衆議院

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第7号 平成26年3月25日(火曜日)

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平成二十六年三月二十五日(火曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 林田  彪君

   理事 伊東 良孝君 理事 越智 隆雄君

   理事 菅原 一秀君 理事 寺田  稔君

   理事 御法川信英君 理事 古本伸一郎君

   理事 桜内 文城君 理事 竹内  譲君

      安藤  裕君    小倉 將信君

      小田原 潔君    鬼木  誠君

      金田 勝年君    神田 憲次君

      小島 敏文君    小林 鷹之君

      田野瀬太道君    田畑  毅君

      竹下  亘君    竹本 直一君

      中山 展宏君    葉梨 康弘君

      藤井比早之君    牧島かれん君

      松本 洋平君    山田 賢司君

      安住  淳君    武正 公一君

      前原 誠司君    鷲尾英一郎君

      坂元 大輔君    田沼 隆志君

      三木 圭恵君    山之内 毅君

      上田  勇君    岡本 三成君

      大熊 利昭君    佐々木憲昭君

      鈴木 克昌君

    …………………………………

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       麻生 太郎君

   財務副大臣        古川 禎久君

   財務大臣政務官      葉梨 康弘君

   政府参考人

   (内閣官房内閣参事官)  成田 耕二君

   政府参考人

   (外務省大臣官房地球規模課題審議官)       香川 剛広君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 福島  章君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 森  健良君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 大菅 岳史君

   政府参考人

   (財務省主税局長)    田中 一穂君

   政府参考人

   (財務省関税局長)    宮内  豊君

   政府参考人

   (財務省国際局長)    山崎 達雄君

   政府参考人

   (農林水産省生産局農産部長)           今城 健晴君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房審議官) 吉田 正一君

   財務金融委員会専門員   北村 治則君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第一五号)

 国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一六号)


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     ――――◇―――――

林田委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣参事官成田耕二君、外務省大臣官房地球規模課題審議官香川剛広君、大臣官房審議官福島章君、大臣官房参事官森健良君、大臣官房参事官大菅岳史君、財務省主税局長田中一穂君、関税局長宮内豊君、国際局長山崎達雄君、農林水産省生産局農産部長今城健晴君、防衛省大臣官房審議官吉田正一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

林田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

林田委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小田原潔君。

小田原委員 自由民主党の小田原潔であります。

 本日は、質問の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。

 早速質問に入りたいと存じます。

 国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案についてでございます。

 私の地元、立川市、昭島市、日野市の方々だけでなく、日本全体で、国民の感情としては、第二位の出資金を出していて、応分の敬意や権限を世界から得ているのか、ていよく負担だけを求められているのではないかということでありましょう。国益に資する増資である、また発展途上国を支援することで、極端に聞こえるかもしれませんが、近い将来、国連の安保理常任理事国になる、その投票に必ず日本と書いてくれるとか、こういう戦略上の意義があってやっていることだというふうに信じたいものであります。第二位の筆頭株主が意見を言えない、通らないでは、到底国民の理解を得ることはできないでしょう。

 出資に見合う立場を得ているというわかりやすい証左を、麻生大臣、ぜひお聞かせください。

麻生国務大臣 まことにごもっともな御質問だと存じますが、このインターナショナル・ディベロップメント・アソシエーション、通称IDAというものに対して、日本は、御指摘のとおり第二位の投票権を有し、出資もそうなんですけれども、常に理事を出しておりますし、総務会また理事会等々、この協会の意思決定に関しては多分最も大きな影響力を持っておると思っております。

 また、総務会とか理事会だけではなくて、今般の増資の交渉におきましても、日本の主張というものが、世銀とかその他の諸国からも尊重され、特にIDAの政策に反映されたと思っております。

 例えば、防災の点に関しては、単に貧しいところに支援するだけではなくて、きちんと災害等々に対する防災に対するあらかじめのあれが全くされていないところというのは実は多いんですけれども、そういったところ、また保健医療ということに関しては日本はかなり進んでおりますので、そういったものがもっと重視されるべきという話をさせていただき、またミャンマーという国が今非常に重要なんだということで、国別の支援というものでミャンマーが大幅に増加というのは、日本の主張によるものだと思います。

 いずれにしても、そういった形で、かなりの部分、このIDAにつきましては、日本の主張が通っているというのが私のこの一年半の率直な実感です。

小田原委員 ありがとうございます。

 ぜひとも、国益に資する出資であること、また防災も含め、協会が支援をしたことが、日本が貢献しているんだというあかしが必ず現地に残るような活動をお願いしたいと思います。

 さて、財務の健全性も気になるところでありましょう。

 民間であれば、エクイティーでの資金調達は相応のコストがかかるものであります。ここら辺に関し、配当収入というようなものはあるのか、また、あるとすれば、出資全体でならした場合の配当利回りはどれぐらいになるのか、お聞かせください。

山崎政府参考人 IDAは、協定上、総務会による純益処分の規定は設けられておりますけれども、貧困国に対する援助機関という性格上、融資先からの返済金や利息は、そのほとんどが再び融資を行うための資金源となっております。

 また、三年ごとに今回のように資金補充のために増資を行う、こういう財務状況でございまして、これまでに配当を行った実績はございません。

小田原委員 ありがとうございます。

 これまた、民間のエクイティー出資である場合は、配当よりも投資妙味に富んでいる、そういう事業につぎ込んだ方が、無配当であることが株主への便益である、こういう理解になりましょう。同様のことが、その支援先の国がいつか我が国を助けてくれる、このように考えたいものであります。

 さて、この融資対象国が開発途上国ということであれば、エクイティーで調達した資金を貸し出しで運用するのもやむを得ないということは理解できます。では、貸し倒れがどれぐらいあるのかということが関心事になりましょう。年間でならした場合のクレジットコスト、貸し倒れ率はどれぐらいになるのでしょうか、教えてください。

山崎政府参考人 IDAのクレジットコストは、最近五年間の平均で三千六百万ドルとなっております。また、同じく最近五年間で、IDAの貸し倒れ率は二・七%となってございます。

 ただ、こうした数字のほかに、別に国際合意に基づく途上国の債務削減が行われた例がございます。九九年のケルン・サミット、それから二〇〇五年のグレンイーグルス・サミットにおきまして、IDAの貸付先であります重債務貧困国に対します債務救済を行いました。この結果として、この二回を合わせますと、合計で五百十二億ドルの債務削減を行っておりまして、これは、IDAの累積のコミット累計額二千二百四十三億ドルに比較しましても、二割を上回るという債務削減の割合になってございます。

小田原委員 ありがとうございます。

 貸し倒れが発生することについても、必ず我が国の国益に資するということを信じたいものであります。現実に、私たちの個人の生活の中でも、いつかは助けてくれるだろうなと思っておごってあげた人が、肝心なときに助けてくれるとは限りません。どうか、お人よしの単なる支援者に終わらないよう、目を光らせていただきたいと思います。

 さて、関税定率法の一部を改正する法律案でございますが、確かにスモールパッケージの取扱量は大きく伸びているんだという実感を感じます。私たちの日常生活も、その分、利便性が増していると思います。今回の、簡易分類を二十万円に引き上げる必要性と申しますか背景はよく理解できます。

 ところで、国民の理解を得るには、十万円超二十万円未満の分類手続が、どれぐらいのボリュームで、どれだけ煩雑なのか、また簡素化することでどれぐらいの血税を節約できるのかを定量的に説明するべきだと考えます。二十万円という線引きも、そういった根拠があるのであれば納得できると思います。

 線引きの根拠と、人員の削減ですとか、労働時間の削減ですとか、保管場所が削減できるとか、そういったわかりやすい計数や試算があればお願いしたく存じます。

宮内政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、簡易税率の適用対象額を二十万円以下とすることにつきましては、関税・外国為替等審議会におきましても御審議をいただいたところでございます。その中で、SP貨物あるいはEMSが急増するという今お話のあった状況についても話題になりまして、納税事務の簡素化及び課税事務の効率化という要請と、課税の公平や国内産業保護に与える影響というもののバランスをどうとるかということが議論になったわけでございます。

 答申におきましては、SP貨物と呼ばれる小口急送貨物や国際郵便物の輸入件数は二十万円以下のものが九割超を占めており、二十万円以下までの拡大によって納税事務の簡素化と課税事務の効率化は十分達成され得ると考えられること、これが一つ。それから、課税価格が二十万円以下の貨物の輸入額は全貨物の輸入額の〇・四%程度であり、課税の公平や国内産業に与えるおそれは僅少であるということ、これがもう一つ。これらに鑑みまして、簡易税率の適用対象額を二十万円以下に拡大することが適当であるという旨の答申をいただいておるところでございます。

 お話がありましたとおり、近年急増している小口急送貨物それから国際郵便物の輸入件数は、二十万円以下のものが九割超を占めております。二十万円以下に拡大した場合には、小口急送貨物は年間五十一万件、国際郵便物は年間七万件が新たに簡易税率の適用対象になるということがございます。これによりまして、例えば国際郵便物に係るサンプル調査によりますと、一件当たり十分ぐらい作業が短縮できるという見込みも出ているところでございます。

小田原委員 ありがとうございます。

 個数の占める割合を伺って、恐らく甚大な手間が省けるのだろうということは想像ができます。できれば、今後、同様のことが起きた場合にも、計数、金額で説明できるようなデータの集積、御準備をいただければ、さらに国民の理解を得やすいのではないかと思います。

 最後になりますが、細かい分類では高い関税がかけられていた品目が、簡易分類だと安くなるというのであれば、裁定取引が発生すると申しますか、二十万円ずつのパッケージに小分けして送ることで関税を安く輸出入しよう、そういう動機が発生はしないかということも点検が必要だと思います。

 先ほど、金額にして全体の〇・四%ということでありましたが、この裁定取引を許すことによって税額が逸失してしまう、こういう懸念がないのかどうか、最後に教えてください。

宮内政府参考人 お答えを申し上げます。

 現在も、そういう懸念はあり得る話であります。ある貨物の価格が簡易税率の対象となる十万円以下かどうかということを判定する際には、例えば国際郵便物の場合には、同時期に分割して郵送されたものは、分割されたもの全ての価格を合計して判定するということにしているところでございます。適用対象額の二十万円以下への拡大後も、同様の取り扱いによりまして、分割による輸入には税関においても引き続き適切に対処をしていく考えでございます。

 なお、十万円以下の貨物に対する簡易税率は平成五年に導入されたのですが、例えばそのとき、SP貨物について、十万円超の貨物が小分けされて十万円以下の貨物の方に移れば、その割合、十万円以下の方がふえるわけでございますけれども、そういったことがあったということは承知してございません。

 こうしたことからも、適用対象額拡大によって、御指摘のような事態が頻発することにはならないのではないかと考えているところでございます。

小田原委員 ありがとうございました。以上で質問を終わります。

 自由闊達な物の行き来が盛んになる国、そして応分の敬意がしっかりと認められる日本になることをお祈りいたしまして、私の質問にかえさせていただきます。ありがとうございました。

林田委員長 次に、竹内譲君。

竹内委員 おはようございます。公明党の竹内譲です。

 それでは、私も、IDAの方から早速質問をさせていただきます。

 IDAは、御承知のとおり、開発途上国の経済成長と貧困削減への貢献という大事な使命を有する国際機関であります。日本は、今回の出資予定分だけでも三千三百四十二億円余り、累積では四百八億ドルの巨額の資金を拠出してきておるわけでございます。

 日本としては、IDAの資金の使い道の透明性やリスク管理体制、またその出資効果などについてどのように分析をしているのでしょうか。

古川副大臣 お答え申し上げます。

 資金管理の透明性についてでございますけれども、毎年、IDAは財務諸表において詳細が公表されておりまして、適切に管理がなされておるというふうに考えております。

 そしてまた、管理体制についてでございますけれども、最高財務責任者は専務理事が就任することになっておるようでございますけれども、最高財務責任者が議長を務めるリスク管理委員会というものを設けまして、ここでリスクの管理体制について評価や決定を行っております。

 そして、中でも信用リスク、為替変動リスクを含む市場リスク等の管理につきましては、副総裁が最高リスク管理責任者ということで、その管理体制を適切に行うということになっております。例えば、信用リスクにつきましては、IDAは、IMFとともに貧困国の債務持続性分析を行っております。これに基づきまして、債務の持続可能性に問題がある、つまり返せないだろうということになりました国に対しては貸し付けを行わないということになっておりますし、また為替変動リスクにつきましては、先渡し契約によりましてリスクヘッジを行っております。

 それから、お尋ねの三点目、日本の出資効果でございますけれども、増資の議論の過程の中におきまして、先ほどの質問におきまして財務大臣からもお話がございましたが、我が国が重視しておりますミャンマーやインドなどのアジアに対する支援をふやすこと、あるいは日本が知見や技術を有しております防災や保健医療の分野を重視すること、さらには日本の企業の進出に寄与する投資環境を整備し、人材育成に力点を置くことなどを主張しまして、それらがIDAの政策に反映されるなど、日本の国益につながる効果を上げているものと考えております。

 以上です。

竹内委員 私は、欧米などが参加する国際機関の活動評価ネットワーク、MOPANというのがあるんですけれども、こういう活動評価ネットワークに日本も参加してやはりきちんとした客観的な評価をしていく必要があるのではないか、そういう意味ではMOPANなどに積極的に参加すべきではないかと考えておりますが、政府はいかがお考えでしょうか。

麻生国務大臣 国際開発機関への出資に当たりましては、その機関が行います業務が、日本のODAが重視をしております分野とか地域というのと合致しているのかというような評価を行い、その上で、関係省庁と連絡して、その機関の政策への日本の意見の反映ぐあいなどを見ながら、出資額等々、出資の方針を決めているところなんですが、例えばIDAの出資に当たりましては、結果のフレームワークというIDAの掲げる目標の達成度合いの評価などを踏まえて出資方針を決めておりますので、このような国際機関の活動を見ていくことも一つの重要な視点だと考えております。

 今御指摘のありました、マルチラテラル・オーガナイゼーション・パフォーマンス・アセスメント・ネットワーク、通称MOPANという組織があるんですが、仮にMOPANというものに参加をした場合におきましては、そこにおいて得られる情報がどのように出資判断に生かせるのかということ、竹内先生、これはしっかり勉強してかからぬといかぬところで、たしかこれは十六カ国か十七カ国が今参加をしていると思いますので、こういったところの評価をよく聞いた上で検討させていただきたいと存じます。

竹内委員 ぜひ政府として検討していただきたいと思います。

 それから、今回の出資につきまして、今回、JICAを通じた融資により千九百三億円余りの貢献を行うことになっていますが、この金額はどのような基準で決定されたのでしょうか。

山崎政府参考人 今回のIDAの増資では、多くのドナーが厳しい財政事情に直面する一方で、所得水準の低い開発途上国における資金ニーズは引き続き強い、こういう状況の中、IDAで利用可能な資金規模を確保するための方策として、新たに融資方式による貢献が導入されたところでございます。

 日本の融資による貢献額につきましては、厳しい財政事情から、出資による資金拠出を抑制する一方、融資による貢献を活用することで、前回増資時から円安となっている状況下においても相応の貢献シェアを確保する、一〇%程度ということでございますけれども、そういう観点を踏まえて決定したものでございます。

竹内委員 ここが今回ややわかりにくいところでございまして、今回の日本の貢献額は出資と融資を含めて一〇・〇一%とされていますが、そのうち、三千百十九億円の出資の貢献率は九・三%となります。そうすると、千九百四億円にも及ぶ融資につきましては、その貢献率はわずか〇・七%程度ということになるわけであります。これで融資貢献が正しく評価されていることになるのかどうか、この辺につきましてお答えを願いたいと思います。

山崎政府参考人 融資方式での貢献は、出資による貢献と異なりまして、返済を前提としている資金であるために、その貢献シェアへの寄与度の換算の仕方は出資に比べて低くなるものでございます。

 今回の日本の融資貢献額千九百四億円につきましては、金利について通常より優遇した部分を現在価値化いたしますと二百九十五億円相当、これは貸出総額千九百四億円の一五・五%に相当しますけれども、こういうふうに換算されるということでございまして、適正な評価をされているものというふうに考えております。

竹内委員 恐らく、市場金利との差の優遇分を割り戻して、出資にすればどういう貢献率になったのかということを算定したんだろうと思います。引き続きローン貢献が正しく評価されることを望むものであります。

 そこで、大臣にお尋ねしたいんですが、IDAのみならず、国際機関への出資などにつきまして、今後とも明確な基準や戦略の立案の必要性があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

    〔委員長退席、菅原委員長代理着席〕

麻生国務大臣 国際機関への出資に当たっては、関係省庁とも連絡して、その機関の政策への日本の意見の反映ぐあいというのを見ながら出資額、出資方針を決めているところなんですが、例えばIDAにつきましては、先ほど申し上げました結果のフレームワークというものを踏まえて、IDAの掲げている目標の達成度合いの評価なども踏まえて出資方針を決めております。

 そういった意味で、国際機関の活動の内容というものを私ども毎年きちんと評価させていただくんですが、今後、IDAへの出資、増資等々につきまして、今度は融資が認められておりますけれども、こういったものに関して、非常に大きな要素だと思って、この方針と内容につきまして、私どもは大変重視をしておかねばならぬ視点だと考えております。

竹内委員 それともう一点、IDAを含む国際機関等への出資や融資などの実態につきまして、幅広く国民にも広報宣伝を行うなど、さらなる情報公開にも努めるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

麻生国務大臣 IDAへの出資の意義とかIDAの活動の成果を幅広い関係者に説明していくということは、IDAなどを通じた開発援助活動というものに対する国民の理解を得るという意味では、極めて重要なことだと考えております。

 政府としては、幅広く国民の理解を得るために、昨年の四月と十月に開催されましたIMF・世界銀行合同開発委員会の日本国のステートメントや、またNGOとの定期協議会の場におきまして、IDA出資の意義や成果について、できるだけ国民にわかりやすい発信に努めてきたところでもあります。

 また、この増資交渉が大詰めを迎えました昨年の十二月には、私とキム世銀総裁と共同で東京において記者会見を開かせていただいて、余り過去に例がないんですが、国民に対して、IDAの活動によります途上国への支援の意義とか、また世銀との協力の重要性について説明をする機会を設けたところです。

 今後とも、IDAの活動につきましては、これはなかなか日本の新聞に出てこない、発展途上国のもう一歩手前ぐらいのところの話になりますので、広報宣伝、情報公開ということを行って、IDAを通じて開発援助というものに対する国民の理解が得られるよう、その国の人たちはもちろんのことですけれども、支援している我々の方もその意義を広く理解してもらうような努力というものをしていかねばならぬものだ、私どももそう思います。

竹内委員 よろしくお願いします。

 関税定率法等の一部を改正する法律案につきまして、質問させていただきます。

 今回の法案の中で、その背景等につきましては先ほど御質問がありましたので省きますが、国民の安全、安心の観点から、国民生活に多大の悪影響を及ぼす社会悪物品の水際阻止は、税関の最も重要な使命の一つであり、国家にとっても非常に重要な課題であると考えます。

 その意味では、税関の要員確保及び機構や職場環境の整備充実、また、より高度の専門性を有する人材の育成、処遇改善は必要不可欠であります。政府としての見解をお伺いしたいと思います。あわせて、通関の現場においても同様であると思いますので、税関、通関、両方の観点から見解をお伺いしたいと思います。

麻生国務大臣 御存じのように、税関におきましては、IT化、国際化等々いろいろなものがあって事務量が大幅に増加しております中で、国民の安心、安全というものを確保するため、いわゆる覚醒剤等々、社会悪と言われるものの水際作戦、取り締まり強化というのが一つ。また、公平公正な課税の確保に努めているところであります。

 また、そのほかにも、最近では、知的財産侵害物品の水際の取り締まりとか加工品の原産地の判定とか、多様化、複雑化する業務への対応が大変必要になってきておりますので、税関におきましては、いわゆるIT化等々による捜査機器の整備や業務の効率化を行わせるとともに、定員の確保、また採用活動や研修の充実、職員の処遇改善、職場環境の整備などに努めてきたところであります。

 いずれにいたしましても、厳しい行財政のもとで業務運営の一層の効率化というものを図った上で、人材の育成また職員の処遇改善等々につきまして今後とも努力をしていって、士気というものをきちんと維持させておくのは大事なことだと考えております。

竹内委員 ありがとうございました。以上で終わります。

菅原委員長代理 次に、古本伸一郎君。

古本委員 おはようございます。民主党の古本伸一郎でございます。

 閣法であります関税、IDAということでございます。

 まず、関税でありますが、いわゆる関の問題というのは、東京五輪も招致が決定したということもあり、今後、人、物の往来がさらにふえる。ぜひ万全を期していただきたいですし、日夜御奮闘いただいている関税御当局の職員の皆様の御努力にも敬意を表したいと思います。

 その上で、残念ながら、豚肉の差額関税の問題というのが後を絶ちません。直近で、例えば平成二十四年、二十五年で追徴税額あるいは逋脱税額はどのような規模になっているのか、お示しいただきたいと思います。

宮内政府参考人 お答え申し上げます。

 豚肉に係る犯則の、関税の逋脱額でございますが、平成二十三事務年度、これは二十三年の七月から翌年の六月でございますが百五十七億円、それから、平成二十四事務年度におきましては六億八千九百万円ということになってございます。

古本委員 つまり、基準価格があって、そこから実際に輸入した価格を偽ることによって、納めるべき関税を逋脱している、こういうことだと思うんですけれども、これは国庫としての損失ですか。

宮内政府参考人 納めるべき関税を納めていないということでございます。ですから、これは当然、是正していくことが必要であろうと思います。それは国庫に入れるべきものであるということでございます。

古本委員 消費税もいよいよ上がるわけですね。特定の輸入品目、産品を利用したこのような事案が、実は、直近の数字を今お示しいただきましたけれども、この十年間の足取りを見ても、イタチごっこなんですね。

 これは、局長、思い切ってTPPに入って、この関の問題がなくなったらどうなりますか。関税フリーじゃないですか。そういう意味で、TPPというのはすっきりしているんじゃないですか。

宮内政府参考人 お答え申し上げます。

 TPPを含めて、EPAの交渉を今数多くやっております。関税の引き下げですとか削減ですとかもその中で議題になっているわけでございますけれども、現在交渉中のEPAが全て締結されましても、なお貿易量の多くがEPAの外でございますから、ここは関税が残るということもございますし、これまでのEPAを見てみましても、全ての関税率がゼロになっているというわけではないわけでございます。こういったことにも留意していく必要があろうかと思います。

 また、関税以外でも、消費税につきましても税関で徴収をしているということもございます。これから消費税率が上がれば、その事務の重要性というものもさらにふえていくというふうに思っております。

古本委員 もちろん、今議論している農産品でいけば、五品目が我が国にとっても極めて重要な議論のテーブルにのっていることは承知しています。全てがフリーになるわけではないんですが、やはり、本来納めるべきものを偽って申告してそれを逋脱するというのは、これは厳に慎むべきでありますし、今後発生しないように行政としてもきちっとやっていかなければならない。でなければ、消費税を引き上げる前にこれは示しがつかない。これは特定の業種ですよ、率直に言って。これは、この場で指摘をしておきたいというふうに思います。

 それから、今、局長、重要なことを言っていただきました。仮にTPPに入って、その五品目、仮に関税フリーになったとしても、関税業務自体の負荷は変わらないという理解でよろしいですか。つまり、消費税の問題がありますよね。

宮内政府参考人 お答え申し上げます。

 交渉中のEPA交渉の内容につきましてはコメントすることはできませんけれども、EPA、あるいはTPPも含むEPAといったものがこれから妥結していくということになったとしても、これまでのEPAの状況とかを見ますと、EPAの特恵税率適用のための事務というものは引き続き、むしろふえている部分もございます。例えば原産地規則といったものがありまして、これはEPAに該当するものを証明するということをその貿易ルールとして新たに付加されているということで、むしろ、当面はそのための税関の仕事に対応していかなきゃいけないということはございます。

 また、関税以外に消費税の徴収等もありますし、御案内のとおり、EPAによって国と国との垣根が下がれば、貿易量もふえ、また、人もさらに行き交うことが予想されるわけでございます。そういたしますと、不正薬物対策ですとか知的財産侵害物品対策とかの重要性もますます重要になってくるということだろうと思います。

 全体として、税関の役割が少なくなるとは考えづらいのではないかというふうに思います。

 以上でございます。

古本委員 続いて、いわゆる薬物の密輸の摘発ということなんですけれども、これは極めて残念ですけれども、押収量がふえているというふうに承知しております。

 これは、言うならば、水際の税関でせきとめるのか、そこから漏れていってしまったのを警察御当局が検挙するのか、ざっくり言うと、その割合は今どういう感じになっているんでしょうか。

宮内政府参考人 お答え申し上げます。

 税関が関与したものは全体で九割を超えているというふうに考えております。ここには、税関だけでとめたわけではなく、警察等と共同で捜査を行ったものも含んでおりますが、水際ないし水際に近いところでの数字は九割を超えているということでございます。

古本委員 具体的なトン数等々はなかったわけですけれども、感覚でいうと、九割が税関の職員の御奮闘でせきとめているということだと理解をするんですけれども。

 であるならば、末端に流れていくより、入り口でいかにせきとめるかだと思いますので、そのことについても、さまざまな面で、要員の確保や、あるいはさらに高度化する事案に対処できる経験や、器具や機材や、それぞれ改善を重ねていただきたいことを強く要望したいというふうに思います。

 続いて、IDAでございます。

 先ほどから議論になっておりますが、我が国も、振り返れば、東名・名神高速道路あるいは東海道新幹線、それぞれ、昭和の高度成長の時代に世銀にお金を貸していただいて、奇跡の戦後復興を遂げたわけであります。そして、今や、我が国は、いわゆる開発せんとする諸外国の皆様の一助になればということで、こういった国際機関を通じてそれぞれの国に資金援助をしている、これは極めて崇高なシステムだというふうに思っています。

 ところが、いかんせん、財政が厳しい折から、国民世論の理解を得るという大変難しい論点も昨今惹起されているわけであります。民主党としては、この国際金融機関への増融資を通じた諸外国への支援は強く支持する立場でありますが、それを申し上げた上で、単なる増資から、このたび融資に新たにかじを切ったというふうに理解しておりますけれども、過去に融資の事例はありますか。

    〔菅原委員長代理退席、委員長着席〕

山崎政府参考人 これまで、世界銀行やアジア開発銀行等の国際開発金融機関に対して、融資での貢献は実施しておりません。今回のIDAでの試みが初めてとなります。

古本委員 そういたしますと、他の国際機関、アジ銀やその他等々ありますけれども、融資の枠を、今回のスキームを広げていく御予定はありますか。

山崎政府参考人 今回の融資での貢献は、出資による貢献額を抑制して日本の財政負担を抑制することが可能となるだけではございませんで、国際金融機関側での利用可能な資金規模の確保に貢献することが可能となります。

 したがいまして、今後も、ほかの国際機関に対しましても、同様の機会があれば、積極的に融資貢献の導入について働きかけを行っていきたいというふうに考えております。

古本委員 増資の場合は、今回約三千億と承知していますけれども、これはいつどういう場合に返ってくるんですか。増資の場合です。

山崎政府参考人 基本的には、出資した金額は途上国に対する支援額として継続的に使われ、返済されてもまた新しい資金の原資として使われるわけでございますけれども、IDA協定上は、IDAがその業務を停止した場合に、最終的に、その残余の資産につきまして、出資した額に応じて各国に戻すという形になっております。それはIDAの活動が終了したときということでございます。

古本委員 つまり、IDAが存続している限り、三千億は返ってこないということを言われたんだと思います。

 他方、今回の融資は、規模と利回りは幾らですか。

山崎政府参考人 今回の日本のIDAに対する融資金額は三年間で千九百四億円でございまして、融資条件は、償還期間四十年、据置期間がそのうち十年間、金利は〇・五五%でございまして、返済は半年ごとに元金均等払いとなっております。

古本委員 そうしますと、四十年間で得られる収入という意味では、総額幾らぐらいになりますか。単純に計算してもらっていいですよ。

山崎政府参考人 ちょっと今、手元に金利の累計分までございませんから、この元本の千九百四億円に加えまして、先ほどの金利が累計的に戻ってくるということでございます。

古本委員 利回りが〇・五五とおっしゃったので、では、少なくとも初年度は幾らの収入が得られるんですか。

林田委員長 山崎国際局長、ざっくりとした数値でもという話ですが、出ますか、すぐ。

山崎政府参考人 初年度は六百三十五億円貸すことになりますけれども、いずれにしても、据置期間が十年ございますので、据置期間終了後、その〇・五五%が返ってくる、金利分はということになろうかと思います。

 失礼しました。金利は直ちに返ってきますので、初年度は六百三十五億円の〇・五五%分が金利として返ってきます。

古本委員 要するに、増資に比べたら融資の方が収入が入るということですので、ぜひこれは積極的に、他の国際機関に対する、金融機関に対する、増資もいいんですけれども、今回のことを横に広げていただけるとありがたいという指摘にとどめたいというふうに思います。

 ぜひ、委員長、具体の収入を当委員会に提出するように諮ってください。

林田委員長 今の具体的な数値を後ほど委員会に提出してください。

古本委員 ありがとうございます。

 大臣、今のやりとりで、やはり三千億の増資、与党の先生であってして、なお、もったいないじゃないかという御発言も先ほどあったわけであります。今回の融資の千九百億は利息があるからいいんだろうと思います。新たな試みを多としたいというふうに思います。

 さて、そこで、少し資料をごらんいただきたいと思うんです。お配りしております。

 いよいよ四月から消費税も上がるわけでありますけれども、これは目的があっての消費税でありますので私どもも支持をしてまいりたいと思いますけれども、F35の調達コストなんです。

 主意書を伊吹議長にお願いしたところ、このような御答弁があったんです。二十四年度には一機当たり九十六億で、そもそも、F35がステルス戦闘機として我が国の次なる空の守り手として適していると御判断されたわけですけれども、個人的にはラプターがとれなくて残念だったなと思いながら、こういった主意書を書かせていただいたんですが、何と、翌年度には百四十億、翌々年度には百七十三億、倍増しているんですね。その理由やいかにとお尋ねしたところ、下が政府の答弁です。「国内に製造ラインを維持するための費用や米国企業から技術援助を受けるための費用等が追加的に発生」と書いているんですね。

 F35一機当たりの技術支援料は幾らですか、防衛省。

吉田政府参考人 お答えいたします。

 F35に関する国内企業の製造参画につきましては、二十五年度予算からでございます。

 それで、この製造参画にかかわる国内企業との契約金額は八百七十七億円でございますが、このうち約百四十二億円がいわゆる技術支援費というふうなことでございます。

古本委員 これは抜粋にしたんですけれども、この主意書で、他に、初度費というのもお尋ねしたんです。これは、国内でF35をつくるためのラインをつくるに当たってそれを応援しよう、国庫から補填しようという仕組みなんですね。

 それは、メード・イン・ジャパンのF35をつくることにより、技術力を維持すると同時に、当然、在日米軍のメンテナンスにも資する。日本のいわゆるメンテナンス能力は高いという評価でありますので、それを涵養していくという意味においては、これは大変いいことだという立場でお尋ねしています。

 だとするならば、これは、最初の立ち上げはどうしても個体当たりのコストが割高になるということであって、将来的にはもっともっと国産化を進めていこうというお立場ですか、防衛省。

吉田政府参考人 お答え申し上げます。

 今、議員御指摘のように、製造参画につきましては、運用基盤、整備基盤を維持する、それからまた国内の技術基盤、製造基盤の維持、高度化を図っていくという観点からしておるものでございますが、具体的にどういった分野にどういうふうに製造参画していくかというふうなところについては、毎年度毎年度、米国政府との調整、財政当局との調整、こういったものを経ながら決定していく、こういうようなプロセスを経てございます。

 そういった中で、二十六年度以降のところでございますが、私ども、今、議員からも御指摘がございましたような意義、それから他方で、発生するコスト、こういったものを十分勘案しながら、F35に関する製造参画が日本国にとって一番ためになるような形で進めていきたいと考えてございます。

古本委員 つまり、南西諸島方面の防空をいかに充実していくかということを考えれば、一機より二機、二機より三機配備した方がいいに決まっているんですよ。これは、本当は百七十億出せば二機買えるじゃないですか、単純輸入すれば。為替の問題は若干ありますよ、この間少し円安になっていますので。つまり、武器輸出三原則の見直しもパッケージで議論しないと、これは、本気でメード・イン・ジャパンをつくっていくというんだったら、初度費も含めてどんどんやればいいですよ。

 もう皆様おなじみのPAC3でいけば、PAC3の、レイセオンから買っていますよね、あれは一発と言ったらいいんでしょうか、一個師団で考えたらランチャーが幾つもありますから少し絞っていただいて、大体、技術支援料の割合は、どのくらいライセンス料を払っているんですか。純メード・イン・ジャパンになれば、それは払わなくて済みますよね。

吉田政府参考人 済みません、事柄の性格から個別具体にちょっと申し上げるのが難しい面もございますが、二十四年度のPAC3の取得費は、補正予算も合わせて約二百八億円でございます。それに対して、米国企業に対してお支払いする技術支援料は約十六・七億円というふうなことでございます。

古本委員 これは、もうPAC3は既に導入されて随分年月がたっていますから、パテント料がだんだん傾斜して減ってきているという理解ですか。

吉田政府参考人 この技術支援費の中身でございますが、今、議員の御指摘のような側面に加えまして、これは武豊という場所でつくってございまして、そこでつくるに際しては、米国企業から人が派遣され、製造ラインの具体の指導とかをする、こういうような支援内容になってございます。そういった意味でいうと、一概に逓減するということでもございません。

古本委員 いずれにしても、費用対効果でぜひ調達に努めていただきたいというふうに思います。先ほどの関税の例を少し考えますと、本来捕捉すべき税が逃れ、関税を逃れている人がいて、そのお金があるんならPAC3を買えばいいじゃないか、こういう話になりますので、国民世論もぜひ理解ができる防衛調達に努めていただきたいと思います。

 加えて、過般の経済財政諮問会議で、先週十九日ですか、麻生大臣も出席されていたと承知しておりますけれども、配偶者控除の件が議論になっております。

 配偶者控除を廃止すれば、増収規模はどのくらい見込めますか。対象世帯は、日本国民の世帯数の割合で、大体何割ぐらいが増税になりますか。

田中政府参考人 お答えいたします。

 一定の仮定計算を機械的に行いまして、まず、配偶者控除を廃止した場合の国の増収見込み額は、約六千億円と二十六年度の予算ベースで計算できると思います。

 それから、現在配偶者控除の適用を受けている者は、控除の適用によって非納税者となっている者も含めて、一千四百万人というふうに計算ができると思います。現在配偶者控除の適用を受けている者が一千四百万人ですけれども、一方、全納税者と配偶者控除の適用によって非納税者となっている者が五千三百万人ということですので、この割り算をいたしますと、約三割弱という計算ができると思います。

古本委員 配偶者というと一般的に専業主婦の奥様を想定しますけれども、昨今は、主夫という、夫の方が配偶者控除を受けているケースもあると思うんですが、それも加えたトータルの世帯の割合でいくと何割ぐらいになりますか。

田中政府参考人 先ほどお答えいたしました配偶者控除の適用を受けている者という数字は、男性も女性も両方入っている数字でございます。

古本委員 そうしますと、納税世帯の三割が影響を受ける、こういう理解でいいですか。

田中政府参考人 三割までは行っていませんが、三割弱、四分の一から三割の間ぐらいという感じでございます。

古本委員 他方、税制抜本改革の中に、当然に控除の見直しも記載がございました。私どもは、配偶者控除については、恐らく、経済財政諮問会議で議論をされている女性の社会進出のいわゆる壁の一つになっているんだろう、百三万円の壁、百三十万円の壁、百四十一万円の壁、それぞれあると思っています。恐らく、方向感はある一定の価値観の中で共有しているんだろうと思っています。

 でも、他方、所得税を抜本的に見直そうとするならば、諸控除を小手先で見直すのではなくて、いわゆるブラケットの見直しという議論も選択肢の中にあってしかるべきだと思うんですね。例えば、今ブラケットの五%を一ポイント上げたら、どのくらいの増収になりますか。影響世帯は何世帯ですか。割合はどのくらいですか。

田中政府参考人 お答えをいたします。

 現在、所得税が一番低い、最低のブラケットは五%でございますけれども、これを六%にした場合には、約六千億程度の増収になります。一%当たり約六千億という計算でよろしいかと思います。

 これは、いわゆる所得税のかかる人全てにこの五%部分が適用になりますので、その意味では、所得税の総合課税の適用を受ける納税者は全体で四千八百万人おりますので、この方々全てに影響を及ぼします。

古本委員 つまり、配偶者控除を倒した場合には、特定の、専業主婦世帯が割を食う。五%のブラケットをいじった場合には、ほぼ同額の税収見込みができる中で、あまねく全納税世帯が薄く広く負担する。これは、議論の余地がいろいろあると思うんです。

 消費税がいよいよ控えているときにこういった議論を政府の枢要な幹部が集まる経済財政諮問会議でなされているということは、さらなる増収を図りたいんだろうなというふうに仄聞するんですが、さて大臣、ここで壁があるんですよ。

 お配りした資料の裏面をごらんいただきたいと思います。

 御党のJ―ファイル、総合政策集によれば、家族の助け合いの役割も正しく評価されなければならなくて、その観点から配偶者控除は維持すると書いてあります。

 かつて、このことを伊吹議長、当時、社会保障・税の一体改革筆頭理事に少し御指導を賜った際には、綱領をおっしゃっておられました。御党の綱領によるところの家族観、家族を大切にしていくんだというこの価値観に基づく税制なんだとおっしゃっておられましたと記憶しております。だとするならば、実は、配偶者控除の廃止というのは、相当な壁があると思うんです。

 したがって、観測気球を今既に上げられたんだろうと思いますけれども、大臣、こうした税の根本を本当にいじる気であるならば、自民党税調、公明党税調で議論をいただくのは大いに結構であります、与党ですから。

 でも、他方で、当委員会は大蔵委員会なんですよ、歳入委員会なんです。この税について、もう少し真剣に、かつ専門的に議論するべきだと思っておりまして、そのことについては、ハウスでありますので、ぜひ、委員長、これはハウスの中にそういう検討の場といいますか仕組みをどうやって設けていくかということで、検討事項として引き取っていただきたいんですけれども。

林田委員長 ただいまの申し込みについては、後ほど理事会で協議したいと思います。

古本委員 ありがとうございます。

 その上で、時間が参りましたので、麻生大臣に。

 配偶者控除を倒せば、女の人が外に出ていって働く、何やらその決定打になるという御理解でしょうか。それとも、ベビーシッターだとか病児保育だとか、いろいろな問題が複合的に絡んでいる問題なんでしょうか。

 やはり、二人に一人が専業主婦世帯です。これは、家事労働に対する評価という意味で、戦後、シャウプ勧告を受け、その後創設されてきた経緯があります。そして、今日まで守られてきています。これを本当に倒すんだとなると、ハウスを挙げた議論をしなければ、与党の税の議論だけで引っ張るには余りに大きな議論だということを申し述べた上で、最後に大臣の感想を伺いたいと思います。

麻生国務大臣 古本先生、もうこれは古くて長い話でもあるんですけれども、配偶者控除を受けている人が、両親の面倒を見、両親は老人ホームにも出さず、子供は保育園にも出さず、きちんと自分で全部面倒を見ている人、傍ら、それは全部、老人ホームに預け、幼稚園や保育園に預け、自分は働きに出て稼ぎの多い人、どっちが正しい家庭のあり方ですかという古くて新しい疑問というのはもう昔から日本にあるところなので、先日の、十九日の財政諮問会議においても、女性の活躍の推進というのが話題になって、総理から、働き方に中立的な税とか社会保障制度の体制というものを検討するという指示があっております。

 働き方の選択に対して中立的な税制ということで、これはもう従来から配偶者控除については、中立的な税制を構築すべきとの観点から、廃止を含めた見直しというものが、積極的な意見があります一方で、今申し上げたような、基本的な社会的単位であるということを見直した慎重な意見もあって、これはもう自民党の中でもくちゃくちゃに割れたところだったと記憶をいたします。

 したがいまして、今おっしゃったところはまことにごもっともなので、どういうことが可能なのかというのはちょっと真剣に考えないといかぬところなので、これは政府税制調査会でも中長期的な視点から議論をしてもらいたいという話で、この話を諮問させていただいているところです。

古本委員 終わります。ありがとうございました。

林田委員長 次に、坂元大輔君。

坂元委員 日本維新の会の坂元大輔でございます。

 早速質問に入らせていただきたいと思いますが、既にこれまで委員会の中で質疑された委員の方からの御質問と、何点かに関しては重複する点もあることを御容赦いただければというふうに考えております。

 それでは、まず一点目、今回の関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案の中の、学校等給食用の脱脂粉乳に対する関税の軽減措置に関してお伺いをさせていただきます。

 きょうは、ちょっと別の観点というか切り口からこの点に関して御質問をさせていただきたいと思うんですが、私も今回、この法律改正に当たって初めて、学校用の脱脂粉乳に対してこうした関税の軽減措置が図られているということを知りました。これは昭和二十七年から始まったそうでありますが、今、まさか脱脂粉乳を直接飲む用に使っているわけではありませんで、これはパンやホットケーキなどにまぜてというか、そちらの用途としてこの脱脂粉乳が使われているというふうに伺っております。

 そこでなんですけれども、農政の観点から見ると、国内における米の消費量をいかにふやしていくかということが大きなテーマとなっております。

 今回の改正案の適用拡大対象となる、子ども・子育て支援制度によって導入される幼保連携型認定こども園及び家庭的保育事業等も含めて、幼稚園や保育所に対しても給食用脱脂粉乳の税制優遇はやっているわけですから、今、米粉を使ったパンやホットケーキも少しずつ広まってきております、このパンやホットケーキ用に税制優遇しているわけでありますから、ここに対して米粉の使用をより強く推奨していくべきだというふうに考えておりますが、きょうお越しいただいております農水省農産部長の御意見はいかがでしょうか。

今城政府参考人 お答えいたします。

 今委員御指摘のとおり、米の消費拡大の一環として、米粉の需要を拡大していくということは非常に重要な課題であるというふうに認識しております。

 このような観点から、今までも、日本の小麦の消費は輸入が九割を占めているということから、米粉の新しい用途といたしまして米粉パンですとか、そういう小麦粉を従来使っていた用途を米粉にかえていくというようなことを発想いたしまして、それに対する支援というのを講じてきたところでございます。

 その一環といたしまして、委員御指摘のとおり学校給食、幼稚園、保育所も含めまして、例えば米粉パンという形で導入を促進してまいりまして、そういう導入の成果も得まして、平成十七年度には六千校の実施、学校給食実施校の一九%だったものが、平成二十四年度には一万八千校というような形で、学校給食実施校の六〇%まで導入が広がるなど、着実に増加しているところでございます。

 こういう状況も踏まえまして、農林水産省といたしましても、従来からやっております生産面での直接の支援、それから米粉用米から米粉にする際の米粉製造設備等の整備に対する税制、補助、融資、そういうものをやっております。また、ソフト面でも、米粉倶楽部というような、タレントを使った取り組みとかいうので米粉の普及運動をやっております。

 さらに、平成二十五年度からは、今ございました米粉、小麦粉のミックス粉等の新たな米粉製品の開発支援ですとか、それから米粉料理レシピコンテストなどの民間が取り組む普及活動に支援をしているというような状況でございます。

 御指摘いただきましたとおり、今後とも、米粉につきましては、さまざまな創意工夫を凝らし、幼稚園、保育所も含めて、保育士、栄養士さんの方にレシピを紹介するとか、そういうようなことによりまして米粉の利用を推奨してまいりたいというふうに考えております。

坂元委員 丁寧な御説明をありがとうございました。今おっしゃっていただいたように、さまざまな取り組みを行っておられることは承知いたしました。

 御専門家でいらっしゃいますから当然御存じだと思いますが、最近の米粉は非常に質が上がっておりまして、昔はなかなか小麦でつくるパンのあのふんわりした感じが出なかったんですけれども、最近の米粉はそれが、ほとんど小麦と遜色なく出せるようになってまいりました。

 現場の方々に聞くとやはり価格の問題が一番のネックだというところでしたので、今、その生産過程における税制優遇であるとか、そういった価格をいかに小麦に近づけていくかというところも取り組んでおられるというふうに伺っておりますので、今後も、より積極的なさまざまな支援措置、対策をお願いしたいというふうに思います。

 それでは、続いての質問に移らせていただきます。国際開発協会、IDAの増資についてでございます。

 既にこの委員会でも国益にかなう出資であるかどうかというところが指摘をされておりますが、その点において、出資比率は、伺ったところ、議決権に作用してくるという話でありましたが、その出資比率、議決権と並んで私としてもう一つ非常に大事な点であると思うのが、組織内における日本人の職員の数です。

 その組織の中でいかに日本の国益、もちろん日本の国益だけで動いてもらっても困る部分はあるんですけれども、日本の国益にかなうような動きをするために、日本人の職員をいかに送り込むかというところも非常に大事な点だと思っております。

 その点において、世界銀行グループ各組織における日本人職員の数及びその組織内割合、そして出身国別の順位を教えていただければと思います。

山崎政府参考人 世界銀行グループ全体の日本人職員数は百十二人で、全体の二・二%を占め、第八位であります。

 内訳を申しますと、国際復興開発銀行並びに国際開発協会においては日本人職員数七十四人、割合二・〇%で、第九位。国際金融公社では日本人職員数三十五人、割合は二・八%で、第七位。多数国間投資保証機関の日本人職員数は二名で、割合は二・五%、第九位となっております。

坂元委員 全体として二・二%。どの組織も約二%台で、順位的にも七位、八位、九位といったところです。

 このIDAに関していうと、出資比率約一〇%、世界で第二位や三位ということを今までやってきたわけなんですけれども、その出資比率に比べて職員の数はやはり少ないと言わざるを得ないというふうに思うわけでありますが、出資比率に比べて職員数の割合が低い原因というか理由を伺えればと思います。

山崎政府参考人 日本人の職員数がなかなか増加しない要因としては、一つには、世界銀行では、修士課程や博士課程を修了した高い専門知識を有するスペシャリスト、例えば水とか環境のスペシャリストが求められていること、また、採用の際に開発の現場での複数年の経験が重視されております。それに対して、日本の場合、大学卒業後、企業や官庁に就職して同じ組織内で経験を積んでいくという一般的なキャリアステップでございますけれども、これとはなかなか合いにくいというところが大きな要因の一つかと思っております。

坂元委員 専門性と国際舞台での経験という点を挙げていただきましたが、こういった国際組織の中でいかに活躍できる人材を輩出して送り込んでいくかというところが、我が国の国益にかなう本当に大切なテーマだというふうに考えております。

 私も留学経験がありますので、やはり言語の壁というのも大きい部分があるのかなというふうに捉えておりますが、今後、IDAもしくは世界銀行グループへ職員をより送り込んでいくという部分に関しての大臣の御決意をお伺いできればと思います。

麻生国務大臣 これは、今言われましたように、余り日本人が採られなかったんじゃなくて、日本人の方も余り行きたがっていなかったと思いますね、昔は。行くようになり始めたというのは最近ですよ。それは非常にはっきりしていると思います。加えて、語学の壁というのが二つ目にあると思います。

 いずれにいたしましても、今、世界銀行の総裁はキムというアメリカ人ですけれども、よく面会というか、IMFとかいろいろな総会で会いますので、私の方からいわゆる幹部ポストへの登用というのをいろいろ働きかけているところなんですが、これを受けて、日本にリクルートのミッションを過日世界銀行が送っておりまして、日本人の採用活動を行うということで、積極的に取り組んでおります。その結果、昨年一年間で日本人は十名ふえておりまして、百二人から百十二人になったと思いますので、一応の成果は上げてきているとは思っております。いずれにしても、こういった状況で、働きに行きたいという人が一点。

 もう一点は、世界銀行と今度は日本が組んで、防災とか保健というものに関して、日本の知見とか技術というのを生かせることを途上国支援向けに積極的に働きかけてきた結果、いわゆる世銀全体の防災支援の拠点ということで、東京に世銀防災ハブというものを設置させております。これによって、運営は当然日本人が中心でやっているんですが、日本人の活躍の機会というものも増加させるきっかけになるんだと思っておりまして、今後とも、日本人の一層の採用に向けて努めていきたいと思っております。

 ぜひ、あなたみたいな若い人で、行きたいという人を探してもらわないかぬのですよ。行きたい行きたいといって、採ってもらったら、行きたい人は役人しか集まりませんでしたでは話になりませんから、やはりちゃんとした者を私ども出さないかぬと思って、さまざまなチャネルを使って行きたいという人を集めないかぬなと。かつ、その人が、例えば保健でいけば医療等々に詳しい人とか、防災でいけば消防とかそういったものに詳しいような人で、かつ海外で、かつ極めて条件としては厳しいところで働いてみたい人というのを条件で探さないかぬというところだと思っております。

坂元委員 ありがとうございました。

 おっしゃるとおりだと思います。若くて意欲的な人材をいかに探していくかということと、そうした人材に対して、こういう機関があってこういう仕事があるよということをいかに伝えていくかというところに関して、私も財務金融委員の一人ですから、そういった周知活動、告知活動も御協力させていただければというふうに思います。

 今大臣がおっしゃったとおり、キム総裁と大臣が、トップ同士の関係といいますか、そこで積極的に組織内の人材をふやしていくという取り組みもやっていただいている。その他いろいろな取り組みをやっていただいているということで、ぜひこれは、日本の国益にかなう大きな点だと思っておりますので、引き続きの取り組みをお願いいたしたいというふうに思います。

 引き続きIDAに関してお伺いをさせていただきますが、今回の増資において、出資三千百二十億円、融資千九百四億円をするわけで、一〇%のシェア、これは前回同様三位ということですが、日本の貢献度は非常に高いわけであります。

 しかし、御指摘もありましたけれども、IDAへの出資というのは、二国間同士ではありませんので、例えて言うなら匿名の寄附のような形というふうに捉えられなくもない。支援された国も、どの国がどれだけの支援をしてくれているのかわかりにくい側面を持っているのではないかと考えます。

 逆に、ODAについては、他国でありますが、中国がアフリカに積極的に支援を行って、実際にアフリカの埋蔵資源のさまざまな事業においてイニシアチブをとっている、これは事実であります。

 日本は、全体額で見て、世界に向けて中国よりも多くの支援を行っていますし、その歴史も長いわけでありますが、その出し方、生かし方にやはり戦略性がないのではないかというふうに思わざるを得ない場面が多いわけであります。

 そこで、IDAへの増資を最大限国益につなげるための戦略について、改めて麻生大臣にお伺いをさせていただきます。

麻生国務大臣 IDAの場合はODAとは少し違います。こちらのIDAのIはインターナショナルですし、Dはディベロップメントですし、Aはアソシエーションですから。

 日本としては、アメリカに次いで二位の協力金を今やっているんだと思いますが、理事も、常にずっと理事枠を持っておりますし、総務会やまた理事会を通じて意思決定にかなり大きく関与している、私どもはそう思っております。

 少なくとも日本の投票権のシェアは八%、九%ぐらいですから二位にいると思いますが、増資交渉におきましても日本の主張というものは世銀や諸外国からもかなり尊重されていて、その多くがIDAの政策に反映をされている、先ほどちょっと申し上げました医療とか防災とか、私どもはそう思っております。

 そういった意味で、我々、技術とか知見とか、今申し上げた防災にしても医療にしても、そういった分野を今後とも重視していくことになりますし、最近では、ミャンマーとかインドなどに対する支援というものを、傾斜配分というか、もっと重点的にということなどの主張を日本としてIDAの中で行っているということであります。

 事実、これまで、キム総裁はこの一年間で三回たしか日本に来られたと思いますが、東日本の被災地への訪問とか、また参議院のODAの特別委員会で、IDAの業務説明を国会でされておられたり、また昨年の六月でしたか、TICADというのを、横浜で第五回をやらせていただきました。その後も、保健政策閣僚級会合、これは十二月にやらせていただいたと思いますが、いわゆる日本を重視する政策というのが極めて明確に出てきていまして、世銀においても、日本との関係というのは極めて重要という意識は非常にはっきりしております。

 今後とも、キム総裁との関係はもちろんのことですけれども、やはり保健というようなものは、広くその地域において日本の場合はうまくやってきたという歴史がありますので、そういったものをシステムとしてやれるんだという話はなかなか世界では、ええっという感じでしたので、先進国の中でもこれを組織的にやったという国はほかに余りありませんので、そういった意味では、大いにこういったものを利用し活用して、発展途上国に対していろいろ支援をしていければと思っております。

坂元委員 ありがとうございました。

 おっしゃるとおりで、日本の強みをどんどん生かしていただいて、それが最終的に我が国の国益にもつながってくるようなIDAの中での動きを引き続き、そしてより積極的にやっていっていただきたいなというふうに思います。

 私も今回、詳しくいろいろ見させていただいて、世銀グループそしてIDAの中で日本の貢献度は非常に高いということを改めて感じました。ただ、それがなかなか一般の国民の皆様に伝わっていないというところがポイントなのではないかなというふうに思います。

 先ほど古本委員からも御指摘がありましたが、消費税が四月から上がる中で、私も地元でいろいろな方の御意見を伺うと、国内では消費税を上げておきながら、海外にいっぱい支援をしているじゃないかという声もいただくわけであります。やはりそこに対して政府として丁寧な説明ということを、これは切りがないわけではありますけれども、できる限り丁寧な説明をしていくべきだというふうに思います。

 過去に、本委員会においても「国民にわかりやすいIDA出資の意義について、必要な説明をしてまいりたいと考えております。」という御答弁もあったようですが、実際に政府は国民に向けて、IDAの出資であるとかその意義に対して、どういった説明を今されていらっしゃいますでしょうか。

古川副大臣 委員御指摘のとおり、開発援助に対する国民の理解を得るということは非常に大事なことだと思っております。そのためにも、まず、IDAなどへの出資あるいはその効果について、国会を初めとする関係者の皆様、幅広い関係者の皆様に説明を尽くすことが大事だというふうに考えております。

 政府としましては、昨年四月と十月に開催されましたIMF・世銀合同開発委員会の日本国ステートメントでありますとか、NGOと定期協議会を設けておりますが、このような場におきまして、IDA出資の意義や成果などにつきまして、できる限り国民の皆様にわかりやすい形で発信するように努めてきておるところでございます。

 また、大臣から先ほど御紹介もありましたとおり、キム総裁とも直接交渉をしていただいておるわけなんですけれども、昨年十二月、麻生大臣、キム世銀総裁共同の記者会見を開きまして、ここでも、IDAの活動の意義、重要性について国民の皆様に説明をさせていただいたということでございます。

 今後とも、IDAの活動につきまして、広報宣伝、情報公開、こういうものを行うことによりまして、国民の皆様の理解を得るように努力してまいりたいと思っております。

坂元委員 ありがとうございました。

 さまざまな取り組みをされていらっしゃることは重々承知をしておりますが、具体的な御指摘を一点させていただきたいと思います。

 一般の国民の方が例えばIDAに関してちょっとどこかで聞かれて、中身を知りたいなと思って、やはり今の時代、まずホームページを見られる形が多いというふうに思うんですね。しかし、国際開発協会のホームページを見ても、例えば今回の第十七次増資の内容について、もちろん第十七次増資をいたしますということは日本語で書いてはあるんですけれども、増資の内容について詳しく見ようとすると、ほぼ全ての項目がやはり英語表記になっているわけであります。

 確かに、私も見させていただいて、膨大な全文を和訳するには恐らく相当な翻訳費用、予算がかかるんだろうなと拝察をしましたが、せめて、財務省として、中身の要約をして国民に対し日本語で発信をすることは可能ではないかというふうに考えるわけでありますが、御見解はいかがでしょうか。

古川副大臣 委員の御指摘、まことにごもっともだと思います。

 IDAの増資交渉、増資会合におきましてそれこそ膨大な資料が提出されて、これは、ホームページでも公開されるわけなんだけれども、英語以外の言語には翻訳をされておりません。わかりにくいというのは、おっしゃるとおりだと思います。

 そこで、今後ですけれども、国会審議に供しております増資交渉の概要をまとめました資料、それからIDA十七次増資交渉の取りまとめ文書、これは全文は難しいものですから、要約文をホームページなどに掲載するということを検討してまいりたいというふうに思っております。

坂元委員 前向きな御答弁、ありがとうございました。

 全文であったり大部分を訳すというのは非常に大変な作業でありますから、国民にわかりやすい形での要約をしていただければ、私も、この点に関しては十分なのではないかなというふうに思います。これは切りがないわけでありますが、やはり批判の対象となりやすい分、丁寧な説明を努力していただければというふうにお願いさせていただきます。

 それでは、最後に、少額輸入貨物に対する簡易税率の適用対象額の拡大に関する点で御質問させていただきます。

 国際郵便物は、密輸手段としての利用拡大が大きな懸念となっております。その中で、不正薬物や知的財産侵害物品、いわゆるコピー商品のうち、どのくらいの割合が国際郵便物からの摘発となっていますでしょうか、また最近の国際郵便を使った密輸の手口としてはどのようなものがあるでしょうか、お答えいただければと思います。

宮内政府参考人 税関では、国際郵便物を利用した不正薬物ですとか知的財産侵害物品の密輸の取り締まりを行っているところでございますが、その中で、平成二十五年に税関が摘発した不正薬物の五三%、二百四件、知的財産侵害物品の九四%、二万六千四百十六件が国際郵便物からの摘発となっております。

 また、最近の国際郵便物を使った密輸の手口といたしましては、例えばコカインを液体に溶かして、ジャンパーのようなものですが、衣類にしみ込ませた手口でありますとか、覚醒剤を保湿クリームのチューブの容器の中に隠した、そんな手口がございます。密輸の手口はますます巧妙化しているところでございます。

坂元委員 より巧妙化している手口だというところと、事前のヒアリングにおいては、コピー商品であるとか不正薬物もそうなんですけれども、狙ってくる価格帯といいますか、やはりよりチェックが緩い低い金額、価格帯の部分で税関を通してこようとするという点の御指摘を受けておりました。

 つまり、直接的に今回の適用対象額の拡大が効果を発揮する等々ではないというふうに思うんです。事務の効率化という点が大きなポイントだというふうに思っておりまして、この事務の効率化を受けて、当然余るわけではないんですけれども、セキュリティーチェック、セキュリティー対策への人員の配置であるとか労力をより割いていくという方向で強化していかれると捉えておるんですけれども、そのセキュリティー対策を今後どのように強化していかれるというふうにお考えでしょうか。お願いいたします。

宮内政府参考人 まさに委員御指摘のとおりでございます。

 強化の方向でございますけれども、今回、対象額を二十万円に拡大した場合、新たに七万件の国際郵便物が簡易税率によって賦課課税されることになりますので、一つは、そこで課税事務の効率化に資するということがあります。

 そうした効率化を図りつつ、先ほど申しましたような巧妙化する密輸手口に対応するためにさらなるセキュリティー対策の強化に努めるわけでございますが、一つには、従来にも増して積極的な開披検査を実施するということ、それから、エックス線検査装置等々、検査機器を活用して深度ある検査の実施を行っていくといったことを考えているところでございます。

坂元委員 予算がなかなか厳しい時代でありますから、できる限りの効率化を図って、人員を安易にふやすということではなく、効率化にまず取り組んでいただければというふうに、そのための措置だと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 以上で終わります。

林田委員長 次に、大熊利昭君。

大熊委員 みんなの党の大熊利昭でございます。本日もよろしくお願い申し上げます。

 本日も、いろいろと活発な質疑がなされております。私もこれまでの質疑に関連するところもあるかと思いますが、御容赦いただきたいと思います。

 まず、IDAの件をお伺いいたします。

 まず、そもそも論なんですが、今回の増資、これまで十六回、今回で十七回目ということなんです。しかしながら、このIDAというのは株式会社ではないと思われるんですが、にもかかわらず増資なんだ、出資なんだということなんです。

 これは、どういう機関なのか、資本金というものがあるのか。これはアメリカが本社なんでしょうか。そうすると、どういう法的な位置づけになっているのか、まず教えていただきたいと思います。

山崎政府参考人 IDAは、条約であります国際開発協会協定に基づいて設立されておりまして、同協定において、IDAが法人格を有すること、あるいは法人として契約能力を有することが規定されておりますし、また加盟国がIDAに対して出資を行う、これはサブスクリプションという表現になっておりますけれども、このことも同協定で規定されております。

大熊委員 そうなりますと、日本でいったら例えば会社法ですとか倒産関係の法制があるわけですが、どの国の法制にも属していないんだ、こういう理解をいたします。

 そうすると、では、万が一のとき、デフォルトなんだというときの倒産法制というのはないんだ、こういう理解でよろしいんでしょうか。あるいは、その条約、協定の中に何条とかいって書いてあるということなんでしょうか。書いてあるとすれば、どんなふうに書いてあるのか。簡単に教えていただければと思います。

山崎政府参考人 今、仮にデフォルトという話がございましたけれども、まず、IDAのバランスシートにおきましては、IDAは、資産側では、貸付先は貧困国ではございますけれども、債務持続可能性について分析した上で貸付先を選んでおります。そういう意味で、財務の健全性に留意した運用を行っております。また、負債サイドでは、これは基本的に加盟国の出資を財源としておりまして、借り入れは現在ほとんどございませんし、今回、融資による貢献方式が導入されましたけれども、全体の規模と比べればごく一部であります。

 そういう意味で、現状、IDAがデフォルトになるということはなかなか想定しがたいことでございますけれども、協定上は、IDAの協定において、総務の過半数の投票によりましてIDAの業務を永久に停止することができるとされておりまして、その際、さらに残余資産につきましては、同協定において、過半数の投票により、まずIDAの債権者に対する全ての債務が履行された後に出資に応じた分配が行われるというふうに規定されております。

大熊委員 今のは、日本の倒産法制でいうと清算の規定であって、倒産の規定じゃないですよね。清算の規定ですよね、今局長がおっしゃったのは。そうすると、倒産の規定というのは、そういうことは要するに想定していないんだということで、ないんだ、簡単に言うとそういうことなんでしょうか。一応確認のため、お願いいたします。

山崎政府参考人 協定上はまさに今申し上げたような枠組みでございまして、いわゆる民間の企業的な、倒産的な、司法的な内容はこの協定にはございません。

大熊委員 と申しますのは、先ほど来も議論になった、今回の特色、特徴、前回までと違う点は、融資というものが入ってきたところに違いがあるんだろうなというふうに思います。

 債権者、つまり我が国なら我が国から見て、お金をIDAに融資として日本国から出した、その回収の可能性、先ほどから議論になっている、十年間は金利だけもらいます、十一年目から元本を半年ごとに均等で返してもらいますということなんですが、そのタイムリーペイメントが失われた場合に、債権者として、IDAは倒産なんだと言うことが多分できないと思うんです。

 つまり、お約束どおり十一年目以降返してくれるはずだったところ、返してくれませんというときに、どういう債権者としての対抗措置が現状の規定で、規定は何か追加すればできるのかもしれませんが、債権者保護の観点からあるのか、教えていただければと思います。

山崎政府参考人 先ほどちょっと御紹介しました協定の中にありますとおり、債権者に対する全ての債務が履行されるまではそもそも出資の分配はできない、つまり出資よりも融資の返済が優先するという規定がございます。

 実際に、先ほどちょっと申しましたが、現状では債務不履行というのはなかなか想定しがたいわけでありますけれども、そのような状況にもし陥るような客観的な情勢があれば、全出資国が集まりまして対応を協議し、場合によっては事業の停止、解散ということもあり得るわけですけれども、その場合においても、今申しましたとおり、債務の返済は出資の分配に優先されるという規定になってございます。

大熊委員 それは十一年目以降、元本を返してくれなかったらみんな集まって協議はするんですが、集まってする際の根拠規定ですね。つまり、十一年目以降のことについて、あらかじめ本日時点で規定はないか。いろいろ交渉、御苦労されたというふうに伺ったんですね。その辺のところをいろいろ交渉されたんじゃないかなと想像するんですね。

 あるいは、債権者がみんな集まってということなんですが、では、債権者間の契約というのは一体どうなっているのか。債権者間の取り決めですね。同じ債権者でも、出資分が多い債権者は少しちょっと色がついているとか、そういう交渉、いろいろ御苦労されたんじゃないかと思うので、ちょっとその辺を教えていただけないでしょうか。

山崎政府参考人 債権者間で優先劣後関係はございませんので、プロラタで分配される、プロラタで債務の返済が行われるということになっております。

大熊委員 一個先の質問に先にお答えいただいたんですけれども、そういうことじゃなくて、十一年目以降、元本、金利を返してくれないということになったときに、現在の条約上の規定で債権者の権利として何ができるかということを教えていただきたい、こういうことなんです。

山崎政府参考人 十一年後にグレースピリオドが終わって債務が返済されない場合という想定の御質問でありますけれども、そもそも、一体どういう場合に返済されないということがあり得るのかということは、先ほども申しましたけれども、なかなか想定しがたいわけでございます。

 つまり、これは国際機関としてのまさに対外的な信用の上で成り立っている機関でございますので、当然債務は返済されるべきでございますし、かつ、先ほど申しましたけれども、これは今のところ大部分が出資で負債が成り立っているものでございますので、その出資よりもさらに融資が優先するということを書いてございますので、そういう意味で、この機関が債務の弁済を意図的に行わないということは、私どもは想定しがたいというふうに考えております。

大熊委員 そのお話ですとなかなか債権保全の観点から心配で、要するに最貧国への融資なわけですよね。普通の金融機関というのは、お金を貸すときに、ちゃんとした借り手なのか、こういうことを審査して、ちゃんとした借り手なら貸そうじゃないかと。これが普通の金融機関の姿なんです。ところが、このIDAというのはまさにその逆でございまして、国際協力という趣旨もあるんでしょうが、返してくれそうもない人に対して貸すんです、簡単に言っちゃいますと、最貧国ですから。だから心配している。

 今までは違いましたよ、出資だけですから。だけれども、今回は融資が入っているから違うんです。こういう議論をきちんとしなきゃいけないんですね。最貧国ですから、そういうことは想定しづらいというのは、逆ですよ。逆に想定しやすいんですよ。

 もう一回言いますよ。普通の金融機関というのは、返してくれそうな人に貸し出しをする、だめな人には貸さないんです。だから、例えば国内ではなかなか貸し出しが伸びないとかいろいろなことがあるんですけれども、このIDAについては、返してくれることがなかなか大変な最貧国に貸すんですよ。だから想定しやすいんです。だから聞いているんですよ。もう一言お願いします。

山崎政府参考人 おっしゃるとおり、確かに貸付先は貧困国でございますけれども、ただ、それは相手国の債務の持続可能性も十分分析した上、貸しておりまして、例えば過去五年の貸し倒れ率は約二・二%でございます。そういったこともある程度出ることを前提に出資金も積み、その中で引き当てもしておるわけでございます。

 今回、新しく融資という形になっておりますので、私どもは、返済がきちんと行われるということを当然の条件として、今後とも、世界銀行グループとの間で、重要なステークホルダーとしてきちんと監視をしていきたいというふうに考えております。

大熊委員 お話としてはそうですねということなんですが、では、それを実際に担保するにはどういうことがということで、大きく二つあると思うんですね。条約上、要は契約書上の条項と、それから人が入っていく。

 先ほど来、職員をふやすと。これは、雇用をふやすという単にそれだけの観点に加えて、債権者としての、あるいはエクイティーホルダーとしてのガバナンスを確保するため、こういう大きな目的があるわけですよね。特に後者は大きな目的があるわけです。

 例えば、事務方の皆さんから詳しい御説明を聞きました。融資に対してイヤマークはされていない、つまり一つ一つひもつけされていない、プロファイみたいになっていないんだ、こういうお話がありました。だからこそ、一層ガバナンスが大事なんですね。

 では、具体的に言いますと、IDAからある融資が出たよ、それの返済期限が、仮にちょうど十一年目に来ましたよ、我が国の十一年目の、半年ごとの元利返済のところにちょうど当たる直前にペイメントが入ってきましたよというそのお金を、優先劣後構造はないので先に返してくれとは言いがたいんですが、例えばIDAにCFOさん、恐らくそのような機能の役職の方がいらっしゃるんだと思います。先ほど専務さんとおっしゃいましたか。そこに日本人がいるのか、あるいはその部門を支える補佐官みたいな人に日本人がいるのかいないのかでこれは全然違ってきますからね。その辺の組織構造の中で、このIDAのキーになる組織、つまり回収と融資の実行、この二つがキーだと思うんですが、そこにはどの程度日本人がいらっしゃるか。

 財務省さんですと、例えば国内ですと内閣府とか内閣官房にゼッケンを持ったままお出になられて、財務省の方を見て仕事をされています。いい意味でも悪い意味でもそういうノウハウはあるので、IDAに出て、しっかり日本のゼッケンをつけていって、日本の方を向いて仕事をされる方が融資実行部門と回収部門にいらっしゃるかどうか、この辺をちょっとお答えいただきたいと思います。

山崎政府参考人 まず、日本人の職員であるからといって日本の国益のために働いているということではございませんけれども、それを前提に申し上げれば、ついこの間まではIDAの担当局長は日本人でありましたし、今、IDAの重要なコンセッショナル・ファイナンス・パートナーという位置づけの幹部は日本人が入ってございます。

大熊委員 確認ですが、まず、融資実行の方。IDAの融資というのは、半分以上がアフリカ向けなんですね。アフリカは我が国も重要な国々なんですが、相対的にやはり日本の周りのアジアに対する融資を、同じ融資先の条件であれば、やはり日本の国益を考えれば、アジアの方をどっちかというと日本としてはやっていくべきではなかろうかなと一国民としては考えるわけですね。

 であれば、融資実行部門、それから先ほど申し上げた回収のところ、お金が返ってきたよと。そうすると、そのお金をもう一回、再融資に回すのではなくて、しっかりと十一年目からの元利の返済に充ててもらう。その返済が十一年目の新たな融資よりも当然優先される、これはそうなんですよね。

 そこをまず確認の上、前半の融資実行部隊の、アフリカからアジアにお金を、条件が明らかに違えばそれは難しいですけれども、同じ条件であれば、はっきり言って融資の実行はアフリカに偏っているわけですよね。それを我が国の周りのアジア諸国、こちらにより回していくということが日本の国益の観点からいいんじゃないかと思うんですが、この点、二つ、いかがでしょうか。

山崎政府参考人 日本は、第二位の投票権を持っている国として理事を常に出しておって、理事会で例えばどこの国に具体的に融資をするかということも決めておるわけでありますけれども、今回のIDAの交渉を通じましても、先ほどから御答弁にありますとおり、ミャンマー、インド等、よりアジアへウエートを置いた支援を行うような、そういう結論に導くことに大きく貢献できたと思っております。

 したがって、それは理事会を通じて最終的に担保されておりますし、それから、当然のことながら、もし万が一にも十一年目に返済にきちんとした対応が行われないようであれば、逆に言えば、理事会で、新規の融資でありますとか、あるいはその次の例えばIDAへの増資等につきまして、それは私どもとしてしかるべき対応をすることになりますけれども、そもそも、そういうことが起こるような組織であるとは全く思ってございません。

大熊委員 確認いたしますが、十一年目の元利の返済は、ニューマネーなしで、そして新たな融資の実行前になされると。

 ニューマネーというのは、元利は返すよ、だけれども増資に応じてくれと。これは一種のデット・エクイティー・スワップですね。こんなのを言われたら、たまったものじゃない。実質、返ってこないわけだから。

 そういうニューマネーなしで、しかも十一年目の新たな融資実行なしで、シニアデットですから先に元利が返ってくるんだ、そういう理解ですが、確認をお願いいたします。

山崎政府参考人 私どもの融資の条件は、償還期間四十年、据置期間十年、金利〇・五五、返済は半年ごと、元金均等払い、これが全てでございますので、それ以外の条件なく、きちんと履行していただけるというふうに考えております。

大熊委員 それですと、デット・エクイティー・スワップの条件に入ってしまいますよ。ニューマネーは来てしまいますよ。それは返すけれども増資に応じてください、こういう話になってしまいます。

 そうはならないんだということの確認をお願いしたい。ニューマネーなしでという、この確認をお願いしたいんだということなので、念のためお願いいたします。

山崎政府参考人 まさにおっしゃるとおり、別にニューマネーとかデット・エクイティー・スワップと関係なく、今回結んだ契約に基づいてきちっと返済されるということだと考えております。

大熊委員 ようやく確認できました。

 そしてまた人的な部分、しっかりと内部ガバナンス、これはハンズオンに近い形でお願いしたいといいますか、するべきだと思いますね。なぜならば、先ほどの議論のとおり、債権者としての権利がなかなか生じにくい法的な構造になっておりますので、あとは人の問題ですから、中に入っていって、人を出していらっしゃるので、普通の職員さんもそうでしょうけれども、幹部の方を財務省さんから出していらっしゃるわけですから、普通のガバナンスよりも、幹部の職員さんとしてのガバナンスをしっかりとお願いしたいというふうに思います。

 終了してしまいましたので、申しわけありません。関税の方をお伺いしようと思ったんですが、終了ということで、以上とさせていただきます。

 ありがとうございました。

林田委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 まず、法案に関連して、関税の役割について確認をしておきたいと思います。

 言うまでもなく、主食であるお米は、非常に重要な守るべき課題であります。米の暫定税率は今何%か、それが日本の米生産を守る上で果たしている役割、この点について麻生財務大臣の認識をお伺いしたいと思います。

    〔委員長退席、菅原委員長代理着席〕

麻生国務大臣 これは、先生、関税が無税であるいわゆるミニマムアクセス米に対して、枠外の輸入として民間が輸入する米については、一キログラム当たり四十九円の関税がかけられておりますほか、一キログラム当たり二百九十二円の納付金が政府により徴収されておりますので、今、WTOの関税と納付金の合計を従価税で換算しますと七七八%になるというように理解をいたしております。

佐々木(憲)委員 その上で、その関税が国内の米を守る上で大変重要な役割を果たしていると思いますが、どのような御認識でしょうか。

麻生国務大臣 このミニマムアクセス米の枠外の民間による米の輸入量というのは、これは極めて微量なものだと思っておりますが、関税によって国産米というのはかなり保護されているというのは間違いないんじゃないでしょうか。

佐々木(憲)委員 それで、TPP交渉で、米も含む重要五品目が一体どうなるのか、大変重要な関心を集めているわけでありますが、特に、そのうち五百八十六のタリフライン、細目について日本がどのような交渉を行っているのか、政府にこれをただしても、なかなか内容を明らかにいたしません。今後の日本の行方を左右する重大問題なのに、何をやっているのかさっぱりわからないというのでは困るわけであります。

 なぜかとお聞きしますと、秘密保持契約があるんだ、こういう答弁ですね。なぜ秘密保持が必要なのか、交渉だから必要だと。単純な話ではないと思うんです。これは大変重要な日本の食料あるいは経済基盤にかかわる全国民的な問題でありますから、その内容を議会や関係者に明らかにして、意見を聞きながら交渉するというのは当然だと思うんですが、どのようにお考えですか。

麻生国務大臣 これは、この交渉が始まるときに、我々は後からおくれて行っている方で、カナダとか日本とかおくれてこの交渉に入っている方だと記憶しますが、少なくとも、この交渉に入るときに、この交渉に関しての一切の交渉事は漏らさない、口外しないという約束で話をスタートしておりますから、これは日本だけが漏らさないんじゃない、各国も同様な条件がついていると理解しております。

佐々木(憲)委員 秘密保持契約は誰を縛るのかということですが、内閣官房からも来ていただいていると思いますが、直接交渉に当たっている政府と担当者を縛るもの、こう理解してよろしいですか。

成田政府参考人 お答えいたします。

 まさに交渉を行っている者にこの保秘契約がかかっているという理解でございます。

佐々木(憲)委員 では、どの方々が交渉内容について知っているのかという点でありますけれども、甘利大臣はみずから交渉に当たっておりますので、当然、全部知っていると思います。あとは、安倍総理、官房長官、これは責任ある立場ですから、当然、報告を聞いて全容を知っていると思います。

 麻生さんは副総理でありますから、交渉内容を知っていると思いますが、いかがですか。

麻生国務大臣 比較対照だとは思いますけれども、かなり知っている方だと思いますけれども、その知っているということも申し述べることはございません。

佐々木(憲)委員 知っているかいないかも言わないというのも、これはちょっと奇妙な話でありまして、内閣官房にもう一回お聞きしますけれども、閣僚の中でどの範囲までこの交渉内容を知っておられるのか、その範囲をお聞きしたいと思います。

成田政府参考人 お答えいたします。

 TPPに関する情報につきましては、TPPに関する主要閣僚会議における閣僚間の申し合わせに基づきまして情報を厳密に管理しているところでありまして、それに基づいて、甘利大臣以外の閣僚におかれましては、各省庁の所管分野に係る情報が共有されていると認識しております。

 なお、甘利大臣も、この点について聞かれた際に、次のようにお答えをしておられます。全体を俯瞰して承知している人数というものは極めて少数だと思います、私以外、これは甘利大臣以外ということですが、担当閣僚で全体を見ているという者はいないと思います、このようにおっしゃっておられます。

佐々木(憲)委員 極めて少数というより、一人しか知らない、全容を知っておられるのは。

 そうしますと、関係閣僚会議がTPPに関してあると思いますが、その中で、官房長官、安倍総理大臣、それからこの中には外務省、財務省、農水省、経産省それぞれの大臣が参加をしておられると思いますが、これは、その分野にかかわる内容については知っている、こう理解してよろしいですか。

成田政府参考人 それで結構でございます。

佐々木(憲)委員 そうしますと、与党の幹部はどうかということになるわけです。

 自民党の石破幹事長は甘利さんと同様に交渉内容を知っておられるのか、あるいは、自民党のTPP対策委員長は交渉の内容について知っているのか、この点はいかがですか。

成田政府参考人 与党の幹部とは、交渉の進捗状況に応じまして、政府と与党との連携のあり方について随時必要な御相談をさせていただいておるということであります。

佐々木(憲)委員 随時必要な相談をしているということは、当然、交渉内容についても情報を共有しながら相談しなきゃいけないわけでありますから、知っているということになるわけですね。

 内閣委員会の三月七日の甘利大臣の答弁では、「自民党の石破幹事長も、例えば、輸入実績がないものも一切何もしないということでは交渉にならぬというのはそのとおりだ」というようなことで、石破幹事長の名前を挙げて、この中身についてある程度知っているという答弁をされているわけであります。

 そうすると、与党の幹事長は一定のレベルまでかなり知っている、甘利さんが評価するほど知っているわけであります。

 公明党の幹事長は与党ですから当然知っていると思いますけれども、全く同じ情報を共有しているのか、自民党と公明党の間に違いはあるのか、この点、説明していただきたいと思います。

成田政府参考人 政府と与党との連携のあり方について随時必要な御相談をしているということでありまして、与党とは一体として対応させていただいているということでございます。

佐々木(憲)委員 これは、同じレベルの情報を自民党幹事長と公明党幹事長は知っている、共有している、こういう理解ですね。いいんですね。

成田政府参考人 基本的には同様であると認識しております。

佐々木(憲)委員 基本的にはということでありますが、完璧にはということではないようであります。

 それはそれとして、では、次にお聞きしたいのは、この秘密保持契約というものは、一番最初にお尋ねしたところ、交渉を担当している政府のメンバーに守秘義務を課している、こういうことであります。しかし、与党となりますと、これは政党でありますから、政党に対して政府から情報を提供する、あるいは漏らしてもいい、こういうことになっているわけですね、現在、実情として、現状として。

 この点では秘密保持契約との関係は一体どういうふうになっているのか。この点は契約上どういう規定になっているんですか。

成田政府参考人 お答えいたします。

 契約の内容につきましては、TPP交渉参加国との信頼関係もありまして、公表することができませんけれども、交渉の具体的内容にかかわることは秘密にしなければならないものとされておるわけであります。

 与党の幹部とは、連携のあり方について随時御相談をさせていただいておりますけれども、その内容につきましては、基本的に保秘契約を踏まえた対応をさせていただいているということでございます。

佐々木(憲)委員 もう一つよくわからない答弁ですが。

 これは、予算委員会、昨年の十月二十二日ですけれども、甘利大臣の答弁でこういうのがあるんですね。「各国がセンシティビティーとして持っている分野があります」、「我が党として聖域ということを発言したのは、死活的利益にかかわる分野である。それは、今、西川委員長のところでもいろいろ精査の作業をしているわけであります。」と。西川委員長は、当然、重要五品目、とりわけその中での細目についていろいろ精査をしている、こういうわけでありますから、相当詳しく知っている、こういうことだと思うんです。

 それでは、ほかの国の場合はどうなのか。ほかの国の場合は、情報については日本とかなり扱いが違うのではないか。日本の場合には政府に交渉権がある。アメリカの場合は、最終権限は、議会にあるのか、大統領にあるのか、お答えいただきたいと思います。

    〔菅原委員長代理退席、委員長着席〕

森政府参考人 お答えいたします。

 アメリカにおきまして交渉権限がどこにあるかということでございますが、我が国を含めましてTPP交渉の当事国は、米国の行政府が現在通商協定の交渉権限を有しているということを前提に交渉に当たっているところでございます。

 米国の国内法の中身について確定的なことを申し上げることはできませんけれども、私どもが承知しておりますのは、米国憲法上、米国議会は外国との通商を規制する権限を有する、こういう規定がございます。他方において、米国大統領は憲法上有している執行権に基づきまして通商交渉権限を有する、このように解されているところでございまして、大統領府にありますUSTRが米国行政府を代表して交渉を行っている、こういう理解でございます。

佐々木(憲)委員 議会は最終的な権限を持っているけれども、実際の交渉はUSTRが行うと。そうしますと、議員は、公聴会などを通じてUSTRに対して、交渉内容はどうなのか、こういうことをただすことができる、そういう仕組みになっていると思います。

 ところが、日本は、交渉内容を知ることができる方々が非常に限られている。甘利大臣は一番よく知っているが、それ以外の閣僚も知っている人と知らない人がいる。担当の閣僚はその分野しか知らない。そして、与党もごく一部の方々しか知らない。守秘義務が課せられている。こういうわけでありますので、これは非常に、日本の国民にとってはなかなか情報に接することができない、こういう状況だと思うんですね。

 具体的にお聞きしますけれども、TPP交渉の条文、これは今何章で成り立っているのか。私が得ている情報では、二十九章であって、幾つかの章で内容について固まっているが、それ以外は交渉中、こういうふうに聞いていますが、これはどうなんですか。

成田政府参考人 テキストの章の数につきましては、コメントを控えさせていただいております。

 中身につきましては、進捗しているところもありますし、まだ難題を抱えているところもあるという状況にございます。

佐々木(憲)委員 マレーシアのことし二月二十一日付のサン・デーリーという新聞、これによりますと、ムスタパ通商大臣は、TPP協定は二十九章あって、そのうち八章で交渉を完了し、残り二十一章は未解決問題を含んでいるので交渉中、こう報じているわけです。

 アメリカ議会調査局が出した報告書、これは昨年十二月でありますが、協定条文は二十九章というふうに述べております。

 二十九章ということで議論されていることは、これは間違いないんじゃありませんか。

成田政府参考人 重ねて恐縮でございますけれども、何章あるかは、日本政府としては公表を差し控えさせていただいております。

 他国の公表につきましても、そういう情報は承知しておりますけれども、日本政府としてそれについてコメントするのを差し控えさせていただいております。

佐々木(憲)委員 まことに奇妙な対応ですね。ほかの国では、二十九章だというのは交渉参加国の担当大臣がしゃべっているし、アメリカでは議会の報告書の中で章立てについて二十九というふうに言っている。日本政府は、数字は一切言いませんと。

 これは余りにも奇妙な秘密主義でありまして、こういう状況ですので、国民がこの状況を見ますと、当たり前のようにほかの国では公表されていることが日本では公表されない、これは極めて異様ですよね。

 論点もいろいろありますけれども、もう時間がありません。

 例えば、今いろいろと公表されているのを見ましても、ISDSの導入を目指すアメリカに対して、マレーシア、ベトナム、オーストラリアが反対しているとか、国有企業改革の導入をアメリカが目指しているけれども、マレーシア、ベトナムが反対している。こういう事実があるんだけれども、こういうことも公表しない、こういう状況であります。

 私は、何かこういうふうに国民にも議会にも隠したままでともかくまとめようなんという話を、甘利大臣は自分が全部知っているんだと全権を持っているかのように、それで勝手な交渉をやって、中身はわからない。こんなことをやっているようでは、大変な事態になるかもしれない。あけてみてびっくりと。日本が、経済全体がおかしくなる、国民が被害を受ける、こんなことになっては大変なことになりますので、私は、こんなやり方はやめるべきだと思いますし、TPP交渉から直ちに撤退すべきだ、このことを主張して、質問を終わりたいと思います。

林田委員長 次に、鈴木克昌君。

鈴木(克)委員 生活の鈴木であります。

 議題となっております関税定率法及び関税暫定措置法の改正案について質疑をさせていただきます。

 まず、税関における水際の取り締まりということで少しお伺いをしたいというふうに思います。

 言うまでもありませんけれども、我が国の税関は、水際における取り締まりや、関税の適正、公正な課税、通関手続のスピードアップなど、さまざまな課題に取り組んでいるわけであります。とりわけ水際における取り締まりは、国民生活の安全、安心を確保、また、我が国の経済社会秩序を維持するという極めて重要な課題であり、その充実強化が常に求められているということであります。

 しかしながら、水際取り締まりの強化と通関手続のスピードアップとは基本的には相反する課題でありまして、この両立を図るといった非常に困難な要請にも応えていかなければならないということであります。

 そこで、まず、税関における水際取り締まりの状況について順次お伺いをしてまいりたいというふうに思います。

 最初に、税関における水際取り締まりの機能強化に関する取り組み及び関係機関との連携状況についてお伺いをいたします。

 先日発表された平成二十五年の全国の税関における関税法違反事件の取り締まり状況におきましては、不正薬物の押収量が九年ぶりに一トンを上回る、それから、航空機旅客による覚醒剤の押収量が過去最高を記録などというふうになっておるわけであります。そしてまた、その密輸の手口も巧妙化しておるということであります。

 また、先日発表された平成二十五年の税関における知的財産侵害物品の差しどめ状況では、輸入差しどめ件数が過去最高を記録、差しどめ件数が七年連続で二万件を超えるなどと報告をされているわけであります。

 これは、極めて深刻な状況にあると言わざるを得ません。しかしながら、一方で、税関における水際取り締まりが強化された結果であるというふうにも考えられるわけであります。

 そこで、税関における水際取り締まりの機能強化に関する取り組み状況についてお伺いをしてまいります。

 また、その取り締まりに当たっては、警察や海外の関係機関との情報交換など、密接な連携が必要不可欠であると思われますので、国内外の関係機関との連携状況についてもお伺いをしたいと思います。

 さらに、知的財産侵害物品については、中国からの輸入の差しどめ件数が四年連続で全体の九割を超えるというような異常事態が続いておるというふうに言われております。輸出国側における取り締まりについてはどのような働きかけを我が国は行っているのか、そのところも確認をさせていただきたいと思います。

宮内政府参考人 お答えを申し上げます。

 密輸入事犯に対する水際取り締まりを一層強化するために、最近、累次の法令改正を行っております。例えば、航空機旅客に係る予約記録を求めることができる規定の整備を行いました。また、海上コンテナ貨物に係る出港前報告制度の導入といったこともいたしてきているところでございます。

 このほか、エックス線検査装置、不正薬物・爆発物探知装置、あるいは麻薬探知犬その他の取り締まり検査機器の有効活用を図っております。

 さらに、警察あるいは海上保安庁等の関係機関との合同取り締まりの実施も行ってきているところでございます。

 また、お話にありましたように、外国税関当局、あるいは世界税関機構、これはWCOといいますが、こうした関係機関との情報交換の促進等による有効な情報の収集、分析等の対策を講じているところでございます。

 知的財産についてもお尋ねがございましたが、WCO等の会議の場では、輸出サイドについても働きかけを行っているところでございます。

 今後とも、関係機関との連携を強化しつつ、厳正な取り締まりの実施に努めてまいる所存でございます。

鈴木(克)委員 今お答えいただいたわけですが、いずれにしても、七年連続で二万件を超えている、それから、中国からの差しどめ件数が四年連続で全体の九割を超えている、このような状況というのは本当にゆゆしき状況である。このことを十分御認識いただいて、万全の体制をしく、そして、国のいわゆる利益、それから国民の安心、安全というものに対して徹底的にひとつ頑張っていただきたいということを申し添えておきたいというふうに思います。

 次に、今若干お話もありましたけれども、国際郵便物のセキュリティー強化に関する改正効果、それから国際的取り組みということを二つ目にお伺いしたいというふうに思います。

 関税定率法等の改正案では、国際郵便等の取扱件数の増加を踏まえて、通関手続の迅速化、スピードアップの観点から、国際郵便物等の少額輸入貨物に対する簡易税率の適用対象額を現行の十万円から二十万円以下に拡大するとされております。

 この国際郵便物は社会悪の物品の密輸手段としての利用が懸念をされておりまして、平成二十四年の税関の摘発状況では、不正薬物の四二%、知的財産侵害物品では実に九三%が国際郵便物からの摘発というふうに報告をされておるわけであります。

 これも大変深刻な状況になっておりますが、本改正案の趣旨は、単に通関手続のスピードアップを図るのみではなく、課税事務の効率化により、国際郵便物等のセキュリティー強化も図るものであると理解をしておるわけであります。

 現在、小口急送貨物や国際郵便物の輸入件数は二十万円以下のものが九割を超えている、このように聞いておるところであります。

 本改正によるさらなる機能強化が期待をされるというところでありますけれども、具体的にはどの程度の効果を見込んでいるのか。例えば検査率の向上とか、そのようなものをどのように見込んでみえるのか、お伺いしたいと思います。

 そしてまた、こうした国際郵便物のセキュリティー強化にかかわる国際的な取り組みとしては、一昨年、万国郵便連合の会議において、先ほどもお話がありましたが、国際郵便物に係る情報の電子的方法による、万国郵便条約の改正案が採択をされているわけであります。その後、我が国としても、関係者と連携を図り万国郵便連合における検討状況を確認した上で、電子的方法による、国際郵便物に係る課題等に関する検討を開始するとされておりました。

 そこで、その検討状況と今後の方向性について御答弁をいただきたいと思います。

宮内政府参考人 お答えを申し上げます。

 今回の改正で二十万円以下に簡易税率の適用対象額を拡大した場合、国際郵便物は年間七万件、一般貨物は年間八十六万件が新たに簡易税率の対象になるわけでございます。

 検査率につきましては、従来から公表しておらず、申し上げることはできませんけれども、一般貨物について納税事務が簡素化されるということ、それから、簡易税率の適用対象額の拡大によって、郵便物に関しましては課税事務が効率化されるということがございます。

 サンプル的な調査をいたしますと、簡易税率にすることで、国際郵便物についての通関事務が一件について十分ぐらいは節約できるんじゃないかというふうに考えております。国際郵便物年間七万件分がそういうことになりますので、その分、セキュリティー対策を強化していくということも可能になります。

 具体的には、従来にも増して積極的な開披検査を行うですとか、エックス線検査装置あるいは麻薬探知犬など機器を活用して深度ある検査を実施して、さらなるセキュリティー対策の強化を図ってまいりたいと考えているところでございます。

 今、もう一点、国際的な動きについて御質問がございました。

 万国郵便条約の改正案が採択されまして、さらに我が国でも、昨年の十二月に国会承認がなされ、一月から発効しているところでございます。この中にも書かれておりますけれども、国際郵便物に関する情報が事前に電子データで入手可能というふうになりますれば、税関におきましては、電子データによる事前のリスク判定が可能になるということから、国際郵便物に対するセキュリティー対策の強化に資するものであるというふうに考えているところでございます。

 現在、万国郵便連合、UPUと、それから世界税関機構、WCOにおいて、国際郵便物の情報を仕出し地から事前に電子データにより入手するということの取り組みを行っております。

 我が国といたしましても、こうした国際的な潮流におくれることがないよう、郵便事業を所管する総務省等と連携して、当該取り組みに積極的に関与していく考えでございます。

鈴木(克)委員 御答弁いただいたわけでありますが、素人考えとしては、これは間違っておったら御指摘いただきたいんですが、簡易税率の適用対象額を十万から二十万に拡大するということによって、逆に不正が、不正という言い方が当たっておるかどうかわかりませんが、それがふえるということではないですね。そのところがちょっと素人ではよくわからないものですから、わかりやすく、もう一度御説明ください。

宮内政府参考人 お答え申し上げます。

 簡易税率の適用対象を拡大するということで不正薬物が入りやすくなるというようなことはございません。

 通関、つまり税の部分についての処理を簡素化するということになります。課税事務の簡素化、あるいは納税事務の方も簡素化していくという点で効率化されるということで、言ってみれば、それで時間があく方をセキュリティー対策の方に回すことができるというようなことでございます。

鈴木(克)委員 わかりました。

 それでは、続いて、船舶の出港前報告制度の運用状況、それから航空貨物に対するリスク分析状況についてお伺いをしたいというふうに思います。

 平成二十四年度の改正において、テロ対策等の国際的な物流セキュリティー強化の観点から、コンテナ貨物を積載して我が国に入港しようとする外国船の運航者等に対し、外国貿易船が船積み港を出港する二十四時間前に詳細な積み荷情報を電子的に税関に報告することを義務づける出港前報告制度を導入することとされました。こうした制度は、アメリカ等の諸外国では既に導入をされておるわけでありますが、十分なリスク分析が可能となる仕組みであるとも認識をされております。

 これによって一層のセキュリティー確保が期待されるということでありますが、本制度については、今月からの運用開始が予定されていたようでありますので、その運用状況とともに、問題などが確認をされているのかいないのか、どういうふうな状況になっておるのか、お答えをいただきたい。

 また、航空機につきましても、平成二十三年度の改正において、効果的かつ効率的な密輸取り締まりのため、旅客に係る予約情報の報告制度が導入されておりますが、航空貨物についてはどの程度のリスク分析が行われているのか、確認をしたいと思います。

宮内政府参考人 税関におきましては、出港前報告制度等の導入により、積み荷に関する事項の事前報告を義務づけておるところでございます。

 出港前報告制度等により日本に到着する前に入手いたしました輸入貨物に関する情報を税関で保有する各種情報と照合いたしまして、ハイリスク貨物の選定に活用し、輸入貨物の取り締まりを実施しているところでございます。

 お話にございましたとおり、今月、三月一日から、海上コンテナ貨物を対象とした出港前報告制度の運用を開始いたしました。これまでのところ、おかげさまで順調に運用しているところでございます。今後、報告される内容の精緻化をさらに図りまして、リスク判定の精度を向上させていくことにしたいというふうに考えております。

 航空貨物に関しましては、入港前の報告制度というものがございます。機長から本邦の空港に入港する三時間前に貨物についての報告を受けるという仕組みがございます。

 いずれにいたしましても、これらの制度は、国際的な物流セキュリティー強化の観点から重要なものであると考えております。円滑に運用を進めていく考えでございます。

鈴木(克)委員 最後の質問になるかもしれませんけれども、次に、関税等の適正、公正な課税について伺いたいと思います。

 平成二十六年度の関税収入は一兆円程度と見込まれております。国税収入に占める割合としては二%程度ということなんですが、しかしながら、税関における賦課徴収は、関税のみではなく、輸入貨物にかかる消費税等も対象となっておりまして、例えば平成二十三年度の実績で見ますと、税関で収納した関税、消費税等は五・六兆円となっております。これは国税収入の約一二%にも及んでおります。

 したがいまして、税関は、水際取り締まりのための機能とともに、税の徴収機関としても大変重要な役割を担っているということであります。

 このために、関税等の賦課徴収に当たっては、十分な適正性や公平性の確保が求められるわけでありますが、一方では、グローバル化の進展等に伴う税関業務の増大や複雑化などの状況があります。例えば、現行の関税率の設定数や関税分類が膨大な数に及んでいることに加え、各国とのEPAの発効に伴い、原産地証明の確認手続等も急増していると考えられます。

 こうした状況の中にあって、税関においては、事前教示制度の活用それから輸入事後調査などの取り組みによって適正、公正な課税の確保に努めているとのことでありますが、こうした取り組みの具体的な内容とともに、その効果についてお伺いをしたいと思います。

宮内政府参考人 まず、事前教示制度についてでございますが、事前教示制度は、輸入貨物の関税率、原産地、課税価格の決定方法等につきまして、輸入者等があらかじめ税関に対して照会を行い、その回答を受けることができる制度でございます。その中で、文書による照会に対する回答書につきましては、輸入申告の審査の際に尊重されるということになっております。

 この制度を利用した場合には、事前に輸入貨物の関税上の取り扱いについて知ることができるため、輸入者の予見可能性の向上につながるというメリットがございます。また、輸入者が事前教示回答書に沿った適正な輸入申告を行うことにより、税関での審査も効率的になるということで、速やかな通関が可能になるということがございます。

 事前教示の回答件数は、直近、平成二十四年に八万三千百一件ございます。うち、文書によるものが七千三百六十六件、口頭のものが七万五千七百三十五件あるところでございます。

 次に、輸入事後調査についてでございますが、税関では、輸入許可後に調査を行うということも、通関時の審査、検査のほかにやっております。そういうことで、輸入される貨物の迅速通関と適正課税の確保に努めているというところでございます。輸入事後調査は、輸入許可後における税関による税務調査でございます。

 具体的には、輸入者の事務所等を訪問いたしまして、帳簿書類等を調査し、輸入貨物に係る納税申告が適正に行われているかどうかを確認しまして、誤りがあることが判明いたしますれば、是正するとともに、適切な申告の指導を実施しているところでございます。

 近年の輸入貨物の増加等を背景とした輸入通関の迅速化に対する要請、また貿易取引形態の複雑化等に伴いまして、輸入事後調査の果たす役割は年々大きいものになっていると思います。

 その実績でございますけれども、平成二十四事務年度、これは二十四年の七月から昨年の六月まででございますが、全国で四千九百六十の輸入者に対して事後調査を行いました。このうち約七割、三千四百二者に申告漏れ等がございました。申告漏れに係る関税及び内国消費税の追徴税額は、この一年間、過去最高額の約二百九十九億円となっているところでございます。

鈴木(克)委員 時間が参りましたので終わりますが、先ほど申し上げましたように、税関で収納した関税そして消費税等は五・六兆円ということで、国税収入の約一二%という本当に高額に及んでおるわけであります。

 したがって、最後に麻生大臣にこのことについて伺おうと思ったんですが、時間がなくなってしまいましたのでそれは割愛をさせていただきますけれども、いずれにしても、水際作戦を含めて大変重要な部分でございますので頑張っていただきたい、このことを申し上げて、私の質問を終わります。

林田委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

林田委員長 これより両案を一括して討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 まず、関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

林田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

林田委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、寺田稔君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、日本共産党及び生活の党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。古本伸一郎君。

古本委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。

    関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。

 一 東日本大震災により多大な被害を受けた地域における復旧・復興を図るため、被災者の状況に十分配慮した税関手続の弾力的な対応に引き続き努めるとともに、被災地域の物流・貿易の円滑化、活性化に向けた税関による支援策を積極的に実施すること。

 一 最近におけるグローバル化の進展等に伴い、税関業務が増大し、複雑化する中で、適正かつ迅速な税関業務の実現を図り、また、薬物・銃器を始めとした社会悪物品等の国内持ち込みを阻止する水際において国民の安心・安全を確保するため、税関職員の定員の確保、高度な専門性を要する職務に従事する税関職員の処遇改善、機構の充実及び職場環境の整備等に特段の努力を払うこと。

以上であります。

 何とぞ御賛同賜りますようよろしくお願い申し上げます。

林田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

林田委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。財務大臣麻生太郎君。

麻生国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。

    ―――――――――――――

林田委員長 次に、国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

林田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

林田委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、越智隆雄君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、みんなの党及び生活の党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。越智隆雄君。

越智委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。

    国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。

 一 政府は、国際開発協会を含む国際機関への資金拠出を行うに当たっては、我が国の厳しい財政状況のもと資金拠出することに鑑み、出資のみならず融資による資金拠出を組み合わせるとともに、国際機関の活動並びに我が国の貢献について一層の広報、宣伝、情報公開を行うことにより、日本国民の理解を得るよう努めること。また、融資を通じた援助需要に機動的に対応し、効果的かつ戦略的な資金拠出となるよう配慮し、国際社会における日本の評価を高めるよう努めるとともに、資金使途や事業の成果について検証を行い、見直しを行うこと。更に、我が国の融資債権等の保全については万全を期すよう努めること。

 一 政府は、日本人の国際貢献機会を拡大する観点から、世界銀行グループを含む国際機関において日本人職員の登用機会を広げる活動をより進め、有能な人材が円滑に採用されるよう、民間企業からの出向機会の拡大、弁護士等法曹有資格者などの専門職及び社会科学のみならず自然科学を含めた修士、博士課程修了者の具体的なポスト獲得のための働きかけを行うなど採用段階における支援を行うとともに、継続的なキャリアパスの提示や任期終了者の交流機会の確保を含め国家として人材の確保、後進指導に努め、日本国内における人材育成を活性化させる方策を講じること。

以上であります。

 何とぞ御賛同賜りますようよろしくお願い申し上げます。

林田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

林田委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。財務大臣麻生太郎君。

麻生国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。

    ―――――――――――――

林田委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

林田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

林田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時四十三分散会


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