衆議院

メインへスキップ



第33号 平成23年8月2日(火曜日)

会議録本文へ
平成二十三年八月二日(火曜日)

    午前九時三十分開議

 出席委員

   委員長 石田 勝之君

   理事 大串 博志君 理事 岸本 周平君

   理事 古本伸一郎君 理事 鷲尾英一郎君

   理事 竹下  亘君 理事 山本 幸三君

   理事 竹内  譲君

      網屋 信介君    五十嵐文彦君

      石森 久嗣君    磯谷香代子君

      今井 雅人君    江端 貴子君

      小野塚勝俊君    岡田 康裕君

      勝又恒一郎君    木内 孝胤君

      小山 展弘君    近藤 和也君

      菅川  洋君    空本 誠喜君

      玉木雄一郎君    豊田潤多郎君

      中塚 一宏君    中林美恵子君

      早川久美子君    藤田 憲彦君

      松原  仁君    三村 和也君

      柳田 和己君    湯原 俊二君

      吉田 統彦君    和田 隆志君

      今津  寛君    齋藤  健君

      竹本 直一君    徳田  毅君

      野田  毅君    村田 吉隆君

      茂木 敏充君    山口 俊一君

      斉藤 鉄夫君    佐々木憲昭君

    …………………………………

   財務大臣         野田 佳彦君

   国務大臣

   (金融担当)       自見庄三郎君

   内閣官房副長官      福山 哲郎君

   総務副大臣        鈴木 克昌君

   財務副大臣        五十嵐文彦君

   文部科学副大臣      笹木 竜三君

   厚生労働副大臣      大塚 耕平君

   経済産業副大臣      池田 元久君

   国土交通副大臣      池口 修次君

   環境副大臣        近藤 昭一君

   内閣府大臣政務官     和田 隆志君

   国土交通大臣政務官    市村浩一郎君

   財務金融委員会専門員   北村 治則君

    ―――――――――――――

委員の異動

八月二日

 辞任         補欠選任

  柿沼 正明君     磯谷香代子君

  勝又恒一郎君     早川久美子君

  菅川  洋君     吉田 統彦君

  柳田 和己君     石森 久嗣君

同日

 辞任         補欠選任

  石森 久嗣君     柳田 和己君

  磯谷香代子君     藤田 憲彦君

  早川久美子君     勝又恒一郎君

  吉田 統彦君     空本 誠喜君

同日

 辞任         補欠選任

  空本 誠喜君     菅川  洋君

  藤田 憲彦君     湯原 俊二君

同日

 辞任         補欠選任

  湯原 俊二君     柿沼 正明君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 平成二十三年度における公債の発行の特例に関する法律案(内閣提出第一号)

 経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二号)


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

石田委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、平成二十三年度における公債の発行の特例に関する法律案及び経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。茂木敏充君。

茂木委員 自民党の茂木敏充です。

 特例公債法、そして税制改正に関連しまして質問をさせていただきます。

 二時間半といいますと、これまでの委員会質疑で最長の時間になるかと思いますが、よろしくお願い申し上げます。

 政権発足以来、一年十カ月以上がたったところでありますが、民主党の政権の運営、さまざまな問題点が指摘をされております。その中でよく典型的に言われることは、一つは、言ってきたこととやっていることが違う、そして対応に一貫性がない、方針がころころ変わる、そしてまた対応がばらばら、こういう指摘だと思います。

 この国会を見ましても、予算案と予算関連法案の取り扱い、これが信じられないほどちぐはぐであります。予算案の方は、徹底して、強行スケジュールで衆議院通過、年度内の成立ということになったわけでありますが、予算関連法案につきましては、その中心となります特例公債法、ようやく衆議院の方で本格審議がスタートした、こういう段階であります。

 そこで、まず、予算案と予算関連法案の審議のあり方につきまして、冒頭、財務大臣の方にお伺いをしたいと思っております。

 野田財務大臣は、常々、予算案と予算関連法案は一体として、日本経済を活性化する、また財政の改革につながるという姿勢でつくったものである、政府としては一体的な審議、処理をお願いしたいと言っていたと思います。私は、正しい認識だ、そういうふうに思っております。

 ところが、与党の国会運営の方針によりまして、予算と税法、そして特例公債法などの歳入法案が切り離されることになったわけであります。予算案の方は、三月一日に参議院に送られて、既に年度内に成立をいたしているのに対して、特例公債法の方は、一月の二十四日に国会に提出されてから、衆議院段階ではほとんど審議というのが進んでおりません。税制改正の方も、結局は、つなぎ法案でまず対応しまして、六月になってから、期限切れの租特だけを延長しまして、抜本改革がまた先送り、こういうことになっているわけであります。

 このような予算案と予算関連法案、歳入法案の分離は、野田財務大臣の発言どおり、明らかにおかしい、こういうふうに私は考えておりますが、改めて大臣の見解を伺いたいと思います。

野田国務大臣 改めまして、おはようございます。

 茂木委員とはもう二十年近いおつき合いがございますが、きょうは、二時間半の議論を通じて一層友情が深まればというふうに思っております。御指導のほど、よろしくお願いいたします。

 ただいまの、歳入と歳出が一体で処理できなかった、予算と予算関連法案が年度内に一緒に成立できなかったこと、厳しい今の状況を生んでいること、私はまことに極めて残念に思っております。もちろん、私どものいろいろ説明不足、努力不足もありました。こうして、特例公債法案、そして修正税制改正法案、こういう形で御審議をいただきまして、改めて御礼を申し上げたいというふうに思います。

 同時にできなかったことというと、特に特例公債で、歳入の欠陥が全体の約四割という状況で、残念ながら、ずっと四月以降、予算の執行管理をせざるを得なくなってまいりました。そして、これがいよいよぎりぎりになってきているのは、歳出の許容額が、税収等々の財政の裏づけがあるものが四十八兆で、九月までの執行の見込みが四十二兆ということで、九月以降、このままの状態が続くと、執行管理から執行抑制にならざるを得ないということになります。

 これは本当に国民の皆様に御迷惑をかけることなので、この審議を通じて改めてじっくり御説明をさせていただきたいと思いますし、二度とこういうことにならないように、むしろこれは反省を込めてでありますけれども、例えば三次補正、それから来年度の予算編成、それに関連する法案も含めて、やはり審議に入る前に与野党の真摯な協議を経ていくということが極めて大事だということを痛感している次第でございます。

茂木委員 財務大臣の方から、予算案と特例公債法の審議が分離されたというのは決して好ましいことではない、いいことではないと、率直に反省も含めて御答弁いただいたところであります。

 この問題につきまして、菅総理は二十年以上昔のことを持ち出しまして、一九八九年以前は予算と税法であったりとか特例公債法と別々に審議をしたこともある、八九年は特例公債法の衆議院の本会議採決が六月十六日だった、こういうふうに菅総理が言っております。

 しかし、私は、二十年前と比べて、公債への依存度は今大臣が言うように全く違う、こういうふうに考えております。ざっくりで結構なんですけれども、八九年段階で日本の公債依存度はどれくらいの割合だったか、一%なのか一〇%なのか二〇%なのか、どんな認識を持っていらっしゃいますか。

野田国務大臣 八九年ですから、ざっくり言うと二〇%だったんではなかったかな。違いますか。八九年は平成でいうと何年ですかね。(発言する者あり)平成元年、二年ですか。そのときは税収と歳出が一番縮まっている年ですので、公債は数兆円で済んでいたというふうに理解をしています。ちょっと平成の方がわかりやすいもので、失礼いたしました。

茂木委員 済みません、西暦で言ってしまいまして。一九八九年段階で、公債依存度は〇・三%です。今の四四%と全く違うわけでありまして、私は、全く比較にならないという意味で、予算と特例公債法の一体的審議の必要性は今日一層高まっている、このように考えておりますが、大臣はいかがですか。

野田国務大臣 八九年当時が今の状況と全く違う、特例公債自体を発行したのは九〇年以降のマターだったと思いますので、その後財政状況は悪化してきているという中で、当時の時代状況とは全く違う、財政は一層厳しくなっているというふうに認識をしています。

茂木委員 そうしますと、予算と歳入法案の審議につきまして、今財務大臣のおっしゃることと総理のおっしゃったことは全く違っています。政府としての統一見解を出してください。

野田国務大臣 総理自体は、過去にあったこと、事実関係だけを申し上げたんだというふうに思います。それは、事実としてはそうだったと思います。ただ、財政状況の認識については今の茂木議員の御指摘のとおりだと理解をしています。

茂木委員 予算案と予算関連法案の一体処理が行われなかった、そういう政府の責任は大きいと私は思っております。しかし現実には、分離処理ということになったわけであります。

 では、予算関連法案、特例公債法、いつまでに通せばいいのか、成立させればいいかということでありますけれども、一体処理ができなかった以上、もう一つの考え方、つまり、先ほどもおっしゃったような、予算の執行に支障が生じる前にということになってくるんだと私は思います。

 実際に、我が党の林芳正そして宮沢洋一両参議院議員の、予算と関連法案の不一致に関する質問主意書に対しまして、政府は答弁書で、予算は成立しているが、歳入予算に関連する税制改正や公債発行に係る法案が成立しない場合、当該法案に基づく新たな歳入としては、見込むことができず、予算の執行は、既存の法律に基づく税収や建設公債の発行収入金等の範囲内でしか行えない、こういうふうに回答しております。逆に言いますと、既存の法律に基づく税収と建設公債の範囲内までは予算が執行できる、こういうことになるんだと思います。

 それでは、平成二十三年度で、既存の法律に基づきます税収や建設公債の発行収入は幾らあって、これが枯渇するのはいつになりますか。

野田国務大臣 今の委員の御指摘のとおりに、既存の法律、そして建設国債を含めて、先ほどの私の発言の中で歳出の許容額と申し上げました、財源的な裏づけのあるもの、それが四十八・四兆だったというふうに思います。

 一方で、四月から六月にかけての執行実績、それから七月から九月にかけての各省の要求等で考えますと、九月までの執行がおよそ四十二兆台に乗ってくるというふうに思います。例年、十月にどういう執行かというと、大体五兆、六兆は平均して使っています。ということは、早ければ十月から歳出の許容額を超えてしまうような事態になるわけでございます。

 そうすると、これまでは、要は、一般会計から特会への繰り入れをおくらせたりとか、あるいは各省ごとに執行計画を出してもらうものを、三カ月ごとだったのを一カ月ごととか、きめ細やかな執行管理をしてまいりましたけれども、執行管理だけではもう対応できなくなっていってしまうということでございますので、今国会中に何としても成立をさせていただかないと執行抑制という段階にならざるを得なくなるだろうというふうに認識をしています。

茂木委員 どうも大臣の答弁の前半で言っていることと後半でおっしゃることが違ってきている気がするんです、このタイムリミットの問題について。

 アメリカの場合は、どうにかデフォルトを回避したわけでありますけれども、これはやはり八月の二日という明確なタイムリミットがあったから、ホワイトハウスも、そしてアメリカも上下院でねじれております、両党もぎりぎりの合意というのができたんだと私は思います。

 日本の場合は、これはデフォルトではなくてシャットダウン、ガバメントシャットダウンということになってくると思うんですけれども、それが来るのはいつなんですか。

野田国務大臣 数字的にはさっき申し上げたとおりであって、九月末までが大体四十二兆執行していくという中で、許容できるのが四十八兆ですから、その差が詰まってくる。十月中に大体いつも五、六兆使うということを考えると、早いと十月にそういう事態になりかねないという状況でございます。

茂木委員 それで、大臣の答弁によりますと、この通常国会、八月の三十一日が会期末となっております。この通常国会で特例公債法が成立をしなくても、予算の執行には問題が起こらないということでよろしいんですね。

野田国務大臣 さっき言ったように、九月以降の国会の運びというのはまだ決まっているわけではございません。ということは、この通常国会中に成立しませんと九月から執行抑制をせざるを得なくなるということでございますので、何としても今国会中の成立をお願いしたいというふうに思います。

茂木委員 国会の召集は内閣が要求できるんですよ。九月の初めでも臨時国会を始めることができます。九月の一日からでも。八月の末で執行に対して問題が起こるということじゃない。聞きますと、十月の頭ぐらいからそういう状況が生じると。もしそういうことだったらば、九月にすぐに臨時国会を召集すればいいだけなんですよ。八月末に通さなければならない理由、これについて教えてください。

野田国務大臣 執行管理の段階から執行抑制を具体的に検討せざるを得なくなるような状況は回避したいと思うんです。ですから、今回のアメリカの債務上限問題のように、タイムリミットぎりぎりまで引っ張っていくこと自体が、日本の財政にさまざまな注目を浴びること自体が私は国益を損ねるというふうに思います。本来は三月三十一日までに、私ども大いに努力して御賛同いただかなければいけなかったものでありますから、その意味からも、一日も早い成立をお願いさせていただきたいというふうに思います。

茂木委員 大臣、冒頭申し上げたように、本来だったら一体処理すべきものを、政府・与党の方で一体処理をあきらめて、おくらせてきたわけであります。では、いつまでおくらせられるんですかという話を聞くと、恐らく九月末だったら大丈夫だという発言なんですよ、先ほどからの大臣の発言は。それが、八月末にこだわるのはどうしてなんですか。その日じゃなくても結構です、成立するのは。いつがタイムリミットだから、その半月前、一カ月前には成立させたいからいついつなんだ、これを明確に示してください。

野田国務大臣 執行管理から執行抑制へという微妙な時期がまさに九月、十月に入ってくるということですから、その微妙な時期で、この国会での審議の状況とか日本の財政状況が世界じゅうから余りクローズアップされることなくするためには、やはり一日も早く、今国会中ということに尽きると思います。

茂木委員 何度もになって恐縮ですけれども、四十八兆四千億でしょう。それが四十二兆でしょう、九月段階で。十分もつじゃないですか、執行抑制しなくても九月は。九月末でも十分間に合うんじゃないですか。執行抑制の必要は十月以降になるんじゃないですか。

野田国務大臣 十月は、先ほど申し上げたとおり、大体例年だと五、六兆は予算執行しているということがあるので、十月に入ったら、本当にこれは大変な事態になると思います。そのために、その前の九月というのは執行を抑制せざるを得ない段階になりますので、途中で決めたとしても、月の初めからはもう抑制のスタートをしなきゃいけません。そういうことにならないようにするためには、今国会中の一日も早い成立ということでございます。

茂木委員 何度もになって恐縮ですけれども、理論的に言って、いつなんですか。理論的に言って、具体的にいつ実際に執行できなくなるのか。抑制は恣意的にやれます、考えられます。そして、抑制しちゃいけないということじゃありませんけれども、理論的に言って、いつ財源が枯渇するのか教えてください。

野田国務大臣 理論的に言うと、先ほどの数字の推移でいくと、十月にその危険性が極めて高まるということであります。

 したがって、そういうことにならないように、なるべく早い時期で、ぎりぎりの段階で結論を出すのではなくて、この国会中に成立をさせていただくということが大事だというふうに思います。

茂木委員 大臣の答弁を聞きますと、少なくともこの通常国会、八月末までにこの特例公債法を成立させなければいけないという具体的な御説明にはなっていない、そんなふうに私は思います。

 この議論を余り続けても時間がかかってしまいますので、若干先に進みたい、そんなふうに思っております。

 五月の初めに一次補正が成立をいたしましたけれども、瓦れきの処理も、四カ月たってまだ仮置き場への搬入率も三四%、こういう段階でありますし、何か執行、執行と言いながら、成立させてもその執行が極めておくれている内閣に余り執行のことを言われたくないな、こういう思いを私は持ったりもいたしております。

 それから、恐らく市場の反応ということも、アメリカの例を考えても、私は、日本でも意識をしていかなくちゃならない、こんなふうに思うところでありますけれども、どうも今の民主党政権を見ておりますと、例えば総理が、日本国債の格付について疎い、こういう発言をしたりとか、また政府の高官が十分な説明がないままに東電の国有化に言及したり、実体経済とかマーケットの反応に極めて無神経だと思う場面が多々ございます。

 大臣御案内のとおり、マーケットというのは、非常時には思わぬ反応をしたり思惑でひとり歩きをしていく、こういうものであります。例えば、震災後、日本経済が大きな打撃を受けたにもかかわらず円高が進んだわけであります。この円高の問題はこの後聞かせていただきたいと思いますけれども。

 これは意外な気もするわけでありますが、メカニズムからしますと、まず、大規模な災害によりまして不確実性が高まる。リスク資産に対する回避行動が生じまして、安全資産に対する選好が高まってくる。日本の投資主体にとりまして、リスクが相対的に高い外貨から、リスクが相対的に低い円キャッシュにシフトが起こってくる。保険会社は、地震災害に伴う保険金の支払いのために、対外資産を売却して国内に資金を還流させる。また、万が一に備えまして、事業会社も海外の利益を国内に還流させるであろう。そういった思惑から円高が進んでいる、こういう面もあるわけであります。

 日本の国債が下落しないのも、マーケットが今下落しないと思っているから下落しないだけで、下落すると思った瞬間、暴落が始まるわけでありまして、政府はもっとこういったマーケットの反応に神経をとがらせてほしい、こんなふうに思うところであります。

 そこで、まず直近の円高の問題につきまして伺いたいと思っております。

 急速な円高の進行によりまして輸出企業の収益というのが圧迫をされ、今後の国内生産への影響、雇用への影響、これを不安視する声が高まっております。急激な円高、これは抑えなければなりません。確かに、今回の円高、円高というより、むしろ性格的には、ギリシャを初めとするEUの財政不安からくるユーロ安、そして、ぎりぎりのところで回避はされましたけれども、アメリカのデフォルト懸念に起因をいたしますドルの信認の低下によるドル安、こういう側面が強くて結果的に円高が進んでいる、これが実態だと思うわけであります。

 そこで、まず、政府として、現在の為替レートの水準をどう見ていらっしゃるか、過剰な円高と考えていらっしゃるかどうか、お答えください。

野田国務大臣 水準とか相場観についてはコメントしにくいんですけれども、状況として、委員が御指摘のとおり、対外的な要因によって円が思った以上に強く評価されてしまっている。主要通貨、例えば対ドルで見ても大体どれも高くなっているんですが、円の場合はスイス・フランに次いで二番目ということで、相対的なものでしょうけれども、日本の経済のファンダメンタルズを反映しているとはとても思えません。

 という状況なので、債務上限問題について一定の進展がありましたけれども、しっかりとそれが今のマーケットで反映されているかどうかということも含めて、特にきょうはしっかりとマーケットの動向を注視していきたいというふうに考えております。

茂木委員 財務大臣、過去十年ぐらいのスパンで見まして、日本のドル買い・円売り介入、これは、例えば何年何月から何年何月を一つの期間としますと、何回ぐらいの為替介入をやられているか御存じですか。

野田国務大臣 少なくとも、自分の任期中は、昨年の九月の単独介入、これが単独介入としては十一年ぶりでございました。それから、ことしの三月、委員御指摘のとおり、大震災の後、三月十八日に協調介入をさせていただきました。済みません。単独介入が六年半ぶりでした。

 ということは、過去十年間で単独介入が二回。その後に、協調介入は十一年ぶりでございました。単独介入がその前にもう一回あったかどうかはちょっと確認させてください。記憶しているのはそういうことでございます。

茂木委員 過去十年で、我が国は五回為替介入をやっております。

 まず、平成十三年の九月、額にしまして三兆二千百七億円のドル買い・円売り介入で、そのときの為替レートは一ドル百十七円四十銭から百十九円四十銭のレンジでありました。

 二回目が、平成十四年五月から六月で、額にして四兆百六十二億円。為替レートは百二十四円十五銭から百十九円五十銭で推移をしておりました。

 三回目が、ちょっと長い期間で、平成十五年の一月から平成十六年の三月、額にして三十五兆二千五百六十四億円のドル買い・円売り介入で、為替レートは百十八円十銭から百八円八十銭のレンジでした。

 これが政権交代前ということでありまして、政権交代前は一ドル百円台、百十円台、百二十円台でも為替介入をやっております。

 そして、政権交代以降、大臣がおっしゃったように、昨年の九月十五日、二兆一千二百四十九億円、一日にしてはかなり大きい為替介入で、そのときの円レート、前日のニューヨークの終わり値が八十三円〇三銭でありました。

 そして、直近がこの三月の十八日ということで、震災後に行った介入で、六千九百二十五億円。為替レートは前日、三月十七日に戦後の最高値七十六円二十五銭をつけた。

 昨日は、この最高値に迫ります七十六円二十九銭というレベルでありました。そして、現在も、きょうの九時三分時点で七十七円三十四銭から三十六銭ということでありまして、過去十年の為替介入の実績、そして直近の為替介入の実績、これを考えましても、今の円・ドルレート、為替介入すべきレンジに入っている、そんなふうに私は思いますが、大臣、いかがですか。

野田国務大臣 介入するしないについてはコメントは控えたいというふうに思いますが、先ほど申し上げたとおり、マーケットの動向は極めて注意深く見守っているという状況でございますし、日銀や各国ともしっかりとコミュニケーションを今とらさせていただいております。

茂木委員 この場で、為替介入するとかしないとか、大臣として答弁できないということはわかっております。レンジとして為替介入してもおかしくない、そういったレンジに入っているかどうかをお聞きしているんです。

野田国務大臣 レンジの話をすること自体が、さまざま影響があるというふうに思います。その意味からも、先ほど申し上げたとおり、マーケットの動向を注視していきたいというふうに思います。

茂木委員 昨日が七十六円二十九銭をつけたわけであります。ことしの三月に為替介入をしました。そして、昨年の九月十五日に大規模な為替介入をしました。その前にも、過去十年間、先ほど申し上げたような形で為替介入しております。その時点での為替介入、間違ったと思いますか。

野田国務大臣 過度な変動、無秩序な動きがマーケットにあったということによって、断固たる措置をとらさせていただきました。それについて、私は、間違ったとは思っていません。

茂木委員 過去の為替介入、百二十円台、百十円台、百円台、そして八十三円三銭、そして七十六円二十五銭、こういう段階でありまして、私は確実に、今の大臣の答弁を聞きましても、これはきょうする、あすするは別にしまして、為替介入すべきレンジに入っているのではないかな、こんなふうに思うところであります。

 急速に進んでおりますこの円高の原因、そして対応につきましては、この財務金融委員会と経済産業委員会の方で連合審査、これも調整をされているようでありますので、その時点で改めて突っ込んだ議論ができれば、こんなふうに思っております。

 そこで、政府のマーケット対応につきまして、もう一点、少し戻って、震災直後の株式市場への対応についてお聞きをしたいと思います。今度は金融庁です。

 金融商品取引法の第百五十二条の第一項二号では、市場取引が公益または投資者保護に有害と認められる場合、政府は取引所に十日以内、さらに閣議決定を経れば最長三カ月の取引停止を命じることができる、そういうふうにされております。自見大臣、御存じですね。

 そこで、この規定にあります市場取引が公益または投資者保護に有害と認められる場合、この場合とは、大震災や大規模なシステム障害など、具体的にどのような事態が想定されるのか、金融担当大臣、お答えください。

自見国務大臣 お答えをいたします。

 金融商品取引所の取引の停止、我が国の経済のみならず、世界経済に重大な影響を与えるものであることから、個別の状況を総合的に勘案して政策的に判断されるべきものであるというふうに認識をいたしておりまして、具体的な基準を定めることが適切なもの、あるいは今先生もいろいろお触れになりましたように、内閣総理大臣は、金融商品取引法第百五十二条に基づき、金融商品取引所に対して、有価証券の売買もしくは市場デリバティブ取引の状況が公益または投資者保護のため有害であると認めるときには、取引の一部停止を命じることができる、こういう項目があるわけでございます。

 先生が今御質問になりました三・一一の東日本大震災の後でございますけれども、三月十三日日曜日でございますが、月曜日からマーケットがオープンしますが、金融庁の私の談話としまして、これは政界の一部にはクローズすべきだという御意見もお聞きいたしておりますけれども、円滑な経済活動を確保する観点から、通常どおり取引が行われること、金融庁は、災害発生に乗じた不適切な取引を防止するため、市場の厳格な監視を行うことを表明しました。

 また、三月十五日火曜日でございますけれども、東京証券取引所の社長から、重要な社会インフラの一つである東京証券取引所に対しては、売買の機会を提供し続けることが求められているものと考えている旨の公表がありました。

 こうした対応は、震災直後の株式市場の機能がきちんと維持されていることを内外に示す意味からも、我が国経済の状況に対するメッセージとしての役割を果たすということを私は自分で行政の長として判断させていただきまして、きちっとマーケットはあけさせていただいたということでございます。

茂木委員 大臣も御案内のとおり、九五年の阪神・淡路大震災、一月十七日のときは、大証の方は一日閉じております。そして、九・一一のテロのときは、ニューヨーク市場は四日間停止をしております。

 大臣の今のお話を伺っておりますと、問題なのは、結局、東証ではなくて政府の判断なんですよ。金融商品取引法の規定は、取引所がオペレーションできるかできないかとか、そこで不正があるかどうか、そういうことではなくて、公益または投資者保護に有害か否かが取引停止の判断基準、こういうことになっているわけであります。だれも市場が健全に機能することが悪いなんて考えている人はいないんですよ。

 問題は、震災が起こった、そして週末に、それが津波の問題もあり、原発事故もあり、そしてサプライチェーンの問題も出た、次の週から停電が起こる、こういうさまざまな事態の中で、恐らく月曜の朝になったら相当、日本、投資主体も混乱をするんじゃないか、こういった中で三月十四日月曜日の朝を迎えたわけでありまして、その時点で市場が健全に機能する状態だったか否かの判断ということになってくるわけであります。

 そうすると、三月十四日の朝、月曜日の朝、金融庁としては、市場が健全に機能する状態だった、こういうふうに判断しているということですか。

自見国務大臣 今、茂木先生の御質問でございますけれども、東証を初めとする各金融商品取引所においては、円滑な経済活動を確保する観点から、通常どおり取引を行うものと判断をしております。

 また、今先生から金融庁の判断の方が大事だという話がございましたけれども、東北六県、特に三県に、地震、千年に一遍と言われる津波、それから原子力発電所の事故がございましたが、金融機関は今もう先生御存じのようにコンピューターでございまして、大部分の金融の決済だとか、あるいは株式等々のコンピューターシステムが大きな被害を受けていないということも、私、たしかそういう報告も受けておりましたので、東証は、地震発生後、既に欧米主要市場で取引が行われていることに加え、東証のみの市場閉鎖や値幅を縮小しても海外市場では自由に取引が行われることなどを勘案して、格段の措置を講じずに売買することが適当だというふうに判断をいたしました。

 当庁といたしましては、市場動向を動揺することなく冷静に注視するとともに、災害の発生に乗じた不適切な取引、これは不適切な取引をこういうときにかまけてやる人がおりますから、それらはしっかり厳重に監視するということを私からも発表しまして、不適切な取引を防止するために、証券取引等監視委員会や証券取引所等の関係者とも連携して、市場の厳格な監視を行ってまいったわけでございます。

 私は、そういうときこそ、まさに非常時でございますから、非常時のきちっとした政治家の判断が要る、こう思いまして、本当にいろいろな情報を集めました。

 それから、後から、先生、計画停電がございましたけれども、あのときも、実は日本銀行のネットワークだとか、そういうところだけは例外規定にしていただきました。それから、この前、大手のメガバンクに行きましたけれども、大手のメガバンクの決済のところのコンピューター、そこのところは計画停電のらち外にしていただく、そんなことまで気を使わせていただきました。

 やはり金融機能というのは、こういうときだからこそ逆にきちっと機能させることが大事だ、こう思って、私は、公益に反することではない、むしろ公益に資するものだ、こう思ってやらせていただいたというふうに、自分の判断でございますけれども、そういうことで開かせていただいたわけでございます。

茂木委員 大臣が一生懸命お答えいただいているのはよくわかるんですけれども、申し上げているように、市場のオペレーションのことを聞いているわけじゃないんですよ。三月十四日の朝の時点で、市場が健全に機能するような状態だったかと。

 では、聞き方を変えます。三月十四日、十五日の二日間で、株価は千六百円以上下げています、一万円台から八千円台半ばまで行ったわけであります。では、この日本株式の暴落、二日で千六百円以上、これは市場の健全な判断だったと考えているんですか。

自見国務大臣 先生御存じのように、月曜日が六百三十三円下がりまして、火曜日は千十五円下がりましたので、今先生御指摘のとおり、千六百円下がりましたけれども、三日目はプラス四百八十八円に上がりましたので。

 私は、金融の方は、それは下がったり上がったりしますけれども、一喜一憂することなく、やはり断固たる決意でもってきちっとマーケットを開いていくことがこの場合は必要であるというふうに思って、結果としては、自画自賛的になりますが、マーケットをオープンしておいてよかったなというふうに後から思っておりますし、今でもそう思っております。

茂木委員 そうすると、十四日、十五日の二日間で相当な株価の下落がありまして、日本の投資家でも損が出た方がいらっしゃると思います。大臣はそれについても自画自賛をされるということなんですね。

自見国務大臣 自画自賛というほど、それほど私はのぼせ上がっておりませんけれども、震災以降の株式市場を振り返ると、震災後二営業日、三月の十五日には震災後最安値八千二百二十七円をつけましたが、それ以降は反発しまして、三月二十二日には九千六百八円まで回復し、その後おおむね、先生御存じのように、九千四百円から一万二百円の間で手がたく推移をしておるということを見ても、政治は結果というところもございますから。

 そういったことで、震災の後、それはもう当然私は乱高下があるということは覚悟をいたしておりましたけれども、やはりこういうことは、一喜一憂するのでなくて、少し長い目で市場というものは見ていく必要が責任者としてはある、こう思ってやったわけでございます。

 少し長い説明になりましたけれども、そういった意味では、私の判断は、それは乱高下しましたから、損をした方も、あるいは利益を上げられた方もいろいろおられると思いますけれども、市場を閉めなかったことは、結果として日本経済のためによかったものだろうというふうに私は今でも思っております。

茂木委員 若干議論がかみ合いませんが、またこの議論を続けさせていただくとしまして、若干財政再建のシナリオの議論をさせていただきたい、こういうふうに思います。

 今回の大震災、日本経済への影響がどうなっていくか。確かに、数年のタームで見ると復興需要というのが生まれてくるわけでありますが、短期的には、社会インフラであったりとか生産設備へのダメージ、電力供給の低下であったりとかサプライチェーンの分断、こういったことで、さらに企業マインド、そして消費マインドへの悪影響から相当なマイナスが当然出てきているわけであります。ことしの第一・四半期は年率にしてマイナス三・七%の大幅な落ち込み、恐らく第二・四半期も大幅なマイナスになるのではないかなと思います。税収、そして経済の方が大きく落ち込む、その一方で、今後の復旧復興対策によりまして、財政需要というのは大きく拡大をするわけであります。

 まず、震災対応につきましては、あらゆる手段を尽くして全力を挙げるのは当然のことでありますが、将来的な財政再建、このこともあわせて考えていかなければいけないんだと思っております。

 日本の長期債務残高、九五年の阪神・淡路大震災の際は対GDP比で八二%だったのが、現在は一八〇%を超える、こういうところまで来ております。

 そこで、今後の財政再建の見通しにつきまして議論を進めたいと思うんですが、配付資料の図の一をごらんいただきたいと思っております。これは、慶応大学の櫻川昌哉研究室の、消費税増税のシナリオと政府債務残高の予測をまとめたものであります。消費税増税を五%にするか一〇%にするか、引き上げ時期を二〇一一年からにするか二〇一四年からにするかで、ケースの1から3に分かれております。なお、ケース1の数字が、一番右側にあります骨太二〇〇九の予測と異なっておりますのは、骨太二〇〇九の作成時と比べまして、その後、財政状況が悪化しているためだと思います。

 今回の震災によりまして日本の財政状況はさらに悪化することが避けられないと思いますが、その点につきましてはまた後で議論するとしまして、まず、この表で注目したいのは、消費税五%の引き上げ、つまり、ケースの1と2でありますけれども、消費税の五%の引き上げでは、今後十年でプライマリーバランスを黒字化できないということであります。

 この点につきまして、内閣府も同じ認識なのか、認識が違うのか、もし認識が違うのでしたらどう違うのかを含めて、お答えください。

福山内閣官房副長官 茂木委員にお答えをさせていただきます。

 今回、社会保障・税一体改革の成案を得ることができました。この中身は、二〇一〇年代の半ばまでに段階的に消費税率を一〇%まで引き上げるということになっておりまして、社会保障の安定財源確保を図ることと二〇一五年度の段階で財政健全化目標の達成に向かうという両方を我々としては目指したわけです。

 ですから、この二つのことを同時達成していく一里塚が我々としては築かれることになったというふうに思っておりまして、二〇一五年以降も、二〇二〇年までの目標であるプライマリーバランスの黒字化に向け、さらに一層、取り組みを着実に行っていきたいというふうに思っておりますし、茂木委員から御指摘をいただいた件につきましては、今、内閣府で経済財政の中長期試算の検討作業を行っているところでございますが、いずれにせよ、委員がおっしゃられたように、財政健全化の目標というのは非常に重要でございますので、まずその一里塚が築かれたというふうに我々としては認識をしております。

茂木委員 先ほど来、私は明確に質問させていただいているつもりなんです。きちんとイエスかノーかも含めてお答えいただきたいなと思っております。

 では、今、六月三十日にまとめた社会保障と税の一体改革につきましてお話がありましたが、消費税を二〇一〇年代半ばまでに段階的に一〇%に引き上げる、この引き上げでプライマリーバランスは黒字化できますか、できませんか。単刀直入にお答えください。

福山内閣官房副長官 現状については、先ほど申し上げましたように、中長期試算の作業、検証を行っているところでございます。現状の財政状況を考えると、黒字化に向けて一層の努力が必要だというふうに認識しておりますが、まずは、この一〇%までの引き上げによって、我々は、社会保障の制度と財政健全化の道筋の一里塚を築いていきたい、そのように考えているところでございます。

茂木委員 できるのかできないのか、お聞きしているんです。お答えください。

福山内閣官房副長官 何度も申し上げますが、今検証中でございます。

茂木委員 ちゃんと答えてください。

野田国務大臣 今回の税と社会保障の一体改革の成案は、二〇一〇年代半ばまでにということで、社会保障のための安定財源確保と財政健全化同時達成という意味であります。

 委員の御指摘の、財政運営戦略の、最終的にプライマリーバランスが対GDPで黒字になる、二〇二〇年でございますので、見通しのレンジが少し違います。したがって、二〇一〇年代半ばまでに消費税を段階的に一〇%に上げていったとしても、それが二〇二〇年の目標に達するかどうかというと、これは直接連携はしていません。

 ということで、二〇一五年までにプライマリーバランスを対GDPで半減させるということは、これはきちっとレンジに入っていますので、あるいは中期財政フレームを通じてローリングをさせながら目標を達成していきたいと思います。

 二〇二〇年度に黒字化するまでにはさらなる歳入歳出の見直し作業というのが必要になってくるということでございますので、直接的にお答えするとするならば、今回の成案をもって二〇二〇年度黒字化ということは直結はしていないということでございます。

茂木委員 五%の引き上げでは政府の試算ではできないはずです。こういう計算なんだと思うんですよ。消費税を一〇%にする、それでプライマリーバランスの赤字がどこまで削減できるか。消費税一%で二・七兆円にしまして、五%で十三・五兆円、十三・五兆円掛ける五分の三で八・一兆円、二〇一五年度のプライマリーバランスの赤字が二十一兆七千億ですから、それから八・一兆引くと十三・六兆円ということになってくる、この十三・六兆円を二〇一〇年の赤字の三十・九兆と比較すると半減をするということなんですよ、やっていることは。

 そうすると、結局、削減努力をしても、消費税五%引き上げ、つまり一〇%では、プライマリーバランスは二〇二〇年になってもどういう政府の数値を使ってもできないんですよ。できないんだったらできないと、福山さん、しっかり言ったらいいじゃないですか。できるんだったらできるという根拠を示してください。

福山内閣官房副長官 先ほど私が申し上げたとおり、我々としては、今このことについての検証をしていることですし、二〇一五年までの道筋はつけました。その後、より一層の努力を積み重ねた上で二〇二〇年のプライマリーバランス黒字化に向けて努力をしていきたいということでございますので、我々としては、今最大限の努力を、まず二〇一五年の半ばまでのことをやっていきたいと考えております。

茂木委員 それでは、二〇一五年以降の話についてはまだ検討がされていないということなんですか。

福山内閣官房副長官 もちろん、我々としては検討しながら対応してまいりたいと考えております。

茂木委員 具体的な数字は出ておりますか。

福山内閣官房副長官 ですから、現状、検証しながら作業を進めているところでございます。

茂木委員 毎日新聞のことしの二月の二十日の朝刊にこういうふうに書かれております。よく聞いていてください、副長官。

  昨年五月上旬。東京都内のホテルの一室で、鳩山由紀夫首相、菅直人副総理兼財務相、平野博文官房長官(いずれも当時)は、配られたグラフを見つめ「うーん」とうめいたまま、言葉を失った。

  消費税を一四年から五年間、1毎年一%ずつ一〇%まで引き上げる2二%ずつ一五%まで引き上げる――の二ケースを想定し、内閣府が作成した「消費税増税シミュレーション」。

  国と地方の借金(長期債務)残高が国内総生産(GDP)比でどうなるかを示した折れ線グラフは、一五%のケースでも右上がりに反り返り、財政赤字の膨張が止まらないことを示していた。

  政府内で「公表すべきだ」との声もあった「増税シミュレーション」は、お蔵入りになった。

こういう記事であります。

 この内閣府の増税シミュレーションの資料、国会連絡室の方に要求をいたしましたが、まだ出してもらっておりません。都合の悪い資料だから提出できないというのでは審議を進めることができません。すぐお出しいただけますか。

福山内閣官房副長官 済みません。私は、その記事については承知をしておりませんが、事実かどうか精査をして、確認したいと思います。

茂木委員 連絡室の方にはもうお話ししてあります話なので、一たん速記をとめて、まずその資料を出してください。

石田委員長 茂木君、要求について。きのう、要求……

茂木委員 いや、きのうではありません。以前に要求させていただきまして、その資料をまだ出していただいていないので、これは国会連絡室の方にきちんと要求をさせていただいております。

石田委員長 内閣府にいつ要求されたんでしょうか。(発言する者あり)

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

石田委員長 それでは、速記を起こしてください。

 茂木委員に申し上げます。

 理事会で後刻協議をいたしますので、別の質問に移ってください。

茂木委員 ぜひ理事会で協議をしていただいて、やはりこういった資料は、私、この重要な法案の審議の上では必要だと思いますので、この審議期間中にぜひお出しをいただく、こういうことでお願いできればと思っております。

 それでは、次のテーマに入らせていただきたいと思います。

 国債の国内での消化率がどうなっていくか、それからその暴落リスクはどうなのかということでありますけれども、今回の震災の影響によりまして、企業マインドそれから消費マインドにマイナスの影響が出て、総需要は大幅に抑制をされるわけであります。一方で、電力不足や生産設備、サプライチェーンのダメージで、総供給の方も強く抑制をされる。

 今後の日本経済、こういった需要の低下によりますデフレ圧力と、供給の制約によりますインフレ圧力、政府として、どちらが強く働くと予想しているのか、お答えいただきたいと思います。そんなに厳しく追及しませんから、ここは。

野田国務大臣 一般論で言うと、国債の増発をし続けていけば、それがいわゆるインフレ圧力に高まる可能性、おそれはあるだろうというふうに思います。その一方で、デフレをめぐる状況については、委員御指摘のとおり、供給網の寸断という大きな事情があって、デフレをめぐる環境は少し変わってはきているというふうに思いますが、どちらも注意深く対応していかなければいけないというふうに考えております。

茂木委員 恐らく、今後のことを考えると、今までのデフレだけではなくて、インフレ圧力ということに対しても注意を払っていかなければならないということになってくると思います。さらに、復旧復興によりまして財政需要が拡大してくるわけでありますから、国債の価格であったりとか金利の動向も、今まで以上に注視をしていかなきゃならない。

 そこで、今後の国債価格、金利の変動について若干議論してみたいと思っております。

 日本の財政状況、御案内のとおり、国際的に見ても最悪の状態でありまして、昨年財政危機に陥ったギリシャと比べても、長期債務残高は対GDP比で日本の方が高い、こういう状況であります。

 図二が、ギリシャの財政危機の背景と国債価格の急落、これを一表にまとめたものでありまして、危機の背景として、二〇〇一年のユーロの導入以降、ギリシャでは財政赤字の拡大と債務残高の累積が起こった。そして、統計問題が発覚をいたしまして、これが一昨年、二〇〇九年の十月、前政権における統計上の不備を理由として、財政赤字の実績、見通しを大幅に下方修正する。それによりまして、ギリシャ国債の格付が、ムーディーズもS&Pもフィッチも、左下にありますように大幅に引き下げをされる。そして、ドイツ国債に対しますスプレッドが、右下にありますように大きく拡大をする。こういった形でギリシャの財政危機は進んだわけであります。

 もちろん、図三をごらんいただきますように、ギリシャ国債と日本国債、保有者の構成も大きく異なっておりますし、いろいろ違う要素も多くあるわけでありまして、一緒には議論できないと思っております。

 特に、現在の状況で余りオオカミが来ると言いたくないので、政府に、ギリシャ国債と日本国債の違い、明確に答弁をしていただきたい、こんなふうに思っておりますが、まず、ギリシャ国債の場合、図の三にありますように、七割以上が外国保有、これに対しまして、日本では海外保有はわずか五%でありまして、日本国債の場合、最大の保有者は銀行、生損保まで含めますと六割以上を金融機関が保有しているわけであります。

 そこで、ギリシャ国債と比べまして、国債から他の資産に切りかえるスイッチングコスト、日本の金融機関から見て、このスイッチングコスト、ギリシャの場合とどう違うか、金融担当大臣お答えください。

自見国務大臣 スイッチングコストについてという話でございますが、質問を事前にいただいておりませんのでちょっと調べさせていただきますが、いずれにしろ、先生お話しになりましたように、ギリシャの国債というのは非常に外国の消化が多い、その一方、日本の国債は外国は五%だということでございまして、ことしの金融界の決算にとりましても、国債の売買で利益が上がったというようなことでございます。

 そういった意味と、また個人の預金が先生もう御存じのように千三百兆とか千四百兆ある、そういったこともこれあり、それから経済の規模も非常にギリシャと日本と違いますので、そういったことを含めて、いろいろな視点から考える必要があるのではないかというふうに思っております。

茂木委員 ギリシャ国債と日本国債の違いについて、金融面も含めてお聞きするということでありますから、このスイッチングコストの話が出てくるというのは当然のことでありまして、全く今お答えになっていません。もう一度お答えください。とめてください、答えられないんだったら。

石田委員長 では、速記をとめてください。

    〔速記中止〕

石田委員長 速記を起こしてください。

 自見金融担当大臣。

自見国務大臣 茂木先生は御専門の知識が大変多いわけでございまして、スイッチングコストというと借りかえに要する費用だというふうに認識すれば、ギリシャの方は国債の信用がございませんから、やはり借りかえをするときにコストがかかる。日本の場合は、今さっき言いましたように国内で九五%消化している等々ございまして、借りかえのコストはギリシャほど高くないというふうに一般的に認識をいたしております。

茂木委員 スイッチングコストについて、借りかえのコストの話と、借りかえる代替の資産の話があると思います。その点につきまして、もう一回明確に答えてください。

自見国務大臣 茂木先生にお答えをいたしますが、日本の国債は日本の金融機関が大変たくさん持っているわけでございますから、それを代替するときになかなかほかにかわるものがないというようなこともございまして、代替するときのコストは日本の方がかかるというふうに認識をいたしております。

 ギリシャの場合は、先生の表では一五・一%でございますから、代替するときのコストは、ギリシャの方はほかに国債をいっぱい持っているところはございませんけれども、この表だと、日本の場合は銀行が四三・一%持っていますので、ほかに、かわる商品といいますか、かわる運用をする手段が余りないものですから、そういった意味では代替コストは日本の方がかかるのではないかというふうに思っております。

茂木委員 ちょっと違うと思うんです。一生懸命大塚副大臣が後ろで教えていたようなんですけれども、ユーロ圏のその担保価値、これがどうなっているかという話と、それから日本の国債の借りかえの場合の代替資産はどうなっていますか。

石田委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

石田委員長 速記を起こしてください。

 茂木君。

茂木委員 ギリシャ国債の場合、ユーロ圏の国債はすべて同様の担保として利用可能になるわけですね。そこで、ギリシャ国債がリスキーということになれば、安全性の高いドイツ国債にシフトをする、このことが簡単にできるわけであります。投資家にとって、ギリシャ国債の場合、そういった意味でスイッチングコストは金融機関にかかわらず低いわけであります。

 ところが、日本国債の六割を持っている日本の金融機関の場合、金融機関の負債の方もこれは当然円建てで持っているわけですよ。そうなりますと、それの見合いとして、円建ての資産を保有しなきゃならない。国債にかわるような、ボリュームもあって安全性の高い円建て資産が存在しないためにスイッチングコストが高くなる、こういう解釈だと思いますけれども、大臣、違いますか。

自見国務大臣 私の言葉足らずだったかと思いますけれども、茂木議員が言われたようなことを私は今さっきの答弁でも申し上げたつもりでございます。

 日本の国債は、ばんばん買っていますから、それを代替するときに、国債のように確実な、安全なといいますか、今は大変利益を生んでおりますけれども、ほかの運用手段がなかなかないというようなこともございまして、そういった意味では、日本の国債というのは、代替するときにやはりコストがかかる、先生もそう言われましたけれども、そういうふうに思っております。

茂木委員 質問の通告もしてありますし、それから図表も配ってありますから、金融庁の方で先に図の四と図の五をよく見ておいてください。どういう質問が出るかも図の四、図の五でわかると思いますから、よく見ておいてください。時間を食いたくありませんので。

 今、日本の金融機関は六割持っているということでありますけれども、中長期的に見ますと、日本の国債の国内消化率が低下いたしまして、外国保有比率が当然高まっていくと予測されるわけであります。

 図の四は、国債の海外保有比率を、消費税の引き上げがあるかないか、そして、企業の資金需要が低迷のままのシナリオ、回復するシナリオに分けてシミュレーションしたものでありますが、いずれのケースでも、今後十年で国債の海外保有比率は相当高まっていくわけであります。当然、日本国債に対しましては、現在よりも高い利回りが求められることになるわけであります。

 そこで、国債価格の低下と金利の上昇の影響について、まず、財務大臣の方にお伺いしたいと思います。

 ギリシャの財政危機では、長期金利が八%以上上昇しているわけであります。日本も今後、金利の引き上げ圧力が強まる。そこで、例えば、ギリシャの八分の一、金利一%の上昇で国債費は大体どこまで増加をするのか、お答えください。

野田国務大臣 例えば、二十四年度以降、金利が一%上昇する場合には、国債費で、二十四年度で一兆円、二十五年度で二・五兆円、たしか二十六年度で四・二兆円ふえるということになると思います。

茂木委員 そのような形になると思います。相当深刻な事態が出てくると考えております。

 それでは、次に、金融機関への影響についてお伺いをしたいと思います。

 金利一%の上昇で、金融機関の評価損、それから金利の利払いの増加、さらに融資への影響、貸し渋りが起こったりとかそういった融資への影響はどうなりますか。

自見国務大臣 先生から具体的な御質問でございますが、金融庁といたしましては、金融機関の検査監督をしておるわけでございますから、具体的にそういったことはそれぞれの民間銀行が経営者の責任においてやっているわけでございますから、そこら辺は明らかにしないことが、やはり金融大臣として必要だというふうに私は思っております。

茂木委員 日銀も試算を出しているんですよ、これについて。では、日銀が試算を出されているということはおかしいということですか。

自見国務大臣 日本銀行と金融庁とはそれぞれ役割が違うわけでございまして、そういった意味で、日本銀行さんが公表しておられるということはお聞きいたしておりますけれども、金融庁といたしましては、検査そして監督、場合によっては業務改善命令等々あるわけでございますから、やはり日本銀行と金融庁の金融機関に対する接し方、あり方、あるいは国民のニーズというのはおのおの違っているわけでございますから、私は、日本銀行が発表しても、金融庁というのはそういったことは公の席で明らかにしない、つまびらかにしないということが、行政の長としては正しい態度だろうというふうに思っております。

茂木委員 全くそんなことはありませんよ。今、財務大臣の方は、国債への影響は幾らという数字を、三年間で四・二兆とはっきり答えているんですよ。それで間違いないんですけれども、実際にどういう影響が出るか、そのことを想定しておかなかったら、金融行政なんかできないじゃないですか。

 想定していないんですか、全く。そんなことないと思いますよ。

自見国務大臣 金融庁といたしましては、常日ごろよりモニタリングデータの徴集やヒアリング等により、金融機関が抱えているリスクの把握に努めているところでございます。金利等の動向にも細心の注意をしておりますけれども、引き続き財務の健全性の確保に努めてまいりたいというふうに思っております。

 ごく一般論として申せば、金利が上がれば当然国債の価値が下がるわけでございます。私の記憶が正しければ、もし一%国債の金利が上がったら財政出動は一・六兆円ぐらいふえて、市町村税、県税とかにも国債は関係しますから、大体一%金利が上がれば一・八兆、財政出動が国全体、国と地方として上がる。そういった常識的な数字はぴしっと頭に入れておりますけれども、それぞれの金融機関が常日ごろ、いろいろ国債で、お預かりした預金、原則として預金を、先生御存じのように、今は預貸率がなかなか低うございますから、そのお金を一生懸命運用しているわけでございます。

 そういった意味で、いろいろな銀行、これはもうまさにそれぞれの銀行の経営者が最大の利益を上げるというかそういったことでやっておられるわけでございますから、財務全体の健全性の確保には努めていく必要がございますが、金利の動向にも当然注意を払いますけれども、一般論として申せばそういったことで、どうだこうだということは、この席で言うのは私は行政の長としてはふさわしくないんじゃないかなというふうに思っております。

茂木委員 個々の銀行についてどういう影響が出るという話じゃなくて、日本の金融機関全体としてどういう影響が出るか。当然、私は、その数字はつかんでいらして、その数字を出したからといって問題が起こるということではない、厳然たる事実なんですから、そんなふうに思います。

 そういった中で、私、特に地銀への影響が極めて大きい、そんなふうに思っておりますけれども、質問をよく聞いていてください、新BIS規制、バーゼル2との関係ではどういう懸念が出てきますか。

自見国務大臣 バーゼル2、もう今はバーゼル3でございますが、当然、日本から日本銀行総裁と日ごろは金融庁長官がG7、G20に行っておりますが、実は、国際的にこのことは発表してもらったら困るというようなことは非常に多くございまして、そういった意味で、やはり当然、金融機関でございますから、行政機関が知り得た情報も国民には言えないということが、マーケットへの影響がございますので、この場では詳細な数字を申し上げることは控えさせていただきたいというふうに思っております。

 それが、大体、世界の金融界の、行政権力がマーケットに対してこうだああだと言うのは、やはりそこは非常に保守的であるべきだというふうに私は思っております。また、今、世界の金融監督者はそういう傾向にあるというふうに私は認識いたしております。

茂木委員 質問の意味を大臣は全くおわかりいただいていないようなので、私の方から基本的な部分をまず説明させていただいて、改めて質問させていただきたい、そういうふうに思います。

 図の五をごらんください。図の五は日銀の金融システムレポートからとったものですけれども、レポートによりますと、金利変動の幅が、パラレルシフト、平行移動で一〇〇ベーシスポイント、つまり一%上昇すると想定した場合、大手行と地銀に分けて見てみますと、自己資本の増強を急速に進めた大手行では、ティア1対比のリスク量は過去十年の平均的な水準にとどまっております。これに対しまして、地銀では、ティア1の三分の一がリスクにさらされることになるわけであります。債権だけに限っても、変動価格リスクはここ数年大きく高まっておりまして、地銀の平均でも二〇%近い水準になってきていると思います。

 大臣、バーゼル2では、自己資本に対し金利リスク二〇%以上が問題ありの水準となっている。具体的な数字が出ているんですよ。問題じゃないですか。

自見国務大臣 茂木先生よく御存じのように、バーゼル2、今はバーゼル3となりまして、これはアメリカにおけるリーマン・ブラザーズのショックがございまして、銀行は自己資本が多ければ多いほど、安定している、しかしながら、自己資本を積めば積むほど、ある意味で貸し渋り、貸しはがしが起こるわけですから、全体的な経済が萎縮をする。

 そのバランスの上で、日本国は今度はバーゼル3に合意しましたけれども、十数年前に金融危機がございまして、少し余談にはなりますけれども、私の北九州市でも、大きな百貨店が二つ、実は瑕疵担保条項で倒産をいたしまして、本当に、金融機関が持っている健全性、それと同時に自己資本の積み増し、それから、やはり貸しはがし、貸し渋りということがいかに恐ろしいかということは、私ども政治家として実感させていただいたわけでございます。

 そういった意味で、バーゼル2においては、いわゆるアウトライヤー基準により金利変動リスクを適切にモニタリングすることとされておりまして、ただし、当該基準に抵触したものとして、金融機関に直ちに自己資本の積み立てを求めるものとはなっていない。したがって、アウトライヤー基準は、金融機関の国債保有を直接的に妨げることを目的としたものではなく、金融機関に対して、金利リスクの適切な管理を促すことを通じて、財務の健全性確保に資するための基準であることを御理解いただきたい。

 アウトライヤー基準というのは、先生御存じのように、早期警戒制度のもとで、金利変動に関する標準的な仮定、標準的な金利ショックによって計算される資産、負債のネットの経済価値の変動額が金融機関の自己資本比率、これはティア1プラスティア2でございますけれども、二〇%を超えているか否かを適切にモニタリングするための基準だというふうに理解をいたしております。

茂木委員 答弁の中で、まず混乱している部分があると思うんですけれども、結局、アウトライヤー基準の前に、このティア1でいいまして二〇%以上がもうリスクにさらされている、この図表にありますように。そして、新BIS規制の金利変動幅、この試算は、今申し上げた日銀の一%ではなくて二%なんですよ。そうすると大きな問題があるんじゃないですか。その点をまず一点聞いています。

 それから、ではアウトライヤー基準、もう一回具体的に説明してください。その上で質問させてもらいますから。

 前半の部分と後半の部分。ちなみにとかいうことは結構ですから、質問にきちんと、その質問に答えられないことに対して、わざわざ補足説明までして質問させていただいているんですから、きちんと答えてください。

自見国務大臣 バーゼル2においては、いわゆるアウトライヤー基準により金利変動リスクを適切にモニタリングすることとされております。ただし、当該基準に抵触したとしても、金融機関に直ちに自己資本の積み立てを求めるものとはなっておりません。したがって、アウトライヤー基準は金融機関の国債保有を直接的に妨げることを目的としたものではなく、金融機関に対して、金利リスクの適切な管理を促すことを通じて、財務の健全性確保に資するための基準であることと御理解をいただきたいというふうに思っております。

茂木委員 どうも後ろから渡されたペーパーをそのままお読みになっているようなので。

 要するに、二つの基準があるわけですね。そこの中のティア1対比で見たときに、債権だけに限っても二〇%なんですよ。その基準は多くの地銀が超える可能性がある。だから、もう一つの基準の方のアウトライヤー基準、これを使っている地銀が多いということなんでしょう。具体的に、過去五年の期間で見た金利ショックで、九九%カバーする、こういう基準で大半の日本の地銀はBIS規制上やっておりますという話をされたいんだと思うんですよ。

 では、そのアウトライヤー基準で見たときに、日本の地銀でこれをオーバーしてしまう、そういうところが一割あると思うんですが、いかがですか。

自見国務大臣 今、先生から御説明がございましたように、実際にアウトライヤー基準をどれくらいの銀行が超過しているかという話でございますが、個別の、監督上の実務に関することでございまして、その言及が全体の市場に与える影響が懸念されますので、御質問でございますけれども、私の方からは言及を差し控えさせていただきたいと思っております。

茂木委員 個別の銀行でどこどこの銀行は超えているかなんて話はしておりません。そして、この公債特例法にも極めてかかわってくる問題なんですよ、金融機関の国債保有の話ですから。そのことについてお答えできないということだったら、質問もできません。

自見国務大臣 先生、日本の地方銀行、まさに金利の変動がございますが、それで、どれくらいアウトライヤー基準を超過しているかということについては、やはり地銀全体の健全性に関することでございますから、その言及はまさに金融検査的にいろいろ影響を与えますので、銀行そのもの、金融そのものに影響を与える懸念がありますので、先生の大変鋭い御指摘でございますけれども、私からは言及ができないということを申し上げておきたい。ぜひ御理解をいただきたいと思っております。

茂木委員 全く答えになっていません。

 私は、個別の銀行について申し上げているわけじゃないんです。そして、金融機関が明らかに、先ほど見ていただいたように、国債を保有している。これが適正かどうかというのは、やはり国として考えていかなくちゃならない問題なんですよ。

 では、もう少しざっくりと聞きますね。ざっくりと質問させてもらいますよ。

 銀行は、この十年間で国債の保有額を倍以上にふやしているんです。大臣は、これでも日本の金融機関の国債の保有水準は適正だと考えているか。

 先ほどティア1の話もしました。そしてアウトライヤー基準の話もしました。私の言った、例えば一割を超えている、二割を超えているというのは、もし違っているのなら否定してください。適正だというなら、適正だという具体的な根拠を示してください。

自見国務大臣 もう先生御存じのように、五年前に郵政民営化の法案がございました。当時、二百七十兆円ほど郵便貯金がございまして、これは制度上でございますが、資金運用部に昔は行きまして、国債の運用というのが非常に大事な運用でございまして、官のお金が国債にばかり流れて民に流れない、そういったことも私はあの郵政改革のときの大きな理由であったと思います。

 しかし、現在、現実には、先生が言われましたように、たしか九十兆円ほど郵貯資金は減っておりまして、その分ほとんど民間金融機関に吸収されました。そして、民間銀行が、不況ということもございますし、投資してもなかなか利益が上がらないということで、実際、今先生が言われたように、一般論として申し上げれば非常に国債の保有率が高まっております。

 そういったことで、やはりそれは、当然、銀行によって国債の保有率が個々に違いますけれども、それでどうだこうだということは、やはりきちっと民間経営者が判断することでございますから、個別の銀行のいろいろな経営者のポリシーにも関することでございますから、私からこういう席で申し上げるのは適当でない、大変恐縮でございますが、そういうふうに思わせていただいております。

茂木委員 大臣、よろしいですか。金融庁は、日本の金融機関の検査監督をやっているわけであります。そうなると、その日本の金融機関が持っている国債の水準が適正であるかどうか、個々の銀行ではなくて全体として、それについて金融庁が判断して当然じゃないですか。その判断がどうなんですかということを聞いているんですよ。

自見国務大臣 お言葉を返すようでございますけれども、個々の金融機関の検査監督はきちっと行っておりまして、これは責任でもございます。ポートフォリオでいろいろな資産を運用されるわけでございますけれども、リスクの問題もいろいろございますけれども、そこら辺を含めてきちっと検査をやっていただいているというふうに私は確信をいたしております。

茂木委員 これを続けていましてもなかなか議論は深まりませんので、残念なんですけれども、時間の関係もありますので、次の議論に入っていきたいと思います。

 中期財政フレームについてお聞きしたいと思うんです。

 日本の国債、これだけ潜在的リスクがあるのに顕在化しないのは、まだ日本に財政再建の余力がある、こういうふうにマーケットが見ているからなんだと思います。しかし、このまま赤字の垂れ流しだけ続けて政府が財政再建の意思を示さなければ、マーケットの信頼というのも早晩揺らいでくるんだと思います。日本の国債、暴落が起きるのか、これはマーケットの見方次第。先ほど申し上げたように、今は市場がすぐには起きないと考えているから起きていないだけで、市場が起きると考えた瞬間に暴落が始まるわけであります。

 ですから、自民党としても、今後の財政再建に政府と国会が責任を持って取り組むための財政健全化責任法、これをこの国会に提出させていただきました。また、平成二十三年度の予算案の審議には、図六にありますように、ばらまき政策の見直し、これで、図六の左下で、大体二・七兆円になると思いますけれども、さらには予算の組み替えで三・一兆円の歳出削減、そして一・八兆円の国債発行の減額、こういったことを我が党として求めてきたわけであります。

 そこで、今後の国債発行に対する政府の考え方を伺いたいと思うんです。

 この夏には中期財政フレームの改定をすることになると思うんですけれども、大筋で、国債費などを除く基礎的な財政収支対象経費、これをおおむね七十一兆円以下、新規国債発行額を四十四兆円以下とするこれまでの枠組みを堅持する方針、こういうことでよろしいですか。

野田国務大臣 中期財政フレームについては、毎年年央に改定をするということになっています。ことしの場合は、税と社会保障の一体改革であるとか、あるいは震災の復興財源の話等々を踏まえた中で、速やかにこの議論を始めさせていただきたいというふうに思います。

 その中期財政フレームの中身については、歳出の大枠をどうするのか、あるいは国債発行額をどうするのか、これから議論でございますけれども、少なくとも二〇一五年に、基礎的財政収支、対GDP比半減ができるための、そういう枠をつくっていきたいというふうに考えております。

茂木委員 この中期財政フレーム、財政健全化目標の達成に資するための毎年度の予算編成のフレーム、こういう位置づけだと思いますが、そこで言います毎年度の予算編成、これは当初予算のことを指すのか、それとも、補正予算も含めた年間予算の枠組みということでお考えなんですか。

野田国務大臣 基本的には当初予算でございます。補正予算というのは、例えば災害が発生したり、経済対策を急遽打たなければいけないというちょっと予想ができない中でありますので、基本的には当初予算を念頭に置いております。

茂木委員 当初予算ということになりますと、補正では幾らでも国債は発行できる、そういうことになってきて、四十四兆になるか幾らになるかわかりませんけれども、その枠自体の意味がなくなるじゃないですか。さらに言いますと、この特例公債法が通ったら赤字国債を幾らでも出せる、こういうことになってきちゃうんじゃないですか。

野田国務大臣 なぜ当初かというのはさっき申し上げたとおりで、補正予算というのは、これは経済情勢の急変であるとか災害対策ですから、最初から歳出の大枠という形で枠組みの中に入れることができないということです。ただし、しり抜けをしないように、決算ベースでは財政運営戦略に沿って補正も含めて対応するということでございます。

茂木委員 そうなりますと、本年度はどうなっているかということで、平成二十三年度当初予算では特例公債金が三十八兆二千八十億円、一次補正で一兆二千二百億円減額をいたしまして三十六兆九千八百八十億円、こういう発行になっていると思います、現状におきまして。

 今後、本格的な三次補正の編成ということも検討されているようでありまして、特例公債を含めまして新規国債の発行額、本年度、四十四兆円を大幅に上回ることはあるんですか。

野田国務大臣 現状では、特例公債は三十七兆です。御指摘のとおりでございまして、当初、四十四兆円国債発行という枠で、二十三年度、編成させていただきました。その後、第一次補正、第二次補正、皆様の御協力をいただいて成立をさせていただきましたけれども、これらについては新たな国債の発行をしておりません。

 第三次補正予算については、これは、復興基本法で各党で賛同していただいた八条、こういう考え方がベースになりますので、復興国債を発行するということは、これは一般の国債とは別管理で対応していくということでございますので、現状においては、当初の国債の発行枠の中でおさめながら対応させていただいております。

茂木委員 復興債を別にしますと、現状、四十四兆の枠内でおさまるというお話だと思いますけれども、このことにつきましてはまた後で若干議論させていただきたいと思っております。

 そこで、今後の追加の対策の財源構成について若干議論に入っていきたいと思うんです。

 まず、民主党のマニフェストにつきまして、岡田幹事長であったりとか枝野官房長官が、政策の必要性と実現の見通しについて検討が不十分だった、見通しの甘さを国民に率直におわびしたい、こういうふうに謝罪をしています。特に財源確保の面での見通しの甘さは、私は明らかだと思います。

 最終的には十六・八兆円の財源を捻出する。これが、無駄の削減につきましても、平成二十二年度は二・三兆円だったのが、平成二十三年度は追加は〇・四兆円、事業仕分けも、二十二年度は六千億が、二十三年度は三千億と半減をしております。埋蔵金の確保、これも毎年四・三兆円、こういうマニフェストだったと思いますが、一兆円から一・二兆円が限界、現状ではそうなっていると思います。恐らく来年度以降も、財源確保、最大でいっても私は四兆円程度が限界だと思います。

 この財源確保も含めまして、マニフェストについて、野田財務大臣、現時点でどのようにお考えになっていらっしゃるか、お答えください。

野田国務大臣 マニフェスト、よくばらまき四Kという御指摘をいただきますけれども、それぞれ子ども手当であるとか高等学校の無償化であるとか、私どもにとっては、見解の相違はあるかもしれませんけれども、政策目的があって、そしてそれを国民にお約束して、安定した財源を確保しながら着実に実行しようという取り組みをさせていただきました。

 その財源確保については、その進捗等でいろいろと御指摘をいただいていることは事実でございますけれども、あの震災が起こって政策の優先順位も変わる中で、その中で、今も子ども手当等については政党間の協議がございますけれども、そういう協議をさせていただきながら、復旧復興の財源にさせていただく等々の取り組みをこれからもさせていただきたいというふうに考えております。

茂木委員 岡田幹事長や枝野官房長官は、マニフェストをつくる時点での見通しが甘かったと。そこの中には、当然、歳出削減をすれば幾らでも財源は出てくる、こういう話も入ってくると思うんですが、その点については野田財務大臣は同じお考えですか、考えが違いますか。

野田国務大臣 平成二十一年度の補正、そして二十二年度予算、二十三年度と、今まで六回予算編成にかかわってまいりました。現実、無駄遣いのチェックは総力を挙げてやってきたつもりでございますし、その組み替えの努力もしてきたつもりでございますが、大変厳しい状況であったということであります。それは、当初野党のころに見通したこととは状況が大きく変わってきたということもありますけれども、その意味では率直におわびをしなければいけない。見通しの点については、我々の見通しどおりではなかったということは認めざるを得ないというふうに思います。

茂木委員 もちろん、無駄の削減等々はこれからも常に続けていかなくちゃいけない課題だ、そういうふうに思っていますけれども、過度に期待を持たせる、このことはやはり私はよくないんだと思っております。

 大臣の答弁を聞きますと、今後は、無駄の削減であったり予算の組み替え、そして埋蔵金の確保といった幻の打ち出の小づちは具体的根拠なしに振り回さない、こういうことでよろしいですか。

野田国務大臣 国民とお約束したことは理想です。それを現実に落としていくという作業が政権交代の意義だったというふうに思います。その上で、財源確保については、理想を追求する上で幻想になってはいけないということを踏まえて、しっかり現実的な対応をしていかなければいけないと思っています。

茂木委員 具体的にマニフェストの項目について幾つか見ていきたいと思っておりますけれども、まず厚生労働省からいきたいと思います。

 ばらまき四Kの中で子ども手当の問題点について改めて指摘をさせていただきたい、こういうふうに思います。

 図七をごらんください。これは子ども手当の使い道に関するアンケート調査の結果であります。左側が内閣府が一昨年の十一月に行った調査で、子ども手当の半分近くが貯蓄に回り、一方で子育て関連の支出は四割に満たない。また、右側はまさに厚生労働省が昨年の九月、子ども手当の導入後に行った調査でありまして、消費に回るのはわずか三五%、子育て関連の支出は二割を切っているという形であります。

 大塚副大臣は菅さん以上に消費性向とかをよく御存じの方だ、私はそう思っておりますけれども、この調査結果を見る限り、平成二十三年度の当初で二・九兆円計上しました子ども手当、極めて大きな財源を必要とする割には、子育ての支援にも消費の拡大にもつながらない、こういう調査結果だと思います。まさにばらまき政策そのものだと私は考えておりますが、厚生労働省としての見解をお聞きしたいと思います。

 そして、もしそうでないというのでしたら、自分たちが行ったアンケート以上に説得力のあるデータをお示しください。

大塚副大臣 まず、先ほど野田大臣もおっしゃいましたように、私どもは子ども手当の政策の方向性や理念そのものは間違ってはいないと考えておりますということは冒頭付言をさせていただきたいと思います。

 その上で、先生が御提示いただいた図七の厚生労働省の円グラフの四八・五%の貯蓄・保険料でございますが、これは厚生労働省のアンケート調査のより詳細な項目がございまして、先生も多分ごらんになっていただいていると思いますが、この貯蓄・保険料のうち四一・六、つまり四八・五のうちの四一・六は子供の将来のための貯蓄・保険料というところに対する回答であります。ただ、経済的にいえば、目の前の短期的な消費につながるかという観点でいえば、消費につながらないわけでありますので、貯蓄・保険料が、このうちの九割近くが子供のためとはいっても、短期的な消費につながっていないのは事実でございます。

 ただ、なぜ家計がそういう行動パターンになるかといえば、それは社会保障を含めた将来不安等が背景にあると思いますので、私どもといたしましては、子供の将来のための貯蓄、保険に使いたいという四一・六という数字が、将来は、政府がしっかり、あるいは国会がしっかり対応してくれているので今子供に必要なものに消費をしたいというアンケート結果に来年、再来年とどんどん変わっていくように努力をしなければいけないというふうに思っております。

茂木委員 少なくとも短期的な消費にはつながらない。子育ての支援策、財源が幾らでもあれば、私もやることについては反対じゃありませんけれども、これだけ厳しい財政状況の中で見直しは必要だ、こんなふうに考えておりまして、我々はやはりかなりなレベルの所得制限が必要だと思っております。

 今、三党間で協議もされているところでありますけれども、本来だったらば、従来の児童手当に戻す、こういうことをやりますと、補正後の二・七兆円からでも国庫負担は一・六兆円減額ができるわけであります。小学校修了時までを中学校修了時にしましても、月額一万円で、所得制限七百八十万、サラリーマン世帯で八百六十万を設けましても九千億近い削減というのができる。私は、この財政状況を考えたら、これぐらいのレベルの所得制限というのは必要なのではないかなと思っております。

 三党間の協議は協議といたしまして、ここはまさに政府に対する質疑でありますから、厚生労働省としてのお考えをお聞かせください。

大塚副大臣 お答え申し上げます。

 厚生労働省といたしましては、当初お示しをした子ども手当のフレームが適正だという考えでお示しをしているわけでございますので、所得制限はその時点ではついていなかったということを御理解いただきたいと思います。

 ただし、国権の最高機関たる国会での御議論が我が国としての最終決定でなければならないと私は思っておりますので、与野党間で今真摯な御議論が行われていることを見守らせていただきまして、その結論に従うべきが厚生労働省の務めだと思っております。

茂木委員 次に、文部科学省の方にお聞きをしたいと思うんですけれども、子ども手当は、与野党間の合意がなされますと恐らく所得制限がつく、こういうことになってくるんだと思います。

 同じ民主党の家計の直接支援策、高校の授業料無償化についても、この非常事態に当たりまして高額所得者に我慢をしてもらう、所得制限を設けるべきだと思いますけれども、いかがですか。

笹木副大臣 今、御質問がありました高校無償化についての所得制限ということですが、これは恒久法として成立して、都道府県等によっては条例で措置もされている、すべての生徒、親がそれを前提に進路決定や生活の設計を行っているわけです。基本的に、この高校の無償化について、これは全国民が、そして全生徒が受けられるものとして確保していることに意味がある、そう考えております。

 所得制限を設けるつもりは、現時点のところではございません。

茂木委員 三・一一以降、やはり私は、日本の状況というのは一変しているんだと思うんですよ。既にスタートした制度だから続けますということではなくて、見直しが必要なものは見直していかなければいけない、こんなふうに考えます。

 財務大臣、こんな形でいいんですか。復興構想会議では、復興財源として、基幹税を中心とした増税の検討を速やかに行い、具体的に措置すべき、こういうふうに提案をされている。集中復興期間に想定される追加の復興対策十三兆円の財源について、ばらまき政策の切り込み、結局二・四兆円ぐらいで終わっちゃう、そして残り十兆円以上は増税に頼らざるを得ない。そして、今の答弁を聞いても、もう始まっている制度だから、これは各省庁が続けます、こういうことで本当に財務省としていいと思いますか。

野田国務大臣 今、復興の基本方針に基づいての財源についてお尋ねがございましたけれども、復興の集中期間五年間で十三兆円程度というか、その規模の事業が必要だということは数字のとおりです。

 その間の財源的な裏づけについては、歳出の削減、あるいは特会、公務員人件費の見直しであるとか国有財産の売却であるとか等々、さまざまな取り組みをさせていただく中で、臨時の税制措置については、まさに、当然これから政府税調で議論させていただきます。今党内においても歳出削減のためのチームをつくっていただいたというふうに聞いておりますので、そうした協議等を踏まえながら対応させていただきたいというふうに思っております。

 その歳出削減の中については、今議論していただいている子ども手当等々のテーマも入ってまいります。

茂木委員 時間の関係で先に進んでいきたいと思うんですけれども、日本経済の現状、震災後どうなっているか。確かにサプライチェーンの回復、民間の企業努力もありまして、相当、予想以上のペースで進んできておりますけれども、図の八をごらんください、図の八の左側にあるように、企業の業況判断、極めて厳しい状況が続いております。

 この点、政府は、震災後の日本経済の現状、そして今後の見通しをどう見ていらっしゃるのか。二〇〇八年のリーマン・ショックの当時と比べてみて、より深刻な状況かどうかも含めて御答弁ください。

福山内閣官房副長官 今、茂木委員御指摘のとおりでございまして、政府といたしましては、景気は東日本大震災の影響により依然として厳しい状況にある中で、若干このところ上向きの動きが見られるというふうに判断をしております。

 先生御指摘のように、サプライチェーンの立て直しは予想以上の速いスピードで、それぞれの企業の皆さんに御健闘いただいているというふうに思っておりますし、それに伴って生産活動も回復をしております。また、海外経済は若干不確定な問題もありますけれども、緩やかな回復もあり、そういったものを背景に、復興需要も含め、今後景気が持ち直していくというふうに考えております。

 リーマン・ショック後との比較というのは、どのような形でするのが適切かという課題はありますが、我々としては、リーマン・ショック後の大きな落ち込みを回避するべく、今後もしっかりと経済については注視しながら対応していきたいというふうに考えております。

茂木委員 図の八の左側を見ていただきますと、確かに業種によってばらつきがありますけれども、一番下にありますように、中小企業の状況は極めて厳しい状況でありまして、資金繰りは深刻な問題だととらえております。

 一次補正では五千百億、事業規模では大体十兆円の中小企業の資金繰り対策を行いましたけれども、リーマン・ショックのときは合計で三十兆やっております。恐らく今回の震災の影響は中小企業にとってはリーマン・ショック以上に厳しいということを考えた場合に、この十兆の枠ではもう半年ももたないんじゃないか、こういう懸念もありまして、七月十九日の予算委員会で海江田経済産業大臣に私は質問をさせていただきました。

 海江田大臣の答弁はこうでした。平成二十三年度の一次補正での中小企業資金繰りの支援策の十兆円、これは数字を間違えて九兆円と言っていましたけれども、細かい話ですからそれはともかくとしまして、この十兆円というのはあくまでも被災三県の手当て、全体のお金は三十兆円ぐらい、こういうふうに海江田経済産業大臣はお答えになっています。

 ところが、実際には、一次補正の中小企業の資金繰り支援策は被災三県の中小企業に限定した対策にはなっていないと思いますが、いかがでしょうか。また、海江田大臣の答弁で、あたかもこの十兆以外に二十兆ないし三十兆の保証であったり融資の枠があるように言っていますけれども、現実にその枠は存在するんでしょうか。経済産業省、お願いします。

池田副大臣 お答えをいたします。

 この震災対応の資金繰り支援策の対象は、もちろん被災地の中小企業が中心となるものですが、風評被害等、被災地外の中小企業も利用可能な制度となっております。

 そしてまた、委員がお尋ねのリーマン・ショックとの対比でございますが、我々は、この十兆円の事業規模については、当面、本年度の上半期分として計上したものであります。先般決定された東日本大震災からの復興の基本方針においても、資金繰り支援について十分な規模を確保するということとなっております。これは三次補正で措置することが検討されるものと思っております。

茂木委員 しっかり答えてください。一次補正で措置された五千百億円の中小企業支援策は、制度的にどこを見ても被災地中心なんてことになっていません。根拠を教えてください。勝手に、恣意的にやるということですか、法律とは別に。

池田副大臣 今、包括的に説明したわけでございまして、被災地向けのものであるというのではなくて、被災地以外の中小企業も利用可能であり、先生お尋ねのとおり、そこに限定して何かやるというものではなくて、この条件に合ったものについてはすべて適用するという考えであります。

茂木委員 被災地に限定しないで、中小企業の資金繰りに関連して、この制度に適合するものについては適用する、こういう枠ということでよろしいんですか。

池田副大臣 状況をいえば切りがありませんけれども、被災地が中心であることは事実でありますが、今委員が最後におっしゃったとおり、これはそこに限定したものではございません。

茂木委員 被災地三県に限定したものではないと。結果的に被災地三県の中小企業が多くなるということはあるんだと思います。ただ、少なくとも、被災地三県のための手当てだ、こういう海江田大臣の答弁は間違っているということになります。大臣答弁が間違っているんですから、訂正をお願いいたします。

池田副大臣 なかなか厳しい質問でありますが、先月十九日の茂木委員に対する大臣の答弁は、今般の支援策はあくまで震災への対応であって、リーマン・ショック時の対応とは性質が異なることを強調したものと理解をしております。

茂木委員 副大臣が理解する、理解しないではなくて、答弁に書いてあることが間違っております。そして、副大臣がお答えになったことの方が私は正しいと思います。大臣答弁が間違っているんですから、別に混乱させるつもりはありません、制度上間違ったことを言ったというのなら、きちんと訂正をされればいいだけなんですよ。それ以上、別に何ということはありませんから。

 間違ったメッセージを国民に与えるということはおかしいと思います。訂正していただけますか。

池田副大臣 海江田大臣の答弁を中心に、この論議についてしっかりと精査した上でお答えをしたいと思います。

茂木委員 言っている意味がわかりません。もう一度答えてください。海江田大臣の答弁を中心に、どういう意味だか全くわかりません。

池田副大臣 被災地向けであるという趣旨の海江田大臣の答弁については、そのものをしっかりと精査したいと思います。

茂木委員 間違っているんですから、訂正するということでよろしいじゃないですか。間違った答弁をしているわけですから、訂正をされると経済産業省としてはっきりされればいいだけじゃないですか。

池田副大臣 茂木委員の質問の趣旨は理解はできます。速記録等を見ればそうでございますが、その辺のことも含めて、大臣と話をして、しかるべく対応したいと思いますので、ぜひ、ちょっと時間をかしていただきたいと思います。

茂木委員 この委員会の採決前には必ず結論を出していただきたいと思いますが、よろしいですか。

石田委員長 その点については、理事会で協議をさせていただきたいと存じます。

茂木委員 先ほど副大臣、三次補正、中小企業の資金繰り対策について言及をされたわけであります。その額につきまして、巷間二・五兆円とも言われております。額についてはまだ固まっていないかもしれませんが、現時点で、予算額それから事業規模、経済産業省として、三次補正について、この中小企業の支援策をどれくらい想定されているか、お伺いしたいと思います。

 そして、政府として、その財源を何に求めるのかも含めて、お答えください。

池田副大臣 委員がリーマン・ショックと対比して、リーマン・ショックの場合は一次と二次合わせて大体九兆プラス二十兆ですか、それで、今の段階では、一次補正で十兆、そして、さっき申し上げたように、三次補正では当然この上積みがテーマになるということでございます。三次補正で具体的にどうするか等はまだ全く決まっておりません。ただ、当然三次補正のテーマになるであろうということは、私もそういうふうに認識をしております。

 今、そういう状態でございますので、今後の状況ですが、少なくともリーマン・ショックの状況を参考にといいますか、ちょっと様相が違うんですが、額は相当な規模の事業規模になるのではないかと判断をしております。

茂木委員 恐らく、確定はしていないけれども、経済産業省としては三次補正に大規模なものを盛り込みたい、私はその方針で結構なんだと思います。

 そこで、その財源をどこに求めるのか。財務省、お答えください。

野田国務大臣 東日本大震災からの復興の基本方針の中で、委員御指摘の中小企業の資金繰り支援策については、十分な規模を確保することと盛り込まれております。その規模と財源については、これは関係者とよく協議をさせていただきたいというふうに思います。

茂木委員 恐らく財源については、先ほどもお約束いただいたように、具体的な根拠はなしにまた歳出削減だ、こういう話にはならないんだと思うんですよ。そうなりますと、これは特例公債でやるか、復興債でやるか、どちらかなんだと思います。どちらでおやりになるんですか。

野田国務大臣 その詰めは、まさにこれから考えさせていただきたいというふうに思います。

茂木委員 今の時点でそういった財源についても全くこれからの検討ということでは、私は済まないんだと思うんですよね。

 そうなりますと、この復興債と特例公債、三次補正での切り分けというのは基本的にどういう考え方なんですか。

野田国務大臣 まさに、三次補正、これから基本方針を踏まえて議論をさせていただきますけれども、かさについては、大体十三兆円という規模がこれからの集中的な取り組み期間の五年間で、そのうち三次補正でどれぐらいの規模で何をやるのか、当然のことながら、年度内の執行を念頭に置いた予算ということです。それ以降の新年度の予算においても、来年度の予算についても、復興に向けた予算は当然入ってくるかと思います。そういうことの切り分けをどうするかという議論をしながら財源の話の具体論に入っていくというふうに思います。

茂木委員 ちょっと、この部分、もう少し議論した上で深めていきたいと思っているところであります。

 そうしましたら、公共事業の関係についてお伺いしたい、そんなふうに思うところであります。国土交通省ですね。

 全国の公共事業を一律五%カットしまして被災地に予算を回す、こういう政府方針があるわけでありますけれども、財務省のシナリオどおりだな、こんなふうに思うんです。今回の震災というのは、先ほど見てもらいましたけれども、被災三県ではなくて全国でさまざまな影響が出ている、こういう点に対して目配りができていないな、日本経済はこれではいつになっても回復しないと私は思っておりまして、被災地の対策も全国の対策も中途半端になる、こんなふうに思います。

 直ちに公共事業の全国一律五%カット、凍結を解除すべきだ、こういうふうに思いますが、いかがですか。

池口副大臣 お答えをいたします。

 この公共事業の五%執行留保につきましては、四月一日の閣議におきまして、財務大臣から、公共事業、施設費について、五%を一つのめどとして執行を一たん留保し、今後、必要な事業を見きわめながら被災地への重点化を図るとの方針が示された経過の中でやられているものでございます。

 一方で、その留保を解除することにつきましても、同じく財務大臣から、国民生活の安全、安心にかかわるもの等については留保を解除する段取りになるとの方針が示されておりますので、今後、政府全体で議論の上で、この解除の取り扱いが検討されるものだというふうに理解をしております。

茂木委員 恐らく、この公共事業も含めて、三次補正では、被災地以外の全国レベルの防災対策それから減災対策、こういったものも検討されるんだと思っております。

 我々も、これは本当に必要だ、こういうふうに考えておりますけれども、予算規模と財源、この全国規模の防災対策、減災対策につきましてはどれぐらいになりますか。

池口副大臣 お答えをします。

 三次補正なり来年度の予算の中で防災対策をどうするかということについては今検討中でございまして、具体的な数字は持ち合わせていません。

 ただ、我々国土交通省としては、真に必要な社会資本整備については計画的、戦略的に進めていくべきだというふうに考えておりまして、国交省の中で社会資本整備重点計画の見直しということをやっておりまして、今月末には、社会資本整備のあり方について皆さんにお示しできるのではないかなというふうに思っております。

茂木委員 恐らく国土交通省内で、一兆円を超えるような防災対策、減災対策を検討されているんだと思います。

 三次補正でやる場合、これは建設国債でやるんですか、それとも復興債でやるんですか。

池口副大臣 お答えをいたします。

 その点も含めて今調整中ということで理解をいただきたいというふうに思います。

茂木委員 だったら、全体の枠、これが十兆円なんということは決まってこないじゃないですか。ある程度決まっているんでしょう、その方針につきましては。補正でやるものについて、復興債でやるか、それとも建設国債なり赤字国債でやるか、この基本的な方針は決まっているんじゃないですか。

野田国務大臣 財源については、復興基本法に書いてあるとおり、復興債を発行する場合には、その償還の見通しを明らかにしながらと。今回の復旧復興にかかわる一連の事業については、基本的にはこうした復興債、一般の国債、建設国債、赤字国債とは別の枠の管理をしながら、その償還の道筋を明らかにしながら使わせていただくというのが基本的な方針でございます。

茂木委員 そこで問題が出てくるんですよ。要するに、三次補正でやっても、補正予算でやるときは復興債。そして、全国レベルの防災対策等々はことしの当初予算もあった、恐らく来年の当初予算もあります、これは建設国債中心でやるんですよ。

 本来だったら、事業の性格によって、建設国債でやる、特例公債でやる、復興債でやる、こういうことが決まるべきなのに、補正だから復興債、本予算だから建設国債、切り分けがおかしいんじゃないですか。

野田国務大臣 少なくとも、これは法律を素直に読むとですが、第八条、「国は、東日本大震災からの復興に必要な資金を確保するため、別に法律で定めるところにより、公債を発行するものとする。」すなわち、東日本大震災に係る復興、これについてのいわゆる国債の発行については復興債です。全国的な規模の場合については、それは別途考える余地はあるんだろうというふうに思います。

    〔委員長退席、大串委員長代理着席〕

茂木委員 大臣が先ほど、この三次補正で、全国レベルの防災対策の予算について、この財源はどうなりますかということについて、復興債だというふうにおっしゃったから、私は、おかしいじゃないですかと。

 被災三県でやったり、直接この復旧復興にかかわるものは復興債でやるというのは結構ですけれども、三次補正の中でも全国レベルの対策で、それは関連していくといえば何でも関連するという話ですけれども、明らかに切り分けられるものはやはり違った財源を求めるべきじゃないかな、こういうことをお聞きしているんですよ。

野田国務大臣 基本的には、三次補正というのは、東日本大震災からの復旧復興、特に復興の部分でございますので、基本的な考え方は復興債であります。

 とはいいながらも、三次補正というのは別の要素で予算項目に入れる可能性もあります。だから、その辺の切り分けをどうするかという議論はこれからだというふうに御説明をさせていただいたわけであります。

茂木委員 国交副大臣へは質問はここまでですから、退席していただいて結構です。ありがとうございました。

 続けて、病院、学校施設の復旧についてお聞きをいたしたいと思うんです。

 一次補正、二次補正では、病院、学校施設について、軽微な復旧以外、全半壊した病院であったりとか学校施設の復旧費用が全く盛り込まれておりません。

 全半壊した病院の復旧について、先日の予算委員会で細川厚生労働大臣の答弁では、地域医療再生計画に基づいて、こういうお話をされていますけれども、被災三県から計画申請が上がってくるのは十一月の十六日が締め切りということになると思います。これでは余りにも遅いんじゃないかなと私は思います。

 それから、一県当たりの補助金、最大で百二十億円、これではとても被災地の医療施設の復旧はできないと思います。一体、厚労省として、一県百二十億で被災した地域の病院をどこまで復旧できるとお考えですか。

大塚副大臣 まず事実関係を、認識を共有させていただきたいんですが、先生が御指摘いただいた百二十億円は、地域医療再生基金として全都道府県にお配りすべきものを、この被災三県に限っては優先して、しかも計画が出る前にまず百二十億ずつお配りをして、これを災害復旧にどうぞお使いくださいという形で交付したものでございます。したがって、既に各自治体でこの百二十億をそれなりのお考えに沿って使用され始めているというふうに思っております。そして、もちろんその百二十億で足りるかといえば、今の被害状況を見ると私も足りないと思っております。

 そこで、現時点まで行われたことといたしましては、災害復旧費については、公的医療機関の補助率を引き上げるとか、あるいは政策医療を担う民間医療機関についても補助対象の拡充をしました。それから、第一次、第二次補正予算では福祉医療機構の融資制度を拡充いたしました。

 しかし、大規模病院の再建など本格的な復興はいよいよこれからだということになると思いますので、三次補正等でもしっかり盛り込んでいくべきものというふうに考えております。

茂木委員 学校施設の関連でありますけれども、平成二十一年度のリーマン・ショック後の補正予算、我々がつくったときでありますけれども、全国三万六千校の公立の小中学校を対象に、スクール・ニューディール政策として、耐震化であったりとか太陽光パネルの設置を三年間で進めるということにしておりました。それが、二年前の政権交代でストップをしてしまったわけであります。

 今回の大震災で被災した学校施設の早急な復旧はもちろんでありますけれども、全国レベルの小中学校の耐震化、これも待ったなしの課題だ、こういうふうに私は考えておりますけれども、前倒しも含めて、文部科学省としてこの計画をどのように進めるか、お聞かせください。

笹木副大臣 今、耐震化についてお尋ねがあったわけですが、平成二十三年度でいいますと、公立学校施設の整備費予算で耐震化、当初予算で八百五億円に加えて、予算編成後の追加要望、これを受けまして、耐震化事業約三百四十億円を一次補正予算で計上しております。この予算の執行後には公立小中学校の耐震化率が八六%になる、そういうことを見込んでおります。

 この耐震化については、今後引き続いて進めていきたい、そう思っております。

茂木委員 そのペースでは遅いんじゃないですかという話をしているわけなんですよ。本来だったら、今年度末にはすべての小中学校の耐震化が終わっていたはずなんです。それが四年引き延ばされた。だから、やはり今回の震災を踏まえても、少しでも前倒しをすべきじゃないかな、こういうお話を申し上げているわけであります。

 子供たちの安心や安全にかかわる問題、こういったことを先延ばしにしていて、何がコンクリートから人へなんですか。そして、太陽光パネルもつけるはずだったんですよ。これもストップになっているんですよ。何が再生可能エネルギーなんですか。きちんとお答えください。

笹木副大臣 今、御指摘があった太陽光パネルを学校において普及していくこと、これは今検討中であります。かなり前向きに検討しないといけないと私も個人的に考えております。

茂木委員 検討中ではなくて、あなた方がとめたんです。とめたことに対する責任はどうなんですか。そして、あなた方の凍結によって、予算の削減によって、学校の耐震化は四年おくれるんですよ。早めたらどうですかということを申し上げているんです。いかがですか。

笹木副大臣 先ほどお答えしたとおり、今年度で八六%というのを達成するわけですが、今後の補正予算等においても、例えば被災地の学校を中心として、そこでの全壊、半壊、こうしたものについても一千億円以上の補正予算を計上する、そういう必要があると思っていますが、そうした中でさらに進めていきたい、そう思っています。

茂木委員 お答えとして極めて不十分でありますけれども、笹木副大臣、もう少しやはりこの問題は省内でもきちんと検討していただいて、おくれているのは間違いないんですから、前倒しできるように頑張っていただきたい、こんなふうに思うところであります。

 文部科学副大臣につきましてはここまでですので、退席していただいて結構です。ありがとうございます。

 次に、被災地でのハエなどの消毒対策につきまして、環境省の方にお伺いをいたしたいと思います。

 七月十九日の予算委員会で、環境省が各都道府県の災害廃棄物処理担当部長にあてた「東日本大震災に係る災害等廃棄物処理事業の取扱いについて」、この通達につきまして、問題点がある、こういうふうに私は指摘をさせていただきましたが、通達は出し直していただけましたか。

近藤副大臣 茂木委員の御質問に答えさせていただきます。

 災害廃棄物処理の観点から、害虫駆除のための薬剤散布等の対策経費については、災害廃棄物処理事業の対象としていたところではありました。しかしながら、必ずしもそのことが十分に徹底していなかったところであるかと思います。

 そういう意味で、茂木委員の御指摘もありまして、七月二十五日には、撤去前の災害廃棄物が堆積している場所で発生する害虫等の駆除、災害廃棄物の撤去作業の一環として行う撤去場所の衛生回復、確保のための害虫等の駆除などの具体例を示して改めて通知をさせていただいたところであります。

茂木委員 ヘドロの処理に関連しましたハエなどの消毒対策、これは補助対象になりますか。

近藤副大臣 これも、なるところであります。

茂木委員 瓦れき、そしてヘドロの方は補助対象になると明確にお答えいただきましたが、今度、避難所で発生しているハエ、それが今一番深刻でありまして、これは環境省の補助対象事業にはなってこないと思います。恐らく厚生労働省の所管、こういうことになると思うんですが、この避難所でのハエなどの消毒対策、どの事業で対応し、予算は幾らぐらいありますか。

    〔大串委員長代理退席、委員長着席〕

大塚副大臣 まず、厚生労働省も、六月二十七日付で避難所等のハエ対策について通知を出して周知徹底させていただいていることを御報告申し上げます。

 その上で、平成二十三年度の当初予算に、これは震災前につけた予算でございますが、感染症予防事業費を六億円計上しておりまして、今現在は、それも活用しながら御対応いただくということでございます。

 さりながら、今後どの程度の状況になるか予断を許しませんので、七月二十七日には、この件に関する関係団体の連絡会議も開催いたしました。今後、さらに予算が必要になれば、適切に対応させていただく方針でございます。

茂木委員 感染症予防事業費は、大塚副大臣がおっしゃったように六億しかないんですね。そしてこれは、今回のような広域の大量発生を恐らく想定していない予算で、我々は、やはり五十億ぐらい被災地だけでもかかるんじゃないかな、こんなふうに考えていまして、追加対策が必要になると思います。三次に入れるとしたら、どれくらいの規模になりますか。

大塚副大臣 その内容についても、これから厚生労働省としても検討し、さらに財務省と詰めさせていただきたいと思いますが、三次補正とは別に、被災地の害虫対策については、一次補正で計上しました環境省の災害等廃棄物処理事業費等も活用できるものと認識しておりますので、その活用の仕方等についてもしっかり検討させていただきたいと思います。

茂木委員 その場合の財源はどうなりますか。

大塚副大臣 確認でございますが、三次で盛る場合にということでございますか。

 その財源については、財務省で適切に御決定いただけるものというふうに考えております。

野田国務大臣 まさに三次については、これから各省からさまざまな御要請、御要求をいただく中で、それについての財源も含めての検討をさせていただきたいと思います。

茂木委員 どうもやはり、復興債でやるものと、それから通常の例えば建設国債、赤字国債でやるものの切り分けというのが非常にあいまいになっているというか混乱をしているんじゃないかな、こんなふうに思うんですよ。

 例えばハエの対策、これを復興債でやるということになったら、説明がつかないと思うんですね。被災三県の対策だったらいいですけれども、全国レベルの対策になるような予算についてそっちに入れるということだったら、では、それが復興債でできるということになったら、岩手のハエが九州まで飛んでいくからそうなるんだ、こんな理由づけしかできなくなっちゃうんですよ。もう一回この点を詰めていただいた方が私はいいのではないかなと思います。

 この点、もう一回後で行きたいと思いますけれども、総務副大臣の方の時間が迫っているということなので、ちょっと関連したことにつきまして、まず財務大臣の方からいきたいと思うんです。

 五月十七日の閣僚懇談会で、地方公務員の給与削減に関連して、財務大臣は、少なくとも地方交付税、義務教育国庫負担金の国庫負担を下げるべきだと発言した、このように報じられております。

 地方公務員の人件費、これは平成二十三年度で二十一兆三千億円。国家公務員の人件費七・五兆円の三倍に上るわけであります。この公務員の人件費の見直しは、今回の復興基本方針の財源確保の方法の中にも入っていると思います。

 そこで、野田財務大臣に、地方公務員の人件費の削減につきまして改めて見解を伺いたいと思います。

野田国務大臣 五月十七日、これは閣僚懇ですか、記者会見ですかの発言、ちょっと定かではないんですけれども、国家公務員の人件費については総務大臣が担当されてさまざまな交渉をされる、そういうプロセスの中で、地方公務員についてもやはり準じて扱った方がいいのではないかという考えを持ちながら、そういう意見を言ったという記憶はあります。

茂木委員 非常に前向きな答弁をしていただいた。我々も、やはりこういった状況の中にあって、国家公務員だけではなくて地方公務員も含めた人件費の削減、こういったことを図っていかなくちゃいけない。

 財務大臣は極めて前向きな答弁をしていただいたと思います。総務省としても全面協力すべきだと私は思いますけれども、総務省の見解を聞かせてください。

鈴木(克)副大臣 私の方から御答弁させていただきます。

 当然、委員御案内のように、地方の皆さんの給与というのは、基本的には各地方団体で決定をされる、自主的に御判断をされるということになっております。

 ただ、今、財務大臣もそういったお考えを出されておるわけでありますので、我々としては、どういうような形で国として関与していけるのか、ここのところは検討させていただきたいというふうに思っていますが、冒頭申し上げましたように、基本的には地方がそれぞれの決定でなされていくことだというふうに理解をいたしております。

茂木委員 そうすると、総務省としては地方にお任せをする、こういうことなんですか。

鈴木(克)副大臣 現在、基本的には、国の人件費と地方の人件費というのは切り分けて私どもとしては考えております。しかし、今後については、今申し上げたように、検討させていただきたい、このように思っております。

 しかし、繰り返しになりますけれども、やはり地方の人件費は地方がお決めになって、地方の議会で決めていかれるということが建前であるというふうに思っております。

茂木委員 財務大臣と総務副大臣の答弁が全く逆の方向です。統一見解を出してください。

野田国務大臣 私が主張したのは、思いを、五月十七日、先ほど申し上げたとおり、どの場面で言っているかわかりませんけれども、国の人件費削減についての交渉が始まった過程の中で、地方も念頭に入れていただきたいということを申し上げました。

 総務副大臣がおっしゃるとおり、ルールとしては、地方は地方で決めるんですね。ですから、何か文章を盛り込むときには、例えば、地方においても同様の取り組みを期待するとか、何らかの表現は加えられぬか等々を五月当時は言っていたという記憶がありますので、そこは総務副大臣と私の意見が整合的でないということではありませんので、御理解をいただきたいと思います。

茂木委員 総理大臣の発言、それから財務大臣の発言が個人的な思いじゃ困るんですよ。私は、財務大臣のおっしゃったこの地方公務員の問題、間違っているとは思っていません。ですから、そういう方向で総務省も取り組んでいただきたい。思いでも結構ですけれども、そういう方向で取り組む、検討する、そういうことを明言していただきたいんです。でなければ、やはり方向が違っているということなんですよ。

鈴木(克)副大臣 繰り返し先ほどから申し上げております。制度、建前はそのようになっておりますが、先ほど来から申し上げたように、検討はしていかなきゃならない、そういう問題であるというふうに理解をいたしております。

茂木委員 総務副大臣、参議院での質疑の時間があられるということですので、これで退席していただいて結構です。ありがとうございます。

 政府の復興基本方針のことにつきまして若干議論していきたいと思うんですが、現在固まっている政府の復興基本方針、予算規模につきましては、図の十の左側のようになると思います。総事業費、これが十年間で二十三兆円、そのうち十九兆円を当初五年間の集中復興期間に実施する。一方で、財源についてでありますけれども、図の右側のようになるはずだったのが、全く数字が消えてしまった。

 財務大臣、全く財源の裏づけのない復興計画、これでいいんですか。

野田国務大臣 財源については、政府内、与党内で議論を活発にしていただいた中で、向こう五年間の集中的な復興期間の際には大体十三兆円程度の事業が必要になるということ、その十三兆の中の内訳として、歳出削減や税外収入の確保等々をやりながら、一方で臨時の税制措置をとる、その十三兆の枠の中でそういうことになるだろうということであります。

 したがって、今党内でも御検討いただいている、例えば歳出削減でどれぐらいできるのかということも踏まえると、臨時の税制措置のかさの大きさが変わってくるということでありますが、現段階の試算では、十三兆のその事業範囲の中での財政措置をどうとっていくか、そういう議論を踏まえての政府税調の議論になっていくということでございます。

茂木委員 では、この十三兆円のうち、歳出削減などで復興債に頼らずに捻出できる財源、どれくらいになりますか。これを明確にさせないと、見通しが甘かったと謝罪したばかりのマニフェスト財源と同じことになるんです。どれくらい出ますか。

野田国務大臣 まさにその歳出削減の取り組みはこれからの精査であります。一方で、これは政府税調で議論をしていかないといけないものですから、それはある程度の、例えば臨時税制措置の規模はどれぐらいかということは、仮置きでスタートをさせていただきます。これは基本方針にも書いてございますけれども、税調における検討に当たっては、歳出削減及び税外収入の増収により確保される財源を三兆円程度と仮置きして進める、こういうことで作業を進めさせていただきたいと思います。

茂木委員 三兆円と仮置きと。まあ、二・四兆円から三兆円ぐらいになってくるんじゃないかな、そんなふうに思いますけれども。

 この集中復興期間中の財源確保の方法、基本方針の文章を見ますと、まず歳出の削減、これが出てきまして、次に国有財産売却、特別会計、税外収入、こういったものが続いて、最後に時限的な税制措置、こういう言葉が順番として出てくるわけであります。

 ところが、歳出削減、税外収入、今仮置きというお話でありましたけれども、最大でも恐らく三兆ですよ。そして、残り十兆円は増税なんですよ。それなりに、文章では歳出削減なんかがあたかも主体のように見える。また国民にうそをつくことになるんじゃないですか。

野田国務大臣 これはやはり取り組み姿勢の話であって、額だけの話ではありません。いかに無駄遣いをチェックしながらということは、これは不断の努力です。そのことをまずしっかりやっていきましょうと。税外収入も確保しましょう、国有財産も売却しながら努力しましょうという中で、国民に今回御負担をいただく規模はどうするか、そういうまさに手順というものが出ている考え方だと御理解いただきたいと思います。

茂木委員 私は、またこの件もマニフェストと同じような失敗を繰り返すんじゃないかな、こういう懸念を持っているところであります。

 これに関連してもう一点。一次補正の編成に当たって二・五兆円の年金財源の流用、三次補正で補てんが必要になってくる、こういうふうに思っておりますが、現在、この問題も三党間で調整しておりますが、三党協議は三党協議として、財務当局、財務省として、どう補てんすべきとお考えですか。

野田国務大臣 いわゆる震災対処で年金の財源を二・五兆円、第一次補正で活用させていただくことになりました。そのときに国民年金法の法改正をさせていただきましたけれども、その法律に書いてあるとおり、三分の一から二分の一のその穴埋めは、税制の抜本改革をやった暁に安定財源として確保していくというのが、これは法律の考えです。これが基本的な考え方だと思うんですが、そうは言わずにもっと早く手当てをしろというお考えがあるということもあって、それを含めて、今回のいわゆる震災のための国債で穴埋めをすることもあるのではないかということを三党の中で今御協議されているという状況は理解をしています。それを踏まえての対応をさせていただきたいと思います。

茂木委員 すべてが先送り、こういう形になっておりますけれども、私は、先ほど来の議論を通じて、二つ懸念材料をお伝えしたいと思うんです。

 一つは、やはり復興債と通常の建設国債なり特例公債、きちんと切り分けをしないと、本当に、区分管理、区分管理と言いながら、何でも復興債でできるような話になっていってしまう。そして、最終的には、四十四兆円の枠を持ったって関係ないんですよ、復興債の方で全部できる、こういう形になったら。これがまた第二の幻の打ち出の小づちにもなりかねない。そういったところをきちんと管理していただきたい、そういうふうに思います。

 それからもう一回、先ほどの議論の資料の問題にも戻るわけでありますけれども、プライマリーバランスの黒字化の話、これは見直さざるを得ないと思うんです。これだけの大震災が起こり、財政需要が膨らみ、そしてまた税収が落ちる、こういった中で、プライマリーバランスを二〇二〇年に黒字化するということは至難のわざだと思います。二〇一五年段階で、段階的に一〇%引き上げてもできません。

 では、このプライマリーバランスの黒字化の目標も、見直しも含めて、財政健全化目標の見直し、どう具体案をつくっていくのか、そのことを最後にお聞きをしたいと思うんですけれども、きょうの議論を通じて、結局、本来この特例公債法の議論をするベースであるはずのことについてほとんど政府としての考え方が詰まっていない、こういうふうに私は思います。

 例えば、予算の執行面からどうしても特例公債を成立させなければいけない時期、これについては、本来、アメリカのデフォルトの八月二日とは違います。しかし、ガバメントシャットダウンがいつ起こるから、その前にはと。きょうの議論を聞きますと、少なくともこの国会で成立させる必要はない、こういうことは明らかになりましたけれども、結局いつまでにといった話が出てこない。

 それから、金融庁につきましても、三月十四日、東証を閉めなかった。金融商品取引所の話でありまして、オペレーションの話を聞いているんじゃないのに、法律上の判断としてどうなんだ。こういうことについて何ら説得力のある説明がない。

 これにつきましては、金融機関の国債の保有についても、個別の金融機関がどうだではなくて、全体として健全な状態なのかどうか、こういう議論をしているのに、それについても答えられないということで、やはり私は、議論になってこない、こんなふうに思っております。

 そして、経産省の方には、ぜひ、答弁の誤りについてしかるべき訂正をしていただきたい、こんなふうに思っているところであります。

 最後に、プライマリーバランスの黒字化の見通しも含めまして、財政健全化の見通しの具体案につきまして財務大臣から答弁いただきたいと思いますが、いずれにしても、理事会協議で、今申し上げた項目もぜひ協議をしていただいて、そういったことがクリアにならなければ、この委員会として、国会として、責任を持って、特例公債法、賛否を判断する条件は整っていない、こういうふうに私は考えますので、委員長の方で、取り計らい、よろしくお願いいたします。

石田委員長 理事会で協議をいたします。

野田国務大臣 財政健全化についてのお尋ねでありましたが、一番最初に御指摘をされた、震災のための国債とその他の国債のいわゆる切り分けの仕方の問題意識は私も共有をしています。これは、震災後、日本の財政に対する見方が大変シビアになっているときに、きちっと説明をできるようにしないと、まさにマーケットリスクが生じる可能性があると思いますので、きちっと説明ができる、財政規律を守っていくんだということが示されるように努力をしていきたいと思いますし、お知恵もかりたいと思います。

 財政健全化の、いわゆる財政運営戦略については、これはある種、G7、G20における国際公約でございます。したがって、今回は、いわゆる成案は、二〇一〇年代半ばまでを見通した中でまず半減までの努力をする、一里塚でありますけれども、二〇二〇年に達成するというゴールはおろさないで、そして引き続き歳入歳出の見直しを随時やっていかなければいけないと認識をしています。

茂木委員 以上で質問を終わらせていただきます。長時間にわたりまして本当にありがとうございました。

 ぜひ、理事会にて、先ほど申し上げた項目も含めて、提出していただく資料、そしてまた政府としてお示しいただく統一見解等々をこの委員会での採決の前にお示しいただきますことを改めて要望させていただきまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

石田委員長 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時十分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時三十分開議

石田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 被災者の住宅ローンの問題を中心にお聞きしたいと思います。

 まず、財務大臣、住宅ローンの対策として、第一次補正、第二次補正でどのような対策を盛り込んでいるか、説明をしていただきたいと思います。

野田国務大臣 佐々木委員から、住宅ローン対策として補正でどのような対策を講じたかという趣旨の御質問でございました。

 二十三年度の第一次補正予算において、独立行政法人住宅金融支援機構の既往の住宅ローンの払い込みの猶予や返済期間の延長措置を講じるとともに、払い込み猶予期間中の金利引き下げ措置の拡充を行いました。

 また、新規の借り入れについては、災害復興住宅融資について、当初五年間、無利子を含む思い切った金利の引き下げを行ったところであり、これらの施策のために五百六十億円を措置したところでございます。

 また、自力での住宅再建、取得が困難な被災者に対する災害公営住宅の供給を支援するため、新たに、用地取得、造成費の補助対象化を行うこととし、災害公営住宅等一万戸分の千百十六億円を措置したところでございます。

佐々木(憲)委員 自見大臣にお伺いします。

 金融庁は、被災者の住宅ローンの実態についてどのような把握をされているか、それから、民間金融機関に対して住宅ローンについてどのような要請を行っているか、説明をしていただきたい。

自見国務大臣 佐々木議員にお答えをいたします。

 被災三県に所在する民間金融機関からのヒアリングをもとに、五月末時点での、東日本大震災以降に約定の返済を一時停止した、もしくは正式に条件変更の契約を締結した債権額を集計したところ、個人住宅ローンは約千五十億円となっていると承知しております。

 また、金融庁では、被災発生当日以降、民間金融機関に対して、被災された住宅ローン借入者からの貸し付け条件の変更等の申し込みに対しては積極的に対応するように徹底いたしましたが、被災者の便宜を考慮した措置を適切に講ずるよう、繰り返し要請しているところでございます。

 こうした要請を踏まえて、民間金融機関では、自身も被災しているなど困難な状況にあっても、被災者の便宜を考慮した対応を積極的に行っているものと承知をいたしております。

佐々木(憲)委員 そこで、もう少し具体的に聞きますけれども、金融円滑化法の趣旨に従って、民間金融機関では金利の引き下げなどの条件変更に応じている、貸し付け条件の変更に応じているわけであります。それは、例えば金利の引き下げ、利子分が減る、そういうことになりますと、当然、借り手の返済総額、元利合計額を減らすということに役立っていると思いますが、いかがでしょうか。

自見国務大臣 今、先生お話がございましたけれども、中小企業金融円滑化法は、住宅ローンの借り手等から貸し付け条件の変更等の申し込みがあった場合に、できる限り貸し付け条件の変更等に応じるよう金融機関に努力義務を課したものでございます。

 また、同法における貸し付け条件の変更等は、先生御指摘のとおり、金利の引き下げも含めて債務の弁済に係る負担の軽減に資する措置全般が含まれているものであります。なお、金利を下げた場合には、他の条件の変更がなければ、先生が言われたように債務者の返済総額が減少することになります。

 いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、同法の対象となる金融機関には、同法の趣旨を踏まえて、中小企業者や住宅ローンの借り手の状況に応じた適切な手段を講じていただくように期待をしておりますけれども、先生御存じのように、民間金融機関というのは、貸し付けの原資は基本的に預金者からお預かりした預金でございまして、当然、それに適当な利子をつけて返すということが原則でございます。これは、公的な金融機関、政府系の金融機関と違いますから、その点は、先生もよくおわかりでございますけれども、努力いただいても一定の限界があるということはよく御理解いただければと思っております。

佐々木(憲)委員 一定の限界はあるけれども、貸出金利の引き下げ等で被災された方々の住宅ローンの返済総額を減少させていく、そういう努力をしている、実態的にもそういうことが行われているということであります。

 そこで、国土交通大臣政務官にお聞きしますけれども、公的金融機関であります住宅金融支援機構は被災した住宅ローンの借り手の返済についてどのような対策を講じているのか、説明をしていただきたい。

市村大臣政務官 国交省におきましては、所管している住宅金融支援機構の融資に関しましては、第一次補正予算におきまして、既に住宅ローンを組まれている方につきましては、返済期間の延長及び払い込みの猶予、これは最大五年でございます。そして、払込猶予期間中の金利引き下げの措置を拡充する、これは最大年〇・五%まで引き下げるということを措置したところでございます。

佐々木(憲)委員 その方法で、民間金融機関がやっているように、返済総額というものは減少するということになっているんでしょうか。

市村大臣政務官 この方法では、残念ながら、返済額は減ることはありません、増加をすることになります。

 例えば、金利三・七五%、返済期間三十五年のローンで五年目に被災した方につきまして、五年間の元本、金利据え置き、〇・五%への金利引き下げ措置を利用した場合の試算を行えば、単純計算した総返済額は一%程度増加するものとされております。

佐々木(憲)委員 私はそこがおかしいと思っているんですよね。

 民間金融機関は、資金のもとは預金者から預かった預金だから、それがもとになっている、それでも金利の引き下げに応じて返済総額を減らしている、先ほど金融担当大臣がそのようにおっしゃいました。

 ところが、公的金融機関である住宅金融支援機構、これは、本来なら民間以上にやらなきゃいけない。ところが、今答弁で明らかなように、一年から五年の返済猶予、返済金の払い込みを据え置くという、その間の利子、元金、確かに返済はその間はしなくていいんですよ。ところが、問題は、その期間、どういう対応になっているかというと、据置期間の終了後、据置期間中の利息を通常の元金、利息に加えて御返済いただきます、こういうふうになっているわけです。

 要するに、返済の期間は、一年から五年の間、その期間は返さなくていいですよと。しかし、その間は利息だけはどんどん積み増されているわけですよ。それで、その期間が終わりました、では返していただきますよ、返していただくときには、返済猶予期間の利息も含めて全部返せと。こうなりますと、最初の返済総額よりふえるわけです。これはおかしいんじゃないですか。民間金融機関でもやれるものを何でできないのか。これでは、被災者の弱みにつけ込んで暴利をむさぼると言われても仕方がないような状況だと私は思うんです。

 民間の返済総額が減っているのに、公的機関の返済総額がふえてしまう、これはどこに問題があるんですか。何か問題があってそうなるんですか。それとも、被災者の立場に立っていない、こういう姿勢に問題があるんですか。どこに問題があるんですか。

市村大臣政務官 これは結局、住宅金融支援機構は、民間金融機関と異なりまして公的な政策金融機関でありまして、国の財政上の措置も講じられていることから、法的整理の場合を除き、返済総額の減少につながることがないような形で、金利の引き下げは行うことはできないとされている制度の問題であるということが一つだというふうに思います。

佐々木(憲)委員 国の財政的措置が制約になっていると。財政的措置がきちっととられていけばそういう対策もとれる、逆に言うとそういうことになりますね。どうですか。

市村大臣政務官 おっしゃるとおりだと思います。

佐々木(憲)委員 そうすると、これは住宅支援機構そのものの姿勢というよりも財政的な問題だと。一次補正では若干措置をしたけれども、しかし、まだ足りないというのが実態だと思うんですね。

 そこで、財務大臣、第三次補正というのは、やはり被災者のためにしっかりとした支援を行うというのが本来の姿だというふうに思います。今回、こういう状況というのは極めておかしいんです。公的な住宅支援機構が、財政的に非常に制約があるために、据え置いて、もう払わなくていいですよという期間の利子も後で全部取り返すというのじゃ、それは何でかというと、予算が足りない、財源がないんだという話なんですから。第三次補正の一つの内容として、そういうものも念頭に置いてしっかりと対応する、これが当然のことだと思いますけれども、いかがでしょうか。

野田国務大臣 まずは第一次補正、第二次補正の施策の効果を見きわめていきたいというふうに思います。

 その上で、復興の基本方針がまとまりましたので、これから第三次補正の編成作業に入っていきたいというふうに思いますけれども、その際に、これは基本的には所管は国交省でございますが、国交省でよく御検討いただいた後に適切に協議をさせていただきたいというふうに思います。

佐々木(憲)委員 国交省が要請をすれば、財務省としても対応すると。国交省、きちっと要請してください。

市村大臣政務官 今、財務大臣からそういうお言葉もいただきましたので、国交省できちっとこの話をしまして、また財務省と話をさせていただきたいと思います。

佐々木(憲)委員 次に、この住宅支援機構のもう一つの問題は、借りかえの問題です。

 住宅ローンの借りかえができれば、以前高い金利のときに借りた方々が、現在の金利は低いですから、実質的に金利分が軽減になる、これはもう常識の話であります。この借りかえ制度というのが当然住宅支援機構にもありますよね。これは、相談に行けば実質的に金利を下げてもらえる、こういう理解でよろしいですか。

市村大臣政務官 確かに、機構のフラット35につきましては、旧制度の直接融資及びフラット35も含めまして幅広く借りかえの対象としているところではありますが、今回、被災された場合については、これは新規の融資の際の条件に適合しないというものになってまいりまして、借りかえの対象にはなじまないというふうになっております。

佐々木(憲)委員 条件がついているためにそうなるんですか。

市村大臣政務官 はい、条件があります。その条件と申しますのは、融資対象となる住宅ローン及び住宅、借入限度額、年収に占める返済負担率等につきまして、基本的に新規の融資の際と同様の条件が設定されているところでありまして、今回、住宅が流されてないといった方につきましては、住宅がないわけでありまして、結局、新規の融資ができないことになるということであります。

佐々木(憲)委員 借りかえをする際に、もう一つの条件として、年齢とか年収とか、そういうものがあると聞いています。

 自見大臣にお聞きしますけれども、民間金融機関の場合、こういう年齢とか収入、これに何か厳しく枠をつくってやらせているというようなことはあるんでしょうか。

自見国務大臣 中小企業金融円滑化法では、住宅ローンの借り手等からの貸し付け条件の変更等の申し込みがあった場合に、借り手の財産及び収入の状況を勘案しつつ、できる限りこれに応じるよう金融機関に努力義務を課しているところでございます。

 金融機関によっては、貸し付け条件の変更等に当たり、財産、収入、年齢等について一定の目安を設けている場合もありますけれども、同法の趣旨を踏まえつつ、画一的な対応に陥ることなく、借り手の状況を総合的に勘案して、ここがまさに民間経営のいいところでございますから、状況、状況に応じてできる限り柔軟な対応を行っているというふうに承知をいたしております。

佐々木(憲)委員 住宅支援機構の場合は、年齢、収入というのは、これはどういう条件があるんでしょうか。

市村大臣政務官 まず、年齢に関する基準について申し上げますと、新規ローンの基準と同様に、借りかえ申し込み時の年齢が七十歳未満であること、完済時の年齢が八十歳未満であることが要件となっております。

 また、年収が何万円以上でなければ借りられないというような年収に関する基準はありませんけれども、年収に占めるすべての借入金の年間合計返済額の割合が、年収四百万円未満の場合は三〇%以下、年収四百万円以上の場合は三五%以下というような基準は設けられております。

佐々木(憲)委員 これは、先ほど自見大臣が触れられたように、民間金融機関の場合は非常に柔軟なんですよ。ところが、住宅支援機構の場合は非常に厳格に決めておりまして、年齢七十歳未満の場合にはいいけれども、七十歳を超えちゃうと借りかえは一切認めない、こういう話になっているわけです。

 それから、今言ったように、年収四百万円未満の場合は借り入れの返済額の割合が三〇%以下、四百万円以上の場合は三五%以下、こういう基準を満たしている人だけは対象ですよと。だから、これは事実上、年収によってこういう形で制約がなされている。

 つまり、七十歳を超えて年金で生活をされている方が借りかえをしたいんだ、その場合は、民間は応じてくれるけれども、公的金融機関である住宅支援機構に行ったら一切だめですよと。これはちょっと余りにも冷たいんじゃないんですか。こういう制度そのものを再検討するというのは当たり前じゃないんですか。

市村大臣政務官 先ほど私が申し上げたのは原則でございまして、今、佐々木委員からも御指摘いただいた部分で、例えば七十歳以上の場合でも、子供さん等をローンの後継者としていただく場合には、その子供さん等の年齢をもとに借りかえを可能としている場合もございます。

佐々木(憲)委員 それは、子供に払う能力があるかどうかという、いわばその条件によって応じる。七十歳以上のその人個人に対してではないでしょう。ですから、そういう意味では、これは極めて厳格過ぎるんですよ、この基準は。

 何でそうなっているのかというと、これも予算上の問題がある。いろいろなことを柔軟にやると、それなりのコストがかかる、資金が必要であると。これも、例えば予算に一定の措置がとられれば、このぐらいの対応はすぐできると思うんですけれども、どうですか。

市村大臣政務官 これですけれども、今おっしゃった部分で、例えば八十歳を超えての住宅ローンの返済、つまり、例えば七十歳でこれを延長するとかということになってきますと、八十歳を超えて住宅ローンの返済を行うことも考えられるということでありますが、これについては、常識的に考えていろいろと難しい問題が出てくるんじゃないかというようなことでどうも考えているようであります。

 ただ、例えば、旧公庫融資の返済が困難になった方につきましては、借りかえ時の年齢によってフラット35への借りかえができない方も含め、一定の要件に適合する場合は、借入者の年齢にかかわらず、返済期間の延長や金利引き下げ等を実施している場合もあるようでございます。

佐々木(憲)委員 八十歳を超えてという場合は、確かに民間金融機関の場合もいろいろな相談があるだろうと思うんですけれども、民間金融機関でできる範囲さえやっていないんですよ、七十歳を超えたらあなたはだめですよと。例えば、あと五年間残っている、七十五まで、せめてその間は借りかえて今の金利で払いたい、それに応じるのは当たり前じゃないですか。このくらいの人情味があってもいいんじゃないんですか、公的機関なんだから。そういう方向に改善する、こういうことは検討に値すると思いますが、どうですか。余り後ろから縛らないで。ちゃんと答弁してくださいね。

市村大臣政務官 今、おっしゃった、もう少し人情味があってもいいんじゃないかというところでありますが、個人的にはそう思わないこともないですが、金融の世界というのは、そこの部分だけで完結すればいいんですが、いろいろなところに、市場にいろいろな影響を与えたりする場合もあるようでございます。ですので、そういうところも考えなければならないわけであります。

 そうはいいましても、やはり人情味も大切だということで、先ほどから申し上げているように、原則はそうだけれども、例外的にはいろいろと柔軟には対応しているようでございます。

 例えば、六十歳以上の高齢者につきましては、原則十五年以上である借りかえ後の返済期間を十年以上としているということで、できる限り酌んでいただきたいということも含めて、いろいろ配慮はしているということもあるようであります。

佐々木(憲)委員 例えば、これだけのことをやるのにどのくらいの金がかかるんですか。

市村大臣政務官 今現在、その数字を持ち合わせておりません。申しわけございません。

佐々木(憲)委員 このぐらいのことは、それほどの資金がかかるはずはないんです。

 これはもう財務大臣の問題ですね。要するに、多少公的金融機関らしく、民間金融機関ができない、そういう被災者への対応というものをやれるようにして支えるというのが国の役割だと私は思うんです。

 財務大臣、今のこのやりとりを聞いて、せめて、七十歳でもうあなたはだめ、借りかえできないというんじゃなくて、柔軟に対応しようとしているわけです。一部やろうとしているわけですね。だから、そういうものをちゃんとやれるように財政上も措置をする。これは第三次補正でやりますとはっきり言っていただければ、質問はもうそれで終わるんですけれども。

野田国務大臣 人情味にかかわる話で聞かれるとなかなかせつないんですけれども、基本的には、使い勝手のいい、そういう制度にしていくということが基本だと思います。もちろん、そういう制度設計をしてきたはずだと思いますが、いろいろな声を含めながら常に改善を図っていくということが、これは国民にとってプラスだと思いますので、一義的には国交省でよく御検討いただいて、その御検討の結果があるならば、真摯に協議に臨んでいきたいというふうに思います。

佐々木(憲)委員 そうなると、国交省の姿勢が問題になるわけですね。

 だから、今まで制度がこうだからこのままでいくんだというのではなくて、現在のこの被災者の非常に困窮している実態を踏まえて、せめてその要望にこたえられるように、前向きに、制度も改善して柔軟に対応できるようにする。そのためには、財務省にきちっと、第三次補正でこれが必要である、例えばこの七十歳以上とか年収の制限とか、これをせめて民間並みにやりたい、そのためにこれだけの財政措置が必要だと計算して出せばすぐ、それほど大きな金額ではないはずなんです。それをやるかどうか、これが一番大事なことなんです。どうですか。

市村大臣政務官 今、佐々木委員からもありましたように、まず、民間の実態というものをもう少し私も調べさせていただければと思います。

 その上で、今、佐々木委員が御指摘されたような実態があるようであれば、やはりこの機構におきましても、できる限り、委員がおっしゃる人情味を持って、実態に即してやるべきことだと思います。それを国交省できっかりまとめた上で、改めて、財務省に御理解いただけるかどうか、また、いただけるのではないかと思いますが、いただけるように頑張ってみたいと思います。

佐々木(憲)委員 財務大臣は、国交省が出してくれば、それに対応してしっかりやるというような姿勢が先ほど見えましたので、それでやっていただく。ぜひ被災者のためにいい方法が出るように、それを要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

石田委員長 次に、小野塚勝俊君。

小野塚委員 民主党の小野塚勝俊でございます。

 本日は質問の機会を賜りまして、委員長、理事、委員の皆様、ありがとうございます。また、一時間という長い時間を賜りましたこと、重ねて御礼を申し上げます。

 毎回質問させていただくときに申し上げておるのでございますが、私自身、国会審議は、本会議や党首討論のときなどを除き、基本的に副大臣以下で行うべきだと考えております。大臣におかれましては、国会審議以外にも、さまざまあります日常業務を含め、国家のリーダーとして職務に御専念いただきたいと思っております。特に今は、戦後最大の国難のときでございます。その趣旨から、本日、御答弁いただきますのは副大臣から賜れればと存じます。野田大臣におかれましては御退席いただいて構いませんので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 本日審議となります特例公債、いわゆる赤字国債を発行すること、このこと自体は望ましい姿とは思っておりません。しかし、現在我が国の財政は、赤字国債を発行しなければ国家財政が成り立たない厳しい現実がございます。この現実から目をそらしているわけにはまいりません。現実をしっかり見て、いかにして望ましい国家財政の形にしていくか、このことは、今この時代に国会議員をさせていただいている私たち、そして、特に財務金融委員をさせていただいている私たちにとりまして大変重大な責務であると考えます。その意味からも、特例公債法案の審議が再開できましたことは大変に喜ばしいことだと思っております。

 一昨日になりますが、七月末日をもちまして、平成二十二年度の一般会計及び特別会計の決算が確定をいたしました。平成二十二年度予算は、政権交代後、民主党連立政権において初めて作成した予算でございます。その決算が確定したわけでございます。予算編成前の政権交代直後の十一月には、事業仕分け第一弾といたしまして、その結果を踏まえて予算の組み替えも行われた予算でございました。

 その予算が決算をされ、一般会計におきましては二兆百六億円という剰余金が生まれています。また、この剰余金は、ほぼ全額、大震災からの復旧復興のために、平成二十三年度第二次補正予算の財源にすることができました。この剰余金がなければ、二次補正を編成するに当たり、新たな国債を発行する必要があったわけでございます。

 平成二十二年度予算は、途中までは前政権によって作成されていました。最初から新政権で作成されたわけではございませんが、平成二十二年度予算につきまして、決算が確定をいたしました今、改めて民主党連立政権が初めてつくったこの予算につきまして御評価をいただきたいと思います。

五十嵐副大臣 お答えをいたします。

 小野塚委員は日銀御出身で、金融面のスペシャリストでいらっしゃいますけれども、税財政についても極めてオーソドックスな議論をいつも展開されて、心から敬意を表したいと思います。

 今、御質問がございましたけれども、二十二年度予算の評価という点でございます。

 とにかく、最近の十年ほどの変化で、我が国は貧富の差、格差社会が大変拡大をしてまいりました。特に、若者たちが疲弊をしている。年収二百万円以下で常時雇用されながら暮らしている方々が一千万人を超えるという状況になり、相対的貧困率、つまりその国民の平均年収の半分以下で暮らす方々の割合が、アメリカと並んで世界のトップクラス、これは悪い方、ワーストの相対的貧困率になってしまったという状況を私どもは真剣にとらえまして、若者世代を中心に家計を直接応援する必要性、子育てを応援する必要性が優先される、そして少子化に歯どめをかけなければ日本の将来はない、また、福祉、社会保障の面では、全世代型の社会保障の体系に変えていこう、税制につきましては、控除から手当へという考え方を打ち出してまいりました。それにのっとって、子ども手当の創設や農業の戸別所得補償制度、あるいは高校の実質無償化という施策を、目的を立てて実行してきたわけでございます。

 これらについては、やり方、その財源の手当てについて問題があったということは、それぞれ総理や大臣からも御答弁をしているところでありますけれども、その政策目的、方向性は正しいということは言えると思います。

 そして、この二十二年度予算については、歳出削減も二・三兆円に上りましたし、公益法人等の基金の返納等により、一兆円の税外収入も確保いたしました。歳入歳出両面にわたって見直しを行い、当初の四十四兆円の国債発行の中におさめるということもできましたし、最終的には、今御指摘のとおり、決算で六月発行分を二兆円削減するということまでできた。これは、不用額をつくる歳出の厳しい見直しの成果だと思っております。

 いずれにしても、予算編成時と現時点で評価を変えるものではないと思いますけれども、今後とも財政運営戦略を踏まえて適切な財政運営に努めてまいりたい、こう思っているところでございます。

小野塚委員 ありがとうございます。

 今、お話がございましたとおり、このたび二兆百六億円の剰余金が出たわけでございます。この剰余金、なぜこのような金額、二兆円を超えるお金が出たかということについては、私たちが初めてつくった予算の要因をしっかり分析していかなければならないと思います。

 それでは、この二兆百六億円の剰余金の要因分析について御説明をいただければと思います。

五十嵐副大臣 二十二年度補正後の予算に対して、歳入におきましては千三百四十一億円の減収となりました。

 その内訳でございますけれども、税収は一兆八千四百三十七億円の増収となりました。税外収入は二百二十億円の増収となりました。公債金収入は、税収増や歳出の不用を踏まえて、先ほども申し上げましたけれども、特例公債発行の最終月である六月予定分の発行を取りやめましたので、二兆円の減収となりました。

 一方、歳出におきましては、二兆一千四百四十八億円の不用が生じております。その内訳を申し上げます。国債費で六千九百二十億円、予備費で千三百五十億円、労働保険特会への繰り入れ二千三百億円など、その他の経費で一兆三千百七十六億円の不用額を出しております。

 以上の歳入歳出の増減を合計いたしますと、剰余として二兆百六億円が生じたところでございます。

小野塚委員 ありがとうございます。

 予算というのは、予算編成時において執行できる枠というのを決めているわけでございますが、これは枠でありますので、本来であれば、その予算を使い切る必要はありません。しかし、従来におきましては、予算の枠いっぱいにそれを使い切らなければならない、使い切らなければ翌年度以降予算を減額されてしまうのではないか、そんなことから、剰余金というものはなかなか発生しづらかったということが背景にあるように私は思います。

 しかし、今般、決算において確定いたしました平成二十二年度一般会計では、二兆円以上の剰余金が発生した。これは、必要でなければ枠いっぱい使わなくていい、予算を使い切らなくていいということが政権内、各省の政務三役などにおいてしっかりとチェックをされていたその結果だったのではないかとも思うのであります。

 国民の皆様からお預かりしているお金をそれこそ無駄遣いしない、一円たりとも無駄にしない、そのためには、予算作成の段階で厳しくチェックをしていく、これはもちろん当然のことではございますが、予算を執行していくその過程において、執行する各省庁においてもしっかりと厳しくチェックをしていくことが重要である。その結果、剰余金が今回発生したというふうに思います。

 そのようなことから、現在執行中の平成二十三年度、本年度予算においても、また今後の予算におきましても、予算編成時だけではなくて、執行時におきましてもしっかりとチェックをしていく、そのように私は考えるのでございますが、その点につきましても御意見を賜れればと思います。

    〔委員長退席、鷲尾委員長代理着席〕

五十嵐副大臣 ありがとうございます。

 おっしゃるとおりだと思います。かつて、開高健さんだったと思いますが、「新しい天体」という小説がございまして、年度末にお金が余ったので使い切らなければいけないということで、日本じゅうを大蔵省のお役人が、景気調査等と称しておいしいもの、高いものを食べて歩くという小説がございました。

 かつては、高度成長期には、年度末には急に工事があちこちで行われて、予算消化を年度内にしなければいけないというようなことが確かに起きてきたんだと思います。そして、予算を使い切り、その予算をまた翌年度の編成で獲得するというのが官僚の手柄になったという時代がございましたけれども、そういう時代はもう許されなくなってきたということで、政府全体として、不必要なものはないか、節約できるものはないかという目配りが必要になり、それを行った結果が累積して二兆円もの剰余金が生じたということになるので、これは決して悪いことではない、御指摘のとおり、これはよいことだというふうに考えているところでございます。

小野塚委員 ありがとうございます。

 その意味におきましても、今後、予算作成時、または今後の執行時においても、私たち議員はしっかりとチェックしていかなければならない、そのように思う次第でございます。

 続きまして、本日審議をしております特例公債法を財源としております平成二十三年度予算につきまして伺いたいと思います。

 この平成二十三年度予算こそ、最初から最後まで、民主党連立政権がつくり上げた予算でございました。

 私たち民主党は、予算の総組み替えを訴えて、一昨年の総選挙におきまして国民の皆様から御信託をいただきました。平成二十三年度当初予算につきましては、どのような形でその予算編成を行ったのか。この予算の大きな財源が今審議しております特例公債法でございますから、改めて、その点について伺いたいと思います。

 まずは、この予算の歳出面につきまして、何に特に今回力を入れてやられたかということについて伺えればと思います。

五十嵐副大臣 平成二十三年度予算でございますが、財政規律を保つ、維持するという観点から、歳出の大枠約七十一兆円を堅持しなければいけないということでございます。

 一方で、日本の活力を引き出さなければいけないということで、元気な日本復活特別枠という枠を設け活用いたしまして、予算の大胆な組み替えを行い、成長と雇用を重視した新成長戦略やマニフェスト施策を着実に実行するための予算に重点配分するということを目指して編成いたしました。

 このうち、元気な日本復活特別枠の配分においては、新成長戦略等に約〇・九兆円を配分いたしまして、ステップワン、ステップツーの経済対策による緊急的な対応とあわせ、デフレ脱却に向けて十分な予算を確保したと考えております。

 また、今、歳出のお話でございましたけれども、歳出面においては、新規国債発行額を二十二年度予算の水準である四十四・三兆円以下に抑制したところでございます。

小野塚委員 ありがとうございます。

 続いて、本日審議の対象ともなっております、今審議中の税制の抜本改革を行っている所得税法改正法案、正式名称は、これは六月十日に修正をいたしまして、経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案ということになりましたが、これを含む歳入面、税制について抜本改革も行うこの法案について、御説明をぜひお願いいたします。

五十嵐副大臣 よくぞ聞いていただきまして、ありがとうございます。

 まず、個人所得課税からお話をさせていただきたいと思います。

 今、子ども手当の所得制限の話がございますけれども、先ほど申し上げましたように、控除から手当へという考え方を根本に持っておりまして、そして、今までの惰性に流れていたちょっと甘過ぎる部分については思い切って適正化を図らせていただくということで、いわゆる高給の方々にばらまく必要はないじゃないかということに対して、むしろ控除を縮減した方が実は高所得者には効いてくるのであって、そういう面でバランスをとらせていただいたという思いがございます。

 二十二年度では年少扶養控除等を整理させていただきましたけれども、二十三年度税制についても、給与所得控除に上限を設定させていただきました。これは、青天井の国はほぼ日本だけという状況でありまして、高給与の所得に大変甘い税制になっておりました。

 特に、高額な法人役員等の給与については大幅に縮減する方がむしろ適切である、なぜならば、給与所得の中に含まれている部分で、裁量的な経費が使える人たちにまで一般のサラリーマンと同じような給与所得控除を認めるのはどうかという考え方がございます。これは世界じゅうにあって、どこでも上限がある、それがなかったところが逆に問題だということで、ここに手をつけさせていただいて、適正化を図らせていただいた。

 そして一方では、特定支出控除について、逆に、中堅以下のサラリーマンの皆さんについて、使いやすくするように範囲の拡大、自分の勉強のために本を買うとか、あるいはセミナーに出席するとかいうことについて、実額控除の拡大を図らせていただいた。

 また、勤続五年以下の法人役員等の退職金についても、これは二分の一課税という大変甘いものですから、これを活用すると、これは例に挙げていいのかどうかわからないわけですけれども、例えば、一つは渡り鳥と言われる退職官僚の皆さん方ですね、短期間に働いて、給料は小さくするけれども退職金は厚くするということで、これを悪用して、退職金は二分の一に圧縮されますから、税金を安く済ませるということができていたものを、ここの穴をふさいで、渡り鳥の退職金の収入、そこから税金をちゃんと払っていただくということもこの中に含まれております。

 あるいはまた、ちょうどことしは地方の自治体選挙があったわけですけれども、地方自治体の首長の皆さんは、四年ごとに退職金をもらってそのお金で選挙を戦うということになりますと、何もない新人の皆さんと比べてハンディがプラスについてしまうということなどを考えると、勤続五年以下で退職金をそのたびごとにもらってその課税が半分になるというのはいかがなものかということもありまして、勤続五年という線を引かせていただいて、こうした退職金の優遇については限界を、特定といいますか一部の高所得の方々、優遇され過ぎていた方々については考えるということをさせていただきました。

 あるいは、成年扶養控除につきましても、成年者は独立して自立するということがやはり本来の姿であろうと思います。そこで、いろいろな事情があるわけですけれども、私どもは、働くことができる方々には働いていただくのが当然で、親御さん、保護者が一定の収入がある場合には、これは控除を縮減するということをさせていただいたわけでございます。

 これについても幅広く例外をとりまして、病気の方、あるいは病気も精神的な病気もあると思いますが、そういう方々も、家でひっそりと暮らすというよりも、むしろちゃんと病院へ行っていただいて治療していただく。そして、治療しているということがはっきりすれば控除の対象にするけれども、ただ働かないからといっておうちにおられる、そして親御さんが収入が多いということで働かずにおうちにおられる方々にまで税金を免除するのはいかがかと。事情のある方には皆さん、それから親御さんに資力のない方については控除をきちんと維持しますけれども、そうでない方々については、収入が一定以上ある方々については縮減をさせていただくという適正化を図る。

 所得課税についても、そういった面で全体としてバランスをとらせていただいたということでございます。

 長くなって恐縮ですけれども、次に、法人課税についてもよろしければ御説明させていただきます。

 課税ベースを拡大しながら、法人実効税率の五%の引き下げ、また、中小法人に対しては軽減税率の三%引き下げを行い、中小法人については一五%というかなりぎりぎりの水準の法人実効税率にとどめる、そういう改正内容となっております。

 また、資産課税については、相続税の再分配機能を回復し、格差の固定化を防止するという観点から一貫して地価の上昇に備えて基礎控除を拡大してまいりましたけれども、ここのところずっと逆に地価が下がってきていたわけですから、その方向での見直しをさせていただいた、そして最高税率の引き上げを含む税率構造の見直し等の措置も行わせていただきました。

 一方、お金を回す、世の中のお金の回りをよくするということが必要で、資産をつくり終えて余裕のある方々にただそのお金を貯金していただくというより、まだまだ使いたい盛りの世代に早く移転をして使っていただく方が景気によい影響があるだろうということで、贈与税については、高齢者層が保有する資産を現役世代に移転させるということで、子や孫などの受贈者、贈られる側、その場合の贈与税の税率構造を緩和し、相続時精算課税制度の対象範囲を拡大するという措置を講じさせていただきました。

 また、一方で課題となっております地球温暖化対策でございますけれども、地球温暖化対策のための税の導入については、広範な分野にわたりエネルギー起源CO2の排出抑制を図るため、全化石燃料を課税ベースとする現行の石油石炭税の仕組みを活用し、石油石炭税にCO2排出量に応じた税率を上乗せする地球温暖化対策のための税を設けることといたしております。

 また、国税通則法の抜本改正につきましては、納税者権利憲章の策定、税務調査手続の明確化、法制化、更正の請求期間の延長等、処分の理由付記の実施を図ることとしておりまして、税理士会の先生方を初め多くの方々からこれは画期的な改正である、また税務当局においても今まではっきりしていなかった部分をはっきりさせていただいた面があるということで、多くの皆様から御評価をいただいている改正案になっていると存じております。

 ありがとうございます。

    〔鷲尾委員長代理退席、委員長着席〕

小野塚委員 ありがとうございます。

 この抜本改正は本当に意味のあることだと思います。私は五十嵐副大臣の地元のお隣でありますので、副大臣が副大臣というお立場を離れて個人的にもいろいろなことをお話しいただいておりましたが、この税改正における本当に強い思い入れ、それをなし遂げて法案にまでつくられた思いというのをお近くで拝見しておりまして、まだこの法案の審議途中ではございますが、与党、野党の中で賛成、反対はあるとは思いますが、しかし、それをしっかりと理解し、政権交代後初めて新たに一からつくった、財源となる、抜本改正を行った税制についていま一度深く理解をした上で、その上で賛成をする、または反対をする方は反対をするということを踏まえて、しっかりとこの法案についても審議をし、結論を出していく、それが私たち財務金融委員に求められていることなのだと思うのでございます。

 副大臣におかれましては、まだまだ語り尽くせないぐらいこの法案に、この税制抜本改正について思いがおありかと思いますが、本当に長く御説明をいただきましてありがとうございます。

 続いて、御説明いただきました税制、歳入面、または先ほどの歳出面におきまして、新政権になって新しく一からつくった平成二十三年度予算、この財源のうちの赤字国債、今回の特例公債法案で発行する赤字国債は三十八兆二千八十億円を見込んでおります。この特例公債法案が成立しなくても歳入として見込まれるものは、いわゆる税収の見込み、これが四十兆九千二百七十億円、またいわゆる建設国債、財政法四条国債が六兆九百億円ございますので、これで合わせて四十七兆百七十億円です。

 では、これに対して歳出面はどうなっているかというと、基礎的財政収支の対象経費で、その中で最も根幹となりますのが社会保障費と地方交付税交付金、この二つを合わせて四十五兆四千九百二十四億円でございます。

 ということを見ますと、先ほどが四十七兆百七十億円でございますので、この社会保障費と地方交付税交付金だけで既に歳出を行っている、ほぼこれで使い果たしてしまう。特例公債法案が通らなければ、従来見込まれている税収または四条国債、いわゆる建設国債において、財源は使い果たしてしまうわけでございます。

 これを言いかえればどういうことかというと、教育関係の予算、科学振興費、公共事業関係費、また防衛の関係費、食料安定供給関係費なども、これは支給することができないということになります。財源として足りないというのは明らかであります。

 これは、くしくも、先ほど審議の中にもありましたが、アメリカにおいては昨日、債務上限の引き上げについて与野党の合意がなされました。日本時間のけさ、下院においては可決をし、また米国時間の本日中には上院でも可決する見込みであります。アメリカにおいてはデフォルトが回避されたわけであります。

 一方、我が国におきましては、このままでは、特例公債法案が成立しなければ、国家としての運営はもちろんできなくなることに加え、国民の皆様方お一人お一人の生活に重大なる支障が生じるというのは明らかであります。この重大な支障、これはいつごろから生じると考えられるのでしょうか。それについて御説明いただければと思います。

五十嵐副大臣 先ほども野田大臣からお答えがあったと思いますが、とにかく、この公債特例法が成立しない場合、一般会計歳出総額の約四割という歳入欠陥が生じてしまいます。そして、なるべくその執行を効率的に行って、デフォルトという事態が起きないように工夫をしているところでございますけれども、今国会でこれが成立しない場合、これが先に延ばされると、十月にはその危機が現実のものになってしまう。そして、国会というところはまさに、何が起きるか、一寸先はやみの世界でございますから、本当に、早々に次の臨時国会が開かれて、それまでに、危機が現実化するまでに法案が通るという保証はないわけであります。

 ですから、私どもは、今国会中にどうしても御理解をいただいて成立をさせていただきたい、こういうお願いを必死に今しているところでございます。

 一方で、ただ、歳出を削らなきゃいけない、抑制しなければいけない、払うべきものを少なくしなければいけないというだけではなくて、財政というのは基本的に危機対応だということを、先日も近藤委員の質問に対して私はお答えをさせていただきました。何か起きたときに余力がないと、予備費等もそのためにあるんですけれども、例えば、新たな国家賠償を巨額に要する事案が出てきたとか、あるいは金融危機のような突発的な状況が出て我が国の金融システムに危機が生じる、あるいは新たな災害、起きてはならないけれども起きる場合もございます。

 そうしたときに、一々、起きるたびごとに増税を図らなければいけないというようなことでは対応できないということですから、私どもは、やはりできるだけ財政に健全性を保っていかなければいけない、それが危機対応の力、財政の本来の目的の一つだ、機能の一つだ、こう思っているものですから、そのぎりぎりまで今来てしまっている。

 一八〇%を超える負債の率、これはIMFから指摘をされるまでもなく、異常な水準に来ている、これは与野党ともに共通の認識だと私は思います。ですから、この対応能力をしっかりと守っていかなければいけない。

 特例公債そのものは、本来出すべきでないということはもう明らかであります。そして、建設国債は許されるけれども、それにしても借金であることに変わりありません。本来は、コストをかけて後で税金でお支払いをするということですから、税金の使い道としては、なるべく借金をしない方がいいにこしたことはないですけれども、一時的な支出をならすために国債を使うということも当然あり得る話でありますけれども、なるべく後世代に負担を残さない、そして健全性を維持して後世代の安全、安心を確保するということが必要だという観点から運営をしております。

 特例公債法については、これが通らないと国民に大変な御迷惑をかけるという意味で、ぜひ御理解をお願いしたい、こう思っているところでございます。

小野塚委員 ありがとうございます。

 そういう意味では、財政が今本当に、そこに危機が来ているというようなところにまで来ているわけであります。

 ただ、これは午前中の議論にもありましたけれども、アメリカのように何か急にお金が出なくなってしまうとかいうことなのか、それともどういうことが起こるのか、これは国民の皆様にとってもなかなか御理解いただけないでしょう。いわゆるこの特例公債法案が通らなかったとき、午前中の議論でも、予算の執行抑制を行っていく局面になっていくという話がありましたけれども、予算の執行抑制を行っていくというのはどういうことが具体的に行われていくのか、それを私たち財務金融委員会のメンバーはもちろん理解する必要がありますし、国民の皆様にも御理解いただくということが必要だと思います。

 そうならないことがもちろんなんですが、そういう状況に今我が国の財政、また今の国会審議の状況はあるということを認識しなければならない。その意味において、具体的にどのようなことが起こるのかということについて御説明をいただければと思います。

五十嵐副大臣 これは難しい御質問でございまして、国民の皆さんの間に余計な心配を振りまくということにもなりかねないわけでございますけれども、これまでどうしてきたかということをまずお話しさせていただくと、年度当初から、一般会計から特別会計等に繰り入れる時期を延ばすなどの工夫をして、執行管理をきめ細かく行ってきたところでございます。

 直ちにデフォルトということは、おっしゃるとおりないわけですけれども、これが迫ってきますと、予算の執行の抑制を行わなければいけない。丸ごとお支払いせずに、何割かということになるかもしれません。例えば、政党交付金であるとか交付税だとか、いろいろまとまって一定の期日にお支払いをしなければならないものがございますけれども、こうしたものについて本当に丸ごと払えるのかという心配が出てくるのではないか。なるべく御迷惑のかからないところからという工夫はしなければいけないと思いますけれども、本当に真剣な事態になってくるということは確実だと思います。

小野塚委員 ありがとうございます。

 本当に、我が国においてこういう経験がないからこそ見えないところもあります。ただ、それが起こってしまったら、先ほど副大臣から御説明いただきましたように、財政の余力がなくなることの怖さ、また三月十一日のことを考えれば、何が起こるか本当にわからないという中において、この法案についても、賛成、反対の御議論はあるかもしれませんが、早急な結論を出していかなければならないと思うのでございます。

 平成二十三年度予算につきましては赤字国債の発行を想定しておりますが、その後につくった予算、第一次補正予算、第二次補正予算につきましては、これは実は一円も赤字国債、まあ赤字国債どころじゃなくて建設国債も、国債を発行せずにつくったわけでございます。その意味からも、特例公債法案は何か赤字国債を野方図に発行しているのではないかと思われがちなんですが、この一次補正、二次補正を見ても、赤字国債を野方図に発行しないという努力が大変うかがえる予算となっているんだと私は思います。そのスタンスがあらわれているものだと思います。

 補正予算につきましては、財源面におきましてぎりぎりの努力をしたということがわかるのでございますが、特例公債法案の審議に当たりまして、これまで平成二十二年度予算、二十三年度予算と御説明いただきましたが、第一次補正予算、第二次補正予算についてどのような御努力をされたかについて、改めて御説明をいただければと思います。

五十嵐副大臣 まず最初に、一次補正予算について御説明を申し上げます。

 約四兆円の震災関係経費の財源として、歳出の見直し等を充ててございます。具体的には、子ども手当の上積みの見直し〇・二兆円、高速道路無料化社会実験の一時凍結〇・一兆円、高速道路料金の見直し〇・三兆円、これは御批判もありますけれども年金臨時財源の活用二・五兆円、経済予備費による調整〇・八兆円、これらが主なものとなって、合計で約四兆円でございます。

 続きまして、第二次補正予算につきましては、先ほども少し述べさせていただきましたけれども、約二兆円の歳出の財源として、平成二十二年度決算剰余金を充てることといたしております。

小野塚委員 ありがとうございます。

 政権交代をしてから、総選挙が終わってから二年がたちました。今振り返らせていただきました平成二十二年度予算、二十三年度予算、そして第一次補正予算、第二次補正予算、震災後につくられた予算も含めて、かつて政権交代を行った総選挙のときに私たちが訴えた、また国民の皆様に御期待をいただいたことを私たちはこの二年間どのようにやってきたのかということを改めて振り返り、そして、任期があと半分となりましたが、何ができて何ができなかったかということをもう一回私たちは真剣に見詰め直す必要があると思います。何かマスコミ的な言い方ではなくて、一つ一つ、国会議員は多くいらっしゃいますが、財務金融委員であるこの私たちがやらなければ、それはだれもやらないことであると私は思いますので、ちょっと長くなりましたが、平成二十二年度から直近の補正予算までを振り返らせていただきました。

 この後は、第三次の補正予算について、国会において、この財務金融委員会もそうですし、予算委員会もそうですし、復興特別委員会においても、本当にさまざまな委員会で議論をすることとなると思います。これは本当に重要なテーマでありますのでしっかりと議論をしていかなければなりませんが、そこにつきましてはまたの機会に譲りまして、私からは、今度、この先の部分、来年度予算、平成二十四年度予算について伺いたいと思います。

 平成二十四年度予算につきましても、概算要求の時期が近づいてまいっております。この予算を編成するに当たりましては、現在の財政状況を踏まえれば、来年度の予算においては赤字国債の発行はより増大する可能性があると思います。相当厳しい状況になるのではないかと思うんです。

 この点に関しまして、まだ予算の概算要求の前でありますし、まだまだつくっている過程だとは思いますけれども、この御認識をぜひ私たち委員に対して御説明いただければと思います。

五十嵐副大臣 私は正直なものですから申し上げますが、三次補正の話、それもまた財源が問題になっておりますけれども、財政という意味では、これは二十四年度以降もずっと続いていって、健全性を取り戻さなければいけない、先ほど言った危機対応能力を取り戻さなければいけないということから考えると、本当にこのままで二十四年度以降が組めるのかということを実は真剣に悩んで、考えていかなければいけないという認識を今持っているところでございます。

 本年一月に公表された平成二十三年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算というものがございまして、名目成長率を一%台半ばとしたケースで考えますと、歳出と税収等の差額が二十三年度は四十四・三兆円でございましたけれども、二十四年度は四十九・五兆円と増加する。仮定計算でございますけれども、自然体ではそうなってしまうということなんですね。

 これは大変なことだと思います。もちろん機械的な試算でございますけれども、財政を取り巻く状況はいよいよ厳しくなるということでございますので、平成二十四年度以降の新規国債発行額についても着実に縮減させることを目指して抑制に全力を挙げるとされている二十二年六月の閣議決定、財政運営戦略を踏まえまして、今後とも適切に財政運営に取り組んでまいりたいと思います。

小野塚委員 ありがとうございます。

 それでは、また歳入面から伺いたいと思うんですが、先ほど御説明いただきました税制の抜本改革、平成二十三年度税制改正法案であります、正式名称でいうと、経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案についてはまだ審議途中でございます。もちろん、与党、野党において賛成、反対とあって、先ほどの副大臣のお話のとおり、意味ある、意義ある法律でございますので、これはぜひとも私は成立をと思いますが、これが現状においてはまだ通っていない。

 その中においては、現状の法制下において、税収を増加させる努力といいますか、何か必要な手だてというのはないのかということをぜひ伺いたいんです。法改正が行われなくても歳入、税収をふやしていく方策、これまでも御努力はなされていると思いますが、今後もこれは不断の努力をしていかなければならないことであります。

 これにつきまして、これまでやられたこと、また今後やろうとされていることについて御説明をいただければと思います。

五十嵐副大臣 法改正、税法の改正なしにどうやって税収を上げられるかということでございますけれども、一つは執行面ですね。国税当局として、納税者の適正公平な課税を実現するという観点から、あらゆる機会を通じて課税上有効な各種資料情報を収集し、課税上問題があると認められる場合には税務調査などを行って、適正公平な課税の実現に努めなければなりません。特に、最近の社会経済情勢の変化にかんがみて、富裕層、無申告、国際化事案などに対して積極的に調査に取り組んでいるところでございます。外国を利用した課税逃れなども摘発をされております。

 こうしたことによって、税収入、なるべく公平に、公正に、きちんと漏れなく徴収させていただいて、国民全体のために貢献、寄与してまいりたい、こう考えているところでございます。

小野塚委員 ありがとうございます。

 引き続きそれは続けていただきたいですし、不断の努力が必要だと思うのであります。

 また、今度は逆に歳出面なんですけれども、これはもう前政権時代からもそうでしょうし、私たちも総選挙のときに強く訴えてまいりました無駄遣いをなくしていく、先ほど申し上げました一円たりとも無駄にしない努力が引き続き必要だと思います。

 その上からぜひ伺いたいのでありますが、先ほど一般会計の話をいたしましたが、七月末に平成二十二年度の特別会計の方も当然ながら決算が出ております。

 特別会計決算剰余金というのは、まず、全額でいうと四十一兆九千百九億円となっています。これは国債整理基金特別会計が入っておりますので、国債整理基金特別会計というのは国債償還のために使う部分がありますので、これを除いたといたしましても、十一兆一千八百四億円という剰余金です。一般会計の剰余金は、先ほど申し上げましたように二兆百六億円でございましたので、特別会計の剰余金がいかに大きいかということがわかります。

 内訳は、まず、二十三年度の一般会計への繰入金として二兆七千三百四十五億円を使い、また積立金としては一兆八千七百八十億円、そして当該特別会計への繰入金として六兆五千六百七十億円を使うというふうになっているわけなんですが、一般会計への繰り入れというのはまさに一般会計に入りますので、それは自由に使える形になります。

 その次の、積立金一兆八千七百八十億円というもののうち、財政投融資特別会計の一兆五百八十八億円につきましては、これは平成二十三年度の一般会計に繰り入れられることになっていますので、この一・八兆円のうち約一・一兆円は、これも一般会計に入ってくる。

 それで、もう一つ残った二十三年度の当該特別会計に繰り入れる六兆五千六百七十億円というのがあるわけなんですが、これの内訳を申し上げますと、平成二十三年度の歳入予算計上が二兆三千七百十七億円、歳出の繰り越しというのが一兆四千八百十七億円、支払い備金が二千五百四十五億円、その他で二兆四千五百九十億円というふうになっているんですね。このうち、歳出の繰り越しという一兆四千八百十七億円というのと、支払い備金等という二千五百四十五億円というのは、これは内容を見ますと使途は決まっておりますので、それ以外のところですね。

 もろもろちょっと申し上げましたけれども、これら特別会計剰余金というのは、これはどういうものであり、そこに無駄はないのか、有効に使われることになるのかということについて御説明をいただければと思います。

五十嵐副大臣 もう既に、大部分、小野塚さんが整理をされて話をされましたので、改めて申し上げるということになります。

 国債整理基金特会は三十・七兆円ということで、これは将来の償還のために使うので除外をすることはもう小野塚委員もおっしゃったことであります。あとは、年金特会が三・二兆円、外為特会が三兆円、交付税特会が一・九兆円、財投特会一・三兆円というような剰余金になっておりますが、それぞれほとんどのものは、一般会計の財源として活用できるものは既に活用しているという状況でございます。これももう小野塚委員が先ほど御説明をされたとおり、正しい数字だと思っております。具体的には、二十三年度予算において、財投特会から一・二兆円、外為特会から二・九兆円、合計四・二兆円を一般会計に繰り入れているところでございます。

 御指摘の、ほかにその方法が、余地がないのかということでございますけれども、まず、外為特会の積立金を取り崩して一般会計に繰り入れられるかどうかについてでございますが、この積立金は財投預託をされております。これを取り崩す場合は、同額の財投債、財投債も国債でございますが、発行が必要になります。政府短期証券という資金繰り証券により調達した資金を一般会計の財源として使うことと同様でございますので、財政制度の根幹に抵触しかねないという問題がございます。

 それから、国債整理基金でございますが、これは、各年度、一般会計からの定率繰り入れ等の繰り入れと償還との時期の一時的な期ずれ、このずれがあるために、制度的に積み立てられているものでございます。将来の国債の償還財源であるので、これを取り崩すことは市場からの信認を損なうおそれが多分にございます。また、取り崩した分だけ将来の国債償還の負担が増加する、隠れ借金になってしまうということですので、これも問題が大いにあるということだと思います。

 また、労働保険特会というものがございますが、この雇用勘定の積立金の活用については、不況のときに必要となる失業給付等の支払いの財源となるために労使から集めて、その納めていただいた保険料を積み立てているものでございますので、これを他の目的に流用するというのはいかがなものかと思います。もし本当に余剰があるのであれば、保険料率を下げるということの方が正統的な考え方と思っております。

 こうして見ると、さらに掘り起こすというのは、言うべくしてなかなか簡単ではないということだと思います。

小野塚委員 ありがとうございます。

 昨年、特別会計の事業仕分けというのが行われました。私もその下準備のような仕事をさせていただいたんですが、その後、実際に仕分けの作業も行われたわけです。

 これに関して、今政府として、この特別会計事業仕分けについてはどのようにお考えで、今後どうされようとしているのかということについて、一度確認をさせていただければと思います。

野田国務大臣 冒頭に御配慮の御発言がございましたけれども、私が御提案をしている法案審議でございますので、ずっとお聞かせをさせていただいておりました。

 その上で、特別会計改革でございます。

 昨年の事業仕分けを踏まえて、そして、その対応をするべく準備してまいりましたけれども、三月十一日の東日本大震災の発災後、特会の中でも、震災にかかわる特別会計があるんですね、例えば漁船の再保険だとか、あるいは地震再保険、こういうものをどうするかということは、少し震災への取り組みを見ながら判断していこうというものが出てまいりました。加えて、それとは無関係で、しっかりと事業仕分けの結果を踏まえた対応をしなければいけないもの、その整理を行政刷新会議でさせていただいて、報告をさせていただきまして、御了承をいただいたところです。これは七月二十一日でございました。

 それで、特別会計法を所管するのは私ども財務省でございますので、引き続き、震災の影響のあったものとそうでないものを整理しながら、各省とも検討を一緒にさせていただきながら、可能なものについて、特別会計の改革の法案を来年の通常国会に提出できるように準備を進めていきたいと考えております。

小野塚委員 大臣みずからありがとうございます。

 特別会計については本当に歴史もありますし、これは戦前からあるものでありますし、本当に一回の事業仕分け、それも、いろいろ勉強しながらやったような事業仕分けの中だけではまだまだ切り込み切れていないと私は思っておりまして、不断の見直しというのを続けていかなければならないと思うんです。

 今、大臣御みずからお答えいただきましたし、また副大臣もいらっしゃいますので、ぜひリーダーシップを発揮いただいて、ここは本当に重要なところだと私は思っておりますので、当然のことながら、私も、一議員としても、またそれ以外の部分においても、しっかりとお手伝いしてまいりますので、その点を強くお願い申し上げる次第でございます。

 それで、これは大臣がいらっしゃらないかと思っていたので、五十嵐副大臣にと思って用意した最後の質問なんですけれども、五十嵐副大臣は、かつて「大蔵省解体論」や「財務省支配の復活」という財務省に関係する御著書を著されています。今まさにその財務省の大臣に次ぐナンバーツーになられて、一年近くがたたれたわけでございます。

 改めて、五十嵐文彦先生として、財務省に対する御見解をいただければと思うのでございますが、よろしくお願いいたします。

五十嵐副大臣 ありがとうございます。

 余り変わっていないんですけれども、私が「大蔵省解体論」を書いたときは、実は、大蔵省の大スキャンダルが起きたときですね。そして、住宅金融をめぐって大変大きな支出をしなければいけなかった。

 その原因を考えたときに、銀行局の特別金融課長さんですかね、一年交代で主流派の大蔵省の官僚がポストに座って、出世をしていく通り道にする。そして最後に、天下るときに、金融経験があるということで金融機関に天下っていく。こういう仕組みになっていたわけでございまして、そのために、自分が一年間務めている間はぼろを出さないように、先送り先送りしていくということがあの原因になったと、私は渦中にいて考えました。

 そこで、財政あるいは大蔵省のしもべとして金融を使うというのはよろしくない、財金分離をしなければいけないということで、塩崎さんや自民党の柳沢先生などともチームを組んで改革を仕掛けた。そして財金分離の路線をつくりました。私が一年生議員だったわけですけれども、そのときは一応路線を敷いただけで、実際に金融庁の分離はなかった、金融監督庁でしたけれども、最初はなかったんですが、その後できました。

 そのときに、片道切符にして、金融庁を踏み台にして、また財務省のもとに戻っていくというようなことは好ましくないと言っていたんですが、結局、まだ片道切符制はできておりません。そういう意味で、いろいろな改革がまだ残っているといまだに思っております。

 それから、財務省では、私、歳入庁をつくって保険料と税の徴収を一元的にやった方が効率的に、公平公正にできるんではないかということを申しまして、歳入庁の構想というのも打ち出して、いまだにこれは民主党としては目標として維持しておりますけれども、これもできておりません。財務省は大変嫌がっておりますけれども、改革の余地がまだまだあると思っております。

 ただ、財務省がその当時から、あの本を読んでいただいてもわかると思うんですが、嫌いだとか感覚的によくないとかいうことは言っておりませんで、当然、しっかり国全体、長期的な視野で財政、税制を見ているということもわかっておりますが、なお改革すべき余地は残っておると思っておりまして、財務省の中にいてそうした発言は時折しております。

 ですから、これは野田大臣も同じですけれども、官僚の言いなりということは全くありません。かなり言うべきことを言わせていただいて、結果として官僚の皆さんにも私どもの主張をよく理解していただいている、こう考えているところでございます。

小野塚委員 ありがとうございます。

 マスコミでは、財務省のシナリオだとか財務省の陰謀だとかいう言葉がよく出ますけれども、その財務省のナンバーツー、また大臣もいらっしゃるので、ナンバーワン、ナンバーツーがそういうお気持ちでやっていらっしゃる。そのマスコミの言い方自体も私も何かなと思うところもございますけれども、五十嵐先生また野田財務大臣のようなお方が財務省に入って、そういう改革も含めてやっていらっしゃることに改めて安心いたしましたし、引き続き、立場はいろいろあってもやっていただければと思います。

 冒頭申し上げましたとおりで、現在、我が国の財政は、赤字国債を発行しなければ国家財政が成り立たないという厳しい現実があります。この現実から目をそらしているわけにはまいりません。現実をしっかり見て、いかにして望ましい国家財政にしていくか。今この時代に国会にお送りいただいている私たち国会議員、また、特に私たち財務金融委員会メンバーは重大な責務を負っていると思います。

 特例公債法につきましては、賛成、反対、お立場はあると思いますが、国家財政について大いに議論をしていただきまして、私自身、国民の皆様からお預かりしているお金を決して無駄にしない、一円たりとも無駄にしないというその思いを持って財政再建に取り組んでまいりたいと思います。

 本日は、一時間お時間を賜りまして、ありがとうございました。以上で質問を終わらせていただきます。

石田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後二時五十九分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © 2014 Shugiin All Rights Reserved.