衆議院

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第2号 平成24年11月7日(水曜日)

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平成二十四年十一月七日(水曜日)

    午後一時三十分開議

 出席委員

   委員長 五十嵐文彦君

   理事 泉  健太君 理事 緒方林太郎君

   理事 中林美恵子君 理事 古本伸一郎君

   理事 竹本 直一君 理事 山口 俊一君

   理事 豊田潤多郎君 理事 竹内  譲君

      網屋 信介君    池田 元久君

      石山 敬貴君    江端 貴子君

      小野塚勝俊君    岡田 康裕君

      柿沼 正明君    川口  浩君

      川越 孝洋君    桑原  功君

      小室 寿明君    小山 展弘君

      近藤 和也君    斉木 武志君

      竹田 光明君    武正 公一君

      道休誠一郎君    富岡 芳忠君

      皆吉 稲生君    宮崎 岳志君

      柚木 道義君    竹下  亘君

      橘 慶一郎君    西村 康稔君

      野田  毅君    三ッ矢憲生君

      村田 吉隆君    山本 幸三君

      大谷  啓君    菅川  洋君

      玉城デニー君    斉藤 鉄夫君

      佐々木憲昭君    木内 孝胤君

    …………………………………

   財務大臣         城島 光力君

   国務大臣

   (金融担当)       中塚 一宏君

   内閣府副大臣       藤本 祐司君

   内閣府副大臣       前川 清成君

   財務副大臣        武正 公一君

   内閣府大臣政務官     加賀谷 健君

   財務大臣政務官      網屋 信介君

   財務大臣政務官      柚木 道義君

   政府参考人

   (金融庁検査局長)    桑原 茂裕君

   政府参考人

   (金融庁監督局長)    細溝 清史君

   参考人

   (日本銀行総裁)     白川 方明君

   財務金融委員会専門員   北村 治則君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月七日

 辞任         補欠選任

  石山 敬貴君     川越 孝洋君

  斉木 武志君     竹田 光明君

  宮崎 岳志君     桑原  功君

  柚木 道義君     皆吉 稲生君

  丹羽 秀樹君     橘 慶一郎君

同日

 辞任         補欠選任

  川越 孝洋君     石山 敬貴君

  桑原  功君     小室 寿明君

  竹田 光明君     斉木 武志君

  皆吉 稲生君     柚木 道義君

  橘 慶一郎君     丹羽 秀樹君

同日

 辞任         補欠選任

  小室 寿明君     宮崎 岳志君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 財政及び金融に関する件


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     ――――◇―――――

五十嵐委員長 これより会議を開きます。

 財政及び金融に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁白川方明君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として金融庁検査局長桑原茂裕君、監督局長細溝清史君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

五十嵐委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

五十嵐委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。斉木武志君。

斉木委員 民主党の斉木武志でございます。

 まず、質問の機会をいただきましたことを、理事の皆様、そして委員の皆様に感謝いたしたいというふうに思います。

 私は、この財金委員会は、ねじれ国会のもとで国を動かしていくルールづくり、選挙の結果によって国民生活が左右されないような体制、制度というものをどうやってつくっていくのかということが求められている、まさにこの臨時国会の非常に重要な委員会であるというふうに考えております。

 今、日本は、予算の四割が赤字国債で回っております。そういった現状を考えると、まずは喫緊の課題として、この国会に提出をされております特例公債法案、赤字国債の発行を可能にする法案、やはりこれをしっかりと、修正なども加えながら通していくということが非常に重要だろう、こういうふうに考えております。

 ただ、一方で、きょうは少し、その法案の付託前ですので、長期的な与野党間でのルールづくりについて、皆様にちょっとお知恵を拝借したいなというふうに考えております。

 どうやって、選挙の結果によらず、ねじれ国会の中でも予算の財源を成立させていくか。私は、やはりここは財政法の四条というものをもう一度考え直す必要があるんではないかというふうに考えております。

 皆様にお配りした資料をちょっとごらんいただきたいんですけれども、これが現在の我が国の財政法でございます。特例公債法案がなぜ今国会で必要になっているかも、この四条で規定されております。

 この四条で、「国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。」というふうになっております。まさにこれが、非募債主義、国の歳出はリアルマネー、税収をもってやりなさい、その例外は建設国債だけですよということで、財政のたがをはめている条項でございます。この四条の例外であるからこそ、一般財源に使う赤字国債に関しては特例公債を毎年通しているというのが、我が国の戦後の歴史でございます。

 ただ、私は、特例公債というのを予算とは別に国会の議決を要しているのは我が国だけであろうというふうに考えております。

 この裏面の資料をまたごらんいただきたいんですけれども、やはり日本と同じような経済大国で、先進諸国がどのように財源に関して国会の審議を要求しているかということの比較でございます。

 まず、アメリカにおける予算と歳入権限の関係なんですけれども、歳出に関しては歳出予算法成立が毎年度必要である、ただ、義務的経費については個別の支出根拠法により措置されている、そして、歳入の不足分を補う公債発行に関しては政府が裁量に基づいて行うことができるというふうにされております。ただ、それですと無制限に赤字国債の発行ができてしまいますので、その累積の債務額の上限をキャップする形で法定をしているということで、財政規律を要求しているのがアメリカのやり方でございます。

 一方で、イギリスなんですけれども、イギリスの場合には、赤字国債は政府が裁量で発行することができます。歳出と歳入は別々の議案として取り扱っておるんですけれども、歳入の不足額、要するに税収で足りない部分に関しては、公債の発行及びその額については政府が裁量で行うことができる、ただ、その財政規律としては、毎年度策定する債務管理報告書で定められた範囲内において公債発行を行うというふうに規定をしております。

 一方、三ページ目をごらんいただきたいんですが、フランスとドイツなんですけれども、これは、同じように予算法案として一括で審議をしております。要するに、我が国でいえば、前年度末の三月に国会でこの予算案、審議をして可決しておりますけれども、そのときに、この公債発行額に関しても可能額を規定しております。ドイツも同じでございます。

 こうした形で、予算が成立をすれば財源に関しては一体で成立をするというのが、我が国を除くG5、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスのやり方でございます。

 思い出していただきたいんですけれども、我が国も、ことしの三月、昨年度末に国会において予算総則が成立をしております。その中で、赤字国債の発行額に関しては三十八兆三千億ということで、数字をもって、そこで財政規律を一旦はめているわけです。ただ、財政法四条の規定があるがために、その財政法四条をクリアするための特例公債というもの、前提条件をもう一度通さなきゃいけないというのが、日本の国会の財政法、そしてこの赤字国債法案の関係でございます。

 この四カ国を見ると、いずれも国債の格付、日本は今ダブルAマイナスであるとか、ダブルAでございます。一方で、アメリカ、イギリス、特にフランスやドイツなどは財政規律が非常に守られていて、公債発行残高が非常に低い国でございます。国債の格付はいずれもやはり最上ランク、トリプルAであったりという国々でございます。国債の格付を見ても、わざわざ特例公債法案、赤字国債をお願いしますということを毎年毎年国会にお願いをしなくても、予算でキャップをしているので国債の格付は守られている。ですので、私は、赤字国債法案、この国会では通さないといけないというふうに考えております。

 ただ、将来的に言えば、ほかの経済大国はこういうふうにして財政規律を両立させております。そして、ねじれ国会になっても、いずれも二院制の国です、上院と下院がねじれていても成立をするという制度をとっております。ですので、やはり私は、日本においても、我が国においても上院下院、参議院と衆議院、これがねじれている状況というのは今後も続くというふうに考えております、こういった中で国民生活を揺るがせないためには、今まさにこういった、一体成立を図るような、予算の数値ではめていって赤字国債、特例公債を要求しないという、財政法の改正というものも視野に入れていくべきではないかというふうに考えております。私見でございますが、これに対してお考えを伺えればというふうに思います。

武正副大臣 斉木委員にお答えをいたします。

 今、財政法四条、御紹介ございました。これはやはり財政の規律を保つということでの規定というふうに理解しておりますし、極めて重要な条文であるというふうに認識しております。

 今の御提案については、財政法での予算と法律ということでの分離について、これを一体化したような形でできないかというような御提案だというふうに理解をしておりますが、やはりこれについては、これまでも特例公債法案の審議などで政府が示してまいりましたように、財政規律を守るための緊張感をしっかりと財政運営に当たって保っていくためにもやはり必要である、特例公債法案ということで毎年毎年提出をするということがやはり必要であろうということをお答えしたいというふうに思っております。

 ただ、今国会、私ども政府として、やはりこの特例公債法案、何としても成立をお願いしてまいりたいということでございまして、ねじれ国会のもとでも安定的な財政運営を行っていくために、予算と特例法案を一体で処理するためのルールづくりが必要になってきているものと考えております。十月十九日の党首会談においても、野田総理から、特例公債法案において、財政健全化目標の達成に向けて取り組む期間において特例公債発行を認める案や、予算と一体となっている特例公債法案を成立させることについて与野党間の覚書を交わすことについて提案をされたのも、そうした問題意識を踏まえたものというふうに理解をしております。

 議員御提案の件でありますが、やはりこの四条一項の原則は極めて重要な財政規律であるというふうに思っておりまして、この重要性を踏まえて、財政規律を緩ませるものと受け取られないよう、やはり一定の歯どめが必要であるというふうに考えております。

斉木委員 私も、財政法四条をいじる、もしくは附則をつけるということは、財政規律に対する担保をつけないと、やはりマーケットの信認は得られないというふうに考えております。

 そのマーケットの信認なんですけれども、いかに赤字国債の発行を抑制していくか、これが一番重要であろうというふうに思っております。私は、やはりそれは数字ではないかというふうに考えております。

 先ほど言及しました予算総則においては、現行、「「平成二十四年度における公債の発行の特例に関する法律」(仮称)の規定により公債を発行することができる限度額は、三十八兆三千三百五十億円とする。」ということで、もうこれは決まっております。予算を通せば、数字としてキャップができるわけです。ですので、改めてこの前提条件、「「平成二十四年度における公債の発行の特例に関する法律」の」という、ここを通すために、財政法四条をクリアするためにまた論議をする。この部分に関しては一般法でございますので、衆議院の優越規定はございません。ですので、ここがやはり政局となって、国債の信認が揺らぐというふうなことになりかねないかと考えております。

 実際、今のこの特例公債法案、成立がおくれておりますけれども、これに対するマーケットの格付会社の反応も出てきております。

 例えばムーディーズの十一月一日の反応ですけれども、今、政争の真っただ中にあるけれども、これは安定的な日本国債市場にとって重大なリスク要因である、政治の停滞によって財務省が国債の入札を停止せざるを得なくなるというおそれは信用力にマイナスであるというふうにコメントしております。

 また、スタンダード・アンド・プアーズのソブリン格付ディレクターのコメントですけれども、十月二十五日付で、この法案成立がおくれ、成立後の国債の集中発行で金利が急上昇するなど財政維持への疑問が膨らめば、信用力への影響は大きくなるというふうにコメントしております。

 やはりいずれも、成立が遅延すれば格付にとってはマイナスですよと、マーケットがメッセージを既に発信し始めております。こうしたことを考えると、しっかりとこの特例公債法案というのをもう一度通す、手段をもう一回経るということ。

 それと、やはり私が考えるに、特例特例という形で毎年毎年特例を通していくというのは、逆に、財政規律、日本の当局の財政に対する甘さというか恣意性というものを惹起しないかというおそれを私は感じるんですけれども、このあたりはいかがでしょう。

武正副大臣 過日、財務大臣とともにプライマリーディーラー会議の方にも出席をさせていただきまして、公債の発行、市中消化に当たって担当していただいている二十六社の証券会社の皆様との意見交換も行いました。その折に、やはりこの特例公債法案が成立しない場合に、十二月以降の公債発行などが行われない場合の市中消化に与える影響、そういった危機感を共有したわけでございます。

 そういった意味でも、何としてもこの特例公債法案成立が必要であるということを改めて痛感いたしておりますが、今御指摘のそうした国債格付の懸念についても、欧州を見るまでもなく、こうした財政規律、財政再建と経済成長の両立ということを、過日、IMF総会でも求められた日本政府にあっては、やはり国債の信認というものをしっかりと得ていくためにも、この特例公債法案の成立というのを何としてもお願いしていきたいというふうに考えています。

斉木委員 また一つ、国債の格付、また財政規律が一番高く評価されているのは、私は、このG5の中ではドイツではないかというふうに思います。

 ドイツの例をちょっと御紹介したいんですけれども、ドイツは連邦基本法、これは憲法ですね、ドイツの憲法において非募債主義、要するに、歳出は基本的には税収をもって賄いなさいというふうに規定しております。ただ、例外として、GDP比で〇・三五%以下であれば、一般財源についても、これは建設国債についてもですが、公債が発行できるということを、これは憲法で規定しております。こうすれば、やはりその国の経済に対して借金、赤字国債はこれぐらいですよという形で規定をすることができます。

 日本の場合には、特例公債、予算総則ともにことしは三十八兆三千億です。ただ、これは恣意的に動かすことができます。例えば、四十五兆にすることもできるし三十兆に減らすこともできます。財政規律という観点から見れば、ドイツがGDPの枠内で公債はこれ以下ですよということを憲法で規定している、こちらの方が、私は、規律としては厳しいのではないかと。毎年書きかえることのできる特例公債法案よりも、こうした方が、マーケットに対しては、より強固な日本政府の財政規律への取り組みを発信できるのではないかと思うんです。

 こうした観点から、例えば財政法四条を生かしつつ、附則の部分で、GDP比で何%以下に抑えるから一般財源についても赤字国債を許容するような附則を入れたりとか、そういうことは考えられないでしょうか。これはもうブレーンストーミングとして伺えればと思います。

武正副大臣 先ほど来、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスということで、資料をもとに御提案をいただいておりますことは感謝を申し上げたいと思います。

 財政規律を堅持しながら経済成長を果たしていく、先ほど触れましたが、そのことについては委員も同じ思いだというふうに思います。そういった中での御提案と受けとめたいと思いますが、一方、この公債発行の根拠の設定方法といった手続上の取り組みのみならず、歳出歳入両面から財政健全化に取り組む姿勢を示していくことも重要と考えておりまして、御提案については、その趣旨について受けとめさせていただきたいと思います。

斉木委員 また、これも少しブレーンストーミングで伺えればと思うんですけれども。

 この日本の財政規律をいかに担保するかというくだりなんですが、今年度は予算の総則において三十八兆三千億ということを決めている。これを引き上げたいということであれば、補正予算を通して予算委員会で議決を経て国会で成立をさせなければ、赤字国債は引き上げることはできません。ですので、この三十八兆三千億という数字は、予算委員会の審議も経て、国会の議決も経て、国会の、要するに国民の抑制をかけた上で成立している数字でございます。それをいじるのであれば、また国会を通さなきゃいけないということで、予算を審議すれば十分にこの抑制、国民の予算に対する、赤字国債の発行残高に対する抑制というのはきくのではないかというふうに今の制度は担保されている、わざわざそれをまた特例公債ということで特出しする意味がどこにあるのか、私はそう感じるのですが、このあたりはどうでしょうか。

武正副大臣 財政法で、もちろんまず国会の議決主義というのが設けられているのとともに、やはり先ほどの四条で、税収をもって充てるということで、これには税外収入なども含まれてまいりますが、そういった意味での財政規律を守るということを、財政法として、しかもそれを、やはり国会の議決といったことをしっかりかませていくというのが法律の趣旨であります。その中の例外といった形での特例公債法案という扱いでありますので、やはり毎年毎年国会の議決でといったことが原則というふうに考えております。

斉木委員 どうもありがとうございます。

 やはりこの財政法は、制定されたのが昭和二十二年、戦後直後でございます。それ以来、特に改正ということはないですけれども、この四条がなぜ設けられたかという背景には、私は、やはり太平洋戦争、第二次世界大戦への反省があったというふうに考えております。戦中に大量の国債が乱発された。それによって天井知らずの累積残高に上ってしまった。こういう恣意的な発行を避けるために四条は建設国債のみに国債発行を認めているというふうに私は感じておりますが、このあたりはどうでしょうか。

武正副大臣 私の認識も、そういったことと同一というふうに思います。

斉木委員 ありがとうございます。

 ただ、今現状、どの国を見渡しても、この財政法に相当する法律で国債発行というものを限定している、縛っている国は、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスを見ても、ないわけです。これは特例公債という形ではなくて、予算と一体成立をさせたり、政府が債務管理報告書で定めた範囲内で裁量権でもって発行できるようにしている。

 こういった事例は参考にすべきではないか。要するに、海外、国際的な信用は、日本政府が無際限に国債を発行するようなことはない、日本は世界で最も財政規律を重んじる国であるということをしっかりと国際社会に発信できればマーケットの信認は保てる、それがやはりこの四カ国の非常に最高ランクの国債の格付につながっているのではないかというふうに私は考えております。

 財政規律を国際社会に信認させるためには、何もこの財政法四条にこだわることだけ、特例公債を毎年通すことだけが格付とか信認を守ることではないと私は思っております。それは、現状、日本の方がダブルAマイナスという低い格付にもあらわれているというふうに思いますけれども、このあたりはお考えはどうでしょうか。

武正副大臣 先ほど触れましたように、歳入に加えて歳出、これをやはり一体的に取り組んでいくといったことで財政規律が堅持されるというのがまず一つの考え方と、先ほどヨーロッパの例を挙げておられますが、EU加盟のときのマーストリヒト条約などの歯どめというものもやはりあって、それぞれの各国が財政規律堅持のために取り組んでいるといったこともあろうかと思います。

 G20からちょうど財務大臣もお帰りなので、そちらにお譲りをした方がいいと思いますが、やはり国際社会での、そうした財政規律を堅持する、そういった取り組みがされているといった中で、我が国では、こうした財政法という法律でそれを担保していくといった考えにのっとって特例公債というものをお出ししているということでございます。

斉木委員 ありがとうございます。

 城島財務大臣、本当にお疲れさまでございました。G20の成果についてもぜひお聞かせいただきたいんですけれども、今回のG20、出席をされてどのような成果があったかということ、そして、今副大臣にお伺いをしてきた財政法に関し、大臣はどのようなお考えをお持ちになっているか、またG5との比較の中でも教えていただければと思います。

城島国務大臣 御質問にお答えしたいと思います。

 けさ帰国したばかりでありますが、また、このG20に出席をできるように御配慮いただいた皆さん方にも感謝申し上げたいと思います。

 今回のG20の成果あるいは所感でございますけれども、今回のG20では、欧州の債務問題あるいはアメリカの財政問題、さらにはIMFのクオータ改革など、世界経済が直面する重要課題について有意義な意見交換ができたのではないかというふうに思っております。

 その中で、日本経済につきましては、現在経済対策を策定中であること、あるいは特例公債法の迅速な成立に向けて全力を挙げていること、そして社会保障・税一体改革の関連法が先般成立をしたことなどを私の方から紹介することで、経済成長と財政再建化の両立に向けた我が国の取り組みを十分説明できたのではないかというふうに思いますし、各国にも理解をいただいたのではないかと思っております。

 また、あわせて、私自身強く念頭に置いていましたのは為替の問題でありまして、この円高に対する我が国の強い懸念などをあわせてしっかりと説明した結果、G20といたしましては、為替レートの無秩序な動きは経済及び金融の安定に対して悪影響を与えるという認識を改めて再確認することができた、ここは大きな成果ではなかったかなと思っております。

 その間、あえてつけ加えますと、この会議の合間を利用いたしまして、約一カ月前にIMFと世銀の総会が東京でありまして、ほとんどG20出席の皆さんとはその段階で顔なじみになっていくこともありますが、あわせて、とりわけ今回はドイツのショイブレ大臣、それからシンガポールのターマン大臣とバイ会談を実施いたしまして、欧州債務問題あるいはIMFのクオータ見直しについてかなり率直な意見交換ができたこともつけ加えておきたいと思っております。

 それから、先ほどから御提案あります特例公債法案の取り扱いについてということでありまして、御提案の趣旨は非常によく理解できるところであります。

 この夏だったと思いますけれども、月刊文芸春秋にも、アカデメイアという皆さんの代表として佐々木毅先生等を含めて、国会全般の改革ということでありましたけれども、その中でも特例公債法案の扱いについても言及されていたと私も思っております。

 したがって、御提案の趣旨は私なりには理解を示すところでありますが、いずれにしても、現下の厳しい財政事情にあっては、いかなる政権であっても特例公債なしで今の財政を運営することはできません。

 こうした中で、過日、十月十九日の党首会談において、野田総理の方から、特例公債法案において、財政健全化目標の達成に向けて取り組む期間において特例公債発行を認める案、あるいは予算と一体となって特例公債法案を成立させることについて与野党間での覚書を交わすことといったことについて提案がされたと思います。

 こうした対応も含めて、いずれにしても、御提案のように、策定した財政運営がねじれ国会において可能となるようなルールを整備することは大変意義あることだというふうに考えております。

斉木委員 今大臣がおっしゃった総理の提案も非常に現実的な提案であるというふうに私も考えております。やはり喫緊の課題として私がるる申し上げてきたのは、将来的に、ねじれ国会のもとでこの特例公債、財源をめぐっていかに政局を避けていくのか、どの党が選挙で勝ったとしても成立をする、選挙の結果によって国民生活が揺らがない体制をどうつくっていくかという意識で将来的な提言というものをさせていただきました。

 直近を見れば、喫緊の課題としては、まずは特例公債法案を成立させていくこと。このためにはやはり、総理が提案されている、平成二十七年や三十二年までは特例公債発行をするという規定を修正して本則に加えていくであるとか、こういった歩み寄りというのはまた必要であろうというふうに思っております。

 また、私がるる申し上げてまいりました財政法改正ではなくて、予算と特例公債法案の一体成立を与野党間の覚書として交わしていくというようなこともまた一案であるというふうに思っております。

 特例公債の政局化を避けるという、ゴールは一緒ですけれども、それに至る道というのは幾つか手段として選べるというふうに思っております。

 私は、特例公債が、この秋の時期にともかくこうして政局に巻き込まれて成立がおくれる、左右されるということは、特例公債法案があること自体が、どちらかというと財政、日本の格付、信認にとってみればむしろマイナスに働く可能性が高い、財政規律をこれによって維持させるというよりも、日本の国債格付であるとか財政規律に対する不信認、もしくは政治の停滞に対する不信任、これを増長させる要因になりはしないかということを非常に危惧をしております。

 そういった意味においても、これは将来的な、ねじれのもとで、どう国民生活を揺るがせない体制づくりをしていくかということは重要だろうというふうに考えております。

 いずれにしても、この委員会というものは、まさに選挙の結果次第、この一年以内に総選挙もあるわけですけれども、その次第によって左右されない、国民生活を左右しないような体制づくりをどのようにやっていくのかということを、ぜひこの場にいらっしゃる委員の皆様全員で知恵を出し合っていく場にしていきたいし、国民はまさに今それをやってくれということを望んでいるということを委員の皆様に切に要望を申し上げまして、私の質問とさせていただきます。ありがとうございました。

五十嵐委員長 次に、山本幸三君。

山本(幸)委員 自由民主党の山本幸三でございます。久しぶりに質問させていただきます。

 城島財務大臣が誕生したんですけれども、私は、今もお話がありましたが、今の政府にとって一番大事なこの赤字国債法案を抱える財務大臣を何で交代させたんだというのが不思議でならない。だって、交代させなきゃこんな時間をとる必要はないんですよ、所信表明をやって。わざわざそういう無駄な時間をつくる。そして、またゼロから赤字国債法案の問題についてどうするかという議論をしなきゃいけない。本気で赤字国債法案を通そうと考えているんだったら、どうしてこんなばかなことをやるのか、不思議でしようがないんですね。

 一体、政府は自分たちの責任というのを何と考えているのか。赤字国債法案を通すのは政府の責任ですよ。我々は自公政権のときでもねじれ国会のときでも必死で努力したんだ。野党が言うことについて、何が条件ですかと聞いて、そして血のにじむような努力をして通してきたんですよ。それを今さら政局にするななんというような話をするようじゃ問題にならないですね。

 野田総理が何で城島さんのことを財務大臣にしたのか。よっぽど買っているんでしょうね。適材適所と野田総理大臣は言っていますけれども、城島大臣、あなたは適材適所だと思いますか。

城島国務大臣 野田総理にお聞きいただきたいと思います。

山本(幸)委員 あなたは財務大臣として今多くの懸案を抱えている、これをちゃんとやっていく、そして日本の経済を立て直す、そういう自信があるんですか。

城島国務大臣 誠心誠意、全力で頑張るだけです。

山本(幸)委員 誠心誠意、全力で頑張るなんて誰だってできますよ。自信があるんですか、ないんですか。

城島国務大臣 結果を出すように全力で頑張るだけです。

山本(幸)委員 結果が出なかったらどういう責任をとりますか。

城島国務大臣 結果が出るように最大限努力いたします。

山本(幸)委員 最大限努力するぐらいしか言えないんですか。そういう新しい財務大臣を何でつくるんだ。私は不思議でしようがないんですね。

 そこで、きょうは日銀総裁も来ていただいていますけれども、基本は大臣の所信に対する質問ですから、ちょっと厳しくやりたい。

 というのは、あなたは、赤字国債法案、前回の国会で、国対委員長として何で廃案にしたんですか。

城島国務大臣 私は、とにかく成立に向けて誠心誠意努力したつもりであります。

山本(幸)委員 何を誠心誠意努力したんですか。我々はこういう条件を満たせば協力できますよと言っていながら、それを強行採決して、そして廃案にしたんですよ。廃案にしなきゃ、またゼロから始まる必要なんかなかったんですよ。政府がこの赤字国債法案についてまともに考えている、そういう姿が全く見えないんですよ。だから問題にするんだ。

 しかも、前の国会のときは、そういう法案もあるけれども、私は日銀の白川総裁と議論するのが大好きだから、二時間ぐらい用意しているから質問させてくれと言ったら、質問させてあげるという話になっていたんですよ。ところが、あなたのおかげで廃案にされて、質問も何も吹っ飛んじゃったんだ。私の楽しみを奪われたんだ。だから厳しくやりますよ。

 そこで、財務大臣の所信の発言から幾つか聞いていきますが、IMF・世銀総会でいろいろなことを言いましたということが書いてありますが、私が聞きたいのは、日本で、何年ぶりだろうな、ちょっと正確な数字は忘れたんだけれども、IMF・世銀総会というのが開かれた。そのときに、あなたは中国についてどういう発言をしましたか。発言しなかったら発言しなかったでいいです。

城島国務大臣 私から直接的に発言した記憶はございません。

山本(幸)委員 私は、それが大問題だというんですよ。

 IMF・世銀総会というのは、世界各国の財務相、中央銀行総裁が集まる、しかも日本で開かれるという重要な国際舞台だ。そこで各国が国益をかけて議論し合う、交渉し合うんですよ。そのときに、中国から財務大臣も中央銀行総裁も来なかった。これほどいいチャンスはないんですよ。中国に対して厳しく物を申すべきなんだ。IMF、世銀に対しても、ちゃんとそう言えと。何でそれを言わなかったんですか。

城島国務大臣 いや、そういう点であれば、欠席されるということについては残念だという趣旨のことは発言いたしましたし、ラガルド専務理事もそういう発言をしたと思っております。

山本(幸)委員 残念ですというような話じゃだめなんだよ。

 あなたは、尖閣諸島の問題について、あれは領土問題だと言ったというんですけれども、本当ですか。

城島国務大臣 記者会見で質問がありましたから、一瞬そういう表現をとりましたけれども、外交問題というふうに修正をいたしました。

山本(幸)委員 一瞬でもそういう認識がぽろっと出ちゃうから問題なんですよ。

 尖閣の問題について、こっちは外交問題、向こうは領土問題と、そのことはまああり得るでしょう、外交上のいろいろな紛争として。しかし、問題は、それに伴って中国で暴動が起こり、日本の企業が攻撃され、略奪され、そして日本の製品の輸入が検疫で不当な扱いを受けている、投資についても不当な扱いを受けている、労働争議も意図的に行われつつある。そういう状況を見て、何で厳しく中国を批判しないんですか。

城島国務大臣 四十八年ぶりの、約百八十四カ国からの総会でありました。したがいまして、私はバイの会談の中で、先ほど申し上げましたように、ラガルド専務理事に対してはそういう趣旨のことを申し上げました。

山本(幸)委員 バイの会談でこそこそ言ったってだめなんだよ。総会の、全員がいるところで言わなきゃだめですよ。それが政治なんだ。こんなものは役人が書けませんよ、あなたの応答要領、発言要旨に。しかし、政治家として、中国に対して、不当なことをやられていたらそれに対してきちっと抗議をする、それを世界各国の代表が来ているところでやるべきなんですよ。それが政治家なんだ。それが財務大臣として必須ですよ。

 私はやりましたよ。ここに今、出ていた人がいるかもしれないけれども、朝食会がありまして、世銀総裁と、ラガルドさんは何か急用があるということで筆頭副専務理事が来ていましたがね。中国のやっていることはおかしい、ちゃんとIMF、世銀はそれについて注意すべきだと言いましたよ。世銀総裁は韓国系のアメリカ人ですから逃げましたね、世銀としては政治的な発言は控えたいと。だけれども、IMFの筆頭副専務理事はしっかりしていたよ。ちゃんと答えましたよ。透明でオープンな貿易・投資が非常に重要だということは我々も認識している、その点については注意を喚起する、ちゃんと言ったんだ。

 そういうことをあなたはIMF・世銀総会で言うべきなんだ。こんな役人が書いていることばかり言ったってしようがないんだよ。そう思いませんか。もう一回。

城島国務大臣 同様の趣旨で、私はIMFの専務理事に対して申し上げました。そのことがIMFの専務理事の記者会見につながったのではないかと思っております。

山本(幸)委員 情けないね。もっと堂々と総会の発言として言わなきゃだめですよ。G20で何を言ってきたかはこれからまた後でやりますけれども。

 これからあなたがやるべきことはそういうことなんだ。国際会議に出たら、役人の書いていることだけ読んだってだめですよ。これから対中関係についてどういう発言を政治家としてできるか、そのことが問われますから、ちゃんとこれから努力してもらいたい。

 次に、経済活性化に関する取り組みというところでありますが、ここで私が一番問題だと思っているのは、足元の経済状況を見ると、景気の底がたさが引き続き見られるもののと書いてある。どこに景気の底がたさが引き続き見られるんですか。あなたの発言だよ、これは。

城島国務大臣 いわゆる復興需要に支えられた部分については底がたさが見られる。しかし、そこにありますように、もののということで、一部そういうものはありますけれども、今の経済状況というのは、どちらかというと大変厳しい状況になっていっているという認識の方が強くあります。

山本(幸)委員 厳しい認識の方が強いなら、そう書かなきゃだめですよ。全く違うんだ。底がたさが引き続き見られるけれども、将来、リスクがあって弱目になるかもしれないというのと、現状、もう既に後退していると見るのとでは、経済政策のやり方が全く違ってくるんですよ。その認識が間違っているんだ。そう思いませんか。

城島国務大臣 基本的な認識は山本先生とそう違いはないと思います。

山本(幸)委員 では、何でそう書かないんだ。

 きょうかな、景気動向指数九月分が出ましたが、全部落ちている。一致指数の、九つある。一つは見込みだけれども、マイナスだ。一つだけ、大口電力使用量が九月に上がったんだけれども、八月より落ちている。だから、そういう意味では全部の指標が落ちているんですよ。もう完全な景気後退局面ですよ。そういう認識でいいんですか。

城島国務大臣 基本的には、先ほど申し上げましたように、先生の御主張とは、聞いている限りにおいてはそんなに差はないと思います。表現上の問題はあるのかもしれませんが、厳しい状況であるという認識には変わりありません。

山本(幸)委員 厳しい状況にあると言うんじゃなくて、後退局面に入っていると認めるのか、それとも、まだ将来を見ないとわからないと言っているのか、どっちですか。

城島国務大臣 断定することは難しいと思いますけれども、その可能性があるという認識であります。

山本(幸)委員 可能性がある。もう後退局面ですよ。内閣府もそう言っているんだよ、暫定的に。あとは、この数字というのは一年ぐらいかかるんだよ。でも、もう全部この指数がマイナスになってきたら、明らかな景気後退局面ですよ。そうしたら、やることが違うんですよ。

 あなた方は、予備費を使って対策を今月末に打ちますなんて言っているけれども、そんなもので足りると思うんですか。

城島国務大臣 間断なく政策を見詰め直しながら、やはり景気対策あるいは経済対策というのは必要だというふうに思っております。

山本(幸)委員 間断なくというのは、何ですか、それは。本格的な補正予算が必要ですよ、景気が後退しているんだから。そういう認識を財務大臣として持たないんですか、財務大臣。

城島国務大臣 総理の指示で、今月末を目途として経済対策の検討を今しているところでありまして、我が国経済の再生ということに道筋をつけることは今の政府の最大の課題の一つだというふうに思っております。

 したがいまして、今申し上げましたように、先般、総理の方から、今委員の御指摘のような経済状況ということもあり、経済対策の策定について指示があったところでありまして、十月二十六日には、今御指摘の予備費の使用について、緊要性の高い政策について、経済危機対応あるいは地域活性化、これの予備費を使用した部分について閣議決定したところであります。

 今後は、総理指示にもございますけれども、日本再生戦略におけるグリーン、ライフ、そして農林漁業、この重点三分野を初めとする施策の実現の前倒し、あるいは東日本大震災からの早期の復旧復興及び大規模災害に備えた防災・減災対策、さらには規制改革や民間の融資、出資の促進策など、財政措置によらない経済活性化等を柱とする経済対策の策定、実施に取り組むこととしております。

 現在どんな状況かといいますと、各省庁において盛り込むべき施策を検討しているというふうに承知しておりまして、対策の規模等についてはまだ現段階ではお答えできる段階ではありませんが、いずれにしても、デフレからの早期脱却と経済活性化に向けた切れ目のない政策対応のために引き続き全力で対応してまいりたいというふうに思っております。

山本(幸)委員 そういう、後退局面であるという厳しい状況にあるにもかかわらず、あなたは主体的に何もしようとしないんですね、財務大臣として。総理から言われたら、それだけやる。しかも、予備費と、為替の金利のお金が少し浮いてくるでしょう、そういうのでちょぼちょぼとやる。そんなものでこの景気後退局面を脱却できる、そしてまたデフレ、円高を脱却できると思うんですか。今のものでできると断言できるんですか。

城島国務大臣 適宜適切に対応していくということを全力でやりたいと思います。

 いずれにしても、デフレ脱却あるいは今の景気動向については、常に問題意識と、注視しながら、そういう下振れの状況のリスクに対してはきちっと対応していくということに尽きると思います。

山本(幸)委員 できると断言できないんだから、だめでしょう。

 そこで、ちょっとほかのことを聞きますが、赤字国債法案についてはいずれまた詳しい質疑が行われると思いますけれども、そもそもこの赤字国債法案がこんなに問題になったのは何でなんだ。

 自公政権のときよりも歳出が平均して十兆円も膨らんじゃったんだね。それでまた赤字国債がふえたんですよ。だから問題になってきたんです。それをあなた方は、十六・八兆円、財源を出せると言って、全く出せない。だから、赤字国債に、そして増税に頼らざるを得ないという状況に追い込まれたわけですね。

 その中で、我々は、赤字国債法案の中で、民主党のマニフェストの中に問題点がある、この点について考慮すればそれなりの議論ができますねということを言ってまいりました。財務大臣、それを知っていますか。

城島国務大臣 昨年のことでしょうか。ことしでしょうか。(山本(幸)委員「もちろん、ことし」と呼ぶ)

 私は、そうであればぜひ具体的な御提案をいただきたいという答弁をずっと繰り返しております。

山本(幸)委員 財務大臣が何にもわからないでそんなことを言っているようじゃ、しようがないですよ。

 三党間の合意があるんですよ。四つ項目があって、二つは一応けりがついた。あと二つ残っているんだよ。その二つは何ですか。

城島国務大臣 特に、三党間あるいは民自間の政調会長レベルで協議をしたいという申し入れをしているようでありまして、それが進むことを期待しております。

山本(幸)委員 答えていない。あと二つは何ですか。

城島国務大臣 いや、私が今申し上げたのに尽きます。

山本(幸)委員 知らないんだね。四つ項目があって、そのうち二つは何とか一応のけりがついた。あと二つ残っているんだけれども。知らないなら知らないと言ってください。

城島国務大臣 昨年からの継続の中でいけば、いわゆる高校授業料無償化とか、あるいは農業の戸別所得政策とか、去年でいけば子ども手当等がありましたのであれですけれども、具体的には、帰国した直後に党の中に確認いたしましたけれども、これからであるということの報告であります。

山本(幸)委員 そのとおりで、子ども手当は児童手当になって一応処理した。それから、高速無料化というのは基本的にやめた。これはけりがついた。問題は、あと二つの、高校授業料無償化と、それから農業の戸別所得補償ですね。これは、検証してどうするか、削減するなりを考えるということになっていまして、我々は所得制限を入れてやれというふうに言っているわけですよ。

 そういう課題があるんだったら、それを、これでどうですかといって必死で野党の間を根回しして、何とか通してくださいという努力をするのが政府の責任じゃないですか。あなたは財務大臣になってそんな努力をしたことがありますか。理事のところへ行ったことはありますか。

城島国務大臣 これは、私は、昨年のところからこの経過の中でずっとかかわってきておりますので、三党間の協議というのが最優先だというふうに思っております。それをサポートできるところがあれば、それは最大限サポートしていく中で、私なりに最大限努力をしてきております。

山本(幸)委員 全然努力していないんですよ。それで政局にしないでくれなんて言ったってだめですよ、そんなの。やるべきことを必死で努力しなきゃ。去年は、私は筆頭理事をしていて、安住さんは必死で努力しましたよ。私のところにも何回も来た。あるいはほかの理事のところにも行った。ほかの野党の理事さんのところにも行ったと思うよ。あるいは先輩のところにも行った。

 そういう必死の努力をしているときに、我々は、ああ、それは協力するところはせないかぬな、しかし、ここはちゃんと減らしてくれよというような話になっていくんですよ。それが利害を調整する政治の役割でしょう。最初から法律で何もしないようにしちゃったら、政治じゃないですよ、それは。

 その努力をまだしていない、あなたは。それで、ただ赤字国債発行法案を通してくださいと言ったって、それはよっぽど何かないとうまくいきませんよ。そのことをまず申し上げておきます。赤字国債法案はまたどうせいずれやるでしょう。

 次に、円高問題、私の得意とするところでもあるんだけれども。

 あなたは先ほど、G20で日本側が円の問題について言ったら、過度な変動及び為替レートの無秩序な動きが経済及び金融の安定に対して悪影響を与えることを再確認するというのが入りました、これは成果ですとおっしゃいましたね。こんなものは何の成果でもないよ、前から書いているんだから。それよりも問題なのは、通貨の競争的な切り下げを回避することへの我々のコミットメントを再確認するなんということを書かれちゃっているんだ。これはもう前から書かれているんだけれども。でも、ずっと前からではないよ。去年の安住さんのときから書かれた。これは通貨外交の大失敗ですよ。

 では、まず聞こうか。何で円高は起こっているんですか。

城島国務大臣 それは、この間の長い円高傾向の中で、一言ではなかなか難しいと思いますけれども、やはり構造的な問題が私はあるというふうに思っております。

山本(幸)委員 構造的な問題とは何ですか。

城島国務大臣 私がずっと言っているのは、もう一度申し上げたいと思いますけれども、いわゆる我が国の経済のファンダメンタルズが強固でないにもかかわらず今回の円高が続いているというこの部分の背景については、前から申し上げていると思いますが、二〇〇八年の秋の金融危機以降の欧米経済の低迷というものと欧州債務問題の長期化というのが、今の状況でいうと一番構造的というか、一番背景にあると思っております。

山本(幸)委員 何かよくわからないんだよね。

 あなたはマンデル・フレミング理論というのを知っていますか。

城島国務大臣 以前から、山本委員の、予算委員会等で、その言葉についてはよく耳にした記憶がございます。

山本(幸)委員 耳にしているけれども、中身はわかっているかどうかわからないということです。

 おっしゃったように、日本の円が急激に上がっているのはリーマン・ショック以降ですよ。何でこんなことになったか。簡単なんだ。構造問題じゃない。それは、各国の中央銀行はどんどんお金を出したのに我が日本銀行がほとんど出さなかったからですよ。

 これはもう、私は何回もここで資料を出したのでさすがにきょうは遠慮したんですけれども、リーマン・ショック直前から今日に至るまでの各国中央銀行のマネタリーベース、中央銀行がコントロールできるお金の量、それは、最新のところでいえば、イギリスが四・一倍、アメリカ三・一倍、ユーロ圏が一・九倍、日本が一・五倍弱。これが円高の根本的な原因ですよ。通貨というのは、各国の通貨の量の相対比較で決まるんだから。そう思いませんか。

城島国務大臣 そういうことも含めて、さまざまな要因によって決まるのではないかと思っております。

山本(幸)委員 そういうことも含めてさまざまな要因で、では、そのほかにさまざまな要因があるんだったら、あなたがわかっているんだったら言ってくださいよ。その要因がわからなきゃ円高対策がとれないんだから。

城島国務大臣 それは、物価の上昇率というか、物価だとか、あるいは経常収支等が入ってくると思います。

山本(幸)委員 では、物価だね。それがデフレに向かう。それは正しいと思うよ。しかし、物価というのはお金の量で決まるんだからね。

 それから、経常収支。経常収支が為替レートに影響を与えるという議論がかつてありましたが、最近はない。最近は資本移動の方が大きいからね。昔はそういう議論がありましたけれども、今は経常収支はほとんど関係ない。

 最も関係あるのが、おっしゃるように、物価水準とお金の量ですよ。それでよろしいですね。

城島国務大臣 そういったことが中心だと思います。

山本(幸)委員 一々詰めていきますからね。

 あなたはそれを認めた。では、そのときに、円高を是正するために、どうするんですか。介入するんですか。

城島国務大臣 それは、余りにも急激な変化等があれば、そういうことも念頭に入れているというつもりであります。

山本(幸)委員 あなたの余りにも急激な変化というのは、どの程度を示すんですか。

城島国務大臣 為替の相場観については、コメントを差し控えたいと思います。

山本(幸)委員 結局、わけがわからぬというわけですね。

 リーマン・ショックから、このお金の量の変化を受けて、為替レートは見事に変わっていますよ。円高、最新時点の十月時点とリーマン・ショック直前から見ると、ドルに対しては三八%、ユーロに対しては六〇%、ポンドに対して六三%、ウォンに対して四七%。ウォンはまた、ドルに対して介入してウォン安政策をとっているから、対円では六割。それが急激な変化とは言わないんですか。

城島国務大臣 いろいろな見方があると思います。

山本(幸)委員 私は、急激な変化だと誰が見ても思う。あなたは思わないんですか。

城島国務大臣 いろいろな見方があると思います。

山本(幸)委員 いろいろな見方を聞いているんじゃない、あなたの見方を聞いているんですよ。ほかの人の見方なんかどうでもいい。財務大臣の見方はどうなんですか。

城島国務大臣 コメントを控えたいと思います。

山本(幸)委員 答え切れない。

 そうなると、円高対策はどうするんですか。何もやらないのか。ただ、この文言が入ったから、ああよかったよかったと言っているだけ。そうですか。

城島国務大臣 昨今の円高については、私いつも述べておりますけれども、景気の下振れリスクがあるというふうに考えておりまして、私としては、あるいは政府としては、さまざまな政策を動員して対処してきているというふうに思っております。

 具体的には、為替変動等のリスクに、基本的にはそれを乗り越えるというか、負けないような強靱な経済というものを構築するために、例えば、次世代技術の研究開発等による製造業の非価格競争力の強化ということ、さらには、今後成長が見込まれる新たな分野での積極的なビジネス展開への支援を行い、また同時に、円高もメリット部分がありますから、その円高メリットを活用するため、円高対応緊急ファシリティということにより、外為特会からJBICへの融資枠を活用した海外のMアンドA、こういったものの資源確保を進めております。

 さらには、日本再生戦略を具体的に実行に移すなど、デフレ脱却や経済活性化に向けた取り組みを全力で進めたいと思っております。

 また、政府としても、為替市場の動向を緊張感を持って注視し、適切に対応したいというふうに思っております。

山本(幸)委員 今の発言を聞いて驚きますね。そういう円高に対応できるような強靱な経済をつくる。要するに、円高で構わないから、円高が幾ら起こったって大丈夫なようにする、あるいは円高メリットなりを促進する。

 あなたは、円高メリットがあると思っているんですか。円高メリットがあるのは、円高になっても交易条件というものが上がったときですよ。交易条件は上がりますか。

城島国務大臣 それはやはり、先ほどから申し上げているように、私は別に為替の問題について円高のメリットだけ言っているわけじゃなくて、最初に申し上げたように、今の我が国の経済のファンダメンタルズが強固でないにもかかわらず今の円高が続いていることには大変強い問題意識を持っているというのが私の立場であります。

山本(幸)委員 でも、さっき読んだのと違うじゃない、今言ったことは。どっちが本当なんですか。後から言った認識が本当だったら、景気後退になったら、これは大変ですよ。

 今騒がれているパナソニックとかシャープとか、ああいうところで働いている人の、あなたは組合にいたんだから、そういう人の顔を思い浮かべてくださいよ。そういう人がどれだけこの円高で、特にこのリーマン・ショック以降、疲弊して困っているのか。中小企業がそれの影響を受けているんだ。それをのうのうと、強靱な体質になって、円高メリットを享受するようにやりますというような話をしていたら、あなたの支持母体から尻尾を向けられるんじゃないの。

城島国務大臣 あえて申し上げますが、私は、記者会見でも申し上げましたけれども、私自身の体験として、八五年のプラザ合意から数年間の、二百四十円から百六十円、百四十円というふうに上がっていったときの相当厳しい状況というのを体験いたしました。私が所属した企業においても、次々と職場が海外へ移転をしていきました。

 きのうのG20後の記者会見の中でも、私の体験ということであえてまた述べましたけれども、海外に移転するには、当然、経営計画でありますから、約一年ぐらい前に計画をつくるわけですね。そうすると、例えばきょうならきょうがこの職場の生産が最終日だ、その最終日まで現場の人たちはコストダウンに汗を流しているんです。最後の最後までコストダウンをやりながら職場は終わる、そして海外に行く。私はこれを何度も体験してきました。

 特に製造業でいえば、懸命な現場マンの努力、あるいは現場の人たち中心に、企業の努力というものが、今言ったように、為替が例えば円高になることによって、その努力が全く水泡に帰してしまう。このことを私は嫌というほど体験してきました。

 だから、今、山本委員おっしゃったようなことを私はそれこそ胸に秘めて、G20でも、そういう思いの中で円高に対する強い懸念ということを申し上げた、そういうことをきのう記者会見で言いました。

 私自身はそういう体験を嫌というほどしてきていますから、おっしゃるようなところについては、少なくとも、誰にも負けないと言ったら言い過ぎかもしれませんが、嫌というほど体験をしてきた一人として、この為替の問題については私自身は極めて緊張感を持って対応しているつもりであります。

山本(幸)委員 そういう声が聞きたかったんです。本当ですよ。この円高で国民はみんな困っているんだから。それを変えることができるのはあなたしかいないんですよ。

 プラザ合意のとき、確かに急速な円高になった。ただ、あのときは交易条件が一緒によくなった。だから、企業は何とか、原油価格ががっと下がったから、持ちこたえることができたんですよ。そして、むしろそのことが、自分たちの合理化、リストラ努力、あるいは生産性向上が、強い製品、強い実力、製造業をつくったとある意味で誤解しちゃったんだ。それで過剰投資をしてバブルに行くんですね。

 だけれども、最近の円高は、この交易条件が一緒によくなるどころか、反対を向いているんですよ。そんなところに円高メリットなんかありませんよ。それを、それに対応するような強靱な経済をつくるなんて、役人が書いたようなことを読んだってだめだよ。むしろ、今あなたがおっしゃった、実際の現場の声を聞いているでしょう、それを踏まえて円高を正すことをやらなきゃいけない。

 だけれども、G20のコミュニケでは大幅介入なんてしちゃいけませんよというような話を書かれちゃっているんだ。これについて、どうするんですか。

城島国務大臣 そこの部分については、まさに、まだまだいわゆる自由な為替市場が不整備なところに対しての問題指摘だというふうに認識をしております。

山本(幸)委員 そういう認識でいいんですね。では、溝口介入みたいに徹底介入しても構わない、あなたにはその腹があるというように期待しておりますよ。

 そこで、もう一個御紹介しておきますけれども、よく、通貨安競争をやっておかしくなるというんだけれども、最近の理論は通貨安競争の方がいいという理論なんですよ。

 あの一九三〇年の通貨安競争をやった方が、世界経済にとってはよかった、全体が発展した。これは、バリー・アイケングリーンという人とジェフリー・サックスさんの論文があるので、後でお送りしますから、ちゃんと読んでしっかり理論武装して、思い切って大介入すればいいんですよ。日銀に、ちゃんと大きな金融緩和をしろ、そのことをできるかどうかをこれから注視して、あなたに財務大臣としての覚悟と資質があるかを見させていただきます。

 それでは、次に、大問題と思うのが、日銀との間の共同声明ですね。「デフレ脱却に向けた取組について」、これに日銀総裁と前原大臣と城島財務大臣が署名しているわけですね。一体これは何だ。

 あなたは、財務大臣、政府として、日本銀行のこれまでやってきた金融政策、そして今まさにやろうとしていること、これが適当なものである、そういう認識を共有したんですか。

城島国務大臣 ちょっと最後のところが聞こえなかったんですけれども。何を共有とおっしゃいましたでしょうか。

山本(幸)委員 これまで日本銀行がやってきた金融政策のやり方、それから今やっていること、あるいはやろうとしていること、それが妥当なものであるということについて認識を共有したんですか。

城島国務大臣 これは、今まさにそこの共同文書の中にあると思いますけれども、共有したのは、とにかく政府と日銀が一体となってこのデフレからの脱却というところ、最大の今のテーマでありますけれども、デフレからの早期脱却という共通の課題に向けてそれぞれが役割を果たしていくということの重要性と決意を共有したというところでございます。

山本(幸)委員 そういう意味では、日銀が言っていることを容認したということになるんですね。

 そこでお伺いしますが、この三番目のところで政府の話が書いてあるんですが、「政府は、デフレからの脱却のためには、適切なマクロ経済政策運営に加え、デフレを生みやすい経済構造を変革することが不可欠であると認識している。」と。

 この「デフレを生みやすい経済構造」というのは何ですか。

城島国務大臣 長期にわたるデフレの要因ということにおいて言いますと、需要が供給能力を下回る需給ギャップというのが存在する、さらに、デフレ予想が固定化をしてしまう、企業の日本経済の将来に対する成長力期待の低下等の構造というのがあるというふうに思っております。

 この背景には、我が国経済において、生産、分配、支出にわたる経済の円滑な循環を妨げている要因など、さまざまな構造的な問題ということがあるのではないかと思っております。

 一、二、具体的に挙げますと、生産が増加しても、新興国との厳しい競争などによって賃金あるいは収益の増加に結びつかない、この結果、消費や投資が伸びないというような点とか、あるいは、生産年齢人口の減少等を背景として期待成長率が低下をしている、そして、企業の設備投資等の需要が減少していることなどによって、民間の資金が成長分野に十分には回っていないこと等が考えられます。

 したがいまして、デフレからのいわゆる早期の脱却のためには政府と日銀が最大限の努力を行っていくということが今回の共通文書の中でうたっていることでありまして、我々としては、強力な金融緩和とともに、今申し上げたようなデフレを生みやすい経済構造を変革していくことが重要ではないかと思っております。

 また、そのためには、具体的には、日本再生戦略に沿って、先ほど申し上げましたけれども、次世代技術の研究開発等への支援によって製造業の非価格競争力を強化して付加価値生産性を向上する、そういうことによって新興国との価格面での消耗戦といったようなものを回避していく。あるいは、環境・エネルギー、医療・介護などの成長分野における規制改革等の推進によって、潜在需要の掘り起こしなどによって今後の成長分野を伸ばして民間資金を成長分野に振り向けるといったことなどによって日本経済の今申し上げた構造を変えていく、体質改善を図るということ。そして、緩和的な金融環境が活発な企業活動に結びつきやすい環境の整備に全力を挙げて取り組んでまいりたいというふうに思っております。

山本(幸)委員 何でもかんでもずらずら言えばいいというものじゃないんですよ。

 今の話からいえば、需給ギャップがあるなんて、こんなの構造問題じゃない、政策の問題ですよ。デフレ予想が固定化している、これも構造問題じゃありませんよ。成長力期待の低下、これは日銀が一番好きなものだから後でまたやりますがね。それから新興国との競争、これは、だって円高だからそうなる。こんなの構造問題じゃありませんよ。もう一個、構造問題らしきことは、生産年齢人口の減少。

 つまり、成長力期待の低下と生産年齢人口の低下、そういうものが原因だというなら構造問題と言うのはわかりますよ。それ以外に構造問題は何かありますか。あなたは、構造問題といったらその二つを言うんですか。

城島国務大臣 先ほども申し上げたような新興国との価格競争というのは、途中で為替の問題を触れましたけれども、八五年から、まさに急激な円高のとき、そして冷戦構造が崩壊した後の日本の製造業における状況を考えますと、私はそれも構造的な問題だというふうに思っております。

山本(幸)委員 何でもかんでも構造問題と言っちゃだめですよ。円高になるのは構造問題じゃありませんよ。デフレだから円高になるんですよ。さっき言ったように、お金の量が足りないから円高になるんですよ。そんなものは変えちゃえばすぐ回復しますよ。

 構造問題とは何だ。あなたが言っていることは、成長力の期待が低下、これは白川総裁もしょっちゅう言っているんです。それから生産年齢人口の減少がデフレの要因だ、これも白川さんが言っていますが、私はどちらも間違っていると思っている。そんなことを立証するデータなんかありません。

 しかし、どうもあなたの言っていることを伺うと、結局のところ、あなたはこの文書で、日本銀行がずっと言っていた、デフレは金融政策だけじゃ解決できないんだ、成長力強化がないとだめなんだという議論にくみしている、そういう判断でいいんですね。

城島国務大臣 いや、そうではありませんで、もちろん、政府としてやるべきことはきちんとやるという部分がそういうことでありまして、日本銀行に対しては、以前から申し上げているように、強力な金融政策というものを期待しているということにおいては変わりありません。

山本(幸)委員 では、何でこんな共同声明になるわけですか。お互いに容認し合っているから一緒に出しましょうという話になるんじゃないんですか。そうじゃなくて、日本銀行のやっていることが不満だと思っているのなら、こんな共同声明は出さないで、それだけ言えばいいじゃないですか。

 最大の問題は、政府が、日銀がこれまでやってきたような金融政策の考え方、やり方、これを容認していると市場の参加者に受けとめられてしまったということなんですよ。もはやこの政府は日銀と一蓮託生だ、本当のデフレ脱却なんかできませんよ、そういうふうに受けとめられたんですよ。その認識はありますか。

城島国務大臣 全体的な見方の中では、そういうことと逆の見方もあるのではないかというふうに認識をしております。

山本(幸)委員 逆の見方というのはどんな見方ですか。

城島国務大臣 先ほど申し上げたように、日本の政府及び日銀というものがまさにスクラムを組んで、早期にデフレから脱却するという決意を明確に内外に示したということであります。

山本(幸)委員 早期にデフレから脱却する決意を示した。

 では、あなたは、日本銀行がやっている一%めど、それでいいと思っているんですか。

城島国務大臣 そもそも、金融政策については、日本銀行において、その時々の市場動向、経済動向を踏まえて適切に判断されるべきものであって、具体的な政策内容については、政府の立場から、立ち入ってコメントすることは差し控えたいというふうに思っております。

 いずれにしても、この共通理解においては、今申し上げましたように、デフレからの早期脱却が重要課題であるという認識が共有されたとともに、今の御指摘でいえば、こうした認識のもとで、日本銀行が当面の物価安定のめどである一%が見通せるようになるまで強力に金融緩和を進めることが改めて確認をされておりまして、その達成に最大限努力する決意が内外に示されたというふうに思っております。

 政府としては、日銀が今回の共通理解で示した決意のもと、デフレからの早期脱却に向けてその役割を果たすことを強く期待しております。

山本(幸)委員 金融政策にいろいろ言えないというような話がありますが、そこは整理しないといけない。何度も言っていますが、私も中央銀行の独立性というのは大事だと思いますよ。しかし、その独立性は、何でもかんでも勝手にやっていいというようなものじゃない。だって、責任が不明確になるからね。

 結局、この二十年間、世界各国の先進国で実験もし、そして成果も上げてきたのは、物価安定目標政策、インフレターゲット政策ですよ。そのときの基本的な考え方は、目標設定というのは政府が決めてもいいんだ、あるいは政府と中央銀行が共同で決めてもいいんだ、しかし、それを達成するための政策手段の選択は完全に中央銀行で独立してやってもらいますよ、それが中央銀行の独立性ということの定義なんですよ。そういう理解に世界じゅうでなっているんですよ。あなたは、そのことについて是としますか、それとも、いやいや、目標も何も言えないんだ、そういう立場ですか。

城島国務大臣 立場を明確にということであるようでありますが、とにかく、現行の日銀法では、金融政策の理念というのを、第二条でありますが、「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること」と規定した上で、第三条、金融政策運営における日銀の「自主性は、尊重されなければならない。」としており、政策手段の選択にかかわらず、金融政策運営全般について高い独立性を与えているんだというふうに思っております。

 また、G7諸国を見ると、インフレ目標など、金融政策を運営する上で参照する指標や数値の設定というのは、イギリスは政府が行い、カナダは政府と中央銀行が協議をして行っている一方で、アメリカ、ユーロ圏においては、我が国と同様、中央銀行が行っていると承知をいたしております。

 政府の関与をこれまで以上に強める日銀法改正、よく山本委員が前から御主張だと思いますけれども、これについては、中央銀行の独立性の観点から、私としては、慎重に考える必要があるのではないかというふうに思っております。

 いずれにしても、日銀においては、これまでも適切な金融政策運営を行ってきたというふうに考えておりますが、引き続き、政府と日銀が共同発表いたしました共通理解に基づいて、デフレからの早期脱却に向け、その役割を果たすことを強く期待しております。

山本(幸)委員 その紹介した日銀法の規定がおかしいんですね。つまり、「目的」じゃないんだ、「理念」というところに、物価の安定を通して日本経済の安定に資する。結局、目標がはっきりしていないんですよ。そして、おっしゃったように、目標設定も政策手段の選択も全部日銀が勝手にできますよというやり方をするから、おかしなことになっているんですよ。

 アメリカみたいにちゃんと成功していればいいですよ。世界的な共通の理解に基づくようなことをちゃんとやっているならいいですよ。日本銀行はちゃんとやっていますか。あなたは、日本銀行がちゃんとやっていると思っているんですか。

城島国務大臣 先ほど申し上げましたように、これまで適切な金融政策を行ってきたというふうに思っております。

山本(幸)委員 だからだめなんだよ。だから、この政権では、日銀に取り込まれて、デフレ脱却も円高是正もあり得ませんというふうに判断されちゃったんですよ。我々が政権をとったら日銀法改正をやりますよ。

 では、せっかく日銀総裁に来てもらっているので、ちょっとお伺いします。

 白川総裁、二〇〇八年三月に就任されて、ずっと、そのうちインフレ率は上がりますよと毎回毎回右上がりの予想を立てながら、時間がたつとそれをどんどん下方修正しながらやってきた。結局、あなたの任期は来年の三月だ。

 そうすると、二〇一二年度の消費者物価指数の見込みは、この前の展望レポートでマイナス〇・一と出ました。つまり、あなたは、この五年間の在籍の中で、株は一万八千円から九千円ぐらいに下がり、為替レートは百十円ぐらいから八十円になり、デフレはむしろどんどん進んだんですよ。そして、五年もあった任期の中でデフレ解消はできないということをはっきりあなた方も認めた。その責任をどうとりますか。

白川参考人 お答えいたします。

 まず、お答えいたします前に、日本銀行として、デフレから早期に脱却し、物価安定のもとでの持続的経済成長経路に復帰するということは、極めて大事な課題であるというふうに思っております。そうした強い認識のもとに、日本銀行としては、さまざまな手段を使って強力に金融緩和政策を行っております。そうした日本銀行の持てる力をもって、しっかりこの課題に取り組んでいきたいというふうに思っています。

 それから、デフレの状況に関する認識でございます。

 私が総裁代行に就任いたしましたのは二〇〇八年の三月、総裁に就任したのは四月でございます。この四年半強の世界経済の動きを考えてみますと、まず、リーマン・ショックという非常に大きな、世界的な金融ショックが加わりました。それから、欧州債務危機、つまり、ユーロというものの存在が疑われる、そういう事態にもなりました。さらに、東日本大震災という未曽有の震災も起きました。

 さまざまな経済に対する負のショックが加わり、そのことが需給ギャップをマイナス方向に拡大する要因として作用いたしました。そういう中で、日本銀行として強力な金融緩和政策手段を駆使して、この需給ギャップの解消に全力を挙げてまいりました。

 数字から見てみますと、これは消費者物価指数の除く生鮮ベースですけれども、二〇〇九年の夏に、これはマイナス二・四でございました。現在、足元はおおむねゼロ%という水準でございます。この背後には、日本の潜在成長率を上回る成長率を実現することによって何とか需給ギャップを小さくしてくるという努力でございます。

 もちろん、我々としては、できるだけ早くこのマイナスが解消し、プラスになっていく、着実に、我々自身のめどとしています、当面のめどであります一%に近づいていくという姿を想定しながら政策展開を行っております。

 金融政策にはラグがありますから、今直ちにということではございませんけれども、先般公表しました展望レポートの見通しにおいて、二〇一三年度、四年度という形で、少しずつこれが上がっていく。最終、二〇一四年の数字は年度平均で〇・八%でございます。消費税の引き上げ分を除くベースで見まして、これは〇・八%でございます。

 そういう形で、日本銀行としては、着実にデフレが解消するようにこれからも努力をしていきたいというふうに思っております。

山本(幸)委員 いろいろ言いわけを言いましたが、それは、リーマン・ショックもあった、大震災もありましたよ。しかし、リーマン・ショックもヨーロッパの危機も、まあ大震災はほかの国ではない、日本特有であるけれども、ほかの国だって起こったんですよ。もっとショックは激しかった。だけれども、それぞれの国の中央銀行は全力でお金を出してデフレに陥らせなかった。

 ところが、あなたは、そのデフレのままずっと放置して、あなたの任期中に解決できないんですよ。それはあなたの金融政策の考え方が間違っているからなんだけれども、それはこの後やりますが、あなたはその責任をどう感じているんですか。あなたの任期中にはデフレ解消できないんですよ。あなたははっきり認めた。その点について責任を何も感じていないんですか。

白川参考人 日本銀行法で決められています日本銀行の金融政策の使命、これは非常に重たい使命でございます。我々としては、物価安定のもとでの国民経済の健全な発展ということにこれまでも全力を挙げてまいりました。また、それぞれの局面における金融政策の判断の根拠、これについては、できるだけわかりやすく、丁寧に説明をするということに努めてまいりました。

 これは、リーマン・ショック後の経済の姿ということで今先生からお話ございましたけれども、例えばリーマン・ショックの起こる前、二〇〇七年を一〇〇としてGDPの水準を見た場合に、アメリカ以外は、日本も含めて二〇〇七年の水準を下回っておりますけれども、しかし、一人当たりのGDPの推移を見ますと、実は、アメリカも含めて日本の落ち込みが最も小さいということでございます。さらに、生産年齢人口一人当たりのGDPで見ますと、日本のみが二〇〇七年水準を上回っております。

 私が申し上げたいことは、物価の下落を防いでいくためには、成長率を上げて需給ギャップを解消していく、このことがやがて時間を経て物価にはね返ってくるという、そういう意味で、まず全力を挙げて経済をしっかり支えていくということが大事でございます。

 この点、日本の金融システムは、リーマン・ショック後も先進国の中で最も安定した姿を実現いたしました。私としては、日本銀行の政策によって、現在、直ちにデフレから脱却できるというわけではないこと、これはもちろんそのとおりでございます。しかし、そうした経済全体の安定に向けて、これからもしっかり努力をしていきたいというふうに思っております。

山本(幸)委員 全く、言いわけばかり言われても困るんですね。なぜそういう結果になっちゃったんだ。これは、金融政策の考え方についてバーナンキとあなたの間では百八十度違うんだね、そこの差が出たんですよ。

 これは、財務大臣、よく聞いておいてくださいよ。バーナンキを初め、イギリスのキングさんもそうだけれども、彼らは、バランスシートを拡大することが、そういうリーマン危機とかいう場合には、デフレに陥らせないためには大事だと。そして、そのバランスシートを拡大することが予想インフレ率に影響して、予想インフレ率を上げることによって経済を引き上げる、需要を引き上げるんですよ。

 あなたの言う需給ギャップ理論というのは、僕はもう何年も前に予算委員会でワルラス均衡、ワルラスの法則の話をして、財とサービスの需給だけ考えちゃだめだというのを何回も言ったはずですよ。あなたも勉強したはずだ、一緒にゼミで勉強したんだから。そういう、財とサービスと、裏のお金と一緒に考えなきゃだめですよ。人が物を買うか投資するときは、財布の中身と相談するんだから。そうでしょう。お金と別に需給ギャップが決まるんじゃないんですよ。それはいずれ、今度は二時間ぐらいとってゆっくりやりますからね。

 その前に、バーナンキさんたちは、バランスシートを拡大していけば、そういうふうにお金をどんどん出していけば、予想インフレ率に影響を与えて、それが需要を拡大してデフレに陥らないことができると考えた。

 ところが、あなたは、バランスシート拡大はきかないとずっと言っているんだよ。あなたの教科書にも書いてある、量的緩和はきかなかったと。それに縛られているのかどうか知らないけれども、その結果、バランスシート拡大というのをやろうとしない。そして、あなたの言う金融緩和というのは、ゼロ金利さえ保っていればいいんだという理論でずっと言っているわけですよ。そして、デフレがなくなるためには、実際に貸し出しがふえなきゃだめだという理論ですよ。

 バーナンキさんとか我々の理論は、実際に貸し出しなんかふえなくていいんだよ。予想インフレ率が変わればいいんですよ。そこが根本的にバーナンキさんたちの理論とあなたの理論は違っていて、あなたの理論は結果として敗れ去ったと私は判断しているんですけれども、どうですか。

白川参考人 お答えいたします。

 この委員会で余り学術的な論争をするということは不適切だというふうに思いますので詳しくは申し上げませんけれども、ただ、今御指摘のバーナンキ議長については、バランスシートの拡大、つまり、量の拡大が経済の拡大をもたらすものではないということを再三主張されております。

 御自身も、自分たちの政策をQE2とかQE3と、Qという言葉で表現することについては、自分は何度もそうではないということを言っているけれども、なかなかその説得に成功していないというふうにおっしゃっておりまして、バーナンキ議長がおっしゃっていることは、さまざまな金融資産を買い入れることによって金利水準に働きかけてくる、そのことが最終的に経済活動あるいはインフレ予想等にも影響していくということでございまして、その考え方は、日本銀行の考えと全く同じだというふうに認識しております。

 それから、今御指摘のあったキング総裁については、二週間前にある重要な講演をなさいましたけれども、そこにおいても、キング議長は、今、山本議員がおっしゃったような理解ではない理解をはっきり示されておりました。

五十嵐委員長 まとめてください。

山本(幸)委員 はい。

 あなたは、バーナンキは言っていないと言うけれども、バーナンキはそんなことを全く言っていませんよ。どこで言っているか、いつでも持ってきてください。むしろ逆のことを言っていますよ。キングだってそうだ。あなたとは、面と向かって批判はしないでしょう。

 でも、この根本的な考え方の違いがデフレを脱却できない、円高を脱却できない根本原因ですから、財務大臣、そのことをよく認識して、しっかりしないと、本当に労働者は大変なことになりますよ。

 そのことを申し上げ、またいずれ日銀総裁とは、だって、ほかのときでは会えないんだから、ここで学問的なこともやらなきゃしようがないんですよ。二時間ぐらいやりましょう。

 終わります。

五十嵐委員長 次に、玉城デニー君。

玉城委員 国民の生活が第一、玉城デニーでございます。

 私は、先日行われました財務大臣、金融担当大臣の所信に対して質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 早速ですが、城島財務大臣からお尋ねしたいと思います。

 先日の所信で、経済財政の運営に関する基本的な考え方というところで、四十八年ぶりに日本で開催されたIMFに参加なさってG7で欧州債務問題への対応など述べられましたが、その中で痛感したことは、経済財政運営のあり方について、経済成長と財政健全化とを車の両輪として同時に推進していくことが先進国共通の課題となっていることを、まず真っ先に述べておられます。

 そのことについて、この車の両輪、経済成長と財政健全化の両輪に対する大臣の方針をお聞かせいただきたいと思います。

城島国務大臣 お答えしたいと思います。

 確かにそういうふうに申し上げましたし、きのうまでありましたG20の各国の意見、論議を聞いても、まさにそういうことだなということを痛感して帰ってまいりました。やはり経済成長と財政健全化というのを車の両輪として同時に推進していくということが、とりわけ先進国においては共通の課題だというふうに考えております。

 経済成長については、政府としては、日本再生戦略に基づいて、ライフ、グリーン、そして農林漁業等の成長分野における新産業の創出などによる内需の掘り起こし、あるいは、アジアを初めとする海外需要の取り込みというのが一つあると思います。

 もう一点は、民間の資金の流れの活性化による消費あるいは投資につながるメカニズムの構築ということなど、物、人、お金を動かしていく総合的な取り組みについて、規制・制度改革、いわゆる規制改革や制度改革、そして、予算、財政投融資、税制などあらゆる手段を総動員いたしまして、今も論議ありましたけれども、デフレ脱却と経済活性化に全力を尽くしていきたいなというふうに思っております。

 また、財政健全化につきましては、先般、社会保障の安定財源の確保と財政健全化に向けた第一歩となる社会保障と税の一体改革関連法が成立をしたところでありまして、引き続きこの一体改革を着実に具体化をしていくことが重要だというふうに思っております。

 こういうふうに持続可能な財政、社会保障制度の構築を図るということは、人々の、国民の不安を和らげる、そして、消費を促し、経済活動を拡大することを通じた新たな成長基盤をつくることにつながるのではないかというふうに考えております。

 さらに、財政運営戦略に基づいて、中期財政フレームに定める歳出の大枠を遵守しながら、既存の歳出予算全体について徹底した見直しを行い、重点分野に予算を重点配分していくということで、経済の活性化にもつなげていくというところでございます。

玉城委員 おっしゃるとおり、世界の金融不安がやはり我が国の経済にも大きな影響といいますか、密接に関係していることを考えますと、諸外国との連携に関しては、確かにこの両輪として進めていくということも当然あり得ることだと思います。

 しかし、先ほど来大臣からもたくさんお話が出ていますのは、やはりデフレからの脱却を目指していくという日本国内のまた国内事情があると思います。そうなってくると、例えば、経済成長と財政の健全化とを車の両輪として取り組んでいくという外国に対する姿勢と、国内の経済を再生戦略などで向上させていくということが果たして可能なのかということを私たちは少し、私は特に疑問に感じております。

 といいますのは、先般、デフレ脱却に向けた取り組みについて共通理解が報じられております。これは、白川総裁、前原経済財政担当、それから城島財務大臣と、お三方がそれぞれ連名をしております。この中でもやはり、デフレ脱却に向けてしっかり、政府は日銀に対して強く期待をするという、「デフレ脱却が確実となるまで強力な金融緩和を継続すること」というふうに上げておられます。

 ということを考えると、やはりデフレを脱却するということを重点的に考えると、この車の両輪、経済成長と財政の健全化がどこまでしっかり進められていくのかということが当然国内での大きな注目になると思うんです。

 ましてや、諸外国と共同でこういう考え方に立ったということを諸外国に対しても当然発していらっしゃるわけですから、そうなってくると、これからは、国内の事情よりも、ややもすると外国の金融財政事情などが重んじられてくる、そういう懸念も持たれるのではないかと思うんですが、そのことについてはどのように思いますか。

城島国務大臣 いや、そういう懸念は基本的に必要ないと思います。

 ただ、先ほど、あえて先進国共通と申し上げました。車の両輪というか、この両方を、やはりきちっと両方やっていくということに対しての、あえて言えば、海外というか世界全体からいえば、先進国には少なくともこの二つはきちっとやっていってほしいというのは共通していたと思います。

 同時に、やはり一カ月前のIMF、世銀の総会においてもそうですし、今回G20でもそうでありますけれども、いずれにしても、各国がきちっとやるべきことをやるということ、これをベースとしながら、なおかつ、でもやはり、成長していくには、それぞれの国、あるいは地域もそうですけれども、世界各国との協調ということなしにはなかなか成長というもの自身も難しいということも、このグローバル社会の中においては各国ともそういう認識があるし、私もそう思います。

 したがって、今はGDPでいけば世界第三位の経済大国日本でありますので、やはりかなり難しいことでありますけれども、成長と財政再建、これはきちっとやはり果たしていく努力を最大限していかないかぬな、また、そういう努力をすることが結果的に我が国の成長にも大きく貢献していくことになるというふうに思っております。

玉城委員 その我が国の成長について、先ほども触れましたが、お三方の発表した、報じた、この共通理解をちょっと紹介したいと思うんです。

 三点について述べられていまして、少しはしょりますが、二点目に、これは日本銀行としての見解で、きょうは白川総裁はお願いしていないんですが、中長期的な物価安定の目途を、消費者物価の前年比上昇率で一%を目指してということが、先ほどの別の委員からの質問に対して白川総裁もその経緯を述べられておりました。

 この「「一%」を目指して、強力に金融緩和を推進していく。」という、一%の目標というのは、私たちからすると、やはりもっと経済を引っ張っていくための成長率は、例えば、名目、実質のGDPなどもそうなんですが、ある程度高目の数字を出していく、しかし、極端ではないその数字をしっかり目標として持っていくべきではないかということが、この間、さんざんやはり議論されてきていると思います。

 そこで、この一%について、大臣には、どのような見解をお持ちなのかについて、デフレ脱却とこの一%の数字というものがどれだけの効果といいますか成長を促すものかについて、お聞かせいただきたいと思います。

城島国務大臣 私は、日銀の中にある、物価上昇率一%をゴールというか目指してということにおいては、現在の状況からすると、適切な政府のマクロ経済政策の運営、あるいは先ほどから論議がありましたけれども、経済構造の変革というのを我々もやっていかないかぬと思いますし、同時に、日銀については強力に金融緩和を推進する、こういった努力をお互いにスクラムを組んでやったときに一つの目標として出てくるのは、やはり現段階でいうと一%というところではないかというふうに思っております。

 玉城委員は、恐らくもう少し高目ではないかという御主張かと思いますが、我々としては、今とにかくこの物価というのをゼロからできるだけ早く脱却するには、やはり今の段階では一%というのが目標としては妥当ではないかと思いますし、これも今申し上げたように、いわゆる車の両輪というか、政府と日銀がきちっとスクラムを組んでデフレからの早期脱却というのが共通課題だということを決意してやったときに、目標として見たときには、一%というのは妥当ではないかというふうに思っております。

玉城委員 今の段階では、そういう一%は大変大きな目標だということのお気持ちだとは思います。

 しかし、デフレの状況がここまで長引いてきて、なおかつ、これまでにもさまざまな手を打ってきてはいるものの、少しずつそれが改善されているかということは、私は国民の市井の感覚からいうと、なかなか感じないと思うんですね。

 リストラはふえ、非正規雇用者はふえ、結果的に、結婚ができない、家が建てられない、あるいは持てない、そうすると、当然ですけれども少子化傾向はますます歯どめがきかなくなってしまう。そういうことが果たしてこの一%という数字の成長で十分担えるのかということを、もう少し私は政府として日銀にしっかりと、待望するといいますか、強く期待するというよりも強く要求する、そういう方向でいかなくては、とてもじゃないんですが一般の国民の方々は、この数字が果たして本当にこれでいいのかという懸念はやはり払えないというふうに思います。

 そこで、私たちは、現下の状況の中で消費税を増税することに対しては反対であるという意思を表明して民主党を離党し、国民の生活が第一という政党を結党いたしまして、そこで消費税についてはやはり今は上げるべきではないという立場を鮮明にさせていただいております。

 そうすると、その消費税を上げるべきではないというこの観点が、私たちは、さまざまな中小零細企業、小規模企業の実態、それから、なかなか価格に転嫁できないという経済の実態、ひいては国民の生活そのものが、どうしても増税による財源を確保するということにはなかなか根本的な理解が得られないということが、やはりどなたに聞いてもそういう声しか、意見しか上がってまいりません。ですから、デフレを脱却するということが本当に日銀と両輪でスクラムを組んでやりたいということであれば、やはりさらなる予算の組み替え、見直し、内側の行政改革についても力を入れていくべきではないかというふうに思います。

 先般衆議院が調査をいたしまして報告をした資料によりますと、平成二十四年度の特別会計予算、当初の歳出総額は三百九十四・一兆円、会計間相互の重複計上額を控除した純計額は百九十・五兆円というふうになっています。特別会計はこれまでの経緯から考えても不透明であるというふうなことと、本当に効果的に使われているのかということなどもあって、不断の見直しが行われてきたと思います。

 しかし、そうはいっても、平成二十二年度の決算処理後における特別会計の積立金の額は百七十四・二兆円もあるわけです。平成二十三年度第一次予算については、財政投融資会計一・一兆円が一般会計に、そして東日本大震災に対する必要な財源として繰り入れられておりますが、こういうことを考えると、やはり我々は、増税より先にもっと、さらなる内側の改革、予算の組み替えの改革が必要ではないかというふうに思うわけです。

 そうすると、今般、今急いで成立させないといけないと言われているのがいわゆる特例公債法案なんですが、こういうふうに財源を増税に求めていくということ、例えば今回はつなぎ国債というふうなかけかえであっても、もとの財源がやはり税金、増税によってしか賄えないということを考えると、先ほど特別会計の話をいたしましたが、やはりそれでは国民から理解は得られないというふうに思うんです。

 片方では特別会計という剰余金があって、しかし、具体的にどうやって手をつけるのか、あるいは一般会計との整合性をどうするのかということが国民になかなか見えないという状況の中、今度はその赤字国債のために消費税を増税する分を充てさせていただきますよというのはなかなか、厳しい社会の状況からすると、これは簡単に首を縦に振れないというふうになると思います。

 ですから、私たちは、消費税増税を財源とする今回の年金特例公債、年金交付国債に関しては反対の意見を述べさせていただいているわけでございます。

 ですから、できることをもっとさらにしっかりやっていくべきだろうということを明確に、財務省、財務大臣を中心に、各省庁横断的に取り組むべきではないかと思いますが、そのことについて所見をお聞かせください。

城島国務大臣 玉城委員のおっしゃるのはもっともでありまして、それは、いわゆるそういう部分を今後も不断にやはりきちっと見直しをしていくということはもう当然だと思います。

 そういう中で、今御指摘がありましたのでちょっと触れさせていただきますと、特に年金財政のところについて言うと、その安定のためには基礎年金の国庫負担割合を御承知のように二分の一に引き上げる必要がありますけれども、そのための財源というのを仮に赤字国債というところに依存することによって将来世代に負担を先送りするということは、やはりもう現実できないのではないかと私は思っております。

 平成十六年の年金制度改革におきまして、税制抜本改革で安定財源を確保した上で国庫負担割合を二分の一まで引き上げることとされたわけであります。そのとき、一つは、実際は税制抜本改革を実現できないまま、平成二十一年度から国庫負担割合の二分の一への引き上げのみを先行させてしまって、それ以降の毎年度の予算編成において、そのための巨額の財源の確保に苦心してきたのが現実であります。それはもう御承知のとおりでありまして、このために、平成二十一年度から平成二十三年度までの三年間は、御指摘の特別会計の剰余金などを活用して対応してまいりました。

 しかし、毎年度必要となる基礎年金関係の巨額の財源をそのような臨時的な財源によって賄っていくことにはおのずから限界がございます。

 また、東日本大震災の発災後は、仮に臨時的な財源を確保できるとすれば、それを復興財源として活用していくという新たな必要性が生じてきました。

 したがいまして、基礎年金国庫負担を二分の一とするための財源を消費税引き上げにより確保することが必要であるということは、広く認識が共有されているのではないかというふうに考えております。

 今回の年金特例公債についても、さきの通常国会における多くの野党の皆さんの御提案を踏まえ、今回の特例公債法案に盛り込んでいるものであります。ぜひ御理解をいただければと思います。

玉城委員 年金特例公債に関しては、また後日、質問する機会をいただきたいなというふうに思います。

 今大臣が、大変重要なというか、本来、大臣はそう考えていらっしゃるだろうなということを私は聞いたような気がいたします。それは何かというと、臨時的な財源に頼るべきではないというその一言です。

 だからこそ民主党政権は、二〇〇九年の選挙のときにも、その前の二〇〇五年のときにも、恐らく、予算を組み替えましょうねということをしっかり国民に提起して進めてきたはずなんですね。それがこの日本の財政そのものをやはり立て直していくための大きな治療だ、荒療治になるかもしれませんけれども、私は抜本的な治療方法はそれしかないだろうなというふうに思います。そういうことを考えると、やはりまだまだ国民のためにできる可能性は、この特別会計の中にはたくさん眠っているというふうに思った次第でございます。

 さて、時間がありませんので、今度は中塚金融担当大臣にお話を聞かせていただきたいと思います。

 中塚大臣は、先般の大臣所信で、我が国の金融システムは総体として健全であり安定しておりますというふうに、まず述べています。総体として健全であり安定しているというその背景を、ぜひお聞かせください。

中塚国務大臣 先ほど財務大臣から、G20の様子の御報告がございました。ヨーロッパにおいては財政金融の問題等々あり、国際決済銀行の統計なんかを見ますと、ヨーロッパの金融機関はアジア向けのエクスポージャーをどんどんと引き揚げているといったようなことが見てとれます。

 そんな中にあって、我が国の金融機関は、欧州周辺国向けの貸し付けというのはさほどの額ではありません。そういった意味において総体的に健全である、こういうふうに申し上げているわけであります。

 しかし、ヨーロッパを初めとする国際金融資本市場の動静というものは、どこからどういうふうに、どう影響してくるやわかりませんので、引き続き、高い関心を持って注視をしてまいりたい、そう思っております。

玉城委員 ということは、我が国の金融システムは諸外国と比べると大変安定しているというふうなことになりますから、当然、さらなる国債の手当てですとか、内需の拡大のためにいろいろな手が打てるのではないかなと思いますが、私は、中塚大臣に、中小企業金融円滑化法の点についてぜひ質問をさせていただきたいと思います。

 大臣の所信でも、来年三月末に期限を迎えますが、金融機関が貸し付け条件の変更等や円滑な資金供給に努めるべきということは円滑化法の期限到来後においても変わらないというふうにおっしゃっています。

 しかし、やはり先ほども触れましたように、中小、小規模零細企業は、こういうふうに法の後ろ盾がなくなってしまうということを大変恐れていると思います。なぜなら、貸し渋り、貸し剥がしにさんざんな目に遭った方々もいて、なおかつ、消費税をなかなか商品に転嫁できない、価格に転嫁できないという苦しみの中から自転車操業をしながら消費税を納めているとか、いろいろなさまざまな、守るべき義務として税金をできるだけ滞納せずに納めようというふうに思っている方々からすると、中小企業をしっかり支える法律の期限が切れるということは、とても不安になると思うんです。

 そこで、この円滑化法の後、どのような対策を考えておられるのか、ぜひお聞かせください。

中塚国務大臣 金融仲介機能というのは、金融機関が果たすべき最も重要であり、また基本的な役割であります。ですので、金融機関が相手の、借り手の個々の状況をきめ細かく判断し、条件変更等に応じるというのは、これは円滑化法があろうがなかろうが変わらない、そういうふうに思っています。実際、円滑化法の施行前からも多くの金融機関においてそういった条件変更の取り組みというのはなされてきたわけでありますし、また、この法律も間もなく丸三年になろうとしておるわけでありますが、条件変更の申し出に対して、九割、金融機関は応じている、こういうことであります。

 ですので、今、こういった金融機関の取り組みというものを今後一層定着させていかなきゃならぬ、法律があろうがなかろうがとさっき申し上げましたけれども、監督指針やあるいは検査マニュアルというものにおいては今までどおりということ、これを明らかにするために、先般、大臣談話というものを発表させていただいたところであります。貸し付け条件が変更されても不良債権としない定義等についても変更はいたしません。

 こういった取り組みを通じて、また、その取り組みを、十一月の一日に全国財務局長会議を行いました、財務局長には、金融機関に対して営業の第一線に至るまでこれをしっかりと徹底するように、さらには、金融機関から、その向こう側の、借りていらっしゃる中小企業の皆さんにも、今までどおりの金融行政の対応であるということを徹底するようにという、そういう指示、お願いをしたところであります。

玉城委員 やはり企業の現状は大変厳しいものがありまして、大臣の方からもさらなる徹底をお願いしたいということもありますが、その一方で、例えば、条件変更を受けた中小零細企業が、中小企業が再変更などをまた申し出て、結局は火の車になっているといいますか、いわゆる不良債権化していく銀行の状況の中で、どんどんサービサーに回されてしまうのではないか。表向き、銀行は、こう言っては失礼ですけれども、健全な経営をして健全にその体制は守っていてサービスも円滑にしているけれども、しかし、危ないなと思うところはどんどんそういうところに回しているのではないかという市中の話もあります。

 そういうことを考えると、やはり具体的に、さらなるそういうところのチェックポイントもしっかり明記をしていただきたいというふうに思いますが、そのことについて所見をお聞かせください。

中塚国務大臣 対金融機関という意味におきましては、検査監督における方針というのは変わりません。先ほど申し上げましたとおり、不良債権の定義も変えません。

 あともう一つ、この円滑化法が施行されることによりまして、その間によくなった中小企業というのはございますし、あともう一歩てこ入れをすればよりよくなるだろう、そういう中小企業もたくさんございます。ここを何とかてこ入れしなきゃいかぬということで、本年の四月より、政策パッケージということで、より一層に金融機関のコンサルティング能力を発揮させるということでありますとか、それから、地域にございます中小企業再生支援協議会、さらには企業再生支援機構、この委員会において一年間の延長をお願いしたわけでありますけれども、そういったところのいろいろなファシリティーを活用し、中小企業の経営再建に向けてさらに努力をしていきたい、そう思っております。

玉城委員 政策パッケージについては、また後日、改めていろいろと細かい点をお聞かせいただきたいと思います。

 時間も限られておりますので、最後に、東日本大震災の被災地域におけるいわゆる二重ローンに対する支援措置に関してお聞かせをいただきたいと思います。

 現在もさまざまなスキームでその支援を続けていらっしゃるというふうに思いますが、各県においてはやはりそれぞれ置かれている事情が異なるということが、よく私のところにもさまざまな問題が、相談といいますか、話が飛び込んでまいります。現在までに、個人債務者の私的整理に関するガイドラインも策定されて、できるだけきめ細かくやっていきたいという方向も出ているとは思いますが、しかし、さらなる、もっと細かいセーフティーネットをしっかりと進めていきたいと思います。

 この二重ローン問題についての取り組みを最後にお聞かせいただきたいと思います。

加賀谷大臣政務官 玉城委員の御質問にお答えを申し上げます。

 このガイドラインの利用でございますけれども、今お話がありましたとおりでございまして、債務者が法的な倒産手続によって不利益を回避できるように、債権者との間の私的合意により元本の債務免除が可能となる、そういう制度にしたわけでございます。

 さらに、この中で、手元にもお金が残るように、破産をしますと全て出さなければなりませんけれども、五百万程度残る、こういうガイドラインをつくってきたわけでございます。さらには、義援金については、今申し上げました現金、預金とは別に、自由財産として取り扱っていくということでございますし、さらには、弁護士の費用は国が補助をしていく、こういうことでございます。

 また、ガイドラインの一層の活用を図るために、七月二十四日に金融機関に対して、被災者の状況を一層きめ細かく把握し、ガイドライン利用のメリット等を丁寧に説明するようにお願いをしてございます。また、債務者の状況に応じて、ガイドラインの利用を金融機関の側から積極的に勧めること等を要請いたしているところでございます。

 現在の状況でございますけれども、個別の相談があったのは今三千百七十三件でございまして、債務整理に向けて準備中の案件が八百三十五件ございます。債務整理が成立をした案件が百二十五件あると今のところ聞いているところでございます。

 いずれにいたしましても、金融庁としては、被災者の実情を踏まえ、きめ細かな対応が重要である、このように考えておりますので、引き続き、関係者と連携しながら各種施策を推進してまいりたい、このように考えております。

玉城委員 ありがとうございます。終わります。

五十嵐委員長 次に、竹内譲君。

竹内委員 竹内譲です。よろしくお願いします。

 きょうは日銀総裁に来ていただいておりますので、先に日銀に関係するところを質問させていただきまして、終われば退席していただいて結構であります。

 私の方も、先ほどからありましたが、今回出されましたデフレ脱却のための共通理解につきまして、まず質問させていただきたいと思います。

 これを拝見しますと、日本銀行の主張としては、今まで日本銀行がおっしゃっていたことと全く同じであるというふうに思うんです。どうして、なぜこのタイミングでこのようなペーパーを出されたのか、まず、この理由につきまして教えてください。

白川参考人 お答えいたします。

 今回、政府とともに共通理解を公表しました背景としては、我が国経済についての厳しい情勢認識がございます。少し長い目で見た情勢認識と、それから足元の情勢認識、二つございます。

 まず、長い方の情勢認識でございますけれども、日本経済は、急速な高齢化の進行を背景とした成長力の趨勢的な低下という問題に直面しており、加えて、ここ数年は、リーマン・ショック、東日本大震災、欧州債務問題など数々の試練に襲われました。

 その中で、日本銀行も政府も、デフレから早期に脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰することという極めて重要な課題を達成するため、努力を続けてきておりますけれども、ここへ来て、海外経済の減速の強まりから、我が国景気は弱含みとなっております。さらに、日中関係の影響の広がりなど新たなリスク要因も出てきております。

 こうした厳しい情勢認識のもとで、デフレからの早期脱却と物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰という課題の達成に向けまして、政府と日本銀行の両者が共有している認識、いわば共通理解をこの時点で改めて明確な形で示していくことが、それぞれの施策をより効果的なものにしていくという考え方に、政府、日本銀行とも立ち至ったということでございます。

竹内委員 財務大臣もほぼ同様の認識と考えていいんですか。

城島国務大臣 同様でございます。

竹内委員 厳しい情勢認識ということですが、厳しい情勢というのは、もっと厳しいときは幾らでもあったと思うんですね、今まででも。そういうときは出していない。今回は出されたというのは、政治的背景というものがあるんじゃないかというふうにちょっと思ったんです。

 私も前原さんとはあちこちでお会いしておりますけれども、日銀に乗り込んでいったというようなことをうれしそうにおっしゃっている場面もありましたし。私は、どうも今回は、前原さんの、こういうペーパーを出せという圧力に日本銀行が屈したのか、そういう政治的圧力があって出されたのではないかという疑念の声もあります。この点につきましてはいかがでしょうか。

白川参考人 まず、そうした事実はございません。

 日本銀行はさまざまな場を通じまして、またさまざまなレベルで政府と十分な意思疎通を図ってきております。私自身も総理大臣とは直接お会いし、率直な意見交換をさせていただいておりまして、デフレ脱却に向けた取り組みにつきましても、政府と日本銀行の間に認識の差はないというふうに考えております。

 今般、こうした日ごろからのやりとりの中で、両者が共有しています認識を改めて明確に示すことが適当だという判断に至ったわけでございます。日本銀行としては、政府との間で十分な意思疎通を図りつつ、日本銀行の判断と責任においてしっかりと金融政策を運営していくという覚悟でございます。

竹内委員 このペーパーを出すという話はいつごろからあったのか、これにつきまして教えていただけますか。大体いつごろからこういう議論になったのか、ペーパーを出してもらいたいと。まず日本銀行からお答えください。

白川参考人 お答えいたします。

 この文書は、日本銀行とそれから政府、具体的には金融政策決定会合に代表を派遣されています財務大臣、それから経済財政担当大臣との間でこの文書を共同で出しております。これは日本銀行という組織としての意思決定が必要でございますので、これは金融政策決定会合の場で決定をいたしました。

 そういうふうな形で決定会合で決定をするためには、これは先ほど申し上げた共通の認識ではありますけれども、それを文書にするという作業がございます。そうした作業を決定会合の直前に行って、その上で決定会合の席で我々として議論し、政府の方も政府の御意向を最終的に確認して、この文書の発表に至ったということでございます。

竹内委員 質問にお答えになっていないと思うんです。ちょっと正確ではないと思うんですが。

 私は、この議論がいつごろから、要するに政府から要求されたのか、少なくとも日銀がペーパーを出すとは絶対言わないわけだから、政府側から、一カ月前とかいつごろからか、そういう申し入れがあったと思うんです。それはいつごろからかということをお伺いしているんです。

白川参考人 政府の方が日本銀行に対していつ申し入れたかということについては、これは政府の方からお答えいただく方が適切だと思いますけれども、この具体的な、こういう文書という形ですと、これは今御指摘の一カ月前ということではございません。これは本当に金融政策の開催される直前でございました。

竹内委員 では、財務大臣からお伺いしますが、これはいつごろから要求されたんですか。

城島国務大臣 先ほど白川総裁がお答えになりましたように、我々から要求したということではなくて、お互いにこの認識を共有し合ったというところからおのずから出てきた話でありますし、いつごろからかというのは、今、白川総裁がおっしゃったように、そういう、今デフレからの早期脱却が必要だな、やはりスクラム組んでやっていかないかぬなというような認識が醸成されてきたわけでありまして、そういう面でいうと、決定会合の直前ぐらいの中で、お互いに、まさにあうんの呼吸でこういうことになったというふうに思います。

竹内委員 あうんの呼吸というのはちょっと信じがたいんですね。日本銀行からそんなふうなことを出そうということはまずあり得ないわけで、政府が要求していないというふうに今大臣はおっしゃいましたけれども、それはちょっと間違いじゃないですか。やはり要求したんでしょう。

城島国務大臣 いや、白川総裁もおっしゃいましたけれども、総理と総裁の会談とか、やはり今の状況認識について、お互いに共有するものがあったということだと思いますので、我々から何か要求をするとかいうようなことでは全くありません。

竹内委員 どうもおかしいな。

 前原さんが要求されたんですか。日銀総裁、前原さんから要求されましたか。

白川参考人 前原大臣の記者会見等での御発言は、新聞報道等で存じ上げています。ただ、大臣が何か直接私どもに要求をしたということではございません。

 これは、問題意識として日本銀行がかねてから表明している考え方、それから政府が表明される見解、これは国会等の場でもたびたび申し上げておることでございますけれども、それを明確な形で示すことがこの厳しい経済の局面で適切であるという判断に立って出したものでございます。

竹内委員 この議論を繰り返すつもりはありませんけれども、これだけのペーパーが何かいつの間にかまとまったというのはあり得ない話ですよ。前原さんがかなり強く要求したんだろうというふうに推測はしております。

 この共通理解に関しまして、この文書は、今後政府が緩和を要求した場合には協力を余儀なくされる、あるいは、日銀が政府に協力することを誓約した事実上のアコード、協定という理解でよろしいですか、総裁。

白川参考人 お答えいたします。

 日本銀行の金融政策運営は、日本銀行法でその目的、使命がはっきりと定められております。物価の安定を通じて国民経済の健全な発展に資するということでございます。つまり、物価安定のもとでの持続的な経済の成長ということでございます。

 こうした使命を達成する上で、日本銀行は、政府との間で十分な意思疎通を図った上で、日本銀行の判断と責任において実行していくということも、これははっきりと法律でうたわれております。したがいまして、何か政府から要求があればそうした金融政策を行うということではもちろんございません。

 それから、今、先生の、アコードということでございますけれども、アコードという言葉で意味する内容は論者によって随分違っていると思いますけれども、いわゆるアコードとして有名なのは、先生御存じのとおり、一九五一年、米国の財務省とFRBとの間で交わされた取り決めでございます。これは、戦争中、戦費調達のために国債金利が低く抑えられていて、FRBはその低利に抑えられた国債金利を実現するために国債の買い入れを余儀なくされていた、つまり、金融政策の自由度が奪われていたわけでございます。そういう意味で、独立性を回復するための文書、これがアコードでございます。

 今回の日本銀行のこの文書にあらわれている思想は、日本銀行は、政府と十分な意思疎通を図った上で、日本銀行の責任と判断において政策を行っていくということでございます。

竹内委員 つまり、今のことを少し私なりに解釈すると、政府と日銀はよく意思疎通を図っていく、しかし、最終的には日銀の責任と判断において金融緩和するかどうかは決める、決して、政府が要求したからといって必ずしも緩和するものではない、こういう理解でいいですか。

白川参考人 繰り返しになりますけれども、日本銀行は、物価の安定のもとでの持続的な経済の成長の実現という使命に即して政策判断していくということでございます。

 そのときに、日本銀行として、もちろん独善に陥ることは不適切でございます、政府との間で十分な意思疎通を図った上で、しかし、その上で、今先生がおっしゃったような精神で金融政策をしっかり運営していくということでございます。

竹内委員 つまり、日銀と政府はよく意思疎通をやるけれども、政府からやってくれと要求がある場合があるかもしれないけれども、しかし、それは最終的には日銀の判断で決めるんだ、だから日銀がノーと言うこともあり得る、ちょっと再度、こういうことでいいですか。

白川参考人 そのとおりでございます。

竹内委員 そこで、日銀総裁にもう一つ。

 金融緩和だけで物価上昇率一%を達成できるとお考えでしょうか。

白川参考人 お答えいたします。

 この席でもたびたび申し上げていますとおり、それから今般の文書にも掲げていますとおり、デフレからの脱却という課題の達成は、これは金融面からの強力な下支えとそれから成長力の強化に向けた取り組み、この両方が不可欠でございます。この両方がそろって初めてデフレからの脱却が可能となるというふうに考えております。

 今回の文書におきましても、政府において、デフレを生みやすい経済構造を改革していくことが不可欠であるという認識を示されておりまして、私どもとしても、ぜひそうした認識に立たれた上で政府がさまざまな施策に取り組んでいくということを強く期待しております。

竹内委員 今回、いろいろユニークな工夫もされていると思うんですね、貸出支援基金とか。イギリスを参考にされたんだというふうに思いますけれども。

 趣旨はよくわかります。ただ、基本的には内需拡大を図るというのが本来の趣旨だと思うんですけれども、例えば、今回、外資、海外の金融機関でも、日本に支店を持つ場合にはこの融資を受けられるわけですね。それから、ノンバンクにも貸し出しができる、ノンバンクもこの融資を受けられるという理解でいいんですか。

白川参考人 お答えいたします。

 先般の金融政策決定会合では、大枠としてこういう制度を設けるということで、今後、細部について実務的に検討して、できるだけ早く結論を得たいという方針をお示ししました。

 したがいまして、具体的にどの金融機関かということについては、正確にはまだ決まっておりませんけれども、一応今回発表しました骨子は、これは預金取扱金融機関となり、基本的には民間の金融機関でございます。

 したがいまして、今先生御指摘の、ノンバンクに対して日本銀行が直接貸し付けを行う、これはございません。金融機関がノンバンクに対して貸し付けを行うというものは対象になると思いますけれども、直接日本銀行がノンバンクに融資をするということは、これは考えておりません。

竹内委員 恐らく、今後の資金需要を考えると、海外の投資とかMアンドAとかそういうのがあるんだろうと思うんですけれども、直接的には日本の内需拡大ということではないですね。

 日本の金融機関あるいは外資の日本支店を通じて借りられた場合に、ヘッジファンドなどに回る可能性もある。そうすると、それは何というか投機資金として回る可能性が高いですね。こういう部分についてはいかがなものかという意見もあるわけでして、その辺につきましてはいかがですか。

白川参考人 まず、結論から申し上げますと、今回の措置につきましては、貸し出しがネットベースで増加をした金融機関に対して、その貸出増加額の全額について、先方が希望すれば同額の資金を供給するということであります。したがって、資金の中身については、これ自体は問うておりません。

 しかし、別途、日本銀行は金融システムの安定という責任も有しておりまして、これは考査ということを行っておりまして、金融機関のリスク管理の体制についてもきっちりと見ております。

 金融機関は、もちろん、こういう日本銀行の制度があるということを意識した上で具体的な経営方針を定めていくわけでありますけれども、当然金融機関として、これは与信先のリスク、それから金融機関自身の全体としての資産、負債のバランス等を考えて、その上で貸し出しの増加額を決めていくわけでございます。そうした判断の上に実現した貸し出しに対してバックファイナンスをしていくということでございます。

 したがって、日本銀行としては、金融機関に対しては健全なリスク管理を求めていくことは、これは従来と同様、変わりません。

竹内委員 ちょっと私の質問に的確ではなかったと思うんですけれども。要するに、それはわかるんですが、投機資金に回って資源高騰につながるとかいうのは、結局日本にとってマイナスの場合もありますね。その辺のマイナス面をどう考えるのかという、ちょっと貸し出しの筋としては悪い場合もあるんじゃないか、その辺についてはいかがですか。

白川参考人 一般論として申し上げますと、金融機関の貸し出しが過度に積極化しますと、今先生御指摘のような、事後的に振り返ってみた場合には、リスクが大きく、したがって、損失につながるという貸し出しに行きやすいということも事実でございます。これは、一般論としてはそうでございます。

 我々としては、そうしたことが起きないようにということも、もちろん同時に意識しております。ミクロの面では、金融機関に対する考査、金融庁は検査を行っております。

 それから、今回、日本銀行が行っています全体としての金融緩和についても、私どもとしては、これは消費者物価の前年比一%が見通せるまで強力な金融緩和を続けるというふうに申し上げていますけれども、ただ同時に、今先生がおっしゃったような、金融面でさまざまな不均衡といいますか、ひずみが蓄積をしていくということがある場合には、そういうことがないということを確認していくということもこれはうたっております。今回の文書にもそのことはうたっております。

 したがいまして、今先生が御指摘のことも、頭の中で意識はしております。しかし、今現状、そうした意味でのリスクが大きく蓄積しているということではございません。

 ただ、いずれにせよ、先生が御指摘の問題意識もしっかりと踏まえた上で運用していきたいというふうに考えております。

竹内委員 大体わかりました。

 財務大臣にお聞きしたいんですが。先ほど山本先生からも質問があったんですが、共通理解の中でデフレを生みやすい経済構造というのがありまして、その質問がありました。先ほどのお答えでは、聞いていると、新興国の発展による価格競争が激化しているとか、生産年齢人口の減少というような構造がある、こういうふうなことだったんですけれども、こういう理解でまずいいのかどうか、再度確認するのと、それから、その構造というのはなかなか変革しにくいですね。それを変革すると書いてあるけれども、生産年齢人口の減少という構造は改革できませんね。新興国の発展という構造もなかなか改革できませんね。その意味で、構造を変革するというのはどういう意味なのか、もう一度お答えいただけますか。

城島国務大臣 お答えしたいと思います。

 確かに、構造を変革するというのは、これは御指摘のように、容易なことではないというふうに思っています。

 改めて、先ほど山本先生の御質問にもお答えしたのを、ダブりますけれども、それを答えながら、またちょっと申し上げたいと思うんですけれども。

 いわゆる構造といったことは、すなわち、デフレの長期にわたる要因としては、需要が供給能力を下回る需給ギャップの存在、それから、デフレが続くんじゃないかというデフレ予想の固定化、そして、企業の日本経済の将来に対する成長力期待の低下、こういったことがあるのではないか、要因としてはそう思っています。

 その背景には何があるかというと、我が国経済において、生産、分配、支出にわたる経済の円滑な循環を妨げている要因など、まさに今先生御質問がある、さまざまな構造的な問題があると考えている。

 具体的にということで、例えば、生産が増加しても、新興国との厳しい競争などにより、賃金や収益の増加に結びつかず、この結果、消費や投資が伸びないということ。それから、今御指摘ありましたが、生産年齢人口の減少なども背景として、期待成長率が低下し、企業の設備投資などの需要が減少していることなどによって、民間の資金が成長分野に十分には回っていないということが考えられるというふうに思っております。

 そのために、デフレの早期脱却のために政府と日本銀行が最大限努力をしていこうということで、強力な金融緩和とともに、こうしたデフレを生みやすい経済構造を変革していくことが重要であるというふうに認識しています。

 確かに、構造ですから一気に変革ができるということではないわけでありますが、しかし、その構造を乗り越えていくことがなければデフレからの早期脱却という道筋がなかなか見えてこないと思います。具体的には、日本再生戦略に沿って、次世代技術の研究開発などへの支援により製造業のいわゆる付加価値生産性を向上する、すなわち非価格競争力を強化する、そのことによって新興国との価格面での消耗戦を回避するということ、あるいは、環境・エネルギー、医療・介護等の成長分野における規制改革の推進などによって潜在需要の掘り起こし、こういったことによって今後の成長分野を伸ばして民間資金を成長分野に振り向けていくこと。

 こういったことによって日本経済の体質改善を図り、緩和的な金融環境が活発な企業活動に結びつきやすい環境の整備に全力を挙げて取り組んでまいりたい、そういうことによって構造変革を促していきたいと思っております。

竹内委員 大体の趣旨はわかりました。

 それで、基本的なことを少しお伺いしますが、金融緩和がデフレを脱却させる仕組みにつきまして少しお聞きします。

 財務大臣は、例えば、日銀が市中の金融機関から国債を買い取った場合には、銀行などの日銀当座預金が増加しますけれども、これで銀行の貸し出しがふえるとお考えでしょうか。

城島国務大臣 日銀は、資産買い入れ等の基金の設置を含め、先ほど論議がありましたけれども、これまで潤沢な資金供給を行って、金融面から経済の下支えに一定の役割を果たしてまいりましたが、マネタリーベースの伸びに比較してマネーサプライが伸びていないということも事実であります。

 その背景には、人口減少などを背景に、今申し上げた、期待成長率が低迷していることによって資金需要が喚起されず銀行の貸し出しが伸びないという構造的な問題、そういう問題に原因があると考えておりまして、投資や消費を増加させるためには、マネタリーベースを増加させて資金需要に応えるとともに、期待成長率そのものを高めて、企業の設備投資あるいは個人消費の拡大につながるよう日本経済の構造を転換していく必要があると思っております。

 このように、デフレからの脱却は、日銀の金融政策と、政府によるマクロ経済政策及び構造改革が相まって初めて実現されるものと考えておりまして、共通理解にのっとり、政府、日銀一体となって取り組む決意でございます。

竹内委員 時間がなくなってきたので細かくは言いませんけれども、銀行が投資や消費を増大させるのか、それとも企業や個人が投資や消費を増大させるのかという問題だと思うんですけれども、私は、基本的には、企業や個人がやはり何らかの大胆なイノベーションをやらないと投資や消費はふえないと思うんです。

 銀行というのは、そのお手伝いをするというものであって、間接的な支援ですね。銀行が主役になって消費や投資を何か掘り起こしていくということ、それ自体は私の経験からもそんなにない。協力することはありますけれども、主役ではないと思うんです。

 そういう意味では、皆さんは金融緩和を先におっしゃいますけれども、マネーゲームでやっておられる部分につきましてはそういう円高修正とかの一定の効果はあるとは思いますけれども、まずはやはり、日本の内需拡大と言う以上は、政府が中心になって内需を拡大しないとだめなんじゃないですかね。

 まずはいろいろアイデアを出して、そしてそこに需要を誘発するような事業をやって、そこに民間が乗っていくように持っていくというのが正しい筋論であって、共通理解の書き方でも、私は、二番と三番は本当は反対にすべきだと思うんです。やはり、金融というのは、本当は後づけだというふうに思いますよ。いろいろそこで需要が出てきて金利が上がってくるから、国内的にはやはり金融緩和をして金利が上がらないようにしてやるとか、そういう物事の順番だと思うんですね。そのことをやはりよく認識しておく必要はあるんじゃないか。

 私が申し上げたいのは、要するに、なかなか政府としてできることが今は限られていますから、何か日銀に責任を押しつけて、日銀にどんどん金融緩和させて、何とか政府の責任回避をやろうとしているんじゃないか、はっきり言って、今の民主党政権を見ているとそういうふうに見えるんです。将来の構想はいろいろおっしゃっていますけれども、実際なかなか実行に移せていない部分がありますから、そういう意味で、日銀も気の毒なところがあるなというふうに私は思っておるんですよ、正直申し上げて。

 もちろん、先ほどから議論がありますように、円高修正とか、日米の予想実質金利差とかで動いている部分がありますから、一定のマネタリーベースの増加というのは、私もそれは効果があると思います。しかし、それは、巨大な金融帝国の、すごい大海に時々意外な波をつけて極端な円高を防ぐというような効果はあると思いますけれども、しょせん大海の一滴ですから、どんなに出しても限界はありますので、やはり着実な内需振興のための政策を打っていくということが大事だと思いますので、何か、とにかく日銀に全部責任を押しつけようというような考え方は改めてもらいたいというふうに思います。大臣、いかがですか。

城島国務大臣 そういうつもりは全くございません。

 だから、先ほどから繰り返しているように、日銀と政府とスクラムを組んで、とにかく早期のデフレ脱却に全力を、努力をしようということが政府の趣旨でもあります。

 また、御指摘のように、その中の、特に例えば民需主導の持続的な経済成長を実現するための環境整備を進めるということにおいて見れば、それはやはり政府の重要な任務だというふうには認識をしております。

 いずれにしても、政府、日銀、状況認識を共有して、重要なのは、スクラムを組んでしっかりとお互いの責任を果たしていくということに尽きると思います。

竹内委員 まだまだ申し上げたいことがありましたが、これで終わります。ありがとうございました。

五十嵐委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 まず、城島財務大臣に消費税問題についてお聞きしたいと思います。

 さきの国会で、政府・与党は、自民、公明と三党合意を結んで消費税増税法案を強行したわけでありまして、我々は反対しました。

 この消費税増税は、二〇〇九年の民主党のマニフェストに書いておらず、総選挙で民主党幹部が消費税の引き上げは行わない、こういう公約をしていたにもかかわらず増税をした。これはまさに公約違反であると我々は思っております。したがって、法案を通す前に解散して信を問うべきだということを我々は言ってまいりました。

 ところが、政府の答弁は、法案を通した後、税率を引き上げるまでの間、その間に総選挙があるので、そこで国民に信を問えばいいというものでありました。

 大臣にお聞きしますけれども、次の総選挙で、当然、この消費税増税を実施すべきかどうかについて信を問うということになると思いますが、いかがでしょうか。

城島国務大臣 それで信を問うということになるかどうかは別として、民主党政権にとってみますと、政権によるさまざまな重要な政策についての判断で信を問うということになると思います。その中の重要な一つだと思いますけれども、そのことだけで問うということではないと思います。

佐々木(憲)委員 消費税増税は信を問う中の重要な柱である、そういう答弁であります。

 したがって、信を問うということになりますと、判断材料として、例えば消費税増税によって、あるいはその他の負担増によって各世帯がどのようになるのか。一体改革でどのような負担を負うことになるのか。あるいは、改善されるというものがあれば何が改善されるのか。この点をきちんと説明をする、そういう説明責任を果たさなければならないと思うんです。

 そこで、お配りした資料を見ていただきたいんですが、これは、九月二十三日の朝日新聞に出ていたわけであります。

 これは、民主党議員に対して負担増の試算を示したという記事でございます。六つの世帯類型で、そこにありますように、二〇一一年四月と二〇一六年四月でどれだけ年間負担額がふえるのか、これが試算されているわけです。

 内閣府副大臣がお見えだと思いますが、こういう試算をしたことは間違いありませんね。

藤本副大臣 お答えいたします。

 九月二十三日の朝日新聞の記事のベースになったものは、恐らく、内閣府から民主党の議員の依頼に応えたものだというふうに思います。

 それは、民主党議員からの個別の依頼がございまして、世帯における給付と負担の変化について、今六つの世帯類型というふうにお話がありました、その議員から示された六つの世帯類型の具体例に当てはめまして、二〇一一年の四月の時点と二〇一六年の四月の時点での水準の差を、やはりその議員が示した前提に基づいて機械的に計算をして議員にお渡ししたものでございまして、内閣府の意思に基づいて内閣府が前提条件を決めたものではなく、その議員の意思と、その議員の前提条件に基づいた機械的な計算ということでございます。

 ただ、試算の前提の置き方が政府の考え方と必ずしも一致しないものもございまして、政府として一体の見解を示すという趣旨のものではないということはぜひ御理解いただきたいと思います。

佐々木(憲)委員 前提はいろいろあったとしても、内閣府が試算をした、そういうことをお認めになったわけです。

 前提は若干の誤差があるとしても、内閣府が試算をした結果、ここに報道されているようなものが出てきたわけですが、私は、低所得者層の負担が非常に重いというのに非常に驚いたわけです。

 試算によりますと、四十歳以上の会社員の夫、専業主婦、子供二人の世帯では、年収三百万円の場合は、消費税増税による負担が八・二万円、他の負担も合わせると二十七・三万円ということでありまして、ボーナスを三カ月と仮定しますと、月収二十万の家庭で月に二万三千円の負担ということになるわけで、当然その分、可処分所得が減るわけで、可処分所得が減りますと消費に影響が出てくる。

 改めて言いますけれども、四十歳以上の会社員の夫、専業主婦、子供二人の世帯で年収三百万だと二十七・三万円の負担になる。この計算自体は内閣府としてやったわけですけれども、この数字はそのとおりなんですか。

藤本副大臣 お答えします。

 それぞれの前提条件に基づいて、いわゆる保険料、年金保険料とか医療保険料とか、あるいは消費税とか、そういうものは個別に出したものでございますが、これは単純に足し合わせたものでございます。

 今、佐々木委員がおっしゃったように、いわゆる低所得者への配慮、これは、臨時的、暫定的な措置として、簡素な給付措置というのをこれから講じるということで、将来的には給付つき税額控除あるいは複数税率ということを今後議論していくことになるわけでございますし、この場合は、やはり給付を下げないでも済むようにする、そういうプラスの面もあろうかと思いますし、医療であるとか、いわゆるサービス、負担と給付との関係があるわけですから、そこのところをしっかり見ておかないと、この数字だけ見てしまうと、総合的に見て、全体的に見て、誤解を生じる可能性はあるのかなというふうには思っております。

佐々木(憲)委員 これから改善するものというのはこの中に入っていない、それは当然でありまして、検討するということになっているわけであります。つまり、確定したこの一体改革の内容に沿って計算をするとこのような結果になるということを一定の前提を置いて内閣府が試算をしたものであるということであると。それは非常に大変な数字だと思うわけですね。

 しかし、私は、この類型はまだ全体の中の一部でありまして、ほかにもいろいろな類型、世帯の構造は違うわけでありますから、それで、これに当てはまらないケースもたくさんあると思うんです。国民に判断を仰ぐ場合は、それぞれ、あなたはこういう類型に当てはまるということをきちっと知らせる必要があると思います。

 例えば、会社員の四十歳以上の夫、専業主婦の世帯で夫の年収三百万、五百万、七百万、九百万の場合の試算はどうか。また、会社員の四十歳以上の夫、専業主婦、小学生の子供二人の世帯で年収七百万、九百万の場合はどうか。さらに、会社員の四十歳未満の単身世帯で年収五百万、七百万、九百万の場合はどうか。そういうことも含めて、それぞれ、例えば二〇〇九年四月、二〇一一年四月、二〇一六年四月、この試算を示すというのも当然やらなければならぬと思いますが、私が今示した内容について、試算をぜひやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

藤本副大臣 佐々木委員から多分十一月二日の時点でファクスでいただいているのに加えまして、今お話があったのは、五日に口頭でいただいた、さまざまな世帯類型をもう少しふやして、あるいは年収をいろいろふやしてということと、二〇〇九年度、二〇一一年度、二〇一六年度ですか、その各時点の具体的な税の税目まで示していただいておりまして、消費税であるとか復興財源のための税制措置、あるいは年少扶養控除を廃止した後の所得税とか住民税、あるいは年金保険料、医療保険料、さまざま、こうした個別の額について出してくれというお話だったというふうに理解をしております。

 現在、委員から前もってお話があったこれらの依頼を踏まえまして、個々の税額あるいは保険料額につきましては、担当する財務省であるとか総務省であるとか、あるいは厚生労働省において今作業をしている最中でございますので、追加の部分も含めて、その数字について、算出できた段階で委員にお示ししたいというふうに思っております。

佐々木(憲)委員 ありがとうございます。

 財務大臣にお聞きしますけれども、年収三百万の場合に、ほかの負担も合わせて二十七万三千円の負担がふえるわけです、この試算によりますと。これは年収の約一割弱の負担増ということになるわけで、非常に重いと思うんですよ。低所得者世帯は、これはなかなか生活が成り立たなくなるのではないか。世帯の努力で対応できるような負担ではないと思うんですが、大臣はどのように認識されておりますか。

城島国務大臣 消費税率の引き上げは、今もお話ありましたけれども、その負担の面だけ取り上げて見るべきではなくて、今回は、御承知のように、一体改革では、引き上げた分が全額社会保障財源として国民に還元されるということ、そして社会保障制度は所得の低い方々を中心に給付が行われるということから、給付と負担の両面をあわせて考えてみる必要があると思っております。

 また、今回の一体改革では、社会保障の充実の一環として、きめ細やかに低所得者対策を講ずるということとしておりまして、具体的には、国民健康保険の保険料や、あるいは介護保険の高齢者の保険料の低所得者軽減の強化といったことが盛り込まれております。

 その上で、消費税率の引き上げに当たっての所得の低い方々への配慮については、今も答弁いたしましたように、税制抜本改革法において、給付つき税額控除について、所得の把握、資産の把握の問題、執行面での対応の可能性を含めさまざまな角度から総合的に検討することとされており、他方、複数税率について、財源の問題、対象範囲の限定、中小事業者の事務負担等を含め、これもさまざまな角度から総合的に検討することとされております。

 さらに、消費税率八%の段階から給付つき税額控除または複数税率の実施までの間の暫定的、臨時的な措置として簡素な給付措置を実施することとしており、その内容については、真に配慮が必要な低所得者の方々にしっかりとした措置が行われるよう、今後、立法措置を含めた具体化を検討することとしております。

 政府といたしましては、これらの具体化に向けて、三党における議論も踏まえて、税制抜本改革法に示された諸課題を含め、幅広い観点からきちっと検討してまいりたいと思っております。

佐々木(憲)委員 負担のみではなく給付の面もと言いましたが、計画を見ますと、給付も減っていくわけですね。年金の給付も減る、あるいは医療の負担もふえる。そういうことを総合的に、合わせて結果的に幾らになるか、こういう試算を求めていて、今、後で計算が出てくると言うので、それを見た上でまた議論したいと思います。

 今大臣がおっしゃった低所得者対策ですが、給付つき税額控除、軽減税率等は今検討中なんでしょう。これは確定していないわけですね。検討中だと言うんですけれども、仮に実施されたら、低所得者層の世帯では負担増というのは全くなくなる、こういうことが可能なんですか。

城島国務大臣 全くなくなるかというような、全くという表現がついておりますけれども、今申し上げたように、低所得者の方々への配慮をするということできちっと詰めていくことになると思います。少なくとも、負担の軽減ということは間違いないと思います。

佐々木(憲)委員 それは、低所得者対策を何かやれば若干軽減部分が出てくるとは思いますが、二十七万三千円という負担増というものが全部解消されるような軽減策なんというのを政府が考えているはずがないです。それは全然、ほんの微々たるものであります。大臣の答弁でもゼロになることはないと言っているわけですから、結果としてこれが実行されなければ、結果的には負担が大変なものになるということなんです。

 それからもう一つは、負担の総額なんですけれども、消費税では十三・五兆円、一〇%ですね。年金、介護、医療、子ども手当、この負担増と給付減というものを合わせると六・五兆円。約二十兆円負担がふえるわけです。これだけ負担がふえると、当然、家計消費に影響すると思います。

 景気にマイナスに作用するという認識はありますか。

城島国務大臣 これは、過去の例からいっても、ならしてみると景気に影響はないというふうに思いますし、ないようにしていかなきゃならぬというふうに思っております。

佐々木(憲)委員 過去の事例は、影響が物すごく大きくて、全体として税収まで減ってしまったんですよ。消費税部分はふえたかもしらぬが、ほかは、法人税、所得税が減って税収全体が落ち込んだというのが実態なんですね。これだけ負担をふやしますと、当然その部分の所得が減るわけでありまして、そういう点の認識が全然ないというのは極めて楽観的。非常に大きな問題があると私は思います。

 次に、中塚大臣にお聞きしますけれども、金融円滑化法の延長をしないということなんですが、これは、今大変な中小零細企業の業況でありまして、金融機関が、この円滑化法があったおかげで、中小企業に対するリスケジュールなどの支援が結構行われて、約三百万件の条件変更が行われました。我々、この法案にも賛成しましたけれども、これは一定の効果があったと私は思います。

 しかし、これがなくなるということになると、大事なことが抜け落ちるんじゃないか。いや、同じことを求めるんだ、先ほどの答弁では、変わりはありませんというようなことを言っていましたけれども、しかし、法律上、抜け落ちるものがあるんじゃありませんか、どうですか。

中塚国務大臣 今、三百万件とおっしゃいました。それで、この中に、足元ですと、再リスケと言われるのが大体八割ぐらいになってきているといったようなこともあります。金融機関に対する監督検査の姿勢は、もうこれは変えません。他方、条件変更だけではなかなか再生してこないところについては政策パッケージをしっかりとやっていきたい、そういうふうに思っております。

 今先生から御指摘のあった変わる部分というのは、恐らく報告のことだろう、そういうふうに思っておりますが、検査監督は変わらないと申し上げましたけれども、これは、私は、この法律がなくなっても、金融機関は、特に地域金融機関はビジネスモデルを変えていただきたい、この三年間の取り組みは、変えていただくぐらいのことだと思っておりまして、定着させていきたいと思っています。

 ですので、監督検査は引き続き変わりませんが、より光を当てるということで徹底をしてまいりたい、そう思っております。

佐々木(憲)委員 この法律では、中小企業がリスケの要求をした場合に相談に応ずる、あるいは体制を整備すると。これは、検査マニュアルなどでチェックするということによって対応できると思いますが、報告義務がすっぽりなくなるわけです。

 今まで金融機関が中小企業の相談に応じてきたのは、報告義務があるので、どのように対応しましたかということを報告しなきゃならないということで一定の大きな効果があったわけです。それが抜けてしまうということになりますと、幾ら号令をかけても、これはなかなか実効性が伴わないということになりますので、私どもは、この円滑化法については、来年、延長すべきだという立場であります。その上で、今言われたように、経営再建の援助をする、それはそれとしてしっかりやる、こういうことでやるべきだという点、もう時間が参りましたので、このことを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

五十嵐委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時三十三分散会


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