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第24号 平成21年5月22日(金曜日)

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平成二十一年五月二十二日(金曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   委員長 田中 和徳君

   理事 江崎洋一郎君 理事 木村 隆秀君

   理事 竹本 直一君 理事 山本 明彦君

   理事 吉田六左エ門君 理事 中川 正春君

   理事 松野 頼久君 理事 石井 啓一君

      石原 宏高君    稲田 朋美君

      越智 隆雄君    亀井善太郎君

      後藤田正純君    佐藤ゆかり君

      杉田 元司君    鈴木 馨祐君

      関  芳弘君  とかしきなおみ君

      中根 一幸君    林田  彪君

      原田 憲治君    平口  洋君

      松本 洋平君    三ッ矢憲生君

      盛山 正仁君    山本 有二君

      小沢 鋭仁君    階   猛君

      下条 みつ君    鈴木 克昌君

      古本伸一郎君    和田 隆志君

      佐々木憲昭君    中村喜四郎君

    …………………………………

   議員           大野 功統君

   議員           七条  明君

   議員           柳澤 伯夫君

   議員           山本 明彦君

   議員          吉田六左エ門君

   財務副大臣        石田 真敏君

   財務大臣政務官      三ッ矢憲生君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局長)  内藤 純一君

   政府参考人

   (財務省大臣官房総括審議官)           川北  力君

   参考人

   (日本銀行理事)     山本 謙三君

   財務金融委員会専門員   首藤 忠則君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十二日

 辞任         補欠選任

  宮下 一郎君     杉田 元司君

同日

 辞任         補欠選任

  杉田 元司君     宮下 一郎君

    ―――――――――――――

五月二十一日

 平成二十一年度第一次補正予算等に関する予備的調査要請書(長妻昭君外百十一名提出、平成二十一年衆予調第一号)

は本委員会に送付された。

    ―――――――――――――

五月二十日

 酒類小売業者の生活権を求める施策の実行に関する請願(谷垣禎一君紹介)(第二三二三号)

 同(竹本直一君紹介)(第二四一八号)

 保険業法を見直し、団体自治に干渉しないことに関する請願(石川知裕君紹介)(第二三二四号)

 同(石川知裕君紹介)(第二三五二号)

 同(金田誠一君紹介)(第二三六五号)

 同(鳩山由紀夫君紹介)(第二三六六号)

 同(松木謙公君紹介)(第二三六七号)

 同(鳩山由紀夫君紹介)(第二四〇四号)

 保険業法改定の趣旨に沿って、自主共済の適用除外を求めることに関する請願(木挽司君紹介)(第二三二五号)

 同(下条みつ君紹介)(第二三六八号)

 同(松野頼久君紹介)(第二四〇五号)

 同(松野頼久君紹介)(第二四五一号)

 保険業法の適用除外に関する請願(志位和夫君紹介)(第二三二六号)

 消費税率引き上げ反対に関する請願(古川元久君紹介)(第二三六九号)

 消費税増税をやめることなど暮らしと経営を守ることに関する請願(前田雄吉君紹介)

 (第二四一九号)

 消費税率引き上げ・大衆増税反対に関する請願(神風英男君紹介)(第二四三七号)

 同(阿部知子君紹介)(第二四七二号)

 同(菅野哲雄君紹介)(第二四七三号)

 同(重野安正君紹介)(第二四七四号)

 同(辻元清美君紹介)(第二四七五号)

 同(照屋寛徳君紹介)(第二四七六号)

 同(日森文尋君紹介)(第二四七七号)

 同(保坂展人君紹介)(第二四七八号)

 共済年金の遺族年金併給に関する請願(渡部恒三君紹介)(第二四四六号)

 消費税率の引き上げ・大衆増税反対に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二四六一号)

 同(池田元久君紹介)(第二四六二号)

 同(石井郁子君紹介)(第二四六三号)

 同(笠井亮君紹介)(第二四六四号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二四六五号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第二四六六号)

 同(志位和夫君紹介)(第二四六七号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二四六八号)

 同(階猛君紹介)(第二四六九号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二四七〇号)

 同(吉井英勝君紹介)(第二四七一号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案(大野功統君外十一名提出、衆法第二一号)

 銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案(大野功統君外十一名提出、衆法第二二号)


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     ――――◇―――――

田中委員長 これより会議を開きます。

 いずれも大野功統君外十一名提出、株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案、銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、参考人として日本銀行理事山本謙三君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として金融庁総務企画局長内藤純一君、財務省大臣官房総括審議官川北力君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

田中委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木村隆秀君。

木村(隆)委員 おはようございます。

 大野先生初め提出者の皆さん、御苦労さまでございます。順次質問してまいりますので、よろしくお願いをしたいと存じます。

 まず、株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案についてお伺いをしたいと存じます。

 米国に端を発する昨年来の国際金融危機によって、我が国においても経済成長率がマイナス二けた台を記録するなど実体経済の悪化が進行をして、中小企業のみならず、中堅、大企業においても資金繰りに困難を来している状況が続いております。金融危機と実体経済の悪化がスパイラル的に増幅することを防ぐため、緊急措置を大胆に講ずることが求められ、昨年秋以降、いろいろな対策が行われているわけであります。既に、政策投資銀行についても一兆三千億円余りの融資が行われていると伺っております。

 政策投資銀行は、官から民への小泉改革によって、それまで肥大化していた政策金融も改革の対象となって、政策金融機能は日本政策金融公庫に一元化され、危機時においては、政策金融機能が適切に実施されるように指定金融機関を活用する危機対応制度が設けられ、政策投資銀行と商工中金が指定をされたわけであります。

 特に、中小企業は日本政策金融公庫が直接担うこととなりましたけれども、あの当時、中堅、大企業は政策金融は不要ではないか、そんな意見も出され、それを担っていた日本政策投資銀行と商工中金は完全民営化することとなったわけであります。しかし、今回の経済危機では、輸出の大幅減少によって二〇〇八年度の貿易収支黒字が九割減となるなど、実体経済のさらなる悪化が懸念される中、中堅、大企業の資金繰りを支援する上で、政策投資銀行による危機対応業務が円滑に実施されることは大変重要と考えているわけであります。

 そこで、この危機対応業務が円滑に実施されるように、危機対応制度の創設時には、政策投資銀行等の指定金融機関のリスクを補完するための措置として、損害担保制度が設けられているわけであります。今回、さらに政策投資銀行に出資を行うということでありますけれども、この損害担保制度だけでは不十分だということでありましょうか。御意見を伺いたいと存じます。

山本(明)議員 木村隆秀委員の質問にお答えを申し上げます。

 危機対応業務を政投銀が行っておるということは御指摘のとおりでありまして、完全民営化までの間、指定金融機関として商工中金とともに危機対応業務を行っておる、こういうことであります。

 そうした中で、今回、御指摘がありました損害担保制度があるのにどうしてそれを使わずに出資をするのか、こういう御指摘でありますけれども、損害担保制度は政策金融公庫との間に政投銀は結んでおるわけでありますけれども、これは全額を補てんするわけではありません。中小企業で八割、中堅企業で七割、大企業は三割から八割までいろいろあって大変複雑になっておりますけれども、全額を補てんするものではありません。しかし、今回の政投銀の危機対応業務というのは、補正で十五兆円、トータルで約十九兆円ぐらいになるわけでありますので、そうした中で、やはりどうした形でこの政投銀の体質を強くしていくかということが大変必要になってくるということであります。

 損害担保制度は、今申し上げましたように全額補てんではありません。したがって、これをどうやって強化するかということでありますが、さらにこの中に、融資とか保証のほかに産活法による出資も二兆円ほど入っておりまして、これは大変リスクウエートが高いわけでありますから、そうした意味で、やはり資本を充実すること、財務基盤を強化することが大切でありますので、したがって出資によることとした、こういうことでありますので、よろしく御理解をいただきたいと思います。

木村(隆)委員 今回はかなり大規模な予算が組まれているわけであって、例えば日本政策投資銀行だけで損害を吸収するというのはなかなか難しいだろう、出資も含めて体質強化をしていくということなんだろうと思います。

 そこで、今回の政策投資銀行法案のスケジュールによりますと、二十四年四月からおおむね五年から七年を目途に株式を全部処分するということになっているわけであります。政策投資銀行の株式を全部売却した後、今その前の話のところで御答弁があったわけでありますけれども、その後のことで、万が一仮に完全民営化になった政策投資銀行に引き続き指定金融機関として危機対応業務を行うことをお願いする、そういう場合、リスク回避のためにどのような対応をとることになるか、そのお考えをお聞きしたいと思います。

山本(明)議員 今委員御指摘がありましたように、今の話というのは、二十四年三月まで出資ができます、こういう、まさに現在の百年に一度と言われる危機対応業務を政投銀が担うということで我々は検討しておるわけであります。

 その後、完全民営化された後はどうなるのか、こういったときにまた出資をするのか、こういう御指摘だと思いますけれども、最後に検討条項ということでございまして、将来の危機対応業務のあり方については、いろいろな議論があるわけでありますが、その議論を踏まえまして、今般検討条項を設けておりまして、政投銀の危機対応業務の実施状況だとか社会経済情勢の変化などを勘案いたしまして、政投銀の危機対応業務のあり方だとか、今お話がありました株式の全部を処分する時期について、政府において二十三年度末を目途に検討が行われる、こういうふうにされておるわけであります。このときまでにいろいろな今後の検討が行われる、このように御理解いただきたいというふうに思います。

木村(隆)委員 危機というのはいつ起きてくるか、わかりません。こういう経済危機に迅速に対処できるツールというのは常に考えておかなきゃならないと思います。

 また、政策金融ということを考えてみると、地域開発ですとか最先端技術開発、また地熱発電を初めとするエネルギー政策など、長期的にまた大規模に行わなくてはならないものが多いと思います。検討の課題の中で、やはり公設民営的な機関というのが必要ではないかと私は思っておりますし、さらに私見を述べさせていただけるならば、このような政策金融を考えるときに、民営化をしましても株式を一部保有するなど、やはり一定の意見がきちっと述べられるようにしておくべきではないかと思っております。ぜひ今後の検討の中で十分議論がされますように期待をしたいと思っております。

 次に、銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案についてお伺いをしたいと存じます。

 そもそも銀行等保有株式取得機構は、当時、我が国の銀行が相当程度の株式を保有しており、株価の変動が銀行の財務面の健全性に影響を与えて、ひいては銀行に対する信認や金融システムの安定性に影響を与えかねないとのことから、銀行の株式保有を制限して適正な規模に縮減していくとの規制を導入した際に、銀行等の株式の処分が円滑に進められるよう、市場売却を補完するセーフティーネットとして平成十四年に設立をされたわけであります。

 この銀行等保有株式取得機構は、平成十四年二月から平成十八年九月末まで銀行等が保有する株式の買い取りを行ってきましたけれども、その間の実績、そしてその効果についてどのように評価をされているのか。

 さらに、今回、米国のサブプライムローン問題に端を発する昨年秋以降の国際的な金融経済情勢の混乱を受けて、株価の変動が銀行や企業の財務内容や金融システムに影響を与え、銀行等の業務の健全性が損なわれ、過度の信用収縮を招き、ひいては経済や国民生活に重要な支障が生じないよう早急に対応を図っていくことが喫緊の課題であるとの認識のもと、既に存在している銀行等保有株式取得機構を活用するとともにその機能強化を図ることとした先般の法改正を受けて、本年三月から株式の買い取りを再開しているとのことでありますけれども、実績はどうなっているのか、あわせて金融庁にお伺いしたいと思います。

内藤政府参考人 お答えをいたします。

 まず、平成十四年二月から平成十八年九月末までの期間におきましての銀行等保有株式取得機構が買い取った株式の累積総額でございますが、一兆五千八百六十八億円、これは二十年三月末の簿価ベースでございますが、こういった実績でございます。

 先般の取得機構による株式の買い取りは、銀行等に対する株式の保有制限の導入に伴いまして、仮に銀行等が相当程度の株式の処分を株式市場を通じて行った場合には、金融システムの安定性や経済全般に好ましくない影響を与える可能性があったことにかんがみ、実施されたものでございます。このような取得機構設立当初の目的にかんがみますと、取得機構は、銀行等による株式処分を円滑に進めまして、市場への売却にかわり得るセーフティーネットとして、その当時におきまして一定の役割を果たしたものと考えているところでございます。

 次にお尋ねの、本年の三月から株式の買い取りを再開しておりますが、これまでの実績についてでございます。

 去る三月四日に銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律が議員立法によりまして成立をいたしまして、三月十二日から銀行等保有株式取得機構による株式の買い取りが再開されているところでございます。機構の四月三十日時点での買い取り実績について、再開以後の累計でございますが、四百三十九億円ということになっております。買い取り実績については、今後、機構より月次ベースで公表していくというふうに承知をしているところでございます。

木村(隆)委員 恐らく三月の決算対策で、今の、大体五百億ぐらい今回の改正で買い取ったという話なんだろうと思います。

 今回、その買い取り対象をさらに拡大するということでありますけれども、それによって今後どのような効果を考えることができるのか。そして、今回の買い取り対象の中で、社債というのが加わっておりません。優先株、ETF、J―REITということになっておりますけれども、この三つを追加することになったのは、どのような趣旨によってそういう形になってきたのか、御意見を伺えればと思います。

七条議員 先生の今の、買い取り対象の拡大にさらにどんな効果があるかということでございますけれども、この法案、我々今国会二度目の提出になります。

 前回提出したときにもいろいろと論議を皆さんからいただいたところでございますし、今回、ETFだとかあるいはJ―REIT等をそれに加えさせていただいた。セーフティーネットとしての役割を果たし、市場に対する安定感を与える効果を期待するところでございますし、銀行にとっては、保有する有価証券を処分するための手段がさらに広がっていく、あるいは事業法人にとっても、保有する銀行等の優先株式等、処分をする手段が新たに広がっていくということもあり、柔軟な財務政策をとることが可能になる、こういうような効果を期待するものであります。

 それから、もう一方で、なぜ社債を対象に加えなかったかというような御質問もございました。

 これにつきましては、我々のところでもいろいろ検討をいたしましたけれども、今のところ、考えられるものについては、銀行の健全性あるいは流動性だとか価格の客観性という両方の要件を同時に満たすものとしての優先株式あるいは優先出資証券、ETFとかJ―REITまで機構の対象とする拡大をしたところでございます。

 社債につきましては、いわゆる市場で価格が形成する有価証券ではあるものの、元本とかあるいはクーポンレートなどをベースとした価格つけがなされておりますけれども、リスク、いわゆる株式よりも小さいリスクであるということも含めて、機構の買い取りの対象には今回は加えておりません。

 また、そういう意味において考えますときに、社債の買い取りは個別の民間企業の負債を直接引き受ける意味もありますし、あるいは、社債を買い取ることであればもっとさらに違うものも買い取れ、例えて言いますならば、貸付債権は買い取り対象にはならないだろうかという論議がさらに広がっていくおそれもありますものですから、今回は社債を買い取る対象に加えなかったところでございます。

木村(隆)委員 もう時間が参りましたので、今回の改正が経済の血流と言える金融の安定化を図り、そして日本経済の発展に寄与するということを期待して、質問を終えたいと思います。

 ありがとうございました。

田中委員長 次に、石井啓一君。

石井(啓)委員 おはようございます。公明党の石井啓一です。

 まず、銀行等株式保有制限法改正案について伺います。

 この通常国会におきまして、二十年度二次補正予算の関連法案としてこの法律は既に改正をしておりまして、銀行等からの株式取得を再開したわけでございますけれども、今回改めて、買い取り対象資産を拡大するという改正法案が出されました。一つの国会で同じ法案を二度改正するというのは非常に珍しい事例でございますけれども、それだけ、今回の金融危機というのが金融システム安定化に及ぼす影響はやはり非常に大きなものがある、そういう証左かと存じます。

 そこで、この買い取り資産の拡大として、ETFとかJ―REITとか優先株式を決めた。その根拠等については先ほどの答弁で御説明がありましたので、ここでは、そういった資産の保有額が現在どれぐらいあるのか、金融庁の方に確認をいたしたいと思います。

内藤政府参考人 お答えをいたします。

 去る三月四日に銀行等株式等の保有の制限等に関する法律の改正案が成立をいたしました。先ほども答弁いたしましたように、三月十二日から銀行等保有株式取得機構による株式の買い取りが再開をされております。

 機構の四月三十日時点での買い取り実績、これも公表されておりますが、累積、累計で四百三十九億円というふうになっております。(石井(啓)委員「いや、ETFとかJ―REITの保有額」と呼ぶ)失礼いたしました。

 それから、今回法案として出されております、買い取り対象資産の拡大をするというETF、J―REIT、優先株式等でございますが、金融機関の平成二十一年三月末時点における保有額は、ETFが五千百四十一億円、J―REITが二千七百二十億円、優先株、優先出資証券が一兆五千百七十二億円ということになっております。

 なお、本法の対象は、銀行と農林中央金庫、信金中央金庫ということでございます。

石井(啓)委員 では、日本銀行さんにお伺いしますけれども、日本銀行においても、金融システムの安定化という観点から、従来から銀行から株を取得されていたわけですけれども、今回、この銀行等保有株式取得機構と同様に買い取り資産を拡大するお考えはないのか、確認をいたしたいと思います。

山本参考人 お答えいたします。

 まず、日本銀行は、二月二十三日に金融機関からの株式買い入れを再開いたしました。その後、五月二十日までに私どもが買い入れた株式の累計額は約六十億三千万円でございます。

 日本銀行の株式買い入れは、銀行の株式保有リスク削減の努力を支援するため、有価証券の保有実態や日本銀行の財務の健全性確保の観点を踏まえまして、一定の信用力を有する株式を対象に行っております。現時点で、この枠組みを変えることは考えておりません。

 私どもとしましては、こうした株式の買い入れ、また、今月末に初回の入札実施を予定しております劣後ローンの供与、これらが金融機関にとって一種の安全弁として機能し、円滑な金融仲介機能の維持と、これを通じた金融システムの安定確保に貢献していくものと考えております。

石井(啓)委員 では続きまして、日本政策投資銀行法の改正案についてお伺いをいたします。

 まず、政策金融改革についての評価をお伺いいたしますけれども、この政策金融改革については、まず民間金融機関の補完に徹するんだ、したがって融資総額は少しずつ減少させていくんだという方向の改革が行われました。また、行政改革といった観点から、民営化あるいは統合を行うという改革が行われたわけです。

 私は、この改革の方向性は決して誤ってはいなかったというふうに考えますけれども、しかし、危機対応業務に関しましては、今回ほどの深刻な世界的金融危機が起きるとは想定していなかったわけですね。あの政策金融を検討した時点で、それが想定できていた人というのはごくわずかだと思いますので、できなかったというのもやむを得ない面はあろうかと思いますけれども、結果として、非常に深い議論ができたかどうかという点については、ちょっと省みるべき点があるのかなというふうに私は思っております。

 そこで、政策金融改革全般についてどういう評価をされているのか、これは財務省それから提出者の方にそれぞれお伺いいたしたいと思います。

石田(真)副大臣 石井先生から御質問いただきました政策金融改革についてでございますけれども、これは、今先生御指摘いただきましたように、簡素で効率的な政府を実現するため、そういうことで、従来、政策金融機関が担ってまいりました機能につきまして、民業補完の観点から抜本的な見直しを行ったわけでございます。

 その際、大規模災害とかあるいは内外の金融秩序の混乱等、そういう事態に対する危機対応制度が設けられておりましたけれども、御指摘のように、現在の経済金融危機のような世界同時不況、これは想定しておらなかったわけでございまして、金融危機業務をこれほど大規模に実施することになるというのは想定外であったということでございます。

 こうした点を踏まえまして、現在の厳しい経済金融危機への対応に万全を期するためには、政策投資銀行の財政基盤を強化いたしまして、危機対応業務を円滑に実施する必要があると考えているところでございます。

 このため、今般、政策投資銀行への追加出資規定を設ける法律案が与党より提出されておりますけれども、これは、現行の危機対応制度のもとで、政策投資銀行による危機対応業務の円滑な実施に必要な範囲で財政基盤を強化するものとして、期間を限定して措置するものであると承知をしているところでございます。

 一方、今般、あわせて検討条項が設けられまして、二十三年度末を目途として、追加出資や危機対応業務の実施状況等を勘案し、危機対応業務のあり方及び株式の全部を処分する時期について政府において検討することとされているものと承知をしているところでございます。

 以上でございます。

大野(功)議員 石井先生の、政策金融改革をどう評価するか。先生は、正しい方向であった、ただし百年に一度の世界的な金融経済危機を予測できなかったところは反省すべきである、全くそのとおりだと思います。

 やはり、民間でできることは民間に任せるんだ、簡素で効率的な政府をつくっていくんだ、特に金融の世界では、マーケットメカニズム、マーケットプリンシプルによってやっていくんだ、これは正しい方向だと思います。

 その当時予想していたのは、例えばテロとか大規模災害とか、そういうときには政府の役割があるんですよ、これは予測しました。百年に一度の金融危機なんというのは全く予測できませんでした。これは我々は大いに反省すべきところで、神のみぞ知るところではあるかもしれませんけれども、やはりこれは反省しなきゃいけない。

 私は、今、問題点として二つあると思います。

 第一は、アメリカから飛んできた金融の火の粉を日本では絶対に大きな火事にしてはならない、こういう決意であります。この第一の決意のもとに、我々は議員立法をつくりまして、今回提出して、早急な審議をお願いしているわけでございます。これは火の粉を消すわけですから、早急にお願いしたいんです。消防団の役割ですよ。

 それから次には、やはりこれから先どういうふうに考えたらいいのか、この問題があると思います。それは、今回の件を反省材料にして、これから、例えば政府の持っている株式をいつ処理したらいいのか、こういう面もありましょう、それから政投銀の金融危機対応業務をどうすればいいのか、こういう問題も出てくると思います。それは、法案にも書いてありますとおり、二十三年度末までにこういう点を含めて検討していこう、こういう法案になっておる次第でございます。

石井(啓)委員 ところで、この危機対応業務につきましては、平成十八年六月二十七日決定の政策金融改革に係る制度設計においては、「完全民営化後も原則として指定金融機関であることを継続する」というふうにされておりますけれども、現行法ではどういうふうに扱われるのか、確認をいたしたいと思います。

川北政府参考人 お答え申し上げます。

 現行法におきましては、政策投資銀行は、日本政策金融公庫法の附則におきまして、指定金融機関の指定を受けたものとみなすとされておりますが、政府保有株式が全部売却されました後は、指定金融機関となるか否かにつきましては、同行の経営判断によることとなります。

 ただ、その際、政策金融公庫法におきましては、指定金融機関に係る制度について、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとしていることですとか、あるいは政策投資銀行法におきまして、完全民営化したときには政策投資銀行の業務及び機能を円滑に承継させるために必要な措置を講ずることとするといった条項もございますので、こうした検討の結果講じられた措置も踏まえて、政策投資銀行において判断されるものと考えられます。

 政府といたしましては、政策投資銀行がこれまでみなし指定金融機関として蓄積した経験なりノウハウを踏まえまして、同行が完全民営化後も引き続き指定金融機関として危機対応機能を果たしていくことを期待しておるところでございまして、その旨は、一昨年の同法の審議の際に、石井委員の御質問に対しまして当時の大臣から御答弁させていただいたところでございます。

石井(啓)委員 それでは、最後の質問とさせていただきたいと思いますけれども、今回、危機対応業務の将来のあり方についても検討するということにされております。

 今回、危機対応業務を実際にやってみて、いろいろの改善すべき点があろうかと思います。

 一つは、民間金融機関がどこも指定金融機関として名乗りを上げてこないということなんですが、これは民間側に言わせると、なかなか手を挙げにくいというのがあると。一つは、危機対応といってもいろいろな業務があるんだけれども、一回指定金融機関として手を挙げるとすべての業務に対応しなければいけない、そこがなかなか大変なんだという話もございますし、また、危機対応のときはリスク資産がたくさんふえてくるわけだけれども、それについてやはり資本がきちんと充実していないとなかなか対応できない、自分のところの不良債権もふえて、自己資本比率が低下ぎみのところ、そんなリスクはちょっとふやすわけにいかないと。確かにそういうところはありますね。

 だから、一つの方向として、民間が指定金融機関として名乗りを上げやすくするような改革の方向があるんじゃないかと。これは例えばですけれども、リスク資産の増加に伴って公的資本増強、注入をできるような仕組みというのも検討の俎上に上がるのではないかというふうに考えます。

 もう一つは、完全民営化した後もみなし指定金融機関として残せないかということでございまして、将来的にもこの政投銀に対する国の関与を残して、指定金融機関として継続を、これは制度的に継続をするということの方向も選択肢としては考えられるのではないか、こういったことが今後の検討事項として俎上に上がるのではないかというふうに考えますが、この点について提出者に確認をいたしたいと存じます。

大野(功)議員 石井先生から二つの選択肢が御提案されました。

 一つは、民間金融機関がみずから手を挙げて、おれは指定金融機関になるよということでございますけれども、今回の状況を見ましても、これは非常に難しい。なぜならば、こういう経済状態の中で民間がなかなかそこまで金回りをやってくれない、こういう問題が一つあると思います。

 我々期待できるのは、やはり政投銀とか商中金かな、こういう感じはするわけでございますけれども、そういう意味で、民間はもちろん手を挙げてもらいたい、手を挙げやすくするために何か資本注入とか考えるべきじゃないか、この御提案はもっともでありますけれども、やはり第一に考えなきゃいけないのは政投銀等の問題じゃないか。

 この点につきましては、もう先ほども申し上げましたけれども、こういう百年に一度の金融危機に対してどういうふうに対応していけばいいのか、二十三年度末を目途として、一体株をどういうふうにするんだろうか、危機対応業務をどういうふうにやっていくんだろうか、今回の件を反省しながら検討していくべきだ、こういうような法律の仕組み、建前になっております。

石井(啓)委員 ありがとうございました。以上で終わります。

田中委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十時三十四分散会


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