衆議院

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第22号 平成21年5月12日(火曜日)

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平成二十一年五月十二日(火曜日)

    午後一時三十分開議

 出席委員

   委員長 田中 和徳君

   理事 江崎洋一郎君 理事 木村 隆秀君

   理事 竹本 直一君 理事 山本 明彦君

   理事 吉田六左エ門君 理事 中川 正春君

   理事 松野 頼久君 理事 石井 啓一君

      安次富 修君    赤池 誠章君

      石原 宏高君    稲田 朋美君

      越智 隆雄君    大塚 高司君

      亀井善太郎君    後藤田正純君

      七条  明君    篠田 陽介君

      杉田 元司君    鈴木 馨祐君

      関  芳弘君  とかしきなおみ君

      中根 一幸君    永岡 桂子君

      西本 勝子君    林田  彪君

      平口  洋君    松本 洋平君

      三ッ矢憲生君    宮下 一郎君

      盛山 正仁君    池田 元久君

      小沢 鋭仁君    大畠 章宏君

      階   猛君    下条 みつ君

      鈴木 克昌君    古本伸一郎君

      和田 隆志君    谷口 隆義君

      佐々木憲昭君    野呂田芳成君

      中村喜四郎君

    …………………………………

   議員           大野 功統君

   議員           七条  明君

   議員           寺田  稔君

   議員           宮下 一郎君

   議員           山本 明彦君

   議員           吉田六左エ門君

   参議院議員        直嶋 正行君

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       与謝野 馨君

   財務副大臣        竹下  亘君

   財務大臣政務官      三ッ矢憲生君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 梅溪 健児君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 湯元 健治君

   政府参考人

   (財務省大臣官房総括審議官) 川北  力君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   真砂  靖君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   木下 康司君

   政府参考人

   (財務省主税局長)    加藤 治彦君

   政府参考人

   (財務省理財局長)    佐々木豊成君

   政府参考人

   (国税庁次長)      岡本 佳郎君

   政府参考人

   (中小企業庁事業環境部長) 横尾 英博君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官) 佐々木 基君

   財務金融委員会専門員   首藤 忠則君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十二日

 辞任         補欠選任

  佐藤ゆかり君     篠田 陽介君

  関  芳弘君     七条  明君

  原田 憲治君     大塚 高司君

  広津 素子君     永岡 桂子君

  松本 洋平君     赤池 誠章君

  宮下 一郎君     杉田 元司君

  山本 有二君     西本 勝子君

同日

 辞任         補欠選任

  赤池 誠章君     松本 洋平君

  大塚 高司君     原田 憲治君

  七条  明君     関  芳弘君

  篠田 陽介君     佐藤ゆかり君

  杉田 元司君     宮下 一郎君

  永岡 桂子君     安次富 修君

  西本 勝子君     山本 有二君

同日

 辞任         補欠選任

  安次富 修君     広津 素子君

    ―――――――――――――

五月十一日

 租税特別措置の整理及び合理化を推進するための適用実態調査及び正当性の検証等に関する法律案(参議院提出、参法第二号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第六五号)

 株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案(大野功統君外十一名提出、衆法第二一号)

 銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案(大野功統君外十一名提出、衆法第二二号)

 租税特別措置の整理及び合理化を推進するための適用実態調査及び正当性の検証等に関する法律案(参議院提出、参法第二号)


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     ――――◇―――――

田中委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房審議官梅溪健児君、大臣官房審議官湯元健治君、財務省大臣官房総括審議官川北力君、主計局次長真砂靖君、主計局次長木下康司君、主税局長加藤治彦君、理財局長佐々木豊成君、国税庁次長岡本佳郎君、中小企業庁事業環境部長横尾英博君、国土交通省大臣官房審議官佐々木基君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

田中委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴木克昌君。

鈴木(克)委員 民主党の鈴木克昌でございます。

 今回の議題になっております租税特別措置法の一部改正について少し御質問させていただきたい、このように思っております。その前に、補正予算についてちょっと大臣の基本的なお考えをお聞かせいただけたら、このように思っておるわけであります。

 麻生総理は、今回の経済危機には三段ロケットで臨むんだということで、特に三段目のいわゆる二十一年度予算というのは、これが最大の景気対策だ、こういうふうに繰り返しおっしゃってみえました。私も、何回となくそういったお話を聞いたわけであります。しかし、それから一カ月もたたないうちに、過去に例のない超大型の補正予算を今まさに出されているわけですね。

 私は、麻生総理のおっしゃった三段ロケット論というのは、ちょっと間違っておったんじゃないかというふうに思うんですね。ある意味では、二十一年度の予算は、これだけ大型の補正をすぐに出さなきゃならなかったという意味では、欠陥予算とまでは言えないまでも、私はやはり問題があったというふうに思うんです。

 そこで、大臣にとりわけお伺いしたいのは大臣は三月十日の時点で、参議院の予算委員会で、「私の周りでは補正予算の話をしている人は一人もおりません。」こういうふうにおっしゃったわけですね。私は、小さな町ではありますけれども、実は予算を提出する側にいた立場の人間でありまして、そう簡単に補正予算が出せるものではないというふうに思っています。少なくとも、本予算が通って一カ月もたたないうちにもう補正を出して、しかも恐らく、通常でいえば、二十一年度予算を出しておる途中に補正の話を私見でやってみえたんだというふうに思うんです。

 大臣はそれはそんなことはないということをおっしゃったわけですけれども、その辺は、そのとき、三月十日の時点で何も話がなくて、これだけの大型補正が出せた、このことは、やはり大臣のあの答弁、参議院の予算委員会での答弁が間違っていたのか、それとも、いわゆる今度出されておるこの補正予算が、そんな時間をかけずに、インスタントと言うと語弊があるかもしれないけれども、そういった形で急遽出された欠陥予算なのか、その辺をまず大臣から御答弁いただきたいと思います。

与謝野国務大臣 まず先生に御理解いただきたいのは、当初予算を審議している最中に補正の話というのは、いわば国会でのタブーでございまして、補正の話をした途端に当初予算の審議自体がとまる、これが過去の例でございますから、その辺は、民主党もいずれ政権をとられるということでございますから、ぜひ御理解、お許しをいただきたいと思っております。

 三月十日の時点で、私の周りで補正予算の話をしている者はいないというふうに答弁しましたが、そのとおりですが、私だけは補正予算が必要だと思って、ひそかに準備をしておりました。周りにはそういうことを言う人は一人もまだその時点ではおりませんで、実際は、二月の初めから徐々に準備をして、いわゆる賢いお金の使い方は一体どういうものか、あるいは日本の社会が本当に必要としているものはどういうものか、こういうことは数人で勉強をしておりましたけれども、いわゆる閣僚のレベルとか党の責任者のレベルで補正予算の話をしている者はおらなかったというのは真実でございます。

 二十一年度の当初予算が欠陥予算じゃないか、欠陥と言わないまでもそれに近いのではないかという先生の御指摘は、それは確かに、去年のシーリング、概算要求基準、十二月の予算編成、その時点で実はわからないことはたくさんあって、十二月に予算編成した後に我々が知ったのは、去年の十月、十一月、十二月の日本のGDPの落ち込み、一二%という数字を知ったときに、やはり二十一年度の補正予算を組まないと日本の経済が底割れをする可能性がある、そういう危機感を持って実は補正を考えていたわけでございます。

 ただ、三月十日の時点で、私の周りで補正予算などといって私のところに言ってくる人は一人もおらなかったというのは真実でございますから、ぜひ御信用をいただきたいと思います。

鈴木(克)委員 タブーだと言われるとあれですが、国会での審議、これは、委員が質問をしたことに対してはやはりきちっと誠意を持って答えるというのが大臣の職務だというふうに私は思います。我々は、特にあの予算については、これで本当に大丈夫ですか、もっと大型な修正をすべきではないのかということをさんざん言いましたよね。だけれども、それはお認めにならなかったわけですよ。だから、そういう意味においては、私は、今の大臣の答弁をすんなりと受け入れるわけにはいかないというふうに思います。

 それと同時に、では、いわゆる役人、財務省のところでやはり検討というのはされておったんじゃないですか。それも全くなかった、こういうふうに主張されますか。

与謝野国務大臣 個別に、こういう事業はどうだろう、ああいう事業はどうだろう、そういう検討はもちろんしておりましたが、補正予算をつくろうということを私のところに言ってきた人は三月十日時点ではおられなかったということを正直に申し上げているので、そこは御信用いただきたいと思います。

 また、ただ民主党も、もう少し大型にしろという御意見があったので、そういう御意見にはちゃんと耳を澄ませて、静かにきちんと聞いておったということも事実でございます。

鈴木(克)委員 何かきょうはいきなり目くらましに遭ったような、迷答弁というふうに私は位置づけさせてもらいたいんですが、いずれにしても、これを繰り返しておっても時間が参りますので、次に進ませていただきます。

 今回の補正を見て、これはやはり総選挙目当ての予算だ、私はこのように思っております。

 二つ例を申し上げたいのですが、一つは、いわゆる子育ての応援特別手当です。これは二十一年度限り、一回の、しかも、三歳から五歳ですか、年齢制限があるということで、これがいわゆる子育て応援であるというふうに御主張されておるわけですけれども、私は全然違う、的外れだというふうに思っております。

 それからもう一つは、例のエコポイントですね。家電普及事業ということなんですが、このエコポイントをもらえるのも二十一年度末までということです。期限限定ということでありますが、これについては、もう数日後、五月十五日からエコポイントを付与する、このように報道されておるわけでありますが、補正予算が成立していようがいまいがエコポイントを付与するということは、私はこれは本当におかしい話だというふうに思っていまして、許しがたいということですね。

 例えば、なぜ私がこういうことを言うかというと、二十年度の二次補正のときに、財源法案が成立するまですべての予算の執行を停止されていたんですよね。それと、今回のこのいわゆるエコポイントの問題と全く矛盾をするというふうに思うんですね。なぜ五月十五日という形で見切り発車をしなきゃならないのか、補正予算が成立してからでも何も遅くないというふうに私は思うんですが、その点は、大臣、いかがでしょうか。

与謝野国務大臣 まず第一点の子育ての方は、民主党の方も同じような政策ですが、民主党の方は大分気前がよくて月に二万六千円ですが、こっちの方は月三千円ですから、民主党に比べると大分控え目であることは間違いありません。

 これは、一年限りとしましたのは二つ理由がありまして、これに確たる財源がないということが一つと、それからもう一つは、これをやるにしてもその理由が必要であって、これはやはり経済が大不況に陥っている、そういう中で国民全体の所得が落ちている、特に子育て世代は大変であろうということで、民主党には大分落ちますけれども、月三千円、年に三万六千円の手当を創設しようということをお願いしているわけです。

 エコポイントは、五月十五日、まだ予算が成立していないのになぜそこでフライングぎみにやるのか、これは一つの重大な、重要なポイントだと私は思いますが、もう一方では、エコポイント目当ての買い控えというのが起こるおそれがあって、これは二階経済産業大臣の方でいろいろ技術的に検討して、五月十五日からならできる、こういうことで、今作業を進めているところでございます。

鈴木(克)委員 子育てについては、我々とは全く考え方が違うんですね。我々は、要するに本当に子供を産み育てていただける、そういう環境をつくっていく、そこで出生率を上げていくということで、我々は恒久的に月々お出しをするということです。今回の、先ほどの大臣の御答弁、可処分所得が減っているからそこのところの補てんだということだと、基本的に、いわゆる出生率を上げるという政策と可処分所得を補てんするというところとは全然違うということですから、むしろ、子育て応援特別手当という子育てという部分を変えて、家庭の応援手当だというんなら、これはわからぬわけではありませんけれども、言葉の使い方が間違っておるんじゃないかな、私はこういうふうに申し上げたいと思います。

 それからもう一つ、フライングぎみというふうにおっしゃいました。明らかにこれはフライングですよ、正直言って。買い控えが起きるかもしれない、これは当然そういうことは考えられます。だとするなら、やはりこの制度自体が問題があったということではないでしょうか。間違った制度を導入しようとしたから、それをつじつまを合わせるために結局フライングをしなきゃいかぬ。フライングというのはやってはいけないということなんですよ。ということだと私は思います。

 現実に、先ほども申し上げましたように、財源法案が成立するまで一切の予算の執行を停止した、それが過去の例であるわけですから、私は、このことはそういう簡単なことではなくて、もうちょっと重要なこととして受けていただかないといけないのではないかな、このように思っております。

与謝野国務大臣 今の、エコポイントの家電普及事業は、目標とするところは、一つは地球温暖化対策であり、一つはやはり需要を喚起する景気対策であり、また、二〇一一年には地デジが完成しなければならない年ですので、地デジ普及促進策、こういう三つのことをあわせて行おうとしていることでございます。

 特にこれは、地デジが特におくれておりますので、その意味でも非常に大事な政策であると思っております。

鈴木(克)委員 要するに、地デジ対策がいけないということを言っているわけではなくて、フライングをしていく、こういうことが問題だということを私は申し上げたかったわけでありますので、一応御指摘をしておきたいというふうに思います。

 次に、租特の改正についてお伺いしていきたいんですが、ある意味では今回の目玉、目玉というふうに言えるのかどうか、全く目玉ではないと私は思っていますが、住宅取得のための時限的な贈与税の軽減措置、これについて少しお伺いをしていきたいんですが、今までの百十万円を六百十万円に引き上げようということでございます。これによって、五百万引き上げることによって、どの程度の経済効果が生まれるというふうに試算をしているのか。国交省は、五千四百億の経済効果がある、このように試算をされておるやに伺っておりますが、私はその根拠は何なのかということをお伺いしたいと思います。また、五百万になったこの引き上げの根拠もお示しをいただきたいというふうに思います。

 あるエコノミストによれば、移転をしようと考えていた資産の移転はもう既に相当進んでおると。一方で、老後のために必要な資産は高齢者の手元に蓄積をされておりまして、軽減額を引き上げたからといって、今後資産の移転がさらに進むとは考えにくい、大した効果が期待できない、こういうふうにあるエコノミストは言っておるわけであります。

 ちまたでも、普通の家庭の奥さんたちのお話を聞いておると、これはもう私たちには余り関係ないよね、しょせんお金持ちの話だよね、こういう話も実はあるわけでありまして、今申し上げたように、五千四百億の根拠、五百万の引き上げになった根拠、そしてこの政策自体をどのように考えてみえるのか、国交省と財務省、両方から御答弁をいただきたいと思います。

佐々木(基)政府参考人 お答えいたします。

 住宅取得等資金の贈与に対します今回の非課税措置を設けることによりまして、いわゆる頭金のような必要な手持ち資金の用意ができるということになりますので、新たに住宅を取得したり、あるいはリフォームを行ったりというようなことが考えられると思っています。また、もともと取得する予定であった住宅につきまして、床面積を拡大したりとかあるいはもっと質のよいものにしようといった、住宅投資の拡大も期待できると考えております。

 そうしたことから、今先生お話がありましたけれども、住宅投資につきましては年間約二千八百億円増加いたしまして、経済波及効果につきましては約五千四百億円ということで考えておるわけでございますが、この経済効果につきましては、過去に幾度か贈与税に係る制度改正がございます。そういった制度改正の実績によりまして、今回の場合における住宅取得等資金の受贈者あるいは受贈額というものがどうなるかということを推計いたしまして、住宅投資額のモデルあるいは産業連関表というものを用いまして推計をしたところでございます。

竹下副大臣 五百万とした根拠ということでございますが、一つは、住宅金融支援機構のフラット35の利用者のデータというものを見てみますと、取得の際の頭金として準備されているのが五百万未満の階層が圧倒的に多いということで、五百万ということにすれば相当インセンティブ効果、水が流れやすいようにする効果があるのではないかという思いがそこに一つ入っております。

 ただ、おっしゃいましたように、お金がない人に関係ないんじゃないかという主婦のお話ということでございますが、これは素直に我々も聞かなければならない一つの分野だと思っております。経済の原則はお金があるところを動かすこと、政治の原則は苦しくても頑張っている厳しい人たちに手を差し伸べること、そのことと、今これだけの経済危機である、いわばこの三つ、四つの方程式を解くかぎが、五百万、住宅、そして二年間の限定、これで経済効果があると我々は思っておるところでございます。

鈴木(克)委員 今御説明は伺ったわけでありますけれども、しかし、エコノミスト、経済学者は、そんなに効果は出ないだろう、こういう説もありますので、この辺のところを今後も私は注視していきたい。実際にこの政策がどれだけ効果を生んでいくのかというのを見させていただきたい、このように思っております。

 それから、次に進めさせていただきますけれども、貧困ということについて私は申し上げていきたいと思うんですが、データによりますと、日本はアメリカに続いて貧困率が高いということが出ております。

 これは、小泉改革以降、市場原理主義を進めてきたわけでありますが、結局、格差の拡大、そしてまた格差の固定化が進んでいるというふうに言われているんですね。今言ったように、格差の拡大や固定化につながるような贈与税の軽減枠の拡大を時限的とはいえやっていくということは、今言ったような国民世論に反するのではないのかなというふうに私は思うんです。

 今、金持ち優遇とか富裕層優遇という話に対して御答弁いただきましたが、私は、今回の贈与税の軽減措置の拡大については、本当のねらいはやはり選挙目当てではないのかなと。ちょっと私の見方がへそが曲がっているかどうかわかりませんけれども、大体真ん中にあると思いますけれども、どう見ても私はやはりこれは選挙目当てではないのかな、こんなふうにしか思えないんですが、その辺について御答弁をいただけたらというふうに思います。

与謝野国務大臣 我々は、国民の生活や日本の経済を考えていろいろな政策を国会で御審議いただいているのでありまして、選挙目当てなどということを考えたことは一度もありません。

鈴木(克)委員 選挙目当てを考えたことはないと言い切られたわけでありますが、私は、そんなことはないと言い切っておきたいというふうに思います。

 次に、中小企業の交際費のこの減額措置についてお伺いをしていきたいというふうに思います。

 今回、資本金一億円以下の企業の交際費の定額控除限度額を四百万円から六百万円に引き上げることにしたわけでありますが、まずその理由をお聞かせいただきたい、あわせて根拠もお示しをいただきたいというふうに思います。そしてさらに、引き上げることによる経済効果をどの程度計算されておるのかというふうにお伺いしておきたいと思うんです。また、引き上げることによって当然税収の減収があるわけでありますが、その減収の見込み額というのはどの程度なのか、お示しをいただきたいと思います。

竹下副大臣 お尋ねの交際費課税の軽減でございますが、中小企業が交際費の支出を拡大した場合の減税メリット、それを広げることによって、一つは、中小企業の活動がよりしやすくなる、そしてもう一つは、飲食業の皆さん方への波及、需要喚起ということをねらいとしたものでございます。

 現行の四百万円という定額控除限度額を六百万円まで引き上げるということにいたしておりますが、これは、資本金五千万円以上一億円未満の中小企業に係る一社当たりの平均交際費支出額は約四百七十万円となっているが、今回の引き上げ措置によりこうした企業にも交際費を一定限度拡大するインセンティブを与えることができること、また、現行の五割増しということでございますので、従来と比較しても大きな引き上げになると考えられること等を勘案いたしたものでございます。

 それから、減収見込み額でございますが、交際費課税の軽減措置による減収額は約二百億円程度と見込んでおります。

横尾政府参考人 経済効果についてのお尋ねがございましたので、私の方から答弁をさせていただきます。

 中小企業につきましては、大企業と異なりまして、販売促進の手段が限られているということから、事業活動にとって交際費は大変不可欠なものと考えられます。売上高のいわばランクごとに一社当たりの交際費の支出額を参照しますと、大体、交際費の支出額と売上高には正の相関関係が見られます。したがいまして、中小企業の方には、企業活動を行いさらに営業基盤を拡大する、あるいは新規の顧客を開拓するにはぜひ交際費の枠をふやしてほしいという声も聞いておりますので、今回の措置により、交際費の支出がふえて売り上げの増加につながるという期待をしてございます。

 それから、今回の措置におきましてどの程度交際費の支出が拡大するかでありますが、これは個別の企業の状況にもよりますので一概には言えませんけれども、一定の前提のもとに試算をしますと、今御答弁ございましたけれども、資本金五千万円以上一億円未満の中小企業の平均交際費支出額は約四百七十万円でございます。言ってみれば、この四百万円を超える七十万円は全額自己負担になるわけですが、今回の軽減措置のもとで同じ自己負担でどれぐらいふえるかというのを試算しますと、約三十九万円、つまり五百九万円の交際費になるという試算をしてございます。一社当たり三十九万円ということでございますけれども、これを資本金五千万円以上一億円未満で利益を上げている法人の数約三万一千五百社に掛けますと、マクロベースでは約百二十三億円の交際費支出の増加になるという試算結果になります。

 それから、交際費の多くは飲食店で消費されるというふうに考えてございますが、これも、産業連関表を用いて分析をしますと、飲食店の売り上げが一増加しますと、産業全体で約〇・九三の派生需要が追加的に発生するという計算になってございます。

鈴木(克)委員 基本的に、私は何もこれが全く効果がないということを言うつもりはありませんけれども、なぜこういう景気環境になってきておるかということは、やはり企業は交際費が使いたくても使えないんですよね。だから、こうして控除を上げてやるから使ってくれるだろうということかもしれませんけれども、私はこれは現実とやはりかなり乖離があるというふうに思っております。

 もちろん、そういうところを一つ一つ目を当てて手を入れていくのが景気対策であるというのはわからぬではありませんけれども、これよりもまだほかに優先をしていかなきゃならない景気対策はたくさんあるんじゃないかな、そういう視点で私はこれの問題を指摘しておきたいというふうに思うわけであります。

 もう一つ、私がよくわからないのは、例の損金不算入の割合一〇%を設けていますよね。定額控除の限度額があるのに、なぜその一〇%の損金不算入の割合を設けているかということなんです。

 確かに、交際費について、いろいろと沿革といいますか過去の経緯がありますね、これは私も承知しております。例えば、会社の役員や従業員が交際費を使って接待をしたりというふうなことやら、また、取引先相手に、いわゆる過剰というのか、そういう接待をするとかいうようなこともあったということはわかります。それによって企業の資本の蓄積が阻害をされてきたということもわかるわけでありますが、しかし、私は、この一〇パーの損金不算入の割合を設けるということであるならば、限度額の方を調節すればそれで済む話じゃないのかな、このように思うわけであります。

 この際、定額控除の限度額を引き上げるとともに、あわせて損金不算入割合をなくすことでより大きな効果が期待できるのではないか、このように思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、今回の改正の趣旨、先ほど中小企業庁からも御答弁申し上げましたが、中小企業による交際費支出の拡大へのインセンティブを与えるということでございますので、今回の趣旨からすると、四百万円を超えて交際費を支出した場合にメリットが受けられるという制度にするということで今回の措置をとらせていただいております。

 先生御指摘の、限度枠であっても一〇%の損金不算入としているということにつきましては、これは、限度内の支出であっても、交際費の支出に対しましては、やはり各企業が交際費支出の必要性を精査するという見地からも一定の税負担を求めた方が適切ではないか。それから、やはり一般的に交際費の場合は飲食の場合が多いものですから、接待する側の自家消費的な部分もどうしてもあるわけでございます。そうしたことも考慮に入れる。それから、これは諸外国の最近の動向と、もともとこの制度自体、諸外国でも一定の損金算入制限をしております、限度内であっても。それがさらに昨今においては強化される方向にございます。

 こうした点も踏まえれば、我が国の一〇%の損金不算入という制度の趣旨自体は維持されることが適当ではないかと考えております。

鈴木(克)委員 諸外国とは若干事情が違うというふうに私は思います。こればかり議論をするあれはありませんが、ここはやはり見直していく必要があるということを強く申し上げておきたいというふうに思います。

 そこで、もう一度経済対策の話に戻っていきたいというふうに思うんですが、先ほど申し上げました、今回の補正予算はまさに異例ずくめと申しましょうか、さっき申し上げた提出の時期の早さというのも私は異例であるというふうに思いますし、規模も、平成十年の八兆五千億をさらに上回る大変な額であります。私は、そういう中でいろいろと見ていくと、一体全体これは何なんだ、どう見ても非常にインスタントでつくった予算だというふうに思えてならないところがありますので、そのところをちょっと順番に御指摘をさせていただきたいというふうに思うんです。

 まず、公務員の天下り先の法人への支出、これが補正予算の全体の約二割に達しておるということであります。具体的には、独法への支出が一兆五千六百十億円、公益法人への支出が一兆二千九百四十四億円、合わせて二兆八千五百五十四億円が公務員の天下り先法人への支出になっている、こういうことだというふうに思います。

 こうした独法や公益法人には公務員のOBが、既に九百人を超える、九百六人というふうに言われていますが、それだけが天下りしておるということでありますし、こういう状況から見ると、要するに公務員OBの天下り先法人への予算支出、こういうふうに言われても仕方のない補正予算ではないのかなと。独法や公益法人へ支出をするというのがなぜ景気対策になるのか、これは私はどうしても理解のできないところであります。この補正予算をこのまま仮に認めたということになると、独法や公益法人から先の支出というのは、いわゆるファミリー企業のようなところへずっと流れていく危険性が私は多分にあるというふうに思います。

 いずれにしましても、このお金の流れ、例えば、公益法人から先のファミリーにどういう形で幾らぐらい流れていくのかというのをやはり一つ一つ明らかにしていただく必要がある、私はこのように思うんですね。この場ですぐ明らかにすることが無理なら、財務大臣、ぜひひとつ徹底した資料を提出していただきたい。このことを私はこの場で約束をしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

与謝野国務大臣 先生の御質問をお伺いしていますと、何か天下りの公務員のために予算をつくったというように、誤解をされておられるはずはないと思いますけれども、今回の補正予算の支出先については、国家公務員の再就職者の在籍の有無といったこととは関係なく、あくまでも能力、実績本位で選定を行っているものと承知をしております。

 御指摘の公益法人向け支出については、去る四月十日の政府・与党、経済対策閣僚合同会議において、官房長官から、真にやむを得ない場合には時限的に公益法人向け支出を認めることとするが、その支出については既存のものとは別途に管理し、執行状況を公表する、残額があればそのまま国庫に返納させる、公益法人職員の人件費には充てないとの条件のもとでのみ認める旨の御発言があり、今回の補正予算において約二千九百八十八億円の公益法人向け支出を計上いたしました。

 また、独立行政法人向けの財政支出については、経済危機対策に盛り込まれた住宅ローンの円滑な借り入れ支援や成長のかぎとなる環境・エネルギー関連の革新的な研究開発等の各般の施策を緊急かつ効率的に実施するため、今回の補正予算においては合計一兆五千六百十二億円を計上したところでございます。なお、独立行政法人については、行革推進法に基づく総人件費改革等の取り組みを着実に実施していく所存でございます。

鈴木(克)委員 公表をしていく、そして、仮に残余が出れば国庫に返納するというお話が今ありました。

 しかし、大臣、これは国民の目線から見れば全くそんなふうには理解されておりませんよ。結局、天下り先に急遽予算を流していくんだというふうにしか、どう考えても理解されない。そういう意味では、本当に今回の予算の組み方というのかな、お金の流れというのは、私は非常に問題があるというふうに心から思っております。何かありますか。

与謝野国務大臣 私は天下りと言うことは余り好きではないわけです。これは人材リサイクルではないかと思っているくらいでして、有能な人材がそれぞれ場所を得てその持っている能力を発揮するというのは、日本の社会にとっては大事なことじゃないか、私はそのように思っております。

 そこで、公益法人、具体的にどこに支出をしたのか、こういうことを申し上げておきますと、大きく二つで全体を占めております。

 その一つは、いわゆる公共施設の整備を伴う民間都市開発事業への支援二千億円というのは、これは民都機構に出しているわけですが、再開発をやっておりますいろいろなところが資金繰りから危殆に瀕しております。そこで、民都機構がそういう都市再開発を時限的に援助していこう、そういう仕組み、いわば金融支援に近いことであると私は考えております。

 それから、残りのもう七百億は、全国信用保証協会連合会が、今回の緊急保証制度実施のための信用保証協会の財務基盤の強化、これで七百億をそこに入れるわけですから、不健全なものでは決してございません。

鈴木(克)委員 お役人の持っている能力を生かしてもらうということは、それは国家にとって大事なことであります。しかし、私が申し上げたいのは、何もそれは公益法人や独法でなくても民間で十分能力を発揮していただけばいいわけでありまして、その構図をやはりこの際直していこう、変えていこうというのが今の国民の真に望んでいるところだというふうに私は思うんですね。残念ながら、その部分についてはちょっと私と大臣と考え方が違うようでありますので、これはまたどこかの機会で議論をさせていただきたい、このように思います。

 それから、今、天下り先への補助金のばらまきだ、このように申し上げたんですが、箱物の割合が非常に大きいということも今回はっきりしました。今回、十五兆円の補正予算のうち、財源の約半分の七兆三千億円が、いわゆる建設国債の発行によって賄われているわけです。建設国債は、御承知のように公共事業、出資金等に充てられるということになっておるわけでありますが、治山治水などの本来の公共事業というのは一兆八千億しかないんですね。これは全体の四分の一、二五%にしかすぎないわけであります。ところが、その他施設費と言われている箱物に二兆九千億、四〇%が充てられておるわけであります。中小企業等への貸し渋り対策として日本政策金融公庫などへの出資金二兆八千億を上回った金額が、この箱物建設に充当されておるわけですね。

 しかも、二十一年の当初予算では、その他の施設費というのは六千四百九十二億円だったわけです。これは御案内のとおりです。しかし、今回の補正では、何とその四・四倍もの巨額の施設費を計上した。なぜこれほど多くの箱物を補正予算でつくらなきゃならないのか、本当に必要があるのか、私はここに非常に大きな疑問を持っていまして、まさしくこれこそばらまきの典型だ、このように思っておりますが、いかがでしょうか。

与謝野国務大臣 ばらまきの典型ではなくて、地方自治体の意思を尊重するという予算であると思っております。

 というのは、先生が御指摘になられたその他の施設費二兆八千九百六十九億のうち、地域活性化・公共投資臨時交付金一兆三千七百九十億円、これはいわば地方自治体に差し上げるお金でございまして、直轄事業の裏負担等に使っていただくお金でございまして、これこそまさに地方が自主的にその使途を決められるということでございます。

鈴木(克)委員 今の流れは、私はそのままはいそうですかと言うわけにはいかないというふうに思っております。

 もうちょっとこの建設国債について深掘りをしたいんですが、建設国債というのは公共事業費、出資金及び貸付金に充当するために、それのみに発行が許されておる、これは財政法第四条、御案内のとおりであります。しかし、今回の補正は、今御指摘申し上げたようにその他の施設費ということで、四兆七千三百三十億円が盛り込まれておるということでありますが、出資金の二兆七千八百八十億円が入っておる、こういうことであります。その最大が、金融対策費である日本政策金融公庫への出資金だということなんですが、そもそも出資金というのは、補助金と違って、出資した先にいわゆる出資金に見合う建物とか土地とか金融資産なりの一定の資産がなくてはならないというのが最低限の前提になっているというふうに思うわけであります。

 そういう意味からいくと、今回の政策金融公庫の資産として残らずに消えていく、消えてなくなるような性格のものを政策金融公庫への出資金として支出するというのは、私は、本来、財政法のもとからいってもおかしいのではないか、このように思いますが、いかがでしょうか。

与謝野国務大臣 それぞれ分けてお答えを申し上げたいと思います。

 まず、中小企業信用保険制度では、信用保証協会が行う中小企業向け信用保証事業のリスク補完を行うため、一つは、日本政策金融公庫が信用保証協会との間で包括保証保険契約を締結し、第二に、公庫は、保険料収入を得るかわりに、協会が保証した中小企業向けの貸し付けが返済困難となった場合には保険金を支払うこととなっております。

 株式会社日本政策金融公庫法に従い、国は、公庫が保険料収入により保険金支払いが賄えない場合に備え、公庫に対して資本準備金として出資を行い財務基盤の強化を図っており、公庫は剰余金がゼロを下回る場合には当該資本準備金を取り崩すこととしております。これは、信用保険制度においては、保険引き受けから保険金支払い、回収といった長期的収支均衡するものとして制度設計をしているため、損失が先行して発生する傾向があり、この損失をその発生時点のみにおける損失としてとらえて補てんすることは適切ではないことから、従来から出資金の形態をとっているものでございます。

鈴木(克)委員 いずれにしても、先ほど申し上げましたように、政策金融公庫の資産として残らずに消えてなくなる性格のものを支出するというのは、私はやはりおかしいというふうに指摘をしておきたいと思います。

 時間がなくなりました。最後に基金のこともお伺いをしたいというふうに思ったんですが、いずれにしても、異常に今回の補正予算は基金が多い。四十六というふうに聞いておるわけでありますが、これはやはり、政府は毎年度予算を編成し、国会の審議を受け議決を経なければならないという予算の単年度主義の原則に私は反しているというふうに思うわけでありまして、この予算の単年度主義との関係というのを、この四十六の基金、異常な基金をつくられた、そのことについてはどのように理解をされておるのか、御説明いただきたいと思います。

与謝野国務大臣 予算は国会で御承認をいただかなければならないわけですが、債務負担行為についても国会の御承認をいただかなければならないということになっております。今回は、この補正予算で、多年度で使う基金そのものの御承認をお願いしているわけでございますから、仮に国会で御承認をいただければ、基金自体は憲法の規定に何ら違背するものではないと考えております。

鈴木(克)委員 まだちょっと御質問したいことがあったわけでありますが、時間が参りました。以上で終わらせていただきます。

田中委員長 次に、階猛君。

階委員 民主党の階猛です。きょうもよろしくお願いいたします。

 さて、お手元に資料が配られている途中かと思いますが、一番上の資料をまずごらんになっていただきたいんですけれども、「国及び地方の長期債務残高」という題目の資料でございます。これは、先日私が与謝野大臣との質疑の際に議論になった部分について、財務省の方から資料をつくっていただいて、出していただいたものでございます。これをごらんになっていただくと何がわかるかということなんですが、これは年度ごとの国、地方の債務、それからGDP比、あとGDPの実額も載っております。

 これで見ますと、今世紀の初頭、すなわち二〇〇一年三月末の段階ではGDPは五百四兆円、表でいいますと一番下の項目になりますけれども、GDPは五百四兆円でした。今回、景気がどんどん悪化していく中で景気対策がなされる、それを加味したとしても、来年の三月には四百八十四兆円である。すなわち、今世紀の初頭から二〇一〇年の三月、大体十年間の間にGDPは二十兆マイナス、こういうことでございます。

 一方、債務はどうか。国と地方の長期債務の合計を見ていただきますと、同じ期間、すなわち二〇〇一年三月では六百四十六兆円でした。これが来年三月末には、御案内のとおり最近借金がどんどん膨らんでおりますので、八百十六兆になります。こちらは百七十兆ふえますということでございます。

 すなわち、GDPは二十兆のマイナス、長期債務は百七十兆のプラスということを前提にしてちょっとお聞きしたいんですが、まず、端的に言えば、二十世紀の最後の十年間、すなわち一九九〇年代、失われた十年という言葉がよく聞かれたわけであります。そして、この二十一世紀初頭の十年、やはり振り返って結果的に見れば、これもまた失われた十年というふうに言わざるを得ないのかなとこの数字を見ると思うわけでございますが、大臣はその点についてどのようにお考えになりますでしょうか。

与謝野国務大臣 これは二つ意見がありまして、失われた十年と言う方もおられますし、イギリスの経済評論家なんかは、日本はよくやった、決して失われた十年の間にマイナス成長になっていない、これは驚くべきことだと言う人もいますし、これは失われた十年だと言う方もおられますが、私は、この十年間の間に日本は不必要なものをきちんと整理整頓したと。

 例えば、過剰雇用、過剰借り入れ、過剰設備、こういうものも一応の過剰を解消することができた、そのように思っておりますが、その過剰を解消する過程でいろいろな副作用、弊害も出てきたということも事実でございます。

 その典型的な例というのは、いい側面は、やはり今回の世界的な経済危機に当たっても日本の金融システムは揺らいでいないし、不健全な金融機関も見当たらない、これは日本が持っている非常に大きな財産だと思います。

 ただ、過剰雇用などを解消する過程でやはり非正規雇用というようなものが生まれまして、そういう方々に対する社会保障の制度などがやや不十分であった、ややというより全く不十分であったというようなこともあって、これから是正しなければならないものも相当あると思っておりますが、決して、ただ失われた十年ではなくて、その間、日本は随分学ぶこともできたし、またいろいろ準備することもできた十年ではないかと私は思っております。

階委員 ただ、客観的に見ると、結局二十一世紀初頭の十年もGDPが減っているということは、これは深刻に受けとめなくてはいけないというふうに思うわけです。

 それで、前回の私の質疑の際大臣がおっしゃっていたことに、経済成長と歳出の削減で財政再建できるという見通しは甘かったんだということをおっしゃっておりました。これをそのまま受けとめますと、ちょうど小泉さんが総理大臣になられたのは、二十一世紀の初頭、二〇〇一年の四月のことでございました。それ以来の政府による経済、財政の運営方針については、これは誤っていたというふうに大臣はお考えなのか。もし、それで誤りだということであれば、これはだれがどのような責任をとればいいのか。逆に、正しいということであれば、その正しいと考える根拠は何か。この点についてお聞かせください。

与謝野国務大臣 小泉さんの時代の経済運営が正しいものであったかどうかというのは、まだその判断をするのに早いんだろうと思います。いずれ、歴史的な評価は下されると思います。

 ただ、小泉さんの功績は、財政頼りの経済から卒業しよう、このことをしっかりおっしゃったというのは、日本の経済にいわば活を与えたという意味ではやはり正しい政策の方向ではなかったか、私はそういうふうに思っております。

階委員 活を入れたということでございますけれども、その副作用で今逆に、むしろ財政出動がたくさん必要になっているということでございますから、これは活の入れ方にも程度の問題があるんだろうなという気はします。

 財政再建は、前回、そういう経済成長と歳出削減だけではできなかったということで、結論的には財政再建に失敗しているわけでございますけれども、経済成長についても、先ほど申し上げたように失敗している。小泉さんが歳出削減で財政再建できると言っておきながら、歳出削減も、一時期減らしてきたわけでございますけれども、今申し上げたとおり、今年度は補正予算も含めてどんどん歳出をふやしている、百兆円を超えるという予算編成になっているということでございます。

 すなわち、財政再建に失敗したということだけではなくて、経済成長にも歳出削減にも、この十年を振り返ると失敗しているのではないかというふうに考えますけれども、その失敗についてだれがどのような責任をとるのだろうか、こういう疑問があります。大臣のお考えをお聞かせください。

与謝野国務大臣 骨太方針二〇〇六というのを読んでいただきますと、骨太方針二〇〇六の中には、歳出削減策、それからプライマリーバランスの到達、大事なことが書いてあります。ただ、この中には経済に対する弾力条項というのがきちんと書いてありまして、異常な経済状況に陥った場合にはやはり歳出削減一本やりではやれません、またやってはいけませんということは、骨太二〇〇六にはきちんと書いてございます。

 ただ、骨太方針二〇〇六を書いた一人として、やはり成長率の見通しが高過ぎた、私はもっと低いところを主張しましたけれども、でき上がりは高い成長率になっているというのは少し現実離れ、そのときもしていたと思いましたし、また、実際に起きたこととすり合わせれば、ますます現実離れしてしまったと思っております。

階委員 それで、私が聞きたいのは、その現実離れした目標を立てて、結局それが未達成に終わってこういう状況になっているわけです。その責任はだれがどのようにとるべきだというふうにお考えでしょうか。

与謝野国務大臣 これは、経済の見通しで高過ぎたというのは、三%がいいか四%がいいかという話、あるいは二%がいいか三%がいいかという話で、若干の違いでございます。

 最大の問題はやはり、日本の経済が非常に大きな外需に依存していた、そこのところのかじを切れ切らなかった、またそこのところに気がつかなかったというのは、担当者の一人としては今非常に残念に思っております。

階委員 つまり、今大臣が率直に、誤りがあったということを認められているわけです。そういったことをまず総括していただかないと、今景気が悪くなったから景気対策だと言われてもなかなか納得できないわけです、今までと方針を変えているわけですから。その総括が足りないんじゃないかなというふうに私は常々思っております。

 少し論点を変えますけれども、先日七日の予算委員会での質疑のお話でございます。自民党の園田議員への答弁で与謝野大臣は、仮に将来消費税の増税をお願いすることがある場合、これは年金、医療、介護並びに少子化対策に全部使うという御答弁でございました。借金の返済には充てないという理解でよろしいのでしょうか。仮にそうであるとすれば、一連の今回の景気対策で膨らんだ借金はどのような方法で返済していくのか、その具体的なやり方について御説明いただきたいと思います。

与謝野国務大臣 将来の消費税を上げる場合は年金、医療、介護、少子化対策に使うということは、この財金委員会で御審議いただいた税法の附則に書かれていることでございます。

 今回の財政出動に関してどうするかという問題ですが、税法の附則に書かれた中期プログラム、これに関しましてもやはり若干の書き直しが必要だろうというふうに今考えておりますし、政府・与党合意の中でもそういうことが書かれております。

 これをいつやるのかということですが、六月になりましたら、骨太方針二〇〇九というのをきちんとつくって世に問わなければならないわけでございます。そういう中で、昨年から起きました世界的な経済状況の変化、日本の経済財政状況の変化、あるいは今回の大変大きい補正予算のこと、あるいはプライマリーバランスが到達できるのかできないのか、できない場合には何を財政再建目標とするのか、フローの目標にするのかあるいはストックの目標にするのか、一連のことは六月の骨太方針で全部まとめてお答えを出す予定にしております。

階委員 私の質問には答えていないと思います。

 つまり、今の中期プログラムの文言では、先ほどおっしゃったとおり、年金、医療、介護並びに少子化対策に使う、将来消費税を増税した場合、そのお金をですね。ところが、これを改訂するということをおっしゃいました。改訂すれば、今言った資金使途に加えて借金の返済というのも入ってくるということを今おっしゃりたかったのでしょうか。

与謝野国務大臣 消費税を仮に将来上げるということがあった場合は、すべてそこの税法附則に書いてあるとおりにするべきであって、行政の肥大化や財政再建に使うべきでない、また使うべきでないことは税法に書いてあるとおりでございます。

階委員 つまり、そこの部分は中期プログラムを改訂してもいじらないという理解でよろしいわけですよね。そこはいじらない。

 となると、やはり先ほどの問いに戻って、そうしたら、今回借金が膨らんだものはどうやって返していくんだろうという疑問があるわけです。何をもって返していくのか、具体的な方法を教えてください。

与謝野国務大臣 それがお答えできれば大変すっきりするんですけれども、やはり二〇一一年に税制の抜本改革をやりますときに、歳入歳出改革を改めてきちんとやるということでございます。

 我々が持っている借金というのは、さっと返せるようなものではありません。恐らく、この借金を解消するためには何十年かかかるはずですけれども、それでもその第一歩を踏み出さなきゃいけないということで中期プログラムをつくりましたし、また中期プログラムを改訂いたしますし、骨太方針もそういう気持ちを持って書かせていただきたいと思っております。

階委員 いや、それだとやはり納得できないのは、日ごろ大臣は、我々民主党の景気対策について財源論が幼いとかおっしゃるわけですよ。今聞いていると、借金はするけれどもその返済方法は今の段階では具体的にはわからないということであれば、我々の財源論を批判する資格はないんじゃないかと思うんですよ。そこはやはり、もし我々の方を批判するんだったら、その今の借金の返し方を明確に説明してもらわないと、批判する資格はないと思いますよ。

与謝野国務大臣 我々は、ないものはない、したがって借金をします、これは非常に明確なんです。

 ところが、民主党のお話はややアラビア・マジックのようなところがありまして、昔、私はパリでアラビア・マジックを見ましたら、何もないところに鉄製のふたをぽんと置くわけです。カンとたたくと、ぽっとやるとハトが出てくるという、ちょうど民主党みたいなマジックなわけで、ないところから物は出てくるはずはないのでして、やはり民主党の財源論は、もう少し御説明いただかないとだれも得心がいかない。そこをもうちょっと努力していただかないと、我々の理解の到底及ぶところではない。これはちょっと、わかっていただかなきゃ困るわけです。

階委員 済みません、それは開き直りだと思いますよ。ないものはないと言って借金しますよと。でも、借金を返す当てがないというのだったら、その借金をどう返すのかということこそがマジックじゃないですか。おかしいですよ。

与謝野国務大臣 ないものをないと言った方が正直で罪深くない、ないものをあると言った方が罪深いと私は思っております。

階委員 いや、それは……(発言する者あり)そうです。ないものはないんだったら、使わないのが筋でしょう。ないものをないと言って返す当てもない借金をするというのは、これは無責任だと思いますよ。これはおかしいですよ。もし、そういう主張をされるんだったら、我々の財源論も批判しないでいただきたいなというふうに思います。

 次の、経済危機対策についての質問に移ります。

 資料の二ページ目をごらんになってください。これは、皆様が日ごろごらんになっている、補正予算の概要という資金の入りと出の全体像を示したものでございます。

 今回、国費の投入額は十五兆四千億、こういう数字でございます。ただ、子細に見ますと、政策投資銀行への出資というものがございまして、この出資を現金でする分三千五百億は多分この十五兆四千億の一部に計上されているんだと思いますが、それ以外に交付国債による出資分一兆三千五百億、かなりの額でございます、それがあるというふうに聞いておりますけれども、なぜこの十五兆四千億の中にその一兆三千五百億を含めないというか、十五兆四千億にその一兆三千五百億は上乗せされないのか。この点について説明をお願いします。

木下政府参考人 お答え申し上げます。

 政策投資銀行に対し交付いたします交付国債は、政策投資銀行が実施する危機対応業務が一定規模以上に達しまして、政投銀から償還請求が行われた場合に初めて国費の支出が行われるものでございます。したがいまして、政策投資銀行に交付国債が交付された段階においては国費の支出が行われるものではございませんので、経済危機対策における国費の規模十五・四兆円には含めなかったところでございます。

階委員 予想どおりの答えなんですが、なぜ私がこれを確認したかといいますと、今回、問題になっている基金があるわけです。四十六基金、四兆三千六百七十四億円。この基金については、将来発生するものです、将来必要なときに支出すればいいお金ですけれども、これについても、次年度以降まだ支出すると決まっていない分については、なぜ交付国債で手当てしなかったのか。

 交付国債にすれば、今回の予算に計上する必要もなく、借金をする必要もないと思うんですけれども、もし、それを今積まなくちゃいけないということであれば、政策投資銀行への出資は交付国債にして、今回の基金については現金で数年度分をいきなり投じてしまう、これとの整合性はどう説明されるのか、御答弁をお願いします。

木下政府参考人 お答え申し上げます。

 地方公共団体等が特定の事業への出資のために造成する委員御指摘の基金でございますが、その基金に対する補助金等の交付については、その事業規模は、必要額というものは明らかでございますけれども、事業が複数年度にわたりまして、各年度ごとの所要額というものをあらかじめ見込みがたく、弾力的な支出が必要になるという事情がございますので、事業の効率的かつ円滑な執行という観点から、そういう基金というやり方を活用しているところでございます。

 他方、今回の政策投資銀行に対する交付国債は、危機対応業務の拡大に伴う資本金の増額の全体規模についても、具体的に、いつ、どの程度になるか事前に確定的に見込むことが難しいという点が違うわけでございまして、そういう中で、政策投資銀行の積極的な取り組みによる将来の危機対応業務の拡大に対応した増資の円滑な確保を現時点から担保する必要があるということ等から、今回交付することにしたものでございます。

 いずれにせよ、基金造成の補助にしろ交付国債の交付にしろ、使用せず残額が生じた場合には、国に返還させるなど適正な執行に努めることとしておりまして、財政資金の効率的使用に配慮したものであると考えております。

階委員 全然効率的な使用じゃないですよ。

 借金で賄うわけだから、借金してお金を調達して、それを基金として来年、再来年の分を積んでおくということは、それに利息が全部かかるわけですよ。それは全然資金の効率的な運用じゃないですよ。運用して、それで利息がどんどん入ってくるなら別ですよ。そんなリスクをとった運用なんかできるはずないですから。これは借金の利息がどんどん発生するわけですよ。

 何で交付国債にしないんですか。交付国債にして、必要なときにお金を調達すればいいじゃないですか。それをちゃんと説明してください。

木下政府参考人 基金造成の補助金につきましては、複数年における全体の事業規模はわかっているわけでございます。ただ、各年度の所要額をあらかじめ見込みがたいので、弾力的、円滑な執行を可能にするために基金を活用としたものでございます。

 したがいまして、そういう意味では、当年度にも相当程度支出が必要になるかもしれませんし、そこら辺、やはり基金という方法を活用したのはそういう事情によるものでございます。

階委員 全然納得できません。

 企業が数年間にわたって設備投資する場合に、例えば再来年これだけの設備投資をするという場合に、ことしもう借金をするんですか。そんなことは財務的にはあり得ない話ですよ。先ほど効率的な運用なんておっしゃっていますけれども、全くナンセンスだと思いますね。そういう無駄なことが多いからどんどん借金が膨らむわけですよ。せっかく交付国債という仕組みもあるわけですから、そういうことを活用してなるべく借金は抑える、借金する場合でも、本当に資金が必要なときに借金をすればいいじゃないですか。おかしいですよ。

 大臣、ちょっとその点について何か御見解はありますでしょうか。

与謝野国務大臣 建設国債や赤字国債、どかんと一遍に発行して資金をとるわけではありませんで、逐次市場の様子を見ながら出していくということをやっておりますし、これは市場の様子も見ますし、また資金繰りも見ながら当該年度の国債発行を順次行っていく、また短期、中期、長期、いろいろな国債もいろいろ組み合わせながらやっていくわけでございまして、何か、必要な予算額と同じ額の国債をいきなり冒頭で市場に出して、市場から資金をとる、そういうことをやっているわけではございません。

階委員 でも、基金は数年度分を一挙に積むわけでしょう。だから、その分の資金は早急に調達する必要がありますよね。それはそのとおりでよろしいですね。

木下政府参考人 お答えいたします。

 基金は、先ほど申しましたように、全体の事業規模がわかっております。したがいまして、複数年度にわたる国の支援を明確にして、全体としての財源をあらかじめ確保しておくことが施策の安定的、効果的な実施に資するというふうに考えております。

 一方、交付国債については、先ほど申し上げましたように、資本金の増加が実際に幾ら必要になるか、全体の規模についても事前に確定的に見込みがたいということでございます。そしてまた、交付国債については、財政規律等の観点からも、従来より極めて例外的に、個別の根拠法に基づき発行することとしておりますので、やはり交付国債というのはあくまで例外的なものであるというふうに考えておるわけでございます。

階委員 いや、借金を膨らませないための交付国債ということで、この交付国債で政策投資銀行に出資するというのは与党の議員立法だったと思います。先日、その提案者の方から民主党は説明を受けましたけれども、そのときに提案者の方は、多分この委員会の前の筆頭理事の大野先生だったと思いますけれども、大野先生がおっしゃっていたのは、こういう交付国債をすることによって財政の悪化を防げるんだということで、胸を張っておっしゃっていましたよ。

 そういうことがあるわけですから、今の説明だと、交付国債はイレギュラーで、余り使うべきじゃないというのは、僕は余り納得がいかないということを申し上げておきます。

 それから、次の質問です。

 今回、十五兆四千億という予算の財源、財政投融資特別会計受入金が三兆一千億ということですけれども、これまでも何回か、この財政投融資特別会計の金利変動準備金の取り崩しについて議論がされてきたわけです。既に来年度分まで取り崩しが決まっていたと思います。基礎年金の三分の一を二分の一に上げられない部分について、それを賄うために取り崩していこうということまで決まっていたかと思います。今回また三兆一千億取り崩すわけでありますけれども、これによって、来年度分まで勘案しますと、取り崩しをした結果、準備金の残額は幾らになるかということを聞きたい。

 それから、今回、七兆八千四百億円という財政投融資の追加も計画されているわけです。これを加味すれば、当然融資が膨らむわけですから金利変動準備金の所要額はふえると思います。それらを勘案して、本来必要な準備金の金額と、現実の取り崩しを進めていった結果の金額との差額は幾らになるのか、その点について教えてください。

佐々木(豊)政府参考人 金利変動準備金の額についてのお尋ねでございますが、財投の金利変動準備金につきましては、今回の財源確保法によりまして、二十一年度及び二十二年度の臨時的、特例的な措置として一般会計に繰り入れることができるというふうにされております。

 二十一年度当初予算の編成時におきまして、二十一年度末の金利変動準備金の残高見込み額は六・五兆でございました。それで、今回提出しております二十一年度の補正におきまして、三・一兆円を一般会計に繰り入れるということにしておりますので、結果的に、二十一年度末における金利変動準備金は三・四兆円になるというふうに見込んでおります。

 この三・四兆円につきまして、二十一年度末の財投の総資産額は、今回七・八兆円の追加をいたしておりますので、総資産は百八十九兆円になります。この百八十九兆円の準備率の上限の千分の五十を掛けますと、九・五兆円ということになります。先ほど申し上げましたように、二十一年度末の準備金は三・四兆円でございますので、差額は約六兆円ということになります。

階委員 九・五兆と三・四兆の差額で、今年度末には六・一兆円不足が生じると。これは来年度になりますと、先ほど僕が申し上げましたとおり、また公的年金の部分でさらに取り崩しが既に予定されているわけです。それが多分二兆以上になるかと思います。となってくると、今現在でも六・一兆の積み立て不足、さらに来年になると八兆とか九兆ぐらいの積み立て不足になります。

 この積み立て不足について、今後穴埋めしていくのかどうか、もし穴埋めしていくとすれば、その具体的な方法はどうされるのか、これは大臣からお願いできますでしょうか。

佐々木(豊)政府参考人 今般の措置によりまして、御指摘のように、金利変動準備金が準備率の上限を下回るということになりますが、当面は、過去の比較的高い金利の貸付金残高から利益が生ずるということが見込まれておりますので、これを金利変動準備金に積み立てることができるというふうに考えております。

 また、分母であります総資産につきまして、財投事業の一層の重点化、効率化を行いまして、将来、総資産の規模を極力抑制するということによりまして必要額も圧縮していけると考えております。

階委員 もう一度確認しておきますけれども、今年度末で金利変動準備金の積立残高は三・四兆になって、来年になるとそれが二兆なり、もうちょっと引き落とされると一兆円台になってくるということで、金利変動準備金というのは風前のともしびで、存在意義があるのかどうかというのも非常に疑わしいわけです。

 我々というか、少なくとも私は、この場で何回も言っているんですが、金利変動準備金というのも、先ほどの交付国債の議論と同じようなもので、必要なときに資金を調達すればいいんじゃないか、わざわざ積んでおく必要があるのかどうかということを問題意識として述べさせていただいております。

 この点についても、もうほとんど存在意義がない、一兆ぐらい残していくぐらいであれば、これは将来必要になったときに用意すればいいということで、こういう埋蔵金みたいなものは積極的になくしていくという方向性の方が正しいんじゃないかと私は思います。大臣、もしお考えがあれば。

与謝野国務大臣 少しでも残っていれば少しは安心ですけれども、使ってしまえとおっしゃるんでしたら使ってしまいます。

階委員 何か身もふたもないようなお話をされるので、ちょっとペースが狂っちゃうんですけれども、そういう斜に構えたようなお話じゃなくて、やはりこれはまじめに、本当に、果たして積んでおく意味があるのか、準備金を置いておく意味があるのかというのをちゃんと考えていただきたいと思います。

 最後に景気対策の話をします。

 この十年ぐらい、二十一世紀に入ってからの経済の動きを見ておりますと、企業業績にしてもマクロ経済にしても、余りに浮き沈みが急で、これが生活者の将来への不安を高めて消費を抑制しているというふうに思うわけです。そういう状況を踏まえると、単発的ないし時限的な経済危機対策というのは余り効果がないのではないか、やはり恒久的な、景気対策というよりは生活安定対策、生活安定政策が必要なんじゃないか、それが国民経済を安定的に成長させていく最善の方策ではないかというふうに思うわけです。

 民主党はそういう立場に立っておりますけれども、大臣はどのようにお考えでしょうか。

与謝野国務大臣 日本の経済については、二〇〇二年以降、輸出や設備投資が牽引する形で息の長い景気回復が続いてまいりました。むしろ、浮き沈みは小さい方の時期であったわけです。しかしながら、世界的な金融危機と、それによります世界経済の減速の中で、外需が非常に落ち込んだことによりまして我が国の景気は急速な悪化が続いておりまして、厳しい状況にあると認識しております。

 このような経済状況に対応するため、今般取りまとめた経済危機対策においては、一つは、景気の底割れを防ぐため、雇用対策や資金繰り対策を行っていること、二つ目は、未来の成長力強化につなげるため、低炭素革命や健康長寿社会構築に向けた施策を取り入れていること、第三は、国民の安心と活力を実現するため、地域活性化や社会保障、介護、子育て支援策などを盛り込んでおります。

 こうして多年度を視野に入れ、私どもとしては、時宜を得たさまざまな施策を講じることにより民需主導の自律的回復を促進してまいりたいと考えております。

階委員 あと残された時間もだんだん少なくなってきたので、法案の方の話に移りたいと思います。

 まず、住宅取得等のための金銭贈与に係る贈与税の時限的軽減措置というものについて、ちょっとお伺いしたいんです。

 資料の三枚目はその制度の概要ですから省くとして、もう一枚めくっていただきますと、この制度を実施した場合の経済効果というのがあります。国土交通省が作成しておりますけれども、この制度、減税を実施した場合、減税というか非課税措置と言っておりますけれども、それを実施した場合の住宅投資の増加について、年間ベースで約一・二万戸ふえて、二千八百億円、年間投資が見込めますというふうなことが、この表の真ん中ぐらいに書いております。

 思うんですけれども、もう一枚めくっていただきますと、今までの制度の中で、三千五百万という金額が相続時精算課税ということで、三千五百万までは税率が軽減されて、それで税制上の優遇が受けられた。これが三千五百万から四千万に膨らむわけでございますけれども、もともと三千五百万以下の贈与をしていた人が大半でございまして、三千五百万超の贈与をしていた方は、この資料五で見ますと全国で二百五十六人しかいなかった。ちょっと広げて、例えば三千二、三百万の人も、この制度ができれば、今までは三千五百万以下にとどめていたものをもうちょっとふやそうということになるかもしれません。

 そういったものも考えると、二百五十六人よりもうちょっと多くの方が、年間では、この改正された制度で贈与をしていくんだろうなとは思うんですけれども、どんなに見積もっても、大体これが一万人も利用するとは到底思えないわけでして、甘目に見ても千人ぐらいかな、そうすると、住宅投資の増加も一千戸程度かなと。国土交通省が一万二千戸と言っているのは、いかにも過大じゃないかな、多過ぎるんじゃないかなと思うわけです。

 この辺について、一万二千戸、あるいは金額ベースで二千八百億、この見積もりの相当性をどのように考えているのか、教えていただけますか。

佐々木(基)政府参考人 お答えいたします。

 住宅ローンを組んで住宅取得をされる方のいわゆる頭金でございますけれども、手持ち金の実態を見ますと、手持ち金五百万以下の方が約半数を占めているというような状況でございます。今回の措置は、その必要な頭金といいますか手持ち金を確保できるものでございますので、一般の住宅取得等の促進の観点から見て非常に使い勝手のいい内容となっているんではないかというように考えております。

 こうしたことから、今回の措置によりまして、これまで相続時精算課税制度を利用されていた方々に加えまして、新たな資金贈与も多く発生すると考えています。いわば、すそ野が広がるんではないかというふうにも考えているわけでございます。

 今回の推計におきましては、過去の贈与税に係ります制度改正の実績から、今回の措置が実施された場合におきます住宅取得等資金の受贈者数でございますとか、あるいは受贈額というものを推計しているところでございまして、こうしたことから、今回の五百万円非課税措置の創設によりまして、住宅取得等資金の受贈者につきまして、現在、相続時精算課税は年間四万人でございますけれども、これが五・七万人に増加いたしまして、住宅投資につきましては一万二千戸相当の約二千八百億円増加するという推計をしているところでございます。

階委員 もう一つ、中小企業の交際費課税の軽減についてという話に移ってまいります。

 資料の六というのはこの制度の概要ですから、控除限度額が四百万が六百万にふえる、これはそういうものだということで、資料七を見ていただきたいんですけれども、この平成十九年度の会社標本調査なる資料によりますと、今現在、交際費を四百万より多く支出しているところというのを見ますと、一番右のところに「平均支出交際費」というところがございます。中小企業のところだけで見ますと、大体四百万を超えているところというのは、まず利益計上法人であるというのが一つ。その中でも、資本金が五千万円以上であるというところが当てはまるということですから、利益計上し、かつ資本金が五千万以上のところが四百万を超える交際費を支出しているわけです。

 その数というのが、法人数でいうと二万九千三百七十四。中小企業全体の数は何社あるかといいますと、この統計でいいますと二百十六万九千社ぐらいあるわけです。ということは、結局、四百万を上回るような交際費を支出しているというところは全体の一・三%程度なんですね。この数字というのは平成十九年度のものですから、これは景気がどんどん悪化していく中でさらに少なくなっているというふうに当然考えられるわけです。

 それらを加味すると、なぜ一部の中小企業しか恩恵を受けられないような今回の改正を行うのかというのが疑問です。その点について説明をお願いします。

    〔委員長退席、山本(明)委員長代理着席〕

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の中小企業の交際費課税の軽減措置につきましては、現下の経済情勢において需要不足に対応することが求められる中、交際費の支出へのインセンティブを与えることで中小企業の営業活動の促進が期待でき得ることに加えまして、交際費の多くは飲食店で消費されると考えられることから、料飲業等の需要喚起にもつながることを考慮して改正を行ったものでございます。

 御指摘のように、この政策、いろいろな経済対策の中の一つとして、政策総動員の一環として行うわけでございまして、今申し上げた政策目的を達成するためには、交際費支出を拡大する余力を有する中小企業がメリットを受ける仕組みとするということはやむを得ないことだと思っておりまして、ぜひその趣旨を御理解いただきたいと思っております。

階委員 一部のところだけが恩恵を受けるというのは、やはり社会的な公平感という観点から見るとどうかなという感じがするわけです。

 それと、もう一つ。中小企業の経営基盤の強化という観点からすると、こういう交際費によって時間とお金を使っちゃう、中小企業、飲み食いも、それはコミュニケーションの円滑化とかそういう意味では大事なのかもしれませんけれども、私は、中小企業にはむしろもっともっと本業に邁進してもらって、今回の施策の中には研究開発税制の拡充ということも含まれているわけでございまして、どちらかというと、そっちの方にお金を振り向けていただきたいなと思うわけです。

 そういう交際費課税を減免するという措置と研究開発税制を拡充していくという措置、これは何か、両方やるというのが、どうも政策のスタンスがいま一つはっきりしないな、哲学がちょっとわからないなと思うわけです。

 大臣としては、会社の資金が交際費として社外流出することを促すような今回の改正について疑問は持たれないのかどうか、そのことをちょっとお聞かせください。

与謝野国務大臣 これは中小企業に限っての減税策でございまして、こういう減税策をとっても、中小企業が自分たちの営業活動にその全額を使えるかどうかということすら疑問であると思いますけれども、やはり使えるようにしておくということもまた大事なことであると思っております。

 当然、中小企業は、自分の事業のためにはいろいろな営業活動をしなければならないわけですから、その営業活動に対してある程度の自由度、税法上損金として取り扱う額を六百万にするというのは、私は、中小企業の方々にとっては一つの大事な、営業あるいは経営の範囲を拡大するために大事な手段の一つであると思っております。

 ただ、これを全額使いこなせる中小企業がそうやたらとあるわけではないということも、一方では事実であると思っております。

階委員 最後に、哲学だけちょっと聞かせていただきたいんですが、今回、今申し上げたとおり、交際費課税を軽減するというものと、研究開発税制を拡充して研究開発投資を促すという両面をやっていますけれども、大臣は、日本の今後の中小企業の成長のための施策として、どっちを強化していくべきだというふうにお考えですか。これは、哲学としてやはりはっきりさせていただければなと思います。

与謝野国務大臣 多分、研究開発の方は、中小企業も入りますでしょうけれども、中堅企業あるいは大企業等も利用する税制であると思っております。

 両方の税制をお願いしているのは、両方の税制とも、経済対策上極めて重要で、同じぐらい重要であると思っているからであります。

階委員 景気対策ということを離れてちょっと哲学をお聞きしたかったんですけれども、この点についてはまた次回以降ということにしまして、これで質問を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

山本(明)委員長代理 次に、和田隆志君。

和田委員 民主党の和田隆志でございます。

 与謝野大臣に御質問させていただきたいと思います。あえてかつての勤務先である上司にはずっと退席していただきましたが、今回の質疑では、大臣、私自身いろいろ仕事には携わらせていただきましたが、何度も補正予算を組む作業をさせていただいている中で自分でも納得のいかなかったところもございまして、そうしたところを政治の力でこれから先どのように変えていくのがいいのかという観点から、大臣のお考えをお聞きしてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。

 まず、本当に数々の補正予算が編成されてまいりました。そのときに、私自身、いろいろ作業をさせていただいてみて、また、もう大臣も御就任以来何度も国際会議にお出かけになっておられますけれども、日本の追加的な財政措置を講じていく過程が、外国から見ても、また最終的にその予算の裨益をこうむるはずの国民の皆様方から見ても、補正予算なるものの編成のタイミングと規模とが、どうも不十分ではないか、タイミングが遅いのではないか、こういった御感想をいただくことが多かったように思うわけでございます。

 先ほど同僚委員の質疑を聞いておりまして、大臣の方から御答弁がございましたが、私たちはこの国会で予算の審議を大きな使命としているわけでございますが、本予算の審議にしましても補正予算の審議にしましても、本来私たちが考えなければいけないのは、そのときそのときの経済情勢に応じて、一番ベストなタイミングでベストな規模の財政措置を講じることであることは間違いございません。しかし、先ほどの大臣の御答弁を聞いていますと、先般御質疑させていただいたときにも出てまいりましたが、長年、国対の経験もおありの与謝野大臣の言葉として、一たん予算の審議に取り組んでいるときに、追加的な財政措置、ニアリーイコール補正予算だと思いますが、こういったものの発言をすること自体がタブーになってしまっているというふうな御答弁がございました。

 私、これは与野党ともに真摯に考え直すべき点じゃないかと思っているんですけれども、本来ならば本当に経済状況に応じてそれぞれの立場から、追加的な財政措置が必要なのであれば、お互い歩み寄って、それに邁進すべきであるというのが私の素直な、財政部局におったときの感想でございます。

 まず、この点において、大臣、先ほどはタブーとなっているというふうに御答弁なさいましたけれども、タブーのままでよろしいのかどうか、大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。

与謝野国務大臣 これは、事実の問題としてだけまず申し上げますが、一たん出した政府案を政府みずからが修正をする、手を加えるというのは、事実の問題としては難しいわけでございます。

 ただし、先生が言われるように、昨今のような著しい経済変動があったときに、そういうぎこちないやり方でいいのかどうかという問題は当然残るわけでして、国会審議のあり方、政府の予算提案の権利あるいは国会での修正の可能性、これは実は長年議論をされているんですけれども結論が出ていないことの一つで、かつて予算が修正されたという例を私は見たことがない。本当にそれが正しいことなのかどうかというのは、これから皆様方が解決しなきゃならない重要な問題の一つだと私は思います。

 というのは、仮に、予算を審議している過程で野党から重要な提案があったといったときに、その提案と予算との関係は一体どうなるのか、そういうような問題は、実はずっと国会では未解決になっている。ですから、先生の御質問にお答えするとしたら、予算と各党の立場というのをどう折り合いつけるのか。今は、政府が一度提出しますと、与党もそれだけ担いでまっしぐらに走る。そういうあり方が今後の予算の審議のあり方として正しいのかどうかというのは、一度国会で議論をやはりきちんとしていただく必要があるのではないか、私は素直にそう思っております。

和田委員 私もその一員でありたいというふうに思っております。

 私、まだまだ自分自身が不勉強でございますけれども、ぜひ委員各位にもお願いさせていただければと思うんですが、外国で議会の予算審議がどのようになっているか、お互いにもう少し研究してみる必要があるんじゃないかというふうに思っています。

 先ほど大臣の御答弁にもありましたとおり、これから先、今回のような急激な経済状況の変化に応じた財政対応というのは幾らでも要求される機会が訪れるんだと思います。世界での資金フローが一気に大規模に動く世の中になればなるほどでございます。そうしたときに、今のままでいいとはとても考えられないので、そうしたことをこういった国会の議論の場に、ぜひ胸を張って俎上にのせていきたいというふうに思っているわけでございます。

 そういった意味で、今大臣が諸外国との国際会議にお出かけになってみられて、今の日本の財政運営の現状が、諸外国のこの急激な経済状況の変化に対応する財政措置の講じ方と比べて遅いとまではお感じになっていらっしゃいませんでしょうか、いかがでしょうか。

与謝野国務大臣 意外に早い方だとむしろ思っております。

和田委員 そうお感じになっているのであれば、まだ私どもも諸外国におくれをとっているというふうに引け目を感じなくてよろしいのではないかと思っております。

 もう一つは、私自身がいろいろな過去の同僚、友人から聞きます声としまして、これは特に外国から多いのでございますが、日本の場合、本予算が成立して執行されている間に追加的な財政措置としての補正予算が検討されていくけれども、その規模というものが、大きく言えば、財政によって国民の皆様方に元気を、勇気を持っていただいて、次なる経済活動に取り組んでいただくという意味において非常にシャビーなのではないか。大いなる安心を与えるためには、理論上考えられた財政措置として必要だと思われるような規模をもう一歩上回って、どんと安心を与えるような財政措置を組むべきではないかというような御意見もあるようなんですが、この点については、財務大臣、今いかがお考えでしょうか。

    〔山本(明)委員長代理退席、委員長着席〕

与謝野国務大臣 主観的にはどんとやったつもりなんですけれども、それでも、大き過ぎるという方もおられるし小さ過ぎるという方もおられますが、これは実際のつくる過程では、一方では愚直に個別の項目をずっと積み上げていく、先生はよくその辺の事情は御存じだと思うんですけれども、非常にまじめな作業をやっていったわけです。一方では、諮問会議の岩田先生と吉川先生がマクロ的な観点から計算してくださった。

 それからもう一方は、IMFや何かがフィスカルスティミュラスという、大体二%ぐらいやったらどうだろうか、こういうことを言っておられて、そういう三つのことをあわせ考えながらやってまいりましたら、大体その三つの考え方が同じぐらいの幅のところに落ちついたということで、何かまず額を決めておいて予算を決めたわけでもありませんし、積み上げだけで決めたわけでもありませんし、国際的な要請だけを聞いて予算をつくったわけでもない。別々にやっていて、くしくも大体同じところに落ちついた。

 もう一方では、どうしても、我々としてはこの経済対策で何を目指すか、私の気持ちの上では大きく言えば三つのことを目指していたわけです。

 一つはやはり、欧米が悪い悪いと言われながらマイナス三とか四とかでとどまっている。ところが、日本は六とか七マイナスになっちゃう。これは何とか欧米の水準のところまでは戻したい。それから、どんな不況であっても、過去経験した最高の失業率を絶対に超えないようにしようということが一つ。それからもう一つは、ちゃんと事業はやっている、中小企業であれ中堅企業であれ、事業はやっているんだけれども、資金繰りで倒産した、この資金繰り倒産だけは絶対避けよう。おおむね三つのことがありました。

 そのほかに、付録として、低炭素社会とか、あるいは将来の研究開発とか、医療とか介護の充実とかということはありましたけれども、大きく言えば、その最初の三つのことが我々が目指したことであると思っております。

和田委員 今の大臣の御答弁は私としても大いに評価させていただければと思っております。

 今おっしゃった三つの視点というんでしょうか、そういったことをお考えになった結論として、今回の追加的な財政措置が十五兆円程度ということになっているということにお聞きしておけばよろしいんだと思いました。

 すると、今度はもう少し、規模とタイミングの問題を卒業しまして、その十五兆円がベストミックスになっているのかどうかという視点から御質問させていただければと思うんですけれども、今の御答弁、日本が最大のGDPの下げ幅を記録している中で、何とか欧米並みには戻していくようにということが視点としてとらえられているということでございますが、この戻していくための最大の要素は、今回何の部分にお金をつぎ込むことが最大の効果を上げるとお考えになってのこのミックスなんでしょうか。

与謝野国務大臣 実は一番簡単なのは、どかんとお金を使って、何でもいいから公共事業をやってしまうというやり方なんですけれども、最初からそういう発想はやめよう、やはりどうせお金を使うんだったら、将来花開く分野あるいは国民の便益の向上に直接つながるようなことに使おうと。公共事業ありきという考え方は全くなかった。ですから、むしろどの分野にお金を使えるのかといいますと、実は意外なことに、雇用対策、医療とか介護とか、あるいは太陽光とか、そういう今まで余り考えられなかったような分野にお金がどんどん行ったわけでございます。

 ベストミックスかどうかということは最後までわからないと思うんですけれども、最初の考え方からして、お金は使わなきゃいけない、財政出動を通じて需要を創出しなきゃいけないけれども、みんなから無駄じゃないかとかやり過ぎじゃないかとか、そういうことは言われたくないな、そういう思いでつくったのが実は今回の予算でございます。

 ただ、これがベストミックスかどうかというのは自信を持ってはお答えできませんけれども、なるべく将来性とか、有効性とか、有用性とか、国民の生活に直接かかわるとか、そういう幾つかの視点でやったことは間違いない。昔ながらに、どんと地方にほうり投げて公共事業をやろうとか、そういう安易な考え方ではこの予算は一切つくっておりません。

和田委員 過去の公共事業ありきの補正予算というところからは卒業したという御宣言のようにお聞きいたしました。

 そうであれば、今ベストミックスかどうかの自信はないとおっしゃっておられましたが、こういったことは結果が証明するものでありまして、どの数字がどれだけ正しいということを今言えるわけではないのはよくわかります。民主党の政策との比較論でいえば、ベストミックスの点で、今の政府・与党の提案されているものとは少し違うものが我々の提案となっているということだと思います。

 そこで、大臣のおっしゃっておられた、今回編成された大きな視点として今三つ挙げておられた二つ目でしたけれども、失業率を過去の失業率より大きなものには絶対にしないぞという決意を持って取り組まれたということでございました。この御決意、我々としても大いに同じ路線を歩んでいきたいと思いますけれども、そうおっしゃる割には、我々から見れば、この部分の政策規模が少し小さいのではないかというふうに感じる次第です。また大臣なりの御所見を述べていただければと思いますが、少なくとも、今我々が外の世界で国民の皆様方がお感じなっておられる雰囲気をお伝えすれば、このようになるかと思います。

 この政府提案の補正予算、もしくは本予算として成立、執行されておるもの、それらをあわせて考えてみても、今現在発生している失業者、もしくはこれから新規に発生する失業者、大臣の御答弁では過去の記録より上回ることはあり得ないように組んでいるはずだということでございますが、過去最高値、ちょっと私も覚えておりませんが、そこまで行くとしたときに、その失業者を全体としてカバーできるにはほど遠いという数字だと。恐らくその数字の関係については多分大臣もお認めになるんだと思いますけれども、私どもからすれば、失業者が何万人も出ている状況、これから二十万人、三十万人とも言われますけれども、いずれの数字になるにせよ、今の我々が求められている景気対策のイの一番が、だれもが最低限働けるという世の中の実現ではなかろうかという気がしているわけでございます。

 大臣、これはちまたでいろいろ取材してまいりまして、国民の皆様方、もしくは企業の経営者の皆様方からもお聞きした御意見ですが、失業者の方々がこれから先ふえていくということが、日本の国の財政についても地方の財政についても、よく国民の皆様方も勉強していらっしゃって、雇用保険の枠組みではもうカバーし切れない、失業給付も期限が来れば切れる、そういった中で失業者がそのまま生活保護の受給者になっていくときには、そら恐ろしい財政負担が生じるのではないか、こういうような心配、不安を持っていらっしゃる国民の皆様方が多いように見受けられるんです。

 今、大臣の御所見では、これだけの財政規模を講じてこれぐらいの雇用政策を発動することが、将来失業者としてそのまま残っていく方々が財政負担の大きい生活保護に移行することを考えて見ても、この規模でベストだと思われているのかどうか、この点について御答弁いただけますでしょうか。

与謝野国務大臣 まず、すべての国民は働いて自分で稼いで自分の家族を養いたいと、普通の方は全員そう思っておられると思います。したがいまして、雇用機会をまず喪失させないようにするという意味で、雇用調整助成金、これは先生御存じのように、いわば国が賃金を肩がわりして払うということと同じことでございます。これで恐らく雇用としては三百九十万人ぐらいの雇用が社外に流出することを防げる効果があると思っております。そのほか、いろいろな景気対策、経済対策をやっていますから、新規に雇用が創出できる数というのは四十万から五十万だろうと推定されております。

 それからもう一つは、やはり一度失業された方をそのまま放置するのかどうかという問題です。ただ失業保険を上げておけばいいというものではない。失業をある分野でされた方が他の分野に行って働くためには、一定の知識とか技能とか、そういうものが必要でございますから、それに対して知識や技能の訓練、これをやはり一種のスプリングボードとして次の局面に移っていただく、そういうための予算も相当つけております。

 それから、失業されて住宅にあっという間に困ってしまった、社宅から立ち退きを求められた、そういうことに対しても相当な予算を使っておりまして、雇用対策としては一兆三千億、直接雇用対策としての資金が一兆三千億ぐらいですから、過去最大の規模の雇用対策をお願いしているところでございます。

和田委員 今大臣のるる御答弁なさった内容で、大臣のお考えとしては、日本の救うべき失業者の方々はきちんと救えるはずだというふうにお聞きしましたが、その御理解でよろしいんでしょうか。

与謝野国務大臣 失業率はもう既に四・八%になっておりまして、過去最大の失業率は五・五%ですから、もうすき間は小さいわけです。すき間が小さいわけですから、ここが頑張りどころではないか、私はそう思っております。

和田委員 お考えは受けとめました。

 地域に出まして実感として持つことを少し御報告しておきたいと思います。

 今の対策そのものは私自身も評価させていただきたいと思いますが、ただ、それでもなお、特に若年者の方にこのままではまだ十分ではないんではないかというような懸念が私にはございます。それというのも、先ほど大臣も関係部門にちょっと触れられたように思いますが、今の若い世代の勤労者の方々は、どうも働く気はあるんだけれども、自分のやりたいことと提供される勤労の機会、分野といったものの間にかなりのミスマッチが起きてしまっている。また、やりたい割にはまだ十分能力が備わっていないので、企業から見てもとても雇用するわけにはいかないということがかなり広く広がっちゃっているような気がいたします。

 今大臣は、そういったものを解決するために職能訓練等についても予算をつけているというふうにおっしゃられておりましたが、私が実感しましたのは、職につく、つかない、ぎりぎりの二十歳、三十歳代の方々に対する手当てとしてそれがあるのはそれでよろしいんですが、もう少し手前から、まさに経済対策、景気対策であればこそだと思うんですけれども、教育を受けている期間から、自分がどのような道に進むか、またどのような仕事をきちっとやる気を持ってやるかといったことを国全体として仕向けていくような方向性を持った方がよろしいのではないかというふうに思った次第です。

 具体的に言うと、高等教育機関における職業を持つための国としての全面的な支援といったことが、これから将来、考えていい分野ではないかというふうに思った次第です。例えば、諸外国はいろいろ、勉強はまだ足りませんけれども、奨学金制度なるようなものをもっともっと実際の社会就労に寄せたふうな形で考えていくとか、そういったことはこれから将来考えていいのではないかと思うんです。

 今私が申し上げたような、一般に社会人として職にあぶれそうな方々の手当てという以外に、もう少し若い時期からそれらの手当てをすることも本当に考えていい時期に差しかかったんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

与謝野国務大臣 私は、仰せのとおりだと思いますし、そのような方向で物事を判断していかなきゃならない時期が来たと思います。

 特に、例えば農業というような分野を考えますと、大変とうとい職業分野だと思うんですけれども、若い方は農業に対する就労意欲というのは非常に少ないように見受けられる。これはやはり大事な仕事であるし、働きがいもあるし、一定の収入も確保できる職業分野である、そういうように物を考えてやっていかなければならないと思っておりますし、どの職業であっても、それぞれの職業はとうといものである。

 ただ、ここ十年ぐらい世の中が浮ついて、何かぱっと、いろいろやればお金がどかんと入ってくるような浮ついた風潮が社会に流れてしまった。これは大変日本の社会にとってはマイナスなことだったと私は思っていまして、やはり地道に、物づくりとかサービスづくりとかそういう地道な分野でみんなが富をつくり出していくという、手がたい風潮にやや逆行するような風潮というのが一時期あったということを非常に私は今残念に思っております。

和田委員 問題意識は共有していただいているようですので、これからぜひ御検討いただきたい分野でございます。

 次に移りたいと思いますが、今回の補正予算の中身を決めていただく際に、いろいろと大臣の方でも諸外国で発動されている経済対策等を御勘案の上で、とはいえ、日本として日本の国情を勘案して編成されたものと思っておりますが、私自身少し、外国の実情を見ましたときに、外国では取り入れているのに日本で今回取り入れようとされていない部分があるかなというふうな感じを持った次第です。

 これは、二十一年度本予算のときにいろいろ勘案したんだというふうに言われればそれまででございますが、例えば、実際にこの経済対策、景気刺激効果という意味で最大のものを上げていくというふうに考えた際に、ちょっと言い方は悪いんですけれども、今回盛り込まれている租特の項目というのはかなり細々としたようなイメージが私にはございまして、もっと国民の皆様方に元気を与える意味では、どかんというのを項目としてもやるべきではないかというふうに思ってお聞きするんです。

 諸外国では、今回の経済対策、例えば所得税の減税とかそれから消費税の一時期の減税だとか、そうしたものが行われているように伺っていますけれども、こういったことは大臣のお考えには入ってこなかったんでしょうか、いかがでしょうか。

与謝野国務大臣 実は、最初から全く考えつかなかった案でございます。もちろん、アメリカのオバマ政権の減税案は知っておりましたし、またイギリスで一時的に付加価値税を下げるということはもちろん知っておりましたけれども、日本はそういうことをする余地はないと思っておりました。

和田委員 今大臣のお考えは承りましたが、ここは恐らく対立点だと思います。

 今ちまたに流れております御意見をお聞きしてみましても、本当に経済対策として短期間に早く景気を回復させるための措置として考えるならば、大臣は先ほど規模やタイミングとして引けをとってはいないというようなことを御答弁なさっておられましたけれども、こういったものこそ、大きな玉を一つどんと入れることによって国民の皆様方に大きな波及効果を呼ぶべきではないかというのが私どもの意見でございます。こういったことを、ある程度考え方の違いを明らかにしながら審議するのが本来の国会審議のあり方でございますので、ここから先は考え方の違いとしておいておいて、審議を進めたいと思います。

 そうであれば、大臣の御提案になった補正予算の中身、これについて、幾つか国民の皆様方の御意見を聞いてまいりましたので、それに対して御答弁いただければと思うんですが、まず、今回項目として考えられているのが、贈与税の軽減措置から参りましょう。

 租特の各項目に入りますけれども、この贈与税の軽減措置、講じられて対象になる方は当然うれしいわけですが、なぜこれを、高齢者が持たれている大きな資産を若い世代に移転するのに住宅取得に、住宅取得等も入っておりますけれども、それらに使途を限定されたのかということが理解できない、これに納得がいかないという国民の皆様が結構いらっしゃるのでございますが、これについてはいかがでしょうか。

与謝野国務大臣 もうこれは先生に申し上げるまでもなく、日本の金融資産というのは千五百兆もある、こう言っているんですが、それを年齢別の分布にしますと、年齢階層の高い方に全部偏ってしまうというので、何とか消費を盛んにするためには、年齢階層の高い方の持っている金融資産を年齢の低い方に上手に移そう、こういうことを最初相談していたわけです。

 そのためにはやはり贈与税を相当拡充した方がいい、私は個人的にそう思っていましたし、党の方にもそういうことでお願いしたいということでお願いしたんですが、党の方の議論は、余り贈与税を緩めると金持ち優遇の批判にこたえられなくなっちゃうというので、五百万円が精いっぱい、しかも使途は住宅に限ると。これは党との議論でそういうことになってしまったんですけれども、私個人としては、高い年齢階層の貯蓄、これを若い方が使える、そういう状況をもう少しつくり出した方がいいんじゃないか、これは私個人の考え方で、相当主張したんですけれども、党との議論で合意が得られなかったというのが正直なところでございます。

和田委員 経緯は理解いたしましたが、今の大臣の御答弁の中で、私がお聞きしたかった部分が少し含まれていない部分がございます。

 要するに、大臣はお金の額にしても使途にしても広目にやっていきたかったんだけれども、党からそれは認めてもらえなかったという御答弁でございましたが、認めてもらえなかったとはいえ、少なくとも合意された上で提案されたわけでございますので、今回高齢者から若い世代に資金を移転する際に、なぜ住宅というものに対してテーマ設定をしなければいけないのかということが理解しかねるとおっしゃる方が多いのでございますが、ここはいかがでしょうか。

与謝野国務大臣 一つは、使ったという証明が容易に成り立つ。それから、確かに住宅を建てたという、消費に回った、需要を喚起した、そういう点があります。もう一つは、これはもう先生よく御存じなんですけれども、相続税というのを本当にみんなが払っているのかというと、百人の相続のケースで、実際に相続税を払っているのは、九十六人払っていない、百人のうち四人しか、四ケースしか払っていない。ですから、死亡時に相続で渡すと税金がかからなくて、生前に相手方が必要なときに贈与すると贈与税がかかるというのはおかしいじゃないかというのが我々の立場だったわけです。

 これは党も相当、金持ち優遇批判が出てくるということで気にして、一時期はこれを一切認めてくださらないというような議論にもなったんですけれども、やはり必要なんじゃないかというので、まあ、五百万円、住宅に限ってようやく認めていただいたというのが真相でございます。私どもとしては、もうちょっと幅広い消費に適用できるような贈与というのができないのかということを相当やったんですが、なかなか合意を得られなかったということです。

和田委員 そうであれば、ぜひ与党の議員の方々にもお考えいただければと思うんですけれども、実際に有権者の方々にお聞きしておりましたときに出てきた御意見を御披露したいと思います。

 住宅を自分の子供が取得するだけの余裕は今ないわい、働くのがやっとであり、家族みんなが食べていくのがやっとであり、その五百万円をお父さんからいただいたところで、おうちを建てる余裕までは今とても考えられないわいというふうにおっしゃっておられました。

 しかし、高齢者の方々から若い世代の方々に資金を移転するという政策目的は、この住宅以外にも達成しておかしくないわけでございまして、その有権者の御提案だったんですけれども、ぜひ子や孫に将来立派な人間になってほしいというふうに思うから、教育費に投資させてほしい。将来の学資を出すのにこういったことを適用してもらえば、幾らでも出す気があるんだというようなこともおっしゃっておられたわけでございます。

 私はこういった御意見を聞いてみて、今までの補正予算編成の中でどうしても箱物のイメージがありまして、何か明確な形の残る、箱物をつくるということによって政策の効果を及ぼせる、しかし、ソフト面において資産というんでしょうか価値の移転を行いたいという方々の御要望が満たされないまま、ずっと予算編成が続いているというようなことをこの方の御意見から思ったわけでございます。

 今の有権者の御意見をお聞きになられて、大臣、いかがお考えになりますでしょうか。

与謝野国務大臣 私もそう言って頑張ったわけです。そうしましたら、教育だったら、年に百十万の枠があるじゃないか、これで十分じゃないか、そういうことをさんざん言われまして、これはあきらめたわけです。

 もちろん、そういう御意見があってしかるべきだと私は思っていまして、教育なら教育に関して贈与をする、これは私は正しいんじゃないかと思っております。今回もそういう主張をしました。したんですけれども、なかなか壁は厚かったということでございます。

和田委員 大臣に負けていただきたくないです。政府を代表されているわけでございますので、与党を説得してでも、こういったお声にぜひおこたえいただきたいということを申し上げておきたいと思います。

 時間も限られておりますが、もう一つ最後に、先般来何度も同僚委員の質疑に出ていましたけれども、もう一度質疑に取り上げさせていただきます。今回の中小企業に対する交際費課税を軽減するという措置についてでございます。

 まず、大臣もいろいろと事務当局からお聞きになられた上で御決断されたことではあろうかと思うんですが、何度も出ておりますとおり、今の現状において、中小企業のそれぞれから交際費を出すほどの余裕がどれほどあるかということについては、先ほどは同僚委員が、どこから仕入れたのか平成十九年度の数字なんかの表を出されておりましたが、私は少なくとも自分の地域を回ってみまして、各サイズの中小企業の経営者の方々は、今の時点ではとても交際費を出す余裕なんてないというふうにおっしゃっておられる方が大半でございました。

 先ほど大臣は御答弁の中で、そうはいえ、用意しておくことが大事だというふうにおっしゃっておられました。交際費が出せる企業に対してよりインセンティブを働かせるためにこの措置は用意してあるというふうな御答弁だったかと思います。

 実際に補正予算の編成のことを考えていただきますと、この部分の項目を上げるということは、先ほど百数十億か何かそれぐらいの減税規模が想定されるというようなことを答弁されておられましたけれども、結局のところ、積み上げで、その規模が補正予算の中身として加えられていって、総額何兆円という中の一部分をなすわけでございます。そうすると、全体のお財布が、今回十五兆円というふうに大臣が設定されたわけでございますが、その部分の、余り大きくはないのかもわかりませんが、百数十億円の交際費課税軽減部分だけはほかの部分に回すことはもうできなくなってしまうわけでございます。

 そのときに、本当に大臣は、この景気の中で中小企業が交際費をこの措置によって喜んで使ってくれるというふうにお思いになっておられるか。もしそうでなければ、何十億かちょっと忘れましたが、百数十億の数字を述べておられたような気がしますが、その部分は、設定しても使われずじまいで終わってしまうようなものであれば、ほかに振りかえるべきではないかと思ってお聞きするんですが、いかがでしょうか。

与謝野国務大臣 使っていただける企業があるということを前提にこの税法をお願いしております。すべての中小企業がそれほど余裕があるというふうにはとても思っておりませんし、多くの企業がむしろ交際費を節減しながら営業活動をやっているのが今の実情であると思っております。

和田委員 大臣がそのような御認識であるのであれば、また先ほど申し上げた論点に戻るんですけれども、まさに今、日本の経済を立ち直らせるために最も力を入れなければいけないのは中小企業だと思うわけです。その中小企業に、交際費課税への軽減なるもので何とか措置したから頑張ってよというメッセージを送るのは、余りにもせせこましいという感じがいたしてなりません。

 例えば、じゃ、思い切ってもう一段、中小企業の法人税を下げるというようなことをもし御決断いただければ、大いに中小企業の皆様方はよくやってくれたというふうにおっしゃるんだと思いますが、そこは、大臣のお立場からすると、これがぎりぎりの財政規模だというふうにおっしゃるのかもわかりません。しかし、中小企業の皆様方の今のお声としてお届けする限りは、もう一段の措置をお望みになっているように思いますが、それに対してはどのようにおこたえになりますでしょうか。

与謝野国務大臣 既に二二の税率を一八に下げておりまして、多分、他の税制とのバランスにおいても、ぎりぎりのところまでもう既に下げているのではないかと思っております。

和田委員 この部分はまた考え方の違いと言わざるを得ないように思います。

 残り数分になりましたが、もう一つ、中小企業の皆様方からのお声でもあり、実は私自身も、携わってまいりましたのでどうにかしたいというところでございますが、今回の補正予算の中にも、中小企業への金融対策等を盛り込まれておられます。私自身、携わってみて痛感したのでございますが、予算のときにこれだけの規模を設定して、中小企業に対する支援の決意のほどを政府としてお述べになっている割には、結果的に、一年たって決算を組んでみると、出ていない場合が圧倒的に多い。

 本当に反省を込めて申し上げるんですが、その決算の説明をするときに、いや、それはそもそもセーフティーネットとして用意した枠だから、使われなかったら使われなかったでよかったじゃないかというような説明を繰り返してきたように思いますが、実際に今こちらの政治に身を置いてみて地域に出てみますと、中小企業の方々のお声としてそんな感じでは全くないというのが今の実感でございます。

 何を申し上げたいかというと、今大臣がどれだけ力を入れて予算を設定したというふうにおっしゃられても、最終的に貸し出す機関の側の指導を徹底しなければ、国としてリスクをとりますという宣言をしなければ、この部分がうまくいかない。今まで実際にうまくいっていないように思うわけでございますが、大臣の御所見はいかがでしょうか。

与謝野国務大臣 例えば、信用保証制度が五十万社以上、十兆円を超えた信用保証枠の設定が行われていますから、用意された二十兆のうちの半分以上が既に使われているという現状でございます。

 ただ、理解が進んでいませんのは、前は信用保証協会が保証するのは八〇%までだった。八〇%までで、金融機関が二〇のリスクを負ったということですけれども、今回は、国が九七負って、地元の信用保証協会が三ということで、金融機関のリスクはゼロになっている。これが周知徹底されていないということは非常に残念なことでございますので、こういう方面も努力をしてまいりたいと思っております。

和田委員 今の大臣の御答弁の、実際に設定した規模の半数以上がさばけていますという中身を、もう少しぜひ御検討いただければと思うんです。

 私が実感として持っておりますのは、本来ならば、国は民間の金融機関よりも少し多目にリスクをとって、民間金融機関だったら貸さないところに貸していくというのがあるべき姿ではなかろうかと思うんですが、どうも、半分以上はけたというふうな実額規模というのが、民間金融機関とほぼ同列、もしくは、ごくまれなのかもわかりませんが、民間金融機関が貸したくて貸したくてしようがないぐらいのところに政府系金融機関のボリュームをどんと置いているというような例もたくさん見受けられるように思います。

 そういったものが積み重なっているから、総額の半分以上ははけましたという結果になっているように思うわけでございますが、これでは実際に国が果たすべき役割部分を果たしているとは言えないように感じながら、現在まで過ごしているわけでございます。最後に、こういったところについて、大臣がもう少し指導力を発揮していただきたいという思いを込めて御答弁いただければと思うんですが、いかがでしょうか。

与謝野国務大臣 経済産業大臣とよく相談しながら、御要望にこたえていきたいと思います。

和田委員 時間が参りましたので、これにて終わります。

 ありがとうございました。

田中委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 初めに、財政出動の規模の問題についてお聞きをしたいと思います。

 今回の国際的な経済危機のもとで、各国の財政出動の規模についてGDPの二%程度ということをアメリカが主張し、日本もそのような主張をしてきたわけであります。結果として、補正予算案は三%ということで、GDP五百兆円の三%ですから十五兆円という巨額なものになったわけです。

 ほかの主要国、例えばG7の財政出動、二〇〇九年度の規模はGDP比で幾らぐらいになっているか、まず数字を確認したいと思います。

真砂政府参考人 お答えいたします。

 IMFの提出された資料によりますと、裁量的財政支出でございますが、二〇〇九年でございますと、GDP比、アメリカが二・〇%、それからイギリスが一・四%、ドイツが一・六%、日本が二・四%というのがIMFの資料でございます。

佐々木(憲)委員 これはかなり日本が突出をしているわけであります。その内容というのも、今までいろいろ議論してまいりましたが、かなり、一時的にばらまくという形になっているわけです。

 G7のほかの国々では、一体この中身はどういうものであるか。規模は日本ほどではないんですけれども、内容を見ますと、低中所得者向け減税、あるいは高額所得者の所得税は増税、これはアメリカの場合ですけれども、あるいは国際課税の強化、国際課税というのは、多国籍企業で海外に出ていっている企業の利益に対して今まで課税が不十分だったということで、オバマ政権のもとで課税強化ということが言われている。

 それから、イギリスの場合は、先ほども少し議論がありましたが、付加価値税を時限的に引き下げる、あるいは所得税の課税最低限の引き上げ、それから高額所得者の所得税の増税ですね。フランスの場合も、低中所得者向け所得税減税。ドイツも、所得税の基礎控除の引き上げ、最低税率の引き下げ。

 こういうふうに、全体としていいますと、国際的な税制上の措置というものは、国際的に広がっている大きな会社に対しては税逃れを許さない、課税を強化する、これはアメリカの場合ですね、そして低所得者に対しては減税を行い、高額所得者に対しては増税を行う、こういう特徴があると思いますけれども、いかがでしょうか。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生の御指摘のように、主要国英米独仏の経済対策について、御指摘の低中所得者向けのいわゆる所得税減税につきましては、多寡は異なるものの、それぞれの各国において行われていると承知しております。

 ただ、それ以外の問題については、それぞれ各国の固有の経済財政状況に応じて、さまざまな税制上の措置が講じられているところでございます。

 なお、英米独仏いずれの国におきましても、経済対策の関係上、景気回復後の財政再建に向けた方針が表明されておりまして、先生御指摘の高額所得者の増税等は、そうした一環として指摘がなされていると承知しております。

佐々木(憲)委員 そういう特徴を持っているわけですけれども、例えばイギリスの場合、これは財務大臣にお聞きしますけれども、付加価値税、消費税の減税が昨年の十二月から行われているわけですね。この三カ月間の統計をとりますと、イギリスの民間調査機関の経済ビジネス調査センター、CEBR、これが発表した数字ですけれども、総売り上げをふやすのにかなり役に立ったと。イギリス政府が行った昨年十二月一日からことし末までの消費税率二・五%引き下げ、これで一五%にするということで、小売の売り上げは、十一月が前年同月比で一・六%増、減税後の十二月が二・六%増、一月が三・二%増、二月が三%増、それぞれ前の年に比べて消費、売り上げが増加しているわけでございます。

 これはEU全体としても、先日、五日の日に財務大臣会議というのが行われたようで、ここで付加価値税率引き下げ、これを各国の裁量とする指令を採択した、こういうふうに報道されているわけです。

 こうなっていきますと、低所得者向けの減税とそれから消費税の減税、これは消費拡大にかなり大きな効果を及ぼしているというふうに思いますけれども、大臣はどのようにとらえておられるでしょうか。

与謝野国務大臣 理論的にはそういうことだと思いますけれども、日本の場合、それが適用できるかどうかというのはまた別問題だと思っております。

佐々木(憲)委員 実際上効果があったということでございますので、付加価値税の引き下げ、消費税の引き下げというのは。日本は違うと言いますけれども、私は、日本でも同じようにやるべきだという考えを持っております。ここは大臣と全く根本的に発想が違う点でございます。

 今度の補正予算案についての評価ですけれども、これは国民の評価を見ましてもかなり厳しい世論調査が出ておりまして、例えばNHKの四月十四日の世論調査によりますと、こういう十五兆円規模の予算については評価できないという方が五三%、評価できるというのが三九%でございます。それから、十兆円規模の国債を発行する、こういう景気対策についてはどうかということについては、これは朝日新聞の四月二十一日付ですけれども、評価しないというのが六〇%、評価するが三〇%なんですね。

 これは、大規模な予算を組んで、結局、最終的にはツケが回ってくるんじゃないかという国民の不安もこういう数字にあらわれているんじゃないかというふうに思いますが、大臣はどのようにこの調査の結果を受けとめておられますか。

与謝野国務大臣 予算が執行され次第、少しずつ国民の御理解を得られるものと確信を私はしております。

佐々木(憲)委員 では、具体的に減税措置の中身についてお聞きをしたいと思います。

 まず数字を確認しますが、三つの減税措置がとられていますけれども、それぞれ幾らの減収を見込んでいるでしょうか。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 中小企業の交際費課税の軽減措置につきましては約二百億円、研究開発税制の拡充措置につきましては約四百五十億円程度の減収を見込んでおります。

 なお、住宅取得等のための時限的な贈与税の軽減措置につきましては、現行制度のもとでは、非課税枠を超えた住宅取得資金の贈与が生じているケースは少ないと考えるため、改正による増減収は僅少と考えております。

佐々木(憲)委員 僅少というのはどのぐらいですか。

加藤政府参考人 数字で申し上げれば、ほぼゼロに近いと思っております。

佐々木(憲)委員 住宅取得のための時限的な贈与税の軽減というのはほとんど効果がないということと等しいわけでございますが、では、中小企業と大手企業との比較でお聞きをしたいと思います。

 大臣の認識をまず聞きますが、赤字の企業、これはかなり最近ふえております。黒字の企業がありますよね。どちらかといえば、赤字企業の方が経営は深刻である、困難であるということだと思いますが、やはり企業に対する支援を考える場合は、一番困難な赤字企業に対してどう支援をするか、そこに着目をするというのが私は大事だと思います。大臣、どうでしょうか。

与謝野国務大臣 赤字企業に対する支援の恐らく最大のものは、私は金融だろうと思っております。税制も、やはり中小企業が黒字になっていなければきかない場合が非常にあるわけでございますので、黒字になったことを前提の減税というのは実はきかない。一番きくのは、恐らく資金繰り対策だと思っております。

佐々木(憲)委員 金融の面でいいますと、赤字企業に対する銀行の融資というのは極めて厳しいんですよ。しかも、二期、三期と連続の赤字が生まれると、もうこれは対象にならない。あるいは、貸しはがしの対象に逆になってしまうというような、これは本当に大変な状況でありまして、一番肝心の、今指摘された金融そのものがなかなか機能しないという事態になっている。

 それでは、減税の効果といいますと、今おっしゃったように、税金を払っているから減税が生まれるわけですよね。つまり、税金を払っているということは黒字の企業である。今回の交際費課税の減税あるいは研究開発減税、これは赤字の企業には結局効果が及ばない、こういうことになりますね。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の措置につきまして、たとえ赤字企業であっても、欠損金がふえるという形で、その欠損金の処理を繰り戻し還付や繰越控除の適用にするということが可能でございますので、赤字企業だから恩典が受けられないということではございません。

 また、研究開発税制の拡充につきましても繰り越しを拡大しておりますので、こうしたところでは赤字企業にもメリットを受ける可能性はあると考えております。

佐々木(憲)委員 確かに制度としては、繰り越して黒字が出たときに減税効果が出てくる、こういうふうになっておりますが、問題は、大手企業と中小企業に分けますと、実績からいいましても、ほとんどが大手企業に集中しているというのが実態だろうと思います。まず赤字企業でいいますと、例えば資本金五千万円未満の中小企業、これは六七・四%が赤字企業なんですよね。こういうところでは、研究開発に投資をする、いわばそういう余力がないということであります。したがって、ほとんどが大企業の場合、赤字企業の場合でも、一時的に赤字になった大企業に対して効果が及ぶ、こういうようなことにならざるを得ないわけです。

 そこで具体的にお聞きしますけれども、例えば平成十九年度分で、連結法人も含めて資本金十億円以上の階層に実際に研究開発減税が及んだ部分というのは、全体の何%がそこに集中しているか、お答えいただけますか。

岡本政府参考人 お答えいたします。

 ちょっと私どもが想定しておりました計算と違うものですからあれなんですけれども、十九年度分、中小企業と大企業ということで一応一億円で分けさせていただきますと、会社標本調査に基づきます研究開発減税の税額控除の適用額は、資本金一億円未満の法人については約百七十億円、連結法人を含む資本金一億円以上の法人が約六千九十九億円ということで、大半が一億円以上というふうになっております。

 また、この中で特に十億円以上ということになりますと、一億円から十億円未満が二百七十億程度でございますので、やはり大半が今申し上げました十億円以上の法人が適用になっているということでございます。

佐々木(憲)委員 ちょっと数字を事前に要請していなかったものですから計算が難しかったかと思うんですが、私が計算しますと、十億円以上は九三%、集中しているんです。一億円で区切りますと、もっと上の方が比率が高まりますからほぼ九七%ぐらいになりますかね。ちょっと計算してみないとわかりません。圧倒的に大手企業がこの恩恵を受けているわけです。

 ですから、この実態を見ますと、中小企業にはほとんど回っていっていないわけなんですね。赤字企業の場合も、中小企業の場合は研究開発に投資する力がない。したがって、今回の措置は、この研究開発減税に限って見ますと、圧倒的に大手企業に対して減税が行われる、こういう結果になっているわけであります。

 この何といいますか、アンバランスといいますか、今一番困っているのは小さな規模の企業であって、しかも赤字が続いているようなところですね。

 私、先日、浜松の下請企業を回りましてお話を聞きました。本当に今大変な状況なんです。水門がぱたっと落ちて水が一滴も流れなくなった、そういう話をしておりました。なかなかこれは実感を伴った話だなと。発注がないというんですよ、親会社から。しかし、従業員を抱えている、二十人、三十人あるいは五十人。そういう従業員に対して、もう仕事がないから、あしたからはもうあなたは来なくていいよ、そういうわけにいかないと。雇用調整助成金その他いろいろ使ってやっているけれども、非常に厳しい。

 ですから、そういうところに対してどういう支援を行うのか。これはもちろん、税制以外の支援は若干あります。税制としては何ができるかですね。

 大臣にお聞きしますけれども、赤字企業に減税の恩恵が行き渡るような措置というのは何かあるんじゃないかと思いますが、どうでしょう。

加藤政府参考人 今回の措置ではございませんが、平成二十一年度税制改正におきまして、中小法人に限って欠損金の繰り戻し還付の適用停止措置を廃止いたしました。これによって繰り戻し還付が可能になるわけでございますので、これはまさに、赤字に陥った中小法人に対する配慮ということは言えると思います。

佐々木(憲)委員 そういうのは今回は盛り込まれていないわけでありますね。

 私は、中小企業に減税の恩恵を行き渡らせるためには、やはり消費税の減税だと思うんですよ。大臣は一番嫌う政策だと思いますが、私はこれが一番効果があると思うんです。

 消費税の減税でなぜ中小企業が助かるか、赤字企業が助かるか。それは、転嫁をできていない中小企業が約半分ぐらいあるわけです、経産省の以前の調査ですけれども。それは身銭を切っているわけですね。そういう状態を少しでも軽くできる。

 それからもう一つは、免税点ですね。三千万から一千万に売り上げを引き下げました。その結果、今まで納税義務のなかった中小企業にだっと納税義務が課されたわけです。そのために、税金が転嫁できない企業が、負担し切れないということで廃業、倒産につながっている、そういう事例がたくさん出てまいりました。私もこの委員会で何度か取り上げました。

 そういう状況を考えますと、やはり消費税の減税ということは、消費者にとって購買力をふやすというだけではなく、中小企業の経営を改善していくという点でも大きな意味がある。これは最初に申しましたように、ヨーロッパ、イギリスの事例も参考になると思いますけれども、私は、日本でもこれはやるべきだと思います。

 そして、では財政赤字はどうするのか。その点については、減税し過ぎた大手企業に対して一定の負担を求める。多国籍企業の減税なども日本はやり過ぎております。アメリカも見直しているわけですから。そういうところにしっかりと財源を求めていく、そういう税制改革というのが必要だと思いますけれども、大臣はどのようにお考えでしょう。

与謝野国務大臣 実は、先生が言われているお話は、消費税の転嫁力ではなくて、価格の転嫁力の話をされているんだろうと私は理解をしております。

 それから、非課税業者をつくって、三千万とか五千万とかというお話ですけれども、消費税がスタートしたときの非課税業者というのは三千万だったんですが、非常に評判が悪くて皆さんにおしかりを受けて、今はたしか一千万になっております。

 そういうことをもろもろ考えますと、税制で中小企業を助けるということに関しては限度があって、実は根本は、その中小企業がどういう分野でお仕事をやっておられるか、その分野が成長分野かどうか、あるいは、その分野が日本として競争力を保持できている分野かどうか、そういうもろもろの条件にかかわっていることで、一時的な問題として御支援できるということがあっても、その中小企業が存続をしていくための根本的な問題というものを考えなければ、やはり物事は解決していかないんだろう、そのように私は感じております。

佐々木(憲)委員 中小企業の競争力というふうにおっしゃいましたけれども、下請企業の場合は、大手企業、親会社との関係が大変重要なかぎになるわけでありまして、本当に経営が成り立つような単価が保証されるかどうか、そういう問題を考えますと、この間、日本の大手企業、特に日本経団連を構成している企業は、アジアを中心にどんどん外国に進出をして子会社をつくり、そこで製造をやっております。アジアの生産のネットワークがつくられていく。そうなると、相手国の労働者、これは日本より六分の一、十分の一という低賃金ですね。それを利用するために進出するわけですから。そうなると、でき上がる製品というのは非常にコストが低い形でつくられてくる。それを日本に今度逆輸入する。

 そうなりますと、日本の中小企業はその影響をもろに受けてくるわけです。そういう構造に、この二十年ぐらいの間に大きく日本の構造は変わってしまったわけです。したがって、アジア並みの低単価、アジア並みの低賃金ということを経団連自身が日本国内に持ち込んで、これを押しつけてくるという傾向が非常に強くなるわけですね。

 やはり、それに対して政治というのは何をすべきなのか。私は、大手企業のこういう行動、進出そのものをいきなりとめろなんということは申しませんけれども、しかし、アジアに向けて出ていった相手先の中小企業や低単価に合わせて国内も下げなさい、下げなさいという圧力を加えることは、やはり規制しなきゃならぬと思うんです。これは幾らでも無限に下げる作用になってきますので。

 ですから、法制上も、例えば労働者、非正規雇用を守るためのそういう法制の整備が必要であろうし、中小企業についても、単価の決め方というのはなかなか難しいかもしれませんが、やはり生活できる、そういう単価はどうあるべきなのか、そういう最低限のところをやはり保証するような発想というものがないと、内需が無限に縮小してしまう、そういうことだと私は思うんです。

 ですから、税制だけで何かができるということではないかもしれませんが、考え方として、そういう方向をしっかりと据えた日本の将来の展望というものを考える必要があるのではないかと私は思うんですけれども、最後に大臣の見解をお聞きしたいと思います。

与謝野国務大臣 国内産業を保護する、その結果日本の国内の労働者も保護されるというのは実は保護主義的な動きで、なかなかWTO上難しい話であると思います。

 私は、先ほど分野と申し上げましたのは、やはり日本が競争力を維持できる分野をどれだけふやせるか、どれだけ維持できるかということが日本の経済あるいは日本の働く方々のために必要なことであって、やはり労働集約型の分野で賃金水準の安いところとまともな競争はできない、高付加価値の分野に全体日本の企業として、日本の企業社会として移動していくという努力がこれから積み重ねられなければならない、そのように思っております。

 しかし、いずれにしても、大企業の下請いじめとか中小企業いじめというのは許してはならないことであって、独禁法を初め下請支払い遅延防止法等、いろいろな中小企業、下請を守る法律がありますから、そういう法律の十分な運用を通じて中小企業の立場もきちんと守っていくという姿勢が政府には必要であると思っております。

佐々木(憲)委員 もうこれで終わりますけれども、やはり内需を中心に日本経済の再建ということを考えていくとすれば、家計というのが日本のGDPの約六割近くあるわけです、これをどのように拡大していくかということを考えない限りは将来はないと思うわけです。

 そういう意味で私は、労働者の労働条件の改善、賃金の引き上げ、そして負担の軽減、社会保障の充実、こういうものが大変重要であるというふうに思いますので、最後のごく一部は若干共通の認識がありますけれども、どうも方角が違うのではないかなというふうに思っておりまして、今後とも議論をしていきたいと思います。

 ありがとうございました。

田中委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

     ――――◇―――――

田中委員長 次に、いずれも大野功統君外十一名提出、株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案、銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。

 順次趣旨の説明を聴取いたします。提出者大野功統君。

    ―――――――――――――

 株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案

 銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

大野(功)議員 ただいま議題となりました議員提出法案二本につきまして、提出者を代表して、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。

 アメリカに端を発する昨年来の国際金融危機により、我が国においても、中小企業のみならず、中堅、大企業においても資金繰りに困難を来してきておりますけれども、日本では絶対に金融危機を起こしてはならない、こういう政治家としての強い決意のもとに、与党において追加的な金融資本市場対策について十分な検討を行ってきた結果、これらの法案を議員立法として提出することとした次第でございます。

 まず、株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案の内容につきまして御説明申し上げます。

 第一は、日本政策投資銀行の財務基盤の強化であります。政府による同行への追加出資を平成二十四年三月末まで、すなわち、現時点からおおむね三年間可能としております。出資については、交付国債の交付によることも可能といたしております。

 第二に、政府保有の同行株式の全部を処分する時期について、平成二十年十月一日からおおむね五年後から七年後を目途としてという現行法の規定を変更して、平成二十四年四月からおおむね五年後から七年後を目途として株式を全部処分するものとすることといたしております。

 第三に、政府は、平成二十三年度末を目途として、危機対応業務のあり方や株式の全部を処分する時期について検討を行う趣旨の規定を設けております。

 次に、銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。

 銀行等保有株式取得機構による株式買い取りにつきましては、先般、議員提案の法律改正案を提出し、衆参両院で御審議をいただき、可決成立し、本年三月より既に施行されているところであります。この機会に改めて厚く御礼を申し上げます。

 先般の法改正の際に貴重な御意見を多数いただいたところでありますが、特に、参議院の財政金融委員会における御審議の際、金融システムの脆弱化や動揺を軽減するための資産の買い取り等について検討を行う旨の附帯決議がなされました。このような附帯決議をも踏まえ、銀行等が保有する有価証券の価値下落がその健全性に影響を与え、過度の信用収縮につながることを防止する観点から、銀行等保有株式取得機構のさらなる機能強化を図るために、本法律案を提出することとした次第でございます。

 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。

 本法律案では、銀行等保有株式取得機構による買い取りに関し、銀行等の保有するETF、J―REIT、優先株式及び優先出資証券並びに事業法人の保有する銀行等が発行した優先株式及び優先出資証券を買い取り対象に加えることといたしております。

 以上が、株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案及び銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容であります。

 昨今の厳しい経済情勢や金融市場の動向にかんがみまして、このようなことは絶対ないと信じておりますけれども、与野党対決の目線ではなくて、このような事態は絶対克服していくんだ、こういう同じ方向を向いた目線で御議論いただければ大変ありがたく存ずる次第でございます。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますよう心からお願い申し上げる次第でございます。

 なお、与党提出の議員立法といたしましては、ただいま申し上げました二つの法律案以外にももう一本ございます。資本市場危機への対応のための臨時特例措置法案でございます。この法案につきましても、ぜひとも速やかに御審議にお入りくださいますよう心からお願い申し上げまして、説明を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

田中委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

     ――――◇―――――

田中委員長 次に、参議院提出、租税特別措置の整理及び合理化を推進するための適用実態調査及び正当性の検証等に関する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。参議院議員直嶋正行君。

    ―――――――――――――

 租税特別措置の整理及び合理化を推進するための適用実態調査及び正当性の検証等に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

直嶋参議院議員 私は、発議者を代表いたしまして、ただいま議題となりました租税特別措置の整理及び合理化を推進するための適用実態調査及び正当性の検証等に関する法律案につきまして、提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。

 そもそも租税特別措置とは、基本的に特定の対象者の負担を軽減することで、特定の政策目的の実現に向けて経済社会を誘導するものです。また、税金として納付されるはずの資金が納付されなくなるという点で、財政資金を使用していることと同様であります。つまり、租税特別措置は、実質的には補助金と同様のものであると言えます。よって、租税特別措置の新設、継続に当たっては、対象者が明確であること、効果や必要性が明白であることなど、透明性の確保を通じて国民の納得が得られることが大前提であります。

 このため、民主党は、その実態を明らかにすべく、一昨年から、租税特別措置の延長、新設を要求している関係各省庁から具体的な資料の提出を求め、ヒアリングを行ってきたところであります。その結果、関係各省庁は、租税特別措置の減税額試算を適正に行っていない、利用実態を把握していない、政策評価を適正に行っていない、補助金等の予算措置との関係が整理できていないなどの問題点が明白となりました。しかも、だれがどの程度利用しているのか、どの企業がどのような恩典を受けているのか、所管する財務省ですら全くわかっていない現状にあります。にもかかわらず、租税特別措置の中には、長期にわたって存続しているものが数多くあり、また、適用実績や金額が極端に少ないにもかかわらず、延長要望が出ているものが多数見受けられます。

 この結果を受け、民主党は、租税特別措置について、その適用実態を明らかにする仕組みを整備し、各措置について、既に役割が終わったものか、引き続き継続すべきものかなどを国会で具体的に検証し、その整理合理化を推進し、もって納税者が納得できる公平で透明性の高い税制を確立するため、本法律案を提出した次第であります。

 以下、法律案の概要につきまして御説明申し上げます。

 第一に、租税特別措置に関し、基本理念、国の責務等、適用実態調査及び正当性の検証等について定め、整理合理化を推進し、もって公平、透明、納得の税制の確立に寄与することを目的としております。なお、正当性の検証とは、租税特別措置の適用実態を基礎として、租税特別措置について、相当性、有効性、公平性といった正当性に関する事項を確認することをいうものとしております。

 第二に、租税特別措置は、絶えず見直しが行われるものとし、かつ、その見直しは、その適用実態が明らかにされ、正当性の検証が実施をされることにより行われるものとしております。また、租税特別措置の新設、変更についても、できる限り合理的な推計が行われ、正当性について十分に検討された上で行われるものとしております。

 第三に、国は、租税特別措置の整理合理化を推進する責務を有するとともに、納税者は、適用実態調査に協力しなければならないものとしております。

 第四に、財務大臣は、租税特別措置ごとに、納税者に増減額明細書の添付を求める等の方法により、適用実態調査を行い、毎会計年度終了後七月以内に、正当性に関する事項について財務大臣の意見をつけて、報告書を国会に提出しなければならないものとしております。

 第五に、財務大臣は、適用実態調査の結果を踏まえ、租税特別措置ごとに、行政機関の長から正当性に関する事項についての意見を聞き、租税特別措置の整理合理化について検討を行い、必要な措置を講ずるものとしております。

 第六に、会計検査院は、毎年、租税特別措置の実施状況に関する検査を行い、その検査方針、検査結果、所見等を国会に提出される検査報告書に掲記するものとしております。

 第七に、行政機関は、租税特別措置に係る政策について事後評価を継続的に行い、その際には、租税特別措置の正当性の検証が行われなければならないものとしております。この正当性の検証の結果は、国会に提出される報告書に記載しなければならないものとしております。

 以上が、本法律案の提案理由及びその概要であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

 以上でございます。

田中委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時四十六分散会


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