衆議院

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第3号 平成20年2月19日(火曜日)

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平成二十年二月十九日(火曜日)

    午後四時四分開議

 出席委員

   委員長 原田 義昭君

   理事 大野 功統君 理事 奥野 信亮君

   理事 後藤田正純君 理事 田中 和徳君

   理事 野田 聖子君 理事 中川 正春君

   理事 松野 頼久君 理事 石井 啓一君

      石原 宏高君    小川 友一君

      小野 次郎君    越智 隆雄君

      木原  稔君    菅原 一秀君

      鈴木 馨祐君    関  芳弘君

      とかしきなおみ君    土井 真樹君

      中根 一幸君    西本 勝子君

      萩山 教嚴君    林田  彪君

      原田 憲治君    広津 素子君

      松本 洋平君    宮下 一郎君

      盛山 正仁君    山本 有二君

      池田 元久君    小沢 鋭仁君

      大畠 章宏君    階   猛君

      下条 みつ君    鈴木 克昌君

      西村智奈美君    平岡 秀夫君

      古本伸一郎君    大口 善徳君

      佐々木憲昭君    中村喜四郎君

    …………………………………

   財務大臣         額賀福志郎君

   国務大臣

   (金融担当)       渡辺 喜美君

   内閣府副大臣       山本 明彦君

   財務副大臣        森山  裕君

   内閣府大臣政務官    戸井田とおる君

   財務大臣政務官      宮下 一郎君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 梅溪 健児君

   政府参考人

   (財務省大臣官房総括審議官)           鈴木 正規君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   木下 康司君

   政府参考人

   (財務省主税局長)    加藤 治彦君

   政府参考人

   (財務省国際局長)    玉木林太郎君

   参考人

   (日本銀行理事)     稲葉 延雄君

   財務金融委員会専門員   首藤 忠則君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月十九日

 辞任         補欠選任

  佐藤ゆかり君     西本 勝子君

  谷本 龍哉君     菅原 一秀君

  小沢 鋭仁君     西村智奈美君

同日

 辞任         補欠選任

  菅原 一秀君     谷本 龍哉君

  西本 勝子君     小野 次郎君

  西村智奈美君     小沢 鋭仁君

同日

 辞任         補欠選任

  小野 次郎君     佐藤ゆかり君

    ―――――――――――――

二月十九日

 平成二十年度における公債の発行の特例に関する法律案(内閣提出第二号)

 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三号)

同月十二日

 保険業法の適用除外等を求めることに関する請願(中井洽君紹介)(第二八号)

 消費税大増税の反対に関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第四七号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第一〇二号)

 消費税の引き上げ中止等に関する請願(穀田恵二君紹介)(第九八号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第九九号)

 同(志位和夫君紹介)(第一〇〇号)

 庶民大増税の中止を求めることに関する請願(志位和夫君紹介)(第一〇一号)

 保険業法の適用除外に関する請願(岡本充功君紹介)(第一二六号)

 同(吉井英勝君紹介)(第一二七号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 国政調査承認要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 財政及び金融に関する件


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     ――――◇―――――

原田委員長 これより会議を開きます。

 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 財政に関する事項

 税制に関する事項

 関税に関する事項

 外国為替に関する事項

 国有財産に関する事項

 たばこ事業及び塩事業に関する事項

 印刷事業に関する事項

 造幣事業に関する事項

 金融に関する事項

 証券取引に関する事項

以上の各事項につきまして、今会期中国政に関する調査を行うため、議長に対し、国政調査承認要求を行うこととし、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

原田委員長 次に、財政及び金融に関する件について調査を進めます。

 財務大臣の所信を聴取いたします。財務大臣額賀福志郎君。

額賀国務大臣 今後の財政政策等につきましては、先般の財政演説において所信を申し述べたところでございますけれども、本委員会におきまして、重ねて所信の一端として、今後取り組むべき課題等について申し述べさせていただきたいと思います。

 我が国経済は、バブル経済崩壊後の長い低迷から脱却をし、景気回復基調が続いているものの、このところ弱さが見られております。また、サブプライム住宅ローン問題を背景とする米国経済の下振れリスクや原油価格の高騰等の影響には留意をする必要があります。先般、私が議長を務めたG7会合においては、世界経済が不透明感を増す中で、各国は引き続き経済動向を注視し、経済の安定と成長を確保するため、個別にあるいは共同して適切な行動をとっていく決意を確認いたしました。政府としては、今後とも、日本銀行と一体となった取り組みを行うとともに、平成十九年度補正予算の早期執行に努めるなど、物価安定のもとでの持続的成長を図ってまいりたいと思っております。

 また、より中長期的な視点に立てば、少子高齢化に伴う人口減少、経済のグローバルな競争、公債残高の増大等、我が国経済を取り巻く内外の状況は厳しさを増しております。こうした中で、経済成長を持続させ、国民の生活をより豊かなものにしていくため、成長力強化と財政健全化の双方を着実に進めてまいりたいと思います。

 平成二十年度予算編成に当たっては、これまでの財政健全化の努力を緩めることなく、社会保障や公共事業など各分野において、経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇六、いわゆる基本方針二〇〇六で定められた歳出改革をその二年目においても着実に実現し、歳出改革路線を堅持しております。

 また、今回の予算編成においては、無駄の排除のため徹底した取り組みを行っております。随意契約の見直しや、会計検査院の指摘事項の反映を徹底強化するとともに、予算執行調査の結果を前年度以上に反映させております。

 一方で、成長力の強化、地域の活性化、国民の安全、安心といった課題に十分に配慮して予算の重点化を行い、いわば改革と成長、安心の予算としておるのであります。

 この結果、一般歳出については四十七兆二千八百四十五億円と、前年度当初予算に比べ三千六十一億円の増となり、前年度当初予算に比べ、伸びを抑制しております。また、地方交付税交付金等について、前年度当初予算と比べ、六千八百二十億円増加の十五兆六千百三十六億円としております。これらに国債費二十兆千六百三十二億円を合わせた一般会計総額は、前年度当初予算と比べ、千五百二十五億円増加の八十三兆六百十三億円としております。

 一方、歳入面については、租税等の収入は前年度当初予算と比べ、八百七十億円増加の五十三兆五千五百四十億円を見込み、その他収入は四兆千五百九十三億円を見込んでおります。

 このように税収の伸びが小幅にとどまる中、歳出歳入両面において最大限の努力を行い、新規国債発行額については、二十五兆三千四百八十億円にとどめて四年連続の減額を実現しております。また、資産・債務改革、特別会計改革等を踏まえ、財政投融資特別会計の準備金のうち九・八兆円を国債の償還に充てることにより、国債残高を圧縮しており、こうした取り組みにより、内外に我が国が財政健全化を進めていく姿勢を示すものとなっております。

 平成二十年度税制改正については、現下の経済財政状況等を踏まえ、持続的な経済社会の活性化を実現する等の観点から、公益法人制度改革に対応する税制措置を講ずるとともに、寄附税制の見直しを行うほか、法人関係税制、中小企業関係税制、金融・証券税制、土地・住宅税制、国際課税等について所要の措置を講じております。

 さらに、揮発油税、地方道路税及び自動車重量税の税率の特例措置の適用期限を延長するなど、適用期限の到来する特別措置の延長、整理合理化等の所要の措置を講じておるところであります。

 次に、我が国財政の現状と財政運営の基本的な考え方について申し述べます。

 財政健全化は、安定した経済成長とともに、経済財政運営の車の両輪となるものであります。

 平成二十年度予算においては、基本方針二〇〇六等で定められた歳出改革路線を堅持し、各分野において歳出の抑制を図っておりますが、一般会計予算の歳入のうち約三割に当たる二十五兆円余りを公債発行で賄わざるを得ず、依然として財政は厳しい状況にあります。また、国、地方を合わせた長期債務残高は、平成二十年度末には七百七十八兆円、対GDP比で一四八%になると見込まれ、主要先進国の中で最悪の水準となっております。

 今後、財政健全化に向けて、まずは、これまで累次にわたり国民の皆様にお示しをしてきた目標である二〇一一年度における国、地方の基礎的財政収支の黒字化を確実に実現するため、歳出歳入一体改革を引き続き着実に進めてまいります。その上で、二〇一〇年代半ばに向け、債務残高の対GDP比率を安定的に引き下げることを目指します。そのため、引き続き基本方針二〇〇六等に沿って各分野の歳出改革を徹底してまいりたいと思います。

 一方で、必要な歳出までもが削られ国民生活に影響が生ずる事態は避ける必要があり、歳出改革だけでは対応し切れない社会保障や少子化などに伴う負担増については、安定的な財源を確保しなければなりません。このため、累次の政府の方針や先般の与党税制改正大綱の「基本的考え方」を踏まえ、消費税を含む税体系の抜本的な改革について早期に実現を図ります。

 本国会に提出することを検討中の法案を含め、御審議をお願いすることを予定している財務省関係の法律案は、平成二十年度予算に関連するもの五件、そのほか一件であります。うち五件については既に国会に提出をいたしております。

 既に提出された各法律案の概要について、以下御説明をいたします。

 第一に、平成二十年度における公債の発行の特例に関する法律案であります。同法案は、平成二十年度において当初予算の歳入の約四分の一を占める特例公債の発行根拠を定めるものであります。

 第二に、先ほど御説明いたしました平成二十年度税制改正における諸措置を盛り込んだ所得税法等の一部を改正する法律案であります。

 第三に、国際競争力の強化のための通関手続の特例措置の拡充等や暫定税率等の適用期限の延長等を内容とする関税定率法等の一部を改正する法律案であります。

 第四に、輸出入、港湾に関連する業務を電算システムで一体的に処理できるよう措置すること及び独立行政法人通関情報処理センターを特殊会社として民営化すること等を内容とする、電子情報処理組織による税関手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案であります。

 第五に、国際開発協会の第十五次増資に伴い、我が国が追加出資を行い得るよう所要の措置を定める、国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案でございます。

 また、国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案の提出を検討中であります。

 先般の両院議長のあっせんにおいては、「総予算及び歳入法案の審査に当たっては、公聴会や参考人質疑を含む徹底した審議を行ったうえで、年度内に一定の結論を得るものとする。」との合意がなされたものと承知をしております。税制改正等の予算関連法案においては、国民の安全、安心を確保し、地域を活性化させ、成長力を強化する施策が年度当初から円滑に実施されるよう今年度内に成立させることがぜひとも不可欠であり、速やかに御賛同いただきますよう委員各位の御理解と御協力を切にお願い申し上げます。

 今後とも、皆様のお力添えを得て政策運営に最善を尽くしてまいる所存であります。原田委員長を初め委員各位におかれましては、御審議のほどをよろしくお願い申し上げる次第であります。

 以上です。

原田委員長 次に、金融担当大臣の所信を聴取いたします。金融担当大臣渡辺喜美君。

渡辺国務大臣 金融担当大臣の渡辺喜美でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。本日は、現下の金融行政について一言申し述べさせていただきます。

 我が国の金融システムをめぐる状況について御説明いたします。

 グローバルな金融市場においては、サブプライムローン問題に端を発した混乱が続いており、幅広い証券化商品の市場や株式市場を含めその影響が拡大し、米国を中心として実体経済への影響も懸念されている状況と認識いたしております。

 そうした中、我が国の主要行等の第三・四半期決算においても、サブプライムローン問題に関連する損失の拡大を主たる要因として大幅な減益が見られたところであります。ただし、我が国の金融機関におけるサブプライム関連商品の保有額や評価損等の状況は、海外の状況に比べても、また、我が国金融機関の体力、すなわち期間利益や自己資本の厚み等に比しても、相対的に限定されている状況です。したがって、現時点において、この問題が直接我が国の金融システムに深刻な影響を与えるような状況にあるとは考えておりません。

 しかしながら、現在のグローバルな金融市場の混乱は、正常化にある程度の時間を要するものと認識しております。今後、高い警戒水準を維持しつつ、金融機関のリスク管理状況や、株式やクレジット、為替といったさまざまな市場の動向等について、内外の関係当局とも連携しながら、早目早目の情報収集に努めるなど、十分注視してまいります。

 このような市場の混乱や米国経済の減速等により、内外経済に下振れリスクが高まる状況の中で、地域経済においては中小企業金融の円滑化など金融仲介機能が適切に発揮されることがますます重要となっていると考えられます。こうした観点から、今後とも、地域密着型金融を初めとする金融機関の自主的、持続的な取り組みを促す枠組みを一層推進してまいります。

 次に、利用者保護、利用者利便の向上の観点からの取り組みを御説明いたします。

 昨年秋、規制の横断化、柔軟化を通じて利用者保護ルールの整備と金融イノベーションの促進を図るべく、金融商品取引法を施行いたしました。引き続き、その適切な運用に努めるとともに、法律の趣旨を超えた過度の対応により実務が萎縮することのないよう、真摯に対応してまいります。また、多重債務問題の解決に向けて、引き続き関係省庁等と連携し、多重債務問題改善プログラムを効果的に実施するとともに、貸金業をめぐる動向を注視しつつ、貸金業制度改革を円滑に進めてまいります。

 続いて、我が国金融資本市場の競争力強化に向けた取り組みについて御説明いたします。

 貯蓄から投資への流れの中で、豊かさを実感できる社会の構築を目指し、一千五百兆円に及ぶ家計部門の金融資産に適切な投資機会を提供するとともに、内外の企業等に成長資金の供給を適切に行っていくことが必要であります。こうした観点から、金融庁は、昨年末、金融資本市場競争力強化プランを策定いたしました。

 本プランは、信頼と活力のある市場の構築、金融サービス業の活力と競争を促すビジネス環境の整備、よりよい規制環境、ベターレギュレーションの実現等の分野にわたり、競争力強化のための具体的方策を包括的なパッケージとして盛り込んだものであります。金融庁としては、同プランに盛り込まれた諸施策を、スピード感を持って着実に実施に移してまいりたいと考えております。

 本国会には、ただいま申し上げた我が国金融資本市場の競争力強化等のため、金融商品取引法等の一部を改正する法律案の提出を予定しております。当委員会の原田委員長及び委員の皆様におかれましては、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

原田委員長 以上で両大臣の所信聴取は終わりました。

    ―――――――――――――

原田委員長 この際、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、参考人として、日本銀行総裁福井俊彦君、理事稲葉延雄君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として、内閣府大臣官房審議官梅溪健児君、経済社会総合研究所国民経済計算部長大脇広樹君、財務省大臣官房総括審議官鈴木正規君、主計局次長木下康司君、主税局長加藤治彦君、国際局長玉木林太郎君、国土交通省大臣官房審議官小川富由君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

原田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。とかしきなおみ君。

とかしき委員 自由民主党のとかしきなおみでございます。

 本日は、金融知識のない国民代表ということで、素朴な質問を幾つかさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 所信に対する質問の前に、先日行われましたG7についてちょっとお伺いしたいと思います。

 共同声明では、世界はよりチャレンジングで不確実な局面に直面しているというふうに発表になりまして、経済のファンダメンタルズが引き続き堅固としながら、成長は短期的に減速する見込みというふうに出ておりました。ということで、アメリカの財務長官が一人一生懸命語っていらっしゃいましたけれども、どうも周りの方々と温度差がかなりあるように感じました。サブプライムローンの問題とかもアメリカ発でございまして、一刻も早く資本を安定させなければ困るというふうにアメリカはおっしゃっておりましたけれども、少しそれは空虚のような印象を私は受けました。

 G7が今こういう状況になっているのは、世界経済のバランスからすると、どうも偏った国々のみの参加になっているからこのような状況になるのではないかというふうにも考えられます。中国やインドなども参加させるべきではないかという声が一部から上がっておりますけれども、まだ許可をされていないわけであります。

 ということで、議長をお務めになった額賀大臣のG7の感想とか、あと今後のG7の役割とか、その辺についてお伺いしたいと思います。

額賀国務大臣 とかしき先生の御質問でございますが、先般G7の会合が東京で開かれたわけでございますけれども、先ほど来お話がありますように、アメリカのサブプライム問題に端を発する金融不安とか、その金融不安がアメリカあるいは欧州、それからアジアの国々にどういう影響をもたらすのか、そういうことが全世界から注目されている中で開かれたものでありましたから、我々も緊張しておりましたし、しっかりと議論をして、世界に対して確かなメッセージを伝えなければならない、そういう思いであのG7の会合をさせていただきました。

 基本的には、とかしき先生がおっしゃるように、もともとがアメリカで起こった金融不安でありますから、アメリカが主体的に取り組んでこれを克服していってもらわなければならない。幸い、金融的に流動化対策をするとか、アメリカ国内でもそういう経済対策を講じるとか、手際よくやってきたことに対しては、我々もヨーロッパも評価をしたわけでございます。

 ただ、不確かなところがありますから、これ以上もう、世界に対して安心したメッセージを上げるように、アメリカもしっかり取り組んでくれと。その場合に、私は、日本の経験を生かして、バブル経済崩壊後からアジア通貨危機後の日本の金融危機、そういったことの経験則というか教訓を踏まえて、アメリカとかヨーロッパの皆さんと一緒に議論をしました。

 それは、金融機関の情報をまずよく開示すること。それから、住宅とか不動産が下がっていく中で、実態がどうなっているかということが不透明でありますから、きっちりとこれを知らせていくことが最も大事ですねと。それから、流動性を確保する、資金がいつでも調達できるようにしておくことが大事だ、日本の場合は、最終的には公的資金を出して、そして市場の安心、それから国民の安心をつくり上げたんだというような話をさせていただいたわけであります。

 そういうことが、お互いに議論をした上で、アメリカもヨーロッパも日本も、それぞれの国内事情というのは違うねと。ヨーロッパはどちらかというとインフレ懸念をしている。日本の場合は、サブプライムローン問題がそんなに金融の世界に深刻な状況になっていない。だから、状況が違うから、それぞれの国がしっかりと経済対策をやってくれと。しかし、同時に、お互いが情報を共有したり意見交換を緊密にして、世界に安心したメッセージを伝えようじゃないか。金融の安定化と世界経済拡大のために、そういうメッセージを伝えさせていただいたということが一番大事だったのではないかと思っております。

 それから、最後におっしゃられました、中国とかインドとか新興国をG7に入れたらどうだという話ですね。これは、前から、今回も中国とかインドネシアとか韓国の皆さん方に、アウトリーチ会合といって、最後に出ていただいて、率直に、アジアの状況だとかあるいはまたG7各国との若干の認識の差だとか、そういうことを、もう本当に率直に、堂々とみんな意見を開陳し合ってやりました。恐らく、そういうものが、今後共通の認識を持った形で、世界経済がいい形になっていけばいいなと思っております。だから、アメリカの経済がよくなる、そして新興国もアメリカの経済に足を引っ張られないようにする、そういうことを同時にやっていかなければならないということが我々の共通した認識だったのではないかな、こう思っております。

 我々G7がこういう会合を続けてきたのは、やはり戦後の自由主義社会の中で、同じ経験を持ち、同じ知識を持ち、認識を持ち、そして共通のレベルの経済基盤があるという形で率直に話ができるから、こういうG7を土台にして、今後そういう新興国との交流も深めていくのがよいのではないかというふうに思っております。

とかしき委員 ありがとうございました。

 これからボーダーレス社会になってまいりますので、やはり世界との連携をいかにとっていくかが重要かと思います。世界経済に影響のある国を随時参加させて今後連携をとっていく、そういった力になっていけばと思っております。

 ことしは、多分、アメリカの勢力の衰退の記念の年になってしまうかもしれないというふうに、サブプライム問題の動きを見ていて考えております。ドルの実質レートは、日本以外の国ではかなり下がっていて、基軸通貨としての地位が非常に弱くなってきております。今アメリカの経済がひっくり返りそうな姿を見て、不安に感じる日本人が多いかと思いますけれども、アメリカと道連れという感覚からは脱却が必要ではないかと思います。

 これは、皆様のところにも行っておりますけれども、(パネルを示す)一番最初の、GDPの三倍ということで、世界トップクラスの金融資産高。日本は金融資産高が実はかなりふえておりまして、イザナギ景気を超えて、所得は減っているんですけれども、それなのにもかかわらず個人資産はふえ続けて、現在はGDPの約三倍ということで、千五百五十五兆円にも達するということで、所得の三割を貯蓄に回しております。異常な低金利が続いているのにもかかわらず、金融資産を高回りで運用しないで、大半を銀行に塩漬け状態にしているというのが現在の状況であります。

 では、世界の中で見てみると、こちらの表なんですけれども、表を見てみますと、世界の中で実際にどういうふうな運用実績になっているかなんですけれども、日本はこの十年間で運用、わずか二一%しか資産が伸びておりません。資産の残高は大きいんですけれども、運用が二一%。フランスは八七%伸ばしておりまして、イギリスが七九%、米国は七七%ということで、非常に大きな伸びになっているわけであります。

 ということで、このように資産運用、日本はバブル期の前までは比較的金利が高くて、それで資産価値を高めておりましたけれども、バブル期以降、各国が資産運用の路線に走っていったのに、日本は塩漬けにしたためにこのように大きな差が出てしまったわけです。

 ということで、なぜ日本人はこの千五百兆もの金融資産を持っておきながら金融資産の運用ができていないのか。想定される原因とその対策を、ぜひ渡辺大臣にお伺いしたいと思います。

渡辺国務大臣 私も先月、ダボス会議に行ってまいりました。そこでシンポジウムに出席をいたしまして、アンカップリングは可能かというテーマだったのでございますが、まさに今とかしき委員御指摘の、日本の家計における富を活用すれば、アメリカ経済が減速したとしても、いわゆるデカップリングが不可能とは言えないのではないかという議論を展開してきたところでございます。

 なぜこれだけの富を塩漬けにしているのか。御指摘のように、半分が預貯金であります。ソブリン・ウエルス・ファンドというのが今大変注目を集めていますが、世界じゅうのソブリン・ウエルス・ファンドをかき集めてきても、たかだか三百兆円なんですね。塩漬け預貯金だけで、その倍以上あるわけであります。したがって、この家計の富を、もっとリスクをとれる、そういう世界に回すことができたならば、恐らく日本経済はもっと活性化していくことは明白でございます。平成時代に入りまして、長らくデフレ経済が続いた、名目成長率がゼロ近辺にあってきたというのが、やはりリスク過敏症の一つの原因ではなかろうかと思います。

 それと同時に、長い目で見ますと、こうした間接金融の世界にお金を流し込むというのはいつごろから起こったかという歴史的な背景を考えてみますと、やはり戦時体制のもとで直接金融から間接金融に劇的に転換をしてきたという背景があるのではないでしょうか。まさにこうした問題を解決していくことこそ、構造改革の大きな柱でなければならないと考えるところでございます。

とかしき委員 ありがとうございました。

 私も、この千五百五十五兆円の個人資産、これは巨大な水がめでもありますので、やはりこれをいかに揺らして市場にお金を出してくるか、ここが大切ではないかなと思います。この水がめを揺らすパワーというのが、多分、心理的な問題が今非常に大きいのではないかと思います。日本人の中では非常に不安感が今広がっているんですけれども、この不安感を取り除かないと、経済政策を打っても不発に終わるのではないかと思います。

 そこで、なぜ日本人が資産運用ができないのか。済みません、パネルの数が多過ぎて失礼いたしました。非常に、資産運用ができない理由、私は、大きく二つあると思います。

 まず一つ目は、バブル期以降、失敗体験を踏んでしまって、超消極的な閉塞状態に陥ったということでございます。八〇年代までは、資産をほっておいても価値がふえて、持ち家を持っていれば一億円を超えた。九〇年代前半までは金利八%、戦後平均でも大体五・五%ということで、資産価値はほっておいても大きくなっていったわけです。

 しかし、バブル崩壊以降は、これは非常に債務超過になっていたということで、もう失うのは嫌だ、安全でなければだめだということで、このグラフをごらんになっていただくとわかるんですけれども、バブルの時期を境に安全性志向が非常に高くなっていって、収益性が非常に軽視される、そういう流れになってしまいました。ということで、日本人は、安全でなければだめだということで、ちょっとでも利回りのいいものがあると、何かイカサマなのではないかと思うような心理が働くまでになってしまいました。

 そして、さらに二番目には、バブルの後遺症で安全性にシフト、減らなければいいということで、さっき言いましたように収益性から安全性にシフトしてしまったという、この二つの、消極的な失敗体験とバブルの後遺症、安全重視、この辺が大きな理由で運用できないのではないか、このように考えているわけでございます。

 そこで、実際その資産が一体だれのところに一番行っているのかというところで、これは各国の資産の状況をグラフにしたものなんですけれども、日本とアメリカとイタリアを比較させていただきました。日本が非常に不思議な国になっているのがこれを見るとよくわかるんですけれども、日本というのは死に至る直前に皆さん一番資産がふえているという状況になっております。そして、アメリカ、イタリアは引退するとだんだん資産が減っていくのが普通の状態なんですけれども、なぜか日本人は、老後が心配といいながら、上流クラスになってあの世に旅立っていくという非常に不思議な状況になっているわけです。

 さらに、アンケートをしてみると、日本人十人のうち九人までが老後に不安を抱えている。もっと言いますと、若い人たち、四十代の人たちが老後が不安、さらに貯蓄がないから不安である、このように言っているわけでございます。

 さっき飛ばしてしまったグラフを一個使いますけれども、こちらもそうなんですけれども、なぜ若い人がそんな不安になるのかといいますと、若い人たちは今、子育て世代の三十代、四十代が非常に負債が多くなって、そして資産が急にふえてくるのは高齢者ということになっております。ですから、日本は、使いたいときに全然お金がなくて、そして使いたくなくなった、購買意欲が落ちたときに一番お金持ち、そういう状況になって、そして亡くなる前の資産の平均が、大体三千五百万円を持ったままあの世に旅立つという非常に不思議な状況になっているわけでございます。

 ですから、海外から見れば、これは資産をいっぱい持っているから、さぞかしゆとりのある生活をしているのだろう。さらに年金も、問題にはなっておりますけれども、世界トップクラスの年金でございます。さらにそれを証明するのは、日本人は年金の三〇%を貯蓄に回しているということで、ある意味、非常にゆとりのある生活をしているんですけれども、なぜか不安感だけは抜群でございまして、非常に不安を抱えている、こういう状況に陥っているわけでございます。

 そこで質問なんですけれども、何でこんなに国民の中に不安が広がっているのか、この処方せんをいかがお考えなのかということで、内閣府の梅溪大臣官房審議官にお伺いいたします。

梅溪政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の不安につきましては、短期的側面、それから中長期的側面、両方から考えることが必要であると思います。

 短期的な側面につきましては、我が国の景気は回復基調が続いていると見ていますけれども、一方で弱さを抱えているところでございます。具体的には、賃金が伸びない中で個人消費がおおむね横ばいで推移していること、改正建築基準法施行の影響もあって住宅建設が依然低い水準にあることなどです。これに加え、アメリカのサブプライム住宅ローン問題を背景とする金融資本市場の混乱、アメリカ経済の減速、さらには原油価格の高騰が生じていることから、我が国の景気の先行きについては下振れリスクが高まっていると見ております。

 賃金の伸び悩みに関しましては、景気回復の果実が家計に十分波及し、国民が景気回復を実感できるよう、この回復を息長く持続させるための政策運営を行うとともに、職業能力訓練の充実、最低賃金の遵守、引き上げなどの施策に積極的に取り組んでまいります。また、改正建築基準法施行の影響については、国土交通省において対策が講じられていることから、今後回復すると見込まれます。原油価格高騰の影響につきましては、昨年末に対策を取りまとめており、きめ細かな対応を図ることとしております。

 続きまして、中長期的な不安でございますけれども、我が国は、本格的な人口減少社会の到来、少子高齢化に伴う社会保障費の増大や内外経済の構造的な変化、地球環境問題などの難しい課題に直面しております。このような状況が国民の間に閉塞感を生み、将来への明るい展望を持つことを困難にしていると考えられます。

 このため、経済政策におきましては、第一に内需主導の経済を強化すること、第二に、世界により開かれた国とすることにより、アジアや資源国を含む多様な経済との連携を強化することが重要と考えます。

 こうした観点から、成長力を強化するための新たな成長戦略について、経済財政諮問会議で精力的に審議を進めているところであり、今春を目途に具体化し、直ちに実行してまいります。そして、可能なものについては、迅速に検討し実行してまいります。

 また、経済財政諮問会議に「構造変化と日本経済」専門調査会を設置し、世界的な分業構造や資金循環の変化など、日本経済の質的な変化を点検し、我が国経済を取り巻く新しい環境のもとで目指すべき経済構造の視点について、六月を目途に取りまとめ、提示することといたしております。

 以上のような取り組みを進めてまいる所存でございます。

とかしき委員 ありがとうございます。

 内向き、下向き、後ろ向きということで、ちょっと具体的なお話がいただけなかったんですけれども、今後のことで、内向き、下向き、後ろ向き、今、日本の経済は、何かコップの中のあらしのような状況で、世界とは全く違う動き方をして非常に鎖国的な経済になってしまっているということで、日本はその中で、この十年間で世界と全然違う経済状態になってしまっているわけでございます。

 そこで、私がちょっと提案したいなというのは、ことし日本は、グローバル投資家として、海外投資元年とするぐらいの勢いでいくべきではないか、こういうふうに考えております。

 日本国民の利回りは、今二・一%。アメリカは約六%。オーストラリアに至っては一一%。そして、世界に分散しているアメリカのホワイトカラーの人たちは、八%から一〇%の利回りで運用をしているわけでございます。ということで、日本は、世界一長寿国でありますから、やはり長期リターンが最大化する運用方法を国としても研究していく、そういったサポートをつくっていく制度がこれから必要ではないかと思います。

 そこで、景気を回復するには、私はもう一個提案したいのは、金利を上げていってほしいということです。景気がよくないときには、金利を抑えてマネーサプライをふやすというのが従来のやり方であります。消費意欲を喚起して設備投資を促す、これが従来のやり方でした。そして、日本は、この常識に従って低金利政策と超金融緩和政策、これをいたしましたけれども、残念ながらそんなに効果があったとは言えないわけでございます。

 多分これは、ケインズ経済も崩壊して、閉じられた国家の中の論理だけではもう通用しなくて、今のようにいろいろな国が行き来する、経済が世界じゅうとリンクしているボーダーレス経済の中ではこういった論理は通用しないということで、やはり金利を上げて、世界からお金を集めて、そして経済的にアップしていく、こういった方法を今後考えていくべきではないかと思います。

 特に、日本の場合は、家計から失われた利子所得、これは十四年間で二百八十三兆円と言われております。企業の利子の負担分は二百六十四兆円減少した。ということは、個人の利息分を企業に転化した、そういうような状況になっているわけです。ですから、こんな状況では消費が伸びないのも当たり前でございます。そして、労働分配率を上げるという方法もありますけれども、では、給料を上げろと言っても、これはちょっと今の状態では困難でございます。

 そこで、金利を、例えば一%上げれば十五兆円、二%なら三十兆円、四%なら六十兆円の個人資産がふえてくる。そして、利息分ぐらいは使おうか、こういう気持ちになればどんどん経済が活性化してくる、こういう方法があるのではないかと思います。

 そこで、この最後のパネルなんですけれども、これは、金利を見ると今三種類の国に分けられるのではないかと思います。一番目が、高金利のだめな国、一〇%から二〇%。これは明らかに信用がないわけです。当然、世界から投資のお金は集まってまいりません。そして二番目は、低金利でだめな国、〇から一%。金利を上げてしまったら病が一気に噴出してしまうのではないかということでおびえている状況ですね。そして三番目が、強い国ということで、金利四から九%。金利を上げて世界からお金を集めてこよう、こういう状況になるわけです。当然、日本は今二番目に入っているわけです。そして、二番目の国は、三番目の国の、投資の国の草刈り場になってしまっているということです。

 ですから、日本は今、金利を上げて、お金が富を生むような、そういった思い切った政策転換をしていくべき。今こそ、景気が不景気だ、不景気だと言われて何となく縮こまっているときこそ、金利を上げていく、そして個人の資産をふやしていくようにつながっていく、そういった方策に打ち出ていく方向がいいのではないかと思うんですけれども、金利政策について、金利を上げるという政策としての選択肢は今後あるのかどうか、その辺を日銀の稲葉理事にお伺いしたいと思います。

稲葉参考人 経済の活性化のために金利を引き上げてはどうかというお尋ねでございます。

 確かに、金利を引き上げますと、金融資産を多く保有している人々にとりましては利子所得の増加につながりますし、また、お話がありましたように、海外からの資金の流入も、そうでない場合に比べれば増加するという筋合いにございます。

 しかし、一方、経済や物価の情勢に見合わない水準に金利を設定いたしますと、投資の収益性を害してしまうなど、前向きの経済活動にとってはかえって悪影響をもたらすこともおそれとしてございます。

 そういうことでございますので、今後とも金融政策については、その効果と副作用とをよく踏まえた上で、物価安定のもとで息の長い成長が続くように適切に運営していくことが大事なことではないか、このように考えております。

とかしき委員 ありがとうございます。

 ぜひ今後、長い視点で、金利を上げていく、その方向性を御検討いただきたいと思います。

 質問が一個飛びましたけれども、最後に申し上げたいのは、心理的な不安をどう解消していくのか。今、日本人は、不安という分厚いコートを着て非常に縮こまっている状況なんですけれども、やはり今こそ、太陽の光を届けてコートを取り除いてあげる、これが有効ではないかと思っております。ぜひこの心理の部分にヒットした政策を今後どんどん積極的に展開していただきたく、そのことをお願い申し上げて、質問を終わりとさせていただきます。

 ありがとうございました。

原田委員長 次に、石井啓一君。

石井(啓)委員 公明党の石井啓一です。

 きょうは夕方の審議、大変御苦労さまでございます。早速ですが、私からも、まず、二月九日に開かれましたG7について、まとめて三つの中身について伺います。

 一つは、現下の最大の経済問題でございます米国発のサブプライムローン問題の対応策としてどういう議論がされたのか、それが第一点でございます。

 二点目に、サブプライムローン問題から派生しまして証券化商品の格下げが続いておりますけれども、これに保証していました米国の金融保証保険会社、モノラインというふうに言うそうでありますが、この経営危機問題についてどういう議論がされたのか。

 三点目には、為替相場についてどのような議論がされたのか。

 この三点についてまずお伺いをさせていただきたいと思います。財務大臣、よろしくお願いします。

額賀国務大臣 先ほどもお話がありましたけれども、まず、サブプライム問題についての金融不安については、一つは、やはりきちっとした徹底した情報開示をしてくださいねということ。もう一つは、資本増強措置を万全にしてほしいですねということ。それから、中長期的に金融市場を安定化させていくためにどうするかということについて、これは金融安定化フォーラムに問題提起をしておったのでありますが、それで中間報告をいただきまして、金融商品の価格の設定、価格の算定根拠、それから格付会社、この利益相反的なことが起こることがないようにするそういう監視、そういうことが問題提起をされまして、今度の四月には結論を出すようにしようじゃないかという話をいたしました。

 それからモノラインについては、議論はあったんだけれども、これは、米国側も実態をどういうふうに把握するかどうかということを非常に真剣に考えておりまして、あとはその資金増強にどういうふうに対応するかということを検討中である、そんな話だったと思います。要するに、実態をどういうふうにきちっと把握することが大事かというような話でした。

 為替については、あのコミュニケにも書いてありますけれども、為替レートは経済のファンダメンタルズを反映しなければならない、それから、為替は急激な変動を起こしたりすることは成長力にとってマイナスであるということ、それから人民元については、柔軟性を持つ形でもうちょっと増価することを促したらどうだというようなことが書かれました。これは、それ以外のものでもないし、それ以上のものでもそれ以下のものでもない、そういうものが淡々と書かれたということでございます。

石井(啓)委員 続いて、同じくG7でございますけれども、北海道洞爺湖サミットに向けて、地球温暖化問題に対処するための国際的な投資枠組みを創設するということについて、日本、英国、それから米国から提案されたというふうに承知をしておりますけれども、その提案の内容それから参加各国の反応についてお伺いをしたいと思います。財務大臣、よろしくお願いします。

額賀国務大臣 これは、一番最初にこういう問題提起をしたのは英国だと聞いております。その次がアメリカなんですが、ことしの一月二十六日のダボス会議において、我が国の福田総理からも、我が国独自の途上国支援に加えまして、米国、英国とも連携をして多国間の新たな基金をつくって、発展途上国とか、次の国際的な枠組みに協力をしていきたいという話をしたわけでございます。

 これは、主な内容を詳しくというか申し上げますと、目的としては、途上国での温室効果ガス排出削減を促すこと、そして国際協調にも役立っていこうということ。支援の対象国としては、高い温室効果ガス削減効果が見込まれ、なおかつ、低炭素経済に向けたエネルギー政策や気候変動政策に沿った投資戦略を展開していく大量の排出国などを想定している。具体的なやり方としては、基金からの優遇された融資、あるいはまた無償協力、出資、補償、そういうことをしながら途上国の低酸素に利する技術を開発していこう、導入を促進していこう。そういうのが、今まで我々がアメリカや英国と意見調整してきた中身でございます。

 それで、英国は三年間で日本円で一千七百億円を途上国の気候変動対策に充てる、米国は三年間で二千百億円の金額を示しているわけであります。我が国は、財政も厳しいんだけれども、日本の立場に合ったような形の規模の役割を果たしたいというふうに思っております。

石井(啓)委員 それでは、ちょっと質問を一問飛ばさせていただいて、インターネットバンキングあるいは盗難通帳被害について、これらによる預金の不正引き出し被害について全国銀行協会が補償基準を定めた、自主ルールを定めた。二月十九日、本日定める予定というふうに聞いておりますので、恐らくもう申し合わせをしたと思いますけれども、二年前に施行された預金者保護法、ここでは、当時非常に社会的に問題になっておりました盗難カードやあるいは偽造カード、この被害に対する補償を定めていたわけです。その折には、盗難通帳やあるいはネットバンキングによる被害というのは対象ではございませんでした。そういった被害の救済に道を開くということになりますので、今回の全銀協の自主ルールの制定というのを私は評価をいたしたいと思いますけれども、一方で、法的拘束力のない業界自主ルールで本当に実効性が担保されるのかという懸念の声もございます。

 そこで、過日、私ども公明党といたしまして全銀協に申し入れをさせていただいたところでございますけれども、この自主ルールに基づく補償の実態についてこれを情報公開していただいた上で、その自主ルールの運用の実績によっては、預金者保護法の法改正も必要というふうに考えております。金融担当大臣の御見解を伺いたいと思います。

渡辺国務大臣 石井委員は、議員立法で行われました預金者保護法の提案者のメンバーのお一人でもございます。この法律をつくりまして大変御努力をされておられることを、我々も心から敬服しているところでございます。

 今回の全銀協の取り組みは、まさしく、「預金者保護法の趣旨を踏まえ、お客さまの立場に立って対応を行う」ということを全銀協みずからが決めたわけでございます。盗難通帳やインターネットバンキングの不正引き出しの被害についても、銀行が無過失の場合であっても、自主的に補償を行うものと承知をいたしております。

 金融庁としては、まさに、これらの不正引き出しの被害発生状況や補償状況について四半期毎に公表を行ってまいりました。今後とも引き続き公表を行うとともに、今回の取り組みを踏まえた各金融機関における補償の状況について見きわめてまいりたいと考えます。今回の取り組みが利用者保護に資する好ましいものであると考えております。まずは、この取り組みを踏まえた各金融機関における補償の状況を見きわめる必要があろうかと考えます。その上で、法改正等のさらなる対応が必要かどうかを考えてまいりたいと思います。

 この法律が議員立法であるということから、立法府の皆様とも相談の上で検討をしてまいりたいと考えます。

石井(啓)委員 その点についてはよろしくお願いしたいと思います。この自主ルールのとおりにきちんとやっていただければ大分被害救済の道が開くと思いますし、また、全銀協加盟行だけではなくて、地銀あるいは信金、信組もそういった同様のルールでやっていただくことをぜひ期待いたしたいと思っております。

 同じく、この預金者保護法の附則の第二条には、法施行前の被害補償において最大限配慮をすべきということが位置づけられております。このたびのインターネットバンキングや盗難通帳による預金の不正引き出し被害に対する全銀協の自主ルールにおいても、ぜひこの預金者保護法の趣旨を適用していただきまして、ネットバンキングやあるいは盗難通帳被害に対する補償についても過去被害について最大限の配慮をすべきというふうに私は考えております。大臣の御見解を伺いたいと思います。

渡辺国務大臣 石井委員には釈迦に説法でございますが、預金者保護法の趣旨を踏まえて、偽造・盗難カードについて、金融庁から各金融機関、団体に対して、適切な対応をとるように要請をしてまいりました。各金融機関において、経営判断のもとに補償方針を決定しているものと思います。今般の全銀協の取り組みにおいても、各行においては、「預金者保護法の趣旨を踏まえ、お客さまの立場に立って対応を行う」との申し合わせを行っております。

 金融庁としては、盗難通帳及びインターネットバンキングについても、法施行前に発生した被害に対し、本法の趣旨にのっとった真摯な対応がなされることを期待いたしております。

石井(啓)委員 これについても、実態と実績を私どももしっかりと見詰めさせていただきたいと思っております。

 続いて、全銀協の自主ルールでございますけれども、盗難通帳の場合は、預金者保護法に準じまして、銀行側が無過失だとしても、預金者が無過失の場合は全額補償する、軽過失の場合は七五%の補償、重過失の場合は補償しないというふうにされております。

 一方、インターネットバンキングによる被害の場合は、預金者が無過失の場合は同様に全額補償というふうになっておりますけれども、軽過失、重過失の場合は、補償割合を定めず、個別に対応するというふうになっております。

 その説明として、現状ではインターネット犯罪に対する各行のセキュリティー対策が一様でない、そういったことから補償割合を定型的に定めることは困難、こういう説明を受けましたが、これについても、今後、その補償の実績を重ねる中で定型化を模索すべきというふうに考えます。

 御見解を伺いたいと思います。

山本副大臣 石井委員の御質問にお答えさせていただきたいと思います。

 委員御指摘のとおりでありまして、インターネットバンキングにつきまして、預金者が軽過失、重過失の場合には個別対応ということで、定型化できないというふうに今はなっておるようであります。

 これは、もう今委員から御指摘もございましたけれども、インターネットは技術もどんどん進んでおりますし、犯罪手口も電子化すればするほどまた巧妙化してくるわけでありますし、そしてまた、端末機も原則的には自宅だとか会社に置いてあるわけでありまして銀行にないわけでありますので、そういった意味で金融機関と預金者との責任の分担が非常に難しい。こんなことがあって簡単には定型化できないというふうに私ども承っております。

 しかし、これからは、今委員御指摘のように、何回か補償することによって経験を積んで、定型化できるように私どもとしては期待をしておる、こういうふうに考えております。

石井(啓)委員 では、最後の質問にいたします。日銀総裁人事について財務大臣に伺います。

 三月十九日に日銀福井総裁の任期が満了になりまして、後継人事が注目されているわけでありますけれども、なかなか機微な時期なものですから、はっきりしたことはなかなかおっしゃりにくいかもしれませんが、政府としてはどのような人物が適任と考えているのか、確認をさせていただきます。

 また、サブプライムローン問題に端を発して今は世界の金融市場が激動している状況下で、私は、やはり総裁ポストに空白をつくるような事態を招いてはいけないというふうに考えております。幸い、国会同意人事の新しいルールについて与野党で合意されたとの報道がございますので、ぜひ円滑、円満な決着が図られるよう期待をいたしたいと思いますけれども、大臣のお考えを伺いたいと思います。

額賀国務大臣 今、日銀総裁においては、日銀法において、これは両議院の同意を得て内閣が決定をするということになっておりますので、私が直接コメントするような立場ではないわけでございます。

 一般的に言えば、日銀総裁でありますから、金融政策に通じ、しかもなおかつ、あれだけの巨大な組織を運営し、あるいは、グローバル化していく中でそのかじ取り役をしていくわけでございますので、マネジメントとか国際感覚とか、しっかりした見識を持った人が要求されていくでしょうというのは一般的には言えるかと思います。

 また、石井先生がおっしゃるように、今それぞれの国が経済も下方リスクを抱え、そして、アメリカ経済を中心として金融的な不安定さもある中でございますから、これは、任期が来ても国会の場で空白が起こることがないように、国会でしっかりと与野党の間で決めていただくことが、国民のために、あるいはまた世界の経済のためにもなるのではないかということを期待しております。

石井(啓)委員 以上で終わります。

    〔委員長退席、田中(和)委員長代理着席〕

田中(和)委員長代理 次に、中川正春君。

中川(正)委員 民主党の中川正春です。

 きょう、本会議で予算関連法案がかかりまして、いよいよ我々の委員会でも本格的な議論、十分な時間をかけて、いい結論を得ていけるように頑張っていきたいというふうに思います。

 それに先駆けて、きょうは所信に対する一般質疑ということで、大分夜に入っていく、時間的には残業をしていく、そういう形の中で進めております。

 それで、まず最初に聞いていきたいのは、日銀の人事ということであります。先ほども少しお話が出ました。我が党でもいろいろな今議論が各レベルでありまして、その辺を集約しながらこれから本格的な話になっていくんですけれども、その中で一つ財務大臣にお聞きをしたいのは、案外、財金分離という視点、この考え方を主張する議員が多いんですよ、うちの党の中で議論をしていると。それで、そこはいろいろな問題の把握の仕方というのがあるんだろうと思うんです。

 過去に、大蔵省の時代に、非常に権力が巨大になって、すべてをコントロールしてきた時代があって、それからやはり、ビッグバンという世界の金融機構が変わってくる中で、日本も、護送船団方式、これは大蔵省方式で、典型的にMOF担とか何かで、思い返せばノーパンしゃぶしゃぶから始まったわけですが、そういう改革の中で、行政のあり方といいますか、いわゆる護送船団方式から、結果責任を問うていこう、あるいは第三者機関でチェックしていくことをルール化していくというようなそんな流れに変えていこう、そういう一大改革があったんだろうと思うんです。

 ところが、それが本当にそのように機能しているのかどうかという検証と、それからそれ以降も、日銀は天下り人事みたいなもので、財務省と金融関連とか、あるいは日銀のプロパーとか、交代でそのポストにつくとかいうふうなこともこれあり、等々を含めて、財務省の影響下でパフォーマンスが必ずしもよくなかった。あるいは、旧来のそれこそ護送船団方式、従来のものにはぴちっとやっていくけれども、新しいものをつくり出す、あるいはリスク管理をしていくというようなマインドが財務行政の中にあるのかどうかというふうな評価であるとか、そんなことが重なった形で恐らく財金分離の議論が一つはある。いわゆる体質ですよね。財務省に対する体質なんだろうと思うんです。

 それと、もう一つは独立性ということがあって、これは省庁間の独立性ということだけじゃなくて、政治からの独立性ということ、これも重要な課題だということ。

 それから、新しい世界の環境の中で、グローバルスタンダードがアメリカだけでつくられてはたまらない、アングロサクソンだけじゃないんだ、我々も主体的にグローバルスタンダードがしっかりつくっていけるような、そんな存在感のある、あるいはそんな人脈のある、あるいはそんな力のあるそういう人材を求めていくところだというふうな、そういうことを兼ね合わせた形の議論なんだろうと思うんです。

 そういう観点から、財務省と日銀との関係、それからさっきの財金分離に対する考え方、そんなことを踏まえて、日銀総裁のあるべき姿というか、そんなものを財務大臣はどのように今考えておられるのかということ、これをちょっと整理してお話をいただきたいと思います。

額賀国務大臣 私、大蔵委員長のとき日銀法の改正をやらせてもらったんでありますけれども、日銀の独自性というか、自主性というのが厳然としてあるわけですね。だから金融政策というのは、これはもう日銀が主体性を持って展開をされている。ただ、経済政策と整合性を持たなければならないところもあるわけですから、そこはお互いに緊密に連絡をとって、そのそごが生じないように国家経済を運営していくということは要求される。

 そういう意味では、日銀の独自性、独立性、主体性を保ちながら、国家経済政策を誤らないようにする、財政政策との整合性がいくようにするという形なんだと思います。

 それで、今先生のおっしゃる財金分離という言葉なんだけれども、これは、財務省から金融庁が分離するときに私はそういう言葉が使われた印象がありまして、だから、財政政策と金融庁の金融の企画あるいはまた監督、検査、こういうものが分離されて、従来とは違った形で今運営されているということでありまして、財務省と日銀、あるいはまた金融庁がそれぞれなれ合って仕事をしているということはあり得ない。それぞれ、独自性、金融市場を担当する金融庁、それから税財政に携わる財務省、これは、日本国の経済運営、世界の中での経済運営を考えるときは、もちろんしっかりと意見が調整されて政策として結実して、国民のためになっていかなければならないということの認識であります。

 だから、私としては、そういうそれぞれ主体性を持った中で、適材適所というか、しっかりとした人物が出自にとらわれることなく人物本位で選ばれていくことが望ましいというふうに思います。

中川(正)委員 さっきの問題以外に我々の議論の中からよく出てくる話というのは、独立性というのはさっき指摘をしましたけれども、これは、特に政治的な圧力に対するしっかりとした独立性を守れる人、あるいは市場との対話がきちんとできるそういう能力のある人、あるいは危機管理能力を十分に持ち合わせているということが必要であろう、あるいは、内外の金融環境の変化を的確に把握ができて、内外にということは、それを国際的にもしっかりとした力を持った存在感というのが出していける人材、最後に、いろいろなことが今の総裁にあったものですから、これは公平、公正、中立を旨として、国民の疑惑や不信を招くことのないようという、そういうことも含めてしっかりチェックをしていかなければいけませんねというふうなそんな議論が出ていることを紹介しておきたいというふうに思います。

 その上で、これは委員長にも改めて理事会で議論をいただきたいと思うんですが、当然我々の委員会でも、この日銀の総裁人事に関して、そこで決まってきた候補者あるいはその後、これはまた話し合いの上ですが、ここでやはり所信を聞いて質疑をしていくということ、このことをぜひ実現していくように提案をしておきたいというふうに思います。

田中(和)委員長代理 後刻、理事会で協議をさせていただきます。

中川(正)委員 次に、租特関連でこれから一つ一つ議論をしていかなきゃいけないんですが、その中でも、一つ、道路特定財源の問題を具体的に確認しておきたいと思うんです。

 暫定税率をこれから先も十年間続けていくというとんでもない法案が出てきているんですが、これのベースになっている基本的なデータというのは何になるわけですか。これ、中期道路計画がその基本になっていて、これをもとにしてそれだけの暫定税率というのを維持していく必要があるという論理の組み立てになっていると私は理解しているんですけれども、それでいいんですか。

額賀国務大臣 おっしゃるように、真に必要な道路建設計画をつくり、その財源を確保するために、暫定税率を維持した水準で今度法律を出させていただいたということでございます。

 その際に、道路特定財源、揮発油税等は道路以外には使えないことになっているわけでございますけれども、道路整備を上回る部分についてはそれ以外の分野に使うことができる、つまり、一般財源化をするという形で方向転換をさせていただいているところもあるわけでございます。

中川(正)委員 この中期の道路計画というのは、これは何なんですか。何なんですかというのは、私の理解では、国交省の中で試算をしたというレベルのものじゃないのかというふうに思うんですけれども、それで合っているんですか。

額賀国務大臣 法律は、十年間暫定税率を維持したいという形になっているわけでございます。その中で、最大限五十九兆円の予算の範囲内で十カ年の道路建設計画をつくっていくということでございます。

 その場合に、一つは、五年後に見直しをするということがあります。もう一つは、毎年毎年、日本の財政は単年度主義でありますから、当然、本当にここは必要な道路であるのかどうか、どこに配分をするのかということについては、毎年国会で議論をしていただくことになるわけでございます。

中川(正)委員 いや、だから今議論しているんですよね。この中期計画が本来信憑性のあるものかどうか、それで、本当に必要ないわゆる事業の量ですよね、あの五十九兆円というそのことが適正であるのかどうかというのを予算委員会で議論しているわけです。五年先にも議論をするんだろうということですね。それに基づいて、暫定税率維持をしていきますよという法律が今出ているわけですよ。

 とすれば、これだけ予算委員会で、今のデータじゃなくて過去のデータを使って予測をした、その上に成り立った中期計画だという指摘があり、あるいはBバイCの評価基準というのが、一つ一つ見ていくととんでもない数字が出ていますねという話の指摘があり、それから、ほかのものへの流用、道路以外にどんどん出てくる。まだこれからも出てくるだろうというふうに思うんですね。それに加えて、天下り組織との随意契約が、これも数字にするととてつもない数字になっていって、その中にどれだけ無駄遣いがあるかということが指摘をされと、状況がどんどん変わってきているんですよ。

 それであるにもかかわらず、ここのところを見直すことなしに我々は今これから法案審議をするということになってくるわけですけれども、それが成り立つのかどうか。

 もう一つ言えば、この試算というのは、いわゆる中期計画というのは、これは国土交通省の試算であって、財務省としてこれにどこまでメスを入れて、本当に必要な道路はどこまでで、無駄に計算されている部分がどこまであるのかということ、これは本来主計局の仕事であろうし、財務省自身の存立基盤なんですよ。ここをやらないことには、財務省として何やっているんだ、ホッチキスでとめて、これだけ金をつけたよという話なのかということになると思うんですよ。そこを財務省はどこまでやったのか。

 ここまで予算委員会でぼろぼろ出てくる話に対して財務大臣は今どういう評価をして、今何をしなければいけないというふうに思っておられるのか、ここを聞いていきたいと思う。

額賀国務大臣 道路建設というのは、地域においてもあるいは国全体としても、一定の地域開発だとか住民の生活の環境を整備するとか、下水道等の関係とか水道の関係とか、さまざまな分野から、ここに道路が必要であるとか必要でないとかが決まっていくものと思っております。

 しかもなおかつ、毎年一年ごとにそういうものが決まっていくわけではなくて、一定の五カ年計画だとか十カ年計画だとか、そういう流れの中で一つの国土建設をやり、地域の建設を図っていくことですから、これは、中長期的に考えるのが私は正しいやり方なんだろうというふうに思います。

 と同時に、最初は国土交通省では六十五兆円ぐらいの算定だったけれども、我々は、これは、できるだけ効率化を図り合理化を図っていく中で、恐らく五カ年計画よりも一〇%か二割ぐらい削減されて、五カ年計画はこれまでで三十八兆円ぐらいの規模だったと思いますから、五十九兆円の枠の中で二割ぐらいは削減させて、しかもなおかつ、今度は、地域によっては、例えば高速道路であれば、四車線の高速道路を二車線にしてもいいじゃないかとか、いろいろなことを考えながら、そういうことを、ちゃんと計画を国民の皆さん方が納得できるような形にしてきたと思います。

 と同時に、今中川先生がおっしゃるような例えば随意契約にしても、これは徹底的な見直しをして、そして競争入札を図り、今度の二十年度予算でも数百億円のそういう合理化を図っているところがありますよ。そういうように、徹底した見直し、無駄の省き方というものを我々は今やっているところでございます。

中川(正)委員 それでは、そこまで言われるのであれば、財務省自身がやったその政策評価、それぞれ、この十年間、これから先の十年間の道路中期計画に対する財務省が独自でやった政策評価が当然あると思うんですよ。それを出してください。提出をしてください。

額賀国務大臣 これは、道路建設の主管庁は国土交通省でありますから、そういうところで、財政的に我々と相談をするときに、これは無駄ではないか、いや、これは建設的でいいじゃないか、そういう議論をする中で査定が行われてきたと思います。

中川(正)委員 その査定の内容を出してくださいよ。

 我々がそれを基準にして議論をしないと、今国土交通省から出てきた中期計画だけをただうのみにして、うのみにしていないですけれども、それは今予算委員会でやっているんですよ。我々がここでやらなきゃいけないのは、暫定税率、これをあと十年間つないでいくと言うわけですから、これに対して財務省がどのようなチェックをして、どのような基準をもってそれをよしとしたかという、そこを検証したいんですよ。

 だから、それは財務省は当然やっているはずなんですよ。この中期計画に対して財務省の評価がどうなっているのかということ、これがないと私たちも議論が進められないんです。だから出してください。

額賀国務大臣 これは、先ほども言いましたように、中期計画、今度は十カ年計画、それで五カ年でも見直しをすると同時に、毎年毎年、予算編成のときにお互いに意見交換をし査定をしていくことになるわけですから、そのときにしっかりと出てくるわけでございますね。

中川(正)委員 ということは、さっきの答弁は、十年間の分はやっていないけれども、一年ずつやるんだ、こういうことですね。そういうことですね。

額賀国務大臣 いや、そうじゃありませんよ。

 だから、五十九兆円というのは上限なんですから、その中で、一番合理化を図り効率化を図っていく中でその道路建設計画を進めていく、そしてなおかつ、常時見直しをし、そして単年度でも見直しをしていくということですから、当然、これは合理的な考え方であると思いますよ。

中川(正)委員 いや、私が聞いているのは、財務省の評価ですよ。政策評価を出してくださいと言っているんですよ。評価していないんだったら、ないと言ったらいいんですよ。さっきの答弁だったら、それは毎年毎年やっていくんですよという答弁でしょう。だから、そういう理解でいいんですね。

額賀国務大臣 だから、一定の十カ年計画なり五カ年計画があって、地域の計画とかあるでしょう。そういう中で毎年毎年査定をして予算がつくり上げられていく。一方で、私どもは、今年度から、道路整備を上回る分野については一般財源化を図るかという新しい改革もしたわけでございます。

中川(正)委員 いや、そんな、あっちやこっちに逃げたってだめです。これは基本になるんですよ、話し合いの基本になるんです。その中で政策評価を財務省としてはやっていないということだと思うんですよ、さっきの答弁を聞いていたら。毎年毎年、予算査定のときにその年の予算については議論をします。そうでしょう。それをやらなきゃ、本当に財務省なんて要らない存在になりますよ。そういうことなんでしょう。それを確認しているんです。

額賀国務大臣 もちろん、単年度で予算を審議していただいているわけでありますから、国会の場で議論をして、きちっと我々も査定をし予算をつくらせていただいて、そして議論をしていただくということでございます。

中川(正)委員 もう一回聞きますけれども、中期の道路計画に対して財務省としての政策評価、これはないんですね。ないんですね。

額賀国務大臣 お答えします。

 上限五十九兆円で本当に必要な道路計画をつくるということは、政府で、内閣で決定をしていることになっているわけでございます。

中川(正)委員 まだこれは閣議決定が終わっていないんですよ。与党合意なんです。与党が勝手にやっただけなんですよ。政府としてはまた違ったスタンスがあるんですよ。それは、もしこれを政府の考え方だと統一するのであれば、まず閣議決定が必要なんです。それで、閣議決定に至るその段階の中で財務省の役割というのは、ちゃんと財務省なりにこれを評価しなきゃいけないんですよ。そんなものが全く抜けていて、国交省から出てくるこの中期計画だけで今一生懸命になってみんな議論しているんです。これはオーソライズされたものじゃないんですよ、この中期計画というのは。

 そういう基盤で今やっているわけですから、まず我々が求めるのは、当然それは、財務省ですから、閣議決定に持っていく過程の中で独自の査定をやっているんだろう、独自の政策評価をやっているんだろうという想定をしていますから、それを出してください、こう言っているんです。ないのならないと言ってください、やっていないのならやっていないと言ってください。イエスかノーかどっちかなんですよ、これは。ごまかさないで。(発言する者あり)

田中(和)委員長代理 では、速記をとめましょう。

    〔速記中止〕

田中(和)委員長代理 速記を起こしてください。

 額賀財務大臣。

額賀国務大臣 ではお答えします。

 政府・与党で、今後十年間を見据えた道路の中期計画を策定し、真に必要な道路整備は計画的に進めるということを決めさせていただいておりまして、その事業量としては、五十九兆円を上回らないものとする、そして、中期計画は、今後の社会経済情勢の変化や財政事情等を勘案しつつ、五年後をめどとして、必要に応じ所要の見直しをするということを政府・与党の間で決定させていただいて、今、国会に出させていただいているということであります。

 中期計画はこの法案が通った時点で決定をされていくことになります。その過程で財務省もいろいろと見ていく、そして単年度ごとに査定をする。

中川(正)委員 さっきの答弁だと、これから見ていくということですね。そんなもの、では答えられないじゃないですか。我々これからいろいろ質問もしていかなきゃいけないけれども、何も見ていなかったら答えられないんだ。何を言っているんですか。

額賀国務大臣 もちろん、閣議決定をするのは法律が通ったらするということであって、その過程でも、いろいろと議論をしたりなんかするのは当然なわけです。

中川(正)委員 だから大臣、政策評価をしていないということなんですよ、さっきの答弁は。だから、そうやって答えてくれたらいいんです。

 私が聞いているのは、財務省としては政策評価をしたのかしていないのか、この中期計画に対して。それで、しているとすればそれを出してください、こう言っているだけなんです。単純なんですよ。

額賀国務大臣 ですから、政府・与党の間で、五十九兆円を上回らない、真に必要な道路の建設計画をつくるという形で今、国会で審議をしていただいているわけであります。その過程でいろいろと我々も当然査定をしたりなんかしているわけです。

中川(正)委員 これ、こんなふうにごまかしながら答弁が続いているということは、これ以上審議をしても時間の無駄だけですよ。ここのところをもうちょっとしっかりとした答弁に切りかえてもらうか、それとも、政策評価を出すと言うのか、どっちかにしてください。ちょっととめてください。

田中(和)委員長代理 答えられませんか。なるべく、この時間ですから答弁を続けていただきたいと思いますけれども。

額賀国務大臣 ですから、先ほど来説明しているように、中期計画については、政府・与党の間で決定をいたしまして、五十九兆円を上回らない範囲に道路を整備していくということになっておるわけであります。だから、五十九兆円を上回らない範囲内できちっと今後も査定をしていくということでございます。

    〔田中(和)委員長代理退席、委員長着席〕

中川(正)委員 いろいろ答えていますけれども、私の問いに対しての答えになっていないんですよ。

 それで委員長、わけわからないかもしれないけれども、私は当然財務省は政策評価をしているという前提に立って考えていますから、この政策評価に対して、出してもらう、この委員会に提出をしてもらうということ、そのことを前提にした議論にしていきましょうということで、理事会でもってその取り扱いを協議してもらいたいというふうに思います。

 大臣、何かまだありますか。

額賀国務大臣 ですから、政府・与党で決められたことについて、法律としては、閣議決定をするのは法律が通った後である。そうすると、閣議決定をする過程で当然財務省としてはきちっと整理をしていくということになるわけです。(発言する者あり)

中川(正)委員 そうなんです、法律を出す前にちゃんとその辺はやるのが当然でしょう。

 ちょっと、これ以上時間を空費すると、私はまだいっぱいあるんですよ。

額賀国務大臣 中川委員、この道路整備の財源等の特例に関する法律の一部を改正する法律案関係資料の中に、「国土交通大臣は、第一項及び前項の規定による措置を講じて平成二十年度以降十箇年間に行うべき道路整備事業の量の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。」というふうになっているんですよ。

中川(正)委員 だから、わかっているんですよ。わかっているの。だから、そのことと、それから、これから十年先の議論を今しているわけですから。暫定税率もこれから十年続くんですよ。だから、そういう議論をしていることで考えていけば、一年単位の話じゃなくて、この十年間の基礎になっているのが中期道路計画だから、それは当然法案が出る前に財務省としても政策評価をやって、それでこれが正しいのかどうかというのを基本があるでしょう、だからそれを出してください、それを持って我々も議論しましょうとこう言っているわけです。やっていないんですか。

額賀国務大臣 今、法律に書かれているように、十カ年の計画をつくって閣議決定をしなければならないと言っておりますから、その過程においては、事実上、大きな計画については承知しているけれども、個別にきちっとやっているわけではない。

 ただ、当然、単年度主義のことでございますから、毎年毎年、従来どおり、きちっと予算の作成に当たっては査定はしていくわけであります。

中川(正)委員 やっていないということですよね。だから、それだったら、この法案のベースは、これは崩れてくるわけですよ。こんな法案を出す資格はありませんよ、財務省自身が評価をやっていないんだったら。

 だから、これはちょっとこのままとめてください。これ以上できない。

原田委員長 速記をとめて。

    〔速記中止〕

原田委員長 速記を再開して。

 額賀財務大臣。

額賀国務大臣 中川委員、よく整理して後でお答えします。

原田委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

原田委員長 それでは、速記を起こしてください。

 額賀財務大臣。

額賀国務大臣 お答えをいたします。

 まず、中期計画の全体像につきましては、当初、国交省の中期計画というのは六十五兆円という形で示してきたわけです。これを財務省としては、コスト削減とか効率化とかいうことで、最大限五十九兆円という形で査定をしたわけでございます。これが大前提ですね。

 その上で……(中川(正)委員「それは財務省がやったんじゃないよ、与党合意で勝手にやったんだよ」と呼ぶ)もちろん与党合意で。もちろん財務省も。

 それからその次に、整備目標についてはそういう意味で認めることにしたわけですね、五十九兆円。その認める中で、これからきちっと査定をしたりしていかなければならない。効率化、合理化を図っていかなければならない。今、その中期計画をつくる作業を国交省がやっていて、先ほど読み上げましたように、法律が通ったらその閣議決定をしなければならないとなっていますから、そこはきちっとしていきたいということでございます。

 単年度的には、二十年度予算でいえば、それぞれ暫定税率を維持した上で一般財源化を図り、では道路整備はこれくらいでいいだろう、補助金はこういうふうにしよう、一般財源化としては一千九百億円余り、さらに、地方支援だとかそういう形でこういうふうに道路財源を使っていこうじゃないかということで、きちっと二十年度予算を提案させていただいているということでございます。

中川(正)委員 聞けば聞くほど、順番が逆さまになっているような気がするんですよ。

 さっきの大臣の話では、いや、中期計画というのは国交省が今つくっている最中だ、それを見て、つかみ金で大体こんなものだろうというので六十五兆円から五十九兆円に、財務省が下げたと言うが、実際は、財務省がやったんじゃなくて、与党合意で世論の反応を見た上で下げたというそれだけのことだと思うんですよね。それで、まず法律を通してください、そうしたら、今やっている計画を閣議決定してオーソライズしますよ、こういうことでしょう。そうすると、それは聞けば聞くほど逆さまなんですよね。

 我々が求めているのは、いや、十年間の暫定税率を続けていくという法律が出てきました、では、これがなぜ必要なのかというのは、十年間にわたって恐らく財務省はしっかりとした根拠を持ってこの法律を出してきたんだろう、だから、その根拠というのは、今国交省から出てきているこの十年の中期計画であるとすれば、これをどのように査定をしたのか、どのように政策評価をやったのかというのは当然出してもらえるはずだろう。そのことを基本にして、私たちもこの法律が本当に適当なのかどうか、正しいのかどうかというのを判断していけるということですよね。

 今のところは、この中期計画というのは本当に閣議決定も何にもしていない。さっきまさに大臣が言われたように、国交省が今つくっているんだ、こういうところで終わっているんですよ。それで、この今つくっているものをベースにして法律の議論なんてできませんよ、これは。

 だから、そういう意味からいけば、法律を出してくるためにも、皆さんの査定それから政策評価を財務省としては十分やっているんだろうと思うので、それが仕事なんだから、だから、この十年計画に対するその政策評価を出してください、そこから始めましょう、こういうことなんです。

 それは、ないんだったらないと言ってもらったらいいわけですよ。ないんですか。

額賀国務大臣 暫定税率の法律は、これは、道路整備を上回る分については一般財源化をするという法律になっているわけですね。だから、そこはよくわかっていただいていると思うんですけれども、中期計画の上限の財源として五十九兆円ということを、先ほど言ったように政府・与党で決定させていただいて、あと、その中期計画については、今、先ほど言ったように議論をしているところでございますから、当然、これから閣議決定する過程で査定をしていくことになるわけです。

中川(正)委員 はっきり出ましたよね、これから査定していくんだということですね。(額賀国務大臣「閣議決定の過程で」と呼ぶ)過程でね。それだったら、これは議論できないですよ。我々は、皆さんの査定の基準を見て判断ができるんですよ。

額賀国務大臣 先ほども言ったように、整備目標については認める、そうでしょう。建設計画を示された、整備目標には認める、しかし、予算枠としては最大限五十九兆円ですよと。

 我々は、その暫定税率水準を維持してほしい、そして、道路財源に充てる分以外のものについては一般財源化をしていく、それで単年度ごとにきちっと査定をしていきますよという形になっているわけですから。

中川(正)委員 それだったら、どっちかにしてください。

 これまでの査定あるいは政策評価というのを十年分全部出すか、それでなかったら、十年間の暫定というのは間違っているんですよ。さっきの話だったら、一年ごとにやっているだけなんです。だから、法律の出し方として、十年じゃなくて一年じゃないといけないんですよ。

 どっちかにしてください。

額賀国務大臣 法律の暫定税率については、もちろん、十年間という道路建設計画というのは時間がかかるものだから十年というタームにしているわけであって、ただ、査定は、整備目標としてはこういう形で認めていただいた、そして、単年度の予算のときにはちゃんと査定をして、道路以外のものについては一般財源化をして使っていきますよという形になっているわけですから、非常に整合性があると思います。

中川(正)委員 いや、どこに整合性があるんですか。

 十年間査定もせずに暫定税率を継続しろというのがこの法律なんですよ。そんなことできないですよ。やはり、そこの基本的なデータを出してもらわないと。十年間でやるんだったら、そっちのデータをしっかり出してもらわないと。

 だから、そういう意味で、一年ごとこれを切るか、あるいは、十年で出すんだったら、そのベースを出してください、根拠になるものを出してください。

 中期計画というのは国交省が勝手に決めたものなんですよ。これは閣議決定もしていない。政府の方針にもなっていないんですよ、形としては。だから、さっきの答弁では、それを政府の形にしていくためにこれから査定を入れますと言っているんですよ、あなた。だったら、この法律を出せないじゃないですか、十年間も。

 ということですから、ちょっと整理してください。それで、これ以上続けても仕方ないです。

額賀国務大臣 先ほども言っているように、整備目標はオーケーした、ただ、政府・与党では、道路の財源としては五十九兆円という上限を決めた、それで中期計画を今策定中である。

 我々、暫定税率の問題については、これは、道路部分以外のものについては一般財源化をするという形にさせていただいているから、十カ年計画で、五十九兆円以内でその道路財源は確保するという形になっているわけです。(中川(正)委員「こんな答弁ではこれ以上議論できないですよ。もっと整理した上で」と呼ぶ)

原田委員長 では、速記をとめてください。

    〔速記中止〕

    〔委員長退席、奥野委員長代理着席〕

    〔奥野委員長代理退席、後藤田委員長代理着席〕

    〔後藤田委員長代理退席、奥野委員長代理着席〕

    〔奥野委員長代理退席、委員長着席〕

原田委員長 速記を起こしてください。

 次回は、明二十日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後七時七分散会


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