衆議院

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第25号 平成21年5月26日(火曜日)

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平成二十一年五月二十六日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 田中 和徳君

   理事 江崎洋一郎君 理事 木村 隆秀君

   理事 竹本 直一君 理事 山本 明彦君

   理事 吉田六左エ門君 理事 中川 正春君

   理事 松野 頼久君 理事 石井 啓一君

      石原 宏高君    稲田 朋美君

      猪口 邦子君    越智 隆雄君

      亀井善太郎君    後藤田正純君

      鈴木 馨祐君    関  芳弘君

      とかしきなおみ君    中根 一幸君

      西本 勝子君    橋本  岳君

      林田  彪君    原田 憲治君

      平口  洋君    広津 素子君

      宮下 一郎君    盛山 正仁君

      池田 元久君    小沢 鋭仁君

      大畠 章宏君    階   猛君

      下条 みつ君    鈴木 克昌君

      古本伸一郎君    村井 宗明君

      谷口 隆義君    佐々木憲昭君

      中村喜四郎君

    …………………………………

   議員           大野 功統君

   議員           七条  明君

   議員           寺田  稔君

   議員           宮下 一郎君

   議員           柳澤 伯夫君

   議員           山本 明彦君

   議員          吉田六左エ門君

   議員           上田  勇君

   参議院議員        尾立 源幸君

   参議院議員        水戸 将史君

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       与謝野 馨君

   財務副大臣        竹下  亘君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 湯元 健治君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局長)  内藤 純一君

   政府参考人

   (財務省大臣官房総括審議官)           川北  力君

   政府参考人

   (株式会社日本政策金融公庫代表取締役総裁)    安居 祥策君

   財務金融委員会専門員   首藤 忠則君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十六日

 辞任         補欠選任

  佐藤ゆかり君     猪口 邦子君

  松本 洋平君     橋本  岳君

  山本 有二君     西本 勝子君

  和田 隆志君     村井 宗明君

同日

 辞任         補欠選任

  猪口 邦子君     佐藤ゆかり君

  西本 勝子君     山本 有二君

  橋本  岳君     松本 洋平君

  村井 宗明君     和田 隆志君

    ―――――――――――――

五月二十五日

 消費税率の引き上げ・大衆増税反対に関する請願(赤松広隆君紹介)(第二四九二号)

 同(高木義明君紹介)(第二四九三号)

 同(階猛君紹介)(第二五四〇号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第二六二〇号)

 同(園田康博君紹介)(第二六二一号)

 同(松野頼久君紹介)(第二六二二号)

 同(和田隆志君紹介)(第二六二三号)

 投機マネーを規制し、減税措置を行うなど経営と暮らしを守ることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二五六三号)

 消費税大増税の反対に関する請願(志位和夫君紹介)(第二五六四号)

 消費税増税反対に関する請願(吉井英勝君紹介)(第二五六五号)

 保険業法改定の趣旨に沿って、自主共済の適用除外を求めることに関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第二六二四号)

 消費税増税をやめることなど暮らしと経営を守ることに関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第二六二五号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案(大野功統君外十一名提出、衆法第二一号)

 銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案(大野功統君外十一名提出、衆法第二二号)

 租税特別措置の整理及び合理化を推進するための適用実態調査及び正当性の検証等に関する法律案(参議院提出、参法第二号)


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     ――――◇―――――

田中委員長 これより会議を開きます。

 いずれも大野功統君外十一名提出、株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案、銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房審議官湯元健治君、財務省大臣官房総括審議官川北力君、株式会社日本政策金融公庫代表取締役総裁安居祥策君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

田中委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。古本伸一郎君。

古本委員 おはようございます。民主党の古本伸一郎でございます。大臣、政府の皆様におかれましては、連日大変お疲れさまでございます。

 まず、ちょっと議題から外れますけれども、北朝鮮のああいった核実験がございました。断固許せないという立場なんですけれども、改めて、どうして食べるものに困るかような国がああいったことができるのか、あのような国がと思うわけですね。

 ですから、これはどこからかお金が流れないとそういった実験装置も買えないわけでありまして、これは少しファイナンスという観点から何か国際社会として協調していかないと、だだっ子がおって、それに対して何かまたもめられちゃ困るからとはれものにさわるようでは、そのだだっ子は改心しないわけでありまして、その意味で、各国の財務大臣との連携も含めて、与謝野さんのお立場から今回の核実験に対しての御所見が何かあれば承りたいと思います。

与謝野国務大臣 外交のことは余り詳しくないので、私が言っていることが的外れになるかもしれませんので、まずその点をお許しいただきたいと思います。

 北朝鮮の核実験の物質は、いわば原子炉から取り出した使用済み燃料から抽出したプルトニウムを原料にしております。これはよく知られている技術でございまして、放射線管理さえ無視すれば、ほとんど実験室でできるぐらい、実は技術的、理論的には簡単な技術であります。

 核実験をどういう意図でやったかということはわかりませんけれども、これは明白に日本の安全保障に重大な影響を与えますし、アジア、特に東アジアの安定性にも極めて重大な影響があります。かてて加えて、核不拡散条約の体制、既にインドとパキスタンが持つことによってその一部が破れておりますけれども、それでもオバマさんは核廃絶ということをアメリカ大統領として初めてやったということで、核不拡散の体制を強化しようとしたやさきの実験、そういう重大な意味を持っております。

 もう一つ付随的な問題としては、イランの核開発を世界的に容認してしまう、例えば、北朝鮮の核保有を容認すると、これはイランの核保有も放置することになりかねないという問題があると同時に、北朝鮮が製造した核兵器を他の国に譲り渡す、他の例えばテロリストグループに譲り渡すという危険性も指摘をされておりまして、いずれにしても、日本は各国と協力して、朝鮮半島の非核化を目指して全力で外交的な努力をしなければならないと思っております。

古本委員 ありがとうございます。

 例のプラハでのオバマさんのCTBTの歴史的な演説、実験そのものをもうやめようではないか、これは国際社会全体でそうしていこうではないか。今大臣からは朝鮮半島の非核化ということでありましたけれども、もうこの世からそれをやめてもらいたい、これは唯一の被爆国としての我が国としての、まさに国際社会での発信力が問われていると思うんです。

 その意味でもう一点、再度、財務大臣でいらっしゃいますので、これはさらなる金融制裁という観点からはお考えがあるのか、あるいは閣内でそういった議論がもう既に始まっているのか、その辺の様子についてお尋ねいたします。

与謝野国務大臣 これを決めます場合には、どの程度の核実験であったか、それから国連の動向はどうか、また、六カ国協議で参加しているアメリカ、中国、ロシア、韓国の動向はどうか、そういうことを確かめながら日本は行動をしていくことになると思いますけれども、やはり、制裁は緩める方向か強化する方向かということを問われたとしたら、それは当然強化する方向に動くということであると私は思っております。

古本委員 ありがとうございます。

 お台所を預かっていらっしゃいますので、これは思い出せばたしか数年前、国連安保理の常任理事国入りを目指し、当時外務大臣の町村さんに随分お尋ねしたように記憶しますけれども、常任理事国P5、パーマネント5、永遠の五カ国ということでしょうか。ですから、ここの五カ国だけ唯一認められているという中で、その仲間入りをしたいという我が国として、これはやはり、この世からそういったものが、核兵器なるものがなくなるように最大限の努力を発信する責任が唯一の被爆国としてもあろうかと存じます。

 金融制裁を強化するか緩めるかと言われれば強化する方だというふうに辛うじておっしゃっていただいたので多といたしますけれども、再度御決意をお尋ねいたします。これは重大な問題だと思います。

与謝野国務大臣 冒頭申し上げましたように、日本一カ国にとっても、大変近い国が核兵器を持ち、核実験に成功したことを誇らしげに宣伝をし、また、長距離ミサイルの成功、不成功は別にして、短距離、中距離ミサイルは明らかに相当な数を配備しているということは既に日本でも確認できているわけでございます。そういう意味では、日本の安全保障にとっては大変重大な事態が発生したという認識を持たなければなりませんし、それに対して憲法の許す範囲で我々は対抗的な措置をとるということは、一国の安全にとって当然のことであると思っております。

古本委員 本件につきましては、恐らく与野党の垣根のない大変重大なテーマだと思いますので、大臣の御所見を賜って、多としながら、弊党といたしましてもまたいろいろな議論に参加してまいりたいと思います。

 さて、議題となりました二法案でありますけれども、まず、いわゆる機構の買い取りの枠組みをふやす、対象の商品をふやすという方でありますが、これはたしかこの春先の法改正によって財源も確保され、銀行の持ち合いを少し解消していこう、再び買い取りを再開していこうという枠組みだったんですけれども、きょう現在、その買い取りというのは大体どのぐらいあるんでしょうか。つまり、この政策が有効に機能しているかどうか、この点についてお尋ねしたいと思います。事務局で結構です。

田中委員長 ちょっととめてください。

    〔速記中止〕

田中委員長 速記を起こしてください。

 大野功統提出者。

大野(功)議員 政府委員の登録がなされておりませんので、政府委員にかわりまして私の方から答弁させていただきます。

 四月末現在で四百三十九億円でございました。

古本委員 大体どんな業種というかどんな銘柄というか、どんな感じなんでしょうか。概要がもしわかれば。

大野(功)議員 せっかくのお尋ねでございますけれども、銘柄につきましては、マーケットに影響するということも懸念をいたしまして、発表しないことにいたしております。

古本委員 政府委員の登録が私として少し不手際がありまして、大変御迷惑をおかけいたします。ゆっくりやりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 そういたしますと、今回、J―REIT、いわゆる不動産投資信託並びにETFと言われる株価連動ファンドというんでしょうか、いわゆる投資信託、こちらに範囲を広げるということであります。結局、株安、今ちょっと戻しているようですけれども、一時期の最悪期は脱したという評価の前提に立てば、あのときに損切りして減損を確定した社にあっては、今ちょこっと戻していれば、その分売れば利幅はとれますので、多分、政府といいますか今回の議員立法のお誘いに対して、そうだなと乗れるのり代があると思うんですけれども、恐らくあのときに、一、二、三月で、大手行以外でそのようないわゆる減損確定を覚悟で損切りできたというところはそうないと思うんです。

 むしろ、地銀あるいは中小、そういったところが相変わらず抱えたままでという状況の中であるんじゃなかろうか、全体を鳥瞰いたしますとそういうふうに認識しているんですけれども、この認識は正しいでしょうか。

与謝野国務大臣 先生の御質問に真正面から答えているかどうかは自信がないんですが、二月の中旬以降に、株価がどのぐらい下がっても日本の金融機関はどの水準まで耐えられるかということを内々にやりました。

 もちろん、八千円、七千円、六千円、大体五千円ぐらいのところまでは、普通の銀行は自己資本比率は維持できる。さすがにそこまで下がりますと、生保とか少し大変なところが出てきますけれども、六千円、七千円のレベルでは、銀行の資本は壊滅的な傷みを受けるというわけではない、日本の銀行、生保は思ったより強いという判断を二月の段階ではしておりました。

古本委員 提出者にお尋ねしたいと思うんですけれども、今回、このJ―REIT、不動産投資信託と上場投資信託に買い取りの対象を拡大したとして、大体どの程度の効果があるともくろんでおられるのか、そのもくろみについてお尋ねしたいと思います。

大野(功)議員 これはお尋ねがございませんけれども、今回拡大をいたしました根本の理由、改正をする趣旨というのは、参議院におきまして、特に民主党との議論におきまして、もうちょっと柔軟に考えていったらどうか、こういうような趣旨のことがございましたので、それではということでもう少し対象を広げて、まず対象を広げるということによって安心感というものが出てくるのではないか。つまり、対象をETF等に拡大する、J―REIT等に拡大することによって、やはりセーフティーネットの大きさが変わってくる。そういう意味で、まず安心感ということが期待されると思っております。

 さらに、銀行にとっては、保有する有価証券を処分するための手段がさらに拡大していく、より柔軟に処分することが可能となるということでございますので、事業法人にとっても、保有する銀行等の優先株式等を処分する手段を新たに獲得するということになりますので、そういう意味では、柔軟な財務諸表をつくることができるのではないか、このように考えております。

古本委員 提出者にお尋ねいたします。

 今回、買い取りの対象を広げるということなんですけれども、御党の中の議論の中には、社債やいわゆる転換社債も対象にという話もあったやに伺っております。今回、上場不動産投資信託、さらに上場投資信託、この二つを織り込んだ後にもなお効果が上がらないという場合には、さらにそういった社債や転換社債についても別途追加してくるというような腹案は持っていらっしゃるんでしょうか。

大野(功)議員 社債、転換社債の問題でございますけれども、我々が対象にするという場合、やはり金融機関の信頼感をきちっと確保していくということでございますから、例えば社債にしても、そう値段の上下はない、こういう観点から、私どもは社債というものを外しているわけでございます。

 したがいまして、一番大事なことは、金融機関がしっかりと信頼関係を得られるということと同時に、場合によっては国民の税金の負担になるわけですから、大損しちゃいけない、こういう二つの、相反するような感じではございますけれども、そういう命題がある。したがって、格付の問題が一つ出てくると思います。そういう観点から、私は、社債はそう値段の上下がないとすれば、こういうものは対象に含めるべきでない、今後ともそういう議論は排除していかなきゃいけない、こういうふうに思っております。

 また、そこまで行きますと、貸付債権まで買い取ったらどうか、こんなむちゃくちゃな意見が出てくる可能性もありますので、私は、そこまで行くのは行き過ぎ、つまり、今申し上げましたように、値段が上下して銀行の財務体質が大変脆弱化していく、これを防がなきゃいけない、と同時に、ある程度の格付がなければ国民の目から見て信頼感がないじゃないか、こういう観点を大事にしていきたい、このように思っております。

古本委員 それでいえば、提出者にお尋ねいたしますけれども、これは確かに大企業ですよね、銀行が持ち合っているというのは。それで、そこにぶら下がっているいろいろな方々もいらっしゃるでしょう。ただ、底支えをしているのは、そういうすそ野の広い中小零細の、それぞれの系列のいわゆる下請の皆様が支えておられるわけで、そこまで本当にお金が回っていくかということ、各銀行が貸し渋りをしないように、これをきちんと担保する仕組みになっているかどうかということに尽きると思うんです。

 お尋ねしたいのは、今回、社債と転換社債は今後も考えていないということでありましたけれども、不動産については、これはやはり特定の分野ですね。なおかつ、特定の地域では賃貸ビルが随分空室になって、先行投資した各ファンドの出資者は大変苦労されておられるという状況なんでしょうけれども、ETFはまだわかるんですよ。日経の二二五を初め、インデックス買いするわけですから、全体に底上げるという効果はわからないでもないんですけれども、不動産の上場信託を買い支えることによって日本の中小零細の経済がどう循環していくんだというその連関性について、上場不動産投資信託に関して、少し限定的に説明していただけますか。

大野(功)議員 今の問題は、要するに、中小企業にどういうふうな影響を与えていくか、こういうことだと思います。

 そこで、景気が急速に悪化していくという中で、中小企業はもとより、中堅・大手企業にも影響が出ている、このことはもう言うまでもありません。民間の金融機関が適切かつ積極的な金融仲介機能の発揮を果たしていく、これは当然でありますけれども、金融機関が金融仲介機能を適切かつ十分に発揮しているチェックを行っていく、これが今、政治の姿勢、政府の姿勢として非常に大事なことだと思っています。

 しかし、世界的な金融市場の混乱を初めとする外的要因によって、J―REIT市場を初めとする我が国の金融資本市場に大きな影響が出ている、金融機関の自己資本の低下が懸念されている、こういう場合、金融機関のリスクテーク能力が下がっていってしまう、これは貸し出し能力ということで、中小企業に対する貸し出しが減少する本当に大きな原因となっているわけでございます。

 このような状況にかんがみて、機構がJ―REITのような価格変動リスクが大きい、J―REITは価格変動リスクが大きいんですね、銀行の健全性に影響が出る、特に地方銀行のJ―REITの保有額が高い、こういうような観点がありますので、信用収縮をそういう観点からも防いでいく必要があるんじゃないか、こういうことでございます。

古本委員 おっしゃっている話は本当によくわかるんですけれども、ただ、そんなに世の中ぬれ手にアワの話はないわけでして、これは買った人の自己責任というものもありますよね。ですから、これは、本当に経済を底支えしていくんだ、中小零細で職を失っている人あるいは失いかかっている人、つくるものがない人、売れない人、買えない人、本当に困っている人を支えていくんだという話と、ずばりJ―REITの銘柄とそれに出資している会社、いろいろな内実を見ますと、おおよそ一般庶民の国民生活とはかけ離れた、非常にいわゆるセレブな高級賃貸ビル投資事業ですよ。だから、そこを買い支えていくということが、にわかに経済の血流となり、国民生活の末端にそれが回るんだというふうにはちょっと思いづらいんですね。

 そこをまず指摘しておいて、他方、確かに日経二二五等々は、幅広くいろいろな業種に広がる、いわゆる日本のコア企業ですから、それぞれの株価を支えるということは互いに、金融機関も自己資本比率を傷めずに済む、貸し渋りに至らない、これはわからぬでもないんですけれども、さて、ちなみに日経二二五あたりで時価総額、発行総額というんでしょうか、大体幾らぐらいの市場規模なんですか。

    ―――――――――――――

田中委員長 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として金融庁総務企画局長内藤純一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

田中委員長 内藤局長。

内藤政府参考人 お答えいたします。

 日本のETF、現在上場しておりますのは六十九銘柄でございますが、これの時価総額となりますと二兆二千三百五十五億円、これはことしの二月現在の数字でございます。

古本委員 ありがとうございました。登録の不手際、お許しをいただきたいと思います。

 そうしますと、今回新たに拡大した枠は何兆円まで買えるんですか。

内藤政府参考人 全体の枠は、先般の法律の改正が三月にございまして、それを踏まえて引き続き二十兆円の枠でございます。

古本委員 枠も御存じなく柳澤先生が提出しているとは思いたくないんですけれども、二十兆ですよね。二十兆の一割なんですよ。ですから、ETFといいますか、満遍なくいわゆる日本の主要な産業を持ち合っているメガあるいは地銀があったとして、それを支えていこうというのは実は一割しかないんですよね、全部買おうと思っても。

 ですから、残りの十八兆は一体何をどう買うんだろうかと思ってしまうんですけれども、柳澤先生も出番をつくらないと申しわけありませんので、大御所から一言ありましたら。これは不思議でしようがないんですよ。

柳澤議員 我々、かつて金融危機のときに、銀行が大変たくさんの株を保有している、そして、これが時価会計というか公正価値会計のもとで値下がりをしますと、たちどころに信用収縮が起こってしまう、こういう現実を前にしまして、とにかく株式の保有制限をしようと。そして、それを市場で売られたんじゃかなわないから、それを市場から退避させるような、そういう保有機構をつくろうということでつくったわけでございます。

 現在は、特にティア1との関係で規制しましたが、ティア1に照らして考えますとかなりの水準には下がってきているんですけれども、やはりその後においても安定株主対策というような力が経済界にかかっておりまして、そういうものとして株式の金融機関による保有というものがまだ到底やまったというような状況にはないわけです。そういう状況の中で、今回の世界同時不況というものが参りまして、いろいろな要因から、特に日本の株式の下落というものが非常に急速に起こった、こういうことでございます。

 そこで、私どもとしては、現在の保有水準もさることながら、やはりこれを処分するという受け皿をつくっておいた方がいいだろうということで、銀行等保有株式取得機構というものが、まだ存在はして業務はしていないという状況でしたので、この業務の再開を先般の議員立法によりまして果たした、こういうことでございます。

 その審議の中で、買い取りの資産を株式に限らないで、株式同様に変動の幅の大きいエクイティー的な性格を持つ資産に拡大すべきだ、こういう議論がございました。そこで、今回私どもも、できるだけの手を打ってセーフティーネットを張っておこう、こういう考え方から、買い取り対象を拡大するということをさせていただいたわけでございます。

 二十兆円の政府保証枠、これは、直接に何かお金が用意されたということではなくて、必要に応じて、借り入れる場合に政府が保証をすることによって、円滑にその借り入れができるようにしようということで設けている枠でございますけれども、この算出根拠は、現在金融機関が持っている株式の中で今回も取得機構が適格と考えているもの、そういうものを対象に計算しまして、セーフティーネットでございますので、目いっぱいこれを保証枠として計上させていただいた、こういうことでございます。

 今回、先ほどの対象の拡大の中でETFなども対象にしたんですが、これは、ETFとして現に組成し、それが市場に上場され取引されたものとしては、今総企局長から話があったように二兆円ということですけれども、私どもとしては、ETFという買い方が非常に市場からは公正さという意味ではいいものですから、それが現物としてない場合には、バスケット方式を考えまして、ETFの組成に至るような構成比率でもって株式の買い取りをしよう、こういうことを考えているわけでございます。

 そういうようなことから、結果的には、二十兆円の枠内でこれを取得していくということが可能だと考えて、今回は保証枠の拡大を伴わない形で法案の提出をさせていただいておる、こういうことでございます。

古本委員 今いろいろとお話を承りましたけれども、結局、政投銀法の改正もあわせて出ておりますので、少しそこも触れたいと思うんですけれども、最終的に経営責任というものをどういった形でだれがとっていくんだということに尽きると思うんですね。それで、政投銀も、結局三年半後に改めて民営化の話を白紙から議論し直すのか、それとも議論を三年半スライドさせるだけなのか、ここもはっきりしていないと思うんですね。

 これは柳澤先生に、たしか当時担当されていたような記憶があるんですけれども、ずばり郵政民営化には賛成だったんですか、どちらでしたか。

柳澤議員 私は、当時は自民党の政務調査会長代理でございました。それで、当時、与謝野財務大臣が政調会長でございまして、座長としては当時園田さんが指名をされていたんですけれども、いずれにせよ、園田さんを助けて、当時の政調会長与謝野先生、現在の大臣、それから私どもが席に並びまして法案の推進に当たったということでございまして、当然、郵政民営化に賛同する立場でこれを推進していたということでございます。

古本委員 ありがとうございます。

 そうしますと、柳澤先生、入り口の改革は賛成だった、出口の改革である政投銀の民営化については反対である、これはそういう法案というふうに理解していいんですか。つまり、入り口は賛成だったけれども、出るときになったら気持ちが変わってきた、こういう感じなんでしょうか。

柳澤議員 結論的に言いますと、出口の政投銀法の改正も、私どもは推進しようという基本的な方向のもとで考えているわけであります。

 ただし、現在、このような世界的な金融危機の中で、危機対応の業務というものについて政投銀にも一定の役割を果たしてもらいたい、こういうことでございますので、この金融危機対応業務をしている限りにおいては、民営化というものを他方で推進していく、具体的には株式の市中への処分をしていくということはやはりそぐわないということで、危機対応業務を行い、かつ、特にそのための公的資金による増資というものをやっている限りにおいては、やはり現在の株式の処分というものをその間調整していくのがいいだろう、こういう考え方に立っているというものでございます。

古本委員 二十兆は枠ですから、実際に税を投入してその分を補てんするというのは、実際はもっと小さい。最悪のシナリオとしてそういうことも想定しておくということで、真水で二十兆が出ていくわけではないというのは、国民の皆様にもよく理解していただかなければならない点だと思うんですが、これは、実は政策評価という観点から、入り口の郵政民営化の議論はそのままに、出口の政投銀改革の話が、まさに時計の針が行ったり来たりしている議論に今入っていると思うんですね。こういったことをきちんと整理しないと、やはり郵政の入り口改革とセットで議論すべきだと思うんです。

 きょうは実は内閣府にもお越しをいただいているんですけれども、今、例の定額給付金という麻生政権の大変目玉である政策を打たれております。総務省から事前にいただいておりますけれども、直近でいきますと、全国千八百団体の公共団体の中で九八・二%がもう給付を開始いたしております。もちろん、自宅にあれが届いて役場にもらいに行かないという人は、それは自己責任ですが、少なくとも役所としてはもう九八%開始いたしているんですけれども、きょう現在、この定額給付金がどのように使われたか、消費に結びついたか、あるいは、ちょっとこの先雇用も心配なので、貯蓄に置いておこうか、こういった定点の観測はもう既になさっておられますでしょうか。

湯元政府参考人 定額給付金の経済効果につきまして、個人消費の動向などを分析する中で検討しております。具体的方法につきましては、研究者と専門家の御意見などを踏まえながら、家計調査による分析と、それからアンケート調査による分析というものを考えております。

 アンケート調査につきましては、調査票を作成いたしまして、その調査票を今送ったところでございまして、まだ回収がごく一部にとどまっておるものですから、おっしゃられたような分析は現時点ではまだできておりません。

古本委員 平成十一年でしたか、地域振興券、あのときは当時の経企庁が、大体全国九千標本で約六割ぐらいの方が貯蓄に回したという結果だったというふうに当委員会でも披露したと記憶いたしておりますけれども、ああいった調査が最終的に整うのはいつですか。

湯元政府参考人 恐らく六月中ぐらいにはほぼ一〇〇%になるというふうに考えておりますが、実際のアンケート調査が返ってくる時期につきましては、これは、定額給付金をもらってからすぐ使う方もいらっしゃるでしょうし、それから、例えば一カ月なり二カ月ぐらいの間を置いて使う方もいらっしゃいますので、少し時間をかけて、アンケート調査の回収時期は、五月雨式に回収しておりますが、最終的には秋ごろをめどとしております。(古本委員「秋というのは何月ですか」と呼ぶ)九月をめどとしております。

古本委員 言いにくいのはわかるんですよ、審議官。きのう聞いてびっくり仰天なんです、与謝野さん。これは九月の総選挙が終わってから総括が出るんですよ。だって、政令市あるいは中核市、それから市町村、それぞれ先生方のお地元にこれだけ街角ウオッチャーがいるんですから、聞いてくればすぐわかる話です。

 でも、そうはいかないので、プロがしかるべき学術的アンケートをとるにしても、即効性があるとおっしゃっていたじゃないですか。本当に消費に回したい人なら、引き出しに入れてしまいませんよ。開封してすぐ役場にもらいに行きますね、北海道のどこかの映像も随分効果的に流しておられたようですけれども。それが、総選挙が終わるまでこの定額給付金の総括ができないというのは、にわかに信じがたいんです。

 与謝野さん、週末、テレビにお出になっていたようですけれども、私もちらっと移動先で見たものですから、ちょっと念のため確認したいと思うんですけれども、かの著名なクルーグマン教授が、定額給付金の評価はゼロ点だというふうに与謝野さんが出演されている番組でございましたけれども、これについて何か反論があればお伺いしたい。

 それと、内閣府が総選挙が終わるまで定額給付金の総括ができないと言っていることについて、これはいささか男らしくないんじゃないかなという気がするんですけれども、与謝野さん、これはお地元の新宿区でもどこでも聞けばすぐわかりますよ。やってもらったらどうでしょうか。

与謝野国務大臣 クルーグマンさんは、アメリカについては大変詳しい方ですが、日本については余り詳しくない、したがって、定額給付金について定性的、定量的な評価はしたくないというのが彼の立場でした。

 それから、選挙が終わってから結果が出るというのは男らしくないと。もともと定額給付金は選挙目当てにやっているものではない、これをきちんと御理解をいただかなければならないと思います。

古本委員 この給付金が、与党の先生方も政府もこぞって、麻生内閣の発足来の目玉だったわけでありますから、これは堂々と国民各層の総括を受けていいと思うんですね。その結果をまた見ながら、新たな、今議論しているこの補正、戦後最大補正の議論にもつなげるべきだと思うんです。

 さて、きょうは財務省の事務方にも登録をいただいていますけれども、この二十年度補正それから二十一年度予算と補正で都合何兆円ぐらい新規の赤字公債を発行しますか。

川北政府参考人 お答え申し上げます。

 いわゆる特例公債の発行額でございますが、二十年度の二次補正が六兆六千八百九十億円、二十一年度の当初予算におきまして二十五兆七千百五十億円、同一次補正におきまして三兆四千八百七十億円でございます。

古本委員 今数字はおっしゃったんですけれども、与謝野さん、建設公債は、親子三代、橋を使うかもしれない、トンネルを使うかもしれないということで、私は、個人的見解かもしれませんが、本来そういうコンクリート物は建設公債でやるべきであるという立場なんですね。その上で、赤字公債は、現世を生きている私たちが飲んで食べて、ああ楽しかったと。それを、まだ顔を見ぬ赤ちゃんが負担する、あるいはその子の、孫子の代が負担するというのは、これはやはり虫がよ過ぎると思うんですね。

 そういう意味で、この赤字公債の償還計画はもう既に立てておられますか。この二十年度補正と二十一年度予算と現在議論している補正を合わせた、総額三十六兆ですか、この償還計画というのは今お持ちですか。

与謝野国務大臣 当然、補正をやるまでもなく、日本の財政、これは、建設国債、赤字国債ということを区別することが意義があるのかどうかという問題もあるぐらい、実は借金はいっぱいになっているわけでございます。

 我々は骨太二〇〇六で、財政再建を何とか試みたい、そういうことを申し上げまして、また、国会で御承認いただいた税法の附則では、中期プログラムの中で、二〇一一年には何とか税制の抜本改革をお願いしたい、こういう大きなフレームの中で償還計画というものは存在し得るものであると思っております。消費税の議論なんか四年も五年もする必要ないんだと、こうやって切り捨てられるのはちょっとつらいものがあるわけでございます。

古本委員 消費税の議論は別に切り捨てていませんので。

 それで、実は気づいたんですけれども、今私どもがいろいろな私どもなりの政策提案をしている。これに対して随分、財政当局の与謝野さんあるいは麻生さんから財源を示せという御指摘を受けているんですね。民主党もそういう調子のいいことを言うのはいいけれども、財源はどうなっているんだと。

 これはよくよく考えてみますと、返す刀で、これまでストックベースで八百兆に上らんとする借金をこしらえてこられたのは皆様です。それで、今回新規で二十年度補正、そして二十一年度予算と補正で都合五十一兆円出しますね。このうち、赤字公債は七兆円プラス約二十九兆ということになりますけれども、残りは建設公債ですね。

 そもそも足元の、今回発行しようという借金の償還計画表もないということは、つまり、一般国民にわかりやすく言えば、家のローンを借りて、三菱UFJからコンピューターでだだだっと打った物すごい気の遠くなる償還表が来るわけですよ。それで、三十五年後に夢のゼロという数字が打たれるんですね。一般国民は家のローン、車のローンを組んで、これを持っていない、踏み倒したなんという話はないんですよ、償還計画表は。

 日本国政府としてこれほど補正が大事だとおっしゃっていることならば、同時に、これはいつ返済が終わるんですか。償還計画表を一度見せてください。野党の財源論を示せと言う前に、そちらこそ借金の償還計画表を見せてくださいよ。でなければ、今回のいろいろな議論が、定額給付金は政策評価も選挙が終わった後、それから今補正の議論もやっているさなかですけれども、これはやはりお互いに、きちんと役割を果たそうじゃありませんか。償還計画表を一度見せてください。

与謝野国務大臣 借金はお金がないと返せないという当たり前の議論があります。したがいまして、そのお金をどうつくるか。この思想は、骨太二〇〇六に実は書いてあります。一つは歳出削減、一つは歳入改革、一つは経済成長、この三つがそろわなければ日本の財政は健全化を取り戻せないわけでございます。

 ところが、皆様方は、歳入改革は論ずる必要はないという立場でございます。私は不思議に思うわけでございます。与党の主張になっていることは、我々は正直に、お金がないので借金をして補正予算を組みます、こういうことを申し上げている。民主党の皆様方は、無駄を省けば二十兆も出てくるとおっしゃるんですが、それはどこにあるのかということを一度も教えてくださらない。

 そこはやはり、仮に無駄が二十兆あるというのであれば、その二十兆はどこの部分にあるんだということを一度は御説明いただかないと、我々得心がいかないというのがこの議論のすれ違いであると思っております。

 償還計画と申しますが、我々は六月中には骨太二〇〇九というものを書きます。その中では、二〇一一年プライマリーバランス到達という目標は捨てざるを得ないと思っております。もう一方では、骨太二〇〇九では、新たな財政再建目標をつくる必要があると思っておりまして、それは、フローの目標にするのかストックの目標にするのかという問題があって、まだ議論が収れんしておりません。

 フローの目標というのは、プライマリーバランスは一つのフローの目標、債務残高を対GDP比一定にするというのはストックの目標、いずれをとるのか両方とるのか、これは六月中には骨太二〇〇九で、この財政再建目標あるいは歳出目標、歳入改革目標、経済成長の見通し、こういうものは改めて皆様方にお示しをする責任が我々にあると思っております。

古本委員 大臣、もう予算委員会ですから、最後に一言だけ聞いてください。これは、お金がないから公債を発行するというのはわかるんですよ。だけれども、同時に、世間の国民の皆さんは返済計画を持って借金するんですよ。そこを聞いているんですよ。

 ですから、その部分は今後の議論にしたいと思いますけれども、当委員会に、委員長、八百兆の償還計画表というのはにわかには難しいにしても、少なくとも今回補正で議論されている新規の公債発行については、これはやはり発行する限りは償還計画表をあわせて、当委員会は歳入委員会ですから、提出いただくようにお計らいをいただきたいと思うんですけれども。

田中委員長 後刻また御協議を理事会等でさせていただきます。

古本委員 どうぞ、大臣、委員会に行ってください。

 ありがとうございました。終わります。

田中委員長 この際、休憩いたします。

    午前九時五十六分休憩

     ――――◇―――――

    午前十時十九分開議

田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。階猛君。

階委員 民主党の階猛です。

 きょうは、日本政策投資銀行法改正案について質問させていただきたいと思います。本当は大臣にお伺いできればよかったんですが、ちょっときょうは残念なことでした。また次回、それはお願いしたいと思います。

 きょうは、質問する内容について、資料一というところで二枚にわたってちょっとまとめさせていただいております。数字の話であるとか法律の話であるとか、ちょっと細かくなるものですから、誤解のないようにと思いまして、あらかじめ資料にまとめさせていただいております。

 質問を始めさせていただきたいと思いますけれども、まず私は、この法案について、大きく三つ疑問を提示させていただきたいと思います。

 まず一つ目の疑問として、民営化を目指す金融機関が危機対応業務の範囲を拡充することについて疑問に思っております。この点から始めさせていただきたいと思います。

 まず、今現在の日本政策投資銀行の企業価値というものについて確認させていただきたいんですが、例えば仮に、今現在で日本政策投資銀行が企業買収に応じる場合、譲渡価格は大体幾らぐらいと見込まれているのか、この点について教えていただけますか。

川北政府参考人 お答え申し上げます。

 政策投資銀行は、二十年十月一日に株式会社化して発足いたしました。現在、二十一年三月期の決算は取りまとめ中でございます。したがいまして、参考までに、十月一日時点におきます同行の純資産の合計額を申し上げますと、約二・二兆円でございます。

 御質問の、企業価値あるいは譲渡額でございますが、これは譲渡をいたしますその時々の株式市場の動向にも左右されるものでございますので、現時点で幾らとお答えすることは難しいことを御理解いただきたいと思います。

階委員 確認までにお聞きしましたけれども、大体純資産が二・二兆ということですから、企業価値はそれに近いだろうというふうに見ております。それで、そのような企業、今現在、総資産が十二兆程度になるわけでありますけれども、その総資産十二兆程度の政策投資銀行が、今回、最大で十九兆円になります。

 資料の三、右下に四と番号を振っておりますページを見ていただきたいんですが、これが経済危機対策に盛り込まれた中堅・大企業向け資金繰り対策の全体像ということでございます。ここに書いているのは、貸し付けが二兆から十兆にふえるということと保証が五兆出るということ。それ以外に、CPの既に実行されているというか枠が設けられている二兆分と、それから産活法による出資が二兆というのがありますから、これらを全部含めると、最大で十九兆円リスク資産がふえる。これは政策的な目的での資産ですから、相対的に見ますとハイリスク・ローリターンというふうに言えるわけです。

 このハイリスク・ローリターンの資産を持つことによって、先ほど言われていた純資産二・二兆という企業価値にどの程度の影響を及ぼすと考えるのか。この点についてもお聞かせ願えますか。

川北政府参考人 お答え申し上げます。

 御質問にございましたように、今般の経済危機対策におきまして、現下の厳しい経済金融情勢を踏まえまして、危機対応業務を大幅に拡充することにしてございます。

 ただ、危機対応業務につきましては、個々の貸し付けにつきまして指定金融機関の判断で行うものでございますし、また、損害担保制度の活用によりまして、公庫から信用補完が行われるといったようなこともございますので、危機対応業務の制度設計といたしまして、指定金融機関の企業価値を過度に損なうということに直ちになるわけではないというふうに感じております。

 処分収入の見込みにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、今後の株式市場の動向にも左右されるものでございますので、現時点で幾らとお答えするのはなかなか難しゅうございます。

階委員 常識的に考えても、今現在、総資産十二兆の金融機関が、最大で十九兆円の新たなハイリスク・ローリターンの資産を持つということですから、これは経営に重大な影響を及ぼす、企業価値にも重大な影響を及ぼすというふうに考えるのが普通だと思います。

 ちなみになんですけれども、私のお配りしている資料ですと、資料の二というものをごらんになってください。右下に三と書いております。参考までにパネルも用意しましたけれども、これは、主な金融機関の二〇〇七年度末時点における一人当たりの貸出金の額を比較したものでございます。

 一番左側、DBJ、これが政策投資銀行ですけれども、この危機対応業務前、一人八十五億円です。これを、貸し出しだけでも今回十兆ふえるわけですから、この八十五億が百六十億までふえます。ちなみに、三菱UFJは一人当たり二十一億、商工中金も大体同じぐらい。あと、地銀で一番大きい横浜銀行は二十三億。

 こういうことからすると、これは非常に無理がある貸し出しの追加ではないかというふうに思うわけです。今の、たしか従業員千三百人ぐらいの体制で、融資を実行するときに適切な審査が行えるのかどうか、これは非常に疑問に思うわけです。

 私が危惧しているのは、新銀行東京のように、審査を安易にすることによって不良債権の山になって大問題が起きる、こういうことにならないかということを危惧するわけですけれども、この点について、新銀行東京のようにはならないというふうに断言できるのかどうか、副大臣、お答えください。

竹下副大臣 今、一人当たりのお話をされましたが、私どもが今取り組んでおりますことは、何としてもこの経済危機を乗り切るために、政府としてできることを、極端に言うと全部やろうというぐらいの決意でやっております。その数字が、確かに大きな数字になっておることは事実でありますが、それはしっかりとした管理のもとにやるというのが大前提でございます。

 政策投資銀行におきましては、一つは業務の効率化、これはもちろんでございますが、企業のメーンバンク等が持っておりますさまざまな金融情報、あるいは危機管理情報ということをしっかりと共有することによって協働も図っていくということをしながら、もう一つは、危機対応業務でありますから、審査の迅速化ということももちろんやらなければならないことの一つでございます。

 ですから、審査のレベルを落として業務の拡大をということではなくて、レベルはしっかり維持して迅速に業務の拡大をやっていかなければならないし、また、それは可能である、このように考えております。

階委員 いや、実際にはこれはかなり難しいと思います。幾ら政策投資銀行に優秀な人が多いとはいっても、なかなか積み上げるのは容易じゃない。私、銀行のときに融資の経験もありますけれども、一人百六十億の資産を持つというのは大変なことですよ。不良債権を出さないようにするということは、亀井先生もよくおわかりだと思いますけれども、大変なことだと思います。

 こういう無謀なことをやるということではなくて、危機対応業務自体の意味はわかるんですよ、危機対応業務自体をやることはいいんですが、これをちゃんとやれるところにやってもらう、リスクは必要に応じて分散していくというような発想がないと、今度は、危機対応業務をやっていた政策投資銀行について危機が生じて、それに対応する新たな業務が発生するという話になりかねないので、これは極めて重大な問題だと思っています。

 さらに話を進めますけれども、四点目の質問になりますけれども、先ほどの資料三の方でもう一回見ていただくと、保証の五兆円というのが今回新たに加わっております。この保証の意味なんですけれども、融資枠十兆あるのとは別に保証枠を設ける趣旨は何かということと、保証割合、貸し倒れになったときに保証が受けられるのは何%なのか。それから、もし保証期間中にこの政策投資銀行の経営が不良債権等々の問題で悪化した場合に、融資を実行している民間の金融機関は、追加の担保要求や利上げ、あるいは期限の利益喪失などといった債権保全措置を講じることはできるのかどうか。この辺について、技術的なことですので政府参考人の方からお願いします。

川北政府参考人 お答えいたします。

 保証を設けた趣旨でございます。今般の経済危機対策におきましては、中堅・大企業の資金繰りに万全の措置を講ずるという観点から、民間金融機関の関与を引き出していくとともに、借り手の事業者における資金調達の形態や経路の多様性にも配慮するということが重要であると考えまして、指定金融機関による保証という枠組みを設けることといたしました。その場合の保証割合につきましては、案件ごとに、指定金融機関と借り手との間の融資の契約に応じまして設定されるということになると考えております。

 なお、金融機関の保証業務につきまして、一般的には、保証する側の金融機関の財務状況の悪化が、保証を活用する側の民間金融機関と債務者との間の主債務の条件に影響を及ぼすことはないというふうに承知しておりまして、御指摘の担保保全措置手段につきましては、制度的には想定してございません。

階委員 ちょっと最後のところはそういう趣旨ではないんですが、とりあえず、これは本筋とはちょっと離れますのでおいておきます。

 このように、政投銀が保証をつけることによって民間金融機関が融資を行いやすくなるということなんだと思うんですが、これについて私が思うのは、結局、政策投資銀行が指定金融機関であるということから広がりがないわけですよ。

 むしろ、保証を使って民間金融機関から資金を引き出すよりは、そもそも民間金融機関に指定金融機関になってもらうような方策をとればいいのではないかというふうに思っていまして、政府としては、指定金融機関を拡大する努力を行うつもりはないのかどうか。副大臣、お考えをお聞かせください。

竹下副大臣 指定金融機関は、もう先生御存じのとおり、今はみなし指定で、商工中金とこの政投銀が指定金融機関という位置づけになっております。法令上そうなっておりまして、ほかの民間の金融機関につきましては、申請に応じて指定するということになっております。ただ、これまでのところ、この経済状況の中でありますので、ほかの金融機関については具体的な申請は行われてきておりません。

 なぜかという点でございますが、一つは、危機対応業務というのは昨年十月から始めたばかりであるということが一点。それからもう一つは、災害あるいはテロといったような金融以外の危機への対応でしたらともかく、今回の危機がいわば金融危機に端を発した問題でありますので、ほかの金融機関に危機対応業務に取り組む余裕が余りない、あるいはほとんどない、あるいは今それを考えられる状況にないといったようなことが十分考えられますし、そうしたことが、申請がないということとなってあらわれている一因ではないかというふうに受け取っております。

 財務省といたしましては、今後もこの危機対応業務の周知に努めてまいりますし、大企業、中堅企業の資金繰り対策として十分な措置を実施するためには、ともかく現行の指定金融機関を前提とした保証枠を設ける方が迅速であり効果的である、こう判断したゆえんでございます。

階委員 今御答弁にあったように、民間金融機関はなかなか手を出したがらないような、要はリスクの高い業務であります。そこに十九兆、新たな危機対応業務により資産がふえるということでございますから、想定しておかなくてはならないのは、不良債権がふえて、政策投資銀行が債務超過となることもあり得るのではないか。純資産は二兆しかありませんから、債務超過になることも当然想定しなくてはならない。

 そういった場合、政策投資銀行は債務超過ということで倒産させるのか、あるいはその段階で公的資金を注入して存続させるのか、そこについて方針をお聞かせ願えますか。

竹下副大臣 結論から言いますと、破綻するという仮定の話についてお答えをすることは、この段階では差し控えさせていただきたいということになるわけでございますが、この危機対応業務というのは、日本政策金融公庫からの信用の供与を受けつつ、指定金融機関の判断により貸し付け等を行うものでございまして、貸し倒れ損失が多額に発生するということはないというふうに考えております。

階委員 ただ、損害担保契約でリスクがある程度はカバーされるとしても、今現在も、それほどこの損害担保契約は利用されているわけじゃないんですね。例えば、資料の四という、一番最後のページにつけていますけれども、日本政策投資銀行だけで一兆二千億ぐらいなんですね、四月末時点の危機対応業務に係る貸付額ですけれども。そのうち、参考というところを見ますと、損害担保契約が付されているものは四百六十五億。ほとんどは担保契約が付されていないわけですよ。

 そういう中で、今後もこういう業務が行われていくということは、最終的には日本政策投資銀行がリスクを負って、そのリスクが顕在化して、純資産はたった二兆ですから、十九兆のリスクが新たに加わるということになると、当然債務超過というのもあり得るというふうに考えておかないと、これは甘いんじゃないかなと思います。

 もう一度、今の、もし債務超過になった場合にどういう方針をとるのかということについてしっかりお答えいただけますか。

竹下副大臣 御存じのように、民間の金融機関、メーンバンクですね、メーンバンク等々が持っております審査能力あるいは企業との長い長いつき合いの中で、融資というもの、新たな設備投資、あるいは新たな資本の投入というものを、民間の金融機関としっかり連携をして判断させていただくことにいたしておりますので、政策投資銀行だけがすべての判断をし、すべてのリスクを負うということにはならない、こう考えます。

 それからもう一つは、これも先生御存じのとおりでございますが、三千五百億円の資本注入をいたす予定にいたしておりますし、交付国債という形で、不測の事態が生じたときには自己資本に欠損が起きないような、これはかなり万全の体制をとっておるということでございます。

階委員 今、メーン銀行と協調してやるんだというお話もありましたけれども、たしか、そのメーン銀行と協調してやる部分というのは、貸し出しが十兆ふえる中のごく一部だったと思うんですけれども、違いましたでしょうか。この点について、参考人、具体的にこのメーン銀行と協調してやる部分というのはどれぐらいの金額だったか、確認させてください。

川北政府参考人 お答え申し上げます。

 政策投資銀行におきましては、危機対応業務をする際に、もともとの長期の資金貸し付けにつきましても、民間金融機関といわば協調融資のような形で協働して仕事をしていくということを前提としておりますが、今回特に、経済危機対策におきましてさらにそれを一歩進めまして、民間金融機関におきます審査能力を利用いたしまして、それに対して簡易な審査で政策投資銀行が融資をしていく、そういう仕組みを設けることとしておりまして、それにつきましては、先ほど配付していただきました資料で、二兆円から十兆円というふうに八兆円追加していく中の内枠で考えております。

階委員 具体的なめどはないんですか。八兆全部そういうふうになるということもあり得べしなんですか。

川北政府参考人 この八兆円につきましては、社債を購入したり、コミットメントラインの設定ですとか、あるいは御指摘のメーンバンクとの協働型の貸し付けといったようなものがございまして、いずれにいたしましても、その中は、私どもとしては積算、想定の範囲でございますけれども、御指摘の点につきましては二兆円規模を想定しております。

階委員 二兆円なんですよ。だから、十九兆のうち二兆はメーンバンクの審査能力とかを活用できるにしても、まだまだカバーされない部分がたくさんあるということは指摘させていただきたいと思います。

 それから、そもそも今回、日本政策投資銀行については、政府が持っている株を、政府の持っている資産を圧縮するという意味で売却しようとしているわけです。売却することによって、今の企業価値で見れば大体二兆円内外のお金が入ってきて、それで財政健全化に資するということなわけですけれども、ひょっとすると、こういう業務をすることによって、このリスクを政策投資銀行がかぶることによって、せっかくの国民共有の日本政策銀行の株式という貴重な財産が換金不能になる、売却不可能になる、こういう可能性もあるということなんですが、もしそれが売却不可能になった場合、だれが責任をとるんだろうかというふうに思います。その点について、副大臣、お願いします。

竹下副大臣 階委員のおっしゃること、わからないわけではございませんが、今私どもがやっておりますことは、何としても景気の底割れを起こしたくない、そのために、なかなか動かないところ、あるいは厳しいところをともかく支えていこうということが第一、経済対策でございます。

 平常の場合でしたら、リスク管理というのはもう十分の上にも十分をやっていかなければならないわけでありますが、今やっておりますことはまさに危機対応業務でございまして、景気の底を抜けさせたくない、このことに非常に重点を置いておるということをぜひ御理解いただきたいと思います。

階委員 危機対応業務自体の意義を否定しているわけではないんですよ。ただ、これを政策投資銀行が過大にやることによってリスクが大きくなって、せっかくの国民共有の財産が無に帰してしまう、これを恐れているわけです。

 そこで、私が指摘したいのは、仮に政策投資銀行やもう一つの商工中金に危機対応業務を行わせるにしても、政府保有株の売却に支障を来さないような措置が必要ではないか。例えば、指定金融機関をふやすということを先ほど言いました。指定金融機関をふやすことによって政策投資銀行の資産がふえる額を必要最小限に抑えたり、あるいは企業価値に影響を及ぼさない何らかの工夫が必要だと思います。この点については同意されますでしょうか。

竹下副大臣 リスクを最小化する、リスクをある意味で分散するということは、でき得るならばそうしたいというのは、正直なところ、それは我々の心の中にあることは事実でありますが、一つ、先ほどお話ししましたように、では指定金融機関にだれが手を挙げてくれるのか、ではどこを指定すればいいのかという部分は、法律的に言いますと、申請を受けてそれを指定するということになっておりますが、申請が出てきていないという、これは現実であります。

 それから、業務の規模を必要最小限にしたらどうかということもございますが、私たちは、危機対応業務の主な担い手となっておる政策投資銀行に対しまして、この法案に基づきまして、先ほどお話ししましたように、財務基盤を強化するために追加出資、あるいは一兆三千五百億円の交付国債という形でさらに補完もする、資本の面でもしっかり補完をしていくということも検討させていただいておりますので、これらの措置は、現下の経済危機、金融危機に万全を期す観点から、私たちは、この業務をやっていくということは必要不可欠なものだというふうに認識をいたしております。

    〔委員長退席、木村(隆)委員長代理着席〕

階委員 企業価値に影響を与えないようにするために、今おっしゃったような出資でバッファーを設けるということもあり得ると思うんですが、ただ、それではまだまだ中途半端だと思っております。

 私がここで御提案したいのは、例えば危機対応業務については、政策投資銀行の中に別勘定を設けて管理すべきではないか、その上で、将来的には、この部分については政策金融公庫、こちらは民営化は関係ありませんから、政策金融機関ですから、そちらに危機対応業務を、人材、資産を含めて、事業譲渡によって移管すべきではないか。この方が政策投資銀行の株の売却にも支障は出ませんし、一方で危機対応業務もちゃんと継続できるということで、両方メリットがあると思うんですけれども、こういうやり方はどうでしょう。

竹下副大臣 切り離してやるという、これは考え方としてはあるかもしれませんが、どちらの方が真剣にやるか。おれに責任があるという思いでやる業務と、いや、責任はおれにないんだと思ってやる業務では、一つ一つの業務に対する真剣度というのは非常に違ってくると思います。

 それから、これは仮定の話ですので、本来はお答えすべき分野ではないかもしれませんが、切り離してしまいまして、政投銀の方の株価は影響ない、それはそうだと思います。しかし、こっちで欠損が出た場合、だれがその欠損を埋めていくのか。これは税金で埋めます、あるいは金融公庫の資金で埋めていきますというふうに切り離すと、ではこっちは何だったんだ、政投銀の方の健全化をするために、悪くなった部分だけほかのところに回すということが果たして本当にいいのかなと。

 我々もいろいろ検討はしてまいりますが、どちらがより真剣に、審査にももちろん、それから貸し金の管理にもしっかりと対応するか、やはり自分が出して自分が責任を負うという体制が基本じゃないかな、このように考えております。

階委員 そうやって、民営化を目指す政策投資銀行が、危機対応業務というリスクの高い、余りもうけにつながらないような業務をやることで、非常にその存在意義があいまいになってくると思うんですね。

 私は、危機対応業務は政策金融機関がやるべき仕事であって、だから政策金融公庫がやればいいと申し上げているんです。その中でリスクが顕在化したら、それは国策に沿った金融の結果生じたものだから、国民の理解を得て損失の穴埋めなりなんなりすればいいと思うんです。

 一方で、政策投資銀行が民営化を目指すといってこの業務を続けていった場合に、民営化が果たして実現できるんだろうか、株が上場できるんだろうか、そんな過大なリスク資産を持ったところの株をだれが買うんだろうかということで、政策投資銀行の株の売却もできなくなり、下手をすると、政策投資銀行の企業存続そのものが危うくなるということで、これはもうアブハチ取らずになるんじゃないかというふうに思うわけです。

 ですから、先ほどのように、政策金融についてはしかるべき政策金融公庫でやる、そして、民営化を目指す政策投資銀行は、今はそういう受け皿がないからしようがなく危機対応業務をやるにしても、将来的にはそういうことはやらないで、民営化する金融機関としてふさわしい業務をちゃんとやっていくということで企業価値を高める、そういうふうにきっちり役割分担をした方がすっきりすると思いますよ。もう一度、お考え。

竹下副大臣 一つのお考えであるとは思いますが、以前与謝野大臣も答弁をさせていただいておりますように、私どもは、政府の機関として、金融の危機対応業務におけるツールといいますか手段を全部放棄してしまって本当によかったのだろうか、いいのだろうかという思いというのを今回の金融危機に直面して感じております。

 ですから、それに対応するために、ではどういう形でこれから危機対応業務の金融分野をやっていくかというのはもちろん議論の必要な部分である、それから株式の譲渡につきましても、今回の法律の中でお願いをしておりますことは、ともかくこの金融危機を乗り切る三年後に議論し直そうというスタンスで今のところ動いておるわけでございまして、どういう形にしていくのか、あるいはそのときの株式の売却をどういう形でしていくのかといったようなことも含めて、まさにこれから議論を深めなければならない問題である、このようには認識をいたしております。

階委員 私が申し上げているのは、選択肢をふやそうとしているわけでして、別勘定で管理することによって、将来切り離すこともできれば、あるいはひょっとしたら、企業価値に影響がないということであればそのまま続けることもできるだろうし、今のまま、何か一緒くたにして、危機対応業務も民営化する金融機関としての業務も一緒くたにやるというのはちょっとおかしいんじゃないかということを改めて問題意識として申し上げておきます。

 それで、二つ目の疑問ということで、危機対応業務の見合いで出資することについて疑問を幾つか持っております。

 まず確認なんですが、今回の補正予算、三千五百億が現金による追加の出資、それから一兆三千五百億が交付国債による将来の出資予定ということになるわけですが、その三千五百億の現金による追加出資が今必要とする理由を計算根拠とともに示していただけますか。

川北政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の補正予算におきましては、現時点で、政策投資銀行の資本金の増額を行わなければ、危機対応業務の円滑な実施に支障を来すと考えられる部分につきましては現金による追加出資を行うこととし、残余につきましては交付国債で対処をするという考え方でございます。

 具体的には、現金出資の分につきましては、二十年度に既に実施した危機対応業務の部分、及び二十一年度に、二十年度と同様のペースで一年間、この危機対応業務が積み重なったという場合に増加する分、その両者のリスクアセットの合計額につきまして、その八%相当分を資本相当額として措置するものでございます。

 積算根拠を申し上げます。

 長期資金貸し付けにつきましては、二十年度で、四カ月で約一・一兆円の実績がございました。二十一年度も同様のペースで貸し付けが行われるといたしますと、その三倍の約三・三兆円が追加されます。ここから、損害担保契約によりましてリスクカバーされると想定される部分を引きまして、長期資金貸し付けにつきましてのリスクアセットを約四兆円と計算いたしました。

 加えまして、コマーシャルペーパーの買い取りにつきまして、二十年度に通常業務分を含めまして約〇・五兆円の買い取りを実施しておりますので、それがそのまま借りかえされるということで〇・五兆円。

 四兆円と〇・五兆円を合わせまして約四・五兆円のリスクアセットということで、その八%を計算いたしまして三千五百億円と計上したものでございます。

階委員 今、掛け目八%という数字が出ていますけれども、これはBIS規制から出てきているものだと思うんですね。国際基準が適用される銀行は八%という自己資本比率が要求されるわけです。

 ところが、この政策投資銀行、今現在、銀行という名前はついていますけれども預金はなくて、このBIS規制というのは適用対象外だと思うんですね。にもかかわらず、なぜこのBIS基準の八%を使うのか。このことについて説明してください。

川北政府参考人 政策投資銀行は、昨年十月以降、完全民営化の実現に向けました移行期間中でございます。

 御指摘のように、現時点ではBIS規制の適用を受けないということでございますが、民営化への移行期間中でございますので、自力での資金調達体制への移行が求められておりますし、また、そもそも長期の事業資金の供給を目的とした株式会社でございますので、財務基盤の強化あるいは十分な自己資本の確保という点は最重要課題でございます。

 また、政策投資銀行は、その業務内容を見ますと、一件当たりの取引規模が、先ほど御指摘もございましたように、他の民間金融機関に比べまして多額でございますし、長期ローンや資本性のある資金を供給しているということがございますので、かなり高い自己資本比率が必要とされるとも考えられるところでございます。

 このため、今回の予算におきまして、危機対応業務に係る資産の増加につきまして必要となる資本の額につきましては、BIS規制を参考に、必要最低限の手当てとして八%相当分という計算をいたしまして、出資することとしたものでございます。

階委員 なぜ八%かというところは何かすっきりしないところもあるんですが、一応その八%が正しいという前提でお聞きするんですけれども、仮にその八%で計算するとして、お手元の資料の一番最後につけているのが、先ほどもちらっと御紹介したと思うんですが、四月末時点の危機対応業務の残高でございます。

 政策投資銀行は、貸し付けが一兆二千億ぐらい、それからCP買い取り額が二千七百六十億ぐらい、両方合わせて一兆五千億弱ということで、その八%を計算しますと千二百億円弱ということになると思います。

 現時点で現金による出資を行うとすれば、今までの実績に応じた八%、千二百億で十分ではないかと思われるんですが、なぜ三千五百億にしているのか、この点について教えてください。

川北政府参考人 お答え申し上げます。

 補正予算における現金出資の積算につきましては三千五百億円ということで、先ほど積算内容を御説明させていただきましたが、二十年度に既に実施した分、あるいは二十一年度が同様のペースであると想定する分の約四・五兆円に対する八%ということで計算いたしました。

 階先生の御指摘のように、既に実施した分だけを現金出資すればよいではないかという御指摘もあろうかと思いますが、政府といたしましては、二十一年度でほぼ確実に実施される規模に見合う分は、最低限この段階で手当てすべきと考えまして、このような積算をしたものでございます。

階委員 ここで、提案者の方にようやく質問をさせていただくわけでございますけれども、今の政府の答弁、今年度のリスク資産の増加分を見越して三千五百億を追加出資するということでございました。それでいうと、リスク資産が四兆五千億程度になるということを見越している、その上で三千五百億出資が必要なんだということでございました。

 ところが、先ほど言ったとおり、今現在、実績は一兆五千億程度ですから、あと三兆円程度リスク資産を今年度中にふやさないと増資額に見合わないということがあるわけです。資産増加がこの三兆円に満たない、下回った場合、増資金額を三千五百億とったことは過剰であったということになるわけですけれども、提案者の方におかれては、なるべくここで国費を無駄遣いしないんだということで交付国債という手当てもしたりして、その辺について、無駄な出資はしないということはすごく御留意されているんだと思います。

 そういう発想に立たれた場合、今回三千五百億出資して、これが結果的に今年度必要なリスク資産に満たなかった、つまり三兆円ふえなかったとした場合、おつりが出てくる、このおつりについては減資によって返金されるようにするのが、多分、提案者の皆さんの今までのスタンスとは整合的なんだと思うんですけれども、そういった減資による返金みたいな仕組みというのはつくられないんでしょうか。つくるべきではないかと思います。

山本(明)議員 階委員の質問にお答えいたします。

 三千五百億は過剰ではないかというお話でありますが、先ほど政府委員の方から答弁がありましたように、今までの実績から計算いたしまして、最低限それぐらいは二十一年度中に使うだろうということで約四兆数千億、その分に見合った三千五百億ということでありますから、まず間違いなく使うというのが基本的だというふうに思っております。

 そして、過剰ではないかということでありますけれども、今回、そのほかにも十五兆円という経済金融危機対策をやっておるわけでありますので、それを、今お話ありましたように交付国債で賄うわけでありますから、決して過剰になるということはまずあり得ない、そんなふうに判断をしておるところであります。

階委員 それでは、千二百億にとどまらず三千五百億を増資するのは過剰ではないというふうに仮にしたとしましょう。

 ただ、本法案では、わざわざこの政投銀法附則の二条の四第一項というところを改正していまして、平成二十三年度末までの危機対応業務に係る資産の増加に応じて必要となる資本の額については、交付国債の償還請求によって資本増強を認めることとしているわけであります。つまり、事後的にでも十分資本の手当てはできるわけです。この規定がある以上、わざわざ今年度の増加分を見越して、千二百億を超えて三千五百億も追加出資する必要はないと思います。さらに言えば、必要以上に出資してしまうということは、将来の政府保有株式の売却について阻害要因となるということも言えるかと思います。

 ですから、私は、先ほど申し上げた千二百億円、つまり、今現在の実績に応じて必要となる資本の金額、これを超過する二千三百億分については、無駄な予算でありますから削るべきではないかというふうに思います。この点について、政府と提案者それぞれからお考えをお聞かせください。

    〔木村(隆)委員長代理退席、委員長着席〕

竹下副大臣 決して無駄なものではございません。出資による資本増強と交付国債の償還請求による資本増強の二通りの、おっしゃるように、追加出資が可能であるという仕組みにいたしておりますが、まず、現時点で自己資本の増加を行わなければ、政策投資銀行の危機対応業務の円滑な実施に支障を来すと考えられる部分については出資金を措置いたしますが、これを超える部分については、危機対応業務の積極的な実施に向け、具体的に必要な時点での確実な資本増強がなされるようにする、こういう観点から交付国債による措置をいたしたものでございます。

 これを踏まえまして、政府といたしましては、国民に理解が得られる必要最低限の手当てとして、危機対応業務に係るリスク資産の増加分の八%相当分の出資を前提にいたしまして、現時点で危機対応業務の円滑な実施に必要な額として、二十一年度補正予算案において三千五百億円を措置したものでございまして、無駄であるという御指摘は当たらない、こう考えております。

階委員 無駄にはならないということで、さっき山本先生に御質問したときに、私の質問にちゃんとお答えになっていなかったと思うんですが、要するに、今年度確実に三兆円、危機対応業務で資産がふえるんだということだから、今出資しても無駄にならないんだということだったんですけれども、今だんだん景気が底を打ちつつあるというふうに、たしか政府もおっしゃっていると思うんです。そして、市場の環境もだんだん、今までは調達できなかった企業がCPや社債を発行できるようになってきているということで、私は、この三兆円、必ずしも積み上がらない可能性もあると思うんです。

 仮に、結果的にその三兆円積み上がらなかったときに、必ず必要だといって三千五百億前もって出資するわけですけれども、余った部分というのは返金すべきではないかということを先ほどお尋ねしました。

 余ったらどうするか、この点についてだけ端的にお答えください。

山本(明)議員 余ったらという御指摘でありますけれども、先ほどと同じになるわけでありますが、全部で十五兆円の緊急対策をとっておるわけでありますので、基本的に融資だけではないわけであります。そういったすべてを含めますと、交付国債分含めた、三千五百億プラス一兆三千五百億で一兆七千億必要になるだろう。しかし、その余剰分については、交付国債ですから、これは償還をどういうふうにしていくかという形で解決ができるわけでありますので、その分が弾力的になっておるということでありますから、三千五百億については決して過剰ではない、そのように判断をしております。(発言する者あり)

 基本的には出資でありますから、返すという減資については考慮しておりません。

階委員 ですから、私が指摘するのは、だったら、今もう危機対応業務をやって、実際に資産がふえた分については八%出資する、すなわち千二百億お金を出す、これはいいと思うんです。ただ、将来やるかどうかわからない部分については、せっかく、先ほど申し上げたような条文で、追加してお金を出したら、それに応じて交付国債を償還することによって順次資本を増強するという手当てをしているわけですから、そっちで対応すればいい話じゃないですか。何で今の段階で、資産がふえるかどうかわからないのに、ふえるという前提で二千三百億も上乗せして出資しなくてはならないのか。

 これは非常に税金の無駄遣いというか、今回、税金というよりは借金の無駄遣いになるわけですけれども、これは非常に無駄な話だなと思うわけです。せっかく交付国債で事後的に手当てできるわけだから、そんなことはやる必要ないでしょう。千二百億で十分じゃないですか。その点について。

大野(功)議員 三千五百億円の方についてはもう想定の中に入っているということで、あとは交付国債という前提で話をされております。

 その中でやはり、階先生おっしゃるように、事態が相当よくなって必要なくなった、こういう場合は当然、これは議員立法です。我々は、アメリカから飛んできた火事の火の粉を絶対に日本では火事にしない、こういう決意でセーフティーネットを張っているわけであります。要らなくなったら当然返すという検討も議員の中でやってまいりたい、このように思っております。

階委員 要らなくなったら返すだけじゃなくて、そもそも、必要あるかどうかわからないものは使わないということが大事なんだと思いますよ。もし必要が生じたらそのときに増資すればいいわけで、そのためのルールもちゃんと御賢明に手当てされているじゃないですか。このルールがあるんだから、二千三百億は今は必要ないじゃないですか。後から手当てするのではなぜだめなのか、そこが知りたいんですよ。

大野(功)議員 想定、直ちに必要であるものにつきましてはきちっと手当てをしておく。まだまだ想像、予想内のもの、これはあり得るという前提で話をしておりますけれども、交付国債。こういう中で、やはり予想しているものは真水で投入しておく、初めから全部交付国債ということでいいんだろうか、そういう問題だと思います。

 階先生のお考え、初めからもっともっと交付国債の分を多くしていいんじゃないかという御指摘かと思いますけれども、私はやはり、もう想定の中に入っているもの、これはきちっと真水で準備しておくべきではないか、このように思って議員立法でつくったわけでございます。

階委員 そもそも、この交付国債によって順次資本を増強するというスキーム、ルールですけれども、その必要資本額を計算する基準時というのは毎年度末ということでいいのかどうか。

 それから、必要資本額の計算方法は、やはり各年度のリスク資産の増加額の八%ということでいいのかどうか。この点について確認させてください、提案者。

吉田(六)議員 今般の政策投資銀行法の改正案においては、政策投資銀行は、もう何度も議論されたことですけれども、危機対応業務に係る資産の増加に応じて必要となる資本の額として財務省令で定めるところにより計算をした金額に限り、国債の償還の請求をすることができると。

 この前提で、年度末一遍でいいのか、こういう委員の御質問でありますが、必要資本額を計算する基本時は、九月末に一回、三月末決算を踏まえた半期ごと、九月期決算及び三月期決算を踏まえた半期ごとということにします。

 そして、必要資本額の計算方法は、危機対応業務による毎半期のリスク資産増加額の八%という内容の財務省令を定める方向で検討していると承知しております。

 以上です。

階委員 半年ごとにちゃんと必要資本額を計算して手当てがされるということであれば、ますます、今、今年度分を見越して二千三百億を積み増す必要はないだろうなという思いを強くしました。

 与謝野大臣がまたお越しになったときに、引き続き質問をさせていただきたいと思います。きょうはこの辺で終わりにさせていただきます。どうもありがとうございました。

田中委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 今、中小企業の方は大変な経営危機でございまして、体力のある大手企業よりも中小零細企業への支援が大事ではないか、このように私は思っております。

 そこで、最初に融資の実態についてお伺いしたいと思います。

 総枠で結構ですけれども、大手銀行、地方銀行、政府系金融機関、それぞれについて、この三月末の貸出残高、前年比でどういう数字になっているか、これをまずお答えいただきたい。

山本(明)議員 中小企業への貸出残高ということでございますが、日本銀行の統計等によりますと、二十一年三月末の貸出残高、そして対前年同期比でありますが、都市銀行につきましては、七十八兆八千七百八十六億円で、対前年同期比がマイナス二・六%です。続きまして、地方銀行でありますが、六十五兆六千五百五億円でありまして、対前年度比マイナス〇・三%です。第二地方銀行におきましては、二十一兆八千四百九十八億円で、マイナス二・六%。日本政策金融公庫の国民生活事業及び中小企業事業におきましては、十三兆二千二百六十九億円で、マイナス三・三%というふうになっております。

佐々木(憲)委員 これは、今の経営危機の実態を支援しなければならないはずの金融というものが、中小企業に対しては逆にマイナスになっている。

 総体としていいますと、国内銀行ベースの貸出残高は、総貸し出しは四%ふえているわけです。しかし、中小零細企業の場合はこのように軒並み、本来なら、政府系金融機関もそれを補完して、大手銀行が貸せない、そういうところに対して出動しなきゃならぬのに、この公庫の場合もマイナス三・三%と。本来ならこういうところにてこ入れをすべきでありますが、今回提案されている政策投資銀行の法案というのは、中堅・大企業向けの資金繰り対策ということでありまして、私は対応としては焦点がずれているのではないかというふうに思うわけです。

 提案者に聞きますけれども、今回の法案で、中小企業向け融資というものはどういう位置づけになっているんですか。

柳澤議員 今度の一連、累次の経済対策におきましては、私どもとしては与党として、政府に対して中小企業金融の円滑化ということについては格別の要求をして、それを実現できている、このように考えております。

 第一には、緊急保証ですけれども、緊急保証の枠は当初は六兆円、それが三倍余りふえて二十兆円、さらに今度の予算では三十兆円というように次々これを拡大して、まず融資先の信用について補完をしていく、こういうことでやらせていただきました。

 それから、かつての国民生活金融公庫、さらには中小企業金融公庫が統合しました日本政策金融公庫の業務ですけれども、これにつきましても、中小企業の皆さんの受けとめ方も、まあ意外といえば意外、また当然といえば当然ですけれども、行革でかつての国民公庫あるいは中小公庫とのなじみというものがやや薄らいでいるというようなこともありまして、融資活動が少し緩慢なものになってきた。そこで、今回の金融危機に際して、トップに対してもっとトップセールスでも何でもやりなさいということで、大々的な広報活動等もいたしまして、最近におきましてはかなり融資活動も活発化いたしております。

 そういうようなことの見合いもありまして、こういういわばセーフティーネット貸し付けの枠についても手当てをするということでございまして、中小企業金融の円滑化については、我々として格別力を込めているということを申し上げたいと思います。

佐々木(憲)委員 セーフティーネットあるいは信用保証というのがありますけれども、それを充実させるのは当然だと思うんですが、問題は、銀行の貸し出し姿勢が、これは今の経済危機のもとで経営が非常に苦しい中小企業に対して貸し出したら、不良債権になるんじゃないかというようなことで、本来の機能を果たせないという事態になっている。それを是正する、これが大事なのであって、むしろ大銀行の姿勢を正すという姿勢を政府はとるべきだと思うんですね。

 それから、きょうは政策金融公庫の安居総裁にお越しいただいておりますのでお聞きしたいんですけれども、政府系金融機関が統合をされまして、それで中小企業への貸し出しは一体どうなるのか。私どもはこの統合に反対でした。というのは、国際金融まで一緒に統合して、中小企業向けの位置づけがどうなるんだろう、こういうふうに思ったからです。

 具体的にお聞きしますけれども、国民生活金融公庫の二〇〇五年三月末時点の貸出残高は九・六兆円でした。それから、中小企業金融公庫は七・五兆円でしたが、それぞれの部門ごとに今貸出残高は幾らふえていますか。何%ふえましたか。

安居政府参考人 安居でございます。お答えさせていただきます。

 二〇〇九年三月末時点のそれぞれの旧機関の融資残高でございますが、まだ速報値なのでございますが、国民生活金融公庫については、融資残高は七・五兆円、二〇〇五年比で二兆円減っております。それから、中小企業金融公庫につきましては五・六兆円で、一・九兆円の減少となっております。

 以上です。

佐々木(憲)委員 先ほど、トップセールスでもとかいう話がありましたけれども、実際に補完的役割を果たさなきゃならない中小企業向けの政府系金融機関の融資というものが、九・六兆円だった国民生活金融公庫は七・五兆円と二兆円も減っている。中小企業金融公庫も二兆円近く減っている。合わせて四兆円近いマイナスなんですね。これは、政府系金融機関を統合した結果、中小企業向けというのが余りにも軽んじられているんじゃないかと私は思わざるを得ないわけであります。

 具体的に中小企業のお話を聞きますと、貸し出し条件が大変厳しいと。例えばこういう話がある。

 過去の教育ローンが期日に引き落としができていないことがあったので、今回融資はできないよ、こういうふうに断られた。あるいは、これは寝具小売業の例ですが、公共料金が期日に引き落としされていないということで、その事実を見て、もう融資はしませんよと断られた。それから家電販売の例ですけれども、公共料金を口座引き落としにしていないということで断られた。何ですかね、これは。公共料金を口座引き落としにしていない、これはコンビニ払いで払っているというんですよ。コンビニ払いにしてちゃんと払っているのに、口座引き落としになっていないから融資できないと。こういう事例というのはいろいろあるわけです。

 まずお聞きしたいんですが、公共料金、これを口座引き落としにしていない、あるいは引き落とされていなかったという事実をもって、融資はしません、こういうことを、公庫は一体どこにそういう方針を決めているんですか。一体何でそんなことをやっているんですか。

安居政府参考人 先ほどの残高等の関係でちょっと御説明させていただきたいと思いますが、昨年十月以降、非常に金融危機の中でセーフティーネットを中心に我々いろいろ努力をしてまいりまして、去年の十月からことしの三月まででは、国民生活事業におきましては前年比で一七六%、それから中小企業事業につきましては二七九%ということで、これは非常に今伸びてきております。

 そうした関係で、今の御質問でございますが、私どもは、お客様からの御相談に対しまして、財務内容の分析だけでなく、お客様にお伺いしたりあるいは現場を見たり、いろいろなところで経営の実態を把握して、それで結論を出しておりまして、今おっしゃるような、税金だとかあるいは公共料金だけでどうこうということはございません。

佐々木(憲)委員 私どもが聞いているのは、非常に理解できないようなことで断られたという話がたくさん聞こえてくるわけですね。ですから、ちゃんとそこは相手の経営の実態をよく掌握し、そして親切に、経営が成り立つようにそれをやっていくというのが基本だと私は思うんです、中小企業の融資というのは。

 そのほかにもいろいろな話を聞いていますよ、体調が悪くてちょうど店を休んでいたときに電話がかかってきて、店もあけていないんだから融資できないんだということで断ったとか。そんなの、一日ぐらいシャッターを閉めたからといって何で経営がいきなり悪くなるか。実態を調べないでこんな対応をするというのはおかしい、私はそういうふうに思います。

 公庫の借り入れが、一時的に滞納していても、例えば分納ですとか、そういうこともあり得るわけですし、税金の場合もそういうことがあり得るわけですし、今公共料金の問題も、物価がどんどん上がって、経営が大変な事態になってちょっと滞るということだってあるわけです。そういうことだけをもって貸し出さないという姿勢はよろしくない。だから、二兆円も四兆円も減ってしまうわけです。

 ここはきちっと公庫としての公的な機能を果たす、総裁としてしっかりそこのところはもう一回基本的な姿勢を確認しておきたいと思います。

安居政府参考人 先ほどの、平成十五年から十九年まで減りました非常に大きなポイントは、例えば、中小企業につきましては一般貸し付けをやめるとか、あるいは国民生活については教育ローンを一部条件を変えるとか、そういうのが非常に大きな比率を占めていると思っております。

 私どもは政策金融の実施機関でございますから、利用者の皆さんに本当の意味できちっと我々の役目を果たすということが当然であり、かつ最大の仕事と思っておりますので、今お話にございました、例えば条件の変更なんかも今積極的に進めておりますし、そういう意味で、利用者の皆様が頑張ってやっていただけるように最大の努力を進めたいと思います。

佐々木(憲)委員 次に天下り問題ですけれども、これは非常に多いんですね、政策金融公庫の場合。役員二十二人中十一人が天下りです。常務、十四人中十人が天下り、専務以上は七人中五人も天下りなんですよ。総裁は天下りじゃないと聞いておりますが、これは余りにも天下りが多過ぎるんじゃないでしょうか。

安居政府参考人 天下りの全体的な問題につきまして、私は、これは個人的な意見ですけれども、人によると思います。今私の下に来ていただいている皆さんは幸いに非常に優秀でございまして、そういう意味で、私自身は非常に今満足しております。

 数については、いろいろな今までのルール等もあってそういうふうになったんだというふうに理解しております。

佐々木(憲)委員 優秀だと言いますけれども、具体的に聞きますが、天下りの副総裁の細川さんは、最近、財務省の現役の役人を秘書にしたと聞いておりますが、事実でしょうか。

安居政府参考人 秘書にしたという事実はございません。

佐々木(憲)委員 役員の自宅送迎の車というのは専務以上に認められているというふうに聞きましたが、これも事実ですか。

安居政府参考人 はい、認められております。

佐々木(憲)委員 それもどうかと思いますが、常務で一人だけ特別扱いで自宅送迎をされている方がいると聞きますが、この人は天下りの人じゃありませんか。

安居政府参考人 申しわけないんですが、ひょっとすると、一人いるとすれば、企画管理本部長という仕事をしてもらっている人だと思います。専務というより、むしろ各本部長という形で決めておりますので、そういうことでございます。

佐々木(憲)委員 常務の中で板東さんという天下りの方が特別扱いだ、これは公用車を管理する責任者の地位を利用しているんじゃないか、こういうふうに言われております。これは調査の上、是正すべきだと私は思います。

 それから、ことし二月に全職員に職場環境についてのアンケート調査を行ったと聞いていますが、事実ですか。その結果は公表されていますか。

安居政府参考人 最初のお話の板東さんというのは企画管理本部長をやっておりまして、先ほど申しましたように、本部長は全員、本部長以上ですけれども、つけるということでございますので、特別の扱いということではございません。

 それから、職員のアンケートは実施いたしました。ただ、第一回目で、まだ内容的にきちっとした格好になっておりませんので、ことしの十二月にまたもう一回やりまして、それでいろいろな面をよくしていきたいと思っております。

 今、全体的に、四つの公庫が一緒になったものですから、仕事のやり方、組織、その点全体を含めて何とか変えていきたいというふうに思っておりまして、その変えるためのアンケートというのをやったということでございます。

佐々木(憲)委員 このアンケートは、それぞれの部門の意識がどう違うのかということが数字であらわれるんではないかということで調査したというふうに聞いていますけれども、公表しないというのはおかしいと私は思いますね。これは資料として後で提出をしていただきたい。

 それから、中小事業部、この対象とする中小企業は約五万社と聞いています、それから国民公庫が担当していた部分が一万社、合わせて六万社。ただ、この六万社の中小企業の中には重複している部分があって、一つの会社が、今までの国金の方ともう一つの中小公庫の方と、どっちの部門に行けばいいのかということで、そのあたりの調整もうまくいっていないんじゃないか、非常に不便だという話もあります。ですから、こういうところをきちっと整理して一本化して、中小企業に対して親切に対応する、こういうふうなことが大変大事ではないかというふうに私は思うわけです。

 この点、きょうはもう時間がありませんので、今後ともしっかりとただしていきたい。まだきょうは一回目でございますので、引き続き具体的にやっていきたいと思います。

 以上で終わります。

     ――――◇―――――

田中委員長 次に、参議院提出、租税特別措置の整理及び合理化を推進するための適用実態調査及び正当性の検証等に関する法律案を議題といたします。

 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。亀井善太郎君。

亀井(善)委員 亀井善太郎です。

 これから、租税特別措置の整理及び合理化を推進するための適用実態調査及び正当性の検証等に関する法律案について審議ということであります。

 私自身、この法律案を勉強させていただきました。問題意識はわからぬでもない。ただ、いろいろなところに課題があるのではないかなというふうに思っております。衆議院で私が初めてということでもございますので、まず初めに提案者の先生から、そもそもこの法律を出した基本的な考え方あるいは問題意識について御説明をいただければと存じます。

水戸参議院議員 まず冒頭、このような議論の場をいただきましたことを、田中和徳委員長初め衆議院の委員の先生方に深く感謝を申し上げます。

 亀井先生とは同窓のよしみでございますので、お手やわらかにお願いしたいと思っております。

 まず冒頭の御質問を賜りました。この法案を我々民主党サイドから出して、その意図するところはどこだったかということに関しまして、若干私から御説明をさせていただきたいと思っております。

 御案内のとおり、租税特別措置法ができ上がってもう既に半世紀以上が経過をしているわけでございますが、まず、この中において、租税特別措置法がどういう形で今まで施行されてきたのか、それはだれがどの程度利用しているか、また、どの企業がどのような恩恵を受けているかにつきましては、非常にこれはブラックボックスでありまして、課税庁である財務省当局もよくわからないという実態がございました。

 我々民主党は、そういう中において、一昨年から各省庁に対しまして所管をするものに対する答弁を求めておりましたけれども、各省庁の答弁からも、非常に不透明である、租特の減税試算を正確に把握していないんじゃないか、利用実績やまた政策評価はどうであるかということに関しましても、非常に答弁もあいまいもことしておりました。

 だからこそやはり、こうした租税特別措置法が時代の中において適正に行われていることに関して我々自身がそれを正確に把握し、また時代にそぐわぬものに関しましては整理合理化、また本則への移行も検討していく必要があるんじゃないか、そういう問題意識を我々自身は感じまして、この法案を提出させていただいた次第でございます。

 以上です。

田中委員長 ちょっと速記をとめてください。

    〔速記中止〕

田中委員長 速記を起こしてください。

 亀井善太郎君。

亀井(善)委員 ありがとうございます。

 今お話があった問題意識は極めて大事なところでありまして、納税者の皆さんに対して、税というものがどういうふうに使われているのか、そしてまた税そのものがどういう体系になっているのか、これをきちんと説明していくのは我々国権の最高機関としての国会の大事な仕事であると思っております。

 その観点に立ったときに、この法律を提案された問題意識は非常にわからぬでもないわけでありますけれども、ただ、よくよく法律を読んでみると、この名前のとおり、整理合理化を推進するための適用実態調査及び正当性の検証、この二つの論点について私はやはり課題があるのではないかなというふうに考えさせていただいているところでありまして、その点について少し詳しくお話を伺わせていただければというふうに思っております。

 まず、軽い方から。適用実態調査について。

 適用実態調査についてはいろいろな課題があるんだと思うんですが、まず一つ目の問題については、一般的な協力義務を納税者の皆さんに課す形になっている、これで実態把握の実効性を確保することができるのかというのが一つ。

 もう一つあるのは、明細書の提出がない減税のメリットを受ける方というのも結構いらっしゃいます。例えば、金融取引の源泉徴収課税、あるいは登録免許税の場合もそうです。さらに言えば、住宅ローン減税も、最初はあるかもしれないけれども後年度はないわけでありまして、これは全体としてカバーできないものというのが結構あるのではないかなと認識しております。

 こうした問題について、調査の網羅性というところの観点からどのようにお考えか、お答えいただきたいと存じます。

尾立参議院議員 御質問いただいた点にお答えさせていただきたいと思います。

 まず私からも、本日、このような審議の時間をとっていただきまして、まことにありがとうございました。また、亀井先生におかれましても、金融またコンサルと民間の分野で活動されているということで、非常にありがとうございます。

 それでは、御質問の趣旨にお答えさせていただきたいと思います。

 本法案の基本理念でございますが、この理念は、租特の整理及び合理化に当たって、まず租特については、絶えずその廃止を含めた見直しを行っていかなければならない。そして、その見直しというのは、租特の適用の実態を明らかにし、これを基礎としてさらに正当性の検証、この正当性の検証というのは相当性、有効性そして公平性という三点から成りますが、これが実施されなければならないというふうに規定をさせていただいています。

 この理念にのっとって、一番大事なのが租税特別措置の適用実態調査でございますし、また、この正当性の検証を行うことというのは、ある政策を遂行するため租特を政策手段として主として使っている国のまず一義的な責務だと私は思っております。ですから、まず基本的な責務は国にあるということなんですが、さらに、では納税者についてはどうかということだと思います。

 納税者につきましては、まず、これまで以上の新たな義務を課したり、また過度な負担を強いるようなたてつけにはしておりません。あくまでも納税者の理解のもと協力していただくというスタンスでございます。

 では、どういうふうに協力をしていただくかというと、実は、適用実態調査に当たっては、適用実績を把握するのは、何といっても申告をしていただく際の協力をいただかないとできないことになっております。そこが一つの御心配の点かと思いますが、実は、これをやっていただくことによって、逆に最終的には納税者の利益につながる。例えば、不要な租税特別措置が整理をされたり廃止をされる、また必要性のあるものはもっと必要というふうに判断されるということで、適切な判断ができるということで最終的には納税者の利益につながるということで、これは理解がされ、協力していただけるものだ、私どもはそのように思っておるところでございます。

亀井(善)委員 今のお答えですと若干わからなかったんですが、網羅性のところ、カバーできないところをどう考えていくのかというところについては、これはもう少しきちんと考えなければいけないのかなというふうに思いますし、協力をしてもらって納税者も納税意識が高まる、税に対する認識が高まるというメリットがある、そこは確かにわからぬでもないわけでありますけれども、このカバーをどこまでしていくのかというところは、もうちょっときちんと考えていかなければいけないと思います。

 そしてまた、さらに問題があるんですけれども、税というのは利益にかかるものがある。利益の中でも、そもそも利益そのものにかかるものもあったり、あるいは償却にかかるものもある。あるいは、設備投資したから償却にかかるものがある。さらには取引そのものにかかるものもある。いろいろな形がある中で、一律に評価をするということが非常に難しいんではないかなというふうに考えております。

 基本的には、これは縦割りの弊害はもちろんあるんだけれども、それぞれの税をやったところの政策官庁がそれぞれを評価するべきところであって、もし百歩譲ってやるのであれば、そこは政策官庁がやるのであって、何か一律的にやるというところにそもそも無理があるんじゃないかなというふうな感じは私は認識としてあるんですが、この点については提案者の御意見はいかがでございましょうか。

尾立参議院議員 一律のやり方に問題があるのではないかという御指摘なんですけれども、まず、そもそも今国税庁の方で租税特別措置の適用実態についてきちっとしたデータを持っていないというのが前提にございます。

 それともう一個、これは各省庁が政策要求のときに出してくるんですけれども、その推計額というのがばらばらの基準で、例えば、あるものはマーケットの規模から推計をしてきたり、あるものは過去の実績からということで、それぞれの推計方法、試算額というのがばらばらである。私は、ここにまず大きな問題点があると思っております。

 そういう意味で、先ほど申しましたように、納税者の負担というものはそんなに大きくない。具体的に言いますと、増減額明細書というものをつくっていただくんですが、これは申告のときに、租税特別措置を受けた場合に、もう既にいろいろな別表を先生御承知のとおりつくることになっています。それをただ一覧として集計して出していただくだけでございますので、そんなに負担にならないと私どもは思っています。

 それともう一点、行政の方のコストなんですけれども、これは、本来国が、行政がきちっと自分たちがやっておかなきゃいけなかったことをやっていなかったわけですから、本来業務をやるという意味で、私はこれは当然やるべきだと思っています。

 そういう意味で、一律のやり方ということですが、まず財務大臣がそういう政策評価を含めたものを国会に出していただく、さらに会計検査院も同じような観点で国会に提出していただく、さらに行政、当事者も国会に出してくる、そういうものを総合的に国会の場で材料を集めて議論して、本当にこの租税特別措置が有効なのかどうか、相当なのかどうか、公平なのかどうか、ここを議論することが我々の役目だと思っております。

 一律というのは、ただ基礎データとして一律のものをいただくということでございますので、決して数値だけで判断するものではないということでございます。基礎データをいただくということでございます。

亀井(善)委員 今のお話でそもそものところ、これは若干正当性の検証の方の話になりますので後ほどまた御議論させていただきたいところでありますけれども、税のあり方というところについての問題意識は非常によくわかる、そこの問題提起もわかる。だけれども、やはりもうちょっと詰めをしていかないとここはいけないのかなというのが、今のお話でも正直感じているところであります。

 確かに国民の皆さんから集めることができる、でも、集めることがそもそもできない人もいらっしゃる。それから、負担はそんなにかからないかもしれない、確かにかからないかもしれない。だけれども、時限的な限界もある。こういう中で、さてどういう形でやっていくんだろうというのは、もうちょっと我々が知恵を絞っていかなければいけないと思いますし、ここはもうちょっと考えを深めていかなきゃいけないのかなというふうに思っております。

 そういう中で参議院の方でも、これは参議院の方で出された法案ですから、もちろん参議院の財政金融委員会の方で御議論された。その際に、専門家として参考人の方々に来ていただきました。例えば慶応の土居先生なんかも来ていただいています。あるいは、中央大学の森信先生でしょうか、来ていただいています。

 それぞれの参考人の方々からお話があった中で、私もこれは非常に気になるところであるんですけれども、今の法案ですと個別企業の名前が明らかになってしまう。どんな形で減税のメリットを受けているかとか、そういったことが見えるようになってしまう。税をどうやって生かすかというのは、ある意味で企業の戦略にかかわるところでありますから、そこまで世の中に明らかにされてしまうというのはいかがなものだろうかという形で、参考人の方からも御指摘があったように承知をしております。

 これは私自身も同じような問題意識を持っておるわけでありますけれども、この点について提案者のお考えはいかがでございましょうか。

尾立参議院議員 まず、先ほど水戸議員からもございましたように、租税特別措置というのは補助金の裏返しである、実質補助金と同じようなものであるという前提がございます。ということで、補助金の場合は個別企業名が公表されるのは先生御承知のとおりだと思います。

 では、なぜ減税の方だけは個別企業名が開示されなくていいのか、こういう問題意識もあるわけでございますが、ただ租特、そもそもでございますが、これは税の公平性の原則から外れた例外の特例として認められてありますので、公平性をしっかり検証しないと税の信頼性は高められないと私は思っております。

 そこで、正当性の検証ですが、先ほど申し上げましたように、相当性、有効性、公平性という三点から成っておりますが、公平性を検証するに当たっては単なるマクロ的なデータだけでは足りないと私どもは思っておりまして、特定の企業に偏っていないか、業界に偏っていないか、そういうことをきちっと分析できるようなミクロの視点も必要だと思っておるところでございます。そしてまた、そういう減税を受けた方たちがどのような判断でどのような行動をとったかというものをしっかり国会の場で議論していくためにも、私どもは個別企業名というのは必要だと思っております。

 ただ、過度に、では一律全部公表なのかというと、これはそう考えておりません。社会的に影響の大きい、または減税額の大きい法人を対象にしておるということと、もう一点は、これは財務省令の方で決めさせていただこうと思っておりますが、法人の中でもある一定の順位をつけて、減税額の大きい、例えばトップテンだとかトゥエンティー、十、二十とか、多分そういうようなくくりになろうかと思いますが、そういう観点で、ある一定の枠をはめた中で、合理的かつ必要なもので開示を求めていきたいと思っております。

亀井(善)委員 とはいえ、やはりこれは、グローバルに今競争されています。そういう中で、日本だけそういう形になってしまうというのは日本企業の足を引っ張る形になってしまいますので、ここはしっかり考えていただきたいなというふうに思っております。

 最後に、大事な論点であります正当性の検証について。

 そもそも、この法律の名前に私は問題があると思っています。租税特別措置の整理及び合理化を推進すると。

 租税特別措置は、我々自民党の中でしっかり検討させていただいています。いろいろな御意見があるかもしれませんけれども、我々は、政策効果、あるいは、今までの全部をそのまま野方図に置いてあるわけではなくて、きちんと見直しをしてまいりました。廃止をするものもあります。そういう中で、政策効果があるのかないのか、これを続けた場合はどうなのか、続けなかった場合はどうなるのか、そういったことを一つ一つ検証しながら、我々は、きちんと議論をして、そしてまた政府とお話をさせていただいて、この租税特別措置法の改正という形で毎年出させていただいているわけであります。

 そこら辺のところはきちんと、我々は、これからの社会の姿あるいは経済の姿を考えたときに、必要があるから政策減税あるいは政策税制としてやらせていただいておるわけですから、そもそも我々は必要だと思ってやっているわけであって、初めに整理合理化ありきと読めるような法律というのはいかがなものか、こういうふうに思っております。

 我々としてはそういうふうにやってきている、そういう中で、そもそもあるのは、ここを行政が正当性の検証をするというのが正直いかがなものなのかなと。確かに、調査してもらうことは必要かもしれない、あるいは必要なデータを国民に明らかにすることは必要なのかもしれない。だけれども、これはあくまで国権の最高機関である我々立法府が責任を持ってやるべきことであって、ここのところは我々立法府の責任というものをきちっと考えていかなきゃいけない、これは議院内閣制における行政と立法のあり方にも及ぶ話であろうかというふうに考えているところであります。

 こうした点について、正直、そこら辺がいかがなものかなと思っている大きなところでありますけれども、提案者の御意見をいただきたいと存じます。

尾立参議院議員 済みません、ちょっと先ほどの答弁に不足がございましたので、補足をさせていただきたいと思います。

 以前参議院で参考人の方から、企業情報が漏れて戦略的な面からよくないというような御指摘があったんですけれども、先生も御承知のとおり、今、金商法で相当なディスクロージャーが進んでおりますので、私は、この透明化法案によってそれ以上の戦略的な情報が漏れる、または知らないものが知られるとは思っておらないということをまずつけ加えさせていただいた上で、今の行政との関係をお話しさせていただきたいと思います。

 まず、御承知のとおり、これは政策税制だということで、私どもはまさに国会で決めるべきものだと思っております。今でもそうなっていると思います。しかし、冒頭に申し上げましたように、その決定をする上での確固たるデータが今ないというのが私どもの理解でございます。

 先生もごらんになったかと思いますが、国税で三百、この租特がございます。その一つ一つを我々二年間かけて検証させていただきました。先ほど申し上げましたような、試算があいまい、ばらばら、こういう問題点があったからこそ、この法案を出させていただいておるわけでございます。

 先ほども申し上げましたように、まずは行政の方で、特に国側で実態調査をやり、正当性の検証、さらにそれに対する意見を財務大臣がつけて国会に報告書を出す、さらには会計検査院から検査報告書でこの租特の有効性の、正当性の報告書を出していただく、さらには行政自身からも出していただく、この三つを我々は判断材料としてこの場に持ち込んで、それで、本当にこの租特が有効だったかどうか、正当性があるのかどうか、ここを判断させていただきたい。その基礎データを集めたい、提供したい、その思いでこの法案を出させていただいている次第でございますので、あくまでも国会が主体的に判断をしていく話だと思っております。

亀井(善)委員 ありがとうございます。

 おっしゃる気持ちはよくわかる、気持ちはよくわかる。だけれども、これまで御指摘をさせていただいた点について、詰めなければいけない点も多々あろうかと思っております。ただ、その一方で、今回の、なぜよくわかるかといえば、やはり行政がもう少し詰めるべき点もあるんじゃないかな、この法律があろうがなかろうが、やるべきことはあったのではないかなというふうにも思っております。

 これまでの御議論を竹下副大臣に聞いていていただいたと思いますけれども、最後に、済みません、時間が過ぎておりますけれども、恐縮ですが、簡潔に御意見をいただければと存じます。

竹下副大臣 亀井委員のお話しになりましたように、おっしゃることはわかる、わかるという、私どももおっしゃることはわかります。

 ただ、さまざまな制度的な問題あるいは実務上の問題あるいは企業戦略上の問題があるということも、また事実でございます。しかし、そうしたことをすべて踏まえまして、政策目的あるいは効果等を勘案しつつ、今後とも不断の見直しを続けていかなければならない問題であるというふうに認識をいたしております。

亀井(善)委員 ありがとうございました。

田中委員長 次に、鈴木克昌君。

鈴木(克)委員 民主党の鈴木克昌でございます。

 尾立議員、水戸議員、どうも御苦労さまです。限られた時間でありますが、本当に皆さんが一生懸命取り組んでみえたこの法案について、少し深掘りをしながら議論をさせていただきたい、このように思う次第でございます。

 まず、ちょっと大きく構えまして、税というもの、これは国と国民というのかな、国家と国民といいますか、この関係を規定していく上において、私は非常に重要な制度なんだというふうに思っております。ただ、税をめぐっては、これは本当に各種いろいろな思い、そして議論があるわけでありまして、古くは課税権をめぐって、いわゆる王様と市民の間で契約関係というような形で発展してきたイギリスの先例もある。そういったイギリス議会をひもといていけば、本当にいろいろな問題もわかってくるわけであります。

 ただここで、国民の皆さんが税について素朴に感じてみえることは、本当に公平に課税をされておるんだろうかということが一点、それからもう一点は、余りにしても複雑でわかりにくい、これが率直な国民の皆さんの感想ではないのかな。確かに、我が国の税法、読んでみても素人では全くわからないということだと思います。

 その中で、今から議論させていただくこの租税特別措置法、租特というのも、本当にわからない部分がたくさんあるということだと私は思っております。その裏に、先ほど亀井議員との間にもちょっと出ておったんですが、いわゆる形を変えた補助金のような思いが国民の中にもあるのではないのかな、何か隠れみのに使われておるのではないのかなというような気持ちもあると私は思っております。

 いずれにしましても、現在抱えている問題、そして今まで議論されてみえた経過の中で何か明らかになった点があれば、まず最初にお示しをいただきたいというふうに思います。

水戸参議院議員 今、鈴木先生からるる御説明もございました。

 確かに、先ほど亀井先生の御議論でもございましたとおり、そもそも課税の大原則である平等性、公平性の観点からすれば、これは逸脱する話でございますが、しかし、特定の政策目的を実現するためにやむを得ずというか、時代の背景の中においてこれを導入してきたという経過がございました。

 しかし、あれからもう既に半世紀以上がたっている中において、一たんこれが施行されると、ずっと金科玉条のごとく、手をかえ品をかえという言い方は語弊があるかもしれませんけれども、当初の政策目的とはちょっと違うような形でその制度が継続して行われてきていることに関しても、我々自身はいかがなものかと思っております。だからこそ、整理合理化をしていく必要があるという問題意識も持っております。

 また、鈴木先生からもお話ありましたとおり、金銭の移動はありませんけれども、実質的な補助金と一緒じゃないかという話もございまして、補助金であれば、先ほど尾立議員からも申し上げましたとおり、どういうような業界団体に対してどの程度の金額が、それに対してどの程度の効果があったかということに関しましては、ある程度これは透明性が担保されているわけでありますが、租特に関しましては、データの不足もございまして、非常に、課税庁側からも把握し切れていないという実態がありますものですから、そういうような形で、今回この法案を提案させていただいた次第でございます。

 以上であります。

鈴木(克)委員 先ほどの議論の中で、立法府の責任ということがありました。そういう意味においても、今回、民主党が各省庁に徹底的なヒアリングをされて、そして租特についての問題点をあぶり出したというのかな、してきたというのは、まさにこれこそ、本当に立法府の責任を果たしていただいてきておるということで、私は本当に高く評価をさせていただいておるわけであります。

 いずれにいたしましても、国民にとって税がひとしく課税をされるということは、ある意味では国家運営の大原則だというふうに思います。ところが、先ほど来のお話のように、この租税特別措置によって、あるところにはその一部を軽減する、そしてまたあるときは一定期間を免除するというようなことが行われるとするならば、それ相当のしっかりとした裏づけ、理由がなければ、私はこれはやはり許されないというふうに思うわけであります。

 税の一部を軽減したり、それから一定期間免除したりするということは、先ほど申し上げましたように、まさに補助金の交付と同じ効果というのかな、同じような意味を持っているというふうに私は思っておるわけでありますが、いずれにしましても、補助金はある特定の組織の人たちに利益を及ぼすということでありますから、本来、多くの人々に恩典としてやっていくのがやはり国民の望む税の姿ではないのかなというふうに思うわけで、やはり、現在の形の租税特別措置とそれから補助金、ここをもう一遍きちっと我々は議論をしておく必要があるんじゃないかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

水戸参議院議員 鈴木先生いみじくも御指摘をいただきましたとおり、先ほど私も若干触れさせていただきました、実質的な補助金と何ら変わりはないという点では、先生と認識は一緒でございます。だからこそ、やはり透明性を高めるためのいろいろな角度からのデータ集計、それに基づいた形で、最終的には国会の御議論の中で、それを整理縮小・合理化することに関しては、国会にその判断をゆだねていきたいと思っております。

 御案内のとおり、補助金であれば対象者が公表されているということ、しかし、この租税特別措置法は、守秘義務ということを盾にして一切公表されていない、そういう違いがございます。

 それからまた、これは別な観点で、我々自身の問題でもございますけれども、補助金をいただいている企業に対しては、我々自身、政治資金規正法の問題では寄附を受けることは禁止されておりますけれども、同じような形で、租特の恩恵にあずかっている企業に関してはそういうような制約がないということも、非常にこれが、ある意味、実質的に同じであるにもかかわらず、ちょっとそういう観点からも問題ありかなという認識がありますので、そういうことも含めて、これから整理をしていきたいと思っております。

 以上です。

鈴木(克)委員 尾立議員に先ほどの御答弁のところをもう一遍お聞きしたいんですが、租特というものは常に見直しをされていくべきだ、そして正当性がなくてはならない、それから実態を常に把握していく必要があるというようなお話があったというふうに思うんです。その辺についてもう一度確認をさせていただきたいんですが、いかがでしょうか。

尾立参議院議員 お答えいたします。

 まず、この法案の目的でございますが、課税の公平性の例外として設けられている租税特別措置、この正当性をやはり検証していかなければならない、もって税制に対する信頼を高めて、国民の皆さんから、ああ、我が国の税制は公平だな、また透明だな、納得できるな、こういうふうに思っていただかなければ国家が成り立っていかない、私どもはこのように思っておるのが問題点にございます。

 そこで、この正当性の検証ということですが、この租税特別措置は、ある政策目的を実行するための一つの手段でございます。中には補助金であったり、中には融資であったり、あるいはこの租特である、いろいろな手段があるわけですが、その一つの手段でございます。この手段は、さまざまな観点からやはり公正でなきゃいけないというふうに思っています。

 その三要素を申し上げますと、一つは、ある政策目的を実行するためにこの租特を使うことが相当なのか、いいのかどうかということが大きな課題でございます。また、ある政策目的を実行するためにこの租特というものが有効なのか、きいているのかどうか、この観点も必要ですし、さらに、先生と問題意識は同じでございます、この租特というのが本当に国民にとって公平なのかどうか、こういう観点からの検証を行った上で、そのいずれにもパスしたもの、合格したものが初めて、租税特別措置という非常に例外的な措置として、国会で認め、我が国の発展のために使われるべきだ、このように思っております。

 そういう意味で、正当性の検証、国会で必ずなされなければならないものだというふうに私は理解しております。

鈴木(克)委員 そこで、もう一度深くお伺いをしていきたいんですが、今回、大変な御努力で、まさに立法府の責任としての調査というか、いろいろとヒアリングをやってもらったわけでありますが、そういうヒアリングの中から、結局、やはり問題があるということを議員たちは突きとめられたということで、その結果この法案が出されたということでありますね。

 したがって、事前には出しておりませんけれども、もしわかれば、例えばどういうふうな形の問題があったのかというのをちょっと具体的にお示しいただくと、国民の皆さんも非常にわかりがいいんじゃないのかな、このように思います。よろしく。

水戸参議院議員 具体的な事例というお話を賜りました。

 いろいろな、三百以上のものがありますものですから、一つ一つ丁寧に説明する時間はございません。

 例えば、船舶の特別償却というものがございました。これは昭和二十六年から今に至るまでずっと施行、実施されているんですけれども、通常ですと、減価償却というのは一定の、例えば五年とか十年とかそういう形でやるわけでありますけれども、船舶に関しては、やはり戦後、非常に被害をこうむったという形で、船舶の数をふやそうという政策目的がございまして、特別償却という形で、取得初年度から、二六%から二八%ぐらいの特別償却が認められておりました。

 それが一定の効果がありまして、船舶はふえたわけでありますが、それ以降今に至るまで、いろいろな形で対象物が変わったということ、数はふえたけれども、その後、輸出振興という名目の中においてこの制度がずっと継続されている。また、今では地球環境に優しい船舶をつくるという形でずっと同じ制度を、当初の政策目的ということよりもかなり形が変わって、この制度を維持するために、ある意味理屈が後からついていく、そういうようなニュアンスが感じられるということが一つ挙げられるわけであります。

 以上であります。

尾立参議院議員 少し補足をさせていただきたいと思います。

 租特の経過年数というところにも注目をしております。例えば、五十年以上たっているものが三つ、四十年以上が十四、十五年以上、全部トータルいたしますと三十六もあるということ。

 またさらには、一つ一つ調べますと、ここ三年間適用実績がゼロというようなものもございました。こういうものが平気で各省庁から毎度毎度要求をされ、そのまま国会を素通りしていっておるという実態、そのようなことがございました。

鈴木(克)委員 今、いろいろとヒアリングをされた結果を、例をお示しいただいたわけであります。

 先ほど亀井議員から、こういう租特のようなものは一律の評価がなかなか難しいんだ、政策官庁がやるべきなんだというようなニュアンスの発言があったというふうに思うんですけれども、私はやはり、それを伺っておって、ちょっと違うのではないのかなというふうに思ったわけです。一連のヒアリングをやられてきた議員が、先ほどの、一律の評価が難しい、それから政策官庁がやるべきであるというようなことについて、何かコメントがあればお聞かせいただきたいと思います。

尾立参議院議員 今回の租特の要求プロセスなんですけれども、御承知のとおり、基本的には、各省庁が業界や団体やいろいろなところのニーズをはかって、それを政策としてまとめて国会に出してくる、こういうプロセスになっております。

 ただ、ここに非常に不透明なところがございます。まず一つ、業界のニーズということなんですけれども、業界のニーズは確かにあるんでしょうが、結果、この租特をつくることによって、例えば省庁のお役人の方々の天下り先になっているというようなこともございますし、また、業界団体が与党の方々の有力な支援母体となっている、そこにまた何らかのお金が動くや、こういうようなこともあるかもしれないというような話でございます。

 いずれにしても、現在、正当性の評価、自分たちの政策の有効性というのは、各省庁から、みずからが試算したデータに基づいて国会の方に提出しておるわけでございますが、何度も申し上げますように、それが各省ばらばら、独自の判断で、ある意味都合のいいデータを使って説明してきておるということで、では、それが実態と本当に一致しているのかというと、そういうことではないということがわかったので、やはりこれは統一的な一斉調査をしなければ判断材料にたえ得る基礎データとなり得ない、このように思ったわけでございます。

 ですから、あくまでもデータは、各省庁が用意するのではなく、我々の方で、行政の方で集計をして国会に出してくる、そのような仕組みをつくらせていただいております。

鈴木(克)委員 今の御答弁の中で、何年も全然使われていないという実態、それからまさに天下りのお話もありました。それから、これは言い過ぎかもしれませんけれども、やはり与党の支援をしていくという部分もまるっきりないことはないというふうに私は思うんですね。やはり国民にしてみると、そういうところを本当にきちっと透明にしてもらいたい、そして公正にしてもらいたいという気持ちがあるんだというふうに思います。

 したがって、私は、今回の皆さんがやられたこの調査、そしてヒアリングというのは本当に価値のあることだったと思いますし、そしてまた、出された法案については、これは本当に、我々がまさに立法府として真剣に考えていかなければならない法案だということを強く申し上げていきたいというふうに思います。

 それでは続いて、若干時間がありますのでお伺いしたいんですが、どういう形でこの租特が決められていっているのかという実態でございます。

 これは、また与党の皆さんにしかられるかもしれませんけれども、形は政府税調というような形で議論をされているやに思うんですが、実際には与党内の調査会でそういった議論が進められておるようだというふうに思うんですね。したがって、今回の透明化法案のポイント、いわゆる一番の中心の部分をもう一度きちっと御説明いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

尾立参議院議員 税制というのは、まさに国民生活に直結する大事なものでございます。だからこそ、既得権者におもねることなく、偏ることなく、国民だれもが納得できる透明なもの、公平なものでなければいけないという問題意識に立っております。

 そういう意味で、今の政府・与党の税制改正プロセスを見てみますと、御承知のとおり、政府には政府税調、与党には与党税調、さらには政府には経済財政諮問会議というようなものがございます。それぞれが議論をしておるわけですが、これがばらばらのことを議論し、また、その決定過程、三つで出してきた結論がばらばら、そしてその集約が不透明だというふうに我々には映っております。私は、残念ながら与党におった経験がございませんので、実態をなかなかつぶさに申し上げるわけにいきませんが、先輩方から聞きますと、こういうこと……(発言する者あり)

 特に、与党税制調査会におきましては、不透明な形で各種業界団体から陳情があって、その特定団体のための租税特別措置を決定することで権力を握る、こういうようなことがあると言われております。先ほど申し上げました天下りの問題もその一つかと思います。ですから、この与党税調というものは、私どもから見ると、既得権益の温床になっているというふうに映るわけでございます。

 そしてまた、政府税調でございますが、ここに委員のリストがございますが、各界、各業界の代表を集めていらっしゃるわけなんですが、だからこそ利害調整の場となっておりまして、本当に国民の立場に立った政策税制になっているかというと、ちょっとそこも疑問でございます。そればかりか、昨今は、著しいわけでございますが、政府税調が開催される回数も少なくなっておりますし、また、そこから出てくる結論というのは、与党税調をおもんぱかったような報告書も出てくるということで、形骸化しておるという問題点を私どもは持っております。

 今申し上げましたいろいろな課題がある中で、この租税特別措置法の透明化法案を通していただくと、まさに、今申し上げましたようなばらばら、不透明なことを排除して、国会の場でオープンに、国民の皆さんが注視する中で税制改正プロセスを行える、こういうようなメリットがあると自信を持って申し上げたいと思います。

鈴木(克)委員 いろいろと声も出ていましたけれども、実は私は、かつて、地方議会ではありますけれども、与党の中枢におって政策を取りまとめてきた。ここにいる山本明彦議員もかつての同僚で、県議会で一緒にやったわけですが、今のお話は私は本当によくわかるんですね。自分も政調会長として多くの県民の皆さんの要望を受けてきました。木村隆秀さんも一緒でしたね、ごめんなさい。

 いずれにしましても、それは与党が悪いとかどこが悪いとかいうことではなくて、結局、税というものをどういうふうにするかという根幹なんですね。だから確かに、言われるように、今の流れのままで本当にいいのかどうかということについては、私はやはり大きな疑問を実は持っておりまして、今回の透明化法案については非常に大きな期待をしておるということを繰り返し申し上げていきたいというふうに思います。

 恐らく最後の質問になるというふうに思うんですが、今、今回の法案のねらいと意図というものをかなり詳しく御説明いただきました。まさに、税というのは、国家と国民の関係を規定する極めて重要な役割を果たしているということだと思います。

 この法案が成立をすると、いわゆる税制改正のプロセスはどのように変わっていくのか、そして私たちの国民生活がどのように変化をしていくのか、そのところをわかりやすくひとつ御説明いただきたいと思います。

尾立参議院議員 この法案が成立いたしますと、まさに国民の前にこれまでの、租税特別措置という特定の団体、業界の方々に対する優遇措置が明らかになります。したがって、私たちは、これを明らかにすることによって、国会のもとで議論することによって、国民の側に立った、また生活者、消費者の側に立った、ある意味でそういった税制が今後議論されていく、このように期待をするところでございます。

 しかし、問題がございまして、この法案が成立したからといって、今の政府税調、与党税調、経済財政諮問会議があるような構造では、本当に責任ある、また意見がしっかりと統一されたような政策決定ができるかというと、私はそうではないと思っております。根本的に税制改正プロセスの仕組みを変えていく必要がある、その仕組みを変えるのが、私どもは、一度政権をかわっていただくことではないか、このように思うわけでございます。

 私たちの税制改正プロセスについて少し御説明をさせていただきますと、私たちはまず、今批判をさせていただいた政府税調、与党税調、こういうものを全部一たん廃止させていただき、新たに、総理大臣、財務大臣のもとに新政府税調というものをつくっていきたいと思います。ここは政治家がメンバーでございます。そして、政治家主導で税制改正の議論を行っていく。

 さらに、地方税については、地方六団体、総務大臣、また新政府税調、この三者が対等な立場で議論をしていきたいと思っておりますし、将来的には、地方六団体やそちらにこの税制議論も全部移していければなと思っております。

 また、歳入の面について、入る方でございますが、これは今非常に混乱を来しております。というのも、税と社会保険料、この区別が非常にあいまいになっておるということで、また政策目的も非常にかぶってきております。私たちは、政権をとらせていただきますと、衆参両院に常任委員会として歳入委員会というものを組成させていただいて、ここでしっかり保険料や税の議論をさせていただき、これを翌年度の予算編成にしっかりと反映させていただけるような、こういう仕組みをつくって、まさに税や保険、歳入の部分を国民の手に取り戻していきたいと思っております。

鈴木(克)委員 本当によくわかりました。まさに、我々がやらなきゃならないことは何であるかということがよくわかってきたわけであります。

 くどくなりますけれども、本当に、税制というのは、国家と国民の関係を規定する極めて重要な制度だというふうに思っております。

 我々はまさに、税をいただく側、そして納める側、この両方の実態を、公正で公平な、そして透明な形でやっていくということを国民の皆さんから負託を受けておるわけでありまして、そういう観点からいっても、今回のこの税制改正をぜひ実現させていただきたい、また、していかなければならない、このことを強く申し上げて私の質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

田中委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 提案されている法案は、租特に絞って、二、三年かけて、個々の措置の利用実績などのデータを政府に公表させ、効果や必要性を検証、吟味した上で、必要な措置は本則化する、不必要な措置は廃止する、こういう形で整理合理化を推進するというものだと思うんです。

 私どもは、税制の一番の問題は、大企業あるいは大資産家を優遇し過ぎているという点があるので、それを是正すべきだという立場をとっております。租税特別措置だけでなく、税法の本則を含めた制度全体に再検討のメスを入れるということが必要だと思っております。その中で、大企業、大資産家に負担能力に応じた税負担を求める、これが今大事ではないかと考えているところです。その点で、この法案は、部分的ではありますけれども、そういう方向に沿った内容であって、基本的には支持できると我々は考えております。

 そこで改めて、提案をされたこの法案をつくるきっかけになったものは何だったのか、それから、租特以外にもその考え方を広げるという考え方ですね、透明化していく、そういう考えがあるのかどうか、この点を伺いたいと思います。

水戸参議院議員 佐々木先生からも、我々自身の法案に関しまして一定の理解を示していただきましたことには、改めて感謝申し上げます。

 二つほどいただいたと思うんです。

 最初の、この法案を出した経過というか、その趣旨は何かという話について、若干私からお答えをさせていただきたいと思っております。

 先ほど亀井先生の方でもお話がございましたのですが、やはり時代の流れにおいて非常に不透明的な措置であると。租税特別措置、読んで字のごとく特別的な措置なんですね。しかし、一たびこれが施行されるや、ずっと継続して行われることに関しての不透明さ。また、その効果、効用に関して、これが明らかにされていないということの不透明さ。いろいろな形で、先ほどタックスペイヤー、税を納める側からの論理も、当然これからの税制改正の中においては、ここを第一義的な主眼に置いて税制改正をしていく必要があるという認識は先生と変わらないと思っております。

 そういう中で、課税の公平性から外れる部分に関しましては、それ相当の説明責任を持ってこれはしていく必要があるし、それに関しては、やはり客観的なデータというものを集計しながら、そして最終的な判断をこの国会の場においてしていただくという道筋をシステム化していこうじゃないかという話でございます。

 そういうことで、我々自身は、時代の認識とともにこういうものの必要性を、特に今回、二年間の調査を経てその必要性を改めて認識させていただいて、それを形に出して法案として提案させていただいたということであります。

 以上です。

尾立参議院議員 補足させていただきます。

 この租特透明化法案以外にも透明化するところはないのかという御指摘でございますけれども、まさに私どもは、これは改革の第一歩だと思っております。特に、私ども何度も御説明させていただいていますように、税制はやはり公平で透明で納得できるものじゃなきゃいけない。それに加え昨今は、格差是正、格差解消という観点も加わっておりまして、そのためにも、所得の再分配機能というものを高めていかなければならないという問題意識を持っております。

 そういう意味で、所得税の抜本改革、給付つき税額控除なども導入をさせていただきたいと思いますし、最高税率等の検討もさせていただきたい。さらには、相続税の見直し、法人税のいわゆる基本税率の見直し等々も、これは一体として我々やっていきたいと思っています。

 以上でございます。

佐々木(憲)委員 そこでお伺いしますが、消費税の問題なんですけれども、五月二十四日のNHKの番組で民主党の岡田幹事長が、次の総選挙で政権を獲得した場合の消費税の取り扱いについて、衆議院議員の任期四年の間に引き上げることはないと述べたということであります。

 当面引き上げないという点では、私どももその点では一致する点があります。しかし、財源を確保しようという場合、なぜ消費税だけが議論の対象になるのか。この間、法人税などは、表面税率は四二%だったのに、これが今は三〇%まで下がっているわけです。減税のやり過ぎですよ、これは。それから、所得税の最高税率も下がってきた。ですから、大企業、大資産家を優遇するばかりの税制の改革をやってきて、庶民に対してはむしろ増税であります。この間、定率減税の廃止というようなこともありました。また、これからは消費税の増税という話になる。こうなると、庶民の暮らしに直撃することになるんじゃないか。

 所得格差の解消とか、あるいは今所得の再分配機能の強化という話がありました。そのためには、消費税の増税をやるとそれを台なしにしてしまうことになりますので、むしろ法人税の引き上げを検討する。これは応分の負担。大資産家の、例えば株の売買益あるいは配当課税、こういうものがどんどん減税になっていますけれども、こういうところは適切な、もとに戻す措置をとる。

 こういうふうに、財源を確保するためには、庶民に犠牲を負わせるのじゃなくて、力のあるところに応分の負担を求めるということこそ大事であって、無駄遣いをなくすのはもちろんですけれども、税制の面ではそういう方向で検討すべきではないかと思いますが、尾立さん、御意見いかがでしょうか。

尾立参議院議員 お答えいたします。

 問題意識は非常に共通しております。まずは、やはり出る方をしっかりと私たちはチェックしていかなきゃいけないと思っております。ですから、消費税を我々の政権下で上げると決めたことはございません。まず、そういう前提でお話をさせていただきます。

 まず、出る方の削減でございますが、天下り廃止等による公共調達のコスト削減、独法や特殊法人の原則廃止、さらには国家公務員の総人件費の削減、直轄公共事業の見直し、さらには個別補助金の原則廃止と一括交付金化等、無駄遣いをまず根絶させていただきたいと思います。

 それともう一点は、入ってくる方の改革でございますが、この一つが、今申し上げました隠れ補助金とも言われるこの租税特別措置の見直しでございます、整理合理化でございます。これをやることで、私どもは一定の税収確保があるものだと思っています。

 御指摘のとおり、法人関係の租特の減税額でございますが、トータルで一兆ございます。大法人はそのうち七千億超でございますので、七〇%超が大法人向けだということで、本当にこのあり方がいいのか。またさらには、試験研究税制で今回、限度額がまた三割に引き上げられました。法人税率は三〇%ですから、三〇%の減税ということになりますと九%、実質税率は二一%ということになります。これはやはり行き過ぎではないかというふうに我々も思っておるところでございます。

 そういうことで、消費税というのは最後の最後の手段でございますので、その前にやるべきことはたくさんある。今の出の改革、入りの改革、そして、それでもどうしても足らない場合は、消費税の引き上げをお願いするかもしれない。

 しかしながら、我々のスタンスとしては、そのお願いをする場合は、総選挙の前に、こういう内容、こういう割合ですよということをしっかりお示しして、よもや、選挙に勝った後に約束しないことをひゅっとやるような、そういうひきょうなことはしないで、必ず公約として出して、総選挙で皆さんの信を問うていきたいと思っています。そういう順番でございます。

佐々木(憲)委員 そうしますと、最終的には消費税に頼るということになるので、我々としては、消費税そのものの増税はやるべきではない。自民党、公明党は今すぐやりたいらしいんだけれども、三年後には。民主党は四年後だというんですね。どうもこれは、余りにも消費税に頼るという思想が浸透し過ぎているというふうに思うわけでございます。私どもは別な手段を考えておりますので、ぜひ共産党の政策を参考にしていただきたい。

 以上で終わります。

田中委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時三十五分散会


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