衆議院

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第11号 平成18年11月28日(火曜日)

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平成十八年十一月二十八日(火曜日)

    午前九時三十四分開議

 出席委員

   委員長 伊藤 達也君

   理事 井上 信治君 理事 竹本 直一君

   理事 林田  彪君 理事 増原 義剛君

   理事 宮下 一郎君 理事 池田 元久君

   理事 古本伸一郎君 理事 石井 啓一君

      井澤 京子君    伊藤信太郎君

      石原 宏高君    江崎洋一郎君

      小川 友一君    小野 晋也君

      越智 隆雄君    大塚  拓君

      大野 功統君    嘉数 知賢君

      木原  稔君    佐藤ゆかり君

      篠田 陽介君    関  芳弘君

      とかしきなおみ君    土井 真樹君

      中根 一幸君    長崎幸太郎君

      萩山 教嚴君    橋本  岳君

      原田 憲治君    広津 素子君

      松本 洋平君   山本ともひろ君

      小川 淳也君    小沢 鋭仁君

      大串 博志君    川内 博史君

      北神 圭朗君    鈴木 克昌君

      園田 康博君    田村 謙治君

      寺田  学君    長妻  昭君

      馬淵 澄夫君    三谷 光男君

      吉田  泉君    鷲尾英一郎君

      谷口 隆義君    佐々木憲昭君

      野呂田芳成君    中村喜四郎君

    …………………………………

   国務大臣

   (金融担当)       山本 有二君

   内閣府副大臣       渡辺 喜美君

   内閣府大臣政務官     田村耕太郎君

   財務大臣政務官      江崎洋一郎君

   政府参考人

   (内閣官房内閣参事官)  刀禰 俊哉君

   政府参考人

   (警察庁生活安全局長)  竹花  豊君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局長)  三國谷勝範君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局総括審議官)          中江 公人君

   政府参考人

   (金融庁検査局長)    西原 政雄君

   政府参考人

   (金融庁監督局長)    佐藤 隆文君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 三浦  守君

   政府参考人

   (法務省大臣官房司法法制部長)          菊池 洋一君

   政府参考人

   (財務省大臣官房参事官) 香川 俊介君

   財務金融委員会専門員   鈴木健次郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月二十八日

 辞任         補欠選任

  井澤 京子君     大塚  拓君

  小野 晋也君     嘉数 知賢君

  佐藤ゆかり君     篠田 陽介君

  小沢 鋭仁君     大串 博志君

  北橋 健治君     三谷 光男君

  寺田  学君     鷲尾英一郎君

同日

 辞任         補欠選任

  大塚  拓君     井澤 京子君

  嘉数 知賢君     小野 晋也君

  篠田 陽介君     橋本  岳君

  大串 博志君     小川 淳也君

  三谷 光男君     長妻  昭君

  鷲尾英一郎君     園田 康博君

同日

 辞任         補欠選任

  橋本  岳君     山本ともひろ君

  小川 淳也君     小沢 鋭仁君

  園田 康博君     北神 圭朗君

  長妻  昭君     北橋 健治君

同日

 辞任         補欠選任

  山本ともひろ君    佐藤ゆかり君

  北神 圭朗君     寺田  学君

    ―――――――――――――

十一月二十四日

 事業主報酬制度の創設に関する請願(永岡桂子君紹介)(第六〇〇号)

 同(三原朝彦君紹介)(第六〇一号)

 同(やまぎわ大志郎君紹介)(第六〇二号)

 同(倉田雅年君紹介)(第六三四号)

 同(萩原誠司君紹介)(第六三五号)

 同(仲村正治君紹介)(第六六〇号)

 同(赤池誠章君紹介)(第七一五号)

 同(赤澤亮正君紹介)(第七一六号)

 同(大島理森君紹介)(第七一七号)

 同(梶山弘志君紹介)(第七一八号)

 同(河野太郎君紹介)(第七一九号)

 同(斉藤斗志二君紹介)(第七二〇号)

 同(笹川堯君紹介)(第七二一号)

 同(永岡桂子君紹介)(第七二二号)

 同(吉川貴盛君紹介)(第七二三号)

 同(赤池誠章君紹介)(第七四一号)

 同(遠藤武彦君紹介)(第七四二号)

 同(並木正芳君紹介)(第七四三号)

 同(遠藤武彦君紹介)(第七五七号)

 同(木村隆秀君紹介)(第七五八号)

 同(桜井郁三君紹介)(第七五九号)

 同(柴山昌彦君紹介)(第七六〇号)

 同(萩生田光一君紹介)(第七六一号)

 保険業法の適用除外に関する請願(吉井英勝君紹介)(第六〇三号)

 同(古川元久君紹介)(第七二四号)

 同(内山晃君紹介)(第七六三号)

 大衆増税反対に関する請願(阿部知子君紹介)(第六三二号)

 消費者金融の金利引き下げ等に関する請願(阿部知子君紹介)(第六三三号)

 同(古川元久君紹介)(第七一四号)

 同(篠原孝君紹介)(第七五五号)

 同(鈴木克昌君紹介)(第七五六号)

 消費税の増税反対に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第六五八号)

 大増税に反対することに関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第六五九号)

 消費税の大増税に反対、税率を三%に引き下げ、医療の完全非課税に関する請願(石井郁子君紹介)(第七一一号)

 保険業法の適用除外を求めることに関する請願(古川元久君紹介)(第七一二号)

 出資法の上限金利の引き下げ等に関する請願(古川元久君紹介)(第七一三号)

 被用者年金制度の一元化等に関する請願(篠原孝君紹介)(第七六二号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第一〇号)


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     ――――◇―――――

伊藤委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案及びこれに対する古本伸一郎君外三名提出の修正案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣参事官刀禰俊哉君、警察庁生活安全局長竹花豊君、金融庁総務企画局長三國谷勝範君、金融庁総務企画局総括審議官中江公人君、金融庁検査局長西原政雄君、金融庁監督局長佐藤隆文君、法務省大臣官房審議官三浦守君、法務省大臣官房司法法制部長菊池洋一君、財務省大臣官房参事官香川俊介君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伊藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

伊藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松本洋平君。

松本(洋)委員 自由民主党の松本洋平でございます。

 本日は、貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案ということでございまして、また、あわせて、先般民主党さんからも修正案が提出されましたので、これらにつきまして質問をさせていただきたいと思います。

 まずもって、今回提出されました政府案におきましては、理事の増原先生が、党内におきましては小委員長といたしまして、貸金業制度に関する小委員会ということで二十回以上にわたりまして議論を重ねてまいりました。各方面、各層からの議論がさまざまあったわけでございます。また、大勢の有識者の方々、当事者の方々からも現場の声というものをお聞きしながら、この法律案を検討してまいったわけでございますけれども、やはり立場によって各業界の皆さん方も、それぞれ思いというものは違う部分というのもあったのは事実だと思います。

 しかしながら、最後にはこの問題はやはり政治としてしっかりと決着をつけていかなければならない、国民のことをしっかりと考えまして、多重債務問題の深刻化、何とか解決をしていかなければならないとのもと、本法案というものが固まったものと認識をしております。そういう意味では、今回提出されました政府案というのは、大変画期的な法案であると同時に、大変網羅的に、さまざまな施策が施された法案であるというふうに私自身は思っているところでございます。

 したがって、そろそろ議論というのも、だんだんと政府案に関して尽きかけている部分というのも私はあるんじゃないかと思っているところでございまして、ぜひとも早期の法案成立、やはりこの法案、何としてでも早く成立をさせてほしい、そういう国民の声も非常に大きいものがあるわけでございまして、ぜひとも本法案の早期成立というものをお願いしたい、冒頭にまず申し上げたいと思います。

 先ほども申し上げましたとおり、本日は、政府案及び民主党提出の修正案に対しまして質問をさせていただきたいと思っているところでございます。先週、私どもの同僚議員の大塚拓議員が質問に立ちました。当日は、民主党さんの答弁が、提出だけで答弁の機会というのがなかったということでございますから、大塚拓議員の質問とかぶる部分は多々あるわけでございますけれども、改めて質問をさせていただきまして、法案提出者からぜひ御答弁というものをちょうだいしてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。

 まず議論の前提として、政府側にちょっと質問をさせていただきたいと思います。

 出資法の上限金利引き下げに関しまして、経過措置としておおむね三年となっているわけでございますけれども、この根拠、具体的な見積もりの根拠といいますか、そういうものをぜひ教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。

    〔委員長退席、増原委員長代理着席〕

三國谷政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の改正におきましては、貸金業者の金利を現在の実勢金利を下回る水準に引き下げることによりまして、現在の借り手に大きな影響を与える可能性があることを踏まえまして、急激な貸し渋りなどによります家計や企業へのダメージを防ぎ、借り手が無理のないペースで返済できるようにするための時間が必要と考えているところでございます。

 また、今回の改正では、上限金利の引き下げとあわせまして、返済能力を超える借り入れを防ぐ総量規制を導入することとしております。これによりまして、上限金利引き下げ後も、個々の貸金業者が借り手のリスクを精緻に把握することが可能となり、健全な借り手の資金ニーズにこたえていくことが期待されますが、この総量規制の導入には、信用情報機関等におけるシステム整備のための時間も必要となると考えております。

 こうした趣旨から、今回の改正におきましては、出資法の上限金利の引き下げまでにおおむね三年間の準備期間を設けることとしたものでございます。

松本(洋)委員 ただいま御答弁がありましたように、この質問はもう何度もされているわけでございますけれども、おさらいという意味も込めて最初にちょっと質問をさせていただきましたが、やはりこの金利の引き下げ、今回の改正案というのは大変大きなインパクトを与えるものでございます。当然、それに対しまして、システム開発ですとか、また制度上の整備等々、そうした段階を踏んでいかなければなかなか難しいということだと思っております。

 そこで、ちょっと民主党に質問をさせていただきたいと思います。

 まず第一に、金利に関しましての質問でございます。

 出資法の金利を利息制限法に合わせるという趣旨の修正案を出されているわけでございます。大塚議員も質問の中で言っていましたけれども、出資法というのは刑罰規定がついていますが、刑法にまで違反するものであるというように認定することは、金額刻みどおりにやるというのはなかなか難しい、法的な安定性を欠いているという指摘も確かに存在をしているわけでございます。

 その法的な安定性についての民主党さんの、提出者の見解というものをぜひ教えていただきたいと思います。お願いします。

田村(謙)委員 民主党の金利引き下げ案についての法的安定性という御質問でございますけれども、そもそも、金利の刻みを、一五、一八、二〇とするというのではなくて、やはり出資法は二〇%一律にするという方がより適切であるという法務省の御意見があるという話は我々も聞いております。

 その趣旨というのは、今委員もおっしゃったように、法的安定性、出資法は刑事罰を科す法であるために一律の基準を定めた方がわかりやすいということや、あるいは段階的に刻みをつくってしまうと、意図的であればまだしも、意図しない場合に、うっかり法を犯してしまう危険性が高いといったような趣旨だというふうに聞いております。

 先ほども話がございましたように、例えばシステムということに関しましては、システムのメンテナンスが正常に機能するような環境整備を別途講じなければいけないというのは別問題だというふうに考えておりまして、それよりも、まさに一部残ってしまうグレーゾーン、その中で、例えば、先日大塚委員もおっしゃっておられたようなシステムのミスではなくて、明らかに意図的に残ってしまうグレーゾーンで貸し付けるような、いわゆるやみ金業者のような、そういう違法な業者に対して結局行政処分しか科せない。登録を抹消するということができても、それ以上の厳しい罰を科すことができないというのは、やはりそれは非常に問題であるというふうに我々民主党は考えております。

 またもう一つ、やはり利用者からしても、そういうグレーゾーンというものが残るというのは、非常に利用者にとってわかりにくいということをより優先的に考えた上での結論でございます。

 そういった意味で、とにかく利用者から見て、一五、一八、二〇%という、もうそれしかないんだということがよりわかりやすいようにするためにも、出資法もそれに合わせるべきだというふうに民主党としては考えております。

松本(洋)委員 ありがとうございます。

 システムの問題はシステムの問題でこれとは別だという、そういう御答弁があったわけでございますけれども、しかしながら、実際にどういう事態が起きるかわからないですけれども、例えば、どこかで災害が起きてしまってシステムがうまく作動しなくなってしまったりですとか、当然、さまざまな店舗があって、そこで回線が途切れてしまって、どう確認をとれるのかとか、そういういろいろな制約というのは想定されると思うんですね。

 具体的に教えていただきたいんですけれども、例えばそうした人為的なものではなくて、あくまでも人として、どうしても感知できないような事態が起きて、仮に違反をしてしまったときには、これはどう取り扱われるのかというのを教えていただきたいと思います。お願いします。

田村(謙)委員 今の御質問、まさにふだん想定できないような災害等のケースについて、我々も綿密に調査はまだしておりません。確かに大塚議員が先日おっしゃったような、本来十万円貸すつもりだったのが、システムトラブル、システムのミスで二十万円貸してしまったというような、それだけ聞くと、そのミスというのはかわいそうだなというふうに思えるかもしれませんけれども、そのシステムトラブルがそもそもどういうものか、それぞれいろいろなケースになってくると思います。それこそ、二〇%で貸すつもりがシステムトラブルで二十数%、二〇%を超える金利で貸してしまったというようなケースでも許すのか。

 結局、例外を認める場合というのは、相当明確な、限定的な例で、まさに今委員がおっしゃったように、災害時のそういうシステムトラブルに関してはとか、そういったような明確な例外規定を設けるならともかく、何となく一つの例を挙げて、その例はかわいそうでしょうと言うだけで、とにかくそういう法的にあいまいなグレーゾーンが残る、それによって利用者が被害を受ける可能性がある、それがまた多重債務につながる可能性もある、それをとにかく防ぐためにはどうするかということを第一に考えた場合に、そこは明確な適用除外ができない限りは我々は認めるべきではないという考えでございます。

松本(洋)委員 今御答弁をいただいたわけですけれども、例えば、大手だったら、いろいろシステムという話もあるかもしれないですし、開発費というものも捻出できるかもしれないですけれども、中小だったり、なかなかそうしたシステム整備にしっかりとしたお金をかけることができないとか、銀行であれば、必ず二回線を用意していて、片方が断絶されてもルートを変えて必ず情報をとれるような、そういう仕組みとかをつくっているわけですけれども、なかなかそういうこともできない。

 また、期間的に見ても、非常に短期間でそういうものを整備しなければならないというような状況下において、果たして、刑事罰という大変重たい罪を与える措置というものをすることが、本当に正しい、正常な貸金業の制度というものを構築できるのかということには、私自身は甚だちょっと疑問があるかなと。余りそこまでやってしまうよりは、その辺の対応というのは、実際の現場との意見交換もしながら、段階を追って慎重に進めていく必要があるのではないかと私自身は考えますことを申し述べさせていただきたいと思います。

 次の質問に移らせていただきますけれども、上限金利の引き下げに伴いまして、先ほど政府側からも答弁がありましたけれども、貸し手、借り手双方の債権債務の整理というものが当然必要になってくると思っております。実際、私も銀行員をやっておりましたけれども、バブルが崩壊をいたしまして資産価格が下落をし、担保価値が物すごい勢いで減少したことによって、金利とリスクと、あと保全とのバランスが崩れて、日本国じゅうが大混乱に陥ったというような記憶、実際に自分もそのころ銀行で仕事をしていましたし、大変つらい思いもしたものですから、ついこの前のことのように思い出すわけでございます。

 ある意味、この上限金利の引き下げ、かつ利息制限法に合わせるというような改革をしようとするということは、短期間でリスクと金利との関係を大きく変えていくものだと思っております。政府案は三年、修正案は一年ということでございますけれども、これを短期間に実施しようとすると、健全な借り手が資金調達をなかなかできなくなるという問題もあると同時に、既存の債務者にとっても、それまで計画していた資金計画というものがこの改正によって全くうまくいかなくなってしまう、また、その準備期間も一年というのは、私がもし仮にその立場だったとしてもなかなか難しいものがあるなというのが率直な意見なんですけれども、そうした問題。

 借りられなくなる借り手に対しまして、そうした部分、民主党さん、修正案の提案者としてはどうお考えになっているのか、教えていただきたいと思います。

古本委員 お答えいたします。

 その前に、先ほどの御懸念の部分ですが、そもそも私どもの修正案の第二に記しております刑事罰の問題でありますが、これは、もとより意図的な高金利をやろうという向きに対する処罰を想定しておるわけでありまして、天変地異を初め、予期せぬ不測の事態によって、まさに不可抗力によって生じたようなことの事案については、これはもちろん法務御当局との調整も必要かと思いますが、その限りには当たらないというふうに想定しておりますので、その御懸念は、どうぞ御安心いただければというふうに思っております。

 そして、ただいまのお尋ねでありますが、何より、グレーゾーンの金利相当分による、いわゆる債務者が本来負担しなくてもよかったみなし弁済の部分につきましては、年間の総額、約一兆円を超えると言われているんですね。したがって、この一兆円を超える額が今後ともなお引き続きこの刻みを残すことによって、まさに意図的にそのゾーンを今後ともある意味ビジネスののり代として使っていこうという向きには、これは非常に、消費者サイド、ユーザーサイドに立てば、一刻も早くという意味で一年ということを刻んでおります。

 たしか一九九一年には約一千万人強の借り手だったのが、昨今二千万人を超える。この間、御案内のとおり、上限金利は五〇パー強あったものが二九・二まで下がってまいりました。こういう中で、借り手はむしろふえているわけでありまして、金利が下がれば、いろいろ与信の問題等々懸念の声はありますが、必ずしも、金利が下がればなかなか高リスクの人が借りられなくなるという単純な理論には至らないというふうに思っております。

 さらにつけ加えますれば、では、先般参考人でお越しいただいた、それぞれの御懸念を払拭すべく、例えば公金を注入してでも、ナショナルミニマムとして、まさにそういう懸念を払拭すべくいろいろな手を打っていくというロードマップでもお示しをいただいているのであれば、まだ理解の余地はあるわけでありますが、では二年半の月日をもって政府は具体的に何をしていただけるんだろうかということ、これはサプライサイドに立っても不明な部分があるわけでありまして、何となれば、一刻も早く、一年で実現した方が、先ほどの得べかりし一兆円の問題等々の解決にも資するものではなかろうかという理解をいたしております。

松本(洋)委員 今御答弁をいただいたわけですけれども、しかしながら、ごくごく単純な理論で考えると、金利が下がれば、その分リスクが金融機関、貸金業界としてはとれなくなるというのは当然のことでございまして、では、その分の債権をどうするのかという話は当然出てくると思います。その際に、確かに、今大変な高金利で苦しんでいる方々、何としてでも助けなければならないですけれども、ただ、それがために逆に猛烈な取り立てに遭ってしまったりですとか、そうしたことになってしまっては逆に元も子もなくなってしまうと私自身は思っています。

 さっきも申し上げましたように、私自身が、金融機関で貸し渋りというような局面に、実際に現場で働いていて国民の大変悲痛な叫びというものをこの耳で感じていたものですから、ぜひ、そこのあたりは万全を期していくべきじゃないかと思っております。

 ちなみに、政府案におきましては、その三年間の間に、例えば信用情報機関制度の整備、また借り手の残高管理等々、こうした取り組みをすることによりまして、少しでもリスクというものを詳細に分析できるような環境をつくり上げていく。それによりまして、今の高金利から低い金利へと、金融機関のリスクの把握をしっかりとさせることによって低金利へと持っていくというような思いもあって、こうした三年というものが提示されていると私自身は考えているわけでございまして、そういう意味では、ある意味、この三年間の間にやっていく信用情報機関制度の整備、借り手の残高管理、またカウンセリングの強化等々の施策というのは、逆に貸し渋り、貸しはがしというものを最小限にするために私自身は行われていると思っておりますけれども、これに対しての御見解を。

田村(謙)委員 我々民主党としましては、まず、公布から三年間、結局グレーゾーンが残って高い金利によって利用者が借りるという状態が続いていく。今でもそうであるように、やはり高い金利で借りて、結局それが多重債務に陥っていくという人が次々と今あらわれている、そして中には生活苦で自殺に追い込まれる人もいる、そういった状態がこれから放置されるということは一刻も早くやめなければいけない、そのことをまず第一に考えております。

 その中で、業者の経過措置というのはわからなくはないですけれども、もちろん我々民主党案としても、当然、信用情報機関とかを整備するということは考えています。まず、利用者のことを先に考えた場合に、急に借りられなくなって困るじゃないかというのは、貸金業制度としては確かにそうかもしれない、どれだけの人がそうなると困るかは明確な数字はわかりませんけれども、ただ、貸金業制度だけの問題ではなくて、そもそも、非常に、いろいろな生活苦とか緊急的に資金が必要だという人は、例えば生活福祉貸付制度ですとかあるいは自治体の貸付制度とか、そういった別の制度も含めて整備をしなければいけない。あるいは、中小企業事業者、零細事業者については、それこそ公的金融も含めたセーフティーネットを整備しなければいけない。

 そういったことを我々民主党としては、三年とかのんびり考えるのではなくて、一年以内にしっかりと整備をするということを大きな目標として掲げておりまして、それは貸金業制度も超えた、より全体としてどうするかということを考えた提案をしている中での修正案でございます。

松本(洋)委員 ちょっと時間もなくなってきましたので駆け足でやりたいと思いますけれども、私は、先ほども申し上げた信用情報機関、またカウンセリング等々というものを一緒にやることによって、今、市場の原理がしっかりと働いていないところにちゃんと働かせていくということもやっていかなければならないと思っておりますし、そうした制度整備というものをしないで、セーフティーネットというものは、結局、市場の今の失敗の状況というのを放置するものになってしまうと思いますから、そこの部分というのは一体となって考えていくということが私は大切だと思っております。

 時間がありませんので、端的にぜひお答えをいただきたいと思います。

 無人発行機なんですけれども、これは、対面じゃなければ新規の発行はしないということでございますけれども、この前もお話がありましたように、貸し出しの増加と無人発行機というものが果たしてどういう因果関係にあるのかという話もあったと思います。

 そんな中で、実はこの無人発行機というのは大変なコスト削減効果があるわけでございまして、人件費もそうですしスペースコストもそうですし、そういう意味では、そういうコストの引き下げイコール、金利引き下げの効果、また手数料等々の、そうした国民に対する負担の軽減に回るべきものじゃないかと私は思っているわけでございますけれども、逆に、こうした、対面じゃなければだめだという規制をすることによって結果として国民に対してコストを負わせることになるんじゃないかと思うんですが、それに対しての御懸念を簡単にお願いいたします。

田村(謙)委員 簡単に申し上げます。

 例えば若者のような利用者が、とにかく借りやすい、審査の内容ではなくて心理的抵抗として、無人契約機の方がより行きやすい、そういう、心理的抵抗がないことによって、よりたくさんカードをつくってしまって、それがひいては多重債務に陥るということを防ぐのを第一に考えた場合に、やはりそういった公共の利益をより優先をして、若干のそういう利便性が減るのはやむを得ないと考えています。

松本(洋)委員 構わないという話ではございましたけれども、国民に対して負担がふえていってしまうようなのは私はいかがかなと思っておりまして、それよりは、この前も話としてありましたけれども、例えば広告だったりとか立地に対するそうした部分だとか、さまざまなほかの施策というものがあると思いますから、私は、まずもってそっちでしっかりと考えていくべきではないかと思っております。

 次に、NPOバンクなんですけれども、結局、今のやみ金融も、出資法の上限金利の範囲内で貸していますよといううたい文句をやりながら、実際には違法な活動を繰り返しているわけでございます。もちろんNPOバンクというものが、現在、環境や福祉などの分野において重要な役割を果たしておりますし、なかなか公的機関にはまねできないような重要な役割を果たしているということも十分認識はしているんですけれども、しかしながら、皆さんもよく御存じのとおり、実際にそうした隠れみのを着て違法活動をし、そして、国民に対して大変大きな負担を強いて問題となっているわけですけれども、やみ金融がNPOをかたることに対していかに防ぐのかということを、ぜひその御見解を教えていただきたいと思います。お願いします。

田村(謙)委員 まず、そもそもNPOバンクの適用除外を認める際に非常に厳しい審査をする。その際に、非営利、そしてまた非常に低い金利、さらには自主規制的にやっているような、融資先を公開するとか、そういった条件をしっかりと課して審査をした場合に、審査を通るのは極めて限られた団体になると考えています。

 その上で、NPOという、かさに着たようなやみ金融というのは、まさにやみ金融全体をいかにちゃんと取り締まるかという問題であって、NPOバンクということで利用者がだまされるというケースだけを取り上げる話じゃないというふうに考えています。

松本(洋)委員 おっしゃることはよくわかるんですけれども、やはり、この問題ももう少ししっかりと検討してきめ細かく対応をしていく方がよろしいんじゃないかと私は思っております。やみ金融というのはなかなか手ごわい存在でございますから、そういう意味では、慎重な上にも慎重に、国民にとって何が一番大切かという、先ほどおっしゃっていたように、多重債務とかで苦しんでいる方々はたくさんいらっしゃるわけですから、やはりそうした方のことをしっかりと考えながら、万全にも万全を期しながらやっていくべきではないかと私は思います。

 あと、本来であれば提出者に、これは本当に今までの話の流れの中で一年でできると思いますかという質問をしようとしたんですけれども、当然、提出者としてはできると思いますという答えしか返ってこないと思いますから、もう時間もないので、ちょっとここでは質問は割愛をさせていただきたいと思います。

 今まで申し上げましたように、特に私が思っているのは、借り手、貸し手の債権債務の調整という話をしましたけれども、新たに借りられないとかという話より、実は一番気にしなければいけないのは、現在借りてしまっている人をいかにソフトランディングさせるのかということをしっかりと考えていかなければならないんだろうと思います。これは、大きく制度を改革することによって、逆に現在借りている人が大変な被害をこうむるような、そうした状況になってしまうと問題が大きいんじゃないかと私は思っております。

 先般、大塚議員も言っていましたけれども、最高裁の判決が出まして、これからの新規の貸し出しに関しては、高金利で貸すということは貸金業者にとってもメリットがない事柄になっているわけでございますから、どちらかというと、そういう部分を考えるよりは、逆に、現在既存借り入れをしている人たちに対して、いかにソフトランディングをさせるかという観点をやはり大切にしていく必要があると私自身は思っているわけでございます。

 政府に対して質問なんですけれども、これまでの議論を聞いていての感想を、ぜひ政府側からお伺いしたいと思います。お願いします。

山本国務大臣 松本委員の銀行勤務の経験からしたこの法案についての所感、そのとおりだと思っております。構成要件の明確性の点、それから、公布日から一年以内か猶予期間をもう少し長くするかの点、無人契約機による契約を制限するかどうかの点、NPOバンクについての見解、それぞれ御提案の内容には、民主党と共産党の修正案については少し問題があろうと考えておりますので、政府案にぜひ御理解をいただき、また御支援をいただきたいというように思っております。

松本(洋)委員 ありがとうございます。

 私も同感でございまして、いろいろ修正案に対して質問させていただきましたけれども、いや、例えば政府のセーフティーネットがとか、いろいろな条件がなければなかなか苦しいというのは、恐らく答弁の端々に私自身は感じてしまったんですけれども、やはり修正案というのは非常に難しいなという感想を私自身は持ったということを申し述べさせていただきます。

 最後に、政府案に対して質問をさせていただきます。

 本法案の実効性を担保するために、今回改正がされますと規制等々大変厳しくなるわけでございまして、そういう意味では、監督検査をしなければならない項目ですとか、そういうものは非常に大きくなると思っております。そこで、当局による人員及び組織等の監督体制の強化について、ぜひ御答弁をいただければと思います。お願いします。

山本国務大臣 今回の改正におきましては、貸金業への参入規制の厳格化、取り立て行為を初めとする行為規制の強化、規制違反に対して機動的に対処するための業務改善命令制度の導入など、貸金業者に対する監督を強化することとしております。また、過剰貸し付け防止等についての自主規制ルールを貸金業協会に制定させ、当局が認可する枠組みを導入するなど、貸金業協会に対する監督をも強化することとしております。さらに、過剰貸し付けの抑制のために、指定信用情報機関制度を導入しまして、指定信用情報機関に対する検査監督を行うこととしております。

 金融庁といたしましては、こうした法律改正の実効性を担保するため、貸金業者等の検査監督に厳正に取り組んでいくための体制整備が必要と考えておりまして、本法案の施行スケジュールに合わせまして、貸金業者等の検査監督体制の強化に努めてまいる所存でございます。

松本(洋)委員 時間になりましたので、最後に一言だけ。

 監督強化に関しまして、ぜひしっかりやっていただきたいと思うんですけれども、財務局の登録業者は七百六十二と聞いておりますが、都道府県登録業者は一万七千を超えているわけでございます。しかしながら、監督検査に携わっている人数というのは大体五百名程度というふうに聞いています。都道府県登録業者に対しても、しっかりとした監督強化ができなければ法の抜け穴というものが当然できてしまいますから、そこは、国、地方一体となりましてぜひ取り組んでもらいたいと思います。

 特にカウンセリング等に関しましては、例えば現場の弁護士さん、行政書士さん、こういう方々が実際に最前線で担われるわけでございますので、ぜひ、こういう民間の方々との協力というものをさらに推進していただきまして、しっかりとした法改正をしていただきたいと思います。

 質問を終わります。ありがとうございました。

増原委員長代理 次に、石井啓一君。

石井(啓)委員 おはようございます。公明党の石井啓一でございます。

 まず、多重債務者対策本部に関して質問を申し上げます。内閣官房に設置される予定でございますけれども、この設置時期がいつになるのかということでまず確認したいと思います。私は、政府の多重債務者問題に対する姿勢を示すという意味でも、なるべく早期に設置した方がいいというふうに思っていますが、まず設置時期について確認をいたしたいと思います。

    〔増原委員長代理退席、委員長着席〕

刀禰政府参考人 多重債務者問題につきまして政府を挙げて取り組むため、今後、内閣官房に多重債務者対策本部を設置し、改正法の円滑な施行のほか、カウンセリング体制の充実やセーフティーネットの整備、金融経済教育の強化、やみ金融の取り締まり強化などの諸課題について議論してまいりたいと考えております。

 本部の設置時期につきましては、法案の審議状況も踏まえつつ、速やかに設置されるよう関係省庁と協議を進めていく所存でございます。

石井(啓)委員 それは速やかにお願いしたいと思いますけれども、それでは、今どんな準備状況になっているか、わかる範囲でちょっと教えていただければと思います。

刀禰政府参考人 ただいま申し上げましたように、速やかな設置に向けて関係省庁と準備を進めてまいりたいと考えておりますが、今お話ございましたようないろいろなテーマがこの関係ではございます。

 すなわち、やみ金融対策にいたしましても、カウンセリング対策にいたしましても、金融経済教育にいたしましても、その他もろもろの課題がございますので、そういった課題について、関係省庁、どういった省庁に入っていただいてどういった議論をしていくのか、そのあたりを、主にこれまでこの議論をやっておりました金融庁とも議論をしているところでございまして、そういった点で事務的な準備作業を行っておるというところでございます。

石井(啓)委員 それでは、しっかり準備していただいて、なるべく速やかな発足をお願いいたしたいと思います。

 続いて、先日、十一月の二十一日に行われました参考人質疑の中で、非常にいい提案が幾つもあったと思いますので、それについて順次申し上げておきたいと思います。

 まず、多重債務者対策本部について、私の方から参考人の方に要望をお伺いしたところ、やみ金融対策については、埼玉県、熊本県、長野県で、もう既に行政部局、警察、それから生活センターまた被害者の会が一緒になってヤミ金融対策会議をつくって運動を進めているということから、同じような仕組みをぜひ四十七都道府県でつくっていただきたいという御要望が、全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会の本多事務局長さんからございました。

 それから、カウンセリングにつきましては、都道府県とか市町村に行政横断的な窓口をつくって、弁護士会や司法書士会また法テラスとの連携を強化したらどうかという提案が、弁護士の宇都宮先生からございました。

 私も、これを伺いまして、非常に重要な提案だというふうに思いまして、これは実現に向けて努力すべきというふうに考えますが、内閣官房の見解を伺いたいと思います。

刀禰政府参考人 多重債務者問題の解決に向けまして、先生御指摘のございましたやみ金融の取り締まり強化、またカウンセリング体制の充実のための具体的取り組みが今後重要な検討課題になると考えております。

 こうした課題につきまして、先ほども申し上げました多重債務者対策本部において政府を挙げて検討してまいる所存でございますが、例えば、やみ金融の取り締まり強化につきましては捜査当局と監督強化の連携、また、カウンセリング体制の充実につきましては既存のカウンセリング機関の拡充や関係機関の間のネットワークの構築がそれぞれ課題となるものと考えております。

 今後、御提案も十分参考にしながら鋭意検討を進めてまいりたいと考えております。

石井(啓)委員 ぜひ参考にしていただいて、単に参考にするだけではなく、実現に向けてぜひ努力をしていただきたいと思いますけれども、その点、もう一度確認をいたしたいと思います。

刀禰政府参考人 ただいまお話のありました点につきまして、いろいろな方の御意見を十分承りながら、関係省庁でもしっかり議論をしまして、必要な対策をしっかり政府としてとってまいりたいと考えております。

石井(啓)委員 内閣官房はどちらかというと事務的なセクションだから、実際の中身を詰めるのはそれぞれの所管省庁かもしれませんけれども、よく連携をとっていただいて中身を詰めていただきたいと思います。

 それから、警察に伺いたいと思うんですけれども、やみ金融対策で、これも私、参考人にお聞きをしましたところ、本来、非常に迅速に現場では対応してほしいのだけれども、現場の警察官の意識が必ずしも十分ではなくて、警察に相談に行くと、借りたものは返すのが当然だ、返さないから取り立てを受けるんだ、こういうような指導をする警察官が多いという指摘がございました。

 今後のやみ金融対策については、ぜひ現場の警察官の意識を向上していただいて、相談に行ったら速やかに対応するということでお願いをいたしたいと思いますが、警察庁の見解を伺いたいと思います。

竹花政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の件に関しましては、相談業務、相談に来られた方々についてはさまざまな切迫した事情を抱えているわけでございまして、警察といたしましては、そのような相談者の訴えを誠実に聴取し、事案の特性、背景、犯罪の成否やそのおそれの有無等を判断した上で適正に対応すべきものと考えておりますし、多くの警察職員がそうしたことを旨として対処しているものと考えております。

 警察庁といたしましては、今回の法改正を受けまして、改正法の趣旨、改正された罰則を伴う規定等の周知徹底を図り、また、やみ金融事犯に係る相談への適切な対応の重要性を現場の警察官に改めて強く認識させるとともに、相談から違法な事案が明らかになった場合には、厳正な取り締まりを行うよう都道府県警察を指導してまいる所存でございます。

石井(啓)委員 しっかり指導していただきたいと思うのですが、かつて偽造・盗難キャッシュカードを議論したときも、被害者の皆さんから伺った話では、やはり相談に行った現場の警察官の対応が、お粗末と言ったら失礼ですけれども、不十分だったということで非常に声が上がりました。どちらかというと、こういう経済事犯に対しては、現場の警察官の皆さんは余り、熱心というか凶悪犯罪に比べて少し取り組みが弱いんじゃないかなという印象を受けておりまして、現場の警察官の皆さんは大変お忙しいかとは思いますけれども、ぜひ切迫した相談に対しては親切に取り組んでいただくようによく御指導をしていただきたいと思っております。

 続きまして、カウンセリングの関係で、やはり参考人質疑で伺いましたところ、これは宇都宮先生からの要請があったんですけれども、今多重債務者が二百三十万人とも二百六十万人とも言われている、その中で弁護士会とか司法書士会あるいは被害者団体等に相談している人というのが大体四十万人程度だというふうに想定される、だから残りの二百万人前後の方は相談も行っていない、こういう残りの多くの多重債務者に対して相談窓口の情報提供が非常に重要になると。カウンセリングの機関をしっかりしたとしても、そこに相談に行くということがわからなければ、その窓口にたどり着くまでの情報提供が非常に重要だという指摘がございまして、ああ、なるほどなと私も思ったわけでございます。

 そこで、宇都宮先生の提案で、テレビCMで借り過ぎ注意というようなことをやっていますけれども、そういう宣伝もさることながら、むしろ相談窓口の広報をやってもらえないか、貸金業団体で相談窓口の広報をさせられないのか、こういう提案がございましたし、また、多重債務者への与信審査が今後厳しくなるだろう、そういった際に貸金業者から相談窓口の情報提供をしてもらえないか、こういう要請がございまして、これも非常に重要な提案だというふうに私は思いました。

 こういった要請にどういうふうにこたえていかれるのか、金融庁に伺いたいと思います。

山本国務大臣 すべての多重債務者がカウンセリングのサービス、相談窓口のサービスを受けられるようにするということは、委員御指摘のとおり、大変重要なことだろうというように思っております。

 多重債務者対策としまして、カウンセリング体制の充実は喫緊の課題であります。特に、既存のカウンセリング機関の拡充、関係機関の間のネットワークの構築、貸金業協会や個々の貸金業者等関係者による相談窓口の情報提供、これらを行うことが重要な課題であると考えておるところでございます。

 なお、貸金業団体による相談窓口の広報につきましては、今般、貸金業法上の新たな自主規制団体として貸金業協会が設立されることとなりますので、その設立や協会が策定する自主規制ルールの認可の際に適切に対応してまいりたいというように思っております。

 また、今回の改正では、借り手等の利益の保護のために必要と認められる場合には、貸金業者は資金需要者等に対してカウンセリング機関を紹介するように努めなければならないという規定が導入されております。

 今後は、この規定の趣旨を踏まえ、カウンセリングを必要とする借り手に対しまして貸金業者が適切にカウンセリング機関を紹介することを期待しております。

石井(啓)委員 前向きの御答弁というふうに受けとめさせていただきました。ぜひお願いをいたしたいと思います。

 ところで、今のカウンセリングの話の続きですけれども、今回の法案の中で、貸金業協会みずからがカウンセリングを法定事務としてやるということになっているんですけれども、これに関して先日の参考人質疑では、貸金業協会みずからがカウンセリングするのはおかしいんじゃないかという指摘がございまして、カウンセリングというのは中立的な機関が行うべきであって、貸し手がカウンセリングするのはおかしいという指摘もございましたけれども、これについてはいかがお考えでしょうか、伺いたいと思います。

三國谷政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の改正におきましては、貸金業協会のいわば自主規制ルールといたしまして、カウンセリングに関する事項を規定させ、これを認可対象とすることによりまして、貸金業協会にもカウンセリングの一翼を担ってもらうこととしております。また、今回の改正では、この貸金業協会を、資金需要者等の保護を図り貸金業の適正な運営に資することを目的とする旨、明確に位置づけたところでございまして、その目的に沿って、中立性を確保するため、当局によります定款等の変更命令あるいは法令違反等による認可取り消し、業務停止、役員の解任などの規定を整備しているところでございます。こうした規定のもと、貸金業協会が、その目的に沿いまして、中立性を保ち、適切にカウンセリング機関としての機能を発揮することが重要であると考えております。

 今後、貸金業協会につきまして、具体的にどのような形でカウンセリング業務を行わせるか、これはまた実務的に検討してまいりたいと考えております。

石井(啓)委員 確かに、現行の貸金業協会あるいは現行の貸金業者にそのままカウンセリングをやらせるということについてはいかがなものかという疑問が生じるのもやむを得ないところがあろうかなと思いますけれども、今回の法案では、貸金業協会自体を大幅に改組して、例えて言えば日本証券業協会並みの体制を整えていくということでありますから、そういう新しい体制のもとでの貸金業協会が行うカウンセリングについては信頼ができる、こういう御趣旨かと思いますので、ぜひ信頼ができるような協会に変えていっていただきたい、こういうふうに思うところでございます。

 ところで、広告規制についてでございますけれども、これもこれまでの審議の中で取り上げられてきましたが、今回、広告については貸金業協会がみずから自主規制をする、広告の内容、方法、頻度及び審査に関する事項を貸金業協会が業務規定として定め、この規定を金融庁の方が認可するということで適切性を確保するということになっておるんですけれども、ここで確認をいたしたいのは、認可の基準がどういうふうになっていくのかというのを伺いたいと思います。

 内容、方法、頻度ということでありますから、内容で、これは安易な借り入れを助長するような内容にはしないということになろうかと思います。方法、頻度というところで、これは私の提案ですけれども、例えばテレビCMでは、やはりテレビCMの影響というのはすごく大きいですね、正直に言いまして。ここで、大手の貸金業者にテレビCMを通じて認知をして借りに行くということが大半だと思いますから、このテレビCMをどうしていくかというのが最大のポイントだと思います。例えば、CMの放映時間帯とかあるいは放映回数に制限を設けるということで適切性を確保するということを考えてはどうかというふうに思いますけれども、この点について伺いたいと思います。

三國谷政府参考人 貸金業協会の設立の認可に当たりましては、定款や自主規制ルールの規定が法令に適合し、かつ、資金需要者等の利益の保護を図り、貸金業の適正な運営に資するために十分であるかどうかをまず審査することとされております。

 また、今回の法案では、貸金業協会が、広告の内容、方法、頻度及び審査に関する事項につきまして、自主規制規則を策定することとしております。具体的な中身の想定でございますけれども、一つには、広告に警告文言やカウンセリング機関の連絡先を記載させること、二点目でございますが、御指摘のテレビコマーシャルなどの時間帯や回数を制限すること、三つ目は、広告が法令や自主規制規則と適合しているか事前審査を行う方法を定めることなどが想定されているところでございます。

石井(啓)委員 ありがとうございます。かなりしっかりした自主規制ルールになるというふうに、今の答弁で確認をさせていただきました。

 それでは引き続いて、野党の皆様から提出されております修正案に関しまして質問をさせていただきたいと思いますが、先ほどの松本委員の質問と重複するところがございますけれども、お願いをいたしたいと思います。

 私も、先ほどの議論でもございましたけれども、まず、出資法の上限金利を利息制限法の制限にぴったり合わせるということについては、やはり元本によって刑罰金利が変わるということは、現実の取り締まり上、これは非常に困難ではないかというふうに考えておるんですけれども、この点について、修正案提案者並びに法務省の方から御答弁をいただきたいと思います。

田村(謙)委員 先ほども申し上げましたように、繰り返しになりますけれども、やはり若干の不備、それをグレーゾーンというのであれば、そのグレーゾーン、行政処分は科されるとはいえ、明らかにまさに今のやみ金と同じように意図的に違法金利で貸す業者というものは登場する。そういった場合、結局何らの刑事制裁も科せないというのは、やみ金業者に対する抑制効果としてやはり弱いのではないかということと、あと、利用者から見て、やはりグレーゾーンというものが若干でも残ればわかりにくいという二点が我々の提案の理由でございます。

 取り締まりが難しいのではないかということにつきましては、そもそも現在でも取り締まりが完全に行われていない中で、いかにやみ金全体を取り締まっていくかという話でございますので、そこは我々としても、例えば、修正案には入っておりませんけれども、民主党案で、通報義務を課すとか、さまざまな提案もしてございます。それは取り締まり全体強化の話だというふうに考えています。

三浦政府参考人 委員御指摘のとおり、出資法の上限金利を利息制限法の上限金利に完全に合わせるということといたしますと、元本額によりまして金利水準が異なるということになります上に、元本が分割されましたり複数存在するというような場合には、例えば、貸し手側の貸付担当者や取り立て担当者ごとの認識内容によりまして適用される金利水準が異なるというふうになるなどの問題が考えられるところでございます。

 この点、利息制限法は、貸し手と借り手のまさに当事者相互の民事上の利益を調整するためにきめ細かな規定が設けられることになるものであると考えられますが、出資法の場合は刑罰法規でございますので、検察官におきまして、犯罪の成立要件のすべて、とりわけ行為者の認識内容につきましても立証責任を負うというものでございます。したがって、余り細かな規定ぶりとした場合には、法に違反した貸金業者を処罰するために立証すべき事実関係もそれだけふえてしまうということになるものでございます。そこで、刑罰法規であります出資法につきましては、なるべく犯罪構成要件を簡易、明確なものとすべきであり、そうすることによりまして、違反事例を適切に検挙し取り締まる上でも望ましいと考えられるところでございます。

 このような理由から、出資法の高金利の罪につきましては、元本額によって上限金利を異にするよりは、一律に上限金利を定めることが望ましいと考えたところでございます。

石井(啓)委員 現実問題を考えると、今、やはり法務省さんの説明あたりが私は説得力があると思うんですね。

 それで、二〇%の出資法の上限金利と利息制限法、一八パー、一五パーとの間にすき間があるんじゃないかということでありますけれども、これは現実問題としては、利息制限法を上回る金利では貸し出させないということで行政処分をするわけでありますから、今回の新しい法体系の中で、まともな業者はきちんと利息制限法の中でやらせるということになります。また、やみ金融がこれを使うんじゃないかと言うんですけれども、やみ金融は、私は、一五%、二〇%のわずかな金利のところを使わないと思うんですよ。やみ金融だったらもっと何百%もやるはずでありまして、それはまた別の議論じゃないかなというふうに思っております。

 それで、今の出資法と利息制限法のところ。実は、先日の参考人質疑のところで、宇都宮先生はこんなふうにおっしゃっています。宇都宮さんは、一五、一八、二〇それぞれに処罰規定をつけた方がすっきりするのではないかと思っています、そういうふうにおっしゃっています。ただ、このすき間金利の問題については、参入規制とかそういうことがきっちりやられれば、それから監督権限も強化されているようですから、事実上はすき間金利で営業する業者はいなくなるんじゃないかと思っていますというふうに宇都宮先生も発言をされておりまして、政府案で、事実上はこの利息制限法の範囲内できちんと行われるということになろうかと思います。

 それから、NPO金融でございます。これは先日の参考人質疑でも、未来バンク事業組合の田中理事長さんからお話がございましたけれども、特に資産要件ですね。参入要件の中でも、特に資産要件について緩和という要請がございましたが、これは慶応大学の吉野先生の方から提案がありまして、NPOバンクが全国ネットとして一つの組織になる、そういうことであれば、この参入要件、五千万円の純資産要件はクリアできるだろう、ただ、各地域ではそれぞれの地域に合った与信を行うということで、それが望ましいんじゃないか、こういう提案がなされましたけれども、これについて修正案の提出者はどう評価されるのか、まずお伺いをいたしたいと思います。

田村(謙)委員 参考人質疑にもそういった、今委員がおっしゃったようなお話がございました。確かに、全国ネットでというのは理想であるというのは吉野先生がおっしゃる一方で、そのNPOバンクを実際にやっていらっしゃる田中理事長は、あくまで各地域が自立をしてやっていくんだ、それがやはり理想であるということをおっしゃっておられます。そしてまた、現在も、今九つあるNPOバンクの全国連絡会はあって、その中で自主規制的なことはやっているけれども、業務としては完全に自立してやっていくべきだということ。それからさらにもう一つ、NPOは非営利でやっていますので、そういう全国組織、全国ネットを、ちゃんとその業務も含めてそういった組織を築いていくというのはそもそも困難であるということを田中参考人もおっしゃっておられたと思います。

 そういった現状の中で、財産要件を五千万円に上げるということになりますと、現在九つあるNPOバンクでそれをクリアできるのは三つであるということを田中参考人はおっしゃっておられました。やはりそこはしっかりと、民主党案としましては、とにかく低金利でかつ非営利だという厳しい要件をつけた上で適用除外にするということが望ましいという判断のもとに、今回の修正案を出させていただいております。

 先日の大塚委員も、私がこちらにおりませんでしたので、自己完結的におっしゃっておられましたけれども、やはり何とか前向きな方へできないのかということをおっしゃっておられまして、我々としては大いに賛同いただいているというふうに理解をさせていただいております。ぜひともほかの皆様にも御賛同いただきたい、重ねてお願い申し上げます。

石井(啓)委員 今の御答弁でありますけれども、これは私、やり方によっては吉野先生の提案で十分できると思うんですよね。それぞれの地域で独自性というけれども、例えば、それは勘定を別にしてそれぞれの地域ごとにやるということもできるでしょうし、やり方はいろいろあると思うので。実際、田中理事長も吉野先生の提案に対しては、今の提案大変いい提案だと思うというふうに、そういう発言もあるところでございますので、私はそれでかなりクリアできると思うんです。

 ここで金融庁の方に確認しますけれども、法案の中でも、政令で純資産要件を定めるというふうになっていますけれども、その際に、このNPO金融に配慮することができるのかどうか、この点について確認をいたしたいと思います。

山本国務大臣 今回の改正におきまして、貸金業者の参入要件として五千万円の純資産を求めることとしましたのは、新制度におきまして、貸金業者の業務の適正かつ安定的な運営を確保するためでございます。

 この新たな純資産額規制の趣旨は、借り手の保護の観点からすべての貸金業者に共通するものでありまして、いわゆるNPOバンク等を対象として例外的に純資産要件を緩和するということに対しましては、規制の潜脱を防ぐ観点から慎重に検討する必要があると考えております。

 しかしながら、今後、公益的、非営利的団体につきましては、その活動実態を十分になお把握してまいりたいと考えております。

石井(啓)委員 今回の第六条第一項の十四号ですか、「純資産額が貸金業の業務を適正に実施するため必要かつ適当なものとして政令で定める金額に満たない者」が登録の拒否要件になっているんですが、括弧書きとして「(資金需要者等の利益を損なうおそれがないものとして内閣府令で定める事由がある者を除く。)」こういうふうになっておりまして、この点を活用していただければ、今大臣が御答弁いただいたように、いろいろな配慮、工夫ができるのではないかと思います。この点についてもう一度、今度は三國谷さん、ちょっと答弁していただけますか。

三國谷政府参考人 ただいま大臣からお答え申し上げましたが、今回の新たな純資産額規制の趣旨は、借り手の保護の観点からすべての貸金業者に共通するものであり、いわゆるNPOバンク等を対象として例外的に純資産要件を緩和することにつきましては、規制の潜脱を防ぐ観点からも、慎重に検討する必要があると考えているところでございます。

石井(啓)委員 今の答弁の部分だけだと、何かすごく後ろ向きな感じがするんだけれども。だから、その後に続いた大臣の答弁が非常に重要だったと思うので、そこのところをもう一度確認します。

三國谷政府参考人 今後、こうした団体につきましては、その活動実態、これにつきましては十分に把握してまいりたいと考えております。

石井(啓)委員 では、最後に、大臣、もう一度確認しますけれども、こういうNPO等の活動実態等をよく見定めていただいて、十分な配慮をお願いしたいと思いますが、大臣、最後に御答弁をお願いします。

山本国務大臣 要は、潜脱にならないということの確証が得られれば我々もやぶさかではないということを考えておりますので、まさにこういう実態把握、そしてまたNPO法人の皆さんの工夫や御努力もちょうだいしたいと思っております。

石井(啓)委員 ありがとうございました。

 確かに、おっしゃるとおり、潜脱行為が行われるということにならないようなしっかりとした手だてをした上で、十分な配慮をお願いしたいと思います。

 以上で終わります。

伊藤委員長 次に、吉田泉君。

吉田(泉)委員 民主党の吉田泉です。

 私の方からも、今回の貸金業法改正、主要な論点について、もう一歩議論をさせていただきたいと思います。

 最初に、金利のすき間についてでございます。何度も取り上げられました。きょうも、前のお二方、この問題を取り上げられました。今さらということでもありますけれども、改めて私の方からもお伺いいたします。

 利息制限法で一五、一八、二〇という三区分の上限金利がある、しかし、今回の出資法改正案は二〇%一本、どうしてもそこにすき間が残る、これをどうするかという問題であります。先ほど法務省の方からも御答弁ありましたけれども、せんだっての刑事局長の御答弁を引用しますと、こういう出資法のような刑罰法規についてはできる限り明確かつ簡明でありたい、だから二〇%という一律のところにさせていただいたんだ、こういう答弁がありました。一方で、これも先ほど石井委員が引用されましたけれども、参考人質疑のときに、宇都宮参考人が、利息制限法の上限金利、一五、一八、二〇、それぞれに処罰規定をつけた方がすっきりするんじゃないか、フランスはそういうやり方でやっている、こういう御意見もございました。要するに、別に、刑罰規定だから一本化にこだわる必要はないという趣旨だと私はお伺いいたしました。

 そこで、お尋ねいたしますけれども、今引用しました法務省の方の答弁は、どちらかというと刑罰規定は明確かつ簡明な方がよいということであって、利息制限法のような三区分方式を一〇〇%否定しているものではないというふうに解釈しますが、どうでしょうか。

三浦政府参考人 今御指摘のような形で段階的な金利に刑罰を合わせるという体系にすることにつきましては、それが理論的に全く不可能というわけではありませんが、やはり刑罰法規であります出資法につきましては、できる限り犯罪成立要件を簡易、明確なものとすべきでありまして、そうすることによりまして違反事例に対して適切に検挙するという上で望ましいと考えられますので、出資法の高金利の罪につきましては、一律に上限金利を定めることとしたところでございます。

吉田(泉)委員 法案の方は、このすき間金利については行政処分で対処する、業務改善命令とか業務停止とかそういう処分で対処していく、こういうことになっております。

 ところが、この間の参考人質疑にも出された数字ですけれども、国民生活センターのアンケートによりますと、貸し金を利用している借り手の九〇%が利息制限法を知らない、利息制限法というものがあってそれで上限金利を決めているということを知らないというのが実態であるということであります。

 そうしますと、今回法改正をしてこれが数年後に施行されても、自分が借りている金利がすき間金利なのかどうか、借りている方は大半の人はわからない、利息制限法があることさえ普通の人はわからないというわけですからね、そういう事態が私は予想されると思います。つまり、すき間金利で借りている人が、自分はすき間金利で貸されたから苦情を言おうというようなことにはならないのではないかというふうに思うわけでございます。

 そこで、次の質問は、貸金業者というのは一万四千社あるわけですが、どうやってこの一万四千もある業者の中からすき間金利という違法な金利で貸している案件を見つけるのか、その手法についてお伺いいたします。

佐藤政府参考人 まず、個々の借り手がこの制度のアウトラインをしっかりと認識するということが大事でございますので、そういう意味では、新しい制度の広報に努めるということがまずは大事だというふうに思います。

 その上ででございますけれども、一般に貸金業者の監督に当たりましては、当局に寄せられた苦情あるいは相談の内容、さらには貸金業規制法に基づく立入検査や報告徴求などによりまして得られました情報等を集約、分析いたしまして、事実関係の把握に努めるというのが基本でございます。行政処分を行うに足る事実関係が認められた場合には、貸金業規制法に基づき行政処分を行うということといたしております。

 今回の法改正で行政処分の対象となる、利息制限法の上限を超える貸し付けにつきましても、同様に、事実関係の把握に努めた上で、違法事実が認められれば行政処分を行うことになるというふうに存じます。

吉田(泉)委員 苦情それから立入検査、そういうものを踏まえて摘発していくんだというお話ですが、私が申し上げたかったのは、苦情というのは非常に上がってきづらいんじゃないか、そうすると、どうしても立入検査が主要な手段にならざるを得ないんじゃないか、こういう趣旨の質問であります。

 それで、その立入検査についてちょっとお伺いしたいと思いますが、国と都道府県、この管轄の団体が立入検査をするわけですが、現状はどの程度の頻度で立入検査というのが行われているんでしょうか。

西原政府参考人 お答え申し上げます。

 全国の財務局で扱っておりますのは、都道府県をまたがって営業している貸金業者を管轄しておりますが、その数は、十八年三月末現在におきまして七百二業者が登録されております。これに対しまして、平成十七検査事務年度、この検査事務年度と申しますのは十七年の七月から十八年の六月まででございますが、その間に検査を行いましたのが百六十二業者、これに対しての検査を実施いたしております。

 それから、都道府県の登録貸金業者でございますが、この件につきましては、都道府県による自治事務ということになっておりますので、私ども詳細には把握いたしておりませんけれども、例えば、そのうちの約四分の一を占めます東京都を調べてみますと、十八年三月末現在で三千百六十七業者ございます。この登録された業者に対しまして、年間約千件程度、検査を実施しているというふうに承知しているところでございます。

吉田(泉)委員 そうしますと、国の場合は大体四年に一度、四年以上ということですかね。四、五年に一度。それから、東京都の場合は大体三年に一度、こういう頻度であります。大変間隔の長い頻度じゃないかなと私は思います。三、四年に一度立ち入って、そこですき間金利を見つけるというのは、現実問題、なかなか大変じゃないかなというふうに私は心配をいたします。

 簡明さというのも大事ですけれども、今の立入検査等の実情を踏まえますと、簡明さをある程度犠牲にしても最初からすき間をなくしておく、そういう方が我々の最大の目標である多重債務解決のためには優先されるべきじゃないかと私も思うんですが、改めて、いかがでしょうか。

三浦政府参考人 多重債務問題への対応ということでございますが、まさにさまざまな施策が必要でございまして、この法案でもそれらが盛り込まれているところでございます。

 出資法の刑罰法規につきましては、その中でも、やみ金業者を含めまして、悪質な違反に対して厳正に取り締まり、検挙するということを通じて、こういった多重債務問題に対しても対応するということが求められているのだと考えられます。そういう観点からいたしますと、やはり刑罰法規としてそれが有効に使えるということが重要でありまして、犯罪構成要件として簡易、明確なものとすべきであるという考え方に基づきまして、このような形としたところでございます。

吉田(泉)委員 次に移りたいと思います。

 次は、金利引き下げの時期の問題でございます。これも何度も質問に出た問題であります。公布からおおむね三年をめどに施行される、なぜ三年なんだという問題でございます。

 先日の山本大臣の御答弁をちょっと引用させていただきますが、貸金業者のありようからして、二〇%以下で貸さざるを得ないという状況になった場合、廃業ということが考えられる、この廃業というのは債権債務の整理を伴う、どうしても急な取り立てに対処できない人たちがより困った生活実態に陥らざるを得ない、したがって三年程度の猶予が必要なんだという御答弁が大臣からありました。一方で、これも大臣答弁なんですが、廃業などを理由として、一括返済、期限前弁済を強要すること、さらには債権の譲り受け人が過酷な取り立てを行うことは禁じられているんだ、こういう答弁もありました。

 そこで、二つの答弁のまず二つ目の方の、廃業したからといって一括返済を迫ったりそういうことはできないんだと、私もそのとおりだと思いますが、この禁止事項について、その法的な根拠を改めてお伺いしておきます。

山本国務大臣 一般的に、金銭消費貸借契約におきまして、債務者は期限の利益を有しております。貸金業者や債権譲り受け人が約定期限到来前に一括返済や期限前弁済を一方的に求めることは契約上できません、契約上です。また、かかる弁済を強要するような取り立て行為は貸金業規制法においても禁じられております。

 一方、貸金業者の廃業等に伴って、債務者には事実上の不利益が及ぶことも考えられるわけでありまして、すなわち、営業を継続し顧客との取引を継続する用意のある業者は、元利金の弁済が一時的に滞り債務者が期限の利益を喪失しても直ちに一括弁済を求めるとは限りませんけれども、廃業した貸金業者や債権譲り受け人の場合には、かかる配慮は期待しづらいところがございます。債務者の弁済が滞ると、契約条項どおり直ちに一括弁済が求められるおそれがございます。

 このように、私のさきの答弁は、法律論と現実上の懸念をそれぞれ申し上げたものでございまして、矛盾しているとは考えておりません。

吉田(泉)委員 一般的には契約上はそんなことはできないんだ、民法が根拠だということだと思いますが、債務が滞っているような場合にはあり得る、こういうことですか。なるほど。

 私は、金利が下がる、廃業者が出る、取り立てが起こるという問題の一つの観点は、借り入れの契約期間の問題かなというふうに思います。

 つまり、契約期間中は一括弁済を迫るということはできないわけですから、普通の場合は。そうしますと、債務が滞っている、そういう人はさておいて、一般的な、順調に返済をしている場合、この契約期間が長ければ、別に業者が廃業しようがどうしようが、契約期間中はお金を借りていられるということだと思います。

 貸金業の契約を見ますと、リボルビング契約というのが大半を占める、契約の九五%ぐらいがこの形態であると。それで、聞きますと、大体契約期間はこの場合五年から七年ということであります。平均すると六年ということであります。そうしますと、一般の方は六年の契約期間でお金を借りているわけですから、来年、一年後に金利が下がった、業者が嫌がって廃業したといっても、そんなに急に取り立てになるわけではない。つまり、急な取り立て、先ほど猛烈な取り立てという表現もありましたが、そういうことが起こる心配は私は余り大きくないのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

三國谷政府参考人 現在、貸金業者によります消費者向け貸し付けの大宗はいわゆるリボルビング契約となっておりまして、その契約期間も長期にわたるケースが多いということにつきましては御指摘のとおりでございます。その利用者の多くは、複数回にわたり借り入れや返済を繰り返しているものと考えているところでございます。

 しかしながら、こうした利用者も含めまして、今回の改正におけます上限金利の引き下げが現在の借り手に大きな影響を与える可能性があることは踏まえる必要があるかと考えております。例えば、与信枠の引き下げでございますとか、あるいは一回の弁済の滞りによります弁済圧力とか、そういったものもあるわけでございます。

 したがいまして、こういった急激な貸し渋りや、あるいは急に返済を迫られることなどによります家計や企業へのダメージを防ぎ、借り手が無理のないペースで返済できるようにするための時間が必要と考えられますことから、今回の改正では、出資法の上限金利の引き下げまでにおおむね三年間の準備期間を設けることとしているものでございます。

吉田(泉)委員 先ほどの質疑の中でも、最高裁の判決もあるので、業者も今後については利息制限法を超えるような、つまりグレーゾーンといいますか、すき間金利とか、そういう金利で貸すことは慎むはずだ、こういう見方も披露されました。

 しかし、せんだっての参考人質疑、業界の、例えばプロミスの神内参考人は、これから始まる経過期間の三年間については利息制限法を超える金利の適用というものはあると認識している、つまり俗に言うグレーゾーン金利でこれからも貸し出しを続けるんだということを言明しました。もうお一人の福田さんも、そのとおりだと。それから、連合会の石井参考人も同じような認識だと。

 つまり、余り楽観的に見ることは私はできないと思うんですよ。業界の方は、三年延長してくれるならば、三年の猶予期間をつくってくれるならば、その期間は今までどおりグレーゾーン金利でやらせてもらいますよと。いろいろ懈怠約款を修正したり、そういう工夫はしながらということだと思いますが、そういう意向をこの間発表したわけであります。

 そうしますと、結局、私は、この三年間を置くべきかどうかという問題は、これを借り手側から見ると、借りかえリスク、つまり業者から一括して返済を迫られる、そういうリスクなしに三年間ずっと高金利で借り続けた方がいいのか、もしくは、借りかえリスク、ひょっとしたら一括返済を迫られるかもしれない、そういう借りかえリスクがあっても早く低金利の新規契約に移った方がいいのか、こういう問題になるんじゃないかなというふうに思います。

 私自身は、この間、三井住友などもお伺いしてお話を聞いた実感としては、やはりメガバンクが消費者金融という市場に非常に目をつけて、市場参入の拡大を考えているというふうに言っていいと思います。そうしますと、例えば業者が廃業して一括弁済を迫って、それで借り手がほっておかれるというよりかは、例えば銀行がその借りかえに応じる、こういう可能性も現実問題極めて高いんじゃないか、こういうふうに思えるところであります。

 そこで、この点に関する最後の質問ですけれども、結局どちらをとるかという問題でありますが、改めて、この本体施行と同時、つまり公布後一年をめどに金利引き下げも実行する、この方が新たな多重債務者を防ぐという意味では極めて有効ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

三國谷政府参考人 今回の改正でございますが、貸金業者の金利を現在の実勢金利を下回る水準に引き下げる、こういうことでございまして、これまでの実効金利が相当下がるわけでございます。したがいまして、現在の借り手に大きな影響を与える可能性があることを踏まえまして、これは繰り返しになるかもしれませんが、急激な貸し渋りなどによります家計や企業へのダメージを防ぎ、借り手が無理のないペースで返済できるようにするための時間が必要と考えているところでございます。

 こうした趣旨から、今回の改正ではおおむね三年間の準備期間を設けることとしているところでございます。

吉田(泉)委員 見解の相違が続いておりますので、次の問題に行きたいと思います。自動契約機の問題であります。

 消費者金融がこのところ激増したという背景に、自動契約機及びATMシステムといいますか、全体のこういうコンピューターのシステムがあるというふうに思います。先日の委員会に出された数字ですが、自動契約機は五年間で二五%ふえている、ATMに至っては大体五年間で二倍になっている、こういうデータでございます。

 我々は、このシステムも見直した方がいいんじゃないかというふうに考えて、修正案にこの問題も入れたわけでございますけれども、もし、このシステムを認めるんだ、前提にするんだという場合、一番危惧される安直な借り入れというものを抑制する手段は何かあるのかということをお伺いいたします。

三國谷政府参考人 無人契約機によります貸し付けの契約におきましても、対面による場合と同様に、法令上必要とされます書面の交付やオンラインによる説明が行われており、対面による契約と基本的に同様の審査が行われているものと承知をしております。

 また、今回の改正におきましては、指定信用情報機関制度を整備し、それぞれの借り手の借入残高を指定信用情報機関を通じて把握させることによりまして、返済能力を超える借り入れを防ぐ新たな過剰貸し付け規制を導入することとしております。

 過剰貸し付け規制の枠組みにつきましては、無人契約機によります貸付契約の締結にも当然適用されますことから、改正後は無人契約機による過剰な貸し付けも厳格に抑制されることになると考えております。

吉田(泉)委員 これは聞いた話ですけれども、アメリカやドイツでは、ATMはもちろんあるんですけれども、預金を引きおろすATMはあるんですが、お金を借りるためのATMはないというんですよね。こういう配慮が必要ではないか。つまり、ATMの使い方を何らか規制すべきじゃないか、もしくは、自動貸付機自体に規制を加えるべきじゃないか。どっちをやるか、両方ともやるか。いずれにしても、このシステムも安易な借り入れに一役買っているわけですので、何らかの工夫が必要だろうというふうに改めて申し上げたいと思います。

 それから次は、先ほども出ましたが、市民バンクの問題であります。私も、参考人質疑のときの吉野参考人の御答弁が一つのヒントになるというふうにも思いました。つまり、全国にばらばらにある市民バンクが全国ネットを組んだらどうだ、そうしたら最低純資産五千万円というのをクリアできるんじゃないかという吉野参考人の御意見であります。

 それで、ちょっと確認ですけれども、この最低純資産五千万円、二千万円から最終的に五千万円になりますが、この基準は、要するに法人単位ということだと思うんです。そうすると、全国に幾つかある市民バンクは、結局、その組織を統合合併して一つの法人格にして五千万円をクリアする、こういうことになるんだろうと思いますが、確認してください。

三國谷政府参考人 今回の改正におきましては、貸金業者の業務の適正かつ安定的な運営を確保するため、貸金業者の参入要件として五千万円の純資産を求めることとしたところでございまして、これはさまざまな法人上の制度の仕組みによりまして、いろいろな形で五千万の純資産を求めることにつきましては可能と考えているところでございます。

 なお、現行の法律制度上でございますが、一定の要件を満たす業者につきましては、財産基準を適用除外にすることは制度上可能となっているところでございます。また、いずれにいたしましても、私どもとしては、今後実態を十分に把握しながら、適切に検討してまいりたいと考えております。

吉田(泉)委員 先ほども出ましたけれども、市民バンクの方は、NPOという性格上、なるべく地域単位で、地域のお金で地域のNPOをやりたいんだ、これも正論だと思うんです。それで、そもそもこの市民バンクというものの役割ないしその将来性をどう評価するかということにもかかわってくる問題だと思います。これだけ多重債務という社会的な問題が広がって、何とかしようと一般の方が各地で立ち上がったわけですよね。そして、自分たちでお金を集めてボランティアで何とかこの社会問題に立ち向かおう、こういう芽が今ふつふつと出てきて、いずれは四十七都道府県それぞれにつくられようとしているときに、芽を摘んだ方がいいのか。こう育てて、あなた方も一生懸命やってください、こういう姿勢の方が私はいいと思うんです。

 改めて、市民バンクの将来性をどう考えるか、お伺いします。

山本国務大臣 現在、貸金業法上の貸金業者の中には、環境や福祉等の分野におきまして、非営利の事業等に対する貸し付けを行っている団体が存在していることは十分承知しております。このような団体は、商業ベースでの貸し付けになじまない非営利の活動等を支援するものでございまして、今後とも、貸金業法上の貸金業者として、適正に業務運営を行いつつ一定の社会的役割を果たしていくことを期待しているところでございます。

 また、今回の政府案につきましても、制度上、一定の要件を満たす業者につき財産基準を適用除外することは可能となっておりまして、今後、実態を十分に把握しつつ検討してまいりたいと考えております。

吉田(泉)委員 私も、合併して基準をクリアしろというよりは、今大臣がおっしゃったように、業務内容によって例外を認めるという方向が、将来を考えたら正しいんじゃないかというふうに思っているところでございます。

 それから、次の問題は、見直しの時期の問題であります。

 最初に申し上げましたこの上限金利の引き下げ、これが施行から二年半以内、すなわち公布からおおむね三年だ、こういうことになっております。一方、法律の見直しも全く同じ規定になっているわけであります。そうしますと、施行するよりも見直しの方が早くなされるのではないか、結局利下げはなされないという可能性もあるんじゃないか、そういう心配を残す法案になっております。

 せんだっての川内委員の質問に対して、こういう仕組みの法案というのはかつてなかったという答弁もありました。私は、今回の法案、いろいろ問題点があると思いますけれども、この問題が最後にして最大の問題じゃないかな、こういうふうに思っているわけでございます。いろいろ議論して法律をつくっても、それが施行されない可能性があるということですからね。

 それで、この問題、せんだって、金融庁の三國谷局長の御答弁は、改正の趣旨に反する見直しは想定しにくいと思われる、こういう答弁がありました。想定しにくいと思われるということは、全く想定できないわけではない、少しは想定できるということなのかどうか、くどくなりますが、御答弁願います。

三國谷政府参考人 今回の見直し規定は、貸金業法第四十三条のみなし弁済規定の廃止や出資法の上限金利の引き下げを実施すること、これは大変大きな改正でございますが、これを前提とした上で、これらの措置を円滑にするために講ずべき施策の必要性について検討を加え、その結果に応じて所要の見直しを行うことを規定したものでございます。

 見直しの具体的な施策につきましては、現時点では特定のテーマや方向性を念頭に置いているわけではございませんが、本見直し規定による見直しは、みなし弁済規定の廃止や出資法の上限金利の引き下げを実施することを前提として、その円滑な実施のために必要があれば行うものであり、このみなし弁済規定の廃止や出資法の上限金利の引き下げを実施しないことまでも含むものではないと解しているところでございます。

吉田(泉)委員 実施しないということを含む見直しではないというような御趣旨だと思います。

 改めて大臣にもお伺いしたいと思いますが、川内委員のせんだっての質問に対して、見直しがなければこの法律は実施されるという答弁がありました。くどくなりますが、見直しがあれば実施されないこともあるという含みがあるのかどうか、お伺いします。

山本国務大臣 見直し規定は、貸金業法第四十三条のみなし弁済規定の廃止、あるいは出資法の上限金利の引き下げを実施することを前提とした上で、これらの措置を円滑に実施するために講ずべき施策の必要性について検討を加えまして、その結果に応じて所要の見直しを行うことを規定したものと思っております。

 十一月二十二日水曜日の衆議院財務金融委員会における川内委員の御質問に対する私の答弁は、その趣旨を説明したものと認識しておりまして、見直しの具体的な施策につきましては、先ほど三國谷さんが答弁しましたように、現時点では特定のテーマや方向性を念頭に置いているわけではないけれども、見直し規定による見直しは、みなし弁済規定の廃止、出資法の上限金利の引き下げを実施すること、これを前提として、その円滑な実施のために必要があれば行うものでありまして、みなし弁済規定の廃止、出資法の上限金利の引き下げを実施しないことまでも含んではいないというように御理解をお願いしたいと思います。

吉田(泉)委員 ありがとうございました。

 そうすると、要するに、改正の趣旨に反する見直しは、ここで言う見直しに入っていないんだというような解釈でいいんだということだと思います。

 お二方からそこを念を押してはいただきましたが、しかし、法律を形式的に見ると、施行前の見直し、金利の引き下げとか何かの、施行前に見直すということも可能な法律にはなっているわけであります。これは史上初めてだという法律の構成内容になっているということですが、この法律をここでつくってしまうということは、私は、あしき前例といいますか、憲政史上の汚点といいますか、何かそういう心配をするところでございます。国民の側から言わせると、国会はひょっとしたら施行もしないような法律を何十時間もかけて議論しているのか、税金を返せというような話も出てきそうな法律だと私は思います。

 それで、まず施行をして、そして一年ぐらいやってみて、様子を見て見直すという、ごく普通の法律の形式になぜ改められないのか、そこをお伺いしておきます。

三國谷政府参考人 今回の改正は、金利の引き下げのほか、総量規制あるいは参入規制等、大変影響の大きい改正と認識しているところでございます。こういった改正が、利用者や貸金業者の実態等に相当影響を及ぼす可能性があると考えているところでございます。なお、この法律は、施行後、例えば一年以内あるいは一年半以内等の中で段階的に施行されていくものもございます。また、今回の金利引き下げにつきましては相当強いインパクトがございますので、そういった改正を見込みましたさまざまな動きも想定されるところでございます。

 そういったことを踏まえまして、みなし弁済規定の廃止や上限金利の引き下げを円滑に実施するために、この二年六カ月以内に、講ずべき施策の必要性について検討を加え、その結果に応じて所要の見直しを行うこととしているものでございます。この趣旨につきまして、かねがね御説明申し上げているところでございます。

吉田(泉)委員 時間ですので、終わります。ありがとうございました。

伊藤委員長 次に、川内博史君。

川内委員 おはようございます。民主党の川内博史でございます。前回に引き続き、質疑をさせていただきたいと思います。

 初めに、十一月十七日の参考人質疑のときの私の質疑に関して、事実関係の確認をさせていただきたいと思います。

 現在財務省理財局の課長でいらっしゃり、平成十五年当時、貸金業規制法改正時でございますが、金融庁の金融会社室長でいらっしゃった方が書かれた、平成十六年一月発行の「Q&A改正貸金業規制法のすべて」、同じく平成十六年八月発行の「Q&A改正貸金業規制法のすべて」増補改訂版についてお尋ねをさせていただきます。

 これらはいずれも財団法人大蔵財務協会の発行でございますが、財務省に対してお伺いいたします。

 平成十六年一月発行のものは、二万部発行して一万六千部売れたというふうに聞いておりますが、そのうち多くが貸金業協会などの注文出版であったというふうに聞いております。いつ、だれが、何冊、幾らで注文があったのかということをお答えいただきたいと思います。また、一般の取次書店経由では、何冊発行し、何冊売れて、何冊返品があったのか、この事実関係を教えていただきたいと思います。

香川政府参考人 お答えいたします。

 お尋ねの点につきまして、財団法人大蔵財務協会に確認いたしました。

 まず、協会が直接注文を受けたものにつきまして、十六年一月発行の初版に関しましては、全国貸金業協会連合会より一万部、それからプロミス株式会社より八百部、アコム株式会社より六百九部、株式会社武富士より五百六十部でございます。

 販売単価につきましては千五百円。ただ、アコムにつきましては、六百九部のうち、六百部が千五百円、九部が二千円ということでございます。

 それから、受注の時期につきましては十五年の十二月でございます。武富士につきましては、十五年十二月と十六年一月と二回に分けての発注だったようです。

 なお、タパルス及びタパルス加盟の残り二社、これはアイフルと三洋信販ですが、これについては受注実績はございません。

 それから二番目に、十六年八月発行の増補改訂版に関してですけれども、全国貸金業協会連合会より六十部です。この六十部のうち、三十部については単価が二千円、残り三十部については初版の発注実績を考慮して無償で販売したということでございます。受注の時期は十六年九月ということです。

 それから、タパルス及びタパルス加盟五社については受注実績はございません。

 以上が、協会に直接注文したものでございます。

 書店経由の販売につきましては、最終的にどなたがお買いになったか大蔵財務協会でわかりませんが、十六年一月発行の初版に関しましては二千三百六十九部、それから十六年八月発行の分につきましては千二百四十部、書店経由で売れております。

 そのほかに、警察でありますとか県庁、それから弁護士会等々から直接注文を受けたのがあるそうです。

 以上でございます。

川内委員 ありがとうございます。

 続いて、金融庁にお伺いをいたします。

 ただいま財務省から御報告ございましたのは、発行元、売り手側からのお話でございますが、今度は買い手側について。十七日の参考人質疑では、貸金業協会が、一月発行分を一万冊、八月の増補改訂版については、今六十冊というふうに御報告があったんですが、参考人質疑のときは五十冊というふうにおっしゃられていたように、十冊違うんですけれども。アイフルが数百冊というふうにおっしゃられていて、ただ、ただいまの御報告ではアイフルは注文していないという御報告だったので、ここもちょっと違っているんですけれども。

 とにかく、では、買い手側の購入実績というものを調査していただけるというふうに、この前の参考人質疑のときに、福田さんだったと思いますが確約をいただいておりますので、大手五社による購入実績、消費者金融連絡会、タパルスの分まで含めて、いつ、だれが、何冊、どこから、幾らで買ったのかということについて御回答をいただきたいというふうに思います。

佐藤政府参考人 お尋ねの書籍の購入に関しまして、全国貸金業協会連合会、全金連、それから消費者金融連絡会、タパルス、及び大手五社に問い合わせを私どもの方でさせていただきました。現時点では、以下のとおりの回答を得ております。

 まず、全国貸金業協会連合会、全金連でございますけれども、全金連は、初版及び増補版のいずれにつきましても大蔵財務協会から購入をいたしております。そのうち、初版につきましては、平成十五年十二月下旬ごろに一万冊購入し、一千五百万円を支出している、単価千五百円ということでございます。また、増補版につきましては、平成十六年九月上旬ごろに六十冊入手いたしまして、六万円を支出している。この内訳でございますけれども、先ほど財務省の方からもございましたように、三十冊は単価二千円で購入をし、残り三十冊は無償で受けたということでございます。

 それから、消費者金融連絡会、タパルスにつきましては、いずれのもの、つまり初版、増補版いずれにつきましても購入実績はないという報告でございました。

 次に、大手五社でございますけれども、各社とも取り急ぎ確認し得た範囲内の回答ということでお許しをいただきたいと思います。

 まず、アコムでございます。平成十六年一月ごろ、大蔵財務協会から初版を計六百九冊購入しております。購入代金は九十一万八千円、うち六百冊は単価千五百円、九冊は単価二千円ということでございます。

 次に、先ほど御指摘がございましたアイフルでございますが、アイフルは、平成十五年十二月ごろ、一般書店において初版を七百冊購入したということでございまして、購入代金は百二十六万円、単価千八百円ということでございます。

 次に、武富士でございますが、平成十五年十二月及び平成十六年一月の二回に分けて、大蔵財務協会から初版を合計五百六十冊購入、購入代金は八十四万円、単価一千五百円ということでございます。

 次に、プロミスでございますが、平成十五年十二月下旬ごろ、大蔵財務協会から初版を八百冊購入、購入代金は百二十万円、単価は千五百円ということでございます。

 最後に、三洋信販でございますけれども、現時点で会社としてまとまった冊数を購入した事実は確認できないということでございました。

川内委員 アイフルさんは一般書店から購入した、平成十五年十二月。だけれども、出版は平成十六年一月なんですけれども、出版前にどうやって一般書店で買うんですかね。まあ、そんなことは今ここで聞いても多分おわかりにならないと思うので、また確認して後で教えていただきたいというふうに思います。

 さらに、先日の参考人質疑では、プロミスの社長さんは数冊しか買っていないとおっしゃったんですが、きょう、今お聞きすると八百冊買っているということですね。信用団体生命保険のこともそうですが、消費者金融の会社の方々がおっしゃることというのは、どうにも信用性を欠くんですよね、大臣。

 だから、自殺率についても、死亡原因について、意図的に間違ったのか、あるいは気づかずに間違ったのかはわかりませんが、とにかく数字が違っているということがきょう理事会にも報告があったようであります。とにかくこの消費者金融の方々にしっかりしていただかなければならないというのは与野党共通の認識であろうというふうに思いますし、また、そういう観点できょうも質疑をしていかなければならないというふうに思います。

 もう一つ確認させていただきたいんですけれども、消費者金融連絡会、タパルスという団体でございますが、一九九七年に、武富士、アコム、プロミス、アイフル、レイク、三洋信販、大手六社の頭文字を並べておつくりになられたそうでありますが、その後、二〇〇三年にレイクさんがGEコンシューマー・ファイナンスとなって脱退をして、現在は大手五社による任意団体として活動していらっしゃるということだそうでございますが、この任意団体の年間の予算規模、そしてまた、この任意団体が政治献金をしたり、あるいは政治家のパーティー券を買ったりしているのではないかということについても、ちょっと先日、お尋ねをいただきたいということで、質問しますよということを申し上げてあるんですが、その結果を御報告いただきたいというふうに思います。

佐藤政府参考人 任意団体でございますこの消費者金融連絡会の活動経費につきましては、これに加盟する大手五社が均等に負担している旨聞いておりまして、消費者金融連絡会としての支出というものは存在しないものというふうに聞いております。

川内委員 それでは、ちょっと本題に入らせていただきたいと思いますが、十七日の参考人質疑で、石井全金連会長もアイフルの社長もプロミスの社長さんも、三人そろって、今後も利息制限法の上限を超える、いわゆるグレーゾーン金利の営業を続けていくというふうに明言をされております。

 利息制限法で無効であると明記され、最高裁の累次の判決によるみなし弁済規定の厳格な解釈によって事実上否定をされているグレーゾーン金利による営業を今後も続けていかれる、それをまた、今議論をしているこの法律は少なくとも三年間は放置をする、存置をするということになっているわけで、新たな多重債務者をつくり出すことをこの法律が認めている、あるいは、政府が多重債務者の発生増大を防止するといいながら、このグレーゾーン金利を存置するという法律を出していることが、私は本改正案の最大の問題点であるというふうに感じています。四条、五条、七条の規定は即時に実施すべきであるというのが私たち民主党の主張であります。

 そこで、金融庁に確認をいたしますが、利息制限法の上限を超えるいわゆるグレーゾーン金利については、債務者は、たとえ約定契約書に金利が明記されている場合であっても、利息制限法を超える超過部分については支払いの義務はないということを確認させていただきたいと思います。

三國谷政府参考人 現在、貸金業規制法第四十三条のみなし弁済の要件である任意性や書面要件が非常に厳格に解釈されていることは事実でございますが、同条の枠組み自体が否定されているわけではないものと認識しております。現行法のもとにおいて、利息制限法を超える金利での貸し付けを行うか否かは、各貸金業者の経営判断の問題でございますけれども、いずれにいたしましても、今回の改正の趣旨を踏まえまして、今後またいろいろな、適切な対応が図られるものと考えているところでございます。

川内委員 局長は何か、私の聞いていることに、ちょっとずつずらしてお答えになるんですが、私が聞いたのは、利息制限法を超える金利の超過部分については債務者は支払いの義務はないということでよろしいですねということをお尋ねしておりますので、その確認をしていただきたいと思います。

三國谷政府参考人 利息制限法を超える金利につきましては無効ではございますけれども、現行制度ではみなし弁済という制度がございまして、書面性と任意性を満たせば有効でございますが、これが厳格に解釈されているということにつきましてはかねがね申し上げているとおりでございます。

 なお、この上限金利引き下げまでの準備期間におきましては、利息制限法の上限金利を超える金利につきましては、任意に支払わなければ有効な弁済とならない旨の説明義務を貸金業者に課す方向で検討しているところでございます。

川内委員 いや、ちょっと、次の質問の答弁を今されているんですけれども。

 局長、よく聞いてください。私が聞いているのは、利息制限法を超える金利については支払い義務、義務はないですよねということをまず法的に確認してくださいということを申し上げているんです。

三國谷政府参考人 利息制限法を超える金利は無効でございまして、それはみなし弁済規定に従いまして支払われた場合には有効になるということでございます。

川内委員 いや、だから、四十三条のみなし弁済規定に合致する場合は有効になるということを、私、否定していないじゃないですか。だから、利息制限法を超える金利は無効であり、無効であるということは、基本的には債務者は支払いの義務はないんだということでよろしいですねということを確認しているんです。

三國谷政府参考人 その意味での支払い義務はございません。

川内委員 では、さっき答弁していただいたことをもう一回答弁していただきますが。であるとすれば、今後は、約定契約書の中にひときわ大きな文字で、あるいは大きく、太く、色を変えて、利息制限法の上限を超える金利の超過部分は債務者は支払う義務はないんですよ、あなたたち、これを支払う義務はないんですよということを明記させるべきである。すなわち、四十三条の任意性の要件を十七条、十八条の書面の要件の中に担保していくことが必要である、今後三年間ですよ、三年間存置するというのが内閣提出の法案になっているわけですから、それが必要であるというふうに思うが、いかがでしょうか。

三國谷政府参考人 表示の様式とかどのようにしたらということは、これからさらに実務的に検討させていただきますけれども、基本的に、上限金利引き下げまでの準備期間におきましては、利息制限法の上限金利を超える金利につきましては、任意に支払わなければ有効な弁済とならない旨の説明義務を貸金業者に課す方向で検討しているところでございます。具体的にどういう形でどういう文言にするか等は、今後さらに検討させていただきます。

川内委員 今の局長の答弁を、金融担当大臣、確認してください、今局長が言ったとおりにするということを。

山本国務大臣 もう一回申し上げます。

 上限金利引き下げまでの準備期間におきましては、利息制限法の上限金利を超える金利につきましては、任意に支払わなければ有効な弁済とならない旨の説明義務を貸金業者に課す方向で検討しております。

川内委員 消費者あるいは債務者は、利息制限法を超える金利は基本的に無効である、そして、任意とは何なのかというようなことも含めて、法的には詳しいことを御存じない方が大半であります。したがって、消費者保護あるいは多重債務者の発生増大の防止が本改正案の趣旨であるとするならば、今大臣が答弁されたことを、消費者サイドに立って業界に対して指導していっていただきたいということを、これは陳情でございますが、お願いを申し上げておきたいというふうに思います。

 さらに、テレビコマーシャルあるいは新聞、雑誌、広告あるいは店頭でのポスター掲示、ホームページ、パンフレットなどでも周知徹底させるべきであると私は思います。テレビのコマーシャルは、前の金融担当大臣である与謝野大臣は、テレビコマーシャルで消費者金融のコマーシャルが流れていると不愉快だというようなことをおっしゃっておられたように思いますが、最近はとにかくさまざまなコマーシャルが流れておりますが、その中でも、利息制限法を超える金利は払わなくていいんですよというようなことを告知させるべきであるというふうに思いますが、金融庁のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

山本国務大臣 現行法のもとにおきまして、利息制限法を超える金利での貸し付けを行うか否かにつきまして、各貸金業者の経営判断の問題であるということは否めないわけでありますが、その広告宣伝を行うこと自体に、またこれは本来自由でありますが、当局が過剰に介入することは避けなければなりません。

 しかし、過剰でなければという点でありますけれども、この消費者金融会社によるテレビCMを含む過剰な広告宣伝が、安易な借り入れを助長し、多重債務問題の一因となっているという指摘は、これはもう当然のことでございますし、貸金業界におきましても、最近の最高裁判例やこうした社会の声を踏まえた対応をとっているわけでございます。

 今回の法案では、その点を踏まえまして、貸金業界の自主規制機能の強化策の一環として、広告の頻度、過剰貸し付け防止等についての自主規制ルールを制定してもらいまして、当局が認可する枠組みを導入しているわけでございます。これによりまして、貸金業者の広告の適正化を図ってまいれるというように考えております。

川内委員 次に、先週十一月二十二日の本委員会で、なぜ、改正案公布後すぐにみなし弁済規定を廃止しないのか、上限金利の引き下げをしないのかという質問に対して、金融庁並びに山本大臣は、「一つは、現在貸金業者を利用している方々が急に返済を迫られ、かえって生活に悪影響が出るような事態を招かないようにすることや、二番目に、貸金業者の資質向上のための諸施策やシステム整備等、こういった時間も必要と考えております。 こうした趣旨から、上限金利引き下げ、新たな過剰貸し付け規制の導入、これまで公布からおおむね三年の準備期間を設けざるを得ないという考え方でございます。」というふうに御答弁をされていらっしゃいます。

 端的に申し上げれば、利用者に対する信用収縮が起きるということと、貸金業者の資質向上とシステム整備が三年間の準備期間を設ける理由であるということでありますが、システム整備というのは、総量規制の準備のためであって、みなし弁済規定の廃止、あるいは出資法の上限金利の引き下げとは全く関係のないことであると思いますが、いかがでしょうか。

三國谷政府参考人 三年間の経過措置でございますけれども、御指摘のとおり、一つには、現在の借り手に大きな影響を与える可能性がある、これに対しまして経過措置を講じるということでございます。また、もう一方で、総量規制の導入のためのシステム整備などにも時間を要する、そういったことを踏まえまして、公布からおおむね三年間の準備期間を設けることとしているところでございます。

 なお、御指摘の総量規制の方でございますが、総量規制の導入は、それ自体の効果のほか、上限金利の引き下げをいたずらな貸付金の増額によって補うといったことを防ぐということにも役立つものと考えております。

 総量規制の導入によりまして、貸金業者が個々の借り手の総借入残高を把握できるようになり、貸し倒れコストの縮減、健全な競争、こういったことで顧客の資金ニーズにこたえていくことが期待されるわけでございまして、こういった両面の要素から、三年間という形で提案させていただいているところでございます。

川内委員 いや、私どもが聞いているのは、経過期間をなぜ三年にしたのかということを聞いているわけではなくて、みなし弁済規定の廃止並びに出資法の上限金利の二〇%への引き下げをなぜ即座に実施しないのかということを聞いているわけです。この二つについて理由を述べてくださいということをお聞きしているわけです。それに対して、システム整備に時間がかかるからであるという理由をおっしゃるのは、理由には当たりませんよねということを申し上げているんですが。

三國谷政府参考人 まず、御指摘のとおり、今回の経過期間につきましては、一つは、借り手に与える影響について極力これを緩和するということが一点。それから、もう一つの要素といたしまして、システム整備に要する時間等もあるわけでございますが、前段の方につきましては、金利が引き下がることによりまして、例えばこれが仮にリボルビング等の場合でありましても、与信枠の引き下げ等々、そういったことにつきましての配慮が必要だということで考えているわけでございます。

 一方、総量規制の方でございますが、それではこれ自体が直接にその金利と結びつくかということにつきましては、いろいろな御意見はあるかもしれませんが、一方におきまして、今回の総量規制の導入によりまして、全体としての与信管理、これも適正化するわけでございます。

 例えば一つの懸念といたしましては、上限金利の引き下げを行うことによりまして、それがまた逆に貸金業者が貸付金の量を拡大することによって対応する、そういったことにつきましても、この総量規制があれば適切に対応することができるわけでございます。全体といたしまして、これは、貸金業者が個々の借り手の総借入残高を把握いたしまして、健全な資金ニーズにこたえる、こういった役割も期待されるわけでございます。

 したがいまして、私どもは、そういった借り手への影響それから総量規制、こういったものにつきましては、あわせまして、三年後を目途に施行するということで提案申し上げている次第でございます。

川内委員 御説明がちょっと、何をおっしゃっているのか私にはよくわからないし、多分国民の皆さんにも御理解をいただけないんじゃないかなというふうに思うんですけれども。

 では、みなし弁済規定の廃止や、あるいは出資法の上限金利を二〇%に引き下げることが即座にできないことのもう一つの理由である、信用収縮が起きるおそれがある、急に返済を迫られるおそれがあるというふうにおっしゃっておられるわけでございますが、今回、出資法の上限金利を二〇%に即座に引き下げると信用収縮が起きるおそれがあると金融庁がおっしゃることの根拠はどこにありますか。さらには、金融庁の中で議論をされていた懇談会の取りまとめの文書の中に、金利を引き下げると信用収縮が起きるおそれがあるということがどこに書いてありますか。

三國谷政府参考人 現在、いわゆる貸金業者の貸付金利でございますが、これが二〇%台後半において貸し付けられているということが大部分なわけでございます。今回の改正でこれが引き下がりますと、それによりまして、これまでの与信構造等が異なることになりますことから、いろいろな影響が想定されるわけでございます。

 これを量的に予測することはなかなか困難なところがございますけれども、例えばリボルビングにいたしましても、与信枠に影響しないか、あるいは返済という局面では、返済の滞りで一括弁済等の方に発展していかないか、こういったことが考えられるわけでございまして、そういった意味で、今回の改正が、金利それから総量規制、参入規制、あらゆる面で抜本的なものでありますがゆえに、その影響は相当程度想定されるということでございます。

川内委員 いや、貸金業懇談会の中でさまざまなことが議論をされて、取りまとめの文書にそれが反映をされていると思いますが、金利の引き下げが信用収縮を起こすおそれがあるということは、取りまとめの文書の中には書いてありませんよね。それだけちょっと確認してください。

三國谷政府参考人 これは、文章といたしましては一つのあらわれということになろうかと思いますけれども、この貸金業懇談会の中におきましては、「この場合においても、現実の需要と供給を考慮することが必要であり、」その以下にはまたいろいろな段があるわけでございますけれども、こういった問題意識はそれなりに書かれていると承知しております。

川内委員 いやいや、それなりに書かれていると思いますと、そんな答弁ないですよ。どこにそういうことが書かれていますかということを聞いているんですから。

三國谷政府参考人 貸金業懇談会におきましては、さまざまな議論が展開されているわけでございます。私どもは、この貸金業懇談会の御意見あるいは中間整理、中間取りまとめ、それから与党における議論、こういったことを踏まえまして、その後、いろいろ実務的な影響等々、こういったことも議論いたしました上で今回の提案をさせていただいているわけでございます。

 御指摘の懇談会でございますが、懇談会において、それを直接に今先生御指摘のような形で記述しているところというのは、それはないかもしれませんが、現実の需要と供給を考慮することが必要である、こういったような形で、そういったことの一つの問題意識みたいなものはここで書かれていることと承知しております。

川内委員 今の御答弁は、懇談会の中間取りまとめの中の、需要と供給を考慮するというくだりを、金融庁としてあるいは政府として、信用収縮が起きるおそれがあるのだというふうに読み込んだという御答弁でよろしいですか。

三國谷政府参考人 今回の提案自身は、この貸金業懇談会の取りまとめのみならず、与党における精力的な議論あるいは内部での検討、こういったことを踏まえまして、今回の与えるいろいろな影響、この実現の度合いというものが量的にも質的にも大変インパクトが強いものでございまして、そういったことを全部踏まえました上で、今のような形で御提案申し上げているものでございます。

川内委員 それでは、平成十一年の改正で出資法の上限金利が四〇・〇〇四%から二九・二%に引き下げられたときも、貸金業界の皆さんは信用収縮が起きるというふうに大騒ぎをされたわけでありますが、そのときに信用収縮、あるいは貸し渋り、貸しはがしが起きたんでしょうか。

 以上の点について、事実に基づいて説明していただけますか。

三國谷政府参考人 四〇から二九・二に引き下げた際におきまして、そういった貸し渋り等が起きたというような直接的な事実は持ち合わせておりません。

川内委員 前回、信用収縮は起きなかった、起きたという事実を把握していないにもかかわらず、今回の金利の引き下げについて信用収縮が起きるおそれがあると判断をする根拠は何ですか。

三國谷政府参考人 まず、今回の改正というものは、金利のみならず総量規制、参入規制も含めた抜本的、総合的な改正案でございます。

 その中で、御指摘の金利の件でございますけれども、当時、四〇から二九・二%に引き下げた際でございますが、これは、貸し付けの大部分をなします大手貸金業者の貸付金利は、既にこの段階では二〇%台の後半になっておりました。一方、今回の改正では、貸金業者の貸付金利は引き続き二〇%台の後半になっているという実勢金利がこの状態の中で、これを実質的に引き下げる、そういった改正でございます。

 したがいまして、この改正の影響というものは、これは前回とは比較と申しますか同一次元では論じられないところがございまして、これにあわせまして、量的規制あるいは参入規制、こういったものを勘案いたしました場合に、相当程度の市場に与える影響があるのではないかというぐあいに想定されているわけでございます。ただし、それを定量的に申し上げることはなかなか困難でございます。

川内委員 政府として定量的に信用収縮が起きるであろうということは言えないが、起きるかもしれないと考えているということであろうというふうに思いますが、そもそも、では、貸金業規制法の四十三条、みなし弁済の規定というのは貸金業者のために設けられた規定ですよね。

三國谷政府参考人 これは、その昔一〇九%でありましたものが、昭和五十八年だったかと思いますけれども、これを基本的に四〇%に引き下げるということの中でさまざまな議論が国会で行われまして、このような制度ができ上がったものと承知しております。

川内委員 国会の中でさまざまな議論が行われましてということで、そのさまざまな議論を一つ御紹介しますが、昭和五十八年三月三日、参議院における質疑の記録でございます。

 このみなし弁済規定について、「いまの御説明をお伺いいたしますと、結局、わかりやすくつづめて申しますと、いま現実に貸金業者は高い金利で営業をいたしておる、それをこの法律で引き下げることにすると、それは業者にとって大変な苦痛であるので、そのかわり、こういう最高裁の判例を没にしてしまうという、代償といいますか、あめ玉といいますか、それを業者に与えるんだ、そして業者を納得させるんだというように承りますが、そう伺ってよろしいですか。」というふうに寺田議員が聞いていらっしゃいます。

 これに対して、提案者の大原一三先生が「趣旨は先生のいまおっしゃったとおりでございます。」というふうに御答弁していらっしゃいます。四十三条のみなし弁済規定は業者のためである、最高裁判例を没にするためにつくったんだというふうに正直に答えていらっしゃるわけですよね。

 だから、四十三条のみなし弁済規定はそもそも貸金業者の皆様方のために設けられた規定であり、その規定を三年間を目途にして存置するということがなぜ消費者保護であるということを言い張れるのか、私にはどうしても理解不能ですね。

三國谷政府参考人 五十八年当時の立法につきましては、議員提案でございますので、私どもとしてそれ以上のことを申し上げることは差し控えさせていただきたいと思いますが、今回の改正というものが基本的に、金利を引き下げる、しかも量的、総量規制という、これは非常に抜本的な対策を講じる、参入規制についても思い切った対策を講じる、こういう総合的なものでございます。これを経過措置を踏まえましてきちんと改正する、これが眼目でございまして、私どもといたしましては、これは全体として利用者保護に役立つものということで考えて御提案申し上げている次第でございます。

川内委員 利用者保護に役立つと考えて御提案を申し上げている次第でありますという答弁ですが、利用者保護に役立つとする根拠を聞いているわけですよ。みなし弁済規定を、そもそも業界の皆さんのために設けられた規定を政府として三年間存置するという法律を出すことがなぜ利用者保護になるんですかということを、もっと明確に、論理的に御説明をいただけますか。

三國谷政府参考人 金利は基本的に引き下げるということでございます。それに伴いましてさまざまな副作用も想定されますので、そういったものにつきましては、かえってそれが借り手に負担が生じないように、きちんとした対策を講じた上で、その上で基本的に引き下げるということでございます。

川内委員 いや、だから、基本的に引き下げるということは、政府の方針は、この前も申し上げたけれども、わかりました。しかし、金利についてもみなし弁済規定についても、六十七条により見直し規定がつき、その見直しが行われる結果、さらにまたその施行がおくれるという可能性をこの法案は持っているわけですよね。その見直し規定による見直しが入った場合には、本則の施行はさらにおくれることになるでしょう。局長、どうですか。

三國谷政府参考人 施行の日から二年六カ月以内に、四条、五条、七条を円滑に施行するために講ずべき施策の必要性の有無について検討するということでございます。

 いずれにいたしましても、これは基本的に、これまでの体系を変えまして、金利を利息制限法の水準まで引き下げますとともに、総量規制を導入し、行為規制、それから参入規制等、こういった総合的、抜本的な対策を講じるものでございまして、これが全体として、この制度が利用者保護に役立つということで御提案申し上げていることにつきましては、かねがね申し上げているところでございます。

川内委員 総合的とかあるいは抜本的とか、意味のない言葉を連ねたって何の意味もないわけです。法律にそんなことは一言も書いてないわけですからね。前の累次の改正でも、返済能力を超える貸し付けはしてはならないとか、あるいは業に関する規制というのはそもそも行われてきたわけで、総合的、抜本的とか言って、国民の皆さんをごまかしちゃいかぬですよ。

 では、本則を、もちろん見直し規定があるから見直しが行われるということは、国会でもう一度、三年後ぐらいに議論をされるということだろうというふうに思いますが、政府の方針としては三年後を目途に本則を施行するということを、ここではっきり言えますか。

三國谷政府参考人 施行後二年六カ月以内に、四条、五条、七条を円滑に施行するために必要なことについて検討するということでございます。

川内委員 さまざまな見直しが行われる、結局、問題は先送りにされているだけであるというふうに、大臣、私は思うんですよ。

 大臣は政治家ですから、政治家として議員でもあるわけですから、大臣の御見解として、この前は見直しが行われなければ施行されるであろうというふうに御答弁されましたが、きょうは若干答弁を修正されております。私は、国会が三年後に決めることであるかもしれないけれども、この法案は内閣提出法案として提出をされていて、見直し規定が入っているということは、多分見直しの会議体というものがつくられて、そこで議論をされて、再び法案が出てくるというふうに思いますが、大臣としては、この見直し規定に関して、見直し規定はあるが、しかし政府としては本則を法律どおりに三年後を目途として施行する、その間に業者の方にも十分に準備をしていただく時間としては十分であろうというふうに自分としては考えるというぐらいは、ここではっきり御答弁されておいた方が、この前、大塚さんが我々の修正案に対して法的安定性を欠くというふうに御批判をいただきましたが、それこそ法的安定性を担保するためには、政府としては本則を三年後を目途に施行するんだ、それを目標にやるんだというぐらいははっきりおっしゃらないと、やはりこれは見直しがありますからねということではちょっと困るんですけれども、どうですか。

山本国務大臣 多重債務者問題を解決するのにちゅうちょはありません。ですから、本則を期限どおり実施するという考えにみじんも変わりはないんです。

 見直し規定があるという事実は、これを否定するものじゃありませんし、ここは立法意思だと思いますから、政府の私が見直す見直さないと言うよりも、むしろ立法当局に、議員という立場は私にもありますけれども、すぐれてこの委員会の皆さんの御判断に見直しというのはかかっているように思っております。

川内委員 私は野党ですからね、私が与党であれば即刻実施するんですけれども。こういうときに、本当にみずからの立場を大変残念だなというふうに思うわけでございますが、私は、今大臣がおっしゃられたように、この見直し規定がついているということに関して、大変な危惧をやはりどうしても持つわけですね。

 今回、金融庁が取りまとめたもの、後藤田政務官が職を辞してでも守るべきものがあった。そして、それがある意味反映をされたと思ったら、大変な巻き返しがあって、その後、どこで議論をされたかわからないけれども変な案が出てきて、それがまた、どこでどういう議論が行われたかもわからずに、結局こういう形の法案になったという、非常に不透明な政策決定過程があったというふうに思うんですね。だからこそ、この見直し規定が入っているということについて危惧を覚えるわけでございます。

 ただ、これは政府提出法案ですから、大臣、政府として、閣僚として、私は、六十七条一項、二項を落とす、この附則六十七条を落とす、見直し規定は設けない、経過期間としては三年半で十分であるというふうに思いますが、今から政府として、この附則六十七条を落とすということについては、大臣としてどのように御見解をお持ちになるかということを最後にお聞かせいただいて、また次の質疑に移らせていただきたいと思います。

山本国務大臣 多重債務者二百三十万人とも言われ、また、消費者金融利用者一千六百万人、こうした人たちに対して多大な影響のあるこの法案であります。

 その法案が実施された後まで、私は、どのような社会的現象が巻き起こるかというところまでつぶさに、正確に、しかも個別案件についてまで把握はできません。そのために置いているのがこの見直し規定だと考えておりますので、その意味におきましては、慎重に考えるべき、あくまで借り手保護の観点に立ってこの見直しが行われるために置いてあるというように考えております。

川内委員 次の質疑の機会に譲らせていただきますが、参考人の貸金業の経営者の皆さんは、今後も利息制限法を超える金利で営業をするというふうに自信たっぷりにおっしゃっていらっしゃいました。私は、この見直し規定があるから彼らはまだ期待をかけるんだろうというふうに思います。これはビジネスマンとして当然だと思いますね。また、ロビー活動をされる。ロビー活動も私は否定しません、当然です。

 しかし、彼らのビヘービア、きちっと利息制限法の範囲の中で行動していただくようにするためには、ある程度の経過期間は必要だと思いますよ。ある程度の経過期間、それが三年なのか二年なのかは別ですが、そこに、もうそこからはそうなるんだよということをしっかりと置いた上で行動してくださいねというふうにしていくことが、最も消費者保護につながるのではないか。だから、そこに見直し規定があるというのはちょっと違うんじゃないかなということをまた次の機会に議論させていただきたい。あしたですかね、よろしくお願いします。

 どうもありがとうございました。

伊藤委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午後零時十一分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時二十七分開議

伊藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。三谷光男君。

三谷委員 民主党の三谷光男です。

 きょうは、貸金業規制法改正に当たりまして質問時間をいただきまして、心から感謝をしております。主に三点質問をさせていただきます。質問時間は三十分という短い時間でございますので、聞きたいこともたくさんございますので、なるべく簡潔な御答弁をお願いいたします。

 まず一点目は、みなし弁済の廃止、出資法上限金利の引き下げについての経過措置、施行から二年半、公布からおおむね三年を目途にしておるこの経過措置につきまして、先週十一月二十二日の質疑で、大塚拓委員、山本金融担当大臣のやりとりの中で、大塚委員の前段で、既存の借り手というものは、中を少し略しますが、債務整理をするいとまがなければならない、一方で、高金利を存置することによって新規の多重債務者が発生することを抑えなければならない、これは結局、最高裁の判決がことし一月に出ている、グレーゾーンで貸し付けを行っても取り返されるリスクが高い、新規の融資をグレーゾーン金利でやるインセンティブはかなりなくなってきている、ほとんどないと言っていい、総合的に考えた場合、すぐ実施となると既存の債務者が突然生活を断たれる、一方で新規の多重債務者の発生は抑制される構造になっている、だから三年の経過措置は妥当なのではないかという質問に対して、山本大臣は、御指摘のとおりでありましてとお答えになられております。

 山本金融担当大臣にこの答弁の内容を再度確認させていただきます。これからの経過措置の約三年間みなし弁済の廃止は実施されなくても、ことし一月のみなし弁済をめぐるこの最高裁判決等により、グレーゾーン金利の新規融資はほとんどなくなった、あるいは新規の多重債務者の発生が抑制される構造になったというお考えなのか、そういう御認識なのかどうか、確認をさせてください。

山本国務大臣 今回の改正におきましては、上限金利の引き下げにより、現在の借り手に大きな影響を与える可能性があることを踏まえ、急激な貸し渋り等による家計や企業へのダメージを防ぎ、借り手が無理のないペースで返済できるようにするために、上限金利引き下げまでおおむね三年間の準備期間を設けております。

 この間、新規の貸し付けにつきまして、どのような利率で貸し付けを行うかは個社ごとの判断でございますが、最近の最高裁判決や今回の法改正の趣旨を踏まえれば、貸金業者が自主的に利息制限法の範囲の中で貸し付けを行う動きが出てくることも考えられるところでございます。

 なお、今回の改正により、上限金利の引き下げに加え、借り手の返済能力を超える借り入れを防ぐ総量規制の枠組みを導入することとなりますけれども、これによりまして新たな多重債務者の発生は抑制されるものと考えております。

三谷委員 多重債務者の発生は抑制をされる。だけれども、ここで私が今大塚委員の質問の内容に対してとっておりますことは、グレーゾーン金利でやるインセンティブはほとんどなくなると。なくなる。なくなるといいましても、現に今もなお二〇%を超える、二〇%台後半の、今まで同様の高い金利で貸し付けが行われているではないですか。

 先般の参考人質疑の中でも、グレーゾーン金利が存置される約三年間、利息制限法の上限金利を超える金利での商いをされるのか、こういう問いが川内委員からあったのに対して、石井参考人、神内参考人、福田参考人ともに、福田参考人は、私も同じように出資法での金利の適用については三年間継続されると考えるというお答えをされています。

 抑制なんかされないんじゃないですか。どうでしょうか。

山本国務大臣 法律が成立する、そして施行されるという流れの中で、いわゆるマーケットというものは予見をすることが非常に敏でありまして、その意味におけるマーケット機能が働いている部分につきましては、恐らく抑制されるだろうというように思います。

 ただ、健全なマーケットと言えない多重債務関係、その多重債務関係の中におきまして、やりくり算段の中で、相変わらずまた借りては返済し借りては返済しという連鎖を、このことをもって直ちに断ち切るというものではありません。

三谷委員 何とも意味がよくわかりませんが、もう一つ。

 同じように、この経過措置、みなし弁済の廃止について、施行から二年半以内、公布からおおむね三年を目途にしている。その理由として、きょうは、午前の質疑を聞いておりますと、幾らか三國谷局長も、猶予とかいう、緩和というような言葉を使われて、若干表現が変わっているところがありますが、まさに山本大臣も三國谷局長も前回の質疑の中で、今回提出法案は、基本はみなし弁済を廃止する、ただし、その実施時期は、現在貸金業者を利用している方々が、これは何度も使われておられる表現ですけれども、急に返済を迫られ、かえって生活に影響が出るような事態を招かないようにするための経過措置だというふうに答えておられます。

 確かにもっともらしいお答えだとは思います。全く違うとは申し上げません。だけれども、現在貸金業者を利用している方々が急に返済を迫られ、かえって生活に影響が出るような事態を招かないようにするために施行から二年半の経過措置を設けるというのは、私はおかしな理屈だというふうに思います。

 三年猶予があれば、確かに幾らかの人は、例えばもう一回大塚委員の平たく言われた言葉をかりますけれども、既存の借り手というものは、法律が変わった、急に対応できない、ある程度生活を整理するのに時間が必要であろう、債務整理をするいとまがなければならない、こういうふうに言葉を置きかえられております。三年猶予があれば、確かに幾らかの人は生活を整理するかもしれない。だけれども、そんな甘いものではないと思います。多くはそんな簡単なものじゃないです。そんな簡単なものなら、大臣も指摘されているように、二百万人とも二百三十万人とも言われるような多重債務者なんか出てこないと思います。

 むしろ、理屈の上では、与信が縮小するのは主に金利の問題です。これは皆さん、もうよく御承知のとおりだと思います。さきの参考人質疑の中でも、プロミスの神内参考人が、今回定められる金利への引き下げを行うと、既存利用者への影響として、七社合計、千百二十三万口座から与信供与可能口座は七百三十七万口座となり、三百八十六万口座に影響が出ると。まさに、金利の引き下げを行うと、これが一番要約して与信の縮小を言われている話ですけれども、私たちもそのとおりだというふうに思います。

 影響が出ることは私たちだってわかっています。わかってもなお、その影響よりも、この問題となっているみなし弁済を廃止すること、一日も早く問題となっているみなし弁済を廃止しなければならないというふうに考えているわけです。そして、当たり前の法律のように、施行後すぐに実施をすべきだということを主張しております。まさにプライオリティーの問題だというふうに思います。

 生活に影響が出ぬようにすることが大事だと思うんだったら、そのことが一番だということであるならば、適正な金利、上限金利は何%がいいのか、もっと高い上限金利をここで政府案として提示をされて、あるいは与党の議員立法として提示をされて議論をされるということであるなら、考え方は違うかもしれませんけれども、それは理屈としてはわからないではありません。でも、再三にわたって、利用されている方々が急に返済を迫られ、生活に影響が出るような事態を招かないようにするために、これを理由に経過措置をおおむね三年置くというのはおかしいというふうに思います。

 改めて山本大臣に、この経過措置を施行から二年半以内とした理由についてお尋ねをいたします。

山本国務大臣 今回の改正では、貸金業者の金利を現在の実勢金利を下回る水準に引き下げることによりまして、現在の借り手に大きな影響を与える可能性があることを踏まえて、急激な貸し渋り等による家計や企業へのダメージを防ぎ、借り手が無理のないペースで返済できるようにするための時間が必要と考えております。

 また、今回の改正では、上限金利の引き下げとあわせて、返済能力を超える借り入れを防ぐ総量規制を導入することとしております。これによりまして、上限金利引き下げ後も、個々の貸金業者が借り手のリスクを精緻に把握することが可能となり、健全な借り手の資金ニーズにこたえていくことが期待されますけれども、この総量規制の導入には、信用情報機関等におけるシステム整備のための時間も必要となるわけでございます。

 こういった趣旨から、今回の改正では、出資法の上限金利の引き下げまでにおおむね三年間の準備期間が必要と考えているところでございます。

三谷委員 時間を置くということでいいますと、まさに施行するまでにも時間はあるわけであります。なぜ三年、おおむね三年置かなければならないか、そのことをお尋ねしておるわけであります。

 これ以上は、時間の関係もありまして申し上げません。ただ、情けないと言うしかありません。今お聞きしても、私はまともな理屈とは考えづらいところがありまして、一番肝心なことが、まさにこのみなし弁済の廃止、この改正の概要の中にも一番最初に書いてあることでもございます。一番肝心なことだというふうに受けとめさせていただいています。そのように私たちも認識をさせていただいております。その一番肝心なことが、実施をされるよりも前に、もしかしたら見直しの方が先に行われるかもしれないという、極めて奇妙な改正が行われることについては、まさに前代未聞な話だというふうに思いますし、情けないとしか表現のしようがないことだというふうに思います。

 質問を先に進めさせていただきます。

 続いては、私は、まさにこの多重債務者問題、その救済あるいは未然防止ということを考えたときに、一番大事なことだというふうに思っておりますけれども、カウンセリング機関の整備の必要性についてお尋ねをさせていただきます。

 先ほど大臣からも、総量規制もあるんだという、強調をされた御答弁もありました。今の政府の、金融庁の総量規制案について、一言コメントをさせていただきます。このカウンセリング機関のこととも関連がございます。

 債務者の借入残高を信用情報機関で一元管理をするとはいいましても、借入件数の制限がなく、借入残高が百万円を超えない場合には年収等の資料提出義務がございません。債務者が小口の借入件数をふやして返済不能に陥るといったケースも十分考えられるわけであります。

 一方で、現在健全に利用されている資金需要者の利益を損なわないこともまた大事なことだと思います。資金需要者が幾らまで借り入れ可能なのか、これは人それぞれの持つ条件、住居形態でありますとか家族要件でありますとか、それによって異なります。年収の三分の一規制のように、一律の基準を設けることはなかなか難しいことだというふうに思います。

 私は、総量規制は否定をしません。あった方がいいと思います。思いますけれども、一律の規制は難しいし、これだけでは不十分なところがございます。だから、カウンセリング機関を定着させることは、地味ではありますけれども、また、時間も手間もお金もかかりますけれども、多重債務者の防止、健全化には最も有効な対策だというふうに思います。

 まず先に、金融庁は、このカウンセリング機関の整備についてどのような考えを持たれているか、また、整備をしようとするならどのようなカウンセリング機関をつくろうとされているのか、教えていただきたいと思います。

山本国務大臣 多重債務者対策としまして、カウンセリング体制の充実は大変重要な課題であると御指摘がございました。私もそのとおりであろうというように思っております。

 今後は、既存のカウンセリング機関の充実や、関係機関の間のネットワークの構築により、多重債務者に対するカウンセリング体制を整備していくことが必要と考えております。こうした施策につきましては、関係省庁の連絡、連携が重要でございまして、今後、内閣官房に設置される予定の多重債務者対策本部におきまして議論を行い、具体的な方策を検討、実施してまいりたいと考えているところでございます。

三谷委員 山本大臣、もうちょっと突っ込んだお話をしていただきたかったのですが、具体的に、与党自民党の中でもかなり議論は進んでおりますし、当然、金融庁の方でも、表に出ていないこと以上にさらに進んでいるところがあります。

 これはちょっと言いっ放しの話になりますけれども、ここでこのことを、議論というよりも、こうしてもらいたいというお話を一方的にさせていただきます。

 その前に、一つ大事なことがございます。

 まさに、今検討内容として進められていることの中で、これは表に出ている文書であります。貸金業協会の自主規制規則において、自主規制規則の範囲内、多分これはお金をどこが出すかということについても、貸金業協会が、もちろん認可をされた認可法人にはなりますけれども、自主規制規則において、お金の方も多分貸金業協会が全面的にということだと思います。

 そしてもう一つ、リボルビング契約の更新時に元本の残高が一定額を超えている場合等に、カウンセリングを受けたことの確認を貸金業者に義務づけるなど検討、こういう内容になっております。

 大事なことと申し上げましたのは、返済不能に陥るケース、これは実は明白なんですけれども、すなわち、多重債務者になるということとの因果関係の話です。借入残高よりも、むしろ借入件数との間にこそ明白な因果関係がある、これは実は貸金業の方々の方が経験的によく御存じの話です。もちろん総額も大事なんですよ。総額で幾ら借りているかということよりも、ちょっと言葉は悪いですけれども、よそからどれぐらいつまんでいるか、よそから何件ぐらいつまんでいるのかという、四件以上つまんでいるやつは危ないとか、健全な借り手かどうか判断するのは、まさに何件から借りているかということの方が明白な因果関係がございます。

 そして、先ほどのお話を申し上げましたのは、貸金業協会の自主規制の中で、範囲でというのは、私はだめだと思います。拠出金についても、お金のかかることではありますけれども、貸金業協会、新たに認可法人となりますけれども、全部負担をしていただくというのもだめだと思います。対応が業者寄りになるに決まっている話だというふうに思います。

 貸金業協会にもお金を出してもらわなければなりませんが、多重債務者問題が、大臣も再三答弁の中でおっしゃっておられますように、これだけ深刻化をしているわけですから、国もあるいは自治体も、ヨーロッパ等々では、もちろん州によっても違いますけれども、自治体が多くは拠出金を出しているというところもたくさんございます、お金を出さなければならないというふうに思います。

 また、具体的な話ですけれども、受け皿としても、既に同様の相談を行っている都道府県の消費生活センターの活用等も考えてもいいんじゃないかというふうに思っています。もちろん、専門のカウンセラー等の担い手、この育成も急がなければなりません。ぜひとも早急な検討をお願いしたいと思います。

 そして、先ほどのお話を申し上げましたのは、残高が一定額を超えている場合にということではなくて、一定件数以上の、例えば四件目からのという借り入れを行おうとする場合には、カウンセリング機関でのカウンセリングを義務づけるというような規定が将来私は必要だと思うのですけれども、まさに前段の話、そしてこのカウンセリングの義務づけのお話についての金融庁の考えを聞かせてください。

山本国務大臣 今回の改正によりまして、貸金業者は、資金需要者等の利益の保護のために必要と認められる場合には、資金需要者等に対しまして、借り入れまたは返済に関する助言または相談等を適正かつ確実に実施することができるカウンセリング機関を紹介する努力義務が課せられております。

 一方、カウンセリングを制度的に義務づけることということは、債務整理と家計管理指導、両方を組み合わせてカウンセリングを提供できる機関でなければ十分ではありません。現実では、こうした両機能をあわせたカウンセリングができる機関というのは今大変わずかでしかない、そういう点からして、現実論でありますが、今のところ、いいお提案であるとは思いますが、現実的でない、こう考えております。

 今後、借り手に対するカウンセリングをより効果的なものとするためには、既存のカウンセリング機関の充実や関係機関の間のネットワークの構築が重要な課題と考えておりまして、内閣官房に設置される予定の多重債務者対策本部におきまして議論を行い、関係省庁等と連絡いたしまして、具体的な方策を検討、実施してまいりたいと思っております。

三谷委員 もちろん、先ほども気をつけてお話をしたつもりですけれども、インフラが整備をされていないということは十分わかっておることでありますし、整備をされていないからこそ、中身の問題もあることですので中身の問題もお話をしながら、ぜひとも検討を、あるいは早急な整備をお願いしたいというお話を申し上げました。

 また、これは、考え方の違いはあるかもしれませんけれども、確かに、紹介する努力義務は今盛り込まれております。義務化するかどうか、これは確かに難しい問題かとは思いますけれども、私は、先ほどもわざわざ総額よりも件数のお話を申し上げましたけれども、明らかに、四件以上つまんでいる人はとても危ない。そのときには、未然に防止をするということであるならば、もちろんインフラの整備が先ではありますけれども、まさに対策ということでいったら義務化をしていただきたいということ、これは考えとして申し上げさせていただきます。

 そして、きょうは、大変大事なお話でもありますので、もう一つ質問をさせていただきたいと思います。

 まさに新たに貸金業法となりますこの改正法によりまして、貸金業の廃業者がふえる。そして、危惧されることは、残った債権の回収あるいは譲渡債権の回収につきまして違法な取り立てが横行するのではないか、こういう心配がございます。この改正法案が成立をすれば、現在一万四千あります貸金業登録業者は激減をする。これは四分の一以下にもなるという予想も言われております。

 一つは、廃業した業者が、残ったローン債権をみなし業者として回収に当たります。このとき、廃業するわけですから、新たに貸金業法になります貸金業法に基づく行政処分は効果がない、きかないわけであります。違法取り立てを抑える効果は薄いというふうに思われます。

 もう一つは、こちらの方が問題だと思いますけれども、廃業した貸金業者が債権譲渡をする、あるいは、債権回収を別の業者あるいは別の人間に委託することによって、委託された業者、人間による違法な回収あるいは違法な取り立てがふえることが予想されます。まさに貸金業者の多い大阪では、その傾向がかなり出始めているというふうにも聞いております。

 まず、金融庁に聞かせていただきます。

 この廃業等に伴う債権譲渡に係るトラブル、違法取り立てに対する対処として、金融庁としてはどのような対策を講じておられますでしょうか、あるいは講じていかれるのでしょうか。

佐藤政府参考人 御指摘いただきました問題につきまして、今後、貸金業者の廃業の増大というのが予想されるということを踏まえまして、先般、私どもで対策を公表させていただいたところでございます。

 その中身でございますけれども、一つは、廃業後の債権回収方針や債権譲渡の実態把握を強化するということで、内閣府令を改正いたしまして、貸金業者の廃業の際、残貸付債権の状況、残貸付債権の回収方針及び債権譲渡の状況などの項目について届け出ることを義務づけることといたしました。あわせまして、これは私どもの監督事務ガイドラインでございますけれども、債権譲り受け人に対して監督権を有する都道府県等に債権譲渡や違法取り立てに係る苦情等の情報を集約するということで、その辺の事務フローを定めるガイドラインを改正するということでございます。

 こういったことで、債権譲渡や廃業後の債権回収方針等につきまして実態把握を強化するということで、今後廃業が増加した場合におきましても、悪質業者の参入あるいは違法取り立てを未然防止することに資するのではないかというふうに考えておりまして、私どもといたしましては、これらの措置を含めて、貸金業制度の見直しが円滑に実施されるように努めてまいりたいと思っております。

三谷委員 もうちょっと簡潔かつ的を得た御答弁が欲しかったのですが、ちょっと時間もございません。むしろここでのやりとりは避けまして、要は、警察当局との連携が大変重要となりますし、また必要となります。また、十一月七日付で、こういうことを予想されて、後からもちゃんと追っていけますよ、そういう届け出の強化についての通達も出されていることは大変評価をいたします。

 そして、残り時間が少ないので、ちょっと済みません、一遍にやらせていただきます。

 取り立てが行われるのは、まさに延滞があるとか、広い意味での不良債権であることが多いということがあります。不良債権の回収代行業務というのは、弁護士もしくは法務大臣の許可を受けた債権回収業者、サービサーに限られています。これは弁護士法、債権回収業者法に定められています。

 だけれども、その取り立てに当たる譲渡債権が不良債権、この場合は捕まえられるのか捕まえられないのか、罰則が伴う不良債権と言えるものなのかどうか、その定義は実は難しいところがございます。利払いが延滞をされていても、債務者が支払いの意思を示したら正常債権になるとか、個別のケースでの判断あるいは事例判断になるということらしいのです。

 これは少しでも明確にするために、このことを法務省に聞かせていただきます。

 一つは、廃業した貸金業者からローン債権を買い集めて取り立てをする、あるいは幾つかの廃業した貸金業者から残った債権の回収を委託される行為は、これは弁護士法七十二条の違反になるんでしょうか。

 あるいは、不良債権の回収であれば、弁護士や、先ほど申し上げましたサービサーでなければ回収代行ができない……

伊藤委員長 三谷君に申し上げます。

 質疑時間を過ぎておりますので、おまとめの方をお願いします。

三谷委員 はい。

 そこで、不良債権の定義を可能な限り具体的に教えてください。

 そして、先ほど申し上げましたように、まさに警察当局は、こうした大量廃業に伴う違法取り立てがふえることが予想されることに対してどういう対策を講じられるのか、最後に聞かせてください。

菊池政府参考人 弁護士法七十二条の関係についてお答え申し上げます。

 弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事件に関して法律事務を取り扱うことを業とするということは禁止されておりまして、違反行為に対しては刑事罰が科せられることになっております。

 したがいまして、個別の判断は裁判所でお決めになることでございますけれども、一般論として申し上げますと、委員御指摘のとおり、法律事件というのは、いわば紛争性がある、そういう意味で不良化している債権でございます。その具体例を申し上げますと、貸し手と借り手の間で債権の存在について認識が一致していないとか、債権の金額、残元本の金額について認識が一致していないといったような理由で争いがあるといったような場合が紛争性があるということになろうかと考えております。

竹花政府参考人 貸金業規制法におきまして、貸金業者の廃業に伴って行われる残余債権の取り立て及び譲り受けた債権の取り立てについては、貸金業者と同様の取り立て行為規制が及ぶとされているほか、暴力団員等への債権譲渡も禁止されていると承知いたしております。また、債権管理回収業特別措置法では、無許可の債権管理回収業の禁止が規定されていると承知をいたしております。

 今後ともこれらの規定を活用いたしまして、関係機関と連携を図り、廃業に関連した違法な取り立てを含め、違法行為があれば、警察内部の関係部門も含めた総合力を発揮できる取り締まり体制を構築して、厳正に取り締まりを行う所存でございます。

三谷委員 時間が超過をしてしまいました。

 ありがとうございました。質問を終わります。

伊藤委員長 次に、寺田学君。

寺田(学)委員 民主党の寺田と申します。

 四十分間お時間をいただきまして、質問をさせていただきたいと思います。

 まずは、NPOバンクのことについて、冒頭お伺いしたいと思います。

 まずは大臣にお伺いしたいんですが、地域の社会的弱者であったり地域振興のためにまさしく非営利で頑張っているこのNPOバンクに関して、その功績または必要性というものに対してどのようにお感じになられているか、まずはお答えください。

山本国務大臣 NPOバンクは、非営利で、それぞれの方々が社会的な役割を担って、我々としましても大変心強い活動をしていただいているということは十分承知しております。

 しかし、お尋ねの、活動の先にある話は、純資産要件のことはまだ……(寺田(学)委員「まだ聞いていないです。その話、聞いていないです」と呼ぶ)大変いい、それぞれにおいてNPOバンクの皆さんに公益的ないい活動をしていただいているという認識でございます。

寺田(学)委員 お言葉をそのまま言うと、大変それぞれ社会的に活躍されておるという言葉にされました。

 今後もこのような活動が存続されることが地域にとって必要である、またはこのような活動自体が必要であると大臣自身はお考えになられているかどうか、お答えください。

山本国務大臣 私としましても、マイクロクレジットの重要性、特に二百三十万の多重債務者が、法的な債務整理が終わった後の自立という意味におきましては、NPOバンクや、あるいはグラミン銀行的な存在というのに期待をかけていることは間違いありません。

寺田(学)委員 まさしく大臣が担当されている金融以外の部分、再チャレンジの部分においても、非常にこのNPOバンクというものは再チャレンジには寄与しているというふうにお考えになられているかどうか、いかがですか。

山本国務大臣 まさに、カウンセリングとともに、自立して生活費を賄い、かつまた職業的な安定を得るための自立という意味におきましても重要な役割を果たすだろう、そう思っております。

寺田(学)委員 大変重要であり、今後も存続を願うと。存続を願うことでよろしいですよね。いかがですか。

山本国務大臣 存続し、かつ安定的な経営を期待するところでございます。

寺田(学)委員 なるほど。大事な活動であり、今後も存続を期待していると。期待しているどうこうに関してお話をしますと、今回の法律によって、その期待が水の泡に終わるのか、はたまたその期待が成就するのか、大臣のお考え一つにかかっている部分も大いにあると思っております。

 もう当然御承知のことと思いますけれども、資産要件の規定が今回加わることによって、まさしく実態として今活動されている方々から、そのような要件を設けられたときには活動していけないという声が聞こえてきています。

 いかがでしょう、我が党も盛んに訴えていることではありますが、この資産要件ということに関して、例外規定を置くことによって、大臣が今おっしゃられた再チャレンジに寄与するNPOバンクというものが存続する可能性が大いに広がると思いますけれども、今回のこの資産要件に関して、大臣のお考えの、存続するための修正というものはお考えになられていないんですか。

山本国務大臣 今回の改正において、貸金業者の参入要件として五千万円の純資産を求める、これは新制度において貸金業者の業務の適正かつ安定的な運営を確保するため必ず必要であるわけです。

 この新たな純資産規制の趣旨というのは、借り手の保護の観点から、すべての貸金業者に共通するものというように認識しておりまして、NPOバンク等を例外的に規制緩和ということになった場合、この規制の潜脱に使われる。今の健全な方々が一生懸命やっていらっしゃることを途中でやめてしまうということの材料になるというよりも、むしろ悪い人がここに入ってこないようにしたいという、ありていに言えばそういう感覚でございまして、いわばこれはまさに政策の利益衡量、この点において非常に難しい問題を抱えておりまして、多重債務者に対する行為規制、参入規制の中の、参入規制の一番大事なものだというように考えておりますので、ここの例外規定についてはできるだけ厳格に運用したい、解釈したいと思っております。

寺田(学)委員 大臣、今、利益衡量と言われましたけれども、何と何の利益衡量をされているんですか。

山本国務大臣 この例外規定を緩和することによって、貸金業者の参入規制をしたという趣旨が没却されるということが一つ。もう一つのてんびんには、NPO法人、そういった人たちの活動に無理が生ずる。もし今現在やっていらっしゃる方々がうまく参入規制をクリアしていただければ続行できるだろうと思いますし、そこは実態を十分に把握して、その人たちの工夫もいただいて、頑張ってほしいなと思っております。

寺田(学)委員 もちろん、弁護士をされていた御経験もあるということなので、私のような者が聞くのも本当に失礼に当たるんですけれども、利益衡量ということですので、何かを犠牲にした上で、いろいろ利益をてんびんにかけてはかった上で、どちらかが優位に立ったということになると思うんですよね。

 という意味において、先ほどの質問は、言い方は悪いですけれども、何を犠牲にするかわりに何々を尊重するということになると思うんですけれども、何を犠牲にして何を尊重されるということなんでしょうか。

山本国務大臣 要は、例外を大きく認めるか小さく認めるか、あるいは全然認めないかということだろうと思います。

 例外、すなわち参入規制の五千万の純資産を、この人には五千万要らないよと言って、この人には要りますよと言って、それがばらばらな、恣意的な運用をされることによりまして、本来の貸金業者の健全性、経営の健全もありますけれども、体力、財務内容の健全性、こういったものの質的な健全性と財産的な健全性というものを両方お願いしたいと思っておる今日に、もし例外が広くなっていくということに対しましては、非常に目的が没却されてしまうということでございます。

寺田(学)委員 まさしく明確に定義をして、法律に書いて、法の拡大解釈ができないように規定すればいいわけで、もし拡大解釈するんであれば、そのときこそ摘発して、刑事的に何かしら処理をすればいいわけで、特段、今、利益衡量に関して、両方のてんびんのことを明確に言われませんでしたけれども、悪質業者を排除するために頑張っている、まさしく大臣が先ほど再チャレンジにも寄与していると言っているような非営利団体のNPOバンクですらなくしてしまうことは仕方がないんだと言われているのに等しいんだと思うんです。

 どうなんですか。この資産要件を五千万にして、悪質な業者を排除する可能性を得るために、地域振興のために頑張っている非営利のNPOバンクをなくすことはやむを得ないと思われているのか。大臣、いかがですか。

山本国務大臣 いい活動をしていただいている非営利のいい団体には存続をいただきたい。午前中の議論もありましたように、全国で手をつないでネットワークを果たしていただいて、それで五千万円を捻出いただくということが一番いい実態把握であり、かつまたこの部分についての存続の要件になろうというように私は思っております。

寺田(学)委員 簡単に、全国ネットワークを結んで何とかと言いますけれども、まさしく地域のためにちっちゃいマイクロクレジットとして営んで、頑張って非営利でやっている方々を、はい、今法律が変わりました、全国ネットを組んでくださいと言うのはちょっと、余りにも勝手な論理だと思うんですよね。

 本当に、大臣が冒頭おっしゃられたとおり、大変社会的に活躍されていて今後も存続してほしいというのであれば、何を私たち政治家が頑張るべきかといったら、その方々が生き残るために厳格な定義をつくり上げることが必要であって、それを法律に盛り込むのが大事な仕事であると思うんです。それを、いや、もうそういうのは全国ネットをやってくださいよ、それをやれば存続できるんですという言い方は余りにもちょっと乱暴で、そのNPO団体の実情を酌んでいないんではないかなという思いがあるんですけれども。そんなんじゃ再チャレンジなくなりますよ、多分。

 大臣、どうですか。法律修正して、いろいろ定義、頑張ってつくりましょうよ、いかがですか。

山本国務大臣 参入規制の五千万というのは、かなり私は重い位置づけをしているつもりであります。特にやみ金の実情からしますと、今の三百万円という数字は、案外、そういうやみ金業者の背景にいる組織からすれば、容易に出せる数字でないかと主観的には思っております。その意味において、五千万という、純資産の数字をかなり上げることによって、やみ金を構成している悪らつな業者の排除ができるというところを現在は厳格に考えておりまして、その厳格に考える部分について、ぜひ、これを多重債務者のために実施させていただきたい、これがまずは優先順位の一番であります。

 そして、多重債務者がやがて自立するときに御支援いただきたい、そういう考え方のもとに、また新しいマイクロクレジットのそういう分野がどんどん広がってくるということに期待をしておることは間違いありませんが、なおその優先順位を変えるというところまではいっていないというように御理解いただきたいと思います。

寺田(学)委員 資産要件を引き上げることによって悪質な業者を排除する可能性があることは私も否定はしません。大いにあると思います。

 ですが、どうなんでしょう。今活動されているNPOバンクの方々、聞くところによれば、金利は二、三%で、まさしく非営利でやっていると。金利二、三%で非営利でやっている悪徳業者なんて多分存在しないですよ。悪徳になりませんから。そういう意味でいうと、金利二、三%で貸し出す、もちろん、もっと厳格にするためにいろいろな要項をつけることはできると思います、そういう形でやったら、別に資産要件を上げなくとも、大臣が今後も活躍してほしいと言われた非営利のNPOバンクは残る結果になると思います。そういうような要件をつけて悪質と良質を分けることはできると思うんですけれども、できないんですか、それじゃ。大臣、いかがですか。

山本国務大臣 委員が、いい方かどうかという判断のメルクマールをむしろ克明に、客観的にそれが挙げられて、審査ができるというように確証をいただければ、私も、それはなるほどと思えるかもしれませんが、いい人かどうかの判断を各都道府県やあるいは財務局ですべて共通な認識や客観性でやっていけるかどうかについては、少し疑問が残るように思います。

寺田(学)委員 貸出金利を一〇%以下にするということは非常に客観的で、どの自治体でもだれも疑うことなく適用できる基準だと思いますけれども。例えばの話ですよ、例えば金利を一〇%以下で貸し出すんだということであったら単純明快だと思うんですけれども。これでも良質と悪質を分けられないですか。大臣、いかがですか。

山本国務大臣 金利だけの要件で、そういう貸金業者が存続し、無担保、無保証でずっとやっていただければ結構でありますが、存続しなければならない。非営利であっても、存続して、安定的にそういった社会的な担い手と自立のための存在となっていただくためには、存続しなければなりません。その意味では、二%だからいい業者、そうでなかったら悪い業者と、簡単には言えないわけであります。

寺田(学)委員 存続するかどうかということと、金利の二、三%をもっていい業者かどうかということをお話しされていましたけれども、今回の法改正、そもそも、二九%という高金利に対して、それを下げる。ある意味、それを悪だと思っている人はいないわけですよ。金利は低い方が、すべてがすべていい業者とは言わないけれども、まだ相対的にはましだという話になっているわけです。もちろん、金利を二、三%で貸しているNPO団体の構成員すべてが物すごい善良な方であるとは限らないと思いますよ。ただ、その行為としてやっていることは、非営利で、社会的弱者かどうかは主観的になりますけれども、二、三%の金利で貸している以上、悪質になる余地が非常に少ないと思うんです。

 そういう意味において、その部分というのは、結局のところ、二、三%で貸すという客観的な要件を設けることで、良質な業者と思われるところを存続させることはできると思います。

 そしてもう一つ。存続できるかどうかという話をされていますけれども、今存続して頑張っているわけですよ。何で存続できなくなるかといったら、今回資産要件を上げるからでしょう。それを上げなければ存続するわけですよ、頑張って。だとしたら、なおさらのこと、五千万の資産要件の例外を設ければ存続するわけです。今存続しているんです。

 そういう意味でいうと、結局のところ、金利の要件、いろいろ議論はあると思いますよ、金利は何パー以下がいい、あとは、社会的弱者というのは非常に主観的に判断されますから、そこら辺の要件はある程度立ててみるとか、さまざまなことを法律に明記して、大臣がおっしゃられている、頑張っている地域のための再チャレンジに寄与する団体を残すというのが大臣としての一番のお仕事になると思いますし、我が党としても、かなり努力していろいろ知恵を出して頑張りたいと思うんですけれども、そういう余地はないんですか。

山本国務大臣 私は、絶対許さない、例外を設けないと言っているわけではありませんで、政府案におきましても、制度上、一定の要件を満たす業者につきましては財産基準を適用除外することは可能となっておるわけでありまして、今後、委員のおっしゃるような実態、それを十分に把握させていただきまして、検討させていただきたいと思っておりますので、その点はどうぞ御理解いただきたいと思います。

寺田(学)委員 私も三年国会議員をやってみて、政府の方が検討するという言葉がいかに無期限なものであり中身がないものであるかというものを、つぶさに、総務省に限ってですが、見てきましたので。もちろん金融庁は違うんだと言われればそれまでですが。

 そこまでおっしゃられるんだったら検討したらいいと思うんですよ。だって、今回、この法律自体、完全実施されるのは何年も後なんですから。だとしたら、今から一生懸命つくり上げていって、次の国会でもいいですし、ある程度、与党と野党とでもいいですよ、議論し合って、要件を決めて法律にしていくのも一つのやり方だと思うんですね。

 検討されるというお話をされましたけれども、では、いつまでに検討結果を出すのか。大臣、いかがですか。

山本国務大臣 恐らくこの問題は、金融庁と申しますよりも、今後、この法案成立後に内閣にできます多重債務者対策本部、内閣において鋭意検討されるものというように思っております。

寺田(学)委員 本当に、何度も繰り返しますけれども、最初に大臣が今後も必要だと言われたNPOの活動ですので、どうか早急に、法律に書くような形で検討されるのが必要だと思います。

 次の、カウンセリングのことについて移りたいと思います。

 そもそもとして、法律改正後の話ではなくて、今この段階で十分なカウンセリング、限定して言うと、借りる際の事前のカウンセリングが十分に行われているかどうか。大臣の御認識はいかがですか。

山本国務大臣 貸金業者の利用者に対するカウンセリングが十分に行われていたのかいなかったのかという問題でありますが、債務整理、それと家計管理、この両方の指導を組み合わせてカウンセリングができなければ、この多重債務問題に対するカウンセリングとしましては十分だとは考えておりません。こうしたことができる、こういうカウンセリングを提供できる機関が現状では極めてわずかしか存在していないというように考えております。

 借り手に対するカウンセリングを有効なものとするためには、既存のカウンセリング機関の拡充や関係機関の間のネットワークの構築が重要な課題と考えておりまして、今後、内閣官房に設置される予定の多重債務者対策本部において議論を行い、関係省庁等が連携して具体的な方策を検討、実施してまいりたいと思っております。

寺田(学)委員 カウンセリング主体と申しますか、債務整理、家計管理等々のカウンセリングの機会が極めてわずかであるという御答弁でありました。

 では、なぜ現段階において極めてわずかな機会しか確保されていないのか。原因は何であるとお考えになられますか。

山本国務大臣 まず、他人の家計管理や指導をするということ自体は、我々の日本の社会の中で、通常、儀礼的には、のりを越えるというような意味があると思いますので、なかなかやりづらい点が多かったのではないか。特に、現代社会におけるプライバシーという個人の人格の尊重からくるものもあろうと思います。それから、債務整理という面において考えるならば、法曹人口の問題や、あるいは、法律専門知識を有する皆さんが満遍なく各界各層あるいは地域ごとに配置されているかどうかという点もあろうかというように思います。

 しかし、弁護士会、法律相談センター四・四万件、法テラス四・九万件、あるいは地方自治体の消費生活センター六・三万件、それぞれあるわけでございまして、今後、そういったところになお拡充、努力していただくことによって、二百万人とも言われる多重債務者すべてにカウンセリングサービスが行き渡るようにすれば、債務整理に関するカウンセリングというのは届いてくることになろうというように思っております。

寺田(学)委員 家計管理に関して言えば、プライバシーだ何だということがあって今までは非常に行いづらかったものであるという性質の部分からの理由とともに、絶対的にカウンセリングを受ける機会、法テラスどうこうありますけれども、機会、施設、窓口等々含めて足りなかったという御答弁だと思います。

 そのようなカウンセリングをだれでも受けられるようになることこそが多重債務者を減らすことの一つの大きな要因であるという御答弁もされていましたから、では、そのカウンセリングが全員受けられるような環境になるにはどのような施策を今回打たれて、それが、いつまでにはそのような環境が整うと御計画されているのか。いかがですか。

山本国務大臣 まず、幾つかの機関にこれからお願いをさせていただくことになろうと思っておりますが、日本クレジットカウンセリング協会、体制強化のためには貸金業界やクレジット業界からの拠出額の抜本的な増額が不可欠でございますし、また、支部開設等につきましては地元弁護士会の協力が不可欠でございますが、そういったものと地方自治体の消費生活センター等が連携をしていただいて、新たに貸金業協会がこれから設置されるわけでありまして、その協会にも、四十七都道府県に配置される協会窓口をいただく。さらに、法テラスでは、法的トラブル解決のため、情報提供業務の一環として、家計管理指導等を行っている機関を御紹介いただくというようなことで、何とか多重債務者の皆さんすべてにカウンセリングサービスを受けられるというところまで持っていきたいというように思っております。

寺田(学)委員 二つ質問したうちの前半の部分はお答えいただいたんですが、それはいつまでに完成する御計画なのか。いかがですか。

三國谷政府参考人 このカウンセリング体制の充実につきましては、今後内閣官房に設置されます予定の多重債務者対策本部の一つの重要なイシューでございまして、ここにおいて一生懸命検討し、実効性のあるものを構築していきたいと考えております。

寺田(学)委員 質問に答えていないですよ。

 いつまでに完成するんですかと。政府が考えられている、多重債務者の方をなくすためにだれにでもカウンセリングを受けられる体制を築くと言われていて、それはいつまでですかというのを聞いたんです。

 参考人の方はそう答えられるけれども、大臣、いつまでですか。

山本国務大臣 これは、人にお願いし、人が知識を得て、またその人が人同士でカウンセリングというやりとりをしていただく場所をつくらなきゃいかぬということを考えますと、今のところ、何月何日と切ることはできませんが、事の次第からしまして、できれば施行段階をめどにやってみたいなという希望は持っております。

寺田(学)委員 施行段階ということは、一年後ということでよろしいんですか。それとも、施行後、本格実施されるおおよそ三年という意味ですか。どっちですか。

山本国務大臣 おおよそ三年後というようなめどで考えてみたいとは思いますが、もっと早くできるかもしれませんし、弁護士会との個別の相談みたいなものも、やってみなければ、ちょっと、弁護士会の体制も十分把握しておりませんが、全国三百カ所、法律相談窓口を弁護士さんが置いていただいている、その中での工夫がどうあるかとか、非常に細かなやりとりの部分がありますので、私としましては、三年後ぐらいまでにやっていただきたいというような希望を申し上げていきたいと思っております。

寺田(学)委員 野党である私は希望とかどうこうということは言ってそのままなんですけれども、一応大臣という権力者ですから、希望のもと、予測を立てて、それに対しての施策を打つんだと思います、普通の政治を行うのであれば。

 ということで、今三年というお話をされたので、今政府が行っているカウンセリングに関しても、何月何日という具体的な期日は切れないまでも、おおよそ三年の間に、どなたでもカウンセリングを受けられるような環境を整えるような施策を今回打っているという解釈でよろしいですね。

山本国務大臣 申し上げましたように、相手がこちら側の義務づけられるものではなくて、お願いする立場でありますので、何ともそこは、区切るといったって実効性はないかもしれませんが、私としては、委員おっしゃるように三年をめどに考えていきたいと思っております。

寺田(学)委員 三年をめどに、カウンセリングはどなたでも受けられるような環境になるというように努力されるというお話でした。

 今回、カウンセリングのことに関して、貸金業界、貸金業者の方々が集まってつくられる業界団体が設立するカウンセリング窓口というのもつくられる。それの中立性を保てるかどうかというのは時間があれば後でやりたいですけれども、そのカウンセリングを受ける要件として、貸金業者の方が必要と思われる場合という、非常にあいまいな要件を掲げています。

 我が党としては、それは、もちろん必要な場合であることはさることながら、何かしらの客観的な条件をつけて、その条件に当てはまるんだとしたらカウンセリングを必ず受けてくださいという考え方も一案ではないかと提案しています。

 今回、必要な場合という話をされていますけれども、大臣自身はどのようなことを御想像されて必要な場合とお考えになられているんですか。

山本国務大臣 今回の改正によりまして、貸金業者は、資金需要者等の利益の保護のために必要と認められる場合には、資金需要者等に対して、借り入れまたは返済に関する助言または相談等を適正かつ確実に実施可能なカウンセリング機関を紹介する努力義務が課されております。

 この規定に基づきまして、どのような場合に借り手の保護が必要となると認められるかにつきまして、一概に申し上げるのは困難でございますが、例えば借り手が既存債務を自発的かつ計画的に返済することが困難と認められる場合等が考えられております。

寺田(学)委員 カウンセリングを受けることは、必要な場合に限らず、まさしく他人からお金を借りるわけで、かつその借りたお金以上のものを払わなきゃいけないこの仕組みの中では、どういう場合であってもまずは受けることができるという環境を整えるのは、私は一つ大事なことだと思います。

 ですので、初めて借りられる方全員にとは言わないまでも、四件以上借りられている方、四件目になる方等々客観的な要件を加えて、その方にカウンセリングを必ず受けてもらうということはあってしかるべきだと思います。

 そういうふうに、ある一定の要件を満たした場合に強制的にカウンセリングを受けるような仕組みをつくることを私たちは提案しているんですが、政府案にはそれは盛り込まれていないところを見ると、それは何かしらの不都合なところがあるのかなという部分があるので。このような要件をつけて強制的にカウンセリングを受けさせるような制度をつくるべきだと思うんですが、それはだめですか。

三國谷政府参考人 今回の改正によりまして、カウンセリング機関を紹介するいわゆる努力義務が課せられているところでございます。

 このカウンセリングを制度的に義務づけることにつきましては、債務整理と家計管理指導を組み合わせてカウンセリングを提供できる機関が現状ではわずかしか存在していないことから、これはなかなか現実的ではないと考えておりますが、今後、借り手に対するカウンセリングを有効なものとするために、既存のカウンセリング機関の拡充や関係機関の間のネットワークの構築、これが重要な課題と考えているところでございます。

 今後、内閣官房に設置されます予定の多重債務者対策本部、ここにおきまして議論を行いまして、関係省庁等が連携いたしまして具体的な方策を検討、実施してまいりたいと考えております。

寺田(学)委員 今参考人がお話しされた中で、カウンセリングを受けるところが、現状、わずかしかないという発言がありました。先ほど、大臣の答弁を振り返ってみますと、三年後にはそれなりに、だれでも受けられるようなカウンセリング環境が整うように今施策をつくっているんだというお話がありました。

 とすれば、三年後、いわば金利が下げられる、みなし弁済が廃止される、そのときに何かしらの基準をつけて、強制的に、四件目以上借りる方等々のときはカウンセリングを必ず受けるような方策にするというのであれば話がすんなり通っておるんですけれども、三年後、そういうような施策を考えられるお考えはあるでしょうか。大臣、いかがですか。

山本国務大臣 三年後に考えたいと言ったらしかられるかもしれませんが、なかなか将来のことまで全部フォローして、これをこうしますとまで言えない分野であることは、相手がカウンセリングという、ハンドメードな、人がやることでありますので、本当に、そこのあたりは整備、完全にできたかどうかを確認してからまた考えるというようなことでなければならないと思いますので。義務づけになりますと、これは業務改善命令や法律的な違反についての処分というのもありますから、その意味では、ちょっとそこは慎重に考えさせていただきたいと思います。

寺田(学)委員 三年後考えたいということだと思います。ともすれば非常に際どいお言葉だと思いますけれども。

 時間も時間ですけれども、見直し規定に関して午前も質疑されていたようですけれども、同僚の委員も確認していると思いますが、この見直しに関して端的にお伺いします。

 可能性としてです、この条文の読み方としてですけれども、金利を下げないこと、みなし弁済を廃止することを撤回することをも可能とする法律の書き方であるのかどうか。参考人でも結構ですので、いかがですか。

三國谷政府参考人 見直しの具体的な施策ということにつきましては、現時点で特定のテーマや方向性を念頭に置いているわけではございません。

 しかし、本見直し規定によります見直しは、みなし弁済規定の廃止や出資法の上限金利の引き下げを実施することを前提として、その円滑な実施のために必要があれば行うものでございます。みなし弁済規定の廃止や出資法の上限金利の引き下げを実施しないことまでも含むものではないと解されるところでございます。

寺田(学)委員 意思として行うか、見直しをどのような形でやるかということを、どうするかという意思の問題ではなくて、法律の書き方として、みなし弁済を廃止することを撤回するような見直しをもできるのかできないのか。できないのであればできないで結構です。それだけ、参考人、お答えください。

三國谷政府参考人 この見直し規定は、四条や五条や七条、これを円滑に実施するために必要があれば行うというものでございます。したがいまして、繰り返しになりますが、みなし弁済規定の廃止や出資法の上限金利の引き下げ、これを実施しないことまで含むものではないと解されるところでございます。

寺田(学)委員 ということは、三年後にみなし弁済の規定が廃止され、金利が下がるということはしっかりと担保されているものだということを改めて確認しましたけれども、先ほど大臣が言われた、三年後のことは三年後に考えるということとおよそ矛盾する話になってくるわけですね。三年後にどうなっているか考えるのであれば、私たちは即座に引き下げるべきだという主張をしています。

 それはそれとして置いておいて、政府方針として、三年後に即座に下げる法律を提出することだって別に可能なわけですよ。実質、そういうような法律ですから。なぜに今回、法律をつくり上げて、三年間の猶予を置いて、見直し規定という、ともすれば誤解されかねないような条項まで置いた上で現在やるのか。いや、見直しが何で必要かとか三年の猶予はなぜ必要かという、さんざんされていると思いますけれども、激変緩和したいんだということ、いろいろあると思いますけれども、だとしたら、政府方針として、今は下げられない、三年後にやる、三年後に即座に引き下げるような法律をつくるんだと言っていただければ、私たちは、即座に今金利を下げるような法律をつくるべきだということで、明確な論争になると思います。それをなぜに今回、大臣、三年後に出さず、今回出して、三年間猶予して見直しまでつけるような法律を出したのか。大臣、いかがですか。

山本国務大臣 今回の法案に見直し規定を盛り込んだ理由は、今回の改正が利用者や貸金業者の実態等に影響を及ぼす可能性があること、みなし弁済規定の廃止や上限金利の引き下げにつきましては、改正法施行から二年六カ月以内の施行とされており、現時点におきましてはその影響について完全には明らかではないこと、これらを踏まえまして、みなし弁済規定の廃止や上限金利の引き下げに当たって、これらの規定を円滑に実施するために講ずべき施策の必要性について検討を加え、その結果に応じて所要の見直しを行うことが望ましいと考えたことによります。

寺田(学)委員 三年後はわからないという話をされていますけれども、確かに、三年後どのような形になっているのかわからない部分が多々あると思いますが、わかることは、多重債務で苦しまれている方がまだこれから三年間苦しむ可能性が大いに残るということ、そして、これからの三年間多重債務者に陥る可能性がある人がどんどん、まだ三年間はふえ続けることはわかり切っていることだと思います。

 先ほど大臣は利益衡量という話をされましたけれども、この場合においての利益衡量は何と何を比べて何をとったんですか。大臣、いかがですか。

山本国務大臣 ドラスチックな改革をして、ある程度犠牲者を出してもやむを得ないという価値観なのか、いわゆるソフトランディングという形で、できるだけ犠牲者を伴わないようにする考え方なのか、二つの考え方の差だろうというように思います。

 それを利益衡量という観点であえて言えば、貸しはがし等について、急に取り立てをするような事態で貸しはがし者を出すのか出さないのかという利益衡量というような感じに受けとめております。

寺田(学)委員 三年間のことはわからないと言いつつ何かしらわかっているようなお話をされるので、だとしたら、それにのっとった上でいろいろ法律をつくられたらいいと思います。

 時間が終わりましたので、金融担当大臣でありながらも再チャレンジ担当大臣でもありますので、冒頭申し上げたNPO法人のことに関しては、まさしく再チャレンジを期するような形で法修正をお願いしたいと思います。

 よろしくお願いします。ありがとうございました。

伊藤委員長 次に、長妻昭君。

長妻委員 民主党の長妻昭でございます。

 本日は、貴重な質問の時間をいただきましてありがとうございます。ぜひ端的にお答えをいただければ幸いでございます。

 まず大臣にお伺いしますけれども、消費者団信というのはどういうものでございますか。

山本国務大臣 消費者団信は、消費者信用団体生命保険というものであります。(長妻委員「中身、中身」と呼ぶ)消費者信用団体生命保険というのは、長妻委員の資料をお借りして申し上げれば、貸金業者を保険契約者、債務者を被保険者としまして、被保険者、債務者が死亡または高度障害状態になった場合、貸金業者、保険契約者が保険金を受け取る生命保険、こういったことを言うのであろうと思っています。

長妻委員 これは一年間で、この消費者金融の債務者で団信に入っておられる方、自殺された方というのは何人いらっしゃるか、教えていただければと思います。

渡辺(喜)副大臣 自殺の件数でございますが、(長妻委員「いや、人数、人数」と呼ぶ)これは、人数の方は延べ件数しか把握できないのでございます。なぜかと申しますと、三月末時点で保険に加入しております消費者金融業者十七社に対しまして、平成十七年の四月、去年の四月からことしの三月までの自殺の件数をヒアリングいたしました。それによりますと、支払い件数は、十七社合計で延べ四千九百八件となっております。

 長妻委員御案内のように、延べ件数というのは、一人で何社かから借りているケースが非常に多いわけですね。例えばA社、B社、C社と借りている債務者が自殺をしたといたします、そうすると、これは延べ件数では三件ということになるわけでございます。

 平均をとりますと、借入件数が二・五ぐらいでございますから、四千九百八件を二・五で割りますと大体二千ということになりまして、近似値ではございますが、二千人というような数字になろうかとは存じます。

長妻委員 きょう初めて、金融庁から二千人ぐらいではないかというお答えが今ありましたけれども、実際に何人自殺で亡くなっておられるのか、これをぜひ調査していただきたいと思うんですが、これはぜひ調査していただけないですか。

渡辺(喜)副大臣 実数を正確に把握せよという場合には、名寄せが必要になるわけでございます。名寄せを行う場合の最大の問題点は、個人情報保護法というものなんですね。委員御案内のように、個人情報保護法におきましては、個人情報の目的外使用というものを禁じているわけでございます。

 したがって、人数を出す場合にも、先ほど申し上げましたような延べ件数はわかるんですが、名寄せをしませんと正確な人数が出てこないわけでございます。

長妻委員 何か消費者金融の御担当者と話しているような雰囲気というか感覚にちょっとなってくるんですが。

 それと金融庁、これはなめられたものだと思うんですが、調査をして、プロミスが間違った報告をしていたということで、結局、死因の判明している件数がかなり減りまして、保険金を受け取ったうち死因がわからないのが何%になりましたですか、死因不明。

渡辺(喜)副大臣 十月六日に公表しました消費者団信の調査でございますが、死因不詳というケースをすべて病死に整理した会社がございまして、これを修正いたしております。それによりますと、再調査の結果、死因等判明件数に占める自殺の割合は、一九・八%から二三・九%に上がっておるわけでございます。

長妻委員 いや、私が聞いたのは、死因が不明のパーセントはどのくらいですかというふうにお伺いしたわけでございますが。

渡辺(喜)副大臣 十七社合計の数字でございますが、六〇・六%でございます。

長妻委員 これは、言葉は悪いかもしれませんが、金融庁もなめられたものだと思うんです。つまり、死因を聞いたのにもかかわらず、六割は、いや、わかりませんと。保険金は受け取ったけれども、どんな原因で死んだのか、そんな細かく聞いていないはずです、病死とか自殺とか、そういうカテゴリーでさえわからぬというのが六割も出してきた、こういうことでありまして、これは、死因をもう一回ちゃんと調査しろ、こういうふうに突き返すべきじゃないですか。

山本国務大臣 消費者団信の約款におきましては、保険金請求書類の一部省略が認められておりまして、一定金額以下の場合等に、死亡診断書または死体検案書の提出を省略する場合があると承知しております。

 死因の特定は遺族からの聞き取りによっても把握可能でありますけれども、死亡診断書等の提出が不要な場合にはあえて遺族から死因を聴取しない事例も多くありまして、その場合、死因は不詳のままとなるわけであります。このため、過去に死因不詳とされた故人の死因を調べようとすることは、遺族感情を害するおそれもありまして、現実にはなかなか困難ではないかと考えております。

 また、保険金請求に当たっては死因が特定される方が望ましいけれども、一方、生保協会では、九月二十九日に消費者団信に関する業界ガイドラインを策定、公表しておりまして、保険支払いにつきましては、遺族が保険金の請求内容を了知していることを保険会社が確認する等の措置を講じることを定めているところでございまして、今後は、こうした取り組みの実施状況について注視してまいりたいと考えております。

長妻委員 これも大臣、何か消費者金融の社長さんと今話しているような感じを私は受けるんですが、何でそんな向こうの立場ばかりに立つんですか。

 これは、常識的に考えて、債務者と対面で担当した消費者金融の社員、これは、多くの社員がその死因を知っているはずだと思うんですね。そういう社員にヒアリングしているんですか、そういう消費者金融は。何か非常に物わかりがいい。六割も死因不明だと、死因を聞いた金融庁に対してばあんと出してきたにもかかわらず、従業員にせめてその死因をヒアリングして、きちっと出してくれ、こういうことを言うおつもりはないですか。

山本国務大臣 死亡診断書等の死因疎明書類あるいは遺族への聞き取りによらない場合、こうした場合に、担当者の持つ情報に信憑性があるかどうか、多少疑問なしとしません。かかるそうした担当者に対するヒアリングというものが、正確に効果としてあらわれるかどうか、少し疑問に思っております。

長妻委員 いや、本当に何か消費者金融のお立場にあくまでも立つような御発言が続いておりますけれども。

 そうすると、プロミスが間違えたんですか、これは。

渡辺(喜)副大臣 そのとおりでございます。

長妻委員 プロミスは、うわさによると、死因不詳でも病死というふうに書いて、保険会社に保険金請求をしていた、こういうことを聞いたんですが、これは事実でございますか。

山本国務大臣 死因不詳は病死としております。死因不詳のものについては、すべて当該社は病死にカウントしておったということです。(長妻委員「生命保険会社にそういうふうに出したのか」と呼ぶ)そう出しておるわけです。

長妻委員 いや、今のお話というのはちょっと私も驚くんですが、保険会社に保険金請求をするというときに、本当は死因が不詳、死因が不明にもかかわらず死因の欄に病死というふうに書いて、それで保険会社に保険金の請求書を出していた、こういうことでありますか。

山本国務大臣 保険会社の事務フローはそうなっていたわけであります。

長妻委員 これは金融庁としては全く問題ないんですか。ある意味で虚偽じゃないですかね。死因が不明にもかかわらず、病死というふうに出したと。

山本国務大臣 貸金業者の事務フローでそうなっておって、病死という形で保険会社にそれを提出するという手続がとられておったということでございます。

長妻委員 金融庁として全く問題ない、こういう御認識でよろしいんですか。

山本国務大臣 全く問題がないわけではなく、むしろかなり問題があるわけでありまして、その点において、今後団信について見直しをかけていくという姿勢になる一つのきっかけであろうとは思います。

 ただ、今まで貸金業の事務フローの部分で、死因不詳という分類と病死という分類で、貸金業の方の手続上も、また生命保険会社の支払い手続上も、いわば分類が違っても違わなくても同じ扱いという、いわゆる死亡した事実かどうかのみが関心事項、重要事項であったと考えられているわけでありまして、その意味におきまして、死因あるいは死亡原因について正しい把握をするということは、何事にもそれは望ましい事務手続だろうというような観点からすれば、やはり正確な把握をいただいておれば、まさにこうした問題についての社会的な実態を正確に把握するための我々の対応も違ってきた可能性もあるだろうというように思っております。

長妻委員 これは、やりっ放し、言いっ放しではいけないので、今、問題があるという御発言、大臣からございましたけれども、今後どうしますか、指導等を。

山本国務大臣 保険会社によれば、保険金請求に際しまして、貸金業者から示された死因に基づき保険金を支払っていたと聞いております。一部誤った情報に基づき支払いが行われていたことは遺憾でございます。

 しかしながら、今回問題となっている事案は、保険加入期間が一定期間以上の場合等、保険金請求に際し死亡診断書等の提出を省略できる場合でありまして、仮に死因等を不詳として請求された場合でも、保険金は支払われていたものと考えております。

 いずれにせよ、保険契約約款等に基づいて適切に保険金支払いがなされることが重要であろうというように考えております。

長妻委員 大変申しわけないんですが、私も、これほど文章を読まれる大臣に質問したのはきょうが初めてでございまして、御自身の言葉でぜひお答えをいただきたいということもお願いを申し上げます。

 そして今、望ましいと、つまり死因がわかるのが望ましいというお話がございましたので、死因不明のものを調査して、自殺者の実数を出すように努力をする、そういうふうな御答弁はいただけないですか。

山本国務大臣 先ほどもお答え申し上げましたが、貸金業者に死因を明らかにするように求めるというような御指摘でございますが、過去に死因不詳とされた故人の死因を調べようとすることは、遺族感情を害するおそれもありまして、現実には困難であるというように思っております。

 したがって、なお保険金請求に当たっては死因が特定されることが望ましいので、九月二十九日の団信に関する業界ガイドラインというものを策定、公表して、保険支払いについては、遺族が保険金の請求内容を了知するということを確認する措置を保険会社が講じているというように理解しております。

長妻委員 今回、死因判明者の中に占める自殺者の割合というのは二三・九%ということでございますが、これは一般の日本国民の皆さんと比べて、自殺率は高いんですか、低いんですか。

山本国務大臣 本日委員会に提出させていただいた訂正資料では、死因等判明件数に占める自殺の割合は、一九・八%から二三・九%に上昇する等の異同が生じました。

 今回の再調査結果からも、自殺が保険金請求原因のうち無視し得ない割合を占めていることは明らかでございます。多重債務に悩み、自殺する方々がいることは重大な問題と認識しております。

 そもそも、自殺は一件でも生じることは望ましくなく、高い低いといった評価について立ち入ったコメントは差し控えさせていただきますが、参考までに申し上げれば、厚生労働省の平成十七年の人口動態統計における死亡原因のうちの自殺が占める割合は、二十歳から四十九歳までは二六・三%、二十歳から五十九歳までは一五・五%、二十歳から六十九歳までは九・一%となっております。

 いずれにいたしましても、多重債務問題が自殺という悲惨な結果を招くことがないよう、貸金業制度の抜本的改革を早急に実施するよう、しっかり取り組んでまいりたいと思っております。

長妻委員 大変申しわけないんですが、これは文章を読まないで、それはメモ程度は見ていいですよ、始めから終わりまで棒読みされるというのはちょっとどうなんですか、大臣。とんでもないな。(発言する者あり)

伊藤委員長 御静粛にお願いします。

長妻委員 そうしたら、二十歳からいろいろ今三つの階層の年齢を言われましたけれども、消費者金融の利用者というのは大体、大半が何歳から何歳ぐらいなんですか。

田村大臣政務官 例えば、大手五社で構成する消費者金融連絡会の調査によりますと、平成十三年三月の既存の利用者のうち、二十代の者は二三%、三十代の者は二七%、四十代の者は二〇%、五十代の者は一九%、六十代の者は一一%を占めており、二十歳から五十九歳までで約九割を占めています。

長妻委員 二十歳から五十九歳で九割を占めている。そうすると、二十歳から六十九歳ではどのぐらいですか。

田村大臣政務官 申しわけありませんが、統計がございません。

長妻委員 六十代では何%を占めるかわからないんですか。

田村大臣政務官 申しわけありませんが、把握しておりません。――六十代の者で一一%です。済みません、ありました。

長妻委員 そうしたら、二十歳から六十九歳まででどのくらいか、これは事前に通告していますよ、質問を。わかるじゃないですか。

田村大臣政務官 ほぼ一〇〇%になります。(長妻委員「いや、何%なの」と呼ぶ)二十代から六十代ですか。(長妻委員「正確に何%ですか」と呼ぶ)足してほぼ一〇〇%になります。

長妻委員 後ほどきちっとした数字を出していただきたいんですが。そうすると、二十歳から六十九歳でほぼ一〇〇%ということでありますが、これは六ページに、皆様にお配りした配付資料ございますけれども、これが厚生労働省が出した日本国の死亡に占める自殺死亡者の割合ということで、二十から六十九で九・一%。先ほどの消費者金融の割合では二三・九%ということで、かなりこれは高いわけでございます。二十から五十九歳までを見ても普通の国民の皆様よりも高いということでございまして、その中でも、最も高い自殺率を持つ会社の自殺の率は何%でございますか。――いや、ちょっともう、わかりました、ここに書いてありますから、ここに。早く確認をとろうと思って申し上げたんですが、いいです、いいです。

 三三・三%ということで間違いないということをお伺いしようと思ったんですが、一番高いのが三三・三%です。これは非常に高いですね。これはどんな原因が考えられるんですか。

山本国務大臣 その原因について全部正確に把握しているわけじゃありませんが、自殺する方の傾向としまして、多重性、そして残高の多さということです。(長妻委員「ちょっと大臣、いいですよ。ちょっと待ってください。さっきから、私が質問している時間をそういうふうに棒読みしたり質問をはぐらかしたりして、全然まともに答えていないじゃないですか」と呼ぶ)

伊藤委員長 ちょっと今理事をあれしますので。(長妻委員「ちょっと私に質問させてください。いや、ちょっと違うんですから」と呼ぶ)

 ちょっとお待ちください。委員長が大臣を指名しておりますので。

 大臣の方で答弁をやりますか。(長妻委員「ちょっと座ってください、座ってください。いいです」と呼ぶ)

 長妻君。

長妻委員 私がお伺いしたのは、自殺をされた方の原因を聞いているんじゃなくて、一つの社が、一番大きな自殺率を計算上出している会社というのが三三・三%、死因が判明している中で自殺の方が三三・三%という異常に高い数値を出している会社がある。その会社はほかの会社に比べて何でそれだけ数値が高いんですか、そのお考えを教えてください、こういう質問なんです。

山本国務大臣 最大の社が三三・三という、先ほどから、金融庁を総動員でいろいろ打ち合わせしました結果、やはりここに対しては取り立てが厳しいという可能性はある。ただ、これを一概に言えるかどうかについては、それは自信はありません。

長妻委員 取り立てが厳しい可能性があるという御見解を出されましたので、せめてこれは私、回答はどういう回答でしたかと、消費者金融へのヒアリング、紙を下さいと言ったならば、七ページの紙をいただきました。これは全部真っ黒ですね。(発言する者あり)個人情報だと今やじが飛びましたけれども、消費者金融に個人情報、会社名にあるんですか。与党の方、そういう理事の立場でそういうやじを飛ばさないでいただきたい。どこが個人情報なんですか。個人の名前は出ていませんよ、この黒塗りのところは。

 つまり、私が申し上げているのは、この三三・三%という一番高い会社の名前というのはどちらですか、こういうことを聞いているわけですが、教えていただけないですか。

山本国務大臣 個人情報ではありませんが、競争的地位にある社についてコメントすることが適切だろうとは思っておりませんので、控えさせていただきます。

長妻委員 それはどういう意味でございますか。競争、それはちょっと私も詳しくないので、わかりやすく説明していただけますか。

渡辺(喜)副大臣 長妻委員御案内のように、情報公開法の第五条一項二号、間違っていたら御勘弁いただきたいと思いますが、開示してはいけない法人情報という情報不開示の規定がございます。

 それによりますと、権利とか競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの、また、公にしないとの条件で任意に提供されたもの、通例、法人が公にしていない情報、こうしたものについては情報不開示が認められるという規定でございます。もし、この規定に反して不当な情報開示を行った場合には、国であれば国家賠償の責めを負うこともあり得るということでございます。

長妻委員 私は、何も、全く問題のない業界が何かあって、マル秘のそういう数字を出せとここの国会で言っているわけじゃなくて、先ほど大臣も答弁があったように、取り立てが特に厳しいのではないのかというふうに推定のお言葉もありましたから、だから、これだけ問題になっている話として、三三・三%、それがどこの社か出さないというのは、しかも情報公開法の条文をここで読み上げるというのも、これは理事の皆さんに失礼だと思うんですね。ここの委員会というのは、別に情報公開法に基づいて資料要求しているんじゃなくて、国政調査権を背景に我々議員は質問しているわけで、全く別の話なんです。

 大臣、三三・三%の会社、これは出さないということでありますが、今公表を前提としないということもありましたけれども、そうしましたら、この会社に出した質問書ですね、金融庁がこの会社に出した、それぞれの会社に出した質問書、これ自体は見せていただいてもよろしいですか。

渡辺(喜)副大臣 御指摘の質問書というのは、十月六日に公表をいたしました消費者信用団体生命保険の調査結果についてという質問状かと存じます。

 この質問状につきましては、先ほど申し上げましたとおり、事業者各社への質問項目が明らかになることにより、各社に不測の不利益が生じる可能性がございまして、慎重な検討が必要でありますというのが事務方の書いた答弁書でございますが、出せるものは出せということを我々としては申しております。

長妻委員 私が事務方から議員会館で説明を受けましたのは、事前に出した質問状に、これは公にしません、こういう言葉が書いてあるから出せないんだ、こういう説明を受けました。

 しかし私は、それに対して非常に疑義を持っておりますので、そういう意味では、その質問状というのは、これは十七社同じものですよね。別に個々の会社によって質問を変えているわけではないので、これは同じ質問の紙を、公にしないという言葉が本当にそこに書いてあるのかどうか、それも確認したいので、委員会での提出をぜひお願いします。

渡辺(喜)副大臣 先ほど申し上げましたように、質問項目の中にそれぞれの会社の不利益になるような情報が含まれている可能性がございまして、その点は検討させていただきますが、先ほど答弁いたしましたように、出せるものは出せということを事務方に指示いたしております。

長妻委員 これは出すということですか、出さないということですか。

渡辺(喜)副大臣 検討をさせた上で出させたいと思っております。

長妻委員 だんだんと何か、私も国会に来て数年になりますけれども、質問まで出さない、こういう、どんどんどんどん政府は絞るような状況になっておりまして、ぜひきちっと出していただきたい。

 そして、死因の中に占める自殺者の割合が最小の社というのが変化しましたけれども、そうすると、この変化したのが訂正をした社ということになるわけですか。

渡辺(喜)副大臣 そのとおりでございます。

長妻委員 私、推定の計算をしてみますと、全体で消費者金融十七社、保険金を受け取ったのが五万一千九百九十七、そのうち、判明分のみでいうと、自殺の率が二三・九%、そして判明していないものも入れると五万一千九百九十七でございますが、この数字に二三・九%を掛けてみますと、推定一万二千四百二十七件が自殺の可能性があるのではないか。

 そして、私が調べました平成十六年版の消費者金融白書というところには、一人平均利用件数が三・三社とありますので、これを三・三で割ると三千七百六十五人という推計、あくまで推計ですが、推計数字が出て、非常に多くの方が実数として自殺されている可能性があるということでございますが、きょう警察も来ておられますので、自殺の原因の中で負債による自殺は何人おられるか、御存じですか。

竹花政府参考人 お答え申し上げます。

 平成十七年中における警察が認知しております自殺者、これは三万二千五百五十二人でございますが、このうち遺書がある自殺者、これは一万三百六十人でございますけれども、これについて見ますと、経済生活問題が原因、動機と推定される自殺者数は三千二百五十五人で、このうち負債が原因、動機と推定される者は千九百九十六人で、経済生活問題の約六一%でございます。

長妻委員 今初めて、多分この人数を出されたと思うんですが、負債による自殺が千九百九十六人おられる。ですから、私が先ほど推計した数字の実数、三千七百六十五人の方がかなり上回っておりまして、まだ実態が明らかになっていない方も、消費者金融で自殺に追い込まれておられる方も多くいらっしゃるのではないかと思いますので、ぜひ、この自殺者の実数を調べるぐらい言っていただけないですかね。

渡辺(喜)副大臣 先ほど申し上げましたように、名寄せの手続が非常に困難を伴っております。したがって、推計という形ではお出しをできるわけでございますが、正確な数字で何人まで、一けたまで正確に出せと言われると、非常に難しいものがございます。推計、近似値は出すことが可能でございます。

長妻委員 いや、何か業界の立場に立っていろいろ御答弁がありますけれども、全十七社が、例えば業界団体に全部名前を出す、そして、その中で情報が漏れないようにして名前を名寄せすれば、すぐに人数、出るじゃないですか。何でこういうことをやられないんですか。

渡辺(喜)副大臣 一つは、全情連のシステムの中に自殺という項目がないわけであります。したがって、十七社から情報を全部集めて、じゃ、金融庁でこれを全部調べ直すということになりますと、今の職員の何倍いてもこれは足りません。人海戦術になるわけでございますから、実務上それは到底不可能でございます。

 したがって、全情連のシステムを使ってやるしかないわけでございますが、先ほど申し上げましたように、自殺という、システムの中の登録がないわけでございますから、その方の情報を全部かき集めてきてそれを十七社全部に流さなければいけないわけでございます。そういたしますと、これは、先ほど申し上げました個人情報保護法の問題が出てくるわけでございますが、再三の御質問でございますので、検討はさせていただきたいと思います。

長妻委員 そしてもう一点、四ページにも添付をいたしましたが、金融庁が発表したこの十月六日の資料でございますけれども、ここに金融庁の記述としてこういう記述があります。「(消費者団信)については、小額で短期の債権の回収のために保険が不当に利用されているのではないか、債務者が知らないうちに保険に加入しているのではないかといった指摘がなされている。」こうきちっと書いてあるんですね。そうすると、「保険が不当に利用されているのではないか、」というのは、例えば具体的な事実を教えてください。

山本国務大臣 まず、ケース一では、債務者が知らないうちに被保険者とされているのではないか、ケース二では、保険金で債権を回収するために、自殺に追い込むような取り立てが行われているのではないか、ケース三では、遺族が知らない間に保険金が貸金業者に支払われているのではないかといった指摘がなされておりました。

 これらの指摘を踏まえ、当局としましても、消費者団信に係る包括的な調査の必要性を認識し、これを行うものでございます。

長妻委員 調査の結果、そういう指摘は正しかったですか。

山本国務大臣 このケースの整理に合わせて個々のケースを調査分析したわけではありません。

長妻委員 そういう指摘を受けて調査をして、その指摘というのが正しかったのか間違っていたのか、どうなんですか。

山本国務大臣 御指摘の不当な事例につきまして、これまでのところ、金融庁金融サービス利用者相談室が受け付けた相談事例や検査等の中では、債務者に対し自殺をそそのかしたり保険金による支払いを示唆するような不当な取り立ての事例は把握されておりませんでした。

長妻委員 不当な取り立ての事例を把握していないというのは、これは消費者金融にヒアリングや立入検査等で実際に問い合わせをした結果でございますか。

山本国務大臣 これは、貸金業者への調査ではなくて、金融庁の金融サービス利用者相談室が受けたケースの話でございます。

長妻委員 随分受け身ですね。こういう指摘があると明言して、文書に書いて、消費者金融にそういう不当なことがないのか聞いたのかと聞きましたら、全然聞いていないわけですか。そうじゃなくて、金融庁に苦情が、いつも受付の窓口にそういう苦情がありませんからないでしょうと。これは、全くやる気がないというか、何かかばっているというふうに言われても仕方ないですよ。

 聞くこともしなかったんですか、不当なことはないでしょうねと。

山本国務大臣 一般に、貸金業者の監督に当たりましては、立入検査の結果のみならず、当局に寄せられました苦情などを含め幅広い情報を集約、分析し、活用しておりまして、今回の調査につきましても、個々の貸金業者のデータは当該貸金業者を監督する行政庁、財務省や都道府県に情報提供をしているところでございます。

長妻委員 質問に答えていただきたいんですが、その、保険が不当に利用されているのではないか、そういうことはないでしょうねということを、じゃ、一言でも消費者金融に聞いていないんですか、まだ。聞いたんですか。

山本国務大臣 監督庁が貸金業者と直接監督手続において接触はしておりますが、そのことにおいて個々具体的なケースで、死亡した原因等についてつぶさに調査をする等々について……(長妻委員「いや、死亡した原因じゃないですよ。死亡じゃなくて、不当に利用されているかどうかということ。全然、はぐらかしている」と呼ぶ)だから、監督庁においては、それは貸金業者に接触はしているものの、それについての公表まではちょっと……(長妻委員「いや、聞いているんですよ。質問はしているんですよ」と呼ぶ)個別については、十分な理解はさることながら、監督という、監督事項についての調査でありまして、貸金業における取り立てや、あるいはそのほか、業の健全性を確保するための作業でありますので、不当なケースについてはできるだけ抑制するような監督はしておるわけでございますが、個々のデータについて、貸金業に関してそれを御披露したり分析したりできるものではないというように思っております。

長妻委員 今の話であれば、これはすべて今までの国会の答弁というのが問題になるんじゃないですか。こういう調査をして、こういう不当な利用というのはありませんでした、こういうことをずっと言われていましたよね。ところが、今確認をすると、質問すらしていないと。不当な利用をしていましたかとか、そういう質問を全くしていないと。これははれものにさわるような対応だと思うんです。

 これはちょっと明確に言ってください。質問、全くしていないわけですか。

山本国務大臣 金融監督というものにつきましては、個々について、個々のケースについて我々がコメントできるものではないんです。(長妻委員「いや、コメントじゃなくて、聞いたのかということです」と呼ぶ)聞いていることは間違いありません。しかし、これは個々のケース、金融監督という行政庁の権限に基づいて立入検査等をするわけでありますけれども、個々のケースについてまでこれをコメントするものではありません。

長妻委員 立入検査の日にちを教えてください、消費者金融の。

山本国務大臣 既に委員に手渡っている資料でございますが、全部読み上げますか。(長妻委員「いや、主要五社でいいです」と呼ぶ)主要五社。

 アコムにつきましては十八年八月二十三日、アイフルにつきましては十七年六月七日、武富士につきましては十六年九月七日、プロミスにつきましては十八年十一月八日、CFJにつきましては十七年十月二十五日でございます。

長妻委員 そうすると、立入検査をして聞いているという趣旨の発言がありましたけれども、今回の問題になった後というか、平成十六年の立入検査が直近だという会社もありますから、全然聞いていないんじゃないですか。

山本国務大臣 繰り返しになりますが、行政処分すべきときには公表しますけれども、それ以外の行政対応では言及しないというルールになっておりますので、公表しておりません。

長妻委員 先ほど、聞いていることは間違いありませんという御答弁ありましたけれども、この聞いているというのは、何を聞いているということですか。

山本国務大臣 苦情や、あるいは立入検査で担当官が疑問に思うことについて個々詳細に聞いていると聞いておりますけれども、それについて明らかにするルールではありませんので、お願いいたします。

長妻委員 当初は、保険が不当に利用されていることを聞いていないような御答弁があって、その後は、それは秘密だから言えないと。非常に都合がいいですね。

 この資料十四ページ、十五ページに、ある消費者金融の借用証書というのを添付いたしましたけれども、この借用証書、つまり署名をする紙でございますけれども、ここには団信のことが一言も書いていない。にもかかわらず、団信に入れられていたという話もあるんですけれども、これは了解とっていないんじゃないですか。

渡辺(喜)副大臣 委員御案内のように、商法の規定によりますれば、同意を要すという規定が六百七十四条でございます。この同意につきましては、書面をもって確認をする場合、また商法の規定では口頭での同意というものも認容しておりますので、いずれにいたしましても、同意が必要でございます。

 一般的に、書面の中で団信の同意がセットになっている場合に問題が生ずることがございましたので、御案内のように、生保業界のガイドラインではそれを別にしたわけでございます。個別の問題については残念ながらコメントできませんが、一般論としてはそういうことでございます。

長妻委員 そうすると、このケースというのは、債務者が知らないうちに保険に加入させられているのではないか、こういうケースに当たるんじゃないかと思うんですが、全部、全消費者金融をきちっと調べられたんですか、大臣。

渡辺(喜)副大臣 一般論でございますが、同意確認が徹底をされることが必要でございます。再三、この問題が社会問題化いたしまして、生保業界もガイドラインをつくり、金融庁といたしましても監督を徹底しているところでございます。

長妻委員 質問にちょっと答えていただきたいんですが、つまり、これは大問題ですよね。商法では、同意をとらなければ無効になるということでございまして、このケースはセットにもなっていない、団信のダの字も書いていなくて署名をさせていたという疑いがあるんじゃないかと思うんですが、これはちゃんと確認しているんですか、問題なしということで。

渡辺(喜)副大臣 先ほど来、大臣の答弁にございますように、個別の行政監督上の行為につきましてはコメントをいたしませんけれども、一般論といたしまして、口頭での同意というのは商法でも認められているところでございます。したがって、そういう同意のあり方だったのかどうかというところが問題になろうかと思いますが、個別の問題へのコメントは御容赦いただきたいと思います。

長妻委員 これは質問できませんよ。質問できませんよ。(発言する者あり)いや、何でという今やじが飛びましたけれども、だって、今までこの委員会では、いや、団信の同意はきちっととっています、それを消費者金融に確認しました、全社から確認をとりましたと言っていたはずですよね、皆さん。ところが、ちょっと違う、個別の事例でまだ確認がなされていないこともあるというのは、今までの答弁と違うんじゃないですか。

渡辺(喜)副大臣 個別の事例で確認をしていないともし私が申し上げたとしたら、それは訂正をいたします。個別の問題についてはお答えを差し控えさせていただきたいと申し上げているのでございます。

長妻委員 では、このケースもきちっと確認をして、問題は全くない、こういうふうに考えていいわけですね。すべてが問題ないということでありましょうから。

山本国務大臣 団信という分け方でなくて、このケースにおきましては、他人の生命保険の募集管理というジャンルで団信についてはチェックを重ねてきているというように把握しております。

長妻委員 もっとわかりやすく、他人の何でございますか。

山本国務大臣 各項目、幾つか、検査する案件についてのポイントがありますが、団信というジャンルではなくて、他人の生命保険の募集管理、すなわち、企業が保険契約者及び保険金受取人となり、従業員等を被保険者とする生命保険契約の募集について、これについての被保険者に対する重要事項の説明、被保険者の同意の確認、こういったことをそれぞれ重点的に見てきたわけでございます。

長妻委員 それで、結果としては加入の同意はきちっととっていた、こういう確認がなされたということですか。

山本国務大臣 現行の法令、ガイドライン等では、貸金業者に対して、債務者に対する団信の意思確認の義務までは課しておりませんので、個別具体に、各ケースにおいての意思確認まではしていないと思いますけれども、しかし、先ほどの立入検査で申し上げました事項については確認をするわけでございまして、その意味におきまして、いわば義務的ではないにしろ、一応検査を尽くさせていただいたというように御理解いただきたいと思います。

長妻委員 今、ちょっと重大なことを言われたんですかね。意思確認をしていないと思いますと。これじゃだめじゃないですか。まずいんじゃないですか。

山本国務大臣 意思確認していないんではないんですよ。法令上、意思確認をする義務はないんです。義務はないんです。だから、義務はないにしろ、一応こうした場面につきましての確認はしているという、丁寧に説明させていただいたわけであります。

長妻委員 意思確認というのは、これは、商法に基づく被保険者の同意というのは義務でないんですか。――ちょっととめてください、これ。整理して答弁して。一般論はいいです。

渡辺(喜)副大臣 同意がとられていない場合でございますが、同意がとられているかどうかという個別の問題はお答えできませんけれども、一般的には、書面等の形で同意は確認ができるわけでございます。先ほども申し上げましたように、商法の規定では、確認、同意の方式については規定がございませんので、口頭での同意というものもあり得るということでございます。

長妻委員 いや、ちょっととめてください、これ。大臣に聞いているんです。まだ答えておられないんです。ちょっと時計をとめてください、これ。

伊藤委員長 長妻君、引き続き御質問をお願いいたします。

長妻委員 いや、答えていないじゃないですか。

山本国務大臣 長妻委員の先ほどの御質問は、商法の六百七十四条の、同意が確認されていたかどうかという御質問だと思っておりますが、これにつきましては、既存の契約におきまして、被保険者の同意確認が実態として十分でないケースがあるかないかについて、それは私ども重要な関心事項でございました。

 しかしながら、従来より、貸金業者並びに保険会社におきましては、借入申込書等により、借り入れ申し込みと同時に被保険者の同意を書面等の形で確認してきたと承知しておるわけでございまして、その意味におきましては、同意をとっているということを確認してまいりました。

長妻委員 ちょっと大臣、整理をして、後できちっとまとめて、書面等でいただきたいと思うんです。

 最後に、こういうことを聞いたことがあるんですが、お金の振り込みですね、消費者金融から。振り込みが先に来て、その後に書面のサインをするケースもあるということでございます。つまり、消費者金融からお金を借りようとしたときに、まずお金が振り込まれてくる。その後に郵便で送られてきた書面にサインをする。そこには団信のことも書いてある。こういう順番でも問題はないんですか、これは。

山本国務大臣 お金が振り込まれる前の口頭の契約がある場合には、それでも有効と言うことができます。

長妻委員 その口頭の契約のときに、団信の話がない場合でも問題はないわけですか。

山本国務大臣 口頭の契約があり、団信の書面があり得ない場合については、その後再び団信についての意思確認があり得るケースはあるようであります。

長妻委員 非常に心もとない話で、これで質問を終わりますけれども、これはちょっと心もとないですね。本当に保険が不当に利用されていなかったのか、ちょっと断言ができにくい。債務者が知らないうちに保険に加入しているのではないか、これも、今の話でもちょっと心もとないということです。

 ぜひ委員長にお願いしたいのは、これらの、金融庁が自分で書いてあるわけですから、そういう疑いがあるから調べたんだと。その二点の疑いが、それはないんだ、金融庁の調査では明白にクリアされた、こういう答弁なのか、あるいは、まだ疑問があれば調査を続けて、不正があれば摘発をきちっとするということなのか、まず文書で出していただきたいというのを委員長にお願いいたします。

 それともう一つは、自殺者の実数、これも調べて公表していただきたいということも委員長にお願いいたします。

 それと、一番自殺率の高い三三・三%という会社の社名を公表する。公表することによって実態が解明できるんじゃないか。どういう原因があったのか。どういう問題点があったのか。今このままでは、法案が採決されて、それでこの問題はふたをされる、もう終わりということになりかねませんので、この三三・三%の、大臣も取り立てが厳しかったんではないかというふうに言われた、この社名を公表する。

 この三つをぜひ理事会で御協議いただきたいと思います。

伊藤委員長 長妻君の要求につきましては、後刻理事会で協議をさせていただきたいと思います。

長妻委員 では、質問を終わります。

伊藤委員長 田村内閣府大臣政務官。

田村大臣政務官 先ほどの答弁なんですけれども、消費者金融の年齢構成別の債務者の割合に関してなんですけれども、修正させていただきます。

 六十代一一%とお答えしましたが、正確には、六十歳以上の者が一一%、七十代、八十代、九十代も含まれますので、したがって、二十歳から六十九歳という問いに答えるデータはございません。

 以上です。

伊藤委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 まず、山本大臣に確認をしたいと思います。

 今度の法案が通るとやみ金がはびこるという話がありますが、やみ金というものはもともと違法な存在であって、総資産が五千万円以上であろうがなかろうがきちんとこれは取り締まらなければならない、そういう対象だと思うんですね。やみ金は当然取り締まって、なくすべき存在だ。まず、そこを改めて確認しておきたいと思います。

山本国務大臣 参入規制についてのお話であろうと思います。(佐々木(憲)委員「やみ金そのものについて」と呼ぶ)やみ金につきましては、違法な貸金業の状態にある者をやみ金と呼ぶだろうと思いますし、その場合は、出資法に定められている金利以上の金利で貸している者、あるいは貸金業法の登録を得ていない者、いずれも含まれるだろうというように思います。

佐々木(憲)委員 つまり、そういうやみ金は違法な存在であって、当然取り締まりの対象であり、かつ、そういうものはなくさなければならない。当たり前のことだと思うんですが、そこを確認したわけです。いかがですか。

山本国務大臣 取り締まりの対象でございます。

佐々木(憲)委員 それで、警察庁にきょうお越しいただいておりますのでお聞きしますが、私は、四年前の平成十四年、二〇〇二年四月二十四日に、内閣委員会でやみ金の取り締まりについて質問をしたことがあります。そのとき、警察庁はこういう答弁をいたしました。「相談や届け出に国民の方が警察に見えるわけでございますが、たとえその時点で警察にとっては犯罪等によることが明らかでないものでありましても、刑罰法令に仮に抵触しない事案につきましても、個々の事案に応じましていろいろな指導をする、あるいは警告をする、適切な措置を講ずるように第一線を指導いたしておるところでございまして、もちろん、刑罰法令に抵触する事案につきましては、迅速かつ的確な捜査を行うよう指導をいたしておるところでございます。」こういう答弁をいただいたわけですが、この基本的な姿勢は今でも変わらないかどうか、まず確認をしたいと思います。

竹花政府参考人 お答え申し上げます。

 警察庁におきましては、「貸金業の規制等に関する法律等の一部改正に伴うヤミ金融対策の徹底強化について」ということで、平成十五年の八月四日付で各都道府県警察に通達を発しておりますが、この中でも、委員御指摘のことに関連をいたしまして、「被害者等からの相談・訴えに対しては、その心情に十分配意しつつ適切に対応の上、改正法を活用した積極的な事件化、警告その他被害防止上必要な措置を講じること。」として、各都道府県警察を指導いたしているところでございます。

佐々木(憲)委員 その方向は非常に大事だと私は思います。しかし、現場の第一線における警察官に徹底されているのかどうか、これが極めて疑わしいと私は思っております。

 例えば、三年前の二〇〇三年六月十四日、やみ金心中事件というのがありました。やみ金で一万五千円を借りて、雪だるま式に債務をふやされて、返済を迫られる。ついに、三人のとうとい命が心中という形で奪われたわけであります。このときも、被害者は警察に相談をしたんだけれども、まともに相手にされなかったということであります。

 二〇〇五年九月十七日、これは別件ですけれども、大阪府貝塚市で六十五歳の男性がやみ金の取り立てを苦に自殺をしております。二万円を押し貸しされて、その利息の支払いを強要されて二十万円を払わされた。貝塚警察署に何度も相談に行った。しかし、凶悪な取り立てがとまらなかった。それが自殺の原因であります。

 最近も同様の事件がありまして、これはことしの静岡県の事例ですけれども、警察に相談に行ったらこう言われたというんですね。危険でもないのにそんなことで相談に来たのか、そんなことはだまされる方が悪い、こう言われたと。また、生活安全課は事件を扱うところだから被害がなければ動けない、事件にならなければわからない、こういうふうに言われているわけです。

 現場の警察は、先ほどの答弁とは全く違うことをやっているわけですね。これは、国会の答弁と違う対応をしてもいいということなんでしょうか。

竹花政府参考人 御指摘の事件で債務者が自殺に至ったことについては、非常に残念だと思いますし、それを警察の方は相談を受けていたということであれば、そうした自殺という最悪の事態が生じないようにできる限りの措置を講ずべきであったろうというふうに思います。ただ、突然の質問でもございまして、その二つの事件について警察の対応にどのような問題があったのかということについては、ここでお答えを申し上げることはできませんし、静岡の件についても、今私は初めて聞いたところでございます。

 多くのサラ金にかかわる相談を警察は受けております。その中で、残念ながら被害者の訴えを十分に酌み取れず適切な対応が講じられなかったという事例があるとすれば、それは非常に残念なことで、そのようなことがないように、今後とも警察庁としては、こうした適切な対応について繰り返し繰り返し都道府県警察を指導していきたいというふうに考えます。

佐々木(憲)委員 ところが、それが徹底されていないといういろいろな事例を私はお聞きするわけなんですね。

 こんな事例もありますよ。東京都練馬区の光が丘警察署、今月の話です。被害者を仮にAさんといたしますね。Aさんは開業資金、運転資金のため商工ローンから借り入れた。それが始まりで、現在、商工ローンの負債約一千万円、サラ金一件十万円、サラ金、商工ローンの支払いのためにやみ金から十件約三十三万円の負債を抱えていたわけであります。

 それで、商工ローンとサラ金の負債については、弁護士と相談して、債務整理できる見通しができたわけであります。問題はやみ金なんですね。やみ金からは、わずか二万七千円を借り受けたわけですが、七日で一万五千円の利息を取られる。三回、今まで合計四万五千円を払わされた。しかし、残金を返せということで責め立てられまして、やみ金は、支払いの義務のない母親、おば、隣近所の方二軒、そこにまで、やくざ言葉で、Aが金を返さない、あんたが返せ、こういうことで嫌がらせの電話をかけまくる。

 そこで、警察に相談に行きました。初めは生活安全課に相談したんだけれども、刑事課に回された。それで、Aさんは、やみ金の取り立てで困っている、隣近所やおばにまで取り立てが来ている、迷惑がかかっているので被害を届けに来たんだということで行きました。

 そのときの警察の対応はどうだったかといいますと、その程度だったら警察では取り扱えない、あなたが借りたんだから返せばおさまることだ、借りたあなたが悪いんでしょう、私だってお金を貸せば取り立てはしますよと。警察がこういう言葉を言うとは、私は耳を疑いましたけれども、こういうふうに言われたというんですね。Aさんは、全く関係ないおばの勤務先にまで電話がかかってきているんだ、このままだと、その会社に迷惑がかかって、おばが首になってしまう、そういうふうに訴えたというんです。ところが、その警察官は、おばさんが首になったらそれはあなたのせいでしょう、こういうふうに言ったというんですね。

 これは余りにもひどい対応だと私は思うんです。こんな対応を、どこでもこんなことをやられたのでは、幾ら国会で立派な答弁をされても、本当に、何のための通達であり、何のための答弁かということになるわけです。この点について、具体的な調査をし、これはやはり全国的にも、しっかりとした対応をするようにという通達を、新しい法律もできる機会でもありますし、もう一度出し直すとか、具体的な対応が必要ではないかと私は思いますが、いかがでしょうか。

竹花政府参考人 御指摘の練馬の案件につきましては、今初めてお聞きいたしましたけれども、それが事実であれば、警察としてとるべき対応ではないというふうに私は考えます。

 その具体的案件についての問題は少し別にいたしましても、委員御指摘のように、ちょうど、貸金業にかかわる法律の改正のこの機会をとらえまして、もちろん新しい規制の中身も加わりましたし、重罰化もなされる部分もございます。そうした新たな法律の内容について周知をすると同時に、これについてのさまざまな相談業務に対する対応のあり方、あるいは事件化に対する対応のあり方といったものについても、さらに通達を発するなどいたしまして指導を強めてまいりたいというふうに考えております。

佐々木(憲)委員 今までの通達を見ますと、先ほど御紹介のあった平成十五年八月四日付の通達がございます。それは、「貸金業の規制等に関する法律等の一部改正に伴うヤミ金融対策の徹底強化について」、こういうタイトルのものであります。この中で、貸金業規制法第四十二条の二に関する説明があります。「高金利を定めた金銭消費貸借契約の無効化」という説明であります。そこでは、「年一〇九・五%を超える利息を内容とする貸付契約を無効化することとされたものである。」、こういうふうに解説をされております。また、「債務者は、本条により利息の支払い義務はなくなるものの、元本についてはなお、本条によれば不当利得として返還する必要がある。しかし、一方で、民事事件の裁判において、業者の行為が極めて悪質である場合など、貸付け自体が公序良俗に反し、元本が民法上の不法原因給付に該当するものとされて、元本を返還する必要がないと判断される場合もあるので、その点につき、誤解のないようにされたい。」、こういうふうに書かれているわけですね。つまり、法律の内容の理解をきちっとしなさい、こういう指示であります。

 また、ヤミ金融相談対応マニュアルというのもあるようですが、同様の内容が書き込まれているわけですね。

 ここで言われている意味は、一〇九・五%を超える金利の場合は、金利は返さなくていい、払わなくていい。それから、極めて悪質な行為を伴うような場合は、借りた元本も返さなくていいんだ、こういうものだと思うんです。これは現行の法律の内容です。これは大変大事なことであって、警察もこれに基づいてしっかり対応するということが当然だと思うんですが、いかがでしょうか。

竹花政府参考人 委員御指摘のとおりでございます。ただ、これは通達で一線に示している内容でございますけれども、通常の警察官の法律の知識からしますと、この通達の第四に書いてある意味合いというものをしっかりと理解し切れるかどうかということについては、すべての警察職員がそれが可能だということではなかろうというふうに思います。

 それで、元本を返すか返さないかという問題については、やはり判例上の問題でもございまして、さらに難しい判断があるであろうというふうに思います。したがいまして、警察庁といたしましては、こうした今の現行の通達について、もう少しわかりやすく一線に示せないかということについて今後検討してまいりたい。

 あわせて、そうはいっても、こうした法律上非常に微妙な問題を警察において完全に正確に相談者に説明するということを求められますと、それはまた無理もあるだろう。したがって、そういう点については、警察だけで対応しようとするのではなくて、やはり弁護士の皆さん方、あるいはさまざまなカウンセリングの機関もあるわけでございますし、今後そうした相談機関も紹介をしながら、相談者の立場に立った対応ができるように努めてまいりたいというふうに考えます。

佐々木(憲)委員 問題は、いわば駆け込んできた被害者に最初に接触をする警察官の対応というのが非常に大事だという点であります。これが先ほど言ったような非常に問題のある対応をすると、解決に全くつながらないばかりか、被害を拡大することになってしまうわけであります。

 相談があった場合、今、警察の通常の法律の知識ではなかなか理解が難しいというような話がありまして、それを理解させるために具体的に対応を考えていきたいというふうに前向きな答弁がありました。

 例えば、困っているんだといって相談を受けた場合、年率一〇〇〇%を超えるような異常な高金利を押しつけられたような相談が仮にあったとしますね。当然それは、この法律に基づいて、そんな契約は法律上無効になる場合があるんですよというぐらいは説明できると思うんですね。それは実際には、弁護士さんですとかあるいは裁判というようなもので決着がつく場合もあるでしょうが、しかし、最初の知識として、警察官が被害者に対して、それはひど過ぎるというような法律の紹介なども必要だろうと思うんです。

 それから、例えば特定のやみ金業者から何度も電話がかかってくるとか、先ほど言ったように、関係のない親族にまで、会社にまで電話をかけてくるとか、そういうことに対して、例えば相手がわかった場合、そのやみ金業者の電話番号がもしわかったら、直ちに確認のために直接電話で確かめるとか、やみ金業者そのものに一体どういうことなんだということで事情を問いただす、そういうことぐらいは最初の入り口のところで、初歩的な対応だと思うんですけれども、私はやるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

竹花政府参考人 委員御指摘のとおり、相談を受けた当初に、債務者と貸した側との関係についての基本的な事項、例えばその契約が明らかに無効だというような場合、あるいは取り立て方が明らかに違法でとんでもないものだ、そうした事柄については、やはり警察としても相談者にきちっと示すべきだし、そのような知識を持てるように努力をいたしたいというふうに存じます。

 また、あわせまして、これはもう既にさまざまな事例でそういう工夫もしながらやっておるところでございますけれども、委員御指摘のような取り立てのやり方ですと、法律に違反するケースが多かろうというふうに思います。その場合には捜査に取り組む場合もございますし、しかし、そうはいっても、当座の危険を予防するために、当座の被害を予防するために、相手方に電話等で警告を発するといったことも現にこれはやっていることでありますし、今後ともやっていくべき手法であろうというふうに考えております。

佐々木(憲)委員 先ほど、現場の警察官にわかりやすい内容、方法で徹底する、そういう手段も考えたいというふうにおっしゃいました。

 私は、警察庁のヤミ金融相談対応マニュアルというのを一部見せていただいております。やはり文章的にはなかなか難しい文章ですよね。したがって、現場の警察官が対応しやすいように、もっとわかりやすい言葉で、相談を受けた場合に親切な対応とはこういうことなんだよという具体的な事例も示し、また、こんな対応をしてはいけませんよというような、否定的なといいますか、やってはならない対応の仕方ということも具体的に示して、もっとわかりやすく、徹底する必要があると思うんですが、いかがでしょう。

竹花政府参考人 御指摘のマニュアルの内容は、御指摘のように非常に精緻をきわめている部分がございます。これは、事件として検挙をする上で、例えば高金利事犯として検挙する場合には、何がどう高金利なのかということをやはりきちっと証拠立てることが必要だということもございまして、そういうものに対応するものとして書かれている部分もある、一方で、相談の部分はもう少し易しい基本的な部分もある、そうしたものが混在しているという状況でございます。

 全国に書面で示すということになりますと、余りアバウトな書き方はできないということのために、言葉上正確を期すとどうしても難しくなってしまうという側面もあるわけでありますけれども、そうはいいましても、先ほど申し上げましたように、基礎的な事柄についてもう少し易しく書けないものかどうか、検討してまいりたいというふうに考えます。

佐々木(憲)委員 山本大臣に伺いますが、今こういう警察庁の新しい対応というものを検討されているということなんですが、当然金融庁も連携して、やみ金撲滅のためにしっかりとした対応をすることが必要だと思いますが、その決意を伺いたいと思います。

山本国務大臣 この件に関しましては、国家公安委員長とも随時話をしておりまして、今後、多重債務者対策本部が設置されましたならば、より具体的に検討を深めたいと思っております。

佐々木(憲)委員 そこで、今出た多重債務者対策本部の件でありますが、内閣官房にそれを設置する、いわば内閣を挙げて多重債務の克服に取り組むということであります。

 山本大臣は、再チャレンジ担当大臣ということで、これに正面から取り組むんだと言っておられるわけですが、内閣を挙げて、金融庁という範囲ではなくて、全体として取り組む、このことが今大変大事なことだと思うんですが、そういう姿勢に間違いありませんか。

山本国務大臣 間違いありません。

 多重債務者の数の多さというのは、二百万、二百三十万と言われておりまして、これは一都道府県の数よりも多い数字でありまして、その意味におきましては、社会問題と単に言える事柄から、さらに深いものがあるだろうと思っております。これは単なる貧困対策等でもなければ、いわばネットワーク、セーフティーネットだけの問題でもないわけでありまして、相互関連しておりますので、これは内閣官房における対策本部で十分議論しながら実施していく必要があろうと思っております。

佐々木(憲)委員 先週の参考人質疑で、被連協の本多さんはこういうふうに述べておられます。これはカウンセリングについてでありますが、そもそも貸し手側が中立になるというのは考えにくいということで、その具体的事例として、例えば愛媛県の武富士のカウンセリングの例を挙げておられました。

 とても相談になるような相手ではないと言っているんですね。本人が、もうとても支払いできません、大変ですということで相談に行くわけですから、それはやはり国民生活センターなり行政がきちっと中立的な立場でやるべきであって、貸金業協会には全く期待できないし、タッチさせるべきではない、このように発言をしておられました。

 山本大臣はこの発言をどのように受けとめられますか。

山本国務大臣 御指摘のように、貸す側である貸金業協会がカウンセリングをやるのは問題であるという発言に対する所感でありますが、今回の改正では、貸金業協会の自主規制ルールとしてカウンセリングに関する事項を規定させ、これを当局の認可対象とすることにより、貸金業協会にもカウンセリングの一翼を担わせることとしております。同時に、貸金業協会の位置づけを明確化し、資金需要者等の保護等の目的に沿って、中立性を確保するため、当局による定款等の変更命令、法令違反等による認可取り消し、業務停止、役員の解任等の規定を整備しております。

 こうした法制のもとで、貸金業協会がその目的に沿って、中立性を保ちながら適切にカウンセリング機関としての機能を発揮することが重要でありまして、今後、貸金業協会にどのような形でカウンセリング業務を行わせるかについて、実務的な検討を進めてまいりたいと思っております。

 いずれにしましても、貸金業者も変わってもらわなければなりませんし、また、変える大きな要因として、貸金業協会の認可というものがあります。そして、さらにこれを実施していって、自主規制の中身等も、こちらも拝見させていただきながらやるカウンセリングでありまして、今考えるものとは少し状況が変わってくるというように期待しております。

佐々木(憲)委員 この貸金業協会、あるいは貸金業者に対する被害者の不信感というのは、大変大きなものがあるんですよ。

 例えば、先ほど愛媛の事例がありましたが、当事者の訴えがここにあります。どういうことを言っているかというと、

  松山市にある貸金業協会をたずねると、宇和島支部を紹介されました。紹介された住所を訪れると、そこは、貸金業者の事務所でした。その事務所で債務額などの話をすると、「担当の業者が、武富士とレイクに決まったから、宇和島の武富士支店に行くように」と言われました。

  協会の債務整理は、武富士宇和島支店の店内で行われ、武富士の支店長が取り仕切っていました。私は協会で債務整理を行えば、利息は支払わなくても良い、月々決まった金額だけを支払えばよいと聞いており、もう安心だと思っていました。

  ところが、整理の時点で、債務残高に対して二五%の利息が上乗せされていました。手数料として一万円も支払うことになっていました。私はその時、利息制限法など知りませんでした。元金はそのままであり、遅延利息もついていました。

  私は納得がいきませんでした。しかし、大声で怒鳴る武富士宇和島支店の支店長が怖くて、この条件をのまなければ帰れないような圧迫した空気の中で、私は何も言えませんでした。債務整理の書類に署名捺印をさせられ、さらには保証人をつけるよう強制されました。

 これは、本多参考人が愛媛の例ということで紹介をされた、愛媛のその被害者の、当事者の手記であります。

 こういう状況ですと、これはカウンセリングどころじゃないわけであります。債務整理どころか、債務をふやすために駆け込むような話であって、被害者をふやすようなものなんですね。こういうことは私は絶対にあってはならないものだというふうに思います。

 この点について、当事者のこういう訴えもありますけれども、例えば、日弁連が、これは二〇〇一年十二月十九日に全国貸金業協会連合会、全金連あてに出した申し入れ書というのがあるんです。これは債務整理に関連をする申し入れ書なんです。そこで言っているのは、貸金業協会には債務整理事業を行う権能がまずない、それから、貸金業協会の行う債務整理事業は、これは中立的ではあり得ない、それから三つ目に、貸金業協会の行う債務整理は多重債務者の真の立ち直りにつながるとは認められない、四つ目に、現実に行われている債務整理事業の内容について問題が多い。これは、日弁連自身がこういう問題点を指摘して、当事者にカウンセリングをさせるというのは問題ではないのかということを既に指摘されているわけです。

 この点について、大臣の見解を伺いたいと思います。

山本国務大臣 現在における、そうした現在の貸金業の窓口業務が極めて遺憾なケースを醸成させている点につきましては、私も憂慮にたえません。

 したがって、この法案が成立後、貸金業協会の位置づけがさらに明確になりまして、金融庁といたしましても、法令違反による認可取り消しや業務停止、役員の解任というツールもございますし、また、今後、貸金業者の新貸金業協会におきましては、資格者、例えば消費生活アドバイザーという資格者を活用する等によって相談窓口を形成してもらう、また、四十七カ所の都道府県の窓口が新たに設置されるというようなことを考えまして、現在におけるこの相談窓口を一変していただくように、特に個々の債権債務の当事者としての集合体ではなくて、もっとさらに高い見地で、質の高い、中立性を担保できるような貸金業協会であるための方策を練ってみたいというように思っております。

    〔委員長退席、竹本委員長代理着席〕

佐々木(憲)委員 この貸金業者の団体からやはりしっかり切り離して、全くそれと関連のない、第三者的な対応ができる、債務者、被害者の相談にしっかり対応できる、私はそういうものを目指すべきだと思うんです。

 今、少し前向きな話がありましたが、日弁連の方も、このように、もともと貸金業協会自身がそういうことをやる権能も、また役割も果たし得ないのだ、こういうふうに断言されているわけでありまして、そういうことを考えますと、やはり第三者的な性格をしっかり持たせた、別な対応というものが必要だろうというふうに思うんですけれども、その考え方について、もう一度確認したいと思います。

山本国務大臣 おっしゃる意味につきましては十分理解するところでありますが、カウンセリング自体の窓口の希少化、非常に少ないという現実、これからして、できれば、こうした貸金業者の団体であっても、新しいそういう団体規制をつかさどる協会として、高い見地から中立的なアドバイザーができるように、こちらとしても注視してまいりたいと思っておりますし、また具体的な御指摘をいただければ、その都度、また考えさせていただきたいというように思っております。

佐々木(憲)委員 今、そういう窓口が余りないということなのでやむを得ずという話がありました。しかし、私は、やはり公的な対応、今自治体の話もありましたが、これは大変大事だと思います。カウンセリングを直接やる能力は、当然、今後さらに自治体の側も育成していくということが大事だと思いますけれども、協会を窓口にするというよりも、むしろ自治体の方に窓口をしっかりあけて、そこで被害者の訴えをお聞きする、そういう形で対応することが大変重要ではないかと思っております。

 例えば、この一つの事例として、今でもしっかりやっているところもあると思います。奄美市の担当者がこういうことを言っております。これは二〇〇六年のクレ・サラ白書の中に紹介されておりますけれども、「行政が多重債務者救済を積極的に推進すべきことは地方自治法上からも明らかです。」と言っているんですね。地方自治法には、「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、」というふうに書かれている。「年間約八千人が経済苦・生活苦で自殺しています。彼らは将来に希望を見出すことも出来ず、唯一の解決策として「死」を選択せざるを得ない状況におかれたものと思います。これは国にとっても多きな損失であり憲法十三条(個人の尊重、生命・自由・幸福追求の権利の尊重)の観点からも国・行政は多重債務者救済を積極的に推進すべきだと思います。」こういう決意のもとに取り組んでおられるわけです。

 この担当者は、多重債務問題に行政が積極的に取り組むことでこれらを緩和することができますと言っています。「奄美市では消費者行政窓口が県弁護士会や司法書士と連携を取り多重債務者対策を積極的に行い生活再建を図るべく、自立支援課・」こういう課があるんですね、これは生活保護担当課ということらしいですが、それから「収納対策課・国民健康保険課・福祉政策課等関係各課と連携を取り債務整理以外の問題も解決するよう支援しています。このことで多重債務に陥っていた方が次々と立ち直っていきます。」これはなかなか感動的な、そういう取り組みをみずから報告されているわけであります。

 私は、こういう担当者の努力というのは非常に今大事なことだというふうに思いますし、また、政府もこういう方々の取り組みを大いに励ます、そしてそれを広げていくということが必要ではないかと思いますけれども、大臣の御見解をお聞きしたいと思います。

山本国務大臣 自治体の取り組みについて、さらに拡充し、督促をし、また連携をとれという御指摘でございます。

 おっしゃるとおりでありまして、現在でも自治体の消費生活センターは、平成十七年度で多重債務の相談は六万三千件やっていただいておりますし、先生の個別のケースで奄美市の活躍ぶり等もございます。私も足立区のジョブカフェあるいはハローワークあるいは生活支援の窓口に行きまして、つくづく自治体の大事さというものを感得したところでございますし、そんな意味におきまして、今後こうした自治体が創意工夫でもって多重債務者の問題に取り組んでくれる、それぞれの地域地域の実情がわかった方がやっていただけるということになりますと、この多重債務問題というのは大変明るい見通しが出てくるのではないかというように思っております。

佐々木(憲)委員 したがって、各自治体に対して政府としてぜひ要請を出していただいて、相談窓口を開くように、そして、その相談を受けた場合にはこのように対応すべきだというような、指示といいますか、あるいは要請、こういうものを出す用意があるのかどうか、はっきりとさせていただきたいと思います。

山本国務大臣 総務省を含めた関係省庁の連携はもとよりでございますが、個別に総務省と、あるいは大臣と協議をするなり、おっしゃられる趣旨を全うしていきたいというように思っております。

佐々木(憲)委員 この点は、ことしの一月二十七日の金融庁の貸金業制度に関する懇談会、この中で、議事要旨を見せていただきますと、カウンセリングについて集中的な聞き取りを行っておられます。この中で、例えば自治体以外でも、NPOの活動などを大変評価されていまして、こういう紹介もあります。「NPO等の活動としては、熊本にある「お金の学校くまもと」がある。カウンセリングの役割は法的解決に加えて、過重債務で二度と困らないように生活再建を支えることである。ここでは、積極的に、カウンセラーが相談者の自宅を訪問してカウンセリングするというようなきめ細かいことを行っている。また、弁護士の方が二名理事で加わっており、法的な問題に関する指導を実施している。」こういうふうな紹介があります。

 それからもう一つは、「岩手県の消費者信用生協は三十年の歴史を持つ。非常に特徴的なのは、カウンセラーを約二十名育て、岩手県の弁護士会とタイアップして活動を展開している」こういう紹介があるわけですね。

 これは、自治体だけではなく、さらにこういう民間も含めた連携ということを非常に重視してやっておられて、その取り組みがこの懇談会の中でも紹介をされているわけであります。

 私は、こういう取り組みというのは非常に大事だと思いまして、このネットワークを広げていくということが必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。

山本国務大臣 おっしゃるとおり、債務整理に加えて家計管理、この二つのアドバイスが重要でございます。したがって、法律専門家のカウンセラーに担当をいただきましても、さらにそれから先の自立という意味におきましては、法律専門家だけではできるものではありません。そんなものを補完していくには、どうしても自治体行政に頼らざるを得ないところがございます。

 したがいまして、委員御指摘のとおり、ネットワーク化というのが何より大事な話になってくるだろうというように思っております。

佐々木(憲)委員 これは、多重債務者を救済するというだけではなくて、先ほどのやみ金の被害の訴えへの対応ですとか、そういう問題も含めて告発できるようなことが大変大事だと思いますけれども、いかがでしょうか。

山本国務大臣 すぐれて社会の安定に資する大きな社会資本というべき存在になってくるだろうと思いますし、そこが確立し、円滑に運用が遂げられれば、我々としましても、貧困対策全体あるいは我が国の治安の維持まで含めて、お願いができる可能性は大いにあるだろうというように思っております。

佐々木(憲)委員 内閣に設置をするという多重債務者対策本部、これの具体的な取り組み内容というものは、いつまでにどのような形で決められるのか。それから、今私が指摘したような問題も含めて、全体のこの取り組みの方針といいますか、それを示していただきたいと思います。

三國谷政府参考人 内閣官房に設置されます予定の多重債務者対策本部におきましては、現在の段階では、カウンセリングの問題、やみ金の問題対策、それから全体の工程管理、こういったことについて幅広く取り組むことを想定しているところでございます。

 この中身につきましては最終的に内閣官房の方の御判断でございますが、私ども金融庁といたしましても、これまでのさまざまな御指摘、御意見等を十分吟味しながら、前向きにこの問題に対処していきたいと考えているところでございます。できるだけ速やかにこういったものにつきましても進めさせていただきたいと考えております。

佐々木(憲)委員 これは、法律ができるできないにかかわらず、当然内閣として取り組むべき方針だろうと思うんですね。したがって、法律の全体の施行は三年後とか二年半とかという話になっておりますが、これは直ちに取り組むべきだと思います。

 大臣、これは大体いつまでにその方針を決め、どのように、いつから取り組むのか、具体的な対応策を示していただきたいと思います。

山本国務大臣 これは、法案審議の状況も踏まえつつ、できるだけ早期に設置されるよう、内閣官房及び関係省庁と協議していくつもりでありますが、まずは、官房長官が中心になるのか、あるいは総理なのか、そんなことが決まってからこうした設置が行われるだろうというように思っておりますので、早急にやっていただくようにお願いを各省にしていきたいと思っております。

佐々木(憲)委員 この早急にというのは何度も言われるんですけれども、大体どの程度の期間を、そういうことをされるんでしょうか。

    〔竹本委員長代理退席、委員長着席〕

山本国務大臣 これは、いわば官邸がお決めになる話なので、私ども、つぶさにその時期を明らかにすることまで報告をいただいていないんですけれども、しかし、そんなに悠長に待っているわけにはいきませんので、直ちにということは、この法案成立後直ちにという解釈で、できればでございますが、相手と相談したわけではありませんが、私の意識では年内にはやっていきたいなというようには思っております。

佐々木(憲)委員 以上で終わります。

伊藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時三十一分散会


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