衆議院

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第14号 平成18年4月28日(金曜日)

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平成十八年四月二十八日(金曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 小野 晋也君

   理事 江崎洋一郎君 理事 七条  明君

   理事 宮下 一郎君 理事 山本 明彦君

   理事 渡辺 喜美君 理事 小沢 鋭仁君

   理事 古本伸一郎君 理事 石井 啓一君

      井澤 京子君    伊藤 達也君

      石原 宏高君    小川 友一君

      越智 隆雄君    大野 功統君

      木原  稔君    佐藤ゆかり君

      鈴木 馨祐君    鈴木 俊一君

      関  芳弘君  とかしきなおみ君

      土井 真樹君    中根 一幸君

      萩山 教嚴君    広津 素子君

      藤野真紀子君    松本 洋平君

      御法川信英君    武藤 容治君

      岩國 哲人君    小川 淳也君

      北神 圭朗君    佐々木隆博君

      鈴木 克昌君    田村 謙治君

      西村智奈美君    三谷 光男君

      吉田  泉君    鷲尾英一郎君

      谷口 隆義君    佐々木憲昭君

      中村喜四郎君

    …………………………………

   議員           鈴木 克昌君

   議員           田村 謙治君

   議員           古本伸一郎君

   議員           三谷 光男君

   議員           吉田  泉君

   参考人

   (株式会社東京証券取引所代表取締役社長兼会長)  西室 泰三君

   参考人

   (株式会社ジャスダック証券取引所代表取締役社長) 筒井 高志君

   参考人

   (日本証券業協会会長)  越田 弘志君

   参考人

   (東京大学大学院法学政治学研究科教授)      岩原 紳作君

   参考人

   (日本弁護士連合会消費者問題対策委員会副委員長) 大田 清則君

   財務金融委員会専門員   鈴木健次郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十八日

 辞任         補欠選任

  河井 克行君     御法川信英君

  広津 素子君     鈴木 馨祐君

  田村 謙治君     北神 圭朗君

  長安  豊君     岩國 哲人君

  平岡 秀夫君     西村智奈美君

  吉田  泉君     佐々木隆博君

同日

 辞任         補欠選任

  鈴木 馨祐君     武藤 容治君

  御法川信英君     河井 克行君

  岩國 哲人君     長安  豊君

  北神 圭朗君     田村 謙治君

  佐々木隆博君     吉田  泉君

  西村智奈美君     平岡 秀夫君

同日

 辞任         補欠選任

  武藤 容治君     広津 素子君

    ―――――――――――――

四月二十八日

 大衆増税反対に関する請願(羽田孜君紹介)(第一七二二号)

 同(金田誠一君紹介)(第一八一二号)

 大増税に反対することに関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第一七五八号)

 消費税・住民税・所得税の大増税反対等に関する請願(志位和夫君紹介)(第一七五九号)

 消費税の大増税反対に関する請願(志位和夫君紹介)(第一七六〇号)

 大増税反対に関する請願(石井郁子君紹介)(第一七六一号)

 同(志位和夫君紹介)(第一七六二号)

 共済年金の職域部分堅持等に関する請願(大畠章宏君紹介)(第一七六三号)

 同(木村隆秀君紹介)(第一八三四号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 参考人出頭要求に関する件

 証券取引法等の一部を改正する法律案(内閣提出第八一号)

 証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第八二号)

 証券取引委員会設置法案(古本伸一郎君外六名提出、衆法第四号)


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     ――――◇―――――

小野委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、証券取引法等の一部を改正する法律案及び証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案並びに古本伸一郎君外六名提出、証券取引委員会設置法案の各案を議題といたします。

 本日は、各案審査のため、午前の参考人として、株式会社東京証券取引所代表取締役社長兼会長西室泰三君、株式会社ジャスダック証券取引所代表取締役社長筒井高志君、日本証券業協会会長越田弘志君、以上三名の方々に御出席をいただいております。

 この際、参考人の皆様に一言ごあいさつを申し上げたいと存じます。

 本日は、大変お忙しい中をこの委員会に御出席いただきまして、心より御礼を申し上げたいと存じます。参考人の皆さん、それぞれにおかれましては、ぜひ御忌憚のない御意見をお聞かせいただきますようにお願いを申し上げたいと存じます。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 まず、参考人各位からお一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。

 なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願いいたします。また、参考人は委員に対し質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御了承願います。

 それでは、まず西室参考人にお願いいたします。

西室参考人 おはようございます。東京証券取引所の西室でございます。

 本日は、当委員会におきまして意見を申し述べる機会をいただきましたこと、まことにありがとうございます。光栄に存じます。

 それから、先日は、御多用中にもかかわらず、大勢の委員の皆様方、私どものところにお見えいただきまして御視察をちょうだいいたしました。あわせてお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

 私は、昨年の六月の末に取締役会長ということで東京証券取引所に参加をいたしました。その後、昨年の十二月に、皆様方御承知の、私どもとしてはまことに恥ずかしい事故、それが連発したということの責任をとりまして、当時の社長以下三名の取締役が辞任するという事態に陥りました。社長職を兼務するという状態になりまして現在に至るということでございます。

 その前、昨年の六月までは、長年メーカーにおりましたものでございますから、物づくりの世界に身を置いていたということでございまして、同時に、上場企業として市場を利用する立場にもございました。本日は、証券市場の開設者である東京証券取引所の社長という立場、それに加えまして、市場利用者の視点から意見を述べさせていただければありがたいというふうに思っております。

 バブル経済の崩壊から十有余年たっているわけでございますけれども、この失われた十年、その期間、我が国は、規制緩和を柱とした金融制度全般にわたる改革を重ねてきていただいております。そこには、二十一世紀を迎えたこの国に再び活力あるいは活気をもたらすためには、まずは、産業の血液であるところの資金を供給する金融資本市場そのものを変えること、それが必要であるという御認識があったからだというふうに思っております。

 その間、同時に進行した情報分野における急速な技術革新あるいは経済、金融分野のグローバル化など、今日では、先進国、発展途上国を問わず、市場は瞬時に世界を駆けめぐる巨額のマネーフローにさまざまな面で影響を受けるようになってきております。

 この時期、我が国の経済界では、メーンバンクシステムとの決別、なかなか決別がし切れないというお話もございますけれども、また、株式の持ち合いの解消、あるいはコーポレートガバナンスへの本格的な取り組みなど、むしろ株式市場と向かい合うという経営をそれぞれの企業が意識するようになってまいりました。それはまさしく、キャピタルマーケットそのものが本来の機能あるいは役割を果たせるように、時代環境の変化に対して、民間中心に多くの人が知恵を出し合ってきた十年余りであったというふうに考えております。

 言いかえてみますと、国を挙げて、戦後長きにわたり日本の経済界が採用してきた経済システムや経営スタイルという従来の仕組みからの脱却を目指して取り組んできたことが、今回の市況回復を支える一つの大きな要因になったというふうに考えております。

 このように見てまいりますと、さまざまな御意見もあろうかと思いますけれども、昨今、世間の耳目を集めておりますMアンドAですとか、あるいは株主や投資家が投資先企業の経営に対して明確な意思表示を始めた、そういうふうなことは、公開企業の経営者に対して、マーケットからの声、それを重視するということの必要性といったものを初めて本格的に意識するというふうになったという意味では、極めて意義があったというふうに思っております。

 しかしながら、時代環境に即した市場機能の強化に向けた取り組みは、単に器としてのマーケット周辺の制度を手直しする、それだけでは不十分であるということは申すまでもございません。したがいまして、今般の、市場を横断的にカバーする包括的な金融法制の整備を目指した金融商品取引法の制定、これは会社法制の抜本的改正と相まちまして、幅広い視点から市場利用者の期待にこたえるための取り組みとして大変に意義の深いものであるというふうに存じております。

 また、我々市場関係者は、新たに整備をしていただく法的な枠組みの中で、内外の利用者から見て、マーケットがより利用しやすく、かつまた信頼をされ、そして身近な存在として感じられるよう、さらに知恵を出していく必要があるというふうに自覚をいたしております。少子高齢化という新しい環境に直面した今、金融資本市場の活用を柱に据えて、政府が進めておられる貯蓄から投資へという大きな政策命題の持つ意味もそこにあるというふうに思っております。

 そして、官主導による政策金融の象徴であった郵貯の民営化、また政府系金融機関の統廃合が現実のものとなってまいりました。我が国における資金の流れ、金融の姿がこれによってさらに大きく変化するということは疑いないと思っております。

 また、昨年四月にはペイオフが解禁となりまして、一般国民がまさに信じて疑うことのなかった銀行預金の安全性神話、これも過去のものとなりました。しばらく前までは議論の的となっておりましたこのペイオフではありますけれども、結果として大きな混乱もなく受け入れられ、そしてまた、保守的な運用姿勢が支配的であった個人金融資産の性格を変えることになったように思っております。

 その個人金融資産が、いまだ一部とはいえ、株式や投資信託などのリスク性資産への投資などを通じて市場へ流入し始めたという事実は、厚みのある資本市場を整備していく、そういう上でも今後大いにプラスになることと信じております。いわば地殻変動にも似たこのような動きは、今般の金融商品取引法の制定による包括的な金融法制づくりを先取りしたかのようであります。

 経済界では、数年前から、選択と集中に基づいたスピード感のある経営というものが、日本だけではなくて世界的な流れとますますなってきておりましたけれども、金融の世界におきましても、いよいよ、大胆な戦略に基づいた思い切った事業展開というものが求められるようになってきており、今日の我が国資本市場は、名実ともに一大転換期のさなかにあると言っても過言ではないと思います。

 どのような環境になろうとも、産業界が求める資金や金融機能を供給するという、資本市場の基本的な役割は履行されなければならないということは申すまでもないことでございますけれども、今後は、これまでのように規模の経済を支えるという金融の姿から、成熟した経済の中で多彩な、多様な機能を支える金融へとその力点を変えつつ、新しい時代環境に即した金融そのもののあり方といったものを考えていくことも必須であるというふうに思っております。

 来週月曜日、五月一日から施行されます新会社法によりまして、資本市場と企業経営との距離がこれまで以上に縮まり、資金調達や投資運用の形態はますます多様化していくということは疑いの余地がないと思っております。そのとき、金融サービス分野における法的な規制はオープンで柔軟性の高い仕組みになっている必要がございますし、その意味でも、包括的かつ横断的な規制を目指す今般の金融商品取引法の成立は、我が国にとって非常に重要で、かつまた緊急性の高い事項であるというふうに考えております。

 次に、東京証券取引所自身に目を転じさせていただきますと、グローバルベースでの市場間競争の中で、東証は、引き続き我が国の経済規模にふさわしい、世界をリードする取引所の一つとしての地位を確保していかなければならないと思っております。とりわけ、現在最も成長が期待されておりますアジア地域において、市場利用者から見て地域のどの取引所よりもすぐれた市場であり続ける、それが必要であるというふうに痛感をいたしております。

 ちなみに、欧米の有力取引所によるアジアへの進出は、ここに来て、ますますその勢いを強めつつございます。例えば、ニューヨーク証券取引所には既に十社以上の、外国企業がそこに上場して、中国の企業ですらニューヨーク証券取引所に上場を十社以上しておりますし、また、中国企業はロンドンにも三社が上場しているという状況になっております。

 興味深いのは、こうした欧米の取引所のアジアへの進出というものが、政府もしくは政府機関関係者と一体になって展開されている場合が多いという点でございます。官民合同によるマーケティングというものは、受け入れ側にしてみれば、ただ単に印象に残るというだけではなくて、公による支援も含め、いわばワンセットで市場取引制度を整備する方法を教えてくれるということから、極めて便利なものと言えると思います。我々にはなかなかまねのできないことでございますけれども、海外、とりわけ規模のメリットが期待をできる中国などを舞台とした競争に打ちかっていくためには、このような現実も踏まえた上で、体制を整えながら戦略を立てる必要があるというふうに思っております。

 アジアにおきましては、このほかにも、韓国や台湾のように、自国内の複数の取引所を一気に集約して、システムなどの統合化を通じてコスト削減を進めることによって、市場利用者の利便性を高め、自国の市場競争力を強めようとする試みなども見られ、随所にそれぞれの国で地殻変動が起こっているということ、そしてまた、それぞれの国の金融市場が活発化をしているということが見られます。

 このような動きの中で、東京証券取引所そのものは、日本企業に必要なファイナンスの場という伝統的な姿に加えて、内外の投資家による投資ニーズを充足させることを通じて、我が国やアジアにおける効率的な資金循環の一端を担うといった、より大きな機能を発揮することが期待されているというふうに考えております。

 このような機能の発揮が期待されている取引所におけるいわゆる自主規制機能のあり方につきましては、東京証券取引所に限らず、世界の重立った取引所やあるいは市場でもいまだに議論が続いている部分であり、明確な結論というものが打ち出されていない、そういう状況ではございます。独立性の確保というその点一つをとりましても、最終的にこれが正しいあり方であるとは言いがたく、また、それぞれのマーケットが有する固有の風土、文化、伝統などを無視して決めることはなかなか難しいというふうに思っております。

 この点、今回の金融商品取引法案におきましては、自主規制機能を担う組織について、取引所とは別の法人、すなわち自主規制法人に置くことや、また独立性を高めた上で同一法人内に置くというふうな方式などが整備をされまして、非常にありがたいことだと思っております。これは、つまり、それぞれの市場開設者がみずからの判断によってこれを選択することができるという機会を与えていただいたものと考えております。

 私ども東京証券取引所といたしましては、新たな法的な枠組みの中で、みずからの有する自主規制機能とマーケット機能の双方を強化して、市場利用者の利便性を高め、何よりも市場利用者から信頼されるマーケットを構築するための最良の組織形態について、法案成立後、改めてしっかりと検討をし、実施をしていきたいというふうに考えております。

 資本市場、とりわけその中核たる取引所市場というのは国民共有の財産である、そういう認識に立ち返りますと、企業や投資家など内外の利用者の方々にとって、その存在は身近なものでなければいけないと思っております。この命題を達成していくために、東証は、常に創造的かつ挑戦的な姿勢を保つ必要があると考えております。

 しかしながら、その前提は、何よりも利用者から信頼されるマーケットでなければならない、これは言うまでもございません。私どもといたしましては、二度と誤りの起こらないよう、日々の市場運営に徹することによって、投資者の皆様が安心して参加できる投資環境を提供するために一層の努力を払ってまいる所存でございますので、当委員会及び委員会の諸先生方におかれましても、今後とも証券市場の発展に御高配、御協力を賜りますようお願いを申し上げて、私の意見陳述を終わらせていただきたいと思います。

 どうも機会を与えていただきまして、大変ありがとうございました。(拍手)

小野委員長 西室参考人、どうもありがとうございました。

 引き続きまして、筒井参考人にお願いいたします。

筒井参考人 おはようございます。

 ただいま委員長より御指名をちょうだいいたしました、ジャスダック証券取引所代表取締役をしております筒井高志でございます。

 本日は、当委員会におきまして意見を述べる機会を与えていただき、厚く御礼を申し上げます。

 また、先日は、小野委員長、理事、委員の皆様に、大変御多用にもかかわらず私どもの御視察を賜り、まことにありがとうございました。この場をおかりして、改めて御礼を申し上げます。

 それでは、今回の証券取引法等の一部を改正する法律案につきまして、私どもの意見を簡潔に申し述べさせていただきます。

 まず、金融商品取引法案の第一条に規定されております金融商品取引法の「目的」におきまして、「金融商品取引所の適切な運営を確保する」ということが明記されております。この文言によりまして証券取引所の使命が明文化されたものと理解いたしているところであり、取引所に携わる者として、改めて身の引き締まる思いがしているというのが率直な気持ちでございます。

 御高承のとおり、証券取引所は、有価証券の発行や取引を公正にし、また、その流通を円滑にするとともに、金融商品の公正な価格形成の実現を図ることにより、国民経済の健全な発展や投資者保護に資するという極めて大きな役割を担っているものと考えております。

 とりわけ、最近では、証券取引所にとりまして、上場会社における不祥事の再発防止やシステム等の取引インフラの安定的な提供による取引機会の継続的な確保が喫緊の課題となっておりますことから、証券取引所におけるガバナンス機能の強化や自主規制機能の独立性の確保がこれまで以上に求められているということを強く認識している次第でございます。

 こうした中にあって、金融商品取引法案の第一条の規定は取引所機能の一層の強化が期待されていることのあらわれであり、私どもといたしましては、これまで以上の努力を重ねていかねばならないという気持ちを新たにしているところでございます。

 私どもジャスダック証券取引所といたしましては、証券取引所における自主規制業務の厳正かつ正確な遂行が、投資者への品質保証として、また我が国資本市場の基盤として不可欠な要素であるという基本的な考え方のもとに、投資者保護のための施策にスピード感を持って鋭意取り組んでまいったところでございます。

 現在、本委員会で御審議されている法案におきましては、証券取引所の自主規制業務の適切な運営を確保するための所要の制度整備が図られるとともに、取引所の安定的な業務運営のために必要とされる対応が盛り込まれております。こうした法整備は、取引所取引の公正性、透明性を一層高め、取引所の提供するサービスの質の向上をさせ、また投資者の信頼を増すものであって、大変有意義なものと考えております。

 ジャスダック証券取引所といたしましては、当法案が施行されれば、その枠組みにのっとって自主規制機能の一層の強化等を図っていく所存でございます。

 次に、上場会社の開示制度について申し上げます。

 証券取引所に上場され、流動性の高い流通市場を持つ投資商品については、市場で頻繁に価格が変動することから、より頻繁に、かつ密度の高い投資情報の提供が求められます。

 当法案におきましては、上場会社について、四半期報告制度の導入や財務報告に係る内部統制の強化等に関する制度整備が盛り込まれております。こうした整備は、上場会社のガバナンスを向上させ、市場に対する投資者の信頼を確保するものであり、有意義なものと考えております。

 さらに、私どもジャスダック証券取引所といたしましては、上場会社によるディスクロージャーがより高度なものとなるように努力をしてまいる所存でございます。

 繰り返しとなりますが、私どもといたしましては、当法案の趣旨にのっとり、今後とも、市場運営者として、投資者が安心して投資に参加できる環境を提供すべく、これまで以上に自主規制機能を適切に発揮し、高い公共性に対する投資者や社会一般の期待にこたえ、公正性、信頼性の高い市場の構築に努めてまいります。

 当委員会及び委員の諸先生方におかれましても、今後とも御高配を賜り、御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げまして、私の意見の陳述を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。(拍手)

小野委員長 筒井参考人、どうもありがとうございました。

 引き続きまして、越田参考人にお願いいたします。

越田参考人 日本証券業協会の会長を務めております越田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 常日ごろ、諸先生方には、証券市場あるいは証券界に対しまして御理解、御支援をいただき、この場をかりまして厚く御礼申し上げます。

 さて、株式市場は、三年前の四月に日経平均株価が七千六百七円をつけ、バブル崩壊後の最安値をつけましたが、その後、日本経済、企業業績の回復、そして不良債権問題の処理による金融不安の回避などにより、現在、株価は一万七千円台まで回復しております。

 この間、国を挙げて、日本経済再生のため、証券市場の活性化に取り組んでいただきました。特に、証券税制の改正において、貯蓄から投資への政策を推進するため、株式売買益に対する一〇%の軽減税率を初め種々の措置を講じていただきましたが、これらの措置は諸先生方の多大なる御理解、御支援のたまものでありまして、この場をおかりして、重ねて御礼申し上げます。

 私ども証券市場に携わる者といたしましては、かねてより証券市場の活性化に心がけてまいりましたが、その活性化は証券市場に多くの投資家の参加があってこそ実現されるものであります。証券市場に多くの投資家に参加していただくために、証券市場の透明性、公正性の向上と投資家保護の枠組みの強化が欠かせないものであります。

 そのような意味で、金融、社会環境の変化に対応し、幅広い金融商品・サービスについて包括的、横断的な利用者保護の枠組みを構築することを目的とした金融商品取引法が今国会に上程され、本委員会において審議されていますが、金融商品取引法は、利用者保護を確保しつつ利用者利便の向上を図るというもので、我が国の金融資本市場の一層の活性化、貯蓄から投資への流れを確実なものとするための必要な制度整備であると考えております。速やかな法制化の実現を期待しているところであります。

 金融商品取引法では、国民は、投資家保護のルールの徹底により安心して金融商品を利用できるようになる一方、証券会社は、規制の柔軟化により、多様化するニーズに応じた顧客満足度の高い金融商品、そしてサービスの提供が可能となり、我が国経済の一層の活性化に資するものと考えております。

 今回の金融商品取引法は、投資家保護を主目的としておりますが、証券市場活性化の観点からの施策の推進も引き続きお願いしたいと思います。

 現在、我が国の貯蓄性向が急速に低下していますが、世界史上類を見ない我が国の急速な超高齢化社会の到来を考えると、我が国経済の活性化、将来の貯蓄不足への対応が必要であり、証券市場振興策は引き続き重要な課題であります。我が国は、貯蓄から投資へと大きな政策転換を行い、個人投資家の証券市場への積極的な参加の動きが始まっていますが、欧米諸国と比べ、証券保有の普及はまだ低い水準にとどまっており、貯蓄から投資へは、いまだ道半ばの状態であります。

 現在の優遇税制は平成十九年度までの時限措置ですが、証券投資の魅力を高め、証券投資を普及させるため、優遇税制の継続をぜひお願いしたいと思います。

 最後に、昭和二十三年、一九四八年に制定され、六十年近くなれ親しんできた証券取引法という証券界の憲法がなくなることに、証券界に長くいる者として一抹の寂しさを感じますが、金融商品取引法が、貯蓄から投資へという新たな時代における金融資本市場の新しい憲法として、その役割を果たしていくことを期待しております。

 私ども証券界といたしましても、さらなる証券市場の活性化に取り組むとともに、今回の金融商品取引法の導入が証券市場の信頼向上につながるよう努めてまいりたいと存じますので、諸先生方におかれましても、引き続き御支援を賜りますようにお願い申し上げ、私の冒頭陳述といたします。

 どうもありがとうございました。(拍手)

小野委員長 越田参考人、御陳述ありがとうございました。

 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

小野委員長 これより参考人に対する質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井澤京子君。

井澤委員 自由民主党の井澤京子でございます。

 参考人の皆様におかれましては、お忙しい中、財務金融委員会にお運びをいただきまして、まことにありがとうございます。

 先週十九日には、当委員会から、東京証券取引所及びジャスダック証券取引所にも視察にお伺いいたしました。そのことを踏まえ、本日は証券取引法等に関する参考人質疑ということでございますので、それぞれのお立場から本法案をどのように見ておられるのか、また、私、トップバッターの質疑者でもございますので、大きな視点から伺ってまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。

 では、早速、本法案の意義についてお尋ねいたします。

 ただいま参考人よりそれぞれ意見陳述を拝聴いたしましたが、本法案は、これまで金融商品間でそれぞれにあった各種の規制を一つのまとまりで見直し、また、プロの投資家と一般投資家を区別して、金融取引の形態に応じた規制を課すというものでもございます。取引所、証券業協会という、本法案に極めて密接に関係するお立場から見て、この法案が我が国の金融市場、金融取引の発展にどう役立つものなのか、また、投資家保護との関係で、本当にこれで大丈夫なものなのか。意見陳述と重なる部分もあろうかと思いますが、改めてお三方それぞれの御見解をお伺いいたします。お願いいたします。

西室参考人 井澤先生の御質問に対してお答えを申し上げたいと思います。

 今回の金融商品取引法でございますけれども、縦割りの従来の業態別の法律が今回横断的なものに組みかえられまして、それで、行政の視点が、業界あるいは業者から金融・証券サービスの利用者に転換されるということ、これがまず第一のメリット、まさに先生のおっしゃったとおりだと思います。

 それから第二には、変更や改善が容易な法体系になっているということは、どうしても規制のすき間というものはできる可能性がある。そうすると、そういうすき間に対して迅速に対応ができるような、そういう仕組みがあるということは、利用者保護にとって極めて大切な部分だというふうに思っております。

 第三に申し上げるのは、金融・証券サービス提供者の間の競争が促進される。そして、競争が促進されるということは、利用者の利便性が向上するということでございますし、これまでと全く発想の違った画期的な内容、方向づけが盛り込まれているということでございます。

 私ども東京証券取引所といたしましては、この法案の早期の成立をぜひともお願いしたいと思っております。

 以上でございます。ありがとうございました。

筒井参考人 井澤先生の御質問に私なりのお答えをさせていただきます。

 金融商品取引法は、金融商品取引所の適切な運営を確保すること等により、金融商品等の取引等を公正にし、有価証券の流通を円滑にすることを通じ、資本市場の機能の十全な発揮による金融商品等の公正な価格形成を図り、とりわけ私は、この公正な価格形成を図りというところが大切なことかなと感じております、そして、もって国民経済の健全な発展及び投資者の保護に資するところを目的とするというふうに我々承知しております。

 また、本法案においては、証券取引所について、先ほども申し上げましたが、自主規制業務の適切な運営を確保するための所要の制度整備が図られるとともに、取引所の安定的な業務運営のために必要とされる対応が盛り込まれていると考えております。こうした法整備は、取引所取引の公正性、透明性を一層高め、取引所の提供するサービスの質を向上させ、また、投資者の信頼を増すものであって、大変有意義なものだというふうに考えております。

 また、先ほども申し上げましたが、上場企業について、四半期報告制度の導入や、財務報告に係る内部統制の強化などに関する制度整備が盛り込まれており、こうした整備は上場企業のガバナンスを一層向上させ、市場に対する投資者の信頼を確保するものであり、これもまた大変意義の深いものだと考えております。

 私どもジャスダック証券取引所としては、当法案の趣旨にのっとり、一層の努力をしてまいりたいというふうに考える次第でございます。

 以上でございます。

越田参考人 金融商品取引法は、これが成立すれば、利用者が安心して金融商品及びサービスを利用できる環境が整備されるものと期待しております。また、いわゆる規制の柔軟化によりまして、金融イノベーションが促進され、証券会社による新しい商品やサービスの提供が進み、顧客の利便性につながるものと期待しております。

 このように、金融商品取引法は、利用者の市場参加を促進し、我が国の金融の流れを貯蓄から投資へさらに加速、確実なものとする重要なインフラ整備であり、早期に円滑に実施される必要があると考えております。投資家保護強化、これを最重要課題としてつくられた法律でございますので、我々自主規制団体は、その趣旨に沿って努力してまいり、今後ともつくられたルールの徹底を図っていきたいと考えております。

 以上です。

井澤委員 ありがとうございました。

 各参考人より幾つかの法案に対する期待、その市場の運営者としてさらなる活性化に向けて取り組んでいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 時間が限られておりますので、次の質問に参ります。

 では、中小企業の資金調達への貢献についてお伺いいたします。資金調達する企業を育てていく視点から見て、今回の法案がどのような意義を持つものかについて御見解を伺えればと思います。

 と申しますのも、私が産業再生機構で働いておりました際、地域の中小企業の再生において、だれにスポンサーになってもらうのか、どこに株を持ってもらうかということは非常に重要でありました。また、今、自民党金融調査会の地域経済と地域金融に関する小委員会で勉強させていただいていることもございます。中小企業にお金を出すスポンサーの側からしてみると、出資したお金がいかにスムーズに回収できるか、一番よいのは上場であるわけですが、再生しようとする中小企業が資金を集めるときには大変重要なことになってまいります。

 今回の法改正にはファンドなども視野に入れているわけですが、そのあたりについてどのように見ておられるのか、今回の法案は中小企業の資金調達に役立つものなのか、お伺いしたいと思います。お願いいたします。

小野委員長 井澤君、どなたに質問されるかを明確にしてください。

井澤委員 三人の各参考人にお願いいたします。

西室参考人 ただいまの井澤議員の御質問にお答え申し上げたいと思います。

 今回の法改正で、先ほど越田会長からもお触れになりましたように、四半期ごとの開示の法定化ですとか、あるいは財務報告に係る内部統制の強化など、企業経営の健全性、透明性の向上に資する内容が盛り込まれておりますけれども、投資者の方の目から見ますと、これらの制度が導入されるということは、財務情報を初めとして、会社情報、その信頼性、透明性が高まる、こういうことでございまして、中小企業さんを含めての上場会社への投資というのはさらに行いやすい環境が醸成されるというふうに思っております。

 私ども東京証券取引所、御承知のとおり、新興企業に成長の初期の段階から証券市場を通じて資金調達の道を開くとともに、投資者に対して充実した情報提供のもとで、新興企業への投資機会を提供することを目的として、新興企業向けの市場でありますマザーズを開設しておることは御承知のとおりでございますが、金融商品取引法のもとにおきましても、引き続いて企業の資金調達と投資者の資金運用を結びつける場、そういう場としての証券市場の利便性、信頼性の向上に努めること、それを通じまして、新興企業ないし中小企業がさらに大きくグローバルな企業に成長していく、そういう過程を支援するということが、地域経済ひいては日本経済の成長に寄与することというふうに信じております。

 以上でございます。

筒井参考人 井澤先生が御指摘の点は、まさしくジャスダック証券取引所が使命としている部分でございまして、お尋ねの中小企業の資金調達に関しましては、当取引所、ジャスダック市場は、我が国経済社会を支えるベンチャー企業の育成を使命として、産業構造の変化を先取りした次世代産業育成の場としての機能を果たしてきたところだと考えております。

 今回の法整備により、取引所取引の公正性、透明性が一層高まるとともに、取引所の提供するサービスの質が向上し、また投資者の信頼を増すことができると考えており、したがって、ベンチャー企業の円滑な資金調達にも資することになると期待しております。

 また、お尋ねのいわゆる組合などファンドに関してでございますが、主として利用者保護ルールの徹底を図る観点から所要の措置を講じることとしているというふうにこの法案については承知しております。したがって、これらの措置を通じて、ファンドの透明性向上などが図られると理解しており、一段と投資者の活動あるいは取引所の活動というのが高まるのではないかというふうに考えております。

 以上でございます。

越田参考人 金融商品取引法では、アマチュアといいますか、一般向けのファンドについては、一定レベルの業規制、すなわち登録制の採用であるとか、あるいは勧誘、販売の説明の強化であるとか書面の交付義務であるとか、こういった業規制がかけられており、片や、プロといいますか特定の投資家向けのファンドについては規制が簡素化されております。このように、投資家保護のための規制が整備されたことから、ファンドへの投資がやりやすくなり、いわゆる促進され、ファンド自体の多様化も進むものと期待しております。

 中小企業の資金調達においても、今後は銀行等からの資金調達だけではなくて、多様なファンドあるいは投資家を通じた資金調達を活用する事案が出てくるのではないかと期待しております。

井澤委員 ありがとうございました。

 今いろいろな取り組みの御姿勢をお伺いいたしました。中小企業のみならず、ベンチャー企業のさらなる市場での円滑な資金調達にぜひ取り組んでいただきたいと思っております。

 では、最後の質問になりますが、冒頭にも申し上げましたように、私ども、各取引所などを視察してまいりました。その中で私が強く感じましたことは、今後、ニューヨークやロンドンなど国際市場の中で、日本は何を目指して勝負をしていくかという点です。世界の証券取引所との競争でどう勝ち抜いていくのか、そのための戦略をどう描いていらっしゃいますのか。先ほど西室参考人からは、官民合同によるマーケティングというような言葉もいただきました。ぜひ、そこを代表して、西室参考人にお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

西室参考人 井澤先生から御質問いただきました件について、東京証券取引所の社長としての立場からお話をさせていただきたいと思います。

 東京証券取引所が世界の競争の中で勝ち抜いていくための必要条件というのは幾つかございますけれども、その中で大事な点が三つあると思っております。一つは、市場そのものの動員できる資金力あるいは国内市場というものが十分に大きいということ。二つ目は、市場競争そのものがシステムを通じての競争ということになっている時代であるがゆえに、世界の最高水準のシステムを整備して、そしてそれを武器として我々は戦っていくという姿勢、それが大事だという点でございます。それから、三つ目に申し上げなければいけないのは、東京証券取引所そのものは、これから先、アジアの市場、つまり日本の市場だけではなくてアジアの市場をしっかりと支えていく、そういう市場でなければいけないという点ではないかと思います。

 最近の、第一の点は、御承知のとおり、世界第二の規模を持つ日本の経済、その基幹インフラであるということをバックにいたしまして、十分に可能性を秘めた市場であるという認識を持っております。

 第二の点、これが私どもが一番おくれているところでございまして、現在、私どもは、差し当たって市場利用者の方に御迷惑をかけないような設備の増強をやっておりますけれども、これでは戦えません。私どもは、次世代システムをできる限り早く構築して、世界の各市場のシステムと比べて最高レベル、あるいは一歩進んだと言えるようなものを持ち、それを我々の戦っていくツールにしていかなきゃいけないということであります。

 そして第三の点の、日本だけではなくて、日本の近隣諸国、それを我々の仲間に引き入れるということは、二つの方法があると思っております。一つは、我々の仲間である取引所との連携をさらに強化していくということが一つ。それから二つ目は、それぞれの市場の有力な企業あるいは発展していく企業、そういうものを直接東京証券取引所に取り入れて、そして上場をしてもらうということであります。

 それらを実施するためにもう一つ大事なツール、戦っていくツールは何かというと、東証の上場であろうかと思っております。これなくしては、世界の今の合従連衡の中で、我々は対等に勝負に挑むことができないという状況もあるということを申し添えたいと思います。

 また、先ほど申し上げました、官民の一致したそういうアクティビティーというものにつきましては、いろいろなところでお力添えをちょうだいしたいというふうに思っております。よろしくお願い申し上げます。

井澤委員 ありがとうございました。

 今お話がありましたように、ぜひ幾つかのツール、最高の水準のシステムを武器として持ち、日本の近隣諸国を仲間に取り入れ、アジア市場のみならず世界市場をしっかりと支えていくような取引所として位置づけていただきたいと思います。また、ぜひ一日でも早い東証の上場を目指していただきたいと思っております。

 では、最後に、私の質問は終わりますが、金融関係の法律は、立法もさることながら、運用が一番重要になります。皆様、まさに本法案の運用を担われる方々でありますので、ぜひそこの運用のあたりはよろしくお願いいたしたいと思います。きょうはありがとうございました。

 以上で質問を終わります。

小野委員長 以上で井澤京子君の質疑を終わります。

 引き続きまして、越智隆雄君。

越智委員 自由民主党の越智隆雄でございます。

 まず、きょうは三名の参考人の皆様にお出ましをいただきましたこと、そしてまた、これから質疑をさせていただく機会をいただきましたことを、心から感謝を申し上げます。

 また、井澤委員も申し上げておりましたけれども、十九日の日に、東証さんそしてジャスダックさんの視察に伺わせていただきました。私、個人的には大変感慨深い思いがございまして、一九八六年から十三年間、金融の世界におったんですが、最初は実は私は銀行に入ったんですが、途中は証券子会社に行きまして、最後は大手証券にデスクを持っておりました。そういう意味で、時代の変遷といいますか、そういうものを感じながら、そして東証またジャスダックがそれぞれオープンスペースを持って、東証アローズとかあるいはジャスダックプラザということで、開かれた市場という印象を抱かせていただいた次第でございます。

 そんな中で、きょうの問題意識としては、私はここ二十年間金融に携わってきた人間として、間接金融から直接金融へ移行しなきゃいけないということと、日本の市場が国際的に強固でなければいけない、こういう思いを持ってきたわけですけれども、その思いが、ビッグバンが叫ばれてもう十年たっていますけれども、なかなか実現できていない。今回、金融商品取引法が施行されることによって、そういった日本の金融市場の基盤づくりができるかどうか、その大きな重要な時期に来ているのではないか、そんな問題意識を持ってきょうは御質問をさせていただきたいというふうに思います。

 私も、時間が二十分というふうに限られていますので、早速質問に移りたいと思います。

 きょうは、どうしてもお伺いしたいことが二点ございます。一点目は、自主規制の組織のことでございます。もう一つは、先ほど西室社長から御言及ございました上場のこと。上場というのはそんな簡単なことじゃないと私は思っております。

 まず、自主規制のことでございますけれども、今回の金融商品取引法の一つの主眼の目玉であるというふうに思っておりますけれども、その中でも、もちろん金融商品取引所の自主規制について御質問をさせていただくわけでございます。

 今回の法案の中で、金融商品取引所は、自主規制業務の遂行の独立性を確保するために、自主規制法人または自主規制委員会を設けることができるとなっております。ただ、これは法律上設置が義務づけられているものじゃなくて、設置を可能にするということで、自主規制の方法や組織のあり方に関しては、基本的に取引所が独自に決定するものというふうに私は理解をしております。この点について、先ほど西室社長からも、自分で独自で決定できるということを評価するというコメントをいただいたんだというふうに思います。

 そこで、まず東証の西室参考人にお伺いしたいんですけれども、東証さんは、昨年に、自主規制業務に関する特別委員会、江頭委員会を設定して、昨年十月二十五日に委員会等設置会社に移行の方針を決められたと思います。本件に関してはその後いろいろとあったと思うんですが、三月二十二日に発表された三カ年の中期計画で、四月に自主規制本部を設置するというふうに発表されているというふうに思います。

 今後、金融商品取引法の施行後も展望して、具体的にどのような組織とすることを今の段階でお考えなのか、率直に御説明をいただければありがたいと思います。よろしくお願いします。

西室参考人 越智先生のただいまの御質問にお答え申し上げたいと思います。

 御指摘のとおり、昨年、江頭委員会と俗称されております自主規制に関する委員会というところで東証の自主規制のあり方についての論議をしていただき、結論的には、証券取引法のもとにおいて東証が自主規制を強化する方法としては、自主規制委員会という形がいいんじゃないかというリコメンデーションをいただきまして、私どもの取締役会でもそれを決議をいたしております。

 しかしながら、今回、金融商品取引法で、この法案が成立すれば、極めて新しい形の自主規制のあり方というのが二つチョイスを与えてくださっている。そうしますと、この新しい法律を全部俯瞰的に見て、我々の会社形態はいかにあるべきかということはもう一度根本から論議をし直さなきゃいけないと思っております。

 いずれにしても、今回の法案の中にございますいずれかの形をとるということだけはここでお約束はできますけれども、まだどちらにするかにつきましては、法案の成立後、しっかりとした議論をやらせていただいて、それが施行されるときには、それに合わせて東証の新しい形をお目にかけたいというふうに思っております。

 その準備のために、四月一日の私どもの組織改正では、自主規制本部というのを独立してつくりまして、そこに自主規制最高責任者というのを置き、これから先の自主規制の体制をしっかりつくっていこうというふうに考えております。よろしくお願いいたします。

越智委員 ありがとうございました。

 それでは、同じ質問を筒井参考人にもお願いをしたいと思います。

筒井参考人 越智先生の御質問にお答えいたします。

 私ども、御指摘のとおり、取引所市場に対する投資家の信頼を確保するということが極めて重要であり、一貫して取引所としての公共性及び高い信頼性を確保するために、一段一段のステップを上っているところだというふうに認識しております。

 まず、二〇〇四年に株式会社ジャスダック証券取引所に移行しまして、コーポーレートガバナンスを確立するとともに、経営に対する責任の明確化及び外部からの牽制が働く仕組みを構築したところでございます。

 次に、自主規制については、昨年の六月、自主規制委員会の機能強化を図るとともに、自主規制責任者を選任するなど、自主規制業務が他の業務から独立して行われるよう努めているところであります。

 さらに、私どもジャスダック証券取引所は、みずから利益相反の弊害を排除し、市場の公正性を自律的に確保するような仕組みを整備するとの観点から、本年七月以降、新会社法に規定されている委員会設置会社へ移行することにより、コーポレートガバナンスを一層強化することを検討しているところでございます。

 また、その際、取引所の経営に関する業務執行と自主規制機能に係る業務執行を区分し、取締役会は、経営に関する業務執行については代表執行役社長、自主規制機能に係る業務執行については自主規制責任者に委任することとするほか、自主規制委員会の機能強化を図るなど、自主規制機能の強化と独立性の確保を図ることを検討しております。

 さらに、金融商品取引法の施行に合わせて、さらなる自主規制機能の強化に向けて適切に対応していきたい、かように考えている次第でございます。

 以上、お答え申し上げます。

越智委員 ありがとうございました。

 この自主規制業務というのは、金融商品取引法の中でも一つの主眼の大きな部分だというふうに思います。それについてのお取り組みを今聞かせていただきましたけれども、この点について、法案の趣旨をしっかり御理解いただいているものだというふうに思っております。

 この自主規制に関連しながら、次に、上場のことについてお話をさせていただきたいというふうに思います。

 この上場の目的としては、主に、一つ目には資金調達面、もう一つはガバナンスの向上ということでメリットが大きいというふうに思いますし、先ほど西室参考人の方からも、競争に勝っていくには必ず必要なんだというお話もございました。先週、視察に伺ったときにも、社長から、ディミューチュアライゼーション、株式会社化が潮流である、株式の分散保有、これが開かれたガバナンス体制を構築するので望ましいという発言も記憶に新しいところでございます。

 ちょっと調べてみましたらば、世界の主要な取引所の中で、ニューヨークは三月に上場を果たしましたけれども、それ以外にも、ロンドン、ドイツ、パリ、ナスダック、こういったところがすべて上場しているのが現実でございまして、そういった意味では、世界の主要取引所で上場していないのは、今残されたのは東証のみというのも現実でございました。

 しかし、一方で、営利性と公共性といいますか、利益の追求と自主規制、このようなところに利益相反があるとか、あるいは株主構成が変わって経営権に影響が出るとか、さまざまなデメリットも指摘されているところだというふうに思います。

 東証についても、多分、もともとは昨年の七月に上場という計画もあったんじゃないかと報道で聞いておりますけれども、それが順次延期されて、今は凍結ということになっているんではないかというふうに思います。

 これから東証さんとジャスダックさんにお伺いしたいんですけれども、将来の上場についてどういうふうに考えているのか、それと、この金融商品取引法案絡めて、取引所の上場には総理大臣の承認ということが必要になってくるわけでありますけれども、この利益目的と自主規制機能の利益相反のおそれが高まると考えられているからハードルが高くなっているということだと思いますが、そのおそれを回避するために、自主規制に関して、上場に向けて特に取り組まれていることがあればそのことについてもお伺いできればというふうに思います。

西室参考人 越智先生の御質問にお答えさせていただきたいと思います。

 上場していない残った大きな取引所は東証だけだという御指摘、まさにそのとおりでございまして、ちょうど三月の八日にニューヨークが上場いたしましたその日に、ニューヨーク証券取引所に行って、セイン会長としばらくいろいろお話をしてまいりました。

 今、世界の取引所の間で起こっていることというのはまさに合従連衡でございまして、実質的に我々が合従連衡に参加するとすれば、一部の持ち株の持ち合いですとか、あるいは小さい国の証券市場を買い取るとか、そういうふうなことが動きとして可能になるということは多分必要だというふうに思います。つまり、国際的にちゃんとした競争をやっていくためのツールとしてと先ほど申し上げましたとおり、この上場というのは大事な部分だというふうに私は思っております。

 それと同時に、資金調達の問題もございますし、それからさらにコーポレートガバナンスを考えた場合に、前の会員の方々が二万株ずつお持ちになっているという現在の株主構成というのは、御承知のように、国連総会のような総会をやらなきゃいけない。皆さんが、同じ権利を持っておられる方が百三十人ぐらいいらっしゃる、そういうふうな状態。そうではなくて、もっと開かれた所有に移るべきではないかという考え方もございます。

 そういう意味では、私ども、ことしの三月に上場を目指してということでやっておりました方向づけが間違ってはいなかったというふうに判断をいたしておりますけれども、これは昨年十二月以降の再検討の過程の中で、当分棚上げ、凍結ということにいたしました。

 なぜそうなったかと申しますと、上場するということがまさに社内で自己目的化してしまって、そのためにはほかのものを犠牲にするということがあったのではなかろうかと。つまり、損益をよくするため設備投資を抑えるとか、そういうふうなことまで悪影響があり、もっと大事なことは、東証の従業員全体の中で上場の理由、メリット等をわかっている人が数少なかった。これでやるのは全く間違いであると。

 私どもが今やらなければいけないのは、壊れかけた東京証券取引所の市場、それに対する信頼そして安定性、それを確保して、皆様方が安心して使っていただける市場、それをつくるのが第一義であって、そこに原点回帰をしようと。これが今回の東証のいわば再建計画と言っていい、計画の一番最初に述べているところであります。

 そういうことで、上場のメリットは今申し上げましたし、国際競争を考えればどこかで上場を考えなきゃいけない、そういう点もございます。しかしながら、現状は私どもは凍結をし、そして、いろいろな御相談もさせていただきながら、最終的なタイミングをはかっていきたいというふうに思っております。

 以上でございます。

筒井参考人 越智先生の上場に関する御質問にお答えいたします。

 先ほど申し上げました私どもの方針として、自主規制機能をできる限り強化していく、あるいは委員会設置会社に移行するということと、上場というのは必ずしも関係ないというふうに考えております。

 ただし、先生が御指摘されたように、上場についてさまざまなメリット、デメリットがあるというふうに心得ておりまして、あくまでも、私どもがきちっとした使命を果たしていく、取引所機能を高めていく上での手段だと考えておりますので、そのメリット、デメリットについて慎重に検討を重ねてまいりたい、そういった意味で重要課題だというふうには強く認識しております。

 以上、お答え申し上げました。

越智委員 ありがとうございました。

 上場の方針についてお伺いしたところでございます。

 西室参考人にちょっとお伺いをしてまいりたいんですけれども、上場と国際的な市場間競争ということ、二つが相まって話されているというふうに思うんですけれども、今度はその国際的な市場間競争にちょっと光を当てて、いわば現場の感覚といいますか経営の感覚といいますか、お伺いしたいと思うんです。

 今週の火曜日、西室社長は記者会見で、アジアの企業約十社、上場候補がいるというお話がございました。昨日、木曜日、今度は新聞報道ですけれども、日本版の預託証券、JDRの上場の見込みがあるという報道がございました。そして、こういった形で外国の上場株式を日本で売買できるようになるということは大変望ましいことで、私もうれしいと思っておりますし、また、きょうも、社長からは、アジア地域ですぐれた市場でなければならないという目標観みたいなもののお話をいただきました。

 しかし、こうした将来に向けた前向きで明るい話がある一方で、今、足元の、日本の、東京のマーケットというのを見たときに、なかなか厳しい現状がございまして、例えばニューヨークやロンドン、こういった市場に上場している外国企業の数に比べて、東京証券取引所に上場している外国企業の数は極端に少ないし、ここ十数年ずっと減ってきているという現実がございますし、また、中国の企業が、パブリック・オファリング・ウイズアウト・リスティングというんでしょうか、日本での国内非上場公募、ですから、日本の取引所に上場しないで日本で公募の資金調達をする、こういった外国企業もふえてきているという話を聞いております。

 このように、外国の企業が日本に寄りつかないというか東証に上場しないということについては、何かしらその原因があるんじゃないか。先ほど官民一体のマーケティングという話がありましたけれども、多分それ以外にもいろいろな原因があってこういう状況になっているんだと思うんですけれども、この辺についての現状認識、そして将来どうやって解決していくのか、この辺についてお伺いできればと思います。

西室参考人 越智先生の御質問にお答えしたいと思います。

 まず、御指摘になられましたPOWL、パブリック・オファリング・ウイズアウト・リスティングという、市場に上場しないで資金調達を行う方式、これは約三、四年前から起こっていることでございますが、ここのところちょっと勢いが減っていると申しますか、数が減っているというふうな認識でおります。これは、私どもは決して望ましい形とは思っておりません。やはり日本の投資家の方々からお金を集める以上は、その企業がコンスタントに情報を開示することを要求でき、そして発言権があるようにしたい。同時に、POWLの場合には日本の証券会社は主幹事になれません。そういうこともあわせて考えると、やはり東証に上場してもらうということがベストの解決であろうと思っております。

 新聞に出ましたJDRの話、どういう経緯であれが出たのかよくわからない点もございますけれども、実は、JDRを何とかやりたいということは昨年の末から私どもの部内でも非常に真剣に討議をしてきたことでありますし、金融庁さんとも御相談を申し上げてはおりますし、それからその上、今回経産省で、成長戦略のサービス業のところの金融の部分では、そういうJDRというのをつくらなければいけないのではないかという提言が出てきているというふうに伺っております。まさに機は熟しているということでございますので、ぜひとも私どもとしては年内に、先ほど十社程度と申し上げましたけれども、そのくらいの数はやはりやらせていただきたい。

 そういう形のその素地をつくるもう一つの支えが、多分、日本の金融市場はもっとオープンになったというメッセージを含めたこの法案の成立ではないかというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

 どうもありがとうございました。

越智委員 もう時間でございますので終わりますけれども、きょうは、参考人の皆様から、この金融商品取引法案に対する御対応と、そしてまた取引所の置かれている現状、今後の展望ということについてお話をいただきました。この御議論をいただきましたことを金融商品取引法案の審議にぜひ生かしていきたいというふうに思います。

 きょうはありがとうございました。

小野委員長 以上で越智隆雄君の質疑を終了いたします。

 引き続きまして、谷口隆義君。

谷口(隆)委員 おはようございます。公明党の谷口隆義でございます。

 本日、御多用の中、参考人の皆様方におかれましては、当委員会に出席を賜りましてありがとうございます。

 私の方は、この法案、貯蓄から投資に流れを促進させる投資家保護法制、この横断化また柔軟化を目指した法案だ、このように言われておるわけでございます。この法案の中に占める取引所の存在というのは非常に大きいわけでございます。先ほどお話を聞いておりますと、西室参考人は、利用者から信頼されるマーケットでなければならない、こういうことをおっしゃいました。また、筒井参考人は、投資家が安心して投資できる市場を構築していかなきゃいかぬということをおっしゃったわけでありますが、これは非常に重要な問題であります。

 そこで、私が初めにお聞きしたいのは、先ほど西室参考人もおっしゃっておられたシステムの問題をまずお聞きいたしたいと思います。

 ライブドアの問題等でキャパを超えたような状況になって、取引時間を三十分ばかり短縮をされておられたわけでありますけれども、今週から正常化されたということをお伺いいたしておるわけでございます。やはり取引所というのは、上場企業がそこで商いをされ、いわば資本主義の一番の根本のところ、こういうような位置づけがあるわけでありますけれども、このような観点で申し上げますと、取引所は今や非常にシステム産業といいますか、システム装置産業と言えるぐらい、ほとんどの投資がシステムに向けられておられます。それで、先日、西室会長の東証では、中期経営計画で、今まで十分でなかったといいますか、そういうキャパを拡大しなければなりませんし、安心した形でのシステムを構築していかなければならないということで中期経営計画をおっしゃったようであります。

 まず初めに、このシステム問題、六百二十億程度をシステムに投入したいというようなお話でありますが、このことについてお話をいただきたいと思います。

西室参考人 谷口先生の御質問にお答えさせていただきたいと思います。

 システムそのものの重要性につきましては、もう先生の御指摘のとおりでございまして、現在システム関係で私どもが計画を持っておりますのは、三つのことを基本的にやらなきゃいけないということです。それで、そのために総額でこの三年間に六百二十億資金が必要だということも中期経営計画の中に書き込んでございます。

 今、目先でやらなきゃいけない点、それは、現在のシステムを、増加している取引の量にちゃんと合わせて増強して、そして安心して取引を続けていただくためのその設備投資というのがございます。これは約百五十億を予定しておりまして、二〇〇八年までの増強を続けていくことを、これはやらざるを得ないと思っております。

 なお、差し当たって、ことし、先ほど先生からも御指摘がありましたように、三十分取引時間を短くしたのをようやくもとへ戻しました。それで、今度は、五月の八日から、まず約定システムの方は、現状で出入りで五百万のところを八百四十万件に増強いたします。来月の八日でございます。

 それから、売買システムの方は、現状が九百万ということになっておりますけれども、それを一千二百万に、来月の二十二日から増強をいたします。これで差し当たってのしのぎはしばらくつきます。それで、さらに、ことしの年央になると思いますけれども、千二百万を千四百万まで増強するという計画がございます。さらに、来年、再来年と増強を続けなきゃいけない。その資金が百五十億です。

 それから、次世代システムの構築というのは、まさに日本の取引金融市場が、その基幹インフラである東京証券取引所が世界レベルからおくれているというのは明らかでありますから、それを、世界に冠たるというと言い過ぎかもしれませんけれども、世界の一流の取引所と同等もしくはさらに一歩進んだという次世代システムの構築、これのために私どもは約三百億を用意しております。

 それからもう一つ、約百七十億ございますけれども、この部分は主としてバックアップシステムの構築でございます。これは、バックアップシステムの満足なものがないというのも世界の大手の取引所の中では極めてまれな状態になっておりますので、これを構築し、さらにそれ以外の情報システムその他いろいろなものが百七十億、それが六百二十億の中身でございます。

 それで、多分その資金調達をどうするんだという御質問がおありだろうと思いますので、それにつきましては、資本の増強、そういうことを、実は上場によってということを最初は考えていた時代もございました。幸いなことに、昨年の七、八月以来、極めて活況を呈しておりますし、世界的にもその動きが続いていくというふうに予測をされております。おかげさまで、先期、三月で締めました期は一応ちゃんとした利益が出ております。三年間の中期計画でも、我々の現在の予定では、この景気がある程度、ある程度というか、このペースよりもっとよくなるということは予想しないで、今のペースであったらば、資金調達については我々の営業利益の中から調達できますし、キャッシュフロー的にも問題ないというふうに思っております。

 よろしくお願いいたします。

谷口(隆)委員 まさに、資金調達をどうするのかということをお聞きしようと思っておったんですが、西室参考人の方からもおっしゃったわけでございます。

 それで、先ほどから自主規制機能の問題が出ておりました。東京証券取引所の収益構造は、まず上場していただかなけりゃいけない、上場の数をふやすことによって収益構造がよくなってくるということでありますが、一方で、上場の数をふやしたいという思いが先走りますと上場審査が甘くなってしまう。こういう、利害相反といいますか利益相反の関係があるわけで、なかなか難しいところがあります。

 それで、今、上場の問題もおっしゃいましたが、今後上場の御計画がおありのようですけれども、また、この上場がすべていいというわけではありませんね。現に、大阪証券取引所では、物言う株主が出てまいりまして、大変な混乱状態になったわけでございます。ですから、安定的に取引所が運営をされていくという観点では、上場が一番いいんだというわけではありません。ただ、多様な資金調達形態を持ちたいといった場合には、上場はそういう意味では非常に、一つの大きな方法であるわけでございます。

 そのあたりの兼ね合いが非常に重要でありまして、上場することによって多数の利害関係者がふえてまいりますし、そのことによって取引所全体の方向も変わっていかざるを得ないというようなことになってまいりますと、これは日本全体にとっても大変なことになってまいりますので、そこはぜひ念頭に入れてやっていただきたいと思う次第であります。

 それで、今ジャスダックの筒井社長に来ていただいておりますが、同じように、ジャスダックにおけるシステムの今後の動向といいますか、お考えをお述べいただきたいと思います。

筒井参考人 谷口先生のシステムに関する御質問にお答えいたします。

 私どもジャスダック証券取引所では、システム容量について、実際の取引量の二倍以上の容量を常に確保するということを目標として、能力増強に努めてきております。この目安というのは、ニューヨーク証券取引所等海外の主要取引所とほぼ同じ管理方針だというふうに考えております。

 現実には、現在は一日当たり二百十万件というキャパシティーでございまして、過去最高を一月に記録しておりますが、これが九十四万件でございまして、その約二・二倍という水準になっております。しかし、さらに増加傾向にある取引に備えて、本年六月末ごろには、処理の一層の向上を図るべく、一日当たり四百万件まで処理能力を増強する予定でございます。

 また、システムの処理スピードについては、証券会社から注文を受け付けると、通常一秒以内で受け付け処理を行っており、現在の注文受け付け状況にかんがみて十分なスピードを確保しているというふうに考えておりますが、これにつきましても、年内をめどにさらにスピードアップ、増強する計画を持っております。

 それから、堅牢性でございますが、ことしの一月十日にコンピューターセンターを極めて安全性の高い場所に変更し、一層の向上を図ったというふうに考えております。

 また、内容につきましては、誤発注への対応等、以前より、一定数量以上の注文を受け付けた場合に自動的にそれを抽出するシステムというのを有しておりますが、さらに、日本証券業協会からの御要請に基づき、本年六月末ごろをめどに、上場株式数の三〇%を超えるような株数の注文をシステム的に自動的に受け付けないという対応をとることとしております。

 市場開設者として、取引の公正性を確保し、流動性、透明性の高い価格形成の場を安定的に提供するために、システムの抜本的な強化が求められているという認識は強く持っておりまして、現行システムの性能向上に取り組む、以上のような施策とともに、次世代のシステムについてしっかりと検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

 以上、お答え申し上げます。

谷口(隆)委員 ありがとうございました。

 このシステムの精緻といいますか精度が、この取引所間の評価につながると言われるところまで来ておるわけでございますので、今、筒井参考人の方からは、バックアップのセンターが、まあこれはなかなか外に言えませんから、もう一つあってというようなお話がありましたが、やはりこのバックアップは西室参考人も先ほどおっしゃいまして、現に、この東京証券取引所で混乱があって取引時間を短縮して終わったときに、その間に大阪の証券取引所でその商いが続けられたというようなことがあります。

 ですから、これは西室参考人もおっしゃったように、取引所間の関係の強化、協力の関係を行うことによって、一つは、このバックアップ機能をそれによって起こさせるといいますか、というようなこともありますし、また、民間の金融機関では大体ツーセンターシステムになっておって、近くに置いておったらだめですね。東京に本システムがあって、そのバックアップが東京にまたあるというようなことでは、これはちょっと困りますが、大体、東京、大阪ぐらいにツーセンターでやっているところが一般的であります。ですから、突然の災害にも耐えられるようなバックアップ体制もしいていただかなければなりません。

 先ほど申し上げましたこの取引所間の協力体制、これについて西室参考人のお考えをお伺いいたしたいと思います。

西室参考人 谷口先生の御質問に答えさせていただきたいと思います。

 まず、バックアップセンター、大阪という具体的なお話もちょうだいいたしましたので、よくいろいろ検討させていただきたいというふうに思っております。

 取引所間の、殊にシステム絡みの連携というのは極めて大切なことだというふうに私どもも認識をいたしております。

 それで、実は、きょうお越しの証券業協会さんが仲立ちになっていただいて、証券業協会さんの主催でCIO会議というのを二カ月に一遍開催することに決まりまして、今月の十一日に第一回が開催されました。これによって相互のシステム関係の連携というのは極めて密接になっていくということを期待いたしております。さらにいろいろなことも考えていかなきゃいけないというふうに思っております。

 差し当たって、以上でございます。ありがとうございます。

谷口(隆)委員 ありがとうございました。

 あと、ちょっと時間がないものですから、一つお尋ねしたい具体的な案件がありまして、それは、先日、金融庁の検査で、新生信託銀行が処分されたわけであります。

 この内容を見ますと、信託受託財産で、どうもその評価が甘かったようなんです。それで、いいかげんな評価をしたものですから、金融庁の処分を受けたわけでございます。

 ところが、その財産がJ―REITに組成されておるというようなことを言われておりまして、このJ―REITは、御存じのとおり、私もそんなに銘柄あるのかなと思っておったんですが、もう三十銘柄ぐらいあるらしいですね。三十銘柄、J―REITがあるわけですが、このJ―REITの投資家の保護という観点でも、J―REITの上場についてはしっかりとした上場審査が必要であります。

 どの程度の上場の審査が行われておるのか。株の場合と若干違いますから、私も詳細に調べたわけではありませんが、違う角度で、その財産そのものの評価が妥当なのかどうかといったような観点での調査、上場審査、これは私は必要なんだろうと思いますが、今東証で行われております上場審査について、西室参考人にお伺いいたしたいと思います。

西室参考人 谷口先生の御質問にお答えさせていただきたいと思います。

 先ほど御心配いただきました新生信託銀行さん、これが組成の中に入っているREITが三件あるというところまでわかっております。それで、それ自体の組成の中の比率は極めて低いということも確認をいたしておりますので、今回の問題がREITそのものの個別の評価に大きく影響することはないだろうというふうに思っておりますので、その点は御安心いただいてもよろしいかと思います。

 それで、REITそのものの上場に当たっての審査でございますけれども、私どもといたしましては、できる限りの情報に基づいての審査基準を設けてやっております。それで、その上に、REITそのものは、実は組成いたしますと上場の前に認可を受けなきゃいけないことになっておりますので、それで、官の方の審査も経由をしたものということで、二重のプロテクションがかかっているということでございます。

 内容の不動産の価格その他について、専門知識を持っている人の評価というのも、私どももその中身の検査ではやらせていただいているということでございます。

 ありがとうございます。

谷口(隆)委員 ぜひ関心を持っていただいて、やっていただいていると思いますが、今後またふえてくるだろうと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

 それで、最後になりますが、証券業協会の越田参考人にお伺いをいたしたいと思います。

 このところ、証券業協会、免許制から登録制に変わった九八年以降、百五十二社もふえたというようなことを聞いておりますが、どうも従来に比べて一体感が薄まったんじゃないかという批判もあったりします。

 それで、業界の方では、このジェイコムの誤発注の事件を契機にして、証券各社のシステムをもう一度見直していくというような動きもあるとお聞きいたしておりますが、どのような状況なのか、お伺いいたしたいと思います。

越田参考人 登録制になった関係もありますが、広く自由度のある業務形態への大転換が図られたということでありまして、御存じのとおり、ネット証券会社あるいは外国証券あるいは銀行系証券と、非常に多種多様な業態の証券会社が入り、あるいはでき上がっております。

 そういったことから、一枚岩が幾らか薄れておるという御指摘に関しては、そういった面からは確かに御指摘のとおりだろうと思います。ただ、これも、六十五条問題であるとか、あるいは教育問題であるとか、あるいは証券税制であるとかいった面においては、業界の一枚岩は維持されておる、このように考えております。

 なお、先ほどのインターネット証券のように、おのおのの業態がやはり意見が違うものですから、そういったおのおのの業態の意見を吸収するような組織をつくり、業態別に委員会をつくって各業態の意見を吸い上げるような組織にいたしておりますので、そういった面では、ある意味では過去よりも風通しがよくなっているという面もあろうかと思います。

 それから、もう一つの御質問で、確かにジェイコムの誤発注に関しましては、先ほどから取引所の方からお話がありましたように、いろいろチェック機能を強化してできる限り誤発注を少なくするという方向でいろいろと検討し、具体的にもう決定もしておりまして、十月一日から始まる制度も決めております。

 そういった中において、証券会社自体が取引所のシステムとの呼応した問題でシステムを強化する必要が出てくるということは確かでございまして、そのシステムのチェック機能を高めると同時に、システムのキャパシティーも今後ふやしていく必要があると考えております。

谷口(隆)委員 証券業協会におかれましては、大小、各社ございますので、その格差もあるんだろうと思うんです。このシステム投資に対する対応と申しますか、ぜひそういう誤発注のないような各社の状況になるように御指導をお願いいたしたいと思います。

 以上でございます。

小野委員長 谷口隆義君の質疑は以上で終わります。

 引き続きまして、小沢鋭仁君。

小沢(鋭)委員 民主党の小沢鋭仁でございます。民主党のトップバッターでありますので、まずもって民主党からも、きょうお越しいただきました三人の参考人の皆さん方に、貴重な機会をいただきましたこと、心から感謝を申し上げます。ありがとうございます。

 きょうは参考人質疑でありますから、余り私は自分の意見も述べないで、参考人の皆さん方に存分に発言をいただきたい、こう思うわけでありますが、そうはいっても、やはり一言申し上げながら質問をさせていただきたい、こう思います。

 まず、民主党は、かねてから投資サービス法の必要性をいろいろな機会で訴えてまいりました。マニフェストにもしっかり書かせていただいて、選挙も戦ってきたわけでありますので、そういった意味では、今回政府から出されておりますような法案の方向性に関しては、我々も賛成、こういう立場であります。しかし、商品先物取引を初めとして幾つか大事な取引が網羅されていないということから、この法案は不十分だろう、こういう認識でいるわけであります。そういった私どもの基本的な立場をまず申し上げさせていただきたい、こういうふうに思います。

 それから、同時にきょうは、実は我が党が出させていただいております証券取引委員会設置法案というものがございまして、これへの質疑の場面でもございます。残念ながら、三人の参考人の方々の冒頭陳述の中ではそれに触れていただけなかったので、民主党としてはまずもって、私どもが提出をしておりますその法案についてのお三方の皆さん方の御所見をお伺いさせていただきたいと思います。簡潔で結構でございます。

西室参考人 小沢議員の御質問にお答えさせていただく前に、最初の冒頭陳述で、残念ながら証券取引委員会設置法について触れませんでしたこと、申しわけございませんでした。以後気をつけます。

 まず、世界的な潮流は、金融というものの境目が非常にあいまいになりつつあるということなんです。そういうのに対応するために今回の法案の提出があるわけでもございますけれども、現状で証券取引等監視委員会、これは金融庁の下にあるという形になってはおりますけれども、私どもが拝見し、実際にやっておられることを見ますと、十分な独立性が確保されているというふうに思っておりますので、差し当たって、私どもは現状のままで実際に支障はないものというふうに存じております。よろしくお願いいたします。

筒井参考人 小沢先生の御質問にお答えいたします。

 当取引所に関しましては、現証券取引等監視委員会との間で密接に連携をとりながら自主規制業務を遂行する一方、同委員会からは、当取引所の自主規制業務の遂行状況について検査を受けているという立場でございます。

 御質問の件に関しまして、当局の監督検査体制に関するものであり、若干、回答を控えさせていただければありがたいんでございますけれども、率直に申し上げまして、これまでの金融庁による監督及び証券取引等監視委員会による検査により、当取引所に関しましては、それにより適切な運営は確保されているんではないかというふうに考える次第でございます。

 以上、お答えをいたします。

越田参考人 金融商品取引法では、利用者保護ルールを徹底しようということでありまして、今後とも、ルールの実効性の確保といった面で、エンフォースメント、とりわけ証券取引等監視委員会の果たすべき役割はますます重要になってきておると考えております。

 よく証券取引等監視委員会はアメリカのSECと比較されますが、SECとの比較では、証券会社の数も圧倒的に違いますし、外務員の数、あるいは市場規模から考えましてSECの人員や予算が大きいのは当然でありますが、機能面から見ますと、監視委員会はSECと決して遜色はないくらいに高い独立性と権限を持っておる。

 特に、ここ数年、苦しい財政事情の中にあっても、少しずつではありますが人員の増強が図られておりまして、機能、体制の強化が図られておると考えております。また、ライブドア事件では、東京地検が非常に目立ちましたが、監視委員会も合同捜査により有効に働いていたと考えております。

 そして、今後、市場監視機能が十分に機能していくためには、組織といったハード面ではなく、まずは、現在の監視委員会において、新商品や高度な取引に対応できる人材、例えば弁護士であるとか公認会計士であるとか検事であるとか、あるいは金融のプロであるとかといった方々の人材の確保、充実がまずは必要ではないか、このように考えております。

小沢(鋭)委員 残念ながら、三人の参考人の皆さんからは熱烈な支持をいただけなかったようでありまして、そういった意味では極めて残念であります。しかし同時に、これは、我々の法案に対する御認識がまだまだ十分ではない、こういうことよりも、どちらかというと、意見を聞かせていただいておりますと、金融庁を初めとする、そういうところへの気配りでの御意見かな、こういう気もいたしておりまして、そういった意味では、これはやはり政権交代しないといかぬなと改めて意を決したところでございます。

 次の質問に移らせていただきたい、こう思います。

 先ほどから何名かの皆さんの中でも出ておりましたが、いわゆる取引所機能の営利性と公共性の関係について御質問をさせていただきたい、こう思います。特に上場審査についてでありますけれども、私どもが調べたところによりますと、英国は取引所が上場審査の機能を持っていないといいますか返上してといいますか、FSAにおいて上場審査が行われておりますね。ですから、そういった意味では、公共性、こういったことを考えたときには、こういう話の方が、ある意味では、公平中立、さっき利益相反というような話もありましたが、そういうふうなことも言えるのかな、こう思っております。

 このイギリス方式とでもいいますか、こういった上場の審査方式に関しましてはどのようにお考えになっていらっしゃるか。両取引所のお二方は、それはいかぬ、こうおっしゃるんでしょうから、ここは越田参考人に御意見を賜りたいと思います。

越田参考人 御指摘のとおり、英国における証券取引所の、英国上場管理機構というんですね、これはUKLAと申しますが、現在、確かにFSAに移されております。ロンドン証券取引所が一九九九年に民間企業となる際に、みずから上場も考えるといったことでありまして、もはやロンドン証券取引所がUKLAの機能を担い続けるのは適切ではないとの考えが示されまして、二〇〇〇年にUKLAが取引所からFSAに移管されたとのことであります。

 しかし、現在、世界の中で、このような組織形態による上場審査はまことに少数派でありまして、グローバルスタンダードではないという感じを持っております。特に、最近、香港においても同様の方向での検討が進められましたが、結局は証券取引所において上場審査が行われるようなことになりました。

 株式会社組織としての証券取引所が利益追求に走りまして適切な上場審査が行えないという利益相反による危惧は確かにございますが、一方で、これは品質管理の問題でございまして、質の低い商品を多く上場した取引所は、当然ながら、今後、市場間競争の中で淘汰されるということになるのではないかと思います。したがって、我が国には我が国の上場審査のあり方があるはずでありまして、取引所における自主規制機能の強化の中で、どのような方策が望ましいのか、今後、十分検討されるのがよいのではないかと考えております。

小沢(鋭)委員 今の越田参考人の御意見は、一定の理解も示しながら、しかし世界の中では少数派ですねと、こういう御指摘だったように思います。これは西室参考人の御発言の中にもありましたが、取引所が持っているいわゆる公共性、原点回帰と先ほどおっしゃられましたが、やはりそういったものは社会的なインフラとして大事にしなければいけないのではないか。全部民間にすればいい、ましてや上場もすべて望ましい、こういう昨今の風潮は少し立ちどまって考える必要もあるのかな、こう私は思っているところでございます。

 私が余り長々としゃべってもいけないので、質問をさせていただきたい、こう思います。その上場についてでありますが、今は各取引所が上場の審査基準を持って行っている、こういう話になるわけでありますが、例えば、その上場の基準の中に、業種によってはだめよとか、そういうような基準というのはあるのかないのか。あくまでも、個別企業への審査、こういう話で上場審査というのは行われているんだろう、こう思うわけでありますが、そういった審査基準について、ぜひ、これは西室参考人と筒井参考人の御意見を賜りたいと思います。

西室参考人 小沢先生の御質問にお答えさせていただきたいと思います。

 御指摘のとおり、上場審査は個別にやっている、そういうことでございますけれども、やはり私どもといたしましては、上場基準の中で、その他公益または投資者保護の観点から必要と認める事項、こういう条項を定めておりまして、事業目的及び事業内容が公序良俗に反するもの、あるいは法令そのものに違反するもの、もしくは違反するおそれのあるもの、これは最初から上場ができないという形での審査をいたしております。

 例えば、風俗店などそれを営業の主目的としておられるところにつきましては、私どもとしては上場はお願いしないことにするということでやらせていただいております。

 以上です。

筒井参考人 小沢先生の御質問にお答えいたします。

 私どもジャスダック証券取引所が行う上場審査においては、上場審査基準にのっとり、企業内容等の開示の適正性、企業経営の健全性、企業の継続性及び収益性などについて厳格な審査を行っているところであり、このような上場審査基準において業種による差異を設けるということはございません。

 以上でございます。

小沢(鋭)委員 今は、東証さんとそれからジャスダックさんで若干上場基準について意見が違ったのかな、こう思うわけでありますが、確かに、それは取引所によって、今は取引所で上場審査がされているわけでありますから、そういった基準が違うということ自体が、ある意味では取引所の特性になっていくという話も市場間競争の中で大事な話なのかもしれません。

 いずれにいたしましても、いろいろな企業の皆さん方が、特に中小の皆さん方が幅広い観点からみずからの思いを実現していくために資金を収集していく、それをある意味で社会的インフラとしてバックアップしていく。それがある意味では直接金融の本筋だ、こう思うものですから、ぜひ前向きにしっかりと、しかし同時に、投資家保護ということも考えてお進みいただければな、こういうふうに御要望を申し上げておきたいと思います。

 それでは、冒頭にも申し上げましたけれども、民主党は、すべての商品を網羅する投資サービス法が必要というふうに主張してまいりました。この法案は、先ほども申し上げましたように、幾つかの大事な取引が抜け落ちていると私どもは思っているわけでございます。

 もっと言いますと、省庁間のある意味では縦割り行政の弊害があって、本当は金融庁としてもやりたかったけれどもできなかったというのが本音ではないか、こういうふうにも実は思っているわけでありますけれども、まさにそういった網羅的な法律に修正していく、そういうことが必要ではないか、こう我々は思っているわけでありますけれども、お三方の皆さん方の御意見をお聞かせいただきたいと思います。

西室参考人 お答え申し上げます。

 金融審議会の金融分科会第一部会の部会長の神田秀樹先生が三段跳びに例えて御発言をしておられます、これは議事録にも残っているんですけれども。それによると、金融ビッグバンがホップ、そして今度の金融商品取引法、法案で出ている、これがステップ、それからジャンプという最終段階は、やはり預金だとか保険だとかそういうすべてのものを含めた金融サービス法、そういうものがあるべきである、こういうふうに言っておられますが、私ども、まさにそのとおりだと思います。

 しかし、これを包含するということについて、日時がかかるというふうな理解をいたしておりますので、ここで日時をかけるよりは、できる限り早く、現状の段階ではこの金融商品取引法の成立を目指していただければありがたいというふうに思っております。よろしくお願いいたします。

筒井参考人 ただいまの小沢先生の御質問にお答えいたします。

 東証の西室社長と基本的に同じ認識でございますが、昨年十二月の金融審議会第一部会報告において、金融商品全般を対象とする、より包括的な規制の枠組み、いわゆる金融サービス市場法と申しますか、これにつきまして、投資サービス法の法制化とその実施状況、各種金融商品の特性、中長期的な金融制度のあり方なども踏まえ、当部会において引き続き精力的に検討を続けていくこととしたいというふうにされていると認識しております。

 今回の法案は、金融審議会第一部会の報告において、早期法制化が求められている投資性のある金融商品についての横断的な法制として御審議されているというふうに私どもとしては理解しているところでございます。

 以上でございます。

越田参考人 今の金融商品取引法が、まず早期に円滑に実施され、その成果を見て、次の段階で考えるべきことではないかと思っております。

小沢(鋭)委員 ありがとうございました。

 お三方ともいわゆる網羅的な法律の必要性を否定する御発言はなかったやに思っておりまして、もちろん、ですから、そういうステップを踏むべきだ、こういう御意見があったことは承知をしているわけでありますが、そう悠長なことも言っていられませんので、時代のスピードは速いですから、そういう意味では一気に仕上げていく、やはりそういったスピード性も持ってやらなければいけないのではないか、こう思っておりまして、民主党としましては、ホップ、ステップ、ジャンプ、こういう話ではなくて、一気にジャンプする、ある意味ではこういう思いで取り組んでまいりたい、こういう思いを申し上げておきたいと思います。

 それでは最後に、こういうせっかくの機会でありますので、なぜ日本に直接金融市場がこれまで大きく育たなかったのか。ちょっと大上段の質問で恐縮でありますが、先ほど来のお話にもありますとおり、この一連の流れは、まさに貯蓄から投資へ、こういう話を加速する話だ、こういう話もありました。西室参考人からは、そのための税制の話まで冒頭の中でお話をいただきました。私どもも、もちろんそういった流れをしっかりしていくというのは大事なんですが、翻ってみて、では、いわゆるほかの諸外国と比べて、日本はなぜ間接金融中心でこれまで来たんだろうか、なぜ直接金融市場がある意味では育ってこなかったんだろうか、このあたりにつきまして、ぜひ御意見を承りたいと思います。

 時間もまだ少しあるようなので、もしよろしければ、通告はしていなかったかもしれませんが、お三方から御意見をいただければ、こういうふうに思います。

西室参考人 小沢先生の御質問にできる限りちゃんと答えさせていただきたいと思います。

 戦後の経済復興の中で、世界の国々を見ますと、極めて見事な経済復興を遂げたのが日本とドイツ、この二つでございます。その基本にあったのは、銀行を通じての間接金融、これがまさに有効に活用されたということで、そのシステムそのものは、その時代の集中的な資金調達については銀行に判断を任せ、リスクについても銀行に頼り、そして企業の経営、そして業績の向上に努めていくというパターンが世界の中で最もすぐれた方法であったというのは事実だと思います。

 ところが、日本もドイツも同様でございますけれども、世の中が変わって、そしてグローバリゼーションの進展によって、やはり、リスクをテークしながら、その中で企業の将来の発展を考えるということがさらに重要な、企業そのもの、その成長のためにはなったという、時代の変遷に伴うシステムそのものの陳腐化というか、オブソリートになってしまったということがまさに日本では起こっている。

 しかしながら、感覚的になかなかそれについていけないというのがまだまだ間接金融が多いという日本の今の状況であろうかと思います。これから先、日本の経済が少子高齢化の中でさらにダイナミックに成長していくためには、やはり、間接金融ではなくて直接のリスクテーキングを基礎にした、そういう直接金融というものがさらに重要性を増すということだと思います。

 同時に、日本の現在の極めて豊富な資金力というのを、日本経済の成長のためだけではなくて、アジア地域の経済の成長のために役立てていくということも必要だというふうに思っております。

 以上でございます。

筒井参考人 小沢先生の御質問にお答えしたいと思います。

 ジャスダック市場という観点からしますと、その前身である店頭市場が一九四九年に発足して以来、一貫して、直接金融の面からベンチャー企業を支援してきております。特に、一九八三年の証券取引審議会の提言を受けて企業にそういった企業の資金調達の道が開かれてからは、不況時における一時的な停滞はありましたものの、当市場におけるベンチャー企業の株式公開というのは着実に増加しているというふうに認識しております。

 ただ、小沢先生御指摘のとおり、スピードとか質的な面で今後に課題があるというのも事実であろうというふうに考えております。

 そういうふうに考えますと、今後については、今般の法整備により、取引所の公正性、透明性が一層高まるとともに、取引所の提供するサービスの質が向上し、また投資家の信頼も増すものと考えており、直接金融市場のより一層の発展が期待されるものというふうに考えております。

 以上でございます。

越田参考人 この問題は、お話しすれば一時間でもお話ししたいぐらいでございますけれども、時間の関係もございますので。

 今、西室参考人もおっしゃいましたように、戦後一貫して、間接金融中心、銀行中心に日本の経済復興は成り立ってきた。かんがみれば、例えば貯蓄優遇、マル優、特優、あるいはマル老、それから郵便貯金の特別枠といった形で、戦後一貫して貯蓄は優遇されてまいりました。

 何もリスクを冒して株を買わなくても、銀行にお金を持っていけば高い利息がもらえ、そして銀行は護送船団方式でつぶれることがないということでありまして、それがずっと継続されてきた。我々も、割引債券あるいは利付債券といったことを通じて長期信用銀行の資金調達に貢献して、それがまた産業界に間接金融として流れた、こういった経過がございます。

 ただ、ここに至って、御存じのとおり、貯蓄から投資へと政府が大きな方向転換を行い、そして、先ほどからお礼を申し上げておりますように、証券税制も軽減措置がとられるようになったということでございまして、それに加えて、戦後、取引関係を重視した株式持ち合いという形で株式がいびつな需給関係にあった。それがために、株主を重視したガバナンスというものが企業経営者にとってはそれほど重要ではなかった。

 ところが、ここに至って、MアンドAその他、しかも株主重視という世論を背景に、昨日の某自動車会社に見られますように、株主を重視した経営姿勢に変わってきておる。そして、配当その他を通じて株主を優遇する方向に変わってきております。

 こういった方向性を受けて、アメリカが一九八五年から十五年間続いたように、今後は貯蓄から投資へという大きな資金シフトが起きるものと考えておりまして、既にそういったことを見越して外国人が日本の株を買ってきておる一つの要素であろうと思います。今後は大いに期待していただいて結構ではないかと思っております。

小沢(鋭)委員 ちょうど時間のようでございます。

 ただ、越田参考人がおっしゃっていただいたように、この問題は話し出せば何時間でもやれるというか、やりたいというか、日本経済全体をどういうふうに考えて、どういうふうに引っ張っていくのかという大変重要な、我々政治家としてはまさにそういう議論を大いにしたいわけでありまして、またそういう機会を今後もいただきますこともお願いを申し上げて、私の御礼を兼ねてのごあいさつとさせていただきます。

 本日はありがとうございました。

小野委員長 以上で小沢鋭仁君の質疑を終了いたします。

 続きまして、三谷光男君。

三谷委員 民主党の三谷光男でございます。

 きょうは、越田会長、また筒井社長、西室社長には、大変お忙しい中を当委員会にお越しいただきまして、貴重な御意見を賜りまして、本当に心から御礼を申し上げます。感謝を申し上げます。

 質問に移らせていただきますが、まず最初に、先ほど来、井澤委員あるいは越智委員からも東証上場のお話がお尋ねの中にございました。私も、重ねてではありますけれども、この上場の話に絡めまして、むしろ積極的な方の経営戦略、あるいはシステム対応のお話をまず聞かせていただきたいと思います。

 まず、先ほども話がございましたが、ニューヨーク証券取引所、以下NYSEと申し上げますけれども、NYSEが先月上場をいたしました。また、上場に先立ちまして、ECN、電子証券取引ネットワーク、大手でありますアーキペラゴと合併をいたしました。

 この合併、上場の背景には、世界の中心取引所としての地位の低下に対するNYSEの強い危惧があったのではないかと思います。一つには、SECのレギュレーションNMSにより電子取引のECNに大幅に注文が流れるんじゃないかという危惧、もう一つは、ナスダックとの企業間競争であります。

 NYSEは上場企業の時価総額でこそナスダックを大きく上回るものの、上場企業数では下回っています。世界の上場企業は今、上場手数料の安いナスダックを選ぶ傾向が出てきているように思います。NYSEが競争力を保つには、徹底した合理化による手数料の値下げと電子化が急務でありました。

 まさにあらわす話として、NYSEとアーキペラゴの合併発表以来、NYSEの会員権価格が暴騰しました。スキャンダル時には九十万ドル程度だったものが、三百万ドルに一気にはね上がりました。電子化強化に加え、アーキペラゴという上場企業と合併をして公開会社になることで、先ほど西室社長は、オープンな市場になる、そのメッセージを与えるというお話がございましたけれども、そのことに加えて、取引拡大の方向性が非常に明確になった、このことがまさに新しいNYSEに対する期待が高まった、その結果としてこういう会員権価格の暴騰につながったというふうに思います。

 そして、東京証券取引所は、まさに世界三大マーケットの一角を占めます。これは、日本経済の大きさと、もう一つは欧米との時差によるものです。むしろそこのところに甘んじているところがあるのではないかと思います。株式会社化あるいは新興企業向け市場の競争により、意識改革は幾らか進んだものの、東証の国際競争力は、大変失礼なんですけれども、低いというふうに申し上げざるを得ません。欧米との時差によって、海外市場との直接的な競争にさらされていません。

 これも失礼な話ですけれども、国内においても、先ほどナスダックのお話をいたしましたけれども、ジャスダックは東証を脅かす存在にはなり得ていないというのが現状でございます。

 東証においては、さまざまな市場をめぐる不祥事、システム不備もあって、二〇〇五年度中に目指しておられました上場を当面凍結という形で見送らざるを得ないことになりました。先ほどは力強い西室社長のお言葉がありまして、私も大きく期待をするところですけれども、しかし、申し上げたいのは、ここで消極的になっていただきたくないということであります。幾らかジャスダックもそうでありますけれども、特に東証はたたかれる話ばかりが先行をいたしまして、まさにこうしたさまざまな不祥事が続き、守る方ばかりに余り気をとられていただきたくないということがございます。

 もちろん公共インフラとしての使命は大変大切なものです。また、取引所の持つ自主規制機能、私も今週火曜日にはこのことで質問をさせていただきましたけれども、これももちろん大事です。上場企業の質を高めることも、また不祥事を防ぐことも大事なんですけれども、一方で、証券取引所が行っているのは紛れもなくビジネスであります。積極的な展開も必要です。そして、NYSEあるいはLSEに負けない国際金融商品取引市場になってもらいたい、そういう期待がございます。

 東証は、自主改革の中で委員会設置会社への移行を宣言しました。ジャスダックも同じであります。さらに一層環境を整備して、再度上場を目指して、先ほど力強いお言葉がありましたけれども、新たな経営戦略を再構築していただきたいと思うんです。NYSEだって、エンロン事件もありましたし、また最近では、上場後二カ月で破綻したレフコのようなまさにあきれ返るような話もございました。東証は、システム障害の後に、システム投資の増額あるいは前倒しを発表しましたけれども、私は、これでもまだまだ不十分だと思っています。投資家の信頼を高めるためのさまざまなシステム対応が求められています。

 このことも含めまして、まさに資金調達が私は必要だというふうに思います。各国の取引所あるいは金融機関との連携、交流を深めて、証券市場をどう育てるのか、まさにここが一番欠けている点であると思いますけれども、その見取り図をきちんと示すべきだと思います。西室社長には、東証における上場に向けてのむしろ積極的な新たな経営戦略を聞かせていただきたい。

 あわせまして、ジャスダックにおいても、これもまた失礼な話ですけれども、同じような成り立ちでありながら、ナスダックのようにNYSEを脅かすような存在、東証を脅かすような存在には、申しわけないんですけれども、なり得ていません。

 また、確かに開示基準を強化されて、上場企業の質的な向上は図られています。だけれども、反面で、大証ヘラクレスの、これは確かに上場審査が速いとか、あるいは甘いということもありまして、だけれども、新規上場企業を持っていかれているという感がございます。こちらも筒井社長に、東証を脅かす存在になるための積極的な経営戦略を聞かせていただきたいと思います。

 例えば、ナスダックが投資家向け広報サイトを提供するシェアホルダー・ドット・コム、まさに七百社にも及ぶ未上場会社を会員に持っておるこのシェアホルダーを買収したような、こういう積極的な話をぜひ聞かせていただきたいと思います。お願いいたします。

西室参考人 三谷先生には、大変厳しい御指摘と温かい御激励と、両方ちょうだいいたしまして、大変ありがとうございます。

 分析そのものにつきましてはつけ加えることはないと思いますけれども、ニューヨーク、NYSEの話でもう一つつけ加えておかなきゃいけないのは、NYSEそのものが世界の主要取引所の中でただ一つ場立ちが残っている、そういう市場なんですね。それで、アーキペラゴの買収というのは、いわば電子取引そのもの、つまりすべてをエレクトロニクス化した取引でなければ生き延びられないという側面がもう一つあったということだというふうに理解をいたしております。

 先ほども申し上げましたように、幸いにしてニューヨークの取引所とは親密な関係を結んでおりまして、私もCEOのジョン・セインと直接電話でも話し、そしてニューヨークに行けばさしで時間をとって話をするということがございますので、相当いろいろな考え方について検討をいたしております。

 それから、御承知のシステムトラブルを起因といたしまして、東証が全面的に次世代システムに向かって進み始めたといううわさが主要取引所の間で行き交っておりますものですから、それを一つの契機として、主要取引所、例えばナスダックさんのグライフェルドさんだとか、あるいはロンドン・ストック・エクスチェンジのスミス会長ですとか、そういう方々と電話でお話をする機会が結構ふえています。そういう意味では、何が起こっているかについての把握はできているつもりでございます。

 私どもは、現状では踏み込んだ業務提携ができない、そして新しい発展をすることができないというのは上場していないからという理由、側面があることは事実だと思います。しかしながら、私どもが一番最初にやらなきゃいけないことというのは何かというと、東京証券取引所の失われた、あるいは失われかけた信頼、安定性、それを回復すること。そして、それは我々がひとりよがりでそう言っているんじゃなくて、皆様方、委員の皆様方を初めとして、東証の外の方々が本当に実感していただく、それをやることが一番大事なことであり、最初にやらなきゃいけないことだというふうに思っております。

 しかし、それをやりながら私どもは競争力をつけていかなきゃいけない。その競争力をつける一番代表的なツールは、先ほども御指摘申し上げましたように、私どものコンピューターシステム、それの次世代への開発ということであります。この次世代開発に当たっては、全く従来と構想を変えまして、先ほど筒井さんから大体一分以内の応答速度というお話がございましたが、今回、私どもが発表いたしましたのは、十ミリセカンド以下の応答。十ミリセカンドと申しますと、百分の一秒以下ということでございます。そのレベルまで行かないと、世界の第三世代には追いつけないし、当分の間戦争にはならない。

 もしもそれがおくれた場合には、今、三谷先生が御指摘になられたように、現状では時差によって守られている、日本語という言語障壁によって守られている、そういう日本市場の中で、優良な国際株、それは日本の外側で取引をされてしまうということが起こってくる可能性すら否定できないと思っております。

 残された時間は極めて限られていると思っておりますので、私どもは上場の話の重要性は御指摘のとおりだということを重々知りながら、まず信頼回復、そしてその信頼回復の一環として、次世代システムをなるべく早くコンペティティブなものをつくる、そしてそのシステムそのものがどこの取引所と比べても高速性、安定性、堅牢性、あらゆる点を見て劣っていないというものを持つということがまずは競争の中に入っていく前提条件だと思います。

 以上で、簡単でございますけれども、この話は実は、先ほどの越田さんのお話と同じで、一時間ぐらいでもやらせていただけるといいんですが。よろしくお願いいたします。

筒井参考人 三谷先生、本当に御叱正ありがとうございます。

 だらしないぞ、もっとしっかりしろ、守りだけが能ではないぞという御指摘、そのためには新たな経営戦略をつくれという御指摘かと思います。それに対して、若干、私なりの考えをお答えさせていただきたいと思います。

 ジャスダック市場の場合には、発足以来、我が国における成長ベンチャー企業の育成支援の役割を担ってきているというふうに考えております。今後とも、我が国産業構造の変化を先取りして、成長ベンチャー企業の育成支援に懸命に努力していくことが私どもの使命であり、レーゾンデートルだというふうに考えております。

 したがいまして、今般の有価証券の発行及び金融商品の取引の公正確保、流通の円滑化、公正な価格形成の実現により投資者を保護するというこの御審議の御法案の趣旨にのっとりまして、投資者から一層信頼される市場の実現を通して、成長ベンチャー企業の育成支援という使命を果たしてまいりたい、そして、私どもの目指す高みといたしましては、世界に冠たる新興企業向けマーケットというものを目指してまいりたいというふうに考えております。

 御指摘の新興市場間の競争については、したがって、私どもとしては、必ずや健全なものでなければならず、単に誘致合戦を行い、全体の質の低下が起こるようなことになってはならないというふうに考えて、我々の使命を果たしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。

 以上、お答え申し上げました。

三谷委員 ありがとうございました。

 それと、先ほど西室社長から上場に向けてのお話がございましたけれども、一点、ここでちょっとつけ加えさせていただきたいことがございます。お話もいただきたいのですが。

 先ほどお尋ねいたしましたように、消極的になってもらいたくない、その意味で、先ほどもまずは失われた信頼の回復、安定性、こういうお話がありましたけれども、きちんとそれを環境整備していただいて、ぜひとも上場を目指していただきたい、このように思っています。

 ただ、もともと公共財でございましたこの東京証券取引所、株式会社化の際に、旧会員である証券会社に二万株ずつ割り当てられております。これは上場の話が出たときにも大変な批判が、と申しますか、危惧がございましたけれども、上場されれば、株主であります旧会員の証券会社に莫大な上場益が見込まれるわけでございます。

 むしろ、仮定の話でございますのでお答えづらいとは思いますけれども、大きな批判にさらされないために、上場の際、まあ先の話になりますけれども、例えばその半分なり三分の二なりを国民のためといいますか、国のためといいますか、中身はまだ今言う必要はございませんけれども、何らかの形で拠出をしていただければ、投資家はもちろんでございまして、もちろん国民からも大きな期待を持って東証の上場が迎えられるんじゃないかと思うんですけれども、このことに対して、お答えづらいとは思いますけれども、ちょっとコメントを。また、越田会長からも一言コメントをいただければと思います。

西室参考人 相当難しい御質問でございますけれども、お答え申し上げたいと思います。

 今の三谷先生の御質問は、いわば東証の上場は兜町の期待にこたえるということではなくて、国民の期待にこたえるようなものでなければならない、まさにそうしたいと思っております。しかしながら、今度、六月の二十二日に株主総会がございます。役員の改選その他重要議題を控えておりまして、ここで私が危険発言をするわけにはまいりませんので、まことに申しわけございませんけれども、本件についてはコメントを差し控えさせていただきたいというふうに思っております。よろしくお願いいたします。

越田参考人 上場の可否が論じられているときに、上場した暁での株の放出いかんという話でございますので非常に難しいのですが、いずれにしましても、各証券会社、今百三十何社とおっしゃったと思いますが、二万株ずつ持っておるというのは、株式会社になる前の会員制度のときの、会員としての資格を得るために持ったものが株に変わって、それが二万株になっているということでございまして、決してその動機は、私が説明したようなことでございまして、批判を受けるような動機ではないと思っております。

 上場されたときにその株をどうされるかということに関しましては、おのおのの株主の考え方もあるでしょうし、今後、上場するということに決まった暁には、いろいろな点から検討されることではないかと思っております。

三谷委員 大変答えづらいことを聞いてしまいまして、本当に申しわけございません。

 時間が大分なくなってしまいましたので、ちょっと話をかえます。もう一点どうしてもお聞きしたいことがございます。マネックス・ショックの話でございます。

 御承知のとおり、マネックス証券が一月十七日、これはちょうど昨日ライブドア堀江前社長が保釈ということになりましたけれども、まさに捜査が入った日の翌日、ライブドア・ショックの日でございます。予告なくライブドア及び同社と関連のあるライブドアマーケティング、ライブドアオート、ターボリナックス、ダイナシティの計五銘柄の代用有価証券の掛け目をゼロにマネックス証券が引き下げました。一月十七日朝方はまさにライブドア・ショックでしたけれども、後場にかけて下げが激しさを増したのはこのことが要因だというふうに言われています。

 ライブドア株、そしてその関連会社の株を代用有価証券として信用取引を行っていた投資家は、追い証を積むか、あるいは他の銘柄に対して換金売りを行う必要に迫られるという思惑で売り注文が増加をいたしました。この予告なく行ったマネックス証券の前例のない措置が引き起こしたろうばい売りが暴落の引き金になったと言われています。内外の投資家からは、ライブドア・ショックならぬ、マネックス・ショックという言葉も出ました。

 マネックス証券の行ったこの措置、これは後で、一月十九日、与謝野金融担当大臣も声明で言われていますけれども、違法でも規則違反でもありません。ありませんが、予告なくいきなり、顧客のことも投資家のことも市場への配慮も何もなく、何も考えず行われたこの措置というのは大きな問題だと私は思うんです。まさに今回の法改正、投資者の保護がその目的として一番強く打ち出されて、一方ですき間を埋めるための横断的なルールの整備が行われております。しかし、このマネックス証券の行ったような措置を、まさにこの法改正、法規制で規制をかけるということは、私はやるべきではありませんし、難しい話だというふうに思っています。それこそ、自主規制できちんと処分をされるべき話だと思います。

 まさにこれは証券業協会として越田会長に、また各取引所として西室、筒井両社長に、この問題をどのようにとらえて、どのように対処をされたのか、また、今後こうしたことが起こらないようにどういうふうな対策をお考えになられているのかということもあわせてお伺いしたいと思います。

越田参考人 ライブドアに東京地検の強制捜査が行われたことを受けて一部の会員が実施した、ライブドア関連株式の掛け目を変更したということでありますが、先生もおっしゃいましたように、法令の諸規則に定められた範囲内の措置であったとはいえ、当該措置が即日実施されまして顧客に対する説明が不足していたという件に関して批判を浴びた、これは大いに反省しなければならないことだと考えております。

 このため、本協会では、実務者による検討会を行いまして、掛け目を変更する場合の証券会社における取り扱いについて検討を行いました。その結果、証券会社に対し、掛け目を変更する場合の事象をあらかじめ顧客に説明し、広く周知徹底を図ること、また、掛け目を変更する場合には、あらかじめ顧客に通知するとともに、掛け目の変更の決定から実施まで一定期間を設けること、たとえ緊急時であっても、最低翌営業日以降に実施すること等を義務づけた本協会規則を制定いたしまして、五月十八日より施行することといたしました。

 以上でございます。

西室参考人 ただいま御説明いただいたことなどの決議につきまして、私どももそれに賛同し、そしてそれを遵守するということを期待いたしております。来月の十八日から施行されるということで理解をいたしております。

 先ほど、十七日のこの掛け目の変更によって非常に大きな影響があったというお話がございました。そういう意味では、間接的には最大の被害者は東京証券取引所でございまして、十八日の二十分間の市場の全面取引停止は、その日の取引が売りで非常に多くなったということでございました。

 以上でございます。

筒井参考人 私どもも同様でございますが、基本的に、説明不足等によって投資者に混乱を生じさせているというところが問題であり、批判の点だというふうに承知しております。

 当取引所においても、事態の重要性にかんがみまして、越田会長がおっしゃいました日本証券業協会における検討会に参加して、証券業協会の規則制定に協力をさせていただいたということでございます。

 以上、お答え申し上げます。

三谷委員 もっともっとたくさんお伺いをしたかったんですが、質問時間が来てまいりました。いろいろ答えづらいことを、上場の仮定の話まで聞いてしまいましたが、まさに最初の話に戻りまして、ぜひとも、三大マーケットの一つというよりも、一番立派な取引市場となるようなそういう東京の両市場、私たちも大きな期待を寄せておりますので、これからも御奮闘をよろしくお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

小野委員長 以上で三谷光男君の質疑を終了いたします。

 続きまして、岩國哲人君。

岩國委員 おはようございます。民主党の岩國哲人でございます。

 久しぶりに当委員会で質問させていただく時間をいただきまして、大変うれしく思っております。

 けさ七時のNHKのテレビニュースを見ておりましたら、いろいろなニュースの中で、とりわけ、偽装建築会社の偽装決算、あるいは三井住友銀行の業務停止、あるいはライブドアの粉飾決算と偽装買収、こういったお金の世界にまつわるニュースが、朝七時から全国版のニュースで取り上げられているんですね。私もいろいろな国に住んできましたけれども、全国版のニュースでこういうお金の世界の不祥事が二つ三つと取り上げられている、一カ月前、二カ月前からこういう状態がずっとと言っていいぐらい続いている、こういう金融・証券絡みのニュースが全国の家庭に流れていく、そのような先進国は世界のどこにあるんでしょうか。私自身もお金の世界、証券、銀行の世界で仕事をしてきた人間の一人として、非常に残念に思っております。

 このような金融市場あるいはシステムに対する信頼の低下というのはどこに原因があるとお考えになりますか。一つあるいは二つ、西室さん、そして越田参考人、お二人にお伺いしたいと思います。

西室参考人 岩國先生の御質問にできる限りしっかりと答えさせていただきたいと思います。

 私は、基本的には、企業の経営者の倫理の問題が一番大きいと思っております。やはり、横文字でコーポレートガバナンスあるいはCSRというふうなことを言っているよりは、基本的な姿勢として倫理観を持つということが一番大事な部分ではなかろうかというふうに心得ております。これは、諸外国におきましても同様の、ほとんど似たような事件はいろいろ起きております。企業を経営していく以上、殊に金融資本市場にかかわる以上、我々が基本として持つべきことは倫理観であり、そしてそれによって信頼を醸成し、安定的な市場を運営していくというふうに心得ております。よろしくまた御指導をお願いいたします。

越田参考人 今、西室参考人からお話がありましたように、倫理といいますか商道徳といいますか、そういった点が非常に欠如してきておるということは確かだろうと思います。それに加えて、いわゆる金融ビッグバンといいますか規制緩和といいますか、こういった本当の目指すところとは事を異にした方向に一部の経営者が走っておるという点は否定できないと思います。

 今後は、その自由化そのものをもっと正確に理解して、我々自主規制団体は、規制その他の遵守、そしてその方向性を指導していきたい、このように考えております。

岩國委員 ありがとうございました。

 そうした日本の企業の経営者の倫理観がとりわけ最近極度に低下してきている。私も長い時期いろいろなところでお世話になってまいりましたけれども、アメリカ、ヨーロッパ、日本、とりわけ日本だけが悪いというわけではありませんけれども、この低下の度合いが、最近非常に激し過ぎるというふうに思います。

 私も日本の企業の資金調達、いろいろお世話させていただいて、東芝さんもその中の一つ。そして、好きな会社もあればそれほど好きでない会社もありましたけれども、好きな会社の中の一つは東芝さんでした。

 好きになった理由の一つは、東芝の製品がいいということではなくて、岩田さんという経営者がいらっしゃったんです。当時財務担当の岩田常務。私はまだ若いころでしたけれども、東芝百周年を記念して画期的なファイナンスをやりたい、どこもやったことのないような資金調達の方法、東芝にふさわしいことをやってみたいんだと。しかし、コストの高い普通社債ではなくて、転換社債か株式。そういう工夫をしてくれるんだったら、幹事証券を野村証券から日興証券に移してもいいと。私は日興証券を代表して挑戦いたしました。

 岩田さんにお話を伺いました。転換社債とか株式というのは、利益見通しのいい会社が発行するものなんです。しかし、利益見通しがいいから岩田さんが発行したいとおっしゃったんではなくて、利益見通しは来年はどうですかと私が伺ったら、来年の業績は悪くなる、では二年後はどうですか、もっと悪くなる。岩田常務、これじゃ転換社債も株式も発行できる会社じゃありませんよ、こう私は正直に申し上げました。それで、ふっと思いついて、五年後はどうですか。五年後には必ず東芝はいい会社になる。私はその言葉を担保としていただいて、オイルダラーのときに、あのアラブの世界で転換社債を買ったことのないマーケットで、東芝の転換社債をみんな競うように買ってくれました。レバノンの大蔵大臣も三十万ドル。

 これは全く新しい方法で、五年後の利益、五年後の業績がよくなれば、五年後の株価は上回っているだろう。したがって、五年後に行使できる一回だけのオプション、保険をつけて、そして、アラブの投資家が信用し、東芝は企業の見通しを担保に入れて、そしてこれは成功したんです。私はそのときに、こういう経営者の信念そして言葉というものが、このマーケットで一番大切な価値ではないか、そのことを身にしみて思いました。今、西室参考人がおっしゃったのはまさにそのことであって、企業経営者の倫理観、責任感こそが私はマーケットを支えていると思うんです。

 私も、世界じゅうのいろいろな取引所、カイロからテヘランから、ニューヨーク、ロンドン、パリ、いろいろなところを見てきました。西室参考人が一番お手本にしたいと思う取引所はどこですか。一つだけおっしゃってください。

西室参考人 岩國先生から難しい御質問をちょうだいいたしました。

 その前に、東芝、昨年で創業百三十年になります。ちょうど三十年ちょっと前のお話を私どもにまた思い出させていただきまして、大変ありがとうございました。岩田も地下で喜んでいると思います。ありがとうございます。

 さて、証券取引所としてどこを最も参考にするかということでございますけれども、私は、現状では、現在まだまだ成功しておりませんけれども、いろいろなトライアルをやりながら改革を続け始めたニューヨーク証券取引所だというふうに思っております。

 決してそれをそのまままねするということではなくて、いろいろな手段をとりながら、これから先の金融市場、どういうふうに動いていくかという見通しを持って、そしてそれに対応しようという経営者そのものの現状の心意気には、私は同感を持っている者でございます。

 以上でございます。

岩國委員 私も、ニューヨーク取引所、何回も入って、そのすぐ近くに私どもの本社もありました。しかし、ニューヨーク取引所は、東京証券取引所あるいはロンドン取引所に比べて、そんなにすぐれた取引所だという感じは私はいたしませんでした。

 ニューヨーク取引所の取引は一番大きい、利用する人が大きい、信頼されている、安心感があるというのは、ニューヨーク取引所そのものにあるのではなくて、私は、SECという存在があるからこそ、あのニューヨーク取引所は皆さんから、投資家から信頼されているのではないか。SECという存在があるからこそ、そこで売られている商品は安心できる商品がそこで取引されている、だからニューヨーク取引所は立派に見えるのであって、ニューヨーク取引所そのものが東京証券取引所に比べて格段に立派な人たちがそこで働いていると私は思いません。それはSECという存在感、信頼感があって、そこが全部、そこで取引される商品、あえて商品といいますけれども株式のことです、あるいは債券のこと、全部SECのお墨つきのあるもの、安心して取引できる、だからこそあのニューヨーク取引所で取引するのは一番安心だと。私はそこにあると思うんです。

 そこで、お伺いしたいと思いますけれども、マーケットと行政との距離あるいは関係というのは、どういう関係が一番いいとお思いになりますか。西室参考人、それから越田参考人、それぞれの御意見を端的に聞かせていただきたいと思います。そういう、行政権を持った監視機構があった方がいいのか、行政権から独立分離した監視機構があった方がマーケットのためにいいとお感じになっていらっしゃるのか、どちらか。両参考人の御意見をお伺いしたいと思います。

西室参考人 岩國先生の御質問に答えさせていただきたいと思います。

 まず、ニューヨーク証券取引所について、これがすぐれているからいいと私は申し上げませんでした。今のニューヨーク証券取引所が、いろいろな問題を抱えながら、改革をしていこう、その方向づけ、心意気、そういうものに私は感動を覚える、こう申し上げました。ニューヨーク証券取引所は、システムからいっても、決して世界の模範になるところではございません。特に、現在のCEOの前々代に当たるグラッソー氏の、あの経営の仕方についての非難の、そのまた余韻が残っている取引所でございます。

 それで、ニューヨーク証券取引所がなぜあれだけ大きくていられるかというのは、これは、今までのアメリカの金融市場のやり方に合っていたから大きくなったということが一番大きいと思っております。SECはニューヨーク証券取引所のために設立されたものでは全くございません。アメリカにある、例えば、今むしろニューヨーク証券取引所よりもはるかに成長率が高くなってきたナスダック、これもSECが監督をいたしております。その他、アメリカの中での電子取引に至るまで、すべてSECでございます。でございますから、ニューヨーク証券取引所の現在の規模、それはSECのおかげだけというわけではないというふうに私は思っております。

 それで、今のSECのコントロールの仕方、これが、日本と比較してどちらがいいのかというお話でございますが、私はSECの現在果たしている機能というのに、日本の現在の金融庁と証券取引等監視委員会というシステムそのものが大きく見劣りをする、あるいは市場に対して信頼を失わせるということはないというふうに考えております。

 以上でございます。

越田参考人 先生のお話のいずれの形でもいいかと思いますが、日本の場合は、御存じのとおり、マーケットに精通した方というのは数が少ないといいますか、証券界もそうでありますし、金融庁その他お役所もそうでありまして、いわゆる金融のプロと称する人が数少ない。こういった人材に関しては各金融機関がとり合いをしておるという状況にかんがみますと、人材の絶対数が不足しておるということでございまして、そういった点では、人材の効率化といった面からすれば、組織を分割するということに関しては非常に効率はよくないな、こんな感じを持っております。

岩國委員 そうしたSECの存在というのは、実際にそのマーケットで働いておった人たち、私もかつてはその一人でしたけれども、どこの国にも増してSECがちゃんと不正は摘発してくれる、そういう安心感があるからこそ、働く人も仕事がしやすいし、フロリダに住んでいる人、カリフォルニアに住んでいる人も安心して、遠距離にあるニューヨーク・マーケットで上場されているものは、ニューヨーク取引所、検査もあるけれどもSECが独立した厳しい目で見ている、だからあそこの商品は安心だ、買いやすい、欠陥が少ない、そういうことが、各国とのいろいろな競争の中でも今なおニューヨーク取引所がその地位を保っておる大きなものじゃないかと私は思います。

 それぞれの御意見をちょうだいしましたけれども、そうした一つの特定の国の利益を代表する行政機構の中に監視機構が入っておるというのは、今グローバリゼーションとか国際化と言われているときに、もう時代おくれではないかと思うんです。むしろ、分離独立した監視機構というものが、世界的なマーケットをこの東京につくるんだ、世界的な取引所の一つとして東京証券取引所を位置づけるんだというのであれば、私は、日本としての決断が今迫られているときだと思うんです。だからこそ民主党は、独立したSEC型の監視機構を設けることを提案しております。それは、日本のマーケットを大きくしたい、日本の小さな弱い投資家も守りたい、そういうことから我々は、過去において三回もその法案を提出してきたのは、こういう経験そして信念に基づくものであるからです。

 もう一つ、政府の機構の中に監視機構があるということのおかしさの例を申し上げます。

 道路公団の民営化、高速道路株式会社を今度は上場しよう、小泉さんのお考え、私は国土交通委員会でそれを批判し、反対いたしました。東証の歴史をひもとかれればおわかりのように、日本の国鉄の民営化が行われたとき、国鉄の株式の上場は大きな障害にあのときは当面したんですね。それは、鉄道を持たない運営会社だけの上場は認められない、こういうルールがありながら、この国会は、分離したままで国鉄の民営化を行い、見事に東証の玄関払いに遭って、慌てて資産を持つ会社としてやり直して、そして上場はできたんです。

 その同じ轍を踏もうとしているのが郵政の民営化です。日本郵政株式会社。先ほど西室参考人がおっしゃいました経営者の倫理観に少し欠けた方が今度はその最高責任者になっておられるわけですけれども、参考人はそうおっしゃったわけじゃありませんけれども、結果的にはそういう人選をしてしまったわけです。そういう日本郵政株式会社が上場できるかどうか、こういうことについても、できないことについてはできないということを、あらかじめ専門家の立場から私は国会に対して助言もすべきではないかと思うんです。これもまた国鉄の民営化と同じようにやり直しになるでしょう。どうしても、民営化をして、民営化会社の株式を上場しようといった約束を実現するためには内容を変えざるを得ない。

 こういう問題が横たわっているということ、これについて西室参考人は御承知だったかどうか、端的にお答えください。

西室参考人 正直にお答えします。私はそこの問題について全く気がついておりませんでした。申しわけございません。

岩國委員 私は決して西室参考人を個人的に非難するつもりはありません。しかし、東証というのはそういう国の大きな事業であって、聞かれるまでは答えないということでいいのかどうか。そして、この郵政の民営化は、日本の金融・証券市場を場合によっては大きく塗り変えていくかもしれない存在である。越田参考人にとっては、日本郵政株式会社が、あるいは郵便貯金銀行という、貯金銀行という妙な銀行ができるわけですね。今度は貯金を取り扱わない銀行なんです、これは。取り扱わない貯金をわざわざ看板に貯金と掲げて、こういうところも証券業界の中に入ってこられる。

 そういう会社が上場できる会社か上場できない会社か、こういうことに対しては、私はそれぞれ御担当の方が当然御意見を申し上げるべきではないかと。国鉄民営化のときの教訓が全く生きていない。そしてまた同じ誤りを犯そうとする。民営化して、その株式は一般投資家に売られるかのごとき幻想を振りまいただけの結果になって、今度は、東京証券取引所はそれを受け入れるために上場企業を変えるのか、変えないならば政府はその案を変更するのか、こういう宿題を残したまま、去年の総選挙は行われたわけです。

 政府自身がこうした民営化を進めていくときに、監視機構というものが政府の権力の中にあれば、これは、一般投資家の利益を守るような中立的な意見やあるいは不正の摘発はしにくいと私は思うんです。そして、これは世界的な傾向ですけれども、民営化の流れの中で、政府が株式を売り出す、つまり政府は、単純な行政役だけではなくて、東芝、日立と同じように株式の発行者であるわけです。既に国債の大量の発行者、同時に、株式市場においても次々と発行者の立場になっている。発行者であるところが中立な立場に立ち得ないと私は思います。そういう世界的な傾向の中で、こういうマーケットとそれから監視機構とのあり方について、そういうことをお伺いしたかったわけですけれども、次の質問に移らせていただきます。

 西武鉄道の株主名簿がおかしかったということで一年前に大変大きな問題になりました。西武の方から東京証券取引所に対していつ通告があったのか。一昨年の十月一日だったのか、十月八日だったのか。この委員会で一昨年に得た答弁は、十月八日であった、そういう答弁をそのときはいただいております。そして、それを金融庁に通告したのはいつだったのか。その点についてもう一度整理をして答えていただけますか。

 西武鉄道から東京証券取引所に連絡があったのはいつだったのか、それを金融庁に連絡したのはいつだったのか。

西室参考人 岩國先生の今の御質問にお答えをする前に、先ほどの郵政のお話で、資産のない会社を上場するということは可能かという御質問でもしもあるならば、郵政会社、スペシフィックについてまだ検討したことはございませんけれども、資産を持たない会社の上場は可能でございます。これは現状でも、ホールディングカンパニー形式で、その会社そのものには資産がないというところの上場が相当数行われているということでございます。

 それで、今の御質問でございますが、私の記録を調べましたところでは、西武鉄道から東証に報告がございましたのは、調査を行っているという報告がございましたのが十一月の八日金曜日でございます。それから、東証から金融庁さんに報告をいたしましたのが十月の十二日火曜日でございます。

 それで、その間が三日ございます。その三日間は十月十日体育の日を含む三連休でございましたので、ワーキングデーでいえば翌日御報告を申し上げたというふうに私どもの記録には残っております。

 以上でございます。

岩國委員 十一月八日とおっしゃったのは十月八日のことだろうと思いますけれども……(西室参考人「失礼、十月八日です」と呼ぶ)十月八日に東証に西武の方から直接連絡があった……(西室参考人「西武からですね」と呼ぶ)西武の方から。そして、東証の方から金融庁の、多分監視委員会だったかもしれませんけれども、監視委員会ですか、それとも有価証券の受理をしているところなんですか、いずれにしても……(西室参考人「金融庁の方です。あの、よろしいですか」と呼ぶ)

小野委員長 はい。では、西室参考人。

西室参考人 これは、金融庁の方ということで、私どもの記録には残っております。

岩國委員 つまり、当日にそれを連絡されなかった理由は何だったのか。

 それから、私の質問以降に、改めて東京証券取引所の方からその日付を変えて説明があります。十月一日に金融庁にまず連絡があって、一週間後の十月八日に東京取引所に連絡があったと。どっちが正しいのですか。西武鉄道は十月一日に金融庁に連絡しているとなると、金融庁から東京証券取引所に連絡が行くまでに七日間もかかっているのです。金融庁と東京証券取引所は、こういう重大な問題についての連係プレーというのはとれていないんですか。五日かかってみたり七日かかってみたり、どっちへ先に電話がかかったかいまだにはっきりしない。私は、この二つの紙を持って迷っているんです、どちらが正しいのか。

西室参考人 私も、御承知のように、昨年の十二月二十一日から社長をやっておりますので、そのころは在籍しておりませんけれども、少なくとも記録で調べた範囲では、私どもの方の記録は、十月の八日に西武鉄道から東証に対して、調査を行っている、調査の内容は株主名簿そのものの調査である、こういうお話でした。それで、三連休を挟んだ火曜日の十月の十二日に金融庁にその旨の報告を行ったということでございまして、私どもの方の記録には、今おっしゃったような十月一日の報告というのはございません。

 以上でございます。

岩國委員 時間がなくなりましたので、この辺でこの質問は終わりたいと思いますけれども、私が鶴島参考人に伺った話は、十月八日に来たんだと。そしてその後、これは東京証券取引所からファクスで私はいただいております。それが、今の西室参考人のおっしゃることとは全く違うことがここには書かれてあって、十月一日に金融庁に連絡があって、そして一週間後に東京証券取引所と。

 私が申し上げたいのは、こういう証券監視委員会と東京証券取引所、両方ともマーケットを監視していただいているはずのところが、その連係プレーが非常にとれていないのではないかという懸念がこの一つを見てもわかるわけです。これでは、機関投資家はもちろんのこと、一般の個人投資家にしても、そこで取引されている商品の安全性、証券の安全性についてどこが責任持ってそれをチェックしてくれているのか、それが非常にわかりにくい存在になっていると思います。

 監視機構は、ライブドアについても二年前から資料を集めておった、それが、東京証券取引所に全然その二年間連絡も行っていない。証券監視機構は、ライブドアについての資料集めを我々はずっと前からやっておりました、部屋いっぱいにありますと。証券監視機構というのは集めるだけ、東証はマーケットを眺めるだけ、そして金融庁は有価証券報告書を受け取るだけ。集めるだけ、眺めるだけ、受け取るだけ、こういうふうな役割分担がきちっとしているようですけれども、これではどうにもならないんです。

 そして、東京証券取引所に関しても、このように大事なことについて、一国会議員が質問していることに対して、日付が正確によくわからない、この程度のお話なんです。

 これでは、私は、結論を急ぐようですけれども、強力なSECを持ってきて、そして信用回復に努めない限り、日本の資本市場、金融市場の再建はあり得ないと思います。

 あのフランクリン・ルーズベルト大統領がやった初代のSEC委員長は、西室さんのような方ではなかったんです。ケネディ大統領のお父さん、それはマーケットで悪いことばかり、不正行為をやっておった。許される限りの不正行為をやった男。その有名な人を初代の委員長にした、これが名人事。ケネディ初代SEC委員長がやることは、自分がやってきたことを全部やれないことにすることだった。これぐらい即効性があって、これぐらい効率の高いものはなかったんです。

 私は、そういう発想も含めて、日本には、独立した強力なSECこそが皆さんの御努力を守り立てる、支えることになるだろうということを申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

小野委員長 これにて午前中の参考人に対する質疑は終了いたしました。

 ここで、一言参考人の皆様方に御礼を申し上げたいと存じます。

 参考人の皆様におかれましては、大変貴重なる御意見を当委員会に対して御発言をちょうだいいたしまして、心から厚く御礼申し上げます。委員会を代表しての御礼とさせていただきます。ありがとうございます。(拍手)

 この際、暫時休憩いたします。

    午後零時六分休憩

     ――――◇―――――

    午後二時五十五分開議

小野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 午前に引き続き、内閣提出、証券取引法等の一部を改正する法律案及び証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案並びに古本伸一郎君外六名提出、証券取引委員会設置法案の各案審査のため、午後の参考人として、東京大学大学院法学政治学研究科教授岩原紳作君、日本弁護士連合会消費者問題対策委員会副委員長大田清則君、以上二名の方々に御出席をいただいております。

 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。

 本日は、大変お忙しいところをこの委員会に御参加いただき、委員会のおくれによりましてお待ちをいただきまして、まことに申しわけございませんでした。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 まず、参考人各位からお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。

 なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願いいたします。また、参考人は委員に対し質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御了承願います。

 それでは、まず岩原参考人にお願いいたします。

岩原参考人 御紹介にあずかりました東京大学の岩原でございます。本日は、この委員会にお呼びいただきまして私の意見を申し上げさせていただきますこと、大変光栄に存じております。

 私が参考人として招致していただきましたのは、恐らく、金融審議会におきまして、政府提出の証券取引法の一部改正法案についてのもとの案を検討するのに参加したということでお呼びいただいたと考えておりますので、本日は、政府提出法案について私の意見を申し上げさせていただきたいと存じます。

 証券取引法改正法案の一条は、有価証券届け出書の届け出者等に対する資料提出命令や証券取引等監視委員会の犯則調査を強化し、また相場操縦行為、風説の流布、偽計といった不公正取引や、開示書類の虚偽記載に対する罰則の強化等を図るものでございます。証券取引法は、その実効性の強化が非常に大きい課題とされておりますことから、これらの改正は大変適切な改正であると考えております。

 証券取引法改正法案の第二条は、ライブドア事件ですとか夢真の事件など、最近の公開買い付けをめぐる事件によってクローズアップされました問題点を改正することを図ったものでございます。

 ライブドア事件でまず問題になりましたのは、証券市場の時間外取引というものを利用して、一般投資家や発行会社が知らない間に株券等の大量買い付けが行われ、会社支配権の変動が行われてしまって、一般投資家が害されかねない事態が起きたということでございました。

 現行証券取引法二十七条の二第一項五号によりますと、著しく少数の者からの株券等の買い付けは、買い付けにより所有割合が三分の一を超える場合に限って公開買い付けの方法によらなければならないと定めております。しかし、そうなりますと、市場外で少数者から三分の一ぎりぎりまで買い付けて、残りわずかの株券等を市場で買い取るという方法で、実質的に一般投資家に知られずに会社の支配権を左右する株券を入手するということが可能になります。

 そこで、証券取引法改正法案は、二十七条の二第一項四号におきまして、三分の一を超える買い付け等というのを、一定の期間に市場の内外で合わせて三分の一を超える買い付けをする場合には公開買い付けの方法によらなければならないと改正することとしております。また、同様の、不意打ちによる支配権取得をチェックし、情報を公開するという目的で、大量保有報告の特例の限定がなされております。これが改正法案の二十七条の二十六でございます。

 同じくライブドア事件で問題となりましたことといたしまして、公開買い付けがなされている間は買い付け者は公開買い付け外で株券等の買い付けが禁止されているということを利用いたしまして、支配権を争っている者が、公開買い付けがなされている間に証券市場で買い増しを行って、過半数の議決権をとってしまったということが起きたわけであります。これは、会社の支配権の公正な競争という観点からも、また、投資家への情報提供という観点からも問題がございますので、改正法の証券取引法二十七条の二第一項五号は、別の者が公開買い付けを行っている間は、三分の一以上の株券等を所有している者が買い増しをするには、やはり公開買い付けによらなければならないものとしました。

 また、夢真の事件で問題になりましたのは、公開買い付けを始めたところ、会社側が株式分割を行って一株当たりの価値を切り下げてしまったために、買い付け者としては、買い付け価格を引き下げたいと思っても、現行証券取引法二十七条の六第三項は、買い付け価格の引き下げを一切認めていないという問題が生じたわけであります。そこで、改正法案の二十七条の六第一項は、株式分割等のときには価格の引き下げがあり得るという条件つきで公開買い付けをすれば引き下げができるということを認めることにしております。

 このほか、公開買い付けに関し、投資家への情報開示を充実させるために、公開買い付け対象の発行会社に公開買い付けに関する意見表明報告書の提出を義務づけ、その中で公開買い付け者に対する質問をする権利を与えております。また、発行会社に、意見表明報告書において公開買い付け期間を延長することを求める権利を与えてもおります。これは、株主に公開買い付けに応じるべきか否かを検討する時間がもっと必要だという発行会社経営者の判断を尊重しようとするものでございます。

 なお、改正法案二十七条の十三第四項は、一定割合以上の株式所有割合となる公開買い付けを行う場合は、公開買い付け者は応募株券等のすべてを買い付けなければならないということを義務づけております。

 これは、一定割合以上の株式所有者があらわれますと、残りの少数株主は実質的に経営への発言力を失ってしまいますし、実際上も、上場廃止がされて株券等の処分ができなくなることが多いことから、そのような少数株主保護のための改正法案となっております。いわば会社法的な少数株主保護のための制度を導入したわけでありますが、これは、イギリスやEU等において見られます全部買い付け義務をいわば限定的な形で取り入れるものであります。

 以上のような、公開買い付けに関します本改正法案の内容は、最近の事件によって明らかになった問題点を正し、投資家保護、会社支配の公正さを実現しようとするものでありまして、私は望ましい改正と考えております。

 次に、改正法案三条の、金融商品取引法に関する改正について申し上げたいと存じます。

 戦後の我が国の金融制度は、証券、銀行、保険といった金融の各領域を分けまして、それぞれ証券会社、銀行、保険会社が排他的に業務を行い、他の領域には互いに進出しないという専門金融機関制度をとってまいりました。そのような縦割りの制度のもと、証券取引法の適用範囲も、母法であるアメリカの連邦証券諸法とは異なりまして、法律または政令で列挙された有価証券の範囲に限定されてきたわけであります。

 ところが、金融が高度化し、自由化が進んでまいりますと、伝統的な有価証券に含まれない新たな投資性ある金融商品が次々と出てまいります。例えば、各種のファンドですとかデリバティブ等々でありますが、これらは投資性ある金融商品であるにもかかわらず、証券取引法の有価証券の定義の限定列挙主義のために、証券取引法の適用がなく、投資家保護が図られないという問題が生じました。これらの商品も有価証券として政令指定をすればよかったわけでありますが、有価証券とされますと、証券会社しか扱えないという業際問題が生じるために政令指定が難しかったわけであります。

 その後、何度かの立法によって有価証券の定義は拡大されてまいりましたが、まだ十分ではありませんでしたし、また、次々に新たにあらわれてくる新しい投資性ある金融商品には対応し切れないという問題がございました。また、平成十年の金融システム改革法により、専門金融機関制度は大きく崩れて、縦割りの業際問題はかなり薄れてまいりましたが、なお残っております。

 そのために、最近の立法による対応も、なお縦割りの制度を残しながらのいわばパッチワーク的なものとなっておりまして、法令のすき間がなお残っている上に、制度が複雑でわかりにくく、投資家保護になお足りないところや保護の仕組みが機能しにくいといった問題がございました。また、業者の立場からしますと、法制が複雑だったり規制当局が複数にわたったりして、どこまでが許される行為かは明確でないといったような問題もあり、新しい金融商品の開発等がやりにくいといった問題があったわけであります。

 そこで、そのような問題を除いて、投資家保護や金融サービスの一層の発展を図るために、投資性ある金融商品について横断的な投資家保護の法制が必要だとして提案されたものが、この証券取引法改正法案第三条でございます。私も、このような法改正の方向に賛成するものでございます。

 細かい内容は避けますけれども、例えば有価証券の定義が拡充されて、特に包括的定義が設けられまして、これから新しくあらわれてくる金融商品についても、この金融商品取引法の投資家保護の規定が適用されるということになりました。また、投資性の強い預金や保険、商品先物、不動産特定共同事業等については、金融商品取引法の規定を準用したりすることによって、実質的に金融商品取引法と同様の保護を図ることにしております。また、業規制も、横断的、包括的なものとされ、柔軟なものになっております。

 これらを含めまして、この金融商品取引法は、従来の縦割りの金融法制のもとでの投資家保護の穴を埋め、そして金融サービスがより高度化するための基礎を提供するものと考えておりまして、私はこの法案に賛成するものでございます。

 以上でございます。(拍手)

小野委員長 岩原参考人、ありがとうございました。

 続きまして、大田参考人にお願いを申し上げます。

大田参考人 弁護士の大田でございます。

 本日は、このような意見陳述の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。

 日弁連では、消費者保護の立場から、従前より金融サービス全般にわたる業界横断的、商品横断的な消費者保護立法の制定を求める提言を再三行ってまいりました。

 今回の証券取引法等の一部を改正する法律案等、以下では金融商品取引法案と申し上げますが、そのような金融商品に関する横断的な規制を目指して法案化されたものではありますが、その内容を見るときに、日弁連が従前より意見書等において消費者保護の観点から問題が大きいと指摘した規定や、十分な議論がなされないまま設けられたもので看過し得ない問題点を含んだ規定も少なからず存在していることから、本年三月二十四日付で、今回の金融商品取引法案の修正を求める意見書を提出しております。なお、この意見書は、資料一として添付させていただいております。

 私は、日弁連消費者問題対策委員会副委員長の立場で、日弁連のこのような意見書に基づいて今回の意見陳述をさせていただきます。

 ここで申し上げます私の意見は、以下の五点でございます。

 第一に、金融商品取引法案においては、商品先物取引や海外商品先物取引、海外商品先物オプション取引などの商品デリバティブがその対象に含まれておりませんが、その対象に含めるべきだと考えております。

 今回の金融商品取引法案の目的は、その前提となった金融審議会金融分科会における二〇〇五年十二月二十二日付最終報告にもありますように、幅広い金融商品について包括的、横断的な利用者保護の枠組みを整備し、利用者保護の拡充によって、既存の利用者保護の対象となっていないすき間を埋めるとともに、現在の縦割り業法を見直し、同じ経済的機能を有する金融商品には同じルールを適用するというところにあったはずであります。

 ところが、今回の金融商品取引法案では、金融先物取引法など四法が廃止されて金融商品取引法に取り込まれたにとどまり、他の金融商品に関する業法は残され、対象とされなかった金融商品については、今回の金融商品取引法における規制と横並びにするという形で修正が加えられたにとどまっているのであります。

 しかし、これでは、先ほどの金融審議会最終報告に言うところの、既存の利用者保護の対象となっていないすき間を埋めるとともに、現在の縦割り業法を見直し、同じ経済的機能を有する金融商品には同じルールを適用するという目的は到底達成し得ないものであると考えております。

 そもそも、法規制のすき間を縫って新たな投資被害が発生するという状況は従来から繰り返されており、近年の外国為替証拠金取引の被害はその典型であります。この被害につきましては、二〇〇四年十二月の金融先物取引法の改正、二〇〇五年七月からの同法の施行に至って、悪質な業者を撤退させるなど一応の成果をおさめてきているわけでありますが、後追い規制によって対応がおくれたとの感は否めません。

 今回の金融商品取引法案によって生ずるすき間の問題として最も懸念されるものの一つに、海外商品先物取引が挙げられます。

 海外商品先物取引については、現在、規制法として海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律がございます。しかし、この法律には、その適用範囲が狭く、海外商品先物オプション取引が対象になっていないこと、行為規制はあるものの、業者の参入に関する認可、登録等の規制が全くないなど、規制法としては大きな不備がございます。それにもかかわらず、今回の金融商品取引法案においては、海外商品先物はその対象から除外され、先ほど述べましたとおり、規制法として大きな不備が存在するにもかかわらず、海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律については何らの手当てもなされていないという状況にございます。そのため、従来外国為替証拠金取引の業務を行っていた悪質な業者が法規制の不備のある海外商品先物取引へと移行し、その結果、被害件数が急増することが強く懸念されるところであります。

 さらに、海外商品先物オプション取引につきましては、海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律の規制対象となっていない関係で、従前から何らの法規制も及んでおらず、その結果、被害も少なくなく、裁判所が問題のある業者に対して損害賠償を命じた判決も数多く存在するところが現状でございます。ところが、今回の金融商品取引法案においては、海外商品先物オプション取引はその対象からは除外されており、また、その法規制の不備を補うための何らの手当てもなされていない状況にございます。

 今回の委員会審議の中で、政府委員から、これらの取引については集団投資スキームにおいて規制可能であるとの答弁がなされていますが、実際上の被害事案を見ますと、ほとんどすべてが国内の商品先物と同じように個別の注文によって取引を行う形式ものでありまして、このような形式のものについては集団投資スキームの規制対象にならないことは明らかであります。

 海外商品先物や海外商品先物オプション取引については、金融商品取引法の対象に含めた上で、登録制、無登録営業禁止及び違反に対する罰則の付与などの参入規制、それから、後に述べます不招請勧誘の禁止や適合性原則などを含む厳格な行為規制がなされなければならないものと考えております。

 さらに、国内の商品先物につきましてですが、これについては、その苦情件数が、国民生活センターのデータで見ても、一九九三年度には千八百六十三件であったものが、その後急増を続け、二〇〇〇年度以降、直近の二〇〇五年度まで毎年、一九九三年度の苦情件数の二倍をはるかに超える四千件以上もの苦情を出し続けているわけでございます。

 この商品先物取引の被害について、政府委員の説明の中では、二〇〇五年の国民生活センターの苦情件数が四千二百十二件となっていることをもって、過去二年から大幅に減ったとして、被害が減少した、二〇〇五年五月施行の改正商品取引所法における勧誘規制が功を奏したなどとの答弁がなされていますが、本年一月に全国各地の単位弁護士会を中心に実施した全国一斉先物取引・外国為替証拠金取引被害一一〇番では、商品先物取引だけで、前回の二〇〇四年の一一〇番の苦情件数よりも九十一件も上回る多くの被害、苦情の電話が全国各地から入っております。この点については、資料二の一、二の二において提出しておりますので、参照いただきたいと思います。

 また、この一一〇番の中で、改正商品取引所法が施行された二〇〇五年五月以降の被害、苦情の内容を見てみますと、しつこい勧誘を受け、断っても勧誘が続き、取引を行うことになってしまい被害を受けたなどという苦情、被害の件数が数多く存在しております。この点については、資料三におきまして具体的に個々の聞き取りの内容を整理しておりますので、参照いただきたいと思います。

 このような点から考えますと、二〇〇五年五月施行の改正商品取引所法によって勧誘規制が強化されたとはいっても、それによって直ちに被害を減少させるものであるとは到底評価できないと考えております。

 また、商品先物取引の被害では、その被害額が巨額に上ることが少なくなく、生活資金である預貯金などを根こそぎ奪われた事例や、多数の借金を余儀なくされた事例も見受けられます。また、商品先物被害に遭ったことから、人間不信やノイローゼ、家庭崩壊に及んだ事例、前途の希望を失って自殺に追い込まれた事例、さらには先物取引による損失が原因で被害者自身が横領等の犯罪行為を行ってしまった事例などもございます。最後の事例については、資料四として、新聞報道でそのことが明らかになっている事案を並べておりますので、それについても参照いただきたいと思います。

 このように、国内の商品先物による被害は、単に被害件数が多いというだけにとどまらず、被害の内容が極めて深刻な事案が多いのでありまして、最もひどい金融商品による被害と言えるのであります。

 ところが、このような国内の商品先物取引についても、今回の金融商品取引法案ではその対象から除外され、わずかに、商品取引所法を金融商品取引法における規制と横並びにするということで若干の改正が加えられているにすぎません。そして、今回の商品取引所法の改正の内容を見ますと、先ほど申し上げた国内の商品先物取引被害の件数の多さや深刻さなどを考えると、到底これでは被害の救済は図れないというふうに考えておるわけでございます。

 でありますから、国内の商品先物についても、金融商品取引法の範囲に含めた上で、その危険性の高さや被害の実態を踏まえた厳格な法規制を行うべきと考えております。

 第二に、金融商品取引法案におきましては、電話、訪問による不招請勧誘、いわゆる勧誘の要請をしていない顧客に対する勧誘ということでございますが、これを禁止する規定を置いておりますが、消費者保護の観点から見ますと、国内の商品先物取引、海外商品先物取引、海外商品先物オプション取引を含むすべての金融商品について、原則としてこの不招請勧誘を禁止すべきであります。そして、その適用除外については、それぞれの商品性やコンプライアンスなどを点検した上で、その後になされれば足りるものと考えております。

 金融商品の中で被害の多いのは、国内の商品先物取引や海外商品先物取引、それから海外商品先物オプション取引、さらに外国為替証拠金取引などがございます。これらの被害の大部分は、電話や訪問による不招請勧誘がその発端となっております。とりわけ国内の商品先物については、先ほど述べましたように、被害件数が減っていないということ、それから被害の内容が深刻であることなどがあるわけでありまして、到底、先ほど申し上げたとおり、従来の勧誘規制では足りないということになります。

 そもそも、投資被害の損失をめぐるトラブルの多くは不招請勧誘に端を発していることから考えれば、本来、すべての金融商品について不招請勧誘を原則として禁止することが原則であると考えます。

 このような不招請勧誘に対する厳しい姿勢は世界的な流れになっているのでありまして、我が国においては、わずかに、外国為替証拠金取引を規制しその被害を救済するために二〇〇五年七月に施行された金融先物取引法だけにとどまっているわけでありますが、この点から見て、我が国の不招請勧誘規制は大きく立ちおくれているというふうに考えざるを得ないのであります。

 このような意味で、今回の金融商品取引法案において不招請勧誘を禁止することが置かれていることは評価すべきでありますけれども、この禁止対象が政令に定めたものに限るとして極めて限定されていること、それからさらに、横並びの規制であるとされている国内の商品先物についての商品取引所法の改正法案にはこれが盛り込まれていないことなどは、非常に問題であると言わざるを得ません。

 第三に、金融商品取引法案に規定されている適合性原則についてですが、これについては、法律上の実効性を確保する観点から、これに違反した場合については、損害賠償義務、取り消し権、無効などの民事上の効果を伴わせる規定を設けるべきであります。

 金融商品取引法においては、適合性原則が規定され、適合性判断の一要素として投資目的を含めたことは評価できるのでありますが、民事効果が見送られているのであります。

 適合性原則は、投資者保護の観点はもちろんのこと、投資市場における不適格な投資者を排除して投資市場の公正を図るという側面があるのでありまして、多くの行為規制の中で最も厳格に守られなければいけないものであります。そのために、その実効性を確保するためには、適合性原則違反については民事効を付与すべきものであると考えます。

 第四に、プロ、アマの問題でございます。金融商品取引法案においては、プロ、アマ区分を設けて、一般投資家にもいわゆるプロとされる特定投資家に移行する道を開いているわけですが、そもそも、プロ、アマ区分の趣旨としては、アマには適正な投資保護を確保する一方で、プロについては行政規制でなく市場規律にゆだねる、過剰規制による取引コストを削減するということでありますので、一般投資家の保護の観点においては十分に保護されなければならないことは明らかであり、この観点から見ますと、安易にアマからプロへの移行を認めてしまいますと、説明等を受けずにリスクの高い投資に引きずられてしまうことが十分予想されるのでありまして、断じて認めるべきではないと考えております。ここで言うプロについては、機関投資家に限定されるべきだと考えております。

 最後に、金融商品取引法案においては、損失補てんの禁止が規定され、それと横並び規制であるということから、商品取引所法においても新たに損失補てんの禁止が規定されています。しかし、国内の商品先物取引については、被害件数が多いこと、また被害が深刻であることからかんがみまして、損失補てんの禁止を国内の商品先物取引については認めるべきではないと考えております。

 もともと、損失補てんの禁止がありますと、業者がその規定を盾に、被害回復に向けての示談交渉を拒否する口実に使われるというおそれが従来から指摘されているところであり、国内の商品先物については、その内容の深刻さ等から、損失補てんの禁止を置くことになりますと、商品取引員の側から、その規定の存在をもって損害賠償の示談交渉を拒否するという事例が十分予想されるのであります。そして、多くの場合、早期救済が図れなくなり、裁判によるある程度の時間をかけた解決にちゅうちょする人については、その救済を断念してしまうということも考えられるのであります。

 さらに、各地の消費生活センターにおいては、これまで、勧誘当初の事案についてはそのあっせん処理において解決できた場面がございますが、損失補てんの禁止が入ってくることによって、このような救済の道も閉ざされてしまうわけでございます。

 さらに、この損失補てんの禁止規定については、本来、商品先物については従来から慎重な審議をなされてきたわけでありますが、今回においては何らの審議もされないまま、その規定が盛り込まれたところを考えますと、そのプロセスにおいても大きな問題があると思います。

 以上、私が述べましたことについては、金融商品をめぐる救済現場におきます全国の数多くの弁護士の声を集約したものでございます。そして、それはまた、全国各地の金融商品をめぐる被害に遭っている多くの消費者の声でもあります。

 諸先生方におかれましては、何とぞ私たち日弁連の意見を十分に酌み取りいただき、今回の金融商品取引法案が消費者保護のためによりよき立法になるように、修正が必要なところは十分な審議をいただいた上で修正いただきたいと存じます。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

小野委員長 大田参考人、ありがとうございました。

 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

小野委員長 これより参考人に対する質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松本洋平君。

松本(洋)委員 自由民主党の松本洋平でございます。

 本日は、参考人のお二方におかれましては、お忙しい中お越しをいただきまして、ありがとうございます。心から御礼を申し上げます。

 本会議も長引きまして、時間も余りございませんので、端的に二点御質問をさせていただきたいと思います。

 先ほど岩原参考人から、今回のいわゆる投資サービス法につきましてのいろいろなお話を聞かせていただきました。その中で、この投資サービス規制の中で、銀行、保険、証券といったようなものをすき間なく同等の規制による横断化という部分、そしてまた開示制度の部分等々を具体的に挙げられまして、評価をしていただいたというふうに認識をしているところでございます。

 この法案に関しましても、これまでさまざまな議論がされてきているわけですけれども、私は、この法案を実現するに当たって、一つ大きな論点というのは、ではこの法案を、いかに実効的に機能的にこれを実現していくというか、投資家保護のために強力に推進していくのかというようなことが一方大きな論点としてあるんだろうなというように私自身は思っているところでございます。

 そうした観点から、ぜひ岩原参考人にお伺いをしたいんですけれども、こうした消費者保護のために、この法案をきちんと推進していくために、どういう組織ですとかどういう機能というものをしっかりと整備していくべきなのかという部分、ちょっとお伺いをしたいと思います。よろしくお願いします。

岩原参考人 お答え申し上げます。

 松本先生御指摘のとおり、いわゆる投資サービス法のすき間なく横断化した投資家保護、利用者保護の法制を実現するために、制度の実効性を上げていくということが一番大事なことだろうと思っております。

 そのためには、何よりも、制度の充実ということもございますけれども、まず、制度自身はこの法律が成立すればかなりすっきりしたものになりますので、運用のしやすい制度になってきますし、それから、先ほど申し上げましたように、少なくとも、ルールの内容としては、各種の金融商品についてほぼ同様のルールが適用されることになる。あとは、それをエンフォースしていく、実行していく体制がどれだけ効率的に行えるかということが一番問題だと思っております。

 そういう観点からしますと、一つには、幾つかの金融商品については、従来の、例えば商品ファンド等がそうですけれども、こういったものについては、金融商品取引法の中に取り込まれまして、いわば一元的に金融庁の監督あるいは検査体制のもとに入ってくるということで、より実効性が高まっていると思います。

 また、金融庁の中の体制として何よりも重要なことは、検査あるいは監督の人員とその実行に当たる人たちのいわば質を高めていくということが私は一番大事だと思っておりまして、例えば、よくSECと日本の証券取引等監視委員会が比較されますが、まず何よりも一番違うところは、人員が監視委員会の方は三百人であるのに対して、アメリカのSECは三千人である。さらに、そのほかに、何といっても、SECの場合は、スタッフが、法律の非常なプロの人たちが三千人の中のかなりを占めておりまして、いわばばりばりの法律に非常に強い人たちが働いている。しかも、そういう人たちは、普通ウォールストリートのいわば弁護士事務所なんかの司法の現場とSECの間を行ったり来たりしながらその職務を果たしているということで、非常によくビジネスの実際等も知っている。

 そういったところから、もう既に日本とエンフォースメントの実際が違うところがありまして、そういった点を含めて、質を日本でもよくしていく。現に、そういう点で、私は、日本の金融庁の検査体制なんかも改善は進んでいると思うんですけれども、よりレベルアップをしていくということが一番大事ではないかというように考えております。

 以上でございます。

松本(洋)委員 ありがとうございます。

 これまでの議論の中でも、やはり検査監督に当たる証券取引等監視委員会の人員が少ないですとか、そのレベルアップをいかに図っていくのかというような議論は当委員会でも議論をされてきたところでございます。まさに岩原参考人がおっしゃるとおりだなというふうに思うわけでございまして、この法案の次には恐らくそういう実効性をいかに強化していくのかということが真剣に議論をされていくのではないか、そのようなことを私自身感じているところでございます。

 もう一つ、岩原参考人にお伺いをしたいことがございます。

 ただいまも、岩原参考人の御説明の中でSECの話が出てきたわけでございます。我が国が今進もうとしているのは、私は、どちらかというとFSA、要は銀行、証券、保険、こうしたものを一元的にというような形だというふうに思っているわけでございます。

 そこで、岩原参考人のお考えを教えていただきたいんですが、果たして、我が国が進むべき方向性として、日本版SECというのはどう考えたらいいのか、またFSAというのはどう考えたらいいのかという部分を、参考人に一言教えていただきたいと思います。

岩原参考人 お答えさせていただきます。

 先生御指摘のとおり、日本でこういう投資者保護の監督行政体制を向上していくとしますと、参考になりますのはアメリカのSECとイギリスのFSAだと思います。両者を比べて、まず日本と違いますのは、というか、FSAとSECを比べたときに非常に違いますのは、SECはあくまで証券だけを対象にしている。ただ、証券の定義がアメリカは非常に広いものですから、とはいいながら従来の日本の証券取引等監視委員会よりは広かったんですけれども、今回、金融商品取引法が制定されますとかなり近くなります。

 それに対して、イギリスの場合は、FSAは、単に証券関係だけではなくて、銀行、保険その他も含めた非常に広い、すべての金融サービスをカバーするような監視機関ということになっております。どちらの方が望ましいかと考えますと、私は、やはり、金融の相互参入、そしてコングロマリット化が進んでいる現状を考えますと、アメリカのSECのようなタイプよりはイギリスのFSAのようなタイプの方が、その意味では参考になるのではないかと思っております。

 そういう権限の対象と、もう一つはその権限の中身でございまして、よくSECというのは監視の機能があるだけであって企画とかそういった問題については権限がないんじゃないかという見方があるいはあるかもしれません。

 しかし、実際を見ますと、SECは、監視、検査だけではなくて監督権限も持っておりますし、さらに言えば規則制定権を持っておりますから、実質的な企画機能も持っております。アメリカの場合は、そもそも、日本みたいな内閣提出法案で法律をつくるということはないわけでありまして、むしろ規則制定権限等が実質的な企画の部分をなしているわけです。そういう意味では、実はアメリカのSECも企画の部分を持っているわけでありまして、むしろ、日本で議論をするときには、そういったことも踏まえた上で検討していく必要があるのではないか。

 ですから、監視、監督と企画権限を分離するタイプがいいのか、あるいは企画の部分を含めた監督体制がいいのかというのは検討に値すると思うんですけれども、非常にそれは微妙な問題だと私は思いますけれども、私は、現在のような一元的な監督と企画の体制がどちらかといえば望ましいかなと思っております。

 以上でございます。

松本(洋)委員 ありがとうございます。岩原参考人からいろいろお話を聞かせていただきまして、今回、内閣が提出しておりますこのいわゆる投資サービス法案ですけれども、まさにこの国の将来に向けて非常に正しい方向を指し示している、そういう法案だということが、私自身、参考人からも力強いそうした御意見をちょうだいしまして、強く感じた次第でございます。

 ちなみに、企画の部分と監督、検査部分、こうした部分をどういうふうに分けていくのかということは、渡辺喜美先生のもとでもう既に議論は進んでいるところでございまして、きょう岩原参考人から教えていただいたそうした意見も踏まえながら、今後私も議論にぜひ参画をしていきたいというふうに思っております。

 きょう、もう時間がありませんので、大田参考人に対しましての質問は後の委員にお任せをすることといたしまして、私の質問は終わらせていただきます。ありがとうございました。

小野委員長 以上で松本洋平君の質疑を終了いたします。

 続きまして、石井啓一君。

石井(啓)委員 公明党の石井啓一でございます。

 本日は、両先生には、大変お忙しいところ本委員会の参考人にお越しいただきまして、心から御礼申し上げます。

 まず、岩原先生にお伺いしたいと思います。

 投資商品と融資とがセットになった場合の過剰融資の規制についてお伺いしたいと思います。典型的にはかつての変額保険の被害の例でありますけれども、変額保険の販売と融資とが事実上セットになりまして、相続税対策等のセールストークに乗せられて過剰融資を受けた、そのことが被害を拡大させた、こういう事例がございます。

 したがいまして、私、先日のこの委員会でこの件について金融庁当局の方に確認をしたところ、それは保険業法とその施行規則によって、信用供与を受けた額の返済ができなくなるおそれがある旨の説明を義務づけている、こういうことでありました。説明を義務づけるのは結構なんですけれども、私としては、もう一段、投資商品と融資がセットになっているような場合には、過剰融資そのものを規制するようなことを今後検討してはどうか、課題としては残っているんではないかなというふうに認識をしておるんですが、岩原先生、いかがでございましょうか。

岩原参考人 御質問ありがとうございます。石井先生の問題に関して私も非常に共感するところがございます。

 まず、今回の法案について申しますと、金融商品取引法の四十四条の二という規定の中に、いわばセット商品にすることによって不必要な取引をさせるということを制限した規定がございまして、これが一部、先生の御懸念に対する対応になっているかと思います。ただ、この四十四条の二に規定されておるのは、多分、すべての問題をカバーし切れるわけではないのかなという感じもします。

 そもそも、今回の金融商品取引法は、金融審議会で検討されていた非常に早い段階では、融資取引を含めた包括的な消費者サービスの法制をつくるということも検討されたわけであります。ただ、融資というのとそれ以外の投資の部分とを比較しますと、投資は利用者が自分のお金を出すというサイドの問題で、これは、比較的、横断的に共通の問題があって共通のルールがつくりやすいわけですけれども、融資の部分については若干異なる面があるということから、途中から融資の部分を外した形で、専ら預金、保険契約、あるいは投資商品の取得といったような、利用者側がお金を出す側についての横断的なルールの設定という方に行ったわけですが。私としては、融資の方についても問題があることは確かでありまして、今回のこの法律ができた後、次にはぜひ融資の方についての法制の整備も図っていただきたいと思っております。

 以前、既に大蔵省時代に、こういう消費者信用についての審議を当時の金融制度調査会で行っておりますし、それから、外国を見ましても、アメリカの場合ですと、連邦の消費者信用保護法の中に、そういう消費者貸し付けについての一般的な保護法規が定められております。そのほかにSECによる保護その他があるわけでありまして、また預金者保護の規定も連邦消費者信用保護法の中に入っております。そういうふうに、性格の違いに応じて、融資について、先生御指摘のような問題についての法整備を今後図っていく必要があるのではないかと考えております。

 以上でございます。

石井(啓)委員 ありがとうございます。

 次に一点、大田先生にお聞きします。商品取引所法の損失補てんの禁止の件ですが、これが取り込まれると示談解決の障害になるんではないかという御懸念であります。

 そこで、私、先日、この委員会で質問したところ、金融庁の方の答弁では、商品先物取引業者が違法行為等により顧客に損害を与えた場合、現行の証取法と同様に、損失が事故に起因するものであることにつき、主務大臣の確認を受けている場合や主務省令で定めている場合には損失補てんの禁止規定は適用されず、顧客がこうむった損害の賠償を行うことは可能、こういうふうな答弁だったわけです。

 その後、もう少し詳細に資料を取り寄せて、これは本当は金融庁の方から御説明していただいた方が正確であったと思うんですけれども、事故というのはどういうことかというと、顧客の注文内容について確認しないで取引等を行うときとか、顧客を誤認させるような勧誘をすることとか、あるいはその他法令に違反する行為だということで主務大臣が認定する場合なんですけれども、事故の確認が不要の場合というのが、現行の証取法では、裁判所の確定判決を得ている場合、裁判上の和解が成立している場合、民事調停法の裁判所の決定が行われている場合、証券業協会のあっせんによる和解の成立、こうなっておりますが、今回は、この証券業協会に相当するのが商品先物取引協会ということです。

 私は、この商品先物取引協会だけでなく、広く、例えば消費生活センターなどがなり得ないのかということで確認をしましたところ、そういうことを政令、府令ですかに入れることは十分検討の対象になるということでありますし、今回法律の中で認定投資者保護団体という仕組みができるんですね。その認定投資者保護団体のあっせんというのもこの対象になり得るということですから、私は、そういう方向で府令の中にきちんと盛り込んでいけば先生方の御心配というのは相当程度解消できるのではないかなというふうに思っておるんですが、その点、いかがでございましょうか。

大田参考人 私の見解をちょっと述べさせていただきたいと思います。

 私たち、弁護士の立場で日常示談交渉に当たっているわけですけれども、示談交渉で話が成立する場合ですが、多くの場合は、もちろん、示談交渉に業者が応じるということは自分たちの営業行為に何か問題があったということで示談に応じてくるわけですけれども、いざ、例えば具体的な示談書を交わすなりの段階において、自分たちが行った行為が違法であるということを認めるような形の示談書を交わしたことは一度もございません。

 といいますのは、業者が自分から違法なことをやったということを認めるということについては、業者にとってはまさしく監督官庁に自分が悪いことをやりましたということを届け出るということでありますので、これは現実の示談の場面ではほとんど実現されておりません。その結果、いわゆる証券取引の場合については、ほとんどが示談がなされていないという現状にあります。

 先ほど先生から指摘いただいた第三者認定機関とか、それについてももちろん今後の運営次第で十分考慮に値するとは思うんですけれども、現実に、例えば現在日商協であっせん等をやっておりますけれども、現在の状況でも、かなりあっせんを受けるのに時間がかかっているという現状がございます。ですから、これが今後もっと多くの、先物被害は非常に多いですから、それに果たして全部応じるだけの対応ができるかどうかについては極めて疑問であると思います。

 また、その中で果たして違法性の認定ができるのかどうか。裁判手続では、証人尋問それからいろいろな証拠等によって違法性の認定をするわけですけれども、それ以外の第三者機関にゆだねた形で果たして違法性の認識ができるのかどうか。それができないとなれば、結局のところ、最後に裁判で解決しなければいけないという結論になるのではないか。もちろん、第三者認定機関等が整備されること自体は非常に望ましいことではありますけれども、現状を見ていますと、その形で解決できるというのについては非常に疑問と言わざるを得ないと考えております。

 以上です。

石井(啓)委員 時間が終わりましたので、終了いたします。

小野委員長 以上で石井啓一君の質疑を終了いたします。

 引き続きまして、鈴木克昌君。

鈴木(克)委員 民主党の鈴木でございます。

 参考人におかれましては、本日はどうも御苦労さまでございます。

 限られた時間でございますので早速お伺いをしてまいりたいと思うんですが、いずれにしても、今回の法案、一番問題は消費者保護ということを法の精神として終始おっしゃっておるわけでありますが、しかし、いろいろと見ていきますと、どうも自己矛盾といいますか、非常に問題のところがあるのではないかというふうに思っております。法のすき間を埋めていくんだ、こういうお話もあったわけでありますが、しかし、相変わらず、法のすき間は私は埋まっておらないというふうに思うわけですね。

 その中で、結局、これも何回もこの委員会で出ておりますが、国民生活センターへの相談件数を見てみますると、これはもう十四年、十五年、十六年はいずれも七千件を上回るような件数であった。二〇〇五年は四千二百件に落ちてはおるわけでありますけれども、いずれにしましても、極めて異常なというか深刻な状況なんだと。

 そこで、この法案が通れば本当にそういうものが、今言われておるようなことがなくなるのかどうか、心配ないのかどうかということについて私の立場でお尋ねをさせていただきたいというふうに思うんですが、主に私は、不招請勧誘の問題、それから損失補てんの問題、そして適合性原則と民事効果の問題という三点についてお伺いをしてまいりたいんです。

 その前提として、岩原先生にちょっとお伺いをするわけでありますが、二〇〇四年の十二月に金融改革プログラムが発表されましたね。そして、その中の一つの柱として、投資サービス法を制定すべきだ、こういうことがあったというふうに記憶をいたしております。そして、二〇〇四年の十一月から金融審が始まった、そして二〇〇五年の七月に中間報告が出されたというのは御案内のとおりであります。

 そこで、先ほど来もちょっとお話が出ておったんですが、銀行融資と保険が今回外れておることにつきまして、先生は、五月二十七日にこの金融審議会で、「融資、為替は入っていないわけですね。ところがさっきご指摘がありました、例えば変額保険ですとか、そういったものはいわば変額保険と融資の一体商品として販売されて、まさにそのところの勧誘・販売のあり方が非常に問題になったわけで、この融資の部分等についても、本当はそういう顧客に対する説明というのは、大きな問題としてあり得ると。」こういうことを御発言なさっておって、むしろ、日本に多発した融資一体型変額保険被害にかんがみて、融資の部分も検討すべき大きな問題だ、こういうふうにおっしゃっておったわけであります。

 今回それが外れておるということでありまして、この法案を金融審議会の委員のお一人として中心的におまとめをいただいた先生の立場として、ちょっとその経過といいますか、なぜこれが外れておるのかというところを御説明いただきたいと思うんですが、よろしくお願いいたします。

岩原参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、私は、そのような変額保険等における融資との一体型の商品について問題があり得て、より融資についての説明等がきちんとなされるような法制整備が望ましいということを審議会でも申し上げたとおりですし、先ほどの私の答弁でも、今でもそういう方向での法制整備は今後ともやっていく必要があると考えております。

 どうして金融審議会の途中で融資のことが外れたのか。私も、経緯については細かく覚えていないし、全部の会合に出られたわけでもございませんので、具体的にどういう経緯で外れたかはちょっとわからないんですけれども、基本的な理由としては、さっき申し上げましたように、融資に関する利用者保護と、お金を出す側の、預金の受け入れとかあるいは証券等に対する投資とかというものとでは、やはり性格の違う部分がある。

 非常に抽象的に言えば、きちんと説明責任を果たしなさいとかそういうようなところでは確かに共通しますが、具体的な法制整備をしていくとすると、それは取引の側面の違いによって違う点が出てきますから、業者からすれば、とりあえず預金とか証券の投資なんかでお金を集める側、投資家からすればお金を出す側の方について、まず、一つの整合的な、包括的な法制をつくろうということでその後集中的に審議が進んだというふうに理解しておりまして、まず、法制整備がより実現しやすいところから実現してきたというふうに理解しておりまして、私は課題としてはなお残っていると思っております。

 以上です。

鈴木(克)委員 まさにこの部分というのは、一番本当に国民も注視をしておった部分だと私は思うんですよね。それが今回外れておるということなんですが、くどくなりますけれども、じゃ、今後、どういう形でこのことが入れられていくのか、法が修正をされていくと今後どんな展開になっていくというふうに先生はお考えでしょうか。その点、ちょっと教えていただきたいんですが。

岩原参考人 私、金融行政を自分で担当しているわけではないので、私が責任を持ってお答えはできないんですけれども、あるべき姿としては、さっきも申し上げましたように、共通する問題はありますし、それから、外国法制を見ましても、各国では、むしろ与信面での利用者保護の法制はアメリカでも、アメリカは非常に歴史が古くて、一九六〇年代、七〇年代ぐらいから消費者信用保護法という形で法制整備が行われましたし、ヨーロッパ諸国も非常に進んでいます、ドイツその他についても。

 ですから、これはむしろ日本はある面おくれているわけでありまして、現在は、主にむしろ貸金業法なんかの方で、金融機関以外の貸金業者等の与信行為のあり方が非常に問題になって、そこで、極端な形で問題は出ておりますけれども、銀行の場合はそんな極端なことは考えられませんけれども、それでもなお、やはり共通する問題はありますから、そういった法制を参考にして、今後、与信面についても利用者保護の法制整備、外国での法制等を参考にして、ぜひ進めていっていただきたいと考えております。

 以上です。

鈴木(克)委員 これぐらいにしておきますが、先ほど先生は、すき間を埋めなきゃいけない、パッチワークの現状は問題だということもおっしゃいました、そしてまた、今回の法の成立によって、横断的な整備ができ、縦割りのいわゆる穴を埋めることもできるんだ、こういうことをおっしゃったんですね。しかし、本当に大きな穴は埋まっていないんですよ。だから私は、こういうことを強くお願い申し上げるわけでありまして、先生は金融審議会の中心的なメンバーで、この法案についてもやはりある意味では非常に大きな分野を占められたわけでありますから、私は、本当にきちっとした法にしていくというのは、我々はもちろん責任があるわけでありますが、ぜひひとつ、このことについて先生によくお願いを申し上げておきたい。

 ちなみにイギリスでは、金融サービス市場法の法案審議の過程から二百万人もの被害者救済をしてきた、こういうことが言われておるわけでありますから、話がちょっとあっち行ったりこっち行ったりしますけれども、やはり、本格的な法案を一刻も早くつくっていくというのは私どもに課せられた責務である、共有の、共通の願いとして、思いとしてさせていただきたい、このように思っておるところであります。

 さて、不招請勧誘について岩原先生にお伺いし、そしてまた、大田先生にも後から全国の被害状況の実態等も含めて御答弁をいただきたいと思うんです。

 まず、このたくさんの被害の一番根本というのは、全国の商品先物取引による被害の九割が不招請勧誘に端を発しておるということが言われておるわけですよね。先ほども御審議がありましたけれども、本法案は商品先物取引を規制対象にしておらず、商品取引所法においても、改正案が出されておるものの、やはり不招請勧誘の禁止の規定はありません。これについて、まず先に岩原先生のお考えをお聞きしたいと思います。

岩原参考人 お答え申し上げます。

 不招請勧誘というのは、確かに利用者保護を図っていく上で非常に重要なルールだと思いますが、ただ、恐らく問題になりますのは、不招請勧誘ということになりますと、要するに、商品の勧誘をしてはいけないということでありますから、二つの面で、もちろんそれによって利用者保護を図るという非常に大きいプラスがありますが、反面をちょっと冷静に考えてみますと、一方で、不招請勧誘のルールが厳格に適用されますと、そういう金融商品に対して、利用者側の方で事実上アクセスが難しくなるという側面もあります。いわば、金融商品を利用したい人が実際上はなかなか利用できなくなるという面、それから、業者サイドからしますと、営業の自由の制限と申しますか、本来、商取引活動は自由にやれるところが、事実上それが封じられるという側面もございます。

 したがいまして、不招請勧誘のルールを適用する場合というのは、私は、ある面慎重に考える必要がある、若干でも危険があったら常に不招請勧誘のルールを全面的に適用すべきかというとそうではなくて、本当にこういう取引というのはかなり危険性が高くて、例えば、本来なるべく普通の一般の消費者の人なんかはアクセスしない方がいいという商品に限って不招請勧誘を導入するのがよろしいのではないかと思っています。

 例えば、外国の法制でも、イギリスが不招請勧誘のルールで有名でありますけれども、原則としては不招請勧誘のルールを導入しておりますが、ただ、実際には、特にリスクの高い金融商品に限って不招請勧誘を適用して、そうでない商品についてはそれの適用除外をするという形の制度になっておりまして、やみくもにその不招請勧誘のルールを広げればいいというものではなくて、特に、もうこういう商品は余りにもリスクが高くて、また実際にも消費者被害が起こりそうだというものに限って不招請勧誘のルールを適用していくということが望ましいと考えておりますので、何にでも不招請勧誘を適用すればいいというものではないというふうには考えております。

鈴木(克)委員 大田先生、先生は、先ほど申し上げましたように、全国の先物取引被害、外為取引被害の実態に大変お詳しい、本当に現場で御苦労なさっておるわけでありますが、その先生のお立場で、その実態も含めて、今の岩原先生は、あのようなお考え、どちらかというと慎重にやっていくべきだ、こういうことでありましたが、ぜひお考えをお聞かせいただきたいと思います。

大田参考人 お答えします。

 まず、先ほど私が参考人意見の中で申し上げた二〇〇六年の商品先物取引と外国為替証拠金取引の一一〇番ですが、これは、全国各地の単位弁護士会で各弁護士が電話の聞き取りをやって被害の実態を把握するというものでございますが、今回の資料にはつけておりませんけれども、それぞれいろいろな項目がございまして、先ほど御指摘のあった不招請勧誘に関するものについては、取引のきっかけという項目がございます。

 今回の二〇〇六年のデータで見ますと、いわゆる不招請勧誘に該当すると思われるもの、つまり、電話がきっかけであったもの、これは二百二十件あります。それから、訪問がきっかけになったものが六十七件あります。それから、それ以外、つまり、例えば積極的に自分の意思でやったというような形で入ったものは七件です。それから、広告とか宣伝を見て興味を持ってやったというのが十二件。それで結局、商品先物についていいますと、件数としては三百九十九件ありますが、全部が全部きっかけについて聞き取りができていない関係がありまして、三百三十三件のうち三百三件がいわゆる不招請勧誘に当たる事案である。それから、外国為替証拠金取引についても、同様に不招請勧誘と思われる電話とか訪問とか、そういうものについては八十九件ありまして、そうではないものというのはわずか六件しかございません。いずれも九割が不招請勧誘による被害に遭っている、こういうことになります。

 それから、先ほど岩原参考人からのお話があったんですけれども、日本の商品先物取引というものについて見ますと、本来先物取引というのは、いわゆるリスクヘッジという経済的機能のために成り立っているものでございますが、日本の商品先物取引市場におきましては、取引に参加する人の九割が、いわゆるこういう一般大衆の方々なんですね。

 本来、商品先物取引というのは非常にハイリスク・ハイリターンなものでありまして、そもそもそういう一般の人たちが参入していいかどうか、これは非常に問題があるわけです。ですから、先ほど営業の自由等の話がありましたけれども、商品先物取引に、では、果たして一般の人が今までのようなこういう不招請の勧誘の形で入っていいのかどうか、それを本来考えなければいけないのでありまして、そもそも、逆にそういう人たちを排除することによって商品先物市場はもっともっと健全な市場になるのではないかというふうに私は考えております。

 以上です。

鈴木(克)委員 ありがとうございました。明らかに、不招請勧誘についても少し考え方が違うというか、開きがあるというふうに私も思います。

 私はやはり、本法案で対象としておる勧誘手段を内閣府令で定めるとか、それから商品を政令で限定するというようなことはやるべきではない、そのように思っております。

 次に、損失補てんの禁止について、岩原先生、大田先生の順にお伺いをしてまいりたいというふうに思うんですが、どんどん質問に入らせてもらいますので説明は省略しますが、この規定があることで、明らかに違法行為によって損害が生じているのに、業者は、裁判所からの命令がないから支払えない、こういうような開き直りをする事例というのが全国で頻発をしておる、このように聞いておるわけであります。

 本法案で、従来の証券取引法にあった損失補てんの禁止の規定が三十九条においてそのまま置かれておる。それから、金融審でこれは一度も議論が行われていなかったというふうに聞いておるんですが、それが改正法二百十四条で突如として追加をされておる。こういう、何か審議会で議論もされておらないのに改正案で出てきたというようなことは、私としては非常に理解に苦しむんですけれども、これについて、まず岩原先生にお伺いをしたいと思います。

岩原参考人 お答え申し上げます。

 金融審の投資サービス法の審議というのは、実は猛烈な回数で行われたんですけれども、私自身は、大学での授業、さらには、ちょうどこれを集中的に審議していたときに、前回ここでお呼びいただきましたカード被害の預貯金者保護法の審議も並行してやっていたものですから、実は余り審議に出られなかったので、投資サービス法の金融審の審議の中で損失補てんのことがどれだけ議論されたのか承知していないんですけれども。

 一般論として言えば、恐らく、証券取引法における不公正な業者の行為を禁止した規定を、基本的には金融商品取引法でそれ以外の金融商品の取引に当たる人たちにもいわば幅広く包括的にルールとして適用していこうと。そうなると、証券取引法の中のそういう不公正な行為の一つの典型として損失補てんということがあるということで、まさに商品先物についても同じルールを適用すべきだという御意見が一般的に多いわけでありますので、まさに横並びのルールを設けるということでこの規定が入ったのではないかというふうに理解しております。

鈴木(克)委員 もう本当に時間がなくなりましたので。

 今のお話について、大田先生、事故確認届けとの関係も含めてお話をいただけたらと思いますが、いかがでしょうか。

大田参考人 お答えします。

 先ほど石井先生の方からの質問にもあったとは思いますが、結局のところ、事故確認をしない、裁判は裁判で判決の場合は別なんですが、事故確認を業者がみずからするということを行わないと示談解決ができない、これは、業者が、先ほど言いましたように、自分の非を主務官庁に認めるということですので、実際上、これは、理論的にはあり得ることではありますが、現実にはあり得ない、それによって、要するに示談ができないということになるわけです。

 それから、証券被害、いわゆる証券不祥事の際に損失補てんがいろいろ問題になった経緯で損失補てんの禁止というのが入ったというふうに私は理解しておりますが、商品先物におきましては、それと同様な立法事実は全く存在しないわけです。

 それから、平成十年の商品取引所法の議論の際にもこの損失補てん問題は出たわけですけれども、結局、先ほど私が言いましたように、全国の消費生活センターでのあっせんでの早期解決だとかそういうものを阻害するのではないかというような意見が出て、結局は商品取引所法の改正の中では、その後、平成十年と平成十六年と二回あったわけですが、一切その議論に上っていない。これは明らかに、証券取引の場合の損失補てんと商品先物の場合の損失補てんとは全く違うというレベルで考えなきゃいけないというふうに考えております。

鈴木(克)委員 最後の質問に入らせていただきますが、適合性原則と民事効果ということで、岩原先生、大田先生の順にお伺いをしたいと思うんですが、適合性原則は、医療の世界で言うとインフォームド・コンセントといいますか、患者としては当然の権利のようなものだというふうに私は理解をしておるわけですが、本法案では、消費者に対するインフォームド・コンセント、すなわち適合性原理が、非常に重要なんだけれども余り重視されておらないというふうに思うわけですが、その点について、岩原先生、大田先生、御答弁をいただきたいと思います。

岩原参考人 先生御指摘のとおり、適合性原則というのは、このような金融商品を利用者に販売したりするときには非常に大事な原則であると考えておりまして、今回、金融商品取引法がその一般原則を法定したということは、私は非常によいことだったと思っております。

 先生御指摘のとおり、こういったことは恐らく私法的にもその効果が認められていくことが望ましい、裁判所がそういうことを考慮して裁判していくことは望ましいと考えております。

 以上です。

鈴木(克)委員 大田先生の御答弁の先に。自己責任といっても、投資家と消費者では情報格差が激しいと思うんですね。そういう中で、自己責任、自己決定を正当化することができるのかどうか。実態も含めて、大田先生に御答弁いただきたいと思います。

大田参考人 お答えします。

 いろいろな商品があるわけです。特にリスクの高い商品の場合が典型だと思うんですけれども、例えば値段の変動要因であったり、いろいろな情報を把握しないと瞬時に対応できないという部分があるわけですけれども、一般に、消費者がそういった取引に関与する場合を考えてみますと、日ごろ日常の仕事をやっていく中で、情報収集というのは非常に難しいわけですね。

 それから、もともと、情報を判断してそれを具体的な取引判断につなげるという能力に欠けているわけですね。ですから、そうなると当然、その情報を持っているのは業者であり、それから、いろいろな変動要因についての判断能力を持っているのは業者である。そういう観点から、特に商品先物だとか証券取引でも、リスクの高いものについては勢い消費者は、証券あるいは先物の外務員のアドバイスをそのままうのみにしなきゃいけないというような格差があります。ですから、その辺のところを埋めるだけのきちんとしたものがなければ自己責任が負えないわけです。

 それから、もっと言えば、リスクの高さによっては逆にもう、こういった商品には入ってはいけない人たちというのが必ずいると思いますね。ですから、そのような観点で適合性原則というのは非常に重要な意味を持っております。

 ですから、商品ごとにそれぞれいろいろと細かく判断しなきゃいけないわけですが、一般に消費者は、先ほど言ったような格差がありますので、適合性原則を厳格に、厳しく精査しなきゃいけないというふうに考えております。

鈴木(克)委員 以上で終わります。ありがとうございました。

小野委員長 以上で鈴木君の質疑を終了いたします。

 引き続きまして、北神圭朗君。

北神委員 民主党の北神圭朗でございます。

 私はもともと経済産業委員会の方に属していまして、本日、委員長そして理事の皆さんに質問の機会を与えていただいたことに御礼申し上げたいと思います。

 また、両参考人のお二方も、お忙しいところ、ありがとうございます。

 時間がないのでもう質問に入りたいと思いますが、商品先物について大田参考人の方からお話がございました。確かに今回の法案は、横断的に類似の金融商品を対象としてすき間なく利用者保護を図る、そういった趣旨であるわけでございます。その趣旨自体は非常にいいものだと私も評価をしたいと思いますが、具体論に入ると、まさにこの商品先物というものがこぼれ落ちているのではないか、そういったことが論点になるというふうに思います。

 それで、早速質問に入りたいと思いますが、先ほど不招請勧誘の禁止の話がありまして、これは営業の自由という観点からいえば、それを適用するのに極めて抑制的であるべきだと岩原先生からお話がございまして、私もそれはそのとおりだというふうに思います。しかし、商品先物と同じような金融商品的な性質を持っているデリバティブとか、そういったところに不招請勧誘禁止の規定が適用されているわけでございますから、その辺の整合性が問題になるのではないかというふうに思っております。

 そして、岩原先生から、危険性が極めて高い、実際にその被害の件数が出ている、あるいは一般の利用者に余り取り扱ってもらいたくないような商品についてそういう不招請勧誘の禁止を設けるべきだという話がありましたが、先ほどの大田参考人の話から聞きますと、実際、統計的に見ても、株式よりも苦情件数というものが多いわけでありますよね。それは確かに大分減ってきているというか、七千件から四千件まで減少しているという部分は認めますが、やはり四千件というのは非常に多い苦情件数だというふうに思います。

 そこで、多分、政府の話とかを聞いておりますと、不招請勧誘というのは、商品先物につきましては、いわゆる再勧誘の禁止の規定が既に適用されているんだ、だから、実質、不招請勧誘の禁止をしなくても同程度の利用者保護を図れるということだと思いますが、その点について両参考人の御見解を伺いたいと思います。

岩原参考人 お答え申し上げます。

 私、商品先物についてそれほど実態は詳しくないのでございますけれども、私が申し上げることができるのは先ほどの一般論でございまして、本当に危険なものであれば、これはやはり再勧誘の禁止と不招請勧誘の禁止というものは違いがあることは確かでございまして、不招請勧誘の禁止の方がより強い利用者保護になるわけでありますから、私は、確かに商品先物について非常に被害が多く発生しているということは承知しておりまして、ぜひ規制当局としては、そういうことが起きないように、より実効的な法律の適用をしてその問題を防いでいただきたいと思っております。

 不招請勧誘についても、そういったきちんとした法の執行がなされてもなおその問題が残るというような実態があれば、それはやはり考えていく必要があるのかなと思っております。

 以上です。

大田参考人 お答えします。

 再勧誘の禁止というのは、平成十年の商品取引所法の中で、これは法律自体ではなくて、省令の中に禁止行為が既に入っていたわけですね。ですから、平成十一年四月からその法律が施行されて、それで先ほど私が言いましたように、国民生活センターの被害がずっとふえているわけですよね。ですから、再勧誘の禁止で防げるかどうかということは、この件数を見れば明らかなとおり、防げないということはもう明らかなんですね。

 今回、平成十六年改正で十七年五月に施行された商品取引所法では、再勧誘の禁止が商品取引所法の中の禁止行為に格上げされただけなんですね。ですから、それでとても被害が防止できるとは思わないわけです。

 それから、今回、資料三で出していますけれども、改正商品取引所法の施行後の相談事例においても、断っても勧誘してきているという事例がいっぱい挙がっております。

 ですから、再勧誘の禁止で防げるということは絶対ないということは、これはもうデータで明らかであるというふうに考えております。

北神委員 ありがとうございます。

 岩原先生からは非常に率直な御意見を伺いましたし、大田先生から、現場の件数、実際の苦情件数が減っていない、したがって、再勧誘の禁止の規定というのは余り実効性がないんじゃないかという話でございます。

 もう少し厳しく見ると、実際に件数は減っていないので、理論的に考えると、不招請勧誘の禁止の規定を入れても実際変わらないかもしれない。つまり、申し上げたいのは、再勧誘というか不当勧誘の禁止の規定というもので、実質、不招請勧誘の禁止と同じぐらいの効果を期待できるのか。その点についてお聞きしたいんですね。

 それは、条文を言うとちょっと難しいんですが、簡単に言いますと、例えば、家に訪ねて商品先物の勧誘をする。我々も選挙中体験をするんですが、そこに勧誘お断りという札が張ってあるとなかなか入りにくいということもありますが、そういう札があると勧誘しちゃいけないとか、あるいは電話で勧誘するときには意思確認義務というものを課している。つまり、電話口で、これからこの商品先物の勧誘をしたいと思うけれどもいかがですかと。そこで断られたらそれ以上勧誘ができない、そういう規定があるわけですよね。そういった、ある意味では念入りにいろいろな制約を課している。

 そういったことを踏まえて、大田先生、まさにこれは現場の声、現場の感覚が大事だと思うんですが、そういったことがあってもやはり不招請勧誘の禁止が必要かどうか。その点について御説明願いたいと思います。

大田参考人 お答えします。

 先ほど先生が言われたものは勧誘受諾確認義務と言われているものでありまして、勧誘を受ける際に、勧誘を受けていいですかということをあらかじめ確認しなければいけないというふうなルールが平成十六年の改正で行われたわけです。

 ただし、では、それと不招請勧誘がどう違うかということは、私たち現場で見ると明らかなんですね。

 ということはなぜかといいますと、勧誘受諾確認義務が履行されたかどうか、これは例えば裁判の現場でも争いになるわけですが、業者はどのような形で対応しているかといいますと、勧誘の際にはそういう受諾確認義務を果たしていないにもかかわらず、後で、勧誘を受諾するという書面をその勧誘に応じた人からとって、だから勧誘受諾確認義務は尽くしたんだ、こういうような形で答弁してくるわけですね。

 ですから、その勧誘受諾確認義務というものと、要するに勧誘してはいけないルールというのは、実際の実務の場面では極めて大きな差があります。ですから、勧誘受諾確認義務は、確かに再勧誘の禁止からさらにもう一歩前進したものであって、それなりに評価できるわけですが、ただ、不招請勧誘とは大きな差がある、こういうふうに理解しております。

北神委員 ありがとうございます。

 今お話ししているのは、要は、不招請勧誘の禁止の適用を商品先物に及ぼすべきかどうか。そこで、消極的な理由として、多分、政府の考え方が、いや、もう不当勧誘の禁止の規定があるからこれで利用者保護を図れるんだということだというふうに思いますが、今の大田先生の現場の感覚でいえば、そんなことはない、やはり不招請勧誘の禁止というものが非常に大事だ、そういうことをしなければ、非常にふえている苦情件数というものも減っていかないし、商品先物という極めてリスクの高い商品というものが一般の利用者にどんどん不当に普及をしてしまうということが明らかになったというふうに思います。

 ただ、今消極的な理由の話をしていたわけでありまして、御存じのように、商品先物というのは普通の金融商品とはちょっと違う。先ほどリスク回避の部分で、現物の側面もあるし、一方でデリバティブ的な、金融商品的な側面もあると。

 そういったことを考えますと、私も素人で本当にわからないんですが、この不招請勧誘の禁止というものを適用した場合に、利用者にとってあるいは業界にとって、さらに岩原先生に直接お聞きしたいのは、商品先物市場の公正性とか効率性とか、そういったところに何か不都合が生じるのかどうか。つまり、不招請勧誘の禁止というものを商品先物に設けたら、非常に大きな問題が生じるよということがあるのかどうかというのをお聞きしたいというふうに思います。

 先ほどの営業の自由の、この話はもうクリアしていると思うんですよ。ほかの金融商品と大体同じ機能を持っていたら同じように利用者保護を図るというのは、まさにこの法案の趣旨であるわけですから。さらに今申し上げているのは、商品先物の特性に応じて、不招請勧誘の禁止を設けることによって何か不都合が生じるのかということをお聞きしたいというふうに思います。

岩原参考人 大変申しわけないんですけれども、私、正直申しまして商品先物取引については余り詳しくないので、もし不招請勧誘の禁止のルールが商品先物取引に導入されたときにどんな不都合が生じるかというところまでは、正直ちょっとわからないとしか申し上げられないと思います。

北神委員 大田先生も、同じ質問で。

大田参考人 お答えします。

 商品先物について、先ほど私申し上げましたとおり、個人の、一般大衆の人たちの参加者が九割だということですが、これはほかの国ではないことなんですね。ですから、日本のこれまでの商品先物市場が、そういった、つまりそれまで全くかかわりのない人に勧誘して、もうかりますよと言ってやらせている人たち九割で成り立っている市場であるということ自体がそもそも問題でありまして、そういった勧誘で入ってくる人たちを排除して、本来自発的に入ってくる、いわゆるリスクヘッジのために入ってくる人たちの広い市場にすることがむしろ望ましいことであります。

 逆に言えば、一般の、経験のない、いわゆる取引については何も知らない人にそこまでして市場に参加していただかなきゃいけないのかどうか。そういった人たちが入らない市場であった方が非常に公正な価格形成ができるわけですから、本来はそういう方向に向かわなきゃいけないものだというふうに考えております。

北神委員 ありがとうございます。この論点についてはこれまでにしたいというふうに思います。

 次に、商品先物につきまして、まさにこれは、金融庁の所管ではなくて経済産業省とか農林水産省が監督、検査の責任を持っている、権限も持っているということでございます。

 私も、大分前ですけれども財務省の方で金融関係の仕事もさせていただいたことがあって、当時から投資サービス法の議論がされていて、当時から商品先物の話も議論になっていた。私も直接やっていなかったので別に詳しいわけではないんですが、そして、そのときから経済産業省、当時通産省とか農林省との一種省庁間の緊張感みたいなものがあったというふうに思います。

 単なる権限の争いだったら、こんなものは無視をしてあるべき姿に持っていくというのが我々の責任だというふうに思いますが、ただ、先ほど申し上げたように、商品先物というのは普通の金融商品と違う側面がありますので、やはりそこはきちっと検討すべきだというふうに思いますので、そういった観点から御質問をしたいというふうに思います。

 それで、我々が単純に考えるのは、先ほどお話があったように、商品先物は非常に被害の件数が多い、そしてほかの商品、デリバティブとかそういったものと類似の性質を持っている中で、今の経済産業省とか農林水産省の監督、検査体制というのは極めて貧弱なものであるわけでございます。経済産業省は本省と地方の部門を含めて合計四十七名しかいない。金融庁はちなみに三百以上いるわけですよね。農水省の方も本省と地方を合わせて大体三十八名ぐらいだ。これは非常に少ないわけでございます。

 ですから、いわゆる投資サービス法の対象にしなくても大丈夫なんだ、今の経済産業省と農林水産省がきちっと監督して検査をすれば大丈夫なんだ、仮に百歩譲ってそういったことを考えるとしても、少なくとも今の体制では厳しいものがあるわけでございます。

 したがって、普通の発想でいけば、金融庁と共管にしたらいいんじゃないかというふうになるわけです。つまり、ある程度の体制が充実していて専門性を持っている金融庁の人たちも、現物じゃなくてむしろ金融商品としての機能の部分に着目をして、商品先物についてきちっと監督そして検査をしていくというふうに思うんですが、これについて、岩原先生、大田先生ももしよろしければ、お考えをお聞かせ願えればと思います。

岩原参考人 そういう監督行政の、実際は余り存じませんのできちんとしたことは申し上げられないんですけれども、ただ、何よりも、本来は農水省、経産省がきちんと監督するのが本筋だと思っておりまして、先生おっしゃるとおり、実物の側面もある以上そちらの面についての配慮も必要ですから、本筋であれば経産省や農水省がきちんと監督するのが一番望ましいと思います。

 共管にした場合の問題としては、一つは、共管にしたときいわば二重の監督を受けることになるので、基本的には、監督を受ける側としては、二重の監督というのはいろいろ問題が生じることが多いのでできれば避けたいということがあると思います。

 もう一つは、確かに金融庁は相対的に言えば経産省や農水省よりも検査官等たくさんの人員をそろえていますが、ただ一方で、金融庁もどんどん職務が大きくなって、先ほど申し上げましたようにSECと比べると逆に十分の一しかないわけで、金融庁だってゆとりがあるわけではありませんので、共管にしたときに金融庁が一体どこまでのことができるかということも、実際の問題としては検討する必要があるのかなと思っております。

 以上です。

大田参考人 農水省、経産省がこれまでずっと商品先物について監督をしてこられたわけですが、その結果が今の状況なわけですよね。ですから、それを見れば、やはりこれでは不十分だというふうに言わざるを得ないわけです。

 それから、私個人的に思いますのは、農水省、経産省というのは、いわゆる商品先物市場を広めて育成していく、振興していくという方向での立場もあるわけですね。ですから、そういったものと、それから顧客側に立っていろいろな問題をチェックする、ここはやはり少し独立した形でやっていただかないといけないのかな、これは私の個人的な意見もあります。

 ですから、そういった意味でも、農水省、経産省の監督下だけではもう不十分だ、もう少し別な形で、少し独立したチェックをする必要もあるのではないかというふうに考えております。

北神委員 わかりました。

 岩原先生がおっしゃるのは、二重の監督の危険性があるのと、今金融庁の体制それ自体が不十分だと。その後者の部分はおっしゃるとおりで、多分ここにおられる委員の皆さんも、人員の拡充というものを図っていかなければならないと。共管の部分は、これはたしか共管の部分はあるんですよね、不動産関係とかそういったいろいろの、あるので、それがどういうふうに機能しているかというのは検証していかなければならないと思いますが、いずれにせよ、今、大田先生もお話がありましたように、市場育成というか業界育成の立場と利用者保護の立場というのは確かに利益相反するところもありますので、そこのところをやはり我々も考えていかなければならないというふうに思います。

 それで、もう用意した質問は大体終わってしまったんですが、最後にもう一点だけお伺いしたいのは、大田先生に対してですが、この商品先物というのは、先ほど申し上げたように、実物の部分と金融商品の部分がある。多分、大田先生はすべてのそういう投資商品の苦情案件というものを扱っているというふうに思うんですが、不招請勧誘の禁止の話も出ましたが、何かほかにこの商品先物について特別に配慮をしなければならない、それに応じてちょっと異なった規制をかけないといけないとか、そういった点があるかどうかというのをお聞きしたいと思います。

大田参考人 ちょっと難しい質問なんですけれども、今までの繰り返しになるかもしれないんですけれども、商品先物については先ほどから私何回も申し上げておりますように、その市場への参加者がどういう人たちがふさわしいのか、これをやはり考えていかなきゃいけないと思うんですね。

 日本の商品先物の今までの流れは、昭和三十年代以降、勧誘によって一般の人たちが多数参加する市場であったわけですが、本来こういう市場が望ましいのかどうか。商品先物というもともとの機能を考えるとハイリスク・ハイリターンな金融商品でありますから、そういったところにどのような人たちが参画したらいいのか。

 それから、当然価格形成という機能もあるわけですから、一般の人たち、そういう勧誘された人たちが九割入ってくる市場でそういうことができるのかどうか、そういった観点をもう少し考えていただく必要が出てきているんじゃないかというふうに考えております。

北神委員 ありがとうございます。

 本日の審議で出てきた話で、不招請勧誘の禁止というものを商品先物に適用すべきではないかという話と監督体制の話について、ぜひ今後の審議の中で議論していただければというふうにお願いを申し上げまして、質問といたします。

 ありがとうございました。

小野委員長 以上で北神圭朗君の質疑を終了といたします。

 続きまして、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 お二人の参考人、大変御苦労さまでございます。

 今回提案された法案の基本的な性格をどう受けとめておられるか、まず、大田参考人にお聞きをしたいと思います。

 私は、金融被害をなくし被害者を救済する、そのことを通じまして市場の信頼を確保していくということが大変重要だと考えております。しかし、提案された法案は、消費者という言葉が一言もございません。消費者保護ではなく投資家保護であります。しかも、法の枠組みとしましては証取法を踏襲しておりまして、どうも業法としての整備に中心が置かれているように思うんですが、大田参考人はどのようにこれをお考えか、お聞かせいただきたいと思います。

大田参考人 お答えします。

 このいわゆる金融サービス法の議論というのは、十年ぐらい前のビッグバンのときに規制緩和が言われた時代に、規制緩和でいろいろな規制を撤廃する、しかしその反面でいわゆる投資家の保護をきちっとしなきゃいけない、こういう議論の中でずっと展開されてきたと思うんですが、なぜか、いわゆる規制緩和の方はどんどん進んで、いろいろな取引に対する規制がなくなっていったわけですけれども、消費者保護というか投資家保護というか、そういう観点だけがずっと見落とされてきた。それで、今回初めてその消費者保護というか投資家保護に近いような発想で話が進んできたわけですが、実際上はやはりいろいろな省庁間の問題もあり、結局、本来あるべき姿からするとかなり外れた、つまり、本来の意味での投資家保護につながるような内容になっていないというふうに私は考えております。

佐々木(憲)委員 そこで、金融商品の範囲の問題、先ほどから議論になっておりますが、以前はかなり広い範囲が対象として議論されていたと思うんですね。

 例えば、平成十一年七月の金融審第一部会の中間整理によりますと、株券や公社債券といった証券取引法上の有価証券はもとより、信託の受益権、預貯金、保険、融資といった伝統的な金融商品を初めとして、デリバティブ取引さらには集団投資スキームの商品についても対象として含まれるべきである、このように非常に幅広く金融商品をとらえていたわけであります。

 しかし、今回出された法案は、投資性商品ということに限定をされまして、商品先物取引がそこから除外をされている。さらに、融資が外され、預貯金、保険の一部が外されているわけです。しかし、本来ならこういうものもすべて対象として含まれるべきだと私は思うわけです。

 そこで、岩原参考人に、融資が外された原因というのはどうもよくわからないとおっしゃいましたけれども、これは銀行の影響をかなり受けたんじゃないか。といいますのは、銀行側としてはなるべくこういうものは規制の対象からは外してほしいというのは当時からいろいろ言われていたわけでありまして、そういう意味で、その影響があったのではないかと思いますが、どのように受けとめておられるか。

 それから、お金の流れからいうと、利用者からお金を出すという性格に着目をしているというふうにおっしゃいましたが、銀行からお金を出す、これは融資でありますが、それは外される。それは、形式的に言えばそうかもしれませんけれども、実態からいいますと、銀行の最大の金融商品は何か、これは融資ですからね。それを外すのはいかがなものかというふうに、私なんかは思うわけです。

 その点で岩原さんのお考えをお聞かせいただきたいと思います。

岩原参考人 まず、最初の御質問でございます、融資が外された原因、これはもうさっき申し上げたとおりでございまして、実際上どういう経緯で審議会の検討対象から外されたのかは、私自身は承知しておりません。少なくとも理屈としては、さっき申し上げたように、違った側面があって、統一的なルールをつくる上では、銀行の融資の面ではなくて、むしろ受信する面、利用者からお金を出してもらう側面の方だけを検討対象にしたということではないかと思います。

 それと、もう一つの御質問で、銀行にとっては融資というのは最大の金融商品ではないかと。何をもって最大というかは呼び方次第で、一方で言えば、預貯金がある意味で最大の商品でもあると言えるかもしれませんが。ただ、銀行にとって非常に重要な商品であることは確かでありまして、融資について利用者保護を図っていかなければならない面があるということは確かであります。

 かつては、銀行、特に都市銀行はほとんど大企業にしか融資していなかったわけでありますから、融資の面について特に利用者保護を図らなくても、大企業の方は銀行とちゃんと交渉能力がありますから、それほど心配しなくてよかったわけでありますけれども、最近では大銀行も消費者や中小企業等に対する融資がむしろ融資の中心になってきておりますから、そういうことも考えると、銀行融資についても、利用者保護についての法制整備を今後図っていく必要があると私も考えております。

 以上です。

佐々木(憲)委員 岩原参考人は、昨年五月二十七日の金融審の金融分科会第一部会、先ほどほかの委員の方が引用された、変額保険と融資の一体商品の発言をされていますけれども、ここで、勧誘、販売のあり方が非常に問題になったというふうにおっしゃっておられますが、どのような問題というふうに感じておられるか、もう少し具体的にお聞きをしたいと思います。

 もう一つは、顧客に対する説明等のルールについては今後ぜひ検討が必要であるしお願いしたいというふうに発言されておられますが、この意味といいますか、どのようなお考えでこういう発言をされたのか、この二点、お聞かせいただきたいと思います。

岩原参考人 確かに私はそのような発言を金融審議会において行いました。

 なぜそういう発言をしたかと申しますと、実際、銀行をめぐる訴訟のかなりの部分が、融資といわば投資性のある商品を一体にして扱った事件が多かった。とりわけ変額保険では数百件の事件が起きています。そういうところでは、特にあれはバブルのときに問題であったんだと思うんですけれども、いわば銀行の方がむしろ中心になって、保険商品の説明も含めて、銀行の方が主導権を持って融資と変額保険との一体の売り込みを顧客の方にした場合があって、そのときの説明が不十分だったために、変額保険が持っているリスクを十分理解しないままに、いわば節税商品のような形で銀行融資を受けた上で変額保険に入ったところ、変額保険の価値が非常に暴落してしまって、そして融資が返せなくなって困ったという被害者の方がかなり出られた。

 この場合、そういうような融資と変額保険なんかの商品を一体にして売り込みを図って、しかも銀行が主導権を持って売り込みを図ったようなときは、これはやはり当然銀行としてもきちんと利用者の方にその商品の性格等を説明して、きちんとリスクを理解した上で入っていただくという必要がありますので、従来裁判所に出てきた事案の中にはそういう点でかなり問題のあった事案があるように思いますので、そういった説明義務等について今後なるべく法制整備を図っていく必要があると考えております。

佐々木(憲)委員 大田参考人にお伺いします。

 イギリスの場合、商品先物取引や融資などが金融サービス市場法の規制対象に入っているというふうにお聞きしますけれども、今回はそれがそうなっていないわけであります。議論としては、ホップ、ステップ、ジャンプで、今はステップだからそこまで行かないんだ、ジャンプの際には入れるんだという話があります。

 それで、イギリスの具体的な事例、あるいは、諸外国でこういう金融商品の範囲というものをどのように規定しているのか、どういう規制があるのか、ぜひ御紹介をいただきたいと思います。

大田参考人 先ほど先生御指摘があったイギリスの金融サービス市場法の中で、一連の、すべての包括的な規定がなされているということで、私もちょっとほかの諸外国の例を余り存じ上げませんのでそこのところしか答弁としてはできないんですけれども、やはり、先ほどあったように、漏れが今あるわけですね。ですから、漏れがあるんだけれどもとりあえずホップでいいんだということではないと思うんですね。

 つまり、現在、漏れているものについて、私が指摘したような商品デリバティブ関係においては非常に被害が出ていて、しかもそれがまた拡大しようとしている。そういう中で、そこはおいておいてとりあえずホップでというわけにはいかない。消費者の立場からいえば、ここをまずきちっとしていただかないと先には進めないと思うんですね、というふうに私は考えております。

佐々木(憲)委員 では次に、不招請勧誘の問題についてお聞きしたいと思います。

 今提案されている法案では、極めて狭い範囲に限定をされていると私は感じております。対象は政令で定めると。

 現在のところ、店頭の金融先物取引、外国為替証拠金取引しか対象になっておりません。取引所金融先物取引、すなわち市場の外国為替証拠金取引は、再勧誘禁止の対象とされて、不招請勧誘の禁止の対象からは外されております。ということは、極めて限定された部分しか、いわば店頭商品先物取引しかこれは対象にならないというわけであります。そうなりますと、不招請勧誘というのはほとんどの分野で野放しという状況ではないのか。適合性原則の遵守の網はかぶっているといいますけれども、不招請勧誘についてはフリーパス。

 私は、まずは網羅的に不招請勧誘全体を規制する、その上で、個々の取引を検討して、害がないものだと判断されるときにはその規制を外す、そういう発想が必要ではないのかと思うんです。

 何も一〇〇%規制せよと言っているんじゃなくて、発想の順序が逆になっているのではないかと思いますが、お二人のそれぞれのお考えをお聞かせいただきたいと思います。

岩原参考人 お答え申し上げます。

 原則、不招請勧誘禁止の原則を適用した上で問題のないものを外すのか、原則として不招請勧誘の禁止の原則があるとはしない上で、問題がありそうなものを指定するのか、それは言い方の違いでありまして、問題は、実質、どういうものに不招請勧誘の禁止の原則を適用し、どういうものに適用しないかということだと思っております。

 先ほど御指摘のありました店頭の金融先物等について、これはかなり問題が起きているので適用する。ではその次に、店頭でない市場物についてどうかというふうに考えていきますと、市場物でありますと、少なくとも、相対的に言えば、店頭物に比べれば価格形成の透明性とかそういったところはありますので、さっき申しましたように、不招請勧誘の原則を全面的に適用してしまいますと、ほとんど実質的にその商品を利用できなくなるのに近い部分がございます。

 これは政令で指定されることですから最終的にどういうふうな政令指定になるか私は存じませんけれども、多分そういうことで、店頭物と市場物でとりあえず違った扱いをしようという考え方が出てきているのかと理解しております。

 以上です。

大田参考人 お答えします。

 不招請勧誘につきましては、日本では先ほどの金融先物取引法の中で初めて採用されたわけですけれども、諸外国では既にもう少し広く適用がされているわけですね。

 例えばEU諸国においては、二〇〇三年七月に通信に関する指令というのがなされて、十月末からは、消費者の事前の同意がない限り、ダイレクトマーケティングの目的で電話する、あるいはファクス、メールを送信することは禁止されていたり、それからアメリカでも、二〇〇三年の十月以降は、ドゥー・ノット・コールという、リストに登録した人については勧誘を行ってはならないとか、そういう形で幅広くもう既に行われているわけですね。

 ですから、日本においてだけなぜそんなに不招請勧誘を最初から限定的にしなきゃいけないか、そういう理由はないわけですよね。ですから、まず、先生言われたように、広く不招請勧誘を適用していって、それから問題のないところは除外していく、これが本来あるべきものだというふうに私は考えております。

佐々木(憲)委員 岩原参考人にお聞きしますけれども、政令で指定をする場合、今の法案ですと、被害が起きて、訴えがあって、調査をし、これは大変な事態だというのがわかって、その上で議論をした上で政令で指定する、こうなるわけでありまして、その間に被害が広がる。そして、ではその被害を受けた方々の補償は一体どうするのか、こういう問題も生じてくると思うんです。

 そういうことからいいますと、私は、先ほど先生はどちらからやろうがそれほど違いがないとおっしゃいましたけれども、しかし、手順としては全く違うことになるのではないかと思うので、そういう意味で、一度全体的に、この不招請勧誘については厳しく、諸外国と同じように、EUもアメリカもイギリスもドイツも、今、大田先生がおっしゃいましたが、そういう前例を参考にしながらやはり適用すべきではないかというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。

岩原参考人 お答え申し上げます。

 確かに、政令指定をすることによって初めて不招請勧誘の禁止の原則が適用されるということになりますと、政令指定がなされるまでの間に被害が起こり得る可能性はあり得るということになります。

 ただ、一方で考えますと、最初から不招請勧誘の原則が適用されるということになりますと、事実上いわばそういった商品の提供が難しくなるという側面がありまして、あるサービスの適用というのは当然マイナスのこともあればプラスのこともあり得るわけで、本当にその商品が、いわば消費者がアクセスすべきものでないということを事前に判断して、一切市場に出てこないのに近いようなことにしていいのかどうか、これはなかなか難しい問題だと思っておりまして、明らかにこの仕組みというのはこれは消費者を食い物にするようなものだ、そういうのは当然当初から指定して不招請勧誘を禁止とすべきだと思いますけれども。

 本当に、いわば消費者にとってアクセスすべきでない商品かどうか何とも言えない段階で、少しでも疑いがあればすべて不招請勧誘の禁止の原則をあらかじめ適用しておいて、そもそも被害が全く起きないようにする方がいいのかというと、これはちょっと微妙な判断になるのかなという感じがしております。

 以上です。

佐々木(憲)委員 大田先生にお伺いしますが、これは先ほど、一度網羅的に禁止をしてそれで検討して外すという考え方をおっしゃいました。今の岩原先生のお考えは、そういうことをやりますと事実上その商品の提供が難しくなるというようなことで、いわば消費者が市場でどのような商品があるのかということを理解する機会を失うという話をされたわけです。

 私は、そういう商品があるかないかというのは、広告がなされていれば、何も直接本人に売り込まなくても、その広告を見てアクセスすれば商品の購入ができるというふうに単純に考えるのですけれども、大田先生はこの辺はどのようにお考えでしょうか。

大田参考人 お答えします。

 私も、先生言われるとおり、同じような意見でございまして、そもそも、いわゆる勧誘からいろいろな商品の取引に入らなきゃいけないのかどうかというのがあると思いますよね。ですから、いろいろな情報は、それ以外にいろいろと消費者の方には流れるわけですから、消費者が自分で判断して、その上で取引に入ることだってできるわけでありまして、必ずしも、そういう勧誘から入らなければ消費者がそういった商品に関与できないとか、そういうことでは全然ないわけですから、そういう、先生言われたような形で、消費者が理解した上で入っても決して問題はないというふうに考えています。

佐々木(憲)委員 昨年の十二月二十二日の金融審議会金融分科会第一部会の議事録というのを見させていただいたんですが、業界の代表の発言がいろいろありまして、その中に、不招請勧誘の規制についてこう言っているんですね。少し緩めた規定にして早くよい商品の存在を知っていただくことが、実際に取引のニーズのある方々をむしろ実質的に救済することになるのではないかとか、あるいは、不招請勧誘の禁止というのを拡大解釈していくというのは非常に問題であるというふうにおっしゃっているわけで、業界の代表は、この不招請勧誘の禁止に非常に強く抵抗しているというふうに私はこの議事録で印象を受けました。

 この十二月二十二日の会合には岩原先生はお出になっておられるのかどうか、ちょっとよくわかりませんけれども、この業界の代表のこういう見解と消費者の代表の見解というのはやはりかなり私は対立的だと思います。

 目的は一体どこに置くのかということであって、やはり私は、圧倒的多数の国民の利益、これをどう守るかということが非常に大事なことだというふうに思うわけで、その点、岩原先生の、この審議会の審議の状況、業界代表のこういう発言というのは今回の法案に私は影響したのかなというふうに思いますが、どのようにお感じか、お聞かせいただきたいと思います。

岩原参考人 業界代表の方の御発言がどれだけ影響したのか、私はよく存じ上げないんですけれども、ただ、業界代表以外の委員の方の中でも、実は、特に経済学者の方を中心に、むしろなるべくそういう商品へのアクセスのチャンスを保障すべきで、一般的に不招請勧誘ということになってしまうと、そもそもそういうマーケットができる可能性をふさいでしまうんじゃないかという危惧を持たれた方がいらしたことは確かでありますし、経済学者以外の、あるいは、いわゆる業界の人以外のビジネス界の方の中でもそういう御意見の方があったように記憶しております。

 以上です。

佐々木(憲)委員 昨年十月五日の金融分科会第一部会でこういう議論もあるんですね。不招請勧誘についても原則不招請勧誘の禁止をすべきだ、今までの縦割りの法律を横に見る場合でも説明義務なり適合性原則のところについてはかなり似たような規制がなされているわけで、それを共通化することは全然無理ではない、そういう意見も出ているということであります。

 最後に大田参考人にお伺いしますが、ホップ、ステップ、ジャンプのジャンプのところですね。どのようなものにしていくのが消費者にとって利益になるのか、最後にその点をお聞かせいただいて終わりたいと思います。

大田参考人 お答えします。

 これは本来当然のことだと思いますが、やはり、各金融商品に横断的に包括的に規制をするということが本来あるべき姿であることは間違いないわけでありますから、そういう形に持っていかなければいけない、これは明らかです。

 ですが、ただ、現在すき間のあるところ、これを放置してはいけないわけでありますから、最終的に目標がそこであるから今すき間があってもいいというわけにはいかないわけでして、最低限すき間がないような形で、今回議論されている法律がそういう形でスタートしなければいけないというふうに考えています。

佐々木(憲)委員 ありがとうございました。

 終わります。

小野委員長 以上で佐々木憲昭君の質疑を終了いたします。

 これにて本日の参考人に対する質疑は終了いたしました。

 この際、参考人お二人に対して一言御礼を申し上げたいと存じます。

 きょうは非常に有意義な議論を展開することができました。貴重な御意見をいただきましたことに、深く感謝申し上げたいと思います。

 委員会を代表しての御礼といたします。ありがとうございました。(拍手)

    ―――――――――――――

小野委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 各案審査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、来る五月九日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時五十九分散会


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