衆議院

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第10号 平成22年4月2日(金曜日)

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平成二十二年四月二日(金曜日)

    午前九時五十一分開議

 出席委員

   委員長 玄葉光一郎君

   理事 岸本 周平君 理事 篠原  孝君

   理事 鈴木 克昌君 理事 高山 智司君

   理事 中塚 一宏君 理事 後藤田正純君

   理事 竹本 直一君 理事 石井 啓一君

      網屋 信介君    池田 元久君

      稲富 修二君    今井 雅人君

      大串 博志君    岡田 康裕君

      金森  正君    小林 興起君

      小山 展弘君    近藤 和也君

      下条 みつ君    菅川  洋君

      高井 崇志君    高橋 英行君

      富岡 芳忠君    豊田潤多郎君

      野田 佳彦君    橋本  勉君

      福嶋健一郎君    藤田 憲彦君

      古本伸一郎君    山尾志桜里君

      和嶋 未希君    渡辺 義彦君

      加藤 紘一君    竹下  亘君

      徳田  毅君    野田  毅君

      茂木 敏充君    山本 幸三君

      山本 有二君    竹内  譲君

      佐々木憲昭君

    …………………………………

   財務大臣         菅  直人君

   国務大臣

   (金融担当)       亀井 静香君

   内閣府副大臣       大塚 耕平君

   総務副大臣        渡辺  周君

   財務副大臣        野田 佳彦君

   財務副大臣        峰崎 直樹君

   財務大臣政務官      大串 博志君

   財務大臣政務官      古本伸一郎君

   防衛大臣政務官      楠田 大蔵君

   政府参考人

   (国税庁次長)      岡本 佳郎君

   財務金融委員会専門員   首藤 忠則君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二日

 辞任         補欠選任

  荒井  聰君     稲富 修二君

  小野塚勝俊君     和嶋 未希君

  大串 博志君     高井 崇志君

  和田 隆志君     金森  正君

  田中 和徳君     加藤 紘一君

同日

 辞任         補欠選任

  稲富 修二君     藤田 憲彦君

  金森  正君     和田 隆志君

  高井 崇志君     大串 博志君

  和嶋 未希君     高橋 英行君

  加藤 紘一君     田中 和徳君

同日

 辞任         補欠選任

  高橋 英行君     小野塚勝俊君

  藤田 憲彦君     荒井  聰君

    ―――――――――――――

三月二十六日

 保険業法改定の趣旨に沿って、自主共済の適用除外を求めることに関する請願(井戸まさえ君紹介)(第四八九号)

 同(田中康夫君紹介)(第五三八号)

 消費税大増税の反対に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第五〇四号)

 同(笠井亮君紹介)(第五〇五号)

 同(穀田恵二君紹介)(第五〇六号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第五〇七号)

 同(志位和夫君紹介)(第五〇八号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第五〇九号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第五一〇号)

 同(宮本岳志君紹介)(第五一一号)

 同(吉井英勝君紹介)(第五一二号)

 同(志位和夫君紹介)(第五二四号)

 納税者の権利を確立し、中小業者・国民の税負担を軽減することに関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第五五八号)

 同(鳩山邦夫君紹介)(第六二五号)

 保険業法を見直し、団体自治に干渉しないことに関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第五五九号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 財政及び金融に関する件


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     ――――◇―――――

玄葉委員長 これより会議を開きます。

 財政及び金融に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、政府参考人として国税庁次長岡本佳郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

玄葉委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

玄葉委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡田康裕君。

岡田(康)委員 おはようございます。

 昨日、あした質問をどうぞというお電話をちょうだいいたしまして、エープリルフールだったものですから、ひょっとしてと思ったりもいたしましたけれども、どうもありがとうございました。質問通告の方もうそではございませんので、どうぞよろしくお願いいたします。

 本日、十五分ということで、前回と同様、非常に短い時間でございますので、端的に、きょう申し上げたいことを結論から入らせていただければと思っております。

 本日申し上げたいことは、これまでにも、民主党が野党時代、前政権のときからも議論のあったテーマでございますが、要は、この冷え込んだ個人消費を思い切って促進するための贈与税の非課税枠の拡大、このことを申し上げたいと思っております。

 なぜ今またこれを主張するのかといいますと、いよいよ国の財政が行き詰まってきたからでございます。何をもって行き詰まったと申し上げているかと申しますと、釈迦に説法ですが、税収入も四十兆前後というところで、それこそ、この四十兆前後に加えて、新規の財源債、昨年度は五十兆円以上の新規の財源債が出ましたし、二十二年度も四十三兆が当初から予定をされております。それだけ発行いたしまして資金調達をしても、十兆円は利払いに消えていきますし、十兆円は債務の償還、事実上の借りかえです。一般会計の外で、国債整理基金特別会計の方で、約百兆円ぐらいの借りかえをひたすら続けているわけであります。

 今、この国債の市場吸収能力が急に行き詰まるとは申しませんけれども、しかし、地域を歩けば歩くほど、やはり国民の皆さんが、もうこういう規律なき財政状況を許さないぞという非常に厳しいメッセージを出し始めてくださっているわけです。いい政策であっても、財源が明確でないとなかなか評価していただけない、こういうつらい状況にいよいよなってきておりますので、そういう意味で、いよいよ財政が行き詰まってきているのではないかと申し上げております。

 昨年末の菅大臣が打ち出されました第二次補正予算のときに、菅大臣が一つのメッセージとして、財政にできる限り依存せず、知恵を絞って、そういう表現をなさいました。私は、これは非常に勇気のある、これからの日本の財政運営において非常に重要なメッセージであると今も信じております。

 また、新政権の成長戦略、お手元に資料をきょう配付させていただいておりますが、一ページめくっていただきますと、2と右肩に振ったページですが、これは十二月三十日に閣議決定をされている新成長戦略(基本方針)の文面でございまして、一ページだけ、ページ五を抜粋してきているんですが、勝手に線を引かせていただきました。ここでも「こうした日本が元来持つ強み、個人金融資産(千四百兆円)や……」と書いてございますので、こういう新政権の成長戦略の方針にも合致する政策であると思っております。

 ただ、贈与税の非課税枠を拡大する、贈与を促進する、こういうことを申し上げますと、過去のいろいろな議論の推移を振り返りましても、お金持ち優遇政策ではないか、こういう批判は常にあったかと思うんです。

 しかしながら、国に財政的な余力があって、ほかに何かどんどんとできるような余力があるならばまだしも、申し上げましたとおり、いよいよ行き詰まってきている。

 そして、お手元の資料をもう一ページめくっていただいて、三ページをごらんください。これは、家計の金融資産の総額の推移でございますけれども、変動しているといえば変動はしていますけれども、千何百兆という単位で、イザナギ超えと言われた、景気のよかったと言われていたころでさえ、またリーマン・ショックが起こった後、前でさえ、例えば株式の評価額とか変動はしていますけれども、やはり千何百兆という単位でずっと動かずに眠り続けてきているというのが事実ではないかと思うんです。

 一つ余談ですけれども、手書きで少し書き添えておりますが、例えば「現金・預金」なんてごらんください。これは、二〇〇九年、厳しいぞ厳しいぞと言われてきたときに、じわりじわりと「現金・預金」なんてふえてしまったりしているわけですね。いかに、将来不安もあって個人消費が控えられてしまっているか、こういう状態を示す一つの数字だとも思っております。

 そして、次のページをめくっていただきたいんですが、これは金融広報中央委員会さんというところのデータでございまして、数字はそのままいただいておりますが、上の表が各世代別の金融資産保有平均額です。一番左にちょっと字のフォントを大きくして黒の四角で囲っているところが数字でございますが、もちろんこれは全国民の調査ではありませんけれども、こういう数字が出ておりまして、六十代の方が平均千六百七十七万円の金融資産を保有されている。二十代が二百四十八万円、三十代四百五十八万円、四十代が七百七十一万円、五十代は千八十六万円、七十代は、六十代よりは少し減りますけれども、千三百七十九万円となっております。

 一方で、負債の状況ですけれども、これを見ていきますと、住宅ローンというのがやはり大きな負債の項目なんですね。ですから、これは平均値を同じように左側に書いておりますが、右側のこの分布をよく見ていただきますと、恐らく住宅を購入されてローンを抱えている方は非常に大きな負債を持っておられますし、そうでない方は借入金がゼロだったりされて、表でも左右に二極化しておりますので、必ずしも平均値が一番多くの割合のところを表現しているということはないということはあえて申し上げておきますが、わかりやすいイメージを持っていただくために、平均値というのも出させていただきました。

 それを単純にずばっと差し引いてみますと、少し意外な感じもいたしますが、二十代から四十代までの方は、この平均値の差額ということからいきますと、実はマイナスになる。そして、五十代、六十代、七十代と少し資産を保有されている、純資産を保有されている、そんな状況になっているのがわかります。

 やはり、将来不安と自分自身、今申し上げましたが、いかにその将来不安を取り除いて、例えば、社会保障の持続可能性ですとか国の財政自体の持続可能性ですとか、こういうことをちゃんとメッセージとして出しながら、高齢世代の方々が保有されている資産を少しでも、現役世代といいますか、二十代から四十代の方に資金をシフトしていただければ、高齢者の方々も、健康や医療や旅行、消費意欲は旺盛でいらっしゃいますけれども、やはり子育て世代も消費意欲旺盛でございますので、全体としての消費総額を大きくしようと思いますと、こういう贈与の促進というのは一つあってもいいのではないかと思っています。

 冒頭申し上げましたとおり、なぜ今これを申し上げるかといいますと、財政が行き詰まってきた中で、国の財政を傷めずに、個人金融資産を使って消費を刺激することができるのではないか、そう思うからでございます。

 質問させていただきたいと思うんですが、こういう数字をごらんいただきまして、個人消費が低迷している状況、内閣府の月例経済報告では持ち直してきているとは書かれておりますが、依然として低い状況にある、こういう状況も踏まえて、菅大臣から御感想といいますか御答弁をいただければと思います。

菅国務大臣 岡田議員の方から、いろいろな論点も含めて、説明をいただきました。

 御存じだと思いますが、ことしの予算の中で、特に住宅を建設する場合の贈与については枠をかなり広げたわけです。私は大変いい政策だと思っておりまして、基本的には今の提案と共通のテーマだと思っています。

 それで、高齢者が比較的たくさんの資産を持っていて、若い方がローンを抱えている、こういう構造の中でどういうふうにそれを消費にうまくつなげていくのか。これはいろいろな要素があるんですが、現状は、結果として国債という形でそのお金をいわば政府が借りて、それを財政で出動して使っている。先ほど言っていただきましたが、財政出動の中でも、税で取って財政出動する場合と借金で出動する場合があって、今の日本は非常に借金で出動しているものですから、非常に不安感がやや高まっているわけです。

 一番健全なといいましょうか、一番普通のあり方は、今岡田さんが言われたように、個人個人が自分たちで自律的に消費に回す形をとることが望ましいとすれば、今言われたような贈与税の非課税枠を拡大する、特に、総理も言われていますが、住宅のバリアフリー化とかあるいは環境、エコ化とか、そういうものにつなげれば、安心も高まるし環境にもいいし、そして日本経済にとってもプラスになる、基本的な考え方としてはそのとおりだと思っております。

岡田(康)委員 野田副大臣にも同じような点で御質問させていただきたいんですが、贈与をさらに促進する、こういう考え方につきましてどんなふうに感じられますでしょうか。

野田副大臣 岡田委員にお答えをしたいと思います。

 委員御指摘のとおり、足元の経済は、いろいろ指標によりますけれども、おおむね改善の傾向にあると思います。ただ、自律性が乏しい中で、資料にも出ていますとおり、新経済成長戦略の中で、個人金融資産千四百兆円、あるいは実物資産の一千兆円をどう生かしていくかということがこれから大変大事な観点だと思います。その意味での贈与税の軽減の話は、一つのアイデアとして受けとめさせていただきたいというふうに思います。

 ただ私、本来はそういう立場なんです、もともと。人類が命がけで獲得をしてきた価値というのは、私は自由と平等だと思います。この両立を果たすというのはなかなか難しいんですが、今まではちょっと自由主義が行き過ぎちゃって、少し格差是正の方の、平等主義の方を今踏み出さなければいけないときではないかなと。自由と平等という右足と左足をタイミングよく出していって人類は前進すると私は思っている中で、やはり贈与税というのは相続税の補完的な機能がありますので、あとは税の専門の峰崎さんがお答えすると思いますが、その中で、一方で贈与税だけそういう光を当てるのか、相続税とのバランスをどうとるのか。

 相続税とか贈与税というのは要は私有財産に係ることですから、余り国がふやすのはいけないと私は思っていますが、今は格差が拡大をしていて、相対的な貧困率が一四・何%というときでございますので、そういうことも勘案しながら、よく検討していくテーマではないかなと思っています。

 以上です。

岡田(康)委員 最後に、税の御担当でいらっしゃいます峰崎副大臣に次の質問をさせていただきたいと思うんです。

 二十二年度の税制改正大綱を拝見いたしますと、相続税や贈与税の方向性につきまして、格差の是正の観点から、相続税の課税ベース、税率構造の見直しについて平成二十三年度改正を目指しますと書かれています。

 まず一つ目の質問は、これは負担増の方向で御検討だということでよろしいでしょうか。

 私個人的にも、やはり、まず事業仕分けでありましたり、国家公務員人件費の削減、議員定数の見直し、こういったことを徹底的にやり切って、なおかつ足りないという場合には国民の皆様に少し御無理を追加でお願いするということは、これはもういたし方ないといいますか、今の政治家の真っ当な普通の考え方だと思うんですね。それは中長期的には確かにそうだと思うんです。しかし、短期的に、目先の二年、三年、消費をぐっともう一押ししたいと思うときに、非課税枠を少し、基礎控除を百十万から三百万、五百万と上げるのはどうだろうかと思っているわけなんです。

 お手元の資料、もう時間がありませんが、最後の二ページは財務省さんの方からいただいたんですけれども、贈与税収と相続税収の推移を出させていただいております。

 相続税収は、バブル期に地価ががあっと上がって、高くなり過ぎるのを抑えるべく税制改正されてきた経緯がそのまま残っているというのも存じ上げております。ですが、千四百兆もあるといいながら、年間わずか一・数兆円ずつしか上がってこないという現状があるんですね。一方、贈与税の方も、補完する税とはいえ、わずか、わずかと言ったら怒られるかもしれませんが、一千億程度です。相続税も、死亡者のうちのわずか四%の方しか払われていません。

 そういう数字からいたしましても、三百万、五百万程度の非課税枠の拡大をして、その贈与がこの一年、二年進んだとしても、いずれ相続税でいただきたいと思っているそのパイはそんなに大きく傷つかないと思うんです。特に、財政が行き詰まっている今、こういう考え方もあってもいいのではないかと思うんですが、税制の御担当というお立場で御見解をお願いいたします。

峰崎副大臣 お答えいたします。

 ただいま大臣もあるいは野田副大臣もお答えなさったわけでありますので、今年度に関する方針について、私は先ほども述べられたとおりだろうと思いますが、ちょっとこの際、先ほど野田副大臣がおっしゃいました格差の問題ですね。いわゆる個人間のフローにおける格差、所得における格差、あるいは、それが世代間にわたって格差が広がることについてどのように考えたらいいんだろうかと。この格差是正をする力を持っているのは政府しかありません。これだけは私どもはしっかりと押さえておく必要があるだろうと思う。

 そうすると、これがいわゆる世代を通じて、住宅の取得にかかわって子や孫にこれをある意味では譲与してやりたい、こういう気持ちはわからないわけではないんですが、そのことが実は、本当に世代間のいわゆるイコールフッティング、機会の平等とよく言うわけでありますが、そのこととやはり矛盾していないだろうか。そういう意味で、このように積み上がっていった背景の中には、一つには、私は、やはり将来に対する不安というものが非常に大きかったために個人が将来を目指して貯蓄をしていく、こういうスタイルが一つあったと思いますね。

 そういう意味では、菅大臣は恐らく思っていらっしゃると思いますが、税でもって徴収をして、そして社会保障で人々が必要とされている安心の基盤をつくり上げていく、これをやはりもっと充実させていくべきだろうというふうに思っております。

 その上で、なおかつこの世代間の格差を縮小していくという観点に立って、もう一つ考えていただきたいのは、私たちはかつては家族による扶養という問題が非常に大きかったんですね、福祉は。これは日本型福祉社会と言われている一つの基盤でございました。そのいわゆる基盤をなしていた家族の扶養というものが、例えば老親を面倒見るために、実は妻がそれを介護するとか、あるいは仕送りをするとか、こういうものが実は社会的に、年金制度の中における基礎年金の税額二分の一の負担、介護保険、あるいは高齢者医療保険、これらに全部税が投入されていくわけであります。

 そうすると、残った財産というものに対して、これはやはり、もう一度全部それが私有財産として引き継がれるというのを、ある程度それを相続税という形で徴収していくというのは、これは全額ではないですよ、ある程度、このある程度が難しいところなんですが、世代間の格差の縮小と同時に、ある意味では、申し上げたように、私はこれをまた社会保障の財源として活用する道というものが開かれていいんじゃないんだろうか、こういう議論を今、専門家委員会の場で引き続きやっていきたいと思っています。

 そういう観点から私は見直しをかけていくべきではないんだろうかというふうに思っておりまして、その意味で、緊急避難的あるいは緊急の経済対策としてことしやりました。この結果をしっかり見て、引き続き、今のデフレ状況からの脱却のためにどんな道が開けるか、これもまたやはり検討する価値がある問題だと思っております。

岡田(康)委員 どうぞよろしくお願いいたします。

 時間も来ましたので、終わらせていただきます。ありがとうございました。

玄葉委員長 次に、近藤和也君。

近藤(和)委員 近藤和也でございます。よろしくお願いいたします。

 きょうは、亀井大臣に質問をさせていただきます。

 今までよく私は郵便局の回し者だということを選挙区内で言われておりました。本当は国民新党だろうといったことも言われたことがありますが、前回の質問の中でさらに輪をかけてしまったような形でございますが、おべんちゃらでも何でもありませんので、どうかよろしくお願いいたします。

 きょうの質問は、最後まで聞いていただくと、今度は、近藤は証券会社の回し者かと感じられる方も多いかと思います。ただ、あつものに懲りてなますを吹くというわけではございませんが、リーマン・ショックからの金融業に対する見方や、規制強化をすべし、さらには、稼ぐことは何かよくないことをしているんだ、そのような風潮に対しまして、日本の成長機会を奪っている、本当にこれでいいのかという危機感からの質問であります。御理解をいただけたらと思います。よろしくお願いいたします。

 世界経済も落ちつきを取り戻しつつあり、日本経済も輸出を中心とした大手企業が業績回復の兆しを見せてきています。ただ、現状は最悪期からのリバウンドという状況だけであり、本当の意味での回復、拡大でないということは皆様がよくおわかりのことだと思います。

 そういった中、これからの鳩山政権の成長戦略が注目されてきているわけですが、金融マーケットのグローバル化を通じた日本の成長というものも考えていくべきだと考えます。これは、金融産業を育成して日本の成長エンジンの役割を担わせる、そういった目的だけではなくて、円熟期を迎えた日本において、個人金融資産の有効活用を通じて企業の資金調達の円滑化を図るという目的ではなくて、有効な投資先を提供することによって結果的には個人消費の活性化を促す、ひいては景気回復、拡大を図れるものだと考えます。

 お手元の資料を見ていただきたいと思いますが、左上から、これは日本の世界的な競争力の順位を示した資料でございます。相対的に落ちている。そして、真ん中と右上の方では、IPO、新規公開にかかわる日本の市場の地位が相対的に低い位置になってしまっていますよと。そして、一番下の段におきましては、これは金融市場のマーケットシェア、一九九〇年のときには日本は二七%を占めていましたが、今は八・九%しかないというものでございます。

 そして、次のページでございますが、右側の日本、米国、こういったものはよく見られていることだと思いますが、左側、一九九〇年からの比較でございます。アメリカの方は見事にポートフォリオを維持しているという状況でございますが、日本の方も見た目は大して変わらないですが、現預金の方が拡大しているという状況です。

 あともう一つ、私は日本は捨てたものじゃないと思いますのは、この失われた十五年、二十年と言われている中で、個人金融資産は四百兆円ふえてきていることは間違いございません。

 この二つの資料につきまして、亀井大臣、どうお感じか、御所見をお願いいたします。

亀井国務大臣 近藤議員の委員会審議を通じての、郵政問題だけではなくての御意見、私は大変、いつも的を射た議論をされるということで、敬意をいつも払っております。

 今おっしゃいましたように、今、残念ながら、日本の金融市場というのが他国に比べて残念な状況に推移をしております。

 では、なぜかということでありますけれども、私は、これはいろいろな制度上の問題、いろいろな問題もあろうかと思いますけれども、基本はやはり日本の国力また企業の力が残念ながら落ちてしまっておる、世界から見て日本が魅力のある投資先ではなくなりつつあるという深刻な状況がその背後にあると私は思います。

 日本は、金融国家ということだけでは、マネーがマネーを生んでいくということだけでやっていける国ではありません。やはり、物づくり国家、それに対して金融がきっちりと機能をしていく、そういう中で世界の金を呼び込んでいく、そういうものが基本になければ、なかなかうまくいかないと思います。

 日本の、今いろいろ直接金融に金が出ていっていない状況、私はやはり変わっていくべきだと思います。国民一人一人にとって魅力のあるそうした証券市場、それには、まず前提として、株式欄を見て、企業が魅力がある、活力ある状況にしていかなければ、なかなか、個人投資家にしても機関投資家にしても、呼び込んでいくことができない。

 そういう意味では、何よりも、私は、今から大事なことは、日本の企業が力を持っていく、そのために政府が何をやっていくかということが問われておる時代だと思います。幸い、菅大臣という極めてすぐれた方が財政担当でおられるわけでありますから、技術開発を含めて、民間企業が自分の力で残念ながら伸びていけない場合に、政府がどう手助けをしてあげるか、あるいは呼び水をつくってあげるか、そういうことを含めて、やはり企業自体を力づけるということなくしては日本の金融市場の基本的な活性化はないだろう、このように思っております。

近藤(和)委員 ありがとうございます。

 大臣のおっしゃられたとおり、本当に日本の政府の果たしていくべき役割は大きいと思います。そういった点で、私は、金融の世界にいた人間として、この金融マーケットの規制緩和、これが日本の成長につながっていくのではないか、そのように考えています。

 それで、三枚目のこちらを見ていただきたいんですけれども、この資料といいますのは、世界と比べて日本の金融マーケットが閉鎖的である、そういったところで日本のマーケットが外国から敬遠されている、その二つの例を挙げさせていただいております。

 一つは、外国企業の継続開示義務免除要件の人数基準、これだけ見ると何のことかわからないと思いますが、海外の企業が例えば日本に株式の売り出しを行った場合に、株主が何名か以下になった場合には開示義務を免除されますよと。正確には五年間はどういった条件でもしなければいけないですが、そのボーダーラインが日本は二十五名、米国では三百名という形になっています。

 これは、わかりやすく言いますと、例えば上海の企業が日本とアメリカで株主の募集を行いました、そういった場合に、それぞれの、アメリカの保有者、日本の保有者が二百五十人まで減った場合に、アメリカの方では開示義務を逃れます。そして、日本の方では二百五十人ではまだ開示義務がある、二十五名まで開示義務をしていかなければいけないといったことで、これは言語の問題もありまして、海外の企業からしてみますと、日本で株式の募集を行うと、半永久的にずっと、年間一千万超と言われていますこのコストを、半永久的に日本でそのコストを負担しなければいけないということで、日本市場が敬遠をされているという状況になっています。

 またさらに、アメリカの方では、一度三百人を下回って復活してでも、それでもいいよと。日本の方では、例えば二十四人になって二十五人になったらまた復活しなきゃいけないということで、そういった点では、わざわざ、海外のお金が入ってこない、海外の企業が資金調達しに来ない、日本の個人投資家の方を中心とした豊富な個人金融資産が生きていかない、そういった状況をつくってしまっている状況でございます。

 この二つの例は、本当に幾つもある中の二つでございますけれども、これについて。

 済みません、もう一つの説明ですけれども、株式の募集を行う際には、海外では三年、大体必要です。日本では五年必要です。そうなので、アメリカ、日本で募集を行う際に、アメリカでは三年でいいのに、欧州では三年でいいのに、日本では五年と、プラス二年分、さらにわざわざ日本のために用意しなければいけないんですね。

 こういった点で、私は、規制、個人投資家を守るということは当然重要でございますけれども、日本の投資家に対しての投資機会を奪っている、そういうことにもつながっているのではないかと思いますが、この点について御所見をお願いいたします。

亀井国務大臣 私は、投資家を守っていくといいますか、そうした健全な市場にしていくためのいわゆる透明化、これをやはりやるべきだと思います。しかし一方、余り不必要な義務を課していくということは、私は、ひとりよがりの自己満足に終わる場合もあるわけでありまして、やはり一つは、世界のグローバルなそういう規制といいますか、そういうものを無視して日本だけが独自なことをやったって、世界の金は世界じゅう駆けめぐっておるわけでもありますから、これも現実的ではない。

 一方、日本には日本の風土もありますから、そういう点での調和、投資家を守るということと、市場にやはり内外の金を集めていくという、それをどうするかということは非常に難しい問題でありますけれども、議員から今度また具体的にいろいろ御指導も賜りたい、このように思います。

近藤(和)委員 ありがとうございます。

 今後、具体的にまた質問させていただければと思います。

 さきの臨時国会で、中小企業金融円滑化法が成立をいたしました。その際に、亀井大臣は、コペルニクス的転換が必要だとおっしゃられました。まさしくそのとおりだと思います。日本の成長戦略のためにも、金融市場においてのコペルニクス的転換が必要だと思います。すなわち、過度の規制は、投資家を守るどころか有効な投資機会を奪い、さらには日本の成長機会を奪っている。

 守るために変える、これは私の選挙のキャッチフレーズでございましたが、これは金融市場も同様に、守るために緩和していくんだ、成長するために緩和するんだというように私の意見を申し上げさせていただきまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございます。

玄葉委員長 次に、加藤紘一君。

加藤(紘)委員 財金委員会のメンバーでもない私がここで五十分の時間をいただけるということで、大変感謝しております。

 それに、私、財金委員会の所管大臣は菅財務大臣だけかと思っていたら、亀井大臣もきょうお見えになってここにいらっしゃっていただけるという、こんなに幸せを感じたことはございません。

 さて、私は、極めて手短に、最近の財政金融、政府の経済運営等について御質問したいと思います。

 私はこの財金委員会のメンバーではないんですけれども、民主党政権が成立して、去年新たな内閣ができて、藤井さんが財務大臣をされた。それからずっと予算委員会で、テレビに映るときも映らないときも、理事でございましたから、ずっと議論を聞いていました。その意味で、私は、今この衆議院の中で、過去、財政金融についての与党、野党の先生方の議論を一番数多く聞いた人間じゃないかと思います。大体九五%はあの予算委員会におりました。

 筆頭理事は町村さんです。でも、町村さんは、いわゆる筆頭理事ですから、筆頭間協議といって、延々延々と席を外して協議をしなきゃならぬという不幸な役割でしたが、私は極めて全部おりまして、菅さんにかわられてからもずっとやっていたわけですから、あそこで議論を一番多く聞くのはもちろん財務大臣なんですけれども、民主党政権は交代しましたから、菅さんも、私は思うんですが、私より議論を聞いている時間は少なかったんです。それに、私は居眠りしないで全部聞いていましたから、ですから、私が一番よく聞いていたという人間ではないかな、こう思っております。

 そこで、非常に気になるのは、民主党政権の経済運営の司令塔はだれかということです。特に、今度のいわゆる郵政改革についての二千万と二千五百万、この話の決定のプロセスを見たり、各種報道の中からかいま見られる状況を見ますと、これでいいのかなと思います。

 実は、この郵政の話が報道されてから、私変なことに気づいたんですが、私も時たまタクシーに乗ります。そうすると、一応顔が割れていますので、加藤さん、あなたどう思っているんですかと言われるときもあるし、いろいろなタクシーの運転手の人が声をかけてくれるときに、困ったことに、十人に二人か三人は私を亀井さんと呼ぶんですね。それで、僕加藤と言うと、済みません、こう言うんだけれども、家に帰って妻にこの話をしたら、あなた、仕方がないですよと。孫娘が、テレビに亀井さんが映ると、じじ、じじと言う。

 そういう中で、今度の話はめちゃくちゃに国民に不安を与えたんです。日本が壊れますよ、こんなルールなく政権が運営されているというのは心配ですねと、かなり深刻に声を上げてきます。

 さて、あの小泉時代は竹中平蔵さん、よくても悪くても司令塔がありました。私は、彼がやってきたああいう経済運営というものにはかなり批判的でした。しかし、どういう運営をするんだろうなというときに竹中平蔵さんが出てきて、こうやろうと思っていますと。意思が明確なんですね。それはまた小泉さんの意思の強さかもしれません。

 今回は、総理がオーケーしたのしないのと。そんな議論を聞かせないでください、国民に。少なくとも、我々の同僚仲間に、これじゃいかぬよねというようなことを思わせないでください。

 この話は、冒頭から財務大臣には何にも相談がなかったんですか。亀井さんから相談はなかったんですか。そこをまずお聞きします。

菅国務大臣 郵政のあり方について、あるいはいろいろ全般的な問題について、いろいろ御心配をいただいてありがとうございます。

 郵政については、制度の問題についてはある時期から、亀井大臣御自身あるいは副大臣を通して、こういう形でいきたいというのは聞いておりました。ただ、所管という意味をどうとらえるかですが、今私は財務大臣と経済財政担当大臣をやっておりまして、金融担当は亀井先生御自身ですので、直接にはそういう上限の問題などの相談にあずかるという場面は特にはありませんでした。

加藤(紘)委員 これはちょっと大変なことなんですね。財務大臣というのは、国のマクロ経済運営の中核的な存在です。この二千万、一千万、それから千三百万、二千五百万、この話は、今後の日本のお金の流れを左右する話です、合わせて三百五十兆ですから。

 亀井大臣にお伺いします。二千万、二千五百万の数字は、鳩山さんからオーケーをとられたんですか。

亀井国務大臣 私は、加藤委員はかねがね、自民党時代からも御尊敬を申し上げておるんですが、どうもさっきからの御質問をお伺いしておると、委員もマスコミにちょっと悪い影響を受けられ過ぎているのかな、こういう感を残念ながらいたすわけであります。

 経緯から申し上げますと、いろいろな政策決定を内閣がしていく場合に、まず関係閣僚が協議をして、その間、各党、この場合は民主党、社民党、国民新党の意見を聴取し、協議をしながら、関係大臣である私と原口大臣が決めていく。それを総理に御報告申し上げて、そうして最終的には、御承知のように閣議決定をするというプロセスになるわけでありますが、このたびも全く同じプロセスです。

 もちろん、菅大臣は副総理でもございますから、国全体について重い責任も持っておられます。それは、加藤議員御承知のように、財務大臣の関係がどこまで及ぶかといったら、万般、すべてのことに及んじゃうんですよ。これが文部行政であろうと何であろうと、全部及ぶんです。

 しかし、政策決定のプロセスにおいて、郵政改革の骨格部分については、関係大臣が責任を持って、いろいろな党との間、関係者との間で協議をして決めていくということは当たり前の話であって、それを総理にも御報告申し上げて、その結果を菅大臣にも申し上げて、また関係大臣にも私はそのことも申し上げて、党にも報告をいたして、その上で記者会見をした。

 ただ、議員、鳩山総理は非常に丁寧で優しい方でありますから、そうしたことについて閣僚の方から、公的な場面じゃありません、公的な場面じゃないけれども、マスコミからのインタビューその他で聞かれた場合に、その内容についてどうもちょっと違った意見があるというようなことを言われた場合、その方が閣僚であれば特に総理は、やはりそういう方々の意見も聞かにゃいかぬなということで、全体の閣僚懇を丁寧に開かれた。その上で、総理としての断をきっちりと、すぱっと全閣僚に示された。それを受けて今度は閣議決定をしていくというプロセスの過程に今あるわけでありますから、別に、何か混乱をしたとかそういう話ではありません。

 閣僚の中に、公的な場じゃない場面で、他の閣僚、関係閣僚が決めておることについてそれはおかしいなと。私だってありますよ、いろいろな問題について。私抜きの関係閣僚で決められていることに対してそれはおかしいなと思うこともありますけれども、それは、私は関係閣僚に入っていないから、あえてそういうことは外に言ったりは私はしないというだけの話であって、しかし、総理は非常に丁寧な優しい方でありますから、公式な場面以外のところで出ているそういう意見についてもきっちりこの際吸収をして、その上で閣議決定をしていくプロセスをとりたいという丁寧な手順を選ばれた結果、こういうことになったわけです。

 だからマスコミが、何かあればいい、事あれかしという立場で書きまくるものですから、国民の方がそういう誤解を受けておられる。また、聡明な加藤議員すらそういう印象を持たれておるということは残念でありますが、実態はそういうことであります。

 私は、菅大臣との間では、国政全般についても、副総理でもありますから、郵政全体についても、いつもいろいろと御指導も受けながら意見交換も丁寧にさせていただいている、そういう間柄でもあります。

加藤(紘)委員 予算委員会のときに亀井さんに余り発言の時間を差し上げなかったので、きょうは大分長くお話しいただいて私も満足しましたが、次からの質問はもうちょっと短くお答えください。

 総理に御報告した、菅さんにも御報告したというところを今あいまいにすらっといきました。マスコミに出ていないことをお聞きします。そのときに、二千万とか二千五百万の数字を総理に言いましたか、それから菅さんに言いましたか。

亀井国務大臣 もちろん、関係閣僚、原口大臣との間で最終的に決めたこと、これは総理に対して、こういうことでいきたいと思いますということを数字を言わないで報告なんかできないのは当たり前の話であります。菅副総理に対しても申し上げた。

 ただ、その過程の中で、消費税のことをどうするかという問題、これは税調の決定することでありまして、私どもとしては、要望としてそうすべきだということを言っておる立場でありますから、菅副総理・財務大臣に対して消費税のことについてまで申し上げるということは、あの時点ではなかった。今後、我々としては、消費税についてもそういう措置をとっていただきたいということは私は申し上げたいと。

 それを聞いた聞かないということが言われますけれども、そういうことの中で私は申し上げたつもりでもありますし、菅大臣もお聞きになっておられる。そのとき、いろいろなあれの中でそういう数字を聞き漏らされたのか、あるいは電話の調子が悪かったのか、そのことは私にはよくわかりませんけれども、限度額の問題とかそういうような問題は、関係閣僚がやはり各方面の意見を聞いて責任を持ってやっていくことだという御認識を菅大臣も基本においては持っておられるわけですから。そういうことで菅大臣も、私のそうした報告に対して、総理にも私は報告を申し上げましたということを申し上げたわけでありますから、私は御承知をしていただいたと。

 ただ、何度も申し上げますが、そういう三分の一あるいは限度額の問題は、やはり私と原口大臣が協議をして最終的に決めていく。これはおわかりでしょう。そういう問題は関係閣僚で決めていくことで、すべて全閣僚の討議の中で決めていくということではありません。そういう意味では、菅大臣は広い意味では御関係がありますけれども、やせたりといえども私も、特命として大臣を任命されておるわけでありますから、それが至らなかったとすれば私の不明のところでありまして、恥じなければなりませんが、そういう経緯であります。

加藤(紘)委員 総理が優しい性格の方かどうかというのは関係ない。優しいということがこれだけの混乱を招くんです。それから、時たま、日々いろいろな意見をあちらこちらに散らばされる。普天間の問題もそうなんです。

 ツイッターというのがはやり始めた二、三カ月前、廊下を歩いていましたら突然テレビのインタビューがありまして、マイクを向けられました。加藤さん、あなたはツイッターをやる気はないかと言うから、どうかな、私は余り、おもしろいと思うけれどもやらないと。総理がこれをおやりになるのをどう思うかと言うので、あの人は一番ツイッターをやっちゃいけない人だと。

 総理というのはそのときの思いを、プロセスも全部含めて、こそこそちょこちょこっと小鳥がさえずるようにしゃべっちゃいけないんだと思いました。それでなくても、あの方は日々ツイッターしている人ですから。ですから、それが全部に混乱を及ぼしているんです。

 今、亀井さんの答弁は、長いけれども肝心のところをごまかしていますね。菅大臣、二千五百万、二千万というのを、数字を挙げてあなたに根回しをしたという印象を今亀井さんは与えようとしていましたが、それをオーケーするはずないんです、菅さんが。平成何年かな、二〇〇五年、前の前の選挙のときですね、五百万まで下げるということを民主党は決めているわけです。その方針は、ずっと書かれたまま変わっていないですね。

 そして、私は、党内でもいろいろな意見があるけれども、国が銀行をやる必要はないと思っています。だから改革に賛成しました。まして、国が生命保険会社をやる必要なんかさらさらない。だから賛成しました。

 しかし、山奥に八十円の封書、五十円のはがきが行くということはペイしません、Eメールもこれだけ普及した中で、ファクスも普及した中で。だから、そこでユニバーサルサービスをやろうとするなら、公的な関与、公的なお金を入れるしかないんだと思っています。これはもう、これからいろいろ分かれていくでしょう、我が党内も。

 しかし、私は思うんですけれども、一九八〇年、サッチャーとハイエクとミルトン・フリードマンたちが、ロンドンで、経済を民営化しようと言って大きな大きなニューリベラリズムの流れをつくったときに、一番最初に鉄道でした、ガスでした、そして電話でした、石油でした。それをどんどんやっていったことは、私は正しかったと思っています。効率化しました。

 でも、どこの国でも郵便については迷うんです、ドイツもアメリカも。そして、民営化の方向に走ってみたり、いや、やはり公営でなければサービスができないと反省したり、いつも迷うんです。だから、政府系企業の民営化の問題で、一丁目一番は多分どこの国でも鉄道、そして九丁目九番地は郵便だと思うんです。

 それを小泉さんは、郵政民営化がいい、これからの改革の一丁目一番地だと。九丁目九番地のものを一丁目一番地と言って無理したから、亀井さんみたいな優秀な人が筋を通すと言って我が党から出ていって、大変我々としては損したな、こう思っています、有能な人材を。

 だから、この話は、菅さんも鳩山さんも仙谷さんもみんな深刻なテーマだと思っていたはずです。だから、二千万にしますよと菅さんがつぶやかれて根回しされて、そのときに結構ですねと言うわけがない。

 大体構図から見たら、亀井金融大臣は、自分を追い出したあの小泉改革について、ここで一矢を報いてやろうという気持ちが個人的にあるはずです。それから一方、原口大臣は、今こそポジションの名前は総務大臣だけれども、半分は郵政大臣ですからね、郵政担当ですから。だから、原口さんと亀井さんが担当してこういう形にしていくだろうということは、読み読みでなきゃいけないんですよ。

 私が亀井さんの場合だってそうしますよ、政治家として。それが心の中のダイナミズムですよ。そういうときに、聞いていました、聞いていませんでした、心が優しかったなどで済む話じゃないんです。

 二千万と聞いていましたか、菅大臣。そして了承されましたか。

菅国務大臣 いろいろ加藤先生から、二〇〇五年の話もありましたが、まず、二〇〇五年のあの郵政選挙があって、その後、民営化に対して私たちも、これはまずいのではないかと民営化の見直しを、この二〇〇九年の衆議院選挙の前に国民新党との間でも政策的な合意をいたしまして、そういう中で選挙を戦い、そして政権を担当させていただく中で、具体的にどのような見直しをするかということで話が進んできたわけであります。

 ですから、二〇〇五年の当時と、一つは状況そのものが大きく変わったということと、今申し上げたように、ちゃんと政党間の合意に基づいて、考え方を公表してこの二〇〇九年の衆議院選挙に臨んでいるわけですから、そこは大きく政治的な意味も、ある意味では、ここまで来た段階での今の郵政のあり方についてどうするかという新しい次元で議論を進めているということで、単純に二〇〇五年がどうだったから今がどうだということにならないということは御理解いただけると思います。

 それから、言ったとか聞いたとかという話は、ついついテレビで、田原さんの最終の回だったものですから、例の田原流に少し私も乗せられたところもありました。

 いずれにしても、先日、三月三十日に改めて全閣僚が集まって、閣僚懇談会を開いて自由に意見を交わした上で、私を含めて、それは判断は鳩山総理に一任します、こう申し上げ、そして鳩山総理が最終的に、その直後に、亀井、原口両大臣の談話に沿った線で、それでいくと裁断をされたわけでありますから、そういう意味では、経緯は経緯として、最終的にはそれを、私も一任をした立場として了承をいたしたということです。

加藤(紘)委員 党としても政治家としても、おっしゃったことがくるくる変わる。野党のときにいろいろ、マニフェストを出す、考えを言う。それが、政権をとったら現実にそうはいかない。これはわかることです。

 ですから、去年、臨時国会の予算委員会で、私はテレビの放映している前で言いました。八月三十一日の新聞各紙、民主党の勝利の翌日一斉に、マニフェストにこだわるなよと朝、毎、読、産経、日経、全部出した。私もそう思うと鳩山さんに言いました。マニフェスト、これができるわけがない。まず第一に、二十兆のうち何ぼか倹約できる、七兆ぐらいはすぐ出ると言ったのは無理な話だと我々はすぐ見抜いていました。だから、できないことはできないんだからと言って水を向けた、こんな優しい野党というのはありませんよ、与党ぼけしているからまだこう言うんです、こう言ったら、その手には乗りませんと総理が言いました。

 では、おやりなさいと。結果は何ですか。財政めちゃくちゃにして、そしてスタンダード・プアーズにレーティングを下げられて、これからどんな形になるかわからないと思いますよ。

 ですから、ここで一つ、菅さんと鳩山さんの発言の違いを予算委員会で感じました。それは、消費税も含めての論議をこの衆議院の予算通過を機にすぐ始めたい、そうしないと、今後の財政の問題は回らないかもしれぬというふうなニュアンスでおっしゃいました。菅さん、おっしゃいましたね。それで、それから一カ月、五月ごろまでには何らかの結論を出したいという雰囲気だったが、鳩山さんは、それはだめだよ、消費税を現実的に考えるというニュアンスはあり得ないんですと言って変更されましたね。

 さて、消費税も含めての財政の論議、峰崎さん、どう進んでいますか。

峰崎副大臣 お答えしたいと思います。

 ただいま、消費税を含んで、税制調査会のもとに専門家委員会が神野直彦元東大教授のもとで開催されまして、流れからすると、ちょうど今二回の議論をやっておりまして、所得税の、一九八〇年代以来どうして税の所得再配分機能が低下したんだろうか、あるいは世界的に見て、グローバル化のもとでこの税はどうなっているんだろうか、あるいはそういう過去の問題点を分析しながら、来週、たしか七日の日に第三回目になりますが、ここで法人税。所得税、法人税をやって、それから十四日に消費税、こういう流れで進みまして、恐らく四月中には、基幹三税、所得税、法人税、消費税、そしてその他の税目、地方税なども含めて、この四月中にはおおよその論点整理を終える方向で今議論しているということでございます。

 そのほかにもいろいろやっていますが、とりあえず今の問題提起に関しては、そういうところで精力的に作業を進めながら、今度はその作業を受けて、また税制調査会という場でしっかりとそれらの論点の整理を図っていきたいなというふうに思っております。

加藤(紘)委員 今、二〇一一年の予算編成の話をすると鬼が笑うかもしれませんが、とてもとても鬼なんか構っていられないから議論しなきゃならぬという危機感が予算委員会の中で菅さんにありました。鳩山さんにはなかった。どうしてこんなに違うんだろう。とにかく、僕は失礼だけれども、鳩山さんは一カ月でも二カ月でも総理を長くやっていたい、それだけだと思いますよ、昨今は。

 菅さん、この財政の危機感、ちゃんとしっかり持っておられるか、それをお伺いしたい。

菅国務大臣 加藤先生は確かに、理事でずっとおられたのは、もちろん私もこの通常国会はずっと座っていましたので御一緒しておりましたが、総理の発言は、予算委員会もありますけれども、衆参の予算委員会、財金でもあります。

 私は、ポイントポイントでは、必ず総理にいろいろ御相談申し上げながら私の発言もいたしておりますので、私は、加藤先生が言われた、総理が例えば消費税の議論そのものを否定されているというようなことについては、それは認識がちょっと間違っておられるのではないか。税調の昨年の大綱の中にも文章として、消費税の議論は社会保障の問題と関連して行うということを、これは閣議決定ですから、決めておりますし、そこはちょっと認識が若干間違っておられるんじゃないかというふうなイメージを受けております。

 そのことを含めて言えば、確かに、先ほど財政をめちゃくちゃにしたというふうにも言われましたけれども、それは今年度が四十四兆の国債を出したということを含めての御議論かもしれませんが、これももう言うまでもないわけですけれども、この十年、二十年前から経済の成長がとまって、そして、ある意味では消費税導入と引きかえにいろいろな税を下げておりますので、大体一般的な見方は、この十年間ぐらいでの赤字の増大の半分は税収の減、半分は社会保障の増で、この十年ぐらいの何百兆かの債務の積み上がりはそういう分析が私は一般的だと思っております。ですから、そういうことも含めた危機感はもちろん大変強く持っております。

 そして二〇一一年について、リーマン・ショックの後遺症を一方で考えながら、一方で、先ほど格付が下がったようなことを言われましたが、格付そのものは変わっておりません。つまりは、若干の表現が変わっただけでありますけれども、いずれにしても、そういうことも認識しながら、二〇一一年の予算編成というものを迎えるまでに、しっかりとした財政の健全化の方向性を国民の皆さんにお示ししなきゃいけない。そこで、中期財政フレームを六月に出す。あわせて財政運営戦略、これは十年ぐらいの展望でありますが、それもあわせて出す。

 これはまだ決めておりませんが、自民党が財政健全化責任法を出されておりますので、場合によっては、政府としてあるいは与党としても、そういった法案というものも用意して、国会の場で党派を超えた議論をするのもある場面では望ましいのかな、必要なのかな。ここはまだ決めておりませんが、総理からもそういう検討をしようという答弁を、参議院のたしか財金の中でもしていただいておりますので、今検討を進めている、こんな状況であります。

加藤(紘)委員 財政健全化に向けての与野党の話し合いというのは本来必要だと思います。

 ただ、その場合は、話しかける方がよっぽど視点がはっきりして、腹が据わって、そして、ちょっとしたことですぐ表現を変えたりということだったら、多分我が党の財政担当のコアのメンバーはつき合えないと思いますよ。そして、今度のような郵政法案についての決まり方をするような政府側、リーダーシップのないその姿に我々がつき合えるわけないじゃないですか。

 いいですか。政府側に続々とできてきたこの委員会。新年金制度に関する検討会、五月に結論。民主党の政権公約会議、五月か六月に結論、これは総理のもと。菅さんのもとでは政府税制調査会、これは当然いつもあることでしょう。社会保障・税に関わる番号制度に関する検討会、五月に結論を出す。成長戦略策定会議、六月に策定する。仙谷さんのもとで中期的な財政運営に関する検討会、これは六月ごろにやりそう。それから、枝野さんが行政刷新会議で第二回目の事業仕分けをする。これだけばらばらばらばらやっている相手と、我が党の財政担当の有力メンバー、きょう来ていますけれども、話をしろといったって私は無理だと思いますよ。

 それに、それぞれみんな、仲よく見えても個性の強いリーダーですよ。菅さん、仙谷さん、枝野さん、そしてふわっとした感じの鳩山さん。ここで鳩山さんがまとめなきゃならぬのに、本当にこれでやれるんでしょうかね。中期的な財政運営に関する検討会と成長戦略策定会議、これは裏腹じゃないですか。それが別の人が担当しているわけですよ。そして、行政刷新会議も本当に、パフォーマンスでない、第二回目の事業仕分けといったらそう簡単な話じゃなくて、基本理念がなければこんな討議なんかできるわけがないと思いますよ。これを一体どうやって整理するのか。

 野田さん、あなたは一番重心深く考えておられるように私は思います。今、政府部内で本当に長期戦略、財政戦略、経済成長戦略、これでまとまると思いますか。

野田副大臣 加藤委員にお答えいたします。

 今委員が御指摘されたさまざまないろいろな会議がございますが、その中で、私は中期的な財政運営に関する検討会のメンバーでございます。予算が成立した後、私にとって最大の仕事は、当然国家戦略室が中心でありますけれども、六月にきちっと複数年度をにらんだ中期的な財政フレームをつくり、二〇二〇年ほどまでを視野に入れた財政運営戦略をつくり、それが内外の信認にたえるというものをつくらなければいけない。持続可能な財政をつくらなければ私はこの国は危ないと思っていますので、覚悟を持って臨んでいきたいと思います。

加藤(紘)委員 ある具体的な質問をします。

 サブプライムという問題があって、世界の金融情勢はかなりぎしぎししました。そのときに、後で気がついたことだけれども、中国の方は徹底的に、ある種の国際金融危機が来るといって、党主席も人民銀行の総裁も入って、時間があれば分析していたようです。オリンピック、パラリンピックの喧騒の陰で彼らは検討していました。ちょうどそのときに私は、政府のある国際関係をやり、また経済もやらなきゃならぬ担当の局長や次長に、サブプライムの先に何かがあるんじゃないかということを聞きました。何のことでしょうと言っていました。

 それで、八年九月の七日、私は日中友好協会の会長になったということもあって、中国に行って、北京に行って胡錦濤と一時間話をしました。そのときに私は、二日前に武大偉という六者会談の代表と、あさって胡錦濤さんと会うんだけれども、これから迫り来る国際金融の混乱にどう対応しようかみたいなちょっと専門的な質問をしたいと思うので、外務省の方からブリーフィングペーパーを胡錦濤に上げておいてくれと言いました。そうしたら、武大偉いわく、必要ありません必要ありません、党主席以下は時間があればそのテーマで大会議をやっています、専門家を入れた小会議もやっています、だから外務省なんかが出すペーパーは児戯にも似たようなものになるので、恥ずかしくて出せません、思う存分胡錦濤とやってくださいと言うんです。私は、いろいろな方から教えられた危機感をぶつけてみました。的確に答えていました。

 それから一週間後の九月の十五日だったかな、リーマン・ブラザーズは破綻したんです。そう、アメリカ発の破綻です。はた迷惑です。でも、これは何とかしなきゃならぬというわけで、その後の対策をどれだけ打ったかということを調べてみました。

 アメリカは、GNPに対して一一・三%の政府の経済対策を打ちました。これは金融融資枠、保証枠等もありますから、本当の財政刺激策といったら四・九%です。我々のGNPの三倍の国ですから、千五百兆のGNPの五%というと七十五兆円ぐらいですね。一方、日本は金融支援等のものも全部入れると、これはやたらと多く枠を出しましたから三〇・四%なんです、GNP比で。しかし、実際に打った手も一九・一%という数字になると思います。これはいろいろな議論もありましょう。中国は、対GNP比で金融策も入れて一六・三%。しかし、財政刺激では六・三%にすぎない。大体、日本にトータルGNPで近づこうとしている中国、だから、四百七、八十兆のものだとすれば、六%、三十兆ぐらいのものかもしれません。

 これだけやって、そして結果、火元のアメリカ経済は少しテークオフしていますね。中国も今、世界の中で調子いい限りですね。ところが、日本では、タクシーの運転手さんも東北の商店主も、日本が壊れる、日本が壊れるというほど不安感にさいなまれています。この差はどうなんでしょう。どこから来るんでしょう。菅さんに言わせると、昔が悪かったから、コンクリートから人へと、決まり切ったと言うと失礼ですけれども、そういう言葉だと思いますが、財務省一の政治家で、エコノミスト的雰囲気の漂う峰崎さんはどう思われますか。

峰崎副大臣 率直に申し上げまして、今ずっとお聞きしていて、直ちにどのような答えを返せるのかなというふうに、今頭の整理がなかなかつかないところなんです。

 ただ、私はやはり、菅大臣が発言されています第三の道ですね。そういう意味で、過去のいわゆる歴史が非常に大きな転換点を示して、重化学工業から知識集約型の産業構造の大転換が進む中で、果たして過去の財政支出というものが一体どういう効果を持っていたのだろうかなと。

 さらにもう一つ、やはり日本の家族構造といいますか、そういう日本型福祉社会を支えていた基盤が崩れている。本当は、そこをセーフティーネットで支えなきゃいけなかった。あるいは、知識社会を将来見据えて、本来ならば教育というところにもっとお金を投資して、まさに経済成長の中の全要素生産性と言われている分野というのはそこだと思うんですね。そういったものを強化してこなかったことのツケが今来ているというふうに私は思っていますので、菅大臣が提起されている第三の道というものを、私たちはやはりこれを実践していくというのがこれからの課題じゃないかな。

 そういう意味で、過去のこれだけ膨大な財政が非常に累積をしています。純債務はどうなんだという議論はまた別にしても、そういったことについて、私たちは責任ある政党として、与党として、やはりしっかり皆さんとも責任を持って議論をしてみようじゃないか、こういう提起を先ほどされたわけです。

 私は、ぜひこれは、二十一世紀、ここまで大きな難関を抱えているわけですから、これは社会保障制度もそうですね、年金もそうですし、納税者番号制度の問題も実は急いで出さなきゃいけない。こういう、ある意味では一つの内閣がつぶれるかつぶれないかのような大きなテーマをこの機会に問題提起していることの、ある意味では真摯な姿勢というものにちゃんとやはりこたえていただければな。また、私自身はそういったところに全力を挙げて、財務省副大臣という立場ですけれども、しっかりと菅大臣を支えながら、鳩山内閣としてもそういう方向に行けるように頑張っていきたいなと思っています。

加藤(紘)委員 峰崎さんが今言った、例えば納番制度一つとっても、しっかりと実現させていきたいというのは私は正しいと思いますね。それから、教育というのも、私の個人的意見では、投資効果の非常にある、国の将来のためにもなることだと思っていますので、そういう意味で、マクロ経済全体をどなたがデザインするかは別ですけれども、やはり国のあり方、将来イメージを決める司令塔をぜひおつくりいただきたい。とにかく、七つもこうやって似たものをいっぱいつくってハレーションを起こさないようになさったらいいんじゃないかなというふうに思います。

 それから、さっき菅さんがちらっとおっしゃっていました、これまでの累積債務、その半分は税収が足りなかったからです、半分は社会保障制度の伸びですということをおっしゃって、大分前と認識が違うんですね。予算委員会でも申しましたね。コンクリートから人へ、政治スローガンとしてはおもしろいけれども、それはもう終わっていますよ。

 資本投資が一番多かったのが平成十年です。そのときに、補正予算も含めて国家予算では十四兆でした、これが公共事業。そのときの社会保障支出が十六兆でした。ほぼ似たようなもの。十四兆対十六兆。そして現在は、公共事業は七兆です。それで、社会保障関係の国費は、さっき二十七兆とおっしゃいましたね。ですから、片方は十六兆から二十七兆に伸びている。一方、公共事業は十四兆から七兆まで半減した。だから地方の工務店のおやじが、自民党けしからぬ、小泉けしからぬ、竹中が一番悪い、こう言うわけです。それは激しいものでした。

 九五年ぐらい、ある東北地方公共事業促進大集会というのに出たら、当時の建設省の幹部がこう言いました。皆さん、二〇〇〇年を越えたところから公共事業に対する風が強くなるはずです、社会保障につぎ込まなきゃならぬというのは、我々でもデータを見ると見えています、そういう法律もつくってあるんですから、こう言いました。だから、今、道路を早くやりましょう、こう言っていましたが、彼らも必死に抵抗したけれども、財務省の力も強かったせいか、とにかく七兆まで落ちているんですね。

 だから、コンクリートから人へというのはもはや、これが一丁目一番地ですと、去年の暮れ、ことしの初め、菅さんおっしゃっていたけれども、私から見れば九丁目九番地なんだよねと。これは、小泉さんの郵政一丁目一番地と似たような間違えた事実認識の運営だねと。これで、とにかく公共事業が多いはずだから何とかしなきゃならぬといって、一次補正をブレーキかけて、この影響は〇・七%ぐらい響いているわけですよね。

 ですから、時間です、終わります。終わりますが、どうぞこだわりを捨ててください。こだわりを捨ててメンツを捨てて、国民の生活のためには経済運営をどうしたらいいか、そういう観点で今後の運営を、なおかつ統一的にぶれずにやってくれることをお願いして、質問を終わります。ありがとうございました。

玄葉委員長 次に、石井啓一君。

石井(啓)委員 おはようございます。公明党の石井啓一でございます。

 きょうは、三月三十日の閣僚懇談会で鳩山内閣として方針が定まった郵政改革を中心に質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 実は、亀井大臣には、私は、郵政改革担当大臣としての質問と金融担当大臣としての質問と、二種類用意していたんです。ところが、何か質問通告は全部金融担当大臣にお願いしますということになっておりまして、恐らく議事録も亀井大臣の肩書が全部金融担当大臣ということで載るかと思いますが、質問の中身においては実質的には恐らく郵政改革担当大臣としてお答えいただいているということになろうかと思いますので、よろしくお願いをいたします。別人物だったらもっとおもしろい質疑ができたのではないかと思いますけれども、やらせていただきたいと思います。

 まず冒頭、今回、郵貯の預け入れ限度額を一千万円から二千万円に、さらに簡保の加入限度額を一千三百万円から二千五百万円に上限を引き上げられるということでございますが、この二千万、また二千五百万、この額の根拠、これをまず冒頭確認させていただきたいと思います。

亀井国務大臣 今、議員御承知のように、一般の金融機関については限度額はございません。青天井であります。一方、郵貯については一千万。我々はこの日本郵政に対して、一般の金融機関が持っていない義務、山の中から島まで三事業一体でのユニバーサルサービスを行っていただく、我々としてはそういう立場におるわけであります。そうした場合、それをきっちりと果たしていく、税金を投入しないで果たしていくには、郵政事業について郵貯限度額をどうすべきかという一つの課題があるわけでありまして、これを一般銀行並みに青天井にすべきだ、そういう強い意見もございます。郵政サイドは、そうした義務を課すのであればそうしていただきたい、そうした強い要望もございます。

 また、一般の信金、信組、農協を初めメガバンク等については、やはり我々の預金を集める、そういう立場からいうと、郵貯については暗黙の政府保証がついておるのと同じであるから、競争力において、一千万を外された場合というのは我々にとってはこれは大変なことになるので、むしろ下げていただきたいというような、そうした強い御意見もございました。

 そうした中で、私どもは、これについては、やはり一つは地域のため、国民のために郵政事業を展開していくわけであります。地域の人、国民の支持がなければ、これはなし得ることではありません。地域の人、一般の国民の方々は、一般銀行にとっての預金者であると同時に、ゆうちょ銀行にとってもこれは預金者であります。また、保険についての契約者でもあります。そういう方々の意思、そういうものも我々としては絶対にこれは尊重をしなければならない。そういうことの中で我々としては、一般国民の方々、金融機関を初め各界各層の方々の御意見を、まあどこまでやれば丁寧かという話はありますが、閣議決定後、相当精力的にやってきたつもりでございます。

 また、連立三党については、民主党の皆様方から九回、政策会議でいろいろと御意見も賜り、また、社民党、国民新党からもそれぞれ意見をいただきまして、関係大臣である原口大臣と私との間で、では限度額をどうするか、一方、持ち株比率をどうするかという問題もございます。政府の日本郵政に対する関与をどの程度にするかという大きな意味の枠の決め方もございます。これを二分の一にしてくれ、そうした強い意見もございました。

 しかし、新郵政が、ある意味では自由闊達にその事業を展開する中でユニバーサルサービスをやっていただくには、日本郵政を政府からがんじがらめに人事権からあらゆる問題を縛るということはやはり避けるべきであるということから、これも三分の一。

 また、子会社に対しても、一般法の世界で郵貯、簡保が働いてもらう以上は、これもやはり親会社の支配力を二分の一ではなくて三分の一という形にとどめるべきだということで、三分の一にいたした。

 そして限度額については、いろいろ意見もありましたけれども、一般の国民の方々の現在の貯金が大体どういう状況にあるかということもいろいろ調査もいたし、その趨勢、流れ等も見たわけでありますけれども、これについては、退職金の預け入れ、いろいろな、今、団塊の世代が退職の時期になっている場合が多いわけでありますけれども、そういう方々の退職金の問題、そういうものを勘案いたしまして、この限度額については二千万が適当。

 しかし、その結果、それが大きくシフトした場合は、中小金融機関等に対して強い影響が出るようであれば、これはやはり放置しておいてはならないということで、法律の施行時においてもう一度、この額が適当であるかどうか、下げる場合もあれば、今のまま、あるいは上げる場合もあるということの中で、これをやるということも決めたわけでございます。

 保険につきましても、今、千三百万でございますが、これを二千五百万という措置を同様な理由からさせていただいた。

 ちょっと長くなりましたけれども、そういうことでございます。

石井(啓)委員 きょう、資料を配付させていただきました。

 これは三月二十四日の亀井大臣、原口大臣の談話でございますけれども、1.の中で、「郵貯の預入限度額、簡保の加入限度額(加入後四年後の限度額)を下記の方向で検討する。」ということで、(1)に「各種データ(別紙参照)を参考にして、預入限度額を二千万円、加入限度額を二千五百万円とする。」というふうにしています。

 別紙が二枚目についておりまして、「限度額について」ということで、最初の丸のところで「限度額については、1国民の貯蓄動向、2国民の利便性、3郵政事業の今後の経営等を勘案して決定することが必要。」と。

 それで、その下の参照値、幾つかデータがございますよね。一つが参照値。これは、現在の限度額に、預金や保険の伸び率ですね、これがどれぐらい伸びているのか、それが郵貯あるいは簡保を含んだベースと含まないベース、一人当たり、全体でどうなるのか。それから金融資産の保有額が二番目、三番目に貯蓄目標額、四番目に定年退職金支給額。この四種類のデータを並べて、これを参考にされたということでございます。

 このデータを眺めますと、まず大臣がおっしゃった国民の貯蓄動向でございますけれども、これがどれぐらい前回の限度額改定から貯蓄あるいは保険が伸びているのか。そのベースでいきますと、郵貯については一千五百万円から一千七百万円ぐらいが大体めどになる、簡保については一千八百万円前後になると思うんですけれども、それから比べると、この二千万あるいは二千五百万円というのはかなり上回っている額だなと。

 それに近いのは貯蓄目標額ですね。三番目の貯蓄目標額が全世帯で平均値が二千五十四万円。ただ、目標額をやるというのもどうかなと。

 大臣がおっしゃった定年退職金の支給額を見ると、民間企業の大卒が二千二十六万円、公務員が、地方公務員で二千三百七十八万円、国家公務員で二千四百五十万円。退職金をかなりとり得るということで、これを主に参考にしておやりになったのかな、この数値を見るとそういうふうに理解がされるんですけれども、個人の貯蓄動向あるいは保険の加入動向からすると、二千万円、二千五百万円というのは多い額になっている。退職金を受け入れることをねらってこの上限額というのをつくられているのかな、こういうふうな印象を私は持ちましたが、そういうことで、大臣、よろしいんでしょうか。

亀井国務大臣 別に退職金の受け皿として郵便貯金をという意味でこういう措置をとったわけではございません。

 委員も御承知のように、今、郵便貯金は、利息のつかない預金という面では二千万、三千万というのが預け入れられておるわけでありまして、そういう状況の中で、具体的に郵便貯金側も預金獲得の努力をしなければならぬわけでありますけれども、預金者の立場、そういう立場からいいますと、やはりそうした退職金の獲得ということも、当然ながら、郵貯については一般銀行と同じようにその対象にもしていくわけでございます。

 そういうことを万般考えました上に、これは、黙って座ればぴたりと当たるようなことができるのであれば何も苦労は要らぬわけであります。であるがゆえに、私も結構憶病でございまして、施行時において、そうした預金のシフトの状況等を見て、もう一度これを検討する、匍匐前進といいますか、そういう形で措置をしたわけでございまして、状況によってはもちろん引き下げるという場合もある。総理も、亀井さん、そういう場合には引き下げることもあるんでしょうねとおっしゃられて、それはそのときの状況によっては当然そういうこともございますということを私は総理にも申し上げたということもございます。

石井(啓)委員 では、続いて次の質問です。

 先ほどの答弁の中でお答えをいただいているかとも思いますが、そもそも限度額を引き上げる目的あるいは理由というのは、先ほどの答弁では、ユニバーサルサービスを三事業一体でやる、そのために郵貯、簡保の限度額を上げて、ここの資金の運用で利益を上げて、税金を投入しないでやると。すなわち、ユニバーサルサービスを将来とも三事業一体でやるためにこの郵貯とか簡保の規模を大きくする必要がある、こういう理解でよろしいんでしょうか。

亀井国務大臣 私はどうも口下手でございますので、間違った御理解をいただいたかと思いますけれども、私が申し上げておりますのは、一般の金融機関では、山の中にまでそうした業務をやるという義務は課せられておらぬわけであります。三菱銀行が多摩の奥の方まで支店を出してもおりませんし、そういう業務をやっていただきたいということを、金融庁としてはそんなこともお願いもいたしておりません。

 一方、郵貯の方については、どう見たって、コストの面からいうと、大変な山間部の奥の方まで、おじいちゃん、おばあちゃんがひとり暮らし、二人暮らししておられるところまで、あるいは島の中にまで三事業一体のそうしたサービスをやっていただくということを、郵貯には政府がお願いをするわけでありますから、その場合に限度額は一千万と、他の金融機関にはない、手足を縛ったままでおやりくださいというわけにはまいらないという意味でもございますので、そのあたりをぜひ御理解を賜りたい、このように思います。

石井(啓)委員 後の質問にもなりますけれども、もともとの前政権時代の郵政民営化というのは、政府の関与をなくしていく、将来的にはゆうちょ銀行、かんぽ生命、全部株を売却して完全な民間にする、それに伴って上限額を将来には撤廃するという考え方だったんですね。ですから、基本的には民間と競争条件を同じようにしていく。今は政府が関与して競争条件が圧倒的に有利だから、規制をかけておく、限度をかけていく。将来的には国の関与をなくすということで上限を取っ払う、そういう考え方だった。今回は、国の関与を残しながら上限を引き上げていく。端的に言うと、これが民間にとっては不公平な競争になるんじゃないのかということなわけですよね。

 そこで次の質問ですけれども、この上限を引き上げることによって、民間の金融機関やあるいは民間の生保から郵貯、簡保へ資金が移動するのではないか、こういう心配がやはりかなりございます。本当はここは金融担当大臣として答えてほしいところなんですが、これについては亀井大臣、いかがお考えですか。

亀井国務大臣 私は、常に民間金融機関の皆さん方に申し上げておりますのは、競争相手の自分たちとの競争条件というのはやはり常に変わっていくわけであって、自分たちにとって常に都合のいい条件のままにしておいていただきたいというわけにはいかないのが現実だと。新しい状況の中で、皆さん方も社会的責任を果たしながら、そういう御努力をぜひやっていただきたい。

 私は、議員はよくわかっておられると思いますけれども、やはり山の中で預貯金が出し入れができない、現在はできないわけであります、郵便局まで自分が何十キロも出ていかなければ。そういうことでたんす預金にせざるを得ない、そういう方々もやはり日本国民であり民間の方であります。別に民間金融機関だけが民間というわけではございません。やはり私どもは、郵政改革というのは、そうした民間の金融機関もちゃんと業務が展開されていくような、そういうことを当然考えながら、しかし一方、国民の目線で、また預金者の目線で、やはりこの問題もやらなければならない。

 なお、これは質問になかったことでありますが、私どもは中小の金融機関に対して、信用力においてメガバンクのようにつぶれる心配がないということもない、一方、ゆうちょは暗黙の政府保証といいますか、まさかゆうちょがつぶれることはない、そういうことで、皆さん方が預金集めにお困りになるのであれば、今の一千万のペイオフの水準を変えてあげましょうか、それも検討しましょうかということまで私どもは申し出ておるわけでございます。

 そういう意味で、金融機関の立場からだけではなくて、何度も申し上げますけれども、国民の目線、預金者の立場、そしてユニバーサルサービスを、税金を投入しないで日本郵政がちゃんとやっていく。しかも今度は、非正規雇用が半分以上いるわけでありますが、非人間的な扱いの中で、給与が三分の一というような過酷な条件の中で日本郵政が今成り立っているという状況を変えてくれ、これが郵政改革の大きな柱だということを私は申しておるわけであります。これだけでも、委員、三千億から四千億ぐらい人件費がアップする可能性があります。それはけしからぬなんということを言うけしからぬマスコミもおるわけでありますけれども、やはり、人間を人間として大事にしながら日本郵政が事業を展開していくためにはどうした状況をつくればいいのかということを、私なりに考えておるわけであります。

 公明党は庶民の党というお立場でございますので、私どもと共通点があろうか、このように思っております。

石井(啓)委員 共通するところはありますけれども、全く一緒ではございません。

 大臣、私の質問は、上限を引き上げたことによって、民間の金融機関や民間の生保から、郵貯、簡保に資金が移動する可能性がありますね、その懸念をどういうふうに考えていらっしゃるのですかというお答えをいただきたいんです。

亀井国務大臣 この懸念はないわけではございませんので、これは総理も御心配をされている点でもありますし、私も心配をしている点であります。

 だからこそ、法律成立時にこういう措置をとりますが、施行の時点で状況がどうなっているか、さらに金融庁において精力的に調査もいたしましてその時点で対応したい、このように申し上げておるわけでありまして、中小金融機関の方々にとって大変な状況が生まれないことを私は願っておりますし、そういうことがないような対応を今後とっていきたい、このように考えています。

石井(啓)委員 先ほどの大臣のお答えの中で、預金者目線でやらなければいけないと。

 ちなみに、今回上限額を引き上げるに当たって、何かアンケート調査等はおやりになったんでしょうか。例えば郵貯や簡保の預金者やあるいは加入者の方に、意向調査みたいなのはされているんでしょうか。そういう預金者やあるいは一般国民の方に対する意見聴取というのはされているんでしょうか。データがあるんでしょうか。

亀井国務大臣 私ども、閣議決定がされました後、そうした中身を決めるに当たって、いわゆる狭い関係者だけではなくて、広く国民の方々の各界各層の御意見を聞きたいということで、公聴会を全国で実施もいたしております。全国民に対してアンケート調査をやるなんということはできませんけれども、我々としては、全力を挙げて、郵政の関係業務に携わっている者を中心に、これを展開いたしております。

石井(啓)委員 その公聴会なるものがどういう形でやられたのか、私つぶさには知りませんけれども、通常は非常に関心のある方がお越しになるわけですよね。恐らくやはり引き上げてほしいという方がたくさんいらっしゃっていると思うんだけれども。

 だから、預金者の目線ということであれば、本当にそういうニーズがあるのかどうか、きちんとお調べになるべきなんじゃないんでしょうか。どうでしょう、大臣。

    〔委員長退席、鈴木(克)委員長代理着席〕

亀井国務大臣 私もアバウトな人間ではありますけれども、これはまさに世紀の改革だと私は思っています。歴史の審判にたえる改革をやる中での、限度額もまた一つの大きな課題であると思っておりますので、つまらぬなりに、私なりに全力を挙げまして、そういうことについて国民の方々の意見を聞くという努力をやってきておるつもりでございます。至らない点は当然あると思いますけれども。

 問題は、そうした限られたこの五カ月ばかりの期間での調査を見まして、その奥にある本当の国民の方々の声を、私自身が、原口大臣自身が見抜く、聞き取る力が、私どもにあるかないかというのが、まさに大臣としての資質を問われることである、このようにも思っておるわけでありまして、そういうことについて欠ける点があって額を決定したということであれば、私は大罪を犯すことになろう、このように思っております。当然、私なりに、政治家として責任をとっていかなければならないものだと思っています。

石井(啓)委員 そうすると、預金者の目線でやる、預金者からそういう要望があるということは、やはりふえるということですよね、郵貯なり簡保なり。どこからふえるかというと、たんす預金ばかりが行くとは限らない。やはり地域金融機関からかなり、あるいは中小の生保から行く可能性はかなりあるということをみずからがおっしゃっているというふうに思います。

 先ほどペイオフのこともおっしゃいましたけれども、ゆうちょ、かんぽについて国は将来三分の一まで親会社の株を持つ、親会社がゆうちょ、かんぽの株を三分の一まで持っているということですから、やはり間接的に国が出資しているような、直接の出資ではありませんけれども間接的に出資しているような形、将来とも国の関与が残るという中では、そういった中で上限額を引き上げるということについては、やはり民間との競争条件上問題がある。

 先ほど大臣がおっしゃいましたように、端的に言えばペイオフですよね。破綻したときに全額保証される預金が、通常の一般の金融機関の場合は一千万円まで。ところが今回、郵貯を二千万円まで引き上げれば、事実上二千万円まで預金は保護されるというふうに普通は思いますよね。国が関与しているわけですから、まさかつぶすことはあるまいということで。そうなると、片や二千万円まで守られる、片や一千万円までだということになると、地域の金融機関は今後、やはりこの間の不況で融資先がかなり厳しい状況になる、必ずしも万全な経営、財務状態とばかりは言えない。そういったところからはかなりの資金の流出も、銀行側からすればやはり相当危機感を持っていると思うんです。実際にそういうことも起こりかねない。

 ですから、これも国が関与を残したままでは、なかなか競争条件というのは一緒にはならないんじゃないんでしょうか。大臣、いかがお考えでしょうか。

亀井国務大臣 何度も申し上げますが、日本郵政に対して、一般の金融機関に課していないユニバーサルサービスという、ある意味では極めてコストのかかるそうした仕事をお願いする以上は、政府が知らぬ顔をしておるわけにはまいりません。やはり一定の責任を持つという意味においても、三分の一超程度の株は保有していく必要がある、このように判断しております。

石井(啓)委員 いや、その判断の上で、例えば、郵貯について上限額を二千万円ということにすると、片や民間のペイオフは一千万円のままですから、やはり完全に競争条件が、郵貯が有利になるんじゃないんでしょうかということを申し上げているんです。

亀井国務大臣 私は、そういう預金者の立場からの心理状況が生まれる可能性もないわけではないと思っております。だから私は、信金、信組の代表者の皆さん方に、一千万のペイオフの限度額を上げるような措置をいたしましょうかということも既に投げかけておるわけでありますが、皆様方は、いや、今のところは結構だとおっしゃっておられるわけであります。今後、そういうことについて皆さん方からそうしてくれということでございましたら、私どもとしては真剣にそれに対して対応したい、このように考えています。

石井(啓)委員 ペイオフ額を上げれば、当然その預金保険料を払わなきゃいけないわけですよ、金融機関は。だから、今の一千万から二千万ということはコストが倍になるわけですよ、その預金保険料だけで。民間からすれば、郵貯や何かはすごく有利になって、それにおつき合いするために自分たちがコストを上げなきゃいけないというのはこれはかなわぬというのは、私は当然だと思うんですよ。そんな上げられちゃかなわない、何で郵貯のために自分たちが預金保険料を倍も払わなきゃいけないんだと。

 そこをそのままにしておいて、ペイオフ、申し出があったら上げてもいいよというのは、私はちょっと酷じゃないかと思いますけれども、どうでしょうか。

亀井国務大臣 先ほどもちょっと申し上げたと思うんですけれども、競争をし合っている当事者同士が、自分たちだけに都合のいい条件が常に存在するということはあり得ない話でありまして、競争相手が条件がよくなっていくという場合もこれは出てくるわけでありまして、そういう場合にどう対応していくかということを、私は金融機関としても真剣に考えて努力をしていただきたいと思います。

 ペイオフを上げた場合、今度は負担がふえるじゃないかと言われる。今〇・〇八四ですか、ということでありますけれども、これを場合によっては軽減していくということも将来検討をしていいことだ、私はこのように考えております。

石井(啓)委員 大臣、私も、本当に自由な競争のもとで、競争相手がどんどん競争力を高める、それに対して対抗しなきゃいけないというのは、それはそうだと思うんですよ。でも、今回の場合は、政府が一方の郵貯を有利にするわけでしょう、恣意的に。恣意的にというか人為的に。それでおいて、では民間の方は自分たちで努力しなさいよというのは、私はちょっと不公平じゃないかなと思うんですね。民間に対しては少し酷に過ぎるんではないかと。

 自由競争だったらいいですよ。じゃなくて、政府が一方を有利にするわけですから、それはやはり民間にも考えてやらないと、それはおかしいんじゃないでしょうか。

亀井国務大臣 どうも私は口下手だから御理解いただけないんじゃないかと思いますけれども、先ほど言いましたように、ユニバーサルサービスを地域のため、また国家全体のために課していく以上は、これはコストのかかる話でありまして、それを一般の金融機関については青天井、あなたたちはそういう責任を果たしてもらいたい、同時に限度額は一千万円ですよと手足を縛ることは、やはり私はできないと思います。

 委員が、では、そうしたユニバーサルサービスなんてもういいんだ、あるいは、その部分については税金を思い切って投入すればいいんだ、郵貯あるいは簡保の世界というのは完全に一般の金融機関としての仕事だけしておればいいんだというお立場に立てば、これはもう別論でございます。

石井(啓)委員 それでは大臣、そのユニバーサルサービスの中でも、三事業あるわけですよね。

 郵貯、簡保のユニバーサルサービスを維持するコストと、郵便事業のユニバーサルサービスを維持するコストがあるわけですね。郵便事業のユニバーサルサービスを維持するコストまで、この郵貯、簡保の方に持たせようということですよね。そういう中身になっていますよね。それをちょっと確認します。

亀井国務大臣 今、小泉・竹中郵政改革なるものの中で三事業がばらばらにされちゃったんですね、委員お知りになっておられると思いますけれども。

 ちっちゃな郵便局は、鳥取県の智頭のような山間部の中の郵便局は三つに仕切られています。お互いに行き来ができない。もちろん、仕事の協力もできない。郵便を配達する人たちは、そこで郵貯あるいは簡保の業務はやれない、そういう形になっておるわけであります。その中で、ゆうちょ銀行だけでも百兆の預金高が激変を今いたしております。

 そうした実態の中で、そうした地域はもうどうでもいいんだという、小泉さん、竹中さん流の、便利な生活をしたいのなら東京に出ておいでという立場をとれば別でありますけれども、やはり日本人である以上は、そういうところに住まいする方々にも、あまねく基本的なサービスは、郵貯、簡保についてもこれをちゃんとしていくという立場に我々は立っておるわけでありますから、今の郵政事業とは逆なことをやっているんです。

 私は、小泉、竹中さんのやったことの逆をやろうと思っておるわけでありますから、小泉、竹中さんとしての立場から批判をされる場合があれば、議員はそうじゃないと思いますけれども、これは絶対にかみ合わない話であります。

石井(啓)委員 ちなみに、前政権の郵政民営化では、ゆうちょ銀行あるいはかんぽ生命の株式を売却したその売却益を一部積み立てて、基金として確保しておいて、それで条件が厳しい郵便局の維持等に使うというような考え方だったと思います。またここら辺は改めてやりたいと思うんですが。

 ところで、大臣は先ほどから、この上限の引き上げは施行時点で改めて検討するとおっしゃっていましたけれども、一たん上げたものをそんなに簡単に、まあ、さらに上げることはできるんでしょうけれども、そんなに簡単に下げられるんですか。一たん二千万にしておいて、いや、もう一回施行時、施行がいつになるかわからないけれども、一年とか二年先にまた一千万、どれぐらい下げるのかわからないけれども、一たん上げたものを下げられたら預金者は困るんじゃないんでしょうか。預金者目線に立ったらそんなことは逆にできないんじゃないんでしょうか。どうでしょう。

亀井国務大臣 議員、それはもう私にはちょっと理解できない部分ですけれども、一度決めたら下げられないとか上げられないという、それは政府の立場でありまして、現実がやはり下げなければいかぬ、あるいは上げなければいかぬ、そういう状況が来れば変更するのは当たり前の話でありまして、それが難しいとか難しくないとか、現状に妥協をして、あってはならない状況を続けていくことが行政のあるべき姿ではない。

 そのあたりは、やはり現実に合った、国民の幸せのために我々は政治をやっていくわけでありますから、我々は一度決めたことはてこでも動かない、そういう態度はとるべきではない、そのことが私は預金者のためでもある、このように思います。

石井(啓)委員 上限額を引き下げなければいけない事態というのは、それは預金や契約が流出して民間の金融機関なり民間の生保が大変な状況になってしまうということですよ。そういうことになるわけでしょう。そういうことを想定しているわけですよ、人為的にそういう状況を招くということを。それは私はおかしいのではないかな、そういうことが想定されるのに上限額をここで上げるというのも……(亀井国務大臣「そういう場合があり得るということ」と呼ぶ)あり得るということは、そういう場合もケースとしてあるということでしょう。そういうことがあり得るのにやるというのは私は問題であるというふうに思っております。

 実は、きょうはもっとたくさん質問を用意しておりましたけれども、やはりこの問題は非常に奥深く、広く、たっぷり時間をかけてやらなきゃいけないということがよくわかりました。

 また今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

鈴木(克)委員長代理 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 日米間の密約の問題に関連して、最近政府が調査を行いました。今、核密約が焦点になっておりますが、きょうここで取り上げますのは、沖縄返還に伴う財政負担に関する密約の問題でございます。

 これまで自民党政権は、沖縄返還協定で公表された日本側の負担は三億二千万ドル、それ以外の密約は一切存在しない、こういう見解をとってまいりました。しかし、菅大臣のリーダーシップで財務省としても調査を行って、三月十二日にその結果が公表されました。それによりますと、沖縄返還協定で公表された三億二千万ドルを超える負担や別途の使い道に関して秘められた約束があった、こういうふうにされております。

 この協定の三億二千万ドルを超える部分、すなわちこの別枠になっている部分にはどのような項目があり、金額がどのようになっているんでしょうか。

菅国務大臣 今回の調査においては、財務省の中の資料も相当調べましたけれども、残念ながら財務省の中には関係する資料が発見できなかったわけでありまして、それに加えて、アメリカの公文書館等にある資料を担当者を派遣してコピーをとって、それが本来正しいものであろうということも含めていろいろ調査をした結果を、今御承知のように発表したわけです。

 今回の調査においては、米国資料等によって、米国側において、沖縄返還協定に定めた三億二千万ドルにとどまらない負担に関しては、基地改善費六千五百万ドル、労務管理費一千万ドル、それに無利子預金、約一億ドルでありますが、があったと説明がなされていたことが米国の資料で確認されました。このうち基地改善費六千五百万ドル及び労務管理費一千万ドルについては、財務省に行政文書が存在せず、当時の予算への計上などの事実関係は確認をできておりません。

 他方、無利子預金については、米側当局の協力を得て調査を進めた結果、柏木・ジューリック文書の記述におおむね見合う金額、沖縄返還時の通貨交換の額、一億三百四十七万ドルについて無利子で運用されていた事実が確認をされたところです。

佐々木(憲)委員 今ありました柏木・ジューリック文書というのが、一九六九年十二月のものですが、お手元の配付資料にあります。これは、菅大臣の談話では、最終的な秘められた約束に至る日米間の交渉の出発点になったと考えられるとされている文書ですね。

 例えばこの中に、「基地移転費用と返還に伴う費用―二億ドル」、これは二ページ目ですけれども、こういう記述がありまして、この中でこう書いているんですね。「両政府は、那覇港や那覇空港等の既存の施設に見合う新しい施設について検討する。当該支払いは、必要に応じて、日本の予算に複数年に渡り計上される。」としているわけです。

 これは実際にどのように執行されたのか。先ほどはよくわからないという話ですが、これは実際にはどうなっていたのでしょうか。

    〔鈴木(克)委員長代理退席、委員長着席〕

菅国務大臣 この二億ドルあるいは先ほど申し上げた基地改善費六千五百万ドルと労務管理費の一千万ドルについて、その後の五年間にどういう形でそれが予算計上されたのか、私の方でその後の予算についても調査をさせました。

 これがこれに当たるという一対一対応という形はなかなか、現在わかるところからは確定まではいきませんでしたが、一応わかったところまで申し上げますと、在日米軍施設に関する経費、旧防衛施設庁予算における提供施設整備費等については、昭和四十七年度に施設・区域提供関係工事費として三十八億円が計上されているほか、昭和四十九年以降、沖縄所在施設の移転に関する経費が計上されていることが各年度の予算書や国の予算から確認ができました。これらの経費に米側文書に記載された基地改善費六千五百万ドルに該当するものが含まれていた可能性もあると思っておりますが、行政文書がこれに関して残されていないことから、先ほど申し上げたように、そうであるということを断定するところまではいっておりません。

 また、当時の旧防衛施設庁予算には調達労務管理事務費が計上されていますが、これは地方公共団体への事務委託費や法令に基づく離職者への給付金等として従来から計上されていた予算であり、米側文書に記載された労務管理費一千万ドル、これは米側が負担する労務費の節減分と米側の資料では説明されておりますが、この一千万ドルと関連するものであるかどうか、これも必ずしも明確にはなっておりません。

 そういったことで、そういうものがその後負担されていた可能性はありますが、必ずしも一対一対応での確認はとれておりません。

佐々木(憲)委員 資料の管理の問題ももちろんあると思うんですが、事実関係というものが正確に調査ができない事態になっているというのは、私は非常に大問題だというふうに思っております。

 これは、今問題になっている普天間基地にもつながる問題なんですね。沖縄県の宜野湾市の市長、伊波洋一さんは、我が党の赤嶺政賢衆議院議員と雑誌で対談をして、普天間がなぜあれほど危険な場所になったかについてこう言っております。

 沖縄返還の時点では、七二年当時の普天間飛行場はまだヘリ基地でもなく、今のような大きい滑走路がある基地ではなかった、七二年に那覇空港基地が返還され、そこのP3C哨戒機が嘉手納基地に移った、そのP3Cの訓練をどこかで行わなければならないということで、普天間飛行場が舗装されて、七四年に滑走路がつくられた、その後、どんどんヘリ部隊も移転されるなど、いろいろな機能が集約されて、耐えがたい騒音、事件、事故、こういうものが頻発をして甚大な被害をもたらしているわけです、世界一危険な基地とも言われるような事態になった、こういうふうに伊波市長は述べているわけです。

 防衛省に聞きますが、普天間に滑走路をつくったこの費用は、アメリカが負担したのか、日本が負担したのか、あるいは協定や密約との関係はどうなっているのか、この点、説明していただきたい。

楠田大臣政務官 お答えをいたします。

 当時の予算委員会の分科会で討議をされた中でもお答えをさせていただいていることでありますが、普天間飛行場の改良等に係る経費といたしましては、日本側の負担によりまして、昭和四十七年度予算において二十六億一千四百万円、普天間飛行場の関係として計上しております。ただし、当該予算は昭和四十八年度に繰り越しされたということであります。

 これが、先ほど指摘がありましたように、その部分に加わるかどうかということは、現時点では確たるお答えをすることは困難であるということであります。

佐々木(憲)委員 これは非常に重要な問題でありまして、米軍は戦後、沖縄を占領して、県民の土地をブルドーザーと銃剣で取り上げて、家を焼き払って、そこに基地をつくったんですよ。沖縄県民にとっては非常に屈辱的な事態だったわけです。その後も、この沖縄返還協定と密約で、今度は財政負担を日本に押しつけて基地機能を強化する、こういう非常に許せないことが行われてまいりました。国民の税金を使って危険な基地までつくる、こういうことは私は絶対に許せない事態であって、その全容を明らかにすべきだと思っております。

 きょう、もう一つお聞きしたいのは、協定以外の、いわば密約にかかわる別枠の部分、この部分で日本政府、日本側が負担をした総額というのはどのぐらいあるのか。アメリカに預金をしたドルを円にかえる際に、そのドルを預金したというのは先ほど説明がありました、これは財政負担というよりも別な概念になりますが、財政負担として日本国民の税金で支払った分、これはどのぐらいの規模になるのか、説明をしていただきたいと思います。

菅国務大臣 御承知だと思いますが、柏木・ジューリックのところに書いてある二億ドルというのが、その後いろいろ中身の表現が変わって、最終的には三億二千万ドルになっていくわけです。しかし、それ以外に、今言われたように、その三億二千万ドル以外に払われたであろうというのが、基地移転費の六千五百万ドルと、それから労務管理の節約分とされる一千万ドル、合わせて七千五百万ドルであろうということであります。

 そして、それに加えて、この無利子預金のことは、いわゆるドルを円にかえることによる棚ぼた的な利益をどちらがどうするのかということで、ある種の折り合いの中で二十五年間の無利子という形の扱いがされた。ですから、これは一概に、負担をしたとかしなかったということとは若干性格が違う。

 そういう意味では、今の御質問については七千五百万ドルということになろう、こう思っております。

佐々木(憲)委員 そのアメリカに預金をしたという部分についても、評価はいろいろあると思います。我々は、その利子を一体なぜ受け取らないのか、アメリカに渡したらアメリカに対する利益供与になるじゃないか、大体そういうやり方が果たして正しいのかどうなのかというような問題、いろいろあると思います。それから、総額として大体こうだというけれども、実際に何にどのように使われたか、こういうものの詳細がいまだに明らかになっていないという問題があります。

 これらの点についても、引き続き私どもは、実態の調査も含めて、今後議論していきたいというふうに思っております。

 さて、では少しテーマをかえまして、税金の集め方の問題、徴税問題についてお聞きをしたいと思います。

 国税庁の税務運営方針、これは大分昔に出されたものでありますが、そこには、税務行政にかかわる職員の心得として次のように記載されております。「納税者に対して親切な態度で接し、不便を掛けないように努めるとともに、納税者の苦情あるいは不満は積極的に解決するよう努めなければならない。」「税務相談に当っては、正確で適切な回答をするとともに、納税者の有利となる点を進んで説明し、納税者に信頼感と親近感を持たれるように努める。」こう書いてあります。

 これは、現在でも財務省、国税庁の基本方針ということで理解してよろしいでしょうか。

菅国務大臣 御指摘の税務運営方針は、昭和五十一年に国税庁長官が職員に対して、税務行政を遂行する上での原則論を示したものであります。引き続きこの運営方針の趣旨に沿って税務行政が進められていることには変わりがないもの、私もざっと読みましたが、まさにこういう形で進められるべきだ、こう考えております。

佐々木(憲)委員 地方税の徴収に当たっても、地方自治体の職員は基本的にこの精神を踏まえて徴税に当たるべきだと思いますが、渡辺総務副大臣の見解を求めたいと思います。

渡辺副大臣 委員御指摘のとおりでございまして、地方税の徴収業務についてもこの精神が当てはまるということで認識をしております。

 同方針の中には、納税者に対して親切な態度で接し、あるいは納税者の主張に十分に耳を傾けなさい、一方的であるという批判を受けることがないよう細心の注意を払わなければならないというこの精神に沿って、当然、地方税においても当てはめているところでございます。

佐々木(憲)委員 ことしの一月に、千葉県長生村で年金の差し押さえが行われた後、七十七歳の高齢者が孤独死をするという非常に残念な事件がありました。栄養失調で餓死をするという痛ましい事件でありまして、その新聞報道はお手元の資料にあります。

 後ろから三枚目が朝日に出た、「声」の欄に載った「年金差し押さえで孤独死、何と残酷」というので我々気がつきまして、この地方版を見ますと、次のページにありますように、非常にむごい実態がここで報道されているわけであります。

 この事件は、木造二階建てのアパートの一階の部屋で、薄い布団をかけ、あおむけに寝た状態で亡くなっていたんです。この男性はひとり暮らしで、ミイラのようにやせ細っていた。税金滞納を理由に年金が振り込まれる銀行口座を差し押さえられて、生活費に困窮して、電気もとまった寒い部屋で孤独死をしていた。

 渡辺副大臣はこの事件を知っておられましたか。

渡辺副大臣 実は、きょうのこの質問があるまで知りませんでした。

 しかし、いただいた千葉県版の朝日新聞の記事を見て、ああ、こういう事件があったのかということを認識した次第でございます。

佐々木(憲)委員 これは、去年の十月十五日に年金が振り込まれた銀行口座を差し押さえするまでに、税務課が督促状を出したんです。出しただけで、納税者とは直接話をしていないんですね。にもかかわらず、いきなり全額を差し押さえたわけです。これでびっくりして、この方が苦情を電話で申し入れた。ところが、そのときに、この人は困ると言ったんですね。五千円はタクシー代だから、五千円だけ置いて、何とかしてくれという話になって、結局、後で五千円を解除したというんですよ。

 この人の生活実態、資産状況、経済状況を把握せずにいきなり年金を差し押さえて、生活がどうなのかも確認せずですよ、それで実行した。こういうことで、非常に私は、やり方が余りにも乱暴だと思います。

 私が昨年取り上げた鳥取県の児童手当差し押さえ事件、先日取り上げた千歳市の年金差し押さえ事件、それから参議院総務委員会で山下議員が取り上げた大阪の事件も今回の餓死事件も、ともかく、納税者の生活がどうかということを十分把握せずに、機械的にいきなり差し押さえるというやり方、これは、生活実態を把握し、納税者と直接対話し、その上で判断をするというルールといいますか、筋が違うんじゃないか、それと違うやり方をしているんじゃないか。

 私は、きちっと事前に実態把握、対話、そういうことをやるべきだと思いますが、渡辺副大臣、どのようにお考えでしょうか。

渡辺副大臣 参議院の山下委員も総務委員会で、和歌山県、大阪の例を例に出されて、同じような指摘がありました。そのときも申し上げましたけれども、とにかく、やはり人間の顔をした窓口といいましょうか、人間の顔をした徴収業務を職員は行うべきだろうと思います。

 とにかく、今回の事案についても、私も新聞社の記者をやっていましたので新聞記事は信用しますが、本当にこれが新聞に書いてあるような中身だったのか。もしかしたら、村の役場の方の名誉もあります、私が追い詰めて殺したのかというようなとり方をされても、その村役場の方の名誉もあるでしょうから、個別の案件についてどうとは言えませんけれども、ただ、やはり本当に、実態はどうだったのかということは、これは何とか調べられれば、私は何らかの形で聞きたいと思います。

 また、とにかく、人の生命までも、生存権までも脅かすような、まさに問答無用の徴収、徴税があっては絶対ならないというふうに考えております。

佐々木(憲)委員 実態はどうなのかということで私どもも、現地にスタッフが行って実際に聞いてまいりました。

 そうしましたら、今副大臣がおっしゃったように、徴税する側も大変な事態なんですよ。職員がたった二人しかいないんですよ。しかも、差し押さえは年間百四十件だというんですね。だから、差し押さえる前に一人一人の話を聞くなんというゆとりはない。こういう人員配置にも私は非常に大きな問題があると。

 ですから、税務署あるいは税務課の職員の置かれている労働条件の問題もありますので、親切に対応するというのは、ゆとりを持った人員配置、それからゆとりを持った対話の時間といいますか、そういうものが保障されなきゃならぬと思う。私はこれが欠けていると思いますよ。

 つまり、今までどんどん、ともかくコスト削減で、人件費を抑制で、もう人を減らせばいいという話で、結局そういうことをやってきた結果が納税者に対して厳しい事態を生み出しているという面があるんです。ですから、これは非常に、そういう点も含めてぜひ調査もしていただきたいと思います。

 それから、国税徴収関連法規を見ますと、例えば徴収法には、超過差し押さえあるいは無益な差し押さえの禁止、それから差し押さえ禁止財産、そういう規定があります。それから納税の猶予、換価の猶予、滞納処分の停止などが規定されています。こういうものをしっかり踏まえて適用されていれば、高齢者の年金を差し押さえて、生活を破壊して餓死させるなんということはあり得ない。ですから、地方税でも、この辺をきちっと踏まえて、そういうことの起こらないような対応が必要だと思います。

 ぜひ渡辺副大臣にお願いをしたいのは、こういう事態が二度と繰り返されないように、その考え方の徹底、通達を出すなり、そういうことをしっかりやっていただいて、それから、これは差し押さえの範囲を超えておりますから、私、資料を配りましたが、時間がありませんので説明しませんが、明確に範囲を超えています。そういうことのないように徹底するということをぜひ約束していただきたいと思います。

渡辺副大臣 先ほどの千葉の例ですけれども、税務の職員が少なくとも、例えば民生委員の方に、生活実態についてもし把握しているなら何らかの情報提供を受けるとか、やりようがあったのかなかったのか。

 やはりそういうことも含めまして、とにかく、繰り返しになりますけれども、今委員が御指摘されましたような痛ましいことが、因果関係が本当にどうであったかはちょっとまだわかりませんけれども、それにしても、こういうことが二度とないように、万全の対策を当然国もすべきであろうし、また、地方に対しても、こういうことがあるという情報を共有して、やはり二度とこういうことがあってはならないということで、何らかの検討を進めていきたいというふうに考えております。

佐々木(憲)委員 一つだけ。銀行口座に入ったら無条件にばっと全額差し押さえるというようなことは、これは今までのルールからいってもできないはずなんですが、この点は確認しておきたいと思います。

渡辺副大臣 これは最高裁の判決にもありますが、一回口座に入ったというものは本人の財産ということになるわけでございますけれども、ただ、個々の事情があって、差し押さえられたら生きていけない、本当に食事もとることができないという、まさに非人道的な扱いをするようなことは絶対にあってはならない。それは、個々の事情を必ずしんしゃくされるということで私どもとしてはとにかく認識をして、また、そういう認識を運用の中で共有していきたいというふうに考えております。

佐々木(憲)委員 これは、税務運営方針や徴税法における納税者の権利ということをしっかり踏まえて、まず納税者の生活実態、これを把握した上で慎重に徴税に当たるということが大事であります。

 とりわけ年金などは、これは財産差し押さえ禁止対象なんですね。つまり、差し押さえてはならない、本来そういうものなんですよ。この差し押さえ原則禁止、これを徹底する、そういうことをしっかりと注意喚起を行っていただきたい、そういうことを徹底していただきたい、最後に確認したいと思います。

渡辺副大臣 国で禁止の規定があるものは地方でも規定をしているというふうに認識をしておりますし、また、国税通則法と同様の徴収猶予が設けられておりますので、まさに、それは本当に、人の生命、一人の人間の尊厳を奪い、命を奪うようなことが決してないように、これだけは、私ども地方の中でもやはり徹底をしていくべきだろうというふうな認識でございます。

佐々木(憲)委員 最後に、菅大臣に確認をしたいと思います。

 前回もこういう問題で、国税も地方税も、徴税のあり方について、納税者の権利というような問題、あるいは民主党自身も、昨年の総選挙では納税者権利憲章というような提唱もされています。

 そういうことを踏まえまして、税調の中でしっかりと議論をして、親切で納税者の権利をしっかり守るような税務行政に切りかえていく、こういう立場でぜひ議論をしていただきたいと思いますが、見解を最後に伺いたいと思います。

菅国務大臣 御指摘のように、納税者権利憲章については、納税者の税制上の権利を明確にし、税制への信頼確保に資するものとして重要な意義を持っていると考えております。

 納税者権利憲章を初めとする税務手続の見直しについては、平成二十二年度税制改正の大綱において、具体的な見直しを行うために、税制調査会のもとにプロジェクトチームを設置し、一年以内をめどに結論を出すということにいたしております。

 現在、税制調査会専門委員会に設置された納税環境整備小委員会において専門的かつ実務的検討を行っており、その検討結果等も踏まえつつ、二十二年度税制改正大綱の方針に沿って、このような権利憲章をつくる方向で検討してまいりたい、このように考えております。

佐々木(憲)委員 時間が参りましたので、以上で終わります。

玄葉委員長 次回は、来る六日火曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時二十三分散会


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