衆議院

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第8号 平成18年11月17日(金曜日)

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平成十八年十一月十七日(金曜日)

    午後一時三十分開議

 出席委員

   委員長 伊藤 達也君

   理事 井上 信治君 理事 竹本 直一君

   理事 林田  彪君 理事 増原 義剛君

   理事 宮下 一郎君 理事 池田 元久君

   理事 古本伸一郎君 理事 石井 啓一君

      井澤 京子君    伊藤信太郎君

      石原 宏高君    猪口 邦子君

      江崎洋一郎君    小川 友一君

      小野 晋也君    越智 隆雄君

      大塚  拓君    大野 功統君

      木原  稔君    北村 茂男君

      関  芳弘君    土井 真樹君

      中根 一幸君    長崎幸太郎君

      萩山 教嚴君    原田 憲治君

      広津 素子君    松本 洋平君

      山本ともひろ君    川内 博史君

      小宮山泰子君    鈴木 克昌君

      田村 謙治君    寺田  学君

      馬淵 澄夫君    吉田  泉君

      佐々木憲昭君    野呂田芳成君

    …………………………………

   財務大臣政務官      江崎洋一郎君

   参考人

   (社団法人全国貸金業協会連合会会長)

   (株式会社富士信代表取締役)           石井 恒男君

   参考人

   (プロミス株式会社代表取締役社長最高執行役員)  神内 博喜君

   参考人

   (アイフル株式会社代表取締役社長)        福田 吉孝君

   参考人

   (全国銀行協会会長)

   (株式会社三菱東京UFJ銀行頭取)        畔柳 信雄君

   参考人

   (社団法人信託協会会長)

   (住友信託銀行株式会社取締役社長)        森田  豊君

   参考人

   (社団法人生命保険協会会長)

   (第一生命保険相互会社代表取締役社長)      斎藤 勝利君

   財務金融委員会専門員   鈴木健次郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月十七日

 辞任         補欠選任

  小川 友一君     北村 茂男君

  佐藤ゆかり君     猪口 邦子君

  とかしきなおみ君   大塚  拓君

  松本 洋平君     山本ともひろ君

  小沢 鋭仁君     小宮山泰子君

同日

 辞任         補欠選任

  猪口 邦子君     佐藤ゆかり君

  大塚  拓君     とかしきなおみ君

  北村 茂男君     小川 友一君

  山本ともひろ君    松本 洋平君

  小宮山泰子君     小沢 鋭仁君

    ―――――――――――――

十一月十七日

 消費税増税反対に関する請願(志位和夫君紹介)(第四五九号)

 大衆増税反対に関する請願(志位和夫君紹介)(第四六〇号)

 大増税反対に関する請願(石井郁子君紹介)(第四六一号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第五〇一号)

 同(石井郁子君紹介)(第五〇二号)

 同(笠井亮君紹介)(第五〇三号)

 同(穀田恵二君紹介)(第五〇四号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第五〇五号)

 同(志位和夫君紹介)(第五〇六号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第五〇七号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第五〇八号)

 同(吉井英勝君紹介)(第五〇九号)

 消費者金融の金利引き下げ等に関する請願(山井和則君紹介)(第四六二号)

 同(川端達夫君紹介)(第五五三号)

 事業主報酬制度の創設に関する請願(寺田稔君紹介)(第四六三号)

 同(稲葉大和君紹介)(第五一〇号)

 同(今井宏君紹介)(第五一一号)

 同(小此木八郎君紹介)(第五一二号)

 同(岡部英明君紹介)(第五一三号)

 同(田中良生君紹介)(第五一四号)

 同(中野正志君紹介)(第五一五号)

 同(伊藤忠彦君紹介)(第五二六号)

 同(今井宏君紹介)(第五二七号)

 同(小此木八郎君紹介)(第五二八号)

 同(岡部英明君紹介)(第五二九号)

 同(河野太郎君紹介)(第五三〇号)

 同(長島忠美君紹介)(第五三一号)

 同(宮澤洋一君紹介)(第五三二号)

 同(森喜朗君紹介)(第五三三号)

 同(岡部英明君紹介)(第五四一号)

 同(近藤基彦君紹介)(第五四二号)

 同(棚橋泰文君紹介)(第五四三号)

 同(中川秀直君紹介)(第五四四号)

 同(山口泰明君紹介)(第五四五号)

 同(北村茂男君紹介)(第五五四号)

 同(三ッ矢憲生君紹介)(第五五五号)

 同(小里泰弘君紹介)(第五七七号)

 同(寺田稔君紹介)(第五七八号)

 同(永岡桂子君紹介)(第五七九号)

 同(平井たくや君紹介)(第五八〇号)

 同(三ッ林隆志君紹介)(第五八一号)

 保険業法の見直しを求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第四六四号)

 同(石井郁子君紹介)(第四六五号)

 同(志位和夫君紹介)(第五一六号)

 同(古賀一成君紹介)(第五五六号)

 同(佐々木隆博君紹介)(第五五七号)

 保険業法の適用除外に関する請願(山口壯君紹介)(第四六六号)

 同(山井和則君紹介)(第四六七号)

 同(吉井英勝君紹介)(第五八二号)

 消費税改悪反対に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第四九四号)

 庶民大増税反対に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第四九五号)

 同(石井郁子君紹介)(第四九六号)

 同(笠井亮君紹介)(第四九七号)

 同(穀田恵二君紹介)(第四九八号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第四九九号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第五三五号)

 消費税の大増税反対に関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第五〇〇号)

 保険業法の適用除外を求めることに関する請願(北神圭朗君紹介)(第五二五号)

 同(佐々木隆博君紹介)(第五五二号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第五七六号)

 被用者年金制度の一元化等に関する請願(下条みつ君紹介)(第五三四号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第一〇号)


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     ――――◇―――――

伊藤委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 本日は、本案審査のため、参考人として、社団法人全国貸金業協会連合会会長・株式会社富士信代表取締役石井恒男君、プロミス株式会社代表取締役社長最高執行役員神内博喜君、アイフル株式会社代表取締役社長福田吉孝君、全国銀行協会会長・株式会社三菱東京UFJ銀行頭取畔柳信雄君、社団法人信託協会会長・住友信託銀行株式会社取締役社長森田豊君、社団法人生命保険協会会長・第一生命保険相互会社代表取締役社長斎藤勝利君、以上六名の方々に御出席をいただいております。

 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。

 本日は、大変御多用中のところ本委員会に御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。どうかよろしくお願い申し上げます。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 まず、参考人各位からお一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。

 なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願いいたします。また、参考人は委員に対し質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御了承をお願いいたします。

 それでは、まず石井参考人にお願いいたします。

石井参考人 十分間でございますけれども、時間をいただきまして、まことにありがとうございます。社団法人全国貸金業協会の会長であります石井でございます。

 私どもは、この法改正に当たりまして、一番当業界が問題としております多重債務者問題、それからもろもろの問題につきまして、この解決については何が有効かということにつきまして、かねてより提言をしてまいりました。

 それは、まず、悪質業者の排除ということで、業者の業界に対する参入要件を極めて厳格なものにするということと、債務者のあるいは利用者の人権を侵すような、そういう行為があってはならないということで、行為規制を厳しくすること。そして、これらを実現するためにインフラ整備が必要である。つまり、自主規制機関であります貸金業協会の充実、改革。それと、どうしても必要な個人信用情報機関の整備、まだ発展途上にございます、これの整備ということ。それから、多重債務者になる方の諸条件、特に債務者の個性に起因する問題が多うございますので、これに対する対応策として、インフラ整備として、カウンセリング機関の体制の整備ということを提言してまいりました。

 このインフラ整備、それから参入規制、行為規制の強化が実現された暁には、今起きています多重債務者問題等の解決は、ほぼ解決できるという自信を持っておりまして、いまだにその認識は不変でございます。

 しかしながら、残念なことに、このたび、いわゆる価格規制、金利規制ですね、経済的には価格規制というものが導入された。それから総量規制という、いわゆる経済行為を規制する二つの規制が導入されました。これについては、恐らく歴史的ないろいろな事象からかんがみて、やはりすべきではない、こういう意見に変わりはございません。

 この上限金利規制とそれから総量規制につきましては、できれば先ほど申し上げました改革、インフラ整備が整って、その効果を見定めた上で本来であれば導入すべきである、こういうふうに思います。極めて副作用の強い、現下の私どもの国が目指している市場経済というものからほど遠いものである。

 この副作用について言及いたしまして私は陳述を終えたいと思いますけれども、これが導入されますと、私ども供給者側にとっては、ほぼ五百億円未満の中小零細業者、四千四百社余りありますけれども、これはすべて廃業となります。そして、大手中堅業者、これは五百億円以上の業者においても、恐らくそのビジネスモデルはなかなか描きにくいんではないか、いずれその中では廃業あるいは倒産ということも考えられる、こういうふうに思います。

 そして、私どもを利用している資金需要者にとっては、中小業者においては三百二十万人、この利用者が利用の道を閉ざされます。それから、大手業者によっては、彼らの発表によりますと、四百万人の方々の需要を謝絶しなきゃいけない。それから、私どもだけではなく、クレジット産業、日商連、日専連その他を含めますと、恐らく一千万人ほどがこの影響を受ける。その上、総量規制ということで、もうこのクレジットクランチははかりがたい、想像を絶するものになるというふうに思われます。

 日賦が廃止されますけれども、日賦を利用しております中小の飲食店等が十万軒、これが資金需要の道を閉ざされる。それから、事業者金融においても、短期資金、無担保の資金を利用しているところが約三十万社ございますけれども、これもすべてこの利用から排除されるということで、極めて大きな副作用がそこに待っている。

 また、私どもで働いておる従業員も、中小業者、大手含めまして約三万人がリストラの対象になります。家族を含めますと七万人が失業するということでございます。

 もう時間も少なくなってまいりましたが、最後に申し上げますけれども、このたび導入されようとしている価格規制は、刑事罰、それから行政罰も含めて、下は一五%、上は二〇%で刑罰になる。これは古今東西あり得ない話であります。初めて我が国で実現することでありまして、恐らく、これは決してやってはいけない、本来であればやってはいけないものであるということを再び申し上げまして、私の陳述を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)

伊藤委員長 ありがとうございました。

 次に、神内参考人にお願いいたします。

神内参考人 ただいま委員長より御指名をいただきましたプロミス株式会社の神内でございます。

 本日は、御審議に際しまして、私どもの意見を述べさせていただく機会をいただき、心から感謝申し上げます。また、本日は、御多用の中、私どもの自動契約機コーナーを御視察いただきまして、重ねて御礼を申し上げます。

 それでは、弊社につきまして簡単に触れさせていただきたいと思います。

 設立は一九六二年となっております。以後四十四年間、個人向け小口無担保を中心として経営を行ってまいりました。これまでにお取引をいただいたお客様は、約六百万人を数えるまでとなっております。

 このように、一人一人のお客様に支えられ、現在、貸付金残高約一兆二千七百億、顧客数は約二百二十五万人となっております。私どものビジネスモデルまたは存在意義としては、従来の金融機関ではなし得ない、小口無担保の金融をタイムリーに庶民の方々に提供するところにあり、この点を支持されてきた結果であると考えております。しかし、近時の多重債務者問題については憂慮しているものであります。

 このように、消費者向け金融サービス市場は、弊社のみならず広く消費者の方々に支持され、マーケットがつくられてまいりました。このような現状のもと、より健全で公平、安全な市場にする法案として御審議いただいているものと理解しております。

 そこで、本法案に関しまして、私の考えを三点ほど述べさせていただきます。

 一点目としては、本法案に付随する対応として挙げられております内閣府に設置する多重債務者対策本部があります。

 多重債務者問題は、これまで専門的な研究がされてこなかったこともあり、その対応についても進んでいない状況にあると考えております。また、具体的な対応策として、カウンセリング機関の拡充が挙げられております。カウンセリング機関は、これまで必要不可欠であると言われていたインフラであったものの、なかなか拡充が進まなかった経緯もありますので、期待するところであります。

 二点目は、参入規制の強化であります。

 貸金業界は、これまで、庶民の金融機関だからこそ、その開業規制も低いハードルと定められていたものであろうと思います。しかし、真っ当な庶民の金融機関になる気もない者がこれらの制度を悪用するという現状があるのであれば、規制強化は利用者にとって健全なマーケットを提供するために必要な措置であると考えます。

 三点目は、みなし弁済規定の廃止が挙げられます。

 これは、一九八三年に成立した現貸金業規制法において、小口金融を健全に育成することを目的とし、利息制限法を上回る利息について、一定要件を満たすことで、出資法で定める利息まで法的に認められることが定められました。これがみなし弁済規定でありますが、近時の裁判判決において、この法規定が空文化に近い状態に陥ってしまったため、その必要な措置として、さまざまな方法論はあったかと承知しますが、当該みなし弁済規定を廃止するという判断をされたことは、法の安定化を図る意味でも重要なことであると考えます。

 しかし、一方、みなし弁済規定の廃止とともに、定められます上限金利の引き下げを行うことが本法案として定められております。これによる影響を、弊社を含めアコム、アイフル、武富士、三洋信販、GEコンシューマー・ファイナンス、CFJの七社で推計させていただきましたので、御報告をいたします。

 こちらにつきましては、資料を配付させていただいておりますので、資料一をごらんいただきたいと思います。

 これまで、企業努力と競争原理のもとで実質的な提供金利は低下してきておりましたが、今回定められる金利への引き下げを行いますと、資料にありますとおり、大手七社の集計では、新規申込者は、これまで約五三%の契約率であったものが約半数の二四%の契約率に低下することが予測されます。また、既存利用者への影響としても、現在七社合計で千百二十三万口座への与信供与を実施しておりますが、与信供与可能口座は七百三十七万口座となり、三百八十六万口座に影響が出るものと予測されます。

 一方、上限金利規制強化とともに挙げられているものとして、総量規制がございます。この影響についても七社で推計をしておりますので、同じくお配りさせていただいている資料二をもとに御報告させていただきたいと存じます。

 この集計は上限金利引き下げの影響とクロスをしておりませんが、七社で取引のある総口座数は約一千二百万口座あり、現時点において融資枠の設定がある口座数は約七二%の約九百万口座となっております。これに三分の一規制が加わりますと、融資枠の設定が可能な口座は約一〇%となり、約八百万口座へ影響が出ることとなります。

 お配りをさせていただいております資料三は、この八年の大手五社の経費率と平均金利の推移を示したものでありますが、これらの数値から、平均金利の急激な低下とともに、融資できなくなった利用者の不良債権化が進むことによる貸し倒れコストの上昇及び後ほど御説明させていただく過払い金費用の上昇により、経営に大きなインパクトとなるものと考えております。

 一方、弊社プロミスにおける影響とその対応について御説明させていただきます。

 私どもは、長年個人への融資を行う中で、与信審査ノウハウを構築してまいりました。このノウハウは、お客様の属性や取引データをもとに自動与信システムを構築して厳格に審査するものであり、お客様別に信用度合いをはかり、適正な融資額や金利を提示させていただいておりますが、上限金利引き下げ、総量規制のインパクトは、七社推計と同様に大きな影響が想定されます。

 また、近時のみなし弁済規定に対する最高裁判決により過払い金返還請求が急増するとともに、それに伴い、公認会計士協会による過払い金に対する引当金計上基準の変更により、将来発生が予想される過払い金引き当てを行うこととなりました。これらの影響により、今期の純利益は約一千四百億円の赤字を予測しております。

 最後に、本法案への要望を二点述べさせていただきたいと思います。

 一点目としては、本法案は、消費者、事業者に対して大きなインパクトを与えるものであります。つきましては、セーフティーネットとしてのカウンセリング機関の充実や信用情報機関の整備等、必要なインフラの整備状況を見定めていただくとともに、事業者としてもビジネスモデルの変更を余儀なくされるものであるため、その対応は一朝一夕に整えることができないことも考慮いただき、そのための必要な期間をおとりいただくことをお願い申し上げます。

 二点目としては、本法案は、市中金利が超低金利下で議論されたものであるため、今後、需給、経済環境を踏まえた必要な検討をお願い申し上げます。

 本法案を御審議いただいております諸先生方にお礼を申し上げまして、私の意見陳述を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)

伊藤委員長 ありがとうございました。

 次に、福田参考人にお願いいたします。

福田参考人 アイフルの福田でございます。

 本日は、現在御審議中の貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案につき意見を申し上げます前に、弊社が本年四月に近畿財務局より行政処分を受けるに至りました事態の原因とともに、現在取り組んでおります再発防止策等につきまして御説明をさせていただきたいと思います。

 まず、行政処分を受けるという事態に至りましたことはまことに遺憾であり、弊社を御利用いただいておりますお客様はもとより、関係者の皆様に多大な御迷惑や御心配をおかけすることになりましたことを、改めて深くおわびを申し上げます。現在に至るまで、この処分を厳粛に受けとめまして、再発防止と信頼回復に向けて全力で取り組んでいるところでございます。

 行政処分を受け、弊社では再発を防止すべく、御当局に提出しております業務改善計画に基づき社内規定等を見直すなど、社内体制の整備を鋭意進めております。さらには、信頼回復に向け、コンプライアンス体制の強化を図るべく、社外有識者の視点による提言を踏まえながら、法令違反に至りました原因の徹底究明に努めてまいりました。

 その過程において、どの違反事案におきましても、その根底には行き過ぎた成果主義が顕在化しており、私自身、このことが根本原因であるととらえ、反省をしております。業績の向上を目指す営業活動におきまして、結果に焦点が当てられ、そこに至るプロセスの把握が不足していた、すなわち、法令遵守のためのルールは存在しておりましたが、十分に機能していなかった点がございます。

 これは、多数のお客様に御利用いただいている企業としての自覚不足が招いたことと受けとめており、企業の社会的責任に対する認識、とらえ方の甘さを痛感し、反省する次第でございます。

 続きまして、再発防止に向けた取り組みと抜本的な改革について御説明をさせていただきます。

 まず、役職員全員の進むべき方向といたしまして、すべての行動の源であります企業理念を、お客様の笑顔を我々の喜びとすることとし、コンプライアンス重視とお客様第一主義の徹底という経営テーマを掲げております。

 法令遵守は最低限のこととして、営業などの進め方や社内のルールがお客様のためであるかを常に考える、そのような意味でのお客様第一主義に即したプロセス重視の企業風土への転換を図ってまいります。お客様が借り入れをふやしていただくことよりも、お客様に完済していただくことをともに喜ぶ企業風土を目指してまいります。

 具体的施策としては、行政処分を受けた事案と同様な事案の再発を防止するため、組織規定関連、社員教育体制、モニタリング環境に至るまで、業務や規定、ルール等を網羅的に整備いたしました。

 さらには、法令違反に至った原因の究明と抜本的改革の打ち手といたしまして、全社横断的に立ち上げております信頼回復プロジェクトにおきまして、行き過ぎた成果主義を是正する新たな営業価値観の醸成と全社への浸透、法令違反の原因分析と内部管理体制の再構築を推進しております。

 加えて、社内からは見えにくい企業風土、カルチャーにも踏み込むことを目的といたしまして、社外有識者の方々の御支援による第三者の視点を積極的に取り入れることといたしております。

 これらの施策を通して、お客様並びに社会の皆様の御意見を迅速に反映できる企業への変革を進めてまいります。

 以上が、行政処分を受けるに至りました事態の原因とともに、現在取り組んでおります再発防止策の概要でございます。これらすべての取り組みによって、お客様並びに社会からの信頼を回復すべく、役職員一同さらに努力してまいる所存でございますので、何とぞ御理解を賜りますようよろしくお願いを申し上げます。

 続きまして、御審議中の貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案でございますが、総じて、業界にとって大変厳しい内容であると認識しております。

 出資法の利息制限法レベルへの引き下げ、総量規制の導入、参入規制の強化等、いずれも厳しい改正でありますが、業界全体にとりましても大きな影響を及ぼし、同業者の中でも、特に純資産の少ない数多くの会社が廃業せざるを得ない事態になるものと危惧されるところでございます。

 参入規制により悪質業者が排除されることは望ましいことですが、当委員会でも、一万四千社が三千七百社まで減少するというお話が出ているとお伺いしております。弊社におきましても、上限金利引き下げ、総量規制により、現在のお客様への御融資残高のうち、約三〇%から四〇%程度が残高の減少が想定されます。

 そう申し上げても、御審議中の法案が成立した際には、弊社として、新たなビジネスモデルのあり方を模索することによって、健全に御利用いただけるお客様にできる限り御迷惑をおかけすることのないよう努力し、お客様、国民の皆様の信頼にしっかりとこたえてまいりたいと思います。

 以上、私の意見を述べさせていただきました。ありがとうございました。(拍手)

伊藤委員長 ありがとうございました。

 次に、畔柳参考人にお願いいたします。

畔柳参考人 ただいま委員長から御指名をちょうだいいたしました全国銀行協会会長の畔柳でございます。

 本日は、貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案の御審議に際しまして、私どもの意見を述べさせていただく機会をいただきまして、心より感謝申し上げます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 今回の法案は、多重債務問題という社会問題の解決の重要性及び貸金業の社会的役割を勘案しまして、大きく三つのポイント、すなわち、貸金業の適正化、過剰貸し付けの抑制、金利体系の適正化といった課題に幅広く対応する内容であると認識しております。全体といたしまして、消費者信用市場及び業界をより健全、適正なものにする大きな改革であると認識しております。

 少々法案の内容について述べさせていただきますが、当委員会の諸先生方はもう既に本法案の内容をよく御存じでいらっしゃいますので、繰り返しになる部分があり、大変恐縮ではございますが、私ども銀行界として、十分に理解し、対応しなければいけないポイントを中心に、以下述べさせていただきたいと存じます。

 まず、貸金業の適正化に関する規定では、参入要件の厳格化、行為規制の強化、監督の強化などが盛り込まれておりまして、いずれも重要な内容であると思います。このうち、参入要件の厳格化では、純資産を最終的には五千万円まで引き上げることや、法令遵守の助言指導を行う貸金業務取扱主任者に資格試験を導入して、営業店ごとに配置することを求めております。また、勧誘に関する規制や取り立て規制など、行為規制を強化することで、利用者により安心して御利用いただける手当ても講じられております。さらに、貸金業協会の自主規制機能を強化して、広告や過剰貸し付け防止等の自主ルールを当局が許可することとしております。

 このように、業者及び業界サイドの自己規律を強化すると同時に、金融行政の事後チェック機能を強化する枠組みも用意されております。これまで貸金業者に対しましては、登録取り消しとか業務停止という、ある意味で最終的な措置のみが用意されておりましたけれども、今回の改正によりまして、銀行に対してと同様な業務改善命令が創設されまして、貸金業者の業務運営をより機動的に改善、適正化することが可能になるものと考えております。

 次に、過剰貸し付けの抑制というところでは、総量規制が導入されるとともに、借入総量の把握を可能とするための制度整備として、指定信用情報機関制度が創設されます。このうち総量規制では、貸金業者に借り手の返済能力の調査を義務づける、総借入残高が年収の三分の一を超える貸し付けなど、返済能力を超えた貸し付けを原則禁止するといった内容が盛り込まれております。

 融資の実行に際しまして、借り手の返済能力を調査して、返済能力を超える貸し付けを抑制するということは、金融業におきまして、貸し手にとって基本的な行動であると考えます。しかしながら、特に個人のお客様の場合には、法人とは異なって、そのバランスシートなどを容易には把握できないというのが実感でございます。今回、指定信用情報機関による残高情報等の交流が義務づけられたことは、適正な与信判断に大いに資するものでありまして、多重債務問題の解決に向けた一つの有力な措置ではないかと考えます。

 第三に、金利体系の適正化についてでございますが、これまで、出資法と利息制限法という異なる金利規制の間に、御案内のとおり、いわゆるグレーゾーン金利が存在しておりました。このことは、利用者にとりましても業者にとりましても、わかりにくさや法的不安定さなどの面で課題があったと認識しております。今回の法改正は、これまで五十年以上にわたって存在してまいりました二つの上限金利体系を一本化して、そのグレーゾーン金利を撤廃するという大改革でございます。上限金利の引き下げは、貸金業の適正化や過剰貸し付けの抑制と相まって、多重債務問題を中心とした消費者信用市場をめぐる問題の解決に向けた重要な対応であると認識しております。

 なお、本法案の最後の部分には、政府の責務として、関係省庁相互間の連携強化により、資金需要者が借り入れや返済に関する相談、助言、支援を受けることができる体制の整備等に努めるという規定が置かれております。多重債務問題の解決には、貸し手に対する抑制とあわせて、借り手みずからが自分自身の返済能力を十分に把握、勘案した上で借り入れを受けることが必要でありまして、その意味で、本条文も重要な内容であると認識しております。

 さて、銀行は従来、個人のお客様とは預金取引が中心で、融資業務は法人のお客様との取引が主体でございました。しかし、我が国のマネーフローが大きく変化する中で、個人のお客様の資金ニーズが拡大しておりまして、それにしっかりとおこたえしていくことが銀行の今後の社会的責務であると考えております。

 本法案は貸金業界に関する法律ではございますが、個人のお客様の資金ニーズにしっかりこたえていく上で、銀行業界としてもこの法律の趣旨を徹底的に理解し、認識を共有しまして、コンプライアンスの遵守は当然のことでございますが、より健全、適正な消費者信用市場の育成に役立てるように努めていくことが重要であると考えております。そのため、本法案が成立いたしましたら、全国銀行協会として、今回の法律の趣旨を会員銀行に周知徹底してまいりたいと思います。

 さらに、より健全、適正な消費者信用市場を育成する上でますます重要になると思われます消費者相談機能につきましても、全銀協の取り組みを強化したいと思います。全銀協では、平成十一年四月から、銀行とりひき相談所で個人向けローンの利用者を対象とするカウンセリングサービスを実施しております。しかし、今日の多重債務者問題、より健全、適正な消費者信用市場の育成に貢献するとの観点から、その機能を強化することが必須でございまして、検討に着手したところでございます。

 最後に、繰り返しにはなりますが、消費者信用市場の適正な発展に向けて本法案はまことに重要なものであると認識しております。御審議いただいております諸先生方にお礼を申し上げまして、私の意見陳述を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。(拍手)

伊藤委員長 ありがとうございました。

 次に、森田参考人にお願いいたします。

森田参考人 信託協会長をしております住友信託銀行の森田でございます。

 本日は、貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案の御審議に当たり、意見を述べさせていただく機会をいただきまして、厚くお礼を申し上げます。

 なお、信託協会は、信託制度の発達を図り、公共の利益を増進することを目的として活動しておりますので、本日は、消費者金融業界とお取引のある銀行としての立場から、個社として意見を述べさせていただけましたらというふうに思っております。

 銀行であります弊社は、銀行法にもありますように、銀行の業務の公共性から、信用の維持、預金者等の保護の確保が求められております。金融業務は極めて社会性が高く、本業を健全に営むこと自体が重要な社会的責任であります。特に預金者保護の観点からは、お客様から預金という形でお預かりいたしました御資金を貸し出しという形態で万全に運用することが広く国民から求められていると認識をしております。

 かかる観点からは、私どもの貸出先につきましては、その借り入れニーズが健全であること、かつ、その貸出先自体が健全であることのみならず、業界全体としても健全な業界であることが前提ではないかと思っております。

 貸金業に対する規制法は、昭和五十年代に社会問題となりました高金利、過剰融資等のいわゆるサラ金問題等に対処するために制定されまして、これまで幾度かの改正がなされ、問題の是正につきまして大きな役割を果たしてきたものと考えております。しかし、社会経済の大きな変革に伴いまして、個々人の生活のあり方も大きく変わっていく中で、新たな側面を持った多重債務問題等が生じまして、業界として改善、是正すべき点があったというふうに理解をしております。

 今回の貸金業法の改正は、その現在の問題につきまして抜本的、総合的な対応を目指すものでありまして、平成十六年一月一日に施行されましたいわゆるやみ金対策法の附則で三年をめどに見直すとされていたことを踏まえまして、平成十七年の三月から議論が始まりました貸金業制度等に関する懇談会を契機にして、現在に至るまで、政官学、法曹界等の各位の御議論の積み重ねによりましてまとめられてきたものと認識しておりまして、各位の御尽力に敬意を表するものであります。

 この法案におきましては、貸金業の適正化、過剰貸し付けの抑制、金利体系の適正化、やみ金融対策の強化等を図る対策が示されております。

 これらの対策は、貸金業者が法令、コンプライアンスを遵守し、借り手の知識、経験、経済状況等を踏まえた責任ある業務遂行を図る、よき企業としての社会的責任を果たすことに資するものでありまして、また、返済能力を超える過剰な貸し付けによって借り手が脆弱な経済状態になることを防ぎ、多重債務者の救済に資するものと理解しております。

 これらの対策で構成されております本改正法案は、現在まさに社会問題となっています多重債務者問題や被害の拡大が続くやみ金融問題といった、消費者金融の発展のひずみとして顕在化してしまった諸問題に抜本的に対応し、それを是正するものであります。結果として、消費者金融業界をより健全な方向に導くものと確信しておりまして、金融界にとっても望ましいものと考えております。大いに歓迎し、賛同する次第であります。

 折しも、企業は、多様なステークホルダーとの関係の中で、経済的、法的責任を超える社会的責任を強く求められているところであります。消費者金融業界におかれては、企業の社会的責任の観点からも、この貸金業法の改正の趣旨にのっとり、多重債務者問題等に真摯に取り組み、法令遵守、コンプライアンス遵守を最優先に掲げながら、本来の適正なニーズを持つ利用者に対してしっかりとおこたえしていく健全な業界として発展していただきたいと考えているところでございます。

 弊社といたしましても、今回の貸金業法の改正の趣旨を十分に理解し、さらには勉強をし直して、健全な消費者金融市場の育成、発展に少しでも貢献できればと考えております。その意味で、消費者金融業界がそのような方向に円滑に進んでいくよう、相応のサポートを行っていく所存でございます。

 以上、私なりの意見を述べさせていただきました。繰り返しになりますが、今回の貸金業法の改正は、消費者金融業界をより健全な方向に導くものであり、ひいては金融界にとっても望ましいものであります。その観点から法案の御審議をいただければありがたいと考えております。

 以上、意見を述べさせていただきました。まことにありがとうございました。(拍手)

伊藤委員長 ありがとうございました。

 次に、斎藤参考人にお願いいたします。

斎藤参考人 生命保険協会会長の斎藤でございます。

 本日は、貸金業の規制等に関する法律の改正案に関しまして、保険者並びに投資家としての立場から意見を申し述べさせていただきます。

 今回の法改正の趣旨は、いわゆる多重債務問題の解決に向けた総合的な制度整備を行い、利用者保護等に係る必要な措置を講ずるものであると認識しており、関係者の皆様の御努力に敬意を表させていただきたいと存じます。

 貸金業者と私ども生命保険業者との関係で申し上げますと、まず、生命保険会社は保険者としての立場で、消費者金融会社に対し消費者信用団体生命保険という商品を提供させていただいております。この商品は、消費者金融会社等が契約者となり、融資を受ける借入人を被保険者として、保険者である生命保険会社と契約する保険であり、被保険者に万一のことがあった場合に支払われる保険金を債務残高の返済に充当することで債務を消滅させ、御遺族の方等の生計の安定を図ることを目的とした保険でございます。

 この保険の適切な取り扱いに向け、生命保険業界では、平成十八年四月に施行されました金融庁の監督指針に沿って、保険の加入時に保険契約者である団体が被保険者に契約概要、注意喚起情報を手交する等、保険の内容の説明について徹底を図ってまいりました。

 一方、本保険に関しましては、消費者金融をめぐるさまざまな問題が指摘される中で、被保険者の加入について同意の確認が十分に行われていないのではないか、あるいは、比較的少額で短期の貸付債権の回収のために保険が不当に利用されているのではないかといった御指摘をいただいておりました。また、金融庁からも、生命保険協会に対し、消費者信用団体生命保険に関して、被保険者同意の確認の強化、保険金支払い請求実務のあり方等について検討を行い、業界自主ガイドラインを策定するよう要請がございました。

 これらを踏まえまして、生命保険協会としましては、今般、この保険の適正な取り扱いに向け、大きく三つの対応を行っております。

 まず、一点目としましては、業界自主ガイドラインの策定でございます。九月二十八日に公表いたしましたこのガイドラインの中では、保険加入申込書とローンカード等の申込書の別書面化による被保険者の同意確認の強化や、保険金の請求に係る被保険者の御遺族の了知の徹底等を盛り込んでおり、既に会員各社へ周知しております。

 次に、二点目としまして、先ほど意見を述べられました貸金業の関係団体であります全国貸金業協会連合会に対し、十月十日に、消費者信用団体生命保険の取り扱いに関する協力の依頼を行っております。内容は、この保険につきまして、保険制度の趣旨並びに当会作成のガイドラインの趣旨にのっとった適正な運営を行うこと、及び貸し付けに当たってこの保険への加入を条件とするような取り扱いを行わないことであり、同団体からは、傘下の各都道府県の貸金業協会へ周知を行った旨、連絡をいただいております。

 三点目は、消費者に対する啓発活動でございます。消費者信用団体生命保険について、より理解を深めていただくために、十月十二日より、当会のホームページにこの保険に関する専用ページを設け、その商品概要、よくある質問、回答、ガイドラインの解説等の掲載を行うとともに、当会内に設置しております生命保険相談所において、専門知識を有する相談員が対応する体制の整備を行っております。

 以上、御説明させていただきましたとおり、生命保険業界としては、この保険の適正な取り扱いに向けた努力を行っているところでございます。

 一方、この間、消費者金融会社からは、契約の幹事会社である生命保険会社に対し、この商品を解約したいとのお申し出が相次いでおります。現時点では、消費者金融会社との当該保険契約について、すべて解約等の申し出がなされたと伺っております。

 次に、投資家としての立場について申し上げますと、生命保険会社は、資産運用手段の一つとして、法人、個人へ投融資を行っております。以下、生命保険会社の投融資に関する取り組みの状況及び貸金業者への投融資の状況について御説明をいたします。

 生命保険会社の資産運用は、保険商品の販売によりお客様から付託された長期にわたる保険料を、保険金のお支払いに備え運用することを目的としており、一般的には、運用の大原則として、安全性を確保することと収益性を追求することが求められております。また、保険料として集められた資金を資金の需要者に供給するという資金仲介機能もございます。

 これらを踏まえまして、生命保険会社は、国内外の株式や債券の保有、国内外の法人、個人への融資、不動産の保有等を行っております。現在、生命保険協会に加入しております三十八社の平成十八年三月末の総資産の額は二百九兆円超となっており、うち公社債が三二・七%、外国証券が一八・八%、貸付金が一七・五%、国内株式が一四・七%、不動産が三・三%となっております。

 生命保険協会では、生命保険事業の拡大に伴いまして、当該事業が元来有している公共性と資産運用行動の国民経済に及ぼす影響力の大きさとにかんがみ、平成三年の四月に「生命保険会社の資産運用における行動規範について」というものを作成し、会員各社に周知しております。具体的には、「生命保険事業の性格を踏まえ、資産運用においても社会性・公共性の観点に一層配慮した行動をとることとする」と規定し、生命保険会社の資産運用に当たっての基本的な考え方と努力目標を掲げ、資金運用に関する諸問題に対し、「金融・経済環境と各社の良識に照らして対応していくこと」としております。

 これら投融資の基本的な考え方を踏まえまして、一例として具体的な貸金業者への融資の状況について御説明をいたします。なお、生命保険業界全体としては個別企業への融資状況等について公開情報がございませんので、第一生命の融資の状況をもとに御説明をいたします。

 まず、個人向けの貸し付けを主体として事業を行っているいわゆる消費者金融業者あて融資としましては、平成十八年九月末で、上場している大手社のうち六社へ、総貸付額に占める割合が一・九%程度の貸し付けを行っております。

 消費者金融業者は、小口金融の分野で我が国の一般消費者向けの資金供給の円滑化に寄与するという社会的な役割があると考えております。また、株式の上場、社債の発行、借り入れの実施等、資本市場において一定のプレゼンスを有していること等を踏まえまして、当社といたしましては、融資行動基準等を踏まえた上で、個別に信用リスクやコンプライアンスの状況を審査の上、融資を行っているところでございます。

 ただし、消費者金融業者が社会的な批判にさらされやすい業態であることや、多重債務者の問題についての全容を把握することが困難なこと等にかんがみまして、融資の対象は消費者金融業者のうち、情報開示の進んでいる上場企業に限ることとしております。

 以上、投資家としての立場から貸金業者との関係について御説明を申し上げました。

 最後に、本法案につきましては、冒頭申し上げましたとおり、社会問題化しております多重債務問題の解決に向けた制度整備を目的としたものと認識しており、利用者保護等に資するべく、貸金業に係る諸制度のより適切な導入、運営に向けた御議論をお願いしたいと存じます。

 私ども生命保険業界としましても、本法案の今後の動向を踏まえまして、関連業界として適切な保険制度の運営及び投融資行動につきまして引き続き留意して取り組んでまいりたいと考えます。

 簡単でございますが、以上をもちまして私からの意見陳述を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)

伊藤委員長 ありがとうございました。

 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

伊藤委員長 これより参考人に対する質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。関芳弘君。

関委員 私は、自由民主党の関芳弘でございます。

 本日は、お忙しい中、参考人の皆様に関しましては意見の陳述にお越しいただきまして、まことにありがとうございます。時間の許します限り質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 さて、今、世間では多重債務問題が社会問題化しております。新聞でもよく報道されておりますが、自殺者まで出ておるという状況でございまして、このような状況を一刻も早く克服していかなければなりません。

 午前中には、財務金融委員会の委員で、違法な貸金業者の乱立する神田駅周辺をみんなで視察してまいりました。ごく短期間のうちに町じゅうに出ております貸金業者の営業看板がころころと変わる、そのような状況も見てまいったわけですが、これは違法業者の摘発と違法業者の再出店がもうイタチごっこのようになってしまっている、このような状況が実感としてよくわかったところでございます。また、貸金業協会に属します企業と属さない違法な企業とが大きく大別されるであろうということも想像にかたくないところだということがよくわかったところでございました。

 さて、このような中、借り手と貸し手が適正な運営によりましてよりよい金銭消費貸借ができる貸し金体制をつくることが何よりも重要だと思います。そのためには、三つポイントがあると思います。

 まず一つは、多重債務状況に陥る人をなくすこと。二つ目は、やみ金融の撲滅でございます。そして三つ目には、安定的な信用供与ができる、このような経済の状況をつくっていこう、そういう、この三点だと思います。この点につきましてお尋ねを申し上げたいと思います。

 まず、一つ目でございますが、資本主義社会におけます株式会社の非常に大きな大事な目的としましては、株主に対する配当をできるだけたくさんしよう、利益の極大化ということは大きな点でございますが、さはさりとて、収益重視策に陥り過ぎて今のような多重債務問題が起こっているのではないか、そのような疑問を持つのは自然なところだと思います。

 安易な審査基準や、また、借入理由の把握がしっかりとできているのか。そのようなことを考えますに、今協会に入っております適正な貸し金の企業が貸し付けを行った後で、同じ人に対して、協会に入っていない違法な貸金業者が再度貸して多重債務が起こっているとか、いろいろな状況があるかと思いますが、このような適正な審査基準が守られているのか、また、借入理由がしっかりと把握されているのか。

 この点が、先ほどと重なってしまいますけれども、もう一度お伺いしたいことと同時に、社内の体制としまして、収益アップをしっかりと進めていく部署と、もう一つは、貸し出しが適正かどうかを審査する部署が、会社の制度、体制として、独立した、双方がチェックをし合えるような体制になっているのかどうか。この二点、まずお伺いしたいと思います。協会長、よろしくお願いいたします。

石井参考人 多重債務者問題を深刻にしているのは、関先生おっしゃっているとおり、非協会員でございます。協会に入らないと、現状、個人信用情報センターの会員にはなれません。したがいまして、本来であれば個人融資はできないんです。

 それで、なぜ彼らはやっているのか。それは、二九・二%をはるかに超える超高金利でやりますから、できるということになるわけであります。つまり、違法金融でございますけれども。先ほどいらした神田に、ことしの五月時点で百八十五社の登録がございます。そのうちの協会員は、たった六社です、本店を置いているのは。そういう状況です。これは、やみ金対策法ができて、なおかつ非常に厳しい登録要件が成っておりますけれども、これはあくまでも形式的なものでありまして、百八十弱の業者が捕まらないで、そこで常在してしまっている。つまりそれは、利用者が被害者意識がない、そこで使っているということ、この現実を深刻に認識していただきたい。

 つまり、何かと申しますと、まともな業者を育成しないと、すべてがこういうことになる。やみ金に行かないと借りられないという状況を生んでしまえば、これはもう被害者意識のない被害者がどんどん生まれてしまう。

 私は冒頭申し上げましたけれども、行政罰も含めて最低限一五%というのは、世界で類例のない金利なんです。この結果、恐らくこれが導入されると、ますますひどい荒れたマーケット、利用者も、そこしかない、違法なところに行かなければ利用できない。先ほど、信託銀行から生命保険会社の方々、お話ししましたけれども、引き受け手がいないんです。今、二千万人利用者がいますけれども、恐らく、これはすべてほとんどが利用できなくなる。この引き受け手がいないということを、よく御認識いただきたい。

 ですから、多重債務者問題というのは、金利を下げれば解決できるものではない。これは、こういう論文はいっぱいあります。多重債務者問題と金利が関係あるという論文はほとんどないんです。回答になりますかどうか。

 あともう一つは、収益でございますか。(関委員「収益アップを目指す部署と貸し出しの審査をする部署」と呼ぶ)これは、そういうこともありますでしょう。しかし、収益を伸ばす余り、多重債務者を生むような営業をしていれば、必ずこれは元も子もなくなるという話でございまして、金融業者が一番やってはいけないことなんです。

 したがって、悪質業者の存在をなくす、そして利用者の債務の状況がきちっとわかる個人信用情報センターの整備を待つ、これだけで、多重債務者問題の多くのところが解決できるんです。制度づくりがまず大切なんです。ところが、もう価格規制が入ってしまいますと、はっきりしているのは、その制度づくりの力さえなくなってきます、我が業界からは。カウンセリング機構の構築も、物すごいお金がかかるんです。信用情報センターの構築も、物すごいお金がかかるんです。ガバナンスの高い協会の構築も、物すごい資金がかかります。しかし、すべての収益を奪ってしまいますから、所期の、法律が期待する現実は、私はなかなか難しいと思います。この法案のもとではなかなか難しいと思う。ぜひその辺は御理解いただきたい。

 それで、恐らく数年の後に、私が申し上げていることは現実化するでしょう。法律はいつでも変えられますから、遅くともそのときには再考願いたい。現実が一番証明します。今はまさに現実離れした議論が先行している、現実を無視して法律がつくられておる、これは声高に私は申し上げたいと思います。よろしくお願いします。

関委員 今、石井会長からいろいろ今の現実を踏まえた御意見をいただいたわけでございますが、トータルで考えてみますと、やはり信用収縮が起こるだろうというふうな御意見だったと思います。

 このような中、私が非常に大事だと思いますのは、この信用収縮が行われた上で消費者自身の行動が変わってくるのかどうか。消費者がやはり同じように皆様の貸金業界の方々に対して申し込みをしてくる、それが受けられないという状況が行われるわけでございます。そのような中、いわゆる貸金業界の健全な体制を我々はしっかりとつくっていかないといけないわけでございますが、そのときに必ず必要となると思いますのが、消費者自身への啓蒙だと思います。もちろん、先ほどから各貸金業界の皆様が、自社としてのコンプライアンス、しっかりとやらないといけない、それは決意のほどを聞かせていただいたわけでございますが、借り手側の方もしっかりと啓蒙するのは我々の役目だと思います。

 その点につきまして、プロミス様の神内社長とアイフル様の福田社長から御意見を伺えればと思います。

神内参考人 今、関先生からお話しいただきました行動につきましては、今先生が言われましたとおり、借りられないお客様が間違いなく出てくるという状況になりますので、消費者啓発並びにセーフティーネット、その中でも特にカウンセリングのところが今後、より重要になってくるだろうというふうに思っております。

福田参考人 今、関先生のおっしゃられましたとおり、利用者に対する啓蒙活動というのは大変重要になってこようかと思います。特に、需給バランスが崩れるわけでございますので、その結果、やみ金融に走られる一部の方々がおいでかと思います。その方々に対する啓蒙、並びに、借りられなくなった健全な方々、この方々に対する供給をどうするのかといったことも考えていかなければならないのではないかということを、今の御質問から感じさせていただいております。

 以上でございます。

    〔委員長退席、増原委員長代理着席〕

関委員 今両社の社長から、借り入れをする人に対しての啓蒙も必要だということをお伺いいたしました。私もまさにそのとおりだと思います。

 ただ、一方で、協会に入っていらっしゃる貸金業をされていらっしゃる企業の皆様の方でも、新聞に載ってしまうようないろいろな事件も起こっているのも確かでございますので、その点につきまして、コンプライアンスをしっかりと守っていただく、しっかりと体制づくりをしていただくと同時に、また借り手の方へのいわゆる啓蒙もしっかりとやっていくような、そんな体制をやって、世の中の消費者金融というふうなところが健全でよりよいものになっていくようにしていかなければならないと思います。

 では、最後の質問をさせていただきます。

 先ほど消費者金融の社長様からいろいろお伺いしたわけでございますが、信用収縮は恐らく起こるであろうというふうな御意見を伺ったわけでございます。今、銀行とノンバンクはすみ分けがなされております。今後、消費者金融におきましては信用収縮が起こる可能性がある、このような中で、銀行とノンバンクが今すみ分けがなされているわけですが、そのすみ分けの状況に変更が出てくるのかどうかということに関しまして、展望がございましたら、全銀協の会長と貸金業協会の会長から御意見を賜りたいと思います。

畔柳参考人 お答えいたします。

 確かに、これから、先ほども申しましたとおり、銀行の方といたしましても、そういうニーズを的確にとらえて、そして今回の法律なども十分にそしゃくして、いろいろ便宜性も増して対応していかなきゃいけない、こういう認識で、私どもの個別の銀行で申し上げれば、今それこそいろいろなことを学びながら、利息制限法の範囲内での対応を試みているところでございます、カード事業なども含めまして。恐らく、今度の新たな展開として、貸金業界さんの方でもまた、この法律もそしゃくされ、取り組まれると思います。

 したがいまして、どういうふうにすみ分けられるかということについて、なかなかそれは今から予測することは難しいですが、その結果、消費者の方々がやはり適宜選択されまして、結果としてのすみ分けができていくのではないかというように思っております。

石井参考人 ここ数年の間でございますけれども、銀行または銀行系の貸金業者が消費者信用市場に出てまいっております。これも、私ども消費者金融業界が三十年にわたってつくり上げました個人信用情報センター、そのデータが一部開放されるようになった、この成果をもって、このようにすみ分けと申しますか、同じ土俵で資金を供給できるということが、これは前進してきたわけでございます。

 しかし、それではすべて銀行系、銀行ができるかと申しますと、私はそういう意見ではございません。それぞれその資格に応じた、消費者、資金需要者の方々はやはり銀行以外の資金供給者の供給を受けなければいけない場合もあり得るということで、両方とも必要である、こういうふうに思います。

関委員 金融とはそもそも、私も実際の銀行で働いた経験が十七年ほどございますが、本当に経済の血液だ、いわゆる経済を発展させるものの本当の源なんだということがよく言われ、私は、当初、社会人一年生のときに、銀行に入りますときに、役員の面接で、私は社会を発展させるために銀行に入りたい、そしてよりよい健全な経済が日本を支えていってくれるように努めてまいりたい、それを入社の理由として申し上げた次第でございます。

 金融が健全であることは、本当に資本主義社会の中で経済が発展する大きな源であります。このような中、金融を通して自殺者が発生するような状況につきましては、これは本当に心の痛い状況でございます。そのような中で、冒頭に申し上げましたとおり、私たちはまず、多重債務問題に関しまして、それに陥る人をしっかりと救っていかなければならない、発生させては絶対にいけないんだ、そのような決意を持って、そして、今ばっこするやみ金に対しては、撲滅をするんだ、そのような意識を持って、そして同時に、健全な消費経済の育成を図っていきまして、経済のみならず生活の安定を図っていく、そして豊かな、心安らかな生活をみんなが送れるようにしていこう、そのように寄与しなければならないと思います。

 そのためには、法を遵守される協会に属した皆様方の全面的な御協力とともに、改定サイドを含めましても、そして国民全員が良識を持った行動をとりまして、このような自殺者が出るような現状を打破していかないといけない、そのように私の意見を申し上げまして、本日の質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。

増原委員長代理 次に、石井啓一君。

石井(啓)委員 公明党の石井啓一でございます。

 参考人各位におかれましては、本日は、本委員会にお越しをいただきまして心から御礼申し上げます。

 まず、全国貸金業協会連合会の石井会長、それからプロミス株式会社の神内社長、それからアイフル株式会社の福田社長、お三方にお尋ね申し上げますが、貸金業利用者が全国で約二千万人ですか、そのうち無担保、無保証の消費者金融が約一千四百万人と言われておりますけれども、そのうち多重債務者が二百万人以上にも上ると言われている状況は、私は、やはりこれは異常だと思うんですね。やはり大きな問題だというふうに思っております。

 先ほど石井会長の方から、多重債務者の問題は、やみ金融、不適切な業者が大きく関係しているというお話がございました。確かに、多重債務に陥った方が最終的に行き着くところはそういうところに行き着くと思うんですけれども、ただ、初めからやみ金融やあるいは違法な高金利を取るような業者から借りる方は少ないと思うんですね。最初は小さな額を借りていたのが、それがどんどん膨らんでいって、ついには返済のための新たな借り入れをするようになって、最終的にはまともな業者からは借りられなくなってやみ金融に頼らざるを得なくなる、こういうプロセスがあると思うんです。

 私は、高金利が、貸し倒れリスクが高くても収益を生むということから、やはりどんどん貸し付けを促すという方向に働きかけると思うんですね。結果として、返済能力を超えるような貸し付けをしてしまう。特に、リボルビング払いについては、毎月の返済がそんなに負担が多くありませんから、貸付残高が安易にふえてしまう、こういうこともあろうかと思います。高金利が過剰貸し付けを促し、それが多重債務者を生む、こういう因果関係があるというふうに私は認識をしておりますけれども、この点についていかがお考えか、お三方にお伺いをいたしたいと思います。

石井参考人 多重債務者がやみ金融の被害者になるというお話でございましたけれども、必ずしもそうではございません。

 私どもが、二〇〇〇年にやみ金融のばっこが猛烈にありまして、そのときに大変な費用をかけまして全国的なやみ金被害者の声を聞きました。もちろんこれは相談も受け付けました。それで、一万人余りの方のデータを分析したところ、必ずしも多重債務者だけではない。もう既に正規の貸金業者からは借りられない、つまり悪いデータ、事故のデータが個人信用情報センターに入っているとか、そういう方々が極めて多いということをまず申し上げたいと思います。

 多重債務者になった方に対しては、もちろんこれはやみ金融を撲滅しなきゃならない、やみ金融へ行って被害に遭うというのはやみ金融があるからでございますから、とともに、返済困難に陥ったら即カウンセリングを受けるような体制をつくることがまず第一だと思います。

 それから、多重債務に陥る方の個人的な特性がございまして、何遍でもなる。ですから、やはりこれもカウンセリングしか解決できない。弁護士さんがやる法的な解決で借金をチャラにしても、また借りる、こういう繰り返しでございますから、これはひとつその点を御認識いただきたい。

 金利が高いから多重債務者を生むというお話でございましたけれども、私ども、ずっとこの半年間データを示して申し上げてきたのは、経営効率の高い大手業者はともかくとして、中小業者に至っては、もう既に、二%貸付金利が下がればもう廃業であるということを、客観的なデータを示しております。そういうことで、この高金利が多重債務者を生んでいるということについては、大方の業者については当たらない、こういうふうに意見を申し上げたいと思います。よろしくお願いします。

    〔増原委員長代理退席、委員長着席〕

神内参考人 先ほど陳述でも述べさせていただきましたけれども、多重債務に陥る学術的な検討、研究というものが現在なされていないというのが現状でございまして、多重債務者になる過程というのはいろいろな経緯があろうかと思います。

 場合によっては、ギャンブル等で遊興費に使って、結果、いろいろなところから借り入れをして多重債務者になる方もおられると思いますし、ライフイベントの中で、例えば病気ですとかけがとか、そういったもので所得が減少する、もしくは断たれる、またリストラ、それから倒産等によって収入の道が途絶える、そういうことによって、従来払えていたものが払えなくなって、結果として借り入れで生活費を賄うようなケースもございます。

 そういった意味で、金利は低ければ確かにおっしゃるとおりそれにこしたことはないということでございますので、金利の問題が多重債務の問題に、たくさん借りのあられる方については当然そういう状況になるということは一つの要因としてあるというふうに認識しておりますけれども、金利だけがすべての多重債務者の発生要因であるというふうには認識をしておりません。

 以上でございます。

福田参考人 ただいま神内社長の説明がございましたので、私からは、リボルビング契約が借金漬けを起こし、多重債務者を生む温床になっているのではないか、この点について御説明を申し上げます。

 私どももそのようなことに対する批判は承知しております。しかしながら、多数の利用者の方々は限度額以内で必要に応じて御利用いただいておりまして、リボルビング契約が多重債務の温床であるとは言えないと考えております。あくまで一部のお客様において、自己管理ができない、結果として多重債務に陥るというようなこともございます。必ずしも高金利がすべてではないととらえております。

石井(啓)委員 今回の法案では、多重債務に陥りそうな人にはある意味で貸さないのも親切だという考え方でこの法案が成り立っているということは申し上げておきたいと思います。

 それから、同じくお三方にお伺いいたしますけれども、法律の案では、公布後おおむね三年をめどにして出資法の上限金利を二〇%に引き下げるということを予定しておりますけれども、直ちに引き下げるべきとの御主張もございます。仮に直ちに引き下げるとなると、どのような影響が生じるというふうに想定をされるか。同じくお三方にお伺いをいたしたいと思います。

石井参考人 先ほども冒頭の陳述で申し上げましたとおり、中小業者におきましては、言葉が適切かどうかわかりませんが、即死状態、直ちにやめざるを得ない。いずれにしましても、もう三年後に引き下げということが決まっておりますので、中小業者も商人としての選択をするならば、もう既に撤退が起きておる、もう既に激しい信用収縮が今起きつつあるということを申し上げたいと思います。

 したがって、私も、先ほど申し上げましたが、一、二年のうちに、金利引き下げが実行される前に、この法案の影響が実際に出てくるというふうに思いますので、ぜひ、それをきちっと見守っていただきたい、こういうふうに思います。

神内参考人 金利が直ちに引き下げられた場合につきましては、当然、今後のクレジットリスクといいますか不良化率を抑えていく、それが収支構造の中で求められるということになりますので、より低リスクの方々に対する融資、先ほど資料でも御提示させていただきましたけれども、約四割程度の契約率になるだろうという、推計でございますけれども、そういった方々に御融資をするということになってまいります。

 そして、既存のお客様についても、同様、リスクの高い方々に対しては与信の供与の停止、そういったことによりまして信用収縮を当然行い、残高を減少させていくということが実態として出てまいるというふうに思います。

 一方で、陳述の中でも申し述べさせていただきましたけれども、そういった方々に対するセーフティーネット、こういったものが整備されないままそういった導入が行われますと、結果としてやみ金融の被害に遭われる方が増加をするということは十分考えられることではないかというふうに思っております。

 以上でございます。

福田参考人 直ちに上限金利の引き下げとなりますと、営業体制を構築できない業者にとりましては大混乱に陥ります。その結果、資金の提供を受けられない利用者が、私どもの、先ほど冒頭のごあいさつのところでも、残高が三割から四割減少すると申し上げましたが、それを一挙に進めなければならないといったことが考えられます。

 その結果、資金需要者は追い詰められまして、供給先を失ったわけですから、当然、違法業者のところに、やみ金業者のところに走らざるを得ないということが予想されます。

 以上、御説明申し上げました。

石井(啓)委員 次に、法案成立後、どのようなビジネスモデルが考えられるかというお話ですが、先ほどの石井会長の陳述では、残高五百億円未満の業者はすべて廃業するしかないというお話でございましたけれども、大手の神内社長、福田社長のところは、今この法案成立した後、どういうビジネスモデルに変更していこうというふうにお考えなのか、今の時点でお話しできる範囲でお願いをいたしたいと思います。

神内参考人 今後のビジネスモデルにつきましては、今現在、鋭意検討中でございますけれども、今後のビジネスという観点でいきますと、今後、調達金利であります市中金利の上昇というものも十分考えられますので、今後については、今まで培いました与信並びに債権管理のこういったノウハウを生かしたフィービジネス、例えば保証ですとか、他の事業パートナーとのパートナーシップを結んで金融サービスを提供するとか、そういったことを考えていきたいというふうに考えておりますけれども、詳細については現在検討中でございます。

 以上でございます。

福田参考人 ただいま模索中でございますが、私どもの収益構造で、アバウトでございますが、残高ベースでの利ざやが六%ございます。平均での販売金利が今二三%です。上限金利が二〇%以下になりますと、おおよそ一六%から一七%になります。結果、現在の利益はすべてゼロということとともに、市中金利がこれから上昇する可能性もございます。そういう意味では、大変厳しい、新たなビジネスモデルを模索しなければならない。

 その中で考えられることといたしましては、社員のリストラ、店舗閉鎖、宣伝費の削減、不良債権を出さないための貸し付けの大幅なカットといったような施策を現在検討中でございます。

石井(啓)委員 次に、全銀協の会長でいらっしゃいます三菱東京UFJ銀行の畔柳頭取と、それから石井会長、お二方にお伺いいたします。

 今度、信用情報の流通の件でございますが、今回の法案では、指定信用情報機関を指定いたしまして、まず、貸金業者間でリアルタイムで借り手の総借入残高を把握して、収入に応じた過剰貸し付けの抑止ということを図っていくわけでございます。これがある程度成功した後には、私は、将来的な課題としては、貸金業者間だけではなくて、全銀協さん、あるいはクレジット等のほかの業態さんとの間の情報流通というのも図った、借り手の、どういう借り入れを行っているのか、そういう情報をきちんと把握した上で収入に応じた貸し付けを行うということが将来的には望ましいんだろうというふうに思っています。貸金業者と全銀協さんとの間の情報流通、将来的な課題として私は望ましいと思いますけれども、その点についていかがお考えか、最後にお伺いしたいと思います。

畔柳参考人 お答えいたします。

 先ほど私の陳述の中でも、今回の貸金業界の情報の一元化について大変評価をするというふうに申し上げたところでございますが、今後、まずそこから始めて、全銀協としましても、多重債務者問題の解決に向けて、ホワイト情報を含めて信用情報の交流促進を行っていくことは課題と考えておりまして、個人情報保護というような観点もございますが、それも踏まえつつ検討してまいりたいと考えておるところでございます。

石井参考人 個人信用情報の開放ですけれども、先ほども申し上げましたように、もう既に、私どもの全情連の情報は、一部銀行系それからクレジット産業に関しましても開放しております。これは複合入会という形で開放しておるわけでございますけれども、ますますこれが進んでいく、こういうふうに認識しております。

石井(啓)委員 では、以上で終わります。

 ありがとうございました。

伊藤委員長 次に、馬淵澄夫君。

馬淵委員 民主党の馬淵でございます。

 きょうは参考人質疑の機会をいただきました。この貸金業の規制等に関する法律案、大変な世間の耳目を集めております。きょうは、いわゆる供給者側、貸し金をされる側のお立場での参考人の方々にお集まりをいただきました。私の方からは、ぜひ忌憚ない御意見をお聞かせいただきたいというふうに思っております。

 まず、きょうは、委員会としては現地視察に参りました。神田の貸金業、その密集の状況を見てまいったわけであります。こうした、現実にその現場で行われている貸金業に対しての規制の法案、これは与党でも、また、私ども民主党におきましても、審議を行ってきたその法案の作成については、さまざまな議論が行われてきたわけであります。こうした、現場の実態に即した法案をつくるということの思いは一緒でございます。

 さて、こうした法案の審議、とりわけ与党におきましては、紆余曲折があったと報道をされておりました。その中で、貸金業の方々、先ほど石井参考人がお話しになられたような現状を十分理解するような議論もなされたり、あるいは一方で、世論が大きく動いているこの上限金利に関しては、引き下げが即時になされるべきではないかといった声に耳を傾ける方々もおられると聞いております。そうした与党の議論、紆余曲折はありましたが、ようやく政府案として、閣法として出されたわけであります。

 さてそこで、私どもは、貸金業の皆さん方がこうした議論にどのような形でかかわってきたのかということについてお尋ねをしたい。

 私どもの理事からは、当委員会に対しては再三の資料要求をさせていただきました。ここに委員会が始まるまでの資料要求の一部がございます。しかしながら、要求したものの中に提出されていないものもございました。それは貸金業の方々、とりわけ全国貸金業協会連合会、あるいは全金連の皆さん方がつくられている政治連盟、全国貸金業政治連盟、全政連と呼ぶそうでありますが、これら全政連から、果たして政党や、あるいは議員にどのような形で今日まで献金やパーティー券などの購入という形での支援がなされていたのか。当然ながら、法案の審議においては、こうしたかかわりも十分に把握すべきであるとの考えを私たちは持っております。

 そこで、石井参考人にお尋ねをいたしたいと思います。協会としてあるいは全政連として、政党本部あるいは支部に献金をなされたことがございますか。直近のことですが、端的にお答えください。

石井参考人 貸金業協会は献金をしておりません。(馬淵委員「端的で結構です」と呼ぶ)しておりません。(馬淵委員「全政連」と呼ぶ)

 全政連は、私は答える立場にはありませんけれども、多少はしておると思います。これはなぜかと申しますと、全金連の会員のうち全政連に入っておる者は、今たしか一〇%を切っております。そういう状況でございます。それと、パーティー券購入も含めて、全政連のすべての活動報告は公開されておりますので、隠し立てするものは一切ない、こういうふうに思っております。

馬淵委員 全金連の方では献金はない、しかし全政連にはある、今こうお答えをいただきました。全政連は、全金連のうち一〇%ほどだとおっしゃいましたが、少なくともこの協会が母体となって全政連がつくられている。この中で、全政連の、党本部あるいは支部に対しての献金はあるというふうに今お話がありました。これに対しては、今全く把握をされていないということでしょうか。全金連として把握されているかいないか、これをお答えいただけますか。

石井参考人 パーティー券を……(馬淵委員「献金です」と呼ぶ)献金というのはどういう意味ですか。パーティー券を購入しているだけです、それも数枚単位で。(馬淵委員「では結構です」と呼ぶ)献金ではございません。

馬淵委員 確認いたします。献金とパーティー券は違うんですね。私が今お聞きしているのは献金です。端的で結構です。

石井参考人 献金は全くございません。

馬淵委員 繰り返しお尋ねしますが、全政連からの献金はゼロということでよろしいですね。

石井参考人 私は、先ほど申し上げましたように、答える立場には本来ないんですけれども、私の認識は、献金は全くないというふうに思っております。

馬淵委員 引き続きお尋ねをします。

 先ほど言葉に上りましたパーティー券についてお尋ねをします。

 こちら、全金連あるいは全政連、議員に対してのパーティー券の購入についてでございますが、これにつきまして、過去、大臣、副大臣、政務官、また自民党の金融調査会、これは正式には自由民主党金融調査会、そして同じく自由民主党金融調査会貸金業制度等に関する小委員会委員の方々のパーティー券の購入はございますでしょうか。

石井参考人 繰り返しますけれども、私は全政連の立場ではございませんので、私が記憶にあることだけを申し上げておるのでありまして、そのことについては、今回答できる資料も、それから知識も持ち合わせておらないということを申し上げます。

馬淵委員 全金連のお立場ということですから、それは十分承ります。

 では、恐れ入りますが、全政連の会長はどなたでしょうか。

石井参考人 小倉利夫会長でございます。

馬淵委員 小倉利夫会長は、どちらの会社の代表、そしてどちらの貸金業協会に所属をされておられますでしょうか。

石井参考人 会社の名前は三信倉庫であると思いますが、現在は埼玉県貸金業協会の理事でございます。

馬淵委員 石井参考人は、東京都貸金業協会の代表をされておられます。そして、当然ながら連合会の会長を今されておられるわけであります。この埼玉県の貸金業協会の三信倉庫の小倉利夫会長、面識はございますか。

石井参考人 面識はございます。

馬淵委員 面識があられ、そして当然ながら協会としてはお話をされる立場にあるはずでしょう。

 会長、参考人、先ほど一〇%とおっしゃいましたが、少なくとも全金連を母体として全政連ができ上がっているのは歴史的経緯では事実じゃないですか。その中で、参考人、今、小倉利夫会長とは面識もおありになる、同業の仲です。小倉利夫会長への資料要求については、石井参考人からぜひお願いをしていただきたいんですが、いかがですか。

石井参考人 資料要求とおっしゃいますけれども、すべて公表しているはずです。何を資料要求するんでしょうか、一体。

馬淵委員 十万円以下は公表されないんですね。ですから、少なくとも、先ほど私が申し上げたような議員の方々のパーティー券の購入に関しては、これはすべて資料として委員会に提出をいただきたいと思っています。ぜひこれは、お立場として、全金連の会長として、お立場にないとお話しになりましたが、面識もある三信倉庫の社長でおられる埼玉県貸金業協会の小倉利夫理事に、ぜひ資料の提出要求をお伝えいただけませんでしょうか。いかがですか。

石井参考人 御要望の向きは検討させていただきますけれども、この全政連というのは、会社が入っているんじゃなくて、個人が入っているんですね。これは代表者が必ずしも入っているわけじゃなくて、社員も入っております。個人の政治活動として御認識いただきたいと思います。

馬淵委員 今、石井参考人からは御明言いただきましたので、ぜひ資料要求ということで、委員長、これをお願いいたします。理事会の方で御協議をお願いいたします。

伊藤委員長 ただいまの要求につきましては、後刻理事会で協議をさせていただきたいと思います。

馬淵委員 ありがとうございます。

 さて、今、全政連の方でということのお話がございましたが、新聞報道には幾つか載っております。これは二〇〇六年九月二十日の朝日新聞、「貸金業界 政界への資金増やす」ということで、規制の見直しに対して、パーティー券の購入について記事が出ておりました報道でございます。

 全政連は、〇五年の収支報告書によれば、中川秀直当時自民党政調会長、甘利明同党政調会長代理のお二方、金額はそれぞれ六万円と三十万円、このように載っております。こうした形でパーティー券の購入がなされていたわけであります。

 さて、こうしたパーティー券の購入がなされている、こうした、当時政調会長並びに政調会長代理でおられる、法案の責任者であり、いわゆる政策責任者であられ、またそのナンバーツーでおられる方、そして現時点におきましては、与党の重責を担う幹事長、並びに今回の閣法を提出された閣議決定の中の一員としておられる、経済産業大臣という重責を担っておられる、政調会長代理でおられた甘利さん、こうした方々がおられる。

 さて、こうした全政連のいわゆる政界への資金というのは、やはり何らかの期待やあるいは見返りというのは考えられてのことなんでしょうか。これはぜひ、石井参考人、お答えいただけませんか。

石井参考人 マスコミのミスリードというのは今に始まった話じゃないと私は思うんですけれども、それほどおっしゃるならば、なぜ四千四百もある五百億円未満の、三信倉庫の社長の会社でもそうなんです、なくなるような法律ができたんでしょうか。全く御懸念の向きはないと思います。(発言する者あり)

伊藤委員長 御静粛にお願いします。

馬淵委員 私がお聞きしたのは、見返りや何らかの期待があってのことだと思われますかとお聞きをしているんですが、端的にイエスかノーかでお答えいただけますか。

石井参考人 これは、個人で入っている、個人の政治信条に基づいて加入している政治団体でございますから、全くございません。

馬淵委員 この全政連の収支報告書を見ますと、先ほど申し挙げたように、支出に関してはこうしたパーティー券の購入などが上げられているわけであります。これが〇五年、千二百十六万円ですか、これらの金額が上がっております。

 さて、こうした金額が支出であるわけですが、一方で、収入の大半は寄附です。寄附として受け取ったお金でパーティー券の購入をされているわけであります。

 さて、ここで福田参考人にお尋ねをいたします。福田参考人は寄附をなされたことがございますか。

福田参考人 ございます。

馬淵委員 福田参考人は、百四十九万円、この全政連のパーティー券購入のための資金の収入に、寄附としてその百四十九万円を入れられた。そして、そのお金で、先ほど申し上げたようにパーティー券が購入されていくというわけであります。

 さらには、石井参考人は、見返りは期待はしていないということのお答えをいただきましたが、この全政連の〇六年渉外費は、〇五年の予算を上回る一千四百万円。そして、事業計画にはこのように記されています。来年夏に予定される参院選で与党議員のうち業界に理解のある候補者を中心に支援する、与党議員と書いてあるんですね。そして、パーティー券購入に限らず柔軟に対応していくなどとしています。

 このように、今、石井参考人のお話にありました、期待はない、期待がなかったからこんな法案になったんだというふうにおっしゃっておられますが、福田参考人は、その収支の中の収入の寄附もしているということであります。

 さて、福田参考人は、この中で百四十九万円の寄附をされておられるわけでありますが、この事業計画書にあるように、来年夏に予定される参院選、与党議員のうち業界に理解のある候補者、これを中心に支援するんだという御意図、これはいかがですか。

福田参考人 福田個人として寄附をしているものでありまして、あくまで、相撲でいうタニマチの、ファンクラブの一人として寄附をさせていただいております。

馬淵委員 個人での応援だということでありましたが、改めてお尋ねをします。では、福田参考人は、アイフルはパーティー券の購入はございませんか。

福田参考人 ございます。

馬淵委員 会社は、イコール社長個人のものですか。

福田参考人 上場企業でございますので、福田個人のものではございません。

馬淵委員 福田参考人の個人の思いと、偶然でしょうか、会社の公たる立場の行動が、これは今、一になっているということではありませんでしょうか。いかがですか。どうお答えになられますか。

福田参考人 恐れ入ります。何が一になっているとおっしゃっているんでしょうか。

馬淵委員 福田参考人は個人の思いで寄附をされたということでした。しかし、会社でもやっておられる。つまり、福田参考人、会社全体が同じ方向を向いているということじゃないんですか。これは、公であるとおっしゃった会社も同様に、与党の議員を支援するという方向で立てられている事業計画にのっとった行動ととられても仕方ないんじゃないでしょうか。いかがですか。

福田参考人 企業経営におきまして、トップの考え方並びにその考え方が役員会で反映されるということはよくあることでございます。

馬淵委員 企業が、その企業の収益を集める、株主の最大価値を高めるために企業トップの意思を反映する、これは当然です。しかし、企業が行うパーティー券の購入あるいは献金、政党支部への献金というのは、これは企業の収益活動とは別なものです。この別なものであるはずの政治への支援が社長のお考えと一になっているというのは、これはどういうことでしょうか。お答えいただけませんか。

福田参考人 いろいろな案件におきまして、トップの考え方と会社の考え方が一致することは多々あることでございます。

馬淵委員 私は、今、一連のこの記事をお伝えさせていただいているのは、今回閣法として出された法案、そして私どもの対案、これもまたこの委員会の中で、議論が再開されればしっかりとお伝えをしていきたいと思っておりますが、業界の中でこの法案の作成に対しては大変な懸念がおありだ、これは石井参考人の御意見でもそうでした。これは神内参考人、福田参考人も同様であります。大変厳しい状況に陥るんだと。

 しかしながら、その中で、先ほど来、リストラが必要だ、あるいはビジネスモデルの変更が必要だ、このようにおっしゃったが、その以前には、これを何とか食いとめようとして献金がなされてきたという現実ではないのかと、これは国民が見ればだれもが思われるんじゃないでしょうか。

 そして、福田参考人が幾ら、トップの意思とそれを反映している企業があってもおかしくないんだとおっしゃっても、これはトップの意思イコール企業の行動として、パーティー券の購入など、与党議員の支援、業界に理解を示す議員を支援するという方向に動いていたという事実ではないのですかとお聞きをしているんですが、いかがですか。そのように一般の方がお感じになられるとの考えはされませんか。

 先ほど来、消費者の方々に大変な不信を招いてしまったことのおわびの言葉がるる述べられました。果たして、参考人のお言葉が本当に心を込めたお言葉であるのならば、今国民の前で、私が質問をしていることに対して、明確に御自身のお考えはどうなのだと言っていただけませんか。いかがですか。

福田参考人 繰り返しになりますが、先生方の御活躍に対して、先ほど申し上げましたように、ファンクラブの一人として御支援を申し上げているということであります。

馬淵委員 では、福田参考人、このパーティー券の購入、会社も含め、あるいは個人も含めということでございますので、これについては当委員会に、参考人からの資料提出ということでお約束していただけませんか。いかがですか。

福田参考人 その件についてはお断りを申し上げます。

馬淵委員 おかしいですね。先ほどのお話では、公の公器だということで、そして、社会に対して信用をしっかり高めていくんだというお話でした。私は、多くの国民の方々が疑問に思っている、あるいは不思議に思うことは明らかにしなきゃならないんじゃないですかとお伝えをしているわけです。

 先ほど参考人のお話の中から、大きな迷惑をかけた、行き過ぎた成果主義だったというお話がございました。まさにそうした企業のあり方を襟を正すんだというお話だったと思うんです。これは、それこそ国民の皆さん方に、いや、うちはこういう会社なんだ、何も隠すことはないんだと、今いいチャンスじゃないですか。これこそ宣伝効果も、これはまさにここで、国会で、国民の皆さんが見る場所で、これは宣伝費用も要りませんよ、国会の場でしっかり開陳することができるわけです。

 では、資料要求がなぜできないんですか。出せない理由は何ですか。お答えください。

福田参考人 私どもといたしましては、出す必要がないと思っております。(馬淵委員「理由だよ、理由」と呼ぶ)理由はございません。それは、私自身の判断でございます。(発言する者あり)

馬淵委員 自民党の議員の方々から、よくわかったという声が出ましたが、私はこれはよくわからぬですね。理由は今出ていませんよ、私の判断ですと。

 参考人、もう一度お尋ねしますよ。あなたが先ほど意見陳述の中で、消費者の信頼を高めたいんだとおっしゃっているじゃないですか。これは別に福田参考人の会社だけを私は申し上げているのではありません。神内参考人初め、石井参考人初め、皆さん方が長年培ってきたとおっしゃっているこの業界への信頼をしっかりと守っていくんだ、だから、この法改正に対しても、業界を一にして、一つになって意見を言っていこうという、その取り組みじゃなかったんですか。その中で、小さな疑念であるならば、どうぞここで明らかにしてください。

 私は理由をお聞きしています。出せない理由、あるいは資料提出を今ここでお約束していただけない理由は何ですか。会社として、先ほど来謝罪を繰り返しておられましたが、出せない理由、なぜかということを明確にお答えいただけませんか。

福田参考人 申しわけございません。私、先ほどから申し上げておりますように、私の考えに基づきまして、出すつもりはございません。(発言する者あり)

馬淵委員 先ほど来理事から、参考人に失礼だというお話がありましたが、これはおかしな話ですよね。国会はどんなことも聞いて、ここでしっかり議論する場所じゃないですか。この貸金業法を私たちが国民の議論の中でやるんですから、これはおかしな話ですよ。これはもう理由を聞いておかないとだめです。(発言する者あり)

伊藤委員長 いや、とめる理由にはなりません。

 引き続き質疑を続けてください。とめる理由にはなりません。

 馬淵君。

馬淵委員 参考人にお尋ねをします。

 出さない理由をお答えください。

福田参考人 先ほどから申し上げておりますように、献金なりパーティー券の購入につきましては、適法に処理をされているわけでございますので、それについて改めてお出しするというつもりはございません。御理解を賜りますようよろしくお願いします。

馬淵委員 繰り返し申し上げますよ。私は資料の提出を要求しているんですよ。資料の提出なんですよ。もう一度お答えください。

福田参考人 個社の話ですよね。全金連ではございませんね、全政連でも。(馬淵委員「はい」と呼ぶ)そのつもりで、個社として、その点についてはお断りさせていただきます。

馬淵委員 今、私は会社のことをお聞きしてきたわけでありますが、石井参考人、これはやはり、まさに全金連の信頼性を今問われているんじゃないでしょうか。全金連として、今、大手五社のパーティー券の購入、このことについて資料を提出いただけませんでしょうか。いかがですか。

石井参考人 貸金業関連の業務以外のことについて協会が一々指導する立場にはないというふうに思いますし、そういうお考えは初めて今伺いましたので、ちょっと戸惑っております。

馬淵委員 貸金業の法案を審議していく上においては、少なくとも、全国の消費者の方々も耳目を集めてこれを今注目しているわけですね。大変多くの全国の方が見ておられる中で、一つ一つ貸金業の皆さん方が培ってきたその信頼をしっかり守るには、先ほど来私が申し上げたように、全政連の中では、与党議員を中心に応援していく、そして業界に理解のある候補者を中心に支援する、このような形で明確に言明されているわけですよね。語られているわけです。このような形で業界団体が動いていると多くの消費者が考えられますよ。全金連のお立場として、これは単に、貸金業を営むその具体的な業の中身だけで指導されるということで果たしていいんでしょうか。

 私は再度……

伊藤委員長 持ち時間が終了しておりますので、結論を急いでください。

馬淵委員 はい。再度お伝えをさせていただきますが、この質問をさせていただきました問題に関しましては、当委員会に資料を提出していただくこと、これを重ねてお願い申し上げて、私の方の質問を終わります。

 以上です。

伊藤委員長 次に、川内博史君。

川内委員 民主党の川内博史と申します。

 参考人の皆様方には、大変お忙しい中にお運びをいただきまして、心から感謝を申し上げさせていただきたいと思います。

 それでは、私に与えていただいた時間は十五分しかございませんので、早速聞かせていただきたいと思います。

 まず、石井参考人、神内参考人、福田参考人にお尋ねをいたします。

 今回の政府提出の改正案では、国民生活センターのレポートによれば、多重債務の最大の原因であるとされる高金利について、法成立後、大体三年ぐらいで上限金利の引き下げが施行をされるものというふうになっております。すなわち、グレーゾーン金利が三年間存置をされるというのが今回の政府案の内容でございます。グレーゾーン金利が三年間存置をされる。

 他方で、累次の最高裁判決に示されるとおり、任意性の要件について非常に厳格な判断が示されておりまして、裁判上は、グレーゾーンの金利というのは認められないというのが現在の実情であろうかと思います。

 これらを踏まえて、公認会計士協会なども、会計上の基準として、ガイドラインとして、過払い金の返還請求に対応する積み立てをせよということでガイドラインが提示をされたわけでございます。

 以上を踏まえた上で、今後も、グレーゾーン金利が存置をされる約三年間、利息制限法の上限金利を超える金利での商いというものをされるおつもりかということをお尋ねいたします。

石井参考人 グレーゾーンという言葉は、法律上もあるいはお役所のどこにも書いてありません。(川内委員「だから、利息制限法を超えると言っているじゃないか、ちゃんと最後に」と呼ぶ)

伊藤委員長 不規則発言は控えてください。

石井参考人 ですから、申し上げますけれども、そのおっしゃっているいわゆるグレーゾーンというものが、すべて現下の法律のもとであたかも違法なものとしてグレーゾーンという言葉が使われておりますけれども、それは間違いである、こういうふうに思います。

 最高裁の一番最後に出ました判例は、いわゆる契約約款の中に……(川内委員「委員長、ちゃんと答えさせてよ。十五分しか時間がないんですよ。利息制限法を超える金利で商いをするかと最後に聞いたじゃないですか、ちゃんと」と呼ぶ)

伊藤委員長 ちょっとお待ちください、今答えていますので。

石井参考人 ですから、答えます。

 ですから、違法ではないわけですから、恐らく、当然過怠約款を抜きにしてこの間の資金提供は行っていくと思います。でなければ、資金需要者は非常に困るという前提で申し上げているわけであります。

神内参考人 経過期間の三年間につきましては、利息制限法を超える金利の適用というものはあるというふうに認識をしております。

福田参考人 私も同じように、出資法での金利の適用については三年間継続される、そのように考えております。

川内委員 石井参考人、私はここできょうは議論をする気はないので、聞いたことにだけお答えいただければ結構でございますので。

 それでは、続いての論点に移らせていただきます。

 現在財務省の理財局にいらっしゃる方が、金融庁の金融会社室長でいらっしゃった方が、平成十六年の一月に「改正貸金業規制法のすべて」という御著書を書かれていらっしゃいます。これは、平成十六年の八月には、「改正貸金業規制法のすべて」増補改訂版としてさらに八月に刷り増しが行われているわけでございますが、この一月に出版された初版、それから八月に出版をされた増補改訂版、合わせて石井会長のところは何冊お買い求めになられましたか。

石井参考人 最初のが一万冊買っていると思います。それから、改訂版が五十冊購入しております。

川内委員 それでは、神内参考人と福田参考人にお尋ねをいたします。

 それぞれのお会社で、この御著書をお買い求めになられましたか。さらには、タパルスという、大手五社で消費者金融連絡会という団体をつくっていらっしゃいますが、消費者金融連絡会でお買い求めになられたことはあったかなかったのか、その冊数も含めて御答弁をいただきたいと思います。

神内参考人 まず、プロミスの部分について回答申し上げます。

 まず、初版本につきましては、業務の研究の目的のために数冊購入をしております。改訂版につきましては、購入をしていないというふうに認識をしております。

 以上でございます。

福田参考人 学習のために、すべての営業店、スタッフ等で購入をいたしております。改訂版も購入しております。(川内委員「冊数を」と呼ぶ)数百冊だと思います。

 タパルスの件は把握しておりません。今調べさせますので。

川内委員 それでは、タパルスでお買い求めになったかならなかったのか、その冊数を含めて、後でお教えをいただきたいというふうに思います。

 ところで、私どもが把握をしております、この「改正貸金業規制法のすべて」という金融庁の方がお書きになられた御著書でありますが、全部で二万二千五百冊というふうに御報告をいただいております。今、それぞれに御回答をいただきました冊数を合わせても一万数百冊ということで、数が合わないわけでございまして、実は、この出版元の大蔵財務協会に私、電話をしましたら、先生、この手の本はそんなに売れるものじゃありませんからと言われまして、二万数百冊というのは大変な大ベストセラーなわけでございますが、この差について、もうちょっとよく、タパルスを含めて解明をしなければならないなというふうに思います。

 それでは、続いての論点でございますが、平成十四年度の全国貸金業協会連合会の「特別賛助会費に係る収支計算書」というものがございます。平成十四年度、十五年度、十六年度、十七年度というふうにございますが、この中の費目についてお尋ねをさせていただきます。

 まず、平成十四年度の「ヤミ金融苦情受付強化月間費」として二億一千六百四十五万八千百二十五円、その中の「(1)活動告知広告費」として一億七千六百八十九万七千七百五十五円ということでございますが、これは、新聞の広告などをお出しになられたというふうにお聞きしておりますが、この新聞広告を出された窓口になった代理店を教えてください。

石井参考人 これは、たしかメーンは電通であったと思います。

 そのほかに入っていたか、ちょっと……。

川内委員 ありがとうございます。

 それでは、さらに「(3)その他の広報費」として一千四百六十三万八千百八十二円、「マスコミに対する記者発表会開催費用等」と書いてございます。漏れ承るところによりますと、マスコミに対する記者発表会は二回しか行われていないということで、二回の発表費用が千四百万というのはいかにも過大であるなというふうに思うわけでございますが、この記者発表費用等、「等」の方が実は大きな金額ではないかというふうに思われるわけでございますが、この「等」の中身をお答えください。

石井参考人 資料づくり、これは、先ほど申し上げましたけれども、この月間に相談された一万件に及ぶ膨大な資料、それも一人四十分ぐらいかかるぐらいのいろいろな要因、それを分析しております。その資料づくりに相当のお金がかかったということでございます。

 資料づくりとマスコミ発表、こういうふうに御認識いただきたいと思います。

川内委員 さらには、「立法・行政・マスコミへの働きかけ費」と、これはあからさまなんですけれども、「立法・行政・マスコミへの働きかけ費」として二千百一万六千九百五円、その中に「外部ブレーン活用費」として二千百万、「コンサルティング会社へのコンサルティング費用」ということで出ておりますが、このコンサルティング会社というのは、どちらでしょうか。

石井参考人 これは、わかっておるんですけれども、先方に問い合わせしました。一流のコンサルタント会社でございます。契約によりまして、守秘義務ということで、だめだと。ですから、御勘弁いただきたいと思います。きちっとした、この膨大な資料を分析するためのコンサルタント費でございます。

川内委員 それでは、この二千百万というのは、そのコンサルティング会社にすべて渡っているという理解でよろしいですか。

石井参考人 全くそのとおりでございます。

川内委員 それでは、続いて聞かせていただきます。

 平成十六年度、十七年度には、「法制対策特別委員会費」というものが、平成十六年度に二百六十五万八千三百四十円、平成十七年度には千六百二十三万七百六十七円ですか、ちょっと最近老眼でよく見えないんですが、そういう金額が計上されておりますけれども、この法制対策特別委員会活動費というのは、具体的にはどのような費目でございますか。

石井参考人 私の記憶で、今事務局長に聞いたんですけれども、最初の二百何十万、それは委員の、全国に委員がおりますので、ほぼそれの日当というか交通費でございます。一年間活動しておりますので。それと、千数百万でしたか、それの中にも交通費が入っております。

 それと、そのほかのもの、たしか書籍を購入したと思います。御懸念のような書籍じゃありません。

川内委員 ありがとうございます。

 それでは、さらに、全国貸金業協会連合会の、三億七千万円を集めてさまざまな活動をされたときの事務局長さん、専務理事、土屋さんという方ですけれども、済みません、ちょっと固有名詞を出してしまいましたが、この方は、全金連の専務理事あるいは事務局長にいらっしゃる前の役職はどういう役職にいらっしゃいましたか。

石井参考人 関東財務局首席財務局監察官でございました。

川内委員 それでは、今現在、会長に後ろで資料をお渡しいただいた方も多分事務局長さんでいらっしゃると思いますが、その方の事務局長に御就任前のポストをお答えいただけますか。

石井参考人 聞かないとわかりませんので。

 同じであるそうでございます。同じです。(川内委員「きちんと言ってください」と呼ぶ)関東財務局首席財務局監察官でございます。

川内委員 それでは、続いての論点に移ります。

 石井会長や、あるいは福田参考人あるいは神内参考人もそうですが、金利の引き下げを行うと信用収縮が起こるというふうにおっしゃっていらっしゃいます。信用収縮を起こすという発言が正しいのか、起こるというのは非常に客観的な言い方で、何か客観的な判断の根拠がそこになければならないわけでございます。

 貸し手として、こんなに下げられるんだったらもう貸してやるものかといって信用収縮を起こすというのならまだわかりますが、信用収縮が起こるとおっしゃるのは、何か客観的な判断の根拠がおありになるのかということを、石井参考人に代表して、例えばこういう論文があるとか、こういうところが研究しているということをお答えいただけますか。

石井参考人 論文でなくて、もう既に中小業者、先ほど申し上げましたように、五百億円未満の、以下と申し上げてもよろしゅうございますけれども、その辺の中小業者においては赤字です。ですから、これは商売として成り立たないということで、すべて信用収縮。

 それから、先ほど来申し上げましたとおり、大手の業者も、場合によっては融資残が半減するということで、これもそのとおり。禁止される日賦金融業者については、退場するということで、なくなる。こういうことで御理解いただきたいと思います。

 ですから、信用収縮は、起こすんじゃなくて起きるわけです。

川内委員 もう時間が来ておりますが、途中ちょっと時間があいたので、最後に。

 信用収縮は、業者の皆さんが大変厳しい経営内容に陥ることを信用収縮とは定義づけられないですね。私どもは、多重債務者をなくす、あるいは多重債務に苦しむ方々を少しでも救っていくためにどうすればいいかということをこれから議論をするわけでございまして、そういう中で、業者の皆さんが、経営が大変になることを信用収縮であるというふうに定義づけられるのは、私はそれは違うというふうに申し上げて、終わりたいというふうに思います。

 以上です。

伊藤委員長 次に、鈴木克昌君。

鈴木(克)委員 民主党の鈴木克昌でございます。

 参考人の皆さん方、本当にお忙しい中、ありがとうございました。また、きょう私も午前中視察をさせていただきまして、お世話になった会社もあるわけでありまして、ありがとうございました。

 それで、いろいろと順を追ってお伺いしたいんですが、限られた時間でございますので、単刀直入に数点お伺いをしてまいりたいと思います。

 最近のマスコミの報道で、消費者金融会社の融資に際して、借り手に掛ける生命保険の調査結果の状況がありました。その調査結果についてお聞きをするわけでありますが、まず、一件当たりの支払い金額でありますけれども、病死、事故死が六十二・三万円、死因等不詳によるものが四十九・二万円、自殺が八十七・一万円というふうになっておりまして、自殺による保険金受取額が一番多いというのも何かひっかかるものがあるわけであります。

 自殺による保険金受け取りがこんなに多くなる理由について、どのように考えたらいいのか。病死、事故死の受取額より約二十五万円も多いというのは、通常ではちょっと説明がつかないんじゃないかなというふうに思うんですが、このことについてお伺いをしておると時間がかかりますので、一応そういうような状況であるということを前提として、神内参考人、福田参考人にお伺いをするわけであります。

 過去五年間の保険金の受取額の内訳として、一つ、病死、二つ、事故、三つ、死因不詳、そして四つ、問題の自殺ということで、この内訳というのを、おわかりであればお教えをいただきたいと思います。

神内参考人 申しわけありません。手元にそういった資料は持ち合わせておりません。よろしいでしょうか。

福田参考人 お答えをいたします。

 新聞発表の数字でございますので、先生がお持ちの数字と同じではないかと思われますが、十八年三月期での実績といたしまして、病死が、件数ベースで見ますと三二%、自殺が九・四%、事故が三・四%、高度障害がコンマ五%、その他一・九%、死因等不詳が五二%でございます。

鈴木(克)委員 私も実はその資料を承知いたしておるわけであります。

 私は逐次このことについてお伺いをしていきたいんですけれども、このことは国民の皆さんも御案内だと思うんですけれども、消費者金融会社が融資をする際に、借り手に保険、生命保険を掛けるわけですね。これは、借り手はもちろん事故だとか病気になられるとかいろいろなことがございますので、そうした場合に、いわゆる保険金を充当するということで、遺族への債務が及ぶのを防ぐという意味では非常に、亡くなった方も、家族にとっても、それからお金を貸した側についても、ある意味では順調に、正式に回っておればいいわけでありますが、そこでいろいろと問題が出てきておるということで、逐次お伺いをしていきたいんです。

 まず最初に、いわゆる消費者信用団体生命保険、団信保険というふうにこれから略させていただきますけれども、この保険料はどなたが負担をしておるかということを、まずお二方からお伺いしたいと思います。

神内参考人 保険料につきましては、会社側、弊社が負担をしております。

福田参考人 アイフルでも同じように、弊社が負担しております。

鈴木(克)委員 ということは、重ねてお伺いしますが、これはいわゆる金利にオン、オンをするという言い方が当たっているかどうかわかりませんが、金利に、利息にオンをされておるということで理解をしてよろしいですか。

神内参考人 収益の源泉がお客様からの利息収入でございますので、当然金利の中に含まれているコストということで御認識いただいていいと思います。

福田参考人 神内参考人と同じ考え方でございます。

鈴木(克)委員 そうしますと、その団信保険の保険料には、いわゆるみなし弁済ですね、先ほど石井会長はグレーゾーンなんという言葉はないというふうにおっしゃったんですが、わかりやすく申し上げるためにあえてグレーゾーンという言葉を私は使わせていただきますけれども、要するに、その中にいわゆるグレーゾーン相当部分というのが入っておるということでよろしいんでしょうか。

神内参考人 約定金利での残高で保険金を掛けておりますので、今言われましたとおり、グレーゾーン金利、出資法の金利での金額になっております。

福田参考人 おっしゃるとおりでございます。

鈴木(克)委員 そうしますと、ちょっと私もここで頭を整理しなきゃならないわけですが、グレーゾーン金利相当分の返還ということで、団体訴訟が提訴されましたよね。それで、司法で返還が仮に決まったケースでは、違法な金利分まで保険料に上乗せをして借り手に負担をさせた、こういう理解でよろしいんですかね。結果的にそういうふうになっておるということでよろしいんですか。ちょっと質問が理解しにくいかもしれませんが。

神内参考人 まず、グレーゾーン金利、出資法の金利についての認識の問題ではないかというふうに思いますけれども、貸金業規制法の四十三条、みなし弁済というところがございますけれども、これについては、一定の要件を満たし、お客様が任意でお支払いをいただければ出資法によります金利が認められるということになっておりますので、書面の交付ですとか一定要件を満たすということを前提に営業を行っておりますので、当然、保険金としても出資法の行っております金利、金額で保険を掛けております。ですから、違法な金額を掛けているという認識は会社としては持っておりません。

 以上でございます。

福田参考人 この件については、一月十三日の最高裁の判決で御理解賜っておりますとおり、厳格説を最高裁はとられたということですので、私どももそのように認識しております。神内参考人と同じような考え方です。

鈴木(克)委員 今私がお伺いしたのは、いわゆる司法で返還が決まったケースの場合ですよね。そうすると、その場合はその部分の保険料を返すということになるんですかね。違法だということになるんですかね。その辺はどうでしょうか。

福田参考人 私どもが掛けております保険でありますので、そして、先ほど利息制限法と出資法の間の部分については保険がそこに入っているのではないかという御指摘がありましたので、私どもの経費でもありますので、返すということの考え方はないんではないでしょうか。

鈴木(克)委員 わかりました。このことはまた後で詳しくお尋ねする機会もあろうと思うんです。

 私が申し上げたかったのは、要するに、保険料は借り手に負担、利息に乗っておるわけですよね。だから、それが違法だということになれば、返還をしろということであれば、当然、その部分も返還対象になっていくんではないですかということをお伺いしたわけでありますが、これは、今後、また一度、宿題として私の方も勉強させていただき、また質問を出させていただきたい、このように思います。

 それでは、いわゆる団信保険の加入者の保険料支払いの理由がいろいろあるわけですけれども、自殺が原因の方の実数というのはおわかりでしょうか。お二方から御答弁ください。

福田参考人 少額につきましては、死因を確認せずに保険会社に請求をしておりますので、おっしゃるような数字は把握しておりません。

鈴木(克)委員 ただ、これはやはり把握をしていただかないと、私はうまくないんじゃないかなというふうに思うんですよね。

 確かに、多重債務、いろいろな方がみえますので、把握をしにくい部分というのはあるかもしれませんけれども、しかしやはり、まず実態を把握することが必要だ、私はこのように思うわけであります。

 これは本当は、この自殺関連だけ少しあれするといいんですが、時間がありませんので、平成十七年度で九・四%、さっきありました、これはあくまで平均値でありまして、金融庁で調べたんですけれども、ヒアリングの対象は十二団体、十七業者が対象である。このうち、自殺を原因とする受け取り件数の比率が最も高い業者では二五%に達する高さ。さらに、死因が判明している割合で見ると三三・三%、三人に一人が自殺というのはいかにも高い。この二五・〇%あるいは三三%という高い数値が、単年度の特殊要因による異常値なのか、あるいは恒常的に高どまりしていたのか、高どまりしていたとすれば問題だということで、これは、いきなりこういう話をしてもおわかりにならないかもしれませんけれども、要は、自殺の、これは異常なんだということであります。これは、実態はわからないと言われたのでは、この問題について、もう一歩も進んでいかないわけであります。

 そこで、石井会長、どうですかね。この自殺の問題というのを、やはり協会の方できちっとお調べになるという、そういうようなおつもりはありませんか。

石井参考人 私が聞いている限り、特に、消費者金融を使っている方の自殺が世間一般の自殺で、人口割合ですね、多くないというふうに、そういう資料をもらっていますけれども。金融庁の発表でも、たしかあったように聞きますけれども。

鈴木(克)委員 勉強不足で申しわけありませんが、ぜひひとつ、その資料があれば御提示をいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

石井参考人 例えば、厚生労働省発表の数字によりますと、二十代から五十代までの自殺率は二五・三%となっております、二五・三%。死因の中で自殺率ですね。極めて高いですね、二十代から五十代。

 そうしますと、消費者金融利用者も、この二十代から五十代というのは八九%なんですね。主にこの辺が借りている。そこの中で死因が確認されている自殺率は一七%なんです。

 ですから、そういうことから考えますと、特に、お金を借りられるから死を選択するということは、真実ではないと思います。

鈴木(克)委員 ぜひその資料をいただきたいと思いますので、委員長の方でお諮りいただけますでしょうか。

伊藤委員長 後刻理事会で今の御要請については協議をさせていただきたいと思います。

鈴木(克)委員 時間がなくなってまいりました。

 それでは、続いて第一生命さんにちょっとお尋ねをいたしますけれども、この団信保険というのは、どこで販売をされておるんでしょうか。確認をさせてください。

斎藤参考人 お答えいたします。

 どこという意味は、本社か、例えば現場か、そういう……(鈴木(克)委員「いやいや、そういうのじゃなくて、会社」と呼ぶ)生命保険会社でございます。

鈴木(克)委員 売り主は生保ということなんですが、実際には、後でまたお伺いしますが、それではまず、この団信保険、保険加入の際、加入者の意思確認というのは一〇〇%できておるというふうに理解をしてよろしいんですか、第一生命さん。

斎藤参考人 お答えいたします。

 先ほど、私、今回のガイドラインの、三点申し上げましたけれども、そのうちの一点として、意思確認というものをもっと明確にするために、ローンの申込書と保険の申込書を別建てにするというふうに申し上げましたが、今までは、御承知かと思いますけれども、ローンの申込書と保険の申込書が同一でありましたがゆえに、保険に御加入なさっているという部分の被保険者同意の確認が十分ではなかったという反省をしております。先ほどその部分も言及すべきだったかと思いますけれども、そういう事情でございます。

鈴木(克)委員 となると、これは非常に問題でして、商法の六百七十四条ですか、本人の同意なく保険加入がなされた場合、保険契約は無効である、こういうふうになっていますよね。これはしかし、非常に問題じゃないですかね。本当に一〇〇%確認をしておるということだからこれは成り立っておるということなんでしょうか。もう一遍確認をさせてください。

斎藤参考人 お答えいたします。

 先ほど申し上げましたとおり、ローンの申込書と保険の申込書とが同一になって、保険の加入について、ローンの申込書と同一になっているがゆえに、明瞭にお客様が理解したかどうかはともかくといたしまして、そこにはっきりと文言としては記入されておりまして、したがいまして、十分かどうかという点では、確かに私ども反省しておりますけれども、これが無効というふうには考えておりません。

鈴木(克)委員 これは大変な問題でして、商法にはこういうふうにはっきりとうたってあるわけですよね。これを、十分じゃない、反省をしておりますということだけで看過できないんですよね。

 本当に時間がなくなってしまいましたので、この問題はまた後日、きちっとさせていただきたいというふうに思います。

 続いて、森田参考人にちょっとお伺いをしたいと思うんです。

 先ほど、意見陳述をお伺いしました。その中で、御社はアコム、アイフル、プロミス等に二千二百億以上のお金を貸してみえるわけですよね。しかし、結局そのお金が、今日言われておるようにいろいろ問題を起こしておるわけでありますが、このことについて、責任ということではないまでも、何かお感じになっておるところ、自分たちが融資したお金がいろいろな社会問題を起こしておるということに対しては、何か一言あるんでしょうか。

森田参考人 お答え申し上げます。

 消費者金融自体には適正なニーズがあるというふうに私は思っております。したがいまして、本来の適正なニーズに対しておこたえする、消費者金融業界が利用者に対してしっかりおこたえしていく、それで健全な業界として発展していってほしい。私どもも取引銀行として、業界の健全化に向かって私どもなりの相応のサポートはやらせていただく、そういうことで、適正なニーズにおこたえするということで、私どもは消費者金融の会社に資金供給をさせていただいておる、こういうことであります。

 どうぞ、御理解いただきたいと思います。

鈴木(克)委員 時間が参りました。最後の質問とさせていただきます。

 もう一度斎藤参考人にお伺いをしたいわけですが、御社は、いわゆる保険金未払いでいろいろと新聞、マスコミ報道をにぎわした会社でございます。そういう状況の中で、先ほど、アコム、アイフル、プロミスさんに、ちょっと計算をしましても、一千億近いお金を融資されておるわけですよね。

 本来払わなきゃならない保険金を、どういうことかは別としても、結果的にはお支払いにならなかったということで、場面によって陳謝もされたわけであります。その一方で、一千億近いお金をこういうところにお貸しして、ある意味ではおいしい融資先だと私は理解をしておるわけですが、そういうことについて、何かお感じになっておることがありますでしょうか。最後にお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。

斎藤参考人 お答えいたします。

 確かに、昨年九月末に当局報告で、私ども過去五年間の不適切な不払いというのが二十五件、二千三百万円ございました。

 一方で、今先生御指摘のように、もし、私どもの、消費者金融会社さんに対するローンと、この不払いというものとの関係という意味でお尋ねだとすれば、ここは直接、関係――というのは、お話がありましたとおり、不払いの総額が二千三百万でございますけれども、ローンの総額が、さっき申し上げましたとおり一・九%、これは九百億円でございます。そういうことで、ローンについては、私どもは、資産運用の一環として、適正なスプレッドを乗せてお貸ししているということでございます。

鈴木(克)委員 では、終わります。

伊藤委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 現在、二百万人の多重債務者、二十万人の自己破産、毎年生まれておりまして、大変深刻でございます。ところが、債務者にとりましては、自分の債務がどういう状態になっているかということがなかなか、記録が手元にない、そういう方が多いわけです。仮に過払いの払い戻し請求をするという場合も、資料がなくてなかなか計算ができないということが多いわけです。

 そこで、石井会長にお伺いしますが、これまでの債務の履歴を開示するということが求められているわけですが、そういう請求があった場合、誠実にこれに対応することが大事なことだと思いますが、どのように対応されますでしょうか。

石井参考人 貸金業規制法では、帳票等、三年間保存義務がございます。現実的に、今はコンピューター、IT化が進んでおりますので、かなりの年数の履歴があると思います。

 そこで、今のガイドラインによりますと、ある限りの内容の取引履歴は開示しなければならないということになっておりますので、それは当然だと思います。

佐々木(憲)委員 誠実に対応するということでやっていただきたいと思います。

 次に、アイフル、プロミスのそれぞれの社長さんに伺います。

 弁護士を代理人として過払い返済の請求をする場合だけではなくて、債務者本人が開示された資料に基づいて計算をして請求をするという場合もあると思うんですね。そういう場合、個々の個人に対しても誠実に対応するというのは私は当然のことだと思いますが、いかがでしょう。

神内参考人 当社では、お客様との取引につきましては、任意の取引ということで考えております。その結果、現在、過払いの請求につきましては、弁護士等第三者を含めて、後々の紛争を防ぐ意味で、その取引が任意性があったのかどうか、これを含めて判定をいただくということで対応させていただいております。

 以上でございます。

福田参考人 弁護士を介さずに、直接お客様より履歴開示並びに過払いの返還請求という場合に、誠実に対応させていただいております。

佐々木(憲)委員 これはきちっと対応していただきたいというふうに思います。

 それでは次に、先ほど、全金連の石井会長は、金利規制それから総量規制、この導入は副作用が大変強いので、今回の法改正には反対であるという趣旨の意見が表明されました。これまでもさまざまな働きかけが、先ほどの議論にありましたように、行政あるいは政治、マスコミ、こういうところに行ってきたというふうにお聞きしております。

 例えば、二〇〇三年のやみ金規制、このとき、出資法の上限金利の引き上げ、さらにそれを引き上げるということを求めて、このときは三四・六七五%に引き上げてもらいたいというのが全金連の方針だったようでありますが、マスコミ、行政等を含めて働きかける方針を決めた。その実践組織として、金利・業法部会というものをおつくりになったということですが、その際、アイフルの福田さん、部会長で、二〇〇一年から二〇〇三年十月までそういう活動をされてきたということでありますが、これは事実ですか。

福田参考人 事実でございます。

佐々木(憲)委員 そのときに、二〇〇二年十月からは特別賛助会費というものを集めていたということなんですが、これは幾ら集まったんでしょうか。

福田参考人 必ずしも正確ではございませんが、千社以上の業者から三億七千万近い資金を拠出いただいております。

佐々木(憲)委員 三億七千六百四十万円というふうに私は聞いておりますので、多分、今の回答のとおりだと思うんですが。

 そこで、この使途というのはいろいろあると思うんですが、その際、議員の業界に対する理解が非常に不足しているというお話があったそうでありますが、議員に、あるいは政党にも働きかけたということですね。全政連も含め、政党、政治家への接待、政治献金、これはその際、行われましたか。

福田参考人 今、接待、何とおっしゃいましたか。(佐々木(憲)委員「接待、政治献金」と呼ぶ)ちょっと接待と政治献金とは別だと思うんですが、先ほど全金連会長が、政治献金はないとおっしゃっておりますので、ちょっと私も記憶定かではございませんが、そのお言葉に合わさせていただきます。

 それから、接待等はございません。

佐々木(憲)委員 先ほど献金がないという話がありましたが、私どもが調べたところ、二〇〇三年、寄附が百十二万円、二〇〇四年百三十三万円、二〇〇五年六十万円、これは献金でありますが、あるんじゃありませんか。

福田参考人 今の御指摘の二〇〇三年、二〇〇二年ですか、その資料というのは、全金連での資料でしょうか。全金連におきましては、社団法人ですので、献金、パーティー券等の購入は一切ございません。全金連の中に、法制対策委員会というのがございましたので、そのような出費はないはずです。

佐々木(憲)委員 私は、全国貸金業政治連盟、全政連、この寄附について申し上げたわけでありますが、石井会長、先ほどのお話と実態は違うんじゃありませんか。

石井参考人 全政連のことについては、まことに申しわけないんですが、ちょっとわかりません。

 ただ、その特別賛助会費、三億七千六百四十万集めておりますけれども、この中で、献金とかあるいは接待とか、そういうものに使われたものは全くございません。すべて、やみ金を暴くための資料づくりと、あるいはやみ金被害者を救うための活動費でございます。

佐々木(憲)委員 私が指摘をしたのは、全国貸金業政治連盟、それから議員の政党支部の政治資金報告書で知り得る限りの数字について、先ほど御指摘をいたしました。したがって、これは先ほど、全政連も含めて、ないとおっしゃいましたので、そうではないという事実をここで指摘しておいたわけであります。

 次に、福田さんは、全金連の理事会で、当時何度も理事会があったと思うんですが、こういう発言をされているというふうに私は業界の関係者から聞きました。やみ金が広がったのは我々にとっては金利引き上げの追い風だと。ミサイルが手に入ったようなものだというふうに発言したと言われていますが、本当ですか。

福田参考人 今から四年前ですか、五年前のコメントを私は記憶しておりません。ただ、考えるに、その前後の話があろうかと思います、もしそれが事実とするならば。前後の話としては、二〇〇〇年に上限金利が引き下げになりました。その後、やみ金がばっこをいたしました。結果として、金利が下がることはやみ金がはびこるんだということから、今のような発言につながったのではないかと想像するところです。

佐々木(憲)委員 これは当時、多分、今おっしゃったような状況があって、やみ金が広がったということは、金利を引き上げると、出資法の金利の上限を、当時は二九・二に下がっておったのをもとに、もとにといいましても三四・六七五%に上げる、これは当時の全金連の基本方針、そのためにいろいろ働きかけるということをお決めになった、そういう中で、やみ金がはびこることはミサイルを手にしたようなものだ、これを持って我々は攻め込んでいくんだと、戦争みたいな話をやっている。これは私は非常に問題の、重大な発言だと思うんですが、この記録は当然議事録の中にあると思うんですが、その議事録、当時どんな議論があったのか、全金連の議事録があるとすれば、私はあると聞いているんですけれども、資料として提出していただけますか。

福田参考人 今、私は全金連と一切かかわりをしておりませんので、資料請求については、私が申し上げる立場ではございませんので。

佐々木(憲)委員 それでは、石井会長に、当時の議事録もここに提出をしていただく、あるいは、最近までの議事録がもし提出されるのであればもっといいんですけれども、いかがでしょう。

石井参考人 議事録を提出しなければならないのかどうかということについては、その義務のありやなしやも検討いたしまして、検討いたします。しかし、やみ金対策活動が我々の金利を上げるためにやったというのは見当違いであります。これだけは申し上げたいと思います。

 これは、金利が下がったことによって、我々さえも想像を絶するようなやみ金のばっこがありました。これはだれも予想しておりませんでした。これは御存じだと思うんです。それを白日のもとに示したのが私どもの活動でありました。この巨額な費用をもって、なおかつ全国の会員二千名が一月間この業務に当たって、そして貴重な資料が集まった、それによって五菱会を初めやみ金が摘発された、そういう成果を御認識いただきたい。私どもは、金利を上げるためにこれをやったのではありません。

佐々木(憲)委員 今そのようにおっしゃいました。それならば、証拠として出していただかなければ信用できませんよ。平成十四年の……(石井参考人「ですから、この成果物は……」と呼ぶ)ちょっと待ってください。

伊藤委員長 委員長が指名してから御発言をお願いします。

 佐々木君。

佐々木(憲)委員 私は具体的な関係者の情報に基づいて質問しているわけですが。私は、そういうふうに明確な発言をされたと、しかもそれが議事録に残っているんだという話を聞いたんです。今否定されましたね、そんなはずはないと。それなら、議事録を出してください。具体的に言いますと、平成十四年七月十六日の議事録を出してください。

石井参考人 議事録の閲覧は、多分、これは地方の協会長でさえ今制約されております、することについては。ですから……(佐々木(憲)委員「そんなの関係ないじゃないか」と呼ぶ)これは、いわゆるやみ金の、だから、趣旨がありまして、目的に照らして、そのような発言を福田部会長がしたとはとても思われませんので、いずれにしても、このあれにつきましては検討させていただきます。

佐々木(憲)委員 では、検討するということですから、私ども、理事会でこの提出を求めていただきたい。委員長、お願いします。

伊藤委員長 ただいまの佐々木委員の要求につきましては、後刻理事会で協議をさせていただきたいと思います。

佐々木(憲)委員 つまりこれは、全金連の石井会長のこの御発言が正確かどうかということを確かめるために私は求めているわけであります。今これを否定されましたので、否定された以上、その証拠を出していただかなければいけないということであります。

 次に、全銀協の会長さんにお伺いしますが、この資金提供、消費者金融の、サラ金の資金の半分ぐらいは、大ざっぱに言って銀行が提供しているんじゃないかと私は思っておりますが、非常に金利が低いんですね。一・七%台というふうに聞いておりますが、なぜそういう低い金利でこれが提供できるのか、その理由についてお知らせいただきたいと思います。

畔柳参考人 お答えいたします。

 個々の企業への貸し出し方針につきましては、加盟行それぞれの銀行がそれぞれの融資基準に基づいて判断していると思いますが、私どもの銀行の例で申し上げますと、貸し出しを実行する際には、業界とか業種に関係なく、債務者ごとに定めた信用格付ですね、格付と案件ごとの回収見込みなどから利ざやというものを設定しておりまして、貸金業者だからといって特別な利ざやで貸し出している事実はございません。

佐々木(憲)委員 いや、特別に高い金利で貸していると言ったんじゃなくて、特別に低い金利で貸している理由は何かと聞いたんです。ですから、利ざやを問題にしているのではなくて、つまり、銀行の貸出金利の平均は大体三、四%だろうと私は思うんですが、なぜ一・七%台で貸せるのかということを聞いているわけです。

畔柳参考人 お答えします。

 業界にかかわらず、格付が、レートが高ければそれに応じたレートを適用しているということで、それはほかの業界の会社でも、その格付であれば同じレートを適用しているということでございます。

佐々木(憲)委員 いわばサラ金業界は格付が非常に高いと。サラ金業界自身が利用者に貸すのは、二十数%と非常に高い金利で貸しているわけですね。ですから、そういう構造にあるということの一端が今の答弁でも明らかになったと思います。

 今後、この法案の審議、具体的な資料も求めましたので、民主党からも出ておりますから、その資料の提出なども含めて、しっかりとした審議をしていきたいというふうに思います。

 以上で終わります。

伊藤委員長 これにて本日の参考人に対する質疑は終了いたしました。

 この際、参考人各位に一言御礼申し上げます。

 参考人各位におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして、厚く御礼申し上げます。(拍手)

 次回は、来る二十一日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時二十七分散会


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