衆議院

メインへスキップ



第16号 平成20年4月16日(水曜日)

会議録本文へ
平成二十年四月十六日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 原田 義昭君

   理事 大野 功統君 理事 奥野 信亮君

   理事 後藤田正純君 理事 田中 和徳君

   理事 野田 聖子君 理事 中川 正春君

   理事 松野 頼久君 理事 石井 啓一君

      石原 宏高君    小川 友一君

      越智 隆雄君    木原  稔君

      佐藤ゆかり君    篠田 陽介君

      鈴木 馨祐君    関  芳弘君

      谷本 龍哉君    土屋 正忠君

      土井 真樹君    中根 一幸君

      西本 勝子君    萩山 教嚴君

      林田  彪君    原田 憲治君

      広津 素子君    松本 洋平君

      宮下 一郎君    盛山 正仁君

      池田 元久君    小沢 鋭仁君

      大畠 章宏君    笹木 竜三君

      階   猛君    下条 みつ君

      鈴木 克昌君    古本伸一郎君

      大口 善徳君    佐々木憲昭君

      野呂田芳成君    中村喜四郎君

    …………………………………

   財務大臣         額賀福志郎君

   国務大臣

   (金融担当)       渡辺 喜美君

   内閣府副大臣       山本 明彦君

   総務副大臣        谷口 隆義君

   財務副大臣        森山  裕君

   財務大臣政務官      宮下 一郎君

   政府参考人

   (内閣法制局第一部長)  山本 庸幸君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   藤岡 文七君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局長)  三國谷勝範君

   政府参考人

   (金融庁監督局長)    西原 政雄君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 御園慎一郎君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 高橋 正樹君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   香川 俊介君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   木下 康司君

   政府参考人

   (財務省主税局長)    加藤 治彦君

   政府参考人

   (財務省理財局長)    勝 栄二郎君

   政府参考人

   (国税庁次長)      佐々木豊成君

   政府参考人

   (中小企業庁事業環境部長)            高原 一郎君

   政府参考人

   (国土交通省道路局次長) 原田 保夫君

   参考人

   (日本銀行総裁)     白川 方明君

   財務金融委員会専門員   首藤 忠則君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十六日

 辞任         補欠選任

  鈴木 馨祐君     篠田 陽介君

  とかしきなおみ君   土屋 正忠君

  山本 有二君     西本 勝子君

同日

 辞任         補欠選任

  篠田 陽介君     鈴木 馨祐君

  土屋 正忠君     とかしきなおみ君

  西本 勝子君     山本 有二君

    ―――――――――――――

四月十四日

 保険業法の見直しを求めることに関する請願(笠浩史君紹介)(第一五二三号)

 同(岩國哲人君紹介)(第一六〇六号)

 同(筒井信隆君紹介)(第一六〇七号)

 同(阿部知子君紹介)(第一七六九号)

 同(笠井亮君紹介)(第一七七〇号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第一七七一号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一七七二号)

 ガソリン税等暫定税率廃止を求めることに関する請願(安住淳君紹介)(第一五二四号)

 同(石川知裕君紹介)(第一五二五号)

 同(泉健太君紹介)(第一五二六号)

 同(市村浩一郎君紹介)(第一五二七号)

 同(小川淳也君紹介)(第一五二八号)

 同(小沢鋭仁君紹介)(第一五二九号)

 同(大串博志君紹介)(第一五三〇号)

 同(大島敦君紹介)(第一五三一号)

 同(大畠章宏君紹介)(第一五三二号)

 同(岡本充功君紹介)(第一五三三号)

 同(奥村展三君紹介)(第一五三四号)

 同(河村たかし君紹介)(第一五三五号)

 同(菅直人君紹介)(第一五三六号)

 同(黄川田徹君紹介)(第一五三七号)

 同(北神圭朗君紹介)(第一五三八号)

 同(小宮山洋子君紹介)(第一五三九号)

 同(古賀一成君紹介)(第一五四〇号)

 同(後藤斎君紹介)(第一五四一号)

 同(郡和子君紹介)(第一五四二号)

 同(佐々木隆博君紹介)(第一五四三号)

 同(笹木竜三君紹介)(第一五四四号)

 同(階猛君紹介)(第一五四五号)

 同(篠原孝君紹介)(第一五四六号)

 同(下条みつ君紹介)(第一五四七号)

 同(鈴木克昌君紹介)(第一五四八号)

 同(仙谷由人君紹介)(第一五四九号)

 同(園田康博君紹介)(第一五五〇号)

 同(田嶋要君紹介)(第一五五一号)

 同(高井美穂君紹介)(第一五五二号)

 同(筒井信隆君紹介)(第一五五三号)

 同(中川正春君紹介)(第一五五四号)

 同(長安豊君紹介)(第一五五五号)

 同(鉢呂吉雄君紹介)(第一五五六号)

 同(鳩山由紀夫君紹介)(第一五五七号)

 同(伴野豊君紹介)(第一五五八号)

 同(平野博文君紹介)(第一五五九号)

 同(福田昭夫君紹介)(第一五六〇号)

 同(藤村修君紹介)(第一五六一号)

 同(古本伸一郎君紹介)(第一五六二号)

 同(細川律夫君紹介)(第一五六三号)

 同(前原誠司君紹介)(第一五六四号)

 同(松木謙公君紹介)(第一五六五号)

 同(松本大輔君紹介)(第一五六六号)

 同(三日月大造君紹介)(第一五六七号)

 同(山岡賢次君紹介)(第一五六八号)

 同(山口壯君紹介)(第一五六九号)

 同(山井和則君紹介)(第一五七〇号)

 同(鷲尾英一郎君紹介)(第一五七一号)

 同(安住淳君紹介)(第一六〇九号)

 同(赤松広隆君紹介)(第一六一〇号)

 同(池田元久君紹介)(第一六一一号)

 同(石川知裕君紹介)(第一六一二号)

 同(市村浩一郎君紹介)(第一六一三号)

 同(岩國哲人君紹介)(第一六一四号)

 同(内山晃君紹介)(第一六一五号)

 同(枝野幸男君紹介)(第一六一六号)

 同(小川淳也君紹介)(第一六一七号)

 同(大串博志君紹介)(第一六一八号)

 同(大島敦君紹介)(第一六一九号)

 同(大畠章宏君紹介)(第一六二〇号)

 同(太田和美君紹介)(第一六二一号)

 同(逢坂誠二君紹介)(第一六二二号)

 同(岡本充功君紹介)(第一六二三号)

 同(加藤公一君紹介)(第一六二四号)

 同(金田誠一君紹介)(第一六二五号)

 同(川内博史君紹介)(第一六二六号)

 同(河村たかし君紹介)(第一六二七号)

 同(菅直人君紹介)(第一六二八号)

 同(吉良州司君紹介)(第一六二九号)

 同(黄川田徹君紹介)(第一六三〇号)

 同(小平忠正君紹介)(第一六三一号)

 同(小宮山洋子君紹介)(第一六三二号)

 同(古賀一成君紹介)(第一六三三号)

 同(後藤斎君紹介)(第一六三四号)

 同(郡和子君紹介)(第一六三五号)

 同(近藤昭一君紹介)(第一六三六号)

 同(近藤洋介君紹介)(第一六三七号)

 同(佐々木隆博君紹介)(第一六三八号)

 同(階猛君紹介)(第一六三九号)

 同(篠原孝君紹介)(第一六四〇号)

 同(下条みつ君紹介)(第一六四一号)

 同(末松義規君紹介)(第一六四二号)

 同(鈴木克昌君紹介)(第一六四三号)

 同(園田康博君紹介)(第一六四四号)

 同(田島一成君紹介)(第一六四五号)

 同(田嶋要君紹介)(第一六四六号)

 同(田名部匡代君紹介)(第一六四七号)

 同(田村謙治君紹介)(第一六四八号)

 同(高木義明君紹介)(第一六四九号)

 同(高山智司君紹介)(第一六五〇号)

 同(武正公一君紹介)(第一六五一号)

 同(長島昭久君紹介)(第一六五二号)

 同(長妻昭君紹介)(第一六五三号)

 同(長安豊君紹介)(第一六五四号)

 同(鉢呂吉雄君紹介)(第一六五五号)

 同(鳩山由紀夫君紹介)(第一六五六号)

 同(伴野豊君紹介)(第一六五七号)

 同(平野博文君紹介)(第一六五八号)

 同(福田昭夫君紹介)(第一六五九号)

 同(藤村修君紹介)(第一六六〇号)

 同(古本伸一郎君紹介)(第一六六一号)

 同(細川律夫君紹介)(第一六六二号)

 同(細野豪志君紹介)(第一六六三号)

 同(馬淵澄夫君紹介)(第一六六四号)

 同(松木謙公君紹介)(第一六六五号)

 同(松本大輔君紹介)(第一六六六号)

 同(松本剛明君紹介)(第一六六七号)

 同(松本龍君紹介)(第一六六八号)

 同(三日月大造君紹介)(第一六六九号)

 同(三谷光男君紹介)(第一六七〇号)

 同(三井辨雄君紹介)(第一六七一号)

 同(村井宗明君紹介)(第一六七二号)

 同(森本哲生君紹介)(第一六七三号)

 同(山田正彦君紹介)(第一六七四号)

 同(山井和則君紹介)(第一六七五号)

 同(横光克彦君紹介)(第一六七六号)

 同(鷲尾英一郎君紹介)(第一六七七号)

 同(安住淳君紹介)(第一六九八号)

 同(赤松広隆君紹介)(第一六九九号)

 同(池田元久君紹介)(第一七〇〇号)

 同(石川知裕君紹介)(第一七〇一号)

 同(石関貴史君紹介)(第一七〇二号)

 同(市村浩一郎君紹介)(第一七〇三号)

 同(岩國哲人君紹介)(第一七〇四号)

 同(内山晃君紹介)(第一七〇五号)

 同(小川淳也君紹介)(第一七〇六号)

 同(大串博志君紹介)(第一七〇七号)

 同(大島敦君紹介)(第一七〇八号)

 同(大畠章宏君紹介)(第一七〇九号)

 同(太田和美君紹介)(第一七一〇号)

 同(逢坂誠二君紹介)(第一七一一号)

 同(岡本充功君紹介)(第一七一二号)

 同(奥村展三君紹介)(第一七一三号)

 同(加藤公一君紹介)(第一七一四号)

 同(金田誠一君紹介)(第一七一五号)

 同(河村たかし君紹介)(第一七一六号)

 同(菅直人君紹介)(第一七一七号)

 同(吉良州司君紹介)(第一七一八号)

 同(黄川田徹君紹介)(第一七一九号)

 同(菊田真紀子君紹介)(第一七二〇号)

 同(北神圭朗君紹介)(第一七二一号)

 同(楠田大蔵君紹介)(第一七二二号)

 同(玄葉光一郎君紹介)(第一七二三号)

 同(小平忠正君紹介)(第一七二四号)

 同(小宮山泰子君紹介)(第一七二五号)

 同(小宮山洋子君紹介)(第一七二六号)

 同(郡和子君紹介)(第一七二七号)

 同(近藤昭一君紹介)(第一七二八号)

 同(階猛君紹介)(第一七二九号)

 同(篠原孝君紹介)(第一七三〇号)

 同(下条みつ君紹介)(第一七三一号)

 同(園田康博君紹介)(第一七三二号)

 同(田島一成君紹介)(第一七三三号)

 同(田嶋要君紹介)(第一七三四号)

 同(高木義明君紹介)(第一七三五号)

 同(高山智司君紹介)(第一七三六号)

 同(武正公一君紹介)(第一七三七号)

 同(筒井信隆君紹介)(第一七三八号)

 同(長妻昭君紹介)(第一七三九号)

 同(長安豊君紹介)(第一七四〇号)

 同(西村智奈美君紹介)(第一七四一号)

 同(鳩山由紀夫君紹介)(第一七四二号)

 同(伴野豊君紹介)(第一七四三号)

 同(平野博文君紹介)(第一七四四号)

 同(福田昭夫君紹介)(第一七四五号)

 同(藤井裕久君紹介)(第一七四六号)

 同(藤村修君紹介)(第一七四七号)

 同(古川元久君紹介)(第一七四八号)

 同(古本伸一郎君紹介)(第一七四九号)

 同(細川律夫君紹介)(第一七五〇号)

 同(牧義夫君紹介)(第一七五一号)

 同(松木謙公君紹介)(第一七五二号)

 同(松野頼久君紹介)(第一七五三号)

 同(松原仁君紹介)(第一七五四号)

 同(松本大輔君紹介)(第一七五五号)

 同(松本剛明君紹介)(第一七五六号)

 同(三谷光男君紹介)(第一七五七号)

 同(三井辨雄君紹介)(第一七五八号)

 同(森本哲生君紹介)(第一七五九号)

 同(山口壯君紹介)(第一七六〇号)

 同(山田正彦君紹介)(第一七六一号)

 同(山井和則君紹介)(第一七六二号)

 同(横光克彦君紹介)(第一七六三号)

 同(鷲尾英一郎君紹介)(第一七六四号)

 同(安住淳君紹介)(第一七七三号)

 同(赤松広隆君紹介)(第一七七四号)

 同(池田元久君紹介)(第一七七五号)

 同(石川知裕君紹介)(第一七七六号)

 同(石関貴史君紹介)(第一七七七号)

 同(泉健太君紹介)(第一七七八号)

 同(岩國哲人君紹介)(第一七七九号)

 同(内山晃君紹介)(第一七八〇号)

 同(小川淳也君紹介)(第一七八一号)

 同(大串博志君紹介)(第一七八二号)

 同(大島敦君紹介)(第一七八三号)

 同(大畠章宏君紹介)(第一七八四号)

 同(太田和美君紹介)(第一七八五号)

 同(逢坂誠二君紹介)(第一七八六号)

 同(奥村展三君紹介)(第一七八七号)

 同(加藤公一君紹介)(第一七八八号)

 同(金田誠一君紹介)(第一七八九号)

 同(川内博史君紹介)(第一七九〇号)

 同(河村たかし君紹介)(第一七九一号)

 同(菅直人君紹介)(第一七九二号)

 同(黄川田徹君紹介)(第一七九三号)

 同(菊田真紀子君紹介)(第一七九四号)

 同(北神圭朗君紹介)(第一七九五号)

 同(小平忠正君紹介)(第一七九六号)

 同(小宮山洋子君紹介)(第一七九七号)

 同(後藤斎君紹介)(第一七九八号)

 同(郡和子君紹介)(第一七九九号)

 同(近藤昭一君紹介)(第一八〇〇号)

 同(佐々木隆博君紹介)(第一八〇一号)

 同(階猛君紹介)(第一八〇二号)

 同(篠原孝君紹介)(第一八〇三号)

 同(下条みつ君紹介)(第一八〇四号)

 同(鈴木克昌君紹介)(第一八〇五号)

 同(園田康博君紹介)(第一八〇六号)

 同(田嶋要君紹介)(第一八〇七号)

 同(田名部匡代君紹介)(第一八〇八号)

 同(高木義明君紹介)(第一八〇九号)

 同(高山智司君紹介)(第一八一〇号)

 同(武正公一君紹介)(第一八一一号)

 同(津村啓介君紹介)(第一八一二号)

 同(寺田学君紹介)(第一八一三号)

 同(土肥隆一君紹介)(第一八一四号)

 同(中井洽君紹介)(第一八一五号)

 同(中川正春君紹介)(第一八一六号)

 同(仲野博子君紹介)(第一八一七号)

 同(長妻昭君紹介)(第一八一八号)

 同(長安豊君紹介)(第一八一九号)

 同(西村智奈美君紹介)(第一八二〇号)

 同(鉢呂吉雄君紹介)(第一八二一号)

 同(鳩山由紀夫君紹介)(第一八二二号)

 同(伴野豊君紹介)(第一八二三号)

 同(平野博文君紹介)(第一八二四号)

 同(福田昭夫君紹介)(第一八二五号)

 同(藤村修君紹介)(第一八二六号)

 同(古本伸一郎君紹介)(第一八二七号)

 同(細川律夫君紹介)(第一八二八号)

 同(前田雄吉君紹介)(第一八二九号)

 同(牧義夫君紹介)(第一八三〇号)

 同(松木謙公君紹介)(第一八三一号)

 同(松原仁君紹介)(第一八三二号)

 同(松本大輔君紹介)(第一八三三号)

 同(松本龍君紹介)(第一八三四号)

 同(三日月大造君紹介)(第一八三五号)

 同(三谷光男君紹介)(第一八三六号)

 同(三井辨雄君紹介)(第一八三七号)

 同(森本哲生君紹介)(第一八三八号)

 同(山岡賢次君紹介)(第一八三九号)

 同(山田正彦君紹介)(第一八四〇号)

 同(横光克彦君紹介)(第一八四一号)

 同(横山北斗君紹介)(第一八四二号)

 同(吉田泉君紹介)(第一八四三号)

 同(笠浩史君紹介)(第一八四四号)

 同(鷲尾英一郎君紹介)(第一八四五号)

 消費税増税反対、住民税をもとに戻すことに関する請願(岩國哲人君紹介)(第一六〇四号)

 同(筒井信隆君紹介)(第一六〇五号)

 庶民大増税反対に関する請願(筒井信隆君紹介)(第一六〇八号)

 計理士の公認会計士試験免除に関する請願(とかしきなおみ君紹介)(第一六九六号)

 同(浜田靖一君紹介)(第一六九七号)

 同(木村隆秀君紹介)(第一八四六号)

 同(馬渡龍治君紹介)(第一八四七号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 電子情報処理組織による税関手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一七号)

 財政及び金融に関する件


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

原田委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、電子情報処理組織による税関手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 質疑の申し出がございませんので、これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

原田委員長 これより討論に入るのでございますが、その申し出がございませんので、直ちに採決に入ります。

 電子情報処理組織による税関手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

原田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

原田委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、後藤田正純君外二名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党の三派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。石井啓一君。

石井(啓)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。

    電子情報処理組織による税関手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。

 一 税関の輸出入手続と関連する民間業務を処理している通関情報処理システム(NACCS)と関係省庁の輸出入等関連情報システムの連携に当たっては、縦割り行政の弊害が生じることのない各省共通のシステムとなるよう努め、関係省庁の水際における手続全体についてシステム利用率の向上を図ること。

 一 各港湾管理者の独自の手続については、様式の統一化・簡素化を図り、通関手続がスムーズに行われるよう利用者の視点に立ったシステムを構築すること。

 一 特殊会社化後の業務運営に当たっては、不採算事業の廃止や経費削減など経営の合理化・効率化だけを追求することのないよう努めること。

 一 特殊会社化後においても業務の公共性にかんがみ、経営内容や調達状況についての情報公開、一般競争入札を基本とする透明性の高い調達手続について、現状を下回ることのないよう措置するとともに、天下り問題を惹起することのないよう努めること。

 一 特殊会社化後の料金政策と配当政策のバランスに配慮するとともに、特殊会社に資本準備金として承継される独立行政法人通関情報処理センター(NACCSセンター)の利益剰余金について、利用者のために有効に活用すること。

 一 特殊会社化後においても諸外国のシステムとの連携に積極的に取り組むほか、採算性に留意しつつ、新規業務に積極的に取り組むなど利用者利便の向上を図る一方で、セキュリティ強化に併せ努めること。

以上であります。

 何とぞ御賛同賜りますようよろしくお願い申し上げます。

原田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

原田委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、本附帯決議に対しまして、政府から発言を求められておりますので、これを許します。財務大臣額賀福志郎君。

額賀国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。

 ありがとうございました。

    ―――――――――――――

原田委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

原田委員長 次に、財政及び金融に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁白川方明君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣法制局第一部長山本庸幸君、内閣府政策統括官藤岡文七君、金融庁総務企画局長三國谷勝範君、監督局長西原政雄君、総務省大臣官房審議官御園慎一郎君、大臣官房審議官高橋正樹君、財務省主計局次長香川俊介君、主計局次長木下康司君、主税局長加藤治彦君、理財局長勝栄二郎君、国税庁次長佐々木豊成君、中小企業庁事業環境部長高原一郎君、国土交通省道路局次長原田保夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

原田委員長 質疑の申し出がございますので、順次これを許します。階猛君。

階委員 おはようございます。民主党の階でございます。

 きょうは暫定税率の問題についてお聞きしたいと思っているわけでございますが、ちょっとその前に、きょうは内閣法制局の皆さんもお呼びして、憲法解釈について二、三聞いてみたいと思っております。

 まず、お手元にお配りしております資料の一の一というところをごらんになっていただきたいんですが、先般、三月三十一日に与党連名で「地方自治を預る皆様へ」ということで書面が出されております。この一枚目の真ん中、やや下あたりに、「歳入法案が未成立という憲政史上稀な事態となったことは、議会を構成する政党として申し訳なく思うとともに、参議院第一党たる民主党にも速やかに参議院としての賛否を明らかにし、異常事態を解消する政治の責任を果たすことを期待する」というくだりがあります。

 また、福田首相も先週の党首討論で民主党に対して、衆参の二権の一つを持っていて、民主党は政治に対する責任があるのだから、前進するように国会運営をやっていただきたい、そのようなことをおっしゃっております。額賀大臣も、この委員会でも何度も、早急に暫定税率法案を採決していただきたい、そのようなお話をしておりまして、野党である我々民主党に対して、政治に対する責任があるということを皆さん強調しておるわけでございます。

 そこでお聞きしたいのは、憲法上、国会を構成する野党が内閣に対して何らかの政治責任を負うというような規定、根拠となる規定はあるのでございましょうか。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の与党の文書あるいは首相及び財務大臣の御発言の内容を必ずしも詳細に承知しているわけではございませんけれども、それがおっしゃるように政治の責任ということでありますならば、それは国会の法案審議におきます政党のあり方についての御質問だろうと思いますので、そういうことであれば、当局としてお答えをすることは差し控えたいと思っております。

 いずれにせよ、政府としては、揮発油税及び地方道路税の暫定税率の維持を含みます所得税法等の一部改正法案をこの国会に提出しておりますので、その一日も早い成立ということをお願いしているところでございます。

階委員 今、長々とお答えいただきましたけれども、お手元の資料三というところに憲法の条文を幾つか掲げております。御案内のとおり日本国憲法は、議院内閣制ということで、上から三つ目の条文ですが、六十六条三項、「内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。」、こういう明文規定があるわけでございますけれども、逆に、国会は立法権の行使について内閣に対して責任を負うといったような規定はありません。

 そういうことからすると、私、法律家の端くれとして思うに、今般の政府・与党の見解というものは、立法府に対して内閣に対する責任を負えということで、ちょっと憲法の趣旨、議院内閣制の趣旨から外れるんじゃないかというふうに考えております。むしろ、本来の議院内閣制の趣旨に従えば、憲法の解釈としては、内閣が国会の意思に不満であれば、国会の意思をよしとしないのであれば、国会の方に意思変更を求めるのではなくて、衆議院を解散するしかないのではないかと思うわけでございます。

 ちょっと一つ戻って、資料二をごらんになってください。これは、憲法を勉強した人であれば大体お名前を御存じであると思うんですが、芦部信喜先生という有名な憲法学者の本から抜粋したものです。

 「日本国憲法における議院内閣制」ということで、最初に根拠条文、今申し上げた六十六条三項などを掲げた上で、真ん中あたりに、「日本国憲法における議院内閣制が、均衡を重視する古典的なイギリス型か、民主的コントロールを重視する第三ないし第四共和制フランス型か、」どちらかは定かでないと。ただ、最後の方にありますけれども、「内閣が優位する議会政」、こういうのをキャビネットガバメントと言うんだそうでございますけれども、そういうものは、ちょっと飛びますけれども、「政権交代のない自民党支配体制の下にあった時代の日本の議院内閣制も、実態はそれと異ならなかった。」ということで、キャビネットガバメント的なものを今まで日本の議院内閣制はとってきたわけでございますけれども、これは本来おかしいという趣旨のことを書いてあります。

 私は、議院内閣制というのは、今、キャビネットガバメント的な考え方じゃなくて、政府・与党も本来の議院内閣制に変わっていく過渡期であるというふうに認識を改めていただいて、これまでの議会制、キャビネットガバメント的な議会制に対応するような考え方を改めなくてはいけないと思っております。

 それで、再度聞きますけれども、福田首相を初めとして内閣の意思に反するような我々の対応を非難するのではなくて、我々に意思変更を求めるのではなくて、衆議院を解散するというのが本来のやり方ではないかと思っております。この点について、まず法制局、議院内閣制のもとでは本来どういうふうなことが予定されていると思われますでしょうか。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 衆議院の解散についてのお尋ねでございますが、これは実質的に内閣に与えられた権能でございまして、いかなる場合に衆議院を解散するかは内閣がその政治責任で決すべきものでございまして、衆議院の解散の要否等について私どもから申し上げることは、これまた差し控えたいと思っております。

階委員 今の私が説明した「内閣が優位する議会政」、英語で言うとキャビネットガバメント、こういうものは憲法上は予定されていないということでよろしいですか。

山本政府参考人 議院内閣制でございますが、これは、基本的には、権力分立の一環といたしまして立法権と行政権を分立させて、その分立を前提として、行政府が立法府の信任をその成立と存続の要件とするという制度でございまして、それによって立法府に対して行政府が政治的責任を負うという仕組みでございます。

 それで、先ほどおっしゃられましたように、確かに、国会が内閣に対して責任を負うというような憲法上の規定はないというふうに承知しております。

階委員 国会が内閣に対して責任を負うということではないという明言をいただきました。

 その上で、額賀大臣、先般来この委員会でも、暫定税率の法案、参議院で早期に審議を進めて結論を出してほしい、そういうことを繰り返しおっしゃっているわけでございますけれども、今のような憲法論議を踏まえて、見解は改められませんでしょうか。

額賀国務大臣 私どもは、予算それから歳入関連法案も、今年度に当たりましては、通例より早目に国会に提案をさせていただきまして、国会で御審議をいただきたいというお願いをしてきたところでございます。

 したがって、立法府においては、そういう予算案それからそれに関連する税関連法案等について、速やかに御審議をしていただいて、その上できっちりと判断、採決をしていただくのが国会のあり方であろうというふうに存じておりますので、国会の場でそういう責任を果たしていただきたい。それが国民生活や国民の経済活動に支障を起こさない、混乱を起こさないことにつながるので、我々は、国民的な立場に立って、立法府に低姿勢でお願いをしているわけでございます。

階委員 そういうことで、憲法の本来の趣旨からちょっと逸脱しているということをぜひ御認識いただきたいと思っております。

 それで、今まで理論的な話をちょっとさせていただいたわけでございますが、今度は実務的な話をしたいと思います。

 まず、先ほどの最初の資料一の二ページ目をごらんください。これも真ん中あたりに1、2、3と書いてございます。「歳入法案議了までの地方財政の歳入欠陥分については、国の責任において措置する」というふうに明言されています。また、先週十一日の政府・与党決定という文書に八項目の方針が掲げられておりまして、その中でも、「ガソリン税などの暫定税率の失効期間中の地方の減収については、各地方団体の財政運営に支障が生じないよう、国の責任において適切な財政措置を講じる。その際、地方の意見にも十分配慮する」という文言がありました。

 ところが、私の地元の岩手県においても、三十五市町村あるんですが、そのうち三十の市町村で道路関係事業の予算執行を見合わせているということが十三日の地方紙で報じられておりました。なぜ、このような道路関係事業の予算執行がとまるのか。

 先ほどの文書であるとか先週の政府・与党決定からすると、当然、総務省におかれましては地方自治体に対し、予定どおり予算執行しても問題ないということで何らかサジェスチョンがあってもしかるべきではないかと思うのでございますが、なぜこのように予算の執行がとまっており、またその状態が続いているのか。その点について、総務省、御見解をお願いします。

谷口副大臣 階委員の質問のように、三月三十一日に総務大臣談話ということで、暫定税率の失効に伴う地方の減収については、国の責任において適切な財源措置を講ずるというように申し上げたわけでございます。

 しかし、今現在、暫定税率が維持されておらなくて、一月で大体六百億程度の財源不足があると言われておりますが、このような失効による影響額であるとか、補助、直轄事業の取り扱い等の不明確なところがございますので、このような不確定な要素を見きわめる必要があるというようなことがございます。

 それ以外に、この暫定税率失効の影響は、地方税、譲与税だけではなくて、国の道路特定財源が充てられております地方道路整備臨時交付金、これは約七千億でありますが、また道路関係補助金、これが約五千六百億でありますが、このようなところにも影響を及ぼすというものでございます。

 また、さらに、地方の道路整備は、補助事業、交付金事業、単独事業の相互の連携によって推進をされるものでございまして、多くの地方団体はこのような補助金また交付金の影響もあわせて考慮せざるを得ないというような状況の中で、事業の執行保留というような形をとっておる自治体が多いというようなことになっておると考えております。実際に、四月一日現在で、四十七都道府県中三十六団体が事業の執行を保留いたしておりまして、このうち十一団体は、道路関係事業以外の事業まで影響が及んでいるとお聞きいたしております。

 いずれにいたしましても、参議院におきまして一刻も早く暫定税率の維持を含んでおりますこの法案を成立させていくことが、地方の不安を取り除くということになるんだろうと考えております。

階委員 今、増田総務大臣の談話というお話が出ましたが、資料四というのをごらんになってください。これは東京新聞の記事でございますが、この一番下段に、地方の減収分について増田総務大臣が、補てんを自治体が行うことではいけない、国で手当てを考えてほしいと財務省に要請しているというくだりがございます。

 この点について、財務省はどのような手当てを考えていらっしゃるのか。財務大臣、お願いします。

額賀国務大臣 今の地方の減収については、総務副大臣からお話がありましたとおりだと思っております。

 私どもは総務省とも相談をしておりまして、地方の減収分については、国の責任において適切な措置をとりますという考え方をお示ししているわけでありますが、具体的な対策については、暫定税率の失効によってどれくらいの影響が出てくるのか、それを見きわめた上で考えていかなければならないわけでございまして、現時点で具体的な特定の措置を考えているわけではありません。

 今お話がありましたように、国そして地方、それぞれ毎日四十億円、二十億円ずつの歳入不足が生まれているわけでありますから、その結果どれくらいの歳入不足になるのか、それに基づいて対応していかなければならないと思っておりますので、一日も早くこの税制関連法案を成立させていただくことが地域や国民の混乱、経済活動の混乱をなくすことにつながっておりますので、国会でもできるだけ早くこの採決なり賛否を明らかにしていただきたいというふうに思っているわけでございます。

階委員 先般来、我が党の小沢代表もテレビや党首討論でも言ったと思うんですが、市町村の暫定税率期限切れによる一年間の減収分について、これについては道路整備特別会計の剰余金を取り崩せば十分賄える、そのようなことを言っているわけでございます。

 そういう具体的な提案もしておりますし、また、きょうの新聞を見ますと、高橋洋一さんという方が金融庁顧問に就任したというニュースがありました。渡辺金融担当大臣がきのうの会見で高橋さんの知見を大いに活用したいというふうに語ったということで、その高橋さんの知見というのがちょうど先週の日経新聞に載っていまして、埋蔵金捻出はさらに可能だ、まさに特別会計の剰余金を利用すべしというような見解を表明されております。

 事前に通告しておりませんが、渡辺金融担当大臣に、その知見を活用したいということの範囲について、ぜひこの埋蔵金の活用ということについても活用していただきたいなと思うのでございますが、何か御所見をお願いできますでしょうか。

渡辺国務大臣 突然のお尋ねでございますが、高橋洋一さんは、金融庁顧問として、私の金融市場戦略チームの会議に参加をしていただく予定になっております。きょうも十時から開かれますが、多分そちらの方には御出席になられると思います。

 御案内のように、高橋さんは金融行政に携わった御経験をお持ちでございますから、そうした知見を活用した金融市場の戦略、立案を私としては期待をしているところでございます。

 彼自身は、理科系の出身ということもあって、非常に幅広い角度から、また非常に緻密な議論を展開する人でございます。私の印象では、ドラえもんのポケットからたくさんいろいろなものが出てくる、そんなぐあいにいろいろなアイデアが豊富な人でございますので、大いに私としては期待をしておるところでございます。

階委員 ぜひドラえもんのポケットから埋蔵金も出していただいて、この暫定税率期限切れ後の財政の方もしっかりと知見を活用していただきたいと思っております。

 それで、暫定税率の期限切れで、御案内のとおりガソリンや軽油などの値段が下がっております。それによって、燃料の消費は年間でどの程度ふえると見込んでおりますでしょうか。また、それによって、燃料関係の税金、ガソリン税、軽油引取税について、暫定税率は期限切れですので本則分に限られるわけでございますけれども、燃料税の収入はどの程度ふえると見込んでいるのか。この点について、ガソリン税と軽油引取税、それぞれについて伺いたいと思っております。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 現在、政府といたしましては、暫定税率の維持を含む税制改正法案の御審議をお願いいたしております。今御指摘の暫定税率が失効した場合のガソリン消費量の増加及び本則税率に基づく税収増といった試算は、私ども、行っておりません。

高橋政府参考人 軽油引取税についてもお尋ねがございましたけれども、今ほど財務省の方からもお答えがございましたとおりでございまして、御指摘のような暫定税率の失効に伴う軽油消費量の増加や本則分の税収の増加といった試算は行っていないところでございます。

階委員 そうすると、ずっと政府・与党の方は、暫定税率が期限切れになることによって、燃料の消費がふえて環境に悪影響を与えるんだということを言っているわけでございます。これは何らの数字的な根拠もなくて言っているということになりますか。額賀大臣、どういうことになりますでしょうか。

額賀国務大臣 これはよく国会で我々も答弁をしてきたわけでありますが、今度改正案を出した根拠の考え方の幾つかは、一つは、道路整備をきちっと必要なものはさせていただきましょう。もう一つは、国全体の財政事情がありますね、将来にわたって若い世代に先送りはしないということ。それから、環境問題等もよく考えていかなければならないね。そういうことから、暫定税率の水準は維持させていただきたい、そして一般財源化を図っていくという話をさせていただいているわけであります。

 なぜ環境問題かというと、これは国際的には、委員も御承知のとおり、日本の揮発油税というのはほとんどここ値上がりはしていないのですが、欧州では日本の二倍から三倍ぐらい上がっているわけでございます。これは、CO2対策、環境問題に対処する一つの目安としてガソリン税を上げていくという形をとっておりまして、それが環境の、CO2の排出の抑制につながっていくという考え方をとっているということを我々も視野に入れていかなければならない。

 そういう意味で、CO2対策の一環としても、環境問題の一環としても、この問題について考えていかなければならないという考え方を示しているわけでございます。

階委員 何か環境に悪影響を与えるような、我々の暫定税率をめぐる対応についてそういう批判をされるわけでございますけれども、それを言うのであれば、やはり数字的な根拠を指し示して、暫定税率が期限切れになるとこれだけガソリン、軽油の消費がふえるんだということも言っていただかないと、世間の納得は得られないのではないかと思っております。

 また、もし本当に燃料の消費がふえるのであれば、本則分の税収はかえって上がるわけでございまして、二兆六千億、暫定税率廃止によって年間減収になると言っているわけでございますが、それを相殺していく可能性もあるわけで、本当に消費がふえるのかどうか、これはそういった意味でもちゃんと試算を出していただかないと、何か環境問題ということをマジックワードのようにして我々を批判されているわけでございますけれども、そこはぜひ精緻な議論をしていただければなと思っております。

 その点について、もう一度答弁をお願いします。

額賀国務大臣 これは、ガソリン税の暫定税率を廃止した場合のガソリン消費の増加量については、私どもは試算をしていないのでありますけれども、暫定税率廃止の場合のCO2排出の増加量については、環境省のもとにある国立環境研究所が試算を行っているということは承知しております。

 その試算の前提となっているのは、価格弾性値等に基づいて機械的に計算をすれば、ガソリン消費の増加量は約百二十万キロリットルになるというふうに言っております。なお、このガソリン消費量の増加量にガソリン税の本則税率、キロリットル当たり二万八千七百円を機械的に乗じて計算をすれば、本則分の税収の増加額は三百四十億円として算出されることになります。

 今申し上げたのは、あくまで一定の仮定を置いた国立環境研究所の試算を紹介したものであって、政府としての試算ではないことを御理解いただきたいというふうに思っております。

階委員 時間がなくなってまいりましたので、最後に自動車重量税についてちょっと聞きたいのですが、前回のこの委員会でも古本委員が尋ねていたのですが、課税の根拠は、道路を損壊することに伴う損失を補償する、そういったことだったと思います。

 その道路を損壊するという意味では、自家用車よりも営業車の方が使用量が多いわけですから、道路損壊も大きくなると思います。また、乗用車とかよりも大型車の方が損壊の程度も大きくなるような気がしますが、税率を見ますと、例えば自家用よりも営業用の方が税率が低かったり、乗用車よりも二・五トン以下の大型車の方が税率が低かったり、必ずしも課税の根拠と整合していないと思うんですが、この点については、なぜこのようなことになっているのか、御説明いただけますか。

額賀国務大臣 数字の上から見ると、委員がおっしゃるような点が確かにあるのでありますけれども、御指摘の自家用、営業用乗用車の税率の関係については、自動車重量税の創設時、昭和四十六年においては同率、同一の税率であったと聞いております。

 暫定税率の設定、昭和四十九年、引き上げ、昭和五十一年時において、タクシー料金や運送料金に与える影響等を踏まえまして、営業用乗用車の税率について配慮がなされた結果というふうに承知をしております。恐らく、石油ショックの後物価高騰等がありましたものですから、そういうものが配慮されたものであろうというふうに推測をいたすわけであります。

 また、乗用車と二・五トン以下の小型貨物自動車の税率の関係については、昭和四十九年の暫定税率の設定時に、小型貨物自動車については中小企業や農家に多く使用されていることが配慮されたというふうに聞いております。また、その税率の引き上げ幅が乗用車の税率の引き上げ幅よりも抑えられたというのも、そういうことによるものと思っております。

階委員 結局、暫定税率を導入したことによっていろいろな格差が生まれてきて、何か当初の目的とはそぐわないような税率の格差が出てきているわけでございます。そういう意味でも、私は、暫定税率、この自動車重量税についても廃止した方が納税者の皆様の納得を得られるのではないかというふうに考えておりますが、その点を申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

原田委員長 次に、下条みつ君。

下条委員 民主党の下条みつでございます。

 きょうは一般質疑ということで、三十分でございますけれども、いろいろな意味でちょっと御決意と提案をさせていただきたいというふうに思います。

 今、同僚議員の方からいろいろなお話がありました。要するに根幹は、我々もここで相当体力勝負でもめた暫定税率、つまり増税をするかしないか、新しい負担を国民にかけるかかけないか、こういう問題が今までのこの委員会の議論の主軸であったというふうに思います。

 一方で、私はきょうはまず財務大臣に御要請というかお願いをしたいのは、一つは、新しい税率をやり、新しい税収を上げていくことも、これは千兆近くある国、地方の借金を埋めていくには必要だ、こう思います。それは確かにそうです。ただ、一方で、本当に取らなきゃいけないものをきちっと取っているんでしょうか、こういう議論がもう一方であると思うんです。私は、そこで、前もちらっと触れましたけれども、国税の徴収と滞納の問題についてちょっとお聞きしたいというふうに思います。

 まず、十八年度の国税で徴収決定済みというのが五十九兆千五百億ということですね。そのうち、滞納している、払っていないぞ、本来払わなきゃいけない、全くほかから金を取らなくてもとにかく払わなければいけない税収が、滞納残高が一兆六千八百四十四億円もあります。これは、前年比は少しはよくなって減ってはいます。五・六%減っています。これは、実に消費税の〇・六%に相当するということであります。

 つまり、滞納分を取ってしまえば、要するに、消費税議論は今、我々は選挙をやらないとここに立てませんので、選挙のときにどうかなというときに、消費税というのはなかなかちょっと禁句であったというふうに思います。そういう中で、消費税分は取れるわけであります。〇・六%、上げた分取れる。それに匹敵するものが今現在滞納されているということが毎年続いているという意味であります。

 また、その中身を言いますと、源泉所得税が三千四百億超、申告所得税が四千五百億超、法人税が二千二百、相続税が千九百八十、消費税が四千六百億超となります。この滞納差額は、源泉所得税、申告所得税、消費税、言いにくいでありましょうが、その滞納の裏にある、苦しんでおられる非常に多くの事業者の方々の目も顔も浮かぶのでありますが、払わなきゃいけないものは払わなきゃいけないということであります。

 一方で滞納発生割合というのは、いろいろな国税庁の方々、徴収係も含めて御努力なさって、十年前と比べれば、三%から一・七%近くに滞納率が圧縮されてきているということは確かにあると思います。ただ、相変わらず一兆六千億ぐらいがずっと滞納しているというのは、これは、取れるものなら取るべきじゃないかというのが私の意見であります。

 そこで、これをもう少し分析していくと、釈迦に説法ですけれども、源泉所得税とか消費税というのは、いわば中小零細事業主の一時預かり金でございますよね。一回取っちゃっていて、その取ったものを、しようがない、では銀行が迫ってきているから、国税が余り言わないから、銀行に先に返さないと貸してくれなくなっちゃう、運転資金に影響する、もしくは、運転資金で資金繰りがつかないところへ補てんしていってしまう。ですから、税金を払うのにも、目の前に来ることを先に優先して、お客さんが払った消費税や従業員から取った源泉部分を国に払わない。まず手前の自分のところで処理してしまう。この結果、こういう滞納連鎖が起きていると私は思います。

 そこで、中身をもう一度見ますと、確かに、繰り越した滞納部分がこう来るのと、新規で滞納している分もまた出てくる。新規は大体九千億ぐらいなんですね、十八年度。そのうち実際に徴収できたのは、九千億のうち四百七十億円しかないんです。ですから、私は、きょう朝もテレビで随分、きのうもやっていますけれども、十五日から、財源がないからお年寄りからいろいろなものを取ることをやっていますよね。それをやるんだったら、ある意味で悪質な人もたくさんいるわけですよ、この方から取ることにも、もうちょっと地に足をつけて財務省の方向感としてやっていくべきじゃないかというふうに思います。

 そこで、さらに推し進めていくと、確かに、きょうも国税庁の方があそこにいらっしゃって傍聴しておりますけれども、いろいろな負担の中で頑張って、研修制度やそれから適正な人員の配置の中で御努力なさってきたんだと思うんです。ただ、私はこの間の税関のときも言いましたけれども、その勘と体力とベテランだけの名のもとの部分というのは限界が僕は結局あると思うんです。だから毎年残っちゃっていると思うんですね。

 毎年残るというのは、何かやはり、私がいろいろヒアリングしてもらうと、銀行の方が怖いよと。手前の方の目の前に来る銀行員の方が怖いわけです。国が徴求するのはずっと滞納した後で、ある程度処理して、よくテレビも大臣見られると思いますけれども、ああいう形ですよね。つまり、来たころにはもうほとんど物がなくなっちゃって、絵画とかちょっとあるぐらいである。というのは、そこまで滞納しちゃうと、なかなか動けないという人員配置の問題もあると思うんです。

 ですから、やはりこの部分については、これは提案ですよ、今までがいけない、今までも一生懸命やっていましたが、どうしてもそれだけ残るのであれば、今のあるものを取りゃいいんですよ。やらなきゃいけないところから取れば、新しい人たちに我々がこの委員会でもめながら新しく取る必要はないわけであります。そうすれば、一兆六千億、つまり、暫定税率のうち七割ぐらいのものがそこから取れるわけですね。だから、そういう意味で、ここの部分をもうちょっと地に足つけて財務省、国税庁としてやっていったらどうかな。

 これは、今の範囲内で相当皆さんが努力していることは私は賛美いたします。ただ、同じような金額が残るというのは、やはり、もうちょっと人員をふやしたり、発生してからスピード感を持ってやったり、それから、私は、例えば脱税をやっているところ、滞納をやっているところは、いろいろなところへ何かしまい込んで現ナマを残していたり、それをチェックする機会を、もうちょっといろいろな国税の方々の部署に割り振っていくような予算づけが本当の思いやり予算じゃないかなと思うんです。

 この辺を含めて、つまり、多重債務者をさらにこうやることはよくないと思いますけれども、ともかく、取れるところから取っていくことに対してもうちょっと磨きをかけていただければというふうに思っていますが、大臣の御見解をお聞きしたいというふうに思います。

額賀国務大臣 下条先生の話を聞いていると、国税庁と銀行でよく連絡し合った方が税金は取れるなという感じが今いたしたわけでございますけれども、おっしゃるとおり、税は、完納して初めて課税の公平が図られるわけでありますから、これはきちっとしていかなければならない。そのために、我々も全力投球をしていくことが当然の仕事であるというふうに思っております。

 今おっしゃるように、国税の滞納については、八年連続で新規発生を上回る処理を処理としては行っているのでありますけれども、滞納残高は二〇〇六年度で一兆六千八百四十四億円となっております。これは、先生もおっしゃるように、最高は、平成十年度ころは二兆八千億あったわけでありますから、それは相当努力をしてきているということもぜひ御理解をいただきたい。十八年度では、整理済み額が九千九百九十八億円、新規発生額八千九百九十八億円という形になっております。

 いろいろな、対応が困難な業務量の増大もありますし、我々も、税務行政の混乱、それから、今言ったような歳入官庁としての重要性、そういうことから、人数を確保したり、それから質を向上させたり、あるいは機構の改革を図ったり、そういう努力を今しているわけでございます。

 おっしゃるように、我々も、これは国民の皆さん方に税に対する公平感を共有していただくために、先生のおっしゃるように全力投球をしなければならないというふうに思っております。

下条委員 ありがとうございます。

 今の人員の中で精いっぱいやっているとは思います。ですから、私と大臣は同じ意見だと思います、減ってきていると。

 ただ、簡単に言えば、今大臣が期せずしておっしゃった、銀行ともっとよく連絡をとれやというのは、確かにそうだと思うんです。銀行側は、捜査令状がなくても、税務署が言ってくるともちろん全部データを出しますし、ですから、その辺の連携は、今は議事録に残りましたけれども、大臣がおっしゃったように、確かに、連携をとるということは非常に必要だと思います。あそこはきちっと返済しているけれども、滞納しているところがあれば、そのデータをお互いがリンクして交換し合って、その中で銀行がもちろん税金を払わないうちに返してくれと言うに決まっていますけれども、取り合いですよね、でもその中で、何だ、これだけ返せるじゃないかという中で、要するに、国の方の約束をきちっと守れというふうにも連携できると思います。

 ただし、銀行の銀行員の数、また信金、信組の数と比べて、圧倒的にまだまだ徴収の方々の人数は少ないんじゃないかというふうに思っている。ただ、思いやりもしくは附帯決議が相当ふえていることは私も認めます。ですから、今後はさらに、今私が提案した部分で取れるものなんですから、取っていいものなんですから、新しく負担を国民に強いる前に、その上をもうちょっと注力していっていただければということをお願い申し上げて、額賀大臣への御要請を終わりにしたいと思います。

 次に、時間が限られておりますので、先般、私もこの委員会で御質問させていただいて大臣にお時間いただいた、例の新銀行東京のことについて金融大臣にちょっとお聞きしたいというふうに思います。

 まず、ちょっと細かく言うと、銀行法の五十二条の九というのは、銀行の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者となろうとする者は、あらかじめ総理の認可を受けなければならない。また、その中の五十二条の九では括弧書きで、簡単に言えば、国等はこの対象から除外する。「国等」というのは、国と地方、つまり、行政府については、地方自治体については、今言った適用から外してしまいます、つまり認可しない、勝手にやってくれということであります。

 まず、銀行法というのができたのはかなり昔なんですが、何で「国等」の定義というのは括弧書きで、「国、地方公共団体その他これらに準ずるものとして政令で定める法人」と書いてありますけれども、この「国等」というのが、なぜ銀行法の中で、つまり、地方自治体を含めた「国等」の認可が対象から除外されているのか。この経緯と理由をまずは政府の方からお聞きしたいというふうに思います。

    〔委員長退席、田中(和)委員長代理着席〕

三國谷政府参考人 お答えいたします。

 銀行法におきましては、銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保する観点から、銀行経営に実質的な影響力を有すると考えられる株主、すなわち、銀行の二〇%以上の議決権を保有しようとする者につきまして、事前認可により適格性の審査を行いますとともに、その後も当局の監督の対象としているところでございます。

 御指摘でございますが、行政主体といたしまして地域住民の福祉の増進を図る責務を有する地方公共団体につきましては、株主として銀行経営の健全性を害するおそれがある主体とすることにはなじまないことから、国と同様に、こうした規制の適用対象から除外しているところでございます。

下条委員 済みません、今せっかくお答えいただいたんですけれども、なじまないというのは、どこがなじまないんでしょうか。

三國谷政府参考人 主要株主の適格性につきましては、財務の健全性でございますとか、議決権保有の目的、社会的信用等に基づき判断されることとなっているところでございます。

 地方公共団体につきましては、公共的な性格を有するものでございまして、これは、国と同様に、こうした規制の主体とすることとはしていないところでございます。

下条委員 要するに、社会的信用があればいいぞ、こういうことですよね、三國谷さん。

 では、ほかの民間はどうだというと、例えば天下のトヨタとか松下とか、物すごい優良企業は銀行法に従っているわけですよ。僕は社会的信用がトヨタはないと思えません。パナソニックの松下もそうだし。そうなると、そういう文言が確かにその当時は、僕は銀行法の下で働いていた人間ですから、いけない、いいと今言ってもしようがないといえばしようがないんですけれども、これがこのままでいいのかなという僕はきょうは提案なんですよ。

 それは大臣、要は、この間の新銀行東京の場合、あれは、石原都知事がやれと言って八四%株式を持った。それは、銀行法の中で認可もあれだし、監督、審査もしなくていいということなんですね、簡単に言えば。そういうことなんですよ。

 したがって、私もあのとき白川現総裁にちょっとお聞きしたら、ちゃんとデータは日銀から金融庁に行っているけれども、その後は、日銀のは別に今の段階で示す必要はないというふうになっちゃうわけですよ、銀行法は。やらなくていいわけですから、公共性があってというふうになってしまう。大臣、私は一体これはこのままの銀行法でいいのかなという提案なんですよ。

 今、例えば、足利銀行は栃木や栃木県の市町村が大分出資しましたし、岩手県が岩手銀行に六・二一%、宮城県が仙台銀行に一・七七、岡山県がトマト銀行に一・六九とか、いろいろやっています。

 私は、こうやって法改正、いろいろな審議を行うというのは、そのときの法律やそのときの社会情勢と違って、どんどん新規商品やそれから自分の専門分野と違うものに手を出していく、それがやはり一つのわきを甘くする要因になったと思うんです。例えば、東京都が簡単に言えばパリバから銀行を買うなんというのは、私は海外の銀行はよく存じ上げている仕事をしておりましたけれども、東京都庁の、もしくは都知事の認識と全く違う専門性が必要である。ですから、そこにやはり銀行法が今までのままでいいのかと。

 地方自治体というのは、結局は、そこに住んでいる方々、税金を納めるその方々が金を払わなきゃいけないのと同じ結果になりますから、今までどおりこの部分は全く触れなくていいのか、それとも、これはもう起きてしまったら仕方ありませんが、いい機会なので、銀行法のこの「国等」の等の部分ですね、地方自治体については、非常に渡辺大臣の御地元でもやはり県がそういう手を出してくるわけです。それは、はっきり言って私が見ても、素人の人がいろいろなものに手を出したりしたときに、買うのは自由かもしれない、また出資するのは自由かもしれないが、それに対するチェック機能を、金融機関であれば、これからの銀行法の中でぜひ法改正を含めて検討していっていただけないかなという、僕は渡辺大臣への提案でございます。

 まず、この点を大臣の御所見をお聞きしたいというふうに思います。このままでいいのかどうかということです。

渡辺国務大臣 一般論でございますが、株主、とりわけ大株主には、会社の経営に対するガバナンスの観点から相応の責任が求められるものと思います。また、これも一般論でございますが、住民の税金の使途は、地方自治の原則のもとで各地方自治体において判断されるべきものでございます。つまり、国の地方自治体への関与というのは必要最小限であるべきだというのが大原則だろうと思うんですね。

 したがって、銀行法を改正して銀行の経営の健全性を確保するという観点から、国による地方公共団体への規制を強める、御指摘のように、「国等」の中から自治体を除外するというようなことが銀行法の趣旨や規制の体系から見て整合的かどうかは、慎重に検討するべきものと考えます。

下条委員 大臣、慎重に検討するというのは、一つ、銀行は、銀行法という法があるがために逆にやらなくていいということになってしまうために、先ほど言いましたように、異業種に手を出した自治体が多く傷つく前にそういう権限を持っておいていいと僕は思うんですよ。そして、監督して、これはこうだと言う権限の枠を広げるのは、決して地方自治体に対して締めつけをするわけじゃなくて、いざというときは、ちょっと持ってきなさいとずばっと言えるということだと思うんです。

 今のままですと、今後は、地方財政が余りよくなければ買うということはないかもしれませんが、ただ、あるところもあるでしょうし、いい地方自治体もありますから、そういうときに向かって、法整備のチェック機能のブラッシュアップ、磨きをかけていく必要が僕はあると思うんです。

 これをもう一度、一般論ではなくて、大臣の御決意をお聞きしたいというふうに思います。

渡辺国務大臣 御指摘の東京都銀行については、これは設立のときのマスタープランを読んでみますと、こう書いてあるんです。

 中小企業の深刻な状況が続く中で、中小企業の潜在的な力を発揮できる環境を整え、経済再生の確かな道筋をつくるために新銀行を設立するんだ。そして、新銀行は、経営のあらゆる局面でお客様本位を貫き、社会に貢献する。株式会社ではあるが、利益の極大化ではなく、都民や中小企業への成果の還元を行うという、大変結構な理念が書かれているわけです。言ってみれば、東京都が銀行法の銀行を使って政策金融をやるという位置づけだったんだろうと思います。

 ところが、御指摘のような状況になりまして、一体どういうところから今日の事態を招いたのか。この原因については、大いに追求をしていく必要はあろうかと思います。

 したがって、このことをもって即銀行法の改正につながるのかというと、もうちょっとこれは研究してからではないでしょうかということを申し上げているわけでございます。

下条委員 大臣、ありがとうございます。

 一般論じゃなくて、追求と研究がこれからかなり必要というお言葉をいただいたので、ぜひこれは、締めつけではなくて、異業種に地方自治体が伸ばしたときは銀行法できちっとチェックするんだぞということによって、この間も、一千億真っ赤っか、そして四百億のぶち込みということは、あれはもう本当に頑張っている方々に申しわけないけれども、あれはかなり難しい立ち上げだと僕は思います、あれの例がまた波及しないように、第二、第三が生まれないように、ぜひチェック機能を含めて検討していただきたいというふうに思います。

 時間がちょっと迫ってまいりました。次に、もう一点だけお聞きしたいと思うんですが、貸金業法の改正であります。

 これは、消費者金融業界に貸金業法を改正して経営内容についての変更をヒアリングしたところ、複数回答の中で、与信基準の強化が約八割、そして宣伝広告費削減が六〇%、いろいろありますけれども、八割が、与信の基準を強化しますよ。その内容を見ますと、他社借入金額、件数制限の強化が八二%、既存顧客への与信金額の引き下げが五〇%、新規顧客への与信金額引き下げが四五・七%、つまり、言い方は強化ですけれども、消費者金融が貸し渋りと貸しはがしをしていると私は思います、これは数字の上ですね。

 そこでさらに、このころから含めて、やみ金犯罪の検挙数、僕は数字が好きなので、この数字を見ていきます。そうしますと、検挙数は、頑張っていただいて、十八年が三百二十三事件で七百人、十九年が四百八十四事件で九百九十五人、これは検挙数ですね。つまり、わずかちょっとの間で約三百人ぐらい、百六十一件の件数の検挙数がふえ、そして人数もふえている。

 これは、簡単に言えば、無担保、短期、少額、そういう消費者金融から借りていた人たちの借りたいという資金需要のエネルギーが、これはもう古代、昔から、これを貸してくれといってでかい石が貝殻になって、それが寛永通宝になって、それで金になってくるわけですね。これは、人間の借りたいもしくは使いたいという意識をストップすることはできないと僕は思うんです。

 だから、私は何を言いたいかというと、この貸金業法は果たして本当に百点だったのか。これは、私はこの委員会にいませんでしたけれども、全会一致なので民主党も反省材料ではあるんですけれども、現在、こうやってやみ金検挙数がふえている、そして、金融庁に対する苦情も大臣の足元に相当ふえてきているわけです。一年間で一万件以上どんどんふえている。

 ということは、やはり借りたいという資金需要エネルギーというのは、簡単に言えば、違うところに走っている。それがやみ金業者に行って、犯罪件数がばっと上がったという感じが、すべて一〇〇%そうではないんでしょうけれども、一、二、三という流れをつくっちゃっているということなんですね。

 私は、これは確かに多重債務者を救うものはあったかもしれませんが、健全な、少額を無担保で短期で借りていた人の市場が簡単に言えばしぼんでしまっているわけです。彼らは、借りられなくなって命を絶ったり、借りられなくなってやみ金に走ったり、違う方向にエネルギーが行っているということがこの数字の中から出てきているわけであります。

 ではどうするかということなんですけれども、この貸金業法の経過措置として見直し規定が盛り込まれている。私は大臣に御決断していただきたいんですが、既に、この見直し規定は二年間でどういうふうになっていくか見てやっていくということなんですけれども、もう時間が来ちゃってあれなんですけれども、もう一度、その内容、消費者動向とか犯罪件数とか、大臣、その資金需要のエネルギーは、しつこいようですけれども、これはなくならないんです。多重債務でもうどうしようもない方々のことはちょっとおいておくしかないんですが、ほとんどの人は、そのエネルギーを使って違う業種、やみ金から借りてということが出ていて、苦情件数、検挙数もどっと上がってきちゃっている。

 だから、これはたったの一年ですけれども、今、これからさらに一年、一年半先まで、つまり、業法ができてから二年間で見直し期間をやればいいというのではなくて、もうちょっと現状のこの動きを踏まえてスピードアップをして、この見直し期間についてメスを入れていくべきではないかな、この数字から私はそう思っているんですが、大臣の御意見をお聞きしたいと思います。

田中(和)委員長代理 渡辺金融担当大臣、時間が来ておりますので簡潔に。

渡辺国務大臣 御案内のように、見直し規定というのは、金利の制限をもとに戻そうとかいうことで置かれたわけではございません。貸金業法改正は、御指摘のように、膨大な数に上る多重債務者問題の解決を目指すことが大きな柱でございました。

 したがって、今、我々が考えなければいけないことは、日本の金融に、リスクに見合ったプレミアムをつけるという市場メカニズムが働いていなかったことが非常に大きな問題になっているのではないでしょうか。

 つまり、金利体系を見ますと、いつも申し上げるように、二%ぐらいのところに大きな山があるんですね。それがなくなって次に出てくるのは、二〇%を超えたところの小さいこぶでございます。したがってこれは、明らかにリスクに見合ったプレミアムという観点からの金利体系にはなっていないわけでございまして、やはり、そういった日本の金融機関の金利の体系を変えていく観点からも、この問題は、中リスク中リターンの世界をより広めていくべきではなかろうかと私は考えているのでございます。

 今、過渡期でございますから、なかなかそうしたことが思うようにいっていない現実は私も耳にするところでございますが、ぜひ、日本の貸金業の世界に新たなビジネスモデルを確立していただきたいなと思う次第でございます。

下条委員 ありがとうございます。時間が来てしまってあれなんですが、市場の育成ももちろんですし、私は、無担保、短期、少額の資金需要エネルギーというのは絶対消えないというふうに思いますので、今後も含めて、それも含めてぜひ御検討を前向きに考えていただきたいことをお願い申し上げまして、時間をオーバーしましたので、ここで質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

田中(和)委員長代理 次に、原田憲治君。

原田(憲)委員 おはようございます。自由民主党の原田憲治でございます。

 質問の機会をいただきましたので、私も何点か質問をさせていただきたいと思いますが、先ほども話題になっておりました自動車重量税、このことにつきましてお尋ねをいたしたいと存じます。

 まず、自動車重量税、どうもネーミングがよろしくない、私はこのように思っております。重さがかかるから税金を取るんだよということだそうでありますが、私は前にも申し上げたことがあるんですけれども、重量がかかっておるということは、重量がかからなくなったら税金は返してもらえるのかという話を、当時の大蔵省だったと思うんですが、の方とお話をさせていただいたことがありました。秘書をしておりました時代ですからもう相当前の話ですけれども、創設をされたときにこの話をさせていただきました。

 といいますのは、車検あるいは新規登録のときに重量税を払います。もし事故で廃車になった場合には税金を返してくれるのかと言ったら、返しませんということであります。一方、地方税でありますけれども、自動車税の方は廃車にした場合は月割りで返ってくるということで、では、何で片一方は返ってこないのかという疑問をずっと持っておりました。返せ返せと思っていたんですけれども、自動車リサイクル法というのができたときに制度が改まったといいましょうか、廃車にした場合には税金が返ってくるというようなことになったわけですけれども、この機会に、今、税制のいろいろな論議をされておりますので、自動車重量税という名前を変更したらどうかと思うんです。

 例えば、もう一つ言わせていただきますと、道路を走るというのは、ふだん利用している自動車というイメージが強いんですけれども、わずかであっても、道路を横切るためにナンバーをつけなきゃならぬ車もあるわけですね。これも同じように税金を取られているんですね。

 例えば、農業をされておる皆さんが田んぼで使う車、自宅に置いておって、前の道路を横切るのでというようなことでナンバーをつけなきゃならぬ、あるいはゴルフ場の整備だけに使っておる車も、一般道を横切るためにナンバーをつけなきゃいかぬということで重量税も払っておるところがあるものですから、重量税というのは、この際、先ほども申し上げましたように、税制改正の中で名前を変更していただいたらどうかなと思うんですが、まず、この点についてお答えをいただきたいと思います。

加藤政府参考人 今御指摘の自動車重量税の問題も含めまして、自動車関係諸税、幾つかございます。創設の経緯、課税根拠をそれぞれ持ち、また、国、地方それぞれの貴重な財源となっておるわけでございます。

 この自動車関係諸税につきましては、昨年末の「道路特定財源の見直しについて」という政府・与党合意の中で、「税制の簡素化が必要との指摘もあり、今後の抜本的な税制改革にあわせ、道路の整備状況、環境に与える影響、厳しい財政状況等も踏まえつつ、暫定税率を含め、そのあり方を総合的に検討する。」とされております。今後、抜本的な税制改革の議論の中で、この自動車関係諸税につきましても議論されていくわけでございます。

 先生の御指摘の点も含め、そのあり方全体、実態のことも含めまして、全体の問題について、今後、政府・与党合意に沿って議論を深め、適切に対応していく必要があると考えております。

原田(憲)委員 ぜひそのようにお願いをいたしたいと思います。じゃないと、重い車から取れとか、いや、営業用に使っているんだからどうだとかいうような議論が起こってくると思いますので、ぜひ検討していただきたい、このように思います。

 次に、私は大阪の出身であります。大阪は、中小企業の町、中小企業というよりも中小零細企業の町と申し上げた方がいいのかもわかりません。中小零細企業は今大変厳しい経営状況にあるところが多いわけでありまして、金融機関と、財政支援というんでしょうか、融資のことについて大変苦労をされておる企業が多いということをお聞きいたしております。

 私も、大阪府議会議員をしておりました当時から中小零細企業の支援ということをずっと申し上げてきたわけでありますけれども、行政が経営を支援する、頑張れ、頑張れと言うのは簡単なんですけれども、やはりそこにはお金というものが存在するわけでありますので、このお金の問題がなかなかうまくいかないということであります。

 例えば中小企業新事業活動促進法、この法律に基づいて、大阪府では、「中小企業の「経営革新」を応援します!」というようなことで、各地域の中小企業支援センター、ここに相談にお越しください、応援をさせていただきますということで支援をしてきたわけであります。

 その中で融資を受けたいというような御相談が参りますと、保証協会というのがありまして、保証つき融資制度、これを活用する、応援をするということで、交渉といいますか、府の方では、これは大変優秀な企業であるからしっかりと応援しましょう、知事までお墨つきを与えて、実際、それではそこの企業を保証協会に行って融資を何とかしてくれと申し上げたところ、そこはまた保証協会は保証協会の審査というものがあって、通らない。せっかく支援策として行政として応援をしていっているのに、そこでまたつまずいてしまってだめだというようなことがあったわけであります。

 一方、金融機関も応援をしようというところがありまして、私の地元に池田銀行という、第二地銀というんですか、銀行がありまして、そこでは、地域おこしニュービジネス助成金あるいはコンソーシアム研究開発助成金、こういうものを創設いたしまして、それぞれ審査はもちろんするわけでありますけれども、評価委員会というものを設けて、申し込んでいただいた中から審査をそこでする。この評価委員会というのは、独立行政法人の中小企業基盤整備機構近畿支部、中小企業・ベンチャー総合支援センター、大阪中小企業投資育成株式会社、それから株式会社池田銀行と、系列でありますけれども、株式会社自然総研、このようなところでもって構成をされております評価委員会によって審査をして、その審査を通れば、一プラン当たり最高でどちらも三百万。コンソーシアム研究開発助成金というのは三百万ですね。

 それから、ニュービジネスの助成金というのは、地域起こし大賞というので認められれば三百万、地域起こし優秀賞というのに認められれば百万円、それから、地域起こし奨励賞というのに認められますと五十万円。地域は、大阪府、兵庫県あるいは京都府といった地域に主たる事業所を置く企業または在住の個人ということになっております。これはニュービジネス助成金の方ですね。

 コンソーシアム研究開発助成金というのは、産官学の研究機関ということでありますので、応募資格としては、事業所、個人というのは同じ地域でありますけれども、さらに、大学とか公設研究機関が有する高度な技術研究成果や知見と、みずからが持つ技術開発、商品開発ニーズを融合し、早期に結実させることを目指していること、あるいは、大学、公設研究機関と研究開発を行うための契約を結んでいる、または締結をする予定であることというような条件は付されておりますけれども、こうやって民間の金融機関も、起業家といいましょうか、一生懸命こういう人たちを応援しようということになっておるんです。

 政府系の金融機関におきましても、低利融資制度などの直接な支援とあわせて、民間の今申し上げたような制度そのものを行政が支援することで間接的に中小零細企業を支援することも重要だと私は思うんですが、大臣、いかがでしょうか。御見解をお伺いいたしたいと思います。

渡辺国務大臣 地域金融機関においてはさまざまな取り組みが行われております。その中で、成功事例集とでもいいましょうか、「地域密着型金融に関する取組み事例集」というのを金融庁としてつくりました。もし先生のお手元にまだ届いていないようでしたら、お届けをいたします。

 これらを見ますと、かなり先進的な事例もございますし、今委員が御指摘になられました行政のサポートあるいは産学官連携モデルとか、いろいろな取り組みがございます。こうした取り組みは、まさに地域密着型金融であればこそできるものでございます。

 金融庁としては、大いにこうした先進的事例がさらに拡大、発展することを促してまいりたいと考えております。

 また、金融検査があってお金が貸せないんだなどということを言いわけにするようなことは断じてまかりならぬということを申し上げているところでございます。金融検査マニュアル別冊について、「知ってナットク!」、こういうパンフレットもつくってございますので、これを大いにPRしているところでございます。

    〔田中(和)委員長代理退席、委員長着席〕

原田(憲)委員 ありがとうございます。ぜひ、大臣が御答弁いただきましたようなことで対応をいただきたいと思っております。

 ともかく、中小企業、零細企業の皆さんは大変な時期を迎えておりまして、例えば零細の金型の企業、こういうのは大阪を代表する大事な企業の一つであるんですけれども、注文がどんどん入ってくる、ところが材料を買う資金がなくなってきた、何とか借りたい、即融資をしてほしいと銀行に行くんですが、なかなかオーケーをしてもらえない。そこで、やみ金というんでしょうか、ああいうところへ手を出してしまって、何とかその場をしのいで高金利も払えたという事例もあるようです。

 ところが、一遍そういうことを経験しますと、銀行に行ってもお金を貸してくれないや、やみ金というのか、そういう金融だったらすぐ借りれる、またすぐ返せる、もうかったら返せるわなというような思いで借りてしまって、大変な目に遭っておるというような事例もあるわけですので、しっかりその辺も御理解をいただいて御支援をいただきたいと思っております。

 次に、損保の関係で少しお尋ねをいたしたいと思うんです。

 今、がん保険ですか、盛んにテレビでコマーシャルをやっております。がんになったら保険金を払いますよ。昔は、こういう理解をしておったのは私だけかもしれません。がんという宣告を受けたら、もうあなたの人生はありませんよ、だから、保険をもらって、動けるうちに温泉に行ったり奥さん孝行をしたり家族孝行をしなさい、そのための資金ですよというような考え方が私はあったのではないかなと思っておるんですけれども、今は、がんといっても、いろいろな医学の発達もありまして、がん即命がとられるということではない時代になっています。

 ところが、PRを聞いておりますと、何でもがんになれば、治療費を払うための、あるいは入院費用を払うためのプラスになるなという思いでがん保険に入るわけですけれども、実際、がんにかかって保険を申請しますと、このがんはだめなんですよ、何か難しいあれで言いますと、上皮内がんというんですか、こういうものについては一部支払われないような事例があるようなんですね。こういうような払われない事例があります。

 それを保険会社にクレームをつけるのと同時に、ドクターにも、先生、診断書を書いてもらったけれども、これは認められなかった、先生のせいじゃないかというようなことで、ドクターの方へクレームをつけに来る患者さんもおいでになるような話もお聞きしたわけであります。

 私は、この辺も、本当は契約をするときに一々細かい部分まで契約は読まないとだめだと思うんです。それはそれでわかるんですけれども、テレビコマーシャルの中でテロップが入ったりしているのかもしれませんけれども、薬の注意のように、あるいは、通販のPRのときのように個人の感想ですよというようなことを、もっと目につく形で入れるような指導をしていただけないかなということも含めて、大臣にお尋ねしたいと思います。

渡辺国務大臣 やはり、広告、コマーシャルというのはお客様に誤解を与えるものであってはいけないわけでございます。お客様にとってはそれがまさに判断材料になるがゆえに、正確でわかりやすい内容が必要でございます。保険業法の法令においては、誤解させるおそれのある表示をしてはいけないということになっております。

 当然、監督指針においても、誤認させるような表示となっていないかどうかについては、監督上の評価項目の中に明らかになっております。

 御指摘の、誤認させるような広告の掲載を行った案件につきましては、業務改善命令を発出いたしております。すべての保険会社に対して、広告や募集用の資料について、その作成、審査体制を適切に構築し、わかりやすい適切な表示を確保するように、同時に要請をしたところでございます。

原田(憲)委員 時間が参りましたので質問を終わらせていただきますけれども、大臣、今申し上げましたように、今でもコマーシャルは流れているわけですね。ぜひ指導していただきますようにお願いをいたしまして、私の質問を終えさせていただきます。

 ありがとうございました。

原田委員長 次に、中根一幸君。

中根委員 自由民主党の中根一幸でございます。

 本日は、金融に関する件について、白川日本銀行総裁にこれからいろいろと質問させていただこうと思っております。恐らく、委員会では総裁になられて初の質問になるわけでございます。そしてまた、先日、G7から帰られて今でもきっとお疲れのところと思いますが、何とぞよろしくお願い申し上げます。

 さて、早速質問に入っていこうと思います。

 四月十一日に、米国のワシントンにおいてG7会合が開催されました。先ほども話しましたが、白川総裁として初めてのG7の会議であったと思います。これからこのG7の会合の内容についていろいろ聞く前に、まず、実際に出席してどのような感想を持ったか、率直なところをお伺いいたします。よろしくお願いします。

白川参考人 お答えいたします。

 私、日本銀行の理事の時代に、BIS、国際決済銀行を初めとして、中央銀行の間の国際会議には比較的出席する機会があったわけですけれども、今回初めて、各国の大蔵大臣それから中央銀行総裁が集まりますG7という会合に出席いたしました。私、まだ全くの新参者ですけれども、あの会合に出まして、各国の財務大臣と中央銀行総裁が一堂に会して議論する、大変貴重な機会であるということを強く実感いたしました。

 私にとっては今回初めてのG7の参加でございましたけれども、たまたま日銀の総裁をめぐる人事も割合多く国際的にも報道されていたこともありまして、多くの方から、旧知の方も、それから初めてお会いする方からも歓迎の言葉を述べていただきまして、私個人としては大変うれしく感じました。

 これからということなんですけれども、G7の場を含めましてさまざまな国際的な会合がございます。私としては、まず日本の金融、経済のためにもちろん尽くしていきたいわけですけれども、それと同時に、世界で大きな地位を占める国の中央銀行の総裁として、世界全体の金融、経済の安定に微力ながら尽くしたいという気持ちであの会議に出席いたしました。

中根委員 ありがとうございます。

 各国の財務大臣や中央銀行の総裁が一堂に会して大変大きな視点での議論ができた、また、G7に参加した皆さん方から温かい歓迎の言葉をいただいてうれしかったというようなお話をいただいたわけでございます。

 白川総裁におかれましては、もとより、欧米の金融当局の方々とも非常に太いパイプを持っている。ニューヨークの在住経験もあり、そして、欧州の中央銀行、ECBですか、トリシェ総裁も会見でわざわざ白川総裁のことを、古くからの友人だ、経験豊かで、一緒に働くことがうれしいというような、大変歓迎しているというお話をしていただいていると伺っております。

 ただ、今回の白川総裁のG7における会議、大変だったと思うんです。就任してすぐのG7ということで準備時間はほとんどなく、そして、今は非常に大変な時期の会議でございますから、御苦労がいろいろあったと思います。しかし、持ち前の能力と経験、そして、先ほど来お話ししている欧米当局との太いパイプによって、大変な御活躍、デビューだったと思います。とかく批判的な、辛口の新聞報道も、白川総裁のいわゆるこのデビュー戦については、どこも比較的良好な評価をいただいている、書かれていたと思っております。

 しかし、今の世界経済の状況は、御承知のように、非常に不透明、不安定な状態にあるわけでございます。米国のFRBバーナンキ議長も、戦後最も最悪の危機的状況だというふうに語っておりますし、また、同じような認識で欧米の当局者も、大恐慌以来の混乱だ、また、戦後最大の金融危機だ、このような発言があるわけでございます。

 そういったことで、今回のG7、先ほどもお話ししたように、世界が非常に注目していた会議だったと思っております。概要についてはマスコミ報道等で明らかにされていますが、実際、このG7の中での会議、どのような議論が行われて、そしてまた日本銀行としてどのような説明を行ってきたのか、次にお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いします。

白川参考人 お答えいたします。

 今回のG7でございますけれども、いつもG7はそうですけれども、最初に世界経済全体の、よくサーベイランスという言葉を使っていますけれども、世界経済の現状をどう見るかという議論を行います。今回もその議論が非常に大きな部分を占めておりました。

 その世界経済ですけれども、エマージング諸国の高い成長に牽引される形で、減速しながらも全体としては成長を続ける可能性が高いということ、それと同時に、米国経済の停滞や国際金融市場の動揺、国際商品市況の高騰を背景としたインフレ圧力の高まりなど、世界経済の不透明感が高まっているという認識が共有されたように思います。

 こうしたもとで、各国は、物価の安定と経済の持続的な成長、そして金融システムの円滑な機能を確保するため、それぞれの実情に応じて、各国個別にあるいは各国共同して適切な措置を講じていくことを確認したということであります。

 こういうふうに申し上げますと何か当たり前のような感じがいたしますけれども、しかし、各国が個別に、それから共同して適切な措置を講じていくということは、非常に大事なポイントであるというふうに思います。

 それから、今回、大きな金融市場の混乱を経験しているわけですけれども、そうした事態にどう対応するかという議論も随分行われました。この点では、金融安定化フォーラム、これは英語ではファイナンシャル・スタビリティー・フォーラムという言葉で呼んでおりますけれども、このフォーラムが報告書を出しまして、この報告書について随分議論が行われました。

 このフォーラムと申しますのは、一九九七年のアジア危機の経験を踏まえまして、当時、主要国の財務省、中央銀行、銀行監督当局、それから国際機関が集まりまして会議を設けまして、この会議が今回報告書を改めてつくったということであります。この報告書の内容を支持し、その勧告を実施することに各国が強くコミットをした、約束をしたということであります。

 今後、この勧告に沿って各国が迅速に取り組んでいくということが、国際金融システムの信認の維持と機能の向上に貢献し、長い目で見て、システムをより強靱なものにするということを私としては期待しております。

 どういう発言を行ったのかということでありますけれども、今回の危機において、日本は幸い相対的にはこの影響が小さい国になっております。ただ、九〇年代後半以降、日本は大きな金融危機を経験しましたから、そうした日本の金融危機の経験に基づいて若干のお話をいたしました。

 いろいろなポイントがございますけれども、一番大きなポイントは、金融セクター全体として一体どれぐらい損失があるのか、それで、そのことが経済に対してどのような影響を及ぼすのかということを認識する必要があるわけですけれども、問題は、金融セクター全体としての損失が幾らあるのかということは、実は日本の経験もそうでしたけれども、なかなか当初の段階では評価が難しくて、結果としては過小評価になったわけであります。

 今回、欧米でどういうふうになるかもちろんまだわかりませんけれども、私からは、そうした金融と実体経済の相互作用を踏まえて、システム全体として幾ら損失があるのかということを認識する努力が政策当局者としては大事であるということを申し上げました。

 それと同時に、危機が起きたときには、これは流動性の不足という形で問題が発生しまして、これがいろいろな形で市場に悪影響を及ぼしますから、中央銀行としては流動性の面でのさまざまな対策が大事であるということを申し上げまして、この点で日本銀行は、金融危機の経験を経て、金融市場の調節において非常にきめ細かく調節を行ってまいりましたけれども、そうしたことを話したということでございます。

中根委員 ありがとうございます。

 世界経済が減速しながらも全体としては成長を続ける可能性は高い、しかし、今の状況の中で不透明感は高まっているということを各国が共通認識をした。その中で、これは一番大事なところだ、ポイントと言っておられましたが、各国はそれぞれの実情に応じて、個別あるいは共同して適切な措置を講じていくことを確認したというようなお話をいただきました。

 そしてまた、ファイナンシャル・スタビリティー・フォーラム、これから質問させていただこうと思っておりますが、FSFのお話が出た。このことについて各国は、コミット、約束をしたということ、そして、日本の現状について、日本がいわゆるバブルの時期に経験した貴重な経験も踏まえて復興の経験の議論をしたというようなお話だったと思います。

 先ほどお話しあったような金融安定化フォーラムの最終報告書について次はお伺いしたいと思っているんですが、このフォーラムにつきましては、G7の方で、サブプライムローン問題を発端とした金融混乱への対応と再発防止策を協議するために、日米欧の金融当局で構成するフォーラムだったわけでございます。最終報告書が出ております。

 この報告書について今いろいろ議論を呼んでいるところでございますが、G7としてこれを支持したということ、その中で日本銀行としてはこの報告書をどう評価しているのか、次にお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

白川参考人 ファイナンシャル・スタビリティー・フォーラムの最終報告は、これは実は大変分厚い報告書でございまして、六十ページぐらいのかなり分厚い報告書で、いろいろなことが盛り込まれております。

 今般の国際金融市場の動揺の背景を的確に分析しまして、市場参加者と政策当局者にさまざまな処方せんを提案しておりまして、まず結論的に申し上げますと、非常に有益な報告であったというふうに思います。

 それで、スタビリティー・フォーラムでは、金融機関と金融市場への信頼を回復するため、これまで金融機関は、損失の認識と資本の増強を進め、各国の当局も中央銀行の流動性供給などの措置をとってきているというふうにこの報告書は評価をしております。

 その上で、こうした措置は状況に応じて続ける必要があるわけですけれども、それと同時に、市場参加者、それから格付機関、監督当局、中央銀行などの取り組みによって、長い目で見た国際金融システムの頑健性を高める必要があるというふうにしまして、例えばですけれども、金融機関に対しては証券化商品等に関する適切な価格評価と透明性の強化を促すなど、それぞれ具体的な方策を指摘しています。

 大変多くの指摘が行われていますので、一つ一つ挙げますとやや煩瑣かなというふうに思いますけれども、大変具体的な指摘を行っております。

 私どもの中央銀行というところに近い領域で申しますと、中央銀行の流動性供給については、幅広い担保で、より長い期間にわたって、幅広い取引相手に対して資金供給を可能とする枠組みを構築すべきだという幾つかの提言を行っております。

 実は、先ほども少し申し上げましたけれども、日本銀行は、過去の苦い金融危機の経験を踏まえまして、こうした枠組みを既に日本銀行自身かなり整備しております。

 そういう意味で、日本銀行自身からいいますとかなりの程度やっておるわけですけれども、金融市場や金融システムのあり方は常に変化してまいりますし、今般の市場の動揺は、国際的な協力関係の重要性を改めて示す出来事でありますし、さらに日本銀行としても、引き続き改善と整備を怠れないというふうに思っております。

 以上でございます。

中根委員 ありがとうございます。時間も少なくなってきたので。大変有益だというようなお話だったと思います。

 今回のG7での金融安定化フォーラム最終報告書について、これから各国はコミットしてやっていくという一番ハイライトに持ってきたわけでありまして、これが各国、非常に難しい宿題も課されたのではないかなと思っているわけですが、実際、市場関係者の中では今回のG7の共同声明について二つの意見がありまして、一つは、踏み込んだ対応も見せたんじゃないか、そしてもう一つは、やはり期待外れだったんじゃないかという受けとめ方もされているわけでございます。

 当然、踏み込んだというところでは、FSFに基づいて金融安定化に向けた工程表なども示されたというところで支持されている部分ではあると思いますが、残念ながら期待外れだと言う人たちに伺うと、いわゆる公的資金の導入などの抜本的な対策が示されなかったというところにあるようでございます。

 ちなみに、G7が終わりまして、先週週明けの東京外国為替市場では、円相場が一ドル百円台まで円高・ドル安が進みましたね。そしてまた、日経平均株価も四百円以上下がったということで、昨日少しずつ戻したようでございますが、結果はそういうふうなことでございました。

 米国は、政府の方が、ブッシュ政権の方で一生懸命今は減税をしたり住宅ローンの借りかえ策を打ち出しておりますし、FRBの方も、大幅な利下げ、そして大量の資金供給を行っているわけでございますが、残念ながら金融市場では、その効果については懐疑的だと言われております。それどころか、このFRBの救済融資が焦げつくという懸念さえ出始めていると伺っております。それによって懸念されることは、米国債、またドルの信認がさらに低下してドル安が一段と進む、そういったおそれもあるわけでございます。

 そういった状況の中で、額賀大臣も、米国に対してあらゆる選択肢を排除せずに対応する必要があると指摘されておりました。これは、いわゆる日本のバブルの崩壊を教訓として、公的資金の投入も検討すべきだと促したものではないかなと私自身は思っているわけですが、額賀大臣だけではなくて、国際通貨基金、IMFさん、またグリーンスパン前FRB議長も同じようなことを言及しております。

 そこで、質問をさせていただきます。G7の共同声明においては金融機関への公的資本注入に関して具体的な言及はなかったと聞いているわけでございますが、九〇年代における日本の金融危機経験を踏まえて、米国における公的資金投入の議論、その必要性についてどう考えているのか、お伺いするものであります。

白川参考人 国際金融資本市場では、サブプライム住宅ローン問題に端を発する動揺が続いているわけですけれども、この問題を解決するためには、まず、金融機関がどれぐらいの損失を現にこうむっていて、どの程度の自己資本が不足をしているのか、もし不足しているとすれば、その自己資本を調達して信頼回復に努めるということが解決の道筋になってまいります。

 そのとき具体的にどのような方策をとるかということは、これは、各国が自国のセーフティーネット、安全弁の仕組みの中で、対象となる金融機関の状況や、それから金融システム全体の影響を踏まえて決定していくべきものだというふうに思います。

 出発点は、まず、個別の金融機関、個々の民間金融機関が自助努力をして自己資本を調達するという努力であります。昨年夏以来、欧米の金融機関が資本調達に随分努力をしていることは既に報道されておりますけれども、その上でもし不足する場合にどうするかということでございますけれども、これは、各国当局が自国の金融システムをしっかり安定していく、維持していくということについて明確な意思を持って、その上で具体的にどういう取り組みを行っていくかということは、これはやはり、あくまで各国の当局が決めていく話だと思います。

 財務大臣も、それから私も、会議の席で、先ほど申し上げたような経験を含めてお話を申し上げたということであります。

中根委員 ありがとうございました。

 当然、各国当局が決めていくことでございますが、とにかく、金融機関が十分な自己資本の確保、信頼回復に努めていくということ、結局は、今、世界的に不安が起こっている震源地というのがアメリカであって、実際は、アメリカの政府と中央銀行、FRBがどこまで踏み込んだ行動をとるかにかかっている、これが大変大きいなと思っております。

 一たんこの危機の連鎖が始まってしまうと、それこそドル暴落、世界経済は大混乱を招くおそれがあるわけでございます。思い起こせば、日本の経済危機、バブル崩壊のときも、適材適所、その時点で早く公的資金も含めた投入をすることによって、あれほどの大きな被害はなかったのではないかとも言われているわけであります。もちろん、先ほどお話しあったように、各国各国の事情がありますので、しかし、日本には大切な苦い経験がございますので、これからいろいろな場所で、そのときのいろいろな経験を踏まえて各国に訴えることも必要ですし、またいろいろ説明をしていくことが大事だと思っております。

 これから、世界的、もちろん国内的にも非常に大変なときに、白川総裁、本当に難しいかじ取りをしなくてはいけないと思いますが、何とぞ一生懸命頑張っていただいて、よろしくお願い申し上げ、質問を終わらせていただきます。

 本日はありがとうございました。

原田委員長 次に、石井啓一君。

石井(啓)委員 おはようございます。公明党の石井啓一でございます。

 まず日銀総裁にお伺いいたしますが、白川総裁におかれては、まずもって、御就任大変おめでとうございます。内外ともに大変難しい情勢にございますけれども、ぜひ存分に力を振るっていただきたいというふうに思っております。

 まず為替についてお伺いしたいと思いますけれども、日銀としては、現在の円の為替相場の水準を高いというふうに見ていらっしゃるのか、安いというふうに見ていらっしゃるのか、相場水準に関する御見解をまずお伺いいたしたいと思います。

 さらに、内外金利差と為替相場との関連をどのように見ていらっしゃるのか、御見解を伺わせていただきます。

白川参考人 米国のサブプライム問題に端を発しまして、国際金融市場の動揺が続いております。そうした中で、為替市場についても、全般に振れの大きい展開となっていることは御承知のとおりでございます。

 円の為替レートですけれども、御案内のとおり、ドルとの関係でいいますと円高方向でございますけれども、ユーロとの関係でいいますと、必ずしも円高方向になっているわけではございません。

 ただ、いずれにしましても、為替相場の水準や動き、それ自体を中央銀行の立場で評価するということは必ずしも適切ではございませんので、コメントは差し控えさせていただきます。

 ただ、一般論として申し上げますと、これは当然でございますけれども、為替相場は経済のファンダメンタルズを反映して動くことが望ましいというふうに考えております。

 御質問の内外金利差との関係ですけれども、もちろん、内外金利差は為替相場に影響を与え得る要因の一つであります。ただ、これまでの為替相場と内外金利差との関係を見ても示されていますように、必ずしも一対一で対応しているわけではありません。内外の金融経済情勢や、何よりも、その先行きに関する市場参加者の見通しなど、さまざまな要素によって決まってくるものでありますから、金利差との関係だけで議論することは難しいように思います。

 中央銀行としては、為替相場を含め、金融市場の動向は経済にさまざまな影響を与えることはもちろんでございますから、その影響については非常に注意深く見ているということでございます。

石井(啓)委員 今の御答弁で、内外金利差と為替相場は一対一の関係ではないけれども、要因の一つであるというお話でございました。

 ただ、この間の動きを見ますと、サブプライムローン問題を契機に米国が非常に金融緩和をした。日本との金利差が縮まったことによって円キャリートレードの逆戻しが起きたのではないか、こういうふうに指摘されておりますけれども、今回の円高局面と内外金利差の縮小というのはどういうふうにごらんになっていらっしゃるのか、もう一度伺いたいと思います。

白川参考人 ただいま御指摘のありました円キャリートレードでございますけれども、委員御案内のとおり、低い金利であった円資金を調達して、その上で高い金利の通貨に投資をする、それが円キャリーでございますけれども、その円キャリーが巻き戻される過程で今度は円高方向になったという動きがあったことは、そのとおりでございます。

 ただ、投資家がこういう円キャリーをするときには、投資家もこれは実は為替リスクを負担しております。表面的に金利差があっても為替相場が不利な方向に働きますと、期待した利益が実現できません。そういう意味で、円キャリーが行われるかどうか、あるいはその巻き戻しが行われるかどうかにつきましては、実は金利差だけではなくて、為替相場がどの程度変動するだろうかというその変動率の予想にも実は依存をしております。そこが、実はその円キャリートレードといいますか、あるいは金利差と為替相場の関係を読みにくくしている要因でございます。

 円キャリーも、実はその金額を正確にはかる統計がございませんけれども、一たん円キャリーのポジションが積み上がった後、それが縮小したということはそうなんですけれども、足元の動きを見ていますと、またその円キャリーのポジションが積み上がるというものも、実は指標によってはあります。そういう意味で、実はその関係はなかなか複雑だなという感じが正直言っていたしております。

石井(啓)委員 ところで、今回の白川総裁が誕生するまでに紆余曲折があったわけでございまして、結果的に約三週間、日銀総裁のポストが空白になったという異例な事態になりました。このことについて、日銀法そのものに不備があるのではないかという指摘もございますけれども、どういう御見解をお持ちでいらっしゃいますでしょうか。

白川参考人 現在の日銀法の規定でございますけれども、日銀の総裁それから副総裁の任期が満了した時点で新しい総裁が任命されていない場合、日銀法上は副総裁が代行を務めるということになっていまして、副総裁も任命されていない場合には、これは理事が代行するという規定になっております。

 そのことを事実として申し上げた上で、総裁、副総裁は国会の同意を得て政府が任命する重要なポストでございますし、そのポストが空席という事態を避けるためにどのような対応があり得るかは、一般論としていいますと、これは論点の一つだというふうには思います。

石井(啓)委員 この総裁、副総裁人事で衆議院の優越規定を設けるかどうかという議論もございますけれども、私は、少なくとも総裁が任命されていない場合、前総裁が引き続いてやる、こういう規定はあってもいいのではないかなというふうに個人的には思っております。

 それから、先日、副総裁に就任された後、私は財金分離のことを質問いたしましたところ、日銀の独立性が非常に重要なんだ、こういうような御答弁でございました。日銀の金融政策決定会合における独立性というのは、政策審議委員九名がそれぞれ一票ずつ投票して、その多数決で決まるわけですから、ある意味で、その場になってみないとわからないということでは、非常に透明性の高いあるいは自主性の高い政策決定方法でございまして、制度的には日銀の独立性というのは十分担保されているというふうに思います。

 一方で、日銀法第四条で、日銀は政府の経済政策の基本方針と整合性を求められていらっしゃいますが、日銀の独立性と政府の基本方針との整合性というのをいかに両立させていくか。言いかえますと、私なりに考えますと、これは、日銀総裁として政治との折り合いあるいは政治との距離感をどういうふうにとっていくか、こういうことになろうかと思いますが、この点についてどういうふうにお考えでいらっしゃるか、確認をいたしたいと思います。

白川参考人 お答えいたします。

 最初に独立性ということについて考えを申し上げました上で、委員の御質問にお答えしようと思います。

 現在、各国におきまして、金融政策の独立性というものが尊重されるようになってまいりました。これは二十年前、十年前はさほどではございませんでしたけれども、この十年間で大きく変化してまいりました。これは、当面の景気動向や財政動向への短期的な配慮が優先されるようになりますと、結果としてインフレになり経済活動が不安定化するという過去の苦い経験に基づいて、この独立性が尊重されるようになったというわけであります。

 こうした観点から、日銀法でも、金融政策の目標を、物価の安定を通じて国民経済の健全な発展に資するということを明確に定めた上で、金融政策につきましては、日銀の自主的な判断と責任において運営していくということが明確に規定されるようになりました。

 それで、政府との関係でございますけれども、先ほどの規定を設けた上で、日銀法第四条では、金融政策が「政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、常に政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らなければならない。」というふうに規定されております。

 したがいまして、日本銀行としましては、この法律の規定に沿いまして、政府と十分な意思疎通を図り、しかしその上で、最終的には日本銀行政策委員会の判断と責任において、物価の安定を通じて国民経済の安定、発展に資するという目的を達成すべく金融政策を決定するということになってまいります。

 そうした趣旨に基づきまして、日銀法では、政府からの意思表明は金融政策決定会合での政府からの出席者の意見表明を通じて行うという、透明性の高い制度、仕組みが用意されております。

 私としては、今後とも、こうした日銀法の趣旨に沿って職務を全うしていきたいというふうに思っております。

 それから、こういう制度的な枠組みと並んで最終的に独立性を担保するものは、やはり中央銀行としての的確な判断だと思います。的確な判断が積み重ねられた結果、最終的に中央銀行に対する信頼が形成されていくということだと思います。

 そういう意味で、日本銀行も含めて、関係者がこの法律の枠組みに従って行動するとともに、日本銀行は、最善の政策判断に向けて日々研さん、努力をしないといけないというふうに思っております。

石井(啓)委員 確かに、最善の判断をしていただいて実績を積み重ねていただければ、周りからもとやかく言われることはないと思いますので、ぜひ御期待を申し上げたいと存じます。

 白川総裁、私の質問は以上でございますので、退席していただいて結構でございます。

 では続いて、テーマを変えまして、道路財源の扱いについて質問をさせていただきたいと思います。

 四月十一日の「道路関連法案等の取扱いについて」という政府・与党決定によりますと、「道路特定財源制度は今年の税制抜本改革時に廃止し二十一年度から一般財源化する。」こういうふうに決めていらっしゃいますが、税制の抜本改革時に廃止するということで、消費税を含む税制の抜本改革ができなければ一般財源化はないというふうな意見も出ておりまして、この一般財源化が先送りされる可能性もあるのではないかという報道もございます。

 そこで、税制の抜本改革ということでありますけれども、もちろん、消費税を含む税制の抜本改革ができればそれにこしたことはないと思いますけれども、実情を考えると、今の国会のねじれ状況が解消しない限り、この消費税を含む税制改革をやろうというのは、なかなかこれは容易なことではないわけでございますね。

 そうしますと、私は、仮にこの消費税を含む税制改革ができなかったとしても、税制改革というのは消費税だけではございませんので、他の税目の税制改革とあわせて二十一年度にはこの一般財源化を図るもの、こういうふうに理解をしておりますが、大臣の御見解を伺いたいと思います。

額賀国務大臣 これは、国会でいろいろと福田総理もやりとりをしておりますけれども、私どもとしては、道路財源が問題化する前に、平成二十一年度には年金の国庫負担を二分の一に引き上げるということを国民の皆さん方にお約束をしていることでございますから、そういうこともこの秋の税制改正時にはきちっと議論をしていかなければならないという考え方を持っておったわけでございます。

 と同時に、今国会で、道路特定財源については、与野党のやりとりの中で一般財源化を求めること等の話もありましたし、道路特会の無駄遣い、無駄な使い方等の指摘がされたりして、そういう結果において福田総理、政府・与党は、道路特定財源制度は、今秋、この秋の税制抜本改正時に廃止をして二十一年度から一般財源化を図るということの問題提起をなさっているわけでございます。

 与野党の間でこれはきちっと協議会をスタートさせて、すべての税制の問題について議論をして、そして、道路財源の一般財源化とか社会保障の問題とか、そういう議論を総合的にしていただくことが最もよい方法であるというふうに思っております。

 でありますから、ぜひ野党の皆さん方も、民主党の皆さん方も、テーブルに着いて、国民の期待にこたえる、あるいはまた時代の要請にこたえる、そういう形でこの与野党協議がスタートしていただくことを期待したいというふうに思っております。

石井(啓)委員 大臣としてはなかなかそれ以上踏み込んでお答えがしにくいのかもしれませんけれども、野党の皆様もあわせてこの税制の協議に一緒に取り組んでいただくということは、それももちろん私どももそういうふうに望んでおりますし、ぜひそういう方向で促していきたいと思いますけれども、先ほどの道路財源の扱いの政府・与党決定につきましては、少なくとも私ども公明党は、二十一年度から一般財源化をするというのは、これは必ずやっていこう、こういう決意であるということを申し上げたいと思います。

 それから、続きまして、この政府・与党決定の中で、暫定税率分を含めた税率はことしの税制抜本改革時に検討する、あるいは、道路特定財源は二十一年度から一般財源化する、こういうふうに決めている一方で、今参議院で審議されて早期の成立を求めている税制法案は十年間暫定税率を続ける内容であり、道路財源特例法案は十年間特定財源化する内容であることが矛盾ではないかというふうな指摘がございます。

 私自身は、二十年度の予算はこの税制法案や道路財源特例法案を前提にしておりますので、これはそのまま成立させていただきたい。

 当然、税制法案の暫定税率分の税収二兆六千億円も含めて国、地方とも今年度の予算編成をしているわけですから、これが穴があくということになりますとこれは大変なことになりますし、それから、道路財源特例法案の方は、これは特定財源を決めているのみならず、国庫補助負担率のかさ上げですとか、あるいは地方の臨時交付金の制度的な裏づけを決めている、あるいは、新たに地方に対する臨時貸付金、それから、高速道路の料金引き下げやスマートインターチェンジの整備のための日本高速道路保有・債務返済機構の債務を国が二・五兆円の範囲内で承継する、こういう新たな制度も盛り込んでいまして、この法案が成立しなければ、こういった制度が今年度できなくなるということもございますので、これはやはり成立させていく、さらに、与野党の協議に基づいて税制なり道路財源特例法案は法改正をしていく、こういうことで頭を整理すればよろしいんではないかというふうに考えておりますけれども、大臣の御見解を伺いたいと思います。

額賀国務大臣 もう石井委員のおっしゃるとおりでございまして、二十年度は、暫定税率を含めた道路特定財源の改正法案をぜひ通過させていただいて、地方の混乱とか国民の生活の混乱を一日でも早く解消していくことに全力を挙げなければならないというふうに思っております。

 二十一年度以降は、おっしゃるように、与野党の間で協議をして、抜本的な税制改正の中で一般財源化を図るという形にさせていただきたい。

 これは、私としては、石井委員が言うように、消費税とか所得税とか法人税とか、そういう税制の抜本改正の中でそういう位置づけを行っていくことが望ましいというふうに思っております。

石井(啓)委員 最後の質問ですが、同じく政府・与党決定の中で、「道路の中期計画は五年とし、最新の需要推計などを基礎に、新たな整備計画を策定する。」というふうにされています。

 従来の道路の中期計画、道路の整備計画は、道路特定財源の暫定分を含めた税率の根拠となる整備計画なり中期計画でございました。したがって、今回新たにつくる中期計画、整備計画というのは、従来の計画とは性格を異にすることになります。

 一般財源化された場合の道路の整備計画というのは、どういう位置づけになって、どういう内容になるのか、最後、確認をいたしたいと思います。

原田政府参考人 お答え申し上げます。

 道路の中期計画、今後の具体的な道路の整備の姿をお示しするとともに、本計画を着実に進めるための具体的な財源の裏づけとして作成しているものでございます。

 これにより、現在、道路特定財源の維持をお願いしているところでございますが、国会での議論を踏まえて、今般、政府・与党決定で、道路特定財源制度は今年の税制抜本改革時に廃止し二十一年度から一般財源化されることが示されております。

 また、同時に、同決定では、「必要と判断される道路は着実に整備をする。」それから、「道路の中期計画は五年とし、最新の需要推計などを基礎に、新たな整備計画を策定する。」ということも示されておりまして、真に必要な道路整備を進めるためには、今後の具体的な道路の整備の姿を示した計画を作成することが必要であるというふうに認識をいたしております。

 いずれにしましても、新たに策定される計画の具体的内容につきましては、今般の方針のもとで、与野党間の協議結果を踏まえ、今後、検討していくことになるものというふうに認識をしております。

石井(啓)委員 時間も参りましたので、以上で終わります。

 ありがとうございました。

原田委員長 次に、鈴木克昌君。

鈴木(克)委員 民主党の鈴木でございます。

 私も、少しお時間をいただいて、まず先に暫定税率期限切れと代替財源について伺ってまいりたいというふうに思います。

 大臣、四月一日からガソリン税の暫定税率が切れて、多くのガソリンスタンドで価格が値下がりをいたしました。このことを踏まえて、私はまず大臣にお伺いしたいんですが、昨年七月の参議院の選挙で、いわゆる政治状況が大きく変わりました。私は、その後の政府・与党のやり方等々を見ておると、認識不足、しっかり御認識なさっていないんじゃないか、現状を理解した上で、いわゆる政治状況に応じた対策、対応をとるべきだったというふうに思うわけですね。衆参ともに与党が多数を占めておったそのときと同じような手法でやっていこうという国会対策について、私は、これは明らかにその時点で間違っておったのではないのかなというふうに思います。

 具体的には、暫定税率がことしの三月三十一日で切れるというのは、これはあらかじめ十分わかっておったわけですね。それから、道路特定財源となっているいわゆる特例法の期限が切れるというのも、これもあらかじめわかっておったわけです。しかし、結局、期限ぎりぎりになって法案を出されてきた。そこで、今日のような状況がある。

 これは、私のいわゆるひがみ根性というのか、何かすべて野党が、民主党の責任なんだというふうに持っていかれようとしておるやに私は見えてなりません。そこで、あえて言うならば、内閣、政府は今思考停止状態に陥っておるというふうに申し上げても過言ではないのじゃないか、私はそのように思っております。

 このことについて、まず大臣、国会運営や政治の手法も含めて、どういうふうに政府として、また大臣としてお考えになっておるのか、冒頭、お聞かせいただきたいと思います。

額賀国務大臣 今や、昨年の参議院の選挙で民主党を初め野党の皆さん方が勝利をおさめて、参議院においては過半数を制していることはよく承知をしているわけでございます。また、衆議院では、政権与党である自民党、公明党で多数を占めているということも事実でございます。私どもは、そういう、衆参両院の国会の状況が変わっているということはよく承知をしております。

 と同時に、やはり政府としては、国民のニーズ、それから日本の置かれた今の位置づけ、今後何をしていかなければならないか、そういうことを考えて、経済成長、財政再建、地域の活性化、雇用の問題、そういうことを視野に入れて予算編成をさせていただいた。そして、国会に本予算案、しかも歳入関連法案も通例よりは一、二週間早く国会に提案をさせていただいて、衆参両院でしっかりと審議をしていただいて、立法府において議論をしていただき、そしてまた賛否の結論を出していただき、国民の期待にこたえていただく、国民の皆さん方に混乱を起こすことがないようにというような形で臨ませていただいてきました。

 そういう中で、議長裁定案もありまして、衆参の両院は、年度末までに予算及び歳入関連法案については一定の結論を出していかなければならないということでございました。私どもは、本予算あるいはまた歳入法案ともども、これは当然、与野党の間でしっかりと、それぞれが多数を持っているものですから、責任を持って審議をし、結論を出してくれるものと思っておったわけでございます。

 そういう中で、政府としてはしっかりと審議に応じたし、そしてまた、衆院では二月の二十九日に参議院側に送付をさせていただいて今日に至っているけれども、残念ながら、年度内には、歳入法案、本予算、同時に成立させていただくことにはならなかった。特に、道路特定財源の改革法案、暫定税率法案だけは、こうしてまだ全く審議中でございます。歳入法案についても、まだ参議院では審議中でございます。結果的には、暫定税率が失効状態になって、毎日毎日、歳入不足を来している、国民生活に混乱を来している。そういうことについては、やはり衆参両院で一日も早く解決をしていただきたいというふうに思っております。

 そのために、福田総理も政府・与党も、与野党の話し合いが促進されるようにそれぞれ提案をさせていただいてきたと思いますし、例えば、二十年度予算は政府案でお願いをしているけれども、これまでの審議の状況を見ながら、民主党の指摘のように道路特会は無駄な使い方もあったし、あるいはまた一般財源化を図るという考え方についても与野党の間でよく審議をして結論を出した方がいいということで、福田総理は、この秋の税制の抜本改正時に道路特定財源を廃止して、来年度から一般財源化を図ることにしようじゃないかということまで言っているわけでありますから、我々は、政府としては、立法府の要請に対してできるだけの努力をしてきたという思いがあります。

鈴木(克)委員 いろいろ申されたんですけれども、私はやはり、残念ながらという一言、今ちょっと伺っておって感じたのですけれども、民間なら、これは残念ながらなんて言っちゃおれないんですよね、会社つぶれちゃいますよ。だから、ありとあらゆることを想定して臨んでいくという、そのところが政府は思考停止状態になっているんじゃないですかということを私は申し上げたかったわけです。

 今のような状況でいけば、また来年も、その次はどうなるかわかりませんけれども、そういう可能性があるわけですよ。だったら、やはりここで現実を踏まえて、あらかじめ打つべき手を、例えばガソリンが下がったときにどういうふうにするのか、そのことだって、例えば総裁の人事でもどうなったときは、幾らでも対策の打ち方はあるじゃないですか。そういう姿が全く見えていない、だから、私は思考停止状態に陥っているということをあえて申し上げたわけです。

 いずれにしましても、このことだけで時間が終わってもいけませんので、財政に穴があく、二・六兆円の穴があく、大混乱になる、こういうことを今もおっしゃっておるわけですよね。しかし、本当に国民はやはり優秀ですよ。何もそんな大混乱が起きているという状況ではないと私は思うのです。確かに、ガソリンスタンドに一時列をなされました。しかし、それはおいしいラーメン屋さんの前に国民が並ぶと同じに、庶民の日常生活の一部であって、決して大混乱が起きたということではありません。

 しかし、そういう意味からいくと、例えばガソリンスタンドの資金繰りがショートした場合の支援対策、これは実際どうですか。ほとんど全く今機能していないわけですよ。

 それから、道路の工事、きょう国交省も来ていただいていますけれども、今なぜその執行を保留しなきゃならないのか、このところを私は本当に聞きたいんですね。本則があるわけですから、暫定分が仮に入らなくても本則があるので、全部の工事がとまるなんという、今そういう状況ですよ。私の地元へ行っても、本当にクレーンは全く動いていない、ダンプカーは全く動いていないと言ってもいいぐらいの状況ですよ。これはだれの責任なんですか。野党の責任なんですか。そうじゃないじゃないですか。まさに、そういうような形にしておる政府であり国交省の責任じゃないのか、私はこのことを本当に声を大に申し上げたいんですよ。

 道路整備事業をとめているのは政府であって、困っているのはまさに利用者である国民なんです。こういう状況でいけば、当然、経済活動は落ちる、税収だって落ちてくるということになってくるんじゃないですか。私は、この部分をまず一遍御答弁いただきたい。

 そして、国交省から答弁いただくと同時に、財務大臣は、そういう意味で国の財政をつかさどっている立場で、こういう状況をどういうふうにあなたはお考えになっているのか、あわせて御答弁をいただきたいと思います。

原田政府参考人 お答え申し上げます。

 我々は一日も早い関連法案の成立をお願いしている立場でございますけれども、現在の状況下で言いますと、本則分の財源を考慮いたしますと、予算の約半分については執行可能ということにも、御指摘のようになります。しかしながら、約九割程度が既に着手済みの継続事業でございまして、そういった中で約半分の事業を選定するというのは非常に困難でございます。こういったことから、現在、本格的な予算執行につきましては見合わせているということでございます。

 ただ、当面の措置として、国民生活の安全、安心の確保がおろそかにならないように、あるいは地域経済に無用な混乱を生じさせないようにということで、維持管理費でありますとかあるいは支払い期限のある債務などにつきましては、例年どおり執行できるように措置をしているところでございます。具体的には、全体で約五千億配分しております。これは全体の中で約一割強でございますし、そういった形でできる限りの配慮はしているということでございます。

額賀国務大臣 確かにガソリン税は下がっておりますね。下がっていること自体は、高くなった方がいいのか安くなった方がいいのかというと、だれでも安くなった方がいいと思っております。私だってそう思いますよ。

 しかし、政治家としては、政治としては、ガソリンが安くなったことはどういう意味を持っているのかということをよく考えていかなければならない。現在と将来に責任を持っていかなければならない立場としては、やはり国民の皆さん方につらいことでもきちっと説明をして理解をしていただいて、地域づくりや国づくりやそういうことをしていくのがやはり我々の仕事ではないのか。

 だから、我々は、つらいけれどもきっちりと国民の皆さん方に、暫定税率水準を維持して、これは必要な道路だけはつくるけれども、それ以上のことについては一般財源化をしていく新たな改革をしているんですよ、そういう流れの中で今後の国づくりをしていくんだという話をしているわけであります。その考え方として、道路をつくるとか国の財政事情だとか環境の問題だとか、そういうことを訴えているわけであります。それが私は大前提であるというふうに思っております。

 今、国交省からお話がありましたように、緊急のもの、必要なものは仕事はさせていると思います。しかしながら、地元、県や市町村では、それぞれの地域地域において、みずからの予算の中で、執行状況の中で凍結をしたり、そういうみずからの判断でやっていることだと思っております。それは、実際問題として、この道路特会がきちっとなっていかなければ、地方道路の交付金も出ていかないし、直轄事業も進展していかないし、さまざまなことが起こっていることは紛れもない事実であります。

 一方で、歳入不足が起こっているわけでありますから、我々は、もう二週間もたったけれども、一日も早くきっちりとこの法案を通していただきたい、政府原案を通していただくことが国民に安心感を与える最善の方法だというふうに思います。

鈴木(克)委員 そこが思考停止に陥っていると私は申し上げたいんですよ。

 大臣、それではお伺いしますが、国交省に対して、国の財政をつかさどっている立場から、やはり国民の景気が落ちていっては困るので、直ちに工事をするように、少しでも促進するようにというような、例えば指示とか相談を大臣から出されたことはありますか。そのことを御答弁ください。

額賀国務大臣 予算の執行に当たっては、昨年とは違って機動的に、弾力的に執行をするようにして、地域の生活や景気にできるだけ貢献するようにという指示はしております。

 と同時に、政治の責任だと言っておりますけれども、先ほども日銀の話とかいろいろ言っていますが、日銀の場合だって、我々は、私自身は交渉はしていないけれども、党と党とかいろいろ交渉している中で、では、だれが責任を持って民主党で判断をしてくれていたのか。そういうことは福田総理が党首会談でおっしゃっておりましたように、あなたたちだってきちっとした党としての考え方を示してくれなかった、そういうことも紛れもない事実であります。だから、きちっとした整理ができていなかったわけであります。

 これは、道路特定財源については、民主党は暫定税率を廃止するということであります。我々は暫定税率は廃止はしません。それは、総合的に考えてこれから国家の運営にとって必要であるというふうな認識をしておりますから、議論をした上で賛否をはっきりさせてくださいと言っているわけです。

鈴木(克)委員 財務大臣、大臣としての立場をやはりあなたは本当に十分御理解をされていないんじゃないかなと思うんですよ。だって、暫定税率は下がったことは現実ですよね。だったら、それに対して、いわゆる国力の問題、景気の問題からいって、そういうことのないように指導していくというのは財務大臣の職務の一つじゃないんですか。地方がみずからの判断でと言ったって、そんな、地方はみずからの判断だけではありません。私も経歴を言うまでもないですけれども、やはり、国の指導それから県の指導、そういうものがあるから、その辺を見てそういうような行動をとっておるわけですよ。

 やはりこういうときこそ財務大臣が、だめだ、こんなことではだめだから、たとえ税率が下がってもやはりきちっと、国の責任でやっていくということを言っているんだから、そうだったら一刻も早く財務大臣としての考え方を出して、こういうような状況を一刻も早く乗り切って、工事を出してくれ、そして経済を活性化させてくれと言うのが、私は財務大臣の使命であり職務だというふうに思いますけれども、いかがですか。

額賀国務大臣 まず第一番目には、毎日、国、地方それぞれ四十億円、二十億円ずつ歳入不足になっている、税収不足になっているわけでありますから、これを一日も早くなくするようにしていただきたいということ。

 もう一つは、歳入不足については、これは総務省ともよく相談をした上で、国が責任を持って適切な措置をとるということを申し上げておりまして、地方の皆さん方には安心をしていただくようにしているわけでございます。

鈴木(克)委員 それでは、次に財源の話に入っていきたいというふうに思います。

 過去においても、地方に財源不足が生じたということはありますよね。これは私も小さな経験もしておるわけですけれども、それに対して、やはり国が責任を持って対応をしてきたわけです。例えば、予算編成の時点で財源不足が明らかな場合には、地財計画、地方財政計画の策定の際に、特例交付金やいわゆる交付税の上乗せ措置、あるいは減収補てん債の発行等々で対応してきた。そして、年度末に歳入不足が生じた場合にも、財源対策債を発行するというようなことで対応してきたわけです。

 実際に、十九年度でも、年度末を控えて大幅な財源不足になるということが判明をしましたよね。そこで、ことしの一月に地方交付税法を改正して、財源対策債を発行するということで対応したじゃないですか。その場合には、その元利償還分の四分の三は交付税措置で賄うということであったわけでありますけれども、いずれにしましても、地方財政に何かあったときは、今後とも国が責任を持ってその財源を確保する、これはもう間違いない事実だというふうに思いますが、総務、きょう来ていただいておると思うんですが、その点、一遍御答弁いただきたいと思います。

御園政府参考人 過去において地方財政に歳入不足が生じた場合に対応してきたことは今委員御指摘のとおりでございますが、一般論で申し上げますと、例えば、仮に国会の御審議等で政府提出の法案の修正がなされるなどして、その結果、地方財政計画の歳入に不足が生じるといったような場合などにおいては、理論上の選択肢としては、一つは歳出を削減する、もう一つはその他の財源措置によって歳入を確保する、このツーウエーになろうかと思います。

 歳出削減というものが年度途中ということになるとなかなか難しいという事情もございますので、そういう場合には、財源不足が拡大して地方団体の財政運営に支障を来す、当初に予定した行政サービスの提供ができないというようなことがないように、適切な補てん措置を講じることは必要だと考えております。

 ただ、今般の暫定税率のことで申し上げますれば、もう先般御承知のことでございますけれども、地方税、地方譲与税だけでも九千億が失われますし、あとは地方道路整備臨時交付金の七千億や道路関係補助金の五千六百億がどうなるかということも考え合わせますと、地方財政に大変大きな影響が生じるということは避けられないと思っておりますので、私どもといたしますと、地方財政なり国民生活の混乱というような、今御指摘の点を最小限に抑えるために、一日も早い法案の成立というのを念じておるところでございます。

鈴木(克)委員 いずれにしても、総務大臣は、地方の財政運営に支障が生じないよう、国の責任で適切な財源措置を講じます、こういうことを言っておるわけですよ。これがきちっと信頼をされれば地方は安心をして、工事の発注も含めて、今いろいろなところでとまっていますよね、七府県では道路以外の予算も今留保しているという状況ですよ。こんな状況を見て、財務大臣、また飛んでいくわけですけれども、早く税を復活してもらいたいんだと言っておるというのは、私は、これはもう本当に無責任きわまりないな、何を考えてみえるのかなとあえて申し上げさせていただきたいというふうに思います。

 次に、では私たちはどういうことを考えておるのかということでありますけれども、今おっしゃいました、地方は減収九千億ですね、およそ九千億ということでありますけれども、今回のいわゆる地財計画によると、国の直轄事業が一兆一千百五十二億円見込まれていますよね。これに対して増田総務大臣は、暫定税率が維持されれば九千億はキャッシュで入ってくる、そして、キャッシュと起債という違いがあって、議論しなければならない点があるというふうに言われておるわけですが、私は、国からいわゆる臨交金等の引き上げをするというようなことで、何も地方に心配をかけない方法は十分あるんじゃないのかというふうに思っておるわけです。

 そこで、総務省にお伺いしたいんですが、どうしても私が理解できないのは、国に支出するその資金ですね、いわゆる起債をすれば、キャッシュと起債の違いがあって地方にとっては何か問題があるというふうにこの前参議院の予算委員会で御答弁されておるのですが、それがどうしても納得いかないので、御説明をいただきたいというふうに思います。

御園政府参考人 お答え申し上げます。

 民主党案において提案なされておられます、暫定税率の減収の九千億に対する対応策として、直轄事業負担金を廃止すれば、それで一兆一千億あるから大丈夫ではないかという御指摘でございます。私ども、マクロとミクロで物を見て、やはり十分ではないのではないかというふうに思っておりますということを御説明させていただきたいと思います。

 第一点は、直轄事業負担金は、実際の事業箇所とか年度によって大幅にその事業量というか負担料が変わりますので、それと、もう片方で、暫定税率で入ってくる税収とが、ミクロベースで見た場合、個々の地方団体で見ると、ぴたっと合っているか合っていないかというのは、合っていない場合の方が多いのではないか。そうすると、個々の団体にしてみると、マクロで数字が合っていても、個々の団体にいくと、おれのところは直轄事業負担金は払わなくてよくなったけれども、あれが入ってこなくなったから全然そこの収支が合わないというようなところが出てくるのではないかというのが一点でございます。

 それから、マクロベースで見ますと、確かに委員御指摘のように一・一兆円ございます。ただ、この中は、ここが起債の御指摘の点でございますけれども、六千億が大体起債を使っているだろう、こういうふうに見ておりますけれども、暫定税率で入ってきた九千億を使うのがすべて建設事業に充てているのであれば、委員御指摘のように起債と起債の振りかえで、直轄事業負担金に充てるための起債ではなくて、普通建設事業に充てる起債ということで振りかえをすればいいという論理は妥当するんですが、暫定税率で使っている事業の中には、公債費、過去の起債の償還だとか、それから維持補修費という起債対象にならない事業も入っていて、現時点でいうと、非常にそういうウエートの高い団体もございます。

 そうすると、起債ができないということになりますから、マクロベースで見ると六千億が使えないお金になっている場合もありますので、トータルでいうと一兆一千億あるけれども、全く同じように使える性格のものは五千億だけ、一・一引く六で五しかない。実際に暫定税率で落ちる金は九千億なので、では四千億というのはひょっとして足らなくなる可能性というのは極めて高いのではないかというふうに思っておりますので、そのあたりを念頭に置きながら、前回の委員会で総務大臣は、いろいろ議論しなければならないというふうにお答えさせていただいたところでございます。

鈴木(克)委員 このことは私ももう一度議論をきちっと大臣とさせていただきたいというふうに思っております。

 時間もあれですから、代替財源の話でもう少しさせていただきますと、私は特会の積立金でこれはもう十分可能性があるということを申し上げていきたいと思うんです。またかとおっしゃるかもしれませんけれども、私は、平成十七年の十月の当委員会で、外為特会とそれから財政融資資金特別会計、この二つに多額の積立金があるということを指摘し、そして、それを指摘した結果、十八年度予算で十二兆円をいわゆる財政融資特会から取り崩したということをなされました。二十年度予算でもやはり九・八兆円を取り崩して国債整理基金に入れようというふうになさっておるわけですが、この特会、配付資料を皆さんお持ちになっておると思うんですけれども、いわゆる財政融資特会が今までどれだけ使われてきたかということなんです。

 ここに、剰余金のところに黒三角が三カ所あると思うんです、四十七年、五十三年、そして五十四年と。実は、七十六億、二百六十九億、二百八億、過去五十年間に三回使われただけなんですよ。なのに、なぜこれだけ巨額の十兆円もの積立金を残しておかなきゃならないのか。これは全くおかしな話だというふうに思うんですね。

 私はやはり、仮に例えば赤字が発生をしたとしても、後年度の黒字で穴埋めすれば十分に可能なわけですから、今は緊急事態なんですから、この財政融資資金の積立金を崩していけば、私は十分こたえることができる、代替財源にすることができるというふうに思っておるわけですが、この点についていかがでしょうか。

勝政府参考人 お答えいたします。

 まず、財政投融資特別会計におきましては、今後の金利変動に伴います損失の発生に備えまして、利益を金利変動準備金として積み立てております。それで、先生おっしゃいましたように、先生の御指摘もありまして、平成十八年度予算では十二兆円、今回、二十年度予算におきましては九・八兆円を、準備金を取り崩しまして国債整理基金特別会計に繰り入れたわけでございます。

 先生おっしゃいましたように、金利変動のリスクは確かに低下しております。その背景としましては、十三年度に財投の改革がございまして、それは、年金、郵便貯金の預託義務を廃止しまして、財投債を発行して財投みずから資金調達を行うということが一つの骨格でございました。ただし、当時の貸付残高が四百兆円余りありましたので、一気に財投債に振りかえるのではなくして、経過規定を置きまして、順次財投債に振りかえたということでございます。その経過期間の最後が十九年度予算でございまして、その意味で二十年度以降は財投債の発行額が低下するといいますか、少なくなるということが一つでございます。

 もう一つは、財投債の期間ですけれども、長目の財投債を発行しまして、今や二十年物、三十年物も発行しておりますので、その資金調達の期間と資金運用といいますか貸付期間のデュレーションがほぼ一致するようになりました。その意味で、デュレーションギャップといいますか、それに伴います金利変動のリスクも非常に小さくなってきていると思っております。そういうこともありまして、準備率を二十年度から引き下げまして、千分の百から千分の五十に引き下げまして、それで九・八兆円の繰り入れを行うことができました。

 では、その千分の五十はまだ必要かどうかの議論だと思っています。

 我々は、デュレーションがほぼ見合うようになったとしても、各年度におきまして、財投債の償還と貸し付けの償還、これは全く同額じゃないんですね、でこぼこがあります。ということで、それはマチュリティーギャップと言っていますけれども、そのギャップがありますので、それに伴います金利変動のリスクがまだあると思っています。

 それで、そのリスクに備えるためにどのぐらいの準備率が必要かということで、審議会にも諮りまして計算したところ、ちょっと細かくなりますけれども、具体的に、三千本の金利シナリオをランダムに走らせまして、大体、信頼区間が九九%、つまり百年に九十九年は大丈夫だという前提にしまして、これは民間金融機関も同じような手法をとっていますけれども、その三千本の金利シナリオを走らせますと、千分の五十ですと九九%信頼区間の中で三本しかパンクしないということになりまして、それで千分の五十が適当じゃないかと思っております。

 十兆円は定額じゃなくて、千分の五十、五%、これは全体の資産の低下に伴いましてまた変わると思いますけれども、ということでございます。

鈴木(克)委員 今あなたは、まさにいろいろの、コンピューターを使ったりいろいろな数値でそのような御説明をいただいたわけでありますけれども、それはやはり理屈の上にへがつくへ理屈だなというふうに思っていまして、本当に極端なことを言えば、一兆円ぐらいでも私は全く問題はないというふうに思っております。これもまた後日きちっと議論させていただきたいというふうに思います。

 さて、時間があれですから外為について伺っていきたいんですけれども、この前財務大臣は、四月七日の参議院の委員会で、今円高によって外為特会は十八兆円近くの評価損を来しておりまして、一ドル百一円で計算しますとプラマイ・ゼロである、「積立金は全くゼロであります。差引きゼロの段階であります。」ということで非常に強調されたわけですよね。

 これが、過去、二枚目の資料をごらんになっていただくとわかるんですけれども、外為の繰越評価損が、例えば平成八年、丸を打ったところの八年を見ていただきますと、十兆円でした。そして、積立金が七・六兆円です。しかし、こういう状況の中でも、一般会計への繰り入れを五千三百億やっておるということですよね。だから、財務大臣がおっしゃっておる、ゼロなんだからどうしようもないんだという説明は、過去の例からいってもおかしい。

 ここに今あります二十年度の予定、これは三兆円の繰越評価損ということで載っておるわけです。それに対して積立金が十九兆という表ですよね。この数字からいくと、ではどういうふうな、四月七日に大臣が答弁されたこととこの表をどのように見ていけばいいのか、これについて御説明いただきたいと思います。

額賀国務大臣 ですから、評価損と積立金は差し引きゼロの状況であると。だから、結果的に言うと、では積立金を取り崩してどんどんいろいろなところへ使ったらいいのかとかいうことになるんだけれども、やはりそれは為替の安定とか流動性をきちっとしていくためには、きちっともうちょっと積み立てをしておくのが無難ですよねという、ある意味では象徴的なことなんじゃないかというふうに思っております。一方で、確かに金利差がありますから剰余金は生まれてくるわけでございますので、それについては、ちゃんと二十年度予算においても積み立てもするし、一般会計にも組み入れているということであります。

 債務超過になってもいいから使わせてもらったらどうなのという御意見でございますけれども、やはり外為特会においても、これはいずれの特会でもそうだけれども、特会の健全性ということは維持しておかなければならないし、会計検査院からも、外貨証券等の残高が多額となっているため、為替の動向によっては外国為替等に係る評価損益が大きく変動することから、積み立てそれから要積立額等の状況については今後とも健全な形をしていかなければならないという注意もいただいているわけであります。

 鈴木先生のおっしゃっている、表の外為繰越評価損とか、三兆二千三百五十九億円の評価損だとかなっていますが、この場合の円換算は百十七円で計算をしているということになっておりますから、そこのところもよくわきまえていただきたい。

鈴木(克)委員 時間が参りました。

 いずれにいたしましても、私は、これだけのものをためておく、積み立てておく必要はないということを申し上げて、私の質問を終わります。

原田委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。私は、中小企業の現状についてお聞きしたいと思います。

 原油を初め資材の高騰というのが相次いでおりまして、中小零細企業の経営を圧迫しております。コスト上昇分を価格に転嫁できないというのが実態です。

 中小企業庁に初めに確認しておきたいんですが、昨年十一月に、原油価格上昇による中小企業への影響調査というのを実施したようですけれども、販売価格への転嫁の実態はどうか、それからその後の事態、これもわかったら教えていただきたいと思います。

高原政府参考人 お答えを申し上げます。

 委員御指摘のとおり、中小企業庁では、昨年の七月と十一月に原油価格高騰の中小企業への影響調査というものを実施いたしております。

 このうち、御指摘ございました十一月の影響調査によりますれば、原油価格の高騰に伴うコストの上昇分を製品あるいはサービスの価格に転嫁をできている程度というのは、二〇%を下回る中小企業の割合、これは全然できていない中小企業の方を含めてでございますけれども、約九割となっておりまして、中小企業は価格転嫁が困難な状況にある、そういう状況にあるというふうに認識をいたしております。

 昨年の十一月以降も、中小企業庁では四半期ごとに行っております中小企業の景況調査、これは一万九千社ほどを対象としておりますけれども、ここにおきましても、原材料の仕入れ単価が上がっている一方で、売り上げ単価あるいは客単価は横ばいであるということでございまして、これらの数字から見ましても、引き続き中小企業の価格転嫁といったものが困難な状況にあるということが示されているというふうに認識をいたしております。

 以上でございます。

佐々木(憲)委員 額賀大臣、これは非常に重大な、現在の中小企業の置かれている経営実態でございます。帝国データバンクの調査でも、価格転嫁率が五割以下という企業が八割であります。

 昨年来、中小企業の倒産件数も上昇しております。ことし三月の倒産件数は前月に比べても急増であります。中でも、中小零細企業の倒産が大幅に増加している。その原因として、今、中小企業庁の紹介がありましたように、コスト高を転嫁できない、こういう実態にあると思うんです。この点について、額賀大臣、今の中小企業の置かれている実態をどのように見ておられるか、お聞きしたいと思います。

額賀国務大臣 よく格差の問題があると言われておりますが、私は大企業と中小零細企業との格差というのもあるんだと思います。それは、一つは今言ったように価格転嫁ができないということ、それからやはりコストダウンの要請があるということ、そういうことから中小企業というのはなかなか大変な状況にあるという認識はしております。それが日本経済にとって決して望ましいものではないというふうに思っております。

 したがって、昨年の十二月に私どもは原油高騰に伴う対策を講じてきたし、三月には年度末金融の対策を講じた、そしてまた、つい先般は成長力強化のためのいろいろな政策を展開させていただいているということで、できる限りの対応策を講じていかなければならないというふうに思っております。

佐々木(憲)委員 コスト上昇分を転嫁できていないというのがいまだに続いているわけでありますし、その上、転嫁できないという点でいいますと、消費税であります。

 消費税は、経産省の調査でも半分以上の中小企業が転嫁できていないという回答をされているわけです。ではどうするのかということですが、中小業者は、借金をする、あるいは自分や家族の預貯金、生命保険を取り崩して、それで消費税を納税する、こういういわば身銭を切るような状況になっているわけです。最近はそれもなかなかできないということで、滞納に至るケースがふえていると思いますが、この実態はどうなっているでしょうか。

額賀国務大臣 消費税の滞納の新規発生額を各年度で見てまいりますと、ピーク時の一九九八年、平成十年度では約七千億円となっております。最近、二〇〇六年、平成十八年度では約四千億円まで減少してきております。

 この間、国税当局では、期限内納付意識を高めるための広報の充実、納期限前の納付慫慂など各種期限内の収納対策を重点的に実施し、滞納の未然防止に努めてきたところでございますが、今後とも、滞納についてはいろいろと努力をして、未然防止、整理促進に努めてまいりたいというふうに思っております。

佐々木(憲)委員 特にこの消費税の転嫁というのはなかなか難しい。つまり、消費税自身の納税が非常に困難になるという実態があるわけでありまして、全体の滞納の中で消費税の比率が高まっているということでございます。

 それで、事業者が諸般の事情で納税が困難になった場合、国税通則法、徴収法では、納税の猶予あるいは換価の猶予という措置があると思います。その立法の趣旨と適用要件、これを述べていただきたい。

佐々木政府参考人 国税通則法の納税の猶予、それから国税徴収法の換価の猶予の規定でございますけれども、その立法趣旨は、国税はまず納期限内に自主的に納付されるべきでございますけれども、納税者の実情によってはこれが妥当でない場合があるということで、納税者の個別の実情に応じまして租税の徴収を緩和し、弾力的な扱いをするということを目的として、納税の猶予や換価の猶予の制度が設けられているものでございます。

 要件でございますが、納税の猶予の要件は、一つは、納税者がその財産につきまして、震災、風水害、落雷、火災その他の災害を受け、または盗難にかかったこと、納税者またはその者と生計を一にする親族が病気にかかり、または負傷したこと、納税者がその事業を廃止し、または休止したこと、納税者がその事業につき著しい損失を受けたこと、それから上記の事実に類する事実があったこと、これらのいずれかに該当する事実があった場合におきまして、その該当する事実に基づいて、納税者がその国税を一時に納付することができないと認めるときには、その納付することができないと認める金額を限度といたしまして、納税者の申請に基づいて納税の猶予を行うことができるとされております。

 換価の猶予でございますが、国税徴収法におきましては、要件としましては、その財産の換価を直ちにすることによりその事業の継続またはその生活の維持を困難にするおそれがあるとき、それからもう一つは、その財産の換価を猶予することが、直ちにその換価をすることに比して、滞納に係る国税及び最近において納付すべきこととなる国税の徴収上有利であるときのいずれかに該当すると認められる場合において、納税者が誠実な意思を有すると認められるときには、その納付すべき国税につきまして滞納処分による財産の換価を猶予することができるとされております。

佐々木(憲)委員 それから、通達ですね、納税の猶予等の取扱要領、その猶予該当事実の中に、「納税者がその事業につき著しい損失を受けたこと。」とありますが、それはどのような場合か、示していただきたい。

佐々木政府参考人 納税の猶予取扱要領におきましては、納税者がその事業につき著しい損失を受けたということにつきまして、例えば直前の一年間の利益金額の二分の一を超えて損失が生ずる場合など、著しい損失を受けた場合においてというふうにされております。その要件を満たす場合に、納税の猶予の要件に該当するものと扱っております。

佐々木(憲)委員 その通達を見ますと、購入予定の資材の高騰、在庫商品の価額の下落などによる損失の発生、それから「下請企業である納税者が、親会社からの発注の減少等の影響を受けたこと、その他納税者が市場の悪化等その責めに帰すことができないやむを得ない事由により、従前に比べ事業の操業度の低下又は売上の減少等の影響を受けたこと。」というふうになっていると思いますが、そういうことですね。

佐々木政府参考人 先生が今おっしゃいましたのは、類する事由ということの内容として規定されております。

佐々木(憲)委員 ここで、納税者の責めに帰することができないやむを得ない事由の中にこういうことが書かれているわけで、つまり、資材が急騰した、それから市場が非常に悪くなった、不況が深刻化した、そういう経済環境の急激な悪化というのも納税猶予の要件に含まれる、こういう理解でよろしいですね。確認です。

佐々木政府参考人 先ほどおっしゃいました規定、まさにそのとおりでございます。

佐々木(憲)委員 私は二〇〇五年三月十五日の財務金融委員会で質問をいたしましたが、その際、国税庁は、生計の状況や事業の状況を聞くなどして納税者の実情をよく把握した上で、分納、分割納税などの自主的な納付を慫慂いたしておりますというふうに答弁をされました。この立場は今も変わらないか。

 それから、ここに国税庁の税務運営方針のコピーがありますが、この中に、「納税者に対して親切な態度で接し、不便を掛けないように努めるとともに、納税者の苦情あるいは不満は積極的に解決するよう努めなければならない。また、納税者の主張に十分耳を傾け、いやしくも一方的であるという批判を受けることがないよう、細心の注意を払わなければならない。」と書いてあります。

 これらの答弁及び方針、今でも変わりないですね。

佐々木政府参考人 まず、二〇〇五年三月十五日の答弁でございますけれども、個々の実情を十分把握した上で、まずは自主的な納付を慫慂しているということでございますが、これは引き続きそのように適切に対応してまいりたいと考えております。

 それから、税務運営方針でございますが、今お読みいただきました内容でございます。

 さらに、平成十三年になりまして、国税庁の事務の実施基準及び準則というものの趣旨を職員に周知徹底させる目的で「国税庁の使命」という文書を作成しておりますが、その中でも、納税者に対して誠実に対応するということを職員の行動規範として示しておるところでございます。

 そういう意味におきまして、税務運営方針につきましては税務行政を遂行する上での原則論を示したものでございまして、引き続きこの運営方針の趣旨に即して税務行政を進めていくことといたしております。

佐々木(憲)委員 そこで問題になるのは、実態が本当にそういう原理に沿って運用されているかということであります。

 ことしの一月二十四日に全国国税局長会議というのが行われて、国税庁長官の訓示が出されておりますが、その中では、滞納整理というふうに非常に強調しているわけですね。着実な圧縮、これを非常に強調しているわけであります。こういうことを余り強調し過ぎますと、親切な対応というのはどこか後景に退いて、まず徴収だというところが前面に出過ぎるのではないかという心配をするわけであります。

 私、具体的な事例で紹介しますが、例えば静岡で防水コーキングをやっているある自営業者の場合、不況の影響で大変経営が苦しい、その上、親を介護したり自分がC型肝炎を患う、こういうことで十分な働きができない、そこで滞納が発生したということです。その業者が、ことし二月と三月、売り掛け債権約七十万円を税務署に差し押さえられた。経営難と家族の生活苦でもう手持ちの現金が三千円、資産もない、そういう状況で売り掛け債権を差し押さえたら、子供が小学校にも入学できない、こういう訴えがありました。

 それから、もう一例は宮崎の花屋さんでありますが、消費税の分納をやっていたんだけれども、昨年十二月の納付ができずに年を越しました。そうすると、ことし二月の売掛金が差し押さえられて、この入金は、従業員の給与あるいは花市場への支払いに充てる、そういうものでありまして、入金ができなければ市場に参加できない、事業が破綻する、こういう瀬戸際に追い込まれる状況もありました。この方は、毎月ずっと分割納付の約束を守って行ってきたわけです。一度だけおくれた、それをもって話し合いもなく差し押さえが実行される。その際、税務署の統括官が、一たん差し押さえたものは解除しないんだ、おたくの信用をなくすのは簡単なんだ、こういう暴言を吐いた。

 こういう事例に共通するのは、税務署の対応が、納税者の実情を無視して強引に徴税をやっているというところにあるのではないか。国税庁としては、こんなことをどんどんやりなさいという奨励でもしているんですか。

佐々木政府参考人 個別の件につきましてはコメントを差し控えさせていただきますが、国税庁といたしましては、一般論といたしまして、例えば滞納整理に当たりまして納税の猶予等の申し出がございましたら、法令に基づきまして、納税者の実情を伺いながら適切に対応しているものと考えております。

佐々木(憲)委員 例えば納税の猶予の問題ですが、納税猶予の申請を出す、その場合税務署が、これは却下だと理由を言わないで却下するということがあるそうなんですが、これは少なくとも理由をちゃんと言って、こういう理由だからあなたのところは猶予は受けられませんよ、こう説明するのは当たり前だと思うんです。

 説明するということは当然だと思うんですが、いかがですか。

佐々木政府参考人 納税猶予の申請を却下します場合には、適用条文などと照らし合わせまして、当たらない理由は申し上げていると存じます。

佐々木(憲)委員 言っていない場合があるわけです。言っていない場合はこれは是正する、当然だと思いますが、いかがですか。

佐々木政府参考人 納税猶予に該当しないというときには、猶予不許可通知書に納税猶予を認めない理由を記載して納税者に通知することといたしております。

佐々木(憲)委員 ともかく、申請して、これはだめだよと言うだけで説明しないというのではだめなんですよ。そこはきちっとやっていただきたいし、親切に対応するというわけですから、そういう原則が非常に大事だと思うんです。

 最後に、額賀大臣にお伺いしますけれども、相手の状況をよく見て、やはり事業を継続させていくということが非常に大事だと思います。その事業がつぶれてしまったら将来の税収の確保ができなくなるわけですから、これは国税庁、財務省としても、中小企業に対して、成り立つようなそういう姿勢でこの徴税問題に対しても対応する、親切に対応するというのが基本原理だと言っているわけですから、そういう方向でやるという決意を最後にお聞かせいただきたいと思います。

額賀国務大臣 先ほどは民主党の下条先生から、滞納があるからきちっと徴収しなさいということでありました。今、佐々木先生から、滞納についての合理的というか親切なやり方、これはなかなか難しいけれども、ただ、両方視野に入れて、納税者の皆さん方に理解を得られる形をとっていく必要があるというふうに思っております。

 でありますから、個別の事情をよくそんたくして、取るだけではなくて、その商売が生かせるのならば生かしていかなければならないし、そういうことをよく幅広く考えながらやっていくことは当然のことだというふうに思っております。

佐々木(憲)委員 時間が参りましたので、終わります。

原田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十六分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © 2014 Shugiin All Rights Reserved.