衆議院

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第16号 平成24年6月15日(金曜日)

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平成二十四年六月十五日(金曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   委員長 海江田万里君

   理事 網屋 信介君 理事 泉  健太君

   理事 糸川 正晃君 理事 岡田 康裕君

   理事 岸本 周平君 理事 竹下  亘君

   理事 山口 俊一君 理事 竹内  譲君

      五十嵐文彦君    江端 貴子君

      小野塚勝俊君    緒方林太郎君

      柿沼 正明君    小山 展弘君

      近藤 和也君    菅川  洋君

      鈴木 克昌君    中塚 一宏君

      中林美恵子君    橋本  勉君

      平岡 秀夫君    藤田 憲彦君

      三谷 光男君    三村 和也君

      森本 和義君    森山 浩行君

      若泉 征三君    齋藤  健君

      竹本 直一君    丹羽 秀樹君

      西村 康稔君    三ッ矢憲生君

      村田 吉隆君    山本 幸三君

      佐々木憲昭君    豊田潤多郎君

      木内 孝胤君    田中 康夫君

    …………………………………

   国務大臣

   (金融担当)       松下 忠洋君

   内閣府副大臣       中塚 一宏君

   財務副大臣        五十嵐文彦君

   財務大臣政務官      三谷 光男君

   財務大臣政務官      若泉 征三君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局長)  森本  学君

   政府参考人

   (金融庁監督局長)    細溝 清史君

   政府参考人

   (金融庁証券取引等監視委員会事務局長)      岳野万里夫君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           山崎 史郎君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房国際部長)          坂井 眞樹君

   財務金融委員会専門員   北村 治則君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月十五日

 辞任         補欠選任

  大串 博志君     橋本  勉君

同日

 辞任         補欠選任

  橋本  勉君     森山 浩行君

同日

 辞任         補欠選任

  森山 浩行君     柿沼 正明君

同日

 辞任         補欠選任

  柿沼 正明君     大串 博志君

    ―――――――――――――

六月十五日

 所得税法第五十六条の廃止を求めることに関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第二〇六七号)

 同(志位和夫君紹介)(第二一四六号)

 所得税法第五十六条の廃止に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第二二四九号)

 共済年金の遺族年金併給に関する請願(渡部恒三君紹介)(第二三六八号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 金融に関する件


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     ――――◇―――――

海江田委員長 これより会議を開きます。

 金融に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として金融庁総務企画局長森本学君、監督局長細溝清史君、証券取引等監視委員会事務局長岳野万里夫君、厚生労働省社会・援護局長山崎史郎君、農林水産省大臣官房国際部長坂井眞樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

海江田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

海江田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。緒方林太郎君。

緒方委員 民主党、緒方林太郎でございます。

 まず、松下大臣、御就任おめでとうございます。大臣になられて、また、金融そして郵政も担当だというふうに承知をいたしております。しっかりと頑張られることを御期待申し上げます。

 そして、私は、この財務金融委員会、三回目の質問でありますが、常任委員会で質問させてもらったのはこの財務金融委員会だけでございまして、いい委員会だなというふうに思います。理事そして委員長、皆様方に御礼を申し上げたいと思います。

 大臣に、金融に関する件ということで御質問させていただきたいと思います。

 今、きょうもスペインの国債が七%を超えたというお話がございました。欧州の経済情勢は本当に混沌としている。そしてスペイン、バンキアの救済とかいろいろ、そういった十兆円近くの資金を要請して、それが決まった。にもかかわらず、引き続きスペインの国債については利率が高い。

 私、思うんですけれども、スペイン自身は、IMFからも、銀行の透明性については相当程度努力をしているという評価がございました。しかしながら、欧州全体の銀行を見たときに、透明性の低い国がまだまだあるんじゃないか。透明性が低いがゆえに、結果として、例えば資本が十分に積まれていないとか、そういった懸念があるんじゃないかというふうに思うわけですね。

 大臣、欧州の諸国の銀行の財務状況とかリスク計算とか、そういったものの透明性について、十分確保されているという御認識でありますでしょうか。

松下国務大臣 お尋ねの件でございますけれども、欧州全般について申し上げますと、周縁国を中心に、国外からの資金流入によりまして、二〇〇七年ごろまで不動産価格が高騰いたしました。リーマン・ショック等を受けて不動産価格は下降に転じ、欧州周縁国の銀行の不良債権比率が上昇基調にあるという状況でございます。

 市場の安定のためには、おっしゃったように、情報開示による透明性の向上と同時に、市場に不測の悪影響や不安を惹起しないように、市場との間での適切なコミュニケーションが重要であると考えています。その一環として、当局が政策対応の道筋を明確に示すことも必要であるというふうに考えています。

 欧州においては、経済、金融の安定や市場の信頼確保に向けてこれまでもさまざまな努力がなされておりますけれども、市場との適切なコミュニケーションを行って、適切な政策対応の道筋を迅速に示すように、引き続き欧州に対して働きかけてまいりたいというふうに考えています。

緒方委員 日本はIMFの資本増強に六百億ドルのコミットをしたとか、そういった話もありまして、日本も欧州の安定に向けて貢献をする気構えを見せているわけでありますけれども、しかしながら、何かまだ隠れているんじゃないかとか、実はまだまだ不良債権があるんじゃないかとかいうことが続くことによって、結局、これは日本の円にはね返ってくると思うんですね。今、円が実勢に比べて高い状況にあると思うときに、やはり欧州の予測可能性が高まることが重要だというふうに思います。

 それを高めていくために、やはり日本もステークホルダーの一人だというふうに思います。日本としても、欧州に、しっかりと透明性を高め、そして経済の安定、銀行行政の安定、そういったものを働きかけていくべきだと思いますけれども、大臣、もう一度いかがでございますでしょうか。

松下国務大臣 おっしゃるとおり、日本もしっかりと働きかけをして、強めて、我が国の金融のシステムをしっかり守っていくことは大事だと思っています。

 アメリカの雇用の問題がなかなか思うようにいかない、そしてまた、中国の景気が少し弱まってきているというようないろいろな状況もございまして、我々としては、ヨーロッパのいろいろな、金融、財政、そして債務の状況等にもしっかりと注目しながら、我々の、日本としてのしっかりとした発信をしていかなきゃいかぬ、そう思っています。

緒方委員 ありがとうございました。

 私も昔、フランスに二年住んでいたことがありますが、いま一つ、本当に大丈夫かな、何か強がりを言って隠しているんじゃないかなという懸念が自分の中ではどうしても拭うことができません。日本のかつての、一九九〇年代の不良債権処理と非常に似たものを感じます。

 小出しにしている限りにおいては、なかなか抜本的な銀行の不良債権処理というのは実現をしないわけでありまして、情報を開示して、そして、私は、ベールアウトするところはベールアウトするところがあっていいと思います。日本もステークホルダーでありますので、そういった抜本的な対応をすることを、日本としても欧州に強く求めるべきだというふうに思います。

 大臣から種々答弁がありましたので、もうこれ以上質問することはいたしませんが、これに関係してもう一つ。

 欧州の中でのみならず、欧州の銀行が今、いろいろな形でデレバレッジ、日本語で言うと貸し剥がしのようなものだと思いますけれども、いろいろなところで欧州の銀行が、自分の資本を守るためにということでデレバレッジを行っている。これは、結構、世界のいろいろなところに欧州の銀行は貸し込んでいるわけでありまして、中国にもかなり貸し込んでいるという話がございます。どういうふうに分析をしておられますでしょうか、大臣。

松下国務大臣 国際決済銀行、BISの統計によりますと、今お尋ねの件でございますけれども、欧州の銀行は、昨年下半期の六カ月間で、アジア諸国に対する国際与信の残高を八・九%減少させている。そのうち、中国に対しては五・三%の減少ということになっています。

 他方で、我が国の銀行でございますけれども、同じ期間に国際与信の残高をふやしておりまして、対アジア全体では八・〇%、うち、対中国、プラス一六・六%となっています。結果として、欧州等の銀行によるデレバレッジの影響を一部緩和する形になっているという実態でございます。

 したがって、全体では、アジアに対する国際与信の残高は三・八%の減少で、中国に対しては〇・八%の減少にとどまっているという状況でございます。

 もっとも、仮に、欧州の銀行によるデレバレッジが長期化、深刻化して、中国を初めとするアジア諸国の経済成長が低迷するようなことがあれば、これは我が国の輸出や景気に悪影響が及ぶ可能性があることは広く指摘されております。

 金融庁としても、世界経済の動向については、高い関心を持ってこれからも注視してまいりたい、そう考えています。

緒方委員 かつて、一九九〇年代、バーゼル1、バーゼル2ということで、日本は、資本をティア1、ティア2で八%ということで、非常に苦労いたしました。今、バーゼル2の適用ということで、ティア1の部分が四%以上であるとか、普通株の部分が二%以上であるとか、いろいろな意味で非常に厳しい規制がかけられ、それによって、日本の銀行もそれに適合するために非常に苦労してきたという歴史があります。

 ヨーロッパも同じことをやるべきだと思います。こういう状況だからこそ、あえて、別に嫌がらせをするつもりじゃないですけれども、銀行の健全性を維持するために、日本としてもしっかりとした働きかけを、金融担当大臣としてよろしくお願いを申し上げます。

 テーマをかえたいと思います。

 TPPのお話なんですけれども、私は、TPP推進派を強く任じてやっているものであります。

 思い出すのは、実は私は一九九四年に外務省に入ったわけでありますが、当時、WTO協定の受諾ということで、米のミニマムアクセスの話とか、いろいろありました。役人一年目でありまして、自民党の部会に行くと、当時、松下議員が非常に強くこの件について意見を述べておられたことを本当によく覚えております。そのころのことから鑑みて、今、松下大臣は、いや、自分はああだったけれども、やはりこういった自由貿易というのは進めていくべきだというその強い信念をいろいろな場で表明しておられることを、私は本当に心強いというふうに思っております。

 その自由貿易協定の一つの中に、TPPでよく言われていることの中に、これらの制度はイコールフッティングが確保されていないじゃないかということで、大きな二つのものが挙げられています。共済、そして郵貯、簡保、こういったものが挙げられております。イコールフッティングじゃない、だからこれを是正しろというふうに言われております。

 共済制度なんですけれども、日本に非常に固有の制度だろうと思います。そもそもあれが保険なのかどうかということも、いろいろな議論はあるわけでありますけれども、諸外国、特にアメリカから、そもそも共済はイコールフッティングじゃないんじゃないかと。その批判に対してどのような御認識をお持ちでしょうか。

松下国務大臣 いわゆる共済事業でございますけれども、保険業法とは異なる根拠法、農協法とか生協法等がございますけれども、それに基づき、農協、生協等が行ういわゆる制度共済というのがございます。

 もう一つ、いわゆる根拠法のない共済への対応として、保険業法において創設された認可特定保険業者が存在しているわけでございます。

 今、その話でございますけれども、これらの者に対する規制監督の仕組みを保険会社に対する規制監督の仕組みと比較しますと、契約の相手方は原則として組合員等に限定をされている一方で、参入要件や手続は緩やかになっております。また、保険募集や経理に係る規制はほぼ同等である。

 こうしたことを踏まえると、いわゆる共済事業を行っている者と保険会社とで競争条件は大きく異なるものではないというふうに見ております。

緒方委員 同じく、今、根拠法があるものについての共済がということでありました。

 きょう、厚生労働省と農林水産省、それぞれ生協そして農協ということで来ております。今、イコールフッティング論の中で、それぞれ所管の共済について、各省庁、御意見を賜れればと思います。

山崎政府参考人 お答え申し上げます。

 協同組合による共済は、一定の地域や職域でつながる者による助け合いの趣旨でございまして、組合員の相互扶助活動の一環として行われてございます。

 これに関します各監督官庁の監督検査の基準及びその基準の透明性につきましては、金融庁の保険に対するものとほぼ同様のものになっている、こういうふうに認識している次第でございます。

坂井政府参考人 お答えいたします。

 農協が行っている共済事業につきましてですが、これにつきましても、民間保険会社に適用されている保険業法と同等に、準備金の積み立てですとかあるいは財産運用規制などの規定が農協の設立根拠となっております農協法の中で措置をされておりますので、そういった意味で同等の措置がとられている、こういうふうに認識をしております。

緒方委員 今聞いた感じでは、共済について、確かに、利益を上げる上げないとか、そういった違いはきっとあるんだろうと思います、そして、一部のものについて、根拠法があるものについての若干の参入障壁みたいな話もあるのではないかと思いますけれども、実際には、何か別に国から特別の権限を与えられているというわけではないんじゃないかというふうに思いますし、ましてや、国から金が出ているわけではない。何をもってイコールフッティングでないと言われているのかというのが、私自身は非常に疑問であります。この点は、これからもどんどん出てくると思います。

 TPP、交渉するかどうかというのはまだ決まっておりませんけれども、仮にアメリカと何か経済のやりとりをするときには、不公平な、イコールフッティングが確保されていないんじゃないかというような話がありますが、こういった共済制度、実際に実態を見てみれば、別に何か権限が来ているわけでもない、金が来ているわけでもない。根拠法が別だ、それだけであるということを考えるときに、強い姿勢で臨んでいただきたいということ。

 それにもう一つつけ加えさせていただくと、この共済制度を一元的に見ている役所というのがないんですね。今もありましたが、根拠法のあるところというのは、それぞれ農林水産省、厚生労働省。事前のレクをするときに、共済制度について聞きたいんですけれどもと言われたら、これは何々省です、これは何々省です、金融庁でやっているのはここだけですと。

 けれども、これは社会全体の保険のシステムの中で捉えられるべきものであって、もちろん、根拠法に基づいて、それぞれの業を見ているところの役所が見るというのはいいですけれども、全体を見る機能を果たすべきところがあるんじゃないかと思いますし、それは金融庁だと思いますけれども、大臣、いかがでございますでしょうか。

松下国務大臣 それぞれの業法を持っておりますので、保険業法とは異なる根拠法を持っているところは、やはりそれはそれでしっかりと対応していただかなければいけないというふうに考えております。

 我々は、やはり、保険業法に基づく、その根拠法に基づく対応をしていくのが僕らの仕事ではないかな、こう思っております。

緒方委員 ただ、国際交渉をするときに、向こうから一人出てきて、共済について話を聞きたいと言ったら、ずらっと各役所が五人も六人も並んでいるというのは格好悪いんですね。しかも、これは、やっている限り、大体、交渉というのは、ステークホルダーが複数になればなるほど各個撃破でやられていくというのが交渉の常でありまして、業としてそれぞれ持っていることはいいけれども、制度として何か全体を見る機能というのが必要ではないかということは、あえて一つ述べさせていただきたいと思います。

 もう一つ、郵貯、簡保、これらについてもイコールフッティングが確保されていないのではないか、そういうことが言われます。大臣、御意見はいかがでございますでしょうか。

松下国務大臣 緒方議員のおっしゃるところの意味は、私も共通のところを持っている、そう思います。

 むしろ、正々堂々と交渉の場に立ち、我が国の主張をしっかりしていくということが大事でございますし、また一方、今回努力していただいて、それぞれの政党の協力をいただいて郵政の改正ができましたけれども、それにおきましても、他の金融機関との適正な競争条件が確保されていること、それを阻害してはならないということがありますから、国内的にはそこに十分配慮しつつ、国際的にはやはり我が国の主張はしっかりと展開していくべきだ、そう考えています。

緒方委員 よく、闇の政府保証があるんじゃないかと。つまり、国が株を持っているから闇の政府保証がある、そこがイコールフッティングじゃないんじゃないかと言われますね。ただ、預金保険料もしっかり払っているわけでありまして、通常の金融機関以上の何か保護がなされるというふうに私は理解していないわけでありますけれども、いかがでございますでしょうか、大臣。

松下国務大臣 この保険業法上のかんぽ生命等については、これはもう御承知だと思いますけれども、金融二社の経営状態によく配慮しながら勘案しなければいけないということと、やはり、他の同業他社、同業の金融機関との適正な競争条件が確保される、それを阻害してはならないということが国内法的にはしっかりとある。

 一方で、今回の改正法では、三事業一体で、そして全国あまねくユニバーサルサービスを行うということが義務づけられておりますし、三事業一体だということが隅々にまで行き渡るためには、やはり一定の、力強い、それを推し進める仕組みがなければいけないと思っています。

 一方では、また、四十万人の人たちがしっかりとした仕事をする環境の中で、営業して、成績を上げて、そして稼がなければいけないということもございますので、そういうことを兼ね合いしながら、しっかりと国内の体制を固めた上で、そして、海外とのいろいろな交渉も含めてしっかりと対応していきたい、そう考えています。

緒方委員 実際に、郵貯、簡保、特に郵貯を見ていると、別に何か特別な保証をしてもらえるわけではない、闇の政府保証なんというものはないんだと。逆に、ユニバーサルサービスを維持していこうというのは、コスト要因ですよね。

 逆に、イコールフッティングで、優遇されている部分というのと、どちらかというと優遇されていない部分というのがあるとしたら、優遇されている部分というのは何だろうか。国が株を持っていることとかいろいろなことでイコールフッティングじゃないんだ、郵貯というのは物すごく優遇されているんだ、簡保も優遇されているんだと言うけれども、実際に見るときに、何が優遇されているのかということについて、具体的なものを私として見出せないんですね。

 もっと言うと、預金については一千万円まで抑え込まれている、簡保についても一千三百万円まで抑え込まれている。イコールフッティングというラインがあるとしたら、プラスの方に出っ張っている部分というのがほとんどなくて、むしろマイナスの方に出っ張っている部分が結構多いんじゃないかなというふうに思うわけです。

 細かいことを言うと、いろいろ、例えばですけれども、もうこれは皆さん御存じだと思いますが、両替については、銀行で両替してもらおうとすると、お金を取られます。けれども、地域の郵便局に行くと、郵便局は無料でやっている。これは地域サービスということで、社会の公益性とかいうことを鑑みて郵便局というのはこういうことをやっている。これも実際にはコスト要因ですよね。

 いろいろなことで、イコールフッティングのラインがあるとすると、下に出っ張っている部分が多くて、優遇されているというふうに出っ張っている部分というのはほとんどないんじゃないかというふうに思います。

 こういうふうに考えたときに、イコールフッティング論、大臣、もう一度、どう思われますでしょうか。

松下国務大臣 確かに、郵便貯金は一千万、保険は一千三百万という上限をしっかりとかぶせられています。

 そしてまた、新規事業に参入することにつきましては、経営状況もいろいろ勘案しますけれども、上乗せ規制があって、委員会による厳正な審査を経て、そして、その認可を得た上で事業を進めていく。そういう上乗せ規制があって、厳格に審査を受けるという形になっています。

 これは、おっしゃるように、確かに厳しい審査状況でございますけれども、一方でまた、この郵政改正法案を進める上でいろいろな意見があったということも聞いております。

 その中で、他の金融機関等との適正な競争条件を確保する、それを阻害してはならないということがあって、この上乗せ規制ができたというふうにも聞いておりますので、そういうさまざまな、いろいろな反応にもしっかりと対応することで郵便局のユニバーサルサービスが進んでいく、それを進めたいと思っていますし、一方でまた、海外との、TPP等も含めて、もしそれが交渉の場にのるとすれば、我々は正々堂々と我々の主張はしていかなきゃいけない、そう思っています。

緒方委員 いろいろな形で、イコールフッティングから見ると、どちらかというとマイナスというか不利益をこうむっている部分がかなりある。プラスの部分というのは、闇の政府保証がないということになるとほとんどなくて、外国の主張を聞いていると、とどのところ、何かというと、規模がでかいということが最後の彼らのよりどころのような気がいたします。規模がでかいから、いざ新規事業にわっと乗り出してくると、それが脅威である。

 けれども、そんなことを言い始めると、例えば、がん保険のアフラックなんというのはむちゃむちゃ巨大なわけでありまして、日本の市場の占有率なんというのは物すごいものがある。規模がでかいだけでイコールフッティングが確保されないというのであれば、それこそ、がん保険のアフラックなんというのは、あれは完全にイコールフッティングが確保されていないわけでありまして、そういう意味から考えると、私自身は、共済にしても、郵貯、簡保にしても、しっかりと主張するべきところは主張する。

 これは大臣、直接の交渉担当ではないと思いますけれども、不当なイコールフッティング論に乗らずに、しっかりと頑張るということを申し上げさせていただきたいというふうに思います。

松下国務大臣 直接の交渉担当ではございませんが、しっかりと国内での調整、そして、我が国の国益をかけた戦いになりますから、それに向けてはしっかりと理論武装をして向かっていきたい、そう思っています。

緒方委員 最後に一つ。

 郵政改革特の最後の質問のときに、同僚の奥野総一郎議員が、郵便局の小規模局の検査についてということで質問をさせていただいたというふうに記憶をいたしております。そのときに、当時の自見担当大臣は、小規模局に対する金融検査については、何ができるかをしっかり考えたいというお話がございました。

 大臣、現状、いかがでございますでしょうか。

松下国務大臣 自見大臣の国会の場でのいろいろ答弁もございますし、それを受けて、先般、五月三十一日ですけれども、小規模な郵便局を含め、小規模な営業店については、その対応能力を踏まえ、業務の円滑な遂行に支障が生じないよう配慮する旨を明記した金融検査マニュアル等の改定案を公表いたしました。そういうことでしっかりと対応してまいりたいと考えています。

緒方委員 ありがとうございます。

 ただ、実際に金融庁が一つ一つの小さな小規模局に検査に入ることはないわけでありまして、実際には郵便局会社の内部の監査で対応しているところが多いわけであります。

 これは私の地元のケースでありますけれども、検査というか監査がちょっとやり過ぎなんじゃないかなと思うケースを最近耳にすることがありました。

 郵便局会社でも、局長さんたちとかに対して、地域貢献をできるだけするようにというのはお話をしているようでありまして、私もいろいろな郵便局の局長さんたちが地域貢献で頑張っておられる姿をよく存じております。

 これは具体事例なんですけれども、局長さんがPTAの活動をやっておられて、局のところにPTAの方が来て、局長さんに、ちょっとこれを預かっておいて、これはPTAの関係でということで、受け取り物を局長さんが局内でした。それで、中を確認せずにそのままロッカーまで持っていった。ただこれだけ。ただ、その中には、後で調べてみたら現金が入っていた。これだけであります。これで非常に厳罰が局内の監査で行われようとしているという話がありました。

 地域貢献をしよう、そして、その中でいろいろな地域の活動をやっていて、局の窓口のところで、やはりお客さんとか知っている方からすると、よく知っている局長さんがそこにいると、ああ、ちょっとこれ、この間の件よろしくと渡すことはあるわけですね。それで、忙しいから、ああ、何の話だろうなと思ってロッカーまで、局の中を通って、置いただけで物すごい厳しい処分、懲罰が来るという話、これが実際の郵便局会社の内部の監査で行われようとしている。

 全部これは私の聞いた話であって、事実確認することはまたなかなか難しいところなのかもしれませんけれども、今私が言ったことが全て真実だとするときに、大臣、どういう感想を抱きましたでしょうか。

松下国務大臣 コンプライアンス、いわゆる法令遵守、自分に与えられた業務をしっかりとなし遂げるということは、これは仕事をやる上での基本でございますし、非常に大事なことだと思っています。

 一方でまた、事業が円滑に進まなきゃいけないということもありますし、いろいろな人間関係もあるでしょう。そういう、仕事が円滑に進む、事業が円滑に進むということがやはりしっかりなされながら、しかし、コンプライアンス、自分に与えられた仕事を遂行する、法令を遵守するということは大事だ、そこをしっかり兼ね合いしながら責任を果たしてもらいたい、そういうふうに指導したい、そう考えています。

緒方委員 ありがとうございました。

 本当に、こういったものは、やったことの行為ととられる処分の公平性が確保されるべきだというふうに思います。その点、郵政担当相でもありますので、よろしくお願いを申し上げまして、私の質問を終えさせていただきます。

 ありがとうございました。

海江田委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 きょうは、所信質疑ということですので、松下大臣の政治姿勢をただしたいと思います。

 今、最大の焦点となっておりますのは、言うまでもなく、消費税増税を柱とする社会保障・税一体改革の問題です。最終的な詰めというものが、民主、自民、公明の三党で協議をされていると聞いております。

 しかし、国会は三党だけではありません。政府から提出されている法案に対して全ての党が充実した審議を行う、これが基本であります。それなのに、我々から言わせると、三党だけで密室談合を行って、決まったら国会でまともな審議なしに通す、こういうやり方になりますと、これは重大な問題があるというふうに思うんです。

 まず、松下大臣は、このやり方についてどのようにお考えでしょうか。

松下国務大臣 今、国会で三党が精力的に知恵を絞りながら答えを出そうとしておられることを承知しております。どういう方向に向かって議論されておられるのか、間もなく答えも出てくると思うんですけれども、国会で真剣に議論されているその過程をしっかり見守りたいというふうに考えています。

佐々木(憲)委員 だから、国会というのは三党だけではないんです。国会で国会でと言うけれども、本来の委員会の審議と別なところで、それは、政党間協議というのはあり得るでしょう。しかし、法案の修正協議を三党だけで行う、こういうことが問題だと私は言っているわけであります。

 ところで、国民新党はこの三党協議にどういう形でかかわっているんでしょうか。参加していないと思うんですけれども、どういう対応をされているんでしょうか。

松下国務大臣 現在、政府の立場として、国務大臣として仕事をしておりますので、党の方のいろいろな、具体的な交渉の内容は知り得ていませんけれども、三党で政党間の協議がなされているということをしっかりと注目しながら、刮目して見ている、そういうふうに思います。

 ただ、三党の関係者の間で、我が党の幹事長あるいは政調会長が折につけて情報交換しながら結果を注目して見ているというふうに聞いておりますので、私も同様に三党協議の行方をしっかりと見詰めていきたい、そう思っています。

佐々木(憲)委員 参加はしていない、情報は得ていると。

 そうすると、三党が決めたら自動的に国民新党はそれを承認する、こういう関係にあるということですね。

松下国務大臣 党の方と、しっかりと国会の中で議論をしていただいて、話をしていただきたいと思っています。

 私は、今、国務大臣として、野田内閣の中で、金融とそして郵政の問題を担当せよということで仕事をしているわけでございまして、今申し上げたこと以上のことも以下のことも、今ここで申し上げる立場にないわけでございます。

佐々木(憲)委員 昨日、日本共産党、みんなの党、社会民主党、新党きづな、新党大地・真民主、新党日本、この六党の幹事長、書記局長が協議をいたしまして、そこで合意した内容は二点あります。

 一点は、民主党、自民党、公明党、三党による社会保障と税の一体改革法案の修正協議、イコール密室談合に反対する。談合の押しつけは、国会審議を形骸化させるものであり、断じて許されない。これが第一点。

 第二点は、国民の多数は、今回の消費税増税に反対である。世論調査では、今の国会で採決すべきでないとの意見が圧倒的多数である。会期末は目前に迫っており、今回の消費税増税法案に反対であり、廃案にすべきである。

 この二点を合意いたしました。

 この六党合意に対する松下大臣の感想をお聞かせいただきたいと思います。

松下国務大臣 それぞれ英知を絞って、関係する党の皆さん方が知恵を絞った結果でございますので、それはそれとして、事実としてしっかり受けとめたい、そう思っています。

佐々木(憲)委員 何か松下大臣の見解が見えてこないですね。全て受け身であります。何か、三党で密室協議をやって決めたらそれに淡々と従う、六党が何をやろうがそれはそれでどうぞおやりください、そういう感じで、主体性がどこにあるのか、本当に情けないと思うんです。

 民主党は、マニフェストに書いていない消費税増税を強行するために、ひた走っている。野田総理大臣が先頭に立ってやっている。私は、これは国民に対する背信行為だと思うんです。

 松下大臣は、二〇〇九年の、この前の総選挙、この選挙で国民新党から当選されました。国民新党は、消費税について、マニフェストでどういう約束をされましたか。

松下国務大臣 党の綱領を五月に発表いたしました。新しい国民新党として、郵政改革、現在の郵政民営化法を改正するということでこの問題に取り組んできたわけでございまして、それを受けた後、私たちは、国民新党として、新しい党の綱領をつくりました。

 そのときの消費税の考え方は、消費税を増税するに当たり、やはり経済関係、経済状況を、しっかりと必要な対策をとっていくということを党の綱領の中に掲げてあります。

 以上でございます。

佐々木(憲)委員 いや、私が聞いたのは、この前の総選挙のときに国民新党が国民に約束をしたマニフェストに消費税増税についてどう書いていたか、何を国民に約束したかということを聞いているわけです。

松下国務大臣 富の再分配をどう改革するのかという中で、「消費税は上げず、全額、社会保障のための目的税」云々というふうに書いてあります。

佐々木(憲)委員 前の総選挙で、「消費税は上げず、」とマニフェストに書いたわけですね。つまり、消費税増税はしないと。だから、国民新党は、この間の消費税増税の問題に対しては、最初、昨年の夏ぐらいまでは、増税には賛成できない、反対である、そういう態度をとってきたわけです。

 昨年六月の政府・与党社会保障改革検討本部において、社会保障・税一体改革の成案をまとめた。そのときに、国民新党が異論を唱えたわけです。そのため、閣議決定はできず、閣議報告という扱いになった。

 経緯は御存じだと思いますけれども、前任者の自見大臣は、当委員会で、私の質問に、「我が党の幹事長、政調会長が反対をいたしました」「わざわざ閣議報告事項にしたということ、きちっと国民新党の主張を御理解していただいて御配慮いただいた」、こういうふうに答弁をされました。経緯はそういうことだったですね。

松下国務大臣 そういうことだった、そう思います。

佐々木(憲)委員 ところが、その後、自見大臣は、これまでの態度を百八十度変えまして、消費税増税を含む大綱の閣議決定に署名したわけです、御承知のように。このことについてNHKの政党討論会で問われた亀井政調会長は、消費税増税は実現不可能な内容だと判断し黙認したという大変意味不明の発言をされました。その後、消費税増税を柱とする法案を認めるかどうかをめぐって、国民新党は、内部で大論争が行われて、八人のメンバーのうち、亀井静香代表と亀井亜紀子政調会長が国民新党を離れる。それで、六人が残ったわけですね。その六人の一人が松下大臣でありました。

 結局、消費税は上げないと書いたマニフェストと違うことを今、松下大臣はやろうとしているわけです。何でそういうことになってしまったんでしょうか。

松下国務大臣 我が党の一丁目一番地は、郵政改革、これをなし遂げることでございました。当時の国民新党の状況と、そしてまた国会審議の状況を今振り返ってみますと、国民新党はどういう立場にいるのかということを、政治の中で、態度をしっかりと表明する必要に迫られていたと思っています。

 その中で、国会が、審議がとまってしまうという重大な局面にあって、その中で、苦渋の選択として、私たちは、新しい国民新党として出発していこうという決意のもとに、当時の自見大臣を代表に選び、そして六人で新しい国民新党を再出発させたという経緯がございます。

 その中で、国会が正常化することで、郵政改革を、現在の郵政民営化法の改正をなし遂げた、四月二十七日、連休のぎりぎりでなし遂げることができたということは、私たちの大事な一丁目一番地をなし遂げることができたというふうに思っています。

 そこで、新しい党の綱領をつくり、私たちは、先ほど申し上げたような形で、再出発しようということになったわけでございます。

佐々木(憲)委員 国会正常化のために、国民に対するマニフェスト、つまり、約束をひっくり返した。マニフェストを守ろうとしたのは亀井静香代表と亀井政調会長のお二人で、マニフェストを変えても国会正常化なるものに貢献をしたい、つまり、マニフェストを変えてもそれでいいんだ、これが松下大臣の立場だ、こういうことなんですね。

松下国務大臣 国民新党の一丁目一番地は、郵政改革をなし遂げることでありました。そのために、国会の審議がとまり、あらゆる審議がとまり、全く、予算関係も含めて、関連法案は動かなくなりました。これは、国民にとって、国会がとまっているということをいつまでも続けることの方がむしろ国益に沿わない。私たちは、国会が正常化する、国民の負託を受けて国会の審議の中で法案を成立させていくということが大事だというふうに考えて行動したわけでございます。

佐々木(憲)委員 今の質疑を聞いて、私は、国民に対する約束である消費税は上げずという大問題を、それを全く逆の立場に変えた、つまり、国民に対して背信行為を行ったとしか思えない。

 郵政は郵政で、それはあるでしょう、それぞれの主張が。にもかかわらず、今最大の国民的な関心事であるこの増税をめぐって、大多数の国民は反対という立場をとっている。それを、マニフェストで反対を約束していた国民新党が賛成に百八十度変わって、国民に対する約束を踏みにじった。それで、当然であると。そういう姿勢は、政治家としてもまことにみじめな、非常に信用できない、そういう立場だと私は思います。

 これからいろいろ審議が行われますけれども、具体的には、さらに質疑をしていきたいというふうに思っております。

 以上で終わります。

海江田委員長 次に、竹内譲君。

竹内委員 おはようございます。公明党の竹内譲です。

 私の方からは、金融政策を中心に質問をさせていただきたいと思います。

 まず最初に、欧州の財政金融問題がこれから非常に大きな火種になってくるのではないかというふうに思います。その意味で、まず、欧州の財政金融問題の本質は何かという点と、それから、これが世界経済並びに我が国の経済に与える影響について大臣はどのようにお考えか、お聞きしたいと思います。

松下国務大臣 欧州の財政金融問題の本質につきましては、いろいろな切り口から、さまざまな見方がある、そう考えています。金融担当大臣としては、主に金融や実体経済とのかかわりの観点から一つの見方を申し上げたいと思います。

 御承知のとおり、欧州周縁国の財政問題は、株式、国債などの金融市場や金融セクターの問題に波及しています。したがって、現在では財政金融問題と呼ばれるに至っていますけれども、こうした中で、欧州周縁国では大きく二つの悪循環の発生が懸念されています。

 一つ目は、実体経済や財政緊縮との悪循環でございます。

 すなわち、欧州周縁国は、財政赤字の拡大により市場において国債価格が下落したために、緊縮財政を一層過激に加速せざるを得なくなっているということでございます。そのことが実体経済の悪化を招き、実体経済の悪化が税収の減少等を通じて財政赤字をさらに拡大させていく、そういうおそれがあるという指摘でございます。

 もう一つは、実体経済や金融との悪循環でございます。

 すなわち、欧州周縁国、ギリシャ、スペインといった国々ですけれども、財政赤字の拡大によりまして市場において国債価格が下落したために、国債を大量に抱える銀行が損失をこうむり、金融の収縮を発生させるおそれがある、そのことが実体経済の悪化を招き、実体経済の悪化が税収の減少等を通じ、財政赤字をさらに拡大させるおそれがあるという指摘でございます。

 このように、もともとは欧州周縁国の財政赤字に端を発した問題が、今や実体経済や金融を巻き込んだ悪循環を招き、一層解決が難しくなったということがこの問題の一つの本質と言えるというふうに考えています。

竹内委員 これが世界経済並びに我が国に与える影響についてはどのようにお考えですか。

松下国務大臣 世界経済の動向につきましては、我が国の景気は依然として厳しい状況にあるものの、復興需要等を背景として緩やかに回復しつつあるというふうに考えています。他方、米国では、雇用回復のおくれが懸念されています。また、欧州では、今申し上げましたように、既にイタリア、スペイン、ポルトガルでリセッションに入っております。そのことが確認されています。また、一部の周縁国、これはスペイン、ギリシャですけれども、ここでは失業率が二〇%を超える状況、中国でも、高い成長率に陰りが見えています。

 このように、世界経済は全体として弱い回復となっているほか、欧州の財政金融問題をめぐる不確実性が再び高まっていると考えています。これらを背景とした海外景気の下ぶれ等により、我が国の景気が下押しされるリスクも存在する、そういうふうに考えています。

 いずれにせよ、金融庁としましても、引き続き欧州問題や世界経済の動向を高い関心を持って注視してまいりたい、そう考えています。

竹内委員 私は、欧州債務問題の本質というのは、しばしば、何回かこの委員会で言っておるんですけれども、EUの同一通貨、ユーロというものを導入したということが歴史的な一つのエポックだと思うんですが、同一通貨を採用する場合には、昔から、最適通貨圏理論というのがありまして、大体、資本とか労働それから言語とかのさまざまなコストが、やはりそれなりに、同一通貨にした場合に、割に合うというか、経済的には非常に適正な範囲におさまる範囲で通貨を採用すべきだという理論があります。

 そういう意味では、今回の南欧と中欧というのが一緒の通貨圏になるのが適正であったかどうか、ここは定かではありませんけれども、一緒にした以上はやはりそれなりの支援をしないとなかなかやっていくことは難しいということは最初からわかっていたわけですね。

 今回は、主に国情というか、財政面をかなり格差があるにもかかわらず一緒にした、それで、当然問題が起きてくる。その救済方法としては、ほとんど金融支援中心でやってきたわけですが、もうにっちもさっちもいかなくなったというのが本質だと思うんです。

 そういう意味では、やはりここは金融だけではなくて、本当はドイツやフランスなどが中心となって財政的な支援もしていかないとなかなか難しいんだろうというふうに思っているわけです。

 日本でも、かつては沖縄は米軍の支配下にあったわけですけれども、一緒の国にした以上は、言葉の問題とかそういうこともありますけれども、もともと日本だったわけですから、そういう距離的な問題とかいろいろなことはあるけれども、沖縄というものを、同じ円の通貨圏でやっていく以上は、さまざまな交付税やさまざまな公共事業、さまざまな意味でやはり支援をしていかないと、到底切り離してやっていけるはずはない、こういうことだと思うんですね。

 ですから、ここはドイツ、フランスもやはり覚悟をしないといけない。切り離さないのであれば、切り離したらもっと大きな問題になりますから、ユーロから離脱させたりすると。そうすると、やはり欧州としては、覚悟を持って、財政、共同債の発行を含めて、その負担を含めて、やはりきちっと覚悟してもらうということが大事だと思いますし、日本もそういうスタンスで臨む必要があるんじゃないかな、こういうふうに思っている次第です。

 ちょっとほかの質問もありますので、この問題はこのぐらいにしておきます。

 それから、二つ目に、円滑化法の出口戦略として、中小企業の経営支援のための政策パッケージの具体化ということが非常にやはり重要だと私は思っておりまして、一応の絵柄というか概要は出されているんですが、やはり、これについて、全体予算はどうなっているのか、それから各都道府県を含めた人員体制はどうするのか、金融機関との連携強化はどうするのか、そのほか、事業再生ファンドの規模や数など、こういう面について、まず教えていただきたいと思います。

中塚副大臣 お尋ねの、中小企業の経営支援のための政策パッケージでありますが、ファシリティーとしては三つを考えておりまして、企業再生支援機構、中小企業再生支援協議会、それから独立行政法人中小企業基盤整備機構と考えております。

 まず、企業再生支援機構ですけれども、二十四年度の予算におきまして一兆六千九百九十億円、これは政府保証つきの借入枠が措置をされております。また、二十四年の六月の時点でありますが、百五十八名の役職員が在籍をいたしております。

 次に、中小企業再生支援協議会ですけれども、これは二十四年度の予算において三十九億円が措置をされております。二十四年の四月時点で、全国に二百三十八名の常駐専門家が在籍をしておると承知をいたしております。

 最後に、三つ目、独立行政法人中小企業基盤整備機構でありますが、これは中小企業再生ファンドに出資をいたしております。二十四年の六月時点で二十三のファンドがございまして、その総額は八百十八億というふうに聞いております。

竹内委員 一応、この出口戦略の概要は決まっておるんですが、これを本当に機能させないと、ことしは本当に危ないと思うんですよ、中小企業にとっては。モラトリアム法案がいよいよ終わりになりますから、しっかりと支援していかないといけないというふうに思っています。

 やはり、何といっても、私は、金融機関に本気になってここを使ってもらう、そしてしっかり連携をして、ここと連携をする中で、うまくつなぎ融資を含めてマネーを出してもらうように金融庁からも指導しないと、放りっ放しで、金融機関も、ここに任せておけばいいんだ、あとはお上のやることだみたいな感じで無責任になると、これはもう大変なことになると思うんですよ。

 そういう意味では、本当にしっかりと、監督、支援を含めて、指導、さまざまな意味で金融庁からやってもらいたいと思うんですが、大臣のまず決意を伺いたいと思います。

松下国務大臣 議員御指摘のとおり、ことしが非常に大事な年だ、そう思っています。来年の三月に最終延長期限を迎える。そして、中小企業の再生のために、その本質に入って、経営改善、そして新しい方向に向かって立ち上がっていくということをしっかりと確保していく努力をしなきゃいかぬ、そう考えています。

竹内委員 しっかりとやっていただくことを再度お願いしたいと思います。

 それで、時間がどんどんなくなってきまして、最近の増資インサイダー事件、四件ございました。これについて、概要とその対応について簡単に御報告を願いたいのと、それから、規制強化それから厳罰化の必要性があるのではないかという意見もあります。それから、特に野村証券はこのうち三件について絡んでおりまして、その内部管理体制の問題についてどのように指導監督していくのか、この辺、しっかりやってもらいたいと思うんですが、まとめて簡潔に御報告をお願いしたいと思います。

松下国務大臣 公募増資に関連したインサイダー取引が発覚いたしました。我が国の市場の公正性、透明性に対する投資家の信頼を損なうおそれがあり、その防止を図っていく、このことは重要な課題だと受けとめております。

 本件については、金融庁が平成二十二年の十二月にアクションプランを公表いたしました。その中に、公募増資に関連した不公正な取引への対応を盛り込み、制度面や運用面にわたる防止策を講じてきたところであります。

 近時の違反事例の内容等を勘案しつつ、さらに実効性のある再発防止策を検討していく必要があると今考えているわけでございます。

竹内委員 しっかりやっていただきたいと思います。

 野村証券は特に日本を代表する証券会社なんですから、やはり公正性を疑われることのないように指導していただきたいと思いますし、また、みずから律していただきたいというふうに思うんですね。さまざまな分野に人材も出されておることでありますから、そういう意味では、きちっとした指導監督をお願いしたいと思います。

 最後に、一問だけ財務省にお伺いしますが、いわゆる死亡保険金に係る非課税限度の問題につきまして、私どもは、基本的に資産課税の強化については理解しておるんです。しかし、何事も極端に走ることはよくないというふうに思っています。

 今回、改正案の中では、法定相続人の範囲を、未成年者、障害者、または相続開始直前に被相続人と生計を一にしていた者に限るとして厳しくしているんですが、やや行き過ぎではないかと思っておりまして、その意味で、時間がないんですけれども、まず、改正案の趣旨と、これによる増収分はどのぐらいか、お願いします。

五十嵐副大臣 先生の御主張も理解できるところでございますけれども、とにかく、基礎控除があって、基本的には、相続人の生活の安定という点では、そちらでかなり見ている。それから、金融商品が相続財産に含まれている中で、死亡保険金だけ特別な扱いになっているので、課税の中立性からどうかという指摘がかねてからありました。

 最近、特に、会計検査院から、生命保険会社の一時払いの死亡保険が、かなり上限が引き上げられて、九十歳になっても掛けられるというような形で、事実上の節税目的になっている例が見受けられ、死亡保険金を得て非課税措置の適用を受けた相続人の相続財産の平均が二・一億円とかなり高額になっているということ等で、見直しをすべきではないかと。

 これによる増収額は三百五十億円程度ですが、しかし、先生の御指摘にあるように、相続された方が困るというようなことではいけないので、未成年者や障害者、それから配偶者を含む生計を一にしていた相続人、これは、離れて暮らしている学生さんなんかでも仕送りを受けている人は入りますので、困る人はみんな入るというふうに思っております。

竹内委員 遺産に係る基礎控除の引き下げということが別途出されていますし、こちらの方がかなり大きいんだろうと思いますけれども、死亡保険金というのはもともと相互扶助の精神の観点から考案されたものでありますから、その意味では義援金とか香典と同じ性質だというふうに思うんですね。その意味では、やはりできる限り非課税が原則だろうというふうに思います。

 それからまた、一般的に、普通の方の場合、相続財産の大半は土地家屋などの換金性の低い資産でありますから、生命保険まで奪われるとなると、生活そのものがかなり苦しくなって、流動性が厳しくなる場合もあるということも考えておかないといけないと思います。

 それから、一部の高所得者、資産家の方はそういうことをされる方がありますが、これは別途、そういう商品に対する網のかけ方とか、高所得者に対する累進課税とか、さまざまな工夫の余地はあると思います。

 多くの国民にとっては、一般庶民に関しては、ここまで、余り厳しく網をかけられると、こういうデフレでもありますし、生活資金の確保という意味では非常に厳しい場合もあるというふうに思っておりますので、全体の資産課税の強化ということはわからないではないですけれども、その辺、細かく、やはり大衆の気持ちに立って配慮していくことも大事だろうということを強く申し上げて、きょうは終わります。

 ありがとうございました。

海江田委員長 次に、竹本直一君。

竹本委員 自民党の竹本直一でございます。

 ただいま竹内先生がいろいろ聞いていただきまして、私の聞きたいことと重なっているところが非常に多いのでございますが、まず、大きい問題から入ります。欧州の経済危機の問題なんです。

 今、竹内さんが御質問なさって松下大臣がお答えになった、そういう御認識だろうと思うんですけれども、ただ、ヨーロッパ経済というのはよくよく見てみる必要があると私は思っております。

 まず、十数年前、ユーロ高で彼らは非常に苦しんでいたんですよね。今、ユーロ安になって非常に生活が楽だという状況が絶対にあると思うんです。それから二つには、ギリシャを初めとする、イタリアもそうだと思いますけれども、特にギリシャなんかは、海江田先生、何年か前に一緒に行きましたけれども、闇経済が三、四割に達している。ですから、国が財政的に困っていても庶民の生活はそれほど余り関係ない、こういう経済実感がある国なんですね。

 そういう国を含めてヨーロッパ全体がどうかというと、北には、よく働きよく稼ぐドイツという国がある。ギリシャ人から言わせれば、我々がこういう状態になったからユーロ安になってドイツの物がよく売れるんじゃないか、我々にお礼を言うべきだ、こういうことをはっきりと言った政府の閣僚がおります。ですから、そういう認識があるわけで、余り、単に数値だけで大変だ大変だというのもどうかなというような感じがするわけです。

 では、これからどうなるのかということを考えますと、ドイツは非常にしっかりしている、だから、ギリシャの離脱問題は、口には出すが、結局は、何とか仲間の中に閉じ込めておくのではないか。

 というのは、ギリシャは、やはりユーロ全体の中で二%以下の経済力しかありませんから、それが問題であったとしても、それほど痛痒を感じないというのが本当のところではないか。では、ほかのイタリア、スペインなんかがおかしくなったら、それは大変です。それは大変ですが、ギリシャ及びその周辺でとどまっている限りは余り問題ないんじゃないか。それが一つ。

 それからもう一つは、余り論じられないけれども、アジア地域に、ドイツを初めヨーロッパの資本が相当入っています。オランダ、フランス、相当入っています。ですから、ヨーロッパの今の不況はそういったアジアでの稼ぎによって埋められている。さらに、アメリカは景気が、非常にいいとは言えないけれども力強い動きになっています。ですから、ヨーロッパのへこみ分をアメリカ経済が救っていく。そして、中国の輸出が落ちているという話が先ほどありましたけれども、そのへこみ分もアメリカが吸収していく。

 そうなると、世界経済はそんなに、大変だ大変だと騒ぐほどのものではないのではないか、私はそう考えているんですが、松下新大臣、就任されてまだ二週間ほどだと思いますが、まず所見を聞きたいと思います。

松下国務大臣 幅広く世界を見た上での御所見をいただきました。

 先ほどの竹内委員との話の中にも出てきましたけれども、欧州周縁国の場合でいきますと、自国通貨が安くなって輸出競争力が回復するというメカニズムが働かないとの指摘もございます。これは先生もドイツの例でおっしゃいましたけれども、それが一つある。また、一九九九年のユーロの導入に伴って通貨は統合されたものの、財政は統合されなかったという点が問題を深刻化させたとの指摘もあります。

 いずれにしましても、ユーロ圏が財政統合に踏み込むべきか否かは、ユーロ圏諸国が決定すべき問題でありますが、まずは欧州自身による取り組みがこの欧州問題の解決につながっていくことを強く期待しているわけでございまして、いろいろな困難を乗り越えて進んでいただきたい、こう思っています。

 同時に、ギリシャの再選挙が十七日に近づいてまいりますし、スペインの財政金融問題に対する懸念等が背景にありまして、市場では株価の下落やユーロ安、欧州周縁国の利回り上昇など、リスク回避の動きが生じているとの見方が多いわけでございまして、世界経済についてはこのところ全体として弱い回復になっているほか、欧州の財政金融問題等を背景に下振れするリスクもあるというふうに感じております。

 以上です。

竹本委員 十七日のギリシャの選挙はそういう意味では大きい影響を及ぼすと思いますが、デクシア銀行の例を初め、銀行の資産が毀損している、不良債権をいっぱい持っているということがやはり一番問題だろうと思います。日本の場合は、不良債権を十年ほど前にほぼ処理しておりますので、私は、そういうことが日本の円高の原因にもなっているんだろうというふうに思います。

 我々一番心配するのは、ヨーロッパが調子悪くて経済が沈下すれば、ますます相対的に円高になる、それが非常に困るということなんです。

 そういう対外的な事柄との相関関係で論じれば、今、税と社会保障の一体改革で消費税を上げようとしております。議論を百時間やるという話でありましたけれども、私は、国民に消費税の値上げを理解させるにはもっとうまい説明があるんじゃないかと思います。

 一つは、外国人観光客、日本は八百万人ぐらい来ているんですよね。ところが、ニューヨークなんか五千万人ぐらい、フランスは一番多くて、国全体ですけれども七千万と聞いています。もしこの外国人観光客が、日本の場合ですよ、三千万ぐらい、三倍になれば、彼らが、中国人なんか一回来ると十三万円のお金を落としていく、そうすると、所得税、法人税は中国に納めるけれども、消費税は日本に納めるわけですよ。日本の政府が大きくもうかるじゃない。そういうことの指摘が余りなされていない。だから、そこは、いいところをもっともっと言えばいいのではないかなと思いますのが一つ。

 そして、消費税そのものは日本は先進国の中では極端に低いわけでしょう。五パーと低い。それは結局、日本の国債の評価につながっているんですね。一千兆円近い借金はしているけれども、いざとなれば、消費税を上げればそんな借金は簡単に消える、こういうように外国の投資家は見ているんですよ。

 そういう中で、私は、日本の国内で大騒ぎをしてこの消費税議論をやっておりますが、ここまで対外的にメッセージを送っておいて、これがもしできなかったら、日本の国債は暴落して金利が上がり、これは大変なことになるんじゃないかなと思います。

 ですから、私は、ただ、消費税は、景気がよくなった時点で上げるでは絶対だめで、民主党は簡単に二〇一四年、一五年と役人に言われたとおり、オウム返しに言っているように私には響くんですけれども、それじゃだめであって、やはりデフレから脱却して、物価上昇が二%ぐらいに達した時点で、それを踏まえて、そのとき初めてやるというぐらいのことを言わないと、国民が納得しないんじゃないかというふうに思うんです。

 ですから、税に関することですから、国民の納得を得られるようにしないとだめで、そういう点をもっともっと政府は、国民が納得するように説明しないと、もし上げるんであれば。

 ということで、私は賛成とも反対とも言っているわけじゃないんですけれども、どうも意識との間に距離があり過ぎているというふうに私は思います。

 きょうは財務省の方は来ていないので、そのことをどうこう言うつもりはありませんが、松下大臣、金融の担当の大臣として、冒頭言いましたように、これがうまくいかない場合、日本の信用に関する大変なリスクが発生してくる、こういう見方についてどう思われるか、お答え願いたいと思います。

松下国務大臣 日本の金融は総体的に安定しているということを私たちは認識しております。

 そういう中で、我が国が欧州の危機に対してしっかりと対応できるようなものになっているかということは、これからその体力を問われるところでございますけれども、私たちとしては、一刻も早くこの欧州のさまざまな問題が、欧州自身の努力によってしっかりと安定に向かっていくという努力をしていただきたい、その成果がしっかりと上がってくることを待っているということでございます。そのことで、我が国の異常な円高、この問題に対しても将来の展望が開けてくる、そう考えております。

竹本委員 目を国内に転じますと、まず、金融関係でやはり一番心配なのは、モラトリアム法の関係ですね。

 中小企業は大変苦境に陥ったままであります。しかも、金融機関、特に銀行は、ほとんど中小企業に金を貸しておりません。貸した、貸したと言っているけれども、本当に安心できるところにだけ貸して、心配なことがちょっとでもあったら全く貸さないということを繰り返しております。

 結局、そういったところは誰が助けていくかというと、政府系の金融機関、最後は経産省とかそういう系列のものが別にお金を用意して、それを中小企業に利用していただいて何とかやっている、こういうことでありますが、本来金融の果たすべき仲介機能が全然働いていないんです。ですから、ますます中小企業は厳しい。

 ですから、そういうときに、亀井静香さんがモラトリアム法を出して、いろいろ反対もありました、我々も一部反対したところもありますけれども、やはり時宜に適した措置であったと思うんです。しかし、それが今回最後の延長であって、これ以上延長はしないという旨の発言がありますが、松下大臣、この方針には一切変更はないのかどうか、その辺についてまずお聞きしたいと思います。

松下国務大臣 その方針に変更はございません。

竹本委員 大臣に就任されたときに、この件に関しては白紙であるとの発言をされたと聞いたんですが、その言葉尻を捉えるつもりはありません。要は、もう一回確認しますが、モラトリアム法の再延長は絶対ないですか。あるかないかだけ言ってください。あり得るのかどうか。

松下国務大臣 最終延長ということで、来年の三月、これをしっかりと確定しております。

竹本委員 いずれにしましても、中小企業は本当に資金繰りに困っておりますから、これをほっておくわけにはいかない。

 冒頭言いましたように、本来中小企業に融資するのは金融機関、銀行なんじゃないかと私は思うんですけれども、その辺、もっと金融庁として強く、大臣として強く、銀行に中小企業に対して融資をもっと拡大するように強く要請すべきだと思うんですけれども、いかがですか。

松下国務大臣 東日本の大震災の復興再生に今全力を尽くしているところでございますし、福島の原発事故からの再生復興も取り組んでおります。そういう中で、中小企業がどういう状況に置かれて、そして頑張ろうとしているのか、これは全国も同じであると考えておりますし、我々はしっかりと指導力を発揮して取り組んでいきたい、そう思っています。

竹本委員 口で抽象的に言われたって、我々、もう一つ信用するわけにいかないんですよ。数値目標でも設定して、それでやったら実行はできるんじゃないですか。いかがですか。

松下国務大臣 中小企業の金融支援、これはさまざまなメニューをつくっております。二重ローンの問題、そして最終延長が来年の三月ということですから、それを含めて、本当に中小企業が中から強くなっていくという体質改善も含めて、そこに取り組んでいくことが大事だということで、そういうメニューをつくり、そしてことし一年、しっかりと取り組んでいく。そして最終、来年の三月以降、それが効果が発揮できるような形で関係省庁と連携をとりながら、努力して進めていきたいというふうに考えております。

    〔委員長退席、糸川委員長代理着席〕

竹本委員 私は、中小企業全てがいいと言っているわけではもちろんないんですよ。しっかり努力する中小企業をちゃんと育ててあげなきゃいけない。ずぼずぼに借金だらけの中小企業、こんなものは救う必要はないんですよ。市場から退場してもらったらいい。だけれども、努力しようにも手だてがないのが現状なんですよ。ですから、それはきちっと政府の方で銀行を後押しして、融資してやれと言わなきゃいけない。

 そういう点で、私は、政府系の金融機関、これは本来、基本的に、民間の金融機関がやれないところを政府系が補おうということでつくったんじゃないでしょうか。ところが、こういう政府系の金融機関が、相当貸し渋りというか、保証を渋り、あるいは融資を渋るということが多い。どうしてそんなに渋るんだと言うと、万が一事故になったら大変だからできませんと、型どおりの返事ですよ。それなら、政府系の金融機関なんて要らないわけですよ。

 そういう意味で、私は、民間の金融機関は金融庁の指導があるから、万が一事故ると嫌だから断るというのはある意味ではわかるんですけれども、政府系の金融機関は、やはりもうちょっと本当の意味のリスクをとった仕事をしないと、政府系の金融機関を存在させておく理由がないんですよね。

 だから、その実態を、金融庁担当の大臣として、ぜひ督励を出してよく調べていただいて、政府系の金融機関ですよ、どういう状況で中小企業に対して融資しているか、そこはぜひ調べてもらいたいんですけれども、いかがですか。

松下国務大臣 中小企業庁、経済産業省の方でいろいろ取り組んでいると思いますけれども、一緒に連携して、しっかりと中小企業が立ち直っていくように、今おっしゃったように、ずぶずぶのところは救う必要はない、本当に前に向かって進んでいくという、しっかりした、しんの強いところを支援していくということは私たちの支援のコアですから、しっかり対応していきたい、そう思っています。

竹本委員 そこで、政府系の金融機関にいわゆる天下りがおりますよね。こうした人たちは、業績が上がろうと下がろうと余り関係ないんですよ。何が一番嫌かというと、事故を起こすのが嫌なんですよ。ですから、ますます厳しくなるんです。中小企業は泣いていますよ。倒産するんです。ですから、そういうのが間々見られますので、ぜひ厳しい目で現実を見ていただきたい。もう一度ちょっと回答をお願いします。

松下国務大臣 経済産業省としっかりと連携をとりながら、きょうのお話も経済産業省の方にもしっかりお伝えしたい、そう思っています。

 経済産業省の副大臣をしておりましたので、今御指摘あった政府系金融機関の内容についてはよく承知しております。

竹本委員 経済産業省は副大臣だったので当然ですけれども、ほかの省庁、国土交通省とか環境省とかあるじゃないですか、本当によく見ていただきたい。厳しいことをやっていますよ。信じられないことをやっている、あえて言いませんけれども。

 私は、これを放置したら、政府に対する、政治に対する信用は全くなくなると思うんですよ。もっと温かみのある態度で接しないと。本当にひどい。その元凶が天下りだと思うと、非常に腹が立つんですけれども。

 ですから、そういうところもありますから、要するに、天下りの人は業績を上げなくてもいいんですよ。事故るのが嫌だから絶対やらないんですよ。そんな者をトップに持っていっちゃだめですよ。営業成績を上げようとして、本当に中小企業の人に貸してあげよう、そして、それは万が一事故ることがあるかもしれないけれども、そのときは仕方ないというぐらいの態度でやってあげないと、何のために政府系の金融機関をつくったかわからない、そういうつもりで申し上げたわけです。

 ちょっと話をかえますが、中小企業の惨状を見ておりますと、消費者金融問題にちょっと触れないわけにはいきません。

 NTTデータ経営研究所が行いました闇金利用者のアンケート調査によりますと、昨年四月からことし二月にかけて、闇金の個人利用が二・七%から三・四%に、事業利用が六・八%から八・三%に急増しております。従来ですと、消費者金融から借り入れやカードキャッシングが可能であった人がどんどん借りられなくなっているんです。そこが、またいろいろな、倒産とかあるいは事故を起こす原因にもなっております。

 ですから、三年前の改正、私は悪かったとは言わない、社会的には果たした面は多分にあります。しかし、それが完璧であったかどうか。今改めて見ておりますと、冒頭言いましたように、闇金利用者がどんどんふえている。そして、ソフト闇金といって、上辺は丁寧でソフトだけれども、実際は過酷な条件を突きつけられて、それの支払いに苦しんでいる人がたくさんいるわけであります。

 ですから、私は、この消費者金融は、特に我々が一番聞くのは、いわゆるつなぎ資金。中小企業の経営者、個人経営者の人たちは、つなぎ資金がない。例えば、十六日が給料日であると、そのときに百万必要だ、ところが手元には現金が全然ない、職員に給料を払わないと違反になるから払いたい、でも、借りようと思うと、総量規制があるから借りられない、例えばこういう話です。

 ですから、私は、三年前の改正は、やはり社会的問題にもなったし、異常な取り立てもあった、それをとめるには社会的役割は非常にあった。しかし、今見たら、やはり消費者金融を一つの概念で捉え過ぎたんだと思うんですよ。恒常的にお金が少し足らないから消費者金融で少しお金を借りますというのと、ちょうど二日間か三日間立てかえてもらいたい、ところが誰も貸してくれない、そこで大変困る、こういう話になっているんです。

 ですから、もう一度、消費者金融の資金の需要をよく見ていただいて、需給ギャップが大きく生じているのが今の消費者金融業界だと私は思っております。取り立ての問題は余り問題になっておりませんで、やはり、借りたいのに借りられない人がいる現実、これについてどう対応すればいいか、これは松下大臣にお聞きしたいと思います。

    〔糸川委員長代理退席、委員長着席〕

松下国務大臣 現在の貸金業法は、平成十八年に全ての政党の御理解を得て成立したというふうに理解をしております。

 今、竹本議員の御指摘にありました、急増する闇金利用者ということでしたけれども、いろいろな数値がございまして、日本貸金業協会の資金需要者の現状と動向に関する調査によりますと、改正貸金業法の上限金利の引き下げ等が行われて以降、これは平成二十二年の六月十八日ですけれども、希望どおりの借り入れができなかった際に闇金融等から借りた者の数値は減少しているという数値も出ております。個人で二%だったのが一・八%、個人事業者や企業経営者で五・九%が四・七%、わずかですけれども減少しているという数字も出ています。

 また一方、竹本議員の指摘する数字も、個人ベース、二・七%が三・四%、個人事業者が六・七%から八・三%、そういう数字も出ておりますので、これは、いろいろな場面の捉え方があるんだろう、そういうふうに思っております。

 いずれにしましても、闇金融に対しましては、これまでも、金融庁、警察、関係機関が連携して、金融機関への口座凍結の要請の実施だとか、闇金融業者への電話警告の実施、あるいはインターネットに掲載された闇金融業者の違法な広告について、プロバイダー等への削除要請の実施等の対策に取り組んでおりまして、関係機関としっかりと連携しながらこの問題に取り組んでいきたいというふうに考えております。

竹本委員 松下さん、それは役所からレクを受けたんでしょうけれども、金融庁はその数字ばっかり言っているんですよ。だけれども、闇金というのはちょっと違うんですよ。闇金というのは、闇で貸すものは犯罪じゃないですか、ですから、借りた人も、そんな正直に、闇金へ行きましたなんて言うわけないんですよ。そこは全然違うんですよ。だから、調査の仕方を相当工夫しないと、実際の実数は出てこないんです。我々が知っている大学の先生が調査したものによりますと、もっともっと数字は大きいんです。闇に隠れているんです。

 ですから、松下大臣、ぜひ、この闇金の実態を早急にもう一回調査してくれませんか。強く要望します。でないと、これは数字が大したことない、あるいは減っている、我々としてはえらいふえている、こんなことばっかりやっているうちに、先ほども申し上げましたように、中小企業の社長連中は、つなぎ資金がなくて本当に大変なんです。東京都でも大変なんです。

 だから、その実態を救ってやれば、かつて仲間であった亀井静香さんがモラトリアム法をつくっていろいろ努力した、その精神につながるんだと私は思いますよ。

 ぜひ、私は、早急にこの調査、闇金の調査をやるということをもう一回答弁していただきたいと思います。

松下国務大臣 この実態把握というのはなかなか困難を伴うものだろうと思っています。さりながら、やはり実態としてどういう状況にあるのかという実態把握に努める必要はあるというふうに考えております。

竹本委員 ちょっと確認します。実態調査をやるということですか、やらないということですか。

松下国務大臣 どういう調べ方があるのか、やはり大変難しい問題もあると思いますけれども、手法についてどうすればいいのか、これは検討したいと思います。

竹本委員 いや、手法を検討するのはいいけれども、調査をやるかどうかをお答えください。

松下国務大臣 どういう実態にあるかのいろいろな調べる項目もあると思いますから、そういうところからしっかり検討を始めて、そして次に進んでいきたい、そう思います。

竹本委員 もう一回聞きますよ。次に進むというのは、調査をやるということですか、やらないということですか。イエスかノーかだけで結構です。

松下国務大臣 まず、どういう実態にあるか、これは実態をつかむのはなかなか難しいと思います。どういう手法でやればいいのか、隠れた人たちもいらっしゃいますし、どういう人たちのをつかむのがいいのか、これは知恵を絞るところがあると思いますけれども、検討いたします。

竹本委員 そんなの調査をやると言えば済む話でしょう。調査しないんだったら、仕事をサボっていると言われますよ、松下さん。だから、やはりそれは絶対やるべきだと思いますよ。

 この問題は、超党派でこの貸金業法の問題はずっと我々勉強を一年以上しておりまして、自民党としては対案を一応まとめました。そして、今これを各政党、みんなの党、民主党、公明党、それぞれに提示をして、ぜひ、消費者金融で困っている人たちを救おうじゃないかということで、我々はまとめつつあるんです。

 自民党の案を参考までに言いますと、一つは、金利が今二〇%アッパーでございますけれども、これが現実に合っていないのが事実なんです。それが証拠に、たくさんあった、何万とあった貸金業者が十分の一以下に減っているんです。今や残っているのは、大銀行の後押しのあるものしか残っていないんですよ。これは何か問題があると考えないといけないと私は思います。そういう意味で、その原因はやはり、金利が余りに低過ぎてコストを賄い切れていない、これが現実であります。

 それからもう一つは、もっと厳しいのは実は総量規制でありまして、大体、経済人として人間はそれなりのパーソナリティーを持っているわけですから、あなたは幾らまでしか借りられませんよと限定するのは極めて人権侵害じゃないかと思うぐらいちょっとひどい法律であると思いますが、いずれにしろ、この三分の一の総量規制というのが大きくききまして、先ほど言いましたように、急に、三日間でいいから百万を立てかえてほしいというときに借りられないんですよ、総量規制がひっかかってくるから。ですから、それを外してやる必要があるんです。

 この二つを中心として、あと、カウンセリング機能、消費者金融にどっぷりつかってしまう人がいるかもしれないから、そういったところに陥らないようにカウンセリング機能をいろいろ工夫しておりますが、その三つを柱とする改正案を自民党としては考えています。ほぼ、大体了承しつつあるところなんですけれども、金融庁の方も、こういう全党にわたる意向でございますので、ぜひそれを参考に御検討いただきたいと思いますが、いかがですか。

松下国務大臣 与野党の皆さん方で、一部でございましょうけれども、この改正貸金業法の見直しに関する議論が行われているということは承知をしております。

 政府として、各政党の政策案について今ここでコメントすることは差し控えたい、そう思っています。

竹本委員 この問題は、これで結構です。

 次に、AIJ問題について幾つかお聞きしたいと思います。

 思い起こしますと、前回財金委員会が開催されたのは四月の中旬だったと思いますけれども、AIJ問題について証人喚問を実施しました。

 このときに、委員長、高橋成子さんといったかな、証人を予定しておりましたけれども、委員会には出席がなかった。何か病院に入っているということですが、この高橋成子についての証人喚問はどうするんですか。もうやらないんですか。それをお答えいただきたいと思います。

海江田委員長 これは、理事会で協議をしているところでございます。

竹本委員 それでは、やっていただかないと中途半端になりますから、それはぜひやっていただきたいと思います。

 この問題が明らかになってから、この委員会では、法案質疑の合間を縫って、政府質疑や参考人質疑、証人喚問を通じまして、この国民の貴重な年金を食い物にした問題に対して、これはもう本当に、年金そのものに対する信頼を失ったと言わざるを得ない、そういう大きい問題であります。

 したがいまして、単に、誰がどういうことをして、どういう責任があるかということを追及すると同時に、年金とのかかわりで、これだけ毀損した年金をどう補填するのかしないのか、その点についてお聞きしたいんですが、これはどなたでも結構です、ちょっと答えてください。

中塚副大臣 先生、今、補填とおっしゃいました。(竹本委員「補填するのかしないのかということです」と呼ぶ)

 補填するかしないかというのは、これは年金の話でありますので、年金を所管する厚生労働省にお尋ねをいただきたいと思うんですが、私ども金融庁といたしましては、千五百億程度のお金の運用に失敗をし、残額はそんなにたくさんないということでありますが、それを民民の関係で取り戻される、民事訴訟等を起こされるということでありますが、そういった訴訟が円滑に進むようにお手伝いはしていかなきゃならぬ、そういうふうに思っております。

竹本委員 AIJ問題は、こんな問題はほかにもあるんじゃないかと私は思っておりますが、我が自民党においては、大野功統先生を座長とするAIJ問題に関するプロジェクトチームというのを立ち上げまして、関係者のヒアリングをやりまして、再発防止策を提言したところです。

 いずれにしろ、そうでなくても年金については未納者が多い中で、せっかく納めたお金が、心ない、こういういいかげんな人たちに無駄遣いされている。それだと、ますます未納者がふえてくるわけです。

 きょうは厚労省を呼んでいませんから、返事は求められないのかもしれませんけれども、しかし、大きく言えば金融問題についての大きい問題だと思いますので、ぜひ金融担当大臣としても、こういった金融についての信頼を失わせるような行為に対して厳しい、きっちりとした指導をしてもらいたいと私は強い要望を持っておりますが、何かコメントがあったらいただきたいと思います。

松下国務大臣 御指摘のAIJ投資顧問の問題につきましては、これは担当大臣として重大な問題であるというふうに受けとめておりまして、極めて遺憾だというふうに考えています。

 さまざまな御批判をしっかりと真摯に受けとめて、証券取引等監視委員会がございますので、総力を挙げて現在も進めていますけれども、これからも総力を挙げて再発防止に努めてまいりたい、信頼回復が大事だというふうに考えています。

竹本委員 松下大臣、就任されてまだ間がないので、申し上げるのも酷かもしれませんが、監視委員会はそういった取引についてずっとウオッチしているわけですけれども、人数が非常に少ない、四百人ぐらいだ。アメリカは数千人いる。これではなかなか手に負えない。そうなんでしょう。だから、人員、スタッフの充実も非常に必要なんです。

 今回のAIJ問題に関して言えば、いろいろな人から、私、ヒアリングをしましたら、やはり肌感覚で、この浅川何とかというのはおかしい、何か問題ありというニュースは入っていたはずだと。だけれども、それが全然外へ出てこなかった。私は、そこに問題があるのではないか。ある人によれば、ちょっと問題が大き過ぎて触れるのが嫌だ、こんな感じもあったのではないかと説明をする人もおります。

 ですから、私、今、監視委員会の人がサボっている、そんなことを言っているわけではないんですが、もっと全体でウオッチするというような体制を組んでおかないと、ただでさえ人が少ない、日常業務に追われる。検査でも、何年に一回か回っていくとしたら、ほとんど来ないんですよね。そうすると、幾らでもこういうことがまた再発する可能性があります。ですから、大きな意味で体制をよく見直してもらいたいな、このように思います。

 そういう関係でいいますと、特に思うのは、今回、詐欺罪かどうかという刑事罰は別として、金融監督体制の強化という意味では、例えば虚偽記載をしても、たったの六カ月なんですよね。非常に刑罰が軽過ぎるんです。異常に軽過ぎるんです。この点について、どう思っておられますか、お答えをいただきたいと思います。

松下国務大臣 罰則の強化というのは、これは今回の事案を受けて、私たちはしっかり検討し直さなきゃいかぬというふうに思っています。余りにも世間の常識から見て低過ぎる。どういう水準がいいのか、しっかりとしたおもしのかかるものにしていくことが必要だ、そう考えています。

竹本委員 時間が残り少なくなりました。

 最後に、インサイダー問題について質問いたします。

 今回、先ほども竹内さんが質問していましたけれども、公募増資のインサイダー事件は、我が国市場に対する投資家の信頼を損ねる極めて悪質な行為であります。情報漏えい者に対する制裁強化など、再発防止にしっかりと取り組む必要があるわけです。

 そもそもこの事件を見ますと、例えば、四つほど先ほど例に挙げておられましたけれども、中央三井アセット信託銀行株式会社の場合は、増資をするという情報をマネジャーに伝えた人がいるんですね。そのマネジャーが、これは増資だから先に空売りをして、そして増資になったら買い戻そう、値段が下がっていますから。そういうことを考えて、不当利得を得たんですよね。

 ところが、この情報を伝えた人には一切刑罰規定がないんです。こんなことでいいのかと思いますが、いかがですか。これは局長でも結構です。情報を伝えた人に刑罰がない。こんなことでいいのか。大きい穴があいているのではないかと私は思います。

森本政府参考人 お答えいたします。

 インサイダー事件に係る情報伝達者も処罰の対象にすべきではないかという先生の御指摘でございますが、確かに、欧米の例を見ますと、国によって制度が違うわけでございますが、そうした者に対して罰則がかかる例もございます。

 ただ、インサイダー取引規制、先生御承知のように、株等の取引をした者に対する規制として今法律上定められておりまして、情報漏えいということに対する規制ということになりますと、これまた大きく違う制度になるわけでございまして、この点については十分よく検討する必要があるというふうに考えております。

竹本委員 ちょっと問題を分析しますと、情報漏えいと、それを利用したインサイダー取引という犯罪行為があるんですね。だから、情報漏えいという刑罰のない行為が大きい犯罪につながった場合は、もとのところも規制しないといけない。あなたが言いたいのは、単に情報を教えるだけで刑罰に付するというようなことにすると動けなくなるということを言いたいのかもしれませんけれども、結果としてインサイダー取引という犯罪行為につながった原因をつくった場合は、それは当然刑罰の対象にすべきだと私は思いますが、いかがですか。

森本政府参考人 お答えいたします。

 情報の漏えいと申しますのもいろいろな形態があるわけでございまして、そうしたもの全てが、先生おっしゃるように、結果としてインサイダーになりますれば、処罰の対象として適当かといったような問題もあろうかと思います。

 いずれにいたしましても、情報の漏えい、開示そのものを規制の対象にするということは、現在のインサイダー取引規制とは全く別の行為類型になりますので、これはよく検討する必要があると考えております。

竹本委員 だから、検討しなさいと言っているわけですよ。結果としてインサイダーという犯罪行為につながる原因行為を起こした場合は何がしかの規制をするということを検討したらどうかと言っているんです。

 それに対する答えになっていない。もう一回言ってください。

中塚副大臣 今般の事案、まだ検査中ということでもあります。一刻も早く全容を解明していかなきゃなりませんし、また、当該の会社においては自浄能力も発揮をしていただかなきゃならぬ、そういうふうに思っておりますが、いずれにいたしましても、先生から御指摘のあった点も含めまして、最近の違反事実の内容というのをよくよく調べ、勘案をした上で、適切な規制のあり方というものは検討していく必要がある、このように思っております。

竹本委員 ぜひお願いします。

 さて、そのインサイダー取引なんですが、課徴金を課しているんですよね。ところが、表を見て僕もびっくりしたんだけれども、国際石油開発帝石の場合は課徴金何と五万円。ポケットマネーですよ。日本板硝子の場合は十三万円。みずほフィナンシャルグループの場合はたった八万円。東京電力の場合は、ファーストニューヨーク証券が一千四百六十八万円ですが、個人でやった人がいるようですけれども、それはたったの六万円。こんな数万円の課徴金なんか、へでもないじゃないですか。

 ですから、何でこんなに安いのか、もう一回ちょっと説明をしていただきたい。そして、これでは規制にならないということも当然反省して対策を講ずるべきだと私は思いますが、いかがですか。

森本政府参考人 お答えいたします。

 現在の金商法の課徴金、インサイダー取引が行われた場合、今回の場合はいわゆる他人の計算に係る場合でございます。こうした場合は、現在の課徴金制度は、違反行為に係る経済的利得相当額を基準にしておるわけでございまして、そういたしますと、運用業者の報酬を基準に現在計算しております。そうした関係で、先生御指摘のような、五万円とか、そうした額になっておるわけでございます。

 この点につきましては、課徴金の水準がちょっと低過ぎるのではないかという御指摘があることは我々も十分承知しておりまして、こうした点につきましては、近時の違反事例の内容等を勘案しながら、この計算方法に何らかの改善の余地がないかということを検討していく必要があるのではないかというふうに考えております。

竹本委員 局長、結局これは、増資情報をキャッチして買った株主は大もうけしているわけですよ。何十億ともうけているケースがあるわけですね。そこが全然無傷で、たった六万円、八万円払って、それで処分が済むというのはやはりおかしい。やはりもうけた人は、それは自分は関知していなかったのかもしれないけれども、それなりの利益の返還があってもいいのではないかと庶民感情としては思うんですよ。

 ですから、ここは全体の仕組みもよく考えないと何ともいけないのではないかと思いますが、これについてコメントがあれば言ってください、あと時間が余りありませんので。

森本政府参考人 いずれにいたしましても、近時の違反事例の内容をよく勘案いたしまして、今後、改善の余地がないかどうか検討してまいりたいと思っております。

竹本委員 日本の株式市場は、六、七割が外国人投資家でしょう。東京におっても、外人がどんどんやりとりしているわけですよ。そこにインサイダー情報が流れてくるわけですよね。そしてその取引は、シンガポールや香港とか、ほかでやっているケースが多々あるわけです。ですから、国内で摘発されたのはこれだけだけれども、恐らく海外でいっぱいあるんじゃないか。

 そうなると、やはり金融庁のスタッフをもっとふやして、そういった海外取引に対して何らかの規制を加えると同時に、十分ウオッチできるだけの仕組みをつくらないと、日本の株式市場が既にもう信頼されなくなっている。AIJ問題が起こりました、インサイダー問題が起こりました、日本の株式市場はどうせその程度だな、だからやばいよということで、皆が投資をしないんですよ。

 ぜひ、これはやはり金融担当大臣の松下さんに聞きたいけれども、本当に、日本の金融取引の仕組みと実態を、対外的な信用をもっともっと高めないと、金融センターになんかとてもとてもなれないと思うんです。今、そういう、一生懸命我々、皆さん方がしてきたその努力に泥を塗ったのがAIJ問題であり、インサイダーなんですよ。ですから、ぜひ、日本の信用をもう一度取り戻すための努力を全員一丸となってやっていただきたい。

 私は、そういう要望を申し上げてこの質問を終わりますが、最後に大臣から一言お答えをいただきたいと思います。

松下国務大臣 竹本議員のお話を伺いまして、事の本質が見えてきたように思っています。

 我々はもちろん全力を挙げて信頼回復に努めますけれども、検査体制の問題とか増員とか、これは行政での限界もございます、我々の望むところでありますけれども。そういう中で、ぜひ国会の応援もいただき、それぞれの党の応援もいただきながら、この問題にしっかりと取り組んでいきたい、そう思っています。

竹本委員 しっかり頑張っていただきたいと思います。

 終わります。

海江田委員長 次に、豊田潤多郎君。

豊田委員 新党きづなの豊田潤多郎でございます。

 私は、持ち時間十分ということですので、三問お聞きいたしまして、簡潔にお答えをいただければと思います。

 第一問は、個別的な話で、AIJ関係になります。第二問は、日本経済の長期のデフレそれから円高、これに対する基本的な大臣の考え方をお聞きしたい。最後に、消費税の増税問題、こういうことであります。

 第一問、これは通告してありますけれども、ちょっと個別で細かくなりますが、AIJ関係で三つお聞きいたします。

 一つは、四月の十三日に衆議院財務金融委員会で証人喚問をいたしました。それ以後たしか委員会は開かれていないと思いますけれども、まず、AIJ、それからアイティーエム証券、それから東京年金経済研究所、いわゆる年金コンサルタント、この三者を証人喚問したわけですが、その後金融庁としてどのような対応をとっているのか、そして現状がどうなっているのか、簡潔に御報告を願いたい。

 それから二番目が、投資顧問業者の不祥事を防ぐということで、今回の反省点で、私はこの委員会で問題点を指摘しましたが、信託銀行の役割、信託銀行の責任がかなり大きいものがあると思っています。その後、信託銀行あるいは信託協会でも防止策の工夫をいろいろしているようでありますけれども、金融庁として、信託銀行に対する指導監督あるいは不祥事の防止策、これをどのようにしているか、それが二番目であります。

 三番目は、金融庁として、全般的に、このような今回のAIJの問題を反省して、監督、防止策についてどういう対応をとっていくのか、あるいは今までとってきたのか、これからそれをどういうふうに充実しようとしているのか、それを金融庁の立場からぜひお答え願いたい。

 以上、三問です。

中塚副大臣 四月の十三日以降のAIJ問題の対応ということでありますが、証券取引等監視委員会による犯則調査、これは継続をいたしております。金商法の投資一任契約の締結に係る偽計の嫌疑ということで、刑事告発も目指し鋭意調査が進行しているというふうに聞いております。

 それから、あともう一つ、証人喚問によりまして、東京年金経済研究所でありますが、これの実態解明がかなり進みました。ということで、金融庁、関東財務局におきましては、この会社が複数の年金基金に対し無登録で投資助言業を行っていた事実を確認することができました。このため、四月の二十七日付でありますが、業務を直ちに取りやめるように文書により警告を発出するとともに、警察にも情報提供を行ったところであります。

 それからあと、先生からたびたび御示唆をいただいております信託銀行でありますが、今般の事案はまだ検査中ではありますけれども、やはりいろいろ問題が浮かび上がってきたと思います。

 そういう中で、やはり年金基金等の運用管理に関する信頼性を確保するという点から、例えば具体的には、運用資産に対する第三者、これは信託銀行も含めてでありますが、チェック機能の強化、例えば基準価額とか監査報告書がちゃんと国内信託銀行に届く仕組み、こういった実効性のある再発防止策というものをつくらなきゃならない、関係省庁とも連携しつつさらに検討を深めてまいりたい、そう思っておりますし、また、業界団体の方でも自主的にいろいろなお考えがおありのようである、そのようにも承っているところであります。

松下国務大臣 再発防止策でございますけれども、この本事案で、何がどういう形で起こったのか、なぜこれがここまで大きく深刻な事態になっているのかという実態をまず徹底的に明らかにする必要がある、ここをしっかりとつかみたい、まずそこから出発したいと考えています。その上で、どういう対応策をつくっていくのかということはおのずから出てくると考えています。

 一つは、具体的には、不正行為に対する牽制の強化、これをしなきゃいけない。これは、投資一任業者等の虚偽の報告がありました、そして勧誘もございました、それらに対するやはり制裁を強化するということが出てくると思います。

 それから二つ目は、第三者、先ほど御指摘がありましたけれども、国内の信託銀行等によるチェックが有効に機能する仕組みをつくらなきゃいけない。これは、基準価額それから監査報告書、これが国内信託銀行に直接届く仕組みにしていかなきゃいけないということが必要だと思っています。

 また、年金基金等の顧客、お客さんが問題を発見しやすくする仕組みが必要だ、運用報告書等の記載内容の中身をしっかりと充実させる、どういう仕組みでどういうところで運用されているのかを含めて明らかにしていく必要がある、こういうふうに考えておりまして、これらをやはりしっかり検討してやっていきたい、こう思っていますし、関係者の意見もさらに聴取しながら、関係省庁と密接に、緊密に連携を図りつつ、実効性のある再発防止策を早急に検討してまいりたい、そう考えています。

豊田委員 このAIJの問題は、年金ということにかかわっての不祥事でありますから、今大臣おっしゃられたように、今後、徹底的に、こういうことが二度と起こらないように、きちっとした対応策、防止策をとっていただきたいと思います。

 だんだん時間がなくなりましたので、二番目と三番目もまとめて大臣の所見ということでお伺いできればと思いますが、二番目の問いは、先ほど申し上げました、日本の経済、長期的な、非常に長いデフレに陥っている、しかも最近は大変な円高になっている、歴史的な円高である。まさに、デフレと円高というこの問題に対して、どういうふうに大臣は解決策を見出そうとされるのか、そのお考えをお伺いしたいということと、三番目、もう時間がありませんから、まとめてお伺いします。

 私ども、消費税の増税については、増税の前にやるべきことがある、こういうことをずっと主張しております。三点それはありまして、一つは行財政改革なくして増税なし、二番目が社会保障のビジョンなくして増税なし、最後は景気の回復なくして増税なし、このことを新党きづなはずっと主張してきているわけです。

 大臣、この点について、私は実は、社会保障と税の一体改革のメンバー、委員であり、かつ、理事会のオブザーバーとして、この百何十時間ずっと朝から夕方まで詰めてきております。質問にも立っております。恐らく、新党きづなは一人しかメンバーがいませんから、私がずっと張りつくしかないんですけれども、今までの議論を見ていますと、どう見ても、単なる増税法案にすぎない。ましてや三党で協議しているこの段階では、もう理念も何もぐちゃぐちゃになっているという感じがするんですが、大臣の所見を、その点も含めて、二問目、三問目、両方お答え願いたいと思います。

海江田委員長 松下金融担当大臣、時間も迫っておりますので、手短にお願い申し上げます。

松下国務大臣 世界経済、欧州やアメリカ、そして中国等含めて、それぞれの課題を抱えて、それが深刻さを増しているというふうに思っています。

 ただ、私たちは、これらの対応策については、やはりそれぞれの国が汗と知恵を出してしっかりと対応していただくということに尽きると思っています。自国のことはまず自国がしっかり努力する、そしてまた周りでそれを支援していくという、欧州、アメリカ、中国、しっかりとその問題について対応していただきたいというふうに切に思っているところでございます。

 おっしゃいました税と社会保障の一体改革の件でございますけれども、これは今、それぞれの党で、三党が中心になっていますけれども、知恵を絞って答えを出そうというふうに努力しておられると見ております。その行方をしっかりと注目していきたい、そう考えております。政府にある者として、非常に関心を持って見ているということでございます。

海江田委員長 豊田潤多郎君、もう時間が過ぎていますから。

豊田委員 はい、わかりました。

 時間が来ておりますので、一言だけ大臣に。

 これからも、日本の経済のかじ取り、金融担当の大臣として、間違わない方向にきちっとやっていただく。もちろん、税も、金融のある意味では裏表になる話でございますから、ぜひ、税のことも含め、大いに御活躍を願い、かじ取りを誤らないようにお願いしたいと思います。

 以上です。

海江田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時四分散会


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