衆議院

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第10号 平成25年5月22日(水曜日)

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平成二十五年五月二十二日(水曜日)

    午前九時三十分開議

 出席委員

   委員長 金田 勝年君

   理事 逢沢 一郎君 理事 伊藤信太郎君

   理事 木原 誠二君 理事 竹本 直一君

   理事 山本 幸三君 理事 安住  淳君

   理事 桜内 文城君 理事 上田  勇君

      青山 周平君    伊東 良孝君

      小倉 將信君    小田原 潔君

      鬼木  誠君    神田 憲次君

      小泉進次郎君    小島 敏文君

      小林 鷹之君    田野瀬太道君

      田畑  毅君    竹下  亘君

      中山 展宏君    藤井比早之君

      牧島かれん君    松本 洋平君

      御法川信英君    山田 賢司君

      階   猛君    武正 公一君

      古本伸一郎君    西野 弘一君

      松田  学君    三木 圭恵君

      山之内 毅君    岡本 三成君

      竹内  譲君    小池 政就君

      佐々木憲昭君    鈴木 克昌君

    …………………………………

   財務大臣政務官      伊東 良孝君

   財務大臣政務官      竹内  譲君

   参考人

   (一般社団法人全国銀行協会会長)         國部  毅君

   参考人

   (日本証券業協会会長)  前  哲夫君

   参考人

   (一般社団法人日本投資顧問業協会会長)      岩間陽一郎君

   財務金融委員会専門員   北村 治則君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十二日

 辞任         補欠選任

  安藤  裕君     青山 周平君

同日

 辞任         補欠選任

  青山 周平君     安藤  裕君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 金融商品取引法等の一部を改正する法律案(内閣提出第五九号)


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     ――――◇―――――

金田委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、金融商品取引法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 本日は、本案審査のため、参考人として、一般社団法人全国銀行協会会長國部毅君、日本証券業協会会長前哲夫君、一般社団法人日本投資顧問業協会会長岩間陽一郎君、以上三名の方々に御出席をいただいております。

 この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。

 本日は、御多用のところ本委員会に御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 まず、参考人各位からそれぞれ十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えをいただきたいと存じます。

 なお、念のために申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いをいたします。また、参考人は委員に対し質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御了承を願いたいと思います。

 それでは、まず國部参考人にお願いをいたします。

國部参考人 全国銀行協会の会長を務めさせていただいております、三井住友銀行の國部でございます。

 先生方におかれましては、日ごろより銀行界に対し格別の御指導、御理解を賜り、この場をおかりいたしまして改めて御礼を申し上げます。また、このたびは、金融商品取引法等の一部を改正する法律案について私ども銀行界の意見を述べさせていただく貴重な機会を頂戴いたしまして、重ねて感謝を申し上げます。

 さて、現在審議されております金融商品取引法等の一部を改正する法律案では、金融システムの信頼性及び安定性を高めるために必要となる幅広い措置が講じられております。本日は、その中でも銀行界に特に関係が深い項目について、私どもの考えを申し述べさせていただきます。

 まずは、金融機関等の資産及び負債の秩序ある処理に関する措置が整備されることについてであります。

 二〇〇八年九月のリーマン・ブラザーズの破綻等に端を発する国際的な金融危機の中で、システム上重要な金融機関の破綻等が、例えばデリバティブ取引損失等の形で金融市場を通じて伝播し、信用収縮等を伴って実体経済に深刻な影響を及ぼすおそれがあることが明らかとなりました。

 これを受けまして、世界の主要国・地域の中央銀行、金融監督当局などで構成される金融安定理事会におきまして、システム上重要な金融機関の秩序ある処理を可能とする枠組みについて検討が行われ、二〇一一年十月には、金融システムの混乱等を回避しつつ、迅速に金融機関の破綻処理を行うための制度のあり方を定めた「実効的な破綻処理の枠組みの主要な特性」、いわゆるキーアトリビューツが策定されました。その後、G20において、各国の破綻処理制度をこのキーアトリビューツと整合的なものとすることが合意され、各国において破綻処理スキームの改革が議論されているものと認識をしております。

 今回の法案も、こうした国際的な動きに対応したものであり、銀行、証券会社、保険会社など業界横断的に広く金融業界全体を対象として、新たな秩序ある処理の枠組みを構築するものと理解をしております。

 近年、金融のグローバル化が進展し、市場等を通じた金融機関同士の相互連関性、いわゆるインターコネクテッドネスが高まっておりますが、このような状況下では、金融機関の破綻が生じた場合、それが瞬く間に連鎖、拡大をしていくことが懸念をされます。こうした背景を考えますと、今回のような手当てが行われることには非常に大きな意義があると考えております。

 次に、銀行等の議決権の取得等の制限、いわゆる五%ルールの見直しが行われることについて意見を述べさせていただきます。

 銀行法では、銀行が本業以外の事業を行うことによって健全性を損なうことがないようにするという他業禁止等の趣旨を徹底するため、銀行等は、その子会社と合算をして、国内の一般事業会社の議決権の五%を超えて取得し、または保有することは原則として禁止をされております。

 今般の法案では、その趣旨を踏まえる形で、現行規制の枠組みを基本的に維持しながらも、地域経済の再活性化や事業再生に資する効果が見込める一定の分野について、銀行等による資本性資金の供給をより柔軟に行い得るよう規制が緩和されるものと認識をしています。

 五%ルールの一部を見直すことにより、銀行等のとり得る資金供給の選択肢がふえることによりまして、地域経済の再活性化や事業再生等に関するお客様の多様なニーズに即した最適なソリューションを御提供できるようになるのではないかと考えています。

 一方で、銀行は、預金者保護のため経営の健全性確保が不可欠でありまして、私どもが本制度を利用して株式を保有する際には、この株式保有に係るリスクを適切に管理していく必要があります。すなわち、今回の五%ルールの見直しによって、銀行が取得する株式の多くは非上場の中堅中小企業のものになると思われます。その場合には、金融審議会でも議論されましたように、株式を処分できないリスク等が増大するおそれがあることから、より一層の高度なリスク管理が求められるということになります。さらには、リスクに見合ったリターンの確保も重要なポイントとなります。

 したがって、こうした点を総合的に検討して、各金融機関がそれぞれの経営判断で取り組むことになりますが、地域経済の活性化、あるいは企業再生に資するという観点から、目的を限定した形で株式を保有していくことは、政策趣旨に沿う意義があると考えております。

 なお、今回、法改正の中には、今申し上げたこと以外にも、インサイダー取引規制や資産運用規制の見直しのほか、外国銀行の業務の代理、媒介に関する規制緩和や、海外MアンドAに係る子会社の業務範囲規制の緩和など、邦銀によるアジアを初めとする海外への業務展開を後押しするための措置も盛り込まれており、銀行界にとっても大変有益なものと受けとめております。

 以上、簡単ではございますが、銀行界の意見を述べさせていただきました法改正案につきましては、いずれも金融業界のセーフティーネットのさらなる整備、そして一層の機能強化等の観点から、大変有意義なものであると考えておりますので、御審議のほど、よろしくお願いを申し上げます。

 最後に、本日は発言の機会をいただきまして、改めて御礼を申し上げます。(拍手)

金田委員長 ありがとうございました。

 次に、前参考人にお願いをいたします。

前参考人 日本証券業協会の会長をやっています前でございます。よろしくお願いします。

 諸先生方におかれましては、常日ごろ、証券市場、証券界に対しまして御理解と御支援を賜り、まことにありがとうございます。この場をおかりし、厚く御礼申し上げます。

 今回の金融商品取引法等の一部を改正する法律案について意見を述べます前に、昨年の公募増資に係るインサイダー取引問題やAIJ投資顧問による企業年金消失問題に本協会の会員証券会社の役職員が関与し、発行企業や投資家の方々はもとより、広く国民の信頼を失うような事態となりましたことを、心より深くおわび申し上げます。

 今回の金融商品取引法等の改正案につきましては、これら問題への対応を初め、投資家への情報提供の充実等を図るための投資信託法制の見直しや金融危機に対する国際的な議論を踏まえたものとなっており、最近生じた諸問題に適切に対応していく上で不可欠な内容のものと理解しております。

 本協会といたしましても、この法案が、国会での審議を経て、速やかに成立し、早期に実施されることを望んでいる次第でございます。

 私からは、公募増資インサイダー取引事案等を踏まえた対応、金融機関の秩序ある処理の枠組み及び投資法人の資金調達・資本政策手段の多様化等の三点について、申し述べます。

 まず、公募増資インサイダー取引事案等を踏まえた対応として導入が提案されております、会社関係者が行う情報伝達・取引推奨行為に対する規制については、今回の一連の事案を踏まえますと、必要な措置であると考えております。

 発行会社や証券会社においては、情報提供行為は通常の業務、営業活動を行う上で重要なものであり、こうした規制の導入に当たっては、これらの行為に支障を来すことのないような配慮が必要であると考えておりましたが、今回の法案において、情報伝達や取引推奨の禁止規定の要件として、公表前に取引させることにより利益を得させる目的との主観的要件が設けられていること、及び情報伝達や取引推奨を受けた者により公表前に取引が行われたことが刑事罰及び課徴金を課す要件として明確にされていることは、適切な措置であると考えております。

 二点目は、金融機関の秩序ある処理の枠組みとして導入が提案されております、新たな金融危機対応等の枠組みの問題でございます。

 この枠組みの整備は、G20のカンヌ・サミットや金融安定理事会、FSBにおける国際的な合意を踏まえた上での取り組みであり、深刻な金融システム混乱の回避を目的としていることから、その必要性については十分理解しており、日本としても適切に対応していくべきものと認識しております。

 その金融機関の秩序ある処理において万一損失が生じた場合については、金融業界全体での事後負担が原則とされております。

 我々といたしましては、この枠組みにより、金融システムの混乱が回避され、金融市場全体がメリットを受けることから、その費用については金融業界全体で負担するものと理解しております。したがいまして、万一の場合の具体的な費用負担の算定においては、制度から受ける恩恵、業務の特性等を十分に加味した上で検討する必要があると考えております。

 三点目は、投資法人の資金調達・資本政策手段の多様化等ですが、この措置により、投資法人は、マーケットの状況に応じた機動的な資金調達やより効率的な資本活用が可能となり、J―REIT市場の魅力向上につながるものであると考えております。

 また、投資信託についても、改正案に示されている施策を通じて、投資家の皆様が資産をより安心して有効に活用できることとなるよう期待しております。

 特に、投資信託の運用報告書については、投資家への交付が二段階化されるとともに、グラフや図が活用され、平易かつ簡素な表現で記載されることとなります。

 来年一月からは、個人投資家の自助努力による資産形成を支援するとともに、経済成長に必要な成長資金の供給につなげる観点から、上場株式や株式投資信託の配当金や売買益が非課税となる少額投資非課税制度、NISAが導入されることとなっております。NISAは、投資未経験者を初め比較的投資知識や経験の浅い方々による利用も予想されております。

 そのような状況におきまして、今般の改正により、投資家が投資信託の運用状況等を容易に理解することが可能となり、より適切に投資判断が行えるようになることは、まさに時宜にかなった施策であると考えます。

 最後に、日本証券業協会の取り組みについて申し上げます。

 本協会は、金融商品取引法上の自主規制機関として、投資者の保護や金融資本市場への信頼確保のため、市場関係者みずからが策定した規則によってみずからを律する役割を担っております。

 公募増資に係るインサイダー取引問題に関しましては、一番、証券会社への自主点検要請を行いました。二番、違反証券会社に対する協会処分を行いました。三番、自主規制規則の整備及び行動規範の策定といった対応を行っております。

 自主規制規則につきましては、従前よりインサイダー情報の管理に関する規則を制定しておりますが、今回の問題は、規則の不備というより、証券会社において自主規制規則への対応が適切に行われていなかったことによるものと結論しております。

 このため、本協会としましては、自主規制規則に関するガイドラインを策定し、証券会社が情報管理において留意すべき事項について具体的な例を示しました。また、自主規制規則の改正を行い、インサイダー情報の管理が適正に行われているかについて、日常的なモニタリングを義務づけました。

 投資信託法制の見直しに関連した対応としましては、投資家が保有する投資信託の累積損益、トータルリターンを把握しやすくなるような制度の整備を行うことを予定しております。

 本協会は、自主規制機関として、我が国の金融資本市場に対する信頼を取り戻し、市場のさらなる活性化に向け、今後とも積極的に種々の課題に取り組んでまいる所存であります。

 以上、法案に対する意見並びに我々の取り組みについて申し上げましたが、私ども証券界といたしましても、金融資本市場の信頼性の向上及び活性化に向けて貢献してまいりたいと存じます。引き続き御支援を賜りますようお願い申し上げ、私からの意見とさせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)

金田委員長 ありがとうございました。

 次に、岩間参考人にお願いをいたします。

岩間参考人 日本投資顧問業協会会長の岩間でございます。

 本日は、このような機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。

 さて、今般の金融商品取引法等の一部を改正する法律案におきまして、当協会が関係する箇所は、公募増資インサイダー取引事案等を踏まえた対応と、AIJ事案を踏まえた資産運用規制の見直しでございます。これらについて、当協会の考え方及び対応について御説明申し上げます。

 まず、公募増資インサイダー取引事案等を踏まえた対応の中の、資産運用業者が他人の計算で違反行為を行った場合の課徴金額の引き上げについてでございます。

 公募増資インサイダー取引事案におきましては、顧客の資産を運用する資産運用業者が、公募増資に係るインサイダー情報を主幹事証券会社等から入手し、当該情報に基づく有価証券の売買によって利益を得たとして行政処分を受けております。

 このため、今般の改正案には、資産運用業者の違反行為に対する課徴金額の引き上げが盛り込まれました。

 これにつきましては、資産運用業者がこうした行政処分を受けたことに鑑み、インサイダー取引の抑止、牽制の観点からも、課徴金額の引き上げは妥当であると考えております。

 なお、当協会におきましては、会員会社によるインサイダー取引を防止するため、自主規制ルールでございます内部者取引の未然防止についてのガイドラインを本年二月に改正いたしました。

 主な改正点は、一、会員は、いわゆるインサイダー情報またはそれに該当するおそれのある情報を知り得る可能性のある者に対し、当該情報を提供するよう働きかけをしてはならない。二、会員は、有価証券等の取引に係る発注先である証券会社の評価や選択に当たって、いわゆるインサイダー情報またはそれに該当するおそれのある情報の提供の有無や内容を考慮してはならない。三、会員の役職員は、有価証券等の取引に係る発注先の役職員から、社会通念上妥当な範囲を超えた接待や金銭、物品の供与を受けてはならない。この三点を追加した次第でございます。

 次に、AIJ事案を踏まえた資産運用規制の見直しについてでございます。

 この中で、まず、不正行為に対する罰則の強化が盛り込まれております。すなわち、資産運用会社における運用報告書等の虚偽記載、顧客勧誘の際の虚偽告知、顧客との投資一任契約の締結の偽計に対する罰則が引き上げられることとされておりますが、AIJ事案におきましては、極めて悪質かつ巧妙に厚生年金基金等の顧客を欺いていたという事実がございますことから、こうした罰則の強化は、類似の金融犯罪の抑止、牽制の観点から、必要かつ有効であろうと考えております。

 また、本改正案には、厚生年金基金が特定投資家、いわゆるプロになるための要件を限定することも含まれております。これは、具体的には、プロになれるのは、運用体制がきちんと整備された厚生年金基金に限定しようというものと理解しております。

 先般のAIJ事案を踏まえますと、被害者に多くの総合型厚生年金基金が含まれており、これらの年金基金におかれましては、資産運用等に関する知識経験が必ずしも十分ではなかったことが、これら年金基金が被害者となった原因の一つでもあると考えられます。

 したがいまして、こうした年金基金がプロである特定投資家になるための要件を限定することは、やむを得ないことと考えております。

 なお、当協会におきましては、AIJ事案と類似の事案の再発を防止し、投資者の保護と当業界に対する社会的信頼の回復を図ることを目的としまして、自主規制ルール等の協会規則の見直しを行っております。

 主な内容としましては、「業務運営にあたり留意すべき基準について」の改正を行い、昨年の十二月に公布されました金融商品取引業等に関する内閣府令及び金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針の改正内容を受けまして、会員が厚生年金基金と投資一任契約を締結する際に遵守すべき事項及び厚生年金基金等の年金投資一任口座にファンドを組み入れることができる要件、これらを明示することといたしました。

 また、本自主規制ルールの改正におきまして、会員の関係外国法人等が外国で設定するファンドを顧客の口座に組み入れる場合には、会員は、顧客の利益及び信頼を損なわないように十分に留意し、組み入れについて事前に顧客の同意を得ること、また、当該関係外国法人等の名称などを事前に顧客に開示すること、組み入れ後には、速やかに、組み入れたファンドの名称、組み入れが顧客の利益に資すると判断した理由などを顧客に開示することを義務づけました。

 最後になりますが、当協会では、投資顧問業務に対する年金基金等の顧客からの信任や社会からの期待に一層応えるために、投資顧問業務を行う上での根幹となる三つの要素について倫理綱領を定め、当協会の会員全てが本倫理綱領を遵守することを宣言し、投資顧問業者の社会的使命を再確認いたしております。

 具体的には、第一として、受託者責任の徹底。すなわち、年金基金等の資産を運用する者として、その受託者としての責任を再認識し、顧客に対する忠実義務及び注意義務を全うすること。そのために、高い職業倫理意識を持って、顧客の利益を最優先し、全ての顧客に公平に対処し、細心の注意を払って投資顧問業務を運営することであります。

 第二として、コンプライアンスの強化。すなわち、コンプライアンスの重要性を再認識した上で、あらゆる法令やルールを誠実に遵守し、また、コンプライアンス体制のより一層の強化を進めること。

 第三として、ガバナンスの確保。すなわち、ただいま申し上げました受託者責任の徹底とコンプライアンスの強化を図るため、意思決定プロセスや内部管理体制など、投資顧問業者としてのガバナンスの確保を図ることでございます。

 以上を周知徹底する努力を協会としても重ねて努力してまいる所存でございます。

 私からの御説明は以上でございます。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

金田委員長 ありがとうございました。

 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

金田委員長 なお、質疑者、参考人の皆さんへお願いをいたします。

 その都度、挙手の上、委員長と発言の許可を求めてください。

 それでは、これより参考人に対する質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小林鷹之君。

小林(鷹)委員 自由民主党の小林鷹之でございます。

 本日は、このように質問の機会を与えてくださり、ありがとうございました。また、参考人の皆様方におかれましては、貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。

 時間も限られておりますので、早速質疑に移らせていただきます。

 まず、インサイダーの事案についてでございます。

 金融市場が円滑に機能していく前提としては、明確なルールが存在すること、そして、それを遵守するコンプライアンスの徹底、そして、ルールに違反した場合の制裁あるいは是正といったエンフォースメント、こうした条件が挙げられると思います。

 八百長や不正がまかり通るスポーツの試合に全く魅力がないのと同じように、海外の投資家からインサイダー天国とやゆされるような金融市場であっては、そこに魅力は生まれませんし、まともな金融プレーヤーというのは集まってこないと私は思っております。そのため、私自身、実は財務省時代に政府保有株式の売却を担当していたことがございまして、その際には、株式売却の時期そして規模、こうした機微にわたる情報については、可能な限り、さわれる職員の数を限定して、情報管理は徹底し、そして職員のモラル、規律の向上に厳格に努めておりました。

 残念ながら、今回の一連の公募増資インサイダーに当たりましては、国内の三大証券が全て関与するということで、今回、一連の事案によって失われました我が国の国際的な市場の信任、これを今回の金商法の改正によって、これを機にしっかりと挽回していかなければならないというふうに思っております。

 今回の事案の背景にあったのは何かと考えました。私が思うのは、やはり証券会社による行き過ぎた利益至上主義があったと思っております。リーマン・ショック以降株価が低迷をする中で、また、ネット販売の普及に押されて従来型の営業スタイルに限界が生じつつある中で、何が何でも利益を出すんだという考え方に陥ってしまった面は否めないと思います。そうした中で、いわゆるチャイニーズ・ウオールが機能しなかった。

 そして、質問になりますけれども、今回の法改正によりまして、情報伝達行為あるいは取引推奨行為が規制対象とされたことなどは評価できることと思いますが、一方で、法改正だけではなくて、業界関係者による規律向上のための徹底した自主的な取り組みがなければ、インサイダー取引を防止することはやはり難しいと考えております。

 業界としてのこれまでの対応、今後の課題、そして会長の決意についてお伺いしたいと思います。

前参考人 ただいま、このようなインサイダー事件を起こしましたことについて、冒頭申し上げましたように、申しわけありませんでした。

 今先生が御指摘の収益至上主義、営業スタイルが非常におかしい、それから、信任がなくなっている、協会は何をしていたんだ、ルールがあったのに守れなかったのか、このようなお話だったと思うんです。

 証券会社個々も、インサイダー取引は絶対に起こしてはいけないということで今までやってきましたが、今回、公募増資でこういう問題が起こったのは、一つは、法人関係情報の管理、チャイニーズ・ウオール、引き受けで情報を管理する側と、その情報を知らないところが営業活動をやっているところとの障壁、ここが曖昧であったというか、完璧に隔離されていなかったというのが一つの問題点である。

 これは、この問題が起こったときに、金融庁も十二社に点検を行いましたし、私ども証券業協会も五十三社に行いました。引受証券会社も、免許を持っているところといいますか、引き受けを行える証券会社に自主点検をお願いしましたところの返答で、そのように回答をいただきました。

 というところで、この再発防止に向けまして、インサイダー情報の管理の徹底に向けた対応ということをきちんとやるように、再度、社員の研修とかコンプライアンスの担当者の研修というのを行いましたし、また、協会において、各証券会社に声をかけてワーキンググループをつくって、どのような社内研修を行えばいいかというのを議論しまして、現在、各証券会社で研修を行っている次第でございます。

 また、今回のインサイダー事件において、では、チャイニーズ・ウオールのところの法令が改正されたかというと、新たにつけ加えられたものはあるんですけれども、チャイニーズ・ウオールそのものにおける法改正は行われておりません。ただ、それを守る側の証券会社に問題が確認されたということで、そこのところをきちんとこれから各証券会社が適切に対応していくということを行う。

 そういうことで、先ほど申し上げましたように、モニタリングを強化しまして、日常的に、法人関係情報の障壁、チャイニーズ・ウオールが守られているかどうかというものを確認していくということをやっていくということでございます。

 信用失墜を起こしてしまって非常に迷惑をおかけしたわけですが、このようなことが起こると証券業界は立ち直れないと思っておりますので、二度と起こさないように各証券会社とともに頑張ってやっていきたい、このように思っていますので、御理解いただきたいと思います。

小林(鷹)委員 前会長、力強い御答弁、ありがとうございました。

 次に、五%ルールについて質問させていただきます。

 五%ルールは、銀行の財務の健全性確保、あとは、銀行による産業支配あるいは利益相反といった観点から規定された経緯がございますので、私は、原則としては、例外を設けていくことにはできるだけ慎重であるべきだと思っています。

 しかし、一方で、アベノミクスによって景況感が上向いて、株価も一万五千円を突破する中で、経済成長の果実は、実はまだ幅広くは享受されていない状況でございます。お金という血液が、大動脈ではなくて、しっかりと手足の爪先、指先まで毛細血管を通じて行き渡っていくことが必要だと思っております。

 その意味で、今回の改正を通じて、銀行が資本性の資金を供給する、そうした選択肢をふやすことによって企業再生あるいは地域経済の再生化に資する効果がもしも見込めるのであれば、一定の意義があると同時に考えております。

 その中で、一つだけ懸念があるとすれば、今回新たにルールの緩和の対象となっているのが、経営がどちらかといえば傾いた企業であって、今回の法改正でどれほどの需要や効果が見込まれるのか、銀行サイドからの御見解を伺いたいと思います。

國部参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、銀行は、五%ルールということで、事業会社の株式を五%を超えて持てないという状況になっているわけでございますが、これは、銀行経営にとりまして、政策保有株を多く保有することの経営へのリスクを軽減するという観点、そして他業禁止の観点から取り入れられているというふうに理解をしております。

 今回の改正では、こうした五%ルールの基本的な考え方は維持をしつつ、地域経済の再活性化であるとか、あるいは事業再生、こういったことに資する効果が見込める一定の分野について規制が緩和されるものであるというふうに理解をしています。

 したがいまして、どういう案件にこれを適用していくかというのは各金融機関の個別の判断ということになっていくわけではありますけれども、さまざまな事例におきまして、こういう資本性資金の供給をより柔軟に行い得るような形で選択肢がふえるということは、金融機関にとって、地域経済の活性化あるいは事業再生ということをより進めやすくなるという効果があると思いますので、効果があるものというふうに思っております。

 以上でございます。

小林(鷹)委員 前向きな御意見、ありがとうございました。

 いずれにしても、日銀による金融緩和が経済成長につながっていくためには、金融機関がより積極的にリスクマネーを供給していく必要があると思っております。融資についてもしかりで、預貸率をさらに引き上げていく努力、こうしたこともお願いしたいと思います。

 その意味で、十分なリスクマネーの供給と財務の健全性という、ベクトルが違う二つの要請をできるだけ高い次元でマッチさせていただけるように、今後も、自主的なリスク管理のあり方等につきまして、さらなる努力をしていただきたいと心から期待をしております。

 最後に、AIJの事案について伺わせていただきます。

 今回の法改正については、一連の事案に対する対応として評価をさせていただいております。

 一方で、このAIJ事案によって、今、投資顧問業界の信任が低下をするとともに、主要顧客である年金基金の多くが今後解散していくと見込まれます。いわば、国内のパイが減少していく中で、この業界には今逆風が吹いているものと認識をしております。

 そうした中で、投資顧問業界が今後発展を続けていくためには、今回の事案を重く受けとめていただくとともに、逆に、二つの意味において、海外展開を積極的に展開していただく必要があるのかなというふうに思っています。

 一つの海外展開の意味は、投資対象としての海外資産、これについての運用能力をできる限り向上させていくために、例えば、海外の運用機関との連携をさらに図っていただいたり、あるいは、その経営ノウハウをより積極的に学んでいくような取り組みをしていく必要があるのではないかということが一点です。

 もう一点の、別の意味での海外展開というのは、日本の運用会社が海外の資金を逆に日本の中に取り込んでくる、その能力を向上していくべきではないかと思います。

 安倍政権下で景気が上向く中で、今、日本への注目がかなり高まっています。チャンスだと思っています。こうしたチャンスを生かして、例えば海外の年金基金やソブリン・ウエルス・ファンド、こうしたところから日本のベンチャービジネスのシードマネーみたいなものを積極的に取り込むように努力をしていただくべきではないかというふうに思っておりますけれども、岩間会長の御自身の経験も踏まえながら、簡単にお伺いできればと思います。

岩間参考人 お答えいたします。

 先生御指摘のとおりだと私も存じております。

 まず、第一点の、日系の運用機関にとって海外資産に対する運用力を向上しなきゃいけないということについては、今の環境で考えても、当然我々として留意しなきゃいけない問題である、必須の課題であると思っております。

 業界を見渡してみますと、既に、日系の運用機関の一部には、海外に拠点を置き、あるいは海外の運用機関との提携を積極的に図って運用ノウハウ、経営手法などの習得に鋭意取り組んでいる、こういう事例がこのところかなりふえております。これをさらに促進して、そういう能力が高まるように業界としても鋭意努力してまいりたい、こう思っている次第でございます。

 それから、第二点目の、日系の運用会社が海外のお金をしっかりと運用する、そういう取り込みの努力が必要ではないかという御指摘でございます。

 これも私は全く同感でございまして、業界として力を入れていかなきゃいけないということだと思いますが、これには、まず、母国マーケットである日本市場での運用能力というものが、非常に競争力があって、一層向上するということが重要であると考えておりまして、これが海外マネーの取り込みにつながるということであろうかと思います。

 御指摘のとおり、今、非常に日本市場が注目されております。日本の市場の魅力が向上することによって海外のお金が日本に向かう、この流れを日本の運用会社が受けとめるということがいかにできるかということが大事だと思います。

 運用力の一層の向上によって、海外の名立たる年金基金などから受託をする運用会社も実は増加しつつございます。既に会員各社においては、ニューヨークやロンドン、シンガポールなどに海外拠点を設立し、活用することで、海外顧客の開拓に鋭意努めているという情報もございます。

 時間はかなりかかると思いますけれども、徐々に成果が出てきつつあるという状況ですので、これをさらに促進すべく、業界としても努力してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

小林(鷹)委員 ありがとうございました。

 私たち自民党は、総選挙の公約の中で、アジアナンバーワンの金融資本市場を構築するとうたいました。参考人の皆様と我々は、立場は異なりますけれども、共通の目標の実現に向けて、今後協働させていただけることを期待して、質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。

金田委員長 ここでお願いがあります。

 質疑者の方は、どの参考人に答弁を求めるのか、その都度明示をお願いいたします。

 それでは、次に、安住淳君。

安住委員 おはようございます。

 三参考人、お招きをさせていただきましたけれども、快く引き受けていただいて、感謝を申し上げます。

 それでは、時間もありませんので、手短に、順次質問させていただきます。

 まず、簡単に申し上げますが、この法律は、御存じのとおり、私も含めて、昨年のさまざまな事案に、また、一昨年のカンヌ・サミットでは、直接私が提起をして、国際破綻ルールをつくろうということでやってまいりましたので、その骨格をこの法案に盛り込んでやっておりますので、民主党も賛成をしております。まだまだ不十分な点もありますが、しかし、前に一歩進んだのではないかと思います。

 ただ、個々の問題については、業界を含めてさらに対応していただかなければならないこともありますので、その点を中心に伺います。

 まず、國部参考人に伺います。

 五%ルールのことでこれから一番大事になってきますのは、新たなルールを各行がどう活用していくのかということになると思います。

 もちろん、過去の経験を踏まえれば、不良債権等の問題について、私ども以上に銀行業界の皆さんは、そういう意味では大変注意をしていると思います。

 しかし、規制を緩和していくということは、今後、全銀協になるのかそれとも各行別になるのかわかりませんが、それぞれの新たな対応マニュアルというものが必要になってくると思いますが、それらについてどういうふうに取り組むのか、まず簡潔に意見を伺わせていただきたいと思います。

國部参考人 お答え申し上げます。

 今回の五%ルールの緩和につきましては、地域経済活性化あるいは事業再生に資する効果を持つものとして、私どもの選択肢が広がるものと理解をしております。

 一方で、先生御指摘のとおり、今回の取得によりまして、基本的には非上場の中堅中小企業が多くなると思いますので、やはり個別案件につきましては、各金融機関がしっかりと基準をつくり、どういう案件に取り組んでいくのかということを行内でしっかり議論をしておくことが必要だと思います。これは、全銀協として何かガイドラインをつくるとかそういうことよりも、やはり個別の銀行がしっかりと対応するものと思っております。

 いずれにいたしましても、私どもは、株を保有することのリスク、これの全体のリスクを、ほかの銀行が抱えている例えば信用リスクとか市場リスクとか、そういうものもあわせまして、統合的なリスク管理体制の中でしっかりと管理をしていきたいと思っております。

 以上でございます。

安住委員 引き続き、もう一点、國部参考人に伺います。

 中小企業の金融円滑化法の問題で伺いますが、実は、三月末で期限が到来をいたしました。日本の国内ではもともとこの法案の賛否また議論の分かれるところでございましたが、とりあえず三年間行われたわけであります。

 しかし、事業再生支援や経営改善計画策定支援が必要な企業というのは、実は国内には五、六万社あるのではないかと言われているわけですね。これらが果たして今後どうなるのかということは、ひとえに全銀協加盟の銀行の皆さんの対応次第にかかっていると私は思います。

 円滑化法そのものをそのまま続行するべきではないと、当時、金融担当大臣の代理も務めておりましたので、私も思っていた方でございますが、ソフトランディングをどう図っていくかということと同時に、やはり各銀行がそれぞれ地域で、中小零細企業にかかわることでございますが、どうこれらを生かしていくかということが新たな課題になると思いますので、この取り組みのあり方について、御意見があればお聞かせを願いたいと思います。

國部参考人 お答え申し上げます。

 金融円滑化法につきましては、三月末で期限が到来をしたわけでございますけれども、それによりまして、いわゆる期限到来後、我々金融機関の対応、融資姿勢が従前より変化することはございません。全銀協といたしましても、二月に改めて申し合わせを行いまして、この点を確認しております。

 中小企業等に対する金融の円滑化、すなわち、先生よく御存じのとおり、お客様から貸し出し条件の変更を要請された場合は丁寧に対応すること、また、経営改善に向けたコンサルティング機能をしっかりと果たしていくこと、こういった点については、既に三年間の取り組みで会員に徹底、浸透してきておりますし、期限到来後もこれについては一切変わることはないということで申し上げさせていただきます。

 また、先週、全銀協におきまして、中小企業者等に対する金融の円滑化に向けた行動指針、これは以前策定をしていたのですが、それを改定いたしまして、お客様のライフステージに応じた事業改善支援であるとか、外部機関等の活用も含めた最適なソリューションの提供といった銀行界が共有すべき理念につきまして、改めて明確化をさせていただいております。

 我々金融界として、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

安住委員 ありがとうございました。

 昨年来、國部参考人とはさまざまな立場でお話しさせていただきましたけれども、円高が非常に厳しい時代だからこそ、逆に当時は、海外にどんどん積極的に進出していただいて金融大国としての地歩を固めようということを私どもも民主党政権下で申し上げました。

 東南アジア、ましてアメリカ大陸においても、主要企業が日本の銀行に対して大変熱い視線を送っておりますので、ぜひ、それに応えるような形で、事業を拡大していきながら、強い銀行をつくっていただきたいと思っております。

 さて、次に、前参考人に伺わせていただきます。

 昨年来、日本の名立たる証券会社の公募増資インサイダー取引の不祥事については、私は、率直に申し上げまして、本当に、古くて新しい課題、また永遠の課題だなと思っておりました。これは、企業、業界団体全体の倫理にかかわることです。

 結果的には、日本の株式市場を見ましても、外国人投資家が圧倒的に多くて、善良なと言ったら大変恐縮ですが、普通の国民の皆さんが、銀行預金の金利がこんなに低いにもかかわらず投資に向かない一つの原因には、やはり、株屋と言うのは大変失礼な言い方でございますが、証券会社に対する不信感があると思います。

 そういう中で起きた事案でありますので、やはり私は、業界として具体的にどういう対応をするのかが問われると思います。それを本当に厳しい上にもやらないと、信頼の回復がつかなくて、株式が上がってもそれは私には全く関係ないという国民がこんなに多いというのは、実は異常なことだと思います。取り組みを私どももしましたが、やはり業界団体全体の自浄能力が問われると思います。

 先ほど、日常的なモニタリングをするというお話を伺いました。具体的にどういうふうにこれをやっていくのか、簡潔にお答えを願いたいと思います。

前参考人 お答え申し上げます。

 本当に先生のおっしゃるとおりで、私どもの業界の至らなさだなというのを痛感しております。

 私は、証券業協会会長になってから三年間、信頼の向上というものに取り組んでまいりましたところ、昨年あのような事件が起こり、本当に痛恨のきわみでございます。

 そこで、どうするかということですが、特効薬はない、このように思っています。ですから、地道に協会員が、今ある法律、それから当協会の持っている自主規制ルールを着実に守る。それを、きちんとまた検査その他で、私ども、あるいは金融庁の監視委員会等と協力しながら、どのようにきちんと行われているかというのを検査していくことで、着実に証券会社の内部管理体制あるいは法令遵守体制を築き上げていくということと、役職員の倫理観の向上、行動規範の向上に鋭意取り組んでいくということに尽きると思いますので、一生懸命やっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

安住委員 ぜひ業界全体として、やはり、安心して国民が、銀行に預金を預けるのと同じぐらい気軽に投資をして、そしてきちっとリターンがもらえると。何か特定の人たちだけが大きな金を動かして、庶民には全く関係ない世界だと思われているからこそ、私は日本の株式市場は育っていないと思います。その責任の一端は、やはりプレーヤーである証券業界が抱えている問題があるということを私は残念ながら指摘をさせていただきますので、ぜひ、開かれた、そして透明性の高い業界として国民に受け入れていただくよう努力をしていただきたいというふうに思います。

 さて、岩間参考人に伺います。

 AIJ事案は、昨年ここでも、財務金融委員会で相当議論がありました。もちろん、先ほどお話がありましたように、基金を運用する側の責任も率直に言えばあります。これを単に投資顧問会社だけに責任を負わせるというのではなくて、ある意味では、武家の商法ではございませんけれども、預かったお金を運用する責任というものをしっかり果たすような人たちが上に立っていたかどうかということは問われると思います。それはしかし、金融庁も国も含めて反省をするし、また、これはこれとして大きな課題として残っておりますので、この問題は、別途またしっかりやらせていただきます。

 投資顧問会社全体ではたしか七百社ぐらいの登録企業があると思いますが、やはりこのコンプライアンス。それから、率直に言えば、AIJのときは、あれだけの運用利益を出すということは、この会社は本当は少しおかしいのではないかということが業界内部全体で広まっていた、しかし、その広まっていた不信感や疑問について、そのままいわば放置をしていたと言っては恐縮でございますが、そういう実態があの事件を大きくしてしまったんだと私は思います。

 そういう点からいえば、先ほどコンプライアンスの問題等ありましたが、やはりこれも証券業界と同じく再発防止策を、私は、決して、罰則の強化だけでこの体質が直るとは全く思っておりません。ということは、やはり投資顧問業界全体の対応というものが国民に見えるような形にならなければならないと思いますので、最後に、この取り組みをどういうふうにしていくのか、お聞かせを願いたいと思います。

岩間参考人 お答え申し上げます。

 まことに御指摘のとおりでございます。あのような事態を惹起するということについて、協会としても大変深刻に受けとめて、これから考えていかなきゃいけないということで、そういう意味で、冒頭にお話ししましたように、いろいろな対策を既に打っております。

 非常に大事なことは、いわゆる職業倫理の徹底といいますか、やはり大事な人様のお金を預かって運用している、この責任を完遂するために何に着目しなきゃいけないかということで、これはもうある意味では当たり前のことでございますけれども、先ほど御説明いたしましたように、協会といたしまして、倫理綱領というのを再確認いたしました。これは、経営者みずからそういうことを拳々服膺していただいて、現場にも徹底していただくということをしておりまして、折あるたびにそういうことを再確認するということをまず第一に心がけたいと思っております。

 それから、いろいろ細かいルールも是正いたしまして、先ほど御説明したように、実行に移しております。これがどの程度定着するかということについて、やはりこれもずっとウオッチをして、注視をし、是正していくものは是正していくということを基本姿勢として取り組みたいというぐあいに思っております。

 幸いにして、やはり深刻に受けとめる会員が多い。もちろん、受けとめない会員がいては困るわけでございまして、そういうことを徹底してやっておりますので、徐々にそういうことが浸透してまいるということだと思っておりますし、研修だとかセミナーとか、それから、どの程度定着しているかということのフォローアップというのをしっかりやっていくというぐあいに心がけておりますので、御心配をおかけしないように努力してまいりたいと思っております。

安住委員 時間が参りました。ありがとうございました。

 余りこういう事案が続くと、私は、自分では決して望んでおりませんが、官の世界が厳しい検査をするというのは決して健全なものだとは思いませんが、これ以上不祥事が続けば、やはり金融庁の体制そのものを強化していくという流れにならざるを得ません。

 そうならないためには、やはり業界がしっかり国民の皆様の信頼に応えることだと思うということを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

金田委員長 次に、西野弘一君。

西野委員 日本維新の会の西野弘一でございます。

 まず、國部参考人に二点お伺いいたしたいと思っております。

 実は、昨日のこの委員会で、私ども日本維新の会の松田議員と麻生大臣とのやりとりでもありましたけれども、千五百兆円を超える個人の金融資金のほとんどが一般の金融機関に預けられて、最終的にはそれが赤字国債の購入にほとんど充てられている、これではいわゆる国の富の先食いをやっているのではないか、それがこの国の経済を再生するに当たって一番大きな課題ではないかということを指摘されておりましたけれども、まさにそのとおりではないかなと思っております。

 今回、五%ルールを見直しされましたけれども、ある意味では、資本性資金をしっかりと供給していくという方向に立った改革ではないかなということが言えると思うんです。

 今後、日本の経済を再生するに当たり、銀行としてどのような取り組みをされていくのか。先ほども御答弁ありましたけれども、さらに踏み込んで、この五%ルールの見直しもありましたが、どのような規制改革であったり制度改革であったりというのが必要だというふうに考えておられますでしょうか。

國部参考人 お答え申し上げます。

 今回、法案に含まれております五%ルールの改正、これも地域経済の活性化あるいは事業再生に資するという方策でございます。加えまして、先生の御質問にございました、今後日本経済をどう成長させていくのかということにつきましては、安倍総理が三本の矢ということで公表され、矢継ぎ早に政策を打ち出されておりまして、この効果によりまして、円高の修正あるいは株高ということで、経済がかなり雰囲気がよくなってきております。

 そうした環境の中で、私ども金融機関といたしましては、我々の本来的な業務、社会的使命であります金融の円滑化、ここに各行が工夫をいたしまして精いっぱい努めていくということがまず第一に申し上げられることだと思います。

 それ以外に、私ども、今回、全銀協の今年度の取り組みとして幾つか掲げておりまして、二つ申し上げさせていただければと思うんです。

 一つは、アジアの成長を我が国の成長につなげるための枠組みの整備、こういうことをやっていこうとしております。まさに、高成長を遂げるアジアとともに成長していく、あるいはアジアの成長を取り込んでいくということで、安定的な外貨調達を支援する枠組みであったり、アジア各国における金融インフラの整備、あるいは金融規制緩和、こういったことを推進していければなというのが一つでございます。

 もう一つは、インフラ整備への民間資金の活用ということで、先般、経済財政諮問会議でもPFIの議論がなされたと聞いておりますけれども、こういった制度を促進することによりまして、民間資金を活用してインフラ整備を進めていく、こういったことも、今後、日本の経済を成長させていくための方策としては必要なのかなと思っております。

 以上でございます。

西野委員 ぜひまたいろいろな意見を聞かせていただきながら、我々も取り組んでいきたいなと思っております。

 先ほども議論がありましたけれども、金融円滑化法が終了しまして、一方では、地力のあるところが延命というか、できたのではないかなという評価もあるんですけれども、ただ、私は、本来、経済の再生というか、経済の発展のためには、厳しい言い方かもわからないですが、やはり新陳代謝が必要なのではないかなというふうに思っております。この金融円滑化法によって、ある意味では、本来起こるべき代謝が起こらなくて、本来流れていくべきところに資金、資本が流れなくなって、成長を妨げてきたのではないかなというふうな思いを持っているんです。

 國部参考人に伺いたいんですが、この金融円滑化法によって、この間、この国の経済がどのように歩んできたかというような総括と、これからも銀行が中小企業に対しての態度は変えないですよという御答弁はありましたけれども、今後、また新たに、中小企業をしっかりと支えていくという意味で、銀行としてどのような取り組みが必要だというふうに考えておられるか。この二点、お答えいただけますでしょうか。

國部参考人 お答えをさせていただきます。

 先生御指摘のところ、新陳代謝が必要なのではないかという点があることは否定はできませんけれども、今回の金融円滑化法によりまして、中小企業等の金融円滑化に努めるという趣旨を踏まえた取り組みが全国の金融機関でしっかり徹底されたという効果があったというふうに私は認識をしております。

 また、円滑化法施行後、倒産件数が減少しているということ等を踏まえますと、本制度が、ある意味、この間、非常に厳しい経済環境にあったわけですけれども、その日本経済を一定程度下支えする役割を担ったという評価をしております。

 いろいろコンサルティングをすることによりまして、実際に事業再生を果たしておられる企業さんもございますので、こういった取り組みを進めていくこと自身が、もちろん企業の成長ということにもつながるんですが、日本経済の下支え、改善ということにつながっていくと思います。

 それから、二点目の御質問の点でございますが、私ども金融機関といたしましては、中小企業への融資あるいは取り組みということにつきましては、幾つかの取り組みをしております。

 今、中小企業の皆さんにとって一番重要なのは、やはり仕事が必要、仕事がないといったようなことがまず非常に切実なニーズでございますので、それに対しては、私ども金融機関、いわゆるビジネスマッチングというふうに呼んでいますけれども、例えば、販売先を拡大するニーズがあるところは、その販売先の広報をお連れしてマッチングさせる、こういったような取り組みをしておりまして、私どもでも昨年度で一万件ぐらいの実績がございます。そして、海外へ進出する企業につきましては、いろいろアドバイスをしていく、あるいは、個人の事業主さんのところでは、例えば事業承継とか、こういったことが非常に大きなニーズになっていますので、そういった提案、コンサルティングをしていく。

 そういった取り組みを地道に続けることによりまして、しっかりと中小企業の皆さんの金融の円滑化に応えていきたいというふうに思っております。

 以上でございます。

西野委員 ありがとうございます。

 私の選挙区は大阪の東大阪市というところで、かつては一万二千社ぐらいの中小企業があったんですが、今はもう六千社ぐらいになってしまっていまして、そういう中で、新陳代謝が必要だと言いながらも、どこかで、この円滑化法が終了することでえらいことになるんやないかと心配しておりましたが、今御答弁にもありましたように、そういう意味では、業界挙げて御協力をいただいて、取り組んでいただいて、うまくソフトランディングをしつつあるなというところは大変評価をし、また、ありがたいなというふうにも思っております。

 また、あわせて、さまざまなビジネスマッチング、販路拡大にいろいろと御協力いただいていることもお聞きしましたが、今後もぜひ中小企業の支援に取り組んでいただきたいなということをお願い申し上げて、次に、前参考人に伺いたいと思います。

 先ほどの質疑の中で、いわゆるチャイニーズ・ウオールがしっかりと機能していなかったという御答弁がありました。そういう意味では、本当にしっかりと社内に万里の長城を築けていなかったんだということだと思います。

 それで、モニタリングを五十四社でしたか。(前参考人「五十三社」と呼ぶ)五十三社にモニタリングされたということでございますが、その中で、実際に、少しこれは問題があるなというところが何社ぐらいあったのか、また、もしあったとすれば、もう既に十分な改善が図られているのかどうか、教えていただけますでしょうか。

前参考人 金融庁が検査報告を求めたのが十二社ということで、それ以外の五十三社に対して自主点検をお願いしたということを申し上げました。

 それで、既に回答をいただきました。これは昨年の秋のことでございます。それを検討した結果、現時点で問題があるということで指摘をしたところは一社もございません。

 ただし、内部管理体制が脆弱であるというような印象は証券業協会は持っておりますので、今後も、内部管理体制の充実、確実に、チャイニーズ・ウオールをしっかり守るんだという、これをやっていただく、それを検査あるいは自主点検でモニタリングしていくということでございます。

西野委員 ぜひしっかりと今後も取り組んでいただきたいと思っております。

 また、一方で、我々もそうなんですが、例えば選挙のときに、選挙のコンプライアンスでちょっとわからないことがあったら、これは選管に聞くわけです。実際に取り締まるのは警察が取り締まるわけなんですけれども。そういう中で、余り取り締まりというか、金融庁の監視が厳しくなり過ぎると、何か取引まで萎縮するようなことがあってはいけないと思うんです。

 証券監視委員会の機能の拡充ということがありますけれども、どのようにあるべきだというふうにお考えになっておられますか。

前参考人 お答えします。

 検査機能を持っておりますのは、証券取引等監視委員会と、それから、私たち日本証券業協会も監査の機能を持っております。違うのは何かというと、強制権があるかどうかというところが違います。ですから、監視委員会の検査というのは非常に重い。証券業協会の検査では、指摘になり、また処分も行いますけれども、監視委員会は、内部管理体制の不備ということで、業務改善命令だとか、そういう形のものにつながりますので、非常に重い。

 ですから、官の監査は非常に強いということでございますので、その監査をきちんと通ることが証券会社にとっては非常に大事だというふうに私自身は考えております。

西野委員 ぜひ、業界でそこはしっかりと取り組んでいただくことがまた信用の向上にもつながっていくと思いますので、お願いしたいと思います。

 あわせて、岩間参考人にも伺いたいんですが、今回、AIJの事件を受けて、罰則の引き上げが行われましたけれども、これは、お金を預けている側からすると、詐欺に遭ったようなものなんですね、感覚的には。そうすると、詐欺罪ですと、組織的にやったということになると一年以上の有期刑ですし、また、被害の金額が大きければ、過去に、二十年、三十年という懲役もあり得るわけなので、今回、罰則は引き上げられたとはいえ、そこから考えると、まだまだ厳しくしてもいいんじゃないかという声も現にあります。

 そこで、業界全体として信用、信頼を回復していくという観点から、業界としても、いや、もっと厳しくしてもらってもいいんだよ、我々はこれから真剣に取り組んでいくので、むしろそういう不届きな者を排除するように厳しくしてくださいというような声を上げていただいてもいいんじゃないかなと思うんですが、その点について、いかがでしょうか。

岩間参考人 お答えいたします。

 冒頭にも申し上げましたように、AIJ事案について、どういうことをこれからやっていって社会あるいは投資家の信頼を回復していくかということは、極めて重要な課題であるというぐあいに私ども認識しております。

 御指摘の、法改正の大きな核が罰則の強化ということになっておるわけでございますが、この量刑をどのように判断されるかということについては、基本的には、金融商品取引法におけるほかの罰則、あるいは他の法令における罰則等とのバランスを総合的に考慮されたということであると私は理解しております。それが軽過ぎるのか重過ぎるのかというのは、課題としては今後も出てくる話だと思いますが、今回のプロセスにおいては、そういう点で提案されているんだという理解でございますので、まず一つ前進したということだと思います。

 御指摘の点については、多面的に将来も検討していく、私どもだけではなくて、社会全体がどういうぐあいにお考えになるかということになってくるんだろうと思っております。

金田委員長 時間が参りました。

西野委員 時間になりましたのでこれで終わりますが、とにかく、キーワードというか肝は、きょうは三つの団体にお越しいただいていますけれども、それぞれの団体というか業界独自でしっかりと取り組んでいただくということだと思っておりますので、今後も引き続き真摯に取り組んでいただきますようお願いして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

金田委員長 次に、上田勇君。

上田委員 公明党の上田勇でございます。

 きょうは、三名の参考人の皆様には、大変お忙しいところ当委員会の方に御出席をいただき、また、先ほどは大変貴重な御意見も頂戴をいたしまして、改めて厚く御礼を申し上げます。

 今回の金融商品取引法の改正案、法案と、それから、今御意見を伺いました内容等につきまして、順次御質問させていただきたいというふうに思いますので、どうかよろしくお願いをいたします。

 まず、國部参考人にお伺いをしたいというふうに思います。

 今度提出をされた法案の中に、金融機関の秩序ある処理の枠組みについて規定がなされております。法案では、事後的に負担を課す特定負担金の仕組みが定められております。その際の徴収の対象というのは、この処理の枠組みが、システム上重要な金融機関ということになっていることから、銀行だけではなくて、その他の金融業界全体が対象になると思われます。

 金融業と一口に言っても、それは銀行、証券、保険、今は相互に業務参入しているという面もありますけれども、それぞれで業務の特性というのはかなり異なっているというふうに思われます。

 したがって、これは今の預金保険の枠組みとは別の仕組みで考えていかなければならないんだろうというふうに考えますが、これから負担金の算定の方法であるとか、またその配分について検討がされて、それから決定をされていくことになるというふうに考えておりますけれども、今後の検討について、あらかじめ御意見があれば、ちょっと伺いたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。

國部参考人 お答え申し上げます。

 今回の問題は、先ほど、冒頭でも申し上げさせていただきましたが、リーマン・ショックのときに、リーマン・ブラザーズの問題、あるいはAIGの問題等々、さまざまな業態の会社にいわゆる市場等を通じたリスクが伝播するということがございましたので、国際的な議論、G20あるいはFSBの議論を踏まえまして、金融業全体を対象とした破綻処理制度を導入するものであるというふうに認識をしております。

 したがいまして、そういった趣旨からいいますと、破綻処理にかかる費用というものにつきましては、今回の法案で示されているとおり、金融市場に参加をします金融機関が幅広く負担すべきというふうに考えております。

 具体的な費用分担のあり方につきましては今後検討が進められていくわけですが、まさに、金融審議会の報告書でも述べられておりますけれども、既存のセーフティーネットの枠組みであるとか、制度から受ける便益であるとか、あるいは、それぞれの業態の業務の特性、こういったことを加味した上で検討することが適当というふうにされているわけでございますけれども、私どもとしても、そのような方向で検討が進められるものというふうに認識をしております。

 以上でございます。

上田委員 ありがとうございます。

 従来の預金保険と違って、業態もさまざまでありますし、当然リスクもさまざまでありますので、今いろいろとお話がありましたけれども、そういった新しい発想での検討がこれから必要になるんだろうというふうに思っております。

 次に、引き続き國部参考人にお伺いをいたしますが、銀行によります資本性資金の供給について、本法案では、事業再生会社、それから地域経済の面的再生事業会社、その他について、いわゆる五%ルールを緩和するということになっております。

 先ほどからお話もございますとおり、これらの分野というのは、資本性資金の出し手がなかなかないという現状がございまして、そういう意味で、銀行によるそういう積極的な対応というものには大変期待が大きいというふうに考えております。

 一方、これも先ほどからいろいろと御発言があったとおりで、事業の健全性の確保ということも、とりわけ銀行については、その資金は預金というものが原資になっているわけでありますから、当然、慎重にという面もあるんだというふうに思います。そういう観点から、どれだけ銀行が積極的にリスクをとりに行くのかという、そういう意向についてはいろいろと疑問が示されるという点もございます。

 そういう意味で、非常に期待が大きい中でありますので、バランスは必要でありますが、ぜひ、できるだけ積極的な対応をしていただくようにお願いをしたいというふうに考えております。

 また、先ほど、リスク管理体制についても十分留意をされていくというお話もございました。リスクと積極的な対応とのバランスということは重要であるというふうに思うんですけれども、このリスク管理体制について、やはり、これはどうしてもリスクの高い分野への資金の拠出になるというふうに思います。その意味からは、通常の融資と今回の資本性資金というのはリスクが異なるものですから、区分管理するなど、やはりそういうような対応が必要ではないかというふうにも思われます。

 このリスク管理について、何か具体的な点があれば補足をしていただければというふうに思います。よろしくお願いいたします。

國部参考人 お答え申し上げます。

 今回の五%ルールの緩和は、地域経済の再活性化あるいは事業再生に資するもので、選択肢が広がるということで考えております。

 先生御指摘のリスク管理という点についてでございますけれども、私ども、統合的なリスク管理体制の中で、今回の株式の保有に係るリスクというのは、ほかのリスクとは別のカテゴリーでしっかり管理をしていきたいというふうに思っておりますし、具体的に、リスク管理といたしましては、例えば、当該案件の事業再生計画がどういうもので、本当に再生がなされていくのかどうかということの審査であったり、あるいは、一旦株を保有してから、その後の進捗状況、どういうふうに業務が展開をしているのか、こういったことについてしっかりと見ていくということが大変必要になってくるのではないかというふうに思っております。

 以上でございます。

上田委員 ありがとうございます。

 続いて、前参考人にお伺いをしたいというふうに思います。

 今回の法案では、インサイダー取引規制、さまざまな対策が講じられております。こういう対策が講じられても、幾らルールを整備したとしても、やはり、プレーヤーである証券会社が、マーケットの公正性や健全性というのは非常に公共性が高いという、先ほどの御発言にもありましたけれども、そういう自覚を持ってこうした不正取引を防止するという対応がなければ機能しないものだというふうに考えております。

 先ほどから御説明をいただいておりますが、ぜひ、ガバナンスの強化について、再度要請をさせていただきたいというふうに思います。

 それで、ちょっと中身についてでありますけれども、この法案の審議の過程で、情報伝達・取引推奨行為の規制のあり方について、情報受領者に取引を行わせる目的をもって行う者に限ると、いわば主観的な要件が設けられています。これがその有効性に対してどうなのかというようなところが法案の審議の過程でもいろいろ示されてまいりました。

 実務上の立場から見て、こうした主観的な要件というのは、十分わかりやすいものであるのか、誤解を生むような懸念はないのか。また、もしそうしたわかりにくさというのがあると、これは全体的に経済活動を過度に萎縮させてしまうようなことにならないのか。こういったことも法案の検討段階でもいろいろと議論がされたというふうに承知しておりますけれども、そういった点、御見解を伺いたいというふうに思います。

前参考人 お答えさせていただきます。

 今回の一連の公募増資インサイダー事案を踏まえまして、本協会は、先ほどの冒頭陳述でも申し上げましたように、証券会社への自主点検を要請した。それから、違反証券会社に対して協会処分を行いました。それから、自主規制規則の整備及び行動規範の策定といった対応を行った。これで全部が完璧だというつもりもございませんけれども、まず、こういう取り組みを行いながら、取り組みを強化していきたいと思っています。

 特に、自主規制規則の整備におきまして、二つ大きな改正をしております。

 この四月に、協会員における法人関係情報の管理態勢の整備に関する規則という中で、先ほども申し上げた、日常的なモニタリング体制を構築することをきちんと各個社で決めていただく、それをまた点検するということですね。

 それから、もう一つ、有価証券の引受け等に関する規則の一部改正におきましては、公募増資の公表前に株価の大幅な下落が認められた場合には、主幹事証券会社がその公募増資の日程について発行会社と協議を行うこととすると。今まで株価審査というのは行っていますけれども、大幅な下落だと一般的に見られた場合には、もう一度、このファイナンスを実行するのかどうかというのを発行会社と協議するというのをつけ加えたということでございます。

 それから、二点目の、情報伝達について主観的な要件が入っているが、こういう条件だと現場において混乱するんじゃないかという御懸念、御質問でございます。

 発行会社から、いろいろな形で、業務提携の交渉とか投資家向けの説明会とか、これはIR活動といいますけれども、さまざまな場面で情報が発出され、投資家等々とのやりとり、あるいは関係各所とのやりとりが行われている。今回の法律案では、こうした通常の業務、活動に支障が生じることがないように配意をした上で、また、他方で、不正な情報伝達・取引推奨行為を規制対象とするために、今回、立証可能性にも留意しつつ、主観的な要件、先ほど先生が申し述べていただきました、取引を行わせることにより利益を得させる目的をもって行う情報伝達・取引推奨行為ということに限定していただいております。これによって、現場は混乱しない、このように考えております。

 また、経済活動が萎縮するかどうかという御質問でございますけれども、今回の法律案では、発行会社に通常の業務、活動に支障が生じないように、先ほど申し上げた不正な情報伝達・取引推奨行為に対象を限定している。また、主観的要件、取引を行わせる目的、先ほど申し上げました。それともう一つ、取引要件、実際に取引が行われたことということが規制の対象となっておりますので、この二つのことを考えて規制を行っていただいていますので、経済活動が萎縮するおそれもない、このように考えております。

 以上でございます。

上田委員 ありがとうございます。

 それでは、岩間参考人にお伺いをしたいというふうに思います。

 AIJ事案を踏まえた資産運用規制の見直しがこの法案でいろいろ規定されております。投資一任業務に関してのチェック機能の強化や罰則の引き上げ等が措置をされています。

 ただ、AIJ事案というのは、これはもう明らかに、初めから不正を行うこととして意図をした、犯罪を行うということが意図されていたような事案だろうというふうに思います。そうすると、そういうふうに、初めからそういう不正行為、犯罪を意図していると、いろいろな抜け穴というのを、していくわけでありますので、果たして、今回の改正、こういうチェックや罰則というようなことで、もともと犯罪を目的とした、そういった行為に対して有効に対応できるのか、その辺の御見解を伺いたいというふうに思います。

岩間参考人 お答え申し上げます。

 今回の改正法案に盛り込まれました罰則といいますのは、先ほども申し上げましたように、契約締結時の際の偽計とか勧誘の際の虚偽告知、あるいは運用報告書等の虚偽記載について違反があった、おろそかにしたということについての罰則強化があります。

 これは、基本的には金融犯罪の抑止に有効であると私は考えております。例えば、運用報告書等の虚偽記載につきましては、これは、運用契約を締結した後も、業者の不正行為の抑止、牽制に効果があるというぐあいに考えられます。この意味で、長期投資を志向するお客様にとっては、金融犯罪による被害を受けることを防止する意義が出てくるというぐあいに考えております。

 いずれにいたしましても、今回の改正法案等に盛り込まれた各種の措置を着実にまず実施することが再発防止に極めて重要かつ有効になるのではないかと考えておりまして、そういう方向で我々もウオッチしてまいりたいと考えている次第でございます。

上田委員 時間なので、終わります。

金田委員長 次に、小池政就君。

小池(政)委員 みんなの党の小池政就です。

 きょうはお忙しいところをありがとうございます。時間も限られていますので、できる限り皆さんの声を聞かせていただきたいと思います。

 ただ、業界によっては、きょう、冒頭の陳述でも反省の弁からありましたように、なかなか法案に対して注文をつけるというのは難しいような立場ということを感じさせていただいております。ただ、業界の声を反映させるということは非常に大事なことでありますので、ぜひ率直に、政府答弁じゃないような形で御回答いただきたいと思います。

 まず、前参考人にお伺いさせていただきたいと思います。岩間参考人も、共通の内容になりますので、ぜひ御回答をお願いいたします。

 今回、証券協会の中でも自主的にルールを策定されているというようなお話がありまして、また、投資顧問協会の中にも、海外の企業が多く会員として参加されているということを聞いております。そのようなルールづくり、もしくは協会としての取り組みの際に、海外の事例とか取り組みとか、そういうものを確認されているのかどうかということと、また、その際に、日本の場合ともし違いがあれば、具体的にどのような点で違いがあるかということを、お二人からお聞かせいただきたいと思います。

    〔委員長退席、山本(幸)委員長代理着席〕

前参考人 お答え申し上げます。

 海外のインサイダー情報の管理と比べたのか、勉強したのかという御質問でございますけれども、アメリカにおきましては自主規制機関というのが非常に独立した機関として機能していまして、日本証券業協会は自主規制機関と業界団体の両方を行っています。アメリカは、FINRAという形と、もう一つ、業界団体と別の組織になっていまして、非常に厳しい自主規制機関になっております。

 具体的には、FINRAでは、インサイダー情報についての社内手続を文書化すること、あるいは、インサイダー情報を有している株式について従業員個人の取引や証券会社の自己勘定での取引に関し制限を課すこと、インサイダー情報を管理する部門と営業部門との情報伝達についてコンプライアンス部門が監視すること、インサイダー情報の利用に関する会社の方針や手続について従業員に研修を行うこと、このような自主ルールが決められております。

 今回、本協会が改正した自主ルール、それと、今まで二十二年の四月に自主ルールをインサイダー取引について協会で定めているわけですけれども、比べてみましても、本協会の自主ルールの方が厳しいというように理解しておりますので、遜色ない、このように考えております。

岩間参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、私どもの協会のメンバーはかなりの数、具体的に申し上げますと、約六十ほどの外資系の会社、外国の会社がございます。

 協会といたしましては、全て、いろいろな会員と日常的に意見交換をいたしております。したがいまして、自主規制ルールの改正の際にも、必要に応じて意見をお聞かせいただいて、それを参考にするということを旨としております。

 したがいまして、そういう意味でいいますと、今回の基準は、先ほど前参考人のお話もございましたように、広く諸外国の状況も見ながら進められておるというぐあいに御理解いただければよろしいんじゃないかと思っております。

 以上でございます。

小池(政)委員 ありがとうございます。

 前参考人にもう少し具体的にお伺いしたいんですけれども、ウオールの管理体制等におきまして、国内また海外の企業の中で違い等があるんでしょうか。(前参考人「もう一度お願いできますか。チャイナ・ウオールですか」と呼ぶ)

 社内のウオールに関しまして、海外とそれから国内の企業に対して取り組みの違い等があれば教えてください。

前参考人 お答えします。

 証券市場といいますか、資本市場の形態は、ヨーロッパとアメリカと日本というのは大きく三つ違うというぐあいに感じています。ですから、インサイダー取引に焦点を合わせて考えてみましても、やはりかなり考え方が違う。資本市場の発達に応じてそういうルールがつくられてきた、法律がつくられてきたというふうに私自身も考えております。

 アメリカは、考えてみますと、非常に自主規制機関が強い。ヨーロッパは、自主規制機関ルールというよりも、法律として決めていくことが非常に強い。日本は両方で相まって証券取引を規制している。このように考えております。ですから、どちらがいいかというのは、なかなか、その国々の状況によって違う、資本市場の発達によって違うと思うんですけれども、そういうさまざまな違いがあると思います。

 今回こういう問題を起こしてしまってまことに申しわけございませんが、日本の証券市場におけるインサイダー取引の法律やルールが他国に比べて劣っている、あるいは規制が緩いということはまずないと思います。

 ただ、違いは、今回法律で決められることになりました情報伝達者の処罰のところ、これを、伝えただけで処罰するというように欧米ではなっている国があります。ドイツとかフランスは違いますが、イギリスではそのようになっております。ところが、アメリカでは、情報伝達行為は、取引が行われたということの要件をもって罰するというようになっておりますので、大きな違いはありますけれども、その国々の状況に応じて行われているというように御理解していただければと思います。

小池(政)委員 ありがとうございます。

 それでは、次に國部参考人にお伺いさせていただきたいと思います。

 金融機関の秩序ある処理の枠組みにおきまして、今回、債務超過でない企業、過少資本の企業に対しましても特定認定が政府の方からされるということが今進められておりますけれども、このような、債務超過じゃない企業に対して政府から危ないんじゃないかということが特定されることによりますマーケットの中での影響等というのは考えられるんでしょうか。

國部参考人 お答えを申し上げます。

 今回、債務超過でない場合に流動性供給等の措置が手当てされているわけですけれども、先生おっしゃるとおり、風評被害等が想定されるのではないかというお話ですが、確たることを申し上げるのはなかなか難しい面がありますけれども、私は、債務超過でない場合、措置が適用される場合というのは、恐らく当該金融機関が経営が悪化していて、既にそれ以前に、風評被害、風評リスクという意味では発生をしているケースが多いのではないかと思います。

 したがって、そういう金融機関に対して今回措置が手当てされるということは金融システムの安定に寄与するのではないか、そのように考えております。

 以上でございます。

小池(政)委員 ありがとうございます。

 また、同じく國部参考人にお伺いしたいんですが、今回、五%ルールの緩和の件、先ほどからの議論があるんですが、その中で、ベンチャービジネス、VBに対しての出資としても、期間とか、それから枠というものが拡大されるんですが、当法案の緩和だけにかかわらず、ほかにもVBに対して、出資の環境に関しまして、規制緩和等、必要なものというのが考えられるんでしょうか。

國部参考人 お答え申し上げます。

 今回、ベンチャービジネスに対する規制が緩和される、手当てされているということでございまして、これは、金融機関本体あるいは金融機関のグループ会社を含めまして、企業の成長に貢献をする枠組みが手当てされるということで、大変意義のあるものというふうに思っております。

 ベンチャービジネスへの出資がふえていく環境というお話がちょっとございましたけれども、例えば、こういうことがよく言われております。

 技術やアイデアを事業化する段階では、リスクマネーの供給が不十分なこともあって、なかなか事業を軌道に乗せられない、これをデスバレー、死の谷というふうに呼んでいるようですけれども、そういったデスバレーを越えて企業が成長し、あるいは雇用を生み出していくためには、やはり人材の育成であったり、そして今回の手当てのようにリスクマネーの供給であったり、そして出口としての資本市場の整備、こういったようなことが手当てされる、あるいは環境が整うということが必要だというふうに思っています。

 今、経営者のマインドも好転し、非常に全体の環境がよくなってきておりますので、ベンチャー企業を取り巻く環境というのも好転していくのではないかというふうに思っております。

 以上でございます。

小池(政)委員 次に、岩間参考人にお伺いさせていただきたいと思います。

 今回、特定投資家、プロの要件が改定という形で、その中に、登録の申請だけではなくて、年金給付等積立金の管理及び運用の体制というものがしっかり整備されているかどうかというような規定があるんですけれども、具体的に、それでは、これまでのAIJの事案とかを踏まえまして、この体制というのはどんな体制が求められるとお考えでしょうか。

岩間参考人 お答え申し上げます。

 今の御指摘の点は、運用会社がかかわるという話ではない部分であると理解しております。要するに、年金給付等の事務をちゃんとしっかりやるかどうか、その体制というのは、実は投資顧問はそこをカバーしておりませんので、年金基金そのものがどういうぐあいな体制を組まれるかということでございますので。

 私どもとしては、プロの運用ができるか、プロの特定機関投資家として活躍されるかどうかということについて、運用体制ということについてしっかり見なきゃいけないということで今度の改正がなされているというぐあいに理解しております。

 以上でございます。

    〔山本(幸)委員長代理退席、委員長着席〕

小池(政)委員 ありがとうございます。

 それでは、時間も近づいてきましたけれども、前参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。

 インサイダー等に関しまして、社内とか業界の中で規制を高めて、それに対して取り組んでいくということも大事だと思うんですが、ただ、その市場をしっかりと監視できるかどうかということも非常にやはり大事な点だと思います。

 その点におきまして、例えば、AIJの件でいいますと、平成十七年に情報が証券取引等監視委員会に提供されていた一方で、実際に検査、調査に入ったのは平成二十四年という形で、大分時間があいてしまっていたりとか、もしくは、よく言われているのは、体制の問題等も挙げられております。そのような点におきまして、どのように参考人は思われますでしょうか。

前参考人 AIJ事件は投資顧問協会でございまして、インサイダー問題は証券協会ということでございまして、監視委員会の役割についての御質問かどうかと思いますが……(小池(政)委員「そうです」と呼ぶ)

 監視委員会は、先ほども申し上げましたように、非常に権限を持って検査をしますので、非常に重い検査になると思います。それと、法律に違反しているかどうかというものを中心に検査をする。それで、証券協会の検査は自主規制ルールに違反しているかどうかということについて検査をするということでございますので、自助努力の方の検査でございます。

 ですから、これが両方相まって市場が健全化していくということを願ってやっていきたいと思いますので、さらに鋭意努力して、両方で切磋琢磨しながら、証券界がよくなるようにやっていきたいと思いますので、よろしく御理解いただきます。

小池(政)委員 ありがとうございました。参考にさせていただきます。

金田委員長 次に、鈴木克昌君。

鈴木(克)委員 生活の鈴木でございます。

 まず、参考人のお三方、大変お忙しいところ、お運びをいただきましたことを、私からもお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。

 さて、そこで、お三方からまず冒頭に一言ずつお伺いをしたいんですが、渋沢栄一さん、御存じだと思うんですが、まさに日本の資本主義の父とも言われておる方であります。道徳経済合一論という高名なお話をなさった方であります。「論語と算盤」という有名な話があるんですが、その一説をちょっと読ませていただきます。

 富をなす根源は何かといえば、仁義道徳。正しい道理の富でなければ、その富は完全に永続することができぬ。論語とそろばんは両立する。

 こういうことであります。

 最も重んずるべきは信である。信を守らねばたちまち失敗する。知、情、意の三者が権衡を保ち、平等に発達したものが完全の常識だと考える。

 こういう、いろいろとまだあるんですが、なぜ私がこういうことを冒頭にお三方に申し上げたかといいますと、今の世の中というのはいわゆる拝金主義、もうけた者が勝ちだというような、全てとは言いませんけれども、そういう流れが私はやはりあると思うんですね。そういうことをやはり、まさにきょう、お三方は日本の経済のまさに中心的な方であります、したがって、冒頭にこの渋沢栄一さんの「論語と算盤」の話をさせていただいて、一人ずつ順番にこの渋沢さんのお考え、そして言葉に対してどのような御所見を持ってみえるか、お聞かせをいただきたいと思います。

 順次、お願いをいたします。

國部参考人 お答えを申し上げます。

 私も渋沢さんのおっしゃっていることをよく理解しておりますし、私もそのとおりだと思います。

 銀行は信用が第一でございますので、まさに、信なくして事業が立たずということだと思います。私ども金融機関の使命、公共的使命、さまざまな使命がありますけれども、本委員会で先ほど来御審議いただいております中小企業の金融の円滑化もそうでありますし、また、さまざまな企業の今後の成長、こういったものを、私どもとしていろいろソリューション提案をして成長させていく、していただくということも大変な役割、こういったいろいろな公共的な使命を負っておりますので、私どもの経営理念として、やはりお客様本位の経営ということを徹底していこうということで進めているところでございます。

 まさに先生のおっしゃるとおりだと思いますので、今後の経営を進めるに当たっても、その点を頭に入れてしっかりと臨んでいきたいと思います。

 以上でございます。

前参考人 お答えします。

 先ほどの國部頭取と同じように、私も渋沢先生の考え方には異論はございませんので、業界を挙げてそのように答えられるように頑張らないかぬ、このように思いますが、なかなかそのようにうまくいかないのが証券会社のこの業界だと。

 何回も何回も、五年ごとに、総会屋事件だ、その前の損失補填の事件だということで世間をお騒がせして、この業界はもうなくなるんだというぐらいまで言われてきた業界でございまして、今回もまたインサイダー取引という問題が起こっている。それでもたくましく生き返る、生き残るというのが証券会社であるということで、一生懸命業界はやります。

 ただ、先生の拝金主義とか、いろいろなお金に対するもの、経済活動に対して、日本の国民が否定的な考え方をするのが、私は今非常に強過ぎるんじゃないかと。

 アメリカとかヨーロッパの国々、あるいは中国、韓国もそうですけれども、金融教育というのは非常に盛んになってきていますね。ですから、私たちはそれに取り組んで、お金というもの、経済活動というものが決しておかしなものじゃないと、これをちゃんときちんとやることが大事だということをやっていきたい、このように思っております。

岩間参考人 お答えいたします。

 投資顧問・運用業の非常に大きな責任といいますのは、大事なお金の運用をお預かりするということでございまして、何度も言及させていただいておりますが、受託者責任というものを完遂するということが前提になっております。

 それはまさに、先生がおっしゃった、いろいろな意味の徳と絡む話でございまして、基本的に、そういった専門職業人としての高い倫理意識を持ってしっかりやっていくということが基本でございますので、まさに渋沢翁のおっしゃっていることと相通ずるものがあると思っております。そういうことを旨として我々も今後努力してまいりたいと思っております。

 以上でございます。

鈴木(克)委員 ありがとうございました。

 突然お伺いしたにもかかわらず、本当に真剣に聞いていただき、そしてまた御心情をお聞かせいただくことができました。本当にありがとうございます。ぜひひとつ、今おっしゃられた、そういった気持ちで、業界のリーダーとして、経済界をしょっていくお立場として、頑張っていただきたい、このことを冒頭に申し上げておきたいと思います。

 次に、國部参考人にまずお伺いをします。

 五月十六日の記者会見でこういうことをおっしゃっていますね。

 今回の見直しは、地域経済に資本性資金の出し手が不足しているという状況を鑑みて、銀行などが資本性資金の供給をより柔軟に行うための環境整備を目的としたものであり、その趣旨はよく理解をしておる。その後ありまして、地域経済の活性化あるいは企業再生に資するという観点から、この利用、五%ルールの利用が増加していくのではないかと見ている。そしてさらに、銀行が保有している株式の総額については減少させてきているのが実情である、しかし、こういう目的を限定した形で株式を保有していくことは政策趣旨に沿う意義があるのではないかと思っている。

 こういうふうに記者会見でおっしゃったと思います。

 そこで、実はこのお話を聞いて私が感じたのは、株を持つというのは、下落をするリスクがあるわけですね。しかも、今、銀行全体としては株を放出というか出されている、少なくしているという状況の中で、出資をする銀行がおっしゃっているように本当にたくさんあるんだろうか。私は、限られてくるのではないのかな、このように思っているわけですけれども、利用が増加していくというふうにおっしゃっておる、そのところについて御説明をいただければと思います。

國部参考人 お答えを申し上げます。

 先週の全銀協会長会見でそのように、今回の五%ルールの緩和について申し上げました。

 まず、銀行が持っている政策投資株の全体につきましては、私ども、過去に株式相場が大きく下落をするたびに、保有している株式の減損額が膨らむということで大変苦労してまいりまして、お客様の御了解を得ながら私どもの総額を減らしてきたという歴史にあります。

 私どもの銀行でいいますと、ちょうど三井住友銀行が誕生いたしました二〇〇一年四月には約六兆円ありました残高を、今、一兆六千億円ぐらいまで減らしてきているということで、総額としては、私どもの経営に与えるリスクを軽減してきているということでございます。

 その中で、やはり各地域あるいはその地域の事業の置かれた状況ということで、やはり今回の法案で手当てをしていただきます枠組みを使いまして、また、地域経済活性化支援機構の協力も得ながら、そういう地域経済活性化へ取り組んでいくということは、やはり意義のあることだと思います。したがって、ケース・バイ・ケースということではあるかもしれませんけれども、使用されていくことになるのではないかというふうに思います。

 具体的にどういうものかというのは、金融審議会の議論でも、例えばスキー場の話であるとかあるいはその地域の市街地の活性化とか、そういう事例が出ていましたけれども、これは、今後、それぞれの地域あるいは金融機関で検討がなされていくのではないかと思います。

 以上でございます。

鈴木(克)委員 もう一点だけお伺いをしたいんですが、当然、銀行から出資をされるということになると、その目的の中に、いわゆる経営改善指導であるとか、それから事業再生計画の作成であるとか、そして企業の審査等に精通をした人間というか、調査に入って協力をするというような形になると思うんですけれども、金融機関に果たしてそういうような、マンパワーというと大変失礼ですけれども、本当にそういったものが備わっているんだろうかと。これからずっとそういった機会がふえるわけですね。そういったときに、そういった人材が今どんなような状況になっているのかというところを、ちょっと御説明いただきたいと思います。

國部参考人 お答え申し上げます。

 例えば、私どもの銀行でいいましても、これまで中小企業の事業再生ということで、実は専担組織を設けておりまして、そこで再生のアドバイス等をしております。これは、私どもの銀行だけではなくて、各金融機関がそれぞれの組織の中で人材を保有しておりますので、そういったノウハウを使って、事業再建計画の策定であるとか、あるいはその進捗管理ということをやっていくことになると思います。

 また、加えまして、もとの企業再生支援機構のところにもやはり事業再生のノウハウというのが蓄積されてきておりますので、そういったノウハウも活用させていただきながら進めていくということだと思います。

 以上でございます。

鈴木(克)委員 それでは、今度は岩間参考人にお伺いをしたいというふうに思います。

 昨年の三月、例のAIJの事件が発覚した後、この財務金融委員会にも参考人としてお越しをいただいたわけでありまして、本当に御苦労さまでございます。そのときに会長がおっしゃったのは、AIJが投資顧問業協会の会員の一社であった事実を厳しく受けとめ、協会として、金融庁と連絡そして連携を図りながら、再発防止に向けて何ができるかを考え工夫せねばならぬと肝に銘じておる次第でございます、こういうふうに御発言をされたわけであります。

 あれからちょうど一年を経過したわけでありますが、AIJ事件の再発防止に向けて協会としてどのように取り組まれてきたのか、お示しをいただければありがたいと思います。

岩間参考人 お答え申し上げます。

 まことに厳しい一年間であったと振り返っております。冒頭にもいろいろ申し上げましたけれども、この一年間の投資顧問業協会の活動の中で、このAIJの事件に絡んで再発防止をどういうぐあいにするかというのは、ある意味では最重要課題であったと言っても過言ではないと思っております。

 そういう意味でいいますと、私どもは、協会として、六項目の再発防止策を策定いたしまして、昨年の九月に発表いたしまして、現在それを全て実施に移しております。その中身が、冒頭に申し上げましたけれども、まず、経営者を初めとして倫理綱領をしっかりと確認するということと、協会規則の改正などでございまして、こういったことを、逐次、会員に徹底するべく、研修だとかセミナーだとか、あるいはその指導をやっておる最中でございます。

 こういったことを着実にやっていって、今回の法案が成立するということがまたあって、前に進んでいくということになると思っております。引き続き努力いたしますので、御理解を賜ればと思っております。

 以上でございます。

鈴木(克)委員 もう時間が来てしまいました。

 せっかくなものですから、前参考人にも一言だけお伺いをしたいんですが、冒頭、渋沢栄一翁のお話をさせていただきました。私が申し上げたかったのは、要するにモラルの問題だというふうに思うんですが、業界全体の問題として、意識改革をやります、それから倫理観の向上をしますということを先ほどおっしゃったんですが、そういったことについて、具体的に、いわゆる私としてはこういうことを考えておるということがありましたら、お示しをいただきたいと思います。

金田委員長 時間が参りましたので、簡潔で結構でございます。

前参考人 証券業協会の中に行動規範委員会というのがありまして、これを格上げしまして、各社の行動規範、社員、役職員の行動規範をきちっとできるように、そこが監視をしていく、また指導をするという形で、全証券会社の役職員に指導していくということを協会として取り組んでおります。

鈴木(克)委員 終わります。

金田委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 まず、全銀協会長の國部さんにお伺いしたいと思います。

 今回の法改正で、預金保険の制度が、これまでは銀行を対象としておりましたけれども、証券あるいは保険の業界にも対象が広がるということであります。

 仮に、証券業界の特定の企業が破綻処理をするというような場合には、銀行が今まで保険料を払ってつくり上げてきた制度といいますか基金をほかの業界のために使う、こういうシステムになるわけですね。この点について銀行の側としてどのように受けとめておられるか、この点についてお聞きしたいと思います。

國部参考人 お答え申し上げます。

 今回、銀行、保険、証券、いわゆる金融業態を含めた新たな破綻処理の枠組みというのが整備されたわけですが、ここで、どこかの会社が破綻をした場合の費用というのは、いわゆる今の預金保険機構のものではなくて、事後的に全業態が負担をするものというふうになっております。

 これは、今回の法の趣旨が、そういう市場のリスクが伝播をする、そういったことに伴って金融システム全体が不安定化することを防ぐためのものというふうに理解をしておりますので、金融業界全体で事後的に負担するということについては理解をしておるところでございます。

 以上でございます。

佐々木(憲)委員 私どもは、このシステムを支える内容として、財政支援といいますか、公的資金が入るという、その部分が非常に問題があると思っておりますので、それは我々の評価であります。

 次にお聞きしたいのは、今、アベノミクスと言われている中で、金融緩和がかなり進んでいると言われておりますけれども、二〇〇五年に三大メガバンクができて以来、中小企業向けの貸出比率が、ことし三月期決算で、三メガで二〇〇五年以来最低という状況になっております。なぜこうなったのかということなんです。

 三メガの合計で、国内貸し出しに占める中小企業向け貸し出しの比率が六〇・四%。これまで最低だったのが、リーマン・ショック直後の二〇〇九年三月期の六〇・八でありました。これを下回っております。それから、昨年三月よりも、中小企業向け貸出残高を見ましても、これは減っております。

 異次元の金融緩和というような中で、なぜ、銀行から先に、とりわけ中小企業に対して資金が流れないのか。その点について御説明をいただきたいと思います。

國部参考人 お答えを申し上げます。

 まず、私どもの基本的な考え方といたしまして、中小企業のお客様の企業のニーズにきめ細かく対応いたしまして金融仲介機能を果たしていくということは、銀行の本来的な業務であり、社会的使命であるというふうに認識をしておりまして、これは、傘下の金融機関全てそういう認識で積極的に取り組んでおるところでございます。

 その中で、先生御指摘のとおり、中小企業の比率が少しずつ低下をしてきているということでございますが、私ども、一生懸命努力をしておるところでございますが、なかなか資金需要がない面もあり、また、リーマン・ショック以降は、国内の企業の、特に大企業、中堅企業が多いと思いますけれども、資金需要が拡大をしたということもあり、比率は低下をしてきております。

 私ども、個別行の数字で申し上げますと、二〇一三年三月末の中小企業向け貸出残高というのが六年ぶりに前年同月比プラスに転じました。対外的な資料では、中小企業等の中に個人も入っておりまして、マイナスになっておるのでございますけれども、個人を除きますと、中小企業向け貸し出しが六年ぶりにやっとプラスになったということで、何とかこの傾向を続けていきたいというふうに思っているところでございます。

 以上でございます。

佐々木(憲)委員 次に、金利の問題ですけれども、金融緩和で本来金利が下がるというのが常識なんですが、長期金利の指標であります新しく発行される十年物国債の利回りが、このところ昨年四月下旬以来の高水準と言われておりまして、それに連動して住宅ローン金利が上がる、それから企業向け貸出金利も上がる、こういう状況であります。

 この理由をどのように把握されているのか。日銀が市中から国債を大量に買い上げるということとどういうふうにこれが関連をして、こういう事態を招いているのか、このところを説明していただきたいと思います。

國部参考人 お答えを申し上げます。

 四月四日に、日銀が政策決定会合で、大胆な金融緩和、ある意味、そのときの市場参加者の想定を大きく上回る大胆な緩和策を発表いたしました。潤沢にマネタリーベースをふやすということで、基本的には金利は下がるわけですが、長期金利が今非常に変動率が高くなって、ボラタイルになっています。

 これは、私が思いますのは、日銀の政策が市場の想定を大きく上回る大変大胆な緩和策であったことから、特に長期金利については、今、落ちつきどころを模索している、探しているというようなマーケットの状況になっているんだと思います。

 実際、例えば、去年の十一月十四日の十年物日本国債の金利は〇・七五でございました。それが年初から緩和策を前倒しで織り込んできまして下がってきて、四月四日の発表後は一旦〇・三一二五まで下がりましたが、今、足元は〇・八台とかその辺で変動しているということでございまして、まさに落ちつきどころを探しているということだと思います。

 日銀の方もいろいろ市場との対話というのを緊密にやっていただいていまして、機動的な政策を打ち出しておりますので、いずれ適切な水準に収れんしていくものというふうに認識をしております。

 以上でございます。

佐々木(憲)委員 それでは、前参考人にお伺いしたいと思います。

 昨年のインサイダー取引の事案が六件発生しておりまして、課徴金等の処罰が下されております。そのうち、野村証券が四件、JPモルガン一件、大和証券一件、こういうことで、特定の証券会社に集中しているわけでございます。

 これはなぜ、こういうふうに何度も何度も同じような事案が発生するのか。それをどのように見ておられますか。

前参考人 お答えいたします。

 このインサイダー事件を起こした時期が二〇一〇年ごろでございまして、ちょうど、リーマン・ショックの後の、株式市場が非常に停滞している時期であった。そのときに、大型の公募増資ファイナンスが何件か出てきた。その中で、引受証券会社、今先生が述べられた野村証券、大和証券、JPモルガン等々の大手証券が主幹事を務めるなり引き受けの量が非常に多い。引き受けた以上はそれを販売するという中で、買っていただけるところへのサービスとして情報提供を行う。それの一つの中に、ヘッジファンド等々の、今回問題になった先があった。

 それが、行き過ぎた情報の提供といいますか、証券会社の職員そのもの、営業の職員は、インサイダー情報の漏えいに当たるとは思っていなかったという認識のもとで情報提供を行っていた。あるいは、いろいろ、この調査の結果でございますけれども、そういう情報を持ってきたところに注文を出すというようなヘッジファンドもあったということで、できるだけいい情報を提供したいという営業マンがそういう問題を起こした、このように考えておりますので、今回の法律改正で、推奨行為を行った、情報の提供を行った者も、取引が行われれば罰するというような法改正になった、このように認識しております。

 以上でございます。

佐々木(憲)委員 客観的な状況として、今説明があった背景があるというのはわかりますけれども、特定の会社に集中してこういうことが起こるというのは、何か問題があるのではないかと当然思わざるを得なくなるわけですね。

 これ以上ここで、特定の会社がどうしたという話はしにくいだろうと思いますから、やりませんけれども、今までも野村証券は非常に多いんですよ。ですから、どこに問題があるかというのは、証券業界としても、あるいは協会としても、明確にする必要があるというふうに思っております。

 それから、株に関連して、株価が上昇しているということがございますのでお聞きしたいと思うんですが、昨年十二月以降、買いに来ている主体はどこにあるのかというと、海外投資家というのが一般に言われておりまして、これは、今、株を押し上げている要因といいますか、買い越している主体というのは、なぜそういう海外の投資家なのか。国内の場合は、特に国内法人、これは売り越しの方が上回っているように思いますが、なぜ海外が買っているのに国内が売っているのか。この関係はどのように説明していただけますでしょうか。

前参考人 お答えします。

 海外の投資家は、ヘッジファンドが最初、出てきていましたね。それは、短期売買中心の投資家が日本の変化を敏感に嗅ぎつけて、はっきり言えば、民主党から自民党にかわるというところで、安倍政権の公約その他を聞いておって、日本の経済が変わるというのを敏感に察知して、買いがまず入ってきた。それが、実際に安倍政権が誕生して、いろいろな施策が出てくる、日銀の緩和も行われるという形の中で、長期の、ロングの外国人投資家も出始めてきている。それで外国人の買い越しが、先ほどの十二月からこの五月の間に八兆円を超えてきているという状況になってきています。これが、買いの主体であり背景であると思います。

 それに対して、では、なぜ日本の投資家は売っているのかというのは、一つ大きく売っておるのは年金基金でございます。

 ここが資産運用の方針を決めておりますね。そうしますと、日本の株式を一三%、今は一〇%強だと思いますが、一三%に決めておれば、株価が上がってきますと比率が高くなりますね。そうすると、その分を売却していくということになりますので、主な主体の売りは、一番は年金基金の売りだ、このように理解しております。

 以上でございます。

金田委員長 時間が参りましたが、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 時間が参りましたので、岩間参考人にお聞きする時間がなくなりましたので、以上で終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

金田委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。

 この際、参考人各位に一言申し上げます。

 参考人各位におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。(拍手)

 次回は、来る二十四日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することといたしまして、本日は、これにて散会をいたします。

    午前十一時四十五分散会


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