衆議院

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第8号 平成19年12月12日(水曜日)

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平成十九年十二月十二日(水曜日)

    午後一時開議

 出席委員

   委員長 原田 義昭君

   理事 大野 功統君 理事 奥野 信亮君

   理事 後藤田正純君 理事 田中 和徳君

   理事 野田 聖子君 理事 中川 正春君

   理事 松野 頼久君 理事 石井 啓一君

      石原 宏高君    小川 友一君

      越智 隆雄君    木原  稔君

      佐藤ゆかり君    鈴木 馨祐君

      関  芳弘君    谷本 龍哉君

      とかしきなおみ君    土井 真樹君

      中根 一幸君    萩山 教嚴君

      林田  彪君    原田 憲治君

      広津 素子君    松本 洋平君

      宮下 一郎君    盛山 正仁君

      山内 康一君    山本 有二君

      池田 元久君    小沢 鋭仁君

      大畠 章宏君    楠田 大蔵君

      階   猛君    下条 みつ君

      鈴木 克昌君    平岡 秀夫君

      大口 善徳君    佐々木憲昭君

      野呂田芳成君    中村喜四郎君

    …………………………………

   財務大臣政務官      宮下 一郎君

   参考人

   (社団法人生命保険協会会長)           岡本 圀衞君

   参考人

   (社団法人日本損害保険協会会長)         江頭 敏明君

   財務金融委員会専門員   首藤 忠則君

    ―――――――――――――

委員の異動

十二月十二日

 辞任         補欠選任

  佐藤ゆかり君     山内 康一君

  古本伸一郎君     楠田 大蔵君

同日

 辞任         補欠選任

  山内 康一君     佐藤ゆかり君

  楠田 大蔵君     古本伸一郎君

    ―――――――――――――

十二月七日

 保険業法の見直しを求めることに関する請願(広津素子君紹介)(第八一六号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第八四八号)

 消費税率の引き上げ・大衆増税反対に関する請願(藤村修君紹介)(第八二八号)

 同(石井郁子君紹介)(第八九五号)

 同(穀田恵二君紹介)(第八九六号)

 保険業法の適用除外に関する請願(山口壯君紹介)(第八四〇号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第八四九号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第八五〇号)

 同(石井郁子君紹介)(第八九七号)

 同(牧義夫君紹介)(第八九八号)

 同(志位和夫君紹介)(第九五九号)

 株式公開会社の株式に関して会社法第四百六十九条等(反対株主の株式買取請求)に基づき売却する場合の課税方法に関する請願(内山晃君紹介)(第八九九号)

 消費税大増税の反対に関する請願(穀田恵二君紹介)(第九〇〇号)

 同(吉井英勝君紹介)(第九六一号)

 消費税増税反対に関する請願(石井郁子君紹介)(第九〇一号)

 庶民大増税の中止等に関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第九五八号)

 中小自営業の家族従業者等のための所得税法の改正等に関する請願(近藤洋介君紹介)(第九六〇号)

同月十日

 保険業法の適用除外に関する請願(古川元久君紹介)(第九八五号)

 同(原口一博君紹介)(第一〇二八号)

 同(木挽司君紹介)(第一〇六七号)

 格差社会を是正し、命と暮らしを守るために庶民増税の中止を求めることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第九八六号)

 消費税大増税の反対に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第九八七号)

 同(石井郁子君紹介)(第九八八号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第九八九号)

 同(笠井亮君紹介)(第一〇六九号)

 同(吉井英勝君紹介)(第一〇七〇号)

 庶民大増税の中止等に関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第九九〇号)

 庶民増税反対に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一〇六六号)

 消費税の引き上げ中止等に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第一〇六八号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 参考人出頭要求に関する件

 金融に関する件


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     ――――◇―――――

原田委員長 これより会議を開きます。

 金融に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、参考人として社団法人生命保険協会会長岡本圀衞君、社団法人日本損害保険協会会長江頭敏明君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

原田委員長 ただいま参考人として社団法人生命保険協会会長岡本圀衞君に御出席をいただいております。

 この際、参考人に一言ごあいさつを申し上げます。

 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。参考人におかれましては、忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 まず、岡本参考人から五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。

 なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願いいたします。また、参考人は委員に対し質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御了承願います。

 それでは、岡本参考人、お願いいたします。

岡本参考人 本日は、このような御説明の場を設けていただきまして、まことにありがとうございます。保険金等の支払い問題に関しましては、お客様や関係の皆様方に御迷惑、御心配をおかけいたしましたことを心よりおわび申し上げます。

 この支払い問題について、大きく三つのケースに分けて御説明させていただきます。

 一つ目は、保険会社による事実関係の調査、確認が不十分であったこと等を原因として、本来お支払いすべき保険金等が不払いとなったケースでございまして、不適切な不払いと呼んでおります。

 これについては、金融庁から報告徴求命令を受け、各社とも平成十七年九月に金融庁に報告いたしました。

 二つ目は、お客様から御請求があり、保険金等をお支払いしているものの、一部支払い金額が不足しているケースであり、支払い漏れと呼んでおります。

 これは、例えば入院給付金の支払い日数を間違えたものなど、主に保険会社の事務ミスにより発生したものであります。これについては、生保協会での検討を踏まえ、各社は平成十七年十二月から自主調査に着手し、本年三月に完了する予定としておりました。

 三つ目は、お客様から御請求いただけなかったケースであり、請求案内漏れと呼んでおります。

 保険会社が、提出された診断書から別の特約等のお支払いの可能性に気づき、その旨をお客様に御連絡さしあげていればお支払いできた可能性があるものでございます。これは、例えば、入院給付金の御請求を受け、入院給付金そのものは正しくお支払いしたものの、通院給付金については御請求がなかったためお支払いできていなかったというものでございます。

 以上の三つのケースのほかに、失効返戻金、これは、解約手続がなされないまま保険会社に返戻金が留保されているというものでございますが、こうした、保険会社から請求の御案内はしているものの、その後のフォローが十分ではなかったと判断したもの等がございます。

 本年二月、金融庁から、過去五年間にお支払いした保険金等の支払い金について、追加でお支払いする必要があるものの件数並びに金額を調査し、速やかな顧客対応を行うようにとの報告徴求命令を受けました。これを踏まえ、それまで調査を進めていた支払い漏れや、自主点検の中で気づき、取り組みを始めていた請求案内漏れ等を報告の対象といたしました。

 この報告期限は四月十三日でありましたが、残念ながらここで終えることができず、先週の十二月七日までに全三十八社が調査を終え、金融庁に報告をするに至りました。

 全社の状況については、各社の公表によれば、追加支払いを要する件数並びに金額は、全三十八社で約百三十一万件、約九百六十四億円でございます。

 適時適切なお支払いが保険会社の基本的な務めである中で、これだけ多くのお客様にお支払いができていなかった点、深く反省しております。

 支払い問題が発生した原因としましては、これまで私どもは、お客様からの保険金等の御請求に対して迅速かつ正確なお支払いを心がけておりましたが、残念ながら、事務体制の構築やお客様への情報提供が十分できておりませんでした。これは、業務の全般にわたり、お客様の視点に立った体制整備が不十分であったと認識してございます。二度と同じ御迷惑はおかけしないという決意のもとに再発防止策を立て、その徹底に取り組んでいるところでございます。

 生命保険協会としては、各社の取り組みを後押しする趣旨から、大きく四点の再発防止策を進めております。

 一点目は、教育の充実であり、募集人教育の充実に取り組むとともに、生命保険支払専門士試験制度を創設いたしました。

 二点目が、苦情対応、情報開示であります。

 苦情は経営改善に向けた重要なシグナルであるとの認識のもと、協会にて整理、分析して各社の経営層へ直接提供することにより、経営改善を促していく趣旨の取り組みでございます。また、保険金等のお支払い状況についても開示を進めております。

 三点目が、ガイドラインの見直しです。

 契約時、保険期間中、お支払い時のすべての期間をカバーする七つのガイドラインの策定並びに見直しを行うとともに、好取り組み事例の共有化を行っております。

 四点目が、診断書の電子化という生保各社の共通のインフラづくりでございます。

 支払い問題の原因を分析いたしましたところ、診断書が手書きであることに起因するものが、各社に共通して、相当数ありました。そこで、医師が簡単かつ正確に入力することができ、査定担当者の読み落としや読み間違いの防止につながる診断書の電子化ソフトを協会が公募、認定し、より多くの医療機関に御利用いただけるよう、この十二月より、会員各社挙げての普及促進活動をスタートさせたところでございます。

 以上のような取り組みを通じ、一刻も早くお客様の信頼を回復できるよう専心努力してまいる所存でございますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。

 以上でございます。

原田委員長 ありがとうございました。

 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

原田委員長 これより参考人に対する質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石井啓一君。

石井(啓)委員 公明党の石井啓一でございます。

 岡本参考人には、本日は、生命保険協会の会長として本委員会にお越しをいただきました。

 早速でございますけれども、今お話が参考人からもございましたとおりでありますが、十二月の七日に生保の支払い漏れ調査の最終結果が出されまして、平成十三年度から十七年度までの五年間に、三十八社の合計で約百三十一万件、約九百六十四億円もの不払い、支払い漏れが判明をいたしました。支払い保険金に対する割合は〇・一%未満と少なかったとはいえ、支払われるべき保険金がきちんと支払われていなかったということは、これは生命保険会社への信頼を揺るがす深刻な事態だというふうに私は思っております。

 今回の支払い漏れ問題をどういうふうに認識されて、今後どのように消費者、契約者の信頼を回復していくのか、まず、その方針について伺いたいと思います。

岡本参考人 お答えいたします。

 支払われるべき保険金を適時適切にお支払いしていく、これが生命保険会社の根幹となる業務でございます。そういった中で、これだけ多くのお客様にお支払いができていなかった点、深く反省してございます。加えまして、お客様そして多くの関係の方々に御迷惑、御心配をおかけいたしましたことを心よりおわび申し上げます。

 そうした中で、我々がこれから取り組んでいくべきことは、このような問題が決して起こらない体制を構築するために再発防止策に必死に取り組んでいく中で、生命保険に対するお客様そして社会からの御期待にこたえられるよう、個社の社長として、そしてまた生命保険協会長として、信頼回復に全力で努めていく所存でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 以上でございます。

石井(啓)委員 それでは、今回なぜこういった不払いあるいは支払い漏れが生じたのか、その原因について改めてお伺いしたいと思います。

 先ほど、三つのケースがあるというふうにおっしゃいました。まず、不払いでありますが、死差益増を経営目標とした明治安田生命は論外といたしましても、査定した上で支払わなかったということで、これは私は悪質であるというふうに思っております。

 それから支払い漏れについては、ミスによるものと、請求案内漏れというふうにおっしゃいましたが、請求勧奨を行わなかったものとがあります。いろいろな特約をつけて、これは別途の請求主義になっていることを加入時に十分説明していなかったにもかかわらず請求の勧奨をしてこなかったということは、請求主義にあぐらをかいた業界の認識の甘さ、あるいはその体質によるものではないかというふうに私は思わざるを得ません。

 また、同じように、特約を複雑につくりながら支払い管理体制を整えていなかったということは、これは営業至上主義に陥っていて、真の顧客重視になっていなかった。契約を勧めるときは盛んに勧めるけれども、実際に支払うという段になると十分にやってこなかったというのは、私は大いに反省するべきところではないかと思います。

 なぜこのように多くの生命保険会社で不適切な不払いあるいは支払い漏れが生じたのか、その原因についての認識をお伺いしたいと思います。

岡本参考人 お答えいたします。

 弊社の例でございますけれども、一言で言えば、真にお客様の立場に立った体制整備ができていなかったということに尽きます。

 ただいま先生からお話がありましたけれども、請求主義にあぐらをかいた生保業界の認識の甘さという御叱責、そしてまた営業重視ということでございますけれども、まさにお客様の視点に立った事務体制の構築、そして、お客様から漏れなく請求をいただくための情報提供、このいずれもが不十分でございました。

 こうしたことは、お客様との情報格差などを考えた場合に、保険契約をお預かりする者として、そしてまた保険のプロとして自負しているわけでございまして、そうした務めを十分に果たし切れていなかったと反省してございます。

 とりわけ事務体制については、複雑化する商品を事務、システム、サービス部門が支えていくわけですけれども、そこへの経営資源の投入が十分ではなかったということを原因として考えてございます。

 以上でございます。

石井(啓)委員 その点については反省をしていただいていると思いますけれども、その反省を踏まえて、しっかり今後の対応をお願いいたしたいと思います。

 それから、今回の調査が非常に時間がかかっております。何でこれだけ時間がかかったのかということですけれども、金融庁から全生命保険会社に対して、保険金の支払い状況について一斉報告徴求が出ましたのが本年の二月一日でございました。そのときの報告の期限は四月の十三日であったわけでありますけれども、四月に調査を終えた会社はわずか数社でありまして、大手の生保さんでも調査が終了したのが九月末、全生保が調査を終了したのは十一月末、こういう状況であります。金融庁から調査命令が出て、終了するまでの時間がかかり過ぎている。

 そもそもこの生保の不払い問題、支払い漏れ問題が表面化したのは平成の十七年でありまして、社会問題化していたにもかかわらず、全調査終了には三年近く要したということになります。この間、不払いあるいは支払い漏れ調査に真剣に取り組んできたのか、私は疑問に思わざるを得ません。なぜ支払い調査にこれだけ時間がかかったのか、お伺いをいたしたいと思います。

岡本参考人 お答えいたします。

 先生御指摘のとおり、支払い調査に長い時間がかかったという点に関しましては、まことに申しわけなく思っております。

 先ほど申し述べましたように、一連の調査については、不適切な不払いから始まりまして、その後、支払い漏れ、さらには請求案内漏れへと対象が拡大してまいりました。

 弊社の例で申しますと、支払い漏れと請求案内漏れ、そのおのおのについて、約五百五十万件の事象について、現業に上乗せして調査することになりました。これらの調査については、一刻も早く御迷惑をおかけしているお客様を捜し出して、そしてお支払いをしなければならない、このように強く意識しまして、経営の最重要課題として、全社を挙げて取り組んでまいりました。

 とりわけ、二月からは四千六百名、これは内務職員全体の約半数でございますけれども、この四千六百名が点検に従事いたしました。また、人事異動も凍結しました。また、海外からも職員を呼び戻しました。さらに、全国約五万名の営業職員も、総動員でお客様対応を実施いたしました。このお客様とのやりとり、ここに大変大きな時間がかかりました。

 また、営業目標も、調査に専念すべく、年度末を控えた二月という時期に取り下げております。

 このように、全社総がかり態勢で、経営資源も可能な限り投入して実施いたしました。まさに、これ以上やりますと日々の業務に支障を来しまして、弊社では現在一千万名を超えるお客様がおられますけれども、その方々に御迷惑をおかけしかねないというぎりぎりのレベルまで、インフラを壊さない範囲で、決意を持って取り組んだわけでございます。

 しかしながら、先生が御指摘のとおり、弊社におきましても四月に報告することができませんで、九月末に調査を終了することとなってしまいました。このように長い時間かかってしまったということについて、まことに申しわけなく思っております。

 以上でございます。

石井(啓)委員 確かに、会社を挙げて調査をやられてもまだ時間がかかったということかもしれませんけれども、逆に言うと、それだけ問題が根深く、また幅広いことだったということを象徴していることではないかと思います。それだけ深い反省を迫られる事案だったんではないかということを私は改めて申し上げておきたいと存じます。

 それから、今回の調査結果を見ますと、大手九社の中を比較しただけでも、件数に大きな差がございます。会長が社長をお務めになっていらっしゃる日本生命さんでは四十二万件を超す件数が上がっておりますけれども、例えば、ほかの会社では七万件弱ですとか、あるいは九万件弱という会社もございますね。これだけ大きな件数の差がある。

 この件数については、失効返戻金の支払い漏れが大宗を占めているというふうに承知しておりますが、会社により失効返戻金の支払い漏れの基準が異なっているとの報道もあります。

 この報告の内容については、今後金融庁で精査、分析されるところでありますけれども、こういうふうに会社により基準が異なっていることについてはどういうふうにお考えなのか。特に、参考人が社長を務められる日本生命では、この失効返戻金の支払い漏れについてはどのように取り扱ったのか、確認をさせていただきたいと思います。

岡本参考人 お答えいたします。

 御質問の失効返戻金とは、解約手続がなされないまま、保険会社に返戻金が留保されているというものでございます。

 まず弊社について申し述べますが、弊社について言えば、失効契約については、これまで、保険料未収時の未収通知、これは保険料が入らなくなったときに通知します、未収通知や営業職員による訪問、さらに、失効時の全件に対する失効通知の送付等を行ってきました。したがって、御請求案内は実施しておりますし、それでお返事をいただき、解決するものも非常に多いわけでございます。

 ただ、お返事をいただけないお客様がおられまして、そうしたお客様への十分なフォローアップができているかという視点に照らした場合に、私どもの会社では、もう一段の取り組みが必要だと認識しまして、調査報告の対象といたしました。

 そうした中で、全社の問題ですけれども、各社の基準が異なるのではないかという御指摘でございますけれども、これは各社によってお客様への御案内とそのフォローアップ体制が異なるわけでございまして、フォローアップを十分に行っていると経営として判断されている会社もございます。そうした会社においては、この失効返戻金については立てなかったということで対応が分かれたことでございまして、簡単に言えば、基準が違うというよりもフォローアップの体制が各社によって違う、その結果、十分か不十分かという判断があったためにこのような開きができた、このように考えております。

 以上でございます。

石井(啓)委員 いずれにいたしましても、この点については、また金融庁の報告内容の精査、分析をまちたいと思います。

 それから、先ほどの参考人の冒頭陳述の中にもありましたが、再発防止策について再確認をいたしたいと思います。

 再発防止策として、まず、協会全体としてどのように取り組んでいらっしゃるのか、また、参考人が社長を務めていらっしゃる日本生命としてはどのように取り組んでいらっしゃるのか、具体的な内容に即して御説明をいただきたいと思います。

 特に、私は、生保各社が契約者の信頼を取り戻すためには真の顧客重視体質に改善をしなければいけないというふうに思いますけれども、そのための内部監督なり検査なり、あるいは職員教育等の方策を伺いたいと思います。今後このような問題を二度と起こさないとの決意とあわせてお伺いをいたしたいと思います。

岡本参考人 お答えいたします。

 まず、生命保険協会の主な再発防止策についてでございますけれども、冒頭の意見陳述でもお示しさせていただきました。一つは教育の充実、一つは苦情対応、情報開示、一つはガイドラインの見直し、そしていま一つは診断書の電子化、この四つでございます。これらについては、本当の意味であまねく浸透していくよう、生命保険協会を挙げて取り組んでまいりたいと思います。

 とりわけガイドラインの見直しについては、七項目あるわけですけれども、それぞれについて各社で取り組んでいるケースをアンケートで集めまして、それをベースに好取り組み事例ということで、各社がそれが参考になるように、こういう努力も現在続けているところでございます。

 いずれにしましても、各社で徹底、浸透していくように努力してまいりたいと思います。

 次に、日本生命の再発防止策について御説明をさせていただきます。

 弊社におきましては、契約時、保険期間中並びにお支払い時という三つの段階において、営業の体制と事務の体制を可能な限り整えるという観点で進めてございます。

 例えば御契約内容確認活動でございます。

 現在コマーシャルでも放映しておりますが、約五万名の営業職員がお客様から漏れなく御請求いただくために、すべてのお客様に御加入の保障内容を御説明する訪問活動、これを八月より実施しております。

 もう一つ例をとれば、セルフチェックシートというのがございます。

 これは、お客様御自身に御加入の契約内容や御請求内容をチェックしていただき、漏れのない御請求をいただくようにするため、セルフチェックシートを九月より導入し、お客様への御案内の充実を図っております。

 これはどういうことかというと、一つ請求があった場合、例えば手術の請求があった場合、ついでにこちらから、入院はほかにありませんでしたかとか、通院についてはなかったですかということで、すべての項目をその時点でチェックしていく、こういうふうなことでございます。

 漏れのないようにすることを営業職員のレベルでやっていきたい、こういうふうに考えております。

 また、弊社からお客様に直接送付する各種通知についても大幅に充実させております。

 このように、営業並びに事務も一体となって再発防止に向けた取り組みを進めてまいりますが、こうした取り組みのベースとなる事務、システム体制の整備についても、要員並びにシステム投資といった点も含め、経営として真摯に取り組んでまいります。

 以上が再発防止に向けた柱となる取り組みでございますけれども、先生が御指摘されるように、内部監査機能、この強化も極めて重要な課題であり、力を入れて取り組んでまいりたいと思います。

 具体的には、平成十七年十月より、支払い管理体制の強化に向け、内部監査機能を充実する観点から、契約検査室を設置いたしました。また、平成十九年一月には、社外者、社外取締役と検査部担当取締役で構成される業務監視委員会を設置し、内部牽制機能を大幅に強化しております。

 一方、職員の教育、職員の意識といった面でございますけれども、何よりも、全社総動員で今回の調査に取り組んだことによりまして、職員一人一人、適切なお支払いというものが生命保険事業の根幹である、生命保険というものがいかに重要なことかということがわかった、あるいは、お客様に対するサービスの姿勢、スタンスの置き方、こういったことについて、具体的に、この事業、この業務を通じてわかった、こういうような声がたくさんありまして、これが私どもにとってはかけがえのない無形の財産を構成します。これによって今後のお客様対応体制をしっかりと築いていきたい、このように思っております。

 以上でございます。

石井(啓)委員 十一月の末に、生保各社の十九年九月期の決算が発表になりました。今手元に大手九社ベースの決算の概要がございますけれども、大手九社ベースでは、保険料等収入が前期に比べると二・八%ダウンをしております。特に新契約の年換算保険料で見ますと、前期比一六・七%の大幅ダウンになっております。

 これは、営業社員も含めて全社挙げて今回の支払い漏れ調査を行った結果ということかもしれませんが、一方で、この支払い漏れ問題の深刻な影響により、消費者の生保離れが起きているんではないかという見方もございます。

 今回の決算についてどのように受けとめていらっしゃるのか、お伺いをいたしたいと思います。

岡本参考人 お答えいたします。

 先生御指摘のとおり、保険料等収入が二・八%のダウン、そして、とりわけ新契約年換算保険料は前期比で一六・七%ダウン、このように、今回の決算につきましては非常に厳しいものでございました。

 これにつきましては、経営の最優先課題として支払い問題の調査に取り組んだこともありまして、相当の影響があったと受けとめております。

 今回の調査について弊社の例で申し上げますと、文字どおり全社総がかり態勢で、経営資源も可能な限り投入いたしました。先ほど申し上げましたとおり、営業職員を含め総動員で取り組みを行い、営業現場で事務支援を行う内務職員、この内務職員も、営業拠点を離れ、全部引き揚げました。そして調査に専念いたしました。そのかわりに、内務職員の行う事務を営業の責任者である営業部長が行うということでお客様のアフターサービス業務に当たったわけでございます。

 こうしたことから、販売業績について見れば、新規販売件数は八月までは対前年比マイナスでございます。相当の影響がございます。しばらくこうした影響が続くと思いますけれども、今年度より実施いたしました営業職員の評価体系、制度改正を定着させまして、お客様志向の視点に立ってしっかりとアフターサービスを行っていく。そういう中でこのことを地道に続けていくことで、お客様の生保離れを防いでお客様の信頼を回復する、その上で業績向上を図っていく、私はこのようにとらえて、これからも頑張ってまいりたいと思います。

 以上でございます。

石井(啓)委員 これはぜひ、消費者の信頼回復に努めていただいて、災い転じて福となすという形になるように頑張っていただきたいと思います。

 最後ですが、今回の問題は、だれの責任でもなく、生保業界自身の責任による問題でございます。この不払い、支払い漏れ問題に対する経営責任や社内処分についてはどのようにお考えなのか。時間的に最後の質問になると思いますが、よろしくお願いいたします。

岡本参考人 お答えいたします。

 今回、多くのお客様に御迷惑をおかけいたしましたことについて、本当に責任を痛感しております。再発防止策に必死に取り組んでいく中で、生命保険に対するお客様あるいは社会からの期待におこたえできるよう信頼回復に努めることが経営者としての責務だと認識してございます。頑張ってまいりたいと思います。

 以上でございます。

石井(啓)委員 では、以上で終わります。ありがとうございました。

原田委員長 次に、小沢鋭仁君。

小沢(鋭)委員 民主党の小沢鋭仁でございます。

 私からも、岡本参考人の本日の出席に、まずもって感謝を申し上げたいと思います。

 マイケル・ムーア監督の「シッコ」という映画が話題になりました。これは医療制度の話であるんですけれども、同時に、保険の問題を正面から扱っております。まず、会長はこの映画を見られたことがございますか。

岡本参考人 お答えいたします。

 御指摘の映画については見てございません。ただ、非常に有名な映画でございましたから、アメリカの医療保険制度と、それを支える民間の医療保険制度、その二つの関係がどうであるかというテーマを扱っていて、非常に話題が多かったということは聞き及んでおります。

 以上でございます。

小沢(鋭)委員 なかなか映画館に足を運ぶということはできないかもしれませんが、有楽町の日生さんのすぐ周りは映画館がいっぱいありますから、また機会があったらと思います。

 私も実はなかなか映画は見れないんですけれども、民主党で実はこの「シッコ」を見る会というのをやって、医療制度問題についての議論をさせていただきました。

 これは、まさに、アメリカの保険会社の話になるんですけれども、一言で言えば、保険金の支払いを減額できる社員が優秀だと評価される、そういう話、そういう事例が如実にあるんですね。ですから、例えば、指二本を切っちゃって手術を受けたい、しかし、おりてくるお金は一本分しかない、こういう話で、ああでもない、こうでもないといういろいろなことで保険金の支払いが減額される、こういう話なんです。

 この実態は日本とは相当違うなとは思うんですが、こういうお話を聞いて、会長はどのような御感想をお持ちになりますか。

岡本参考人 お答えいたします。

 アメリカには、公的医療、皆保険制度というのがございませんから、すべて一般的には民間の保険制度、こういう中で起こっているお話かと思いますけれども、いずれにしましても、日本と事情は相当違うのではないかというふうにまず思います。

 そういった中で、私ども、このような不支払いを起こしているわけでございますから、本当に申しわけなく思っておりますけれども、ただ、もうけるために不払いとしているのではないか、このように承るとすれば、そういったことは絶対にございません。

 今回の調査の対象となる五年間、平成十三年から十七年までで、私どもは、保険金並びに給付金で約二十五兆円お支払いをしております。そうした中で、今回この不支払いに当たるのは百三十四億円ということで、全体の中の〇・〇五%に当たるという水準でございます。この水準がどうかこうかというわけではございません、その数字自体も大きいわけでございますけれども、ここで、もうけるためにそのような意図的なものが入ってくるということは全くございません。

 ただ、お客様から見れば、やはり、意図があろうとなかろうと、受け取れなかったということは事実でございますので、この点を私ども本当に深く反省して、再発防止策に努めるところでございます。

 以上でございます。

小沢(鋭)委員 ぜひ今のようなお考えで進めていただきたいと思います。

 そしてまた、不適切な不払いというのは、これは当初はこの問題から起こって、支払い漏れの話にある意味では広がってきているわけでありますが、これはもう論外なんですね、不適切な不払いというのは。しかし、支払い漏れについては、今、会長のお話がありましたが、この調査、過去五年なんですね。過去五年間での調査でありまして、この五年間で、調査をしたら百三十一万件あった、こういう話ですから、実際はその前もやはりこういう話というのはずっとあったんだろうと思うんですね。

 会長も生命保険会社の御勤務はずっと長いわけですが、そういう御認識というのはなかったんでしょうか。

岡本参考人 お答えいたします。

 弊社の例で申し上げますけれども、過去に、ヒューマンエラーの類、事務ミスの類、これは時に発生することもございました。こういったものを防ぐために、再査体制とか、さらに再再査体制とか、こういうもので努力してまいっているわけでございますけれども、その都度その都度、速やかなお客様対応を行うとともに、必要な対応はしてきたつもりでございます。

 ただ、十三年以前と十三年以降はどうか。年度で分けるということは難しいわけですけれども、医療系の保険が猛烈に進んできたということは最近でございまして、通常、支払いの、保険金ベースとか年金であればほとんど起こらないことが、医療、これはもう本当に多種類にわたるわけでございまして、事務面、システム面、あるいはお客様へのサービス、営業職員からのきっちりとした御説明という面、そういうふうないろいろな面でこの問題が噴出してきたということでございまして、以前に比べると、この問題が非常に起こりやすくなったというのは最近である、私はこのように認識しております。

 以上でございます。

小沢(鋭)委員 私は、本来であれば、五年間という話だけではなくて、それ以前からの話も含めて考えていただきたいな、こういうふうに思っておるわけであります。もちろん、生命保険の保険金の支払いのいわゆる時効というんですか、それが契約ベースでは二年ということでしょうか、それは承知をしておるわけでありますが、ぜひそういったことも踏まえて今後も当たっていただきたい、こういうふうに思います。

 時間がないので先に進みますが、先ほどの質問者との話でも出ておりましたが、やはり今回のいろいろな不払いの問題の最大のポイントというのは請求主義にある、こういうふうに先ほど来お話もございました。まさに映画「シッコ」の話も、その請求をどれだけ減額できるかというところが描かれているわけであります。

 これは、前回、実は私、損保協会の会長に同じ質問をさせていただいたんですが、自由主義経済のもとで民間経済活動をしていて、請求されなくて払わなかった、これを今、生保の皆さんたちは指摘をされ、批判をされているわけですが、本音で言ったときに、これはしようがないじゃないか、自由主義経済だ、民間経済活動だ、請求がないんだからそれは気がつかなかった、支払わなかったんだよ、こういう本音の気持ちがあるのかどうか。あるいは、先ほど会長も、いわゆる契約者の気持ちに立って、契約者の目線で、こういうお話がありましたけれども、それと、経営者として、自由主義経済のもとでの経営というのはどういうふうに調和していくんでしょうか。そのお考えを聞かせてください。

岡本参考人 お答えいたします。

 私は、生命保険という商品の特徴もあると思います。極めて契約期間が長くて、かつ保険の内容も非常に複雑である。ですから、お客様がその内容を全部知悉して加入するということは必ずしもあるわけではないし、また、入ったとき、ニーズ販売で中身がよくわかっていたといっても、二年あるいは三年たったときに、どういう契約だかわからなくなってしまった、こういうふうなことがありますから、請求を確かにするべきなんだけれども、ちょっとそこがわからなかったということで請求されないケースも出てくる。これは、生命保険はほかの商品とちょっと違う側面があるかなというふうに思います。

 そういうふうに考えた場合に、契約法の関係でどうかという以前に、やはりこれは会社の方から少しでも請求を案内するような努力、あるいは情報提供をするということは当然やっていかなければならないのではないかというふうに思います。

 また一方で、今、自由主義経済というお話がありましたけれども、やはり契約そのもので、請求というものがなければお支払いできないということも事実でございます。つまり、御本人が何の反応も示さないで、こちらに来なければ確認するすべがありませんから、そういった意味ではすべてが請求から始まる。だけれども、請求があるように努力をしていかなければならないということは、決して、自由主義経済だからとかあるいは本音でとかということでなく、我々はとことん努力しなければならないことである、このように考えております。

小沢(鋭)委員 ぜひそのお気持ちで取り組んでいただきたいし、契約者の目線というんでしょうか、お客様主義とでもいうんでしょうか、まさに経営の基本方針をそういうふうに移していただいて、これは御社だけではなくて、すべての保険会社にやっていただくように御指導をいただきたい、こういうふうに思います。

 具体的な改善方法についてお尋ねいたします。

 先ほども出ておりましたが、診断書の読み取りの問題ということで、委員の皆さんあるいはまた参考人の皆さんにもお配りをしてございます。これはある会社のパンフレットからとらせていただきましたが、「事例「診断書の見落とし」」というところで、中ほどに下線があるところ、これは「内視鏡施行」と書いてあるんでしょうか、云々、こういう話でありますが、確かにこれはわからないですね。

 先ほど、これを電子化される、こういうお話がありましたが、これは協会としてもう既にお始めになっているやに御発言があったように思います。ただ、実は医療カルテの電子化というのも政府も一生懸命やっているんですけれども、なかなか医療の現場が受け入れてくれない、こういう話もあって難航をしているわけであります。そのあたりも含めて、どのようにお取り組みをいただいているのか、お聞かせください。手短にお願いします、もう一問聞かせてもらいたいものですから。

岡本参考人 お答えいたします。

 ただいま診断書の例が出まして、非常にわかりづらい字ということがあります。よくこのお話をして、お医者さん、字が汚いなとか言うんですけれども、私ども、医療保険系は診断書をインフラとして使っておるわけですから、字が汚いとか汚くないとか、こういうことで責任逃れは絶対できないものだと考えております。

 そうであるとしたらどうすればいいかということですけれども、やはりお医者さんは、一つの診断書といっても、各社から出てきたら全部書かなければならない。これを残業する中でやるということでございますから、そういう点を少しでも緩和していきたいな、こんなふうに考えておりまして、診断書の電子化について取り組んでまいりました。これは全社が同じ問題を抱えております。

 そして、おっしゃいましたように、これについてはずっと取り組んできまして、この十二月の時点で、全社でこれについては取り組んでいこう、とりあえず一線病院、急性期病院といいますけれども、大きな病院、救急車の入る病院ですけれども、ここにまずこれを入れてもらおうということで考えております。そうしますと約七〇%ぐらいが全部電子化されるということでございますので、これは生保業界を挙げて、それから、共済、かんぽさんもこれに合流してくれております。損保業界さんも合流してくれれば、まさに医療保険を販売する各業界の総合インフラになる、このように考えております。

 それから、国で進めているものとこれの関係ですけれども、私ども、これはまさに診断書を持っていってそれについていろいろ書いてもらう、このような御迷惑をおかけしておりますので、少なくともこれについては全部やり上げる。そして、先方、いろいろまた別途、レセプトその他の広大なシステムがあるわけですけれども、それとこれは自由につなげるようにするということで、何としてもこれは入れてもらうように努力しているところでございます。

 以上でございます。

小沢(鋭)委員 この問題は本当にじっくりと一時間ぐらいやらせていただきたいなと思いますが、時間がないので先に進めなきゃいけないんですけれども、今お話がありました、本当に総合的なインフラになっていく可能性がありますね。ですから、ここは、生命保険会社の経営ということだけではなくて、我々、ある意味では医療を使うユーザーの立場からもぜひ積極的に推進していただきたいとお願いを申し上げておきたいと思います。

 もう一つ、また別の問題をお尋ねいたします。

 お客様に適切な案内をする、こういう話のときに、それをされるのは基本的には外務員さんたち、営業職員の皆さんたちだ、こういう話になるわけでありますが、その皆さんたちがどうもすぐかわってしまう。ターンオーバー問題、業界の中ではこう言われているんでしょうか。大変勤めている期間が短くて、どんどんどんどん人がかわってしまう、こういうことであります。ですから、外務員さんも商品知識がなかなか身につかないだろうし、なおかつお客さんとのコミュニケーションというのが深まっていかない、こういう話になるんだろうと思うんですね。

 そういった意味では、外務員さんたちにどういうふうに会社として対応していくのかという話も大変重要なポイントなのかな、こういうふうに思っています。

 そういう意味では、例えば巷間言われているのは、どうも外務員さんたちにノルマがあって、会社からびしびしと、契約をとらなきゃいけない、こういうノルマ達成主義でやっているから、どうしても、それが達成できないとやめざるを得なくなるんだというような話もあります。

 そういうことよりも、もうちょっときちっとお客様との関係を、契約の保全というんでしょうか、そういったものをしっかりと大事にしていく、そういうふうな経営の方がある意味ではターンオーバー問題に関しても対応が進む、こういうふうに思うんですが、これについての会長のお考えを最後に聞かせていただきたいと思います。

岡本参考人 お答えいたします。

 おっしゃいましたノルマ主義あるいはターンオーバー問題、これは、長い間、生命保険業界で引きずってきた大きな課題でございますけれども、今回の問題を踏まえまして、私どもでは、ことしの四月に営業職員制度の大きな改正を行いました。

 この中身というのは、まさにおっしゃるように、新契約至上主義ということを改めて、現在、日本生命では一千万人を超える既契約者の方がおられますから、そのお客様に対して完全なサービスを提供していく。サービスを提供していくというのは会社が言うわけですけれども、営業職員はどうなるかということなんですが、新契約の場合に評価される、あるいは給料になるというだけではなくて、お客様のところに行って、例えば保険金の支払い、給付金の支払い、こういうものを受け付けてきた場合でもポイントに換算してそれを給料に入れ込む、あるいは評価をする、こういうような形で、日々の活動、現在おられるお客様のところにとことん回っていくということを大切に考えております。

 例えば、現在行っています御契約内容確認活動ですけれども、これは、お邪魔したときに、この一年にお客様の御家庭で何か変わったことはありませんか、この契約を変更する必要はありませんかとか、あるいは、入院したことはありませんか、手術したことはありませんか、こういうことを必ず聞くようにする。こういうことがまさに支払い問題も解決していきますし、また、そういうことをサービスする、あるいはこれ自体が業務の本体であるということになりますと、お客様の信頼も得られて、さらに別のお客様を紹介していただく、こういうことにつながると思います。その面に向けて努力してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 以上でございます。

小沢(鋭)委員 この営業職員さんのあり方といいますか、そもそも存在そのものがある意味では大変日本的なものかな、こういうふうにも思います。そこでのコミュニケーションというのが、この世知辛い世の中で人間的なそういうことも含めて行われるという話は、本当に一面、大変重要だな、こうも思うわけでありまして、そういった営業職員の皆さんたちが安心して働けるような環境づくりにお取り組みをいただきたいと改めてお願い申し上げたいと思います。

 さらに、最後に一言申し上げておきたいんですが、この不払いの問題をたまたま新聞で見た私の母親が、瞬間的に、こんな大きな立派な会社がこんなインチキをしているんだ、こういう言い方をしたんですね。いわゆる不適切な不払い、あるいはまた支払い漏れ云々との区別等は、そういうのはわかりません。ただ、新聞にもありますように、九百六十四億円、本来であれば契約者に行っているべきお金がこれだけ行っていないんだ、こういう話でありますから、国民の信頼はある意味で大きく揺らいでいるわけであります。

 そういう意味では、ぜひ生命保険協会の会長として、まず、とにかく国民の信頼をしっかりともう一回再構築するということでお取り組みをいただいて頑張っていただきたい、こういうお願いを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

原田委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 時間が短いので、端的にお答えいただきたいと思います。

 まず、生命保険の不払い及び支払い漏れは、三十八社、百三十一万件、九百六十四億円という大変な規模でありますが、そのうち契約者に支払われたのはどのぐらいか、進捗状況をお聞きしたいと思います。

 それから、申請がない場合の会社側からの対応の仕方、どのように積極的に本人と連絡をとり、支払う努力をされているか。この点についてお聞きしたいと思います。

岡本参考人 お答えいたします。

 全社の状況につきまして、支払い率でございますけれども、約八四・三%という状況でございます。

 それから次に、申請があってというお話がありましたけれども、これにつきまして弊社の例で申し上げますと、今般の調査の結果、追加のお支払いを要するお客様に対しては、丁寧な御連絡並びに御案内に努めてまいりました。

 まず、支払い漏れの事案ですけれども、これにつきましては、弊社から支払い手続の説明文書を送付いたしまして、お客様に御指定いただいた銀行口座等に送金する、こういう取り扱いにしております。お客様から御連絡をいただけない場合には、文書にての御案内は二回、それから電話による御案内は八回ということで、複数回にわたり、それぞれ実施しております。

 次に、請求案内漏れでございますけれども、この事案については、お客様に御請求をいただき、支払い事由に該当するか否かを確認する必要があります。例えば入院日数が何日であったかとか、こういうことがわかりませんとお支払いの額も決まりませんので、そういう意味では、支払い事由に該当するか否かを確認する必要があるために、お客様に請求の御案内を行いました。

 こうした取り組みの結果、十一月末時点の支払いの進捗状況、私どもでは、追加支払いを要する金額に対して、支払い済みは九六・四%ということでございます。

 先ほどから、四千六百名の態勢とかもろもろ言いましたけれども、そういう中で少しでも早くということで、今こういう状況でございます。

佐々木(憲)委員 今回の不払い問題が起こった原因ですけれども、特定の会社が不払いをしたというだけではなくて、今回は業界全体が不払い問題を起こしているわけですね。したがって、共通する問題があるのではないか。その原因をどのように把握されているか。

 私は、金融の自由化のもとで外資がどんどん入ってくる、そういう中で競争が激化し、商品が非常に複雑化する。そういうもとで説明不足が起こり、また、商品の理解不足というようなことがあって多発したのではないかというふうに思っておりますが、会長はどのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。

岡本参考人 お答えいたします。

 業界共通の問題があったのではないかという御指摘でございますけれども、共通の前に、各社は販売チャネルも商品もシステムも事務体制もそれぞれ異なっているわけでございますので、一概に申し上げることは非常に難しいところがございます。

 ただ、先生御指摘のとおり、共通のところがあったのではないかということについては、まさに生命保険協会が取り組んでいく方向。これは一つには、業界全体での教育のレベルを上げていかなければならない。

 あるいは、生命保険支払専門士試験制度を入れてレベルもそろえていかなければならない、向上しなければならない、こういう分野。

 あるいは、苦情とか情報開示とか、これをもっともっとやっていかなければならない。

 あるいは、ガイドラインをきっちり守っていかなければならない。

 この中に、すべて、その共通にというところを受けた形で考えております。最後の、現在の診断書の電子化などはその最たるものでございまして、こういう意味で共通化を、共通化というか最低限のことは協会レベルとしてもやっていかないといかぬ。

 この問題は、個社が個社のお客様に対応するのは最も重要ですけれども、生保協会としても、生命保険事業ということについての御了解を社会からいただくためにこういう取り組みをやっていかなければならない、このように考えております。

佐々木(憲)委員 私は、もう少し共通の根源的な究明というものが必要ではないかというふうに思っております。

 もう一点お伺いしますが、本年十二月二十二日から銀行窓口の保険販売の全面解禁というのがあります。その影響をどのように見ているかという点。特に、競争が激化すると、またコスト競争というのがあおられまして、結果として保険商品の説明義務の水準が低下するとか、そういうことにつながらないかどうか。また不払い問題というものも起こる可能性もあるのではないかと私は危惧しておりますけれども、この点について見解をお伺いしたいと思います。

岡本参考人 お答えいたします。

 今回の全面解禁では、まさに支払い問題の中心となった医療保障、死亡保障、そういった保険商品が対象になります。既に年金等についてはスタートしているわけですけれども、今回、このようなまさに保険の本丸というような商品が対象となっております。したがいまして、販売時のみならず、そのアフターサービスが大変重要であることは、まさに先生の御指摘のとおりであるというふうに思います。

 したがいまして、全面解禁に際しましては、私も協会長としてその点は強く主張してきたわけでございますけれども、そうしたことも受けまして、金融庁の監督指針において、保険会社と銀行等が行うべきアフターフォロー業務の明確化、あるいは銀行等のコンプライアンス体制強化等の改正が措置されることになりました。これはまさに、ベースとして銀行か保険会社かとか、こういうふうな綱引きというよりも、むしろお客様保護の視点から措置されたものでございまして、そういうふうな中では、生保、銀行の間で引き続きしっかりと取り組んでいく、目線をそこに合わせた取り組みが必要であるというふうに思います。

 また、先生の御指摘のような保険商品の説明義務は、保険を販売する者がまずもって果たすべきでありまして、当然、コスト競争の激化があったとしても、それによって水準低下とかアフターサービスの低下、こういうものがあってはならないわけでございます。その点については、銀行業界とともに生保業界もきっちりやっていきたいな、そして、充実したサービスの提供を図っていかなければならない、このように考えてございます。

 以上でございます。

佐々木(憲)委員 大手の銀行の場合、法人税は今ゼロでありまして、払われておりません。それにもかかわらず政治献金をやるなどということはあってはならないと私は主張いたしました。安倍総理は、自粛をするという発言もされております。

 今回、こういう不払い問題を起こしている以上、やはりそういう問題についても自粛をすべきだと私は思いますが、協会としての献金をどのようにお考えか。それから、日本生命は、国民政治協会に対して、ことしの政治献金、幾らなされているか、わかりましたら教えていただきたい。

岡本参考人 お答えいたします。

 生命保険協会におきましては、政治資金の寄附については行っておりません。

 また、日本生命におきまして、二〇〇七年度につきまして、本日までのところ、政治献金は実施しておりません。

 以上でございます。

佐々木(憲)委員 昨年までのところを見ますと、日本生命は、二〇〇六年、千三百九十五万円ですか、献金を行っておりますが、ことしは取りやめるというおつもりはありますか。

岡本参考人 現在のところ、検討しておりません。

 検討しておりませんというのは、取りやめるということではございませんが、これについて今議論をしているところでございます。

佐々木(憲)委員 契約者にきちっと払わないような状況を続けていながら献金だけはやるというのは、私はおかしいと思いますよ。その点を考慮して検討していただきたいと最後に申し上げまして、終わります。

原田委員長 これにて岡本参考人に対する質疑は終了いたしました。

 この際、参考人に一言御礼を申し上げます。

 参考人におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

原田委員長 引き続き、金融に関する件について調査を進めます。

 ただいま参考人として社団法人日本損害保険協会会長江頭敏明君に御出席をいただいております。

 この際、参考人に一言ごあいさつを申し上げます。

 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。参考人におかれましては、忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 まず、江頭参考人から五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。

 なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願いいたします。また、参考人は委員に対し質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御了承願います。

 それでは、江頭参考人、お願いいたします。

江頭参考人 日本損害保険協会会長の江頭でございます。

 本日は、損害保険業界の取り組みについて御説明申し上げる機会をいただきまして、まことにありがとうございます。

 まずは、一昨年来、付随的な保険金の支払い漏れ、あるいは保険金の不適切な不払い、さらには火災保険等の保険料誤りなどの問題により多大な御迷惑をおかけしたことにつきまして、損害保険業界を代表して改めて深くおわび申し上げます。

 これらの問題のうち、付随的保険金の支払い漏れにつきましては、本年六月末までに調査を終了し、その結果、損害保険会社全社合計で約四十九万件、約三百八十一億円の支払い漏れが判明しております。各社とも迅速なお支払いに努めておりまして、現在までにおおむねお支払いを完了しております。

 現在、損害保険協会及び会員各社は、こうした事態を厳粛に受けとめ、一日も早く信頼を回復すべく、全力で取り組んでいるところでございます。

 本日は、これらの問題の原因及び再発防止の取り組みにつきまして御説明申し上げたいと存じます。

 最初に、これらの問題の原因について御説明申し上げます。大きく三つの原因があったというふうに考えております。

 一点目は、保険金支払い体制でございます。

 自由化以降、新しい商品の開発を積極的に行い、お客様ニーズにこたえてまいりましたが、保険金をお支払いする際の体制、支払い漏れを防止するシステムなどの整備について、商品の高度化、多様化と比べて相対的に立ちおくれていた面があったのではないかというふうに考えております。

 二点目は、商品開発体制でございます。

 新商品の開発におきまして、商品部門と保険金支払い部門の連携が不十分なままで開発を進めることがあったのは否めないというふうに考えております。

 三点目は、募集体制でございます。

 社員や代理店に対して実務教育が十分に行われておらず、そのため、募集時の確認が適切に行われていない場合もあったのではないかと考えております。

 以上、三つの体制に問題があったことが原因であると考えておりますが、全体としては経営管理体制が十分ではなかったと猛省をしているところでございます。

 続きまして、再発防止に向けた取り組みについて御説明申し上げます。

 現在、会員各社におきましては、このような問題の再発を防止することを経営上の最優先課題に位置づけ、発生原因に基づいた対策を進めております。

 まず、保険金支払いに関する取り組みでございますが、システムや体制の整備などを行っております。

 具体的には、事故受け付けの時点でお支払いの可能性がある保険金を自動的に登録するなど、事務的なミスを防止するシステムを整備するとともに、要員の拡充など体制を強化しております。また、事故受け付けの時点でお客様に対象となる保険金を御案内したり、請求書類などをわかりやすくする取り組みを行っております。さらに、御相談や苦情を受け付ける専門部署や、外部の意見を確認できる不服申し立て窓口を設置しております。

 次に、商品に関する取り組みでございます。

 お客様にわかりやすい商品を提供するために、商品数の削減や特約の廃止、あるいはわかりやすい説明資料の作成などを行うとともに、商品開発に当たりましては、商品開発部門と保険金支払い部門が密接に連携する体制を整備いたしております。

 また、契約の引き受けに当たり、お客様のニーズに合った商品を適正な保険料で引き受けるために、お客様から確認書面をいただいております。この確認書面については、動画や音声を使い、わかりやすく御説明するナビゲーションシステムや、印鑑レス、ペーパーレスで手続を行うシステムなどを導入し、お客様利便の向上に努めております。

 最後に、募集についてでございますが、社員や代理店の教育プログラムの見直しなどを行い、レベルアップに取り組んでおります。

 他方、損害保険協会といたしましては、会員各社の取り組みをバックアップするための取り組みを行っております。

 まず、保険金支払いについては、保険金支払いに関するガイドラインに加えて、第三分野商品専用のガイドラインを作成しております。また、商品開発については、わかりやすい保険約款のためのガイドラインの策定に取り組んでおります。

 また、募集については、損害保険募集人の資質を向上させるために、資格試験のレベルアップを図るとともに、資格の更新制度を導入いたしました。さらに、商品に関する専門試験制度についても検討しております。

 なお、お客様の御意見を真摯にお聞きするために「消費者の声」諮問会議を設置しており、取り組みに当たっては、この会議で御意見をちょうだいしつつ進めております。さらに、今般、全国の消費生活相談員の方からの御意見を業務改善に生かす取り組みを強化しております。

 そのほかに、お客様からの御相談や苦情への対応体制の強化や、お客様の損害保険についての御理解を促進する取り組みなどにも力を入れております。

 以上、御説明申し上げましたとおり、損害保険業界を挙げて、信頼の回復に向けて懸命に取り組んでいるところでございます。

 私ども損害保険業界といたしましては、一日も早く信頼を回復し、安心と安全の提供を通じて国民生活の安定や社会経済の活性化に貢献するという社会的使命を果たしてまいりたいというふうに考えております。

 議員各位の皆様におかれましては、引き続き御指導賜りたく、よろしくお願い申し上げます。

 以上でございます。ありがとうございました。

原田委員長 ありがとうございました。

 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

原田委員長 これより参考人に対する質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中和徳君。

田中(和)委員 自由民主党の田中和徳でございます。

 損害保険各社の支払い漏れや不適切な不払いなどのいわゆる不払い問題について、今、日本損害保険協会江頭敏明会長からその対策等、御説明がありましたけれども、お尋ねをさせていただきたいと思います。

 この不払いの主なものは、各種の損害保険保険金本体に付随する保険金の支払い漏れ、また、医療保険や介護保険などのいわゆる第三分野商品に関する不適切な不払いの二種類と言えると思います。

 付随的保険金については、お話ありましたように、ことしの六月時点で、四十八社中二十六社において約四十九万件、金額は三百八十一億円、一件当たり約七万七千円に上っております。大変大きい数字だと思います。

 付随的保険金の中でも一番大きいのは、損害保険業界の契約のシェア、つまり売上高の五〇%にも達しております自動車保険の付随的保険金の支払い漏れでございます。

 昨今の規制緩和によりまして業界の競争が激化した影響で、例えば、車を使えないときの代車費用や被害者へのお見舞い金など、多くの各種特約が附帯されたことによるものと私は考えます。契約者御本人も特約を忘れておられる。しかし、売った側の損害保険会社が、事故が発生しているにもかかわらず、義務を怠って支払い担当者が保険金の支払いをしなかったことに大きな問題があると思います。

 本来、損害保険は経済社会のセーフティーネットとしての役割を担っているはずでございますけれども、今回、これらの問題で長年にわたり築いてこられた信頼を大きく失墜いたしたと思っております。いわば全くけしからぬ話だし、非常に残念なことでもございます。

 また、第三分野商品に関する不適切な保険金不払いについては、ことしの三月の時点で、四十八社中二十一社において約六千件、約十六億円、一件当たり約二十八万円になっておるとのことであります。これについては、五月に前の損保協会会長からも既に報告がありましたけれども、調査を終了していると伺いました。

 江頭会長、このように国民に心配と不安をもたらしたことに関して、損害保険協会会長としてどう責任を感じておられるのか、まずお伺いをいたしたいと思います。

江頭参考人 今回の保険金不払いに関しまして、国民の皆様、関係者の皆様に多大な御迷惑と御心配をおかけしたことについて、改めて深く申し上げるとともに、責任を痛感しているところでございます。

 損害保険協会会長といたしましては、石原前協会長の取り組みを継承し、さらに信頼回復軌道を確固たるものとするために、支払いシステムの整備や契約の点検など直接の対策にとどまらず、保険商品あるいは保険用語のわかりやすさの向上や募集人資格試験のレベルアップ、苦情情報の開示など、再発防止、品質向上に向けたさまざまな取り組みを行っているところでございます。

 二度と保険金の支払い漏れ、不払いを起こさないための業務の改善をしっかりと実行して皆様への責任を果たすことに努めてまいりますので、どうぞよろしく御指導をお願い申し上げます。

 以上でございます。

田中(和)委員 このような不祥事が生じた場合、当然のことでありますけれども、まずは徹底した調査によって原因を究明するとともに不払いの保険金を速やかに支払うこと、次に、二度と起きないような再発防止を講じることが重要であります。

 損害保険会社内では、保険商品を開発する部門と販売をする部門、そして事故が起きた後に支払いをする部門とが十分な連携がとれておらず、その結果不払いになったということが一番の原因として挙げられました。特に、支払い部門では、契約内容を十分にチェックした上で支払うべき保険金を確認する仕組みができていなかったなど、事務処理、システム管理体制の不備があったと思います。また、各社の経営陣も、保険金支払いの重要性について十分な認識が欠けていたため、支払いのための十分な体制整備が追いついていませんでした。そのような経営管理体制や内部管理体制の欠陥による構造的な問題に原因があったのではないかと考えます。

 付随的保険金の支払い漏れ、第三分野商品に関する不適切な保険金不払いといったいわゆる保険金不払いについて、業界側は調査を完了したと言っておられますけれども、本当に信じてよいでしょうか。また、なぜこのようなことが発生するのか、システムのおくれなどの原因を教えていただきたいと思います。

江頭参考人 お答え申し上げます。

 第三分野商品に関する不適切な保険金の不払いに関しましては、昨年の十月までに全社が調査を完了しております。また、付随的な保険金の支払い漏れに関しましても、本年六月末に全社が調査を完了しております。いずれも、お支払いをほぼ完了するとともに、再発防止の徹底を進めているところでございます。

 発生した原因について御説明申し上げます。

 付随的保険金のお支払い漏れに関しましては、一九九八年以降の本格的な保険の自由化によって、各社が競って新商品開発を行うことで商品が格段に高度化した一方で、特約が多数附帯されるなど複雑化し、その複雑な商品に対応して保険金のお支払い漏れを防ぐシステムや、保険金支払い部門の要員体制、社員教育等を十分に整備してこなかったことが大きな原因であったと考えております。

 また、第三分野商品に関する不適切な保険金不払いに関しましては、疾病といった新たな分野に参入する際に、十分な審査体制を整備していなかったことなどが原因であるというふうに考えております。これらの原因を認識した上で、経営管理の強化とともに、具体的な再発防止策に取り組んでいるところでございます。

 以上でございます。

田中(和)委員 今、江頭会長からもお話がありましたけれども、みずからがいろいろと商品を開発し、そして国民のためにという、いろいろなサービスを多様的にされていながら、結果においては、そのことが社内的に、支払いになったときに整備がされていなかったということでございました。ぜひひとつ、こういうことが二度とないようにしていただかなければなりません。

 これらの保険金問題について、発生した原因をきちっととらえて、二度と起こさないような対応をすべき、こういうお話でございました。特に、経営管理、ガバナンス体制の改善強化、あるいは顧客に対する説明体制の見直し、整備、商品開発体制の見直し、整備、支払い管理体制の検証、見直し、それらに係る具体的な業務改善計画の提出など、これらの金融庁から示されている具体的な指導についてでございますけれども、再発防止は本当に完璧でしょうか。大丈夫でしょうか。心配ですから、もう一度お尋ねをいたします。

江頭参考人 お答えいたします。

 損害保険協会といたしましては、会員各社の取り組みをバックアップするために、損害保険の保険金支払に関するガイドラインや第三分野商品に関するガイドラインを策定し、会員の保険金支払い業務に指針を示し、レベルアップを図ってきました。また、保険商品のわかりやすさに向けた検討、さらには、お客様の直接の窓口であります損害保険募集人の資質向上のため、資格試験のレベルアップや資格更新制度の導入を進めるなど、各種施策に取り組んでいるところでございます。

 ちなみに、個社のケースで恐縮でございますが、三井住友海上の例を御紹介いたしますと、経営管理体制の改善強化のために、監査委員会の新設、内部管理部門の拡充、企業品質管理部の新設などの体制整備、強化に努めてまいりました。

 付随的保険金の支払い漏れに関する再発防止につきましては、まず、事故を受け付けた時点でお客様に対して、お支払いできる可能性のある保険金につきまして御案内を申し上げるとともに、可能性のある保険金について自動的に登録し、事故解決の経過とともにチェックするシステムの整備を進めております。こうしたシステムにより、担当者のヒューマンエラーを原因とする保険金のお支払い漏れを防止できるようになっております。

 また、商品が複雑化したことが原因の一つであることから、一般個人の方を御契約者とする分野の保険商品数を大幅に削減し、特約数もおおむね半減するなど、シンプル化もあわせて行っているところでございます。

 第三分野商品に関する不適切な保険金不払いに関する再発防止につきましては、医療関連のお支払い判断を本社の専門部署に一元化するとともに、医師、弁護士などで構成をする支払審査会を設置して、当社支払い部門が保険金のお支払い事由に該当しないというふうに判断をした事案の適切性を審査する体制としております。これらに加えて、外部の専門家から成る保険金お支払いに関する不服申し立て窓口を設置して、お客様が直接に申し立てができる体制を整備しております。

 こうした取り組みは業務改善計画に盛り込んでおりますが、スピード感を持って着実に実施しているところですが、今後とも、これにとどまらず、一層の品質向上の取り組みを続けてまいる所存でございます。

 以上でございます。

田中(和)委員 当然、国民にとって、保険とは契約会社から支払ってもらうものだと思っていると思いますし、今後も保険金支払いについてはしっかりと取り組んでいただきたいと思います。

 一方、損保の場合、出口ともいうべき保険金問題は終了したといいますか、今、会長から御答弁がありましたけれども、もう一つ、入り口の問題ともいうべき保険料の取り過ぎについてお伺いをいたしたいと思います。

 御存じのとおり、昨年の十二月、火災保険における保険料の取り過ぎ問題が発覚をいたしました。これは、ツーバイフォー工法の建築物は一般の木造住宅よりも耐火性にすぐれておりまして、平成十一年に保険料率が改定され、保険料の割引を受けられるようになったにもかかわらず、割引の適用をせずに従来の保険料を取ったというケースであります。

 現在、金融庁より調査要請が出ており、来年の五月から六月に調査を終える予定と伺いましたけれども、この取り過ぎ問題の実態と対応をお聞かせいただきたいと思います。

 出口とともに、入り口も非常に大事な問題であります。現在、具体的にどのような調査を行っておられるのか。今年度末までに全社で二百二十億円程度にも上るとの報道があったんですが、どこまで膨れ上がるのか、心配しております。御答弁をお願いいたします。

江頭参考人 お答え申し上げます。

 保険料のいただき過ぎ、取り過ぎにつきましては、まず、火災保険に関しまして、二〇〇六年度末に保有契約の一斉点検を行いました。この点検は、各社が保有する火災保険のデータベースから、建物の構造や建物の金額、あるいは割引の適用などに誤りのおそれがあると推測される契約を抽出し、一斉に調査、点検を実施したものでございます。しかしながら、データベース上の表示によってすべての誤りを推測できるものではないことから、一年間をかけてすべての御契約についての点検を行うことといたしました。

 データベースからの抽出による一斉点検の結果、合計約十二万件、約六十六億円の保険料誤りが判明いたしました。会員各社では、誤りがあった御契約につきまして、内容を訂正の上、差額の保険料を返還させていただいております。

 一方、一年をかけての点検は、すべての御契約を対象に、加入や更改の手続の際、保険料にかかわるすべての項目に関して実施しているところでございます。完了時期は、火災保険に関しましては来年の春ごろ、そのほかの保険種目につきましては、点検開始時期との関係でもう少し後になろうかというふうに思います。

 このような点検を行うに当たって、御契約申し込みに際しての新しい確認手続を開始しました。これは、従来からの保険契約の申込書に加えまして、御契約内容を確認する書面等を新たに用いて、御契約内容がお客様の家屋の状況や保障内容についての御希望に合ったものになっているか、個々に確認をさせていただいております。点検過程におきまして保険料の取り過ぎが判明した御契約につきましては、逐次、保険料を返還させていただいているところでございます。

 損害保険協会といたしましても、このような新しい確認手続に関しまして、御理解いただくための広報活動や商品のわかりやすさに向けた検討、募集人の資質向上に資する施策等を実施しております。

 なお、個社の例、三井住友海上の例で申し上げれば、新しい確認手続に関しまして、書面によるもののみならず、わかりやすく手続を御説明するナビゲーションシステムの開発や、ペーパーレス、印鑑レス等で確認作業を行う新しいシステムを開発するなど、お客様の利便性の向上にも努めているところでございます。

 一年かけて全件調査をし、誤りがあれば速やかにお返しする、そして、一年後には同様のことが起きないように再発防止策もあわせて講じていることをぜひ御理解いただきたいというふうに存じます。

 以上でございます。

田中(和)委員 今御説明をいただいたとおり、保険金問題は支払いも完了して、そして再発防止も十分にとられている。また、保険料の誤りについても、現在調査中ではあるものの、点検と契約是正、あるいは再発防止についてしっかり取り組んでいる、このようなお話でございました。

 しっかり取り組んでおられるにもかかわらず、その取り組みの全般について、一番大切なことですが、広く国民に説明ができているのか、広く国民に伝わっているのか、このように私は心配をしております。国民の保険に対する不信感がぬぐえていないのではないか、このようにあえて指摘をさせていただきたいと思っております。

 損害保険協会として、ここまで対応しているといったPRについてはどうしておられるのか、不足しているのではないかなと重ねて心配をしておるわけでございますが、もう少し親切にあるいは上手に、丁寧にやっていかれたらどうかと思いますが、お伺いをしたいと思います。

江頭参考人 ただいま先生から、損害保険協会並びに会員各社の取り組みに関しまして御理解をいただき、まことにありがとうございます。

 協会としまして、会員各社の取り組みを支援する広報活動を行っておりますが、そのほかに、各種の信頼回復に向けた取り組みに関しましては損保協会のホームページに掲載をしておりますし、また、会員各社のホームページにおきましても掲載をさせていただいているところでございます。

 しかしながら、先生御指摘のとおり、真にお客様に御理解いただくためには、販売やお支払いの第一線における万全の取り組みを通じてお客様から改善の評価をいただくことに尽きるというふうに存じます。会員各社の努力もさることながら、損害保険協会といたしましても、引き続き信頼回復に向けた取り組みに邁進するとともに、お客様に御理解いただくよう全力で取り組んでまいりたいというふうに考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

 以上でございます。

田中(和)委員 今、るる御説明をいただきましたけれども、保険金問題は支払いも完了して、再発防止も十分とられているということでございますので、私の方もぜひ業界の御努力に期待をしてまいりたいと思っております。不退転の思いで御努力いただくわけでございますけれども、やはり常に国民、顧客の立場に立って頑張っていただきたい、このように思っておるわけでございます。

 世界における日本の損保会社、生保も同様でございますけれども、さすがにすばらしいとの高い評価を過去にいただいていたわけでございまして、これからも、社会のセーフティーネット、極めて、自己責任におけるセーフティーネットでございますので、我が国の今後の行方に本当に重要な役割を皆さんは果たされることになります。何度も申し上げますけれども、ぜひ慎重に、そして丁寧に、くれぐれも落ちのないような対応をお願い申し上げて、時間が少し余りましたけれども、終わらせていただきたいと思います。

原田委員長 次に、松野頼久君。

松野(頼)委員 民主党の松野頼久でございます。きょうは、幾つか質問をさせていただきます。

 今回は、損害保険会社の四十九万件、三百八十一億円という未払い、不払いの問題について、これは大変大きな問題だというふうに思っておるんですが、今回こういうことが発覚をする前に、実は、国民生活センター、また損保のお客様の声レポート等に兆候があったのではないかというふうに思っています。

 九七年以前のデータは手元にございませんけれども、例えば国民生活センターの方には、九七年には千三百七十四件を初めとして、二〇〇〇年には三千五十六件、二〇〇六年には六千七百三十六件という苦情や相談というものが、特に国民生活センターの方は苦情でありますね、これが届いております。そしてまた、損害保険会社、損保協会が出していますお客様の声レポート、これにおきましても、二〇〇四年には九万二千六百十二件の苦情や相談があったということが言われております。

 そして、保険会社検査マニュアル、これは金融庁が出しているものですけれども、ここにもきちんと苦情処理体制のチェック項目がありまして、最後の締めくくりの「苦情の原因分析(改善策)」のところでは、苦情担当部署は、苦情内容の分析に基づき、例えば、関連部署に対し報告、改善を求めるなど、改善に向けた取り組みを不断に行う体制になっているのか、また、取締役会等に対して改善のための提言を行っているのかというチェック項目も定められております。

 まず会長にお伺いをしたいのは、こういう苦情や相談というもの、今まで随分寄せられているようでありますけれども、これをなぜ放置されたのかということについて伺いたいと思います。

江頭参考人 お答え申し上げます。

 従来から損保協会におきましては、そんがいほけん相談室を設置し、お客様からの苦情、相談の受け付けを行い、会員各社にお客様の声をフィードバックしてまいりました。また、損保各社とも、お客様の声を受け付ける窓口を設置し、苦情や相談を解決するために、その事案を管理するシステムあるいはルールを整備しておりました。

 しかしながら、そのお客様の声を生かした商品開発、保険金支払いなどの業務の改善や品質の向上に向けた取り組みが十分にできてはいなかった、お客様の声は宝であるという認識が希薄であったという点はあったかというふうに思います。現在は、この問題を契機に、損保協会、会員各社とも、お客様の声を一層真摯に受けとめて、その声を基点として業務改善、品質向上を図っているところでございます。

 損保協会におきましては、消費者団体の代表や有識者で構成をしております「消費者の声」諮問会議を設置して、協会が行うさまざまな取り組みに関する御意見等を承っております。また、協会自身の取り組みとして、お客様の声を基点とした損保協会策定の各種ガイドライン等の見直しを行うスキームを策定いたしました。現在、二〇〇七年上期分のお客様の声を基点として検討した結果、二つのガイドラインを見直す予定としております。

 また、会員各社では、経営陣に対して業務改善を提言する外部の消費者団体の代表、学識経験者等で組織する会議体の設置や、お客様の声を分析し関係部に提言を行う専門部署を設置するなどの体制整備を行い、お客様からの苦情を業務改善に結びつける取り組みを行っているところでございます。お客様の声を反映した業務改善の実例といたしましては、事故の際に、お支払いの可能性がある保険金を事故の御報告をいただいた、第一報をいただいた時点に書面にて御案内するなどの対応がございます。

 引き続き、お客様の声を業務改善、品質向上に生かしていく取り組みを進めてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

松野(頼)委員 いや、こういう事例が発覚をする前の、過去のこういう苦情に対しては無視をする体質にあったのかということをお伺いしているんです。

江頭参考人 無視をするという対応はとってはいなかったというふうに思います。ただ、先ほども申し上げましたように、お客様の声、苦情は宝であるという認識が十分にあったかというと、その点は不十分であったというふうに思います。

 いずれにしても、苦情あるいはお客様の声を個々に、局地的に処理といいましょうか対応してきたということでございまして、そこからサインが送られている、業務改善につながるような抜本的な取り組みが不十分であったというふうには認識をしております。

 以上でございます。

松野(頼)委員 もちろん、すべてが正しいと言い切るわけではありませんけれども、例えば、苦情や相談が多い商品に関しては何らかの欠陥があるのではないか、対応がまずいのではないか、また、そういう苦情が集中する代理店の対応等、ぜひ、このことを真摯に受けとめていただいて、経営の改善に役立てていただきたいというふうに思っております。

 そしてもう一つ、次でありますけれども、一つ事例を御紹介させていただきます。

 これは二〇〇六年十一月十八日の日経新聞の記事でありますが、都内の三十代の男性は憤慨した、妻が自転車同士で衝突をして転び、一カ月通院をしたために、自転車を買ったときに入った傷害保険で治療費を請求したときのことである、代理店は詳しい説明もせずに、そういう事故は対象外の一点張りであった、しかし、これはおかしいということを言ったらば、支払いを拒んだ代理店の勘違いであったということであります。

 こういう事例がきっとたくさんあるのではないかというふうに思うんです。要は、自分が入っている保険に対して、こういう特約があるんじゃないですか、こういう保障があるんじゃないですかと。もちろん、そこで気づいて支払う場合もあれば、代理店の販売員の知識が余りないがために、そういう支払いが行われていない。要は、請求がされなければまず払わない、この請求主義というところに一番の大きな問題点があるのではないかというふうに思うのですが、今後この請求主義を改められるというお気持ちはございますでしょうか。

江頭参考人 お答え申し上げます。

 ただいま先生から、請求主義という御指摘とあわせて、代理店のいわゆる業務能力に関する問題意識の提起がございました。

 請求主義という御指摘についてでございますが、付随的な保険金のお支払い漏れに関しましては、あらかじめ保険会社からお客様に、例えば車両保険の御請求があった際に、代車費用、かわりの車の費用でございますけれども、これをお支払いする特約が附帯されていますよ、あるいは代車は利用されましたかなどといった確認を行っていれば、実は防ぐことができた事案も結構あったというふうに承知をしております。したがいまして、事故の際の十分な御案内ができていなかったことが、付随的な保険金のお支払い漏れの一因であったというふうに考えております。

 しかしながら、現在におきましては、各社とも積極的な請求の案内に努めております。請求主義はとっておりません。例えば、恐縮ですが、三井住友海上におきましては、事故を受け付けた際に、お支払いの可能性がある保険金をお客様にすべて御案内申し上げているというふうなことでございますけれども、また、それに付随して、事故受け付け時に、システム的にも、可能性のある保険金を自動登録するシステムを開発しております。両方でもって支払い漏れを防ぐ対応を行っているところでございます。

 したがって、これらの取り組みを通じまして、お客様にきちんと御請求をいただくよう努めているところであります。

 次に、代理店の業務知識、業務能力の問題でございますが、これは先ほども御説明申し上げましたけれども、募集人の資質向上という大きなテーマを損保協会としても掲げておりまして、資格試験の難易度を上げるとか、資格更新制度を導入するとか、あるいは各社とも教育体制を充実するといったような形で、最もお客様の水際で接触があります代理店教育、これを喫緊の課題として今取り組んでいるところでございます。

 以上でございます。

松野(頼)委員 九月三十日から施行されます金融商品取引法、いわゆる金取法の中では、要は、金融商品を販売するときには顧客に対して次に挙げる事項について説明を負わなければいけない。金融商品販売法の中に「元本欠損が生ずるおそれがある旨」というのがございます。そしてまた、三条の中では、当該金融商品の販売により当該顧客の取得することとなる金銭の合計額を上回ることになるおそれがある、要は、この当該顧客が、自分の入っている商品の附帯事項に対しても、きちっと会社の方から、こういう支払いがありますよということを言わなければ、元本欠損のおそれがあるということが今回の金融商品取引法の中で施行されてくるというふうに思っていますので、今改善をされたということでありますが、申請がなくても、あなたにはこういう特約がついています、ですからこういうお支払いがなされます、それを請求されますか、請求されませんか、こういうことをぜひ改善していただきたいというふうに思っています。

 そして、三番目について伺いたいと思いますけれども、第三分野の商品に関しまして、これも未払い、不払いが約六千件、十六億円ということであります。

 これも一つ例を挙げさせていただきますと、自営業の男性、五十歳、東京都内の方が、これも新聞報道ですけれども、ぜんそくや神経痛で休業をし、通院しながら自宅療養を始めた。収入が入らなくなったために、加入した所得補償保険の保険金請求をした。ところが、代理店は、入院をしていないから就業不能には当たらず支払わないと門前払いをしたということであります。男性は細かい字で書かれた約款を詳しく読んで、就業不能の定義に、入院以外でもその身体障害につき医師の診断を受けていれば、これは保険対象であるということを指摘して、代理店はミスを認めて保険金を支払ったということであります。

 ですから、こういう状態で、特に第三分野の保険に関して、医師の診断によらない状態の中で代理店が勝手に支払いを拒否しているという例がございます。これは明らかに約款違反だというふうに思うんですけれども、その辺の御答弁をいただきたいと思います。

江頭参考人 ただいまの先生の御指摘のように、医師の診断によらず、保険会社が不適切な判断により支払いを拒否したというものは約款違反に該当するというふうに認識をしております。

 ただいま、実例として御紹介がありましたけれども、就業不能の定義でありますとか、あるいはこの第三分野の問題で一番問題になったのが、保険契約の開始以前に既に発病していた病気、いわゆる保険始期前発病と称しておりますが、この辺の解釈の問題につきまして、医師の診断によらずに、保険会社の裁量で保険金の支払いを行わなかったということが実は一番大きな問題でございます。したがいまして、医師の診断を経ずに支払いを拒否という事実は、これは不適切だというふうに認識をしております。

 したがって、保険会社が始期前発病あるいは就業不能か否か、その辺の判断を適用するには、医師の診断書を必ず取りつけて判断をするということになります。現在はそのようにしております。また、損害保険協会におきましても、第三分野の保険金支払いに関するガイドラインを策定して、会員各社の取り組みを支援しているところでございます。

 これも個社の例で恐縮でございますが、三井住友海上の例では、医療関連の保険金支払い判断を本社の専門部署に一元化いたしました。また、医師、弁護士等で構成をする支払審査会を設置して、当社の支払い部門が保険金支払い事由に該当しないと判断した事案の適切性を改めて審査する体制を整えました。また、外部の専門家から成る保険金支払いに関する不服申し立て窓口にお客様が直接申し立てできる体制も整備をいたしました。引き続き、お客様の保護の視点に立った業務運営に努めてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

松野(頼)委員 このような状況に陥る一つの理由としては、これはちょうどことしの五月十八日の当委員会において、前協会長が約款の平明化、簡易化に一刻も早く取り組むと。この約款が複雑怪奇で、私もほとんど読んだことはございませんけれども、細かい字でごちゃごちゃごちゃごちゃと書いてある。そしてまた用語も、非常に文言が難しい言葉で書いてあるということであります。

 この約款の平明化、簡素化、要は、だれが読んでもわかりやすく、そこは難しいところはあるのかもしれませんけれども、だれが読んでもわかりやすく、そういう平明化に関して当委員会で前会長がおっしゃった。これはもう完了されましたでしょうか。

江頭参考人 お答え申し上げます。

 ただいま先生御指摘の、保険約款の平易化につきましては、損保協会といたしましても、現在、協会内にプロジェクトチームを立ち上げるとともに、消費者団体の代表や有識者で構成する研究会を立ち上げて、今後、会員各社が商品を見直す際の指針となるよう、保険商品のわかりやすさに向けた検討を行っているところでございます。その際、あわせて、専門的な保険用語、これも見直す方向で検討に着手しております。

 実は、百年ぶりに保険契約法が改正をされる予定になっておりまして、この辺もあわせて、やはり保険の定義等も法律に合わせる必要がありますので、若干時間がおくれておりますが、何とか年度内には検討の方向をまとめたいというふうに考えております。

 以上でございます。

松野(頼)委員 これも五月の話でありますので、とにかく早急に、パンフレットとかをおつくりいただいて、約款までは至っていないかもしれませんけれども、若干改善をなされているということは伺っておりますが、とにかく顧客、ユーザーが第一という立場に立った対応をしていただきたい、このようにお願いをいたします。

 そして、いよいよこの二十二日から銀行の窓口において保険商品が販売をされる、いわゆる窓販の解禁があります。果たして、こういう状況の中で、新たな仕組みの中で保険商品が販売をされる、本当にこれは大丈夫なんだろうかという思いを持っておるんですが、会長の立場としてこの窓販の解禁について御意見があれば伺いたいと思います。

江頭参考人 お答え申し上げます。

 いわゆる銀行窓販の保険商品の全面解禁に関する議論におきまして、銀行が顧客に対する優越的な地位を濫用したり、非公開金融情報を利用したりすることで不当な販売を行うのではないか、あるいは販売後の顧客対応が不十分になるのではないかといった契約者保護上の懸念が挙げられました。また、銀行が保険会社のリスク管理能力を超えて過大に販売することや、強い交渉力によって高い手数料を要求するといった保険会社との関係についての懸念も示されました。

 しかしながら、これまでのモニタリング結果において、契約者保護上の重大な問題は発生しておらず、現行の弊害防止措置が有効に機能していたと評価されたことを受けまして、全保険種目の販売に対応したさらなる弊害防止措置の整備を行った上で全面解禁が決定をされたものと承知をしております。

 私ども損保協会といたしましては、会員各社において、契約者保護の観点、契約者利便性の向上の観点を踏まえて、銀行の特性を生かした適切な販売体制の構築に努めていくべきというふうに考えております。

 以上でございます。

松野(頼)委員 ぜひしっかりと対応していただきたいというふうに思います。

 また、とにかく、これだけの件数の不払い、未払いというものが出て、ユーザーに大変な迷惑をかけたということでありますので、これから先にはこういうことは一件もないということでぜひ対応していただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

原田委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 損保の不払い、支払い漏れの調査結果は、二十六社で四十九万件、三百八十一億円と大変巨額であります。

 事実を確認したいんですが、第三分野、付随的保険、火災保険、それぞれの分野ごとに、件数、金額、それから支払い進捗状況、報告をいただきたいと思います。

江頭参考人 お答え申し上げます。

 まず、第三分野商品の保険金不払いは、二十一社合計で五千七百六十件、約十六億円でございます。付随的な保険金の支払い漏れにつきまして、二十六社計で約四十九万件、約三百八十一億円でございます。また、火災保険料の取り過ぎにつきましては、先般発表されました中間決算の発表時点で、大手各社が公表した今年度通期見通しの合計値が約二百二十億円でございますが、現時点では損保協会として中間結果を集約できるには至っておりません。

 四月以降点検を始めたわけですが、当初は、初めてのケースでもありまして、お客様の御協力もなかなか得にくい部分もありまして困難も伴っておりましたけれども、各社とも現在、確認、点検が軌道に乗っておりまして、不備是正も加速をしております。したがいまして、来年春以降の完了予定時期に向けまして各社追い込みに入っているところでございます。

 損保協会としましては、各社が調査を終える来春以降に結果を集約して御報告をしたいというふうに考えております。

 以上でございます。

佐々木(憲)委員 不払い問題や取り過ぎ問題というのが起こった原因ですけれども、先ほど会長の御説明では、商品の高度化、複雑化というものを挙げられまして、支払い体制がそれに伴っていなかったという御説明がありました。やはり業界全体に共通する問題点というものがあったと私は思います。

 金融の自由化問題、そのもとでの競争の激化、外資との競争も含めて背景にあったと思いますが、どのような認識でしょうか。

江頭参考人 お答えいたします。

 損保業界の自由化は、一九九六年に保険業法が改正をされまして、一九九八年にいわゆる算定会の改革といったものが行われまして、それ以降、本格的な自由化が始まったわけでございますけれども、先生御指摘のとおり、新商品の開発競争を初めとして、外資も含めた競争が激化したことは確かでございます。

 ただ、一方で、ビジネスチャンスといいましょうか、ビジネス機会、ビジネスの領域がふえて、海外とも対等に戦える体制が整ってきたことも事実であります。その間、再三申し上げておりますが、商品開発の競争が最優先をされまして、やはりお客様の視点をついおろそかにしてしまっていたということは否めません。

 したがいまして、突き詰めると、今回の事実もその辺のことが、会社によってレベルの差はありますけれども、ほぼ共通の認識だというふうに私は考えております。

 以上でございます。

佐々木(憲)委員 十二月二十二日からの銀行窓口の保険販売の全面解禁、これは大変大きな影響があると私は思います。ここでもやはり競争の激化というのは当然起こるわけでありまして、商品の説明不足ですとか、あるいは商品内容の理解が伴わないような、そういう事態というものが起こり得るわけです。

 再び不払いとかさまざまな問題点が発生するのではないかというふうに思っておりますが、これはどういう認識をされているか、またどう対応されるか、お聞かせいただきたいと思います。

江頭参考人 お答え申し上げます。

 銀行における保険販売はこれまで段階的に門戸が広がっておりまして、現在までに第三次解禁まで段階的に行われてまいりました。その間、私ども損害保険協会といたしましては、特にモニタリング結果におきましても重大な事実はございませんし、これまでの第三次解禁までに得た経験を生かしつつ、新たに解禁をされる商品に係る適切な販売体制の構築に努めるべきというふうに考えております。

 先ほどお話を申し上げました、現在取り組んでおります火災保険料等の点検につきましても、第三次解禁までに銀行も火災保険を取り扱っているわけでございますので、ほかの代理店と何ら変わることなく、現在、契約の確認作業をやってもらっているわけでございますけれども、今のところ、全く問題は発生をしていないというふうに認識をしております。

 したがいまして、今後も、お客様保護を第一とした販売体制、これを保険会社としても教育、支援してまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

佐々木(憲)委員 これは、競争が激化すれば、いろいろな問題が激しくなりまして、競争のもとで不十分な事態も発生し得るわけですから、今起こっていなくてもこれから起こる可能性もありますので、しっかりと対応していくということが大事だと思っております。

 それから、社内処分の問題ですが、三井住友海上火災の場合、昨年六月に金融庁から不払い問題で業務停止命令を受けて、七月に業務改善計画書というものを出しました。そのときに社内処分が発表されて、一般社員も含めますと総勢六百人を超える大量処分ということをお聞きしております。

 六月の株主総会で、昨年、この会長と社長は退任し、会社から離れるということだったようでありますが、何かことしの七月になると、責任をとってやめたはずの前会長と前社長が常任顧問として復活をした。有給で社内に専用の顧問室を持っているというふうにお聞きしましたが、これは事実ですか。

江頭参考人 ただいま御指摘の前会長、前社長の二人を、七月二十一日付だったと思いますが、常任顧問に委嘱したことは事実でございます。

 ただ、顧問のいわゆる仕事の中身ですが、当社としてのいわゆる慶弔対応、あるいは経済団体等の職務について、業務といいましょうか、そういう仕事をしてもらうことを検討した上で、人事委員会というものを設置しておりまして、これは社外役員を過半数とする当社の内部委員会でございますけれども、人事委員会の決議を経て、七月の取締役会で決定をいたしました。当社の経営には一切タッチはいたしませんし、今後、復帰することも全くないと御理解いただきたいというふうに思います。

 以上でございます。

佐々木(憲)委員 責任をとったような形をしておりますが、ほとぼりが冷めていないのにまた戻ったような感じがするんですね。これは示しがつかないと思いますよ。

 次にお聞きしたいのは政治献金の問題ですが、先ほどもお話がありましたように、保険料の取り過ぎ問題、まだこれは道半ばなんですね、解決には。にもかかわらず、政治献金の方はずっと続けている。ことしは、政治献金はもう既に行われているのかどうか。私は、根本的な解決までは自粛すべきだと思います。いかがですか。

江頭参考人 お答え申し上げます。

 政治資金規正法に従いまして各社が個別に決定をしておりまして、損保協会として政治献金をしているということはございません。各社がどのように対応しているかについても、協会としては把握はしておりません。

 なお、三井住友海上、当社の場合は、政治献金の実施につきましては、過去の実績あるいは他業態の動向でありますとか、政党からの要請等を総合的に勘案をして、あくまでも当社の独自の判断に基づいて対応しております。二〇〇七年度の献金金額は、自民党の政治資金団体に対して六百三十万円実施をしております。

 以上でございます。

佐々木(憲)委員 契約者に払っていないのに献金だけはするというのは、私は、社会的には、国民感情からいうと、これはいかがなものかというふうに思われると思いますので、その点についてはぜひ再検討していただきたい、来年度については。このことを申し上げまして、終わります。

原田委員長 これにて江頭参考人に対する質疑は終了いたしました。

 この際、参考人に一言申し上げます。

 参考人におかれましては、忌憚のない御意見をお述べいただき、ありがとうございました。委員会を代表して御礼を申し上げます。(拍手)

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時四分散会


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