衆議院

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第3号 平成25年3月19日(火曜日)

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平成二十五年三月十九日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 金田 勝年君

   理事 逢沢 一郎君 理事 伊藤信太郎君

   理事 木原 誠二君 理事 竹本 直一君

   理事 山本 幸三君 理事 安住  淳君

   理事 桜内 文城君 理事 上田  勇君

      安藤  裕君    伊東 良孝君

      小倉 將信君    小田原 潔君

      鬼木  誠君    神田 憲次君

      小泉進次郎君    小島 敏文君

      小林 鷹之君    田野瀬太道君

      田畑  毅君    竹下  亘君

      中山 展宏君    藤井比早之君

      牧島かれん君    松本 洋平君

      御法川信英君    宮内 秀樹君

      山田 賢司君    泉  健太君

      階   猛君    武正 公一君

      古本伸一郎君    前原 誠司君

      松本 剛明君    西野 弘一君

      松田  学君    三木 圭恵君

      山之内 毅君    岡本 三成君

      竹内  譲君    小池 政就君

      佐々木憲昭君    鈴木 克昌君

    …………………………………

   議員           奥野総一郎君

   議員           玉木雄一郎君

   議員           古本伸一郎君

   議員           松本 剛明君

   議員           鷲尾英一郎君

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       麻生 太郎君

   財務副大臣        山口 俊一君

   農林水産副大臣      加治屋義人君

   経済産業副大臣      赤羽 一嘉君

   国土交通副大臣      鶴保 庸介君

   財務大臣政務官      伊東 良孝君

   財務大臣政務官      竹内  譲君

   厚生労働大臣政務官    丸川 珠代君

   政府参考人

   (公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長)   原  敏弘君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 平嶋 彰英君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   福田 淳一君

   政府参考人

   (財務省主税局長)    田中 一穂君

   政府参考人

   (財務省関税局長)    稲垣 光隆君

   政府参考人

   (国税庁次長)      西村 善嗣君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           神田 裕二君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           蒲原 基道君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           宮本  聡君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           後藤  収君

   政府参考人

   (中小企業庁事業環境部長)            鍜治 克彦君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           毛利 信二君

   参考人

   (日本銀行総裁)     白川 方明君

   財務金融委員会専門員   北村 治則君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十九日

 辞任         補欠選任

  御法川信英君     宮内 秀樹君

  武正 公一君     泉  健太君

  前原 誠司君     松本 剛明君

同日

 辞任         補欠選任

  宮内 秀樹君     御法川信英君

  泉  健太君     武正 公一君

  松本 剛明君     前原 誠司君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第八号)

 関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提出第九号)

 消費税率の引上げが国民生活及び我が国の経済に及ぼす影響を踏まえ早急に講ずべき措置に関する法律案(松本剛明君外四名提出、衆法第二号)


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     ――――◇―――――

金田委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、所得税法等の一部を改正する法律案及び関税定率法等の一部を改正する法律案並びに松本剛明君外四名提出、消費税率の引上げが国民生活及び我が国の経済に及ぼす影響を踏まえ早急に講ずべき措置に関する法律案の各案を議題といたします。

 この際、お諮りをいたします。

 各案審査のため、本日、参考人として日本銀行総裁白川方明君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長原敏弘君、総務省大臣官房審議官平嶋彰英君、財務省主計局次長福田淳一君、主税局長田中一穂君、関税局長稲垣光隆君、国税庁次長西村善嗣君、厚生労働省大臣官房審議官神田裕二君、大臣官房審議官蒲原基道君、経済産業省大臣官房審議官宮本聡君、大臣官房審議官後藤収君、中小企業庁事業環境部長鍜治克彦君、国土交通省大臣官房審議官毛利信二君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

金田委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。藤井比早之君。

藤井(比)委員 おはようございます。藤井比早之と申します。

 金田委員長初め財務金融委員会の委員の皆様、よろしくお願い申し上げます。また、一回生ながら質問させていただきまして、理事の皆様、本当にありがとうございます。また、麻生大臣初め、財務省、金融庁の皆様、よろしくお願い申し上げます。

 それでは、私からは、内閣提出、所得税法等の一部を改正する法律案について質問させていただきたいと思います。

 今回の改正案は、成長と富の創出の好循環の実現、社会保障・税一体改革の着実な実施、震災からの復興の支援等というのが三本の柱と理解しておりますけれども、中でも特に、成長と富の創出の好循環の実現に当たっての税制上の措置について質問させていただきたいと思います。

 まず、中小法人の交際費等の損金算入についてでございます。

 ちょっと長くなるんですけれども、読み上げさせていただきたいものがございます。元総理、大蔵大臣の高橋是清氏が、昭和四年、一九二九年十一月に語った言葉を紹介させていただきたいと思います。

 例へば茲に、一年五万円の生活をする余力のある人が、倹約して三万円を以て生活し、あと二万円は之れを貯蓄する事とすれば、其の人の個人経済は、毎年それだけ蓄財が増えて行って誠に結構な事であるが、是れを国の経済の上から見る時は、其の倹約に依て、是れ迄其の人が消費して居った二万円だけは、どこかに物資の需用が減る訳であって、国家の生産力はそれだけ低下する事となる。

 更に一層砕けて言ふならば、仮に或る人が待合へ行って、芸者を招んだり、贅沢な料理を食べたりして二千円を消費したとする。是れは風紀道徳の上から云へば、さうした使方をして貰ひ度くは無いけれども、仮に使ったとして、此の使はれた金はどういふ風に散ばって行くかといふのに、料理代となった部分は料理人等の給料の一部分となり、又料理に使はれた魚類、肉類、野菜類、調味品等の代価及其等の運搬費並に商人の稼ぎ料として支払はれる。此の分は、即ちそれだけ、農業者、漁業者其の他の生産業者の懐を潤すものである。而して此等の代金を受取たる農業者や、漁業者、商人等は、それを以て各自の衣食住其の他の費用に充てる。

 此の人が待合で使ったとすれば、その金は転々して、農、工、商、漁業者等の手に移り、それが又諸般産業の上に、二十倍にも、三十倍にもなって働く。故に、個人経済から云へば、二千円の節約をする事は、其の人に取って、誠に結構であるが、国の経済から云へば、同一の金が二十倍にも三十倍にもなって働くのであるから、寧ろ其の方が望ましい訳である。

という言葉でございます。

 一回生だからといって、料亭に行かせてくださいとか、そういうつもりはございません。例えがこれでいいかどうかというのはありますけれども、まさに経済の本質をついているんじゃないかと思うんです。金は天下の回りもの。

 今回の中小法人の交際費等については、支出交際費等の額のうち八百万円まで全額損金算入を認めるという改正案が盛り込まれております。これはまさに、地域経済を支える中小企業の支援として、成長と富の創出の好循環を実現するものと理解しております。

 従来、法人の交際費等については、乱費の支出の助長や公正な取引の阻害という観点から、原則、損金不算入とされてきたと認識しておりますけれども、今回の改正案のまさに意義とこれまでの考え方との整理、そして何より経済的な効果について、麻生財務大臣、ぜひとも答弁をよろしくお願いいたします。

麻生国務大臣 総務省の役人としては、昔そういう教育をしてくれたいい大臣がいたんだと思って、よかったなと思っていますけれども。

 今の話は、二つ考えておかないかぬ大前提があると思います。

 一つは、一九二九年十一月というのは、一九二九年九月に例のウォールストリートの株の大暴落に伴ういわゆるデフレーションというものが一挙に世界に広がっていった。デフレーション不況というのは、二十世紀ではこれが最後だったんですが、このときの影響をもろに受けて、高橋是清は、その後、犬養毅内閣で大蔵大臣をしておられると思いますが、斎藤実内閣とそれはずっと続きまして、その間、大蔵大臣をしておられたときに、そういうことを言っておられるんだと思っております。時代背景はデフレだった。一つ。

 二つ目、合成の誤謬。これは難しい経済用語ですけれども、まともなことをやれば、個人的には正しいことであっても、全体でやったら正しいとは限らないというのを経済用語で合成の誤謬というんですけれども、例えば、あなたが、酒もやめた、たばこもやめた、選挙もやめた、何もやめた、かにもやめた、それは女房も喜ぶし体も喜ぶかもしらぬけれども、日本じゅう全員、一億二千七百万でせいのでこれをやると、日本じゅうでゴルフ場は潰れ、飲み屋は潰れ、酒屋は潰れ、JTは潰れ、全部潰れて、町には失業者があふれる、極端な例を言えばそういうことです。

 したがって、一人でやることは正しくても、全体的に与える経済という面から見ますと、それは正しいとは限らぬというのを難しい言葉で合成の誤謬というんですが、高橋是清の話は、それを当時の言葉でわかりやすく語っているんだと思いますけれども、基本的には正しいと思います。

 したがいまして、日本では、交際費の損金不算入制度というのは、昭和二十九年、大分前の話ですけれども、法人の交際費の抑制、乱費の抑制というもののためにこれをスタートさせた。それによって会社の資本を蓄積する、今のように内部留保が高い時代じゃありませんので、資本の蓄積を促進させるために入れられたものなんであります。

 中小法人というのは基本的には資本金一億円以下と一応定義されているんですが、財務とか資金繰りの基盤が脆弱である、弱いなどということと、大企業と異なって広告宣伝費などになかなか金がかけられるような余裕もないというようなことで、限界があるので、大企業とは異なる扱いをするということで、交際費課税というものをいわゆる特例にしたということなんだと思います。

 このたびは、緊急経済対策の一環として、我々としては、地域経済を支えているのは主に中小零細企業ということになろうと思いますので、そういうところが営業活動を活性化させない限りは、とてもではないけれども、なかなか地方の景気というものには影響が出てこない。やはり地方が元気になりませんとどうにもならない。そういうことから、地域経済の底上げにつながるものとして、このたび制度を改正させていただいたというのが背景であります。

藤井(比)委員 ありがとうございます。これからも大臣の御指導を賜りたいと思います。

 次に、雇用促進税制の拡充についてお伺いしたいと思います。

 経済対策によって景気がよくなっても、企業が内部留保をため込むだけじゃないか、雇用の増大や従業員の所得の向上につながらないんじゃないかという御批判がよくあります。

 内部留保の定義いかんによってこれは違うんですけれども、年次別法人企業統計調査における企業の利益剰余金の推移というのを見ると、平成十三年度の約百六十八兆円から、平成二十三年度の約二百八十二兆円と、十年で百兆円以上の増加が見られる。確かに内部留保はふえておる。まさに、これを雇用の増大や従業員の所得の向上につなげていくことこそが経済の活性化に欠かせないと考えます。

 今回、雇用促進税制の拡充というのを行われるんですけれども、これは現行制度でどの程度活用されているのか。雇用者数を前事業年度から一〇%以上増加させることとかを適用条件にしていますので、ちょっと厳しいんじゃないかという気もするんですけれども、実際の活用実績と、それから、今回は税額控除額を拡充するということなんですけれども、その経済的な効果について、政府の見解をよろしくお願いいたします。

山口副大臣 お答えをさせていただきます。

 ただいま先生御指摘の雇用促進税制、平成二十三年度の改正で、雇用の拡大を図る観点から、お話しのとおり、雇用者を一〇%以上ふやす等の要件を満たした企業につきまして、増加雇用者一人頭二十万円の税額控除ができるということで創設をいたしたものでございます。

 この雇用促進税制、平成二十三年度実績では千三百十三件の適用がございました。本制度の初年度で三月決算法人への適用に限られたというふうなことなどを踏まえれば、一定の効果があったものではないかなということで、もう少し申し上げますと、税額控除額として二十一億円、さらには、単純に一人頭二十万ということで計算をしますと、約一万五百人分の減税額に相当するというふうな実績が上がっておるところでございます。

 今般、緊急経済対策の一環として、税額控除額を増加雇用者一人頭二十万から四十万円に引き上げるというふうなことといたしたところでありまして、これによって、別途創設をすることとしております所得拡大促進税制、給与を上げたらこれだけ控除しますよというものですが、これとあわせて、雇用の一層の確保と個人所得の拡大を図って、消費需要の回復を通じた経済成長につなげていきたいと考えておるところでございます。

藤井(比)委員 ありがとうございます。

 先ほど、雇用促進税制にあわせて所得拡大促進税制の創設というものも山口副大臣からお話しいただきましたけれども、まさに、所得の拡大というのが経済の活性化に必要だと思われるんですが、今回の所得拡大促進税制、なかなか諸外国でも見られないような制度ではないかと考えるんですけれども、この制度創設の意義、また、実際に制度が活用されるのか、経済的な効果について、政府の御見解を伺います。

山口副大臣 今般の改正につきましては、給与の支払いを増加させた企業を優遇する所得拡大促進税制、これを創設するということにしております。

 具体的には、個人の所得拡大を図るために、基準年度、平成二十四年度を基準とするということで、これと比較をして給与等支給額が五%以上増加をするなどの要件を満たす場合に、増加額の一〇%を税額控除できるというふうな制度を創設いたすわけでございます。

 これによって、雇用促進税制の拡充とあわせて、雇用の一層の確保と個人所得の拡大を図って、消費需要の回復を通じて経済成長につなげていきたいというふうなことでございます。

藤井(比)委員 ありがとうございます。

 このたび、春闘でもすごくすばらしい回答がどんどん続けて出ておるわけでございますけれども、税制においても、まさに雇用を拡大する、所得を拡大する、このような税制上の措置が盛り込まれている、このことを認識せねばならないというふうに考えております。

 次に、教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設についてお伺いしたいと思います。

 総務省の全国消費実態調査では、世帯主が六十歳以上の世帯の金融資産残高は全体の約六〇%、五十歳以上にしたら約八〇%とされています。我が国の家計の金融資産は、日銀の資金循環統計では約千五百兆円とされておりますので、まさに六十歳以上では九百兆円、五十歳以上にしたら千二百兆円もの金融資産が保有されているというふうに理解しております。

 まさに、高齢者の皆様が持っておられる金融資産を動かしていく、有効に活用していく、特に、結婚や出産、子育て、教育等でお金が必要な若年世代に移転を行っていく、そのことが消費の拡大や経済の活性化また少子化対策にもつながるんじゃないか、これこそが喫緊の課題ではないかというふうに確信しております。

 今回、教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置が設けられるんですけれども、そういう点で非常に意義あるものと理解はしておるんですが、ただ、現在でも、基礎控除百十万円までの贈与は非課税、また、生活費または教育費に充てられるための贈与は、通常必要と認められるもので、必要な都度、直接これらの用に充てられるのであれば非課税とされています。

 したがいまして、今回の改正案のまさに意義と、それから特に経済的な効果について、麻生財務大臣にお伺いいたしたいと思います。

山口副大臣 済みません、私の方からお答えをさせていただきたいと思います。

 藤井先生おっしゃるとおりで、教育につきましては、授業料とか、複数年にわたり多額の資金が必要です。実は、私も子供が四人おりまして、大学、理系の私立に行きますと、授業料が一人二百万前後必要というふうな実態もあるわけでありますが、こういった教育資金を一括して贈与する場合にも贈与税を非課税としてほしいというふうなニーズが非常に高かったというふうに理解をいたしております。

 こうしたことを踏まえまして、今般、経済対策の一環として、二十五年度改正に盛り込むというふうなことにしたわけでございます。

 この制度が広く活用されることによりまして、高齢者の資産の若年世代への早期移転、あるいは計画的で質の高い教育機会の確保、さらには教育資金の不安緩和による消費活性化等、そういった効果を期待しておるところでございます。

 こうした政策効果を適切に実現できますように、使い勝手のよい仕組みにするということが大変重要だと考えておりまして、利用する際の手続などにつきまして、関係省庁とも連携をして、わかりやすい周知、広報に努めてまいりたいと考えております。

藤井(比)委員 ありがとうございます。

 まさに使い勝手のいい制度とおっしゃいました。今回、教育資金のみということでございますけれども、法案の附則第百八条第四号で規定されておりますけれども、これから特に、資産の若年世代への早期移転を促して、消費の拡大を通じた経済の活性化を図るという観点で、ぜひともその点、柔軟なというか、対応をよろしくお願い申し上げたいと思います。

 次に、日本版ISAの創設についてお伺いさせていただきたいと思います。

 我が国の家計の金融資産は、特に現金、預金が多い、この割合が約五五%にも上る。まさにこのお金を動かしていく、金融資産を有効活用していくことこそが経済の活性化には必要なんだろうと考えておるんですけれども、この点で、日本版ISAを創設する意義と、まさに経済的な効果について、お伺いしたいと思います。

麻生国務大臣 今ISAと言われましたけれども、インディビジュアル・セービング・アカウント、通称ISA、日本版ISAというんですが、少額投資非課税制度と長い漢字がついていますものですから、日本版ISAと通常言われているものです。

 今おっしゃるとおり、日本で、個人金融資産、一千五百兆を超える、そのうち八百兆を超えます金が現預金という日本の個人の金融形態でありますので、家庭におきます安定的な資産形成というのを考えたときに、現金、預金だけというのは、ちょっと幾ら何でも、これだけ偏っているのは余りありませんし、そういった意味では、経済成長に必要な成長資金というものの供給拡大を図る、すなわち、そこから株を買うとか、そういったような観点を考えましたときに、今回、大幅に拡充するという方向を今設計してみたいということで事が動いております。

 これによって、各御家庭における資産形成の形、たんす預金とか、貯金とか預金とかいろいろありますけれども、そういったものでずっと寝ているお金、金利がつかないんだから置いておいても同じじゃないかということもあったんだとは思いますが、いずれにしても、こういったものが寝ているだけではどうにもなりませんので、今回、デフレ不況から脱却していく上において、こういう今じっとしているお金が株とかその他のものに回っていくということを後押しする、それがデフレ不況からの脱却への後押しになれば、基本的にそう思っております。

藤井(比)委員 ありがとうございます。

 今回、日本版ISAを導入するということで、現金、預金を、金融資産を有効活用していくという制度がまさに経済成長として盛り込まれたと理解しておるんですけれども、一方、上場株式等の配当等及び譲渡所得等に係る一〇%軽減税率は、平成二十五年十二月三十一日で廃止されまして、本則の二〇%へと税率が上げられるという形になります。

 今回の日本版ISAの導入によって、非課税とされる範囲を超えるような大口の投資については本則税率化、二〇%にアップするんですけれども、例えば利益確定売りするとか、何かいろいろそういうのが起こるんじゃないかという気もするんですが、それに対する目配りはなされているのかどうか、御見解を伺います。

麻生国務大臣 今回の改正で、金融所得課税の一体化というものを進めて、一定の公社債の利子とか譲渡損益、そういったものを上場株式などの配当、譲渡損益と通算できる、両方できるというようにしております。おわかりと思いますが、これは一つの大事なところです。

 例えば、株式と国債の双方に投資をしているという場合であっても、仮に株式投資で損失、損金が出たとしても、国債の利子所得と一緒に相殺できないという税制上の問題というのはこれによって解消されるということになろうと思います。先ほど大口の話をしておられましたけれども、そういうことだと思います。

 このように、大口、小口を含みますさまざまな個人の投資家につきましては、今回の税制改正によってリスクの軽減が図られると存じますし、また、投資しやすい環境が整っていくことになっているのではないか、そう期待をしております。

藤井(比)委員 ありがとうございます。

 いずれにしても、投資環境の改善に向けての改正であるということで、御期待を申し上げております。

 次に、生産等設備投資促進税制の創設についてお伺いさせていただきたいと思います。

 まさに我が国は製造業でもっている国でございまして、我が国経済を再生するために、製造業を中心とする投資に対する、設備投資の拡大、そういった形で経済の底上げを図る、生産設備の更新を通じて産業競争力の強化を図る必要があると考えておりますけれども、まさにこのために生産等設備投資促進税制が創設されると理解しておりますけれども、その意義と経済的な効果についてお聞かせいただければと思います。

山口副大臣 お答えをさせていただきます。

 もう御案内のとおり、リーマン・ショック以降、我が国における設備投資というのは大きく減少いたしました。また、長きにわたる設備投資減が、減価償却費を下回りまして、設備の劣化による生産性の低下さえ懸念をされるというふうな状況下にございました。

 こうした現状に鑑み、我が国経済を再生させるために、企業の慎重な投資マインドというものを反転させて、設備投資の拡大によって経済の底上げを図るとともに、生産設備の更新を通じて産業競争力の強化を図っていく必要があるというふうなことでございまして、このため、お話しのとおり、生産等設備への投資を一定以上増加させた場合に、新たに取得をした機械装置について、取得価格の三〇%の特別償却または三%の税額控除ができる制度を創設するというふうなことにいたしたところでございます。

 なお、従来の政策税制というのは、例えば環境関連設備等のように、特定の政策目的に沿って対象設備等を限定してきたところでありますけれども、今回の制度というのは、こうした限定をかけることなく、広く設備投資を促進して、これによって経済全体の底上げが図られるものと期待をしておるところでございます。

 以上です。

藤井(比)委員 ありがとうございます。

 先ほど対象設備の限定がないというお話がありましたけれども、まさにその観点で、ぜひとも経済の活性化に役立って、実際に使用されていけばというふうに思っております。

 それでは、最後になりますけれども、今回、成長と富の創出の好循環という点について、税制措置についてお伺いさせていただいたところでございますけれども、やはり、とにかく今は経済のパイを広げていく、これが必要なんだろうと思います。

 経済のパイが広がれば、自然と税収は上がる、そうすることによって社会保障の維持もできる。まさに、経済成長なくして財政再建なし、経済成長なくして社会保障の維持はなし。そのために、今こそ経済をテークオフさせる。そのために、今、安倍政権の三本の矢、経済対策はあるんだろうというふうに思うんですけれども、これが短期的なカンフル剤だけに終わるとか、一時的なもので一過性に終わってしまう、それだったらもう何のためにやっているのかわからへん。いずれ必ず、中長期的に、超少子高齢社会になっておりますので、社会保障をこれから持続的に維持していく、また財政再建をやっていく、このことが必要だと思います。

 この財政再建、そして社会保障の持続性確保に向けた麻生財務大臣の決意についてお伺いします。

麻生国務大臣 今御指摘がありましたように、この安倍政権で言われるいわゆる三本の矢、これは、一本目、二本目というところは極めて短期的にということだと思いますが、やはり中長期的に見ますと三本目の矢が一番ということになろうと思っております。

 政権発足後の極めて短い時間でしたけれども、緊急経済対策の策定とか、二十四年度の補正予算とか、また、日本銀行との共同声明等々、矢継ぎ早にこういった話ができ上がっておりますので、そういったところでは、基本的に、一般的に気分が何となく、これは何か動くなという感じで株価に反映してみたり、いろいろな形で気分が少し上がってきているというような感じはいたします。

 こういったものは、今、財政の機動的な出動をしております分というのはかなり多いので、これをずっと続けるわけにはいきませんので、必ず三本目の矢が出てきて、その経済の成長によって、言われるように、パイが大きくなってということをしていかないかぬ。そのためには、やはりプライマリーバランスというものをきちんとさせねばならぬということは、我々としても再三申し上げてきているとおりです。

 また、社会保障の安定財源の確保と財政の健全化、これは同時にやらないかぬという難しい問題を抱えておりますので、社会保障と税の一体改革というものも着実に進めることが肝心なことなんだ、我々もそう思っております。

 したがいまして、今後、社会保障制度改革推進法に基づきまして、社会保障国民会議で社会保障につきまして精力的に議論をする、そして改革の具体化に向けて取り組んでいくということは大事なことだと思いますので、財政健全化と日本経済の再生というものとの双方を実現する道筋について、これは真剣に我々は取り組んでいかねばならぬ、そう覚悟をしております。

藤井(比)委員 ありがとうございました。これで質問を終わります。

金田委員長 次に、岡本三成君。

岡本委員 公明党の岡本三成です。一期生議員ですので、ふなれな点もあるかと思いますが、どうかよろしくお願いいたします。

 私は、昨年議員になるまで二十五年間、アメリカの金融機関に勤務をしておりまして、ニューヨーク、ロンドン、シンガポール、世界各国で働いてまいりました。そして、その結論として確信をしていることがあります。それは、日本の経済は必ず再建できるというふうに確信をしております。

 経営の重要な三要素、これは世界じゅう共通でありまして、大臣もよく知っていらっしゃるように、人、物、金。日本にはこの三つが全てそろっておりまして、しかもそれが世界最高水準であります。ここに、政治がリーダーシップを持ちまして、さらにスピードと情報を加えていけば、日本の経済の再建というのは間違いがないというふうに思います。

 その意味で、今最も重要なことの一つというのは、スピード感を持ってこの平成二十五年度の予算を仕上げることだというふうに思います。国民の皆様も、市場も、スピード感があるからこそ変化が期待できる、変化が期待できれば将来がよくなると思って、景気が好転し始めておりますので、私たち委員一人一人も、この平成二十五年度の予算を全力で早期に成立させるように取り組んでまいりますので、どうかよろしくお願いいたします。

 では、まず一つ目の質問。

 この予算関連の法案なんですけれども、今までこの日切れ法案は、特例公債法であっても、関税の定率法であっても、ねじれ国会の中で比較的政治対立の典型的な法案になってしまっていたような側面があると思います。しかし、昨年、民主党、自民党、公明党で三党合意をいたしまして、特例公債の発行が認められる法改正が行われたことというのは画期的だと思うんですね。

 その意味で、今回提出をされた所得税法等の法案の改正については、社会保障と税の一体改革の三党合意の中で、年明けより三党で協議が重ねられた上での提出でありますし、しかも、その時点で、年度内の成立が重要だという三党合意も行われておりますので、まさしく慎重に議論をする中にもスピード感を持って仕上げることが重要で、この合意をした意義は大変に大きいと思いますけれども、まず初めに、大臣、どのようにお考えか、お伺いできればと思います。

麻生国務大臣 この特例公債法というのは、昨年の十一月に御党と自民党、民主党、三党の合意を得まして、平成二十七年度までの特例公債を認めるための議員修正が行われたということで成立したものであります。

 余り高く評価されていないのが新聞のレベルですけれども、これは国際的に見てもすごいと思いますね。後世、歴史家は、多分これは、今回のねじれ国会の中で、世界各国、財政の崖とか、いろいろアメリカでもヨーロッパでも国会内の合意を見られないために結論が下せず問題が起きているという国は、これはもう御存じのようにいっぱいあります。

 その中にあって、日本は、この三年間の民主党政権の中でいろいろありましたけれども、最終的にこの合意を成立させることができたというのは、これは多分、後世、民主主義が成熟しているという意味においては、日本の方がはるかに他国に比べて成熟しているのではないかという評価がいずれ海外の方から出てきて、それで慌てて後追いでまた日本の新聞が評価する、大体いつものパターンなんだと思いますけれども、こういうことになり得るぐらい今回のものはすごかった、私自身もそう思っております。

 とにかく、予算執行にも影響が出るという状態がずっと続いていましたので、昨年の十一月に決着したことによって、当分の間、いわゆる特例公債法の審議というのは不要ということになったんですが、安定的な財政運営が可能になったということで、これは本当に大きな意義があるんだと思っております。

 今言われたとおりですが、毎年度の特例公債の発行限度額につきましては、従来同様、これは予算の総則で定めて、国会の議決をいただく必要があるのは当然なんですが、政府としても、この問題につきましては、引き続き、予算審議などにおいて丁寧に説明をして、御理解を得てまいりたいものだと考えております。

岡本委員 一方、今回民主党から提出をされました消費税率の引き上げに伴う措置法案ですけれども、これは、二月二十二日に三党合意で引き続き協議を行うと決定された内容を、改めて時限を区切って結論を出すことを法定しようとしているものだと認識をしておりますけれども、私、個人的には、不必要に時間を浪費してしまうという側面もあるというふうに思うんですけれども、大臣の御見解を伺えればと思います。

麻生国務大臣 これはもう岡本先生御存じのように、議員立法の取り扱いですから、これは国会で御判断をいただくべき事項だ、基本的にそう思っております。

 ただし、一般論で申し上げれば、この議員立法に盛り込まれております低所得者対策、医療、住宅及び車体課税に関しましては、今般の三党合意において引き続き協議を行うということになったと承知をしております。

 政府としては、この三党間の今後の協議の状況、経緯というものを注視しながら、税制抜本改革法の規定に沿って検討していく必要があろうと考えております。

岡本委員 私は、今回の所得税法等の改正の内容については、基本的に賛成であります。

 特に、財務省はその大きな狙いを成長と富の創出の好循環の実現にあるというふうにしていらっしゃいますけれども、今回の改正におきまして、その結果として、増税額が大体どれぐらいで、全体としての減税額がどれぐらいというのを、見込んでいらっしゃいましたら数字を教えていただけますでしょうか。

山口副大臣 お答えをさせていただきます。

 平成二十五年度税制改正におきましては、いずれも平年度で、所得税の最高税率の引き上げによりましてプラス五百九十億円、そして、相続税、贈与税の見直しによりましてプラス二千四百二十億円、計三千十億円の増収を見込んでおります。

 一方、減収項目としては、いずれも平年度でありますが、投資促進や所得拡大のための税制措置など経済対策の合計でマイナスの三千三百三十億円、消費税率引き上げに伴う住宅ローン減税等によりましてマイナスの七百二十億円、そのほか、延滞税、印紙税の見直し等によりまして四百八十億円の減、計四千五百三十億円の減収を見込んでおります。

 以上です。

岡本委員 数字だけ挙げますと、ネッティングいたしますと、一千五百億円ぐらいのマイナスになる可能性があるという御判断なんだと思うんですけれども、実際には、この減税の分というのは、それによって個人や企業が設備投資や個人消費を刺激されるインセンティブがついているということですので、非常に意味があるというふうに思っております。

 実際に、賃金を上げる、または非正規社員を正規社員に変えるような企業も出てきておりますので、中長期的には、今回の減収分というのは大きな経済拡大の波及効果があり得るというふうに思っておりますけれども、中長期的な経済拡大の波及効果につきまして、何か試算をしていらっしゃれば、ぜひ御教示いただければと思います。

山口副大臣 先生おっしゃるとおりで、まさにそういった狙いでやらせていただいておるわけでございまして、いろいろな税制を考えておるわけであります。

 これは、先ほども大臣の方からお話がありましたが、三本の矢によって、今までの縮小均衡の分配政策を、これから成長と富の創出の好循環へぜひとも転換をさせたい、そして、強い経済を取り戻すための政策パッケージの一環として、さまざまな税制措置等の改正を行うというふうなことにしておりますが、これは、実は、お話しのとおり、強い経済を取り戻すためのパッケージとしてやっておりますので、税制改正のみによる経済効果については試算をしておりません。

 ただ、二十五年度税制改正による影響も織り込んだ上で、平成二十五年度の政府の経済見通し、これにつきましては、実質成長率は二・五%、名目成長率は二・七%程度というふうに見込んでおるところでございます。

岡本委員 本日は、日本銀行の白川総裁にお越しをいただきました。本日が任期最終日だというふうに思いますので、お忙しい中、足を運んでいただきまして、本当にありがとうございます。

 いよいよ、あす三月二十日から、黒田新総裁のもとで出発をされます。(発言する者あり)済みません。

 これまで、五年間の任期の中というのは、その任期の期間中に、リーマン・ショックがあり、東日本の大震災があり、そして欧州の債務危機がありということで、未曽有の時代に日銀を率いてきていただきまして、私は、個人的に非常に感謝を申し上げております。

 そして、このような激動の時代の中で、日銀の理念である「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること」ということの実現は、大変困難であったというふうに思います。

 本日が総裁として最後の国会答弁になるわけですけれども、本日は、御質問に御答弁いただくというよりは、これまでの五年間の経験を通じて、後を継ぐ私たちに対して、その経験からアドバイスをするというようなお気持ちでお話をいただければと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。

白川参考人 お答えいたします。

 先生御指摘のとおり、本日は、私の日本銀行総裁としての最後の日でございます。そうした日にこうした機会を与えていただきまして、本当にありがとうございます。

 この五年間を振り返ってみますと、先生御指摘のとおり、リーマン・ショック、欧州債務危機、それから東日本大震災等々、さまざまな、大きな出来事が発生いたしました。そうしたもとで、日本経済も大きな落ち込みを余儀なくされました。

 日本銀行は、この間、先生御指摘の物価安定のもとでの持続的な経済成長の実現ということに全力を傾けました。包括的な金融緩和政策など、いわゆる非伝統的な政策を含めまして、さまざまな政策を実施しました。また、この緩和的な金融環境が家計や企業の方にも行き渡るようにということで、成長基盤強化や、あるいは貸し出し増加を支援するための資金供給を創設いたしました。それから、本年一月には、二%の物価安定の目標を導入いたしました。

 このように、私どもとして最大限の努力を払ってまいりましたけれども、残念ながら、物価安定のもとでの持続的成長軌道に復帰するには、なお至っておりません。

 一方、日本銀行の使命には、もう一つ重要な使命がございまして、これは金融システムの安定でございます。この点では、先ほど申し上げましたような極めて大きな出来事があったにもかかわらず、日本の金融システムは欧米に比べて格段に安定していたというふうに思います。

 いずれにしましても、日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的成長軌道に復帰するという課題の達成のためには、私は、日本銀行による強力な金融の緩和、これが必要だというふうに思っております。と同時に、競争力、成長力の強化に向けた幅広い主体による取り組み、これも必要でございます。この両方がいわばプラスの相乗作用を生み出す形で課題の達成が実現していくというふうに思っております。

 最近、世界経済の流れを見てまいりますと、米国あるいは中国を中心に持ち直しの兆しが見られております。金融市場では、大きな流れで見ますと、リスク回避姿勢の後退ということが起きておりまして、そのもとで、円安あるいは株高も発生しております。そういう意味で、現在はこれはチャンスだというふうに思っております。

 それだけに、現在日本の経済が直面する真の課題が何であるのか、これを認識しまして、さまざまな取り組みが進められること、これを強く願っております。

 日本経済が直面する真の課題が何であるのかということについては、さまざまな議論がもちろんあると思いますけれども、私は、今、日本の労働人口、就業者が年率〇・六%のペースで減少しているということの重み、これは大変な逆風が吹いております。

 一方、生産性の伸び率、一人当たりのGDPの伸び率の方は、これはG7諸国の平均よりも日本は上回っているということでございます。そういう意味で、日本の働いている人一人一人の力、これは十分にあるというふうに思っております。

 ただ、残念ながら、この二つを組み合わせますと、潜在成長率は一%を下回ってくる。しかも、放っておくとそれがだんだん低下していくということ、これはもう目に見えているわけでございます。

 それだけに、こうした現実に対応して日本経済としてしっかり取り組んでいくというのが、まさに、さまざまな主体による取り組みだということでございます。そうした思いでこれからも日本の経済が取り組んでいきますと、先ほど先生がおっしゃったように、人、物、金が日本は十分備わっているということですから、私自身も、日本の経済が必ず復活するというふうに信じております。

岡本委員 ありがとうございます。

 私、二十五年間、国際金融市場に接しておりまして、白川総裁というのは市場の信認というのを非常に重要視される方だというふうにずっと思っていました。

 しかしながら、それゆえに、メッセージ力といいますかコミュニケーションに対しては非常に慎重で、市場をミスリードしないようなところを気をつけ過ぎられたような側面もあったのではないかなというふうに率直に思っています。

 そして、ある程度のところまでは、二%のインフレターゲットにつきましては、さまざまな弊害もあり得るということで、余り快く思っていらっしゃらなかったのではないかなと思いますが、任期の最後のところで、苦渋の選択の中でこれに合意をされたのではないかというふうに思っておりますけれども、率直に、どういうふうなお気持ちでいらっしゃったんでしょうか。

白川参考人 お答えいたします。

 先ほど申し上げましたとおり、日本の経済は、今、世界経済の大きな持ち直しの兆しの中で、明るい動きが生まれ始めております。物価という面でいきますと、本年一月時点での見通しによりますと、二〇一四年度は、これは一%に達していくという見込みが高まってまいりました。

 そうなりますと、この一%を超えた先の姿についても、これは中央銀行として明らかにしていく必要があるというふうに感じました。そういう意味で、これは日本銀行自身の判断として、二%が適切であるというふうに思います。

 ただし、これ自体は、繰り返し申し上げますけれども、幅広い主体の努力、これもあわせて必要であるというふうに感じております。

岡本委員 ということは、時間軸の中で、インフレターゲットの効果が最も出るであろうタイミングを狙って、そこに対して合意をされたというふうな認識でよろしいですか。

白川参考人 昨年の二月に、日本銀行として、中長期的な物価安定のめどというものを出しました。その時点で、もう既に、日本銀行としては、物価安定は、二%以下のプラスの領域で、当面は一であるというふうに申し上げました。

 ただ、昨年の段階では、まだ物価の見通しが、先々それほどまだ高くない。そういう中で、だんだんに物価の上昇率が高まっていくという見通しが高まりましたその時点を捉えて導入をしたというものでございます。

岡本委員 もう一つ、黒田新執行部は、このインフレターゲット二%の達成時期につきまして、おおむね二年後ぐらいを目標として実行していきたいということを決意表明されていらっしゃいますけれども、なかなか、実現しなければいけませんけれども、そう簡単なハードルではないと思っておりますが、これを実現するために、今までの御経験をもとに、こういうことに注力をすべきだ、これをやるべきだというふうな実現に向けたアドバイスをいただければと思いますが、いかがでしょうか。

白川参考人 私は、本日退任する総裁でございます。そうした立場で、新たに就任される総裁に対して、こういう席で何かアドバイスをするというのは、これはやはり差し控えたいというふうに思います。

 ただ、先般、一月の共同声明で私どもが訴えましたことは、日本銀行の使命をまず最初に書いてございます。これは、物価の安定と、それから金融システムの安定、これが日本銀行の重要な使命です。これは法律にうたわれていることでございます。そうした使命の達成ということを目指しまして、その中で物価の二%があるわけでございますけれども、この二つの使命を達成するという中で、その中でできるだけ早くということでさまざまな政策を展開しております。

 そういう意味で、御質問に対して直接お答えするということは差し控えたいと思いますけれども、日本銀行としてこれまでも努力してまいりましたけれども、新たな執行部も努力をしていくというふうに確信をしております。

岡本委員 白川総裁はこれで結構でございます。

 これまで五年間、大変な時代の中、日本銀行、また市場を導いていただきまして、本当にありがとうございました。お疲れさまでした。

 では、続きまして、株価の上昇につきましてお話をいただければと思います。

 二〇〇八年のリーマン・ショックの前の水準に今の日経平均が回復をしておりまして、政府保有の株式、JT株等々につきましても、その時価総額も上がってきたような認識をしております。

 例えば、先週、東日本大震災の復興財源を捻出する目的でJT株の売り出しをされていらっしゃいますが、今回の株価の回復によりまして、当初の見込みと比べまして、その売却収入がどれぐらい増加したかという数字を教えていただければと思います。

山口副大臣 お答えをさせていただきます。

 今般のJT株式の売却によりまして、ネット売却収入約九千七百億円が確保されることになりました。当該収入額につきましては、昨年十一月末におけるJT株価に今回の売却株数を機械的に乗じた額、これは約八千二百億円になるわけでありますが、これと比較をしますと、約一千五百億円多いというふうな計算になるわけでございます。

岡本委員 株価の上昇により、東北の復興財源も大きく増大をしたということだと思います。

 加えまして、自公政権への市場の期待も高く、日経平均全体、この三カ月間で四〇%ほど上昇しており、その結果、公的年金の運用資産のパフォーマンスも向上しているというふうに思いますけれども、ここ最近の公的年金の運用実績について教えていただければと思います。

蒲原政府参考人 お答え申し上げます。

 年金積立金の運用につきましては、年金積立金管理運用法人、これは略称してGPIFと言っておりますけれども、ここで行っておりまして、その運用状況については、毎四半期ごとに公表している、こういう状況でございます。

 直近のものが平成二十四年度の第三・四半期、すなわち昨年の十月から昨年の十二月末までの間のものでございます。これによりますと、運用資産全体で約五・一兆円のプラス、そのうち国内の株式は約二・一兆円のプラス、こういう状況になってございます。

岡本委員 ありがとうございます。

 このGPIFの本年度の第三・四半期、約五兆円のプラスということだというふうにお答えいただきましたが、その前の第二・四半期は、その十分の一の五千億のプラスだったと思います。第一・四半期に関しましては、これはマイナス二兆円の損失ぐらいだったと思いますので、自公政権の誕生とともに株価が大きく上昇したことが、直接的に株を保有していない国民であっても、間接的には大きな恩恵を受けているということをこちらで申し述べさせていただきたいと思います。

 加えまして、一月、二月も、TOPIXでいいますと二〇%ぐらい上昇しているわけですけれども、まだ運用のパフォーマンスの試算というのはできていないと思いますが、GPIFの株式部分というのは非常に分散されておりますので、そのパフォーマンスというのはTOPIXと相関関係が非常に高いと思います。そう考えますと、この株式部分は、一月、二月も二〇%ぐらいの上昇は達成できている可能性が高いというふうに理解してよろしいでしょうか。

蒲原政府参考人 お答え申し上げます。

 先生お話がありましたとおり、GPIFが運用いたしております国内株式の収益率につきましては、おおむねTOPIXと連動した動きをしている、こういう状況でございます。

 現時点で、第三・四半期末である昨年十二月末と比較いたしますと、TOPIXは上昇しているということでございますので、これに応じた収益が国内株式部分で生じているというふうに考えております。

岡本委員 続きまして、このような三本の矢を中心といたしました短期的、中期的な経済回復の施策とともに、やはり重要なのは、中期的、長期的には、財政の健全化に対して政府がコミットしているという姿勢を市場に示すことだというふうに思います。

 総理も、三月四日の衆議院の本会議の答弁の中で、立法措置も含めた検討をしていくというふうにおっしゃって、その後、政府の方からは、まだ具体的な検討には入っていないというふうなことをおっしゃいましたけれども、私、個人的には、立法措置までする必要はないと思っておりますが、立法措置するしないにかかわらず、政府のリーダーから中期的なコミットを示すことは最重要だと思いますので、先ほどの御答弁でもいただきましたが、いま一度、大臣の財政の再建に対するコミットのコメントをいただければと思います。

麻生国務大臣 政府といたしましては、今後、経済財政諮問会議等々において、財政健全化の目標というものを実現していくために、中期財政計画の具体化の検討を進めていくことにいたしております。

 その上で、財政健全化の実効性をどのように担保、確保していくかということも検討していくことと思いますが、現時点におきまして、立法化の用意も含めて、具体的な検討を行っているというわけではございません。我々は、それがなくてもきちんとやっていけるというような形にするのが本来の筋だと思っております。

岡本委員 最後に、私は、日銀の総裁とともに、財務大臣の市場に対するメッセージというのは、今後の景気回復のための最も重要な鍵、キー・サクセス・ファクターの一つだというふうに思います。

 その中で、特に、あしたはきょうよりよくなるんだ、来年はもっとよくなるというメッセージが市場に伝わりますと、企業といたしましては、これはビジネスチャンスだということで設備投資がふえます、また個人の方も、将来に対する安心がふえますので、財布のひもが緩んで個人消費もふえるということになりますので、麻生大臣らしく、デフレの脱却は必ず私がやります、経済の再建も私が大臣の任期中に必ず実現しますというようなメッセージを今後も出し続けていただきたいということをお願いいたしまして、その目標の実現に向かいまして、公明党もお役に立つように全力で取り組んでいくということを意思表明いたしまして、私の質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。

金田委員長 次に、松本剛明君。

松本(剛)委員 民主党の松本剛明でございます。

 本日は、政府提出の所得税法等の一部を改正する法律案などの政府提出法案二法と、それから、消費税率の引上げが国民生活及び我が国の経済に及ぼす影響を踏まえ早急に講ずべき措置に関する法律案ということで民主党から提出した法案の三案を議題として、質問をさせていただきたいと思っております。

 まず、個別の課題に入る前に、大臣にお願いを申し上げておきたいと思います。

 一つは、この税に関しては、昨年来、社会保障と税の一体改革ということで、三党で協議をいたしてまいりました。もちろん、三党でありますから、それぞれ社会保障についても税についても個々の主張がございます。しかし、一致できる点は一致をし、また、他の党の意見であってものみ込むことが可能であるところはのみ込み、残念ながらお互いにのみ込むことができないものは引き続きの課題である、こういう認識を共有しながら、昨年の夏に一つ合意をし、また、ことしの二月にその時点で合意できるものについて合意をさせていただいた。その意味では、大変建設的に私どもも議論をしてきたというふうに自負をいたしております。

 きょうの議論についても、政府提出の法案についても幾つか御指摘をさせていただきたいと思っておりますが、建設的に提案をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。

 同時に、麻生大臣は、副総理のお立場で、内閣全体を見渡すお立場でもあろうかというふうに思います。今回のこの社会保障と税の一体改革は、やはり社会保障と税の一体の協議であります。現在、税と社会保障と、いわば両輪で協議をさせていただいておりますが、残念ながら、社会保障は当初のスタートラインの隔たりも大きかったというふうに思いますが、現在のところも、まだなかなか、議論がかみ合った形で前へ進んでいるというふうには思いません。

 私どもも、社会保障は課題があるということで、三年間、与党をお預かりしている間は取り組んでまいりました。残念ながら届かなかったもの、幾つか、例えば高齢者医療制度の診療報酬体系のように、年齢によって診療報酬体系を変えるという部分は、私どもの三年間で整理をさせていただくことができたところもあります。

 やはり社会保障も、先ほども、経済の財源なくして、いわば財政なくして社会保障なしのような御発言も委員の方からあったように記憶をしております。ある意味ではそれは一つの事実かもしれませんが、同時に、やはり社会保障は国民の生活そのものでもありますので、これはこれで真摯にしっかり向き合っていかなければいけない課題ではないかというふうに思います。

 その意味で、我々としては、社会保障の議論が前へ進むことも極めて重要だというふうに考えております。大局的な見地から、麻生大臣のこの辺についてのお考えをお聞かせいただけたらと思います。

麻生国務大臣 社会保障というものは、今、御存じのように、高齢化が世界で最も急ピッチに進んでおります日本におきまして、特に高齢者の医療問題、介護問題含めて極めて重要な社会問題であることははっきりしております。

 ただ一方、こういったものは、福祉は天から降ってくるわけではありませんので、それを支える税なり財なり、きちんとそれに対応できるような体制を整えておかないと、これは成立しない。したがって、税と社会保障の一体改革という言葉が出てくるんだと思っておりますので、そういった意味では、これは双方、両方ともきちんとして対応していかないと、安定した、成熟した社会にはなりにくいというのが基本的な考え方であります。

松本(剛)委員 まさにおっしゃったとおり、天から降ってくるわけではないからこそ、昨年大変苦しい思いをして、社会保障の財源の安定化のために、もちろん充実、拡充の面も加えさせていただきましたけれども、消費税率の引き上げについても決断をし、また、これについては、当時は野党でありました御党、自民党、公明党さんの理解も得て法案として成立をしたものだというふうに理解をいたしております。

 その意味で、これから議論をさせていただくこの税法の議論においても、やはり、まさに天から降ってこない国の財政をしっかりしていくためには、この先、消費税率の引き上げの描かれた運びを着実に実施していく。もちろん景気の回復もその一つでしょう。と同時に、消費税引き上げに伴う影響をさまざま、どういう対策をとっていくのか、これも極めて重要な観点であるというふうに思っておりますので、これをしっかり進めるための議論をきょうはさせていただきたいというふうに思っております。

 その前に、きょう、私どもが法案を提出させていただいたことについて、一言お話を申し上げたいと思います。

 先ほども申し上げましたように、三党で協議をしてまいりまして、段階的に合意をしてまいりました。しかし、当然合意ができなかった部分もあります。私どもは、この合意ができなかった部分の、特に、今申し上げたように、消費税率の引き上げに向けて必要なものは加速して行うべきではないか。これは三党協議の場でも議論をしてまいりましたので、三党での議論も引き続き行うということになっております。しかし、同時に、政府提出の法案で国会においても議論をされるということでありますので、私どもとしては、国会においてもこのことはしっかり議題にのせて議論をする、このことが必要であるということで、議員立法を提出させていただきました。

 この議員立法を提出することも含めて三党で協議をしてやらせていただいておりまして、三党で合意をしたということは、実際に協議に携わった実務の担当者からしましても、本当にいろいろ苦心をしながら、苦労をしながら、工夫をしながら、合意できるものをしっかり固めていきながら、お互いの意見を尊重していくという、この積み重ねの流れであります。

 これについてはハウスでやっていることですので、大臣に御答弁は求めませんが、ぜひ委員各位にもその点をよく御理解いただき、そういった議論の積み重ねの中から、真摯にこれは進める。

 残念ながら、三党の協議に携わった各党の中でも、この協議の経過なりこの議員立法について、御理解が必ずしも十分に広まっていないようにも、先ほどの議論をお伺いしていて思いましたので、ぜひこの機会に、財務金融委員会に所属する各委員には御理解をいただいてまいりたいと思っております。

 それでは、個別の議論に入らせていただきたいと思います。

 税の信頼性また政策の信頼性という意味で、今回のこの税法の中にも、さまざまな個別の措置、租税の特別措置について記載をされておりますが、これが具体的に、どういう目的でどういう効果を上げてきたのかということを、やはりしっかり見ていく必要があるのではないかということを我々考えてまいりました。ちょうど今回、それに基づいて、こういう租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書というものを財務省の方で作成したところであるというふうに承知をしております。

 これについて、まず提出者にお伺いをさせていただきたいと思っております。

 民主党は、この租税特別措置の適用実態調査というものを、租税特別措置の透明化という観点から求めてきたというふうに承知をしておりますが、改めてその趣旨について確認をさせていただきたいと思いますので、提出者の答弁をお願いいたします。

奥野(総)議員 お答えさせていただきます。

 税制というものは、国民にとって納得のできる、そして公平で透明性の高いものでなければなりません。しかし、租税特別措置につきましては、租税歳出であるにもかかわらず、これまでも、実態を踏まえたものとなっているのか、不適切な実態があるのではないかといった批判がなされてきたところでございます。このため民主党は、平成二十二年に租税特別措置透明化法を成立させまして、適用実態の調査を義務づけたところであります。

 今般、この適用実態調査に関する初めての報告書が、委員のお手元にもございますけれども、国会に提出されてきたところであります。その内容を見ますと、やはり、適用件数が全くないものであったり適用が特定の業界に偏っているなど、その効果が不透明な措置が散見されるところでございます。

 このような適用実態調査を踏まえつつ、効果が不透明な措置について、今後大胆に廃止していくべきであるとともに、不断の見直しを行っていくというふうに考えているところでございます。

松本(剛)委員 ありがとうございました。

 国会においても、決算を従来以上にしっかり見ていく必要があるのではないかという声があるわけであります。これは、従来は、予算の議論、これも大変重要な議論でありますが、予算をとった後のフォローというのがどういうふうになっているのかということが、残念ながら必ずしも十分でなかったという部分があろうかと思います。そのことが実際には何を引き起こしてきたのかといえば、狙いを持って行われた政策が、実際に効果をしっかり生んだのかどうかということが十分に検証されてこないまま推移してきたということがあります。

 我々は、ここで、租税の特別措置の適用実態を拝見させていただいて、今、資料もお配りをさせていただいたと思います。必ずしも当初の見込み、見通しと結果が一致をしていないものはこれだけあります。一致しているものもあります。かなり近いものもありますし、違っているものもあります。我々が求めようと思っているのは、一致をしていないということを、不断の見直しを行って、常に効果のあるものに変えていくということをお願いしていきたいということで、この実態調査を求めている。

 その意味で、先ほど申し上げたように、本当に真に効果のある政策づくりのための建設的な御提案だということを御理解いただいた上で、個別のテーマについて、各省からおいでをいただいておりますので、お伺いをしてまいりたいと思っております。

 お配りをさせていただいた一番上のところで、「エネルギー需給構造改革推進設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除(エネルギー需給構造改革推進投資促進税制)」そして、その下段にあります「エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除(環境関連投資促進税制)」、これはあわせてごらんをいただいた方がいいと思います。

 実は、平成二十三年度というのは、当時の最強の野党、自民党さんの厳しい国会戦術によって税法がなかなか成立いたしておりませんで、二十三年度改正は相当遅くまでずれ込みました。申し上げたいことはたくさんありますが、今そのことを申し上げるのではなく、その結果、実は、この上段は二十三年度中になくなり下段に切りかわるはずであったものが、年度の途中という形になったので、これは両方、実態調査で書かせていただいております。その意味では、下段のものが新しいものですが、上段も類似のものでありますので、あわせて見るべきだということで、両方記載をさせていただきました。

 私は、このエネルギーの構造改革ないしは環境関連の投資というのは、まさに、先ほどの審議の中でもありました、成長を目指していく中では極めて重要なテーマだろうというふうに思います。その意味で、目的そのものは理解をできないわけではないんですが、適用件数などをごらんいただいても、想定した件数よりは、合わせても一桁違うという結果になってきています。

 この税制、まず、なぜこういう形になっているのか。それから、これについて今後の対応などをどう考えておられるのか。これは所管は経産省だというふうに思いますが、経産省の方から御答弁願いたいと思います。

後藤政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生御指摘の、環境関連投資促進税制、グリーン投資減税の要望時の見込み件数と実績の乖離の問題でございますが、今いただいた資料に書いてございますように、六万七千件という見込み件数を出してございました。これは、対象設備ごとに、業界等に対するヒアリングや各社の販売計画に基づいて経済産業省が推計したものでございます。

 他方、今お話がございました租税特別措置法の適用実態調査によれば、グリーン投資減税の実績は約三百件ということになっております。

 その乖離についてでございますが、今先生からお話がありましたように、二十三年度におきましては、エネルギー需給構造改革推進投資促進税制、旧エネ革税制でございますが、エネ革税制が併存しておったために、エネ革税制に約三千三百件というふうに、そちらの方に相当程度流れていたということと、それから、私どものやった推計自身では、導入見込み企業において、黒字企業なのか赤字企業なのかという区別をしておりませんので、実際適用されるときには相当程度件数が落ちているのではないかと思われております。

 さらに、一つの企業が複数の設備を導入している場合について、件数自身は複数件というふうに計上したもので、小さくなっていると思ってございます。あと、それに加えまして、税制を十分周知されていなかったのではないかという問題も残っているのではないかと思ってございます。

 今後、私どもの方でも、実態調査の結果を踏まえまして、税制の実態に沿うように推計も見直してまいりたいと思いますし、これまでも資源エネルギー庁のホームページ等で周知を行ってございますが、税制活用のニーズが大きい中小企業団体、それから各種業界団体についても、積極的に周知をさせていただきたいというふうに思っている次第でございます。

松本(剛)委員 後ほど、副大臣がおいでをいただいたときにも改めてお願いをしたいと思っております。

 今おっしゃったように、一つは周知の問題というのがあると思います。これは税制に限らず、さまざまな補助もそうなんですが、どこへ行ったら補助が受けられるのか、そもそもどういう補助があるのか、どういう税制の優遇措置があるのか。これは、各省のそれぞれ担当の課はよかれと思って真剣につくっておられると思います。しかし、多くの企業、特に中小企業になれば、どこの省のどこの課でどんな政策をやっているのかというのを知るというのは、今ホームページのお話がありましたが、多分、経産省のどこどこでやっているということを知らないと、そのホームページになかなかたどり着けないということになると思います。

 周知の問題が一つの原因であるとすれば、ぜひ我々は、この税制についても、いい形でしっかり周知できることを、今後、政務レベルも含めてお考えをいただきたいというふうに思っております。

 税務署は取る方ですから、こういう取らない方の話が税務署にお願いできるのかどうかというのは、ちょっとなかなか、方向性が逆な仕事を一遍にお願いするのがいいのかどうかというのはわかりませんが、政府としては、やはり政策目的を持って、つくった制度は有効に活用していただくということでお願いをしたいと思います。

 後ほども、また改めて整理して、財務大臣にもお伺いをしたいと思いますが、もう一つの税制の問題は、まさに今お話があったように、赤字の法人に対してどうするのかという問題もこれから出てこようかというふうに思います。そういった課題がある中で、どの政策を選択するのがいいのか。補助という形がいいのか、税制という形がいいのか、そういうことも総合的に検証して、たゆまぬ見直しをしていただきたいということで、問題提起をさせていただきました。

 次に、厚労省にもお伺いをさせていただきたいと思います。

 医療用機器などの特別償却、これは安心のためのという、医療安全に関する医療機器等の導入に関する特別償却制度ということだったと思いますが、これについて、この適用実態と当初の見込みなどについての御意見を伺いたいと思います。

丸川大臣政務官 この医療用機器等の特別償却というのは二つ種類がありまして、高額な医療用機器、五百万円以上のものに対して、その中でも機器を告示で指定しておりますけれども、それと、医療安全に資する医療機器、今委員がおっしゃったものと、二つのパターンがあるのでございます。

 これの見込みをどうやって決めているかといいますと、医療機器の販売実績などをもとにして推計値を算定しておりまして、実は、これは特別償却の対象となる医療機器の全てにこの制度が適用されるということを前提にしております。しかしながら、実際に適用されなかったものもある、それから、そもそもの販売実績も、きれいに告示のものだけを切り分けられるような統計になっておりませんで、そうしたことによって、今回の適用実態調査の結果と大きく乖離する結果になったのではないかというふうに考えております。

 ですので、今回、このような結果が出たことを参考にいたしながら、推計値の精度をより高めていくということと、それから、関係団体に周知を努めまして、医療用機器等の特別償却制度が有効に使われるように努めてまいりたいと思います。

松本(剛)委員 ぜひ政務官におかれても、また、今お話をいただいたようなことを、お立場から御指導いただきたいというふうに思います。

 と申しますのも、今も少しお話がありました、実は、こういう制度をつくっていきたいということで、見込みとか計算をそれなりに机上でなされます。ところが、結果がわかるような統計がそもそもないというようなこともあります。そうすると、どういう見込みでつくってこられたのか、結果が逆にわからないようになっているというものもあります。

 我々も、国会でこれまでも何年か質問させていただいていますが、一番極端なケースでいくと、見込みは四月から三月の年度でやりましたが、統計は一月から十二月しかありませんとかというようなことも、かつてはありました。

 しかし、やはり政策効果をきちっと見きわめて、本当に効果のあるものにしていく。そのことによって、政府も公務員も国会議員も、また信頼を回復することになるんだろうと思いますので、今、前向きの御答弁をいただいたと理解をいたしますので、ぜひそれを推進していただくように。

 きょうは一例を取り上げさせていただきましたが、今回は本当に財務省の皆さんには大変な労力をかけていただいてきちっと調査をしていただきましたので、これをきちっと有効活用していただきたいということを申し上げたいと思います。

 どうぞ、政務官にはもう結構でございます。ありがとうございます。

 もう一つ。今度は、ちょっと逆のパターンでありまして、見通しよりもかなり利用されているものというものもありました。

 次の段に参りたいと思います。

 これは国交省所管だと思いますが、特定の資産の買いかえの場合などの課税の特例ということであります。

 もちろん、よく利用されていることそのものは大変結構なことだろうというふうに思いますが、他方では、これはやはり、入ってくる予定の税金が入ってこなくなるという話でもあります。

 まさか、これは小さく産んで大きく育てるという話ではないと思いますので。やはり税収の見通しであります。先ほど申し上げたように、常にきちっと見直しをしていただいて、どういう理由でずれてきているのか、そしてこれをどういうふうに見直していくのかということ、その辺のお考えを国交省にお伺いをしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。

鶴保副大臣 お答えを申し上げたいと思います。

 委員御指摘のとおり、買いかえ特例制度につきましては、今、二つほど問題になっておると思います。

 既成市街地から外へ、あるいは都市開発区域の中へ、事業用資産を譲渡し、それにかわる資産を取得して事業の用に供した場合、譲渡益の八〇%を上限に課税繰り延べを認めることにより、大都市圏における適正な機能配置による均衡ある発展を図る、こういったもの。あるいは、特定の資産の買いかえ、特に、所有期間十年超の国内にある土地、建物または構築物と、国内にある一定の土地、建物、構築物、機械装置または鉄道事業用車両運搬具との買いかえを進めるために、十年を超えて保有する土地、建物の事業用資産を譲渡し、新たに事業用資産を取得した場合、譲渡益の八〇%を上限に課税の繰り延べを認めることにより、土地の流動化や有効利用を促すとともに、企業の設備投資意欲を喚起し、我が国経済の活性化を図る。

 こうした目的のもと、委員御指摘のとおり租特が運用されておるわけでございますが、まさに、この税制の前半部分、平成二十三年度における適用総額は約七百七十六億円、また、この税制の延長要望を行った際の適用見込みが約百十二億円ということでございます。また、後半部分でございますが、平成二十三年度における適用総額は約三千八百五十億円。この適用見込みについては二千九百九十億円の内数ということで、確かに、もくろみよりもたくさんの方々が使われたということになります。

 こうした乖離の理由といたしましては、特例の適用対象となる事業者の数や事業用資産の売却、取得金額について、限られたデータのもと、仮定を置いて試算を行っていること、また、事業資産等の、景気回復についての後半部分においては、リーマン・ショック後の急激な落ち込みから我が国経済が回復を見せる中で、想定した以上に本制度が活用されたことなどがうかがわれております。

 今後とも、本報告書の活用など、適用の運用実績や実態の把握に努め、適切な施策の検討を進めてまいることはもちろんのことでありますし、先ほど御指摘のとおり、これらの事業用資産の売却や取得金額について、精緻なデータ試算のやり方をこれからもつくっていくという不断の努力が必要であろうというふうに考えております。

松本(剛)委員 御答弁ありがとうございました。

 今、リーマン・ショック以降の動きということですと、そこの動きだけ見ていると、二十三年の経済も悪くなかったかのように聞こえますが、実感としては、そのころ、そんなによかったという感じはないと思います。

 申し上げたいのは、冒頭にも申し上げました、今も、今後精緻なデータで予測の精度を上げていきたいといった趣旨の御答弁がありました。もちろんこれも大事なことであろうというふうに思いますが、実は、今回のこのような形で透明化をお願いしたのも、従来の行政のあり方を根本的に変えていただくことを我々はお願いしてきたつもりであります。

 つまり、十分に準備をして、やったことは必ず正しい、そうすると、その結果については、なぜ正しいことどおりにならなかったかというと、何か特殊要因があったからだとかいう説明で、もともと正しかったんだということで、ある程度その仕組みを残す、通そうということがこれまでも繰り返されてきたというふうに思います。

 しかし、大臣も民間企業で経営をされていました。民間の企業は、結果が出れば、結果を受けとめて、当然、それに関して、どこがどうだったのかという検証をして次の対応へ移っていくということになります。結果と当初のもくろみの乖離が、何らかの責任があるとなれば責任をとらなければいけませんけれども、いろいろな事情で変わってきた場合には、むしろ今後の対応をとることの方が大事だということが、普通の仕事のパターンだというふうに思います。

 やはり行政においても、社会も経済も、ある意味では今の御指摘のとおりだと思います。大変激動している中でありますから、当然、変わってくれば、当初の見込みと結果も変わってくることは多々、あっていいかどうかまでは、多々はちょっと言い過ぎかもしれませんが、あり得ることだと思います。そのときに、もともと正しかったんだということにこだわり過ぎないで、きちっと結果を受けとめて、不断の見直しを行って直していく、このことをむしろ根づかせていただきたいということが、我々、この調査をお願いした背景でもありますので、鶴保副大臣におかれましても、御趣旨を御理解いただいた御答弁をいただいたものというふうに思いますので、ぜひよろしくお願いを申し上げてまいりたいと思っております。

 副大臣、どうぞ。ありがとうございます。

 それから、最後に、農水省の方には、特定農産加工品等の製造設備の特別償却の適用実態ということで、お問い合わせをさせていただきました。

 これは、背景等も伺ってまいりたいと思いますが、もともと適用見込みが二十五件、結果は一件ということで、本当にこれが、あまねく国民にかかわる税の制度をわざわざつくってやるべきことなんだろうかという疑問も含めて感じるところが、私どもから見ればあります。

 ぜひ、この点について、農水省の御見解なり今後の対応の考え方を承りたいと思います。

加治屋副大臣 今、松本先生お話しのとおりでございまして、平成二十三年度改正要望のときの二十三年度活用見通し件数は、生産製造事業計画及び事業者からの聞き取り調査等も含めて、二十五件と見込んでおりました。しかしながら、東日本大震災の影響等を受けて事業の先行きが大変見通せなかったことなど、適用件数は、御指摘の一件にとどまっているところです。

 飼料用米あるいは米粉用米や水田の有効利用など、極めて重要であることから、本税制措置の徹底した周知が必要だと思っておりまして、一層の努力をしてまいりたいと思っております。

 それから、今後も継続する必要がないのではないか、こういう御質問でございましたけれども、今大変大切なことは、水田を有効利用して、主食用米以外の新規需要米の生産を本格化させ、食料供給力を強化する必要があると思っております。

 平成三十二年における生産目標を、飼料用米は七十万トン、米粉用米は五十万トンを設定しておりまして、水田活用の直接支払い交付金等により生産の拡大を推進しているところであります。

 目標の達成に向けては、飼料用米、米粉用米の生産とあわせて、米粉、飼料製造設備の導入を促進しまして、安定的に飼料や米粉を供給し得る体制を構築することが必要だと考えております。これらの施設の設備投資のインセンティブとなる本税制を措置することが必要だと考えているところでございますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

松本(剛)委員 加治屋副大臣にお願いを申し上げたいと思います。

 私は、個々の政策目的を決して否定しているわけではありません。ただ、政策手段として、もともと二十五件ぐらいの適用見込みで、結果として一件の適用といったものが、わざわざ税法をつくってやるべきものなのかどうかということがあります。

 実際には、毎年毎年、夏になると、各省から概算要求の申し込みがあって、税制改正の要求があって、残念ながら財務省の査定なり省内の調整でとれなかったものは党税調にお願いをしてとってということがあるのかもしれません。実際にそういう形が行われてきたことも、ないわけではないというふうに思います。

 しかし、本来やはり、補助金なら補助金でやるべきもの、税なら税という制度でやるべきもの。先ほど国交省の鶴保副大臣の方でもお話をしましたけれども、やはり、ああやって制度でつくった以上は、基本的には今度は拒否もできないわけでありますから、そういう問題にもつながってまいります。

 税でやるべきものは、もちろん税でやるというのが一つの考え方だと思いますが、その辺の全体の交通整理をすべきときに近づいてきているのではないかなということで、これはむしろ、農水省さんより財務大臣に、後ほどまとめてこの議論についての御所見を伺いたいと思っておりますが、申し上げたいことはそういうことであるということを御理解いただきたいということを申し上げて、加治屋副大臣、ここで結構でございます。

 大変お忙しいところを赤羽経産副大臣に、申しわけありません、参議院から走ってきていただいたのではないかというふうに思います。

 今お聞きをいただいて、おおむねの流れは御案内かというふうに思いますが、今回、租税特別措置の実態調査をしていただきました。結果が違っているものが、やはり幾つか出てきております。

 先ほど申し上げたのは、結果が違っているということそのものが、本来正しかったので何とか説明をして無理やりそうするのではなく、結果を受けとめて、それでもこの政策目的が重要であれば、どういう形で改善をしていこうということにするのか。もしくは、結果が違うということが、ひょっとしたら、この政策目的と制度がかなっていなかったのかもしれない。そういう見直しは、やはり大臣、副大臣の立場から動いていただかないと、なかなか下からはしにくい部分もあると思いますので、各省副大臣にお願いをしております。

 内容についての御説明は先ほど事務方からお伺いをしましたので、その趣旨への御理解をいただきたいということで、副大臣から一言いただきたいと思います。

赤羽副大臣 松本委員にお答えをいたします。

 今の趣旨、私もよく理解をいたしました。

 もちろん、グリーン投資減税は、一昨年の三・一一、東日本大震災以降、我が国はエネルギー制約が出てきているわけでありまして、自然再生エネルギーをしっかり支えていかなければいけないというのは、これはもう民主党政権時代から、私たちも思いは変わらないと思います。

 そういった意味では、このグリーン投資減税の減税目的というのは私は正しいと思いますが、その申請に当たって、業界ヒアリングをして、販売計画の数等々でやったというふうに事務方からは聞いておりますが、現実としてはこれだけ数字が乖離が出ているということは、私自身の問題意識として認識をさせていただいて、もう一度、業界に対して、どのような実態があったのか、使い勝手がどう悪かったのか等々をしっかりと精査しながら、使いやすい制度にする。それが税制でやるのがいいのか補助金でいいのかというようなことも含めて、今御指摘のあったような形で、前に進んでいけるように、せっかく財務省がとってくれた枠が何か使い切れないというようなのも残念な話でありますので、しっかりと進めていくように頑張っていきたいと思いますので、今後とも、引き続き御指導賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

松本(剛)委員 成長の面からも、また環境の面からも、大変重要なテーマであるというふうに私どもも思っております。

 その上で、副大臣がおいでになる前に申し上げたことを重ねて、ぜひ御理解をいただきたいところなので申し上げると、本当に、霞が関の文化をある意味では変えることだと思っております。何とか最初から全て正しいものでセットしようと、もちろんその努力は必要です、最初から間違っていてもいいやという仕事をされたら困りますけれども、しかし、結果が出たときに、それでも最初のものが正しかったんだという説明に労力をかけるよりは、結果を受けとめて次へ進んでいただくという文化に変えていただく。そのためには、やはり大臣、副大臣に引っ張っていただく必要があるということで、各省副大臣に、大変忙しいところ、おいでをいただきました。御理解をいただいた答弁をいただいたものというふうに承知をいたしましたので、どうぞ、副大臣、お時間があると思いますので、結構でございます。

 麻生大臣、ここまで個別に議論をさせていただいてまいりました。趣旨は、もう重ねて申し上げるまでもないというふうに思います。ぜひこの実態調査を活用していただきたいということが一つ。つまり、租特の採否など不断の見直しをしていただきたいということであります。

 それから、あわせて、この租特という仕組み、先ほども、例えば、自民党の方だったのではないかと思いますけれども、景気対策も、短い短期的なもので終わってしまっては、しぼんでしまってはいけないというふうな趣旨の議論があったというふうに思いますが、この租特についても、例えば今のエネルギーの話でも、向こう五年、十年、どのぐらい新しいエネルギーを変えていくのかという考え方でスタートをしてきているんですが、租税特別措置そのものは極めて短い期限でずっと切っていっているわけであります。

 そういう租特そのものの見直しも含めて、お考えをここでお示しいただけたらと思いますので、よろしくお願いします。

麻生国務大臣 御指摘は全く正しいと思っております。霞が関とか官僚の無謬性なんて信じていたら、それは話にならぬのであって、間違いなく……(松本(剛)委員「それは後ろを向いて」と呼ぶ)いや、こっちにしか入らないから。無謬性なんて信じていたら、それは話にならぬのであって。

 基本的に、予測と結果、予算と決算が差がある、これは民間の会社におられたらどなたでも御存じのことなのであって、むしろ決算の方が大事。予算で百、実際やったら九十八で済みました、百二になりましたなんというのはよくある話なのであって、程度の差にもよりましょうけれども、ある程度、差がない方がおかしい。大体、会社においては、差が、間違いなくびっしゃり出てきたら、誰かが数字を改ざんしたかなと思うのが、両方びったし合ったらそれは何かおかしいなと思う方が正しいと、私はそういう習慣で育ってきましたので、そう思いますけれども。

 いずれにしても、今回、こういった形で適用実態調査というのを踏まえながら、これは今後ともこれをうまく利用せないかぬという御趣旨なんだと思います。いずれにしても、来年度以降の税制改正要望等に反映させていくなどなど、我々としては、今後の毎年度の税制改正プロセス等々においてもさまざまな議論が行われていくものだと思いますが、各省庁においても、副大臣等々から下に、この種の趣旨で話をということをきちっと下におろしてもらうのが大事なところなのであって、数字より、問題は、本来の目的は何かという点を間違えてとられると話が込み入りますので、そういった意味では、御指摘はまことにごもっともだと思っております。

 また、エネルギーにつきましても、十年間の間、どれぐらいエネルギーが変わるかなんということは、とてもではありませんけれども、なかなか予測つきがたい。御存じかと思いますが、私ども元石炭屋にしてみますと、今これだけ石炭の見直しが行われるということは、三十五年前、石炭閉山をさせられた本人からしますと、とてもではないけれども、理解が全然できない世界が今現実のものとなってきておりまして、かつてCO2が高いから石炭はだめだと言われたものが、今、横浜市内の磯子区の真っただ中に石炭火力発電所が堂々と、世界一の低公害というか、効率よく動いておるという現実というのは、間違いなく技術の集積の結果なんだと思います。

 そういったものを考えますと、今後とも、我々としては、どういった形のものというのを、一回決めたらそれはずっといくのではなくて、技術の進歩とともに、また世情の変化とともに、そういったものに柔軟に対応していく見直しというのは常に必要なものだと思っております。

 ありがとうございました。

松本(剛)委員 時間に限りがありますので、繰り返し御答弁は求めませんが、租特の仕組みそのものについてもまた問題意識を持っていただいて、お取り組みをいただきたいと思います。

 それでは、消費税の影響緩和について議論に入らせていただきたいと思っております。

 今回、この影響緩和を早急に進めるべきだという趣旨で、私ども、法案を提案させていただきました。提出者にそれぞれ、住宅それから自動車の対策の考え方についてお伺いをさせていただいた上で、大臣には、恐縮ですけれども、まとめて御答弁をお願いさせていただきたいと思っております。

 まず、提出者にお伺いをさせていただきたいと思います。

 この法案においても、住宅対策を急がなければいけないということで提案をさせていただきました。大臣は新聞のチラシなんかごらんになることは少ないのかもしれませんけれども、実際に、消費税が上がるから今のうちにマンションを買おう、家を買おうというチラシが入ってきて、あおられている状況にもなってきています。

 しかし、これまでの消費税率が引き上げのときの経験では、本当に、駆け込み一年、反動三年という言葉も住宅産業の中にはあるようであります。極めて厳しい反動が来るということは経済にも決してプラスにはならないということからすると、本当に、住宅に関しては、消費税引き上げの影響緩和ができていますよというメッセージを早く出していただくことが必要だというふうに思っています。

 その意味で、今回、ローン減税の制度はこの法案に盛り込まれました。我々もこれには賛同しております。同時に、所得がおおむね五、六百万以下のところでは、このローン減税ではカバーし切れないという問題があります。

 こういったものについても、手当てをする方向そのものは共有をされていると思います。ぜひ急いでいただきたいと我々考えますが、これについて提出者から考え方を伺いたいと思います。

玉木議員 松本委員にお答えいたします。

 今お話があったように、住宅は取得価額が高額であって、また、国民生活、その人の人生にも密接にかかわりますから、駆け込み需要やあるいはその反動減といったことが大規模に発生する可能性があります。

 そこで、二つポイントがあると思います。

 政府が今提案している住宅ローン減税、これも大事な措置でありますけれども、今御指摘のあった、年収四百万から五百万以下のいわゆる中低所得者に対しては、その住宅ローン減税の恩恵が十分行き届かないといった面がございます。

 ですから、法案の第四条におきまして、そういった減税措置の恩恵が十分及ばない層に対しては給付措置を講じるということにしておりまして、そのために、この法案の施行後速やかに給付の対象者また額等について検討を行って、その検討を踏まえて速やかに必要な措置を講じるということにしております。

 二つ目は、ローンを組んでいる人にはローン減税が及びますけれども、ライフスタイルの変化とか、さまざまな新しい住宅需要が出てきておりまして、例えばシニア層の住宅の購入やあるいはリフォーム、こういったことの新しい需要に対して応えていくということでも、きめ細かな給付措置をあわせて講じるといったようなことが必要だというふうに考えております。

松本(剛)委員 法の提案の御趣旨を御説明いただきました。

 内容そのものについては、与党の皆さんにも御理解をいただける内容ではないかというふうに思います。もちろん、手続、財源の確保などの課題はあろうかと思いますが、もう既に来年の四月の引き上げの準備でありますから、ぜひ、趣旨を御理解いただいて、御賛同を賜りたいと思います。

 自動車についてもお伺いをしたいと思います。

 私どもは、そもそも、自動車については複雑かつ過重な負担を自動車ユーザーに求めてきたというふうに考えております。

 昨日、予算委員会でTPPの議論をさせていただいたときもそうでありますが、やはり我が国にとっては、裾野も考えれば、自動車産業は大変重要な基幹産業であり、雇用においても大変重要であると考えています。こういったことを考えると、日本の国内市場をどのように応援していくのかということであります。

 大分昔に、自動車利用者が特に担税力があるということでもとをつくられてきた税制を、いつまで残しておくのかという観点からも、そして、消費税引き上げという中で、高額な自動車を買うということはやはり駆け込み反動が想定をされる、見直しの機会でもあるということを考えると、特に地方では多くの国民が最大の利用者ということであろうかというふうに思いますので、自動車税についての見直しの考え方、これは、二重課税であるとか、また自動車重量税の課税根拠といった問題も含めて、御回答を提出者からいただきたいと思います。

玉木議員 松本委員にお答えいたします。

 自動車についてでありますけれども、まず、取得税については、自動車の取得という事実に担税力を見出して課税するという、流通税の側面があります。あわせて、自動車には、消費税という、まさに物品の取得に関して課税されるということが行われておりますので、これは二重課税になっていると思いますし、また、いわゆるタックス・オン・タックスの問題もございます。

 そこで、消費税率を八%に引き上げる際に、取得の負担を軽減するという趣旨から、取得税については廃止すべきということを考えております。そこで、本法案の五条におきまして、八%に引き上げが行われます平成二十六年の三月三十一日をもって廃止するということを法律に明記しております。

 次に、自動車重量税の、いわゆる当分の間税率についてでありますけれども、これはもともと道路整備を加速化するということで課税された、課税根拠はそういったものだと思います。平成二十一年度に、いわゆる特定財源の見直しを行った際に、本来であれば整理をされておるべきものだと認識をしております。その観点から、民主党政権におきましては、平成二十二年、二十四年、これまで累計二千億円を超える減税を行ってまいりました。こういった観点から、この当分の間税率についても、取得税と同じ時期に、すなわち平成二十六年の三月三十一日をもって廃止すべきと考えております。

松本(剛)委員 趣旨を説明させていただきました。大臣に御所見を承りたいと思います。

 住宅、自動車ともに急ぐべきだと思いますし、また、自動車については、この機会に抜本的な見直しをすべきだというふうに、我々は思っております。

 住宅については、給付という側面もあります。その意味では、要求される省庁は恐らく国交省になろうかというふうに思いますが、予算を組む側でもいらっしゃいますので、総合的に御答弁をいただきたい、このように思います。

麻生国務大臣 松本先生御指摘の住宅取得対策につきましては、与党税制改正大綱におきまして、消費税を引き上げるときに、一時の税負担の増加の影響というものを平準化、平らにして、そしてそれを緩和するという観点から、住宅ローン減税の拡充を初めとする税制上の手当てを講ずるということとした上で、取得税に加えて住民税による住宅ローン減税の拡充策というのを講じても、なお効果が限定的と言われるような所得層に、低所得層ということになろうかと存じますが、別途、良質な住宅ストックの形成を促す住宅政策というものの観点から、適切な給付を講じるものとするということにされたと理解をいたしております。

 したがって、この法案で提案をさせていただいた住宅ローン減税等の税制上の手当てによる負担軽減を踏まえつつ、住宅政策の観点から、給付の内容について検討を進めていくという必要があるものと私どもも考えております。

 給付の具体的な内容につきましては、これは一定の周知期間が必要であることも踏まえねばなりませんので、先ほど言われたように、時期が迫っておるのではないかというお話ですので、できるだけ早く、遅くともこの夏までには、夏も六月か九月かと言われるとちょっとまた話が、一応八月、今夏、夏までにはその姿をお示しすることができるようにいたしたいものだと考えております。

 自動車産業というものにつきまして、同じように御質問がありましたけれども、これは日本の経済成長を促していく上で最も重要な産業の一つであったことは昔も今も変わらない、私どももそう思っております。したがいまして、車体課税というものと重量税とありますが、車体課税につきましては、今般の与党税制改正大綱において、財源を確保した上で、一層のグリーン化などの観点から見直しを行うようにという方向性は示されていると理解をしております。

 したがいまして、税制抜本改革法第七条の規定や与党の大綱で示された方向性を踏まえまして、平成二十六年度の税制改正において、これについて検討してまいりたいと考えております。

松本(剛)委員 自動車等については、次の古本君にこの後の質疑は譲りたいと思っております。

 私の時間はほぼ終わりましたので、最後に一言お願いだけさせていただいて、質疑を終わらせていただきたいと思います。

 今回、附則の百八条で私どもの提案をお取り入れいただきました。何点かありますが、そのうちの二点について、私の方からはお願いをさせていただきたいと思っております。

 一つは、私どもは、新しい公共という観点から、特に国立大学などの寄附税制の拡充のお願いをさせていただきました。

 私どもの新しい公共の考え方というのは、公共の役割を官だけが担うのではなくて、広く多くの人に担っていただこう、その意味では、ある意味では、日本に本来あった助け合いの考え方でもあります。そういう意味で、新しいというよりは、新しい時代にふさわしい日本の伝統を生かした公共のあり方というのが正確な言い方かもしれませんが、そういう観点からも、各大学がファンドレーズできるようなということでお願いをさせていただきました。

 また、景気対策という意味での交際費課税は、対象の範囲ということでお願いをさせていただきました。

 交際費課税の景気に与える効果というのは、交際費を出す側もさることながら、交際費で潤う側が大変大きなポイントだというふうに思います。そういう意味では、今回の制度は出す側で線を引いておられますが、潤う側から考えれば、そこで線を引くのが適当かどうかという議論があるということを踏まえて御議論いただきたいと思っております。

 また、今法案の中には、所得拡大促進税制、雇用促進税制も入れていただいております。これも大いに期待をするところでありますが、冒頭の議論からもありましたように、赤字法人であるとか、それから恒久措置になっていないであるとか、とりあえず今は賞与対応されていますが、賃上げというのは、やはり日々のというか、毎月の給料が上がってくれないと実感にならないわけで、そういう期待される効果と今回の制度と、どういう実績を上げていくのかということを細かく見ていただいて、極めて重要なテーマですので、効果を上げるように運用していただきたいということを強くお願いして、私の質問を終わりたいと思います。

金田委員長 次に、古本伸一郎君。

古本委員 民主党の古本伸一郎でございます。

 きょうは、まず関税をお尋ねしてまいりたいと思います。閣法として出ております関税定率法等の一部を改正する法律案でございます。

 関税は、日切れ関係でもありますし、国民生活に大変影響を及ぼす事柄でありますので、私ども民主党としても、ぜひ成立に向けて協力してまいりたいということであります。

 まず一点目でありますが、東日本大震災で、やはり関税、通関業務も大変大きな影響を受けております。この間、民主党政権時代も大変、復旧復興を図るために、被災者の状況に十分配慮した税関手続ということを特例的に対応していただいている部分もございます。加えて、物流、貿易の円滑化あるいは活性化という大変重要な観点から、被災地域の復興を側面支援していくという観点も大変重要かと思います。

 ここら辺の状況につきまして、今度の改正の中でも引き続いてこういった方針を維持していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。事務方で結構です。

稲垣政府参考人 被災地の復興の話でございます。

 関税局、税関におきましては、被災地域の復興を推進するために、従来より、被災地域の物流、貿易の円滑化、活性化を図るとともに、被災された方々に対しまして、関税関係法令に基づく申請の期限の延長、あるいは震災により損傷等があった貨物に係る減免手続につきまして一部の書類の省略を図るといったような簡素化、こういったことを通しまして支援を図っているところでございます。

古本委員 続いて、今回の改正の一つの目玉だと私は受けとめておりますけれども、輸入取引をするために支払われる特許権等の使用の対価、こちらについても新たに関税がかけられるというふうになるやに承知しております。

 その際に、取引価格である、支払いが発生するBツーBとの関係に加えて、特許料というのを新たにカウントしなければいけないんですが、一方で、特許料込みで支払い総額幾ら、そういうインボイス、帳票が出てきた場合には、結局のところ、この関税分、せっかく特許料分、関税をかけられるようになったところで、課税から逸脱してしまう、漏れてしまう、遺漏してしまうという懸念は残ると思うんですけれども、そこら辺の対策について伺いたいと思います。

稲垣政府参考人 御指摘のございました特許権等につきましての関税評価上の扱いでございますけれども、これは、従来やっておりましたやり方を法令上明確化させていただくというのが今回の趣旨でございます。

 今御指摘ございました、虚偽の書類等を提出することによりまして課税逃れをするということにつきましては、これまでも、通関部門における審査や輸入事後調査部門における調査におきまして、その発見に努めてきているところでございます。

 今後とも、引き続きまして、通関部門における深度ある審査に加えまして、輸入事後調査部門において、輸入者などに質問したり、あるいは帳簿や関係書類等を確認するなどの調査を通じまして、適切に対処してまいりたいと考えております。

古本委員 今、局長から答弁いただきましたが、やはり、書類を精査したり、非常に高度な通関業務が今後さらに求められると思いますし、せっかく特許料にこういう関税を、さらに課税を強化していくというのは当然のことでありますので、そういった要員をさらに確保していくという意味において、関税職員、水際で、麻薬、銃、密輸初め、日夜大変御努力されておりますので、その予算定員に関して、しっかりと確保していただきたいと思っておりますけれども、大臣から一言お願いします。

麻生国務大臣 いろいろ輸入される品物が変わったり、今、麻薬、これは主に厚労省の所管の麻取の方もありますので、税関のみではないんですけれども。

 いずれにいたしましても、こういった職場にいる人たちに対する待遇、人数、いわゆる職場の環境等々はかなりきついものになっていると思いますね。役人の数を減らしたとか、いろいろ理由もありますけれども、入ってくる人の数の絶対量、入ってくる物の絶対量がふえておりますので、それに対応するのに、IT化等々いろいろするにしても限度があると思って、この点については今後とも考えていかねばならぬと考えております。

古本委員 前向きに考えていただけるというふうに受けとめました。

 それでは、閣法の関税定率法の関係は以上にさせていただきまして、所得税法等の一部を改正する法律案、閣法及び、衆法で出させていただいております私どもの議員立法についてお伺いをしてまいりたいと思います。

 消費税というのは、政治的にも大変大きなリスクを背負う大作業であったし、今もまだ続いているんだろうというふうに思います。歴代自民党の内閣が、竹下登先生が導入されて以来、村山さん、橋本さん、そういうことだったわけでありますけれども、やはり消費税というのはできれば政治家は避けて通りたいと思う中で、私ども民主党は、この消費税を何としてでも成立させなきゃいけないという思いと、他方で、今申し上げたような政治的なリスク、あるいは、国民に負担をお願いする以上、議員定数の削減やら行革やら、そちらが先ではないかという議論が真正面からぶつかり合った中で、連日の議論をしてきたわけであります。結果、社保・税の一体改革の成立と、党が割れてしまうということが最終的にてんびんにかかったときに、結果として私どもは前者を選んだわけであります。

 ここら辺の議論というのは、当時野党でいらっしゃった副総理ではありますけれども、どのようにごらんになっていたのか、簡単に感想を述べていただけますか。

麻生国務大臣 古本先生御記憶かと思いますが、私の内閣のときにも、三年後に増税しますと言って解散しました。ぼろ負けしました。御記憶のとおりです。三百が百十九になったんですから。いずれも、歴代、この種のことをかけてやるときにはかなり大きな痛手を負うというのは、四年前の記憶としても極めて鮮明でもあります。

 したがって、今回も、党が割れるとかいろいろなことになってきたんだと思いますが、そういった意味では、それ相当の覚悟をされて決断をされたんだと私どもも理解しましたし、そういった意味では、決断としては、私どもとしては評価は高い。正直なところです。

古本委員 当時、民主党執行部にいらっしゃった松本税調会長に少しお尋ねしたいと思いますが、大変な党内の議論があった中で、この二つの、今成立させるべきか否かという議論のときに、最終的に前者を選んだというプロセスの中で、せっかくの機会でありますので、何か当時の感想がありましたら、松本税調会長にも求めたいと思います。

松本(剛)議員 国民への理解を求めるあり方、党内での議論をまとめるあり方、巧拙云々というのも、いろいろ御批判もあろうかというふうに思いますが、根本的な問題として、やはり政権交代でお預かりをする時点よりもはるかに世界経済情勢、金融市場が厳しく、また、財政面でも、お預かりをした初年度に、たしか、十兆とは言いませんけれども、それに近い税収見込みの違いがあるという、大変財政が厳しい中で、国を預かる以上、我々のとるべき道は極めて限られていたというふうに思っておりますので、国を預かる立場の判断としては決して間違っていなかったというふうに思います。

 ただ、そのことによるリアクションは当然想定をしなければいけないことでありまして、私自身の一議員としての率直な思いを申し上げれば、我が国に政権交代というものを定着させることの意義という意味からすると、大変大きな判断であったので、今でも、正解は後から判断をされるのではないかというふうに思いますが、政策論的には判断は間違っていなかったというふうに思います。

 昨日も予算委員会で、党益と国益をどちらを優先させるべきかという御議論がありました。党益と国益が相反したら自民党は解散するそうでありますので、ぜひそのことを期待しながら我々も見守っていきたいと思います。

古本委員 当時、私どもの党内の議論ではありますけれども、今回、自民党の先生方、維新の会の先生方、みんなの党の先生方、一回生の方々が大変多く上がってきておられますけれども、連日の議論の中で、本当に、私どもの惜敗した、涙をのんだ今回の選挙で、一回生ほどに、将来にツケを送りたくない、自分たちの時代にもうこの問題にけりをつけたいと。これで選挙に信を問うた結果、厳しい結果が出ようとも、それは本望であるという議論さえ、中にはありました。

 そういう議論の大前提は、やはり迫りくる少子高齢社会の中で、負担は一体誰がするんだと。天から降ってこないと先ほど大臣は言われた、まさにそのことが、政治がこれまで先送りしてきたことにほかならない。我々は今回それを英断した。このことを改めて、麻生さんからは、先ほど、その判断は評価するという言葉がありましたので、今後、政権運営されるに当たって、折に触れて、その言葉を思い出していただけたならば大変ありがたいというふうに思っています。

 その関係で、委員長のお許しをいただいて、資料を今お配りさせていただきたいと思うんです。

 資料を配っている間に。そもそも、社会保障目的なのか、それとも財政再建目的なのかという議論が実ははっきりしていない部分があります。社保・税一体改革法では、明快に、その第一条の趣旨規定の中に、これは社会保障目的であるということをうたっているわけであります。具体的には、立法においても会計においてもこれは区分するという意味において、明快に、社会保障目的に充てるというふうになったわけです。

 今、麻生さんがおっしゃった、麻生内閣のときの附則百四条、これを見ても、どこをどう見ても、社会保障目的と書いています。

 ところが、社会保障目的に充てたとしても、そのおかげで財政が幾分助かれば、言うならば、ボンドの発行余力ができたと解釈したならば、それは建設公債を発行し公共に回していいのであるという意見がばっこしてまいりますと、何のための消費税だったのかという思いが拭い去れないわけでございます。

 その意味で、改めて大臣にお伺いします。

 消費税の目的やいかん。

麻生国務大臣 今の御質問の趣旨は、多分、消費税を上げる主たる目的を聞いておられるんだと存じます。

 我々の考えで、多分、今回の消費税を上げても、余力が出たらその分だけ公共に回ったりとか、いろいろなことを考えておられると言っておられるんだと存じますが、基本的には、例えば今回の補正予算におきましても、我々は今回、何といっても、デフレ不況からの早期脱却、これがない限りは、少なくとも今後とも日本の発展はない、そう確信をしておりましたので、景気の底割れを回避するというのを最大の目的にしておりましたので、公債発行額というのは、御党の四十四兆円に決してこだわらずに思い切った規模としたところであります。

 しかし、御指摘をされるまでもなく、公債に依存し続けるという形で、上がった消費税の分がいわゆる公共工事に回るというようなことになると、これは形としては何のためにということにもなりかねませんので、我々としては、きちんとした、財政というものを健全化させるということも同時に頭に入れて、経済の再生と財政の再建というものを両にらみでやらなければならぬ、我々は基本的にそう思っております。

 したがって、当初予算の編成に当たりましては、財政健全化目標というものをある程度見据えた上で、きちんとした形で、少なくとも我々としては必死に、形としてそういった姿勢がみんな見えるようにするためにもということで、四年ぶりに税収がいわゆる公債金を上回るというような目標へ向けて、少なくとも第一歩という形でやらせていただいたと思っております。

 いずれにしても、そういった形で、経済の再生と財政の再建というものをきちんとした形でやっていかねばならぬ。しかし、目先、今はとにかく景気回復が一番だと、優先順位を言えと言われるんだったら、私どもは基本的にその順番でやらせていただいたのが、今回の補正と本予算の形であります。

古本委員 もう一度お尋ねします。

 消費税収は、一〇ポイント段階で約十三兆入るんだろうと思いますけれども、これは社会保障に充てる。その上で、ボンドの発行の余力ができたと安倍内閣が理解した場合、それは財政再建の方に回すのか、公共工事に回すのか、どちらでしょうか。

麻生国務大臣 消費税の増収というものは、これはあくまでも社会保障の充実、強化に充てる、これはもうそういうことになっておりますので、財政の余力というものを公共工事に充てるということではありません。

古本委員 松本税調会長にお尋ねします。

 今、大臣からは、ボンドの発行余力が消費税収が入ることにより確保された暁には、公共に回すものではないというふうに受けとめましたけれども、民主党の考えを改めて確認したいと思います。

松本(剛)議員 そもそも、国民に負担をお願いするという消費税率の引き上げについては、今でもやはりその負担を考えると賛同できないという方が国民の中にもいらっしゃる中で、お願いをするに当たっては、やはり税に対する信頼もしくは予算に対する信頼というのを回復しなければいけないということで、その使途を明確にする。それも、最も死活にかかわる社会保障に充てる。

 残念ながら、従来の社会保障が必ずしも安定した財源の上にあるとは言えなかったので、サービスなり給付は従来のものであっても、これを安定した財源にさせるための安定化と、それから時代に合わせて必要な充実に充てるということで、これが両面になっていますが、そこに全面的に充てるということは定められたことであろうというふうに思います。

 そして、その趣旨を貫徹するという意味からも、安定化させるという意味からも、しっかりと増収の分は社会保障の安定した財源に充てるということで、従来の公債発行が積み上がっていく分は、その分をしっかりやはり埋め合わせていただきたい、消費税はそこで埋め合わせていただきたい、こういうふうに我々は考えます。

古本委員 今、麻生大臣と松本税調会長の答弁をフラットに聞けば、同じことを言っているように理解をするわけであります。今後、予算編成、今年度の補正、本予算と議論をしてきておりますけれども、いわゆる消費税という大変大きな負担を国民に求める以上、これは、国民監視のもとで私たちは国会で予算を議論しているわけでありますので、ぜひ、今麻生さんが言われたことを、安倍内閣において予算編成される際に、我々もしっかりチェックしていきたいと思いますし、国民の皆様も、きょうのこの発言は会議録に残りますので、お互いに確認し合う立場にあるんだろうと思っています。

 その際に、政治的に大変大きなリスクがあるということで大臣とも一致したわけでありますが、お配りした資料の七分の三ページ、ちょっとホッチキスでかぶっておりまして、大変失礼いたしました。タイトルが「過去の消費税導入時・税率引き上げ時には税収中立だった」というチャート、これは、データの出典は財務省、国税庁ほかで、このパワーポイント自体は私の事務所で作成しましたが、データの出所は政府の方ということで議論をしたいと思います。

 実は、平成元年の、消費税を導入した際には、実にレベニューはニュートラルでした。消費増税を行う一方で、所得税と相続税、法人税の減税をしています。加えて、あまたあった物品税を廃止しておりますので、間接税で黒三角三・四兆円。ですから、ネットで見れば、実は黒三角二・六兆円の減税であったわけなんですね。

 平成九年の、三ポイントから五ポイントに引き上げた際には、これもレベニュー・ニュートラル。加えて、基幹三税で見れば、所得税と個人住民税、相続税で先行減税しています。とりわけ、九・五兆円の定率減税も入れたわけであります。したがって、ネットで見れば、実は黒三角九・五兆円の減税でした。

 実は、一々会議録をつけませんでしたが、それぞれ、元年、九年のときの政府答弁です。

 例えば、元年に引き上げた後の、当時の海部内閣総理の答弁を見ると、「所得税、法人税の減税を先行したり個別間接税を整理したりと、いろいろ差し引きしますと、減税が先行するような、税全体の公正化を図った制度でございます。」と答弁されています。これが、平成二年の六月二十一日の税特委での御答弁です。

 九年の、五ポイントに上がった際には、当時の橋本龍太郎内閣総理がこうお答えになっています。平成十年三月九日の予算委員会です。「先行減税というものがあったということ、これはやはり経済水準を高める効果があったものと私は思います。」「十六兆五千億円という先行減税の実施というもの」等々、御答弁になっています。

 それから、実は、今回でいえば、実に私どもの与党の時代に震災が起きました。大変苦しい財政運営の中で復興税をお願いした経緯もあります。それから、実は、このチャートでごらんいただきましたように、先行減税どころか、復興税で先行増税をかけ、そこに消費税の御負担もお願いしなきゃいけないという、大変大きな御負担を伴う話になっています。

 こういう状況の中で、実は、私どもの当時の内閣で、平成二十二年、平成二十四年の累次にわたりまして、話題となっている、例えば自動車重量税を減税しているわけであります。これは制度減税を行っております。

 こういったものは、当時の、元年、九年の規模感に比べればかわいらし過ぎますけれども、やはり、地方に住む、いろいろな御負担をされている方ほど負担している税目、あるいは都会で暮らす方々も、お買い物をした際に庶民増税である消費税を御負担する限りは、できる限り個人の所得減税で還元しようじゃないか、当時こういった議論であったと思うんですけれども、実は今回は、単純に足し込みますと、二十四兆を超える純増税であるということになります。

 それから、恐らく、歴史的に見たならば、今回の大変大きな判断というのは、行う以上は、議員立法で提出している、とりわけ、住宅、それから車、そして、一般庶民の家計を痛める、低所得者対策である、いわゆる逆進性対策をどうするか、加えて、どんな方でも病院にはかかりますから、医療の消費税、この四つというのは、何があっても一刻も早く具体に示す必要があるからにして、今回議員立法を提出したんだと思っていまして、時間の無駄でも何でもない。ぜひ大いに議論をしたいと思っています。

 背景を説明した上で、各論に入りたいと思うんですが、実は、この消費税というのは、社会保障に充てるということは、低所得者ほど実は得なんじゃないかという意見もあるんですけれども、麻生さん、どう思われますか。

麻生国務大臣 逆進性がないと言われたいんですか。

古本委員 社会保障に全額充てるとするならば、誰しも、出産、子育て、あるいは、年老いていったならば介護、それぞれのライフステージに応じて社会保障の恩恵にあずかります。消費税をそれに充てるということは、購買力に応じて納税額は変わってまいりますから、実は、低所得者ほど社会保障が、お金持ちだからといって注射を何本も打つわけじゃありませんから、同じ風邪を引いてかかれば同じ注射一本でしょうから、実は、ネットで見たら得なんじゃないかという考え方もできると思いますけれども、いかがでしょうか。

麻生国務大臣 プラス、給付もありますものね。(古本委員「そうです、それも考えています」と呼ぶ)そこのところも考えますと、今言ったような話が、こじつければこじつけられないことはないでしょうけれども、常識的には、消費するときに、幾ら払ったときには自分にかかる課税感というのがよく言われるところなのであって、逆進性というのは主にそこが言われるところなんだと思っております。ただ、厳密に言えば、今言われたようなことも言えないことはないとは思います。

古本委員 実は、その観点は、我が党内でも議論が大変分かれました。それをストレートに言うと怒る方もいらっしゃるけれども、厳密に計算すればそういう意見もあるということなんだと思うんですね。

 ということは、この消費税を導入して一体どういう社会を描きたかったのかという議論になると思うんです。私どもは、消費税というのはやはり公平な税だと思っていますので、公平で、透明で、大変納得感のある、税を通じた受益と負担、そして社会保障を支えていく、そういう社会をつくりたいと思ったんですけれども、自民党が描く、自公の皆様が描く消費税を通じた社会というのは、どんな社会なんでしょうか。

麻生国務大臣 受益と負担との均衡がとれた、そういう形で持続可能な社会保障制度というようなものの確立、これからの高齢化社会が避けがたいというのであれば、そういったことを考えて、社会経済の変化に対応できるという形で、今申し上げたような、いわゆる持続可能な社会保障制度を確立した社会ということになろうかと存じます。

古本委員 つまり、やはり消費税をお願いする以上、その先にある、つくりたい世の中みたいなものを、これは与野党を問わず、お互いに共有し合わなければ、税を通じて社会をつくっていく力は税にはございますので、それをお互いにどうやって共有するかと同時に、国民の皆様に御理解いただくかというのが大変重要になると思います。

 民主党の松本税調会長にお尋ねします。

 我が党はこの消費税を通じてどのような社会を描こうとしているのかについて、御所見を求めます。

松本(剛)議員 私どもは今回も、選挙後、党内でも議論をして、考え方を改めて示しました。基本的な考え方は変わっておりませんが、社会においては、ともに生きる共生の社会づくりというのを一つの大きな課題に掲げました。もちろん、私どもは、経済においては、市場経済による活力の推進というものを推奨して、進めるべきだという考え方に立っております。

 その上で、社会においては、先ほど新しい公共についても少しお話をさせていただきましたが、官に限らず、多くの担い手の中で、助け合えるところは助け合える社会をつくっていく。とりわけ、政治、行政においては、その助け合える部分の支援というのも大変重要な役割になってくるというふうに考えているところであります。

 その意味で、今回、経済を最優先と言われる安倍内閣の予算においても、予算の内容からすれば、助け合う社会関係の予算の金額が大変大きな金額になっている。その意味では、役割はそこにあります。

 ただ、もし一つ我々が反省をするとすれば、教育や社会保障など、助け合う部分の課題を推進してまいりましたが、そのことが、経済について必ずしも熱心でないという誤ったメッセージをもし与えたことになったとすれば、その点は直していかなければいけないというふうに思っております。

古本委員 公平であり透明であり納得感のある税制というのが、手前どもの税の基本的考え方です。その中から、今、松本会長から御答弁いただきましたが、経済の観点も大変重要だと思います。

 それでは、事実関係を主税局に確認してまいりたいと思うんですが、実は、経済音痴という大変厳しい御批判をいただいた私どもの内閣でありましたが、実際は、全然中身はそうではないという二、三を御紹介していきたいと思うんです。

 中小企業はJCの麻生太郎に任せておけ、こういうことかもしれませんが、実は、中小企業減税を大変熱心にやったのは民主党政権でありました。

 ファクトの確認です。中小法人二二パー税率に対し、これは租特で一八パーだったのを私どもが内閣として引き継いで、これをさらに一五ポイントまで下げたというふうに理解していますが、これはいずれの内閣のときにやったんでしょうか。

 事務で結構です。

田中政府参考人 お答えいたします。

 中小法人の軽減税率につきましては、まず、自民党政権のもとで、二十一年度改正におきまして、資金繰り等に苦しむ中小企業を支援する政策税制支援といたしまして、八百万までの所得につきまして軽減税率を創設いたしました。

 その後、民主党政権下におきまして、平成二十三年度税制改正におきましては、法人税率の引き下げに伴いまして、この政策税制につきましても、二十七年度末まで軽減税率を一五%に引き下げたというふうに承知しております。

古本委員 そうなんですね。

 一八ポイントからさらにと。実は、当時のマニフェストに一一ポイントまで下げると書いていたんです。これは三千億かかる。党内で大議論になった結果、最終的に一五ポイントで落ちついたんですけれども、日夜、本当に町工場で頑張っておられる中小零細の経営の皆様を、何とか黒字が出たときはそれを留保していただくことを考えようじゃないかということで、こういうこともやってまいりました。

 加えて、話題の事業承継税制、今回も要件緩和ということで盛り込まれております。例えば、よく相続が発生した際にいただく御意見は、大変使い勝手が悪い、特に雇用要件、あるいは家族でなきゃだめだ等々、例えばそういう大番頭さんみたいな方が承継してもいいんじゃないかとか、いろいろな御意見があったのを、私どもの政権時代に大分仕込んだものが今回花開いたと理解していますが、事実関係はそういうことでよろしいでしょうか。

田中政府参考人 お答えをいたします。

 先生御指摘のように、事業承継税制の見直しにつきましては、民主党政権下の政府税調におきましても、今お話のございました雇用確保等の適用要件の緩和ですとか、あるいは手続の簡素化といったような観点から議論がなされておりました。

 このように、承継税制につきましては、課税の公平性を確保しながら使い勝手のよい制度にしていくという方向性、今回も政府案の中でかなりその対応をしておりますけれども、与党、民主党で共有しているお考えだなというふうに感じております。

古本委員 ありがとうございます。

 加えて、この透明感、納得、公平のところで申し上げますと、公平であり納得に当たるんでしょうか、延滞税の問題も随分指摘をさせていただきました、私どもが与党時代に。

 世の中が大変低金利になっている中で、依然、十数ポイント、七ポイントだったでしょうか、ちょっと失念しましたが、大変高い率での延滞税を納税者にお願いしている。言うならば、納税環境整備の一環として、こういった取り組みも、当時の政府税調で随分議論した結果、今回の安倍内閣原案にそれが盛り込まれているというふうに承知していますが、いかがでしょうか。

田中政府参考人 御指摘のとおりでございまして、これは、もうかなり前から、延滞税あるいは利子税についての高さにつきまして御指摘がございまして、今回、法案の中でかなり抜本的な改正を行ったところでございます。

古本委員 公平、透明、納得の、この透明の中で、党税調が物事を決めて、いわゆるインナーで、それで、ここでは説明責任がないという仕組みがどうなのかという議論を、我々野党時代に夢描き、晴れて与党になれたときに政府税調に一元化をいたしました。ですから、ここにいらっしゃる安住前大臣におかれては、連日連夜ここで税の各論の答弁の矢面に立ったわけであります。政府税調が責任を負ったということですね。

 今回で申し上げれば、お配りした資料の、最後のページ、めくっていただいた七分の六、話題の車体課税、住宅のところの象徴的なところを少しコピーをお配りしておりますが、実は、今回三党協議をさせていただいた際に、この車、住宅、医療の簡素な給付は、私どもから、再三にわたりまして自公の税実務担当者に、何とか今回の改正で盛り込めないか、お願いしました。結果、ローン減税なんかは一部入ってきましたけれども、車体に関しては丸々来年度、つまり再来年度税制改正に先送りとなりました。

 方向感は与党大綱でお決めいただいていますが、麻生副総理あるいは財務大臣に聞いても、多分これは党に聞いてくれと言われるんですよ。僕は、野党時代、苦節六年、よくここの財務大臣に、谷垣さんを筆頭に何人も財務大臣に御質問しましたが、必ず最後は、それは党にお尋ねくださいと言われるんですよ。この二元的決め方はやはり税の透明性を不透明にしているんではないかということで、我々は政府税調をつくったんですが、残念ながらままごと政府税調だとやゆする御党の幹部さえいて、まことに残念だったなと思っています。

 いや違う、この議論から逃げないと麻生さんが言っていただけるのであれば、各論に入っていきたいと思うんですけれども、まず、いかがでしょうか。党が決めたことだから知らぬとおっしゃるか、議論に乗っていただけるか、いかがでしょうか。

麻生国務大臣 民主党とシステムが違うというのは大前提に置いて、強要されると、こちらも長い間これでやってきておりますので、それに対してお答えすることはできないんですが。

 与党と政府というものは、基本的に与党の方針というのは政府も共有しているというところでして、与党の大綱において今後の検討課題として整理をされた事項について、今後与党の状況を踏まえながらやっていかざるを得ぬというのが当然のことだと存じます。

 また、政府税調というのは今回ないじゃないかということでしたけれども、今回は、御存じのように、できましたのが十二月の二十六日にできておりますので、とても政府税調を立ち上げるというわけにはまいりませんでしたので、我々としては、政府税調イコール与党のものを、閣議決定をもって政府税調と同じような形にしたというのが今回の経緯であります。

古本委員 では、議論を受けていただけると受けとめましたので、入りたいと思うんですが、きょうは各省お願いしています。

 巷間、経済系の新聞でさえ、何やら、企業に頼まれた減税だという論調があって、個人的には噴飯物だなと思って読んでいるんですが、例えば、住宅の対策を打つというものは、国交省、これは誰のための減税になるんでしょうか。

毛利政府参考人 手短に申し上げますけれども、住宅ローン減税の拡充措置を講じてもなお効果が限定的な所得層の住宅取得負担を緩和するために、住宅政策の観点から適切な給付措置が必要と考えておりまして、国交省としましても、その内容を検討させていただいているところでございます。

古本委員 答えになっていないですよ。

 何も、どこどこ工務店とか何とかディベロッパーのための減税ではなくて、ユーザーである最終的な納税者のための、一生に家一軒ですよ、サラリーマン、夢のマイホーム、これを買おうかという若年層の人に、消費税をまるっきり負担できるのかという話ですよ。御省だって若手おるんでしょう。みんな官舎かどうか知りませんけれども。

 やはり、夢のマイホームを買いたいというときの、まさに国民負担の軽減ではないんでしょうか。国民負担の軽減である、そう言ってください。

毛利政府参考人 まさに住宅取得に係る負担を消費増税によってふやさないために、住宅ローン減税あるいは今回お願いしております十分な給付措置が必要ではないかというふうに考えております。

古本委員 では、次に、経産省に期待しましょう。車に関してですよ。

 きょうもまた、紙が多くなるとよくないので資料を絞りましたけれども、これは経産省からいただいているデータ、国交省と経産省を読み上げると、きょう先生方大勢いらっしゃいますけれども、愛知、岐阜、栃木、茨城それから福島、岐阜県、長野県。福島、宮城、とりわけ被災三県、入っていますね、岩手、こういった県は、東京都区部の方より、一家の保有台数、実に五倍ですよ、五倍。それは、ここら辺で地下鉄で通っている人に比べれば車を持っていますから。

 つまり、それだけ御負担をお願いする税であるからにして、経産省、この自動車関係税制を負担軽減するというのは、誰のための税制ですか。

宮本政府参考人 お答えいたします。

 経済産業省といたしましては、地方を含めました自動車ユーザーの負担を軽減いたしますとともに、これを通じまして、国内市場を活性化し、消費税増税に伴う需要の駆け込みや反動減、こうしたものを緩和するため、車体課税について、取得税廃止等の税制改正の要望をお願いしてきたところでございます。

古本委員 いまいちですね。国民負担軽減だと思うんですけれども。

 では、提出者に少しお尋ねしていきたいと思います。

 三党協議のときに、この自動車取得税が二重課税じゃないかという我々の論旨に対し、総務省、きょうも呼んでいますけれども、実は流通税であるからにして二重課税には当たらないというふうに答弁されたんです。野田毅税調会長を差しおいて事務方が答弁したように記憶していますけれども、それで正しいですか。

平嶋政府参考人 自動車取得税の課税根拠につきましてはいろいろな御意見がございますけれども、私どもの地方財政審議会からは、やはり消費税とは異なる課税根拠を持っており、取得時の担税力に着目した税であるから、別な税というふうに考えるべきだという御意見を頂戴いたしております。

古本委員 お配りした資料の七分の六に、自民党大綱が書いてあります。与党大綱ですね。この中に、自動車取得税は一〇%段階で廃止するというふうに書いていらっしゃるんですけれども、その際には、自動車税において、他に確保した安定的な財源と合わせ、地方財政へは影響を及ぼさないと書いておられて、これは国会でも幾度か議論になっていると思いますが、別途自動車税でかたきを討つ、そういうニュアンスと読み取れますけれども、自動車税は何税でいらっしゃいますか。いわゆる税目、税の趣旨でいうと何税ですか。

平嶋政府参考人 お答えいたします。

 自動車税も自動車取得税も、広い意味では車体課税というふうに捉えておりますが、何に対して課税しているかということを考えますと、自動車取得税は取得、自動車税は保有ということでございます。

古本委員 地方税は、改正のニュアンスがあって、意味合いがあって、それで、とりわけ排気量に応じた課税になっておりますので、自動車税については資産価値に見出した課税であると言っておられたというふうに理解していますけれども、よろしいですか。

平嶋政府参考人 お答えいたします。

 資産価値に着目しているという面は確かにございます。また、自動車が受けている地方行政サービスに対する対価という面もございます。

古本委員 そうすると、自動車取得税という流通税、百歩譲って流通税としましょう、この流通税を廃止した場合に、その分の歳入欠陥を資産税である自動車税で賄うと。つまり、取得税を廃止した途端に、何やら自動車の資産価値が急に上がる、こういう理解でよろしいですか。

平嶋政府参考人 今の部分は、古本先生御案内の、与党の大綱の部分を踏まえての御発言だと思いますけれども、その部分につきましては、私ども、大綱をそのまま文言どおり受けとめて、必要な検討をしていくと考えております。

 具体的にそれがどうなるかというのは、ほかの安定的な財源確保もありますので、現時点でちょっと、詳しい内容は申し上げかねるところでございます。

古本委員 結局、麻生さん、こうなるんですよ。きょうは審議官には気の毒でしたけれども、私もよく知っておる人ですから大変心苦しい面がありますけれども、これは総務大臣を呼んできたって一緒ですよ。党が決めたことだから知りませんになるんですよ。

 松本提出者、このやりとりに、ぜひ御所見を求めます。

松本(剛)議員 一番よくわかっていて、この与党大綱の文章を本当におつくりになった方が、平嶋審議官なのか、局長なのか、総務大臣なのかを考えると、誰がかわいそうで、誰がかわいそうでないのかというのは、いろいろな議論があろうかというふうに思いますが。

 古本委員がおっしゃったように、非常に大事なポイントだと思います。しっかり国会で答えるということは、大変重要なことではないかというふうに思っております。

 昨日も、実は、予算委員会でTPPの議論をしているときに、総理とのやりとりでこういうことがありました。自民党は推進派、反対派がいる、両方が納得できる知恵を出して公約をつくったという趣旨のお話が、この間の予算委員会の議論を通じてありました。つまり、どちらとでも読めるというのが知恵だと。与党と政府のいわば使い分けというのも、ある意味で、それに類すれば知恵なのかもしれません。今の御答弁のように、その場で答えずに済むという方法かもしれません。

 しかし、長い目で見て、大きな問題に正面から取り組む、もしくは国民に本当に納得を得るというためにそれでいいのかという問題は、やはり引き続き残ります。政治の信頼回復という面からも、今、激動の社会の中で政治にダイナミックな活動が求められるという意味からも、ぜひ我々は一致してお願いをしていきたい、こう思っております。

古本委員 ありがとうございます。

 我々は万年野党で、与党になった際に、こういう透明な議論をしようと文学青年みたいなことを本当に思って、本当にやったんですよ。結果、いろいろな議論が惹起され、今日に至っているんですけれども。やはりこういう答弁は、今回上がってこられた自民党中心の一回生の先生方、本当にまた十年、二十年繰り返すのかという話なんです。

 私は、ここにいらっしゃる代々の財務大臣に何回も聞いたって、自動車関係諸税は一円も下がらなかった。そのときの根拠は、みんな同じ答弁でしたよ。谷垣さんも、亡くなられた中川さんも、みんな同じ答弁でした。貴重な財源であるからにして下げることはできませんと。官僚が書いた答弁をそのまま読むだけですよね。

 我々は、与党になったら絶対にやるんだと約束し、残念ながら満額は無理でしたけれども、自動車重量税に関しては、二十二年、二十四年の二回にわたって圧縮をしてまいりました。

 実は、政治主導というのは、官僚の皆さんとどうやって思いを共有しながら大きな組織を動かしていくかということに尽きるんだと思いますけれども、またそういう議論は次回にしたいと思います。

 提出者に再度確認をしたいと思いますが、自動車重量税の方であります。

 自動車重量税は、実は、課税の根拠ということで申し上げれば、先ほど玉木提出者から答弁があったように、福田総理のときに、二〇〇八年、九年、当時一般財源化されたことを受けて、随分課税の根拠が薄弱になっているんだと思うんです。

 お配りした資料の七分の五ページ、地下鉄のポンチ絵がついているもの、これは久しぶりに引っ張り出してきました。当時、額賀財務大臣にこの場で随分お伺いした懐かしいチャートを持ってきました。

 なぜこれを持ってきたかといったら、またぞろ自公の皆様の中で、公共だという声が出てくるからなんです。いや、特定財源じゃないと官邸はおっしゃる。でも、党側はそうじゃない。結局何が起こったかというと、我々民主党が当時、一般財源化すべきだ、お金が余っているんだったら硬直的な特定財源をやめるべきだと提案したんです。結果、当時の福田康夫さんが御英断なさった。これは実に歴史的な皮肉でありますけれども、御尊父の赳夫先生が重量税を導入され、そして御子息である康夫先生がこの一般財源化に踏み切った。その端緒となった、まあ、個人的に勝手に評価をしていますけれども、一つがこれなんです。

 麻生さん、何と、これは地下鉄工事に道路特定財源が使われていたんです。これはメトロ十三号と東西線。当時、もう何度もやりとりしましたが、答えに困った額賀さんが、思わず本音でおっしゃったかどうか知りませんが、地下鉄の地下道の階段は最終的に道路につながっているからにして道路みたいなものですという珍答弁をしちゃったんです。そうしたら、我々の野党席から、じゃ俺の家も建ててくれというやじが出ましたよ、つながっていますから。そういう話になっちゃうんですね。

 ですから、せっかく一般財源になった中で課税の根拠は薄弱になっています。自民党の資料をごらんいただくと、七分の六ページ、重量税のくだりは、車両重量に応じて課税されており道路損壊と密接に関連すると。これは本当に重さに関連するなら軸重課税すべきですよ、軸の重さで。これはヨーロッパのスタンダードです。まず指摘します。その上で、原因者負担、受益者負担と言われますけれども、「道路の維持管理・更新等のための財源として位置づけ、」と、これはもう上から読んでも下から読んでも明快に書いているじゃないですか。

 やはり特定的、百歩譲って的を入れましょう、特定的財源になるのは間違いないんです。だからこそ、もう課税の根拠が薄弱になっている重量税の、とりわけ、当分の間税率、これは昭和四十九年から道路建設を促進させる目的で重課されています。これについてはとりわけ廃止すべきだという理念から、このたびの議員立法に至っているんですけれども、松本提出者、いかがでしょうか。

松本(剛)議員 趣旨については、今委員からお話があったとおりかと思いますので、繰り返しません。

 ただ、論理的には、今お話があったように、課税の根拠の問題、言うなれば自動車右肩上がりの時代の税制だというふうに思います。しかし、現実には、今御説明があったように、自動車、道路右肩上がりの時代でなくなっておりますので、根拠も説明が薄弱にならざるを得なくなってきているということであります。

 同時に、経済の全体で見た場合に、私自身が質問する立場でも申し上げましたが、自動車ユーザーというのをどう考えるのか。そして、自動車ユーザーに現在過重な負担があるという前提であれば、当然、それに対する対策は必要になってくると思います。そこをどう考えるかということに尽きると思います。

古本委員 車と加えて、住宅の問題もございます。

 住宅に関しては、先ほど玉木委員から、中低所得者層の対応をしっかりと、ローン減税で引き去り切れない分をしっかりという話がありました。国交省も歯切れが悪かったと私は受けとめていますけれども、今、物すごく住宅ニーズというのは多様化していると思いますよ。例えば、シニアの方が退職なさった後にバリアフリーのリフォームをなさりたいと。これは一部リフォームならローン減税の対象になっていないでしょう。それから、若い方で、例えばDINKSで、狭い間取りでもいいから便利なところに住みたい、そういう場合には、面積要件でローン減税は借りられないでしょう。

 そういう方々をいかに救っていくかということを考えまして、このたびの議員立法に至っているんですけれども、松本提出者、住宅関係において、ローン減税で引き去り切れない、恐らく年収でいうと六百万以下ぐらいの層でしょうけれども、それでもローン減税が借りられる人はいいでしょう。ローン減税の対象から漏れちゃう人で、中低所得層で、しかも、そういう普請したい、あるいはいろいろな住環境の変化に応じた方を救いたいという観点からの立法の趣旨だと思いますけれども、御所見を求めます。

松本(剛)議員 委員おっしゃるとおりでありまして、これまでのローン減税の仕組みも、ある意味ではかなり画一的に対象を定めてきておりまして、住宅についても、例えば面積要件であるとかそういったもので縛ってきておりますが、今、古本委員からお話がありましたとおり、若い方のライフスタイルもそうでありますし、加えて、高齢社会になってくる中で、高齢者お二人の住宅を確保しようといったようなケースもこれからかなり出てくる。子供さんが巣立っていった場合、そういう場合などが、従来の、例えば面積要件などで十分カバーし切れるのかどうか。

 どういった人たちを対象にしていくのが政策目的であり、また国民的に平等であるのかという観点から、このあたりも広い視野を持って今回の消費税の給付を含む措置をとるべきである、これが立法の趣旨でございます。

古本委員 加えて、今回着目しているのが医療の関係であります。

 結局、これは私どもの反省です。三年間の与党のときに、実はこの医療の損税の問題というのは、具体的には手をつけ切れなかったんですね。結果、八ポイント段階、一〇ポイント段階で、診療報酬で対応するというふうな整理になっているというふうに理解していますけれども、厚労省、そういうことでいいですね。いいかどうかだけです。

神田政府参考人 医療機関の仕入れに係る消費税の問題についてでございます。

 消費税の導入と引き上げが行われました平成元年また平成九年に診療報酬の改定を行いまして、医療機関の負担に対応してきたところでございますけれども、今回の改革におきましては、個々の医療機関にとってみますと、当初行ったところ、高額の負担があるということでございますので、非課税を前提としまして、税制抜本改革法におきまして、高額の投資に係る消費税の負担に関して、新たに一定の基準に該当するものに対して区分して措置を講ずることを検討する、また、診療報酬等医療保険制度において手当てをするというふうにされたところでございまして、現在、中医協に分科会を設けて検討しているところでございます。

古本委員 何か歯切れが悪いですが、要は、八ポイント、一〇ポイント、ともに診療報酬で対応するという方向感だと言われたというふうに受けとめましたが、実は、自民党の今回の与党大綱の医療のところは、医療に係る税制のあり方については、今後、総合的に検討し結論を得るというふうになっているんですね。

 つまり、診療報酬だけの対応で本当にやり切れるんだろうかどうだろうかという議論の芽が残っているように理解するんですけれども、ちょっとその事実関係だけ、主税局で結構です。自民党の大綱を主税局に聞くのもなんですが、ちょっと無通告でしたので。

田中政府参考人 基本的に、まず、税の世界で、医療につきましては、消費税、各国とも非課税の制度になっているわけであります。

 その前提に立って、個々の医療機関の購入する医療機器等々に係る税負担をどうするかということについては、先ほど厚生労働省から答弁がありましたけれども、基本的には診療報酬の問題として捉えております。ただ、基本的な捉え方はそうだとしても、今後さまざまな論点はあると思いますので、そういう意味で、少し受け皿を広くとってお書きになったのではないかと、私どもは考えております。

古本委員 ということは、医療に係る税制全体で議論し出すと、例のみなし控除の五千万の話なんかもあるわけですよ。これも聖域なく切り込んでいけるのか、自由民主党ができるのか。医師会を敵に回して、できるのかという話があるわけですね。

 私どもは、本来、非課税という言葉に元年のときに医療界の皆さんが誤解されたという説もあります、でも、そういうことはよくないんだ、この際はっきりさせようじゃないかという立場に立っています。

 松本会長、この医療の、診療報酬で対応するいかんについて、御所見があれば。

松本(剛)議員 少なくとも、これまで診療報酬で対応してきたということになっておりますけれども、この間、それがどうだったのかということもしっかり見ていくということは、これだけの大幅な引き上げの場合には考えていく必要があるのではないかなと、私自身は思っております。

 他方で、診療報酬も、これまでのさまざまな経緯があります。そういったことをよく見ていきながら、大切なことは、我が国の皆保険を含む医療をしっかりと確保する。そのためには、提供をしている側の皆さん、これは医師に限らず、提供されている側全体としても、安定した環境の中で働けるような状況、それは経営も含めてということになろうかと思います、これを確保するために、税制の面、そして診療報酬の面をどう組み立てるかということの議論が必要ではないかな、このように私どもは思っています。

 その意味では、診療報酬を中心にという法律の記載があります。そのことは一つ極めて重く受けとめなければいけないと思いますが、同時に、課題としてあるというのは、認識として共有されているのではないかと思います。

古本委員 その際に、行き着くところ、医療の軽減税率があるのかという議論になると思うんです。

 軽減税率といえば、今、自公の皆様は、複数税率がいいというお立場に立っておられますけれども、消費税全体の話ですね、これはデメリットは非常に大きいと私たちは思っております。

 衆法提出者にお尋ねします。

 複数税率のデメリットと、あわせて、議論のあった転嫁対策。これは総額表示に見直すやの動きも与党内にあるやに承知していますが、総額表示は我々守ってきましたけれども、外税もありやという報道に触れております。この二つの観点について、提出者の思いを聞かせていただきたいと思います。

鷲尾議員 まず、複数税率のデメリットでありますけれども、対象品目の選定が困難であったり、利権の温床のおそれがあること。また、インボイスの導入が前提となるために事業者の負担が大きくなってしまうこと。例えば、消費税率一〇%台下において、食品について税率を五%にした場合、約三兆円の減収となる見込みであって、代替財源を探す必要があること。給付つき税額控除に比べまして逆進性の緩和効果が小さくて、低所得者に対する支援としては不十分であることが挙げられておりまして、我々の案といたしましては、給付つき税額控除の制度の方が、乗り越えるべき課題が少なく、ベターであると考えております。

 また、お尋ねがありました転嫁対策、総額表示の見直しについてでありますけれども、我々としては、税制抜本改革法第七条に検討課題として明記しておりまして、外税の方が消費者に説明しやすく価格転嫁しやすいとの声がある一方で、内税が定着した小売業界からは、外税はかえって混乱するとのヒアリングも受けております。中小零細企業においては、税の転嫁問題が事業収益に大きな影響を与える要素でありますので、消費税率引き上げが一年後に迫っていることから、事業者の意見なども聴取して議論し、早急に結論を得るべきであると考えております。

 以上です。

古本委員 ありがとうございます。

 今回、附則に大きく四つの観点が加わったわけでありますけれども、サラリーマンという観点で何かできないかということで議論してまいりました。

 結果、附則百八条に入ってきたんですけれども、資料の最後のページを見ていただくと、裏表紙です、特定支出控除を何とかうまく活用できないかという提案であります。

 現在のところ、給与所得控除の半分、ですから、例えば三百万課税所得の方であれば、約百五万円給与所得控除がありますから、五十万円以上から領収書を集めてきて初めて、こういった被服費とか交際費が落とせるというふうになって、使い勝手という意味では、大変見直すべきだという提案をいたしました。今後の議論に期待をしたいと思います。

 加えて、贈与の関係で申し上げれば、先ほど教育費の議論がありましたが、出産や育児や子育ての観点も加えるべきだと。そんな一千何百万できる人は少ないですからという観点を申し上げ、附則の百八条に盛り込まれました。

 さらには、交際費の中では、実は六百万から八百万に枠が拡大されるんですけれども、この八百万の根拠というのもいまいちよくわかりません。ですが、先ほど松本会長からあったように、そのお金が流れ着く先は、中小零細のそういう御商売をなさっている皆様に行くわけであって、そのことでぎりぎり言うつもりはありませんし、むしろ資本金を一億で区切ることの意味がないというふうに理解し、それから、上である大企業にも枠を拡大すべきだ、それはひいては中小にお金が流れるんだというふうな理解で附則を見直しております。

 最後に、時間が来ていますが、大臣、この附則の、四つ加えた百八条の、サラリーマンに配慮してよ、あるいは贈与の観点、交際費等々の議論に向けた御決意を一言伺って、終わりたいと思います。

金田委員長 時間が参りましたので、簡潔にお願い申し上げます。

麻生国務大臣 検討します。

古本委員 では、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 時間が来たから終わりますけれども、実は、麻生さん、租特は、政策減税だけじゃなくて政策増税なんですね。政策増税しているのが、実は自動車関係税と交際費なんです。はっきり言って、政策増税しているのはこの二つだけなんです。だからこそ、もう役割は終えたんじゃないかということを切に訴えまして、質問にしたいと思います。

 ありがとうございました。

金田委員長 午後一時から委員会を再開することとしまして、この際、休憩といたします。

    午後零時一分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

金田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 提案された国税法案からお聞きをしたいと思います。

 この中に、研究開発減税の税額控除の上限を引き上げる、二〇%を三〇%にする、そういうことが入っております。

 私は何回もここで質問をしてまいりましたが、これはなかなか、中小企業に回るよりも、かなり大手の方を中心に回るということでありまして、一方で庶民の方は消費税がこれから上がっていくというわけですので、大企業に減税、庶民に増税ということになるのではないかということは繰り返し指摘をしてまいりました。

 そこで、この研究開発減税の総額は幾らで、これまでの実績で資本金十億円以上の大企業は減税総額の何%程度を占めているか、お答えいただきたいと思います。

麻生国務大臣 平成二十五年度の税制改正におきまして、今御指摘がありましたように、研究開発税制の総額型の税額控除の上限額というものをいわゆる法人税額の二〇から三〇%に引き上げるということに伴いまして、平年度で五百八十億円、初年度は少し下がりますので、初年度に関しましては四百五十億円の減収を見込んでおります。

 同時に、今御懸念が示されておりました、この適用実態がどうなっておるかということですけれども、平成二十三年度における研究開発税制の総額型の適用実績は、適用総額二千五百四十八億円でありまして、そのうち資本金十億円超の企業の適用額は一千九百七十二億円、パーセントで約八割に当たります。

 他方、適用件数で見た場合は、これは、全適用件数七千七百九十二件のうち、資本金十億円を超えております企業の適用件数は九百九十四件でして、資本金一億円以下の中小法人の適用件数が全体の七二%、五千五百八十五件に上がっておりますので、数からいきますと、適用されております対象は結構広がっておると思っております。

佐々木(憲)委員 今御紹介がありましたように、金額では大企業の方に八割行っている、中小企業には二割、かなり薄くそれが行き渡っている。全体としていいますと、我々は、これは大企業中心の配分だというふうに思っております。

 そこで、もっと基本的なことを言いますと、法人税率、この基本税率は、以前は四三・三%、一番高いときは。十五年ほど前は三七・五%に下がって、その後三四・五、それから三〇、昨年二五・五、ずっと下がってきているわけですね。三年間、復興特別税が若干上乗せになりますが、それが三年で終わって減税が実行される。

 こういうことを考えますと、大手企業の税負担率は、研究開発減税などの政策減税を合わせますと、実際の負担率というのはさらに低くなっていくわけで、平均して二〇%をはるかに下回っているというふうに思います。個別企業でいいますと一〇%前後というようなこともありますので。

 私は、今、大手企業を中心に減税することが、どれほどの効果があるのかなというふうに思うんです。今、二百六十六兆円という内部留保が積み上がっております。減税しても、どうしても内部留保がふえるだけで、実際にそれが効果的に使われないのではないかというのが私どもの印象ですが、大臣はどうお考えでしょうか。

麻生国務大臣 法人税の場合は、これはもう国際競争にさらされておりますので、その部分も考慮しておかなければならないところではあります。

 ただし、今、法人減税を行っても内部留保が蓄積されるだけではないかと。事実、二百兆を超える、二百兆を超えておりますのは東証上場企業ということになりましょうけれども、この積み上がっている部分は、本来は、従来、常識的には、配当に回るか、給与に回るか、設備投資に回るかすべきものが、ただ内部留保でたまっているだけではないかという御指摘に関しましては、私らも同じような感じを持っております。

 したがいまして、今回は、いわゆる給与などの支給を増加させた場合とか、設備投資を増加させた場合、あるいは研究投資を行う場合においては、政策によって企業に税制優遇しようということで今回の税制改正にのせておりますけれども、いずれにいたしましても、株価の上昇等、いろいろ明るい兆しが出てきておりますので、こういったものを通じて、企業が長期的に研究開発というものにきちんとした投資を行っていく、設備投資も給与等々もということを考えていく方向に行く雰囲気は少し醸成されつつあるかなとは思っております。

佐々木(憲)委員 今、ほかの減税の項目もおっしゃいました。全体としていいますと、中小企業の場合、例えば資本金一億円以下の中小企業の七三%が欠損法人、赤字会社です。したがって、いろいろな減税措置をとっても、これは当たり前ですが、黒字の企業しか使えないわけです。しかも、大手企業が中心ですから。全体として、私は、今回の税制のあり方というのは、そういうこともよく考えて、実際に中小企業が使えるようにするにはどうするのか、これはもっと研究をしていただきたいというふうに思います。

 そこで、この内部留保はなぜたまったのかということなんですけれども、先ほど、賃金が抑えられた、それから配当にも余り回らないと。しかし、配当は一定の比率で伸びているんです。賃金が下がっているんです。それから、役員給与、賞与などは上がっているんです。したがって、もうけても、それが庶民の側に回らず、非常に狭いところに、場合によっては投機的な方に時々回っていくというような、そういう使われ方をしていて、現実の、実体経済の方にはなかなか流れない、そこが非常に大きな問題だというふうに思います。

 物事の考え方として、政策の対象として、内部にたくさん利益がたまっている企業より、もっと大変な、深刻な事態にある企業に回した方が効果的な使われ方ができるのではないか。これは減税という税ではなくて、ほかの措置も含めて、例えば中小企業対策に抜本的に予算をふやす、そういう考え方はありませんか。

麻生国務大臣 基本的には、今回、その他いろいろ中小企業対策というのが、これを全部説明すると大変なことになりますから、中小企業対策ということでくくって見ていただく以外に方法はないと存じます。

 いずれにしても、内部留保がなぜたまったかということに関しましては、これは株主の発言も弱かったと思いますね。何で配当しないんだともっとわんわん言ったっておかしくないのに、アメリカに比べてこれだけ配当性向が低いのはおかしいじゃないかと。また、労働組合も、労働分配率が低いんじゃないかと、何で連合なんか言わぬのですかね。言っているんですかね。こちらと違って私はつき合いがないものですからよくわからぬのですけれども。かわりに自民党が言ったりしているのはどう考えてもおかしいと思っていますけれども。

 そういったようなことになって、この十数年間にわたって、企業経営の方は、やはり、景気が悪いからとか、また、今までデフレーションに対して我々は全く、我々に限らず世界じゅうやったことはないんですが、デフレーションに対する対策というものに関して、企業も極めて、今までのように、売り上げを伸ばしてもいわゆる資金繰りが追いつかないとか、会社でいえば、資産がみんな、不動産やら動産やらの資産価格が暴落しましたので、債務超過になっている分をどうしても抑えないかぬとか、いろいろなことがありましたものだから、じっとならざるを得なかったという雰囲気はあったんだとは思いますけれども、誰かが突破しないとどうにもならぬのだと思っておりますので、今回満額回答が出たりなんかしたのは、その一つの、傾向としてはいい傾向かなとは思っております。

佐々木(憲)委員 株への配当は以前よりもかなりふえているんですよ。賃金が上がらない。これが一番問題なんですね。労働組合が闘わないからだと。全くおっしゃるとおりで、連合なんてまともに闘っていると私は思いませんよ。やはり徹底して闘わないと、これは賃上げにつながらない。

 それと、問題は、政府がやるべきことは、非正規雇用をどんどんふやして低賃金労働者をふやしていった政策があった、これももう一度見直す。そういう制度的な改善をやらないと、これはなかなか全体としては底上げになっていかない。最低賃金の引き上げはもちろんですけれども。そういうふうに我々は考えております。

 次に、中小企業の問題ですけれども、消費税の転嫁というのはなかなか難しい。実際には、転嫁できずに納税義務だけを負わされておりますから、この業者は自分の身銭を切って払わざるを得ない、そういう事態になっているわけです。

 政府が調査した結果でも、大体、五割―七割の中小企業は転嫁できていないというふうに回答しております。これが、八%あるいは一〇%へと消費税率が上がりますと、転嫁できない中小業者がますますふえるのではないかと思いますが、大臣はどうお感じでしょうか。

麻生国務大臣 御指摘がありましたように、今般の消費税の上げが二段階にわたっておりますので、消費税の価格の転嫁がなかなか難しいのではないかという御懸念に対しましては、我々も同様にその気持ちがあります。したがいまして、政府としては、与党との議論も踏まえまして、この通常国会で転嫁対策特別措置法案を提出すべく、今準備をいたしております。

 政府の共通相談窓口の設置とか、また転嫁拒否などに関する相談体制を整備すべく、各省庁に対し、また各都道府県に対しまして、公正取引委員会及び中小企業庁において、転嫁拒否の監視並びに取り締まりのための特別調査について、消費税導入時期、平成元年の四月や前回税率を引き上げたときの平成九年四月を大幅に上回る規模でこれは実施させていただきたいと思っております。監視をするところ。転嫁がしやすいように、少なくとも、消費税還元売り上げ大会とか、そういったのはやったらだめというような、簡単に言えばそういうことです。

 そういったようなことをきちんとやらないととか、また、外税、内税の話もございますので、外税の方がやりやすい、転嫁しやすいという御説もありますので、そういったところにつきましては、どちらでもいい、売りやすい方に、強制しませんといった形の方法とか、いろいろなことが考えられると思っております。

佐々木(憲)委員 還元セールがどうかという問題はいろいろな評価があると思いますが、私は、転嫁の場合、二つに分けて考える必要があると思うんですよ。下請業者の場合、それから一般の小売商店、この二つに分けて転嫁という問題を考える必要があると思います。

 まず、下請の場合ですけれども、これは、親会社が消費税を形の上では負担するかのような形をとって、実際上は下請の単価を下げていく、そういうやり方で転嫁逃れをするという例があるんです。これはなかなか発見が難しいと思うんですが、どういうふうにこの手口を見分けるんでしょうか。

麻生国務大臣 消費税の転嫁拒否などの行為について、先ほどもちょっと申し上げましたように、公正取引委員会や中小企業庁、また、関係省庁のみならず、地方自治体とか、また商工会議所などと緊密に連携をして、大規模な書面調査を行わせていただきます。

 ただ、そういう話が来るまで受け身で待っているのではなくて、積極的な情報の収集をやっていく必要が重要であろうと考えております。

 また、先ほど申し述べましたように、今国会で提出を予定しております転嫁対策特別措置法案におきまして、中小企業に対する、今ちょっと言われた、普通の用語ではいわゆる買いたたき、こういったようなもののほか、手伝いの社員の派遣要請とか、そういったようなものの強制という実質的な転嫁拒否についても禁止する予定と聞いております。

 いずれにしても、公正取引委員会、中小企業庁、また各省庁等々が一体となって、そういったような転嫁拒否の行為等々というようなものに対応していきたいと思っております。

 他方、中小小売店の場合、こちらの場合は、消費税を転嫁すべき相手は一般の消費者ということになりますので、消費者の方々に対しては、今回は、社会保障と税一体改革の意義というものに加えて、消費税は価格への転嫁を通じて最終的に消費者に負担をいただく税であることなどをしっかり広報していかないかぬところだと思っております。

 小売事業者の方々に対しましては、先ほどちょっと申しました、外税の方が転嫁しやすいと言われた業者の方もおられれば、絶対内税の方がいいと、これはいろいろ違いますので、それらの声を踏まえて、税込み表示であると誤認されないための措置をきちんと講じてもらえさえすればどっちでもいいですという方法で対応していきたいと考えております。

佐々木(憲)委員 これはなかなか、今大臣がおっしゃったようなことを聞いていても、転嫁がうまくいくのかなと。疑問は解消されません。

 今までも、転嫁がなかなかできない、政府が調査したって五割―七割は転嫁できないと言っているんですからね。それの是正が本当にできるのかということなんです。

 そこで、実績ですけれども、今、公正取引委員会、それから経産省のことをおっしゃいました。そこで具体的な数字をお聞きしたいんですけれども、公取と経産省、それぞれ、消費税転嫁に係る問題で是正を指導した件数、これは昨年何件あったか、紹介してください。

原政府参考人 公正取引委員会におきまして、平成二十三年度におきまして、買いたたきですとか減額など下請法に違反する行為につきましては、勧告を十八件、指導を四千三百二十六件行っているところでございますが、このうち、消費税の転嫁拒否というふうな明示的なものにつきましては、一件の指導でございます。

鍜治政府参考人 お答え申し上げます。

 経産省中小企業庁におきまして、平成二十三年度において、千三百十九社に立入検査等を実施し、そのうち一千百九十四社に対して改善指導を行っております。この中で、消費税の価格転嫁に係る減額行為に対する指導は、三社に対して行いました。

佐々木(憲)委員 公取が調査して直そうとした、是正勧告を行った、これは一件ですよ。経産省がやったのは三件ですよ。

 日本に会社は何軒あるんですか。二百五十八万社あるじゃないですか。下請は、そのうち相当な部分ありますよ。それが実際に、五割―七割、転嫁できないと言っているわけだから。是正したのは一件とか三件、合わせて四件ですよ。こんなことでは、とてもとても、何か決意表明したって、それを実行できないんじゃないですか、大臣。

麻生国務大臣 今のは昨年の数字だと思います。基本的には、消費税を上げた直後、三から五に上げた直後とか、ゼロから三に上がった直後とかいうときと今とは全く情勢が違うのであって、違うというか、ずっと続いている間で、去年は一件だった、四件だった。今回は、五が八に上がるということに仮になれば、そのときの数字とはおのずと違って当然だと存じます。

佐々木(憲)委員 大臣、数字を調べてそれを言っているんですか。

 今まで、例えば公取が指導した件数を見ますと、平成九年以降、二十三年まで、四件が最高ですよ。ある年はゼロ、ある年は一、ある年は二、三、こんな状況です。ですから、前はうまくやっていたんだという話にはならない。

 そこで、お聞きしますけれども、これだけ大量の下請があり、そして、取引も無数にある。それに対して、カバーできる体制というのは一体どの程度あるんですか。何人がかかれるのか。これはどうなっているんでしょうか。

原政府参考人 消費税転嫁対策につきまして、非常勤を含めて、公正取引委員会で百十九名の手当てを本予算でさせていただいております。

佐々木(憲)委員 その程度では、何百万もある企業、そのうちで、下請もかなりの数ですし、取引件数なんというのは無数にあるわけですよ。まず第一、全部チェックできるはずがない。

 したがって、私は、やはり消費税の増税自体が根本的に問題があると思っておりまして、結局は、下請そして小売店の中小業者が大変な目に遭う、消費者も負担がふえる、こういう状況だと思うんです。これはやはり取りやめるべきだというふうに思います。

 次に、二重ローンの問題。麻生大臣は金融担当大臣でもありますので、お聞きしたいと思うんですが、震災から二年がたちました。復興のおくれというのはいろいろ指摘されておりますけれども、とりわけ、この二重ローンの問題は深刻であります。

 震災直後の一昨年、二〇一一年六月十七日に、当時の政府は、二重債務問題への対応方針というものを関係閣僚会議で了承し、基本方針を決めております。その後、仕組みが整備されているわけです。

 この対応方針の中には、こう書かれております。「二重債務問題に適切に対応し、金融機関・被災者のみならず、国・自治体を含め関係者がそれぞれ痛みを適切に分かち合い、一体となって問題の対応に当たることが必要である。」と。

 この基本的な認識、基本方針、これは政権がかわっても変わりはないかどうか、確認をしたいと思います。

麻生国務大臣 今読み上げられたのは、平成二十三年六月十七日に民主党政権で出された関係閣僚会議の取りまとめだと存じますが、基本的な考え方は現政権においても変わるものではございません。それは、はっきりしております。

 震災からの着実な復興のために、いろいろ二重債務は今から忙しくなってくる、私らはそう思います。実際問題、高台に移転する等々は、現実的なものが出てくるのは二年目ぐらいからだとよく言われておりましたので、その意味で、二重債務問題の解消というのは一番大事だろうと思っております。

佐々木(憲)委員 では、それに対応するどういう仕組みがあるのか、教えていただきたいと思います。

麻生国務大臣 いわゆる二重債務問題につきましては、東日本大震災事業者再生支援機構、よく言われる震災支援機構及び産業復興機構等によります被災事業者の支援、また、個人版私的整理ガイドライン等々によります被災者の住宅ローンなどの債務整理支援を始めたところでありまして、こういった施策を推進してまいりたいと思っております。

 利用状況について申し上げさせていただければ、震災支援機構につきましては、二月末時点で、相談受け付け件数は千十五件、支援決定は百二十一件であります。また、産業復興機構につきましては、三月の八日時点で、相談受け付け件数が一千九百六十九件、買い取り決定が九十五件。もう一つ、個人版私的整理ガイドラインにつきましては、三月十五日の時点で、個別の相談があった三千九百六件のうち、債務整理に向けて準備中の案件が九百三十七件、債務整理の成立案件が二百八十六件となっております。

 以上です。

佐々木(憲)委員 今御紹介がありましたように、制度が三つありまして、震災支援機構、産業復興機構、それから私的整理ガイドライン、この三つあるわけです。

 今、実績もあわせて述べられましたが、全体で約七千件の相談があるんですが、実際にこれが解決をしたというのは非常に少ないですね。今、九十五件、百二十一件、二百八十六件、こういう状況ですから、五百件程度ですか。そういう状況というのは、非常に全体としておくれていると言わざるを得ないと思うんです。

 例えば、私的整理ガイドラインを見ますと、利用者を最初は一万人と見ていたんです。弁護士の手続に関する費用として、そのために国としては予算を組んだ。十七億円、そういう予算を組みました。だけれども、なかなかこれは進んでいないんです。

 東北大学が二〇一二年七月に被災三県の企業三万社に行った調査というのがあるんです。それによりますと、二重債務状態にある企業、これは、有効回答が得られた三千六百五十四社のうち千百九十一社、つまり、全体の三分の一が二重債務状態にあるというふうに回答しております。

 潜在的な事業者はまだ相当いると思いますけれども、資金繰り状況は一年前に比べると多少改善している。しかし、震災後、既に一〇%、約一割の被災企業が本社や主要事業所を移転させている、被災地からもう出ていっているということです。例えば、岩手の沿岸部においては、本社を移転した企業は二一%。これは大変な状況でありまして、現地の空洞化ということが懸念されております。

 地元企業の再生支援を急ぐ必要があると思うんですが、二年たってこういう状況というのは、これはおくれていると私は思います。そういう意味で、要望に対応できていないわけですから、なぜそうなっているのか、この理由を大臣はどのようにお考えですか。

麻生国務大臣 理由は、これはなかなか一概に、これがというような理由が一つだけあるわけではないと存じます。実に場所によって違うと思いますし、私も現場に行って二重ローンの話を伺いましたけれども、うちにはありませんと言うんですよ。いや、二重ローンがないわけないでしょうと言ったら、うちの市には一件もありませんと。本当ですかと聞いたら、高齢者ばかりでローンは既に払い終わったうちだけ、途中のものはありませんというところもあって、へえと思って、正直あのときはびっくりしました。

 場所によってすごく違いますので、今言われましたように、どれが答えというのはなかなかないんだと思いますが、やはり、市役所ごとなくなっちゃっていたりなんかしているところはもう資料もとれない。また、いろいろな意味で確認しようにも、そこの方々の確認も、きちんとできる対象者が今まだ行方不明とかいうことになりますと、これはなかなか、神戸のときと比べて行方不明者の数のオーダーが全然違いますので、その意味では極めて復興としては難しいだろうなという、情況証拠としてはわかりますけれども、その他いろいろ、もう少しきちんとやっていかねばならぬところがあるのではないかな、私自身はそう思っております。

佐々木(憲)委員 私がいろいろ調べたところによると、一番ネックになっているのは銀行との関係なんです。

 この東北大学の調査によりますと、二重債務状態にある千百九十一社のうち、負担軽減措置を受けた企業の回答では、債務額の減額はたった八件しかありません。この調査を行った先生のお話によりますと、金融機関が債務の元本を手放さない状態が続いているということで、金融機関の姿勢が問題だという指摘をしております。

 この間、金融機関も被災していますから、被災金融機関あるいはその被災地の金融機関に対して、国の側が公的資金を入れたんですよ。つまり、金融機関の体力を強化して、融資の面でしっかり対応ができるように、それから債権放棄もきちっとやる、そういうことをしたと思うんですね。

 公的資金を注入したんですけれども、これはどういうことになっているんでしょうか。

麻生国務大臣 各金融機関は、経営強化計画というのを掲げておられまして、被災者向けの新規融資、貸し付け条件の変更などの柔軟な対応、先ほど申し上げました産業復興機構、東日本大震災事業者再生支援機構及び個人版私的整理ガイドラインの活用などの各種施策を着実に実施し、被災者の事業、生活の再建や、被災地域の復興に向けた支援に積極的、継続的に取り組んでいっておられることだと承知をしております。

 いずれにいたしましても、まだそれは完全なわけではありませんので、我々金融庁としても、今後とも、経営強化計画というものに基づいて履行状況というものをフォローアップしていかなきゃならぬところだと思いますので、各金融機関が被災者の再生支援などに継続的に貢献して、助けてあげられるように、そういったものをしっかりと促してまいりたい、基本的にそう思っております。

佐々木(憲)委員 これは、具体的に聞いてみますと、非常に煩雑で、手続に時間がかかるという問題があります。例えば、債務免除の申請手続を行おうとすると、これが長引いて、手続に時間がとられてなかなか再開ができない。

 つまり、事業者は、以前のローンで工場なり自宅を建てた。ローンの返済も今やっているわけですよ。次、また借りなきゃならぬ。だから二重ローンになるんですね。新しくローンを借りる前に、以前のローンについて、これは少し減額してください、あるいは免除してください、当然こういう話になるわけです。そうしないと二重ローンの解消になりませんから。ところが、これは本当に時間がかかります。

 気仙沼のある業者の話ですと、工場兼自宅が津波で流されてしまった、グループ補助を受けて、工場の再建に向けた再生計画のめどがほぼ立っているんだけれども、自己負担分の四分の一を金融機関から借り入れて賄うつもりだったけれども、旧債務の問題があり、新規融資の審査が進まない。昨年の九月に支援機構に相談したものの、担当弁護士から連絡が来たのが二カ月たってから。その後、提出資料の準備のために何度も仙台に出向いて、ようやく申請のめどが立ったのが先月。それでもまだ承認されない。

 その事業者は、ローンの残債が約二千万あるわけです。工場跡地が水産加工団地となる予定で、土地の買収価格が約一千五百万円。つまり、債務整理の対象になるのは実質約五百万円なんですね。その間、毎月十六万円の返済を行っていて、相談を始めた昨年九月から三月までの七カ月で百十二万円返済している。つまり、五百万円の住宅ローンの債務免除をしてもらうのにえらい時間がかかり、大変な負担もして、ローンもその間に払っている。

 これは、時間がたてばたつほど天引きでローンの返済が進んでいきますから、こういうふうになっていきますと、これは一体何をやっているんだろうという話になるわけです。このようにして、実際には諦める業者が非常にふえている。先ほどの東北大学の調査でも、諦める方々がかなりふえているんです。これはやはり抜本的に改める必要があると思います。

 大臣としてどういうふうに取り組まれるか、お聞かせいただきたいと思います。

麻生国務大臣 基本的に、まず最初に、政府として約二千三百億円ぐらいの公的資金というのをこういったところに投入しておるのは事実なんですが、いずれにいたしましても、今御指摘のありました点、知らないわけじゃありませんけれども、この元本の解消とかそういったものは普通の状態でもかなり時間のかかる話であるのは御存じのとおりな上に、被災地においては人手も足りない、情報も足りない、何とかも足りないということになっていて、かなり普通の状態とは違う、ただでさえ難しいところにもってきてそれが加わっておりますので、時間がかかっているというのは事実だと思いますが、こういったものはなるべく早く、速やかにやるように、我々としても引き続き支援をしてまいりたいと考えております。

佐々木(憲)委員 義援金というのがあるわけですよね。本来なら、その義援金は手元に置いて、生活のために使わなければならぬわけです。ところが、銀行によっては、ローンを義援金で返済しろというようなところも出てきていて、これは非常に問題だというふうに指摘されております。本来、私的整理ガイドラインでは、義援金はローンの返済に充てなくてもよろしいとなっているんです。それを使ってローンを返すというのはおかしいわけです。だから、そういうのは正していただきたい。

 それから、金融機関自身がやはり一定の負担をするという覚悟がないといけない。これは、貸したのは二重であろうが全部取り上げるというんじゃ、何のために国は公的資金を注入したんですか。

 ですから、実態を調べていただいて、銀行の姿勢をしっかり正すというのが金融担当大臣の役目だというふうに私は思いますので、最後にその決意をお聞かせいただきたいと思います。

麻生国務大臣 こういうとき、いわゆる困ったときはという話、お互いさまで、向こうも被災者でありますし、こちらも、こちらというのは被災者、両方とも被災者なんですけれども、いずれにしても、東日本大震災でなかったにしても、いわゆる災害救助法の対象となる災害を受けた人たちであれば、被災者の実情を踏まえた返済猶予をやる、金融上の措置等々を適切に講ずるように金融機関に対して今後ともきちんと要請をして、被災者が困窮に瀕するようなことのないように我々としても努力をしていかねばならぬ、そう思っております。

佐々木(憲)委員 時間が参りましたので、終わります。

金田委員長 次に、西野弘一君。

西野委員 先週に引き続いて二回目の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 きょうは、所得税法等の一部を改正する法律案について質疑をさせていただきたいと思います。

 二十一年の麻生内閣当時に金融所得課税の一体化という方針を打ち出されて、また、今回の一月の緊急経済対策でも同じような方向が掲げられたと思いますが、この法改正、今回の法律案もその流れに沿ったものというふうに認識しているんですけれども、それでよろしいですか。

麻生国務大臣 あのときと同じ流れか。そうです。

西野委員 私も、この流れというのは大変いいことだというふうに思っていますし、このことでいろいろな金融の取引なんかの自由化も促進されて、皆さんも喜んでおられるんじゃないかなというふうに思っています。

 一方で、内閣府の方でマイナンバー法案を提出されておりますけれども、これも、うまく活用してやっていけば、より情報も適切に管理できるでしょうし、また、行政にとっても国民の皆さんにとってもいろいろと使い勝手がいいようになってくるのではないかなと思っているんですが、ちょっと残念なのは、今回のところは普通預金とかにはマイナンバーはつかないというようなことになっておりまして、ここは少し残念だなと私は思っているんですが、これは金融担当大臣というか副総理として、このあたりのことはどういうふうに思っておられますか。

麻生国務大臣 マイナンバー一般について。生活保護を含むとか、また社会保障給付の適正な給付をきちんと確保するために、またマネーロンダリングというようなものの対策の一環として、マイナンバーという、国民総背番号とかいろいろな表現がありましたが、最近はマイナンバーと言うようですけれども、マイナンバーの活用に関する御質問なんだというように理解したんですが。

 これは私の所管するところだけではありませんものですから、政府としての見解としてはちょっとなかなか言いにくいので、一閣僚としての私見も踏まえた上でということをあらかじめお断りしておいた上で、一般論として申し上げれば、社会保障給付とか生活保護とかそういったものをきちんと適正化するとか、マネーロンダリングを防止するとか、そういった意味においては、これは極めて大事なところであって、これは厚生労働省とか警察庁とか、所管するところはいっぱいあるんだと思いますけれども、我々金融庁としても、そういったところと、本来の目的、趣旨をきちんと達成できるために、協力をしていきたいと思っております。

 一方、マイナンバーの活用について、提出しておられます法案によれば、預金口座開設をするために金融機関がマイナンバーを求めることは禁止されているということは承知しています。これは個人情報保護ということなんだと思いますが、そういう観点から、取り扱いは慎重にすべきなんだということで、マイナンバーの利用を、まずは税務とか、また、今言われた社会保障だとか、そういった分野の手続に利用する場合に厳格に限定するということで事は動いているんだと思います。

 しばらく落ちついてきて、こういったおかしなものがないということになれば、少しずつ少しずつ広まってくるんじゃないかなと思わないでもありませんけれども、これはどう受けとめられるかという話でして、これに似たような話は三十年前もあったんですよ。もうめちゃめちゃで、一発でパア。すぐ潰されましたよ、この話は。こんなところまで進みませんでしたから。法案提出の段階で一発でだめでした、あの当時は。私が当選してすぐのころだったので覚えていますけれども、たしかグリーンカードと言ったと思いますが、だめになったと記憶をしています。

 そういった意味で、どういうように国民に受け入れられるかというのを見ないと、なかなか進めていきにくいところがあろうかと存じます。

 また、これを適用する範囲、活用できる範囲というものを預金口座にまで広げるというようなことが適当という結論が仮に世論として出た場合、それは必要な法的措置を講ずるということに我々はしていくべきなんだと思っております。

 これは、人手も省けますし、確認も省けますし、これが悪用されずにまともに動けば極めて有用なものだと思いますけれども、必ず悪用しようという人が出てくるということをある程度前提に考えておかないと、この人がこんなはずじゃなかったなんということになりますと、えらい御迷惑をおかけすることにもなりますので、慎重に対応していかねばならぬところもあります。

西野委員 まず、いろいろ国民の皆さんがどういうふうに受けとめるかというところを見きわめるということも大事だと思うんですが、大臣が今御答弁の中でもお話しになりましたように、三十年前にも同じようなものがあって、そういう意味では、世論もそろそろこれはやってもええよということで、大分考え方も、流れも変わってきているのかなというふうにも思いますし、今回、一歩も二歩も三歩も前進しているとは思うんです。

 しかし、一方で、これはやはり、銀行に普通預金口座をつくりに行ったときにマイナンバーの提示を求められるようになれば、本当に、大臣もお話しになっているように、社会保障の公平性を担保していこうというときに、全ての方の所得を全て把握するのは無理にしても、かなりの部分はこれによって把握していくことができますし、マネロンを初めいろいろなそういった国際的な犯罪に、今の段階では、日本の銀行は、もしかしたら日本の銀行の口座の中にテロリストの口座があるんやないかなということを今思われている状況なんですから、そういうことを防いでいこうとしたときに、方向として、今回は仕方がないにしても、これから近い将来、普通預金の口座にも番号を振るとか、ひもづけをしていくということは私は大事なことやないかなと思います。

 今スタートしても、実際に全部の口座につけられるようになるまでは、かなりまた、これは恐らく十年、二十年とかかってくるのかもわかりませんから、やはりここはそういう観点からしっかりと、方向性だけでもいいですので打ち出していただきたいなと思うんですけれども、ここは金融大臣としてどうお考えですか。

麻生国務大臣 西野先生、今申し上げましたように、これは、社会保障関係では厚労省とか、警察とか、法務省とか、いろいろ関連するところはいっぱいあるんだと思いますが、私ども金融を所管する立場から言わせていただければ、自分に入る収入、所得等々というものがこの番号である程度きちんと捕捉できるということになりますと、いわゆる何となく怪しげなもの、そういったようなところに使われるというのを未然に防止することにもなりますし、番号で、マイナンバーで管理ができるということは、コストとしてはかなり安いものにもなりますし、いろいろな意味でいえば、効果が大きいと存じます。

 ただ、効果の大きい話は、必ず、反対側に使われたときにも逆効果が物すごく大きいということを覚悟せないけませんので、その意味では、成り済ましとかいろいろなものを考えないけませんので、こういったものに対する対応はきちんとやっていくということもおさめた上で、世論がそういった方向に流れていく、世論がそういう方向に向いてくるということになれば、その時点で私どもとしてはきちっとした立法をさせていただきたいと存じます。

西野委員 ぜひ、その世論の流れというのを早く見きわめていただいて、その方向を打ち出していただきたいなと思うんです。

 確かに、悪用する人というのは、何をやっても悪いことを考える人はいてはると思うんですよ。でも、一方で、新しい制度ができるなということで、例えば、民間の企業が、僕らが到底思いつかないような新しい展開をいろいろ考えられているかもわかりませんし、そういう意味でも、今回も、あくまでも社会保障と税にしかこのマイナンバーを使えないということになっておりますけれども、私はむしろ、そこの制度設計はそれこそ霞が関の皆さんの知恵をいろいろ出し合ってつくっていただいたと思うんですが、民間の事業者でもこのマイナンバーをうまく活用、利用できるようなことも考えていくべきだと思っているんですが、そのあたりのことについては、大臣、どう思われますか。

麻生国務大臣 これは、解禁という表現がいいのかどうかは知りませんが、解禁されたら、利用方法としては、それは役人が考えるよりはるかに商売で考えた方がいろいろアイデアが出るのははっきりしていますので、そういった意味で、えっ、こんなものができるのというのはきっといっぱいあると思いますので、そういった意味では、犯罪というところをきちんと頭に置きながら、そういったものが広く利用されるという方向は、私は世の中にとって決して悪い方向だとは存じません。

西野委員 ぜひ、またいろいろな御議論の機会もあると思いますので、そういった民間の方の声も拾っていただけたらなというふうにも思っています。

 マネロン対策の話が出ましたので。

 要は、そういうテロリストにお金が流れるような口座をつくっちゃいかぬ、また、マネーロンダリングに使われるようなものもあったらいかぬということで、いろいろな国際的な協調の中で、FATFがいろいろな各国を見て審査しているわけですよね。そのときに、これは役所の方でいいので、日本はFATFからその審査でどういうふうに言われているんですか。日本の顧客管理の部分では、別にオーケーだ、世界基準だというふうに言われているんですか、どうなんですか。

田中政府参考人 主税局として、所管の話として今承っていなかったので、もし金融の管理の仕方であれば、金融庁をお呼びいただければと思います。

西野委員 来られていないということでいいんですが、二〇〇八年に、FATFの対日審査の結果では、顧客管理措置については不履行と。つまり、FATFの審査の中では、日本にはテロリストの口座をつくられるような状況よということを突きつけられているわけですよ、二〇〇八年に。

 その中で、金融庁として、では、このことを別にこのまま放っておいていいということはないと思うんです。まずやはり、その部分でも、先ほどマネーロンダリング、マネロンの対策という意味のお話がありましたので、国際的に、日本はみんなと同じような措置をやってないよということを言われている中で、せっかくマイナンバー法案が今出されているわけですから、しっかりとここにも活用していくべきだと私は思っているんですけれども、金融大臣、いかがですか。

麻生国務大臣 基本的に、お金の話は金融庁なんですが、これが今、FATFの話でいこうとすると、多分、法務省、警察庁、外務省、この四省庁できっちりやらないかぬのかな、今の話を伺ってそう思いましたので、ちょっと今答弁を持っておりませんので、改めて御返事申し上げます。

西野委員 副総理でもあられるわけですので、縦割り、縦割りという話になってもいかぬと思いますので、ぜひいろいろな省庁の考えもまとめていただいて、少なくとも、この国際機関からは、日本はきちんと措置をやっていないということを言われていることは間違いがないことですので、これは恥ずかしい話ですよ。ですので、このことについてはしっかりと対応していただきたいと思いますし、その対応をする上で、このマイナンバーというのはぜひ活用いただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。

 次の質問に移らせていただきます。

 要は、教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設ということについてお尋ねをしたいなと思います。

 この前、地元に帰りまして、久しぶりに大阪のお好み焼きを食べに行こうかなと思いまして、お好み焼き屋さんに行きました。東京ではどう言うのか知りませんけれども、大阪は、豚が具に入っていると豚玉、イカが具に入っているとイカ玉とかいうんですけれども、全部入っているものはミックスというんですよ。ちょうど食べに行ったのが阿倍野というところで、今再開発で物すごく大阪は期待されているんですよ。田野瀬先生の選挙区から大阪の方に来たら阿倍野の方へよく行かれると思うんですけれども、阿倍野の方のお好み焼き屋へ行くと、どこもアベノミックスというメニューがあるんです。

 大阪人のこの商魂はすごいなと、改めてたくましさを感じたんですが、それと同じような話がきょうはありまして、贈与税の話をやろうと思ってインターネットをぺこぺこっと見ていたら、ちょうど信託銀行のホームページに当たりまして、こういう法律改正がなされますので、ぜひ教育資金はうちの信託銀行へ、もうそういうホームページが出ているんですよ。

 だから、民間というのはやはりすごいですよね。大阪のお好み焼き屋さんだけがすごいのかなと思ったら、大手の信託銀行もそれだけ活気づいておられるということはいいことだなというふうに思っていますし、もう既に、そういう意味では、法律が通る前からいろいろな意味での経済的な効果が出ているんじゃないかなと思っています。

 これは、もともと、教育に使うお金を孫の代にということで、今たんす預金か何かにあるのをできるだけどんどん表に出して市中でお金を使ってもらおう、発想はそうだと思うので、ある意味では、これは経済対策であると思うんです。

 経済対策だけだったら、変な話、一千五百万まで上限だとか言われていますけれども、一千五百万も一人の孫に出せるような家というのはそうそうないので、そういう批判があってはいかぬ、金持ちだけが得するやないかということになってもいかぬので、教育という冠をつけたんじゃないかな、僕は勝手にそう思っているんです。

 それはそれでいいんですが、ただ、教育目的ということであれば、もう既に、通常認められている範囲であれば、必要だなという範囲であれば、例えば学校の入学金であったりとか授業料であったりとか、そういったものはそもそも、この法律がなくても非課税になっていると思うんです。

 非課税になっているのに、改めてこの制度をつくるということは、今の教育目的に通常必要なものと認められていない何かがあるからこの法改正があるんだというふうに思うんですけれども、それは例えばどういうことなんでしょうか。

田中政府参考人 お答えをいたします。

 教育資金につきましては、教育というのは、非常に長い期間にわたって、全部足し上げるとその費用も相当多額になるということがまず一つございます。ほかのいろいろな消費に比べてそういう性格を持っている。

 それから、贈与を受けた家庭にしてみますと、本来来なかったお金が来るわけですから、その分、教育以外についての消費の活性効果もある程度期待できるということで、先生御案内のとおり、通常教育にかかる費用をその都度贈与するのは現行法も非課税なんですけれども、まさに、先ほど信託銀行の話が出ましたけれども、そういうニーズがどうも存在をしている。一千五百万ぴったりという方がそんなに多いかどうかは別でございますが、まさに信託銀行がそう思っているように、かなりそういう、一括して資金を、孫のためならばというようなニーズがあるということでございまして、今回、文科省の方からもそういう要望があったものですから、それに着目した制度をつくったということでございます。

 景気対策である以上、何の使用目的もない単なる贈与を非課税にするというのは、これは相続税を逃れるのとイコールでございますので、やはり何らかの支出にリンクして、それも税制上組みやすい支出にリンクして、既に住宅なんかはそういうものがございますけれども、そういう特定の支出にリンクして制度をつくるということが、今までやってきた対応でございます。

西野委員 何かやはり冠をつけないといかぬというお話はよくわかるんですが、では、その教育目的という範囲は、これからいろいろと議論をされるということでよろしいんですか。

田中政府参考人 これはかなり技術的な話がたくさんございまして、学習塾をどうするですとか、あるいは、それこそピアノの稽古をどうするですとかいう議論がございまして、文科省あるいは関係省庁と今内容の仕切りを行っている最中でございますけれども、なるべく広く認めるつもりではございますけれども、とても子供の教育にそぐわないような、例えばかけごととか、そういう教室があったからといって、そこに出す費用までというわけにはいきませんので、常識の範囲内で各省と今議論をしている最中でございます。

西野委員 かけごとの塾があるかどうかはわからないですけれども、あるんですかね。

 今御答弁の中で、かなり技術的な問題だというふうに答弁されたんですが、僕は、むしろこれこそ政治的なものやと思いますね。経済対策としてこれをやっていこうということであるならば、人材育成という意味でこの法改正がというよりも、むしろ、その要素、割合として大きいのは経済対策やということで重きを置かれているんであれば、できるだけこの教育目的という部分の範囲を広く捉えていただきたいなと思うんです。

 もう極端な話、孫と一緒に旅行へ行くのもこれは教育じゃないですか。(発言する者あり)いや、教育ですよ。僕も亡くなったおじいさんにいろいろなところへ連れていってもらって、ここはこうや、ああやと教えてもらったことの思い出の方が、小学校で小難しい歴史の教科書なんかを読まされるよりもよっぽど勉強になりましたよ。これもやはり一つの大きな教育だというふうに思いますし、もういいんじゃないですか、とにかく孫と一緒に過ごせば、全部いいんじゃないですか。どうですか、麻生大臣。

麻生国務大臣 これは、法律にそれを書こうとすると、なかなかそんな簡単にはいかないので。

 基本的には、今言われたように、教育というのは極めて幅広いものではありますが、少なくとも、贈与税とか相続税というものの対象外にする形で、何でこの種の額がといえば、それは基本的には、一千五百兆円の個人金融資産、なかんずく、現金、預金だけでかれこれ八百何十兆という総額がじっと金融機関に寝とるという状況を、これが活用されるという形にするのが一つ。

 そのためとして、今子供をもう一人産みたいけれども学校がとか教育費がと言われる世代が非常に多いということ等々を考えますと、じいちゃん、ばあちゃんとしては、でき損なった息子に出す気はないけれども孫はかわいいとか、西野家はどうか知らぬけれども、いろいろみんなありますでしょう。

 そういった状態を考えると、やはり、世代を一つ飛んで、もう老老介護なんかになって、受け取ったときはもう既に六十は超えていますとかいうようなことになってくると、その次の世代に行くと、ここは間違いなく、消費をする意欲、また消費をせねばならぬ、そういった世代に一つ飛ぶということは、私としては、経済効果もありましょうし、また教育という面について、教育費が高いから、塾にやる金がないから子供をもう一人産めないとか、いろいろな理由をみんな言われますけれども、教育というのは、やはり国を考えたときには、長期的に投資をせねばならぬ最も大事なところだと思います。

 そういったところにお金が行くという方法として一つの方法だと我々は考えておりますので、言われましたように、なるべく幅広くこういったものを考えていきたいと考えております。

西野委員 できるだけ、もうみんながこぞって孫の手を引っ張っていろいろなところに勉強に行くというふうな年になればいいなと思いますし、そこは法律で書くのは難しいんですけれども、それこそ技術的な問題で、ぜひ霞が関の皆さんに頑張っていただけたらと思います。

 これは、僕の読み方が間違っているのかもわからないんですが、例えば、この制度を活用して千五百万積み立てました、孫が三十歳までに五百万円しか使えなかった、そうすると、一千万円残ってきます。これは、一千万に対して、今度、その時点で贈与税がかかるという理解でいいのかなと思っているんですが、そうすると、一千万には三〇パーの贈与税がかかって、三百万円の課税がその時点でされます。それこそ頭のいい方だったら、では、今、三千万までであればかからぬということであれば、その資産状況によっては、ほかに持っているお金がなければ、もう別に相続税も払わぬでええやないかということになれば、この制度を活用する人が実際出てくるのかなと心配しているんですけれども、いかがですか。

田中政府参考人 この制度は、先ほど先生のお話に出てきました金融機関、一番今熱心にやっているのは信託銀行でございますけれども、その信託銀行にこういう制度を受けますという申し込みをして、それからお金の払い込みがあって、それからそこから使われていく、そういう流れになります。したがいまして、信託銀行からすると、その管理をしないといかぬ。例えば、最初に一千五百万をもらって、入学金で幾ら落ちて、授業料で幾ら落ちて、あるいは塾で幾ら落ちてというふうに管理をしなきゃいかぬ。そういうことですから、信託銀行としては、自分がそれを管理する前提に立って商品設計をするということになるわけです。

 したがって、理論的には、おっしゃるように、最後にお金が残る可能性があって、贈与税の場合、基礎控除がございますけれども、それをオーバーすると贈与税がかかる、最後の残った時点で贈与が行われたというふうに考えるようになるわけですけれども、現実には、最初にそういう商品を組むときに、大体これぐらいのお金はほっといてもかかるという前提で商品が組まれるということになるでしょうし、申し込まれる親御さんの方々と相談をして、要は、最後に余り余らないようにするというような対応をなされるのではないかと思います。

 ただ、理論的には先生のおっしゃるとおりなので、その時点で、もし余れば贈与税がかかるということでございますが、そのときの贈与税の計算は、先ほど言いましたように、基礎控除を引いた後の計算になりますので、先ほどの数字がちょっと正しいかどうか今計算させていますので、もしお時間があればお答えさせていただきます。

西野委員 もう時間がありませんので最後にさせていただきますけれども、要は、究極的な言い方をすると、お金がどんどん出てくればいい話だと思うので、そこに皆さんが納得いただけるような冠やら理屈づけが必要なだけやと思いますから、できるだけ皆さんが使いやすいような制度にしていただければと思いますし、今の御答弁、私、ああ、なるほどなと思いました。さすが、そこは民間の力を活用するという、霞が関の皆さんはめったと言わない、本当に民間の力をうまく活用されているんだと思いますし、いいことだなと思います。

 ただ、一方で、例えば、震災でおじいちゃん、おばあちゃんを亡くされた子供さんたちのことを思ったりとか、また、お孫さんがいらっしゃらない先輩方のことを思うと、そういう方々に対しても何か手だてはないのかなと思います。

 僕は、国がそういう方のために基金か何か一本立ち上げて、そこに寄附してもいいよというぐらいのことを、国に寄附すればそれでいいのかもわからないですが、ただ、目的を明確にして、今の若い子供さんたちに使えるようなものにするとか、何かいろいろなことを考えていけば、そういう方にもいろいろな手だてができると思いますので、その点お願いして、また、先ほどからくどくどと申し上げておりますけれども、できるだけ多くの方に活用いただけるような、ぜひこれからまだ発展形として広げていただけるようにお願いして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございます。

金田委員長 次に、三木圭恵君。

三木委員 日本維新の会の三木圭恵でございます。

 先週に引き続き、二回目の質問をさせていただきます。麻生大臣、どうぞよろしくお願いいたします。

 まず、本法案の提出の背景というものを確認させていただきたいんですけれども、こちらの方はいろいろな流れ、社会保障と税の一体改革関連法案の流れの中で、税制抜本改革法においては、消費税率の引き上げを踏まえた低所得者対策、給付つき税額控除等、複数税率、簡素な給付措置、消費税の円滑かつ適正な転嫁対策、住宅取得にかかわる措置、自動車重量税等の見直し等のほか、金融所得課税や事業承継税制の見直しにかかわる検討の基本的方向性の背景のもとでこの法案が作成されたというふうに認識してよろしいんでしょうか。

麻生国務大臣 基本的に、今読まれたのは、この間の与党三党の中で出したあの内容を読まれたんだと思いますが、その方向で検討させていただいております。

 済みません、与党三党じゃなかった、与党プラス民主党。

三木委員 平成二十五年度税制改正による増減収見込み額というのが資料としてあるんですけれども、増収見込み額を見てみますと、初年度は減収が二千三百六十億円減収。平年度は千五百二十億円の減収となっているんですね。もちろん初年度の方は、所得税の最高税率の引き上げの分とか、相続税、贈与税の見直しの分とかが算入されておりませんので、初年度の減収の分というのが非常に大きくはなっているんですけれども、今後ふえ続ける国の借金、国債発行額などと鑑みまして、この所得税の最高税率引き上げ、相続税、贈与税の見直し、経済対策、住宅減税、延滞税、印紙税等、これを差し引きしまして、平年度で千五百二十億円のマイナスになるということですが、国の財政は大丈夫なのでしょうか。

竹内大臣政務官 お答えします。

 先生御指摘のとおりでございますが、財政健全化目標に関しましては御存じのとおりだと思っております。その上で、御指摘のとおり、平年度千五百二十億円の減収となっております。しかしながら、今後、経済対策としての減税など、さまざまな対策もございます。そういうことを通じて、今後増収につながるものと、まず考えております。

 その上で、財政健全化は、この税制改正のみならず、毎年の予算編成や、これからの中期財政計画が最も重要であると考えているところでございます。

 その意味で、まず二十五年度の当初予算につきましては、財政健全化目標を踏まえ、四年ぶりに税収が公債金を上回るなど引き締まった予算とし、二〇一五年度の目標へ向けた第一歩を着実に踏み出したものとなっているところでございます。

 今後、財政健全化目標を実現するための中期財政計画を年央めどに作成いたしまして、中長期的に持続可能な財政構造を確立してまいりたいと考えているところでございます。

三木委員 今御答弁いただいたんですけれども、この法案が提出された背景と今の御答弁とを考え合わせますと、結局のところ、二十六年四月からの消費税増税というものが大きな前提になっているというふうに考えていいのかなと思います。

 実際、税収と公債金のバランスのことを御答弁いただきました。先日の委員会で私が質問した中でも、年金特例公債金二兆六千百十億円は、消費税増税分を見込み、一般公債費には入れないという旨の御答弁だったと理解しております。しかし、そのとき私も発言をさせていただきましたけれども、景気附帯条項第十八条の規定をもって消費税増税は一〇〇%担保されたものではないというふうに申し上げたと思います。

 この景気附帯条項というのを引用させていただきますと、「消費税率の引上げに当たっては、経済状況を好転させることを条件として実施するため、物価が持続的に下落する状況からの脱却及び経済の活性化に向けて、平成二十三年度から平成三十二年度までの平均において名目の経済成長率で三パーセント程度かつ実質の経済成長率で二パーセント程度を目指した望ましい経済成長の在り方に早期に近づけるための総合的な施策の実施その他の必要な措置を講ずる。」これが景気附帯条項であると思います。

 さらに、引き上げる前は、「経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認し、前項の措置を踏まえつつ、経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる。」というふうになっております。

 しかし、政府、与党、野党を含め、もう消費税増税ありきで全てが動いていっているわけです。それはなぜかというと、私もこれをよく考えたんですけれども、景気動向の判断が、主にGDPの値で判断するということになっているからだというふうに私は考えました。なぜなら、このGDPの中には政府支出というものが含まれますので、政府で補正予算を十兆円組んだからといって、そんな簡単に実質経済成長率が二%上がるというわけではないですけれども、実質経済成長率、二〇一二年の国内総生産を見てみますと約五百二十兆円ですが、その二%というと、やはり約十兆円規模になってくると思います。その中で、経済の指標としてGDPだけを見て、経済が好転している、だから消費税を上げてもいいんだというような考え方は、少し危険なのじゃないかなというふうに感じております。

 なぜかというと、麻生大臣もよく言われておられますように、アベノミクスで、一本目の矢と二本目の矢、一番大事なのは三本目の矢だ、そのように言われております。今の株価の上昇でありますとか経済の浮揚感とかというものは、まさに実体経済が伴っているかどうか、まだ確認ができないものであるというふうに私は思っております。たとえ、この四月から六月のGDPが二%上がったとしても、消費税を上げるという景気附帯条項をクリアするというふうには、私には到底思えないんですね。

 ですので、四月から六月のGDP比を見て、日本の経済は明るい方向に向かっている、それは確かに、アベノミクスの効果から見て、今、日本の経済というのは大変明るい方向に向かっているとは思うんですけれども、消費税増税を判断する材料に、GDPだけを見るんじゃなくて、この中にあるように、ぜひ種々の経済指標というものを入れてやはり考えていただきたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

麻生国務大臣 税制抜本改正の十八条の三項の話を今しておられるんだと存じますが、そこにいろいろ長々書いてありますけれども、早い話が、景気がよくなきゃ上げないと書いてあるんですね、簡単に言えば、そういうことが書いてある。その景気の判断をGDPの指標だけに偏るのは危険ではないかと言っておられるんだと。いろいろ長く言われましたけれども、大体そういうことを言っておられるんだと思いますので、間違って答弁すると申しわけありませんから、今そういうことを言われているんだと思います。

 基本的には、我々はGDPだけで景気指標全てを考えているわけではなくて、いろいろなものを考えないかぬ、私どもも基本的にはそう思っております。

 経済指標として、私どもは、三党合意に基づいて、消費税をある程度当てにして、社会保障の二分の一負担等々はそこから出してきているわけですから、そういった意味では、きちんとした、消費税を上げられる態勢にならねばならぬ。

 消費税を増税するということは、増収があるということです。増税と増収は似て非なるもので、三%から五%に消費税を上げましたときには、あのときは減収になりましたから。だから、四十一兆円ありました主税三税という、法人税、所得税、消費税、三税が、あのときは四十一兆から三十七兆に減りましたので、そういった意味では、もろもろの要素があったにしろ、少なくとも、増税はしたけれども、その三税に関しては減収したわけです。

 そういった意味でいきますと、今回も、増税はしたけれども減収になったのでは、さっきの二兆五千億円が賄えないことになりますので、そういった意味では、きちんとしたものにするために景気回復は確実なものにせねばならぬ。そういったことで、私どもは、まずはいわゆる景気対策をということで、補正予算を大幅なものにさせていただいたというのがその背景でもあります。

 重ねて申し上げますけれども、GDPだけで判断しようとしているわけではございません。

三木委員 ありがとうございます。

 GDPだけで判断するのではないというお答えをいただきました。

 参考に、どのような指標を使って判断しようとされているのか、今それがおわかりでしたら、お答えいただけますでしょうか。

麻生国務大臣 急な質問ですけれども、例えば、消費者物価、名目成長率、実質経済成長率等々、QEとか、いろいろなもの、経済指標というのは物すごく数がございますので、そういったものをもろもろ判断して、QE、御存じだと思いますが、そういうようなものを活用させていただくことになろうと存じます。

三木委員 ありがとうございます。

 もろもろのものの中に、個人所得の率がわかる雇用者所得というものの指標もぜひ入れていただきまして、やはり、景気は上がっているけれども個人の所得が上がっていないという部分で消費税が先に上がってしまいますと、一般の方というのは大変厳しい状況になると思いますので、その点をよろしくお願い申し上げます。

 それでは、次の質問に移らせていただきます。

 今、大枠のそもそも論について私はお話しさしあげたんですけれども、次は、ちょっと細かいことなんです。本法律案の附則の中に、先ほどもお話が出ていたと思うんですが、「検討」として、四項目が規定されております。その点についてお伺いしたいと思います。

 まず、特定支出控除についてお伺いいたします。

 この制度は、使い勝手が非常に悪い制度であると、先ほどの御質問の中にもあったと思うんですけれども、例えば、平成十九年度の利用者は、全国でたったの七人だったんですね。給与所得者が五千四百万人いらっしゃる中で、この制度を利用した方が七人しかいらっしゃらなかったということです。

 今回、控除額の計算方法、特定支出の範囲の両面について改正が行われて、控除額の計算方法の改正では、特定支出が給与所得控除額の二分の一相当額を超える場合云々といろいろあるんですけれども、年収四百万円の方の場合で、特定支出の額が六十七万円を超えれば、この制度が使えるようになる。

 使い勝手に関しては、確定申告がまず必要だということと、領収書の保管と記録が必要、それから、一定以上の金額のみの経費になる。例えば、四百万円の方で、経費を六十七万円以上使わないと、この特定支出控除というのが受けられないんですね。何に使えるんだというと、書籍代と衣服代と交際費に使えるわけです。

 これらの条件を満たして申請した場合にどの程度の免税になるのかというのを、ちょっと計算してみました。年収四百万円の方で考えますと、その基準額は、先ほど申しましたとおり六十七万円ですので、年間五十万円経費を使ったとしても、基準額六十七万円を超えないので、もちろんそれは申請できないですね。

 例えば、年収四百万円の方が年間百万円使ったとします。そうすると、六十七万円を超えている部分、三十三万円分が対象となって、所得税率五%を掛けた一万六千五百円の減免になるんですね。では、もし百五十万円を経費で使ったとしたら減免は幾らになるのかというと、四万一千五百円なんです。例えば、年収四百万の方で年間百万円経費を使ったら、奥さんがいて子供が二人いたら多分離婚されると思うんですね。それで、返ってくる額が一万六千五百円だよとかと言っても、奥さんは絶対喜ばないと思うんですが。

 これは、一般のサラリーマンの方、例えば年収四百万円の方が経費を百万円とか百五十万円とか使うかというと、全く使わないと思うんですが、これはいかがでしょうか。

田中政府参考人 特定支出控除についての御質問でございます。

 今、先生から御説明がございましたが、これは、二十四年度の改正で、サラリーマンの実額控除の機会を拡大するという観点から、図書費ですとか衣服費ですとか交際費など、あるいは資格の取得費なども含めて、一定の金額に達すればその支出控除が受けられるということですが、これは、基本的に給与所得控除との比較をしている話なので、そもそも給与所得控除というのは相当大きな控除がございまして、それが今までの制度だった。そういう概算の控除ではなくて、積み上げた控除をするような方もいるだろうということで、その比較で計算をしているものですから、おっしゃるように、比較をした場合にどのくらい、得という言葉は変ですけれども、税額が減るか減らないかという論点ではこれをつくっていないということでございます。その意味におきまして、若干議論が私どもの頭の中の整理とちょっと違うのかなという気がいたします。

 それから、拡大したものについては二十五年分の所得から適用するということなので、その拡大したものがどのくらい出てくるかというのは、もうちょっと待たないと数字ができないということでございます。

三木委員 多分、一般のサラリーマンの方は、特定支出控除、法律が出たとき、すごい、ああ結構経費が使えるんだ、それが税金の減免になるんだと、喜ばれたと思うんですね。中身を見てみたら、だけれども、やはりこんなに経費を使わないよと、実際はきっとがっかりされたんじゃないかなと。それが、結局、五千四百万人サラリーマンがいて、七人しかこの制度を使っていなかったという結果になっていると思うんですね。

 これは、やはり使い勝手の悪い制度なんだから今後検討項目の中に入っているというふうな認識で私の方は質問しておりますので、ぜひこの点も考慮いただいて、もう少し使い勝手のいいような、例えば、サラリーマンに、経費を使えばこれだけやはり家計に戻ってくるというような、本当に実感が持てるような制度設計にしていただきたいなと思いますが、いかがでしょうか。

田中政府参考人 御指摘のとおり、これまで、サラリーマンの実額の控除、特定支出控除の利用というのは、今までの制度は極めて少ない状況でございますので、先ほど申し上げましたような改正が二十五年分の所得から適用になって、それがどのくらい実績が出てくるかというのを見た上で、先生の御指摘を踏まえながら考えていきたいと思っております。

三木委員 では、その次の質問に移らせていただきます。

 教育資金の一括贈与に係る贈与税についての質問でございます。

 先ほどから、西野議員の方からも質問があったと思うんですけれども、私の場合はちょっと違う視点で、質問というよりは、要望というか、一緒に考えていただきたいという内容で、麻生大臣に質問をさせていただきたいと思います。

 今回、教育資金の一括贈与に係る贈与税について、子、孫ごとに一千五百万円までを非課税とする措置を創設するとなりました。これは、いろいろ考えると、富裕層の方、つまり現金で一千五百万円を持っていて、なおかつそのお金を子供や孫に贈与できる、非常に恵まれた環境にある人たちのための制度だなというのを、一瞬、読んでいてそのように感じたわけです。先ほどからの御説明の中で、たんす預金であるとか銀行に眠っている資産であるとか、そういうものを外に出していく、そういう効果を狙ってのものなんだよという御説明がありました。なるほどなというふうに思ったんですけれども。

 例えば、一千五百万円持っていても、子供や孫がいらっしゃらないというようなおじいちゃん、おばあちゃんも中にはいらっしゃるわけでして、私がぱっとこの税制を見たときに、一瞬、東日本大震災の震災の孤児と遺児のことがちょっと頭によぎりました。

 さきの震災で、孤児、つまり両親が亡くなられた孤児、そして遺児、片親が亡くなられた子供たちは一千百人以上いるというふうに聞いております。非常に夢物語のような発想で、私の方も、この制度の新設のときに、ふっと、例えば自分の子供や孫がいないおじいちゃん、おばあちゃんが、この震災の遺児、孤児に、例えば一千五百万、教育資金として出したらいいんじゃないかなというふうに考えたんですけれども。この制度の場合は、やはり血縁関係があって、戸籍がちゃんとそういうふうになっていて、贈与税がかかるものを減免するということなので、実際に、そういうふうに養子縁組をしない限りは、里親になってもこういう制度は多分使えないと思うんですね。

 ホームページとかでいろいろ調べたんですけれども、あしなが育英会というのがあるのは麻生大臣もよく御存じだと思うんですけれども、例えば、こういう一千五百万円まとめて誰かにとかというわけではなくて、例えば、あしなが育英会に百万円、孤児のために使ってくださいよと寄附しても、所得税の寄附金控除というのがそこの団体では受けられないことになっています。というのは、多分あしなが育英会の方の方針だと思うんですが、企業というか法人格を持っていない団体なんですね。なので、寄附をしたとしても所得税の控除が受けられないそうなんです。

 これはあしなが育英会の問題であって、政府の問題ではないんだと思うんですけれども、政府が取り組んでいる中で、もしも、こういった震災遺児や震災孤児に対して、そういった、富裕層でお金がたくさんあって、子供たちに教育資金として支出して、日本の未来とか自分の夢とかを子供たちに託したいなと思っている方がいたとしたら、例えば、政府の方で、財政的な税制の方もインセンティブをつけられるような制度の創設というものを考えられないかなというふうに考えまして、麻生大臣にちょっと考えをお伺いしてみようかなと思いました。よろしくお願いします。

竹内大臣政務官 震災孤児や交通事故の遺児などへの支援を目的に募集される地方自治体や公益財団法人等への寄附につきましては、既に所得税の所得控除や税額控除が認められているところでございますし、また、こうした税制上の特例を活用することがまず第一に考えられるというふうに思っております。

 例えば、福島県の相馬市では、被災地の子供たちの生きる力を育むことを目的にいたしまして、相馬市教育復興子育て基金を設置されまして、寄附を募集しております。所得控除、寄附金控除の対象となっております。

 それからまた、公益財団法人交通遺児育英会に対する寄附につきましては、所得控除または税額控除の対象となっておりまして、こういう制度があるということを、まず申し上げておきたいと思います。

三木委員 各地方の取り組みの中でそういった制度があるということは、今教えていただいてよくわかりました。それから、所得税の寄附金控除の対象になっているというのも、もちろん法人格を持っている団体に寄附をすればそうなっているというのはわかりました。

 ただ、交通遺児の方は寄附金控除の対象なんですけれども、大きい部分、あしなが育英会の方は、法人格を持っていないので、所得税の寄附金控除の対象には実はなっていないんですね。

 ですので、今、そういった大きい団体が窓口になっていることが多いので、そういったことで民間任せにしていていいのかなという部分を少し疑問に思いましたので、今回、千五百万円の教育資金を子供や孫に託して贈与税を免税するというのは、子供たちの未来のために非常にいいことだと私は思いますけれども、それが限られた人間だけじゃなくて、本当に恵まれない子供たちにいい制度になればいいなということを、私の方も研究してまいりたいと思いますし、ぜひ今後、そういった税金と使い方というか、税の徴収の仕方とかそういったものの中に、そういった子供たち、恵まれない子供たちと言うと言葉は少し悪いと思うんですけれども、震災で両親を失ったような子供たちにも、そこに出せば何かインセンティブがあるようなものを考えていけたらなというふうに思います。

 今後とも、これは私の中でもやはり一つのライフワークとして考えていきたいなと思いますので、またぜひその点、よろしくお願いを申し上げます。

 あと、時間がないのでちょっと、もう本当に質問だけになってしまうと思うんですけれども、中小法人の交際費損金算入措置の拡充策について。

 中小企業に関しては今回拡充されるわけですけれども、二月十八日の参議院の予算委員会の中で麻生大臣が、大企業まで広めていくかどうかは税収などをよく計算しないといけない、内部でとどまっている金が外に回っていく一つの手段として考えてしかるべきだというふうに発言をされたんですけれども、現状は全額損金不算入ということで、資本金が一億円を超える大企業だと、現在、一人当たり五千円以下の交際費しか認められていないんだよという制度になっていると思うんですが、これを、大企業の交際費について損金算入を検討する考えというのは、今後どれぐらいの考えで検討されるんでしょうか。

麻生国務大臣 これは、三党で協議をしております対象の中の四項目のうちの一つでありまして、この交際費課税につきましては、これは中小企業につきましての経緯等々は申し上げましたけれども、今、景気を刺激するという点に関しては、企業が内部留保で二百何十兆じっと持っているという状況の中において、大企業等における交際費課税というものが認められるのであれば、それはそれなりに消費が出ます。

 先ほど、誰か自民党の人が読んでいた高橋是清の文というのは、あれは一九二九年、三〇年の話ですけれども、あの話は経済の原論中の原論であって、あれは今の時代でも当てはまる一つの公式なんだと思っております。多分、「コレキヨの恋文」という本を読まれてあの質問をされたんだと思いますけれども、あれは三橋が書いた本でしたが、なかなかいい本だったと記憶しています。

 あの本の中で出てくるところも基本的には同じことが書いてあるんですが、少なくとも、じっとしているのは一番だめなので、昔の言葉で言えば、金は天下の回りものなのであって、とにかく、あれは眺めるものでもなければ見るものでもありません、あれは使うものなのであって、基本的に回っていくというのが一番大事だと思っておりますので、その意味では、大企業の交際費課税というものは検討されてしかるべきものだ、私どもはそう思っております。

三木委員 質問時間、持ち時間が来ましたので、これで私の質問を終わらせていただきます。

 大企業に損金算入を認めた場合は景気浮揚も効果があるということなんですけれども、そこら辺、やはり見きわめが大切だと思いますので、大臣の方でよろしくお願いを申し上げます。

 ありがとうございました。

金田委員長 次に、松田学君。

松田委員 日本維新の会の松田学でございます。

 先日、三月八日の予算委員会で麻生大臣といろいろと議論をさせていただきまして、その際は、多少私の議論が理論的過ぎるというお叱りも受けまして、財務省出身の悪い癖が出てしまったので、きょうはできるだけ日本維新の会の立場に立ちまして、御質問させていただけたらと思います。

 日本維新の会は、御案内のように、独立自尊といいますか、国家の自立、あるいは地方の自立、個人の自立ということを掲げて、依存型の社会ではこの日本も持続可能でないということで、新しい仕組みに変えていこうという立場なんですが、自立型の社会をつくるためには、やはり一人一人の国民が正しく、例えば財政について、受益と負担の関係はどうなっているかとか、そういったことを判断できるような財政運営ということにもっともっと変えていかなきゃいけないのかなと。

 私も、長年財務省にいて、こんなに重要なことが意外と一般の国民に知られていないというのが結構ありまして、例えば消費税の国の取り分が高齢者の三経費に充てられている、社会保障に全額充てられているということも、実際に有権者で知っている人は余りいないんですね。

 やはりそういう基本的なことがわからないと国民も合理的な選択がなかなかできないだろう。そういう意味で、財務省のこれからの役割は大変大きいものだ、そういう観点から御質問させていただきたいということであります。

 まず、先般の予算委員会の際に、ちょっと時間切れで十分確認できなかったことなんですが、いわゆる経済政策、アベノミクスについてなんですけれども、これがいろいろな心配、懸念があるわけですね。

 この間もちょっと議論させていただきましたけれども、例えば財務省なんかが発表している数字をいろいろと突き合わせてみると、税収の対GDP比の弾性値というのもそんなに高くありませんし、一・二、三とかそんなものですね。そうすると、名目成長率が一%上がっても、税収というのは一・数%しかふえないということになっていますし、他方で、これは財政審なんかでも、金利が上がればどれだけ利払いがふえるか。兆円単位で上がっていくと。名目経済成長率が上がれば当分の間はだんだん財政収支は悪化していくというようなことまで出ているわけですね。

 そうすると、仮にアベノミクスが成功して、名目成長率が上がったところで、当面は財政が悪化するということが必然的に、論理的に出てくるんですが、そうすると、また国債が追加発行になって金利が上昇してという、そういう悪い状況というのがそこからは想定されるんですけれども、そういうこと自体がまだ国民は十分わかっていませんし、また、それに対してどういうような経済運営のシナリオを持っているのかということについて、単に三本の矢だけじゃなくて、もう一つ、財政との関連で、財務大臣はどういうふうなシナリオを描いているのか、最初にお聞かせいただければと思います。

麻生国務大臣 これは一般論で申し上げざるを得ませんけれども、経済成長に伴って、所得税とか法人税を中心に、当然のことですが、税収というのは増加することになります。しかし、その一方で、金利の上昇も見込まれるということから、巨額の債務残高を抱えております政府としては、これは利払い費が増加することになる。

 したがって、過日国会に後年度影響試算というものを出させていただきましたけれども、あの中において、今言われましたように、税収の弾性値を一・一で想定した上で、名目成長率が仮に一%上昇したときには、二十六年度の税収で〇・五兆円増加し、仮に逆に金利のみ一%上がった場合は、二十六年度の国債費は一・〇兆円増加ということで数字を出しておりますので、したがって、仮に名目経済成長率と金利が同じ幅だけ上昇した、両方とも一だったということになった場合は、これはもう国債費の利払いの方が〇・五兆円多いということになろうと存じます。

 したがって、経済成長に伴いまして金利がどの程度変化するかということにつきましては、これはいろいろなケースがありまして、一概には申し上げられないんですが、近年では経済成長率を上回る状況が続いているということも留意する必要があろうと思っております。

 いずれにいたしましても、こうしたことを考えますと、先生がおっしゃいましたように、経済成長のみに頼っていて財政の健全化を図るというのは、これは適当ではないのではないかということなんだろうと思います。

 したがいまして、私どもとしては、市場の信認をいただきつつも、金利が上昇することによる財政への影響というものをある程度抑制する、牽制するためにも、中長期的な財政の健全化というものを継続することが極めて重要なのであって、御存じのように、プライマリーバランスの比率を二〇一〇年から半減させますとか、いろいろなことを申し上げているんです。

 いずれにいたしましても、これは物すごく大事なポイントだと存じますので、経済財政諮問会議において、この点はみんなできちんと検討していかねばならぬ大事な課目だと思っております。

松田委員 プライマリーバランスの対GDP比を半減させて、二〇一〇年代の終わりにバランスさせると言っているんですが、ただ、プライマリーバランスというのは中間目標でありまして、金利が、成長率も高い限りは、それでも国債発行残高の対GDP比は発散的な拡大が続いていくという状況ですから、本当の意味で持続可能な財政構造にするためには、さらに、利払い費込みの、つまり、元本償還費の範囲内に新規国債が発行されるというところまでいかないと本当の財政健全化と言えないんです。

 それを、国だけで考えても、国で今、プライマリーバランスまで二十数兆円、そこまでいくと三十数兆円もあると。財政再建というのは、税収増を図るか、増税をやるか、あるいは歳出削減するしかないわけですが、この三つを組み合わせて、果たして常識的に考えてできるのだろうかというのは、誰もが思う疑問だと思うんですね。ですから、経済財政諮問会議でどのような知恵が出てくるのか非常に見ものなんですが。

 先般、財務省の賀詞交換会でしたか、麻生大臣が、総理大臣をやった後に大蔵大臣をやったのは高橋是清と宮沢喜一と麻生大臣の三人だとおっしゃって、まさに高橋是清を狙っておられるんだと思うんですが、当時、高橋是清がやったデフレ対策といいますか、あれはまさに未曽有の対策をとられた。

 今の我々がやろうとしているのも未曽有の領域なので、単にリフレ政策だけじゃなくて、財政政策運営のあり方についても、相当思い切った新しいやり方、発想というのが必要じゃないかなというふうに思っていますので、ぜひ、そういうことを、何か新しいものを打ち出していただければと思っているんです。

 例えば、国債が、建設公債ですと、将来に資産を残すので二世代、三世代かけて償還していく。六十年償還ルールというのがありますけれども。赤字公債までがなぜ六十年償還なのかとか、そういったことも意外と国民に知られていないんですね。どんな理屈があるのかといっても、なかなか理屈がないんですが、それはちょっとさておいて。

 時間もありますので、そういった技術的なことは大体私も答弁の予想がつきますので聞きませんけれども、例えば、そういうあたりをどうしていくか。建設公債も、単に将来に資産を残すからといっても、経済対策をやろうとするとトンカチ事業だとかコンクリートになってしまう。もう少し、未来に残るような資産性のあるものについては幅広く公債を充ててもいい。

 ワイズスペンディングという言葉がありますけれども、いろいろな工夫をしながら、未来に資産を残していくものについては少し建設公債の範囲を弾力化して考えてみるとか、あるいは、もうこの際、そういうふうな資産と負債の管理がちゃんとできるのであれば、そういったものについてはちょっと切り離して、もう純粋に赤字公債の発行額を財政規律の目安とするとか、いろいろな知恵を本当は働かさなければいけないんじゃないかと思いますが、麻生大臣の政治家としてのお考えをお聞かせいただければと思います。

麻生国務大臣 これは何で六十年か。

 いろいろ考えてみますと、これは、一九〇五年に日露戦争が終わったとき、戦時公債を多額に出して、一千万ポンド出していたんです、全部外債でやったんですが、あれの返済が終わったのは一九八六年です。一九八六年まで日露戦争のときの公債を払っていたなんということを知っている人は大蔵省にもほとんどいませんでした。しかし、これが現実です。

 しかし、その間、ずっと国の信用があった、戦争とはいえ。第二次世界大戦がその中に入っているとはいえ、きちんとそれをずっと払い続けてこられた信用というのは、我が国の御先祖様が我々に残してくれた偉大な遺産の一つなんだと思っております。

 いずれにいたしましても、今言われましたように、財政法で、公債発行というのは、もう御存じのように原則がきちんとしておりますので、公共事業に限りということになっておりますので、長期にわたって資産が形成される可能性というものを考えたときに、うかつにやりますと、それこそ後世代に費用負担を求めるということになりかねません。

 資産性の高いものであればいいじゃないかということなんだとは思いますけれども、今の道路や建物のような資産で残るのであれば、ある程度そういったものもおかしくはないと思いますけれども、赤字公債の発行と変わらなくなる可能性があるということになりますと、これはちょっとなかなかそう簡単にはいかぬのかなというので、私どもとしては、そこのところはちょっと考えるところなんです。

 いずれにしても、赤字公債につきましては、少なくとも特例公債法というものに基づいて巨額の発行が続いてはおりますけれども、このこと自体、財政本来の考え方から外れるものでもありますので、そういった意味では、今後の財政の運営に当たって、具体的な数値目標といったことはちょっとなじまぬかもしれませんが、赤字公債の発行というのは、基本的に極力抑制するということに努めないといかぬことは当然なんだと思います。

 また一方、建設公債につきましても、見合いの資産が残るからということで、財政法上の四条でたしか、公債発行については財源を賄うことは認められてはいるんですけれども、基本的に、後世代に負担を先送りするという点については全く同じことなので、そういった意味では、こういったものは、財政資金を適正に配分していくというところからも、やはり建設公債ですら野方図に発行することを認めるというのはいかがなものか。

 結局、そういった抑制的なことを考えておかないかぬのは当然のことなんだと思いますので、今後、財政諮問会議等々においていろいろ意見が出されるんだと思いますが、財政健全化と経済再生というものの双方を実現するためのことを検討していかないかぬのです。

 いずれにいたしましても、我々としてはきちんとした方針を示さないと、日本は何となく目先だけやっているんじゃないかというような感じになりますと、国自体、国債自体の信用を失いかねないことになりますので、年央をめどにして、ことし半ばまでに、少なくとも財政健全化目標をするための中期財政計画というものをきちんと立案させていただかねばならぬと私どもは考えております。

 なお、今言われましたように、負債と資産というふうに、ちゃんとバランスシートを持ってやらないかぬという御意見なんだと思いますけれども、建設公債を財源として形成されている資産というのは、国以外でもいろいろ保有しておられるものでもありますことから、それらの全てを入れてバランスシートというのは、なかなかちょっと困難だと思っております。

 いずれにしても、政府といたしましては、国に帰属しております資産や負債などのストックというのは、基本的に一覧でわかりやすいようなものにしておかないと。国の財務書類というものをつくっているんですけれども、今後その有効活用に取り組んでまいりたいと思っておりますが、これですら、麻生さん、そんなことを言うけれども、では富士山の資産価値は幾らで評価したのと、この間ある税理士の方から突っ込まれて、絶句して、ちょっと考えたことがありませんと。では、あれの眺望権はとかなんとか言われると、突っ込まれると幾らでも突っ込まれますので、どこらで線を切るかというのはなかなか難しいところだとは存じます。

 いずれにしても、徴税権であろうと造幣権であろうと、みんなそれは資産なんじゃないのなんて言われると、どうにもちょっと答弁のしようがありませんので、そういった意味では、いわゆる通常のバランスシートとはまた違ったものになるということは、ある程度、もう御存じのとおりだと存じます。

松田委員 私も大体予想していたとおりの御答弁でございまして、あえて聞かせていただきました。麻生大臣が真に平成の高橋是清になっていただくために、いろいろ考えていただきたいという趣旨の御提案で、問題を投げかけたということで御理解いただければと思います。

 この点については、また機会を改めて議論させていただきたいと思います。

 税の審議でありますので、税制の話にちょっと移らせていただきます。

 私も財務省をやめてあちこちいろいろな方と対話をするようになって、意外と皆さんがわかっていなかったのは、先ほどもちょっと言いましたが、消費税が全額社会保障に回っているという、これを知らない人がほとんどで。ですから、消費税を上げるとなると、その前に政府や政治家が身を削れという議論にすぐ行っちゃって、無駄の削減とかいろいろなことをやって、それも大事なんですけれども、どうも、そのために、長い間、この消費税を上げるという課題を国民が理解しなかったということ。これに対して、いや、全部社会保障に回っているんだと言うと、あ、そうなんですかと言う方が結構多いんですね。

 こういうことを考えてみますと、これから消費税率が上がるに当たって、例えば消費税収を歳入にして、そして歳出は社会保障費だ、足りない分は赤字公債。そうすると、我々の世代が次の世代に大体どれだけツケ回ししているのか、今の高齢者の例えば社会保障を賄うために。そういう受益と負担の関係というか、あるいは世代間の関係というのを非常にわかりやすくするために、そういう特別勘定みたいなものを一般会計から少し切り出す形でつくっていく、そういうような提案も十分に検討に値するんじゃないかと、かねてから思うようになっているんですけれども、その点については、大臣はどういうお考えでしょうか。

麻生国務大臣 これは税制抜本改革法の消費税法一条の二項というのがございますけれども、これで、国の取り分のうちの消費税収の使途、細かくいきますと七・八%分の消費税のうち地方交付税分を除いたもの、消費税率換算で六・二八%、約十七兆円、よく言われるところですが、この消費税率五%引き上げ時、これは平年度ベースですけれども、これを年金、医療、介護、子育て等々、いわゆる通称社会保障四経費と言われるものに限定するということは規定をされておりますので、消費税は社会保障の、言葉が適切かどうかしらぬが、目的税化されているというのは現実ということになるんだと思っております。

 したがいまして、消費税率の水準については、これはいろいろ、有権者の方々に判断いただけるようにするために、社会保障四経費の歳出規模というものに対しましては、消費税でどの程度カバーされる、そして、将来世代の負担、すなわち赤字公債によって補っている不足分がどれぐらいあるのかというようなことをわかりやすく示すということが重要なんじゃないか。じゃないと、全然みんなわかっておらぬぞというお話なんだと思いますが。

 そのためのやり方について、今、松田先生御指摘のありましたように、一般会計から区分して特別会計というように設置するということまでは私ども考えているわけじゃないんですけれども、少なくともわかりやすくするということをやはり考えないと、これは、あすは我が身とか、みんなで一緒に痛みを分かち合うとかいうことにならないと、なかなか意識としてそういった方向に向いてこないという点は、我々としては、今後とも真剣にこれは考えないかぬ大事なところだ、私どももそう思います。

松田委員 大変大事なことであるという御認識を表明していただきまして、ありがとうございました。

 よくよく考えてみると、社会保障の負担と給付というのは、国民の懐から国民の懐にいわばお金を移転しているようなものでありまして、高齢世代と現役世代と将来世代の間でお金をどういうふうに配分しているか。極端なことを言いますと、全体の負担は変わらない。ですから、政府はそれを仲介しているにすぎないんだというところの性格をもう少しはっきりさせるような財政の仕組みがあれば望ましいんじゃないかなという観点からの質問でありました。

 次に、消費税は社会保障目的税という形でもう大分前から位置づけられていますが、ただ、一方で、我々維新の会の立場に立ってみますと、自立という観点からいいますと、世代としての自立というのがあると思うんですね。つまり、今の高齢世代が社会保障給付を現役世代あるいは次の世代に余りにも依存し過ぎているというのは、世代としての自立としてどうなのかなという観点からしますと、消費税というのは社会で薄く広く負担を分かち合うということで、私も何の疑問もなく社会保障の財源は消費税だと思っていたんです。

 一方で、高齢世代が金融資産の、千五百兆円のかなりの部分を持っている。それは、持てる高齢者と持たざる高齢者がいるのであれば、持てる高齢者の資産課税をうまく活用して、そして持たざる高齢者に対する世代内相互扶助という考え方も片やあるんじゃないかと。維新の会は、どちらかというと、そういう立場に立って、世代の中で受益と負担がバランスするように、そういう仕組みにしようということを提案しているんですけれども。

 本質的に、これは便宜上の問題もいろいろあるかもしれませんが、資産ではなくて消費課税の方がいいんだという点についての哲学というのを、改めてちょっと確認させていただければと思います。

麻生国務大臣 御存じのように、多分、少子高齢化が世界の中で一番速く進展していっているという私どもの社会なんですが、そういう中において、社会保障の安定財源というものをきちっと確保することによって、これは皆保険とかいろいろございますが、社会保障の持続性と国民に与える安心というものを確保するためには、国の信認とか信用とかいうのを維持するのは絶対なんだと思っております。

 社会保障の財源となる税収は、高い財源調達能力があって、かつ、経済の動向とか人口の増減に関係なく、いわゆる安定しているということが非常に大事なことなんだと思っております。また、高齢化が進んでおりますので、働いている勤労世代の絶対量のパーセントが減ってきますので、そういった特定の層に集中して負担がかからないようにするということも必要だろうと思います。

 消費税というのは、そういった今申し上げたような、社会保障を考えた場合に、これからの日本が進んでいく高齢化社会の中にあって、そういったものから、今、少なくとも別のところにいて、安定していますので、そういったところで、私どもとしては、安定した税収入になり得ると。

 また、資産課税とか相続税につきましては、これは、老後におけます扶養の社会化が高齢者の資産の維持ということに寄与している面もあることも考えますと、そのあり方をちょっと考えないかぬところがあるのかなとは思います。他方、資産価格の動向とか経済情勢なんかに影響を受けやすいということもございますので、そういったところを考えますと、現在、税収が一兆円か一・二兆円か、相続税というのはそんなものだと思いますが、そういった相当規模のものを有する必要があることなどを踏まえると、社会保障の主たる安定財源になり得るかといえば、なかなかならぬのではないかという感じもいたしますので、この消費税というのは、そういったものに対する答えとしては、私どもの見る範囲ではこれが最も安定しているかなというのが背景なんだと存じます。

松田委員 現状を踏まえれば、恐らくそういうお答えになるんだろうと思います。恐らく多くの人が何となく思っているのは、消費というのは、いわゆる捕捉がしやすいといいますか、それに対してストックの資産というのはなかなか捕捉が難しいと。実際は、税務調査をやっても十分つかみ切れていないんじゃないかというようなことが随分言われているわけですね。

 そういう現実に即して言えば、これは所得税もそうかもしれませんが、消費したときには、みんなが金持ちであり、みんなが使うという意味で、ある意味で公平だということになりますし、安定的でもあるというふうになるんですけれども、理屈からいえばどうなのかなということは、またいろいろな議論があろうかと思うんです。

 そこで、資産課税の実態について、事務当局でも結構ですが、ちょっとお答えいただければと思います。

西村政府参考人 お答え申し上げます。

 国税当局による資産の捕捉状況につきましては、確たることは申し上げられませんが、資産課税の一つであります相続税の課税状況につきまして申し上げたいと思います。

 平成二十三年中に死亡した者、被相続人でありますが、約百二十五万人いらっしゃいますが、このうち相続税の課税対象となった被相続人は約五万人でございます。課税割合は四・一%でございます。

 また、平成二十三事務年度に行いました相続税の実地調査の件数でありますが、約一万四千件でありまして、このうち、約一万一千件につきまして、申告漏れ等の非違が把握をされております。非違割合は八〇・九%でございます。

 いずれにいたしましても、国税当局といたしましては、提出されました申告書や相続税法五十八条の規定に基づき市町村長等から受けました通知書を分析するとともに、主要な相続財産であります不動産の移転登記情報を初め、課税上有効な資料情報の収集に努めるほか、必要に応じて調査を実施するなどして、適正かつ公平な課税の実現に努めてまいりたいと思っております。

松田委員 御当局はそういうふうに御答弁せざるを得ないというのは、よく私も事情はわかっておりますのであれなんですが、恐らく資産というのはなかなか把握されていないのが現実だろうと。

 マイナンバー法案というのは、今度やるんですが、それでも資産の方まではすぐにはいくわけではないということを考えますと、やはりこれは社会のインフラとしてどうやって資産の捕捉を高めていくかということは大変大きな課題だろうと思っております。

 その上で、高齢者の持っている資産を、次の世代、いわゆる現役世代、消費をする世代に移転をするとこれは景気にもいいという考え方のもとに、今回の教育資金、先ほどから出ているようなお話がありますが、ただ、それは自分の親から孫ですから、それだけですと、いわゆる富裕層というのが固定化する懸念があるわけです。そうではなくて、世代の中で持てる高齢者の資産をうまく引き出していきながら、相互扶助していくというようなことについて、もう少しいろいろな工夫を考えるべきではないか、税制面でも考えるべきだと思うんですが、その点についてはどのような御見解でしょうか。

麻生国務大臣 これは先ほど言われましたように、所得税とか消費税の場合はフローマネーなものですから、資産の場合はストックということになりまして、これはなかなか捕捉しにくいというのはもう先生御存じのとおりなんだと思います。

 この金融資産の約六割を高齢者が保有している。いわゆる一千五百兆を超えます個人金融資産のうち、六割が高齢者ということになっておりますので、その資産を子や孫に早期に移転する。とにかく早く移転しないと、遺産相続をする人がまた後期高齢者みたいなことになりますと、それまた使うことがないということになりますので、経済の活性化につなげることが重要なんだ、私どももそう考えて、教育とか人材育成のサポートを今考えているんです。

 今般の税制に関連してもそういったことを考えてやったんですが、これを、別に一千五百もなくたって、もっと安くても信託に預けてということは十分に可能なので、何も一千五百万円なきゃいかぬというわけではないんだと存じますので、我々としては、課税強化を行っているところもあるんですが、傍ら、今回の税制改正としては、譲渡をして、その分だけを非課税にするとか、いろいろな、全体的に考えてはおりますけれども。

 いずれにしても、じっとしている動かないお金、高齢者の持っておるお金が動かないという状況を、何とかこれが動く、株に行くとか信託に行くとか、いろいろな考え方がありましょうけれども、そういったものから金が動いていく気にさせるところが一番難しいので、その気になっていただくために、持っていたら税金かけますよは、ちょっと幾ら何でも。今回、キプロスはそんなことをやっておりますので、キプロスも最近えらい騒ぎになっていますけれども、ああいったようなことは、ちょっと正直言って普通じゃありませんので、こういったお金が、高齢者が使いたくなるようなものというところが、ちょっと私どもはなかなかアイデアとしていま一つ出てきていないというのは正直なところです。

松田委員 時間ですので、質問としてはこれぐらいになりますけれども、今いろいろな不公平というのが言われていますが、世代間不公平というのはかなり大きな問題として指摘されていて、現役世代が、所得再分配をやった後、かえって所得格差が拡大しているという指摘まであるような状況で、やはりここのところは、税制においても、少しでも世代間の公平を考えて、世代間の中で助け合いをするような方法をもっと考えていくべきではないかという点を最後に指摘させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

金田委員長 次に、桜内文城君。

桜内委員 日本維新の会の桜内文城です。

 まず、消費税につきまして、最初幾つかお尋ねをいたします。

 本日も他の方の質疑の中で取り上げられていました、消費税増税法案の附則十八条一項について少しお尋ねします。

 「平成二十三年度から平成三十二年度までの平均において名目の経済成長率で三パーセント程度かつ実質の経済成長率で二パーセント程度を」云々というふうにあります。

 実際には、この法案は、来年、二〇一四年四月に八%に消費税を増税して、その後、二〇一五年十月に一〇%に引き上げるというふうなものですので、この附則十八条に基づいて、経済成長率等々について、それを見て実際に判断をするタイミングというのがどういうものなのか、そこを確認させていただきたいと思います。

 まず、来年四月に八%に上げるということは、普通に考えますと、半年前、二〇一三年の九月ぐらいかなというふうにも思います。

 ただ、ここにあります、法解釈になると思うんですけれども、平成二十三年度から平成三十二年度までの平均というふうな書き方をしておりまして、これは、七年先までの平均というのをどういうふうに見積もっていくのか、具体的にどのように経済成長率等々を考えていくのか、それについてお尋ねいたします。

    〔委員長退席、山本(幸)委員長代理着席〕

麻生国務大臣 これは、先ほど三木先生に質問されたところと関連するところですけれども、税制改正大綱の、いわゆる附則の十八条の三項に関係しているところなんだと思います。

 我々としては、少なくとも、七年先までわからぬじゃないかと言われたら、それはおっしゃるとおりです。なかなかそこまで予想して、全部が全部正確にできているとは私どもも思いませんが、そういった景気が上昇していくであろうというようなことを前提にしてある程度考えておりますので、それに当たって、来年どれぐらいにするかといえば、大体半年ぐらい前とするならば、九月いっぱいとか十月とか、そういったところまでには判断を出さねばならぬところだと思います。

 それに当たってどういったことを勘案してやるかということを言われれば、いろいろな経済指標ということを先ほど申し上げましたけれども、世の中の景気また消費の動向、QE、いろいろなもの、経済指標というのはいっぱいありますけれども、そういったものの中で、給与はどれぐらい上がっているかということも勘案するべきだという御意見もさっき頂戴しましたけれども、そういったものをやはり勘案しながら私どもとしては八%というものをやらせていただいて、増税したはいいが減収になったなんというのでは話になりませんので、そういったことにならないように、きちんとした態様のものを、やっても大丈夫と言えるようなものにした上で、増税を決定せねばならぬものだと思っております。

桜内委員 確かに、この附則十八条三項のことを今挙げられましたけれども、七年後までのGDPなりの平均値はどう見積もるんだと。確かにこれはどだい無理な話でありまして、御指摘のとおり、それで三項があるわけです。

 さまざまな経済指標を確認しというふうにありますので、それで、今、一生懸命経済対策ですとかを実施されているところだと思いますけれども、これはどう考えてみましても、当たり前の話ですけれども、増税というのは、究極のデフレ政策といいますか、景気を冷やす効果のある政策であります。いかにアベノミクス効果といいますか、今、株価が上昇したりですとか、円安に振れたりですとか、そういった、実際には、企業の業績がこの三月末で幾らか出てくると思うんですけれども、それがどうなるかまだわからない状態の中で、期待感を持って恐らく株価も上がってきているんだと思うんです。それが実際にどうなっていくのかというのは、これまた九月ぐらいまで待たなくちゃわからない話でありますけれども。

 それにしても、この大増税、三%分の消費税といいますと、やはり七兆円ですとかそこらのオーダーになってくると思うんですけれども、そしてまた、さらには一〇%まで引き上げていく。こういった景気を冷やす効果のある政策を、三党合意をもって、また、この法律でもってこれから実施されていくに当たって、今回の補正予算なりの経済対策、あるいは十五カ月予算と称していらっしゃいますけれども、こういったもので十分とお考えなのか、あるいは、もっと何かしらやらなくちゃいけないとお考えなのか、その辺はいかがでしょうか。

麻生国務大臣 これは、桜内先生、あと半年ぐらいたたぬと、これの効果がどれぐらい出てくるものなのか、正直言って、私ども、いま一つ確信があるわけではございません。

 ただ、昨年末、この第二次安倍内閣がスタートをいたしましたときに比べれば、間違いなく、企業は、少なくとも輸出関連企業は大きな利益を為替の差益によって得るということになりましたし、また、株価が上がったために、五兆、六兆、もっと行っているかな、そういった含み資産が一挙に出ることにもなりましたし、いろいろな意味で、企業としては、その資産内容ともども、よくなった形になってきておるというのは事実だと思います。

 問題は、それから先、その企業がさらに設備投資をする、給料を配分する、配当性向を上げる、労働分配率を上げる、いろいろな経済用語がありますけれども、そういったようなものをやって、結果として、三本目の矢と言われております経済成長というものがきちんといくという流れが出てくるのを確信できるところにさせるために何をするかというのが目先でして、いろいろな意味で、設備投資減税とか、正規で雇っていただいた企業には幾ら減税しますとか補填しますとかいうことを申し上げているのはそういうところでありまして、全体の流れが上がってくるようになるのには少々時間がかかることは確かでありますので、私どもとしては、日銀との間にも、日本銀行も金融は徹底してこれに参画していただきますということもお約束いただいております。

 そういった意味では、我々として、少なくとも一月に始めたころに比べれば、今の方がまだ少し芽が出てきたかなという感じがしているのが正直なところです。

    〔山本(幸)委員長代理退席、委員長着席〕

桜内委員 ありがとうございます。

 大臣御指摘のとおり、やはり三本目の矢といいますか、これから実体経済にどう影響を与えていくのか、特に、雇用をふやし、また投資をふやしていく。そのためには、やはり規制緩和であるとか、労働市場を流動化させていくですとか、今、産業競争力会議の方で議論されておりますけれども、大胆な規制緩和ですとか、そういった制度改革をぜひ行っていただきたいということを私も指摘しておきます。

 ただ、今回、これも指摘だけですけれども、税制改正法案を拝見いたしますと、確かに、投資ですとか雇用を促進する新たな税制というのはありますけれども、例えば生産等設備投資促進税制の創設、立派な名称ではありますけれども、三〇%の特別償却ですとか三%の税額控除、みみっちいといったらみみっちいわけです。

 私自身、大分前になりますけれども、役所に勤めておりました際に、マレーシアの日本大使館に勤務した経験があります。その際、シンガポールですとかマレーシアですとか、やはり大変な投資優遇税制。こんなものじゃないですね。そもそもの法人税率自体が低いですし、また、業種を絞って、これからの成長産業と見込まれる分野については投資促進税制、それから、一旦やってきた外資が帰らないように、再投資税額控除であるとか、もっと大幅な投資促進税制もあったと思うんですけれども、その辺、今後踏み込んでいかれるおつもりがおありかどうか、お聞かせください。

麻生国務大臣 これは、桜内先生、それこそ今からの景気の動向次第です。

 規制が緩和される。いろいろな意味で、規制というのは、日本の場合、海外から、いわゆるノンタリフバリアと言われる種類の非関税障壁の部類に思われている部分がありますので、そういったものが仮に産業競争力会議等々で規制緩和される、外資が入ってきやすくなるなどなど、いろいろなことになると、いきなり日本に対して外資が入ってくる、また、外国の企業がここでやる。労働賃金というのは、日本が下がった分だけ海外が上がってきておりますので、海外格差というのは、先進国と日本の間はかなり差がなくなってきた上に、新興国も上がってきておりますので、その意味では、十年前、十五年前とは随分情勢も変わってきております。

 その意味では、情勢は変わったとは思いますけれども、我々として、さらにこれの投資優遇税制を直ちに今やらねばならないかといえば、しばらく情勢を見た上でないと、これ以上のことは申し上げられる現状にはございません。

桜内委員 もちろん、景気動向等、成長率の推移等を見ながらとは思うんですけれども、やはり日本を変えていく、強い日本の経済をつくっていくためには、とにかくやるべきことというのは幾らかわかっている部分もあるわけですから、こういった法人税制の改革ですとか、こういったものはしっかりと、我々も提言しますし、また政府としても進めていっていただきたいというふうに考えます。

 ちょっと細かい話をいたしますけれども、消費税の税率が上がるに伴って、逆進性対策と申しますか、複数税率の提案とかもなされております。きょうぜひ取り上げたいのは、やはりインボイス制度、インボイス方式の導入についてであります。

 これまで、税制調査会等に、各種中小関係団体あたりから要望事項も来ております。それとかを拝見しておりますと、これはずっと昔から言われておることではあるんですけれども、インボイス方式に移行した場合に、事務負担が増大するというふうな反対論がたくさんあります。とはいえ、事務負担がどれだけあるのかないのかというのは、既にヨーロッパ諸国等々、大変多くの例もありますし、事務負担というのは、ややきれいごとに過ぎるんじゃないかなと思っております。

 やや、げすの勘ぐりではありますけれども、EU諸国でなぜこういった付加価値税制が広まるに至ったかというと、その最大の要因として挙げられておりますのが、やはり売り上げの捕捉をしっかりできる、あるいは、多段階付加価値税ですので付加価値の捕捉がしっかりできる。確かに、課税される側からすれば、課税といっても、これはもちろん最終的に負担するのは最終消費者でありますけれども、途中の段階の小売業者等々、売り上げが完全に把握されるのが嫌だということで、こういった反対論があるのではないのかなというふうに考えております。

 日本税理士会連合会がなぜ反対するのか、私は、正直言って、これは本当に理解しづらいなと思っております。一方で、日本商工会議所ですとか全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会、全国商店街振興組合連合会、これらは政府税調に提出された資料の中に挙がっておる団体名ですけれども、こういったところも一様に、インボイス制度、インボイス方式の導入に反対しております。

 この辺について、麻生大臣、どのようにお考えになっていますでしょうか。

山口副大臣 済みません、私の方からお答えをさせていただきたいと思います。

 今、先生いろいろ御指摘いただきましたが、当然、インボイスというのは、複数税率のもとでは事業者が適正に仕入れ税額の計算を行うために必要となる、お話しのとおりの仕組みでございます。

 同時に、この導入につきましても、いろいろと、事務の煩雑化を招くとか、さまざまな御指摘をいただいておるところでありますけれども、政府としても、与党における御議論というのを十分に踏まえた上で、三党の話もございます、十分これは検討を行っていく必要があろうかと考えておるところでございます。

桜内委員 確かに、三党合意の中で、逆進性対策の一つの例として複数税率というものも挙げられておりますし、複数税率をやる以上はインボイス方式に移行していなければできない。逆に、インボイス方式が嫌だから複数税率をやらないというのも通らない理屈だと思いますので、ぜひ、政府としても、このインボイス方式というのを前向きに、導入に向けて具体的に検討をしていただきたいと思っております。

 実際、検討は、今どのような感じで、財務省あるいは政府税調で行われているんでしょうか。

麻生国務大臣 複数税率、軽減税率、いろいろな表現がありますけれども、それにはインボイスがなければできぬというのは全くおっしゃるとおりなので、今、三党で、税調の方々がこのことについて討議をしておられる、その内容の、どのレベルまで行っているかという内容について、細目知っているわけではございません。

桜内委員 直接、複数税率というわけじゃないんですけれども、よく、今の非課税、先ほどの質疑の中でも取り上げられたようですけれども、消費税の非課税取引の中で、特に社会政策的配慮から非課税となっているものとして、医療があります。

 医療の場合、御承知のとおり、控除対象外消費税額というのは、どうしても設備投資が多いものですから、発生して、その償却に年限がかかる等々で、大変困った困ったという声を私自身もよく聞くことがあります。

 これはもう制度設計のあり方だと思うんですけれども、今こうやって非課税にしているからこそこういうことになっているわけであって、仮に、ゼロ税率に変えて仕入れ税額控除の対象額に入れてしまうというようなやり方、あるいは、控除対象外消費税額というものを法人税法上の損金に一括して参入してよろしいというふうな制度に改める、あるいは、今ほど申し上げましたように、ゼロ税率ですとかあるいは軽減税率、複数税率というものを含めて考えたところで、これはインボイス方式を導入した上ですけれども、そこの上でしっかりと仕入れ税額控除を行っていく、こういったやり方もあろうかと思うんですけれども、今後の医療費に関する非課税制度の扱いをどうしていくのか、これについてお尋ねいたします。

田中政府参考人 先ほども別の先生の御質問にございましたけれども、医療につきましては、福祉も同様でございますけれども、社会政策的配慮ということで、海外の事例、ほとんどがそうでございますが、非課税にしてございます。非課税ですので、仕入れの税額が控除できないということで、大きな医療機器を購入された場合の消費税負担というのが議論になっております。

 ただ、これは、診療報酬でどういう対応をするかというのが基本でございまして、例えば、五千万円の医療機器を購入したときに、消費税部分と本体部分がございますけれども、そもそも、消費税が存在しなくても、五千万円の医療機器をどういうふうに診療報酬上考えるかという問題は存在しているわけでありまして、消費税の部分だけじゃなくて、本体まで含めて医療の診療報酬制度をどう考えるかという問題に波及するわけでございます。

 したがいまして、先ほど厚生労働省から御答弁がございましたが、厚生労働省でそういう診療報酬のあり方を含めて考えるということでございます。

 それから、御指摘の中にゼロ税率という話がございましたけれども、これは、いわゆる売り上げにゼロ%の税率を掛けて、それで引き算をするものですから、全てが還付になるということでございます。

 確かに、税負担がきれいになくなるという点においては、そのとおりでございますけれども、これは、あらゆる取引において、そのゼロ税率についてどう考えるかという議論は出てくるわけでございまして、ECにおきましても、ゼロ税率については、この採用をなるべく避けるべきだという判断がなされておりますし、課税ベースの問題だけではなくて、他の取引との関係も含めて、バランスも考えて考える必要があるということで、先ほど申し上げましたが、医療につきましては、税も含めてでございますけれども、診療報酬を中心にした御議論が今後なされていくものだと考えております。

桜内委員 そんな、既にわかっている官僚答弁は、別に結構です。

 私が問いたかったのは、今の制度の中で、診療報酬で対応するというようなやり方がそもそも適切なのか。やはり、これは税の世界の話ですので、しっかりと消費税の仕組みの枠内で今後どう改めていくのかということを問うているわけです。ですので、大臣あるいは副大臣、お願いします。

山口副大臣 先ほど、事務方の方からも答弁しましたが、基本的にはそういったいろいろな考え方がある中で、これも先生御案内のとおりで、今、与党間でも協議をしております。また、三党の話し合いの中でも、検討課題として残っておりますので、そこら辺はしっかりと、話は、政治の中で結論を出していきたいと考えております。

桜内委員 しっかりと政治の側でこれは議論してください。でないと、診療報酬で手当てしてやるとか、あるいは、そのゼロ税率というのはなるべくやらないというのは、これはインボイス方式が導入されていないということが理由であって、役人の方で幾ら議論をしても答えは出ないんですよ。ですので、役人の答えなんかきょうは期待していなかったんですけれども、政治家として、政府として、しっかりとこの辺は検討をお願いしたいというふうに思っております。

 そして、消費税につきまして、もう一つ、課税の穴といいますか、これを指摘しておきたいと思います。

 今、音楽コンテンツですとか電子書籍であるとか、海外のサーバーなり海外の会社から日本でダウンロードして、それで音楽なりを楽しむ。今、大変、日本の音楽業界、市場が売り上げを縮小したといいましても、それはCDなりからそういったダウンロード市場に置きかわっているというふうに言われているわけです。

 特に、外国にサーバーがある場合は、基本的に国外取引となりますので、消費税がかからない。一方で、国内事業者が同じようなサービスをしたときに、こっちは国内取引ということになりますので、もちろん消費税が課税されていく。ここのところの不公平といいますか、事業者の側からすると、価格において最初から、今であれば五%、今後は八%なり一〇%という差がついてきて、なかなか、商売上、公平な土俵だととても言いがたいという状況が実際あります。これについてどのように対応していかれるおつもりなのか、お尋ねいたします。

麻生国務大臣 これは今に始まった話じゃないので、昔から言われているところではあるんですけれども、御指摘のとおり、この消費税制度では、インターネットを通じたサービスの提供は基本的には国外取引と整理をされていますので、消費税が課されていないところが問題だと言っておられるんだと思うんですが、このような国境を越えた取引がいろいろ行われておりますということは、消費税の課税のあり方に対する検討の際には、経済活動に対する中立性の確保とか、また国内外の事務負担に与える影響とか、適正とか公平とか、いろいろな課税の確保など、すごい幅広い話がいろいろあります。

 今後ともこれは検討せねばならぬと言われつつも、どうやって実際捕捉できるのかと言われると、現実問題、捕捉できる技術面からいくと、これは極めて難しいので、インターネットを徹底して監視するのかと言われると、ちょっと、これはなかなか、自由にそういうことができますかねと言われる問題等々、考えねばならぬ問題が幅広くて、税法というものが、今の技術の進歩とか、インフォメーションとコミュニケーションテクノロジーのICTの技術に追いついていっていないというのが現状で、これは国に限りませんけれども、ほかの国でもほぼ同様な問題をそれぞれ抱えておられると存じます。

桜内委員 なかなか難しいというのは御指摘のとおりだと思いますけれども、私が申し上げたいのは、そういうことによって、国内の同種の事業を行っている者が不利な立場に置かれる。これはまさに、私、実際、電子書籍等々を扱っていらっしゃる会社の方と話しておりまして、彼なんか本当にもう、海外移転といいますか、国内の産業の空洞化ですけれども、こんなのであれば、もう外国に本社を移転しようかなというふうなことを、まあ、経営者としては当たり前ですけれども、考えるわけですよ。

 そういった意味でいえば、幾つかやり方はあろうかと思います。インターネット取引のコンテンツのダウンロードであるとかに関しては、国内事業者も外国事業者と同様に扱うですとか、いろいろなやり方はあるかと思います。もちろん、それで税収が減るというのは困るなというのはあるかと思うんですけれども。あるいは、これは付加価値税制としていえば、OECDでも検討されているようでして、EU諸国内では幾つか、もちろん、インボイスはありますので、事業者の番号を振っておりますから、そこで調整をするというような対応もとられていると聞きます。

 そういった意味では、先ほどから申していますように、しっかりとインボイス制度も導入した上で、課税事業者の番号をちゃんと振って、それに関しては特別な取り扱いをするですとか、あるいは、もういっそのこと、取引高税といいますか売上税的に、日本国内で売り上げがあった分についてはとにかく一定程度は課税するんだというふうな、制度の抜本的な変更というのもあり得ると思うんですけれども、そういった将来の検討の方向性というのを、今どういった形でお考えでしょうか。

山口副大臣 消費税につきましては、先ほど大臣からもお話がありましたが、先生御指摘の、アマゾンとかグーグルとかいろいろの問題を抱えております。ただ、これは、グローバル化した経済環境のもとで、こうした外国企業に対する課税のあり方、これはお話もありましたが、OECD等の国際機関においても議論をされております。

 ともかく、外国企業に対する適正な課税を図っていきたいと思っておりますが、その中でも、途上国など幅広く海外で活動する我が国の企業も実はあるわけでありまして、そうしたものが外国において同様の課税を受けるということが望ましいのかどうかという点等々、いろいろな面を勘案しながら検討を進めていきたいということでございます。

桜内委員 電子商取引の世界というのは、本当に毎年毎年爆発的に売り上げが増加している領域ですので、難しいから難しいなと言っているだけじゃなくて、しっかりと具体的に、これからそういったグローバル化した、それからネット社会における税制のあり方というものをぜひ検討していただきたいと思いますし、そういった議論は、こういった国会の場でも議論をさせていただきたいというふうに思っております。

 これと関連して、この間の本会議でも一言指摘いたしましたけれども、例えばアマゾンという会社がインターネット通販で随分売り上げを上げております。これも日本国内の当局、これは国税庁も含めですけれども、売り上げが幾らか全然把握できていなかったらしいんですけれども、アメリカの証券取引委員会に対してアマゾンから報告がなされた。どういった報告なのか、ちょっと私もよく、現物を見たわけじゃないんですけれども、朝日新聞の報道によれば、日本での売り上げが年間七千三百億円だと報じられております。

 通常、外国企業が日本国内で事業を行った場合、恒久的施設があればの話ですけれども、アマゾンの場合はないんですけれども、事業所得課税が行われまして、それは大体、法人税見合いの額になります。ところが、アマゾンの場合、実際に本とかを配送していますので、大きな倉庫を建設したりですとか、実際に運送会社と契約してなんでしょうけれども、日本郵政ですとかも含めて、そういったところとの契約でもって、日本では恒久的施設がないということを言いわけとして、事業所得課税もなされていないというふうに聞きます。これは大変大きな問題だと思います。我が国国内でそれだけの売り上げを上げておきながら、事業所得課税が全く行われていない。

 これこそ、取引高税ですとか、法人税見合いの外形標準課税なり導入すべきじゃないかなというふうに私自身は思いますけれども、これに対してどう対処するか、具体案は別として、どのように財務省としてお考えなのか、お考えをお聞かせください。これで最後の質問とします。

山口副大臣 先ほども若干関係あるようなお話を申し上げましたけれども、確かにそういった状況というのは大いに検討を要するといいますか、考慮に値するというふうに思いますが、一般論として、やはり新税ということになりますと、合理的な課税根拠があるか、経済にどのような影響を与えるか、公平で効率的な課税が可能か、あるいは既存の税制との関係等々、幅広い検討が必要になってこようかと思いますし、先ほど申し上げました、我が国の企業もやはりそのような活動を外国でしようというところもあるわけでありますので、そこら辺を総合的に考えて検討していきたいと思います。

桜内委員 しっかりと国益を守る税制をこれからつくっていっていただきたいと思います。

 終わります。

金田委員長 次に、小池政就君。

小池(政)委員 みんなの党の小池政就です。

 大臣、きょうは朝から長時間お疲れさまです。実は、私の父親も昭和十五年の九月生まれでして、大臣とは一週間違いまして、今ごろは孫と昼寝している時間ですけれども、それに比べると本当に精力があるなということで、感嘆しております。これから四十分間、前向きな討論をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、税制改正に関する質問をさせていただきますけれども、今回の税制改正に関しまして、やはり個別の中身を見る前に、全体像を見た中で私たちの懸念が拭えないのは、先ほど来の議論にもありますけれども、その影響がわからないということであると思うんです。

 補正予算に関しましては、二%の成長、また六十万人の雇用を生み出すというような試算もあったと思うんですけれども、今回の税制改正におきましては、本日午前中の公明党の岡本委員の審議にもありましたように、やはりパッケージでなければわからない、この先どうなるかわからない、そのような認識でよろしいんでしょうか。まず、よろしくお願いいたします。

麻生国務大臣 確かに、パッケージじゃないとわからぬというのは間違いなく、これはなかなか全体としては言えないところだと思いますけれども、今回の三本の矢によって、縮小均衡によります分配政策というのをやめて、成長によって富の創出をしますというのに転換させて、強い経済というのを取り戻していくということのための政策パッケージの一環として、成長による富の創出に向けた税改正ということを行おうとしておるということであります。

 したがって、パーセントと言われるとちょっとあれなんですけれども、そのために何をやっているかというと、先ほど御質問のあったとおりに、生産等設備投資促進税制とか、今、設備投資をしてくれたらその分だけ税制優遇しますとか、研究開発というものをきちんとやっていただいたら、研究開発の税制につきましては、優遇してやる分を拡充しますとか、そういった民間の設備投資を喚起するようなものの方に税制を向けているということです。

 いわゆる企業の内部留保が巨額に上がっておりますので、その企業の内部留保になっている分を外に出していくというようなものに我々としてはつなげていく、そういった税制ということで、あとは地域のためとかいろいろ細かい理屈もございますけれども、基本としてはそういう方向で考えたいと思っております。

小池(政)委員 ありがとうございます。

 そうしますと、今回出されている改正の結果によって、初年度また平年度の増減収の見込みというものが試算されておりまして、初年度は二千三百六十億のマイナス、平年度は一千五百二十億のマイナスという形の見込みがなされていますけれども、これが、それでは、この先どのようなプロセス、どのくらいの期間を経て増収に向かっていくかということ。

 今減収の状態ですけれども、今大臣がおっしゃったように、経済波及効果をだんだんとこれから浸透させていった結果として、これが財政の改善に向かっていくのか、もしくは悪化していくのか、その所信をお聞かせください。

麻生国務大臣 今言われたのは、この平成二十五年度税制改正による増減収の見込み額の国税分の話をされたんだと存じますけれども、これは税の話だけでありまして、逆に、これから経済がどのような規模になっていくかというのは税収だけではなかなか捕捉できないところでもありますので、経済成長とか、その他いろいろな部分のものを見ながらこれは考えなきゃいかぬ。

 今のあれを見ながら、どれくらい、いつぐらいに幾らというのをちょっと今申し上げる段階にはございません。

小池(政)委員 それでは、一般的な税制に関する試算の際に、税政策の乗数効果というものはどのくらいと考えていらっしゃいますでしょうか。

麻生国務大臣 我々は、主に、通常、乗数効果より弾性値というのをよく使うんですけれども、これで一・一ぐらいの弾性値と思っております。

小池(政)委員 そうですね。税収弾性値、GDPが一%上がった際の税収の伸び率だと思うんですけれども、乗数効果というのは、今回の政策によっていかに波及効果が生まれるかというところになりまして、これはOECDとか内閣府の方で恐らく出されておりまして、ぜひ、こういうものを使った試算というものをちょっとお聞かせいただきたかったなということなんです。

 でも、大臣が今おっしゃいました税収弾性値が一・一ということなんですけれども、これは過去の審議を今まで見ますと、一・一では低いんじゃないかというような議論が何回かありまして、確かに、過去の実績というものを計算した結果として、大体四ぐらいあるんじゃないかという議論もあるんですけれども、その点についてはどのようにお考えでしょうか。

麻生国務大臣 小池先生、これは一とか三とか四とか、実はいろいろ数字がありますのは御存じのとおりなんですが、これは、一応、経済が安定しているという状況でやらないと、いろいろ上がり下がりがありますので、それで大体一・一ぐらいということになっているんです。

 上がっていくときには、実際、三とか四とかになる可能性は十分に、ないわけではありません。ないわけではありませんけれども、ちょっと余り、とらぬタヌキみたいな話になるのもいかがなものかと思うので、私どもとしては、かた目に見積もっておるというように御理解いただければと存じます。

小池(政)委員 私も、一がいいとか四がいいとかというわけじゃなくて、やはり検証ができるような中身を見させていただきたいということを趣旨として話しております。

 例えば、前回の議論でもありました、財務省さんが出されております平成二十五年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算というものがありまして、この中で、恐らく、今の政府の財政のプライマリーバランスの目標を達成できるシナリオとしては、この歳出据え置き型の経済成長三%ケースというものが該当すると思うんですけれども、こちらに関しては、三%ケースで大体税収がどのくらい伸びるかというような試算もなされております。

 こちらを見ますと、二十四年度税収四十六・一兆円のものが、三%成長でいきますと、二十五年度四十七・一兆円、二十六年度は消費税の伸びを考えていると思いますけれども、五十二・五兆円、それから五十七・五兆円が二十七年度。毎年、消費税分を差っ引いても、かなり税収が高くなっているということを見込んでいるんです。

 こちらについても、恐らく先ほどの税収弾性値のような話というものがあったと思うんですけれども、こちらは、もしどなたかお答えいただける方がいらっしゃれば、お願いいたします。

麻生国務大臣 これは名目経済成長率掛ける弾性値ということなんだと思いますが、平成二十五年度の税制改正の影響などを調整して推計したのが、先ほど言われた、二十五年度で四十七兆、二十六年度に五十二兆、五十七兆と上がっていく、この背景の数字のもとは、この一・一という弾性値を掛けた数字のことだと存じます。

小池(政)委員 ありがとうございます。

 これらの数値というものは確かに細かい内容かもしれませんけれども、ただ、これらを踏まえた上で、私たちにとって検証可能なような形にしていただいた方が、例えば、これから見ていきます個々の施策についての項目をどうやって決めたのかとか、その年数とか税率をどうやって決めたのかということをなかなか検証しようがないということから、本会議でもうちの党の大熊議員が言いましたけれども、消費税増税前の単なる地ならしじゃないかというような見られ方もされかねないということはぜひ指摘させていただきたいと思います。

 それから、第二点目になりますけれども、先般、租税特別措置法において、適用実態調査の結果報告書をいただきました。こちらを拝見しますと、法人税関係特別措置の種類ごとの適用状況というものがありまして、軽減税率、税額控除、特別償却、それから準備金等という項目がありますけれども、これらを合わせると、適用額で大体四兆円ぐらい適用となっております。

 これらについては、各省においてそれぞれ効果の検証を行っているということで、私も、財務省さんが対応しております項目について拝見させていただいたんですけれども、これについても、確かに、税収に対するインパクトがどれくらいあったかということの評価はなされていたんですが、この措置によってどれだけ波及効果があったかというような評価というものがなされておりませんでした。

 こちらについても、先ほどの議論と少し似ているんですけれども、そういう点の観点も含めるべきではないかということと、また、こちらの評価自体が、例えば、財務省さんが行っております特定普通財産とその隣接する土地等の交換の場合の課税の特例という措置がありますけれども、こちらの評価につきましても、自己評価なんですね。こちらは理財局国有財産業務課さんが行っておりまして、この自己評価で、かつ最後に補足説明という形をつけ加えまして、これからも行っていきますというような評価をされております。

 これが総務省の方に集まってきて、総務省でもう一回評価をして、最終的にその評価が正しいかどうかということを調べているそうなんですけれども、結果として、去年のを見ましたら、約百六十件上がってきまして、百三十件が課題があるというような評価がされております。説明、分析の内容が一定水準に達しているものが三十三件ということになっているんですけれども、こちらに関しては、このような取り組み、また最後に、結果として、この措置が、百三十件、正しくないもしくは課題があるといったものに対して、果たしてどういう処理がされているのかということをお伝え願えますでしょうか。処理というか、次年度の取り組みです。

麻生国務大臣 処理を今、多分しておられるんだと思いますので、今の段階で何ともお答えをしようがないんですが、私どもの方で今言われた質問の意味をちょっと取り違えているかもしれませんが、少なくとも、こういったことをやるようになったのはいいことだと私は思っております、正直なことを言いますけれども。

 少なくとも、これは自己評価とはいえ、自分できちんとしたものを出して、その上ですから、まずは第一回目としてこれができましたので、ひとつ今後とも、これはどんどんどんどん累積していきますので、そういった意味におきましては、今私どもの理財局の例が出ましたけれども、理財局の持っておる資産というものに関しましては、来年もそのまま継続するということがある程度前提になりますので、それをどう評価したかというのは、また来年度きちんと追跡調査ができるという意味におきましても、総務省ということは行政管理局でやっておられるんだと思いますが、そういったことをきちんとやるというのは私はいいことなんじゃないかと思っております。

小池(政)委員 ありがとうございます。

 全体として、やはり国税に四兆円ほどのインパクトを与えているわけですから、しっかり中身を精査していただきたいと思います。

 次に、政府系企業の税の優遇がまだなされているケースがあるんじゃないかという点についてであります。

 例えば、郵便事業株式会社につきまして、こちらは地方税ですけれども、多額の黒字を出している一方で、事業所税が一応免税されている。

 一方で、国税についても同じような事例というものがあると思うんですが、国税につきましても、黒字である一方で、政府系の機関で税金の免除もしくは優遇税制措置がなされているものはどのくらいありますでしょうか。

麻生国務大臣 例えば公共法人で優遇税制がなされているものがあるかということなんだと。(小池(政)委員「はい」と呼ぶ)国際協力銀行なんかがそうなんだと思いますが、これはたしか非課税にされている公共法人だと思います。

 同じ政府系金融機関であっても、例えば政策投資銀行はたしか法人税がかかっておりますし、通常の法人税がかかっているものというのは、日本郵政が多分、法人税がかかっていると思っておりますので、物によっていろいろ、公共性に応じて決められているのであって、一律にしているというわけではないというように理解しております。

小池(政)委員 法人税等、民間の税金の低減を少し今抑える一方で、やはり今おっしゃったような政府系機関、本来であれば黒字であって払える体力があるもの、そういうところから、ぜひまずは税金を取るべきではないかということを考えております。

 その一つに、独立行政法人が確かに税の優遇の対象でありますけれども、例えば、独立行政法人日本原子力研究開発機構というものがありまして、平成二十三年度の決算の財務諸表を見ますと、経常利益で一千七百億黒字を出しているというような機関もあるんですけれども、こういう独法に対してもこれまでと同じような形で税の優遇措置をなされるんでしょうか。

山口副大臣 お話しの件でありますが、さっきも大臣が御答弁申し上げましたように、やはり公共性とかいろいろな面を考慮して判断をしていくということでありますので、今御指摘をいただきました、そういった面も踏まえて、今後も検討していくということになろうかと思います。

小池(政)委員 ありがとうございます。

 これは、今は決まりでそうなっているからということでありますけれども、財政状況を鑑みて、ぜひこれからも検討していただきたいと思っております。

 今度は、税制の内容についてお聞かせいただきたいと思います。

 今回、日本版のISAというものを導入されようとしております。こちらにつきまして、アナウンスをどうやってされるのかなということをお聞かせいただきたいんです。

 といいますのは、日本証券業協会が平成二十四年十二月に発表されました個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書、アンケートですね、こちらを見ますと、日本版ISAの認知が非常に低いというような結果が出ております。日本版ISAの認知につきまして、知らないというのが八三%、また、内容は知らないが聞いたことがあるというのが一五・五%、内容を知っているというのが一・二%ですね。

 こちらは、やはり投資家の方々がしっかりそれを認知して、使用して、初めて市場の活性化につながると思うんですけれども、そのアナウンスについて、どのような考えをお持ちでしょうか。

麻生国務大臣 これは小池先生、インディビジュアル・セービング・アカウント、略してISAというんですけれども、これは、基本的には、個人金融資産一千五百何十兆のうち八百八十兆円ぐらいが現預金だというんですから、世界じゅうで、これだけ現預金の比率の高い預金を抱えている国というのは、日本が図抜けているという感じがしますけれども、いわゆるリスク資産への投資の習慣というのはほとんどなかった。

 もしくは、かつて、株屋というとやはり何となく怪しげな感じで、株をやっているというのはばくちをやっているようなイメージを持たれたのがあなたのおやじの世代なり、我々よりもうちょっと上の世代、大体その世代なんですよ。そういったところの人たちが、今一番金を持ってじっとしているところの世代と重なっているんです。

 そういった資産形成を始めるためのインセンティブを与えなきゃいかぬということで、導入する目的になったと思うんです。

 今言われたように、ほとんど意識がないじゃないかというのは、おっしゃるとおりなんだと思って、これは今、証券業協会とかいろいろなところが、こっちにこういった機会を与えてもらっているのに俺たちがやらなくてどうするということで、これに関するいわゆる広告、そういったようなものの広報に関していろいろ一生懸命やろうということでやり始めておられるというところまで私どもも知っているところなんです。

 今後とも、こういったものは、そういった民間の方で小まめにやっていっていただく。誰が幾ら預金を持っているというのを知っているのは向こうの方でありますから、そういった意味では、きちんとそういった対応はされていかれるものだと期待をしております。

小池(政)委員 ありがとうございます。

 時限的な取り組みになりますので、ぜひ告知、周知の方をお願いいたします。

 また、ISAに関してですけれども、こちらの設計上、口座数が一人一口座という形で限定されておりますけれども、投資家の方に聞いたところ、投資家はいろいろな口座を持って、複数の証券会社とか銀行等に口座を分散させて、それで運用されているケースが結構多くて、それを一つにまとめてしまうと、そこで買えない銘柄があったりとか、サービスが限定されてしまうんじゃないかという懸念を持っていたり、利便性の面で、一人一口座に限定するのはいかがかなという声を結構伺っているんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。

麻生国務大臣 これが何で一口百万円になったかというところが一番なんだと存じますけれども、基本的には、これは、イギリスが同じようなものをやりましたときに、今から十何年前の一九九九年に、当時約七千二百ポンドで、当時のポンド換算で百三万円だったというのが当時の状況だったというのに基づいているんですが、今現在で一万一千ポンドぐらいまで上がっているんですが、ポンドが下がっていますものですから、結果として今、百三十、四十万ぐらいなのかな、それぐらいまで下がっているということが一つの目安になっております。

 いわゆる年間の非課税投資額の上限が設けられていることから、一人一口に口座を制限して二重口座の開設を防止するとか、そういったようなことで、上限のところで潜ったりなんかしないようなことを図っているのが目的で、一人一口座百万円というようにさせていただいたというのが背景であります。

小池(政)委員 ありがとうございます。

 それでは、上限額は変えない状態で複数口座を持つというのはどうでしょうか。上限額百万というのは変わらず、それについて複数口座で運用する。

麻生国務大臣 これは下手すると、非課税ですから、二重口座ということになって、かつての、いろいろな判こを使ってたくさん口座があったまま今は休眠預金になっちゃっている、ああいったようなものもありますので、そういったことを考えますと、これはちょっとうかつには、上限を同じにして二口というのは、いろいろな意味で脱税につながりかねぬということを考えます。

小池(政)委員 ありがとうございます。

 おっしゃるとおりだと思うんですけれども、また、将来的には、マイナンバー等が導入された際には名寄せも可能になるわけですから、そういうことも検討していただいたらと思います。

 といいますのは、例えば、一人一口座を持っていて、引っ越しされたときに、その口座を持っている銀行なり証券会社がないという形で、その取引に支障が出るようなこともあり得る、窓口がないということで。そういうことも考え得ることができますので、ぜひ検討のほどをよろしくお願いいたします。

 また、こちらは、本会議におきまして、みんなの党の大熊議員の質問に対しまして、目的が真に果たされているかを検証する観点から、十年間の時限の政策ということをおっしゃっておりますし、そういう設定になっておりますけれども、その後はどうお考えでしょうか。どういう条件であれば継続するとか、そういうことをお考えなんでしょうか。

麻生国務大臣 先ほども申し上げましたように、これは、リスク投資というものに対する習慣が基本的に余りない層に、資産形成を始めるためのインセンティブとして出したということもありまして、期間を切ることによってより強いインセンティブが与えられるというのが期間を区切った一番大きな背景で、これは、必要に応じて、もっと延ばした方がいいとかいうことになるのであれば、そういったものに関しましては、我々としては柔軟に対応していけるということは思っております。

 ただ、今般の改正では、口座開設期間は一応十年として制度を導入したところでもありますので、どういうぐあいに定着するかというのは、ちょっと正直、これは本当に、仮にうまく広報が行き渡ったとしても、何となく、わしはそんなものやらぬと言う方の方が多いのかもしれませんし、そういった意味では、いろいろな意味で、定着状態、普及状態を見て、今後考えてまいりたいと考えております。

小池(政)委員 ありがとうございます。

 一方で、投資家サイドから見れば、投資してもうかった分にかかる税金が少し減らされるということも確かにインセンティブにつながるかもしれないんですけれども、一方で、投資してそれを失敗した場合のロス、損失、それをどうにかできないかということに関しても非常に大きな懸念というか、大きな注目を持っていると思うんです。

 例えば、損益通算の制度があります。投資家が投資して失敗した場合に、それを繰り越して、いつか益が出たときにそれをぶつけて、ネットで、それで税金の分を少なくするというような制度があるんですけれども、これについてお聞かせいただきたいと思います。

 こちらにつきましては、現状、上場株式等の配当、譲渡所得、また先物取引等の雑所得が通算の対象になっておりますけれども、こちらの対象を、例えば欧米ですと、公社債投信、債券、土地、デリバティブ等、今金融商品がかなり複雑化している中で、このような対象をふやしていく、拡大していく、そのような意向というものはあるんでしょうか。

麻生国務大臣 これは小池先生よく御存じのとおりで、日本の所得税は暦年課税ということになっておりますけれども、上場株式などの損失については、これは特例として三年まで認められております。特に東日本大震災の場合は、たしかあれは五年までにしたんだと思いますけれども、いずれにしても、極めて限定的なものになっているんです。

 ただ、日本の所得税は、これは諸外国と異なって、上場株式などの譲渡損失というものを相殺できる対象範囲が配当まで認められているというのが日本の場合です。これはほかの国にはありません。

 今回の二十五年度の税改正で、公社債の譲渡益、利子にまで拡大することにしておりますので、そういった意味では、三年以上の繰り越しを認めております他の主要国に比べても、損益通算の範囲というのは、最も広い、一番とは申しませんけれども、とにかく広いというのが現状だと思いますので、こうした所得税の原則や外国との比較というのを考えながら、今後とも公平性の観点というのを考えながら、少なくとも、預貯金でじっとしている、現預金で寝ている金がこういったところに動いてくるということを私どもとしては期待をいたしております。

小池(政)委員 ありがとうございます。

 期間の延長ということも、投資家のサイドから、ぜひしてほしいという要望が結構上がっております。先ほどのアンケートにも、やはり多数が、三年の期間を延ばしてほしいという声が上がっているんです。

 先ほどは被災地の五年という話をされましたけれども、全体としてまた三年を延ばしていくというようなこともお考えでしょうか。

麻生国務大臣 今ただいま、三年を五年にしますなんというような段階にはありません。ただ、これがどれくらい普及していくか、またそういった要望等々を勘案して、私どもとしては考えさせていただきたいと思っております。

小池(政)委員 ありがとうございます。

 それでは、ちょっと消費税に関連する話なんですけれども、うちの大熊議員が、同じように、本会議で指摘しました。現在、給与所得五百万以下のものにつきましては、市町村の方にはデータはあるんですけれども、国税庁の方にはこちらのデータというものが提出されていないというような現状があるんですが、この現状、これからもこのような状態という認識でいいんでしょうか。(麻生国務大臣「現状を知りたいということですか」と呼ぶ)はい。国税庁に対しては五百万以下の給与所得のデータがなくて、市町村にはそれがあると。(麻生国務大臣「それを国税庁までやれということですね」と呼ぶ)そうですね。

麻生国務大臣 今言われましたように、現行の制度では、年間給与五百万ということで年末調整を行っている場合は、国税当局へのいわゆる源泉徴収票の提出は不要ということになっておりますのは、御存じのとおりです。これは、企業が源泉徴収の義務を負いますので、その企業の事務負担を軽減させるという観点から設けられている基準だと存じます。

 したがいまして、全ての給与所得者の源泉徴収を全部出せというふうに求めることになりますと、中小企業やら零細企業にとりましては、事務の負担というのはどっとふえることになりますし、また、課税の適正化や年収増というものにどれだけつながっていくかといった観点から踏まえますと、ちょっと、これを国で全部一括してやるということに関しては、慎重に検討しないと、手間暇等々いろいろ考えないかぬところは多いのではないかと思っております。

小池(政)委員 おっしゃるとおりの答弁は本会議でもいただいたんですけれども、それでは、消費税が導入された際に、給付つき税額控除等を実際に実施する際に、五百万以下の方々のデータがない、かつ、それに対する給与の状況が把握できないというようなときに支障はないんでしょうか。

麻生国務大臣 これは小池先生、給付つき税額控除をやるかやらぬか、まだちょっと決まっておりませんので、これが決まる段階で、今まさか、来年ということにすぐなるわけじゃありませんので、そういった意味では、源泉徴収というものに関しましても同様に考えねばならぬところなので、この給付つき税額控除が実際に施行されるということになった段階で改めて考えねばならぬ問題だと思っております。

小池(政)委員 ありがとうございます。

 私たちみんなの党は、そもそも消費増税に反対しているので、確かに、それを私たちが懸念する必要は別にないわけなんですけれども、ただ、先ほどの企業側の事務の煩雑さにつながるというお話につきまして、静岡の地元の企業に、幾つか人事の方に聞いてみたんですけれども、実際、今は昔と違ってデータとしてパソコンで管理していますし、そもそも市町村に五百万以下のものも出していて、それをわざわざ区別して国税庁の方に出しているということに対して、別に国税庁の方に五百万以下の分を出すからといって手間がふえるわけではないですし、むしろそれを一本化してほしいという声もあるんです。

 例えば、支店が幾つかまたがる会社によっては、その支店の場所ごとに、やはりその給与のデータ、源泉徴収のデータを出さなければならない、一方で、国税にも下のところを切って出さなければならない、それをどうにかしてくれという話も上がってきたりしています。

 例えば、歳入庁ということを私たちは訴えているんですけれども、歳入庁という形であれば企業側も逆にそういう煩雑さというものを解消できるのではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

麻生国務大臣 今、歳入庁をというお話なんですが、今、私どもとして、いわゆる国税庁とか財務省とは別に、新たに歳入庁を新設するという考え方はございません。

金田委員長 小池政就君、予定の時間が参りましたから、まとめてください。

小池(政)委員 わかりました。

 ぜひ、企業側の利便性というものを考えて、かつ、これからマイナンバー制等が導入されますので、それに沿った設計等を踏まえまして、ぜひ実施していただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。

金田委員長 次に、鈴木克昌君。

鈴木(克)委員 生活の鈴木でございます。

 お時間をいただいて、議題となっております所得税法等の改正案について御質問させていただきたいというふうに思います。

 まず最初に、消費税の税率水準と国税収入に占める割合、いわゆる直間比率についてお伺いをしていきたいというふうに思います。

 今資料を配らせていただいておるんですが、主要国の付加価値税というのは、イタリアが二一%、イギリスが二〇%、フランスが一九・六%、ドイツが一九%ということでありまして、我が国の消費税五%、これは地方消費税一%を含んでおるわけですが、各国は大体四倍程度の税率水準になっておるということでございます。

 そこで、これらの国々のいわゆる国税収入に占める付加価値税の割合を比べてみますと、それが今お手元にお配りをさせていただきました資料の三枚目でございます。これが、要するに、国税に占める割合が、フランスが四九・七、以下、ドイツ、イタリア、イギリス、日本。日本が二二・七%ということでございます。

 そこで、イギリスは二〇%だ、まだ日本は五%だ、こういう話が巷間よく言われるわけでありますけれども、しかし、実際に、現在でもイギリスを抜いておるということですから、これが例えば八%とか一〇%ということになれば、当然のことながら、イギリス、イタリアをもう完全に抜いて、フランス、ドイツに近づくという状況になってくるというふうに思います。

 問題は、別にその直間比率が、今、六、四が例えば五、五になったってどうということないじゃないか、こういう話にもなるかもしれませんけれども、要するに、間接税というのは逆進性が問題になるということでございます。したがって、消費税の割合が高まっていくことに対して大臣はどのような御見解をお持ちなのかというのを、まず最初にお尋ねしたいと思います。

麻生国務大臣 今、直間比率は、日本は六、四とよく言われますが、五七対四二・幾つぐらい、そんなもんだと思います。

 社会保障と税の一体改革におきまして、これはここから入らないと消費税の話にならないんだと思いますが、間接税という消費税の部分の方に幅広く安定財源としてその比率を求めているということなんだと思いますが、社会保障の安定した財源確保というものと財政健全化というものとの同時達成というものを考えてやっておるわけなんですが、社会保障の財源となります税収につきましては、いわゆる高い財源調達能力というものもあります。

 かつ、経済動向とか景気とか人口とか、そういったものに余り左右されない、そういった安定しているものというものを考えますと、今後、高齢化が進んでいく中にあって、勤労していただいている世代というものがどんどん減ってくると、それに負担が集中するということを避けるというようなことを考えたときに、やはり消費税という間接税はこれらの特徴を今有しておりますので、そういった意味からも、社会保障の安定財源としては消費税というのは極めて大切、適切なものではないかというのは、基本的な考え方としてあります。

 また、消費税というのは、消費税が上がりますけれども、その上がった分が全額ほぼ社会保障関連費に、目的税とは言いませんけれども、かなりの部分そういったものに限られてきておりますので、消費税率引き上げに伴います逆進性と言われれば、低所得者対策については、基本的なところで、今申し上げたような点から見ても、給付つき税額控除とかいろいろありましょう。

 そういったものを考えますと、引き続き、逆進性という面も十分に勘案しながら、消費税というものは今後とも社会保障等々を考えたときには大事にしておかなければならぬものだ、私どもは基本的にそう思っております。

鈴木(克)委員 まさに安定した財源の確保という、大臣のおっしゃることは私もよくわかります。

 ただ、二つ問題がありまして、今まさに御答弁の中にも出たんですが、一つは、いわゆる消費者ですよね。当然、国民、消費者がこの税を負担するということですから、そういう意味で、犠牲と言うと大変誤解があるかもしれませんけれども、国民や消費者を犠牲にして、そして安定的な財源であるからということでそれをどんどん上げていく、どんどん上げると言うとあれですが、それでいいのかというのは一つあります。

 それからもう一つ、今まさに大臣がおっしゃった、では、そういう方々に対してどういういわゆる手当てをしていくか、ここのところはまだ全体像が見えていないわけですね。

 したがって、国民にしてみると、果たしてどういう形になっていくのか。ただ社会保障に使うんだからおまえら負担しろよということだけでは、本当に困ってみえる方もたくさんいるわけですね。それによって、場合によっては人生が狂ってしまう方もおるかもしれません。そういう人たちに対して安心してもらうというような施策をやはりいち早く出していくべきだというふうに私は思っています。

 ただ、基本的には我々は消費税反対でございますので、反対のおまえらに要らぬことを言われる筋じゃないというふうになれば別ですけれども、やはり議員として、また国民の代表として、国民が安心していただけるような体制をつくっていただきたい、これは要望をさせていただきたいというふうに思います。

 次に進めさせていただきます。

 平成二十五年度の税制改正法案について、七点伺ってまいりたいというふうに思っています。時間の関係もありますのでどこまで行けるかわかりませんが、そんなふうに思って、させていただきたいと思います。

 今一番問題なのは、やはり格差是正、それから所得再分配の機能の低下ということが本当に今大きな社会問題だと私は思っております。

 そういう中で、個人所得税については、これまでの税制改革で、いわゆる勤労意欲だとか事業意欲を阻害しない、そういう観点から、課税最低限の引き上げ、税率の引き下げ、そして、その他適用範囲の拡大を通じて累次緩和が行われてきた。しかし、その結果、先ほど申し上げましたように、財政調整機能や所得再分配機能が低下をしてきたということが問題になっておるわけです。

 そこで、いわゆる平成二十一年度の税制改正法の附則でも、やはり格差の是正と所得再分配機能の回復ということが言われておるわけでありまして、税率構造を見直して、そして高所得者の税負担を引き上げるという改革の方向が出されておる。これは御案内のとおりでございます。

 さらに、昨年、二十四年の税制改正では、格差是正、所得再分配機能の回復、課税の適正化の観点から、給与所得控除の上限設定等の措置が講じられました。これも御案内のとおりであります。

 そして、今般は、いわゆる与党大綱の中で、消費税率の引き上げや復興特別所得税による負担増等にも配慮して、特に高い所得者層に絞って一定の負担増を求めるというふうにされてきたのは御案内のとおりであります。

 ただ、ここで申し上げたいのは、そういう形で高所得者に負担増を求めるということで流れはできてきたんですが、例えば、本改正案の中で、所得税の最高税率の見直しをやるわけでありますけれども、具体的にこの影響を受ける所得税納税者というのは全体の〇・一%というふうに言われています。五万人ぐらいだというふうに言われております。そして、増収額は〇・四%、金額にして、間違っているかもわかりませんが、五百九十億ぐらいだというふうに言われております。そうすると、これはもう明らかに限定的なわけですね。全体から見れば本当に限定された部分だというふうに思います。

 したがって、私がお伺いしたいのは、格差是正、それから所得再分配機能、そういった回復に向けての現在の政府のこの取り組みについて大臣がいかにお考えになっているのか、御所見をお示しいただきたいと思います。

竹内大臣政務官 まず、鈴木委員よく御承知のとおりだとは存じますが、平成二十五年度税制改正では、所得税の最高税率につきまして、課税所得四千万円超の層に四五%の税率を設けることとしたところでございます。これにつきましては、さまざまな議論が与党内でもあったことは御承知のとおりだと思います。

 これは、格差の是正や所得再分配機能の回復の観点から高所得者層の税率を引き上げる必要がある一方で、平成二十六年四月からの消費税率の引き上げ、それからまた二十五年からの復興特別所得税による負担増等にも配慮いたしまして、特に高い所得階層に絞って一定の負担増を求めたものでございます。

 今回の所得税改正はこうしたバランスから検討を行ったものでございますが、格差是正や所得再分配機能の回復に一定の効果を発揮しているものと考えております。

 なお、今後さらに所得税の累進性を高めること等により再分配機能を回復させることにつきましては、消費税等を含めた税制全体の中で、税収の安定性の確保やそれぞれの基幹税のバランスをどう考えるかといった総合的な観点から引き続き検討してまいりたい、このように考えておるところでございます。

鈴木(克)委員 いずれにしても、私は、やはり限定的な効果しか今の状況であれば出ないというふうに思っております。さらにひとつ政府の方でも御検討をいただいて、まさに格差是正に進む、文字どおり格差是正が実施されるような、実行されるような、そういう税制というものをしっかりとやはり考えていっていただきたいというふうに思っております。

 続いて、住宅ローン減税であります。

 これも何人かの委員が指摘をされたところでございますので、重なるわけでありますけれども、私は、本当にこの住宅ローン減税が目的とするところでは、私の聞いておるところでは、消費税率引き上げの前後における駆け込み需要とその反動等による影響を平準化し緩和する観点からこれを導入する、こういうふうに聞いておるわけであります。

 実は、ちょっと資料をお配りできなかったんですが、ここに、某みずほ銀行というとあれですけれども、出した資料がありまして、「住宅ローン減税の拡充は駆け込みと反動を抑えられるか」、こういう民間の資料でございます。

 ちょっとこれを御紹介させていただきますと、膨大な資料ですから、結局、結論から言うと、中低所得者層よりも高所得者層のメリットが大きい、こういうことになっておるわけですね。恩恵を最も受けるのは高所得者層である、年収八百万円以上の世帯では追加減税額が消費増税による負担増分を上回っており、消費税率引き上げ後に購入した方がお得ということになると。これはこういう一つの分析。

 それから、まだあるわけですが、年収の四倍または五倍のローンを組むと想定し、今回の減税の拡充が消費税率引き上げの影響をどの程度緩和するのかを逐次試算したということでありますが、この表をずっと見ていきますと、結論としては、いわゆる中低所得者の皆さんよりも高所得者の方がメリットを享受するという税制であるということです。

 中低所得者層への恩恵が大きいのはローンを年収の五倍以上組む場合や合計費用に占める住宅部分の割合が高くない場合であり、ローンの年収比が低い場合や総費用に占める住宅建設等の割合が高い場合にはメリットが小さくなると言えるということで、いろいろあります。

 まだまだ御紹介をしたいんですが、結論としては、今回の住宅ローンの目的は、先ほど申し上げましたように、消費税率引き上げの前後における駆け込み需要とその反動等による影響を平準化し緩和する観点であるとするならば、やはり少し違うんじゃないですかということが、この民間の資料からも示されておるということでございます。

 現行は二百万ですから、これを四百万ということなんですが、この恩恵にずっと十年間浴する方というのは相当大きなローンを組む方だということになる、これは十分おわかりいただけると思うんです。そんな大きなローンを組めるというのは、やはりある程度所得があり、お金持ちであるということになるわけでありまして、このローン減税の効果というものは、私はやはり限定をされたものだというふうに思っていますが、その辺に対する御見解をお示しください。

竹内大臣政務官 今御指摘がございました今般の住宅ローン減税でございますが、私どもといたしましては、消費税率引き上げ後の反動減が最も大きいと考えられる時期に住宅需要を喚起するために、住宅購入層の年収、住宅の価格及び借入金額等を勘案して、消費税負担を相当程度緩和する水準に設定したものでございます。

 具体的には、住宅を購入する方の大半の年収は四百万円から八百万円程度でございまして、今八百万円というのが一つ鈴木委員から御指摘がありましたけれども、このうち年収八百万円の者の平均借入額が三千六百万円程度であるという調査が出ております。こういうことを踏まえまして、最大控除額四百万円、すなわち、借入限度額四千万円掛ける控除率一%掛ける十年間としたものでございます。

 今般の改正では、過去最大規模の住宅ローン減税に加え、自己資金で住宅を購入する場合の減税措置の拡充とか住宅リフォーム減税の拡充などもあわせて行うこととしております。

 また、住民税を所得税の一・五から二倍程度支払っている中低所得者層の負担を軽減する観点から、所得税で使い切れない控除額を個人住民税から控除する制度につきまして、その上限を引き上げ、より多くの層に住宅ローン減税の恩恵を行き渡らせることとしているところでございます。

 そういう意味で、この中低所得者層の皆様への配慮というものを十分に考えたというつもりでございます。

 さらに、こうした対応でもなお効果が限定的な所得層に対しましては、別途、良質な住宅ストックの形成を促す住宅政策の観点から、さらに適切な給付措置を講じることとしているところでございます。

 これらの対応によりまして、結果として、住宅取得に係る消費税の負担増をかなりの程度緩和する効果が期待でき、住宅需要の平準化が図られるようになるものと考えているところでございます。

 高所得者層だけではなくて、中低所得者層にも相当の配慮をさせていただいたつもりでございます。

鈴木(克)委員 今、それぞれケースも挙げて御説明をいただいたわけでありますが、いずれにしても、効果については懐疑的な見方があることは事実でありますし、それから、恩恵を受ける所得層に偏りがあるという指摘もありますので、では、そういうものをどのような形で、まさに今言われたようにフォローしていくのか、そして改正していくのか、カバーしていくのかということをやはりお考えいただかないと、私は、これをつくったからこれでもう住宅ローンについては問題ないんだということでは決してないということを申し上げておきたいというふうに思います。

 それから次に、これも西野委員が相当しっかりとおやりになりました、教育資金の一括贈与に関する贈与税の非課税措置の問題であります。

 西野さんも言われたわけでありますけれども、現に今、基礎控除によって百十万円までは非課税となっておりますし、また、生活費や教育費に充てるための贈与であれば、通常必要と認められる範囲の中で、一括ではなく、必要な都度贈与されるということになっておるわけですね。

 しかし、何としても若年層への資産移転をしていきたいと先ほど大臣も何遍もおっしゃっていました。だけれども、実際にこれで本当に若年層へ資産が移転をされるのかどうかということなんですが、また叱られるかもしれません、結果的にお金持ちがその利益を供するだけだということになると、これは、私のみならず、多くの人がやはり見ておるわけですね。

 逆に言えば、いわゆる資産格差の助長が進んでしまう、こういう見方すら実はあるわけなんですね。言い方を平べったく言うと、お金持ちに優しくて、いわゆる資産格差が広がる制度だというふうにやゆする方もあるということでありますが、その辺についての御見解をお示しいただきたいと思います。

麻生国務大臣 御指摘のとおり、先ほど西野議員からも御質問があっておりましたけれども、今回の教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置というのは、御存じのように、たびたびやっていてもあれなんですけれども、教育というのはある程度年数がかかるものでもありますので、まとめて等々のお話もありました。

 また、高齢者の資産を若年層に早期に移転させることを考えましたときに、お金を使う世代に贈与しないと、我々の世代になって、ちょっと一丁上がりつつあるような世代に渡しても、使うところが極めて限定されておりますので、そういった意味では、子供の教育のために、何とかのためにという、お金が要る世代にということが大事なところなのではないかということで、経済の活性化を図ると同時に、教育とか、教育費がないからもう一人子供が産めないとか、いろいろなこともよく聞かされますので、そういった人材育成を支援するという観点から講じたものであります。

 先ほども主税局長が答弁しておりましたけれども、既に信託会社なんかに行かれると、この種の話を、広告を、まだ法律も通っていないのに、いろいろパンフレットやらチラシやら何やら、今こういうのを考えておりますという話を聞かされますけれども、ぜひ、高所得者に限らず、いろいろな意味で、預金を持っておられる高齢者の方々で、息子にはやりたくないけれども孫にはやりたいとか、周りにもいっぱいおられると思いますけれども、そういった方々がおられますので、相続税の課税強化等々を高額所得者に対してはしているところでもありますので、税制改正の全体の像としては、この税制だけを見て、資産格差の固定化を助長するものではないかということにはならないんだというようにお考えいただければと存じます。

鈴木(克)委員 西野委員からの質疑の中でもありました。結局、三十歳になって使い切れなければそこにまた課税がされる、贈与税がかかる。それから、我々がやはりよく考えなきゃならないのは、確かに、資産の譲渡、移転を促進してお金を使ってもらうということなんですけれども、現実にこの制度を聞いたいわゆる一般の人たちは、千五百万も孫に出すお金どころか、あしたの生活をどうしようかという人たちもいるわけですよ。

 だから、私は、やはりこれを、もちろん、いかぬとは言いませんけれども、制度として、もしどうしてもやるんなら、やはりそういった方々に対してもきちっと、夢を持てるような形を考えていく必要があるんじゃないかなというふうに思います。

 これがいいということを認めるわけではありませんけれども、問題はあるというふうに私は思いますが、しかし、本当に多くの国民は、孫に千五百万も、例えば十人孫がおったら一億五千万ですからね、まあ当然のことですが。そんな人は本当にごく一握りの人たちである、それ以外の多くの皆さんもいるということも、ひとつ政府としてよくお考えをいただきたいなというふうに思っております。

麻生国務大臣 千五百万というのは、鈴木先生、知っていて言っておられるんでしょうけれども、これは上限でありまして、五百万ずつ三人に割ったってよろしいんですし、五百万ずつとか三百万ずつとか、いろいろな考え方がありますので、決して千五百万以下は認めないなんということを申し上げているわけではありませんので、なるべく、御指摘の点も十分に配慮して対応してまいりたいと考えております。

鈴木(克)委員 続いて、これも議論が、午前中ですか、出ておったわけですが、交際費の定額控除の限度額までの全額の損金算入を容認するという流れでございます。

 これは、実は私も前々から、いろいろなところからの要望でそういう動きをしておりました。そういう意味では、いよいよ限度額が大きくなって、現行六百万が八百万になるわけですけれども、この方向性については私は別にどうということはないんですが、問題は、今まで政府が一定割合を損金不算入にされていましたよね。今回、それも外れるということです。この要望もたくさんあります。

 だけれども、問題は、政府が今まで言ってきたのは、これを経費として容認した場合には、いわゆる無駄遣いの支出を助長するだけではなくて、公正な取引を阻害することになるんだ、こういうことをずっと言い続けてきたわけですよ。私もこれを外すべきではないかと言ったら、そういう答弁をずっと政府はされてきたわけですね。

 では、今回、それは解消されたということなんでしょうか。私、まあ余りよくないので、どうしてもそれが理解できなくて、政府は今回、それでは、今まで言ってきたことと、どういうふうに答弁をされるのか、ぜひ一遍、国民にわかりやすく聞かせていただきたいというふうに思います。

麻生国務大臣 これは、お断りしておきますけれども、これまでいろいろ御意見があったのかと思いますけれども、この案を大臣の方から、政治家の方から申し上げたときに、うなずいた主税局はゼロです、これまでの経緯がありますから。それは無理もありませんよ。

 したがって、政権がかわった、政治主導だ、これでやってもらうと。これが一番中小企業を活性化させる、地域のいわゆる経済を、繁華街を、商店街を、いろいろな意味でにぎやかにさせる一番はこれと申し上げて御納得をいただいたというか、強引にこれに私どもの方としてさせていただき、私どもは、中小企業として申し上げたんですけれども、安住先生というか民主党の方からは、これを大企業にも広めろという御意見をいただいたので、ああ、時代の流れはそうなっているんだなと、正直、あのときはそう思いました。最初からそうすればよかったなと思わないでもなかったんですけれども、なかなかさようなわけにはいきませんので、まずは六百から八百、一〇%をやめということからスタートさせていただきました。

 いずれにいたしましても、いろいろな意味で、この中小企業のところとしては、今いろいろな形で、営業力とか資金力とかが落ちておりますので、そういった意味では、広告費が使えない、広告費は御存じのように課税はゼロですから、営業活動としては同じことだと存じますので、これは本来、広告費がゼロならこの交際費もゼロであっておかしくないと、前々からそう思っておりましたので、こういう形にさせていただいたというように御理解いただいて、理屈はどうかと言われれば、大臣が強引だったというふうに御理解いただくなりなんなりしていただかぬと、役人にこれを求められてもちょっと困るところかと存じます。

鈴木(克)委員 委員長のお許しをいただければ、ぜひ一遍、当局からもこのことについて御答弁をいただきたいんですが、委員長、お許しいただけますか。御指名いただければ、答弁をさせてください。

金田委員長 それでは、財務省田中主税局長。

田中政府参考人 交際費の損金の不算入制度でございますが、昭和の二十九年に、当時は、法人の交際費、乱費抑制、冗費抑制という、社費を使って飲み食いをするというようなことが当時の世相で議論になって、そういう意味で、この交際費等の乱費を抑制する、それによって資本の蓄積を促進するというものでございまして、かなり税収的には大きな貢献を、二千億余の貢献をしておりましたものですから、私どもも、そう簡単にはなかなか新しい哲学を見出せずに来ているわけです。

 後からつくった哲学というわけではございませんけれども、会社のさまざまな支出の仕方みたいなものについては、かなり昔と違ってさまざまなコントロールがなされるようになってきた、特にコーポレートガバナンスといいますか、そういう議論がかなり出てきていることもあって、この冗費抑制、乱費抑制という哲学をいつまでも持っていられるかどうかという議論も一方でございまして、今回、大臣の御指導に従いまして対応させていただきました。

鈴木(克)委員 ある意味では、よくわかりました。

 いずれにしても、多くの皆さんの要望でもありましたし、それがそういう形になったということについては私は是とするところでございますが、どのように局長の方が御答弁されるのかなというところに関心がありましたものですから、委員長、大変ありがとうございました。

 それでは、次に進めさせていただきます。

 寄附税制、それから特定支出控除、交際費課税、そして贈与税等々、いわゆる検討規定というのが三党協議の中で進められたというふうに思っております。

 ところが、一月二十四日に与党の税制改正大綱が決定をされ、一月二十九日にこの税制改正の大綱が閣議決定をされた。その後のタイミングで、二月二十二日に、その法律案の中に先ほど言った寄附金税制とかそういった検討規定が追加をされたということについて、私は、極めてこれは異例だなというふうに実は見ておるわけですが、そういうふうになった経緯と、それから、なぜこの四項目の検討事項ということになったのか、そのところをちょっとお示しいただきたいと思います。

山口副大臣 お答えをさせていただきます。

 検討条項につきましては、政府・与党として二十五年度税制改正の実態的な内容を決定した後に、さらに、自民、公明、民主の三党によって協議が行われました。

 その中で、今御指摘の、特に寄附金税制、特定支出控除、交際費課税及び贈与税の四項目について、附則に検討条項を設けること、これらの規定を盛り込むことによって、法案の審議、成立については、国会において十分な審議時間の確保及び国民生活等に影響を及ぼさないために年度内成立が必要であることを確認して、そのために誠実に対処することというふうなことが合意をされたわけでございまして、政府としても、この三党の協議結果を尊重して、税制改正法案の附則に盛り込むということを決定いたしました。

 この四項目ということに関しては、当然、三党でさらに継続をして協議をするということであろうと思います。

鈴木(克)委員 いずれにしても、非常に異例なことだったというふうに私は思っていますので、今御説明を副大臣からいただいたことで了としますけれども、いずれにしても、やはり閣議決定というのは重いわけですから、その後、いわゆる滑り込むというのか押し込むというのかよくわかりませんが、そういうことは私は極めて異例だということを指摘しておきたいというふうに思います。

 そして、もう最後なんですが、これは民主党にも関係をするわけでありますけれども、民主党の議員立法に対する大臣の評価を、ぜひここで一遍お伺いをしたいというふうに思うんですね。

 これは、言うまでもありませんけれども、低所得者対策、それから医療機関の高額投資に係る消費税負担への対応、住宅取得対策、車体課税の見直しに関する事項というのは引き続き協議を行うというふうにされたわけですね。ところが、今回、民主党が、こういう形で、引き上げ対策法案として出してみえたということであります。

 この法案のことを、私、とやかく言うわけではありませんけれども、そういった経緯の中で、今回、民主党が議員立法でこの法案を出されたことに対して、大臣はどのように評価をされておるのか。それから、もう一点は、今後の三党間協議に対して、このことは何か影響が出てくるのか、どういう流れになっていくのか。その二点をお伺いしたいと思います。

麻生国務大臣 もう鈴木先生御案内のように、これは議員立法で出ておりますので、これにつきまして行政府の立場としてどうこう言う話ではないので、これは国会において御判断をいただくということが私どもとして当然のことだと思っております。

 ただ、一般論で申し上げれば、今言われました中で、低所得者対策、医療、住宅、車体課税等々、先般、三党合意において引き続き検討するということになっていると承知をいたしておりますので、今後の協議の状況というものを、これは三党間でしておられるんだと思いますので、そういった税制抜本改革法の規定に沿って検討していかないといかぬということになるんだと思っております。

 したがいまして、今、三党間の協議につきましても、政府としてお答えする立場には、正直申し上げて私の立場ではないんですけれども、政府として言わせていただければ、三党間での今後の協議の状況を注視しながら、そして税制抜本改革法の規定に沿って検討していく必要があるのではないかというように考えております。

鈴木(克)委員 以上で、時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。

金田委員長 次回は、来る二十二日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとしまして、本日は、これにて散会をいたします。

    午後四時五十九分散会


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