衆議院

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第12号 平成20年3月26日(水曜日)

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平成二十年三月二十六日(水曜日)

    午後五時一分開議

 出席委員

   委員長 原田 義昭君

   理事 大野 功統君 理事 奥野 信亮君

   理事 後藤田正純君 理事 田中 和徳君

   理事 野田 聖子君 理事 中川 正春君

   理事 松野 頼久君 理事 石井 啓一君

      安次富 修君    石原 宏高君

      小川 友一君    越智 隆雄君

      木原  稔君    北川 知克君

      佐藤ゆかり君    鈴木 馨祐君

      関  芳弘君    谷本 龍哉君

      とかしきなおみ君    土井 真樹君

      中根 一幸君    西本 勝子君

      萩山 教嚴君    林田  彪君

      原田 憲治君    広津 素子君

      馬渡 龍治君    松本 洋平君

      宮下 一郎君    武藤 容治君

      盛山 正仁君    池田 元久君

      小沢 鋭仁君    大畠 章宏君

      笹木 竜三君    階   猛君

      下条 みつ君    鈴木 克昌君

      高山 智司君    大口 善徳君

      佐々木憲昭君    野呂田芳成君

      中村喜四郎君

    …………………………………

   財務大臣         額賀福志郎君

   財務副大臣        森山  裕君

   財務大臣政務官      宮下 一郎君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 小田 克起君

   政府参考人

   (外務省中東アフリカ局アフリカ審議官)      木寺 昌人君

   政府参考人

   (財務省大臣官房総括審議官)           鈴木 正規君

   政府参考人

   (財務省国際局長)    玉木林太郎君

   財務金融委員会専門員   首藤 忠則君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月二十六日

 辞任         補欠選任

  佐藤ゆかり君     武藤 容治君

  関  芳弘君     西本 勝子君

  とかしきなおみ君   馬渡 龍治君

  広津 素子君     安次富 修君

  山本 有二君     北川 知克君

  古本伸一郎君     高山 智司君

同日

 辞任         補欠選任

  安次富 修君     広津 素子君

  北川 知克君     山本 有二君

  西本 勝子君     関  芳弘君

  馬渡 龍治君     とかしきなおみ君

  武藤 容治君     佐藤ゆかり君

  高山 智司君     古本伸一郎君

    ―――――――――――――

三月二十六日

 庶民増税反対に関する請願(吉井英勝君紹介)(第六一〇号)

 同(志位和夫君紹介)(第七一五号)

 同(吉井英勝君紹介)(第七一六号)

 保険業法の見直しに関する請願(小宮山洋子君紹介)(第六九七号)

 保険業法の適用除外に関する請願(市村浩一郎君紹介)(第七一四号)

 消費税大増税の反対に関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第七四六号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一八号)


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     ――――◇―――――

原田委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。財務大臣額賀福志郎君。

    ―――――――――――――

 国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

額賀国務大臣 ただいま議題となりました国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。

 国際開発協会は、世界銀行グループの中核機関として、アジア、アフリカなどにおける所得水準の特に低い開発途上国に対し、長期かつ無利子の融資や贈与を行うことを主たる業務とする機関であります。先般、同協会の本年七月から三年間の財源を確保するため、第十五次の増資を行うことが合意されました。

 政府においては、開発途上国の経済成長と貧困削減に果たす同協会の役割の重要性にかんがみ、この第十五次増資に係る追加出資を行うこととし、本法律案を提出した次第でございます。

 本法律案の内容は、政府が国際開発協会に対し、三千六百二十六億九千五百万円の範囲内において追加出資を行い得るよう、所要の措置を講ずるものであります。

 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

 以上です。

原田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

原田委員長 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房審議官小田克起君、中東アフリカ局アフリカ審議官木寺昌人君、財務省大臣官房総括審議官鈴木正規君、国際局長玉木林太郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

原田委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がございますので、順次これを許します。松本洋平君。

松本(洋)委員 自由民主党の松本洋平でございます。

 本日、十五分という短い時間ではございますけれども、質問させていただきます。また、トップバッターでもありますので、ちょっと大枠の質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。

 今、額賀大臣から趣旨の説明がございましたとおり、今回、国際開発協会に対しまして、我が国として出資、増資ということでございます。

 御存じのとおり、国際開発協会は、所得水準の低い国、貧困国を対象といたしまして、長期、無利子の融資、贈与というものを行っております。これは、世界の貧困撲滅のために大変大きな役割を担っているというふうに認識をしております。我が国は、重要なドナー、拠出国となっているわけでございまして、そういう意味におきましては、果たしてきた役割というものは非常に大きいと認識をしております。

 しかしながら、では、貧困の撲滅というものがどこまで進んでいるのかといいますと、貧困人口を半減するという二〇〇〇年の国連ミレニアムサミットで合意された目標から見てみますと、一九九〇年と二〇〇四年を比べてみますと、途上国全体では三一・六%から一九・二%、東アジアを見てみますと三三%から九・九%、進んでいるわけでございます。しかしながら、アフリカを見てみますと、四六・八%から四一・一%ということでございまして、特にアフリカに関してはなかなか進んでいないというような状況があると思っております。

 また、アフリカ経済の発展というものを見てみますと、資源国にその発展というものは集中しておりまして、特に紛争後の国は低い成長が続いているという状況かと認識しております。

 本年は、皆さんも御存じのとおり、我が国におきましては、TICAD、アフリカ開発会議及びサミットを主催するというような、そんな立場でもございます。途上国の開発問題、特にアフリカの貧困についての基本認識を、まず外務省から教えていただきたいと思います。お願いいたします。

小田政府参考人 御説明いたします。

 まず、途上国の開発問題でございますけれども、極度の貧困、飢餓、難民、災害などの人道的問題、それから環境や水などの地球的規模の問題は、国際社会全体の持続可能な開発を実現する上で重要な課題だというふうに考えております。

 特にアフリカにおきましては、依然として貧困と紛争の問題や感染症、小型武器の拡散等の不安定要因を抱えております。また、アフリカの中でもサハラ以南のアフリカにおきましては、ミレニアム開発目標の進捗が芳しくない、このままの状況ではほとんどすべての目標の達成が困難であるというふうにされております。

 したがいまして、世界の平和と安定を実現するために、我が国を含む国際社会は、アフリカを初めとする開発途上国の開発の問題に真剣に取り組む必要がある、このように認識しているところでございます。

松本(洋)委員 そんなわけで、まだまだ、十分な成果を上げているというか目標達成には、かなり困難な道のりというような外務省としての認識があったかと思います。

 そんな中で、今回の国際開発協会への拠出もそうですけれども、財務省として、途上国、特にアフリカの支援策をどのように行うべきと考えているか、御見解をお伺いしたいと思います。

玉木政府参考人 お答えいたします。

 途上国、特にアフリカの貧困削減支援に当たりましては、無論、感染症あるいは紛争の問題といったさまざまな問題がございますが、私どもとしては、特に民間セクターの育成、そしてインフラの整備を通じて成長を促し、それを通じて貧困削減を図っていくことが極めて重要と考えております。こうした民間主導の経済成長を達成するためには、投資促進のための環境整備、地域横断的なインフラ整備支援の強化、さらには金融資本市場の整備等を支援していくことが重要と考えておりまして、世銀を初めとする国際機関と連携しながら、円借款あるいはJBICの国際金融等業務を活用していきたいと思っております。

 一つの例を挙げれば、二〇〇五年にアフリカ開発銀行との共同イニシアチブでEPSAと称するイニシアチブを立ち上げましたが、これを通じまして、アフリカの民間セクター開発の包括的な支援を図っているところでございます。

松本(洋)委員 ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思うわけですが、私、地元等々でいろいろと支援者等々の話も聞いていて常に思うことがございます。

 それは、日本のさまざまな海外の国々に対する援助というものが、地球全体としてしっかりと取り組まなければならないということはもちろんよくわかるわけでございます。先ほどの例えば環境の問題にしてもそうですし、また貧困を撲滅していくということも、やはり世界の発展そして安定、平和のために、何としてでも必要な人類共通のテーマだということはよくよく理解ができるわけでございます。しかしながら、同時に、我が国の国民の税金を使って行われている作業ですから、これらが我が国にとってどのように国益と結びついていくのかということを、やはりしっかりと国民に説明をして理解をしてもらうということが私は極めて重要な作業だと思っておりますし、実は、そういうところに対する政府の説明というのは、今まで不足している部分が大変多かったのではないかと思っております。

 そうしたことから、実際には、外務省だったり、今回は財務省ですけれども、そうしたところの活動というものが国民に大変な誤解を与えている部分も私は大変強くあるのではないかと思っております。ですので、そんな意味におきまして、そんな国益という観点におきまして、今回のIDAに対する出資というものが我が国の国益にどのように結びつくのか、ぜひそれをお答えいただきたい。よりわかりやすく、国民にメッセージとしてわかりやすく教えていただきたいと思います。

玉木政府参考人 我が国は、IDAに出資をして投票権を確保いたしまして、この投票権に基づきまして、世界銀行全体の運営が我が国の国益に沿ったものとなるよう、さまざまなレベルで働きかけを行っております。

 具体的には、アジアの途上国における我が国の経済支援の成功体験を踏まえまして、途上国の貧困削減達成のためには民間セクターを中心とした成長が不可欠だ、そのためには投資環境の改善あるいはインフラ整備が重要であるといった、我が国の経験をもとにした開発戦略を主張し、IDAの活動においてもそれが取り入れられているところと考えております。

 また、IDAによります援助は、世銀の開発に関する知識や政治的に中立的な立場を生かして、貧困国での開発計画の策定や援助国間の協調、さらには投資環境の整備、援助の世界でのルールづくりなどに生かされておりますが、こうしたことが我が国の二国間援助や民間投資を円滑に行うベースとして活用されているのではないかと考えております。

 また、御案内のとおり、本年、我が国においてTICADや洞爺湖サミットが開催されますが、そこで重要なテーマとなりますアフリカ支援や気候変動対策などの課題への対応について、世界銀行もさまざまな政策提言や新規の支援枠組みの提示等によりより積極的に貢献していくということになっております。

 御指摘のとおり、国民にわかりやすいIDA出資の意義について、必要な説明をしてまいりたいと考えております。

松本(洋)委員 今財務省から、特に今回のIDAに出資するということが国益にどう資するのかという観点で回答をいただいたわけでございますけれども、逆に今度は外務省にぜひ聞きたいと思っておりますが、では実際問題として、今回のIDAへの出資、増資というものを外務省としてどのように外交的に活用していこうと考えられているのかをぜひお伺いしたいと思います。

小田政府参考人 お答えいたします。

 国際開発協会、IDAは、世界銀行グループの一部といたしまして、アフリカ等の貧困国や気候変動に脆弱な国々を中心に支援を行う機関でございます。我が国が国際協調のもとでアフリカ開発、気候変動問題などの開発課題に積極的に取り組んでいく上で、IDA増資にも貢献することは重要であるというふうに考えております。

 我が国は、先ほど財務省からの御説明にもございましたが、本年五月、第四回アフリカ開発会議を世銀などと共催いたします。また、七月には、G8議長国として北海道洞爺湖サミットを開催することとなっております。これらの会議におきましては、アフリカ開発及び気候変動問題が重要な議題となる予定でございます。

 外務省といたしましても、IDA増資により強化された世銀と緊密に協力していきたい、このように考えております。(発言する者あり)

松本(洋)委員 今度は外務省の立場ということでお答えをいただきました。

 今、ちょっと周りの先輩方からもいろいろと話が出ましたけれども、そうなんです。結局、IDAの増資というものは、決して財務省だけの管轄の問題ではなくて、当然我が国の外交戦略とも密接に絡む分野でございますから、我が国がオール・ジャパンとして国際社会の中にどういう貢献をし、そしてどういう立場を占め、これから我々にとってどういう意味を持つのかということが、省庁の垣根というものを取っ払ってしっかりと議論をされる必要があると私は思っております。そうした意味におきましては、しっかりとオール・ジャパンとしての司令塔というものがあって、その中で、外交戦略の一環としてIDAというものもとらえられて取り組まれていくのが私は正しい筋道だと思っております。

 あえて答弁は求めませんけれども、きょうは額賀財務大臣が御出席でございますけれども、そうした点を御認識、お踏まえをいただいて、我が国としてのオール・ジャパンの外交戦略というものを、さらに力強く進めていただくためのお力添えといいますか、さらなる御活躍というものをぜひお願いしたいと思います。

 また同時に、今回増資をするわけでございますけれども、残念ながら我が国のIDAに関してのシェアというものが一〇%まで低下をしてしまうということでございまして、そういう意味では、額はふえたといいながらも、我が国のIDAにおける発言権というものは大分減少してしまうというのが私は実態ではないかと思います。

 もちろん、今の日本の財政状況が大変厳しいものがあるということはよくよくわかっておりますけれども、しかしながら、今回の増資というものが世界のためにしっかりと使われ、そしてそれがひいては我が国の将来に必ず資するものであるのであれば、私は、そうした財政の制約というものを柔軟にとらえて、もっと積極的な支援を必ずや行う必要があると思っております。

 いろいろと聞くところによると、特にアフリカなんかに関しましては、資源面等も含めまして各国の思惑というものが大変強く働いて、その影響力を強めるためにさまざまな外交戦略というものが各国において闘わされている。そういう場でございますから、ぜひ、我が国といたしましても、しっかりとした我が国の方針、スタンスというものを明確にした上で、だからこそこれだけのお金を出さなきゃいけないんだ、こういう取り組みをしていかなければならないんだということを国民にしっかりと伝えて、これからの日本の背骨のある外交戦略というものをつくり上げていただきたいと思います。

 以上をもちまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

原田委員長 次に、盛山正仁君。

盛山委員 自由民主党の盛山正仁です。

 まず、森山副大臣にお伺いしたいと思います。

 ことし七月、七夕の日から、北海道洞爺湖でサミットがございます。その最大のテーマは地球温暖化を中心とする環境問題でございますが、また、ことし一月から京都議定書の第一約束期間も始まったところでございます。来年の末のCOP15に向けて、ポスト京都、これから国際的な枠組みをどのようにしてまとめていくのか、大変大事な段階でございます。特に、これまでの議論は、先進国を中心にどのように温室効果ガスを削減するのかということに重きが置かれていたわけでございますが、これからは途上国の比率が高くなる、途上国の削減をどうしていくのかというのがこれからの大きなポイントになろうかと思います。

 そこでお伺いしたいんですが、IDAを含む世銀グループの地球温暖化対策、あるいは省エネルギー対策も同じような観点かと思うんですが、どういった取り組みをしているかについてまずお尋ねしたいと思います。

    〔委員長退席、奥野委員長代理着席〕

森山副大臣 お答え申し上げます。

 気候変動問題は、国際社会におきます喫緊な課題でありますし、早急な対応が求められていると認識をいたしております。

 世銀は、気候変動問題に対する対応として、途上国において温室効果ガスの排出の抑制に資する省エネや再生可能エネルギープロジェクトの組成、いわゆる緩和策を進めるとともに、気候変動のもたらす悪影響に対する適応力を高めるための取り組み、いわゆる適応策が現在進められているところであります。

 また、今年七月の洞爺湖サミットでの報告に向けて、各国の開発金融機関などがこうした取り組みをどう強化していくべきかを提言するクリーンエネルギー枠組みの検討も行われているところであります。

 さらに、我が国は、アメリカ、イギリスと協力をいたしまして、気候変動対策のための多国間基金の創設に向けた検討を進めております。この基金も、世銀の知見を活用する観点から、世銀に設置をする考え方でございます。

 以上でございます。

盛山委員 ありがとうございました。

 それでは、次に玉木局長にお尋ねをしたいと思います。

 日本語の通用するような大使館勤務ですとかそういうようなところでは、国際交渉といったことになれていく、そういうことはなかなか難しいんじゃないかと思うわけでございますけれども、玉木局長は、OECDや世銀という国際機関で十年勤務をされた、日本政府でも珍しいというんでしょうか、そういう職員ではないかと思います。国際機関の仕事のやり方、動向に詳しいと思うものですから、ちょっとお考えを伺いたいと思うんです。

 国際機関で日本が存在感、プレゼンスを示していくには、結局、つまるところは金と人、その二つが大事ではないかなと思います。我が国は、戦後おくれて国際機関に参加をしてきたわけでございますけれども、我が国の経済力をバックにしまして、日本の発言力がIDAを含むそれぞれの国際機関でだんだん強くなってきた。相当の発言力を有して、諸外国からも日本の発言をしっかりと聞いてもらえるようになっているのではないかと思うんです。出資金や分担金という金の部分の大きさ、金の影響が大きいと思うんですが、玉木局長はどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。

玉木政府参考人 まことに汗顔の至りでございますが、ささやかな経験に基づいて一言述べさせていただきたいと思います。

 国際機関や国際交渉で活躍するような人材を育てていくことは、もちろん日本全体として、あるいは政府機関として極めて重要な課題であると思います。国際分野での活動、特に世界銀行のような国際機関での活躍ということの前提として何よりも必要なことと我々が考えておりますのは、例えば世界銀行であれば、初等教育だとか衛生だとかファイナンスといった個別の分野の深い専門性、これを高めていくことが重要だと思います。その上で、国際交渉での経験を積むことや、もう一つ忘れてならないのは、積極的な国際的な人的ネットワークを形成していくという努力ではないかと思っています。

 こうした人材を育成していくため、政府機関、我々財務省としましても、職員が比較的若い段階で世界銀行、あるいは当省所管の国際機関ではIMF等で勤務することを重視しておりまして、さらに、各種の国際会議に出席して、若い人が実際の交渉経験を積むことも重要と考えております。その上で、特に国際分野での活動にすぐれた資質を有する職員については、なるべく継続的に国際的な職務に従事させたいという方針をとっております。

 世界銀行あるいはIMFといった国際機関において第二位の出資国あるいは投票権を持つ我が国にとりまして、御指摘のとおり、資金面、金の面だけではなく人的な面で、公式、非公式の会合等の場において貢献を行っていくことは極めて重要であると考えておりまして、御指摘を受けまして、今後とも国際的な人材の育成に極力努めてまいりたいと考えております。

盛山委員 局長、ありがとうございました。

 今局長の御答弁の中にもありましたけれども、金と人、この両方がそろわないと、なかなか国際機関の中で発言力をつけていくというのは難しいんじゃないかと思うんです。俗に通貨マフィアですとか言われますけれども、ああ、あいつが言っているんだったら仕方がないなと思わせるような人材を戦略的に育成するというんでしょうか、そういうことが、財務省に限らず日本政府、これまで余りうまくなかったのではないかなと私は思うわけでございます。

 今、玉木局長の御答弁の中にもございましたけれども、同じような、似たようなポストにというんでしょうか、一回人事異動があってもまた戻ってくる、そうすることによって、国際的に日本のその分野での代表、顔ができてくるんじゃないかと私は思うわけでございます。

 日本政府の分担金その他、お金、出資、これとあわせて、職員をどのように養成していくのか。人事異動でございますから、国内のいろいろな分野の経験、そして国際の経験、いろいろ相まってのことかと思います。言葉ができるだけで国際交渉ができるということでは決してありませんし、サブの部分、中身の部分がわかっていないといけない。さらになおかつ、国際的に、あいつだったらと言われるようなキャラクターというんでしょうか、そういうものも兼ね備わっていなければならない。国際的に交渉ができるような、顔になる人を育てていくというのはなかなか難しいと思うんですけれども、財務省、これからもそういうような立派な人材を育てていただけるように、ぜひ努力をしていっていただきたいと思います。

 もう一点だけ玉木局長にお伺いしたいと思うんですが、金の点、つまりお金の出資、その重要性について、やはりこれも相当大きいのではないかと思うんですけれども、局長として、その出資の裏づけ、財政面の裏づけということについてどのようにお考えか、お尋ねしたいと思います。

玉木政府参考人 特に世界銀行のような国際金融機関におきましてはやはり金が物を言いまして、金を出せば出すほど発言力があるということは、すべての国際金融機関に共通した構造でございます。

 厳しい財政事情の中、今回のお諮りしております増資における出資シェアは、前回の一二・二四%から一〇%まで低下したところでございます。発言権そのものは、累積の出資シェアで見ますので、それほど急激には低下しておりませんが、公式、非公式の場を通じて日本が活発な活動をすることで、このシェアの低下に伴います存在感の減少というものを十分補っていけるものと考えております。

 今回の出資は、シェアとしては若干低下いたしましたが、円建てで見れば前回増資の三割増ということになっております。これは、サミットやTICADの開催国として途上国支援に積極的な日本という観点を示すために、ぎりぎりの努力として行ったものでございます。

 IDAは、開発に関する専門的知識などを生かし貧困国における投資環境や社会システムづくりを支援し、我が国の二国間援助や民間投資の基盤となる重要な役割を果たしております。このため、今後とも、出資を重ねていく努力とともに、政策形成過程への関与を含め、あらゆる形で積極的に貢献していく所存でございます。

盛山委員 ありがとうございました。

 やはり金は大事であるということ、この世の中、どういうところも金次第というところはあるのかもしれませんが、国際機関での日本の力をあらわしていくためには、先ほどの局長の御答弁でも、人的な面での貢献は、出資に見合っただけの人材はなかなかうまく送り出していけない、そういうような困難があるという中では、ある程度お金を出していって日本のプレゼンスを示していくしかないんじゃないか。

 大変財政状況が厳しい、G8の国の中でも日本が一番悪いような状況になっている。そんな中で国際機関に出資をするというのは大変つらい状況ではあると思うんですが、世界の中の日本、特に最貧困国、世界が日本を見る目ということを考えますと、歯を食いしばってでも、IDAに対する関与を今後とも深めていく必要があるのではないかと考えるわけでございますが、最後に大臣の所見をお尋ねしたいと思います。

額賀国務大臣 今おっしゃるように、大変厳しい財政事情ではありますけれども、前回の一二%台から一〇%に増資の比率は下げましたけれども、ドナー国の中では第三位のシェアでありますから、依然として発言権は保持しているものと思っております。

 私どもは、やはりこの中でアフリカだけではなくてアジアの比重を高めていって、そして日本の国益と重なるようにしていくこと、それが極めて大事だと思っておりますし、日本は、戦後アジアのために、みずからの力量に応じてさまざまな分野でともに発展をする基盤づくりをしてきた。そして今、アジアの発展が起こりつつある。そういう経験を生かして世界の貧困国に対応していくことは、日本の国際的なプレゼンスを高めると同時に、日本人、日本国家の存在感を高めることになると思っております。

 アジアにおいても、南西アジアは今でも貧困でありますし、それからアフリカにおいても、先ほど来お話がありますように、まだまだ貧困の度合いが強いところでございますから、我が国は選択と集中で戦略的に、アフリカに対してどういうふうに対応していくことがいいか、そういうことも含めて、このIDAに対する出資を引き続いて行うことによって世界に対する責任と貢献を果たしていきたいというふうに考えております。

盛山委員 ありがとうございました。

 ぜひ、アジア、アフリカ、そういう途上国、貧困国から日本が頼られる存在であり続けられるように、今後とも日本政府として出資その他国際貢献に力を入れていっていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

奥野委員長代理 次に、小沢鋭仁君。

小沢(鋭)委員 民主党の小沢鋭仁でございます。IDA第十五次増資に関する法案並びにその関連について御質問をさせていただきます。

 まず、大臣にお尋ねしたいんですが、ODAを初めとする我が国の経済援助、いろいろな形態があるわけでありますけれども、このIDAの件は、三千億円という範囲において、こういう話になるわけでありますけれども、大変巨額であります。中小企業対策費等々を見ても、比較をしてもはるかに多い、こういう額なんですね。私も、我が国の置かれている国際的環境の中で、経済援助が重要だということは十分わかるわけでありますが、そういった、例えば今申し上げた中小企業対策費等々とも比べてこの巨額な額を見たときに、本当にここまで必要なのかな、こういう話が、私自身も率直に感じることがあります。

 特に、これはここにいらっしゃる委員の皆さんもそうだと思うんですが、地域に帰って回っていますと、景気が本当に厳しいときに、海外に向かって経済協力している暇があったら、もっと我々を助けてくれよ、こういう声があるわけですね。これは恐らく各委員の皆さんも何度かそういう声は聞いているんだろう、こう思います。一言で言うと、経済協力より国内対策をもっとしっかりやってくれ、こういう声に対して、大臣としては、いや、そうじゃないんだ、こういうことなんだということを、そもそも論で恐縮でありますけれども、大臣の所感をお聞かせいただきたいと思います。

額賀国務大臣 小沢先生は山梨県、私も茨城県でありますが、田舎へ帰りますと、確かにそういう声も聞かされるわけであります。確かに、地域においては、バブル経済崩壊後、なかなか元気がないものですから、あるいは産業の空洞化とか大企業と中小企業の格差だとかさまざまな問題がありますから、国民の間からそういう声も聞かされる、それも政治の実態だというふうに思っております。

 と同時に、一方では、世界の中で、貧困国で、あした食べる米もない、病気にさらされて、感染症にさらされて亡くなっていく、そういう実態があることもやはり現実であります。そういう中で、人間として、人類としてお互いに助け合っていかなければならないという考え方も、またすべての人に共通のものがあるわけであります。だから、その割合をどういうふうにバランスをとっていくか、これが政治であるというふうに思っております。

 そういう意味で、一九六〇年以来、我が国はIDAに対しまして出資をして、世界の貧困の撲滅のために立ち上がってきた伝統があるわけです。そういう歴史をやはり大事にして、厳しい財政事情の中ではありますけれども、できるだけそういう貢献をさせていただく。そしてともに、お互いに発展もしていこうではないか、お互い人間として共通の生活基盤を築いていこうではないか、それは極めて大事なことではないかと思っております。

 アジアにおいても、中国は今度IDAの出資国になりますけれども、我々はアジアの国々にそういう貢献、支援をさせていただいて、アジアの国が経済発展をしつつある。それで、最近の日本は、アジアの経済に引っ張られて日本の経済が幾らか元気になっているという側面もあるわけであります。だから、そういう意味では、お互いに、ともに助け合いながら基盤づくりをしていくということは大切なのではないか。その意味で、我々も、財政は極めて厳しいけれども、この出資をさせていただいたということでございます。

小沢(鋭)委員 確かに大臣のおっしゃるように、本当に世界には貧困の中であえいでいる人たちもいますし、人類のまさに一員として、日本も果たすべき役割を果たさなければいけない、これは本当にそのとおりだと思っています。

 そしてまた、今大臣がおっしゃられたように、アジアの経済に我が国が引っ張られているような状況もある、こういう御指摘でありますが、たしか昨年くらいで、恐らく、香港とかそういったところも含めた大中華圏との日本の貿易取引はアメリカをはるかにしのぐ、こういうふうな時代に入ってもいるわけでありまして、そういった意味では、そういった世界の要請というのは本当にしっかりと果たしていかなきゃいけないのかな、こう私も思います。

 同時に、開発援助大綱を見ておりましたら、その中の一部に「国内の経済財政状況や国民の意見も十分踏まえつつ、」こういう文言があるんですね。ですから、そういった国際的要請と我が国の国内状況、本当にバランスをとってやっていっていただきたい、こうお願い申し上げておきたいと思います。

 そういう中で、先ほどもお話が出ておりましたが、今回のIDAへの追加出資額のシェアですね、若干下がって一〇%、こういうことだと思います。今までの何回かの出資シェアを見ておりますと、当然のことながらそれぞれ異なっているわけですね。ですから、それぞれの、一回ごとの出資の中でやはりいろいろな議論が交わされてきたんだろうな、こう思います。

 ですから、この一〇%の出資のいわゆる背景とでもいいますか根拠とでもいいますか、どういった議論があって、どういった経緯があって今回こういう数字になったのかということをお聞かせいただきたいなと思います。さきのこの財務金融委員会で、道路の問題で中期計画五十九兆円の裏づけの話がありました。きょうはそこまで厳しく問いただすつもりはありませんが、どうかこの経緯、それから根拠について御説明をいただきたいと思います。

玉木政府参考人 お答えいたします。

 IDAの増資交渉におきましては、ドナーが集まりまして、まず増資全体の目標額、これは三年間にIDAがどれだけの支援を貧困国にしたらいいか、先進国としての務めを議論することになります。今回の場合はその総額が約二百億SDR、円換算しますと三兆六千億ぐらいの規模となりました。その増資目標値に対します各国の出資シェアを次に議論していくことで具体的な出資額が決まるという段取りになっております。

 各国、各ドナーは、まず、非常に大きいのはそれぞれの国の経済規模それから国民一人当たりの所得水準、これが最も重要な基準でございますが、その上で、過去の出資シェア、その時々の経済財政事情などを勘案しながら、出資国全体の交渉の中で出資額、出資シェアを決めていくという形になっております。

 我が国の場合、現在の厳しい財政事情のもと、九〇年代には二〇%を超える出資シェアを負担しておりましたけれども、これを二〇〇〇年代に入りまして段階的に引き下げてきておりまして、今回の増資におきましては前回の一二・二四から二けたぎりぎりの一〇%まで低下させたところでございます。

 この点は、先ほども御説明しましたように、実は円建てで見ますれば前回の増資に比べると三〇%増加しておりまして、我が国の財政事情としては最大限の努力をしたわけでございますが、この出資シェアと円建てでの出資増、この組み合わせが、洞爺湖サミット、TICADの開催国として途上国支援への積極的姿勢を示す観点から、ぎりぎりの努力として受け入れられるものと考えて決断したわけでございます。

小沢(鋭)委員 ありがとうございます。

 次に、この援助はいわゆるマルチの援助なわけですが、経済協力には、いわゆる二国間と多国間、大きく分けて二つあるわけです。二国間ですと、相手国との関係で日本の姿もよくわかる、こういう話になるんですが、マルチの話になると、それも一つの国際機関にお金を入れちゃってそれからまた出すということになると、日本の姿は見えない。そういう意味では、寄附でいえば匿名寄附みたいな感じなのかな、こうも思います。

 匿名の寄附というのがある意味では大変麗しい、こういう話でもありますが、ある意味では国民の血税を使っての話でありますから、同時に、有効に活用してくれ、こういう思いもあるわけでありまして、マルチの援助の意義というのをどのようにお考えになっているか、お聞かせください。

玉木政府参考人 今回お願いをしております世界銀行、あるいはさまざまな国連機関などを通じて行われますマルチの援助の意義でございますが、一つは、こうした国際機関が開発の各分野で専門的な知識、知見、あるいはそれぞれの支援対象国の経済社会状況に対する情報を蓄積しているということ。もう一つは、これら国際機関が政治的に中立的な立場から行う途上国の制度、政策改善に関する勧告、これはなかなか二国間ではやりにくいということがございますので、こうした勧告をする。あるいは、包括的な途上国の計画策定への支援、あるいはさまざまな二国間ドナーの間の調整、こうした機能を持つという特徴を持っております。

 このため、多くの援助国は、二国間の援助とともに、マルチの援助の特徴を生かすため、IDA等を通じ二国間に加えた多国間援助に積極的に取り組んでいるところでございます。日本でいえば、無償援助、技術協力、円借款といった二国間援助、これが基本的な援助手段としてあるわけですが、これとマルチの援助を組み合わせることでより高い援助効果の発現を目指したい、こう考えております。

小沢(鋭)委員 次に進ませていただきます。

 少し関連した案件に入らせていただきたいと思いますが、為替が大きく円高に振れているわけですね。そういった意味でも、この援助の中でももちろん為替も当然関係してくる、こういうことでありますが、三月十三日、一ドル百円の壁を突破したわけであります。十二年五カ月ぶり、こういう話になります。円高というのは当然のことながらプラスマイナス両面あるわけでありますが、円高にしろ円安にしろ、やはり余り急激な為替変動は、これは困るねという話は共通認識だろうというふうに思っています。

 為替を管轄する財務省として、現在の為替、日本経済に対する影響をどのようにお考えになっているか、御説明をいただきたいと思います。

額賀国務大臣 今、小沢委員がおっしゃるように、急激な為替の変動というものは世界の経済の成長にとって望ましくないというのはG7各国の共通の認識であります。私は、先週の為替市場の動きというのは過度の動きであるというふうに認識しておりまして、懸念を表明したところでございます。

 円高というよりもドル安に伴う円高でありますが、ブッシュ大統領とかポールソン長官も、米国の強いドルは国益につながるということを再三表明しております。私どもは、米国の減速経済あるいはまた金融不安、さらには原油高の下振れリスクがあることは承知しておりますので、よく注視しながら今後を見守っていきたいというふうに思っております。と同時に、国内においてはさまざまな原油高対策とかを講じてきたところでございます。

小沢(鋭)委員 今大臣もおっしゃられたように、この円高はある意味ではドル安、裏返して言えばドル安なんですが、円が他通貨に対してそんなに上がっているわけではありませんから、まさにドル安に連れた円高という話だと思います。そのドル安の原因といいますか背景には、やはりサブプライムの問題、さらには全体としての景気の減速の問題、それから米国の利下げによる我が国とのいわゆる金利差の圧縮の問題等々があると思うんですね。

 そのサブプライムに端を発した米国の今の経済問題というのはある意味でいうと、いわゆる証券化商品の問題という形でスタートをしておりますが、私自身は、この委員会でも申し上げましたが、まさに不良債権問題だ、こういう認識をしているわけであります。さきのこの委員会で日銀福井前総裁も、いわゆる米国の不良債権問題という話を、初めてそういった言葉で表現いたしました。さらに言えば、いわゆる土地住宅に関する不良債権問題、こういう話になるんだろうと思います。ということになれば、我が国が一九九〇年の初頭から、失われた十五年、こういうことで大変苦しんできたまさにその問題に今米国が直面している、こういう話になるんだろうと思います。

 加えて、本質はそれですが、表面的にいわゆる証券化問題で出ておりますから、日本の場合の不良債権問題というのはあくまでも土地という現物があったんですね。目の前に、どんどん安くなるにしても現物があった。アメリカのこの問題は証券ですから、紙っぴらなんですね。目の前に現物がないという意味では、さらに深刻なのかな、私はこういうふうに思っています。

 相当厳しい局面だ、私はこう思っておりますが、大臣あるいはまた当局のこの問題に対する認識、いわゆる住宅価格の不良債権問題だ、こういう認識に関してはどのような御意見があるか、お聞かせいただきたいと思います。

    〔奥野委員長代理退席、委員長着席〕

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 米国におきましては、ここ数年、住宅投資が伸び、住宅価格の上昇が見られたところでございますが、これに証券化技術の進展等が加わりまして、信用力の低い個人向けのサブプライムローンが急速に拡大いたしました。しかしながら、二〇〇六年以降、金利が上昇いたしまして住宅価格の上昇が鈍化したことなどから、サブプライムローンの延滞率が急激に上昇し、この結果、ただいまお話がありましたように、サブプライム関連の証券化商品の価格が大きく下落し、昨年夏以降、金融資本市場に大きな変動が見られているところでございます。

 こうした中で、サブプライム関連商品を保有しておりました金融機関が多額の損失を計上し、大きく資本を毀損し、このことにより貸し出し態度が厳格化しているというのは御指摘のとおりでございます。また、実体経済の面でも、足元では住宅投資が大幅に減少し住宅価格の下落が続いておりまして、こうした中で雇用者数の伸びの減少、消費の伸びの鈍化などが見られ、経済自体が減速しているというふうに見られております。

 こうしたことから、今日の米国の経済状況の問題は、御指摘のとおり、ここ数年の住宅価格の上昇と住宅投資の大幅な伸び、その後の価格下落と投資減少といった住宅問題が根っこにあるということであり、この影響が金融市場の変動や実体経済に及んでいるというところだと考えております。

小沢(鋭)委員 まさに共通認識だというふうにおっしゃっていただいたと思います。ということになると、本当に、新聞報道でも、米国のこの問題、終着点なお見えず、こういうような記事も散見されますけれども、住宅価格の下落が続いている限りは底が見えない、こういう話になるんだろう、こう思います。

 思い返してみますと、我々はやはり同じような問題に直面して、私も議員になった途端に不良債権問題に直面し、今でも忘れませんが、六千八百五十億円の住専への公的資金の投入。最近は物忘れが多くてなかなか数字を覚えていられないんですが、この六千八百五十億円というのは今でもすらすらと口に出せるわけでありまして、それだけ衝撃が大きかったわけであります。最終的には数十兆にわたる公的資金の枠取りを含めた投入、こういう話にまでなったわけであります。

 そういった意味では、この後恐らく米国経済は、まあ相当激しい対応をしておりますから食いとめられるかどうかわかりませんが、日本はその後デフレ経済に突入をしていった、こういう話になるわけでありますが、まず、住宅価格の下落は続いているのか、そしてその見通しについてどのようにお考えになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 米国の住宅価格につきましては、住宅販売の不振による在庫の積み上がり等を背景にいたしまして、下落が続いております。足元で計数を申し上げますと、都市部におきましては一月におきまして前年比でマイナス一一・四%、全国平均でもマイナス三%の下落ということになっております。

 先行きについてはなかなか見通しがたいものがございますが、現在、在庫の状況は高い水準にございますので、にわかにこうした状況が変わるという指標は見えていないという状況でございます。

小沢(鋭)委員 まさに本委員会でも何度か申し上げましたが、大臣におかれましてはいろいろな、G7等の会合において我が国の経験をぜひお伝えしてもらい、米国のこの景気後退をとにかく食いとめるという話をしないと、我が国経済に対する影響も極めて大きい、こう思うものですから、ぜひともお願いをしておきたいと思います。私は、昨年の夏以降ずっと一貫してこのサブプライムの話で、大変な深刻な事態になる、こういうふうに言い続けてきておりまして、残念ながらそういう状況が依然として続いているし、まだ底なし沼だ、こういうことでありますので、ぜひとも御対応をいただきたいと思います。

 我が国に翻って、為替の話になるわけでありますが、為替水準、近傍では百円前後で推移しておりますけれども、まず、この水準についての言及、これはなかなか当局として難しいというのはわかっておるんですが、どうなのか、こういうふうにとりあえずお聞かせいただきたいと思います。

 新聞紙上だと、我が国最大の輸出産業トヨタが一円高で三百五十億円の減益になる、こういう話でありまして、逆に言えば輸入産業はそれだけまた利益もあるわけでありますけれども、そういった大きな影響があるわけであります。この話も、私は、九五年の四月、七十九円まで為替がつけて、そしてそのときに緊急円高対策チームということで米国に行った思い出もあります。ゴア副大統領やルービン財務長官、サマーズ次官等々と議論をしたわけですが、為替の水準、どういうふうに見通しをされているか、お聞かせください。

額賀国務大臣 小沢先生は、かつて自民党におられたころから、国際経済、為替問題に非常に関心を持たれた経済通であります。よく御存じであるわけでございますが、相場の水準については、これはコメントを差し控えさせていただきたいというふうに思っております。

 私としては、どちらにしても、先週見られたような過度な相場の動きについては懸念をしております。今後の相場動向については大きな関心を持って注視していきたいというふうに思っております。

小沢(鋭)委員 自民党には議員としてはいたことはなかったので、それは一言申し上げておきたい、こういうふうに思います。

 それで、財務省はまさに為替の管轄をしているわけでありますね。それで、この何年間か為替は余り大きく変動もしなかったということもあるんだと思いますが、介入、こういう話はなかったやに思います。今回のこの局面でも、介入は今まではない、こういうふうに承知をしておりますが、為替介入についての基本的なスタンスをお尋ねしておきたいと思います。

 九五年の七十九円に行ったときの為替介入というのは大量な為替介入をしたわけでありまして、特に私が覚えておりますのは、当時の榊原英資財務官でありますが、あの財務官のもと、九五年の八月は、お盆のときに大量介入をしたんですね。お盆の、まさにあらゆる金融機関がほとんど休みというとき、品薄の取引のときに大量介入を一気にやって相当戻していった、そして九月には大体百円の近傍まで戻したという、あのある意味では鮮やかな為替介入を思い出すわけでありますけれども、為替介入に関する基本的な財務省のスタンスをお聞かせください。

額賀国務大臣 先ほどは大変失礼しました。小沢先生とは結構いろいろ政治行動をともにしてきたことがあったものだから、同じ党員のような印象が強かったわけでございます。

 為替介入につきましては、これはもう小沢先生も御承知のとおり、市場に不測の影響を与えてはいけない、そういうことから、コメントは差し控えさせていただいているわけでございます。

 おっしゃるように、これまでは時々の為替相場の状況によって介入をしてきたことはあったわけでございます。そういう場合は、事後的に実績を公表してきたというのがこれまでの経緯でございます。

小沢(鋭)委員 巷間、今のレートはこのままでは済まない、こういうような話もあるわけで、そういったときには、もちろん必要に応じてで結構でありますけれども、弾力的なまた機敏な、機動的な対応をお願いしておきたいと思います。

 あと、我が国の直近の景気でありますけれども、政府の方は、緩やかな回復、こういう言い方を依然としてしております。先般の内閣府の見通しでは若干下方修正を行ったようでありますけれども、そういう見通しが依然としてある。日銀の見通しも、昨日もお話がありましたけれども、標準的なシナリオは、まだ景気は緩やかな拡張基調にある、こういう話だったと思います。

 結論からいうと、私は、大変楽観的過ぎると思っているんですね。大変厳しい、こういうふうに私は申し上げたい、こう思っているわけであります。

 米国は今回、このサブプライムに端を発した景気の減速感に対して、大変機動的かつ大胆な政策を打っているというふうに私は思います。いわゆるFRBの利下げも、もう五次ですか、五回、機動的に行ってきておりますし、さらにはまた、一月の二十四日に、アメリカ政府と下院は日本円にして総額十六兆円のいわゆる緊急景気対策で合意をし、その合意に基づいて二月の十三日には、二年間で総額十八兆円という話になりましたけれども、景気対策法が成立をした、こういう話であります。最大の目玉は戻し減税、所得税の還付、小切手で戻す、こういう話のように聞いておりますが、ある意味ではアメリカ発の景気減速でありますから、アメリカがそういう対応をするのはもっともだ、こういう話かもしれませんが、かなり大胆にやられているな、こういうふうに思います。

 その背景には、アメリカは、日本の不況をFRBを中心にして相当これまでも研究し尽くしていて、日本のデフレ経済というのはまさに先進国が戦後唯一経験したデフレだ、こういう言い方をし、そのデフレ経済に陥らないということを最大の一つの政策目標に掲げてやっている、こういうふうに私は承知しているわけであります。

 日本の景気対策も、もう必要だ、私はこう思っておりますし、さらには、日銀がかつて、秋口くらいから利上げをする、こういう話をしていたときに、何を言っているんだ、逆じゃないかという話を私はあの時点から申し上げていたわけでありますけれども、最近ではまさに日銀の利下げを促す声もマーケットの中にちらほらと出てくるようにもなりました。まさにそういう事態だと思っておりますが、財務当局として、大臣として、この今の局面、景気対策に踏み込むという必要性を感じておられるのか否か、それをお聞かせいただきたいと思います。

額賀国務大臣 小沢先生のおっしゃるように、アメリカという国の政策対応というのは極めて中長期的、戦略的、機敏であるということは、学ばなければならないと思います。これは、経済とか金融とか外交とか安全保障とか、各面においてそうだというふうに思います。

 そういう中で景気認識は、我々は、最近のアメリカ経済とかの減速経済下で足踏み状態であるという認識を示したけれども、緩やかな回復は続いていくものという認識をしております。しかし、アメリカ経済がどういうふうになっていくのか。原油高でもある。そういうことの下振れリスクがあるものですから、昨年の十二月には原油高の緊急対策を講じました。そして三月には、中小企業を中心とする年度末金融に対してしっかりと機敏に対応させていただいた。そして、今予算審議をしておりますけれども、さらに、四月早々には中小企業を初め今後の成長のためにどういう対応策をとったらいいのかということについてまとめさせていただきたいということで、今政府全体で協議をしているところでございます。

 日本経済がきちっと回復過程をたどっていくように、どういう政策選択があるのか、あるいはまた政策を実行していかなければならないのか、いい考えがあれば、これは小沢先生、民主党を初め各党の考えも聞かせていただいて、取り込んでいくことが大切だというふうに思っております。

小沢(鋭)委員 大変厳しい局面だと思いますので、どうぞ後手後手に回ることなく御対応をお願いしたいと思います。

 いい考えがあればとおっしゃっていただきましたので一言申し上げると、暫定税率の廃止は二・六兆円の減税であります。それもどうぞ御勘案いただきたいということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

原田委員長 次に、鈴木克昌君。

鈴木(克)委員 鈴木克昌でございます。

 私からも、このたびのIDAの増資についてお伺いをしていきたいと思いますが、まず最初に、私はその交渉経緯を少しお伺いしていきたいというふうに思っています。

 なぜ経緯にこだわるかということでありますが、先ほど大臣は、この提案理由の説明で、IDAの発展途上国の経済成長と貧困削減に果たす同協会の役割の重要性にかんがみ、こういう説明をされたわけですね。もしそうであるならば、役割の重要性ということであるならば、やはりきちっとその検証をしなくてはならないというふうに思います。

 それから、今回の増資の交渉経緯もやはりつぶさにこれはお伺いをしていかないと、本当に今回の増資が妥当であるのか、正当性があるのかということになるわけでありますから、その辺から私は伺ってまいりたいなというふうに思っております。

 世の中には費用対効果という話があるわけであります。どうも国際貢献にそういうことはなじまないというような説もあるわけでありますけれども、私は、やはり国民の血税である以上、最大のその効果を見ていかなくてはならない、このように思います。

 そこで、少しお話を伺っていきたいんですが、二〇〇八年の七月から向こう三年間の資金調達ということで、総額三百四億ドルという増資になったわけであります。これは、債務救済でIDAの使えるお金が減少してきたということ、それからまた、貧困国の中でも拠出金の依存度が高まっておるということだというふうに思うわけであります。

 そこで、我が国としても、大変厳しい財政状況の中で、細かく言えば三千六百二十六億九千五百万円という範囲の中で出資を行うということであります。先ほど来のお話のように、シェアが今回低下をして、イギリスが一四・〇五%、アメリカが一二・一九%、我が国が一〇%ということでございます。

 そこでお伺いをしてまいりますが、資料によりますと、当初、六千億の増資をIDAの方から要請された、このような新聞報道を見ました。それが今回三千六百二十六億になったこの交渉経緯、これをぜひお聞かせをいただきたい。なぜこれをお伺いするかということは、この交渉経緯というものがやはり非常に重要なポイントになってくるのではないかな、そういう視点でお伺いをしたいと思います。

額賀国務大臣 鈴木先生がおっしゃるように、全体的な枠組みからいうと、六千億円の数字は間違っておりません。

 経緯を申し上げますと、今回の第十五次増資においては、ミレニアム開発目標の達成に向けて、出資国全体の増資目標値を四割増とするという形で合意がされたんですね。その上で、世銀からは、増資目標値の達成のために、各国に出資シェア維持の要請がなされました。我が国には、前回増資の際のシェア一二・二四%を維持した場合の四千五百億円の貢献が求められたのです。これに、二〇〇五年のサミット首脳会合で合意されたIDAの重債務貧困国に対する債務救済費用のうち、今後十年分の負担である千五百億円を加えて、合計六千億円の負担が求められたということでございます。それで、これがいろいろな交渉のきっかけ、スタートであるということであります。

 我が国は、先ほど来申し上げておりますように厳しい財政事情でありますから、ほかの国の理解を得ながらこれを縮減していくことができたらなという思いもあったし、一方で、ことしのサミット開催国として途上国支援に積極的な姿勢も示していかなければならないということもあったわけでございまして、その結果、出資シェアを一〇%に下げつつ、出資額を円建てで前回比三割増とし、三千六百二十六億九千五百万円という形にしたということでございます。

 また、債務救済費用については、追加的な出資を行わないで、三千六百億円余りの出資国債の償還を前倒しすることによって、IDA側に生ずる金利収入を充てることで、IDA十五次増資期間の三年間に必要となる債務救済費用二百六十九億円を負担するという形にしたというのが経緯でございます。

鈴木(克)委員 詳しく御説明をいただいたわけでありますが、私は、交渉経過というのは、結果ももちろん大事なんですけれども、経過がやはり大事なんだということだというふうに思います。その間で本当に相手国に対してどこまで理解をしていただき、そして、出せるお金とのぎりぎりの接点というものが出てくるのではないのかな、このように思っています。

 そこで、次にお伺いしたいんですが、そういう交渉結果の中でシェア一〇%ということに今なったわけでありますが、これは、本当に発言力の低下ということになっていくんじゃないのかということであります。

 なぜ私がこれをお伺いするかというと、先ほど御答弁の中で、金の多寡というのが要するに力の多寡である、発言力の大小だ、こういう話で、何だ、金がすべてかというふうな印象を正直言って持ったわけでありますが、したがって、もし先ほどの御答弁が真実であるならば、当然のごとく、発言力はそれに相応して落ちていったというふうに理解もできるわけであります。

 その点、そうではないということであるならば、ぜひひとつ、わかりやすく御説明をいただきたいと思います。

額賀国務大臣 お金というのは、極めてどこの世界でも大事だと思います。それと同時に、やはり金の使い方の工夫とかそれから実績とか、そういったものも物言う世界だと思っております。

 特にIDAの機関では、その出資シェアというものは確かにおっしゃるように一〇%に低下したわけだけれども、投票権というのは、これまでの累次の出資の合計に基づくものであるということでございますので、これは従来と比べてそんなに大きく下がっているものではない。IDA十五次増資後の投票権シェアは八・一七%、十四次増資のときは八・五〇%でございましたから、その意味におきましては若干下がっていますけれども、順位としては三番目であるということでございますので、変わっておりません。

 したがって、むしろ日本が、こういうIDAの機関とかの中でどういう指導力というか経験則に基づいてリードしていくかという、具体的なそういうプロジェクトを持っているとか、そういうことが大事なんではないかと思っております。

 順位は二位だそうです。三位と言いましたけれども、順位は二位だそうでございます。

 その上、今度は日本でTICADが開かれます。それからサミットが開かれます。そういうときに、やはりこれまでの経験則を生かしてそういうIDAの施策のリード役を演じる、あるいは、国際社会の中でのリーダーシップを発揮するチャンスが出てくるわけでありますから、これは、引き続いて日本の立場というもの、存在感を示していくチャンスが出てくるものと思っております。

鈴木(克)委員 この額が決定された場所は増資会合ということだというふうに思いますが、こういうときというのは、冒頭申し上げたような役割の重要性、そしてまた、例えば活動内容を見直すとか、いろいろな議論や主張が交わされたのではないかなというふうに思うのですが、その辺、どのような議論や主張のぶつけ合いがあったのか。例えば、今回の増資で従来からの流れが若干変わっていくのか、その辺のところをひとつ詳しく御説明をいただきたいと思います。

玉木政府参考人 今回のIDA第十五次増資交渉におきましては、まず、現在進行しております第十四次増資期間中のIDAの活動について中間評価を行いました。その上で、五回にわたる増資交渉、各国が集まっての議論をいたしました。その場には、先進国だけではなく、借入国の代表や市民社会の代表なども参加して議論を行いました。

 主な論点は二つございまして、一つは、IDAがたくさんのプレーヤーのいる世界の援助構造の中でどのような役割を果たしていったらいいか、二つ目は、IDAが効果的な支援を行うためにどのような活動に重点を置くべきか、こういった論点だったと思います。

 第一のIDAの役割については、ほかの援助機関、これは、伝統的な政府だけではなく、NGOや基金といった形でさまざまな援助機関がございますけれども、そうしたさまざまなプレーヤーの支援活動や民間企業の事業活動の一種の基盤として官民の活動を補完する役割こそがIDAにとって重要だということで、この点については、我が国を含めて多くの国が賛同したところでございます。

 第二のIDAの支援活動の重点でございますけれども、我が国からは、特に、民間セクターあるいはインフラ支援を通じた成長重視、それから、多くの貧困人口が依然存在いたします南アジアの状況を踏まえて、アジア支援を重視すべきだ、そして、IDA支援の成果を十分にモニタリングせよ、こうした主張を行いました。全体の中で、アジア諸国に対しては四割程度の資金が配分されることになるかと思います。

 さらに、IDAが、ポストコンフリクトと申しますが、内戦を経た紛争後国に対する支援を強化すべきこと、あるいは、債務救済を受けた国の債務持続可能性、また借金漬けにならないようにするための債務持続可能性の調査を確保するため、新興市場国を含む貸し手に対する働きかけを強化しなければいけないといった論点、さらには、IDAの国別支援戦略の中に気候変動の視点を盛り込んで、貧困国の気候変動の悪影響に対する適応力を高めるべきだ、こうした議論が行われて、最終的には、これをドナー報告として報告書に取りまとめております。

鈴木(克)委員 この増資会合で重ねられた議論というものを常に検証をしながら、その動向というものを見守っていっていただきたい。これはぜひお願いをしておきたいと思います。

 それから、今回の増資交渉で、一SDRが一・五二四四八ドル、すなわち百八十一・八六五五三円、このように資料に書いてあったわけです。私もこれはよくわからないんですけれども、例えば、今回の円高が実質的に影響というのがあるのか、一切そういうものは関係ないのか、その辺をちょっと教えていただきたいと思います。

玉木政府参考人 IDAへの出資は、基本的に各国が自国通貨建てで行うわけでございます。そして、先ほど申し上げましたように、まず増資全体の目標額を定めますが、さまざまな国がさまざまな通貨を使って貢献いたしますので、まずその目標値自体を、SDR、IMFの特別引き出し権、このSDR建てで決めまして、その増資目標値に対する各国の出資シェアを議論していくことで具体的な出資額がまずSDRで決まり、それを各国の通貨に換算していく、こういう段取りになると思います。

 こうした仕組みのもとで、各国があらかじめ自国通貨建ての出資額をベースに出資シェアを計算して議論に加われるように、交渉が妥結する前の六カ月間の平均レートを用いることとしております。具体的には、今回、二〇〇七年の四月一日から九月三十日までの六カ月間、これをあらかじめ決めておきまして、その間の平均レートを利用するという取り決めをいたしました。

 事前に為替レートを決めておくというこの仕組みは、各国の予算制度上、通常必要となる自国通貨建ての出資額を確定させる、各国、その国内手続がさまざまあると思いますので、そうした出資額を確定させる必要があるということ、こういう観点から、出資シェアの議論を行う上でやむを得ない仕組みだと考えております。

 なお、今後、投票権の基礎となります出資額については、出資国債の拠出を行って、それが償還し、IDAに対して実際に現金、日本の場合には円の現金を支払った時点、その時点での為替レートを適用して計算しておりまして、その時々の為替レートが反映した投票権ということになろうかと思います。

鈴木(克)委員 結果的には、今回の円高は全く関係ないということになるわけですね。そのことはよくわかったわけでありますが、いずれにしても、経済というのは動いていきますし、その辺のところを先を読みながら、ある意味では、日本に対して有利な展開を主張していってもらいたい、私はこのように思うわけであります。

 次に、IDAのこの出資とODA予算のかね合いを伺いたいんです。ちょっといないですけれども、先ほども松本委員からそれに関連しての話があったんですけれども、私も、これは財務省と外務省が使い分けをやっておるような気がしてならないんです。あるときは財務省、あるときは外務省ということですね。

 それはどういうことかということなんですけれども、IDAへの出資というのは、全額円建ての出資国債ということでありますね。そこで、その出資の払い込み時点では一般会計予算には計上されないんですよ。そしてその後、IDA側から償還要求を待って、償還されるときに一般会計の歳出として計上される。結局、これは国債整理基金特別会計を通じて現金償還されるということであります。したがって、このため、IDAへの出資というのは、一般会計負担のODA予算であるにもかかわらず、予算上は国債費にいわゆる分類をされるわけですよ。

 一方、平成二十年度の一般会計のODA予算というのは、基本方針二〇〇六の歳出改革プログラムに沿って、七千二億円、対前年比マイナス四%ということになっておると思うんです。この中へは実はIDAの出資は含まれていないんですよ。

 ということは、何が申し上げたいかというと、これはやはり、外務省とか財務省とかどちらかに一本化すべきですよ。だから冒頭、あるときは財務省、あるときは外務省、使い分けはよくないと。これは国民から見れば全くわからないわけですよ。

 この辺のところで、まず第一番目として、出資国債による出資というのが本当にいいのかどうか。これが本当に国民にわかりにくいんじゃないかという視点で最初の御質問をさせていただきたいと思います。

玉木政府参考人 お答えいたします。

 IDAの融資は、承諾から貸し付けが完了するまで平均して九年とか十年の期間を要するものでして、このプロジェクトの融資を承諾する時点で現金が全額必要だというものではございません。

 このため、国債によって出資を行っておいて、これによってIDAが承諾する権限を確保し、融資を承諾した後で、貸し付けが進捗していくのに応じて、必要となった資金を現金として償還していく、このやり方が、合理的な出資の方法として広く世銀を初めとする国際開発金融機関において認められております。

 出資国債による出資を行うに当たっては、今回御審議いただいておりますIDA法の改正案という形で国会に提出し、国会並びに国民に対しわかりやすい形で御了解いただくというのが私どもの考え方でございます。

鈴木(克)委員 もう一度お伺いしますけれども、やはり、このIDAの出資を国債費から切り離してODA予算として整理をする、これが私は本来じゃないのかなというふうに思うんですが、もう一度その点を御答弁いただきたい。

玉木政府参考人 先ほど申し上げたように、IDA出資は、国債交付、そして貸し付けの進捗に応じて償還する、こうした仕組みとなっておりますので、この償還費用は、あくまでも予算上国債費として計上される性格のものだと思っております。

 日本のODA事業の全体像を見るという上では、むしろ、その資料として、ODA事業予算というものを年に一回作成しております。これは、省別ではなくてODAの全体像を示すものでございますが、その中では、IDAに対する出資国債の交付も、このODA事業予算に含めて一括して計上してございます。

鈴木(克)委員 確かに、外務省が取りまとめる政府全体のODA事業量見込みには、国際開発金融機関への出資ということで計上されておるということはもちろん承知をいたしております。

 しかし、だからといって、透明性という観点からいけば、私は、ここでやはり何らかの工夫をしておく必要があるのではないのかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

玉木政府参考人 繰り返しになりますが、IDAへの出資は、こうやって増資をお願いする都度、IDA法の改正案という形で国会の御審議をいただいた上で増資に応ずるという形で、その意味では、極めて透明性の高い手続を経ていると思います。

 さらに、これに加えまして、十八年度予算から、予算とあわせて国会に提出いたします各目明細書におきまして、国際開発金融機関ごとの出資国債の償還額を明示する、こういったことにしておりまして、一層透明性を高めていきたいと考えているところでございます。

鈴木(克)委員 いずれにしても、私は一つ提案として、何らかやはり工夫をしていく必要があるのではないのかなということを申し上げておきたいというふうに思います。

 続いて、重債務貧困国に対する債務救済、これについてお伺いをしていきたいというふうに思うんです。

 これはHIPCというんですか、いわゆる重債務貧困国のイニシアチブで債務救済が取り組まれていくということになるわけですけれども、これが実際にどういうふうな形で展開をされておるのか、本当に実効性があるのかというところを視点にちょっとお伺いしていきたいんです。

 まず、HIPC及びMDRIイニシアチブにおけるこれまでの債務削減及び今後の債務削減のスケジュール、これがどのようになっておるのか、そして、我が国の負担額というのは一体どれぐらいなのかということをまずお伺いをしたいと思います。

玉木政府参考人 重債務貧困国に対する債務救済策についてお伺いいただきました。

 HIPC、重債務貧困国イニシアチブ、そしてMDRI、マルチ債務救済イニシアチブ、非常に覚えにくい名前ばかりで恐縮でございますが、IDAに関して申し上げれば、IDAが行う債務救済の額そのものは、HIPCとMDRIを合わせて三百五十四・六億SDR、円換算しますと約六兆三千億円になります。このうち、HIPCイニシアチブによる救済額は百八億SDR、このうち、既に債務削減を行った額は三十億SDRでありまして、残り七十八億SDRにつきまして、二〇四四年まで、全体としてこれから約四十年間かけて実施することになります。

 さらにMDRI、マルチ債務救済イニシアチブの方ですが、これにかかります救済額は全体で二百四十六・四億SDR、このうち、既に債務削減を行った金額が二・四億SDRであり、残り二百四十四・二億SDRは、HIPCと同様に、二〇四四年まで約四十年間かけて実施するスケジュールとなっております。

 我が国の負担額についてでございますが、HIPC分につきましては十三・六億SDR、MDRI分につきましては三十二・五億SDR、ざっと円換算しますと、HIPCの方が約二千四百四十億円、MDRIの方が五千八百九十億円となっております。

鈴木(克)委員 長期にわたる、二〇四四年というと、恐らく私も残念ながらこの世にはいないんじゃないかなというふうに思うんですが、いずれにしましても、非常に重要なことだというふうに思います。

 ちょっと我が国の分についてお伺いしていきたいんです。今回の増資で、MDRIにおける債務救済費用として我が国が三年分で二百六十九億円を負担する、このように聞いておるわけですが、これについて、出資国債の償還を前倒しすることでIDA側に生じる金利収入による対応をしていく、このように聞いておるわけですが、現金償還スケジュールというんですか、このスケジュールというのは決まっておるのか、また、他のドナー国も同様の方法で債務救済費用に対応しておるのか、そのところをちょっとお聞かせをいただきたいと思います。

玉木政府参考人 開発プロジェクトの進展というのは、必ずしも現時点でどういうスケジュールで進むかわからないものでありますが、IDAの十五次増資におきます標準的な償還スケジュールとしては、IDAは九年間を想定しております。我が国は、我が国の国債を四年を目途に償還することで生じます九年と四年との現在価値の差によって、御指摘のありました債務救済費用を負担していくという考え方でございます。

 それで、今回の増資におけるほかの国の対応について現段階では必ずしも明らかではございません。ただし、増資交渉の際にIDA事務局は、各ドナーに対して、償還前倒しによるこの債務救済の費用負担が可能であるということを説明しておりまして、我が国と同様の対応を検討している国があるのではないかと考えております。

鈴木(克)委員 この問題の最後になるわけですが、債務救済や贈与、グラントというんですか、これは、フリーライダー、ただ乗り問題という危険性を高める可能性が指摘をされておる、このように聞いておるわけです。

 この部分で、例えば中国やインドが今フリーライダーというふうな形で指摘をされておるわけですけれども、こちらで債務救援、債務救済をしたお金がこういったフリーライダーの国から借り入れへの返済に充てられて、実際に十分に活用されずにいくというような事態がある意味では考えられるというふうに思うんですが、その点についてIDAは何か方策をとっておるのか、その点をお聞かせいただきたい。

玉木政府参考人 御指摘のフリーライダー問題に関しましては、我々ドナーも重大な懸念を持っておりますし、借入国、貸付国の双方について、世界銀行、IDAが取り組みを行っております。

 まず、債務救済をしてもらった借入国側への対応でございますけれども、二〇〇六年七月に、グラントを供与する相手国、貧しい国ですが、このグラント供与対象国や債務削減を受けた国が、他方で、譲許的ではない、すなわち商業的、高い普通の金利での借り入れを実施した場合、こうした場合に、本来差し上げるグラント供与額を減額したり、低利融資の貸し付け条件を厳格化したりといった措置をとることといたしました。こうした措置で借入国が、非譲許的、すなわち商業的な借り入れをみずから抑制することを目的としているものです。

 もう一つ、貸す側、貸付国に対してでございますが、IDAあるいはIMFが共同で策定しております低所得国に対する債務持続性分析というものがございます。借り入れをしていくと将来どういう事態になるかという分析でございますけれども、この分析に沿って融資あるいは援助をしていくように、世界銀行だけではなく、IMFあるいはOECDといったさまざまなフォーラムを通じて、こうした貸付国に働きかけを行っております。

 中国が出てまいりましたが、中国に関しましては、二〇〇七年五月、昨年五月に、中国の融資機関であります中国輸銀と世界銀行との間で覚書を締結しておりまして、中国との間で援助に関する情報交換を促進し、中国の援助の透明性を向上させる努力を行っているところでございます。

鈴木(克)委員 ぜひひとつ、その辺は注意深く見守っていっていただきたいというふうに思います。

 質問の最後になりますが、洞爺湖サミットについてお伺いをしたいと思います。

 先ほど大臣もおっしゃったんですが、五月に横浜で第四回のアフリカ開発会議、それからまた洞爺湖サミットということで、我が国は、アフリカ開発についての立場を明確にしていかなくてはならないというふうに思っておるわけです。先ほどのように、何とか一〇%、二けたを確保したというのは、議長国としてのメンツというか、発言力を懸念して何とか一〇%を確保したというふうに聞いておるわけであります。聞いておるというか、私は見ておるわけでありますけれども。

 そういう中で、政府として、第四回アフリカ開発会議及び北海道洞爺湖サミットにどのような方針でアフリカ諸国の期待に対してこたえていくのか、その辺をちょっとお聞かせをいただきたいと思います。

木寺政府参考人 お答え申し上げます。

 第四回アフリカ開発会議、TICAD4でございますが、それと北海道洞爺湖サミットは、本年我が国で開催する極めて重要な外交行事でございます。

 本年五月のTICAD4では、近年、平和の定着、それから民主化の進展、さらに、経済の成長等で明るい兆しの見られるアフリカ諸国を後押しするため、「元気なアフリカを目指して」との基本メッセージのもと、アフリカ開発支援のために、我が国を含む国際社会の知恵と資金を結集してまいりたいと考えております。

 そのためにも、第四回アフリカ開発会議、TICAD4では、これまで以上に多くの首脳の参加を得まして、アフリカ諸国の要望や希望を酌み取って、その成果を北海道洞爺湖サミットの議論に反映してまいりたい、そのように考えております。

鈴木(克)委員 時間が参りましたので以上で終わらせていただきますが、今まさにお話がありましたように、資金による援助ということだけではなくて、本当に、ある意味では日本らしいアフリカに対する支援というものをやはりこの際真剣に考えていく必要があるんじゃないかな、私はこのように思います。

 ぜひその辺をまさに知恵を出していただきたいということをお願い申し上げて、私の質問を終わります。

原田委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 まず大臣に、IDAの基本的性格を確認したいと思います。

 IDAは世界銀行グループの一機関でありますが、最貧国に対して最も有利な条件で資金を提供する役割を果たしております。無利子で、返還期間が三十五年から四十年という長期資金です。加盟国は百六十六カ国で、そのうち四十カ国が拠出国で、最貧国八十二カ国に対して、貧困削減に資する方向で貸し付けているということであります。

 特に、二〇〇〇年代に入ってから、最貧国に対する貧困削減戦略がつくられて、それに沿った資金提供を行うなど、最近は特に貧困削減というところに力点を移した支援をするようになっていると思いますが、このような理解でよろしいかどうか、大臣はどのようにお考えか、確認をしたいと思います。

額賀国務大臣 概要それから基本的な考え方は、佐々木委員のおっしゃるとおりだというふうに思っております。

 世銀は、特に一九九九年に、従来の開発援助支援が必ずしも途上国の自主性に基づくものではなくて、その結果、政策、制度改革も不徹底になってきたという嫌いがなかったわけじゃない。そこで、支援手法を大きく転換しつつあるということだと思っております。

 例えば具体的には、途上国自身が自主的、主体的に貧困削減戦略を策定し、その上で援助機関はその戦略に沿って支援を行うことによって、途上国の自主性を尊重しながら方向性を明確にしていく、そういう形に変わりつつあるというふうに思っております。

佐々木(憲)委員 そこで、過去にありました画一的な構造調整融資を、今説明がありましたように、各国の自主的な計画に基づく融資に転換していく、しかもその主軸を貧困削減へと切りかえる、これが基本的な流れだというふうに思います。以前にあったような、外部から画一的な構造調整を押しつける、そういう政策を進めるところから脱却できるかどうかということが一つの焦点だったと思います。

 大臣は、以前の構造調整融資の限界とか問題点、これをどのように認識されていますでしょうか。

額賀国務大臣 今先生がおっしゃるように、従来の構造調整融資については、世銀の進める改革の内容がともすれば途上国の個別の事情を捨象して画一的になりがちだという形で批判もあり、反省させられたところではなかったかと思います。

 こうした批判を受けまして、途上国側の自主性をより尊重した形の融資手法に転換をしているということだと思っております。途上国が自主性を持って貧困削減戦略をつくり、それに基づいて支援を行うということであると思っております。

 さらに二〇〇四年には、途上国の自主的な改革実行のペースに合わせて柔軟な支援を行うため、借入国が一定の改革を実行する都度形成される開発政策融資という手法がとられているものと思っております。

 つまり、構造調整融資から開発政策融資への転換をしつつあるということだと思います。

佐々木(憲)委員 最近、ヨーロッパにおけるNGOの活動を見ておりますと、このIDAの融資に関して、構造調整プログラムなどの条件がついているので、これを廃止せよということで署名を集めて要請をしていると伝えられておりますが、現在、特別の条件を外から押しつけるような融資というのは残っているのかどうか、この点を確認したいと思います。

玉木政府参考人 世界銀行が行います調整融資というのには、当然のことながら、経済の持っております仕組みあるいは政策についてのコンディショナリティーというものがついております。その点では、御指摘の構造調整融資と基本的に同じような手法をとっておりますわけですが、問題は、それが外部から押しつけであるか、それとも、途上国が幅広い国民に聞いた上で自主的、主体的に策定していくかという違いかと思います。

 それから、IDAの支援戦略としては、現在、御指摘のありました貧困削減戦略、PRSPと呼んでおりますが、そのPRSPを策定した上で、途上国における貧困層を支援するのに効果的な支援戦略かどうか、幅広い視点から十分な吟味をいたしましてそれでコンディショナリティーを作成しているという意味では、外部からの押しつけという性格にはならないように十分配慮しているということでございます。

佐々木(憲)委員 最近、特にイギリスがIDAへの増資を急増させております。出資額の順位を見ますと、二〇〇〇年から二〇〇二年の十二次増資でイギリスは五位でありました。十三次になると四位になり、十四次では二位となって、今回の十五次ではトップになっているわけです。フランスとドイツの場合はほぼ横ばいでありますし、日本は、この間二位から三位という水準です。

 累積出資額で見ると別の姿が見えますけれども、いずれにしましても、最近イギリスだけがこんなに増資額をふやしているその理由というのは一体どこにあるのか、これをお聞かせいただきたいと思います。

玉木政府参考人 今回のIDA十五次増資におきましては、多くの欧州諸国、イギリス、フランスは例外となりますが、イギリスだけではなく、例えばスペインのような国も大幅な出資の増額を行っております。

 イギリスは、御指摘のとおり、出資額を今回約五割増加いたしまして、一九六〇年のIDA創設以来、初めて米国を抜いて、出資シェア第一位、シェアが約一四%になりました。

 この背景としましては、まず一つは、イギリスの経済、財政状況が良好だということ、もう一つは、二〇一五年のMDG、ミレニアム開発目標の達成に向けて、特に歴史的、経済的につながりの深いアフリカを中心とした貧困国における開発支援を強化せよ、貧困を減らしていくべきだという、イギリスの朝野の強い意向を反映したものだと考えております。

佐々木(憲)委員 そこで、もう一つ数字を確認したいのですが、この日本のODA関係予算額は、十年前の一九九八年度と二〇〇八年度、それぞれ幾らになっているか、また、その中でIDAへの増資は十年前と比べて今はどうか、数字を示していただきたいと思います。

玉木政府参考人 一般会計のODA予算、これを当初予算ベースで申し上げますと、十年前の九八年度は一兆四百七十三億円、二〇〇八年度は七千二億円となります。

 IDAに対する日本の出資額でございますが、十年前、九八年を含みます三年間の増資期間中に対応する三年分の金額でございますが、十一次増資として二千三百四億円、同じく、二〇〇八年を含みます第十五次増資では三千六百二十七億円となっております。

佐々木(憲)委員 大臣にお聞きしますけれども、今の数字を見ますと、ODAの場合はこの十年で三割減なんです。その中でIDAは六割増というふうになっているわけです。これは、二国間の援助を減らして多国間の援助をふやすということが、日本政府としてそういう戦略を選択しているのか、その理由というのは一体どういうところにあるのか、大臣の見解をお聞きしたいと思います。

額賀国務大臣 これは、先ほど来申し上げておるように、IDAに対する各国の出資は、増資全体の目標額を決めた上で各国の出資シェアを議論していくという形になっていて具体的に決めていくわけでありますが、各国においては、それぞれの経済規模とか国民一人当たりの所得とか、それまでの出資の状況、あるいはそのときのその国の経済や財政事情、そういうことを勘案しながら決められてきたというふうに思っております。

 我が国も、一九六〇年代というのはきっと四、五%だと思いますが、九〇年代初頭は二〇%ぐらい、二割を超えたときもあったわけでございますが、今回の第十五次の増資に当たっては、財政事情等も考えまして一〇%に引き下げた。しかし、円建てで見れば前回比で三割増となっている。これは、先ほど来お話があるように、TICADがあったりサミットが日本で開かれる、そういうことから、日本の姿勢をきちっと国際的にも示しておかなければならないという形でこういう出資割合になったということでございます。

 私は、こういう世界的な枠組みのものと二国間の支援、援助というものは、うまく有機的に絡み合って我が国の国益にも資する、あるいは地域の安定にもつながる、そういう形で判断されていくことが望ましいというふうに思います。

佐々木(憲)委員 先ほど来、国益という言葉が比較的たくさん使われておりまして議論されておりますが、私は、貧困削減ということを目的とする以上、余り国益国益ということをぎらぎらさせるのはいかがなものかというように思うわけです。相手国の自主性を尊重して、その国の貧困の克服に真に役立つ、そういう援助を行ってこそ、結果として感謝される、それが日本国民の長期的な利益にかなう、こういうものになるというふうに思うわけです。

 大臣、この点をどのようにお考えでしょうか。

額賀国務大臣 広い意味で言えば、そういう貧困国の解消に当たって、貴重な税金を使わせていただいて人類の生存のために貢献をしていくということも、日本人が尊敬をされ、日本国が世界の中で存在感を示す意味で国益につながっていくものと思っております。そういう意味での国益ということであります。

 あるいはまた、資源のない日本の国でありますから、各国と協調していく中で生き残っていかなければならないという意味で、世界の国々の貧困と各国と協調しながら闘っていく、協力していくことも国益につながるものと思っております。

佐々木(憲)委員 今回の増資は、二〇一五年までに国際社会が貧困な地域をなくすために採択されたミレニアム開発目標、その達成にとって重要な期間に当たるわけであります。特に達成率が悪いアフリカへのさらなる援助の重要性が強調されており、前回の増資以上に大幅な増資が行われるということで、これ自体、私は前向きなものだと思っております。

 ことしは、洞爺湖サミット、アフリカ開発会議の開催国ということで、日本の姿勢が問われるわけであります。今後、日本が貧困削減に対して本腰を入れて取り組むということが必要だと思いますけれども、最後に、この点についての大臣の基本的な考えをお聞かせいただきたい。

額賀国務大臣 私どもは、今度の増資に当たりましても、IDAにおける発言権を維持し、アジアの貧困それからアフリカの貧困、そういうことを解消していくために貴重な税財源を使わせていただいたということでございます。それは、佐々木委員がおっしゃるとおり、貧困に対する、世界に対する我々のメッセージであるというふうに受け取ってもらえればよいのではないかと思っております。

佐々木(憲)委員 少し時間が残っておりますが、以上で終わります。

原田委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

原田委員長 これより討論に入るのでございますが、その申し出がございませんので、直ちに採決に入ります。

 国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

原田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

原田委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、後藤田正純君外二名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党の三派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。後藤田正純君。

後藤田委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。

    国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。

 一 国際開発協会への第十五次増資に当たっては、最近の援助チャンネルの急増、ODAの細分化、援助の使途指定の増大など国際援助構造の複雑化による状況及び開発途上国の経済開発に果たす同協会の役割にかんがみ、加盟国の経済実態を十分反映したものとなるよう努めること。

 一 国際開発協会への増資を含めたODAについては、厳しい財政状況のもと出資することにかんがみ、開発効果を最大限発揮できるよう努め、効果的かつ戦略的なODAを実施するとともに、我が国の利益にかなっているか等について不断に検証・評価を行い必要により見直しを行うこと。

 一 国際機関の運営等に関しては、人材面等での協力を進めるとともに、主要出資国にふさわしいリーダーシップの発揮に努め、また、我が国の出資・拠出金の使用を含めその活動内容の透明性・公開性の確保に努めること。

以上であります。

 何とぞ御賛同賜りますようよろしくお願い申し上げます。

原田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

原田委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。財務大臣額賀福志郎君。

額賀国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。

 ありがとうございました。

    ―――――――――――――

原田委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

原田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後七時一分散会


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