衆議院

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第21号 平成23年6月8日(水曜日)

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平成二十三年六月八日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 石田 勝之君

   理事 泉  健太君 理事 大串 博志君

   理事 岸本 周平君 理事 古本伸一郎君

   理事 鷲尾英一郎君 理事 竹下  亘君

   理事 山本 幸三君 理事 竹内  譲君

      東  祥三君    網屋 信介君

      五十嵐文彦君    今井 雅人君

      江端 貴子君    岡田 康裕君

      柿沼 正明君    勝又恒一郎君

      木内 孝胤君   木村たけつか君

      小山 展弘君    近藤 和也君

      菅川  洋君    高井 崇志君

      玉木雄一郎君    豊田潤多郎君

      中塚 一宏君    中林美恵子君

      松原  仁君    三村 和也君

      矢崎 公二君    柳田 和己君

      山崎 摩耶君    湯原 俊二君

      和田 隆志君    若井 康彦君

      今津  寛君    齋藤  健君

      竹本 直一君    徳田  毅君

      野田  毅君    村田 吉隆君

      茂木 敏充君    山口 俊一君

      吉野 正芳君    斉藤 鉄夫君

      佐々木憲昭君

    …………………………………

   財務大臣         野田 佳彦君

   国務大臣

   (金融担当)       自見庄三郎君

   内閣府副大臣       東  祥三君

   財務副大臣        五十嵐文彦君

   農林水産副大臣      篠原  孝君

   内閣府大臣政務官     和田 隆志君

   法務大臣政務官      黒岩 宇洋君

   農林水産大臣政務官    田名部匡代君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  荻野  徹君

   政府参考人

   (内閣官房内閣参事官)  北村  信君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局長)  森本  学君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 團藤 丈士君

   政府参考人

   (財務省主税局長)    古谷 一之君

   政府参考人

   (国税庁次長)      田中 一穂君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           又野 己知君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           大藤  朗君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           花岡 洋文君

   財務金融委員会専門員   北村 治則君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月八日

 辞任         補欠選任

  網屋 信介君     今井 雅人君

  小野塚勝俊君     矢崎 公二君

  木内 孝胤君     木村たけつか君

  吉田  泉君     湯原 俊二君

  徳田  毅君     吉野 正芳君

同日

 辞任         補欠選任

  今井 雅人君     網屋 信介君

  木村たけつか君    木内 孝胤君

  矢崎 公二君     高井 崇志君

  湯原 俊二君     若井 康彦君

  吉野 正芳君     徳田  毅君

同日

 辞任         補欠選任

  高井 崇志君     山崎 摩耶君

  若井 康彦君     吉田  泉君

同日

 辞任         補欠選任

  山崎 摩耶君     小野塚勝俊君

同日

 理事後藤田正純君同月一日委員辞任につき、その補欠として山本幸三君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

六月六日

 国税通則法の改悪反対・納税者の権利確立に関する請願(城内実君紹介)(第七二四号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第七四八号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第七八三号)

 消費税の増税反対、医療・介護施設へのゼロ税率に関する請願(志位和夫君紹介)(第七三三号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第七四九号)

 消費税大増税の反対に関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第七八一号)

 消費税の増税反対、食料品など減税に関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第七八二号)

 消費税増税をやめ、暮らしと経営を守ることに関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第七八四号)

 所得税法第五十六条の廃止に関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第七八五号)

 消費税増税の中止と医療を初めとする生活必需品にゼロ税率の適用を求めることに関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第七八六号)

 納税者の権利を確立し、中小業者・国民の税負担を軽減することに関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第七八七号)

 消費税の増税に反対し、公正な税制実現を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第八一三号)

 同(笠井亮君紹介)(第八一四号)

 同(穀田恵二君紹介)(第八一五号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第八一六号)

 同(志位和夫君紹介)(第八一七号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第八一八号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第八一九号)

 同(宮本岳志君紹介)(第八二〇号)

 同(吉井英勝君紹介)(第八二一号)

 消費税引き上げ反対、庶民減税を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第八二二号)

 同(笠井亮君紹介)(第八二三号)

 同(穀田恵二君紹介)(第八二四号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第八二五号)

 同(志位和夫君紹介)(第八二六号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第八二七号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第八二八号)

 同(宮本岳志君紹介)(第八二九号)

 同(吉井英勝君紹介)(第八三〇号)

同月八日

 消費税の増税反対、医療・介護施設へのゼロ税率に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第八七二号)

 同(笠井亮君紹介)(第八七三号)

 同(穀田恵二君紹介)(第八七四号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第八七五号)

 同(志位和夫君紹介)(第八七六号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第八七七号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第八七八号)

 同(宮本岳志君紹介)(第八七九号)

 同(吉井英勝君紹介)(第八八〇号)

 消費税率を引き上げないことに関する請願(松木けんこう君紹介)(第九六八号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の補欠選任

 政府参考人出頭要求に関する件

 東日本大震災に対処して金融機関等の経営基盤の充実を図るための金融機能の強化のための特別措置に関する法律及び金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第七三号)


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     ――――◇―――――

石田委員長 これより会議を開きます。

 この際、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石田委員長 御異議なしと認めます。よって、山本幸三君を理事に指名いたします。

     ――――◇―――――

石田委員長 内閣提出、東日本大震災に対処して金融機関等の経営基盤の充実を図るための金融機能の強化のための特別措置に関する法律及び金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官荻野徹君、内閣参事官北村信君、金融庁総務企画局長森本学君、法務省大臣官房審議官團藤丈士君、財務省主税局長古谷一之君、国税庁次長田中一穂君、経済産業省大臣官房審議官又野己知君、国土交通省大臣官房審議官大藤朗君、大臣官房審議官花岡洋文君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

石田委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。三村和也君。

三村委員 おはようございます。民主党の三村和也でございます。

 いろいろなことがありまして久しぶりの財務金融委員会となりましたけれども、先週の二日に内閣不信任案が否決をされまして、非常に混迷の中、今般、金融機能強化法の改正案をこの財務金融委員会で審議に入るということができたわけでございまして、野党の理事の先生方の御尽力、また与党の理事の先輩方の御尽力に改めて敬意を表したいと思うわけでございます。

 先週の不信任案の否決以来、今の内閣がいつやめるかとか、どうなんだというような議論に終始をしておりますけれども、私はやはり、私たちは国会のメンバー、国会議員として、被災地の復興のための法案は通す、制度をつくる、予算をつけるということを、私たちは党派の隔てなく一丸となってやっていかなければいけないというふうに、私は若輩ですけれども、強く思っております。

 今回の金融機能強化法の改正法案ということもそうですけれども、やはりこの財務金融委員会は、税法本体と、また特例公債法という、私はもう最重要の法案だと思いますけれども、それを審議する委員会でございます。

 復興基本法は、報道によりますと、私も昨日御説明をいただきましたけれども、与野党で合意をされて来週成立をする。非常にいいことだと思います。また、二次補正予算も、いろいろな議論はありますけれども、皆が早くしろ早くしろと言うのであれば、やはり遅いより早い方がいいですから、どんどん前倒しでやった方がいいと思います。

 しかしながら、国家のマネジメントというか行政のマネジメントという意味では、私は、この特例公債法、歳入の四割以上、半分近くを占めるわけですから、特例公債法を通す、成立させるということが最も重要なことなわけでございまして、やはり、重ねて申し上げますけれども、この財務金融委員会のメンバー、国会のメンバーとして、ぜひとも、野党、与党、与野党の理事の先輩方には党派を超えて今後とも御尽力を願いたいというふうに、最初に申し上げたいと思います。

 さて、早速ではございますけれども、今般の法改正、震災発生以来、金融庁でも、自見大臣を中心として、被災者の支援、また、先般成立をした中小企業金融円滑化法としての支援ということをずっと続けていただいていると思いますけれども、今回の法案というのはまさに、被災地の金融機関というのは、東北地方の地元の密着の金融機関であるわけでありまして、融資先の多くが被災をして、貸し倒れも非常に大きい。また、沿岸部に支店のある金融機関では、その金融機関の支店自体が被災をしているという状況もあって、これから地元の、東北地方の復興に向けて、そういった東北地方の金融機関を側面支援するというか環境を整備する法案だというふうに思っております。

 ちょっとお配りはしていないんですけれども、今、私の手元に新聞記事もありまして、岩手、宮城、福島県の地銀の八行、もう一一年三月期の決算を出しておるわけですけれども、災害の損失で八百億円、八行ある地方銀行のうち、六行が当期赤字転落、二行が当期減益という非常に厳しい数字も出ておるわけです。

 改めまして、被災地の金融機関の被害状況、損失の見込みなども含めて、金融庁としてそういった金融機関の経営状況をどのように把握されておるか、教えていただければと思います。

和田大臣政務官 三村委員にお答えいたします。

 先ほど御指摘いただいたように、今、被災三県の地銀の方は何とか三月期決算を発表するところまでに至っておりますが、残念ながら、ああいった状況の中で、与信関係費用、つまり貸倒引当金の増額等が要因となりまして、赤字決算となっているところが多く発生しております。おっしゃっているとおり、八行中六行でございます。

 しかし、我々が報告を受けている限りにおきましても、赤字決算にはなっておりますが、自己資本で見た場合にそれが危機的な状況に至っていることは全然なく、そういった意味では、しっかりと安定した経営を行っていただいているものというふうに考えています。

 いずれにしても、これからの状況をしっかりと注視していく必要はあると考えています。

 また、今お触れにならなかった部分で、我々がもう少ししっかりと見きわめなければいけないと思っていますのは、もう少しミクロの部分で、各被災地において、協同組織金融機関、つまり信用金庫、信用組合のオペレーションでございます。

 こちらの方は、地銀よりもさらに、金融機関みずからが相当被災を受けております。そういった状況の中から何とか今、業務としては立ち直っておるわけでございますが、さらに申し上げれば、貸し出している先の、与信先企業の状況がまだ全部把握できていないという状況でございます。つまり、各地のかなりミクロの部分で個人事業を営んでいらっしゃるような方々も含めて貸し出しているわけでございますので、その方々の中で、その被害状況、そしてこれからの経営を立て直す方針、そうしたものを聞くに聞けていないという部分があるものですから、残念ながら、これらの協同組織金融機関の多くは三月の決算が組めていないという状況でございます。

 今必死で努力しているところというふうに伺っておりますので、それを見詰めておきたいというふうに思いますが、これらの協同組織金融機関の状況もしっかりと含めて、各地域で、この被災地域三県でオペレーションしている地域銀行、金融機関について、我々も状況を注視していきたいと考えています。

三村委員 ありがとうございます。

 地方銀行はやはり県庁所在地とか内陸の方に本店もあって、逆に、今政務官おっしゃっていただいた信用組合、信用金庫というのは結構沿岸の方に支店や本店もあって、また、貸出先も沿岸部の事業であったり漁業であったりということもあると思いますので、そういった信用金庫、信用組合の支援ということも、この法律で、その環境整備、側面支援ということを法改正でやっていくんだというふうに思います。

 東北地方の地元経済の再生、これから復興という観点で、やはり、当たり前のことですけれども、金融機能の健全化ということは、それは復興、経済の再生に向けたその前提となるわけでございまして、改めて今回の法改正の趣旨と内容といったところについて、ちょっとど真ん中の質問ですけれども、大臣からお答えをいただきたいと思います。

自見国務大臣 三村議員にお答えをいたします。

 まさに今般の金融機能強化法の改正の趣旨、ど真ん中ということを言われましたけれども、いかにという御質問でございました。

 今先生から御質問の中にもございましたように、東日本大震災により金融機関にさまざまな影響が懸念される中、広範にわたる被災地域において面的な金融機能を維持強化するとともに、預金者に安心感を与える枠組みを設けることが地域経済の復興を図る上で不可欠である、そう認識いたしまして、このため、国の資本参加を通じて金融機関の金融仲介機能を強化する枠組みである金融機能強化法に、震災の特例を設けることとしたものでございます。

 これはもう先生が今言われたように、地域の金融機関というのは地域の経済活動の本当に源泉の一つでございますから、この金融機能を強化するということは、そこからその先、中小企業、零細企業、あるいは地域のいろいろな企業に融資をしてあるわけでございます。それから個人では、もう先生御存じのように、住宅ローンですね、これが大きいわけでございますが、住宅ローン、個人に融資を、ローンを組んでおられる。しかしながら、その融資している、私も実際、石巻に行ってきまして、もう全部、家も流れたと。それから、中小企業でございますけれども、水産加工業でございますけれども、自見さん、銀行から借り入れして、新たに設備投資をしたんだ、もうそれが全部流れてしまった、こういう話も聞いたわけでございます。

 そういったところをやはりきちっと、我々、金融機関をしっかり、金融機能を強化することによって、もう先生御存じのように、マイナスからのスタートだというような話も聞きましたが、そういったところをしっかり強化する、そして安心していただく、そして経済が活性化するという、今先生が言われたとおり、そのことを願っております。

 それから具体的には、簡単に申しますと、国の資本参加を受けようとする場合には経営者責任を問われないことを明確化するなど震災の特例を設ける、それから、今大臣政務官からもお話がございました、震災により著しい影響を受けた協同組織金融機関については、その実情及び協同組織金融機関の特性に応じた特例を設けるということでございます。

 もう先生御存じのように、協同組織金融機関には限定された営業地域があります。それを基盤としていまして、人的に結合した会員組織である、また、中央機関が一定の役割を演じているということでございまして、さっき言いました石巻信用金庫、石巻商工信用組合におきましても、我々がこの石巻のまさに中小零細の水産加工業を、長靴を履きながら育てたんだということを理事長さんからもお聞きしたわけでございます。

 そういう実情がございますので、そういった特例を設けて法の整備を行いたいということを考えさせていただいております。

三村委員 ありがとうございます。

 大臣から、面的な金融機能の強化、また地元経済の復興に向けた安心感を与えるための金融機能の強化ということで、改正をして、今まで公的資本の参加の条件として求めていた経営責任を求めない、またさらに、収益性とか効率性に関する目標設定を求めないとか、そういったハードルを下げるという法改正の内容だと思います。またさらに、信用金庫、信用組合、協同組織金融機関についてはさらに支援を強くするという内容なんだと思います。

 そもそも金融機能強化法というのは、主に地銀とか信金、信組、協同組織金融機関を念頭に置いて、国の公的資金の資本参加をすることによって地銀や信金、信組の経営基盤を強化するという目的で創設されて、リーマン・ショックの後の金融危機の際にその要件をさらに緩和した、また政府保証枠を二兆円から十二兆円に広げているというのが、そもそも今、現行である金融機能強化法だと思うんです。

 ちょっと重複した質問になるかもしれませんけれども、なぜ今回の大震災に際してさらに法改正をして、その要件を緩和する、ハードルをさらに下げる。これは後で申し上げようと思うんですが、そのハードルを下げることによって、地元の金融機関の経営規律が緩んだり、経営状況のよくない貸出先への債権が温存されたりというリスクもあるわけですけれども、何で今回の大震災に際して今回の法改正をして、さらに要件を緩和するという必要があるのかというところについて、改めて明確化をして教えていただきたいと思うんです。

和田大臣政務官 今、三村委員御指摘のように、もともと現在ある金融機能強化法そのものが、国の、各地域の金融機関への資本参加を通じて、その地域経済をさらに活性化し、また、そこでそれぞれの役割を担っていらっしゃる中小企業の経営をさらに強化していくということのために、金融機関に大いにその地域経済に御貢献いただきたいという趣旨でつくられたものでございます。

 そういった意味におきましては、何度か御答弁申し上げているんですが、金融機関が危ないから、それを助けるための資本注入という枠組みではなく、金融機関がその地域に貢献したいという意欲を持っていただくがゆえに、それを国として全面的に応援したいという気持ちでつくられた法律でございます。

 そして、お尋ねは、今回の震災が起きたことゆえに、なぜそれをさらに法改正する必要があるのかという点でございますが、それにつきましては、皆様方も被災地に行っていただいて、ごらんになったとおり、今回の震災の被災は、一つ一つの個別企業が被災している状況にとどまらず、大臣は面的な整備を強化法の法改正によって行うんだとおっしゃいましたが、裏返していけば、被災状況がかなり広く面的にわたっております。

 そういった意味におきまして、地域経済が面的に毀損しているようなものでございまして、それらにもう一度復興を果たしていただくためには、この地域経済を活性化するために中小企業を活性化し、金融機関としてそれをしっかりと支えていくという機能をさらに強化する必要があるだろうというふうに考えたわけでございます。

 特に、先ほどから御指摘もありましたし、答弁も申し上げましたが、各地域をかなり限定された範囲でケアしております協同組織金融機関が、預金者の皆様方にも安心していただき、かつ、事業者の皆様方に、金融機関がそこまでバックアップしようと思ってくれるのであれば我々も何としても復興を果たしていきたい、もう一回事業を再構築していきたいというふうに思っていただけるための、むしろ支援材料として、どうしても今回、さらに強化させていただきたいという趣旨を持って御提案申し上げたものでございます。

三村委員 ありがとうございます。

 続けての質問でありますけれども、もう一つの質問は、さらに、なぜ今この時点で法改正をする必要があるのかという点であります。何で一カ月後、二カ月後じゃだめなんだと。

 もちろん、今まで大臣から、また政務官から御答弁をいただいた法改正の趣旨と内容をお聞きすると、やはり一刻も早くというか、なるべく早く法改正が必要ということだと思うんですが、そのタイムスケジュール感というか、なぜこのタイミングで早く法改正をしなければいけないかという点についても重ねてお聞きをしたいと思います。

和田大臣政務官 さらに掘り下げて、なぜ今かというお問い合わせでございます。

 論理的にどうしても今でないといけないという理屈があるわけではございませんが、やはり今の被災地の状況や、そこに存在する金融機関と、それの貸出先となっている企業の状況を見てみるに、被災後、今三カ月ほどが経過しておりますが、この三カ月間は、みんなが生活を立て直すのに必死であって、事業の再構築のことを考えるのにはとても余裕がなかった時期であったのではないかというふうに思われます。

 そのため、三月から六月までの三カ月間につきましては、債務の返済猶予そして利子の猶予、そういったものを中心に各金融機関に要請してまいりましたが、押しなべて見てみますと、そろそろ生活の立て直しが一区切りついてきて、六月以降、事業の復興に向けて考えてみようかという機運が企業の中にも生まれてきているものと承知いたしております。

 そういった方々にいわゆる過去の債務や新規の貸付金について考えていただく際、金融機関が幅広い視野を持って企業の状況を見詰めて、それらについて、できるだけ復興を果たしていただきたい、つまり、もう一度事業をやり直していただきたいという趣旨を持つように持つように、インセンティブをつけていくことが今国に求められていることではないかと考えております。

 そういった意味におきまして、今を逃しますと、皆様方御存じのような今の国会の情勢を見てみるに、次はいつ御審議いただけるのだろうかということも正直ございまして、やはりここはできるならば今すぐに御審議いただきまして、被災地の企業、個人、そしてそれをしっかりとサポートする金融機関、すべての皆様方に、国が全力を挙げて支援するんだという意思を鮮明に出すことこそが安心感を呼び、そして将来に向けて前向きな姿勢を持っていただける最大の要素になっていくのではないかと考えるがゆえに、今お願いしたいのでございます。

三村委員 ありがとうございます。非常に力強い御答弁をいただいたと思います。

 加えて、先ほどの新聞記事にもありますけれども、この新聞記事は地方銀行の数字しかありませんが、八行中、一二年三月期の予想を立てられたのが三行しかないんですね。五行は予想すら立てられない、被害状況がわからない。先ほど政務官おっしゃったように、協同組織金融機関、信用金庫、信用組合はまだ被害の状況がわからない。そういった中で、来期の決算に向けて、九月の中間決算までに国の支援を必要なところには届けるという意味においては、これは六月の株主総会等で定款の変更も必要ですから、やはりそこまでに国の政策のパッケージがあるということが、一つのタイミングというかタイムリミットの、スケジュール感覚なんだと思うので、そういった実務的な観点からもやはり私も成立を急ぐべきというふうに考えるわけでございます。

 そのことと関連してなんですけれども、五月十三日に自見大臣のお名前で「東日本大震災を受けた金融機能の確保について」という大臣談話、通達をお出しになられておりまして、ここで、東北地方の金融機関向けに、金融機能強化法の改正案、本法案を国会に提出します、ついては積極的に活用を検討してくださいというような呼びかけをされていると思うんです。これの前後を含めてなんですが、東北地方の金融機関からの具体的なニーズ、声等もあると思いますので、それを御紹介いただきたいと思います。

和田大臣政務官 今御指摘いただいたのを含めて、仙台銀行、七十七銀行、筑波銀行につきましては、それぞれの機関におかれまして、資本参加の申請に向けて検討を開始するというふうに発表されているところでございます。

 その他には特にございませんが、しかし、案件の性質を考えていただきますれば、それがあるがために先ほど御答弁したつもりなのですが、今まで資本注入という仕組みが、とかく世間全体からは、やはり金融機関が少々危なくなってきたのではないかというイメージを持たれる中で行われているというようなイメージ論がありまして、それがために、各金融機関はその申請に踏み切ることには非常に慎重姿勢を今まで持ってきたところでございます。

 しかし、この法律につきましては、むしろ積極的に活用してほしい、国の方は、地域経済に、ぜひ金融機関に貢献していただきたいと思っておりますので、ぜひ皆様方に申請していただきたい。決して、状況の悪い銀行、金融機関が申し込むというスキームではないのですよということを、事あるごとに御説明申し上げている次第でございます。

 そうした意味におきましては、実際に法律が皆様方の御審議を経て成立を見、そして運用できるようになりますれば、きっとその趣旨にこたえていただける金融機関は出てくるものと考えています。

三村委員 ありがとうございます。

 先ほどの政務官からの御答弁で、やはり協同組織金融機関、信用金庫、信用組合、地元に密着した金融機関をぜひとも全面的にサポートしたいというような御答弁がございましたので、この法の改正法の執行の面でもぜひとも御尽力をいただきたいと思います。

 質問を一つ残しましてもう終わろうと思いますけれども、先ほども御指摘をさせていただきましたけれども、今回の法改正で公的資金の資本参加の要件を緩和するということで、やはりモラルハザードというかリスクの面もあるわけでございまして、経営規律が緩むとか、また不健全な債権とか融資が温存されてしまうというようなリスクも当然あるわけでございますから、この法の改正法の執行の面でも、ぜひ金融庁の適切な指導というか行政を期待したいと思います。

 通告していませんが、もし最後に何かございましたら、御答弁いただければと思います。

自見国務大臣 三村議員から、この法律ができた後、金融機関ですから当然金融規律ということもございますし、また、本当に千年に一遍の津波、本当に地域の、さっきも言いましたように、石巻に行きましても、その地域、海岸べたの水産加工業も全部流されているわけでございます。そういった未曾有の災害でもあるわけでございますから、特例を設けて金融機関の金融機能をしっかり強化させていただくと同時に、やはり金融機関でございますから、基本的にはお人様からお預かりした預金が原資でございますから、そういったことも踏まえて、適時適切に検査監督を金融庁にさせていただいて、また先生方の御指導を中間中間で、またいろいろこの法律はあると思いますけれども、またこの委員会を通じていろいろ御指導をいただきたい、こういうふうに思っております。

三村委員 ありがとうございます。

 終わります。

石田委員長 次に、吉野正芳君。

吉野委員 おはようございます。自民党の吉野正芳です。

 私は福島県です。福島県は、三月十一日の地震、そして津波、そして原発事故です。そのほかに原発事故による風評被害、四つの苦しみが今、福島県を覆っております。そして、地震と津波で被害を受けられた地域の方々は、今、復興に意欲を燃やして一生懸命やっていると思います。でも、福島県は原子力の事故がまだ収束しておりません。復興への心はあるんですけれども、まだまだ本格的に復興という気持ちにはなれません。災害は継続中です。そのことをまず御理解いただきたいと思います。

 福島県には、地銀三行、信用金庫八信金、信用組合四組合、計十五の地元の金融機関がございます。この地元の金融機関は、地域経済のために、また預金者の利便性のために一生懸命活動しています。

 三月十一日の大地震の後、一番先にお店をあけたのが信金、信組なんです。地銀もおくれました。ましてや、都銀、郵便局、ここはかなりおくれてお店を開きました。この間、被災した方々は今一番何が欲しいか。お金なんです。自分の預金がおろせない、こういう事態が何日も何日も続きました。まさに信金、信組を初めとする地元の中小の金融機関があったからこそ、そこに預金している方々はお金をおろせて、当座のものを買うことができたわけであります。

 これを一つとってみても、いかに地元の金融機関、特に信金、信組の位置づけが大事か、いざといった場合にいかに大事だかということがよくわかると思います。

 私の地元にいわき信用組合がございます。もう十二日にお店を開きました。そして、無担保無保証で独自のローンを組みました。金利も物すごく安いです。全部自腹を切ってローンを組みました。

 こういう形で、いかに地元を担っている信金、信組の位置づけが大事だかということを申し上げたいと思います。

 さて、今度のこの東日本大震災に伴う金融機能強化法、この中に、原子力事故に伴うものが入っているのか、そして、風評被害に伴うものが入っているのか、その辺をお尋ねしたいと思います。

東副大臣 まず初めに、吉野先生が福島県であり、また、いわき市で、本当に被災地の皆さん方に対して依怙依託になり、また、現在抱えている状況を踏まえた上で、何とか皆さん方のお力になりたい、そういう思いがびしびしと伝わってまいります。そしてまた、この震災発災後、いろいろなところで、その地元の皆さん方、被災地の影響を受けている方々に対しての具体的な政府のありようについていろいろと御指摘していただいていることに、心から感謝申し上げたいというふうに思います。

 その上で、今御指摘がありました、今回の金融機能強化法案に関して、原発事故そしてまた風評被害も含まれるのかと。

 基本的には、含まれます。

 御案内のとおり、この附則第八条において、「東日本大震災の影響により自己資本の充実を図ることが主として業務を行っている地域における円滑な信用供与を実施するために必要となった」金融機関とされております。さらにまた、同じ附則第八条におきまして、東日本大震災については、「平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震及びこれに伴う原子力発電所の事故による災害をいう。」とされており、原発事故を含む概念となっているわけであります。

 そして、その上で、国の資本参加の決定に当たっては、原発事故による風評被害等を含めて、「震災の影響により自己資本の充実を図ることが主として業務を行っている地域における円滑な信用供与を実施するために必要となったもの」に当たるかどうかを大臣のもとで個別具体的に判断するというふうになっております。

吉野委員 ありがとうございます。風評被害も含めて対応できるということでありますので、安心しております。

 今度の金融機能強化法、まずは、バブル崩壊後、金融機関の健全化を求めて、まず都銀の健全化、そして地方銀行の健全化、それから信金、信組の健全化という大きなロードマップが書かれていると思います。そこへ今度の大震災なんです。

 このロードマップの中には、経営的に、経営者の責任も問う、収益性も問う、ここのところがきちんと書かれておりますけれども、今度の大震災のところでは、経営責任は問わない、収益性も問わない。これは当然なんです。大震災でゼロからマイナスに物すごく落ち込んでしまいましたから、資本が小さくなってしまいましたから、当然なんです。

 ただ、大きな意味の、そのロードマップに書かれている中で、やはり金融庁、いろいろな検査で、ここのところはもっと指導を強くしなきゃいけないなというところがあると思います。そういう当該銀行が、この大震災の今度の法律をある意味で利用して、放漫経営的なものを覆い隠してしまう、そういう部分もなきにしもあらずなのかなというふうに思うんです。

 その辺の対応といいますか、指導、どういう形で指導していくのか、お願いしたいと思います。

東副大臣 基本的に、金融庁というのは、やはり一般の金融機関から見ると怖いところなんですね。徹底的な検査監督というふうに行っていますから、敷居が非常に高いというふうに言われております。

 御指摘の、経営がうまくいかないので、この際、どさくさに紛れて何とかやっちゃおうかというところをちゃんと見抜けるのかということが、御質問の御趣旨だと思うんです。

 先ほど和田政務官の方からお話ありましたとおり、震災前、正確なデータというのは昨年の九月でありますが、基本的には十分な自己資本を有している。国内、資本準備金というのは大体、信金、信組であれば四%以上、ほとんどがその倍であります。数行が七%台。

 そういう意味におきましては、先生がおっしゃられる経営の本質論の部分、どこから見るかということによっても異なってくるわけでありますが、基本的には、金融機関一般として、震災前においては十分な自己資本を有している、まず、こういう前提のもとで今回のことを考えさせていただいているわけであります。

 したがって、今回の改正法案に基づいて、震災により影響を受けた金融機関の申請を受けて国が資本参加を行う場合には、まず、申請時に金融機関から経営強化計画の提出を受けるとともに、当該計画の確実な履行を確保するため、その履行状況について報告を受け、フォローアップを行っていくこととしております。

 また、資本参加を行った金融機関についても、他の金融機関と同様、業務の適切性や財務の健全性を確保するため、通常の検査監督の枠組みの中で、金融機関から提出される各種資料や報告などによって経営実態を把握し、必要に応じて改善を促すなど、適切な対応を行ってまいりたいというふうに思っております。

 以上です。

吉野委員 次に、信金、信組について伺います。私が信金、信組の理事長になったつもりで、いろいろ具体的に質問していきたいと思います。

 まず、入り口です。いわゆる資本注入の額を申請します。

 私の組合が、まだ全部集計はできないんですけれども、とりあえず外形的にわかる、津波で加工場が全部流されて、もうそこは廃業した、この会社はもう廃業した、そこへの貸出金がこれだけある、それを全部トータルして、これは満額認めていただけるのかどうか。

 そこに、それは外形的にわかる部分ですから、これから出てくる部分もあります。そこも安全度を見て、自分の貸出金額の何%まではもう毀損しそうだ、そういう形で申請をした場合、満額認めてくれることができるのかどうか、この辺をお尋ねします。

和田大臣政務官 理事長になったおつもりでお聞きになっておられますので、私どもがもしその信金、信組に対してお答え申し上げるとすればという視点からお答えしたいと思います。

 今、それぞれ、例えば、一つの金融機関として貸出先がかなりの数あるわけでございますが、その中でわかっている分の中、さらに、とても回収不能だと思われるものについて足し合わせた金額を資本注入の申請額とした場合ということでございました。

 お答えとしましては、回収不能であるから資本注入を申請するというふうにおっしゃられるのでは、なかなかそれは国として、そのまま、そうですかとお受けすることにはならないのではないかと考えています。

 そう言いますのは、金融機関が、確かに、自分の責に負わせるべき事象でない震災の影響でそれだけの回収不能額が生じているわけでございましょうが、やはり、資本注入というお金の源泉は、国民の皆様方のお金でございます。その損失の埋め合わせをすべて国民の皆様方のお金で埋め合わせるのだということを宣言しながら資本注入を行うというのは、少し無理があるように思います。

 しかし、先ほど御答弁申し上げたところですが、各金融機関が、地域経済に自分は貢献したいのである、そのためには、この震災の状況から考えて貸倒引当金も十分積まなくてはいけない、貸倒引当金を積むには自己資本がしっかりとなければならぬ、そういった意味におきまして、自己資本をしっかりと充実させたいからこそ資本注入を申請するのだ、このように説明していただくならば、そこは大いにその回収不能な金額も含めますが、実際に地域経済を立て直すのにどれぐらいの国の資本注入が必要と考えられているのか、そこをお聞きした上でしっかりと額を決めてまいるということだろうと思います。

 個別の資本注入の額につきましては、そうしたことを各金融機関等、金融庁、もしくは東北財務局等でしっかり対話を行いながら、この金融機関に対しましてはこれだけの資本注入が必要ではないかという額を決めていくのでございまして、あくまで、回収不能であるから資本注入を行ってくれという論理ではなかなか認めがたいところだと考えています。

吉野委員 よくわかりました。

 再建のために、地元の金融機関として果たさねばならない役割が大いにある、そのためにはこれだけの資本注入が必要だ、だから認めてほしい、そういう形で大いに、私がもし理事長であれば申請をしていきたいと思っております。

 そうすると、一回目の申請で、また事業規模、多くの方々が再建したい。特に、私たちの原発地域は、今七万五千人、双葉郡、避難しています。南相馬まで入れれば十万人近い方々が避難しているんです。まだ事業再開に意欲を持てません。でも、いつまでも事業再開に意欲を持てないかというと、事業家ですから持たねばなりません。そういう方が、ほかの地域で、避難先で事業を再開したい、そういう需要にもこたえていかなければならないわけであります。

 そうした場合に、いわゆる第二次の申請、最初に申請した額では、事業再開のために意欲を持った方々に対してはこれだけだったんだけれども、もっともっと出てきたんだ、意欲のある事業家が出てきたんだといった場合も、第二次、第三次の申請はできるんでしょうか。

森本政府参考人 お答えいたします。

 協同組織金融機関向けの今回の金融機能強化法の特例を一度受けまして、その金融機関が再度、同じ特例に基づきまして資本参加を受けるということは、法令上は排除されておりません。

 ただし、やはり我々といたしましては、金融機能強化法に基づきまして資本参加を受けられます場合には、できるだけ、その時点で利用可能な情報に基づいて適切に必要な資本参加額を見積もっていただきたいというふうに考えております。

 ただし、改めて申しますが、先生御指摘の二度目の資本参加の申請というものは排除しておりませんので、もしそうした申請がございましたら、その時点で具体的に判断したいというふうに考えております。

吉野委員 津波とか地震の被害で、その地域が人もきちんといるという形であれば、今おっしゃったような形でもいいんでしょうけれども、私のところはいないんです。事業者も預金者も、全員避難しているんです。

 今避難所で暮らしているんですけれども、やはり事業意欲のある方は、避難先で事業をしたい、こういう事業意欲が必ずわかなきゃならないんです。これが復興への第一歩なんです。この復興への第一歩を、二次申請、原子力地域だけは、ある意味で別扱いにしてもらわないといけないんです。

 その二次申請もきちんと、二次も三次も、原子力地域、特に福島県の場合は全部認めるよというくらいの発言がぜひ欲しいんですけれども、これはちょっと大臣、いかがでしょうか。

自見国務大臣 吉野先生、個々の金融機関、大変、信金、信組が、実は亀井静香党首が二十キロから三十キロ圏内に行きまして、そのことを、信金、信組は開いている、ほかの金融機関は開いていないということを言いました。郵便局は実は八局ございまして、しかし、組合となかなか話がつかず、二局だけオープンさせていただいた。そういったことで、しっかり金融機関にも開かせろというふうな、南相馬市からおしかりをいただいて、またいろいろやらせていただいたわけでございますけれども、信金、信組は、先生が言われるとおり、そういう中でも店を開いていただきまして、私は、担当大臣として大変感謝をいたしております。

 さて、先生の今の御質問でございますが、当然ですが、この法律そのものは、特に東北六県と茨城県、震災それから津波、そして原子力発電所の被害ということ、本当に大変な災害に遭われた地域の金融機能を強化するという法律でございますから、適時適切に、これはもう本当に前向きに、しっかり検討を、確かに金融でございますから、今さっき私が申し上げましたようにお人様から預かった預金を原資にして貸し出しするわけですから、金融規律というのも大事でございますけれども、同時に、これは金融機能の資本を国で増強させていただこう、そしてこれは責任は問わない、そして効率性あるいは収益性の目標も問わないということで、特例措置でございますから、やはり適時適切にそういった御意見、特に私は、先生は福島県の御出身でございまして、原子力発電所の事故はまだコントロールできておりません。

 きのうもそういう委員会がございましたが、そういったことをしっかり前向きにとらえてやっていきたいというふうに思っています。

吉野委員 原子力地域に店を張っている、三十キロの中にあるのが六店舗。そこの会社というのは、全部で十三店舗のうち六店舗、四六%がもう入れないんです。あるところは、八店舗の中の四店舗、半分、これが三十キロの中です。全く営業できていません。こんな形で、預金者も事業者も全部、出ているんです。ですから、八店舗のうち四店舗が三十キロの中にあるんですけれども、そこの行員たちも避難しているわけなんですね。

 ですから、避難先でお店を開きたい、銀行をやりたい、こういうニーズもあってしかるべしだと思います。そして、預金者もいる、事業者もいる、そしてその事業者に対する支援も行う、ここの避難先で店舗を開く、そこまでも加味した中での資本注入というものも受けられるんでしょうか。

自見国務大臣 御質問に答えさせていただきます。

 信用金庫、信用組合の事業地域は御存じのように定款によって定められておりまして、事業地域を拡大するための定款の変更には当局の許可が必要となっております。信用金庫、信用組合からこうした定款変更の許可申請があった場合には、現在の事業地区及び拡張しようという事業地域の経済の事情に照らし、事業地区の拡張が必要であると認められるかどうか、それから当該金融機関が拡張後の地区において事業を的確に、公正かつ効率的に遂行することができるかどうかといった基準によって審査を行うことになっております。

 今後、被災地域の信用金庫または信用組合からこの事業地区拡張の要望が出された場合には、こうした審査基準を踏まえながら、各金融機関の、まさに先生言われるように村ごと移住されたところもございますし、実は金融庁からも、富岡町でございましたか、そこに十四人ほど今派遣をさせていただいておりまして、その実情は理解させていただいておるつもりでございますから、こういう審査基準はございますが、各金融機関の実情を十分にお伺いしながら、前向きにしっかり相談に応じてまいりたいというふうに思っております。

吉野委員 ありがとうございます。その審査基準は平時の審査基準です。今、平時じゃないんです。今大臣が御答弁された、本当に前向きに考えてくれるということ、本当にうれしく思います。

 さて、資本注入を受けてから十年たちました。十年たった出口です。ここで自立できるものと自立できないものとに分かれるんです。ただ、十年たったときに延長ができるという項目もございます。

 原子力地域、特に、今まだ原子炉は収束していません。早くて来年一月です。いわゆる循環ループ、これをつくって初めて、ある意味の一区切り、ステップワン、ステップツーが終わるんです。ループができて、スリーマイルは十年間です。十年たって初めてふたをあけて、メルトダウンした燃料の塊を取ったんです。この取るためにも機械を新たに開発しなければなりません。かなりの長期間、難しいなと思います。

 原子力地域は十年たってもまた延長ができる、こういうところをきちんと大臣の方で答弁という形で、原子力地域は別なんだというニュアンスの御答弁を願いたいと思います。

自見国務大臣 吉野議員にお答えをいたします。

 資本参加後の出口の姿についてでございますが、その見きわめには一定の条件を要することから、十年という期限を設定しているところであります。さらに、先生の御指摘のとおり、やむを得ない事情により当該日までに申請することが困難であると認めた場合には延長が可能となっております。

 どのような場合がやむを得ない事情に該当するかについては、例えば、対象金融機関をめぐる環境の変動、これは今先生が言われましたように原子力発電所の問題、ただ、今非常に、今でも制御不能でございまして、残念ながら、一生懸命最善を尽くしていただいておりますけれども、また将来どういったことになるかもわからないわけでございますから、そういった環境の変動等により、経営が改善するか、または事業再構築が必要となるかを当該日までに見きわめることが困難な場合も当然、考えられるわけでございます。

 いずれにいたしましても、やむを得ない事情があるかどうかを定型的にお示しすることは困難でございますが、個別的、具体的に、それこそ前向きにしっかり判断をさせていただきたいというふうに思っております。

吉野委員 ありがとうございます。原子力地域は、ほかの地震、津波の地域とは違って時間がかかるんだ、このことを認識していただきたいと思います。

 それで、十年たって自立できなかった場合の処理の仕方として、合併、事業譲渡もしくは単独再建、そして国が資本注入したものは全部清算する、こんなスキームなんですけれども、合併、事業譲渡は、そこの地域の地域金融は守られると思います。ただ、単独再建せよ、いわゆるひとり立ちしなさい、もう国は一切手はかしませんというふうに、ある意味で見放された、見放されたという言葉は語弊があると思いますけれども、自立しなさいという形の場合、十年間頑張ってもなかなか自立できなかったところなんですね。それを、十年たったから、じゃ、あなた、単独でやりなさいと言って、自己増資しなさいと言っても、なかなかできないんです。ということは、その金融機関の破綻を意味すると思います。

 そうした場合、この法の目的である地域金融機能の維持、そして預金者に対する安心感を与えるという、ここの部分に違反するんじゃないんですか。いかがですか。

自見国務大臣 吉野先生にお答えをいたします。

 先生御指摘のとおり、事業再構築を行う場合としては、それが将来につながる形、すなわち合併それから事業譲渡による場合のほか、出資を初めとする地域からのしっかりとした支援が得られていて単独再建する場合を想定いたしております。

 単独再建の場合、地域から、これは都道府県の場合も、あるいは市町村の場合もあるかもしれませんし、地域の商工会もあるかもしれませんし、あるいは地域のしっかりした企業の支援を受けられる、これはいろいろケース・バイ・ケース、あると思いますが、単独再建の場合、地域からの支援を求めることが、将来にとってしっかりとした事業を行うために必要と考えております。

 いずれにいたしましても、出口の姿を作成するまでには十年、これも延長可ということでございますから、相当程度の猶予期間を設けた上で、単独再建の道も用意をしております。

 そういった意味で、地域における面的な金融機能を維持強化するとともに、預金者に安心をしていただける枠組みでございますから、これが法律の趣旨でございますから、趣旨がひっくり返ることがないように、しっかり金融庁を監督していきたいというふうに思っております。

吉野委員 合併なんですけれども、都銀もオーケー、外国金融機関も日本にお店を持っていればオーケーなんですけれども、もし都銀が合併した場合に、やはりコストがかかるということで、例えばその地域に八店舗あったものを二店舗にしちゃうとかという、いわゆる合理化を多分すると思うんですね。

 そうすると、今まであった、本当にきずなで結ばれていた地方金融機関が、ある意味でなくなっちゃうわけなんです。郵便局と同じです。今まであった郵便局がなくなっちゃうという、同じなものですから、合併の場合、ある一定期間は店舗は切ってはいけない、これはちょっとまだ通告していなかったんですけれども、そんなことを考えておるのかどうか。お願いします。

東副大臣 吉野先生の趣旨はよくわかります。

 その上で、事業を再構築していく場合の、合併、事業譲渡を選択する場合、その相手方から、今御指摘のとおり、制度上、都市銀行が排除されるものでもありませんし、また外国の資本が入った銀行についても、日本の銀行法上の銀行としての免許があれば、排除されるものではありません。

 ただ、いずれにせよ、事業再構築の認定の際には、今先生が御指摘になっているとおり、その事業再構築が地域における金融機能の維持強化に資するかどうか、これが最大のポイントになっていて、そしてその上での審査が行われるもの、このように理解しています。

 したがって、事業再構築では、地域における金融機能の維持強化に資することが必要とされておりまして、さらに、預金保険の資金等を活用した参加資本の整理が可能とされています。このため、必ずしも出資額の返済を、合併、事業譲渡の相手方に求めるということは考えていないわけであります。

吉野委員 時間も来ましたけれども、最後に、JA、JF、漁連また農協も、同じスキームで信用事業に対するものを入れていると思います。

 ただ、最後の出口の部分ですね。十年たった暁に、やはり同じく合併というところもあるんですけれども、漁連とか農協とか、特に漁連なんというのは一県一組合なものですから、また、福島県の場合、皆つぶれそうな小さな漁業協同組合ばかりなんですから、だめとだめが集まってもだめなんですよね。ここをどういう形で、いわゆる出口スキーム、自立できない場合のスキームを考える必要はないんじゃないですか。やはり自立できるまで支援をしていくんだ、こういうことを聞きたいと思います。

篠原副大臣 基本的には、金融機能強化法と全く同じに考えております。

 吉野委員の御指摘は、いろいろな再建の仕方がある、自立型が中心であって、事業譲渡とか合併とかいうのは大きなお世話だ、そういうことをさせないようにするのがこの法律の趣旨じゃないかということだと思います。

 ですけれども、我々は、あくまでも自主的な再建というのを前提にしておりますので、農漁協によってはいろいろなことをしてほしいというのがあるんじゃないかというふうに考えまして、合併という手法もあるということで選択の一つとして示しましたけれども、あくまで農協、漁協というのは自主的な組織でございますし、自主的な再建を一番基本としてバックアップしていきたいと考えております。

吉野委員 時間も来ましたので、これで質問を終わります。

 ありがとうございました。

石田委員長 次に、山本幸三君。

山本(幸)委員 自由民主党の山本幸三でございます。

 このたび、ひょんなことから理事になりまして、野党筆頭理事という重責を担うことになりまして、浅学非才の身でありますが、指名された以上は誠心誠意務めたいと思いますので、よろしくお願いします。

 きょうは、金融機能強化法の審議でありますが、私は二重ローン問題というものを取り上げたいと思っております。

 この問題を考える上で、いわゆる不良債権問題そのものなんですね。我が国では、九六年の住専国会から始まって、そして、最終的には九七、八年、金融国会で不良債権問題の処理について一応の道筋をつけたわけでありますが、その流れがこの金融機能強化法につながっているわけです。

 私は、振り返ってみて、必ずしも日本の不良債権問題というのはすんなりと解決されたわけではないなというふうに思っているんです。それはどうしてかというと、これは非常に難しい要素を含んでおりまして、何かというと、いわゆる経済合理性と倫理の問題がぶつかるんですね。ここをどう判断し、決断を下すかというのは、これはもう政治家しかできない。そのことがきちっと整理されていないと、本当の問題解決に至らないんですよ。私はそう思っているんです。

 これまでの一般質疑、それからきょうの審議を聞いていても、どうもまだ皆さん方、大臣、副大臣、政務官等の間ではそこがすっきりしていないなという印象を持っていますので、これをぜひきちっとしたい。

 その点について、最終的には両大臣の判断になるわけでありますので、最後にその辺の判断と決断を聞きます。細かい話で難しい話は両大臣には聞きませんけれども、その重要なポイントだけはお聞きしますので、ぜひよろしくお願いします。

 その前に、少し、細かい技術的な話をちょっと済ませておきたいんですけれども、不良債権問題があったときに、私は、金融機関の不良債権問題というのは二つの面がある。一つは、貸し手の金融機関のバランスシートをよくするということです。これは、今回の法案もそれですよ。

 ところが、それだけでは問題は解決しないんですね。借りている方、債務者の企業なり個人なりのバランスシートをきれいにしてやるということがなければ、幾ら金融機関だけ助けたって、経済全体としてはよくならない。不良債権問題というのは、この両者を一緒に解決してやらなければうまくいかないんですね。そのときに経済合理性と倫理の問題がぶつかるんです。

 かつての金融国会のときに、当時の民主党さんといろいろなやりとりがありまして、最終的に健全化法案を丸のみして通したわけですね。あのときに一つだけ通らなかった法律がありまして、不動産関連権利等調整法という法律を出したんですが、それは、不動産担保で融資していたものを、だめになっちゃったら、内閣に委員会をつくってそこで協議して、債権放棄してやろう、そして無税償却も全部自動的に認めるというような法律だったんです。これが非常な不評でありまして、徳政令ではないかとか、あるいは、裁判所が絡まないでそんなことを行政でやっていいのかというような批判がありまして、実は金融国会のときに通らなかった法案がこれ一つでした。

 その後、私は、いや、やはり債権者の金融機関だけきれいにしたってだめだという問題意識をずっと持っておりまして、債務者の方を救わなきゃだめだということで、執念を燃やして、次の国会に、特定調停法という法律をみずから立案いたしまして、その批判を全部埋めるような形でつくり上げて、最終的には全党の賛成をいただいて通すことができたわけであります。

 その基本的な考え方は、当時は、日本の債権債務関係というのは、債務者が一〇〇%責任を持つというやり方ですね。借りた金は返さなきゃいけないという原理原則があるということで進んでいます。それが基本的な哲学で日本の法制度はでき上がっている。それに対して、私は、貸し手責任というのもあるじゃないかという問題提起をして、海外の例を調べてみると、確かにそうだと。貸し手が責任を負うところもあるだろうということで、お互いに譲り合うようにしないとうまくいかないよということで、そこで債権放棄ということを出してくるわけですね。

 債権放棄をやれと金融機関に言いますと、金融機関は二つの理由からちゅうちょいたします。一つは、勝手に債権放棄をやったということは、利益の機会をなくしたということで、株主代表訴訟を起こされるかもしれないという不安があります。これが金融機関の一つの理由。それからもう一つは、債権放棄したときに、その部分について無税償却を認めてくれるかどうかという税法上の問題があります。この二つがネックになって、なかなか金融機関はうんと言わなかったんですね、従来。

 これを解決してやろうということで、特定調停法では裁判所でやると。裁判所が絡んでいて公平公正じゃないということはあり得ないということで、株主代表訴訟の心配はない。それから、そのとき国税庁と話をつけて、ほぼ自動的に無税償却を認めるという国税庁、当時の課税部長の答弁をいただいて、そういう方向で進んできました。

 その後、この特定調停法だけじゃなくて、いわゆるADRというものとか債権処理の私的ルールみたいなものが出てきましたけれども、私は、基本的には裁判所を絡めるのが一番いいんじゃないかと思っているんですね。

 この特定調停法と、あとの民事再生法とかほかのものはどう違うかというと、民事再生法とかになると倒産の部類に入っちゃうんだ。特定調停法までが倒産じゃないんだ、合意ベースで話が進むからね。だから、企業というのは、一回倒産という烙印を押されると、これは将来にわたっていろいろな支障が生じるんですけれども、倒産の形じゃなくて再建する、そこに債権放棄を入れてやれば非常に助かるということであります。

 まず法務省に聞きたいんですけれども、私は、今回の災害で、金融機関も傷つき、あるいは債務者も傷ついているんですが、そういう場合には、債務者を救ってやるという意味で、この特定調停法なり、そのほかの民事再生法でもいいんですけれども、一番いいのは特定調停法じゃないかと思っていますが、そういうことをやって、どんどん処理をしてやらないと、次の事業に進めない。そういう点について、新聞等では、裁判所は特別の体制を組んでそれに応じるようにしているということでありますが、その辺の実情と方針について法務省からお伺いしたいと思います。

團藤政府参考人 ただいま委員御指摘のとおり、法的な債務整理方法として、特定調停手続というものが既に用意されてございます。今回の大震災におきましても、被災した企業等の再建を図るためのものとして活用されるべき手続の一つであると私どもも考えておるところでございます。

 私どもは、この特定調停法を所管するという立場から、裁判所等の関係機関との間で必要な情報交換を行っておりますほか、今回の大震災に対する特例措置といたしまして、民事調停の申し立て手数料を免除するという措置をとることによりまして、この特定調停手続の申し立て手数料も免除するということとしたところでございます。

 また、裁判所のホームページや各裁判所に備え置かれておりますパンフレット等により、この制度の周知も図られておりますほか、法テラスにおきましても、利用者からの問い合わせ内容に応じた適切な情報提供が行われていると承知しているところでございまして、これらの取り組みによりまして、今後、この手続の活用というものも図られてまいるのではないかというふうに考えておる次第でございます。

山本(幸)委員 ありがとうございます。ぜひ、そういう体制をしっかり組んで、使いやすいようにやってもらいたいと思います。

 ただ、今回は、貸し手責任とかなんとかいう話じゃないんですね。地震と大津波と放射性物質の拡散とかいう問題で、あっという間に意図せざる不良債権ができ上がっちゃったわけですね。しかも、その量たるや、ちょっとやそっとのものではない。金融機関も、相手がしっかりしていて、あるいは帳簿もある程度そろっていれば、そういう債務者も、免除をしてもらおうと思ったら特定調停なりに持ち込むということで金融機関も応じるという話があるかもしれませんが、実は、そんなことをやっているような暇も、手間暇もかけられないというのが現実だと思うんですね。

 そこで、今、与野党で二重債務問題についてのプロジェクトチームができて、打ち合わせをしていただいているというふうに聞いておりますが、私も参議院の片山さつき先生からも聞いているんですけれども、とにかく、そんな個別のことをやっているうちに、銀行も債務者もみんなつぶれちゃう。したがって、まず、とりあえず冷蔵庫にばっと、銀行から外してやらないと、銀行が立ち行かない。そして、その冷蔵庫に入れた中で債務免除なりをやってやろうという形でしかできないんじゃないかということで、それはそうだねと思って、そういう二重債務問題の処理のスキームというのをぜひ進めていただきたいなと思っているんですね。

 だから、事業者については、とりあえず銀行から買い取る、そして冷蔵庫に入れる。そこから先は、債務者とのいろいろな話をしていく。最終的には債権放棄ということも当然考えなきゃいけません。あるいは、個人の住宅ローンについては、自動的に債務免除ということでいく。そういう大きな方針を打ち出していかないと、これは進まないと思いますね。

 その場合に問題になるのは、税制の問題であります。そういう形で債権放棄した場合の国税の取り扱いについて、お伺いいたします。

田中政府参考人 お答えさせていただきます。

 今、先生の方から御指摘、御提示のございましたような形が具体的にどういうスキームになるかということが私どもとしては肝心でございまして、現在、今回の震災で被災された方の既存のローンに関しまして金融機関が債権放棄を行う、その場合の無税償却等が可能となるように金融庁等と協議を行っているところでありますが、その際のスキーム自体が具体的にどういうスキームになるかということが私どもの関心でございます。

 私どもは、基本的に、先ほど先生からも御紹介がございましたように、既に過去において同様の債権放棄がなされたような場合に、現行の税制の解釈として、こういう場合には銀行の経理におきまして損金に算入できるというのを幾つか示しておりまして、この基本的考え方にのっとった形で対応いただければ、その範囲内で対応ができるというふうに考えております。そこを金融庁等に提示しながら、今議論をしているところでございます。

山本(幸)委員 私は、従来の、国税庁もかなり柔軟にやってもらっていると評価しておりますけれども、それでうまくいくかどうかというのは、今回、ちょっと心配しているわけですね。

 国税庁、法人税法と共通だとか、いろいろありますが、基本的に、こうした災害について債権放棄した場合には無税償却になるというふうに理解していいですか。

田中政府参考人 今までの考え方の概略を申し上げますと、御指摘のような形で債権放棄等をする場合に、そういう債権放棄をしなければ今後より大きな損失を貸し手の側がこうむるということが社会通念上明らかだと認められる場合には、損金の額に算入しております。また、そういう債権放棄等が合理的な再建計画に基づくものであるというふうに思料される場合にも、損金の額に算入しております。これは、どちらかといいますと、対象の法人の支援をする場合を念頭に置いております。

 それからもう一つは、そもそも、もう取れなくなってしまった、回収できなくなってしまったという場合に近い場合といたしまして、金銭債権の切り捨てに関しまして、当事者間の協議が行政機関とかあるいは金融機関とかその他の第三者のあっせんにより行われた場合であって、その協議により締結された契約が合理的な基準により債務者の負債整理を定めたものであるというふうに認められる場合には、貸し倒れ損失の額に算入するということにしております。

 今申し上げましたような基本的な考え方の範囲に、これから出てくるであろう、あるいは先生から御提示がありましたような内容が入るかどうかというところだろうと思っておりまして、我々は執行機関でございますので、従来の解釈の基本を動かすというわけにはいきませんけれども、具体的スキームが従来の解釈の基本の範囲に入っているかどうか、それがポイントだろうと思っております。

山本(幸)委員 国税庁の法人税法基本通達は、この法律をつくったときに変えてもらったのでよく了解していますが、今回のスキームに入るかどうかという、その入るかどうか次第だというのがちょっと心配なのです。入るようにしなさい、そういうことを言っているんですよ。お願いします。

 それで、次に、今度は免除された方の免除益の話がありまして、これは恐らく、今の国税庁の通達の解釈だけでは十分にできないと思いますけれども、その辺どうですか。

田中政府参考人 これも、今回、これから定めていくスキームの中身を見ながら考える必要がございますけれども、仮に、免除された方が個人事業者あるいは給与所得者というような場合につきましては、現在、国税庁における通達におきましては、そういう債務者が資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合に、そういう方に対して行われた債務免除については、これは所得の計算上収入金額に算入しないという取り扱いをしております。

 それから、仮に、免除を受けた方が法人であるという場合もあるわけでございますけれども、この場合においては、一応、債務免除益というのが益金の額に算入されますが、ただ、災害により資産に生じた損失の額が損金の額に算入されるわけでありますし、それから、過年度に生じました欠損金につきましても、一定のルールのもとに損金の額に算入されるわけでございまして、通常、課税所得というのが発生する例は極めて少ないのではないかというふうに考えております。

山本(幸)委員 災害の部分が損金に算入される、それから過去の利益との相殺ができる。あれは年数は六年だったんだけれども、今は変わったのかな。ただ、それは青色申告だけですよね。白色申告も含めて、今回はこの部分については免除益は取らないという方法にしなきゃいけないし、必要だったら税法を改正してもらわないかぬ。あるいは、今回新しく二重債務問題についての法文にそういう条文を書かなきゃいけないと思っていますけれども、そこの点についてはどうですか。

古谷政府参考人 ただいま国税庁の方から答弁がありましたように、今検討されておりますスキームによって、現行の所得税法なり法人税法の考え方の範囲で対応できるということであれば、先ほど国税庁からの答弁があったとおりであると考えますけれども、スキーム次第で、現行の考え方の範囲で対応できない場合には立法措置が必要になろうかと思います。

 ただ、そこはスキーム次第でございますので、現時点では、今、金融庁と国税庁との間で、立法措置は特段前提としませんで検討が進んでいるということで承知をしてございます。

山本(幸)委員 ぜひ、そういう税法改正も含めてやらないと、私は今回うまくいかないと思っているんですね。

 そこで、両大臣に決意のほどをお伺いしたいと思いますが、なぜそういうことを言うかというと、つまり、経済合理性からいえば、金融機関の償却に対して資本注入して助けたら、これでバランスシートはきれいになる。しかし、それだけじゃ終わらない。債務者の方もしてやらなきゃいかぬ。そのときには、どうしたってモラルハザードとかそういう問題が出てくる。そういう面が出てくるんです。これはしようがない。

 しかし、私は、そこでぜひ両大臣に考えてもらいたいと思うんですが、確かに、そんなことを免除したら、ほかの災害に遭った人と不公平じゃないか、あるいはほかの地域と、あるいは全然ローンを組まなかった人と不公平じゃないかという話が出てくるんです。しかし、その正義、私は小さな正義と言いますが、その正義を通してしまった後に何が起こるか。この地域はつぶれますよ。町はなくなる。事業も消えてしまう。そうすると、それが本当にいいのかという別の判断があり得るわけですね。私はそこは、大きな正義。その整理をきちっとしておかないと、この問題はすっきり解決できない。

 例えば日本の不良債権問題、紆余曲折がありました。アメリカもありました、失敗しましたね。リーマン・ショックの前、ベアー・スターンズというのをアメリカは救ったんです。そのときに非常に批判を受けた。それで、リーマンについては、私は当然リーマンも救うものだと思っていたんだけれども、つぶしました。その結果何が起こったか。世界的な大金融危機に至ったわけですね。私はやはり、あのリーマンを救わなかったのは失敗だったと思いますよ。

 それと同じように、日本でも、つぶしたときもあるけれども、結局、最後はりそなを救って、それで金融は安定したんです。確かに、小さな正義は通さなかったかもしれないけれども、大きな正義は、私は間違っていなかった、通した。これを、今回は特に政治家がしっかりと決断しなきゃいけない。

 だから、さっきの和田政務官みたいに、ああでもないこうでもないという、正義の話をするのかと思うとそうでもない話も。それじゃだめなんです。今回は、確かに小さな正義から見ると問題もある、しかし、この大震災というのを受けて、この地域を守ってこの地域を再興していく、企業なり人なりもまた戻ってきてもらってこの地域を再生してもらいたいという、大きな正義を守るという腹を固めないと、これはできないんですよ。

 その辺について、両大臣の決意のほどをお伺いしたいと思います。自見大臣から。

自見国務大臣 山本議員、本当に、大蔵省出身で御専門でもございますが、お答えをさせていただきます。

 まさに今先生が言われた住専国会、私も、大変もまれた人間でございます。たしか、あのとき、大手行に三兆五千億の債権放棄をさせた、こう思っておりますが、その後の二次ロスの問題を、この前、この委員会で通していただいたわけでございまして、私も、ある意味で、政治家個人として大変感慨深いものがございました。

 まさに先生言われたように、金融危機、九七年、九八年、私がたまたま郵政大臣をさせていただいていたときに、北海道拓殖銀行が破綻いたしまして、それから山一証券が破綻する、それからだあっと金融危機が始まったわけでございますから、私も、金融機関というものが民主主義国家においてどういうものであるかということを、今もしっかり勉強中でございます。

 アメリカの歴史を見ますと、民主主義とは、大きな大手の金融機関、銀行家としばしば衝突いたしておりまして、あのアメリカですら、例えば、いろいろな有名な大統領、金融機関を非常に排斥した大統領もいますし、金融機関を助長したといいますか育成した大統領もいます。それくらい民主主義国家というのは、一人一人がみんな同じ権利でございますけれども、しかし、巨大な金融機関になると、非常に今度は大きな力を持つわけです、現実に社会的に。

 ですから、その辺を考えて、しかしまた同時に、今先生が言われたように、これはまさに千年に一遍の津波でございますから、まさに私は、災害有事だ、こう思っておりますので、有事には有事の判断が、やはり我々、選挙民から選んでいただけた人間にはそのことが必要だ、こう思っております。先生の言われるところはよくわかりますけれども、やはりそこは、まず基本が、国民の生命と財産を守るということがやはり政治の一番原点でございますから、そういったことを踏まえて、有事には有事の判断を私は主務大臣としてやらせていただきたいというふうに思っております。

野田国務大臣 二重債務の問題は、どういう皆さんを救済するのか。一つは、事業者、個人、あるいは債権放棄した場合の金融機関という整理の仕方と、加えて、既存債務と新債務、それぞれどう対応するかという、ちょっとマトリックス的に考えていかなければいけないと思います。

 その中で、一つの大事な観点は、先ほど来、山本委員御指摘のとおりの、経済合理性、そして倫理、モラルの問題があります。と同時に、経済合理性も、あるいはさっき正義という言葉を使われましたけれども、やはり時間軸でも考えなければいけないと思いまして、その瞬間の合理性だけではなくて、やはり歴史観に基づいて、長期的に見た場合に何が合理的だったのかという、後からの検証にたえ得る、そういうスキームをつくるということが肝要だというふうに思います。

山本(幸)委員 両大臣から非常に心強い答弁をいただきましたので、その気持ちでこれからのスキームをつくっていただいて、税法改正が必要なら指示をしっかりしてもらうということで、よろしくお願いします。

 ありがとうございました。

石田委員長 次に、竹内譲君。

竹内委員 おはようございます。公明党の竹内譲でございます。

 きょうは、金融機能強化法の改正ということでございますが、基本的には私ども異論はございません。

 せっかくの機会でございますので、最初に、やや政治的な質問も野田大臣にさせていただきたいと思います。

 先週、内閣不信任案が否決をされまして、いろいろなことがあったわけでありますけれども、菅総理はおやめになるということを表明されているわけであります。内閣の一員ではありますけれども、野田大臣としては、総理の退任時期についてどのようにお考えでしょうか。

野田国務大臣 それは、総理が民主党の代議士会でお話をされた、震災対応に一定のめどが立ったときという言葉を額面どおりに受けとめております。

竹内委員 私どもは、民主党内の話は関知しないわけでありまして、我々は不信任案を提出した立場でございますから、即刻おやめになるのが筋であろうというふうに思っております。

 退陣と二次補正、それから特例公債法案の関係がいろいろ言われるかもわかりませんが、基本的には、退陣と二次補正、特例公債法案は関係がないというふうに考えております。つまり、総理が退陣するから、これらの重要法案を通してくれという取引はないというふうに考えております。

 そこで、私どもは即刻おやめになるべきであるというふうに思っておるんですが、民主党の代表選挙があると思うんです。これも事前通告をしておるので質問させていただきますが、野田大臣としては、代表選挙に出る意欲はおありになるか。私は、個人的には野田大臣を大変評価しておるものですから、これまでの答弁、随分質問させていただきましても、なかなかの方であるというふうに、個人的にではございますけれども、評価をしておるものですから、この点につきましていかがでしょうか。

野田国務大臣 先ほど、第二次補正のお話も、特例公債法についてもお触れいただきました。そのように大事なテーマがありますし、税と社会保障の一体改革も、六月二十日までに成案を得るというスケジュールがございます。

 そういう当面の仕事をしっかり果たす、職責を果たすということに私は専念をさせていただき、余りあさっての話は考えていません。

竹内委員 そういう御答弁が大事だと思うんですよね。失言をされない、軽々しくいろいろな発言をされないということがやはり非常に大事な資質であるというふうに、私は改めて評価をした次第であります。

 次に、今後の法案審議についてでございますが、第二次補正予算は、現職の財務大臣としていつごろ出す予定か。一・五次補正などという話も過日ありましたけれども、私どもとしては、やはり中身についても、復興への道筋がきちんと見えるような第二次補正予算でなければならないというふうに思っております。

 この時期と内容につきまして、大臣はどのようにお考えでしょうか。

野田国務大臣 まずは、先般成立させていただいた第一次補正予算、約四兆円規模でございますが、これを着実に執行することによって復興の基盤をつくっていくということが大事だと思います。

 その上で、複数回にわたっての補正予算編成が私は必要になってくると思いますけれども、その時期と規模等々について、今総理と御相談をさせていただいているところでございますので、現段階で確定的なことを申し上げられるということではございません。

竹内委員 私どもとしては、三党合意にありましたように、子ども手当など歳出の見直し、法人減税を含む二十三年度税制改正案、それから二次補正予算、一次補正で流用した年金積立金の穴埋め、そして特例公債法案を一体のものとして考えております。

 その意味で、前の質疑のときは特例公債法案を先に通してくれという話がありましたけれども、私どもは、これだけを先に通してくれということは困難であるというふうに考えております。

 改めて、これらの点につきまして、大臣の御見解を賜りたいと思います。

野田国務大臣 いかなる状況の中でも、やはり、特例公債法で財源を裏づけないと歳入の欠陥が約四割という、この状況はなかなか厳しい状況なので、まさに国家国民のためにも御理解をいただいて、一日も早く成立をさせていただきたいというのが私の願いであります。

 一方で、三党合意の中で、特例公債法あるいは税制、加えて今御指摘のあった子ども手当等々の話が合意事項で盛り込まれています。これは三党の政策責任者によって合意された文書でございますので、重たく受けとめて、しっかりと検討していただきながら、政府として対応していかなければいけないというふうに思います。

竹内委員 これまでの委員会審議では、大臣は特例公債法案については、きょうもそうですが、できる限り早く通してもらいたい、こういうことですが、実は九月でも大丈夫なんだ、もっと言えば十一月でも大丈夫なんだ、いろいろ資金のやりくりをすれば十一月でも大丈夫だみたいな話もいろいろ漏れ伝わってきているわけであります。

 一体これは何が真実なのか、この点につきまして明快な答弁をいただきたいと思います。

野田国務大臣 いつまでが大丈夫かという議論を、余り、私どもの省内でしているということはありません。というのは、さっき申し上げたとおり、約三十七兆、全体の歳出の約四割を占めるような規模のものでございますので、これが通らないと、当然、予算の執行管理を厳しくやっていかなければいけないということです。

 今回の大震災では、さまざまな事業をむしろ震災対応で前倒ししていかなければいけない部分もあります。という意味では、極めて不都合な状態が続いているということですし、二十三年度の予算の中でも、自衛隊とか海上保安庁の活動費であるとか地方交付税だとか、震災対応に資するような事業もたくさんあります。

 そういうものが円滑に、速やかに執行できるようにするためには、特例公債法の一日も早い成立が必要でございまして、九月だの十一月だのと、そこまで大丈夫だなんという話はなくて、むしろ、だんだん前人未到の領域に入っていくことを私は大変危険だなというふうに思っています。

竹内委員 そこで、法案関連の質問に移りたいと思うんですが、今回の金融機能強化法の改正と先ほどから出ております二重ローン問題は、裏腹というふうに思っております。

 けさの朝日新聞等を拝見しますと、何かこの二重ローン対策について、「民主、自民、公明三党は週明けにも協議を始める。」「各党は週内にそれぞれ考えをまとめ、来週にもすり合わせ作業に入る。六月中にも三党案をまとめ、必要な予算については第二次補正予算案に盛り込むよう政府に求める。」こういうことが書かれているんです。

 私、公明党の二重ローン問題事務局長なんですが、まだ、協議を始めるとか作業に入るとか、そんな話は全く伺っておりませんし、かなり朝日新聞も最近は裏をとらずに記事を書くんだな、こういうふうに思った次第であります。

 私どもは、さきに、委員会視察の前に現地視察を行いまして、多くのスタッフが手分けして、もう既に三陸方面を初めいろいろなところへ実地調査に行っております。また、ヒアリングも行ってきたところであります。

 それを踏まえて質問をさせていただきたいんですが、被災者の状況には非常に千差万別があって、この債務問題、二重債務問題につきましても、さまざまなメニューが用意されるべきであろうというのが今の感想であります。

 被災者の中には国の対策に期待感を持つ人々もかなり出てきていて、いろいろな意味で、返済もちゅうちょしている、国の方針が出るまで対応するのをやめようとか、二重ローンを起こすのもやめようとか、いろいろな方もいらっしゃるわけであります。そういう意味では、早急に考え方を国としてまとめる必要があるということを改めて痛感した次第であります。

 先ほどからも質問があったかもわかりませんが、今回のさまざまな声をちょっと御紹介いたしますと、地銀とか信用金庫のあるところからは、金融機能強化法改正とともに、二重ローンになる場合には既往債務について国で買い上げてほしいという要望があったことも事実であります。しかし、今申し上げましたように、全体としては、多くの債務者が、今後の展望が立たない、また再び新しい借り入れを起こせるようになるのか、めどすらも立たないというのが実情でございます。

 水産業に関して申し上げれば、今回の災害で合計二百六十三の漁港が壊滅状態になっておりまして、市場、冷蔵冷凍施設、製氷施設、加工施設を含め、再開のめどが立っておりません。さらに、それらは漁業、流通業、水産加工業、造船業としてつながっておりまして、しかも零細事業者がほとんどで、何千もの事業者がいるということであります。したがいまして、この二重ローン問題の前に、地域をどうするのか、どの港を復活するのかなどの根本的なビジョン、課題を解決しなければならない。

 しかも、秋の漁期は迫ってきているわけであります。本当に今その中で、カツオ、サンマの漁期に間に合うように、水揚げ場の仮復旧をとりあえず急いだり、冷凍冷蔵庫内で腐った魚の処理に必死に取り組んでいるというのが現実であります。

 それからさらに、住宅地についても同様でございまして、どこに今家を建てるのか、これが決まらないことには、二重ローンにもならないわけであります。

 それから、農業についても、宮城県だけで約一万五千ヘクタールも浸水をしておりまして、十三万六千ヘクタールが全体でありますから、そのうちの一万五千ヘクタールも浸水しているので大変な面積でありますが、一体これをどうするのか、どこへ移って農業をしたらいいのか、これが決まらない。

 そういう意味では、まず、この地域の復興ビジョン、地域の土地利用計画の策定はどうなっているのか、この進捗状況についてお尋ねをしたいと思うんです。内閣官房、農林水産省、それから国土交通省にまずお答えをいただきたいと思います。

荻野政府参考人 復興に向けての土地の利用計画の関係につきまして、まず、私の方からは、復興構想会議における議論について御報告を申し上げたいと思います。

 東日本大震災復興構想会議におきましても、地域づくりの観点から、地域の土地利用のあり方が議論になっております。

 同会議では、これまで、例えば、地域、コミュニティー主体の復興を基本とし、被災地みずからが復興プランを策定することが求められること、土地利用計画の策定に当たっては、安全、安心な地域づくりのため、災害リスクを考慮したゾーニングを行うことが必要であること、復興事業を円滑に進めるため、土地利用の転換に当たっては、都市計画法、農業振興地域整備法、農地法等に係る手続を一本化できるような仕組みを検討すべきであること等の意見が出されているところでございます。

 いずれにいたしましても、復興構想会議におきましては、今月末を目途に復興の全体方針についての提言をしていただくことにしておりまして、その結果をも踏まえまして、各府省連携しつつ被災地域の復興に向けて対応していく必要があると考えております。

花岡政府参考人 一部の被災地では、一刻も早く工場や住宅等を再建したいという声が高まっているといったふうに聞いております。このような民間の動きを復興につなげていくためには、竹内委員御指摘のとおり、土地利用に関する計画といったものが早期に示されることが大変重要であると考えております。

 現在、被災地におきましては、県及び市町村によりまして復興計画の策定に向けた検討作業が行われております。土地利用計画についても、その中であわせて検討されているといったふうに承知をしておるところでございますけれども、国土交通省といたしましては、こういった取り組みが円滑に進むよう、人的支援あるいは技術的な支援に努めているところでございます。

 具体的には、市町村からの御要望にこたえる形で、UR、都市再生機構の職員に現地に駐在してもらっております。それからまた、私ども、補正予算をちょうだいいたしまして、現在、津波被災市街地の復興手法調査ということで、復興パターンの検討を行っておるところでございますけれども、こういったものの成果を市町村にお示しすることによりまして、計画が早期に策定されるよう支援をしてまいりたいと考えております。

田名部大臣政務官 土地利用計画を含む地域の復興構想づくりには、国も、しっかりとしたその方向性、考え方を示すことが非常に重要だと思っていますし、また、必要な手続を簡素化していくということも大変重要だと考えています。

 先生が御指摘されましたように、今、それぞれの地域で、特に、漁港、漁業、水産関係の皆様は、次の漁期に向けて一日も早く漁に出られるよう、また、加工施設を含めた全体の一体的な復興を目指して頑張っておられます。また、農地なんかでも、除塩作業が思ったよりも早く進んで、土地が利用できるように、作付ができるようになったところもありますし、まだまだその計画が立たないような地域もあります。

 それぞれの地域の事情というものをしっかり踏まえながら、今、復興構想会議の中では、各被災地の知事さん方も入って議論が進められているところでありますので、地域の思いであるとか考え方というものをしっかり受けとめながら、地域と連携をして、この構想づくりに対して農林水産省としても全力を尽くしてまいりたい、そのように考えています。

竹内委員 復興構想会議もオープンではありませんし、やはり現地の状況、皆さんに即した、まずこの生活の復興をどうするのか、そこから考えて、もっと現場に即した対応をしないといけないと思うんですよ。

 文化人や学者の先生方の大きな夢は、それはそれとしていいとして、しかし、それと同時に、本当に現場密着型の、皆様に即した生活の復興をどうしていくのかという観点から早くこの利用計画を決めないと、もう本当に大変なことになる。どんどん商機は逸してしまいますし、漁期も逸してしまう。本当に、それこそみんな死んでしまうということになりかねないわけでありまして、ここは本当に緊張感を持って政府としては取り組んでもらわないといけない、このように申し上げておきたいと思うんです。

 逆に言うと、土地利用計画が決まれば物事は早く進むわけであります。その際に、もうこれは、どうしても津波のこともあってここの漁港は使えないぞとか、この農地は、津波対策上やはりここは放棄せざるを得ないとか、こういうことが早く決まれば、国で買い上げるということも一つの案だと思うんですね。土地の買い上げというような検討もしてもらいたいという声もありました。

 土地が買い上げられれば、債務者であろうが債務者でなかろうが、平等に、公平にさまざまな問題が解決する可能性が高いわけでありまして、そういう意味では、土地の買い上げの計画などは、政府においてはどのように検討されておりますか。

田名部大臣政務官 早く復旧復興に取り組めるように全力を挙げること、先生御指摘のとおり大変重要だと思っております。

 どのような地域でどのような土地利用を行うか、先ほども御答弁させていただきましたけれども、地域ごとにいろいろ事情が違います。また、復興構想会議の中でもさまざまな議論が行われているわけですけれども、自治体の意向もさまざまであります。

 そこで、地域の意向を踏まえながらいかに早く復旧復興を遂げるかということで、私たち農林水産省でも、これまで三千人を超える職員を現地に派遣いたしまして、漁港も、それぞれの一つ一つの漁港に出向いて地域の思いを聞く、また、それぞれの農地を見て歩いて状況を把握しながら、これからどういう利用をしていくのか、また、作付ができるのかできないのか、こういったこともお話をさせていただいているところであります。

 復興構想会議の議論というものもしっかり踏まえながら、各省庁との連携をしつつ、さらには、先生お話にありましたように、地域の思いというものをしっかり踏まえて取り組んでまいりたいと考えています。

大藤政府参考人 国土交通省におきましては、省内に副大臣を中心といたしました検討会議を設置いたしまして、復旧復興に向けた施策を現在検討しております。その中では、被災者の生活再建、安定、復興まちづくり、それから地域産業経済の再生とそれを支える都市交通基盤整備、災害に強い国土構造への再構築を基本として、施策の具体化を図ることといたしております。

 いずれにいたしましても、事業の実施上必要がございましたら土地の買い取りを行うこととなりますけれども、被災地の復旧復興に向けまして、必要となる事業、施策を早急に検討してまいりたいというふうに考えております。

竹内委員 各省個別に必要な事業に応じて買い取るというようなレベルではなくて、政府全体としても、二重ローン問題の解決の一つの有力な考え方としては、やはりある程度この土地の買い上げみたいなことも検討していただきたいというふうに思います。

 それから、次に移りますけれども、事業性ローン、資金といいますかにつきましては、地域を再生して雇用にも寄与することから、救済の必要性は高いとも言えると思います。今回の金融機能強化法によって、中小企業などへの債権は放棄、償却が進む可能性もある。

 ただ、先ほどからもありますように、無税で償却できるのは、裁判所あるいは裁判外の倒産処理手続に合致する場合だけでありまして、それだけで被災者救済が十分に進むとは言えない、今回の金融機能強化法だけでは十分ではないというふうに思います。

 そこで、既に言われておりますが、今後も事業を継続したり新たに起業しようとする場合には、既往債務の債権買い取りの仕組みが必要であるというふうに思いますけれども、この債権買い取りについてはどのような検討状況でしょうか。

和田大臣政務官 今、竹内委員御指摘の問題につきましては、何度かこの委員会の場でも御議論に上った次第でございます。そのたびに同じことを申し上げていて恐縮でございますが、今現在の検討状況として、委員もおっしゃったような買い取りの仕組みを国民の皆様方に本当に御理解、御納得いただけるように仕組むというところまでの案はつくれておりません。

 ここは繰り返しで恐縮でございますが、今委員御指摘になったように、被災地の復興を果たすためにいろいろなメニューがあった方がよいであろうということは、私自身もそう考えています。

 そこで、では、買い取りの仕組みを設定するのかということに踏み込んで考えをいろいろ検討いたしておりますけれども、二つの要因がありまして、それに至っておりません。一つには、買い取るとして、どの価格で買い取るのかという点。そして、買い取った後のその債権の処理がいろいろ進んでいくわけでございますが、残念ながら、今の状況から考えて、すべての債権を回収することはまず不可能だと考えられます。そうした意味におきまして、最終決断として、その債権処理を行う際にロスが発生することが非常に高い確率で想定されますが、そのロスをだれが負担することになるのかという点でございます。

 もう一度繰り返しますが、買い取り価格の設定の問題と、発生するであろうロスの負担問題、この二つを国民の皆様方に御説明できるようなレベルで考えなければいけないというふうに考えています。

 実際に、簿価で買い取れとか、時価で買い取れとか、いろいろな意見をおっしゃる方がおありなのはよく存じ上げております。しかし、簿価で買い取るということは、結果的には買い取った側がすべてのロスを負担することになるのではないか、そのときに、それが実際に国民の御納得を得られるのかという点、そして、実際に、では、時価に近く設定するとして、その価格を合理的に算出する基準はどなたがどう導いてくださるのか、それらについてまだ解答が見つかっていない状況でございます。

竹内委員 今の問題点はよくわかっているんですよ。わかった上で聞いていまして、私どもも案を固めたわけではありませんけれども、現場の要請は結構強いなというふうに思います。それと、買い取った場合は損が確定しますから、当然、実損が確定するので、無税償却になるということになりますから、そういう意味ではわかりやすいわけであります。

 買い取り価格ですが、簿価、時価、いろいろありますけれども、簿価買い取りをやれば銀行に有利過ぎる、今度は銀行救済みたいになりますし、時価で買い取ると、今度はとても各銀行はのまない。では、どうするか。この中でどのような考え方があるかということも、我々もさまざまなヒアリングをやってまいりました。いろいろな声がございましたけれども、国、金融機関、顧客の三者でバランスをとるという考え方もおっしゃっていたところもあります。

 この点につきまして、よくよく考えをめぐらさなければならないと思いますが、新聞報道によると、全然、政府の方としてはこれはやらないというふうな雰囲気が見えておりますけれども、我々としては、もう少しよくこの辺も検討した方がいいのではないかなというふうに思っております。

 もちろん、先ほどから申し上げているように、何千という、中小零細事業者が多いものですから、これに買い取りというものを適用するというのは、確かになかなか難しいかもわかりません。それなら、むしろ、先ほどから申し上げているように、ここはもう使えないんだとはっきり決めて、そこの土地を買い上げてあげる方が、公平に、平等に早く問題が解決する可能性も高いのではないかなというふうに思っています。

 そこで、今度は、事業性の資金ではなくて個人のローン、住宅ローンとか自動車ローンになる場合について、どのように対処するかという問題があります。

 ちょっとさかのぼりますが、つけ加えておかなければならないんですが、我々としては、事業性の場合、リース債権も対象に考えていくべきであるということをちょっと申し添えておきたいと思います。

 その上で、個人の住宅ローン、自動車ローンになる場合について、基本的な考え方を説明してください、救済方法について。

和田大臣政務官 委員に事前に御質疑の項目を大体教わっておりますので、それに沿ってお答えしたいと思いますが、事業性ローンと個人の住宅ローン等の間には、やはりおのずと違いがあるのかなというふうに思っています。

 詳しくはもう申し上げる時間がございませんが、団体信用生命保険等の手当てもあって、個人住宅ローンについて補てんされている部分もございますので、そうした方々と全くその手だてがない方々との間でどういった施策を講ずるのが一番適切なのか、そうした視点も非常に大切ではないかと思っています。

 しかし、いずれにしましても、確かに、住宅ローンで苦しんでおられる方々に何らかの公的な支援の手を差し伸べるということは必要ではないかと考えておりますので、その方策について政府全体で取り組んでまいりたいと考えています。

竹内委員 ヒアリングをやっておりますと、いろいろな意見があるんですね。

 既往債務についても、団体信用生命保険とか地震保険で既に返済されている方もかなりあるということも事実だし、それからまた別の金融機関からは、被災者生活支援法、まだ完全には出ておりませんが、三百万円出る、これに地震保険などが出る、さらに今後義援金が適切に配分されれば、あの地域であれば、新規住宅資金の六割か七割以上はカバーできる、ほぼカバーできるという説もありましたけれども、そういう御指摘もあるわけであります。

 そういう意味では、事業性の資金と個人のローンとは少し分けた方がいいのかもわからないという今の時点での印象を持っております。

 個人が二重ローンになる場合、既存のローンについては、個人の債務整理のための費用を公的助成するという方法もあると思うんですね。その場合でも、例えば三年程度たてば新たな借り入れが可能になるようにするとか、そういう手だてもあると思うんですが、この点につきましてはいかがでしょうか。

黒岩大臣政務官 お答えいたします。

 法務省としては、日本司法支援センター、いわゆる通称法テラスですけれども、その業務の一つとして、資力の乏しい方々を対象に、弁護士及び司法書士費用の立てかえ等を行う民事法律扶助業務を行っておるところでございます。委員御指摘のとおり、破産整理手続等の債務整理事件もその対象の一つでありまして、法テラスにおいては、民事法律扶助業務を通じて被災者の方々のニーズに的確に対応していくものと承知いたしております。

 なお、三年程度たてば新たな借り入れが可能になるようにすべきだという御指摘については、現行法においても、貸し手がいらっしゃる場合はそれは可能でございますし、また、委員の御指摘を受けまして、今後慎重に検討していく、そういうものであると承知をいたしております。

竹内委員 それから、私どもも申し上げておきたいと思うんですが、個人の民事再生手続の処理能力には限界がございます。民間の話し合いの中で、一定の要件を満たせば債権放棄が行われるようにすべきであるというふうに思っております。そのためには、私的整理における債権放棄に係る無税償却の要件を拡充する、あるいはまた、被災事業者の債務免除益の非課税措置も必要であるというふうに考えております。

 先ほどからもお話がありましたが、この点につきましては、財務大臣、いかがでしょうか。

野田国務大臣 金融機関が、事業性資金を借りている個人事業者や住宅ローンを借りている個人に対し、私的に行った債権放棄について、無税償却等が可能となるよう、個人向けの私的整理ガイドラインについて現在関係省庁と協議を行っているところであり、今後ともしっかり協議をして対応してまいりたいというふうに思います。

竹内委員 それから、阪神・淡路大震災のときは、新規ローンに対して利子補給を行ったのみであったわけでありますが、さまざまな、今回の震災、津波、原発等の規模それから質というようなことにかんがみて、既存ローンの元本返済の助成とか利子補給ということも考えられますけれども、私どもはそういうこともするべきであるというふうに考えておりますが、いかがでしょうか。

和田大臣政務官 問題意識としては共有させていただきます。

 これも一つの視点から、被災者の方々に対する公平性をどのように考えていくかということを、ぜひいろいろ御議論の中で結論を見出していきたいと思います。住宅ローンが今残っていらっしゃる方と自力で返済し切っていらっしゃる方、どちらも家を失っていらっしゃるわけでございますが、その方々に対する支援の程度と規模というのをどのように考えるかということは、最終的に国民の皆様方に御納得いただけるラインを国会全体で見出していただくということになろうかというふうに考えています。

 先ほど御指摘いただいたような、住宅ローンの今の負担に耐えかねていらっしゃる方々がいることだけは間違いございませんので、そうした方々に対する公的支援として、御指摘の利子補給等の支援につきましては、財政当局としっかり相談しながら決めていきたいと考えています。

竹内委員 これで終わりますが、いずれにいたしましても、今回は国難であるということですよね。国難であるという以上、それにふさわしい対応が必要であるというふうに思っております。そしてまた、債務者の状況も非常に千差万別でありますので、さまざまなメニューを早急に提供していただきたい、このように思いますので、どうぞよろしくお願いします。

 終わります。

石田委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 きょうは、法案の内容に絞ってただしたいと思います。

 質疑の前提として、金融機関の被災状況についてお聞きしたいと思います。

 大手銀行、地銀、信金、信組、それぞれ違うと思いますけれども、業態ごとに被災の実態、特徴を説明していただきたいと思います。

自見国務大臣 佐々木議員にお答えをいたします。

 今次の震災の経営への影響については、現在、平成二十三年度の三月期決算の確定に向けて作業を進めている金融機関があるため、現時点では確たることは申し上げられません。

 しかし、一般論として申し上げれば、被災の影響は、営業地域が全国に広がっている大手銀行においては限局的である一方、被災地を含む都道府県を中心とした営業地域としている地域銀行、また被災地を主な営業地域としている、今さっき申し上げましたように協同組織金融機関においては、相対的に影響が大きいというふうに考えております。

佐々木(憲)委員 被災地に密着した地銀ですとか信金、信組、この場合は被災の影響が非常に大きいということだと思うんです。したがって、資本増強の必要性、その要請というのは確かにあると思います。

 しかし、体力があるメガバンクのような場合には違うと思うんですね。例えば大手銀行四グループのことし三月期決算によりますと、四グループとも増益であります。例えば来年の予想を見ますと、三井住友フィナンシャルグループは四千億円の黒字、りそなホールディングスは千五百億円の黒字を想定しているわけです。

 そこで、こういう体力のある大手銀行が手を挙げて資本参加を求めるということは今回の法案では想定されているのかどうか、これを確認したいと思います。

自見国務大臣 佐々木議員にお答えをいたします。

 震災特例の対象となる金融機関は、「東日本大震災の影響により自己資本の充実を図ることが主として業務を行っている地域における円滑な信用供与を実施するために必要となったもの」と定められておりますので、法文上、大手銀行が除外されるわけではございません。

 しかしながら、いずれにせよ、実際に申請があった場合には、震災の影響により当該大手銀行が地域における円滑な信用供与のために自己資本の充実が必要となっていると認められるかどうかについては、震災の影響等の審査の上、個別的、具体的に判断することになるというふうに思っております。

佐々木(憲)委員 震災の影響で、自己資本の増強が必要となるほどの影響を受けているということは相当なものでありまして、先ほど言ったように、大手銀行の場合は、全国に展開して、また予想も何千億円という黒字が、震災後も、来年の三月期決算で予想されている、そういうわけですから、これはほとんど現実的には対象にならないというふうに私は思っておりまして、今も大体そういう確認がされたと思います。

 そこで、資本参加を求めるという金融機関、大変影響があった金融機関でありますが、経営強化計画を提出するということになるわけですが、今度の法案では、この記載事項の中に、これまで必要とされておりました収益性及び効率向上の目標、これは不要とするということになっていますね。まず、その理由を説明していただきたい。

東副大臣 もう何人の委員からも御指摘があることでありますが、まず、今回の大震災をどういうふうにとらえるかという、そこに帰着するんだと思います。平時なのか非常事態なのか。非常事態だと。

 したがって、一般論で申し上げれば、今まで経営強化計画をつくるに際して、平時の場合、これはそれなりにきちんとやっていかなくちゃいけない。しかし、非常事態でありますから、また、言うまでもなく、今回の大震災を通してありとあらゆるいろいろな大影響を種々こうむっている、そういう状況の中で、その影響に対してきちんとこたえられる、そういうためには、経営計画の中で盛られている記載事項についてもそれなりに柔軟化が必要なんじゃないのかと。

 こういう視点から、今御指摘の収益性等について、収益性は見込みだけは書くようにというふうに言っているわけでありますが、それをそのまま今回使うということに関してはいかがなものなのか、こういう視点で、取り払っているということでございます。

佐々木(憲)委員 確かに今回は、通常の経営をやっていて、通常の状態のまま経営計画を出すという場合と全く違うわけでありまして、経営の責任に属さない、簡単に言いますと外側からだ、そういう事態に直面をして非常に大きな影響を受けるという状況ですから、当然、経営責任を問うとか、利益が上がらなければ資本参加しないとか、そういう条件をつけないというのは理解できるところであります。

 次に、省令で、震災からの復興に資する方策を提出させるということになっておりますが、その方策というのはどのような内容を求めているのか、方策の適否、適当なのかどうかというものを判断する基準というものはどういうものなのか、説明をしていただきたいと思います。

東副大臣 今回資本参加を受けようとする金融機関というのは、申請に際して、中小企業に対する信用供与の円滑化等地域経済の活性化に資する方策、和田政務官が何度も説明させていただいておりますが、経営強化計画を策定することとなって、省令において、震災からの復興に資する方策を初めとする内容を求めることとしているわけであります。

 その内容について、基本的には各金融機関がそれぞれの地域の実情等を踏まえて策定すべきものであって、特定の方策の記載を一律に、これが基準なんだということを定められるものではないと思います。

 しかしながら、例えば、復興需要に対応するための信用供与あるいはまた被災した顧客の既往債務に係る貸し付け条件の変更等に係る取り組みといったことを記載することも考えられます。

 また、法律上、今回のこの方策が、当該地域において中小規模の事業者に対する金融の円滑化が見込まれることその他、当該方策が当該地域における経済の活性化のために適切なものであることが資本参加の要件とされており、この要件に照らして、震災からの復興に資する方策の内容が、地域経済の活性化に資するものとして適切かどうか、精査することになると思います。

佐々木(憲)委員 今説明がありましたように、肝心なことは、国の資本参加によって資本を増強した金融機関が真に債務者のために役に立つかどうか、そこにあるわけであります。だから、体力はついたけれども被災者のためにならないというのでは、これは全く意味がないわけであります。

 確認ですけれども、被災者に対するメニューとして、債権放棄、返済猶予、新規マネーの供給、さまざまな手段があり得るということで理解してよろしいですね。

東副大臣 メニューとしてはそういうことがあると思うんですが、繰り返しになりますけれども、震災からの復興に資する方策の内容について、これはもう佐々木委員御案内のとおり、地域によっていろいろ違いがあります。各金融機関が存在するその地域の諸情勢、また、地域の実情等を踏まえて策定すべきものなんだろうというふうに思います。その意味で、特定の方策の記載を一律に、これこれあります、これに基づいて云々ということはできないんじゃないのかというふうに思っております。

 ただ、議員御指摘のような、被災した顧客の既往債務に係る貸し付け条件の変更等に係る取り組みだとか、あるいはまた新規信用供与等について記載することも当然考えられます。

 いずれにせよ、金融庁としては、資本参加を受けようとする金融機関が経営強化計画を策定する過程においては、震災からの復興に資する方策についてもよく議論していきたいというふうに思います。

佐々木(憲)委員 一般的な計画を、つまり復興に資するための方策を金融機関が出すと、大体それでいいだろう、そういうふうになるとして、問題は、その金融機関が債務者に対してどういう対応をするか、個別具体的な対応が問われてくるわけであります。

 どのような対応をするかについて最終的に決めるのは、これは金融機関の経営者の判断、こういうことになるわけでしょうね。その辺、確認をしたいと思います。

自見国務大臣 佐々木議員にお答えいたします。

 震災からの復興に資する方策の内容については、まさに震災やその復興の現場にある各金融機関の経営者、これはいろいろ産業構造の違いがございますから、広い地域でございますから、その金融機関の経営者が、それぞれの地域の被災状況や経済状況、復興のために努力している企業の実態などを、これは長いおつき合い、特に地域の信金、信組というのは、その辺は非常によく御存じでございますから、さまざまな実情を踏まえて、創意工夫の上で策定することが適当だと思っております。

 国の資本参加に際しては、当該方策の適切性を当局が審査することになりますが、いずれにせよ、金融庁といたしましては、資本参加を受けようとする金融機関が経営強化計画を策定する過程においても、これは出してきた書類を、計画を、イエスかノーか、そういうことでなくて、これはぜひ、地域の金融機関に、資本参加に協力していただきたいと思います。

 これはしかし、基本的には、金融機関の経営者がお決めになることでございますけれども、一たんお決めになられたら、金融機関が経営強化計画を策定する過程においても、まさに被災から復興に資する方法についてしっかり金融庁も相談に乗らせていただいて、しっかり我々も、お互いの共通の目線で議論をしていきたいというふうに思っております。

佐々木(憲)委員 最終的には個別の判断は金融機関が行うと。

 そうなりますと、債務者の要望にきちっとこたえることができているのかいないのかということが、金融機関が今度は問われるわけであります。

 例えば、債務者が、私の場合は工場も建物も全部流されてしまった、もう債権放棄をしてもらいたい、あるいは二十年、三十年、返済猶予してもらいたい、こういうことを金融機関に要望する。金融機関の方は、いやいや、あなたの場合は能力があるんだから、十年で返してもらわないと困りますよと。こんなことで、実際には、現場の窓口では、何といいますか、やりとりが行われる。そうなると、なかなか問題が解決しないということが現場では起き得るわけです。

 そうすると、例えば苦情が出た場合、あるいは要望がある場合、これに対して一体どういうふうにその被災者の立場に立ってこたえるかということが、銀行側が今度は問われる。その場合、従来だと、中小企業に対する金融円滑化法、これがあって、相談に応ずるようにと。断った場合には、その理由をはっきりさせなきゃならぬ、金融庁にその理由を届けなければならない、こういうふうになっていますね。しかし、今度の法律は、それがないわけです。

 その辺は、一体どういうふうに要望、苦情に対応するのか、その点についてお聞きしたいと思います。

和田大臣政務官 今、内容的には佐々木委員からも御指摘になったとおりでございまして、結論だけ申し上げますと、今御指摘いただいた中小企業金融円滑化法は、被災地域の方々に対しましてもあまねく適用される法律でございますので、この金融機能強化法の条文にはおっしゃるような趣旨は書き込まれておりませんが、この円滑化法の運用をしっかりとやることによって、先ほどの、拒絶した理由をしっかりとチェックし、さらに、苦情がある場合には、相談室を設けてそれに対応する体制をしっかり整えてまいりたいと思います。

佐々木(憲)委員 それから、復興に資するという法律の趣旨に反した場合といいますか、本来信用供与をやるべき対象なのにやらない、方策として銀行が出しているのにそのとおりやらない、こういうことも起こり得るわけですね。そういう場合にどういう対応があるのか、あるいはペナルティーがあるのか、この点を説明していただきたい。

和田大臣政務官 佐々木委員の論理的な御指摘という意味では理解いたしますが、まず、この金融機能強化法の運用につきましては、先ほどたしか山本委員の御質疑の中でも御指摘がありましたが、金融機関が債権を償却するのに役立てていただくということが本来の目的ではなく、債権償却や資金返済の猶予等を柔軟に行うことによって、最終的に、市中に資金がどんどん供与されて、地域経済が活性化されるということを目的にしております。

 そのため、今御指摘の方策を各金融機関が創意工夫を凝らして書いていただきますが、その際にも、最終的に地域経済が活性化するのかどうかということを判断のメルクマールにしようと考えていますので、今のような法律の枠組みの中で考える限り、先ほどのような、方策に違反するような場合はあってはならぬことであり、ないように審査させていただくということがまず第一でございます。

 そして、仮に万が一、そうした方策をきちんと実行せず、不十分な場合はあり得るかもわかりません、それはしっかりと別な意味でフォローさせていただきますが、全く方策と違ったことをやっているという金融機関に対しましては、金融庁として、自分たちの持っている法制上、監督権限がございますので、その監督権限の中でしっかりと是正指導してまいるということになろうかと思います。

佐々木(憲)委員 信金、信組の場合は、預金保険機構の預金保険の枠組みの中でその負担が行われて対応できるようになっていると。

 しかし、全金融機関を対象とする一般的特例という場合、その場合には政府保証によって借り入れを行って、その資金で資本参加する、こういう仕組みになっていますね。

 この場合、最終的な損失が出たときに、その負担というものはどうなるのか、説明をしていただきたい。

和田大臣政務官 時間もございませんので、簡単にお答えしたいと思います。

 協同組織金融機関以外の一般的な機関についての特例の場合には、御指摘のように、その損失負担をするということになっておりませんので、参加資本の毀損を想定してはおりません。しかし、金融機能強化勘定全体として万が一損失が発生するような事態に至る場合には、それは最終的に予算措置、財政措置によって埋めるということになります。

佐々木(憲)委員 次に、今回提案された法案というものは、被災地の債務者それから地域経済、その復興のために資するものであると。

 しかし、簡単に言いますと、体力を増強する、そういう仕組みに限定されているわけでありますから、二重ローン問題の解消という点からいうと極めて限定的なものであって、二重ローン解消そのものに直結してこれが役立つという形にはまだなっていないというふうに私は思うわけです。

 そこで最後に、大臣にお聞きしたいんですけれども、二重ローンの根本解決というのは、今回の法案、もちろんこれも一つのステップかもしれませんが、より大きな枠組みというものが必要だというふうに思うわけです。

 現在、政府部内で調整中であり、各党の案も、我々も案は出していますけれども、それをいろいろな形で、協議中ということになっておりますけれども、今後速やかにこの仕組みをつくっていかなきゃならぬ、この点について大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

自見国務大臣 御指摘のとおり、二重ローン問題は大変重要な問題と認識しておりまして、この問題は、私は民間金融機関を所掌させていただいておりますが、民間金融機関の原資は基本的に個々人からお預かりした預貯金でございますから、そういった特徴がございますから、通常の民間機関だけによる対応だけではなかなか解決し得ない問題だと思っておりまして、幅広く検討する必要があると思っております。

 先生も今おっしゃったように、先般、私もこの問題は何度も閣僚懇で発言をさせていただきまして、総理からも、内閣本府、金融庁、財務省、農林水産省、経済産業省、国土交通省に対しまして、しっかり知恵を出してやるようにという御指示があったところでございました。関係各大臣と合わせてスピーディーにやっていくことが大事でございますから、政府全体の問題として取り組んでまいりたいというふうに思っております。

佐々木(憲)委員 以上で終わります。ありがとうございました。

石田委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

石田委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 東日本大震災に対処して金融機関等の経営基盤の充実を図るための金融機能の強化のための特別措置に関する法律及び金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

石田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

石田委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、岸本周平君外三名から、民主党・無所属クラブ、自由民主党・無所属の会、公明党及び日本共産党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。岸本周平君。

岸本委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。

    東日本大震災に対処して金融機関等の経営基盤の充実を図るための金融機能の強化のための特別措置に関する法律及び金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。

 一 東日本大震災で被災した中小企業者及び住宅ローン利用者等における二重債務の問題については、被災者の生活・経営の再建に資するよう、国として、必要な対応について、早急に検討を進めること。

 一 協同組織金融機関の特例に関し、原発地域の金融機関も含め事業再構築等の申請期限の延長の申出がある場合、実情を十分に勘案して適切に対処すること。

以上であります。

 何とぞ御賛同賜りますようよろしくお願い申し上げます。

石田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

石田委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。金融担当大臣自見庄三郎君。

自見国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨を踏まえまして配意してまいりたいと思っています。

 最後に一言、本当に、私も二十六年間この世界におらせていただいておりますが、先週は決して四海波静かな状況でなかった。しかし、今週、本当に、衆議院の財務金融委員会の委員長を初め、各党各会派の理事の方が、きちっとこういった震災対応の金融機能強化法を審議していただきまして、また、起立総員ということでございまして、本当に私も、一人一人の委員の方々の良識に、心から、金融庁を預かる者としてお礼を申し上げる次第でございます。心から感謝をいたしております。ありがとうございました。(拍手)

    ―――――――――――――

石田委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

石田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時三十三分散会


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