衆議院

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第8号 平成25年5月17日(金曜日)

会議録本文へ
平成二十五年五月十七日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 金田 勝年君

   理事 逢沢 一郎君 理事 伊藤信太郎君

   理事 木原 誠二君 理事 竹本 直一君

   理事 山本 幸三君 理事 安住  淳君

   理事 桜内 文城君 理事 上田  勇君

      安藤  裕君    伊東 良孝君

      石崎  徹君    小倉 將信君

      小田原 潔君    鬼木  誠君

      勝沼 栄明君    神田 憲次君

      小泉進次郎君    小島 敏文君

      小林 鷹之君    田野瀬太道君

      田畑  毅君    竹下  亘君

      中山 展宏君    藤井比早之君

      牧島かれん君    松本 洋平君

      御法川信英君    山田 賢司君

      階   猛君    武正 公一君

      古本伸一郎君    西野 弘一君

      松田  学君    三木 圭恵君

      山之内 毅君    岡本 三成君

      小池 政就君    佐々木憲昭君

      鈴木 克昌君

    …………………………………

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       麻生 太郎君

   内閣府副大臣       寺田  稔君

   財務副大臣        山口 俊一君

   経済産業副大臣      菅原 一秀君

   内閣府大臣政務官     亀岡 偉民君

   財務大臣政務官      伊東 良孝君

   国土交通大臣政務官    赤澤 亮正君

   政府参考人

   (金融庁監督局長)    細溝 清史君

   政府参考人

   (財務省大臣官房参事官) 後藤 真一君

   政府参考人

   (中小企業庁事業環境部長)            鍜治 克彦君

   財務金融委員会専門員   北村 治則君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十七日

 辞任         補欠選任

  伊東 良孝君     勝沼 栄明君

  小泉進次郎君     石崎  徹君

同日

 辞任         補欠選任

  石崎  徹君     小泉進次郎君

  勝沼 栄明君     伊東 良孝君

    ―――――――――――――

五月十五日

 金融商品取引法等の一部を改正する法律案(内閣提出第五九号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 金融商品取引法等の一部を改正する法律案(内閣提出第五九号)

 財政及び金融に関する件


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     ――――◇―――――

金田委員長 これより会議を開きます。

 財政及び金融に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りをいたします。

 両件調査のため、本日、政府参考人として金融庁監督局長細溝清史君、財務省大臣官房参事官後藤真一君、中小企業庁事業環境部長鍜治克彦君、この三名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

金田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。武正公一君。

武正委員 民主党の武正公一でございます。

 きょうは、一般質疑ということで、それぞれ政務三役の皆様にお伺いをしてまいりたいと思います。

 お手元の方に、理事会のお許しを得て資料をお配りしております。一枚目は今般のドル・円相場の推移ということでありまして、二枚目には長期金利の推移等を掲げております。

 特に長期金利の急上昇、これについて大変懸念を深めるところでありますが、まず、ドル・円相場の方から伺いたいと思います。

 二八%の円安、またあわせて日経平均株価の七〇%の上昇、一方、やはりこの急激な円安が輸入物価の九・五%の上昇などを招いておりまして、経済好転、デフレ脱却は前政権時代からも取り組み、そして日本銀行の大胆な金融緩和も進めてきて、それが新政権になって、異次元のというような形で言われておりますが、さらなる大幅な金融緩和がこうした円安に振れ、また株価を押し上げているというふうに認識をいたします。

 ただ、その弊害というものが、先ほど触れた輸入物価や、あるいはまた金利急上昇にあらわれているというふうに認識をしておりますが、まずは、この円安の進行についての認識並びに評価を財務大臣に伺いたいと思います。

麻生国務大臣 これはもう武正先生御存じのように、いわゆる為替のことに関しましては、財務大臣としてこの種の発言をするということは、いろいろマーケットに対する影響等々を考えて、これまでコメントを差し控えさせていただいておりますので、御承知をいただければと存じます。

武正委員 これまでも急激な円高が、例えば八十円を切るような形は、前政権ももちろんですけれども自公政権時代もあり、そのときにはやはり、政権担当者とすれば、日本経済のファンダメンタルズを反映していないというような発言をし、あるいはまた、政府にあっては、いわゆるドル買い・円売りの介入を行ってきたわけでありますので、決して……。

 今、私は水準のことを聞いたわけではないんですね。ですから、こうした急激な円安進行、また、株価も上がりました、急な株価の上昇、そして一方、それが輸入物価の上昇に与える、あるいは金利の急上昇、弊害もあるというようなことですから、認識と評価ということで、再度お伺いしたいと思います。

麻生国務大臣 いわゆる為替の相場というものは基本的には安定しているのが望ましいのであって、高くなるにしても安くなるにしても、急激に上がったり下がったりということは、市場に限らず、経済に与える影響もいろいろあろうと思いますので、緩やかに変化というか、上がっていく、下がっていくというのが望ましいと存じますが、いわゆるそういったのが常識的なものだと思っております。

 円高になればなったなりでいいものもありますが、円安になればなったなりでこれはまた別のものがありますので、これは両方いいことはありませんので、円安の効果というものが輸出業者に与えている影響は間違いなく極めて大きく、これに期待をする部分が多くて、株が七割上がったりいたしておるのも、主に輸出関連企業ということになろうと存じます。

 かわりに、輸入物価が上がってくるというものは、石油含め、鉱物資源を輸入して加工している業者にとりましては、その加工賃の原材料が上がることになりますので、その部分が急激に上がってくるというものは、資金繰りの上からいきましてもなかなか難しいであろうと存じますので、私どもとしては、その点は配慮しておかねばならぬところだと思っております。

武正委員 既にイカ釣り漁船が燃料価格の高騰で操業をとめたり、あるいは、やはり政府の対応を見て、全国の漁船、漁業組合もそうした対応をせざるを得ないというようなことも言われてもおります。

 また、既に日本は貿易収支の赤字に転じておりますので、輸出は半分がドル建て、しかし、輸入は七割がドル建てということでありますので、重ねて、輸入に対する円安の影響が大きいということが言えるわけであります。

 そうした中、政府としての対応ということが求められるわけですが、先ほどの全国の漁業組合の話もありますが、具体的に、こうした急激な円安における輸入物価の高騰、上昇に対応しての対応といったものは何かお考えでしょうか。

麻生国務大臣 輸出に関しましては、いろいろな形で輸出がしやすくなっている部分は確かでしょうが、MアンドAという形で企業進出をしている場合にとりましては、円安イコール、コストが上がるということを意味しますので、円安になれば輸出がすべていいということにはならないとは思います。

 また、逆に、今言われましたように、イカ釣り漁船の場合は、どうしても、A重油をたいて、バッテリーを起こして、ライトをつけてという、あの部分が猛烈な勢いで電力、いわゆる燃料を消費することになりますので、そこらのところに関しましては、しかるべき補助というような形をいたしております。

 いずれにしても、物を輸送しております物流が激しくなってくれば、その物流に関しますトラックの運賃等々に関しましては、ディーゼル等々にさらに需要が高まる、もしくはコストが上がる等々に関しましては、今後検討せねばならぬことになるかなと思わないでもありません。

 いろいろな意味で、今、しばらくすると、安くなったおかげでよくなった部分も出てまいりますので、しばらく様子を見た上でとは思いますけれども、しかるべき対応をきめ細かくやっていかぬと、こういう急激な、上がったり下がったりするときには対応に配慮をしておかないといかぬものなんであって、一年待ってなんというようなことではなくて、きめ細かい対応が必要になってくるであろうと思っております。

武正委員 日本は、食料自給率はカロリーベースで四割を切っておりますので、当然、食料は輸入に頼っておりますので、そちらの影響はいろいろともう既に出ておりまして、国会でも指摘をされている。マーガリンとかあるいは小麦とか、いろいろなところに食料価格の高騰が及んでおります。こうしたこともやはり対応を何らか求められるというふうに思います。

 先ほど円安のペースを言われましたが、中小企業の経営者の皆さんにも、円高から円安へのこうした動きというのは好感を持って迎えられてはいますが、やはりそのスピードが余りにも急過ぎると。それから、今後さらに円安が進んだ場合には、ちょっと、レートとして、水準のことは財務大臣もなかなか言いづらいでしょうけれども、円安がさらに進んでしまうことが果たしてどうなのか。これはいろいろと指摘をされているわけであります。

 そこで、二ページ目の資料に移りますが、金利の急上昇。これは、異次元のと言われる大胆な金融緩和では金利は下がる、こういうふうに見込まれていたはずなわけですが、それが、金融政策決定会合以来、乱高下を繰り返し、特に、この三日、四日には〇・三%ほどはね上がる。一昨日は、二兆円ですか、市場に資金を供給して、〇・八五といったことになっております。

 こうした金利の急上昇が招く弊害。これは、昨日も合同審査会で、我が党の古本議員から麻生財務大臣に、利払い費がどの程度ふえるかといったことで質問もしたわけでありますが、当然、利払い費も増額が見込まれるわけでありまして、財政にも大変な影響も出てくるわけであります。

 私も同様でありますが、やはり住宅ローンを抱える者にとっては金利の上昇というものが負担増にもつながりますし、企業では、やはり融資の利払い、こうしたものの高騰にもつながる。企業が融資を受けて、設備投資といったところにも当然影響が出てくる懸念があります。

 この金利の急上昇について、財務大臣としての認識を伺いたいと思います。

山口副大臣 私の方からお答えをさせていただきたいと思いますが、実は、私も先生同様、住宅ローンで、しかも変動制でございまして、そういった思いはあるわけです。

 ただいま御指摘がございましたように、私も出席をしておりましたが、四月四日の金融政策決定会合、その後、翌五日には長期金利が一時〇・三一五まで低下をいたしまして、史上最低金利を更新した後、〇・六二〇まで急上昇いたしました。

 また、お話にございました、先週金曜日以来、円安の進行とか株価の上昇とあわせて、長期金利が三日間で〇・六〇程度から〇・八五程度まで急速に上昇いたしました。一時期、十五日には〇・九二〇というふうなこともあったわけでございます。それらの動きにつきましては、大臣ほどではありませんが、私の立場からもコメントは差し控えたいと思うわけであります。

 しかし、御指摘のように、仮に、財政の持続可能性への信認が失われる等の理由によって国債価格が下落をして金利が高騰するというふうなことになりますと、当然、企業の資金調達を妨げ、景気回復の足かせとなりますし、同時に住宅ローンの返済増などを通じて国民の負担増となる、さらには多額の国債を保有しておる金融機関に大きな評価損が生じる、同時に財政収支が悪化をしてしまう等々、経済財政、国民生活に重大な影響が及ぶというふうに認識をしております。

 ですから、私どもとしては、そのような事態を決して招かないように、国債の安定的な消化が確保されるような国債管理政策に努めていくというふうなことと同時に、日銀との共同声明にありますように、持続可能な財政構造を確立するための取り組みを着実に推進して、市場の信認を確保していくというふうなことであろうかと存じておる次第でございます。

武正委員 麻生財務大臣、なぜ金利が急に上昇している。こういったところは、市場が、日本国債に対する信認について、ある面クエスチョンを投げかけている。

 具体的には、五月十日の発表では生命保険も外債の買い取りを四千億ふやしておったり、いわゆる国債から外債、あとは、当然政府も考えていた株式へシフトする、こういったところが、こうした国債価格の下落、また金利の上昇を招いているというふうに思います。

 この点についてはいかがでしょうか。

麻生国務大臣 基本的には、これまで国債が最もかたい金利、利回り、利得を得られる種類の商品だったものが、株がこれだけ上がってくると、株の利幅の方が大きいとなれば、金融業として当然そういったものに振ってくるというのは常識的なところだろうと思いますから、ある程度こういったことが起こるであろうということは、私どもとしては想像にかたくないところですので、そこは、日本銀行がいろいろな形で調整をされ、一回にぼんというのではなくて二回に分けるとか、いろいろな形で今対応をしておられるように見受けられます。

 いずれにしても、これまでずっと低金利で悩んでいて、十数年間悩んでいた企業、経営側にしても投資家にしても、今、株というものに目が久しぶりに行っているという面は、国債から株式の方に目が移ったりなんかしたり、いろいろな要素がありますので、これがと言えるものが一つあるというわけではない。さまざまな要素がかみ合っておるだろうとは思います。

武正委員 二〇〇三年でしたでしょうか、VaRショック、バリュー・アット・リスク・ショックということで、二〇〇三年六月、〇・四%であった金利が二%近くまで急上昇した歴史的な債券暴落、こういったことがあったわけでありまして、既に日銀では、金利が一%上昇すると大手銀行、地方銀行に合計六兆円超の含み損が発生すると試算をしているわけですので、先ほど触れましたように、これから成長戦略で企業自身の成長を促すといったときに、銀行からの融資あるいは設備投資、こういったことを促すときに、こうした銀行の含み損を抱えるといったことも、当然そうしたことを阻害するブレーキになってしまうわけであります。

 いずれにせよ、金利の急上昇の背景が、日本の国債に対する信認、特に財政再建、これについてやはり市場が懸念を有しているというふうに考えるわけであります。

 そこで、資料三ページには、財務大臣も出席をしたワシントンでのG20の共同声明文を出しております。

 アンダーラインのところが日本に対する、あるいはかかわる記述でありまして、最初のアンダーラインでは、「とりわけ、日本の最近の政策措置は、デフレを止め、内需を支えることを意図したものである。」ということで、それはそれで認めているところでございます。

 ただ、二つ目のアンダーラインでは、「日本は、信頼に足る中期財政計画を策定すべきである。」二月のG20のときに、この信頼に足るというのはなかったんですね。これについてはやはり、こうした最近の金利の急上昇などを見ても、中期財政計画は策定すべきであるけれども、その内容について一段の信頼性を求められたのではないかというふうに私は考えております。

 その次のアンダーラインでは、これは二月同様、中期財政戦略をサンクトペテルブルク・サミットまでに策定し、というようなことが、これは今までと同様ということであります。

 そこで、この財務金融委員会でも、麻生大臣そしてまた安倍総理にも伺ったわけであります。本会議でも同様でありますが、この委員会で、三月の十九日、財務大臣は中期財政計画についてこのように述べております。「国自体、国債自体の信用を失いかねないことになりますので、年央をめどにして、ことし半ばまでに、少なくとも財政健全化目標をするための中期財政計画というものをきちんと立案させていただかねばならぬと私どもは考えております。」と。

 これはやはり、今回のこうした金利の急上昇などを受けても、私は、中期財政計画を、やはり六月、骨太方針が発表される時点で示していくべきだというふうに考えるんですが、財務大臣も、年央をめどに、そしてことし半ばまでにと。ことし半ばというのはやはり六月いっぱいまでというふうに考えるわけでありますが、こうした中期財政計画をしっかり示すということで、再度確認をしたいと思います。

麻生国務大臣 このワシントンDCにおけますG20のところで、最初のパラグラフ、上から四行目の「とりわけ、」というところは、これは、日本に対する、円の独歩安等々に対する批判等々に対する答えがこれであって、G20としてはこれを認めるというので、イン・パティキュラーとしてこれだけ別出しにして書いたというところが一番肝心なところだった、あのときの会議の流れではそう思っております。

 そして、信頼に足る中期財政、これは別に今までと大して違っていないと思います。最初の二月のときとそう変わっていないという雰囲気ではございますけれども、いずれにしても、財政計画を強く求められているのは日本とアメリカというのが、我々の行ったときの感じだと思っております。

 いずれにいたしましても、お尋ねの中期財政計画につきましては、これは、お答えをいたしておりますように、経済財政諮問会議におきまして、財政の健全化と経済の再生というものの両方を実現しなければならぬというその道筋について今後検討を進めていかねばなりませんが、六月中旬までに策定をされる予定の骨太方針というのがございますので、経済再生の道筋とあわせて、各歳出分野の取り組みから、また財政健全化の基本的な方向等々をここで示していかねばならぬところだと思っております。

 そういった検討状況を踏まえて、財政健全化の目標を実現するための中期財政計画というのを年央をめどに策定すると申し上げておりますが、ここにもございますように、サンクトペテルブルクの会議までには各国きちんとしたものをつくって出すということを合意しておりますので、それをめどにというように考えて、時間的なものもかなり詰まってきておりますので、そういったものをめどに検討させつつあるというのが今の現状でございます。

武正委員 G20の財務大臣・中央銀行総裁会議は、次回、たしか七月にありますので、そのときにはしっかり示そうということも言っていますので、サンクトペテルブルク・サミットは九月でありますが、その前に七月には示さなければなりませんし、もう既に財務大臣は、ことし半ばまでにと、当委員会で日本維新の会の同僚議員に対しての答弁で明言をされているわけなんです。ですから、やはり六月までに示すべきというふうに考えるわけであります。

 きょうは世耕官房副長官もお呼びをしたんですけれども、ちょっと来ていただいていないようですが、世耕官房副長官は、五月十二日、フジテレビで、骨太の方針は大きな目標を示す、そこから先は夏以降に中期財政見通しをお見せすることになるというふうに言っているのは、これは財務大臣の三月十九日の答弁と矛盾をするわけでありまして、私は、財務大臣、言葉に二言はないということで、ことし半ばまでにしっかり示していただいて、今の市場の不安をやはり払拭すべきである、財政健全化に向けた断固たる政府としての姿勢を示していくべきだというふうに考えますが、ことし半ばまで、六月までにお示しをいただくということでよろしいでしょうか。

麻生国務大臣 これは、たびたびお答えを申し上げております年央という言葉が幅広く、数カ月間のあれがあろうとは存じますけれども、いずれにしても、国としては、国と地方とのプライマリーバランスの比につきましては、御存じのように、二〇一〇年度の水準から半減させますのが二〇一五年、バランスさせますというのが二〇二〇年ということで、これは国際公約としていわゆるコミットしたもの、この目標を達成することが重要であろうと考えております。

 したがいまして、今後、経済財政諮問会議等々におきまして、財政の健全化と経済再生との双方を実現せねばならぬというこの道筋についての検討を進めて、六月中旬までに多分行われるであろう骨太方針というものにおきまして、経済再生の道筋とあわせまして、いわゆる、先ほど申し上げました各歳出分野の取り組みなどをあわせて財政健全化の基本方針というものを示してまいりたいと思っておりますので、そうした検討状況を踏まえて、繰り返しとなりますけれども、中期財政計画を年央をめどに策定させていただくということになろうと思います。

 いろいろ、副長官の話がという御発言等々が、この間もどなたかからも伺いましたけれども、いずれにしても、年央というのはある程度幅はあろうとは思いますけれども、今申し上げたのが基本的な日程だと私どもは理解をいたしております。

武正委員 いや、ことし半ばまでにと言っておられるんですよ、財務大臣は。年央をめどにして、ことし半ばまでに中期財政計画をきちんと立案させていただきたいと。ことし半ばまでにと。

 半ばというのは、六月末までですよ。違いますか。

麻生国務大臣 年央の定義について伺っておられるんだと思いますけれども、六月ということだと存じます。

武正委員 年央の定義というか、ことし半ばまでにというふうに財務大臣は明言されたんですから、六月までにということで中期財政計画をきちんと立案させていただくということでよろしいでしょうか。

麻生国務大臣 六月に計画を出すということをお約束したというふうに理解されていると、間違えていると存じますが。

武正委員 ただ、この委員会でそのように言われているんですね。「年央をめどにして、ことし半ばまでに、少なくとも財政健全化目標をするための中期財政計画というものをきちんと立案させていただかねばならぬと私どもは考えております。」と、この財務金融委員会で言われたんですよ。六月末までにと。

 答弁を訂正されるんでしょうか。

麻生国務大臣 繰り返しになりますけれども、検討状況というのを、六月中旬までに策定される骨太方針において、財政健全化の基本的方向を示していく、年央までにというのに変わりはございません。

武正委員 いや、この委員会で、年央をめどにして、ことし半ばまでに中期財政計画というものをきちんと立案させていただかねばならぬと私どもは考えておりますと、三月十九日のこの委員会で答弁されたんです。

 これを変えるということでしょうか。

麻生国務大臣 繰り返し繰り返しになりますが、今お答え申し上げたとおりです。

武正委員 要は、参議院選挙の前には示せないということですか。世耕さんが言ったように、夏以降に中期財政見通しをお見せすることになるんですか。

麻生国務大臣 策定していく過程で、七月にかかるか六月半ばで終わり切るか、作業の進展もございましょうけれども、我々としては、今の段階で、参議院の二十一日までに、その二十一日の前にと思って……(発言する者あり)ダブルを期待されている方もいらっしゃるようですけれども、私どもは、ダブルを期待しているわけではございませんので。

武正委員 さっき言ったように、G20の七月には示さなきゃいけないんですよ。ですから、ことし半ばまでにと財務大臣は言ったわけですから、やはり六月末までに示していただきたい。そうでなければ、この答弁は変えられたというふうに理解をいたします。

 そこで、ちょっと時間もかなり迫ってまいりましたので、次に移りたいと思います。

 アジア債券市場構想、チェンマイ・イニシアチブについては、アジア地域における経済のファンダメンタルズを反映した為替の安定について、私は、これは引き続き進めていくべきだという認識でありますので、これは触れておきたいと思います。

 きょうは国土交通省からも政務三役がお見えでございますが、笹子トンネルの崩落事故、九名の方が亡くなられ、二名の方が負傷されると。亡くなられた方に心からお悔やみ、またお見舞いを御遺族に対しても申し上げたいと思います。

 この崩落事故、手元に、五ページ目ですか、過去の点検状況というものがあるんです。二〇〇〇年、二〇〇五年、二〇一二年と点検が行われているんですけれども、いわゆる天井板の打音検査、これは二〇〇〇年以来行われていなかったということがわかっておりますが、なぜ、十二年間こうした点検が行われないまま、天井板の崩落ということが起きたんでしょうか。

赤澤大臣政務官 中日本高速の点検体制については、調査・検討委員会において、中日本高速より詳細な経緯の報告がございました。

 この中で、トンネルのL断面天頂部のボルトについて、二〇〇八年と二〇一二年に詳細な点検が予定されていましたけれども、点検計画を変更したことから、結果的に、御指摘のとおり、二〇〇〇年以降十二年間、当該ボルトについては打音点検がなされていなかったということが確認されたところでございます。

 点検計画を変更した理由について、中日本高速に確認をいたしましたところ、他の場所でタイルや鉄板の落下事故などが発生したことから、同種事故の発生を防ぐことを優先したためとの報告を受けております。

 点検計画の変更については、個々に見れば理由があったことは承知をしているわけでございますが、結果として、打音点検をL断面天頂部ボルトに対して十二年間未実施であったという事実は不十分と言わざるを得ないというふうに考えております。

武正委員 これは、点検要領をいただいて天井板のところを見ているんですが、今おっしゃるような、そうした、特にボルトに関する点検というものは入っておりませんし、また、耐用年数、この後触れます長寿命化や、あるいは大規模修繕、大規模更新に当たりますけれども、例えばボルトの耐用年数というものがあって、じゃ、それを検査しなければならないだろう、こういった耐用年数という考えもこの点検要領にはないということも聞いて、大変驚いたわけでございます。

 また、平成十四年までは疲労を考慮した設計をしていないということも聞いておりますが、これについて確認をしたいと思います。

赤澤大臣政務官 道路橋については、鋼製な橋において疲労による損傷が報告されるようになったことを受けて、専門家の知見に基づき検討を重ねて、平成十四年の道路橋示方書において、鋼製な橋について疲労を考慮した設計を行うことが規定されたところです。

 それまでは、御指摘のとおり、鋼製な橋について疲労による損傷ということは想定をしていなかったという事実関係でございます。

武正委員 大蔵省令あるいは財務省令では、減価償却の観点から耐用年数、四十年とか五十年とか六十年でその更新をするような、税制上の対応も兼ねてそうしたものが設けられているわけですが、これまで、特に道路とか橋とかトンネルの耐用年数とか、あるいはそれに応じてどういった形で修繕あるいはまた更新をしようという考えが政府にはなかった、欠けていたということが指摘をされるわけであります。

 これが出てきたのが、今、平成十四年までは疲労を考慮した設計がなかったということにあらわれているように、この七、八年、そうした考え方に基づいてようやく取り組みが行われている。しかしながら、残念ながら、今回、笹子トンネルでこうした事故が起きてしまったということだと思います。

 そこで、長寿命化、大規模更新などという概念が出てきたのはいつからか、改めて伺いたいと思います。

赤澤大臣政務官 我が国の社会資本は、昭和三十年ごろから産業基盤の整備、それから昭和五十年ごろになりますと、生活関連基盤の整備に力を入れるなど、時代時代の要請に応えつつ行ってきております。その間、整備された社会資本を安全に利用することができるよう、知見を蓄積しながら維持管理を行うとともに、社会経済情勢やニーズを踏まえながら、新規整備と一体となって既存ストックの再整備にも取り組んできたところでございます。

 今後、高度成長期以降に整備したインフラの急速な老朽化が見込まれますので、平成二十年度に策定をいたしました第二次社会資本整備重点計画におきまして、戦略的な維持管理や更新の推進を重点目標の一つとして位置づけ、長寿命化の推進を明確に重点政策に位置づけたところでございます。

 老朽化対策については、省を挙げて取り組むために、本年一月に社会資本の老朽化対策会議を立ち上げまして、平成二十四年度から二十六年度の三年間にわたるスケジュールを明確にした工程表を三月に取りまとめたところでございます。

 本年をメンテナンス元年と位置づけまして、総合的、横断的な取り組みを推進してまいります。

武正委員 お手元六ページの平成二十五年度の国交省の予算の概要でも、復興・防災対策、成長による富の創出、暮らしの安心・地域活性化の三本柱の一本目に復興・防災対策と。そして、これは国土強靱化ということで後ほど触れますけれども、命と暮らしを守るインフラ総点検・再構築の中で、総点検、老朽化対策ということが挙げられているということになってこようかと思います。

 今触れられた第二次社会資本整備重点計画は平成二十年ですが、昨年八月三十一日には、前政権時代に第三次社会資本整備重点計画がつくられまして、選択と集中ということで、特に大規模、広域的な災害リスクの低減、そしてまた産業、経済の基盤、国際競争力の強化への対応、また持続可能で活力ある国土、地域づくりの実現への支障への対応、そして、四番目になりますが、今的確な維持管理、更新を行わないと将来極めて危険となるおそれのあるものということで、こうした維持管理、更新といったところが打ち出されておりますし、特に、それについて我が国の社会資本の実態把握と維持管理、更新費の推計、施設の長寿命化によるトータルコストの低減等が、やらなければならないということで盛り込まれているわけであります。

 そこで、財務大臣に伺いたいんですが、財務省が、こうしたインフラ、あるいは特に道路やあるいは橋やトンネル、今回トンネルについて痛ましい事故が起きたんですが、この修繕とかあるいは大規模な更新とか、こういった概念というのはその査定時にしっかり持って、概算要求、国交省の予算に対しての査定を行っている、あるいは行ってきたということについて触れていただきたいと思います。

山口副大臣 私の方からお答えをさせていただきたいと思います。

 今御指摘をいただきましたが、道路等の公共インフラにつきましては、従来からの既存ストックの修繕など、維持管理及びそのための経費の概念は存在をしております。

 そういったことで、平成二十五年度予算におきましては、ただいま御指摘をいただきましたように、老朽化が進む公共インフラの安全性に対する不安が高まっておるというような中で、既存ストックの修繕あるいは老朽化対策、防災機能の向上といったところに重点化をさせていただいたわけでありますが、一方、既存ストックの更新というものにつきましては、新設、改築等の事業の中で必要に応じて取り組まれてきたというふうに実は承知をしております。

 しかしながら、今後、公共インフラの老朽化が進む中で、的確な長寿命化の取り組みなどを通じて、維持管理の効率化とともに、更新需要の平準化を図って、限られた財源の中で持続可能性を確保していくということが重要だと考えております。

武正委員 その大規模更新というような考え方が予算の査定時にない、また盛り込まれていない。老朽化ということは、予算査定時には、あるいは予算作成時には予算編成の基本方針にはあるんですけれども、大規模更新をしなければならないというような観点から予算編成がされていないということが今副大臣から述べられたということなんです。

 既に、首都高速道路は、構造物の大規模更新のあり方に関する調査研究委員会報告書をことし一月十五日にまとめておりまして、構造物について、「現在の償還計画には含まれていない、」償還計画に含まれていないんですね、こうした大規模な更新は、首都高もあるいは東、中、西も、「大規模修繕を適切に実施することが必要である。」「構造物を全て新たに作り替える大規模更新が必要となる。」、大規模修繕、大規模更新、こうしたことを述べておりまして、首都高は、大規模更新の概算費用は五千五百億から六千八百五十億、大規模修繕などの概算費用は二千二百五十億円から二千四百億円、計七千九百億円から九千百億円。検討区間以外を大規模修繕するとさらに三千二百億円という報告書が出されております。

 また、東、中、西日本の高速道路三社、老朽化した橋やトンネルなどの大規模建てかえや改修を行った場合、今後百年間に少なくとも五兆四千億円が必要との試算、全てを建てかえると五兆二千億円の追加が必要で、総額十兆円を超えるということが、ことし四月二十五日、発表されております。

 財務大臣、首都高とそれから高速道路だけでも十兆円、あるいは一兆円を超えるという大規模修繕、大規模更新、こうしたことが発表されているんですが、予算編成を担当する、また査定をする官庁として、これからまた来年度の概算要求なども行われるわけですが、こうした大規模更新についての考え方、これを取り入れていくということでよろしいでしょうか。財務大臣、いかがでしょう。

山口副大臣 先生御指摘のような現状認識、当然私どもも持っておりますので、今後、国土交通省等とも緊密に相談をし、連携をしながら、しっかり対応していきたいと思っております。

麻生国務大臣 武正先生、一番大事なところは、元セメント屋の話として聞いてもらってもいいけれども、セメントというのは、大体五十年ぐらい、メンテナンスをやらないと五十年なんですよ。できましたのが昭和三十年代、高度経済成長から一斉にやっていますから、今ちょうど、昭和でいえば八十何年ですから、五十年。

 荒れるアメリカという言葉が一九八〇年代の半ばごろにあって、あっちこっち橋がおっこちたりしましたでしょう。あれは、ちょうど一九三〇年代の半ば、いわゆるニューディールという、高橋是清の模倣みたいな政策をアメリカがやって大成功したんですけれども、あのときがちょうど一九三〇年代半ば。ちょうど五十年なんですよ、メンテナンスも。

 我々は当時、こんな立場にありませんでしたので、メンテナンスやら何やらがわかっていなきゃあんなことになるんだ、随分アメリカのセメントのレベルは低いなとみんなで笑っていたぐらい、私ども、そう思って見ていました、正直。それが実態ですよ。事実、アメリカ人に聞くと何人も、大体、四週強度が何キロでやっているんですか、おたくはなんていって、答えられる人がいませんでしたものね。四週強度という言葉も通じなかった。それで僕は正直驚いて、アメリカというのはこんなものかねと思った記憶が当時ありますけれども。

 いずれにしても、今日本の場合は、つくったものが一斉に来つつありますから、これはなるべく補修にかかる金が短期間に集中しないように、なるべくばらけて長くもたせるということを考えないと、財政を支出する、歳出の観点からいきますと、これは経営というか、そこらをメンテナンスしていく上では一番肝心なところだと我々としてはそう思って、国土交通省と連絡を密にしてやっていかねばならぬところだと理解しております。

武正委員 お手元では、九ページの方に用意をしてあるんですけれども、これからの公共インフラについて、この後触れる国土強靱化、三年間で十五兆円、集中期間として追加投資ということにも触れておりますが、こうした、今ここでさらなる新設の投資を行った場合が、上の、そういったストックがまだまだ発散をしていくといった図でありまして、その新設を抑制して、そしてまた、ある程度たったインフラについてはそれを廃却するということが取り組まれた場合は、ストックのそうしたピークがピークアウトしていくという図でありまして、これは日本総合研究所の藤波さんという研究員が論文で示したものであります。こういった考え方への転換も必要ではないかというふうに思います。

 ちょっと戻りまして、国土強靱化につきまして、政務官もお見えですが、お手元の七ページ、これが国土強靱化法案の概要ということなんですけれども、今指摘をした、三年間を国土強靱化集中期間として十五兆円を追加投資と書かれておりますが、当然、これまで言ってまいりましたそうした大規模更新あるいは大規模修繕、こうしたインフラ、特に道路、トンネル、橋、こうした考え方とこの国土強靱化がどういった整合性を持つのか、これについてお答えをいただきたいと思います。

赤澤大臣政務官 まず冒頭、大変恐縮なんでございますが、この今お示しになった七ページの資料の出典についてちょっと御確認をいただきたいと思うんです。

 私も、この資料、実は作成にあずかった覚えがあって、野党時代のことでございまして、野党当時に自民党が作成した資料だと思います。

 国土交通省からまだこのような形のものが出たことはないというのは、実は、国土強靱化のための具体的な取り組みについては、御案内のとおり、今、政府・与党内でまさに検討中でございまして、自由民主党と公明党でも相談中、そして政府とも相談中なので、まだ確定した形でこのような国土強靱化基本法案の概要というような資料が作成されたことはないと私は承知をしております。なので、一応この出典を御確認いただいて、これは野党時代の自民党が作成したものでございます。

 なので、ここにあります十五兆円の追加投資というのも、まだまだ、野党時代に自民党がつくった資料に載っていたということで、何か政権を我々が取り戻してからオーソライズされたというようなものではございませんので、それを前提とした御議論についてはちょっと難しいのかなということだと思います。

 そのことを御指摘申し上げた上で、今国土強靱化について政府・与党で検討している一環として、国土強靱化の推進に関する関係府省庁会議で、国土強靱化推進に向けた考え方というものを四月十日に決定させていただいております。その中で、今後国土強靱化に向けて対応が必要となる施策、事業の具体化に際しては、「既存の社会資本の有効活用や効率的な維持管理等によるトータルコストの縮減、民間資金の積極的な活用にも留意することとする。」とされていると承知をしております。

 災害に脆弱な我が国の国土において、防災・減災対策とともに、先ほど麻生大臣からも御指摘ありました、高度成長期以降に集中整備したインフラは本当にこれから老朽化が加速度的に進むということでありますので、その対策に取り組むことが国民の命と暮らしを守る観点から待ったなしの課題であると認識をしております。

 このため、国交省として、長寿命化計画の策定などにより、適切な点検や予防的な修繕、計画的な更新に取り組むとともに、多くの費用が必要となりますことから、新技術の開発、メンテナンスエンジニアリングといったようなものの発展も図って、施設の長寿命化により更新費の平準化などを図り、工夫を凝らしながら進めていきたいと思っています。

 本年を社会資本メンテナンス元年と位置づけ、全国の現場で防災・減災、老朽化対策に重点を置いて、しっかりと取り組んでまいります。

金田委員長 武正公一君、時間が参りましたので、よろしくお願いします。

武正委員 もう時間が参りましたので、政務官だけ、国土強靱化担当でおいでいただいていますので、同じ質問で、手短にお答えいただきたいと思います。

金田委員長 時間が参りましたので、手短に。

亀岡大臣政務官 今赤澤政務官がお話ししたように、現在、国土強靱化については政府が検討中であり、まさに国土強靱化推進に向けた考え方を、今も申し上げたとおり四月十日に決めたところでありまして、その中で、今後国土強靱化に向けて対応が必要となる施策、事業の具体化に際しては、既存の社会資本の有効活用や効率的な維持管理等によるトータルコストの縮減、民間資金の積極的な活用にも留意することとしております。

 御指摘の長寿命化や大規模修繕、更新の考え方も踏まえて、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。

 よろしくお願いします。

金田委員長 時間が参りました。

武正委員 以上で終わります。ありがとうございました。

金田委員長 この際、暫時休憩をいたします。

    午前九時四十八分休憩

     ――――◇―――――

    午前十時十九分開議

金田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。山之内毅君。

山之内委員 日本維新の会、鹿児島一区の山之内毅と申します。本日、財務金融委員会においては初めての一般質疑をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 今回、一般質疑であり、若い将来世代のためにも、財政健全化の観点から総論的に、同じ九州の大先輩であられる、また鹿児島の偉人大久保利通公を高祖に持たれる麻生大臣に質疑をさせていただきたいと思います。

 さて、一口に財政健全化といっても、解決すべき課題は多岐にわたるのは言うまでもありません。バブル崩壊後、失われた二十年と言われ、これまで長引いたデフレ、私は三十一歳でございますので、私が学生のころは失われた十年と言われ、今は失われた二十年となっております。このままデフレが続き、抜本的な改革ができないまま、失われた三十年、四十年になってはいけないなと思う気持ちでございます。

 私は、先ほど申し上げましたとおり三十一歳でございますので、今まで人生の三分の二が失われており、二十歳を迎える若者は今まで人生全て、失われた中にあったというわけでございます。

 そして、未曽有の超少子高齢化、これはある意味、人類史上初と言っても過言ではない状況にあると思います。単純に、支えなければいけない高齢者の方々がふえ、支えるべき若者が減少する。先日も、十五歳未満の若者が三十二年連続減少するという総務省の発表もありました。

 一九六〇年代当時は十二人で一人を支えていたものが、今は三人で一人、十年、十五年後には二人で一人、あとは限りなく一人で一人を支える状況、つまり一人が一人をおんぶするような状況になる。ただでさえ、若者は足腰を鍛えて支える力をつけなければならないと思っております。

 生産年齢人口は減少していき、社会保障費は増加していく。当然、行財政改革もしなければならないと思います。

 そこで、高度成長時代、バブル崩壊、長引くデフレ、そして現在に至るまで日本をごらんになられてきた麻生大臣、まず、改めてこの現状の御認識を教えていただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。

麻生国務大臣 真面目に答えていたら質問時間が全て終わりそうな、余りにも問題が広範にわたっていますので。財務大臣ということでもありますので、今の御質問は幾つもありましたけれども、財政の話だけに絞らせていただければと思います。

    〔委員長退席、竹本委員長代理着席〕

 日本の財政の場合を見てみますと、OECDと言われる国々、かなり経済的な先進国と言われる国の中で、財政の中に占めるいわゆる債務残高がGDP比二〇〇%を超えておるというのは、OECDの中で最悪、最低ということになろうと存じます。

 こういった意味で、今、仮に国債の価格が暴落するとか国債の金利がはね上がるとか、いろいろなことが考えられるという心配は常にしておかねばならぬところなんですけれども、それは結果として国の利払い費がふえることになりますし、個人的には住宅ローンの金利が上がるとか、いろいろなことが考えられますので、国民にとりましては、いわゆる生活に直接響いてくる部分が極めて大きいことになります。

 そういったことを考えますと、財政の健全化というのは、先ほど武正先生の御質問にもありましたけれども、そうか、あなたは党が違うんだな、ごめんごめん、そちら側にいたので民主党かと思ったら違うんだ。維新、ちょっと今問題の維新ね。これは、中期的には、財政の健全化というのは必ず避けて通れない大事なところなんです。

 ただ、今言われましたように、記憶のあるときからずっと不況というところに育ってきているんだろうから、あのバブルも知らないし何も知らぬという世代の真っただ中におられますので、そういった意味では、やはり今回の景気対策というものは、一九九二年に土地の暴落からスタートした、いわゆる資産デフレーションによる不況というものから以降、今日までの間ずっと、失われた何十年と言われるようなものになったんです。

 基本的に、デフレーションによる不況というものは、一九四五年、さきの戦争で負けてこの方、六十八年間、一回もない経験を我々はしておる。日本だけじゃない、世界じゅうありませんから。全て不況はインフレでしたから。そういった意味では、我々は対応を間違えた。日本銀行も間違えた。財務省も間違えた。みんな知らなかったから。間違いなく誰も経験がない話なので。

 そこで、私どもとしては、経験がないとなれば、これは歴史に学ぶ以外に方法がありませんので、歴史を学んで、結果として、似たような状況は、一九三〇年代初頭に、いわゆるアメリカの大不況、学校で習う、フーバーという大統領のときのアメリカのウォールストリートの株の大暴落、あのときに始まったデフレーションによる大不況というものを脱却するのに、ニューディールという名前のルーズベルトの政策が出てくるんですが、あれのもとをつくった高橋是清という、日本にいた方の政策というものを、基本的に我々は多く拝借をさせていただいて、少なくとも、日銀による金融の緩和等々、財政の機動的出動とか経済の成長とかいうのを同時にやる。少しずつやるんじゃない。まとめてどんとやるということをやらない限りは、デフレからの脱却はできない。

 デフレからの脱却ができないということは、経済が成長しない。経済が成長しないということは、税収が伸びない。税収が伸びないということは、間違いなく借金の返済はできないということになろうと思いますので、中期財政計画を達成するためには、まずはというので、優先順位を決めなきゃいけませんので、優先順位として一番に選ばせていただいたのが、デフレ不況からの脱却というのが優先順位の一番にあって、まずはというところからスタートさせていただいたんです。

 今、四カ月ぐらいたちますけれども、おかげさまで、一応、株価が上昇するなどのそれなりのものは出ていますが、まだまだ、これが鹿児島に行くまでには、まだ福岡にも来ていませんから。東京のタクシーの一日当たりの売上高を見ても、東京、大阪は間違いなくかつてぐらいまで、結構高くまで伸びてきていますが、おたくの何とか通りとか、博多の中洲とか、北海道のあの辺までは、とてもじゃない、まだ来ている段階ではありません。予算がおととい通っていますので、この予算が少しずつ少しずつ着実に執行されていくことによって、地方においてもその影響が出てくる。そういったものの経済が今後どうなってくるかということによって、税収が変わってきます。

 その部分と、来年度、我々としては、きちんとした財政のあれをつくっておきませんと、年央までといろいろ申し上げてきていましたけれども、きちんとした計画を立てておかないと、日本の財政はどうなんだという心配というものは、結果として国債を売られる可能性がある。

 そういったものを避けるためにも、我々は、経済成長と財政再建、双方を同時にやるという極めて難しい政策をやらねばならぬことだと御理解いただければと存じます。

山之内委員 ありがとうございます。

 麻生大臣おっしゃられるとおり、極めて難しいことに挑戦していく。それも、今までにない、前代未聞の挑戦をしていく。

 私どもも金融政策は一緒でした。インフレ率二%前後、こちらでまた、ある程度財政投資も必要。そこで、まず、デフレ脱却を目指した、期待を喚起した、経済を好転させるためにアベノミクスを実行されたという認識であります。私どもも、ここの試み、大枠は賛成でございます。反対のための反対はしないという方針でまいりました。

 まず、おとといの時点、日経平均では一万五千円台を回復し、アベノミクスの期待を喚起するという金融政策効果は出ており、本年度予算も通過されました。また他方、新聞紙上では、日経平均一万五千円台と並び、長期金利上昇が〇・九二%という水準も掲載されております。

 私も、今手元に、長期国債先物の価格、こちらがあります。四月二日に大きく国債の価格が下落しました。こちらは、専門の方に言うと、サーキットブレーカー、いわゆるストップ安ですね、それが発動されたと。手元にポートフォリオもありますが、大きく乱高下し、百四十六円台だったものが、一時、ろうそく足では百四十三円を試みるような大きな乱高下があると。その中で、現在はさらに下落をして、五月十六日、昨日時点で百四十二円四十銭に下落しており、おととい前後には百四十一円を試すような動きもあり、ろうそくのひげが下に大きく伸びている状況です。当然、価格が下落すれば金利は上昇する、その中にあると思います。

 また、当時、この金融緩和政策、長期国債の買い入れ等も含めて、今は日銀が持つ国債の残高を年五十兆円ペースでふやして、従来は、一三年、二十兆円ふやす計画だったのを、大幅、二倍。当時、より長期の金利を下げる、日銀が市場で国債をたくさん買うことにより、国債価格は上がり、金利は下がる、国債金利は銀行の貸出金利に連動するため、金利が下がるとお金が借りやすくなる、その一方で、日銀が国の借金の肩がわりをしているんじゃないかという懸念も高まりかねないという状況であると思います。現実、今、国債の価格は下がってしまった。

 その中において、当初は、当然、円安、株高、これはそのとおり、他方、金利はむしろ逆に上がってしまって、国債の価格が下落してしまっている、この点について、麻生大臣、御認識を教えていただけますでしょうか。

    〔竹本委員長代理退席、委員長着席〕

麻生国務大臣 これは、先ほど武正先生の御質問にもお答えをしたところなんですが、いわゆる金利とか為替というものに関しては、私の立場からしますと、これは市場に与える影響とか混乱とかいうのを招きかねませんので、これが適正ですとか、円はこれくらいであるべきですなどということは言わないというふうになっておりますので、今の質問に対しては、ちょっと答弁は差し控えさせていただくことになります。

山之内委員 ありがとうございます。

 そのような中で、長期国債金利が上昇する。財政健全化を目指す中では、当然、国債費も増加する。これは極めて厳しいし、これを将来の若い世代が引き継がなければならない現実であると思っております。国、地方を合わせれば、借金は一千百兆円になったと言われております。国だけの借金で九百九十一兆円。これで国債費も上がれば、当然、その利払いは極めて深刻なものになると思います。また、当然、アベノミクス、三本の矢と言われており、金融政策、財政政策、そして最後の成長戦略、規制緩和、こちらも重要になると思われます。

 その中で、麻生大臣は、こちらの財政健全化を目指す以上は、先ほどの答弁でもありました、実需、実体経済が動き、税収を上げなければならないと。こちらは私もそのとおりだと思っております。財政健全化をするには、この厳しいことに挑まなければならないと思います。つまり、金融機関の融資、個人資産、こういった投資を含め、その投資先の受け皿をつくらなければいけないと思っております。そして、実体として経済に効果がなければなりませんし、やはり肝となるのは成長戦略、規制緩和だと思います。この議論は今に始まったことではなくて、ある程度、昔からあることで、これらは言うはやすく行うは極めて厳しい問題であると思っております。

 これらの点、麻生大臣が先ほども言われましたが、重ねて、実需が重要だ、改めて実需を喚起する、このことについて答弁いただけますでしょうか。

麻生国務大臣 今回の三本の矢の中で、日銀の金融緩和、それから財政出動、三番目の経済成長という、我々は三つ同時にやろうというのがアベノミクスの、簡単にはその三つを同時に思い切って大胆にということになっているんです。

 これは、先生、一番大事なところは実需だと申し上げたのは、金をヘリコプターからまいたような感じでという話を昔よく言っていた偉い人がいっぱいいらっしゃって、いらっしゃってと、もう死んじゃったように言っているわけじゃなく、まだ生きておられますが、やったらどうなったかといえば、日銀が大量の金融を緩和しましたといって、二十五兆、三十兆、三十何兆までいきましたかな、あのとき。

 結果的にどうだったかといえば、ちょっと金融用語でいけば、日銀が幾らお金を払っても、それはマネタリーベースという、市中銀行の当座預金の中における日銀の当座預金がふえるんですが、この当座預金から、いわゆる民間が、個人が、例えば昔あった、埼玉銀行なら埼玉銀行からお金を二億引き出して、浦和で、大宮で、設備投資をやりますという実需が出て初めてマネタリーベースがマネーサプライに変わる。市中金融に金が動くわけです。これで初めて動き始める。個人で買ってもいい。

 ところが、長いことデフレーションというものが続いたために、きょう買わなくても、あした買えばもっと安くなっておるかもしれぬというデフレ期待があれば、それは人間は物は買わなくなるんですよ、あしたの方が安いんだから。きょうの大根百円より、あしたになったら大根が九十八円になると思えば、そっちへいきますから。来週になったら九十五円になるかもしらぬということになっている。

 そういう気持ちがある間、なかなかいきませんものですから、したがって、これを、物は上がるかもしらぬというように思っていただかぬ限りは、気持ちを切りかえていただくということのためには、インフレ期待というものを理解していただくためには、日本銀行が二年間ぐらいで二%の物価上昇をやりますと言われたことによって、これが本当かよと思えば、何となく、では、考えていた設備投資、今金利が安いし、今やろうかということになって初めて、日銀の当座預金として埼玉銀行が持っていた分から浦和の何とかという会社が二億円を引き出すということになってくる。誰々さんも、では私もうちを建てかえようかしらということになる。

 そういったようなものまでいって初めて民間の金が動き出す。民間の金が動いて初めてそこで雇用が生まれ、仕事が出、そして、当然のこととしてそれが消費にずっと結びついて好循環になっていって税収がふえるというところまで、ある程度タイムラグができることは覚悟しておかねばならぬところなんだと思っているんです。

 なるべくそのタイムラグが短い方がいいわけですけれども、ある程度のタイムラグは覚悟せないかぬのだと、私はそう思っておりますので、早いタイミングでここに来るように、実需が出るということのために、我々は、まずはGDP、国内総生産を上げるためには、個人消費と民間の設備投資と政府支出、大きくはこの三つですから、その三つのうち二つが全く動きませんので、政府として二番目の財政出動という形の仕事を出させていただいている。

 これによってまず工事が出てきますから。補修工事等々で、土地に行くのではなくて、今既にあるものの補修工事をやる、メンテナンスをやるというようなところに金がまず行く。それは地方の小さな企業に金が行くというところからスタートをしていかなければならぬと思ってスタートさせていただいております。

 今言われましたように、実需が出てくる、これが一番大事なところだ、私どももそう思っております。

山之内委員 ありがとうございます。

 実需が大事、特に、先ほど麻生大臣も言われたように、東京、大阪等、都市部はそれが極めて早くあらわれやすい、博多、鹿児島もまだ、そうだと思うんです。

 投資を喚起したいが、特に地方銀行、私ども鹿児島の地方銀行でございますが、新たな融資先を見つけるのは都市部と比べれば極めて厳しいと思います。例えば、大阪、東京、そういったところであれば成り立つ事業計画であっても、鹿児島では成り立たない。単純に、消費者の給与、人口、生産年齢人口が低ければ当然のことだと思います。

 また、平成十二年から平成二十二年の国勢調査では、東京は、この十年間で約百万人人口がふえております。百万人十年間でふえるということは、宮崎県の人口が百十万人ですので、宮崎県民が全員東京へ移動したようなもの。この流れは百四十年前から続く現象だと思っております。

 郷土の大先輩であり、麻生大臣の高祖であられる大久保利通公は中央集権をつくられましたが、その当時は国難のため力を結集する必要があったので中央集権、私は大きな意義があったと思います。ただ、では、このまま東京一極集中の日本の形が日本全体の国益にかなうかというと、私はそうではないと思っております。

 ただでさえ、世界地図を広げれば狭い国土である日本の中において、その国土を存分に生かす、そういったものでなければいけない、それぞれの地政学的メリットを生かさなければならないと思っております。特に、鹿児島であれば、東京、上海の間でございます。こういった地政学的メリット、特に九州、福岡もそうだと思います、こういった各地の特色を生かしながら存分に実需、実体経済を動かしていく、そこが一番重要であると思います。

 また、続きまして、今回の災害とその財政についてお伺いしたいと思います。

 私は、地元鹿児島の神社の神職でございます、神主でございます。古来、日本は、自然の恵みを享受しながら、自然に感謝し、また自然を畏怖してきました。その結果として、当然、自然崇拝である神道が生まれたのは言うまでもないと思います。稲作の収穫を喜び、新嘗祭を催行してまいりました。これは今は勤労感謝の日となっております。米がとれなければ、食べられなければ一族が滅びる、その中にあって、自然に対し、敬い、そして恐れるのは当然だったと思います。

 また、出雲の地方では、ヤマタノオロチ、こういった伝説もあります。これは、河川の氾濫が、八本の頭を持つ竜のように、その土地土地の人々の稲作を邪魔し阻害した、それに対して治水工事をもって対応されたのがスサノオノミコトという、この日本は古来より自然災害と向き合ってきたものと理解しております。

 その中で、私は現在災害特の理事をさせていただいていますが、今回、災害対策基本法の一部を改正する法律案が出ております。内容は、過去の教訓を生かし、将来の災害への対応に生かす内容になっていると思います。

 その中の一部、大災害からの復興に関する法律案があり、そこには、国は、大災害が発生した場合、特別の必要があると認めるときには、別に法律で定めるところにより、復興のための財政上の措置を速やかに講じるものとするとあります。

 つまり、これはプログラム規定であり、将来震災が起きた際、その時代の国民の理解を得られれば、政治家は復興支援のための財政出動もできる。ただ、逆を言えば、国の財政を揺るがし得る、例えばGDP比の半分だ、そういった災害が起きた際には、国民の理解が得られなければ復興もままならない。そのときの政治家は極めて厳しい判断を問われると思います。それであればなおさら、今、財政健全化をする。そういったリスクが世界一ある国と言っても過言ではないと思います。

 そのためにも、なるべく今の時点で、財政健全化を可能な限り、プライマリーバランスの黒字化も可能な限り進めて、その対応、リスクを受けて、当然、世界経済の混乱の引き金にもなりかねませんので、そういったものに対応しなければならないと思っております。

 この点に関して、麻生大臣、最後に一言お願いいたします。

麻生国務大臣 財政の柔軟性があるということは極めて重大なことなのであって、それがないと思い切っていろいろな対応が即時にしにくいというのは、もうおっしゃるとおりだと思います。

 幸いにして日本の場合は、国債費がこれだけ高くても、国債を発行しております自国の通貨のみで全て国債は消化されております。今九〇%ぐらいだと思います。一割ぐらいが外国人が買っている比率も、ちょっと月によって違うので、あろうと思いますが、その一割の外国人の日本の国債は、全て円で売買が行われておるということですので、日本の場合は他国とは少し条件が違っておるとは存じます。

 いずれにしても、財政がきちんとした形で健全化していないと、今言われたような、一旦緩急があったときにはなかなか対応が難しくなるというのは、もう御説のとおりなのであって、そういったことがないように、まずは景気をよくして税収をふやして財政を健全化してということは、我々としてはきちんと考えておかねばならぬ大事なことだ、私もそう思います。

金田委員長 時間が参りました。

山之内委員 では、以上で質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。

金田委員長 次に、桜内文城君。

桜内委員 日本維新の会の桜内文城です。

 本日は、国際的な取引に関する課税ということについて、やや技術的ではありますけれども、幾つか尋ねてまいります。

 まず、この委員会でも一度質疑させていただいたことがありますけれども、最近、インターネットの発達というのもありまして、いわゆる電子書籍ですとか音楽コンテンツのダウンロード、それから、最近では映画もダウンロードが可能となってきておりまして、その市場が大変拡大しておる、急拡大してきています。

 では、その場合、基本的に消費税がどうかかっていくのか、課税されていくのかといいますと、もし事業者が、例えば大手でいいますとアップルのアイチューンズという、大変世界的にも大きな音楽配信の会社がありますけれども、あるいはアマゾンですとか、グーグルというところも、今週の報道では定額の音楽が聞けるサービスを提供するということなんです。これはもちろん有料ですので取引が発生するわけですけれども、事業者が基本的に外国にありますと、消費税の課税の問題という意味でいえば、国外取引ということで、日本の消費税がかかってこないということになっております。

 一方で、日本にも似たような事業をやっている会社があるわけなんですけれども、その場合、日本国内の取引ということになりますので、消費税がかかってきます。もちろん日本の会社であったとしても、例えば楽天とかは、カナダのそういった書籍コンテンツなりの会社のシステムを買収して、基本的に事業はそこで行っているということでもあるわけですけれども、これから消費税が八%、そして一〇%に上がっていくというときに、消費者に対して小売価格といいますか、それが一〇%乗っているか乗っていないかというのは大変大きな競争力の差にもなってくるわけです。

 私が、たまたま娘の学校が一緒で、知り合いのそういった事業をやっていらっしゃる会社の社長さんがいるんですけれども、その方に聞きますと、本当に真剣に、日本から脱出して、本社機能、特に電子書籍なりのサーバー及び業務を外国に移管するしかないんじゃないかと、これは真剣に経営上の悩みとして抱えていらっしゃいます。

 ですので、これは問題が二つあると思います。日本の産業が空洞化してしまうんじゃないかというおそれ、それと、日本国内でこれだけの売り上げを上げていて、アマゾンの日本支社というか、日本の、これはアメリカの証券取引委員会へ提出した年次報告書の中で開示されたらしいんですけれども、七千三百億円も売り上げがあって、もちろんそれは物品とかも含む話なので、ダウンロードというのがどのぐらいあるかはまだわかりませんけれども、とにかく、市場を拡大していく中で、こういった格差ですとか課税の公平というのをどう確保していかれるおつもりなのか、お尋ねいたします。

山口副大臣 お答えをさせていただきます。

 前にも先生の方から同趣旨の御質問があったわけでございますが、今お話がありましたように、現在、我が国の消費税制度では、海外からのインターネット等を通じたサービスの提供等は国外取引というふうなことで整理をされておりますので、消費税は課されておりません。国境を越えたさまざまな取引が非常に活発化してきておるわけですが、そういった中で、消費税の課税のあり方をこの際しっかりやっていく、検討していくということは、本当に大事な課題であろうと認識をいたしております。

 消費税の課税のあり方を検討する際には、経済活動に対する中立性の確保、国内外の事業者の事務負担に与える影響、適正、公平な課税の確保など、幅広い観点から、実務の実態、国際的な議論の動向等も踏まえながら検討を行っていく必要があろうかと思っております。確かに、お話のとおり、消費税一〇%ともなりますと、決して無視のできないようなかなり大きな数字というふうになってまいりますので、しっかり検討していきたいと思っております。

桜内委員 もちろん、しっかりと検討していただきたいということで申し上げているんですが、もういよいよ来年の春にも八%に上がる予定といいますか、見込みでもあります。これは、やはり立法論としても対応を急ぐ必要があると思っております。もし、今この国会で仮に外国の事業者を登録制にするとか、消費税のためだけというわけじゃないですけれども、EU型といいますか、そういった立法論も含めて考えていくとすれば、本来であれば、今国会中にしっかりともう条文化した法案を提出されるべきであったと私は考えております。そこは、ちょっと対応が遅過ぎるのではないかということを指摘しておきます。

 今後の方向性について、しっかりと検討するとはおっしゃいましたけれども、何か、具体的な方向性とか、お考えになっているものはありますでしょうか。

麻生国務大臣 これは、桜内先生、日本の話をされましたけれども、問題は、海外の方がよほど深刻なんですよ。アマゾン・ドット・コムとか言われましたけれども、スターバックスにしても何にしても、みんなそうですから。一番の問題は、税金が日本に入っていないという話じゃないんですよ。どこにも入っていない。そこが問題なんですよ。しかも、それは合法的。これは、脱税だというなら、やり方がありますよ。合法的にできているというのは、明らかに各国の財務大臣に責任があるんじゃないかと。これが、OECDで、私ども、日本が出した提案です。

 これに対して、ドイツとかイギリスがぼっとそれに乗ってきて、これは検討することになったんですが、もう一つ問題がある。それは、こういうのがまかり通ると、払っている方がばからしくなってくるんですよ。何だ、これと。俺も、じゃあということになって、やれ、いろいろな、有名なケイマン諸島だ何だとかいろいろなのが出てきますけれども、そういったところに行くことになると、これは、もともとはヨーロッパでスタートしているのだから、そこらのところの、この間のキプロスの話にしても、みんな同じじゃないか、そっちで何とかするのが当たり前じゃないかということになって、わんわん、この間の五月の会議では、それが非常に大きな議題になりました。

 それで、これは、今までは言っても乗ってこなかったんです。これは一国だけではできませんので、こういったようなことをきちんとやっていくというのが大事なので。ただ、その人たちが納めている、幾ら納めているんだか知りませんが、その何とか諸島において、入っているお金がなくなることになりますから、それはいろいろな意味の問題は起きました、その点に関しては。しかし、払うべきものはきちんとどこかで払うというところが一番肝心なルールのつくり方かなと、私どもはそう思って、これは、スタートをするのが、この間のG7でやっと議題に上がって、みんなでという話になりつつあるというところまで来ております。

桜内委員 ありがとうございます。ぜひ、そのG7、それからOECDの租税委員会等ありますので、そういった場で。これは日本一国がやってどうこうなるものじゃないというのは、まさに大臣がおっしゃるとおりでありますので、ある種、税というのは国家主権にもかかわる問題ではありますけれども、まさに国際的にしっかりとした制度設計をしていく必要があろうと思っております。

 最初の問題に戻りますと、今、消費税につきましては、来年から八%になるですとか、そういった方向性になっておりますので、こちらはもっと早目に、一歩進めて、ぜひ立法の具体案の検討というのを財務省としても進めていただきたいということを要望しておきます。

 その関係ではありますけれども、消費税の課税というのが輸入貨物に対してかかることになっておるわけですけれども、これはちゃんとしっかりと捕捉できているのかということであります。

 今、結構小口の、通販ですとか、外国から買う場合があります。実は、私が今手にしておりますこのカシオの時計ですけれども、これは、日本製といいますか、カシオなんですけれども外国で生産して、外国でしか売っていないみたいなものがあったりしまして、それは通販で買うわけですけれども、消費税が輸入貨物としてしっかりと課税されているのか。どうもそうじゃない部分もあるんじゃないのかなという疑念を感じるところがないわけじゃないんですけれども。

 その辺、これは関税局の話になるわけですけれども、税関でもってしっかりと把握して課税していくということなんですけれども、どの程度ちゃんと捕捉できているのか。もちろん、捕捉できたもののみが数字として上がってくるわけですので、捕捉できていないのが幾らあるのかというのは、なかなかこれは把握もできていないでしょうけれども、どんな感じで実際のところを執行されているのかというところを御説明いただけますでしょうか。

後藤政府参考人 お答えいたします。

 我が国の場合、個人の電子商取引によるものであれ、日本に到着した貨物は、保税地域に搬入された後に税関に輸入申告が行われまして、関税、消費税等が納付された後に輸入許可を行うこととしております。

 また、一部の国際郵便貨物につきましては、国際郵便局に搬入された後に、税関の職員が税関で、関税、消費税等を賦課決定いたしまして、当該郵便物の名宛て人に交付する際に、関税、消費税を徴収するということとしております。

 このように、輸入貨物に対する関税、消費税は適正に徴収しているところでございまして、今後とも、引き続きしっかりと取り組んでいきたいと思っております。

桜内委員 ありがとうございます。

 これは、関税局といいますか、本当に大事な部分だと思います。ただ、これから、どんどん小口のものですとかもふえてくるでしょうし、なかなか全てを把握するというのも大変かとは思うんですけれども、しっかりと取り組んでいただきたいと考えております。

 今まで消費税についてお伺いしてきたんですけれども、次は、国際的な取引に関する所得課税についてお尋ねをいたします。

 私自身、国際租税課で係長をやったこともあるんですけれども、本当にややこしい世界でありまして、今度、租税条約も国会に出てくるそうですけれども。その中で、所得の帰属をどう判定するかという要件としまして、PEとよく言われます恒久的施設、パーマネントエスタブリッシュメントというのが概念としてあるわけですけれども、これが、電子商取引なりが発達してきた場合、その認定というものがやはり時代にそぐわなくなってきているところがあろうかと思います。

 日米租税条約を例えば引用しますと、PEというのは、「事業を行う一定の場所であって企業がその事業の全部又は一部を行っている場所」というふうにあるんですが、これまた電子商取引で、例えばAmazon.co.jpという、日本の支社みたいなものですか、あるわけですけれども、マーケティングとか実際の取引というのはインターネットのウエブ上で行いますので、取引自体、先ほどの消費税の問題と同じようなことが起こるわけです。

 アマゾンの場合、実際の日本での売り上げが七千三百億円あるわけですよ。これは日本の当局というよりも、アメリカの証券取引委員会へ提出した年次報告書で開示されたものだそうなんですけれども、日本では、売り上げの規模すら実はちゃんと把握もできていなかったりするわけです。

 しかし、日本国内で七千三百億円も売り上げのある企業に対して、もちろん執行上、個別企業についてはお話しできないとは思いますけれども、報道によれば、日本に事業所得としての課税がなされていないんじゃないかと。何となれば、日本にもちろん配送センターという大変大きなものをつくっているそうなんですけれども、それが単なる物品の保管ですとかをしている場所にしか当たらないからという法解釈、この租税条約の恒久的施設の法解釈によるとは聞きますが、これはやはり、物品の販売といいますかが基本の会社で、七千三百億円もある会社もある。

 また一方で、これはアメリカの企業ですけれども、グーグルというところは、課税関係はよく知りませんけれども、広告という、物品じゃないものの売り上げが、またこれはたくさんあるわけですよ。この場合、もちろん事業所得自体は、本来、上がっているはずなんですね。日本円での売り上げというのがもちろんあるわけで、日本にカスタマーがたくさんいて、顧客がいて、その売り上げがこれだけの規模であるけれども、物品の場合ですらPEがないじゃないかという議論になっているし、インターネット上の広告というサービスの売り上げについては、全く恒久的施設でありようがないわけですよ。

 こういったものについて、そろそろ事業所得課税、特に国際的な事業所得課税のあり方について、まずそのPEのあり方を考え直す、あるいは、ショバ代と言ったら言い方は悪いんですけれども、日本でこれだけ稼いでいるのであれば、売り上げが上がっているのであれば、何らかの外形標準課税をすべきではないかなとも思ったりもするんですけれども、その辺、財務省として何らかの検討は行われているんでしょうか。もし検討されているのであれば、その内容、方向性について、お教えいただければと思います。

山口副大臣 今、種々御指摘をいただきましたが、もう御案内のとおりで、恒久的施設という話でありますが、これを持たない外国法人の事業所得については、外国法人の居住地国で課税すべきものというふうなことになっておりまして、所得の源泉地国として日本は課税をしないというふうなことにはなっておるわけでありますが、お話しのように、グローバル化した経済環境のもとでのこうした外国企業に対する国際的な課税ルールのあり方、これにつきましては、外国法人の居住地国と所得の源泉地国による二重課税をどう調整すべきかというふうな観点も含めて、OECD租税委員会等の国際機関におきまして、今、議論をされておるというふうなところであります。私どもも、そういった議論を踏まえて、国際的なルールに沿って、外国企業に対する適正な課税の確保に努めていきたいと思っております。

 若干これもお話がありましたが、このOECDモデルの租税条約におきましては、ウエブサイトのみでは恒久的施設とはなり得ないというふうなことになっておりまして、ではサーバーはどうだと。サーバーにつきましても、それが契約の締結などの事業の中核的機能を担っておる場合においてのみ恒久的施設になるというふうにはされておるところでございます。

桜内委員 そろそろ時間ですので、最後にいたしますけれども、今御指摘いただいたように、OECDの租税委員会、そもそも二重課税の排除といいますか、それを目的にずっともう何十年も議論をし続けてきているわけですけれども、先ほど麻生大臣が御指摘されましたように、二重課税の排除どころか、今やどこにも税金を払わないというところ、そういったグローバル企業に対してどう対応するのかというのは、本当にこれはOECDのみならず、G7、あるいはG7だけでも足りないかもしれません。

 とにかく、これは国家主権にもかかわる問題でもあり、そしてまた、ビジネスの世界でいえば、日本国内でこれだけの売り上げが上がっている企業が実際存在していながら、日本国内において税金を一円も払っていない、こんなことがあっていいのかというのが、やはり根底にはあるかと思います。なかなか難しい問題というのは私も十分承知してはおりますけれども、まさに立法府であります国会において、新しい国際課税あるいは国際的な取引に関する課税のあり方というものも、ぜひ今後一緒に議論させていただきたいと思っております。

 もちろん、財務省、これまでの経験の中で、各国の状況、あるいは、どれだけ問題が生じているのかというのも多数把握されていると思いますので、ぜひそういった基礎資料もこれから開示していただいて、私も個別にレクとかお願いすることもあるかとはありますが……

金田委員長 時間が参りました。

桜内委員 はい。

 ぜひ、この場で建設的な議論をさせていただきたいと思います。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

金田委員長 次に、小池政就君。

小池(政)委員 みんなの党の小池政就です。問題になっていない方の政党の、みんなの党の小池政就です。

 今回、当委員会では八回目の質問をさせていただきます。また、きょうは三十分時間をいただきましたので、きのうの審査会では大変短い時間の中、御答弁いただきましたけれども、きょうはいつもどおりで、どうぞよろしくお願いいたします。

 きのうの消費税の転嫁法に関しての審査の中でも、大臣から少し気になった答弁をいただきましたのでちょっと触れさせていただきますと、消費者というのは意外と頭脳明晰という言葉を最後にいただいたんですが、今回の転嫁法案というのは、一方で事業者もかなり頭脳明晰というような前提から、やはり今回の法案の表示義務の実効性等について、しっかりとこれは確認していかなければならない、それが実行されるようにしていかなければならないというような姿勢が必要であると感じております。

 また、大臣からは、短い時間の中で、表示の仕方を含めて、増税が売り上げに与える影響というものも考えておかないかぬというような答弁をいただきまして、その前にも、たしか古本委員の質疑の中にもありましたけれども、増税して税収が下がったら意味がないということもおっしゃっておりました。

 おっしゃるように、きのう紹介できなかったんですが、中小のアンケートの中にも、今回、転嫁が非常に難しいというような回答の中で、これは各地の中小企業家同友会が調べているんですけれども、売り上げ、収益が悪化することを見込んで転嫁できないというような回答が非常に多くて、京都でありますと、回答の七割がそのような回答であったということであります。

 これは、表示方法をどうするかということだけではなくて、やはり景気が冷え込まないようにするということが非常に大事だと思います。そのような点でも、やはり景気の腰折れをさせないような形で来年の増税ということをぜひ再考していただきたいと思います。

 きょうは、私も子育て世代、また若年世代の代表といたしまして、これからの景気の持続性、また、もう少し中長期的に、もっと日本の大事な問題であります少子化対策等に関係があります私たち世代への財政や経済面での方針、取り組みについてお伺いをさせていただきたいと思います。

 今回、当委員会でも審議がありましたように、税制改革が行われましたけれども、そちらの中には、教育資金を高齢者から孫の世代に出す場合の相続税の優遇というものが盛り込まれました。

 ただ、全体として、政権が、子育て世代、若年世代に対してどのような形で財政もしくは税制面で取り組まれているのかということが少し見えなかったものですから、大臣から、その方針について所見をお伺いしたいと思います。

麻生国務大臣 これは、小池先生、基本的に、今まではやはり、若年者、高齢者といえば高齢者の方に配慮がずっと多く偏っていた、どれくらいのバランスかと言われると、ちょっといろいろ表現は違うでしょうけれども。若い人に言わせれば、一対九だと言う人もいるし、高齢者に言わせれば、いや、そんなことはないですよ、五対五ぐらいなものですと、いろいろ人によって主観的に違いますので何とも言いようがないんです。ただ、我々から見ますと、やはり高齢者の方に寄っている部分というのはかなり多かったろうという感じは、私も率直に実感します。

 しかし、いずれにしても、御指摘のように、民主党の政権下でも、年少扶養控除だったかな、何かそういうのを廃止された一方で子ども手当を導入されるとか、いろいろ各党苦労をしておられる。選挙をやっていれば、大体、そういった意見というのが出てくるのは、しょっちゅう聞きますので、これは、各党皆話をされて、三党合意で新たな児童手当というのを改正しているのは御存じのとおりであって、負担になっております世代のところに関しまして、いろいろな形で、税金をとか予算をとかいうことになっております。

 昨年三月に改正をされた児童手当法の附則においても、児童手当の支給とか扶養控除の廃止による影響を踏まえて、そのあり方を含めて検討を行い、必要な手当てを講ずる旨の規定がされておりますのは御存じのとおり。

 また、少子化が進展していく中にあって、世代間に格差がついて、高齢者に手当てが厚過ぎる等々のさまざまな意見があっておりますので、今回の社会保障と税の一体改革の中におきましても、世代を通じて幅広い国民が負担を、消費税の税率等々のところに関して、引き上げることによってある程度高齢者の方が負担する比率は若い人に比べればふえるわけですから、そういった意味では、消費税を引き上げることによって社会保障の安定財源を確保すると同時に、将来世代に対して負担を先送りするというようなことをある程度改善する、抑制する必要があるということなんだと思っております。

 また、取る方じゃなくて、給付の方でいきますと、消費税の引き上げによって得られます財源から〇・七兆円程度のものは保育の量的拡大による待機児童の解消に充てるなど、若い世代への支援をすることとされております。

 こうした改革を通じまして、今御指摘のありました世代間の格差などの是正が、少しは改善するんだと思っておりますが、引き続き、いわゆる受益と負担のバランスというんでしょうか、そういった均衡がとれた持続可能な制度というものを今後構築していかないと、さらにこうなってくるということになろうと思いますので、すごく大事なところなんだと思っております。

 何となく、長生きするのが悪いというようなイメージになってくるのは最も避けにゃならぬと思っています。若い人が生まれないのが問題なのであって、長生きするのが悪いかのごとき話にされると、高齢者の人にしてみれば、それはなかなか納得しがたいところだろう、私はそう思います。

 ぜひ、そういった意味では、どういった形というのは、これはいろいろ御意見のあろうところかと思いますけれども、そういった若い人に対する配慮というのは、与野党、それぞれの理解がかなり得られつつあるのかな、私どもはそう思って理解をいたしております。

小池(政)委員 ぜひ前向きな取り組みをお願いいたしたいと思います。

 きょう、お手元に資料を配らせていただいております。子育て世代が、今現状、非常に厳しい状況にあるということをお示しさせていただきたいと思います。

 まず、可処分所得の方では、二十代から四十代までの二〇〇一年以降の推移というものを示しておりますけれども、この十年以上、なかなか可処分所得は上がっていない。むしろ、年代によっては少し減少傾向も見られるという状況であります。

 一方で、今大臣も触れられましたけれども、日本の場合は非常に公的支援が少ないということが挙げられます。

 先ほどは主観という話でありましたけれども、実際、高齢世代と比べてみますと、二〇一一年の数字になりますと、子育て世代関係の社会支出というものは約五兆円。一方で、こちらは二〇〇九年のデータなんですけれども、高齢者への支出というものが約六十八兆円ということで、十倍以上開きがあります。

 また、海外と比較しましても、日本は、家族関係の社会支出の対GDP比で見ますと約〇・八%ということで、イギリスやスウェーデンなどに比べましても四分の一ということで、これも子ども・子育て白書等から持ってきていますけれども、やはり海外と比べても非常に少ないという現状であります。

 これは、高齢者もしくは子供たち、どっちかをとるとかいう話ではなくて、実際、現状としまして、子育て世代は、支出は多い一方でなかなか収入を上げることができないということをぜひ知っていただきたい。子育てに手間がかかっている中で、働きたくても、特に都市部とかでありますと、保育園が足りずに困っているという事例も報道されております。

 また、今回、この四月から、少子化のために、子供が欲しいという形で不妊治療をされている方々への助成も削られております。かつ、今厚生労働省の方では、その所管の委員会というか外部の委員ですけれども、そちらの方で、これから不妊治療については年齢制限も加えて、助成金は年齢で三十九歳までにしたらどうか、そういう議論もされているということを伺っておりまして、今、子育て世代かつ少子化に対する対策というのは、なかなか積極的に見えないなということを考えております。

 これにさらに、先ほどのお手元の資料の裏側になりますけれども、これは雑誌の表を持ってきたんですが、二〇一一年から、今は二〇一三年ですから、今後また、この数年間、社会保障、それから税金等が家計に与える影響として、こういう項目がどんどん積み重なっているよということを示しております。

 収入も上がらないし、これから負担も上がっていく、かつ、短期的には物価も上がっていくということが想定されております。この状況の中で、今、政権が何とか少しでも給与を上げようじゃないかということに取り組んでおりますけれども、少しの給与増ではなかなかきくことがないというのが現状だと思います。

 これにつきまして、大臣、どう思われますでしょうか。

麻生国務大臣 これは、今言われたように、週刊東洋経済、今初めて見た資料なので何ともお答えしようがありませんけれども、これにあわせて、今後景気がよくなるということによって所得もふえるという意味で、その分はある程度考えないといかぬところだと思っております。

 したがって、今最大の問題は、景気がよくなるということでGDPがふえるということは、間違いなく、消費がふえるか、設備投資がふえるか、政府支出がふえるか、この三つ。まあ、それ以外にも小さいのがありますけれども、基本的にこの三つですから、この三つの中で一番大きな消費という部分が約六割ぐらいになりますので、この部分がふえるためには、所得、賃金、給与がふえない限りはここはふえてきません。

 幸いにして、デフレのせいも一部あったんだと思いますが、企業は、借金の返済を優先、すなわち、経済用語でいえば利益の最大化をやめて債務の最小化を図ったというのがこの十数年の経営だったと思います。その債務の最小化で借金返しをやった結果、企業の自己資本比率は物すごい勢いで上がって、もうリーマン・ショック前のアメリカどころの騒ぎじゃない、日本の方もはるかに自己資本比率の高い会社が、日経上場企業、約四〇%を超えるほどになってきております。実質、無借金経営みたいな形になっております。

 そういった会社が、基本的に、今後景気がよくなるのに合わせて、まず、賃金を払ってくれと。労働分配率がこれだけ下がっているではないか、昔に比べて労働分配率がこれだけ下がっているのはほかにない。アメリカやら何やらと比べても、ほかのヨーロッパ諸国に比べても、日本の労働分配率はこの十五年間で間違いなく下がっています。

 そういう意味では、これをまず上げてもらいたいというのが率直な私どもの希望で、これは私らが経営者にお願いするんじゃなくて、本来だったら連合がやるべき仕事だと思いますけれども、連合はどんな仕事をされているんだか知りませんけれども、私らがその仕事をしたわけです。選挙は民主党、賃上げは自民党というのはちょっとおかしいんじゃないかな、やりながらもそう思いましたよ、私らとしては。みんなが思っていますよ、私みたいに正直に言わないだけで。みんな思っているんだろうけれども、私らは率直にそう思いつつ申し上げました。

 結果として、このボーナスでは、少なくとも、ベアではなくて一時金ではありますけれども、かなりの会社が大きく上げていただけるということになったので、お隣に座っている古本さんのところなんというのは、たしか五カ月プラス三十万、大したものですよ。それが出ることになった、トヨタは。円安のおかげでとかこの間言っておられましたけれども。いろいろなところにみんな出てきています。

 そういったものが出てこないと、今言われたこの資料は、言われたとおりになったらこれは真っ暗な話になるので、そこらのところが景気の上昇と一番関係する最も大事なところなので、私は、今、経済成長というのをしつこく申し上げているんですが、経済成長をしてよくなってもため込まれるだけだったら意味がありませんから、ちゃんと使っていただかないとというところを我々がしつこく申し上げているところでもあります。

小池(政)委員 うちは連合とは全く関係がないので話を聞いたことがないんですけれども、確かに、所得を上げていくというような方針も大事だと思います。

 先ほどの大臣の答弁とちょっと重複してしまうかもしれませんが、もう少し具体的にお聞かせいただきます。

 先ほども大臣がちょっと触れました、民主党政権時代の取り組みとしまして、控除から給付という流れの一環として、子ども手当創設に関連して扶養控除が廃止となりました。また、高校無償化に関連して特定扶養控除の上乗せ部分が廃止となりました。

 これが政権交代されまして児童手当になりましたが、前政権が公約した額にはまだ届いておりません。また、高校無償化については、所得制限を入れるということで考えていらっしゃるようですが、また、これに関しても、さきに行われました予算委員会におきまして、安倍総理、また麻生大臣は、高校無償化は来年以降見直しを行うということも考えていらっしゃるようです。

 今まで、控除だけが先じてすぱっと削られてしまいまして、それに対しての給付というものがしっかりそれに見合う形でなされない状況の中、実質的には負担がふえているというのが子育て世代、また若年世代の現状なんですけれども、それでは、これについて、今の現政権が、そのままそのような方針でいくのか、もしくは給付を拡充するのか、もしくは控除制度を復活するのかという点について、具体的に方針をお聞かせいただけたらと思います。

麻生国務大臣 これは、昨年の三月に成立した改正児童手当法の附則においては、児童手当の支給や扶養控除の廃止による影響を踏まえつつ、そのあり方を含めて検討を行い、必要な手当てを講ずる旨の規定が設けられておりますのは御存じのとおりなんですが、子育て世代に対する財政上の施策ということにつきましては、これは検討をするということで、今、経緯を踏まえてこれは検討していかないかぬところなんですが、考え方がいろいろあります、どうせ高校を無償化するなら給食の方を無料にしろとか、意見は物すごくたくさんあるんです。

 したがいまして、そういった意味で、どれが一番適切なのかということにつきましては、これはさらに各党でいろいろ御意見を交換していかないかぬところなんだと思います。

 いずれにしても、若年層とか子育て世代とかいろいろな表現があるんでしょうけれども、若い人たちの方に向かってかなりの部分がシフトしていくべきではないかというのが大きな意見として、かつての高齢者に偏った部分がかなりこっちの方に出てきているのかなというのが、私どもが伺っている範囲では率直な実感であります。

小池(政)委員 その際に、例えば、今回行われた税制改正等におきましても、住宅ローン減税というものがありました。確かに、全世代を通じて日本の持ち家比率は六〇%ほどではあるんですが、例えば平成二十年の総務省の住宅・土地統計調査というものを見ますと、子育て世代の多い二十代、三十代にかけては大変低いんですね。二十代後半ですと一一・五%、三十代前半でも二九・八%と、非常に低くてなかなかその恩恵が受けられていない。

 確かに、住宅建設というのは波及効果が大きいということから、ローン控除をして建設を促進するという理屈だとは思うんですが、おっしゃられた子育て世代を応援するという観点から、例えば、今、若年世代については賃貸がかなり多いんです。企業も決して持ち家を推奨しているわけではなくて、賃貸に対しても住宅手当というものを出しています。

 そういうような観点での取り組みも大事だと思いますし、また、これは少子化とか中長期的な話だけではなくて、子育て世代とか若年世代というのは実は非常に消費意欲が高くて、それが抑えられている世代でもあるんですね。だからこそ、それを少しでも緩和することによって消費が短期的にも上回ることに対して貢献できるという方針にもなると思いますし、また、当然、中長期的にこれからの実体経済の強化にもつながっていくということで、非常に重要な観点だと思います。

 大臣がきのうの合同審査会の中で、消費者の感性というお言葉を使われましたけれども、この世代の消費者の感性というのは非常に強いと思うんです。今どのような現状にあって、自分たちの負担がこれからどうなるかということを考えながら、消費に対して非常に感性鋭く考えておりますので、税制それから財政面での取り組み等において、今まで格差があった取り組みについてもぜひ是正していただけるようにお願いさせていただきたいと思います。

 今回の、高齢層が孫に対して教育資金というものを与えることによる優遇策というのもありますけれども、これも、あくまで子供とか孫があっての方針になりますので、その点についても、やはりまず子育て世代とか若年世代とかいうことも考えていただきたいと思います。

 その中で、ちょっと安倍内閣の子育て世代応援策というものを調べさせていただいたんですが、四月一日に子ども・子育て会議の設置、それから五月五日に女性手帳配布の方針検討ということが挙げられていまして、なかなか実態が伴った方針というのがまだ、案の段階でもちょっと見受けられない。これまで、補正とかまた本予算ではかなり大きな額を公共事業に費やしている一方で、そういうソフトな、特に次世代に対する方針というのがまだまだ不十分ではないかと思っているんですけれども、ぜひ前向きな取り組みをお願いさせていただきたいものと思いますし、大臣から、そのような方針をお聞かせいただきたいと思います。

麻生国務大臣 これは、小池先生御存じのように、何といっても、この内閣が予算編成を開始したのが一月です。内閣ができたのが十二月の二十何日。大体そのころは、ふだんですともう予算も終わっているという時期に内閣がスタートということになりましたので、今回の場合は通常に比べて大幅に、予算の編成はもちろんのこと、成立もおくれております。

 かなり短期間でばあっとやって、デフレ不況からの脱却を優先順位の一番に挙げましたので、その意味では、なかなか、今言われたように、とにかく、土地代に金が行っちゃうとか地主に金が行っちゃうとかいうことではなくて、まずはメンテナンスという方を、先ほど出ましたけれども、そういったところをきちんとやっていこうじゃないかということからスタートをさせていただいております。

 したがって、今言われたような点については、まだ配慮ができていないではないかと言われれば、それを真っ向から否定するつもりはありませんが、私どもとしても基本的に、今言われたような点は考えないかぬところなんです。

 問題は、若い人は発信しないんですよ、何しろと。小池さんみたいにべちゃべちゃ言わぬのです、みんな、黙って。子育てに忙しいから。年寄りは、子供も孫もみんなもう育っちゃっているものだから、ここはと思って政治家をつかまえてわあっと言われますし、選挙も手伝ってくれるから、何となくこっちも耳をそっちにとられるんですけれども、若い人は、街頭で訴えてもまず話は聞いてくれませんし、おっさんが入っていったら、おっさん何やというようなもので、全然話にもならぬということになります。

 やはりコミュニケーションとかインフォメーションの絶対量が不足してくるんだと思っておりますので、インターネットとかいろいろなものがこれからツールとして、道具として出てくるんだと思いますけれども、ぜひそこらのところが今後政治の面で、政策の面で生かされるように、私らも耳をあけておかないかぬ、目を開いておかないかぬというのが一番大事なところだと思います。

 今言われたような、可処分所得がというのは確かなところなので、今回は、高齢者から相続するに当たって、九十で亡くなるおばあさんが七十の息子に金を渡したって、息子は使わずまたそれを貯金するだけで意味がないでしょうがという話から、もうちょっと飛ばしてという話を申し上げて、結果として、信託会社やら何やらがあっという間にそれを随分いろいろな形で利用されて、教育費に払わなくてよくなった分だけ両親の消費に回る、そっちの意味での可処分所得がふえることにはなりましたけれども、あれは一つの例なのであって、またいろいろなアイデアがあればぜひ私どもも聞かせていただければと存じます。

小池(政)委員 おっしゃるとおり、若年層は非常に投票率が低くて政治参加がなかなか促せていないということに対して、実はうちの政党は割とそういう世代からの支援はありまして、ただ、彼らが投票をしてくれないので議席数も余りふえていないんですけれども、そういう声をぜひ届けさせていただきたいと思いますし、麻生大臣も、そういう世代の、一部の地域からは非常に人気があると思いますので、またそういう声もぜひお聞かせいただけたらと思います。

 時間が迫ってきましたので、最後に、それでは、若年層、子育て世代だけではなくて、もう少し幅広い低所得者に対する対策、特に、来年予定されている増税ということに関してですけれども、今回、転嫁法案に関しましても、増税を前提としているということは、私たちは決して、なかなかそれを認めることはできないんですが、それに関しましても、一方で、やはりそれに対しての取り組みとか法案がどんどん進んでしまいますので、しっかりと私たちもそれについては意見を述べさせていただきたいと思っております。

 低所得者対策につきましては、現在、自民党また公明党さんあわせて、与党の中では、一〇%に引き上がる際には軽減税率というものを考慮しているということを拝見しておりますけれども、ただ、一方で、麻生大臣は、軽減税率につきもののインボイスにつきましては、非常に手間がかかりますし、また、今回の合同審査会でもありましたように、手間の問題だけじゃなくて、免税事業者が受ける被害というのも非常に高いんじゃないかというような意見もあったりして、なかなかその軽減税率導入に対する現状というか、環境というのは整っていないように思えるんですが、その点に関してと、ちょっと時間がないので、それでは、給付つき税額控除につきましてはどう思われるかということについてお聞かせください。

金田委員長 時間が参りましたので、答弁は簡潔にお願いを申し上げます。

麻生国務大臣 最も長く時間が要りそうなのが一番短くなりましたので。

 低所得者対策につきまして、給付つき税額控除というものが複数税率とともに検討をされているというのが今の実態なんですが、私的には、簡素な給付措置を実施することということがこれには書いてあるので、これは、いずれにしても、三党で協議を行うということになっておりますので、御意見を伺いつつ、三党もなかなか御意見が分かれているように見えますので、私どもから見ますと、正直申し上げて、軽減税率というのは、何を仕分けするか、どこで区切るか。そして、手間暇から考えたら、中小の人にとっては、こんなものをやっていられるかというほど面倒くさいことになりかねぬのではないかなという感じだけはいろいろ受けますので、そういったところも十分に検討しながら対応させていかねばならぬと思っております。

小池(政)委員 ありがとうございました。

金田委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 私は、この間、十年前ぐらいから、障害者、高齢者にとって利用しやすい金融機関にどうしていくのかと、金融のバリアフリー問題を取り上げてまいりました。この間、前進した面もありますけれども、まだまだ課題も多いというのが現状だと思っております。

 障害者基本法の「目的」には、「全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのつとり、全ての国民が、障害の有無によつて分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するため、」と、この第一条で定められております。

 そこで、きょうは、貨幣の改善と金融機関の対応についてただしたいと思います。

 言うまでもなく、生活する上で、お金を正しく数えられるというのは、これは絶対に必要でございます。現代の社会において、金融機関を使わずに社会生活を送れるかというと、なかなかそうはいかない。

 まず、麻生大臣に、基本的姿勢ですけれども、障害者、高齢者に優しく、誰でも利用しやすい、金融のバリアフリー化を進めることは大事だと思いますが、どのようなお考えをお持ちか、お聞きしたいと思います。

麻生国務大臣 これは、前々から話題になっていた話ではありますが、特に視覚障害者の方にとっては極めて大きな問題だと思っております。視覚障害がなくても、だんだん目が荒れてくると、五千円と一万円と区別がつかなくなったり、いろいろします。国によっては、大きさを全部変えたりしているところもありますし、アメリカみたいに一律全部同じというところもあり、実にいろいろなんです。

 今年の四月の二十六日、財務省と日本銀行及び独立行政法人国立印刷局におきまして、日本銀行券が、視覚障害者、目の不自由な方々にとっても使いやすいようなものにするような具体的な取り組みを発表しております。

 現在の五千円券、樋口一葉の載っかった分ですけれども、あれのホログラムのところを拡大するとか、それから、携帯電話で当てると五千円ですとか千円ですとかいうような、いわゆる券種の識別アプリというものをくっつけるとか、また、券種の識別機器の開発で、すごく小さなものなんですけれども、こういったものを載っけると二千円とか五千円とか教えてくれる、そういった三つの具体的な取り組みに向けて、早期に実験を開始するということで、今既に着手をさせております。

 また、将来のこういった印刷に向けまして、目下、関係者から意見の徴収を行っているというのが現状でございます。

佐々木(憲)委員 私は、一歩前進だと思っております。

 当面の取り組みとして、今紹介のありました、五千円札の改良を挙げられましたけれども、ホログラムの、つるつるしている透明シールを大きくするということなんですけれども、なぜ五千円札に着目したのか。この点について、これは副大臣に、もしよければお答えいただきたい。

山口副大臣 佐々木先生のツイッターも拝見をいたしました。

 今お話しの五千円札でありますが、これは、視覚障害、目の不自由な皆様方から、横幅が中間的なサイズでございます五千円券について特に識別がしにくいというふうなお声があったということを考慮させていただきました。

 目の不自由な方から出ておる触感の改善要望に対しまして、ATM等の現金取り扱い機器への影響を最小としつつ、できる限り早期に応えるには、五千円券のホログラムの大きさ、形状を変更することが望ましいというふうに考えた次第でございます。

佐々木(憲)委員 五千円札に着目したのは、一番間違えやすい券種だということだと。

 そこで、資料をちょっと見ていただきたいんですけれども、現在有効な紙幣、二十二種類あるそうですけれども、そのうち七種類を示しております。

 サイズを見ていただきますと、横の長さが、二千円札が百五十四ミリであります。旧五千円札は百五十五ミリ。五千円札は百五十六ミリなんですね。これはそれぞれ横幅がたった一ミリしか違わないんですよ。以前にこの識別問題を取り上げたときにも言いましたけれども、この一ミリの違いを手で触って識別しなさいというのはほとんど不可能であります。

 それから、ホログラムも、わかりにくいというのが障害者の皆さんの声で、例えば、何回か折りますと区別がつかなくなる。それから、流通して古くなると、なおさらわからなくなる。それと、中途失明者あるいは糖尿病などで手の感覚が敏感でない方は、非常に判別が難しい。

 ホログラムだけではなくて、インクの盛りで識別できるというようなことも工夫をされているようですけれども、これもやはり同じような問題があるんですね。

 これはやはりさらに改善が必要だと思いますけれども、副大臣はどのような感想をお持ちですか。

山口副大臣 ホログラムについてでございますが、これは、現在使用しておるインクの盛り上げによる識別マークよりも摩耗はしにくいというふうなことはあるわけでありますが、同時に、今回の改良というのは、佐々木先生の強い御要望もございましたので、早期にともかく実施できるようにということになりますと、既存のATM等への影響を最小限にしなきゃならぬというふうな事情もございまして、触感を改善する方策というふうなことにしたわけでございます。

 しかしながら、さらなる識別性の改善の方策ということも御指摘がございます。将来の改刷に向けた課題であろうというふうに考えております。

佐々木(憲)委員 さらに、二つ目の、スマホ対応のアプリの開発ですね。財務省にお聞きしますと、今回対応するのはアイフォンということなんですけれども、どれだけの視覚障害者の方がアイフォンを使っているか、その他のスマートフォンを利用しているか、これはどの程度だと思われますか。

山口副大臣 御指摘のとおり、今回アイフォンということでありますが、全ての目の不自由な方々を対象として携帯電話の保有状況に関する調査というのは行われておりません。具体的な保有状況については、申し上げるということは非常に困難ではありますが、総務省が昨年六月に公表した調査がございますが、これによりますと、目の不自由な方々の携帯電話利用者におけるスマートフォンの利用というのは一〇%弱というふうに承知をいたしております。

佐々木(憲)委員 スマートフォンが一〇%弱であると。その中で、今回の対象はそのまた一部なんですね。

 ATMの問題でも私は取り上げたんですけれども、そもそも視覚障害者の方々は、タッチパネルの利用が困難なんです。物理的なボタン式でないと、どこをさわっているかわからないという問題があります。

 スマートフォンの改善も必要なんですけれども、ほかにも対応策はいろいろあるんじゃないかと思いますが、この点、いかがでしょうか。

山口副大臣 実は、私もガラ携を使っておりまして、御指摘のようなことは確かにあろうかと思います。

 ただ、問題なのは、スマホに関しては容量が結構あるものですから、今回、識別のアプリについては八メガ程度というふうなことで、ところが、ボタン式の携帯電話になりますと、五メガから七メガぐらいの容量しかないというふうなこともございまして、非常に困難であるというふうなことを事業者の方からも聞いておるわけでございます。

 そこら辺もあるわけでありますが、何とか、とりあえずスマホの方でそういったことが可能であるということで、やっていただきたいということでお願いをしておるところであります。

佐々木(憲)委員 これは一歩ですからね。今、容量の話もいろいろありましたけれども、それは技術革新がどんどん進んでいますから、いろいろな可能性もあり得るので、何かに限定してこれで済みというのではなくて、今おっしゃったように、さらに改善をしていく、可能性を広げていく、ぜひそういう方向でやっていただきたいと思います。

 それから、三点目の、識別のための簡単な機械の開発ですけれども、これが安価で視覚障害者が手に入れやすいということであれば、私は前進だと思います。ただ、識別のための機械ができたからといってすぐ問題が全部解決するわけじゃなくて、例えば、買い物をしている途中で一々機械で判別するというわけにもいかないわけです。

 視覚障害者の方は、例えばあんまの治療院をやったり、働いている方も多いわけです。そうすると、お客さんから代金をもらいますね。その場で機械で判別する。これは千円です、これは一万円札ですというふうに声が出る。お客さんとの信頼関係上、なかなか、目の前でそういうことを確かめるというのは非常に難しいと言うんですよ。こういう実態も考慮しなければいけないと思います。

 それから、そういう意味では、使う人の立場、使う側の感覚、これも非常に私は大事だと思いますので、識別しやすい紙幣にするためにさらに改善すると同時に、こういう点についても直接視覚障害者の方々の意見を聞いて改善していくということが大事だと思います。

 今、アンケートをとろうという話があるようですけれども、例えば、点字のアンケート、点字の回答があって当然だと思いますけれども、これはいかがでしょうか。

山口副大臣 先ほどお話がございました識別の機械でありますが、さらなる簡便な方向性と、イヤホンで聞けるようなことも実は考えております。

 今御質問がございましたアンケートでございますが、本件の公表後、アンケートの実施方法について実は目の不自由な皆様方といろいろ協議を開始させていただいたところでございまして、この実施の方法については、当然、御指摘の点字というふうなこともあろうかと思います。

 十分踏まえて、さまざまに御意見をお伺いする中で検討を重ねてまいりたいと考えております。

佐々木(憲)委員 点字以外にも、例えば、実際に現物にさわっていただいてその感想をお聞きするとか、あるいはインターネットで意見を募集するとか、いろいろな方法があると思うんです。紙幣の改善という点では、やはり使う方々の意見をぜひ聞いていただきたい。

 そして、実は、視覚障害者だけではなくて、耳の不自由な聴覚障害者、こういう方々、両方の障害のある方がいらっしゃるわけです。盲聾者と言われるそうですけれども、そういう方たちの意見も私はぜひ聞いていただきたいと思うんです。スマホや機械を使って音声を読み上げたとしても判別できない。盲聾者の場合は体表点字という手段があるそうで、それを使いますと紙幣の読み取りができると聞いております。誰もが使いやすいという観点で、障害者の方々や高齢者など、広く声を集めるべきだと思います。

 一番大事なことは、今の紙幣で何に困っているのか、どう改善してほしいのか、こういう声を酌み尽くすことだと思いますけれども、もう一度確認をしておきたいと思います。

山口副大臣 お話しのとおり、御指摘のとおりだろうと思います。ともかく、アンケートの方法につきましても、可能な限りいろいろな方法を考えていきたい。

 同時に、その対象ということにつきましても、今御指摘のような、重ねた障害をお持ちの方もおいでになりますし、同時に、実は、調べてみますと、視覚障害者の方々は全国で約三十一万人ということでありますが、ところが、どうしても主としてまず団体の方とのお話し合いということになるわけで、その場合は、例えば社会福祉法人日本盲人会連合というのが五万人ですよね。等々、そこら辺、いろいろありますので、できるだけ幅広く御意見をお伺いしていきたいと考えております。

佐々木(憲)委員 例えば、以前私も質問で紹介したんですが、資料の二枚目を見ていただきますと、ユーロの紙幣は視覚障害者の方々に非常に識別しやすいように工夫されているんですね。これは日本の紙幣とは大分違うわけです。

 私、ここに現物を持ってまいりましたけれども、これは、五ユーロから百ユーロまで、大体、縦が五ミリ、横も六ミリから七ミリずつ大きさが違うんです。例えば、二百ユーロと五百ユーロは、幅が七ミリ違うわけですね。

 それから、色も、ごらんになってわかりますように、はっきり区別しておりまして、これは弱視の方やお年寄りにも判別しやすいということであります。例えば、五ユーロはグレー、十ユーロは赤、二十ユーロは青、五十ユーロはオレンジ、百ユーロは緑、二百ユーロは黄茶、五百ユーロは紫。こういうふうに、ユーロは、金額の値が大きいほど大きさは大きい、それから、近い紙幣は対照的な色を使っている、そういうふうに大変区別しやすくなっているんですね。

 そこで、確認ですけれども、ユーロは、このように識別しやすい紙幣をつくった背景、経緯があると思うんですが、わかっている範囲で回答をいただきたいと思います。

山口副大臣 御指摘のように、ユーロはまさに識別しやすいということでありますが、これは急遽、調査させていただきました。

 欧州中央銀行の資料によりますと、同行の前身であります欧州通貨機関が、一九九五年以降、銀行券のデザインと寸法について、欧州視覚障害者同盟という団体がございますが、そういった目の不自由な方々の団体と連携をして検討を重ねて、二〇〇二年の発行に至ったものということでございます。

 さすが、とりわけこうした福祉関係、しっかりと捉えておられるなと感心をしたところでございます。

佐々木(憲)委員 最近も欧州中央銀行のホームページにこの点が出ておりまして、今月から新しい紙幣が発行されるんですね。まず五ユーロから発行されるそうなんです。

 そのホームページによりますと、紙幣の最初のシリーズと同様に、第二シリーズのデザイン段階で視覚障害者と協議を行い、彼らの必要条件は最終的なデザインに含められたというふうに紹介しているんです。やはり、デザインをつくる段階から視覚障害者などから要望を聞いて、実際に使いやすいようにしている。今の副大臣の御答弁のとおりであります。

 視覚障害者の方にお話を聞きますと、普通はどういうふうに紙幣を管理しているかというと、財布の中で、金額ごとに入れる場所を変えているんですね。買い物の際に、おつりとともに、同じようなサイズで領収書をもらう場合もあるんです。そうすると、紙幣と領収書と形が同じ場合があるものですから、間違えて、紙幣と思い込んで領収書を出してしまうなんという場合もあるという声もあります。

 それから、弱視の方からは、夜間が一番困るというんですね。大きさだけで判別しにくいので、例えば、タクシーに乗ったときに見えづらいので、間違って別な紙幣を渡してしまう。正直な運転手さんがいれば、ああ、違いますよと言ってくれるんだけれども、必ずしも、そうでない場合もある。これは、はっきりした色であれば識別できる、こういう話があります。

 それから、買い物をするときに、後ろに人が並んでいると非常に焦るというわけです。ゆっくり紙幣の隅々までさわってじっくり判別するということがなかなか難しい。そうすると、非常に、自分で確認できないのが気が気じゃないというふうなことになって、後回しにする、そこから離れてしまう、こういう声もあります。

 ですから、今後、大事なことは、ユーロの例もありますけれども、短時間で形でわかること、それから手ざわりでわかる、こういうものに改善していくというのが大事だと思いますけれども、この点、麻生大臣に確認をしていきたいと思います。

麻生国務大臣 一つだけ質問ですけれども、これはどれくらいにせ札が出るんですかね、ユーロの場合。(佐々木(憲)委員「聞いておりません」と呼ぶ)日本はほとんど出ないんですよ。採算が合わないんですよ、にせ札をつくっても。物すごく精巧にできているから。精巧につくるためには、大体、あのわけのわからぬ、似たような色になるんですよ。これが一番。そちらの方はきれいな色ですから、逆に言えば、識別はしやすいけれども、にせ札はどうかと。

 にせ札が一番つくりやすいのはドルということになっているんですが、ドルは、御存じのように、こうやったら色が落ちますし、印刷なんて、いいかげんな印刷ですよ、私に言わせれば。ざっと壁にやったら落ちますし。日本のお札なんか、幾ら壁にすったって色は落ちませんから。そういった技術の差というのは出てきます。

 そのユーロの基本的な考え方は全くよく理解できるところですが、色をやるとき、にせ札がどうなのかなというのだけ、今ちょっと思った、正直な実感です。

佐々木(憲)委員 にせ札対策は、それはそれとして大事なことだと思います。

 例えば、長さとか幅とか、これは変え得ると思いますね。技術的には非常に簡単な話であります。ただ、それに対応するいろいろな問題点が出てくると思いますけれども、それは、やろうと思ったらできると思います。日本の技術は世界一と言われていますからね。

 そういう意味で、今懸念を表明された点については当然克服できると思います。ヨーロッパでどの程度にせ札があるのかというのは私は調べておりませんが、ぜひ調べていただきたいと思います。

 それから、最後に、障害者に対する金融機関の対応の問題についてお聞きしたいと思うんです。

 この問題を最初に私が取り上げたのは二〇〇四年の四月でありまして、それまで、銀行の障害者対応がどうなっているか、金融庁はほとんど実態を把握しておりませんでした。しかし、この間、金融庁の取り組みもありまして、改善されております。

 当時、視覚障害者の方々にお聞きしますと、窓口が減ってATMを使うようにと言われるけれども、ATMの機械そのものが使えない、こういう訴えでした。

 まず、銀行の視覚障害者対応ATMの整備状況、これについて、二〇〇四年当時と比べて最近はどうなっているか、報告をいただきたいと思います。

細溝政府参考人 銀行における視覚障害者対応ATMについての御質問でございます。

 例えば、タッチパネル操作のかわりに電話の受話器のようなハンドセットを用いる方式、そういったATMにつきましては、銀行、これは都銀、地銀、第二地銀でございますが、ヒアリングベースで数字を申し上げますと、御指摘の平成十六年五月の段階では一二%でございました。それが、二十四年九月末段階では七一%に増加しております。

佐々木(憲)委員 これは大変前進しているんです。視覚障害者の方々のお話を聞いても、対応のATMが非常にふえたというのが実感できると言っています。そういう意味では大変大きな前進だったと思います。

 もう一点、ぜひ考えていただきたいのは、預金の残高を点字で知るだけではなくて、途中で、いつどういう内容でお金が入ってきたのか、それからどういう理由で出ていったのか、その記録が得られないという問題があるんです。

 これは普通は通帳を見ればわかるわけですけれども、通帳自身が点字式の通帳になっていれば履歴がわかるわけですけれども、現状は、今どうなっているのか、御報告をいただきたいと思います。

細溝政府参考人 平成二十四年九月現在で行いましたアンケートがございます。それによりますと、金融機関全体で、取引履歴の明細について点字通知を実施しているものは、金融機関、これは銀行から信用組合まで合わせて五百六十九行ございますが、普通預金につきましては四十八行、定期預金については二十八行がそうした点字通知を行っているというふうに承知しております。

佐々木(憲)委員 全体で五百六十九行の中で、普通預金について点字通帳を発行しているのは八%、それから定期預金については五%という状況であります。

 これは、確かにATMは増加したんですけれども、点字で入出金の記録を発行するということはまだまだ行われておりません。お金を預けている本人が取引の内容がわかるようにするというのは大変大事だと思いますが、この点の改善について、大臣の見解を聞きたいと思います。

麻生国務大臣 これは、御存じのように、障害を持っておられる方に関して、平成二十三年の四月の監督指針で、取引記録を視覚障害者でも認識できるように提供するよう努めているかという着眼点を新たに設けてスタートいたしておるというところでありますが、これが今どこまで進んでいるかというのは、今、監督局長、細溝に聞いておられたとおりなんですが、いずれにしても、視覚障害に限りませんけれども、障害をお持ちの方々の利便性というものが一層高まっていくように、御指摘の点も含めまして、その他いろいろ視覚障害者の方々から見た視点というのはおありになろうと思いますので、金融機関の取り組みを聞いた上で促すように進めてまいりたいと考えております。

佐々木(憲)委員 それから、障害者の方が大変要望されているのは、銀行窓口での代筆の制度の問題です。これは、既にそういう仕組みはありますけれども、なかなか徹底されていないということなんですね。

 ATMに並ぶと、後ろに人が並んでいて、もたもたしているとみんなに迷惑をかけるんじゃないかというような気持ちになって、窓口に行かれるわけですね。そうすると、自分で書くことが困難な場合、それからまた確認ができないという場合に、手続の代筆依頼という制度があります。これをお願いしますと言っても、断られる場合があるというのを聞いております。

 代筆依頼というのは、窓口係員が記入したものをその上司に当たる行員が内容を読み上げ確認し、窓口係員と上司行員が捺印するという仕組みなんです。窓口係員だけで対応する代筆とはこれまた別なものでありますが、この方法を実際に内規で整備をしているというのは、ほとんどの銀行で今整備をしているわけですが、実際には徹底されていないものですから、内規がきちっとされていても窓口の対応が十分できていないというのがあります。

 最後に、その問題について、ぜひ改善をしていただきたいということを質問して、終わりたいと思います。

麻生国務大臣 御要望というか、引き続き障害者の立場に立ってきめ細かい対応ということを言っておられるんだと存じますけれども、金融庁といたしましても、金融機関に対して、できているんだから、さらに徹底するように、意見を下におろすというように、きちんと対応させたいと存じます。

佐々木(憲)委員 以上で終わります。

金田委員長 次に、鈴木克昌君。

鈴木(克)委員 きょう、いよいよ最後のバッターでありますが、ぜひひとつ、緊張感を持って御答弁をお願いしたいというふうに思います。

 中小企業金融円滑化法が三月で終わりました。その後どんな状況になっておるのかということで少し議論をさせていただきたいというふうに思うんですが、御質問の前に、私のところへ来ております手紙を、大変恐縮ですが、若干長くなりますが、読ませていただきたいというふうに思います。

  アベノミクスの金融緩和についての実態を申し上げます。

  当社は、開業四年目の零細企業です。

  信用金庫経由で信用保証協会に借り入れの申し込みをしました。

  事前相談をして面接がありましたが、結局は融資の保証は駄目でした。

  その時に信用保証協会の担当者に聞きました。

  「金融緩和になっているんですよね、我が社はかなり厳しく、何とか融資をお願いします」

  その時に担当者は言いました。

  「あ〜それは無いですね!金融緩和は業績の良い所だけですよ、業績の悪い中小企業には実際は出しませんよ」ときっぱりと言われました。

  更に「国が直接企業にお金を出すんならイイんですけどね、まぁ〜、参議院選挙までの話ですよ、それ以降はそんな話は無くなります」といわれました。

さらにお願いを続けると、

  「それでは、今まで保証協会付けの融資を止めては如何がでしょうか?そうすれば、支払いが楽になりますよ、その代わり一切融資はできませんけど」等と言われました。

ちょっと中略をさせていただきますけれども、業績のよいところは融資などを申し込むんでしょうかと。

  融資が駄目になり、信用金庫と話しましたが、実際信用金庫さんも「信用保証協会が付かないとキツイですね」といいます。

  「実際、金融緩和は無いですよ、万が一焦げ付いたら、の事を考えるとプロパーの融資はナカナカ難しいですね」と言います。

中略をさせていただきます。

  アベノミクスで金融緩和と言いますが、実際どこで金融緩和は行われているのでしょうか??

  何とか自己資金で食いつないで、やっと金融緩和になったと思ったら、実際は金融緩和という言葉だけで、空想の領域でしかないものです。

  どうか、零細企業に融資をお願いします。中小企業は持ち堪えられません。

  これが中小企業の実態です。

  政府から直接信用保証協会やら政府系の銀行に発令をお願いします。

  もしくは、国から直接零細企業に融資をお願いします。

  市場にお金を投下する、と言われておりますが、何処に投下されているのでしょうか??

中略。

  金融緩和は実際、緩和されていません!

  何とか零細企業に融資をお願いします。

こういうことでございます。

 そこで、御質問に入らせていただきます。

 金融庁では、「中小企業金融円滑化法の期限到来に当たって講ずる総合的な対策」ということで、きょうペーパーを実は持ってきておりますけれども、本当にさまざまなことが書かれております。これを今さら申し上げるまでもないと思うんですけれども、「金融機関による円滑化法終了前と変わらない対応」「円滑化法の終了後も、円滑化法と同等の内容を法律や監督指針・検査マニュアルに明記し、金融機関が法の終了前と変わらず貸付条件の変更等や円滑な資金供給に努めます。」ずっと、そういった、本当にありがたいことが書かれておるわけですね。

 これを見た中小零細企業の皆さんは本当に喜んだと思うんですね。だけれども、実態は先ほどの手紙で御紹介をしたような状況なんです。

 これについて御質問をさせていただきますけれども、ここに書かれておるような対応を徹底するために具体的にどのような取り組みをしているのか、そこをお示しいただきたいと思います。

麻生国務大臣 金融機関が円滑な資金の提供を、貸し付け条件等々の変更に努めるべきというのは、これは円滑化法の期限到来後におきましても何ら変わらないというのが基本でありまして、したがって、金融検査マニュアルとか、また監督指針を本年の三月に改正いたしております。

 この点を明記した上で、さらに監督検査を今後徹底していくことになるんですが、具体的には、検査において、金融機関の体制を検証するということと同時に、監督におきましては、金融機関におけるいわゆる中小企業、零細企業、小規模企業への円滑な資金供給に向けた積極的な取り組みをしていますかと確認できますので、確認をすることといたしております。

 このほか、全国の財務局に金融円滑化相談窓口というのを設けております。今みたいな例ですとそういう窓口に行っていただいた方が話が早いんだと思いますけれども、中小企業から貸し渋り等の個別の相談とか苦情とかいうのを受け付けておりまして、その内容を踏まえますと個別の銀行がわかりますので、財務当局のその窓口は、そこに直接、全体としてではなくて個別にということをやらせていただいております。

 結構、全国で、この三月、四月までで、私どもの担当しておる、中小企業庁ではありません、財務省とか所管のところで八百一件、そういった相談窓口を受けておる。五月十日現在で八百一件だったと記憶いたします。

鈴木(克)委員 今大臣から御答弁をいただいた、確かにそういった施策をお進めになっておるということだと思います。ただ、現実には、そこまでたどり着けない中小零細企業というのはかなりあると思うんですよね。したがって、やはり、もし私たちの対策にお気に召さない点があれば、お差しさわりがあれば、こういう窓口にぜひ行ってくださいというぐらい徹底していただきたいというふうに私は思うんですね。

 確かに、八百件という数字が多いのか少ないのか。中小零細企業は何百万とありますから、そういう意味であれですけれども、私は、本当に困っておる方々がそういうところへ駆け込んで、そしていい解決方法を見出したという例は余り聞いておりません。実態をしっかりとお調べいただいて、今おっしゃったような形をしっかりと進めていただきたいということを申し上げておきたいというふうに思います。

 次に、私はここへ全国の企業倒産のデータを持ってまいりました。四月は八百九十九件ということであります、これは発表されておるわけですけれども。二十二年ぶりの九百件割れ。負債総額は、カブトデコムですか、これはよくわかりませんが、押し上げておる、こういうふうに書いてあります。

 それで、この四月の企業倒産八百九十九件、大臣はこの数字をどのように見てみえるのか。民のかまどに煙は立っておるのか、それとも、何か本当の実態が出てきていない状況が隠されているのか、その辺を、大臣として、この数字を見られてどのように感じてみえるか、御答弁ください。

麻生国務大臣 これは、鈴木先生、基本的なことで一番大きな流れは、やはり景気がよくなりつつあるということだと思いますよ。これは、今までどおりにずっとこうだったら、もっと出なくちゃおかしいと私は思います。少なくとも、三月、四月、そういったもので景気がよくなってくるなという雰囲気というようなものが一つ大きな要素だと思います。

 二つ目は、先ほど申し上げましたように、多分、対応としては何十万社か対応されているところがあって、そのうちの五、六万社は危ないという話をずっと言われ続けていたわけですから、それに対して、少なくとも、金融庁とか財務省にしては異例とも言えるべく、各政務官を全都道府県に送り、商工会議所、商工会、それから経産省もそうでしたし、それから中小企業庁等々、財務省の財務局等々、窓口とかをつくって、各窓口で、相談窓口をやりますといって、個別の銀行に対して、四月に急に態度が変わるなんというのはなしですよ、いろいろそういったような話をきちんとし、何回となく商工会議所を借り、商工会を使わせていただいて、いろいろなこの種の政策のアピールをやらせていただいたことが、受け取っておられる中小企業より金融関係の人たちの方がより直接に響いたと思いますけれども、そういったところはかなりきちんと指導をしたというのと、二つ両々相まって今の数字ぐらいになったのかなと思っております。

 ただ、大きな面は、やはり景気がよくなりつつあるなというところの方が影響としては大きかったんじゃないかな、これは私の個人的な正直な実感です。

鈴木(克)委員 大臣の御見解はわかりました。

 ただ、問題は、決して私も、景気がよくなっていくことを悪いということではありません。本当に景気がよくなって、国民の皆さんが喜んでいただける、このために我々は国会でこうして論戦をやっておるわけですから。

 ただ、先ほどの手紙の中にもありましたね。非常に気になっておるのは、参議院選挙まではよろしくと。これは新聞報道にも出ておりますけれども、参議院選までは中小企業の倒産がふえないようによろしく頼みます、金融庁や経産省の幹部らは最近いろいろな議員にこういうふうに声をかけられておるという話。

 それから、今言われた、地方銀行のある幹部は、中小企業を切り捨てたと金融庁ににらまれたら困ると。困るからしっかり支えるというんならいいんですけれども、それが本当に、ここにあるような、参議院の選挙までは頼むということであるならば、私はこれは全く本末転倒だと。これは事実であるかどうかわかりません。しかし、新聞報道ではそのように書かれておるわけですね。

 いずれにしても、そういうことで、この状態があるのかないのか、この新聞報道についてどういうふうにお考えになっておるのか、お聞かせいただきたいと思います。

麻生国務大臣 これは配付された資料か存じませんけれども、朝日新聞朝刊の九面、この資料。やばい顔してるね。これは安倍さんの方がはるかに上品な顔に見えますな。

 この写真を見て、こういった話ですから、よくやられる話ではありますけれども、私どもとしては、参議院選挙までとかいうような話を役所に対して指導していることはありませんし、少なくとも、三月以降、四月、こういった形になっておりますけれども、七月以降の実績を見た上で、ことしの臨時国会でもう一回聞いていただければと存じます。

鈴木(克)委員 次に進めさせていただきます。

 ある中小企業の話では、既存の借金については返済しろとは言ってこないけれども、新規融資には応じてくれないと言われることがあります。先ほどの中小企業向けのパンフレットには、日本公庫と商工中金が、一時的に業況が悪化した先に経営支援型等のセーフティーネット貸し付けを実施するというようなことが書かれておるんですが、これは業況が悪化した企業じゃないと受けられないということですね、実際に、マネーがふえる、銀行が新規融資に積極的に応じるための具体的な措置は何かあるのですか、こういうことを実は言われておるわけであります。

 円滑な資金供給に努めますというのは、本当に、実態としてそういうことでいいのかどうか、現実にそうなっているのかどうか、その辺を御答弁いただきたいと思います。

麻生国務大臣 基本的に、金融機関の方も、長引くデフレの間に、金融機関として、中小企業、零細企業を育成していく、ともに育っていこうというような意識があっただろうか。ないですよ、デフレなんだからと思っていた経営者の方が多いと僕は思いますね、何人もそういう経営者を知っておりますので。いや、これは先生、デフレのときはどうにもなりませんとみんなはっきり言われましたから。だから、そういうものだった、私はそう思っているんです。

 しかし、いずれにしても、状態が変わってきたということになれば、今度は逆に、伸びる企業なりそういった企業を育成してともに伸びていく方を考えないと、今度は金融機関の方がしんどくなりますので、そういった意味では、意識が変わってくるだろうとは思います。時間がかかると思いますよ、人によって違いますから。

 したがって、金融処分庁と言われた金融庁の方にしても、これは金融育成庁というようなものにイメージを変えていかないかぬと。私が金融庁の大臣を担当した最初のときに言ったせりふなんだと記憶しますけれども、金融機関の育成ということをやっていかなきゃ、我々、処分ではだめ、何となく金融庁というのはいちゃもんばかりつけられるイメージというのではだめということで申し上げてきたんです。

 少なくとも、今言われましたように、借り手の状況というのはさまざまです。これは経営能力がないのか、その業界自体がだめなのか。我々としては、自分たちで石炭をやっておりましたので、極めて有能な経営者でも、石炭がなくなるんですから、それは経営としては、会社は潰れますよ、今は全然ないんですから、完全に石油に取ってかわられましたから。私どもはその経験をしておりますから、どんな優秀な経営者であろうとも、時代とともに生き残っていけない企業は出るんだというのは、自分で経験しましたのでよくわかりますので、いろいろな企業の内容が、さまざまなものがあるんだということは、私どももそう思います。

 状況の悪化していった企業の内容、それは経営改善をすればうまくいくのか、経営者が一人で何とかしてきた、その経営者をちゃんとすればどうにか変わるのか、資金繰りだけがつかないのか、状況によって実に違いますので、ぜひ金融機関が、事業再生支援のための金を貸すだけじゃなくて、ある程度のリスクをとって、銀行も、客を紹介するとか、また、新規の融資を含めまして、いろいろな意味で資金の提供を行って、この部分に投資をされていくべきじゃないか。だって、絶対の情報量は金融機関の方が多いですから、貸している人がいろいろおられますので。あの会社とこの会社と一緒にこうしたらどうですかとか、いろいろなやり方は、その地方の経営者でやっておられますので。

 ちょっと具体的な例を、私の立場で。

 ある小さな信用金庫でしたけれども、実に九千軒を三年間で歩き倒している信用金庫の理事長がいたんです。この人の話は、私はいつも電話をかけて聞く、私にとりましては昔からの情報源なんですけれども、その方の話を聞いていても、とにかく徹底して歩いて、これとこれとは、ああ、業種としては合うけれども、おやじ同士の波長が合わないからあの二人は絶対に会わせてもだめとか、そういう判断を中小企業のおやじと毎日やっている、理事長さんが全部やっておられるのが私はすごく印象的なんです。ああいう人がいるところは強いだろうな、私自身はそう思っておるんです。

 いずれにしても、先般の四月の三十日に監督方針及び検査基本方針を改正しておりますので、いろいろな意味で、育成という方向でかじをきちんととっておると思っておりますので、下にきちんとおりるまでに少々時間はかかるかとは存じますけれども、そういった方向で事を進めてまいりたいと考えております。

鈴木(克)委員 今、三年間で九千軒というのは私が地元で歩くよりもはるかに多いなと思って、本当にすごいというふうに聞きました。またぜひ教えていただきたいというふうに思います。

 いずれにしましても、信用保証協会の対応について、ちょっと視点を変えて伺いますが、以前より対応が厳しくなった、こういう声が聞かれるんですね。ここに持ってきておりますけれども、パンフレットには、保証協会が複数の借入債務を一本化し、返済負担軽減を図る借りかえ保証を推進、こういうふうな形のこともあっています。それから、新規融資への保証を積極的にやっていきますというふうなことも書いてあります。一〇〇%保証制度についてもやっていきます。

 こういうことなんですが、実際は、信用保証協会の審査というのはかなり厳しくなっておる、そして保証も縮小しておるということではないかというふうに思うんですが、その辺を当局としてどのように把握されているのか、お示しをいただきたいと思います。

鍜治政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど来御議論ございますように、金融円滑化法の期限到来を踏まえまして、事業者の方々の資金繰りに問題が生じることのないよう、借りかえ保証制度あるいは経営支援型のセーフティーネット貸し付け、総額十兆円超の資金繰り支援策を先般開始したところでございます。現在、これは取り組み中でございます。

 御質問の、保証につきましても、借りかえ保証制度に関しましては、年末から年度末まで、十二月から三月までの四カ月間で六万四千七百六十五件、金額にいたしますと一兆二千六百二十一億円の実績が出ておりまして、多くの事業者の方に基本的には御利用いただいているものと認識をしてございます。

 また、三月に、経済産業大臣を本部長といたします中小企業・小規模事業者経営改善支援対策本部というものを設置いたしまして、そこには保証協会の代表の方にも入っていただき、これら関係機関にしっかり経営改善の相談窓口を設置するよう指示を出してございまして、関係機関全体で五百八十の窓口ができました。三月八日から四月二十六日までの間で四万五千件を超える相談を受け付けてございます。

 さらに、経産省といたしましても、副大臣、大臣政務官及び事務方が全国各地で意見交換会をさせていただいておりまして、直接、中小企業、小規模事業者の皆様からの資金繰り状況などのお話も聞かせていただいてございます。

 先ほど来の先生の御指摘も踏まえまして、引き続き、こういう事業者の皆様のお声をしっかり聞いて、適切な保証の実行などに努めてまいりたいと考えてございます。

鈴木(克)委員 今お示しをいただいたわけでありますが、いずれにいたしましても、円滑化法終了後の対策は、かけ声だけで実態が伴わないというようなことには絶対ならない、そしてまた、ましてや夏の参議院選挙までというようなことが万が一にもあってはならないわけでありまして、中小企業の立場に立ってしっかりとした対応をやっていただくように、大臣初めそれぞれの皆さんに本当に頑張っていただきたい、このことをお願いしたいと思います。九月にまた同じように質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、続きまして、税制関係をお話しさせていただきたいと思います。

 我が党は消費税は反対ということですから、その反対の私が消費税が上がったらということを仮定して聞くというのはおかしいことかもしれませんけれども、しかし、あえてここは真摯な議論をということでお尋ねしてまいりたいというふうに思うんですね。

 先ほども議論がありましたけれども、いずれにしましても、消費税が上がった後の給付つき税額控除や複数税率について、どのようなことが今検討され、そしてどのような状況になっていくのか。細かい数字はともかくとしましても、基本的なところをお示しいただきたいというふうに思います。

山口副大臣 お答えをさせていただきます。

 今御指摘の消費税率引き上げに当たっての低所得者対策につきましては、これは、昨年六月の三党合意を踏まえた税制抜本改革法、これにおきまして、これもお話がありましたが、まず一つには、給付つき税額控除、これは低所得者に対して税額控除や現金給付を行う制度でありますが、マイナンバー制度による所得把握が必要だというふうに言われておるわけであります。

 次に、複数税率というふうなことがございます。

 これらは、ともに検討課題とされておりますが、この複数税率につきましても、対象品目あるいは財源の確保がちゃんとできるのか、区分経理による事業者の事務負担増等の解決、これらが前提ということで、今、種々御協議をいただいておるところでありますが、同時に、消費税率が八%の段階からいずれかの施策の実現までの間、暫定的、臨時的な措置として、簡素な給付措置を実施するというふうなことになっておるわけでございます。

 本年二月の三党合意におきまして、低所得者対策につきましては、引き続き協議を行うというふうなことにされております。大変重たい三党間のお約束でございまして、政府としても、与党間あるいはまた三党間での議論を踏まえた上で検討していく必要があろうと思っておりますが、同時に、政府としても、当然、政党間の議論のためのさまざまな御協力はさせていただきたいというふうな段階でございます。

鈴木(克)委員 最後の質問とさせていただきますけれども、宣伝、広告等の規制のあり方ということで、消費税転嫁法案はいろいろなことが検討されておるわけでありますが、結論から言うと、事業者が消費税に関連するような形で安売り宣伝や広告を行うことを禁止する、こういうことだというふうに思っています。

 本当に、いわゆる消費税をイメージさせる文言を使用しないというふうに禁止をしたところで、私はやはり、その効果というのは、出てくるということではない、非常に効果は小さいんじゃないかな、乏しいんじゃないかな、こんなふうに思うんですが、この辺の現在のところの政府としての見解をお示しいただきたいと思います。

山口副大臣 これはもう御案内のとおりと思いますが、きょうも経産委員会の方で締めくくり総括の議論をやっておられたようでありますが、転嫁対策法案の第八条の規定がございます。

 これは、大手小売業者などが消費税分を値引きする等の宣伝や広告、これを行うことによって、体力のない周辺の商店街などでも、巻き込まれてといいますか、同様の値引きを行わざるを得なくなる、また、そういったことによって消費税の円滑な転嫁ができないというふうなおそれがあること、あるいは、そのような宣伝等を伴う販売行為を行う大手の小売業者等による、納入する方等への買いたたきにつながっていくというふうな可能性がある、そういった宣伝等を禁止するもの、これは担当が消費者庁でありますので、私ども、そういうふうに承知をいたしております。

 また、本規定につきましては、前回の消費税率の引き上げの後に消費税還元セール等というのが行われまして、納入業者に対する買いたたき等の問題が発生をしたというふうな御指摘も実はいただいておりました。

 今般の税率引き上げに当たっても、中小団体から、転嫁拒否行為を防止するために、消費税分の還元や値引きを連想させるような値引き行為とか表示方法を禁止すべきというふうな声が多数寄せられておったというふうなことを踏まえて設けられた措置であるというふうに承知をいたしております。

 いずれにしても、消費税率の引き上げに当たっては、事業者の方々が転嫁しやすい環境を整備していくというのは重要な課題でございます。本規定による消費税分を値引きする等の宣伝、広告の禁止に加えて、大規模小売事業者による納入業者に対する転嫁拒否行為等の監視、取り締まり等、本法案に規定されたさまざまな施策を総動員して、関係省庁一体になって転嫁対策に全力で取り組んでいきたいというふうなことでございます。

金田委員長 時間が参りました。

鈴木(克)委員 終わります。

 いずれにしても、先ほどの円滑化法の話で締めくくらせていただきますが、中小零細企業というのは、九十数%、本当に日本の底力でございます。ここが本当に困らないように、大企業やお金持ちだけが喜ぶような状況であってはならない、私はこのように思っておりますので、しっかりやっていただくことをお願い申し上げて、とりあえず質問を終わります。

 ありがとうございました。

     ――――◇―――――

金田委員長 次に、内閣提出、金融商品取引法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。金融担当大臣麻生太郎君。

    ―――――――――――――

 金融商品取引法等の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

麻生国務大臣 ただいま議題となりました金融商品取引法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明させていただきます。

 先般の金融危機にかかわる諸問題を踏まえ、市場型金融危機への対応、金融資本市場、金融業の信頼性回復、機能強化を図るための規定を整備していくことが喫緊の課題となっております。このような状況を踏まえ、本法律案を提出した次第であります。

 以下、この法律案の内容につきまして御説明を申し上げます。

 第一に、公募増資に関連したインサイダー取引事案等を踏まえ、インサイダー取引規制に関し、情報伝達・取引推奨行為に対する規制を設けるとともに、課徴金額の計算方法の見直しを行うこととしております。

 第二に、AIJ事案を踏まえた資産運用規制の見直しとして、投資一任業者等による運用報告書の虚偽記載等に係る罰則の引き上げ等を行うことといたしております。

 第三に、金融市場を通じて伝播し、実体経済に深刻な影響を与える市場型の金融危機を防ぐため、G20サミットにおける国際的な合意等を踏まえ、金融機関等の資産及び負債の秩序ある処理に関する措置の整備等を行うことといたしております。

 第四に、銀行等による資本性資金の供給強化を図るため、議決権保有規制、いわゆる五%ルールの見直しを行うこととしております。

 第五に、投資法人の資本政策手段の多様化等を図るため、自己投資口の取得及び投資主への割り当て増資等を可能とすることといたしております。

 その他、関連する規定の整備等を行うこととしております。

 以上が、この法律案の提案理由及びその内容であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。

 以上です。

金田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

金田委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りをいたします。

 本案審査のため、来る二十二日水曜日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、来る二十一日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することといたしまして、本日は、これにて散会といたします。

    午後零時四十一分散会


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