衆議院

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第17号 平成24年8月1日(水曜日)

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平成二十四年八月一日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 海江田万里君

   理事 網屋 信介君 理事 泉  健太君

   理事 糸川 正晃君 理事 岡田 康裕君

   理事 岸本 周平君 理事 竹下  亘君

   理事 山口 俊一君 理事 豊田潤多郎君

   理事 竹内  譲君

      五十嵐文彦君    井戸まさえ君

      磯谷香代子君    江端 貴子君

      小野塚勝俊君    緒方林太郎君

      大串 博志君    小山 展弘君

      後藤 祐一君    近藤 和也君

      高井 崇志君    中塚 一宏君

      中林美恵子君    中屋 大介君

      藤田 大助君    藤田 憲彦君

      古本伸一郎君    三谷 光男君

      三村 和也君    森岡洋一郎君

      森本 和義君    若泉 征三君

      齋藤  健君    竹本 直一君

      長島 忠美君    丹羽 秀樹君

      野田  毅君    三ッ矢憲生君

      村田 吉隆君    山本 幸三君

      大谷  啓君    菅川  洋君

      玉城デニー君    斉藤 鉄夫君

      佐々木憲昭君    木内 孝胤君

      田中 康夫君

    …………………………………

   財務大臣         安住  淳君

   国務大臣

   (金融担当)       松下 忠洋君

   内閣府副大臣       中塚 一宏君

   財務副大臣        五十嵐文彦君

   内閣府大臣政務官     大串 博志君

   財務大臣政務官      三谷 光男君

   財務大臣政務官      若泉 征三君

   政府参考人

   (内閣官房地域活性化統合事務局次長)       長谷川 新君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 杉原  茂君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局長)  森本  学君

   政府参考人

   (金融庁監督局長)    細溝 清史君

   政府参考人

   (金融庁証券取引等監視委員会事務局長)      岳野万里夫君

   政府参考人

   (中小企業庁経営支援部長)            徳増 有治君

   参考人

   (日本銀行理事)     門間 一夫君

   財務金融委員会専門員   北村 治則君

    ―――――――――――――

委員の異動

七月六日

 辞任

  平岡 秀夫君

同日

            補欠選任

             東  祥三君

同日

 辞任         補欠選任

  東  祥三君     玉城デニー君

  鈴木 克昌君     大谷  啓君

八月一日

 辞任         補欠選任

  小野塚勝俊君     森岡洋一郎君

  小山 展弘君     藤田 大助君

  中塚 一宏君     高井 崇志君

  藤田 憲彦君     後藤 祐一君

  若泉 征三君     井戸まさえ君

  西村 康稔君     長島 忠美君

同日

 辞任         補欠選任

  井戸まさえ君     中屋 大介君

  後藤 祐一君     藤田 憲彦君

  高井 崇志君     磯谷香代子君

  藤田 大助君     小山 展弘君

  森岡洋一郎君     小野塚勝俊君

  長島 忠美君     西村 康稔君

同日

 辞任         補欠選任

  磯谷香代子君     中塚 一宏君

  中屋 大介君     若泉 征三君

同日

 岡田康裕君が理事を辞任した。

同日

 豊田潤多郎君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

七月三十一日

 平成二十四年度における公債の発行の特例に関する法律案(内閣提出第二号)

は議院の承諾を得て修正された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の辞任及び補欠選任

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律案(内閣提出第二号)

 金融に関する件(破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告)

 財政及び金融に関する件


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     ――――◇―――――

海江田委員長 これより会議を開きます。

 この際、去る七月六日の議院運営委員会における理事の各会派割当基準の変更に伴い、理事の辞任及び補欠選任を行います。

 まず、理事辞任の件についてお諮りいたします。

 理事岡田康裕君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

海江田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次に、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

海江田委員長 御異議なしと認めます。よって、豊田潤多郎君を理事に指名いたします。

     ――――◇―――――

海江田委員長 金融に関する件について調査を進めます。

 去る平成二十二年六月十八日及び十二月十日並びに平成二十三年六月十七日及び十二月九日並びに平成二十四年六月八日、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づき、それぞれ国会に提出されました破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告につきまして、概要の説明を求めます。金融担当大臣松下忠洋君。

松下国務大臣 金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、平成二十一年十月一日以降平成二十四年三月三十一日までの期間につき、六カ月ごとを報告対象期間として、その間における破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を、それぞれ、平成二十二年六月十八日、十二月十日、平成二十三年六月十七日、十二月九日及び本年六月八日に国会に提出いたしました。

 これらの報告に対する御審議をいただくに先立ちまして、その概要を御説明申し上げます。

 初めに、管理を命ずる処分の状況について申し上げます。

 今回の報告対象期間中において、日本振興銀行については、平成二十二年九月十日、同行より、預金保険法第七十四条第五項の規定に基づき、その財産をもって債務を完済することができない旨の申し出がなされました。

 当該申し出及び同行の財務状況を踏まえ、預金保険法第七十四条第一項の規定に基づき、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分が行われると同時に、同法第七十七条第二項の規定に基づき、預金保険機構が同行の金融整理管財人として選任されました。

 また、平成二十三年四月二十五日、日本振興銀行から第二日本承継銀行に事業譲渡が行われ、同年十二月二十六日、預金保険機構より日本振興銀行の最終受け皿に選定されたイオン銀行に対し、第二日本承継銀行の株式譲渡が行われました。

 平成二十四年三月二十三日以降、日本振興銀行の再生計画に基づき、同行の債権者に対して第一回弁済が開始されました。

 次に、預金保険機構による主な資金援助等の実施状況及び政府保証つき借り入れ等の残高について申し上げます。

 破綻金融機関からの救済金融機関への事業譲渡等に際し、預金保険機構から救済金融機関に交付される金銭の贈与に係る資金援助は、今回の報告対象期間中に千二百三十一億円、これまでの累計で十八兆九千九百一億円となっております。

 預金保険機構による破綻金融機関からの資産の買い取りは、今回の報告対象期間中に五百三十億円、これまでの累計で六兆五千百九十一億円となっております。

 また、預金保険機構の政府保証つき借り入れ等の残高は、平成二十四年三月三十一日現在、各勘定合計で二兆八千三百七十八億円となっております。

 ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しては、これまでも適時適切に所要の措置を講じることに努めてきたところであります。金融庁といたしましては、今後とも、我が国金融システムの一層の安定確保に向けて万全を期してまいる所存でございます。

 御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。

 以上でございます。ありがとうございました。

海江田委員長 これにて概要の説明は終わりました。

     ――――◇―――――

海江田委員長 次に、財政及び金融に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、参考人として日本銀行理事門間一夫君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣官房地域活性化統合事務局次長長谷川新君、内閣府大臣官房審議官杉原茂君、金融庁総務企画局長森本学君、監督局長細溝清史君、証券取引等監視委員会事務局長岳野万里夫君、中小企業庁経営支援部長徳増有治君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

海江田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

海江田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。網屋信介君。

網屋委員 おはようございます。民主党の網屋信介でございます。

 ちょっと久しぶりの委員会で、第一号で御質問をさせていただきます。きょうは、特に金融に関する部分について、一般質疑ということで、最近のいろいろな、ここ一連の、問題になっている、または話題になっていることについて幾つか、先ほど財務大臣からは、せっかく松下金融大臣とやるんだったら鹿児島弁でやれという話もありましたけれども。

 まず最初に、いわゆるLIBOR問題ということについての調査といいますか議論をさせていただきたいと思います。

 ちょっとぴんとこない方もいらっしゃるかもしれませんけれども、まず、LIBORというロンドン・インターバンク・オファード・レート、これについて私の方が余り説明するあれもないんでしょうけれども、御存じのとおり、バークレイズというイギリスの著名な銀行のCEO、ボブ・ダイヤモンドさんという方が辞任される。実は、この方は、八〇年代の終わりから九〇年代の初め、日本にいらっしゃったんですね。ちょっと私も同僚だった時期もあるんですけれども、日本にいらっしゃったこともありまして、私も非常にびっくりしたんです。

 この問題点というのは、まず、LIBORというのは、どうも私もちょっとわからないところがあるんですが、レートを決めるときに、一つの銀行が出して決めるのではなくて、大体十数行の、十六行ぐらいだと思うんですけれども、銀行がレートを出して、そして上下二五%を消して、残りの部分の平均レートというふうに出すということは、一行がやったからといって、そんなに簡単に不正な操作ができるものではないんじゃないかという議論が一つございます。

 もう一つは、このLIBORというレートは何でこんなに重要かというと、日本でもよく、長プラとか短プラとかTIBORとかいろいろございますけれども、特にイギリスやヨーロッパでの住宅ローンのレートの基準に使ったりとか、いわゆるデリバティブ、これもちょっと資料を見たんですけれども、LIBORを使ったデリバティブの金融取引は、現在、推計ですけれども、三百六十兆ドル、日本円に直すと三京、あの三Kじゃないですよ、三京(さんきょう)と書いて三京ですけれども、三京円ほどあると言われているわけでございます。

 これは、私の方から余り長くはあれなんですが、ただ、一番の問題点は、バンク・オブ・イングランドそのものがこの不正にかかわっていたのかいなかったのか、こういう議論もあるというふうに聞いております。

 これにつきまして、日本の金融当局として、対応があるのかどうかも含めて、どういうふうにお考えなのかということをまずお聞きしたいと思います。

松下国務大臣 網屋議員はこの分野での専門家でいらっしゃいます。十分敬意を表した上で、お答えしたいと思っております。

 ロンドン銀行間取引金利、いわゆるLIBORについてでございますけれども、これは、英米当局の調査によりまして、金融機関において、トレーダーがみずからの取引を有利とすべく、グループ内の銀行の呈示するレートを動かすよう働きかけを行っていたということや、上級管理職が、先般の金融危機において、自社の資金調達コストが低く見えるように呈示レートの抑制を指示していたことなど、不適切な行為が行われていたということが指摘されております。そのことは十分承知しております。

 金融市場における重要な金利指標として、今議員が申されたとおりでございますけれども、広く用いられているLIBORの金利に関する不適切な行為は、これは金融市場の公平性や透明性に対する信頼を損なう、市場の健全な発展を阻害しかねない重要な問題であるというふうに認識をしております。

 金融庁としましても、高い問題意識を持ってこうした問題を注視しているということで、引き続き、しっかりと注目して、高い関心を持って注視していきたい、そう考えています。

網屋委員 先ほど十六と言いましたが、失礼しました、十八の金融機関のレートらしいんですが、レートのうちの上と下両方の四行ずつを外して計算する。

 実は、その十八の中には、いわゆる日本の銀行が三つ入っている。一つは三菱東京UFJ、もう一つが三井住友、もう一つが、皆さんの予想と違って、農林中金という三つの銀行が入っている。

 報道では、三菱東京UFJの行員さんがやめたのやめていないのという話がちょっとあったりしたこともありましたけれども、金融当局として、御存じの範囲でいいんですが、特に日本の銀行に大きな問題はなかったというふうに理解をしておいてよろしいですよね。

細溝政府参考人 お答え申し上げます。

 三菱東京UFJ銀行の職員が休職処分になっておるという報道は承知しております。ただ、個別の銀行の個別の事柄につきましてはコメントを差し控えたいと思いますが、これまでも金融庁は、各銀行の金利呈示にかかわる内部管理体制等につきましては、検査監督を通じて確認をしてきております。

 今後とも、引き続き、情報収集に努めながら、そうした内部管理体制等を確認し、仮に問題が認められた場合には、法令に照らし適切に対応したいと思っております。

網屋委員 これについては、今後どういう展開になるかまだ見えないところもあるので、その辺はぜひともウオッチをしていただきたいと思います。

 ただ、特に我々が直接関係するかな、国内で関係するかなと思うのは、一つは、円LIBORというのがありますね。円LIBORについては、それにまたみずほ銀行さんが入っている。それから、いわゆるTIBORという東京でのインターバンクのレート等々が同じようなリファレンスのレートとして使われているというふうに聞いておりますが、こういったドルのLIBOR以外のところへの影響というのは今後何かあると考えられるのか、それについてどういう見解をお持ちかということをお伺いしたいと思うんです。

細溝政府参考人 委員御指摘のとおり、東京でもTIBORというものがございます。トーキョー・インターバンク・オファード・レートでございます。それにつきましては、円TIBORというのが十六金融機関が呈示をしておるということでございます。

 LIBORにつきましてはいろいろ海外当局で御議論がなされておりますが、TIBORとLIBORは若干違いまして、LIBOR、ロンドンの方は、呈示を求められている呈示行がみずから調達し得るであろうと想定し得る金利でございます。東京のTIBORは、プライムバンク間で取引がされると想定される金利を十六行が想定して呈示をするということに違いがございます。

 したがいまして、例えばLIBORにおいて起こりました問題であっても、TIBORにつきましては、自行の信用力に疑いが持たれないように呈示レートを低く抑えるといったことが、やるインセンティブが働かない性格のものとなっておりまして、若干、TIBORとLIBORでは影響が違うのではないかと思っております。

網屋委員 おっしゃるとおりで、いわゆるTIBORというのはトレーダブルではなくマーケットレートだということなので、その意味では影響は少ないんでしょうが、やはり今回の問題の先行きの状況によっては、特にヨーロッパでの金融規制がまた厳しくなる可能性もありますし、そういった意味で、ぜひとも当局については、これについて注視をしていただいて、適切な管理監督をしていただきたいというふうに希望をいたします。

 続きまして、次の話題でございますが、いわゆるインサイダー取引ということについて少しお話をさせていただきたいと思います。

 たまたまけさの新聞等々で野村証券さんの話題がいろいろ出たりとか、金融担当大臣のコメントが先週あたりからいろいろ出たりとか、こういう状況でございますが、また、今週から金融審もこれについていろいろ議論をされるというふうに聞いております。私自身も民主党の資本市場・企業統治改革ワーキングチームの事務局長で、これはいろいろ議論をさせていただいたところでございます。

 お手元に、ちょっと資料をつくりましたので、私がつくったわけじゃないんですけれども、東京証券取引所からの資料でございますが、これは、たくさんある、数に限りがあるので四つ五つピックアップしてつくりましたので、ちょっと見ていただきたいと思います。

 今回のインサイダートレーディングというのは、昔のように、何かMアンドAがあって、先に株を買ったらもうかるぞという古典的なものとちょっと違いまして、増資によるいわゆる株式の希薄化、それに伴う需給関係のバランスの崩れを利用して、先に空売りをしてもうけてやろうというようなやからがいたということだと思うんですね。

 最初のものが、これは全日空という会社の公募増資、二〇〇九年のものなんですが、最初のページのだあっと真ん中に行くと、二〇〇九年七月一日、公表日、これは見ていただくとおわかりのように、出来高がどおんとふえている。次のページ、裏を見ていただけるとグラフで出ていますので見やすいんですが、三ページと書いてあるところですね、公表の前のところがどおんと上がっています。

 次のものが同じく全日空で、これはことしの七月ですね。これも五ページをちょっと見ていただくと、同じように公表の前にどおんと、ちょっとこれは一部報道が出たということもあります、公表する前に。大体この公表というのは、三時の場が引けてから取締役会を開いて公表するというのが通常なんですが、新聞がその前に書いちゃった。スクープだといって書いちゃって、このときはちょっと混乱があって、書いちゃった後に一回会社が否定して、終わった後にまたやりますといったわけのわからぬことがあるんですが、そういうこともありますので、一概に全部がインサイダーということを言っているわけではありません、これは事実関係として。

 その次は、東京電力のケース。これも同じように公表前。あと、エルピーダ、日本板硝子。日本板硝子というのは、この前のインサイダーでひっかかったものですが、エルピーダのケース、幾つかありますが、これは全部、ごらんいただければおわかりのように、公表の直前に物すごく、株式の売買高が極端にふえている。五倍や十倍どどどっとふえている。こういう状況というのは、私はやはりまずいんじゃないかなと。

 もう一つ見ていただきたいのは、一番最初の全日空に戻りますが、公表してから、その後に実は、公表前と公表後を見ていただけると、出来高の違いは明らかですよね。公表前は一日に大体〇・七幾つ、これは単位は何かわかりませんけれども、一千万株いかないぐらいなのが、公表した後にずっと一千万以上がどんどん続いている。大体、全部同じ傾向にあります。

 これは、二つのことが言えるんじゃないかと思っているんですね。一つは、情報管理の問題として、ぎりぎりのところで、これはマスコミの影響もあるかもしれませんけれども、やはり何らかの形で情報が漏れているんじゃないかという疑惑が一つ。これはなかなか証明するのが難しいところがあります。もう一つは、公表してから値決めするまでに明らかに価格を抑えてしまうという動きがあるのではないかというふうに感じるところでございます。

 改めて、一連のインサイダー取引の疑惑について、金融担当大臣の見解を問いたいと思います。

松下国務大臣 今御説明いただいたこの図表を見ても、改めて、インサイダーの状況といいますか、よく認識できる、そう思っております。

 御指摘のとおりに、国内の主要証券、日本を引っ張っていっているようなリーディングカンパニー、そこでインサイダー情報の漏えいが相次いで発生する事態となっております。これはまことに、極めて遺憾だというふうに考えています。

 証券会社は公共的な役割を持っておりまして、みずからそれを強く意識しなきゃいけないということ、その上で、インサイダー取引等の不公正な取引を防止するなど、市場の公正性や信認を高めていく必要があるということは言うまでもないことでございます。

 こうした観点から、法人関係情報を厳格に管理して実効性ある内部管理体制を整備する、同時に、高い法令遵守意識そして職業倫理を持って業務を行うことが、ガバナンス全体の本質そのものだというふうに考えています。

 金融庁としましては、公募増資等の引き受け業務で重要な役割を担っている大手証券十二社に対しまして、法人関係情報の管理体制の点検を行うように指示いたしました。七月三日でございます。各社がみずからの公共的な役割等を強く認識した上で、みずから内部を点検して、それを実行して、法人関係情報の管理体制の強化に取り組むことを期待しているわけであります。

 なお、情報伝達の行為への対応も含めて、インサイダー取引規制のあり方についても、先般、これは七月四日ですけれども、金融審議会に対しまして、見直しの検討について諮問をいたしました。今後精力的に審議を行っていただくことになっているということで、我々も期待しているところでございます。

 以上です。

網屋委員 ありがとうございます。

 先週、民主党の資本市場・企業統治改革ワーキングチームからも提言を出させていただいて、政調会を通じて党の意見として出させていただいたので、ぜひとも御参考にしていただければと思います。

 私がやはり心配しているのは、インサイダーというのが、ある一定の人が特定の情報を持って金もうけしちゃったという昔のいわゆるインサイダーとちょっと性質が変わってきているような気がするんです。後でちょっと情報提供者の問題についてもお話ししますが、一番私自身が気になっているのは、東京の資本市場、日本の資本市場の信頼ということだと思うんですね。

 皆さん御存じだと思いますが、今、株式市場でいえば、東京の証券取引所の出来高、平均でいえば六〇%か七〇%近くが外人投資家と呼ばれる方々による売買だというふうに思います。恐らく六〇%を超えていると思うんですね。

 ある意味では、株式市場の活性化というのは、今八千幾らと非常に低迷していますけれども、株価が上がっていくというのは、逆に言えば、企業の資金調達力が上がる、つまり、それはまた設備投資の能力が上がる、雇用が広がる、需要が広がる、こういういい循環になっていくわけで、そのためにはやはり、市場参加者がふえていただくこと、ゼロサムゲームからパイが大きくなるゲームに変えていかなきゃいけないというふうに私は思っているわけでございます。

 ところが、こういうことが頻繁に起こったりすると、何となく日本の証券市場が一部の人たちの賭場がわりみたいに使われているというようなイメージを持たれると、これは日本の経済にとっても非常に大きなマイナスであろうというふうに考えるわけです。

 したがいまして、インサイダーの問題というのは、特に最近、銀行さんが証券会社を傘下に入れるとか、大分垣根がなくなったりとかして、ファイアウオールの問題も出てくるんですけれども、もう一度金融庁の方からは、関係の機関にぜひとも御指導いただきたいと思います。

 もう一つは、インサイダー取引によって、では、どういうマイナスが自分にあるのかというところが議論されるべきではないのか。

 一つは、まず、第一次情報提供者と言われる、例えば、証券会社の人間が、今度どこどこの株がまた売り出しもしくは増資されるみたいよ、これは明らかにインサイダーの漏えいなんですが、これは、漏えいしたからといって、実は、それを聞いた人が取引をしなければ今のところ何もないわけで、昔、聞いちゃったといえば聞いちゃったんですよねと捕まったファンドの人もいましたけれども、実際には、取引がなければ何もないわけですね。

 ただ、先ほどのLIBORのときにバークレイズの話が出ましたけれども、あのバークレイズは、LIBORの関係で、まだ全部が解明されていないにもかかわらず、実は、三百六十億円の課徴金というか罰金というか、これを当局に払っているわけです。

 さっきの資料の一番最後のページをちょっとごらんいただくと、金融商品取引法の百六十六条というのがありまして、ここに云々云々、こうした売買をした者があるとき、内閣総理大臣は、その者に対し、各号に掲げる場合の区分に応じ、定める額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。課徴金が何ぼかというと、この三番に、何とか何とかに規定する売買をした者は、インサイダーした者ですね、この権利者の計算において、売買した場合、売買の手数料、報酬その他対価の額として内閣府令で定める額というふうに書いてあります。

 では、この前、名前を出して恐縮ですけれども、新聞にも出ていたので、中央三井アセット信託の問題が出ていましたけれども、では、あのとき幾らの課徴金だったかといったら、あれはたしか五万円ですよね。五万円が正しい正しくないというのは、それは法律の定めなのでいいんですが、ただ、では、売買した額は幾らかというと一億数千万。この規定にのっとっていうと、得た報酬は手数料額だ、だから手数料を返しなさい、こういう形になっている。

 いろいろこの法律上の障壁があるのは私も存じ上げておりますが、その最後のページをちょっと見ていただくと、一番最後ですが、勧告事案の課徴金額別の件数というのがあります。これは、平成十七年からずっとありますけれども、中には大きいものもちょっとはあるんですが、大体、これを見ていただくと、課徴金が十万円までのものがこの八年で十一件、五十万円が四十七件、百万円までが二十三件、五百万円は三十一件。

 五百万円超もあるんですが、何となく、さっきの三百六十億みたいな話とか、それはもちろん事柄が違うので一律にそれを言うことはできませんけれども、これだとちょっと、普通のイメージとして、余りにも小さ過ぎるのではないか。何だ、これをやったって十万円で済むのか、見つからなきゃやっちゃえみたいなふうになってしまうのではないかというような疑念を私自身も持ってしまうんです。

 諸外国等々に比べてこれが小さ過ぎるのじゃないかということをよく新聞等々でも言われますけれども、それについて、もし御意見があれば、今後何か考えるということがあれば、ぜひともお答えいただきたいと思います。

中塚副大臣 現行金商法による課徴金制度というのは、経済的利得相当額を基準といたしております。ですので、今先生から御紹介のあった事例なんかでもそうなんですが、他人の計算で売買が行われたようなインサイダー事案については、その手数料相当額が課徴金となるということでございます。

 今般の一連の事案に鑑みまして、課徴金が低過ぎるのではないかといったような御指摘があるのはもう私どもも十分承知をいたしておりまして、七月四日に金融審議会に諮問をいたしました。先般でありますけれども、きのうなんですが、金融審議会インサイダー取引規制に関するワーキング・グループの第一回目が開催をされまして、そのワーキング・グループの中でも、課徴金による抑止効果が少ないのではないか、そういった意見が出たところであります。

 いずれにいたしましても、今回の事案に関連をする事柄、実態の解明も進んでおりますので、金融審の答申も踏まえながら、全ての可能性を排除することなく、必要があれば法改正にも取り組んでいきたい、そう考えております。

網屋委員 ありがとうございます。

 罰金というか、いわゆるパニッシュメントといいますか、こういったものを強くすることだけがいいわけではないんですけれども、やはり規制というのは少ない方がいいわけで、ただし、ちゃんとした開示だとかちゃんとしたルールのもとでゲームは行われるべきで、それを破った者についてはやはりそれなりの、それ相応の懲罰というのがあるべきであろう。

 課徴金の形がいいのか、いわゆる刑法上のいろいろな罰金とかそういったものがいいのか、二重処罰の問題、いろいろな問題もあるとは思いますが、ぜひとも、そこについては、やはりやった者勝ちみたいなことにならないような制度をぜひつくっていただきたい。取引そのものをシュリンクさせるようなことをやるのではなくて、破った人に対してちゃんとしたパニッシュメントをやるという形が望ましいんだろうと私は思っております。

 もう一つ、次の問題について少しお話をしたいのは、いわゆる中小企業の金融の問題でございます。

 先般もこの委員会でも議論されましたが、中小企業金融円滑化法というのが、これは二回延長されまして、来年の三月で一応終わる。もう延長はしませんよと大臣がおっしゃったのは記憶に新しいところでございます。

 ただ、私自身が非常に心配するのは、これまで非常に景気の状況が厳しいということもあり、かつまた、昨年は大震災もあり、この法律によって、多くの中小企業、特に零細企業が、金融機関との間での条件変更を行うことによって当面の銀行への支払いキャッシュを減らして、何とか次のステップに行こう、これがこの法律の目的であったし、現実、数百万件のそういったものが行われているというふうに聞いております。

 ただ、これは来年の三月で切れるとなると、本当にそういう中小企業が再生したのだろうか、できるのだろうかということが非常に懸念される。いわゆる出口戦略をどうするか、この前からいろいろな議論があると思います。

 その中で、いわゆる貸し出し条件の変更を要請されたケースで、その実際の実行率はどれぐらいあるかということをお聞きしたいんです。

細溝政府参考人 お答え申し上げます。

 貸し付け条件の変更等の申し込みに占める実際に実行した率の割合、これは九割を超える水準となっておりまして、基本的には、金融円滑化への取り組みは定着してきていると思っております。

網屋委員 九割というのは、たしか三百万件とかその辺の数字だったというふうに記憶しております、かなり大きな数字だったと思っております。

 問題は、金融機関が中小企業から条件変更を要請されて、わかりました、そうですね、今厳しいなら、例えば二年で返すのを五年にしましょうとか、いろいろな条件をのみましょうとか、それはそれでいいんですが、一番懸念されるのは、そもそもなぜそういう条件変更を銀行が応じなきゃいけないのかというと、その企業が再生をする機会、つまり、またよくなっていくということが実は非常に大事なことなんですね。

 ところが、現実問題としてはどうか。ここは検証が必要なんですが、いわゆる目先の運転資金だけが足りないので、それを回すためだけにこういう条件変更をやっている。つまり、逆に言えば、本来淘汰されるべき企業の延命だけに使われているんじゃないかという懸念も実はあると私は思っています。

 法律の趣旨からすると、対象企業をカウンセリングしながら再建していくんだと。この再建の進行状況はどうなっているということをお答えいただきたいと思うんです。

細溝政府参考人 お答え申し上げます。

 条件変更に応じた先につきまして、経営再建計画の策定が必要である先がございます。例えば、基準金利が確保されていない債権につきましては、要注意以下であった場合は経営再建計画をつくる必要があるというふうになっております。

 それで、この条件変更時に要注意先で経営再建計画の策定が必要であった債務者のうち、これは幾つかの金融機関からヒアリングをしたところでございますが、半分強、五割強においては、実現可能性の高い抜本的な経営再建計画、いわゆる実抜計画が策定されている。残りのうち、四割はなかなか策定ができていない、一割は策定中であるけれどもまだできていない、そういった状況にあると承知しております。

網屋委員 そうしますと、一番怖いのは、その四割、これが不良債権化しちゃうと一番怖いなと実は思っております。

 中小企業再生支援協議会というのが各地にあると思うんですが、そこでは、計画策定の支援をしましょうと、これは目標があったと思うんです。どれぐらいの計画策定の支援をする予定だったのかということについて、たしか何か目標があったと思うんです。これは金融庁じゃないと思うんですけれども。

徳増政府参考人 お答えさせていただきます。

 本年四月二十日に、内閣府、金融庁、中小企業庁において取りまとめをさせていただきました中小企業金融円滑化法の最終延長を踏まえた中小企業の経営支援のための政策パッケージにおきまして、中小企業再生支援協議会においては、二十四年度に全体で三千件程度の再建計画策定支援を目指すこととさせていただいております。

網屋委員 これともう一つ、企業再生機構、これももともとは中小企業の再生のためにつくられたというふうに聞いておるんですが、その割には何かJALとかウィルコムとかでかい企業がいっぱい入っていますけれども、これについては何件ぐらいやってきて、今後どういう状況なのかというのをお聞かせください。

大串大臣政務官 お答え申し上げます。

 企業再生支援機構ですけれども、先ほどお話がありましたように、中小、地域に関しての目線が必要だという御意見、先般の機構法の改正、この委員会でも取り扱っていただきましたが、その際にも大きな意見をいただきました。こういったことを踏まえまして、円滑化法の最終延長以降もにらみながら、四月に関係省庁で政策パッケージというものを組みまして、それを踏まえて対応してきています。

 これまで、地域系の支援の対象は数十件にとどまっておるところでございましたので、さらにこれをふやしていこうということで、具体的に行っているのは、先ほどお話もありましたけれども、支援協議会との連携を強めるということで、私たち、この企業再生支援機構の中にも中小企業経営支援政策推進室というものを設けて、地域系に明るい銀行等からのスタッフの増強もしております。さらに、経営陣にも変更を加えています。

 さらには、中小企業の実態に合わせて、支援基準というものがございまして、これまで再生の支援基準として三年間を想定しておったものを五年間に延ばして、その間でより柔軟に再生の実を上げていけるような形の取り扱いにも変更をしてきております。

 こういったことを行いながら、地域、中小系の皆さんの支援により寄り添っていけるようにやってまいりたいというふうに思います。

網屋委員 もう一度、先ほど、細溝さんですかね、貸し出し条件の要請の実行率のところ、全体で何件ぐらい、さっきは率でしたけれども、何件あったということでしたか。

細溝政府参考人 平成二十四年三月末時点で、実行が二百八十九万件でございます。

網屋委員 二百八十九万件の貸し出し条件の変更要請があって、九割方やったということは、大体、二百五、六十万は貸し出し条件の変更に応じたということですね。それで、そのうちの五〇%については再建の可能性がかなり高いんじゃないかというふうなお答えでした。

 ということは、大体、その半分の百二十万ぐらいは、百二、三十万はうまくいくだろう、残り一割ぐらいが今策定中と。まあ、二十万を引いて、それでもまだ百万件ぐらいは実はどうなるかわからないという中小企業があるだろうというのが今のお話ですよね、今のをまとめると。そういうことですよね。違いますか。

細溝政府参考人 先ほど、五割の数字の前提といたしまして、条件変更時に基準金利が確保されていて経営改善計画をつくる必要がない者を除いた、その経営改善計画をつくる必要がある者のうちの五割、こう申し上げたので、その基準金利を確保されている者は六割ございますので、残りに掛けますと約二割。

 それから、二百八十九万件という件数でございますが、これは、中小企業金融円滑化法はリスケジュールにできるだけ応ずることとするという努力義務をかけておる関係上、債務者ベースではなくて債権ベースでやっております。したがいまして、一人の債務者が複数行から借りておるとかということもございますので、二百八十九万がそのまま債務者数というわけではございません。

網屋委員 そうしますと、では、単刀直入に聞きますけれども、実際にいわゆる再生可能支援等々の計画が策定されていない件数は幾らぐらいになるんですか。今の説明だと、どれぐらいか、ちょっと感覚的にわからなくなっちゃったんですけれども。正確じゃなくてもいいんです。大体何万件ぐらいとか、何十万件とか、そんな感じでいいんです。

海江田委員長 細溝監督局長、アバウトな数字でいいということですから、答えてください。

細溝政府参考人 実際に、二百八十九万件と申し上げましたが、信用調査機関のデータ等から推計いたしますと、この実際の利用者数はおおむね三、四十万社であろう、基数がそういうことでございます。それで、その三、四十万社を前提とした場合に、その他要注意から破綻懸念先に相当していると考えられますが、その中で要管理先及び破綻懸念先をこの事業再生支援の対象先だというふうに想定しますと、約五、六万社になるのではないか。これは非常に、前提に仮定に仮定を置いた計算でございます。

網屋委員 五、六万社だとしましょう。そうしたら、もう時間がないのでぱっと行きますが、先ほどの中小企業再生支援協議会で三千、現実は、企業再生機構でやっている案件は今二十二件しかないんです。この差というのは実は物すごく大きい。

 どういうふうにやっているか、ここをちゃんとやっていかないと、これは僕に言わせれば、この法律そのものの趣旨はいいんですけれども、ちょっと言い方は悪いんですが、金融は企業の血液と言いますけれども、これはある意味ではちょっとモルヒネを打っちゃったみたいなところがあって、抜いちゃうと禁断症状が出る可能性がある。そこを実は我々も物すごく心配して、皆さんも出口戦略ということをおっしゃっている。それがカバーされていないのがまだそんなにたくさんあるというのが今現状だというふうに思います。

 これは、今回の民主党でつくったいわゆる成長ファイナンス戦略でも入れたんですが、いわゆるエクイティー化、つまり、債務を弁済できないところの一部の部分を、デット・エクイティー・スワップの形でももちろんいいですし、出資の形でもいいんですけれども、一部そういうことを少し推進して、もう少し銀行が親身になってその企業を育てていくようなことも考えてもいいんじゃないかというふうに思うわけです。

 そこで、一つの提案として出しているのが、いわゆる五%ルール、銀行はほかの企業の五%以上を持ってはいけないよという部分を、地方のこういった再生等々についてはもっと緩和をしていくようなことをぜひ考えていただけないだろうかというのが一つの提案なんですが、これについて、大臣の方でもし、大臣じゃなくて副大臣でも、お願いします。

海江田委員長 申し合わせの時間を過ぎていますので、手短にお願いを申し上げます。

中塚副大臣 昨日閣議決定されました日本再生戦略の中においても、中小企業金融円滑化法の期限到来を踏まえた支援策の一つという意味合いも含めて、五%ルールについて本年度中に検討するということがなされる、そういうふうに聞いております。

網屋委員 どうもありがとうございました。ぜひとも、中小企業の発展のためにも皆さんで頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 本日はありがとうございました。

海江田委員長 次に、竹本直一君。

竹本委員 自民党の竹本直一でございます。

 きょうは一時間いただきましたので、大きい問題から小さい問題に至るまで、幾つかお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いします。

 日本経済は円高で大変苦しめられておりますが、我が国の努力だけでは、この円高問題、解消できない。つまり、諸外国の経済状況と大きく関与するわけであります。そういう意味で、これから述べる問題について関係大臣等はどのようにお考えなのか、ぜひ考え方を聞きたいと思っております。

 第一は、フィスカルクリフ、財政の崖と言っておりますけれども、壁じゃなくて崖なんですね、この問題について聞きたいと思います。

 アメリカでは、現行の二〇一一年予算管理法を改正する手続がもし行われないとどういうことが起こるかということなんですけれども、一つは、二〇一〇年十二月に延長された個人所得税の税率引き下げ等、いわゆるブッシュ減税ですね、それから緊急失業保険給付の延長措置、これが二〇一二年末、ことしの末に失効します。つまり、増税的な効果をもたらすわけであります。もう一点は、二〇一一年予算管理法によって、今後、一・二兆ドルの歳出を、社会保障給付等を除いて、二〇一三年から二一年まで一律に削減をする。この二点の措置が発効するわけであります。

 後半に述べました件でいいますと、一・二兆ドルですから、百兆円ぐらいですね、それを八年間で削減するわけですから、すごいものですよね。アメリカのGDPは日本の三倍ぐらいですから約千五百兆円としましても、相当大きい削減だというふうに私は思います。この二点の措置が発効いたしますと、アメリカのGDP比で二・七%の緊縮財政になる、こういう報告を受けております。

 アメリカの議会予算局、CBOによりますと、こうした一連の財政緊縮により、二〇一二年度に比べ、二〇一三年度には六千七十億ドルの財政収支の改善が図られる一方、脆弱な成長の経済への悪影響が懸念されるとはっきり予算局は言っております。

 簡単に言えば、実質的な増税と強制的な歳出削減、ダブルパンチによって急激な財政の引き締めが起こるわけであります。そうしますと、アメリカ景気は、決してよくなるどころか悪くなる。悪くなると、アメリカは中国から物を買わなくなる。そうすると、中国に中間財を出している日本の企業にも大打撃になる。こういう構図になるんだと思うんですよね。

 こういうことが十分起こり得ると考えなきゃいけない状況の中で、これへの対処をどのように考えておられるのか、財務大臣にまずお聞きしたいと思います。

安住国務大臣 おはようございます。

 懸念については、私も直接ロスカボスでガイトナー長官からもお話を伺いました。それから、バーナンキ議長も、最近も七月の十七日に、このことについて取り上げて発言をしております。

 言ってみれば、議会のねじれの中で、昨年も同様の債務の上限問題というのがありましたけれども、大統領選挙、それに伴う上下両院選挙等がありますので、今御指摘のような財政の崖の問題を、私は、アメリカは知恵のある国ですから政治の中で解決してくれるとは思いますけれども、先生が御指摘のように、このままもし二〇一二年末でブッシュ減税が実質的に切れて増税になったり、また、財政再建の問題というのは、特に国防費等を中心に、いわば現政権下の目玉政策としてこういうことをやるということでありましたけれども、こうしたことができなくなると、財政再建といわば減税というもの、実質的に現政権下で行うとしていた政策ができなくなるということは、多分、さまざまな影響を経済に及ぼす可能性があるというふうに思っております。

 年率換算におけるGDP成長率に対しても、今先生御指摘のように、アメリカ議会の予算局の話はまさに三角一・三ですから、非常に大きいものが出てくるのではないか。

 他国のことをこれ以上コメントすることはできませんけれども、こうしたことが世界の経済のリスク要因にならないように、G20の中でも、アメリカに対しては、この問題をやはり国難というふうな見方をしてぜひ解決するように、私どもとしても要望していきたいと思っております。

竹本委員 まあ、ほかの国の問題なのでとやかく言うことはないのかもしれませんが、結果として悪影響を我が国に及ぼす契機は十分あるということは、財務大臣、ぜひ国際会議でしっかり言っておいてほしい、ガイトナーさんか誰か、いろいろな関係の方に。

 それから、そういう意味で、外国の選挙の問題なんですけれども、この財政の崖の問題は、十一月の大統領選挙とも非常に密接に関係しております。私、五月に訪米したときは、もうオバマが圧倒的に勝つというような雰囲気でありましたけれども、最近、新聞報道によると、そうでもなさそうであります。

 この主張の違いをちょっと見てみますと、オバマの方は、まず、ブッシュ減税については、二十五万ドル以下の層についてはブッシュ減税を一年間延長、つまり、これより上の所得の方については延長しない、したがって課税を強化する、こういうことになります。歳出削減については、国防費、非国防費とも半々の割合で一律に削減する。それから医療改革法については、事実上の国民皆保険の導入をする、こういうことであります。

 これに対して、共和党のロムニーの方は、ブッシュ減税については、現行ブッシュ減税をそのまま継続する。歳出削減については、国防費はGDP比四%を保つということであります。国防費は減らさない、こういうことです。医療改革法についてはやめる、こういうことであります。非常にはっきりしているんですね。

 こういう状況の中なので、我が国から見て、どちらの政党がいいという言い方は言いにくいかもしれませんけれども、どういう影響が懸念されるか懸念されないか、どちらが勝てばどういう状況になるか、そういう話をちょっとお聞きしたいと思います。

安住国務大臣 先生、選挙のことについて、私がアメリカ合衆国の選挙について申し上げることは差し控えさせていただきます。

 ただ、私どもが注目しているのは、大統領選挙の勝敗もさることながら、同時に行われる上院そして下院の選挙でございます。上院が三分の一、下院は全部の選挙があわせてあります。こうした中で、今、激しい共和党、民主党の対立がございます。特に下院においてはねじれているわけでございますから、こうしたことが、果たして、議席の行方がどうなるかによっても、今御主張のようなことで、大統領が選ばれた段階で、議席数が議会でどうなるかということも影響があるのではないかというふうに思っています。

 ただ、いずれにしても、両方、どちらが選ばれても、日米関係の重要性というのはもう重々、現大統領も共和党のロムニー氏も、いかなる外交的な政策についての討論においても申し述べておられるようでございますので、私の立場としては、世界経済のアメリカの占めるシェアが非常に大きくて、影響力が大きいわけですから、それに対して、やはりいい意味での影響を与えていただくような政策展開というものをぜひしてもらいたいと願うだけでございます。

竹本委員 FRBの問題を論じますと、やはりQE3の可能性があるかどうかという問題をどうしても議論しなきゃいけないんです。

 バーナンキ議長の発言を調べてみますと、議会予算局の試算を引用いたしまして、あるとき、いわゆる財政の崖を容認すれば、経済は来年初め浅いリセッション、景気後退に陥ると説明しております。また、債務上限など歳出計画をめぐる国民の不透明感によって生ずるマイナスの影響もあると、さらに続けているわけであります。しかも、この議長は、欧州の金融市場及び経済は引き続き顕著なストレス下にあり、米国を含む世界全体にその影響が波及しつつあるとまで指摘しておるわけでありまして、欧州は大変なリスクになるということを容認しているわけでございます。

 欧州が非常に不安な状態である、そして日本経済もそれほど大したことない、中国は経済が下降している、インドも下降している、こういう中で、世界経済を引っ張る役割はやはりアメリカなんですよね。アメリカなんです。ですから、アメリカがしっかりしてくれないと、これはもう大変な悪影響を全世界に与えてしまうわけであります。

 そこで、最初の質問で私が財務大臣にお願いしましたように、G20、G7等いろいろな会議に出られるわけでありますけれども、アメリカはアメリカだけのことを考えちゃだめよということを強く言っておいていただかないと、あらゆる努力が全部無に帰する、これが現実の状況だと思うんですよ。ですから、そこは、政治家同士として、きっちりと、国内はそうであったとしても、そしてアメリカの議会で財政削減法が決まっていたとしても、しかし、その結果が世界にこんな悪影響を及ぼすと大変だよということをぜひ訴えてもらいたい、そういう意味でこのことを取り上げたわけであります。

 結局、資金需要のない中で金融緩和をいたしましても、投機マネーが発生しまして、QE2のときがそうだったんですけども、食料価格や原油価格にドルが流れ込んで、スタグフレーションを引き起こすおそれがある。だから、一概に、QE3をやれば必ず皆がよくなるというわけでもないわけであります。

 そういったもろもろのことを考えて、ぜひ、アメリカの動きが世界経済に甚大な影響を及ぼすということを必ず機会あるごとに言っておいてもらいたい、そして、できれば財政の崖をちょっと変更してもらうことが一番必要だと私は思いますが、いかがですか。

安住国務大臣 金融緩和がもたらす影響というのは、統計から見ても、例えば原油価格の高騰等は、単なる需給のバランスではおさまり切れない高騰を見ていると、やはり、今委員御指摘のように、スタグフレーションになる可能性はある。行き場のないお金が、いわば投機的な材料として使われるということを懸念しなければなりませんから、そうした点では、やはりバランスのいい金融緩和策というものをアメリカも考えていると思います。

 なお、国際会議で会うたびに、私、ほとんどガイトナー長官とは、バーナンキさんともできるだけということですが、ガイトナー氏とはしょっちゅう会わせていただき、お話もしておりますけれども、多分この問題で最もアメリカ政府から見て頭が痛いのは、何を企画立案しても、予算を伴う政策等について、大統領選挙が終わって議会の構成が落ちつかない限り何もできないといういわば手足を縛られた状態であるので、例えばヨーロッパ等について、G7等での会議をしても、アメリカが実際に金額的なものを伴う政策についてなかなか議会の承認の得られないような状況だということは、私も話をしていると報告を受けるわけです。

 ですから、ある意味で、このヨーロッパの危機等の問題、それから、今先生の御指摘は、多分、世界経済に対しても、また安全保障の点からも、歳出削減の問題をこのままやっていった場合の影響というのを少しアメリカ政府は考えるべきではないかということだと思います。

 そうしたことも含めて、私どもとしては、やはり金融財政の分野でもアメリカとの連携というのは最も重要だと思っておりますので、外交の問題はまずおいておいて、欧州危機の解決、さらには、アメリカ経済が堅調さを持っていることによって、ひいては中国、そしてそれに対する日本の影響というのは出てきますから、よい循環をつくるための弾力的な経済政策というものを求めていきたいと思いますし、そのためには、やはりねじれというものの問題や、決まらない政治と言ったら大変アメリカには恐縮ですけれども、日本以上に決まらない政治の構図にありますので、これを一日も早く解消して、政策決定をより決定者ができるような環境をつくってもらいたいというふうに思っております。

竹本委員 どうもアメリカと日本は非常によく似ているようで、政府当局と議会とは意が反するといいますか、なかなか合意に達しない、そのために物すごく時間がかかる、コストもかかる、これは仕方ないのかもしれませんが、そういう状況であります。それだけに、やはり、そういう財政の崖で世界がおかしくなることだけは避けてもらいたい。

 なぜこの問題をこれほどを詳しく私が言うかといいますと、アメリカの予算局が発表している数字がすごいんですよね。もし財政の崖がそのまま実施されれば、来年の成長率は実質で〇・五%、そして一三年の前半、来年の前半はマイナス一・三%なんということを堂々と発表しているところに、私はこれは大変なことだなと。一経済評論家が言っているんじゃなくて、政府そのものがそれを認めているわけですから、よほど真剣にこれは考えないといけない。単なる共和党と民主党との対立でどうなったこうなったという話じゃ済まない話だという認識を米国当局はきっちりと持ってもらわなきゃ絶対困る、こういう思いがありまして、冒頭この質問をいたしました。この問題はこれで終わります。

 さて、次に、金融担当大臣にお聞きします。LIBOR問題です。

 イギリスのLIBORの不正操作問題に関しまして、規制当局の金融庁としては、いつごろからこんな問題があるということを認識していましたか。

細溝政府参考人 お答え申し上げます。

 英米当局が、バークレイズに対しまして、LIBORの呈示にかかわる不適切な行為に関し課徴金の支払いを命じたということは承知しております。

 ただ、海外当局の個別事案への対応に関する当庁の認識につきまして、個別具体的にコメントすることは差し控えたいと思っております。ただ、一般論として申し上げれば、海外当局との間では、必要に応じて連携、連絡を行っているところでございます。

竹本委員 ちょっとよくわからない、いつごろからというのが私の質問なんですが。答えてください。

細溝政府参考人 繰り返しになりますが、海外当局の個別事案への対応、これに対して当庁がどう認識していたかということにつきましては、個別具体的にコメントすることは差し控えさせていただきたいと思っております。

竹本委員 時期も言えないんですか。認識していたかどうかということ及びその時期についても言えないということですか。確認したい。

細溝政府参考人 海外当局との個別の連携にかかわることでございます。差し控えさせていただきたいと思います。

竹本委員 結構です。

 今回の問題は、イギリス国内の問題だけじゃない、全世界に及ぶ問題であります。したがって、国際的な指標となる金利ですけれども、これは信頼の置ける数字でなきゃ絶対困ると私は思いますが、これについて大臣の所見をお聞きしたいと思います。

松下国務大臣 信頼の置けるものでなければならないということはそのとおりだ、そう思っています。

 今回のLIBORの金利に関する不正操作、これはやはり金融市場の公平性に対する信頼を損なった、そして同時に、市場の健全な発展を阻害しかねない重大な問題だ、そう認識しておりまして、高い問題意識を持って注視しているということでございます。

竹本委員 今回のLIBORの不正問題で、ニューヨークの地方銀行でありますバークシャーバンクが、えらい損をしたということで裁判所に訴えております。日米欧の、日本も含まれているんですね、十六金融機関に損害賠償を求めてきているわけであります。この中に邦銀では三菱東京UFJそれから農林中央金庫が含まれていますけれども、邦銀がどの程度かかわっているか等について金融庁として把握しているのかどうか、これをお答えください。

細溝政府参考人 お答え申し上げます。

 二〇〇七年の八月から二〇一〇年の五月までの期間に、ドル建てのLIBORに関して金利を申告していた金融機関を、ニューヨークの地銀、今議員御指摘のとおり、バークシャー銀行が訴えたとされ、その中に邦銀が二行、三菱東京UFJ銀行と農林中央金庫が含まれている、こういった報道があるということは承知しております。

 ただ、個別の訴訟につきまして、当庁としてコメントすることは差し控えたいと思います。

竹本委員 このLIBORの不正問題を受けまして、我が国の全国銀行協会、これが東京銀行間取引金利、いわゆるTIBORについて過去に不正がなかったかどうかの調査を進めていると聞いておりますけれども、金融庁としては、この協会の自主調査に任せたままでいいのか、金融庁みずから特段の調査をする必要はないのか、そのつもりがあるのかないのかをお聞きしたいと思います。

中塚副大臣 これまでも各金融機関の内部管理体制については検査監督を通じて確認をしてきておりまして、例えば、昨年の十二月なんですけれども、シティグループ証券そしてUBS証券東京支店のトレーダーが、TIBORの呈示担当者に呈示レートに関する不適切な働きかけを継続的に行っていたことが判明をいたしまして、業務停止命令等を発出したところであります。

 今般でありますが、このTIBOR公表要領の遵守状況について全銀協が一斉点検を行うということであります。取りまとめが全銀協ということでありますので、まずはやはり全銀協の方でしっかりと調査をしていただくということになると思いますし、私どもとしては、そういう金融機関の内部管理体制を検査監督を通じて調べるようにしていきたい、そういうふうに考えております。

竹本委員 立場はわかるんですけれども、少なくとも、全銀協の調査結果を見て、必要があれば特段の調査をするというぐらいの態度であるべきだと私は思いますが、いかがですか。

中塚副大臣 全銀協のこの自主点検なんですけれども、公表される、そういうふうにも聞いておりますので、それでまた必要があれば適切に対処してまいりたい、そういうふうに考えております。

竹本委員 きょうは日銀を呼んでおりませんけれども、日銀の成長基盤強化資金の貸付制度があります。これは、金融緩和の一環として資産の購入をどんどん日銀は続けているわけでありますが、外国へ出る企業を応援する金融機関に対して特段の配慮をして、言ってみれば安い金利で銀行にお金を貸し付け、その金を海外へ出る企業が使う、こういうことで、全体で百二十億米ドルでしたか、それぐらいの大きいものを用意しているんですが、この貸し付け条件が、米ドルの六カ月物LIBORの金利を基本とし、その金利で貸し付ける、こういうことになっています。

 その当該の金利に不正があったとすると、これは、正当な金利であれば、例えば正当な金利がLIBOR金利よりも安ければ、正当な金利であればそんな高い金利を払わなくてもいいのに余分の金利を払わされたということになるし、正当な金利の方がLIBOR金利より上だということであれば、逆の現象が起こるわけですね。日本の金融政策にまで非常に大きく影響が及びます。

 ですから、LIBOR金利というのはイギリスやヨーロッパだけの話では全くないわけでありますが、この成長基盤強化資金の貸し付けに関して、この制度を利用した企業が既にあるのかないのか、日銀が来ておられないので、もしわかれば、金融庁、教えてください。

細溝政府参考人 突然の御質問でもあり、手元に資料を持ち合わせておりません。

竹本委員 それでは結構です、呼んでおりませんので。しかし、別途ちょっと教えて、まあ日銀に聞けばいいか、そのようにいたしましょう。

 TIBOR金利につきましては、昨年末に、スイス大手のUBS証券などに所属していた担当者が、報告金利を変えるよう複数の銀行の担当者に依頼していたことが発覚しています。金融庁はUBSなどに一部業務の停止命令を出しましたけれども、実際に金利がゆがめられていたかについてはわからないとしておりますが、当時の問題についてやはり再調査する必要があるのではないか。

 LIBORについてこういう問題が起こってきました。だから、我が国のTIBORについても同じことが行われている可能性はゼロとはしない。したがって、金融庁としては、その実態について調査を再度やる必要があると私は思いますが、いかがですか。どなたでも結構です。

中塚副大臣 この件なんですけれども、そうした働きかけがあったということで、UBS証券に対しましては、先ほどのとおり、行政処分を行ったところでありますが、一方で、そうしたトレーダーなどの働きかけが実質的な呈示レート決定者の判断に影響を与えたということは、証券取引等監視委員会、また金融庁のいずれの検査においても確認をされていない、そういうふうに承知をいたしております。

 過去の検査、それから今後の対応ということについてもコメントは差し控えさせていただきますが、もし仮に問題があれば、それは適切に、厳正に対処していきたい、そういうふうに考えております。

竹本委員 一般論としてお聞きしたいんですけれども、このLIBOR金利、各銀行がどの程度なら貸し付けるかというある種の仮定を置いてレートを差し出させて、その一般的な平均値でもってLIBOR金利にしている、こういうことでありますが、これ、もし、例えば過去一年間の平均金利、実績で見たらこんな問題は起こらないのに、なぜそうしているのか。その辺の理由、仕組みについて、どなたかお答えをいただきたいと思います。

中塚副大臣 LIBOR、TIBORも、運営、そしてその仕組みをどうするかということについては、やはり第一義的には、その取りまとめ、そして公表機関がお考えをいただくべき問題であろう。英国銀行協会、そして我が国においては全国銀行協会ということになるわけなのでありますが、LIBOR、TIBORの、何というんでしょうか、あるべき姿、そして金利の不正操作、そういう内部管理体制の問題は、これは分けて考える必要があるであろう、そう思っております。

 先ほどもお尋ねがございましたとおりで、今、全国銀行協会がそういった調査をしておりますので、その調査結果、金融庁にもお知らせをいただけるということですから、もし仮に問題があったとした場合にはきっちり対応をしたい、そういうふうに思っております。

竹本委員 おっしゃるとおり、内部管理の問題とTIBOR、LIBORの仕組みの問題は別です。ですから、それはそれで結構なんですが。

 そもそも、仕組みとして、実績というファクトで見た方が不正が入る余地がないのではないか。なぜそういう仕組みにしないのか、ちょっと私は理解できないんです。だから、専門家に、どなたでも結構ですが、答えてもらいたいと思います。

細溝政府参考人 あくまでも一般論として、私なりの感想を申し上げます。

 市場の実勢レートをどう捉えるか、これは非常に難しい問題がございます。実際に、マーケットの状況によっては、マーケットで成立した金利が必ずしも実勢レートと言えるかどうかといったような問題まで、マーケットが混乱している状況などの場合は考えられます。それから、どういうタイミングのレートをとりたいか、その日に動いているレートをとりたいのか、昨日のレートをとりたいのか、その目的によっても設定の仕方が違うと思います。

 したがいまして、まさに、TIBORなりLIBORなりは、全国銀行協会それから英国銀行協会が、それぞれの問題意識でそれぞれの設定の仕方をやっているということであろうかと思っております。

竹本委員 もう少しこの問題を聞きます。

 モルガン・スタンレーのアナリストによりますと、今回のLIBOR不正操作問題につきまして、欧米の主要金融機関十一社が負担する罰金、訴訟費用、これが二〇一四年までに計百四十七億ドル、約一兆一千七百億円に上るとの予測が出ております。

 もし邦銀がこれらの不正にかかわっていたといたしますと、邦銀にも大きな負担をもたらすことになるわけで、預金者保護の点からも金融庁としては放置できない問題だと私は思います。どのように認識しておられますか。

松下国務大臣 LIBORの不正操作問題に関して、欧米で課徴金が課された事案に加えて、訴訟が提起されているとの報道があることは承知をしております。一般論として、こうした訴訟の帰趨について金融庁としてのコメントは差し控えたい、そう考えています。

 現時点で、邦銀がLIBORの不正操作に関して処分された事案はありません。

 LIBOR等の金利に関する不正操作は、金融市場の公平性に対する信頼を大きく損ねる、市場の健全な発展を阻害しかねない重大な問題である、こう認識しておりまして、本件についても、引き続き高い関心を持って注視してまいりたい、そう考えています。

竹本委員 金融担当大臣としてはそういう答弁になるのかもしれませんが、仮に邦銀が関与しておったら、そういう場合の処理というのはどういうふうにされるんですか。大きく損失をこうむりました、それは金融行政としてそのまま放っておいていいのかどうか、そこの辺の問題を聞いているんです。

松下国務大臣 現実に進行している問題でもあります。この点についてはコメントは差し控えたい、そう思っています。しかし、御懸念の意味はよく理解しております。

竹本委員 それでは話題をかえまして、次に、バーゼル3について聞きたいと思います。

 銀行に対する新たな自己資本比率規制、バーゼル3によりまして、銀行は、長期的なインフラプロジェクトに資金を貸し出すコストが非常に高くなってきました。一方では、バランスシートの均衡を保たなきゃいけないんですけれども、非常に条件が厳しいですから、インフラストラクチャーファイナンスとかあるいはプロジェクトフィナンスのような巨大な金が動く場合には、その担保はどうして確保しているのか、こういう話を強く要求されるわけですから、なかなかおいそれとこういったところにお金が貸せなくなる。

 ところが、他方、私は当委員会でも前に言ったことがありますけれども、日本を成長させるためには、インフラ関係の、海外インフラの整備に日本の技術力を生かして、資本力を生かして、そして何よりも工事の施工能力を生かしてどんどん工事をとっていくのが非常に大事だと思うんですけれども、その場合に、このバーゼル3があると、今までさえ大変であったものが、ますます融資ができなくなる。

 本来持てる力に不つり合いなほど、外国でのこういうプロジェクトがとれていない現状、これは松下大臣もよく御存じだと思いますが、こういった状況の中でこのバーゼル3が実施されることについて、どういうふうに認識しておられるんですか。どうすればいいと思っておられるか、それについてお聞きしたいと思います。

松下国務大臣 二〇一〇年の十二月に、国際的に活動する銀行を対象に、自己資本の質、量の向上等を図る仕組みである新たな自己資本比率規制、議員がおっしゃいましたいわゆるバーゼル3が公表されたわけでございます。これは来年三月末から段階的に実施される予定というふうに聞いております。

 この内容については、これまでの我が国の主張も踏まえて、中長期的な自己資本の強化の必要性と実体経済への影響双方に配慮した、バランスのとれたものとなっておる。我が国の銀行にとっても、実体経済に大きな影響をもたらすことなく、経営努力の範囲内で達成可能な内容であるというふうに考えています。

 議員御指摘のプロジェクトファイナンスやインフラストラクチャーファイナンスに対するリスクウエート、これはバーゼル3においても取り扱いは不変である、こう承知しております。

 いずれにしましても、金融庁としましては、今後とも、金融機関に対して金融仲介機能の円滑な発揮を促してまいりたいというふうに考えております。海外プロジェクトを進めていかなきゃいけないという事実もございますし、これは十分、議員の御指摘の内容はしっかり受けとめてやりたいと思っています。

竹本委員 そこで登場するのが国際協力銀行です。昨年法律改正しまして先進国にも融資ができるようになりましたけれども、この国際協力銀行をどう活用するかということが、海外プロジェクトの推進に大きくかかわってくるんだろうというふうに思います。

 何年か前、小泉政権のときに大変議論いたしましたけれども、国内においては政投銀というのがございますが、これは本来民間ができないことを補完するという意味でつくられた銀行ですが、その民間の補完をする政投銀を民営化するという論理矛盾のようなことが議論になったわけであります。民間ができないことを何で民間がやるのか、非常に、私は猛反対をいたしたわけです。ですから、いわゆる民営化には反対であったわけです。

 そういう意味で、この国際協力銀行は民間が十分できないことをきっちり補完する役割を果たさなきゃならない。そのために、いわゆる政投銀の枠から離れて、単独で、独立して行動ができる、これはいいんです。いいんですが、今まで申し上げたような金融の非常に厳しい規制が多々あり、そして外国には経済外的障壁もいっぱいあるという中で、なかなか日本が、持てる実力はありながら十分それに見合うだけのものが得られていないということを考えますと、国際協力銀行も今までのような業務の進め方でいいのかどうかということは非常に強く私は感じております。

 受け身で、何か言ってきたらそれに応ずる、こういうことだけではだめであって、もっとオール・ジャパンとして、特定の国の特定のプロジェクトに関してはどういう企業等が関与して、それならばこの分は私が保証しますから、皆さん方、元気よく行ってください、これぐらいのことを言えるような銀行にならないとだめなんじゃないか、私は常々そう思っているんですけれども、いかがですか。大臣か副大臣、どちらでも結構です。

安住国務大臣 契約実績等については、後で副大臣から、もし必要であればと思いますが、私も委員と同じ考えでございます。

 それで、人事については、私の方から、やはり世界的に名の通った方で、このJBICを引っ張ってもらえればということで、新生JBICについては奥田トヨタ自動車相談役に就任を要請しまして、引き受けていただきました。お話を聞いていると、来客件数とか、総裁のところを訪ねてくる海外の方が圧倒的にふえたという話でございますので、私はこの人事は非常によかったのではないかなと思います。

 そして、あくまでも一般の金融機関が行う金融に関する補完をしっかりやっていこうということですが、円高対策で昨年、ファシリティーをつくりました。この融資規模については、まだまだ全部生かされてはおりませんけれども、非常にいい案件について民間金融機関と一緒になって海外での取引にJBICが動き出しております。

 そういう意味では、日本がこの円高の中でとり得る政策の有力な柱として、やはりMアンドAとか、海外で積極的に力をつけていくというのは重要だと思います。そういうところに民間金融団と一緒になってJBICが加わっていけば、私は、この円高の中でとり得る政策の中で、後に大きな力を日本の企業や金融機関がとり得るものを今蓄積できるのではないかと思っておりますので、そうした方向で、積極的にこれまでのJBICのいわばエリアをさらに拡大していくような中でこの業績というものを上げていきたいというふうに思っております。

竹本委員 ぜひ、その今の御答弁のとおりやっていただきたいというふうに私は思います。

 実は、私、この間もインドへ行ってきたんですが、日本が毎年二千億を超すODAを出しており、そして、インドと仲よくなりたいと言っている割には、あそこにある何百というプロジェクトを見て、ほんの少ししかとれていない。何でかなと思うと、どうも国内の公的、私的、いろいろな関係の十分な協力がやはり得られていないんじゃないか、こんな感じをちょっと持つものですから、あえてこういう質問をしたんです。

 この問題に関しまして、先ほど大臣から、実績等については副大臣からとありましたが、もしそういうことを聞かせていただけるなら聞かせてください。

五十嵐副大臣 私の方で今言えることは、ファシリティーの実績が急激に上がっているということでございまして、特にことしに入ってからハイペースで利用が増加しているということで、四月以降に実施予定の案件は一兆円に上ると思っております。その前の公表済み案件も、十五件、八千九百億円ということでございますので、JBIC融資は急激に活用されてきていると思います。

 それから、今のインドの案件は、私も行ってまいりましたけれども、インド当局の方の金融規制がかなり厳しいので、それも政府を挙げて交渉をさせていただいておるところでございます。いろいろな制約がございますので、官民挙げて協力をする、また、情報をとり合うということが非常に重要だと思っております。

竹本委員 保険業のインドへの進出についても、おっしゃるとおり、国内規制がたしか八割ぐらいの資本規制をしているというふうに聞いておりますけれども、それも一つの例ですが、物すごくいろいろな経済内的規制、外的規制があるんですね。それは、やはり両国でFTAというか協力協定を結んだんですから、ぜひ深く食い込んで、話し合いで十分できるように持っていってもらいたい。これは政府当局じゃないとやはりだめですから、お願いをしたいと思います。

 この問題に関しては最後に一つお聞きしたいんですが、バーゼルの関係で、対外的な取引は自己資本比率八パーですけれども、それがさらに厳しくなるわけですが、国内については四パーなんですね。国内の自己資本比率が四パーというのは誰が決めているんですか。

細溝政府参考人 自己資本比率規制は、銀行法の体系のもとでの規制でございます。国際基準につきましては国際的なバーゼル委員会で決まっておりますが、国内的には、それらの国際的な基準等々ないしは日本の国内の金融機関の状況等を勘案しつつ、日本の国内において決めております。

竹本委員 質問は、誰が決めているのかということです。国内で決めているか、海外で決めているかということを言っているわけではありません。

細溝政府参考人 告示で決めておりますので、政府で決めております。

竹本委員 どの大臣が決めているんですか、告示というものは。

細溝政府参考人 失礼しました。金融担当大臣でございます。

竹本委員 何でそんなに恐れるのかよくわからないけれども、それは結構です。結構ですが、要するに、先ほど私の前の方の質問でもちょっと触れていたようですけれども、モラトリアム法との関係なんですよね。

 これは、やはり四%でなくても、例えば二%でもいいんじゃないかと私は思うんです。その辺はよく考えないと、結局、日銀が資産買い取りでどんどん金融緩和して、銀行が持っている国債をキャッシュにかえているんですよね。ところが、そのキャッシュは使われずに、準備預金で日銀に預けられたままなんですよ。何のためにやったかわからないんです。それが企業に回って、企業が設備投資で使うならいいんですけれども、こうして銀行はかたく閉ざしているんですね。それは何かというと、金融庁の監督もあるだろうけれども、この四%の規制も相当あるんじゃないかというような感じがするわけです。だから、そこも緩めてあげないと、中小企業にお金が行かないんです。

 そういう状態の中で、前回のこの委員会でも、このモラトリアム法は今回を最後としてこれ以上は再延長しませんと言っていますが、本当にそんな甘いことでいいのか。もちろん、来年になれば政権がかわっているから、別の政権が別のことをするだろうと気楽に考えているのかもしれないけれども、その辺の整合性はどう考えるのか、ぜひお答えいただきたいと思います。

細溝政府参考人 今の御質問の前に、私、先ほど先生の御質問につきまして違った答弁をいたしました。金融担当大臣と申しましたが、銀行法の告示でございますので、大臣名としては内閣総理大臣になります。

 それから、バーゼル3につきましては、国際基準につきましては、現在も来年三月から段階的に実施することを決めておるところでございますが、国内基準につきましては、その基準の内容また実施時期につきましては現在まだ検討中でございます。

竹本委員 話題をかえます。

 貸金業法の問題についてお聞きしたいと思います。前回も私は質問いたしましたけれども、そのフォローをしたいと思っております。

 六月十五日の委員会で松下大臣に闇金の実態調査をお願いしましたが、その後の状況を御説明いただければと思います。

松下国務大臣 前回の委員会で御質問いただきました。

 闇金融というのは違法な営業活動をしている、直接その実態を把握するということはなかなか難しい、これは議員も御承知だと思います。警察の方ともいろいろ、数字の突き合わせ、それから実態、どういう事件が起こっているのかも含めて、情報交換をしながら進めておりますけれども、どういうような手法でどんなふうにやっていけばいいのか、これはまだ答えが出ておりません。

 今後とも、関係省庁や関係機関といろいろな知恵を絞りながら検討を重ねていきたいというふうに考えていますし、引き続き実態の把握に努めたいと思っています。まだなかなかつかみ切れないというのが実態でございます。

竹本委員 前回の委員会で再度調査するという約束をいただいたと私は認識しておりますので、ぜひ調査をしていただきたいと思います。でないと、今の言いわけというか、できていない理由をおっしゃったけれども、既に金融庁は調査をした結果こうだと発表しているわけです。できないことはないんですね、そのやり方が正しいかどうかは別としまして。

 ですから、もう少し総合的な対策を練って、現時点で調査したらこうだよと、だから、闇金が多いとか少ないとか言っているけれども、我々が調査したら実態はこうだ、こういうことを示していただいて、それからこの問題をどうするかということをやはり議論しなきゃいけないと思っておりますので、よろしくお願いをします。

 闇金がふえるふえないという問題なんですけれども、そもそも私は、お金を借りたいという需要は以前と以後とほとんど変わっていないと思います。しかし、それが現実に借りられるかどうかの問題で分かれてきているんだと思います。闇金法が実施された後、総量規制がかかって借りられなくなったから、それが闇金に、アンダーグラウンドに回っているという我々の認識なんですよ。ですから、需要と供給というのは常にバランスをとらないといけない、今は偏っている、これを何とか是正してほしいというのが我々の思いなんです。

 ですから、これは松下大臣もその辺はおわかりだと思うんですけれども、前提として、やはり調査があって、数字がこうだから、これではちょっと問題だからこうしましょうと。いや、調査したけれども全然変わっていないよ、こういうことならば手をつけなくてもいいんじゃないかという議論が出るかもしれませんけれども、実態をつぶさに、我々は選挙区を回りあちこちに行きますけれども、そういった話を聞きますと、やはり余りにも小口金融に関しては需要と供給がとれなさ過ぎる、それを何とかしなきゃいけないという政治的な使命感を持って発言しているわけでありますが、大臣のお考えを聞きたいと思います。

松下国務大臣 竹本議員の指摘されていることは十分理解しております。実態があってこそ対応策があるわけですから、その努力は続けたい、そう思っています。

竹本委員 ちょっと視点を変えますが、この小口金融市場がうまくいっていないことを見て、郵便貯金、ゆうちょが住宅ローンに参入するとの報道があります。松下大臣は国民新党ですからこの問題には非常にお詳しいんだと思いますが、民間金融機関を補完するものとして年収四百万円以下の人への融資を一つの基準として、五十年にわたる超長期ローンも請け負う、こんな報道がなされておりました。貸し倒れのリスクが高い、一歩間違えればサブプライムローンになるかもしれない、こんな感じもするわけでありますけれども、ただ、巨大なファンドであることは事実であり、それが国民、庶民の金で積み上げられたファンドであるということを考えますと、住宅ローンにそれを活用するというのも一つの考え方だろうと私は思うんですが、この辺についての松下大臣のお考えを聞きたいと思います。

松下国務大臣 報道については承知しておりますけれども、まだ仮定の話だ、そういう認識でございまして、これは個別金融機関の経営判断に関する内容でありますので、コメントは差し控えたい、大臣としてそう考えています。

 ただ、十月一日に新会社として新しい郵政会社が出発しますので、それへ向けて、郵政民営化法が改正されて、国会の中で意思が示されましたので、それに基づいて、郵政民営化委員会もございますので、どういう事業に取り組んでいくのか、そしてそれがどういう形で実を結ぶようにするのか、これからしっかりと検討していきたい、そう思っています。

竹本委員 結構です。ぜひともしっかりと検討していただきたいと思います。

 あと少し時間がございますが、この時間をおかりしまして、私は、日本の立ち位置について、これは両大臣とちょっと議論をしたいんですけれども、今、税と社会保障の一体改革で、衆議院は通りまして、今度参議院に行っていますよね。それで、全部議論を聞いているわけじゃないんだけれども、なぜ消費税が必要かという説明が、政府も余りうまくないなと私は思っているんです。

 というのは、日本の税の構造というのは、法人税、所得税、消費税、三本柱じゃないですか。それぞれ十二、三兆円ずつ上がってきているわけですよね。それを、社会保障に金がかかるから、その財源がないから消費税を上げる。それは一つの理屈ではありますけれども、税構造全体を考えた場合に、要するに、昔よく言いましたように、直接税を少なくして間接税をふやすんだ、なぜならば、徴税コストが物すごくかかる、だから消費税の方がいいんだと。だから、こちらを減らしてこちらを上げるんだと言えば納得する人も多いのではないかと思いますが、余りそういう説明がされないんですよね。

 そうじゃなくて、一千兆円の借金をしているから、それを消費税を上げて何とか黒字にしたい、こういうように響くような説明ばかりが来るんです。だけれども、一千兆円の借金をしているといったって、見方によっては、六百五十兆円の国民資産があるんだし、対外的な金融資産も二百七十兆円ぐらいある。足すと、プラスマイナスで百兆円ぐらいのマイナスでしかない。そんなのは、この大国日本においては何ということはないんですね。だから、何でそんなことで消費税を上げようとするのか、こういうふうに逆に疑問が出てくるわけで、消費税のメリットということをもっともっとなぜ強調しないのか、よくわからないんですよ。

 もう一つ言うと、例えば、消費税は今五%でしょう。これが仮に一〇%になると、外国から日本に来る外国人観光客、これが年間八百万人ぐらいですよ。ところが、ニューヨークは年間五千万人、フランスに至っては国全体で七千万人。そうすると、彼らが国内で落とすお金、中国人は一回一人当たり十六万円落としていくというんですね。そうしますと、それに消費税をかければ、その税収は、法人税、所得税は中国政府へ行くけれども、消費税は日本の政府に入るじゃないですか、そうなると日本の政府も潤うんじゃないか、その率が高ければ余計潤うんじゃないか、このように私は思うんです。もちろん、消費税ですから控除制度はありますけれども、あれは一万円以下のものは適用されないし、飲み食い代はだめです。だから、全部が全部還付されるわけじゃない。

 そういうことを考えますと、日本の財政にとって有利だからこういうことをやりましょうという説明をどうしてしないのか、私はそこで質問の機会を与えられていないものだから、ここでちょっと聞きますが、いかがですか。

安住国務大臣 全世代型で負担していこうということは、言ってみれば先生の言っている話と同じ内容なんですけれども、国民の皆さんから見ると、全世代型で対応するというのはどういうことかというふうになるのかなと思います。

 私たちとしては、御指摘のように、直間比率をバランスのいいものに変えていく。八対二、七対三まで来ましたけれども、やはりもう少し、そういう意味では直間比率を見直していかないと、税収構造の中で、少子高齢化の中で人口バランスが変わってきていますので。

 そういう中で、消費税というのはこれから基幹税の中心になるということは話しているつもりでございますけれども、残念ながら、そういう御指摘があることもわかっておりますので、なお、政府として丁寧に説明をしていきたいと思っております。

 もちろん、観光客の皆さんがたくさん来られれば、タックスフリーもありますけれども、飲んだり食べたり、そういう意味での消費税が我が国に入ってくることも大変多くなることは事実でございますので、そういう意味では、やはり外国人の方々にも、東京だけに限らず全国、日本に旅行に来てもらうような施策というものも工夫をしていかなければならないことは重要な視点だというふうに思っております。

竹本委員 かつて国土庁でこんな調査がありました。地域活性化のためには、工場を誘致するんじゃなくて、地方都市の国際化を図ることが最も早いと。確かにそうなんですよ。外人がどんどん来て、お金も落としてもらった方が早いんですよ。その落としてもらう率が高ければ高いほど、地方は潤うんですよ。ですから、そういうメリットもあるという説明をどうしてされないのかなと常々不思議に思っておりましたので、聞かせていただきました。

 もう一つ、逆転現象の話ですね。要するに、最低賃金制度なんです。

 中央最低賃金審議会というのがありまして、最低賃金というのは、国で基準を決めて、そして各都道府県で最終的なその県内の賃金を決めていくわけですが、報道によりますと、今回は、時給については七円ふえまして、全国平均七百四十四円という予測をされた。これが各県で具体的に決めていかれるわけですけれども、要するに、最低賃金で規定時間内全部働いた収入よりも生活保護者のもらう金の方が多いというのが全国で十一県出ているようです。

 これは不公平じゃないかと誰も思うことなんですよね。こういうことに対して、政府はどのような対応をする必要があると考えているのか、ないと考えているのか。

 確かに、民主党政権が当初言っておりました、今でも言っているんでしょう、ベーシックインカムの考え方があります。ありますが、それにつなぐ一過程だから仕方ないと言うのかどうか。しかし、国民感情としては、生活保護で何もしないはずの方が一生懸命働いた人よりももらっているというこの事実は許せないと私は思うんですが、いかがですか。

安住国務大臣 厚労省の話ではありますけれども、税と社会保障の委員会の中で、生活保護者の受給の問題は一つの大きな争点というよりも柱になっております。

 そこで、今先生からお話しのような話は、私も、個人的なことを申し上げれば、逆転するということは、やはり国民感情から見てもいかがなものかと思っております。

 理念、成り立ちが違うというふうな説明もありますけれども、こういう非常にデフレ下の中で、例えばこの間も、どこかのテレビを見ていたら、タクシーの運転手さんが、幾ら働いたって生活保護の方が高いなんてやっていられないというふうなお話のインタビューを聞いていて、不公平感を感じている方が多いなということは現実でございますので、これは茂木政調会長の方からも、例えば医療費の生活保護者の問題等についても指摘を受けております。

 秋口にかけて調査をしながら、具体的に来年度の予算の中でこの生活保護のありようというものはこれから抜本的な改革というものをしていかなければならないというふうに思っておりますので、真面目に働いている方々の納得感というものを制度としてできるだけ担保しなければならないのではないかと私は思っております。

竹本委員 ぜひ公平感を持てるような制度にしていただきたいというふうに思います。

 どうしても皆さんがおっしゃるベーシックインカム方式を確保するのなら、最低限これだけのことは確保されるんだ、誰でも確保されるんだということが皆にわかるようにしないと、なかなか、今の制度で受かる人はいいけれども漏れる人は大変だ、ばかな話だ、こういうふうになってしまいますので、よろしくお願いしたいと思います。

 あと少し時間が残っておりますが、私、ちょっと申し上げたいことがあるのは、日本はGDP第三位になりました。しかし、GDPというのはその年の付加価値の総数ですから、言ってみれば年収ですよね。これが日本は、OECDの統計によりますと五・九兆ドル。アメリカは十五兆ドル、日本の三倍ぐらいあるわけですけれども、中国は七・三兆ドル。ですから、日本は三位なんですけれども、別のUNEPの調査によると、これは、包括的な富の計算をしたら、日本は世界第二位だ。中国と比較すると、中国の二・八倍の富を、ストックを持っている、こういう報告であります。

 もう一つ、ミゼラブル指数、悲惨さ指数というのがあります。これはおもしろい考え方、ぜひ皆さんにちょっと見ていただきたいんですが、ミゼラブル指数というのは悲惨度指数です。ですから、失業率プラス消費者物価。日本は、失業率が四・四%、それに消費者物価が〇・二としますと四・六%、これが世界で最低なんです。最低ということは最善ということなんですね。

 このように、いろいろなはかり方によって、少なくとも、フローでは三位になったけれども、ストックでは世界第二位だ。そして、悲惨度、逆に言えば幸福度でやると日本が一番トップだ、こういう指数もあるので、いわゆる最近日本で蔓延している財政問題を初めとする極度な悲観論、これはある程度抑えながら、本当の日本のリアルな姿を国民みんなが認識するような、そういう議論を国会においても私は展開すべきだ、このように思っております。

 答弁は要りませんが、御所感がありましたら、どうぞ財務大臣、お願いします。

海江田委員長 もう時間が来ていますから、手短にお願いします。

安住国務大臣 見方を変えれば、本当に日本という国は豊かな国だというふうに思いますので、そうしたものを維持しながら、国が発展するように頑張っていきたいと思っております。

竹本委員 頑張ってください。

 これで終わります。

海江田委員長 次に、菅川洋君。

菅川委員 国民の生活が第一の菅川洋です。

 こちら側に立って初めての質問となりますので、なかなかちょっとぎこちない面があるかもしれませんが、よろしくお願いします。

 まずは安住財務大臣にお伺いをしたいと思います。

 今、社会保障と消費税の一体改革の議論、もう終盤になってきているころではないかと思いますけれども、やはりその中でも、消費税を上げて、日本の財政というもの、本当にどうなっていくのか。まず、一千兆円という借金をそのまま放っておくということは当然できないことですし、毎年毎年国債を発行する、予算の半分近い国債を発行するということは、これは長く続かないことであると思っております。ただ、そうはいいましても、では、消費税を上げてこれが本当に解消されていくのかどうか。

 七月九日に行われました衆議院の予算委員会におきましても、牧義夫衆議院議員が安住大臣に質問をされたと思いますが、今後の公債発行の見込みについて質問がありました。消費税を五%引き上げた際に、そのうちの四%分、十・八兆円ですけれども、これが公債発行を抑えるというふうに理解していいのかどうか、今後、二〇一四年、一五年、一六年、一七年と、公債発行の見込みについてどのようになっていくのか、この質問に対しまして、大臣は、劇的に公債発行額が減るわけではないとお答えになられております。これはどのような試算だったのでしょうか。

安住国務大臣 まず、菅川さんから、このままこの構造的な問題を放置するわけにはいかないという認識が示されたことは、私と同じです。ですから、日本というのは、時期の問題についての意見の違いはあるにしても、いずれ財政の構造的改革というものが必要だということは、多分御認識は御一緒じゃないかなと思います。

 そういう中で、今御指摘のあった話というのは、簡単に言えば、消費税が上がった中で赤字国債の発行というのはどうなるんだということだと思うんですね。

 これについては、本年一月に内閣府から公表された経済財政の中長期試算というのがありますが、これに基づいて申し上げますと、国の一般会計における歳出と税収等との差額を見ますと、二〇一二年度の四十四・二兆から、二〇一六年、これは、一〇%に上がるのは一五年度ですから、消費税が上がった次の年になりますけれども、四十四兆円。若干減少する見通しでございます。

 ですから、これは、今、私が説明を牧さんにもしたんですけれども、消費税を上げて、その分、税収が上がるんだから、国債の発行が減るのではないかということに対して、実は、残念ながら、その分、例えば十兆円と菅川さんもおっしゃっていますけれども、これは、地方に行く分とか、それから年金の二分の一国庫負担分を除くと、大体七兆円から八兆円程度の、いわば赤字の国債で今まで賄っていた分を補うことにはなるんです。しかし、その分がイコールそのまま国債発行額の減少には、実は残念ながらつながりません。

 それはなぜかというと、二〇一二年度から一六年度にかけまして、例えば歳入面では、税収は確かに増加するんですけれども、歳出の面で、社会保障の充実や、経済成長に伴う金利上昇等を反映して国債費の増もあるんですね。それからいうと、約十五兆円程度の増加が見込まれるんです。これは一定程度の成長を念頭に置いたときですね。

 例えば、具体的に例示をしますと、今、国債費は二十一・九兆ですが、私どもの試算でいうと、二〇一六年には、この国債費が二十九・二兆円になります、残念ながら。ですから、そういう点では、これだけ見ても、約七兆円近いお金がそれだけでもふえております。

 赤字が大きいということは、それだけ利払い費は、加速度的にと言うと不適切かもしれませんが、ふえていきます。それから、社会保障の毎年の一兆円ずつの増がありますので、こうしたことを考えますと、二〇一二年から一六年まででそれぐらいふえるということです。

 ただ、私どもは、財政運営全体でパイがふえるので、国債の発行額を抑制することで、今GDP比で見たときのマイナスは六%なんですが、これを二〇一六年度には三・二%に改善できるというふうに見込んでおります。

 ですから、わかりやすく申し上げれば、抑制はできます、ただ、国債の発行額だけを見ると、やはり、今申し上げましたように、やや減るぐらいなところで、残念ながら、その分が大きく減るわけではないということを私は説明を申し上げたということでございます。

    〔委員長退席、岸本委員長代理着席〕

菅川委員 今の御説明の中で、国債費が七兆円ぐらい将来的にふえるというお話でしたけれども、要は、利払い費の部分だと思いますが、どれぐらいの金利になると予測されているんでしょうか。

安住国務大臣 ちょっとアベレージで申し上げられないので、年度で、シナリオでいきます。一二年度が一・三、一三年度が一・六、一四年度が一・九、一五年度が二・一、一六年度が二・四というふうな名目長期金利を予想しております。

菅川委員 利払い費ですけれども、金利については、ここ数年そんなに大きく変動していないと思うんですけれども、大体、予算を組むときは大き目に組んでいて、それが決算になると余って、剰余金をほかに充てるというようになっていますけれども、これもこういったことになる可能性というのは大きくあるんではないですか。

安住国務大臣 そういう可能性はあります。ただ、我々としては、成長を見込んでおりますので、その成長に応じて金利はやはり高くなっていくだろうということを想定してこのシナリオをつくっているわけです。

 ですから、仮にこういうふうな金利にならなければ、今私が申し上げた二十一・九から二十九・二になりますよということは、ここの部分は圧縮されるということになります。

菅川委員 成長を見込む上では、そのようになっていく可能性もあるんだと思いますけれども、その分、日本の国債の信用度合いということもあると思うんです、金利の変化というのは。そうすると、そこまで大きく、二・四%というと、今から考えれば非常に高い金利だと思いますので、本当にそこまで上がるのかどうか。それは国債の信用の問題だと思っています。

 参議院の方の一体特の中で中村哲治参議院議員が質問をされておりましたけれども、日本の国債の信用について、二〇〇二年のときに、外国の格付会社に対して財務省が意見書をお出しになられたと思っていますけれども、このことについて質問があったと思います。

 これは十年前のことだという中で、大臣も、中村議員と大臣の考えの違いがそこにはあるんだというようなこともおっしゃられておりましたけれども、この意見書、十年たった今、この内容の説明を海外にするとして、では、どこの部分を十年間で変わったというようなことを海外に言う部分があるんでしょうか。

五十嵐副大臣 おっしゃるとおり、十年前ですから、ソブリンリスクというような問題がなかった。今は、極めて各国の財政状況にマーケットが過敏になっている、敏感になっているということ、それが大きな違いだと思います。

菅川委員 確かに、マーケットが敏感になっているということはあるとは思うんですけれども、そのマーケットが敏感に動いて、それほど大きく日本の国債の信用が下がるということは、どういったことが考えられるんでしょうか。

五十嵐副大臣 一番は、やはり政府の財政再建に対する姿勢、路線が維持できるかどうか。これが疑われたときには危ないということになると思います。

 CDSにしても、あるいは優良国とのスプレッドにしても、あるいは欧州主要国の国債、例えば十年債の金利の推移を見ますと、ベルギーという国は大変安定した、そういう意味では財政状況がそんなに悪くない国でありますけれども、二〇一〇年の八月には二%台だった十年物の金利が、その一年ちょっと後、二〇一一年の十一月には何と五・八六三%まで急激に上がっています。かなり急激にこういうものは来るだろうと思います。

 その原因は何かというと、先ほど言ったように、財政の方針や姿勢もありますけれども、いろいろな要素があると思います。例えば、景気がよくなってくると、ほかへ資金需要が出てくれば、逆に言うと国債の人気が減ってくるというようなこともありますし、いろいろな要素があると思います。

菅川委員 今五十嵐副大臣からありましたけれども、ベルギーの件は、マーケットが一瞬上がりましたけれども、その後もとに戻ったのではないかと思いますけれども、違いますか。

五十嵐副大臣 現在はもとの状態まで戻っております。それは事実ですけれども、要するに、長期金利は急激に上がり得ることもある。

 ですから、今までずっと〇・八%程度、一%以下だったから未来永劫そうだということにはならないということです。

菅川委員 そういう意味では、マーケットに過敏に反応するということもよくないことではないかと思いますし、日本のありようというか、国として国債をどのように考えていくか、こういった姿勢というものが私は大事なんだと思っています。

 税収に関して言いますと、平成九年のときに消費税率を上げました。三%から五%へ上げました。平成八年のときの税収は五十二兆円で、現在が四十二兆円だと思います。そうしますと、税率を上げたからといってそこに財源ができるものではないと私は思っていまして、あくまでも、税率というのは税金を計算する際の一つの要素であって、税金というのは、課税標準額があって、それ掛ける税率ですから、税率だけ上げても課税標準額の方が下がってしまえば答えは同じことになってしまいますので、税収そのものが上がっていかないんだと思っています。

 ですから、税収を上げるためにはどうするかと考えたときに、一方で税率がある、もう一つは課税標準額をどうするかという問題だと思っていまして、この課税標準額をどうするかと考えたときに、消費税の場合は商品の価格ですから、価格をどのようにしていくのか、今の日本のデフレの状態の中で、本当にこれから先、価格をしっかり守っていけるのかどうか、これが非常に重要な点だと思っています。

 デフレの状況については、それこそ大臣も、デフレの状態になってから十年ほどたつ、バブルの崩壊から二十年だというような経済状況だとおっしゃられておりますけれども、これは、一年後には消費税を上げるか上げないか判断しなければいけないわけですけれども、成長戦略をやって本当にデフレの脱却ということが可能なんでしょうか。

安住国務大臣 まず、先ほどのお話を中村さんと参議院でやったときに私が説明をしたのは、五十嵐副大臣もお話がありましたけれども、十年前に比べるとやはり国内の長期債務の額が大幅にふえたねということは申し上げました。さらに、国内消化を支えてきた貯蓄が伸び悩んでおって、それで政府の債務残高が上昇の一途をたどっているわけですから、国債をめぐる状況は大きく変わっていますねと。ただ、海外における例えば我が国の貿易収支等についてのことは、十年たってもさほど変わっていないのではないかということについては、それは数字上はそうだということを申し上げたということなんです。ですから、十年前に比べればやはり国内状況は少し変わってきたんじゃないかなということを申し上げております。

 デフレを脱却するというのは大変なことです。この十年間で金融政策や財政出動等を含めてさまざまやってきましたけれども、なかなかいい結果が出ていない。ただし、デフレ下にあっても、成長も続けたし、それから景気がよくなってきたこともございます。

 それは、不良債権を処理して、アメリカ等の景気の好転も見られて、二〇〇三年、四年あたりから二〇〇七年ぐらいまでの間というのは、実は税収も非常にふえました。所得税等の税源移譲をやったにもかかわらず五十兆に上がっていますから、九七年に消費税を上げてからずっと税収が落ち込んでいるというのは、少し事実と違います。成長して、二〇〇六年か七年だと思いますが、五十兆円台を超えて、税源移譲しないベースで考えれば九七年当時を上回っているような税収が入ってきていることもあります。

 そこで、税率と、それから景気をよくして税収を上げる、そのもとをどうするんだということが委員の御質問だと思いますが、私たちとしては、とにかく、附則の十八条の一項に書いてあるとおり、この十年のアベレージで名目三、実質二の成長を目指そうと。そのギャップの一がまさにデフレ脱却ということになるわけであります。

 これは大変高い目標でありますけれども、やはり累次の国内での規制緩和、それから金融政策、そしてさまざまな成長分野への国としての投資等を踏まえて、何とかこうした長期にわたるデフレ状況というものの脱却を目指していきたいと思っております。

    〔岸本委員長代理退席、委員長着席〕

菅川委員 デフレの脱却は、これは必ずしなければいけないことだと思っていますし、私は、デフレの脱却をしっかりした後に消費税の話をした方がやはり税収増につながると思っています。

 家計の方から考えても、厚生労働省の調査の中で、今、生活が苦しいと答えていらっしゃる方、六一・五%という過去最高の割合で生活が苦しいと答えられていて、そのうち子供を育てている世帯に関していえば、七割近い方が生活が苦しいと答えているわけなんです。

 先ほど大臣が話をされたとおり、確かに税収が上がった時期もあります。ただ、その税収が上がった時期も、平均給与所得はどんどん下がっていまして、給与所得が下がる中で厚生年金の保険料も上がる、また健康保険の保険料も上がる。つまり、手取りの額がどんどん減る中でさらに今回消費税の負担ということになりますと、これだけ生活が苦しいと答えている中で、消費税がふえても、結局、各家庭がいろいろな工夫をしながらやりくりをして過ごしてしまうんじゃないか。そうなると、当初考えていたとおりの、税収が上がるとはなかなかちょっと思いにくいところでありますので、やはりそこのところをしっかりやっていただきたいということ。

 それと、消費税は安定財源と言われていますけれども、国にとってみればこれは安定財源です。ただ、一般的に、個人や会社にとってみると、法人税、所得税が下がっているということは、それだけ会社は利益が出ない、もしくは個人の収入が減っているというあらわれですから、収入が減っている、利益が出ない中で消費税だけはしっかり取られますよということになりますと、これはまさに江戸時代の年貢のようなものだと私は思っていまして、不作のときや凶作のときにでも年貢は一定の額だけ取るということになれば、さらに生活が苦しくなるということになりますので、そうなれば経済にも悪影響を及ぼすということが懸念されると思いますので、そういった点についてしっかり対応していただきたいということ。

 もし御所見があれば。

安住国務大臣 生活に気配りをしながらしっかりやれということは、私もそうだと思います。

 ただ、逆の見方をすると、それでは社会保障の今のレベルや水準をどうやって維持するんでしょうかということにも、逆に提案していただければありがたいと思うんです。赤字国債をこのままどんどんどんどん出し続けるのか、今の予算の構造でいう、先ほど、最初の御指摘にあったように、では、足らず前の予算の歳入の部分の半分近くを国債で賄うのか。

 年金、医療、介護の今の仕組みを壊して一番被害を受けるのは、多分、今、菅川さんが御心配なさっておられる国民の皆さんだと私は思うんです。ですから、そういうことを維持していくためには、何らかの負担をしなければなりません。では、足らず前を所得税に持っていくのか。ということは、若い勤労者の人にもっと負荷をかけるんですか。そうはならないと思うんですね。

 ですから、そういう点では、消費税だけを取り上げて負担だ、負担だと言うのは、私は俯瞰した議論にならないと思うんです。今の社会保障を上げる、では、消費税は要らない、そのために保険料で賄うんですか。百八兆あるのは事実ですから。そうした意味では、では、効率化をしろと言うんだったらどこを削ればいいのか。こうしたことに対して、全体を俯瞰した議論の中でやはり考えるべきではないかなと私どもは思っているわけです。

 決して、税金を上げる話は、我々だって与党議員として楽しいわけは全くありません、大変つらい話です。しかし、今の年金、医療、介護や、御指摘があった若い人たちの少子化対策のためには、何としても、財源の確保がなければやっていけません。赤字国債をどんどん発行して、そしてそれで賄うというわけにはいかないという責任感から、今回、三党は合意したんです。

 ですから、それに反対をしていただくのは構いません、残念ですけれども。ぜひ賛成してもらいたいと思っていますけれども。ならば、何でこの財源を確保して、どういう水準でこれを維持していくのかということも、ぜひ前向きな議論をするために御提言いただければと私は思っています。

菅川委員 そういった意味では、ですから、税率を上げて本当にそれが財源になるんですかという問題。それと、歳出の方をどうしていくのか。社会保障の中身についても、それこそ年金の制度というものを抜本的にどうするのか、それと医療の仕組み、これについてもどうやっていくのか。こういったことをもうちょっと真剣に考える方が必要なことであると思っていますし、それを考えるに当たって、今の日本の財政が本当にそこまで危機的な状況に陥っているのかどうか。ですから、そういったところを総合的に勘案すべきだと私は思って意見を言わせていただいているわけであります。

 ちょっと時間がなくなってきたんですけれども、一つだけお伺いしたいんですが、余り週刊誌の話はしたくないんですけれども、元国税庁長官の脱税の疑惑というものが週刊誌に載っております。これに対して、現在どのような対応をされているんでしょうか。

安住国務大臣 週刊誌の話とか、そういう個人の問題については、現職の人間ではない、やめた人間ですか。(菅川委員「はい、やめた方です」と呼ぶ)プライバシーに関することもありますけれども、それは個人に聞いてください。組織立って何かをやったという話では多分ないし、私はその週刊誌を知りませんので。

菅川委員 そうですか。

 消費税の話をしている時期でもありますし、やはり、元とはいえ国税庁長官ですから、普通、税務調査でも、週刊誌なりなんなり、あらゆる情報をもとに調査をされるわけですし、また、その事実が違うということであれば違うということで……(安住国務大臣「違うんじゃないの」と呼ぶ)

海江田委員長 質問を続けてください。

菅川委員 やはり税に対する信頼というのは非常に大事なことだと思っていまして、そういう意味では、確かに、もう今は一般の人かもしれませんけれども、かつてそういう地位におられて、その地位の中におられたときにそういう行為をされたのではないかという疑惑があるわけですから、ぜひとも、個人のことと言わず、対処できるようでしたら、対処をお願いしたいと思っております。

安住国務大臣 逆に、そういう話を公の場でする以上、週刊誌から離れて、独自でしっかり調べた上で質問なさるべきじゃないでしょうか。私は、そういうことは自分が在職中ずっと心がけてきましたよ。

 週刊誌に書いてあるからこれどうだと言われて、財務大臣として答える立場にありません。(発言する者あり)

海江田委員長 御静粛に。

菅川委員 それでは、金融担当大臣にもお越しいただいておりますので、金融担当大臣にお伺いをしたいと思います。

 時間がありませんので端的に言いますけれども、ギリシャの国債から発生しました欧州債務危機に対しまして、これが日本にどのような影響を及ぼすとお考えなのか、また、日本の特に金融機関に対して今後どういった対処をお考えになられているのか、総括的に御説明ください。

松下国務大臣 まず、我が国の金融機関、ギリシャ等に対する与信額も相対的に規模が小さいということで、直接的な影響は限定的だ、そう考えています。我が国の金融システムは、依然として総体的に健全であり、安定だという認識でございます。

 欧州問題等が我が国金融システム、金融機関にどういう影響を与えるかということについては、これは引き続き高い関心を持って注視していきたい、そう思っています。

 また、同時に、我が国の経済にどういう影響が出るのかということですけれども、これは月例経済報告で政府の見解として出しております。

 我が国の経済は、依然として厳しい状況にあるものの、復興需要等を背景として、緩やかに回復しつつあるところである。ただし、欧州債務問題については依然として不確実性が高い中で、世界経済には減速感が広がっている。こうした海外経済の状況が、金融資本市場を通じた影響も含めて、我が国の経済を下押しするリスクとなっている。

 いずれにしましても、金融庁としても、引き続き、欧州債務問題や我が国経済に及ぼす影響について高い関心を持って注視していきたい、ウオッチしていくということでございます。

菅川委員 現状のところ、日本に対する影響というのはそこまで大きくないのかなというような御判断をされているようですが、リーマン・ショックの際に、当初、一番最初は、日本に対する影響もそれほど大きなものではないというような過小評価もしていた部分がありますので、やはりあらゆる可能性を考えてぜひ対処をしていただきたいと思っております。

 それと、あと最後に、金融円滑化法についてですけれども、これは先ほど網屋議員からも質問がありましたので、私の方から言いたいのは、これは二つ対策が必要なことがあると私は思っています。来年三月まででやめる場合に、まず貸し手である金融機関、この金融機関の経営に与える影響というものがどれぐらいになってくるのか、また、借り手側の債務者、これは会社や個人になりますけれども、この人たちに対する対策、この両面が必要になってくると思っています。

 そのうち、先ほど網屋先生からは、どちらかというと債務者、借り手側のお話がありましたので、貸し手側の金融機関が、来年三月になりますと、今度はいろいろな評価をしていかなければいけない部分が出てくると思っています。そうなりますと、金融検査マニュアルに従って債権分類を行っていく、要注意先もしくは破綻懸念先というような判断になってくると思うんですけれども、リスケをした債権について、今後、この金融検査マニュアルを含めて、何か対応をしていくことはお考えになられているんでしょうか。

海江田委員長 時間もちょうど過ぎましたので、手短にお願いします。

細溝政府参考人 中小企業金融円滑化法の施行後の状況で見てみますと、貸出金全体に占める条件変更債権の残高の割合は、比較的限定的でございます。それからまた、債務者区分引き当てにつきましても、各金融機関の判断で、実態を踏まえた適切な債務者区分引き当てが行われているものと承知しております。こうしたことから、金融機関の健全性に現時点で大きな問題は生じていないと認識しております。

 ただ、金融庁としては、条件変更を受けた債務者が経営改善を着実に図っていくことができるように、政策パッケージ等を通じ、中小企業の経営支援を図ってまいりたいと思っております。

海江田委員長 時間が来ていますので、新たな質問はしないように。

菅川委員 ぜひとも中小企業庁とも連携しながら、しっかりやっていただければと思います。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

海江田委員長 次に、竹内譲君。

竹内委員 公明党の竹内です。久々に質問に立ちます。

 社会保障と税の一体改革関連法案の修正案の提出者にもなっておりますので、衆参でいろいろ、そちらの側に座って答弁することも時々ございます。その中で感じることは、本当に大変な、私どもも、党内の大議論を経て、最終的には大所高所から決断をいたしました。そういう意味で、この関連法案を一刻も早く成立させるべきであるというふうに考えております。

 私もそちらへ座ってよくわかりましたけれども、なかなか答弁する方も大変だな、長時間座りっ放しの財務大臣も、最近ちょっとお疲れが見えるんじゃないかなというふうに思いますが、採決まではしっかり頑張ってもらいたいなというふうに思っております。

 私どもとしては、従来から、五条件プラス生活者対策ということを言っておりました。五条件も基本的にはのみます、そしてまた生活者対策も考えますということでございましたので、それはよかったなと思っておるんですが、特に、軽減税率といいますか、最初に複数税率のお話をお聞きしたいと思います。

 八%の段階でも排除しないという合意になっております。とはいえ、なかなか、具体的な課題がいろいろあると思うんですね。そしてまた、時期も迫っておりますから、さまざまなそういう具体的なものをうまく短時間の間で乗り切れるかどうか、ここをしっかり明確にしておく必要があると思うんですね。

 そういう意味で、きょうは、ちょっとその辺の問題につきまして、まずは御答弁をいただきたい。お願いします。

安住国務大臣 参議院では一緒にずっと答弁に立っていただいて、本当に御苦労さまです。大変な議論の中で公明党として御決断をいただいて三党合意ができ上がったことは事実でございますので、そうした対応については私も本当に心から敬意を表します。

 そこで、複数税率でございますけれども、これは、給付つき税額控除と並んで、さまざまな角度から検討しましょうということになりました。八%の段階からやるべきだというふうな御主張もあります。やはり、複数税率というのは、国民の皆さんにとっては大変わかりやすくて、お店に行けば、これは安くなっています、標準税率と違います、そういう意味では一目で見てわかるよさというのはあると思います。政府の意思も直接伝わりやすい。

 しかし、一方で、対象品目をどうするか、そして、コンセンサスを得られるにはどうするか。これを実務的にやるときは、今度はインボイスを含めた中小事業者の事務的な作業というものも間に合わせなければならないということがあるので、私は、十分検討はさせますが、やはり八%に上げる段階での話というのは相当急がないと厳しいかもしれないということは申し上げました。

 しかし、率直に申し上げまして、先生、八%の段階で給付つき税額控除は物理的に難しいと思いますから、そうなれば、選択肢としては、簡素な給付措置かこの複数税率でいくか。複数税率の場合は、八という考え方もあるし一〇というふうな御主張をしているところもありますので、この辺は欧州での実施状況等もよくよく、私も、率直に言って、ブリーフィングは聞くんですけれども、この目で見て、なるほどというところまでまだわかっていないところもありますので、国会の御事情が許せば、ぜひヨーロッパ等に行って軽減税率のあり方というのを少し見てこなければならないなと思っております。

 三党の実務者でもぜひ鋭意検討をしていただいて、こちら側の財政当局からいえば、税収の侵食度合いというのも、これはしかし、そうはいっても避けて通れない議論だと思いますので、こうしたことを総合的に勘案しながら、国民の皆さんにとって、定着をさせていくのにどちらが長期的に見たらいいのかという視点も含めてぜひ議論をさせていただきたいと思います。そのための材料というものを財務省としてもできるだけそろえていかなければならないと思いますので、議論に資するだけの材料集めをぜひさせていただきたいと思っております。

竹内委員 我々も、できれば、EU、現地を見て、しっかりと勉強する必要を感じているところでございます。

 そこで、次の問題に行くんですが、今もお話ありましたが、デフレの脱却の問題もありました。私どもは防災・減災ニューディール政策と言っておりますが、これは一義的には、やはり東日本大震災の状況を見て、やはり防災・減災政策を進めることが大事である、命を守ることが第一だ、こういう観点であります。しかし、それを進めることでやはりデフレ脱却の押し上げになるのではないか、こういう観点から提唱いたしております。十年で百兆円というような目安も一つ出しておりますけれども、これは、党としては、事業ベースの話でありますし、そしてまた官民合わせての事業ベースで考えておるところでございます。

 そういう意味では、政府内に防災・減災政策の本部を立ち上げて、その事業内容とか事業規模とか財源とか工程表とか、具体的に今後決めていく必要があるのではないかというふうに思っておりますが、その点はいかがでしょうか。

五十嵐副大臣 さまざまな要素がございますので、真に必要な防災・減災の事業については、当然政府としても真剣に検討していくということでございますが、とにかく、この時代でございますので、財源をどうするかというのが一番問題になるかと思いますが、今後検討していく重要な課題だと思っております。

安住国務大臣 そこで、政府の中に会議を設けて、具体的な防災・減災の工程表的なものもしっかりつくるというのも必要ではないかということだと思います。

 中央防災会議がございますが、これは、今現在、防災対策推進検討会議というのを二十三年の十月に設置をして、民間の有識者の方の参画もいただいて、防災対策のありようについて係る議論を行っていると聞いております。今国会で成立をしました災害対策基本法改正法では、多様な主体の参画を図るために、学識経験者等を今度は地方防災会議の委員に選任できるという内容も盛り込まれております。

 こうしたものを先生御指摘のように活用しながら、第三者的な意見をしっかり聞いて、それぞれの地域でこうすべきだという意見が出てくると思います。それに基づいて、命を守るインフラ整備というものの優先度を、やはり財政再建に反するんじゃないかというふうな意見もありますから、そうではないところでしっかりと決めたものをやっていくということからいえば、政府としては、こうした会議を活用しながら、しっかりと対策を、工程表を決めていくというのは一つの考え方だと思っております。

竹内委員 今後の時の政権のあり方によって、またいろいろ仕組みは考えられると思います。経済財政諮問会議などを復活して、そういう中で民間の方も入っていただいてやるという手もあるとは思います。

 我が党としては、よく財源の問題も聞かれますが、もちろん、防災、津波対策等、どうしても建設国債をやらなければならない部分はあるんだろうというふうに思うんですね。しかし、いろいろ工夫をすれば、事業性のあるもの、収益を生む事業も多々ございますから、そういう意味では、やはりさまざまな、私が繰り返し言っているようなレベニュー債を初め、民間的な手法を取り入れていく必要があるんじゃないかな、こういうふうに思っています。

 さらにまた、現在の復興債のような財源をある程度担保した、私どもはニューディール債などというふうに称しておりますが、そういうものであれば、財政再建にも、傷つけることなくそういう事業を進めることができるんじゃないか、このようにも考えているところでございます。

 そこで、根本的な問題として、こういうふうに言うと、何か公明党や自民党がまた公共事業のばらまきをやって無駄をやるんじゃないかみたいな批判が一部でありますけれども、私は決してそういうことではないということは申し上げておきたいと思うんですね。

 まず、よく言われるのは、これまでの公共事業が全く効果がなかったというような言い方をされる方がいらっしゃるんですが、しかし、そうだろうか。いろいろ私も過去のものを調査してきましたけれども、特に、小渕内閣の時代に公共事業を経済対策としてやりましたけれども、その経済効果はある程度あったというふうに私は認識しておるんですが、この点に関しまして内閣府の見解をいただきたいと思います。

杉原政府参考人 御質問の件ですけれども、小渕内閣の一九九八年七月から二〇〇〇年四月までの間に、その前の橋本内閣時代を含めた累次の景気対策によって、相当規模の公共投資が行われました。その結果、実質公的資本形成は九八年の七―九月期から三四半期連続で前期比プラス、また、九九年十―十二月期にも前期比プラスとなり、実質GDPの増加に寄与いたしました。

 こうしたことから、平成十二年度の年次経済報告では、当時の公共投資について、民間需要の回復が弱い中で、需要面から景気を下支えする役割を果たしたとの評価をしているところでございます。

竹内委員 そのとおりだと思うんですね。そんな、無駄なことをやって金を無駄遣いしたというような批判は当たらないと思うんですね。やはりそれなりに経済効果はあったと思います。

 その上で、やはりこれが民間需要を誘発していくものでなければならないと思うんですね。そういう意味では、今回のこの防災・減災政策というのは、民間需要を誘発する可能性がテーマとしては非常に高いんじゃないかなというふうに思っているわけでございます。

 防災・減災というのは、国だけの問題ではなくて、民間企業にとっても非常に、もう根本的なインフラですから、そこが破壊されてしまえば全く生産できない、商売ができないということになるわけでありますので、そういう意味では、やはり政府とまた自治体、そして民間が本当に知恵を絞って一緒に考えていく、そういう仕組みづくりがどうしても必要なんじゃないかなと私どもは考えておるわけであります。

 そういう意味では、民間の方々が公共事業をやったっていいと思うんですよ、はっきり申し上げて。そういう新たな知恵を何とか出していけないのかなというふうに言っているわけです。

 報道によれば、二〇二〇年度を目標として防災の民間投資を呼び込む、十一兆円というような工程表をつくったとされていますが、まずその概要について説明を求めたいと思います。

長谷川政府参考人 御説明申し上げます。

 日本再生を推進するためには、民間の投資を促進し、大都市等の再生とあわせまして、都市の防災に関する機能の向上を図ることが重要でございます。

 日本再生戦略におきましては、二〇二〇年までの成果目標といたしまして、最大八から十一兆円の民間投資の実現が掲げられておりますが、これは、都市再生特別措置法に基づきまして指定されております全国で六十三地域の都市再生緊急整備地域におきまして、今後実施が予定されている民間の都市開発や各種施策によって事業実施が前倒しされるものも含めまして、これらの建設投資額を政府において推計したものでございます。

 今後、こうした目標を達成いたしますために、関係省庁と連携のもと、容積率などの規制緩和や民間都市開発に対する税制支援、金融支援、エリア単位での防災機能の向上を図るための都市再生安全確保計画など都市の再生に関連するさまざまな制度を活用いたしまして、民間の投資を促進し、大都市等の再生を図るとともに、都市の防災に関する機能の向上を推進してまいりたいと考えております。

竹内委員 いい視点だと思うんですよね。ぜひとも、国だけではなくて地方も、お声かけをして、本当に民間投資を促進するような知恵を絞っていただきたいというふうに思います。

 そこで、ちょっとまた話をかえますが、私どもとしては、まずやはり社会保障・税の一体改革関連法案を早く採決した方がいいと思うんですね。と同時に、今、特例公債法案の話も、きのう、つなぎの修正案が出されましたけれども、財務大臣としては、どちらの採決を優先したいのか、参議院の成立か、それとも衆議院の特例公債法案を通過させることか、この辺の考えはいかがでしょうか。

安住国務大臣 税と社会保障というのは、我が国の中長期財政と社会保障の改革にとっては避けて通れない最重要な課題であります。三党合意もなしておりまして、今、公聴会等の日程が淡々と進んでおりますので、そうした環境が整った段階での早期採決をぜひしていただきたいと思っております。

 一方、特例公債は、御存じのとおり、毎年の予算の執行にはやはり避けて通れない問題だと思います。この問題は、私も昨年相当大変な思いをしましたので、本当に与野党の合意に向けての努力をしていかなければならないと思いますが、今、率直に言って、突然の質問でしたので、国会の中でどういう話になっているか、少しわからないところがございますが、できれば今国会中に両方とも通させていただければ、財務大臣としては大変ありがたいというふうに思っております。

竹内委員 先ほども申し上げましたように、社会保障・税の一体改革関連法案は、私ども、もう本当に苦しみながら決断したものでありますので、そういう意味では、これは与党の話ですが、審議のやり方とか、あるいはさまざまな、順番の問題もあるし、それから政府・与党の団結が乱れたりして、特例公債との、何かいろいろ、どっちが先かとかそんな話の中で、私どもとしては、万が一にもこの社会保障と税の一体改革の関連法案が水泡に帰するようなことがあってはならぬと思っているわけですよ、野党ながら。

 そういう意味では、政府・与党、しっかりと体制を整えていただいて、きちっとこの社会保障と税の一体改革法案を通過できるようにしっかりやってもらいたいと思うんですが、その点、再度、財務大臣としても、ひとつ答弁をよろしくお願いします。

安住国務大臣 税と社会保障が水泡に帰するようなことは絶対あってはならないと思います。

 これだけの大変な重い法案を与野党の主要政党で賛成をして上げるということは、いろいろ批判はありますが、世界的に大変評価を受けております。世界も大変注目をしておりますから、この厳しい御負担を国民の皆さんに強いるような法案で与野党の主要政党が合意をできたことについて、やはりゴールまでしっかり持っていかなければならないのは、特段、与党の責任だと思います。

竹内委員 ひとつその点はしっかりやっていただきたいと思います。

 そして、ちょっと話題をかえますが、今度は、円高対策として、日銀の中でも外債の購入という話が浮かんでおると聞いております。この点につきましては、日本銀行としてはどのようにお考えでしょうか。

門間参考人 お答え申し上げます。

 外債購入に関します最近の議論につきましてでございますけれども、これは基本的には、日本銀行が円を売って外貨を買うことにより円高を是正する、いわば為替介入と同様な効果を念頭に置いているような議論だというふうに認識をしております。

 そうであるといたしますと、そうした為替相場の安定を目的とする外国為替の売買につきましては、日本銀行はあくまでも国の事務の取り扱いをする者として行うことが日本銀行法第四十条第二項で定められております。

 簡単に申し上げますと、為替介入と同じような効果を狙った外国為替の売買は、財務大臣がお決めになることでありまして、日本銀行自身の判断で行う金融政策の手段としては使えないというふうに認識をしております。

竹内委員 そこで、財務大臣としては、この外債購入についてはどのようにお考えでしょうか。

安住国務大臣 今、日銀からも御説明させていただきましたけれども、外債購入については、円高是正を狙った政策措置という文脈で語られると理解すべき政策であると考えられますが、為替介入というのはやはり、実はこれは、一方的に私どもとしてやるというよりは、各国とのいろいろな話し合い、通貨当局との連携というのが不可欠なんですね。

 そういう中でいうと、やはり財務大臣が一元的に対応すべきであって、そういう意味でいうと、日銀が為替介入にかわるものとして外貨建て資産の購入を行うというのは、私も適切ではないと思います。もちろん、戦後、少額の外貨資産を日銀が保有していることは事実でありますが、今私が申し上げたように、介入や、それとまた同等の目的を持ってということは、これは法律上やっていない、また、やるべきではないという立場でございますので、私どもと考え方は同じでございます。

竹内委員 一部の報道ですけれども、日銀の委員の中からもそういう声が上がっているとか、それからデフレの原因は円高だとか、そんなことをおっしゃっている方もいらっしゃるようですが、ちょっとそれは違うんじゃないかなというふうに私は思っているんですよね。

 急激な円高はよくないですけれども、逆に、円高のメリットもありますよね。一々これは問いませんけれども、輸入物価が引き下げられるという点でメリットがあるわけであります。

 例えば、原油の過去の推移をちょっと見てみますと、第一次、第二次オイルショック後の七四年から二〇〇二年ぐらいまでは、一バレル大体二十ドルぐらいだったんですね。それから、二〇〇三年以降は大体百ドルを超えているわけですよね。過去のトレンドから、この十年ぐらいで五倍ぐらいになっている。

 そうすると、相当これは変動費の上昇をもたらすわけでありまして、各企業にとっても非常に収益が圧迫されるわけですよね。その結果として、利益を出すために固定費を減らしていったという経緯があります。それが、固定費の中でも人件費、給与を余り上げない、あるいは下げたりしているものですから、これが購買力の低下につながってデフレを誘引しているという考え方もあるんですね。実際に、これが二〇〇三年以降ですし、デフレ基調に入っているのもそういうときですよ。

 それから、人件費も大体九七年ぐらいまでは景気が悪くても着実に上がっていたんですが、やはり九九年ぐらいからはずっと下がっていっているわけですよね。昔は賃金の下方硬直性があるとかといって、余り下がらないんだみたいなことを言っていた時期もありますが、賃金が下がっていっている。そういう意味では、やはりデフレの一因になっているのではないかな。その背景としては、今申し上げた、やはり原油の上昇というのがかなり大きなウエートを占めているんじゃないかなという分析もあるわけであります。

 そういう意味では、今、円高でなければかなり厳しい状況に陥っているんじゃないかな。そして、大震災以降、原子力もなかなか使いにくい状況になっておりますから、非常にコストアップの要因になっているわけで、火力にますます依存せざるを得ない。そういう中で、やはり、過度な、急激な円高というのはよくないですけれども、円高のメリットというのも十分視野に入れておく必要はあるんだろう、こういうふうに思うんですね。

 そういう意味では、日銀の中でも議論をされるときに、やはり大きな視野で議論をしていただきたいなというふうに思います。

 そういう意味では、エネルギーコストということがやはりこれからの一国の経済の命運を決するんじゃないかなというふうに思っていまして、事故が今までなかった中国やその他の国々では、これから原子力発電所を百基ぐらいつくるというわけでしょう。そういう中で、ところが、日本の場合はそういうわけにはいかない。そうすると、これは、経済的に見た場合には非常に不利な状況に置かれることは間違いがないわけであります。

 我が党も脱原発依存というのを明確にしておりますから、本当に新しいエネルギーを、低コストのエネルギーをいかに調達してくるか、ここにやはり日本の命運はかかっている。

 そういう意味では、今後の予算編成等におきましても、このエネルギー政策というものをよくよく考えて投資をしていただきたいというふうに思います。財務大臣の見解をいただきたいと思います。

安住国務大臣 あれだけの大きな事故がありまして、やはり国民の皆さんの意識は変わったと思います。ですから、これまでのような原発に対する依存のあり方はやはり見直さざるを得ないであろう。

 そういう中にあって、しかし、世界の経済を見れば、委員御指摘のように、むしろ、CO2の問題等もあって、原発依存がふえる国が非常に高まってきているというところに、日本の経済のいわば脆弱性がさらにふえるのではないかということについては、私も懸念は持っています。

 ただ、一方で、ピンチはチャンスでもありますから、原子力に依存をしない、そういう意味では、やはり新たなエネルギーを開発していく、また、再生エネルギー等で、これがもし本当に発展をすれば、それがまた世界の中の、言ってみれば日本の牽引力にもつながる可能性もあります。

 そういうことからいえば、現実的な路線をしっかり踏まえた上で、原子力に依存しない、比率というものを弱めていきながら、同時に新しい芽を育てていく、こういうことに予算というものを、長期的な視野に立って、今後やはり使っていきたいと私も思っております。

竹内委員 時間がもうほとんどないとは思いますので、AIJの問題がありましたが、この程度で終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

海江田委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 まずAIJの問題についてお聞きをしたいと思います。

 当委員会でも証人喚問等いろいろやってまいりました。調査あるいは捜査、そして処分等について、現状の報告をお願いしたいと思います。

松下国務大臣 二月十七日に、監視委員会から、AIJ投資顧問への検査の過程で、顧客資産に疑義が生じている旨の連絡を受けました。報告徴求命令を発出して、二月二十四日、異例の対応として、勧告を待たずに、AIJ投資顧問に業務停止命令一カ月を発出いたしました。

 その後、AIJ投資顧問及びアイティーエム証券について、監視委員会による検査の結果、虚偽告知等の法令違反が認められたとしまして、三月二十二日、行政処分を行うよう勧告が行われました。

 金融庁は、この監視委員会の勧告に基づきまして、三月二十三日、AIJ投資顧問の登録を取り消して、アイティーエム証券に対し業務停止命令六カ月を発出するとともに、両社に対して、顧客資産の適切な管理保全等を図るよう業務改善命令を発出したところでございます。

岳野政府参考人 監視委員会からは、その後の犯則調査の状況につきまして御報告を申し上げます。

 本年三月に、監視委員会は、金商法の違反嫌疑で、刑事告発に向けまして強制調査に着手をし、鋭意犯則調査を進めてまいりました。その結果、七月の九日及び七月三十日の二度にわたりまして、それぞれ異なる年金基金に対する金融商品取引法の投資一任契約の締結に係る偽計の嫌疑で、AIJ投資顧問株式会社並びに同社の浅川社長、高橋取締役及びアイティーエム証券株式会社の西村社長を東京地検に告発いたしました。これを受けまして、同日、東京地検は、浅川社長、高橋取締役、西村社長の三名を同罪で起訴しております。

 また、本件につきましては、監視委員会の犯則調査と並行いたしまして、警視庁、東京地検が、詐欺容疑による捜査を進めておられました。その結果、先ほど申し上げました監視委員会の告発日と同じ七月九日及び七月三十日の二度にわたりまして、東京地検が詐欺罪で浅川社長ほか二名を起訴しているところでございます。

 監視委員会としましては、引き続き捜査当局と連携して、AIJ問題の関係者の責任追及に向けまして全力で取り組んでいく考えでございます。

佐々木(憲)委員 それで、松下大臣に、こういう事件は二度と繰り返してはならないと思うんですが、そのためにどういう対応を考えておられるか、お聞きしたいと思います。

松下国務大臣 極めて悪質で、許しがたいというふうに考えています。働いている人たちの年金、そういうものについて、うそを言い、そしてだまし取るということが起こっているわけでございますから、これは断固として、現在の法制度に照らして、考えられるあらゆる対応をとらなきゃいかぬ、そういう強い気持ちでおります。

佐々木(憲)委員 五十嵐財務副大臣は、四月二十一日に、AIJ投資顧問による年金消失問題に関連して、AIJのほかにも四つくらい問題のある業者があると言われている、年金基金などの犠牲者が多分出てくるというふうに述べたと報道されているんです。

 これはどういう根拠で四つぐらいというふうに言われたのか、その理由を説明していただきたいと思います。

五十嵐副大臣 これは、私が毎月地元で行っております、私の支持者を対象にした勉強会の中でAIJ問題を取り上げたのは、御指摘のとおり、四月の二十一日に取り上げて、お話をさせていただきました。

 その前に、私はこの問題に関心を相当持っておりましたから、自分自身でも各投資顧問の企業のホームページ等をチェックさせていただきました。それからまた、知識をこの問題について持たれている方々、かなり人数も、相当な人数に上る方々とも意見交換をいたしまして、そうした情報の中で、まだほかにもありそうだ、あるいは、似たような、極めて高い、不自然なパフォーマンスを示してお客を集めている会社があるということを、その心証を持ったということで、年金基金の皆さんは自己責任になる可能性がありますから、やはりみんな気をつけてこうした情報に接しなければいけないということをお話しさせていただきました。

 そういう経緯でございまして、これは決して金融庁からの情報に基づいてというお話ではございません。

佐々木(憲)委員 金融庁からではない、独自の情報でそういうふうにお話をされたということなんですが、松下大臣は、今、一斉に、あの事件が起こって以降、アンケート調査その他、調査されていると思いますけれども、財務副大臣が個人的な判断としてこのようなことをおっしゃっているわけですけれども、金融庁としては、そういう指摘もある以上、引き続き調査を行い、問題があればこれを明らかにしていく、こういう決意はあるんでしょうか。

中塚副大臣 今、二次調査を進めております。

 外部から寄せられる情報というのは本当に多数に上っております。そういった内容とか、あるいは、情報提供者というのは本当にいろいろな方がいらっしゃいます。検査監督の優先度を判断する際の重要度、有用性の程度にもいろいろ差がございます。そういった情報の中で、例えば、具体的な証拠資料が添付をされているとか、場合によっては、当該関係者しか知り得ないと考えられる情報ですとか、あるいは同じ時期にたくさんの人から情報が寄せられているとか、そういったところを優先して検査をし、また監督をしていくということになろうか、そう思っております。

佐々木(憲)委員 それでは、話題を少しかえますが、安住大臣にお聞きします。

 大臣は、いろいろなところの答弁で何回か、佐々木議員が、消費税を増税したら戦車を買うと言っている、こういうような答弁をされているんですね。先日も、七月十九日の参議院の社会保障・税特別委員会で、「佐々木先生からは、戦車を買うんじゃないかと言われたから、そんなことは絶対しません」、こういう答弁をされていますね。

 ただ、私は、戦車を買うと表現した覚えがないんです。一体何を根拠にそういうことをおっしゃるのか、その根拠を示していただきたい。

安住国務大臣 二回ぐらいこの質問を受けまして、平成二十四年の六月一日の佐々木先生と私のやりとりの中で、先生はこうおっしゃったんですね。ちょっと中ははしょりますが、「お金に色がついていないから、例えば軍事予算にも使われる、大型公共事業にも使われる、そういう形でこういうもの」、こういうものというのは多分消費税のことかもしれませんが、「消えていくわけですよ。」という実は話をして、それに対して私は、「国民の皆さんに誤解を与えるといけませんので、先生、戦車なんか、これで買いません。お金に色がついていないといっても、私が言っているんですから、間違いありません」ということを答えたわけです。

 そのことを参議院でも聞かれましたので、多分、私の戦車というところは、先生は軍事予算と。私はそれを、具体的に言うと、多分、軍事予算の中には当然戦車も含まれるので、戦車という話で国民の皆さんにわかりやすく伝えたつもりなんです。

 先生は確かに戦車という言葉は使っておりません、先生の名誉のために申し上げます。ただ、先生は軍事予算とおっしゃったので、それを私が戦車なんかはそれで使えませんということで、ここでのやりとりは一応そうなっておりますので、今後、この話をするときは軍事予算というふうに言わせていただきます。

佐々木(憲)委員 人の話を引用して答弁される場合は正確にやっていただきたいと思うんですね。

 消費税増税のうち社会保障に回るのは六・五兆円、これは五月の質疑で私は確かめたわけです。七兆円は置きかわるわけですよ、ほかの財源に。そうすると、それが一般会計に入って、公共事業にも軍事予算にも、いろいろな形で回る、そういう指摘をしたわけであります。

 現に、今問題になっているのは、その使い道は公共事業、こういうところにやるべきだ、規模は十年間で百兆だとか二百兆だとかという、そういう話になっているわけだから、ですから、消費税増税が全額社会保障に使われるというのは、現実のお金の流れからいうと、一度入っても、実は別なところに置きかわって流れていく、そういう仕組みを私は指摘して、大臣が言っていることは違いますよと、その一つの例として軍事費も入れてお話をさせていただいたわけであります。

 今後、正確にするというので、ぜひそういうふうにしていただきたいと思います。

安住国務大臣 今ちょっと事務方や副大臣から指摘を受けて、先生、やはり戦車という言葉を使っていると。今ちょっと老眼鏡で見ると、ああ、そうだ、使っていると。そういう細かな議論の後で、「それが赤字の穴埋めだとか戦車だとか、そういうものにみんな使われるんですよ。一般会計に入る」と。これは先生の議事録ですね。だから、今後気をつけますけれども、先生は戦車と使っておられます。

佐々木(憲)委員 そこまでちょっと私は記憶がなかったんです。

 軍事予算という表現は私は確かにした、質問の最初のところでやったんですね。それで、それに対してたしか反論があったので、いや、そうじゃないだろうと。議事録でそうなっているんですか。(安住国務大臣「はい、載っています」と呼ぶ)わかりました。軍事予算の中には戦車が確かに入るわけで、そういう表現をしたんだというのは今初めて確認いたしました。お互いに正確にやっていきたいと思います。

 次に、デフレの問題なんですけれども、野田総理は、七月二十四日の参議院予算委員会で、消費税増税は「やっぱりデフレからもまだ脱却できていない等々を考えると、現時点のこの瞬間というのは基本的に厳しいんではないか」という発言をされました。消費税法の附則第十八条にはこう書かれているんですね。「消費税率の引上げに当たっては、経済状況を好転させることを条件として実施する」、こういうふうにされております。

 そこで、大臣にお聞きしますけれども、経済の現状、これはデフレからまだ脱却できていないというのが総理の認識ですけれども、大臣も同様な認識と理解してよろしいですね。

安住国務大臣 デフレから脱却したということではないということは、GDPデフレーター等を確認すれば、今の現時点でもそうだと思います。

佐々木(憲)委員 そうしますと、経済状況が好転しない限りは消費税は増税しない、こういう理解でよろしいですか。

安住国務大臣 基本的には、附則十八条の一項、二項、三項に書いてあるとおりでございます。

 なお、このところで申し上げている経済状況の好転とは、経済が改善していく過程にある状況のことをいうということだと私は思っておりますので、特定の時点とか数値とかをいっているものではなくて、過去からのトレンド等を含めて判断することになるというふうに思います。

佐々木(憲)委員 この附則第十八条にはこう書かれているんですね。「消費税率の引上げに当たっては、経済状況を好転させることを条件として実施する」。その上で、「平成二十三年度から平成三十二年度までの平均において名目の経済成長率で三パーセント程度かつ実質の経済成長率で二パーセント程度」、こういう数字が書き込まれているわけです。

 これはなかなか理解しにくい、非常に難しい文章なんですが、名目三%、実質二%というのは、平成二十三年度から平成三十二年度までの平均においてなんですよ。そうすると、その数字が確定するのは二〇二〇年度、つまり平成三十二年度、こういうことになりますよね。

安住国務大臣 一項の、先生御指摘の、三十二年度までの十年間の平均において名目三、実質二程度の経済成長率を目指すということでございますから、そういう意味では、この十年の間の平均というふうに私どもは考えております。

佐々木(憲)委員 ですから、それが確定するのは二〇二〇年度ということですよね。

安住国務大臣 確定はそうでございます。

佐々木(憲)委員 消費税率を上げるのは二〇一四年、二〇一五年ですから、この数字はまだ出ていないわけですよね。出ていない数字を前提にして上げるかどうかということを判断していくというのは無理があるんじゃないですか。

安住国務大臣 一項は前提条件ではございません。そうした数値目標を設定して、そこに向かって政府として、デフレ脱却、経済活性化をやっていこうということでありまして、これはあくまでも目標であって、前提条件ではないわけであります。そこをぜひわかっていただければと思います。

佐々木(憲)委員 では、これは何のために書いたんですか。目標として書いた。というのは、要するに、前提ではないわけだから、書いても意味がないんじゃないですか。

 要するに、当時は民主党の中でいろいろな議論があって、歯どめがないとかいうことでそれを書き入れたんだけれども、うまいこと、それが歯どめにならないように書き入れた、こういうことになるわけですね。

安住国務大臣 政策努力の目標として書きました。つまり、こういう成長が望ましいという政府の考えであって、それに基づいて、あるべき成長として数字を掲げて、これに基づいて、政府としては、デフレ脱却や経済活性化に向けたさまざまな施策を講じていくという意思もあわせて示しているということでございます。

佐々木(憲)委員 極めて抽象的で、何の条件でもないものをただ入れて、入れたことによって何とかだましていこうというそのやり方が非常に私は問題だと思うんですよ。大体、二%、三%という数字自体が非常に、達成不可能なものだと私は思います。

 例えば、過去十年間の名目成長率、三%を超えたときはありましたか。

安住国務大臣 ありません。

海江田委員長 もう時間が来ておりますので、手短に。まとめてください。

佐々木(憲)委員 わかりました。では、午後、もう一度この続きを財務大臣にやりますので、今のところは、ここでとどめておきたいと思います。

海江田委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時七分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

海江田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 本委員会において審査中の内閣提出、平成二十四年度における公債の発行の特例に関する法律案は、昨日、本院の承諾を得て内閣においてこれを修正し、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律案となりました。

 内閣提出、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律案を議題といたします。

 政府から修正の趣旨の説明を聴取いたします。財務大臣安住淳君。

    ―――――――――――――

 平成二十四年度における公債の発行の特例に関する法律案中修正

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

安住国務大臣 平成二十四年度における公債の発行の特例に関する法律案中修正点の趣旨を御説明申し上げます。

 平成二十四年度における国の財政収支の状況に鑑み、平成二十四年度における公債の発行の特例に関する法律案を既に今国会に提出し、二月二十九日の当委員会におきまして提案理由を御説明申し上げ、これまで御審議をいただいていたところであります。

 しかしながら、平成二十四年度及び平成二十五年度において、基礎年金の国庫負担の追加に伴い見込まれる費用の財源を確保するための公債の発行に関する措置を定めるため、この法律案に所要の修正を加えることとし、七月三十一日に本会議の御承諾をいただきました。

 以下、その修正点の大要を申し上げます。

 第一に、題名を、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律に改めるものであります。

 第二に、平成二十四年度及び平成二十五年度において、基礎年金の国庫負担の追加に伴い見込まれる費用の財源を確保するため、公債を発行することができることとし、その償還及び平成二十六年度以降の利子の支払いに要する費用の財源は、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律の施行により増加する消費税の収入をもって充て、これを平成四十五年度までの間に償還する旨の規定を加える等の修正を行うものであります。

 第三に、施行日に所要の修正を加えるものであります。

 以上が、今回の修正点の趣旨であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

海江田委員長 これにて説明は終わりました。

    ―――――――――――――

海江田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。緒方林太郎君。

緒方委員 民主党、緒方林太郎でございます。

 特例公債法案の審議が本格的に始まったということで、本当に、これからこの法案をできるだけ早く通せるようにと頑張っていかなくてはいけないというふうに思っております。

 まず、安住大臣に一言御感想をいただきたいんですが、特例公債法案の審議が、いろいろな経緯があったにせよ、このタイミングで今本格的な審議が行われようとしていることを、本来の予算のあり方との関係で、安住大臣、いかがお考えでしょうか。

安住国務大臣 結果的に特例公債法が成立しない状態が続いているということは、私としても、財政運営上、不安な要素がまだ解消できないということでございますので、そういう点では、内外の市場の信認を損なうことにもなりかねないことから、何とぞ本法案の成立をお願いしたいところであります。

 私はかねがね、やはり昨年もこの時期に御審議をいただいておりまして、当時国対委員長として大変、そういう意味では、ねじれ国会において、この法案の難しさはわかっているつもりでございますが、できれば与野党合意をして賛成していただく環境づくりにやはり特段努力をしなければならないということを、その旨で私はずっと発言をしてまいりました。

 これから、残された約一カ月強の国会でございますけれども、何とか成立をさせていただきまして、我が国の収入の安定、歳入の安定に何とか期するこの法律でございますので、御成立を心からお願い申し上げたいと思います。

緒方委員 この特例公債法案が通らないことというのは、対外的にもいろいろな受けとめられ方をするところがあるだろうと思いますし、それがひいては、今少し低いところにとまっていますけれども、国債の利率にはね返るということも、大いに懸念をしなくてはならないのではないかと思います。

 五十嵐副大臣、その点、どのようにお考えでしょうか。

五十嵐副大臣 委員のおっしゃるとおりだと思います。

 とにかく、日本はまだ、増税といいますか、そういう余地があるということで、国債金利が低いところに安定しているということでございますので、これがもし疑念を持たれるということになれば、状況はまた変わってきてしまうおそれがあるということは確かでございます。

緒方委員 日本国憲法においては、予算について、衆議院の優越が定められております。私が思うに、日本国憲法を起草した方々というのは、今のこの特例公債法案のような事態を、もちろん衆参国会がねじれているという状況もあわせてでありますけれども、恐らく想定していなかったのではないか。

 予算を決めることについて、そしてその執行についても衆議院の優越が認められている中、現行において、これは私、どこかの党を批判したいとかそういう思いは全くございません、現実問題として、民主党が野党時代もいろいろな形で、参議院で多数であることを使って、当時の与党が決めることをとめてきたという背景もあるわけであります。

 いずれにせよ、この特例公債法案というツールを通じて予算の執行に歯どめをかけるというような事態は、恐らく現行憲法の想定するところではないのではないかというふうに思います。この点、国務大臣として、安住大臣、いかがお考えでしょうか。

安住国務大臣 予算と違って法律ですから、今、緒方さんの言うようなことになるわけでありますけれども、昭和五十年以降、こうした特例公債、赤字国債を発行した、考えようによれば、そのときからこういうリスクというのは常々あったのかもしれないなと思います。

 そういう点では、とにかく財政運営に著しい支障を生じないように、一日も早く成立をぜひお願いしたいというふうに思っておりますが、法律上のことや憲法上のことにかかわるようなことでもございますので、私の方からその点について何か発言をすることはあえて避けさせていただきますけれども、おっしゃるとおり、やはりこの法律というものは、今は、事実上、いわば予算と同じ重みを持っているということは事実でございます。

緒方委員 まさにそのとおりだと私も思います。事実上、この法案が通らなければ、予算の執行に大きな、今は政府の短期証券でぐるぐる回している状況ですけれども、そもそもこんな状態がまともなわけがないわけであります。

 本来、憲法の本義であるところの予算に関する衆議院の優越、これは実は全く予算と別の話でありますけれども、例えば問責決議案というものも、似たような文脈で捉えることができるのではないかと私は思います。

 政権というのは、衆議院の信任を得ることによって、それが政権として維持されるわけでありますけれども、問責決議を打たれることによって、各閣僚の問責決議もですけれども、内閣全体に問責決議を打つということは、事実上、これは参議院による内閣不信任決議案に相当する。二つのハウスのうちの一つが信任しないといったときに何が起こるかというのは明らかでありまして、結果として、この二つについては、憲法が想定していたことののりを若干越えているところがあるだろうというふうに私は思います。

 これをどうやったら解消できるのかなというのを自分自身よくよく考えます。これは恐らく、かつての与党の皆様方も、そして我々も、一回ずつ経験をしたわけでありまして、例えば、次、選挙をやった後もこの状態が続くときに、また同じことをやるのかということを考えると、決められない政治、日本の政治に最近よく言われるそのレッテルが本当に永続的に続くんじゃないか、そういう懸念を持つところであります。

 これは法案というよりも政務にかかわるところでありますので、これ以上何か答弁を求めることはいたしませんけれども、一期生の一議員として、これまで三年間国会を見た者として、与野党問わず多くの皆様方の英知によってこういった状態を解消できることを、自分自身も考えていきたいと思いますし、ここにおられる皆様方にぜひ心からお訴えをさせていただきたいというふうに思います。

 それでは、テーマをかえたいと思います。

 今回、交付国債から年金特例公債になることによって、やり方を変えてリアルに国債を発行することになるわけでありますが、それによって、今年度予算における国債の発行額と全体の予算額に対する公債費率、これはどれぐらいになるでしょうか。

五十嵐副大臣 二十四年度一般会計予算における公債金収入は四十四・二兆円でございます。仮に、年金特例公債の発行額を単純に足し合わせ、機械的に計算すれば、公債金収入は、全体で四十六・八兆円となり、その歳入全体における比率は五〇・四%となります。

緒方委員 非常に大きな額であると思いますし、ことしの予算については、復興については復興特会の方でやっているということもあって、実際、多分そういったものも全部合わせていくと、公債の比率というのはもっと高まっているのではないかと思います。

 そういった、五〇・四%ということで過半数を超えてきたということでありますが、この状態に対する財務省としての認識、そして財政再建への取り組みをより強めていかなくてはいけないのではないかというふうに私は思いますけれども、財務省としての御見解を賜れればと思います。

五十嵐副大臣 これは、おっしゃるとおり、収入の半分を借金に頼っているという国はほかにはないかと思いますが、大変異常な事態であり、そしてそれは将来のツケ回しにほかなりませんので、これは私は政治倫理的にも許されるべきではないと思っておりますので、財務省としても、こういう事態を一日も早く脱却するための財政健全化にこれからも歳入歳出両面から取り組んでいかなければならないと思っております。

緒方委員 ありがとうございました。全く同じ思いであります。現在、社会保障と税の一体改革の法案も参議院の方で大詰めだというふうに伺っておりますし、財政再建に向けて一丸となって頑張っていきたいというふうに思います。

 今回、修正された交付国債という手法でありますけれども、これは何度も、当面の財政の悪化の状況を糊塗する粉飾決算ではないかという御指摘を野党の皆様方からもいただいておりました。私も非常にトリッキーなやり方だなというふうに思いますし、健全な財政を運営していこうとする中で、その努力を安住大臣、五十嵐副大臣がやっておられる中、粉飾決算かどうかということは抜きにして、そういうふうに言われること自体、確かに、何か余りよろしくないのではないかなと私は思いました。

 こういったトリッキーなやり方をやらずにやる方がよかったのではないかと私も思いますけれども、今、こうやって取り下げられた中、交付国債という手法のあり方について、いかがお考えでしょうか。

五十嵐副大臣 これは、年金加入者の側から見て、想定以上に年金積立金が取り崩されるおそれを抱かれてはいけないということから、政府がどの程度それを保証するか。入る当てがはっきりしていればいいわけですけれども、そうでない段階でこれを見なければいけないということで、交付国債という手法を提供し、政府が保証することによって、後で消費税が上がった段階でそれを返しますという仕組みにしたわけでございます。

 今の段階では、消費税引き上げの具体案ができて衆議院を通った段階でありますので、これはつなぎ国債という形にして、安心は年金加入者にも十分に得られるということで形を変えたということでございますが、本当のことを言えば、正直に言えば、それは、一時的に財源がなければ、年金積立金からの流用とかそのほかの手段もあわせて考えなければならなかったかもしれない、こう思っております。

緒方委員 非常にフランクな、率直な御見解をありがとうございました。

 少なくとも、これからの二年間の二・五兆円掛ける二年分、五兆円分については将来の消費税収入で賄うというふうに言っているわけですが、これはちょっとそれを聞いただけだと、将来の税金をやはり先食いしているところがあって、そうすると、将来の税収のところにやはり五兆円分ずつ穴があいていくのをどんどん先送りしているだけではないかというふうにもこれは読めるわけでありまして、そういうその五兆円分、とりあえずこれから二年分だけ将来の消費税収入のところからがばっと持ってくるということは、その穴がどこかに残っていくということを連想させるわけでありますが、それとあわせて、しかし、その下の方に行くと、償還は平成四十五年度までにやっていくということであります。

 今言った、五兆円の穴が将来にばかっとあいている状態になっているんじゃないかということと絡めて、財務省の御見解を賜れればと思います。

五十嵐副大臣 これは、普通の六十年償還ルールの公債とは違って、御指摘のように二十年で償還するということになって、その償還のルールに基づいた対応枠については、五%の引き上げにより確保される増収分十三・五兆のうちに最初から計算をされておりますので、それは心配がないということでございます。

緒方委員 その話は多分、知っている方がすごく少なくて、あのフレームの中に先の五兆円分が薄く二十年間にわたって乗っている。ですから、五兆円で二十年、恐らく三千億円ずつぐらい、多分、毎年薄く乗っているということなんだろうというふうに思いますが、そういう形で償還していくということ、承知をいたしました。

 あと、この法案を見ていておやっと思ったことの一つに、この国債分については定率繰り入れをやらないというお話がございました。基本的に、減債基金を積み立てていってそれで償還をしていくというやり方、これまでの財務省のやり方だというふうに理解をいたしておりますが、今回、定率繰り入れ、年間一・六%のあれをやらないということ。なぜ定率繰り入れをやらないのかということをお聞かせいただければと思います。

五十嵐副大臣 今も少しお話をさせていただきましたけれども、平成二十六年度から償還を開始し、二十年間で償還する。そして、これは通常の建設国債や特例公債に適用される六十年償還ルールとは仕組みが異なるということですので、これを対象外とすることは適当であると考えております。

緒方委員 つまり、定率繰り入れをやらないということは、一般会計からの繰り入れている部分がない、一般会計から借金の償還に一・六%ずつ積んでいくということをせずに、基本的に、何というんでしょうか、閉鎖型というか、今回のシステムの枠内で全部賄って、一般会計から何かお金を入れてということではない、その理解でよろしいでしょうか。

五十嵐副大臣 そのとおりでございます。消費税引き上げ分は決められた社会保障費に充てる、充当するということで、その範囲の中で完結をするということです。

緒方委員 ありがとうございました。

 ともすれば、定率繰り入れをやらないことに違和感を持つわけでありますが、逆に、やるということになると、償還のところに一般会計のところからお金を積んでいくということで、ストラクチャー全体が崩れるということなので、そういった形で定率繰り入れの対象にしないということは、ある意味妥当なのではないかというふうに思います。

 最後に一つだけ。

 今、定率繰り入れの話をさせていただきました。私は大分前に一度安住大臣に、減債基金、定率繰り入れの話をさせていただいたわけでありますが、私は昔からずっと思っているのは、国債整理基金特別会計の中で減債基金として十数兆、十三兆近いお金が積み上がっているわけでありますが、例えば行政刷新会議なんかではああいったものを、呼び方として、例えば積立金と呼んだりすることがある。そして、減債基金と呼んだり資金と呼んだり、いろいろな呼び方があるわけでありますが、恐らく財務省として採用している呼び方ではないと思いますけれども、積立金と呼んでしまうと、何か取り崩すことができるかのようなお金であるという印象を与えます。

 けれども、実際には、減債基金というのは債務と表裏があるわけでありまして、そんなにばかばか取り崩すことができるものではなくて、将来の償還に確実に使われていくものであるから、そもそも取り崩すことが適当でないというものなんですが、積立金と言われてしまったり基金と言われてしまったりすると、何か別の印象を与えるわけであります。

 これは、純粋に、政策の問題というよりも呼称の問題でありまして、呼称のところで、これが何か別の使途に使われるのではないかというような誤解を与えない、そういう呼称を考えていただくことは、世論対策というか、誤解を払拭する観点からも必要なのではないかなというふうに私は思うわけですが、五十嵐副大臣、いかがですか。

五十嵐副大臣 おっしゃるとおり、正式には積立金などとは言っておりません。おっしゃるとおり、その考え方はそのとおりでございます。

 これまでも、さまざまな機会を捉えて、これは簡単に流用できない、取り崩して活用することができないというようなことも申し上げてまいりましたけれども、引き続き、十分に御理解いただけるように省としても努めてまいりたいと思います。

緒方委員 本当に、この特例公債法案、これから精力的に審議をして、早期の成立をさせる。現金がなくなるタイミングというのはもう見えているわけでありまして、そのタイミングを超えてしまえば、どんなに政府短期証券を回そうが何しようがお金はもうそこには出てこないということでありまして、この法案、本来は非常にテクニカルな法律だと思います。

 先ほど申し上げた憲法の本義からいっても、本来であれば予算と一緒に成立することが望ましい法案でありまして、早期の成立に向けて、我々、ここにいる者が皆で英知を出し合って頑張っていく必要があるだろうということを強調させていただきまして、質問を終えさせていただきます。

 ありがとうございました。

海江田委員長 次に、山口俊一君。

山口(俊)委員 自由民主党の山口俊一でございます。

 久しぶりの質疑といいますか、安住大臣、本当にお久しぶりでございます。

 実は、今もお話があったんですけれども、この特例公債に関しては、おおむね二十時間ぐらいやろうかなというふうなことで、当然、新年度に入る前にそういった話があって、既に十五時間ぐらいですか、質疑を積み重ねてきた。

 ところが、いろいろな事情でといいますか、なかなか、恐らく大臣も想定しておったとおりいかなかったんだろうとは思うんですが、昨年の三党協議あるいは三党合意、それを踏まえてさらに協議をということがなかなかうまくいかないということで、事実上、この審議がとまってしまった。その間、さまざまなもの、ほかの法律を、本来は特例公債が最優先なんですけれども、飛ばしていろいろやってきたというふうな経緯があるわけなんです。

 もう特例公債についてもかなり時間がたちましたので、おさらいをする意味で、さっきもよく似た質問があったわけですが、この特例公債法案、本来、これは予算と一体なんですね。だからこそ、これは予算関連であり、日切れである。

 これを通すために、実は、私ども与党時代も、ねじれもありました。当時、安住国対委員長に随分いじめられたこともあるんですが、それこそもう頭を下げ、お願いをし、あらゆることをやりながら努力をして、年度内に通してきたわけですよ。ところが、民主党さんになって、二年続けてこういう格好になった。これは本当にやる気があるのかどうか疑いたくなるわけですよ。

 しかも、さっき、質問に答えて、大臣は特例公債をどう思うかということで御答弁があったわけですが、まるで他人事なんですね。お願いしますとおっしゃいましたよね。もともと大臣はそういう御発言じゃなかったと思うので、この間、私も議事録をいろいろ集めてきたわけでありますが、この法案に対してどういうふうな思いを述べてこられたのか、そしてこれを何とか通すためにどういうふうな努力をしてこられたのか、まずはお伺いをいたしたいと思います。

安住国務大臣 特例公債法のことに関して私が今国会で申し上げてきたことは、特に今ねじれでございますから、やはり野党の皆様に賛同していただける状況をつくらないと、単に衆議院で成立させても成立の見通しは立たないということを前提にして、この法案が否決されたときの影響の大きさというのはお互いわかっているわけでありますから、その賛成していただく環境の整備にぜひ努めてほしいということで、我が党の政調会長を含めて、与党側の方に特段努力をしていただければということをずっと申し上げてまいりました。

 特に、先生が一番御存じなわけですけれども、高校の無償化や戸別所得補償という残る懸案の解決をぜひ図っていただければ、こうしたものの賛成の環境も整い、本年度の予算におけるいわば修正部分も出てくるのではないか。しかし、残念ながら、何度かの協議の中でその合意に現時点では至っておりませんので、そうした点では努力が足りないということに対しては、私もそういう点では反省はしております。

 税と社会保障の一体改革等の三党協議が進みましたけれども、そうした中で一つ変化もありました。きょう、こうして私が先ほど提案をさせていただきましたとおり、交付国債にかわる基礎年金国庫負担の財源について、別途、政府が所要の法的な措置をとれというふうな三党合意が出たことに基づいて、今回、こうしたつなぎ公債の対応をするということを御提案させていただいたという状況の変化もございます。

 私としては、これは国対委員長も経験した立場として、また、野党の時代に、逆に言えば、この特例公債法の扱いをめぐって与野党交渉の、大変恐縮ですけれども、駆け引きの材料に使った立場の人間として考えれば、両方を経験した反省の上に立って、何とか成立をさせていただく状況をやはりつくらなければならないし、つくっていただきたいと思っております。

 私が与党側にも申し上げたいのは、やはり野党の皆様に粘り強くお願いをして、賛成をしていただける環境づくりというものをしないといけないというふうに思っております。

山口(俊)委員 たしか、今までのさまざまな質問に対して、大臣みずからが頑張るというふうな御答弁があったわけですよ。同時に、今もお話がありましたけれども、確かに御党の幹事長からお話があった。だけれども、中身に踏み込んだ話じゃないわけです。同時に、例えば協議をやりましょうという話でもなかったんですね。これは話にならないじゃないですか。去年の合意の後始末もできていないわけですよ。また後ほどお伺いをしますが、そういったことがあるわけです。

 ですから、この一連の一体改革、確かに大事です。これは、まさに日本にとってしっかりここでやらなくてはいけない重要懸案であるというのはよくわかりますが、もうずっと特別委員会の方に大臣はかかりっ切りですよね。しかも、私どもの委員会の理事も向こうの委員に入ったり、あるいは今答弁者で行っておられる方々もおいでるということで、ある意味、財金としてはがたがたなんですね。

 ずっとやきもき私はしておりまして、野党がこんな心配をする必要はないのかもわかりませんけれども、何とかしたらどうですかということを言い続けてきたわけですが、これは端的に言って、一体改革とこの特例公債法案、大臣としてはどちらに重きを置いておられるんですか。同じようにと言っちゃだめですよ。

安住国務大臣 その前に、努力が足りないというお話もありますが、私、今回、政府の修正を決断しました。決断して、交付国債を取り下げてつなぎ国債にしたこのスキームは、御党の提案をそのまま受け入れたつもりでございます。そういう意味での環境づくりは自分なりにはしておりますけれども、個別政策の中で、所得制限等を含めてどうするかということに対しての合意に至らないということについては、今御指摘のとおりでございます。

 その点については、しかし、言いわけになるかもしれませんが、財務大臣の域を超えていますものですから、私としては、何とか三党間でぜひ合意をしていただいて、高校の無償化や戸別補償には、御批判もありますけれども、いい点もありますから、私は、児童手当のようなうまい政治の知恵で、永久的に、政権がいかになってもサービスを受ける側の方々が安心してもらえるような制度にしたいということで、再三申し上げてまいったということでございます。なお引き続き、政調会長等には私の方から働きかけをさせていただきたいと思います。

 今御質問のありました点については、ここにも、竹下先生もそうだし、竹内さんもそうですが、我々はずっと答弁者として今参議院の審議に当たっています。(発言する者あり)泉さんもそうですね。古本さんもいました。

 私は衆議院からですから、通算しますと約二百時間に今なんなんとしております。これだけの質疑を重ねて、参議院において今、公聴会を地方でやり、来週には中央での公聴会も控えていると聞いておりますので、ここまで来ているわけですから、ぜひこれは三党で大きな前進を図って、ある意味では歴史的な法案だと思います、それを立場の違いを乗り越えて、第一党、第二党、三党が合意をして成立に至るということはやはり絶対に必要なことでありますから、先ほどの質問にもありましたが、ここまで来て、これが水泡に帰するようなことはあってはならないというふうに思っております。環境が整えばぜひこの採決をしていただくことが重要であろうと思います。

 特例公債においては、先生、ぜひ今国会中には何とか御成立を図っていただければと私は思っております。

山口(俊)委員 今国会中というと、九月の八日ですか。いずれにしても、これはもうちょっと努力の余地があるのではないかと常日ごろ思ってきておりました。もちろん、一体改革というのも大事なんですが、緊急性という意味では、特例公債の方がより緊急性があるんだろうということで、そこら辺も含めてさらなる御努力を期待したいわけであります。

 もう一つ、この間、七月にですか、大臣は記者会見で、このまま特例公債法案が通らなければ大変なことになりますよというふうなお話がありました。これは、ただ残念なことに、十月というのを強調し過ぎたせいか、いろいろなマスコミの記事を見ると、十月に枯渇をする、十月にと。要するに、では、それまでは大丈夫なんですねというふうな話ですよ。

 では、それまでの間解散したらどうですかという話さえあるわけでありますので、そこら辺をもうちょっとちゃんと話をしてほしいと思います。

安住国務大臣 本当に、そこだけ取り上げられて報道されていることはまことに残念でございますので、正式に申し上げます。

 特例公債法案は、本年度の一般会計歳入予算九十・三兆円の四割に相当する三十八・三兆円もの特例公債の発行根拠を規定するものであり、現下の厳しい状況では極めて重要な歳入調達手段となっております。本法案については現時点では未成立の状態なので、このまま執行を続けた場合どうなるかということに対して、私としてお答えをさせていただきました。

 十月の時点で申し上げますと、今年度の税収が四十二・三兆、税外収入が三・七兆ですから、都合四十六・一兆円でございます。これに対して、九月末の累積支出見込み額が三十九・三兆円でございます。なお、毎年十月に支出する額というのは、二十一年から二十三年まで平均をしますと約五兆円台半ばということになりますから、私が申し上げているのは、三十九・三兆円に、これは何もなければということですが、毎年の十月分の支出を足すと、おおむね、先ほど私が言ったような四十六・一兆円に残すところ、残り一兆円強ぐらいになってしまいますということを申し上げました。

 そういうことからいうと、万一、会期内に法律の成立が見込めない場合には、私どもとしては、できるだけ財政破綻という事態を回避しなければなりませんから、これは原則論として、九月以降の予算執行について厳しい抑制を含めた対応を、つまり節約をさせていただかなければならないことになります。

 この節約というのは予算執行の抑制ということになりますが、これは、それぞれの地方自治体や家計、万一の場合には個人への支出への影響というものも及ぼすことにもなりかねず、経済活動にも影響が出るので、何とかそうしたことにならないようにということを今までも申し上げておりました。

 ですから、十月でなくなるのではなくて、私が申し上げたのは、九月時点の推計はもう既にしております、そこから四十六・一兆円分を差し引きすると、十月いっぱいのところで残りあと一兆円ぐらいになりますということでございますので、十月まで大丈夫だということではないので、そのことを申し添えさせていただきます。

山口(俊)委員 ということなんですが、ということは、では、九月までは大丈夫ということなんですかね。では、なぜ日切れにしたわけですかね。

 そこら辺はもうちょっと財務省としてきちっとした理屈立てを持っていただかないと、もう今後、では、日切れじゃないんですね、九月でいいんですねということになりますよ、これは。単に十月云々という話だけじゃなくて、九月から予算執行を控えるというのは、それまではいいということですよね。そうじゃないように、しっかりと説明できるようにやっていただきたい。

 それともう一つ、気をつけませんと、非常に財務省というのは評価が高いわけですよ。過大評価もあるのかなと思うんですが、財務省のことだから、十月になっても十一月になっても、いや、年が明けても恐らく大丈夫だろうなと言う方もおいでるわけですよね。ある程度は短期等でつないでいくという手もいろいろあるんでしょうけれども、そういったこともありますので、もうちょっとすとんと胸に落ちるように、本当にこれはやらなきゃ大変だというふうにきちんと説明できるようにお願いをいたしたいということなんです。

 さっき大臣の方から、今国会中にぜひともというふうなお話もありましたが、実は、昨日ですか、理事懇で七日にというふうなお話がありましたが、大臣、急ぐんですか、そんなに。

 今、いろいろな状況がありますよね。例えば、今回、交付国債をこうやって修正したことによって、これは消費税前提の法律になりましたよね。ということは、消費税に反対をした皆さん方がどういう判断をなさるかということ等もあるわけで、これはひょっとして衆議院で本当に可決されるんですかという話さえあるわけですよ。参議院に至ってはもうおわかりのとおりです。

 そういうときに、大臣、このまま突っ込むおつもりですか。それで、もしものことがあった場合、これは予算と表裏一体の歳入法案ですから、ある意味で予算が否決されたということですよ。ということは、これは事実上不信任ですよ。それをわかっておやりになるのかどうか。

安住国務大臣 政府・与党一体とはいえ、財務大臣が国会運営についてそんなに知識を今持ち合わせておりませんし、きのうそういう話をしたということは今初めて聞きましたが、与野党で合意をしないと成立をしない国会状況ということを十分理解をしながら、言葉は悪いですが、十分そこは踏まえて我が党の国対もやっているとは思います。

 ただ、交渉事ですから、押したり引いたりはあるにしたって、この法律を今国会で成立させるにはどうしたらいいかということになれば、やはり御党初め賛成政党が数多く出なければこれは否決をされる可能性があるという事実を踏まえて、しっかり対応してくれるものだと思います。

山口(俊)委員 これはさっきも申し上げましたけれども、こういう修正を行ったことで、衆議院さえ恐らくもう票読みが大変ですよ、もし突っ込んだ場合に。そういうことをしっかりやはり大臣は踏まえて、大臣としても、かつては国対の大ベテランじゃないですか、やはりそこら辺はしっかりと、いろいろ大臣としてこう思うということをもっと党内でやっていただかないと、とんでもないことになりますよ。それは、当然、大臣の首が飛ぶどころの騒ぎじゃありませんので。

 それにつけても、さっき若干お話もあったんですが、ちょうど昨年、特例公債を通すに当たって国対委員長として大変御苦労なさったのは知っております。しかも、その御苦労が残念ながら報われていないわけですよね。せっかく合意をした、しかし、二十四年度予算に反映されたのはごく一部ですよ。その後、それが積み残しになってきておるから、余計こういう事態になっておるわけなんですね。

 大臣も、先般の特別委員会で、我が方の丹羽委員に対する御答弁で端的にお答えなんですよ。交付国債は、お話しのとおり、クリアできましたね。ですから、残るところは、例えば高校の無償化等の問題、あるいは農業の戸別所得補償等、課題となっておる問題についてしっかり合意を得て云々、こう答弁なさっておられる。

 ある意味で、これ、あと一息なんですよね。これはもう大臣が一番よくおわかりなんです。例えば、高校授業料の無償化も、そんなに無理を申し上げているつもりはない。所得制限を入れたらどうですかと、こういう御時世ですから。子ども手当のときも、御党は理念がどうのこうのとおっしゃった。しかし、見直したわけですよ、合意に達したわけですよ。いわんや高校授業料の無償化にしても、それこそ一億二億も収入がある人のところも、では、ただでいいんですかという話ですから、そこら辺、もうあと一息なんだと思うんですが、大臣、いかがですか。

安住国務大臣 昨年も、やはり連日のように交渉をいたしました。大震災の後ということもあったかもしれませんが、それにしても、子ども手当の見直し、それから税制改正、復興財源、これらのことについても基本的なレールを三党で引きまして、そして、第三次補正予算や復興特別法人税、所得税という引き上げにつながっていきました。

 ですから、そういう点では、党間で合意をするということが、いわば日本で政治を動かすために最も重要なことであるというふうに私は確信をしてしております。

 ですから、そういう点からいうと、今御指摘ありましたように、子ども手当も相当対立点は高かったわけでありますけれども、結果的に、児童手当とはなりましたが、中学校にまでその範囲を広げ、お互いにとってというよりも国民にとって納得のいく結果になったのではないかと私は思います。多少、所得制限を設けたことで、今、実は参議院の中で、逆転現象が生まれるのではないかということが出てきておりますから、これらの解消については、なお制度充実のために、私は、子ども手当についてはまたお話を、児童手当についてはですね、それぞれ話し合いをさせていただければと思っております。

 高校の無償化や戸別所得補償についても、実務者協議は何度かやったというお話は聞いておりますので、そこまでであれば、特に高校無償化は十一回の協議をやって論点整理まで行ったと。ですから、あと本当に一息なのかもしれません。私は交渉に参加しているわけではないので、このことについてはこれ以上コメントはできませんけれども。

 こうした点について、国民のために、国民の皆さんが安心をして、先ほども申し上げましたけれども、どこの政党が政権をとっても制度の安定感というのは必要な項目だと思いますので、ぜひ、特段また努力をしていただいて、状況の好転を見ることを私は強く望んでおりますし、与党の中でもそのことは働きかけております。

山口(俊)委員 さっきも申し上げましたけれども、国対委員長として御活躍をいただいて、これを持っていますけれども、三党の幹事長の合意書、確認書、これは残念ながら今年度予算に反映されておらないんですよね、合意事項も。

 今の大臣のお話なので、もちろん、今は大臣としてのお立場があるということですけれども、予算の査定をするわけでしょう。来年度予算に関しては、大臣、どうですか、査定をするおつもりはないですか、今の問題に関して。

安住国務大臣 児童手当等については十分査定をしましたし、本当に一番大きなところでいうと、つなぎ国債については、私どもの考えは取り下げました。昨年来、自民党の御主張である、やはりつなぎ国債でやるべしということについてはしっかりやりましたので、本当にあと残る二つだと思います。

 ただ、このことは私の裁量で査定をするというよりは、所得補償の場合は制度的に担保をしていただかないと、では、具体的にどこの線でそれをやるかということは個人の裁量でできるわけではないので、もし所得制限をかけるのであれば、やはり三党で合意をしていただいて、話し合いをしていただければ、それを予算にしっかり反映させたいというふうに私は思っておりますので、ここは、予算編成そのものはことしいっぱいまでありますので、そういう中での反映という点からいえば、合意次第、反映をさせていきたいと思っております。

山口(俊)委員 恐らく、概算要求のいろいろな協議があると思うんですね。そこで、かつて我々が与党のときも、財務省にいろいろ言われたことがあるわけですよ。この予算、満額はちょっと難しいですね、これはもうちょっと検討したらどうですかと。これは大臣の権限内でしょう。そのぐらいの覚悟でやらないと、なかなかこの問題はクリアできません。

 ですから、今大臣が、では、残る問題点に関して来年度予算でしっかり反映できるようにやりますというお約束をすれば、恐らく、公債特例、動きますよ。どうですか。

安住国務大臣 それは先生、あれですか、財政的に私が減額なりを含んだものをすれば、賛成するということでございますか。(発言する者あり)いやいや、それは結構大変なことなんですが、高校の無償化については三千九百億円強で、アベレージで大体やっているんですよね。ですから、それに制限を入れた場合、最低限、どこの範囲でどこらあたりからということぐらいはぜひ合意をしていただければ、査定はそんなに難しくありませんので。(発言する者あり)はい。けちれというふうに山本先輩から言われましたけれども、私もそれは、無駄な予算は使いたくありませんけれども。

海江田委員長 質問者は山口委員ですから、質問者に答えてください。

安住国務大臣 はい。

 山口先生、やはりぜひコンセンサスを得られる努力をして、我々も政調会長を通してやらせていただきますので、そういう中で、もし予算の削減が必要であれば、喜んでやらせていただきたいと思います。

山口(俊)委員 どこをどういじくればというのは、大臣、よくわかっておられるはずなんですよ。ですから、そういったことを踏まえて、もう概算要求のいろいろな相談が始まっているわけですから、大臣として、私はこう思う、これはお金は出せないよぐらい頑張ってくださいよ。これを申し上げておきたいと思います。

 ちょっと時間がなくなりましたので急ぎますが、今回、特例公債法の修正案の中に、つなぎ国債の償還財源、これについては消費税ということになっていますよね。消費税、実は、もちろん三党合意というのはあるわけですが、まだこれは成立していません。消費税が上がるかどうかわかりません、正直。しかも、一四年四月に上げるためには、若干の条件と言う人等いろいろありますけれども、やはりそう簡単にはいかないわけですよね。

 とりわけ、参議院でまだ審議中の消費税がどうなるかわからない状況の中で、これは今、今というか、参議院の採決の前にこの修正版特例公債法案を私はやるべきじゃないと思うんですね。そうじゃないと、もし消費税を予定どおり上げることができなければ、大臣、どうなるんですか、これ。大変ですよ、下手をしますと。

 ですから、大臣としてのお考えを聞きたいわけですが、これは私の思いとして、参議院で議決をして、成立をしてからこの特例公債法案をやったらいかがかなと思うんですが、大臣、いかがですか、所管大臣として。

安住国務大臣 なかなか答えるのが難しい質問でございまして、確かに、理論的には、一体改革法の中の消費税法が成立をしたところで財源確定はいたします。この国債も、そういう意味では、その中からの二年分の五兆円ということになるわけでございますが、筋論からいえば、確かに先生おっしゃるような順番でありますが、今ここでやっている法案そのものは、いわばスキームなわけですから、それは前後しても、全くそれがおかしいかといえば、そうではないと思います。

 ただし、消費税が充てられるということを今回初めてここで入れておりますから、そういう意味では、やはり一体改革法案を確実に成立させることが必要だと思います。

山口(俊)委員 私も同感なんですね。やはりいろいろな議論があるわけですよ。しかも、三党は合意しているけれども、他の野党の皆さん方は反対ですし、毎日波風が立っているわけですよ。そういう状況でこれをやっちゃって、では、消費税おくれたねというのは、これはとんでもない話なので、そこは慎重にお願いをいたしたいと思います。

 それと、時間ですけれども、ちょっと一点だけ。

 今回、これは国民年金法改正に絡む話なんですね。いわば厚労委員会と非常に関連が深いというか、関係をしておるということでありますので、委員長、また理事会の方で、私も理事でありますので、提案はしっかりいたしますが、やはり連合審査を考えていただきたいということでございます。

海江田委員長 その件は、後刻理事会で協議をいたします。

山口(俊)委員 私も理事会でそのように申し上げたいと思います。

 以上、いろいろ申し上げましたけれども、大臣、恐らく大臣の思いはほとんど一緒なんだと思うんですよ。本当に御苦労をなさっておられるのはよくわかっておるんですが、実際、全然動いていないということですから、それこそ政治生命を賭して、命がけでやっていただきたいと申し上げて、質問を終わります。

海江田委員長 次に、丹羽秀樹君。

丹羽委員 自由民主党の丹羽秀樹でございます。

 安住財務大臣には、社会保障と税の一体改革でも、この特例公債の方、質問させていただきましたが、先ほどの山口先生とちょっとお話がかぶるかもしれませんので、お許しいただきたいと思います。

 今、参議院の方で、社会保障と税の一体改革の問題、いよいよ先が見えてきた、採決の日取りが見えてきたというふうに私は感じないわけでもないですが、そしてこの公債特例、大臣、改めて、どちらの法案が大事でしょうか。

安住国務大臣 事の重要性からいえば、どちらも大事なんですが、種類が違いまして、税と社会保障は、やはり我が国にとって、中長期的に見ても、またこれまでの消費税の議論を見ても、私は非常に歴史的な法案だと思います。特例公債については、先ほど山口委員からもありましたが、目下の今年度予算の執行に関係する、いわば国民生活や経済政策に直接影響が出る話でございますので、どちらも大変重要なことだと思います。

 御質問は、どちらを優先して通すのがいいのだということかもしれませんが、参議院での目下の審議は、参議院の方の筆頭理事間で協議をしていただいているとおりでございまして、確かに、公聴会等がもう煮詰まってまいりました。いよいよ、そういう点では、環境が整えば、私は速やかに採決をしていただくことが憲政の常道であるというふうに思っておりますので、ぜひ時期が来たら採決をしていただきたいと思っております。

 なお、こちらの法案につきましても、できれば、先ほどから申し上げているとおり、自民党、公明党の皆さんの御賛同をいただくような努力をぜひいま一段して、賛成していただく環境づくりをして、参議院の方に賛成多数で送らせていただければと思っております。

丹羽委員 この公債特例は、必ずいつかは通さなきゃいけない法案であるというふうに思っています。そのための環境整備というのが非常に大事であります。

 私も、三月二日の衆議院財務金融委員会で早期審議入りの話をさせていただきました。大臣も、真摯に三党合意に基づいて行っていくという答弁をいただきましたし、五月二十四日の衆議院の社会保障と税の一体改革特別委員会においては、審議を進めるように私はまたそのときも要求しました。大臣初め、そのときは岡田副総理、野田総理も、環境整備に邁進していきたいという御答弁をいただきました。

 実際、進んでいますでしょうか、大臣。御答弁をお願いします。

安住国務大臣 私が与党側からお話を聞いている範囲では、高校の無償化については、これまで十一回の協議をやって論点整理がとられた、しかし、所得制限については三党間で意見が一致していない状況だ、そこからは膠着状態であるということでした。戸別所得補償制度につきましても、四回の実務者協議が開かれましたが、協議でまとまってはいないということで、今後新しい枠組みが必要であるということで協議を打ち切っておって、そこから進んでいないということは報告を受けていますから、今の御質問に正確に答えるとすれば、残念ながら、こちら側からは協議の再開をお願いはしておりますけれども、合意には至っていない、そういうことでございます。

丹羽委員 大臣の答弁のとおりだと私は思っています。なかなか合意に至っていない中で、この法案の採決、公債特例の採決をしようというのは非常にリスキーな御判断だと思っています。

 社会保障と税の一体改革の委員会の三党合意、あの三党合意とこの公債特例の三党合意というのは私は違う分野だというふうに考えております。社会保障と税の一体改革で、全て民自公で進めようとしているから、この法案も通るのは当然だろうという考えであったら、これは、自民党初め公明党さん、また他の少数政党さん、ばかにされている、なめられているというふうに感じますが、大臣、その辺のお考えはいかがですか。

安住国務大臣 我が党もさすがにそこまでは考えていないと思います。

 私も、在職して半分ぐらい、国会運営に携わってまいりました。本当に野党時代は随分自民党に対峙もしましたし、また与党に至っても、国会運営の責任者もやりました。

 私が思うには、率直に言わせていただくと、法案を成立させるには、機が熟さなければなりません。熟す責任はやはり与党にもありますし、スピード、それぞれの法案によって全て違うと私は思っております。

 ですから、個別のことで私の立場で何かを言う立場じゃありませんけれども、熟した中でしっかりとこの法案というものは今国会中にぜひ上げていただければという気持ちだということでございます。

丹羽委員 御党の、民主党の泉筆頭からもいろいろとこの話が、環境整備をやりましょうなんて話は私もいただいております。国会対策の中でいろいろな話をいただいております。

 今、大臣、機が熟すという話をされましたが、今、機は熟しているんですか。

安住国務大臣 私が熟しているかどうかを今判断する立場にもないので、真面目な話、税と社会保障をずっとやっていまして、この法案の取り扱いに対して我が党が、非公式か公式かはわかりませんが……(発言する者あり)公式な発言ではなく理事懇等での発言だということでございますが、きょう私がここで趣旨を説明させていただいたわけですから、これからやはり参考人の意見を聞いたりさまざまな手続が必要であろうとは思いますが、個別の法案が、どこが熟しているかということに関しては、この立場でなかなか申し上げるのは難しいと思います。

丹羽委員 大臣の答弁、本当にそのとおりの答弁だと思っています。大臣がそこまで、熟しているか熟していないかというのは国会対策も含めた国会運営の中での議論でございますので、そうかもしれませんが、この法案の重要性を大臣は本当に真剣に考えていらっしゃると思うので、環境整備というのは本当に大事だというふうに思っています。

 他の政党の御意見も聞いていただいて、どうしたらこの法案がスムーズに通るのだろうか、参議院にこの法案を送ったときにも参議院で否決されずにこの法案が通るのだろうか、そういった環境整備をしっかり行っていただきたいという中で、この特例公債、この法案を今回修正されましたが、修正する場合、これは予算案でもありますので、逆に、補正予算で修正するという方法もあったんじゃないですか。大臣、その辺の御見解はいかがでしょうか。

安住国務大臣 いずれ補正予算は必要になると思います。今すぐとかそういうことであるかどうかというのは極めて政治的な問題でございますが、丹羽委員御指摘のとおり、いずれ補正等を組むことによって直さなければならないところが出てくることは事実でございます。

丹羽委員 いずれ補正予算を出さなきゃいけないという大臣のお言葉を今いただきましたが、これは、確実に出さなきゃ、景気対策も含めて大きな課題になっています。

 大臣、今、社会保障と税の一体改革でもお体をとられていますので、そちらの審議の中でも景気対策の問題は随分御議論が進んできています。

 ちょっとこれは話が税と社会保障の一体改革の話にもなってしまいますが、公債特例の方を先に採決した方がいいのか、税と社会保障を先に採決した方がいいのか。大臣の御見解で結構です。いかがですか。

安住国務大臣 今はとにかく、社会保障と税一体改革の関連法案は、もう公聴会まで来て、参議院でたしか五十時間を超える審議、来週になればこれが、公聴会分も入れますとかなりの、予定していた審議日程になるということでございますから、国対間で、また現場での話し合いの中で機が熟せば私は採決に至るのではないかと期待をしております。

 こちらの委員会でのこの法案の取り扱いについて、きょう私、提案をまたさせていただいた立場でございますので、理事間でぜひ精力的に話し合いをしていただければと思いますが、いつの時点で熟すかということについては、私の立場で申し上げるわけにはまいりません。

丹羽委員 では、この法案の中身について。

 大臣は、以前、交付国債の件で、これほどしっかりした予算案はないという答弁をされたその夕方に、交付国債の件はまだ修正の余地があるという答弁をされましたよね。御記憶にあるかどうか、また自分の御答弁を見ていただければわかると思いますが。

 その日の午前中に、これほどできのいい予算案はない、夕方になって、修正の余地があると。大臣、この整合性はとれていると思われますか、自分の答弁の中で。

安住国務大臣 いついかなるときにそういうことを私話したのかちょっとわかりませんけれども、政治家としては勘は悪い方ではないので、交付国債がなかなか通らない状況というのはわかっておりましたから、いろいろな可能性は率直に探っておりました。また、自民党や公明党の皆さんが、このことについて、仮に交付国債がだめな場合にどういうやり方をすべきかということについて検討していることも、薄々ではありますけれども、大体感じると、やはり自然とそういう言葉になったのかもしれません。

丹羽委員 私も、あのとき聞いていて、当日に非常にトーンが変わったので、大臣の政治的なセンスを何とも言いにくい気持ちで感じましたが、やはり、そういうことをやっていると国民には伝わらないと思うんですよね。

 国民の信頼が本当に今の政治には足りないと私は考えています。原発の問題でもそうです。さまざまな問題、税と社会保障の問題、やはり発信力が足りないだけじゃなくて、我々発信する側の信頼が足りないんじゃないかというふうにも思えてなりません。

 今回の公債特例、政局的な材料にするんじゃなくて、大臣、例えば、もし本当に通らなかった場合、地方はいつの時点で財政が厳しくなってきますか。御答弁をお願いします。

安住国務大臣 交付国債は、予算委員会で一月から四月までさんざん議論をしました。むしろ予算案より交付国債の質疑の方が多かったぐらいであります。ですから、そういう中で、私としては、この法案が御理解をいただいて賛成多数で成立かどうかは、予算委員会の質疑を見れば大体わかってきましたので、なかなか厳しい状況だということで、多分私は、朝と夕方で、もしかしたら微妙に言い回しを変えたのかもしれませんので、そこは御了解いただきたいと思います。

 それと、自治体を含めてどうなんだということですが、やはりぜひ今国会中に何とかこの法案を通させていただいて、例えば先生の御地元の愛知もそうですが、やはり地方自治体を含めて財源的に困ることにもなりかねないので、私としては、一日も早く成立をしていただいて、ぜひ国民生活に影響を与えないようにさせていただければありがたいと思っております。

丹羽委員 今国会中と今言われましたが、今国会、一月から始まって、もう八月に入っています。その間、この法案はどうしてずっとたなざらしになっていたのか。環境整備すると言いながら、実際にはまだなかなかその環境整備が整っていない。そういった状況を見ると、私は、大臣は一生懸命やるというお言葉はされていますが、その真意が本当かどうか、まだ疑問視するところもあります。

 先ほど、山口委員の方からも話がございましたが、この修正案の中身、これは国民年金法にもかかわってまいります。ぜひ委員長初め理事の皆さん方で協議していただいて、連合審査も含めた御検討をお願いしたいと思って、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

海江田委員長 次に、大谷啓君。

大谷(啓)委員 国民の生活が第一の大谷啓でございます。新参の野党でございますが、やっと言いたいことが言えるようになったという思いで、またしっかりとやらせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 時間も限られておりますので、早速質問させていただきたいと思います。

 まず、けさの菅川先生からの質問でもあったんですが、今の日本の財政の状況について財務省がどういう認識をしているのかについて問わせていただきたいと思います。

 先ほど、与党の方から財政危機だというようなお話もございました。あるいは、野田総理は、今回の消費税の法案に当たっては、もう日本は待ったなしの状況である、このように繰り返し説明されております。

 ただ、一方で、現時点で財政危機というわけではないと思うんですけれども、その辺の認識について、具体的な根拠も含めて、まず大臣の方から答弁をお願いします。

五十嵐副大臣 数字を含みますので、私の方から。

 我が国の財政は、ストックで見ますと、平成二十四年度末には、国、地方の長期債務残高は、対GDP比で一九六%に達する見通しでございます。極めて厳しい状況です。一たび金利が上昇すれば、利払い費の増加が大きく生じることになります。二十五年度以降、金利が上昇した場合、一%上がると、二十五年度で一・〇兆円、二十六年度二・四兆円、二十七年度には四・一兆円という利払い費の増加になりますので、これは二%になるとさらに大きくなるわけであります。

 また、フローで見ても、社会保障費の自然増は毎年一兆円規模で生じておりますし、債務残高の累増に伴って国債費の増加や税収の減少も相まって、平成二十四年度の一般会計を見ると、歳出の半分も税収で賄えていない状況でございます。

 したがって、こうした急速な少子高齢化の中で、社会保障の安定財源を確保して財政健全化を図ることはまさに待ったなしだ、これは言葉どおり待ったなしの課題であると私どもは認識をいたしております。

 欧州債務危機の状況を見ても、財政の懸念が深刻化し、財政の維持可能性に対する市場の信認を失った国は急速に国債金利が上昇しまして、極めて厳しい緊縮策の実施を余儀なくされてしまいます。経済や国民生活に大きな混乱を生じますので、こうしたことからも、金利が低位安定している今の段階で財政健全化にしっかりと取り組む必要があると認識をいたしております。

大谷(啓)委員 ありがとうございます。

 繰り返しそういう答弁になろうかと思うんですけれども、実際の今の日本の状況とギリシャを含めたヨーロッパの状況と、違う部分も多々あるわけですね。当然、日本国内で国債の消化がどれだけされているか、あるいは国民の個人金融資産あるいは対外純債権、そういったいろいろなファクターがあるわけで、もう少しやはりそういうことを総合的に勘案して判断をすべき状況なのではないかなというふうに思います。

 どうも、消費税の議論を見ていても、悪い数字のところばかり目が行って、やはり日本がまだまだ健全である、現実に市場は今の国債についてはそういうふうな評価をしているわけですから、私は、そういったさまざまな指標を勘案すれば、必ずしも現時点で危機だというふうには言い切れないというふうに思って、今回、消費税の方も反対をさせていただいたということです。

 いずれにいたしましても、今回、この特例公債法案については、やはり赤字国債を発行しなければ予算が動かせない、歳入が確保できないということですし、そもそもこの法律については私は政争の具にするべきではないという立場でございますので、本来であれば、ことしの二月でしたか、採決があった際に民主党議員として予算の方に賛成をさせていただきましたから、この特例公債の方についても賛成せざるを得ないかなというふうに思っていたんですが、どうも、この修正案で事態が変わってしまった。我々が反対してきた消費税増税を当てにして年金特例公債を発行するというものが残念ながら一緒に組み入れられてしまったので、我々としては、ちょっとそのあたりはしっかりと判断しなければいけないというふうに思っております。

 去年の八月に閣議決定した中期財政フレームを見ておりますと、私も当初見逃していたんですが、この中期財政フレームの中に、基礎的財政収支対象経費として、年金の差額分、二分の一と三六・五%の差額分というのが実は入っているんですね。これは注意書きを見てみますと、この中に、税制抜本改革の上で予定される将来の消費税増収分、これを鑑みた上で、基礎的財政収支の対象経費としてこれを組み入れるということが書かれていたんです。

 この中期財政フレームをつくった当初は、二・六兆円と言われている年金の差額分、いわゆる国庫負担分についてどういう扱いをされようというふうに考えられていたんでしょうか。ちょっとそこについて確認させていただきたいと思います。

安住国務大臣 これは大谷さん、基礎的財政収支対象経費七十一という数字は中期財政フレームで決めていて、いわゆる差額分を含むと七十一、含まないと、ここにミシン目を入れて六十八・四ですよというふうな書き方をしておりました。

 なお、私どもは、この差額分をどういうふうな財源で捻出するかについては、その後、交付国債という案を出したんですけれども、この時点では、率直に言うと、何でこれを穴埋めするかということについては、ことし、来年、この二年分についてはまだ決めておりませんでした。

大谷(啓)委員 ありがとうございます。

 だとすると、その後、いろいろ予算を組む中で年金交付国債という話が出てきたと思うんですけれども、当初、年金交付国債とした理由と、今回、年金つなぎ公債に修正した理由、これについて教えていただきたいと思います。

安住国務大臣 私どもが最初に考えたのは、できるだけ年金財政に現金を繰り入れないといけないと。ここは考え方が違うかもしれませんが、二分の一にしたときの安定財源としてはやはり消費税を充てていくしかない、これはずっと続きますので。それからいうと、ちょうど財源的にも一%相当になるので、これはやりましょうと。ただし、市場の信認という観点からは、できるだけ国債を市中に発行する公債ではなくて、これをいわば一時的に年金の基金からお借りするような形で交付国債というスキームをつくったわけです。そういうことが最初の原点でした。

 ただし、このことは、国会審議で二カ月、三カ月議論をしまして、先ほども言いましたけれども、予算委員会では予算案よりも多い質問をここでいただきました。

 ここで野党の皆さんから言われたのは、それは粉飾的な意味合いになって、誤解を市場に与えてしまうのではないか、そうであれば、しっかりと国債を発行するなりして、いわば隠しているのではなく、我々は隠しているつもりは毛頭ないんですけれども、これを隠さないで表にしっかり出して公債という形をとるべきである、公債というのは、市中に発行するという意味での公債という形をとってやるべきだという意見がありまして、そして、社会保障と税の一体改革の三党合意の中で、所要の措置を講じろというふうな決定がなされましたので、私としては、つなぎ国債の決断をしたというのが今までの事実でございます。

大谷(啓)委員 ありがとうございます。

 今の答弁でやはり一番問題なのが、年金交付国債にしたのは市場というのを意識した、国債を当初想定よりも多く発行するわけですから、それによって市場の信認が失われるんじゃないか、そういうお話がございました。だとすると、今回、仮に、いわゆるつなぎ公債、年金特例公債にしたときに、将来の消費増税分を償還財源にするといったものの、市場が本当にどう反応するのかというところが少し危惧されるわけでございます。

 私は、今、日本の財政、厳しいけれどもまだ余力がある、そういう中で、もう少し国債発行してでも財政出動をすべきだということをずっと言っていたんですが、その話をすると、いや、ちょっとでもやるとすぐ金利がはね上がると。要は、国際的に約束をしている枠を超えるとすぐにでも金利が引き上がるというような御説明がありました。

 そう考えると、今回の年金特例公債の発行によって市場がどう反応するのか、これについて御見解をお願いしたいと思います。

五十嵐副大臣 現在の国債発行の進捗状況を見ますと、平成二十四年度分の国債発行は、昨年末に国債発行計画を策定した時点で想定したペースを上回って、実は前倒しで進んでおります。

 こうした国債の発行状況を見ると、年金つなぎ公債の発行額については、毎月の入札による国債の市中発行額を増加させなくても十分に対応可能な状況にあり、入札による月々の国債発行額を変更することは予定をしておりません。

大谷(啓)委員 ありがとうございます。

 ただ、常に全体の枠として市場からは見られるわけですから、やはりそこについては多少、今後注意して見ていかなくてはいけないのではないかなというふうに思います。

 あと、確認なんですけれども、償還が四十五年までということになっておりますが、実際、二十六年度、増税した後のその増税分から充てていくということなんですが、そのスキーム、年間、どういう形で償還していくのか、この額も含めて教えていただきたいと思います。

五十嵐副大臣 先ほども別の委員の御質問にお答えをしたところでございますけれども、今委員おっしゃったとおり、二十六年度から四十五年度までかけて、消費税引き上げ分の中から財源を確保していくということになっております。

 五%の引き上げによって確保される増収分は十三・五兆円でございますが、このうち、社会保障の安定化に向けられる十・八兆円程度の中には、年金交付国債の償還費用として見込んでいた〇・三兆円程度が含まれております。この部分を用いることによりまして、計算上も消費税収の枠内におさまるというふうに考えております。

大谷(啓)委員 何年物を発行するのかということもこれから多分決めていくことになると思うので、一概に言えないと思うんですけれども、この〇・三兆円分は償還用として毎年毎年プールして返還していくというようなイメージでよろしいんですか。

五十嵐副大臣 消費税の計算の中にそれは入っているということでございます。

大谷(啓)委員 ありがとうございます。

 そもそも、この消費税増税分の安定化十・八兆のうち、年間二・六兆プラス〇・三兆の二・九兆円がいわゆる年金の国庫負担二分の一に引き上げた分として充てられるという理解でよろしいんですね。

五十嵐副大臣 そのとおりでございます。

大谷(啓)委員 ありがとうございます。

 あと、やはり一番懸念されているのが、先ほど山口委員の方からの質問もありましたが、現時点でまだ参議院で成立はしていない。さらに、この消費税増税法案の中には、経済状況を鑑みて時の政権が最終的なジャッジができる、すなわち、例えばリーマン・ショックがあった場合というようなことをいつも安住大臣おっしゃっておりますが、そういう経済の不安要素が発生したときには増税をとめることができるということになっております。そういう意味では、仮に法案が成立したとしても、実際、二十六年四月から上げられるのかどうかというのは不透明なわけですね。

 仮に、今回この特例公債法が通って、年金特例公債を発行しました、その後、実は二十六年四月から上げられないというような状況になったときに、この償還についてはどういう対応になるのか。現時点で財務省で想定しているのかどうかも含めて、お答えいただきたいと思います。

五十嵐副大臣 私どもは、とにかく、将来の社会保障制度の安定を考えると、消費税率の引き上げによって財源を安定的に確保することが重要だと考えておりますけれども、政府としては、日本再生戦略の着実な実行、デフレ脱却や経済活性化に向けた取り組みを全力で進めて財政健全化と経済成長の両立を図っていくという方針でございます。

 仮に経済状況の激変などがあった場合、これは消費税率引き上げ等の停止を含めた措置を講じるということもあり得るわけでありますけれども、社会保障の充実と安定化について、どのようにその場合対応していくかについては、その時点で検討をさせていただかなければならないと思っております。

大谷(啓)委員 それはちょっと、余りに無責任なんじゃないかな。法律の中にそういうふうに書いているわけですから、やはり、そういう意味では、消費増税が、万一、二十六年四月にできなかった場合にどういう対応になるのかということも含めてせめて決定しておかないと、とてもこの法案について賛成できないんじゃないですか。

 あるいは、もう一つ言わせていただくと、この法律を通すことによって、例えばリーマン・ショックのような経済の激変が起こったときに、いやいや、しかしこの特例公債で返さぬといかぬ分があるから、経済のことを考えたら消費増税は今とめるべきだけれども、やはりこれがあるから増税せざるを得ないなと。これによって、逆にまた経済の足かせになってしまう、こういう可能性というのは生まれるんじゃないですか。その辺について、見解をお願いいたします。

五十嵐副大臣 経済は生き物ですから、ありとあらゆるケースを想定するというわけにはいきません。私どもはいろいろなケースを想定しておりますけれども、口に出せばまたそれで大きな問題に発展するということもございますので、それは慎重に、保守的に考えていかなければいけないし、また、私どもは、あくまでも目標は、デフレの脱却、そして新しい成長戦略を着実に実行し、また歳出歳入両面の見直しを通じて財政の健全化を図っていくということでございます。

 その中の柱として、やはり国民に御負担増をお願いしなければいけないということで、今お願いをしている最中でございますので、ぜひそこは、今政府が方針としていることに御理解をいただいて、お認めを早く、法律を含めて、いただきたいということでございます。

大谷(啓)委員 幾らお願いされても、私はもうさんざん議論に参加していて、なかなか首を縦に振れないなというふうに思っていますし、やはり国民も、世論調査を見ておりますと、まだ五割から六割の人が今決めることには反対であるということから鑑みると、またさらにこういうような内容が法律の中に含まれてくると、とても国民の理解を得られないんじゃないかな。

 確かに、この特例公債を通さないと、国民の生活、現時点での日本経済に大きな影響が及ぶ、私はそれは理解しているんですが、それを盾にしてこれを無理やりこの法律に修正案として入れ込むというのは、ちょっといまいちかなというふうに私自身は思うんですが、もう一回、安住大臣お願いいたします。

安住国務大臣 ありがとうございます。

 一つ考えないといけないのは、確かに、大谷さんが言うように、市中に国債を発行するというのはやはりリスクの伴うものなんですね。そこで、私どもとしては、これは賛否が分かれるかもしれませんが、償還財源をあらかじめ決めて、市中発行ではあるけれども、つなぎ国債にしたんですね。だから、そういう点では、財源をやはりきちっと担保しておかないとその不安を払拭できないということで、今回こういうスキームに新たにしました。

 ただ、大谷さんが御主張のように、消費税にもともと反対だとなると、ここに対する穴埋めの財源というのはやはり新たに議論しないといけないと思うんですよ。

 ただ、景気の動向によって慎重なのと、このスキームで二分の一を守って、今の年金制度を仮に将来改革したとしても、今守らないといけないですよね。そのための財源としてやはり消費税というものを担保していかないと、率直に言って、なかなか工面できないことももうわかっていただいていると思うので、結論から言うと、やはり、消費税を上げたときに、景気も、また国民の生活にもできるだけ影響を与えないようにランディングをさせて、このスキームをうまく生かせることが国家にとっては私は一番いいというふうに思ってこれからやらせていただきますので、ぜひ御賛同いただければと思っております。

大谷(啓)委員 もう時間が来ましたので終わらせていただきますが、将来、まだ確定できない消費増税を担保にまたじゃぶじゃぶやるというのは、財政健全、財政健全と叫んでいる割には、ちょっといかがなものかなというふうに私自身は思っております。また我々もいろいろと内部でも議論していきたいと思います。

 以上で質問を終わります。

海江田委員長 次に、斉藤鉄夫君。

斉藤(鉄)委員 公明党の斉藤鉄夫です。

 特例公債法について質問をさせていただきます。

 この特例公債法、先ほど来議論がありますように、大変国民生活に直結した重要な法案、ある意味では賛成をしたいんですけれども、なかなか賛成できない。

 その理由を聞かれますと、まず、予算案そのものに反対した、したがって、それを収入面から裏づける特例公債法に賛成するわけにはいかない、これがよく言われる理由で、まさにそのとおりなんですが、その上に、今回の特例公債、自公政権時から比べても非常にその額がふえております。そのふえ方、我々は水膨れと言っておりますけれども、この水膨れ体質の原因が、議論を通じてもいま一つわかってこない。ここが明確になれば、いろいろ我々も考えるところはあるかもしれません。

 実は、この水膨れ体質について、今お手元に図を配らせていただきましたが、この図について安住大臣と議論するのは、きょうで既に三度目でございます。最初は、予算案の審議が始まったその予算委員会で。二回目は、この特例公債法の審議をした三月の審議で。きょうが三回目でございますが、今までの二回の審議を通じて、私、いまだにすとんとこない。なぜ特例公債法に我々が賛成できないか、一番大きな原因は実はここでございます。

 きょうは、そういう意味で、時間が限られておりますが、三回目の議論をして、ぜひすとんと落とさせてください。安住大臣にぜひお願いをするわけでございます。

 配らせていただいた資料をちょっと説明させていただきます。

 私も電卓をたたきながらつくった資料でございますが、二〇〇一年から二〇一二年まで、決算ベースの歳出総額でございます。したがいまして、補正予算が入っております。

 自公政権時代と民主党政権を比べたわけですが、ちょっと恣意的と言われるかもしれませんけれども、二〇〇九年のリーマン・ショックのときの大型経済対策、これは除いております。これははっきり申し上げる。しかしながら、その分、民主党政権では、いわゆる震災対策で大型の補正予算等を組まれました。それは除いております。ある意味では、非常に特殊な事情による大きな出費は除いて、実力ベースで比較しようということでございます。これはぜひ御理解をいただきたい。

 二〇一二年の中には、先ほどの交付国債の二・五兆円、これはほかの年度には当然入っている額でございますので、この二・五兆円は入っている。こういう前提でございます。

 この二〇〇一年から二〇〇八年まで、及び二〇一〇年から二〇一二年まで、いろいろな平均をとりました。

 まず、歳出総額におきましては、この図にありますように、自公政権時代は八十三・六兆円になります。民主党政権になりましてから、これが九十四・三兆円。平均で十・七兆円ふえるわけでございます。

 そのほか、右側に示しました、国債発行ですけれども、これは特例公債だけではなくて建設国債も入っておりますけれども、自公政権時代の平均が三十一・六兆、民主党政権時代、四十四・三兆、十二・八兆円ふえています。税収は、国税ですけれども、自公政権時代の平均が四十六・八兆、民主党政権になりましてから、がくっと、リーマン・ショックの後の景気降下で四十一・九兆、約五兆円減っております。それから、いわゆる国債費、借金返済ですけれども、自公政権下では十八・三兆円、民主党政権になって二十一・三兆円、三兆円ふえております。

 ここで、いろいろな数字を足し算、引き算しておりましたら、おもしろいことがわかったんです。

 歳出がふえている中で、国債費が増加している分、これは当然差し引いて考えなきゃいけないだろう。これを計算しますと七・七兆円でございます。これは、いわゆる支出の面から見た、ふえたものでございます。

 それから、収入の面で見ますと、国債発行が十二・八兆円ふえておりますが、しかし、税収が四・九兆円減っております。この四・九を差し引いてあげる。そうしますと、七・九兆円ということになります。これは、収入の面から見た、ある意味で水膨れ分というふうに考えられると思います。

 つまり、収入の面から見ても約八兆円、支出の面から見ても約八兆円ふえている。増加原因を差し引いてもふえている。このふえたのが一体どこに起因するのかという議論、この議論を財務大臣とこれまで二回にわたってしてきたわけです。

 後でまた、いわゆるマニフェスト、新しい事業を始められて、そこに新たにお金がかかっております。当然それも公平に考える上で考慮に入れなきゃいけないと思いますが、その議論をする前に、まず、この八兆円、明らかに予算が水膨れしている、我々はこのように申し上げておりますが、財務大臣のお考えはいかがでしょうか。

安住国務大臣 総理、また副総理も先生と質疑しておりますけれども、ちょっと私の方で、きょう三回目なので、項目を挙げて、ふえた部分を少し申し上げたいと思います。

 まず、国債のことも何も含めてちょっと計算をすると、私どもの考えを申し上げますと、国債費で、十三年から二十年と、二十二年から二十四年ですよね、計算の比較でいうと。これは、国債費は三・五プラスになっています。先生はこれを引いて大体八兆円だということですが、まず、これは入れさせていただく。

 社会保障関係費の自然増が四・一兆です、ふえたのが。年金差額分が一・六兆。それから、新たな政策として盛り込んだのが子ども手当、児童手当、これが一・八プラスです。

 それから、地方交付税、これは地方が非常に財政が厳しい、リーマン・ショック後の補填として約〇・九兆円ふえています。中小企業対策も、実はタイの洪水等の積み増しがあって二千億、〇・二兆ふえています。さらに、道路特定財源の揮発油税収の四分の一相当額を旧道路整備特会直入から一般会計受け入れに変更したので、これが七千億ふえました。エネルギー特会の繰り入れも二千億。それから、地域活性化予備費は、実はリーマン・ショック以降、〇・六兆円予算には積んでおりますので、これがふえております。これに、実はマイナスがもう一つあって、公共事業が三・四マイナスであります。

 今私が言ったものを全部プラスして公共事業の三・四を引くと、実額の差が九・八兆円ほどになるわけであります。ですから、細かなところでいろいろあるかもしれませんが、それがこの丈の違いにあらわれているのではないかと思います。

 そういう点では、見解の違いもあるかもしれませんが、社会保障関係費等のことを除けば、確かにふえているところはありますが、地方交付税、中小企業対策費、経済危機対策等は、リーマン・ショックを受けた後のいわば緊急的経済対策としてやらざるを得なかったと思っております。

 それと、新しい施策としては、やはり子ども手当、児童手当が、アベレージとして、大体平均一・八兆というところにつながって、トータルとしてこの丈になっています。

 ですから、水膨れという御指摘があるかもしれませんが、やはりリーマン・ショック後の対応というのは非常に厳しいものがあって、地方公共団体やそれから中小企業対策等にどうしてもかかったのと、社会保障の点でいえば、やはり児童手当であったということは言えるのではないかと思っております。

斉藤(鉄)委員 今いろいろ計算をして、公共事業が三・四兆減っている、それを考慮しても九・八兆という形で説明ができると。私が八兆の水膨れであるということに対して、九・八兆ふえて当然なんだ、だから水膨れじゃないんだ、こういう御答弁かと思います。

 では、一つ一つチェックしていきたいと思います。

 まず、児童手当ですけれども、新たに事業を起こされて、新たな政策を提案されて、そのために新しくお金がかかった、これは十分説明のつくお金でございます。

 児童手当は、我々の頭では、大体、自公政権時代は一兆。今回、非常に拡充されて二・一兆。一・一兆円ふえている。しかし、年少扶養控除等を廃止して、それを財源に充てていますから、安定財源として充てたものは差し引く。

 そうすると、そういう形で安定財源がしっかりと充てられたものを差し引いた予算増加、つまり、結局、お金に色はついておりませんから何とも言いがたいというのはよくわかるんですが、結果として借金から持ってきているというものは、例えば児童手当のさっきの一兆円と二・一兆円の差額一・一兆円のうちどれぐらいあるのか。それから、農家の戸別所得補償についてはその金額がどれぐらいあるのか。高校無償化についてはどうか。それから、高速道路無料化についてはどうか。教えていただきたいと思います。

安住国務大臣 これは平均の、アベレージで言うのはちょっと難しいんですが、二十四年度の当初で申し上げます。かなり著しく増減をしているわけではないので、これで大体合うのではないかと思います。

 子どものための手当は一・三兆。これは一・七、二・二、一・三となっています。それから、戸別所得補償は、これは平均で〇・六兆、三カ年一緒でございます。高校の実質無償化も、〇・四で全部一緒でございます。それから暫定税率、これは、ことしだけ〇・三で、〇・二で大体一緒でございます。高速道路の原則無料化については約一千億でございまして、ことしはこれをやめました。年金記録問題についても約一千億で、毎年一緒でございます。

 ですから、都合、大体、二十二年度当初で三・一兆、二十三年度当初で三・三兆、二十四年度当初で二・七兆がいわばマニフェスト実施のための施策に用いられたお金ということになっております。

 なお、このお金については、無駄の削減等で捻出をさせていただいておりますので、私どもとしては、新たな財源を、例えばこれを国債に依存してということではありませんでした。

斉藤(鉄)委員 そうすると、大体、平均すると三・一、二。三兆円ぐらいですね。これぐらいマニフェストを実行するために新たにお金がかかった。

 そのうち、例えば年少扶養控除とかの廃止でありますとか、いわゆる安定財源が充てられたものというのはどれぐらいでしょうか、簡単に。それから、いわゆる無駄の削減では我々〇・七兆というふうに理解しておりますが、それで三兆はとても説明がつかないと思いますが、簡潔にそれをお願いします。

安住国務大臣 税制改正でどれだけ捻出したかということに含まれております。それでいうと、二十二年度が一・一兆、二十三年度も一・一兆、二十四年度も含めて全て一・一兆でございます。

 なお、歳出削減で捻出したのは幾らかということに関して言うと、二十二年度が二・三兆、二十三年度が二・六兆、二十四年度が二・九兆でございます。

 税外収入に関しては、これはワンショットではございましたが、二十二年度で十・六兆、二十三年度で七・二兆、それから、二十四年度は税外収入は三・七兆円でございました。

斉藤(鉄)委員 マニフェストについてはちゃんと財源を確保したという説明でございます。これについてもちょっと反論はありますが、では、そこは認めるといたしましょう。

 それにしても、社会保障で四・四兆円ふえている。これに先ほどの公共事業が減った三・四兆を足し合わせますと、やはり七・八兆円のところが説明不足になるんです。

 社会保障で四・四兆円ふえたのは、毎年一兆円ずつふえるから、当然、自公政権時代と民主党政権時代、平均をとった平均年数が大体四、五年になりますから、その毎年一兆円の分が積み上がって四・四兆円になったんだということも、この間の予算委員会で答弁をされました。

 しかし、この図を見てください。自公政権時代、毎年一兆円ずつ社会保障費はふえていたんです。しかし、それを、ほかの経費を削って、ちょっと削り過ぎたという批判があります、その削り過ぎが政権交代の一番大きなパンチになったんだという説もありますけれども、しかし、我々は、この七、八年、国債発行額をふやさず、したがって予算もふやさず、この社会保障費の増大をいわゆる無駄を削るところで吸収してきたということをこの図はあらわしている。

 ところが……(発言する者あり)社会保障も減らした。二千二百億円ずつ減らしました。それが減らし過ぎだったという反省も、実は我々、なきにしもあらずなんですが、それにしても、しっかりここでこういう無駄を削減する努力をしてきた。

 しかし、民主党政権になってその縛りがなくなって、そのバンドが一遍に緩んで、その分、先ほど申し上げた八兆円分、四・四プラス三・四、ここでも説明がつきます、八兆円水膨れになってしまった。この水膨れ分は、今私も一生懸命研究しておりますが、各省庁の少しずつの水膨れが積もり積もってこうなっているとしか説明がつかない、こういう気がしております。

 そういう意味では、私は、先ほどの、この四・四兆円の社会保障費の増ということをそのまま、今回これがふえた最大の原因であるとおっしゃった財務大臣の認識は間違っている、このように思いますけれども、いかがでしょうか。

安住国務大臣 私は数字の事実を申し上げているだけです。ただ、確かに自然増だけではありません。診療報酬等の引き上げをやったことも事実でございますから、そうしたことが積み重なっている。

 ただし、ここは意見の分かれるところかもしれませんが、やはり地域医療や小児科、外科等の医師不足は極めて深刻でございました。そうしたことに手当てをするということは、政権交代の後、診療報酬等にそうした施策を盛り込んだために、これは金額的にもふえたのかもしれません。ですから、そこは考え方の違いがあるかもしれません。

 なお、今後のことも含めて申し上げますと、やはり重点化等は必要だと思っております。ですから、この社会保障と税一体改革の中でも随分御議論のあります、例えば生活保護の方々への薬価の問題をどうするかとか、そうしたことについては、ぜひ、今後、我々としても、国民の皆さんから見て無駄と思われるようなものについてはやはり削減をしていかなければならないと思いますので、三党での協議を深めていって、予算の中でそうしたものがあれば削っていくということは十分考えていきたいと思っております。

斉藤(鉄)委員 時間が来ましたので終わりますが、そういう水膨れ体質が残った予算、その借金という意味でのこの特例公債法、今のままでは賛成できないということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。

海江田委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 午前中の質疑と関連するわけですけれども、消費税の増税分が何に使われるかというのがいろいろ議論されているわけであります。

 政府の説明ですと、二〇一五年、国、地方を合わせた社会保障四経費、これは増税前ですと三十四・八兆円でありますが、消費税が仮に増税となりますと十三・五兆円プラスになるわけですね。全額社会保障に回すとなりますと、これは足しますから、そうすると四十八・三兆円になるわけですね、こういう質問をさせていただいたことがございます。五月二十二日です。

 そのときには、いや、そうではなくて四十一・三兆円です、こういう答えだったわけです。つまり、七兆円が、それまで社会保障に使われていた分、この分が消費税と置きかわって、結局、一般会計にゆとりとなって入るわけです。

 その七兆円が、結局、大型公共事業ですとか米軍への思いやり予算、赤字の解消、こういうところに回るのではないのか、こういう指摘をさせていただいたわけでありますが、岡田副総理は、それはそのときの政権の判断です、こういうふうに答えました。これは事実ですね。

安住国務大臣 引き上げをするかどうかは、そのときの政権が命運をかけて引き上げをするということですけれども、七兆円の後代への負担のツケ回しの軽減については、これは社会保障のお金ということで回りますので、そのほかのお金に使うということはございません。

佐々木(憲)委員 ですから、七兆円分が社会保障に入ったとして、今まで社会保障に使われていた七兆円が浮いてくるわけです。その分がほかに回る、六・五兆円分は社会保障に入る、だから合計して四十一・三兆円です、これが小宮山大臣の答弁でありました。こういうことだと思うんですが。

安住国務大臣 四十一・三兆は、そのとおりでございます。

 私がちょっと今気になったのは、この七兆円分で、浮くから、それをほかのものに使うんじゃないかということに関しては、違いますと申し上げております。

佐々木(憲)委員 では、その浮いた分はどこに回るんですか。

安住国務大臣 浮いていない。ですから、二十四兆円の部分の中で、七兆円がとりあえずここで穴埋めといいますか、できますから、それでも十七兆円前後の足らず前になっているということです。

佐々木(憲)委員 結局、これは赤字国債を発行してやっていた分が置きかわる、そういうのが財務省側の説明ですね。その分について今いろいろな議論があって、いや、これは公共事業をやって景気回復した方がいいじゃないかとか、そういう議論になっているわけです。

 仕掛けとして、したがって、十三・五兆円のうちの七兆円分というのが、財務省の考えでは、赤字国債で賄っていた分をそこで置きかえて、その七兆円、赤字国債を発行しなくていいと。しかし、そうではなく、発行したままで、あるいは多少発行して大型公共事業もやれるじゃないか、こういう議論に今なってきている、こういうことであります。

 そこで、先ほど戦車の議論をしたわけですけれども、私は、その分が一般会計のゆとりとなってあらわれるわけで、したがって、お金に色がついていませんので、結果としてさまざまな一般会計の経費に使われていく、その中に軍事予算は当然入る、そういう形になるではないかというお話をさせていただいた。

 確かに、議事録を見ますと、私は、軍事予算に使われる、大型公共事業にも使われるじゃないか、こういうふうに言ったわけですね。そうしましたら、安住さんは突然、戦車なんか買いません、私が言っているんですから間違いありませんと、こんな話を唐突にされたわけなんです。私は、七兆円分がところてん式に、赤字の穴埋めだとか戦車だとかというふうに、大臣が戦車と言ったものだから、つられて言ってしまった、そういう議論でありました。

 したがって、消費税増税分というのは、結局、今大臣言われたように、七兆円分というものが一体何に使われるかということが大きな議論にその後なった。

 そして、実は衆議院の修正のときに、最後に、附則十八条の二項の中にこの部分が新たに入ったわけですね。つまり、「税制の抜本的な改革の実施等により、財政による機動的対応が可能となる中で、」と。これは自民党の主張で入ったそうなんですけれども、「我が国経済の需要と供給の状況、消費税率の引上げによる経済への影響等を踏まえ、成長戦略」「事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分する」「我が国経済の成長等に向けた施策を検討する。」これが入ったわけなんです。

 つまり、消費税の増税後は財政的に機動的な対応が可能になる、その機動的な対応の一つとして、成長戦略や減災等、「等」というのが入っているわけですけれども、そこに資する分野に配分することができる、こういう仕掛けだと思うんですが、どうでしょうか。

安住国務大臣 今の先生のお話の続きで申し上げれば、附則十八条二項の中で、今おっしゃっているように、「財政による機動的対応が可能となる中で、」とされているわけです。私が申し上げているのは、財政規律を堅持しつつ、その中で財政の機動性を可能にする必要がありますねということなんです。これが可能にならないと財源がなかなか出てこないと思うんです。

 ですから、これから成長戦略やさまざまな資金等を使って、経済的な成長を確実にして、税収を上げることによって、二〇一五年、二〇年のプライマリーバランス目標というものがありますから、それをもし上回れなければ機動的な対応というのはなかなか難しいのではないか、それを可能にするために努力をするというふうに私は解釈をしたわけです。

佐々木(憲)委員 この二項は、公共事業を可能にするという、今まで書いていなかったことが入ってしまった、そういう重大な条項だと私は思っております。

 その上で、もう一つは、国民の側からいいますと、消費税増税で十三・五兆円。それ以外に、年金の給付が段階的に減っていくわけです。これは直らないんですね。それから、年金の保険料の引き上げというのも予定されている。子ども手当は減りました。そうすると、全体として、年金、医療、介護、子供関係、これで負担がどれだけふえるか。二〇一五年までの間に、我々の計算ですと、十三・五プラス六・五で二十兆ぐらいの負担増になるんですよ。

 そうすると、家計消費に非常に大きな衝撃が加わって、全体として消費が冷え込んで、成長が非常にマイナスになる。駆け込み需要が一時あっても、それがどんと落ちてなかなかもとに戻らないという状況になるのではないか。そうしますと、第一項に書かれている二%、三%という実質、名目の成長率というのはなかなか達成が難しいということになるのではないか。したがって、増税だけが、あるいは負担増だけが国民にとってどんと乗っかってきて、経済成長というよりも、むしろマイナス成長という事態になりかねない。

 そういうことからいうと、この十八条の第一項に書かれている目標自体もなかなかこれは達成できない、そういう状況になり得るのではないかと思いますが、大臣、いかがですか。

安住国務大臣 懸念としてはわかります、御主張は。

 しかし、一方で、消費税収は、全てお預かりしたものは、おばあちゃんの年金に行ったり、お父さんの薬代に行ったり、保育所建設に行きますから、そういう点では、特別にこちらが消費を一方的に冷え込ませるんじゃなくて、このお金というのはそういうことでまた国民の皆さんに循環するものだということは私はあると思うんです。同時に、非ケインズ効果もありますから、そういう点では、将来への不安を払拭していくためにはある程度の御負担というのはお願いしなければならない。

 ただ、一方で、先生御指摘のように、特にそういう懸念というのは、低所得者の方々に対して、比率、しわ寄せが行くということがあるので、そこに対しては、私どもとして責任を持って、三党で逆進性の対策というものをしっかりやっていくということも話をしております。

 ですから、あの三項は、やはりあの三項をしっかり見た上で、時の政権が、引き上げ時期というのは、基本的には、民間の契約期間等がありますから、私は半年前に一つ来ると思います。引き上げの半年前が一つの大きな山。その後、しかし、リーマン・ショックや大震災みたいなことがあれば、もう一つあります。

 こうしたことで、景気動向を十分勘案しながら、その政権が命運をかけて決断をしていただければということで、いろいろな意味で細心の注意を払った法律のたてつけになっていることを御理解いただきたいと思います。

佐々木(憲)委員 何か今の話ですと、年金もよくなる、医療もよくなると。そうではないですね。政府の計画を見ると、負担がふえる計画しかないですよ。軽くなる計画を出してください。出していないでしょう。

 したがって、これは、大負担だけが残って、結局景気が悪くなって、財政も、税収が落ち込んで、結局赤字がふえてしまう、そういう事態になりかねない。大変危険な選択をしているというふうに私は思うんです。

 それからもう一点は、その実施のタイミングの話をされました。この二項には「その施行の停止を含め所要の措置を講ずる。」と書いていますが、「経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認し、前項の措置を踏まえつつ、経済状況等を総合的に勘案した上で、」こうなっているんですよ。何を言っているかわからない。要するに、確認したり勘案するというだけで、何か歯どめになっているわけでもない。

 したがって、どうも、景気条項ということなんだけれども、二、三%は、先ほど大臣が答弁のように目標であって、何か条件をそれで縛るものじゃない。それから、経済状況の好転という点についても、確認と勘案しかないんですね。だから、いつでも上げられるということなんですよ。

 そうすると、今のような経済状況、景気状況が続くと、それでも上げるんだ、決めたんだから上げるんだという話になって、日本経済は大変な事態になる。このまま民主党政権に任せていたら我々の暮らしも経済も大変な大破綻、こういうことにならないように、我々は闘いたいと思います。

 以上で終わります。

    ―――――――――――――

海江田委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 本案審査のため、来る三日金曜日午前十時、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

海江田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、来る三日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時五分散会


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