衆議院

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第18号 平成18年6月13日(火曜日)

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平成十八年六月十三日(火曜日)

    午後一時四十五分開議

 出席委員

   委員長 小野 晋也君

   理事 江崎洋一郎君 理事 七条  明君

   理事 宮下 一郎君 理事 山本 明彦君

   理事 渡辺 喜美君 理事 小沢 鋭仁君

   理事 古本伸一郎君 理事 石井 啓一君

      井澤 京子君    伊藤 達也君

      石原 宏高君    小川 友一君

      越智 隆雄君    大野 功統君

      河井 克行君    木原  稔君

      佐藤ゆかり君    鈴木 俊一君

      関  芳弘君  とかしきなおみ君

      土井 真樹君    中根 一幸君

      萩山 教嚴君    広津 素子君

      藤野真紀子君    松本 洋平君

      小川 淳也君    鈴木 克昌君

      田村 謙治君    平岡 秀夫君

      三谷 光男君    吉田  泉君

      鷲尾英一郎君    谷口 隆義君

      佐々木憲昭君    中村喜四郎君

    …………………………………

   財務大臣         谷垣 禎一君

   国務大臣

   (金融担当)       与謝野 馨君

   内閣府副大臣       櫻田 義孝君

   財務副大臣        竹本 直一君

   内閣府大臣政務官     後藤田正純君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局長)  三國谷勝範君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局総括審議官)          中江 公人君

   政府参考人

   (金融庁検査局長)    西原 政雄君

   政府参考人

   (金融庁監督局長)    佐藤 隆文君

   政府参考人

   (金融庁証券取引等監視委員会事務局長)      長尾 和彦君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 三浦  守君

   政府参考人

   (国土交通省土地・水資源局長)          阿部  健君

   財務金融委員会専門員   鈴木健次郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月八日

 委員西田猛君が死去された。

    ―――――――――――――

五月十七日

 大衆増税反対に関する請願(小宮山洋子君紹介)(第二〇一〇号)

 同(松木謙公君紹介)(第二〇三四号)

 同(松原仁君紹介)(第二一〇四号)

 共済年金の職域部分堅持等に関する請願(横山北斗君紹介)(第二〇一一号)

 同(橋本岳君紹介)(第二一五八号)

 大増税に反対することに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二〇九三号)

 同(石井郁子君紹介)(第二〇九四号)

 同(笠井亮君紹介)(第二〇九五号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二〇九六号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第二〇九七号)

 同(志位和夫君紹介)(第二〇九八号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二〇九九号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二一〇〇号)

 同(吉井英勝君紹介)(第二一〇一号)

 消費税の大増税反対に関する請願(志位和夫君紹介)(第二一〇二号)

 大増税反対に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第二一〇三号)

同月二十四日

 大増税に反対することに関する請願(笠井亮君紹介)(第二二七一号)

 同(志位和夫君紹介)(第二二七二号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二二七三号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二二七四号)

 大増税反対に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二二七五号)

 同(石井郁子君紹介)(第二二七六号)

 同(笠井亮君紹介)(第二二七七号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二二七八号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第二二七九号)

 同(志位和夫君紹介)(第二二八〇号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二二八一号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二二八二号)

 同(吉井英勝君紹介)(第二二八三号)

 出資法の上限金利の引き下げ等に関する請願(笠井亮君紹介)(第二二八四号)

 保険業法の適用除外を求めることに関する請願(志位和夫君紹介)(第二三二二号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二三二三号)

同月二十九日

 大増税反対に関する請願(笠井亮君紹介)(第二三七四号)

 大衆増税反対に関する請願(近藤洋介君紹介)(第二三七五号)

 同(平岡秀夫君紹介)(第二三七六号)

 出資法の上限金利の引き下げ等に関する請願(阿部知子君紹介)(第二四三七号)

 同(木原稔君紹介)(第二四三八号)

 同(高村正彦君紹介)(第二四三九号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第二四九一号)

六月五日

 出資法の上限金利の引き下げ等に関する請願(高市早苗君紹介)(第二五五三号)

 同(阿部知子君紹介)(第二六七三号)

 庶民大増税等に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二五九二号)

 同(石井郁子君紹介)(第二五九三号)

 同(笠井亮君紹介)(第二五九四号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二五九五号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第二五九六号)

 大衆増税反対に関する請願(菅直人君紹介)(第二五九七号)

 サラリーマン増税・消費税増税に反対することに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第二七〇五号)

 消費税の大増税反対に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第二七〇六号)

 定率減税縮小・廃止と消費税の大増税反対に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第二七〇七号)

同月八日

 消費税の大増税反対に関する請願(志位和夫君紹介)(第二七四六号)

 大増税反対に関する請願(志位和夫君紹介)(第二七四七号)

 定率減税縮小・廃止と消費税の大増税反対に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第二七四八号)

 保険業法の適用除外を求めることに関する請願(金田誠一君紹介)(第二七四九号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第二七五〇号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二八七三号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第二八七四号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二八七五号)

 同(達増拓也君紹介)(第二八七六号)

 庶民大増税等に関する請願(志位和夫君紹介)(第二七五一号)

 消費税・住民税・所得税の大増税反対等に関する請願(笠井亮君紹介)(第二八七二号)

同月九日

 中小自営業の家族従業者等のための所得税法の改正等に関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第二九八四号)

 同(原口一博君紹介)(第三二四五号)

 出資法の上限金利の引き下げ等に関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第二九八五号)

 大増税に反対することに関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第三一五二号)

 消費税・住民税・所得税の大増税反対等に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第三一五三号)

 消費税の大増税反対に関する請願(穀田恵二君紹介)(第三一五四号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第三一五五号)

 同(石井郁子君紹介)(第三三三〇号)

 大増税反対に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第三一五六号)

 定率減税縮小・廃止と消費税の大増税反対に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第三一五七号)

 保険業法の適用除外を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第三一五八号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第三一五九号)

 同(葉梨康弘君紹介)(第三三三一号)

 消費税の改悪と大増税反対に関する請願(辻元清美君紹介)(第三二四四号)

同月十二日

 大増税に反対することに関する請願(吉井英勝君紹介)(第三四四二号)

 同(笠井亮君紹介)(第三五三二号)

 庶民大増税等に関する請願(石井郁子君紹介)(第三四四三号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第三四四四号)

 消費税・住民税・所得税の大増税反対等に関する請願(石井郁子君紹介)(第三五三三号)

 同(笠井亮君紹介)(第三五三四号)

 同(志位和夫君紹介)(第三五三五号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第三五三六号)

 大増税反対に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第三五三七号)

 同(石井郁子君紹介)(第三五三八号)

 同(笠井亮君紹介)(第三五三九号)

 同(穀田恵二君紹介)(第三五四〇号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第三五四一号)

 同(志位和夫君紹介)(第三五四二号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第三五四三号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第三五四四号)

 同(吉井英勝君紹介)(第三五四五号)

 大衆増税反対に関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第三五四六号)

 出資法の上限金利の引き下げ等に関する請願(枝野幸男君紹介)(第三五四七号)

 共済年金の職域部分堅持等に関する請願(古屋圭司君紹介)(第三五四八号)

 保険業法の適用除外を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第三五四九号)

 同(石井郁子君紹介)(第三五五〇号)

 同(笠井亮君紹介)(第三五五一号)

 同(穀田恵二君紹介)(第三五五二号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第三五五三号)

 同(志位和夫君紹介)(第三五五四号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第三五五五号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第三五五六号)

 同(吉井英勝君紹介)(第三五五七号)

同月十三日

 保険業法の適用除外を求めることに関する請願(阿部知子君紹介)(第三六五一号)

 同(柚木道義君紹介)(第三七九七号)

 自主共済の健全な発展と運営に関する請願(川内博史君紹介)(第三七九〇号)

 同(柚木道義君紹介)(第三七九一号)

 消費税の大増税反対に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第三七九二号)

 大衆増税反対に関する請願(笠井亮君紹介)(第三七九三号)

 同(末松義規君紹介)(第三七九四号)

 共済年金の職域部分堅持等に関する請願(戸井田とおる君紹介)(第三七九五号)

 定率減税縮小・廃止と消費税の大増税反対に関する請願(笠井亮君紹介)(第三七九六号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 連合審査会開会申入れに関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 金融に関する件(破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告)

 財政及び金融に関する件


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     ――――◇―――――

小野委員長 これより会議を開きます。

 この際、連合審査会開会申入れに関する件についてお諮りいたします。

 法務委員会において審査中の内閣提出、信託法案及び信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案について、法務委員会に対し連合審査会開会の申し入れを行いたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 なお、連合審査会の開会日時等につきましては、法務委員長と協議の上、公報をもってお知らせいたします。

     ――――◇―――――

小野委員長 金融に関する件について調査を進めます。

 去る平成十七年六月十七日及び十二月十三日並びに平成十八年六月九日、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づき、それぞれ国会に提出されました破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告につきまして、概要の説明を求めます。金融担当大臣与謝野馨君。

与謝野国務大臣 金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、平成十六年十月一日以降平成十八年三月三十一日までの期間につき、六月ごとを報告対象期間として、その間における破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を、それぞれ、昨年六月十七日、昨年十二月十三日及び本年六月九日に国会に提出申し上げました。

 本日、これらの報告に対する御審議をいただくに先立ちまして、簡単ではございますが、その概要について御説明申し上げます。

 初めに、特別危機管理銀行である足利銀行について申し上げます。

 足利銀行については、平成十五年十一月二十九日、特別危機管理開始決定がなされて以来、預金保険法に基づき所要の措置が講じられてきたところであります。今回御審議いただく報告対象期間中には、まず、平成十六年十月八日に、業務及び財産の状況等に関する報告、及び、特別危機管理開始決定の公告時における資産及び負債の状況の公表が行われております。

 次に、経営に関する計画の履行状況の報告として、平成十六年九月期におけるものが平成十六年十二月一日に、平成十七年三月期におけるものが平成十七年五月二十五日に、平成十七年九月期におけるものが平成十七年十一月二十五日に、それぞれ足利銀行より提出されております。

 また、同行により、平成十七年二月四日には旧経営陣に対して、同年九月十六日には旧監査役及び旧会計監査人に対して、損害賠償を求める訴訟が提起されております。

 さらに、平成十七年三月二十二日に五百六十四億円、平成十八年二月六日に二百三十五億円の資産の買い取りが、預金保険機構の委託に基づき整理回収機構により実行されております。

 次に、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容について申し上げます。

 金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は、今回の報告対象期間中には行われておりません。

 続いて、新生銀行及びあおぞら銀行からの預金保険機構による瑕疵担保条項に基づく債権買い取りについて申し上げます。

 今回の報告対象期間中に預金保険機構が引き取った案件は、新生銀行についての四件で、債権額百三十二億円、支払い額百二十二億円となっており、これまでの累計で、両行から引き取った案件は四百八十六件、債権額一兆六千五百八十六億円、支払い額一兆二千二百二十六億円となっております。なお、今後、両行から新たに引き取る案件はありません。

 続いて、預金保険機構による主な資金援助等の実施状況及び政府保証つき借り入れ等の残高について申し上げます。

 破綻金融機関の救済金融機関への営業譲渡等に際し、預金保険機構から救済金融機関に交付される金銭の贈与に係る資金援助は、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で十八兆六千百五十四億円となっております。

 また、預金保険機構による破綻金融機関からの資産の買い取りは、今回の報告対象期間中には足利銀行からの七百九十九億円、これまでの累計で六兆四千五百十三億円となっております。

 これらの預金保険機構による資金援助等に係る平成十八年三月三十一日現在の政府保証つき借り入れ等の残高は、一般勘定、金融再生勘定、金融機能早期健全化勘定、危機対応勘定及び金融機能強化勘定の各勘定合計で十二兆七千九百十六億円となっております。

 最後に、参考として報告しております公的資本増強行に対する取り組みのうち主なものとして、りそなホールディングス及びりそな銀行において、経営健全化計画が見直され、平成十六年十一月十八日に公表されております。

 ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しては、これまでも適時適切に所要の措置を講じることに努めてきたところであります。金融庁といたしましては、今後とも、我が国の金融システムの一層の安定の確保に向けて万全を期してまいる所存でございます。

 御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。

小野委員長 これにて概要の説明は終わりました。

     ――――◇―――――

小野委員長 財政及び金融に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、政府参考人として金融庁総務企画局長三國谷勝範君、金融庁総務企画局総括審議官中江公人君、金融庁検査局長西原政雄君、金融庁監督局長佐藤隆文君、金融庁証券取引等監視委員会事務局長長尾和彦君、法務省大臣官房審議官三浦守君、国土交通省土地・水資源局長阿部健君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

小野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山本明彦君。

山本(明)委員 自由民主党の山本明彦です。

 私は、主に不動産の信託についてお伺いをしたいというふうに思います。

 最近の金融庁の活躍というのは目をみはるものがある、そういった意味では大変評価をされておるというふうに思います。

 私も、ある行政処分を受けた関係者にお話をこの前お伺いしたことがありまして、最近の金融事犯というんですか、大変ふえていますけれども、一体何が原因なんでしょうか、どう思いますかと言って関係者の人に聞いてみました。そうしましたら、バブル以降景気が悪かったせいもありますが、やはり利益追求に走り過ぎた、しかし、今回こうした処分を受けてみて感じたんですが、やはり失った利益は大変大きい、これを言っておりました。これからはやはりコーポレートガバナンス、コンプライアンス、本当に本気で取り組む時代になったと、まさに真顔で真剣に話をしておりました。

 そういった意味でいきますと、今回の金融庁のいろんな処分、いろんな事件でありますけれども、厳し過ぎるという意見も時々耳にはいたしますけれども、やはり自信を持ってこれからもお進めをいただきたい。それによって、まさに日本の企業価値が上がりますし、世界から信頼される日本の企業ができる、市場が信頼される、こんなふうに思いますので、これからもぜひ頑張っていただきたいと思います。

 そうした処分の中で、今回、不動産の信託について、JPモルガン信託銀行と新生信託銀行が行政処分をされました。その点についてお伺いをしたいというふうに思います。

 信託というのは、まさに信じて託すわけであります。委託者が受託者を信じて託します、受益者は受託者を信じて投資をするわけでありますから、これはやはり信託銀行としての姿勢というのは大変重要なものだと思いますけれども、本来、信託銀行はどうあるべきか、どんな役割なのか、金融担当大臣にお伺いしたいと思います。そして、今回処分を受けましたJPモルガン信託と新生信託について、どんな善管注意義務違反があったのか、その点について大臣からお伺いしたいと思います。

佐藤政府参考人 事実関係の部分につきまして、まず私からお答えをさせていただきます。

 JPモルガン信託銀行、新生信託銀行につきましては、当庁による立入検査及びその後の報告徴求におきまして、善管注意義務違反を含めた次のような重大な問題が認められたところでございます。

 第一は、両行では、引き受け対象物件の受託審査を行わずに、すなわち人的構成や体制を整備せずに不動産管理処分信託業務の営業が推進されていた。

 第二は、このように受託審査等が行われていないために、対象物件、すなわち信託財産ですが、これの現況等が適正に把握できていないということでございました。

 このような業務運営の実態は、両行が顧客との間で締結した信託契約において定められております信託財産の管理運用等を、善良なる管理者の注意をもって処理するという受託者としての義務を適正に履行できない重大な法令違反に該当したということでございます。

 第三でございますけれども、このような業務運営の実態が明らかになったことを踏まえまして、対象物件の現況について改めて調査をいたしましたところ、例えば、建築基準法の違反の不動産、適法状態への是正が困難な違法建築、土壌汚染など環境問題が存在する可能性がある物件、さらには収益還元法を利用した物件評価のかさ上げといったことが多数確認されました。

 なお、両行のうち新生信託銀行につきましては、一般投資家にリスクを負わせる可能性を認識しながら、不動産投資信託、いわゆるREITへの信託受益権の譲渡というものに承諾を与えているという事例もございました。

 このような事実に基づきまして、当庁では、両行に対して、銀行法二十六条等に基づく不動産管理処分信託業務の新規受託の一定期間の停止、JPモルガンにつきましては六カ月、新生につきましては一年間ということを命令し、あわせて業務改善命令を発出したところでございます。

与謝野国務大臣 議員御指摘のように、信託という大事な自分の財産を他人に託すという仕組みが成り立つためには、信託の担い手への深い信頼が確保されることが必要であります。

 その点、信託銀行は、高い公共性と信用を有する銀行が信託を業として経営しているものでございまして、我が国の信託の主要な担い手として重要な役割を担っていると認識をしております。

 このような立場にある信託銀行において相次いで行政処分がなされたことは、極めて遺憾なことだと考えております。

山本(明)委員 今回の不祥事というのは、不動産が証券化されまして、大分一般的になってきました。特に、REIT市場ができましてから、一般の投資家も参加できるようになったということであります。今回の処分のうちの特に新生信託物件というのは、このREIT市場に流れておるわけであります。したがって、そういった意味では、一般の投資家が大変被害を受けた可能性がある、こんなふうに思います。

 今回、処分を受けたすぐ後ですけれども、新生信託銀行案件の、そこを受託者としています投資法人が四つあったんですけれども、その四つの投資法人が、すべて、即座にインターネットで流してあったんですけれども、私どもは専門家である第三者機関によるデューデリジェンスを実施しており、不動産鑑定もしっかりされており、問題はない、適正である、こういって発表をしておりました。

 この投資法人の第三者機関によるチェック、不動産鑑定士のチェック、プロのチェックですよね。このチェックがあったにもかかわらず、今回、新生信託、JPモルガンもそうでありますけれども、これが、今話がありました善管注意義務違反があったということでありますけれども、金融庁の検査でわかったわけであります。金融庁の検査というのは大変すごいなと思うんですけれども、プロが見てわからなかったことが、どうしてこの金融庁の検査で発見できたのか、ちょっとそこら辺をお聞かせいただきたいと思います。

西原政府参考人 お答え申し上げます。

 新生信託銀行の立入検査におきまして、ただいま御説明ありましたように、不動産管理信託業務において引き受けを行おうとする不動産、これの受託に関して審査が不十分であったという点を指摘させていただいたわけですが、それについて、今回どうやってそれを発見したのかという個別の御質問でございます。

 個別具体的な検査の手法ということにつきましてはお答えは遠慮させていただきたいと思いますけれども、それでは、一般に我々、検査でどういうような形でこれを検証しているのかといった点について少しお答えさせていただこうと思います。

 この不動産を信託財産とする信託の引き受けに関しましては、信託銀行が、不動産信託スキームの中におきまして果たすべき役割、それに応じて、やはり必要な情報を入手しているかどうか、この点をチェックする必要があると思っております。すなわち、例えばオリジネーターですとか、あるいはアレンジャーといったところから、例えばエンジニアリングレポート、こういった必要な情報を入手しているかどうか。

 さらには、その入手した情報に基づいて、例えば信託的譲渡の禁止または制限、こういったことが課せられていないかどうか、すなわち、例えば農地法ですとか、あるいは国有財産法などの法令によって譲渡の禁止あるいは制限がかけられた物件ではないのかどうか、こういったチェック。あるいは、建築基準法等の建造物に関する法令等の違反がないのかあるのか、こういった点のチェック。それから、紛争に巻き込まれている物件ではないのかどうか、あるいは、例えば土壌汚染ですとか環境リスクといった面、これについての確認、こういったことがそういった必要な情報に基づいてなされているかどうか。その上で、不動産についての引き受けの可否について十分な審査をできる体制にあるかどうか、そういった点を検証しているというのが実態でございます。

山本(明)委員 今、一般論というお話でございましたけれども、報道等によりますと、建築基準法違反の中に、容積率違反、建ぺい率違反というのが報道にありました。これが正しいかどうかはわかりませんが、もしそうだとしますと、容積率違反、建ぺい率違反というのは、一番簡単にだれでもわかる違反でして、図面と現場を見ればすぐわかるわけであります。そうしたものをこの投資法人にしても信託銀行にしても見逃したというのは、これは大変重大な過失だというふうに思います。

 特に、容積率、建ぺい率というのは、これは普通では違反というのはあり得ないんです、確認申請とりますから、確認しますから。もし違反だったというと、あと増築部分なんですよね。増築部分を恐らく確認をとらずに無届けで建てたのではないか、そんなふうに予想されるわけでありますけれども、最も悪質な違反だというふうに思います。

 そうしたことが見逃されてきたということは、信託銀行にしても投資法人にしても、大変大きな責任があるというふうに私は思っております。そうした中で、投資法人も、これは金融庁に登録義務がありますので、金融庁の検査の対象になっておると思いますけれども、この投資法人、今の四つの法人が中心になると思いますけれども、投資法人に対する検査、チェックというのはしっかりしておるのかどうか、お伺いしたいと思います。

長尾政府参考人 投資法人に対する検査の御質問でございますけれども、昨年の七月、平成十七年七月に、投資法人に対する検査権限につきましては、他のいろいろの検査の一元化等々の一環として、金融庁から監視委員会に移管されたところでございます。

 そこで、監視委員会による投資法人に対する検査、これまででございますけれども、昨年の七月以降、現在までに二件着手しております。このうち一件につきましては既に検査を終了しまして、その法令違反について、金融庁に対して行政処分の勧告を行っているところでございます。

 昨年七月一日に来たということですね。今後、これをきちっとやっていかなくちゃいけないということで、私どもとしては、投資法人に対する検査権限を適切に行使するということによりまして、投資法人の法令の遵守等を図り、公正かつ透明性の高い健全な証券市場を確立するとともに、市場に対する投資者の信頼の保持に努めてまいりたいと考えております。

山本(明)委員 一社については検査が終わったということでありますけれども、これはやはり、重大な情報を投資家に対して流さなかったわけですから、これは今回の金融商品取引法の説明責任を果たしていない、損害賠償の請求の対象になる、私はそんなふうに判断をしておりますので、そういった点もあるということを指摘しておきたいというふうに思います。

 そして、きょう、国交省にも来ていただいておりますけれども、このREIT市場の関係でありますが、日本の場合は二〇〇一年から上場されたということで、まだまだ歴史が新しいわけであります。したがって、今のような余り正確でない情報が流れやすい、そんなことかなというふうに思いますけれども、今回、先ほど私が申し上げましたように、投資法人が発表した内容というのは、適正である、不動産鑑定評価がしっかりなされておる、デューデリジェンスを実施している、建築基準法も合っている、こういうような報告があったわけでありますけれども、そうした簡単な違反を見逃しておった、私はそんなふうに理解をしております。

 例えがいいか悪いかわかりませんけれども、公認会計士も今いろいろな問題がありますけれども、これも、お客様からお金をもらってやるのでどうしても手心を加えやすいようなことがある、こういうようなことが指摘をされておるわけであります。この不動産鑑定士だとかなんかも、やはり投資法人はお客様ですから、どうしてもお客様の側に立った判断をしがちだというふうに思います。したがって、不動産評価も絶対正しいと言い切れるかどうか疑問だと私は思います。

 そうした意味で、この不動産鑑定士の能力アップだとか、デューデリのためのエンジニアリングレポート、先ほどちょっと報告ありましたけれども、不動産鑑定士はもちろん責任者でありますけれども、エンジニアリングレポートなるものは大変大事だと私は思っております。こうしたものの適正な基準、どういったものがエンジニアリングレポートとして正しく評価されるか、そういった基準をしっかりつくるべきだ、そしてまた、それを義務づけるべきだ、私はそんなふうに思っておりますけれども、国土交通省にこの点についてお伺いをしたいと思います。

阿部政府参考人 ただいま委員から御指摘ありましたような状況が出てきていることは、私どもも聞き及んでいるところでございます。そのために、現在、早急に実態把握のための調査を開始いたしております。さらに、六月五日でございますが、不動産鑑定協会の会長あてに、証券絡みの鑑定の適正な実施ということについて通知しまして、当面、早急に所要の対応を行うように依頼を行ったところでございます。

 具体的には、適正な業務を行うために必要な期間、資料の入手可能性を慎重に吟味すること、それから、エンジニアリングレポート等の資料の入手可能性、時期、そういったことについて受注前に依頼者に十分確認すること、さらには、審査体制の強化、それから説明責任というようなことで通知いたしたところでございます。

 またさらに、これと並行いたしまして、現在、局内に学識経験者、実務者から成ります委員会を設置しまして、今御指摘のデューデリジェンス、とりわけ、エンジニアリングレポートを反映した鑑定評価の適正性の確保ということとか専門家責任のあり方ということについて検討を行っているところでございます。ことしの秋には、これらを踏まえまして中間報告を取りまとめまして、実施可能なものから対策を講じてまいりたいというふうに考えております。

山本(明)委員 時間が参りましたから終わりますけれども、この不動産証券化というのは今大変な市場でして、二十兆円ぐらいあるんですよね。その中のREITは、上場されておるわけでありますけれども、その上場されておるREIT市場というのはまだ二兆五千億ぐらいしかありません。ということは、そのほかのSPCも含めまして、特定目的会社も含めまして大変大きな市場でありますから、やはりよほどしっかりと検査、チェック機能をつくっていかないと国民が大変な迷惑を受けますので、その点を指摘させていただきまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

小野委員長 以上で山本君の質問を終わります。

 引き続きまして、石井啓一君。

石井(啓)委員 公明党の石井啓一でございます。

 まず、主要行の三月期決算についてお伺いしたいと思いますけれども、過去最高益ではございましたが、与謝野大臣は半人前というふうに評されました。法人税もまだ払わなくて済むような状況でありますから、まさしく半人前という状況だと思います。

 それで、与謝野大臣はこの記者会見で、主要行に対して金融仲介機能を果たすこと、それから、リスクをとることを期待するというふうにお述べになっていらっしゃいますけれども、私は、それに加えて、預金者への還元、特に金利という形で徐々に引き上げていただきたいということを主要行に望みたいと思っておりますけれども、まず大臣の御見解を伺いたいと思います。

与謝野国務大臣 相当な利益は出したわけですけれども、過去の不良債権の問題を引きずっておりますし、損失もまだ残っているわけです。ですから、利益を上げたこと自体はいいことだと思っておりますけれども、手放しで喜べるような状況ではなく、やはり公的資金もいずれ返していただかなければなりませんし、税金も払っていただかなければなりませんし、中でも、預金者の金利を上げろと金融庁から言うわけにはまいりませんけれども、それなりの応分の経済の成果というものが預金金利という形で預金者に還元される、そういう正常な状況に向かって進んでほしいと思っております。

 また、銀行の機能は、やはりリスクをとって金融仲介をするということが銀行の本来の使命でございますから、そういうことをためらいなくできるような健全な状況になっていただきたいと祈りを込めて申し上げた言葉でございます。

石井(啓)委員 ありがとうございます。

 次に、最近の株安について、財務大臣、金融担当大臣、両大臣にお伺いしたいと思うのです。

 ことしの三月ぐらいには一万七千円台であったものが、あれよあれよという間に、きょうの午前の終わり値では一万四千五百円台ですか、三千円ぐらいこの二カ月ぐらいの間に下がってしまったということで、米国の景気に対する懸念等言われておりますけれども、この株安については要因をどのように認識をされているのかということと、今後の我が国経済に与える影響についてどのようにお考えなのか、両大臣からお伺いをいたしたいと思います。

谷垣国務大臣 御承知のように、五月八日に最近の高値をつけましてから下落傾向となっているわけですね。これは、日本の株価というだけではなくて、世界的にも株安の傾向がある、そこらをどう見るかということがあるんだろうと思います。株価はいろいろなことで決まりますので、今財務大臣をしております私が余り株の相場にコメントすることは差し控えなければいけないんですが、株価は重要な経済指標でございますから、私どもも関心を持って見ているわけであります。

 実は、先週末にサンクトペテルブルクでサミットの財務大臣会合がございまして、ひょっとしたらそのとき議論になるかなと思っておりましたけれども、余り議論になりませんでした。IMFの専務理事から一般的な概況を御説明いただいたときに、IMFの専務理事から、最近の株式市場の状況は過熱調整の過程ではないかというようなお話がちょっとありまして、それ以上議論にはなりませんでした。

 それ以上議論にならなかったことの背景には、これは表向き、表向きの議論と言うといけませんが、会議の正式の場で出る議論とは別に、ああいう会合のときには廊下での立ち話とかいろいろなことをやるわけでございますけれども、そのときに、相当アジア各国等々で株価が下がっているような国があるわけですが、どう見ているんだというようなことを私のカウンターパートの財務大臣に聞きますと、大体、株式市場はかなり落ちているけれども経済自体は相当底がたい、それぞれ自信を持っているような回答が返ってまいりまして、ああいう会議のときにはそういう立ち話というものはなかなか重要だと私は思っているんです。

 つまり、日本も、企業業績の好調さが家計や消費に回ってくるような環境ができて、堅実な形で景気が回復していると思っておりますが、どこの国の私どものカウンターパートもそういう感じを持っておりまして、経済の世界に何か大きな異変が起こってこういうふうに株安が来ているわけではないという認識を多くの同僚たちが持っているのではないか、それゆえに余り議論にならなかったのではないかというふうに思っております。

 ただ、この背景に、私どももずっと議論をしてまいりましたけれども、世界的な金融の緩和状況というものを、福井日銀総裁の表現をかりれば、慎重に方向を改めてくる過程に今あるわけですけれども、そういう中で、全体が方向感をどこに持っていこうかという迷いも若干ある時期なのかな、そんなふうに見ております。

与謝野国務大臣 株が落ちておりますけれども、株は上がったり下がったりということで、そう一々びっくりする必要はないと私は思っております。日本経済の状況をあらわすあらゆる指標は好調でございますし、今の株安というのは、世界の市場が将来に対してやや不安を持っているということのいわば反射でございまして、これもしばらく時がたてば落ちつくものであると確信をしております。

石井(啓)委員 それでは、村上ファンドの事件に関して質問を移らせていただきます。

 まず、両大臣にお伺いしたいんですけれども、この事件に関しまして、今までも御感想等述べられていらっしゃると思いますが、改めて両大臣の御感想を伺いたいと思います。

与謝野国務大臣 何をしていただいても結構であると思いますけれども、やはり経済活動を行うときには、それに関する法律があるわけでございますから、そういう法令遵守の中でどんな経済活動をしていただいても自由であると私は思っております。

 金融当局としては、事実と法令に基づいて処分すべきものは処分する、あるいは、監視委員会において法令違反と思えるものについては調査をし、告発をする、当然のことをいたしているわけでございます。

谷垣国務大臣 今、御当局である与謝野大臣から御答弁がございました。今、東京地検とそれから証券等監視委員会で解明が進んでいるところでございますから、余りコメントをするのは差し控えるべきだと思います。

 ただ、報道によりますと、御本人もインサイダー取引ということをお認めになっているレターも出しておられるようでございますので、やはりマーケットというのはルールに従ってフェアに運営される、透明である、こういうようなことが必要であると思います。やはり関係者がそういう気持ちになって努力をしなければマーケットというものは健全に育っていかない、こういうことだろうと思いますので、一般論として申し上げますと、やはりマーケット関係者はそういうことに意を用いるべきだと私は思っております。

石井(啓)委員 それでは、ちょっと詳しくお聞きしたいと思います。

 今回の事案で、証券取引法第百六十七条第三項に該当するということでありますけれども、この百六十七条第三項では、公開買い付け等関係者から公開買い付け等の実施に関する事実の伝達を受けた者がその事実が公表される前に株を買うということがインサイダー取引に該当するとして禁止をされているわけですけれども、この条文の解釈について確認をしたいんです。

 まず、この公開買い付け等関係者というのはどういう対象になるのかということが一つ。次に、この公開買い付け等事実というのは、公開買い付けまたは議決権の五%以上の取得の決定というふうにされていますけれども、この決定というのはどういう決定なのかということが二つ目。三つ目ですけれども、これは村上容疑者が記者会見等で言っていますけれども、そういう五%以上の取得の可能性は非常に低いというふうに思っていたということですけれども、決定の実現可能性が低い場合、この百六十七条第三項に言うところの公開買い付け等事実に該当しないのかどうか。この三点を確認いたしたいと思います。

三國谷政府参考人 お答えいたします。

 まず、第一点目は公開買い付け等関係者の範囲でございますが、御案内のように、インサイダー取引規制は、「会社関係者」というものを規定いたしました百六十六条と、公開買い付け等の事実を規定しております百六十七条がございます。この「公開買付者等関係者」というのは、これを「会社関係者」に置きかえたような概念でございまして、一つは「公開買付者等の役員等」、それから帳簿閲覧請求権を有する株主、それから「法令に基づく権限を有する者」、それから「契約を締結している者又は締結の交渉をしている者」、こういったものが「公開買付者等関係者」となっているわけでございます。

 また、この関係者から情報伝達を受けた者は、第一次情報受領者といたしまして、三項でそういった規制の対象になっているということでございます。

 続きまして、決定でございますけれども、この決定につきましては、御指摘のとおり、議決権の五%以上の取得を行うことについての決定をしたこと、中止も含まれるわけでございますが、これが該当するわけでございます。この場合、法人の場合でございますけれども、業務執行を決定する機関が決定するということになっておりますが、この業務執行を決定する機関は制度上や建前上の決定機関のことではなく、実質的にその事項を決定する機関でございまして、会社においてどのような機関が業務執行を決定するか、これにつきましては、それぞれの会社の実情や決定する事項ごとに当該会社における意思決定の状況に照らして個別に判断されるものでございます。

 三点目でございます。実現可能性の問題を御指摘でございますが、一般論として申し上げますと、この百六十七条二項に定める決定につきましては、これまでの判例等に照らし合わせますと、業務執行を決定する機関におきまして公開買い付け等の行為の実現を意図して行ったことを要すると解されますが、その行為が確実に実行されるとの予測が成り立つことまでは要しないと考えられるところでございます。

 以上でございます。

石井(啓)委員 ちょっともう一度聞きますけれども、その決定というのは実質的に業務執行を決定する機関だ、この機関というのは、何かやはり何とか会議だとか常務会議だとか、そういう定められた機関なんでしょうか。それとも、少人数の役員の間での意思決定ということでも、事実上の意思決定であれば、それは該当するのでしょうか。

三國谷政府参考人 後者の方でございまして、それが、形が伴わなくても実質的な数名が決定する、あるいは一人でも決定する、そういった実質的な決定機関がございますれば、そこでの決定が決定とされると承知しております。

石井(啓)委員 わかりました。

 続いて、今回、村上容疑者とそれからMACアセットマネジメントですか、これが被疑対象になっているわけでありますけれども、このMACアセットマネジメントが有罪になった場合、犯罪行為で得た財産は没収、追徴されるわけでございますけれども、このファンドへの出資金あるいは出資者への配当金に対して没収、追徴が及ぶというのはどのような場合が該当するのか、この点について確認をいたしたいと思います。

三國谷政府参考人 一般論としてお答えさせていただきたいと思います。

 まず、犯罪に用いましたものや、あるいは犯罪行為で得た財産につきましては、まず、刑法の規定によりまして、これは裁判所の裁量によって没収または追徴できることとされているところでございます。一方、証券取引法でございますが、これは刑法の特例といたしまして、インサイダー取引等の不公正取引により得ました財産またはその財産の対価として得た財産、これにつきましては、原則として没収、追徴することとしました上で、取得の状況、それから損害賠償の履行の状況その他の事情に照らしまして、その全部または一部を没収、追徴しないことができることとされているところでございます。

 具体的にどの範囲の財産からどれだけの金額が没収あるいは追徴するのかされるのか、これにつきましては、具体的な事実関係に即して司法において判断されるべき事柄でございますので、この点についてのコメントは差し控えさせていただきたいと存じます。

石井(啓)委員 それでは、最後の質問にしたいと思いますけれども、この国会で金融商品取引法が成立をいたしましたので、制度的にこの証券監視機能というのは格段に向上した、特にファンドに対する監視等は従来にない手段を金融庁は得たというふうに思っておりますけれども、さらに証券取引等監視委員会の機能強化を中心として、今後の証券監視機能の強化について金融庁の方針を確認させていただきたいと存じます。

与謝野国務大臣 今、この権限を決めていただきたいと国会にお願いすることはございませんけれども、十九年度予算に向けまして、やはり証券監視委員会あるいは金融庁の人員をふやしていただきたい、量も質も、その両面において充実をしていかなければならない。そういう中で、金融商品取引法という新しい法律を皆様方で御承認くださいました。そういう充実をした人員の中で、新たに定めていただいた法律に基づいて、消費者を保護するあるいは透明性の高い金融行政を行うために努力をしたい、そのように考えております。

石井(啓)委員 では、以上で終わります。ありがとうございました。

小野委員長 以上で石井君の質問を終わります。

 続きまして、小川淳也君。

小川(淳)委員 民主党の小川淳也でございます。

 初めての国会も、終盤になりますと大分くたびれてまいっておりますが、元気に参らせていただきたいと思います。

 まず、本当に、一月のライブドア事件に始まりまして村上ファンドの事件に終わったこの通常国会の会期ではなかったかと思いますが、先ほども、与謝野大臣、所感をおっしゃっておられました。このライブドア事件、それから村上ファンド事件、ほかにも三井住友銀行、中央青山監査法人等々、金融不祥事が後を絶たなかったわけでございますが、大臣、この点、改めて御所感をお伺いしたいと思います。

与謝野国務大臣 金融庁も証券監視委員会も、事実と法令に照らしまして淡々と行動しているわけでございまして、特段、肩に力を入れて行動しているわけではありません。

 ことしに入りましてから二件大きな事件がございましたが、これは旧証取法上の古典的な手口のものでございまして、手口の新しさという点では全く驚かないものでございまして、風説の流布、インサイダー取引等々は、もう法律に昔から書いてある犯罪の類型であったと私は思っております。

小川(淳)委員 ありがとうございました。本当に何事にも動じない、本当に淡々とした御答弁だと思います。

 これはいろいろな見方があろうかと思います。例えば、これはある報道で目にいたしました。六日の記者会見で経済同友会の北城代表幹事は、この村上ファンドの事件に関して、今回も検察が動いた、検察が。健全に市場が動いているのかどうか監視する体制のあり方を考えていきたいと語ったとございます。

 これに対して、与謝野大臣、何か反論はございますか。

与謝野国務大臣 証券監視委員会が知識と情報を提供しなければ検察は動けない。そういう意味では、一緒にやっている。やっているということを監視委員会は宣伝はいたしませんけれども、基礎的な情報、基礎的な証券取引に関する法律上の知識、解釈、こういうものは全部監視委員会が提供しているものでございます。

小川(淳)委員 確かに、こうして摘発をしていただいて、逮捕に踏み切って適正に処罰をしていただくということ、これは本当に大いに大切なことですし、大いに結構なことだと思います。一方で、こういった体制の問題、市場監視をもっと体制から考えていかないといけない。

 与謝野大臣、せんだって質疑をお願い申し上げました際に、私は余り組織とか何だとかという発想は趣味じゃないんだということもおっしゃっておられましたが、やはりこれは本当に組織、体制の問題として考えていく必要があると思います。かねてから私ども証券取引委員会設置法案等で主張しておりますとおり、やはり十分な組織と人員をもって市場の監視に当たる必要があろうかと思います。

 この点、抑止力、事件が起こった後にきちんと発見をして処罰をしていくということはもちろん大事だと思いますが、もっと言えば、日本の市場というのはそう生半可な、悪知恵を働かせたところで大して利益も上げられないし、下手なことをしようものなら大変なとばっちりを食うぞというぐらいの抑止力という観点からも、ぜひ体制強化という問題意識を引き続きお持ちいただきたいと思いますが、大臣いかがですか。

与謝野国務大臣 ぜひ、量も質も人員の強化をしなければならない。少しでも監視の目を市場に対して光らせる、善良な消費者や投資家を保護する、それは先生も大変重要だと思っておられると思いますし、私どももそのことは大変重要だと思っております。

小川(淳)委員 ありがとうございます。

 法律立てとかいろいろな議論はございますが、とにかく、道半ばの半ばの半ばということで、さらにさらに向上していただき、力を尽くしていただくということだと思いますし、この国会の議論でも、大変僣越ながら、やはり手綱を緩めることなく、しっかりとある方向感に向かって押し込んでいくような議論をぜひとも進めさせていただきたいと思います。

 別の角度からお尋ねをいたします。

 この村上ファンドの事件、インサイダー取引と言われておりますが、確認の意味を含めてお伺いしたいんです。今回の金融商品取引法、七日の成立、お喜びを申し上げたいと思いますが、このインサイダー取引に関して、罰金、罰則を大分強化されています。これは事実関係だけ改めて確認させてください。

三國谷政府参考人 今回の金融商品取引法におきまして罰則全体について見直しを行っているところでございます。五年のものは大体その倍にするとか、三年のものは五年にするとかという形態が多いかと思います。

 インサイダー取引規制につきましては三年でございますので、これを五年にすることで基本的に引き上げを図ったところでございます。

小川(淳)委員 おっしゃるとおりです。懲役に関しては三年から五年、そして罰金に関しては、個人で三百万円から五百万円、法人で三億円から五億円という罰則強化をされておられます。

 加えて、これはおわかりになったらお答えください。今回の村上ファンドの事件、不正利益はどのくらいだと推計されているか御存じですか。

三國谷政府参考人 恐縮でございますが、個別の事案でございますので、いろいろ報道はされてございますけれども、ちょっと私どもとしてこの数値ということはコメントを差し控えさせていただきたいと存じます。

小川(淳)委員 これも一説として申し上げます。一説として、不正利益は三十億と言われています。三十億の不正利益に対して、これは個人で罰するのか法人で罰するのかわかりませんが、五百万円の罰金とか五億の罰金、これはとてもじゃないですが量刑の均衡がとれません。

 あわせて、これは不正利益は当然課徴金として徴収をされるんだと思いますが、それも含めて。これも前回のお尋ねで、十八年の一月、株式会社ガーラに関するインサイダー取引、三十万円の課徴金を引き上げておしまいといったような甘い処罰がございました。

 この村上ファンド、もちろん個別の案件ですから、ここでしっかり処罰せよというのは筋違いかもわかりませんが、やはり多くの市場参加者が納得するような形で、罰金と課徴金あわせて、厳罰をもって臨む必要性があると思いますが、その基本的な認識だけ、いかがですか。

与謝野国務大臣 今回の金融商品取引法で、今局長が御説明しましたように、長期、十年の刑が導入されました。これはこの法律だけの刑を論ずるということはできないわけでして、日本の刑罰法規体系全体の中で量刑の均衡ということを考えていかなければならないわけでございます。

 従来から、刑法の考え方は自然犯、例えば人を傷つけたり命を奪おうとしたり、こういう自然犯、これは十年というのはあったんですが、いわゆるこの種の自然犯以外のものに十年というのはもう相当重い量刑でございまして、これは、三年から五年になった量刑ということ自体は、法務省の刑事局も相当いろいろなことを配慮しながらようやくここまで話し合いがついたという刑でございまして、厳罰といえば、もう既に法体系自体は厳罰主義になっているというふうに思っております。

小川(淳)委員 大臣、まさにおっしゃるとおりだと思います。器はでき上がった。問題は個々の事案に対するその適用の姿勢といいますか、最近の金融庁ですから、非常に厳罰をもって臨んでおられますので、その辺はある意味心配はしておりませんが、これまでの課徴金等々の様子を見ておりますと、まだまだ罰則も含めてしっかりやっていただきたいなという点もございます。器はできたけれども、個々の事案に対する適用も含めて、しっかり厳しい姿勢で臨んでいただきたいと思います。

 あわせて、この金融商品取引法で一点。衆議院の手を離れて参議院に渡ったその間の議論、これはもし確認がとれればお答えをいただきたいんですが、これもある報道です。さんざん議論になりました、商品取引に関する不招請勧誘の禁止。これは慎重にも慎重に回避をされ続けていたと理解をしておりますが、野党の強い追及の結果、経産、農水両省は、参議院の委員会審議の最終盤で、今後もトラブルがふえれば商品取引の不招請勧誘の禁止を必ず検討すると答弁した、これは六月八日の朝日新聞です。これは確認をとれますか。間違いございませんか。

三國谷政府参考人 御指摘のとおり、商品先物に関します不招請勧誘につきましては、参議院の方でも大変活発に議論が行われました。その結果でございますが、六月六日の参議院財政金融委員会で、この法案の採決の際に附帯決議がついているところでございます。それを御紹介させていただきますと、

  不招請勧誘禁止の対象となる商品・取引については、店頭金融先物取引に加え、レバレッジが高いなどの商品性、執拗な勧誘や利用者の被害の発生という実態に照らし、利用者保護に支障を来すことのないよう、迅速かつ機動的な対応を行うこと。また、商品先物取引等については、改正後の商品取引所法の執行に鋭意努めることはもちろんのこと、委員会における指摘を誠実に受け止め、商品先物取引はレバレッジ効果を有するリスクの高い商品であることを踏まえ、一般委託者とのトラブルが解消するよう委託者保護に全力を尽くしていくこと。今後のトラブルが解消していかない場合には、不招請勧誘の禁止の導入について検討すること。

こういった附帯決議が付された次第でございます。

小川(淳)委員 ありがとうございました。

 この委員会でも本当に審議を尽くした点でございますが、ぜひとも様子をよくごらんいただくことはもとよりですが、勢い後追い後追いになりがちな規制でございます。できるだけ先手先手で、消費者に被害が及ばないように、そういった姿勢で臨んでいただきたいと思います。強く要請をしておきたいと思います。

 続きまして、きょう御報告をいただきました預金保険機構の御報告に関しまして、二、三基本的なお尋ねをさせていただきます。

 現在、破綻処理を進めているのは足利銀行に関してだと理解をしておりますが、この足利銀行に関する破綻処理の進捗状況、現在はどんな状況か、御報告をいただきたいと思います。

与謝野国務大臣 足利銀行は、内容が相当よくなってきております。これは、新経営陣も努力をされましたし、また、行員も再建のために必死で働いておりますし、また、県庁、県議会、また地元の国会議員の方々も足利銀行が再建、再興されることを願って御支援をくださっております。

 どのぐらい改善したかということを申し上げますと、平成十六年の三月期には債務超過が六千七、八百億、七千億近いお金が債務超過でしたけれども、ことしの三月期ではそれが四千億を割りまして三千八百億ぐらいになりました。ですから、この間、二年間で債務超過額は三千億円もよくなったわけでございます。かてて加えまして、不良債権比率も二〇%以上あったものが今は八%以下になったということで、体力は回復しつつある、そのような状況でございます。

小川(淳)委員 この足利銀行の破綻処理ですが、いつごろ終えられるめどをお持ちですか。

与謝野国務大臣 処理が終わるというのは、新しい受け皿の話と実は同じことだろうと思うんですけれども、まだ受け皿の話をするのにはちょっと早いと私は思っておりますけれども、いずれ受け皿の話をする時期がやってまいると思いまして、そのときのやはり考え方というのは、足利銀行というのは栃木県の地域の銀行ですから、本当に栃木県の経済を心配してくださる方に引き受けていただかなければならない。その際には、県知事、県議会、あるいは与野党を問わず地元の議員の皆様方のお声もよく知りながらそういうことを考えていくということになると思っております。

小川(淳)委員 そういった方向性でぜひとも迅速に進めていただきたいんですが、足利銀行の破綻の発覚が十五年の十一月ですね。その仕掛かり中ですから、丸二年と七カ月、破綻処理に手を煩っておられるということです。その他、今まで百八十一行ですか、破綻処理。ずっと信用組合、信用金庫を含めて百八十一行、日本では金融機関をつぶしてきた、これを破綻処理してきた。

 この中でも、例えば銀行に絞って、与謝野大臣、大体どのくらいの期間で破綻処理をきちんと今まで終えてきたか、御存じですか。

佐藤政府参考人 全体として見ますと、一年から二年といったところでございます。

小川(淳)委員 おっしゃるとおり、長銀が一年五カ月、日債銀が一年九カ月、国民銀行が一年四カ月、幸福銀行が一年九カ月等々、大体一年、早いもので一年、長くても一年半程度で破綻処理を完了されております。

 これは、当時の法制と足利銀行の破綻処理法制は、異なるんですか、同じですか。

与謝野国務大臣 結局、最後、受け皿に渡すときには国民負担が発生するわけでございます。

 したがいまして、破綻処理をする過程で、国民負担を極小化するということも考えなければならないわけでして、破綻処理を素早く終えるということ、これは地元の経済界にとっては大事なことでございますが、一方では、国民負担をなるべく少なくする、そういうことも心の中に目標として置かなければならないと思っております。

小川(淳)委員 大臣、おっしゃるとおりですよ。迅速に終えるというのと、それから、できるだけ国民負担を少なくして地域経済に対する悪影響を排除していく、これをうまく両立しながらこれまでの破綻処理もやってこられたんでしょう。そうですね。

 ということは、この足利銀行のみに特殊な要因があるのかどうかをお聞きしているんですが、いかがですか。

佐藤政府参考人 一つは、法的な枠組みが異なるということがございます。

 金融再生法あるいは預金保険法に基づく破綻処理の場合、金融整理管財人は管理を命ずる処分があった日から一年以内に管理を終える旨、規定されております。一年間の延長というのもついてございますが、最大二年ということでございます。

 それから、長銀、日債銀の処理は金融再生法に基づいて行われたわけでございますけれども、金融再生法では、当時、平成十三年三月三十一日までにこの特別公的管理を終える、こういう旨、規定されていたということでございます。

 他方、足利銀行は改正後の預金保険法に基づいておるわけでございますけれども、この処理の終了時期につきましては、できる限り早期に、こういう規定ぶりになっている。こういった違いがございます。

 それからもう一点は、実態論でございますけれども、この足利銀行が栃木県の地域において占めております金融仲介機能の大きさ、これに照らしますと、やはり地域におきましてこの銀行が金融仲介機能を持続可能な形でしっかりと発揮できる、こういう見通しを立てるということが重要であろうかと思います。その体制を整えるための時間をいただいているということかと思います。

小川(淳)委員 大臣、お聞きのとおりでございまして、それまでの破綻処理に関しては、一年以内に処理を終えねばならないという法的な制約がございました。この足利銀行に関しては、できるだけ速やかに、可能な限り速やかにという、やや緩やかな制限になっているわけですね。

 もちろん、一生懸命やっておられると思います。しかし、勢い、こういう期限の打ち方というのは、行政機関あるいは預金保険機構にとっても、言葉は悪いんですが、ずるずると、いつまでもと、やはりなりがちなのが自然だと思います。この期限が明快に切られていないことに決して甘えることがないように、やはり一日も早く終わらすのが常態だと思います。銀行を国有化して持っていること自体が異常な事態ですから、これは本当に速やかに、一日も早く終わらせていただくように、ぜひこの法律の緩やかな期限にいささかも甘えのないように、ぜひ対応をお願いしたいと思います。

 あわせて、この預金保険機構については、大変な負担をかけて金融システムを守ってきたということだと思いますが、資本増強だけでも、ざっと十兆円前後ですか、十二兆。そして、債務の穴埋めをやってきた金銭贈与にも十兆円前後のお金が使われている。現在、預金保険機構の債務超過額、負債の額は大体三兆円前後とお聞きをしておりますが、これは、十兆円の真水、十兆円の税金の投入がなければ、これは三兆円では済まなかったわけですね。

 これからようやく破綻も一段落して、毎年保険料が五千億前後金融機関から入ってくる。この三兆円の負債、明らかになっている三兆円の債務超過額については毎年五千億円の保険料で埋めていくんだと思いますが、既に突っ込んだこの十兆円の税金分、この税金分については、いかがですか、保険料で将来的に埋め合わせていく、そういったお考えはございませんか。

三國谷政府参考人 お尋ねの交付国債に係る分かと存じますが、これにつきましては、金融システムの安定を図るために預金等の全額保護の特例措置を実施しました際に、保険料のみでペイオフコストを超える金銭贈与を賄うことが困難となりましたことから手当てされたものと承知しております。

 このうち十兆四千億ほどがペイオフコストを超える金銭贈与等を賄うために支出されたものでございますけれども、この負担は、預金等を全額保護するために、預金者保護のために法改正により制度として手当てされたものでございまして、これはこれで確定しているものでございます。

小川(淳)委員 当時の価値観で確定して、とにかく税金を突っ込んででも金融システムを守るんだというのはそのとおりだと思います。

 しかし、後から元を取っていくというんですか、そういう発想もあっていいんじゃないかと思いますね。資本増強で突っ込んだお金も、株価が上昇したことで元が取れるようになっています。それから、預金保険料だってこれからどんどん毎年五千億も水揚げがあるのであれば、かつて税金を突っ込む覚悟、かつてそういう覚悟があったことはよくわかりますが、やはり本来的に税金を突っ込まなければならない部分はもっとほかにたくさんございます。保険料で全体の調和のために使える部分というのは、やはりその議論の余地は残していいんじゃないかと思いますね。当時の議論は当時の議論としてもちろんあり得たことだと思いますが、時代が移り変わる中で、いろいろな仕組みが安定していく中で、しかも保険料が上がってくる、こういう議論の余地というのは私は残した方がいいと思いますね。指摘だけさせていただきます。

 あわせて、今回の報告の内容にもございますが、破綻した金融機関の経営陣に対する責任追及の状況、これはざっとで結構です、どんな状況でしょうか。訴訟のあり方も含めて御説明をいただきたいと思います。

佐藤政府参考人 金融再生法の施行、平成十年の十月でございますけれども、これ以降に破綻処理を行った金融機関について見ますと、民事責任の追及というのは合わせて百二件行っておりまして、金額にいたしますと八百五十四億円ということでございます。

小川(淳)委員 八百億を余る訴訟での責任追及。これはざっと見ますと、例えば、長銀に対して、二十七名の役員に九十四億円の損害賠償、不正融資とか違法配当。それから、日債銀が、十二名の役員に対して四十五億。大きなところに行きますと、東京相和銀行は、十八名の役員に対して百八十九億。今仕掛かり中の足利銀行に関しても、二十五名の役員に対して五十七億円の損害賠償。これは意味ある訴訟ですか。

佐藤政府参考人 御案内のとおり、金融再生法及び預金保険法におきまして、金融整理管財人、特別公的管理銀行、特別危機管理銀行というものに責任追及の義務が負わされております。旧経営陣の職務上の義務違反に基づく民事上の責任を履行させるため、訴えの提起その他の必要な措置をとらなければならない、こういう規定でございます。この規定に基づいて、旧経営陣に対する民事責任の追及が行われてきたということでございます。

 個別破綻事案に係る個々の請求額につきましてはコメントを差し控えさせていただきたいと思いますけれども、一般的に、破綻金融機関の旧経営陣に対する民事提訴に当たりましては、破綻処理に公的資金が使われているといったことも踏まえまして、旧経営陣の責任の所在及びその責任によって破綻金融機関がこうむった損害額、これを基礎といたしまして、金融整理管財人や特別危機管理銀行等によって適切に請求額が決定されているというふうに承知をいたしております。

小川(淳)委員 これは一人当たり大体十億、多いところだと十億ぐらいの損害賠償請求なんですが、これは実効性があるものだとすると、かねてから西川さんの退職金がどうだとかいう議論も国会でなされているみたいでありますが、やはりそんなにいいんですか、銀行の経営陣の方の報酬なり退職金というのは。いかがですか。

佐藤政府参考人 その辺の旧経営陣の報酬等につきましてはコメントを差し控えさせていただきたいと思いますけれども、現実に損害賠償請求を行います金融整理管財人等におきましては、損害額の全額ではなくてその一部を請求している、こういったケースも多いものと承知をいたしております。

小川(淳)委員 実際には、遂行されて一部これは本当に獲得しているんですね、損害額、この請求額の一部は。本当にこれは意味ある訴訟であればいいんですが、限界なんですかね。こういう形で責任を追及して、普通であれば、これは本当に破産に追い込まれるでしょうね、これだけの額が確定すれば。

 いずれにしても、西川さんの退職金等々でも議論になっていますが、やはりおっしゃったとおり、相当な公的資金を突っ込んでの破綻処理でありますし責任追及ですから、そういう意味でも情報公開には努めていただきたいと思いますし、御当人の同意を得て、これは見るとびっくりしますよ、こんな訴訟は本当に意味があるのかどうかも含めて、説得力を持った説明、説得、取れないなら取れないでしようがない部分はあると思いますが、情報公開に努めて、説得力のある資料、説明に努力をしていただきたいと思います。

 そして、金融商品取引法それから預金保険法、預金保険機構による破綻処理等々、日本の金融というのは規制緩和、自由化に向けて大きく動いていると思うんですが、私も、きょうは本当に今国会最後の財務金融委員会での質疑になろうかと思います、私自身がこういう流れの中でちょっと関心を持っております点、ぜひ与謝野大臣の基本的な御認識をお教えいただきたいと思って、きょうは参ったんです。

 こういったことを含めて、貯蓄から投資、貯蓄から投資という議論、合い言葉、呪文のようによく唱えられておりますが、与謝野大臣、なぜ貯蓄から投資なんですか。なぜですか。

与謝野国務大臣 銀行へ行って預金しているだけではなく、優良な投資先を探せば、投資によっても成長の果実を受け取ることができる。ですから、国民も、いわばポートフォリオを広げて物事を考えていただいたらどうでしょうか、こういうことを実は言っていることでございまして、単純に銀行に預金をする、貯金をするということではなくて、お金を預ける先、投資する先というのを幅広く持っていただきたい、そういう意味でございます。

小川(淳)委員 大臣、それはなぜですか。なぜ幅広く持っていただきたいんですか。

与謝野国務大臣 それは、果実が大きくなる可能性もありますし、一方的に銀行だけにお金が集まる、そういう現象よりは、やはり市場にお金が直接行くということも、日本の金融システム全体のバランスを考えれば、市場側にとっても望ましいことだというふうに私は思っております。

小川(淳)委員 果実が多くなるというのは、預金者、投資家にとってですか。

与謝野国務大臣 預金の金利というのは各行で決めていることになっておりますけれども、ほぼ一律ということでございますが、投資の場合には、頭を使って、いい機会にめぐり会えば、多少他の分野に投資するよりもいい果実が得られる、そういう場合もありますので、投資すれば必ずもうかるというわけではありませんけれども、そういうことも考えていただきたいという意味でございます。

小川(淳)委員 大臣おっしゃるとおり、投資家にとっての果実というのも私もすごく大事な要素だと思いますが、やはり国内経済全体で見て、なぜ貯蓄から投資なのかということに関しては、ぜひすっきりした理念といいますか哲学といいますか、御説明をお聞きしたいと思うんです。

 これは二月二十八日です、予算委員会の分科会で、今お見えになりませんが、佐藤ゆかりさんが大変いい質疑をしておられます。少し御紹介したいんです。

 中小企業においてもこれからのポイントは、閉鎖していく旧態型の中小企業、あるいはその閉鎖企業の件数に対して、新規に活力ある企業を起こしていく、そうした新規の企業の設立件数が上回るような形で企業部門の新陳代謝を進めていかなければならない、そういう重要な局面、状況に入ってきていると思います。そういう中でリスクマネーの育成、資本市場の育成が極めて重要性を持つ、中小企業部門での新陳代謝を進めるに当たってはリスクマネーを供給する新興市場が重要な問題である。

 佐藤さんは、こういう指摘をされているんですよね。

 大臣、御存じだと思うんですが、日本では、金融資産の半分近くが現預金です、いわゆるリスクをとれないお金。株式や債券など、リスクをとれるお金と言われているのが、全部足しても一割前後です。アメリカに行きますと、これが逆転しているということであります。

 このリスクをとれるお金。私は、預金そのものがリスクのない商品だという固定観念は外さないといけないと思いますが、やはり、投資家御自身のリスクで次の市場、次の企業、次の経済主体を育てていくという観点が日本には必要なんじゃないかと思います、国民経済的に見て。

 その意味で、さっき佐藤さんが主張しておられたように、廃業していく会社を上回る形で開業が続いていく、新しい会社がどんどん起こっていく、これが社会全体の新陳代謝につながるんだ、私は、ぜひそういう発想を金融御当局には持っていただいた上で、貯蓄から投資、間接金融から直接金融ということをぜひともこれから語っていただきたい。そういった理念、方向感、哲学を持った上で。

 御紹介しますが、日本の廃業率、開業率、これは最近の調査ですと、開業率三・五%に対して廃業率が六・一%。いずれにしても、廃業率も開業率も五%前後での行き来です。アメリカの数字を拝見しますと、開業率が一四%、廃業率が一二%。まさに、倒れていく企業もたくさんあるわけですが、それ以上に起こってくる企業がたくさんある。これが全体として社会の新陳代謝を高めている。恐らく、これを支えているのが、すべてとは言いませんが、リスクをとれるお金を、それぞれがリスクをとりながら市場へ供給している。しかも、その市場は、しっかりした監視体制で守られて、はぐくまれている。国民経済的に見て、やはりそういう姿を日本国は指し示していくべきだと思います。

 大臣、いま一度、御感想、御所感をいただけませんか。

与謝野国務大臣 多分、先生が見ておられるグラフでアメリカと日本の比較があると思うんですけれども、国民は、ほとんど預貯金にお金を入れて、余り株を買ったり出資をしたりということはしない国民性があるんではないかと私は思っております。

 しかしながら、大事なことは、お金という資源が日本の経済社会の中に適正に配分される、最適配分が達成されるというところが大事でございまして、そういう意味では、預金だけ、貯金だけしていただくということよりは、もう少し幅広いスペクトラムでポートフォリオを広げていただければ、資源の適正配分というのはより容易に達成されるのではないかと私は考えております。

小川(淳)委員 大臣、ありがとうございました。

 ぜひ、そういう観点に立って、これからも自由な経済、自由な市場を強く守りつつ育てていただきたいと思いますし、これからも我が党との間でいろいろ議論になると思いますが、そのためには十分な費用と人をかけて市場を守って育てなければならないこと、その点、ぜひ前向きな議論を、これからも引き続きおつき合いをいただきたいと思います。

 谷垣大臣、せっかくおつき合いをいただいておりますので、一つだけお伺いさせてください。

 今、国民経済的な経営観点、ぜひ与謝野大臣に進めていただかなければならないわけですが、一方の国家、政府の経営、谷垣大臣がお務めでおられます。この間拝見しましたテレビの、これだけは受けたい授業ですか、大臣、借金の問題、予算委員会でも御指導いただきましたが、私はやはり、三十兆円に国債を抑えたことをPRされるのは大いに結構ですが、それよりも、なお三十兆円の借金をせねばならないことの重みの方がはるかに重いという気がしております。

 谷垣大臣、この借金、財政赤字の見通しについてもお聞きをしたいですし、この財政赤字とはそもそも何なのか、政治的な意味、どういう意味があるのか、どうとらえねばならないのか、大臣、ぜひお聞かせをいただきたいと思います。

谷垣国務大臣 借金とは何なのかということでございますが、まず、数字から申し上げますと、これはもうさんざん言われた数字でございますが、今年度末に五百四十二兆、国が国債をしょっております。これは、GDP比で一〇〇%を超えております。国、地方を合わせますと一五〇%を超えている。

 これだけやはり借金がたまりますと、万が一、市場が国の財政というようなものに信認を失いますと、危惧を生じますと、そこにいわゆるリスクプレミアムというものが発生して金利が急上昇して、経済を攪乱していくということが懸念されるわけでございまして、断固として政府が財政規律を保っていくという姿勢を示し、また、現実にその方向に向かっていくことが必要ではないかと思います。

 こういう議論をいたしますと、では、何で生じたのかということが必ず言われるわけでございますけれども、これはいろいろな議論があると思います。

 私は、これは基本的に、バブルを乗り越えてくる過程で、経済の底が抜けないように減税もいたしましたし、あるいは財政出動もいたしました。そういうことによりまして、今の日本の抱えている財政の根本問題の一つは、あのテレビの中でも私申し上げましたけれども、一方で、給付は世界的に見て、高負担高福祉とかいろいろなことがございますが、中規模の給付、中規模といいましても若干低目かもしれません、中規模の給付をしている国でございますけれども、負担の方はやはり低負担の国という、アンバランスが生じているところに最大の問題があるんだろうと思います。

 これは、結局、後の世代にツケに回っていくわけでございますから、一刻も早くバランスをとるということが大事でございまして、このバランスをとるためには、では、給付、負担というものは、大きな給付大きな負担でいくのか、小さな給付小さな負担でいくのかというあたりの議論を、決着をつけなければならないんだろうと思います。

 今、そういうことを与謝野大臣のもとで、歳入歳出一体改革ということで道筋をつけようとしているわけでございますが、委員の問題意識は那辺にありやということを、私、今まで議論させていただいて思いますと、結局、こういう財政の問題が、自分とは無関係な、国の政治家や何やらが勝手なことをやってあれだけの借金をこしらえた、おれたちとは関係ないものだと多くの国民が思えば、それは解決できるはずがないと私は思います。やはり、日本の国は我々の国なんであって、この財政は自分たちの財政なんだ、この借金は自分たちの子や孫がしょわなければならない借金なんだ、こう思っていただければ、解決の道は見つかるということじゃないかと思います。そのことは、せんじ詰めれば、国と国民に信頼のきずながあるかどうかということだろうと思います。

 ですから、私は、政治家の仕事というのは、格好よく言えば、政策はいい政策でなければいけないことはもちろんでございますけれども、最高の仕事は、国と国民の間にどうやって信頼関係をつくり上げるか、これは政治家にとって一番大事な仕事なんではないかと思っておりまして、財政の仕事をしておりますと、その重みを日々感じている。

 余り長々答弁してはいけませんので、これで終わらせていただきます。

小川(淳)委員 ありがとうございました。

 全く同感です。私は、本当にこの財政赤字というのは、政府なり政治家の、目の前にいる国民に対して、もう百円、もう千円足りませんから出してくださいということを言う力の不足、信頼の不足、説得をして納得を得る力の不足、これが借金という形でずっと積もり積もっているんだという気がしてなりません。

 もちろん、長い目で見ないといけないんでしょうが、やはりそこから、大臣おっしゃったとおり、国家と国民との間の信頼関係、これを本当に根底からつくりかえないと、この借金の問題というのは解決しないんだと思います。

 両大臣から本当にいい御答弁をいただきましたので、ぜひその方向感で進めてもいただきたいと思いますし、ぜひ九月に向けて暑い夏をお過ごしいただきたいと思います。

 きょうは本当にありがとうございました。

小野委員長 小川君の質問を終わります。

 続きまして、鈴木克昌君。

鈴木(克)委員 民主党の鈴木克昌でございます。

 本国会も、いよいよ余すところあと数日ということでございますが、国会は終わろうとも、やはり我々は政治家として、今谷垣大臣がおっしゃったように、日本の国は我々の国だ、この借金は我々が返すんだ、国と国民の間にいかに信頼関係をつくるか、こういうことをおっしゃいました、全くそのとおりだというふうに思います。

 そこで、今国会、一応あと数日ということになるわけでありますが、この百五十日間を振り返って、そしてまた、これからの日本に向けてどんな思いで今日おみえになるかということをぜひ両大臣に聞かせていただきたい、こういう観点で少し御質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。

 まず、私は、谷垣大臣に、歳出歳入の一体改革について何点かお伺いをしてまいりたいというふうに思っておるわけです。

 言うまでもありませんが、四月七日に経済財政諮問会議が、いわゆる第一期、第二期、第三期ということで、今から将来を三つに分けて、プライマリーバランスの黒字化までの間、それからさらにその後の間ということで示されたということであります。この第一期というのは、言うまでもありません、現在の小泉内閣であります。第二期は二〇〇七年から二〇一〇年ですね。第三期はそれ以降と言えるのではないかなというふうに思うんですが、しかし、そこでいろいろと具体策が議論をされておる中で、どうしても私、腑に落ちないというか理解できないというか、わからない点が何点かありますので、その点をまず谷垣大臣の方からお伺いをしていきたいというふうに思います。

 その第一点は、財源不足額であります。

 いみじくも昨日、政府・与党の財政・経済一体会議ですかの実務者会議が開かれたということでありますが、この数字は後ほどまた申し上げますけれども、それ以前に出されておった数字が余りにも、先ほど大臣がおっしゃった、国と国民の間に信頼関係をという数字ではなかったと私は思うんですね。何を申し上げたいかというと、例えば、竹中総務大臣はその不足額を六兆円というようなことをおっしゃったことがありました。それから、経済財政諮問会議の民間議員は二十兆円という数字を出された経緯もありますよね。六兆円と二十兆円というんじゃ、これはもう全く開きがあるわけです。

 それできのう、恐らくその調整をされるということで十七兆円という形が出たというふうに私は見ておるわけですが、きょうの新聞をいろいろと集めてみても、「財源不足額が二転三転… 痛み伴う政策ためらう」それから「参院選への影響懸念 具体策難航も 一層の歳出減 与党に異論」それから「「十七兆円必要」了承せず」「税収頼みに危うさ 与党の思惑「痛み小さく」 景気回復前提 机上の策」と。これはもちろん新聞の見出しだと言えばそれまでのことですが、これで国民に、先ほど大臣は、いわゆるこの借金は我々が返すのだ、共通の借金なんだ、国と国民の間にいかに信頼関係を構築していくかだ、こういうことをおっしゃったわけですが、全くしかし、こういう見出しを見た国民は果たしてどういうふうに理解をするかということだと私は思うんですね。

 まず、いわゆる財源不足額の数値目標の検討状況それから大臣の現在の見解、これをまずお示しいただきたいと思います。

谷垣国務大臣 鈴木先生から、今までのいろいろな数字が出てきて議論をしている状況をとらえて、こんなにいろいろな数字が出てくるんじゃ、何を信じていいかわからない、こんなお気持ちで今御質問をいただいたんじゃないかと思います。

 これはなかなか悩ましいところでございまして、政府の中で完全に議論が整って、きれいに料理ができましてから、はい、こういう料理でございますというお示しの仕方をすれば多分今のようなおしかりは受けずに済んだんだと思うんですが、経済財政諮問会議等々はかなり闊達な議論をやっておりまして、時によると、もう相当、口角泡を飛ばしながら、目を三角にしながら議論をいたしまして、そこでいろいろな数字もかなりオープンに出てまいりますので、その過程をごらんになると委員のような御感想をあるいはお持ちかと思うんですが、少し料理が仕上がるところまで見ていただきたいという気持ちもございます。

 ただ、そんなことを言っていても仕方がございませんので、要するに、二〇一〇年代初頭の基礎的財政収支の黒字化のために必要な対応額と申しますか、これはきのう、御指摘のように財政・経済一体改革会議の実務者協議と言われているものが開かれまして、与党における今までの大枠の検討なども踏まえまして、今後の政府・与党の作業の出発点となるべき数字として先ほど申し上げた約十七兆円程度、これが二〇一一年度の要対応額として一応この議論の出発点だということで内閣府より御説明がありました。

 現在、与党の方で、財務省も協力しながら二〇一〇年代初頭に向けた歳出削減の具体的内容についていろいろ議論をし、検討を続けているところでございます。また、経済財政諮問会議におきましても歳出削減方策等についての検討が行われておりまして、私どもも財政審議会に具体的な案を取りまとめてほしいとお願いをしているわけでございます。

 今後、そういった内容を踏まえながら、この十七兆という要対応額を出発点としてさらに議論を深めていく必要があるということだと思うんですが、いずれにしても、国民負担をできるだけ軽減するという観点から、まずは歳出削減を徹底することが大事で、税収が足元で伸びているからといって手綱を緩めてはいけないんではないか、しっかり取り組んでいく必要があるというのが私の基本的な考え方でございます。

 その上で、民間議員が諮問会議で示した約二十兆円と十七兆円の違いは何かということでございますが、この要対応額は内閣府で計算を行っていただいたものでございますので詳細は内閣府からお話しいただいた方がいいのかもしれませんが、諮問会議で民間議員が示した二十兆円というのは十八年の一月に計量経済モデルを用いた試算でございますが、今回の十七兆という計算は一定の仮定を置いて機械的に行ったというものでございまして、手法が違っている。それから、今回の計算では、税収が少し上向いてきましたので、その足元の税収の上振れを見込んでこういう違いが出てきたということでございます。

 それから、竹中大臣が六兆円ということを示したじゃないかということでございますが、これについては、具体的にどういう試算をされたのか、私は詳細は承知しておりません。

鈴木(克)委員 今十七兆円については御答弁があったんですが、実際にはこれは十五兆五千億じゃないかということなんですよね。ただ、医療制度だとか行革推進に盛り込まれた定数削減とか、そういったのがまだ決定していないから、とりあえず、とりあえずというか十七兆にしたんだ、このように実は思えるわけです。

 私は、これは大きいと思うんですね、十五兆五千億と十七兆というと。それこそ消費税一%近い違いということになってくるわけですから、やはりこういうものは、先ほど大臣はいわゆる国民との間に信頼関係を構築するんだと言われるならば、やはり、この辺のところはきちっとオープンにして、国民の皆さん、こういう計算をもとにこういう数字が出ておるんですよ、しかし、ここが変わってきたときにはこうなりますよというようなことまできちっと出していくべきだ、それがやはり国民との間で信頼関係をつくっていくことだというふうに私は思うんですけれども、このことをあしたの朝まで言っておってもきっとまたあれになると思いますので、私は、そういうことできちっと国民に明らかにしていくべきだということを強く御要望して、次の問題をお伺いしたいと思うんです。

 そこで、先ほど新聞記事でも申し上げました。不足額の少なくとも半分以上を歳出削減で賄い、その際に、社会保障や人件費など各分野でバランスをとって削減する、また、国、地方の間でもバランスをとって財政健全化を進める、このように言われておるわけですが、では、この歳出削減の具体策というのは一体全体何なのか。とりわけ地方に対して一層の歳出削減を求めていくということなんですが、実はこれ、大臣御存じのように、地方はもう既に基礎的財政収支というのは黒字化しておるわけですよ。いわゆるプライマリーバランスはもうとれておるわけですね。しかも、債務残高のGDP比も低下の傾向にあるわけです。

 そこで、さらに地方に対して一層の歳出削減を求めていくということになっていくのか、それをお考えなのか、その辺をまずお示しいただきたいと思います。

与謝野国務大臣 十七兆というのは説明がつく数字でございまして、一定の前提できちんと出てきた数字でございます。経済成長率三%のときも、あるいは経済成長率を四%にしても、実は、偶然ですけれども、同じ結果が出てまいりました。十五・五兆というのは誤報でございます。

 そこで、地方に歳出削減を求めていくのかということでございますが、当然そういうことになります。

鈴木(克)委員 与謝野大臣から御答弁をいただきまして、それではもう一度谷垣大臣の方に戻したいんですが。

 それで、誤報であるということを今はっきりおっしゃったんですね。では、そういうことでよろしいんですね、十五兆五千億は誤報だと。与謝野大臣。

与謝野国務大臣 計算の過程でいろいろな数字をつくりまして、どれが一番説得力のある説明可能な数字かということをやっておりまして、途中経過でどこかの新聞社がその資料を見て急いで書いたという意味では、まだ確定しない段階で数字を書いてしまったという意味では誤報でございます。

鈴木(克)委員 どうも今大臣のおっしゃった説得力のあるということが、私は真実を国民に知らせてもらいたいわけで、国民に対して説得力ある数字を出したんだということは、ちょっと私は納得いかないんですが、そのことはこれ以上突っ込まないというか、お伺いせずにおこうと思うんです。

 そこで、もう一度谷垣大臣の方に移させていただきますが、私がお伺いしたいのは、要するに増税なんですね。増税ということは消費税になるわけですよ。いわゆる残された半分、半分はいわゆる歳出削減で、あとは他の手法でということになると、これは増税をお考えになっておるということではないのかなというふうに私は思うんですが、そのときに、以前から大臣は消費税率の引き上げの必要性というのをずっとおっしゃっていましたよね。

 例えば、今まで大臣が想定されておった消費税率と、ここへ来て、今現状の消費税率というのは変わってきたのかどうか、その辺をぜひ聞かせていただきたいし、もう一つ、いわゆる成長力を強化するという話、それと増税との関係というのは、成長力が上がれば増税をしなくてもいいんだ、こういうようなことで判断していいのかどうか、その二点をちょっとお聞かせいただきたいと思います。

谷垣国務大臣 考え方が変わったのかというニュアンスがあったと思いますが、やはり今これだけ歳入と歳出にギャップがございますから、それを何らかの形で埋める方策を考えなければ、ツケを後世代に送ることになる。

 そのときに、これだけギャップがありますから、どこかでやはり歳入、税ということのお願いをしなければならない、そういう決断もし、またタイミングも来ると私は思っているんですが、しかし、それまでに何にも手をこまねいておって、無駄な歳出を削るとか歳出を合理化するという努力を全然しないでいて、これだけ足らず前がございますからお願いしますというのでは国民の理解が私は得られないだろうというふうに考えているわけでございまして、ですから、先般も経済財政諮問会議で、今後の道筋、幾つかその基本的な考え方が必要だろうというその筆頭に、要調整額の少なくとも半分以上を歳出削減で達成していくという努力が必要だろうということを申し上げたわけでございます。

 その上で、では考え方が変わってきたのかというと、今申し上げたようなことで、いろいろな作業をして、これだけお願いするという前に、当然これだけカットしたということになってまいりますから、その努力がどこまでできるかということと、もう一つは、先ほどの議論でも申し上げたところですが、給付と申しますか、社会保障にしてもいろいろ水準がございますから、やはりどれだけ国民は求めているかということを見きわめながらやらないと、どこまで削れるかという結論も出ません。

 今そういう結論をやっている最中でございますので、自分の最初に考えていた結論とどれだけ離れてきたのかというお答えは、まだちょっと答えを持っていないのが実際のところでございます。今その作業を進めているということでございます。

 それからもう一つ、何でしたか。

鈴木(克)委員 成長力の強化と増税というのは何か。

谷垣国務大臣 もちろん、私ども、成長力を伸ばすということは当然考えなければなりません。その際、成長というのが、実はインフレに名前を変えて何かするというようなことでは、これは害がある手法でございますけれども、実質的成長力を伸ばしていくということは、これは当然考えなければならないことでございまして、実質成長力を高める、そして、でき得べくんば、そういうことで税の自然増収もふえていく、体力は上がっていく、そういう中で財政再建というものをなし遂げていくというのがやはり王道だろうと思います。

 したがいまして、私は、歳出改革の努力と、それから、実質的な成長力と申しますか潜在的な成長力といいますか、そういうものを伸ばしていく政策というのは車の両輪のごときものであるというふうに思っております。

鈴木(克)委員 そこで、もう一点お伺いしたいんですが、いわゆる十七年度の国税収入が予定額を大きく上回る結果になった。これは、財政を担当される大臣の立場からいえば大変結構な状況かというふうに思うんですが、ただ、こういうことによって、ちょっと嫌らしい言い方なんですが、財政再建の緊迫感が後退をするようなことはないんでしょうか。それから、いわゆる歳出削減が徹底されない、要するに甘くなるというような懸念もあるんじゃないのかなというふうに、そういう心配をするわけです、老婆心ながら。その辺はいかがですか。

谷垣国務大臣 まことに適切な御心配をいただいているなと思います。

 過去にも、何とか財政再建をしよう、これだけの借金体質を乗り越えていこうという努力はいろいろな格好があったわけでございますが、やはり調子が本当に厳しいときは何とかしなきゃいけないなという緊張感が全体に行き渡るわけですが、少しよくなってくると、何かのど元過ぎればというようなことがやはり私はあるんではないか、基本的にそこは警戒していかなきゃいけないというふうに思っておりまして、気合いをさらに入れなきゃいけない、こういうふうに思っているところでございます。

鈴木(克)委員 税収というのは、景気回復次第で大きく変動をするわけであります。特に今、先ほどの議論にありましたけれども、世界的な株価の下落だとかそれから原油の高騰だとかいろいろな要因があるわけでありまして、私は、やはりそういうことを本当に慎重に見きわめて今後の財政に対して取り組んでいっていただかなければいけないんではないかな、実はこんなことを思ってお伺いをしておるところでございます。

 さて、まだ二期が始まっていないのに第三期目のステージの話をするというのは少し早いのかもしれませんけれども、仮に基礎的財政収支の黒字化、プライマリーバランスの黒字化が達成された後、どのような形で債務残高の対GDP比を下げていくのかということについて、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

与謝野国務大臣 プライマリーバランスという言葉は大変誤解の多い言葉でございまして、何かバランスするんじゃないかという錯覚があるんですけれども、私に言わせれば、ちっともバランスはしていないというふうに考えております。これは、いわば山に登るとしたらほんの登山口でございまして、そこから先がなかなか難儀なところだと思っております。

 と申しますのは、プライマリーバランスに仮に到達してもその翌年から債務残高が発散的に増加していく、そういうプライマリーバランスの到達の仕方はほとんど意味のないプライマリーバランスであって、やはりプライマリーバランスを達成した後は、国、地方の債務が安定的に水平飛行をする、あるいは対GDP比、少しは下がっていくという状況をつくるということが私は財政再建だと思っております。

鈴木(克)委員 それでは次に、ちょっと視点を変えて、去る六月七日に、全国知事会など地方六団体から、十二年ぶりですかね、意見書が出されたわけですね。この意見書の中身を詳しく申し上げる必要はないと思うんですが、たしか七項目あったというふうに記憶をしております。

 その中で、例えば、新地方分権推進法を制定してもらいたいとか、地方行財政会議を設定してもらいたいとか、税源配分を実際に地方の自立が図れるようにしてもらいたいとか、交付税が固有財源であることを明確にするために地方共有税を制定してもらいたいとかいろいろとあったわけですが、この中で、とりわけ私はここの一文に非常に関心を持っておるわけです。

 地方六団体は、政府・与党が議論を進めている歳出歳入一体改革に関し、一、「地方の歳出の大半は、国が法令等によりその実施を義務付けたり、配置基準を設定しているもの、あるいは国庫補助負担金に伴い支出するものである。さらなる歳出削減を進める場合は、国による関与、義務付けの廃止・縮小、国庫補助負担金の廃止、国と地方の二重行政の排除などを推進し、国・地方が一体となって削減努力を行っていくべきである。」二つ目、地方の歳出削減など「行財政改革による成果は、地方交付税の削減という形で国の財政再建に利用するのでなく、それぞれの地方力を活かした地域再生のために使えるようにすべきである。」

 私は、特にこの二つの点に非常になるほどなというふうに思ったわけであります。要するに地方が言いたいのは、まず交付税削減ありきということではなくて、地方に対してのいわゆる新しい形の歳出歳入一体改革をやってもらいたい、地方の意見をもっと酌んでもらいたい、こういうことだというふうに私は思うんですよね。

 この辺について、いわゆる国と地方の財政関係についての基本的な認識について私はお伺いをしたいと思うんですが、いかがでしょうか。

谷垣国務大臣 今鈴木委員がおっしゃいましたのは、市長をされたいろいろな御苦労の経験を踏まえての御発言で重いものがあると思っているわけでございますが、今おっしゃった中で、かなり国からいろいろ縛られているのであって、そこのところをもう少し改善しなきゃいかぬという御意見がありました。

 それで、実はそこのところは私も本当はもう少しよく議論をしたいところなんです。よく何割がそうだというような数字の議論があるんですが、では、それの実証的なデータといいますか、具体的な、それを明らかにする数字といいますか、それは必ずしも明らかになっていないところがございまして、この議論を、一つの問題提起だと思いますが、なかなか深まっていかないところがあるんじゃないかなと。

 何かやはり、もう少し資料の透明性とかそういうようなものが必要なところがあるんじゃないかという感じを持っておりまして、諮問会議でも実は私はそういうことを申し上げました。ちょっとこれは前置きでございますが、そういう感じを持っております。

 それから、国と地方の財政のあり方。基本的なことを申しますと、これは先ほど委員がお触れになりましたけれども、もう既に地方はプライマリーバランスが回復しております。それで、国の財政と地方の財政と、今まで随分、どっちが貧乏だ、貧乏競争みたいなことをやってきたのは余りうれしくはないんですが、私は、国の財政とマクロで見た地方の財政を比較すれば、地方に比べて国の財政がより厳しい状況になっているということは事実だと思います。

 したがいまして、当然、国の方も歳出削減等々財政構造を変えていく努力をしなければならないわけでございますけれども、そして、地方側も今まで随分御苦労いただきましたけれども、私は、引き続き歳出削減に向けて地方の御努力も必要な状況ではないかと思っております。

 それから、今後地方がそういう努力をさらに続けていただく中で、地方税の自然増収等も考えられる状況になってまいりまして、地方の基礎的財政収支というのは今後さらに改善が続けられるだろうというふうに思っております。

 そういう中で、財務省としても、今ちょっとお触れになった中にそういう危惧が出ていると思うのですが、決して交付税の法定率削減を、初めからそれが前提だ、所与の前提だというようなことで私たち検討しているわけではございません。今後も、真に必要な交付税額は、これは措置していかなければならないわけでございますが、同時に、現行の法定率分は、これは聖域であるということも、やはりこういう国、地方を通じての財政状況を考えれば間違っているのではないか、真に必要な額を超える額は国民に還元していく、そして将来の国民負担をできるだけ抑制していくということが必要じゃないかというふうに思っております。

 それから、国と地方の財政関係について、例えば、私どもの大先輩である福田大蔵大臣当時に、国と地方の財政というのは公経済の車の両輪だということを福田大蔵大臣がおっしゃったことがございます。そういう考えが基本にあってバランスを保ちながら運営されてきたと思うんですが、かつては、苦しい地方財政に配慮して交付税率の引き上げ、これは昭和四十一年度ですが、こういうことを行った時期もございました。それで、現在は、国の状況がより厳しいので地方にも引き続き辛抱をお願いしたいと申し上げているところでございます。

 国の財政健全化を進めていくというのは、地方も地方債等々を発行しておられるわけでございますが、債券市場全体の信認の指標となっているのはやはり国債であるということがございますので、この国債の信認を維持して、リスクプレミアムを抑えて利率を低い水準に保っていくということは、これは中期的に見ると地方財政にとってもメリットのあることなのではないかというふうに思っております。

 また同時に、納税者にとっても、将来の税負担を極力抑制するということに結びついてくるのではないか、こういう考えのもとでよくよく議論を尽くさせていただきたいと思っているわけであります。

鈴木(克)委員 それでは次に、ちょっと金融不祥事の方に話を移させていただきたいんですが、昨今、金融庁による行政処分が多発しておる。先ほども他の委員からお話があったんですが、例えば、記憶にあるだけでも、アイフル、SFCG、明治安田、損保ジャパン、中央青山そして三井住友、本当に数え上げれば切りがないほど、貸金業、生保、損保、監査法人、メガバンクと、ありとあらゆる業態、業種の企業が行政処分を受けておるということであります。

 一度整理をしてみたいと思うんですが、直近三事業年度で金融庁が行ったいわゆる行政処分の件数、そして特に、本年、現在までの行政処分件数をお示しいただきたいと思います。

佐藤政府参考人 直近の三カ年度に金融庁及び財務局等から発出し公表を行った業務改善命令、是正命令、戒告、業務停止命令及び免許、登録等の取り消しといった行政処分の件数でございますが、平成十五年度が百八件、平成十六年度が百三件、平成十七年度が二百三十一件、また、本年度、この四月から六月十二日までに発出し公表を行った行政処分の件数は四十五件ということでございます。

鈴木(克)委員 大臣、お聞きのような件数ですよね。これはどのように理解をしたらいいのか。小泉さん流にいえば金融庁がちゃんと機能しておるんじゃないですかぐらいの話になるのかもしれませんけれども、私は、やはりこれは、大企業によるこういう金融不祥事が多発をしておるというのは、本当に一般投資家や消費者にも多大な影響を与えておるというふうに思うんですが、与謝野大臣、今の数字を聞かれて、大臣としての御見解はいかがでしょうか。

与謝野国務大臣 金融庁の立場は、どういう銀行か、金融機関か、証券会社か、ファンドか、そういうことは関係は実はございません。また、それらの大中小も全く関係ありません。事実と法令に照らして、法令に違反しているときには淡々と日常的な業務として処分を行う、そういうことに徹しております。

鈴木(克)委員 ただ、明らかに件数がここへ来てぐっとふえておるというのは、やはり何かそこに原因があるんではないのかなということでございまして、さっきも申し上げましたように、ちゃんと金融庁が機能しておるからだということだけではない問題があるんではないのかなと。もちろんゼロがいいということを申し上げるつもりはありませんけれども、これだけ事件があれば、その事件の陰に、泣いたり困ったり、本当に苦しんでおる人がおるんだというような考え方をしていく必要があるんじゃないのかなということを私は特に申し上げておきたいんだというふうに思うんです。

 それで次に、ライブドア、村上ショックの問題をちょっとお伺いしたいんですが、これは一体全体どのように理解をすればいいのかということであります。

 ある意味では、村上さんに対して評価をする声も過去にはあったわけですよね。それで、今回この逮捕事件があって、外国の一部メディアでは、日本企業の経営の透明性が後退するおそれがあるんじゃないかとか、いろいろなことを言われておるわけでありますけれども、私は、日本におけるアメリカ型資本主義の限界というものがここへ来て露呈をしておるんではないのかな、このように思っております。

 我々はこの国会で証券取引委員会設置法案を出しました。しかし、結果的にはそれは与党は反対をされたわけでありますけれども、現在のこの金取法、金融商品取引法で、ライブドアによる粉飾や投資組合を使った不正取引、そして村上ファンドのインサイダー取引、こういうようなものは本当に今後は再発を防止できるのかどうか、その点を大臣にお伺いしたいと思います。

与謝野国務大臣 できるだけ法律を新たにする、またそういう不正は許さないという姿勢を司法当局が持つことによって、そういうような金融犯罪を抑止するという努力はいたしますが、そういうものが皆無になるという保証は全くないと思っております。

鈴木(克)委員 何か小泉さんの答弁に似てきたような気がするんですけれども、皆無にしろということではもちろん私はありません。しかし、先ほども申し上げたように、本当に今の法律でこれはある意味では防げるんだというふうにお考えになっておるかどうかということをお聞きしたかったわけでございますが、これもこれぐらいにしておきましょう。

 そこで、不良債権問題、それから預金者への利益還元、これについて、最後の質問とさせていただきたいと思うんです。

 要するに、先ほど報告がありました、かなり改善をされておるということなんですけれども、不良債権問題についてはもう決着がある程度ついたんだ、このように理解をしていいんでしょうか。それからもう一つ、地方銀行では今の不良債権問題はどんな状況になっておるのか。この点をお聞かせいただきたい。

 それからもう一点は、利益還元でありますけれども、結果的に各銀行は史上空前の利益を上げた。しかし、それは預金者や国民に還元をされておるわけではないわけですよ。どの銀行もコメントを出しておるわけですが、それは抽象論を言っておるだけで、ある新聞では、国民へのお礼は口だけではだめなんだ、こういうことを言っておるマスコミもあるわけですよね。

 このことについて、不良債権問題、地方銀行の不良債権はどうなのか、メガバンクの不良債権はもうめどがついたのか、それから、還元についてはどのようにお考えになっておるのか、この点をまとめて御答弁いただきたいと思います。

与謝野国務大臣 確かに数字を見ると大変利益を上げているように見えますけれども、よく考えますと、昔からの損失をまだ抱えている、それを償却せざるを得ない、そういう問題があります。

 したがいまして、税金も払っておりませんし、まだ公的資金も入っておりますし、先生が御懸念のように預金者にはろくな預金者金利を払っておりません。これが果たして健全な姿に戻った銀行なのかといえば、まだまだあらゆる観点から一人前になったというふうには言えないと私は思っております。

 ただ、不良債権比率だけ見ますと、確かに大手行は二%を切りました。地方銀行、第二地銀も大体五%台の水準まで参りましたから、不良債権の問題は大分改善されたと思いますが、まだまだ道半ばということであると私は思っております。

鈴木(克)委員 終わります。

小野委員長 以上で鈴木君の質問を終わります。

 続きまして、古本伸一郎君。

古本委員 民主党の古本伸一郎でございます。

 財務省、金融庁におかれましては、両大臣はもとより役所の皆さんも、今国会の御対応、大変お疲れさまでございました。国民的に関心の高い幾つかの課題が残されておるやに理解をいたしておりますので、私の方からは順次質問をさせていただきたいと思います。

 本日は、FRC報告を承ったわけでありますが、諸先生方からもう既にありましたとおり、メガバンクの、公的資金が入っている中にあって、ろくな金利で国民にお返ししていない、まさに大臣の言をかりればそういうことでありますが、そういう中で、そのメガバンクの一角であります三井住友銀行の元責任者である西川氏の問題を、この委員会でも同僚議員の近藤洋介君が既に問題を惹起していただいているというふうに思います。その際、大臣からは、三井住友銀行サイドでその処分がおりた段階で、当局といいますか、行政としてのコメントはそこまで留保したいという趣旨のことをおっしゃっておられたというふうに理解をいたしておりますので、改めて、三井住友の処分が出た現在において、西川氏に対するコメントを金融大臣に求めたいと思います。

与謝野国務大臣 西川さんは、三井住友の最高責任者であったわけですから、頭取時代にその事実を知っていたか知らなかったかということは別にいたしまして、経営者としての責任は自覚していただきたいと私は思っております。

 現経営陣が三井住友として適正であるという処分をされたわけでございますから、それはそれとして静かに受けとめるべきだと私は考えております。

古本委員 一方で、西川氏は現在、日本郵政株式会社のこれまた責任者を務めておられます。政府肝いりの、まさに来年発足予定の純民間、純粋な民間企業になるとはいえ、今現在はまだその途上にある会社の長を務めていることについて、いささかの懸念も疑念もないのか、御確認をいただきたいと思います。

与謝野国務大臣 そのことは郵政会社の組織としてお考えいただくことだろうと思っております。

 ただ、西川さんは、民間銀行の責任者として民業をやっておられたわけですから、そういう民業に対する深い理解の上に立って郵政会社を運営していかなければならないと思っております。

古本委員 いや、逆ですよ。まさに、その民間時代にこういう事案があったわけです。そして、金融庁の行政処分のただし書きの中にわざわざ書いていますね、当時の経営責任も遡及して判断をするようにと。まさに指導されているじゃないですか。その指導を受けて、三井住友はかつての経営者に、ある意味厳しい、半年間の役員報酬の返上でしょうか、を求めたわけですよね。まさに、その民間の時代に行ったことであるわけでありまして、いわば民間時代にそういうことをした癖がある方が引き続き公金を預かる郵政会社の長としてその任につくことに、いささかの疑念もないかとお尋ねをいたしておりまして、そのことは、もちろん総務大臣マターかもしれませんが、竹中さんとは何かそういう、雑談も含め、御所見は、懸念は伝えたことはあるんですか。

与謝野国務大臣 そのことは郵政会社がまずお考えいただかなければならないことだと思っております。

古本委員 委員長、これは、当委員会で同僚議員が参考人も求めた経緯がある中で、もちろん理事会での協議を重ねる中で、なかなか至らなかった経過は理事の一人として十分承知をいたしておりますが、大変大きな問題でありますので、また、今国会での積み残しの課題として、私は、恐らく来る臨時国会だとは思いますが、課題として留保されたというふうに認識をいたしたいと思っておりますが、いかがでしょうか。

小野委員長 この点は、これまでの理事会での協議もございますから、それを踏まえまして、さらに問題提起をいただいたと理解しておきたいと思います。

古本委員 ありがとうございます。

 それでは、FRC関連を終えまして、委員長のお許しをいただきまして資料の配付をいたしましたが、今国会は、当財務金融委員会の最大の論点だった証取法改正が控えておる中で、期せずして勃発したライブドア事案に、率直に言って、振り回されたこの半年間だったというふうに理解をいたしております。その意味で、再度おさらいをするに当たり、これまた期せずして村上氏の逮捕という事案が重なってまいりましたので、おさらいを兼ね、改めて論点を共有したいと思いますので、若干お許しをいただきたいと思います。

 まず、今回は、インサイダーということで、百六十七条、六条関連の容疑で村上氏が逮捕というふうに理解いたしております。もとより、与謝野大臣とも何度となく御議論をさせていただきましたが、資料の四の一でございます、二〇〇五年の二月八日のわずかその四十分間、三十分強の時間帯の中に、八時二十二分、三百四十八万株をスタートに、この六本のToSTNeT1を利用した取引、これはもう累次にわたり当委員会で私も申し上げてまいりましたので、きょうはさらっと申し上げますが、これはすべて、手口を分析すれば、村上氏がかかわっておると言われておるいわゆるMACアセットマネジメント、それからM&Aコンサルティング、こことまさに数字が符合するという外形的事実がまずあるわけですね。そして、サウスイースタン・アセット・マネジメントのこの三百四十八万株も、八時二十二分の取引と数字がほぼ符合している。これはまさに御庁が管理しておられる大量保有報告にも出ているわけですね。

 こういう事実がある中で、では、どうして犯罪として切り取れないのか。つまり、二月八日に、当時伊藤大臣が、このことを含め、違法性はないというふうにさくっとおっしゃってしまったわけですが、その後司法の判断にも予断を与えたんじゃないかと、これは累次にわたり指摘しましたが、そうじゃないの一点張りでありました、皆さんは。

 しかしながら、その際の判断として御答弁いただいたのは、ToSTNeT1を利用しての取引については、事前に契約の合意があった場合に、これは事前に契約が成立しているとみなされる場合があると。この答弁は、資料の一につけておりますが、伊藤大臣も当時おっしゃっておられます。いかなToSTNeT1といえども、事前の合意があって契約が成立しているということであれば、これは市場外の取引になるということになるんじゃないか、ここまでおっしゃっておられますね。

 そうなりますと、これは資料の二もつけました、監視委員会の高橋委員長の語録の中で、これは今年三月のインタビューでありますが、TOB、公開買い付け規制について当たらないかという懸念に対し、事前の打ち合わせをしたとしても、そこに意思の合致がなければ問題にならない、これを証明するのは大変難しいと。これは、監視委員会も累次にわたり、人の心の中まで立ち入らないとわかりませんと繰り返しておられました。今回、わかったじゃないですか、まさに。インサイダーで事前に話ができていたというのはわかったじゃないですか。

 資料の四の二をおつけいたしました。事前売買合意に基づく契約の成立でありますが、合意を示す情況証拠です。これは、ポイントだけ読み上げますと、例えば二〇〇四年の十一月八日、東京地検の調べによると、堀江被告らと会談した際に、ニッポン放送の株主名簿を示し、この株主は売ってくれるなどと助言していたと。これは、ニッポン放送の株主名簿を持ち出した人は唯一村上氏であり、それをもとに、だれなら売ってくれる、買ってくれということをやったわけでしょう、恐らく。その結果呼応したのがサウス社初め幾つかの会社だったわけなんでしょう。

 さらにあります。時間外取引、つまりToSTNeT1を使うようにということも指南した、指導したというふうに東京地検の調べによると言われています。さらには、丸の三つ目、外資一、二社が時間外取引に応じるなどと、具体的にファンド名も挙げてニッポン放送株を大量取得するよう促した、二〇〇五年二月。そして、問題の二月八日を迎えたわけであります。

 これらの話というのは、契約の、売り買いの意思が互いに事前にできていたという理解をするに十分に足る少なくとも情況証拠だと思いますが、いかがでしょうか。

与謝野国務大臣 先生の引用されているのは、恐らくいずれも新聞記事になったものでございまして、その内容の当否について私は確信を持っているわけではありません。したがいまして、仮にこの事件が公判請求をされ、公判廷でいろいろな証拠が出てくる中で、いずれすべてのことが明らかにされると思います。

 ただ、私がこの取引を最初聞いたときには、先生と全く同じ印象を持って、これだけ大量のものがある一瞬のうちに出合って、そこで成約するというのは、確率としては極めて薄い、ほとんど不可能なことが起きたのではないかという印象を政調会長時代に持って、そのことは周りの人たちにも言いましたし、金融庁にも伝えたわけでございます。

古本委員 これは与謝野大臣のおっしゃっておられるところが率直な、偽らざるところだと思うんですが、残念ながら、これは何度も申し上げています。伊藤大臣が問題ないと御発言され、一般論とはいえ、明らかにライブドアの事案、ニッポン放送株の事案に対し問題ないと言われ、その後、まさにニッポン放送の新株予約権の発行差しとめの仮処分申請が出され、それに対し、ありていに言えばニッポン放送が負けたわけであります。これは資料の三、何度もこの委員会に提出しております。

 これははっきり書いているんですね。おさらいします。東京高裁の決定、平成十七年三月二十三日。売り主に対する事前の勧誘や事前の交渉があったことが推認されると、もうここまで言っているんです。しかし、それ自体は証取法上違法視できるものではなく、売り主との事前売買合意に基づくものであることを認めるに足る資料はない、こういうことを理由に判断なさっているんですね。

 したがって、今回、監視委員会の機能強化を含め、私ども民主党はずっと提案をしてまいりましたが、残念ながら与党の先生方には合意をいただけませんでしたが、こういう調査を今後も深めていく中、もちろん監視委員会の機能強化ももとよりでありますが、やはり早いタイミングで行政の責任者である大臣が一言言ったということが大変大きく予断を与えたんじゃないかという疑念は、これは依然としてぬぐい去れないんですが、この点については大臣はどうお考えでしょうか。

与謝野国務大臣 閣僚が何を言おうが、政治家が何を言おうが、証券監視委員会は独立しておりますし、検察庁も独立をしておりますから、みずからの責任と判断で行動をいたします。

古本委員 とはいえ、事実はこういうことで、結果はこうなっているということを強く指摘いたしますが、そのことについては、大臣、そうだなとお認めになりますか。

与謝野国務大臣 報道がすべて正しければという前提で認めます。

古本委員 勇気ある御発言に敬意を表します。

 それでは、阪神株の問題に行きたいと思います。

 資料の六をごらんいただきたいと思います。

 村上ファンドによる阪神株の買い取りの問題なんですが、実に巧妙です。二〇〇五年の九月に阪神の筆頭株主に躍り出ました。その際の大量保有報告には純投資というふうに記載されています。巧妙な手法をとって大量保有報告を、村上ファンドはいわゆる免除業者ですから、純投資目的であれば、いわゆる五営業日以内の、その縛りを受けなかったわけですね。

 ところが、どうでしょうか。本当に経営権をとるつもりのない人が、例えば、経営がよくなる要素は山のようにある、僕の知っている経営者たちと提携するとむちゃくちゃよくなる、この投資は中長期でやりたい等々、村上語録には事欠きません。それを見て業を煮やしたんでしょうか、金融庁は勇気あることを言われています。二重丸ですが、経営権取得を意図していれば、複数の取引を使って株式を大量取得するのは法令上問題があると。これは昨年の九月時点で指摘されているんですね。つまり、TOBを行わなくても三分の一超の取得が可能となる点を問題視されておられます。

 その後、実は、資料の七の一でありますが、通称村上ファンド、MACアセットマネジメント・ピーティーイー・リミテッドから関東財務局が受け取った資料です。これは大量保有の報告の変更届け出でありますが、純投資から、つるっと経営参加というのを一行書き加えました。これはつい五月の話であります。

 この直前に恐らく金融庁が何らかの指導をされたんじゃないかというふうに推測がなされますが、このタイミングで、金融庁なり関東財務局なり、村上ファンドサイドに何か指導をしたんでしょうか。

三國谷政府参考人 個別事案につきましてコメントすることは差し控えさせていただきたいと存じます。

 一般論として申し上げますと、大量保有報告書を含みます証券取引法上の開示書類につきましては、所轄の財務局におきまして審査が行われ、仮に記載内容や開示事項に問題があれば訂正を求める等の対応を行っているところでございます。

古本委員 これはもう既に報道されていますから。関東財務局が指導したんですよ。個別の事案だから答えられないと。大分なれてきましたけれども、言っておられる人も大分大変だと思いますが、これは出ているんです。

 つまり、私が申し上げたいのは、一年ずれているんですね。一年間留保したんです。ですから、金融庁ようやっているんじゃないかという意見も、あるいは監視委員会ようやっているんじゃないかという意見もありますが、明らかにこれは逃れで、上手に切り抜けているというのが見え見えの作戦でやって、金融庁もまさに、去年の九月時点で指摘して、そしてこの五月の純投資に書きかえるまで放置していたんじゃないでしょうか。これは答弁を求めませんが、そう思われても仕方がないと思います。事実関係に関して言えば、そういうことではないかというふうに理解をいたしております。

 そして、そこでお尋ねをするわけですが、先ほど、例の、鈴木議員からありました十七兆円の国の財源不足の話がありましたね。これは谷垣大臣も万一の場合のリスクプレミアムの御懸念があるということで、まさに金利上昇が最大の懸念事項ですね、恐らく。

 そんな中で、ゼロ金利の解除の問題を含め、日銀はもう何かやる気満々、物価の安定という御旗に隠れて何かよからぬ動きがあるんじゃないかということがあるわけですが、何と、その日銀の総裁が、村上ファンドに出資しているということを、きょうの午前中の参議院の答弁でおっしゃっておられたと報道を見ましたが、どうですか、財政当局者として、大臣。

 片や庶民には、金利上昇させて、住宅ローン負担がアップになっちゃったら、これはどうなるんですか。日本の住宅市場、今、二十兆円市場ですよ。附帯設備を入れれば三十兆円市場。家を建てかえれば、ついでにエアコンも買いたい、庭木もきれいにしたい、物すごいこういうマーケットがありますね。例えば、住宅金利が上がったらどれだけ消費が冷えるでしょうか。考えただけで背筋が凍ります。

 そういうことを平気でやろうとなさっておられるのかどうかわかりませんが、そういう方が出資をしておられる、蓄財をしておられるんですね。御所見を求めます。

谷垣国務大臣 先ほど、参議院の委員会で、この問題、御質問がありまして、福井総裁が御答弁なさっていたのを私も横で伺っておりました。ただ、これは福井さんの個人に係るものでございますから、事実関係はどうかとか、そういうことは私がお答えするのは差し控えたいと思っております。

 それで、一千万拠出されたというふうにおっしゃっておられましたが、これはいわば私人のときの行いであるということがございます。今、日銀総裁でいらっしゃるわけで、いずれにせよ、日本銀行におかれましては、私企業との関係について疑念を抱かれることのないような行動をとっていただきたいと思っております。

古本委員 これは、与謝野さん、財源不足の十七兆円を歳出歳入一体改革の名のもとに進めていく上で、与謝野さんは堅実な前提ということを常々おっしゃっておられる。その堅実な前提を考えますと、実は、この十七兆円というのは本当に確かな数字かという議論もあるでしょう。恐らく、これでキャップがかかってきて、今度の政府税調も含めた来年度の税制改正が組まれていくんでしょう。こういう議論を考えますと、これは金利の上昇の問題が大変大きな懸念であるということが一つと、一方で、庶民の暮らしぶり、ごくごく普通の国民で考えれば、村上ファンドに出資したくたってだれも出資できませんよ、一般庶民はね。そういう中で、当の政府、日銀、まあ、一体的な部分もあるという前提に立てば、どうでしょうか、この歳出歳入一体改革の旗振り役の一人である金融大臣としての御所見も求めます。

与謝野国務大臣 私も、先ほどまで参議院の財金委員会に出席をして、民主党の質問されている方と福井総裁の間のやりとりを聞いておりまして、何か、伺っていても余り事実関係が鮮明に浮かんでこないと。その後、感想は聞かれましたけれども、もう少しはっきりした背景、事実を知った上で、この問題についてコメントをさせていただきたいと思っております。

古本委員 では、念のため確認しますが、両大臣は出資されていませんか。念のため確認します。

与謝野国務大臣 私的なことはお答えする必要がないというのは国会の建前でございますが、出資していない、出資するようなお金は持っていないということでございます。

谷垣国務大臣 私も出資しておりません。

古本委員 何でこんなことをぐりぐり申したかというと、これは違和感ありますよ。やはり金利変動はまさに国家の一大事ですよ。国の借金、金利上昇したときに、この返済計画なり十七兆財源不足なりのこのスキームの前提は瓦解しますよ。それを、居丈高とまでは言いませんが、日銀、物価の安定の名のもとに、まさに旗を振ろうとしている人がですよ、どういうことだという懸念は、というよりも疑念といいますか不満というか、国民の一人として感じる人は少なくないんじゃなかろうかと思った次第でありますので、指摘した次第でございます。

 さて、谷垣さんにもお越しをいただいておりますので、消費税について少しお尋ねをしたいと思います。

 この財源不足十七兆円を賄うのに、消費税上げ三%以下にと、もう既にキャップがかけられました。これは以下になるのかと。要するに、十七兆円のうち、その半分ぐらいですか、は増税で賄うしかない。一方で、歳出削減をやりながら実現をするということでありますので、その際の増税というのは消費税なんだろうという議論が今進んでいるという理解でよろしいんでしょうか、この歳出歳入一体改革について。

谷垣国務大臣 今、古本委員、キャップが既にかけられましたというふうにおっしゃったのは、それはちょっと深読みのされ過ぎじゃないかと思います。

 私どもが申しておりますことは、これは議論の出発点でございますけれども、十七兆ギャップがあるから、それは国民の理解を得るには、やはり無駄を省いたり資金の効率化ということを考えて、歳出削減で少なくとも半分以上は努力しよう、こういうことを申し上げているわけであります。

 その上で、それでは補えない部分はどうなるかということでございますけれども、これも、すぐ消費税にという議論になるんですが、私は、すぐ消費税に行くにはちょっと早いと思っているんです。といいますのは、いろいろな議論の中で、消費税に換算するとあとこのぐらい必要だねという議論はできるかもしれません。ただ、現実には、消費税、どの税も得意不得意がありますから、たとえ、ある程度のところを消費税でお願いするにしたら、では、ほかの組み合わせはどうなるかというようなことも私は考えなければいけないんだと思っておりますので、そのあたりはまだ確固たるお答えをできる段階には行っていないということでございます。

古本委員 いや、残念ですよ、谷垣大臣。私は党派を超えて、大臣の自説には常々共鳴する部分があったんですが。例えば、さきの千葉の補選のときに、消費税論を石さんが言ったところ、中川政調会長は、選挙の前に増税を言うんじゃないと言ったことに対し、谷垣さんは、税は口をぬぐって政治家は町を歩こうというのは本当にそうかと言われたと。私はまさに勇気ある正論ではなかろうかと拝聴いたしましたし、かねてより、もちろん歳出削減はありきだと思いますよ、しかしその上で、その選択肢の一つとしてあるというふうに言われると、では、さらに深読みすると、あと所得税ぐらいしかないじゃないですか。所得税増税を、では選択肢の中に入っているんですか。

谷垣国務大臣 ですから、組み合わせということを申し上げているんですね。何も、何と言うんでしょうか、それだけだと決め打ちしているわけではありませんで、それぞれの税の不得意、先ほど申し上げましたけれども、得意不得意というのがあるだろうと思います。今まで委員と議論させていただいた中では、例えば、所得税というようなものにはなかなか捕捉が十分でないところが出てきて不公平が生じやすいんじゃないか、それに比べれば、消費税というのは公平な税ではないかという御指摘もありました。

 また、他方、消費税というのは、どちらかというと必需品にもかかるのであって、所得再分配機能というものはほとんど持ってない税だけれども、所得税には所得再分配機能がある、それをどう組み合わせるか等々の議論がございまして、当然そういうことを考えていかなきゃいけないと思います。

古本委員 そうしますと、所得税についてはかつて大臣とも議論をさせていただいたと記憶していますが、日本の所得税税収というのは平均すると約十四兆から十五兆、そのうち、給与所得の方から、いわゆる源泉徴収組ですね、で得られる税収が約十兆ぐらいあるというふうに理解していますが、所得税の根幹を支えているのは、ありていにはサラリーマンですよ。このサラリーマンは一〇〇%給与が、所得がガラス張りですね。したがって、この所得税を増税するなんて選択肢が今後ともみじんもあっては、これは谷垣人気は上がり得ませんよ。下がる。

 つまり、都市型選挙で御党は大分ファンをふやしたかに見えておりますが、これは都市型の人の多くがサラリーマンでしょう。ここをいじって増税して、もっと言いましょうか、所得控除がありますね、今平均すると約三割入っている、これをまさか軽減、軽減というか縮小、圧縮してさらにサラリーマンをいじめようなんてことはあるんですか。そういうことも含めたポートフォリオを組もうとされているんですか。

谷垣国務大臣 いや、先ほど所得税の中で消費税の御議論をなさったから、これからいろいろ組み合わせで考えなきゃいけないということを申し上げたわけで、では、所得税のどこをどういじり、どうというところまで、消費税がどこまで行くという議論もできてないわけでありますから、所得税に関してもできておりません。

 ただ、今の委員の認識でいうと、若干私は違っておりますのは、大分所得税に関してはいじってきました。そういうこともありまして、現在、諸外国の所得税に比べますと、かなり所得再分配機能とかそういうものは機能が果たせなくなっているという面があるのではないかと私は思います。

 そのあたりの、基幹税としての所得税の機能をこれからどうやっていくかという議論はあり得ることだろうと思います。

古本委員 所得税の機能についてのありようは検討の余地があるということでありましたが、今後、我が国の基幹税は、やはりどんなお金持ちの方でも、どんな庶民の方であっても、税の逃れとか脱税だとかそういうことのないという意味においては、公平性という意味においては消費税がすぐれているという理解でよろしいでしょうか。

谷垣国務大臣 先ほど申しましたように、やはり税は得意不得意というものがあるだろうと思います。

 今委員のおっしゃったように、取りっぱぐれが少ない、そういう意味では、アングラで動いているような方でなかなか所得を把握しがたい方でも、消費はされるわけですから、そのときには取れるというメリットがあるということはそのとおりだろうと思います。

 それから、今の議論の中でも、これからどうしても伸びていくのは高齢化に伴って社会保障でございますから、やはり社会保障の持続可能性をどうしていくかということを考えますときに、これが国民の安心につながるわけですから、そのときに幅広く公平に負担をしていただく財源としては恐らく消費税が一番すぐれたものであろうということもほぼ間違いないだろうと思います。

 ただ、先ほど申しましたように、それはまたそれで限界がありますから、じゃ、そのときどういう組み合わせをしていくかということはあるんだろうと思います。

古本委員 これは、大臣、消費税、今一ポイント当たり約二兆五千億前後の税収が見込めるということですが、巷間言われている十七兆の歳出削減の手法として、仮に消費税がかなうということになったときに、八ポイントという議論が巷間出ていますけれども、仮に八ポイントになったときも同様に一ポイント当たり二兆五千億が見込めますか。つまり、消費が落ち込まないかということをお尋ねします。

谷垣国務大臣 これは、成長率をどう見ていくかということ等ございますので、ここらあたりはまだもう少し議論を深めなきゃいけないと思います。

古本委員 ですから、その成長率が金利によって、まさにリスクプレミアムがあるわけですよ。その金利をいじっている人が、いじろうとしている人が、先ほどの議論に戻りますけれども、意外とわきが緩いんじゃないかということを指摘しているんです。

 つまりは、与謝野さん、きのうの国会中継も私聞いていましたが、景気の認識というのは、今がいいのか悪いのか、過去のどこの定点比較をするかによってこれはぶれますね、ぶれるんです。したがって、今、戦後の最大の、景気が持続的に続いているという議論も一方ではあるかもしれませんが、片や薄氷を踏む思いで、もしかしたらぶれがあるのかもしれないという、そういう意識はあわせて持っていかないと、これは単純に、三%成長、四%成長の場合こうだああだという机上の議論のようには、生き物でありますから、うまくはいかないというふうに思っております。

 その意味で、谷垣さん、ここで再度お尋ねするんですが、この消費税が八%ぐらい、三%ぐらいで大体行って来いになるとしたならば、これはゆでガエルじゃないですか。

 つまり、谷垣さんの持論でいうと、二けたも視野に入っていたんじゃないですか。一〇ポイント、あるいは十数ポイントも含め、取って、そして国民にある意味理解もしていただいて、痛みも伴って、そしてその税を何に使うかという意識も喚起していく中で、消費税という議論をしていく。

 たばこ税がまさに最たるものですよ。一本一円でどんどん上がっていったら、結局たばこの痛みはゆでガエルですよ、気づかない。国民的には、大衆増税ですからお怒りは一瞬はありますよ。でも、気づきませんね。

 消費税こそまさに、やるならば、谷垣理論でいくと、思い切って二けたということもあったんじゃないでしょうか。

谷垣国務大臣 谷垣理論というものがあるのかどうか私も存じませんが。

 ただ、今かなり経済財政諮問会議なんかでオープンに議論してまいりますと、先ほども申し上げましたように、いろいろな仮定の数字が出てまいりまして、その説明もさまざまでございます。

 したがいまして、私が申し上げているのは、まだ料理の過程でございまして、これだけどうするという、谷垣理論というところまでまだいっていないんです。今は目下、与謝野大臣のもとで、材料を出し合いながら、一番おいしい料理はどうなんだと一生懸命やっておるところでございますから、いましばらくお待ちをいただきたいと思っております。

古本委員 では、最後に、先日、何か与謝野大臣大穴という見出しで、総裁選候補ということで、失礼なメディアだな、おれは本命だと。いや、どうかわかりませんが。

 つまりは、これは堅実な前提を組んでいくという、まさに谷垣・与謝野チームとしては、今回の財源不足をどうやっていくかという議論、歳出歳入一体改革というのはまさに国民注視のネタだったと思うんです。

 ところが、その同日に、これはいろいろな議論があるんでしょうけれども、日本橋の空復活と総理がおっしゃった。日本橋の青い空を取り戻すために首都高の地下工事約五千億見積もり、これを地下にやるということを検討で合意と。

 片や、まさにすねかじりの子供をやっているさなかに、ふと気づいたら何かいとこかはとこの面倒も親が見ておったみたいな、これは何だろうという。こういうのを見ていますと、まさに選挙の前に嫌な話は先送りし、せっかくの両大臣の御持論もちょっと抑えつつ、もしやっていかれるとするならば、この財政再建、歳出削減だけじゃできないというのは自説じゃないですか、歳入の改革もあわせやっていくということを示して、堂々と総裁戦を戦うべきじゃないですか。

 その意味で、きのう日本代表が想定外の苦杯をなめましたけれども、どうですか、最後、両大臣から、起死回生をねらっていく中で、今このままでいくと、巷間、安倍、福田両氏に収れんという報道がされておりますけれども、二試合残っている日本代表に、みずからの立場を重ね合わせながらエールを送っていただきたいと思います。両大臣からよろしくお願いします。

与謝野国務大臣 過去のオリンピックとかのスポーツ大会を見ておりますと、過剰期待、過剰落胆というものの繰り返しでございまして、そういう意味では、オリンピックなんかでメダルをとった方というのは本当に偉いなというふうに私は思っております。

谷垣国務大臣 我が党の総裁選の成り行きまでいろいろ御心配いただいて、大変ありがたく思うわけですが、現在私は財務大臣でございますので、この財政、起死回生ということではなく、歳入歳出一体改革、いい姿に仕上げるように、与謝野大臣と御協力しながらきちっとやりたい、このように思っております。

小野委員長 日本代表へ一言エールを。

谷垣国務大臣 きのうは残念でしたね、最後のところ。ぜひ気合いを入れ直して頑張ってもらいたいと思っております。

古本委員 ありがとうございました。

小野委員長 古本君の質疑を終わります。

 それでは、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 与謝野大臣に、銀行の問題についてお伺いしたいと思うんです。

 大手銀行の利益は史上最高ということで、六大グループの三月期の当期純利益というのは三兆円を超えたと。前年度が五千七百五十一億円ですから、六倍弱。本当に急増でありますが、その理由、これをどのように受けとめておられるか、お聞きをしたいと思います。

与謝野国務大臣 やはり、今まで返ってこないと思っていた貸出先、これが経済の好転とともに返ってくるだろうということになったということと、基本的には、資金コストが非常に低い、すなわち預金者に対する支払い金利がほぼゼロに近い、これが収益条件に貢献していると思っております。

佐々木(憲)委員 本来の融資で堅実に利益が上がっているというのではなくて、引当金の戻し金が一時的に入った、あるいは、手数料の収入など、本来業務外の収入が非常に多い、こういうことがあったのではないかというふうに思うんです。

 お配りした資料を見ていただきたいんですが、今おっしゃったように、貸出金利での収入といいますか、これは、以前は大体この六割ぐらいが、経常収益に対して大きな比率を占めていた。ところが現在は、三割台、四割台という。ところがその一方で、手数料の収入だけは、以前は二%、三%台だったのが今一七%、これは大変増加をしているわけであります。このように、収益が上がった原因として、戻し金もありますけれども、手数料収入などの利益が非常にふえた。

 それからもう一つは、二枚目を見ていただきたいんですが、今大臣がおっしゃったように、預金者への利払いが非常に減っておりまして、大幅なダウン、もちろんゼロ金利というような状況を背景にして、普通預金の金利は〇・〇〇一%、これも大変な、底をはうような状況で、まさに預金者の犠牲のもとで、全体として国民負担のもとで利益が上がっているのではないかというふうに思うわけです。

 そこで、問題は、この金融庁の指導内容です。

 金融庁は、収益が上がらないのは問題だということで、平成十五年三月期の収益目標と実績が乖離しているという理由で、例えば、みずほフィナンシャルグループ、UFJホールディングス、三井住友フィナンシャルグループ、三井トラスト・ホールディングス、住友信託、こういうところに行政処分まで行って、業務改善命令を出している。

 したがって、低金利の中で本来の業務で利益が上がらない状況の中で、ともかく利益を上げろとしりをたたくわけですから、当然、役務収益といいますか、手数料収益その他のところで何とかこれを伸ばさなければならないという事態が発生した、そういうことではないかと思うんですが、大臣はどのようにお考えでしょう。

佐藤政府参考人 いわゆる公的資金注入行に対しましては、公的資金を投入したということにかんがみまして、その確実な返済ということに向けて、各銀行が収益をきちんと上げていくということも重要なチェック項目の一つでございます。また、この経営健全化計画の中では、例えば中小企業向け貸し出しが伸びていないといったことで処分をしたケースもあるわけでございますけれども、いずれにせよ、そういった公的資金を注入しているということにかんがみて収益の状況をチェックする、こういう枠組みであるわけでございます。

 全体として、金融機関は、リスクをとって金融仲介を行い、その報酬として資金利ざやが上がってくる、これが基本でございますので、そういうところで収益が上がってくるということが本来の姿であることはもちろんであろうかと思います。

佐々木(憲)委員 その本来の姿がそうなっておらない中で収益を上げろという指導が行われて、その結果、行き過ぎると、三井住友銀行のように、優越的地位の濫用で金融商品を押しつけるという形で法違反まで発生する。

 先日、十七年十月以降十八年三月までの預金、融資等に関する相談等の受け付け件数、四千七百二十七件ということで報告がありました。その中で、銀行の優越的地位を利用して行った金融商品の販売に関する情報提供件数、これは何件あるか、それから業態別の内訳、これを示していただきたい。

中江政府参考人 お答えいたします。

 今委員御指摘の、昨年十月以降本年三月までの間に、預金、融資等に関する相談といたしまして四千七百二十七件受け付けておりますが、このうち、委員御質問の、銀行の優越的地位の濫用に当たるものとして利用者から申し出を受けているものは、六十六件となっております。

 これを業態別に見ますと、この六十六件のうち、主要行が五十件、地域銀行が四件、その他の銀行が二件、協同組織金融機関が四件、金融機関名が提示されていないものが六件となっております。

佐々木(憲)委員 圧倒的多数が、主要行がこのような優越的地位の濫用を行っていたと。私は、この六十六件というのは、実態はもっと多いと思いますけれども、ともかく、そのうちの五十件、これは主要行だ、大手銀行だと。

 そうすると、この前処分を受けた三井住友銀行というのはこの中の一部だと思うんですが、三井住友以外にも、こういう優越的地位の濫用を行った銀行というのはあるはずなんですね。それは一体どうなっているんですか。

佐藤政府参考人 他の銀行ももちろん含まれておりますけれども、個別の引用は控えさせていただきたいと思います。

 私ども、この利用者相談室に入ってきます利用者からの苦情等は、非常に貴重な情報であると思っております。例えば、特定の銀行に関して苦情が集中している、こういった場合には、そういった銀行に対して優先的に検証をしていく、こういった対応で臨んでおります。

佐々木(憲)委員 他の銀行もあるというわけですね。それなのに、三井住友銀行だけが行政処分を受けた。なぜ、ほかの銀行は優越的地位の濫用に当たらないという判断をしたのでしょうか。

佐藤政府参考人 三井住友の場合には、公正取引委員会の処分ということと、それから、この利用者相談室に寄せられました情報というのを、いわば合わせわざで確認したということでございます。

 この利用者相談室に入ってまいります情報というのは、それだけでは直ちに行政処分の根拠とはなりにくいわけでございまして、例えば、具体的な問題があれば、それを銀行に対してヒアリング等をして確認する、さらに、重大な問題があるという場合であれば、より強い権限を行使して事実確認を行う、そういった事実認識に基づいて処分を行うということでございます。

 それで、三井住友以外の銀行への対応というお尋ねでございますので、これはことしの一月五日でございますけれども、私どもからすべての預金取扱金融機関に対しまして、「取引等の適切性確保への取組みについて」、こういう文書を発出いたしまして、要請を行っております。その中で、体制面の検証、それから問題の是正を行う、これは優越的地位の濫用に関してでございますけれども、こういったことを促すということと、あわせて、金融庁としては、各金融機関がみずからこうした取り組みを行ったことを前提として、通常の検査監督のサイクルの中で対応していくという、このことも明確に銀行に伝達をしたところでございます。

 いずれにいたしましても、利用者相談室に寄せられた情報というのは、内容をきちんと分析し、事実関係を確認して、通常の検査監督の中で検証していく、こういう流れの中で活用をさせていただいているということでございます。

佐々木(憲)委員 次に、中小企業に対する融資の問題についてお伺いしたいと思うんですが、配付いたしました資料の三枚目を見ていただきたいんですけれども、これは全国、国内銀行の統計ですが、中小企業に対する融資というのはピーク時に比べて九十六兆円減少しているんです。百兆円近い大変な減り方です。大企業に対しては三十兆円の減少ということですが、大企業は資金調達の方法がいろいろありますから、そういう点でいいますと、この中小企業に対する貸し渋り、貸しはがしというものがこの間問題になってきましたが、これは大変大きなものがあったというふうに思います。

 銀行の側に言わせると資金需要がないんだと言うんですが、実際は、優良な顧客に対してはもう集中して奪い合うような状況がある。しかし、本当に融資が必要なところにはなかなか貸してくれない。まさにそういう状況が生まれているわけであります。

 大臣が記者会見で、リスクをとって本来の銀行の役割を果たすべきだというふうにおっしゃいましたが、これは現在の銀行の実態というものなんですね。本来の役割からいうとまだ十分な役割を果たしていないと私は思います。

 大臣はどのようにお感じでしょうか。

与謝野国務大臣 バブルがはじけた以降、銀行は非常に萎縮をすると申しますか、とにかく自分の庭先だけはきれいにしようということがその優先事項ではなかったかというふうに思うこともありまして、そういう意味では、銀行は、本当にリスクをとって金融仲介を行うという、本来銀行がなすべき仕事をなせるように、経営状態も健全にしなければならないし、経営姿勢もまたそうあってほしいと私は思っております。

佐々木(憲)委員 もう一つは税金なんです。法人税ですね。これはほとんど払っていない、ゼロであるという指摘があります。利益が史上最高という状況の中で、何で法人税がゼロなんですか。

佐藤政府参考人 十八年三月期の主要行における納税額、法人税は、御指摘のとおり発生しておりません。これは、過年度における赤字決算や不良債権処理等によりまして、税務上の繰越欠損金の残高が積み上がっているということで、この十八年三月期において課税所得が発生していないということでございます。

佐々木(憲)委員 これは、このような仕組みをつくったこと自体に私は問題があったというふうに思いますけれども、国民全体から見ますと非常に不思議な現象なんですよ。史上空前の利益がこんなに上がっている。引当金として積み増し過ぎていたのが戻ってきた、いわば利益を積み上げておいて損金として処理していたものが戻ってきた、それがあって莫大な利益が出ている、同時に、手数料その他でたくさんの利益が上がってきている、そういう状況で史上空前の利益になっているわけです。

 法人税を一円も払わない、これはちょっと、大臣、もちろん仕組みはそうだと言われればそうかもしれないが、国民から見たら、自分たちの税金はあの大変なときに銀行にどんどんと注入した、まだ全部返ってきていない、銀行は利益はばんばん上がっているけれども税金は払わない、果たしてこれで本来の銀行のあり方として正常なんだろうかと思うのは普通だと思うんですが、どのようにお感じですか。

与謝野国務大臣 法人税のうち、外形標準課税は外形標準でかけるわけですけれども、先生が今言及された法人税は利益にかけるものですから、税法上利益が上がらないものから税を取るというのは多分無理だろうと思っております。

 かてて加えて、何か損金で処理したというふうに表現されましたけれども、実際は、なかなかストレートの損金処理はできなくて、無税償却ができなくて、有税で引き当てているという場合が非常に多いわけでございます。

佐々木(憲)委員 もちろん、過去、引き当てる場合、有税引き当てというのをやっているというのは知っておりますが、いずれにしましても、これだけ史上空前の利益が上がるような状況が生まれ、一方ではそれを先走って法令違反まで犯すような金融商品の販売もやる、それから、例えばサラ金と提携して大変な高利を消費者金融で上げている、あるいは、本来銀行が果たさなければならないさまざまな例えばサービスの提供、銀行の支店そのものも今どんどん減っているわけですね、目の前から銀行が消えていく、そういう状況が続いているわけです。

 半人前と大臣はおっしゃいましたが、本来、一人前の銀行というのはどういう銀行なのか。これは当然公共的性格をしっかりと果たす銀行でなければならないと私は思うんです。本来的な業務であるところの融資、しかもそれはリスクをとった融資を、特に中小企業や地域経済にしっかりと提供できるような、そういう銀行でなければならないと思うんですね。しかも、これだけたくさんの利益が上がっているんですから、先ほども少し議論がありましたが、預金者に対して預金金利を上げることによって還元をする、それから、さまざまな新しい金融商品を無理やり販売するなんということは慎んでいく、こういう方向を今後追求していくということが大事だと思います。

 今まで、不良債権処理という名目がありまして、利益を上げろ上げろと言ってきた。しかし、今後は、今こういう地点に立って、新しく、やはり銀行に対する政策、方針、指導というものは転換をしていかなきゃならぬというふうに思いますが、最後に大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

与謝野国務大臣 日本の金融機関、大手行含めあらゆる金融機関が、やはり経営内容も経営姿勢も健全になってほしいと思う気持ちは、多分佐々木先生と私は一緒だと思っております。

 かてて加えまして、やはり金融仲介をするという社会的責任があると思っておりまして、それはやはり自分の担えるリスクはちゃんと背負って立つ、そういう気概がやはり金融機関にも求められているんだろう。自分の庭先だけお掃除してそれで済む、そういう姿勢ではやはり国民的な評価は受けないんだろうというふうに私は思っております。

佐々木(憲)委員 時間が参りましたので終わります。

小野委員長 以上で質疑を終了いたします。

 次回は、来る十六日金曜日午前八時四十五分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時四十九分散会


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