強化を図って勧誘規制の強化をしておりますので、さっき御紹介いたしましたように、大変多い苦情件数でお恥ずかしいのですが、それでも徐々に減ってきておりますので、これらエンフォースメントの方とガイドラインも含めた法執行体制、両方で効果を発揮してまいりたいというふうに考えております。

鈴木(克)委員 いずれにしても、アメリカでは電話勧誘拒否登録制度というのがあって、電話勧誘を望まない人は、公的に認定された機関などが管理する拒否者名簿に自宅や携帯の電話番号を登録する制度があるというふうに聞いておるわけですね。いずれにしても、先ほど申し上げました、本当に問題は一本の電話から、こういうことを、我々はやはり知恵があるわけでありますから、いわゆる防止をしていくということをぜひ考えていく必要があるのではないかなというふうに、これも強く要望をしておきたいというふうに思います。

 さて、時間が大分迫ってまいりました。

 次に、ちょっと目線が変わるんですが、集団投資スキームと平成電電事件についてお伺いをしていきたいと思うんです。

 政府提出改正案では、集団で投資を行う契約、いわゆる集団投資スキームに関する包括的な定義規定を設け、従来、規制のすき間に漏れ、規制の対象外であった商品に対し、広く法規制の網をかぶせることで投資家保護を図ろうとしておるというふうになっておるわけであります。

 ところで、昨年十一月、電話の施設のリース事業を行う会社が、年利一〇%の高金利をうたいつつ匿名組合を利用して個人投資家から多額の資金を集めながら、事業の悪化を理由に配当を停止するという事件が発生したのは御案内のとおりであります。一部では、実際には事業を行わず、高配当をうたって集めた資金をそのまま配当に回していたとも報道されているわけであります。また、匿名組合への出資者は一万九千人に上るとも言われております。

 この事件は、匿名組合という業規制のすき間が生んだ、いわゆる起きてはならない事件だというふうに思うんですが、本改正案によってこのような事件は今後起こらなくなるのかどうか、規制のすき間が完全に埋まるということであれば、このような事件は今後起こらないということになるわけでありますが、大臣、ぜひひとつ明確にこのことについては御答弁いただきたい。くどくなりますが、このような事件は今後起こらなくなるかどうか、お聞かせください。

与謝野国務大臣 平成電電についてお話がございましたが、個別事案についてはコメントを差し控えたいと思いますけれども、一般論としては、商法上の匿名組合契約に基づく権利であって、拠出された財産を用いて行う事業から生じる収益等を拠出者に分配するものについては、金融商品取引法上の規制対象である集団投資スキーム持ち分に該当することとなります。このような権利について、一般投資家向けに販売、勧誘を行うものは、金融商品取引業の登録を受け、利用者保護のための行為規制の適用を受けることとなります。

 したがいまして、いわば規制の対象が広がったとお考えいただきたいと思っております。

鈴木(克)委員 規制の対象が広がったということは、こういう事案は起きないというふうに、ここは素直に理解をさせていただきたいというふうに思うわけでございます。

 さて、残された時間で、最後にお伺いをしてまいりたいのは、いわゆるイギリス型の、すべてを包括した法案にやはりどうしてもつくりかえていかなきゃいけないというふうに思うわけでございまして、今順次お答えをしていただいたのを聞いておると、大丈夫なのかなというふうに思う反面、しかし、個々に入っていくと非常にまだまだ問題がある。

 私はこだわるわけではありませんけれども、やはり法のすき間を埋めるんだとおっしゃってはおるわけでありますが、そのすき間は決して埋まっていないのではないかというのが私の思いでございます。そして、まさにこの法案は二十一世紀の日本の命運を左右するような重要な法案だ、私はこのように思っておるわけであります。

 そこで、先ほど申し上げましたが、イギリスがやはり命運をかけた金融サービス市場法というのをつくったわけであります。法案の審議に当たって、金融は全産業の動脈であり、二十一世紀の英国と国民の豊かさを決定する重要な法案だということを、ブレア首相とブラウン蔵相みずからがかかわって法案を成立されたというふうに言われております。

 では、翻って、私どもが今審議しておる法案は、さっきから言っておるように、やはり幾つかの問題が残っておるんじゃないかというふうに思うわけでありますね。ここで今どうしても必要なのは、預金、保険、そういったもの全般を含んだいわゆる包括的な金融商品の枠組みというものが必要だというふうに思うわけです。

 政府において、今回の政府案は、金融商品すべてを規制した、すべてを包含した法律だ、したがって、これですべて完成したというふうには思っていないということは、先ほど申し上げましたホップ、ステップ、ジャンプということですね。いわゆるステップの段階は今だ。そして、ジャンプは将来いつか金融サービス市場法というものをつくるんだ、こういうことをおっしゃっておるわけでありますが、今申し上げましたイギリス型と申しますか、本当に包括的な各省庁の、そして各商品、銀行、保険その他の商品のすき間を完全に埋めることのできる包括的な法案をいつつくるのか、つくる気があるのかないのか、ホップ、ステップ、ジャンプ、ジャンプの時期はいつなのかということについて、お考えと同時にお聞かせをいただきたいというふうに思います。

与謝野国務大臣 預金、保険全般を対象に含む、より包括的な法制については、金融審議会第一部会においても昨年末の報告書の取りまとめに向けて議論がなされてまいりましたけれども、意見が分かれているのが現状でございます。

 他方、我が国の金融資本市場をめぐっては、現行法では実効的な対応が困難なものも含め、種々の利用者被害事例が生じております。このため、法規制のすき間を埋め、利用者保護ルールの拡充により、さらなる被害の拡大を防止することが喫緊の課題と考えられます。

 こうした観点から、金融審議会第一部会報告においても、まずは投資性のある金融商品について早期の法制化に取り組むことが必要との御指摘をいただいたところでございます。金融庁としては、この報告も踏まえ、投資性の強い金融商品に関する横断的な法制として今回の法案を策定したところでございまして、まずは今回の法案に盛り込んだ利用者保護ルールの徹底を図ることが求められていると考えております。

 他方、昨年末の金融審議会第一部会報告においては、金融商品全般を対象とする、より包括的な規制の枠組みについて、投資サービス法の法制化とその実施状況、各種金融商品の特性、中長期的な金融制度のあり方なども踏まえ、当部会において引き続き精力的に検討を続けていくこととしたいとされております。

 金融庁としても、この金融審議会における検討状況を踏まえつつ、金融商品に係る規制の枠組みについて引き続き検討を続けていくことになると考えております。

鈴木(克)委員 これで私の質問は終わりますが、最後に、国民生活センター、先ほど片山さんおっしゃったんですが、二〇〇五年の十大項目の中に金融分野が四項目入っておる。まさにこれは異常な状態なんだということを踏まえて、ひとつ今後しっかりと対応をしていただきたい、このことをお願い申し上げて終わります。

 ありがとうございました。

宮下委員長代理 次に、吉田泉君。

吉田(泉)委員 民主党の吉田泉です。

 今回の証券取引法等の改正、大変多岐にわたっておりますが、私の方からは消費者保護の問題を中心に質問をさせていただきます。

 ことしの三月、国民生活センターの相談調査部におられる方のレポートが出ました。「金融取引の苦情の傾向と相談処理」というレポートであります。

 それによりますと、金融商品全体に関する国民からの相談件数は、四、五年前に比べると二割ぐらい上がっている、増加傾向にあるという指摘があります。先ほどのお話で商品取引については法改正もあって相談件数が減っているという指摘もありましたが、金融商品全体に関して言うと実は苦情がふえているという指摘でございます。

 背景としては、やはり高齢化という問題があると思います。それから、金融商品が非常に高度化、複雑化になってきていて、なかなか説明されてもわからない、説明する人もよくわからないというような状況が背景にあると思います。

 まず、この国民生活センター等に寄せられている国民からの苦情の中身はどういうものが多いのか、お伺いします。

堀田政府参考人 お答えいたします。

 国民生活センターでは、各地の消費生活センターを結ぶPIO―NETというのを運営しておりまして、消費生活に関する苦情相談情報を収集しております。このPIO―NETで収集されている金融取引に関する苦情の件数ですけれども、二〇〇五年度で二万三千件となっております。これを二〇〇〇年度と比較いたしますと、約三割増加しております。

 中身としましては、特に、株、投資信託、公社債、それから為替相場に関する苦情相談件数が増加しております。それから、高齢者のお話がございましたけれども、七十歳以上の高齢消費者の苦情相談件数も増加しております。二〇〇〇年度が千八百件でございましたけれども、それは全体の約一割ですけれども、二〇〇五年度ではこれが五千件ということで、全体の二割ぐらいになってきております。

 背景でございますけれども、近年の金融自由化によりまして金融商品の複雑化、多様化が進んでいるということ、金融商品取引に関する消費者の知識経験の不足といったものが目立っているのではないかと考えております。その結果、高齢者を中心に、商品知識が不十分な消費者に対する強引な勧誘とかリスクに対する説明不足、必ずもうかるといった断定的な判断によるセールストークといったような苦情相談が目立ちます。

 以上でございます。

吉田(泉)委員 そういう状況を受けて今回の法改正がなされたと思います。

 先ほどからお話が出ていますけれども、投資性の強い金融商品については、すき間なく同等の規制をかける、縦割り規制を横割り規制にする、いわばイギリス型の規制に近づけよう、こういう趣旨だと思います。方向はそのとおりだと私も思います。

 問題は、その趣旨、方向が今回の法改正でどこまで実現できているかということだと思います。つまり、どの商品を買っても同じ保護のルールに浴すことができる、こういうことが消費者の安心につながるわけでありまして、それがあってこそ金融市場が繁栄するということだと思います。

 そこで、次の質問は、今回の法改正で新たに金商法の対象とされたものが、集団投資スキーム持ち分、それからデリバティブ全般、この二つが追加されたわけでありまして、これは大変大きな改正だと思います。

 質問は、こういうものが法律の対象とされたことによって、リスクのある金融商品というのはすべて何らかの法の規制の対象になったのかどうか、一〇〇%何らかの法の規制の対象になったかどうかを確認したいと思います。

 それから、今後も、金融工学という学問の進歩とか国際化、自由化、こういうことを受けていろいろな金融商品が出現するというふうに予想されるわけですが、今後新たにいろいろな商品が出てくる、その登場してくる商品は法律上はどのように扱われることになるのか、お伺いします。

与謝野国務大臣 今回の法案では、利用者保護ルールの徹底を図り、既存の利用者保護法制の対象となっていないすき間を埋める観点から、有価証券の定義にいわゆる集団投資スキーム持ち分の包括的な定義を設けているところでございます。

 具体的には、民法上の組合や商法上の匿名組合等を用いて複数の者から出資、拠出を受けて事業、投資を行い、その事業から生じる収益等を出資者に分配する仕組みを包括的に規制対象としております。こうした要件に該当するものについては、これまで必ずしも法規制の対象となっていなかったものも含め規制対象として含まれることとなります。このほかデリバティブ取引についても、現行法では必ずしも規制対象とされていないものも含めて幅広く規制対象とすることとしており、今後新たな取引類型が生じた場合にも必要に応じて政令において対応できる制度設計としております。

 今回の法案におけるこうした措置によりまして、投資性のある幅広い金融商品・サービスを対象とした横断的な法制が整備されることになると考えております。

吉田(泉)委員 ちょっと追加でお伺いしたいんですが、すべてのリスクあり金融商品が法規制の対象になるかということで、政令で指定していくんだということでございますが、日弁連の指摘によると、デリバティブの中で海外商品取引のオプション取引、これなどは今現在法の空白地帯になっているという指摘があるんですが、いかがでしょうか。

三國谷政府参考人 今回の法案におきましては、横断的に利用者保護ルールを整備する観点から、集団投資スキームにつきまして包括的な定義を設けまして、その持ち分の販売、勧誘等を行う者に対しまして原則として業者としての登録の対象とすることとしているところでございます。

 御指摘の海外商品先物につきましては、具体的にはそれぞれの取引の実態によりますが、二人以上の顧客の資金を一たん業者が集めて預かり、それをまとめて海外商品市場につなぐような場合には、金融商品取引法に規定する集団投資スキームに該当し、法の適用対象となるわけでございます。これを外国の者が行う場合も含めまして、販売、勧誘を業として行う場合には、業者としての登録義務が生じることになるわけでございます。

 次に、顧客の注文の一つ一つを実際に海外市場に取り次がずというような場合には、これは詐欺罪等が成立する可能性があることに加えまして、金融商品取引法におけます集団投資スキームは事業や運用対象を問わないことから、この集団投資スキームという観点で法の規制対象となり得るものと考えているところでございます。

 以上でございます。

吉田(泉)委員 要するに、集団投資の場合は法の規制の対象であるが、やはり個人投資の場合はならないということだろうというふうに思います。そういう意味では、いまだにリスクのある金融商品で法規制の対象にならないものが存続し続けているということだろうというふうに理解をするところであります。

 それから、今回の改正によって、集団投資スキームとかデリバティブのほかに、もちろん、株、投信、公社債それから外国為替の証拠金取引、こういうものがすべてこの金融商品取引法の対象になるわけであります。

 先ほどから議論になっておりますけれども、同じリスク商品でも、商品先物それから海外のそういう商品のデリバティブ、それからさらには不動産特定共同事業、さらには外貨預金とか変額保険、こういうものについては金商法には入れない、従来どおり個別の業法で規制しよう。いろいろな考え方がありますが、私もこれは縦割り行政の維持という面が強いんだろうというふうに思いますが、今回は、個別業法に任せるという部分についても法律を改正して、金商法と同様の規制をしようという趣旨になっております。

 そこで、まず、同様の規制というのは一体何のことなのか。そして、法改正をした結果、そういう個別法についても金商法と全く同じ内容の規制が盛り込まれることになるのかどうか。そこを確認いたします。

三國谷政府参考人 今回の法案におきましては、同じ経済的性質を有する金融商品には同じルールを適用するという基本的考え方のもとで、投資性の強い金融商品を幅広く対象として規制の横断化を図ることとしているところでございます。

 本法の直接適用以外のところでございますが、具体的には、一つは、投資性の強い預金、保険につきましては、銀行法及び保険業法において既に利用者保護規制の対象とされていること、商品先物取引については、現物取引の生産や流通をめぐる政策と密接に関連するものとして、既に商品取引所法において規制が設けられていること、不動産特定共同事業につきましては、利用者保護の観点から不動産取引に固有の規制が多く課されていることなどを踏まえまして、これらの金融商品・サービスを金融商品取引法の直接の対象とはしておりませんが、引き続き各業法において規制することとしているものでございます。

 これらの金融商品・サービスにつきましても、金融商品取引法における業者に対する行為規制を準用するなどの所要の整備を図っているところでございまして、これによりまして、基本的に金融商品取引法と規定の同等性が確保されているものと考えているところでございます。

吉田(泉)委員 準用とおっしゃいましたけれども、例えば、商品取引所法の法改正を見ますと、準用ということじゃなくて新たに条文が書きおろされているわけですけれども、これは独自に、似たような言葉なんですけれども、独自の文章で法律が改正されているわけであります。それから、海外商品先物の法律の方は、これは全く改正されないということですので、どうもリスク商品全般にわたって同等の規制を盛り込む改正をやるんだというところに漏れがあると言わざるを得ないと思います。

 そこで、特に大きな問題となる二つの法律について、ちょっとお伺いします。

 まず、商品取引所法、商品先物を扱う法律ですが、今回改正をされるわけですが、改正された結果、この金商法における規制とどこが違うのか。全く同じではないと思うんですが、どこが違うのか、お伺いします。

迎政府参考人 商品先物取引につきましては、産業基盤としての側面がございます。それと同時に、投資の側面というのもあるわけでございまして、今回、金融商品の販売、勧誘を受ける利用者にとって横断的な制度の充実整備を図るという趣旨を踏まえて、他の金融商品関係法律と同様の、販売、勧誘規制と同等の規制を規定するという方針のもとに、投資家保護の措置の充実を図っているところでございます。

 具体的には、広告規制を新設する、預かり書面交付を法定化する、あるいは顧客への断定的判断の禁止、それからこれに伴う損害賠償責任を導入する、それから顧客への説明義務の拡充など、必要な規定の整備を行ったところでございます。

吉田(泉)委員 今おっしゃいませんでしたけれども、例えば、金商法の方では不招請勧誘の禁止というような文言があるんですが、商品取引所法の方では不当勧誘の禁止という言葉だと思うんですよね。何か微妙に違うんですよね。何でそういうふうにしておくのか、ちょっとわからないところなんですが。

 もう一つ、海外の商品先物取引法、これについても、これは日弁連の指摘ですけれども、これから一番被害が心配される金融商品がこれだという指摘もあるんですが、一体、今回も法改正されないということなんですが、今後どうするのか。今、金商法とこの海外の法律とは一体どこが規制が違って、今後、法整備に向けてどうするのか、お伺いします。

迎政府参考人 海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律というのがございますけれども、これにつきましては、金融と異なる物の取引であるという性質を有しております商品先物取引の勧誘、受託について、悪質な行為を規制する、取り締まりのための法体系ということで法律の立法が行われておるわけでございまして、この法体系が基本的に違うということで、例えば金融商品取引法案とは事業者の位置づけとかアプローチを異にするというふうなことでございますので、今回、これを抜本的に見直すというふうなことになりますと、今回の法改正の趣旨を大幅に超えるということで、今般改正を行っていないわけでございます。

 しかしながら、この法律では、のみ行為ですとか、不実告知の禁止ですとか、あるいは勧誘時、契約締結時における書面の交付義務とか、一定の規制を課しておるわけでございまして、これが立法された昭和六十年ぐらいから比べましても、あるいは最近の五年ぐらいの趨勢を見ましても、海外商品先物取引にかかわる苦情件数というふうなものは一貫して減少してきておるわけでございまして、取り締まりの法規としてかなり効果を発揮していると考えておるところでございます。

 したがいまして、海外商品先物取引につきましては、引き続きこの法律を厳格に執行していくということで対処をしてまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。

吉田(泉)委員 法改正をしないで現行法でやろうということですが、先ほどの金融庁の方の御答弁ですと、海外の商品先物等は集団投資スキームが多いんだということですよね。どのぐらい多いのかよくわかりませんが、圧倒的に多いんだということならば、この金商法で取り締まりができるわけですから、もうこの法律をやめてしまってもいいんじゃないかなというふうにも思うところでございます。

 次に、適合性の原則について幾つか伺いたいと思います。

 消費者へは、金融商品を買う方の知識、経験、財産に適合しないような商品は勧誘してはいかぬという原則で、これが消費者保護の一番大事な原則になっているわけですが、今のところ、現状ではこの適合性の原則というのはどの商品にまで適用されているのか。そして、今回いろいろな法改正がされるわけですが、どこまでこの適用が広がるのか。さらには、今回の法改正によってもまだこの大原則が適用されない商品が残るのか、三点お伺いします。

三國谷政府参考人 いわゆる適合性の原則でございますが、これは、取引の勧誘に際しまして、投資者の知識、経験及び財産の状況に照らしまして不適当と認められる勧誘を行ってはならないとするものでありまして、平成四年の改正におきまして証券取引法に規定が整備されたものでございます。また、金融先物取引法及び商品取引所法におきましても同趣旨の規定が整備されております。

 今回の改正では、昨年末の金融審議会報告を踏まえまして、金融商品取引法上の適合原則における考慮要素といたしまして、内容的に一つ投資の目的というのを追加いたしまして、投資者の投資目的に照らして不適当と認められる勧誘を行ってはならない旨を規定したところでございます。

 さらに、今回の法案におきましては、同じ経済的性質を有します金融商品には同じルールを適用するとの基本的考え方のもとで、投資性の強い金融商品を幅広く対象といたしまして、適合性の原則も含めて規制の横断化を図っているところでございます。

 なお、投資性の強い預金、保険につきましては銀行法、保険業法におきまして、不動産特定共同事業につきましては不動産特定共同事業法におきまして、それぞれ金融商品取引法の適合性の原則の規定を準用することとしております。また、商品先物取引に関する適合性の原則につきましても、今回の法案におきまして、商品取引所法の改正によりその考慮要素として取引の目的を追加したところでございます。

 こうしたことによりまして規制の同等性を確保しているところでございます。

吉田(泉)委員 そうしますと、外貨預金とか変額保険などにもこれを拡大されるということですが、どうですか、海外商品先物は適用されるんですか。

三國谷政府参考人 今回の法案におきましては、横断的に利用者保護ルールを整備する観点から、集団投資スキームにつきましての包括的な定義規定を設けまして、その持ち分の販売、勧誘等を行う者につきまして、原則として業者としての登録の対象とすることとしているところでございます。

 御指摘の海外商品先物につきましては、具体的にはそれぞれの取引の実態によりますが、二人以上の顧客の資金を一たん業者が集めて預かり、それをまとめて海外商品市場につなぐような場合には、金融商品取引法に規定する集団投資スキームに該当し、同法の適用対象となるわけでございます。これを外国の者が行う場合も含めまして、販売、勧誘を業として行う場合には、業者としての登録義務が生じ、適合性の原則等が適用されることとなります。

吉田(泉)委員 集団なら適用されるということですよね。

 ちょっと時間の関係で飛ばしまして、次に、適合性原則の実効を上げるといいますか、実際に業者の方で恐らくやっている作業をちょっと確認したいんです。

 まず、お客さんのところへ行って知識、経験、財産を聞き取るわけですよね。今回は目的というのも聞く。それで顧客カードというのをつくる。それらを踏まえて、一体この人はこの商品に適合なのかどうか、業者の方の社内の申請手続をする、何か決裁書のようなものをつくるんだろうと思うんですが。最終的には、適合する場合には、お客さんに対してあなたはこの商品に適合しますよというような何か通知をする、その三つの書面がそろって初めてこの適合性の原則というのが実際に効果を上げるということになるんだろうと想像をしておるんですが、実情はいかがでしょうか。

三國谷政府参考人 適合性の原則の実効性の確保の観点でございますが、現在、これは日本証券業協会の自主規制でございますが、これにおきまして、各証券会社に対しまして、顧客カードの備えつけとともに、信用取引、デリバティブ取引等の取引につきまして、顧客の投資経験、顧客からの預かり資産等に基づく取引開始基準を定めることを義務づけているところでございます。

 この自主規制におきましては、取引開始基準の適切な運用確保等の観点から、各証券会社に対しまして、顧客管理体制の整備により顧客の取引状況及び営業員の営業活動状況につきまして的確な把握に努めることを求めております。さらに、当該自主規制におきましては、各証券会社に対しまして、投資、勧誘、顧客管理の状況等に関する社内検査、監査のための社内規則の制定、顧客からの苦情申し出に対応するための社内体制の整備に努めるよう求めているところでございます。

 このように、適合性の原則の実効性を確保する観点からは、現状、一定の整備がなされていると考えているところでございますが、今後、金融商品取引法のもとで一層の実効性を図るために必要な検討を行ってまいりたいと考えております。

吉田(泉)委員 今後は外貨預金という非常に身近な商品なども含めてこの適合性原則が適用されるということですから、合理的な、かつ実効性の上がる整備を業界と一緒に進めていただきたいと思います。

 ちょっと話がかわりますけれども、今度は不招請勧誘の禁止の問題であります。

 いろいろ苦情のレポートなんかを見ると、一番多いのは不招請勧誘なんですね、お願いしないのに勧誘に来て無理強いされる。

 そこで、今現在、不招請勧誘禁止、また再勧誘禁止というものもありますけれども、この二つが、一体どの商品にこの禁止事項が適用されているのか、そして今回の改正ではそれがどう変わるのか、さらには、この二つの基準をどういうふうに使い分けているのか、お伺いします。

三國谷政府参考人 現行法におきましていわゆる不招請勧誘の禁止が規定されておりますのは、金融先物取引法だけでございます。また、いわゆる再勧誘の禁止が規定されております法律といたしましては、金融先物取引法及び商品取引所法が挙げられます。

 今回の法案における改正後の金融商品取引法におきましては、不招請勧誘の禁止の対象といたしまして、契約の内容その他の事情を勘案し、投資者の保護を図ることが特に必要なものを政令で指定する旨を定めているところでございます。

 この指定に当たりましては、レバレッジが高いことなどの商品性、あるいは、執拗な勧誘や利用者の被害の発生という実態などを考慮いたしまして、昨年十二月の金融審においても示されました「適合性原則の遵守をおよそ期待できないような場合」、これに該当するかどうかを判断しました上で行っていくこととなりますが、当面の適用対象といたしましては、外国為替証拠金取引等の店頭金融先物取引を定めることを考えているところでございます。

 次に、金融商品取引法におきましては、再勧誘の禁止の対象といたしまして、投資者の保護を図ることが必要なものを政令指定することとしており、投資者の保護を図ることが特に必要なものとされている不招請勧誘の禁止と比べて幅広い取引が対象となり得ることが明示されております。

 その対象といたしましては、不招請勧誘の禁止を課す必要性までは認められないものの、その商品性等に照らしまして、顧客の意思に反する勧誘については認めるべきではないものを定めていくこととなりますが、当面の適用対象といたしましては、取引所金融先物取引を含めました金融先物取引とすることを想定しているところでございます。

    〔宮下委員長代理退席、委員長着席〕

吉田(泉)委員 結局、不招請勧誘の禁止というのは非常に限定的に適用される、金融先物だけだということだと思います。

 消費者にすると、なかなか、こういう難しい商品が勧誘される、リスクがよくわからない、しかし勧誘を断り切れない、そういう被害が圧倒的なわけなんですが、それを防ぐには、この不招請勧誘の原則禁止ということをやはり考えた方がいいんじゃないかというふうに思うところでございます。

 それから、最低でも、消費者の方ではっきり、私は要りません、買う気はございませんという意思表示をしたら勧誘してはいかぬというぐらいの原則を、これはすべてのリスクのある金融商品に適用すべきだというふうに思うところであります。

 先ほど、鈴木委員の方からは、アメリカでは、電話の拒否をすれば勧誘しちゃいかぬという制度があるということですが、日本でも、例えば、経産省の方の商品先物取引のガイドラインというのができていますけれども、これによると、お客さんの方が自分の住まいの戸口に勧誘お断りという五文字の、ポスターといいますか看板を表示したときには、お客さんがぜひ来てくださいと言わない限りは勧誘をしてはいかぬということになって、そのガイドラインが実際に今施行されているわけですが、この点について、その勧誘お断りという表示があった場合には、よその金融商品を売ろうとする営業マンはどうしたらいいんでしょうか。

三國谷政府参考人 今回の金融商品取引法案におきましては、不招請勧誘禁止の対象となる取引につきましては訪問による勧誘が禁止される一方で、一たん勧誘を受けた後に表明した意思表示でない限り、住居に勧誘お断りの表示をしたということだけでは法律上勧誘は禁止されませんが、業者は顧客に対しまして勧誘の意思を確認することができる、こういうことになろうかと思います。

 また、再勧誘禁止の対象となる取引につきましては、契約締結の勧誘を受けました顧客が契約の締結またはその勧誘を望んでいない意思を表明した場合には、それ以後の当該顧客に対します訪問による勧誘を行うことは禁止されることになるところでございます。

吉田(泉)委員 ちょっとよくわかりませんでしたけれども、勧誘お断りという表示を出しても法律上の効果はないけれども、実際的にはいろいろ影響があり得るというようなことなんですかね。

 それから、もしそういうことなら、私は、そういう手法が非常に効果的であるということなら、消費生活センターなり国民生活センターなりが、勧誘に困っているという方には大いにお勧めしたらよかろうというふうに思うところでございます。

 それから、勧誘の手段、限られた対象ではありますけれども、不招請勧誘禁止ということがある。ただし、この勧誘の手段というのは電話と訪問に限られているわけであります。ファクスとか電子メールとか、そういうものについては不招請勧誘禁止もしくは再勧誘禁止の対象にならないということですが、その理由は何でしょうか。

三國谷政府参考人 現在、金融先物取引法に不招請勧誘の禁止規定が置かれているところでございます。この規定が、電話、訪問による販売を対象としておりますのは、一つには、外国為替証拠金取引が、電話や戸別訪問による勧誘を受け、リスクについて理解しないまま受動的に取引を開始しましたことによるトラブルから社会問題に発展したケースが多いこと、次に、イギリスでは、価格変動の激しい商品につきまして、顧客の要求に基づかない電話、訪問勧誘を禁止していることなどを踏まえたものでございます。

 今回の法案におきましても、外国為替証拠金取引におけます経験から、電話、訪問による勧誘がトラブルにつながりやすいと考えられること、不招請勧誘の禁止が業者の自由を制限する面もあることから、不招請勧誘の禁止の対象を、顧客が業者と直接相対し、顧客の意向を踏まえない強引な勧誘のおそれがある電話、訪問としているところでございます。

吉田(泉)委員 最後になると思いますけれども、消費者としての対抗手段ということについて幾つかお伺いしたかったんですが、時間もありませんので、一つだけお伺いします。

 金融商品販売法という法律がありまして、今回法律が改正されます。これは被害者救済のために民法の損害賠償規定の特則としてつくられた法律でございますけれども、今回の改正で業者にとっての説明義務の範囲がふえる、消費者にとっては損害賠償を受けやすくなるという改正であります。消費者保護という面では改善されたということだと思いますが、一体、この金融商品販売法の対象となる金融商品はどういうものなのか、お伺いします。

三國谷政府参考人 御指摘のとおり、今回、金融商品販売法の改正を行いまして、この法律の一層の充実を図っているところでございます。

 まず、対象でございますが、現在でも、預貯金、信託、保険、有価証券等幅広い商品が対象となっておりますが、今回の法改正によりまして、現行の証券取引法上の有価証券及び有価証券デリバティブ取引の範囲が拡大されることから、対象範囲が拡大されることになるわけでございます。

 次に、内容的にも、業者の説明義務の対象事項の追加等を行うこととしております。具体的には、説明対象として、元本の欠損のおそれに加えまして、当初元本を上回る損失が生ずるおそれを追加する、あるいは説明事項につきまして取引の仕組みのうち重要な部分を追加する、あるいは業者によります断定的判断の提供を禁止するなどの改正を行うこととしておりまして、これによりまして、御指摘のとおり、顧客が損害賠償請求を行いやすくなるものと考えているところでございます。

吉田(泉)委員 私は、法律の対象商品をお聞きしたかったんですが、この法律も、結局、海外商品先物等については適用されないということであります。全体的に、商品先物、それから海外商品先物が投資者、消費者保護のいろいろな手段から漏れているというのが現状だと思います。普通の消費者、一般投資家にはこの違いはわからないと思います。金融教育をやろうという動きもありますけれども、教育されても、一体これが適合性の原則になるのかならないのか、そんなことは一般の人はわかりようがないというふうに思います。

 早くイギリス流の統一法に向かうか、もしくは、個別の複数の法律のもとで、もっと形式的にもかつ実質的にも共通の規制体系というのを再度やはり目指すべきということを申し上げて、終わります。

 ありがとうございました。

小野委員長 以上で吉田泉君の質疑を終わります。

 引き続きまして、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 まず、与謝野大臣に、提案された法案の基本的性格を確認したいと思います。

 この法案は、金融被害をなくし被害者を救済すること、そのことを通じて市場の信頼を確保していくというところに重心が、重点があるのか、それとも、法の枠組みというのは証取法を踏襲していることから、あくまでも業法としての整備が中心なのか、どちらに重点が置かれているか、その基本的な性格を確認したいと思います。

与謝野国務大臣 今回の法案においては、販売、勧誘ルールは基本的には利用者が資金の出し手になる場合の保護ルールであり、利用者が資金の受け手になる場合である融資に関する契約は、その性格が異なり、業者に義務づける規制が異なることから、本法案の対象とはしておりません。また、保険については、投資性のある金融商品について早期の法制化に取り組むことが必要との金融審議会第一部会の御指摘を踏まえ、一定の保険を含む投資性の強い金融商品に関する横断的な法制として今回の法案を提出したところでありまして、まずは、今回の法案に盛り込んだ利用者保護ルールの徹底を図ることが重要であると考えております。

佐々木(憲)委員 私が質問したことと随分ずれた答弁ですね。答弁書が違うんじゃないんですか。

 私は、今回の法案の基本性格というのは、消費者という言葉が一言も入っていないわけでございます。消費者保護ではなくて投資家保護ということになっておって、これは基本的には業法の枠組みの改正という性格を持っている。だから、名称を金融商品取引所法にすべきではないかという意見も出ているわけであります。

 そこで、具体的にお聞きしますけれども、まず、提案されているこの法案の金融商品の範囲であります。

 先ほどからも少し議論がありましたが、平成十一年の金融審第一部会の中間整理によりますと、この中には、預貯金、保険、融資、こういうものも当然対象として含まれるべきであるとされていたわけですね。しかし、今回出された法案は、投資性商品のみを対象としているため、例えば、先ほども答弁がありましたが、融資が外されている、それから預貯金、保険の一部も外されている。対象としては当初の考えから見ると大変狭いものになっているわけでありますが、金融審の議論の中で融資が外されたのはいつからか、外せと主張したのは一体だれなのか、この点を明らかにしていただきたい。

三國谷政府参考人 いわゆる横断的な法体系の問題につきましては、過去にもこれまでいろいろな形で検討がなされてきたところでございます。平成十一年にもいろいろな形で検討がなされまして、中間整理等の段階での報告、そういったものを受けまして、最初は、金融商品販売法、あるいは集団投資スキームといった形で横断的な保護制度の枠組みができ上がってきたところでございます。

 その後もいろいろな法制度の改正には努めてきているところでございますが、今般、この金融商品取引法につきましては、まずは、投資性のある金融商品につきまして早期の法制化に取り組むということから、昨年の金融審議会第一部会の御指摘を踏まえまして、一定の保険あるいは預金を含めます投資性の強い金融商品に関する横断的な法制として今回の法案の提出をしたところでございます。

 まずは、今回の法案に盛り込んだ利用者保護ルールの徹底を図っていくことが重要であると考えているところでございます。

佐々木(憲)委員 いや、質問に答えていないんですよ。

 私が聞いたのは、融資というものが金融審の議論の中で外されたのはいつごろからかと。具体的に言いますと、平成十一年から十二年にかけて行われた議論で外された。だれが主張したか。銀行ではないんですか。

三國谷政府参考人 お答えいたします。

 金融審議会第一部会の中間整理(第二次)というのがございますが、そこに添付されましたホールセール・リーテイルに関するワーキンググループ報告では、融資は含まれないとされているところでございます。

佐々木(憲)委員 結局、最初の段階で銀行の圧力があって外されたと言わざるを得ない。

 イギリスの場合、融資が金融サービス市場法の規制対象になっていると聞いておりますが、そうですか。

三國谷政府参考人 融資の一部と承知しております。

佐々木(憲)委員 融資が含まれているわけであります。今回この法案には最初からこの融資が入っていないわけですね。預金、保険の一部も入っていない。これは重大な欠陥なんです。

 そこで、与謝野大臣にお聞きしますけれども、これはステップだというんですね。ジャンプの段階で本格的な金融サービス法を検討するといいますけれども、その際に、当然、イギリス並みに、預金も保険もそれから融資も全部この対象にする、これを検討するというのは当然だと思いますが、いかがでしょうか。

与謝野国務大臣 例えば、昨年末の金融審議会第一部会報告を読んでみますと、金融商品全般を対象とする、より包括的な規制の枠組みについては、次のように言及がなされております。すなわち、投資サービス法の法制化とその実施状況、各種金融商品の特性、中長期的な金融制度のあり方なども踏まえ、当部会において引き続き精力的に検討を続けていくこととしたい、こういうふうに金融審議会第一部会の報告では書かれておりますが、金融庁としても、当然のごとく、この金融審議会における検討状況を踏まえつつ、金融商品に係る規制の枠組みについて引き続き検討を続けていくことになると考えております。

佐々木(憲)委員 今度の法案で、融資と一体になった金融商品、融資つきの投資性商品については規制の対象になっているのかどうか。例えば、変額保険と融資を組み合わせて取り扱う場合、その融資は規制の対象となるのか、この点をお聞かせいただきたい。

三國谷政府参考人 本法案におきましては、融資そのものは規制対象とはなっておりませんが、信用取引のような、金融商品に融資が組み込まれている場合につきましては法案の規制の対象となります。例えば、金融商品の商品性に応じまして、契約締結前の書面交付による仕組みの説明が義務づけられますほか、適合性の原則も適用されることになるところでございます。

佐々木(憲)委員 融資つきの変額保険などについては、対象になるんでしょうか。

三國谷政府参考人 変額保険につきましては、これは今回いろいろな規制の対象になるわけでございますが、投資性商品と融資を組み合わせて取り扱う場合につきましては、例えば、金融商品取引を行うことを希望する顧客に対して融資を受けることを強要する行為を禁止するなど、抱き合わせ販売の防止措置を講じることとしております。

 また、御指摘のありました変額保険と融資を組み合わせて取り扱う場合につきましては、抱き合わせ販売の防止措置のほか、保険業法におきまして、保険募集人である銀行等に対し、変額保険の運用状況により顧客が融資の返済に困窮するおそれがあるといったこと、その旨を説明する義務づけが行われているところでございまして、これは保険業法施行規則におきまして、この辺につきまして詳細に規定しているところでございます。

佐々木(憲)委員 この法案では、これまでに発生した変額保険の被害者に対してどのような補償が行われることになりますか。

三國谷政府参考人 補償そのものは基本的に民事の話でございますけれども、今回の法案の中で、この直接の金融商品取引法そのものではございませんが、金融商品販売法につきましても内容の充実を図っているところでございます。

 こういった形で、本法案は、金融商品取引法におけますいろいろな開示ルール、あるいは監督規定の整備、あるいは義務等のほか、そういった民事の面につきましても、全体として利用者保護の拡充を図っているということになっているところでございます。

佐々木(憲)委員 この被害者を出さないということ、それから被害者に補償するということ、このことが極めて重要であります。

 次に、不招請勧誘の問題についてお聞きします。

 消費者の被害のほとんどが不招請勧誘に端を発しているということです。したがって、まず、一般的、網羅的に不招請勧誘を禁止するということが必要であります。その上で、個別の取引を慎重に検討した上で、実害がないと判断されるときに例外的にその規制を外す、こういうやり方をすべきだと思うわけであります。

 ところが、今度の法案では、適合性原則の遵守をおよそ期待できないような場合に限って禁止している。極めて狭いものになっていると思うんですね。適合性原則の遵守をおよそ期待できないような場合というのは、具体的にどういうものですか。

三國谷政府参考人 基本的に、不招請勧誘の禁止の対象にするかどうかにつきましては、例えば、レバレッジが高いかどうかといった商品性のほか、やはり、これまでのいろいろな取引に伴います執拗な勧誘でございますとか、利用者の被害の発生という実態、こういったことを考慮いたしまして適用対象を定めることになっていこうかと思います。

 こういった意味で、現在、私ども、一方で政令の道は講じますとともに、現在、不招請勧誘の禁止の対象といたしましては、店頭の金融先物取引、いわゆる外国為替証拠金取引を定めることが適当ではないかと考えているところでございます。

佐々木(憲)委員 店頭金融先物取引、外国為替証拠金取引、それ以外は適合性の原則の遵守を期待できる、こういうことになるわけですね。そうすると、不招請勧誘の禁止は適用されない、不招請勧誘は自由にできる、こういうことになりますね。

三國谷政府参考人 不招請勧誘の禁止につきましては、さまざまな御意見があることは承知しておりますが、一方で、不招請勧誘の禁止につきましては、例えば、新たな金融商品・サービスにつきまして顧客の説明機会が限られてしまうなどの、そういった自由を制限する面もございます。

 このため、不招請勧誘禁止の対象につきましては、昨年度の金融審議会の部会の報告では、この報告の中では「適合性原則の遵守をおよそ期待できないような場合」という形になっているところでございまして、先ほども申し上げましたように、レバレッジが高いことなどの商品性の問題、あるいは執拗な勧誘や利用者の被害の発生という実態等を勘案して定めていくことを考えているわけでございます。なお、これ以外にも、再勧誘の禁止につきましては、いわゆる市場の外国為替証拠金取引等も定めることを考えているところでございます。

 それ以外にも、今回、各種のいろいろな利用者保護ルールのための規定の整備につきましては、いろいろなところで努めているところでございます。

佐々木(憲)委員 いろいろ言いましたけれども、完全に発想が逆転しているわけです。つまり、不招請勧誘というのは、もともと基本的に禁止すべきなんですよ。そして、その禁止の必要のないものについては慎重に外すということはあり得る。しかし、今の説明は、不招請勧誘を禁止するのはこれですよ、それ以外は自由ですよ、こうなるわけです。

 結局、お聞きしますと、店頭金融先物取引は不招請勧誘の対象です、それだけだ。それから、再勧誘の禁止は取引所金融先物取引だけでございますと。それ以外は何の規定もないんですから。つまり、不招請勧誘は自由に行われる、行って結構です、こういう仕組みになっているわけですね。

三國谷政府参考人 まず、基本的な出発点といたしまして、適合性の原則でございますが、これは、取引の勧誘に際しまして、当事者の知識、経験及び財産の状況に照らしまして不適当と認められる勧誘を行ってはならない、そういう規定でございます。

 したがいまして、この適合性の原則、これが平成四年の改正において証券取引法に定められたものでございますが、この規定が適用された上で、さらに、そういったレバレッジとか商品性の実態あるいは被害の実態、そういったものを勘案しながら、再勧誘の禁止あるいは不招請勧誘の禁止といった措置も講じることができる制度としているところでございます。

佐々木(憲)委員 いや、質問に答えてください。

 政令で定める特定の商品、先ほど言いましたように、不招請勧誘禁止の対象となるもの、それから再勧誘禁止の対象となるもの、それ以外は禁止されないんですから、それは自由ですね。そこを聞いているんですよ、不招請勧誘。

三國谷政府参考人 適合性原則につきましては、一般的にかかります。それで、この適合性原則というのは……(佐々木(憲)委員「不招請勧誘の禁止」と呼ぶ)不招請勧誘の禁止につきましては、政令で対象を指定することとしておりますが、金融商品取引一般につきまして適合性の原則というものがかかるということにつきましては、この法律としてしっかり定めているところでございます。

佐々木(憲)委員 適合性の原則を定めるのは当然です。しかし、不招請勧誘の対象となるものを限定すればそれ以外のものは自由にできる、不招請勧誘は自由にできるということになるじゃないですか。そういう仕組みになっているということなんですよ。したがって、ほとんど消費者を守ることにならないんですよ、これでは。フリーパスなんです。そして、被害が出たときに、初めてその被害の実態がどんなに大変なものなのかと調査をやり、そしてこれはまずいなというものだけはつけ加えていく、こういうシステムになっているんです。

 では、その被害を受けた人の被害が補償されるのか。そういう補償はあるんですか。

三國谷政府参考人 いわゆる民事上の損害賠償の問題につきましては、先ほど申し上げましたとおり、金融商品販売法の所要の手当てをしているところでございます。

 次に、不招請勧誘の禁止等でございますけれども、私ども、今回、利用者被害の実態等にかんがみまして、こういった金融商品取引法の不招請勧誘の禁止規定対象に追加すべき商品あるいはサービスが出てきた場合には、政令において機動的に指定できるような、そういった制度として御提案申し上げているところでございます。

佐々木(憲)委員 被害の補償がされるのかと聞いているんですよ。全然答えていないじゃないですか。

 被害が出てから指定しますというわけでしょう。これじゃだめなんですよ。しかも、取引所金融先物取引については、今まではこれも含めて金融先物取引については不招請勧誘の禁止の対象であった。今度はそれを外して再勧誘の禁止のみと。こういう形で緩めているわけですよ。これでは後退しているんです、これは。

 そういうことからいうと、この仕組み全体が、私は根本的に疑問を持っております。さらにこの点については議論をしていきたい。

 以上で終わります。

小野委員長 以上で佐々木憲昭君の質疑を終了いたします。

 この際、暫時休憩いたします。

    午後零時一分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時三十五分開議

小野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。三谷光男君。

三谷委員 三谷光男でございます。

 早速質問に入らせていただきます。

 今回の証券取引法の改正ですが、投資者の立場に立ちまして横断的な法制を整備する、ルールのすき間を埋めて、投資者の保護ルールを徹底する、そして投資者の利便の向上を図ることをその目的としています。証券取引法、特にこの改正法は、私にとりましては広範でまた大変難しい法律ではありますが、要は、証券市場においては、株価の形成が公正に行われること、投資者が正しい情報のもとで、みずからの責任で売買に参加できること、そして、インチキはだめ、不正はだめ、これを徹底すること、それが一番大事な精神ではないかと思います。

 証券市場における公正な取引を守る、そして投資者を保護する。金融・証券市場における金融商品や取引手口が随分と複雑、巧妙になり、ルールにすき間ができ、時折インチキが横行をしています。そのルールのすき間を埋め、真っ当な投資者を守ることが肝要なことだと思います。一番大事なことは、インチキ、不正を見逃さない、許さない監視と規制のあり方だと思っております。

 一つには、証券取引所の持つ自主規制機能。証券取引所で取引される金融商品の内容は多種多様であります。そして、日進月歩で変わっております。法律、政令だけで規制することは困難。だから、公正な取引を守る上で、証券取引所の持つ自主規制機能は大変重要な役割を持ちます。

 しかしながら、この取引所の自主規制機能が十分に機能してこなかったのではないかということが指摘をされています。ライブドア事件、あるいは西武鉄道や小田急電鉄の虚偽記載の問題、カネボウの粉飾等々、さまざまな証券市場をめぐる不祥事がありましたが、取引所の自主規制機能が有効に働いていれば未然に防げたものもあると思います。

 まず、取引所の組織形態において、自主規制部門が、利益相反を防ぐ観点から、運営部門から独立をすることが大事かと思います。今回の改正で、委員会等設置会社、子会社化など、自主規制部門が独立した組織形態への移行を選択できる法的な枠組みが整備をされました。この改正法、うまい法律のつくり方だなと本当に心から感心をしています。私たちの間でも、これはどういう書き方をするか、どういう組み立てにするか議論があったのですけれども、本当にうまいつくり方をしていると思います。選択をしてもらえれば、自主規制部門の決定が取締役会の決定にちゃんと優先されるように、この改正法の中には書かれています。

 ただ、ここで一つ気がかりなことは、選択をしてもらえればいいのですけれども、選択をしてもらえないかもしれない。なかなかここが難しいところですけれども、法律でこれ以上押しつけられない、これはわかるんですけれども、やはりここは非常に大事なところです。自主的に選択をしてもらわなければならない。監督官庁である金融庁に、選択をしてもらえるようにうまく誘導してもらわなければなりません。

 まず、東証につきましては、昨年の秋に、これはさまざまな不祥事を受けてではありますけれども、自主改革の中で、委員会等設置会社への移行の方針を特別委員会の答申という形でお出しになられています。

 まずは、確認の意味でお聞きをいたします。金融庁は、この東証の答申、報告を受けておられますでしょうか、この点をまず教えていただきたいと思います。

 そしてまた、問題は、決めていない、東証以外の大証、名古屋、ジャスダック、会員制取引所であります福岡、札幌につきましても、これはぜひ自主規制機関の独立性を担保することは大変重要なこと、必要なことだと考えます。これら他の取引所におきましても、これから先、こうやって改正法で整備をされました、この改正法で定められた組織形態への移行をぜひとも進めていただきたい。移行を進めるための金融庁としてのお考えをまず聞かせていただきたいと思います。お願いします。

三國谷政府参考人 先に、事実関係につきまして御説明したいと思います。

 御指摘のとおり、東京証券取引所におきましては、昨年十月に取締役会の諮問機関として設置しました特別委員会が報告書を取りまとめました。ここにおいて、委員会等設置会社に移行する方針を固めたと承知しております。

 ただ、その後、金融審議会などにおける議論を経まして、今この国会に、取引所につきまして自主規制委員会制度及び自主規制法人制度の整備、これを行うことを内容とする法案がこうやって御審議いただいている段階でございます。このことを踏まえまして、東京証券取引所は改めて判断していくものと聞いております。

与謝野国務大臣 取引所というのは、元来会員の自治の理念を基礎としている面もあることから、自主規制委員会や自主規制法人の設置等を法律で義務づけることは必ずしも適切ではないと考えております。

 しかしながら、取引所がどのような組織形態をとるかについて、取引所を取り巻く環境や、市場の開設者がみずからの市場をどう設計していくかという方針により異なるものがあり、一義的には市場の開設者である各取引所がみずから判断すべきものと考えておりますが、いずれの形態をとるにせよ、実際に取引所における自主規制業務が適切に行われることが重要であり、この点については、金融庁としては十分に各取引所の取り組みを注視してまいりたいと考えております。

三谷委員 なかなか難しい内容の質問だったのではないかと思います。いろいろボールを投げながらうまく誘導をされていくことと思いますけれども、ぜひともこれは進めていただきたいと思います。

 続きまして、証券取引所監理官のことについてお尋ねをさせていただきます。

 率直にお尋ねをいたします。証券取引所監理官、どのような仕事をされておられるのか、監理官、副監理官の経歴はどのような経歴なのか、これは具体的に東証を例に挙げて御説明をお願いしたいと思います。

三國谷政府参考人 監理官の業務につきましては、私からお答え申し上げたいと存じます。

 証券取引所の監理官は証券取引所の業務及び財産の状況等の監督を行っておりまして、副監理官は監理官の業務を補助しているものでございます。取引所監理官や副監理官は、証券取引所内で日常的に取引所の業務状況の把握などに努めておりまして、取引所の業務状況等を現場において随時把握し、必要に応じて当庁へ報告することが可能であるなど、こういった形で監理官や副監理官が役割を果たしているところでございます。

中江政府参考人 監理官等の経歴でございますが、東京証券取引所の現在の監理官は、昭和五十三年に大蔵省に入省いたしまして、主計局、主税局、銀行局などを経まして、財務省の大臣官房信用機構課長、それから金融庁の総務企画局企画課長を歴任した後、昨年の八月より東京証券取引所監理官を務めております。

 それから、東京証券取引所の副監理官でございますが、昭和四十七年に関東財務局で採用いたしまして、その後、関東財務局の理財部証券第二課、同証券監督課などを経まして、理財部融資課長を経た後、平成十六年の七月より東証の副監理官を務めております。

三谷委員 この取引所監理官、今も東証を例に挙げまして御説明をいただきましたけれども、例えば、取引所の自主規制機能がより有効に働く、あるいは証券市場の監視がより有効に働く、何か意味のあるような仕事の役割がここで果たして行われているのか、どうも疑問なように思えてなりません。

 今も御報告ありましたけれども、業務状況の把握、金融庁に報告、こういう話がありましたけれども、何か問題があったときに、報告を聞いて金融庁あるいは監視委員会に報告をするだけなら、別に監理官や副監理官は必要ないんじゃないでしょうか。自主規制部門の責任者が直接金融庁なり監視委員会なり担当者に報告すればいい。今は違いますけれども、例えば東証でいいますと、歴代の東証理事長に大蔵事務次官経験者がずっと続いていたころの、まさに遺物の役職のままで続いている、そういう実態なのではないでしょうか。

 今の監理官、副監理官の仕事を金融庁の審議官が兼ねて、どういう意味あるいは有効性があるんでしょうか。あるいは副監理官の仕事も、何かここの証券監視のプロであるとか、役に立つ、意味がある、そういう経歴の方がつかれるならばまだ意味の求めようがあるんですけれども、どうも有効に働いているとは思えません。

 意味がないなら、こういう役職、官職は廃止をするか、あるいは意味のあるものに変えていただきたいと思うのですけれども、金融担当大臣、どうでしょうか。

与謝野国務大臣 取引所の監理官や副監理官は、証券取引所内で日常的に取引所の業務状況の把握等に努めており、取引所の業務状況等を現場において随時把握し、必要に応じて当庁へ報告することが可能であるなど、取引所監理官や副監理官を設置しておく異議はあるものと考えております。

 東証については、その市場規模等にかんがみ、金融行政上、非常に重要な機関であり、金融庁本庁との連携をより緊密に行う必要があると私どもは認識しております。

三谷委員 なかなか納得のいくお答えがいただけないのですけれども、質問を続けてまいります。

 次に、証券取引等監視委員会につきましてお尋ねをいたします。

 我が国の証券取引市場、まさに規制が緩和をされたこともありまして、商品も取引も、また手口も随分と複雑、巧妙なものとなってきております。

 証券取引等監視委員会は、証券取引の公正を図る上で、市場の監視に当たる、あるいは市場の番人としての役割を本当に十分に果たしているんでしょうか。

 まず、人員ですけれども、これもよく指摘をされるところです。アメリカのSECとの比較でいえば、SEC三千八百七十人に対しまして、我が国の監視委員会、ここ数年増員を重ねてきたといっても、財務局と合わせても平成十七年度には五百五十二人、ことしの見込みで、幾らか増強されて五百六十九人、七分の一の陣容です。つい三、四年前までは十分の一の陣容でありました。

 そしてまた、この人員以上に、その内容はもっと心細いものがございます。ほとんどが他の府省庁から、国税庁、財務局、税関、検察、裁判所、いろいろなところからのいわば寄せ集めの出向者で構成をされています。そして、聞きますと、二年から三年でおかわりになられる。商品、取引あるいは手口も複雑、巧妙となった現在の商品、証券市場を監視し、そして不正を見逃さないためには、当然のことながら、経験が豊かで専門的な知見を備えた市場監視のプロが必要なことですけれども、これでは市場監視のプロは育たないと思います。

 金融担当大臣はこれまでのお話の中で、人員の増強を図ってこうしたものに対応するという御答弁を再三にわたってされておりますけれども、今のこの監視委員会の体制では、少々人員の増強を行ったところで、この複雑、巧妙と化した今の金融商品市場で、今この監視委員会に期待されている市場の監視、不正を絶対見逃さない市場の番人としての役割を監視委員会は担い切れていないのではないかと思うのですけれども、金融庁あるいは金融担当大臣、どうでしょうか。担い切れておりますでしょうか。

与謝野国務大臣 証券等監視委員会は、まだまだ歴史は浅い、そういう意味では、これから積み重ねるべき経験は非常に多いと思いますし、課題も私はたくさんあると思います。

 したがいまして、そういう歴史を積み重ねていくと同時に、やはり人も、財務局の人数を入れましても五百名ちょっとでございますから、これだけの人数で今後広がってまいります投資あるいはその他の金融上の取引全部を担えるかと言われれば、やはり人数も充実させなければなりませんし、また、それぞれの方々が持っている専門分野、これはごらんになっていただければすぐわかると思いますが、法曹関係者では裁判官、検事、弁護士、あるいは公認会計士、あるいはデリバティブの専門家等々、そういう人材の厚み、また、それぞれの人材が持っている専門性の深さ、こういうものはいずれもやはり拡充、充実していかなければならないと思っております。

 そういう意味では、人数のこともございますし、また、今般の法律のような、やはり市場をよく見ていくための法律も充実させていかなければならない、そのように思っております。

三谷委員 重ねてお尋ねをいたします。

 今も、検察、裁判官、弁護士とお話しになられましたけれども、これも聞くところによりますと、三年以内の臨時の採用、そういう話を聞いています。

 先ほどもお話を申し上げましたとおり、一年、二年あるいは三年でも、申し上げている証券監視のプロ、大臣も今おっしゃいました、やはり長い歴史、長い時間を積み重ねなきゃいけない。今のような採用のあり方あるいは出向者の寄せ集め、こういう話で、もう一回申し上げますけれども、今もおっしゃいました、まさに広範に商品あるいはさまざまな投資が広がっていく、見逃さない、市場の番人としての役割を担える、そういう監視委員会になる、それを担う人たちが本当にできるんでしょうか。もう一回、何かその養成についてお考えがありましたら聞かせていただきたい。

与謝野国務大臣 出向期間あるいは監視委員会で働いている期間が短いという御指摘でございますけれども、それぞれの方々は職責に目覚め、また使命感を持ってその職にあるわけでございますから、時間の長さ短さで物事が決まってくるわけではありません。

 しかしながら一方では、やはり経験や歴史というものを積み重ねていくという意味では、より長い期間同じ業務に携わっていただきたいという希望はもちろんあるわけでございます。

三谷委員 わかりました。

 ここで、先ほども申し上げました、今の証券取引等監視委員会、こうやって複雑、巧妙となりました金融商品市場、絶対に不正を許さない、その市場の番人としての役割を十分に果たし得ていないんじゃないか。そしてまた、それを疑いたくなるような事例を挙げさせていただきます。

 委員長や理事会にお許しをいただきまして資料を配付させていただきましたが、その事例とは、日興コーディアルグループの二〇〇五年三月決算の粉飾疑惑の話でございます。SPCを利用したベルシステム24の買収、それに伴う巧妙な利益の取り込みと連結外しによる粉飾決算疑義の話でございます。ライブドア事件、これは大変大きな事件となりました。そのライブドアの問題となったスキーム、これはほぼ同じスキームで行われたケース。そして、むしろこちらの方が私はより悪質ではないかと思っています。

 金融担当大臣あるいは金融庁、監視委員会の方々には、既にもう二度にわたりまして、参議院財政金融委員会で峰崎議員がただしておられます。詳しい説明は不要のことと思います。簡単に骨格だけ、筋道を申し上げます。

 一〇〇%子会社である日興プリンシパル・インベストメンツを使って、これまた一〇〇%出資の孫会社、SPC、NPIホールディングス、このNPIHを使ってベルシステム24を買収。まさにこのベルシステム24、公開会社であり大変優良な会社でありましたけれども、このベル24を未公開会社にいたします。EB債というオプションつきの債券を使ってこのベル24の評価益百四十四億円だけを取り込む。そして、NPIHとベル24、これを連結の対象から外すのは、連結に係る償却分を取り込まないためであります。ライブドア事件の利益のつけかえ、粉飾とほぼ同様のスキーム、あるいはもっとあからさまな利益の取り込み、そして粉飾に思えてなりません。

 そこでお尋ねをいたします。

 二月三日の参議院財政金融委員会、峰崎委員からの質問に対しまして与謝野金融担当大臣は、大変慎重な言い回しながら、事実関係を調べたいというふうにお答えになられております。事実関係を調べていただいたのか、問題はあったんでしょうか、なかったんでしょうか、こういうふうに聞いても、大臣のお答え、お考えは、三月十六日の同じく参議院財政金融委員会、峰崎議員からの再質問に対する答えと同じ話になると思います。

 ただ、このとき、与謝野金融担当大臣は、この指摘は金融庁に重大な喚起を促した、金融庁は十分この問題に対する注意を喚起されました、法令に照らして調査すべきはきちんと調査しているとお考えいただきたいというふうにお答えになられました。そして、この問題は証券監視委員会の聞き及ぶところとなる、この問題が国会で真剣に取り扱われたことは監視委員会も注意を持って聞いていると確信しているとお答えになられました。金融庁に対して重大な喚起を促し、この問題が国会で真剣に取り扱われたことは監視委員会も注意を持って聞いていると金融担当大臣も確信をされ、そこから十日たちました。もっと言えば、そもそもこの話は昨年三月の決算の話であり、これまでにも何度も日経新聞を初めさまざまなところで報道もされ、こうやって二度にわたって国会でも、まさに喚起をされました。

 金融庁並びに証券取引等監視委員会にお聞きをいたします。この問題、どうなっていますでしょうか。答えは出たんでしょうか。白なんでしょうか、黒なんでしょうか。いつになったらこの答えが出るんでしょうか。お答えください。

与謝野国務大臣 参議院で峰崎議員にお答えした以上のことを今申し上げられる状況ではございません。

長尾政府参考人 私の方も、先日の参議院の財政金融委員会の議論の模様はよく承知しておりますけれども、御案内のとおり、個別事案につきましては、監視委員会としては、従来よりお答えすることは控えさせていただいておりますので、御理解賜りたいと思います。私どもの委員会の活動を円滑に進めるためのものであることを御理解いただきたいと思います。

 なお、一般論として申し上げれば、監視委員会というのは常日ごろから幅広く証券市場に関するさまざまな資料、情報を収集、分析しておりまして、そうした中で仮に法令違反に該当する事実があると疑われる場合には、必要な検査、調査を行うということでございます。

三谷委員 今、金融担当大臣からは、峰崎議員へのお答え、これ以上お答えすることはできない、あるいは今事務局長からは、やはりずっと続けられてきたお答えでございますけれども、個別の問題は言えない、こういうお答えがございました。これ以上とか個別の問題とか、確かに私も、本当に調べていらっしゃるんだったら、個別の問題に言及ができない、こういう話はわからないわけではありません。だけれども、この問題は余りに問題が明白であり、また余りに時間がかかり過ぎています。先ほども申し上げましたけれども、そもそもが二〇〇五年三月の決算の話です。そして、日経新聞、東京新聞初め各紙、週刊東洋経済初め各週刊誌、国会でも取り上げられて、調査検討の時間はもう十分過ぎるほどあったと思います。喚起をされて、何度も喚起をされて、どれぐらい時間がたったんでしょうか。

 そして、大事なことは、これは金融商品市場、証券市場の話ですから、答えを出せない、答えを出さない、これは証券市場では、もう容認をしているのと同じ話だと思います。先ほども十日たちましたと申し上げたのは、この一年で、この一カ月で、この十日間で、別のところが似たような同じような手口で不正にもうけていたって何も文句を言えない。何の抑止にもならない。今まで何にも答えを出されていません。何の動作も行われておりません。もちろん、捕まえられません。

 何度も指摘をされていますけれども、一つだけ、一番明白な例ですけれども、このパッケージの中にはインサイダーと認められるようなことも幾つもあります。まさに一番主要なところですけれども、EB債を使っての評価益の取り込みのスキーム、これは余りにもあからさまな話です。まさに日興コーディアルグループの中だけ、身内の中だけで帰結をしている話なんです。平成十六年の十月二十七日にこのベルシステム24のTOBを発表しているんですけれども、その直前の、一カ月前の九月末にこのEB債、ベルシステム24普通株式交換特約、オプション特約のついた無担保社債を、まさに親子関係にあるNPIホールディングスから日興プリンシパル・インベストメンツ、NPIに出しているわけです。まさに絵にかいたようなインサイダー取引ではないですか。ここまで明白な話をむしろ何も答えを出さないということは、同じ手口で同じもうけ方をやってもいいんだよと容認をしているのと同じだというふうに市場は受け取る、あるいはさまざまな業者、会社は受け取ると私は思うんですよ。

 今申し上げたようなやり方が本当にまかり通るんだったら、どこでも、お金がありさえすれば同じやり方で利益を、あるいはこの場合は上がっていない利益をつけかえているわけですけれども、同じように利益を計上できるではないですか。なぜ答えが出せないんでしょうか。もう一回お答えをください。

与謝野国務大臣 証券監視委員会というのは非常に厳正な委員会でございまして、明白な事実あるいはインサイダー取引の疑いというものがございましたら、それはきちんと調査をし、内容を吟味する、その点についてはどの組織にも劣らないだけの職務に対する忠実性というものを持っている、私はそのように思っております。

 また、これらの案件は、一見簡単そうに見えますけれども、いろいろな内容をあらゆる角度から検討する必要もありますし、法令等に照らして吟味する必要もございますから、それなりの時間も必要でございますし、それだけの手間も必要になってくる。そのことは、あらゆる難しい案件については共通のことであると私は思っております。

三谷委員 時間がかかるというのは全くわからない話ではありません、ありませんが、再三申し上げているように、今まででも、喚起をされてから、このことが取り上げられてからどれぐらい時間がたっているか。先ほども申し上げましたように、時間がかかるということは、かかっている時間分だけ容認をされているのと同じ話だと私は思います。

 もう一回申し上げますけれども、同じ手口でどこかで今もだれかがやっていないとは限りません、わからないだけで。むしろ、抑止の意味での迅速性が求められる話だと思うんです。だから、何度もお尋ねを申し上げています。

 この問題、先ほど私が指摘した問題だけではありません。私の方はここで一回質問を打ち切らせていただきまして、同僚鷲尾議員からまた引き続きこの問題に対してのお尋ねがあろうかと思います。

 これで質問を終わらせていただきまして、同僚議員に質問をかわります。

 ありがとうございました。

小野委員長 以上で三谷光男君の質疑を終了いたします。

 引き続きまして、鷲尾英一郎君。

鷲尾委員 民主党の鷲尾英一郎でございます。

 先ほどの日興コーディアルの問題について、この質疑時間を使ってちょっと金融庁にお伺いしたいと思っております。

 と申しますのは、今の金融行政は、従来からの裁量行政ではなくて事後的なチェック行政に移ってきている。そのルールの不備がライブドア事件としてあらわれたという基本認識では、皆さん、御異存はないと思います。そういう中で、この事後的チェック行政ということをうまく機能させるためには、やはり、法令にないから我々は動かない、グレーだから我々は動かない、そんなことをやっていたら証券市場は大混乱してしまって、それこそ無法者がのさばる、そういう市場になってしまいかねません。それをはかるのに、この日興コーディアル問題も一ついい例でございますので、引き続きこの質疑の中で取り上げさせていただこうと思っております。

 与謝野大臣が今おりませんので、ちょっとそれとは別の質問をさせていただこうと思います。

 まず、今回の俗に言う金融商品取引法によって四半期開示が法定化されております。四半期開示というのは、要するに、一年間を会計期間とすると三カ月ごとに決算開示をしていくという話でございますが、この四半期開示というのは今のところ自主規制としてやっておるところでございまして、これは法定化されておりません。これを法定化するという案でございますが、この四半期報告書というのはどの程度の情報を盛り込んでいくべきとお考えなのか、金融庁の御答弁をお願いいたします。

三國谷政府参考人 お答え申し上げます。

 四半期開示は、会社に対する投資判断に資する情報といたしまして、会社の企業業績等に係る情報を投資家に対してより適時に提供することを趣旨とするものでございます。

 情報を迅速に提供するとの趣旨からすれば、四半期報告で開示される情報につきましても、開示にかかるコスト、時間等を考慮して重要なものに限るべきであるとの指摘もございますが、一方で、投資者の立場からは、適時性の要請を満たしながら十分な投資情報が開示されることが求められているところでございます。

 この開示内容につきましては、こういった適時性、迅速性の要請と十分性、信頼性の要請のバランスの中でそのあり方を考えていく必要がございますが、現在、この点については、企業会計基準委員会で行われている四半期財務諸表の会計基準の整備の状況等を踏まえながら適切に定めてまいりたいと考えているところでございます。

鷲尾委員 了解いたしました。

 経団連の会員企業のアンケートで七四%が法定化を望まないという結果があるのでございますが、先ほどおっしゃっていたように、やはり実務上の負担、経費上の負担というのが大変あるということの証拠だと思います。

 これは、例えば法定化するに当たって、どれとどれとどれを開示しろという形にするのか、それとも重要な項目については開示していいよということにするのか。限定するのかそれとも幅広くするのかで、企業側が受ける印象というのは非常に違うんですね。ですので、そこをどういうふうにしていくかということをぜひちょっと御見解をお願いします。

三國谷政府参考人 いずれにいたしましても、企業会計でございますから、真実性の原則、継続性の原則、明瞭性の原則、こういったものを踏まえながら適時適切な内容を定めていく必要があると思っております。この問題につきましては、先ほど申し上げましたように、迅速性の要請とやはり投資者に対する投資情報というこの兼ね合いの中で、現在関係者も鋭意検討を進めているところでございます。

 法定開示書類の対象範囲、そういったことも比較可能性等の観点からできる限り明確にしておくことが求められているものと考えております。また、取引所における開示とも相まちまして、全体として適切な開示が行われていくことを期待しているところでございます。

鷲尾委員 それでは、続きまして、監査業務についてお伺いしたいと思います。

 現在は、半期報告書及び年度決算の決算書に監査報告書がつくという制度設計になっておりますが、四半期開示においては公認会計士監査というのはどのようになっていくんでしょうか。

三國谷政府参考人 四半期開示につきましても、やはり投資者の投資判断に資するようこの信頼性を確保することが重要でございます。こういった観点から、四半期財務情報につきましても、公認会計士等によります監査証明を義務づけることとしているところでございます。

 この監査証明に係ります基準のあり方につきましては、企業会計審議会の監査部会の方におきまして、その適時性、迅速性と信頼性のバランスを考慮しながら検討が行われているわけでございます。こういったぐあいに、会計基準あるいは監査基準両面におきまして、適切な基準を定めるべく現在いろいろな検討を進めているところでございます。

鷲尾委員 それでは、続きまして、経営者等による確認書の提出というのが義務化されております。現在、これについては、義務化はされているけれども罰則はないという規定になってございます。

 この経営者等による確認書というのは、いわゆる決算数値に対して、しっかりと監査法人に対して資料を提出しただとか、決算数値をつくり出すために経営者側がうそをついていないよということの証明の書類になると思うんですが、これを例えば提出しましたよ、提出するのはいいんですけれども、これに例えばうそがあった場合、これは大変な問題だと思うんですが、実際、こういう提出したペーパーにうそがあった場合についての罰則規定というのはつくるおつもりはないんですか。

与謝野国務大臣 御指摘の確認書は、有価証券報告書等の記載内容が適正である旨を経営者が確認し、その旨を記載して当該有価証券報告書等とあわせて提出するものでございます。

 有価証券報告書等に虚偽記載があることを知りつつ、その記載内容が適正である旨を記載した確認書を提出した場合について罰則を科することとすると、虚偽記載のある有価証券報告書等を提出した場合の罰則と構成要件が基本的に重なることになります。

 このため、二重処罰防止の観点から、虚偽記載のある確認書を提出した場合の罰則は虚偽有価証券報告書を提出した場合の罰則で担保することとし、虚偽記載のある確認書の提出に係る罰則規定は設けないこととしたものでございます。

鷲尾委員 この経営者等による確認書ですけれども、取引所の方の自主規制において経営者の宣誓書というものがございます。この点、取引所の規制と重複するものなのか、これは概念的に一致してくるものなのかどうか。将来的には、恐らく、会社側からすれば当然事務負担もあるだろうということで、制度的に一致する、要するに収れんしていくというおつもりがあるのかどうかというところまで御見解を伺えたらと思います。

与謝野国務大臣 取引所の自主規制においては、上場会社に対し、まず第一には、有価証券報告書等に不実の記載がないことを認識していること等を記載した書面、すなわち有価証券報告書等の適正性に関する確認書や、第二には、会社情報の投資者への適時適切な提供等について真摯な姿勢で臨む旨を宣誓する、適時開示に関する宣誓書、これらの提出を求めているところでございます。

 このうち、前者の有価証券報告書等の適正性に関する確認書については、今般導入する確認書制度と類似したものであることから、取引所における制度を引き続き維持していく必要があるかについて、取引所において判断されることになるものと考えております。

鷲尾委員 ありがとうございました。

 続きまして、内部統制の評価報告書制度についてお伺いしようと思っております。

 内部統制自体の、これをつくる、組織を整備する責任は当然経営者にあるということだとは思うんですが、要するに、今回の法改正で、経営者側がつくった内部統制がしっかりしていますよというペーパーを公認会計士がチェックするという制度を導入するということなんですが、この経営者側の主張というところで、どういうものを想定されているのか。例えば、内部統制といったって、一年間ずっと有効になっているかどうかというところを確かめるのか、それとも、ある一定の時点これは有効であるということを確かめるのか。そこら辺の制度設計についてお伺いしたいのです。

櫻田副大臣 ディスクロージャーをめぐる最近の不適切な事例については、内部統制が有効に機能していなかったのではないかとの指摘がなされておるところであります。財務報告に係る内部統制の強化を図ることが重要と考えております。こうした観点から、本法案の中で、内部統制報告制度を設けることにしたところでございます。

 当該制度のあり方等につきましては、企業会計審議会内部統制部会において検討を行っていただいているところであります。昨年十二月に取りまとめられました基準のあり方に関する部会報告においては、経営者がみずから財務報告に係る内部統制の有効性を評価することとされており、公認会計士には、その評価結果を検証することが求められております。

鷲尾委員 その評価結果の検証がどういうことを検証するのかという御質問だったのでございますが。

 財務報告に係る内部統制について、要するに、先ほども申し上げましたけれども、一年間の有効性を評価するのか、例えば、一時点の有効性を評価するのか。先ほど、財務報告の部分とおっしゃっていましたけれども、その部分だけでいいのかとか、実際に経営者の主張されるペーパーがどういう内容になっているのかというところをお聞きしたかったんですけれども。

三國谷政府参考人 内部統制でございますけれども、現在、そのあり方等につきまして、また、企業会計審議会の内部統制部会等におきましても、いろいろな検討を行っておるところでございます。

 昨年の十二月に取りまとめられました基準のあり方に関する部会報告におきましては、監査人の意見は、期末日における経営者による財務報告に係る内部統制の有効性の評価について表明するものとされているところでございます。この意味では時点評価が求められているものと考えておりますけれども、こういった時点評価につきましては、その有効性については、一定期間そういった統制が継続されることが一般的であると考えられるものでございまして、このような制度を導入することによりまして、内部統制の有効な確立が図られるものと考えているところでございます。

 その次に、御指摘がありました評価の問題でございますけれども、経営者のサイドといたしましては、この内部統制の有効性といたしまして、現在有効である、または重要な欠陥がある、あるいは不備であるという三類型を想定しているところでございます。これに対します監査人の評価といたしましては、これは一般的な話でございますが、無限定適正意見、それから限定つき適正意見、不適正、こういった形での評価が行われることになるのではないかと思っておりますが、なお詳細については、それぞれの部会等において検討している段階でございます。

鷲尾委員 この内部統制評価報告書制度、今答弁ございましたとおり、時点検証だけれども一定期間の有効性の評価は必要であると。その有効性の評価については三類型で、監査人側としても、それに対して無限定、限定、そうじゃない場合ということで、これは言ってみれば非常に手間がかかることだと思うんですね。

 近ごろ、アメリカのグリーンスパンさん、前FRB議長ですけれども、サーベンス・オクスレー法、企業改革法ですね、アメリカがいわゆるエンロン事件の後で、内部報告書制度をしっかり取り入れてやろう、そういった制度ですけれども、導入したアメリカの方が、国際競争力の観点からこの制度設計をちょっと変えていかなきゃいけないというふうなことを、実はこのSOX法を推進したグリーンスパンさん自身が言っておるわけでございます。

 実際、企業の負担、そして監査法人側の負担というのは、これは相当重くなると思うんですけれども、この制度設計について、国際競争力という観点から金融庁さんの方で、先ごろ導入されたアメリカの事情があるのですから、そこら辺の検討はされているんでしょうか。

三國谷政府参考人 御指摘のとおり、内部統制につきましては、一方でコストの問題等につきましてもいろいろな御指摘があるところでございますが、一方で、財務報告の適正性を担保するために、その適正なあり方につきましてもあわせて考慮していかなければならないところでございます。

 現在、我が国におきましては、この有効性に関する経営者の評価と公認会計士の監査を実務に適応していくための評価や監査の基準等につきまして、今、企業会計審議会等におきまして検討を行っているところでございます。

 なお、昨年十二月に取りまとめられました基準のあり方に関する部会報告におきましては、経営者の評価と公認会計士の監査が相まって企業の財務報告に係る内部統制が強化されるよう有効な仕組みを構築していくこととすべきであるとされる一方で、評価、監査にかかります過大なコストは、投資家の収益の低下にもつながるものであるとの考え方も示されておりまして、先行して制度が導入されましたアメリカの議論等も踏まえまして、制度の有効性を損なわない前提のもとで、可能な限りの制度の合理化が提案されているところでございます。

 やや技術的な話になりますけれども、その中では、例えば、トップダウン型のリスクアプローチでございますとか、内部統制の不備につきまして、アメリカでは三つになっておりますところを二つにするとか、あるいは、ダイレクトレポーティングの不採用、それから、内部統制監査と財務諸表監査の一体的実施、あるいは、内部統制監査報告書と財務諸表監査報告書の一体的作成、監査人と監査役及び内部監査人との連携といった、いろいろなそういった工夫も今検討している段階でございます。

鷲尾委員 ぜひアメリカの事例も見ていただきたいんですが、アメリカの方の実務でいいますと、実際私が見たわけじゃないです、聞きかじりの話なんですが、アメリカの内部管理組織の末端の一事務員の皆さんというのは、経理知識がある程度備わっているというよりも、むしろ余りなくて、会社のマニュアルを見ながら例えば一枚一枚の伝票処理をしていくというようなところで、監査法人が管理体制の整備というのに若干関与しながらアメリカの方では実務を行っているという話を聞き及んでいます。

 翻って日本では、もう当然、上場企業となりますと、一事務員さんが会計士さんと同等程度、もしくはそれ以上の会計知識を持ちながら、リーダーシップを持って内部管理組織を構築しているという現実があるわけで、そういう組織のあり方も含めて、アメリカの制度を導入したから日本でもいいんだというような制度の導入の仕方は、これからもう慎んでいただきたいというふうに思っております。

 その中で、与謝野大臣もお戻りですので、ちょっとお伺いしたい案件がございます。それは、先ほどの日興コーディアル証券の問題でございます。

 先ほども申し上げました、金融行政をこれからしていく上で、当然、参考にするのはアメリカの金融市場、まあ当然、欧米の金融市場ということになると思うんですが、日本が今移行期にある中で、これから司法判断というものがますますますます重要になってくると思われます。ライブドアの事件も、実際、個々のスキームを見たらすべてグレーであって、白黒つきかねるというところがあったわけで、それを監視委員会、そして検察庁さんが合わせてある意味黒に持っていったという部分もないことはないと思うんです。

 そういう判断をこれからしていく上で、この日興コーディアルグループの粉飾決算疑惑について、先ほど三谷委員の方から質疑がありましたけれども、与謝野大臣が三月十六日の答弁で、法令に照らして調査していますよということをおっしゃっているんです。法令に照らして調査しているわけですから、この調査の結果は、白か黒かという結果は今言えないにしても、どの程度調査を行っているのか、どれぐらい時間をかけて行っていますと。例えば、日興コーディアルグループにどれぐらい行ったとか、中央青山監査法人に対してはどれぐらい行ったとか、どういうチェックをしていますということは別に言ったっていいと思うんです。

 個別の案件ですけれども、調査をしますと言った案件について、その調査結果ではなくて、調査した事実はあるのかどうかというところをお聞きしたいんですから、そこはぜひお答え願いたいと思うんですけれども。

与謝野国務大臣 捜査とか調査というのは静かにやるということが大事なので、捜査の場合は捜査の密行性という言葉を使っております。証券監視委員会も、あらゆる事案に対しまして静かに調査をしているわけでございまして、委員御指摘の案件について、私に具体的な報告は何らありませんけれども、法令に照らして、法令に違背しているような事案があれば、それは厳正に法令に照らして事を進めていくというふうに私は思っております。

鷲尾委員 調査の手続等々は、ぜひ法令に照らして厳格な法令の運用でやっていただきたいんですが、現実の事件というのは、違反しているかどうかというところが見えないグレーな案件がこれから私はどんどんふえてくると思います。

 これだけ金融商品がばんばんばんばん新しいものが開発されてきている中で、法形式だけで調査すると。調査自身の手続は法にのっとってしっかりやってもらいたいのでございますが、要するに、調査をするということに対して、法にのっとっても判断し切れない部分がこれからどんどん出てくると思うんですよね。

 ですので、それについて、金融庁として、証券取引等監視委員会として、これから新しい金融商品、新しいグレーな事例がいっぱい出てくる中で、それを積極的に調査していくつもりがあるのかどうか、そこをお聞かせください。

与謝野国務大臣 証券監視委員会が扱っております案件というのは、委員が想像されている以上に私は多数に上っているというふうに思っております。

 しかし、個別の案件をそれぞれの案件ごとに、こうしました、ああしましたということはなかなか発表できないというのは御理解をいただけるのではないかと思っております。

 委員御指摘の案件、すなわち、参議院で峰崎議員が指摘された件、こういうものも、証券監視委員会、仮に御指摘の事実が事実であるとすれば、それも法令に照らしてどうかということはきちんと勉強しておると私は思っております。

鷲尾委員 大臣、ぜひ、法令に違反しているから調査するではなくて、逆にこれから、違反事例かどうかわからないけれども、実はこれはかなりおかしなことがされているんじゃないかという事例に対して積極的に動くかどうかというところの御答弁をお願いしたいんですけれども。

与謝野国務大臣 捜査とか調査というのは常に端緒というものがあるわけでございまして、その端緒をつかめば、あらゆる事案について厳格な調査を進めるということは法律が要求していることであると思っております。

鷲尾委員 済みません、また同じ質問になってしまいますが、与謝野大臣、日興コーディアルグループの問題ですけれども、これは正直申し上げますと、過去最大級のMアンドAの買収案件なんですね。最大級というのは、過去五年間で見ますと、日本テレコムに続く二千四百五十億円もの巨額の買収劇なわけです。

 その中で、デリバティブであるEB債というものを使って、そしてまた会計基準をある意味、私は会計士ですので、会計基準を無理やり適用した、正直言ってこんなものはおかしいというふうに私自身は思っておるんですが、そういったことを絡めて、要するに大変な粉飾を行っているんじゃないかなというふうに思われるわけです。これは過去最大級の案件ですから、何よりもまず着手していただかなければ、内外の投資家、そして今も現実に取引されている一般投資家に示しがつかないんではないか、それぐらいの案件でございます。

 会計基準の話でも、実際に日経金融新聞に、これはおかしいということで実際に載っておりますし、連結外しということでですね、ひょっとしたら、私は記事を追っていますので見ていますと、中央青山監査法人と日興コーディアルグループの見解というのが実は違っているんですよね。中央青山監査法人の中で、実は日興コーディアルグループのスキームを中央青山の方がつくって、それで日興コーディアルの方に提示して、日興コーディアルグループは中央青山監査法人に監査をしてもらっているわけですから、そこでオーケーをもらうというようなことが実はまかり通っているんじゃないかということも耳にしているんです。

 ですので、これは、公認会計士監査制度についても、ライブドアの事件で、結局公認会計士が逮捕されました、それに非常に似た構図になっているんじゃないかと思われるわけなんです。

 これは先ほど三谷委員もおっしゃっていましたが、時間が相当程度たっているわけなんです。この過去最大級の買収案件について、これだけのことが行われているにもかかわらず、もう二〇〇六年三月期の決算が発表になりますよね、これから。本当に一年間、確かに与謝野大臣がおっしゃっているとおり、隠密にやらなきゃいけないですし、複雑な金融技術も使っていますし、当事者も非常に広い、大人数になるということで、捜査がなかなか難しい、難航しているということなんでしょうが、非常に認識を強く持っていただきたいんですよね。

 そこを与謝野大臣から、私もこの案件については強く危機感を持ってしっかりとこれからも取り組むという御発言をぜひいただきたいんですけれども。

与謝野国務大臣 委員がこれだけ熱意を持って質問されているということは、多分、自然に証券監視委員会の耳にも入るのではないかと思っております。

鷲尾委員 いや、そこは、私は一財務金融委員でございますので、ぜひ所管大臣の与謝野国務大臣から御発言をお願いしたいんですけれども。

与謝野国務大臣 残念ながら、証券監視委員長に対する指揮権というものは私は持っておりませんが、証券監視委員会というのは、それぞれが持っている良心また法令に照らして厳正に対処すると私は信じております。

鷲尾委員 委員長にちょっと申し上げたいことがございます。

 この日興コーディアルグループの案件というのは、先ほども申し上げましたとおり、過去最大級のMアンドAの案件でございます。その中で、非常に、記事にもなっています、報道もされています、粉飾決算の疑惑があるということでございます。

 これは、今、一年間たっているわけでございまして、確かに過去のことでもございますが、これから証券市場を、これは金融行政がかかわる上で非常に重要な事件だと思うんです。

 ですので、ぜひお諮りいただきまして、日興コーディアル証券の代表取締役そして中央青山監査法人の理事長をぜひこの委員会に招致していただいて、そこでの質疑というのをさせていただけたらなというふうに思うんですが、ぜひお諮りいただけたらと思います。

小野委員長 この鷲尾委員からの御要求につきましては、後刻理事会に諮らせていただきたいと思っております。

鷲尾委員 ありがとうございます。

 では、続きまして、次の質問にさせていただこうと思っております。

 今回の金融商品取引法では、先ほどから申し上げております、従来の法規制の穴を埋める形でさまざまな規制が新設されておるところでございます。

 一つ私が今回取り上げたいのが、新株予約権の規制についてでございます。これについては、実は商法上の有利発行の規制だけになっています。

 MSCBというのが最近話題になっております。MSCBというのは転換社債の一種でございますが、その転換価格が発行後に上下する、そういう条件のついた社債でございます。これは、引き受け会社が空売りによって価格下落を意図的に引き起こして、いわゆる想定した以上の新株が発行されてしまって、結局、既存株主が、その株式の価値が希薄化してしまって、それで、要するに不測の損害をこうむる、そういう特徴がある金融商品でございます。

 これについて、今、株式については証券業協会の自主規制があるわけなんですが、MSCBそして新株予約権について何か規制が必要なのではないかというふうに思うんですが、金融庁の御答弁をお願いしたいと思います。

櫻田副大臣 お答えさせていただきます。

 MSCB等の株式に関連する派生商品につきましては、特に投資家の立場から、その利用方法次第で、既存株主の株主価値に対して希薄化による悪影響が生じる懸念が指摘されているところでございます。また、その観点からも適正な価格による発行が重要であるとの指摘があることは承知しております。

 他方で、このような商品の発行条件に関しましては自由市場の原則が何より重要でありまして、価格決定メカニズムに行政が関与することは望ましくない等、当局による直接的な規制に反対する意見もあると聞いているところでございます。

 MSCB等のあり方をめぐっては、そのほかにも、上場規則により一定の議決権割合以上の発行を株主総会の決議事項とする案があるなど、現在、証券関係者の間でさまざまな議論が行われているところであり、まずは発行体、投資家を含めた証券関係者間で十分な議論が尽くされるべきであると考えておるところでございます。

鷲尾委員 十分な議論は大変結構なんでございますが、今も証券市場は動いておりまして、今もMSCBは発行されております。もともとの、MSCBの本来の性質からいいますと、そういった悪用されるような代物ではないんですが、やはり、引き合いに出しますとライブドアの事件で利用されたように、悪意を持った方には、一般投資家をだまして利用される代物でもあるということは事実ですので、ぜひ迅速に対応していただきたいと思います。

 そして、この問題からちょっと金融庁に見解を求めたいというふうに思っておることがございまして、今申し上げました例えば新株予約権の適正な価格というのは、これは実は追っていきますと、若干恣意的な部分があるなというふうに考えております。

 専門家に聞きますと、価格モデルとしてかなりの金融技術を必要とする話でございまして、ちょっと横文字めくのですが、ブラック・ショールズ・モデルですとか、モンテカルロ・シミュレーションだとか、二項モデルとか、いろいろな価格決定の式があるらしいんです。その式を使って金融商品を設計するんですけれども、例えば価格決定の式が要するに適用できないような金融商品もあるそうなんです。

 そういう中で、実際これから法律をつくろうとしても、その法律の抜け穴を、そういう恣意的な価格決定でどんどんどんどん新しい金融商品を開発していくということがこれから先もずっと行われていくということでありますから、金融庁として、こういう新たな金融商品に対する法規制というのはどういうようにしていったらいいのかということを、ぜひちょっと一つお聞きしたいなと思っております。

櫻田副大臣 MSCB等の発行に際しましては、証券会社が商品設計、商品買い取りに関与しており、その役割は重要であると考えております。

 こうしたことから、現在、金融庁監督局に設置している証券会社の市場仲介機能等に関する懇談会において、MSCB等についてどのような対応が考えられるかを含め、発行体、投資家、証券会社、証券業協会、学識経験者等の方々に御議論をお願いしているところでございます。

 金融庁としては、まずは関係者による十分な御議論を行っていただきたいと考えているところでございます。

鷲尾委員 最後にちょっと話題をかえて、一つ聞かせてください。

 商法上、会計監査人というのは、取締役が職務執行に関して行う不正行為については、それを発見した場合に、取締役会及び監査役会に報告する義務があります。ところが、証券取引法で財務諸表監査を行う監査人については、こういう報告義務の規定はございません。

 商法と証券取引法の範囲は当然違うわけで、証券取引法固有の問題も多々あるわけでございます。この点について、監査人に対して何らかの報告義務を課す、そういうおつもりはあるかどうか、お聞かせ願いたいと思います。

三國谷政府参考人 会計監査人でございますけれども、企業財務情報の信頼性の確保につきまして、この方々は大変重要な役割を担っていると承知をしております。公認会計士法上、監査及び会計の専門家といたしまして、独立した立場におきまして、公正かつ誠実にその業務を行わなければならないこととされているところでございます。

 適正な企業財務情報の開示に係る第一義的な責任は経営者が行うものでございますが、例えば、監査人が虚偽のある財務書類であることを知りながら虚偽のないものと証明した場合等におきましては、その監査人は、刑事、民事、行政上の責任を負うこととされているところでございます。

 なお、監査法人制度のあり方につきましては、私ども、今後、幅広い観点から検討していきたいと考えているところでございます。

鷲尾委員 ちょっと答弁がずれているのかなとも思いますが、証券取引法と商法の範囲が当然違います。その中で、証券取引法固有の問題について、財務諸表監査において監査人が不正を発見した場合にどのような対応がなされるのか、いまだちょっと規定がなされていないということだけ申し上げまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

小野委員長 以上で鷲尾英一郎君の質疑を終了いたします。

 続きまして、近藤洋介君。

近藤(洋)委員 民主党の近藤洋介でございます。

 本日は、重要広範議案でございます金融商品取引法、いわゆる投資サービス法の質問の機会をいただきまして、委員長初め理事の皆様に心から感謝を申し上げたいと思います。

 具体的な法案の内容に入る前に、大臣、一つお伺いしたいことがございます。それは、本件にもかかわることなんですが、最近の原油高でございます。

 最近、原油が御案内のとおり大変急騰しているわけでございまして、きょうの相場の数字は私は把握しておりませんが、先週金曜日で、ニューヨーク市場のWTIで、一バレル当たり七十五ドルを突破したということでございます。史上最高値を更新いたしました。ドバイの原油の方も日本市場の方は上がっているということでございますが、この原油高、この水準が続けば、日本経済にとっても、ひいては世界経済全体にとっても大きなリスク要因になってしまうんだろう、この状況が続けばですね、と思うわけでございます。

 きょう、ここでぜひ大臣に御見識を伺いたいのは、この原油高、いろいろな理由が言われておりますが、もちろん中国の需要が旺盛であるとか、アメリカがこれから需要期を迎えるであるとか、いろいろ言われておりますけれども、ただ、どうも私から見ると、この七十五ドルという水準は本当に需給状況を反映したものなんだろうか、このマーケットは需給状況を果たしてどこまで反映しているんだろうか、いわゆる投機的な動きによるものがやはりあるのではないかと。少なくとも、私は、需給だけではこの七十五ドルという数字は説明がつかないなと考えているわけでございますが、与謝野大臣、この原油の価格というのは、原油のマーケットの動きというのは我が国経済にとって極めて重要な指標でございます。経済全般をつかさどる責任者として、この価格形成、どのようにお受けとめになられていますでしょうか。お伺いしたいと思います。

与謝野国務大臣 政府の月例経済報告の中で、日本経済は回復しているという報告をいたしましたけれども、やはり先生御指摘のように、近い将来、日本の経済の最も大きなリスク要因は原油高である。ですから、原油の動向については非常に注意しなければならないということを月例経済報告の中でも言っております。

 ただし、日本の場合は非常に省エネが進んでおりまして、他の国々が受ける影響よりははるかに原油高の影響は少ない、そのように思っておりますが、ただ、原油高が他の国々の経済に打撃を与えますと、日本は輸出も相当しておりますから、相手の国の経済が不況に陥るということは日本の経済にも一定の打撃は来るわけでございまして、原油高の動向については非常に注意していかなければならないと思っております。

 それと同時に、この原油高というのは、供給不足から起きているのか、実需が非常に伸びているから起きているのか、一部の政情不安で起きているのか、あるいは先生御指摘のように、投機資金が流れ込んだことによってある種のブームみたいなのが起きているのではないか、いろいろなことが言われておりますけれども、私は、多分、やはり背景には実需の伸びというものが基礎的な部分にはあって、それが原油高を導いているんだろうと思っております。

 七十五ドルで高どまりして、いつまで続くかわかりませんけれども、やはり中国、インドを初め大変な勢いで経済が伸びている、また、エネルギー商品の原単位というのは非常に高い、そういうことにも我々注目していかなければならないと思っております。

近藤(洋)委員 原油高の与える我が国への影響については私も大臣と認識を一にするわけですが、後半の、この相場、これは大臣は、ベースには旺盛なアジアの需要があるというお話でございましたが、私もそれはそうと思いますが、しかし、このチャートを見ますと、やはり三月に入ってのこの急騰というのは、では、急に中国で巨大なプラントが動いたのか、ないしは、では、どこかの国の精製所が故障したのか、そんなことはないわけですね。政情不安が急に起きたというわけでもないわけでございます。この三月に入っての動きというのは、やはり明らかに投機的な動きであろうと私は思うわけです。

 実際に、きょう付の日経新聞の第三面でございますが、「揺れる投資心理 市場振幅大きく」というふうに見出しの中で、きょうはちょっと配付資料にはございませんけれども、要するに、原油の相場、そして米国の株、さらには日本の為替、円・ドルの為替、国内の株、こういうふうな形でお金がそれぞれ相関関係、影響を与え合っているというチャート図が出ておるわけでございます。

 お金が、今、金属も上がっていますね。金も上がっている。そして、原油も上がっている。そして、その結果、米国の景気の減速懸念でナスダックが下落をして、そして日米の金利差が縮小するという見立てで円高・ドル安になって、さらには株安、こういうふうにお金のチャートができ上がっているわけでございます。

 その中に、ちょっと気になるのは、何と「二十三日の衆院千葉七区補欠選挙の民主党勝利を受け政局が混迷するとの見方もマイナス材料になった。」。これはちょっと、日本の株価のマイナス材料に我が民主党の勝利がなるというのは、ちょっとこれは日経新聞、かなり記述に間違いがあるのではないか、こう思うんですが、いずれにしろ、政局の動きも材料に使われる。

 要するに、マーケットというのは一本でありまして、さまざまな世界のお金がいろいろな思惑で動くわけですね。その一つに原油というのもある。実需というよりは、そういったさまざまなマーケット参加者の思惑が、さまざまなものを材料に使っている金融商品の側面が、原油というのは先物、原油先物ですね、あるのではないかと認識しておるのですが、大臣お答えいただくか、ちょっとこの辺、例えば、実際のビジネスをやられている、後藤田政務官は商社マンでいらっしゃいましたから、商社マンの経験を踏まえてでも結構ですが、与謝野大臣でも結構でございます。いや、せっかくですから見識を。政務官も、ビジネスをやられていますから御存じだと思うので。

 実際、この原油という商品、今のこのIT化、グローバル化という中で、実需というものを余りにかけ離れた形で価格が形成されている、一種の金融商品ではないかと思っているわけでございますが、大臣はいかがお考えでございますでしょうか。

与謝野国務大臣 当然、原油は商品として取引所で取引の対象になっておりますから、投機的資金が石油を買っているということもあると思いますけれども、やはりベースは、実需があって、それが原油の価格を高騰させているんだろうと私は思っております。ただ、時間がたてばその投機的な部分は剥落するというふうに考えるのが自然ではないかと思っております。

 したがいまして、瞬間風速だけで物を見るんではなくて、ある期間をとって、その期間の中で原油価格がどう動いたかということを考えていく必要があるのではないかと思っております。

近藤(洋)委員 政務官、うなずいていらっしゃいますけれども、何かございませんか。よろしゅうございますか。済みません、通告がなかったですからね。申しわけございません。では、結構でございます。

 ただ、私は、長いトレンドでは実需を反映するけれども、短期の振幅はやはり投機的な部分がある。投機といいますか、それは金融商品の色彩を帯びる。かつ、短期の幅をもって利益を上げる方々がいるわけですね。その場面においては、やはり明らかに僕は金融商品だと思うわけでございます。短期の振幅は、やはりいろいろな思惑の中で、幅が出ればそこで利ざやを稼ぐといいますか利を稼ぐ方がいる、それは完全に金融であろうと思うわけでございます。

 そういった認識に立って、今回の法改正でございますが、午前中の質疑でも問われておりましたが、改めて確認をいたします。

 金融商品取引法の改正では、金融庁の金融審の答申等にも、横断的ですき間なくということがうたわれているわけでございます。規制する対象の商品を縦割りではなくてすき間なく規制していこうという精神で今回の法改正でございますから、これは全体としては私は意味ある改正だ、大変意味のある改正だと思うわけでございます。

 その中で、しかしながら商品先物だけ、従来と同じような形で対象の枠外とされている。私は、金融商品としての側面が強い商品先物について、なぜ新法の対象として外したのか、改めて金融庁、金融担当大臣、御意見を伺いたいと思います。

櫻田副大臣 お答えさせていただきます。

 商品先物取引は、金融商品取引法上のデリバティブ取引と同様に、投資性のある金融商品・サービスとしての性格を有する一方、農産物や鉱物の生産や流通において発生する価格変動リスクに対する保障機能を担うなどの役割も果たしているところでございます。したがって、今回の法案におきましては、商品先物取引について、現物取引の生産、流通をめぐる政策と密接に関係するものとして、引き続き商品取引所法において規制することとしているものであります。

 ただし、商品先物取引を金融商品取引法の直接の対象とはしていないものの、利用者保護を図る観点から、商品取引所法において、基本的に金融商品取引法と同様の利用者保護ルールを適用することとしており、これにより利用者保護のための横断的な法制が整備されているものと考えております。

近藤(洋)委員 要は、両方の側面があるからだということでございますね。両方の側面があるから、また、現物の世界といいますか産業インフラとしての部分もあるので現状維持だ、こういう御説明だと思うんです。

 それならばお伺いしたいのですが、両方の側面がある、金融商品とだけ単純に割り切れるものではない、こういうお話であるとするならば、具体的にその根拠を示していただきたいと思うわけですね。では一体、商品先物の中で、実際の取引の中で、どれだけがいわゆる実際のビジネスといいますか現物を背景にしたものであって、あと残りは、どれだけがいわゆる金融商品なのか。その割合はどういうふうになっているのか、その根拠を示していただきたいと思うわけでございます。

 本日は、農林水産省、経済産業省、それぞれ政務官、お忙しい中来ていただいています。ありがとうございます。お答えください。根拠を示してください。(発言する者あり)

金子大臣政務官 お答え申し上げます。

 今櫻田副大臣からお話がありましたように、商品先物取引は、実需者による農産物等の物品の売買取引を伴うものでございまして、その取引の場としての商品先物市場は、価格変動リスクに対する保障機能などによってこれらの物品の生産や流通を円滑に行わしめるという重要な産業基盤としての役割を果たしております。

 当業者のこうむる価格変動リスクを当業者以外の投資家が引き受ける仕組みとなっておりますが、商品取引所における会員のおおむね半数は当業者でございまして、東京穀物商品取引所の資料によりますと、商品取引員の委託を受けた取引のうちおおむね一割から三割は当業者となっているなど、商品先物取引は実需者による現物取引と密接に関連していると思います。(発言する者あり)

小林大臣政務官 経済産業省からお答えを申し上げます。

 重複は避けますが、商品市場を開設している商品取引所における会員のおおむね半数は当業者でございます。また、東京工業品取引所の報告によりますと、同所の主要商品である貴金属や石油の大口取引参加者における当業者の割合はおおむね三割から五割と高い割合を有しており、当業者が市場の中心と位置づけさせていただいているものでございます。

近藤(洋)委員 お答えいただきました。不規則発言による声援も受けての御発言でございましたが、その割には、私、どうも納得いかないですね。

 この資料要求について、私、昨晩、役所の当局の方にどういう根拠があるんですかということでお願いをしたら、随分悩まれていたようでございまして、私、夜中の二時まで返答を待っておりましたが、ついぞなくて、恐らく明け方この理屈をひねり出されたんだろうと思うわけでございます。

 いわゆる当該会員の半分が事業者であるということですね。さらに、両政務官お答えいただきましたが、実際の取引の実数の一割から三割が事業者であると。逆に言えば、七割から九割が違うということなんですよ。そうすると、実需に根差したということは、半分以上、六割、七割があるのなら、それは確かに実需、当該の産業インフラとしての機能ということでしょうけれども。会員が半分なのは、まあそうでしょう。だけれども、実際の取引の七割から九割、経済産業省の所管でいえば四割から六割ですかね。

 いずれにしろ、それだけが違うというのは、これは逆に、まさにこの数字が明らかにしているのは、産業インフラでない部分の方の割合が大きいということではないですか。いかがですか。何かお答えがあれば、お答えください。事業者でない方の比率が高いということがここで明らかになったんです。だとするなら、金融商品としての性質の方が、側面が強いと言えると思うんですね。小林政務官、いかがですか。

小林大臣政務官 委員が御言及されているように、金融商品と共通する投資としての側面がもちろんあるのは事実でございますが、先ほど我が省と農水省からお答えしたように、割合だけではなくて、実需者が現実に存在をして、農産物や鉱物などの物の取引があって、それが基礎となって商品先物取引というものが存在をしているということでございます。ぜひその点について御理解をいただきたいというふうに思います。

近藤(洋)委員 政務官と私は個人的には古い友人でありますが、御理解できませんですね。要するに、半分以上が実需から切り離されているんです。これは私、この線引きの議論というのは大変大事だと思うんですよ。

 大事だなと思って、私は金融審の議事録を調べました。どれだけけんけんがくがくの議論がされているのかと思ったら、ほとんどされていないんですよ。二回にわたって、平成十七年の十一月と十二月の七日、それも当時の宮本経産省商務課長が簡単に発言しただけ。そして十二月については、農水省の方が、そのときは数字も挙げずに、ただ両方の側面があるということを述べただけなんですね。審議会の委員の方はやはり問題じゃないかということを言っているのに、明確な根拠も示せずに役所側がそれを一方的に発言しただけ。このたったの二回。

 議論をちゃんと尽くしていないんですよ。尽くしていなくて、そしてその結果、金融庁はこれはさわらないという判断を示したのが今回の法改正なんです。

 これは少なくとも根拠なくこの議論を進めたんだというふうにしか見えないんですが、金融庁、最終的に判断したのは金融庁でございますでしょうから、御所見ございますか。半分以上が実需から離れているのに、何で金融商品として位置づけなかったのか、規制をかけなかったのか、根拠がないと思うんですが、金融庁、いかがでしょうか。これは大臣、お答えください。

与謝野国務大臣 商品取引というのは、一割から三割とはいえ、きちんと実需というものもあって、そういうものを支えていると私は思っております。

 例えば、私の地元にバターボールというあめをつくっている会社がありましたが、中小企業でございましたけれども、そこの社長は、年に一回、あらかじめ一年分のお砂糖を先物で予約をしておく、これでやはりお砂糖の原価の中のコストが一定になる、そういうこともやっておりました。

 また、商品、工業品であれ、あるいは農産物であれ、つくっている方にとってみれば、大体自分のつくっている品物が幾らぐらいのものかということもわかるわけでございまして、そういう意味では、生産とか流通にかかわっていると、ただのいわゆる商品取引というゲームの場ではなく、やはり生産とか流通を支えている側面が非常に大きいということをぜひ理解をしていただきたいと思っております。

近藤(洋)委員 大臣がおっしゃったとおり、私も、実際の御商売と密接にかかわっている部分が商品先物にあるのは認識しております。

 ただ、その上で、商品先物の市場が健全で、だれが見ても大丈夫だというんなら、私はそんなことはこの場で指摘はしないんですが、午前中からも指摘を受けているとおり、やはりこの商品先物取引をめぐるいわゆるさまざまな苦情、相談というのは、やはり無視できない量なんですね。

 委員長のお許しを得て配付させていただいておりますが、資料の一で、国民生活センターが調べた商品取引に関する相談件数の推移を書かせていただいております。二〇〇二年から二〇〇五年までの、一番右の合計でございますが、二〇〇二年から二〇〇四年までは七千五百件、年間七千件あるんですね。二〇〇五年からは、改正商品取引法の効果も多少あり、しかしながら四千四百件やはりいまだにあるわけです。七千件から四千件に減ってこれで万々歳ですよと言えるだけのとてもそういう水準ではない。

 実際に四千件を超える苦情があるということで、これは氷山の一角ですから。国民生活センターにこれだけの量の苦情が寄せられる商品というのは僕はそうないと思いますよ。やはり根底として、昨年の法改正が実施されたにもかかわらず、まだこれだけあるという現実、今回ここを直す大きな機会だったんじゃないか。昨年の商品取引所法の改正で若干なりとも前へ進んだ、だけれども、もう一歩前へ進める大きなチャンスだったんじゃないか、僕はこう思うわけであります。

 その上でお伺いしたいんですが、所管官庁ですね、経産省にしろ農水省にしろ。一体、経済産業省や農水省は、この商品先物について、市場環境を整えるレフェリー、アンパイアの立場なのか、それとも、いわゆるその産業を振興する産業政策をとる立場なのか、どちらの立場なのか。これはもうどちらか右代表でお答えいただきたいと思いますが、比率でお出しいただけるのならお答えください。

谷政府参考人 お答え申し上げます。

 私ども経済産業省は、業を所管する立場、そして業を監督し、また立入検査を行い、処分を行う立場、これをそれぞれ重要なものとして実施しております。

 例えば、昨年の新しい法律の改正を受けまして、検査の職員数の定員を増加するとともに、検査そして処分、それぞれの組織を独立させた形で整備するなど行いまして、委託者の保護による信頼されるマーケットの形成に全力を尽くしております。

 今後とも、信頼されるマーケットをつくるということが産業インフラたる商品の先物取引を健全に振興する意味も持つという認識のもとに、努めてまいりたいと考えております。

近藤(洋)委員 特例で官僚答弁でお答えいただいたので、もう少ししっかりした答えができるのかなと思ったら、両方の側面があって、信頼させます、それしか答えていないんですね。それではだめなんですよ。どっちの立場なんだということをはっきりお答えいただきたかったわけですね。

 要するに、両方なんですよ。両方混然一体となった結果、では、いいでしょう、結果として、この商品先物市場が信頼されていますかということなんですね。

 ちょっとこれは順番をかえますが、過去において、信頼されるような事件は起きていない、いや、少なくとも不信を増幅させるような事件が次から次と起きているんです。

 例えば、東京ゼネラルという大きな会社の破綻劇がございました。これは説明だけにさせていただきますが、東京ゼネラルという大変大きな先物会社が、これまで何度も経産省に不正な取引が行われているという苦情が寄せられてきたのにもかかわらず、さらには虚偽の決算発表をしたということが報告があったにもかかわらず、経済産業省は立入検査に入らなかった。入らなかったどころか、入った途端に、業務停止命令はわずか三日。そしてその上で、ずるずるずるずる処理を引き延ばして、結果として破綻に追い込まれて、そして穴があいたんですよ。預託金が、経産省の資料ですと、最終的には、百十億円のお金のうち、お金が戻らなかった方が、十数億円お金が戻らなかったということが現在明らかになったという説明を受けました。この東京ゼネラルの巨大な破綻劇、これで、とても信用できる市場なんてよく言えたものですね。

 具体的に言いますよ。もう一個。

 資料の方に添付させていただいておりますが、二枚目以降の、商品取引委員アイコムの破綻調査結果についてということでございます。

 これは、時間の関係上、説明の方は省略いたしますが、要は、平成十四年に破綻した商品取引会社アイコム、穀物の関係の先物会社でありますが、この破綻をめぐって、農林水産省がみずからの行政の失敗劇を反省した内部調査であります。

 要は、はしょって言いますと、アイコムの破綻については、これもかねてから預託金の不払い等々が指摘されていた問題会社であった。その問題会社に対して農林水産省は、これの二ページ目、資料で言うと三ですけれども、(2)に書いていますけれども、アイコムが破綻に至るまでの間、経営改善努力を行っており、資金援助の可能性があるなどとの情報を農林水産省は得ていた、したがって同社の経営改善努力の成果を見守ることが適当と判断して立入検査を行わなかった、検査しなかったと。

 そのあげくに、農林水産省は、実質的に、取引所を通じて取引関係会社に出資を仰ぐんですね。いわゆる奉加帳方式であります。破綻会社に対して出資を仰いで、そして何とか経営を再建させようとする、ところが、経営破綻するという。今でいえば、昔の金融行政でありました奉加帳方式。これは農林水産省が、奉加帳方式がだめになってからこの方式を演じて失敗しているんです。

 最終的に、こういった経営破綻劇について農林水産省の対応として大変まずかったという総括をしているこの報告書なんですね。

 ちょっと話が長くなって恐縮ですが、次の七番、これは平成十六年四月九日の経済産業委員会の議事録ですが、経済産業省は、信用ある市場をつくっていきたいというふうに政府の参考人が答弁しましたけれども、中川農林水産大臣は、先ほど言った東京ゼネラルなりアイコムのことを聞かれて、こう答えているんですね。率直に言って、事務当局の答弁の方も多分委員会の皆さんには御納得がいかないのではないかというふうに思いますと。参考人の答弁は、あのときの答弁よりもっと悪いですよ。全くだめだな、経済産業省の対応は、東京ゼネラルについては納得いただけない対応をしているなという、時の経済産業大臣が認めている。そういった破綻劇の処理を繰り返してきたのが、農林水産省であり経済産業省なんです。

 さて、農林水産省はみずからこういった失敗を認めましたが、その後、多少体質は改善されたんですか。農林水産省、お答えください。

金子大臣政務官 お答え申し上げます。

 今委員からお話があった報告書に基づきまして、農林省といたしましては、商品先物取引への信頼低下とか債権者への不安の惹起を防ごうといたしまして、立入検査等を実施しないで、結果としてアイコムの破綻処理コストの増加を招いたことは、大変問題だと考えております。

 農林省におきましては、利用者保護の観点から、検査やこれに基づく行政処分などの法執行を厳格化することが不可欠と考えておりまして、平成十六年度から十八年度にかけて、商品取引所検査官の定員を七名増加しました。また、これにより、本省、地方農政局と合わせて二十七名を配置しております。さらに、商品取引所検査官のうち一人については、昨年より公認会計士を採用したところでございます。

 農林水産省といたしましては、今般の商品取引所法の改正とあわせて、引き続き厳正かつ的確な立入検査を行っていくことにより、法執行の厳格化、委託者保護の徹底を図ってまいります。

近藤(洋)委員 ありがとうございます。

 多少努力をされて、ふやしているというのはわかります。資料の八にもその推移を書かせていただきました。農林水産省と経済産業省がどれだけ人員をふやしてきたかというのが資料八にございますが、それにしても、例えば農林水産省はわずか三十三名ですよ。人数が多ければいいというわけではございませんが、参考までに、下には金融庁の人員を書かせていただきました。千三百四十人であります。

 三十三人で、ではそんなに農林水産省の質が高くなったのかなと思うわけでございますが、このアイコムの破綻処理をめぐった農林水産省の対応、資料で言うところの五の(1)の「農林水産省の対応」に、検査を行わなかった、こういうことで、適切な処置を講ずることができなかった。結果として破綻処理コストが膨らんだということは、まさに政務官お答えいただきました。そして、その原因に、「この背景には、」波線のところです、「業務執行を担当する職員の資質等に問題の根源があると考えられる。」こう書いているんです、資質に問題の根源があると。自分たちの職員の資質じゃ、こういうことはだめだということをみずから反省しているんです。これは立派な報告書ですよ、本当に立派な報告書だ、こういうことをしっかり出して。だけれども、当時の中川大臣も、反省するだけじゃだめだということをみずから答弁しているんです。(発言する者あり)そのとおりであります。

 そして、では人員がふえたのかというと、わずか数名であります。果たしてこの体制で信頼できるような検査監督ができるのか、私は甚だ疑問でございますが、そこで金融庁、お伺いしたい。

 金融庁、例えばこの商品先物について、やはり両方の側面があるのはわかりました。であるならば、農林水産省、経済産業省だけではなくて、金融庁も共管にするというのがせめてもの行政の正しい対応だと思うんですが、いかがでしょうか、お答えください。金融担当大臣、どなたかお答えください。共管にすべきだと思うんです。

与謝野国務大臣 商品取引所法においては、商品市場における取引等の委託者の保護を、国民経済の適切な運営と並ぶ最も重要な目的として位置づけているところでございます。

 商品取引所法を所管する農林水産省、経済産業省においても、こうした観点から、商品市場における取引等の委託を受ける商品取引員に対する規制を、昨年五月に施行された商品取引所法改正で大幅に強化した後、本法案においてもさらに強化する等、委託者保護のために必要な制度整備に努められているものと私どもは理解をしております。

 検査監督においても、昨年五月の改正商品取引所法の施行後は、検査や厳格な処分、刑事告発に取り組んでいると承知しており、今後とも引き続き商品先物取引の公正確保に向けて所管省庁において検査監督を充実していただき、商品取引所法の規制の実効性確保に努めていただくことが必要ではないかと考えております。

近藤(洋)委員 全く不明確なお答えですよね。

 要するに、私が申し上げているのは、現実問題として、人数も極めて少ない、そして苦情も多い、過去において行政の失敗をしてきたその反省に基づいた体制を整えていると明確には言い切れない、こういう状況の中で、未然に防ぐためにはやはり共管にすべきじゃないか、こういうことなんです。

 では、大臣、申し上げますが、同じルールだったら同じ規制をかければいい。ところが、今回金融庁の出された金融商品取引法の中では、例えば不招請勧誘については規制できると書いている。ところが、商品先物についてはそのままなんですよ。規制はばらばらなんですね。第一点。

 二点目。では、金融庁は、証券等監視委員会は、犯則調査権を持って事業者をチェックできるんです。犯則調査権、これは大きいですよ、大変な権限を持って行政監督できるんです。経済産業省、農林水産省には犯則調査権はないんです。同じ金融分野で、片っ方は犯則調査権という権限を持って市場を監視できるのに、農林省、経済産業省は犯則調査権がない。要するに、金融という大きな連なるマーケットの中で、監督当局の権限が違うんですよ。利用者保護の仕組みも違うんです。それであれば、利用者の立場、プレーヤーの立場からも非常に不透明だし、ひいては商品取引市場の、先物市場の発展に非常に阻害要因になるのではないか、私はこう指摘をしたい。

 この法改正には、利用者保護の中で、プロとアマを区分けるということを書いていますね。F1とファミリーカーは同じレールを走れない、こう書いている。私に言わせれば、この商品先物は、プロレスでいえば、凶器を持ったプロレスラーと小学生が同じリングで戦っているようなものなんですよ。大変危険なんですよ。だから、プロとアマの仕切りをしなきゃいけない。レフェリーには強権発動できるだけの犯則調査権を持たせなきゃいけない。そういうことをしないでいるから、日本の先物市場がアメリカやシンガポールや各国に負けるんです。

 大臣、もう時間ですから、後半戦でまたやらせてもらいますが、最後に一言だけ。せめて、共管がだめなら犯則調査権、当局による犯則調査権を、私は別にどの役所がやったって構わないんです、そんな、経済産業省だろうが農水省だろうが金融庁だろうが、どこでもいいですよ、ちゃんとしたことができるのなら。犯則調査権をしっかり持たせて、そしてプレーヤーを管理するという体制に見直すべきだと思いますが、金融担当大臣、与謝野大臣は経済産業大臣もやられていました。内閣における数少ない良識だと思っていますので、御見識を最後にお伺いしたいと思います。

与謝野国務大臣 農水省においても経済産業省においても、検査監督を充実させなければならない、そのことについては私は人後に落ちないと思いますし、また、悪質な場合には刑事告発にも踏み切る、そういう意思のもとでやっております。

 したがいまして、私は、それぞれの所管官庁が投資家の保護のためにもきちんと役割を果たしていくということをかたく信じております。

近藤(洋)委員 時間ですので、終わります。

小野委員長 以上で近藤洋介君の質疑を終了いたします。

     ――――◇―――――

小野委員長 次に、古本伸一郎君外六名提出、証券取引委員会設置法案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として財務省大臣官房参事官林信光君、金融庁総務企画局長三國谷勝範君、金融庁総務企画局総括審議官中江公人君、金融庁証券取引等監視委員会事務局長長尾和彦君、内閣府大臣官房審議官広瀬哲樹君、農林水産省大臣官房審議官佐久間隆君、経済産業省商務情報政策局消費経済部長谷みどり君、中小企業庁事業環境部長小川秀樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

小野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木原誠二君。

木原(誠)委員 自由民主党の木原誠二でございます。

 本日は、民主党提案の証券取引委員会設置法案につきまして、一時間お時間をちょうだいいたしました。提出者である古本委員、そしてまた大串委員、しっかりと御議論させていただきたい、このように思っております。そしてまた、きょうは、大変恐縮ながら、大臣にも御足労をいただきました。後ほど大臣にもまた御質問させていただきたい、このように思っている次第でございます。また、あわせて与野党の理事の皆様にも、こういう機会をちょうだいいたしましたこと、そしてまた委員長に厚く御礼を申し上げたい、このように思っております。

 具体的な質問に入ります前に、幾つか、感想ということではございませんけれども、御指摘をさせていただきたい、このように思っております。

 今回の法案、非常に意欲的な法案だ、このことは高く評価をしたい、こう思いますけれども、やはり一つ順序が違うんじゃないかなという感じがしております。

 と申し上げますのは、やはり、これはあくまでも組織法であって、我々行政を議論する場合には、作用法というのをどういうふうに考えるのか、これから証券取引法というのを一体どういうふうにしたいのかということの議論がまずあって、初めて組織法について議論ができるのではないかな、こんなふうに思う次第でございます。

 先ほど近藤委員の質疑も拝聴させていただきましたけれども、まさに商品先物が今回含まれていないじゃないか、あるいは不動産共同事業に関するようなものが含まれていないじゃないか、こういったことも含めて、やはりここの点についてこそ対案が示されるべきであって、ここなしのいわゆる組織法というのは、まさに魂のない、そういう木像かな、こういう気がいたすわけでございます。その点をまず申し上げたい、このように思います。

 それからもう一点申し上げたいことは、この法案だけをもってしてはこの証券取引委員会というのは活動ができない、これもまさに指摘をさせていただきたい、このように思います。

 まさに証券取引法の中に、今監視委員会という言葉がしっかり入っております。これを変えないことには、あるいは、権限が今委任をされているわけでございます、大臣から金融庁長官に委任をされ、それがまた監視委員会に委任をされているわけですが、この委任関係を一体どういうふうに整理していくのかということなくして、この法案だけで証券取引委員会が活動していくことは不可能なわけでございます。

 私は、今回まさに四回目の御提案だというふうに伺っております。そういう中で、当初であればまだわかるわけですけれども、四回目の御提案の中で、まだこの関係法律の整備ができていない。附則の第四条というところに関係法律を整備するとあるわけですけれども、むしろ、これは関係法律ではなくて、まさに証券取引法そのものがまず根本の法律であって、証券取引委員会設置法とはまさに関係法律なんだろう、こういうふうに思うわけでございまして、その点をまず御指摘させていただきたい、こんなふうに思う次第でございます。

 そこで、具体的な点に幾つか入りたいと思います。

 まず、提案者の皆様から、今回の法案、三条委員会として証券取引委員会を設置する、こういう御提案だというふうに理解をしております。

 この点も、法案を読んだだけでは、三条なのかどうなのかということも実は明らかではない。最も根本的なところが明らかではなくて、これも、実は国家行政組織法そのものを直さないと、そして別表のところに書かない限り、三条としては少なくとも設置はできないんだろう、そういうふうに思いますけれども、そこをあえて捨象して、三条委員会だということで御議論させていただきたいと思います。

 この三条委員会を設置する、三条委員会として証券取引委員会を設置するということについての御趣旨、目的というものをお聞かせいただければ、このように思います。

大串議員 今木原委員から御指摘のあった点について御答弁をさせていただきたいと思います。

 答弁の前に、先ほど御指摘のありました、まず、作用法をどうするかという点に関しまして、金融商品取引法、現在政府が提案されていますけれども、この政府案、貯蓄から投資へということで、縦割り規制から横割り規制へということですき間なく金融商品を見ていこう、そういう法律体系になっている。この考え方自体、我々も異論があるわけではございません。ただ、先ほど来議論の中に出ておりますように、その中で全体をきちんとカバーしている形になっているか、特に商品先物等の面できちんとしたカバレッジが行われているかどうかという点を個々に議論していくこと、これが作用法の内容を規定していく上では大事なんだろうなという思いから、恐らく質問者は議論をしているということなんだろうというふうに思っております。

 それから二点目に指摘のありました、証券取引委員会の作用を決するものとして関係法令の整備をどうするかという点ですけれども、これも御指摘ありましたように、我々の証券取引委員会設置法の中の一番最後に関係法令を整備するというふうに書いています。

 証券取引法をよくお読みいただければわかると思いますけれども、証券取引法の中に証券取引等監視委員会がどういう役割を持つかということはるる書かれています。たくさんの条項がある。そして、我々が証券取引委員会設置法の中で関係法令を整理しますと書いている内容はどういう意味かと申しますと、法律的に申し上げれば、すなわち、現在書かれている証券取引法、それからそれが引き継がれる金融商品取引法の中で、証券取引委員会あるいは証券取引等監視委員会になりますけれども、それが行うとされたものが基本的にはそのまま引き継がれていくというようなことを前提としているわけであって、法律の読み方からするとそういうふうになるというふうにまず申し述べさせていただきたいと思います。

 それから、質問としてありました三条委員会としての証券取引委員会を設置する趣旨でございます。

 まず、三条委員会とするかどうか、この点については、確かに法律上に三条委員会だと書かないんですけれども、八条委員会とする場合には、御案内のように、法案の中に、この役所の中に審議会等として以下のものを設置するという書き方になるので、そういうふうに書かれていなくて、証券取引委員会を設置するという書き方をした法文を書けば、これは三条委員会、そういうふうな法律の立てつけになりますから、自動的にこれは三条委員会としての法律的な立てつけになっている、そういうことでございます。

 証券取引委員会を設置する趣旨でございますけれども、これは、我が国の金融市場、直接金融市場が大きくなっていく中で、個人投資家も極めて大きくなっていく。その中で、市場の投資家の保護を図り、利用者利便の向上を図っていくという観点からすると、規制緩和やイノベーションの結果、それが非常に大きくなってきている中で、監視機能を抜本的に強めないと、車輪の両輪たる監視機能が十分についていかないのではないかという思いがあって、現在の証券取引等監視委員会においては、十分な独立性もなく、スタッフィングの面からもそれが十分かどうかはよくわからない、あるいは、権限の面からも十分な対応ができているかに関して疑問があるという観点から、独立性、そしてスタッフィングの可能性、それから処分権限を独自に備えるという観点で強化した形での証券取引委員会をつくる、そういう考え方に基づいているものでございます。

木原(誠)委員 ありがとうございました。

 大変安心をいたしました。まず一つは、政府から提案をさせていただいております今回のいわゆる投資サービス法、考え方には御賛同いただける、こういう御答弁だったというふうに思います。もちろん、いろいろ中身るるあると思いますけれども、基本的には御賛同いただけるという答弁だったと思います。大変安心をいたした次第でございます。

 もう一点は、権限についてですけれども、今提案者の方から、基本的に現行証券取引法を引き継ぐ、こういう御趣旨の答弁だったというように思います。ということは、私はここはちょっと、非常に理解に苦しむわけでございますが、三条委員会にして彼らに独自の行政権を与えるということではなくて、金融庁のいわゆる担当大臣、金融担当大臣が持たれている権限を、この三条委員会は、独自の権限ではなくて、委任として今後も行使をする、こういう御理解だということでよろしいでしょうか。

大串議員 今御指摘いただきました点ですけれども、もう少し整理して申しますと、現在の証券取引法においては、証券取引等監視委員会の権限についてはこうこうこうだということが書かれている。それで、我々の証券取引委員会設置法案においては、処分権限を与えるという形で証券取引委員会の法的権限を設置法の中に書いているわけでございます。それを反映して、証券取引法あるいは今回衣がえする金融商品取引法の中に、証券取引委員会の権限はこうこうですということを処分権限も含めて書いていくということですから、委任をして処分権限を行使するというのではなくて、処分権限を証券取引委員会が持つという形での改正を考えているということでございます。

木原(誠)委員 これ以上ここの点を議論しても余り利益はないと思いますけれども、いずれにせよ、私が申し上げたかったことは、現行の証券取引法をそのまま引き継ぐわけではない、そういう意味では、権限規定をしっかり整理しない限り、この証券取引委員会設置法だけでは動いていかないということだけは確認をしたい、このように思います。

 そこで、三条委員会を設置するということにつきまして、まさに独立性が低いんだ、こういう御指摘がございました。それが一つの理由だと。もう一つは、専門的な能力のあるスタッフをそろえていく必要がある、こういうことだろうと思いますけれども、私は、この独立性のところも、やはりちょっと議論が前後相逆転しているのかなというふうに思っております。

 すなわち、すべての行政権は内閣に属するわけでございます。このうち、どういう性格の行政権を内閣のいわゆる統制から少し外して、あるいは政治的な統制から外して独立させるのか、どういう権限だから独立させるのかということの議論がまずあってしかるべきだ、このように思うわけでございますけれども、単に、今、八条委員会で独立の行政処分権限がないからこれを三条委員会にして行政処分権限を与えるということではやはり理由にならないのかなと。

 そういう意味では、一体、どういう行政処分権限だからこれを独立させたいのかということについて御説明いただきたい、このように思います。

大串議員 御答弁申し上げます。

 委員御存じだと思いますけれども、八条委員会においては独自に処分を発動するということができません。ですから、今の証券取引等監視委員会の立てつけにおいては、検査の結果、非違行為なり法律違反行為なりが見つかった場合には、金融庁に対して勧告をする、金融庁の証券課というところがそれを引き取った上で処分権限を発動していくという形になっているわけでございます。

 それで行っていると、非常に時間もかかるし、手間もかかる。これだけ取引のボリュームがふえて、時間的なスピードも極めて速くなっている直接金融市場の世界の中にそれでは対応できないのではないかという思いがあって、我々の証券取引委員会においては、処分権限も証券取引委員会の中に持って、調査審議をした後、証券取引委員会が処分も行える。これは、まあ、似た組織としては、公正取引委員会があるわけですけれども、今回、公正取引委員会はその方向への法改正もされたわけです。処分の迅速性を担保していくという観点も含めて、処分権限を証券取引委員会に持っていくというのが一つの考え方、これは三条委員会じゃないとできないということでございます。

 もう一つが、独立性という観点から申しますと、組織上の独立性を確保するという点でメリットがあると思われるのは、例えば人事上の独立性なんかも証券取引委員会においてはぜひとも現在以上に確保していきたいという点がございまして、この点、三条委員会になりますと、独自の人事権あるいは採用権限を発揮していくことができるようになる、この点のメリットも考慮している、そういうことでございます。

木原(誠)委員 ありがとうございました。

 本来、この行政権というのは、先ほども申し上げましたように、すべて基本的には内閣に属するんだ、政治的な統制に服するというのが基本だろうと思います。そういう中で、わざわざ三条委員会を設けるからには、この独立性がなぜ必要なのかということが説明されなければいけない。

 多くの行政法の通説の中でも、処分の迅速性、スピード性が必要だから独立委員会にしますという議論を聞いたことは、私は少なくとも通説の中では一度もないと申し上げていいと思います。むしろ、本来、独任制であるべき行政処分が合議制になった途端に、スピード感、迅速感は落ちるというのが通常の考え方だろう、このように思います。どこの行政法の教科書を読んでも、スピード感、迅速感を求めるために独立行政委員会を設けるという議論は聞いたことがないなということを感想として申し上げたいというふうに思います。もし御答弁があれば後ほど伺いたいと思います。

 そして、むしろ、まさに提案者から御議論があったとおり、今の金融行政、金融市場というのは、本当に、どんどんどんどん、スピード感が非常に重要になっているところでございます。そういう意味では、むしろ私は、これは独任制としてちゃんと維持しなきゃいけないんじゃないかなということを御指摘させていただきたい、このように思います。

 そしてまた、今回、行政処分権限を証券取引委員会に移管されるという場合に、ここには、例えば、投資顧問業における一任業務であるとか、あるいは投信委託業務であるとか、ここら辺は、まだまだ、免許それから認可という、いわゆる最も高度な行政処分の形態が入っているわけでございまして、これこそまさに実は政治的な統制によらしめなきゃいけないんじゃないかな、このように思います。

 いずれにしても、私自身は、この行政処分権限も含めて、独立の三条委員会に渡すということは、いわゆる、非常にスピード感が必要とされる金融行政においてはなじまないんではないかな、このように思う次第でございます。

 それから、人事の独立性のこともございました。そのことはまた後ほど議論をさせていただきたいと思いますけれども、いずれにしても、今、八条委員会でも国会同意人事でございますし、ここは、そもそも独立性が必要かどうかということに関しては、八条委員会であろうが三条委員会であろうが、その組織上既に担保されているんだろう、こういうふうに思うわけでございます。もし御答弁があればちょうだいをいたしたい、このように思います。

古本議員 まず、迅速性のところで必然性が余りないんじゃないかという御指摘がありましたが、実は、昨年の七月から、御案内のとおり、課徴金納付制度が新たに構えられ、この一年間で約六件の事案が、監視委員会からの勧告、そして、審判、審決を経て課徴金納付命令という一連のプロセスを経ておるというふうに理解をいたしておりますが、残念ながら、例えば直近のガーラの事案でいきますと、監視委員会が勧告をし、それから、審判期日を経ず納付命令が出るまで、実に三週間余り期間を要しております。その後の、利根地下のケースにあっても、二週間強を要しております。

 つまりは、これはインサイダーの事案でありますが、投資家一般の、まさに市場参加者の心理からいたしますれば、悪いことをすれば、ある意味、捕まるんだ、そして、監督、監視機能としてしっかりと機能しているんだということをはかる一つの指標として、実は、時間、期間というのは大変重要な要素だというふうに思っておりまして、もちろん、今、監視委員会が八条委員会だから三週間かかったんだという根拠にはならないと思いますが、少なくとも、独立性を持つことによってより機敏な対応ができるというふうに努力をしてまいるべきであると考えております。

    〔委員長退席、七条委員長代理着席〕

木原(誠)委員 ありがとうございました。

 御指摘の点は私もよくわかるわけでございます。ただ、まさに古本委員がおっしゃったとおり、それが八条委員会だから遅いということの理由には全くならないということを御指摘申し上げたいと思いますし、私自身の理解で申し上げますと、今、証券取引等監視委員会が行政処分が必要だと金融庁に勧告を出す、この場合、すぐに記者発表している、プレスリリースをしていると私は理解をしております。そういう意味では、市場関係者に対しては勧告を出しましたよということが迅速に周知徹底をされ、あとは、例えば課徴金を賦課するかどうかにつきましては金融庁の中でまさに審判、審決をしなきゃいけない、そのための日数を確保しているというふうに私は理解をしているところでございます。

 ちょっと先に進みたいと思いますけれども、いわゆる専門性の確保が必要だという御議論がございました。この点も、実は私、余り説得的でないなと思っておりますことは、もちろん、今八条委員会でございますから人事権は基本的に金融庁の方にあるということでございますから、そういう意味でなかなか専門性が育たないという点は理解をいたします。しかし、では、これを三条委員会にしたからといって本当に専門性がある人が育ってくるのかなということについては若干のクエスチョンマークかな、このように思っています。

 もう少し具体案が必要なんじゃないかな、こう思うわけでございますが、趣旨説明の中、本会議でも、専門性のある人的資源をしっかり活用していくんだという点を強調されておりましたので、どういうような具体策を持っておられるのか、その点をお聞かせいただきたいと思います。

古本議員 組織をつくるときには、まずニーズがあって、そこに人を集めてからその組織をつくっていくのか、あるいは、受け皿があって、組織があってそこに人が入ってきて初めて組織が機能するのか、これはどっちが先かの議論はありますが、今監視委員会の陣容、あるいは先ほど申し上げた機動的な対応、機敏性等々をしんしゃくすれば、少なくとも、人材の枯渇が、諸般の事案を通してこの証券市場を公正でそして公平なものにしていく上で喫緊の課題であるというふうに理解をいたしております。

 その上で、まずは人材を確保するということから考えれば、御案内のとおり、会計士を初め、あるいは弁護士を初め、そして税理士を初め、専門職を身につけた方を累次にわたり採用しておる事実はもちろんございます。しかしながら、監視委員会に在籍をしている人の平均が今二年と少しというふうに伺っております。平成四年から立ち上がりまして十四年間、この間のさまざまな人材育成、これはもちろん監視委員会の御努力はあろうかと思いますが、基本は金融庁、もっと言えば旧大蔵省証券局からの人材がそのまま残っておるわけでありまして、新たに八条委員会でもできるんじゃないかという御指摘をるるいただいておりますが、一から採用してプロパーを育成し、腰かけではなくてこの監視委員会にまさに我が身をささげていくという人材を育成していく環境にありません。その前提にあるのが人事権であり、採用権であります。今の状況でいけば、金融庁から人を回してもらわなければ、監視委員会で独自に人を採用することもできませんし、育成することもできない状況になっております。

 加えて、御案内のとおり、ロースクールそしてアカウンティングスクール等々が立ち上がっておりますが、ああいった専門的ないわゆる社会科学系の技能を涵養される人々が社会に多く出てくることをかんがみますと、そういった人材をぜひこういう証券市場の監視、監督機能を強化する専門技能を求められる分野に投入していくということも私どもとしては考えております。

木原(誠)委員 ありがとうございました。

 ここで少し大臣にお伺いしたいと思っておりますが、その前に、今の古本委員の御答弁の中で、多分、監視委員会のいわゆる任期つき職員のことをおっしゃっているのかなと思いますが、二年程度だと、それでどんどん回ってしまうということかもしれません。実は、私はイギリスの大蔵省に二年間出向いたしまして、その当時、まさに金融サービス市場法の企画立案に携わりました。これは一年間携わりました。

 その中でいろいろ調べましたけれども、実は、SECもFSAも職員の回転率は非常に高いんですね。これは、今二年ちょっとというふうにおっしゃいましたけれども、FSAも実はそれほど長く一人の職員がいるわけではない。SECもまさにそうです。金融に携わる者にとっては、FSA、SECでいわゆる自分のステータスを上げて、その後またプレーヤーとして金融市場に戻っていくというのが基本になっておりまして、今二年間だからということの指摘というのは、国際標準からいうと余り説得的でないな、こういうふうに思う次第でございます。

 そして、今まさに古本委員の方から、今ロースクール等々で、例えば証券取引法であるとか、金融論であるとか、いろいろ講義があるということでございます。これは私も事実だというふうに思います。そういう中で、私はもう少し別の観点から人材の確保ができるんじゃないかな、このように思っております。

 この点、ちょっと大臣にお伺いしたいと思いますけれども、例えば、国税に関しては国税専門官というのがいらっしゃいます。そういう意味では、金融についても、例えば試験を少し分けて、金融検査専門官あるいは金融検査監督専門官、こういったようなものをつくっていく、そのことによってその地位、ステータスを上げていくというようなことも考えられるのではないかと思いますが、御見解をいただければというふうに思います。

与謝野国務大臣 確かに、委員御指摘のように、そのような専門職を設けるというのは大事な考え方の一つでありまして、それは当然検討に値するというふうに私は考えます。

木原(誠)委員 せっかく人材確保の話をさせていただいておりますので、あともう一点だけ大臣にお伺いしたいと思いますが、結局、人材確保ができるかどうかというのは、正直に言いますと、やはり給料だと言わざるを得ないというふうに思います。

 実は、私も、先ほどFSAの話を申し上げましたけれども、FSAのトップは、私が当時いたときの記憶によれば、日本の給料に換算して五千万とか六千万、こういう世界でございます。私がいたときのいわゆるイギリスの大蔵省の同僚も何人かFSAに異動をしました。これはなぜ異動したかといえば、やはり給料なんですね。給料が明らかに高い。そういう意味では、今の人事あるいは給与ではなかなか人を集められないというのは率直な偽らざる事実じゃないかな、こういうふうに思うわけでございます。

 そこで、これはなかなか実現は難しいかもしれませんが、少し御提案をしたいと思いますのは、例えばFSAなどは、いわゆる監督をされる、検査をされる主体、証券会社でありあるいは投資顧問業者でありといったようなところからいわゆる手数料を取ってこれを人件費に回しているというのが実態でございます。今すぐにというふうには申し上げませんし、後ほどちょっと実は日本版FSAということで御議論させていただきたいと思いますけれども、例えば手数料を取ってそれを人件費、運営費に回すといったような新しい規制の仕組みがあってもいいのではないかなと思うわけでございますけれども、御所見をいただければと思います。

与謝野国務大臣 委員は英国で実際仕事をやっておられましたので、英国のことはよく御存じで、今さら私が答弁する必要はないと思いますが、英国FSAでは、監督対象である金融機関等から業務内容、規模等に基づき手数料などを徴収し、その運営経費に充当しているというふうに承知をしております。御指摘の点は、我が国においても同様の手数料を徴収し市場行政体制の強化のために充当してはどうかという御趣旨であると思います。

 これは一つの考え方ではあると思いますけれども、まず第一には、金融機関等から得た収入をいわば特定財源として市場行政体制の強化に充当することは適当かどうか、こういうことを検討する必要があります。また、第二には、検査監督対象の金融機関等から手数料を徴収することにより検査や監督の姿勢に影響を与えないかというような点について十分議論をし、検討する必要があると思っております。

木原(誠)委員 ありがとうございました。前向きな答弁と受けとめたいな、このように思っておりますが、少し議論を先に進めさせていただきたい、このように思います。

 提案者にまた御質問させていただきたいと思います。きのう通告をさせていただきましたが、趣旨説明の中でもライブドア問題について触れられていた、このように思います。今回のいわゆる証券取引委員会、四回目の提案ではございますけれども、今回は、まさにライブドア問題があって提案をされているという面もあろうかというように思いますので、この二つの関係、ライブドア問題と、そしてこの証券取引委員会をつくっていこうということの関係、御説明いただければというふうに存じます。

古本議員 何度も出しているということで、物好きだなというふうに思われておるかもしれませんが、これは、ライブドア事案があろうがなかろうが出した案件であります。あわせてライブドアの事件が勃発いたしましたので、当然に、私どもといたしましても、何点か、これまでの出してきた中身により磨きをかけ、そして、あの種の事件の再発の防止に努めてまいりたいという思いで提出をしておる次第であります。

 具体的に申し上げますと、ライブドアの事件の本質は、もとはといえば、いわゆる証取法違反の偽計や、あるいは虚偽記載等々のいろいろな観点で、いわゆる投資事業組合を舞台とした事案が事の発端になりましたが、事件を深掘りしていく過程で徐々に明らかになってきたのが、いわゆる監査法人による監査の問題も、これは無視はできない観点だと思いました。あわせて、では、その投資をしていたと言われる民法上の組合、投資事業組合のあり方もどうすべきなのか等々の問題もございました。

 さらに、このライブドア事件全体を見たときに、そもそも、あの六本木ヒルズのあのサロンと呼ばれている一室で、恐らくその場所にいた人しか知り得ない情報が飛び交う中で、恐らく監視委員会の皆様も、さまざまな情報ソースを通じ入手し、そういう中で、随分前から内定調査に着手をしておったんだろうと推測をいたします。

 等々を考えますと、例えば、先ほど申し上げた公認会計士による監査のありようを一つ取り上げましても、港陽監査法人を舞台としたまさに事件でありますので、では、どういう方法が考えられるかということなんですが、現在、公認会計士・監査審査会は、残念ながら金融庁の傘の下にぶら下がっております。つまりは、監視委員会とは別機能であります。今回私どもが提出した法案の中では、思い切って公認会計士・監査審査会もいわゆる証券取引委員会の傘の下に設けることによって、いわゆる一体的な監督、監視が実現できるのではないかというふうに思っています。

 先ほど二年のお話で、ローテーションのこともあったんですが、現実問題、公認会計士の方が、それ相応のフィーでお招きしないとこれは来ていただけません。現実的には、任期つきの登用ということで、本当に限られた人が、まさにボランティア精神にあふれる人に来ていただいているわけでありますが、残念ながら、開示情報、いわゆる有報を出しておられる約四千社を見ておられるのはわずか七名と伺っております。

 こういう実態を見ましても、私は、人材の確保等々をしていく上においても、少なくとも、例えば公認会計士・監査審査会の機能を強化していったり、あるいは、その実態をわかった上で組織をつくっていくということも大変肝要ではないかと思っておりまして、今回加えておる観点であります。

 加えて、先ほど申し上げた、六本木ヒルズの一室で何があったのか、これは司直の手にゆだねているわけでありますが、例えば、諸外国に見られるようないわゆる潜入捜査や、あるいは、公取では認められているいわゆるリーニエンシー、いわゆる事前申告による減免のような措置等々も、今後は視野に入れて議論をしていかなきゃならないと思っています。

 そういったことも考えまして、監督、監視に特化する一体的な機能を改めて設けていくということで、一方で、企画立案機能を切り離して今回は提出することによって、より特化した効果を上げたいというふうに思っております。

木原(誠)委員 ありがとうございました。

 四回もと申し上げたのは大変失礼な言い方だったかもしれません。そういう趣旨で申し上げたわけではなくて、今回はライブドアとの関係もあるのかなという趣旨で申し上げたつもりでございます。それから、今るる御答弁いただきましたこと、私も、それなりにそうだなという思いをしております。特に、今回の監査法人の件というのは大変キーポイントでございますから、この点をいわゆる証券行政という中にまとめ上げていくということについては、別に反対するものではないというふうに思っております。

 それともう一つ、ここは多分、民主党さん、そして我々与党、みんな一致できるところだというふうに思いますけれども、まさに御指摘いただいたとおりで、開示の部分を担当する職員というのが明らかに少ない。これは証券取引等監視委員会もそうですし、それから金融庁、どちらを見ても明らかに少ない。ここは事実だと思いますので、ぜひこの委員会の中で、与野党合意の中でこの部分の増員ということについて、私自身は、きょう出張の質問でございますのでなかなかあれですが、申し上げにくいですが、合意を得て決議をしていただければな、こんなふうに思う次第でございます。

 そこで、今御説明いただきましたことは、それはそれで理解をするわけですけれども、私自身の考えを申し上げますと、私は、今回のライブドア事件というのは、一つは、非常にまれな経営者が非常にまれな一大悪事を働いた、これはいわば個別具体の事案であろうな、こういうふうに思っております。たまたまその手法がさまざま新しいものを組み合わせたものであったけれども、しかし、それの実態は、やはりこれは違法行為、犯罪行為だ、こういうことで認識をしたい、こういうふうに思っております。

 非常に重要なことは、違法な、あるいは多くグレーゾーンの行為が行われているときに、これを適時的確に拾い上げて立法に移していく、しっかりとその穴をふさいでいく、規制の穴をふさいでいくというのが大変重要だというふうに思っております。いろいろイギリスの経験ばかり申し上げて大変恐縮ですけれども、例えばイギリスでは、規制の網を抜けるための仕組みを考える専門の弁護士というのもいるわけでございます。恐らくアメリカにもいるだろう。そこは大串委員もよく御存じだろうというふうに思います。

 まさに規制、その網を抜こうとする一方の当事者、この中の競争でまさにお互い切磋琢磨をして、そして、規制もどんどんよくなり、競争条件もよくなっていくというのが、まさに金融市場の役割だろう、あるいは規制の役割だろう、こういうふうに思うわけでございます。

 今回、私が非常に懸念をいたしますことは、監督行政を企画立案から引き離してしまって、本当に適時適切、タイムリーな、法の抜け道をふさぐという行為がなされるのかどうか。

 これは私は、かつて大蔵省不祥事のときに、検査監督を一体で引きはがさずに、検査だけを外に出して、やはり監督と企画立案は一体で持っていた。監督がない以上、企画立案をやろうにも、やはりインセンティブがわかないわけですね。自分たちが監督をやっているんだ、そこに穴がありました、それを、では急いでふさごうじゃないかと。あるいは、穴がどこにあるか、その実態すらわからない。

 企画立案だけを持たされた行政組織というのは、まさに、武器を持たない、しかし使命だけ与えられた、そういう行政組織にならざるを得ないと私は思うわけでございます。そういう意味で、ここの部分は大変懸念を持つわけですけれども、今回、あえて監督と検査だけを外に出された、その趣旨をお伺いしたい、このように思います。

大串議員 お答え申し上げます。

 監督と企画立案を一緒にしておくべきか離しておくべきか、この十数年来、金融行政をめぐってこの問題は大きく取り上げられてきたわけでございまして、一つ申し上げると、監督と企画立案を分ける理由というのは、そこに癒着なり不適切な関係なりが生じないようにするためというのがあったんだろうと思います。アンパイアとルールセッターを分けるという古典的な考え方があったんだろうと思います。

 他方、今おっしゃったように、企画立案と監督とを分けると、企画立案を行うときに、現場の声が全くわからないじゃないか、そこにシナジー効果があらわれないんじゃないか、こういうふうに、両方にプラスマイナスがあろうかというふうに考えるわけです。

 現在、我々が企画立案を分けた理由のところは、コングロ化の進むこの世界において、仮に、我々の証券取引委員会の中に証券行政に関する企画立案を取り込んだ場合に、証券業に係る企画立案だけがそこに切り離されてしまう、コングロ化の中にあって、それはいかがなものかなという思いがあって、その判断の中で、企画立案に関しては金融庁に残して、金融庁の中で、コングロ化を踏まえて、証券のほか、銀行、保険も踏まえて企画立案ができるようにし、かつ、我々が考えている証券取引委員会に関しては、世界的なトレンドではありますけれども、行く行くは、証券取引における世界のみならず、銀行とか保険とか、預金とか保険商品とかの販売も含めて、投資家保護、預金者保護、あるいは参加者の保護という側面もより重要になってくるでしょうから、現在の金融商品取引法というところから一歩進んで、例えば金融サービス市場法なりができていくときに一緒に取り組んでいくというような考え方が一つあるのかなというふうに考えた次第でございます。

 委員はイギリスで勤務されましたけれども、イギリスにおいても、大まかな法体系をつくるのは財務省、そしてFSAにおいて検査監督。もちろん、FSAにおいて、法律を執行する際の規則制定権も随分とっているところはあるんですけれども、そこはどこに切り分けるかという判断のところは残ろうかと思います。

 いずれにしても、我々は、先ほど申し上げたようなコングロ化を踏まえた上でこのように企画立案と監督を分けた、そういう考えです。

木原(誠)委員 ありがとうございました。

 今の御答弁は、今回の証券取引委員会というのは必ずしもこれは最終形でない、こういう御答弁かなというふうに認識をするわけでございます。

 まさにこの間の趣旨説明、本会議の中でも、今後、銀行、保険、証券業の垣根が低くなり、一体的な金融行政の必要性が高まることが予想されますが、それに対応して、将来、金融取引全般に関する監督、監視業務への円滑な移行も視野に入れ、こういうふうにおっしゃっておりますから、過渡的な形態ということだろうというふうに思います。ただ、あえて申し上げれば、今後、銀行、保険、証券等の垣根が低くなりではなくて、もう既に低くなっているんだというふうに私は思います。ですからこそ、まさに今、金融商品取引法ということを政府として御提案させていただき、御議論をいただいているということだろうというふうに思います。

 そういう意味では、若干、認識がちょっと違っているのではないかなというふうに思いますし、これから数年後にはもしかしたらこの形でないかもしれないという行政組織を御提案されるというのもちょっといかがなものかなという感じもいたします。というのは、行政組織を移管する、変更するということは大変な労力をやはり職員にも強いることでございますから、これが過渡的だと言われてしまうとなかなかこれは賛成しかねるなという感じがいたしますが、その点、御指摘をさせていただきたい、このように思います。

 もし何か御答弁がございましたら、どうぞ。

大串議員 今の御指摘、全くそのとおりの御指摘でございまして、将来的には預金や保険商品も含めた上での金融サービス市場法的なものができ上がっていくべきだろうというふうに思います。

 なぜそのようなところまで到達していないかと申しますと、我々民主党は、過去のマニフェストにおいても金融サービス投資法をつくるべきだということを申しております。対案を示せということなら、そういうことかもしれませんけれども、今回は、先ほど申し上げましたように、作用法に関しては今回の金融商品取引法を前提として、それに対してもっとやるべきだということで議論しているわけでございます。

 今木原委員から御指摘がありましたけれども、もし将来もう一歩進むべきだということであれば、今回、金融商品取引法にとどまらず、政府の方からも金融サービス法が出されるべきではなかったかというふうに思っている次第でございます。

木原(誠)委員 そういう意味では、自民党は、二月十七日に、当委員会の筆頭理事でもいらっしゃいます渡辺小委員長がまさに企業会計小委員会というところで提案をさせていただいております。今回の法案の審議を経て今後のあり方についてしっかりと議論をしていくということはもう既に御提示させていただいているところでございます。むしろ、我々は、そういう金融商品取引法ということについて、本委員会で御審議いただいて御決定いただく前に過渡的なあり方を提示するということではなくて、最終形をしっかり御提示するためにそういう御提示をさせていただいているというふうに私は理解をしております。

 次にちょっと移りたいと思いますけれども、まさに今、コングロマリット化のお話がございました。私も、まさにそれが今の実態だろう、このように思っております。私が申し上げるまでもございませんけれども、既に一つの金融グループの中に証券、銀行、そしてあるいは保険というものが全部入ってくる、あるいは銀行で、銀行の代理業、あるいは窓口で投信の販売ができる等々、さまざまな形で今垣根が低くなり、コングロマリット化している、こういう実態があるのかなというふうに思っております。その点については認識は一緒かなと思いますので、特に御質問をいたしません。

 そういう中で、世界的な潮流として、私はやはり、監督、監視、検査監督というものは一体の組織でやっていくということが世界的な潮流、これは事実ではないかというふうに思います。例えば、イギリスでは二〇〇一年の十二月にFSAが設立をしておりますし、ドイツでもBafinと言われる機関が設立をしている。

 今回、民主党からのいろいろな資料をホームページ等で拝見いたしますと、SECのことも書かれておりますけれども、SECも、実はGAO、ガバメント・アカウンタビリティー・オフィスが二〇〇四年にレポートを出していまして、分断された証券取引だけの監視あるいは検査ということではなくて、一体的な検査監督というのが必要なのではないかという提言を政府に対してしているところでございます。そういう意味では、アメリカにおいても、SECの体制というのは基本的には、見直されるとまでは言いませんが、見直しを前提とした議論が始まっているというふうに理解をしております。

 こういった世界的な潮流と今回の日本のというか民主党さんの提案、私からするとちょっとそごがあるなというふうに感じるわけでございますけれども、御見解をいただければというふうに思います。

大串議員 今御指摘になった点、先ほどのお話とも通じるところだと思います。

 証券取引のみならず、預金や保険商品も含めた監督を一体型のFSAなり組織で行っていくというのは世界のトレンドでございまして、英国でもドイツでもあるいはオーストラリアでも、今や国際金融機関などでは途上国にもそのモデルを提唱していこうというふうにしている段階でございます。

 我々も、先ほど申しましたけれども、今回の証券取引委員会が最終的には、我々は金融サービス市場法を提唱しているわけでございますけれども、コングロマリット化が今確かに進んでいる、さらに今後進む、そういう中で、金融サービス市場法みたいなものがきちっとでき上がった際には、それにあわせて監督を、証券、保険、預金とあわせてやっていくのがあり得べき姿だろうなというふうに思っている次第です。

木原(誠)委員 そういう意味では、やはり過渡的な姿だという理解でさせていただきたい、このように思います。

 いずれにいたしましても、あと、少し大臣にもいろいろ御質問させていただきたいと思いますので、提案者の皆様にはこれぐらいにしたいと思いますけれども、今いろいろるる御議論をさせていただいた中で、やはり私はなお、わざわざ三条委員会にして、その独立性、本来内閣に属すべき行政権を、わざわざ金融の部門を独立させる、行政処分権を、ということについて、必ずしも説得的な御議論ではないのかなというふうに思います。

 そしてまた、世界的潮流という中で、やはり我々が向かう先は一体的な監督、監視だろうというふうに思うわけでございまして、あえてこの段階で日本版SECをつくらなければいけない、その点についてもやはりまだ疑義が残るなというふうに思います。

 そしてまた、何よりも、金融の世界というのは本当にスピードの速い、生き馬の目を抜くそういう世界でございますから、やはり私は、さまざまなグレーゾーンが出てきたときしっかりと法制定ができる、穴を埋めていくことができるということが最も求められるのであって、企画立案部門だけ切り離してしまうということについては若干やはりいかがかなという感想を持ったということでございます。

 いずれにいたしましても、この後まだ提案者の方に対していろいろ御質疑等があろうかと思いますので、その中でまた論点が明らかになっていくのかな、私もそれを拝聴させていただきたいな、こんなふうに思う次第でございます。

 そこで、残り十五分程度だと思いますけれども、金融庁の方に、政府の方に少し御質問させていただきたい、今回の民主党提案の法律案に関連をして御質問させていただきたい、このように思います。

 まず、大変恐縮でございますけれども、今の私とそしてまた提案者お二方との議論を聞いていただいたその感想を大臣からいただければというふうに思います。

与謝野国務大臣 まず、ライブドアの事件が起きたのは個別の問題かあるいは制度の問題かという点でございますが、違反行為自体は証取法の中の古典的な違反行為でございまして、特異なケースではありましたけれども、典型的な証取法違反であったと思っております。したがいまして、それで直ちに制度をいじるとかあるいは日本版SECをつくるとかというところには多分結びつかないんだろうと思っております。

 それと、木原委員が言われました行政権は内閣に属するというのは極めて重要な論点でございまして、公正取引委員会に関しましても、実は、行政権が内閣に属しているのに、なぜ公取委員会は自分で勝手に動くんだという議論はあります。例えば、検察庁という役所は独立性を保障されているわけでございますが、それでも検察庁法十四条で、一応形の上では法務大臣が指揮権を持っているということで、行政権としてはつながっている。

 そういう意味では、私は、独立した行政委員会をこれ以上ふやすということは、個人的にはやはり行政権の一体性を維持していく上では好ましいことではない、そのように思っております。

木原(誠)委員 ありがとうございました。

 実は、これから大臣に御質問させていただきますことは、二月だったと思いますが、予算委員会のライブドアに関する集中審議の中で大臣と御議論させていただいたこととも若干重なりますが、その点御容赦いただければ、このように思っております。

 先ほど提案者の皆様との議論の中で御指摘させていただきましたように、ライブドアの問題というのは、やはり私は、犯罪そのものは必ずしも特異なものではなくて、そこにいわゆるグレーゾーンというんですか、違法なのか適法なのか、合法なのか、これがよくわからないすれすれのところを、行為をついてくるといったようなときに、どういうふうにこれに対応していくかというところが最も重要なことなのかな、これは私の意見でございますから、もちろんさまざまな御見解はあろうかと思いますけれども、そのように認識をしているわけでございます。

 そういう中では、私は二つのことが非常に重要だというふうに思っております。一つは、そういうグレーゾーンがあって、そこをついてくる人がいるときに、やはりその穴をしっかり埋めていく法の立案作業というのがまず一つでございます。もう一つは、全部が全部、これが司法の場に行かなければいけないということになると、なかなか機動的な対応ができませんから、そういう意味では、課徴金制度といったようなものも含めて、もう少し機動性のある行政処分というのをしっかり打っていく体制をしっかりつくっていくという、この二つかなというふうに思っているわけでございます。

 そこで、まず、最初に申し上げた点についてちょっと御質問させていただきたいと思いますけれども、監視委員会にお伺いをしたい、このように思います。

 今回、ライブドアの事件、いつごろから問題を認識して、そして、その問題を認識したことについて大臣に報告をされていたのかされていないのかということについて、御質問させていただきたいというふうに思います。

長尾政府参考人 監視委員会でございますが、常日ごろから、御案内のとおり、幅広く証券市場に関するさまざまな資料、情報収集、分析しておりまして、そうした中で、法令違反に該当する事実があると疑われる場合には調査を行っている、ライブドア事件についても、そうした作業の中で取り組んできたところでございます。

 大臣からは、ライブドアに関して監視委員会は大体三年くらい前から資料を収集している、こういった発言をいただいておりますけれども、そういうことでございますけれども、個別事案でございますので、それ以上の具体的なことは控えさせていただきたいと思います。

 また、もう一つの、大臣へ報告していたのかどうかという点でございますけれども、監視委員会は独立した機関でございまして、その業務について大臣に指揮監督権はないということで、個別の具体的な犯則調査について事前に大臣に説明したり判断を仰ぐということはやっておりません。ライブドア事件についても同様でございます。

 以上でございます。

木原(誠)委員 今、要するに、疑わしいことがあるよということについては大臣に情報が上がらない、システム上、上がらないと。私はもう、捜査機関ということでしょうから、そこはいたし方ないなと思うわけでございますが、同じことを実は、きょうはお呼びをいたしておりませんけれども、取引所の方にもお伺いをいたしました。御説明をいただいたことがございます。

 取引所の方もいわゆる市場の監視というのを日々行っているわけでございますが、いわば不自然な動きがあったときにはこれは監視委員会に報告をされるわけですけれども、直接それが金融庁に報告されるということは基本的にはない、そしてまた、監視委員会から、取引所からこういう報告がありましたということについて金融庁に報告をされるということも基本的にはないということを御説明の中でいただいております。予算委員会の質疑の中でもその点を確認させていただきました。

 何を申し上げたいかといいますと、いわばこの証券取引等監視委員会というのは、捜査機関という、まさにそういう位置づけになっておりまして、一たんこの情報が監視委員会に入りますと、その中で抱え込まれてしまうということが実は大きな問題ではないかなというふうに私は思っております。しかも、捜査機関でございますから、捜査機関がよくやったなと評価される唯一の手段は告発まで至るということにならざるを得ないわけでございまして、三年かけてでもじっくり仕込んで告発に持っていくというところが、やはり私は、問題だという言い方が適切かどうかは別として、少し改善の余地があるのではないかな、こんなふうに思う次第でございます。

 そういう意味では、これは私の持論でございますけれども、むしろ検査を監督と企画立案の方にもう取り込んでしまうということの方が、今後機動的に企画立案をやっていく、あるいは監督行政を行っていく上では適切なのではないかなということが一点でございます。

 同時に、既に横断的にコングロマリット化しているという状況でございますから、FSA的な形で銀行も証券も保険も全部一つの機関の中に取り込んで、そして監視委員会も取り込んでいく。FSAも、実は強制調査権もございます。それから、告発権も持っております。そういう意味では、委員会形式でなければそういうことができないということではないというふうに私は思っておりますので、可能であれば日本版FSAというものをぜひ御検討いただきたい、このように思いますが、大臣の御所見をいただければというふうに思います。

与謝野国務大臣 一連の話が落ちつきましてから、金融庁の組織、証券監視委員会の組織、こういうことで、今の現状で、投資家の保護あるいは取引の公正性、こういうものを今の組織で確保できるかどうかというのは、常に自省の気持ちを持ってやはり見ていく必要があると私は思っております。

 今の組織が絶対だと強弁するつもりはありませんけれども、今の組織であったためにいろいろなことが起きたんだというふうにはとても考えられないというふうにも思っております。

木原(誠)委員 落ちついてまた御検討をということでございますので、ありとあらゆる選択肢の中で御検討いただければ、このように思います。そしてまた、当然のことながら、行政組織を変えるというのは非常にエネルギーを要することでございますから、やはり何が何でも変えればいい、こういうことではないというふうに私も思います。いずれにしても、じっくり検討していただければ、このように思う次第でございます。

 残り五分ということでございますので、もう一つの論点、課徴金制度につきまして、ほんの一点だけ質問させていただきまして、私の時間を終わりにさせていただきたいと思います。

 今回、いわゆる刑事罰の方は、厳罰化ということで十年まで引き上げられた、引き上げられておりません、引き上げということで法案で提案をさせていただいている、こういうことでございますけれども、私は大変意義のある改正の提案かな、こういうふうに思っているわけでございますけれども、やはりこれから、先ほど申し上げたように、機動的な対応を金融行政の中でやっていくというためには、この課徴金というものをフルに活用していくということが大変重要だ、私はこのように思っております。

 そういう意味では、今、不当利得を基本的には召し上げる、こういう発想に立っているのかなというふうに思いますけれども、もう少し、いわゆる懲罰的な課徴金制度、三倍あるいは五倍といったようなものを科すことも考えられていいのではないかな、こんなふうに思いますが、大臣の御所見をいただければと思います。

与謝野国務大臣 課徴金の額の水準としては、委員御指摘のように、利得相当額を法定しておりますけれども、金額の水準についてはいろいろな議論のあるところでございます。

 しかしながら、証券取引法上の課徴金制度は昨年四月に導入されたばかりでございまして、当面は、現行制度の効果的な運用、また違反の摘発を通じて課徴金納付命令の事案の積み重ねに努めてまいりたいと思っておりますが、いずれにしろ、今後、この点を含めて、昨年十二月の規定に則して検討してまいりたいと考えております。

木原(誠)委員 まさに、まだ導入されたばかりということでございますから、この中で運用の状況をしっかりとモニタリングしていただきまして、必要な改正はぜひ行っていただきたい、このように思う次第でございます。

 まだ少し時間が残っておりますけれども、これで終わりにしたいと思いますが、証券市場といいますものは、まさに資金の運用、調達の場でございまして、一国の経済の中で資源配分を最適化していくという意味で最も重要なかなめの場所だろう、このように思います。そういう意味では、きょう、こうして野党の方からも対案というか法案を出していただきまして議論をさせていただける、こういうことは大変いいことだな、ありがたいことだなというふうに思っております。

 ぜひ審議が深まることを期待したいというふうに思いますし、そして何よりも、思いは与野党一緒だろう、このように思います。しっかりとした、公正で効率的な市場をつくっていく、そのためにしっかりとした監督、監視機関が必要なんだという思いは一緒だろうというふうに思いますので、途中でも申し上げましたけれども、ぜひ監視委員会の定員の増強、特に開示、ディスクロージャー部門の定員の増強ということについて、与野党を挙げて本委員会として支援をできればな、このように思いますので、その点を最後に申し上げまして、私の質問とさせていただきます。

 どうもありがとうございました。

七条委員長代理 次に、近藤洋介君。

近藤(洋)委員 近藤洋介でございます。

 先ほどに続きまして、商品先物取引の規制のあり方を中心に伺ってまいりますが、民主党の提案者の皆様方の考え方を中心に伺ってまいりたいと思います。

 民主党の法案提出者は、石油や穀物の商品先物取引について、金融商品であるとの認識をどの程度持たれているか、さらには、商品先物市場の役割、日本のマーケット、市場が国際競争力を持っていくことが日本全体の経済にとってどういったメリットがあると認識されているか、お伺いします。

    〔七条委員長代理退席、委員長着席〕

大串議員 今御指摘のありました、商品先物市場取引にどの程度金融的側面あるいは投資的側面があるかということですけれども、先ほど来政府側からも説明がありましたように、商品先物取引ですけれども、石油、金属等々の商品に関して、有形の現商品を置いた上で行われている先物取引です。ですから、おのずと、純粋な金融商品たる株価先物とかあるいは債券先物なんかとは異なる面があるんだろうというふうには思いますけれども、他方、取引所で売買をされて、かつ、価格変動リスクがあって元本を下回ることもあり得る、先物を取引した後、差金決済をもって決済する割合が多いというような点においては、金融的側面が非常に多いんだろうというふうに思っております。

 先般、ある商品取引所において視察をさせていただいた際に、先物を買った人が最終的にその先物を行使して現物を得る、そういう意味での現物の側面はどのくらいあるんですかというふうなことをお尋ねしたときに、それは一%程度です、ほんの一%程度ですということでした。残り九九%は、すなわち、限月の長い先物を買って、恐らく、現物を引き取るのに近くなってきた月日において先物を反対売買することによってヘッジを行うというふうな活動を行っているということでございました。この一連の流れを見ますと、先物を買って先物を売って手じまうということをやっていることでございまして、これは純粋なヘッジでございます。

 ヘッジですけれども、御案内のように、金融の鉄則として、ヘッジをやる人が五十人いたら、残り五十人は、それに対して反対に投資、投機をする人がいなければなりません。マーケットの流動性という観点からすると、実はフィフティー・フィフティーでも足りなくて、さらに多くの投資、投機をする人がいて初めて、ヘッジをする人が実需に応じてヘッジをする体制が確保されていくということでございますので、先ほど政府の方からありました、一〇%から三〇%の方々が当業者であって残りは一般の参加者であるということは、驚くべきでない、すなわち、この手のマーケットは必ずそのぐらい大部分を、実需とはかけ離れた投資、投機の方々がいらっしゃるということだと思いますので、現在、まさにそういう金融的な側面が非常に強い市場として成り立っているんだろうというふうに私は思っております。

 先ほどお問い合わせのありました商品先物市場の役割ですけれども、これは、取引の割合が一方にあって、ただし、この市場が適正に監督され、公正な運営が確保されることによって市場全体が活性化することが非常に重要だろうというふうに思っています。それによって産業としての側面、それから金融としての側面、双方の面からの経済に対する好影響が確保されていくということがあろうかというふうに思っております。

近藤(洋)委員 取引の実態に即した、大変わかりやすい御答弁だったと思うわけでございます。

 その上で、商品先物の金融商品としての取引実態の側面が強いという性質にかんがみて、先ほども政府の方々と議論させていただきましたが、他の金融商品と同様の仕組み、すなわち、監督、レフェリー役とそれぞれ分離をするということであるとか、さらには犯則調査権を持った検査、すなわち検査監督の権限の強化、さらには罰則、これは課徴金制度等々ですね、同じように、やはりイコールフッティングといった環境を整えるべきだと考えますが、民主党の法案提出者はどのようにお考えでしょうか。

古本議員 お答えいたします。

 いわゆる商品先物の実態につきましては、ただいま大串提出者からお話のあったとおりでありますが、一般の参加者といわゆる当業者、これは実際に実需のある方だと思います、総合業者や流通、あるいは先ほどのあめ屋さん、砂糖屋さんですか、等々の実需のある人と、一般投資者、差金でお金を得ようとする方の差というのは、これはなかなか実態の数字はないということでありました。

 お尋ねの前に、これは一点紹介をしておきたい数字があるんですが、東京の穀物先物商品取引所の実数値でいけば、例えばトウモロコシの当業者割合九%、アラビカコーヒー九%という、非常に実需のある人はその程度で、一方で小豆の人が三三%ぐらいある等々、これは商品の人気によって変わってくるということでありますが、現実の話として、当業者の割合というのは実はこの程度であるという実態がまずあります。

 こういう実態を踏まえた上で、金融商品がどうかという議論なんですが、これは、投資者、市場に参加するプレーヤーの皆様にしてみれば、経産省が所管していようが農水省が所管していようが、そのことよりも、同じ条件で安心してマーケットに参加できるという条件が整っていることの方が大事であって、どこの省が所管しているかということはその次の議論だというふうに理解しております。

 しかしながら、現実において、金融庁とのせめぎ合いの中で、経産省そして農水省がみずからの陣地を手放さなかったと想像にかたくない中で、これは、だったらば、経産省、農水省は、今委員御指摘のような、金融商品に肩を並べるだけの安心したマーケットを涵養していくためのさまざまな努力をすべきであるというふうに思っております。

近藤(洋)委員 古本委員お答えのとおり、やはり今回のこの法改正の背景を見ると、どうも、役所間の縄張り争い的な側面があったのかなと思わざるを得ないですね。取引所、七つが再編されて現在六つになったわけですが、各取引所の理事長さんは全部、それぞれ農林水産省の局長経験者、経済産業省の局長経験者がしっかり天下りをしている、こういうことでありますし、この辺を見ても、どうも陣地を手放したくなかったのかなというふうに邪推を、これは邪推ではないですね、かなり確度の高い推理でありますが、思わざるを得ないわけでございます。

 その意味で、改めて関連して伺いたいんですが、現実を考えますと、これは政府の方にも先ほど同じ問いをいたしましたが、まさに利用者の立場から立てば、どの役所がやろうと結果が出ればいいわけですから、少なくとも、手続をして共管のような形にするのが当座の考え方としては正しいのではないかと思いますが、民主党のお考えを伺いたい。

古本議員 共管にできるものならとっくの昔に共管になっているんでしょう、と思います。そのくらい、経産省、農水省が手放さない利権というのはおいしいものなんだろうというふうに想像いたします。

 その意味で、委員たっての共管というお話でありますが、現実にあるんです。例えば不動産特定事業でいけば、国交省と金融庁は共管しております。あるいは、まさに郵貯でいけば、旧郵政省といいますか総務省と金融庁は共管しております。したがって、省庁をまたいで市場の参加者に安心をする市場を提供する枠組みとしては、他に例はあるわけでありますから、ここは、当委員会で思い切って御議論をしていただく中で、全く閉ざされた道ではないというふうに思っております。

近藤(洋)委員 ありがとうございます。

 続いて、話を切りかえまして、金融行政の体制についてお伺いしたいと思います。

 金融行政、かつては大蔵省が一元的に管理をし日銀とあわせてやっていたわけですが、この変遷を見ますと、平成十年そして平成十三年にいわゆる完全なる財金分離が行われています。先ほどの与党の木原議員の御発言にもありましたが、いたずらに行政組織に手を入れる、あちこち手を突っ込んで切ったり離したりすることについては、私も慎重にすべきだという基本認識に立つものであります。この点については、行政改革特別委員会でも与謝野大臣と御議論させていただきました。

 ただし、この金融については、委員各位御存じのとおり、住専問題を初めさまざまな不良債権の処理に当たって、どうも、やはり大蔵省一体の中で、いわゆる、昔で言うと四階と二階と言いましたが、主計局と銀行局がちぐはぐな対応をしたりとか、さまざまな問題で不良債権処理が後手後手に回ってしまった。さらには、財政政策でやるべきところを金融政策にツケを回したとか、要するに、大蔵省主計局が強い中での下請としての銀行行政があった側面もこれあり、私は、この財金分離というのは正しい道であっただろう、その後の金融再生を考える意味でも、検査監督をする体制をしっかり分離するということは正しかった、旧大蔵省に権限を一極集中させてしまった体制を見直したことは、その時点においては正しい判断だったと私は思っております。必然であったんだろうと思うんですね。

 そこで、今の金融を考えますと、いわゆる危機的な状況は去りました。去った上で平時になったわけですが、平時になった上で、与謝野大臣にぜひお伺いしたいんですが、さて、この八条委員会にもなっている証券監視等委員会及び金融庁と今の財務省が再び一緒になるというか、一つになる可能性の道というのはあるんでしょうか、ないんでしょうか。お答えください。

与謝野国務大臣 金融庁は、現在の状況で仕事を続けているわけでございまして、将来の姿についてまだ論じる段階ではありませんし、論ずる必要性も現在のところは全くないんではないかと私は思っております。

近藤(洋)委員 なるほど、論ずる必要性はないという御答弁。これで私の、ちょっと心配の気持ちがここでむくむくと起き上がってきたんですが。

 委員長のお許しを得て金融庁の組織図を配らせていただいております。金融庁のほとんどの職員は、これは当然です、平成十年から十三年に完全分離ですから、大宗の職員の方が、旧大蔵省といいますか、大蔵省からの出向の方々であります。出向でありますから、いわゆるノーリターンルールというのはどうなっておるんですかと、これは財務省等に聞きましたら、明文化した法律はございません、規定はございません、ただ、幹部職員、局長級の方の場合はノーリターンです、これはこれまでの政府の答弁で決まっています、こういうことでありました。ですから、いつでも出入り自由の関係なんですね、財務省と金融庁は。いつでも出入り自由であります。

 そして、さらに、金融庁の組織図を見ますと、大臣官房という組織がないんですね。大臣官房がありますと、ある程度人事も相当やりますし、かなり独立性を保たれるわけでございますが、そういうことを見ると、ひょっとしたら将来また一つに戻るんじゃないか。

 事実、財務省の方のかなり上の幹部の方と話をする機会を、余り私はないですが、多少はあるんですけれども、何となく話を伺っていると、昔の大蔵省のようになりたいな、国税庁を持ち、金融行政を持ち、大大蔵一家を復活したいという気持ちがにじみ出ているときが時々あるんです。これは私の印象でございますが。(発言する者あり)これはいいことだということなんでしょうか。そういう御意見の先生も事実いらっしゃる、こういうことでございますね。私は、今の大臣の御発言で見ると、やはりそういう道を残しての、おもんぱかっての御答弁なのかなというふうに思うわけでございます。

 そこで、どうなんでしょうか、可能性を残しているということなんでしょうか、大臣。さら問いで恐縮なんですが、合体する可能性を残しているということなんでしょうか。

与謝野国務大臣 そういうことを考える暇もないですし、また、考える必要性もないんだろうと私は思っておりまして、金融庁は、与えられた、国会で決めていただいた法律に基づいて金融行政をきちんとやるということが使命でありまして、注意をよそに向ける必要はない、ひたすら一生懸命金融行政に取り組むということが金融庁の使命であるというふうに思っております。

近藤(洋)委員 行政のトップのお立場としては、それは正しい御姿勢だと私も思います。

 ただ、その上で、ぜひ民主党の法案提出者に伺いたいんですが、私は、今回民主党案で、権限の強い三条委員会を設けるということでございました。行政権は内閣に属しますから、それは一つの内閣の中の話ではありますけれども、あえてここで権限の強い三条委員会をつくるということは、現在の八条組織ではなくて、委員会みずからがある程度意思決定をできるという機関をつくったということは、ある意味で財金分離の考え方をさらに一歩進めて明確にしたんだろうというふうに受けとめるわけでございます。政府は、そこをちょっと、考える暇もないという御答弁でございましたが、可能性はまだ残るわけで、そこは明確に財金分離という姿勢を示した一つの意思表示ではないかと受けとめるわけですが、法案提出者、いかがでしょうか。

大串議員 お問い合わせの件ですけれども、民主党案におきましては、先ほど来議論に上っておりますように、我々が提案しております証券取引委員会を内閣府の外局として、国家行政組織法上の三条委員会として位置づけているわけでございます。現在の証券取引等監視委員会は、金融庁の中で、いわゆる八条委員会、すなわち審議会等として位置づけられておりまして、このように法律の位置づけが基本的に完全に異なるということでございます。三条委員会にした趣旨は、先ほど来お話ししていますように、より独立性を高めて、かつ自分で行政処分を行えるような形、すなわち独立性を非常に高めるというところに一つの眼目があるわけでございます。

 現在の証券取引等監視委員会、八条委員会の場合には、委員長それから委員二人がいらっしゃいます。その下に、事務局長以下、事務局があるわけですけれども、例えば、委員長あるいは委員の方々が、こういう形で証券市場の健全な発達に資するために、こういう証券取引等監視委員会の運営をしていきたいと仮に思ったとしても、実は、委員長あるいは委員には事務局以下の人事権はないわけでございます。現在、事務局以下の人事権は金融庁長官の方にある。人をふやすにしても、金融庁の方で予算要求、定員要求等をやっていく。こういうふうに非常に独立性のない状況になっているわけでございますから、それをあえて三条委員会にして独立性を高めたいというふうに考えているわけでございます。

 このような考え方を通じまして、金融行政における中立性、公正性を確保したいということを目的とした財金分離の考え方も、よりさらに徹底されるものだというふうに思っております。

近藤(洋)委員 ありがとうございます。

 私は、先ほどの議論というか、行政権は内閣に存するという憲法の規定、興味深く聞いておったんですが、まさにこれは非常に大事な問題でございまして、私流に言えば、行政権は内閣に存するというこの憲法の規定を拡大解釈してきたのは官僚機構だと思っていますね。「行政権は、内閣に属する。」というにしきの御旗を持ってどんどんどんどん役所が、官僚機構がみずからの権限を拡大していった、そしてすべてを仕切ってきた。本来、内閣に存するということであれば、政治家なんですよ。ところがそうではなくて、内閣を構成する一部局の官僚機構がどんどんどんどん権限を伸ばしてきて、政治を骨抜きにしてきた、こういうふうに思うわけでございます。

 したがいまして、行政権は内閣に存するというのだから、ある程度、どこにあろうともどういう部局であろうとも問題ではないんだという議論ではなくて、でき得る限り、一つの役所が突出したりとか、正しい行政がゆがめられることのないようにする仕組みが必要でしょうし、かつ、やはり政治家がちゃんと責任をとる仕組みをつくる必要があると思うわけでございます。

 私は、この三条委員会にすることで、最終的には、問題は政治家といいますか、意思を決定する部局、政治家というか政権与党ですね、与党が政策失政の責任をとるような仕組みをつくることが望ましい体制であろうかと思いますし、いたずらに官僚機構が権限といいますか意思を行使できるようなすきをつくるべきではない、独立性のある委員会をつくった上で、その上で政治家が失敗について責任をとればよいということを申し上げて、私の質問を、時間ですので終えたいと思います。

小野委員長 以上で近藤洋介君の質疑を終了いたします。

 引き続きまして、小川淳也君。

小川(淳)委員 民主党の小川淳也でございます。

 委員長を初め理事の皆様、委員の皆様、また当局の皆様には、大変おくればせながらこの財務金融委員会に所属をさせていただいておりまして、何分にも初心者でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 きょうは木原委員の方から、木原委員、今おられますでしょうか、おられませんですね。御不在とはいえ一言御礼を申し上げたいと思います。

 私ども野党案という大変幸の薄い議論に、あそこまで理路整然と、しっかりとした説得力を持っておつき合いいただけましたこと、そのことをもって私どもの同僚、先輩議員にしっかりとした出番をつくっていただきましたこと、心から感謝を申し上げたいと思っております。

 思わず説得されそうになりました。理路整然とした議論に思わず説得されそうになりましたが、本当は私も、先輩、同僚に対して厳しい質疑を申し上げるつもりできょう準備しておったんですが、余りにもそれではかわいそうだなと思いましたので、ちょっと議論を修正させていただきたいと思います。

 与謝野大臣、ちょっとお伺いさせていただきたいんですが、木原委員はおっしゃいました、私ども今出しているのは組織法だけです、組織論だけです、組織論の前に作用法を出すべきだ、それはそのとおりだと思いました。しかし、与謝野大臣、やはり作用法、作用論がしっかりとあって、これに組織論がしっかりと組み合わさることで、車の両輪として所期の目的を達すると思いますが、与謝野大臣、いかがですか。

与謝野国務大臣 何か事が起こりますと、組織がおかしいとか制度がおかしいとかという議論に走りがちでございますけれども、多分そういうことではないんだろうと、いつも私は自分自身では思っております。したがいまして、もちろん組織というものも大事ですけれども、何か事がありますと組織や制度が悪いんだという、そっちの方に事を寄せて論じるのは余り私の趣味ではありません。

小川(淳)委員 ありがとうございました。

 大変いい御趣味だと思いますが、やはり組織論、制度論としてもしっかりと考えていくこと、これはまさに両輪だと思います。そうした声が世の中にあることを、追って議論を進めてまいりたいと思います。

 二つ目です。三条委員会であるのか八条委員会であるのかが余り大きな意味を持たないんだというような趣旨のお尋ねがございました。あの議論は木原委員の個人的なお考えですか、それとも、与党内では既にそういうことでまとまったお考えですか。与謝野大臣、与党内の議論を観察しておられますか、お伺いいたします。

与謝野国務大臣 与党は、今の金融庁の組織、監視委員会の組織というものを前提に物を考えているわけでありまして、三条委員会、八条委員会ということが議論になったというふうには私は聞いておりません。

小川(淳)委員 平成十八年二月二日、参議院予算委員会での与謝野大臣の御答弁を御紹介申し上げます。三条委員会、八条委員会の議論は大いにあり、我が党内でももちろんそういう問題はある、この事件が一件落着した後、落ち着いた雰囲気の中でこういう問題を含めて議論をきちんとする必要があると思っている。この御答弁、間違いございませんか。

与謝野国務大臣 当然そういう議論はあるのですが、それが強く聞こえてきているわけではありません。特に、日本版SECというのは、当然我が党内でもそれを支持する人たちがおります。おりますが、今のままでいいんだという方も非常にたくさんおられるわけでして、まあ議論が拮抗しているのではないかと思いますが、三条委員会、八条委員会で議論が対立しているわけではありませんで、SECが持っている権限を証券監視委員会も持った方がいいという議論ですが、やはりその議論は、アメリカのSECと日本の証券監視委員会の権限の対比表をつくりますと、日本の証券監視委員会は、思ったよりもたくさんの権限を持っているということがわかるはずでございます。

小川(淳)委員 権限のお話、もちろんでございますが、そこにはやはり、三条委員会にしてしっかりと権限を持たせた上で何を載っけていくかという議論を進めたいわけでありまして、今の時点では、拮抗しているというお答えをいただいただけで満足であります。

 それで、もっと本当は御紹介申し上げたいんですが、そもそも証券取引等監視委員会をつくったときに、これは公明党の宮地先生ですか、平成四年五月十四日、衆議院の本会議での御質問ですね。「私どもは、」「証券・金融不祥事の反省の上に立って、公正な経済競争と市場を監視するためには、国家行政組織法第三条を根拠とし、大蔵省から独立した証券・金融全般を所掌する行政委員会、仮称証券取引委員会を設置すべきと考えております。」と。これは十四年前の公明党さんのお考えであります。

 そして最近でも、十八年の一月二十六日、衆議院の予算委員会、金子先生ですね。予算委員会では、筆頭理事として大変お世話になりました。党内では、もうアメリカ型のSECというものをつくっちゃったらどうだ、今の監視委員会はやめちゃって、こういう意見も当然出ている等々、やはり与党内でもこれは議論が拮抗するぐらいのことだと思います。

 申し上げたいのは、ただ一つです。きょう説得されそうになりました。お二人も押されぎみでしたが、これは議論のあるところでありますので、それだけしっかり確認をさせていただきたいと思います。

 その上で、やはり私ども野党がこういう対案を提示していくというのは並大抵のことではありませんし、その意味では先輩、同僚諸氏に心から敬意を表さなければならないわけですが、出した以上は、少々ああ言われようがこう言われようが、堂々と闘う、あるいは与党をうならせるぐらいの論拠を持って出すべきだと思いますが、古本委員、いかがでしょうか。野党がこうした対案を提示するに当たって、これはオリンピックと一緒ですか、参加することに意義があるんですか。それとも法案として成立されたいんですか。それとも考えとして意見表明されたいんですか。そこの覚悟をお答えください。

古本議員 国会の中の議論は、当然に立法府でありますので、我々国会議員は、最大の職務は、国民の皆様が求めておられる安心、安全な暮らし、暮らしの中に含む経済行為も実現をしていくために、さまざまな法の整備をしていくということだというふうに理解しております。

 その意味では、先ほど与党の委員から御質問いただきましたが、そもそも、ライブドアの事件があろうがなかろうが、この証券取引委員会設置法案につきましては、まずは設置法でありますが、そのうち整備法で内容を整えていく予定でありますが、これはライブドアがあろうがなかろうが提出を予定していた事案であります。

 そして、本気かどうかという御指摘でありますが、これは、民主党の他の同僚議員がきょうもさまざまな議論を各委員会で行っておると思いますが、提出をして、自己実現のように、自己満足のように、まずは出せばいいという思いで出している人は一人もいない、そう思っていますし、私自身も、この法案につきましては、もちろん諸先輩方が過去累次にわたり提出してきた中身でありますが、今回の状況を踏まえて、一部研さんをした上で再提出をしている、新たに出しているわけでありますので、これを通す気があるのかないのか、こう聞かれたならば、当然に、委員の皆様から慎重審議の上に賛同を得たいというふうに思っております。

小川(淳)委員 ありがとうございました。

 私ども、本当に手も限られていますし、そう対案対案と走り回る余裕はありません。イギリスには伝統的に、与党は統治を担当する、野党は批判を行う、これでもって国家の運営のバランスをとっていくという伝統的な、何百年かけて血を流して民主主義の仕組みをつくり上げてきた国です。そういう知恵というのは、私どももやはり参考にするべきだと思います。

 そして、やはり私たちの最大の仕事は、批判であり検証です。百人がいたら百人喜ぶ政策なんてあり得ませんから、そこからおっこちた人の声をしっかり拾っていかないといけません。ただ、その批判力を最大化するとき、検証する力を最大化するときに、時として対案を用意せねばならないときというのはあるんだと思いますね。そういうしっかりとした議論を、与党の皆さん、むしろ与党の胸を打つぐらいの対案でなければ出したって意味がない、そんな気持ちで臨みたいと思いますが、古本委員、そういう前提で、過去、この法案、三回出して、三回日の目を見ずに散り行っているわけですね。この反省に立って、前回の案と今回の案、その反省の上に立ってどう工夫をされましたか。あるいは、どう状況の変化をとらまえられましたか。

古本議員 過去累次にわたって提出をしたというのは事実でありますが、実際に審議をしていただいたのは、たしか昨年の通常国会のときの一回でありまして、その際に浮かび上がった問題点として最大の問題点は、金融庁の傘のもとで監視委員会という組織があって、これは当時、証券スキャンダルの後に、さまざまな組織形態を経て、谷垣さんが担当主務大臣になった時代もありました、組織を変えてはいけないんじゃないか、そういう御批判も先ほどありましたが、さまざまな経緯を経た結果、現在の監視委員会の形になっています。

 この現在の監視委員会の形に至るまでにさまざまな議論はあった。その上で、昨年の議論を少しひもとけば、最大の要因は、今ある組織を変えるのが嫌だからですよ。だから、賛成してもらえなかったんですよ。今、拮抗しているというふうにいみじくも金融担当大臣思って、おっしゃられました。まさにそうであります。組織を変える、これは勇気が要ります。そして、変えた以上はその先が何があるのか、これは問われると思います。

 その意味では、今回見直した最大のポイントは、少なくとも、ライブドアの事案が当然にありましたので、さらには、あわせて、金融のコングロマリットが進む中にあって、さまざまな今後の金融商品も視野に入れなきゃいけないという中で、政府は金融サービス法ではなくて、改め、金融商品取引法を出してきましたので、ここも視野に入れたならば、将来さまざまな金融商品に対応ができるような企画立案機能は別に切り分けておくことによって、一方で監督、監視に特化することによってさまざまなコングロマリット、金融のコングロマリット化への対応が実現できると思っておりまして、まずは切り分けたというのが一点目であります。

 環境の変化を考えますれば、政府は当然に間接金融から直接金融への流れを、今政策誘導されておられます。私ども民主党も、これは大きくはそのとおりだと思っております。しかしながら、自由と、その自由を謳歌する大前提である事後的なチェック機能の整備という意味においては、残念ながら追随できていないという問題意識に立って、今回、先ほど申し上げた公認会計士・監査審査会の機能を新たに取り込む等々、これまでになかった部門を織り込んで、生まれ変わった形で提出をしているということであります。

小川(淳)委員 ありがとうございました。

 そういった工夫をして出していただいているわけですが、与謝野大臣、お答えになれる範囲で結構です。昨年の四月に、民主党提出の証券取引委員会設置法案を当然否決されたわけでありますが、当時、与謝野大臣は自由民主党の政務調査会長でおられたと思います。なぜ否決されたんですか。反対されたんですか。

与謝野国務大臣 多分、皆様方の御提案よりは、自民党、公明党が考えていることの方がすぐれていると思ったからであると思います。

小川(淳)委員 まあ、そうでしょうね。そうなんでしょうね。そういうことなんでしょうが、その中身を本当は、また今度、機会を改めて、ぜひ詰めさせていただきたいと思います。

 今、企画立案を切り分けたと古本委員おっしゃいました。企画立案とそれから現場監督、検査というのは、金融に限らず、あらゆる行政分野で発生している一般的なことであります。恐らく、これは金融に限らず、永遠の命題かもわかりません。企画立案部門と監督部門、そしてもっと言えば検査の部門、この二つは、与謝野大臣、どうお感じになられますか。やはり分けた方がいいんでしょうか。それとも一体の方がいいんでしょうか。先ほど木原委員の質問もございました。巧妙に、上手に結論をお避けになられたような気がいたしますが、そこはいかがですか。

与謝野国務大臣 もともと、今から何年前ですか、財政と金融が一緒にいるからだめなんだという議論が我が党内でも起きました。それから、その当時のさきがけの中でも起きまして、手間がかかるなと思いながらその調整をやっていたことがあります。

 私は余り、自分自身、組織いじりというのは好きではない。何か起きますとすぐ、組織が悪い、制度が悪いというふうに考えがちですけれども、多分そうではないんじゃないかなというのが私の直観でございます。企画立案部門と監督部門を分けよとか、昔からある議論でございまして、必ずしもそういう組織再編によっていい結果が出るというふうには、私は、個人としては考えていないわけでございまして、すぐ組織をいじるという傾向は余り私の心の中にはないということだけわかっていただきたいと思います。

小川(淳)委員 ありがとうございました。

 これは本当に行政の世界では永遠の命題だと思うんですが、私も、きょう質疑に立つに当たって、一体どっちなんだろうと相当自分なりに苦悶しました。

 私なりの考えなんですが、企画をする人間と、それから制度設計に従って現場で動いている者を監視する人間と、監視がうまくいっているかどうかを検査する人間は、やはり別の方がいいんだろうなというのが私なりの結論です。

 といいますのは、自分が育てている、どういう育て方をするのか方針を決めて、実際に育てて、その子を検査せよといっても、やはり悪いところを見つけたくないですよね、自分が育てたなら。自分が育てたなら、自分の育てた育成方針を誤りだとは認めたくない、やはりそういう心理が一体であればあるほど働くんだろうなというのが私なりの結論です。

 これは、通常はそんなことをやっているところはありませんが、あらゆる分野で、もしできるんなら、資源が許すんなら、企画をする人、制度設計をする人、現場を監督する人、さらにそれに検査に入る人、これはやはり分かれていた方が、しっかりとした、公平公正といいますか、だれの目から見ても何も言われなくて済むような、そういう運用につながるんじゃないかという気が私はいたします。

 今回の民主党案ですが、企画立案と検査監督をあえて分けられた、前回は分けていなかった、そこにはどの程度の思いがあるのか。大串委員、いかがですか。

大串議員 お答え申し上げます。

 今回の我々の証券取引委員会設置法案に企画立案機能を盛り込まない形にした理由は、まず一つに、金融のコングロマリットが進んでいるという認識がございます。その中で、証券取引委員会に、仮に証券に関する企画立案と監督、両方のファンクションを持たせた場合には、コングロ化の進んだ中で、証券に関する企画立案だけ証券取引委員会に取り込んでしまう、銀行、保険に関する企画立案に関しては金融庁に残してしまう、こういうふうな分断が生じてしまう。そこの弊害に着目しまして、今回の案につきましては、コングロが進んでいるという前提を踏まえて、企画立案に関して、金融庁という一つの屋根の中でやってもらった方がよかろうということで、金融庁の方に残しているわけでございます。

 監督に関しては、証券取引に着目した監督検査及び処分も含めて証券取引委員会でやるというふうな形になっていて、先ほど申し上げていますように、将来的に、銀行や保険も含めた監督も、行く行くはそこに金融サービス法制の中で持たせていくのが適切だろうと思った次第でございます。

 それから、ちょっと付言して申し上げますと、先ほど、昨年の四月のときに我々が出した証券取引委員会設置法案が否決された理由、与謝野大臣は与党の案がよりすぐれていたからだろうというふうなことをおっしゃって、小川委員もそうだったということかもしれませんねとおっしゃいましたが、私の記憶が正しければ、あのとき、法律として政府の方からかかっていたのは、証取法の改正法案で課徴金に関する継続開示義務違反をどう盛り込むか、そういう話じゃなかったかと思います。

 証券取引委員会設置法案とは全く関係のない、そういう意味での与党案でしたから、そういう意味で、与党案がまさっていたから証券取引委員会設置法案が否決されたということではなくて、先ほど古本提案者の方から話があったように、組織をいじりたくないから否定されたということだろうと私は理解しています。

小川(淳)委員 とにかく、できるんなら、企画立案と現場監督と検査というのは、資源が許すんならやはり分かれた方がいいと思います。

 ただ、普通は、通常の行政の現場において、それだけの人員とかお金をかけるというのは無理ですね。しかし、この証券市場というのは、投資家の数は三千万人ですか、それから何百兆円というお金が動いて、国民生活に物すごいインパクトを与えますから、それだけのお金とコストをかけて、手間と暇をかけて維持するだけの意味が国家経済的にある、国民経済的にあるという価値判断が必要なんだと私は思います。そういう意味で、ぜひこれは議論を深めていただきたいと思います。

 もちろん、価値判断だと野党が挑みかかった以上は、絶対にこうだという議論でなければ与党には勝てません。価値判断は与党にしていただく仕事ですから、価値判断に価値判断で挑むというのは難しい話です。ですから、今回に関してはそこまでなのかもしれませんが、少なくとも議論だけは深めさせていただきたいと思います。

 そのためにも、今回の金融商品取引法案、少し何点か論点を絞ってお伺いしたんですが、今回の法案は、これは昭和二十年代にできた証券取引法が廃止される、なくなるというのは、これは物すごい大きな出来事だと思います。このキーワードは、これは私なりの解釈ですが、金融商品の横断化と、それから不正行為に対する厳罰化、この二つが非常に大きな要素だなという気がいたしますが、間違いございませんか、大臣。

与謝野国務大臣 キーワードを仮に選ぶとしましたら、一つは、投資者を守る、情報開示に関しては時宜を得た情報開示、また正確性の高い、信頼性の高い情報開示、それから、金融商品が業界横断的になっているという点についての規制、それから、ファンドという新しい形のグループ、組織というのができたので、これに対する考え方等々、幾つかキーワードはあると思っております。

小川(淳)委員 ありがとうございました。

 横断化というのはやはり大きなテーマだと思いますね。今までばらばらにやっていたもの、それから網の目をくぐっていたものをあぶり出すんだという、大変いい取り組みだと思います。

 では、お伺いするんですが、なぜ銀行と保険は入らないんですか、銀行と保険はこの法案の範疇に。

三國谷政府参考人 基本的な横断化の考え方といたしまして、銀行、保険につきましても投資性の強いものは今回の法案といたしまして所要の改正等を行っているところでございます。しかしながら、銀行、保険につきましては、金融商品取引法案において直接の対象としているわけではございませんけれども、それぞれ銀行法あるいは保険業法等におきまして、こういった横断的なルールを準用する形で規制の横断化を図っているところでございます。

小川(淳)委員 投資性が強いものについてはそうだというお話でしたが、預金とか保険というのはリスクがないんですか、いかがですか。

三國谷政府参考人 いわば投資性の強いものということで、銀行、保険それぞれ、銀行法あるいは保険業法においてそれぞれの規制等があるわけでございますが、今回、投資性の強いものにつきましてはこういった横断化ということで、投資性商品、非常にその経済的な性質に着目いたしまして横断化を図っているということでございます。

小川(淳)委員 私は、もうそろそろ日本人として発想の転換が必要な時期だと思うんですが、預金というのはやはり銀行に金を貸しているんですよね、金を貸された銀行がまた貸しているんですよ。これがあたかも安全で元本を保証されているかのように装ってきたのは、これは幾ら突っ込んだんですか、十数兆ですか、破綻、もう二、三百行つぶれていると思いますが、それをやったから、預金というのはあたかも安全かのようにされているわけでしょう。世の中にリスクのないものなんというのはないわけですよね。そろそろ日本人は発想を転換しないといけないですよ。預金は安全で投資物は不安定だという、何というんですか、形式的な区別というのはもう成り立たなくなっている、そういう発想にまず立つべきだと思いますね。

 確かに、そうはいっても、どのくらいリスクがあって、どのくらいリターンがあるのかというお話はあるんだと思いますが、その中でも、最もてこの効果を使って投資性が強い、投機性が強いと言われているのが外国為替の証拠金取引ですか、それから先ほど来盛んに議論になっています商品取引。

 大臣も、訪問販売あるいは電話勧誘というのはよくお受けになられるんですか。何か国会の答弁を拝見しているとそういうくだりがございますが、大臣。

与謝野国務大臣 我が家にも我が事務所にも、不動産とかその他の商品の売り込みの電話がかかってまいりますけれども、与謝野さんおられますかという電話に対して、私はいつも、留守をしておりますと言ってお断りしております。

小川(淳)委員 あれはやはり余力のある人を見定めて電話しているんでしょうかね。私も、金を買えとかなんとか、よく電話がかかってきて嫌なんですが。

 今回、そういう電話勧誘を禁止するのは、外国為替証拠金取引を今予定されているわけですね。なぜ商品取引、しないんですか。なぜですか。

三國谷政府参考人 不招請勧誘の禁止でございますが、これは、顧客からの明示的な要請がない限り、電話、訪問による勧誘を行ってはならないとするルールでございます。逆に、例えば、新たな金融商品・サービスにつきまして顧客への説明機会が限られてしまうなど、業者の営業の自由を制限する面がございます。

 したがいまして、今回の法案におきましては、当該規定を一律に適用するということではなく、取引の性質や利用者被害の実態などを勘案いたしまして、その対象範囲を定めることとしているところでございます。

 今回でございますけれども、これまでの被害実態等を踏まえまして、店頭の外国為替証拠金取引を不招請勧誘の禁止の対象とすることを予定しているところでございます。

小川(淳)委員 経済産業省からお越しいただきました。

 これは、商品先物取引に関する苦情件数というのは最近減っているそうですね。直近の数字でどのくらいおありですか。

谷政府参考人 国民生活センターに寄せられました商品先物取引に係る苦情件数は、現在同センターから聞いているところでは、平成十七年度において四千二百十二件となっております。

 なお、平成十五年度及び平成十六年度に国民生活センターに寄せられた苦情件数は七千件を超えておりますところ。これと比較いたしますと、改正法施行後における苦情件数は大幅に減少をしております。

小川(淳)委員 いいことですよね、七千件から四千件に減るということは。でも、対象にしないんでしょう。しないんですよね。

 外国為替証拠金取引については、同じく国民生活センターにどのくらい相談件数が寄せられていますか。

三國谷政府参考人 お答え申し上げます。

 国民生活センターに寄せられました外国為替証拠金取引に係る相談件数は、平成十五年度、千四百二十三件、平成十六年度、二千九百九件、平成十七年度は二千九百七十件、ただし、これは三月十六日現在の集計値であると承知しております。

小川(淳)委員 今お聞きいただいた数字のとおりですよね。商品先物の方は、これは頑張っておられるんですから七千件から四千件に減少。確かにこれは、外国為替、気をつけなきゃいかぬですね。一千四百件から二千九百件に増加しています。しかし、それでも一千三百件ぐらいの開きがありますよ。世の中の実感からすれば、商品取引の方が危ない、嫌だ、煩わしい、その実感は大きいんじゃありませんか。

 金融当局、これは闘わないとだめですよ。経済産業省が何と言おうと、農林水産省が何と言おうと。ぜひ対象に入れてくれ、電話、訪問やめさせろと。これは闘わないといけないと思いますよ。御担当はどなたですか。

三國谷政府参考人 御指摘の商品先物取引に関しましては、昨年五月に施行された商品取引所法の改正におきまして、再勧誘の禁止の規定、それから勧誘受諾意思確認義務の導入など、利用者保護の観点からの規制強化が図られており、現在、これに基づきまして、経産省及び農水省においてこの適正化に取り組んでいるものと承知しております。

小川(淳)委員 とにかく、しっかり闘ってくださいね。

 もう一つ、罰則をこれは強化されていますが、例えば、インサイダー取引に関してどういうふうに罰則を強化されましたか。

三國谷政府参考人 今回、全体の罰則強化といたしまして、株価操縦等、これまで証券取引法上の五年という最高刑のものは、これは十年という形にしているわけでございます。

 インサイダー取引規制につきましては、形式犯的な性格を有するところもございますから、これまで、現在三億円でございましたが、これを五億円に引き上げることとしているところでございます。

小川(淳)委員 平成十八年の一月十三日付で、株式会社ガーラの社員に係るインサイダー取引に関して課徴金を科しておられますね。どういう事案ですか。簡単に御説明ください。

中江政府参考人 金融庁では、本年一月十三日に、証券取引監視委員会から、株式会社ガーラの株券に係る同社社員三名によるインサイダー取引の調査結果に基づく課徴金納付命令の勧告を受けました。同日から審判手続を行ったところ、同社員おのおのから、違反事実及び課徴金の額、これは三十二万円、三十一万円及び三十一万円でございますが、これを認める旨の答弁書の提出があり、これを受けて審判官により作成された課徴金の納付を命ずる旨の決定案に基づき、本年二月八日に、同社員おのおのに対して課徴金納付命令を行ったところでございます。

小川(淳)委員 ありがとうございました。

 つまり、百五十万円出さなきゃ買えない株をインサイダー取引によって百二十万円で買ったわけですね。そうすると、三十万円の不正利益があった。これを課徴金で取り上げるのはわかりますよ、三十万円を。しかし、これ、重ねて罰金を科されるんでしょう、当然。

三國谷政府参考人 現行の証券取引法上の課徴金制度でございますが、これは利得相当額の金額の課徴金を科することによりまして違反行為の抑止を図る制度として導入されているものでございます。

 なお、課徴金でございますが、後に罰金等がかかりますと、それとの調整が図られることとなっております。

小川(淳)委員 これ、談合の事案もそうなんですよ。この間、防衛施設庁の談合事件、三十億の不正利益が推計されていますよ。五十万円の課徴金で終わりましたよ。やった者勝ちですか、こういうのは。当然、不正利益は吸い上げなきゃいかぬし、罰則を三百万円から五百万円に上げたって、かけなきゃ意味ないじゃないですか。そうでしょう。だから、課徴金も当然ですが、しっかりこれはやりましょうよ、本気でやめさせるんなら。そのための体制を強化しましょうよ。そういうことがあるから、体制も強化したいし権限も持たせたいとお二方が主張されているわけですよ。そうなんです。

 これは皆様もうお読みになっておられると思いますが、三月十三日の日経新聞の社説、ちょっと引用させていただきます。「法の整備と併せて法の担い手が問題になるが、金融庁とその下に置かれた証券取引等監視委員会が資本市場の番人として十分な役割を果たしているとはいえない。」大臣、途中で口を挟みたくなったらおっしゃってください。「規則制定権、行政処分権、法執行権に裏付けられた強制力が不可欠だ。ルールに基づく裁量権の行使も必要だから政治や金融行政からの独立が欠かせない。信用秩序の維持が目的で銀行を監督する金融庁と、準司法的機能の強化に限界がある監視委という体制を見直す必要がある。」ここからが大事です。「その議論を避けているから金融庁の権限拡大と映り、金融の基本法の確立という高次元の課題に役所の縄張り争いの要素が持ち込まれている面があるとすれば、見過ごせない問題だ。」最後です。「それが行政組織の再編を伴うものである以上、官僚任せにはできない。国の経済の形を決めるに等しい金融・資本市場の制度設計は、政治の役割であり、国会の仕事である。」

 大臣、いかがですか、これは。

与謝野国務大臣 私としては、日経新聞の社説の引用よりは委員御自身のお考えをお伺いしたかったと、今思っております。

小川(淳)委員 私もやはり答弁席でそう言う側に回りたいですね。

 もう時間もあれですから、最後、申し上げます。

 とにかく、今回の法案、いい試みだと思いますよ。それは私ども、みんな評価しているわけです。しかし、私どもの仕事は、それを検証して批判をして、さらに高めていただくことが私どもの仕事です。その意味で申し上げます。

 横断化とはいえ、なぜ銀行と保険は漏れ落ちたのか、なぜ商品取引に踏み込めなかったのか。そこに役所同士の壁はなかったのか。不十分だとすれば、厳に今後の課題として胸にとどめていただきたい。それが一つです。厳罰化されたのは結構です。厳罰化した以上、あらゆる事案に対して最も厳しい手を突っ込むぐらい、覚悟を持って市場監視に努めていただきたい。

 二つ目、最後に、それらを本当に実効性を持たせるためには、やはり体制を考えざるを得ないんです、体制を。与謝野大臣はお嫌いだとおっしゃいますが、やはり体制の問題であり、仕組みの問題。それは、御自身が証券取引等監視委員会にいると想像してみてください。私も、もと役所にいました。おれの組織には、調査にも入れる、必要とあらば調べをする、確証が持てれば処分も下すんだ。これは、お金の問題ももちろんそう、報酬や給与の問題もそうですよ。しかし、それにも増して、人間は士気を高めなきゃいけません。使命感を与えなきゃいけません。そういうしっかりとした人間観察に根を張った、足場をしっかり置いた組織立てを考えていくのが本来の姿ではありませんか。

 大臣、最後にその三つ申し上げて、終わっても結構ですし、コメントございましたらどうぞ。

与謝野国務大臣 やはり今、金融庁並びに証券監視委員会で必要なのは人数と人材でございまして、この点についてはぜひ、先ほど木原委員の御質問の中にもありましたけれども、やはり人数プラスそれぞれの人材が持っている専門的な能力、こういうものを私どもは必要としている、このことをぜひ御理解をいただきたいと思っております。

小川(淳)委員 私は、もう一つ、士気だと思います。

 どうもありがとうございました。

小野委員長 以上で小川淳也君の質疑は終了いたしました。

 次回は、来る二十八日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時三十三分散会


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