衆議院

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第19号 平成21年4月21日(火曜日)

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平成二十一年四月二十一日(火曜日)

    午前九時三十一分開議

 出席委員

   委員長 田中 和徳君

   理事 江崎洋一郎君 理事 木村 隆秀君

   理事 竹本 直一君 理事 山本 明彦君

   理事 吉田六左エ門君 理事 中川 正春君

   理事 松野 頼久君 理事 石井 啓一君

      石原 宏高君    稲田 朋美君

      越智 隆雄君    大塚 高司君

      亀井善太郎君    後藤田正純君

      佐藤ゆかり君    鈴木 馨祐君

      関  芳弘君    中根 一幸君

      長島 忠美君    西本 勝子君

      林田  彪君    平口  洋君

      広津 素子君    馬渡 龍治君

      松本 文明君    松本 洋平君

      三ッ矢憲生君    宮下 一郎君

      盛山 正仁君    安井潤一郎君

      池田 元久君    小沢 鋭仁君

      大畠 章宏君    階   猛君

      下条 みつ君    鈴木 克昌君

      高山 智司君    古本伸一郎君

      和田 隆志君    谷口 隆義君

      佐々木憲昭君    野呂田芳成君

      中村喜四郎君

    …………………………………

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       与謝野 馨君

   内閣府副大臣       谷本 龍哉君

   内閣府副大臣       増原 義剛君

   財務副大臣        竹下  亘君

   経済産業副大臣      吉川 貴盛君

   財務大臣政務官      三ッ矢憲生君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 梅溪 健児君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 湯元 健治君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 堀田  繁君

   政府参考人

   (内閣府国民生活局長)  田中 孝文君

   政府参考人

   (内閣府公益認定等委員会事務局長)        原  正之君

   政府参考人

   (公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長)   中島 秀夫君

   政府参考人

   (警察庁刑事局組織犯罪対策部長)         宮本 和夫君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局長)  内藤 純一君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 團藤 丈士君

   政府参考人

   (財務省大臣官房参事官) 宮内  豊君

   政府参考人

   (財務省国際局次長)   中尾 武彦君

   政府参考人

   (国税庁課税部長)    荒井 英夫君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房総括審議官)         針原 寿朗君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           原山 保人君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           大下 政司君

   政府参考人

   (中小企業庁次長)    高原 一郎君

   参考人

   (独立行政法人国民生活センター理事長)      中名生 隆君

   財務金融委員会専門員   首藤 忠則君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十一日

 辞任         補欠選任

  とかしきなおみ君   馬渡 龍治君

  原田 憲治君     長島 忠美君

  松本 洋平君     松本 文明君

  山本 有二君     西本 勝子君

  和田 隆志君     高山 智司君

同日

 辞任         補欠選任

  長島 忠美君     大塚 高司君

  西本 勝子君     山本 有二君

  馬渡 龍治君     安井潤一郎君

  松本 文明君     松本 洋平君

  高山 智司君     和田 隆志君

同日

 辞任         補欠選任

  大塚 高司君     原田 憲治君

  安井潤一郎君     とかしきなおみ君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 金融商品取引法等の一部を改正する法律案(内閣提出第四九号)

 資金決済に関する法律案(内閣提出第五〇号)


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     ――――◇―――――

田中委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、金融商品取引法等の一部を改正する法律案、資金決済に関する法律案の両案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、参考人として独立行政法人国民生活センター理事長中名生隆君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣府大臣官房審議官梅溪健児君、大臣官房審議官湯元健治君、大臣官房審議官堀田繁君、国民生活局長田中孝文君、公益認定等委員会事務局長原正之君、公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長中島秀夫君、警察庁刑事局組織犯罪対策部長宮本和夫君、金融庁総務企画局長内藤純一君、法務省大臣官房審議官團藤丈士君、財務省大臣官房参事官宮内豊君、国際局次長中尾武彦君、国税庁課税部長荒井英夫君、農林水産省大臣官房総括審議官針原寿朗君、経済産業省大臣官房審議官原山保人君、大臣官房審議官大下政司君、中小企業庁次長高原一郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

田中委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。関芳弘君。

関委員 どうもおはようございます。私は、自由民主党の関芳弘でございます。

 本日議題となっております金融商品取引法等の一部を改正する法律案及び資金決済に関する法律案の金融二法案について質問をさせていただきます。

 アメリカのサブプライム問題に端を発します金融資本市場の混乱の余波は、本当に我が国の実体経済にも今大きな影響を及ぼしております。先週公表されました政府の月例の経済報告におきましても、生産や企業収益が大幅に減少するなど、景気は本当に急速に悪化が続いておりまして、厳しい状況にあるとの分析が示されております。

 私も、地元の神戸を歩いておりますと、きのうなどは設備会社なんか話をしておりますと、社長さんが、このような時期に設備をやるような会社や民間の家の人はいませんよということで、もう売り上げが半分以下に落ちていっていて、設備業界なんかは本当にめためただというふうな話も聞いてまいりました。本当に厳しい状況であると思います。

 政府におかれましても、こうした状況に対応いたしまして、今般、経済危機対策を取りまとめられたところでございますが、他方で、実体経済を支えるべき金融資本市場の機能強化を着実に図っていくことというのは、現在の景気悪化からいち早く抜け出して、日本が経済を成長軌道に乗せるために本当に必要なことだ、今後このような危機が発生するようなリスクを軽減していく最良の方法であると考えているところでございます。

 こうした金融資本市場の機能の強化を図りますために、まず、今般の危機におきまして指摘されました問題点につきまして、国際的な議論が必要だと思うところでございます。そして、速やかにこれを是正していくよう努力することがまず何よりも大事だと考えております。今回、この金融二法案におきましては、今般の危機におきます金融資本市場に係る問題点への対応がたくさん盛り込まれております。

 こうした観点から、まずは格付会社に関する規制につきまして質問をさせていただきます。

 格付会社につきましては、ストラクチャーの構築について助言を行いながら金融商品に高格付を付与するなど、顧客企業の利益、もう一つは一般投資家の利益、この二つの間で利益相反が生じていたのではないかという指摘がされております。今般の金融商品取引法の改正におきましては、こうしたコンサルティング業務と信用格付業務の同時の提供が禁止されることが示されております。

 こうした利益相反の禁止についてでございますが、まず一つ目の質問でございます。一般投資家の投資判断にとりまして重要な参考情報となります格付がゆがめられることのないようにすることが大変必要だと思うわけでございますが、金融庁としましては、これを担保するためにどのような措置をとっておられるのか、まずその点につきまして聞かせていただきたいと思います。

内藤政府参考人 お答えをいたします。

 サブプライムローン問題をめぐりまして、格付会社については、証券化商品の組成者等との間で利益相反行為、相反関係があったのではないかとの指摘がなされております。

 このような問題に対応するため、本法案におきましては、禁止行為として、格付会社が格付対象の金融商品の設計など格付の評価に重要な影響を及ぼす事項について助言を行った場合には、その金融商品について格付の提供を禁止するとともに、格付会社に利益相反防止、独立性確保のための体制整備を義務づけることとしております。

 このような枠組みのもとで、規制の実効性を検査監督を通じて確保していくことによりまして、格付会社の独立性確保、利益相反防止が図られていくよう努めてまいりたいと考えております。

関委員 利益相反問題というのは金融界におきましてはいろいろなところで起きますけれども、今回の点につきましても十二分な担保がされるよう心からお願い申し上げたいと思います。

 また、格付会社をめぐる問題としましては、格付に関する情報公開が不十分であったことが、格付の意義について投資家に誤解を与えてしまった、そして金融商品への投資判断を誤らせることにつながったのではないかという点も考えられるところでございます。

 格付に関しまして過度に信頼を寄せてしまうのも、投資家の判断が格付に左右され過ぎて、市場が正常な値づけ機能を失ってしまう、これもまた事実だと思います。格付はあくまでも投資判断の一般的な一参考情報として投資家に用いていただくために、格付がどのような考え方や手法に基づいて決定されるのかというところを十二分に開示することによりまして、格付の限界について広く理解していただくことが必要と考える次第でございます。

 二つ目の質問ですが、格付会社の情報開示につきまして、どのような制度設計としようとお考えか、聞かせていただきたいと思います。

内藤政府参考人 サブプライムローン問題をめぐりまして、投資家が格付に過度に依存し、投資判断がゆがめられたことが指摘されているところでございます。このような問題意識を踏まえまして、本法案では、情報開示の強化等を通じて格付の意義や限界について投資家の理解を促す枠組みを整備しまして、投資家の格付への過度の依存を是正することとしております。

 具体的に申し上げますと、登録を受けた信用格付業者に対しまして、適時の情報開示として格付の付与や提供についての方針及び方法、格付方針等でございますが、これらの公表、定期的な情報開示として信用格付業者の業務の状況を記載した説明書類の年一回の公表を義務づけることとしております。このような枠組みによりまして格付会社の情報開示が適正に行われることを通じ、格付の意義や限界について投資家の理解が深まっていくよう促してまいりたいと考えております。

関委員 さる全国新聞が以前に、新聞の内容を疑えというのをキャッチコピーにして売り出しをやっておりましたけれども、おもしろいコピーだなと思って見ていたんですが、情報というのを世の中うのみにしてしまう、それ以外に情報がないからそれをうのみにしてしまうというのが本当に世の中の常だと思いますので、このような格付の情報も一参考情報なんだということは繰り返し繰り返し世の中で言っていかざるを得ないと思いますので、その点につきましてぜひとも御努力のほどお願いしたいと申し上げます。

 続きまして、危機への対応力を高める観点のところから、今般の危機の要因となったと考えられます問題点に対応するのみならず、混乱のさらなる拡大に備えまして、システミックリスクが集中する資金決済システムの強化が必要でないかと考えるところでございます。

 金融は、高度にネットワーク化された資金決済システムを通じまして、安全かつ確実に決済が行われることによって初めてその機能を十分に発揮いたします。諸外国におきましても金融資本市場に係る規制の見直しが進められておりまして、資金決済システムについては必要な監督を行うことができることの取り組みが進められておるというのを情報で聞いたことがございます。

 私も以前十七年ほど金融機関に勤めておりまして、資金決済のところも担当したことがございますが、本当に思わぬところで資金決済はリスクに襲われるところがありまして、またそれがすべてネットワークでつながっておりますので、余りにも莫大な数の悪影響が出てしまうときがありまして、そのバックアップ、何か起こってしまったときの対応というのは非常に時間がかかって、例えば月末なんかにそのようなことが起こりますと、本当にとんでもないことが起こる可能性がございます。

 このような資金決済リスクに対する対応というのは本当に大変なところでございますが、この法律案におきましては、資金の清算機関につきましての制度を整備しまして、我が国の資金決済システムの中核をなす全銀システムの運営主体について制度整備を行っているところでございますが、その具体的な内容と、また諸外国におきます検討状況が今どのような状況にありますのか、それについて質問したいと思います。

内藤政府参考人 お答えをいたします。

 資金清算に関する制度整備は、我が国における銀行間の資金決済の果たす役割の重要性にかんがみまして、資金清算を行う主体がより公正性、透明性の高いガバナンス体制のもとで資金清算の業務を行うことを目的としております。

 具体的には、資金清算機関を免許制といたしまして、その際、株式会社であれば取締役会、社団法人であれば理事会、会計監査人等の設置を義務づける。資金清算機関が従う定款や業務方法書の内容を当局がチェックするとともに、検査監督上の措置を講じる。万一清算参加者による倒産手続が開始された場合でも、業務方法書であらかじめ決済方法を定めている場合にはその定めに従うといった所要の制度整備を図るものでございます。

 諸外国におきましても、米国サブプライムローン問題に端を発した国際金融資本市場の動揺が続く中で、銀行間の資金決済に関する制度整備がますます重要な位置づけをされておりまして、鋭意進められているところでございます。例えばイギリスにおきましては、本年二月の新銀行法制定によりまして同様の制度が導入をされました。また、米国においても同様の制度整備に向けた検討が現在進められているというふうに承知をしているところでございます。

関委員 今回、この資金決済に関しまして、本当に大きな重要なポイントというのは二つあると思うんですね。一つはその資金決済した内容が必ず正確であること、もう一つはシステムの安全性だと思います。この二つがしっかりとできているのかどうなのかというところなんですが、既存の金融機関におきましても、時々システム的にいろいろな事件が起こったというのが新聞をにぎわすわけでございます。非常に難しい内容でございますので、今回免許制度にしますときには本当に厳格なる申請、検査をしていく点につきましても厳格な検査をしていただくというところをぜひとも守っていただきたいと思います。

 続きまして、次の質問に移らせていただきます。

 今般の金融資本市場の混乱に対応する方策についてでございますが、今御答弁をいろいろいただいた次第でございますけれども、もう既に起きてしまった問題に対応する対応のみならず、金融サービス自身を国民生活に役立つ、そして利便性の高いものにしていこうという中長期的な視野をしっかりと持って経済発展を進めていこうということは常時大切なことだと思う次第でございます。

 資金決済法案におきましては、これまで銀行のみが行うことができるとされている為替取引、いわゆる送金でございますけれども、これを銀行以外の事業者であっても資金移動の登録を受ければ行うことができるという内容を含んでおる次第でございます。

 四つ目の質問でございますが、新たに資金移動業を設けることによってどのような経済的、資金決済的な利便性が世の中で図られていくのかというところをお答えいただきたいと思います。

谷本副大臣 資金移動業を設けることによる利便性の向上についてのお尋ねでございますけれども、例えば、インターネットによりサービスを提供している事業者自身が、利用者との間でサービスの提供にあわせて第三者を介さずに資金のやりとりをすることが可能となり、利用者サイドの手続の簡素化などが期待される。あるいは、銀行に海外送金を依頼する場合に、一般に、現在は五千円から六千円程度、定額の手数料が必要となっておりますが、少額送金の場合には手数料負担がかなり高くなってしまう。これを海外の例で見た場合には、送金業者の少額送金の手数料は実はより低額になっておりまして、このような点でも改善が見込まれるのではないかと考えております。

 いずれにしましても、各事業者においてこの新しい枠組みの中でさまざまな創意工夫が行われることによって、利用者の利便が向上するものというふうに考えております。

関委員 今、世の中では、いつでもどこでもだれでもというふうな、利便性を向上していこうということによりまして経済全体の発展を進めていこうという思想のもと、本当にいろいろなシステム構築ですとかアイデアが新規商品として取り組まれているところでございますが、金融におきましては、特にお金、しかもエレクトロニックバンキングという、言えば概念的な取引が今本当にしやすい分野でございますので、今回、その利便性向上によりまして経済発展に寄与できればな、私も本当に心から応援したいと思うところでございます。

 続きまして、今度は金融ADR制度についての質問に移らせていただきます。

 市場が健全に発展していこうというときに、利用者が安心して金融サービスの提供を受けることが重要だというのは自明の理でございますが、今般の金融ADR制度は、こうした観点から、金融トラブルに巻き込まれてしまった利用者が裁判よりも簡易な手続で、かつ専門的な見地から紛争解決を図ることを可能とするものと承知をしております。しかしながら、利用者が安心してこの金融ADR制度を利用するために、金融ADR機関が、専門性のみならず、客観性ですとかまた中立性、そういうものを十分備えておく必要があるんだろうなと思う次第でございます。

 私も金融機関におりましたときの経験から思いますに、通常、利用者と金融機関がもめたときというのは、まずは問題が起こってしまった支店の支店長とかが利用者との間でもめごとの解決に赴いて話をして、十二分に御了解をいただいた上で納得していただくということが第一ですが、それでもだめなときには本店の総務部なりがそれなりの専門知識、法律的な専門知識も十分に生かしつつ調停させていただく。それでもだめなときというのは、今まではいわゆる裁判所なんかに持っていかれていたわけです。

 本当のことを言えば、そもそも、金融制度というのがしっかりとあります中で、利用者と金融機関でもめごとが起こらないことが最大のあるべき姿であると思うんです。今回、この金融ADR制度をつくることによりまして、裁判所まで行かずに中間的な制度をつくっていこうというところでございますから、一歩前進でありますけれども、本当は裁判のようなことが実際に起こらないことが一番大切なことだと、金融機関にも期待するところでございます。

 今回、このように一歩前進ということで金融ADR制度をつくろうということでございますので、その中立性をどのように担保していこうかというところは非常に大事なことだと思います。金融機関側の方ばかりに立ってもいけませんし、利用者側が規定なんかをしっかり読まずに事件が起こったときなんかは、しっかりとそのことを利用者に御認識していただくことも大事だし、そういうふうないろいろな観点から考えられるべき中立性をどのように担保するか、それを聞かせていただきたいと思います。

内藤政府参考人 お答えいたします。

 金融商品・サービスに関する苦情処理、紛争解決における利用者保護の充実を図るために、金融ADRの実施主体の中立性、公正性を確保する、これは非常に重要だと考えております。

 このため、金融ADR制度におきましては、紛争解決手続を実施する紛争解決委員について、少なくとも一人は弁護士等を含めるとともに、当事者と利害関係を有する者を排除するということを求めることとしております。また、指定紛争解決機関が公正かつ的確に業務を遂行できるよう、主務大臣が指定、監督を行うこととしております。これらによりまして金融ADRの中立性、公正性は確保されるものと考えております。

 なお、指定紛争解決機関の指定、監督に当たりまして、金融ADRとしての中立性、公正性の観点から少し付言をさせていただきますと、役職員の構成が紛争解決等業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないかどうか、紛争解決委員の選任の方法が適切かどうか、紛争解決委員が当事者と利害関係を有する場合に排除するための方策が適切かどうかといった点について確認を行うこととしているところでございます。

関委員 この委員の選定、またあるべき姿というところは、本当に今回の制度が成功するかどうかというところのかなめになりますので、その点、今お答えいただきました内容のところを着実に、また堅実に実行していただくことを心からお願い申し上げます。

 また続きまして金融ADR制度でございますけれども、この法案におきましては、各業態ごとに設立するということに法の内容がなっております。これは、利用者にとってのアクセスのしやすさを考えますと、将来的には本当は一元化した方がいいのではないか、そして金融に関するトラブルについては、どのようなものであっても、そこに行きさえすれば解決に向けた取り組みがなされることが望ましいのではないかと考えるところでございます。

 といいますのは、今、いろいろな金融商品が本当に世の中に多くつくられております。銀行、証券、また保険とか、いろいろなところにつきましても、お客様へのサービスの点からは、一つの窓口ですべての金融商品・サービスが受けられるということで、ワンストップサービスというようなのを推進しているやに聞いております。今回、このようなトラブルが起こったときの相談窓口というのも、同じようにワンストップサービスというような考え方で一元化していくというのが将来のあるべき姿ではないかと私は思うところでございます。

 これまで各業界団体ごとに苦情処理が行われて、その取り組みが必ずしも一様ではなかったというのが現状だと思います。ですので、これはすぐには進められないと思うんですけれども、金融庁におきましては現時点における判断としまして各業態ごとに金融ADR機関を設けることにしたのだとは思うんですけれども、将来的な一元化について金融庁としてどのような考えを持っているのかを聞かせていただきたいと思います。

与謝野国務大臣 利用者保護、利用者利便の向上の観点から、業態横断的な金融ADR制度の構築が将来的には望ましいと考えられます。

 しかし、業界団体等によるこれまでの苦情処理、紛争解決の取り組み状況はまちまちであることや、専門性、迅速性の確保等の観点も踏まえ、本法案では各業法ごとに、業態を単位として金融ADR制度を導入することとしております。

 なお、金融ADR制度においては、一つの団体が複数の業態の指定紛争解決機関となることも可能としており、業態横断的な金融ADR制度構築のための民間主導の積極的な取り組みを期待しております。

関委員 御答弁ありがとうございます。

 本当に金融商品というのは、エレクトロニックバンキングを初め、今いろいろな高度なサービス提供が行われているところでございますので、国民生活に非常に直結する部分が多く、また経済活動には不可欠ということでございますので、金融資本市場が経済の混乱の要因となることは絶対に避けないといけないと思うんですね。

 このために、今回の金融二法案に盛り込まれました施策を着実に実行していただきまして、金融資本市場の機能強化を進めていくことは絶対に必要不可欠と考えるところでございます。金融庁におかれましても、こうしたことを十分に踏まえていただきまして、引き続き金融行政の着実な遂行に努めていただきたいと考えているところでございます。

 今から話は少し脱線するかもしれませんが、このような金融というのは、いろいろ、本当に手法が発達したり、実体経済とはまた違う概念的な取引があるところでございます。一方、私は、非常に大きな危険性もはらむ経済の一形態だと考えるところでございます。

 去年などは、石油の価格が乱高下をいたしまして、実体経済に本当に大きな痛手を与えたところでございますけれども、これも、言えばいわゆる金融取引の一端が与えた遠因が石油の方に与えたのではないかと私は考えるところでございます。

 金融商品、金融取引というのが余りにも複雑で、また自由で利便性が大きいがために、金融経済が実体経済に悪影響を及ぼすようなことだけはやはりどうしても避けていかないといけないと思うのが私の大きな今後の、将来の、私が個人的にも取り組んでいきたいと思う項目でございますので、そういうような点も含めまして、今回、金融をしっかりと堅実なもの、いいものにしていこうというこの二法案、私は、ぜひともいい方向で早く決着をしていただいて、利用者にいい結果が生まれていきますように心から応援をさせていただきますし、賛成をさせていただきまして、少し早いですけれども、質問を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

田中委員長 次に、大畠章宏君。

大畠委員 民主党の大畠章宏でございます。

 この委員会に付託されております二つの法律案、金融商品取引法の一部を改正する法律案、そして資金決済に関する法律案等について質問をさせていただきます。

 この法律案の趣旨は、日本の現在の金融危機を発端とした経済の混乱というものを受けて、今日のさまざまな分野において何とか対策をしようというその一つとして、この金融商品取引法の一部を改正する法案等も提出されたものと思います。

 実は、きのうの新聞を見せていただきましたら、ちょっと気になる記事がございました。これは金融とは全く別な次元かもしれませんが、一つは、北海道の旭川市でお母さんと子供二人が無理心中をしたのではないかという記事が出ていました。通信制高校三年生の長男の方の病気というものを、入退院を繰り返していたということですが、疲れたと日ごろ話していたそうでありますけれども、そういうことから、病気を苦にした無理心中ではないかという記事。

 それから、七十三歳の方については、首を絞められていた痕跡があり、十日間ほどのけがで済んだということでありますが、その奥さんが行方がわからなくなっていまして、その方は市内の池で浮いていた、いわゆる入水自殺されたんじゃないかというような感じでございますが、大臣、こんな記事が最近非常に多いんです。

 私もヨーロッパ諸国の国会議員とも論議をすることがございますが、国というもの、あるいは政治というものは一体何のために存在しているのかということがどうも日本の国の中ではわからなくなってきている。

 私、一言で言いますと、政治というのは国民の生命財産を守る最大のセーフティーネットでなければならないんですが、それがどうも機能不全に入っている。こういうことから、高校三年生の病気がちな長男の将来を悲観してお母さんが無理心中を図るとか、あるいは、御主人、七十三歳の寝たきりの方の介護に疲れて奥さんがだんなさんの首を絞めて、そして本人も入水自殺をする、こういう事例が最近多くなってきているわけです。

 私たちも金融問題について論議をしておりますけれども、何か根本のところが壊れ始めている。これをやらずして、金融でADRも大変大事な話でありますけれども、どこか全体的に日本の政治というものの構造が壊れてきていて、国民の不安というのが増している。

 一九九八年の日本における金融危機を発端として、三万五千人ぐらいの方々の自殺というのも相変わらず続いておりますし、医師不足、患者のたらい回し、あるいは鉄道の飛び込み自殺というのもよく耳にしますし、小児科の過労死、小児科のお医者さんが少人数になっていますから、そこに患者さんが集中して過労死をする話ですとか、こういうものが非常に私たちの身近に起こり始めています。

 私も今地元に住んでおりまして、相談事といいますと、両親をいろいろ面倒を見ているんだけれども、病院に入院しても三カ月で出てほしいと言われた、そしてどこに行ったらいいかわからない、どこか適切な病院はありませんかという相談事が非常にふえているんです。

 私は、与謝野大臣、今こうやって見ると、日本の政治の方向性というのがどこかでずれてしまったんですね。勢いのいい、あるいはアメリカ並みの生き生きとした経済社会をつくろうという小泉改革の一つの流れがありましたが、どこかで、国民というもの、あるいは、国民が地域の方で本当にまじめに実直に生きているわけですよ。その方々の実態というものをほとんど顧みることなく、何かある姿の方に進んでしまって今日のような社会状況になってしまったと思います。

 与謝野大臣は時折、これまでの歩んできた自由民主党の政治そのもの、あるいは政策そのものについては、反省すべきものは反省して新たな方向性を見出さなきゃならない、こういう発言もされているところでありますが、改めて与謝野大臣の、今日の日本の社会の現状を見て、何がどう間違っていたのか、そして与謝野大臣としては、平成二十一年度予算編成は終わっておりますけれども、どういうことを視点として政治をこれから行おうとしておられるのか、この件について改めて見解をお伺いしたいと思います。

与謝野国務大臣 補正予算が間もなく提出されますけれども、その作成過程で私が考えたことを率直に申し上げますと、一つは、この補正予算を通じて、不況がもたらす社会的悲劇をなるべく少なくしようと。例えば失業の悲劇、失業をした後のいろいろな悲劇、また中小企業等が資金繰りなどで倒産する悲劇、こういう社会的悲劇を極小化するというのがやはり政治の責任であろうと思って、今回の補正予算を編成したわけでございます。

 日本人が持っておりますいろいろな不安感は、いろいろな分類はできますけれども、漠然たる不安感という人もいますけれども、やはり分類すれば、この国は一体どこに行くのか、日本の経済は本当に立ち行くのか、あるいは、高齢者が必要とする医療、年金、介護の制度というものはこれから続けられるのか、こういういろいろな不安にこたえるというのが、これからの政治が求められているところではないかと私は思っております。

 小泉さんの時代、またはそれ以前からアメリカ流の物の考え方が入ってきて、市場が決めることがすべて善である、市場経済の中で個々人が自分の利益を最大限求める、それが自然に市場という機能を通じて調和されていくんだ。しかし一方では、そういうことをやっておりますと、私は、日本の社会が営々と築いてきたよきものというものが壊されてきたのではないかと。これは、地方の地域社会の健全なあり方を含めて、そういうものをこの十年間ぐらいで壊した可能性が極めて高いというふうに私は反省をしております。

大畠委員 与謝野大臣のその御認識というものは、私も共通するものがございます。

 ここまでとにかく歩を進めてしまったんですね。ですから、ここら辺で、目前に衆議院選挙というものを控えておりますけれども、その選挙目当てというような話じゃなくて、国民の地域における生活実態あるいは現実というものを踏まえて、改めるものはきちっと改める、こういう方針転換が今、私は、与党も野党も含めて必要なんだと思うんですね。

 しかし、どうもそこら辺が、表では、福田総理のときもそうでございましたけれども、小泉改革の転換、こういうことをうたいながらも、実態は、慣性力がありますからずるずると前へ進んでいって、先ほど申し上げたような、入退院を繰り返していた高校三年生のお母さんが将来に悲観をして無理心中を図るという、もうこれは現実ですから。それから、このお年寄り、六十七歳の奥さんが七十三歳のだんなさんの面倒を見ていたわけでありますが、介護に疲れたということでこういう道を決断してしまった、これも現実なんですよ。ですから、政治がそういうメッセージを出しながらも、現実には地域に届いていないという実例がここにあると思うんです。

 私たちは、確かに言論の府でありますから、委員会の場で金融問題もきちっとやらなきゃなりませんが、国民にきちっとそこら辺は、誤りでした、これまでの小泉改革というのは余りにも現実の地域における国民の生活というものを踏まえないで理想論に走ってしまった、ある特定の人物の描いた理想論に走ってしまったと。この現実の問題については十分踏まえて、それぞれのひずみについては転換を図る。これを現実的に、予算という形、あるいは今度十五兆円規模の補正予算をやろうとしておられるようでありますが、この中にも色濃く入れた形でないといけないんじゃないかと思うんです。

 確かにいいものも見えるんです。例えば、低炭素革命に入りますとか、幾つかいいところも、雇用対策にも尽力します、そういういいものも見えますが、何かてらっている、いわゆる目前の衆議院選挙というものを考えて、とにかくぱたぱたと表題を集めてきて羅列して提示した。その信条というか、根底にある社会の不安を払拭するという気迫がどうも私は見えないんです。

 ぜひ与謝野大臣におかれましては、この十五・四兆円というもの、ほぼ骨格を決めてしまっているかもしれませんが、節目節目でせめて与謝野大臣ぐらいは、そういう警鐘を鳴らしながら軌道修正をするというメッセージを発するべきだと私は思いますが、改めて、与謝野大臣の経済危機対策の骨格に対する基本的な思いについて再度伺いたいと思います。

与謝野国務大臣 私は東京で選挙をやっておりますので、地方の本当の苦しみというのがわからないのではないかというふうに思っておりますが、都市部と本当の地方というのは非常に格差ができてしまっているのではないかと思います。

 今回の補正予算をつくるに当たりましては地方重視ということで、地方重視というのは、地方が独自の発想で物事ができるようにということで、交付金という形で一兆円用意いたしました。それから、地方が国の直轄事業に協力できないというような財政の状況ですから、九割以上の負担は国が持ちますという形で直轄事業も進めていただきたいということですから、地方に対する配慮でも二兆四千億になっておりますし、その他、学校耐震化等々、地方の皆様方に喜んでいただけるような予算もたくさん実は入っているわけでございます。

 ただし、これはいずれ個別の政策でございまして、先生が言われる安心社会というものはどうあるべきか、そのことはもう一つの課題として我々に突きつけられている課題であって、総理のもとで安心社会実現会議という、これは党派とか麻生内閣のこととは関係なく、世の中の有識者の方に、安心社会というのはこういう社会を目指すべきだという御意見をいただく会議が始まりました。そういう中の御意見を率直に受けとめて、政策の中で生かしていきたいと私は思っております。

 この十年間で社会がすさんだというところは、どうしても我々は反省しなきゃいけないことだと思っております。

大畠委員 社会がすさんでしまったということは現実問題なんだと思うんですね。家庭内での親子の情というのもだんだん薄れてきているのかもしれません。この根本原因は、またいろいろ検討しなきゃならないと思います。

 そこで、実は今おっしゃったお考え方は一貫していると思いますが、四月十七日の朝日新聞に、「脱「米国頼み」の新戦略を打ち出そう」という大きなタイトルで与謝野大臣の報告というのが出ております。この中では、「「賢い支出」に厳選/底割れ防止・構造転換 両立できた」、こういうことでございますが、御認識として、現在の経済は二つの危機に直面している、一つは世界金融危機、もう一つが世界経済全体の大調整の中での構造的な危機だ、この二つの危機を乗り切ることが必要だ、こういう主張をされておられます。

 大くくりにすればそういうことだと思いますが、そういう観点でもしも今回補正予算というものを組もうとしているのであれば、私も幾つか、項目の一覧表を見せていただきました。先ほど申し上げたように評価できるものもございますが、何かちぐはぐな感じがするんです。

 そのちぐはぐの一つが子育て支援のところ。ここのところが、年間三万六千円、それも一年ぽっきり。そして年齢も制限をしています。三歳から五歳まで、平成二十一年度限り。これがなぜ子育て支援なのか。そして、将来の、子育てをしているお母さん方の安心感を与えようというんですが、一年だけ三万六千円、月三千円上げるから安心しなさいといったって、では来年はどうなるの、再来年はどうなるの、三歳から五歳というけれどもそれ以外のところはどうなんですかというような話になって、街角のお母さんの話を聞くと、どうしてこういう制限をしていて、ことしだけなんですかねと。逆に、政治の、あるいは政府の基本的な考えが全くわからない。

 要するに、ことしだけやろうというのはあたかも、ことし選挙があるからことしだけやろうという、定額給付金と同じような発想にしか見えないんですけれども、なぜこんな発想の提案が出てきたのか。

 これは厚生労働省かもしれませんが、与謝野大臣は、それはおれの範疇じゃないんだというような顔をしておられますから、たしか厚生労働省も来ていると思うんですけれども、なぜこんな陳腐な発想でここに紛れ込ませたのか、ちょっとお伺いしたいと思うんです。

梅溪政府参考人 お答え申し上げます。

 この子育ての手当につきましては、現下の不況下で、全体の個人所得が減少しつつあることにかんがみ、臨時異例の措置である子育て応援特別手当として対策に盛り込んだものでございます。

大畠委員 そういう程度の発想で、ここの部分、また予算二兆円ということになっているようでございますけれども、国費二兆円程度というんですが、何か取ってつけたような政策では、先ほどの与謝野大臣から答弁がありました、本腰を入れた方向転換、国民に対して安心感を持って生きてもらおう、そういう熱意も何にも感じないものが含まれておりますので、これは、与謝野大臣の主張とは異なる形でまた動いているのじゃないかということは指摘をさせていただきたいと思います。

 次に、金融問題に少し入りたいと思います。

 IMFの問題でございますけれども、麻生総理が昨年十一月に、IMFに最大一千億ドル、十兆円の融資を既に表明、さらに一月三十一日の世界経済フォーラム、ダボス会議での特別講演で、世界経済の回復に向けてアジア諸国に総額一兆五千億円以上のODAを約束、また金融サミットで、五千億を追加して総額二兆円を新たに拠出するという表明をされました。

 この問題についてですが、IMFへの中国や欧州の国々の融資といいますか対応はどういう状況になっているのか、そして、一連の日本のこのような対応というものは適切と考えておられるのか、お伺いしたいと思います。

竹下副大臣 大畠委員が御指摘になりましたように、IMFは今緊急のさまざまな経済的な対応を行っております。本来、増資という形で資金を調達して、SDRのアロケーションとかいろいろな形で新たに交付をするというのが一番オーソドックスなスタイルでありますが、これだけ経済的に今厳しい、あるいは金融的に厳しいということで、このたびは融資ということで今話が進んでおります。

 そのきっかけになりましたのは、先ほどお話しいただきましたように、日本が一千億ドル、ほぼ十兆円を融資するということをお話ししたからでございまして、その後、EUもほぼ同規模、スイスとかカナダからも融資の申し出がありまして、今二千五百億ドル規模のものが大体できておりますが、方向として、五千億ドルを融資しよう、そのためにいろいろなところが力を出そうという方向で、ここまでは話が煮詰まってきております。

 それと一方、少し話は違うんですが、アジアに対しまして二兆円規模のさまざまな支援をしていこうということを麻生総理が表明されております。世界に対しても日本は貢献をするわけでございますが、特にアジアの国々に対しては、さまざまなつながりもございますので、一層力を入れていこうということのあらわれである、このように理解をいたしておりますし、正直言って、もっとやらなきゃならぬ、こういう指摘もあります。

 評価をしていただきたいと心からお願いする次第であります。

大畠委員 今、竹下財務副大臣から御答弁いただきましたが、これからは華々しい対外的な支援計画を云々ということも外交戦略の一つかもしれませんが、私は、それを拠出することによってどんな影響といいますか効果が上がるのかと。こういうことを十分見据えて、いずれにしても、これは国民のお金ですから、麻生さんのポケットマネーでやってくれているんだったら私は何も言う必要はありませんけれども、これは国民のお金なんですから。

 何か、国会で全く諮らずに、勝手にと言ってはなんでありますけれども、対外的にぽんぽんとそういうことを表明されるのはいかがなものかと。もっと国内で論議した上で、そういうものを打ち出すべきなんじゃないかなという感想を私は持っております。せっかくの貴重な国民のお金でありますから、十分な検討をした上で打ち出していただきたいなということを申し上げておきたいと思います。

 それから、今お話がございましたが、対外的なものは対外的なものとして、国内対策をどうするか、これがいろいろと指摘をされているところであります。先ほど、国内での事件等々の事例を申し上げましたが、国内対策が非常に不鮮明である。

 そこで、日本国が、政府がやるべきことは、一つは、国民に生きる元気あるいは未来に対する夢、希望を与えるということなんですが、これができていないですね。私は、そこのところが問題だと思う。

 小泉さんは、自分の夢は語りました。郵政事業を民営化すると日本の国はよくなるんだ、三位一体改革だ、米百俵の精神だ。精神論は説いて、自分の夢は語って、何かそこに行けばいいような感じを与えましたが、国民が今失望感でいっぱいになっていると私は思うんです。ここのところが、小泉総理、それから安倍総理、福田総理、麻生政権になっても、どうもまだ、国民に対する夢や希望を与えるという方向性が出ていないというところは問題です。

 それからもう一つ、政府系金融機関の問題については、与謝野大臣が方向転換をどうやらし始めたようでありますが、小泉改革のときに、民営化すればいい、政府系金融機関はみんな民営化するんだ、こういうことでございましたけれども、各国の状況を見ていても、やはり政府系金融機関というのは必要であるし、損得、民営機関というのは損する場合にはやりませんから、それが民営化ですからね。損しても前に進むというのが政府系金融機関ではなかったかと私は思うんです。

 ですから、政府系金融機関というのは大事な存在だし、現在、それぞればたばた株式会社にしてしまいましたけれども、やはり政府として、政府系金融機関というものをしっかりと再建して手にしておくということは、私は大事だと思います。

 その件について、まずちょっと伺いたいと思います。

竹下副大臣 この委員会でも、麻生総理それから与謝野大臣がたびたびお答えになっておりますように、すべて民営化してしまうという中で、今回のこういった世界的な経済危機、そのことが国民生活に及ぼす影響というものがしっかりと認識されておったかどうかという部分については、私自身も含めて反省があるところでございます。

 世界のいろいろな国々を見てみますと、政府系の金融機関、しっかり持っておるところとかなり手放したところもあるんですが、こういう状況になればなるほど、政府系金融機関の果たす役割、それですべてが背負えるわけではないんですが、政府系金融機関が中心になって、それに民間金融機関のお金を巻き込んでいくというようなことも含めて、今冷静に検討し直さなければならないことかなと。

 ただ、個々、こういう方程式でやれば大丈夫というはっきりした図式が、答えが出ているわけではないんじゃないかなと思います。悩みながら、しかし前進しなきゃならぬ、こう思っております。

大畠委員 それから、これは経済産業省、農林省にちょっとお伺いしたいんですが、今の関連で、今、正直言って、ハローワークがもう満杯だというような記事も出始めています。朝方は長蛇の列になって、職を求める人がハローワークに入り切れていない。そして、そのハローワークの職員も大変な状況だということでありますが、その大もとは、中小企業が人員を削減したり、あるいは倒産したりという状況が今日のハローワークの周辺の事象にあらわれていると思います。

 例えば、自動車産業の生産というのがいつ回復するのか。五月ぐらいには、減産していたのを少し戻すというような流れが出ていますし、年末にはもうちょっと戻るんじゃないかという推測が出ていますが、部品メーカーは、注文がなければ企業倒産か雇用を解雇するしかないんですね。部品メーカーがなければ、今の自動車会社は部品を組み立てる会社ですから、部品会社がつぶれちゃったら、年末になって注文して、さあ、つくってくれと言ったって、つくるところがなくなりますから。

 そういう意味では、私は、元金返済を一時凍結して金利だけの支払いとして、この異常をとめる経済危機対策に当たる、そういう緊急対策を実施すべきじゃないか、してほしいという声も出てきております。これは、経済産業省の中小企業庁が中心となって主張すべきことかもしれません。

 それから、そういう意味では、大企業中心の経済危機対策という視点から少し転換をして、大企業を支える中小企業の経済危機対策に重点を移しててこ入れをしなければ、日本の物づくりというのももたないのではないかという指摘。

 それから、雇用の場として農林漁業の再建をきちっとして、雇用の受け皿をつくってほしいという御意見。

 さらには、大型スーパー中心の流通構造のものから、町中の個人商店の復活を図るような地域経済の再生を目指すべきではないかという、こういう四つの指摘を今受けているわけでありますけれども、経済産業省と農水省からそれぞれ、この地域経済に対する対策についてお伺いしたいと思います。

高原政府参考人 お答えを申し上げます。

 まず、中小企業の資金繰りについての御質問がございました。今、非常に中小企業が厳しい中で特に、議員御指摘のとおり、既往債務の返済負担の軽減というのが非常に重要ではないかという御質問でございました。これは非常に重要なポイントだと私どもも存じております。

 このため、日本政策金融公庫などの公的な金融におきましては、例えば金利の継続的な支払いでございますとか、あるいはまた民間金融機関の協調支援といったような要件が満たされれば、元本の返済猶予に率先いたしまして前向きに対応するという方針を実は三月末に公表しておりまして、この周知を図っているところでございます。

 また、今般の経済危機対策におきましても、引き続き一・五兆円ほどを目途にいたしまして、既往債務の条件変更というものに積極的に取り組むということにさせていただいております。

 今後とも、大変厳しい経済状況に中小企業あるいは小規模企業の方々は置かれておりますので、新規の貸し付けだけではなくて、いわゆる既往債務への対応を通じまして、中小・小規模企業の資金繰りというのを支援していきたいというふうに考えております。

 それから、物づくりについての御質問もございました。

 今、非常に中小企業、小規模企業は厳しい状況の中にありまして、特に昨年の秋以降の厳しい状況の中では、私どもも経済産業局などを通じて、十分とは言えませんけれども事態の把握に努めておりますけれども、受注高が八割減になったとかそんな企業もございます。

 このままでは我が国の基盤を支える物づくりの企業の基盤が損なわれてしまうということで、経済危機対策におきましても、物づくりの中小企業が行う基盤技術に対する研究開発に加えまして、製品化あるいは事業化に向けたような試作品開発、あるいは販路の開発などにつきまして、そういう取り組み全般に対する支援を行うということにさせていただこうと考えております。

 以上でございます。

針原政府参考人 御指摘のとおり、地域経済の再建のためには農林漁業の活力を取り戻す、これが非常に重要だと考えております。ただ他方、我が国農業は、所得の半減、高齢化など、産業としても持続可能性の喪失の危機にあるわけでございます。また、農山漁村では、所得機会や兼業機会の減少により活力がますます低下している。

 このような状況にかんがみ、今般、総理を本部長とする食料・農業・農村政策推進本部のもとに農政改革関係閣僚会合を設置し、検討しております。

 このたび、農政改革の検討方向が取りまとめられました。そこにおきましては、改革の目的といたしまして、産業としての持続性、二つ目は食料供給力、三つ目は地域の活力、この三つを再生する。これを目的に位置づけまして、これによって地域の成長産業として復活させ、我が国経済の底力の発揮に結びつけていくことにしております。具体的な内容につきましては、夏をめどに方向性を出します。

 また、今回の経済危機対策におきましても、農業の担い手への農地集積や経営支援、農山漁村における雇用対策、森林資源の活用による地域の活性化、周辺漁場生産力の向上など、関連対策にきめ細かく配意しているところでございます。

大畠委員 私は、農林水産業というのは、今まで何かマイナーな産業みたいに見られてきておりましたけれども、これからはメジャーな産業にしなければならないと思うんです。輸出依存型、いわゆる六割も、日本の経済に与える影響が輸出関連の経済で成り立っていました。これは異常とも思える高い水準だったということは今回の金融危機でよくわかったんですが、内需拡大をどうするんだということのベースは、私は、農林水産業というものを再度メジャーな産業として復活させること、ここのところに内需拡大の原点があると思うんです。

 ですから、もっと胸を張って大きな声で答弁できるように、ぜひ今後とも頑張っていただきたいということだけ申し上げておきます。

 さて、そういう周辺の経済状況について御質問させていただきましたが、今回の二法案の質問について、四点させていただきます。

 一つは、裁判外紛争処理機関についてでございますが、やはりこれまでの論議を踏まえても、業態にかかわらず、金融商品に係るADR機能については将来は一元化すべきだという強い指摘がありますし、委員会の中での論議でもございます。当面はこういう形にするということでありますけれども、一つの道筋としてこれを強く打ち出すことが私は必要だと思います。

 それから二点目には、消費者あるいは投資家の保護の観点から、公正性、中立性確保を徹底すべきではないかという指摘もございました。

 三点目には、消費者庁や国民生活センターとの役割分担がよくわからない、連携強化を行うべきだ、すなわちネットワーク化をして、消費者が余り戸惑わないで紛争解決のサービスを受けられるような体制に構築をすべきだという指摘。

 さらには四点目には、紛争解決機関の天下り防止の予防的措置を講ずるべきだという強い懸念が表明されておりますが、この四点について、改めて整理をして御回答いただきたいと思います。

内藤政府参考人 まず私の方から、今おっしゃいました四点のうちのまず最初の三点、お答えをいたします。

 まず第一点でございますが、金融商品に係るADR機能について、将来は一元化すべきではないか、もっと強く打ち出すべきではないかという御指摘でございました。利用者保護、利用者利便の向上の観点から、業態横断的な金融ADR制度の構築が将来的には望ましいと考えております。

 しかしながら、業態、業界団体等によるこれまでの苦情処理、紛争解決の取り組み状況がまちまちであることや、専門性、迅速性の確保等の観点も踏まえますと、本法案におきましては、各業法ごとに、業態を単位として金融ADR制度を導入するということとしております。

 なお、金融ADR制度におきましては、一つの団体が複数の業態の指定紛争解決機関となることも可能としておりますので、業態横断的な金融ADR制度構築のための民間主導の積極的な取り組みを期待しているところでございます。

 なお、指定紛争解決機関が複数ある場合に、従来から出されております問題点というのは、主な問題点を申し上げますと、例えば利用者にとって苦情、紛争の申し出先がわかりにくいという問題がございます。

 したがいまして、指定紛争解決機関相互の連携を図りまして、誤った指定紛争解決機関に対して苦情、紛争の申し出が行われた場合における苦情、紛争の適切な指定紛争解決機関への移送、それから、苦情、紛争の申し出の振り分けを行う共通窓口の設置といった要望も出されておりますので、こういった取り組みについては、今後実務的に、鋭意検討を進めていきたいと思っております。

 それから第二点の、金融ADRの公正性、中立性を確保するという御指摘でございます。

 金融商品・サービスに関する苦情処理、紛争解決における利用者保護の充実を図るために、金融ADRの実務主体の中立性、公正性を確保するということは非常に重要だと考えております。

 このため、金融ADR制度におきましては、紛争解決手続を実施する紛争解決委員について、少なくとも一人は弁護士等の専門家を含めるということといたすとともに、当事者と利害関係を有する者を排除することを求めているところでございます。

 また、指定紛争解決機関が公正かつ的確に業務を遂行できるよう、主務大臣が指定、監督を行うこととしております。

 これらによりまして、金融ADRの中立性、公正性は確保されるものと考えております。

 それから第三点でございますが、消費者庁や国民生活センターとの連携強化という御指摘がございました。

 金融庁といたしましては、金融商品・サービスに関するトラブルを解決するために、消費者庁や国民生活センター等の関係機関と適切に連携をし、対応していく必要があると考えております。

 このため、本法案におきましては、指定紛争解決機関と関係行政機関や他のADR等との連携に関する規定を設けているところでございます。

 また、金融トラブルに関する情報交換や連絡調整等を行う枠組みといたしまして、内閣府や国民生活センターも参加する金融トラブル連絡調整協議会が設けられております。これは金融庁が事務局を果たしておりますけれども、こういう協議会が設けられておりまして、これらの枠組みを活用しながら、関係機関の適切な連携を一層図りまして、金融商品・サービスに関するトラブルの解決に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

    〔委員長退席、木村(隆)委員長代理着席〕

谷本副大臣 紛争解決機関への天下りあっせんの防止についての御質問でございますが、公務員の再就職につきましては、各省庁による再就職のあっせんはことしいっぱいで廃止されることとなっておりますので、権限等を背景にした再就職のあっせんが行われるのではないかとの御懸念は当たらないものと考えております。

大畠委員 それぞれ今御答弁を賜りましたけれども、もしもそういう形で答弁をされるのであれば、法律案も委員会の質疑を経た上で修正をする、こういうことも私は必要なんじゃないか。

 委員会で答弁をしても、なかなかそういうものが法律案に反映されないとすれば、何でこうやって委員会で論議しているのか。いろいろな委員会でもありますよ。論議したら、原案のまま賛成か反対かというのではなくて、問題点が明らかになったり、あるいはこうした方がよりいいんじゃないか、こうすべきだなと合意したものは法律案に反映するのが、委員会のあり方としては適切だと私は思うんです。

 いろいろ理事のお話を伺っていると、なかなか、先ほど答弁されたような形で、法律案の修正をしたらどうかということを言っても、そう言っても、まあ、いいじゃないですかというので、今押し問答がされているというのですが、私は委員会のあり方として、ほかの委員会でも、いろいろな論議をして、あるべきものについては修正しましょうということもあるので、この問題についても、そういう懸念があるのであれば、金融を発端としたトラブルも随分あります、自殺者も出ているわけです。これまで裁判でしかなかったわけでありますけれども、ここのところを裁判外の紛争処理機関をつくろうというのですから、そういう意味では、委員会の中で論議をして一つの結論があるのであれば、それを法律案に修正することは、与党としても政府としても何ら恥ずかしいことではないので、私はこういうものを織り込むのが自然体ではないかという感想を持っています。

 そこで、今後の見直しの話についても、五年後をめどに見直すということでありますが、こういうものは、この委員会の中でも合意すれば見直しをすればいいし、さらに必要なものがあれば迅速な法改正というのも必要だと私は思いますが、この件について、与謝野大臣、どういうふうに考えておられるのか、お伺いしたいと思います。

    〔木村(隆)委員長代理退席、委員長着席〕

与謝野国務大臣 私、委員会の筆頭理事というのを八回やりましたので、私の場合は、大体野党の主張を入れて物事を進めてきたという経験がありますが、これはただ、現場の理事が一人で行動するというのはかなり危険を伴うわけで、やはり本国の指令もあるので、その辺は我が党の筆頭理事の立場も少しお考えをいただいて、うまいところで落ちつけていただければと思っております。

大畠委員 本国の指令というのもあるかもしれませんが、そういうことだから地域社会がなかなかうまくいかない。要するに、現場主義でやらないといけないと思いますよ。だって、本国は委員会の論議に参加していないんですから。参加しているのはこの委員のメンバーで、筆頭理事が任されているんですから、竹本筆頭に、この法律案関係についてはよりよい形で仕上げてくれ、こういうことで一任されているのが筆頭理事なんだろうと私は考えますし、竹本筆頭理事の懐も深いわけですから、ぜひ、委員会の中で十分論議して、一つの成案を持っていただきたいということを申し上げておきます。

 それからもう一つ、あと一分ほどありますが、格付機関についても、消費者、顧客の立場に立ち、格付機関の管理強化については一定の理解をいたしますが、さらに一歩進めて、免許制、登録の義務化をすべきではなかったかという指摘を受けているところでありますが、ここについて再度御見解を伺います。

内藤政府参考人 お答えをいたします。

 記号や数字を用いたランクづけによりまして信用リスク評価の結果を提供するサービスは、いわゆる信用格付会社に限りませんで、広く一般に行われていることでございますので、これらに対しまして一律に参入規制を課すということは適当ではないというふうに考えているところでございます。

 このような観点から、本法案におきましては、信用格付の付与、提供を業として行うためには登録を受けなければならないとの参入制限を設けることとはしませんで、登録できる規制としているところでございます。

 また、無登録業者の格付の利用に際しましては、金商業者等に追加的な説明義務を課すことによりまして、金融資本市場において重要な影響を及ぼし得る格付会社の登録を確保する枠組みを整備しているところでございます。

 なお、付言をいたしますと、既に登録制度が導入されておりますアメリカにおいても登録できる規制が採用されておりまして、国際的な整合性も図られているというふうに考えております。

大畠委員 時間でありますからこれで質問を終わりますが、最後に、前半で申し上げましたけれども、やはり私はどう考えても、小泉改革というのは社会的に大問題を引き起こしている、小泉さんは日本の社会をかなりぐちゃぐちゃかきまぜて去っていった、そうしか思えないんですよ。

 ですから、これは与党も野党も垣根なく、現実の社会を見て、それをぜひ政治の責任として、国民に、未来に対する夢あるいは未来に対する展望というものをしっかりと与え、政治が最大のセーフティーネットとしての役割を果たすような形にすべきだということを申し上げて、質問を終わります。

田中委員長 次に、松野頼久君。

松野(頼)委員 民主党の松野頼久でございます。

 まず、これは与謝野大臣に伺いたいんですが、資料の冒頭に実はつけてあります。この法案に入る前に、実は今自民党内で、政策投資銀行の株の完全民営化を三年間延期しようじゃないかというようなことが議論をされているように報道されております。大臣も、四月十七日の記者会見で、政府の意思と政投銀の意思が合致する可能性、蓋然性を高めておくことは、株の保有を通じて必要なのかもしれないというふうに発言をされて、政府が株の保有を継続することに対して理解を示したというふうにあるんですね。

 ちょっと伺いたいのは、やはり大臣も完全民営化を少し待った方がいいというふうなお考えに変わりはないんでしょうか。

与謝野国務大臣 私、この国会で答弁した中に、国民金融公庫、中小企業金融公庫、農林漁業金融公庫、政投銀、JBIC、これを民営化しようということを言い出した方々、我々は本当に大丈夫なのかという懐疑派だったんですけれども、こんな大不況は来ないということが恐らく前提であった議論だと私は思っておりまして、実際に不況が来てみますと、不況をうまく切り抜けるための道具立てがやはり足りないんじゃないかなという気がします。ですから、政策金融機関というのは、やはり政府が持っている大事な道具としてとっておいた方がいいんじゃないかというのは、私の今の率直な気持ちです。

 ただ、政府の機関だからといって民間の分野をどんどん侵食していいというものではなくて、やはり、こういう全く考えもしなかった経済危機、あるいは将来の不況に立ち向かうことのできるだけの力量を持った政府の機関というのは、いつの時代にも私は必要だろうと思っております。政投銀もまたその例外ではないと思っております。

松野(頼)委員 大臣の今のお考えというのは、私も全く同感なんですね。当時、行革特別委員会でもそのような議論をしたことがあります。政府系金融機関をなぜ民営化する必要があるのか、当時、いろいろな中小企業の団体、商工会の皆さんと話しても、政府系金融機関に随分助けられているんだ、だから何で民営化をする必要があるんだ、メガバンクと同じような銀行をつくる必要は全くないのではないかというような議論を、私はずっとこの間し続けてきたつもりであります。

 当時はまだ小泉内閣でありまして、官から民へというかけ声のもとに、私はあのときにも大きな反対をいたしましたけれども、それで民営化が決まったというふうに思っているんです。この不況ということを想定していなかった、こういうような不況になれば、やはり政府の関与が必要であるというお考えに対しては、今は全く同じであるんですけれども、ただ、なぜあのときにその声を上げていただかなかったのかということが非常に残念なんですね。

 例えば、先ほど竹下副大臣が同じ御答弁をされておりました。この不況を想定していなかったということなんですが、実は、当時の行革特の中でもそのような議論はたくさんあったんですよ。それでも、大丈夫だ、大丈夫だと言って民営化に踏み切ったわけじゃないですか。

 一枚めくってください。例えば、去年の内閣委員会と財務金融委員会の連合審査の中でも関議員という方が、完全民営化がなされるという形でありますけれども、この大事ないわゆる商工中金と政策投資銀行、二つの金融機関が民営化されることによって、社会的には、いろいろな金融危機が発生したときに十二分に経済が対応できるように、資金供給ですとか金融混乱が起こらないように本当に対応できるのか心配だからお伺いをいたしますと言って、こういう議論をしているんですよ、当時も。これはまだ去年ですよ。

 当時の林副大臣は、この危機対応の部分につきましては、商工中金、政策投資銀行、これは完全民営化するわけですけれども、完全民営化したこの二つを含む指定金融機関を活用する危機対応制度というのを盛り込んでいるから、要は、これは危機対応に対応する指定金融機関であるということを認定するから、危機対応は大丈夫なんだと当時言っているんですよ。危機による被害に対処するための必要な制度手当てを行うということを法案に、要は民営化をする法案に盛り込ませていただきましたので、危機が来ても大丈夫ですよと去年の四月に政府は言っているんですよ。

 ここに来て急に、こんな金融危機は想定していなかったから、やはり民営化は三年間待つんだと。おかしいじゃないですか。当時の行革特でも、金融危機が来たときに、セーフティーネットとしての政府系金融機関は大事じゃないですかという議論も随分あったんです。そして、資料をつけたように、去年の四月に同じような議論をしているんですけれども、ちゃんと指定金融機関に指定をして危機対応の制度をつくっているから、完全民営化をしても大丈夫ですと政府は言っているんですよ。この整合性は一体どうなるんですか。

与謝野国務大臣 官から民ということで、政府系金融機関をなるべくスリムな存在にしよう、こういうことで、株も民間にということでやって、危機対応業務というのを一部残したわけですけれども、やはり十分ではない。皆様方の御指摘の方が多分当たっていたと思いますし、自民党の一部の人たちの指摘も当たっていた、私はそう思っておりますが、官から民という、何かその当時のはやりの中で物事が決まったというのは、やはり反省すべきことだと私は思っております。

松野(頼)委員 非常に率直にお答えをいただいたので、いや、関さんはいい指摘をしているんですよ。もう一枚めくっていただくと、その危機対応のやり方がちゃんと書いてあるんですね。これは政府がつくったものですよ。

 こういう状況の中で、今回もし方向転換をされるのであれば、今大臣が当委員会で率直に述べていただいたように、やはり当時の民営化に対しては、何らかの総括をきちんとしていただかなくてはいけないと思います。

 また、これは大臣が答える立場にないかもしれませんけれども、三年間というのもまた中途半端なんですよね。三年後にはまた民営化するのかどうかわからない、当面、今だけしのぐんだみたいな話なんです。これもまた、これは政府が答えるべき話ではないのかもしれませんけれども、やはりきちんと腰を据えて、民間金融機関のセーフティーネットの部分、また融資が行われないようなすき間の部分に関しては、政府系金融機関がしっかりそこの穴を埋めるなら埋めるという形で、時限的な形ではなくてどっしりとした議論をするべきではないかというふうに私は思うんです。

 ぜひ政府として、議員立法で出されるというような報道でありますので、政府としてもしっかりその辺は御助言をいただきたい。できれば閣法で、しっかり総括をして方向転換をしていただきたいというふうに思うんですが、これは感想で結構です、お答えをいただけないでしょうか。

与謝野国務大臣 金融関係の法律改正あるいは金融関係の予算の規模等は、与党と民主党とよく話し合われておられるということを聞いておりますので、余り立ち入ったことは私は申し上げるつもりはありませんけれども、各党間の協議に私は期待をしております。

 もちろん、政投銀等のあり方については、与党の皆様方とも私も近々意見交換をさせていただきます。

松野(頼)委員 あと、これはちょっと細かいことになるので事務方で結構なんですけれども、副大臣、これ、答えられますか。

 きのうちょっと資料は請求したんですが、まず、政投銀がこの危機対応で融資をした金額がどれぐらいあるのか。約一兆円ぐらいと聞いているんですけれども、ちょっと後ろで紙を出してもいいので答えていただけますか。きのう資料をお願いしています。

竹下副大臣 危機対応業務の長期貸付実績、これは二十一年三月末の数字でございますが、件数が三百一件、金額が一兆六百三億円、こうなっております。

松野(頼)委員 あと、これもちょっとペーパーを出してもらいたいんですけれども、おおむね貸し出しの長さというのが一番多い、大体五年が何割、十年が何割というのを数字で、アバウトで結構ですから答えていただけますでしょうか。

竹下副大臣 これは、一年以下が一三%、一年超五年以下が四七%、五年超十年以下が三〇%、十年超が一〇%、おおむねこんな数字になっております。

松野(頼)委員 要は、大臣、何でそれを言ったかというと、十年以下が九割なんですね。十年以上というのは一割なんです。

 そもそも、政策投資銀行とは一体何ぞやということから考えなきゃいけないんじゃないかと私は思うんです。

 設立をした当時、まだ日本は敗戦のときでした。池田勇人さんがこの政策投資銀行というのをつくったと思います。そのときには、まだ社会的なインフラが整備をされていない、だけれども日本にはお金がない、そういう中で、財政投融資をうまく使って、社会的なインフラを整備するために超長期の金融機関をつくろうというような目的が設立の当初あったと思うんですね。

 なぜそんなに、五年とか十年とか、これはメガバンクと同じような長さなんですよ。なぜメガバンクと同じような長さになっているかというと、やはりこれは、民営化によって貸し出しリスクを抑えなければいけないというようなマインドが、政策投資銀行に民営化の行革法が通った後できて、長いのはできないねといってだんだん短くなった結果、今の貸し出しの長さなんですね。十年未満が九割なんといったら、民間のメガバンクで借りるのと全然変わらないじゃないですか。

 政策投資銀行の存在意義というものをもう一度問い直して、だからこそ、民営化に待ったをかけて、貸し出しリスクが多少あっても、社会的なニーズにこたえるために超長期の貸し出しをやりましょうというようなところまで、ただ三年株の凍結、民営化を待つということではなくて、政策投資銀行のあり方そのものを論じるような機会をぜひつくるべきではないかと私は思います。

 大臣、どうでしょうか。

与謝野国務大臣 政投銀の歴史は、昭和二十年代の復興金融公庫、その後の日本開発銀行、それで政投銀になったわけですが、リスクは多少あるけれども長期的な投資が必要だという分野はこれからも日本の経済に出てくるわけでして、そういうものはやはり、公がリスクをとらなきゃいけないものも実は日本の経済の将来のためにあるわけでして、何から何まで民間がやれというのは、私は、多分日本の経済の将来のためには余りいいことじゃないなと個人的には思っております。

松野(頼)委員 私が思いますのは、例えばインフラ整備にしても、戦後、特に道路特定財源ができて、列島改造以降、道路特定財源をつくって、ひたすら自動車だけの道路整備にインフラ整備がこの国は傾いてきたと思います。今、これから人口が減って高齢化社会になる上で、果たして道路整備だけでいいんだろうか。

 例えば都市間交通の鉄道及び、今国交省も進めていますけれども、例えば都市内でもLRTを活用したり、公共交通網の整備等々がもう一度転換をするべき時期に来ているんじゃないかと私は思うんですね。ひたすら道路、道路、道路、道路でこの四十年間ぐらい来ました。ただ、今、アメリカのカリフォルニア州が新幹線的な鉄道を見直しております。そういう流れの中で、やはり社会が大きな転換をする時期に来ると僕は思うんですね。

 そのときに、例えば超長期で四十年、五十年のインフラ整備に使う金融機関がないんです、今の状態では。同じように民営化をして、メガバンクと同じ領域で政策投資銀行が今やろうとしている。ここを根本から変えて、社会構造の変化に伴うインフラ整備がこれから出てくるであろうということに備えて、私は、もう一度政策投資銀行のあり方から考えていただきたい。そのかわり、民間がやらない部分を補完勢力として、ある程度官の関与がある政府系金融機関が補うのであるというような位置づけが必要な時期なのではないかなというふうに私は思っております。

 ぜひこの機会に、政策投資銀行のあり方からもう一度考える機会をぜひつくっていただきたい、再度お願いを申し上げます。御答弁いただけますか。

与謝野国務大臣 そういう御要望は大変もっともでありますので、政府の中でも、与党ともこの件はきちんと相談をさせていただきます。

松野(頼)委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 もう一点、ちょっと法案とは関係ないんですけれども、国債発行の問題について伺いたいと思います。

 これもやはり、余り細かい話じゃなく大きな話なんですけれども、今年度の補正予算、まだ確定しておりませんけれども、補正予算が確定をすると、一次補正、二次補正、本予算、そして今回の補正予算と四段ロケットで約四十四兆円程度の国債発行、単年度で約百五兆円程度の一般歳出ということが報道されております。これは大変危機的な状況ではないかと思います、日本の財政の面で。

 大臣、百年に一度の危機だからということで今財政出動を多額にしていますけれども、やはり通年、予算を組むに当たって、三十兆超の国債を発行し続けなければ予算が組めないという、この恒常的な財政構造に問題があるのではないかというふうに私は思っているんですね。

 例えば、今回の金融危機において諸外国も財政出動をしています。ただ、大きな財政出動ができるのは、ふだんはちゃんとプライマリーバランスをある程度見ながら、出してこなかったからなんですよ。日本は今までずっと、一般会計予算を組むに当たってさえ三十兆超の国債を発行しなければ予算が組めない状態を続けておきながら、ここで金融危機が来たからといっても、私はもう限界に来ているんじゃないかと思います。

 その辺の日本の財政について、与謝野大臣の御意見を伺いたいと思います。

与謝野国務大臣 こういう状況ですから、財政出動したことはやむを得ないとは思っておりますけれども、この財政状況を放置するということは、政治としては、あるいは政府としては余りにも無責任であると思っておりまして、財政再建の道筋をきちんと立てて、これを国民に御説明して御理解を得るという作業を六月にはきちんとやらないといけないと私は思っております。

 今、国民あるいは政府の関係者も余り財政危機の意識がないのは、やはり金利が一・三とか四であったからだけであって、金利が上昇すれば、日本の財政の脆弱性というのは一目瞭然であると思います。

 しかしながら、このまま、財政出動はした、それから先生御指摘になられたように、小泉内閣の時代から国債発行三十兆円以内にしたなんというのが政府の自慢の種だったということはお笑いなんであって、やはり財政はちゃんと健全なものにしないと、次の将来の世代に回すだけ、これはやってはいけないことだ、私はそのように思っております。

松野(頼)委員 そうすると、今回、建設国債を含めて約四十四兆の国債を発行するということですから、これはやはり、大臣はたびたび消費税について言及されていますけれども、消費税の増税は行うんですか。

与謝野国務大臣 昨年十月三十日の記者会見において麻生総理は、経済が回復したという場合には二〇一一年から消費税を含む税制の抜本改革をお願いしたい、税制抜本改革に当たっては、それが段階的に実現するようにさせていただきたいということを国民の皆様方に申し上げたわけです。

 我々はその線に沿って作業を進めておりますが、昨年の十月あるいは十二月の状況に比べて、はるかに歳入も落ちておりますし、経済の状況も悪いということですから、新たな財政再建の道筋はどうあるべきかということを書き直さなければならないと思っております。

松野(頼)委員 要は、麻生総理は全治三年とおっしゃっているわけですね。そうすると、あと二年間、例えば最小に見積もっても三十数兆は出るわけですよ。多分もっとでしょう。税収が来年一体どれだけというのは非常に不安だと思います。過去最低の税収が約四十二兆、下手するとそれを下回るのではないか。今の各企業の経営状態、大企業の経営状態を見ると、まず法人税は一体どこが払ってくれるんだろうか、それに伴うてそれだけ失業が出ている、所得税も当然下がってきます等々を考えると、過去最低の四十二兆を下回る心配があると私は思うんですね。そうすると、税収三十数兆になっちゃう可能性は大きくあると思うんです。

 その中で、これからあと二年間、全治三年と言われている、今年度が四十四兆、あと二年間、例えば少なく見積もって三十二、三兆ずつ出したとしても、この麻生内閣だけで百三十兆程度の国債を発行するわけです。これで、では後からどうやって財政を健全化するのか。

 麻生総理がおっしゃっているように、景気が回復したら、今大臣がおっしゃったように消費税を含む税制の抜本改革を行うといっても、消費が回復すると麻生総理が見通しを立てている三年後からそれをスタートしても、今から百三十兆また膨らむんですよ。これは一体どうするんですか。

 これは非常に大きな疑問でならないというふうに僕は思うんですが、その辺、大臣のお考えをちょっとお教えいただけないでしょうか。

与謝野国務大臣 財政のことを考えますと、お金は一銭も使いたくないと思います。思いますけれども、現在の経済の落ち込みを考えますとやはり財政は出動せざるを得ない。なかなか悩ましいわけです。先生御指摘のように、景気が悪いうちに税制改正といってもなかなか理解をしていただけない、一方では、来年もまた国債を発行しないと予算が組めない、こういうなかなか悩ましい苦しい状況にあります。

 しかしながら、問題は一つずつ解決しなきゃいけないわけでして、とりあえず今の経済危機に対して財政出動をするということですが、第二の段階としてやはり、ことしの四月、五月、六月をかけてきちんとした議論をして、財政再建あるいは財政の持続可能性の道筋をきちんと皆様方にお示しして、それに対して御協力を国民の皆様方にもお願いするということがなければ、こんな大きな財政出動は許されるものではない、私はそういうふうに思って仕事をやっております。

松野(頼)委員 先ほど大畠先生もおっしゃっていましたけれども、例えば今回の十五兆の景気対策を見ると、エコカーを買いかえたら補てんします、冷蔵庫を買いかえたら補てんしますと。前の補正予算では、高速道路でレジャーに行ったら千円にします、その補てんを五千億しますと。とにかく、遊べ、使え、ぜいたくしようと。例えばこの恩恵にあずからない世代、冷蔵庫も買いかえないし、エコカーも買いかえないし、高速道路で週末に遊びに行かないしという人たちも、果たしてこれは理解を得られるんでしょうか。

 例えば年金暮らしのお年寄りの方が、消費税の負担が多分出てくるのであろうと思うんです。でも、それは、今言った、レジャーに使いましょう、冷蔵庫を買いかえましょう、エコカーを買いかえましょう、その負担をその人たちが負うということが、私は今回の景気対策、非常に疑問でならないんですね。一体政治はだれのためにあるのかということが問われてくるんじゃないかと思います。

 私は弱い人のためにあるのがまず政治ではないかと思うんですけれども、レジャーに行く、冷蔵庫を買いかえる、エコカーを買いかえる、その浪費をしたお金を、そういう人たちに消費税として支出させることが果たして正しいんだろうかということを感じるんですけれども、大臣、感想があったら答弁いただけないでしょうか。

与謝野国務大臣 需要を喚起するという意味があるんですけれども、やはり需要を喚起することによって失業を防ぐ、例えば自動車でしたら部品メーカー、中小企業もたくさんあって、こういうところが仕事がとまらないというようなこととか、やはりエコカーを買った人に補助金を上げるということではなくて、エコカーが買われたことによって雇用が守られ、職場が守られる、そういう間接的な効果もねらっているわけです。

 エコカーについては、ただ需要喚起するという意味だけではなくて、やはり環境に対する負荷とか、あるいは燃費がよくなってエネルギー効率がよくなるとか、そういう副次的なものも持っているので、今回、予算を使わせていただきたいということをお願いするわけでございます。

松野(頼)委員 一点、エコカーの話ですけれども、ぜひ大臣も一回、車関係の専門家に聞かれてください。私も聞いて、はっと目が覚めたんですが、モータージャーナリストの有名な方とお話をしていたら、松野さん、エコカーの今回の買いかえで、こんなにインチキな話はないんですと言っているんです。

 何かと思ったら、ワンボックスカーというのは物すごく空気抵抗が悪い、まして、ワンボックスカーで排気量の大きなエコカーというのは果たしてあるんだろうかと。ヨーロッパとかアメリカでは、もしエコに行くんだということでお金を使うならば、社会全体のCO2の排出量を減らすために、みんな小型のエコカーには補助金をつけるけれども、大型のエコカーで、まして空気抵抗の悪い車は余計CO2を発散するから、それはエコカーじゃないんだ、ちっちゃくて空気抵抗のいい車でハイブリッドならば、これは全体の排出量が減るからエコだけれども、排気量もでかい、車体もでかい、ワンボックスであるみたいな、こんな効率の悪い車は実はないんだ、でも、日本はそれまでエコということで、ハイブリッドならば補助金をつけている、こんなおかしな話はないという話を車の専門家は言うんです。

 ぜひ大臣、車の専門家に本当のエコとは一体何なのかということを一回聞いていただきたいと思います。

 そして、ちょっと古い話をさせていただきます。赤字国債が最初に発行されたとき、これは昭和四十年の佐藤内閣であります。そのときにこういう議論をしているんですね。ペーパーでつけてありますので、ぜひ資料の五をごらんください。

 当時、建設国債ではなく赤字国債を二千五百九十億、初めて発行したんですね。そのときに予算委員会では、福田赳夫大蔵大臣と野党の議員が何時間にもわたる非常にちょうちょうはっしの議論をしています。

 当時、非常に控え目なんですよ。このときは国債発行残高、GDP比〇・六%のときです。「巨額な赤字をもたらしたことに対しては、重大な責任がある」というふうに、この野党の木村禧八郎さんが指摘をしているんです。それに対して佐藤総理は、「この借金が負担になるということは当然のことでありますから、借金が多いということは望まれないといいますか、いいわけではない。」いいわけがないと言っているんですね。そして、「これは慎まなければならない。放漫な財政はそこで許せない。借金である本質からいって、放漫な政策は許されない。このことは私どもがまず心がけなければならないこと」であるということを四十年前に内閣総理大臣が述べているんです。

 当時の議論をよく読んでいると、一度赤字国債を発行すると、それがとりとめがなくなって放漫な財政が無限に広がってしまう、だから、赤字国債を発行してはだめなんだと当時の野党は言っているんですね。当時の政府は、いや、そんなことはない、今回限りであるといって発行し続けて、やはり当時、昭和四十年のころに心配をしていた状況が今あるんです。ですから、こうなることは、初めて赤字国債を発行したときに、昭和四十年にはもう今の姿を心配しているんですよ。

 今、対GDP比、多分一六〇%ぐらい行くんじゃないでしょうか、平気で。昔、イタリアがEUに統合する前に、世界的にはもうイタリアは破綻しているなと言われていたときでも、対GDP比一二〇弱だったと思います。今、日本は、それどころか一六〇に迫ろうとしているんですね。この状況は僕は相当深刻だと思いますし、当時の心配が今当たって、今こういう議論をしていること自体、私は非常に悲しまなければいけない現実だと思います。

 ぜひ御答弁いただきたいと思います。

与謝野国務大臣 私は、平成八年から九年にかけて、梶山官房長官のもとで副長官をやっておりましたときに、財政構造改革法というのを一生懸命つくったわけでございますが、その当時から、やはり財政を建て直さなきゃいけないということを真剣に考えておりましたし、今でも、このように毎年赤字国債を出している状況というのはいずれ破綻する、私はそう思っておりまして、破綻をしたときの混乱は果てしないものになるわけですから、何とかそのような状況にならないようにきちんとしたいと思っております。

 もう一つは、やはりプライマリーバランスに仮に到達できたとしても、プライマリー黒字をある一定持たないと発散してしまう。要するに、借金が借金を呼ぶという、借金の額が指数関数的に伸びちゃう可能性があるので、やはり例えば国債の残高の対GDP比一定あるいは収束、そういう形のプライマリーバランスを実現しなきゃいけないと思っております。

 二〇一一年のプライマリーバランスというのは、いい話だったんですけれども、どうも遠い昔にやったような感じの話になっております。事実、到達できないということはだれの目から見ても明らかなわけですけれども、どういう財政再建目標を掲げて、それに向かって努力をするかというのが、この四月、五月、六月の我々の責任であると思っておりますので、骨太二〇〇九にはぜひそういうことをきちんと書き込んで、皆様方に御報告できるようにしたいと思っております。

松野(頼)委員 麻生総理が言っている景気回復まで少なくとも三年、麻生内閣が続くという前提でいきますと、この麻生内閣の中で発行する、少なく見積もっても百二、三十兆の償還計画だけでも御答弁いただけないでしょうか。

与謝野国務大臣 八十八兆の当初予算、これは四分の一ずつ分けますと、四分の一は国債の償還、利払い、四分の一はほぼ地方に回さなければならない、四分の一は社会保障費、実際に一般歳出として国会で御審議いただくのは八十八兆のうちの四分の一にしかすぎない、こういう情けない財政状況になった。これから一歩ずつでも立ち直っていくということをやらないと、まだ大丈夫だろう、まだ大丈夫だろうということで年々過ごしていきますと、本当に大破綻、大悲劇というのが起きます。これはやはり、与党の問題でもあるし、野党の皆様方にも御協力をしていただかなければ国民的理解を得られない問題でもあると私は思っております。

 だれがそういう難しい仕事をやるかということはわかりませんけれども、我々としては、この四、五、六のうちに大体の見取り図はきちんとかいて、皆様方に御報告できるようにしなければならないと思っております。

松野(頼)委員 それはちょっと、僕は国対が長いので申し上げさせていただくと、今まで予算はさんざん強行採決をして上げてきたんですね、政府が。ですから、今さら野党の皆さんにもと言われても、毎年毎年、組んだ予算、私たちは、こう使うべきだという組み替えも出して、そして反対をしてまいりました。予算の執行権というのは内閣にあるんです。その内閣にある執行権を、野党の合意もなく強行採決をされてきたので、その責任は当然負っていただかなくてはいけないというふうに思っております。

 僕らが賛成してきたのなら、半分は私たちの責任もあるでしょう。ただ、毎年、予算の出口の日は強行採決をして、一円たりともこの予算はかえないんだ、これがすばらしいんだといって、少なくとも僕が当選してから九年間は強行採決を続けて、予算の上がり日は夜中になって、そういう執行を繰り返してきたので、しっかりとその責任は負っていただかなくてはいけないということだけは申し上げておきたいというふうに思います。

 今、正確な御答弁をいただけなかったのですけれども、少なくとも、民間で金融機関にお金を借りに行ったとき、しっかり直さなければいけない、あなたの会社は赤字が多過ぎて、返せるんですか、償還計画を出してくださいねといったときに、民間では、しっかりとやるから、五、六月にはめどを立てるからと言っても貸してくれないんですよ。

 やはり、政府の言うプライマリーバランスも、元本返済がない、税収と新しい政策経費だけのプライマリーバランスであって、過去の借金の返済は入れないプライマリーバランスなんですね。果たして、そんなプライマリーバランスが私はあるのかどうかと。ということは、過去の借金返済で税収は吹っ飛んじゃうんですね。下手すると、来年あたりは税収以上の返済が出てくるのではないかというおそれをしているんですけれども、根本的に、内閣として、予算執行及びそれは考えていただきたいということを申し上げておきたいと思います。

 もう時間があれなので、法案に入らせていただきたいと思います。

 今回、格付機関、今まで随分議論がございました。私もこの委員会で理事をやっていますので、私どもの委員が幾つか質問をしているところを若干伺いたいと思います。

 これは、細かくなるので金融庁でもいいです。

 まず、この間近藤洋介議員が、格付機関に当たって、スタンダード・アンド・プアーズの日本の法人は大体何人ぐらいいるのかということを聞きましたら、金融庁としては何人ぐらいいるか把握しておりませんという答弁だったんですね。これは把握されましたでしょうか。

内藤政府参考人 お答えいたします。

 スタンダード・アンド・プアーズに確認をいたしましたところ、同社の日本拠点の従業員数でございますが、二〇〇八年十二月現在で百三十名ということでございます。

松野(頼)委員 百三十名ですね。ありがとうございます。

 それと、法の六十六条の三十五、少し逐条的になりますけれども、一号、「信用格付業者又はその役員若しくは使用人が格付関係者と内閣府令で定める密接な関係を有する場合において、」この密接な関係とはどういう関係なんでしょうか。

内藤政府参考人 内閣府令で定めることといたしております密接な関係でございますが、証券監督者国際機構、いわゆるIOSCOと呼んでおりますが、こういう国際機関の基本行動規範というのがございます。これを踏まえて、今後内閣府令を定めようと思っております。

 その内容を申し上げますと、信用格付業者、役員、使用人が、発行者等の格付関係者が発行する有価証券を保有している場合、第二が、格付関係者との間で支配関係を有する場合、第三点が、格付関係者の役職員である場合等、利益相反を惹起する可能性がある場合を想定することを予定しているところでございます。

松野(頼)委員 今の三点を柱に内閣府令を定めるということでよろしいですね。

 もう一つ。その二、「格付関係者に対し当該格付関係者に係る信用格付に重要な影響を及ぼすべき事項として内閣府令で定める事項に関して助言を行つた場合」、この助言はどういう場合をいうのでしょうか。

内藤政府参考人 お答えいたします。

 本規定は、格付会社が格付対象となる金融商品の設計など格付の評価に重要な影響を及ぼす事項について助言をした場合には、助言の対象となる金融商品について格付を同時に提供することを禁止する、これを同時提供の禁止と呼んでいるところでございます。

 例えば、証券化商品の原資産の構成につきまして、発行者等から提案された構成では高格付がとれませんよ、こういうふうな資産の組み込み、構成をすれば高格付がとれますよ、こういうような具体的にアドバイスするような行為がこの中に含まれるものと考えております。

松野(頼)委員 あと、六十六条の四十一、「公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるとき」には、内閣総理大臣は、格付業者の業務の運営に対して、状況の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができるとあるんですけれども、「公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるとき」、これはどういうときですか。

内藤政府参考人 格付会社に対する規制は、資本市場の機能の十全な発揮や投資者保護を目的として導入されるものでございます。

 格付会社に対する業務改善命令の、ここで規定しております要件でございますが、このような規制の目的に照らしまして監督当局が適切に判断するよう、「公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるとき」という、一般的な要件として設けられているわけでございます。

 具体的に申し上げますと、個別の事例に即して判断することになりますけれども、例えば、法令違反や業務管理体制が不適切であるということなどが判明したときに、その事柄につきましての重大性でありますとか悪質性あるいは累犯性といったようなものを考慮、検討いたしまして、必要に応じて適切な行政処分の内容を決定していくことになるものと考えております。

松野(頼)委員 もう少し具体的に言っていただけないでしょうか。

内藤政府参考人 金融商品取引法の中では、一般的に申し上げまして、業務改善命令の発出要件といたしましては、「公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるとき」、こういう文言が使われております。これは、一律にどういう基準でどういう場合に当てはめるかというのは、個々のケースにおきましては非常に難しゅうございますので、その事案事案に即しまして柔軟に対応できるようにこういう規定を設けているというわけでございます。

 ただ、この発動要件につきましては、やはり一定の目安といいますか、そういったものを考えていく必要がございますので、今申し上げましたように、事柄の重大性とか悪質性とかあるいは累犯性とかいったものを考慮すべきだということでございまして、現行の金融商品取引業者に対するこうした行政処分につきましても、行政処分のいわば目安といいますか、そうしたものは既に金融庁の方からも公表しているというふうに承知しております。

松野(頼)委員 要は、どういうことをやったら業務改善命令が出されるのかという目安がなければ、それは格付会社としても、どういう行動をしていいのかということが見えないと思うんですね。そこをやはり、法案審議のときに、ある程度目安みたいなものを出す必要があるのではないかというふうに私は思っているんです。

 もう少し、具体例を幾つか挙げて言っていただけるとありがたいんですけれども。

内藤政府参考人 具体的な基準ということの再度のお尋ねですけれども、日常的に金融商品取引業者を監督していくというものの中で、これは一つの参考にできるのではないかなというふうに思います。

 実際には、検査に参りまして非違事項を指摘する、それを踏まえて、監督当局において報告徴求をした上でそれを精査し、そして監督上の処分をするか否かということになります。先ほど申し上げましたように、その事例といいますのは非常に広範で多種多様でございますので、一律に定量的な基準というものを設定するというのは非常に難しゅうございます。

 したがいまして、定性的な基準ということで、先ほど申し上げましたように、その事案が社会的に、あるいは経済、金融的に非常に重大な問題を引き起こしたかどうかであるとか、それから、同じことを指摘してきたにもかかわらず、内部管理体制が非常にずさんで、繰り返しそういったことが起きてしまったというようなことで、かつては軽い注意というようなことで済ませておったものが、これでは是正できないということで、必要な是正をするために業務改善命令を出さざるを得ないというような場合等が挙げられるというふうに思います。

松野(頼)委員 では、その延長線上なんですけれども、今度は六十六条の四十二、「信用格付業の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。」要は、これは業務停止命令ですね。これもやはり、「信用格付業の運営に関し、投資者の利益を害する事実があるとき。」という文言なんです。例えば、この会社の格付は悪いですよ、この会社の格付は低い格付ですよと判断した場合に、ある意味では投資者の利益は害するわけですね、当然、価格は下がるわけですから。

 これも、業務停止を命ずる要件としては、ちょっとこの書き方が、文言が非常にあいまいではないかと思うので、ぜひここも御答弁いただけないでしょうか。

内藤政府参考人 今御指摘されましたのは、六十六条の四十二の第五号ということでございます。「投資者の利益を害する事実があるとき。」というときに業務の停止命令等の処分を行うことができるという要件でございますが、これは第四号に、「信用格付業に関し法令又は法令に基づいてする行政官庁の処分に違反したとき。」いわば、法令あるいはこの法令に係る命令等のそういったものに違反するという、これは非常に重大な不正行為ということになりますので、これについてはこういう重い処分を科す。それ以外であっても、投資家に著しい悪影響を与える、問題を生ずるというような不適切な行為につきましては、この第五号でこの要件に該当する場合に処分ができる、こういう形で法律の条文が構成されているわけでございます。

 ここの「投資者の利益を害する事実」というときに、今御指摘のような形の、一般論として、格付を下げたということで価格が下がって投資家が損害を受けたということは、これはいわば指定格付制度本来の制度からくる、値が下がったとかあるいは値が上がったとかそういった問題でございます。そういう問題ではなくて、格付会社の業務運営上、極めて不適切な業務運営を行うということによって投資家が不測の損害を受けたというような場合を考えているわけでございます。

松野(頼)委員 時間が迫ってきたので、あとADRについてちょっと伺いたいと思います。きょうは国民生活センターの理事長に来ていただいております。

 国民生活センターが今回ADRをおつくりになって約二十日程度ですか、四月の一日スタートですから。それで、ADR、今のところまだ一件も申請がないということをきのう伺いました。

 例えば、今、相談業務でいろいろな電話を受けますね。相談業務で電話を受けて、ADRに申請しますかというようなことをまず御本人に確認されるわけですね。申請するということであれば、申請が出る。そのときに、申請が出たらまずどうするのか。相手の企業に電話をするのか、相手の企業に通知をするのか。そして、何らかのあっせんが行われて解決をする、その解決をした内容、申請を公表するのかしないのかというのをぜひお答えいただきたいと思います。

中名生参考人 お答え申し上げます。

 まず、裁判外の紛争解決手続、いわゆるADRというのは、個人のプライバシーあるいは企業の営業上の秘密というものを守りながら、当事者間の合意に基づいて、紛争を簡易かつ迅速に解決できるというのが大きな特徴でございます。したがいまして、今委員御指摘のとおり、この四月からでありますけれども、国民生活センターが始めますいわゆる消費者問題についてのADRにつきましても、その根拠となります国民生活センター法の第二十三条及び第三十二条におきまして、手続は公開しないということが定められてございます。

 他方、消費者紛争については、同じような紛争というのが多発しやすいという特徴もございまして、したがって、個別の紛争の解決というのは、一面では社会性、公益性を有するという面もございます。したがいまして、国民生活センターのADRでは、手続の非公開というのを原則とした上で、同種紛争の解決あるいは未然防止ということを図る上で必要なときには、手続が終了した時点において概要の公表を行うことができるというふうに規定をされているというところでございます。

 なお、事業者名等を含めた結果の概要の公表につきましては、ADRの非公開原則の趣旨を阻害しないという観点から慎重に取り扱う必要がございますけれども、例えば事業者がADRの手続に全く協力しないというような場合には、紛争解決委員会が公表する必要が特に高いと認めた場合には、事業者名の公表も含めて検討するというふうに運用していくのが必要ではないかというふうに考えてございます。

松野(頼)委員 済みません、本当は今回の法案の金融庁のADRを聞きたかったんですけれども、時間が来てしまったので、これで終わります。

 きょうはありがとうございました。

田中委員長 午後一時五十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時五十一分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時五十分開議

田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。高山智司君。

高山委員 民主党の高山智司でございます。

 きょうは、資金決済に関する法律案ということで、今インターネット等を通じて、電子マネーだとかポイントだとかいろいろな形での金銭的なやりとり、また価値のやりとりが非常にふえておりますので、それについて、非常に細かい話になりますけれども、確認の意味で聞いていきたいと思います。

 その前に、これは我々国会議員に非常にかかわることですけれども、寄附や献金、あれは、それぞれインターネットで見てみると、みんな結局銀行振り込みであったりあるいは現金のやりとりみたいになっていて、なかなか今の時代にそぐわないのではないかなということで、私は、インターネットを通じてのクレジットカードの献金であるとかあるいは電子マネーを使っての献金を進める立場で、今いろいろと準備をさせていただいているんです。

 この点に関しまして、献金だけじゃなくて、いろいろなNPO団体やあるいは慈善団体、盲導犬協会とか野鳥の会だとかいろいろありますね、こういうところに対する寄附も、実際は、クレジットカードを利用したり電子マネー、まだまだ行われていないのが現状なんですね。その点につきまして、まず寄附のそもそもの法的性質を確認しておきたいんです。これは恐らく法務省だと思うんですけれども、寄附というのは法律上はどういう扱いになっているか、教えてください。

團藤政府参考人 お答え申し上げます。

 寄附につきましては、自己の財産を相手方に無償で与えるという性質のものでございますので、民法上、一般的には贈与契約に該当するというふうに考えております。

高山委員 贈与といいますと、ちょっと大学の法学部的な話になりますけれども、書面によらない贈与は言った言わないで取り消せる、ただし、書面による贈与や履行の終わったものは取り消せないんだということです。

 インターネットで皆さんも物を買ったことがあると思うんですけれども、クリック、クリックとしていって、買い物かごに入れるとかして、クレジットカードの番号を入れたりして、最後注文するとか、そういうふうにやるわけなんです。寄附の場合も、何とかという団体に幾ら入れる、こう入力をします、そしてクレジットカードの番号も入力して、最後に寄附をする、確認しますよとか住所を入れる、いろいろな作業があるんですけれども、インターネット上の申し込みというのは、まず契約として成立するのか、そしてこれは書面による贈与ということで取り消せないものになるのか、そこを教えてください。

團藤政府参考人 まず、インターネット上の寄附の申し込み、これも意思表示が到達すれば贈与の申し込みということになるだろうと考えております。

 次に、書面による贈与に当たるかどうかという点でございますが、委員御指摘のとおり、民法第五百五十条本文は、書面によらない贈与は撤回することができるというふうに規定してございます。この書面に該当するかどうか、つまり、インターネット上のクリックをするという行為の部分が書面に該当するかどうかということでございますが、民法上、贈与契約につきましては、電磁的記録を書面とみなすという趣旨の規定が置かれておりません。また、御指摘のような、インターネットを使った寄附が書面による贈与に当たるかどうかという点が争点となりましたような適切な裁判例も、私どもで調べましたところ見当たらないところでございます。

 したがいまして、この点につきましては、その点が問題となりました場合に、最終的には裁判所の御判断によるということになろうかと思いまして、現時点では、申しわけございませんが、確たることは申し上げられないという状況にあろうかというふうに考えてございます。

高山委員 書面によらない贈与だとか書面による贈与といったときに、よく民法の教科書なんかに出てくるのだと、おはしの袋の裏に書いたようなものでもそれはもう書面なんだと言えるのに、インターネット上で、皆さんもお買い物とかされていると思うんですけれども、何回もここでいいですかとか確認が出て、自分で名前を入れたりクレジットカードの番号を入れたりしていて、それでまだ書面というふうに言えないというのは、今の、インターネットによっていろいろな商売がなされたり、あるいはこれからNPOだとか政治家の団体に寄附がどんどんふえていくんじゃないかという時代に、なかなかそぐわないのかなというふうに私は思います。

 もう一つ伺いたいんですけれども、これはクレジットカードを利用した場合に特に問題となると思うんですけれども、例えば、四月の五日にインターネット上で募金をした、あるいは献金をした。しかし、クレジットカードの場合はそこですぐ決済がなされるわけではなくて、例えば四月の月末に、今度は、資金管理団体なのかあるいはNPOに対して、クレジットカード会社からお金が振り込まれる。そして今度、五月の月末になると、募金をした人の方にクレジットカード会社から請求をするというのが一般的な仕組みだと思うんです。

 インターネットによる申し込みが書面によるものと認められないんだとすれば、これは最後まで撤回可能なものになってしまうのか、あるいは一体どの時点で撤回不可能なものになるのか、法務省の見解を教えてください。

團藤政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど委員も御指摘いただきましたように、民法第五百五十条は、ただし書きにおきまして、書面によらない贈与でありましても、履行の終わりました部分につきましては、撤回することができないということを規定してございます。

 先ほどお示しになりました設例で申しますと、クレジットカード会社から支払いがされた時点を見てみますと、これは贈与者の意思に基づいて立てかえ払いが行われたということになろうかと思います。そうなりますと、一般論といたしましては、その時点をもちまして履行が終わったという状態に該当するのではないかと考えておりますが、この点につきましても、残念ながら、今のところその点が争点となりました適切な裁判例はございません。ただ、一般論としては、立てかえ払いが行われた時点をもって履行がその部分については終わったと言えるのではないかと考えてございます。

高山委員 そういうインターネットを通じていろいろな寄附だとかあるいは募金というのを集めるというのは、これからもどんどん利用されることになってくると思いますので、きちんと一回仕切って、インターネット上の決済はいつが意思表示で、いつが取り消せない、こういうことを決めていく方が望ましいのではないかというふうに思います。

 それで、きょうのこの資金決済の法案がまさにそういうことに深くかかわってくるわけなんですけれども、多少順番を入れかえますけれども、プリペイドカード、プリカ法の問題でまず伺いたいんです。

 今回、プリペイドカードで、今までカードとして使われていたりチケットのようなものは規制を受けていたけれども、電子的なもの、サーバーに記録が入れられているものに関しては規制がないということで、その規制をかけようということなんですけれども、プリペイドカード方式の、例えばSuicaであったりそういう電子マネーのようなものがたくさんあると思うんです。それと、今家電量販店で出されているポイントというもの、いろいろなものを買ったときにポイントで二〇%還元となったりとかああいうもの、あるいはマイレージ、こういったものは、実際は、特にネットショッピングにおいてはほとんど同じように使える、あるいは交換が可能であるということが非常に多いわけなんです。

 まず、この点に関して、そういう家電量販店のポイントであるとかあるいは飛行機のマイレージ、こういったものは、今回、きちんと消費者保護のために、資力の要件であるとかそういうのは適用されるのか、そこを金融庁に伺います。

内藤政府参考人 お答えいたします。

 ポイントサービスについてのお尋ねでございました。

 マイレージを含めましたいわゆるポイントサービスについてでございますが、私ども検討している過程におきまして、その取り扱いについて実は意見が分かれまして、これについては、対価性がある場合にはプリペイドカードと同様に扱うということで規制の対象にするということでございますけれども、一方、一般のポイントサービスにつきましては、いわば景品といいますかおまけといいますか、業者のマーケティング活動の一環として行われているということで、必ずしも今回の資金決済法案の対象にするほどのものではないというような御意見もございまして、最終的には、一般的なこれらのポイントサービスにつきましては、直接の対象とした制度整備は行っておりません。

 しかしながら、先ほどの繰り返しになりますが、ポイントと称しておりましても、発行に対価性のあるものについてはプリペイドカードと同様の扱いということで、利用者の保護を図るための今回の制度の対象にしたということでございます。

高山委員 今金融庁からの話ですと、発行のときに対価性があるものはプリペイドカードというふうに考える、それ以外はおまけなんだというような話だったんですけれども、実際の社会では、特に家電量販店なんかへ行くと、二〇%オフというのと同じように二〇%ポイント還元というふうに書いてあって、消費者としては、ほとんど現金と同じような印象を持ちながら、ああ、これでポイントがいっぱいたまるから、ではこっちにしよう、総量で見たらこっちの方が安い、そういうような比較をして買い物をしていると思うんです。

 この点、ちょっと公正取引委員会に、表示の観点からと値引きの観点からどういうふうに扱っているか伺いたいんですけれども、そうしますと、ポイントで何%還元とかよく書いてあると思うんですけれども、これは景品表示上どのように公取の方では受けとめているかということを教えてください。

中島政府参考人 お答え申し上げます。

 景品表示法上、今先生がおっしゃいました家電量販店等で提供されるポイントがどのように取り扱われるかというお尋ねでございます。

 そのポイントが、家電量販店等の商品、サービスについて、その支払うべき対価の減額に充てられるものであれば、取引通念上妥当と認められる方法である限り、原則として景品表示法上は景品類に当たらず、正常な商慣習に照らして値引きと認められる経済上の利益に当たるものと解釈しております。

 以上です。

高山委員 今の話をわかりやすく言いますと、消費者の側から物を買うときには、ポイントというのは値引きと同じように扱っている場合が多い、だから公正取引の観点からは、単なる景品としての問題じゃなくて、二〇%還元とあったら二〇%オフというのと同じような扱いなんだというような今の御答弁だったと思うんです。

 これはもう一度金融庁に確認させていただきたいんですけれども、実際、特に家電量販店のポイント、こういうのは、もうお金と同じように扱われているじゃないか。しかも、これはきのうの日本経済新聞の記事ですけれども、ポイント規制に関してということで、ヤマダ電機だとかビックカメラ、こういうところの大手家電四社では実際引当金としては計上している、その額が約五百億円にも上るという記事がありました。これはすごい膨大な額だと思うんですね。五百億円、これは引き当ての分だけですから、発行総数でいったら多分これの何倍かが今実際にポイントとして社会に流通しているというか滞留しているわけなんです。

 この点に関して、これはまず政府参考人にも伺いますけれども、後で大臣か副大臣にぜひ伺いたいんですけれども、こういう家電量販店のポイントは特に、今現金と同じような感じで実際使われている、しかも今度Suicaに交換ができたり何に交換できたりする。これを、実際保護の対象としないで、おまけなんだということで理解して本当にいいものなのかどうか、これをまず金融庁に伺います。

内藤政府参考人 お答えいたします。

 ポイントサービスというのがおまけなのか対価性のある一つの割引といいますか、対価性のある何らかの経済的価値の交付ということになるのか、その辺については先ほど申し上げましたように議論があるところでございます。

 金融審議会では、ポイントサービスにつきまして、汎用性の高いものも実はございます、今委員御指摘のようなものもその中に入ろうかと思いますが、支払い手段として利用される機会がふえていることから、これについて何らかの制度整備が必要だ、基本的には利用者保護のための制度整備ということになるわけでございます。他方、先ほど申し上げたように、マーケティングの手段として発行されるものであり、支払い手段としての機能は限定的であるということで現時点で制度整備の必要はないということで、現段階においては議論が収れんをしなかったということで、今回については先ほど申し上げたような結論になっているところでございます。

 他方、委員御指摘の、ポイントサービスにつきまして引当金を積んでいるということにつきましては、会計処理上、ポイントサービスの利用者による使用というものに備えた何らかの対応というものは考えなければならないと思いますので、会計上はそういった処理は一般的に必要ではないかなというふうに考えております。

高山委員 この点、金融庁的にはそういうことだと思うんですけれども、同じ役所ということで、経済産業省でいろいろとポイントのことも研究しているようですけれども、消費者保護の観点から、経産省では今どういう指導というか、されているのか、教えてください。

大下政府参考人 お答え申し上げます。

 企業が提供いたしますポイントサービスがいろいろ拡大をし、あるいは多様化をする中で、消費者の方々からは幾つか苦情も来ております。例えば、ポイントの利用条件、有効期限が突然変更されてしまったとか、あるいは何の連絡もなくポイントがなくなってしまったというようなケースもあるわけでございます。

 こうした問題に対応するために、経済産業省といたしましては、法律の学者の先生方や消費者の代表の方々の有識者から成ります企業ポイントの法的性質と消費者保護のあり方に関する研究会という研究会を設置いたしまして、ポイントに係る消費者保護策について検討してまいりました。

 その結果を踏まえまして、ことしの一月に、ポイントサービスを提供する企業が遵守することが望まれる情報開示等についての事項をガイドラインとして取りまとめたところでございます。具体的には、ポイントサービスの仕組みなどについて消費者の方々へ適切に情報提供を行うことや、トラブルが起こった場合について適切な対応をすることなどを企業側に求める内容となっております。

 経済産業省といたしましては、ポイントを提供する企業がこのガイドラインに沿って適切な消費者保護に取り組んでいただくように努めてまいりたいと考えております。

高山委員 経産省にもう一回伺いますけれども、経済産業省がやられているガイドラインというのは、何か業界団体等で指導したりだとか、あるいは何か業界団体の中でまず自主的に勧告をしたりだとか何か取り組んでいるとか、こういうことに反映されているんでしょうか。

大下政府参考人 ガイドラインをつくる段階で、家電量販店でありますとか、それからマイレージサービスを行っているような航空会社の方々の御意見も聞いております。ぜひこのガイドラインを使っていただけるようにということで、各業界団体に働きかけを行っているところでございます。

高山委員 次は、消費者保護の観点からということで、消費者契約法の内閣府にも伺いたいんです。

 今の話ですと、ポイントはおまけなのでそれほど保護されていない。ガイドラインはあるということでしたけれども、実際、途中で急にポイントが失効してしまったらとか、せっせとマイルをためていたんだけれども搭乗拒否されてしまっただとか、これからいろいろな事態が起こり得ると思うんですけれども、この点、消費者契約法上、何か保護はありますか。

田中政府参考人 お答え申し上げます。

 消費者契約法は、消費者と事業者の間で締結されます契約について一般的なルールを定めたものでございますので、ポイント制度など個別の制度について規定したものではありません。したがって、その違法性の判断は司法にゆだねられるものでございます。

 ポイント制につきましては、ポイントの付与や利用の条件等に付する説明が実際とは異なる場合、あるいはポイントの利用条件を事後的に一方的に変更する場合などに消費者との間でトラブルが発生することが予想されます。これに対しまして、消費者契約法上では、事業者が消費者と契約締結を行う際に、重要事項について事実と異なることを告げることにより消費者が誤認した場合、消費者は契約を取り消すことができる旨規定されております。また、消費者が大量にためたポイントを事前の通告なく一方的に失効させるなど、通常の消費者の期待に反し著しく消費者に不利益をもたらす変更は、消費者の利益を一方的に害するものとして無効となることがあり得ます。

 しかしながら、いずれにしましても、こうした個別事案ごとに、司法により違法性を判断していただくことになります。

高山委員 この件に関して、ちょっと最後に大臣もしくは副大臣に伺いたいんです。

 実際、先ほどの寄附の件もそうなんですけれども、インターネット上でいろいろ申し込んだりすることもまだちゃんと書面ではないんだと、あそこまで確実にやっているのに。あるいは、このポイントというのも、私なんかもかなりポイントをためてそれで何を買おうかなとか自分の中で計算していたりとか、利用している人もいると思いますし、あと、今ポイントも交換ができますので、非常に使い勝手がよくなってきて、それ目当てで、どのカードが得だ、どういうふうにしたら得なんだ、あるいはポイントがつくとこっちの方がいいんだというのが随分雑誌なんかでも特集されてきていて、お金のため方雑誌みたいなのでも、実際にはほとんどお金と同じように、賢い生活術ということでかなりよく使われています。

 そういった点を踏まえて、これは副大臣にちょっと伺いたいんですけれども、実際、今ポイントに対して、しかもインターネット上で見るとSuicaどころか、ネット上で特殊なお金というのはもう山とあるんですよ。例として持ってこようと思ったけれども、このぐらいになっちゃうぐらい、とにかく物すごい、いろいろな種類、NTTが出しているお金もあるし何もと、いろいろなものがあるんですね。

 こういった中で、副大臣、ポイントが今余り保護の対象になっていないということになっておりますけれども、実際、本当に保護する必要があるのか、それとも景品として、ただマーケティングの一環でやっているんだという理解で今後いいのかどうか、副大臣の御所見をまず伺いたいと思います。

谷本副大臣 ポイントに関しましては、それぞれ企業、いろいろ工夫をしながら、いろいろなパターンで出してきていますので、一くくりに全部こうだというのはなかなか難しいと思うんですが、今委員御指摘のとおり、それが流通の中では非常に重要性を増してきているということもありますので、そこは、実際、利用者の保護という部分は非常に重要ですから、慎重に、どういうふうにするのが一番いいかということをしっかり検討したいというふうに思います。

高山委員 続きまして、今度は資金移動の業者のことについて伺っていきたいんです。

 今まで為替取引というのは銀行にしかできない業務であった、しかし、そこの柔軟化といいますか、広げようということだと思うんですけれども、条文を読んでいたんですけれども、登録制というふうになっておるんです。私の理解では、届け出制とか登録制というのは規制の対応が緩やかで、許可制とか免許制というのは行政の裁量がすごく強いというイメージがあるんですけれども、まず登録制の要件についてちょっと教えていただけますか。

内藤政府参考人 資金移動業者の登録に当たっての要件につきましてお尋ねでございます。

 幾つかございます。まず第一に資金移動業を適正かつ確実に遂行するために必要な財産的基礎や体制の整備、第二が規定を遵守するために必要な体制整備、三に他に行う事業が公益に反しないか、四に取締役等のうちに犯歴がある者がいないか等が設けられているところでございます。

高山委員 資金移動を適切に遂行するため必要と認められる財産的基礎とか確実に遂行する体制というのは、具体的にはどういうことなんでしょうか。

内藤政府参考人 これはいろいろ、これからさらに府令等を定める中でより具体的に検討していく必要がございますけれども、必要な財産的基礎、体制整備につきましては、資金移動業にとってふさわしい体制にきちっとなっているかどうか、特に重要なのは内部の管理体制というようなものだろうというように考えております。そういうものがきちっと整備されているかどうかということだろうと思いますが、ただ、業者それぞれについては、さまざまな多種多様な業者が参入してくるということも考えられますし、これを一律に、一様に定めるということは困難だろうというふうに考えております。

高山委員 しかし、今のですと、もうちょっと基準を明確にして、資本金が幾らだとかあるいはこういう外部の検査体制があればいいとか、そういうことがわからないと、これはなかなか参入しにくいですよね。今回、せっかく銀行業だけじゃなくていろいろな業種に対して門戸を広げていこうということなので、後からやりますけれども、実は今回のと似たような、資金移動をやっているような集金代行業務というんですかね、こういうところは今回入らないかもしれないし入るかもしれないし、これは争いがあるわけなんです。

 ですから、この業者はこういう要件があれば登録できるということを決めないのは、これはなかなか、実際、自分が登録したらいいのか、それとも登録しない方がいいのか、似たような集金業務あるいは送金業務を行う業者がずっとリーガルリスクを負うというんですかね、何か違法行為となっちゃうのかな、どうなのかなと悩みながらやらなきゃいけないと思うので、これは明確に決めなきゃいけないと思うんですけれども、では、これは登録制じゃなくて許可制とか免許制ということですか、行政庁の裁量がここまで大きいということは。局長、これはいかがですか。

内藤政府参考人 お答えします。

 資金移動業者は、登録をしていただければ、その後に業務を展開するときに資産の保全義務というものが課せられております。ですから、基本的には参入のハードルというのはある程度低くてもいいだろう。ただし、業務を展開する中ではきちっと、いわば原則として未達債務の一〇〇%を保全するということですので、その意味で財産的基礎というものがきちっと確保されているという必要がございます。したがいまして、登録に当たっての要件としては、今申し上げたようなことで基本的にそれぞれ並んでおりますけれども、必ずしも具体的に、資本金を幾ら以上であるとか、そういった要件は定めておりません。

 登録制度は、申し上げるまでもございませんけれども、要件を満たす場合には登録を拒否してはならないということでございますので、要件が該当する上においてはできるだけ参入は認めていくというような形で制度を構築しておりまして、今後、この趣旨に基づいた運営をしていきたいというふうに考えております。

高山委員 登録というからには、もう少し簡単なのかなと思っていたんですけれども、これでは実質的に許可制と変わらないような印象を受けるんです。

 あと、もう一つ伺いたいんですが、銀行は兼業規制というのがあると思うんですけれども、今回、資金移動業者というのは兼業規制はあるんでしょうか。

内藤政府参考人 兼業規制はございません。

高山委員 そうしますと、例えば証券会社やあるいは生命保険とか損保の会社、銀行とはまた違いますけれども、こういうお客さんの資産を預かっていてアカウントにたくさんお金が入っているような業種というのがあるんですけれども、ここも資金移動業者に登録をすればなることができますか。

内藤政府参考人 まず、お尋ねの保険会社の場合でございますが、これにつきましては、本法案に合わせまして保険業法を改正いたしまして、資金移動業を行うことを認めるというふうにいたしました。これは認可を受けて資金移動業を行うという形になります。

 一方、証券会社につきましては、既に証券会社自身が登録制の業種でございます。今後内閣府令を改正いたしまして、資金移動業を届け出によって行うことを認める等を検討しているところでございます。

高山委員 これは、証券の方だけはそういう手続を今回法案化するときにとらなかったのはなぜですか。

内藤政府参考人 証券会社の場合は、現在の金融商品取引法に基づきまして、金融商品取引業者は他の業務を兼業することができるという規定がございます。したがいまして、資金移動業を届け出によって行うということで足りるという判断をしたわけでございます。

高山委員 だけれども、念のため後で内閣府令を改正する、そういうような意味合いなんでしょうか。

 あと、もう一つこの点で、兼業と言えるかどうかなんですけれども、実際、今回も論点として出てきたと思うんですけれども、収納代行サービスであったり集金代行サービスというんですかね、これについて、どうして含まれなかったのかということ。

 もう一つは、実際に今回の資金移動の法律が通って参入してくると言われているペイパルという会社があると思うんですけれども、ペイパルというのは、インターネット上で相手にお金を送るときに、こちらのクレジットカードの番号だとか口座番号を送らないで相手に送れるよということで非常に便利なもので、私もアカウントを持っていますし、非常に便利でいいと思うんです。

 このペイパルなんかの場合、そんなにお金が実際滞留するのかなと。その場ですぐ決済されてしまうわけですから、そうすると、滞留する分のお金を供託しておけだとか、そういう必要が余りなくなってしまうのかなともちょっと思うんですけれども、まずこの点、そういう電子的な取引で即時にどんどん決済が行われていくような場合は、どういうところをもってして積み立てをしていけばいいのかというのを教えてください。

内藤政府参考人 二点、お尋ねがございました。

 まず、二点目の、少し技術的な点がございますので、それをちょっと御説明したいと思います。

 資産保全をするというのがこの資金移動業の一番大きな基本的な義務という形になります。資金移動業でございますので、資金の送金についての依頼があって、これはどんどん送金がされて、受け手の方がそれを引き出すという形になりますので、常にこれは変動をしているというような状況で、銀行のように、預金という形でプールされて、それが運用されるというものではございませんので、基本的にはそれほど大きな金額ではなかろうというふうに考えております。

 その金額につきまして、先ほど申し上げたように、未達の債務については原則として一〇〇%資産を保全する。ただし、これが日々変動いたしますので、これについて最低の要履行保証額というようなものも定めて、最低これぐらいは必要だろうというようなものを今後考えていきたいというふうなことで、それで資産保全の効果をより上げていくというようなことを考えていきたいと思っております。

 それから第一点でございますが、収納代行サービスあるいは代金引きかえサービスといったようなものが今回この対象にならなかったという御質問でございました。

 これにつきましては、私ども、この法案を検討する中で、金融審議会でも随分議論がございました。その中で、資金移動の方法として為替取引に該当するという考え方と、それからもう一方では、収納代行サービスは商品等の販売に伴って販売業者がコンビニエンスストアに代金の受け取りを依頼しているものである、商品等の購入者である利用者が支払いを行い、コンビニエンスストアが領収書を渡した時点で利用者の代金債務が消滅しており、その後のコンビニエンスストアが受け取った代金を販売業者に渡す行為は利用者による支払いとは別の行為である等の理由から、収納代行は、為替取引、すなわち送金には該当しない、こういう考え方がございました。

 これらについて、意見の収れんという形にはなりませんで、現段階においては性急な制度整備というものは適当ではないというふうに結論づけられたところから、今回についてはこの法案の中で制度整備の対象にはしていないということでございます。

高山委員 私が二種類聞いちゃったように受け取られたので話が広がっちゃったら恐縮なんですけれども、先ほどの登録要件との絡みにもなりますので、もう一回伺います。

 そうすると、最低資本金じゃないんですけれども、最低限これぐらいの額というのをプールというか供託して積んでおかなければいけないということなんですけれども、これは局長にもう一回伺いますけれども、大体幾らぐらいのイメージですか。

内藤政府参考人 私どもの参考にする一つの手がかりがアメリカの資金移動業の場合があろうかと思います。その場合には五十万ドルというような金額がございます。

 これがいいかどうかですけれども、日本のこれからの状況、これは全く新しい業態をつくっていくということになりますので、今の段階で具体的な金額をお示しするということはできませんけれども、一つの参考というのは今のような金額ではないかなと思っております。

高山委員 確かに、新しいジャンルをつくっていくので初めにがちがちにいろいろ決めるのはよくないという反面、登録要件も結構個別に判断だということですし、幾ら積んでおけばいいのかも何かはっきりしないとなると、逆に金融庁に、細かいことを相談しに行ったりなんなり、アクセス権のある人だけが参入しやすくなってしまって、金融庁の影響力は大きくなるかもしれないけれども、本当にビジネスチャンスがどんどん広がっていくものなのかなというふうに思います。

 もう一つ金融庁に伺っておきたいのは、三十七条のところで、これは少額の取引に限ってのみ許されるという話がありましたけれども、何でこういう要件が入ったんでしょうか。では、これは副大臣にお願いします。

谷本副大臣 お答えさせていただきます。

 資金移動業の新設に当たりましては、今後、その業務遂行の実態を十分見きわめる必要があるため、今回は少額の取引として政令で定めるものに限定をして制度を設けることとしたものでございます。

 少額の取引の具体的な数字については、現在、銀行等で行われている為替取引の一件当たりの平均金額や現金書留の損害要償額などを踏まえれば、五十万円から百万円程度とするのが妥当と考えられますが、利用者の利便性等も考慮して、今後さらに検討したいというふうに考えております。

高山委員 今の五十万から百万円というのは前回どちらかが質問されたときも出ていたんですけれども、この点に関しても、実際、この後で聞いていきます収納代行業者というか、コンビニで払ったりあるいは宅配便業者がかわりに徴収したりという、何か一般ユーザー向けのものも非常にイメージできるんです。

 いろいろ見ていきますと、例えば、クレジットカードの会社であったりリースの会社がよく取り組んでいる集金代行とか決済代行サービスとか決済代行ウエブサービスとか、つまり、一軒一軒回ってお金を集めるのを会社のかわりに私たちがやりますよということを随分宣伝して実際に根づいてやっているんですけれども、この点の集金代行業者、こっちは、今回の登録業者になるんでしょうか、それとも今回もこれは関係ないということで見送られた方に入っているのでしょうか、どちらでしょうか。

内藤政府参考人 今回の資金移動業といいますのは、いわば為替取引、これまでは銀行が専業的にできた為替取引をそれ以外の者にもさせようということでございます。その為替取引というのは、私どもとしては送金というふうに位置づけておりますので、今御指摘のようなサービス業につきましては、これは集金サービスというような位置づけだろうと思いますので、為替取引には当たらないというようなのが私どもの理解でございます。

高山委員 しかし、これはきょう資料でつけてもよかったんですけれども、いろいろな会社の、回収事務のアウトソーシングサービスですとか集金代行サービスとか、インターネットにいろいろな図が出ているんですね。この図を見ていますと、間に入っている例えばそういうリース会社なんかが回収してきて、その事業会社の口座に振り込みますよというビジネスモデルが結構多いんです。それで、その途中の債権のリスクは私たちが負いますのでというのが多いんです。

 これは、送金代行業というんですか、今回の資金移動業がないからわざわざ銀行口座をかませているわけであって、冷静に考えてみると、この人たちが銀行のかわりに直接その事業会社にお金を持っていきますよということも全く可能なわけで、これは銀行だとかクレジットカード会社が間に入ったりなんかしているんですけれども、今回の、今審議しているこの法律が通れば、実際には、ビジネスモデル的には、直接どんどん持っていっちゃえばいいじゃないか、途中で銀行手数料あるいはそういうクレジットカードの手数料を払う必要ないねというふうに私がこのリース会社だったら考えると思うんです。

 その点を考えても、こういう登録業に今回規制の対象として検討しなかった理由というのは何ですか。

内藤政府参考人 今回、送金業というものを銀行以外にも認めていこうという形で検討をしたわけでございまして、その結果がこの法案でございます。

 したがいまして、今委員が御指摘のようなサービス、これはそれぞれ多種多様なものがございますので一概に申し上げられませんけれども、先ほど申し上げたように、収納代行とかそれに関連するようなサービス業であって、それが為替取引に当たるかどうか、これも一つの議論にはなっておりますけれども、仮にそうした業者がこの資金移動業というものに登録をして、この中でやっていくという形になれば、例えば、銀行の口座を直接的に使わなくても、みずから口座を設定して、みずからのシステムの中でそういうサービスを提供するという形で非常に利用者の利便を高める、そういうことも可能ではないかなというふうに考えて、それが今回の法案の背景といいますか、理由でございます。

高山委員 私もそう思うんですね。ペイパルなんかを多分イメージされていると思いますけれども、ペイパルなんかはどちらかというと個人のベースの話なんですけれども、事業会社と事業会社の問題として考えると、これは実は物すごい大きな額のお金が動いてくる話になるんじゃないのかなと思うんです。

 その点、これは結構、インターネット上に随分情報があるので見ていくと、ホームページに、未回収のリスクなしとかコンビニ後払いサービスもつけられますとか何百万のユーザーが利用する実績とか、いろいろなことが書いてあるんです。これだけ見ると、ああ、すごい便利だな、集金代行サービス、使ってみたい、しかも確実に回収できる感じがするという感じがするんですけれども、こういう表示などに何か金融庁では制限がありますか。

 今やられている集金代行、決済代行サービスというのに対して、銀行だったら広告はこういう制限がありますよとか、金融業はこういう制限がありますよとかあると思うんですけれども、この手の業者に関して、何か表示であったり勧誘方法の制限というのは、今金融庁でありますか。

内藤政府参考人 現段階において、今先生御指摘のような収納代行サービスというものに対する直接的な規制というものはないかと思います。

 ただ、先ほど申し上げましたように、為替取引に当たるかどうかというところが一つ論点としてございます。仮に為替取引に当たるようなビジネスモデルということになりますと、銀行のライセンスを取らない形で為替取引をやっているという形になりますので、銀行法に抵触してくるという問題はあろうかと思います。

 今回は、そういうような問題もあろうかと思いまして、銀行以外の者が簡便な形で為替取引ができる、そういう枠組みをつくるということでございます。

高山委員 リース会社がやっているサービスあるいはクレジットカード会社が今やっている集金代行サービス、こういうのは別に今後もふえていっていいと私は思うんですけれども、実際、サービサー法の議論のときのことを思い出していただきたいんです。サービサーのときは、あれは正常な債権ではなくて、争いがあるような、不良債権が中心だったとは思うんですけれども、サービサーの場合なんかですと、例えば警察だとか法務大臣の立入検査が要る、あるいは弁護士の方が取締役に入っていなきゃいけないだとか資本金がどうとか、かなり要件が厳しかったと思うんです。

 この点、正常な債権だから問題ないじゃないかという意見ももちろんあるかもしれませんけれども、今言われたような、本当に資金決済業としての、これは登録制になっていて、登録ができればすぐ始められるということですけれども、そういう行為規制などが必要があるかどうかということについて、まず金融庁に伺いたいと思います。

内藤政府参考人 お答えいたします。

 資金移動業者に対して、行為規制といいますか、例えば銀行と同様にマネロン規制のもとで、本人確認でありますとか疑わしい取引の報告でありますとか、そういった規制はかかるかと思います。

 一般的に、先ほど申し上げたように、資金移動業者の最も重要な規制といいますのはやはり資産の保全ということで、それを通じて利用者保護を図っていくということでございまして、例えば銀行規制の場合には、銀行の健全性というものをチェックするという意味で、監督あるいは検査というのがかなり重装備な規制という形になりますけれども、資金移動業については、そうした規制はできるだけ軽度なものにしつつ、参入しやすくして、しかしながら、基本的な資産保全はきちっと図ってもらうという形で対応していきたいと考えております。

高山委員 これは大臣に伺いたいんですけれども、大臣があれでしたら副大臣でも結構でございますが、さっきから副大臣が随分真剣に聞いていただいているので、副大臣に伺いたいと思うんです。

 今の話で、これは資金の移動業というだけで、それこそネット上でのペイパル的なああいう、個人が銀行振り込みするよりは安い手数料だから便利だねというようなイメージだったと思うんですけれども、私、これがビジネスにどんどん広がっていくことを考えますと、特に今集金代行サービスであったり決済代行サービスをやっている会社というのは、例えば、とある学校だとか幼稚園だとかの学費、こういうのを丸々代行して集めたりだとか、こういうことも全部やっている会社なんです。

 今は正常債権でほとんど問題はないと思うんですけれども、この先、サービサーのときと同じような議論も起きてくるのかなという懸念がちょっと私はあるものですから、この点について副大臣がどのようにお考えかということを教えてください。これは新しい論点ですので、今の取り組みに対する気持ちぐらいで結構です。

谷本副大臣 先ほどもちょっと言いましたけれども、この資金移動業、新設で行うという中で、これが展開していくと、委員が言われるようにいろいろな形が当然出てくると思います。その場合に、その実態をしっかり見ながら、そこにきちんと対応できるように取り組んでいきたいというふうに考えております。

高山委員 これは確認なんですけれども、今、私ちょうど、政治献金をネット上でもらったらどうだろうかとか、そういうことをいろいろ研究しているんですけれども、例えば、今回、資金移動業ができていろいろな形での送金が認められるようになってくると、これは寄附だとか献金だとか、そういうことにも利用ができるという理解でよろしいでしょうか、これは金融庁に確認なんですけれども。

内藤政府参考人 献金というのが、基本的には、ある者から送金をして別の者が受領するという形態だろうと思いますので、いわゆる為替取引というものが典型的なケースだろうというふうに思います。そういう観点からいいますと、これまでは銀行しかできなかったという業務が、今回銀行以外の者もできるという形になります。

 ただ、それを実際やるかどうかというのは、それぞれの個々の業者の方々のビジネスモデルのつくり方、経営の判断ということにはなろうかと思いますけれども、制度上はそれが広がったというふうに考えております。

高山委員 あと、ちょっと確認なんですけれども、この資金移動業者になると、マネーロンダリング等々の規制がいろいろあるということですけれども、では、アカウントをつくったりあるいは口座開設のときには銀行と同じような規制がかかってくるのかどうかということを、これは警察なんでしょうかね、まず伺いたいと思います。

宮本政府参考人 お答えいたします。

 犯罪収益移転防止法は、マネーロンダリングやテロ資金供与の防止を目的といたしまして、金融機関等の特定事業者に対して、顧客等の本人確認や疑わしい取引の届け出等の措置を義務づけているところであります。資金移動業者につきましては、為替取引を行うことができることとされておりまして、為替取引を行う銀行等と同様、特定事業者に加えることとしております。

 このため、資金移動業者を介した送金につきましては、それが寄附などを目的とする場合でありましても、資金移動業者に本人確認等の措置が義務づけられるとともに、これら関係業務につきまして、犯罪による収益との関係が疑われる場合には疑わしい取引の届け出の対象となり得るところでございます。

高山委員 最後にちょっと大臣に、前回も聞かれていて、私もこれはなかなか難しいなと思うんですけれども、例えば運送業でやっている人だとかコンビニ業の人だとか、あるいは今聞いたような代行業をやっている会社がありますよね。これが登録しない場合には、やはり銀行法違反ということになるんでしょうか。これはどうなんですか。

与謝野国務大臣 いわゆる収納代行サービスや代金引きかえサービスについては、どのような仕組みをもって収納代行サービス等というのか、定義は明らかではございませんけれども、例えば大手コンビニエンスストアで行われている収納代行サービスについて申し上げれば、為替取引に該当するとの考え方とこれに当たらないとの考え方がございます。

 具体的には、収納代行サービスは資金移動の方法として用いられており為替取引に該当するという考え方がある一方、収納代行サービスは商品等の販売に伴って販売業者がコンビニエンスストアに代金の受け取りを依頼しているものである、商品等の購入者、利用者が支払いを行い、コンビニエンスストアが領収書を渡した時点で利用者の代金債務が消滅しており、また、その後のコンビニエンスストアが受け取った代金を販売業者に渡す行為は利用者による支払いとは別の行為である等の理由から、収納代行サービスは、為替取引、すなわち送金には該当しないという考え方がございます。

 いずれにいたしましても、こうしたサービスの提供が、利用者保護に欠ける事態や資金決済システムの安全性等を損なう事態が生じることのないように、引き続き注視してまいりたいと考えております。

高山委員 ちょっと時間も来てしまったんですけれども、やはり賢明な大臣でもなかなか峻別が難しいと思うのと、あと、コンビニで払った人が判こを押してもらった時点で終わっていて、間に挟んでとかいう説明を今されましたけれども、実際、本当にそれが為替取引に当たらないのか。利用する方は皆さん送金しているという意識で利用しているわけですから、引き続き注視というよりは、ぜひ何かガイドラインをきちんと、はっきりと出していただきたいと思いますが、その点大臣、いかがですか。

与謝野国務大臣 収納代行であれ為替取引であれ、支払ったお金がちゃんと相手方に届くかどうかというところが問題なので、そのために必要な考え方というのはお示しすることにいたします。

高山委員 ありがとうございました。終わります。

田中委員長 次に、階猛君。

階委員 民主党の階猛です。きょうも、与謝野大臣を初め金融庁の皆さんにお話をお聞かせ願えればと思っております。

 先々週から与謝野大臣とはもう四回目ぐらい質疑を行わせていただいておりまして、消費者の方でも議論させていただき、この委員会でも二週間で三回目ということで、私も、中身の濃い議論をさせていただいているので、大変ありがたいと思っているんです。

 ちょっと余談になりますけれども、先日、麻生総理に消費者問題特別委員会で質疑をしたら、野球部だけ会議に集めたら危ないなんてことを言われまして、そんなことは決してないということを、私はいつも与謝野大臣とお話ししていて思うわけでございます。

 それはそれとして、中身に入ります。

 まず、本題に入ります前に、今の経済、財政の状況について、少し御議論させていただければと思います。

 きのう手元に参りました月例経済報告、資料一というところに、その主な変更点というのがまとまったものがあります。これを見ますと、先月と今月、実はちょっとよくなってきているんじゃないかなというふうに思うわけでございます。

 まず、資料一の下の箱の囲みを見ていただきますと、公共投資というところでいえば、三月が「総じて低調に推移している。」という表現でございましたが、四月は「総じて低調に推移しているが、このところ平成二十年度補正予算等の効果がみられる。」と。輸出については、三月は「極めて大幅に減少」というのが、四月は「大幅に減少」というふうになったりとか、業況判断はちょっと悪くなっていますけれども、物価についていえばデフレ傾向が下げどまりしているような感じもするわけです。

 また、月例経済報告、資料にはおつけしていませんが、中身を子細に見ていますと、「消費者マインドは悪化傾向に歯止めがかかりつつある」といった表現があったり、あと、「製造工業生産予測調査においては、三月、四月ともに増加が見込まれている。」そういう表現があったりしています。

 というようなことをもろもろ読んでみますと、景気が最悪期を脱しつつあるようにも見えるんですけれども、大臣の御所見をお聞かせください。

与謝野国務大臣 そのようには考えておりません。

 一つは、在庫調整が若干進んだということと、実は、これのベースの一つになっております町の景気ウオッチャーの考え方が若干よくなってきているということですが、あらゆる指標は先月よりよくなっているということをまだ示してはおりません。

    〔委員長退席、木村(隆)委員長代理着席〕

階委員 ただ、景気対策が大事だ大事だと言って、何か、今は何でもありみたいな雰囲気も漂うわけでございますけれども、一方で、やはり冷静かつ客観的に今の経済の足元の状況というのをちゃんと見ていかなくてはいけないと思うんですね。というのは、景気対策をするにしても、これは借金によって景気対策の財源を賄っていかなくちゃいけないわけですから、でき得ることならば借金を減らしたいということがあるわけです。だから、本当に必要な部分だけ借金をして、財源を手当てするということなんだと思います。

 そういう中で、今回、本予算が成立して、間もなく補正予算も提出されます、その財源として国債が大量に発行されます、こういうことです。本予算それから補正予算の財源として借金がまたふえるわけでございますけれども、こういったものを勘案すると、二〇〇九年末時点のGDPに対する債務残高比率は何%程度になるというふうに見込まれているのか。

 ちなみに、財務省で出されている「日本の財政を考える」という資料、直近の平成二十年九月版で見ますと、二〇〇八年末時点では一七〇・九%という数値でございました。これが今年末にはどれぐらいになるのか、お聞かせ願えますか。

与謝野国務大臣 先生の言われました一七〇・九というのは、OECDのエコノミックアウトルック八十三号、平成二十年六月公表によるものでございます。

 それと日本の統計は若干違いまして、平成二十一年度末の国及び地方の長期債務残高は、当初予算編成時はGDP比一一七・五%と見込まれておりましたけれども、今回の補正予算を踏まえますと、計数は精査中でございますけれども、一六〇%程度になると見込まれております。

階委員 事務方で結構なんですけれども、ちょっと時系列でその推移を見たいので、今おっしゃった数値だと、一七〇・九と算定のベースが違うので比較のしようがないんですね。OECDの発表の一七〇・九という昨年末の数値が今度は幾らになるのかというところ、どなたかおわかりにならないでしょうか。

与謝野国務大臣 私が申し上げたものとOECDの違いというのは、まず、対象とする政府の範囲の違いがあります。長期債務残高と申し上げたのは、国と地方を足したものです。OECDの場合は、このほかに社会保障基金を含んでおります。

 それから、計上する債務の種類が違っておりまして、長期債務残高は、私が申し上げた数字は、国債、地方債、借入金等でございますが、OECDの場合は、今申し上げたもののほか、いわゆる政府の短期証券等を含んでおります。

 そのほかの違いは、年度末と暦年末の違いでございます。

階委員 資料二に一七〇・九という数値、財務省の「日本の財政を考える」という資料から抜粋したものを掲げていますけれども、やはり財務省としては、この数値を表に出しているということは、今の質問に対しても数字を用意しておいてもらわないと、我々はこれを検討のベースにしたいと思っているわけで、そこをちゃんと出してもらわないと、この数字がどうなっているのかというのがわからないので困るんですけれども、それはだめなんですか、出ないんですか。

与謝野国務大臣 今お話しした話がすべてでございますが、もし追加すべき必要な資料がございましたら、おっしゃっていただければ直ちに用意いたします。

階委員 それでは、またそれは追って、改めてお願いしたいと思います。

 今、債務残高のGDP比ということに少しこだわったわけでございますけれども、資料三というのを見ていただきますと、先日の日経新聞の記事でございます。プライマリーバランスにかえて、債務残高の対GDP比ということを財政健全化目標としようという議論が今経済財政諮問会議でされているようです。

 私もこの委員会で二月二十四日に、与謝野大臣に同じことを申し上げたわけでございます。プライマリーバランスにかえて、債務残高対GDP比の方がいいんじゃないかということを申し上げたところ、与謝野大臣も、「対GDP比借金がどのぐらいかということの方が、日本の財政の健全性を図るメルクマールとしてはやや真に迫っているかな、」という御発言でございました。

 与謝野大臣も、この経済財政諮問会議の考え方、これは正しいというふうにお考えでしょうか。

与謝野国務大臣 まず、先生はよくおわかりですけれども、プライマリーバランスというのはやや誤解を与える概念でございまして、一度は渡らなければならない橋でございますけれども、どういう渡り方をするかということでその後が大きく違ってくるわけです。

 いわゆるプライマリーバランスには到達したけれども、その後、債務残高が発散していく、指数関数的に上昇していくという場合もありますし、また、うまく渡ると収束をしていくということもあります。ですから、これは実は、どうしても一度は通らなきゃいけない地点でありますけれども、やはり問題は、借金がGDPに比べてほぼ一定になるあるいは減少していく、そこいらあたりまで目指して財政再建をやらないと、ただ基礎的財政収支というものが金科玉条のごとく用いられてきたというのは、若干誤解を与えるのではないかと私は思っております。

階委員 もう何度も申し上げていますけれども、ぼろぼろの旗というだけではなくて、実はこの旗、結果的には本当は役に立たない旗なのかもしれないというところも考えると、やはり新たな目標というのは、こういう債務残高対GDP比というのは正しい方向性であるのかなというふうに大臣もお考えなのだというふうに理解をします。

 そこで、その債務残高対GDP比の目標水準ですね。さっき一七〇というのがOECDの数字で出たり、今後、予算の財源の手当てが済みますと、計算根拠が違うのでちょっと比較の対象にはなりませんが、さっき一六四とかいう数字もおっしゃっていたと思います。実際上、幾らぐらいを目標にするのが妥当というふうにお考えなのか、大臣、お考えをお聞かせ願えますか。

与謝野国務大臣 これは大事なのは、いつ、どのぐらいを目標にするかという両方の要素がございます。

 骨太二〇〇六を書きましたときには、二〇一〇年代半ばには対GDP比債務残高比率を一定にしようというのをプライマリーバランスの次の目標として掲げていたわけですけれども、それは時間軸を少し将来に向かってずらさなきゃいけないという状況が今来ております。

 ですから、政府の経済見通しが出ます。また、諮問会議での議論が進んで、六月にはいわゆる骨太方針二〇〇九をつくるわけでございますので、そのときには、今先生が言われた点ははっきりさせなければならないと思っております。

階委員 骨太方針二〇〇九で具体的な数値が出てくるという理解でよろしいでしょうか。

与謝野国務大臣 おおよそという場合もございますが、こういう時期にこういう方向を目指そう、少なくともそこまではやらなきゃならないと思っております。

階委員 もう一度資料二をごらんになっていただきたいんですが、債務残高対GDP比といったときに、グロスで債務を考えるか、それとも国が持っている資産を差っ引いたネットで考えるか、そういう両方の考え方がこのグラフの上と下にあらわれているわけでございます。グラフの下はネットの債務残高の対GDP比ということがあらわれていて、上と下で比較すると大分数字に隔たりがある。上のグロスのベースで考えると一七〇・九なんですが、ネットで考えると八六・八ということで、私は、どちらかというとネットで考える方が正しいのではないかなというふうに思っております。

 やはり国民の不安をいたずらにあおってもしようがないわけで、資産の部分は差っ引くというのが正しいと思うんですが、この考え方についてどのようにお考えでしょうか。

与謝野国務大臣 そういう考え方ができれば随分気が楽になると思いますけれども、年金で持っているお金は債権ではなくて、むしろ人様からお預かりしている債務でございまして、これは国の財産として、純資産として勘定しては多分いけないんだろうと思います。そう考えた方が気が楽であるし、一〇〇を切ってうれしいなとは思いますけれども、実際の日本の財政の状況は、むしろ債務残高そのままであらわした方が正直な姿ではないかと思っております。

階委員 ただ、年金とかは結局国民に戻ってくるお金ですから、これを借金と考えるかどうかというのはまた一つ議論の余地があるんじゃないかなというふうに私は直観的に思いますけれども、その辺は私も勉強した上でまた御議論させていただきたいと思います。

 この関係でもう一点だけ、これは大事な質問です。

 この資料二のグラフ、与謝野大臣がこっちの方がいいというので上の段で見ますけれども、上の段では、二〇〇一年に小泉首相が就任されてからずっとウナギ登りで来て、二〇〇五年ぐらいからちょっと低下傾向だったと思うんですが、多分これはことしの補正予算などでまたぐっと上がると思うんですね。そういうふうに小泉首相は痛みを国民に強いて財政再建を進めようとしたわけですけれども、結局のところ、財政再建は失敗したというふうに断じざるを得ないのかなと思います。

 そこで、なぜ財政再建がうまくいかなかったのかということについて大臣のお考えをお聞かせ願えますか。

与謝野国務大臣 平成九年にできました財政構造改革法は、専ら歳出削減に頼って財政再建をやろうとした試みでございます。

 しかしながら、財政再建をやるときは他の要素も考えなければなりません。歳出削減プラス歳入改革プラス成長政策、この三つの組み合わせの中で初めて財政再建というものができるのだろうと思っております。

階委員 ちょっと正面からお答えになっていないような……。私はなぜ財政再建に失敗したのかということをお聞きしたいんですけれども、もう一度お願いできますか。

与謝野国務大臣 それは、社会保障を初めとした義務的経費が増大する中で、歳入改革というものに一切手をつけなかった、むしろ減税をした。また、楽観論者のように成長はしなかった。これの組み合わせが国の財政の状況を一層悪化させたものと思っております。

階委員 歳出削減だけではどうしようもないということですね。わかりました。

 確かに、経済成長がまず必要だということと、ただ、それにプラスして歳入改革、つまり増税が必要かどうかというところは、我々は、その前にもっとやることがあるんじゃないか、国の歳出構造の見直しとかもあるんじゃないかということで、そこはちょっと議論があるところだと思います。ただ、今のような総括はそのとおりだというふうに、与謝野大臣の考えは承りました。

 そこで、本題に入ってまいります。

 まず、金融ADRについて、前回も御質問しましたけれども、引き続き聞かせていただきたいんです。

 百五十六条の四十四第二項三号、加入金融商品取引関係業者というのはADRの手続に協力しましょうという趣旨なんでございますけれども、その中で報告とか資料の提出が必要になるわけでございますけれども、この報告とか資料が虚偽であった場合、ペナルティーはあるのかどうか、お答え願えますか。

内藤政府参考人 お答えいたします。

 金融ADR制度におきまして、金融機関が虚偽の報告や資料提出を行った場合には、指定紛争解決機関は金融機関の名称等を公表するという形でのペナルティーを与えることが可能になっております。虚偽報告等を行った事実は指定紛争解決機関から主務大臣に通知されることとなっておりまして、金融機関の業務の適切な運営を確保するために必要があると認めるときには、法令にのっとりまして監督上の対応を行うこともあり得ると考えております。

階委員 そこは厳しくやらないと、このADR機関の信頼性にかかわるところなので、しっかりお願いしたいと思います。

 それと、金融トラブルが起きた場合、その原因となった取引を行った担当者、こういう人は、基本的に自分でもまずいことをしたと思っているわけですから、紛争解決手続にのっかってきた時点ではもうやめていたりするわけです。私も社内弁護士をやっていたときに、実際そういう経験もしました。担当者に事情を聞きたくてもやめていて、その人に連絡をとっても、もうやめたから関係ありませんよと、とんでもない人とかがいるわけです。

 こういう場合に紛争解決手続をどのように進めるのかなという疑問があるわけですけれども、お考えはどうでしょう。

内藤政府参考人 紛争解決手続の過程におきまして、紛争解決委員から金融機関に対して報告、資料提供の求めがあった場合には、金融機関はそれに応じる必要がございます。

 お尋ねの点でございますが、紛争の原因となった取引を行った担当者が退職をしている場合ということでございますが、まずは、金融機関に保存されている帳簿や内部の関係者のヒアリング等に基づきまして、当時の対応等について確認を行うということが行われるものだろうと思います。このほか、場合によりましては当該担当者本人から事情を聴取するなどの対応、これは可能な場合にはこういう形でできるだけ努めるという形で、ケース・バイ・ケースではございますけれども、できるだけ事実を把握するということに努めていくことが必要だろうと考えております。

階委員 それもADRの実効性を高める上では非常に大事なことなので、協力をしなくちゃいけないという場合は、やはりそこまで含めて業者の方は手続に協力するんだという意識の徹底をお願いしたいなというふうに思っております。

 具体的なケースを少し引き合いに出しまして、こういう場合はADRはどうなんだろうというのをちょっと質問したいと思います。

 昨今話題になったものとして、SFCG、旧商工ファンドが日本振興銀行というところに債権を譲渡して、債務者との間でトラブルになったという事案があります。債務者としては、知らないうちに債権譲渡がされていて、債権譲渡がなされたことを知らないでもとのSFCGに借金の返済を続けていた、こういうようなことでございます。これが、この金融ADR制度ができるとどのように解決されるか。

 業界縦割りということで、貸金業者であるSFCGと銀行である日本振興銀行、この両者が債務者ともどもそろって手続に参加するというのは、業界が異なりますので難しいような気がします。その辺についてはどのように解決されるのか、教えてください。

内藤政府参考人 金融ADR制度におきましては、紛争に関する金融機関に係る指定紛争解決機関において紛争解決手続が行われることになっております。

 一般論として申し上げますと、複数の金融機関が紛争に関係している場合におきましては、指定紛争解決機関の紛争解決委員は、申し立ての相手方となっている第三者である金融機関に対して紛争解決手続の参加を求めることができます。また、第三者である金融機関がこれに応じた場合には、関係者全員を交えた紛争解決手続が行われることとなると考えております。また、一方の金融機関に係る指定紛争解決機関より紛争解決手続を受託するなど、指定紛争解決機関相互の連携を図り、関係者を交えた紛争解決手続を行うことも考えられると思います。

 いずれにいたしましても、複数の当事者が存在する紛争におきましては、指定紛争解決機関相互の連携を図り、利用者保護、利用者利便の観点から適切に対応していくことが非常に重要であるというふうに考えておりますので、今後、この制度が仮に成立をした場合には、こういうことを心がけながら対応していくべきものと考えております。

階委員 もう一つ、ロコ・ロンドン取引というのがございます。日本語で言うと貴金属スポット保証金取引と言うんでしょうか、これが金融ADRで紛争解決を受け付けてくれるのかという疑問があるわけです。

 というのも、このロコ・ロンドン取引というのは、商品取引と為替取引とがミックスされていまして、商品であれば経産省の所管になるということで、為替取引は金融庁ですけれども、金融庁と経済産業省とに所管がまたがっているので、金融ADRはどのように対応するのかちょっとわからないんですが、そこについて教えていただければと思います。

内藤政府参考人 金融ADR制度におきましては、基本的には金融関連業法の対象となっている金融機関の業務を指定紛争解決機関における苦情処理、紛争解決の対象としているところでございます。

 ロコ・ロンドン取引がどのような取引を指すのか不明でございますけれども、当該取引を金融機関がその業法上の業務として行う場合には金融ADRの対象となり、指定紛争解決機関における苦情処理、紛争解決の対象になり得ると考えております。

階委員 ロコ・ロンドン取引というのは結構いろいろなところで問題になっていると思うんですが、金融庁としてはそれは余り把握されていない、そういうことになりますか。そこはちょっと問題じゃないかと思いますけれども。

 今の答弁は何かロコ・ロンドン取引が何だかわからないというお話でしたけれども、なぜそういう答弁になるのか、ちょっとそこだけはっきりさせてください。

内藤政府参考人 私どもとして、ロコ・ロンドン取引がどのような取引を指すのか不明な点がございますけれども、金などの商品の先物取引というものであるとすれば、これは経済産業省所管の商品取引所法または海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律の規制を受けるものと理解をしております。

階委員 次に、信用格付業者に対する公的規制の論点に入っていきたいと思います。

 ちょっと今大臣が外されていますので、大臣にお聞きするところは少し飛ばしまして、条文でいうと六十六条の三十二というところなんですが、信用格付業者は、独立した立場においてその業務を遂行というふうにあるんですけれども、いわゆる発行体からの依頼によって格付を行う依頼格付の場合、独立した立場が維持されているかどうかの判断基準について教えていただけますか。

内藤政府参考人 証券監督者国際機構、いわゆるIOSCOの基本行動規範におきまして、信用格付は格付会社と証券の発行体との間の事業上の関係等により影響されるべきではないこと、格付会社は格付付与等が発行体等に対して与える経済的影響等により格付を自制すべきではないこと、格付会社は実質及び外見の両面において独立性を維持すること等が規定されております。

 本規定は、基本行動規範に示されたこれらの観点から、独立した立場で業務を遂行すべき旨を一般原則として定めるものでございまして、具体的な対応は業務管理体制の整備義務等において措置することとしております。IOSCOの基本行動規範は依頼格付を含めた多様なビジネスモデルに対応するものでございまして、これを踏まえて、業務管理体制の詳細は内閣府令において定めていく予定でございます。

 格付会社の独立性は、いずれにいたしましても、利益相反防止等の業務管理体制の整備などの規制を格付会社が遵守していくことを通じて確保されるものと考えております。

階委員 六十六条の三十三という条文で、その業務管理体制の整備ということの定めがあります。その中で「専門的知識及び技能を有する者の配置」というのがありますけれども、この専門的知識及び技能を有する者の配置というところはなかなか悩ましいところがありまして、もちろん能力が低過ぎると格付の品質に問題が生じるわけでございますけれども、逆に能力が高過ぎると人件費が上がりまして、信用格付業者の収益を圧迫してくる。そうすると、収益を稼ぎたいがゆえに投資者の利益を害するような格付が行われるリスクが高まるだろうということが考えられるわけでございます。

 そういうことから、専門的知識及び技能を有する者ということは、なるべく客観的な基準を定めて、それで必要十分な人材の配置をする。余り低過ぎる能力でもまずいし、高過ぎる能力でも弊害が生じかねないので、その辺は注意が必要なのかなと思うんですけれども、今言った専門的知識及び技能の客観的基準についてはどのようにお考えでございますか。

内藤政府参考人 信用格付は発行体等の信用リスクという不確実な事項につきましての専門的な意見でございますが、投資者の投資判断に重要な影響を及ぼすものでありますことから、信用格付業者には格付プロセスの品質確保のための業務管理体制の整備が求められるところでございます。

 業務管理体制の要件を定める本規定は、証券監督者国際機構の基本行動規範におきまして、格付会社は格付意見の作成に関して適切な知識及び経験を有する者を用いるべきとされていること等を踏まえて定めたものでございます。業務管理体制の要件の詳細は、基本行動規範において具体的に求められている格付プロセスの品質確保に関する規定を踏まえながら内閣府令において定めることとなりますけれども、求められる専門的知識及び技能は個々の信用格付業者の業務の特性等に応じて異なってくる可能性も多々ございますので、これを客観的に一律に決めるということは困難かと思いますので、これにつきましては今後の検討の中で慎重に検討してまいりたいと思っております。

 今委員が御指摘のような、低過ぎる技能といいますか能力といいますか、それについて問題があるというのは当然であろうかと思いますし、高過ぎるということについても、当然、この格付会社の業務の運営あるいは経営という観点から、おのずから自制が働くという中で決まってくる問題かなというふうにも考えております。

階委員 それと、今回、格付の内容自体については特に規制は設けないということで、格付のプロセスの適正化を図っていくんだという考えだったかと思います。

 そのプロセスが適正かどうかを見る上で、六十六条の三十六というところで、格付方針等を各信用格付業者は公表しましょうというふうになっているわけです。格付方針等の中身については内閣府令で定められるわけでございますけれども、これが、要するに普通の、一般の投資家にも内容がわかるものでなくては、プロセスが妥当かどうかというのは検証しようがないといいますか、一般の投資家にはわからないということでございますので、この格付方針等の具体的内容が大事かと思います。

 内閣府令で定めるということなんですが、今の段階でどういうものになるのか、特に一般人にとってわかりやすいものになるのかどうか、その点についてお聞かせ願えますか。

内藤政府参考人 委員御指摘のように、今回の法案におきましては、信用格付業者に対する規制を新たに導入するものではございますけれども、信用格付そのものについては、これは自由な意見の表明ということでございますので、この意見の表明そのものに対して直接的に規制を加えるものではもちろんございません。あくまでも格付方針等を定めて公表し、すべての信用格付の付与に際して格付方針等の遵守を義務づけるというのが、ここで言う格付方針等の内容になるわけでございます。

 この格付方針等でございますが、これは大きく分けまして格付付与方針等というものと格付提供方針等というものがございます。

 例えば、格付付与方針等につきまして申し上げますと、定義でありますとか、それから格付付与のプロセスでありますとか、格付付与に使用する情報が十分な品質を確保しているかどうかということについての合理的な措置がとられているかどうかとか、こういったものが格付付与方針等の中に入ってくるということでございます。

 それから、格付提供方針等というものについてでございますけれども、格付の提供に当たって表示すべき事項、付与した格付の提供等が広く一般に対して遅滞なく行われるための方策等を内容とするものでございます。もう少し申し上げますと、格付の符号でございますとか、格付を付与した年月日、格付対象者の関与の有無に関する情報とか、信用格付に係る限界といったような意義づけもこの中に入ってこようかと思っております。

 こうした内容を今後の内閣府令の中で検討していくということでございます。

階委員 与謝野大臣がお戻りになられたので、少し格付のお話を聞きたいんですけれども、まず、資料五に米国における信用格付会社規制の概要というものを掲げております。これを見ますと、参入規制、行為規制、開示規制というのも当然あるんですが、制裁措置として刑事罰というのも設けられているということです。

 今回、信用格付業者に対する罰則規定というのは法案には設けられていないわけでございますけれども、やはり格付がいいかげんにされた場合の被害の大きさというものを考えると、罰則によって制裁を強化して、それで威嚇力といいますか抑止力をしっかり保つ必要があるというふうに思うわけですが、なぜ罰則規定が設けられなかったのか、大臣からお願いできますか。

与謝野国務大臣 今回の法案では、規制の実効性を確保するため、登録を受けた信用格付業者について金融商品取引業者等と同様の枠組みによる罰則を設けているところでございます。

 具体的には、例えば、不正の手段により登録を受けた場合、業務改善命令に違反した場合、報告もしくは資料の提出をせず、または虚偽の報告もしくは資料の提出をした場合等に罰則を設けることを予定しております。

階委員 局長、ちょっと私が誤解していたのかなというふうに今お聞きして思ったんですが、私の理解がそもそも間違っていたということですか。罰則規定はありますよという話ですか。

内藤政府参考人 今大臣が答弁されましたように、格付業者の行為につきまして、不正な手段により登録を受けた場合等々につきまして、かなり広範な行為につきまして罰則規定を定めているところでございます。

階委員 済みません。条文の読み込みがあれだったかもしれません。

 三十八条についてお聞きします。

 今回、信用格付業者として登録されているところと登録を受けていないところで差を設けましょうというところで、三十八条の三号、登録を受けていない信用格付業者の付与した信用格付について、顧客に対して提供する場合については、金融商品取引業者は登録を受けていない者であるということや登録の意義などを告げなくてはいけないということなんですが、これは別に、登録を受けている業者の格付の提供の場合であっても、格付の意義であるとか限界など、格付というのはそもそもどういうものなのかについて金融商品取引業者等は説明する必要があると思うんですが、これが設けられていないのはなぜかなというふうに思うわけです。この点について、理由をお聞かせ願えますか。

内藤政府参考人 お答えします。

 格付会社に対する公的規制の導入に伴い、登録を受けた格付会社には、格付の決定や提供に関する方針、方法、これを格付方針等と呼んでおりますが、これを公表し、これに従って格付業務を行うことが義務づけられるわけでございます。

 格付方針等に記載すべき事項といたしまして、IOSCOの基本行動規範を踏まえまして今後内閣府令において細目を規定していくことになりますが、信用格付業者に、みずから格付の意義、限界を公表し、投資者に伝えることを義務づけることを予定しております。

 このように信用格付業者の格付につきましては、信用格付業者がみずから格付の意義、限界の周知について義務を負うとの枠組みを採用することとしております。

階委員 それから、そもそも論になるんですが、信用格付とは何かという定義が二条三十四項に定められておりまして、「「信用格付」とは、金融商品又は法人の信用状態に関する評価の結果について、記号又は数字を用いて表示した等級」ということを書かれているわけでございます。

 ここで金融商品に関する信用格付と法人に関する信用格付、両方あり得るということが示唆されているわけでございますけれども、金融商品と法人ではちょっと考え方は違うんじゃないかなと。金融商品の場合だと、単に信用リスクだけでは情報提供というか評価の対象としては不十分であって、流動性リスクとか価格変動リスクについても考慮しないといけないんじゃないか。そういったことを考慮した上での評価、これを信用格付と言うのかどうかは別としまして、そういうほかのリスクも考慮しなくてはいけないということで、金融商品と法人とでは格付の考え方は変えるべきではないかと思うんですが、その点についていかがですか。

内藤政府参考人 まず、基本的な点でございますけれども、信用格付会社の格付は信用リスクに関する評価でございまして、サブプライムローン問題において、むしろ、各格付会社の格付が信用リスクのみならず流動性リスクあるいは価格変動リスクを含めたものであるという一種の誤解といいますかそういったものがございまして、本来の意義がいわば混同されたというところに問題があるというのが指摘されている大きな点でございます。

 このような信用格付の現状及び問題点を踏まえますと、今回の法案におきましては、金融商品または法人の信用状態に関する評価の結果について、記号または数字を用いて表示した等級というものを信用格付であるというふうに定義をいたしまして、規制の対象としているところでございます。

 IOSCOの基本行動規範におきましても、格付会社に対して格付の意義を明示することが求められていることから、信用格付業者に対しては、信用格付が流動性リスクや価格変動リスクの評価ではないということも含めまして、信用格付というものの意義の周知を行うよう求めてまいりたいと考えております。

階委員 それは利用者、普通の投資家にとってみると多分非常にわかりづらいことで、これからもそこが、周知するとはいっても、誤解を招くおそれは多分にあるということで、一つの考え方としては、今までの格付のあり方を見直して、少なくとも金融商品の方については流動性リスクとか価格変動リスクを盛り込んだような評価というのもあり得べきかなと思うんですけれども、大臣、もしお考えがあれば。特によろしいですか。では、答弁は結構です。

 もう一点、格付について最後にお聞かせ願いたいんです。

 このIOSCOの基本行動規範の中にも出ていますけれども、資料四の方です。ストラクチャードファイナンス商品、仕組み債なんという言い方もしますけれども、そういうストラクチャードファイナンス商品の格付については、通常の社債の格付と区別して、可能であれば異なる符号を用いなさいということでこの行動規範には書かれているわけでございます。

 それはそのとおりでございまして、伝統的な金融商品と先端的な仕組み債とで取り扱いを分けるべきではないか、記号とかそういうのを分けるべきではないかと私も思うんですが、その点について大臣のお考えをお聞かせください。

与謝野国務大臣 金融・世界経済サミットでは、複雑な金融商品に対する格付を区別することを確保するための措置をとることが合意をされております。

 法案では、信用格付業者に対して、格付の付与、提供のための方針の公表と、格付方針等に従い業務を行うことを義務づけております。格付方針等に規定すべき細目は、今後内閣府令において規定していく予定でございますけれども、社債と複雑な金融商品に対する格付の区別の方法についても格付方針等の内容として規定していく予定でございます。

階委員 ありがとうございます。

 最後、残された時間でもう一つの法案、資金決済法について少し、これだけは確認したいということをお尋ねします。

 よく、コミングルリスクなんという言葉がありますけれども、利用者が資金移動業者に送金を依頼して資金を預けたんだけれども、送金先にそのお金が届く前に資金移動業者が法的整理手続、破産手続とか民事再生手続に入ってしまったようなケース、この場合に、お金はちゃんと依頼者のもとに戻ってくるのかどうかという議論があるわけです。

 この点に関して、法案の四十三条以下では、利用者、依頼者を救済する手段として履行保証金の供託義務などを課しているわけですけれども、この履行保証金というのは、過去の実績に応じて算定された金額を保証金として預けるということですので、業績がウナギ登りに上がってきて、日々の未決済残高がうんとふえてしまったような場合、保証金だけではカバーされない額というのが出てくるわけです。

 この保証金だけではカバーされない額について、利用者はどのように保護されるのか、お聞かせ願えますか。

内藤政府参考人 御指摘のように、本法案の第四十三条以下では、資金移動業者に対し、その利用者に対して負う債務の全額と同額以上の資産を供託等によって保全させることを義務づけておりまして、資金移動業者が破綻した場合には、資金移動業者の利用者は、保全された資産から優先的に弁済を受けることができるとされております。

 しかしながら、資金移動業者が利用者に対して負う債務の額が、要保全額の計算時点から変動するなどして、委員御指摘のような形で、供託してある履行保証金等の金額を一時的に上回るという場合も想定されないとは言えないということでございます。その場合には、資金移動業者の利用者が履行保証金等から優先的に弁済を受けても、なお債務の全額につき返済を受けられることはないということになります。このような場合には、資金移動業者の利用者は、弁済を受けられなかった残額につきましては、一般債権者として資金移動業者の一般財産から配当を受けるということになると考えております。

    〔木村(隆)委員長代理退席、委員長着席〕

階委員 そこで、一般債権者という扱いになるとすると、こういうケースはどうかということなんです。

 未決済の資金について、資金移動業者が取引銀行に預金として預けていたとします。その金融機関の方では資金移動業者に対して貸付債権を有している。そういうときに、さっき言ったような破綻が生じますと、金融機関は相殺する権利を持つわけです。この相殺する権利と利用者の返還請求権と、どちらが優先するのかということになるんですが、私の理解ですと、現行の我が国の倒産法制上は金融機関の相殺権の方が優先して、金融機関が優先弁済を受けて、一方で利用者の方は返還を受けられないということになるかと思うんですが、その理解でいいのかどうか、確認させてください。

内藤政府参考人 先ほども申し上げておりまして、やや繰り返しで恐縮でございますけれども、資金移動業者の利用者は、保全された資産から優先的に弁済を受けることができるというのがまず基本にございます。仮に、履行保証金が債務の全額をカバーしておらず、結果的に優先弁済を受けられなかった残額につきましては、一般債権者として資金移動業者の一般財産から配当を受けるということになるわけでございます。

 資金移動業者が金融機関に預金している場合には、当該預金債権は一般財産を構成するものとなっているわけでございます。資金移動業者が破綻をし、貸付債権を有する金融機関によって相殺が適法に行われたというときには、当該預金債権は一般債権者が配当を受けられる財産から除かれるという形になろうかと思います。したがいまして、資金移動業者の利用者は、それ以外の資金移動業者の一般財産から配当を受けるという形になるわけでございます。

階委員 というようなリスクもあるということを御指摘して、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。

田中委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 まず初めに、経済対策と財源問題についてお聞きをしたいと思います。

 昨年度は、秋以降、一次補正、二次補正、連続して予算の上積みが行われました。今年度は、本予算が三月に通った途端、四月には十五兆円を超える大型補正が組まれる。このようなことは前代未聞と言っていいことだと思います。

 配付をした資料を見ていただきたいんですが、このところ、大変な規模の公債発行が続いております。二十一年度、今年度の一般会計は八十八兆五千億円、これに補正の十五兆四千億円を加えますと百兆円を超えるわけであります。公債発行額は、そこにありますように、当初三十三・三兆円。

 補正で幾ら追加される予想でございましょうか。

与謝野国務大臣 財源でございますけれども、まず、財政投融資特別会計の金利変動準備金の活用で三兆一千億、建設公債七兆三千三百億、経済緊急対応予備費の減額八千五百億円、特例公債三兆四千九百億円程度でございます。

 したがいまして、公債の発行は、建設公債七兆三千三百億プラス特例公債三兆四千九百億でございます。

佐々木(憲)委員 足しますと十兆八千二百億円、こういうことになる。約十一兆ですね。これは極めて大規模な発行でありまして、三十三・三兆円プラス十一兆円ですと四十四兆円程度でありまして、公債依存度は四〇%を超えるというふうに想定されます。

 では、税収はどのように想定されていますでしょうか。当初、四十六・一兆円としておられましたが、どうでしょうか。

与謝野国務大臣 税収は多分減ると思われますけれども、どのぐらい減るかということを、相当な確度を持って現時点で明らかにできない。それには、土台となる二十年度税収の決算、二十一年度の課税実績、政府経済見通し、いろいろな要素がまだ決まっていないからでございますけれども、率直に申し上げれば、本年度の税収は見込みより減るというふうに考えております。

佐々木(憲)委員 どの程度減るかというのは、なかなか想定というのは難しいとは思いますけれども、仮に三兆円減ったとして、四十三兆円程度の税収ということになると、公債発行よりも税収の方が小さいという事態も想定される。そういうおそれもあるんじゃないかと思いますが、どうでしょうか。

与謝野国務大臣 残念ながら、そういう事態もないとは言えないと思っております。

佐々木(憲)委員 そこで、今回の経済危機対策の内容を見ておりましたら、こういう表現がございます。「財政の持続可能性を確保する観点から、累次の経済対策として実施される措置を踏まえ、「中期プログラム」について、必要な改訂を早急に行うこととする。」こういう文章が入っているわけであります。

 このことについて、お配りした資料にもつけてありますが、資料の三枚目ですね。今読み上げたのは一番上に書いてありますが、二番目に、与謝野大臣が四月十四日の記者会見でおっしゃったことをここに書いてあります。「経済・金融危機について、特に歳入面に対する影響は織り込まざるを得ないというふうに思っております。加えまして、今般、経済対策を新たに行い、相当な規模の補正予算になるわけですから、それから派生してくる問題も「中期プログラム」の中でどのように後々始末をつけていくのかということも考えなければいけない。」と。

 これは、どういう意味でこのようなことをおっしゃったんでしょうか。

与謝野国務大臣 中期プログラム自体は税法の附則に全部書かれておりますので、もともとの中期プログラム、税制の考え方は既に先生御理解をいただいておると思うんですが、その後起きたことというのは、世界的な不況、日本の経済も大変不振に陥った。また、歳入の状況も非常に悪い。また、幾つか今回の経済対策の中で社会保障にかかわるようなことも入っています。そういう全体を考えれば、中期プログラムを若干直す必要があるのではないか、そういうことを率直に言っているわけでございます。

 中期プログラムの議論が諮問会議でも始まると思いますし、その結果は、六月に決めます骨太方針の中に、持続的な財政、持続的な社会保障制度というような基本理念とともに書かれる予定でございます。

佐々木(憲)委員 その中身は、歳入について何らかの増加を見込まなければならない、そういう方向性を明示するということだと思うんですが、どうですか。そういうことですか。

与謝野国務大臣 日本の例えば社会保障制度を持続可能にするためにどういうことが必要か、これはもともと我々心配していることですし、またきょう先生が御指摘になられましたように、日本の財政というのは借金が税収を上回るかもしれないという危機的な状況でございます。

 したがいまして、この我々の財政を持続可能なものにする、またいろいろなツケを後の世代に残さない、そういう面からは、歳入全体にわたってどういう方向で考えていくのか、これは大変重要な問題であるというふうに思っております。

佐々木(憲)委員 歳入を全体としてどう考えるかというのは、要するに歳入をどうふやすかということだと思うんですけれども、資料の五ページ目を見ていただければ、これは東京新聞の四月十一日付朝刊の報道ですけれども、「経済危機対策をめぐり、公明党内に与謝野馨財務相への不信感が広がっている。与謝野氏が同党への事前説明なしに、消費税増税論議につながる「中期プログラムの改訂を早期に行う」との一文を対策に盛り込んだためだ。」下の方に、「青天のへきれきとなった九日の公明党政調全体会合では「改訂とはどういうことだ」と質問が続出し紛糾。衆院選が近づくタイミングで、消費税増税を議論することへの拒否感から、党内には不満の声があふれた。」そういうふうに報道されている。これは報道ですね。そういうこともあり得るなと思ってこれを読んでおりました。

 つまり、中期プログラムを見直して改訂して、歳入をふやすという方向になりますと、当然、消費税の増税論議、消費税の増税ということを、今までの範囲ではなくさらに広げなきゃならぬ、そういうことにつながるのではないかということでこういう議論が出ているんだと思いますが、与謝野さんはどのように考えていますか。

与謝野国務大臣 ただ普通のことを経済対策の中で書いただけでございまして、なぜそういう、報道されているような不満があったのかということは、今もよく理解できないでいるわけでございます。

 むしろ自民党の方は、もっとはっきり強く書けという意見もありましたが、この辺でいいところではないかという表現ではないかと私は思っております。

佐々木(憲)委員 お配りした資料の三枚目の下の方に中期プログラムというのを引用しておりますが、「社会保障安定財源については、」「消費税を主要な財源として確保する。」こういうふうに書かれているわけです。それから、より下の方には、「二〇一〇年代半ばにおいては、基礎年金国庫負担割合の二分の一への引上げに要する費用をはじめ、上記二に示した改革の確立・制度化及び基礎年金、老人医療、介護に係る社会保障給付に必要な公費負担の費用を、消費税を主要な財源として安定的に賄う」、こういうふうに書かれているわけですね。

 この中期プログラムの消費税の位置づけは、ここで明らかなように、社会保障財源に限定をするという書き方をしているわけです。

 この内容が、次のページの所得税法等改正案の附則、所得税法、今回改正されたその附則の中に、百四条ですけれども、同様なことが書かれています。ここでは、基礎年金の国庫負担二分の一の財源、年金、医療、介護など社会保障給付、それから少子化に対処するための施策、こういうものを賄うために、消費税を含む税制の抜本的な改革を行う、このように書かれているわけです。

 何らかの税収をふやさなければならない、こういうことになりますと、増税の方向を明確にしているのはこの消費税だけなんですね。

 法人税についてはどういうふうになっているでしょうか。法人税は引き下げを検討する、こういうふうになっているんじゃないでしょうか。

与謝野国務大臣 手元に原文がありませんので考え方だけ申し上げますと、国際的な水準を見ながら法人税制の方向を決めていく、こういうことになっていると思います。

佐々木(憲)委員 法人税の引き下げという表現が明確に書かれているわけです。附則にもそういうものが盛り込まれているわけですね。そうすると、法人税を今まで以上に上げるわけじゃないわけですね。

 それでは、所得税はどうでしょうか。所得税というのは、これは高額所得者の部分を少し、応分の負担をしてもらおうというお話をお聞きしました。下の、所得の低い階層の方も若干手当てをして負担の軽減を図ろうという話がありますが、大体そんなようなことですから、抜本的に所得税で税収がふえる、これは想定できないと思うんですが、いかがですか。

与謝野国務大臣 附則に書かれていることは、所得税に関しては、最高税率を再考するということと所得税制の所得再分配機能を強化する、この二点でございます。

佐々木(憲)委員 そうなりますと、税収をふやそう、歳入をふやそうということになりますと、これはもう消費税を増税する以外になくなるわけです。

 今までの表現では、消費税は社会保障に限定して、それを賄うために上げるんですよという表現でした。我々は、社会保障の財源として消費税を増税することにもともと反対です。それは我々の主張ですけれども、政府の主張、政府のこれまでの考えとしては、社会保障に充てるためというのが限定的に書かれていたわけです、今紹介したように。

 しかし、何らかの歳入増、税収を上げなければならない、こうなりますと、法人税は下げる方向で検討する、所得税は所得の再分配の方で検討するから、そこの枠の中からは税収はそんなに、抜本的に増税は考えられない。そうなりますと、後始末のために消費税を使うというしか結論は出てこないんじゃないですか。与謝野大臣、どうですか。

与謝野国務大臣 後始末に使おうということは書いてないので、今回の経済対策も、社会保障的な要素は入っていますと。こういうものはやはり、借金しっ放しでいいのかという問題が実はあるわけです。

 ただ、消費税に関しては、別に考え方を変えたわけではありませんで、やはり年金、医療、介護及び少子化対策の特定財源としてお願いをするということは変わってはおりませんし、また、これを財政再建のために増税するという考え方も、別に新しく入ってきているわけでもありません。

佐々木(憲)委員 後始末というのは、与謝野大臣が四月十四日の記者会見で、今まで補正が組まれるということを繰り返してきたために、中期プログラムの中でそれを後々始末をつけていくというようなことで表現されているわけですから。

 つまり、赤字がこれだけ大きくなる、国債の発行が非常に大規模なものになる、それは放置してはおけない、後々始末をつけなければならない。その始末のつけ方として、当然、歳入を図るということにしかならないわけですから、その手段として、法人税は下げる、所得税は収支とんとんとして、あと歳入をふやすのは消費税しかなくなるわけであります。

 ですから、何を見直すのかといえば、我々が想像するに、これはもう消費税の増税ということしかなくなってくるわけで、そうすると、消費税の対象を社会保障に限定している、そういうやり方は外すという表現をとりたいということが、論理的に言えば、そういう方向しか考えようがないわけであります。大臣はいろいろと、ここをあいまいに表現したいというふうに今思っておられるのかもしれませんが、それ以外に考えようがないわけなんですね。

 ですから、私は、この中期プログラムの改訂ということは、結果的に消費税の増税をさらにエスカレートさせるということにならざるを得ないので、これは極めて重大な危機対策であり、また、こういうツケを回すようなやり方は賛成できないというふうに考えております。

 これ以上ちょっとここでは、また後で、こういうことについては議論をしていきたいと思います、補正予算の審議もありますので。

 では次に、法案の中身について確認をしたいと思います。

 まず、為替取引の定義でございますが、これは最高裁の判例で、「「為替取引を行うこと」とは、顧客から、隔地者間で直接現金を輸送せずに資金を移動する仕組みを利用して資金を移動することを内容とする依頼を受けて、これを引き受けること、又はこれを引き受けて遂行することをいう」、これが最高裁の平成十三年の決定であります。

 資金移動サービスとこの為替取引というものはほぼ同じ意味だと思いますけれども、そういうふうに理解してよろしいでしょうか。

内藤政府参考人 そのように考えております。

佐々木(憲)委員 現在行われているさまざまな資金移動サービス、その内容は、収納代行サービスですとか代金引きかえサービスというものでございます。

 今、資料をお配りしておりますが、その一番最後のところ、これは先日もお配りしたんですけれども、「決済に関する新しいサービスの具体例」というところで、収納代行サービス、代金引きかえサービスというのがあります。これは為替取引であるということになるわけですね。

 そうすると、金融庁、政府としては、この部分は当然、為替取引として新たに法の規制の対象としたい、こういうことで議論を始めたのではないかと思います。これは金融審議会金融分科会第二部会で集中的に議論されておりますが、金融庁はそういう姿勢で臨んだというふうに理解してよろしいですね。

内藤政府参考人 まず、私どもとしては、現在、為替取引というものが銀行のみに限られているという問題がございまして、以前から常々、銀行の手数料が高いだとか利便性が悪いとかいうふうなことで、改善をすべきである、為替取引というものをより銀行以外の者に広げていこうということで利用者利便を高めていく、そのためにはどういうふうな制度の設定の仕方をすればいいかというところから議論が始まりまして、それで、為替取引というものについて、今回、資金移動業というような業を設定いたしまして、新たにこの法案の中に盛り込ませたというところでございます。

 その中で、これにいわば類似したような、関連したサービスというものがいろいろ現実にはございましたので、それも含めて、この中に入れるのかどうかという形で金融審議会で検討してまいったわけでございます。

佐々木(憲)委員 ということは、この資金移動サービスというのは為替取引に当たり、そして、これはこれまで銀行のみが行っていたものでありますが、ほかの業態もこういうことを事業として広げてきた、したがって、本来、そういうものも対象にした一定の法の規制の対象、一定のルールのもとでそれが行われるようにしたいということだと思います。

 これは、金融審議会で決済システム強化推進室長をされていた高橋さんが報告しているのを見ましても、代金引きかえサービス、収納代行と資金移動サービス、この議論がいろいろされていますが、要するに、これは資金移動サービスの性格があるかと思っておりますというふうにおっしゃっているわけです。つまり、資金移動サービスであると。

 本来ならこれは対象にしなければならないわけですが、今回の法案では、収納代行サービスと代金引きかえサービス、この六枚目の表の中で、これは対象になったんでしょうか。

内藤政府参考人 この表の中の収納代行サービス及び代金引きかえサービス、これらについては対象にしておりません。

佐々木(憲)委員 これが非常に不思議なわけですね。

 金融庁は、最初は、これを法の対象にしたいということで問題を提起されたんだけれども、実際にはこれは入らなかった。これは何で入らなかったのか。私は、業界の関係者が猛烈な抵抗をしたというのは、議事録を見て非常によくわかりました。

 例えば、日本フランチャイズチェーン協会は、「コンビニ収納代行サービスへの規制強化が引き起こす問題点について」などという文書もそこで配り、収納代行サービスは為替取引ではないとか、それから全日本トラック協会は、金融規制は経営コストのさらなる負担の増加を伴う、断固として反対いたします、こういう要望を出していたり、あるいはヤマト運輸の代表の方は、代引きが収納代行の一類型であるという誤った理解に基づいて代引きに法規制をかけるべきではない、こういうことを主張したり、日本百貨店協会は、取引実態から見れば為替取引に該当するとは考えにくい、安易に代引きや収納代行サービスを規制することには問題があり、慎重に考えていただきたい。日本通信販売協会、これも意見書を出していまして、規制には反対である、こういうふうに言っている。ヤフーですとかの代表も、イノベーションを阻害する要因になる。ともかく、各業界がわっと猛烈な反対なんですよ。

 しかも、規制改革会議というところが、収納代行、代引きサービスは新たな規制の対象とすべきではない、こういうことまで強烈に主張をしております。コンビニエンスストア業界やトラック業界、宅配便業界としても、そういう対象にすべきではないといって反対をしております。それだけじゃありません。国土交通省自動車交通局、代引きに為替取引に係る規制を行うことは適切ではないと、今度はほかの省庁の官僚からも反対論が出る。

 ともかく、金融庁が最初、これははっきりした法的な対処ができておらないので何とかしたい、こういうことを言った途端にばっとあちこちから反対論、関係者ですよ、そういうことで結局、今回規制の対象にできなかった、これが実態だと思うんですね。

 与謝野大臣、この実態についてどうお考えですか。

与謝野国務大臣 物を決めますときには、やはり関係者、関係団体の意見を聞いて、円満な方向で物を決めるという作業をしたことは当然のことだと私は思っております。

佐々木(憲)委員 作業をするのは別に悪くはないんですね。作業をした上で、説得して、これは何らかのルールを持たなければならない、こういうふうに法改正を行っていくというのが筋だと私は思うんですね。どうも、業界に対して弱過ぎるというふうに言わざるを得ないと私は思います。

 具体的に、例えば資産保護という点について言いますと、代金収納サービスとか宅配業者の代金引きかえサービスについて、資産保護は法律上きちっとされているのかどうか、まずその辺を確認したいと思います。

内藤政府参考人 いわゆる収納代行サービスや代金引きかえサービスにつきましては、事業者が破綻した場合の資産保全につきましては、法律上、事業者に対して資産保全の義務が課せられているものではないと承知しております。

 なお、当庁といたしまして、すべての事業者について把握しているわけではございませんが、ヒアリングや報道等によりますと、信託により自主的に資産保全を図っている例もあるように聞いておりまして、特段の資産保全を行っていない例もあるというふうにも承知しております。

佐々木(憲)委員 ですから、これ一つとりましても、消費者、利用者からいいますと、もし倒産をしたようなことがあった場合、自分の資金移動を依頼した本人は、この資金が保証されない、相手方に届かないという危険性もあるわけです。

 今後の対応ですけれども、こういう問題についてどういうふうに今後検討されていくのか、最後に与謝野大臣に見解を伺いたい。

与謝野国務大臣 いわゆる収納代行サービス等については、為替取引に当たるか否か意見が分かれるところであり、本法案においては、これを対象とした制度整備は特に行っておりません。

 他方、必要な場合に適切な対応をなし得るよう、これら事業者について、利用者保護や資金決済システムの安全性等の観点から、引き続き注視してまいりたいと考えております。

佐々木(憲)委員 時間が参りましたので、終わります。ありがとうございました。

田中委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。

 次回は、明二十二日水曜日午前十一時理事会、午後三時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時五分散会


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